GOD EATERⅠ・Ⅱ REEAT (神倉棐)
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プロローグ
神喰いの英雄譚の始まり


 

────◇─1─◇────

 

 

訓練場

 

────さて、ようこそ……人類最後の砦『フェンリル』へ

 

今から対アラガミ討伐部隊『ゴッドイーター』としての適合試験を始める

 

少し肩の力を抜きリラックスしたまえ

その方が良い結果が出やすい

 

では心の準備ができたら中央のケースの前に立ってくれたまえ────

 

 

俺は覚悟を決める。右手を握り締める握力が少しだけ上がった。

 

カツ、カツ、カツ、カツ……

 

金属製の床に足音がやけに大きく聞こえ、俺は『神機』の置かれた朱色のケースの前に立った。

 

「……ふぅ」

 

息を1度吐き、冷静を保とうと心を落ち着かせる。

俺は手を『腕輪』と『神機』の上に置いた。

 

カシュンッ

 

ケースが上から閉じ、腕に腕輪が装着され何かが注射された。

 

「ぐっ、があぁぁぁっ⁉︎あ⁉︎」

 

激痛が腕を中心に全身に走る。今まで感じた事の無い痛みに意識が飛び掛けた。

 

……当たり前か、何せ『人』を『偏食因子』で無理矢理『人』でない存在に造り替えてるんだから。

 

「ああっ⁉︎ぐぅっ、うう……はあ、はあ、はあ……」

 

パシュ───

 

ゆっくりとケースが開き俺は手にした神機をふらふらになりながら掲げる。腕にくっ付いた『腕輪』と神機は正常に接続された様だった。

 

 

────おめでとう、君がこの支部、『フェンリル極東支部』初の第2世代『新型』ゴッドイーターだ

 

適性試験はこれで終了だ

 

次は適合後のメディカルチェックが予定されている

 

始まるまで、その扉の向こうの部屋で待機してくれたまえ

また気分が悪いなどの症状がある場合は、すぐさま職員に申し出るように

 

期待しているよ────

 

 

そう言ってアナウンスは切れた、俺は片手で神機を持ち上げつつ考える。

 

……本当に『GOD EATER』の世界に転生したんだ、と

 

 

 

────◇─◆─◇────

 

 

 

???

 

知らない天井……天井かこれ?まぁ……知らない天井だ。

 

『……おーい、起きてる?』

「…………今起きたところだ」

『なら良かった、じゃあ少しお話しようか。ほらほら起きて』

「……おう」

 

俺は目の前にいるちんちくりんの少年(?)に言われた通り体を起こす。あれ?俺はどうしてここにいるんだっけ?

 

『あ、今『どうしてここにいるのか』って思った?良いタイミングだね、それについて話すつもりだったんだよ』

 

思考を読んだのか?この小ちゃいのは?

 

『酷いね〜、小ちゃいって一応コンプレックスなんだよ?』

「……読んだな、悪い、思っただけで言うつもりは無かったんだが思考を読まれたならしかないだろう?」

『まあ、そうなんだけどさ。もう、脱線したから話を戻すね!君は死んじゃいました』

「…………テンプレだな〜、死因は……通り魔から久しぶりに再会した幼馴染を助けて刺殺か。……こっちはテンプレでは無いな」

『……あっさりしてるね君、死んじゃったんだよ?もう生きられないんだよ?』

「まあそうだな。ショックは受けたよ、故年17、たった17年の人生だったけど後悔はしないようにって1日1日精一杯頑張ってやってきたからね。それに最後は誰かを守って逝けたんだ、悪くはない我ながら人生だったとは思うよ……でも」

 

変わらないものは無い、だからこそ日常が突然非日常にすり替わってしまう事があると理解し、決して幸せになれる訳ではないのだと知っていたからこそ俺はせめてほんの少しでも自分が『今』を生きた証を残したくてがむしゃらになって生きてきた。……そう、生きて『きた』のだ。

 

「でも……後悔はしている、それにまだ生きたかった、生きたかったさ。まだ生きて誰かと一緒に生きてそして満足して死にたかったよ……」

 

たった17年、されど17年、短くも長くも人によって異なるだろうが彼にとっては短かった。

 

『生きたい?』

「生きたい」

『例えどれだけ辛くとも?』

「ああ」

『後悔する事になっても?』

「いくらでもしてやる」

『もしかしたら今よりも酷い人生を歩む事になるかもしれない、それでも君は『生きたい』?』

「生きたい、俺は『明日』が欲しい」

 

俺の答えに少年は満足気に微笑む。

 

『「明日が欲しい」……か、良い答えだ。ようやく人らしい、年相応の君が見れたよ。だから君に『明日』をあげよう。君にはもう一度君の物語(人生)の主人公をやってもらう、『GOD EATER(ゴッドイーター)』そう言えば分かるよね?』

 

俺は頷いた。

 

『君には空想(ゲーム)じゃない物語(現実)の主人公になってもらう。君のやっていたPSviteのデータを基にした15歳の肉体に入ってね』

 

そう言って少年は指を鳴らす。何も無いところから俺が使っていたキャラそのままの容姿をした少年が現れた、もちろん服はフェンリルで支給される制服を着ている。

 

『『巫咲 ソラ』これが君の新しい姿だ、コードネームはゲームのままの『win』。思ったんだけどこの『win』って願掛け?』

「いや、それもあるが元々俺の名前は『翼』だろ?英訳すれば『wing』、コードネームを入力する時に入力ミスをして『win』になってそのままなんだ。確かに『win』の意味は『勝利』だからちょうど良かったっていうのもあるんだけどね」

『へえ〜、なるほどね』

 

少年は納得したかのように頷いた。

 

『特典の方はこちらで勝手に決めとくね、その方が君には良さそうだから』

「頼んだ」

『りょーかい、じゃあ今から『君』を『巫咲 ソラ』に定着させて世界に送るね』

 

暖かな光に包まれ、次の瞬間には『巫咲 ソラ』の中に入っていた。手を握ってみたり開いてみたりする。うん、問題無い。

 

『最後に忠告って言うか助言だけど、君の生きる世界は『ゴッドイーター』の世界であってそうでは無い世界だよ。だから君が知る通りの道筋を通る訳ではないし、間違いなくそこに生きてる人は間違いなく『生きてる』んだ』

 

少年は真面目な顔を見せる。

 

「…………」

 

何が言いたいのか、それはつまり世界を『ゲーム』としてではなく『現実』として見ろと言う事だろう。ゲームに出てこない、名前のないモブキャラであろうともそこでは彼らは彼ら自身の名を持って生きているのだから。

 

「……その忠告、しっかりと胸に刻ませて貰う」

『いってらっしゃい、『巫咲 ソラ』君。今一度始まった君の物語に祝福のあらんことを』

 

 

 

 

こうして、彼の物語は始まった。

 

 

────◇─◇─◇────

 

 

CHARACTER(キャラクター) ENTRY(エントリー)

 

NAME(名前) 巫咲(かんなざき) ソラ

CODE NAME(コードネーム) win

・性別 男性

・年齢 15

・身長 165㎝

・ヘアスタイル スタイル36

・アクセサリー はねっ毛(あほ毛)2(黒)

・共通アクセサリー ピアス1(左耳に銀)

・ヘアカラー 黒

・フェイス 13

・アイカラー ブラック

・スキンカラー 色白

・ボイス 自声

 

 

────◇─◇─◇────



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無印(?)時代
極東支部配属と新兵3人組


 

────◇─2─◇────

 

訓練場から出てくると俺はエントランスにやって来た。丁度今はみんな出払っているいるようでいるのは受付嬢さんと同年代くらいの少年だけだ。俺は一応その横に座る。

 

「ねえ、ガム食べる?」

「くれるならありがたく」

 

隣に座っていた茶髪の少年がそう言ってポケットを探る。

 

「あ、切れてた。今食べてるのが最後だったみたいごめんごめん」

「残念」

 

ちょっと欲しいなと思っていた俺は少し残念に思う。ま、仕方ない事だが。

 

「そういやアンタも適合者なの?」

「そうだよ、ついさっき適合試験を受けたばかりの新兵(ルーキー)だよ」

「じゃあオレと同じか、少し上っぽいけど……まあ、一瞬とはいえオレの方が先輩って事で!」

「ああ、構わないよ」

「よろしく!」

「よろしく」

 

そこにもう1人フェンリルの制服を着た人影がやって来る。

 

「あ、貴方達も今日適合した人ですか?」

「そうだよ、俺は一応『新型』、こっちの……」

「おう、オレは『旧型』だよ。アンタは?」

「ボクも『新型』です。よろしくお願いしますね」

「よろしく」「よろしくな」

 

3人が集まっていると階段から1人の女性が降りてくる。白い服を着て右手の腕輪には黄色のテープにより封印処置がなされており、左手にはクリップボードを持っている。1つ言いたいのだが……

 

露出度高過ぎませんか、極東支部の女性の人……

 

受付嬢の人はそうでもないがゴッドイーターの女性は皆やけに薄着か露出が多い服を着ている人が多いのだ。……防御力とか大丈夫なんだろうか?

そんな事を考えていると白服の女性が目の前まで来ていた。

 

「立て」

「え?」

 

隣の茶髪の少年は唐突過ぎて間抜けな声を出すが俺は『知ってる』のですぐに立つ。もう1人の新型の子も俺につられて立ち上がった。

 

「立てと言っている!立たんか!」

「ひいっ⁈」

 

茶髪の少年は弾かれた様に立ち上がった。

 

「これから予定が詰まっているので簡潔に済ますぞ。私の名前は『雨宮 ツバキ』、お前達の教練担当者だ」

 

彼女はそう言って手に持つクリップボードに目を落とす。

 

「藤木コウタ、巫咲ソラ、神薙ユウの3名ははこの後メディカルチェックを済ませたのち、基礎体力の強化、基本戦術の習得、各種兵装の扱いなどのカリキュラムをこなしてもらう」

 

そこまで言って彼女は1度言葉を区切り、俺達3人の目を真っ直ぐ見回した。

 

「今までは『守られる側』だったかもしれないがこれからは『守る側』だ。よってつまらない事で死にたくなければお前達は私の命令には全て『はい』か『Yes』で答えろ、いいな?」

 

その言葉に込められた重みに平和な世界でいた俺を含め2人も息を呑む。まだ圧倒的に覚悟が足りていなかったのだ。しかしあまりに沈黙していた時間が長かったので……

 

「分かったら返事しろ‼︎」

「「「はい‼︎」」」

 

少し怒られた。

 

「では早速だがメディカルチェックを始めるぞ。まずば巫咲、お前からだ。ペイラー・榊博士の部屋(ラボ)に一五○○までに行くように、それまでは3人共この施設を見回っておけ」

 

雨宮教官はそう言って2階にあるエントランスを指差す。

 

「今日からお前達が世話になるフェンリル極東支部、通称『アナグラ』だ。もうじき何組かの部隊が帰投してくるだろう、帰投してきたら上に居るメンバーに挨拶の1つもしておくように、以上だ」

「「「了解」」」

「ふむ、宜しい」

 

しっかりと『Yes』で答えたので彼女は少し満足気に頷くと用事があるのか1度席を外して行った。

 

「ま、取り敢えずオレ達だけでも先にしっかり自己紹介を終わらせとくか。オレ、コウタ。第1世代のアサルトが神機だ。趣味はバガラリーを見る事!」

「ボクはユウ、雨宮教官が言ってくれてたけどフルネームは『神薙ユウ』だよ。神機は第2世代の新型、刀身はショート、銃身はアサルト、盾はバックラーだね。宜しく」

「俺は巫咲ソラ、ユウと同じ第2世代の新型で……どう設定したっけ?」

「設定してないの?」

 

確か最初は自動的にロング、アサルト、シールドで設定されている筈だが隣にいる原作主人公(神薙ユウ)曰く既に個人用に設定されているのを聞いて今自分の神機がどんな設定になっているのか分からなくなっていた。

 

「そう言えば雨宮教官が言ってたけど装備とかは『ターミナル』っていう端末で確認できるらしいよ?してみようよ」

「そりゃ良いな、つー事で後輩ソラよ確認するが良い」

「はいはい、でも先に先輩方への挨拶が先。その後にね」

「「はーい」」

 

確かに気になるもののラボに行くまでの時間が若干押しているのもあり、先にこれからお世話になる事になる先輩方ベテランゴッドイーター達に挨拶する事にした。……ところでなんでそんなに君達息ピッタリなの?

まあ、そんなことは置いといて俺達は2階のエントランスに上がりそこにいた先輩方それぞれにひとりずつ挨拶していった。

 

 

……………数分後

 

 

「ふう、これで終わりかな?」

「ああ、さっきの人で終わりだと思う」

 

偶然エントランスにいた元ゴッドイーター、百田ゲンさんを最後にそこにいた先輩を一通り済ませた俺達は1階に戻っていた。

 

「色んな人がいたな」

「確かに、なんかおっかねえ人そうな人もいたけど……」

「それはコウタがいきなりタメ口で話し掛けたからだと思うが?」

「あ〜、それは確かに。いきなり先輩相手にタメ口は駄目だよね?」

「ぐっ……」

 

約1名挨拶早々「ちーす、よろしくお願いします先輩〜」とか言って先輩に青筋立てさせたおバカがいたが俺とユキさんは普通に挨拶をこなしたので問題はなかった。唯一問題があったとすれば寧ろコウタがなんでそんな挨拶の仕方したんだとユウに肘打ちされたくらいである。

そんなこんなで挨拶回りだけで約1名の所為で矢鱈と焦らされたりと色々あったが残念な事にエントランスにある大時計の針を見ればもう一五○○の5分前になっていた。

 

「あ、ヤバい。ラボに行く5分前だ」

「それはマズイね、早く行った方が良いんじゃないかな?ラボの場所だってボク達は良く知らないし……」

「ごもっともです。取り敢えず行ってくる」

「早く終わらせてこいよな、お前の神機の確認まだオレ達としてないんだからな!」

「分かってる、さっさと行ってきます」

「いってらしゃい」

 

俺はユウとコウタに軽く手を振りつつ取り敢えずエレベーターに向かう……っと、その前に、

 

「ちょっと済みません、榊博士のラボってどうやっていけば良いんでしょうか?」

 

1度しっかりカウンターで受付嬢さんにラボへの道順を確認しに行った。

 

 

 

 

なんとも締まらない気がしたのは多分気のせいだろう……そう多分、maybe……

 



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メディカルチェック

 

────◇─3─◇────

 

 

「失礼します」

「ふむ……、予想した10分遅れより726秒も早い。よく来たね『新型(巫咲)』君、今回の新人は礼儀正しいようだ」

「えっと……」

 

やって来るように言われた一五○○の2分程前に到着した俺に向け糸目で沢山の眼鏡を首に掛けた『GOD EATER』という物語に置いてキーパーソンともなる『星の観測者(スターゲイザー)』はそう言う。

 

「ふむ、私は『ペイラー・サカキ』、アラガミ技術関係の総括責任者……簡単に言えば主任だ。以後君とはよく顔をあわせる事になると思うけどよろしく頼むよ、出来れば『博士』とか『主任』とかで呼んでくれれば嬉しいかな?」

「え、あ、はい」

 

なにこのフランクさ……いや確かにゲームでもそうだったけど一応貴方隣にいる支部長に次ぐ偉さの筈だよね?威厳は何処行った?

 

口には出さないが俺がふとそう思ってしまったのはきっと悪くない……と思う。

 

「さて、と。自己紹介は済んだ訳なんだけど見ての通り、まだ準備中なんだ。と言う事でヨハン、先に君の用事を済ませたらどうだい?」

「サカキ博士、そろそろ公私のケジメをしっかりと覚えて頂きたい。それと彼が完全に困っているではないか……はぁ」

 

打って変わって此方はしっかりと威厳をその身に纏っている先程の適合試験で会ったばかりの支部長なのだが……やはりこの自由人の所為か何処か疲れ切った……そう、草臥れたサラリーマンかの様な雰囲気を一瞬だけだが纏っていた。御愁傷様です……。

 

「さて、適合試験ではご苦労だった。私は『ヨハネス・フォン・シックザール』、この辺りの地域のフェンリル支部を統括している。改めて適合おめでとう、重ねて言うが君には期待しているよ」

 

シックザール支部長はそう言って人当たりの良い微笑みを此方に向ける。……これだけを見たら事情(原作)を知らない人はきっと特に何も思わずに良い人っぽいなで終わるかもしれないが自分は事情を知ってしまっている、だからこそ今の俺にはなんとも言えない気分が漂っていた。

 

「彼も元技術屋なんだよ、ヨハンも『新型』のメディカルチェックに興味津々なんだよね?」

「貴方がいるから、私は技術屋を廃業にする事にしたんだ…………自覚してくれたまえ」

「本当に廃業しちゃったのかい?」

「ふっ……」

 

と、そんな事を考えている内に話は進んでいたらしい。サカキ……ここは本人が言ってた事だし『主任』にしとくか、サカキ主任が探る様にシックザール支部長に鎌を掛け掛けられた方は意味有り気に小さく笑うあの名場面をその目の前で目撃する事ができた。

 

「さて、ここからが本題だ。我々フェンリルの目的を改めて説明しよう、君の直接の任務はここ極東地域一帯のアラガミの撃退と素材の回収だが、それらは全てここ前線基地の維持と、来たるべき『エイジス計画』を成就する為の資源となる」

 

(「ほう⁈この数値は……」)

 

「…………」

 

「エイジス計画とは簡単に言うとこの極東支部沖合い、太平洋の旧日本海溝付近にアラガミの脅威から完全に守られ隔離された『楽園』を作るという計画なのだが……」

 

(「おおっ‼︎これは素晴らしい……」)

 

「………………」

 

「この計画が成就されれば少なくとも人類は当面の間だけだが絶滅の危機を遠ざける事が可能となる筈……」

 

(「凄い、凄すぎるぞ‼︎)(これが新型……いや君だからこそなのか?」)

 

「……………………」

 

「ペイラー、説明の邪魔だ。少し静かにしてくれないか?」

 

話の途中途中に割り込んでくるサカキ主任の独り言に一々話がぶった切られる事に少し苛立ったのか支部長はサカキ主任に少し苦言を呈する。

 

「ああ、ゴメンゴメン。ちょっと私の想定以上の数値に舞い上がっちゃったんだ。済まないね」

 

が、しかしそれをどこ吹く風とばかりにペイラー主任はあっさりと流してしまった。この自由人めぇぇえ……支部長、ホント御愁傷様です……ハイ

 

「ふぅ……ともあれ、人類の未来の為だ。尽力してくれ」

「了解です。シックザール支部長」

 

何がともあれなんとか最後まで話し締めくくる事のできた支部長に俺は敬意と尊敬と共に敬礼を捧げる。……取り敢えず警察式の敬礼だけど大丈夫なのだろうか?不安に思った俺だったがそれを見た支部長は少し表情を明るくして笑ってくれた。……多分これで良かったのだろう。

 

「じゃあ私は失礼するよ。ペイラー、後はよろしく頼んだ。それと終わったらデータは送っておいてくれ、彼に迷惑は掛けないように」

 

俺のすぐ隣を通り過ぎ出て行く支部長にサカキ主任は1度キーボードを叩く手を止め、その手を挙げる事で答えると再びすぐにキーボードを叩くのを再開する。そしてそのすぐ後漸く準備は完了した。

 

「良し、準備は完了だ。隣室にあるベッドに横になって欲しい、少しの間眠くなると思う心配しなくても良いよ。次に目が覚めた時は君の部屋のベッドの上だ」

 

サカキ主任は自分が入るべきベッドのある部屋を指差し自分にそう伝える。

 

「なに、戦士の束の間の休息という奴だよ。予定では10800秒後……つまり3時間後一八○○頃終了予定だ」

「はい」

「君の次は君と同じ新型の彼女の検査が予定されている。まぁ……ゆっくりしておくと良いよ」

 

俺はベッドに横になりつつ彼の話を聞く。……なんだか急に眠くなってきた……。

 

 

 

「じゃあゆっくりお休み……君の戦いはこれからなのだから……」

 

 

主任がなにが言ったような気がする……だが俺は突然襲ってきた急激な眠気に負け結局彼が最後になんと言ったのかは聞こえなかった。

 

 

 

 

 

「誰よりも神機に愛されし神を喰らう者……か」

 

 

 

 

ペイラーの小さな呟きは誰にひとりにも届く事はなく、ひっそりと静寂へと消えていったのだった。

 

 



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装備と基礎訓練と

注意
盛大なキャラ崩壊があります。ご注意下さい。


 

────◇─4─◇────

 

 

翌朝メディカルチェックの後、新人区画の自室で目覚めた俺は取り敢えず配給の戦闘糧食(レーション)を朝食に囓りながらベッドの縁に腰を掛けて座り部屋の間取りを確認していた。

 

ベッドとターミナルが右にあって真ん中に部屋の扉と投影窓、左にソファーとテーブル、あと簡易キッチンか……ごく普通の極東支部では一般的な間取りだな

 

どうやらここ、物語(ゲーム)では主人公が使うはずの部屋らしい。いやまだ外の部屋の配置を確認してないから確かな事は言えないが恐らく俺の勘は正しいだろう。

 

「んじゃあ『神薙ユウ』の自室はどうなるんだ?」

 

そう、ここは本来原作主人公(『神薙ユウ』)が使うはずの部屋なのだ。つまりオリ主である自分がここにいるのはおかしいのであって正しい訳ではないのだが……未だ新兵(ルーキー)である巫咲ソラにはその理由は分からない。

 

『業務連絡、先日入隊した巫咲ソラ二等兵、神薙ユウ二等兵、藤木コウタ二等兵は本日九○○(午前9時)より基礎訓練(チュートリアル)を雨宮教官が行いますので訓練場に来て下さい。繰り返します、先日入隊した巫咲ソラ二等兵、神薙ユウ二等兵、藤木コウタ二等兵は本日九○○より基礎訓練を行いますので訓練場に来て下さい』

 

そう考えていた時、部屋にアナウンスが鳴ったのを聞いて俺は囓っていたレーションの食べ殻を握り潰しゴミ箱に捨てつつベッドの横にある電子時計に目を向ける。現在時刻七○○(午前7時)、あと2時間の余裕があった。

 

「うーん、基礎訓練(チュートリアル)って事は神機と訓練用のダミー(アラガミ人形)を使った動きとか使い方の基礎訓練か?って事は軽く体を動かしておくべきか?」

 

立ち上がった俺は壁のハンガーに掛けられていたフェンリル制服(黒)の上衣を掴み部屋を出る。そして出た瞬間部屋の目の前で原作主人公(神薙ユウ)出会っ(鉢合わせし)た。

 

「お、おう。おはようユウ」

「う、うん。おはようソラ」

 

突然の遭遇に2人して若干挙動が変になる。取り敢えずといった感じで挨拶していると出てすぐの左側の扉から眠そうなコウタが出て来た。

 

「うぁぁああ……お。おはよ〜ソラ、ユウ」

「おはようコウタ」

「あ、うん、おはようコウタ」

 

これで分かったが俺の部屋、やっぱり本来ならば原作主人公の部屋になるはずだったらしい。つまり右の部屋は次に来る新型神機使いの部屋なのだろう。

 

「で、何しに来たんだ?」

「えっと……、その……」

「ああ、アレじゃね?昨日お前の神機の装備確認しようって言ってけど結局しなかったから気になってきたんだろ?な?」

 

ところでどうしてこんな朝っぱらに状況からしてユウが俺の部屋に訪ねてきたのか疑問に思った俺がそう質問すると、その答えはユウではなく部屋から出てユウの背後までやって来ていたコウタから答えられた。

 

「え?あ、うん。そう、そうなんだ」

「わざわざそんな為に来たのか……、まあなんだ。入ってくれ、部屋にあるターミナルから接続して確認したら良いだろうし」

「ういっす、邪魔するぜソラ!」

「お、お邪魔します!」

「ようこそユウ、コウタ。2人の初めての来客に感謝するよ」

 

確かにそんな約束を昨日メディカルチェックの前に話していたのを思い出した俺は2人を自室に招いた。

 

「へぇ〜、間取りはオレの部屋と変わんないな〜」

「でもソラの部屋は綺麗だね、ボクの部屋は内装を変えたばっかりらしいから何もないんだけど」

「そう言えばユウの部屋は何処にあるんだ?というかどうやって俺の部屋を?」

 

話の話題が各自の個室と話になったので気になってた話をユウに振ってみる。

 

「ここの隣のエリアだよ、位置的にはソラと同じ位置。ここを知ってた理由は朝起きて暇だったから部屋から出たら雨宮教官に会って丁度良いから聞いたら教えてくれた」

「おい、雨宮教官。そう簡単に部屋教えちゃ駄目でしょう」

 

あっさり知りたい事を知る事ができたのだが雨宮教官、こんな朝っぱらに女性に男の部屋の場所教えて彼女が押しかけない(突撃する)とは考えなかったのですか……いや、考えないわな。普通訓練終わってから行くと思うわな。

結論、ユウはその辺(一般常識)絶対に抜けてると思います。(もしくはどうしようもなく純粋なのか)

 

「そんな事より早く確認しよーぜ!」

「そんな事ってな……はぁ」

 

そんな俺の悩みなど知った事かとコウタはもうワクワクし過ぎて待てないらしくさっさとターミナルを開くようにと俺を急かし出した。

いや君、今結構大事な思考をだね……え?ユウも早く見たい?……仕方ないね。

俺達はターミナルを3人で占拠し腕輪を突っ込んでアクセスする。

 

「お、入った。んでと、装備は……」

 

カタカタとキーボードを叩き装備等が記されたゲームで言う『戦闘準備』の画面を呼びたした。

 

 

刀身:フィンスタニス 極(ロング)

銃身:ステラスウォーム 極(スナイパー)

装甲:シンフォニー(シールド)

 

 

うん、俺がゲームのセーブデータの中で組んであった決戦用装備ですわ

 

「いや、駄目だろこれ⁉︎」

「わっ⁉︎なに、どうしたの?」

「……気にするな、少し色々おかしい物が見えただけだ」

「そう?」

「大丈夫かソラ?」

「ダジョウブさ……多分、maybe……」

 

神薙は少し気になるようだが素直に引き下がりコウタは心配そうな顔をしてソラの後ろで立っている。

確かに最後にゲームの中で出撃した時に装備してあったのはこいつだけど始めからこんな装備持ってたら色々ヤバいだろ⁉︎全部ストーリーボス系の素材から作ってるんだぞ?しかも最終強化までしてあるしゲームバランスぶち壊しじゃねえか。

……取り敢えずまず装備を変更する事から始めようと思う。無難に初期装備にしておけば良いか……

 

で結果、

 

 

刀身:ブレード(ロング)

銃身:ファルコン(スナイパー)

装甲:汎用シールド(シールド)

 

 

一応取って置いてあった初期装備をセットしたのだがこれも色々とヤバイ。これ前に友達と縛りプレイで初期装備での乱獲に出てたんだが調子に乗り過ぎてスキルが色々イっちゃった魔改造初期装備なのだ。具体的に言うと、

 

ブレード

ハイドアタックLv.10

駆除技術Lv.10

捕食体力吸収Lv.10

 

ファルコン

アスリートLv.10

バースト時間Lv.10

受け渡しバースト化Lv.10

 

汎用シールド

体力Lv.10

スタミナLv.10

オラクルLv.10

 

…………うん、これでも十二分にヤバいね。強くてニューゲームにしてもこれは酷い、チート通り越してバグだよコレ

 

「で、どうだったの?」

「ん、ああ。ロング、スナイパー、シールドだった」

「へぇ〜、って⁉︎なんでそんなに冷や汗かいてんだよ!何があった⁉︎」

「コウタ、知らない方が良い事だってアルンダヨ?イイ?」

「ヒィッ⁉︎Yes,Sir‼︎」

「そ、それ大丈夫じゃないよね?絶対大丈夫じゃないはずだよね?」

「ダイジョウブダヨ?ホントダヨ?」

「カタコトの時点で大丈夫じゃないよ⁉︎」

 

今日もユウのツッコミは冴え渡ってるね。え?今日が初めてだって?ははっ、そんな馬鹿な……

 

「はははっ、ダイジョウブ、大丈夫だよ?」

「ソラ正気に戻って⁉︎この後基礎訓練あるから!」

「大丈夫だよユウ、もう大丈夫だ」

「ソラ……」

 

 

 

 

 

基礎訓練中

 

 

「ハッハッハッハッハッ⁉︎甘いわ‼︎」

 

ザシュっザシュっ、ズッキューン

 

 

「イヤッホォォッ‼︎トリガァーッ、ハッピィー‼︎」

 

ズガガガガガっ、ドッカンドッカン

 

 

「全然大丈夫じゃなかったじゃないかぁっ‼︎ソラぁっ‼︎」

 

スパっスパっ、ズドドドドっ

 

 

 

「……うむ、なんだあの変態機動(ゲーム仕様の動き)?私が教える事ないんじゃないか、アレ。他の2人もアレ(トリガーハッピー+必死)新兵なのか?」

 

 

3人の余りの弾けっぷりに雨宮ツバキが頭を抱えたらしい……。

 

 

 

 

 

────尚、後日落ち着いた時にもう一度基礎訓練を実施した際にはちゃんとまともに戻っていた事にツバキが胸を撫で下ろしていた事を一応ここに明記しておく。

 

 



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新兵2人のリンドウとの初陣

────◇─4─◇────

 

 

あの色々あり過ぎた基礎訓練から3日後、出来れば思い出したくない黒歴史となった数日前の出来事を無理矢理忘却の彼方に追いやった俺とユウの2人組はアナウンスで呼び出されぽつんと2人で横並びになりながら人がほぼ出払って珍しくほぼ無人なエントランスのソファーを占拠していた。

 

「どうしたんだろうね?」

「さあ……、多分何かあるんだと思うけど……分からない」

 

実際にただ待っているだけというのは暇なので暇潰しに2人で駄弁っていると2階にあるエントランスから1人の男性が階段を降りて来ていた。

 

「あ、リンドウさん。支部長が見かけたら偶には顔を見せに来いと言っていましたよ?」

「OK、俺はここに来なかった。見なかった事にしといてくれ」

 

良いんだろうかそれ?

 

カウンターで仕事をしていたヒバリさんも毎度の事なのか苦笑いではあるが言われた通りそんな事は『無かった事』にする辺り、多分大丈夫なのだろう……うん、多分。

 

「よう、新入り諸君」

 

そしてその男性は俺とユウの前まで来ると片手を挙げつつそう声を掛けた。それに俺達はすぐに立ち上がり敬礼する。がそれに彼は「ま、そんな堅苦しくなくていい」と言って辞めさせると先ず自分について話し出した。が、

 

「俺は『雨宮 リンドウ』、形式上はお前達の上官にあたる……が、まあ色々と堅苦しく面倒くさい話は全て省略する」

 

いや、良いのかそれで?

 

それでだがまさかの名前だけ言ってあとは面倒だからと割愛してしまった。これには流石に俺とユウの心の声(叫びとも言う)も一致する。

いやいや普通はもっと階級とか所属とか先輩としてアドバイスとか色々あるんじゃないの⁈

 

「ん……ま、まあ取り敢えず、とっとと背中を預けられるぐらいに強くなってくれ、な?」

 

しかしその2人の思いが伝わったのか(実際は思いっきり顔に出でいた)若干引き攣った顔というか苦笑いを浮かべてリンドウはそう付け足しつつも頬を掻く。その後彼は改めて自分が第一部隊の隊長であり今回の任務(ミッション)『悪鬼の尾』における教導役である事を説明し、俺とユウも軽く自己紹介をして互いの確認を行った。

 

「あ、もしかして新しい人?」

 

と、そんな事をしていると2階エントランスにあるエレベーターからこれまたやたらと露出度の高い「何それ防御力どこ言った?」と言いたくなる(背中ヘソ出し大胆スリット)衣装を身に着けたショートヘアの美女が降りてくる、彼女は3人の姿を見つけ柔かに微笑みつつ此方側へとやって来た。

 

「へぇー、じゃあ貴方達2人が期待の新人さんなのね」

「あー、今厳しい規律を叩き込んでるんだからあっち行ってなさい、サクヤ君」

「了解です、上官殿」

 

そして俺達の顔を見てそう言った彼女にリンドウ隊長は有る事無い事言って追い返す。わざわざ嘘ついてまで追い返した理由とは如何に?

と、リンドウ隊長のした行為について真意を図りかねて首を傾げていると隣に立っていたユウから軽い肘打ちを受けた。

 

「ん?」

「……鼻の下伸ばしちゃダメ」

「ええ……そんなつもりはなかったんだけど……」

「……えっちぃのはダメです」

「えぇ……」

 

ユウの碧色の瞳が俺の黒色の瞳を見つめる。

……まあゲーム仕様の身体を持つ俺にも健康的な青少年男児として当然ともいえるそういった欲求はあるし彼女、サクヤさんは美人でしかも露出度が半端じゃなく高いのは確かな事実ではある、が流石に将来の目の前の人の人妻になる人をそんな対象に見るのは罪悪感が半端じゃないし申し訳ないのでそんな事ない様にしている。勿論意識して。

というかなんでユウはそんなむくれてるんですか?

え?なんとなく?……なんじゃそりゃ?

 

「こほん、とまあそういう訳で……だ。早速お前達には実戦に出て貰うが、今回の緒戦の任務には俺が同行する。まあ監視役兼助っ人役だな……っと、時間だ。そろそろ出発するぞ」

「「分かりました」」

そんなやり取りをユウとしているとリンドウ隊長は一度場の空気を整える為にワザとらしく咳を払う。ハッと我に返った俺とユウはすぐさまリンドウ隊長の方に向き直ると丁度任務出発時刻になったらしい、館内アナウンスで出撃準備が整った旨と輸送ヘリのいるヘリポートが指定される。

 

「さて、行くぞ」

「「はい!」」

 

3人は出撃ゲートへと向かった。

 

 

────◇─◆─◇────

 

 

フィールド 贖罪の街

 

そこは1つの大きな教会と市役所を中心とした数多もの摩天楼の生える街、かつて此処には幾万の人々が行き交い、出会い、その生活を営んでいた。しかしそれも今やアラガミの出現により白亜の鉄筋コンクリートのビルや紺碧のアスファルトの道路は喰われあのかつての美しくも妖しげな摩天楼の姿は見る影もなく、そこにあった美しいステンドグラスに照らされた教会と厳かに時を紡いだ大時計を有した市役所は出現当初僅かにも生き残った人々が生き延び暮らしていた最後の拠点であったがそれもアラガミの侵攻により破壊され遺されたのは砕け散った虹色に虚しくも輝く硝子の欠片とその時から時を紡ぐ事を止めてしまった針が7:30で寂しくも止まったままの文字盤だけである。

 

そんな、荒廃してしまったかつて人類により繁栄していたこの街こそが俺とユウの初陣となる戦場だった。

 

「ここも随分と荒れちまったな……」

 

輸送ヘリ(UH-1フェンリル専用カスタム機)から降り立ってすぐのちょっとした段地にて自らの神機を準備していると先に準備を終え自分の得物をその肩に担いだリンドウ隊長がポツリとそんな独り言を零す。

 

「よし新入り諸君、実地演習を始めるぞ」

「「はい」」

 

準備が整いそれぞれが神機を手に立ち上がると実際に神機を使いアラガミを討伐する実地演習開始前の最終確認を行った。

 

「作戦内容は機内で確認した通り、予め偵察班がこのフィールド内のアラガミは目標のオウガテイル2体以外は間引かれた状態だ。現在報告によると2体は(エリアE・F)西(エリアD・C)に別れて行動しており各個撃破は容易い、そこで2人には1体づつを主に1人での討伐に挑戦してもらう。大丈夫だ、危険になる前に俺も手を貸す予定だから訓練通りやればなんとかなる」

 

訓練通り、ゲーム通りにやればなんとかなる。そうかもしれない、実際基礎訓練の時は何とかなった。だがコレは実戦、訓練ではない。故に死ぬかもしれない、幾らゴッドイーター(人外)とは言えアラガミと比べれば儚くも脆い、圧倒的に弱い人間に、ヒトには違いない。幾ら覚悟を抱いていようと一生命体としての本能が恐怖を、緊張を抱いてしまうのは仕方ない事なのだろう。

 

「で、最後に言っておくが俺が第一部隊の隊長としてお前達に言う命令は3つだ」

 

そんな事を、そんな思いを考えていた俺とユウにリンドウ隊長はある命令を下した。

 

「死ぬな

死にそうになったら逃げろ

そんで隠れろ

運が良ければ不意を突いてぶっ殺せ

……あ、これじゃ4つか?」

 

「あ、折角カッコ付けたのにミスったな……」と言う顔をしたリンドウ隊長だったがそれもすぐに元通りの真剣な表情に戻る。だが俺達が初の実戦に緊張しているのを見抜いているからか最後はその緊張をほぐす為に笑い掛けてきてくれた。

どうやらベテランの大先輩には全てお見通しらしい。

 

「ま、とにかく生き延びろ。それさえ守れば、後は万事どうとでもなる。

さーて、おっ始めるか!」

「「はい!」」

 

俺達3人はリンドウ隊長を先頭にスタート地点である段地から飛び降り作戦エリアへと突入する。

 

こうして俺とユウの、ゴッドイーターとしての初陣が幕を開けた。

 

 

 



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