少しおかしなマインクラフトの中に!? (ペペロンテ)
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一縷草原に立つ

始めて此処で投稿します!ペペロンテです!ここでの処女作はまさかのマイクラです。いやー友達と考えてたらいてもたってもいられなくって(笑)
後モンハン要素は次回出そうかなと思っています。クリーパーはいつか?まだなんだよぉぉぉ!!!!・・・ゴホン、失礼しました。
ド下手糞ですが、これからお願いします!


「たっだいま~!」

 

そう言って俺こと綺堂一縷(きどういちる)は我が家に帰ってきた。バタバタと自分が通っている高校の鞄を置き、制服を脱ぎ捨てて半袖Tシャツと七分のズボンに着替える。いつもならもう少し落ち着いているのだが今日は違った。

 

なぜなら、

 

「やっとできるぜ~。マインクラフトってやった事無かったからな~」

 

マインクラフト。MojangABが開発したPCゲーム好きなら知らぬものはいないほど有名なゲームである。俺はこのゲームをやったことが無かったがつい最近友達に紹介されて買ったのだ。何をやってもいい、何でも作れる、戦闘もあるこのゲームの自由度に惚れ込んだ。

 

早速部屋のパソコンを点ける。見慣れた窓の形をした会社のロゴが現れ、自分のデスクトップが映し出された。トップ画面には東○の幽○の画像。良いじゃないか好きなんだもの!

 

「これを入れてっと」

 

マインクラフトと書かれたゲームソフトをパソコンに読み込ませると、ソフトが回る音が聞こえる。

 

「早くしろ~♪」

 

うきうきしながら待っていると画面がいきなり真っ黒になった。

 

「ん?読み込みか?にしては画面全体が真っ黒ってのはおかしいな」

 

不審に思いながらも待っているといきなり画面が光りだした!

 

「目が、目がああああぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

こんなときにもネタはできるもんなんだな。そう思いながら閉じてしまった目を開けると、

 

「・・・・・・・・・・・・は?」

 

何故か草原にいた。な…何を言っているのかわからねーと思うがおれも何をされたのかわからなかった…頭がどうにかなりそうだった…幻覚だとか、ドッキリだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…!

 

「ッてネタに耽ってる場合じゃねえ!なんだおい!」

 

そう言って周りを見るが人がいそうな場所ではない。草原と、木と、青々とした空と牛と豚・・・牛と豚ぁ!?

 

「俺が住んでたのはこんなど田舎じゃねえぞ!?どこだ此処!?」

 

周りを見渡す俺。そうすると近場の高台に箱があった。手がかりはこれしか無さそうなのでそこに向かってみるとそこには4本の松明に囲まれる様に配置されたいかにもな木の箱があった。

 

「・・・なんか見覚えあんなこの箱。主にあいつがやってたマインクラフトで。いやな予感がする・・・」

 

箱を開けてみると幾つかの木材と原木、石のピッケルと木の斧、パン3つ、棒3本とボロボロの杖が入っていた。

 

「何だこの紙?」

 

フムフム?『マインクラフトの世界にようこそ!支給品を用意しておきます。これからの暮らしに役立ててください。神のご加護が有らんことを・・・』・・・ええええええええええええええええ!!!!!!

 

「此処ほんとにマインクラフトの世界なのか!?うおおおおおテンションあがってきたあああああ!!!」

 

その後10分ぐらい狂喜乱舞してた。黒歴史確定だこりゃ・・・。

 

「っていってもアイテムとかどうすんだ?手持ちとかしんどいし・・・」

 

そんな黒歴史を増やした後、そんなことを言っていると紙には続きがあるのに気づき、限度を超えない限りは1スタック(64個)を一纏め(ピッケルなどは除く)とし、36まで入るバッグを支給したと書いていた。恐らうこの腰のバッグのことだろう。なんか目盛もついてるから、これが36になったら限界なのだろう。

 

これを見るといきなり音が鳴った。びっくりして音の原因のバッグを見ると表面に『実績解除!所持品の確認』と出ており、袋から虹色のオーブが出てきた。

 

「これって経験値のオーブだったよな?」

 

ジーッと見つめていると俺の体に吸い込まれるようにして消えた。

 

「俺の中に入った・・・?経験値になったのか?・・・まあいいや、先ずはこの荷物をどうにかしよう」

 

早速箱改めチェストの中身とチェスト本体、周りの松明4本を中に入れた。質量を完璧に無視した入り方は少し気持ち悪かった・・・。

 

「まずは原木集めからだったよな?木の斧でっと・・・おりゃ!」

 

俺が振った斧は綺麗に木に当たり、一撃で木が倒れた。

 

「うおう・・・ま、まあゲームの世界だしな。早くある程度伐って家造らなきゃモンスター沸いちまうしな。早くしよっと」

 

そういった直後、またバッグから音がなった。バッグを見てみると表面に『実績解除!木を手に入れる』となっており、さっきと同じように経験値のオーブが出てきた。そのオーブは俺の体に吸い込まれた。

 

「経験値って攻撃力にもなるらしいからこの機能は嬉しいな。ゲームじゃないしな。」

 

その後辺りの木を5、6本伐って半スタック分ぐらいはできたと思う。

 

「次は家造りだな・・・ってあれ羊か?確かあれ3匹狩ればベッドが作れたはず・・・」

 

だが俺は動物を殺したことが無い。虫はあるが大きい動物は触る機会も少ない。そんな俺にできるのか?

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

・・・決めた。覚悟した。そうして俺は持っていた斧で、

 

「あああああああああああああああああああああああ!!!」

 

羊に襲い掛かった。

 

「めええ!」

 

羊が俺のことに気がついたがもう遅い!

 

「はああああああ!!!」ザシュ!

 

俺の斧の攻撃をもろに喰らい、羊は倒れた。死体は消え、経験値のオーブと羊毛が残った。

 

「ハァハァ・・・この程度でうろたえるな。この世界にはゾンビやクリーパーなんかもいる。羊なんかでこんなことになっていたら生き抜くなんて無理じゃないか・・・!」

 

そう言って自分を奮い立たせ、まだ数匹いる羊達の中に突っ込んでいった。

 

 

 

「・・・家、作らなきゃな。忘れかけてた」

 

少しテンションが下がったが時間は待ってくれない。まだ明るいうちに家を作らなくては。ちょうどいい石の岩盤を見つけたので此処に穴を掘って洞穴式の住居を作ろうと思う。

 

「よいしょっと!」ガキン!

 

そして俺は石のピッケルで穴を掘り始めた。あ、間違っても「(「^o^)¬では無いからな!

 

          ~~~~~~~キングクリムゾン!!~~~~~~~

 

二時間ほどかかってようやく掘れた。なかなか広いと思う。(5×5×3位)石は1スタックと少し取れた。これで当分石には困らないはずだ。

 

「この次は、確か作業台を作るはずだ。えっと、こーやってこーやって・・・これでいいのか?」

 

適当に木材を組み合わせると作業台が出来、実績解除の音が鳴ってオーブが出た。

 

「うし。お、物の作り方は付属の紙に書いてるんだな。えっと、先ずはドアだな」

 

そう言って洞窟の入り口を見るとぽっかりと開いた入り口があった。これでは敵の侵入を許してしまう。

 

「えっと、木材をこうこうこうして・・・出来たぜ!」

 

ドアを取り付ける。これで敵は入ってこない、はず。

 

「次はベッドだな。こうこうこうっと・・・よし!」

 

羊毛と木材を組み合わせてできたベッドは寝心地が良さそうだ。まあ寝るのはまだ先だが。

 

「次は道具一式だな。木のピッケル、石のピッケル、木の斧、石の斧、木の鍬、木のスコップ、木の剣、石の剣だな。鍬とスコップは木だけでいいだろ」

 

~~~~暫くお待ちください~~~~

 

「うっしかんせー!実績も6個実績解除できたぜ!後は竈と食料か・・・。先に竈だな。こうしてこうしてこうやって・・・出来た!なんか手馴れてきたな!いいじゃんいいじゃん!」

 

これには原木を入れておいて燃料を木材にしてっと。

 

「食料取りにいってくるか。松明置いといてっと・・・んじゃ、行きますか!」

 

そして俺は外に繰り出した。

 

 

 

今の時刻ーーー午後2時ごろ

 

 

 




ふう、3000字近い文字は疲れるなあ。
まだまだということですね。精進します。
次回、食料を獲りに来た一縷に迫る青い影。それはマインクラフトでは絶対にありえない生き物で・・・?
『その名はランポス』お楽しみに~!


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その名はランポス

やっと投稿できました!
一度データがフリーズしてやる気を持っていかれたせいです。
後、初めて感想が来ました!見知らぬ人さん、ありがとうございます!これからも一生懸命頑張ります!
では、どうぞ!


どうも、綺堂一縷だ。俺は今食糧難を回避するために食料を探しているんだが・・・。

 

「さっきの牛と豚が見あたんねえ・・・」

 

そう、群れが移動したのかさっきまで牛や豚がいた場所には雑草しかなかったのだ。これには困った。家からあまり離れたくないんだが、食料がないことにはどうしようもない。

 

なんて事を言っていたが近くにいた。俺の目の前には丘があったんだがその向こう側に移動しただけだったのだ。・・・この群れすべて殲滅していいだろうか?

 

「食料は腐らないっぽいが乱獲っていいのか?スポーンするのかなこの世界って?」

 

牛のドロップアイテムに『皮』があったはず。それを組み合わせれば皮の装備が作れるが、量が要る。目の前の群れを狩れば一通りはできるだろうが此処はゲームであってゲームではないのだ。何かしらイレギュラーがあるかもしれない。食物連鎖が成り立っていたら如何しようという疑問があるのだ。え?羊にあんなにグロッキーになってたのに大丈夫なのかって?大丈夫だ、問題ない。(キリッ

 

・・・すんません。でも慣れたんだ。羊を5,6匹狩ったら耐性もついたし、俺も生きなきゃならんしな。

 

「・・・狩るしかねえか。すまんな大量の牛と豚よ。お前らがスポーンによるものだって信じてるぜ!」

 

そして20匹はいるゲームではありえない量の牛とこれまたありえないであろう10匹を超える豚の群れに向かって突撃していった。

 

 

~~~~~キングクリムゾンpart2!~~~~~

 

 

「お~痛ててて・・・。ゲームと違って攻撃してくるなんてな・・・。やっぱりゲーム知識を当てにしちゃ駄目だな」

 

まさか予想もしていなかった。あいつがやってたのでは牛や豚は逃げ惑うだけだったが流石リアル、突進という巨体を生かした技を仕掛けてくるとは・・・あなどれん!まあ全部狩ったが。肉はいいが野菜も欲しい。たしかリンゴとかニンジンとかスイカとかもあったはずだ。小麦もあるんだっけ?早く見つけられるといいな。食いたい。

 

まあそんなことはさておき。皮の防具を作らなくては!作るには作業台が要るが、

 

「持っててよかった作業台!」

 

此処に来る前にもう一つ作っておいたのだ!まあ原木も木材もある程度持ってきてあるんだけどね。(必要ないものや持っていかない原木は最初のチェストに入れて家に置いてきた)

 

「こうしてこうやってここを返してここを切って・・・できた!」

 

そうしてできたのは服と鎧の中間的なものが出来上がった。まあこんな見た目だけど丈夫だし多少の攻撃には耐えれるだろ。匠の至近距離のリフォーム喰らったらまず終わるだろうが。

 

早速着てみた。

 

「・・・まあ、いっか。鉄装備作るまでの我慢だな。ちっとゴワゴワしてんのが落ち着かないがダメージは多少マシにはなるだろうし・・・うん、早く鉄装備作ろう」

 

と俺は決意を固める。でもマジで落ちつかねえ・・・。

 

そして作業箱も回収して帰ろうとしたときに何処からか鳴き声が聞こえた。

 

「ん?なんだ?向こうみたいだな・・・剣を装備してっと」

 

バッグから石の剣を取り出し手に持つ。石といえども刃の部分は薄くしてあって切れ味は相当ある。これがあれば大体の敵は倒せるだろう。エンダーさんには少々役不足だが腐肉や匠ならば屠れるだろう。まあまだ日は昇っているが。まだ4時ぐらいだし。それはいいとして行ってみよう、そう思って草むらの影から見えた光景はマインクラフトではありえない光景が広がっていた。

 

「モオオオオオォォォォォ!!!」

 

群れから逸れたであろう牛が

 

「「「「「ギャオウ!」」」」」

 

5匹の青い鱗を纏った恐竜もどきに襲われていたのだから。恐竜といっても有名なTレックスみたいなものではなく、ラプトルのような外見をしていたがその恐竜もどきに俺は見覚えが有った。

 

「なんでモンハンの『ランポス』がこの世界に居んだよ!」

 

モンハン。正式名称はモンスターハンター。カプコンから発売され一時期ブームを巻き起こしたPSPの代表的ゲームである。その序盤で戦うことになるのがこの『ランポス』だ。俊敏な動きを生かした飛びつきなどを行使してくる上、このモンスターは群れで居るのだ。こいつらに囲まれて袋叩きにされたのはいい思い出だぜ・・・ってそうじゃなかった!

 

「まずい・・・ランポスは視覚や聴覚が鋭敏だったはずだ。もうすぐ気づかれるかも・・・あっ仕留めた」

 

色々考えていたうちにランポス達は牛を仕留めていた。そしてそのまま牛を食べるかと思えば俺の居るほうに向かって威嚇し始めた。どうやら気づかれたようだ。

 

「しゃあない、いっちょやるか!」

 

そう言って俺はランポス達に向かって駆け出した。ランポス達もバラけて俺の周りを囲んだ。

 

「はああああ!!!」

 

俺は正面に居たランポスAに近づき剣を振り下ろした。

 

「ギャオウ!」

 

だがランポスAはバックステップで綺麗に避け、そこにすかさず左右に居たランポスBとCが襲い掛かってくる。

 

「「ギャオオオオ!!!」」

 

「こ・・・のぉ!!」

 

それを俺は伏せてやり過ごす。そして右に来たランポスBに剣を突き出した。

 

「ギャアア!!!!」

 

「うるせえんだよ!死ねぇ!」

 

耳に響く劈き声を出し暴れるが更に奥に剣を突き刺し、そのまま一気に剣を振り下ろした。今度は悲鳴も上げずにランポスBは息絶えた。

 

「「「ギャオウ!!!」」」

 

そこに前にいたランポスA、左斜め後ろにいたランポスD、右斜め後ろにいたランポスEが一気に距離をつめてきた。ランポスCが力をためている所を見ると逃げ道をなくし、Cが止めを刺すつもりらしい。そうはいくか!俺はランポスAを切り裂き、前に転がった。

 

「あぶねぇ!だがもう終わりだ!」

 

俺は綺麗に横一列に並んでいた4体の首を切り裂いた。

 

「「「「ギャアア・・・ァ・・・」」」」

 

4体は悲鳴を上げて倒れ、全ての死体がオーブとアイテムになった。俺がそのアイテムを拾い上げて見ると『皮』のランポスバージョンと青い鱗だった。

 

「これってモンハンの『素材』か?なら防具とか作れんのかな?でも作業台のレシピには何も書いてなかったしな・・・」

 

とりあえずバッグに入れておくことにした。それにしてもなんでマイクラの世界にモンハンのモンスターが?何かあるのかもしれない。それにランポスだけとは限らない。モンハンにはそれこそ多種多様のモンスターがいる。さっきのランポスからラオシャンロンみたいな山ほどの巨躯がある奴、リオレウスなどのブレスを吹くものまで様々だ。たとえダイヤ装備で挑んだとしても勝てるかどうか・・・。

 

「・・・まあいいや、まず帰って荷物整理して寝よっと」

 

 

~~~~~少年帰宅中~~~~~

 

 

拠点に帰った俺は竈を3つに増やし、それぞれに牛肉、豚肉、原木を入れた。

 

「うし、これで暫くは食糧問題は大丈夫だな。この皮と鱗はチェストに入れて・・・と」

 

今のところ使い道は無いが、後で必要になるかもしれないからチェストに大事にしまっておく。

 

「やっぱ野菜と主食が欲しいよな・・・早く小麦とかニンジンとかとらなきゃな・・・。栄養バランス崩れる・・・まあ今は我慢だな・・・」

 

荷物の整理を終えた俺はベッドに倒れこんだ。

 

「疲れた・・・まあ色々あったしなぁ。いきなりゲームの世界に入り込んで生活するんだもんな。そりゃ誰だって疲れるわ・・・。もう寝るか。皮装備をはずしてっと・・・鉱石掘りとかは明日しようかな。周りに松明も置いたし、扉閉めたし、大丈夫だな。んじゃ、寝るか!」

 

そして俺の意識は夢の世界に沈んでいった。

 

「アウオオオオオン・・・・・・・・・!」

 

どこかで大きな獣の鳴き声が聞こえたような気がした。

 

 

 

今の時刻ーーー午後8時ごろ(一縷就寝)

 




今回も3000字です。頑張りました!ホメテホメテ(///^v^///)
これからは3000字を目安にして書いていきます。
ヒロイン?まぁだまぁだ先ですよ(泣)早く出したい・・・。
次回!鉱石を採りにきた一縷に腐肉の魔の手が!?
『ダイヤなんてあるのかな』お楽しみに~!

※前回のサブタイの元ネタは機動戦士ガンダムサブタイより『ガンダム大地に立つ』です。


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ダイヤなんてあるのかな

投稿できました!いまだにヒロインの気配がしない・・・出しますよ!?出しますから纏まるまで待ってください!絶対出しますから!
あ、サブタイを変えました。やっぱりサブタイぐらいは遊んでいいよね?前の1日目!とかの方が良い!と思った方は感想で仰って下さい!直す努力はします(うぉい!)
題名はこんなのですが採掘よりも戦闘の方が大きいです。あ、後前回の最後の鳴き声、なんだか分かりますか?モンハンのモンスターなんですが、これだ!と思ったモンスターがいれば感想欄にモンスター名をお願いします。勿論感想だけでも泣いて喜びます。
長々とすいません(汗)では、どうぞ!


色々あった昨夜から一日明けて、俺こと綺堂一縷は拠点近くの岩盤むき出しの崖に来ていた。何故かというとマインクラフトの醍醐味の1つである採掘をしにきたのだ。昨日のランポスなどのモンスターに対抗するならば石武器と皮防具でも無理ではないが、あのランポスの素材から装備を作れないから鉄などの装備を作るしかない。なら採掘するしかねえだろってことでピッケルも持てるだけ持ってきた。

 

鉄インゴッドが最低24個作れるだけの鉄鉱石がいる。更に武器やピッケルの分にも必要だから大量に要る。今日は掘った穴に篭りきりになるだろうと思う。とりあえずベッドと竈、作業台、食料や原木が大量に入ったチェスト、空のチェスト、松明1スタックを持ってきた。こんだけ持って来れば住めんじゃないかって?そう、拠点のとこにはドア以外何にも無くなった。もう引っ越そうと思ったのではない。ただ必要なものを持ってきたら何にも無くなっただけだ。だからもうドアも持ってきた。こっちに引っ越そうと思う。掘りながら住めるしね。

 

「うっしゃあ!掘りまくんぞぉ!うららららら!!!」

 

まず3×3×2の小さな空間を作ってそこに荷物を置いていく。入り口に松明とドアを設置するのも忘れない。そして奥の壁から俗に言う『階段掘り』をしていく。

 

「この世界に来てこの作業が疲れなくなったのはなんでだ?めちゃくちゃ力強くなってんな俺。すげえすげえ!どんどん掘れるわ!」

 

こんな調子で何回か掘ると黒い塊のようなものが出てきた。

 

「ん?これって『石炭』か?ラッキー♪これで燃料も楽になるわ。・・・5個ぐらいかな?この調子でどんどん掘ってくぜ!」

 

 

~~~~~3時間後 パッポ♪パッポ♪~~~~~

 

 

「・・・鉄鉱石でねえ!!!!!」

 

三時間掘って1つも出ないってどういうことだ!?洞窟にも出ねえし、石炭はめちゃくちゃ出るんだがなあ・・・もうちょいで1スタックいくんじゃね?まあ松明作れるからいいけどさ・・・。

 

「もう疲れてきた・・・。流石に疲れないってのにも限度があるぜ・・・飯にすっか」

 

そう言って俺はバッグの中からリンゴと焼き豚、近くの川で汲んだ水を入れた水筒(皮製)を取り出した。

 

「いただっきまーす!もぐもぐ・・・うめえ!こん中に入れとくと温かいまま保存できるんだな!リンゴもシャキシャキしてるし、水も冷てえ!リンゴは後3つしかないから無駄食いできねえな。早くスイカとか見つけて育てなきゃな」

 

全部食い終わった俺は階段掘りを再開する。と、なにやら肌色?のような鉱石が姿を現した。

 

「鉄鉱石キターーーーーーー(゜∀゜)ーーーーーーーー!!!これで勝つる!」

 

そこには鉄鉱石が!これは掘らなければなるまい!

 

「おりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!!!!」

 

とまあこんだけはしゃいだ結果8個だった。とりあえずバッグに入れてまた掘り進める。まだまだ足りないしな。後最低16個は要るな。はあ・・・まだまだだな。

 

~~~~~1時間経過~~~~~

 

「まあまあかな」

 

あの後鉄鉱石は10個出た。後6個要る。

 

「よいしょっと・・・ん?」

 

ピッケルの感触が妙に軟らかかった。暫くザクザク掘っていると大きな空洞に出た。

 

「おおお!これが噂の洞窟か!おっと、松明置いてっと」

 

そう言って辺りに松明を置いていく。ある程度明るくなったので見渡すとかなり大きな空間らしく、恐らく高さが10~15ぐらい、奥までは暗くてよく見えないが多分5、60はある。所々鉄鉱石や石炭が見えていてこれだけあれば余裕で装備を整えられるぐらいだ。

 

「早速掘るか!・・・うん?何だこの声?」

 

鉄鉱石を掘ろうとすると何処からかうめき声がしてきた。その声はどんどん近づいてきているようにも感じる。

 

「これって・・・まさか・・・」

 

そしてその声の主が姿を現した。一見人だが、皮膚が真っ青で所々内臓が見えており、全身に血が付着しているものーーーそう、ゾンビだ。

 

「ウエッ気持ち悪ぃ!こっち来んな!」

 

ゾンビに生理的嫌悪感を抱いた俺はバッグから剣を取り出し、無我夢中で斬りつけた。腐った体であるゾンビにその攻撃が回避できるわけも無く、そのままオーブと腐った肉をドロップして消えた。

 

「腐った肉って食ったら空腹状態になるんだっけか?・・・最終手段だなこれ。ってか初めてのゾンビだったのにサクッと倒しちまったな。まあ大方昨日の戦いで慣れたんだろうな」

 

とりあえず俺は周りの鉄鉱石と石炭を採って上に上がることにした。洞窟攻略の準備をしてこなくては・・・。

 

 

~~~~~カット!~~~~~

 

 

いったん地上に上がって荷物を整えた俺は再び洞窟へとやってきた。

 

「よし、この新しい鉄装備の俺には傷1つ入れられないぜ!・・・なんてな」

 

上で鉄鉱石を精錬してできた鉄インゴットで防具一式と武器を作ったのだ。それでもまだ10個ぐらいはあるのでチェストに置いてきた。この兜なんかなかなかの出来だと思う。と思っていた瞬間、俺の目の前に弓矢が突き刺さった。

 

「ってうおう!弓矢か・・・さては!」

 

俺が振り向くとそこには弓を構えている骸骨ーーースケルトンがいた。助さんの異名を持つこのモンスターは離れたところからでも弓で攻撃してくる厄介な相手だ。早速スケルトンは次の弓矢を番えて引き絞っていた。

 

「当たってたまるか!」

 

俺は射られた弓矢を姿勢を低くすることで回避するとスケルトンに向かって突撃し、剣を一閃した。

 

「はあああ!!!」シュラン!ガシャ!

 

俺の気合とともに振りぬいた剣をスケルトンはまともに受け、オーブとドロップアイテムになって消えた。

 

「ふう、だいぶ慣れてきたな。ってもこいつらは数が多いからまだまだ戦うだろうけどな。えっと何々?これは弓と矢だな。これは骨か・・・どうやって使うんだっけ?」

 

確か・・・骨粉にしたら植物の成長が早くなるんだったっけ?まあまだいらないか。俺はドロップ品をバッグにしまった。

 

「とにかく奥に行ってみるか。何かあるかも・・・スポーンブロック無いかな?」

 

この世界でトラップタワーを作るのは無理そうだがスポーンブロックの近くには宝箱がある。中には色々なものが入っていて当たりではダイヤなんかがあるそうだ。まあなかなか無いそうなんだが。

 

「無いかなーっと、あぶねえあぶねえ」ヒュッ!ザシュ!

 

壁の死角から襲ってきたゾンビを振り向き様に剣を一閃した。剣は綺麗に首に当たり、重力にしたがって首が落ち、やがてオーブとドロップ品だけになった。

 

「ふう、ゾンビは声が聞こえるから判りやすいけどクリーパーって声無いんだっけ。用心しなきゃな。ドロップ回収回収っと・・・よし、先に進むか」

 

慎重に周りを警戒しながら奥へ奥へと俺は進んでいくのだった。

 

 

 

「大分奥まで来たな・・・用心用心・・・っとまたか!」

 

奥からはもう何体倒したかが分からないゾンビだ。今度は4体で群れている。まだ気づかれてはいないが、4体同時は少しキツい。なのでさっきのスケルトンが落とした弓を使い、数を撃破することにした。

 

「くっ、ふぬぬぬぬぬぬ・・・」ギリリリリ・・・!!!

 

一撃で仕留めるために限界まで、しかし弓を壊さないぐらいに引き絞る。

 

「・・・・・・ハァ!」バヒュ!

 

放たれた矢にゾンビは気づくことも許されず胸を貫かれ、影にいたゾンビまで巻き込んで壁に縫い付けられた。残った2体のゾンビが周囲を警戒するがもう遅い!

 

「ヤッ!」ヒュ!バヒュ!

 

俺のはなった2発の矢は過たず(あやまたず)2体のゾンビの頭を貫き、ゾンビは脳漿をぶちまけて絶命した。いや、もう死んでるんだが・・・。

 

「うっし!中々いいじゃないか!スナイパースキルあるかも!」

 

初めてにしては上出来だったことに喜んでいると、不意に奥の暗闇から大きな足音がした。

 

「!?なんだ!?デカイ・・・!不味いな、物陰が無い。・・・そうだ!ピッケルで穴を開けて・・・!急げ!」

 

デカイ敵が来ることを悟った俺は即席で人1人が入れる横穴を掘り、中に入ると入り口を小さな隙間を残して石で埋め立てた。これで入ってこられないはずだ。

 

・・・・・・ズゥン・・・・・・!ズゥン・・・・・・!

 

「来る・・・!何だ・・・?こんなでかい足音立てられるモンスターはいなかった筈だが・・・?モンハンの世界にもこんな洞窟でこんな足跡立てる奴はいないはずだが・・・?」

 

そう、この足音、明らかに二足歩行なのである。フルフルが一番可能性が挙げられるが、大きすぎる。キングサイズ並みの大きさが出す足音だ。

 

ズゥン!!ズゥン!!!ズゥン!!!!

 

「来た・・・!」

 

その足音の主は遂にその姿を現した。

 

「な・・・!」

 

その正体とは・・・

 

「なんだ・・・!?あの化け物は・・・!?」

 

 

グオオオオオオオ!!!!!

 

 

 

 

・・・筋肉が異常に発達し、俺の背丈の2~3倍はある巨大なゾンビだった。

 

 

 

今の時刻ーーー午後3時頃(洞窟内のため推定)

 

 

 




はい、もうお解りですね?そう!ミュータントゾンビです!
いやー出してみたかったんですよ!あ、モンハンのモンスターかと思いました?それも出しますが、タグに『幾つかMOD』と入れてるので出さなければ詐欺でしょ!ということで出しました。この後一縷がどうするかは次回のお楽しみです!
次の投稿は学校のクラブが落ち着き次第投稿します!待っていて下さい!
後、黒川さん、徒シ(漢字変換で出ませんでした。すみません!)さん、感想ありがとうございます!
次回、謎のゾンビが遂にその本性を現す!果たして一縷はこの怪物に勝利し、生き残ることができるのか!?
『洞窟に死の嵐は吹くか?』お楽しみに~!



※前回のサブタイの元ネタは機動戦士ガンダムSEEDサブタイより『その名はガンダム』、又は新機動戦記ガンダムWサブタイより『その名はエピオン』です。


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洞窟に死の嵐は吹くか?

今回少し短いです。そして主人公大ピンチ!どうなるんでしょうか?ぺぺにも分かりませんwww(おい!)
やっぱりヒロインはまだ・・・20話位になりそうですね。まあそこまでぺぺの気力が続くか分かりませんけど(汗)
まあ基本行き当たりばったりなのでwww実際にプロットは存在しません。メンドイのでw
この洞窟探検が終わった後は少しだけ(1~2話)日常編を挿もうかなとか思ってます男1人の日常とか誰得wwwでも少し一縷を休ませてあげなきゃと思っています。
また長々とすいません。では、どうぞ!



「グオオオオオオオオオオオォォォォォォォォ!!!!!」

 

俺こと綺堂一縷は今馬鹿でっかいゾンビに遭遇している。一応横穴の存在はばれてないっぽいからほっとけば大丈夫だろうけど・・・なんでこんなでっかい奴いるんだ?ゾンビって人型の奴だけだったよな?あんなムッキムキの北○の拳で出そうな奴じゃないよな?突然変異か?マインクラフトってこんな奴出てたっけ?(一縷はMODの存在を知りませんbyぺぺ)

 

「・・・ってなんか捜してる?」

 

馬鹿でっかいゾンビ(以下ハルク)はしきりに何かを捜す様にきょろきょろと周りを見渡している。なにやってんだ?と思ったらいきなりこっちに来た!?

 

「な、なんだ!?ヤバい、とにかく奥に!」ダッ!

 

ヒュッドゴッガララララ・・・

 

咄嗟に奥の方に駆け寄った瞬間、石で埋め立てた壁の一部が爆ぜた。

 

「・・・・・・え?」

 

呆然としているとゾンビ特有の死人の青白い顔が入り口を覗き込んでいた。あのハルクの顔だ。

 

「ヒッ・・・!」

 

思わず声を出してしまうとハルクの顔と目が合い、体が硬直した。その瞬間もう一度壁が爆ぜ、完璧に丸見えの状態になってしまった。

 

「う・・・うわああああぁぁぁぁぁ!!!」

 

俺は半狂乱になって剣を振るい、半歩だけハルクを後退させることに成功した。その隙を突いて穴から脱出することに成功した。しかし相手も丸太ほどはある巨大な腕を振り回してくる。

 

「グオオォォォ!!!」ブォンブォン!

 

「うぉわ!!ヤ、ヤベぇ!こいつはガチでヤバい!そこらのゾンビとは格が違う!」

 

俺は必死に迫り来る巨大な腕を掻い潜りながら悪態をついた。このハルク、隙が無いのだ。近寄ると腕を振り回してきて、弓を使おうとすると巨体からは考えられないようなスピードで距離を詰めてくるのだ。

 

暫く必死に攻撃を凌いでいるとハルクが急に後ろに下がった。さっきから執拗に距離を詰めてきていたので不審に思うとハルクはいきなり地面をぶっ叩いた。

 

「グォォァァァァ!!!」

 

「?・・・!うおっ!?な、なんだ!?」

 

ハルクが叩いた地面が俺を追うように隆起し、迫ってきた。慌てて避けたがハルクがその隙を見逃すわけが無く、その巨体から繰り出した体当たりが俺に直撃し、俺は壁に叩きつけられた。

 

「ガハッ!な、なんつう馬鹿力だよ・・・!ガアッ・・・!・・・・・・こ、こりゃあ骨逝ったかな・・・?」

 

俺はあまりの痛みにその場から離れる事ができず、その場に蹲ることしかできなくなってしまった。ハルクは容赦なく俺を追撃にかかる。だがタダでやられるわけにはいかない。必死に前転で回避し、足に剣を切りつけた。

 

「オラァ!」ザシュ!

 

「グオオオオォォォォ!?」

 

思わぬ反撃にハルクはその場で仰け反った。その隙にハルクの胸に剣を突き立てる。

 

「これで・・・終わりだ・・・ぁ!」ドッ!

 

「グオォォォァァァァァァ・・・・・・」

 

ズ・・・ズゥゥゥゥゥゥゥゥゥン・・・

 

その巨体を地に伏せ、漸くハルクはその活動を停止した。俺は思わず溜息をつき、その場に崩れ落ちる。

 

「ハァ・・・疲れた・・・。何なんだこいつは・・・?しかも松明があるっつってもこんなくらい洞窟の中でなんで俺に気づいたんだ?聴覚・・・又は嗅覚か・・・?それとも赤外線っぽいものか・・・?分からないな・・・第一腐った死体であるゾンビにそんな器官があるのか?」

 

考えながら立ち上がろうとすると胸の辺りに鈍い痛みが走った。

 

「~~~~~ッ!!!そ・・・そっか、骨折れてんだっけか・・・。どうしようか・・・?まず家まで帰るか。治療とかどうすればいいんだ?」

 

とりあえずハルクの胸に刺さった剣を回収し、杖代わりにして帰ることにした。一歩一歩歩くたびに胸に痛みが走り、全身が悲鳴を上げる。あんなに強く叩きつけられたのだ。全身打撲と恐らく肋骨の何本かが折れたのだろう。だが死ななくて良かった。一歩間違えたら死んでいたかもしれない。いや、あそこで怯んでくれなければ実質死んでいただろう。ゲームではリスボーンできたが、これは現実なのだ。それで死んでもなんらおかしくは無い。

 

「クッ・・・早く帰んなきゃな・・・ハァハァ・・・イッテェなくそ・・・!」

 

ボロボロになった自分の体に悪態をつきながらひたすら歩く。時々痛みで立ち止まってしまうため中々前に進めないがそれでも懸命に歩く。

 

「後・・・もうちょいで階段に着く・・・!少し上がったらもう・・・!」

 

ひたすら歩く。今日を生きるために。絶対に死なない!生きて元の世界に返るんだ!

 

その想いでひたすら階段に向かって歩き続ける。

 

 

 

 

 

 

 

--------------------------しかし、その思いは無残に打ち砕かれた。

 

「グォァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

「なっ、ガハッ・・・・・・・・・!?」

 

死んだはずのハルクが生き返り、俺に向かって突撃してきたのだ。ボロボロになった俺の体で避けられるはずも無く、ハルク共々壁に突っ込んだ。

 

「ガ・・・・・・・・ァ・・・・・・」

 

只でさえボロボロの体にダメージを与えられ、俺は立ち上がることができなかった。なんでこいつまだ動けるんだ・・・!?

 

「ゴァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

ハルクがさっきより大きな声で叫ぶと、周りから配下と思われるゾンビが6体出てきた。ハルクだけでも厄介なのにこの数のゾンビは相手にできんぞ・・・!?

 

俺が動けないことを悟ったのか、ゾンビ達は一斉に襲い掛かってきた。

 

「このっ、っく、!ガァ!」

 

必死に避け続けた俺だったが体が上手く動いてくれず、攻撃が掠り、遂には諸に喰らってしまった。更に体も限界を迎え、俺はその場に崩れ落ちてしまった。もう歩くどころか身をよじる事もできない・・・鉄装備は無残に大破し、足のすねの部分を除いて辺りに散らばってしまっている。

 

「クソッ・・・もう・・・体が・・・・・・・・・」

 

完全に動けなくなった俺に無常にもゾンビたちは襲い掛かってくる。

 

(こんな所で・・・・・・俺は・・・・・・・・・・・・・・・

 

あと一歩でゾンビは俺に触れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・死なない!!!!!」

 

その瞬間、俺の中で何かがハジケタ。




一縷大ピーンチ!だけどニュータイプ覚醒の予感・・・?(笑)まあミュータントゾンビは燃やさないと死にませんからねぇ・・・。どうしよこいつ・・・?
でも、これからどうしよう・・・行き当たりばったりだからなぁこの小説・・・。デッドエンドで終了とか絶対やめよう・・・。
中々執筆が進みません。忙しい&難産です・・・。だから今回は少し短いです。でも失踪しないように頑張ります!感想、意見、提案などなどぜひ、宜しくお願いします!
後、しょうねんさん、十六夜の月さん、エグ・エルードさん、感想ありがとうございます!これからもこの駄文小説を宜しくお願いします!
次回、ピンチの果てに覚醒した一縷。果たしてこの強敵を打ち破れるのか?そして、この洞窟から生還することができるのだろうか?
『巨体を討つ閃光』お楽しみに~!



※前回のサブタイの元ネタは機動新世紀ガンダムXサブタイより『天国なんてあるのかな』です。


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巨体を討つ閃光

すいません。めちゃくちゃ遅れました。更にいつもより少ない2000弱・・・クラブの休みなし+高二という立場から。
遂にハルクの討伐!めちゃくちゃ手間取りました。どう倒すか迷いました。
まあ結果こんなことになったんですがね。
ま、書けたから良いやの精神でいます。
今回何時にも増して駄文ですが、どうぞ!


何も考えられない

 

「おああああぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

気がつけば体が動いていた。何故か体が赤く発光しているが気にしない。手に持っていた剣で何回も、しかし普段の自分ではないほどの洗練された動きで相手を切り刻む。

 

「ゴァァァァァァァ!?」

 

いきなり動いた俺に反応できなかったのかそのまま切り刻まれるハルク。だがまだ足りない。もっとだ。もっと・・・!

 

「ハアアアアアアアアアァァァァァァァ!!!!!」

 

斬る斬るキル着る切る伐るきるKILL・・・・・・!!!

 

「ゴアアアアアァァァァ・・・!?」

 

ハルクの動きが鈍くなってきた・・・だがまだだ!苦し紛れに撃ってきた拳を・・・斬る!

 

「ゴアァ!?」

 

「タオレロォォォォ!!!」

 

ハルクの胸元を突き刺す!その衝撃で俺の腕が軋んだ様な音がしたが無視だ!

 

そのままハルクを壁に叩きつけた。

 

「ゴアアアアアアアアア!!!」

 

「な!?まずっゴハッ!」

 

結果、叩きつけはできたが、反撃によって反対の壁に吹っ飛ばされた。まずい・・・!殺しきれてない・・・いつになったら死ぬんだこいつ!?

 

「ゴアアアアアアアアア・・・!」

 

だが相手も深手を負っているのかうまく動けていないようだ。かく言う俺もアドレナリンのせいか体の痛みはあまり感じないが骨は折れているので某かぼちゃバサミの伍長っぽくは動けない。ッてこんなピンチの時になに思ってんだか・・・。

 

「まだだ・・・まだ終わってない!」

 

気合で立ち上がりハルクを見据える。今度こそ・・・コロス!

 

「ぜあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

心臓が駄目なら・・・足だ!

俺は小さく屈んで右から来た迎撃の拳を避け、足に剣を刺して、全体重を加えた。

 

「ゴアアアアアアアア!!!」

 

倒れたところで・・・頭!

 

「ガアアアアアアアア!!!」

 

「ラストだぁぁぁぁぁ!!!」

 

その勢いのまま、喉にぶっ刺した。流石にもうムリなのか、立つ力を失って傾いていくハルクの身体・・・勝ったか・・・!?

そのまま壁に激突すると、穴が開いた(・・・・・)

 

「なっ!?」

 

そのままハルクは奈落に落ちていく・・・!?

 

「ガアア・・・・・・・・」(ガシッ

 

「な!?腕を!?マズッ・・・!」

 

しかし見た感じ数百キロの巨体に耐え切れるはずが無く、ハルクは俺共々落下した。

 

「うわああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

そこで俺の意識は途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・うっ!

 

「ぐあっ・・・ここは・・・何処だ・・・?」

 

気がついて周りを見るとそこはマグマの真横だった。・・・ってあぶねっ!

 

「おわあっ!あぶねー。ってかなんでこんなとこに?」

 

そう思って周りを見渡す。すると何かの肉片があった。

 

「何だこれ・・・痛っ!」

 

全身が痛む。そっか、俺ハルクと戦って落ちて・・・

 

「この肉片はハルクのってことか・・・。こいつが下敷きになったおかげで死なずに済んだのか。まあこいつのせいで落ちたんだが。」

 

上を見ると真っ暗闇だった。マグマのおかげで周りが明るいが暑いし怖い。

 

「仮拠点でも作るか・・・。」

 

痛む身体に鞭打って周りを歩いているとちょうどいい洞窟を発見した。広さは4×3×2ってとこだ。

 

「ここに持ってたチェストと竈、ベッドと後作業台を置いて、松明設置して・・・これでよし。あ、入り口にドア置いとかなきゃな。」

 

ドアを設置し終えるとベッドに横になった。さすがに疲れが溜まっており、更に身体の全体が痛むので動けなかった。

 

「痛ってててて・・・手酷くやられたもんだな・・・ハア。骨も折れてるし、暫くは療養しなくちゃならんな・・・確かマインクラフトってベッドで寝たら体力回復するんだっけ?あれ、そんな機能無かったっけか?・・・いつになったら上にいけるんだろな・・・」

 

物思いにふけっていると外から唸り声が聞こえた。ゾンビがスポーンされたんだろうか。放って置けば大丈夫だろうか・・・?

 

・・・行った様だ。何時迄こんな生活しなけりゃなんねえんだろ・・・。

 

「早く家に帰りてえな・・・最初はゲームの世界に入れたって喜んだけどこんなハードな世界じゃなくてせめてな○はとかハイ○クール○×Dとかが良かった・・・楽しむどころかまともな生活送れてないよな・・・。」

 

思わず溜息が漏れる。せめて人!人に会いたい!孤独はもういやだ!何時まで俺はこんな生活をしなくちゃなんないんだ!?確かに現実の世界でいいことはしてなかったけど悪いこともしてなかった!只ゲームしてただけじゃないか!何でこんな・・・

 

「ハア、もう寝よう。こんなこと考えるだけ無駄だ。」

 

無理やり目を閉じる。疲れは溜まっていたのですぐに睡魔が襲い、夢の世界に落ちていった。

 




と、こんなことになりました。骨が折れてるのに動けてる!?って質問は・・・まあ小説だからってことにしといてください。そうしないとマグマの横で動けずにゾンビに食われるルートになってしまうので。せめてヒロインだすまで死ねないんだぁぁぁぁぁ!!!
捨てハンさん感想ありがとうございます!これからも宜しくです!
次回、疲れの取れた一縷は地上に向かって突き進む!果たして地上に帰ることはできるのか!?
『地上までは何マイル?』お楽しみに~!





前回のサブタイの元ネタは機動戦士クロスボーン・ガンダムサブタイより『大地に死の嵐は吹くか?』です。


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地上までは何マイル?

やっぱり不定期です。まあ気が向いたら書いてるので次はいつになるのか皆目検討も着きません(汗)
今回も2000と少しほど。やっぱり長く書けない・・・´・ω・`
どうやったら集中力って高まるんだろうなぁ・・・?
まあいつも道理な駄文ですが、どうぞ!


ドンドンドン!!

 

「・・・ん・・・ん?」

 

なんか戸を叩いてる音で目が覚めた。時間わかんねえけどだいぶ寝たなぁ。

 

「はいはーいってうお!?」

 

ドアの窓からゾンビが見えてる!?キモッ!寝起きにこれはキツイものがあんぞ!?

 

「えっとえっと、武器用意して、防具は・・・無理か」

 

まだ身体も治りきっていないし、何より骨が折れているのだ。ってか添え木しなきゃいけないんだっけ?疲れてたから忘れてた。

 

「いくぞ・・・!」

 

掛け声と共に一気にドアを開け、ゾンビの胴体を突いた。

 

「ヴォオオオオオオ・・・」

 

運よく一撃で倒せたようだ。死んでオーブになったのを確認するとドアを閉め、再びベッドで横になった。

 

「ふうっ何とかなった。・・・飯食いてえな・・・肉焼くか」

 

俺はベッドから起き上がると竈に石炭をくべ、豚肉を入れた。

 

暫くすると肉が焼け、適当な石に移し、食いにくいからと簡易的に作った木の箸で豚肉を平らげた。

 

「あー野菜が食いたい。めちゃくちゃ食いたい。後水だけじゃなくてコーラとか飲みたい。」

 

そんな独り言をしていると地響きが聞こえてきた。またあのハルクか!?殺したんじゃなかったのか!?そんなことを思っていたがもっと大きいものだ。それもキロ単位じゃなくてトン単位の大きさだ。

 

「何だこれ・・・!でかすぎんだろ・・・!明かりを消さなきゃ!早く!ばれる!」

 

大慌てで松明を消し、息を潜めて隠れていた。

 

ズゥン!!!

 

ひときわ大きく聞こえたとき、そいつは姿を現した。

 

「え・・・」

 

そこにいたのは、大きな銀色の体躯に一振りすれば人どころか壁まで砕きそうなハンマーのような尻尾、まるで鬼瓦のような形相の顔。そう、

 

「グラ・・・ビ・・・モス・・・!」

 

多くのハンターをその異常なまでの硬さで苦しめてきた『鎧竜グラビモス』がそこにいた。

 

「あ・・・ああ・・・」

 

グラビモスは俺に気づかなかったのか、悠然とその場から姿を消した。

 

「あんなのまでいんのかよ・・・!ダイヤ装備でも狩れるかわかんねえぞ!?」

 

だが、気付かずに去ってくれたのは不幸中の幸いだ。

 

「ハア・・・腰が抜けかけた・・・。早くここからでねえと・・・!仮拠点の壁から階段掘りするか?」

 

幸い道具は一通り揃っている。石や鉄は掘ればでてくるだろうし木の棒も1スタックもしもで持っていた奴がある。それで帰れるはずだ。

 

「早速作らなきゃな。目標はピッケルを・・・10個あればいいか」

 

早速作り始め、2,30分で作り終わった。早速仮拠点の壁から斜め上に階段掘りを始めた。

 

「うおおおおおおお!」

 

 

~~~少年穴掘中~~~

 

 

「うおおおおおおおおおお「ガキンッ!」っっってぇぇぇぇ!!!う、腕がぁぁぁ!!!な、何だ今の!?硬った!?」

 

突如腕が弾かれた。めちゃくちゃ硬い!何だこれ!?

 

「・・・ん?透明の石・・・?・・・っ!まさか・・・ダイヤ!?」

 

キラキラ光るガラスのような原石・・・ダイヤだ!ここってそんなに深かったのか!?何処まで落ちたんだろ俺・・・帰れるかな?

 

「確かダイヤとか金とかって鉄以上じゃないと掘れないんだっけ?下に行って精錬してこなくちゃな」

 

そう言って今まで掘った道を引き返し始めた。

 

 

 

「うっし、鉄ピッケル作ってきたし、掘ってみるか!」

 

カァンカァン!!!

 

鉄ピッケルでも硬いがさっきとは違い、取り除ける程度の硬さだったため、10分とかからず6個ほどのダイヤの原石を手に入れることができた。

 

「おおおおお・・・!これがダイヤかぁ・・・とりあえず今は放置だな。勿体無過ぎて使えん・・・」

 

せめて後この倍は欲しいなあ・・・そしたらダイヤ装備とか作れんのになぁ・・・

 

「まあ無いものねだりしてても仕方ない。今は地上に帰ることが先決だな」

 

 

 

カァンカァン!!!

 

「まだかぁ・・・?いい加減疲れてきたぜ・・・。ッてん?これって・・・」

 

唐突にピッケルを打ちつけたところから光が漏れてきた。まさか!

 

「外だぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

今出せる全力で掘り進めると光が大きくなり、青い空が見えた。

 

「やっったぁぁぁぁ!!!!!出れたぁ!!!」

 

見渡す限りの緑の草原・・・そう、あの牛を大量虐殺した草原だ。あの横穴からちょっと離れているけど問題無し!

 

「やっと出れた・・・もうこりごりだぜ・・・まあまた行かなきゃならんだろうがな・・・まあ今は関係ねぇ!仮の豆腐作って寝よっと」

 

とりあえずまた穴に戻り荷物を回収した。そして石で簡単な豆腐小屋を作り松明を掛け、家具を置き、ベッドに倒れこんだ。

 

「とりあえずお休み~。ちょっとしたら起きよ」

 

 

~~~~~青年熟睡中~~~~~

 

 

「ふああぁぁぁぁ・・・むう・・・・・・・・・今は・・・まだ昼か。とりあえず起きよ・・・」

 

ベッドから這い出し、外に出る。帰ってきたのはまだ朝らへんだったから3~4時間寝てたのか?まあ疲れもちょっとは取れたし、何しようか?

 

「・・・家、建てるか?」

 

そう言って見たのは石でできた簡素な小屋。流石にこの家は無いだろ・・・すぐ潰すとして拠点となる家を作りたい。できれば木材とかでできた家に住みたい。

 

「部屋は・・・四つあればいいか。倉庫と風呂、自室と誰か居た様に客間・・・あ、トイレも作っときたいな。もう外で用を足すのは御免蒙りたい・・・それぐらいか?1階でいいよな。よし、そうと決まればさっさと取り掛かるか。あ、後畑も作りたいなぁ・・・まあそれは家作ってからだな」

 

大まかな計画を立て、俺は材料集めに取り掛かった。

 

 

 




鎧竜グラビモスさんでした。やっぱり出さなきゃ!今のところ2ndGから3rdらへんの敵しか考えてません。理由は私がそれしか持ってないからです。3DSを持ってないんでそれから先ができないんですよね。出せてラギアだと思っています。そしてまだまだヒロインの影は無し・・・早く出したいなぁ・・・そしてイチゃイチャを書きたい!まあまだまだ出せませんが(泣)
亡者さん、そして起源神のほうで修正の意見を下さった猫丸さん、王子の犬さんありがとうございます!これからもこのスパゲティ野郎を宜しくお願いします!
次回、地上に戻った一縷はついに本拠点の製作に手をつけ始める。果たしてどんな家ができるのか?畑は実現するのか!?
「建築は誰のために」お楽しみに~!





前回のサブタイのネタは新機動戦記ガンダムWサブタイより「地上を撃つ巨光」です。


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建築は誰のために

お待たせしました!やっと、やっと更新できました!部活の試合等で時間が無く、こんなに間が開いてしまいました。まあまだ11日に試合が残ってて、7月に近畿があるんですけどね(遠い目
ちなみに卓球部です。一応ベンチ入って副キャプテンやってます。もう引退で、上のエースとキャプテンの2人が強すぎて全く目立っていませんが副キャプテンです!
っとまあこんな話は置いといて、どうぞ!


「よし、まずは木材集めだな。もともと持ってたのじゃあまだまだ足りないからどっかから調達してこなきゃな」

 

とは言ったものの周りは草原で元々少なかった木は最初の頃に切り倒してしまった。

 

「パッと見近くにジャングル?的なとこがチラホラ見えてるんだよな・・・結構距離はあるが・・・しゃあない、近くに木はない草原だし、行くしかないだろ・・・」

 

俺は家の建設予定地に持ってる木材で軽い囲いを作り、そこに松明を立てた。

 

「これで周りにはモンスターは湧かんだろ。・・・まあスポーンするんだったらだけど。またそこも解決しなきゃいけないが・・・まあ今は家の建築だな」

 

まだまだ謎が多いこの世界だが、今そんなことを考えていたってしょうがない。さっさと家を作ってしまおう。

 

「ここからあのジャングルまで中々距離があるから1日では帰ってこれねえな。荷物と食料、後ベッドを忘れずにな」

 

持てるだけの荷物を持ち、ジャングルに向かって歩き出した。

 

 

~~~~~青年移動中~~~~~

 

 

「着いた・・・!長かった!!!」

 

約4時間後、漸くジャングルに到着した。周りには鬱蒼と木々が茂り、蔦が日光を遮っていた。雑草も草原のものとは違い、俺の身長ぐらいに茂っている物もある。

 

「気持ち悪いなあ・・・木材は大体10スタックあれば豪邸が立つか?流石に豪邸はムリか・・・まあ別に無駄に豪勢じゃなくてもいいしな。住めればいいや。」

 

そうして木を切り始めた俺の頭上をさっきからブンブン飛んでいる影がある。

 

「まあいるとは分かってたけどさ・・・鬱陶しい!!!」

 

巨大な蜂と蚊を足したような外見を持つ虫、そう『ランゴスタ』だ。尻尾に刺されると麻痺になる針を

持ち、ゲーム内でハンターをウザがらせたモンスターだ。

 

何より鬱陶しいのは、このモンスター、群れるところでは異常に群れるのだ。

 

ブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥンブゥン

 

「UZEEEEEEEEEEEEE!!!!!焼き殺すぞゴルァ!(゜д゜♯)いつまでもいつまでも人の頭ん上で群れやがって・・・死ねぃ!!!」

 

我慢できなくなった俺は二十匹はいた群れの中からたまたま降りてきていた一匹を剣で滅多切りにした。すると断末魔に驚いたのか、一目散に逃げるように飛んでいった。

 

「やっとか・・・んじゃ、さっさと木を切って帰りますか」

 

 

~~~~~少年伐採中~~~~~

 

 

二時間ほど伐採して漸く1スタック分の木材が集まった。周りの木材は切り開かれ、俺を中心に円を描くようにぽっかりと穴が開いていた。

 

「まだまだ足りねえなぁ・・・つってももう日が暮れてきたしな・・・どこかで野宿するか」

 

周りを見渡しても木しかない為荷物に入っている有り余った土で壁を作り、そこに寝ることにした。

 

「ふう、疲れたな・・・まだまだ木は集めないといけないから帰れんのはもうちょい先になりそうだな・・・さっさと寝よう・・・Zzz・・・」

 

 

~~~~~青年熟睡中~~~~~

 

 

次の朝、今日も今日とて木材集めに取り組んでいる俺だが、周りの様子がおかしい。

 

「・・・?妙に静かだな・・・昨日はあんなにブンブン五月蝿かったのに・・・」

 

聞こえるのは風の音と木々のさざめきだけだ。どう考えてもおかしい。だが五月蝿い邪魔者はいなくなったので作業は順調に進んだ。と、

 

「ギャオギャオ・・・!」

 

鳴き声が聞こえてきた。どうやらランポスのようだ。斧から新調した鉄剣に持ち替え待ち構えていると、草むらからランポスが飛び出してきた。だが前回のような群れではなく、今回は1体のようだ。

 

「先手必勝!おらぁ!!!」ドシュ!

 

俺の放った一撃はランポスの首に吸い込まれ、呆気無く切り裂いた。

 

「・・・呆気無さ過ぎる。しかも何だ今のランポス・・・ランポスって群れで行動してるんだよな。でも1体・・・しかも俺に襲い掛かってきたんじゃない・・・まるで何かから逃げるように向かってきた(・・・・・・・・・・・・)・・・?」

 

考えに埋もれていると、周りの天気が怪しくなりだした。まるでここ一帯が怯えているかのように陽光が雲に遮られ、集中豪雨(スコール)が俺の身体を叩く。だがそんなものは気にならない。俺の頭は別のことでいっぱいだった。なぜならこの現象を知っていたからだ。その龍が現れると周りの木っ端モンスターは去り、密林では雨、雪山では吹雪に変える。そんな自然災害のような龍の正体を知っているから、その強さが分かる。人間程度では敵わない、ましてや自分はハンターではないのだ。その道の人間に脅威と認定されている龍相手にまだ傷の完璧に癒えていない自分など路肩の石ころでしかない。

 

「・・・・・・は・・・・・・早く・・・逃げ・・・!!!!!」

 

逃げ出そうとする俺の身体に猛烈な風が吹き付ける。一瞬踏ん張ったが木の葉のごとく吹き飛ばされ、近くの草むらに突っ込んだ。

 

「ぶえっ!口に葉っぱ入った・・・と、とにかくここで隠れてやり過ごそう。脱皮のとき以外は古龍の中では比較的大丈夫だ。こっちから攻撃しなければ、だが」

 

暫く隠れているとこの嵐の原因が舞い降りた。

 

「・・・やっぱりか・・・クシャルダオラ・・・!」

 

甲冑のような銀色の鱗に鞭のような撓る尻尾、胴体につながった翼膜、刺々しい感じの頭、そして何より、小さな台風のようにその身体を中心にして吹き荒れる風の鎧。

 

 

『鋼龍』クシャルダオラがそこに姿を現した。

 

 




っとまあこんな感じでクシャを出してみました。戦闘はしませんが。やったら即死でしょうし。一般人がフリー○に挑むような感じ、まあ絶望的です。いずれ戦うことになるんでしょうね。
猫丸さん、大犬さんどうも感想ありがとうございます!こんな駄文ですが今後とも宜しくお願いします!
次回、遂に古龍に出会ってしまった一縷。果たして生きて家を立てることができるのだろうか!?
『駆け抜ける嵐龍』お楽しみに~!





前回のサブタイのネタは機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争より「戦場までは何マイル?」です。


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駆け抜ける鋼龍

や、やっと書けた・・・!って言うか私今テスト週間中なんですけどね・・・なにやってんだろ。高3の行動とは思えない(笑)
前回の試合は負けました。風邪気味で全く力が出なかったのもありますが、相手も中々のやり手でした。残すは近畿大会だけ!ベンチにも入れたので頑張ります!
話をこの小説に戻しますが、MODを増やそうかなと思っています。今考えているのは農業MMODとメイドMODです。農業MODは食材を増やす目的で、メイドMODはまだまだ先になると思いますが、いずれ入れたいなぁ。主人公サトウキビまだ採ってませんがねwww
まあそんなことは置いておいて、どうぞ!


目の前の龍は翼の羽ばたきのときに出来た風とと身体に纏っていた風を辺りに撒き散らし、優雅に地面に舞い降りた。そのあまりの存在感に俺は身動きが出来ず、せめて視界に入らないように息を潜めていた。

 

「(こんなに規格外なのか古龍って!?ハルクなんかとは雲泥の差だ・・・見つかりませんように・・・!)」

 

だがその願いも空しく、クシャルダオラが顔をこっちに向けた。

クシャルダオラはその優雅さとは裏腹にとてつもないほどの狂暴性でも知られている。脱皮直前が一番狂暴だが通常時でもテリトリーに入ったものは容赦はしない。つまり、

 

「GYAOOOOOOOOOOOO!!!!!」

 

その『侵入者』を排除にかかるだろう。

 

「・・・・・・ッ!!!拙い・・・匂いでバレたか・・・!(どうする!?武器も防具も鉄だ。こんなのじゃ気休めにもならない・・・!相手は古龍の一角、俺なんか簡単に殺せる・・・!)・・・ッ!」

 

考えを張り巡らせ状況を打開する策を練ろうとするが相手はその絶好の隙を逃しはしない。

 

「GYAAAAAAAAA!!!!!」

 

クシャルダオラはその顎を大きく開き、侵入者を消去するために自身が生み出した風の塊を俺に向かって吐いた。

 

「グゥッ!!!」

 

何とかかわしたはいいが受身を考えていなかったので地面を思いっきり転がり、風の塊が巻き上げた土やら石やらが全身に当たる。

 

「ッ痛ゥ!クソッ!こんなのにどうやって勝てってんだよ!!!」

 

悪態をつくがそんなことでこの戦況は変わらない。今のこの状況は完璧に詰んでいた。近接攻撃では風の鎧に妨害され、効果的である毒の着いた装備などあるはずが無い。

 

「とにかく逃げ・・・!?」

 

俺が逃げようと足に力を入れたとき、遠くから鳴き声が聞こえた。

 

「GURUUUUUU・・・・・・!」

 

クシャルダオラはさほど脅威ではないと思ったのか俺から視線を逸らし、空のある一点を睨み付け唸り声を上げた。

 

「何だ・・・!?」

 

釣られて俺も空を見上げると何かが近づいてくる。最初は小さい点だったそれは途轍もないスピードで接近し、その姿を現した。

 

青とオレンジの鱗を身に纏い、竜というよりは恐竜に近い外見、そして発達した4足の足。その竜はこう呼ばれている。

 

 

『轟竜』ティガレックス と。

 

 

前足についた翼膜を使い、グライダーのように滑空してきたそれは、俺のほうになど目もくれず、その勢いのままクシャルダオラに突撃した。

 

「「GYAAOOOOOO!!!!!」」

 

そのまま2匹はもんどりうって周りの木をなぎ倒しながら森の奥に転がっていった。

 

「な、なんか知らんがチャンスだ。さっさと必要な木材拾って逃げよう。いつこっちに来るか分からんからな」

 

俺は2匹になぎ倒されていった木や石材などを可能な限り拾い、家に向かってダッシュでその場から逃げた。向こうでまだ2匹の咆哮や戦闘音が聞こえるので早めに逃げるに限る。

 

「逃ぃーげるんだよー!スモーキーーーー!!!」

 

真面目にふざけるという自分でもよく分からないことをしながらその場を後にした。

 

 

 

その後命からがら帰ってきた俺は荷物を置くとベッドにへたり込んだ。

 

「今回こそ死ぬかと思った・・・!生きてて良かった!!」

 

あのティガレックスの乱入が無かったら俺はここに帰ってこれなかっただろう。それだけ今回はヤバかった。

 

「ダイヤ装備を作ることも考えなきゃな・・・家作ったらブランチマイニングするか」

 

とにかく今は疲れたので建築は明日からにすることにした。そしてベッドに横になると今までのこととこれからのことを考え始めた。

 

「とにかく、この世界はマイクラとモンハンが混ざった感じだと思えばいいな。まああのハルクは見たこと無いけど・・・対して俺の武器はマイクラ依存、これはかなりキツイな・・・ちっさい奴らならともかく大型の飛竜ならダイヤでも勝てねえかもしれない・・・でもランポス倒したときに鱗とか出たよな?武器とか作れるのか?」

 

そう言って俺はチェストからランポスの鱗を取り出した。

 

「どうにかしたらこれで武器を作れるのか・・・?とにかくどうにかしないとここにあいつらが来ないとも限らんしな・・・」

 

クシャルダオラやハルクを頭に浮かべた。あいつらにかかればこんな簡易的な拠点なぞ障害にもならないだろう。モンハンの世界には他にも恐ろしいモンスターはいるし、ハルクのような突然変異の奴らもいるかもしれない。他のゲームのモンスターが出てくることもありえる。

 

「・・・普通の家じゃなくって要塞でも造らなくちゃならんかもな・・・時間と資材がかかりそうだが・・・命には替えられないな。後は野菜系も調達して農園も作りたいな。西瓜に南瓜、人参やジャガイモなんかもあるらしいからな。早く食べたい。肉ばっかだと栄養バランスが崩れちまう。あ、小麦もあるんだっけか。パンもいいな・・・」

 

想像したら腹が減ってきた。友人によればMODなるゲームの要素を広めるデータがあるらしい。ハルクもそれなのか?それなら他のもあるかもしれない。

 

「暫くは肉で我慢か・・・塩とか無いのかな・・・それもまた探すか・・・」

 

暫く考えていると猛烈な眠気が襲ってきた。

 

「ふああぁぁぁ・・・ねむ・・・走り回ったしな・・・お休み・・・ぐぅ」

 

極度の疲労によってもたらされた睡魔は俺を夢の世界へ叩き落した。

 

 

 




こんな感じです。いつもどうりの駄文です。鼻で笑えちゃいますね!ハハハ・・・。
ティガが降ってきた理由は縄張りに入ってきたクシャを排除するためです。
風の鎧が効かなかった理由は単純に無理だったからです。ハンターが尻餅をつくだけなのでティガの全体重の突進は防げないんじゃないかな?ティラノサウルスが推定6tだからそれより少し軽いぐらい?そこに突進の速さの力が加わるからかなりの重さになってるよね?だから無理なんじゃないかなーと。
まあ多分ティガは負けたでしょうが。希少種なら分からなかったですけどこの作品は3rdまでしか出さないので出ません。亜種は出ますけど。
読者Aさん感想ありがとうございます!駄文の亀投稿ですがこれからも宜しくお願いします!
次回、危機は去って遂に建築に取り掛かる一縷。いったいどんな拠点が出来上がるのか!?
『草原、拠点に染めて』お楽しみに~!





前回のサブタイのネタは機動戦士Vガンダムより「戦いは誰のために」です。


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草原、拠点に染めて

やっと投稿できました!
無事近畿大会も終わり(初戦敗退でしたが・・・)残すは受験のみ!ってそれが一番の壁なんですけどね・・・(汗)
ところで、皆さんはUSJに行かれましたか?あのハリーポッターのイベント、ぜひ行って見たいものです。バイオもいいなぁ・・・。自分は小さい頃に1~2回行ったっきりなのでこの機会に行きたいですね。彼女?幽香さんのことですか(・ω・)?
なんちゃって。こんな話はさておき、どうぞ!


材料をあらかた集め終わった俺はいよいよ拠点の建築に取り掛かった。

 

「まず大きさは・・・30×30でいいかな。そこから幾つか部屋を分ければいいわけだし、複雑な造りは素人の俺じゃ無理だ。良くて豆腐に屋根が出来たぐらいかな・・・」

 

1時間ぐらい設計に手間取り、柱は原木、外装は木材とガラスにした。予定では3階建てにし、1階は倉庫兼作業場、2階を居住スペースにすることにした。3階は展望台兼空スペースだ。

 

「んじゃ整地するか。シャベルを3つぐらい作ってと・・・うし!早速始めますか!」

 

段差が少なく、木もそんなに生えていなかったため1時間ほどで指定の範囲が終わり、柱立てに取り掛かった。

 

「やっぱりこっちにきて力が上がってるよな・・・こんな原木もそんな重くないし。重そうな剣も振り回せるしな・・・それもまた調べなきゃな。っおっとっとぉ!危ねぇ倒れるところだったぜ・・・」

 

考えに没頭してるとバランスを崩して倒れそうになった。危ない危ない・・・まだまだあるとはいえあの2体の修羅場のような森のお世話にはなりたくないからな。

 

「よっ・・・と、これでいいかな?次は地面の補強かな」

 

地面に木材を敷き詰め、真ん中にさらに原木で柱を一本立てる。

 

「よし、後は壁と天井だな。・・・って砂無えじゃん!砂無かったらガラス作れねえ・・・どうしよ・・・後で近場の水辺から持って来るしかねえか。とにかく今は外観を作っちまおう」

 

壁と天井に木材を敷き詰め、1階と2階を分ける木材を付けた。木材を加工した階段で1階と2階を繋ぎ、石で屋根を作った。仕上げに玄関にドアを取り付け、残すは窓のガラスだけになった。

 

「よし、ちと暗くなってきたがまだいけるだろ。スコップは・・・2本でいっか。鉄剣と鉄防具・・・は壊れたから皮防具で行くしかないか。よし、砂採りに行ってこよ」

 

必要な装備を整え、いつも飲み水を汲んでいる近場の水溜りに向かった。

 

 

 

 

~~~青年移動中~~~

 

 

 

 

家から100メートルほどの場所にその水溜りはあった。大きさは10×8位の楕円形で、周りの殆どが砂で囲われている場所だ。

 

「また今度バケツ作って水も確保しとかなきゃな・・・まあ今度でいいか。砂も適度にあるし、30個ぐらいかな?」

 

バッグからシャベルを取り出し、砂を掘っていく。

暫く掘って半スタックほど集まり、引き上げようとしたとき、どこかで爆発音が聞こえた。

 

「!!?なんだ!?」

 

急いで周りを見渡し音の方角を探すと、自分の家のシルエットが少し欠けているように見えた。

 

「・・・・・・なんか物っ凄く嫌な気がする・・・」

 

自分の最悪の想像を振り払うかのように猛スピードで家に帰った。

 

 

 

しかし、その最悪の想像が現実のものとなってしまっていた。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・( ゚д゚)ポカーン」

 

なんということでしょう!壁が1つ丸ごと無くなっているではありませんか!

 

「ウゾダドンドコドーン!・゚・(ノД`)・゚・。」

 

あまりの衝撃的事実に思わず足から崩れ落ち、天を仰いだ。もうそろそろ夜になりそうな黄昏がまるで俺を嘲笑っているかのようだ。

 

「ハアァ・・・せっかく苦労して造ったのに・・・orz」

 

とりあえず落ち込んでる暇は無いので散乱していた木材と追加した木材で新たに壁を作り、ガラスのための砂を竈で焼いた。

 

「無駄な労力と材料を使っちまった・・・畜生匠の奴あったら只じゃおかねえ」

 

『匠』正式名称クリーパー。マインクラフトの顔ともいうべきモンスターであり、そしてトラウマである。全身緑の4足で歩く生き物であり、プレイヤーを見ると接近し、周囲の地形を巻き込みながら自爆するという性質を持つ。このモンスターの怖いところは声が無いところだ。接近されても気づかないことが多く、いきなり死んだということが多々ある。自分の家付近で爆破されたとき、家ごと爆破されることから、某リフォーム番組から『匠』の名がついた。

とにかくもうそろそろ夜なので、出来上がったガラスを壁に開けておいた穴にはめ込み、拠点が完成した。

 

「ふう、長かった~。材料集めに行ったらクシャルダオラに襲われるわティガレックスが乱入してくるわ、生きた心地がしなかったからなあ・・・でもまた戦うことになるんだろうなぁ・・・やだなぁ・・・」

 

まだあのときの絶望感が心に残っており、正直この拠点から出たくない。しかしここに篭っていても恐らく元の世界に返れないだろうし 、食料も無限ではない。

 

「ハァ~、仕方ない。明日は周りの探索と、水を近所まで引いてこようかな。この世界から出る手がかりがあるかもしれないし。その後畑でも作ろうかな?今はここを整地したときに出た小麦の種20個ぐらいしかないけど・・・いずれはカボチャとかジャガイモとかも欲しいな~。後米食いたい。日本人だからな!」

 

とりあえず明日とこれからの予定を決めて2階に上がり、4つ作った部屋の一室に椅子とテーブル、もう一つ作ったワークベンチ、ベッド、プライベート用のチェストを配置し、ベッドに横になった。

 

「・・・こんな誰もいないところで死んで堪るか・・・!絶対に生きて現実世界に返るんだ・・・!」

 

そう決意し、部屋の松明を消し、目を瞑った。




こんな感じです。匠が爆発した原因はその職人芸を披露したかったということでどうか1つ。
え?居住スペースの部屋が多い?・・・察してください。この頃の私の読む本がハーレムが多くてデスネ・・・えっと・・・そのーあのー・・・スミマセン、妄想が暴走しました。まあ何とかします。
まあひどい駄文ですこと!こんな低スペ行き当たりばったり小説がUAなんと5344もあるんですよねー。びっくりです。こんな糞小説でも待ってくれる人がいるなんて・・・こんなに嬉しいことは無い・・・!いやマジで刻が見えそうです。
garciaさん、感想そして訂正ありがとうございます!
そしてこの頃被お気に入りの見かたに気づき、お気に入り登録者様の名前をあげたいと思います。
春風様 WESZ様 針のむしろ様 ふぁんとむ0099様 ノイティフ様 白鳥隆士様 子狐様 たぬぽん様 GMS様 kanaroa様 弐栞漣様 NOGUTI様 タルタル様 黒龍紅魔様 ATM09ST様 エアリセ様 VERDANT様 karuma様 黒川様 地海月様 ドゥルジ様 ARIAHALO様 えいきゅうの変人様 サンダルフフォン様 芦田優太様 シバショウ様 黒天龍様 kaju様 千乃様 十六夜の月様 ユウα様 日仲様 誘記様 たけのこきのこ様 八尺瓊ノ勾玉様 irisuγ様 pikaru様 muse_mel様 だんしゃく様 雪片二式様 ライトネーム様 @ルナ様 garcia様 かいおーが様 あつ様 お気に入り登録ありがとうございます!これからもこの作品を宜しくお願いします!
次回、周囲の探索をしていた一縷は、そこで廃村を見つけ、何者かの手記を見つける。そこで知った驚くべき真実とは!?
『地獄への序章』お楽しみに~!






前回のサブタイのネタは機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORYより、「駆け抜ける嵐」です。
 


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地獄への序章

久しぶりにこんなに短い間に書いた・・・!それも3000越え!さらにシリアス!
柄にも無く頑張っちゃいました!明日登校日なのに・・・。
腰も痛い・・・フリーダムウォーズはクリアできない。イライラが堪りながらだとシリアスになっちゃうんですよね・・・出来栄えどうこうは別にして。
まあそんなことはともかく、どうぞ!



俺、綺堂一縷はこの世界に来て初めて「家」と呼べる場所で朝を迎えた。

 

「・・・俺、始めてこの世界で熟睡できた・・・!」

 

いつもは不完全な拠点や横穴などが寝床で、敵に簡単に襲われる場所だったため、今日はそういった気兼ねなく眠れたのだ。

 

1分ほどボーっとした後ベッドから起き上がり、1階にあるキッチン(っと言ってもワークベンチと竈、水を溜める木の桶、チェストがあるだけの部屋だが)に入り、そこでふと考えた。

 

「・・・朝っぱらから肉、かぁ・・・。・・・食うのやめとこ。胃がもたれる。いつもは肉体労働の後とかだったからなぁ・・・今はいいや」

 

昨日余ったガラスで作っておいた水の入ったビンをチェストから取り出し、急に最初に手に入れたパンのことを思い出した。

 

「そういや・・・最初のチェストにパンが入ってたよな・・・?この頃忙しかったから忘れてたけど・・・腐ってないよな?」

 

とにかくチェストの中を漁ってみると3つのコッペパンのようなパンが出てきた。

 

「あった・・・!見た感じ食えそうだな。ってかふわっふわだし・・・この世界って物が腐らないのかね?」

 

パンと水入りビンを隣のリビングに持って行き、机に置いて椅子に座った。

 

「作ってよかったなこの机と椅子・・・でも椅子には今度羊毛でも引いとこうかな。ちょっと硬いな・・・まあそんなことはどうでもいいや。とにかく食おう。いっただっきまーす!」

 

パンを口に運ぶと、意外なおいしさに目を見開いた。

 

「うまっ!すっげー柔らかい!あーこれにソーセージとレタス挟んで お好みソース掛けてホットドッグにしたらうまいんだろうな~。まあ材料が無いから無理だけどな・・・」

 

そうこう言っている間に食べ終わり、今日の目標を振り返った。

 

「ふう・・・ごちそうさま。えっと今日は水を引くんだっけ?そっからもう畑作っちゃおうかな?・・・よし、作っちまおうか。その後この付近の探索だな」

 

その後パンを載せた皿と水の入っていたビンを水で洗っているとき、ふと思った。

 

「そういやここらの木を伐採したときリンゴ出なかったな。確率低いけどあんだけきったら出てきそうだけど・・・運が悪かったのか?だとしたら最悪だな・・・食いてえ・・・(泣)」

 

果物が食えないことに少し嘆きながら片づけを終わらせ、隣の作業場に来た。

 

「んじゃバケツを・・・4つあればいっか。作って・・・と。うし!物作るのも手馴れてきたな・・・これ持って皮装備と鉄剣、石鍬ともしもの鉄ピッケル持って、行くか!」

 

準備を整え、家を出た。目指すは昨日の水溜りだ。

 

 

 

 

 

~~~キングクリムゾン!!!~~~

 

 

 

 

 

「うっし、んじゃあ汲むか!」

 

そう言ってバッグからバケツを取り出して全てに水を汲み、帰ろうとしたとき、視界の端に物陰が見えた。

 

「ん?あのシルエットは・・・村!?」

 

その方向はまだ探索していなかったところであり、整地する前は土の盛り上がりでちょうど隠れてしまっていたところだ。

 

「人がいるかも・・・!よし行こう!」

 

俺は村に向かって直進した。

 

 

 

 

 

~~~キングクリムゾン!!!(鬼巫女Ver)~~~

 

 

 

 

 

30分ほどで村に着いたが、人がいないどころかあちこちに蜘蛛の巣が張っており、家も所々欠けているものが多いという有様だった。

 

「クソッ・・・廃村だったのか。人に会えると思ってたのに・・・。これは何十年も人が住まずに放置されたような荒れ方だな・・・」

 

人がいないことに心底ガッカリしたが、マイクラをやっていたあいつ曰く、村には畑や鍛冶屋があり、畑にはジャガイモや人参、小麦なんかがあり、鍛冶屋にはアイテムの入ったチェストが設置されているらしい。

 

「あの石造りの建物が鍛冶屋かな?畑は裏側にあるかも・・・あいつが言うには村の外側にあるらしいし・・・あ、あった!先に畑に行くか。近いし」

 

畑に向かうと、意外と大きく、さっきあげた3つが2×10に並んでいた。

 

「うおおおお!キタ━━━(゚∀゚).━━━!!!これで肉以外も食える!収穫じゃー!」

 

そして人参60個、ジャガイモ55個、まだ青いジャガイモ3個、小麦45個、種が30個取れた。

 

「大漁大漁!これを家に作る畑に植えれば毎日食えるだけの量にはなるな!次は・・・鍛冶屋の前に周りの家も回ってみるか。4~5軒あるし本も有るみたいだしな!暇つぶしになるかもしれないから貰っていこう!」

 

家は合計4軒あり、そのどれもが蜘蛛の巣だらけで埃っぽく、長い間人が住んでいないことが分かった。

 

「ゲホッゲホッ!埃っぽかった・・・まあ本はいっぱい回収できたし、よしとしよう。まあ半分以上知らない文字で読めないけど読める物もあったしな!サバイバルブックとか図鑑とか剣術指南とか、面白そうなのもあったし。それじゃあ鍛冶屋に行くか!」

 

上機嫌になった俺は最後に残った鍛冶屋の中に入っていった。これが悪夢の始まりになることも知らずに・・・。

 

 

 

ギィィィィ・・・

「・・・ここも埃っぽいな・・・ん!チェストだ!どれどれ・・・?」

 

箱を開けると中にはパン2つ、リンゴ3つ、鉄インゴッドが4つ、鉄装備が一式、そして本が入っていた。

 

「お、リンゴだ!果物が食える!鉄装備もあるし、儲けたな!んで、この本は?」

 

表紙を見ると『この世界に迷い込んだものに贈る』と書いてあった。

 

「・・・!?これは・・・俺以外にも被害者が?中身は・・・」

 

ページをめくると、こう書いてあった。

 

『この本を君、又は貴方が見ているということは私はもう死んだか、この世界を脱出した後だろう。落ち着いてこの本を読んで欲しい。この本は私より前にこの世界に来た人の記述を元に書いた物だ。間違っているかもしれないし、あっているのかも分からない。

まず最初に、この世界に来た原因は謎ということだ。なぜ、どんな目的で連れてこられたのかが分からないのだ。そしてこの世界からはとある1つの手段を手段でしか抜け出せないということだ。』

 

「・・・な・・・・・・に・・・・・・?つ、次のページ・・・!」

 

急いでページをめくる。

 

『その方法とは、各バイオームを象徴する『古龍』と呼ばれる存在を討伐することだ。

まず所属が無い『老山龍』

草原は『霞龍』

雪原は『幻獣』

火山地帯には『炎王龍』と『炎妃龍』

密林には『鋼龍』、砂漠には『峯山龍』

この世界のどこかにそびえる塔に『浮岳龍』

空に浮かぶ島には『嵐龍』

ネザーには『煌黒龍』

最後のジ・エンドでエンダードラゴンの後に現れる『黒龍』

どこかにあるマグマの沸き立つ世界に現れる『紅龍』

上記全ての鱗を掛け合わせたもので作ったアイテムでいける場所には『祖龍』

がいるという。その全てを討伐すれば元に戻れるらしい。

しかし上記以外にも強敵となるモンスターはいる。『崩龍』や『覇龍』はその尤もたる例だ。彼らも侮ってはいけない。『金獅子』や『恐暴竜』、『雷狼竜』なんてものもいる。奇襲をされないように気をつけることだ』

 

「・・・・・・・・・・・・!!!!!こんな奴らどう狩れっていうんだ!!!!!この前も殺されかけたんだぞ!」

 

苛立ちが募り、激高する俺。さらにページをめくる。

 

『この世界には特殊な鉱石がある。『マカライト鉱石』やその上位種などもある。そしてこの鉱石やモンスターから得た素材を武器や防具、アイテムにするレシピや素材が取れる場所をこの後に記しておく。これはこの鍛冶屋の前の竈でしか加工できない。忘れずに持って帰ってくれ。

そして君又は貴方は『鬼化』というものを知っているだろうか?「死にたくない」という『思い』を力にする、いわば必殺技のようなものだ。これは体のリミッターが強制解除される。人によって左右されるが20秒~3分ほどらしい。その後は耐え難い疲労と筋肉痛に襲われる。諸刃の剣というわけだ。その思いが全力であればあるほどより力強く、より速く、より洗練された動きをすることが出来る。その分代償は重くなってしまうが・・・。これをどう生かすかは君又は貴方次第だ』

 

「・・・『鬼化』・・・あの時の・・・」

 

そう言って頭をよぎったのはハルクと戦ったとき。体が赤くなっていたし、考えられないようなスピードで動けていた。

 

「・・・『思い』・・・か・・・この後はレシピやらなんやらだな・・・ん?」

 

最後のページをめくるとこう書かれていた。

 

『私は死んでしまっているかもしれない。私には婚約者がいる。私の婚約者・・・神城 由紀那(かみしろ ゆきな)に会って、私のことを心配していたら真実を伝えて欲しい。この私、亜瑠納 光輝(あるな こうき)に起こった悲劇を、どうか伝えて欲しい・・・。

貴方のこれからが幸多からん事を・・・』

 

そしてこの本は終わっていた。

 

「伝えるよ・・・それがこの情報を与えてくれたあんたにできる唯一の恩返しだから・・・」

 

俺は本を胸で抱え込み、祈るように目を瞑った。




毎回出てくる『あいつ』はこの主人公の友達です。マイクラ厨の設定です。
パンについては気づいたので慌てて出しました。
この本の作者とその婚約者はテキトーに30秒ぐらいで考えました。最終話辺りでまた出るかな?忘れていなければ。
体の発光もここで明らかにしました。まあここで主人公に知らせる予定でしたんで・・・。
古龍については・・・分かりますよね?分からなかったらググって下さい。
久しぶりのシリアス、駄文のせいでシリアルになってないといいな・・・大丈夫だと祈っています。
garcia様、大犬様、感想ありがとうございます!これからもこの小説を宜しくお願いします!そして感想、誤字報告などドンドンお願いします!
次回、この世界を生き抜く術を知った一縷は拠点に帰り、明日への希望のために今日も働く!
『農耕の地に』お楽しみに~!






前回のサブタイのネタは機動戦士ガンダムより、「大西洋、血に染めて」です。


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農耕の地に

この頃ぐーたら駄目人間になりつつあるペペです。こんなに楽な夏休み久しぶり!
プールも行きたいしUSJ行きたいしでも受験・・・(泣)
やだなーもう、やめちゃってもいいかなぁ・・・人生(笑)
まあやめるのはこの小説が終わった後ですな!(おいバカやめろ
それでは、どうぞ!


俺は鍛冶屋で見つけた本を仕舞うと外に出て、壁に埋め込まれている埃だらけの竈を見た。

 

「これか・・・?この本に書いてある竈って」

 

その竈は通常のものとは違い、奥行きが2倍ほどあり、少し大きい。

 

「これもバッグの中に入れて・・・と、それじゃあ帰るか。畑作るんだったな・・・」

 

そう言って元来た道を引き返した。

 

「・・・古龍討伐、か・・・。元の世界に戻れるんならやってやるさ・・・!」

 

 

 

~~~カット!~~~

 

 

 

特に何かに襲われることも無く拠点に着いた俺は、水を溜める井戸を作るために穴を作ることにした。

 

「大きさは・・・2×2でいいかな。そんなに大きくしなくてもいいだろ。スコップスコップっと」

 

バッグからスコップを取り出し、地面を掘り始めたところで、何かの視線に気がついた。俺は視線の感じた家の反対側辺りを睨みつけ、声をかけた。

 

「おい!そこから出て来い!居るのは分かってるんだ!」

 

中々出てこないので武器を構えると、慌てたようにそれは姿を現した。

 

「ニャー!お、落ち着いてくださいニャ!話せば分かりますニャ!」

 

二本足で立っているソレは必死に手を振り、敵ではないとアピールをしている。ソレは茶色と白の毛並みを持つ猫のような外見をしていた。

 

「・・・ア、アイルー?」

 

「そうですニャ!私はまじりっけ無しの由緒あるアイルーですニャ!」

 

アイルー。モンスターハンターに出てくるモンスターで『獣人族』に位置づけられる。モンスターというが人間には友好的で、自分から攻撃しないと敵には回らない。ハンターの身の回りにもアイルーはおり、様々な職業に就け、言葉を話せるほど頭がいい。仲間でメラルーなんてものも居るがこいつはハンターからアイテムを奪ううざい存在だ。粉塵ェ・・・。

 

「・・・俺になんのようだ?」

 

「見たところお兄さんお困りのようですニャ!お兄さん、私を雇いませんかニャ?」

 

雇う?どういうことだ?俺はアイルーに問いただしてみる。

 

「雇うってどういうことだ?俺は金も持ってないしお前の利益になるようなもんは持ってないぞ?」

 

「そんなの要らないですニャ。その代わり私をここで住ませてくれないですかニャ?」

 

「住む?ここに?」

 

それは願っても無い相談だ。純粋な人ではないが毎日の喋り相手にもなるし、1人では無理な事も2人なら何とかなるかもしれない。

暫く考えても大きなデメリットは無いため雇うことにした。

 

「・・・いいぞ?3食自室ありでいいな?その代わり色々と働いてもらうが」

 

「いいのですかニャ!?あ、ありがとうございますニャ!」

 

そう言って目の前のアイルーは両手を上げて喜ぶ。仕舞いには泣き出す始末だ。

 

「グスッ・・・寝るとこが見つかって良かったニャ・・・!」

 

「おいおい泣く事か・・・?」

 

「実は・・・」

 

アイルーは泣き止むと今までのことについて語り始めた。

 

「私の住んでいた村がデッカイ竜に襲われて命からがら逃げてきたんですニャ・・・。仲間も生きているかは分かりませんニャ・・・暫くこの近くのジャングルにいたんですがまた大きな竜がいるのを見てまた逃げてきて・・・そして家を見かけたので近づいたところを貴方に見つけられたんですニャ・・・」

 

「そうか・・・辛かったんだな。今はここには何もいないから安心しろ」

 

そう言うとアイルーはまた泣き出してしまい、暫く泣き止む気配も無かったため、その小さな身体を抱きかかえて慰めていた。

 

 

 

「ごめんなさいですニャ・・・」

 

「いや、いいさ。俺も話し相手が出来て嬉しいよ。これまで孤独だったから」

 

「そういえば貴方はなぜここに独りで住んでいるんですかニャ?」

 

「まあ中に入れ。それから話してあげるから」

 

俺はアイルーを中に招き入れると俺の今までのことを話した。

 

 

 

俺の話が終わるとアイルーの顔は驚きで染まっていた。そらそうだ、いきなり「俺、異世界人なんだ」とか、頭いたい人にしか見えない。

 

「貴方がここの世界の人間ではない・・・?」

 

「ああ。信じられないかも知れんがそうだ。いきなりここに飛ばされて来た異世界人ってとこだな。ってかここに人間っているのか?」

 

「凄く珍しいですがいますニャ。私の村にもいましたが真っ先にドラゴンに・・・」

 

・・・それじゃその人に会うのは無理か。まあいい、どうせ会えるかも分からなかったんだ。

 

「まあ過ぎちまったことは仕方が無い。お前名前は?」

 

その言葉にアイルーは思い出したように椅子から立ち、丁寧にお辞儀をした。

 

「私の名前はアレクといいますニャ。歳は1歳、人間でいう18~20ぐらいですニャ。ご主人さま、これからよろしくお願いしますニャ!」

 

「ああ、宜しくアレク。俺は一縷、綺堂一縷だ。そんなに硬くしないでもいい。あとご主人様は・・・」

 

そう言おうとしたら止められた。何でも仕える人間には最大限の敬意を!らしい。恥ずかしいんだがいくら言っても引き下がってくれなかったので諦めた。

 

「アレク、お前現時点で何が出来る?家事炊事なんでもいいんだ」

 

「それなら何でも出来ますニャ!村では何でも1人で出来ないと一人前とは認めてくれなかったから狩りもできますニャ!」

 

・・・実はこのアイルー俺よりハイスペックなのではなかろうか?

 

「それは頼もしいな!お前の部屋は2階の何処でもいいぞ。余ってるから自由に使ってくれていい」

 

「ありがとうございますニャ!・・・で、早速お仕事は何をしましょうかニャ?」

 

その言葉を聞いて畑の存在をすっかり忘れていた。外を見るともうちょっとで日が暮れそうだ。

 

「ヤバい!アレク!この表に畑を作るんだ。手伝ってくれ!」

 

「かしこまりましたニャ!」

 

俺はスコップと鍬をアレクに持たせ、家を出た。

 

 

 

家を出た俺はアレクに指示を出した。

 

「アレク、お前はここに畑を作ってくれ!2×10を3つだ。水を流す空間も忘れるなよ!俺はその横で井戸を作る!」

 

「了解ですニャ!」

 

俺たちは猛スピードで井戸と畑を作り出した。

 

 

 

~~~青年と獣人製作中~~~

 

 

 

その後、少し時間がかかり、日が暮れてしまったが2つとも作り上げ、柵で囲った。

 

「フウ・・・ありがとうなアレク。1人じゃこれは時間がかかっただろうけど2時間ほどで作れたよ」

 

「いえいえ、日が暮れるまでに完成できなくて申し訳ありませんニャ・・・」

 

「いや、無理だろあれは」

 

「ですが・・・」

 

あの広さを日が暮れるまでにってどんだけ早くすれば間に合うんだ?30分も無かったぞ?

 

「まあ出来たからいいんだよ!それより家に入って飯食おうぜ!今日はパンとマッシュポテトだ!美味そうだ~!」

 

「あ、ご主人さま・・・ありがとうございますニャ」

 

そう言ってアレクは頭を下げ、俺に続いて家に入った。

 

「早く晩飯~♪今日はここにきて始めてのベイクドポテト~♪」

 

「あ、私が作りますニャ!」

 

今日からは1人じゃないし、明日も頑張るぞー!

 




こんな感じです。このアイルーが後にどうなるか、ペペにも分かりません(おい
歳は現実の猫をモデルにしています。意見があれば感想にお願いします!
ニャが一括でやると中々にメンドイ・・・ひらがなじゃねぇっつーの!(*´Д`)=3ハァ・・・
garcia様、void0様、rokia様、感想ありがとうございます!これからも宜しくお願いします!そして感想、誤字報告、意見など宜しくお願いします!
次回、新しい仲間が加わった一縷だったが、モンスターの襲撃に会う。果たして一縷とアレクの運命とは!?
『イャンクック特攻!』お楽しみに~!






前回のサブタイのネタは機動戦士ガンダム00より、「悲劇への序章」です。



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イャンクック特攻!

どうも、USJの入場料金が高すぎて挫折したぺぺです。なにあれ!?5000円!?その半額でも迷うわ!貧乏性なめんな!
はあ・・・ハリーポッターとバイオ行きたかったなー・・・ハァ。
まあそんなことはどうでもいいですね。
では、どうぞ!


アレクを雇った次の日の朝、俺は1階から匂ってくるいい匂いで目が覚めた。肉の香ばしい匂いと焼きたてのパンの良いにおいが俺の鼻腔をくすぐった。

そんな匂いにつられて1階に降りてみると台所にアレクの姿があり、どうやらこの匂いの原因はアレクの料理だと理解した。

 

「おはよう。まだ朝日が昇って早いぞ?」

 

その声で俺が後ろにいたのに気がついたのかこっちを振り向いた。

 

「あ、おはようございますニャご主人さま。私達アイルー族は朝日と共に活動するんですニャ。だからいつもこの時間ですニャ。起こしてしまいましたかニャ?」

 

「いや、かまわないさ。それにしても働き者だなお前は」

 

そう言って俺が頭を撫でるとさも嬉しそうに目を細めた。どうやら習性自体は猫とあまり変わらないようだ。

 

「ニャ~///・・・っと、朝ご飯が出来ていますニャ。今日は薄く切った牛肉を挟んだパンと人参のスティックですニャ!マヨネーズをつけてどうぞですニャ!」

 

「おおー!ってん?マヨネーズ?どうやって作ったんだ?」

 

この世界の物は材料さえあればワークベンチの上で特別な並べ方をすることで作れるが、逆に材料が無い限り何も作れない。俺のワークベンチにはマヨネーズなんてものの作り方は書いてなかった。

 

「私の村には一般的に出回っているレシピとは違う、所謂裏レシピがあるんですニャ!それで作れますニャ!」

 

「へぇ・・・他には何があるんだ?」

 

「簡単なものではお酢やココア、難しいのではハンバーガーやスパゲッティなんかもありますニャ!」

 

それを聞いて俺は眉をひそめた。そんなものはマインクラフトでは作れない。せいぜいパンやベイクドポテトらへんだとあいつからは聞いていた。暫く考えると1つの答えにたどり着いた。

 

「MOD・・・だったっけ?あいつが言うには確かマイクラの機能を増やしたり出来るんだったよな?ここで起きてるイレギュラーは全部それか・・・?」

 

そんな考えに没頭してるとアレクが心配そうに俺の太もも辺りを叩いていた。

 

「ご、ご主人さま・・・?大丈夫ですかニャ・・・?」

 

「ん、ああゴメン・・・ちょっと考え事をな・・・なあアレク、ここってどんなものが木に生ってたりする?」

 

少しこの世界について聞いてみる。普通ならばリンゴだけだ。だがアレクは・・・

 

「え?木にですかニャ?リンゴやサクランボや桃とかですニャ・・・それがどうかしましたかニャ?」

 

それを聞いて確信する。この世界には俺の知らない『追加機能』がある。あのハルクやモンハンのモンスターたちも恐らくその類だろう。・・・

 

「なあアレク、この世界に米とかあるか?えっと、稲からできる奴」

 

「ありますニャ。ですが稲は湿地に出来る植物ですニャ。この周りに湿地は無かったため恐らくかなり遠出しないといけませんニャ・・・」

 

「そうか・・・いつか採りに行こうか」

 

「分かりましたニャ!さ、朝ご飯が冷めてしまいますニャ!」

 

それを聞いて一時思考を中断する。せっかくアレクが作ってくれた朝ご飯だ、冷めてしまっては勿体無い。

 

「「いただきます(ニャ)!」」

 

手を合わせて料理と作ってくれたアレクに感謝をし、朝ご飯を口に運んだ。コッペパンの牛肉サンドも人参のスティックもこの世界に来て食べたどれよりも美味く、食欲が進んだ。

10分ぐらいで食べ終わり、皿を片付けた後、今日の予定を話し合った。

 

「よし、んじゃあ今日は牧場作りにしようと思う。何か意見はあるか?」

 

「何を牧場に入れますかニャ?」

 

「いまんとこ牛、豚、鶏、羊だな。餌の小麦と種と人参を持って行けばいいだろ。アレクは鶏を頼む。その身長じゃ牛や豚なんかはキツイだろうからな」

 

「かしこまりましたニャ!では準備をしてきますニャ!」

 

アレクはそう言って2階に駆け上がっっていった。俺もさっさと準備をしてきますか!鉄装備を作ってこなきゃな。

 

 

 

~~~準備中~~~

 

 

 

鉄装備一式を装備した俺は、10分ほど家のドアの前でアレクを待っていた。

 

「遅いな・・・そんな準備するものも無かったはず・・・」

 

そう思っていると漸くアレクが2階から降りてきた。

 

「すみませんニャ。装備を作っていたら遅れましたニャ」

 

そういったアレクは皮装備のようなものと俺のものを小さくしたようなバッグを身にまとい、鉄のピッケルをその手に持っていた。

 

「おお!今作ったのか!?凄いじゃないか!その材料は倉庫からか?」

 

その言葉にアレクは恐れ多いと言わんばかりに慌てて首を振り、否定の意を表す。

 

「ち、違いますニャ!これは逃げるときに持ってきた物ですニャ。昨日は邪魔で脱いでいたのですが、これが私のいつもの装備ですニャ!」

 

「ふーん。別に使っても良かったんだけどな。まあいい、行くか!」

 

「はいですニャ!」

 

そして俺達は牧場作りを始めた。

 

 

 

まずは動物を入れるための小屋を作ることにした。場所は家の裏手、畑とは反対方向だ。まあ万が一逃げ出して農作物を荒らされても困るしな。

 

「うし、んじゃ柵で囲って、屋根をつける。これを4つだな。簡単でなおかつ逃げないものを作ろう」

 

「分かりましたニャ!」

 

簡易的な小屋を4つ作っていく。20分ぐらいで1つが終わり、全部作るのに1時間もかからなかった。

 

「よし!次は動物を連れてくるか。牛や豚、羊は見たが鶏は見てないからな・・・結構遠くにいるのかも・・・」

 

「私がここに来たときも見てないですニャ。逆方向を探してみますかニャ?」

 

「そうするか。んじゃいくか」

 

俺とアレクは草原を歩き始めた。

 

 

 

「んーこのぐらいでいいかな?後は繁殖させればいいか」

 

「そうですニャ。これだけいれば十分ですニャ。早く帰って小屋に入れましょうニャ!」

 

そう言って歩く俺とアレクの後ろには牛が2匹、羊が4匹、豚が4匹、鶏が3匹着いてきていた。俺の手とアレクの手に握られている餌に釣られているのだ。

 

「やっぱ鶏は遠かったなー。まさか見つけるのに2時間かかるとは思わなかったぜ」

 

「全くですニャ。お弁当を持って着たらよかったですニャ」

 

「そうだなー・・・ん?」

 

アレクと話しながら歩いていると、着いてきていた動物達がいっせいに怯え、震えだした。俺が不審に思っていると、アレクが周りを見渡し始めた。

 

「おいアレク、動物達の様子がおかしいんだがってどうしたアレク?そんな周りを見渡して」

 

「動物達は自分の危機に対して敏感ですニャ!ご主人さま、動物達をどこかに隠してくださいニャ!」

 

いつもより真剣なアレクに俺はアレクと一緒に石で小屋を作り、そこに動物達を詰め込んだ。幾つか餌も放り込み、適度に光が入るように工夫して襲われないようにした。

 

「オッケーだ!アレク、何か分かったか・・・!アレク!!!」

 

後ろを振り返ると、空から降ってきたピンクの物体がアレクに向かって急降下を仕掛けていた。咄嗟にアレクを抱きかかえ横っ飛びに跳んだ。何とか相手の攻撃範囲内から抜け出すと、アレクを地面に下ろした。

 

「あ、ありがとうございますニャ・・・」

 

「礼は後だ。お客さんが来なすったぜアレク・・・!」

 

目標を見失ったピンクの物体は砂煙を上げて地面に着地し、首をこちらに向けて声を上げた。

 

「クケケケケ・・・!」

 

その身体はピンクの鱗に覆われ、腕についた翼膜は青く、こちらを向いた頭には大きな耳と嘴が付いていた。その耳は大きく開いており、その耳が開いた状態は戦闘状態を意味している。

 

「来いよ!俺の相棒を襲った罪は大きいぜ!?」

 

「クケーーーーー!!!!!」

 

『怪鳥』イャンクックはけたたましい鳴き声をあげて俺とアレクに襲い掛かってきた。

 

 

 

 

 

 




こんな感じです。最近説明が多いような・・・最初の計画性の無さがここにきて響いてきました。MODとか最初はあんまり入れる気無かったのに・・・気づけばこれだよ!
ちなみに桃やサクランボは Pam's ModsというMODです。岩塩が出て、色々な食材やそれを使って作れる食品が追加されます。
米はそのまんまの米MODです。
まさかこんなに増えるとは・・・!ちなみに一縷の伐採した木には1つも生っていなかったようです。一縷ドンマイ!
クック先生がサブタイなのに出てくるのが最後数行・・・じ、次回には出します!戦闘も書きます!え?ヒロイン早く出せ?後何話先になるんだろ・・・?
garcia様、rokia様、感想ありがとうございます!これからもこの駄文を宜しくお願いします!そして感想、誤字報告、意見など何かございましたら宜しくお願いします!
次回、上空から襲い掛かった『怪鳥』イャンクック。一縷とアレクは無事に動物達を牧場に連れて行けるのか!?
『その名は怪鳥!イャンクック見参』お楽しみに~!






前回のサブタイのネタは機動戦士ガンダムSEEDより、「約束の地に」です。



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その名は怪鳥!イャンクック見参

どうも、ガンダム展に行ってきたペペです。入場料が意外と高く、びっくりしました。しかしその値段相応の良い物が見られました!ガンダムに興味のある方は行ってみてはどうですか?8月31日までらしいのでお早めに!
とまあ宣伝はこのぐらいにして、受験どうしよう・・・めちゃくちゃ不安です・・・ああどうなる私の運命・・・!とりあえず浪人だけは阻止しなくては・・・!
まあそんな嘆きは置いといて、どうぞ!


「クケケケケ・・・クケェェェェェェェ!!!」

 

先に先手を打ったのはイャンクックだった。その見た目に対して発達している足を利用し、猛然と突進を仕掛けてきた。だがそんな見え見えの攻撃に当たるわけが無い。俺とアレクは左右に突進を避けると、手に持っていた剣とピッケルを構えなおした。

 

「コイツはそんなに厄介な攻撃方法はとらない!だが油断するな!」

 

「はいですニャ!」

 

目標を見失ったイャンクックは全力の突進に止まることが出来ず、体勢を前に倒した。その隙を見逃すはずも無く、俺の鉄剣はイャンクックの左足を、アレクのピッケルは尻尾の付け根を攻撃した。しかしピッケルでは心許なかったのか、堅牢な鱗に阻まれてしまった。

 

「ニャアアアァァァァァ・・・!!!手、手が痺れたニャァ・・・!!!」(プルプル

 

「アレク!大丈夫か!」

 

「大丈夫ですニャ・・・でも私のピッケルでは歯が立たないですニャ!」

 

それを聞いて俺は苦い顔をする。剣はこの1本しか持ってきていないし、その他に武器になりそうな物は無い・・・どうする・・・!?

考えている間にもイャンクックは起き上がり、尻尾を振り回した。近くに居過ぎたので尻尾に当たらないようにしゃがむ。アレクは身長が低く、しゃがまなくてもかわせる様だ。

 

「アレク!とにかく出来る限り攻撃してくれ!弾かれていても少しくらいはダメージは入っているはずだ!」

 

「了解ですニャ!」

 

このイャンクックというモンスターは攻撃の隙が大きく、ダメージを与えやすい。それに竜の中では鱗も柔らかいほうだ。なら隙を突いてダメージを与えれば勝てる!そう考えた俺はひたすら攻撃をすることにした。

 

「オラァ!この剣なら攻撃は通じる!やれるはずだ!攻めるぞアレク!」

 

「了解ですニャ!」

 

俺は動きを止めるために足を、アレクは軟らかいと思われる顔を中心的に狙った。執拗に、何度も何度も同じところを狙った。

 

「クケェェェッ!」

 

イャンクックは鬱陶しそうに退却するが、素早くさっきと同じポジションに着く。10分ぐらい同じところを斬っていると遂にバランスを崩し、悲鳴と共にその場に倒れ伏した。

 

「今だ!一気に攻めるぞ!」

 

「了解ですニャ!ご主人様は翼を!」

 

「OK!うりゃぁぁぁ!!!」

 

俺は脚から翼に狙いを変え、飛ぶ事を困難にさせた。アレクはさっきから攻撃していた嘴の先が遂に欠け、耳を狙っていた。もう全身がボロボロになったイャンクックだが、まだ余力は残しているらしく、尻尾を振って俺たちを退かせ起き上がり、地団太を踏んで怒りを露にしていた。

 

「まだか・・・中々しつこいな・・・!」

 

「鳥竜といっても一応は竜ですニャ。飛竜ほどでは無いにしろ其れなりのタフさはありますニャ」

 

もう一度斬りかかろうとすると、イャンクックが何かを溜める様な動作をした。それと同時に頭が上を向く。これは・・・!

 

「アレク!避けろ!」

 

イャンクックの口から赤い塊・・・火球が吐き出される。赤々と燃えるその火球は放物線を描いて前に走り出そうとしていたアレクに向かっていった。俺はアレクを横に押し出し自分も前に転がるが、すぐ横の地面に落ちた火球の爆発の余波で4~5m吹っ飛ばされ、激しく地面に叩きつけられた。

 

「ゴハッ!!!があぁ・・・!イッテェな・・・!」

 

「ご主人さま!!!」

 

一瞬意識が跳んでいたが、アレクの声で意識がしっかりした。全く、俺の心配より自分の心配をしろよ・・・俺には勿体無い相棒だ・・・。そう思って起き上がろうとすると左腕に激痛が走った。地面に激突したときに皹でも入っただろうか?とりあえず左手は使わずに立ち上がり、剣を構える。

 

「大丈夫だ!さっさと終わらせて帰るぞ!」

 

「はいですニャ!」

 

イャンクックを見ると耳を畳んでいる。怒りが解けて弱っているようだ。先ほどの怒りも空元気だったのだろう。それに足を引きずっている。

 

「アレク!止めを刺すぞ!ハアアアァァァァ!!!」

 

「了解ですニャ!ニャアアァァァァ!!!」

 

一気に勢いをつけた俺とアレクの一撃はイャンクックの首を刈り取り、悲鳴すら残さなかった。首を失ったイャンクックの胴体は大きな音を立ててその場に力なく倒れ伏した。

 

ズズウウウゥゥゥゥゥ・・・・・・ン!!!

 

「ハッハッ・・・倒した・・・よな・・・?」

 

「やりましたニャ!倒したんですニャ!」

 

力が抜けて尻餅をついた俺にアレクが抱きついてきた。よっぽど嬉しいらしい。イャンクックの死体はオーブに還元されて俺とアレクの身体に吸い込まれていった。

 

「これで攻撃力が上がるのか?まあそんな機能があるのかどうかも分からないが・・・ってかアレク喜びすぎだろ。ちと離れてくれ。俺左腕やらかしちまった」

 

「す・・・すいませんニャ・・・こんな少人数で大物を倒したのは初めてで・・・あの火球から私をかばったときですニャ?完全に油断していましたニャ・・・」

 

俺から少し離れて、頭を伏せて落ち込んでしまった。ちょっと強く言い過ぎたか?そう思って右手で頭を撫で、アレクを慰めた。

 

「ニャ・・・」

 

「そんなこといくらでもあるって。俺も早く気づかなかったしな。これから油断しないように頑張ればいいだろ。なあ、相棒(・・)?」

 

その言葉にアレクは目を大きく開き、そして涙を流して俺に再び抱きついてきた。

 

「ニャアアァァァァ!!!ご主人さまぁぁぁぁぁ!!!」

 

「おっと。おいおい勘弁してくれよ・・・とりあえずさっさと帰ろうぜ?」

 

「ぐすっ・・・はいですニャ!」

 

何とかアレクを泣き止ませると石の小屋を解体し、中の動物達を引き連れて家に向かって歩き出した。

 

 

 

~~~青年と獣人帰宅中~~~

 

 

 

漸く家に帰ってきた俺たちは動物ごとに作った部屋に割り振り、それぞれに餌の入れた皿と水の入った器を置き、家に帰った。とりあえず腕を固定し、応急処置を済ませると、1階のソファで寛いでいた。

 

「ふう。なあアレク、お前は素材何ゲットした?俺は鱗が2つに翼膜が1つ、甲殻が2つ、耳が1つだ」

 

ひと段落着いたところでさっきのイャンクックの戦闘での報酬のことを話し合うことにした。

 

「私は鱗3つに甲殻が1つ、嘴が1つですニャ。1回でこれだけ取れたのは運が良いですニャ!」

 

アレクが言うにはモンハンとは違い、アイテムのドロップ数はランダムなのだそうだ。図体のデカイ奴や実力の高い奴ほど多く落とすらしい。だがアレク自身はそこまで大物を狩った事が無く、ドスランポス程度しか狩ったことが無いと話した。

 

「そうか・・・この本によると武器が作れるらしいんだが・・・素材が足りん。火炎袋と獣骨なんざ持ってないしな。防具も持ってないし、暫くは保存だな。使いたかったら勝手に使っていいぞ?」

 

「必要なときはご主人様にお伺いしますニャ。それでは少し遅いですが昼食の準備をしますニャ」

 

そう言ってアレクはキッチンに向かい、料理を始めた。今朝の朝食のようなおいしいものが出てくると思うと少し楽しみのなってくる。今まで碌に調理されたものを食べていなかったからだろう。

 

少し待つと、アレクが料理を持ってきた。

 

「ん、手伝うよ」

 

「あ、ありがとうございますニャ。すみませんニャ・・・お手を怪我しているにもかかわらず・・・」

 

「いいっていいって。持ちつ持たれつの関係でいきたいしな!」

 

左腕は少し痛むが激しい運動をしない限りは問題ない。料理を運ぶ程度なら大丈夫だ。料理を机に運び終わると、俺たちも席に着いた。いい匂いが立ち込め、食欲をそそる。

 

「スクランブルエッグと豚肉のサンドイッチとベイクドポテトですニャ!とりあえずこれだけですニャ。足りなかったら言って下さいニャ!」

 

「分かった。んじゃあ食おうか」

 

「「いただきます(ニャ)」」

 

 

 

~~~食事中~~~

 

 

 

「ふう、お腹一杯だ。流石に食いすぎたかな・・・」

 

結局足りなかった俺はサンドイッチを2枚お代りをした。アレクの料理は美味い!

 

「狩りの後ですからお腹が空くのは当たり前ですニャ。午後はどうしますかニャ?」

 

「んー・・・食糧確保だな。もっと違う種類の食料も集めよう。料理の幅も広がるしな」

 

「了解ですニャ!」

 

午後は食料の確保に決まった。俺とアルクは自室に戻り、準備をすることにした。

 

 

 

 

 




戦闘シーンも恋愛シーンもどう書いていいのかわかーらーないー(CV,玉置成実)
教えてくれ五飛、俺はどうやって戦闘と恋愛を書けばいい・・・?ゼロは何も言ってくれない・・・。
ちなみにイャンクックが襲ってきた原因はやっぱり縄張り関係です。自然の摂理ですな。
料理に関しては実際にMODにあるものとマイクラで存在しない物がありますが作れそうなものしか出しませんので。いきなりピザとか無理ですしね。小麦粉いりますし、小麦粉作るための臼が要ります。あ、攪拌器も要るか・・・。
この小説クリーパーカーっ娘がヒロインのはずなのになーアレクしか出てないなー・・・どーしよ?ほんっといつ出せるのかなぁ・・・。
garcia様、rokia様、大犬様、感想ありがとうございます!これからもこの駄文を何卒宜しくお願いします!そして感想、誤字報告、意見など何かございましたらどなたでもお気軽に宜しくお願いします!
次回、食材を求め周辺を練り歩く一縷達一行はどんな食材たちに出会えるのか!?そしてアレクの料理の腕前やいかに!?
『食材の呼ぶ声』お楽しみに~!







前回のサブタイのネタは機動戦士ガンダムより、「ランバ・ラル特攻!」です。








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食材の呼ぶ声

どうも、周りの友達の進路が次々と決まって焦っているペペです。いや、その友達はAO入試で私は公募推薦だから仕方ないんだけどね?焦っちゃうのが人間なんだよねー。早く終わんねーかな受験・・・早くエンジョイしたい。
そしてこの頃新規小説を考え出した私・・・この小説だけでも大変なのになに考えてんだ?でも書きたい。面にチート系。mugenの全キャラになりきれるとかいいな・・・希望があれば書きたいと思います。この世界がいいってのもあったら一緒に書いてくれるとありがたいです。書く時期は分かりませんが(笑)
まあそんなことは置いといて、どうぞ!


「さてと、んじゃ準備しますか。どんな物が集まるかなー」

 

これからの頑張り次第でアレクの美味い飯の種類が増えるのだ。そう考えると張り切らずにはいられない。

 

「えっと、ピッケル、スコップ、斧、剣・・・まあこの左手の怪我のおかげであんまり力作業は出来ないけど・・・まあアレクに怪我はなかったんだし、それでいいか」

 

あそこで助けなければどうなっていたか・・・俺もアレクもゲームのように一瞬で怪我が治るとは思わない。この程度ですんで運が良かった。

 

「まあ考えてても仕方ない。さっさと行くか」

 

俺はチェストに掛けておいた防具を纏い1階に下りると、朝とは違いアレクが準備を済ませて1階に降りていた。

 

「早いなアレク。待たせちまったか?」

 

「いえ、朝はピッケルが汚れていたので少し手入れをしていたんですニャ。では行きましょうか」

 

俺はその言葉に頷くとドアを開け、食糧確保に望むことにした。

 

 

 

「さてと、どの方向に行こうか?」

 

あいにくとまだコンパスや地図は材料が無く手持ちが無い。なのでなるべく迷わないように進みたいところだ。

 

「ご主人様の話ですと、あの向こうに見えるジャングルには大物がいるから避けたい所ですニャ。ということは・・・その逆方向には行ってないのですかニャ?」

 

「そういえば・・・行ってないな」

 

そもそもこの周囲から離れたのがあの木材を採りに行ったとき位なのでここらから離れると地形が分からない。どんなバイオームがあるのか気になるところだ。

 

「ならそっちに真っ直ぐ行ってみるか。なんかあったら言ってくれ。俺も探しとくけど知識はアレクのほうが多いからな」

 

「了解ですニャ!」

 

進む方向を決めた俺たちは食材を求めて歩き始めた。

 

 

 

1時間ほど歩いた俺たちは困り果てていた。何故か?この草原地帯が中々抜けられないからである。

 

「・・・何にもねえな・・・木もちょくちょくしかねえしどんだけ広いんだよ・・・」

 

「全くですニャ・・・こっち側を選んだのは失敗だったかもしれないですニャ・・・すいませんニャ・・・」

 

「いやお前は悪くな・・・!!!アレクあれを見ろ!!!」

 

暫く歩いて疲労と絶望感から2人してダークサイドに落ちかけていると視界の一箇所だけ色が違う場所を捉えた。どうやらジャングルとまではいかないが其れなりの木が生えたところのようだ。

 

「アレク!」

 

「はいですニャ!」

 

俺たちはそこに向かって走り出した。

 

 

 

木が生えた場所に着いた俺たちに待っていたものは2つあった。1つは様々な食物だ。木になっているものから地面から生えているもの。はたまた綺麗な湖の中で優雅に泳ぐ魚。実にいろんな種類の食物がそこに存在していた。そしてもう1つは・・・

 

「まあこんだけ食べ物があれば沸いてくるわな」

 

「「「ギャオオオッギャオオオッ!!!!!」」」

 

「「「ブウウウンブウウウン」」」

 

「「「クオオオオオオオン!!!!!」」」

 

「「「フゴゴゴッ!!!」」」

 

「「「ゴアアアアアアアッ!!!!!」」」

 

「ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

 

その食物を糧としているモンスター達である。

前に戦ったランポスやランゴスタをはじめ、ヤオザミやジャギィ、ブルファンゴ、コンガ、挙句の果てにはそのボス格のババコンガなんてのもいる。そいつらが同じ固体同士でチームを組み合って渾沌の地と化していた。まるでどこかの無双出来る爽快ゲームである。ババコンガが呂布か本田忠勝らへんなんだろうな・・・。

 

「アレク。俺の怪我じゃあの数は無理だ。片手で振らなきゃならんことになるしな。ばれない様に周りのものだけとって傍観しとこう。数が減ったら残党を狩るということで。オッケーか?」

 

「オッケーですニャ!それにしても凄い数ですニャ・・・」

 

「ああ・・・それだけ食料がないんだろうさ・・・幸いこっちには気づいてないし、ゆっくりな?」

 

「了解ですニャ!」

 

俺たちはモンスターに気づかれないようにしながら周りの食物を採取していった。目と鼻の先でもの凄い威嚇の声がいくつもすることに少し恐怖を覚えたが、こっちに気づいた様子は一切無かったので黙々と採取を進める。何十種類とあるようで、明日からはレパートリーがたくさん出来るとアレクが飛び跳ねていた。どうやら俺に出す料理の幅が広がることで喜んでいたようだがお前の料理は何でも美味い、毎日ずっと食いたいと言うと顔を真っ赤にして俯いてしまった。流石にクサすぎたかな・・・。

 

「あー、すまんアレク。今のは忘れてくれ。自分で言ってて恥ずかしかった。まあ美味いのは事実だが・・・」

 

「い、いえ・・・う、嬉しいですニャ・・・///(毎日ずっとって言うことは・・・つまりそういうことで・・・///ハッ違う違うそれは恐らく相棒的なことででも相棒って言い換えるとそういう関係でニャーーーーー!!!!!)」

 

なんかアレクの頭から湯気が出てんだが・・・大丈夫か「ニャー・・・パタッ」っておーい!!!

 

「アレク!?どしたお前!?おいおい本当に大丈夫か!?」

 

いきなり仰向けに倒れたアレクに駆け寄り抱きかかえるとアレクは顔を真っ赤にして目を回していた。どうやら気絶してしまったようだ。これはもう無理かな、そう思ってアレクを背負いながら周りの植物を採取していき、おおよそ1時間ほどで全て採り終わった。コーンやトマト、レタス、クルミ、バナナなど大量の食物が取れた。俺のバッグの容量がパンパンになりかけなのでここらでやめておくことにした。しかしまだアレクは目を覚ましそうに無い。

 

「どうしようか・・・釣りでもするか。竿は作ってきたし。よいしょっと・・・ここなら簡単には見つからんだろ。ってかまだ鳴き声聞こえてくるし・・・どんだけやってんだよ・・・」

 

近くにあった湖のほとりに座ってアレクの頭を俺の太ももにおいて地面にに持ってきておいた羊毛で作った座布団を敷き、そこで寝かせた。所謂膝枕だ。そしてバッグから家から持ってきた釣竿を出し、疑似餌を取り付け湖に垂らした。

 

「さって、どんだけ釣れるかな~っと・・・あと早くアレク起きねえかな・・・」

 

 

 

「う、ううぅ~~~ん・・・ニャ?」

 

「ん?起きたかな?」

 

人の手がかかっていないためか魚の食いつきが良く、十数匹獲れた所でアレクが目を覚ました。俺が上から顔を覗き込むと細かった目がいきなり大きくなった。

 

「おはようアレク。あんまり寝てると夜寝れないぜ?」

 

「・・・ご、ご主人さま・・・?ということは私が今枕代わりにしているのは・・・」

 

「ああ、俺の太ももだな」

 

その言葉を聞くや否や顔を真っ赤にさせて電光石火のごとく飛び上がり、頭を下げていた。

 

「す、すみませんニャ!!!///ご主人様にこんなことをさせてしまって・・・それに食糧確保も・・・」

 

アレクがそこまで言ったところで俺は話を遮った。

 

「いいさ。お前は相棒だって言ったろ?ちっとぐらいかまわねぇよ。逆にもっと頼って欲しいぐらいだ。まあその分頼らせてもらうけどな?」

 

「ご、ご主人さま・・・!」

 

なんかアレクが目をキラキラさせてこっちを見ているんだが。なにこのアイルーかわいい。

 

「そ、それよりアレク。お前も釣りしないか?めちゃくちゃ釣れるぞ?魚も腐らないから置いて終けるし、釣れるだけ釣っとこうぜ」

 

「了解ですニャ!あ、これ作っておいた小腹満たしの干し肉ですニャ!1人1枚有りますのでどうぞですニャ!」

 

「おっいいねぇ!んじゃ貰うわ。モグモグ・・・うん、美味い!アレク、あと一時間ほどで帰るか。本格的な晩飯を頼む!」

 

「分かりましたニャ!今日の夜は取って置きのメニューを振舞いますにゃ!」

 

「おお!楽しみにしてるぜ?」

 

そう言いながら俺たちは時間の限り釣りを楽しんだ。

 

 

 




・・・アレクがついに堕ちたぁぁぁぁぁ!!!!!どーすんだよ私!クリーパーカーっ娘出てないのにこの有様とかマジでどうしよう・・・。皆さん!アレクはあくまで「ヒロインの1員」です!この子だけじゃありませんからね!?
そして以外に鈍感な一縷。膝枕とかうらやまけしからん!!!私にもナデナデさせろー!!!
ここで採った食物はPam's Modsで出てくるレア食物以外の殆どです。レアも何個かは採ってますがね。まあそのあたりはまた今度。
この場合の干し肉はマジで水分を飛ばしただけの干し肉です。火で軽く炙っていますが。
ババコンガたちと戦うと思った?残念、戦いません。まあ今はってだけだけどね。鳴き声の判別の仕方は上からランポス、ランゴスタ、ジャギィ、ブルファンゴ、コンガ、ババコンガです。分かりにくかったらすみません。ババコンガの鳴き声ってこれでいいのかな?いいのがあったら教えてください(汗)
garcia様、void0様、rokia様、大犬様、感想ありがとうございます!これからもこの小説を宜しくお願いします!そして読者の皆様、感想、誤字報告、意見など何かございましたらどなたでもお気軽に宜しくお願いします!書いてくださるとペペが泣いて喜んで出来るだけ超特急で返事を返します!
次回、食物や調味料の原料を見つけたものの、あの伝説の艦、木馬の中でも不足していたあの至高の調味料が無いことを知った一縷はアレクと共に大地を突き進む!果たして彼らは至高の調味料を探し出すことが出来るのか!?
『岩塩を捜せ』お楽しみに~!







前回のサブタイのネタは機動武闘伝Gガンダムより、「その名は東方不敗!マスター・アジア見参」です。



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岩塩を捜せ

お待たせしました!学校開始+文化祭の準備+風邪のトリプルコンボで中々投稿できずお待たせしてしまい、申し訳ありませんでした!これを書いている今も喉が痛くて堪りません(汗)葛根湯飲んで早く寝ることにします。
マジカルミライ行きたかったなー・・・皆さん行かれましたか?私は用事で行けませんでしたがテレビで見て大はしゃぎでした。ODDS&ENDS良かったなー!最後の39途中ブチ切りだったのは軽く切れかけましたが。
もうすぐFateも始まりますね!PVだけでは我慢できない!!!早く見たいなー。アーチャーさんマジかっけぇ!!!
まあそんなことは置いておいて、どうぞ!


暫く釣りをしていた俺はある事に気がついた。

 

「・・・海の魚も釣れてねえか?」

 

そう言って覗いたバッグの中には淡水塩水様々な水中の生き物が入っていた。サケ、マス、マグロ、タラ、サバ、スズキ、アジ、ウナギ、ニシン、イカ、引っかかったエビやハマグリなんてものもある。これでもまだ半分ぐらいだ。どう考えてもこんな湖で取れるような魚達ではない。

取れた魚達に奇妙な視線を送っているとアレクは俺の言葉に首をかしげた。

 

「海、ですかニャ?」

 

「え?」

 

疑問の訳を聞くとこの世界に海は無いそうだ。どんな大きなものであろうが水があるところは『湖』なのだそうだ。勿論淡水だ。この世界に対応して魚達は淡水に進化しているのか・・・?

そこまで考えたところで俺はある事実に気がついた。

 

「・・・・・・塩水が無いってことは・・・塩は?」

 

その言葉にアレクは言葉を返す。

 

「岩塩のことですニャ?そういえば忘れていましたニャ!ご主人さま、後で岩塩も探しにいきましょうニャ!」

 

とりあえず岩塩はある事に安心した俺だが、今までの道にそれらしきものは見当たらないことを思うとまた探し回る羽目になることが少しだけ面倒に感じた。しかしアレクの美味い飯には代えられない。

 

「そうだな。まあとりあえず先にこっちだ。魚は余分に取っておいて家の近くに生簀でも作ろう。そうすれば取れ立ての新鮮な魚が食える!幸いこのバッグに入れたものは時間が立たないからな。・・・まあそろそろバッグも限界に近いわけだが」

 

バッグの目盛りはこれ以上ないほどに一杯になっており、後幾つかの素材を入れればいっぱいいっぱいになってしまうほどだ。正直ここまで素材を入れたのは初めてだ。

 

「岩塩と後ろで闘り合ってる奴らの素材を入れたらもう入らないだろうな。・・・ってもう終わったか?」

 

さっきまで辺りに響いていた闘いの音は聞こえなくなっており、辺りには俺とアレクの声だけが響いていた。

 

「終わったようですニャ・・・仕掛けますかニャ?」

 

「ああ。とにかく様子を見に行くぞ」

 

そう言って釣り道具をバッグに入れ、剣を取り出して立ち上がった。アレクも立ち上がって武器のピッケルを構える。近くの草むらから覗くと様々なドロップ品が散乱しており、勝者であるババコンガが辺りの食物を貪っていた。その横には生き残った子分であろうコンガが2体居り、同じく食物を貪っていた。

戦いは熾烈を極めたのかババコンガのトサカは半ばで圧し折れ、爪も所々短くなっており、桃色の毛皮も自分の血や返り血で赤く染まっている。コンガ達も同様に傷だらけである。

 

「今がチャンスですニャ!裏に回って奇襲を掛けましょうニャ!」

 

「そうだな。まずあのコンガどもを片づけるぞ」

 

「了解ですニャ!」

 

俺とアレクは草むらに紛れながら慎重に3匹の背後に回り込んだ。ババコンガ達は激戦の疲れからか食物をある程度食ったと思ったら鼾を立て始めた。全ての敵は排除したと思い込んだのだろう、警戒心ゼロのようで大きな腹を天に向け大鼾だ。コンガ達も同様に寝始めた。

 

「アレク、お前は向こうの弱ってるコンガを頼む。俺はこの手前のコンガをやる。ババコンガは最後だ」

 

「かまわないのですが・・・左腕は大丈夫なのですかニャ?」

 

アレクは心配そうに俺の左腕を見る。確かに動かすのは少し辛いがハルクと闘ったときよりマシだ。あの時はボロボロだったからな・・・っとそんなことは関係ない。

 

「大丈夫だ。さっさと終わらせてしまうぞ。早く家に帰って飯食いたいしな!」

 

「・・・・・・分かりましたニャ。早く終わらせましょうニャ!」

 

アレクはまだ少し不安そうな顔をしたが、この場を早く終わらせて帰ることが一番だと察したのか、寝転がったコンガに狙いを定めていた。

 

「ご主人さま、1、2、3でいきましょうニャ」

 

「りょーかい!」

 

「「1、2の・・・3ッ!」」

 

掛け声と共に草むらから飛び出し、それぞれの獲物に襲い掛かった。

 

「「ゴアアアアア!?」」

 

完全に眠っていたため俺たちが近づいてきたことにも気づかず片方は首と胴体が離れ、もう片方は顔面にピッケルの鋭い刃が突き刺さっていた。その2匹があげた断末魔ににババコンガが起き上がるが攻撃も逃走もさせるつもりもない。

 

「アレク!何もさせるな!」

 

「了解ですニャ!ご主人様は四肢を!」

 

「オッケー!」

 

アレクは俺の言葉に反応し、目や脳天を狙って起き上がれないようにし、その間に俺はババコンガの四肢の自由を奪う。片手では完全に切ることは出来なかったが腕や足なんて腱を傷付けられれば動かなくなる。

 

「ゴアアアアアアアアア!?!?」

 

俺たちの行動はババコンガの自由を完璧に奪い、暴れることもできずただ悲鳴を上げることしか出来ない状態になる。痛みと憤怒で暴れまわるが身体の自由は利かず、只身体が揺れるだけだ。

 

元々体力も残っていなかったのだろう、少しするとすぐに悲鳴も上がらなくなり、息も絶え絶えになった。

 

「・・・止めは私が?」

 

アレクは俺に気を使っているのだろう。だがいくら人型に近いからといってもこれは敵だ。

 

「大丈夫だ、俺がやるよ。それがこいつへの今出来る最大限の礼儀だ」

 

俺は剣を構え、ババコンガの喉に振り下ろす。

 

「ガッ・・・」

 

その一撃で俺の2倍は有りそうな桃色の牙獣はあっさり息絶えた。だが罪悪感は沸かない。これが自然の摂理であり、ルールだからだ。逆に言うと俺もアレクもこうなるかもしれないんだ、ここは日本じゃない。気をつけなきゃな・・・。

 

その亡骸はすぐにアイテムになり、俺とアレクはそれらを拾い上げる。収穫は毛が3つ、牙が1つ、爪が2つだった。極彩色が出なかったのは残念だ・・・。

 

「お見事ですニャ。ですが大丈夫ですかニャ?」

 

アレクは俺を心配そうに見てくるが、命を奪うことに割り切った俺はアレクの頭を撫でて心配させないようにした。アレクは顔を真っ赤にしてこっちを見てきたがそんなに恥ずかしかったのか?

 

「ニャー・・・///と、とにかく!岩塩を探しに行きましょうニャ!(こ、ここは戦場気を抜いてはいけないでもご主人様に撫でられ・・・ニャ~!?!?!?!?!?/////)」ダッ!!!

 

怒らせてしまったのか、俺の手を振り払って先に行ってしまうアレク。アレクってこんなに恥ずかしがり屋だったのか・・・これからは気をつけよう・・・アレクの毛って滅茶苦茶サラサラしてて気持ちいいんだよな・・・まあそんなことよりアレクを追いかけよう。

 

「おーい!待ってくれアレク~!」

 

 

 

「ご主人さま・・・申し訳ありませんでしたニャ・・・」

 

「いいさ。俺こそゴメンな?恥ずかしかったろ?」

 

「い、いえ・・・その・・・で、出来ればまた・・・(ごにょごにょ」

 

少しして我を取り戻したアレクは逃げるのをやめ、俺に謝ってきた。頭を撫でたことに怒っていた訳ではなかったらしい。嫌がっているわけではないらしいのでまた撫でようかな・・・でも外では自粛しよう。まあそんなことは置いておいて、俺たちがここで止まった理由はもうひとつある。

 

「岩塩・・・意外とあっさり見つかったな。しかもこんな大鉱脈(?)で」

 

「はいですニャ・・・これを全部掘り出せば軽く1年はもちますニャ・・・」

 

俺たちの目の前の崖にはこれでもかというほどの岩塩の鉱脈が顔を見せていた。アレク曰くここまでの鉱脈は村でも見たことが無いらしい。まあこの量全部を持っていくほどバッグの余量は無い為、目印を作っておく。そしてこの辺りに松明を大量に置いておいて夜でもすぐに見つかるようにする。

 

「目印は石の塔でいっか。松明は・・・30本ほど置いていこう。これなら夜でも明かりで見えるだろ。よし!んじゃ石積んでいくか!」

 

「了解ですニャ!」

 

しばらく石を積む作業をし、気づいたら50mはあるだろう石の塔が俺たちの眼前に聳え立っていた。・・・少し積みすぎたか?まあいいか。

 

「よし、限界まで採掘したし、帰るか!」

 

「そうですニャ。そろそろ暗くなる頃合いですニャ」

 

太陽を見るともうだいぶ地面に近づいており、辺りが黄昏に染まろうとしている。ここから家まで1時間ほど歩いたので急いで帰らなければマズイ。

 

「確かこっちだったよな?」

 

「はい。あの木が入り口辺りのはずでしたので・・・」

 

「おっしゃー!さっさと帰って飯にしようぜ!」

 

「今日の晩御飯はお鍋にしましょうニャ!ちょうど材料も集まりましたし・・・」

 

「鍋かー。楽しみだな!いずれ米も見つけて寿司とかしたいな」

 

世界が黄昏に染まるなか、俺とアレクは家に向かって歩き始めた。

 

 




アレクの一縷への好感度はストップ高です。デレッデレですなwww逆もまた然りwww
Pam's Modsでは出てこない食物も存在します。そこんところは大目に見てください(笑)
ババコンガがあっけないって?弱ってたからしゃあないということでどうかひとつ。
そろそろ一縷達の武装も強化しないとなー・・・鉄だけだったら勝てねえや。
garcia様、大犬様、rokia様、感想ありがとうございます!この方以外のコメントも募集していますのでどしどしお願いします!上記のお三方もこれからも宜しくお願いします!
次回、自身の武装の貧弱さに気づいた一縷とアレクはより強い鉱石を求め石の中を掘り進む!その先に待つものとは・・・?
『ダイヤの鐘は二度鳴る』お楽しみに~!







前回のサブタイのネタは機動戦士Zガンダムより、「宇宙の呼ぶ声」です。



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ダイヤの鐘は二度鳴る

どうも!奇跡的に短い期間であげることが出来ました!
いやーひさしぶりに2GしたのはいいですがG級の金リオで1落ちするほど鈍ってました(笑)半年もほっとくんじゃないねwww
そして高校の友達のプレイにイライラしてました。「何でそこで喰らうんだよ!」とか「何で今攻撃しないんだ?」とか。私の中学の時の友達のグループでクエストに参加する条件はウカム1人狩り成功が絶対基準の超シビアでしたからね(汗)友達にも緊急回避を使わないとか、後何回で怯むか解るとか、挙句の果てにはミラルーツ裸で撃退成功とかもう訳ワカメ( ´,_ゝ`)
私?後ろで後方支援でしたよ・・・おかげでランスとへビィボウガン以外は問題無く使えます。1番は太刀とライトボウガンですがね。罠とかも合図無しで仕掛けていましたが何か?(涙)
皆さんはモンハンで何処までふざけましたか?裸ウカムとかやりました?面白いと思うようなモノがあれば感想お願いします!
っと、長々とすいません(汗)では、どうぞ!


大量の食材と岩塩を持って返ってきた次の日、俺の腕も治りランポス達からの襲撃に応戦しつつ生簀を造っていた。そこには大量の魚を放り込む予定なので大きさも深さもそれなりにいる。

 

「とりあえず30×30×10基準でいいか。良しアレク!スコップは持ったか!?」

 

「持ち過ぎてバッグの3分の1が埋まってますニャ!」

 

「OKだ!昼までに全てを終わらせるぞ!昼からは採掘だからな!」

 

採掘する理由はこれからのためだ。俺はこの世界から出るために古龍を狩らなければいけない。今までの敵は鉄の武器でも何とかなったがモンハン内でも比較的雑魚に入る奴らだからだ。リオレウス辺りが来たらひとたまりもないだろう。せめてダイヤ装備は欲しい。

 

「アレク!こっから30だ!行くぞー!」

 

「了解ですニャ!」

 

「「せーのっうりゃりゃりゃりゃりゃ!!!」」ザクザクザクザクッ!!!

 

早く終わらせるために俺とアレクは猛スピードで地面に穴を開けていった。

 

 

 

2時間後、漸く掘り終えた俺達は水を汲んで魚達を放流することにした。それにしても大量に取ったもんだ・・・ってん?

 

「この魚って・・・黄金魚か?こんなものまで獲ったのか・・・ってアレクか?」

 

手に取った魚は黄金に輝き、太陽に反射して目に悪い魚だった。この魚は俺は釣った記憶がないのでアレクが釣っていたのだろう。途中で別々になって場所変えたしな。どうやらこの世界にはモンハンの魚までいるようだ。

 

「その魚は中々獲れなくて贅沢品なんですニャ!味も良いし大きいしで2つ獲れたのが奇跡ですニャ!」

 

どうやら価値観はモンハンの世界と変わらないらしい。・・・小金魚とか食えるのだろうか?・・・あれは観賞用か。

この世界ではある程度数がいるところに一週間周期でスポーンしていくらしい。魚にとって卵は一種の内臓なんだそうだ。この世界では卵で増えるのは鶏だけらしい。一体どうなってんだか…。

 

「中々獲れたからな。軽く100匹はいるか?こんなに獲れるとはな・・・」

 

「でもこれで魚には困りませんニャ!」

 

「そうだな。お前の料理も楽しみにしてるよ(ナデナデ」

 

「あ///・・・あうぅぅぅ///ま、任せてくださいニャ・・・///」

 

おっとまた無意識に頭を撫でてしまったようだ。でも喜んでるし俺も気持ちいいから別にいいか!

あ、そういえば・・・

 

「畑も大きくしなきゃな。今回採って来たやつも植えなきゃいけないな」

 

「///////・・・ハッ!そ、そうですニャ・・・それは明日でいいのでは?今はチェストに置いておいて今日の所は鉱石回収をやりませんかニャ?」

 

どうやらアレクがこっちに戻ってきたようだ・・・まあまだ顔は赤いが。だがアレクの言葉は正しい。今この状況で大型モンスターが来ないとも限らない。アレクの言葉に頷いて魚の放流を済ませてしまう。

 

「こんなに獲ってたんだな・・・バッグが空っぽになったぜ。うし、昼飯食って鉱石掘りをするか!」

 

「了解ですニャ!昼食は・・・ハンバーガーにでもしましょうかニャ?」

 

その言葉を聞いて俺の目は輝いた。この世界に来て夢にまで見たハンバーガーが漸く食えるのだ。ああ、食材があるってすばらしい・・・!!!まあアレクの料理は全部上手いわけだが。

 

「ヨッシャー!!!早く食おうぜ!!!」

 

「クスクス・・・分かりましたニャ。それじゃあ中に入ってまず手を洗いましょうニャ」

 

俺は期待に胸を膨らませて家に帰った。

 

 

 

「あー食った食った。メチャクチャ美味かったぞアレク!」

 

「それは良かったですニャ。では鉱石掘りをしましょうかニャ」

 

ハンバーガーを3個平らげた俺はピッケルを作り、裏手の平原を掘っていくことにした。崖や山か何かがあればいいのだが、このだだっ広い平原にそんなものがあるわけもなく、結局階段掘りをすることになった。え?最初の崖?ハルクに襲われてトラウマになってんだよ言わせんな恥ずかしい。アレクにもそのことを言っておいて理解してもらってる。もうあそこには行きたくない・・・(ガクブル

適当なところを決め、2人で掘っていくことにした。

 

「よし、ここから掘っていくか。まあゆっくりでいいか」

 

「そうですニャ。時間もありますしゆっくりで良いですニャね」

 

カツーンカツーン!!!

 

俺とアレクはダイヤやマカライト鉱石が出ることを祈り、ピッケルを振るい続けた。

 

 

 

カツーンカツーン!!!

 

「おっまた鉄鉱石見っけ!これで1スタックか?」

 

「中々出ますニャ。でもまだダイヤは出ないですニャ・・・」

 

「まあそんなもんだろ。マカライトもダイヤとほぼ同じぐらいの確率らしいし・・・(ガキィン!!ん?あ、岩盤に到着したな」

 

3時間ほど大した収穫も無くひたすら掘っているとこの世界の限界、岩盤に到着した。この岩盤はいかなるものであろうと破壊できず、とてつもない硬度を誇る。

 

「んじゃあアレク、ここから上に大体10メートル地点にあるんだな?」

 

「はいですニャ。大体その辺りが尤もダイヤやマカライトが出やすい深度ですニャ。ですがこの深さになると溶岩も多くなりますので注意してくださいですニャ」

 

フムフム・・・マカライトはともかくダイヤは炭素が熱されて出来るものだからか?まあ今は掘るか。

俺は少し上に上がり、岩盤から10メートル上がったところを横に掘り始めた。

 

カツーンカツーン!!!

 

「・・・おっ!ラピスラズリだ。でもこれってどう使うんだろうな?」

 

「主に染料の材料に使われますがあまり必要ではありませんニャ。・・・ニャ!!!ご主人さまダイヤですニャ!!!」

 

「おっ!やったなアレク!え・・・と、5個か。前に採った6個と合わせて11個。フル装備にするには1人頭24個。さらに剣1本とピッケル2本を入れて合計56個・・・気が遠くなるな・・・」

 

「私は鉄装備でも良いのですがニャ・・・今の皮よりは防御力は上がりますしニャ・・・」

 

その言葉を聞き俺はアレクに向かって振り返る。アレクはいきなり振り向いた俺に驚いたようだがかまわず俺の意見を述べる。

 

「駄目だ!イャンクックのときも俺が庇わなかったらどうなってたか・・・!ダイヤ装備ならある程度の攻撃も耐えれるはずだから作っておきたいんだ。武器だっていつか俺の鉄剣で切れない敵が来るかもしれない。だからダイヤ装備は揃えておきたいんだよ」

 

「ご主人さま・・・!そこまで考えていらしたのですかニャ・・・分かりましたニャ。頑張って揃えましょうニャ!」

 

「ああ!それにしてもドスランポスと闘いたい・・・。爪や皮があればあの本に書いてあったランポスの武器が作れるんだが・・・そう上手く事は運ばねぇよな・・・ハァ」

 

この世界に来て1度もドスランポスを見かけていないため、モンハンの初心者武器であるランポスシリーズが作れないのだ。イャンクックも一回だけしか倒していないため素材が圧倒的に足りない。

 

「まあいい。掘るぞー!!!」

 

「了解ですニャ!」

 

それから日が暮れるまで辺りにはピッケルを壁に叩きつける音が鳴り響いていた。

 

 

 

日が暮れて俺達は一旦作業を中断することにした。

 

「何とか40個まで取れたな。後16個だ!晩飯食ったら再開するぞ!」

 

「了解ですニャ!今日はカレーを仕込んでおきましたニャ!搾った牛乳もありますので辛さの調整も出来ますニャ!」

 

「グゥレイトだアレク!」

 

カレー!メチャクチャ楽しみだ!・・・ん?

 

「アレク・・・米は?まだ無いんじゃ・・・」

 

「・・・今回はパンでお召し上がりくださいニャ・・・すいませんニャ・・・」

 

どうやら忘れてたわけではないようだが選択を誤ったと途中で気づいたらしい。だがもう材料は粗方作ったとこだったから諦めたらしい。まあアレクの作る料理は上手いからいいんだが・・・米ェ・・・!

 

結果、やっぱりパンよりご飯の方がいいですアレクさん(泣)

 

 




カレーにご飯。之絶対の理也(笑)
今回で鉱石掘り終わらせるつもりだったのにな・・・ああ、またクリーパーカーっ娘が遠ざかってゆく・・・(涙)何時になったら出せるんだー!
あ、この前のセイバーさんの1番くじでD賞のセーラー服のセイバーさんが当たりました。私的にはAかBが欲しかった・・・!あ、ぺぺはセイバーさんも好きです。ですが嫁ではありません。士郎との絡みで傍からニヤニヤ観賞する系の好きさです。アーチャーさんはいつかああなりたい系の好きさです。
garcia様、さばかん様、感想ありがとうございます!またこの小説を宜しくお願いします!
次回、どうにか武装を揃えた一縷達だが、拠点を襲う赤い影が?一縷とアレクの運命とは!?
『舞い降りる火竜』お楽しみに~!







前回のサブタイのネタは機動戦士Vガンダムより、「シャクティを捜せ」です。



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舞い降りる火竜

今回は3600字です!まあメチャクチャな内容になりましたがね…(;´Д`A ```
そして次かその次には念願のクリーパーカーっ娘が出せそうです!皆さん、ほんっとーにすいませんでした(苦笑)まあ今回もアレクさんヒロイン感バリバリですがね!!!
文化祭も無事終わり、後は陸上競技大会(皆さんで言う運動会)だけです!まあ居眠りしてたせいで出る競技が1つ増えましたがね(泣)しかもそれが終われば大学受験が…(ガクブル
ま、まあなんとかなるよね!
「そんな受験対策で大丈夫か?」
「大丈夫だ、問題ない」(キリッ ←(錯乱)
まあそんなこんなで頑張ってます。では、どうぞ!


カレー(ライスに非ず)を食べた俺とアレクは鉱石掘りを再開していた。さっき作った時計で大体12時ぐらいになったらやめるつもりなので、後5時間ほどだ。

 

「12時まで掘れるだけ掘るぞ。さっきはだいぶ運が良かったからな・・・でも出るかは運次第だからな・・・」

 

「逆にあれだけ出たら奇跡に等しいですニャ・・・4時間ちょっとで40個って凄い確率ですニャ・・・」

 

「まあマカライトは1個しか取れてないけどな・・・」

 

実はマカライトも取れてはいたが1つしかなく、何も作れない為チェストで放置だ。もうちょっと数が揃うと色々と作れそうなんだがな…ボヤいても仕方ないのは分かっているがボヤかずにはいられない。

 

「まあしゃあないか。んじゃ再開するぞ」

 

「ハイですニャ!」

 

 

 

その後、時計が12時を指すまで掘ったがダイヤが8個手に入れられただけで、マカライト鉱石は出なかった。だがまあこれで2人分の装備は大丈夫だろう。

 

「うし、そろそろ上に上がるか。んでもう家でゆっくりしよう。明日は1日畜産でもするかな?」

 

「それも良いですニャ。とりあえずこのダイヤを上に持って行きましょうニャ。何かあったら勿体無いですしニャ」

 

「そうだな。この穴の入口は柵で囲っておくか」

 

明日の予定を決めつつ地上に戻ってきた俺たちはまず穴を木の柵で囲い、『採掘所』と書いた看板を立て掛け、家に戻った。

 

 

 

家に戻ってきた俺達はダイヤやラピスラズリをチェストの中に仕舞い、鉄鉱石を竈に入れて石炭を焼べた。

 

「今回は鉄がメチャクチャ取れたから少し余裕ができるな。ダイヤも集まったし。装備作るのは明日でいいだろ。今日はもう寝よう」

 

「そうですニャ…もう夜中ですしニャ。これを焼き終わったら明日に備えて寝ましょうにゃ。こんなに量がなかったらご主人さまの手を煩わせる事はなかったんですがニャ…申し訳ないですニャ…」

 

「構わないよ。それに相棒だって言ったろ?何でもかんでも背負い込もうとすんな。ちったぁ俺を頼ってくれよ?」

 

アレクは俺を雇い主としてみている様だが俺はそうじゃない。あくまで相棒として接しているから頼ってくれないと逆に信頼されてないのかと思ってしまう。だからもっと頼ってほしい。

 

「ご主人様…!す、すみませんニャ…ですが私はあまり頼るということが分かりませんニャ。以前の村では1人で出来て当たり前でしたから…だから頼り方を教えてくれますかニャ?」

 

どうやら俺の想いは通じたようだ。下から目線で首を傾げながら問いてくるアレクに可愛いと思ったが今はそんな場面ではないので自重しなければ!

 

「ああ、任せろ!」

 

そう言いながらアレクの頭を撫でてやるとアレクは気持ちよさそうに喉を鳴らした。あまりにも気持ちよさそうな顔をするので、2~3分撫でていると顔をリンゴのような真っ赤な顔をして俯いてしまった。どうやら相当恥ずかしいようだ。

 

「そろそろこれは放っといて上に行くか。アレク?」

 

「/////ニャッ!そ、そうですニャ…/////(もう少し撫でて欲しかったニャ…///)」

 

アレクは真っ赤な顔のまま立ち上がると、置いておいても灰が飛ばないように囲いを周りに置いた。これで朝には焼けているはずだ。

やることを済ませ、自分の防具を持って二階に上がろうとすると、外から木が倒れる…いや、壊されるような音が響き、その後豚の悲鳴が聞こえてきた。

 

「「!!!!!」」

 

「アレク!」

 

「はいですニャ!」

 

俺とアレクは持っていた防具を身にまとい、武器をチェストから出し、家畜小屋に向かった。

 

 

 

「これは…!」

 

「酷いですニャ…!」

 

家畜小屋に駆けつけると屋根と壁が半壊して所々火を吹いており、豚の数が一匹足りていない。そして小屋の向こう側に赤い鱗で覆われた大きな翼と尻尾が見えており、グチャグチャと肉を咀嚼する音が辺りに響いている。

 

「ハアアアア!!!」ダダダダダダダダッビュッガキン!

 

「グウ…!硬ぇ…!」

 

「ご、ご主人さま!大丈夫ですかニャ!?……ヒッ!」

 

尻尾に向かってダッシュし、剣を振り下ろすがイャンクックのそれとは比べ物にならないほど堅牢な鱗に弾かれ、蹈鞴を踏んだ。だがその行為でその存在は俺とアレクに気が付き、首をこちらに向けた。

 

「グルルルルルル……!!!」

 

「てめえか…『リオレウス』…!!!」

 

そこにはモンスターハンターの代名詞、ハンターの登竜門、赤き鱗をまといし『空の王』がそこにいた。足元には豚の死骸が見え、食料目的でこの家畜小屋を襲ったのだろう。こいつはものすごく凶暴だ。それこそ敵の姿を見たら問答無用で襲いかかってくるほどに。

 

「ギャアアアアアアアアオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォ!!!!!」

 

「グウっ!?」

 

「ウウッ…バ、バインドボイスですニャ…!ご主人さま、み、耳を…」

 

大型モンスターが出す鳴き声はあまりに大きく、まるで音の爆弾のような声を出す。それをこの世界に来て初めて体験したがとても耐えられるようなものではなかった。よくゲーム内のハンターはこの音に耐えられるなオイ!耳ふさいでもキンッキンするんだが!?

 

「グルウゥゥァァァァァ!!!」ドゴンドゴンドゴン!!!

 

「くっ!」「ニャアッ!」バッ!

 

リオレウスは鳴き終わるとまるでダンプカーを思わせるような、凄まじい勢いでこっちに向かって突撃してきた。が、俺とアレクもバインドボイスから解き放たれ、横っ飛びに跳んで地面を転がった。

 

「あっぶねぇな!」ダッ

 

俺は素早く体勢を立て直し、リオレウスの足に駆け寄って足に向かって横薙ぎに剣を降る。が、

 

ギィン!!!

 

「チッだめだ…やっぱり刃が通らねえ。硬すぎる…!」

 

「ご主人さま!一旦後退を!」

 

「了か…うおっ!」ブォンッ

 

「ギャオオオオオオ!!!」

 

アレクの声を聞いて後ろに下がろうとしたところでリオレウスが体をひねり、尻尾を俺に向かってぶつけようとしてきた。後ろに数歩下がることで避けることができたが、一瞬遅ければ当たっていただろう。全くダメージを与えてはいないが攻撃されたことにイラついたのか、リオレウスはその怒りの色を隠すこと無く俺に向かって吠えた。

 

「くっどうすれば…「ご主人さま!」どうしたアレク」

 

まるで歯が立たない事に焦りを覚えていると、アレクが俺に近づいてきた。どうやらいい案があるようだ。リオレウスを警戒しながら耳を傾ける。

 

「ご主人さま。この竜には今の私たちではダメージを与えることはできませんニャ。それにこの視界では避け続けるのも限界がありますニャ。なのでここは私が足止めをしますのでご主人様は一旦家に戻り、ご主人さまのダイヤの剣を作って来てくれませんかニャ?」

 

確かに聞く限りではそれしかないようだ。だが…

 

「アレク、お前は大丈夫なのか?お前の武器や防具は俺のより防御力がない。…まあ誤差程度だがその誤差が命取りになるかもしれない。それに俺と違って体のコンパスが小さいから避けるのも難しい。それに…「大丈夫ですニャ!」アレク?」

 

「ご主人さまは何度も私の危機を救ってくれましたニャ!でも…でも!!私ばかり助けられるのは嫌なんですニャ!私だってご主人さまの役に立ちたいんですニャ!だから…ここは任せてくださいニャ!!!」

 

「アレク…」

 

俺のためにそこまで…………

 

「…分かった、ここはお前に任せる。すぐ戻って来る…だから、どうか無事でいてくれ!アレク!!!」ダッ!!!

 

「はいですニャ!!!…ご主人様のこと、信じてますニャ…」

 

俺はアレクにこの場を託し、全力で家に帰った。無事でいてくれよ、アレク!!!

 

 

 

 

バァン!!!

 

「ハァ…ハァ…ハァ…い、急げ!じゃないと…!」

 

家のドアを壊れそうな程の勢いでブチ開けるとチェストの中からダイヤ二つと木の棒を取り出し、作業台の上に置いた。そして作業を始めたが、

 

「早く…早く…!!!」カチャカチャ

 

こんなに気が焦るのは初めてだ。おかげで手が震えていつものように物が作れない。急いでいる時に…いや、急いでいるからこそミスが多くなる。

 

「…やっと出来た!クソッいつもより時間が掛かっちまった…!無事でいてくれアレク!!」ダッ!

 

今出来たばかりの剣を引っつかみ、玄関を出ようとしたが、慌てすぎて床に躓きチェストに激突してしまった。

 

「ウォァ!…痛ってぇ…クソッこんなことしてる暇は無えっつうのに…!」

 

肩を軽く打ったがそんなことを気にしている暇はない。再び立ち上がってドアを開け、家畜小屋へと飛び出した。

チェストにぶつかった時にチェストからバッグへと光が移っていった事は急いでいた俺の目に映らなかった。

 

 

 

 

「ハッ、ハッ、ハッ…」

 

流石にあまり距離がないとはいえ、全力ダッシュでずっと走るのはキツイ。俺は息を切らしながら家畜小屋の壁に手を付いた。

 

「ハア…ハア…アレク!!!………ッ!!!!!」

 

壁をつたいながらリオレウスの声がする方に駆け寄る。漸くリオレウスの全体が見えるようになったその光景を見て、俺は思わず声を失った。見てしまった、そう…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アレクッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

散々痛めつけられて身体中ボロボロになり、叩きつけられたのか半ばから折れた木にもたれかかって血を流しながら、まるで死体のように力なく四肢を広げている光景を。

 

 

 

 




はい、衝撃のラストです(笑)そしてもう少しでクリーパーカーっ娘の出番が!!!
皆さんのクリーパーカーっ娘の催促が激しかったですが、ようやく出せます!ホントはアレクより先に出す予定だったのに…どうしてこうなった…。
後、この子の名前なのですが最初は『クリーパー』から取った『クウリ』とか『クリス』とか考えたのですが、rokia様の『ティーナ』などもあり、なかなか迷っています。
なので活動報告を作らせてもらい、そこでアンケートを取ろうと思います。詳しい内容はそっちで説明させてもらうので、もし参加してくれる方、「こんな名前はどうだろうか?」と意見を出してくれる方はよろしくお願いします!この小説を投稿した瞬間に書き始めますのでどうかよろしくお願いします!後2~3話で出す予定ですので私がこの次の話を投稿したら締め切ります。まあだいたい1週間ぐらいですかね?
どうか、清き一票をよろしくお願いします!ちなみに私は『クウリ』支援です。キーボードが打ちやすいので(笑)
garcia様、ohtkhr様、void0様、rokia様、mkkskmki様、さばかん様、夢見の狩人様、甘党のさとうきび様、大犬様、感想ありがとうございます!今回すごく大勢の感想を下さってものすごく嬉しかったです!まあ皆さん共通してダイヤ40個かラピスかクリーパーカーっ娘の事なのに吹きかけましたが(笑)説明不足でどうもスイマセン(;´Д`A ```
アンケートと感想、どちらもお待ちしてまーす!(o´ω'o)ノ
次回、アレクの状態にあの現象が再び!そして背後から忍び寄る緑の影…一縷は平凡な日々を取り戻せるのか!?『覚醒再臨』お楽しみに~!







前回のサブタイのネタは機動戦士ガンダムZZより、「鎮魂の鐘は二度鳴る」です。


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覚醒再臨

投稿しました!疲れた…今までで1番難産だったんじゃないかな…戦闘シーンは疲れる…やっぱりのほほんとしてるシーンが一番いいね(´ー`)フッ
台風、すごかったですねー…私は大阪なのであまり被害はありませんでしたが皆さんは大丈夫でしたか?この頃災害が多いですね…この国は大丈夫なんでしょうか…。
ま、まあそんなことより、アンケートを次回のギリギリまで延長することにします。あまり表が入らなかったので…皆さん!ぜひ!!!お願いします!!!後、感想でのアンケートは受け付けておりません。垢BANされるらしいので。なので私の活動報告までお願いします!!!
そして、私のもう一つの作品、『起源神と魔法少女』を削除し、新しく作り直そうかと思います。応援してくださった皆様、誠に申し訳ありません!
とまあここまでにして、どうぞ!


「クソッこの野郎!!!」ザシャァ!!!

 

「ギャアアァァァァ!?!?!?!?」

 

とにかくアレクから注意をそらすために地面の土を手で掬い、リオレウスに向かってばらまくと運良く目に入り、リオレウスは悲鳴とともにあさっての方向を向いて暴れだした。その隙を突いてアレクを救出する。

 

「アレク!!!無事か!!!アレク!!!返事をしてくれ!!!」

 

「…ニャ…ニャァ………ご、ご主人…さま……?」

 

「ああ、俺だ!しっかりしろ!!!」

 

アレクを抱き抱え、何度も呼びかけるとかろうじて意識を取り戻したが状態を聞くまでもなく重傷だ。本来ならば痛みで気が狂いそうになるところだが、アレクは違った。俺の顔を見て微笑んだのだ。

 

「必ず……来て…くださると……信じて…ました…」

 

「ああ…よくこんな状態になるまで頑張ってくれた…ッ!!!お前は影で休んでいてくれ。お前の信頼を…無駄にはしない!!!」

 

その言葉にアレクは目を細めて笑うと意識を失った。息は安定しているとはいえ、それでもかなり衰弱している。早く家に帰って治療をしないと危険だ。最悪後遺症が残る傷もあるかもしれない。とにかくアレクを家畜小屋の影に避難させ、石で軽く周りを囲った。これである程度は大丈夫だろう。近場の羊から羊毛を取り、それを地面に敷いてそこにアレクを寝かせた。

 

「じゃあ行ってくる。すぐ帰ってくるからな…!」

 

俺はその場から立ち上がり、ダイヤの剣を構えてリオレウスの前に立った。リオレウスはようやく土が目から取れたようで、怒ったのか口元から火の粉を出して唸り声を上げた。だが怒っているのは俺とて同じだ。その証拠に俺の体はいつぞやの時と同じ赤い光に体が包まれている。しかしあの時ほど理性が飛んでいるわけではない。どうやらあの時ほど身体的に追い詰められていないからだろう。

 

「テメェ…散々アレクを痛めつけてくれやがって…覚悟は出来てんだろうなぁ!?」

 

「ギャオオオオオォォォォォ!!!!!」

 

リオレウスは怒りに身を任せて突っ込んでくるが、そんな攻撃が当たるわけがない。

 

「ハアアァァァ!!!」ザシュッ!

 

ギリギリを見極めて突進を避け、すれ違いざまに足を切り裂く。歩けなくなるほどのダメージではなかったようだが確実に効いている。その証拠に剣は弾かれずにリオレウスの膝辺りを切り裂いている。これで機動性が少しは下がるかと思ったがどうやら甘かったようだ。

リオレウスは地上戦では不利と悟ったのか、翼を使って空に上がっていった。そしてある程度の高さまで上がると口から火の粉が漏れ出ているのが見えた。それを見て俺は次の行動を悟る。

 

「空中ブレスか!」

 

とにかく空から降ってくるブレスを避けるため、地面を走る。

 

ドガンッ!ドガンッ!ドガンッ!

 

走り出したと同時にリオレウスは俺に向かってブレスを連続で吐いてきた。幸い当たることはなかったが、熱風が俺を襲う。とんでもなく熱い。直撃なんて喰らったら無事では済まないだろう。

ブレスを3つ撃つと動きが止まったので終わったと思い込み、俺は動きを一瞬止めてしまった。その一瞬の隙がいけなかった。リオレウスは俺に肉迫し、爪を使って俺に襲いかかってきた。

 

「ギャオオオ!!!」ゴウッ!!

 

「なっぐあっ!!!」

 

俺は不意打ちに対応できずにその攻撃を喰らってしまい、吹っ飛ばされて地面を転がった。俺は何とか立ち上がったが、猛烈な体の違和感に襲われた。

 

「ぐぅ…!?『毒』か…?」

 

モンスターハンターの世界ではリオレウスには爪に毒が有り、このような爪を使った攻撃には毒が付随する。設定ではこれで捕まえた獲物を弱らせたりするのに使うらしいが…かなりマズイ事になった。

 

「くっそ…体が動きにくい…それに力が入んねぇ…!」

 

毒のせいで視界が定まらないが相手は待ってはくれない。そのまま地面に降りてくるとまた突進を仕掛けてきた。

 

「当たるか…!?」

 

またギリギリで避けようとしたが、リオレウスは当たる寸前に動きを止め、尻尾を俺に向かって振ってきた。

 

ギャイン!!!

 

「ぐあ…!」

 

避けようとしたが毒のせいで体が自由に動かず、結果として剣で受けてしまい、地面に踏ん張るのがバカらしくなるような衝撃にまた俺の体は地面に叩きつけられた。その間にリオレウスはブレスの準備をして…ってヤバイ!!!

 

「あああああああ!!!!!」ガバッ!

 

「ギャオオオオォォ!!」ボッ!

 

ドゴンッ!!

 

リオレウスのブレスを死ぬ気で避け、もう一度肉薄する。ブレスを吐いたあとは硬直時間がある。それを突けば…!

一気にリオレウスの股下に潜り込むと腹に剣を突き立てた。

 

「ハアアア!!!」ドズッ!

 

「ギャオオオオオ!?!?!?!?」

 

「まだだ!ゼェエエエエイ!!!」ズバシャァ!

 

腹に刺した剣を一気に尻尾の根元まで切り裂くとリオレウスは悲鳴を上げ、その場を暴れまわり始めた。踏まれる危険が有るため股下から抜け出す。リオレウスの腹は血で真っ赤に染まっており、足元には血だまりが出来ていた。それでもリオレウスの気力は衰えず、逆に殺気は増していた。

 

「しぶてえなオイ…」

 

「グルルルルゥゥゥゥゥ…!!」

 

俺はもう一度斬りかかろうとまたリオレウスの股下に潜り込んだが、それは悪手だった。

 

ドカンッ!!!

 

「カッ…!?!?が、がは…畜生、忘れてた…!バックステップ火球…!!」

 

それは怒り状態のリオレウスが乱発する回避が難しい技だ。予備動作が少なく、威力が高い。この世界でも同じのようで、まるで分からなかった。腹に直撃してしまい、爪攻撃でへしゃげていた鉄防具が熱で見るも無残な変形を遂げ、防具としての役割を果たさなくなってしまった。さらに距離を離されてしまったためこのままでは的になってしまう。

 

「毒の効果もキツい…アレクも早く家で休ませなきゃいけねぇ…!」

 

早くしないとヤバイ。そう思った俺はゲームでリオレウスを相手にするときの戦い方を思い出した。

 

「そうだ、相手の周りを回って攻撃後の硬直まで待てば…!」

 

俺はリオレウスの周りを円を描くように周り、リオレウスがなにか攻撃をしたあとを狙うことにした。その作戦は当たり、どんどんリオレウスは弱っていった。

しばらく攻撃を躱しつつカウンターを繰り返すと、リオレウスの全身はボロボロになり、リオレウス自身も今にも倒れそうになっていた。最後の力を振り絞ったのか、フラフラになりながらブレスを吐いてきたがそんな見え見えの攻撃には当たらない。火球が明後日の方向に飛んでいったと同時にリオレウスに肉薄する。

 

「これで最後だああぁぁぁぁ!!!」ズブッ!

 

「ギャアアァァァァ…」

 

ズズウウゥゥゥ…ン

 

甲殻の合間を縫って脳天に剣を突き刺すと衝撃でリオレウスは断末魔を上げ、後ろに倒れた。それと同時に俺の体から出ていた赤い光は消え、とてつもない倦怠感と全身の激痛からその場に倒れこんだ。

 

「ハアッハアッハアッ……勝った…!」

 

リオレウスを見ると屍体は消え、素材とオーブになって俺の体とバッグに入っていった。だが今はそんなことはどうでもいい。早くアレクを運ばないといけないのだがはっきり言って動けない。これがあの本に書いてあった力の反動だろう。それに毒の効果も相まって寝っ転がる事すら億劫だ。呼吸をするたびに体に痛みが走る。さらに爪による裂傷や火球による火傷がそれを助長している。ここまでの状態になったのはハルク戦以来だろうか。まだ骨折してないだけマシなのだろうか?

 

「そんなこと考えてる暇はない…!早くアレクを…!?」

 

アレクを運ぶため気合で立ち上がると背後に悪寒が走った。思わず振り向くとそこには緑色の形容しがたい外見を持つ4足歩行のモンスターがそこにいた。そう、クリーパーだ。この世界に来て姿を見るのは初めてだ。俺の家の壁を破壊するという被害は起こったがな…。

 

「こんな時に…!」

 

武器のダイヤ剣は少し離れたところにある。おそらく取りに行くのは不可能だ。かと言って道具はほとんど置いてきた。どうする…!?

とにかく何かないか見ると、バッグの中に入れた覚えのないものが入っていた。

 

「なんだこれ…?杖…か?…そういえば最初のチェストの中にあったような…クソッ」

 

それは先端にガラス玉のようなものがついた簡素な杖だった。俺は何も無いよりかはマシだと杖を棍棒のように構える。その瞬間クリーパーは俺の傍に近寄ってきて爆発しようとする…ヤバイ!

 

「ハアアアァァァ!!!」

 

痛む体に鞭を打ち、杖をクリーパーに叩きつける。すると、杖の先からとてつもない光量の光が迸った!あまりの光に目を瞑ってしまい、体の痛みで地面に倒れ込んでしまった。

数秒して光が収まり、目を開けるとそこには…

 

「……はい?」

 

クリーパーの顔がフードに描かれている緑のパーカーとこれまた緑のスカートを身にまとい、銀髪で蒼い目をした15~6歳ぐらいの女の子がそこに倒れていた。

 

 

 




いつにも増して駄文です(汗)戦闘シーン組み立てムズイ…(泣)
そしてとうとうクリーパーカーっ娘(仮)キタ━(゚∀゚)━!やっと出せました!ちなみに外見はYoutubeより有名な動画、『俺、溜まってるのかな...』の外見です。まあ性格は無口ボクっ娘にしようかなと思っています。だって可愛いし。ちなみにMODは擬人化MODですがそっちの外見ではありません。あれより上記の方が好きなので。銀髪はいいね。
garcia様、ohtkhr様、mkkskmki様、rokia様、大犬様、void0様、感想ありがとうございます!そしてアンケートに参加してくださった皆様、ありがとうございます!まだアンケートは続けますので、感想共々よろしくおねがいしまーすヾ( ゚∀゚)ノ゙
次回、突然現れた銀髪の少女。その子は杖の力で人間になったクリーパー!?アレクはなんだか不機嫌だし、どうする一縷!?
『彼女は人間だから』お楽しみに~!







前回のサブタイのネタは機動戦士ガンダムSEEDより、「舞い降りる剣」です。


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彼女は人間だから

やっと書けました!難産でしたー…。受験間近でなにやってんの私…こんなので大丈夫なのかな…?
あ、あんまりアレク不機嫌じゃないかな?まあそのあたりのエピソードも近いうちに入れます。
ま、まあそんなことよりどうぞ!


「さて、ご主人さま、この状況の説明をお願いしますニャ」

 

「え、えーと…」

 

リオレウスとの激戦を繰り広げた夜が明け、今は朝の9時頃。俺はアレクの前で正座をしている。

その原因は俺の横で椅子に座っている銀髪の少女だ。目の前に広がる光景を不思議そうに眺めている。

 

話は昨夜まで遡る――――――――――

 

 

 

 

 

「……………え?」

 

俺は目の前で起こった光景を理解できず、頭がフリーズしてしまっていた。それもそうだろう、いきなり自分の命を狙っていたモンスターが眩い光に包まれたと思ったら女の子になっていたのだ。全く、訳がわからないよ( ◕ ‿‿ ◕ )

…脳内が混乱してしまっているようだ。こんな時にネタを言ってしまうとは…!

 

「とりあえずこのままはマズイよな…アレクも早く治療しなきゃならん…!」

 

自分の体を確認すると防具が意味を成さないほどに攻撃を受け、ボロボロになった体。さらに毒の効果と『鬼化』の副作用が相まって歩くどころか立つのも辛い。だがアレクの状態は俺よりひどいはずだ。いつまでも木の陰に居させるのはまずい。とりあえずダイヤ剣を回収して2人に近づく。

 

「しゃあない。この子はおぶっていこう。アレクを抱き抱えて…グッ!!」

 

流石にこの限界を超えた体で二人(?)を抱き抱えるのはまずいようだ。体中が悲鳴を上げている。しかしどちらもこの夜中の外に放り出しておくのは危険なので、こうするしか方法はない。が…ッ!!!

 

「グオオオオオォォォォォ…キツい…!!!」

 

結局来た時の倍ほど時間をかけて家に帰ってきた。とにかく2人をそれぞれソファに寝かし、アレクの治療を始める…といってもアレクが薬草だと言って採取してきた葉を練り潰したペースト状の薬を塗って羊毛の包帯を巻きつけただけなのだが。

それでも効き目は知っており、今も怪我から出ていた血があっという間に収まった。まあゲームの世界だからだろう。俺も軽く薬を塗り、椅子に座り込む。

 

「ハアァ…無事に帰って来れた。アレクも無事で良かった…」

 

その後、戦闘の疲れと張り詰めていた気が緩んだため、俺の意識は闇に堕ちていった…。

 

 

 

 

 

そして夜が明けてアレクが目覚め、見知らぬ人物が居ることに困惑。

 

とりあえず俺を起こして理由を聞く

寝ぼけてしゃべるのが億劫な俺は「連れて帰ってきた」とだけ説明

誘拐したと勘違いしたアレクが俺を叩き起こし、俺に正座を命じる

ただならぬ雰囲気に目が覚め、慌てて正座をする。その騒ぎでクリーパー(仮)が起きる

反論や弁明を許してもらえず説教開始←今ここ

 

というわけだ。さっきから俺の言うことを聞いてくれない。っていうかアイルーに人道を諭される俺って…ていうかなんかたまに話がずれてるし…。

 

「…っとまあ説教はこれぐらいにして、詳しい状況の説明をお願いします」

 

「(ホッ。やっと終わった…)えっとまずあの後…」

 

ようやくアレクの説教が終わり、正座を解いたところであの後アレクが気を失った後の経緯を説明する。

 

「…で、たまたまバッグに入っていた杖で殴ったらクリーパーがそこにいる女の子になったんですかニャ?」

 

「ああ、これがその杖だ」

 

「…………!」

 

昨夜からバッグに入れっぱなしの杖を取り出すと、クリーパー(仮)も興味を惹かれたのか、こっちに寄ってくる。っていうかコイツ全然喋んねえな。喋れないのか喋らないだけか…

 

「その杖は私は見たことがありませんが…いつから持ってたんですかニャ?」

 

「この世界に来た時に近くにあったチェストからだ。でも使い道が分からねえからチェストに入れたまんまだったのを忘れてたんだ。なんであの時俺のバッグに入ってたのかわかんねぇ。入れた覚えもないし…」

 

「……ん」

 

…うん?こいつ今喋ったよな?俺はアレクと顔を見合わせて椅子に腰掛けている少女に問いかける。

 

「喋れんのかお前?」

 

「……(コクリ)」

 

「…あまり進んで喋る性格ではないみたいですニャ。でも今はとりあえずこの子にも様子を聞きましょうニャ」

 

「そうだな…なあ、クリーパー…あー今じゃない姿だった時の記憶はあるか?」

 

「……(ブンブン)」

 

どうやら無いようだ。まあその気になったら今俺らを殺しにかかってきてるはずだしな。

 

「フム…んじゃあ俺らに敵対することはないと思っていいな?」

 

「……(コク)」

 

「それじゃあここに住むか?どこか行くあてもないだろ…ってその原因を作ったのは俺だったな…すまん」

 

「……(ブンブン)……構わない。いいの?」

 

「大丈夫だ。部屋も余ってるし飯の貯蔵もまだ余裕が有る」

 

「ええ、大丈夫ですニャ!」

 

「……ありがとう」

 

そういってクリーパー(仮)は頭を下げる。…っていうか

 

「お前の名前も決めなきゃな。いつまでもクリーパーとかじゃまずいし」

 

「付けて」

 

うおう、急に目つきが変わりやがった。名前付けられるのがそんなに嬉しいか。まあいつまでも名無しの権兵衛だったら嫌にもなるか?

 

「…………………(何かライバルが増えそうな予感がするニャ…)」

 

「フム…どんな名前にしようか?アレクはどういうのがいいと思う?」

 

「…え?あ、ああ…そうですニャ…んー…」

 

アレクと一緒に考えること10分、俺はいい名前を思いついた。

 

「…クゥ、なんてどうだ?クリーパーの頭の文字から取ったんだが…なかなか良くないか?」

 

「……!!!(コクッコクッ」

 

どうやら気に入ってくれたようでものっすごい勢いで首を上下に振ってる。心なしか蒼い目もキラキラと輝いているように見える。

 

「はははっ喜んでくれて何よりだ(ナデナデ」

 

「……んっ///」

 

「…ニャァ…いいなぁ…」

 

その後しばらく撫でているとアレクも撫でて欲しそうにしていたので撫でてやった。クゥのサラサラの髪の毛も気持ちいいがアレクの毛もよく手入れされているのか獣特有のモフモフの感触がたまらない。

 

「はぁ~~~癒される~~~(ナデナデ」

 

「ニャア/////」

 

「……/////」

 

この癒しの空間は昼前まで続いた。とまあそんなこんなでクリーパーっ娘改めクゥが仲間になった。

 

 

 

「どうぞ、今日の昼食はトマトとバジルを使ったマルゲリータですニャ!」

 

ナデナデタイムが終わって今は昼飯の時間だ。っていうかナデナデで2時間以上潰しちまった…まだ作りたいものいっぱいあるんだがなぁ…まあ癒されたしいっか!

目の前に鎮座するのはイタリアで出るような本格的なマルゲリータだった。ピザ特有の香ばしい香りが辺りに漂い、俺は口から溢れ出る涎を止めることができない。クゥもピザを見る目が輝いている。

 

「「いただきまーす(ニャ)!」」

 

「……いただき…ます…」

 

食材への感謝を済ませて俺たちはピザを口の中に放り込んでいく。チーズのトロッっとした感触が舌を滑っていく。そして口の中にトマトの酸味とバジルの香ばしさが絶妙にマッチしている。

 

「ハフッハフッ…うめぇ~!さっすがアレクだなぁ。いつもながら絶品だぜ。クゥも…っていい食いっぷりだなオイ」

 

横を見るとクゥはすごいスピードでピザを頬張っていた。っていうか食ってる音がもきゅもきゅって聞こえるのは俺だけか?ハムスターみたいに頬っぺたパンパンだし。

 

「クゥさん、そんなに慌てなくてもお代わりもありますので無くなりませんニャ!」

 

「……!!!(モキュモキュ」

 

結局クゥはその後ピザを2枚平らげた。あの小さな体にどんだけ容量があるのだか調べてみたいものである。俺とアレクは2人で半分に分けた。流石に1つは無理だったよ…。そしてまた一人、アレクの料理の魅力にとりつかれた者が誕生した。

 

 

 

「さてと、昼からの行動についてなんだが…」

 

昼食を食べ終わった俺たちはこれから何をするか決めることにした。といっても作りたいものは決めてあるのだが…

 

「とりあえず風呂を作りたい!」

 

「お風呂…ですかニャ?」

 

「……?」

 

「ああ、流石にいつまでも水浴びだけは嫌なんだよ。風呂に入ってゆっくりしたいってのもある」

 

そう、この家、まだ風呂がないのである。

理由はそこまで資材がまわらなかった事が上げられる。しかし早急に作らなければならない施設はもうないので風呂場を作る余裕も出てきていたのだ。

 

「冷たい水じゃなくてあったかいお湯につかりたいし…疲れも取れるしな?」

 

それにお湯につかるのは日本人として当たり前のことであり、そろそろ湯船につかりたいと考え出し始めていた。

 

「いいですニャ!私も賛成ですニャ!」

 

「よし!クゥも手伝ってもらうが、いいな?」

 

「(コクッ)」

 

ということで風呂場建築計画がスタートした。目指すは木の湯船に露天風呂だ!!!

 




というわけで一番票が多かった「クゥ」に決定いたしました!(ドンドンパフパフ
いやー無口ボクっ娘は難しいですね!セリフ簡単ですけど。
garcia様、ohtkhr様、mkkskmki様、rokia様、void0様、さばかん様、大犬様、感想ありがとうございます!そしてアンケートに参加してくださった皆様、ご協力ありがとうございました!これからもこの小説をよろしくお願いします!
次回、待ちに待った風呂場建設!どんな風呂場が出来上がるのか!?
『風呂に吠える』お楽しみに~!








前回のサブタイのネタは機動戦士ガンダム00より、「天使再臨」です。



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風呂に吠える

遅くなりました!受験勉強の息抜きとして書いてみました。12日からなんですよね…大丈夫かなぁ…落ちないといいな…。小論文が特に不安です。難しいです。
私の受験は20日が最終なのでそれまでは息抜きで投稿するか、最悪できないのでご了承ください。後今回もテストで頭が混乱しているため駄文中の駄文です(汗)それでもいいという方はどうぞ!


俺たちは風呂を作るために一階の部屋の壁の一角を潰し、そこに風呂を作ることにした。幸いまだまだ木材はあるので一部屋増やしたぐらいでは全く問題はない。

 

「お湯はどうするのですかニャ?薪式では温まるのに時間がかかると思うのですがニャ…」

 

「ああ、それなら心配はない」

 

アレクが俺にお湯を沸かす方法を聞いてくるが問題はない。薪式にしなくてもある方法を使えば問題はないのだ。

 

「下に溶岩を敷くのさ。その上に石を置いてその熱で水を温めようって算段だ。これなら水を抜いて入れ直したら即効で温めてくれるし、薪切れで冷めることもないしな。まあ危険っちゃ危険だが」

 

「溶岩はどこで調達するのですかニャ?」

 

「ここからすぐのとこに穴があってな。そこに溶岩が流れてる。ただまあ1つ問題があってな」

 

「問題…ですかニャ?」

 

「……?」

 

アレクとクゥの2人は首を傾げるがそれも当たり前だ。その穴は俺がハルクにやられてボロボロになって穴に落ちたとき帰るために掘った穴だからだ。正直俺は行きたくないんだが風呂には変えられない。だが…

 

「…あそこにはヤバいのがいてな。はっきし言って前のリオレウスより強いかもしれん」

 

「………!!!」

 

「……リオレウス?」

 

「ああ、クゥは知らないのか。まあヤバいやつだって思ってくれればいい。んでそれよりもヤバい奴がいると思ってくれ」

 

「……(コクッ」

 

俺が行きたくないもう一つの原因、あの時のグラビモスだ。あれはヤバい。今出会ったらまず殺されるだろう。…いや、道端の虫扱いかな?まあ出会ったら死ぬな。

 

「あそこはヤバいから無理についてこなくていい。でも最初に溶岩を敷いておかなきゃいけないから行くなら早めに行かなきゃいけないんだよな…どうする?最悪俺1人でもいいけど…」

 

「それはダメですニャ!私達も一緒ですにゃ!」

 

「……メッ」

 

どうやらこの2人は俺を1人にさせない気らしい。まあそれが可愛いんだが…。

そんなことは置いておいて、行くなら準備をしなければいけない。俺たちは一旦自室に戻り、装備を整え、バケツも1人3つ持った。(クゥも俺たちのポーチっぽいものを持っているようで、パーカーのポケットがそれなのだそうだ。でも質量保(ry)

クゥにはとりあえず弓矢と取り回しやすい小さな鉄ナイフを持たせた。(前に護身用に作っておいたものだ)時間があるときに火薬繋がりでボウガンとかもいいかもしれないな…まあそれも今度になりそうだがな…。ちなみに前のダイヤ剣はもしもの時の最終兵器にしておくことにし、普段は鉄にしておくことにした。アレクは火力を心配して鉄ピッケルの先っちょをマカライトで加工しているものだ。1個しかなかったがアレクの命には変えられない。 

 

「準備できたか?んじゃ行くか!」

 

そう言って少し歩く。と言っても2分かそこらなのだが。

 

 

 

「ここだ。だいぶ深いぞ?気をつけろよ」

 

穴についた俺たちはその穴を下っていく。階段状に掘ったのでロープなどはいらない。松明をつけて慎重に下っていく。

 

「だいぶ深いですニャ…これをご主人さまが?」

 

「ああ…あんまり思い出したくないけどな」

 

あの時は生きるか死ぬかだったから精神的にもきつかった。その上体がボロボロだったからまともな思考してなかったんじゃねえかな?今はそんなことはないが…もうあの経験は嫌だな…。

 

「……大丈夫?」

 

「ン…大丈夫だ。そんなに顔色悪かったか?」

 

「……(コクッ」

 

「真っ青でしたニャ…辛いのでしたら上で待っていらしても…」

 

その言葉に俺は首を横に振る。トラウマは乗り越えるもんだ。いつまでも引きずってたらカッコ悪いし、何より2人だけとか危険すぎる。

 

「そうですかニャ…無理はしないでくださいニャ」

 

「……ん。無理はよくない」

 

「ああ。大丈夫さ」

 

俺は気持ちを切り替え、穴を降りていった。

 

 

 

「…ここだ。ここがこの穴の底だ…久しぶりだな…」

 

あの時の仮拠点についた。いつぞやの記憶が俺の頭に蘇るが頭を振って気合でねじ伏せる。2人がこっちを心配そうに見るが問題ないと返事を返すと仮拠点のドアを開け、先に進み始めた。

 

「こんなところが…綺麗ですニャ…」

 

「……天井高い…」

 

「ほんとにな。あの時よく死ななかったよ、俺…」

 

上は真っ暗で見えないが相当高いだろう。所々松明の光が反射しているのは鉱石があるからだ。その2つが見事にマッチして天然のプラネタリウムが出来ていた。これをあの時に気付けなかったのが悔やまれる。

 

「ここから少しいったとこに溶岩はある。さっさと行こう」

 

「わ、分かりましたニャ」

 

「……ん」

 

周りが暗いので警戒しながら進む。と…?

 

…ヴォー

 

「…ゾンビが近くにいるな。クゥ、できるか?」

 

「……任せて」

 

俺の言葉にクゥは弓を構え、引き絞る。俺とアレクが辺りを松明で照らすと少し離れたところに呻いているゾンビが2体。

 

「んじゃ1体はクゥがやってみてくれ。もう1体は俺が仕留める。アレクはクゥのバックアップだ」

 

「了解ですニャ」

 

「……ん」

 

ヒュッ!ドスッ!

 

「ヴァァァァ……」

 

「今だっ!ハァア!」

 

ザンッ!

 

「ヴァアアアァァァァ……」

 

クゥが上手いことゾンビにヘッドショットを決めてもう1体が怯んだところでもう1体を俺が切り伏せる。その間アレクが周りの警戒とクゥの護衛…3人パーティーの後衛ありってこんなに効率が良いんだなって思ってしまうな…それにクゥって本当に弓初めてか?メチャクチャ上手いんだが…。

 

「……頑張った。ボク偉い?」

 

「ああ、偉いぞ。」ナデナデ

 

「……ん///」

 

クゥの頭を撫でてやると顔を真っ赤にして気持ちよさそうにしている。…小動物的な女の子って可愛いよね…癒される。ってかこいつボクっ娘だったんか…今まで一人称無かったからわからんかった。ボクっ娘もいいよね!

余りにも気持ちよさそうにするのでそのまま撫でてるとアレクの方からものすごいプレッシャーが来た。慌ててアレクの方を見るとものっすごい顔でこっちを見てた。アイルーの般若の顔って滅茶苦茶コワイ…

 

「…あ、アレク?すまん…」

 

「もういいですニャ…早く行きましょうニャ(ムゥー…私も撫でて欲しいのに…ご主人様のバカ…///)」

 

アレクは先に奥に行ってしまった。はぐれまいと俺とクゥも慌てて着いて行く。怒らせてしまったアレクを元に戻すのには10分ぐらいかかったのはここにいるみんなだけの秘密だぞ!…俺何言ってんだ?

 

 

 

少し歩くと開けたところに出て、あのハルクに突き落とされた場所にたどり着いた。周りには溶岩が流れており、少し暑い。そして俺が目を覚ました岩を見つけ、残っていた血の跡を見るとあの時の全身の痛みがフラッシュバックし、俺はその場に蹲ってしまった。アレクとクゥはいきなり蹲った俺に慌てて駆け寄ってきた。

 

「ほ、ホントに大丈夫ですかニャ?」

 

「……無理しないで」

 

「…大丈夫さ。ちょっとここは怖い思い出しかないからな…でも大丈夫だ。さっさと汲んで帰ろうぜ。そんでみんなで風呂に入って温まろう」

 

震える足に喝を入れ、溶岩の近くまで寄り、バケツで組む。鉄のバケツで汲む事に色々と怖いものはあったが無事に全部汲み終わり、バケツをバッグの中に入れる。

 

「よし、汲めたし帰るか。多分めぼしい鉱石もないだろうし」

 

「そうですニャ。早く浴場を建ててしまいましょう」

 

「……楽しみ」

 

途中出てくるゾンビやスケルトンなどをバッタバッタとなぎ倒し、仮拠点の近くまで戻った時にそれは起こった。

 

……ズゥンズゥン……

 

「…?地震ですかにゃ?」

 

「…違ぇ!2人とも、早く仮拠点の中に入れ!さっき話したヤツだ!」

 

俺は混乱する2人を仮拠点の中に押し込み、自分も入るとドアを閉め、明りを消した。その間にもどんどん足音は大きくなり、明りを消して少しするとドアの隙間からヤツ―――グラビモスが見えた。

 

「「……!!!」」

 

「…静かに」

 

怯えるふたりを抱き抱え、なるべく音を立てないようにする。気付かなかったのかはわからないがそのままグラビモスはドアの前を通り過ぎ、去っていった。

足音が聞こえなくなったところで松明を付け、緊張を解く。俺たちはあまりの緊張と恐怖で座り込んでしまい、しばらく立てそうにない。

 

「…ご主人様が気をつけろと言っていた意味がよく分かりましたニャ…」

 

「……怖かった」

 

そう言って2人はまだ恐怖が残っているのか俺に抱きついてくる。俺も最初に見たときは怖かったし、今も顔が真っ青だろう。2人もそれを察してかその後は話はせず、恐怖からの回復を待った。

しばらくするとなんとか歩けるようになり、俺たちはヤツが帰ってこないうちに階段状の穴を登っていった。

 




グラビモスと戦うと思った?残念、それは幻覚だ。
まあ今のままで戦ったらまず間違いなく死にますので。ダイヤ剣でも無理なんじゃないかな?またいずれは戦うのでしょうが。
クゥのセリフは全て……から始まります。三点リーダーが2個ですよ?1個は一縷かアレクのものなので。それと一人称を出してみました。無口ッ娘って一人称出しにくい…でもそこがいい!最後の2人から抱きつかれるとか一縷お前ちょっとそこ代われ(迫真)
garcia様、夢見の狩人様、ohtkhr様、void0様、感想ありがとうございます!これからもよろしくお願いします!そしてその他のこの作品を見てくださっている皆様、感想、修正などよろしくお願いします!
次回、恐怖から逃れた一縷たちは再び風呂場の建設を始める。風呂場は完成するのか!?そしてアレクの様子が…?
『風呂の脅威』お楽しみに~!








前回のサブタイのネタは機動新世紀ガンダムXより、「私も人間だから」です。


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風呂の脅威

読者の皆さん、私は帰ってきたぁー!!!
志望校合格しました!これで心置きなく書ける…と思いきや学年末テストが…もういいじゃん!卒業でいいじゃん!ということでまだしばらく不定期になりそうです…ホントーにすいません(汗)
では、どうぞ!


「ふう、ここまでくれば大丈夫だろ…どっこいしょ」

 

グラビモスから逃げ切った俺は穴を登って地上に着くと気が抜け、地面に座り込んだ。モンスターもいないし大丈夫だろう。アレクやクゥが心配そうにこっちを見つめているがはっきり言って俺も慰めるような余裕はない。…ハッキリ言って自分のトラウマがこんなに根深かったのかと驚いてしまうほどだ。

 

「大丈夫でしたかニャ?やっぱり私たちだけで行ったほうが…」

 

「そんなありえない話をするな。お前たちだけで行かせるわけ無いだろ?目的の物も手に入ったし、さっさと帰ろうぜ」

 

アレクの俺を思っての言葉に内心癒されるが、首を横に振ってその意見を封じる。俺がこいつらだけであのあぶねえ洞窟に行かせる?たとえ天地がひっくり返ってもありえんな。なんて思っていると、

 

クイックイッ

 

「…ん?どうしたクゥ?」

 

クゥが俺の袖を引っ張った。クゥの方を見るとメチャクチャ怯えた顔で後ろの洞窟を睨んでいる。

 

「……怖かった。早く行こ?」

 

どうやらクゥもあの怖さがトラウマになってしまったようだ。そりゃあそうだろう、あと少し遅かったらあの巨体を相手しなければならなかったところだ。俺らの装備で挑むなんて無謀としか言えないだろう。

その言葉に俺は頷くとアレクの腕を握り、作りかけの浴場建設地に向かった。

 

 

 

洞窟から帰ってきた俺たちは建設を再開した。

まずはじめにあらかじめ作っておいた鉄の板を浴場建設地に開けた穴の表面に貼り付けていく。この中に溶岩をいれ、鉄の板で蓋をし、その上に木材を載せ、お湯を温めようというものだ。

現実世界では溶岩は鉄なんぞ一瞬で溶かしてしまうがここはゲームの世界、何故か溶けない。それなのに熱は通すご都合主義に、発見した当初は首を傾げたが…まあ今はこの世界に感謝である。溶岩で溶けない物の調達はこの世界ではほぼ不可能だろう。

手間はかかるが温かいお湯に疲れそうだと思った矢先、あることに気づいた。

 

「…ってか今思ったら紅蓮石とかでもよかったんじゃぁ…」

 

「………………あ」

 

アレクも気づいたようでこっちを見ながら声を漏らす。その顔は完全に「やっちまった!」と言いたげな顔だ。

紅蓮石とは、モンハン世界の素材鉱石の一つで常に常温で燃え盛るほどの熱を放つフシギ鉱石だ。武器の加工に使えたり、防具に必要だったりと結構使用回数が高かったりする初級~中級のハンターには必要になるときが来る鉱石である。まあ後になると倉庫の肥しになってしまうのだが…ちなみにこの上には獄炎石なるものもあるがこっちは上級者向けだ。

何が言いたいかというとこれを敷き詰めればあんな危険なところに溶岩を取りに行くこともなかったのでは…?ということである。思わず絶望しかけたがアレクが言うには、

 

「紅蓮石は火山地帯でしか手に入らない鉱石でして…この辺りに火山地帯は無いので入手は難しいのでは…?」

 

とのことらしい。そういえばそうだったと納得する。でも紅蓮石があればだいぶこの作業も楽だったんだが…と無いものよがりしてしまう。が、無いものは無いので作業を再開する。

 

 

 

「…よし、こんなもんか」

 

2時間ほどかかって漸く浴場の外組みと浴槽が完成した。普通の室内の浴槽と浴場の上に周りを石で囲って雰囲気を持たせた露天風呂を作った。浴槽はどっちも3×3だ。なかなか広々とできる。シャワーはないが浴びる用の水溜め釜を設置し、全身を洗うことが出来る。そのスペースも3×3だ。ああ、天井はもしもの為に備えて黒曜石にするつもりだ。無限黒曜石製造機を作り出して新しく作ったダイヤピッケルで取りまくったから天井はそうするつもりだ。

しかしまあ、石鹸がないのが痛い。一度現実世界で調べたことがあるがこの世界で苛性ソーダとかどうやって作んだよ!苛性ソーダを使わない方法もあったと思うけどあんま覚えてないし…こりゃ無理かな…。せいぜいが髪に油塗るぐらいか?まあやらんけど。

…話がそれた。露天風呂は敵に襲われないようにガラスで囲っている。壁の下側だけ柵にして空気の入れ替えをできるようにしている。これで夜空を一望できるってわけだ。

この世界は水流を自分で作れるから便利だ。何もない空間に水の入ったバケツを流すだけでそこから無限に水が沸いてくる。だからこんな芸当ができるってわけだ。

 

「後は脱衣所と浴場の壁と天井を作るだけか。んじゃあさっさと終わらせますか!」

 

「はいですニャ!早く入りたいですニャ!」

 

「……ん!」

 

俺たちは最後のラストスパートをかけ、さっさと終わらせてしまうことにした。

 

 

 

日が暮れそうになる頃、無事に浴場と露天風呂は完成した。モンスターが来ないうちに作り終えることができて一安心である。後は浴槽に水を入れるだけである。今日は露天風呂に入ろうと思い、露天風呂の浴槽に水を溜めると一瞬で水がお湯になった。

 

「おっしゃあ!成功だ!」

 

「やりましたニャ!これであったかいお湯に浸かれますニャ!」

 

「……できた!」

 

3人で抱きついて喜びを分かち合う。まさか1日でできるとは思っていなかった。

 

「そうと決まればさっさと入るか!…で、誰が先に入る?」

 

「…ニャ?」

 

「……む?」

 

「うん?」

 

俺の問い掛けに2人は俺の言った言葉が理解できないという顔をしている。俺が2人の顔を見て疑問に思っていると2人から爆弾が落とされた。

 

「……一緒に入ればいい」

 

「そうですニャ。それの方が時間もかからなくて手っ取り早いですニャ!」

 

「………………へ?」

 

 

 

あの後俺は抵抗むなしく露天風呂に連行され、今3人で入浴TIME☆だ。って言うかアイルーであるアレクはともかくクゥの裸は強制禁欲中の俺にはきっついものがある。なるべく見ないように見ないように…!と思ったら2人で俺に抱きついてきた!?くくくクゥさん?あ、あのー胸が当たって…意外と大きいんですね…ブハァ!(吐血

 

「気持ちいいですニャ…」

 

「ソソソソウデスネー」

 

「……どうしたの?」(ギュッ

 

「ナナナナンデモナイデスヨー」

 

「…ムー(私が抱きついても大丈夫なのに…)」

 

なんかアレクが拗ねてるけど今はそんな暇はない!し、静まれ俺の息子!こんなところで見せるわけには…うおおおおおおお!!!

 

「……♪」(ニコッ

 

…………惚れてまうやろー!!!やっべぇ下から目線の笑顔の破壊力舐めてた…!これ以上ここにいるのはヤバい!

 

「も、もう俺出るわ!2人はゆっくりしててくれ!」ザバァ

 

「あっ…」

 

「……」

 

急いで梯子を降りて浴場を通り、脱衣所で服を着て自分の部屋に戻った。やっべぇ…理性無くすとこだった…風呂に入る時間帯決めるべきかな…?

 

 

 

3人が夕飯を食べ終え、自分の部屋に戻って寝静まったと思われたが1人…アレクだけが起きていた。

 

「……………」

 

ベッドに腰掛け手に持っているものを眺める。それはあの古びた杖だった。それを持ってアレクは1人考えに耽っていた。それは一縷が露天風呂から出た後の話だ。

 

 

 

露天風呂から一縷が出て2人きりになった。2人ともしばらく無言だったが意外にもクゥがアレクに向かって話しかけた。

 

「……アレクは…イチルが好き?」

 

「へ!?え、えっとですニャ…///」

 

いきなりの質問にも驚いたが、その内容に言葉が詰まる。が、嫌いなわけがない。自分の命を救ってくれ、そのあとも助けられた。ある日いきなり別々で過ごせと言われたら泣いて拒否するだろう。その顔を赤くしながら問いに頷くとクゥは「……そう」と返した。

 

「……ボクは元モンスター…らしい。でもその時に記憶はない。記憶がある内から私にはイチルしかいない。だから……イチルはボクの全て。アレクのことも好きだけど……その何倍もイチルが好き。だからアレクには負けない」

 

「…!」

 

その言葉にアレクの顔の赤みがなくなり、愕然とした。自分は一縷が好き。だがクゥには『一縷しかいない』。その違いはとてつもなく大きい。それにアレクの体はアイルー、猫が二足歩行しているだけだ。欲情などするわけがない。良くてペットとしての『好き』だろう。恋愛感情に昇華するはずがない。自分とクゥとの違いをまざまざと思い知らされたように感じたアレクは何も言えず固まってしまった。その様子に気づいたクゥは気まずそうな顔をするが、無言で立ち上がって梯子を降りていった。

 

 

 

ということがあり、その時から若干上の空気味だった。一縷に心配されたが「大丈夫」と返し、一足先に自室に戻った。そして2人が自室に戻ったのを見計らって1階のチェストからこの杖を持ってきたのだ。

 

「…この杖で人間になれば…ご主人さまは私のこと…」

 

だが不安要素が大量にある。自分にその効果が出るか、自分自身に使用しても大丈夫なのか、無事に人間になれるのか、人間になったとして一縷は受け入れてくれるのかなど、考えだしたらキリがなく、そのことへの恐怖心からアレクは杖を使用することを躊躇っていた。

 

「……………」

 

だが、ここで自分が変わらなければ何も始まらない。いつまでたっても一縷は『アイルー』としてアレクを見るだろう。それは人間として仕方のないことだ。でもアレクはそれを良しとしない。アレクは『愛情』が欲しいのだ。『友情』や『親情』ではない。1つの生き物として『アレク』を見て欲しいのだ。

 

「………なら、やることはひとつニャ…!」

 

 

 

その夜、建物の1室で光が溢れたが、誰も気づくものはいなかった。

 

 




…おや?アレクのようすが…
そしてクゥの一縷に対する執着っぷりが見えますね。こんなキャラにするつもりは…!まあいっか。ちなみにクゥの胸はD~Eらへんです。普段はパーカーで隠れてます。でけぇ…!
浴場の間取り図はわかりにくいと思われます。しかし見取り図を入れれるほどぺぺの技術力は高くないため、感想にて質問を受け付けます。ここがわからないなど書いてくださるとありがたいです。お手数をおかけしますがご了承下さると幸いです。
口頭で付け加えるならば、1階の溶岩はじめんに埋まってます。木材からが地表です。2階は黒曜石を敷いて鉄の蓋をし、その上に木材を敷いています。黒曜石全部は味気ないですし、取るのが大変でしょうし。
最後に、一縷そこ変われ!!!という声に応えまして今からIBK(一縷をボコる会)を結成します!参加特典はこの妙に赤いものが付着した痛そうな釘バットです!ご入会される方は感想欄まで!
garcia様、夢見の狩人様、ohtkhr様、感想ありがとうございます!これからもよろしくお願いします!そしてこの方たち以外も感想をお待ちしております!
次回、目が覚めたらアレクが○○○○になってた!?クゥもライバル意識が…?
『獣人と匠の合間に』お楽しみに~!








前回のサブタイのネタは∀ガンダムより、「月に吠える」です


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獣人と匠の合間に

どうも!定期テストも終わり、これで自由に書けると思います…追試に引っかからなければ(汗)
Vita版のマインクラフトを始めてみました。なかなか難しいと実感してます。開始10分ほどで匠さんに爆殺されるわ家建てたら横が渓谷だわ、挙句の果てにはその渓谷は廃坑とつながってました。何なんだこのエリア…!さらにさらにエンダーさんがうちの家を徘徊してます。3日連続で(´Д`;)しつけぇ!!!後、匠の三連星は反則だと思います。
まあそんなことはどうでもいいとして、どうぞ!


皆さん、こんにちは。最近フルネームが出ることが少ない綺堂一縷です。今の時刻は詳しくはわかりませんがおそらく朝の8時前後だと思われます。

え?何をいきなり畏まっているか?それはですね…

 

「ご主人さま?どうしたのですかぼーっとして…」

 

あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!「おれは目が覚めたら見知らぬ裸の猫耳少女に馬乗りになられていた」

な、何を言ってるのか(ry

というわけで只今絶賛混乱中です。誰かボスケテ~!

 

 

~~~~~暫くお待ちください~~~~~

 

 

「………で?えっと…君は?」

 

しばらく混乱していたがこのままではいけないと立ち直った。というより俺が混乱していた理由は『知らない少女がいたこと』ではなく『女の子が裸で目の前にいること』だったので俺の上からどかせて適当な服を着せたら俺の頭も女の子も落ち着いてくれた。なんとなく展開は読めたような気がしたが聞いてみる。

 

「ご主人さま!私ですニャ!アレクですニャ!」

 

その答えにやっぱりと言葉を返す。髪の毛や瞳の色が変わっていないのだ。大方クゥの時と同じようにあの杖を使ったんだろう。あの杖は1階のチェストに放り込んでおいたからな。いつでも取れる。だがひとつだけ俺にはわからないことがあった。

 

「はあ…なんでこんなことをした?」

 

それだけは俺にはわからない。アレクがどうしてこんな奇行に走ったのか?その問いにアレクは話しにくそうにしながらも口を開いた。

 

「…実は…昨日ご主人さまがお風呂を抜けたあと色々とありましてですニャ…」

 

「色々、ね…」

 

曖昧な答えに俺はアレクをジト目で睨む。が、アレクはこれ以上は話そうとはせず、俯いてしまった。俺が聞いちゃいけない部類の話題だったらしい。まああんまり聞かれたくないことをズケズケ聞くのはマナー違反なので深い追求はしないでおく。

 

「あー、まあそんなことはどうでもいいとしてだ。今後どうすんだそれ?服とか武器とか、そもそも前のアイルーの姿と比べて使い勝手が違うだろ」

 

「そこなんですニャ…このサイズの服なんてあるわけ無いですしニャ…」

 

俺の言葉に耳が痛いとばかりに顔を顰めるアレク。とりあえず今は俺の服を着せているがはっきり言ってダボダボだ。俺が175cmあたりだったから…160cmぐらいか?クゥに比べて大きいため服が入るわけもない。

 

「とりあえずその服着とけ。…本格的にどうしようか…1日中防具でいるのもなぁ…。何か策はないか?」

 

「今日1日と材料があれば3~4つなら作れますニャ!」

 

「え?そなの?」

 

「はいですニャ!裁縫関連も知識がありますニャ!」

 

そう言ってニッコリと笑うアレク。アイルーだった頃と少しも変わっていないその笑顔に癒されながら軽々と言ってのけたその内容に驚く。まさかそこまで職人スキル全開だったとは…MMOの職人でこんなのいたらチートだよな~なんてことを思ってしまう。

 

「じゃあ俺は外で狩りでもしてくるか。ついでに採取もしてこよう。クゥはまだ起きてないのか?」

 

「まだ寝てらっしゃいますニャ。ご主人さまの後に起こそうと思ってましたので」

 

「そっか。んじゃ俺も着替えるから先にクゥを起こして…いや、その姿で行ったら驚くだろうから俺が起こして事前に説明しておくよ。下に行っててくれ」

 

「了解しましたニャ。ご飯ももうすぐできますのでお早めにですニャ」

 

アレクは立ち上がって俺の部屋から出ていく。そういえばいい匂いがする。さすがアレクだ。姿は変わっても手際の良さは変わってない。ほんっとにいい嫁になるよ…(しみじみ

 

服を着替えた俺はクゥの部屋に向かい、扉を開ける。ベッドの上には布団にくるまって眠っているクゥの姿があった。どうやらまだ寝ていたようだ。

 

「幸せそうな顔で寝てるな…それ」(ぷにぷに

 

「……んー」

 

緩みきった顔に少し悪戯心が湧き、柔らかそうな頬っぺたをつついてみる。それに反応して顔を顰めたので一旦やめたが、まだやりたい。

だ、だって…!めちゃくちゃ可愛いんですもん!アレクの照れた顔とかもいいけどこれは反則だわー。

 

「…」(ツンツンツン

 

「……んー…む?…いちる?」

 

「おう、おはようクゥ。幸せそうな顔して寝てたとこ悪いが朝飯ができたとよ」

 

「……ん。すぐ行「の前にだ」…?」

 

クゥの声を遮る。クゥは不思議そうに首を傾げたがアレクのことを言わなきゃな。

 

「クゥ、お前…昨日アレクと何があったんだ?」

 

「……どうして?」

 

「…さっき、人間になったアレクが俺を起こしに来た。あの杖で人間になったらしい」

 

「!!!(……昨日のボクの言葉で?……そんなに思ってたなんて)」

 

俺の言葉に意識が一気に覚醒し、驚愕の顔になった。まあいきなり今まで仲良く接してきたアイルーが人間になったって聞いたら驚くか。

 

「まあそんなわけでアレクが言うにはお前と何かあったらしい。知ってるか?」

 

「……秘密。イチルにも話せないことはある」

 

「なんだそりゃ…」

 

まあおおかた喧嘩でもしたんだろうと自分を納得させる俺。これ以上何も話してくれそうなので話を聞くことは諦めて1階に向かった。

 

1階に降りてくると既にアレク(擬人化)がダイニングに料理を運んでいた。目の前の料理を見るに今日の朝食はサンドイッチとサラダであることは確定的に明らか(キリッ …なんかすいません

まもなくクゥも降りてきた。アレクを見て驚いたように目を見開いたがすぐに何事もなかったかのように椅子に座り、運ばれてくる料理に目を輝かせていた。どうやら驚きより食欲が勝ったらしい。アレクも身構えた様子だったが拍子抜けしたのか今はいつも通りだ。

 

「そんじゃ、いただきまーす」

 

「……いただきます」

 

「どうぞ、召し上がれですニャ!」

 

 

「ふー…食った食った!姿は変わっても味は変わんないのな。それにしてもクゥは一体どこにそれだけ入るスペースがあるんですかねぇ?」

 

「……?これぐらい普通」もきゅもきゅ

 

「本当によく食べますニャ…これでサンドイッチ5枚目ですニャ…」

 

相変わらずのクゥの食欲に驚きながら食事を終え、改まって2人に向き直る。

 

「…よし。じゃあ纏めると

  アレクが人になった

 →日用品がアイルーサイズだから新しく作らなきゃ

 →でも材料が不足してる。

 →よろしいならば採取だ。←いまここ

でおっけー?」

 

「……ん」「すみません…私のせいで…」

 

「今更後悔してもしゃあないさ。それにめちゃくちゃ美人じゃん。他のアイルー目線からは普段のアイルー姿はこう見えてたのかね?」

 

そう言ってアレクの全体を見る。

今のアレクは文句無しに美人だ。色白の肌に肩甲骨辺りまであるブラウンの髪、パッチリとしたエメラルドの目。スタイルはボンキュボンを絵に描いたような外見。胸もE…いやF?とにかくデカい。足も長いしそこらのモデルよりはるかに美人だ。極めつけに髪の色と同じ毛色の猫耳と尻尾が美人をさらに際立たせている。

…まあクゥは「可愛い」だから比べろっつったって無理なんだがな!!!

 

「/////ご、ご主人さま/////び、美人って…///」

 

「ホントのことだろ?」

 

その言葉にアレクはますます顔を赤くしてしまった。それと対称にクゥから不穏な空気が流れてくる。むぅ…アレクを褒めただけなのに…。

 

「まあそのことは置いといてだ。アレクはとりあえず服のために糸集め。俺は素材集めのための敵討伐。クゥは…鉱石採取をお願いできるか?」

 

「……任せて」

 

「ありがとな。あんまり無茶したりこの辺りから離れるんじゃねえぞ?」

 

「……ん」

 

まだ機嫌が少し悪そうだが頼られたのが嬉しかったのか空気が和らいだ。まあ機嫌が直ったんなら良しとしますか。

…糸といえば…この世界に来て蜘蛛見てねえな…。アレクもいるって言ってるし運が良かったんだか悪かったんだか…多めに狩ってもらって俺とクゥの分も補充してもらうか。

 

「アレク。俺とクゥの分も頼めるか?」

 

「任せてくださいですニャ!その間この服をお借りしますニャ」

 

そう、俺の服は2着あり、1つは着ていた服と、もう1つは転移してきた時に座っていた椅子に掛けていたものだ。今までは交代で着ていたがアレクに貸してしまっているので変わりがない。クゥの分は今まで我慢してもらって1つの服を着回ししてもらっていた。流石にまずいので多めに作ってもらおう。

 

「うし、準備も出来たし、行ってくるか。昼までには帰ってこいよ?」

 

「了解ですニャ!」

 

「……ん」

 

こうして俺たちは俺がこの世界に来て初めて分かれての活動を開始した。

 




こんなことになっちまいました(苦笑)某マインクラフト小説を見て蜘蛛がいないことが露見。次回出したいです(希望)
一縷もげろ。マジでもげろ。そこ変われ!!!ってそうか。私が書いてるんだった…ちくしょおおおォォォ!!!てめーなんか匠さんに爆殺されちまえ!!!
フーッフーッ…フゥ…取り乱してしまい申し訳ありませぬ。
IBKの加入者が多くて誠に嬉しいです。合言葉は「一縷に無限の激痛を」!!!
黒龍神帝様、黒木 白牙様、garcia様、ohtkhr様、夢見の狩人様、void0様、猫猫様、感想ありがとうございます!そして痴漢の団体様、貴重な意見感謝します!これからも感想、意見などよろしくお願いします!そしてこの方々以外の人もぜひ感想お願いします!
次回、別々行動を取ることになった3人。それぞれに苦難が!?3人は1人で生き残れるのか!?
『狩猟戦域』お楽しみに~!
※次話はプロフィールを作ろうと思います。次回予告はその次ですのでお間違いなく。








前回のサブタイのネタは機動戦士ガンダムZZより、「ズサの脅威」です



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キャラ設定 ※キャラ増える可能性有り

今回はキャラ設定です。そろそろしっかりとしたイメージを書かなきゃいけないと思って…。
今回の爆弾低気圧の寒さのせいで外に出られない…寒いし。雪までは降ってませんけどね…北海道とかはもう最悪らしいですね。寒いのは好きですが限度があります。
とまあこんな話はここまでにして、どうぞ!


綺堂 一縷(きどう いちる)

 

身長175cm。体重62kg。髪や瞳は黒。割と細マッチョ。高校2年生。

 

友人から勧められたマインクラフトに興味を持ち、自分で購入したのはいいがプレイした瞬間マインクラフトの世界に入り込んでしまった。武術などは一切やってないがスポーツはある程度得意。勉強は中の上と良いのか悪いのかわからないが、本人曰く「赤点さえ取らなければいい」らしい。

友人の影響でかなりのオタク。たまにネタ的な発言をしてしまうことがある。

恋愛に関しては今まで目立たない立場だったので全く経験無し。マナーはわきまえているがそっち方面での不測の事態には対応できなくなり逃げに走ってしまう。

剣などは経験が無く、ただ振り回しているだけ。他の物に至っては扱うことさえ難しい。が、マイクラの世界に来て力が強くなり、サバイバルに慣れたため剣技も板についてきてはいる。

この世界に来た人間にのみ使用できる「鬼化」が使える。しかし反動も洒落にならないのでここぞという時にしか使わない。

外見のイメージはメカクシ団のシンタローだが性格は真逆。共通点はオタクというぐらい?鬼化状態になると赤いオーラを纏い、目が赤くなる。

 

 

 

アレク

 

アイルー時

全長80cm。体重4kg。毛並みはノーマルアイルーカラー。瞳はエメラルド。1歳。

人間時

身長163cm。体重45kg。茶色の肩甲骨まである髪に猫耳猫尻尾が生えている。瞳はエメラルドで変わらず。推定年齢16~7歳。胸はおそらくFカップ。(で、デカい…!byぺぺ)

 

元々はとある集落で一人暮らしをしていたが謎の竜に襲撃され命からがら逃げ延びたところに一縷の拠点を発見。住み込みアイルーとして働く事に。…のはずだったが一縷の行動により徐々に一縷を意識し始める。クゥが仲間に入って自分に危機感を感じ、条件的に対等になろうと杖で人間になった。

得物はピッケルに似ているものならなんでも使える。鎌でもモンハンのアイルーの武器でも使える。力もそこそこあるためある程度なら重くても扱える。

外見は美人にはいるが本人はアイルーだったため人間状態の外見はこれで普通だと思っている。

食料管理は全てアレクの管轄であり、一縷とクゥの胃袋を握っている。そのため2人はあまり強く出られないながらも文句が一切出ないのもアレクの恐るべき家事技術の一環である。

クゥへの認識は妹的立場にしてライバル。

外見のイメージはタユタマ~Kiss on my Deity~の泉戸ましろを猫耳猫尻尾にした感じ。

 

 

 

クゥ

 

身長155cm。体重42kg。髪は白。瞳は青。推定年齢14~5歳。胸はD~Eの間。(…グボァ!byぺぺ)

 

リオレウス戦後現れたクリーパーが杖の力で人化した。その後一縷に引き取られ、上記2人と一緒に過ごすことに。

無口ボクっ娘だがあまりの無口で一人称をあまり使わない。

いつもクリーパーの顔が描いてある緑色のパーカーを羽織っている。

得物は弓。何故かスキルが高く、ヘッドショットを狙っていくスタイル。

外見に似合わず大食いで、常人の2~3倍は軽く食べる。回転寿司なら軽く30皿ぐらいは…。

アレクへの認識は姉的立場にしてライバル。

外見のイメージは俺、溜まってるのかな…のクリーパーカーっ娘。

 

 




こうなりました。む、胸でけぇ…!ちょっと一縷そこ変われ(切実)
タイトル通りまだ増えるかも?まあまだ部屋は余ってますしね。その時はここに書き込みます。後足りない、分からないと思ったら質問ください。できる限り書き込もうと思います。
黒木 白牙様、garcia様、えだまミィカン様、猫猫様、感想ありがとうございます!これからもこの小説をよろしくお願いします!


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狩猟戦域

どうも遅くなりました!!!いやー自動車教習所の授業で頭がいっぱいでなかなか書けませんでした(´Д`;)ご迷惑をおかけしました(^_^;)
今回なんと、この小説初の5000字越えとサイドチェンジがあります!まあ途中自分でも何書いてるのかわからなくなる事態も…アハハ(苦笑)
そして私、今「Thinker」と言うAC(アーマードコア)の曲にハマってます。皆さんも一度聞いてみてはどうですか?本編やってみたい・・・!!!家にAC系列のゲームが無い悲劇。
まあそんなことは置いといて、どうぞ!!!



「フッ…!ハァア!!!」ヒュッ

 

ザシュッ!!

 

「ギャオオオォォォ……」

 

「ふう……これで3体目か…」

 

そう言って俺は剣をバッグに収納する。

俺こと綺堂一縷は現在2人と分かれて近場の森で狩りをしている。定期的にランポスが襲いかかってくるがリオレウスなんかに比べるとやはり弱い為、特に危なげもなく倒せるようになった。まあモンハンの中でもヤバい奴らに比べたら当たり前なんだが…(汗)

 

「…静かだな…アレクが来てから1人でいることが少なくなったから余計だろうな。あいつらには感謝しなくちゃな」

 

森の木々の間から見える空を見上げて感慨にふける。最初の頃は周りに怯え、ただ生きることに一生懸命で毎日に余裕なんかあるわけがなかった。家がない、食料がない、流通もないの無い無い尽くしで毎日がサバイバルだったからな…それが今じゃどうだ。2人と一緒にいることを楽しみ、あいつらに癒され、生きる希望を持てた。

 

「…運が良かったのかもなぁ…下手すりゃここで発狂してたのかもしれないしな…」

 

そう。本当に運が良かった。こんな世界で守るものができたんだからな…そう思ったところでリオレウスに襲われたアレクの光景が蘇る。あんなことにはさせない。俺が守らなきゃいけなかったんだよな…。

 

「…次は守ってみせる」

 

そう自分の中で誓ったところで草陰からランポスがまた出てきた。まだこっちに気づいていないのか俺の少し先を通り抜けようとする。もうこの動作には慣れたのでバレないように物陰に隠れ、息を潜める。そしてあくまで冷静になって相手の数を確認する。

 

「数は…3匹か。いけるな」

 

気持ちを戦闘モードに切り替え、バッグから剣を出して構える。バレないようにそっと近づく。まだぎりぎりバレていないようでランポスはその場から動きを止めている。

 

「フッ………!!!」ガササッ!!

 

ザシュッ!!!

 

「ギャ…!?」

 

「「ギャオゥ!?」」

 

先頭のランポスの顔が向こうを向いたのと同時に草陰から飛び出し、一気に喉を掻き切る。

突然の襲撃に先頭にいたランポスは対処できずに喉を切られ、かすかな悲鳴と音を出すのに失敗した管楽器のような呼吸音を出して絶命した。奥にいた2体驚いたような鳴き声を出して後ろに下がるが甘い!

 

「ぜぇあ!!!」ヒュンッ

 

グジュリ

 

「ギャァァァァ…」

 

切ったランポスから剣を抜くと同時に後ろのランポスの頭を切り潰す。目から上が無くなったランポスは糸の切れた人形のように倒れ、辺りに鮮血が散らばる。

 

「ギャオゥ!!!」

 

「ハッ!」

 

残ったランポスがその手から生える鋭利な爪で俺を引っ掻いてくるが剣でガードする。しばらく鍔迫り合いが起きたがこのままだと血の匂いで増援が来るので、こいつを倒してから相手をしたい。

 

「オ…ラァ!!!」

 

「ギャッ!」

 

埓があかないので足でランポスの腹を蹴っ飛ばし、地面に倒れ込んだところに剣を腹に突き立てた。

 

「ギャオオゥ………」

 

数秒するとランポスは息絶えた。死んだのを確認すると剣を抜き、剣に付いた血を払ってバッグに戻し、戦利品を漁った。鱗が2つと牙が1つ。これで合計が鱗3つ、牙が2つ、皮が1つだ。といってもこれだけでは何も作れない。セッチャクロアリってどうやったら取れんの…?誰か教えてよ。それっぽい虫もいねぇし、虫網なんかレシピになかったし…どうすりゃええのー?

 

「ここには無えのかなぁ…?早く武器でも防具でも作りたいんだがなぁ…!!!」

 

ボヤいていると向こう側から音が聞こえる。ランポスのようだが…

 

「…何体いやがんだ?5、6…もっといるな」

 

俺はバレないように草陰に隠れながら進み、目的地を目指す。少し行ったところに開けた土地が現れ、鳴き声の正体が露わになった。

 

「ギャオオオオオオオォォォォォ!!!」

 

「「「「「「「「「「ギャオッギャオッ!」」」」」」」」」」

 

ランポスのものすごい大群に囲まれた一際大きなランポス…おそらくドスランポスだろう…が仕留めた牛の前で天に向かって吠え、取り巻きどもがそれに賛同する。どうやらここはランポスたちの巣らしい。気づかないうちにランポスの巣の近くまで来ていたらしい。

 

「…キツいか?いや、ここで仕留められれば武器が…!」

 

挑むか否か悩んでいるとドスランポスは吠えるのをやめ、俺を睨みつけてきた。周りの取り巻きどもも釣られて俺を見る。どうやらバレたようだ。

 

「なら狩るしかねえな。いくぜ!!」ガササッ!

 

「ギャオオオオオオオォォォォォ!!!」

 

俺とランポスの王の戦いの火ぶたが切って落とされた。

 

 

 

side change 一縷→アレク

 

 

 

「ムー…いないニャ…」

 

私ことアレクは糸を求めて浅い洞窟で蜘蛛を探しているが…なかなかいない。あらかじめ持ってきておいた松明を仕掛けながら辺りを散策しているが、出てくるのはゾンビやスケルトン。蜘蛛はいない。時間が勿体無いので無視して先に進む。

 

「いないニャ…糸が取れないとご主人様に迷惑をかけてしまうニャ…それだけは嫌ニャ…」

 

とりあえず歩き回るがゾンビに見つかってしまい、前に立ちふさがって邪魔をしてくる。青白い顔で襲いかかってくるが動きは遅いし理性も失っているため実に単調な動きしかしない。しかし人間になってまだ体の違いに慣れないが、することは変わらない姿勢を低くし、一気に加速してゾンビに近づき、ピッケルを振り上げる。

 

「邪魔をするニャァ!!!」ヒュオッ

 

ゴシャッ!!!

 

「オオオオオォォォォォ………」

 

振り上げたピッケルを力任せに振り下ろすとピッケルの先がゾンビの脳天を突き破り、頭部が消し飛んだ。全力で振り下ろしたとはいえ、まさかこうも簡単に頭が消し飛ぶとは思っていなかった。

元々アイルーだった私は人に比べると非力で、こんな猛スピードで加速することはできなかったし、ゾンビの頭部を消し飛ばす程の威力でピッケルを振り回すこともできなかった。

 

「これならご主人さまの背中を守れる…?」

 

私はピッケルを持つ自分の手を見つめ、手に力を込めた。

その時、近くから虫の声がした。

 

「!!!」

 

辺りを見渡すとそこには『蜘蛛』がいた。只、ご主人様が前に話していたような蜘蛛じゃない。

 

「シュー……」

 

「………いつ見ても気持ち悪いニャ…」

 

その大きさは私ぐらいの大きさが有り、目は赤く松明の光に反射してギラギラと光っている。口は開閉を繰り返して唾液が地面にこぼれ落ちる。

この気持ち悪いモノこそがこの世界での『蜘蛛』だ。この種には毒がないが地下に行くと毒を持つ更に気持ち悪い蜘蛛がいるらしい。私は地下にあまり行ったことは無いので見たことはないが。

しかしこの蜘蛛、見た目に反して日中は何も襲わない。流石に攻撃すると反撃してくるが何もしなければそのまま通り過ごすこともできる。

しかし洞窟にいるとなると話は別だ。

 

「シャアアァァァ!!!」

 

「くっ!」

 

蜘蛛は顎を開いて跳びかかって来た。私は流石にそれには反応できず、横に飛ぶことを余儀なくされる。だが蜘蛛の恐ろしさは奇襲だけではなく、そのフットワークの軽さだ。

雲はその8本の足を器用に使い、一瞬で体勢を整え、また跳びかかってくる。決して人間の体の構造ではできない早業だ。慣れていなければ攻め込めないことだろう。そう、慣れていなければ。

 

「フンッ!!!」ブォン!

 

ドグシャッ!!!

 

「!?!?シュッ………」

 

背後から迫る蜘蛛の側面にピッケルが直撃。突進してくることを予想して振り返りざまにピッケルを振るったのだ。蜘蛛を相手したことがないご主人さまやクゥちゃんなら苦戦しただろうが私はアイルーだった頃に何度も戦ったことがある。それに今は人の姿になって力が上がっている。ただ闇雲に狙ってくるだけなので多少狙いが甘くても大ダメージになるだろう。。

グチャグチャに潰れた蜘蛛が光になって消え、アイテムが残る。糸と目が1つずつ出た。目は特に使い道はないのでともかく、服を作るにはまだまだ足りない。最低でも10以上は欲しい。

 

「もう少し深くまで行けばなんとか…?もしくはスポーン部屋があれば…」

 

スポーン部屋とは地下に極稀に発見される苔石に囲まれた空間のことだ。その部屋の中心にはモンスターが湧き出るブロックがあり、うまく利用すれば永遠にアイテムや経験値がゲットできる。更に宝箱があり、一度制圧してしまえばいいことづくしだ。まあ確率は非常に低いので私はおろか前の村の誰ひとりとしてみた人はいなかったが…。

 

「とりあえず進むしかないニャ…お昼までに帰れるかニャ?」

 

時間内に帰れるかどうかを心配するがここで突っ立っていてもどうにもならない。なら進むしかない。私だってご主人様の役に立ちたいから。

 

 

 

洞窟の中をさらに進み、ゾンビや蜘蛛などを倒しつつ奥に奥に進むと周りの雰囲気が変わってきたような気がする。しかし洞窟内は相変わらず薄暗いままだ。その原因を探ろうと辺りを見渡すとあるものが目に入った。

普通ここにあってはならないもの、それが壁に沿う形で存在していた。

 

「まさかこれは…!?」

 

半ば腐っていて変色し、クモの巣が張り付いてしまっているが明らかに自然のものではない。近づいて触れてみるがパキパキと音を立てて一部が崩れる。これは………木材だ。

 

 

「廃坑…!?」

 

 

すみませんご主人さま。お昼には帰れないかもしれないですニャ。

 

 

 

side change アレク→クゥ

 

 

 

「……フッ」ヒュッ

 

ドッ!!!

 

ガシャンッ

 

「……当たった」

 

ボクが岩陰から射った矢はスケルトンの頭に当たった。スケルトンは崩れ落ち、光になってアイテムと経験値になった。それを拾いつつ周りの鉱石を探す。このあたりは日の当たらないところが多くモンスターも湧いている。今は見えないが結構な数がいるだろう。

ボクは今、イチルに言われて家から少し離れた岩場に鉱石を掘りに来ている。私の装備やアレクの装備を新しくしたいらしい。アレクが人間になったのが主な原因らしい。

…実を言えば少し嬉しかった。アレクは自分のイチルへの気持ちをなるべく抑えて過ごそうとしていた。だからあの時アレクに遠まわしに「そのままでいいの?」と問いかけたのだ。アレクはライバル、でもそれ以上に大切な家族だから自分を偽って接してほしくない。

対等の立場でライバルとして、家族として接することを選んでくれたアレク。だから一緒にイチルを好きでいたい。

…でも、イチルを好きな気持ちは負けないから。

 

「ヴァー!」

 

「!」

 

考えに耽っていると岩陰からゾンビが飛びかかってきた。咄嗟に腰にあらかじめ差しておいたナイフを抜いて延ばしてきた右腕を切り裂いて後ろに下がる。ゾンビは切り裂かれた拍子で2,3歩後ろに下がるが、腕が切られても関係ないのかまだ襲いかかろうとしてくる。

 

「……!!!」ピシュッ!

 

ドズッ

 

「ヴァー…」

 

しかしゾンビはその場から動くことはできなかった。ゾンビが伸ばした足にナイフを投げ、地面に縫い付けたのだ。足を地面に縫い付けられゾンビの動きが止まったところで矢を弓につがえ、引き絞る。

 

キリリ…

 

「……終わり」ヒュッ

 

ドッ!!!

 

弓から放たれた矢は過たずゾンビの頭に突き刺さりその活動を終わらせた。出てきたアイテムと投げたナイフをポケットに入れて鉱石を探し始める。

 

「……これは鉄鉱石。……これは石炭。……むう…いいのがない」

 

所詮地上の岩場なので鉱石にも限界がある。エメラルドやダイヤはもっと深くまで行かないとないらしい。ダイヤを持ち帰ってイチルに褒められたい。そう思い近くの穴に入って見るとなかなか深い。入口は狭かったのに奥の方は広く、向こう側には明るい光が見える。おそらく溶岩の明かりだろう。

 

「……危ないと感じたら帰る」

 

そうじゃないと怪我でもしたらイチルに怒られる。それだけは嫌だ。無傷でダイヤを持ち帰ってイチルに頭を撫でてもらう。

 

「……フフフ」

 

考えただけでも頬が緩む。そうと決まれば早速進もう。どんどん下に足を進めて行く。途中にある鉄鉱石や石炭などを採掘しつつ奥に進んでいった。

 

 

 

「……広い。……それに鉱石がいっぱい。……でも熱い。」

 

しばらく進むと広い空間に出た。所々に溶岩がありものすごく熱い。暑いではなく熱い。しかしここまで来たことが吉と出た。壁面には大量の鉱石が顔をのぞかせて溶岩の光が反射し、昨日見た以上の幻想的な光景が広がっていた。

 

「……綺麗だけど…早く採掘。……イチルとアレクにも見せたかった」

 

少しその光景を楽しんだあと2人がいないことが悔やまれるが採掘を開始する。石炭や鉄鉱石はもちろん、ダイヤにエメラルドにマカライト…様々な鉱石がそこには存在しており、1つ1つ丁寧に採掘していく。昨日行った空間にもこれほどではないが中々のものがあった。あの時は急いでいたし、あんな化け物がいると分かれば行く気も失せる。ここも何かいるかもしれない。そう思ったところで何かの音が向こう側からする。

 

「……?……こっち…?」

 

その方向に進むと横穴があり、音はそこからするようだ。よく聞くと何かが転がってくるような音。それもだんだんこっちに近づいてくる!

 

「!!!」

 

昨日の怪物を思い出して咄嗟に壁にできた岩陰に身を潜める。転がる音はどんどん大きくなり、ついにその姿を現した。

 

「……なにあれ?」

 

現れたのは赤い大きな球体だった。それがゴロゴロと転がっている。その球体はボクの隠れている壁の窪みを通り過ぎ、向こう側の壁にぶつかって動きを止めた。

 

「……?……!!!」

 

しばらく球体を怪訝そうに見つめていると球体が割れ、その正体を現した。

手足は短く顔は縦に長い。その見たこともない怪物は口をせわしなく開閉して舌をちらつかせている。

そんな怪物がボクの前に立ちふさがった。

 

 




こんな感じになりました。え?クゥだけ相手強い?ご冗談を。一縷は取り巻きランポスが10体以上(更にドスの鳴き声で呼ばれる)と戦いは数だよを体現してますし、アレクは廃坑の怖さは皆様なら分かるかと…実際私も迷いましたしね。今じゃ怖くて行けません。自分家の真下にあるのに(笑)
まあこんな感じなのであんまり変わりません。・・・・・・一縷のところは悪化させる予定ですが(黒笑)一縷に無限の激痛を!!!
スポーン部屋ですが、宝箱が無い場合もあるようです。私がそうでした。4回連続で無いってどういうことですかね?お陰で馬が実装されたのにサドルが無くて乗れない始末です・・・。なんでだぁぁぁ!!!
この調子ではネザーはまだまだですね。早く書きたいなー・・・。
クゥの一縷への呼び方をカタカナにしてみました。あもりにも不自然さが微レ存な方は意見を下さい。
次回は一縷のみとなります。長くなりそうなので。その後アレク、クゥを予定しています。
garcia様、えだまミィカン様、NFS様、ゆっくりシュウ様、感想ありがとうございます!これからも宜しくお願いします!そして上記の方以外の方も感想、意見、訂正等下さいますとこのペペが狂喜乱舞します(笑)
次回、ドスランポスが率いるランポスの群れに1人挑む一縷。だがそこに新たな刺客が・・・!?
『群れの果てには?』お楽しみに~!







前回のサブタイのネタは機動戦士クロスボーン・ガンダムより、「人と継ぐ者の合間に」です


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群れの果てには?

ホンットーに遅くなりました!!!申し訳ありません!!!
パソコンの買い替え、卒業式などが重なり遅くなってしまいました…。…え?や、やだなぁーゴッドイーターの新しいのが出たから古いのをすべて終わらせるために寝る間も惜しんでやってたなんて事実ある訳…マジスンマセンシタ
い、いや…新しいのにはサバイバルの素材は引き継げないといわれてそれじゃあ武器にしよう…素材足んない…が続きまして…orz
お待たせして申し訳ありませんでした!
では、どうぞ!


「セェイ!!!」

 

ただ向かってくる敵を切り裂き続ける。

 

「ギャオ……」

 

俺の行く手を阻むように飛びついてきたランポスの首を掻っ切る。

今切り倒したので合計15体目………まだまだ居やがる。それなりに殺してはあるが奥に居るドスが仲間をバンバン呼ぶため休む暇がない上にドスランポスのもとにたどり着けない。まだ20匹はいるんじゃないか?

 

「キッツいな…ッと…!休む暇もねぇ…なっと!」

 

「ギャオッ!!」

 

後ろから襲い掛かってきたランポスを蹴飛ばし、後ろに下がらせる。下がらせた先には後ろに居た別のランポスがおり、接触してもんどりうって倒れる。その隙を見逃さず止めを刺そうとするが周りの妨害でそれは叶わなかった。

 

「しつっこい!!纏わりつくな!」

 

俺は剣を振りながら後ろに後退し、距離を取る。流石にこの世界に来て上がった身体能力でもキツくなってきた。これで無双ゲーみたいに必殺技を使えればいいんだが、俺の必殺技は使い勝手の悪い身体能力を上げるだけのものだ。それに反動が怖すぎて使えない。

 

「つくづく決戦用の技だな…。使い勝手が悪すぎてこんな状況でもどうしようもないな」

 

自分の能力のあまりのピーキーさに呆れてくるがぼやいて状況が好転するわけではない。襲いかかってくるランポスたちの群れを掻い潜りドスランポスのもとにたどり着いた。後ろから自分の親玉に近づけさせまいと攻撃を仕掛けてくるが焦りからか動きがあまりにも単調になった。そこを見逃さず、横薙ぎに攻撃を繰り出す。

 

「ラァッ!!!」

 

「ギャアァァァ……」

 

1匹後ろに下がりそこねたやつの喉を掻ききる。目の前で繰り広げられているランポス達の苦戦にドスランポスはついにその重い腰を動かした。

 

「グォォォォ!!!」

 

その雄叫びとともにドスランポスが跳びかかってくる。突然の行動に俺は慌てて横に跳んで回避しようとするが四方八方をランポスに囲まれているので避ける場所がない。

 

「しまっグゥ!?」

 

跳びかかりをなんとか剣の腹で防御したが地面に押し倒された。そのままグリグリと地面に押し付けられ、顔の間近にまで鉤爪が迫る。周りのランポスも剣や俺を攻撃してくる。

 

「ぐぅ……しゃあねぇ、鬼化を使うしかねえか…!」

 

放っておけば嬲り殺されるであろうこの状況を打開するためには鬼化しかないと考え、力を発現しようと精神を集中させる。

2度使ってわかったことがあるがこれは自分の意志によってある程度は使えるらしい。もちろん自分や大事な存在に死が訪れるような状態の時には劣るが(ドラクエで言うとメラとメラゾーマぐらい違うっぽい)その分使い勝手もいいし反動も少ない。まあ少ないというだけで筋肉痛はしっかりとくるのであまり使いたくもないが…。

10秒ほどで周りの物音が少しづつ遅く聞こえ始めてきた。周りのランポスたちの動きもさっきより遅い。体からも前ほどではないが赤いオーラのようなものが立ち込めてきた。

 

「オッラァッ!!!どけこの野郎!!!」

 

「ギャァァ!?!?」

 

いつまでも剣の上から踏みつけてくるドスランポスを力任せに剣を振るうことでどかせ、無理やり距離を置かせる。いきなり力が上がったことに驚いたのか、驚愕の面持ちで後ろに下がる。

ドスランポスが距離を取ったことにより群れのボスを守ろうとランポスたちが立ちふさがるが、今のこの状態では無意味だ。

 

「ゼェアアァァァ!!!」

 

素早く立ち上がり、全速力で突っ込む。ランポスたちは俺に攻撃を仕掛けるがさっきと違ってスローに見えるため回避も容易い。

右右左前右前前左前左右左左前右前前……

あらゆる方向から迫り来る攻撃を最小限の動きで躱し、攻撃してきたランポスを葬りながら前に進む。さっきとのあまりの体勢の変わりように危機感を持ったのかドスランポスが俺の逆方向を向き戦線離脱を図ろうとする。

 

「待てゴルァ!!!逃がすかぁ!」

 

俺は逃げるドスランポスの足に向けてバッグから取り出した鉄製のナイフを投げる。これはもしもの時に持っておいたものだ。

 

「ギャアァァァァ!?」

 

生命力の高いモンスターのような奴らに刺さったところでそんな大きな怪我は負わないが足止めにはなったらしく、つんのめって地面に倒れこんだ。

 

「止め…だっ!!!」

 

「ガッ……」

 

喉に向かって剣を刺すと遂にドスランポスは力尽き、アイテムと経験値オーブに還元される。群れのボスが倒されたことで周りのランポスは一瞬狼狽え、そして怒り狂った声を一斉にあげた。

 

「「「「「ギャオォォォォォ!!!!!」」」」」

 

「チッ、これで取り乱すなりしてくれりゃ楽だったんだが・・・そうはいかねえか」

 

仕方ない、と首を振り、ナイフをしまって地面に突き刺さったままの剣を引き抜き、構える。

 

「「「「「ギャオオオオオ!!!」」」」」

 

「おおおおおお!!!」

 

ほぼ同時にお互いに向かって突撃し、ランポスが跳びかかって・・・

 

 

 

 

 

 

 

「「「ギャアアァァァ!?!?!?」」」

 

その瞬間、地をもの凄い力で抉る音とともに目の前のランポスの大半が吹き飛んだ。

 

「んなっグゥ!?」

 

その衝撃を俺もモロに食らってしまい、4~5mほど吹っ飛ばされて地面を転がった。

 

「ぐぅ…一体何だってんだ…!」

 

全身に走る痛みを堪えて立ち上がり、周りを見渡すが一面ランポスの素材だらけになっていた。しかしそれ以外に何もいないように見える。だがランポスたちが吹っ飛ばされたのは事実であるため、気を抜かず周りをよく確認する。

 

「…?何だったん…!!!」

 

そしてある一点を見たときに文字通り視界がブレた。自分の目がおかしくなったわけではない。まるでそこに何かいるかのようにブレたのだ。俗にいう光学迷彩をまとったような何かが。

 

「くっそ…面倒だな…!」

 

そのブレは1回、2回と繰り返し起こり、まるでそこの空間が歪んでいるように見える。爬虫類独特の生臭いような臭いが辺りに立ち込め、ブレが点滅のように早くなる。

そしてブレが止んで現れたのは、紫色の外観を持ち、前に突き出した鼻にギョロリとした目を忙しなく左右別々に動かし、口からは長い舌を蛇のようにチロチロと出し入れしている。その外観は羽の生えたカメレオンのような外観だ。このモンスターは見覚えがある。ここではない、元の世界でだ。

 

「…『霞龍』オオナズチ…!!!」

 

『霞龍』オオナズチ。それがこの奇怪な外見を持つモンスターの名前だ。普段は自身の血液の中に持つ金属に体内の電気を通すことで光の反射を低め、あたかも透明そこにいないかのように周りに擬態できるらしい。この能力に合わせて周囲に毒霧を発生させたり、スタミナを減らす体液を口から吐いたり、舌でアイテムを盗んだりといった特殊な攻撃法をするため、『トリックスター』の異名を持っている古龍の名に恥じない戦闘力を持つ龍だ。

しかし気がかりなことが1つ。

 

「こいつって肉食だったっけ?それに温厚な性格だったような・・・?」

 

そう、このモンスターは比較的温厚な龍だ。ゲームの依頼でもほかの龍や竜に比べて大きな被害は出ていないことが多い。ゲーム内では自分から手を出すことはないらしい。そんなモンスターがなぜこんな敵意丸出しに?

目の前のオオナズチは完全に俺を敵とみなしているようでこっちに向かって威嚇を繰り返している。オオナズチには縄張りがあまりないらしいのでそういう問題ではなさそうだ…ではなぜ?

疑問が頭の中に浮かぶがすぐに消し去る。オオナズチがこっちに向かって舌を突き出してきたからだ。カメレオンのように伸びるその舌はそれなりにあった俺との距離なぞ意にも介さず襲い掛かる。当たる訳にもいかないので横に跳び、考えをやめる。こいつを倒せば元の世界に帰るのが早くなる。ならば狩るだけだ。

 

「こいつを倒せば・・・!!!ハアァァァ!!!」

 

その一声とともに剣を握りなおし、オオナズチに向かって駆け出す。オオナズチの出現によって霧が立ち込め始める中、第2ステージの幕が切って落とされた。

 

 




まさかのナズチさん降臨です。ここで出したほうがいいかなと思いまして。4GのPVでは自分からハンターに襲い掛かる映像があったというのを聞いたので大丈夫かなと思いこうしてみました。ですが仕様は2G仕様ですのであしからず。3DSは持ってないので…(汗)
きな粉餅様、garcia様、RPG大好き様、えだまミィカン様、Σ夜月様、void0様、猫猫様、感想ありがとうございます!そしてお待たせしてすいませんでした!感想、意見、指摘、訂正等ありましたらお気軽にコメントよろしくお願いします!あなたの一言がぺぺの大事な栄養となります(笑)
次回、遂に古龍の1体と相見えることとなった一縷。無事アレクたちのもとへ帰還することはできるのか?
『見えない霞龍』お楽しみに~!







前回のサブタイのネタは機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORYより、「激突戦域」です


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見えない霞龍

…すいません。大学ナメてましたわ。こんなに休みが少ないのかと。片道二時間がさらにそれを助長してますね。お待たせしてしまって誠に申し訳ないです…。
ではどうぞ!


オオナズチは俺に向かって猛然と突進してくると前足を使って引っ掻いてくる。しかし如何せん透明なその体はあたりの木によって日の光が遮られ薄暗いこの場所ではその影をとらえにくい。さらに辺りに広がる霧によって視界も悪く、なんとなく見える輪郭のようなもので判断しているに過ぎないので回避行動をとりずらいのだ。

 

「チッ…確かオオナズチは角と尻尾でこの透明化をコントロールしてるんだったか…?モンハンではウザすぎて相手するのが嫌だったから放置してたんだよな…なんであの時の俺はテオばっか狩ってたんだよ!」

 

この世界に来る前の俺を殴り飛ばしたい気分になるが、ボヤいて目の前のオオナズチがどうにかなるわけがないので頭を切り替えて目の前の敵に集中する。オオナズチの透明化は攻撃時の一瞬だけ解除される。おそらく複雑で激しい動きには対応できないのだろう。その一瞬で何をしてくるか、そしてどう回避行動をとるかを考えなければならない。

 

「シャアッ!!!」

 

「…………ッ!!」

 

ステルスを解除して目の前に姿を現したオオナズチはその長い舌を目の前で振って俺を狙ってくる。扇状に振るってくるその舌は範囲が大きく、剣を使って何とかしのいだ。この舌を使った攻撃に当たると道具を盗まれるのだが今回は何もなかったようだ。まあ口に入れられそうなのがランポスの生肉だけだしなぁ…。

もちろん防ぐだけでは勝てないので舌を振り切った状態になったオオナズチに向かって切りかかる。

しかし、あまり固そうに見えないその皮膚は思ったより固く、鈍い音を立てて剣は弾き返されて胴体に薄く切り口を作っただけにとどまった。

 

「固ってぇ…!切りかかった俺の手が痺れてるってのはどういうこった!?」

 

オオナズチは鼻と尻尾以外クシャやテオより柔らかいというイメージがあったのだがそれは間違いだった。まるで石を切りつけているような感覚だったのだ。

 

「オオナズチでこれならほかの古龍とかグラビモスとかどうなるんだろうなぁ…。ま、とりあえず他のとこ狙うしかないか」

 

まだしびれが残る手に力を入れ、再びステルスモードに入ったオオナズチの気配を追う。ただ姿を消しているだけなのでいるとわかれば息や足音で追うことはできる。

 

「……………」

 

森に静寂が訪れる。オオナズチもいったん離れて様子を見ているのか、物音がしない。しかしオオナズチの攻撃は離れたところには届かない技ばかりなので接近するはず。その時の足音を頼りに耳を澄ませる。

そして何秒か経った時、俺の後ろのほうでジャリッという地面を踏みしめる音が聞こえた。

 

「…そこか!」

 

勢いよく後ろを振り返って音のもとに向かって横薙ぎに剣を振る。が、

 

「んなっ!?」

 

そこには何もなく、ただ剣が空を切っただけだった。なぜと思ったその瞬間左側から強烈な衝撃が走る。まるで車に引かれたような衝撃に宙に浮いたような、否、本当に飛んだのだ。

そのまま飛ばされた俺は地面に何度かバウンドし、近くの木に勢いよく叩き付けられてしまった。叩き付けられたと同時に左腕からこの世界に来て何度か体感した骨の折れる音が響く。恐らく木に当たる直前に咄嗟に体をひねって利き手である右手を左手でかばいながら木に叩き付けられたからだろう。

 

「カッ…」

 

意識が飛びそうになるのを必死に抑え、もう一度構えてあたりを見回す。またステルス状態になったのかオオナズチはその姿をくらませていた。

襲ってこない今のうちに自分の今の状態を確認する。左手でかばったため右手は無事だが左腕はあらぬ方向を向いており、素人目でも折れているのが丸分かりだ。胸にも痛みがあるため罅か骨折かはしているだろう。足は擦り傷以外は問題はないようでまだ動けるが、連戦に加えて見えない敵というのもあって、精神的にも身体的にも疲れの色が濃い。

 

「ふぅ…(あんまり長引くとこっちが圧倒的不利だな。どうにかしなくちゃならないんだが…)」

 

精神と身体の消耗からくる焦りをおさめ、深呼吸をしながら次の策を考える。

もう一度同じ作戦で挑む、一旦退く、自分も物陰に隠れながらステルスで行く、etcetc…

この場を打開するための対策を色々と考えるがどれも確実ではなく、オオナズチ相手には実行が難しいものばかりだった。

その間にもさらに体力を削るつもりなのか、ザクッザクッと小刻みに足音を立てて気を引いてくる。

 

「…………俺の戦ってる相手はほんとにドラゴンか?チンパンジーとかじゃねぇんだよな…?」

 

あまりの攻撃の考えられように一瞬相手の存在を疑う。確かにオオナズチはモンハンの世界では搦手が得意だがこれは得意とかそういう次元じゃないような気がするんだが…?

周りに気を張るがあらゆる方向から足音がするため方向がつかめない。名前の如く、本当に霞を相手にしているような気分だ。

 

「あーくそ…めちゃくちゃめんどくせぇ…ここら辺一帯を薙ぎ払えたりとかしたらいいのにな…」

 

もちろんそんなものはあるわけなく、その間もオオナズチによる挑発は続く。

オオナズチが攻めてこないその間に方法を考える。

 

「(えーっと、オオナズチの攻略法は…毒を食らわせる、煙玉を投げる…以上。)…少なくね!?」

 

ゲームではあまりオオナズチと戦っていなかった上に古龍種は最終的に力押しで攻めていた部分があるので攻略と言えるような物は思いつかない…というより思いつけない。やはり一番の攻略法は角と尻尾を破壊することなのだ。

しかしここまで搦手を徹底されるとそれどころではない。現に角や尻尾を破壊するどころか掠り傷をつけることすら厳しい今の現状では夢のまた夢だ。

 

「…思うと結構詰んでねこの状況?逆にこっちが手傷負わされてるし…」

 

毒っぽいものは見かけたことがないし、煙玉なんてものが作れるわけがない。…ん?

 

「(煙玉は無理でもそれの代わり、例えば砂埃とかでも場所ぐらいは掴めるんじゃないか?なら…)」

 

案を一つ思い付き、ある程度開けたところまで走る。背後からの足音から察するに少し離れたところで追いかけているらしく、足音がかなり小さい。正直このサバイバル生活をしていなかったら聞こえていなかっただろう。

少し走ったところで森の少し開けたところに出た。周りからもオオナズチ以外の気配はなさそうで、戦うにはうってつけのところだ。

 

「うし、バッグに入れておいた砂を…っと、おし、来やがれ!!!」

 

その瞬間足音が前で止まり、またさっきと同じ行動をとろうとしていたのだろうが…させん!!!

 

「おらぁっ!」

 

持っていた砂を目の前にぶちまけた。砂は空中を漂って何もない空間に止まった。まるでそこに何かがいるように。

 

「よし!」

 

なぜブロックの世界であるマインクラフトでこのようなことができたか、それはこの世界の変わった法則のためだ。ブロックはどんなものでも地面に隣接していると1メートル四方のブロックになる。この状態になると隣接しているブロックを取り除いても砂などの一部のブロック以外は空中にとどまり続ける。しかしアイテム状態のままで空中に放り投げると空中を漂っている時だけブロックではなく普通の物体になるらしい。そしてそれは一粒でも地面に触れていなければその物質のまま留まり続けるらしいのだ。

つまり投げた砂はオオナズチの皮膚についている全てが地面に落ちない限り『砂』のままなのだ。さらにこの砂には水をつけておいた。

 

「よっぽど激しい動きをしねえと落ちねぇぞ?そんだけ動けば場所をばらしちまうがな!」

 

水のついた砂は摩擦によってなかなか取れなくなる。それを利用して砂を肌にこびりつかせた。どうやら当たったのは左足らしく、その形に砂がこびりついているため丸見えだ。

 

「もういっちょ喰らえ!」

 

右足があるだろう場所にもう一回砂をぶちまける。見事に当たったようで足の形が浮かび上がる。オオナズチも何とか砂を落とそうとしているがザラザラの皮膚にこびりついた砂は中々落ちない。

これ以上隠れて攻撃しても無駄だと判断したのか、完全ステルスを切り、半透明になったオオナズチが何やら口をモゴモゴさせている。

 

「シュー…」

 

「ちぃ!毒霧か!」

 

一旦後ろに下がり距離をとる。その瞬間オオナズチの口から紫色をした霧状のブレスを吐き出した。

ブレスは毒があり、万が一触れた場合この世界ではどうなってしまうかわからない。状態以上で済ませられるのかもしれないし現実世界のようにとどまり続けるのかもしれない。後者だと厄介この上ないので当たる訳にはいかない。

そう考えて後ろに思いっきり跳んだのだがそれが悪かったのか腹部に強烈な衝撃が走った。

 

「ぐあっ!?」

 

あまりにいきなりなことにその場にうずくまってしまった。毒霧の向こうから舌を伸ばして攻撃してきたらしい。本当に頭の回る竜だ。しかしこれはマズイ。せっかく勝てるかもしれないのに今のダメージで完全に動けねぇ…!

元々肋骨と左腕をやられていっぱいいっぱいだったのにその上このダメージだ。

 

「こりゃ…やばい、かもな…いわゆるピンチですね、なんて言ってる状況じゃないか…」

 

腹を押さえてふらふらと立ち上がるがそれだけだ。今まで蓄積されたダメージのせいで足が動かない。

 

「シャアアァァァァァ!!!」

 

勝利を確信したのか、オオナズチがこっちに向かって突進してくる。妙にスローに見えるのは死にかけているからなのだろうか?とがった角が俺を串刺しにしようと迫ってくる。

 

「ここまでか…アレク、クゥ…すまない」

 

そう言って目を閉じる。もうちょっと生きたかったが、帰りたいがゆえに焦りすぎたな…

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ!!!!」

 

「シュアアアアアア!?!?!?!?」

 

死を覚悟した俺だったが、それは免れた。ドゴッ!!!というもの凄い音とともにオオナズチの悲鳴が響き渡る。いきなり何が起こったのかと目を開けると俺の目の前には茶色の髪をなびかせた少女…アレクが立っていた。

 

「ア…アレク…?」

 

「……アレクだけじゃない、ボクもいる」

 

その声とともに後ろから飛んできた一本の矢が寸分違わずオオナズチの目に刺さった。

 

「シャアアァァァァ!?!?」

 

いきなり自分の目の片方がなくなったことにより混乱の極みに陥ったのか、倒れこむように後ろに下がる。そして後ろから緑のパーカーを羽織った女の子…クゥが出てくる。

 

「ご主人さま大丈夫ですかニャ!?このようなお姿になってしまって…私が駆けつけるのが遅れてしまったばかりに…!」

 

「……大丈夫?」

 

オオナズチが後ろに下がったことを確認すると2人は俺のほうに駆け寄って俺を心配してくれている。そうだ、こいつらのためにも死んじゃいけんわな…。

 

「俺より先にあいつだ。あいつをどうにかするぞ」

 

「「了解(ですニャ)!!」」

 

さっきまで立つのが精いっぱいだったのが嘘のように体が軽い。今なら…!

 

「シュアアアァァァァァ!!!」

 

最終ラウンドだ!!!

 

 

 




う、打ちきりじゃないですよ?書ききりますよ?まとめがうまくできなかっただけなんです。だから「打ちきりか、んじゃあ読むのやめよう」とかならないでくださいお願いですから(汗)
しかし次話はアレクの廃坑探索で、クゥのラングロトラ戦を入れてからこの後になります。それまでお楽しみにしておいてください!
garcia様、えだまミィカン様、RPG大好き様、猫猫様、kami2015様、感想ありがとうございます!これからもこの小説をよろしくお願いします!そして感想、評価、訂正、意見等なにとぞお願いします!
次回、オオナズチとの決戦に挑んだ一縷。その時アレクは廃坑で…?
『立ちはだかる廃坑』お楽しみに~!








前回のサブタイのネタは機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争より、「虹の果てには?」です


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立ちはだかる廃坑

どうも!皆様の期待に応え、早めに投稿しました!ですが夜中に投稿してるため誤字や表現のおかしさ等があるかもしれませぬ。発見した場合は感想欄にお願いします!
今回はいった通りアレク編です。アレク編も前篇後編ありますのでお楽しみに!
では、どうぞ!


コツッ…コツッ…

 

暗くてじめじめした空間内に私の足音が響き渡る。さっきから同じ光景がずっと続くため道に目印の松明を置いておかないとどこにいるかわからなくなりそう。

私ことアレクは今洞窟探索で見つけてしまった廃坑を探索している。廃坑とはたまに見つかるいわばダンジョンのようなもので、地下のある程度深いところに生成されるらしい。私は初めてだけど、集落にいたときに聞いたことがあった。

この廃坑の怖さ、それは洞窟の中にあるが故の場所の把握のし難さだ。どこを歩いても同じような道に同じような壁、そして何階かに分かれていることもあって目印を置いておかないと元の場所に帰るのが困難になってしまう。しかしこの廃坑が出る深さは珍しい鉱石が出る深さでもあるため、それを目的に潜る人が多いらしい。

 

「どこに敵がいるのかわからないニャ…声はいっぱい聞こえるんだけどニャ…」

 

周りを警戒しつつ松明を置きながら奥へ奥へと進んでいく。

私の目的は鉱石ではなく「廃坑内に点在する蜘蛛の糸」だ。この廃坑、いくつかのところに蜘蛛の巣の塊があるという。その大きさたるや、洞窟の道のスペースを埋め尽くす大きさらしい。正直言って蜘蛛の糸はありすぎて困ることはない。服や弓はもちろん、様々なものにも活用できる優れものだ。数を確保しておきたい。

 

「フンッ!!!」

 

「ヴァー…」

 

柱の陰から現れたゾンビを横薙ぎの一撃で消滅させる。さっきからずっとこのパターンなのである程度楽にはなってきた。しかしクリーパーを倒す時だけはどうしても躊躇してしまう。クゥさんとかぶって見えてしまうからだ。頭では分かっていても抵抗がある。現にいま目の前にいるクリーパーにも一旦距離をとって心を落ち着けなければいけない。

 

「シュー…」

 

「………ッ!(これは敵これは敵これは敵っ!)」

 

このモンスターは放っておくにはあまりにも危険で厄介なのだ。この洞窟内で自爆されてしまうと洞窟自体が崩れてしまう可能性が高い。幸運にも敵を見つけなければ自爆することもないため近寄ってきたクリーパーを倒せばいい。

 

「~~~~~ッ!」

 

動揺を振り切ってクリーパーにピッケルを振るう。頭上から振り下ろされたそれはクリーパーの脳天を食い破り、頭蓋を粉々にした。頭を失った胴体が力なく倒れ、オーブと火薬となって消滅する。

 

「はー…はー…フー」

 

まだ心臓の鼓動がうるさいがこんなところで止まる訳にもいかないため、軽く息を整えてまた歩き出す。目の前の道は暗く、まだ敵はいるように見える。手元にある松明の明かりを頼りに奥へ奥へと進んでいく。

 

 

 

しばらく敵を倒しながら歩いていると道の脇に宝箱のようなものを見つけた。集落で聞いた話によるとこの洞窟には稀に宝箱があるらしい。なぜそこにあるかはわからないし、だれが設置したのかもわからないものだが色んなものが入っており、物によってはダイヤモンドまで入っているとのことだ。

 

「周りに松明置いてから開けようかニャ」

 

周りはまだ暗いので周りに松明をかける。少し先に進んでそこにも松明を置いておく。こうしないと宝箱を覗いている間に後ろから襲撃されることを防ぐためだ。

松明を置き終え、周りに敵がいないことを確認すると宝箱を開ける。中身は金が3個、鉄が2個、サドルが1つ、そしてスイカの種だった。

 

「スイカの種ニャ!これも畑で育てようニャ!」

 

中々良い成果に気分が上がり、アイテムをポーチに詰め込んでまた歩き始める。所々蜘蛛の巣が張っているためそれを収穫しているが蜘蛛の巣の塊はまだ見ていない。ただ運が悪いだけなのか、もう少し奥に行かなければならないのか…

 

「とにかく進むしかないニャ。でもあまり奥に行きすぎないようにしないとニャ…」

 

迷ってしまっては元も子もないため今持っている松明がなくなった時点で引き返すつもりだ。偶に取れる石炭もあるがこれは使わない方向で行く。

道が曲がり角になっているところについたところで、角の向こうから不思議な音が聞こえてきた。何とも言えない不気味な音が辺りに響く。

 

「…この音は確か…」

 

この音には聞き覚えはあった。確信に近い形で結論をつけ、角の向こう側をのぞき込む。するとそこには向こうを向いている怪しげなオーブを身の回りに放出している黒い人型がいた。

このモンスターの名前はエンダーマン。顔を見ると襲ってくるが、逆に顔さえ見なければ攻撃するまで何もして来ないモンスターだ。習性として物を運んだりするらしいが今は何も持っていないようだ。

顔を見ないように視線を足元に落とし、静かに後ろを通り過ぎる。やはり顔を見ないと襲ってこないようで、視線は感じるが襲ってこない。

このモンスターはエンダーパールなるものを落とすのだがいまいち使い道がない。エンダーパールを投げるとその場所にテレポートできるのだがその際体にダメージができるのだ。それ以外に使い道もない上にエンダーマンはかなり手ごわい。一度相手にしたことがあるがテレポートと高い攻撃力で苦しめられた。エンダーマンは水を嫌うため水の中に入ることで事なきを得たが、あまり進んで戦おうとは思わない。なので戦わずにスルーすることにした。

 

「………」

 

無事に通り過ぎるとヴンッという音とともに気配が消えた。恐らくどこかにテレポートしたのだろう。そういえば集落の本にはエンダーマンを束ねる存在がいるらしいと記述されていたが本当にいるのだろうか?

そんなことを考えながら前に進む。まだまだ先は続いており、果たして本当に帰れるのだろうか?という疑問が私の頭を駆け巡るがこのままでは帰れない。せめてあともう少し蜘蛛の糸を集めてから帰りたい。まだギリギリ2ケタに届くぐらいしか集めていないのでせめて半スタックはほしいところだ。

しかし辺りを捜索しても同じ道が続くだけで進展はない。偶にモンスターが襲い掛かってくるがクリーパー以外は危なげなく倒せるので問題はないし、クリーパーも少し手間取るが一度も自爆させることなく倒している。

しかし、一番の敵はこの廃坑そのものである。

 

「…退屈ニャ…」

 

そう、あまりにも単調なため一度は上がったテンションがガタ落ちになってしまうのだ。襲ってくる敵を倒して単調な道を進む。それがどれほどの苦痛か、言うまでもない。

そういいながら歩いていると壁に光るものを見つけた。

 

「…!ダイヤニャ!」

 

この深さではダイヤモンドがとれるほど深いためこういう光景がまれにあり、実際にさっきからダイヤだけでなく、マカライト鉱石やエメラルドなんかも少量ではあるが取れている。

 

「~♪」

 

ご主人さまに褒められるのを想像しながらダイヤを採掘していく。とれたダイヤを鼻歌を歌いながら数える。4個あったようだ。それをポーチの中に入れる。

そしてまた歩き始めようとしたとき、まだ進んでいない道から蜘蛛の鳴き声がした。その声は普通の蜘蛛より心なしか高く聞こえた。

 

「…!こっちニャ!」

 

周囲を警戒しながら鳴き声がしたほうに駆け寄る。すると横の小さな穴から黒い影が飛び出してきた!

 

「くっ!」

 

何とかピッケルの柄を盾代わりにし、影を振り払う。その影の主はやはり蜘蛛だ。しかしその体毛は少し青みがかっていて普通の蜘蛛より小さい。それは離れたところに着地したがまたこっちに襲い掛かってくる。

 

「ニャァ!」

 

向かってくるそれに向けてピッケルを振るうが当たらない。だがそれはおとりだ。ピッケルの重みで体を捻り、回し蹴りを食らわせる。

 

「はl!」

 

さすがにこれには反応できなかったのか、壁に激突して動きを止める。その間に胴体をピッケルで貫いて止めを刺す。

集落の話で聞いただけだが、これの正体はケイブスパイダー。廃坑にのみ生息している蜘蛛の亜種で洞窟を自由に動き回れるように体が少し小さく、周りに溶け込むような青みがかった体色が特徴だ。そしてこれの牙には毒があり、噛まれると毒に侵されてしまうのだ。なので近づかないで倒すのが本来好ましいのだが飛び道具は持っていないので噛まれる前に倒すという方法をとった。

そしてこのモンスター、とある一定の方法でしか出現しないのだ。そしてそこには探している蜘蛛の巣の塊がある。

ケイブスパイダーがいた道の先に目を向けるとそこには蜘蛛の巣の塊があり、そこには夥しい数のケイブスパイダーと怪しげに光る箱…スポーンブロックがあった。

ピッケルを構え直し、声をあげて群れのほうに突撃する。

 

「ニャアアァァァァァ!!!」

 

「「「「「「シャアアァァァァ!!!」」」」」」

 

絶対にご主人さまのもとに帰るのニャ!




こんな感じです。アレクさんマジ健気…!惚れてまうやろー!
そして何気にエンダーさん初登場です。ですが戦いません。アレクは皮装備だからね!仕方ないね!
そしてもう少しモンハン要素入れればよかったかな…少し後悔してる今日この頃。
あ、あとツイッターを始めました。名前がペペロンテで幽香さんのポトレなら私です。見つけたら何なりと申し付けください(笑)
garcia様、holyuji様、begamari様、えだまミィカン様、ぼっちめがね様、猫猫様、ガラクタ‡ガラク様、感想ありがとうございます!これからもこの小説をよろしくお願いします!そしてこのほかの皆様も感想、誤字、訂正、意見などお待ちしております!しかし批判は正当性のある意見でお願いします。自分豆腐メンタルなもので…(汗)
次回、スポーンブロックを制圧するためにピッケルを振り続けるアレク。その時地上では…?
『スポブロ攻防戦』お楽しみに~!








前回のサブタイのネタは機動戦士ガンダムSEED DESTINYより、「見えない真実」です


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スポブロ攻防戦

……………………はい、もうね、申し開きしかありません…。
ホンットーに!申し訳!ありませんでしたぁ!!!
スランプっていうのかな…2000字から先が書けずに3~4か月も放置してました…それにレポート+テスト+夏風邪のトライアタックをドードリオ(という名の天の意思)からもらいまして…結果このような事態に…こんな肥溜めの中のクソにも劣るぺぺをどうか許してください!
そしていつも通りの駄文です。こいつはくせえッー!ゲロ以下のにおいがプンプンするぜッーーーーッ!!っていう人はブラウザバックをば。


廃坑内に青黒い体毛を持ったケイブスパイダーがいくつも縦横無尽に跳び回っている。一匹一匹が私への殺意を放つそれは私のほうに向かい、休みなく攻撃を仕掛けてくる。

 

「くっ!」

 

「シュ!?!?」

 

また一匹跳んできたケイブスパイダーをピッケルで横薙ぎに払う。ピッケルに当たったケイブスパイダーは頭を潰され、壁に激突してその生を終えた。

しかし1匹を倒しても次から次へと湧いてきており、倒しても倒しても恐れを知らず突撃してくる。その蜘蛛たちで足止めされている間に奥にあるスポーンブロックが新しい蜘蛛を呼び出しているため一向に数が減らない。それどころか呼び出す間隔が早く、逆に最初より数が増えてしまっている。

 

「このままじゃジリ貧ニャ…毒を覚悟して松明を置くか最悪破壊して…」

 

本来スポーンブロックは見つけたら危険なものとして集落にいたときは破壊していた。あるとモンスターが湧いて自分たちの集落を襲う、それがどんなに恐ろしいことか、それを考えて破壊していた。

しかしこのスポーンブロック、光を当てるとモンスターをスポーンしなくなって機能を停止してしまうらしい。暗いところだと松明をある程度周りに置くとモンスターが湧かなくなるらしい。まあそこにあるのは変わらないので万が一がないように破壊していたのだがこれを逆手にとればずっと糸がとれるようになる装置を作れる。そう考えると破壊するよりスポーンを封じるほうが後々楽になる。

しかし周りに所狭しと張られた蜘蛛の巣のせいで松明が置けない。それを除いても周りから襲ってくる蜘蛛の群れがその暇を与えないように攻撃してくる。これを抜けるにはダメージを覚悟するしかない。

 

「……ッ!」

 

そう考える私の脳裏をよぎったのはリオレウスに襲われ、ボロボロになった自分に必死に声をかけるご主人さまの顔。

ここで怪我をしてまたあの時のような顔をさせるのか?この姿になっても迷惑をかけ続けるのか?

 

「…駄目だニャ。もう迷惑はかけないって、次は私がご主人さまを守るって決めたんだニャ!」

 

迫ってくる蜘蛛を数匹まとめて横薙ぎに吹き飛ばし、空いた空間に松明を投げる。地面に落ちた松明は数回地面にバウンドすると止まり、周りを照らし出した。その明かりは奥のスポーンブロックにも届いたようで、蜘蛛の出てくる頻度が下がった。

 

「やったニャ!もっと松明を…!」

 

松明を追加で投げ込もうとしたが、地面を転がる松明を見て思いとどまる。松明の光が弱くなっていたのだ。恐らくだが地面を転がった時に燃えている面も地面に当たったのだろう。今にも消えそう、というわけでもないが壁にかけた松明よりは長い時間は持たないだろう。

 

「くっ…でも今のうちに!」

 

松明が消えてしまう前に壁に松明をかけ、地面の松明を回収する。地面に転がっただけなのでまた火をつければ使えそうだ。その間にも蜘蛛は襲い掛かってくるがさっきと比べると目に見えて量が減っているのがわかる。

 

「ハアッ!…これなら!」

 

纏わりつこうと寄ってくる蜘蛛をなぎ倒し、周りに松明を置いて制圧していく。

少し離れたところに松明を置いたところでスポーンブロックは効果を失ったのか蜘蛛が出てくることはなくなった。しかしまだ油断はできないのでスポーンブロックの周りに松明を置き、完全に出てこれないようにする。

 

「ふぅ…これで終わりだニャ。このスポーンブロックは何かに使えるかもしれないから置いておくニャ」

 

ご主人さまの持っていた書物の一冊にスポーンブロックのことが記された本があり、その中には経験値を事実上無限に上げ続けることができる装置が作れるらしいことが書かれていた。これがあれば攻撃力の増強が図れるがそれには膨大な資源と緻密な計算が必要になってくるらしい。今の私たちにはあまり余裕はないため作ることはできないがある程度落ち着いた状況になれば造ることもできるかもしれない。

だが時間や材料のほかに一つ問題がある。

 

「…その前にここの位置の把握が必要ニャ…」

 

私は周りを見渡すがどこを見ても同じ石の壁の光景しか見えないことに思わずため息をついてしまう。だいぶ奥深くまで入ってきてしまったし、何より廃坑の中というだけで気がめいる人も少なくない。私の集落でも労力の割には見返りが少ないため好んで廃坑に入るものはいなかった。もしいたとしても私みたいな特定のアイテムを求めて入ったか変人ぐらいだと断言できる。

とにかく、大掛かりな装置は何もかもが足りていないので考えをやめ、とりあえず手に入った糸の数を数える。

 

「1、2、3…全部で29個。今のでかなり出たけど…少し心許ないかニャ?帰り道に会うことを願うニャ…」

 

スポーンを制圧するだけでだいぶ時間がかかってしまったし、この先も行き止まりのようなので一旦引き返すことにした。私の長年培った体内時計ではもうすぐお昼だと思われるため早めに帰って料理の準備をしなければならない。が、ここで廃坑の最大の武器が私に牙をむいた。

 

「…出口はどこニャ。確かあの道から来たはず…でもあっちには松明はついてないニャ…あーもー!分かんないニャー!」

 

あまりの入り組みようにどこから来たのかが全く分からなくなってしまった。単調な光景とは時に人の感覚を狂わせる。おかげでここがどこなのか全く分からない。

 

「……と、とにかく松明のあるところをたどっていけば何とか…?」

 

とりあえず松明のある道をたどってみる…が、

 

「あ、あれ?こっちはさっき来た道…じゃ、じゃああっちかニャ?」

 

「え…こっちに松明ないニャ…」

 

「ここも違うニャ…あ、金鉱石ニャ!あ、あっちにレッドストーンもあるニャ!」

 

「このあたりは鉱石がいっぱいあるニャ!………あ、あれ?このあたりに松明ないニャ…」

 

「」

 

…………………………………

 

「ここどこニャ~!」

 

気が付くと松明の置いていない通路に来てしまっていた。前後左右どこを見ても見たことのない道に私が通ってきたところだけが松明の光で暗闇を照らしている。先を見ても明かりはなく、それに深い。どう見ても出口ではないことがわかる。

 

「や、やばいニャ…ここどこニャ…」

 

引き返そうにもそこらにやたらめったら置かれた松明のおかげでどこから来たのかが全く分からない。上にも下にも右にも左にもある松明の置かれた道に思わず地面に膝をつきそうになる。自分とはこんなに考えなしな人間なのかとその光景からさらに落ち込みそうになる。

 

「私ってばもうちょっと規則性とか考えなかったのかニャ…」

 

嘆いていても後の祭り、この光景がどうにかなるわけではない。しかしこのままではこの廃坑から出られなくなる…そう考えてご主人さまの顔が浮かび、そして昼までには帰って来いといわれたことを思い出す。

 

「…こうなったら最終手段ニャ!」

 

このまま出口を探しても埒が明かない。

そう考えた私は目の前の壁をにらみつけ、手に持ったピッケルを振りおろした。

そう、私の言う最終手段とは------------真上階段掘りである。

 

「フッ…フッ…!」

 

カンカンと壁から発する甲高い音が廃坑内をこだまする。そしてあっという間に壁に大穴を開け、徐々に大穴は階段状になり、上に上にと伸びていく。

真上階段掘り、簡単にいうと地上まで掘ってこの廃坑から脱出しようというものだ。ただしこの方法はあくまで最終手段であり、それ相応のデメリットもある。

1つ目は前の見えない所を無理やり掘るのでマグマや水流、別の洞窟があってもわからないこと。

2つ目は深いところでやるとそれ相応の量の道具が必要とされること。

そして3つ目は…どこに出られるかがわからない所だ。

 

「前に集落で見た『地図』があればせめてどこに出るかはわかったのだけどニャ…」

 

しかし今も作るには紙がないし、それの原料のサトウキビも持っていない。今のところサトウキビも見かけていないのでこのあたりにはないのだろう。

そんなことを考えながら斜めにずっと掘っていくと石の壁が土に変わり、所々草も生えている。これは地面が近い証拠だ。

 

「やったニャ!ピッケルからスコップに持ち替えて…」

 

土はピッケルでは掘りにくいためスコップに持ち替え、土をどかす。すると日の光が私に降り注ぎ、洞窟の暗闇に慣れていた私の視界を潰す。咄嗟に目を細めた私だったが、周りを見て確信する。

ここは…外だ、と。

 

「~~~ッやったニャ!!!やっと出れたニャ!」

 

久しぶりの外の空気にはしゃぎながらも周りを確認する。どうやらポツポツと木が生えているだけのところのようだが、少し奥に岩場のようなものが見える。ここよりは開けていそうなのでそこに向かうことにする。

 

「とりあえず余った石で高台を造って家がどこにあるか探さなきゃ…この日の傾きようじゃ昼ご飯は無理そうニャ…」

 

太陽は明らかに傾いており、もうそろそろ夕日になるのではないかというところまで来ている。ご主人さまのご命令を守れなかったことに少し落ち込んだ。

岩場につくと、岩場に腰かけている緑色の動くものを発見した。あれは間違いない!

 

「クゥさんッ!!!」

 

「!……アレク?」

 

緑色の特徴的なパーカーをかぶったクゥさんが少し驚いたような目でこちらを向いた。

 




とまあこんな感じです。お待たせした割には駄文でほんっとすいません…時間はあったのに書く手が止まってしまうんです…そのうちに深夜になって寝る…の繰り返しでここまで来てしまいました…次はここまで遅くならないように善処しますので!
そして次回は皆様お待たせ…って私が待たせてたんだ…orzクゥちゃんのターン!こちらも公平に前後編で行くつもりです。
ぼっちめがね様、Holyuji様、マイクラ歴六年以上の廃人様、garcia様、kyou_chan_007様、みーあきゃっと様、猫猫様、begamari様、マイクラ好き様、狼ロボット様、君下俊樹様、感想ありがとうございます!そして感想に返信するだけして新作をずっと上げずにすいませんでした!これからはないようにしますので、どうか見捨てないでください!そしてコメント待ってます!
上記の方以外の方もコメント・誤字脱字などよろしくお願いします!しかしけなすだけの感想などは対処に困りますのでご遠慮ください…せめてけなす要因を書いて送ってくださいますとそのコメントをバネにして創作できますので…。
次回、ラングロトラ遭遇したクゥ。そのトリッキーな攻撃の前に無事一縷のもとに帰れるのか!?
『赤甲の矛先』お楽しみに~!








前回のサブタイのネタは機動戦士ガンダムAGEより『立ちはだかる幻影』です


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