Fate/憧れの聖女 (フラっぴー)
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プロローグ

こんにちはこんばんは!

フラっぴーです!

また新しく書きました!


 

 

 

幼い俺は、父さんの書斎にあったある本を読んでいた。

 

 

それは昔の英雄たちの話が書かれた本だ。

 

 

『アーサー王』『円卓の騎士』『ギリシャ神話』

そんな内容の本を読んでいるとだんだん読むのが楽しくなった。

その中でも一番好きな本はフランスの聖女『ジャンヌ・ダルク』の話が書かれた本だった。

 

 

 

フランスを救った聖女さんは凄かった。

 

 

凄かったけど、聖女さんは最期、みんなに裏切られて火炙りにされて処刑された。

俺はわからなかった。何故聖女さんを裏切ったのか。

 

 

こんな最期は残酷すぎる。

俺がもしこの時代にいて、聖女さんと共にいても絶対に裏切ったりはしないだろう。

 

 

 

さて、そろそろこの部屋を出なきゃ。

もともと立ち入り禁止されてたから父さんが帰ってきたら怒られてしまう。

そろそろ父さんも帰ってくると思うし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

けど、その日父さんは帰ってこなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある研究所……

 

 

 

 

 

「博士!聖杯が暴走を始めました!!このままでは!!」

 

 

 

「そのまま研究を続けろ!!限界まで続けるんだ!!」

 

 

 

「ですが!!」

 

 

 

「これが何か判明すれば私の名が世界に轟く!!」

 

 

 

「わ、わかりました!!みんな!解析を続けるんだ!!」

 

 

 

私がたまたま見つけたこの聖杯。まさかここまでの力を持っているとは。

解析すれば私は皆に認められる科学者になれる!

何としても解析しなければ!!

 

 

 

 

むっ!!これは!!

 

 

 

 

このシルエットはいったい……

まさかこれは、この聖杯は、かつてここ冬木市で行われた『聖杯戦争』でサーヴァントを召喚するものなのか!!

 

 

 

「博士!!これ以上は限界です!!」

 

 

 

「皆!!聖杯から離れろ!!」

 

 

 

すると、聖杯は突然光を放ち、爆発した。

 

 

最期に私が見たものはいくつもの光が空に放たれる瞬間だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数年後……

 

 

 

 

 

父さんが帰ってこなくなってから数年が経った。

それから俺はずっと1人で暮らしていた。

それ以外はただの日常だった。

だったのだが……。

 

 

 

「よう坊主!気をつけて行ってこいよ!」

 

 

 

「はーい!」

 

 

 

もう慣れたけど、なんであの『クー・フーリン』が普通にいるの!?

俺が通ってる学校には何でかわからないけど、たまに『シェイクスピア』もいるし!?

同期の衛宮と遠坂、後輩の桜もびっくりしてたしさ!

もう訳がわからん……

 

 

 

そんな感じで学校に着くと、衛宮と桜に声を掛けられた。

 

 

 

「晴樹!おはよう!」

 

 

 

「五十嵐先輩!おはようございます!」

 

 

 

「おう!おはよう!」

 

 

 

「なあなあ、今日もシェイクスピアさんいると思うか?」

 

 

 

「さすがにいねえだろ」

 

 

 

「モーツァルトさんならいますよ?」

 

 

 

「な、なんか1人でブツブツ言ってるぞ」

 

 

 

「放っておけ」

 

 

 

 

 

 

そして俺たちは、途中で桜と別れ、自分たちの教室に向かっていた。

教室に入ると、遠坂が俺と衛宮の机のところで俺たちを待っていた。

 

 

 

 

「2人ともおはよう」

 

 

 

「おはよう」

 

 

 

「おはよう……って遠坂、その手どうしたんだ?」

 

 

 

「五十嵐君気づくの早いわね。それが私もわからないのよ。今日帰ったらいろいろ調べようと思うんだけど」

 

 

 

「そっか」

 

 

 

「そろそろ席に座ろうぜ。藤ねえいろいろとうるさいし」

 

 

 

「そうね。じゃあまた後でね」

 

 

 

 

それから朝の授業が終わって、昼飯を食べ、午後の授業も終わって放課後。俺はスーパーに寄って晩御飯の食材を買って帰ってる途中、教会に誰かが入っていくのが見えた。

 

 

 

「ここの教会に客なんて珍しいな」

 

 

 

中に入るとしゃがんで何か祈っている金髪の少女がいた。

 

 

 

「っ!?誰ですか?」

 

 

 

気づかれたか。

 

 

 

「怪しい人じゃないぞ。ただ、ここの教会に客なんて珍しいなと思ったから見にきただけだ」

 

 

 

「そう……ですか」

 

 

 

「君はいつもこうやって祈ってるのか?」

 

 

 

「はい。こうするのが私の日課ですので」

 

 

 

「へえ」

 

 

 

「よかったら一緒に祈りませんか?」

 

 

 

「俺はいいよ」

 

 

 

「そうですか?」

 

 

 

「そろそろ帰るよ。君も暗くならないうちに帰るんだぞ」

 

 

 

俺は彼女にそう言ってから帰ろうとして、扉を開けると、そこには雨がたくさん降ってる外があった。

うん………帰れないな。

 

 

 

「こりゃ暗くなるまで止まないな」

 

 

 

「雨ですか?」

 

 

 

「天気予報だと降らない予定だったんだけど……。暗くなるまで止まないから家まで送っていくよ」

 

 

 

「あ、あの。私は家がなくて」

 

 

 

「は?」

 

 

 

家がない?…………なるほど、だからいろいろとボロボロなんだな。

 

 

 

「君、荷物とかあるならここに持ってきて」

 

 

 

「荷物もありません」

 

 

 

「よし、じゃあこれを深く被っとけ」

 

 

 

彼女の頭に俺のブレザーを被せてから彼女の手を握った。そして全力疾走で雨の中を駆け抜けた。

 

 

 

「えっと……何してるんですか?」

 

 

 

「家がないんだろ。なら暫く俺の家に住め」

 

 

 

「え、ええええ!!!!」

 

 

 

 

 

これが俺と彼女の出会いだった。

 

 



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第1話 生活

 

金髪の少女の手を引き、雨の中を走った。俺は学校では学年で一二を争うほど足に自信がある。だから少女は俺のスピードについてこれているのかが心配になり、後ろを見た。

 

 

「はあ……はあ……」

 

 

よかった……。なんとかついてこれているみたいだな。ずぶ濡れになって家に着き、早速中に入った。

 

 

「ちょっと待っててくれ、タオル持ってくる」

 

 

「は、はあ……」

 

 

洗面所にあるタオルを持って、少女が待ってる玄関に向かった。

 

 

「これ使って……く……れ……」

 

 

「あ、ありがとうございます。あの……どうかしましたか?」

 

 

少女は雨に打たれたせいか、服が濡れて透けてしまっていた。そのせいで少女の下着が……

 

 

「と、とりあえず脱衣所に向かってくれ。着替えを渡すからそれに着替えてくれ」

 

 

「は、はい」

 

 

とりあえず少女を脱衣所に向かわせて、俺は少女の体に合うサイズの服を探しにいった。中学の時に着ていた服なら大丈夫だろう。着替えを持って脱衣所の前に立ち、軽くノックした。

 

 

「入るぞー」

 

 

「ど、どうぞ」

 

 

中に入ってもいいみたいだから、俺は中に入って着替えを渡す。

 

 

「俺が中学の時に着てたやつだけど、これで我慢してくれ」

 

 

「わざわざすみません」

 

 

「いいよいいよ。飯作ってくるから、着替えたらリビングのソファーでゆっくりしていてくれ」

 

 

俺はそれだけ言って、リビングのキッチンに向かった。これからは2人分を作ることになるから、買い出しも2倍の量だな。数分後、少女は着替えてきて、リビングのソファーに座って待っていた。

 

 

「もうちょっとでできるから、待っててくれ」

 

 

「あ、私も手伝います!」

 

 

「いいのか?じゃあ箸とコップと皿を運んでくれ。箸は割り箸があるからそれでいいぞ。コップと皿もなんでもいいからな」

 

 

「わかりました!」

 

 

少女が俺が言ったものを運び終えると、ちょうど晩御飯もできたみたいだ。俺はご飯を茶碗に入れて、味噌汁を入れて持っていった。その後にメインの肉を炒めたものを運んだ。

 

 

「いただきます」

 

 

「い、いただきます!」

 

 

飯の時は一言も喋らずに黙々と食べた。俺は少女の方を見ると、少女は美味しそうに食べていた。そして食べ終えて、食器を運び、洗い物をした。一通り片付いたから、風呂の準備をして、溜まるのを待った。その間に自己紹介をしよう。

 

 

「そういえば自己紹介がまだだったな。五十嵐晴樹。君は?」

 

 

「え、えっとぉ……」

 

 

「ん?どうした?」

 

 

「あの、信じてもらえないと思いますが……」

 

 

「何が?」

 

 

「お、驚かないでくださいね。私は…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャンヌ・ダルクです」

 

 

 

 

「え……?」

 

 

 

「や、やはり信じてもらえないですか?」

 

 

 

「き、君!あのジャンヌ・ダルクなのか!?」

 

 

「は、はい」

 

 

「俺なんて失礼なことを!!いや本当にすみません!!俺の古着なんか着せてしまって!!い、嫌ですよね!今すぐ新しい服買ってきますから!!」

 

 

「お、落ち着いてください!!私この服装でも全然大丈夫ですから!!」

 

 

「い、いやでも……」

 

 

「ほんとうに大丈夫ですから!それより、私の予想以上に驚かれるとは……」

 

 

 

取り乱しすぎてしまった。まあクー・フーリンさんとかもいるぐらいだから、ジャンヌ・ダルクがいてもおかしくないけど、まさかその本人が目の前にいて、しかもこんな美人だったなんて。

 

 

「あの、晴樹君……でいいのですよね?」

 

 

「は、はい」

 

 

「あ、敬語にしなくていいですよ。さっきのほうが話しやすいですし」

 

 

「わ、わかった」

 

 

「ここに住んでいいというのは本当なんですか?」

 

 

「ジャ、ジャンヌさんがよければ」

 

 

「さんもいりませんからね。私はむしろありがたいことです。今まであの協会で寝泊りをしていたので、まともな暮らしをしてなかったので。ですからご迷惑になるかもしれませんが、よろしくお願いします」

 

 

「こちらこそ、よろしく頼む」

 

 

俺は手を差し出すと、ジャンヌも手を出して俺の手を握って握手をした。その直後、風呂が溜まった音がなり、ジャンヌにタオルを持たせて風呂場に行かせた。これからはジャンヌの分の服や家具を買わなきゃな。

 

 

 

 



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