轟け!焦凍のplus ultra! (アンチエンデヴァー)
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父への憎悪
「お前の左側が憎い…」
優しい…優しかったお母さんが僕に熱湯をかける。
やめて!熱い!熱いよ!
「ああああ!!」
その日、僕は僕で無くなった。
轟 焦凍は転生者であると気付いた。
だが、生まれてから、ある時までは前世の意識が芽生えなかった。
そして、ある時とは、精神的に追い詰められた母親から熱湯をかけられた時、前世を思い出したのだ。
思い出した。と言っても、実際は彼の意識の上に上書きされたというか…まぁ、つまりはこれ以前の彼の記憶も持っているし、感情も残っている。
最後の感情は絶望。そして、憎悪と恐怖。
大好きであった母親からの仕打ちへの絶望。
そして、母をそこまで追い詰めた父への憎悪。
最後に、何か知らないものが入ってくる恐怖。
恐らく、最後のは、俺自身の事であろう。
こう思えば、彼の最期はあまりに悲惨だと思う。
俺は、彼への贖罪も含めて、「僕」の夢を「俺」が代わりに果たそうと思う。きちんと、責任を持って。
母親が僕に熱湯をかけた後、父親らしき人は急いで病院に俺を運んだ。
母親よりも先に俺をだ。
僕だった頃に使えたものは俺でも使えるらしく、俺は急いで氷を作り出して、冷やしたため、火傷痕こそあるものの致命的ではないのは一目瞭然だ。
それに、俺はこいつを知っている。エンデヴァーだ。炎を扱う人間が、火傷について知らないはずがない。
俺なんかより、そこにいる母親のメンタルケアを急ぐべきだ。
なのに、母親に対しては、まるで余計な荷物のように蔑んだ目で見ていたのだ。
前世で憧れたあのヒーローとは思えない。
病院に連れていかれた俺は、特に後に響くような怪我はなかったが、大事をとって短期間だけ、入院する事になった。
ちなみに、母親は姉の冬美という人が病院に運び、本来自宅ケアになるはずが、父親が強引に入院させた。そして、俺の病室では、
「さすが、我が息子だ。熱湯を被っても適切な対処で一切の後遺症すら残さないとは。
それにしても、あいつは何をしているんだ。焦凍を産んだ今、あいつは自由にしていいのによりにもよって焦凍に…」
俺の沸点は爆発しそうだ。
前世ではあんなにかっこよく見えたトップヒーローなのに、現実が無理矢理個性婚をして、孕ませて、才能ある奴が生まれた瞬間用済み…
「ふざけんじゃねぇぞ。」
「ん?」
「…クソ親父…俺はトップヒーローになって、お前の仕出かした事を世間に知らせる。俺の出生の秘密からお前がやってきた母さんへのDV的行動。その他諸々暴露して、絶対に社会的に追い詰めてやる。まあ、多分逮捕は無いから安心しろ。
なに、老後がちょっと生きづらくなるだけだ。
せいぜい老後に怯えて金でも貯めときな。」
「ほう…まぁ、やれるものならやってみろ。」
気持ち悪い笑顔を浮かべつつ、そう言い残して病室から出ていくクソ親父。
それを、俺は憎しみのこもった目でただ見ていた。
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最初、職場で聞いた時はまさかと思った。
そして、急いで帰ってみたら実際に事が起こっていた。
俺はすぐさまあいつを突き飛ばし、焦凍をみた。
大事な物に傷が付いてしまったら困る。
…幸いに焦凍自身が適切な処置をして、重症にはならないだろう。
だが、万一の事があるため、病院に連れていく事にしよう。
……クソ。こんな事が起こるならあいつとさっさと離婚してついでに焦凍以外も押し付けておけばよかった。
ーー。
病室で焦凍の言葉を聞いた時、思わず笑みが零れた。
それでいい。
俺への憎しみを糧にオールマイトを超えろ。
さっきはいらぬ事をしてくれたと思ったあいつだが、最後にとてもいい土産を置いていってくれたものだ。
本来焦凍を産んでからは用済みであったが、何がいい方向に作用するかはわからないものだ。
あの目なら、もっと強くなる。
焦凍よ、今はその憎しみを滾らせておけ。
やはり俺は薄笑いを浮かべながら、病室を出た。
等々力君火傷補正がかからないから、余計にイケメンに?
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特訓と受験と個性把握テストを一息に駆け抜ける。
ですから、今回はそこまで一気に書きました。ガバガバですがよろしくお願いしますm(__)m
あいつの力はかりない…というわけにはいかない。
俺はまだガキだ。ガキが一人で特訓なんて出来るわけがない。
だが、あいつの力は借りたくない。
二つの思いが交錯する中、妥協点としてあいつから土地だけ借りた。
今までは、虐待まがいの指導をしていたのに、何故かすんなりと許可をくれた。滅多にないことだが、一応感謝をしておこう。
さて、だだっ広い土地にポツンと俺一人。
個性の特訓といっても、前世の経験から作るイメージを実践してみるだけだ。
丁度、前世の俺がそうだったように、没個性や無個性な人なら誰にでも特に小学校高学年〜高校生の間の人に多いが、もし僕の個性が〇〇だったらこうするという妄想をよくするのだ。
例えば、オールマイトなどのように増強系の極致。
例えば、あいつのように強力な発動系の個性。
あるいは、猛獣になれる異形型の個性。
特に、俺は発動系の妄想を多くしていて、当然、半冷半熱のようなまさしく僕の考えた最強の個性的なこれは妄想していた。
その妄想を現実に出来るか?実験する。
結論から言うと、かなりの部分で出来た。
ただ、残念ながら妄想の必殺技は文字通り必ず殺す技になってしまい、ヒーローには御法度である。
何となく興が削がれた俺はひたすらにコントロールの術を練習して、氷の上で動くのに慣れるためという名目でアイススケートを楽しんでいた。
メキメキと個性の技術とスケートの実力を上げ、気付けば中学3年の秋。雄英の推薦入試が始まろうとしていた。
メタ的な事を言うと、急すぎるのかもしれないが、考えてみてほしい。
7年間分ずっと、今日は個性の特訓をした まるという文章を受け入れられるだろうか。いや、そんなはずはない。
さて、推薦入試だ。
推薦入試は1%の筆記と90%の実技で決まる。残りの9%は人柄な。
さて、大部分を占める実技試験だが、試験内容は個性の力と少しの応用力を計ると言うだけだ。
変な部屋に呼ばれ、自分の個性をプレゼンテーション。
更に、制限時間内に自分が出来る精一杯の事をやる。
まあ、言われてみれば納得する。
力≒個性の凄さだからな。
ちなみに俺は施設内を全て氷漬けにした後、炎で溶かして水蒸気にして、再度それを凍らせる事で、ダイヤモンドダスト的なものを再現した。
見た目の派手さや美しさはこれが俺の出来る最大限だ。
まぁ、まるで威力はないが。
筆記試験はこの子無駄に頭がいいのか、前世では解けなかった問題もスラスラ解けたし、手応え的にも多分問題ないだろう。
後、恐らく何処かで見られていたであろう人柄も、自分はいい人に見えるよう立ち回っていたし問題ないはずだ。
1ヶ月後
試験の結果が郵送されてきた。
合格であったようだ。
冬過ぎて春もちょっと過ぎて4月。
雄英の入学式の日となった。
昨日は姉さんと二人で母さんの病室を訪ねて、母から頑張ってね!って言われたから元気100倍だ。
姉さんに行ってきます!と柄にもなく大声を出し、雄英に登校する。
雄英高校についた。
クラス分けは1ーA
教室にも問題なくついた
ガラガラガラー
扉を開けて見ると、金髪のツンツンした人とメガネかけた委員長風の人が喧嘩してる。
こう言うのはなるべく火元から離れるに限る
急いで着席した。
「あのー。初めまして。失礼ですが、お名前は…?」
そこでなんと!隣の人が声をかけてくれた。
やべぇ、かなりの美人さん。
コミュ障を押し殺して、頑張って声をだ「はい、君たちが静かになるまで8秒かかりましたー。合理性に欠くねー」
その後、体操服を渡してグラウンドに集合という指示が出て、相澤という先生は何処かへ行ってしまった。
声を出せなかった…
「流石ですわ!最初、なんで返事をしないのだろうと困惑をしておりましたが、成る程、先生の事に気付いておられたのですね。失礼な気持ちを抱いてしまい申し訳ありませんでした(ペコッ」
なんか、勘違いされてる…
inグラウンド
先生からテスト実施とそれの概要説明。それから最下位除籍という事を聞いた。
ただいま俺は珍しく女子と喋れている。
「まったく、皆さんは焦りすぎですわ。除籍なんてあり得ない事を真に受けるなど…」
「いいや、先生の言っていることは半分本心だよ。僕は家の関係で色々な情報が入ってくるんだが、その中に昨年度の雄英の1年生のあるクラスはほぼ丸々除籍されたって話を小耳に挟んだんだ。それが事実だとすると、あながちこの試験では抜いてられないよ。」
「そうでしたの…ですが、常に下学上達。一意専心に挑めばきっとなんとかなりますわ。」
「まぁ、お互いに頑張ろうね。」
「もちろんですわ。」
この八百万さんは何と推薦合格組だという。
その縁もあって何故か仲良くなれた。
コミュ障の謎① 仲良くなった人とは無駄によく喋れる。
証明されたな。
さて、個性把握テストだが、基本は凍らせてその上を滑ったり、炎の熱風で遠くに飛んだり飛ばしたりとどの分野もなんだかんだで応用の効くものが多く、基本各テストで2〜4位を取ることが出来た。
途中、緑色のモジャ君がソフトボールを投げる時、相澤先生がなんか指導的なのをしていたが、何だったのであろうか。
「んじゃ、結果をパパッと発表。」
お、俺は2位だ。1位は八百万さんか…んで、最下位は緑谷…ああ、あのモジャ君か。
「あ、最下位除籍は嘘ね。生徒を鼓舞する合理的虚偽」
先生め、やりおるな…
in放課後
「八百万さん1位おめでとう。凄いね。」
「あら、ありがとうございます。轟さん。ですが、今回は相性が良かっただけですわ。逆に、今回のテストでは全てにおいて、相性が適しては言えるとは到底思えないのに2位の轟さんの方がすごいと思いますわ。」
「うーん。そうかなー。でも、結果は八百万さんの下だからね。
次は負けないからよ。」
「うふふ。楽しみにしていますわ。」
聞いた?美人さんがうふふって言うところ初めて見たよ。
「轟さん。今日はこれで終わりみたいですから一緒に帰りませんか?」
「もちろん。」
女の子と二人歩いて下校っていいよね。
「では、お乗りください。」
八百万さんが出した(作った)のは、原付きバイク。
「あの…ごめん、俺原付きとか小型の免許持ってないんだけど…」
「ええ、ですから後ろにお乗りください。安心してください。私は免許を持っていますし、これは75ccですし、二人乗り出来る強度もありますから、法律的にも大丈夫ですわよ。」
法律的には…でも、まあ仕方ないか…?んん?なんかおかしくねぇか。やべぇ分からなくなってきた。
「では…失礼します。」
八百万さんからヘルメットも作ってもらって、八百万さんの後ろに座る。
「もっと掴んで貰わないと危ないですわよ?」
この娘羞恥心とかは無いのだろうか。
ええい、どうにでもなれ!
「では、お送り致しますので、場所を教えてください。」
あれ、普通はこれって立場逆だよな…
小型の免許とろう……
とりあえずヤオモモ教に入ろう。
(作者はヤオモモと耳郎ちゃんと拳藤さんが好きです。)
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