とある魔術の奥村兄弟 (コアクト)
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第一章 魔術師と超能力者と祓魔師
第1話 オリジン


 人口のほとんどが能力開発している学園都市。

 つまり超能力を人為的に生み出す街.

超能力とは物理法則を破る力である。

 23区からなる大都市で、最先端のテクノロジーで町は埋め尽くしている。

 上条当麻はレベル0だが、魔術でも超能力でもない異能、幻想殺し(イマジン・ブレイカー)の右腕を持つ。

 上条当麻は高校生で、いつも赤点とっている少年だ。

 修道女のインデックスと暮らしている。

 

 祓魔師を育てる学校。

 悪魔を退治する職業だ。

 正十字学園。

 エクソシストの称号は8種類あり、奥村燐は過酷な運命と向き合い、聖騎士(パラディン)の称号を目指す。

 聖騎士(パラディン)とはエクソシストの中で一番強い人間。

 奥村燐は魔王サタンと人間との間に生まれたハーフである。

 

「……悪魔ですか? 」

「ええ。そうです。どう思いますか? 」

 正十字学園の校長室で、三人の男女が会話している。

「どうして僕達に協力するんですか? 」

「ククク。何故でしょうね」

「……」

 ステイル・マグヌスと神裂火織は校長の事を普通の人だと思っていた。

 二人はイギリス清教に所属する魔術師だ。

 かつては同じ魔術結社に属する禁書目録(インデックス)を狙い、日本に上陸した。

 インデックスは脳内に10万3000冊の魔導書を記憶している。

 今でも、インデックスを狙う魔術師はわんさかいる。

 校長の名前はメフィスト・フェレス。

 シルクハットに顎鬚を生やしている。

「この話は秘密にしてくださいね。私は8人いる、悪魔の王の一人、時の王サマエルです」

 メフィスト・フェレスによると正十字学園には知る人間が大勢いる。

 だけど十字教には悪魔だという事を知らぬ者がたくさんいるということだ。

「は、はあ……」

 神裂火織は思わず生返事をしてしまうのだが、ステイル・マグヌスは違った。

「サマエル……か。」

 ステイル・マグヌスは昔読んだ魔導書の事を思い出した。

「私は虚無界(ゲヘナ)の権力争いに飽きて、物質界(アッシャー)に寝返りました」

 虚無界とは悪魔が住む世界。

 物質界とは人間が住む世界。

「じゃあ、悪魔だという証拠を見せてください」

「いいでしょう」

 メフィスト・フェレスは指を鳴らす。

 すると、どうだろうか。瞬きする間もなく、ステイル・マグヌスと神裂火織のそばに置いてあった置物が音を立てて割れた。

「へえ。世界が広いかどうか知らないけど、驚いたよ」

「それで、悪魔なら力とかなんかあるんですか? 」

 神裂火織が的確な質問をしてきた。

「はぁい。もしかしたら極細のワイヤーかも知れませんし、瞬間移動したのかもしれません」

 神裂火織はきっとメフィスト・フェレスを睨み付ける。

 自分と同じワイヤー使いか?

 もしや、もしかして読心術でも使ったのだろうか?

 

「どう思う。自称サマエルの意見は? 」

「どうって。やはり悪魔なのでは」

「まったく、何時から十字教は悪魔と協力する事になったんだ」

 

 メフィスト・フェレスの話によれば、正十字学園と学園都市の交流は、つい最近になってからだそうだ。

 そして、学園都市統括理事会の長であるアレイスター・クロウリーとも「悪魔の動向」を話あったらしい。

アレイスター・クロウリーはかつて魔術師だったが、今は学園都市の長だ。

 



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第2話 一方通行と打ち止めと佐天涙子パート1

 十字教といっても色々な種類がある。

 正十字騎士団と十字教は厳密にいえば異なる。

 例えば、魔術師は学校に通わない。

 そして科学音痴である。

 さらに魔術とは無関係な宗教や神話がある。

 秘密裏に活動していて、決して一枚岩ではない。

 学園都市の人間と協力関係にある者もいる。

 

 正十字騎士団が力をいれているのが正十字学園である。

 銃火器で武装したり、使い魔を召喚する。

 中には、魔剣という武器を持つ人間もいる。

 

 十字教は他の魔術結社と手を組む事もよくある。

 十字教と魔術結社は悪魔の存在を知らない。

 だが、正十字騎士団は学園都市と協力関係にある。

 正十字学園と学園都市は以下の理由で悪魔が実在する事を公表するのを避けている。

 ・公表すれば、能力者や魔術師が悪用するから。

 ・混乱を避けるため

 ・悲劇を繰り返さない為である。

 

 研究機関ーー

 その都市(まち)は学園都市と呼ばれている。

 鋼鉄と超能力者とナノマシンで出来ている町だ。

 その町中を2人の男女が歩いている。

 男のほうは白い髪で虹彩が赤く中肉中背。

 女のほうは男よりも身長が低くて、暗視ゴーグルを被っている。

 

「ふふふ。どうしたのってミサカはミサカは聞いてみる」

「ンだよ。うっとうしいな。どっかに行ってろ」

 打ち止め(ラストオーダー)。

 それが少女の名前である。

 学園都市で7人しかいない能力者の1人、御坂美琴のクローン。

 レディオノイズ計画と呼ばれる悲劇で生まれた子供。

「ねえねえ。一方通行(アクセラレータ)。黄泉川の作るオムライス美味しいねってミサカはミサカは今日の晩御飯を楽しみにする」

「ああ。そうだな」

 アクセラレータと呼ばれた男はぶっきらぼうに答える。

 一方通行(アクセラレータ)。

 学園都市の能力者の1人で、最強の少年。

「ちょっと。歩くの早すぎィとミサカはミサカはクレーマーをいれる」

「なんだ? あれ……」

 一方通行は自分の目を疑う。

 目の前を歩いている中学生の風船が1人でに動いているのだ。

 まるで生き物であるかのように。

「どうしたの? 」

「いや」

 アクセラレータはラストオーダーの質問に答えない。

 だが、釈然としない。

 あの風船、もしかして念動力(サイコキネシス)か。

 それなら納得がいく。

 その時だった。

 中学生が2人に声をかけてきたのは。

 

「あのぉ。すいません」

「断る」

「……まだお願いしてないのに」

 中学生の制服は常盤台という名門中学のだった。

「どうしたのってミサカはミサカは救いの手を差し伸べる」

 まったく。面倒事に首ツっこむんじゃねえよとアクセラレータは心の中でつぶやいた。

 

 

 

 

 

 



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第3話 一方通行と打ち止めと腐の王の眷属

「こんにちは。私、佐天涙子といいます」

 女子生徒は自己紹介をしてきた。

 左手にはアイスクリームを持ち、右手で携帯電話をいじっている。

「ンで。常盤台中学の生徒だろ。あそこらへんはあんまり通らないほうがいいぜ」

 アクセラレータは深いため息をついた。

「えっ?どうしてですか? 」

「あんなァ……」

 するとラストオーダーが説明してくる。

「あの道路とか、こっちのコンビニはよくスキルアウトがたむろしているからってミサカはミサカは説明する」

「ふうん」

 そういえば、レベル5の能力者、超電磁砲の御坂美琴も常盤台中学だったな。

「もうこんな時間!? 」

「どうしたンだ。急に」

 佐天涙子が突然、大声を出したのでアクセラレータとラストオーダーはびっくりした。

「ああ……すいません。友達と待ち合わせしていたんで」

 そう話すと、佐天涙子は小走りで建物へ入っていった。

 

 友達。

 友達ねぇ。

「ねえねえ。早く帰ろうよ」

 ラストオーダーはまだ幼い少女だったが、それでもアクセラレータの右手を握る手は強く握りしめられていた。

「そォだな。腹もヘったしな」

 しばらく歩いていると、今度は袋を背負った少年と曲がり角でぶつかった。

「あいててて……すいません。怪我してるか? 」

「ったく。よそ見でもしてんのかよ」

 まったくドジっ娘なんだねと小声で呟いたラストオーダーの頭をぐーで小突いた。

 少年は自己紹介をした。

 奥村燐と言い、正十字学園の生徒だそうで、本当にその学園の制服を着ていた。

「オイオイ。正十字学園といえば、祓魔師を育てる学校だろ……もしかして悪魔を追いかけていたのか」

 アクセラレータは赤子から今日に至るまで、色んな研究機関でモルモット扱いされてきた。

 そして、惨めで辛い思いをしてきた。

 どのくらいかは全然カウントしてないが。

 そして、大勢の能力者や研究者と血みどろの戦争をした。

 だが、目の前にいる奥村燐はエクソシストだと自信ありげに喋った。

 なんで俺がこんな奴の相手をする必要があるんだ?

「おっ。なんで分かったんだ」

 一方通行は打ち止めに小声でひそひそと話しかける。

「こんな奴とは関わらないほうがいいぜ」

「でも本物の悪魔を死ぬまでに一度だけ見てみたいってミサカはミサカは奥村燐を信じる」

 

 いきなり奥村燐が背中の袋から剣を抜いた。

 (一体、ナニが始まるんだ?)

「来るぞ。コールタールが」

「うわ。何なんだあれは……」

 一方通行は絶句した。

小さいくて胴体が無いような風船が3人の周囲を取り囲んでいたのだ。

 それも10体や20体ではない。

 ざっと1000体以上はいる。

「腐の王の眷属だ」



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