真剣で真島の兄さんになりました。 (季境)
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第 零 話

 お願いします((( ;゚Д゚)))ガクブル


 

 俺には憧れの男がいる。

 

 その人は名は真島吾朗。

 

 龍が如くで嶋野の狂犬の異名で知られる極道だ。

 

 凶暴で狂ったところはあるが、真っ直ぐに自分の生き方を貫いていているところに、漢の生きざまに惚れたのだ……

 

 

 

 さて、今の状況を説明する。

 

 車に轢かれた。以上

 

 …えっそれだけじゃわからない?

 

 ………OK、1から説明しよう。

 

 バイトからの帰り道に和服の幼女が信号のない横断歩道をわたった。

 

 そこにかなりスピードを出した車が迫ってきた。

 

 俺は慌てて追いかけ、幼女を突き飛ばして反対の歩道へ。

 

 そしてちょうど車がきて轢かれた。以上

 

 朦朧としているが、自分でもビックリするくらい落ち着いているようだ。

 

 身体の痛みはなくなっていき、身体は重くなっていく。

 

 (あぁなにやってんだろ……)

 (まだやりたいことあったのに…)

 (あの幼女は無事か?)

 (龍が如く6やってねぇのに……)

 (レポート終わってねぇ)

 (死にたくねぇ)

 (まぶたが重いな)

 (/(^o^)\)

 

 様々な言葉が心の中に渦巻く。

 

 「だい……で…か!?」

 

 重いまぶたを開けて声の方を見るとさっき突き飛ばした幼女が潤んだ瞳でこちらを見ている。

 

 (……無事だったのか)

 

 身体がさらに重くなる。

 

 (女の子泣かしちゃいけねぇって真島の兄貴もいってたな)

 

 俺は幼女の方に首を動かし…

 

 「ぶ……じ…でよ……かた」

 

 笑顔を作ったつもりだが表情筋が動かない。

 

 呂律どころか口すらうまく動かせなかった。

 

 幼女は俺の横で泣き出した。

 

 (……兄貴、やっぱムリや(´・ω・`))

 (龍が如く0の久瀬さんはやはり化け物か……)

 

 視界が狭くなっていき、呼吸もできなくなった。

 

 苦しくはない。恐れもない。

 

 視界は真っ暗になり、何も聞こえなくなった……

 

 【○月×日―俺死亡―】

 

 

 

 心地がいい暗闇の中で少し幼い声が聞こえる。

 

 「ごめんなさい、私のせいで……」

 

 綺麗な声だ。

 

 「私が地上に降りなければ…」

 

 ん?

 

 「あなたには悪いことをしてしまいました。」

 

 あれ?

 

 何だか身体が軽いというよりもいつも通りだ。

 

 「あっ!気がつきましたか?」

 

 俺はゆっくりと身体を起こし目をあける……

 

 「はじめまして、あなたに助けてもらった女神です。」

 

 ……綺麗だ、和服美人だ。

 

 …ん?女神?助けた?

 

 「はい。」

 

 俺が?あんたを?

 

 「はい。車に轢かれそうになったところを……」

 

 車……あっ、あの和服幼女か!!

 

 「は、はい」

 

 えっ女神様?

 

 「お恥ずかしながらそうです(照)」

 

 カワイイ…俺は死んだのか?

 

 「……はい。あなたの魂は肉体から離れました。」

 

 そっか…俺はこのあとどうなるんだ?

 

 「本来であるなら、輪廻の輪に帰ります。」

 「ですが、今回は死の原因が私を助けるためでした。」

 「なので、特別に転生という形にしようと考えています」

 

 ……えっ転生?ゲームとかでよくある?

 

 「はい、その転生です。」

 「さらに今回はあなたの好きな姿で、好きな能力で転生させられます(*´∇`*)」

 

 …本当!?えっでもそれってチーt…

 

 「大丈夫です。なんたって私の恩人なのですから。」

 

 …そこまでいうなら、ありがたく。

 

 「はい!あっ一つだけ注意です。」

 

 ん?なんだ?

 

 「転生される世界は私にもわかりません。そこだけは注意してください。」

 

 わかったよ、なるべくきおつける。

 

 「では決まりましたら、おっしゃってくださいね。」

 

 ……なぁ、何でもいいんだよな?

 

 「はい。」

 

 …ゲームのキャラでも?

 

 「はい、可能です。」

 

 ………決まった。

 

 「えっ、早いですね。」

 「ではどんな方か教えてください。」

 

 …龍が如くに登場する真島吾朗の姿と能力で。

 

 「……大丈夫です転生可能です。」

 「能力はあなたの龍が如く0というゲームのプレイデータをベースに作りますね。」

 

 あぁ、わかっt……えっ

 

 「それでは、短い間でしてだかこれでお別れです。」

 

 全身を白い光が包んでいく。

 

 「助けていただいてありがとうございました。」

 「次の世界で死んでしまったらまた会いましょう。」

 

 彼女の姿が光にのまれる。

 

 「さようなら。格好いいお兄さん…」

 

 ……さようなら。美しい女神様…

 

 

 

 光の中で、俺は……

 

 (あのデータ全クリのだ。)

 

 

 

 

 

 

 

 ~川神院~

 

 「ん?なんじゃ……この恐ろしく荒々しい気配は?」

 

 川神鉄心は不穏な気配を感じた。

 

 

 

 




 読んでくださりありがとうございました(*´∇`*)


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第 一 話【目覚め】

楽しんで読んでな( ゚∀゚)


 

 ~廃墟~

 

 「竜さん!!大変です!」

 

 「どうした?また九鬼か?」

 

 「ちっ、違います!変な男が暴れてるんです!」

 

 「は?どこの馬鹿だそいつは、特徴は?」

 

 「左目に眼帯をしている男です!」

 

 

 

 ~数時間前~

 

 ん?あれ?なんでこんなとこで寝てんだ?

 

 ………。

 

  あっそうだ、俺は死んで……それで…

 

 ペタペタ(顔さわる) クルッ(横を向く)

 

 そこにはガラスがあり、俺の顔がうつしだされた。

 

 「まっ、真島の兄貴……」

 

 左目に眼帯をした憧れの男の顔がそこにあった。

 

  ほ…本当に転生したんだ。

 

 そこで俺は違和感に気がつく。

 

  ん?なんで両目みえるんだ?

 

 眼帯をしているはずなのにしっかりと目が見えるのだ。

 

  いっ!!

 

 すると突然バットで殴られたような衝撃が頭を襲った。

 

  なん……だ、これ!?

 

 急にきた衝撃、それは知識だった。

 

 頭に流れ込んできたものは、膨大な真島吾朗に関する情報だった。

 

 しばらく頭痛は続いたが数分もすると落ち着いてきた。

 

  ん?なんだ、手紙?

 

 右のポケットを手で探ると小さな手紙が入っていた。

 

 『この方、左目が見えないようだったので見えるようにしておきましたよ(*´∇`*) by女神』

 

 ……女神様すご。

 

 頭に送られた知識のおかげで今の身体の状態がわかった。

 

  今の姿は0の時の状態なのか。

 

 まぁ能力を0のデータにするって女神様言ってたし。

 

 これが嶋野の狂犬の身体……マジカッケェ

 

 それにしてもここはどこなんだ?

 

 見た感じだとどっかの路地裏ってところか……

 

 まずは表に出てみる……

 

 「たっ、たすけてぇー!!」

 

 えっ

 

 「いいじゃねーかよぉ」

 「オレらと遊ぼうぜぇ」

 

 やっべ、いきなり不良とエンカウントした。

 

 ん?あれ?身体が勝手に!?

 

 「おい、目障りやはよ消えろ。」

 

 えっ…勝手に口動いたぞ!

 

 「あぁん?(゚Д゚#)」

 「なんだぁ!てめぇは!!」

 

 うわぁ、小者臭がプンプンだ。

 

 「嬢ちゃん、あんたは逃げや」

 

 「え…あっありがとうございます。」ビューン

 

 あの子…めっちゃ足速いじゃん。

 

 「おい、なにしかとしてんだよカス!!」

 「なんだその眼帯wダッサァ!」

 

 は?なんだと、兄さんを馬鹿にしたな……○す。

 

 「俺は今機嫌が悪いんや…死ぬなよ雑魚。」

 

 

 

 ~現在~

 

 はぁはぁ、一体何人いんだよ!?

 

 倒しても倒しても出てくるぞ!こいつら

 

 キリがねーよ。

 

 「りゅっ、竜さんこっちです!!」

 「良かった、助かったぁ!」

 

 「おいおいこれはどうなってやがる。」

 

 おぉ!あいつこいつらのボスじゃね?

 

 やった!あいつ倒せば終わりだ!

 

 「なんや、あんたがこいつらの頭か?」

 

 「あぁ、かわいい子分が世話になったなァ」

 

 「そないなことないで、ちょうどいい運動や」

 

 「ほぉ、なら俺が相手してやるよォ」

 

 「フッ、今までの雑魚よりは楽しめそうやな」

 

 「あぁ楽しすぎて死ぬなよ!!」

 

 「( ゚∀゚)タノシミヤ」

 

 ……………………………………数分後

 

 っ!!いままでの雑魚とは動きが違うな。

 

 「オラァ!」

 

 でも……

 

 「なんやこんなもんか?」

 

 「ゼェゼェまっ、まだまだぁ!」

 

 兄さん…スペック高すぎですわ。

 

 「ギブアップしてもええんやで?」

 

 「なめんじゃねェ!」

 

 「そうか…そんならそろそろ終いにしよか」

 

 「は?何いってんだよ!!」

 

 やっぱり殴りかかってきたか、なら!

 

 喧嘩師の心得【魔影】発動。

 

 「な!?消えただと!」

 

 喧嘩師の極み・絞め落とし 発動。

 

 「かはっ!う…うしろ…だと?」

 

 「ゆったやろ、終いにしよってな」

 

 「ぢぐ…しょ……カハッ」バタッ

 

 なっ長かった。

 

 「う、嘘だろ!?」

 「あっあの竜さんがこうもあっさりと…」

 「ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!」

 

 なんか外野が騒がしいな。

 

 「おいお前ら、今度俺の視界に入ったら潰すで。」

 

「「はっはい!!」」 「「すいませんでした!」」

 

 こんだけ言っとけばもう大丈夫だろ。

 

 真島の兄さんマジ最高。

 

 

 

 ~廃墟ビル屋上~

 

 「へぇ…あいつ、なかなか強ぇじゃねぇか…ガキの喧嘩にとんでもねぇのがまじってやがるぜ。」

 

 釈迦堂は缶コーヒーを片手に薄気味悪い笑みを浮かべ、新しくみつけた敵(玩具)を見下ろすのであった。

 

 

 




戦闘シーンは難しい(´・ω・`)

ちなみに、戦闘スタイルは喧嘩師で当分いきます。


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第 二 話【出会い】

書くのって楽しい(*´∇`)

 

 


 ~路地裏~

 

 はぁー、やっと静かになった。

 

 不良どもを一掃してから数分がたち周りに人影は無くなりやっと一人の時間である。

 

 初戦闘にしては上出来だろ。

 

 身体にも異常はないし、やっぱステータスが全部Maxだから疲れもない……やっぱりチートだな。

 

 何故かわからないが喧嘩師以外のスタイルは今は使えないみたいだ。

 

 別に喧嘩師だけでも十分強いからいいがこの先色々と使ってみたいな。

 

 ん?あれ?また身体が勝手に……

 

 タキシードのポケットから煙草を取り出す。

 

 箱から一本出し口にくわえる。

 

 ライターで火をつけすう。

 

 煙草なんて吸ったことなかったが不快じゃはない…

 

 何というか…身体に馴染む?

 

 まぁ兄さん吸ってる描写結構あったし納得だけど。

 

 ……さて、そろそろ明るい道に出ようかな。

 

 もたもたしてたらまた不良とエンカウントしそうだ。

 

 …………………………移動中。

 

 うっ!眩しっ…夕日?

 

 そうか…もう夕方だったのか、だから路地裏は暗かったんだな。

 

 ここが何処かもわからんがとりあえず真っ直ぐ行ってみることにしよ。

 

 …………………………移動中。

 

 …だいぶ歩き、人通りも多くなってきた。

 

 あたりも暗くなってきて街灯がつき始める。

 

 「ちょっと!見て!あの人」コソコソ

 「怖いわねぇ」コソコソ

 「喧嘩でもしてたのかしら?」コソコソ

 

 ん?俺の前からやってきた女子集団がなんだかこそこそ喋っている。

 

 なるほど、服が少し汚れてるな。

 

 ………さっきの喧嘩が原因だな。

 

 どっかで洗わねぇと。

 

 「あ、あの!!」

 

 後ろから声をかけられる。

 

 あれ?この声どっかで……

 

 クルッ(振り返る)

 

 「あの、さっきは助けてもらってありがとうございました!」

 

 あぁ、あの足が速い子じゃん。

 

 でもあれって何時間も前だよな?

 

 「なんや嬢ちゃん、ずっと俺のこと探しとったんか?」

 

 「はい…どうしてもお礼が言いたくて」

 

 「けなげやなぁ~」

 

 お礼言うために俺を探してたとか…(´;ω;`)

 

 「もうダメかと思いましたが会えて良かったです 照 」

 

 …カワイイ(゚д゚

 

 あ、この子ならここが何処なのか聞いてもよさそうだな。

 

 「なぁ、嬢ちゃん……」

 

 「あの…名前」

 

 「ん?」

 

 「あの…その、私の名前…大和田 伊予と言います!」

 

 「あ、名前かそうえば俺も言ってへんかったなぁ」

 「俺は真島っちゅうんや、よろしくなぁ」

 

 「はっはい!こちらこそよろしくお願いします!」

 

 ……あれ、第二の女神かな?

 

 違う違う!落ち着け俺。

 

 まずはここが何処なのか聞かなくては。

 

 「なぁ伊予ちゃん?」

 

 「はい、何ですか?」

 

 「俺……実は迷子なんや!初めてこの土地に来たもんやからここがどこかわからんようになってしまってなぁ」

 

 「あっ道に迷ってらっしゃったんですね!」

 

 よしよし、順調だ。

 

 「そうなんや、そんでここはどこなんや?」

 

 「ここは川神市の商店街ですよ。」

 

 「川神市?」

 

 「はい」

 

 川神なんて聞いたのとないな……

 

 「なるほどねぇ……」

 

 「あの、真島さん?」

 

 「ん?どうしたんや?伊予ちゃん」

 

 「その服の汚れ…もしかしてあの人たちと闘って…」

 

 「ん?これか、ちゃうちゃうさっき転んでしもうただけや…なんも心配いらへんよ」

 

 「でも……」

 

 …優しい子なんだな。

 

 「そんならもう一個教えてほしいことがあんねん」

 

 「なんですか?」

 

 「この近くに泊まるとこ…ホテルとかあるか?」

 

 「それなら……駅前にありますよ」

 

 なるほど駅前か、そこならなんか情報もあるかもな。

 

 「ありがとうな、伊予ちゃん」

 

 「え、いやいや私の方こそ!」

 

 「そんなら俺は駅前にいくことにするわ」

 

 「まっ待ってください!私まだ真島さんにお礼を…」

 

 「お礼?そんならもうもらったやないか?」

 

 あぁ、なにいってんだろ…俺。

 

 でも兄さんの、声だからなぁ…

 

 「え、私何も…」

 

 「最初に言ったありがとう、これだけで俺は十分や。」

 

 「……。」

 

 「それに伊予ちゃんみたいな可愛い子に言ってもらえるなんて俺はラッキーやで、ホンマに。」

 

 「ふぇ!?かっかわいい!?」

 

 …いやぁ自分の声なのに格好よすぎるわ。

 

 うわぁめっちゃ慌ててる…

 

 「おいおい、落ち着けや…」

 

 「だっだいじょうぶです!!」

 「スゥーハァースゥーハァー」

 

 深呼吸してる…そうとう効いたな。…カワイイ

 

 「あっそれなら、ちょっと待ってくださいね」

 

 伊予ちゃんはメモ帳を取りだしボールペンで何かを書いてこっちに渡してきた。

 

 「なんや、これ?」

 

 「私のメールアドレスと電話番号です、何かわからないことがあったら連絡ください!」

 

 …なんだか心配になってきたな。

 

 「なぁ伊予ちゃん…さっき知り合った男に連絡先渡すのは危ないんとちゃうか?」

 

 「大丈夫です!真島さんはいい人です!」

 

 いや…そうゆうことじゃないんだが。

 

 「まぁ…そこまでいうんやったらもらっておくで。」

 

 「はい、何でも聞いてください!」

 

 本当に健気だなぁ…

 

 「そんじゃ俺は今度こそいくで、帰り道きおつけるんやで?街灯のない道は通らんようにしろな。」

 

 「はい、わかりました。」

 

 「ほな、またな。」

 

 「はい、おやすみなさい真島さん。」

 

 「あぁ、おやすみ。」

 

 そして俺は振り返らず、目的の場所に向けて歩をすすめるのであった。

 

 

 ~商店街~

 

 「真島さん…いい人だったなぁ…連絡……くるといいな。」

 

 少女の願いはすぐ叶うことを今は誰も知らない。

 

 




なぜ伊予ちゃんなのか?わかる人にはわかる。

感想もお待ちしております!


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第 三 話【川神】



書きはじめると止まらない(´・c_・`)


 ~ホテル前~

 

 伊予ちゃんに教えてもらった道を歩き、ホテルの前まで無事に着いたまでは良かったのだが。

 

 あれ?俺金もってたっけ?

 

 そこで俺は初めてきずく。

 

 ……金の心配?してませんでしたよ(._.)

 

 馬鹿やってる場合じゃなかった……

 

 どうしよう…とりあえず何か…ん?

 

 俺は慌ててズボンのポケットに手を入れる、すると頭の中にあるイメージが浮かぶ。

 

 なんだ??。

 

 もしかしてこれ……所持品のリスト!?

 

 まさか女神様、あのデータの持ち物をそのまま……

 

 だったら所持金は…

 

 

 

 

 【9兆9,999億9,999万9,999円】チーン

 

 

 

 

 ……嘘だろ?

 

 なんだよこれ…一生遊んで暮らせるよ。

 

 いきなり大金持ちだよ、しかもポケットにあるとか…

 

 あ、あとは何持ってんだ?

 

 【武器】

 

 ・鬼炎のドス(使用不可)

 ・改造モデルガン×4

 

 …ヤベェ銃刀法違反でつかまる。

 

 なんだよこれ、現実(リアル)の世界で一番持ってちゃいけないもんだろ…

 

 ん?でもなんで鬼炎は使えないんだ?

 

 伝説スタイルが使えないからか?

 

 今考えても仕方がない、とりあえず…

 

 …このポケットの使い方をさぐってみるか。

 

 ………………数十秒後。

 

 ……よし、なんとなくわかったぞ。

 

 つまり何が欲しいか頭でイメージすると、取り出せるってことか…

 

 まさに四次元ぽkーー

 

 ゴホッ……ちょっと喉が。

 

 はぁ、今日は色々あって疲れた。

 

 金の心配はなくなったし早くでホテルで休むか

 

 ……そして俺は足早にホテルに向かうのであった。

 

 

 

…………………………次の日 朝

 

 

 

 よし!しっかり寝て精神的にも回復した。

 

 まだここのことをよく知らないし、今日はこの町の探検でもしますかねぇ。

 

 あてもなくぶらぶら行くのもおつなもnーーー

 

 「おい!お前!」

 

 ん?なんだ?

 

 前の方からチンピラ風の男二人組が走ってきた…まさか

 

 「お前いまメンチきっただろ!」

 「しばきまわしてやるッ!」

 

 「なんなんや」

 

 あぁ…よく見た光景ですわ。

 

 はぁ、せっかく人が気分よく今後の計画をたててたのに…

 

 仕方ない、早く終わらしてこの町探検しよ。

 

 「オラッ!」シュッ

 

 喧嘩師の心得【魔影】発動。

 

 これ便利だなぁ。

 

 「きっ消えた!?」

 

 そんで後ろから…

 

 バキッ(うなじ殴る)。

 

 「なっ…グギィッ」バタッ

 

 あ、強く殴りすぎたか?

 

 「コンヤロォッ!」シュッシュッ

 

 スッスッ(回避)

 

 ははは、止まって見えるぞ(°▽°)

 

 「ゼェゼェど、どうなってんだ?!」

 

 「俺が聞きたいわ…」

 

 「なッいつのまに!?」

 

 バキッ(顎に殴り)

 

 「グッハァ…」バタッ

 

 まったく…外に出ればそく戦闘って…

 

 さすが兄さんだぜ。

 

 チンピラ程度なら一撃だぜ!

 

 「なんだなんだ?」ザワザワ

 「喧嘩やってるぜ」パシャッ.ザワザワ

 「あの眼帯の兄ちゃん強えなぁ」ザワザワ

 

 ん?まずいな…野次馬が集まってきた。

 

 大事になると厄介だ、早くここから逃げよ。

 

 「チッしまいやしまい、見せもんやないで。」

 「そんじゃッ」

 

 ε≡ヘ( ゚Д゚)ノダッシュ

 

 「眼帯の男逃げたぞ!」ザワザワ

 「めっちゃ早いなぁ」ザワザワ

 「あの兄ちゃんやるなぁ…」ザワザワ

 

 

真島はまだ知らない。これがきっかけでこのあと大変なめにあうことをーーー。

 

 

……………………逃走中。

 

 はぁはぁ、ここまでくれば安心だろ。

 

 そうとう走ったな…

 

 ここは……河川敷か?

 

 あぁいいなこういう場所…

 

 自然があると落ち着くよなぁ。

 

 俺はそんなことを考えながら、煙草をくわえ火をつける。

 

 …なんかもう癖だなこれ。

 

 体が覚えるってことか。

 

 俺はてきとうに草原に座り川を眺めはじめた。

 

 そして俺はぼんやりと思う。

 

 ……兄さんがやってると思うとめっちゃカッケェ。

 

 それから数分後。

 

 「ねぇ…だから…」

 

 「そう……いや…なんだよ」

 

 ん?喋り声が聞こえる…まだ遠いからよく聞こえないが、集団で近づいてくるな。

 

 「あれ?あの人…」

 

 「どうした?モロ、知り合いか?」

 

 「いや、朝掲示板で見た人に似てるなって思って…」

 

 …え、掲示板?

 

 「なんだそりゃ、どんなこと書いてあったんだ?」

 

 「これだよ。」スッ

 

 「えぇなになに、【駅前に強者あらわる!】だと?」

 

 「そう、なんか2対1の喧嘩で息も切らさず汗もかかずに一方的に無力化したとか。」

 

 まぁそうだけど…え、広まるのはぇよ。

 

 「でもあの人は違うんじゃねぇのか?駅前からここまで結構あるし…」

 

 「そうだよねぇ、たぶん違うね。」

 

 あってるよ…写真とられてたのかよ。

 

 「モロロその話本当か?」

 

 「なになに~何の話してたの?」

 

 「掲示板の書き込みの話だぞ、わん子。」

 

 「ケイジバンってパソコンで見るやつよねぇ大和?」

 

 「あぁそうだ、それで掲示板になんか面白いものでも書いてあったのか?モロ。」

 

 「うん、実は朝駅前で喧嘩があったらしくてそれについて書いてあったんだ。」

 

 「私の耳には聞こえたぞ【強者】という言葉が、そしてあそこに座ってる男がその男に似てるともな。」

 

 「はい…そうですけど?」

 

 「ほぉ~……。」

 

 「なら…私のやることは決まったな!」

 

 「ねッ姉さんなにする気!」

 

 「モモ先輩!それはヤバイっす!!」

 

 「フフ、私は止まらんぞ」ニコッ

 

 おいおい本当になにする気だ、嫌な予感しかしない…

 

 ただ川を眺めてただけなのに…なんでこう頻繁に訳のわからないやつに絡まれるんだ!!チキショッ

 

 「トゥッ」ヒュン

 

 「ちょっ!姉さん!?」

 「お姉さま!?」

 「「「モモ先輩!?」」」

 

 避けなきゃまずい!!体が警告をはってしている。

 

 「シャァッ」スッ(高速移動)

 

 「ハアッ!」ドゴォッ(座ってた場所、永眠。)

 

 あっぶな……えぐれたぞ…地面。

 

 そして俺は後ろを向き、襲ってきた相手を確認する。

 

 そこにいたのは……。

 

 「私の拳をかわすとは…やっぱりアタリか」ニコォッ

 

 恐ろしい笑みを浮かべた。

 

 黒髪ロングの美少女だった。

 

 





キャラが壊れていく…だと!?

次回・はたして真島は生き残れるのか!?こうご期待。

感想お待ちしてます(*´∇`)


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第 四 話【喧嘩の流儀】

*百代の性格が前回と違うと感じる可能性があります。
 前回脳筋にしすぎたので少し修正しました。




 ~河川敷~

 

「お、おいッ大和!これまずいんじゃねぇか?」

 

「あ、あぁ…どうしよう姉さんヤル気みたいだし…」

 

「この状態のお姉さま止めるのはムリよねぇ~。」

 

「そ、そんな呑気に話してる場合じゃないよ!?」

 

 「じぁあ…モロあれ止められんのか?」

 

 ドゴォッ

 

 「……。」

 

 「無理だろ?」

 

 「もうおとなしく見てるしかないな。」

 

 「あとであの人もに謝らなきゃね……。」

 

 「あぁそうしよう……あの人も災難だな……」

 

 「「「うん。」」」

 

…………………………。

 

 ……なんだこの美少女は。

 

 美少女にしては少し荒っぽいが。

 

 「ん?今失礼なこと考えました?」

 

 ギクッΣ(゚∀゚)

 

 なんでわかったし。

 

 「嬢ちゃん…名前は?」

 

 「川神 百代です」ニコッ

 

「そうか百代ちゃんかぁ、ほぉ…えらいべっぴんさんやなぁ…」

 

 ドャァ「ふふ」

 

 あ、なんだかめっちゃ嬉しそうだな。

 

 ……まぁ理由、聞いておくか。

 

 「なぁ百代ちゃん」

 

 「なんです?」

 

 「なんで俺と闘いたいんや?」

 

 「あなたが強者だと聞いたからです。」

 

 ……あ、この子戦闘狂(バトルマニア)だ。

 

 さて…どうやってこの場をきりぬけるか…

 

 できれば戦闘はさけーーー

 

「そうかそうか!百代ちゃんは俺と闘いたいんか、ええでその勝負受けたろうやないか!」

 

 なッ!口が勝手に!!

 

 「本当ですか!」

 

 「あぁ、女からの誘いを断るようじゃ男としては三流やからなぁ」

 

 え、どうなってんの!?

 

 「やった!この頃挑戦者の質が悪くて欲求不満だっんですよ、よし!では…早速」ゴゴゴ

 

 「待った、こんな道端狭いとこで始めるんか?」

 

 「む……」

 

 「それに百代ちゃんのつれ、結構近くにもおるし巻き込んでしまったら危ないやろ?」

 

 「確かに…」

 

 「俺は周りを気にして喧嘩なんてできへんからなぁ、それくらいはきめさせてくれや。」

 

 おいおいなに勝手に話てんだよ!

 

 「えーと…あっ!あそこならええやろ、橋の下にある広場みたいなとこ。あそこなら存分にできるでぇ!」

 

 「あ、いいですよ、ならあそこでやりましょう。」

 

 「よし!決まりやな、そんじゃはよ移動しよか。」

 

 「私あいつらに少し話してくるんで、先に行っててください。」

 

 「了解や、待ってるでぇ~」

 

 ちょっ!俺何もしてないのに、話が進んでくし身体も勝手に動くしどうなってんだよ!?

 

 

 ~ 一方の大和達 ~

 

「おい大和、モモ先輩何もしないでこっちきたぞ?」

 

 「でも姉さん…不機嫌じゃないから断られた訳じゃなさそうだな。」

 

 「むしろ嬉しそうよ?お姉さま…」

 

 「おーい!」

 

 「どうたの、お姉さま?」

 

 「あの人私と向こうで闘ってくれるって!」

 

 「嬉しそうだね、姉さん」

 

 「当たり前だろ、あの感じは久しぶりなんだ。そんじゃ私は行ってくるぞ」

 

 「あの、俺ら見に行ってもいいんすか?」

 

 「ん?あぁ、好きにしていいぞ。」

 

 「やった!久しぶりに見たかったんだよなぁ」

 

 「まぁレベルが高くて参考にはならないけどね」

 

 「それじゃ、行ってくる!」ビューン

 

 「相変わらず早いね…モモ先輩」

 

 「あぁ、そうとう楽しみなんだなぁ…」

 

 「そんじゃ俺らも見に行こうぜ!」

 

 「さんせぇー、早くいきましょ大和?」グイグイ

 

 「お、おいワン子!引っ張るなって!」

 

 

………………………。

 

 なんだか調子が悪い。

 

 身体は勝手に動くし、何だか…手足の感覚がなくなってきた、まるで自分の身体じゃないような…

 

 くそッ!どうなってんだ!

 

 「お待たせしましたッ!」シュタッ

 

 「おぅ、俺もいまついたところや」

 

 また勝手に…

 

 あぁなんだか……意識が朦朧としてきた…

 

(まったく情けないのぉ)

 

 あれ……いまの…声って。

 

(男なら正々堂々勝負してやれや、さっきも言ったが女からの誘いを断るようじゃ男として三流やで ?)

 

 う…そ……だろ!?

 

 その声…そのしゃべり方!

 

 あんたは…いやあなたは!!

 

(いいから黙って見とけ、これが俺の喧嘩の流儀や今後のためによく覚えとくんやで。)

 

その言葉を聞き、俺は身体の主導権を【彼】にわたした。

 

……………………。

 

 ~橋の下の広場~

 

 「……。」

 

 「ん、どうしました?」

 

「いやなんでも…そや、最初にいわなあかんことがあったわ。」

 

 「なんですか?」

 

 「殺す気でこい。」

 

 「……え?」

 

 「俺は喧嘩が三度の飯より好きなんや、でも手を抜かれんのは何よりも嫌いでな…だから殺す気で全力でこいっちゅう話や。」

 

 「手を抜かれることが嫌い?…」

 

 「せや。」

 

「ふっふふ、はははは!やっぱりあなたはアタリだ!!」

 

「そりゃどうも、俺も久々の大物でゾクゾクするでぇッ」

 

 「…名前、まだ聞いてませんでした。」

 

 「真島や、真島吾朗。」

 

 「そんじゃいきますよ!真島さんッ!」

 

 「全力でこいやァッ!百代ちゃん!」

 

 そして二人の強者は同時に地面を蹴ったのであった。

 

 

 ~川神院~

 

 「なんじゃ?この強烈な気の激闘は…」

 

 ~九鬼~

 

 「……。」

 

 「ヒューム、いまのは…」

 

 「あぁ、わかってる」

 

 

 

そして強者達も動き出す……

 

 

 





次回! 【激突ッ狂犬VS武神】 お楽しみに(°▽°) 

最後にどっからか桐生ちゃんの声が!?


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第 五 話【開幕】

遅れて申し訳ありませんでした!
いつもよりは少し短め?

戦闘シーンはむずかしい( ´_ゝ`)


~百代side~

 

 ッ!速い!

 

 私のはなった初撃はあっけなくかわされた。

 

 そして真島さんは私の背後へ…

 

 (ッ!)

 

 私はとっさにその場にしゃがむと真島さんの手刀が空を切った。

 

 「なんや…鋭いやんか~」ニタァ

 

 …今の手刀、あたったら危なかったかも

 

 あの位置は完璧に急所だった。

 

 「真島さん…何か武術をしてましたか?」

 

 「あ?武術?そないなもん習ったこと…ないわ」

 

 「そうですか…」

 

 なんか間があったが…気のせいか

 

 あの動き…どこかでみたような…

 

 「こないんやったら、次は俺からいくでッ!」

 

 真島さんは間合いを大きくつめ、拳をはなってきた。

 

 「デリャッ!」シュッ

 

 私はその拳を受け止める。

 

 「うッ!」

 

 手に伝わってきた衝撃は想像よりも重く、軽く唸ってしまった。

 

 「オリャッ」シュッシュッ

 

 真島さんの攻めは続く。

 

 「ハッ!」

 

 はなたれた拳を流す、それを繰り返す。

 

 「やるやないか、ならこれや!」

 

 そう言うと私の眼球に二本の指が迫ってきた

 

 「くッ!」

 

 私は頭をずらして指をかわした。

 

 「ほぉーええ反応やなぁ」

 

 真島さんは感心しているようだ、今がチャンス!

 

 「こっちからもいきますよッ」

 「無双川神正拳突きッ!」

 

 真島さんはさっきの眼潰しで隙ができてる。

 

 そこを狙って一気に攻める!

 

 「おぉ!?ちょっ、まっ!」

 

 かなり動揺して…

 

 「な~んてな」ボソッ

 【喧嘩師技・般若受け】

 

 いないようだ。

 

 「ぐぁッ!?」

 

 首と頭の付け根に手刀が叩き込まれる。

 

 「!?」

 

 「……いまなんもみえへんやろ?」

 

 そう真島さんが言ったとおり私の視界から光は奪われていた。

 

 「本当は気絶させるつもりやったんやけど…まさか少し跳んでダメージ減らすとはおもわんかったわぁ」

 

 「……なんで攻撃しないんですか?」

 

 真島さんは私に一切手をださなかった。

 

 今が絶好のチャンスなのに…

 

 「…ん?眼のみえへんやつを倒してもなんもおもろくないやろ。」

 

 どうゆうことだろう?

 

 …考えても仕方がない、攻撃してこないなら回復に専念しよう。

 

 「瞬間回復!」

 

 視界に光が戻り始める。

 

 「おぉ!そんなことまでできるんかいな!?」

 

 フフ…驚いてる、これやると大体同じ反応なんだよな。

 

 「ほぉー、便利なもんやなぁ」

 

 「真島さんならできるかもしれませんよ?」

 

 「………。」

 「まぁ…そのうち試すわ」

 

 え、試すんだ…

 

「よし!お待たせしました、それでは再開しましょう」

 

 「おっしゃ!…そろそろ切り替えどきってやつやなぁ」

 

 「切り替え?」

 

 なんのことだろう、ちょっとワクワクする。

 

 「せや、ずっと同じやと飽きるやろ?」

 

 ん?飽きる?

 

 「何がですか?」

 

 「闘いかたや、闘いかた。」

 

 えっ、変えられるの?

 

 「変えられるんですか?」

 

 「あぁ、百代ちゃんも色んなのとやりたいやろ?」

 

 もちろんやりたい!でも……

 

 「それだと真島さん闘いずらくないですか?」

 

 そう、武術家にも色々いるが結局はどれか1つにかたよって、他のやつはあまり極められないものなのだ。

 

 「ヒヒヒ…そんなこと気にしたらあかんでぇ、俺は全然平気や気にせんでええ。」

 

 ……嘘はいっていないようだ。

 

 そうなるとすごく楽しみだ!

 

 「なぁ百代ちゃん?」

 

 「なんですか?」

 

 「ダンスは好きか?」

 

 

…………………………。

 

 

 ~大和side~

 

 すごい…

 

 目の前で繰り広げられている光景を見ながら俺は心のなかで呟いた。

 

 「…なぁ本当にあの人何者なんだよ!?」

 

 「モモ先輩の攻撃かわしてた…」

 

 俺にもわからない…あまりにも早すぎて、目が追いつけない時もあった。

 

 眼帯の人…消えたようにもみえたし…。

 

 「うっ!…あれは痛いわね」

 

 俺の横でワン子が唸る。

 

 姉さんの首に手刀がはいったのだ。

 

 「あれ?二人とも動かなくなっちゃったよ!?」

 

 「なんか話してるみたいだぜ?」

 

 なんかトラブルか?……わからないな。

 

 「なんだか楽しそうに話してるわね?」

 

 言われてみれば……あ、あの人笑ってる。

 

 「おっ!またはじまるみたいだぜ」

 

 「あれ?あの人さっきと構えがちがくない?」

 

 ん?本当だ、なんだかステップ踏んでるような?

 

 「ちょっ!あれ見て!」

 

 ワン子が指差す方向には……

 

 「「「ブレイクダンス?」」」

 

 眼帯の人がブレイクダンスをはじめていた。

 

 

 

 




次回!【ダンサーMG】お楽しみに!

感想お待ちしております(*´∇`)


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第六話 【ダンサー真島】

お久しぶりです。
……いや本当に、2年ほど空いてしまいましたが投稿再開です!
久しぶりに書いたので前のようにはいきませんが徐々にならしていくつもりです。
感想やメッセージをくれた皆様本当に感謝しております!


~百代side~

 

 構え…いや、『気』が変わった?

 

 真島さんから感じられる気配がさっきとはまるで違う…人にはそれぞれ気と言うものが存在する。大体は一人に一つの色を持ち、複数持つ人など私は見たことがない。

 

 「さぁ…盛り上がっていこやないかいッ!」

 

 『ダンスは好きか?』これの意味がようやく解ったのは、私の眼前に足が迫ったときだ。

 

 「!?」 

 眼前に迫った足をいなし、体勢を立て直す。

 (なるほど…ダンス、ブレイクダンスか!)

 テレビで見たことがある動きだが、今のは単なる踊りなどではないことはよくわかった。回転で繰り出される蹴りは、ガードなどすれば容易く剥がされ、ダメージをくらう。

 真島さんも逆立ちをやめ、構えた状態でこちらを見る。

 

 「どや?百代ちゃん、バッチリきまっとったやろ?」

 

 「えぇ、とても!」

 

 「俺も久々に使ってみたがなかなかや!いやぁ~試してみるもんやなぁ」

 

 真島さん楽しそうに言う。

 ……あの動きの攻略方はなんとなくわかるが、果たして通用するか?

 考えながら闘うなんて久々だ、気分が高揚する。

 

 「なんや、百代ちゃんも楽しんでるなぁ!」

 

 「え?」

 

 「そない笑顔やったら誰でも楽しいやろなぁってきずくわ」

 

 どうやら無意識に笑っていたようだ…少し恥ずかしい。

 

 「久々なんですよ、こんなに楽しい試合は」

 

 「ほぉ~そないなこといわれると、こっちまで嬉しいのぉ」

 「そんじゃ…続きといこかッ!」

 

 来るッ!さっきと同じ回転蹴り、それならッ!

 

 「!?」

 

 私はすかさず姿勢を低くして真島さんの蹴りをかわし、がら空きの腹部に拳をお見舞いした。 

 真島さんは体勢を崩し、その場に倒れた。

 

 「イヤッフォッ!」『ライズローター 発動』

 

 「な!?」

 ダウンから繰り出された足技は、私の足を強打しバランスを奪う。

 私はすぐにその場から離れ、呼吸を正す。

 …足へのダメージはなかなかである、真島さんが倒れ一瞬油断し、そこをつかれた…

 

 「ハァァッ!」『瞬間回復 発動』

 足のダメージはこれでよし。

 

 「いやぁ~効いたで、百代ちゃん!」

 

 「いえ、ダウンからの足技とても見事でした」

 

 「倒れた敵を見たら少し気が抜ける、そこをつくのが楽しいんや!」

 「油断は禁物…なんて百代ちゃんには必要ない言葉かも知れんけどなぁ」

 

 「そんなことはありません、私はあの一瞬油断しました。その結果があれです。…油断禁物、しっかりと学びましたよ?真島さん」

 

 「そら困ったなぁ…隙がなくなってしまうな」

 

 「困ってる顔じゃないですよ?それ」

 明らかに楽しんでいる顔、純粋に喜んでいる顔だ。

 ……やはりアタリだ、本当になんて良い日なんだろう

 

 「ククク、ほな…いくでッ!」

 

 「こいッ!」

 できればこんな時間が永遠に続けば良いのに……

 

 

~大和side~

 

 「なぁ……大和」

 

 「なんだ?ガクト」

 ガクトが真剣な顔をして声をかけてきた。

 

 「本当にあの人、何者なんだ?」

 

 「さぁ…わからないよ」

 ガクトの疑問はシンプルであり、難問である。

 実際、姉さんがあそこまで力を出しているのを見るのは久しぶりな気がする。

 

 「お姉さま、とても楽しそうよね?大和」

 

 一子の言う通り、姉さんはとても楽しそうだ。いつもどこか退屈そうだが、今は違うのだ。純粋に闘いを楽しんでいる。

 

 「で、でもそろそろ止めないとヤバくない!?」

 

 「あぁ、それは俺様も思うぜ…」

 

 二人の戦闘の衝撃は離れたところにいる俺達にも伝わる。どんどん大きくなってる気もする……

 

 「ブレイクダンスってあんな使い方もできるのね!とても勉強になるわ!」

 

 眼帯の人の技に感心している一子…慣れているからなのかまったく心配していない様子だ。

 

 

 「何事かと思って来てみれば……」

 

 後方から声がする。この声は……

 

 「あっ、おじいちゃん!」

 

 川神 鉄心その人だった。

 

 「あの気配はあの男からか……一子、あの男は誰じゃ?」

 

 「私も詳しいことはわからないの…」

 

 「そうか、ではなぜこうなっている?」

 

 「それはーーー」

 一子にかわり、これまでのことを説明する。

 

 「なるほど…ならばやめさせるとするかのぉ。」

 

 「で、でもお姉さま楽しそうよ?」

 

 「……駄目じゃ、あの男には何かある。それは危険なものかもしれん。」

 

 眼帯の人が危険?それはどういうことだろう?

 確かに戦闘能力は高く危険かもしれないが、姉さんが負けるとも思わない。

 

 「わからぬならよい、それでは…」

 

 「「「「!?」」」」

 

 その時、何かを感じた。何か嫌な気配を…

 

 嫌な気配は後ろから、そう姉さんと眼帯の人の方からである。

 

 




 次回 『黒の片鱗』

 のんびりと頑張っていきますので良ければまた見に来てください!感想お待ちしております(°▽°)


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