転生4回目の男が行くバカテス(ただし、ヤンデレからは逃げられない) (KEY(ドS))
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4度目の正直(だが、無意味だ)

バカテス面白すぎて、おもわず書いた。


もちろん、ヤンデレがでる。




文月学園。

 

テストの点数重視で、テストの点数次第で

クラス分けが行われる場所。

 

A~Fクラスまであり、

 

そこでは、高校二年生から聖杯せ、ではなく、

テストの点数で戦いあう、『試召戦争』が行われる学園だ。

 

 

テストの点数で競い合いあうというのは、すなわち、

お勉強ができなければまともに戦えないということだ。

 

 

こうしてのうのうとモノローグを語っているが、

今、俺はそんな文月学園にいる。

 

 

 

・・・・・Fクラスに。

 

 

そして、俺は俗に言う前世を持つ『転生者』だった。

 

 

目の前で演説を繰り広げるのは、ガタイの良い赤髪短髪の

不良っぽい坂本という男子生徒。

 

 

そんな坂本を睨みながらも、真剣に話は聞いている男子生徒、

吉井。

 

 

この物語は、フィクションです、なんて前振りは創作物でよくあるが、

またこうして二次創作の世界に来るとは思わなかった。

 

 

思い起こすのは、前世でのこと。

 

 

 

1回目は、海で戦う女の世界。

 

2回目は、空で戦う女の世界。

 

3回目は、陸で戦う・・・とはちょっと違うが、

おおむねそんな感じの女がたくさんいた世界。

 

 

それら3つの世界を駆け抜けた。

 

いや、本当に思い出しただけでも・・・・。

 

 

「だ、大丈夫ですか・・・?」

 

震えながら声のした方を見ると、

そこには桃色で、ロングヘアーの女の子が

俺のことを心配そうに見つめている姿が見える。

 

 

 

だいじょうぶ、あんしんしてくれ、というと、

「なら、いいですけど、無理はしないでくださいね?」

と言って演説している坂本の方に向き直る彼女。

 

 

この子は、この物語の主人公である、吉井のヒロイン、

姫路だ。

 

 

このFクラスに存在する唯一の女子・・・・ではなく、

2人の女子のうちの1人である。

 

もう一人は、今、俺の横で吉井とじゃれあっている・・・・

というか顔を赤らめて吉井にプロレス技をかけている女子、

島田だ。

 

ポニーテールが似合う美少女なのだが・・・・その・・・

暴力的に見えてちょっと敬遠している。

 

 

まあ、話してみたら普通にいい子だったのだが。

 

で、坂本の演説が終わり、俺たちは試召戦争に参加することとなった。

 

 

 

 

 

 

・・・・・・へいわって、すばらしい・・・!!

 

 

 

「おぬし、なぜ泣いておるのじゃ・・・?」

 

 

涙ぐんでいる俺の隣にいるのは、どうみても美少女にしか見えない

美形の秀吉という男子生徒だ。

 

気にするな、ちょっと平和とはこんな素晴らしいものだったのか、

と感動しているだけだ。

 

 

苦笑いする彼をよそに、俺はこの学園に来た経緯を思い出す。

 

 

 

 

 

 

「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ・・・!!」

「おや、おや・・・。」

 

 

真っ白な空間。

 

紺色のジャージに、黒の靴下、白のスニーカーを履いている俺は、

息を切らしながらも顔をあげ、目の前の女に言ってやった。

 

 

「賭けは俺の勝ちだああああっ!!」

 

 

両手を天井にあげて、バンザーイと喜ぶ。

 

 

 

俺の名は、田中浩平。

 

3回転生した男である。

 

俺を3回も転生させやがった黒幕、それが俺の目の前にいる、

金髪ロング、白ビキニのグラマラスなモデル体型の女だった。

 

 

 

俺は、死んだ。

 

かつて、地球という星でのほほんとサラリーマン生活を送っていたが、

生活習慣病で死んでしまったのだ。

 

 

低賃金の仕事についていて、コンビニの食べ物ばっかり食っていたのが

原因と目の前の女からは聞いた。

 

初めてこの空間に来たときには、一体なんのジョークかと思ったが、

何の冗談でもなかった。

 

いま、ネット小説ではやっている異世界に転生する小説みたいに、

何か神様とやらの不手際で殺されて、そのおわびとしてここの呼び出されたのか。

 

そう考えると、目の前の女はクスクスと、と俺を明らかに見下して笑い、

否定する。

 

 

『そんなわけないでしょう。わざわざ、私たちみたいな神が、あなたのような

ちっぽけな虫けらを殺したところで気に掛けるわけもない。・・・あなたの

自業自得です。あなたは、自分の責任で死んだんです。』

 

 

目の前の神をちゃっかり自称する女の言葉を受け、思わず握り拳を作ったが、

死んだ原因が自分にあると聞いて思わず俯く。

 

 

・・・うそだろ?

 

 

そして、俺はその時思いっきり叫んだ。

 

 

 

 

 

パソコンに入っているエロ画像、残ったまんまだああああああっ!!!

 

 

ゴミを見るような目で女神が見下ろしてきた。

 

 

 

 

 

試召戦争前に行う、点数補充のテスト。

 

 

そのテストを受ける俺たちFクラス。

 

その中に、当然俺も混じっている。

 

カリカリ、とシャーペンを右手で掴みながら、

答案を用紙に答えを書いていく。

 

 

あの女神が言っていた転生条件を思い出す。

 

 

 

ーーーーーいいですね。本当にすばらしい。

 

 

ーーーーーー私、あなたみたいに不細工で、どうしようもなく鈍くて、

 

 

そんなひどいことをいうあの女に、やはり我慢ならず、

デコピンの1発でもくれてやろうと思ったが、その先の言葉を聞いて、

思わず固まった。

 

 

 

ーーーーーーーーー優しい人、すきですよ?

 

 

顔が熱くなっていくのがわかる。

 

思わず右手で自分の頬に触れる。

手に熱さが伝わり、自分が赤面していることに気が付くと、

もっと顔が熱くなる。

 

そしてまた、クスクス、と笑う彼女。

 

なんだ。

なんだこの女?

 

困惑していると、彼女がすっと右手を前に差し出し、

指をみっつ立てる。

 

ーーーーーみっつ。

 

は?

 

思わず素で聞き返す。

 

そして、とんでもないことを言い出す女。

 

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ーーーーー3回転生するなら、転生させてあげます。

 

 

・・・・・・・は?

 

意味が分からない。

 

なぜ?なんのために後3回も転生をしろなんて・・。

 

いや、そうか。

そもそもこれは何かのドッキリだったのか。

 

自分の頬をつねってみるも、痛いだけで、

夢から覚めるといったこともなかった。

 

ひりひりと痛む頬を左手で抑えつつ

目の前の女の話を聴く。

 

 

ーーーーー単純なことですよ。あなたが、もがき、苦しみ、あがき、

 

 

つか、つか、と俺の傍まで一歩一歩歩み寄ってくる女。

顔が絶世の美女レベルの造りだったので、思わず目をそらすと、

両頬をがっちりと両手で抑えられ

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーキスされた。

 

 

 

!!??

 

 

 

 

しばらくそうしていると、顔が離される。

 

何が起きたのかわからず、緊張で立ち尽くす俺。

 

 

ーーーーーーーーーーーーあなたって、本当にうぶですよねぇ・・・・。

 

 

うふふ、と笑う女の横に真っ黒なブラックホールのような穴が渦を巻きながら

現れる。

 

 

 

ーーーーーーーーーーいってらっしゃい。

 

 

まて、俺は転生するなんて一言も・・・。

 

 

どん、と穴に両手で突き飛ばされ、吸い込まれていく。

 

 

 

 

 

ーーーーーーいずれ、おかえりっていって出迎えるその日まで、ね。

 

 

 

女のそんなつぶやきが聞こえた気がした。

 

 

 

で、その3回の人生を生き抜いた俺は、

見事女神のもとに帰ってきた。

 

 

俺は勝ったのだ。

 

 

はははははははは。

 

 

とあるウィッチと、ちっちゃな戦車乗りに教わった、

本場仕込みのコサックダンスを壊れたテンションで踊りながら

歓喜する。

 

 

 

「-----やっぱり。」

 

 

そんな俺をじーーーっと見つめてくる女神。

 

 

・・・・あ、あれ?

 

なんか様子がおかしいような・・・?

 

 

そして、俺の両手をがっちりと掴んで言った。

 

 

 

「-----じゃあ、4回目ですね♡」

 

 

絶句する俺。

 

 

また、穴に突き落とされる。

 

 

浮遊感を感じながら、上を向くと、

ハイライトが消えた瞳で、あの女が、

前世であった女子たちのような顔をしながら、

俺をじっと見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・ているのか?

 

 

 

「おいっ!!!」

 

 

誰かの呼びかける声で、はっとなる。

 

思わず持っていたペンを落としてしまった。

 

机から落ちたそれを、慌てて拾おうとすると、

目の前にいる、大男が拾ってくれた。

 

 

「とっくに他の奴らは行ってしまったぞ。

お前は行かなくていいのか?」

 

その言葉に我に返り、あわてて教室の外に出る。

 

 

校内のあちらこちらで聞こえてくる、

喧騒の声。

 

 

空中に表示される点数。

 

 

 

Fクラス 模仏 雑魚  科学  34点 VS Dクラス  栗田  昭雄 化学  70点

 

 

倍近い点数差がある相手に勝てるはずもなく、あっさりとやられていくFクラスども。

 

 

「戦死者は補修だあああああっ!!」

「ぬあああああっ!!」

 

 

泣きながら、さっき会った先生、西村先生に担がれて、

補修教室に連れていかれる。

 

で、そんなことがあり、今度は俺が他のDクラスに囲まれることに。

 

 

周りを取り囲む3人のDクラスの生徒たち。

 

ニヤニヤとした笑みを浮かべ、召喚獣を召喚していく。

 

 

・・・・・・まっずい。

 

非常にまずい。

 

 

冷や汗を垂らす俺を、囲まれて焦っていると考えたやつらが、

嘲笑しながら言ってくる。

 

「ほらほら~。さっさと召喚獣を出しなよ~。」

「戦いを申し込まれたら、ちゃんと受けるのがルールなんだから。」

 

ああ、その通りだ。

 

 

俺は、この3人に勝負を挑まれてしまった。

 

 

だから、もう戦うしかない。

 

 

観念して召喚しようとすると、後ろから誰かによく似た、

馬鹿っぽそうな顔つきの、学ランを着て、木刀を両手に持っている

召喚獣が、3体の召喚獣をあっという間に倒してしまう。

 

 

で、戦死したDクラスの3人が西村先生に連れていかれる。

 

 

「いやだーー!!」

「こんなモブっぽいやられかたはいやじゃあああっ!!」

「運ばれるなら、グラマーなお姉さんがいい!!」

 

 

・・・・・。

 

 

 

「大丈夫?」

 

そういって俺の傍に近寄ってくる、吉井。

確か、この学校で一番のバカ、だとは言われているが、

中々どうして強い。

 

にしても、わざわざ俺を助けてくれたのか。

 

 

思わず彼の頭をなでる。

 

 

「わっ!?わわわわっ!?なっ、なにっ!?」

 

そして、髪をくしゃくしゃにしてやると、

「僕のヘアースタイルがあああっ!!」と顔芸している。

 

 

ありがとよ。

 

それだけ言って、俺は廊下を立ち去る。

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・お礼を言われた。

初めて僕を馬鹿にしない人にあった気がする・・。」

 

 

 

 

吉井の独り言が聞こえてしまい、思わず泣いた。

 

 

 

 

 

 

で、紆余曲折あって、Dクラスを撃破したFクラスは快進撃を続け、

とうとうAクラスとの戦いが始まる。

 

 

 

Aクラスは、この学校で最強クラスの学力を持った人間たちが

集まるクラスだ。

 

 

不動のNO.1霧島翔子はもちろん、他のメンツもぶっ飛んでいる。

 

 

わかりやすく戦力差を例えていうならば、こちらがドラゴンボールの桃白白

だとしたら、あっちは界王拳を使える強さの悟空である。

 

 

つまり・・・・・万が一にも勝ち目はない。

 

 

そう、まともにやったらだ。

 

 

坂本の策によって、FクラスとAクラスはなぜか五回勝負の一騎打ちをすることとなる。

 

 

いやいや、なんで戦力差をもってぶっ潰そうとしないのか、とAクラスの代表の顔を見ると、

坂本のことをじっと見つめている。

 

 

 

・・・・ああ、あの顔は、恋する女の顔だ。

 

 

 

思い出すのは、前世のあいつら

 

 

『・・・・ケッコンしてください。してくれなかったら

心中します。』

 

 

『・・・街中で、他の女の人と話しているのを見たんですけど、

何かの間違い・・・ですよね?』

 

 

『・・・・おもしろい冗談ですね。ずっと一緒にいてくれるんですよね?

あ、懐に隠し持っていたニッパーナイフが。』

 

 

あ、やめてくれ。

 

やめてくれ、と頭を抱えてうずくまる。

 

 

秀吉とかにガチで心配され、それを手で制して、

へーきへーき、と返す。

 

 

うん、大丈夫。

 

 

もう、あんな病んでいる女たちに追いかけまわされることはない。

 

 

だから、落ち着け。

 

 

俺は、Aクラスとの5番勝負に入っていないので、

グラウンドから一人離れ、屋上まで移動する。

 

 

結末を知っている俺からすれば、あとはもう何の価値もない。

 

 

 

・・・・ん?あれ?

 

 

自分の目がおかしくなったのかと思い、目をこする。

 

 

・・・・・校門のところに、うちの制服を着た女子が複数いる・・・?

 

 

 

 

かろうじてそれだけはわかったが、遠すぎて顔はわからない。

 

 

が、Fクラスの男どもが群れていくところを見るに、

相当な美少女でもあるのか。

 

こんなイベントは、なかったはず。

 

そうあごに手をあてて考えていると、視線を感じる。

 

 

校門の方からだった。

 

 

 

・・・・ぞくり、と体が震える。

 

 

この、なめまわすような視線は・・・・。

 

 

心臓が止まりそうになり、倒れそうになったが、

体に力を入れてなんとか踏ん張り、屋上の出口めがけて走る。

 

 

階段を降り、Fクラスの教室に入り、自分の鞄を持ち、

肩に掲げて走る。

 

 

大きな造りの木の扉を開け、中にいた一人の女性の元に歩みよる。

 

「・・・・・・あんたは一体誰さね?うちの生徒の様だけども。」

 

 

理事長。お話があります。

 

 

俺は、ルーズリーフの用紙を1枚取り出し、

ペンを持ち、その場で速筆で書き上げた手紙を彼女に渡し、

告げる。

 

 

 

 

・・・・・・転校します。

 

 

「意味がわからんから却下。」

 

 

俺は、泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

「雄二。田中君知らない?」

そう僕が雄二に言うと、ん?と首を傾げる。

 

「なんだ?食い詰めて金でも借りようっていうのか?」

「違うからね?!ちゃんと水と塩は取っているから!!」

 

それは、食べているのか・・?と驚愕している雄二が

気を取り直して告げる。

 

 

「いや。見ていないな。・・・・・そういえば、あいつとあんまり

話したことないんだよな。お前、話したことあるのか?」

 

そう聴かれ、思わずどもる。

「え?あっ、ああ。・・・・ちょっとだけだけどね。」

「ふーん。」

 

それだけ言って興味を失ったのか、両腕を組んで

黙って目をつむる雄二。

 

 

「無視っ!?ひどくない?!」

「うるせえっ!!どこにいんのか考えてんだよっ!!」

 

 

綺麗な右ストレートを顔にもらう。

あいたたた・・・・。

相変わらずの不良めっ。

 

 

 

「あー。そういえば昨日、Aクラスとの戦争が終わったときには、

あいつだけいなかったな・・・。」

 

 

俺は翔子に引きずられてたがな、と遠い目をする雄二。

あんな美少女に好かれて、一体なにが不満だというのだろうか。

 

ポケットからカッターを取り出して、目の前の裏切り者を

断罪しようとすると、ガラッと、Fクラスのドアが開く。

 

「ん?誰・・・・。」

 

 

ドアの方を見た雄二が言葉を失う。

 

何だろうと思って僕も見ると、そこには・・・。

 

 

 

「お、はよう・・・・。」

 

 

ミイラみたいにパッサパサに枯れている、田中君が

しんどそうにドアにもたれかかりながら立っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・転校生?

 

 

「そうさね。うちと協力関係にある、外国の

研究機関からの、ね。・・・・ああ、年はあんたと同じくらいさね。」

 

 

辞表を提出しに行き、却下された俺は、

なぜか理事長の話を聴いていた。

 

豪奢な机に座り、両ひじをたて、顔の前で両手を組みながら話し続ける。

 

 

 

「うちへの資金援助をしてくれるところさ。・・・・交換条件があるが、

その条件ってのが」

 

留学生という名の、監視者の受け入れ、ですか。

 

そうそう、と俺の答えに満足する彼女。

 

 

 

なぜか、さきほど校門から感じた嫌な視線のことを思い出す。

 

気になったので、つばをごくりと飲み込み、落ち着いてから

いつ留学生が来るのか尋ねる。

 

・・・その人たちはいつ、いつ来るんですか・・?

 

「今日さ。」

 

 

脱兎のごとくドアまで走る俺を見て、「一体どうしたのさねっ!?」

と理事長が叫ぶが、気に掛ける余裕もない。

 

この嫌な予感は、前世でも感じていたものだ。

 

ドアノブに手をかけ、がちゃりと回し、ドアを引く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・ミ・ツ・ケ・タ。」

 

 

目の前をみると、そこには、深淵のごとく闇に染まった

瞳を持つ、少女たちがいた。

 

 

俺は、ゆっくりと意識を手放し、地面へと倒れ込んだ。

 

 

 

 

 

 

思い出したくない。

 

 

体中にキスマークまでつけられ、Fクラスのモテない

男たちからは嫉妬の目を向けられる。

 

 

チャキッ、チャキリッ、とどこに隠し持っていたのか、

光物をだしていく。

 

 

彼らが俺に、カッターナイフの刃を投げようとしたとき、

俺の後ろから声がかかる。

 

 

 

「-----------提督?」

 

凛とした、きれいなソプラノボイス。

 

 

恐怖で体を震わせていると、後ろからもう一人の

女子に抱き着かれる。

 

 

「えへへ・・・・♥」

 

 

さきほどまで、あんなに怨念のこもった顔で俺を見ていた

Fクラスの奴らが呆気に取られている。

 

 

・・・・・美人だからと言って、油断してはいけない。

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

俺は前世で、文字通りこいつらに死ぬほど追いかけ回された。

 

 

 

そして、Fクラスを見渡し、自己紹介する二人。

 

 

「どうも、こんにちは。Sクラスに編入しました留学生の加賀と申します。」

「同じく、赤城です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

理事長室で、気絶した俺が目を覚ますと、そこは知らない天井とベッドだった。

 

 

 

・・・・・本当に知らない。

 

 

白のベッドから起き上がり、あたり見渡すと、

何もない部屋だった。

 

広さは六畳程度で、床はフローリングされている

茶色の床。

 

頭をひねっていると、がちゃり、とドアが開けられる。

 

 

そして、入ってきた人物たちの顔を見て、言葉を失う。

 

 

「おはようございます。」

 

 

見覚えのある、顔、顔、顔。

 

 

呆然としていると、彼女立ちに取り囲まれる。

 

 

みや、藤?赤、城?加、賀?西、住?

 

震える指で彼女たちの方を指さすと、

満足そうに微笑むのだった。

 

 

 

 

 

 

「・・・・・私たち、Sクラスは、Fクラスに試召戦争を申し込みます。」

 

 

ざわわ、とざわめくFクラス。

 

そして、坂本が叫ぶ。

 

 

「馬鹿なっ!!Sクラス!?聞いたことねえぞっ!?」

「それはそうです。だって。」

 

 

「今日、できたばかりだからだ。」

 

 

野太い声のする方を向けば、そこにはやたらガタイの良い、

大男が。

 

あ、西村先生だ。

 

「鉄人っ!?どういうことだ!?」

「西村先生とよべ。・・・・今、言ったとおりだ。

Sクラスというクラスは、先日転校してきた留学生によって

作られた特別クラスだからな。」

 

そう。

 

そうなのである。

 

 

本来、原作のこのストーリーにおいては、Sクラスなど存在しなかった。

 

 

が、何の因果か、できてしまった。

 

 

理不尽にもほどがある。

 

 

「だとしても、俺たちは先日Aクラスと戦争を終えたばかりだ!!

だったらできるわけも・・・・。」

 

 

「理事長からの許可は降りている。」

 

 

ざわめく教室。

 

・・・・・え?

 

 

きょか、おりているの?

 

 

原作と、ちがう、これ()

 

 

「全く持って遺憾だ。お前たちに補修を受けさせてやる、

と活きこんだ次の日にこれだからな・・・・。本来なら、

認めないが、特別な事情から、してもらうことになる。」

 

 

ははは。

そうか。

はははははははは。

 

笑いがとまらない。

涙もだ。

 

 

 

彼女たち二人から逃げるように、俺は床を這って進み、

Fクラスのみんながいるところまで逃げる。

 

 

そんな俺の背中に感じる、視線。

 

 

「・・・・・もし、私たちが負けたら、

私たちとあなたたちFクラスの設備を交換してあげましょう。」

 

おおおおおおおおおおおおっ!!!

とさっきとは別の意味でざわめく教室。

 

坂本や、吉井たちもやる気満々になっている。

 

 

・・・・負けたときは、どうなるのだろうか。

 

もう、予想はついていたが、そう考えずにいられなかった。

 

 

そして、次に赤城が告げる。

 

 

「・・・・・もし、私たちが勝ったら、

彼、『田中浩平』をSクラスにいただきます。」

 

 

 

しん、となる教室。

 

 

がくがくと震える俺。

 

 

さすがに、困惑する西村先生。

 

 

「おい、お前ら。それは、校則いは」

「なにか?」

 

ハイライトの消えた瞳に見つめられ、

固まる西村先生。

 

 

がんばれっ!!あなただけが頼りなんですっ!!

 

戦争になったら、軍略の神様と呼ばれた西住姉妹や、

じつは単体で最強の戦力である宮藤を相手どらないと

いけなくなるんですっ!!と心の中で叫ぶ。

 

 

 

が、女神はいても、神はいなかった。

 

 

両腕を組み、はあ、とため息をつく西村先生。

 

 

「・・・・俺が、他の先生たちを説得してやる。今回だけだぞ。」

「感謝します。」

 

 

俺は泣いた。

 

 

「私たちは、必ず彼をいただきます。・・・かならず。

すぐに、あなたの赤城がまいりますから、待っていてくださいね♡♡」

 

ね?あなた♥♥と投げキッスして去っていく赤城。

俺のほうをめちゃくちゃなごりおしそうにチラ見しつつ、

恥ずかしそうに同じく投げキッスし、帰っていく加賀。

 

 

 

そして、Fクラスのやつらに取り囲まれる。

 

 

 

「「「「「「「「なにか言いのこすことは?」」」」」」」」

 

 

ふっとため息をもらし、あぐらを組んで地面に座り、

きりっと真顔で言う。

 

 

「・・・・・・そろそろ、家庭的で、病んでいない女と付き合いたいなぁ・・・・・。」

 

 

 

「「「「「「「「裏切り者には死をっ!!」」」」」」」」

 

 

この後、めちゃくちゃリアルファイトした。

 

 

結局、負けても俺がSクラスに移るだけだから、

じゃあ、やるか、という坂本の言葉によりSクラスと戦う羽目になった。

 

 

 

 

・・・・・・なあ。俺の理想の女は、家庭的な彼女は、どこ?

 

 

Fクラス VS Sクラスの戦争が一週間後に行われることに決まった。

 

あれから次の日。

 

自室のアパートで目を覚ます。

 

 

六畳の大きさしかない、ぼろっちいアパートだ。

 

体を布団から起こすと、隣でパンツにワイシャツという姿の女が

寝ているのが見えた

 

 

 

・・・・・・・・・・・・。

 

あ、腰がいたいっ。

 

今日は学校を休むか。

 

 

布団にもぐり、寝返りをうつと、また別の女が反対側で寝ているのに気が付く。

 

 

というか、一体何人の女が布団の中に入っているのかわからなかった。

 

周りにも、勝手に布団をいつの間にかしいていて、そこに寝ている

ウィッチとかもいる。

 

 

むくり、と俺は起き上がり、窓をがらがらっ、と開けて

叫ぶ。

 

 

 

 

「------どこかにぃっ!!エロすぎずぅっ!!絶対に病まない優しい

女の子はおりませんかぁぁぁっ!!?」

 

 

 

 

太陽が、黄色く見えた。

 

 

 

 

 

おわり

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「愛する女の子たちとあえて、あの人も喜んでいるみたいですね・・・・♥」

 

 

「ねーよ!!」

 

 

 

 

こんどこそおわり

 

 

 

 




あと、1話くらいは続くかもしれない。

補足


主人公
名前は田中浩平。
あまりぱっとせず、地味な人生を送っていた男。
とある女神に見初められ、ほしがっていた女を
与えられる・・・・のだが、狂気を孕んでいる
女ばかりがよってくることに。

試召戦争には手を出さず、のんびりと
子供たちを見守ろうと思っていたが、
自分が賞品になるとしって急変。


家では前世からの付き合いである彼女たちに
搾り取られまくっているので、せめて学校くらいは
別々に過ごしたい、という切実な願いのため。


もし、彼が負けたら、Sクラスで毎日彼は(検閲)


女神

悪戯好きな女神。
おもちゃを探していたら、面白そうな男を見つけた。
好きなものを、好きな相手に与えるのが、愛情です、
だとは彼女の談。


転生してきた世界
お察しの通り、3つの世界は、海、空、陸の
作品から。


ヒロインたち
みんな、愛が重くっていい子たちばかりです(思考停止)


KEY(ドM)





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まともにやったら勝てるわけないSクラスVSFクラスの試召戦争

続いた。

これで終わり。


もっと病ませたい。


腰痛い。

 

 

体調不良を学校に訴え、本日お休みします、

と言ってみたかったが、今日はSクラスとの試召戦争だった。

 

 

坂本からはメールが来ており、「来なかったらお前を

無条件でSクラスに引き渡す」と言われ、なくなく行くこととなった。

 

 

目を覚ましたら、彼女たちはいなかった。

 

まるで、昨日のことが嘘のようだ。

 

 

ぼすん、と布団に寝っ転がったままゴロゴロしながら考える。

 

 

この一週間。

Sクラスを倒すために、ずーーっと策を練り続けてきた。

 

住所がばれているのでプライベートでの時間は諦めたが、

学校での安息ぐらいは守らせてもらおう。

 

布団から起きて、立ち上がり、両手を天井に突き出して伸びをする。

 

時計を見れば、時刻はまだ7時だった。

 

学校までまだ時間があるので、どこかで朝食をとってから

登校することにした。

 

歯を磨き、制服を着る。

鞄を肩にかけ、靴をはき、ドアを開けて、外に出た。

 

 

鍵を閉めて、さて、行こうかと考えていると、

扉の前に、二人の少女が。

 

 

 

「おはよう。」

「む、はやいな。いいことだ。」

 

 

西住姉妹が、満面の笑みで俺の正面に立っていた。

 

 

 

 

「・・・・以上が、今回の作戦の確認だ。」

 

 

そういって締めくくる雄二。

 

今、僕たちFクラスはSクラスとの試召戦争のために、

計画の見直しをしていた。

 

 

Aクラスに一週間前に敗れ、意気消沈していたところに

舞い降りてきたチャンス。

 

かくいう、僕もこれまでにないほど気が昂っている。

 

 

畳の上の座布団に乗っかり、ちゃぶ台に手をひじをつきながら、

横目でちらりと姫路さんのほうを見る。

 

 

・・・・・彼女のためにも、なんとしてもSクラスを倒す。

 

 

ぎゅうっと握り拳を作る。

 

 

そんな時、教室の扉がガラガラっと開かれる。

 

 

皆がドアが開いた方を見ると、そこには小さな体躯の

女の子が、右手に写真をもって立っていた。

 

 

「・・・誰だ?お前?」

 

訝しみながら少女の方に向き直る雄二。

 

おずおずと右手に持っている茶色の封筒を差し出してくる、

黒髪ショートカットの女の子。

 

「あの・・・。これ、Sクラスからのプレゼントです。」

 

「ああ?」

 

右手で写真を受け取る雄二と、たったった、と小走りで

教室から出て行く。

 

 

雄二の元まで歩き、尋ねる。

 

「ねえ、何が入っているのさ。」

「待ってろ、いま・・・・。」

 

 

絶句する僕たち。

 

写真に写っていたのは、

 

椅子にぐるぐる巻きに縛り上げられ、

口に詰め物を入れられながら目隠しされている

 

 

 

 

 

田中君の写真だった。

 

 

周りには彼を中心に、集合写真のように並んで

ピースで写真を撮っている女の子たち。

 

 

いつもなら嫉妬の声をあげるところだが、

さすがに恐怖して身がすくんだ。

 

 

そして、雄二が写真を裏返すと、そこには

 

 

 

 

 

『ねえねえ?今どんな気持ち?

真っ先に彼をさらわれてどんな気持ち?

さすが一番馬鹿なクラスだけありますね♡♡

まあ、明らかにそういった顔の方々ばかりですし♥♥

PS:彼とのキス、おいしいです。』

 

 

 

 

という、舐め腐った煽り分が書かれていた。

 

 

ぐしゃり、と右手で写真を握りつぶす雄二。

 

 

こんなにキレているところを見たのは、久しぶりかもしれない。

 

しばらく、わなわな、と手を動かしていたが、落ち着いたのか

写真を伸ばし、黒板の真ん中に張り、皆の前に向き直る。

 

 

「・・・・諸君。君たちにとって、女と仲がいい男はどうするべきか?」

 

 

「「「「「「「「コロセ!!コロセ!!コロセ!!」」」」」」」」

 

 

コロセの合唱コール。

一体何事かと固唾をのんで見守る姫路さんたち。

 

そして、雄二が爆弾を投げてしまった。

 

 

「田中浩平が、Sクラスの美女どもにもてなされている、という

情報が入った。」

 

 

「「「「「「「「何ぃっ!?」」」」」」」」

 

 

ざわめく教室。

一向に信じられないようだ。

 

 

そして、教卓をだんっ、と雄二が拳を振り上げて叩く。

 

 

「・・・・やつを、どうするべきかっ!?」

 

 

「「「「「「「「コロセッ!!!」」」」」」」」

 

 

雄二の土壇場の機転によって、

Fクラスは一層団結した。

 

 

・・・・田中君という、尊い犠牲によって。

 

 

 

 

 

 

「あ、もう縄を外してあげますからねー♡♡」

 

 

そういって、俺を縛り付けていた縄を外す赤城。

外す時、胸が顔に当たり、思わずあそこが硬くなる。

 

若干、前かがみになって隠そうとすると、

顔が胸にますます当たってしまう。

 

 

今、俺はSクラスにいる。

 

 

なぜかというと、朝、俺の家の近くにいた彼女たちによって

なすすべもなくつかまってしまったからだ。

 

朝、俺の傍にいなかったのは、俺を油断させるためだったのだろう。

 

 

にしても、油断しすぎた。

 

 

挙句の果てには、Fクラスを挑発するための材料にされてしまうとは。

 

赤城の胸で窒息しかけながらそんなことを考えていると、

顔をぐいっと後ろに引っ張られ、胸から解放される。

 

 

「・・・・ずいぶんと、たのしそうですね。」

 

召喚獣を召喚させないため、口に詰め物をされているので

声を出すことはできないが、叫びそうになった。

 

 

宮藤。

 

 

空飛ぶ魔女が存在する世界の人物だ。

 

 

彼女はとてもいい子だ。

料理は美味いし、気立ては良いし、優しいし、

かわいい。

 

・・・・・それに比例するかのように、病んではいるが。

 

 

 

俺の頬を後ろから手で掴み、

後首に顔を埋めてほおずりしてくる。

 

 

「・・あっ♡♡あっ♡あっ♡」

 

 

そして、始まる彼女の艶声。

 

俺は聞いていない。

何も、聞いていない。

 

 

ぐちゃ、ぐちゃ、と何かをかき回すような音が

聞える中、動けない状態で、震えながら助けを待ち続けた。

 

 

 

 

 

 

「雄二!!Sクラスはどこ?!」

「3回の空き教室を改修して、使っているって噂だ!!

この廊下を抜けたら右だ!!」

 

必死に走りながら会話する僕と雄二。

 

 

他のSクラスの子たちを足止めしてくれているFクラスの皆の

死を無駄にしないためにも、絶対にたどり着いて見せる!!

 

が、ここで問題が起きる。

 

 

「・・・・ここまでです。」

 

 

そういって、廊下の前に現れるサイドテールのクール系の美人。

 

・・・・なぜ、口周りがよだれでべとべとなのか、気になるが。

 

「ここから先は、男子禁制の女子の花園です。・・・・あの人は、

特別ですが。」

 

その言葉を聞いて、嫉妬の炎が燃えてきたが、

隣にいる雄二に「落ち着け」と頭を殴られて冷静になる。

 

 

「~~~やり方は脳筋だけど、ありがと、馬鹿雄二!!」

「ボケっとすんな!まだ、他にもいるかもしれないぞ!!」

 

 

 

「正解です。」

 

 

そして、僕たちが走ってきた後ろの道を塞ぐように、

立っている、黒髪ロングの美少女。

 

 

「ここは譲れません。・・・・・行きますよ。サモン。」

「Sクラス、一航戦・・・じゃなかった、Sクラスの加賀が、

Fクラス、吉井に・・」

 

あ、やばい。

加賀という女の子に勝負を挑まれそうになったその時、

割り込む一つの影。

 

 

「・・・・Fクラス。土井康太が、保険科目で、Sクラス加賀に勝負を挑む。」

 

 

窓をけやぶって乱入してきたムッツリーニが、

そのまま加賀さんに勝負を申し込む。

 

 

横には、体育の先生がいた。

 

「ム、ムッツリーニ!?陽動は上手く行ったのかい?!」

 

そんな僕の叫びに、親指を突き立てて応える彼。

 

 

「・・・・最高の、お宝が増えた。」

 

 

そして、吹き出る鼻血。

ちょ、ムッツリーニィ!?

 

 

そんな彼を冷たい目で見下す加賀さん。

 

 

「・・・・・なるほど、あなたですか。私たちSクラスの

女子を盗撮し、あまつさえ、その写真や動画を横流ししている

不届き者は。」

 

「・・・・事実無根。」

 

いや、鼻にまるめたティッシュをつめながら言っても、

説得力ないから。

 

 

が、彼が来たならもう安心だ。

 

他の科目ならいざ知らず、保険科目なら、

彼はAクラスの工藤さんにさえ勝てる最強の男だ。

 

 

そして、点数が映し出される。

 

 

Fクラス 土井康太  690点 VS Sクラス 加賀  370点

 

 

う、うわああああ!?

 

この子も超強い!?

 

でも、ムッツリーニは倍近くの点数を持っているので、

安心する。

 

 

「・・・・一瞬で片を付ける。」 

「・・・・・ここは!!譲れません・・・!!」

 

 

戦いが始まる。

加賀さんも相当の強さを発揮し、あのムッツリーニに

食らいつくが、徐々にその差は開いていく。

 

 

「加賀さん!!私が・・・!!」

 

 

「Fクラス!!姫路瑞希が、古典で勝負を申し込みます!!」

 

「な!?」

 

 

足が遅い姫路さんもようやく追いついた。

鉄人を連れているので、どんな科目での勝負もできる。

 

これで、ここを突破できるっ・・・!!

 

 

「行くよ!!あほ雄二!!」

「うるせえっ!!バカ明久っ!!」

 

 

Sクラスの教室めがけて走る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・どうやら、おまえたちのこと、みくびっていたようだ・・・!!」

 

いつも俺に向けている顔とは全く違う表情で、目をするどく細め、

目の前にいる坂本と吉井をにらみつける西住姉妹。

 

そして、いまだに宮藤から解放されず、なぜか置いてある豪華なソファーに

押し倒されて、首元を舐められている俺。

 

 

 

そして、吉井が言った。

 

「・・・・・この教室、広っ!!」

「ああ。Aクラスより凄いんじゃねえか・・・?」

 

 

お前ら。

第一声がそれか。

 

白状者たちに恨みを込めた視線を送りつつ、

彼らのやり取りを見守る。

 

 

・・・・・・猿ぐつわされていて、声を出せないので、召喚獣を呼び出して、

戦いに参加することも出来ない。

 

 

俺の上に乗っかっている宮藤は、おおかた俺が逃げ出さないように

するための重りだろう。

 

 

ちょっとでも彼女から体を離そうとすると、ものすごい握力で、

手首を掴まれ、痛む。

 

 

・・・・・あれ。宮藤ってこんなに力が強かったっけ、と戦慄していると、

4人が召喚獣を召喚する。

 

 

他の生徒たちは、皆、別の場所で戦っている。

 

これが、事実上の勝敗を決める戦いになるだろう。

 

 

「「「「 ・・・・・・・サモンッ!!!」」」」

 

 

力を込めて、叫ぶ4人。

 

現れる,4体の召喚獣。

 

 

西住まほ  総合科目 3903 坂本雄二  総合科目  2958

VS

西住みほ  総合科目 3789 吉井明久  総合科目  1207

 

 

心の中で、合掌した。

 

 

「おいいっ!!お前、あんなに自信ありげに言っていたくせに、

それだけの点数かよっ!!?」

「なっ、初めて総合科目で1000点超えたんだよ!?

凄いじゃん!!」

 

ぎゃー、ぎゃー、とわめく二人。

 

・・・・・うん。

坂本の点数は悪くない。

それどころか、普通にAクラスレベルだ。

 

 

・・・吉井は、吉井だな。

大方、世界史とかの暗記科目で大量に点を取って、

他の数学とかは捨てているんだろう。

 

 

が、相手が悪すぎる。

 

 

 

そして、ちゃっかりと戦いの準備を進める

西住姉妹。

 

まほが出した戦車型の召喚獣に、

みほの子犬のような軍服をきた召喚獣が乗り込み、

砲塔が坂本と吉井の召喚獣に向けられる。

 

 

「・・・・ってぇ!!」

 

 

みほの掛け声とともに、発射される砲弾。

 

間一髪でよける二人。

 

 

が、近くに着弾し、その爆風に巻き込まれたのか、二人の召喚獣の点数が

削られていく。

 

 

まずい。あの二人の召喚獣は、遠距離からの攻撃手段を持っていない。

 

片方はメリケンサックで、片方は木刀。

 

遠距離で攻撃してくる相手との相性は、最悪だ。

 

 

じりじりと押されていく。

 

 

が、俺はジェスチャーを宮藤に気が付かれないように、

二人に送る。

 

・・・・・その指示を受け取った二人は、

信じられないような顔をしていたが。

 

 

 

 

・・・・・まさか正気なのか。

 

馬鹿なのか。

 

馬鹿と言われる僕でさえ、呆気にとられた。

 

 

隣にいる、雄二に小声で聴く。

 

「・・・・何分くらいだったら、持つ?」

「・・・はっ。」

 

僕がそういうと、吐き捨てるように笑う。

 

「俺を誰だと思ってんだ?」

 

自信満々にそういう馬鹿の肩を叩く。

 

そして、二手に分かれる僕たち。

 

 

ばらばらになったことで、戦車の砲塔をどちらに

向けるか迷う召喚獣。

 

 

「みほ!!坂本が大将だ!!やつを倒せば終わりだ!!

奴を狙うぞ!!」

「・・!!了解!!」

 

 

そうして、戦者が砲弾を発射する。

 

何とか直撃はさけているものの、

確実にダメージが蓄積していく。

 

 

そして、僕は宮藤さんのほうに召喚獣を走らせる。

 

彼の首筋を舐めていた宮藤さんが(田中はあとでコロス)

起き上がり、召喚獣を召喚する。

 

 

「・・・こっちに来たねっ!!サモンっ!!」

 

そうして召喚される、彼女そっくりの召喚獣。

 

木刀で切りかかるも、足につけている変な機械で

空を飛び、躱す。

 

そして、僕は、作戦通りに、

 

 

 

召喚獣に木刀を思いっきりぶん投げさせた。

 

 

「!!?」

 

 

自らの武器をみすみす手放す僕を、

信じられないといった顔で見てくる宮藤さん。

 

 

ひらり、とかわす彼女。

 

そう、僕の召喚獣の攻撃は、現実の世界の物体にあたる。

 

それが、たとえ、

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

口にはめられている猿ぐつわだろうと。

 

 

 

「あっ!?」

 

彼女が後ろを振り返って気が付くが、もう遅い。

 

 

木刀は、彼の口にはめてある猿ぐつわをこわし、

床に落ちる。

 

解放された彼が立ち上がり、

 

両腕を後ろ手に縛られたまま、

絶叫した。

 

 

 

「・・・・・・・・サモンっ!!!!!」

 

 

 

 

 

結果から言うと、Sクラスに勝った。

 

点数的には、西住たちとそんな変わらない俺だったが、

ある一点で凌駕していた。

 

そう、吉井と同じなのである。

 

 

吉井明久は、授業時間外に先生たちの準備を手伝わされる

立場にある。

 

そうして、召喚獣を扱い続けているうちに、

点数は低いのに、自分の数倍の点数をもつ相手とも

互角に戦えるほどの操作技能を持つに至った人物だ。

 

 

・・・・・もしも。

 

 

 

もしもここに、点数はAクラス並みで、吉井と同じくらい

召喚獣の扱いが上手い人間がいたら?

 

 

総合科目で3000点取れるなら、9000点の相手とだって

戦える。

 

そう、俺がわざわざFクラスに身を置いた理由はそれだ。

 

 

わざと吉井と同じ立場になり、召喚獣の操作をうまくなること。

ただ、それだけのために、馬鹿呼ばわりされつつも、

召喚獣を動かし続けた。

 

 

・・・・・吉井が俺よりさらにバカだったので、

代わりに彼がからかわれるようになっていたが。

 

 

彼と一緒に作業することはなかったが、

同じなのだ。

 

 

倒れている宮藤の召喚獣と、西住姉妹の召喚獣を見下ろしながら

そんなことを考える。

 

 

なにはともあれ、大将である、西住まほを打ち取った。

 

 

Fクラスの勝利だ。

 

 

 

 

「・・・・・で。やっぱりお前、実力を隠していやがったな。」

 

ん?

 

豪華な机に座りながら、そんなことを恨めしそうに言ってくる雄二。

 

あのあと、なんだかんだあって、俺はFクラスに溶け込み、

雄二や明久とも、名前で呼び合うほど仲良くなった。

 

「ふざけやがって。・・・・ムッツリーニや、Fクラスのやつらに

Sクラスの女子どものスカートめくりをさせて、時間を稼いだっていうのによ。」

 

思わず噴き出した。

 

どうやってAクラスと同じレベルの彼女のたちを、あいつらが止めていたのか

知らなかったが、そんな方法で食い止めていたのか。

 

 

 

・・・・・・だから、みんな体がボロボロになっていたんだな・・・。

 

自業自得とは思いつつも、あまりにもいたたまれないので

心の中で憐れむ。

 

 

まあ、俺一人だったら、勝つのは厳しかったぞ?

 

「けっ。・・・・・絶対にお前に勝ってやるからな。」

 

 

仲良くなったのは良いが、なんだか対抗意識を持たれてしまった。

 

 

・・・・・Sクラスの顛末を話そう。

 

本来なら、FクラスとSクラスを約束通り交換したので、

彼女たちがあのさびれた場所にいるはずだが、

理事長がさすがに待ったをかけた。

 

いわく、『預かった留学生をそんな粗末な場所においておけないさね。』、と。

 

 

それにブーイングするFクラス。

今まで、そんな粗末な場所に置かれていた彼らにとって、

それは侮辱以外の何物でもなかっただろう。

 

 

 

だが、俺には理事長の配慮がわかった。

 

 

この文月学園のスポンサーであり、

協力機関であるところから来た監視員。

 

彼女たちがもし、Fクラスのような粗悪な場所に

入れられていると彼らが知ったら、どうするのか。

 

それを皮切りに、様々な要求を文月学園は

飲ませられてしまうかもしれない。

 

 

そこまで理事長が考えているかどうかはわからないが、

少なくとも、それぐらいは考え付く人だ。

 

 

雄二も、それに気が付きつつも、やはりSクラスが特別

扱いされているようでイラついているようだ。

 

 

彼女たちは、以前と同じような豪華なクラスに変わらずにいる。

 

 

 

まあ、Sクラスの設備は手に入ったし、結果オーライか。

 

そう考えていると、誰かがドアを開ける。

 

 

 

 

 

 

「た、た、た、たいへんだあああっ!!!」

 

 

このFクラスの人物だった。

 

あわてる彼の元に近寄り、落ち着かせる。

 

 

どうした?

 

 

「あ、あ、あ・・。」

 

 

あ?

 

 

「・・また、新しいクラスができてるっ!!」

 

 

・・・・・・・・。

 

 

は、

 

 

「「「「「「「「はああああっ!!?」」」」」」」」

 

 

 

耳をつんざく大絶叫がクラスに響く。

鼓膜が痛い。

 

 

雄二が、その生徒の胸倉をつかんで聞く。

 

 

「おい、ふざけんのも大概にしろよ!!」

 

 

 

 

「ふざけてなど、いませんよ。」

 

 

 

・・・・・は?

 

自分の耳がおかしくなったと思ったが、

そうではないらしい。

 

 

雄二の傍にいつの間にかいる、

俺にとって見覚えのある面々。

 

 

・・・ミーナ、エーリカ、バルクホルン。

ビスマルク、グラーフ。

ガングート、ヴェールヌイ。

ノンナ、カチューシャ。

サーニャ、エイラ。

 

 

・・・・・え?

こっちの世界に来たのって、

ほかにもいるの?

 

 

 

 

 

そして、彼女、ミーナが犬歯をむき出し、

ガングートがにいいっ、と笑いながら

何かを言おうとする。

 

 

 

まて。

やめろ。

ヤメテクレ。

 

 

この後のダチョ〇倶楽部のような落ちは

辞めるんだ。

 

 

「・・・・・私たち、ドイツ留学生クラスと、」

「ロシア留学生クラスは、」

 

 

 

「「『田中浩平』を賞品に!!Fクラスに試召喚戦争を申し込みます!!!」」

 

 

 

 

俺の試召喚戦争は終わらない。

 

 

 

おわり

 

 

 

 

 





補足

田中君の点数

一科目あたり、350点

総合科目  3700点

これに、明久と同じ、
召喚獣の操作技能が加わり、
実質的に点数は3倍近くまで跳ね上がる。


田中君「せや!!俺に勝てる奴なんて・・・」
ミーナ「あ。私たちも、召喚獣の操作を
してきたから♡♡」
田中君「」


彼に勝ち目はありません(ゆうさく)


ありがとナス!!


設定を引き継いでいいから、
続きは君が書くんだゾ。


KEY(ドM)


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おまけ チェストーなダイジェスト~(学園祭あたりまで)

おまけのおまけのおまけ。

この世界線でのバカテスのその後。


Sクラスとの戦争が終わってから、

すぐに他の留学生たちが戦争を挑んできた。

 

 

その情景を一言で言うならば、地獄。

 

 

気を休めるために、食堂に行けば、

そこには間宮や、アンチョビなどが

なぜか配膳しており、休めるわけもなかった。

 

 

思い出すだけで口から泡を吹いて倒れそうになるから、

他のクラスとの戦いは割愛するが、おおむね、

原作通りに話は進んでいった。

 

 

 

・・・・・・わけもなかった。

 

 

 

 

例えば、合宿で男子生徒が盗撮、盗聴をしていたという

嫌疑がかけられ、Fクラスが槍玉にあげられた。

 

俺は原作を知っていただけに、犯人が誰かはわかっていたが、

女子達の剣幕押され、痴漢の烙印を押されそうになった時、

彼女たちがやってきた。

 

 

「まってください。」

 

 

そういって入ってくる、Sクラスや、他の留学生クラスの

面々。

 

あまりの大所帯に、明久、雄二、秀吉、ムッツリーニに俺の

5人で使っていた部屋が圧迫される。

 

女子達に縄でぐるぐる巻きにされ、折檻されていた俺たちだが、

赤城たちが女子に「田中君がそんなことするわけないです。」

というと、あっさりとそれを信じ、俺は解放される。

 

 

女子というのは、男子のことはあまり信じられないときでも、

同じ仲間である女子のことはあっさりと信じるものだ。

 

助かった。

そして、横目でちらり、とぐるぐる巻きにされ、

畳の上にね転がされている3人(秀吉はなぜか女子の方に

引っ張られた。)盗み見、加賀達のほうに口パクで、

『こいつらの弁解も頼む』と言った。

 

すると、いつもの甘えてくるときのとろけ切った

へにゃり顔とは別の意地の悪そうな笑みを浮かべ、

明久たちの弁護をし始めた。

 

 

結局、3人は証拠不十分として無罪となった。

 

 

そして、この部屋に押しかけてきた女子たちが

引き上げていく。

 

助かった。

 

そう思って安堵のため息をもらすと、

目の前のSクラスと留学生クラスたちが

まだ俺の周りにいることに気が付く。

 

 

俺は正座しながら彼女のたちの顔を見上げ、

尋ねる。

 

 

ど、どうした・・・?

 

 

すっと、膝立ちになり、俺と同じ目線になる

加賀。

 

 

「・・・あなたの容疑は、完全に晴れたわけではありません。」

 

 

えっ。

いや、だって他の女子達には・・・・・。

 

彼女たちが俺の体に組み付いてきて、

どこかに運んでいく。

 

おいっ!?

何する気だ!?

 

「ですので、私たちが事情聴取を行います♥

・・・構いませんよね?」

 

そういって明久たちの方を見る赤城。

 

それに対して抗議の声をあげる明久。

 

「ちょっとまった!!

彼がそんなことするわけないよ!!」

 

 

明久・・・・!!

 

 

「そうだ。そいつとはまだ、みじけぇ付き合いだが、

んなことするやつじゃない。」

 

雄二・・・・・!!

 

「・・・・・おいていけ。」

 

 

ムッツリーニ・・・!!

 

「・・・・離してやってはくれんか?」

 

秀吉・・・・・!!

 

 

まさかのかばってくれるこいつらに

不覚にも涙がこぼれそうになる。

 

 

「彼をはなさ」

「うだうだ言っていると、

あなたたちに盗撮された、と

学校中に言いふらしますよ。」

「「「「「どうぞ持っていってください。」」」」

 

 

俺は泣いた。

 

 

 

合宿では、俺たちの無罪は証明され、

真犯人も暴かれた。

 

 

だが、それには、決して語られない

犠牲があったことだけはここに記しておく。

 

 

 

「あー♥♥体がびくびくって跳ねてるー♥♥

もう出そうなのですか?♥♥」

「ほらほら♥♥今日のノルマはあと10人ですよ♥♥

がんばれっ♥♥がんばれっ♥♥」

 

 

あおおっ・・・・。

 

 

俺は死にかけた。

 

 

 

続いて、学園祭。

 

皆が出し物をするイベント。

 

原作とは若干違い、

俺たちはSクラスの素晴らしい施設を

持っているので、皆あまり力を入れる気も

なさそうだ。

 

 

明久も、姫路のために原作では奔走してたが、

その必要もなくなったので、気ままに校内を

ぶらぶらしている。

 

で、誰が提案したのか、

せっかく豪華な設備があるから、

それを利用してホストクラブやろうぜ、

ということに。

 

誰だよ、こんなトチ狂った案を出した

奴は。

 

 

いそいそと準備し、ホストクラブっぽい内装を

整え、完成させていく。

 

ガラスの高級そうなテーブルに、

高そうなワイングラス。

 

これまためったにお目に掛かれないような

ボトルや皿。

 

これ、一つだけで一体何万円するんだ・・・?

と驚愕しつつ、当日を迎える。

 

 

 

 

 

そして、意外なことに、このホストクラブが

大当たりしてしまった。

 

それもそうだ。

 

なぜなら、ここの設備は明らかに高校レベルでは

ないものばかりが使われている出しものだ。

 

他の教室も頑張ってはいるが、もとが違う。

 

席からは、グランドの景色が見える絶景でもあるので、

なかなかにポイントが高い。

 

 

スタートラインで、圧倒的にFクラスは有利なのだ。

 

 

そして、稼ぎ頭の4人。

 

ワイルド系、俺様ホストの雄二。

 

なんだかんだいって結構顔が整っている

小動物系の明久。

 

顔立ちがクール系でかわいい、と

ムッツリーニの噂を知らない校外の

女子達から人気の土屋康太。

 

説明不要の美形、加藤秀吉。

 

 

ここに、ホスト四天王が誕生した。

 

 

・・・・・FFF団?

 

女をナンパしてはごみのようにあしらわれている。

 

それにしても、全くモテる男というのは羨ましい。

 

俺は、容姿的には大目に見ても下の上といった

ブサメンだから、そんな女にキャーキャー言われた

ことなどない。

 

だから、顔を馬のマスクで隠し、

受け狙いで接待している。

 

 

やはり、顔が見えないからか、

お客としてくる女子達は結構優しくしてくれる。

 

・・・・・彼女たちのためにも、

このマスクは外せないな。

 

接客して、みるみるうちにお金を稼いでいる4人に

嫉妬の目線を送りつつ、レジ番をしていると

新たにお客さんが店内に入ってきた。

 

ドアの方に体を向け、出迎える。

 

 

いらっしゃ・・・。

 

 

 

そこにいたのは、優雅そうな感じの女子達。

正確には、顔見知り。

 

ダージリン、オレンジペコ、ローズヒップ。

金剛4姉妹にウォースパイト。

そして、あのペリーヌだった。

 

 

・・・・・・・・・。

 

 

自分の喉に手刀を放ち、喉をつぶして

声を変える。

 

「イラッジャイマゼー。」

「あら?喉がガラガラですけど

大丈夫ですか?」

「ウマレヅギゴウイウゴエナンデス」

「へー。なかなかドスが効いている声ですね。」

 

 

バレていない。

 

彼女たちを奥のテーブルまで通し、

安心してまた、中に入ってきた次の

お客さんに向き直ると、さっきと違う

顔見知りがそこに。

 

 

アンチョビ、ペパロニ、カルパッチョ。

ルッキーニ。

ローマ、ザラ、ポーラ。

 

めまいで地面に倒れそうになったが、

何とか踏ん張り、バクバクなりっぱなしの

心臓を右手で抑えつつ、接客する。

 

「ラッジャゼー。オクヘドウゾー。」

「あら。声が・・・大丈夫ですか?」

「ダイジョウブッス。アリガトウッス。」

「お大事に。」

 

そして、同じく奥のテーブルに行く

彼女たち。

 

 

・・・・・・ぷっはあ!!

 

本当に息が止まるかと思った。

 

今のうちにレジの金を確認しておくか。

 

そう思っていると、奥のテーブルから

何やらもめている声が聞こえる。

 

 

>・・・・ちょっと?田中耕平という

方を指名したんですが、彼はどうしたのですか?

>あいつよりも俺の方が・・・。

>は?

>すいません。マリアナ海溝に沈んできます。

 

ダージリンたちに瞬殺されるFクラスの生徒。

 

きっと、ハイライトのない目でメンチを切られたのだろう。

 

そして、さきほど入ったイタリア組も暴れだした。

 

>・・・・おい?このピザはなんだ?

舐めているのか?このパスタもだ。

いいか?本当のイタリア料理っていうのはな・・。

>あっちゃー。姉さんのこだわりがでちゃった

ッスねー。確かに気持ちはわかるっスけど。

>私はおいしいと思うけどなー。

>あ、それ、田中が作った・・・。

>いやあ!!このピザは最高だな!!

愛情がたっぷり詰まっているのがわかるぞ!!

きっと私のためだけに彼が作ってくれたんだろうなぁ!!

>>>>は?

>・・・・(別の田中が作ったということは黙っておこう・・・。)

 

 

俺は、レジの金を集計し終わると、

近くにいたFクラスの仲間に休憩にいってくる、

と一言声をかけ、Fクラスから抜け出した。

 

 

 

 

で、学園祭といえば、

この学校にはもう一つ目玉がある。

 

 

『さあ!!ついに始まります!!トーナメント!!』

 

実況がマイクを片手に絶叫する。

観客がそれにこたえるかのように大歓声で迎える。

 

そう、召喚獣どうしの戦いを行う、

文月学園トーナメントがグランドで行われるのだ。

 

実は、俺はこれに出てみたくて仕方なかった。

 

だって、せっかく勉強したんだから、

自分の召喚獣で格好つけたい。

女の子にもてたいと思うからだ。

 

 

東大に行って、楽な人生を送るために、

必死に勉強し、Aクラスと同じレベルまで

到達した。

 

 

さらに、明久と同じ召喚獣の操作技能を

体得している。

 

ワンピースで言えば、グラグラの実と

ヤミヤミの実、両方の力を得た某海賊と同じだ。

 

 

誰にも負ける気はしなかった。

 

 

・・・・・が、ここで最大の壁が立ちふさがる。

 

 

このトーナメント、タッグ形式なのだ。

 

 

原作で、明久は雄二と一緒に出ていた。

 

だが、あいつらはホストクラブで荒稼ぎしているので、

トーナメントに出ることもないだろう。

 

秀吉とムッツリーニもまだ、休憩時間じゃないので

誘えない。

 

他のFクラスのやつらだとはっきり言って

弱すぎるので組みたくはない。

 

 

・・・・・つまり、出られないのだ。

 

 

滅茶苦茶出たい。

 

日頃のストレスを、鬱憤を、イライラを

解消したい。

 

 

出場を半ばあきらめかけていたその時、

俺は、ある人物を発見する。

 

 

 

『----さあっ!!1回戦も残すはあとわずか!!

今年の挑戦者の数は、とんでもないことになっているが!!

以前、進行に問題はないですっ!!』

 

実況のあおりが会場内に響き渡り、

興奮している観客が歓声をあげる。

 

そして、出番がやってきた。

 

 

『まずは、赤コーナー!!2年?組!!

馬の被り物をかぶって顔を隠している謎の男!!

お前は一体誰なんだ!?ザ・ホースメェェェェン!!』

 

名前を呼ばれたので会場に立ち、

観客に手を振る。

 

わあああああっ!!という観客からの

熱い声援に胸がどきどきとして、

居ても立っても居られないほど気が昂り、

握りこぶしを作る。

 

 

そして、相方の名前が呼ばれる。

 

 

『----そして!!その謎の男のパ―トナー!!

2年B組のリーダー!!根本恭二!!』

 

 

ぶーぶー、と歓声がブーイングへと

一瞬で変わる。

 

隣にいるやつは、ぴく、ぴく、と眉間に

しわを寄せながら両腕を胸の前に組んで、

仁王立ちしている。

 

明らかに、イラついているようだ。

 

 

なぜ、俺が根元と一緒にトーナメントに出ているのか。

 

それは、少し前までさかのぼる。

 

 

 

 

「-----はあ!?いきなりやってきて、

何を言うんだ!?」

 

 

だから、つべこべいわず、俺と一緒に

トーナメントに出ろ!!

 

「断る!!誰がお前らなんかと・・・!!」

 

 

根元を見つけた俺は、やつの首根っこをつかんで、

誰もいない校舎裏に引っ張ってきて、

一緒にトーナメントに出ろ、と言った。

 

が、Fクラスにけちょんけちょんにやられ、

女装させられた根元からすれば、当然の

反応だった。

 

「第一!!俺は彼女の優香と一緒に

トーナメントにでるって約束してるんだ!!」

 

 

じゃあな。と俺の横を通り過ぎるあいつの

耳元でぼそっとつぶやく。

 

・・・・シャシン。

 

「!!?」

 

ものすごい速さで振り返るあいつ。

 

トラウマになっているようだ。

 

そして、俺はポケットから

あいつが女装していた時の

写真を取り出して見せつける。

 

「!!お、前・・・・っ!!」

 

なあに、簡単な話さ。

俺と一緒にトーナメントに出てくれるなら、

この写真と、元のデータを全て捨ててやろう。

出なかったら・・・・そうだな。

お前の大事な彼女に、メールしちゃおうかな?

 

 

ぎりぎり、と歯ぎしりをたて、

体を怒りで震わせてにらみつけてくる。

 

・・・・まあ、こいつは結局、

原作では女装してる写真を明久たちに

小野優香に見せつけられ、

付き合っている彼女と破局してしまうのだが。

 

 

それなら、利用したっていいだろう。

 

 

奴の前で、ぴらぴらと写真をはためかせ、

もう一度お願いする。

 

 

 

答えは、聞くまでもなかった。

 

 

 

「うおらあああっ!!」

 

 

『おおおっと!?いつもは卑怯な手ばかり使う

あの根元が!!あの根元がぁっ!!正面から

真っ向勝負をしかけている!!さすが、腐っても

Bクラス代表と言ったところか!!』

 

「うるさいっ!!俺は絶対に負けられないんだぁぁぁっ!!」

 

「恭二・・・・・。」

 

そして、観客席から恋する乙女の顔で

根元に熱い視線を送る小野さん。

 

・・・・・。

 

思わず、根元の膝をカックンする。

 

「!?何するんだ!!おいっ!!」

 

八つ当たり。

 

「お前、覚えておけよっ・・・!!」

 

 

とはいいつつも、ちゃんと戦っているあたり、

やる気はあるらしい。

 

 

さて。

根元がきちんと戦っていることを確認した俺は、

目の前の相手と対峙する。

 

 

見るからにこっちを舐め腐った態度で、

見下しているのがわかる。

 

・・・・確か、原作で明久たちの決勝の

相手だったとっとこハム太郎だったか。

 

 

「常夏だよっ!!」

 

あ、そうそう。

たしかそんなかわいそうな名前だった。

 

「やろう・・・!!なめやがって!!」

 

いや、なめていたのはそっちだろう。

そういおうとすると、召喚獣を俺のほうに

向けて突進させて来る。

 

さすがにAクラスだけあって、一教科だけでも

280点越えの強者だ。

 

性根は根元並みに腐ってはいるが、

実力は本物らしい。

 

召喚獣が持っている剣を俺の召喚獣

めがけて振るってくる。

 

あたる。

そう確信したエブリサマー先輩は

にやあ、と笑う。

 

俺は、別の意味で笑う。

 

右手をかざし、俺の召喚獣の

腕から弾丸が発射される。

 

眉間を撃ち抜かれ、点数が減る

とこや先輩の召喚獣。

 

そして、場外に吹っとんでいく。

 

 

 

俺の召喚獣の能力。

 

それは、好きなだけ銃を連射できる。

ただそれだけの能力。

 

 

シンプルだが、場合によっては

今みたいにある程度の距離を保ちつつ、

一方的に相手を倒せる。

 

 

そして、常夏先輩の方が、

負けの判定を審判から下された。

 

がっくりとうなだれる常夏先輩。

 

ちらり、と横目で根元の方を見ると、

そっちの方も終わったらしい。

 

根元の一教科あたりの点数は200点前後。

あいては28㍘オーバーの猛者。

 

よく勝ったものだと感心する。

 

やはり、自分の人生がかかっているからか、

今の根元はとてつもなく強い。

 

「・・・・絶対に負けてたまるか・・・・!!」

「恭二っ・・♥」

 

 

自分の彼氏が熱い顔をしているので、

胸キュンする小野さん。

 

・・・・・・やっぱり、

写真ばらまこうかな。

 

 

俺に女性からの声援はあまりなく、

なぜか根元の方ばかりに声援が行っていた。

しかも、根元のことを見直したのか、

女子から熱い声援をもらっていた。

 

 

むかついたので、また膝カックンしておいた。

 

 

 

 

 

 

「・・・・・へえ。面白そうなこと、やっているなぁ・・・・。」

 

 

なぜか背後から寒気を感じつつ、ステージから降りる俺だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




放課後だから(言い訳)
もう少しダイジェスト形式で続くかも。


艦これの小説が一週間たらずでUA10000越えするのは
わかるけど、もう完結してから結構経つバカテスで
こんなに感想とかくるのはなぜ?(恐怖)


あ、次回はヤンデレが出るゾ(予定調和)

感想は全部読んでいるから、
もっとくれたら続きを書く気がわくかも
しれないゾ(ガチで)


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まだまだ終わらない文化祭

タイトル通り。

一体どんな意味で終わらないんでしょうねぇ(ゲスがお)


 

トーナメントを1回戦を勝ちすすんだ俺と根元。

 

俺は馬の被り物をしながら会場の隅っこで

体育座りをしているというのに、根元のやつは

彼女のところに行ってイチャイチャしていやがる。

 

俺も、あんなおとなしくって優しい彼女が欲しかった。

 

 

うえっ・・・えふっ・・・えああっ・・と慟哭していたが、

深呼吸して落ち着き、考える。

 

 

 

・・・・あれ?

女子にいいところ見せたくってトーナメント出ているのに、

根元のやつばかり女子からモテてないか?

 

いまだに彼女といい雰囲気で話している

根元の方を見る。

 

無性に腹が立ってきたので、近くで出店している

焼きそばの屋台に行ってやけ食いすることにした。

 

 

 

俺は、人知れず泣いた。

 

 

「明久。そろそろ俺たちも休憩しようぜ。」

 

雄二がそういってきたのでわかった、と言い、

ホストの格好のままFクラスの教室を出る。

 

廊下にいる人たちからものすごい数の視線を浴びる僕たち。

 

場慣れしている雄二も、さすがに臆したのか

何だか以後心が悪そうだ。

 

「あー。それにしても腹減ったなぁ。」

「そうだね。何食べる?」

「そうだな・・。」

 

そして、グラウンドの方から響き渡る

大絶叫。

 

 

何かが行われているようだ。

気になったので、外に出て、

人がたくさん集まっているところに行ってみる。

 

すいません、通してください、と人込みを練って

歩くと、そこには、大きなステージがあった。

 

 

「なにこれ?」

「召喚獣のタッグトーナメントマッチだとよ。

・・・・・出てみたいのか?」

「いや、興味ないや。」

 

それよりも、今はお腹が空いた。

 

空いている席に座り、近くにいた

売り子さんから弁当を買って、

二人で並んで座りながら食べる。

 

お、幕の内弁当だ。

 

弁当を買う時に一緒に渡されたプログラム表を

見ながら弁当を食べる。

 

「何なに・・・。『優勝者には如月ランドのチケットをプレゼント!!』

って書かれているな。」

「あ、そういえば如月ランドって言えば、結婚を体験できる

イベントをやっていたよね。」

 

そんな僕の言葉に顔を青くして、胸を抑えてうなだれる雄二。

 

「・・・大丈夫だ。あいつがまさか出ることなんて・・・。」

 

大方霧島さんのことだろう。

あんな可愛いこと付き合っているというのに、

全く、何が不満だというのか。

 

Sクラスに勝った後、この男は自分から霧島さんに告白し、

見事交際を始めることになったのだ。

 

FFF団からは毎日刺客が送られているが、

そのたびに返り討ちにしている。

 

まったく、男の敵め。

 

 

「・・・で、お前はいつになったら島田か姫路と

付き合うんだ。」

 

「ぶっふぉ!!」

 

いきなりの言葉に食べていた弁当を

あわてて噴き出しそうになる。

 

こいつ・・・!

いきなりとんでもないことを言い出しやがった!

 

「ていうか、何で島田さんまで?」

「・・・・お前、本気でそういっているのか?」

ま、しょせん他人事だから良いけどよ。

 

そういって弁当を一気に掻っ込む。

 

雄二が何を言っているのか、全く

わからなかったが馬鹿にされたことは分かったので

腕をつねっておく。

 

「いってぇ!!なにしやがる!!バカ久!!」

「うるさい!!男の敵め!!」

 

 

で、いつもみたいに喧嘩が始まりそうになったが、

グラウンドに異様な人物が現れ、

そちらに注目する。

 

 

「・・・・馬の被り物?」

 

雄二がそうつぶやく。

ステージの上には、馬の被り物をかぶり、

見覚えのある召喚獣を従えている男と。

 

彼の横で、なぜか目に見えて闘志を燃やし、

小野さんから熱い声援を浴びている根元。

 

 

「ねえ、雄二・・・。」

「何も言うな。」

 

 

雄二もあのマスクの人物が誰かわかっているのか、

そういう。

 

そして、彼らの目の前に立ちはだかる二人組。

 

・・・・・・それは、最近やってきた

留学生クラスの生徒たちだった。

 

 

眼には光がない。

 

あっ、と何かを心で察してしまう。

 

思わず手で口元を抑える。

 

「・・・・雄二。」

「・・・・ああ。俺は、ああはならねぇぞ・・・・。」

 

 

いつも誰かに追いかけまわされている彼の姿を思い出しながら、

女の子にモテているのに、彼のことをちっとも羨ましいとは

思えなかった。

 

 

 

 

準備はいいか?

 

「・・・・・ああ。」

 

 

根元に声を掛けると、

目の前に立ちはだかる二人に向き直る。

 

そして、俺も同じく彼女たちの

方を向く。

 

 

「・・・・・。」

「ふ、ふふふ・・・・あはっ。」

 

綺麗なツインテールの金髪をたなびかせ、

俺の顔をじっと見つめてくるグラーフ。

 

壊れたように、ニタアという音が聞こえてきそうな

笑みを浮かべ、俺から視線を外さないビスマルク。

 

・・・・この二人かぁ。

 

だが、マスクをしているので、バレていないはず。

 

足ががくがくと震えているが、些細なことだ。

 

 

そして、フラッシュバックする、合宿所での

取り調べ。

 

 

『まだまだしたりない・・・♥♥もっと私たちを

愛してくれ・・・♥♥』

『胸で挟むと、すぐにイっちゃうんだから・・・・♥♥』

 

頭を振って、過去の出来事を追い出す。

 

・・・・・負けたら、なぜか

大変なことになる予感がした。

 

試合開始のブザーが鳴った。

 

 

 

「・・・・・・。」

「・・・・・・。」

 

 

 

必死に、何かから逃れるように

戦い続ける二人を見て、なぜか泣きそうになる

僕たち二人。

 

彼らが、男として大切何かを守るために

戦っていることがその様子から伝わってきて

いたたまれなくなる。

 

 

辛うじて、金髪の美少女二人に勝利した、

浩平と根元。

 

 

だが、何かがいけなかったのか、

ステージ上にむらがる留学生クラスと

Sクラスの子たち。

 

え?

何?

なんで浩平と根本が集団に襲われているの?

 

『おおおおおっと!?ここで乱入者だーーー!!

しかも、複数の美少女がホースメンと根元の

二人を集中的に狙っているぞおおおおっ!!

ああもう!!これじゃトーナメントどころじゃないっ!!

バトルロワイヤルだああああっ!!

最後に立っていたやつを勝者とする!!』

 

乱戦、というか美少女たちに

囲まれ、嬲られる二人。

 

小野さんが「きゃああああっ!!」と悲鳴をあげ、

根元の方を心配している。

 

 

それでも、残り少ない点数で戦い続け、

粘っていた二人だったが、数の差には勝てず、

7人倒したあたりでやられてしまった。

 

美少女たちの召喚獣が姿を消すと、

ボロボロの二人が倒れている姿見える。

 

小野さんが駆け寄り、「恭二!?大丈夫!?」

と半泣きになりながら体をゆすっている。

 

・・・・・・敗者のくせに

女子に介抱してもらえるとは生意気な。

 

 

そして、馬の被り物を必死に守り切ったのか、

顔の部分だけ無事で、制服がボロボロの浩平。

 

彼の周りを取り囲む、数人の美少女たち。

 

あ、担がれて、どこかに連れていかれた。

 

 

 

・・・・・・。

 

 

さて、わたあめでも食べに行こうっと。

 

 

「あれ、ほっといてもいいのか・・・?」

 

死にたくないし。

 

 

 

 

 

俺がトーナメントに出ていることに気が付いた

あいつらにボコボコにされ、彼女たちが

開いているお店の中に連れていかれた。

 

中は、うちのクラスと同じか、それ以上に

豪華な造りとなっており、思わず襟を正しそうになった。

 

 

「いつまでその薄汚いマスクをしているの。」

 

そういうミーナにマスクをすぽっと外された。

 

苦笑いで挨拶する。

 

今日もいい天気ですね。

 

「第一声がそれですか?キスで窒息させますよ?」

 

やめてっ、と短く悲鳴をあげて、

一体何をされるのかびくびくしていると、

トゥルーデとエーリカに手を引かれ、

近くにあった椅子に座らせられ、

もてなされる。

 

近くにあったテーブルに、料理が置かれる。

 

美味そうなホットドッグだ。

 

 

「さ、お腹が空いているでしょう?」

「うちは何でもあるからさ。何でも頼んでいいよ。」

 

メニュー表を手渡され、

中を開いて見ていると、

本当にいろんな商品が載っていた。

 

学校で作れるのか、これ?

といったような疑問を持ちたくなるような

ものもあったが、あるものに目が行く。

 

 

何々・・・・。

「当店自慢のすぺしゃるこーす♥」・・・?

 

なんだこりゃ。

 

「それは、私たちのおすすめだぞ。」

「だから・・・ね?」

 

ねっとりとした視線を向けられる。

 

仕方がないので、頼むことにした。

 

じゃあ、この「すぺしゃるこーす」で。

 

 

「はーい♥」

「やっとかぁ。」

 

そして、なぜか服を脱ぎだす彼女たち。

 

 

・・・・は?へ?は?

 

久しぶりに本気で困惑し、

立ち上がってこの場から逃げようとすると、

彼女たちに肩を押さえつけられ、

身動きが取れなくなる。

 

 

「エーリカ。教室の外に今日は店じまいって

札を出しておいて。」

「あいよー。」

 

そして、下着姿の彼女たちに次々と唇を奪われ、

服を脱がされていく。

 

んんんっ!!

 

「あー♥ほんっとうに最高・・・・♥」

「アドミラル・・・♥」

「シベリア送りにされたくなければ・・・・わかっているな?♥」

「あーずるーい!!皆で楽しそうなことしているー!!」

「カチューシャ。あなたにはまだ早いです。代わりに私が

ヤりますから。」

 

 

あまりこの時の記憶はないが、

ものすごく頑張ったような気だけはした。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・お前、一体何があったんだ?」

 

 

雄二に心配の声をかけられた。

 

秀吉や康太たちも驚いているのがわかる。

 

 

精力ドリンクを飲みつつ答える。

 

 

・・・・・まあ、ちょっと、な・・・。

 

あっ・・・、と何かを察する男子達と、

何がなんだかわからないといった島田と姫路。

 

 

・・・・・君たちはどうか、そのまま病まずに

明久と幸せになれよ。

 

 

クラスメイトの幸せを祈りながら、

学園祭の後片付けを行うのだった。

 

 

 

 

 

 

 






学園祭まで書いたゾ。


そろそろ飽きてきたから次の
小説でも書くかな(ホモはせっかち)

病んでいる子たちが乱入した理由は、
「ずっと学内中を探し回っていたのに、
見つからなくって、いざ見つかったら
トーナメントに出ていたので、
強硬手段に及んだ。今は、清々しい
気分で彼と体を重ねている。」

というトチ狂った理由からだゾ。
(つまり、ムラムry)


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おりじなるな話~海に生きる彼女たちとの過去話~(病みは終わらず)

ヤンデレのおかわりだよぉ(バットマンのジョーカー風に)




モテない。

 

それは、男として屈辱極まりない状態である。

 

ルックスに恵まれず、大したコミュ力もなかった俺は、

モテなかった。

 

最新のファッションに身を包み、流行の話題についていき、

なのに、なのにだ。

 

どうあがいてもモテなかった。

 

知り合いたちには彼女がいた。

 

俺にはいなかった。

 

知り合いたちと一緒に合コンに行き、

俺以外の全員が、お持ち帰りする。

 

 

それでも、俺は自分にもいつか

女の子と付き合える時が来ると信じて、

自分を磨き続けた。

 

 

大学4年生の時に、惚れていた子が

イケメンと学内で○○しているのを

見てしまったとき、何かが終わった。

 

そこで、俺の中で何かのあきらめが付いた。

 

就活して、適当な会社に入って、

女っ気のない職場で淡々と仕事をして、

子孫を残せずに死ぬ。

 

それが、俺の人生のリザルトだとわかった。

 

 

 

おかしな奴らにあってしまった。

 

それが、一回目の世界で艦娘たちと

戦い、深海棲艦たちと決着をつけてから

彼女たち艦娘に抱いた気持ちだった。

 

「あなたの傷は私の傷。」

「あなたの悲しみは私の悲しみ。」

「あなたへの愛は、尽きることなく。」

 

 

 

「あなたが死ぬ時が、私が死ぬ時です。

提督。」

 

 

・・・・・は?

 

一体何の冗談だ、と飲んでいたグレープ

ジュースが入ったコップを落としそうになり、

あわててキャッチする。

 

上官からもらったいいやつだ。

 

こぼすなんてもったいないことはできない。

 

執務室に集まった、数十人の艦娘たち。

 

深海棲艦たちとの戦いは一応の決着を見た。

 

 

ーーーーー揺るかな殺し合いを続けるという状態で。

 

だが、以前より圧倒的にマシになったので、

それでいい、と気を取り直してジュースを飲む。

 

喉を甘くて、酸味のある液体が通っていった。

 

心地いい。

 

「・・・・・提督。」

 

 

彼女たちの言葉を受け流し、

誤魔化していたら、加賀と赤城がいつの間にか

イスの横に立っていて、俺の顔を覗き込んでいた。

 

 

だめだ。

信じるな。

 

俺は、女と縁がない男だ。

 

前世でそうだったのだから、今世だってそうだ。

 

 

・・・・・美人局?

 

猜疑心からそうつぶやいてしまった。

 

ぴしり、と空気が張り詰めていき、

肌がひりつくほどのプレッシャーを感じる。

 

 

何かを間違えたことはわかる。

 

だが、それが何だか分からない。

 

握り拳を作る二人。

手がぶるぶると震えている。

 

殴られるのか。

 

そう思ってみていると、

 

 

彼女たちに抱き着かれた。

 

 

「・・・・どうして。」

 

前髪が乱れ、顔が見えない二人が

顔を挙げるとそこには、

 

 

 

見たこともない黒色の瞳があった。

 

 

 

ここで、俺は選択肢を間違えた、

と後に何十回も後悔することになる。

 

 

 

 

 

寝苦しさで目が覚める。

 

・・・・・・・・。

 

ぼーっとする頭のまま、

いつも毎朝見ている天井をぼけっと眺める。

 

ふああ、とあくびをしながら体をのそり、と

起き上がらせる。

 

体がとてつもなく重い。

ダルいという言葉が軽く思えるほどに、

体のあちこちが痛んでいた。

 

今日は休日であることを思い出して、

二度寝するか、と寝転ぶと、

柔らかなものに手が当たる。

 

 

むにゅり、という柔らかな感触が

手に伝わってきて、あまりの触り心地の良さに

そのまま何分も触っていた。

 

「・・・・うっ♡・・・ひうっ・・・・♥」

 

時折聞こえる何かを押し殺すような声。

 

一体なんだと思いもう一度目を開けると、

 

 

俺の手が、隣で裸にシーツ一枚の姿で寝ていた

赤城の胸を揉みしだいていた。

 

 

・・・・・・・あー。

どうりで、最高の感触だったわけだ。

 

 

寝ぼけた頭のまま、赤城のたわわな果実を揉み続けていると、

背中から誰かの手が伸びてきて、俺の顔をぐりんと後ろ向きに

曲げてきた。

 

 

っつ・・・!

 

痛みに顔をしかめながらこんなことをした人間の顔を

確かめてやろうと憤りながら見てみたら

 

 

光のない目で、俺と目を鼻と鼻がくっつくほどの

至近距離でじっと見つめてきている加賀の姿だった。

 

 

絶叫が、部屋に響き渡る。

 

 

 

 

この世界に来てから16年。

 

FクラスがAクラスとの戦いに敗れて1日後。

 

俺は、自分のボロアパートに所狭しと

座っている女たちを見ながら考えていた。

 

 

なんで、こいつらは俺に執着するのだろう。

 

男として、女から好意的に見られることが

なかっただけに、わからない。

 

両腕を組み、首をひねって考えていると

目の前のちゃぶ台に今日の朝食が置かれる。

 

「・・・・・あなたの妻の朝食です。」

 

あ、ああ・・・。アリガトウ。

 

否定すると、またとんでもないことに

なりそうだったのでとりあえずお礼だけ

言って、朝食を頂くことにする。

 

思い思いに遊んでいたウィッチや、戦車道の子たちも

加賀と赤城に朝食を作ってくれ、とねだるが、

二人から「自分で作れ。」とマジトーンで拒否される。

 

みそ汁をすすりながら、

今日の昼食はどうしようか、呑気に考えるのだった。

 

 

 

 

怒涛の朝の時間が終わり、登校。

 

 

普段なら一人で気楽に学校まで来ていた。

 

 

しかし、今日は違った。

 

 

先日Sクラスに入ってきた女子達が、

俺の周りを取り囲む。

 

姦しい、やかましいことこの上ない

通学時間。

 

そして、美少女ばかりの中に、

俺みたいなさえない見た目の男が

いることが納得できないのか

嫉妬の目線を向けてくる男子達。

 

 

俺だって、なぜこうなっているのか

わからない。

 

 

半分諦めながら歩いていると、

両腕をがっちりと西住姉妹に

組まれる。

 

 

「んふふ・・・♥しあわせ~♥」

「・・・・♥」

 

 

ますます周りの男子達から

睨まれるようになった気がする。

 

 

 

 

「さて、言い訳を聞こうか。」

 

そういって、俺の前にあるちゃぶ台の近くに座り、

両隣にFFF団の者を立たせて聞いてくる須川。

 

この学園を、彼女たちと歩いているだけで、

彼女たちとの関係を聴かれる。

 

中には、紹介してくれ、と鬼気迫る様子で

俺に縋り付いてくるものもいたほどだ。

 

 

 

・・・・後日、その男子はなぜか転校していたが。

 

 

言い訳も何も、俺とあいつらは知り合いだ。

 

堂々とした態度でそういう。

 

こういうやつはなるべく刺激せずに、

穏便にことを終わらせた方がいい。

 

だから、穏便な言葉を選んだつもりだったが、

それが返っていけなかったのか、

教室内にいた男子達から抗議の声が上がり始める。

 

 

「ただの知り合いが、わざわざ試召戦争で、

お前を奪いに来るのか?」

「ギルティ。」

「これはちょっと許せんね。」

「死か、死か、死か。選べ。」

 

 

・・・・・・・俺って、モテてるように見えるのか?

 

 

それが原因でこいつらは怒っているのか。

 

・・・・・だったら、あいつらと距離を置くか。

 

 

須川が何か言おうとしたとき、

ガラガラっと教室のドアが開く。

 

 

「あ、いました。」

「全く。なぜ、提督がこんなところに・・・。」

 

宮藤と、加賀がFクラスに入ってくる。

 

で、座っていた俺を立たせてきて、

両腕を組んで、どこかに連れて行こうとする。

 

 

男子達が何か言うと思っていたが、

加賀と宮藤の体からあふれ出る黒い

オーラに気圧されたのか、動けずにいる。

 

 

「・・・・ボソッ」

 

加賀が近くにいたFクラスの生徒に何かをつぶやくと、

体をびくんっと離させる生徒。

 

 

Fクラスの教室を出て、廊下に出てから

加賀にそれとなく聞いてみる。

 

 

・・・一体、何て言ったんだ?

 

「・・・・私の、提督に手を出したら殺す。・・・

そうFクラスの皆さんに伝えてくださいね、

と言っただけです。」

 

 

愛が重い。

宮藤もウン、ウン、と頷いて

同意しているし。

 

 

・・・ところで、どこに行くんだ。

 

 

「まだ、お昼は取っていませんよね?」

 

え?ああ・・・・。

 

宮藤の問いにそう答える。

と、いうことは・・・。

 

 

歩き続けてやってきたのは食堂。

 

・・・・・・え?

 

ここで、食べるの?

 

彼女たち二人の方を見るとコクコク、

と頷いている。

 

そして、俺たちに向かって手を振ってくる

顔見知りの姿。

 

「おーい。席をとっておきましたよー。」

 

赤城が、めちゃくちゃ笑顔で

俺たちの方に手を振ってきている。

 

西住姉妹も一緒だ。

 

 

一緒に食べるのはマズイ、

と思いつつも食べなければ、

もっとまずいことになる予感がする。

 

 

 

葛藤しながら立ちすくんでいると

宮藤と加賀に赤城たちが座っている

席まで連れていかれ、座らせられる。

 

 

集まってくる視線。

特に、男たちからは殺気が飛んでくる。

 

 

落ち着かない。

 

 

俺は、あっち側の男だったはず。

なぜ、俺が女に囲まれて、

羨ましそうな視線を浴びているのだろうか。

 

 

そわそわしながら、彼女たちが作ってきていた

弁当を食べた。

 

 

 

放課後。

 

 

教室を出て、廊下を歩いて下駄箱まで向かう。

 

その途中、見たことのないガラの悪そうな

男子生徒たちに絡まれる。

 

「ちょーっとお願いがあるんだけど、さ。」

「ここじゃなんだから、校舎裏、行こうか。」

 

面倒だ。

 

全員が倒したら倒したで、停学になりそうだし。

 

黙っていると、しびれを切らした

男子生徒に胸倉をつかまれて凄まれる。

 

「無視してんじゃねーよ!!」

 

 

ここで騒ぎを起こせば面倒なことになるというのに、

そのことさえ頭から抜け落ちてしまっているのか。

 

 

殴り掛かられそうになったその時、

その男子生徒の体が吹き飛ぶ。

 

 

絶句する俺と男子生徒たち。

 

 

後を見ると、拳を突き出した構えの

赤城と、他の子たちが。

 

 

「提督になに、手を出そうとしているのですか?

死にたいのですか?あ、それだったらいい

死に方を教えて差し上げましょうか?」

 

一目散に逃げていく。

蜘蛛の子を散らすように、という表現通り、

あっちいう間に消えていった。

 

 

「お掃除が終わりました。・・・・・ちょっと、

校内のチェックが必要ですね。」

 

 

怖い顔をしながらそんなことを言い出す赤城。

 

・・・・・やっぱり分からない。

 

 

 

 

 

「ほらっ♡もっと私たちに、私に溺れてください。」

 

 

赤城と加賀に前と後ろを挟まれながら横になって

寝る俺。

 

 

一体全体、どうしてこうなったのか。

 

・・・・昨日、肉体関係をもつようになってからか。

 

やはりわからない。

 

俺よりも性格がよく、ルックスも収入も

上の男はこの世の中にいる。

 

事実としてそうだ。

 

赤城、加賀、宮藤、西住姉妹は美少女だ。

それも、超が付く。

 

恋愛経験のなさが、俺に引け目を感じさせていた。

 

「・・・・なんで、自分がこんなに好かれているのだろう。」

「そんな顔をしていましたよ。」

 

指摘され、ハッとなる。

 

「あなたがいいのです。あなたじゃなければ嫌なのです。

他の男に体を触れられるのも、見られるのも。」

「あなた以外の男に興味はありません。・・・・

もし、それでもまだ不安だというのなら。」

 

 

一緒に死にましょう。

 

震える手を加賀の胸に回し、

今日も彼女たちに溺れていく。

 

「ああっ♡もっと♡もっと溺れてっ♡」

「私たちがっ♡死ぬまでっ♡死んでも傍におりますからぁっ♡」

 

 

夜が明けるまで、部屋中に嬌声が響いた。

 

 

 

 

 

 




田中「無償の好意が怖い(震え声)」
ヒロインたち「もっと体を重ねて彼の不安を取り除かなくちゃ(使命感)」

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おりじなるな話~戦車道の彼女たちとの過去話(どうせみんな病む)

どうしてこんなタイトルにした!!
言え!!(ファフナーの主人公並感)


 

「私たち、付き合うことになったの。」

 

そういって、俺のおさなじみであり、

大切な親友である男子と手をつないでいる

彼女。

 

 

胸の奥が、ずきりと痛んだ。

 

・・・・おめ、でとう。

 

声がうわずって震えないよう、

しっかりと意識を保ちながらも、

祝福する。

 

 

「ありがとうよ。」

 

照れくさそうに頬をぽりぽりと右手でかき、

だが、しっかりと彼女の手を離さないように握っている。

 

 

 

彼女たちの後姿を見届け、

 

 

 

俺は走った。

 

 

家まで、わき目もふらずに。

 

 

自分の部屋についたら、ベッドに体を放り出し、

枕に顔を押し付け、声を押し殺して泣いた。

 

 

長いような、短いような間。

ずっと泣き続け、かれたとき、

自分の中で何かが崩れた。

 

 

ベッドから降り立ち、女にもてるために買っていた

週刊誌や、話題の服を手に取り

 

 

 

 

ゴミ箱に投げ捨てた。

 

 

かんたんな話だった。

 

 

俺は、恋愛が許される側の人間じゃなかった。

 

 

ただ、それだけだったのだ。

 

 

おかしさがこみあげてきて、笑う。

 

狂ったように笑い続け、満足した。

 

 

ふう、と息を吐き、頭が冷めていくのを感じる。

 

 

なぜか気分が良い。

 

それもすごく。

 

 

 

大学4年制の、就活中のことだった。

 

 

 

 

 

 

誰かに体を揺さぶられているような気がして、

目が覚める。

 

 

目の前には、俺の顔を心配そうにのぞき込む

女子の姿が見える。

 

 

・・・・・ここ、は?

 

起き上がろうとすると、彼女に肩を押されて

寝かされる。

 

 

「動いちゃだめです!」

 

 

体がずきりと痛み、

あうう・・・と嗚咽する。

 

 

周りを見渡せば、深海棲艦たちどころか、

ネウロイさえいない。

 

また、違う場所?

 

 

が、それと同時に嬉しさがこみあげてくる。

 

 

ここで、3回目の転生。

 

 

つまり、最後の世界。

ここでの人生が終われば、俺もようやく解放される。

 

 

思わず笑ってしまう。

 

 

突然笑い出した俺に引く彼女。

 

 

 

ああ、ごめんごめん。

 

 

 

そういえば、ここはどこなのだろう。

 

やけに広い場所だが。

 

 

 

ーーーーーーー1回目も、2回目も転生した時、

俺は子供だった。

 

 

今回は、高校生くらいの年齢と言ったところか。

 

 

周りには、俺を取り囲むように目の前の少女と

同じ制服を着ている女の子たちが怪訝そうな目で、

倒れている俺のことを見ている。

 

 

見たところ、どこかのグラウンドの様だ。

 

 

 

結局、痛みで意識を手放した俺は、

後に長らく世話になる場所、『大洗学園』の保健室まで

運ばれ、寝かされた。

 

 

 

この世界は、前の二つの世界と違って平和だ。

 

深海棲艦も、ネウロイもいない。

 

あるとすれば、戦車道という戦車を使った競技による

事故ぐらいか。

 

 

目の前で、干芋を食べている少女から渡された

大洗学園のパンフレットなどの資料を見ながら

そう考える。

 

 

ここは、生徒会室。

 

来客者用の椅子に座る俺。

 

杏子という名前の小さな子が、

生徒会長だと知って、驚いた。

 

 

顔には出さずに、動揺を隠しつつ

話を聴く。

 

 

「ーーーーだからさー、うちみたいな場所に、

キミみたいな男子がグラウンドで倒れていましたー、

なんて、前代未聞なわけ。」

 

 

そりゃそうか。

 

女子高に男子がいたとなれば、大問題だ。

下手をすれば、学園の存続にまでかかわりかねない、

スキャンダルとなる。

 

顎に手を当て、考える。

 

 

目の前にいる女子達、特にこの杏子とか言う名前の

子供は前世であった女たちと違って俺に興味は

なさそうだ。

 

 

ホッとしながら、こちらから提案する。

 

 

だったらーーーー。

 

 

 

 

紆余曲折あって、俺は清掃人兼、警備員として大洗学園

に派遣された人間ということになった。

 

 

俺は戸籍も、住所もないというのに、

一体どうやったのか、と会長に尋ねてみたら、

 

「・・・・聴きたい?」

 

 

と、真顔になったのでやめておいた。

あれは、聞いたらまずいときの雰囲気だ。

 

 

 

ここでの暮らしは、想像よりもはるかに良いものだった。

 

 

色んな世界に転生する前に、社畜として働いていたからか、

仕事に真面目に取り組んでいる俺のことを評価してくれる

職場の人たち。

 

 

清掃人の仕事はともかく、警備員としての仕事は

楽だった。

 

 

学校の門の前に立って、ただ、突っ立っているだけ。

 

 

生徒の登校時間と、下校時刻にずっと立ち続けていれば、

後は基本自由。

 

 

給料はたいして出ないが、寝床をもらえているので

問題はない。

 

 

が、暇だ。

 

 

1回目の世界は提督としてハードワークだった。

2回目は、ある意味過酷だった。

 

そんな世界とは全く違う場所に来てしまい、

平和なときにどうすればいいのか、悩むほど、

変わってしまっていたらしい。

 

 

しかし、病んでいる女子がいないのは良いことだ。

 

 

女子生徒からは、腫れもの扱い、とまではいかないが

唯一の男子ということで距離を置かれている。

 

 

杏子ちゃんや、そのおつきの二人は頻繁に遊びに来るが、

それ以外は何もない。

 

 

 

へいわって素晴らしい・・・・!

 

 

 

後日、耳を疑うような提案をされる。

 

 

 

 

・・・・他の、学園艦に行ってきてほしい、

などという無理難題が俺の身に降りかかることになるなど、

予想もしなかった。

 

 

 

 

 

「この世界に、戦車はないの?」

 

 

ないな。

 

つまらなーい、と言いながら俺があぐらを

かいている中にすっぽりと収まりつつ、

干しイモを食べている杏子。

 

 

 

3回目の世界だと、一番付き合いが長いのが

大洗組で、その中でも特に古株なのが

杏子だ。

 

 

・・・・・いつもマイペースで

飄々としている彼女。

 

 

俺の近くには、負のオーラを出しながら

じっと見つめてくる他の面々。

 

アンチョビ、ダージリン、ノンナ&カチューシャ。

 

他にもたくさんこっちの世界に来ているが、

彼女たちがそれぞれの学園艦のリーダーである。

 

 

文月学園で、そこそこの成績を取って、

そこそこの職に就き、そこそこの人生を送る。

 

 

儚くも、人生設計は終わった。

 

 

震える手を、ぎゅっと握り締めてくる杏子。

 

口移しで干しイモを食べさせられる。

 

「・・・・・なんでだろう。私はいっつも

誰かに頼られる側だったのに、こうして

寄りかかるのが幸せでしょうがないや・・♥♥」

 

お前、誰、と言いたくなるほどの甘えっぷりで

胸元に顔をこすりつけてくる。

 

 

・・・・・この後、女子同士の戦争が起き、

俺はそれに巻き込まれないために学校を早退した。

 

 

 

 

・・・・という状態だな。

 

 

「とりあえず、言っておこう。死ね。」

「同じく、死ね。」

 

 

ムカッとしたから、お前らが病んでいる女に

追いかけられる呪いをかけてやる。

 

「「やめろぉっ!!!」

 

 

悩み事を雄二と明久に話したら、

死ねと言われたので冗談を言ったら

マジで嫌がられる。

 

明久はともかく、付き合っている彼女がいる

雄二はなんで嫉妬しているんだ。

 

「お前な、あんな美少女たちに言い寄られている

知り合いの姿を見て、全く何も思わないわけじゃ

ないからな?」

「彼女持ちとか許されざれる。」

 

明久はさっさと島田と姫路を彼女にすればいいのに。

 

「?だから、なんで彼女たちが?」

 

・・・・・・。

 

イラっとしたので軽く腹パンする。

 

ぐっほぉ、とみぞおちにクリーンヒットするが

気にせずに雄二と話す。

 

 

「・・・で、何が不満なんだ?」

 

気が付いたら、なし崩し的に

彼女たちと付き合うことになったこと。

 

俺がそういうと、ため息を吐かれる。

 

 

「・・・まあ、俺もいまだに翔子に

色々と迫られているから気持ちはわかるが。」

 

 

だろう?

 

分かってくれる相手がいて、

話が弾む。

 

だからだろうか。

 

 

あんなことを口走ってしまったのは。

 

 

 

 

全く、コンドー〇に穴を空けようとするのは

辞めてほしいよな。

 

 

「そうだな。・・・・・・ん?」

 

 

 

何かに気が付く雄二。

 

そして、周りにいるFクラスの奴らが

会話を辞め、俺たちを見てくる。

 

 

「・・・お前、いま、何て言った?」

 

 

?何か変なことでも・・・”あっ。

 

 

自分の失言に気が付き、あわてて口を手で抑えるが

もう遅い。

 

 

教室のドアをFFF団の真っ黒なローブを着ている

生徒たちが占領し、俺は取り囲まれる。

 

 

 

 

「田中くぅん。」

「キミ、いまコンド―さんがなんたらって言ったよねぇ?」

 

 

 

・・・・・・・。

 

 

無言で窓から飛び降りる。

 

 

3階から飛び降りる俺を見て、悲鳴を挙げる

姫路と島田。

 

 

着地した瞬間に足をくじき、

右足が痛む。

 

 

「「「「「逃がすなぁッ!!追えっ!!!」」」」」

 

 

 

校庭に、Fクラスの生徒たちの

怒号が響き渡ってきた。

 

 

 

 

 

ひどい目にあった。

 

 

結局、事態を収拾させるために

やってきた鉄人が、「召喚獣同士の戦いで

決着をつけろ。」と言ってきたので

数十人を相手に戦う羽目になった。

 

 

 

 

負けはしないが、スタミナが削れられたのが痛い。

 

 

我が家に帰り、いつものボロアパートのドアを開ける。

 

 

そして、当然のようにいる彼女たち。

 

 

・・・・今日は、戦車道の子たちがいるようだ。

 

 

気にせず、そーーっと音を立てずに近くの壁にもたれかかる。

 

 

俺のベッドでノンナとカチューシャがゴロゴロしているからだ。

 

 

それにしても、5人以上いるから狭く感じる。

 

 

・・・・・今日は、ネカフェに泊まるか。

 

 

そう思って音もたてずに立ち上がり、玄関に行こうとすると

背中に組み付かれ、中に引きずり込まれる。

 

 

近くの壁にしがみつき、逃げようとしても

彼女たちの引っ張る力にはかなわず、布団に倒される。

 

 

「・・・・なぜ、逃げようとしたのですか?」

 

そういいながら俺の腹を黒タイツに包まれた

美脚で踏みつけてくるダージリン。

 

目が笑っていない。

 

 

優雅さはどこに行ったのか。

 

 

 

「今日は私たちと愛し合う番ですよ。」

 

 

冗談じゃない。

身振り手振りでFクラスの生徒たちと

戦ったこと、それで体力がへとへとであることを

説明すると、ニコリ、とアンチョビが言ってきた。

 

 

「そんなときはこれを飲めばいい。」

 

 

そういって、ポケットから取り出したのは栄養剤

みたいな茶色の瓶。

 

・・・・・。

 

本能がやばい、と警告してきたので

後ずさりすると、俺と同じくらい身長がある

ノンナに後ろから羽交い絞めにされる。

 

 

「大丈夫です。すぐに済みますから。」

「ささ、ぐいっと。」

 

んむぅっ!?

 

口の中に注がれる得体のしれない液体。

 

 

とてもつもなく生臭い。

 

 

何とか全部飲み切ると、急に体が熱くなってきて、

耐え切れずに布団に倒れ込む。

 

 

あ・・・あああ・・・っ!!

 

 

体ががくがくと震え、あそこが硬く充血する。

 

 

 

「効果は抜群だな♡♡」

「ささ♡♡バスルームに連れて行って、

彼を洗ってあげましょう♡♡」

「お楽しみは、それからだね~♡♡」

 

 

 

薄れゆく意識の中、

せめてコンド―〇に穴を空けるのはやめてくれ、

と懇願しながら失神した。

 

 

 

 

 

 

 

 






艦娘「子供が産める体になった。すぐにでも産みたいくらい(発情)」
ウィッチ「もっと私たちを貪ってほしい(懇願)」
ガルパン勢「とにかくドロドロに溶けあいたい(ガンギマリ)」


ほら、喜べよ。

大好物のヤンデレだぞ(震え声)


ヤッているのが学園にばれたら下手すりゃ退学なんだよなぁ・・・。
(退学させてくれるとは言っていない)


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おりじなるな話~空の魔女たちとの過去話+海と馬鹿とヤンヤン

ほら。お望みのストパンのヤンデレだゾ。

おかわりもあるぞ!(殺意マシマシ)


就活して、適当に不動産会社に入り、

毎日営業でいろいろな場所を回った。

 

 

ある時に、若い夫婦がマイホームを求めて

いることを耳にし、俺が彼らのところまで

用件を伺いに行ったことがある。

 

 

様々なやり取りを交わして、

注文通り、いや、それ以上の家を

提供することができた。

 

 

4歳くらいの子供が彼らにはいて、

「おじさん、ありがとう。」と

言われたのがものすごくうれしかった。

 

 

家を引き渡す日、彼らと別れ、

あの人たちはこれからずっとあそこを

自分たちの家として、家族で暮らしていくんだろうな、

と頭の中で思い描く。

 

帰りの車の中で、ふと、何かがぽたりと

垂れ落ちたのに気が付いた。

 

何かこぼしたのか。

 

そう思ってふくと、こんどは俺の

顔から何かが垂れていることに気が付く。

 

 

目元に触れると、涙で顔が濡れていた。

 

ハンカチで顔を拭いても、あとからあとから

流れ落ちていく。

 

 

そして、なぜ自分が泣いているのか

分かってしまった。

 

 

・・・・俺は、家族がほしかったのか。

 

 

だが、それは叶わない話だと分かり切っていた。

 

 

ミント味のガムを口の中にいれ、

頭をすっきりさせて、アクセルを踏んで

走り続ける。

 

 

俺は、ずっと独り身だから、泣いている暇なんてない。

 

 

自分に言い聞かせるように、仕事に没頭し続けた。

 

 

 

 

 

二つ目の転生を果たし、空飛ぶ

魔女たちの世界で生きていた時、

俺は、色々な意味で生きた心地がしなかった。

 

 

第501統合戦闘航空団。

通称、ストライクウィッチーズ。

 

・・・・・・そこで、俺は軍の下っ端として

在籍していた。

 

 

戦争は、1回目の世界で散々やってきたのに、だ。

 

 

理由は簡単。

 

俺みたいな孤児でもくいっぱぐれることのないほど、

この世界では軍人の需要があったからだ。

 

 

戸籍がない人間だって、軍の下っ端くらいにはなれる。

 

キャリア的には軍曹以上の人間には慣れないだろうが、

最初から出世に興味がない俺にとってはどうでもよかった。

 

だが、時々海が見たくてしょうがない時があった。

 

夜中に、こっそりと基地を抜け出し、

自転車で海まで行ったことがある。

 

その時は、どこまで続く海を暗闇の中

ぼーっと見つめ、あいつらはどうしているかな、

と考えてばかりだった。

 

 

なんだかんだ言っても、俺はあいつらのこと、

嫌いではなかったらしい。

 

 

1時間くらいそうしていただろうか。

 

満足したので、基地に帰り、

自転車をもとの場所に置き、

共同部屋へと戻った。

 

 

 

次の日。

眠い頭のまま、基地を回って

哨戒していたら、警報がけたたましくなった。

 

 

なんだ?と考えていると、

同僚に背中を叩かれ、鬼気迫る顔で言われる。

 

「おい!!さっさと持ち場につけ!!」

 

 

・・・・ああ。あいつらか。

 

意味はないだろうが、お気に入りの

銃をホルスターから取り出し、

いつでも撃てるようにはしておく。

 

 

窓から空を見れば、足に異様な機械をつけた

少女たちが空の彼方に飛んでいくのが見える。

 

 

ウィッチ。

 

 

ネウロイという異形の化け物を

唯一倒せる少女たちのことだ。

 

 

 

 

え?夏はどうするかって?

 

 

「そうだ。せっかくだし、Fクラス全員で

どっかプールでも行くか、ってことになったんだが。」

 

7月最後の学校の日、雄二に教室でそういわれる。

 

明日から40日間もある長い長い夏休みだ。

 

・・・・・・ちょっと雲隠れでもして、

一人の時間を過ごそうと思っていたが、

クラスメイトたちと楽しく泳ぐのも悪くない。

 

 

横で聞いている明久や、秀吉も乗り気そうだ。

 

ただ、この人数じゃ、プールはきついんじゃないか?

 

「あー。海だったら大丈夫だろ。」

「そうだね。一番近い海辺までは1時間半で

電車で行けるし。今はまだ、混む時期でもないしね。」

「決まりじゃな。日にちはいつにする?」

 

 

とんとん拍子で進んでいく話。

 

姫路と島田が何やら張り切っている。

大方、明久に自分たちの水着を見せるのが

愉しみと言ったところか。

 

 

・・・・・リア充め。

 

ぎりぎりと歯ぎしりしながら明久の頬をつねっておいた。

 

 

 

 

夏休みに入って数日後。

 

俺たちは海にやってきた。

 

はしゃぐ馬鹿たち。

 

 

さっそく海に飛び込んでいく。

 

「雄二!!くらえっ!!」

「はっ!!そんなものが俺に・・・。

なんだそれっ!?」

「お前を倒すために買ってきた、

水鉄砲だ!!」

「5リットルも水が入る水鉄砲なんて

見たことねえよっ!!」

 

・・・・・あとで、明久にあの水鉄砲を

貸してもらうとして、俺は砂浜でビーチパラソルを指し、

ビニールシートを敷く。

 

サングラスをかけ、遊んでいる

Fクラスたちを眺める。

 

 

精神年齢が100歳を超えているから、

あそこに混じって遊ぶよりは、

子供たちが遊んでいるのを見ている方が

楽しかった。

 

 

俺にも子供ができたらこんな感じなのだろうか。

 

ふああっ・・・とあくびをしていると、

隣に誰かが座る。

 

「お主は泳がんのか?」

「・・・!!」

 

なぜか女物の翠色のビキニを着ている秀吉と、

鼻血を出しながら秀吉をカメラで撮っている康太。

 

フラッシュ炊くのはやめろ、と思いつつ

俺は、こうしてのんびりするのが好きなんだよ、

と返す。

 

「うむ。そうか。・・・・・ところで、なぜ

ワシは写真をこやつに撮られておるのじゃ?」

 

世の中には、知らなくっていいこともあるんだよ。

 

「?」

 

二人を放っておいて、俺は目をつむり、

少し眠ることにした。

 

 

 

 

息苦しさで目が覚める。

 

目を開けると、いつの間にか

砂浜に俺の体が埋められていた。

 

なんだ?なんで?と混乱していると、

俺の近くに誰かが立つ。

 

 

わずかに動く顔を上に向かせ、

こんなことをしたやつの顔を拝もうとしたら、

 

 

 

にっこにこの笑顔で、宮藤が立っていた。

 

 

「偶然ですね。あなたも海に来たんですか?」

 

 

白々しいことを平然と言ってのける。

 

しかし、彼女たちには海に行くとは一言も

言っていないはずだ。

 

なぜわかったのか。

 

 

「エイラちゃんとサーニャちゃんがなんとなく

ここに来た方がいいっていってたから来てみたんです。」

 

 

嘘だろ、と思わず声に出して叫びそうになるも、

声を飲み込んで落ち着く。

 

・・・・他の奴らは?

 

 

「あそこです。」

 

 

そういって宮藤が指さした先には、

ナンパされている彼女たちが。

 

加賀や、赤城たちもちゃっかりいる。

 

あ、ナンパ男たちが怯えた顔をして

逃げ始めた。

 

大方、彼女たちの威圧感に気圧されたのだろう。

 

心の中で合掌する。

 

そういえば、体が砂浜に埋まって動かせない。

 

 

宮藤、助けてくれ。

 

俺がそういうと、すーっと息を吸いこむ宮藤。

 

宮藤?

 

そして、大声を彼女たちがいる方に向けてあげる。

 

「・・みなさーん!!彼は今、自分で体を動かせない

状態です!!チャンスです!!」

 

おおおおおいいっ!!?

 

 

すると、ぐりん、と顔を俺たちの方に向けて

見つめてくる。

 

数秒間、動きを止めて、ダッシュでこちらに

駆け寄ってくる。

 

まてまてまてまてまてっ!!

 

シャレにならない。

体を動かせない状態で一体ナニをされるのか。

 

宮藤っ!!たすけろっ!!

 

「・・・つーん。」

 

み、みやふじぃっ!?

 

なぜかそっぽを向く彼女。

くそ、生理か?と考えていると

俺の目の前でかがむ宮藤が、

ほっぺをつねってきた。

 

いたいいたいっ!

 

「芳佳。」

 

 

へ?

 

間抜けな声をあげて聞き返すと、

宮藤がそうつぶやく。

 

 

「芳佳って呼んでくれるなら、

考えてあげます。」

 

 

わけがわからないが、とにかく今は

ここから抜け出すことが先決だ。

 

 

芳佳!!俺をここから出してくれ!!

 

「・・・・大丈夫です。」

 

 

何が大丈夫なのか。

あ、もうすぐ近くまであいつらがやってきている。

 

 

「みんな、今日はピルを飲んでいますから♡」

 

 

俺は泣いた。

 

 

体が動かせない状態で、

彼女たちに何をされたのか、

人間の尊厳にかかわるので秘密に

させてもらおう。

 

 

 

 

 

俺は考えた。

 

なぜ、自分ばかり病んでいる女に

追いかけまわされ、まともま女が

寄ってこないのか。

 

雄二も、明久も、あの根本でさえ

かわいくて優しい女が身近にいるというのに。

 

 

自室の布団で寝っ転がりながら考える。

 

ちらり、と隣を見れば、そこには

今日遊びにやってきているウィッチたちの

姿が。

 

 

楽しそうに談笑しているが、目に光が

ないのは気のせいだと思いたい。

 

 

はあ、とため息をつき、彼女たちとは反対

方向に寝返りをうつ。

 

 

・・・・・・ん?

 

 

無造作に置かれているコンドー〇

の箱を見て、あることを思いついた。

 

 

 

道連れは、一人でも多い方がいい。

 

 

 

 

 

 

次の日の朝。

 

からっからのぱさついた手で

Sクラスの女子達にある者を渡す。

 

 

何かが大量に詰まった箱だ。

 

不思議そうな目で、箱を見つめる

芳佳。

 

「・・・・これって?」

 

 

ゴム風船(暗喩)。

と、写真。

 

「はあ・・・。」

 

何がなんだかわからないといった感じだ。

 

 

ちょっとお願いしたいことがあるんだが。

 

 

「今日の回数を3回増やしてくれるならいいですよ。」

 

・・・・俺が死んじまう。1回で。

 

 

「2回出してくれるならいいですよ。」

 

泣く泣く、淫獣の要求を呑む羽目になったが、

これで俺と同じ境遇の奴が出来上がるはずだ。

 

 

効果は表れた。

 

 

 

芳佳たちにあることをお願いしてから数日後。

 

俺のケータイに着信が入る。

 

学園祭の時にちゃっかり交換していた

根本からだ。

 

ケータイを手に取って、通話ボタンを押し、

耳にあてる。

 

もしもし。

 

 

『おまえかっ!?おまえだよなぁっ!?』

 

いったいどうしたんだ?

 

『お前のせいでなぁっ!!友香に浮気をっ!!

浮気を疑われたんだぞっ!?』

 

あ、やべ。まさかやり過ぎて原作みたいに

破局しちゃったか?

 

 

悪い。まさか別れるとは。

 

が、予想通りというか、

それ以上の効果があったことを知る。

 

『別れていないぞっ!!というか

それ以上にやばいことになっているんだぞ!!

なぜか目に光がなくなった友香が俺に

襲い掛かってきて押し倒してきたんだ!!』

 

 

あっ、と察して冥福を祈る。

目に光がない、それはもしや・・・・。

 

 

俺が、ムッツリーニに頼んで作ってもらった

根本と他の女子のキス写真と、コンドー〇入りの

箱を芳佳から、小山さんに渡すようにいったが、

ここまで上手く行ったとは。

 

 

根本くぅん。こっち(地獄)側にようこそぉっ。

 

 

新入りの入会を祝い、おめでとうの言葉をかける。

 

はっと何かに気が付いたような声をあげる奴。

 

 

『お前っ!!まさか、まさか自分と同じ境遇の

やつを増やそうと・・!?』

 

お前も、パパになるかもしれない恐怖に

怯えるがいいっ・・・!!

 

 

『き、きさ・・・・『みつけた』!!ゆ、友香!?』

 

 

どうやら、追いかけられていたらしい。

つかまってしまったようだが。

 

 

受話器の向こうから聴こえてくる声。

 

 

『ねえ。なんで逃げるの?大丈夫よ。

あなたはただ横になって寝ているだけでいいんだから。』

『や、やめろっ!!やめてくれ友香ぁっ!!』

 

 

 

>あああああああああっ!!!

 

悲鳴が聞こえたかと思うと、ぷつっ、と

電話が切れた。

 

 

今頃やつは俺と同じか、それ以上の

苦しみを味わっているに違いない。

 

ざまあ、と心の中で笑っていると、

今度は坂本から電話が来る。

 

当然、通話に出る。

 

もしもし?

 

『オマエヲコロス』

 

あれー?なんで怒っているの?(棒読み)

 

『てめえの策略で俺の貞操がピンチなんだよ!!』

 

電話越しに絶叫されて、耳がきんとなる。

 

 

よかったじゃないか。童〇卒業できるぞ。

 

 

『よくねえよっ!!・・・・くそっ、俺は

絶対にげの』

 

 

『ユウジ』

 

『アッ』

 

ぶつんと通話が切れる。

 

すっと胸の前で十字を切り、祈る。

 

・・・・・一日に二人も非童貞が

増えるとはたまげたなぁ(黒幕)

 

 

 

ケータイを床に置いて、ふーっと息を吐く。

 

 

 

「・・・・いいよね。もう、我慢しなくてもいいよね・・・♡」

「ナア、もっとくれヨ・・・・♡足りないんダ・・・・♡お前のが・・・♡」

「ウサギは寂しがりなんだぞ♡あまりほったらかしにすると

搾りころしちゃうかもな♡」

 

 

現実逃避の時間は終わり、

目の前の悪夢と向き合う時間がきたようだ。

 

 

両手をホールドアップして、

降参を試みるが、当然許してもらえず、

二ケタすることとなった。

 

 

次の日、根元と雄二から顔に

ストレートをもらった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




田中「仲間を増やせばいい(錯乱)」
根本「フザケンナ!!(マジ切れ)」
雄二「マジでぶっ殺す。」


翔子「おなかの中、熱いのでいっぱい・・・♡しあわせ♡」
友香「・・・(高校生でママ、ありね♡)」
ウィッチたち「無駄な努力しちゃって、かわいいなぁ・・♡(ヤンヤン)」


過去話と、ヤンデレに翻弄される
男子達の話を書いたぞ。

雄二と根本も今日からヤンデレに搾り取られる
生活が始まるゾ(愉悦)

一体だれのせいなんだ(すっとぼけ)


感想、くれ(読者の感想がモチベーションのもとだから。)


KEY(ドM)


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