この素晴らしい転生悪魔に平穏を!! (大正マロン)
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この素晴らしい転生悪魔に平穏を!
よろしくお願いいたします!
「すみませんでした。」
目が覚めると、俺 大槻 隆司 (おおつき たかし)は辺り一面真っ暗な空間にいた。
はていったいここはどこだろうと思っていると、頭に角が生えた女の人が出て来て土下座をかまして来た。
「えっと〜あの〜その〜。」
いきなり現れた人に土下座かまされても意味がわからない。これは夢なのか?などと考えたが、何もわからないため。
「取り敢えずkwsk」
「わかりました。」
やはりわからない事は知ってるであろう人に聞くのが一番だ。
「して、この状況は?俺はなぜこんなところに?」
「えーそれはですね、取り敢えず私の自己紹介をしましょう。私はかの有名な閻魔大王です。」
「へーーっ・・・・はっ?」
「えっと、もしかしておじいさんみたいな人だと思ってたんでしょうが、それは私の祖父で今は長年の疲れを癒すため旅行に行っているんですよ。で、私はその間閻魔代理をしている訳です。」
と言って閻魔様はドヤ顔をかました。なるほど、だいたい理解できたけれど。
「それと俺がここにいることに何か関係があるんですか?」
そう俺が聞くと閻魔様はミルキーちゃんみたいな顔をして滝のような冷や汗をかき始めた。おいなんだそれは、すこしイラっと来たぞ。
「えっと、ですね。まずこれを見てください。」
そう言って閻魔様は俺に一冊のノートを見せた。
「なんですかこれは?」
「これは閻魔の道具の1つの閻魔帳です。」
これが閻魔帳か〜なんて思っていたら閻魔様はページをめくっていくと、あるページの一箇所を指した。するとそこには『大槻 隆司』と書いてあった。
「あなたは私の手違いで閻魔帳に名前が書かれてしまいました。閻魔帳に書かれた人間は必ず死んでしまうのです。普通なら今回の事はこちらが関与する必要はないのですが、いかせん今回は体の方がダメになってしまったので隆司さんは元の体に戻れなくなりました。」
そんなことを言われるとそういや行きつけのカフェに散弾銃を持った。強盗が入って来て、撃たれそうになった子を庇って死んだという事を思い出した
「そして地獄ではこちらの手違いによる死亡と、他人を助けた隆司さんがこのまま死んでしまうのは非常にまずい、ということで。元の体には戻せない代わりに、転生という形で、別の世界で生まれ変わるという事になりました。その世界は剣と魔法の、とよくある異世界と呼ばれるところです。」
俺は転生、という言葉に反応した。これでも生前はゲームやラノベで興味があったのだ。
「しかしそのまま転生させるとなると送った先でどうなるかわからないので、3つ特典をつけれる様になっています。いまから隆司さんには3つの特典を決めてもらい、その後送り出します。」
なるほど、と俺は頷きいくつか案を考えた後。
「じゃあまず1つ目は、俺を世界を救う勇者なんてものじゃなく、『悪魔』にしてくれ。」
「・・・えっ、あっはい、わかりました。」
一瞬閻魔様は呆けていたが、すぐに手元からタブレットみたいなものを取り出して操作する。
「では、2つ目の特典は?」
「2つ目は能力、そうだな〜空間転移系の能力がいいな。」
「成る程成る程。それでは最後の特典は?」
「3つ目の特典は・・・・」
ここで俺は悩んだ。何故なら先の2つの特典で俺はもう満足しているのだ。これ以上何かもらったとしても逆に困るのである。
しばらく悩んだ後、
「では3つ目の特典は平穏をください。もう強盗に襲われて死ぬのは勘弁したいからな。」
「・・・分かりました。それでは隆司さんを送り出します。こちらの不手際でこんな事になって申し訳ありませんでした。」
「もういいよ、あちらの世界に未練はないから。」
「ありがとうございます。では最後に、どうかあなたに平穏な悪魔生があらんことを。」
そう言って閻魔様はとても綺麗な顔で俺を見た。
その瞬間、俺は意識が吹っ飛んだ。
リメイク版だと言ったな、アレは嘘だ。
ただ連載にする為に直しました。
今後ともよろしくお願いします!
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この駄目人間に新しい出会いを!
第2話です!
とりあえず書き方としては
主人公side → カスマ達side →主人公side
という順で書いていきたいと思います。
一話一話が短いので、他の作品を見て、暇な時に読んで欲しいです。
ここは剣と魔法の世界。その世界にある駆け出し冒険者の街『アクセル』。
この街にある冒険者ギルドにて・・・・・
「カズマさんのバカァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」
「ウルセェェェェェェェェェェェェェエこの駄女神ィ!!!」
そんな2つの馬鹿でかい叫び声が響いた。
「なんでよカズマ!いいじゃない!私は今日とぉーーーーーってもで活躍したのよ!昼食ぐらい奢ってくれたりしてくれてもいいじゃないのよ!」
「だからテメェーにはその活躍した分のボーナスを出したじゃねーか!なんで自分じゃなくて俺に払わせようとするんだ!?」
俺はいつものようにウザったらしいこの駄女神と厳しい戦いを繰り広げている。
俺の名前は佐藤 和真。日本生まれ日本育ちの転生者だ。
俺は前世の日本の学生だったが、ある時ひょんな事で死んでしまった。詳しくは語らない、あれはもう黒歴史にして心の奥底に沈めておこうって決めたんだ。
そんな感じで俺は現在に至る。
俺と今昼食の事でもめているこいつは駄女神ことアクア。俺がこの世界に転生する際に俺の特典として連れて来た元地球担当の女神であり、俺以上に駄目な奴だ。
「まぁまぁ落ち着いてください2人とも、ここは2人が日々このメンバーで1番の成績を誇る私におごってはどうでしょう」
「うるせぇこのチビ!なんならネタ魔法にスキルポイント振らずにもっとマシな魔法おぼえろ!」
「い、言ってはいけない事を言いましたねカズマ!今日という今日は許しませんよ!」
俺とアクアの言い合いに入って来て、俺の挑発に乗って来たのは、瞳が紅く、魔力が高く変人が多いと呼ばれる紅魔族の娘めぐみんだ。
こいつは根は優秀なアークウィザードなのに爆裂魔法という完全なるネタ魔法しか使えない残念な娘だ。
「おっ、落ち着け3人とも、お前達がうるさくしてると周りからの視線がんっ、すごいんだが。」
「「いや、まずお前(あなた)が落ち着けよ(てください)」」
そして俺たちの間に入ってきたのは、俺たちのメンバーの中で唯一の前衛役のダクネスだ。
こいつは顔が整っており、スタイルもいいのだが、いかせん重度のMっ気体質でいい部分が全て台無しになっている残念な奴だ。
今も俺たちの抗争を止めようとしているが、周りからの視線に興奮しているらしい、なんだこの変態。
「だいたい今日はこれからウィズとの約束があるんだ。だから今日は奢らん。今後も奢らんからな。」
「何カズマ、あのリッチーのところに行くの?!私も連れていきなさい!今日こそあの根暗を浄化してやぶっ!」
物騒な事を言うたにチョップを食らわす。
「ダクネス、こいつを見ててくれ。たぶん飯くわせれば落ち着くから。」
「あっ、ああ分かった。ほらアクア、昼食ぐらい私が奢ってやるから。」
「ありがとうダクネス!カズマとは大違いだわ!」
そんな駄女神を尻目に俺は冒険者ギルドを出た。
「ここがウィズの店だな。」
俺は今目的の店の前にいた。『ウィズの魔法道具店』と書かれた店だ。
さてここの店主のウィズの話をしよう。
ウィズは表向きは引退した元冒険者と言うことになっているが、その正体はアクアの言っていた通り、リッチーだ。
リッチーはアンデットの最高峰と呼ばれるモンスターだ。ウィズの場合は紆余曲折あってリッチーになったようだが、ウィズ自身は成仏出来ない共同墓地の魂を天に送るという素晴らしい心の持ち主である。
そしてそのアンデットの王は駆け出し冒険者の街で細々と魔法店を営んでいるのだ。
そんなウィズに俺はリッチーのスキルを教えてもらう事になり、現在に至る。
「ウィズ〜いるか〜」
俺は店に入りこの店の店長の名を呼ぶとすぐに「は〜い」という声のあとウィズが出て来た。ウィズの見た目は茶色の髪に垂れ目の色白というまぁモテるであろう見た目をしている。
「お待ちしていましたカズマさん、今日はリッチーのスキルの習得に来たんでしたよね。」
「ああそうだ、今日はよろしく。」
「はいっ。あっ、そうだ、今日は紹介したい人がいるんですよ。そろそろ帰ってくると思うんですけど。」
ウィズがそう言ったあと、後ろでガチャッと扉の開く音がすると、
「店長〜今日も今日と素材集めに行って来ましたよって、お客さんがいる。」
という声が聞こえ、白いシルクハットを目深にかぶり目元を前髪で隠して、更に白い燕尾服を来た180cmぐらいの男が出て来た。
奥で真っ黒い大地が見える入店口から
「紹介しますね、彼はこの店唯一の店員で魔王軍幹部の1人である
ワールドさんです!」
カズマさん視点でお送りしました。
次回は大槻くんの転生直後から今回の話最後のシーンまで、色々設定を混ぜながら進めます。私の執筆スタミナが少ないため、二話に分ける事も予想されますが、ゆっくりお待ちください。
なお、コメントでのアドバイス、感想にはキチンと返します。これからもよろしくお願いします!
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