Fateの世界に転生したら宮本武蔵でした (クルコイ)
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転生したら宮本武蔵
………突然ですが、私、死にました。
私の名前は
「なにこれ?」
暗い道の真ん中に立っています。
「う~ん、ここってどこなのかな?まぁいっか!道を歩いていればどこかにつくでしょう。」
暗闇が続く道を歩いている私、しかし、
「本当にここはどこなのかしら?というより、服装に喋り方、完全に私のものじゃないよね。」
歩いている途中に腰に刀を二本差していることに気付いた。そして、服装も制服から和服?っぽい服に変わっている。さらには、喋り方まで………どういうこと?それに、この服装ってもしかして…
「FGOの宮本武蔵?いやいやまさかぁ………」
と言いながら、私は冗談半分で宝具を打てるかなぁと思い、あのセリフを言う。
「南無、天満大自在天神………仁王倶梨伽羅仰天象!………ゆくぞ!剣豪抜刀!伊舎那大天象!」
体が勝手に動き、宝具を発動してしまった。そして、
パリィィィィィン!
暗闇を切り裂いてしまった。
「………道が切り開けたからまぁいいか!よーし、進むぞー!」
暗闇を切り裂いた道の先に足を踏み出すと、
「え~いたって普通の日本………だよね?」
夜だがコンビニある、普通の一般的な家がある。マンションがある。スーパーがある。
「こ、これはいったいどういうこと?」
戸惑っていると頭の中に膨大な情報が流れ込んできた。
魔術…サーヴァント…教会…協会…時計塔………カルデア…
「これは、Fateの世界に来たようだね。」
私は周りに人がいないことを確認し、霊体化した。
霊体化した私はこの世界の情報を集めたり、服をちょっとだけ店から拝借したり、(盗んでないよ。借りてるだけだから)日本での戸籍を作ったりした。戸籍を作るのは本当に苦労したよ。まぁできたからいいけどね。後は、そうだ!私への魔力供給はどうなっているのか調べると、
「自分で魔力を作り出しているとかどういう状況?」
単純に言えば、マスターいらないサーヴァントになっているということだ。そんな私なのだが、今では立派な会社員。就職活動をしたことがなかった私だが、やってみればできました!ちなみに、今の私の名前は前の名前と同じだよ。
「木藤さん。」
「なんですか?」
「木藤さんにお会いしたいという方が来ています。」
「私に?………わかったよ。じゃあ、行こうか。」
私は後輩に連れられて、私のお客さんのいる部屋に向かう。
………この後輩は今、操られている。おそらく、私のお客さんは十中八九、魔術師だろう。
私は覚悟を決めて部屋に入る。そこにいたのは、
「あなたが木藤 光里さんですね?」
「えぇそうですけど。」
「私のことはロード・エルメロイ二世と呼んでください。」
「では、ロードさんと呼ばせてもらいます。ところで、いったいどのような用件で?」
そういうと、ロードは真剣な表情になり、
「単刀直入に聞きます。いや、単刀直入に聞くが、君はサーヴァントだな?」
「サーヴァント?いったい何のことでしょうか?」
「君自身気が付いていないだろうが、君からは微量だが魔力が出ている。」
「っ!な、なんのことでしょうか?魔力とはいったい?」
「まだ嘘を貫き通すつもりか?」
ロードがそういうと、部屋の扉が開き、後輩が入ってきた。
「この娘は私の生徒に操ってもらっている。君が正体を明かさなければこの娘は「はぁ~わかったわかった。」何?」
私は後輩を守るため嘘をつくのをやめ、英霊宮本武蔵としての姿になった。
「これで満足かしら?」
「まだだ。真名も明かしてもらいたいのだが?」
「後輩に手を出さない、いや、一般人に手を出さないということを約束できるのなら。」
「わかった。一般人は巻き込まないようにしよう。では、真名を明かしてもらおう。」
「私の名は
「宮本武蔵!?女だったのか!」
「驚くのはそこ?まぁいいけどね。で、私をどうするつもり?実験に使うとか言ったら、」
私は殺気を振りまき、
「宝具を使って時計塔を破壊する。」
「!?時計塔のことを知っているのか?」
「召喚?私が現界したときにある程度の情報が頭に流れ込んできたのよ。で、その情報を頼りにいろんなことを調べたわけ。」
「その情報は聖杯からの情報か?」
「それは違とおもう。」
「どうしてそう言い切れる。」
「私が召喚された時、そこには誰もいなかったから。あとは、マスターとのパスがなかったからかな。」
「パスがなかっただと?では、どうして今も現界できているんだ?」
「私自身が魔力を作っているからだよ。」
「魔力を作るだと?」
「そう。私は魔力を自らの体で生成できる。だから、私はこうして現界することができているんだよ。」
「なるほど、マスターいらずのサーヴァントというわけか。」
「そういうこと。用がないならもう帰ってもらえないかな?」
「いや、本題はここからだ。宮本武蔵、君にカルデアという場所に行ってもらいたい。」
「カルデア?まさか、そこで誰かのサーヴァントになれということ?」
「そうだ。今、人類史は危機にさらされている。故に君の力が必要というわけだ。」
「………この話はなかったことにしてもらう。」
「なに?」
「私を召喚できる者がいたら、その者のサーヴァントになってもいい。だが、召喚もされずにサーヴァントになれというのは御免だ。」
「………それもそうか。では、カルデアのマスター候補生が君を召喚できたら召喚者をマスターと認めてくれるのだな?」
「それについては約束しよう。」
「わかった。」
そういうと、ロードは部屋から出て行ってしまった………まさか、本当に私を召喚する奴が現れるとでも思っているの?
そう思っていると、
「あれ、木藤さん。どうしたんですか?」
「え?あ、あぁ、なんでもないよ。さぁ、仕事に戻ろう!」
私と後輩は仕事場に戻っていった。しかし、この時の私はまだ知らなかった。ロードの言っていたことが本当になるということを………
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朝起きたら一面真っ暗
ロードが尋ねてきてから数か月たった。仕事は順調、人間関係も良好、何一つ不自由のない生活を送っていた私だったのだが、
「なに、これ………」
朝、目が覚めると、何もなかった。暗闇だけが永遠と続き、道もない、建物もない、人もいない。ただ暗闇だけが支配している世界がそこにはあった。
「これはどういうこと?………まさか!」
私はあることを思い出した。それは、
「人理焼却?………そうか~ついに始まったんだね。」
普通であれば驚愕し、涙を流しているはずなのだが、私は落ち着いている。なぜなら、
「カルデアのマスターたちが何とかしてくれるでしょ!私はのんびりお団子でも……お団子もない…私、ここで生き延びて見せる!そう、暇という敵から!」
私はとりあえず腹筋、腕立て、走り込み、出来ることをすべてやったが、まだ何も起きない。
「早く人類史を救ってよ!ひ~ま~す~ぎ~る~」
そう言いながらごろごろ転がっていると、
「あれ?私、光ってる。」
………まさか!
「あちゃ~これじゃあロードの勝ちみたいなもの………仕方がない。召喚に応じようではないか!」
その言葉を最後に、私はこの場所から消えた。
★
「おい、坊主。さすがにこの戦力であのセイバーに挑むのはかなりきつい。」
「は、はぁ。」
「察しがわりぃなぁ。今からサーヴァントを召喚しろって言ってるんだよ。」
「それもそうね。藤丸、やりなさい。」
『僕もサーヴァントを召喚したほうが良いと思うよ。マシュだけだとマシュに負担がかかりすぎる。』
「私も召喚したほうが良いと思います。」
俺、藤丸立香はこの特異点Fを修復するためこの特異点の元凶であるセイバーと戦おうとしているのだが、戦力が足りないため追加でサーヴァントを召喚することになっているのだが、
「あの、サーヴァントの召喚ってどういう風にしたらいいんですか?」
「藤丸、まさかそんなことも知らないの?はぁ~分かったわ。召喚サークルに向かって今から言う呪文を一緒に唱えなさい。召喚用の触媒は今回は無しで行くわよ。これは呪文を覚えるための練習なんだから。」
「わ、わかりました。」
「じゃあ、いくわよ。」
オルガマリー所長の言う呪文を聞き逃さず、俺は同時に呪文を唱え始める。
「「素に銀と鉄。礎に石と契約の大公。
降り立つ風には壁を。四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せ
よ
繰り返すつどに五度。
ただ満たされる刻を破却する
――――――告げる。
汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。
聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うのならば応えよ
誓いを此処に。
我は常世総ての善と成る者、
我は常世総ての悪を敷く者。
汝三大の言霊を纏う七天、
抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ――――!」」
「えっと、この呪文を次は触媒有りで唱えればいっ!?」
所長が説明をしている途中、召喚サークルが起動した。
「ど、どういうこと?」
「おいおい坊主、やればできるじゃねぇか。」
俺は召喚サークルのほうに目を向けると、激しく光っていた光が収まり、人の姿が見え始めた。そして、
「サーヴァント、セイバー、召喚に応じ馳せ参じました。」
着物のようなものを着た女性が立っている。
「セイバークラスの召喚とは驚いたな。で、あんた名前をなんていうんだ?俺はみての通りキャスター、真名はクー・フーリン。」
「私の真名は新免武蔵守藤原玄信、宮本武蔵って言ったほうが良いのかな?」
「宮本武蔵!?」
「先輩、知っているのですか?」
「宮本武蔵っていうのは日本で名をとどろかせた剣豪。二刀流を使い、巌流島で佐々木小次郎と決闘し、勝利したことで有名よ。」
「そうなのですか。では、よろしくお願いします武蔵さん。」
「うん、よろしくね。ところで、マスターの君の名前を聞いていなかったね。」
「お、俺の名前は藤丸立香と言います!」
「じゃあ、藤丸君でいいか。ところで、私はここで何をすればいいのかな?敵がいれば倒すけど、今はいないようだね。」
「セイバ「武蔵でいいわよ。」…なら、武蔵。今からこの状況を作ったセイバーのもとに向かうけど、一緒に戦ってくれるか?」
「もちろん!あ!この戦いが終わったら団子、おごってね。」
「わかった。キャスター、セイバーのところまで案内してくれ。」
「わかった。」
俺たちはこうしてこの特異点の元凶と思われるセイバーのもとに向かったのだった。
★
(召喚されたのはいいけど、まさか一番最初の特異点とは思わなかった……私、オルタに勝てるかな?)
そんな心配を内心している私なのだった。
「武蔵?どうしたんだ?」
「武蔵さん?」
「うん?何かな?私は平気だよ。たとえこの身が朽ち果てても藤丸君は守って見せるから。」
「そ、そうですか。」
私がここで不安になっていてはダメだ。よしっ!吹っ切れた!
こうしては私は藤丸君たちとともにセイバーのもとに向かったのだった。
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お団子が食べたくなってきた
藤丸君たちとともにセイバーのいる場所に向かうと、
「!しっ!」
私は刀を振り抜き、飛んできた矢を斬り落とした。
「さすがセイバークラスのサーヴァント、あの矢をよく斬り落とせたものだ。」
「当たり前でしょ。あの程度であれば、いくらでも落とせるわよ。」
私たちの前に現れたのは案の定、聖杯の泥に侵されたアーチャー。
「よぉアーチャー!お前の相手は俺がしてやるよ!」
「そういうわけにもいかない。」
アーチャーがそういうと藤丸君に向かって矢が放たれた。
「先輩は私が守ります!」
マシュが藤丸君と矢の間に盾を滑り込ませ藤丸君を守る。
「おい、坊主たちはセイバーのもとに行け!セイバーを倒してこの聖杯戦争を終わらせろ!」
「行かせるか!」
アーチャーはいくつもの矢を放ってきた。クー・フーリンが矢を消そうとしたとき、
「はぁーーーしっ!」
私が全ての矢を斬り落とした。
「ちっ!またか。ならば、セイバー、お前から倒させてもらおう。」
アーチャーの標的が私に変わったので、
「キャスター、藤丸君たちと一緒に行って。」
「はぁ!?あいつの相手は俺がする!」
「よく考えてみて、私はセイバーの真名を知らない。セイバーとの戦闘経験もない。この中で一番セイバーについて情報を持っているのはキャスターだけ。だから、さっさと行ってこい!」
私はキャスターを怒鳴りつけ、藤丸君たちに同行するように言った。
「…わかった。そのかわり、死ぬんじゃねぇぞ。」
「死ぬつもりもないよ。こんなサーヴァント崩れは私が倒しておくから。」
「そうかよ。アーチャー!お前サーヴァント崩れとか言われてるぞ!悔しかったらそのセイバーを倒してくるんだな!じゃあな!行くぞ!坊主ども!」
「「はい!」」
藤丸君たちはセイバーのいる大聖杯のもとに向かった。
「さて、キャスターの言う通り、君を倒さなければならなくなった。」
「まぁいいじゃないの。私も肩慣らしにちょうどいいからお互いさまということで。」
「意味が分からないことを言うな。では、本気で行かせてもらう!」
アーチャーは弓を構え矢を放ってくる。
「そういう単調な攻撃はもう通じないよ!」
「それはどうかな?―――――――」
アーチャーが何かつぶやいたような気がした。そして、嫌な感覚がしたので、
後ろに飛びのいた。すると、
ドンッ!
「今のをよけるとは恐れ入った。君がどこの英雄か聞いてもいいか?」
「真名を教えるような馬鹿ではない。」
「そうか。残念だ。」
今のはアーチャーの
「考え事をするのであれば、」
「!?」
「死んでくれ。」
私はとっさに体をひねり、アーチャーの剣、
「本当にアーチャーなのか確かめたくなるね。」
そう言いながら私は二刀の刀を抜き、アーチャーに斬りかかる。
私の方が圧倒的に優勢なのだが、
「どうした?もう限界か?」
なかなか決定打となる攻撃がかけていた。
「まだまだこれからでしょ。あなたこそもう限界じゃないの?」
「私はまだまだ余裕はある。」
「そうか。なら、その余裕を打ち砕く。」
私は抑えていた力の半分を出すことにした。
「余裕を打ち砕くか…できるものならやってみるがいい。」
「その首はもうとらえた。」
私はアーチャーの後ろに立っている。ということは、
「な、な、んだ、と………」
「君の首貰ったよ。」
アーチャーの首は宙を舞い、地面に落下すると同時にアーチャーの体は消え去った。
私がしたことは簡単だ。アーチャーが無駄口を言っている間に縮地、簡単に言えば距離を一瞬で詰めて、刀を振りぬく。ただそれだけのこと、今回はアーチャーが慢心していてくれたおかげで首をとることができたよ。首斬りは趣味ではないよ。
「ふぅ、さて、此方は終わったから私も加勢に行きますか。」
私は大聖杯のもとに向かおうとする。しかし、
「あれ?この感じは………そうか、ここですることは終わったのか。」
消えていく体を見てそう思っていた私だったのだが、ふとある疑問が浮かんだ。
私、消えていくけど、何処に戻されるの?
単純な疑問だった。この体は借り物に過ぎない。もし、座という場所に戻った場合、私の意識はどうなるのか?考えるまでもない。宮本武蔵の本体に飲み込まれて消滅するだろう。
「………せめてカルデアに送られますように。」
そう祈りながら、私の意識は沈んでいった。
★
目が覚めるとそこは真っ白な部屋だった。
「あれ?私、なにしてたんだっけ?」
記憶を思い出そうとすると、
ウィィン
扉?が開き藤丸君、マシュ、フォウが入ってきた。
「よかったぁ。意識はありますか?」
「記憶障害がみられる場合はドクターを呼ばなければ「大丈夫だよ。私はこの通り平気。」そうですか。」
「武蔵さん。どうしてここにいるのかわかりますか?」
「予想だと、カルデアに帰還した藤丸君たちは近くに転がっていた私を見つけてここに運んだ。どうかな?」
「そ、その通りです。」
「そっかぁ。今思えばパスはつながっているから座に戻される心配はないね。さて、藤丸君。」
「はい!」
「君は私のマスターだ。そんな畏まる必要はないよ。普段通りに喋ってもいいよ。」
「なら、お言葉に甘えて。武蔵さん、アーチャーの足止めありがとうございました。」
藤丸君とマシュ、なぜかフォウまで頭を下げてきた。
「礼ならいらないよ。う~ん!お腹が空いたような気がする。サーヴァントだから食事はいらないけど、お団子ってあるかな?」
「ありますよ。では、先輩、武蔵さんを食堂に一緒に連れて行きましょう。」
「あぁ!」
こうして私はカルデアの食堂に向かった。
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