魔法少女リリカルなのは 仮面ライダーを目指す者 (epion‐mk‐5)
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原作開始前
プロローグ


初めまして epion-mk-5です。
これが私の処女作になる小説ですので楽しんで頂けると嬉しいです。
二次小説初心者なのでドラえもんの暖かい目で見て下さい。


俺の名前は性は防人(さきもり)名は将玄(まさはる)と呼ぶんだ。何処かの戦国武将に出てきそうな名前だと自分でも思うが、それが今の(・・)俺の名前だ。

気がついた奴もいるもから敢えて言おう、俺は俗に呼ばれている転生者である。

ただ、よくSS小説にでてくる神様転生では無い事を初めに言っておくぜ。前世はただの社会人で福祉関係の仕事に精を出して働いていたのだが、外回りに出ている最中に熱中症で倒れてそのまま死んでしまった様だ。お世辞にも優秀な人間じゃ無かったが小中高と専門学校と社会人になった事を含めて一度も休んだことがない事が自慢だ。(因みに作者は小学校の時1回だけ休んでしまった)勿論生まれ変わった今も皆勤賞だ。

現在は小学校2年生の公立の学校に通っている、部活はしていないが前世に習っていた空手と柔道を自宅でトレーニングしている。両親が共働きで一人で居る事が多い為、この事はばれていない。だが体は子供なので成長期の妨げに成らない様に気を付けている。

さて丁度ランニングの目的地である公園に着いた所だ、柔道の打ち込み(柔道の投げる練習)を始める為に手頃の木に自転車のタイヤのチューブを括り付けて練習を開始した。

背負い投げ、一本背負い、袖釣り込腰、払い腰、足払いと左右均等に10回ずつ繰り返していた。打ち込み初めて30分位集中してすべてを終えた時に人の気配に気が付いた。

 

???「(はる)君お疲れ様、はいタオル」

 

渇いたタオルを俺に渡す少女がいた。

 

将玄「なのちゃんか、いつもありがとうな。けどアリサちゃん達と一緒に塾もあるのに、俺の練習なんか見て楽しいか?」

 

彼女の名は高町 なのは、この公園で出会った幼馴染だ。現世で自分が生まれ変わった事に混乱してて、落ち着く為にこの公園にきて出会ったのだが、その話はまたの機会にしよう、なのはちゃんとはその日以来友達になり、学校が違うにもかかわらず、こうして会いに来てくれるのだ。

 

なのは「ううん、そんな事ないの、学校が違うから(はる)君に会えるのは凄く楽しみなの♪」

 

そうなのはちゃんが言ったように俺は違う学校に進学している。理由は親の都合だが本音は学校にお金を使いたくなかったからだ。前世で学んだ事を金をかけてまでやる事ではないだろ、とそんな事を考えていると

 

???「なのはちゃん、(まさ)君お疲れや~」

 

と関西弁の訛り口調な声がした方に振り返ると車イスに乗った女の子が此方に来ていた

 

なのは「はやてちゃんも(はる)君の応援に来たの?」

 

将玄「はやてか、今図書館からの帰りか?」

 

彼女の名は八神 はやて、家が近所で知り合った俺のもう一人の幼馴染でなのはちゃんがファースト幼馴染で、はやてちゃんはセカンド幼馴染だ。幼い頃に足が段々動かなくなり原因はいまだに解らず、車イス生活を余儀なくされて、その1年後に両親を事故で亡くなり今は両親の友人を名乗る人が遺産を管理してる、名前はギル・グレアムと言うイギリス人だ。一度はやてと一緒に顔合わせしたが人柄よくて優しい印象があり信用できると思った、あまり合う事ができないが誕生日にはバースデーカードを送ったりしてくれてる。

 

はやて「そうやで、今日はこれで練習は終わりなん?」

 

将玄「ああ、今日はこれで終わりだよ一旦家に帰ってからおやっさんの喫茶店で夕飯を食べるんだけどはやても来るか?」

 

はやて「行くで勿論自分で作るのもええけどおやっさんのご飯って何処か懐かしさを感じてうまいんよ。」

 

おやっさんとは同じく近所の喫茶店COLの店長で名前は立花 藤兵衛と言う、初めてこの姿と名前を聞いた時は思わず吹き出しそうになった程だ、知っている人は知っているあの仮面ライダーのおやっさんなのだ、気さくな性格で俺やはやての事を家族の様に接してくれるのだ、またなのはちゃんと俺の両親との結婚を進めてくれた人でもあり、なのはちゃんの両親が経営してる喫茶店翠屋の師事もした事があるのだ、なのはちゃんのお父さんの士郎さんもおやっさんの淹れるコーヒーの味には敵わないと言う程なのだ。

 

なのは「今日は家に来ないんだ」

 

何処か残念な声で心なしか左右のツインテールも沈んでいる気がする。

 

将玄「明日は士郎さんに剣道の指導をしてもらえるから嫌でも会えるよ」

 

そう言うとさっきまで沈んでた顔から笑顔に変わる

 

なのは「本当、明日は一緒にいられるの」

 

将玄「ああ、明日は土曜日だからはやても一緒に泊りに来るよ」

 

そうはやての両親が亡くなってからは週末限定だが俺の家かなのはの家に泊りに来るのだ、それも全てはなのはのお母さんの桃子さんとおやっさんが言い出したのだ。

 

桃子「はやてちゃん良かったら家で暮らさない美由紀やなのはも喜ぶわ、子供が遠慮する事なんかないからね?」

 

藤兵衛「はやてちゃん桃子ちゃんだけじゃないぞ私だっているんだ子供は大人に甘える義務があるんだ下手な遠慮はしなくても大丈夫だ、君がどんな答えを出してもそれを叶えようと皆が応援してくれるから」

 

この言葉が嬉しかったのか両親の葬儀の時には一度も泣かなかったはやてが泣きながら二人の手を掴んで「ありがとう、ありがとう」と泣いていたがその顔はいい笑顔で笑っていた

 

将玄「さてとそろそろ行かないとな、はやては家に来るか?、それとも先にCOLにいくか?」

 

はやて「一緒に行くに決まっているやろう、私は(まさ)君に一生付いていくって決まっているんや!!」

 

なのは「はやてちゃんずるいの、(はる)君の傍にいるのはなのはに決まってるの!!」

 

普段は仲がいいのに何故か俺の事になるといつも衝突するのだ不思議だ??たかが家に一緒に帰るだけなのに。  作者(この状況に気付かないお前が不思議だ!!!リア充爆発しろ)今なんか変な声が聞こえた気がずるが、気のせいだな。

 

将玄「じゃあ三人一緒に帰ろうか、それならケンカしないですむぞ」

 

な・は『はぁぁぁ~~~』

 

何故かさっきまでケンカしてたもん同士とわ思えないくらい息ピッタリにタメ息を吐いていた女の子とはよく解らない

 

なのは「はやてちゃんまた明日ね」

 

はやて「ほなまた明日な~」

 

俺とはやては手を振ってなのはと別れた。俺達は一度俺の家に行き軽くシャワーを浴びて軽装に着替えはやての車イスの押しながらCOLを目指した。

 

将玄「おやっさんただいまー」

 

はやて「ただいまや~」

 

藤兵衛「おっ二人ともお帰り、今日はミートパスタにしてみたが大丈夫かい?」

 

将玄・はやて「「はい!大好きです」」

 

なんと息ピッタリに返事を返したのだ。

 

藤兵衛「ははは、息ピッタリだね将来二人は結婚するのかな?」

 

いきなりからかってくるおやっさんであったが

 

はやて「もちろんです。子供が出来たらおやっさんに名前を付けてもらうんよ。」

 

それに必ず乗ってくるのがはやてだ、そんなやり取りが始まりこのままじゃあ永遠に続きそうだ、早く終わらせよう

 

将玄「はやて、わざわざ乗らなくてもいいぞ?」

 

は・藤『はぁぁぁ~~~』

 

またタメ息を吐かれた、不思議だ・・・・作者「だからお前の鈍感のハットトリックさが一番不思議だモゲちまえ男の敵」また空耳が聞こえた気がする。

 

藤兵衛「はやてちゃん達の苦労が目に浮かぶよ」

 

はやて「全くやで」

 

わけわからん・・・

色々あったがおやっさんのご飯を食べてからはやてを家まで送って行った。はやては平日は両親との思い出がある家を守りたいと言い、一人暮らしをしてる偶にだが俺やなのは、美由紀さんが一緒に泊りに来る、稀に恭也さんも来てくれる。はやてと別れた俺は自分の家に帰り玄関を開けた。

 

将玄「ただいま」

 

俺の声が空しく響いた、そう俺の両親はNGOに所属する人間なのだ。いつも世界中を飛び周り、月に1.2回帰るかなのだが帰って5分後に玄関から声が聞こえた

 

???『ただいま~』

 

俺は玄関に行き両親を出迎えた

 

将玄「お帰りなさい、父さん母さん」

 

そこにいたのは、織斑一夏と織斑千冬その人だろっと突っ込みを入れた俺は決して悪くない思わず二人は姉弟なのかと聞いたら遠縁の親戚だから大丈夫と言い出したが激しく不安だ、それはさておき

 

将玄「今日はいつまで家に居られるの?」

 

一夏「明日の昼までだ、ごめんな一緒に居られなくて」

 

千冬「本当にすまない将玄(まさはる)私達は親なのにお前に寂しい思いをさせて怒っているだろう?」

 

二人は本当にすまない顔をしてしていた、だからこそ俺は両親には本音で話をする事が今の俺にできる親孝行であり絆なのだ

 

将玄「始めの頃はそうだったよ、けどなのちゃんやはやてちゃん、アリサちゃん、すずかちゃんになのちゃんの家族におやっさんが周りの人達がいたから寂しく無かったよ。だから自分を責めないで、それに二人が何時でも安心して帰る事が出来る様にこの家を守ることが僕の息子としての大事な使命だから」

 

一・千『将玄(まさはる)!!!!!』

 

俺の言葉に二人は感激して抱きしめてきた、嬉しいのは分かったから離れて欲しい、色々なものがぶちまけてし・・・まいそ・・う・だ

 

一夏「俺達は世界一幸せもんだよこんな立派な息子がいるなんて!!」

 

千冬「ああ本当だ恨まれて当然だと思っていたのにこんなに優しい子に育っていたなんて桃子さん達には感謝しても足りないぞ!!!仕事が落ち着いたら必ず一緒に暮らせる様にして見せるからな!!」

 

将玄「けど無茶だけはしないでね、体を壊してからじゃ遅いんだからね。」

 

俺はそう言うと二人はやっと解放してくれた。久しぶりの家族との触れ合ってから自分の部屋に戻った

 

将玄「新しい人生も悪くないな前世(あっち)では無い幸せが現世(ここ)にあるって」

 

仕事一筋で生きてきた昔に比べて友達と触れ合える現在(いま)を受け入れる自分、精神年齢が肉体に引っ張られて来ている感じがする。俺はあまりそうならない様にする為の苦肉の策として3年前からある事をしていた

 

将玄「あと少しで仮面ライダーXとFate/stay nightの小説ができるぞ」

 

そう俺は前世の趣味の一つとしてDVD鑑賞でアニメや特撮を見ていた。特に仮面ライダーが大好きだった、子供時代に見た事でファンになり変身ポーズは勿論セリフまで覚えている程だ。転生して仮面ライダーが無い事が分かった時はかなり凹んだ、だが俺は苦し紛れにとパソコンを使って自分が読みたいが為に小説として書いたのだ、これを何とか本にしたかった俺は士郎さんに頼んで一冊の本になんとか作ってもらえた。今の所は仮面ライダーはV3までできており、Fate/stay nightはFateルートとUBWルートとHSルートの3っつありどちらも長い為に上・中・下と分けている。FateはHFルートの中盤が終わったとこである。昔はやてちゃんにFateの小説を書いている場面を見られた事ではやてちゃんに読ませている。特にFateのUBWルートが気に入った様だ。

 

将玄「そういえばはやてちゃんの声って遠坂 凛にそっくりだよなぁ」  作者(中の人が同じだからね♪。)また幻聴が聞こえた気がする。

 

そういえばはやてちゃんFate/stay nightのFateルートをグレアムおじさんに貸していいかと2年前に言ってたことを思い出す、まあセイバーやランサーがアーサー王とケルト神話の英雄が出ている為、イギリス人だから気にいるかもと言ってたの思い出す、最初は断ったが真剣に頼んで来てその熱意に負けて貸した所、その3ヵ月後にはやてと俺に手紙と小説本(黒歴史)を届けたのだ、もちろん日本語で。はやてには(面白い本をありがとう)と書いていたが、俺の方には(君の御陰で私はかつての自分を思い出せたと)最後の部分が涙で滲んでいたが何とか読むことができた。この部分は、はやてには黙っていた、何故か言っちゃいけない気がしたのだ。それからFateだけじゃなく仮面ライダーの本もグレアムさんに個人的に貸して上げた。それからは偶に俺やはやてに会いに来たりしてくれた、因みにおやっさんにも会っていて驚いてだがその時は上手く誤魔化した、こんな風に過ごしている内に一つの目標を持つことができた。子供じみた夢だが胸を誇れる生き方が。

 

将玄「俺は何時か仮面ライダーの様な生き方ができる人間になる。・・・やっぱり精神年齢がこっちに引っ張られてる気がする。もう遅いし早く寝るか。」

 

そう言って小説を書いていたパソコンの電源を切った。仮面ライダーになる・・・それが現実に成るなんて夢にも思わなかった、そして自分を含めた皆が世界が滅ぶかもしれない戦いに巻き込まれていく事になんて・・・To Be Continued




最初なのでこんな所です。なのは達の出会いはもう少し後になりますが必ず書きます。今は日常編が何話かしてから無印編に入ろうかと思います、原作がすでに崩壊してます、それは作者がHappy end主義者なのではやてとリインフォースは勿論、黒幕であったグレアムにも救い手を差し延べる道を作ります、勿論プレシアとアリシアやジェイル率いるナンバーズ達もです。(管理局上層部あれはダメだ特に脳とか、脳とか、脳とか)ショッカーの様な悪の組織を作るかどうか未定です。作者の気分しだいで決めるかも?。作者は平成ライダーはブレイドまでしか見てません(目下DVDを現在進行形で見てます)ディケイドを出すか否かは微妙です。


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第1話  日常編:休日の過ごし方(修行編)

お久しぶりです。やっと更新する事ができました、なのは達の平和な日常を投稿をする事になり、今しばらくは仮面ライダーも魔法少女も出てきません。
新しいキャラが出てきます、知っている人は少ないかもしれませんが某マンガに連載してた物で作者の思い出のあるマンガです。それでは1話目を楽しんでください。


朝5時に目が覚める俺はベットから降りて洗面台に向かい顔を洗って目を覚ます。俺は家の庭に出て体操と柔軟をしてジョキングをするこれはもう日課に成っている、その途中で見慣れた男女に出会う

 

将玄(まさはる)「おはようございます恭也さん美由紀さん」

 

美由希「将玄(まさはる)君おはよう」

 

恭也「おはよう将玄(まさはる)

 

なのはちゃんの兄の恭也さんとその妹でなのはちゃんの姉の美由希さんだ、二人とはいつもジョキングの途中で出会うが俺の体力が持たないからよく引き離される、前に一度美由希さんが俺に合わせて走ってくれたが俺のほうから断ったその理由は何時か必ず一緒にゴール出来る為の第一の目標だからと話したらなのはちゃん達が俺に接して来るような感じに話す様になった、なぜだろう? 作者(誰彼構わずフラグを立ててんじゃねー女たらしが)変な幻聴が聞こえた気がする。

 

美由希「今日こそ最後まで一緒に完走出来る様に頑張って♪」

 

恭也「美由希急かす様な事を言うんじゃない、将玄無理はするんじゃないぞ、一日一日の積み重ねが大事だからな。」

 

嬉しそうな声で応援する美由希さんと無理をするなと窘める恭也さん

 

将玄「はい頑張ります美由希さん、恭也さんも心配してくれて有難うございます。」

 

ゴールはあの公園だがいつも途中で断念してしまう、理由はあの二人に合わせて走る(・・・・・・・・・・・)為だ10歳に満たない相手に容赦が無いのだ(自分が頼んだのだが)だが必ず一緒にゴールして見せる俺の目指す仮面ライダーみたいに成る為に、そう考えいる内に二人の姿が見えなくなった

 

将玄「またダメだったか。

だが次こそ必ず一緒にゴールしてやる」

 

公園に着いた頃には二人は既におらず、俺もそのまま家に向かうその途中ではやての家を通るとはやてが玄関の外で待っていた

 

はやて「(まさ)君今日もダメやったか」

 

将玄「ああだけど僕が諦めが悪いのは知ってるだろ、必ずゴールして見せるさ」

 

はやて「相変わらずやなぁ、ほれこれ頑張った賞のご褒美や」

 

何処で用意したのかスポーツドリンクの入ったコップを渡してくれた

 

将玄「毎朝ありがとうな。

今日は母さん達が帰って来たから朝食は家で食べるか?」

 

はやて「行くで未来のお義父さまとお義母さまに挨拶せんといけへんからな」

 

将玄「??はやては家の子になりたいのか?」

 

はやて「・・・ホンマにワザとやっとるんとちゃうか」

 

全くもってわけわからん俺は至って真面目にやってるのに 作者(なお立ちが悪いわ白い大魔王様の大魔砲喰らってs

なのは「少し、頭冷やそうか?」ひっなななな何でここにレイジングハートを持ったなのはがまだ原作はスタートしてn「未来の旦那様の悪口を言う悪い人はO☆HA☆NA☆SHIだよ♪ゼロ距離からの全力全壊、ディバインバスター!!!」GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)疲れているのか断末魔が聞こえた気がする、俺ははやての車イスを押して家に帰った

 

将・は『ただいま(や~)ー』

 

一夏「お帰り将玄(まさはる)いらっしゃいはやてちゃん、朝食出来てるから手を洗っておいで」

 

将・は『は~い』

 

俺達は手を洗いに行き戻って来た時には父さん母さんはテーブルに座っていた俺達も急いで席に着き皆が揃った所で手を合掌

 

全員『いただきます』

 

皆がそれぞれご飯を食べる因みに料理を作ったのは父さんだ、母さんは・・・ダメだ此処から先は思い出したくも無い、前世も含め人生の中で死ぬより怖い事が有ると初めて知ったのだ。【我が家の家訓その1母さんに家事を一切させてはダメだ死ぬより怖い目にあう】これは絶対に外せない家訓である

 

一夏「将玄にはやてちゃんどうだいお味は?」

 

将・は「最高(や~)」

 

千冬「私の旦那の料理は世界一だぞ二人とも遠慮せずに食べるのだぞ、そして元気に育つんだ」

 

将・は「はい!」

 

俺達は食事をしながら両親が居ない間の事を会話しながらご飯を食べた

 

全員『ご馳走様でした』

 

将玄「父さん洗い物手伝うよ」

 

一夏「そうか助かるよ二人は休んでていいからな」

 

千冬「分かったぞ、さあはやてちゃんこっちへ」

 

はやて「はいお義母様」

 

千冬「おやおや、はやてちゃんは随分険しい道を行くんだな、将玄(まさはる)あの(・・)父親の息子だぞ初心(鈍感)さは筋金入りだぞ?」

 

はやて「けど諦めへんかったから一緒に成れたんやろ?」

 

千冬「ああ、ライバル(宿敵)達に勝ち抜いて・・な」

 

Side out

 

はやて視点

 

お義母様(千冬さん)は笑顔で、それもウインクして見せる仕草は何処か嬉しくもあり、哀しく見えたで、私は子供やけど女や何となくお義母様(千冬さん)の気持ちがなんとなくやけどわかるんよ、きっとその時仲のええ友達何人かと結婚をめぐって仲が(ワル)ぅなったんや、けど私達は絶対にそないな気持ちを誰にもさせとうない、いや絶対にさせへん、皆が幸せになる事が一番難しゅうくて無理やって言われるやもしれへん。

せやけどその思いが間違いなんかあらへん、諦めへんかったらきっと道が出来る、私は皆で一緒に笑顔になるん方法を皆で(・・)見つけるんや!!。

まずはあの一夏さん譲りの宝具the☆To-Hen-Bokuを破らへんとなぁ、ある意味十二の試練(ゴッドハンド)王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)を破るより大変や、いやこの2つが可愛く見えるやんけ、私は理想を抱いて溺れるしかないんか?赤い弓兵(正義の味方)さん。

 

Side in

 

将玄「父さん 母さん達なんの話してんのかな?」

 

一夏「さあ?でも仲がいいのは良い事だから大丈夫だよ」

 

将玄「そうだね」

 

やはり親子は親子だ、なぜ一夏が結婚出来たのか疑問である千冬さん一体どんな方法で結婚まで持っていったんだ?千冬「それは私と一夏だけの秘密だ」作者(瀕)何故心のツッコミがわかったんだ「感だ!」やはりこの世界の千冬さんも人外だっt「喜べ、なのはちゃんに代わって私自らの手で介錯して()る、逝ってこい。」ちょっそのカタナはどk・・・GUGYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!!!!!。(ちーーーーん!)

 

何処かで一部血生臭い場面があったが紆余曲折を経て俺達は翠屋に着いた

 

桃子「いらっしゃいませーあら千冬ちゃん達じゃない、いつ帰って来たの?」

 

士郎「いらっしゃい二人とも、それに将玄君にはやてちゃんもこんにちわ」

 

将・は「こんにちわー」

 

一・千「こんにちわ」

 

入口から俺達を迎えてくれたのは、この店のパティシエの桃子さんとその夫で翠屋のマスターの高町 士郎さんだ、俺達は桃子さんの案内でテーブルに向かった

 

桃子「今日はいつまで日本にいられるの?」

 

千冬「残念だがもう行かなければ成らないのだ桃子さん今日も将玄やはやてちゃんの事を頼みます」

 

一夏「本当に済まない、自分の息子を桃子さんに任せる様な事をさせて」

 

桃子「いいのよ二人とも私達の仲じゃない、それに将玄君にはあの時なのはだけじゃ無くて私達家族の絆まで守ってくれたのだから」

 

千冬「そう言ってくれると助かる、将玄私達はもう行くが桃子さん達の言う事を聞くのだぞ」

 

将玄「解ってるよ母さん達も体に気を付けてね」

 

千冬「有難う将玄なるべく早く帰るからな」

 

一夏「士郎さん将玄の事を頼むな(例の件も頼むな)」

 

士郎「ああ気を付けてな(解ってるよ)」

 

母さん達は桃子さん達と少し話をしてすぐ店を後にした。そして正午を少し過ぎた頃

 

なのは「ただいまー」

 

???「こんにちわーあっはやてちゃん将玄君来て居たんだね」

 

???「はやてに(まさ)久しぶりね」

 

学校から帰ってきたなのはちゃんとその親友の紫色の長い髪をしている子が月村 すずかちゃんで金髪で外国人のアリサ・バニングスちゃんだ、これは余談だが本人はちゃん付けをすると怒るのだが付け無かったたら無かったで顔を真っ赤にして怒るのだわけわからん 作者(幽)それは照れているだけだ!!リアルツンデレだというのが何故解らないのd

アリサ「そんなに消えたいのなら消して上げましょうか?」ハハハ、なのはや千冬ならいざ知らず、この身は幽霊でしかもアリサなら大丈bって、アリサの背後に杖を構えたピンクブロンドと仕込み銃の傘を構えたチャイナ娘のスタンドだと、いくら中の人繋がりだからってこれはやり過ぎjアリサ「答えは簡単で単純よ、あんたがあたしを怒らせたってことよ~~!!それからツンデレ言うなー!!!!!」ピ「エクスプロージョン!!!!!」チ「ハチの巣になるアル~!!!!!」ホントもうやm

HIGYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

今誰かの気が消えた感じがしたが気のせいだな、俺達は一緒のテーブルで食事をしながらたわいない会話をしてたら珍しいお客さんが来た

 

???「こんちわー士郎さんお久しぶりです」

 

士郎「おっ赤雷(せきらい)君久しぶりだね、どうだね絵の調子は?」

 

赤雷「いやーボチボチと言った所ですよ」

 

将玄「赤雷さんお久しぶりです」

 

赤雷「将玄君久しぶりだね、今も空手の練習を頑張ってるかい?」

 

将玄「はい!もちろんです」

 

この人の名は辰羅川(たつらがわ) 赤雷さん、絵は上手いのだが売れない画家なのだ、また同時に空手家でもあるのだ。

(知る人は知る、あの干支忍の赤雷だ、初めてあった時は握手をお願いしてもらったのは内緒)画家になったはいいが中々絵が売れないのだ、その為近くの空手道場で子供たちに空手を指導のバイトもしている。

昔は【炎の赤雷】と異名が付くほどの強さなのだが、画家になるのが夢だと言って高校卒業と同時に引退して画家の道を歩んだのだ。

(ちなみに今バイトをしている道場は赤雷さんも習っていた道場で忍空流空手道場という名前だ)

 

赤雷「また機会が会ったら組手を見て上げるからな」

 

将玄「はいお願いします」

 

士郎「赤雷君いつものコーヒーでいいのかい?」

 

赤雷「GUUUU~~~」

 

将・ア・士「「「寝るな~~~!!!!」」」

 

赤雷「ハッ!えっと何の話しでしたっけ?」

 

士郎「注文はコーヒーで良いのかどうかを聞いたんだ」

 

赤雷「はいコーヒー1つで」

 

赤雷さんはどこでも寝る居眠り癖があるのだ、その為に絵を描きながら寝るなんてよくあることなのだ、そして赤雷さんは店の一番端のカウンターに腰掛けた(居眠り癖の対策の為である。)

 

すずか「赤雷さんは相変わらずなんだね」

 

なのは「にゃはは、もうお店の皆も慣れちゃったけどね」

 

アリサ「普通なら営業妨害で追い出されるわよ!」

 

はやて「ホンマ、桃子さん達に感謝やな」

 

将玄「皆 結構容赦ないなぁ、一様僕の師匠でもあるんだけど」

 

赤雷さんが来た事でちょっとしたハプニングがあったが食事を終えて皆でなのはちゃんの家の道場に向かった、何故が赤雷さんまで着いてきたが気にしない方向で道場に着いた俺達の前にいたのは、先に練習をしていた恭也さんと美由希さんだ。

 

なのは「お兄ちゃんお姉ちゃんただいまー」

 

ア・す・は「お邪魔します。」

 

将玄「恭也さん美由希さん、今日は稽古をお願いします」

 

赤雷「恭也に美由希ちゃん久しぶりだね」

 

恭・美「赤雷先輩!!!」

 

赤雷さんを見て二人はすごく驚いていた

 

なのは「お兄ちゃんお姉ちゃん、赤雷さんを知っているの?!」

 

恭也「ああ 中学時代の先輩だよ」

 

美由希「その時赤雷先輩は高2で後輩の指導でよく学校に来てたからその時知り合ったのよ」

 

すずか「そうだったんですか」

 

はやて「意外と世の中は狭いもんやなぁ」

 

赤雷さんとの出会いの経緯に納得したすずかとしみじみとした言い方をするはやて

 

美由希「それにしても赤雷先輩、今日はまたどうして道場(ここ)に?」

 

赤雷「何 俺の弟子が剣の修行もしてるって聞いて見学に来たんだよ」

 

恭也「ほう、赤雷先輩からも師事して貰ってたのか?」

 

恭也さんはまるでイジリがいあるって目で俺の顔を見てきた。

 

将玄「まだ基本的な事しかできませんよ」

 

赤雷「そうだなあと3年あれば少しはマシな試合が出来るまでには強くなれてると思うぜ、それまでしっかり鍛えるさ お互いにな」

 

そう言って赤雷さんは恭也さんに挑発的な言葉をかけていた、普段は戦いたがらないのにまたどうして?

 

恭也「なら試合をしませんか?将玄の試合が終わった後で」

 

赤雷「いいぜ忍空に武器が効かない事を教えてやるよ」

 

そのまま挑発仕返してきた恭也さん、それに受けて立とうとする赤雷さん、だが今はそれよりも気になる発言が

 

将玄「ええっ恭也さん試合って今日は基礎だけのはずじゃ」

 

美由希「私が恭ちゃんに頼んだのよ」

 

嬉しそうな顔をして俺の肩に手を置く美由希さん。何でそんなに嬉しそうなんだ?

 

美由希「だって練習ばっかだとつまんないと思ってね将玄君にもいい経験になると思ってねお願いしたの(それに少しでも将玄君に私を意識してもらいたいし)」

 

なのは一同『む~~~』

 

何処か嬉しそうな美由希さんと納得がいかず不満な顔をするなのは達、だが俺はそれよりも試合が出来る嬉しさでそのことに気づいて無い

 

将玄「そうですね分かりました、胸を借りるつもりで頑張ります」

 

美由希「任せて ちゃんと手加減して上げるから頑張ってね♪」

 

お互い竹刀を持って防具を付けず(・・・・・・)に開始線に立った。恭也さんが審判をし、美由希さんは二刀流の構えを取り、俺は左手に竹刀を持ち抜刀の構えを取る。

 

恭也「それでは・・・始め!」

 

開始の合図と共に俺は飛び出した

 

将玄「はああああ!」

 

勢いに任せて、素早く摺り足で美由希さんに近づき居合斬りを放ちながら右切上、左切上、袈裟切り、逆袈裟、の連続斬りを放つも全て見切られ躱されてく。

そのやり取りは1秒、その後も居合斬りの連続攻撃を仕掛けも当たらない、何よりも一度も竹刀で受け流しをしない事に悔しさを感じる

 

美由希「すごいよ将玄君、その歳でここまで剣の基礎が出来てるだけじゃなくて抜刀術までできるなんて♪」

 

美由希さんはまるで自分が褒められたかの様に喜ぶがそれを全て見切って躱しているんじゃあ素直に喜べない

 

将玄「嫌味にしか聞こえませんよ一太刀も浴びせられないなんて、ここまで差があるのはちょっとショックですよ」

 

美由希「ふふふそれは将玄君が分かりやすいからよ、すぐ顔にでるし何より太刀筋が真っ直ぐすぎ もっと虚実を混ぜながら攻撃しないと、こんな風に!」

 

今度は美由希さんが攻勢に出た、中段の構えで防御を取るが右手の竹刀からの薙ぎ払いを受け止めるつもりが竹刀に当たる寸前で左手の竹刀からの薙ぎ払いをがら空きの胴に当たる、そして袈裟切りを受け止めようとしながらまた反対からくるかもと思い警戒したがそのまま竹刀の持ってる手に軌道を変えてきた

 

将玄「ぐっなんで?!」

 

美由希「まだまだいっくよー♪」

 

そして美由紀さんの攻撃は俺の予想した防御の反対側に攻撃が当たるスピードも同じで見切れる速さにも関わらず躱せない

 

美由希「はあっ!」

 

将玄「やべっ」

 

美由希さんはトドメとばかりに左手の竹刀で唐竹割りを放つ、咄嗟に両手で竹刀を持ち防御して衝撃に備えたが、右手の竹刀による突きがモロに鳩尾に決まった

 

将玄「がっ!!」

 

俺は竹刀を放し両手で鳩尾を押さえ片膝を付いた

 

恭也「それまで、勝者美由希」

 

なのは一同『将玄君(将)(将君)(まさくん)(玄君)(はるくん)

 

恭也さんが勝者宣言をしたと同時になのは達が俺の元に来た

 

すずか「将玄君、大丈夫」

 

はやて「将君、残念やったなぁ」

 

アリサ「大丈夫なの。

か、勘違いしないでよ、皆が心配しているから仕方なく心配してるんだからね!。」

 

なのは「大丈夫玄君、お姉ちゃんやり過ぎなの!!」

 

皆思い思いに心配してくれてる、なのはに至っては美由希さんに抗議を言っているのがわかる、このままじゃいけないと思い苦しさを我慢してなのはに美由希さんの弁護をする

 

将玄「なのは・・・美由紀・・さんは・悪くな・・いよ・・・ちゃんと・手加減してくれたから、美由希さん試合ありがとうございました」

 

美由希「ご、ごめんね将玄君、将玄君が中々強くなったからつい嬉しくてチョット熱くなり過ぎちゃった」

 

ドモリながら美由希さんを擁護し、その姿を見て慌てて謝罪をする美由希さん、なのはにも怒られたせいかチョット涙目である(その涙目がちょっと可愛いと思ったのは内緒である)

 

恭也「美由希気持ちは分かるが加減を見誤る様じゃまだまだだぞ。

それから将玄、美由希が今言った様にお前は考えが顔に出やすいし剣筋が真っ直ぐ過ぎる虚実を混ぜると共に2手3手先を読むと同時に攻め込まれた場合の対処も考えるんだ」

 

赤雷「将玄まだまだ道は遠いな」

 

俺だけじゃなく美由希さんにも指導する恭也さんに、道は遠いと現実を突きつける赤雷さん二人とも結構容赦が無い

 

恭也「それじぁあ今度は俺と試合をしてもらおうか赤雷先輩(師匠の座は俺一人で十分だ)」

 

赤雷「解ってるよ、面倒くさいけどな(皆で師匠やれば良いのに、あれは熱くなると周りが見えなくなるタイプだな)」

 

俺達は二人の試合を見るために直ぐに離れて見学モードに入った、そして先程俺と美由希さんがいた場所には恭也さんと赤雷さんがいて、恭也さんは両手に竹刀を持った状態の自然体の構えで、赤雷さんは片手をポケットに入れたまま自然体に構えだ、一様美由希さんが審判を務めてる

 

美由希「それでは・・・始め!」

 

合図と共に動いたのは恭也さんだ、右・左と袈裟斬り、逆袈裟、左切上、右切上、を竹刀を振るうが赤雷さんはズボンに手を入れた状態のまま躱す、時々手を入れてない方で受け流しているが、肝心の俺達はその動きが視えないのだ。

恭也さんは本気を出してるのは何度か見た事があるから何とか分かるが、これは次元が違う正に達人同士の闘いだ。

恭也さんの動きがもう判らない程の猛攻撃を赤雷さんは捌ききるのだ

 

恭也「くっ何故だ全力を出してる筈なのに」

 

赤雷「もう解ったんじゃないかまだ俺には勝てないって?」

 

恭也「まだだこれを受けても同じ事が言えるか、行くぞ御神流奥義 神速」

 

恭也さんが奥義と言った瞬間恭也が消えたと思った瞬間赤雷さんが吹っ飛び、壁に激突し穴が空いた。そして恭也さんの姿が見えた

 

恭也「どうだ」

 

将玄「赤雷さん!!」

 

美由希「恭ちゃんやり過ぎだよ!!」

 

俺は思わず赤雷さんが吹っ飛んだ場所へ行き、美由希さんは恭也さんを叱るだが、その場所に赤雷さんがおらず代わりに丸太があった

 

将玄「えっ居ない、丸太、え?」

 

恭也「何そんなバカな!!」

 

なのは一同『嘘!!』

 

美由希「えっどうなってるの?  あっ!」

 

美由希さんが驚いた声を上げた場所に振り向くと既に恭也さんの後ろに無傷のまま(・・・・・)立っていた

 

恭也「なっそんn」

 

動揺した恭也さんの顔に目掛け正拳突きを寸止めで決めた

 

美由希「そ・・それまで、勝者赤雷さん」

 

美由希さんは信じられないと言う顔で勝利宣言をしていた、それは俺達も同じであった

 

アリサ「赤雷さん今のはなんなのよ!!?」

 

はやて「ホンマや、赤雷さん実はニンジャだったん?」

 

恭也「い、一体いつ丸太に入れ替わってだんですか?」

 

急な出来事に追求するアリサと忍者みたいな事をした赤雷さんに興奮状態のはやてに仕留めたと思ったら倒した相手は丸太でしかも無傷だったことに戸惑いを隠せない恭也さん

 

赤雷「順番に説明するから落ちついてくれ、まず今のは変わり身の術と言って隠し持った丸太を素早く入れ替える事で身を守る術だが、そして忍者じゃない画家だ。

それに恭也お前は攻撃を当てた瞬間勝ったと思って神速を解除したから俺が変わり身を使った事に気付けなかったんだよ。

要するに過信と油断と相手をなめてた事が一番の敗北だな、それが無かったら苦戦していたけどな」

 

俺達の疑問に答えながら恭也さんが負けた理由も説明する赤雷さん、それは決して馬鹿にしている訳じゃ無く楽しめない事を残念がっている様だ

 

恭也「そう、ですか・・・次は絶対に負けません!また今度も試合をお願いします!!」

 

言葉の意味を理解して一瞬申し訳ない顔をしたが、すぐにいつもの恭也さんに戻ってリベンジ宣言をしていた

 

赤雷「気が向いたらな、それじゃそろそろ帰るよこれからバイトがあるからな」

 

将玄「赤雷さん今日は有難うございます、いい勉強になりました」

 

一同『さようなら(や~)』

 

赤雷さんが帰ってから恭也さんは今日の試合で思うところが会ったのか、稽古を中止して一人飛び出していった(その時の顔が活き活きした表情で出かけた事を言っておく)美由希さんと一緒に軽い素振りをして今日の稽古は終わった。

そして今日はなのはの家ではやてと一緒に泊まる事を話したら、アリサは鮫島さんの待つリムジンに急いで乗り込みそのまま行ってしまい、すずかは携帯電話で誰かと会話していた。

会話の中にファリンさんとノエルさんの名前が出ているから家に電話しているのがわかった、それから2時間後

 

アリサ「泊りに来たわよ♪」

 

ボストンバッグを持ったアリサが目の前にいた、それに続くように違うリムジンが来た

 

ファリン「すずかちゃーん、お泊りの荷物持って来ましたー♪」

 

忍「すずか今日はなのはちゃん達と楽しんでね。(頑張って将玄君のハートを射止めてね♪)」

 

すずか「お、お姉ちゃん!何言っているのそんなんじゃないよ!」

 

同じく旅行カバンを持って来た笑顔のファリンさんとその姉の月村 忍さんがやって来た、忍さんに何か言われたのか顔を真っ赤して慌てていた。

 

忍「それじゃ私は恭也を連れて帰るから皆、明日は休みだからって夜更かししないでね♪」

 

ファリン「すずかちゃん、頑張ってね」

 

そう言ってウィンクしてリムジンに乗る忍さんとファリンさん

 

アリサ「それじゃ鮫島明日はお願いね」

 

鮫島「畏まりましたアリサお嬢様、将玄様アリサお嬢様をお願いします。」

 

将玄「わかりました鮫島さんまた明日会いましょう」

 

忍さん同様にそのまま帰っていった鮫島さん、そしてなのはちゃん達を見ると何故か揉めだしていた、さて士郎さん達が帰ってくるまでにこの状況をなんて説明すればいいんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃翠屋では

 

 

 

 

桃子「いらっしゃいませーすいませんがもう店じまいdて、赤雷君お帰り」

 

赤雷「いま戻りましたー士郎さん」

 

士郎「赤雷君今日はすまないな僕の頼み事を聞いてくれて」

 

赤雷「構いませんよ後輩と弟子、何より今まで世話になりっぱなしの士郎さん達の頼みじゃ断れませんよ」

 

そう、赤雷さんは士郎さん達から頼まれて今日の試合を受けたのだ

 

士郎「恭也は大分腕が上がったから今が一番危ないからね油断や慢心しないよう一度負ける必要があるからね、どうだった赤雷君からみた恭也達は?」

 

赤雷「将玄君は小学生とは思えない程の速さ成長してますね剣を学んで2年であの剣捌きはないですよさすがあの二人の息子さんだ、武道全般に才覚を見せ始めてますね。

美由希ちゃんは腕は上がったがやっぱり経験不足のせいで若干爪が甘い所が見えます。

恭也はやっぱり士郎さんが危惧してた事に成りかけてましたね柄じゃ無かったんですが挑発して頭が回らない位に熱くして冷静さを無くしましたからね。

そのまま戦ったら負けはしなかったかど苦戦したでしょうねそれ位強くなってましたよ恭也は」

 

士郎「引退したとはいえ【炎の赤雷】と呼ばれた君にそこまで言わせるか、これはうかうかしてたら僕を超えるかもしれないな?」

 

嬉しそうな顔して言う士郎さん、そんな時またお客が来たみたいだ

 

藤兵衛「お邪魔するよー士郎に桃子ちゃん久しぶりだね、おっ赤雷君も来てたのか?」

 

桃子「立花さんいらっしゃいお久しぶりです」

 

赤雷「おやっさん久しぶりです、元気でしたか?」

 

藤兵衛「私は何時でも元気だよ、所で赤雷君麗朱(れいしゅ)聖柴(せいし)は元気かい?」

 

赤雷がバイトしている道場の師範の麗朱に師範代行で麗朱さんの弟の聖柴さんだ、麗朱さんとは親友でもあり飲み仲間でもあるのだ

 

赤雷「ええ元気ですよ、おやっさんがここに来たのはやっぱり」

 

藤兵衛「ああはやてちゃん達の事でだ。

しっかりしているけどやっぱり子供だからね、大人の私達が見守る義務があるからね、特に将玄君は武道をしてる事を隠しているみたいだからね」

 

士郎「一夏君達には最初からばれている事に気づいてないけどね」

 

桃子「でもそういう真っ直ぐで優しく思いやりのある子だからこそ今の私達がこうして集まったのよ。

なのはの心を守ってくれて、はやてちゃんを孤独から救ってあげられた。

大人の私達がしなきゃいけない事をやってくれた。

将玄君は人の悲しみに人一倍敏感だから気付けたのね」

 

藤兵衛「だけど乙女心には一切気付かないのは間違いなく一夏君譲りだね、こりゃ将来が違う意味で心配だよ」

 

赤雷「あれは異常でしょ。

傍から見れば惚れられているのは一目瞭然なのに何故気付かないのか?」

 

大人一同『はあぁぁぁぁ~~~~~~~』

 

そんな雑談を少しした後

 

赤雷「そんじゃそろそろ帰ります。

また俺の力が必要なら何時でも言って下さい、俺は勿論だけどお師匠さん達も協力は惜しみませんよ」

 

藤兵衛「私もお暇させてもらうよ、近々グレアムさんが娘さんと一緒に尋ねられるそうだと言ってたよ〈美味しい紅茶を頼む〉と言ってたよ」

 

桃子「有難うございます立花さん、グレアムさんによろしく言っておいて下さい」

 

士郎「立花さんまた美味しいコーヒーお願いします」

 

店を後にした立花さんと店じまいした翠屋の前にいる高町夫妻

 

桃子「さてと買い物して帰りましょうか士郎さん」

 

士郎「ああ行きましょう桃子さん僕達の家に、家族の所に」

 




いかがでしたか?新キャラ忍空の干支忍の赤雷が登場しました(師匠たちは名前だけでまだ出しません)。これはオリ主が仮面ライダーになった時の伏線です。例えるなら1号、2号の滝 和也やRXの霞のジョーのポジションです。初の戦闘抽象は難しいかったです。次回は、お泊りの様子と日曜日の過ごし方編です。
それじゃまた会える日までさよなら。
(注)大人なのはが出ていた部分は不評だったので変更しました。まだまだ未熟ですが応援よろしくお願いします。


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第2話  日常編:休日の過ごし方(お泊り編)

お待たせしました、ようやく2話を投稿できました。
まだ日常編が続きますが楽しんでいただけたら幸いです。


士郎さん達が帰って来るまで結局皆は落ち着かずこの状況のまま5分後すぐに帰って来た

 

士郎「ただいま、今帰ったよ」

 

桃子「ただいまあら、何だか賑やかねぇ何かあったの?」

 

将玄「お帰りなさい、実は今日アリサちゃんとすずかちゃんが自分達も一緒に泊めてくれと言い出してこの状態に」

 

皆の説得に力及ばずこうなった現状を桃子さんに説明した

 

桃子「成程、将玄(まさはる)君達が家に泊まるなら自分達も泊めても問題ないだろう、そう言いたいわけね?」

 

将玄「大体そんな感じです」

 

士郎「そして飛び出した恭也は忍ちゃんが回収して屋敷に連れて帰ると言ったんだね?」

 

将玄「そうです」

 

桃子「そうわかったわ、それじゃアリサちゃん達も一緒にお泊りする事を認めます」

 

な・は・美「「「お母さん(桃子さん)」」」

 

桃子さんの鶴の一声でアリサちゃん達のお泊りが許可された、なのはちゃんとはやてちゃんと美由希さんは何故か不満げな声を上げていたがすぐに笑顔に変わっていた

 

士郎「良かったね二人とも、ゆっくりしていってくれ。」

 

アリサ「突然お邪魔して御免なさい、桃子さん今日はよろしくお願いします。」

 

すずか「泊めてくれて有難うございます桃子さん」

 

桃子「アリサちゃんもすずかちゃんも緊張しないで、ここを自分の家だと思って遠慮しないでいいからね♪ せっかくだから今日の夕食は家庭的なものにしましょう」

 

突然の訪問して来たにも関わらず喜んでくれてる桃子さん、やはり心も器も大きい人だ桃子さんを言葉で表すなら“日本のお母さん”の一言に尽きる

 

桃子「あら嬉しい事を言ってくれるわね、今日は将玄君の好きな肉じゃがも作るからね♪」

 

何故か心に思ったこともお見通しだ、俺は勿論士郎さんもなのは達も隠し事が出来た試しがない。

だが大好物の肉じゃがを作ってくれるのは嬉しい誤算だ、前世からの好物だから桃子さんの作った肉じゃがは父さんでも勝てない程美味しいのだ。

 

なのは「む~~お母さん私もお手伝いするの、肉じゃがの作り方教えて欲しいの!」

 

はやて「桃子さん私にも教えてや~」

 

すずか「あの、私にも教えてください桃子さん」

 

アリサ「桃子さん、女性の嗜みとして私にもご教授してください」

 

桃子「あらあら皆考えることが同じね、いいわよ作り方教えて上げるわ頑張ってね恋する乙女♪」

 

美由希「くっ私だって・・・うわぁぁぁぁ~~ん!!」

 

桃子さんの手伝いをするを息巻いてるなのはちゃん達に何故が意味あり気な笑みを浮かべる桃子さん、そして泣きながら自分の部屋に籠ってしまった美由希さん(高町家で唯一料理ができないのだ)

 

士郎「将玄君、今日の試合はどうだった?」

 

将玄「いやぁボロ負けでしたよ。

初試合は黒星で始まりましたが、得る物は沢山ありましたね」

 

士郎「そうか、だけど決して諦めるんじゃないぞ負けからも学べる事は沢山あるからな」

将玄「はい、今度は士郎さんとも試合をお願いします」

 

そんな会話をしながら待っていると台所から美味しそうな匂いがしてきた

 

なのは「お父さんに(はる)君ご飯できたよ♪」

 

はやて「ほな席に着こうか~」

 

なのはがはやての車イスを押して夕飯ができた事を知らせにきた。

食卓に向かうと丁度食事を並び終えて椅子に座って待っているアリサとすずかに桃子さん

 

アリサ「(まさ)遅い、呼ばれたら早く来なさいよね」

 

すずか「アリサちゃん、将玄君そんなに待ってないからね」

 

桃子「はーいお待たせ、今日のメニューはアサリのみそ汁にほうれん草のお浸しと菜の花の辛し和えと肉じゃがよ~、たくさん食べてね」

 

来るのが遅かったのか(ふく)れ顔のアリサを宥めるすずか、気にせずに今日の献立を笑顔で発表している桃子さん

 

将玄「ごめんね遅くなって、ちょっと話に夢中になって気付かなかったんだ」

 

士郎「いやーすまない、ここは僕に免じて許してくれないかなアリサちゃん。」

 

アリサ「(これはチャンスかも!)仕方ないわね、士郎さんに免じて許してあげる。

けどそっその代わり、わ、私とつっつつつ付き合いなさい。」

 

なのは一同『なっ!!!!!!!!』

 

美由希「ええっ!!」

 

桃子「まぁまぁ♪」

 

アリサの以外で大胆な発言になのはちゃん達は驚きの声をあげ、いつの間にか部屋から出てきた美由希さんも驚き、桃子さんはなぜか笑顔でこれから起こる事を楽しんでいる桃子さん。

 

将玄「いいよ。」

 

(桃子以外)一同『嘘だ!!!!!!!!!』

 

アリサ「ほっほっ本当に!、本当にホントにほんとに、付き合ってくれるの?」

 

将玄「もちろん!付き合うよ、買い物ぐらい。」

 

ピキーンッ!!

空気が凍りつく音がアリサちゃんから聞こえた気がする

 

なのは一同『よかったぁ~、けどこれはないよ~(あかんで~)』

 

士朗「・・なんか結婚する前の一夏君を見ている気分だよ。」

 

桃子「あ~あ、やっぱりこの展開になっちゃったわね♪」

 

なのはちゃん達は何故かホッとしたかと思えば俺の顔を見て呆れた声を出してくるし、士朗さん昔の父さんって、その事詳しく聞きたいです。

そして桃子さん、まるで見ているドラマが予想通りになった事に喜ぶ顔をするのはやめてください。

 

アリサ「…そ…よ…ね……そういう奴だったわー!!!。

そうよ荷物持ちと買い物に付き合いなさいよー!勿論将の奢りでー!!」

 

将玄「ちょっと待ってよ何で僕が奢る話になっちゃうの?、荷物持ちは分からなくもないけど。」

 

アリサ「うるさい、自業自得と言う事で諦めなさい!!」

 

何でこうなったんだ?ただ買い物に付き合うだけで

 

士郎「違う意味で才能があるよ(鈍感の)」

 

桃子「将玄君がそれ(鈍感)を克服して周りに気付いた時が楽しみね♪」

 

士郎さん達は才能がどうのこうのいっているが聞こえるが何の才能が有るんだろう?

色々あったがアリサちゃんに何とかなんとか奢りの件は無かった事に出来た。

でないとはやてが必ず自分にも奢れと言って周りを巻き込んでくるのだ。

 

桃子「それじゃちょっとハプニングがあったけど、改めて夕食にしましょうか。」

 

士郎「それじゃ手を合わせて」

 

『いだただきます』

 

皆はそれぞれのご飯に箸を伸ばして桃子さんの料理を食べた。

 

すずか「桃子さんの料理、翠屋とはまた違った感じでとても美味しいです」

 

アリサ「ホント、家の専属シェフの料理とも違う優しい味がします」

 

はやて「ホンマやで、これがホンマの母の味ちゅうもんやで~」

 

なのは「にゃはは、お母さんの料理が皆の口に合って良かった」

 

将玄「本当に桃子さんの料理は美味しいです。

家でも練習してるけどこの料理の3割も味が出せないからなぁ。

まだまだこれからも頑張りますので指導お願いします。」

 

桃子「良いわよ、将玄君よく頑張るから教えがいがあるわ。」

 

アリサ「待って将、あんた料理ができるの?」

 

将玄「あたり前だよ、僕もはやても毎日桃子さんやおやっさんに頼りっぱなしになるわけにはいかないからね。

去年から始まってお弁当まで作れるようになったよ。」

 

なのは「なのはも最近お弁当が作れる様になったの」

 

すずか「将玄君もなのはちゃんもはやてちゃんもすご~い!」

 

はやて「まだ桃子さんの足元に及ばへんけどなぁ~♪」

 

アリサ「あっあたしも明日から料理を家のシェフに指導して貰うんだからね!(そして将に美味いって言わせるんだからね。)」

 

俺が料理出来る事に驚くアリサに、近況報告しているなのはと何故か自慢するはやて。

それを素直に褒めてくれるすずかに、なのはちゃん達に対抗意識を燃やしているアリサがいた。

そんな会話をしながら食事を済ませると洗い物をしている桃子さんと一緒に手伝いをしている。

なのはちゃんとはやてと美由紀さんはお風呂に行きました、美由希さんははやての介護の為によく一緒に入りなのはちゃんはそのお手伝いをする為に。

アリサちゃんとすずかちゃんは後で桃子さんと一緒に入る事になっている。

 

 

 

一方お風呂場では

 

 

 

美由希「ちょっはやてちゃん胸を揉まないで、これじゃ洗え・・いやん」

 

はやて「美由紀さん相変わらずエエ胸してますなぁ~、揉み応えがあるで~♪」

 

なのは「はやてちゃん、まるでセクハラオヤジみたいなの」

 

自分の介護をしてくれてる美由希さんの胸を揉みしだいでおり、それを見て素直な気持ちを漏らすなのはちゃん。(みたいじゃなく、セクハラ其の物だ)

 

はやて「ほう、そんなん言うんはこの胸か♪」

 

なのは「にゃ~胸は何も言わないの。

それにはやてちゃんに揉まれたくないの~」

 

はやて「ほな誰やったらいいんや?」

 

なのは「そっそれは・・・もうはやてちゃん意地悪しないでほしいの!!」

 

自分をターゲットにして来たはやてちゃんに涙目になって抗議してるなのはちゃん

まぁこれはいつもの事なのだ、アリサちゃんとすずかちゃんを一緒にしなかった理由ははやてちゃんの毒牙に掛からない為である(6名も入る程広くない事もあるが。)

 

 

 

所変わってリビングでは

 

 

 

アリサ「・・はやてって、お風呂では何時もこうなの?」

 

将玄「うん...美由希さんは勿論、なのはちゃんも桃子さんも僕も(・・)ヤられたよ。」

 

すずか「ちょっと待って今僕もって、将玄君はやてちゃんと一緒にお風呂に入ってたの?!」

 

将玄「ああそうだよ、お泊りが無い日は僕がはやての介護をしているんだよ。(前世でもよく利用者にしてあげたからなぁ)」

 

はやての変貌(性癖)っぷりに唖然とした顔で俺に尋ねるアリサに、俺の発言に吃驚して真相を追求してくるすずかちゃんの疑問にちゃんと答える。

 

アリサ「だからって一緒に入るのはどうかと...そういえばさっき僕も(・・)って言ってたけど、あんたも揉まれてたの!」

 

将玄「うんほら僕って髪を肩まで伸ばしてるし、父さん3割でと母さん7割って感じでしょ?そのせいではやてのターゲットにされちゃって。(危うく違うトビラが開きかけたけど...はぁ~)」

 

そう言って黄昏れてる僕を見て二人はこれ以上は追求はしてこなかった、そして何時の間にかなのはちゃん達がお風呂から出てきたみたいだ。

 

はやて「待たせてごめんなぁ~長風呂になってもた~♪」

 

な・美「「はぁ~疲れた~」」

 

艶やかな顔して出てきたはやてちゃんにお風呂に入ったのに疲れた顔で出てきた二人...ご愁傷様です。

 

桃子「お疲れ様二人とも、それじゃアリサちゃんにすずかちゃん行きましょうか」

 

ア・す「「はい!」」

 

将玄「今待ってて、飲み物を取って来るよ」

 

桃子さんの声掛けにお風呂場に向かう二人を見送り、なのはちゃん達に飲み物を取りに冷蔵庫に向かった

 

将玄「はい、なのはちゃんとはやてちゃんは牛乳に美由紀さんはフルーツ牛乳どうぞ。」

 

な・は・美「「「ありがとう」」」

 

3人は飲み物を受け取るとまるでシンクロしたみたいに飲みだした

 

なのは「美味しいの~」

 

はやて「やっぱ風呂上がりはこれやで~」

 

美由希「ふぅ~癒される~」

 

将玄「なのはちゃん美由希さんお疲れさま、はやてもうチョット自重してよ。

僕もなのはちゃん達もこれじゃ身が持たないよ。」

 

はやて「だが断るで!!そこにおっぱいがある限り私は揉みまくるんや-!!」

 

将・な・美「「「はやてちゃん!!本気で怒るよ!!」」」

 

将玄「それに僕は男なのに何で揉むの?!」

 

はやて「何ゆうてんねん、立派な男の()やないか~」

 

将玄「今絶対に違う意味で言ったよね、言ったよね?」

 

はやて「何の事かわからへんなぁ~?」

 

ニヤニヤした顔で言っても説得力が無い、はやてとお風呂の時はいつもこんな感じなのだ。精神的に疲れてしまいお風呂に入っても疲れが取れない、悪循環で敵わん。

そんな感じで会話をしながらテレビを見ている内に時間が流れ、桃子さん達の声が聞こえてきた。

 

桃子「お待たせ、お風呂上がったわよ~」

 

アリサ「いい湯だったわ、将お待たせ」

 

すずか「将玄君ごめんね、遅くなっちゃって」

 

将玄「大丈夫だよすずかちゃん、そんなに待ってないから謝ることないよ。

それじゃ士郎さん行きましょうか?」

 

士郎「ああ、行こうか」

 

そう言って士郎さんと一緒にお風呂に入っていく僕達の後ろではやてちゃんがアリサちゃんと口論しているのが聞こえてるが無視しよう、偶にはお風呂でゆっくりしたいんだい。

 

 

 

 

 

将玄「それにしても士郎さんの体の傷、すごいですね。」

 

士郎「まあね。ボディーガードをしていた事は前に話したから察してるかもしれないが、その時に受けた傷と入院してた時の傷もあるからね。」

 

将玄「もう桃子さんとなのはちゃん達を心配させないでくださいね」

 

士郎「分かってるよ将玄君には感謝してるよ、なのはの事は勿論だが恭也の件でも感謝しても足りないくらいだよ。」

 

そう言って僕に頭を下げてくる士郎さんがいた、流石に面を喰らった。

 

将玄「しっ士郎さん、頭を上げてください僕は大したことはしてませんよ。」

 

士郎「そんな事はないぞ、君が居なかったらなのはに心の闇ができてそれが一生の傷(トラウマ)になっていたはずだ。

恭也だってそうだ、君が止めなかったら無茶な鍛練できっと体を壊していたに違いない。

将玄君高町家の大黒柱として、そして父親として改めて礼を言わせてくれ、家族を助けてくれてありがとう。」

 

そう言ってまた頭を下げてくる士郎さん、これを断り続けるわけにはいかない。

 

将玄「分かりました、その礼素直に受け取ります。

頭を上げてください士郎さん。」

 

士郎「そうかい、いやすまなかったね突然こんな事をして」

 

将玄「いいえ、士郎さんの気持ちを考えれば分かりますよ」

 

士郎「なんか辛気臭くなってしまったね、サッサと入っちゃうか?」

 

将玄「そうですね」

 

何とも言えない空気が出来てしまったので早めに上がる事になってしまった

 

士郎「おーい、上がったぞ」

 

将玄「桃子さんお風呂上がりましたー。」

 

桃子「はーい、将玄君こっちにおいで髪を乾かして上げるわ」

 

将玄「はい、有難うございます」

 

俺の髪はいつもは自分でやるが泊りにきた時は桃子さんに乾かして貰っている、偶になのはや美由希さんがやってくれる。

 

桃子「今日は早かったわね、何かあったの?」

 

将玄「ええ、少しだけ...だけど何でも無いもで気にしないで下さい。

(後の事は士郎さんから聞いてください)」

 

桃子「そう分かったわ」

 

そんな会話をしながら桃子さんに髪を乾かして貰った。

それから桃子さん達と今日の出来事を話題にしながら夜が過ぎていった。

 

桃子「あらもうこんな時間、さあ今日はもう終わりにして続きはまた明日にしましょう。」

 

なのは達「「「「「は~い」」」」」

 

士郎「それじゃリビングを片付けて布団を敷こうか、将玄君手伝ってくれるかい」

 

将玄「分かりました」

 

士郎さんと一緒に片付けをして布団を5つ敷いた(ちなみに漢字の日の字に成っている)

 

アリサ「なんか皆で旅行に来たみたいね」

 

すずか「うん、とってもワクワクしてるのがわかるよ」

 

はやて「偶にはこうゆうのもエエなぁ♪」

 

なのは「すっごく楽しいの♪」

 

将玄「それじゃ桃子さん士郎さん美由希さん、また明日おやすみなさい」

 

な・は・す・ア「「「「おやすみなさい」」」」

 

桃子「はいおやすみなさい、良い夢を見てね♪」

 

士郎「おやすみ」

 

美由希「皆おやすみなさい、将玄君また明日ね(なのは達が羨ましい)」

 

桃子さん達も2階に上がっていった

 

アリサ「将おやすみ」

 

すずか「将玄君おやすみなさい」

 

はやて「将君おやすみ~」

 

なのは「玄君おやすみなの」

 

将玄「アリサちゃん、すずかちゃん、はやて、なのはちゃん、おやすみなさい」

 

そして長い一日が終わりを告げ、また騒がしい明日が始まるのだ。




いかがでしたか?本編が始まったらいずれオリ主の設定を出したいと思ってます。
次回は翠屋で働く話になります、どうか応援宜しくお願いします。


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第3話  日常編:休日の過ごし方(翠屋編)

2ヵ月もお待たせして申し訳ございません。思っていたよりも時間が掛かってしまいました。
仕事の忙しさと新しく出たゲームにハマったり等で投稿が遅れました。
上手くない文章ですが楽しんでいただけたら幸いです。
今回は意外な人物が登場します。


ふと自然に目が覚め、時計を見てみると時間は5時を指していた。

俺はなのはちゃん達を起こさない様に静かに布団から抜け出して洗面所に向かい、顔を洗っていると美由希さんも起きてきたみたいだ。

将玄

「美由希さん、おはようございます」

美由希

将玄(まさはる)君おはよう、今日も早いね、てっきりランニングはお休みすると思っていたのに偉いね」

将玄

「毎日やっていたから、早く起きるのが習慣になっちゃって」

 

美由希さんに褒められて、少し照れくさい感じで答えた

美由希

「それじゃ今日は軽くランニングと基礎訓練だけにしよっか、お店の手伝いもしなきゃいけないしね」

将玄

「はい、お願いします」

 

交代するような形で洗面所から美由紀さんと別れて運動用のジャージに着替えて家の外で体操をしてるとジャージ姿になった美由希さんが出てきた

美由希

「じゃ、準備ができたみたいだし行こっか♪」

将玄

「今日こそ一緒にゴールして見せますよ」

美由希

「頑張ってね」

 

そして一緒にスタートしたのはいいが、公園までの距離が半分になった時には美由希さんとの差が50mも離されていた(公園までの道のりは約2.5km)

将玄

「やっぱり離されちゃったか、小学生と高校生の差を考えれば当然だけど未だに前世(あっち)の頃の感覚が抜けきっていないのかなぁ?」

 

前世と現世とのズレに違和感を感じながらランニングを続け、公園まで500mで美由希さんが折り返して戻ってきた来たところの様だ。

美由希

「将玄君、先に戻っているね」

将玄

「はい、また後で会いましょう」

 

そう言って美由希さんは先に家に戻って行き、俺はランニングを再開し40分後になのはちゃん家に帰りそのまま道場に向かった

将玄

「ただいま戻りました」

士郎

「おかえり、早かったじゃないか美由希はもう始めてるよ」

将玄

「士郎さんおはようございます、僕も今から始めます」

 

道場に入り美由希さんの隣で中段に構えて素振りを開始し、100回程こなして今度は居合の構えで素振りを再開し左右均等に100回ずつこなした

将玄

「士郎さんどうですか、何処かいけない所がありましたか?」

士郎

「いや、もうどちらも体がブレずに素振りが出来るようになっているよ。

だが、美由希が言った様に{これから攻撃する}って顔に出てしまっているし剣筋が真っ直ぐ過ぎる。

虚実を混ぜる事はこれから経験を積んでいけばいいが、一番重要な事は攻める時と攻められた時の対処を考える事だ。」

将玄

「対処ですか?」

士郎

「そうだ、例えば居合切りを放った時に相手が受けずに避けた場合君自身にスキが出来る。

その時は転がって回避するか、鞘で受け止めるか、または相手は避けたが体制が崩れてそのまま攻撃が出来るチャンスがあるが、これが罠である可能性を考え一旦体制を立て直す為に下がる等、こんな風にいくらでも考える事が出来る」

将玄

「なるほど、恭也さんが二手三手先を読んで行動しろと言った意味が解りました」

 

相手が攻めた場合の行動を予測して防御や受け流し、またはそれに合わせたカウンターを与える事だってできるようになるはずだ。

 

 

なのは

「お父さん、お姉ちゃん、(はる)君、もうすぐ朝ごはんができるよー♪」

士郎

「ありがとなのは、二人とも今日はこまでだ。

後片付けをして軽く体操をやってからご飯にしよう。」

将・美

「「はい」」

なのは

「それじゃ先に戻ってるね」

 

なのはちゃんはそのまま戻って行き、俺達は後片付けをして簡単な体操を終えて着替えをして食卓にむかった

 

士郎

「今もどったよ」

美由希

「お待たせみんな」

将玄

「待たせちゃったかな?」

 

少し遅くなったので皆を待たせてないか聞いてみた。

すずか

「ううん、今ちょうど準備ができた所だよ将玄君」

はやて

「ほな早く席に着いてやぁ~」

アリサ

「もう急ぎなさいよ!お腹ペコペコなんだから!!」

なのは

「にゃははお母さん、皆揃ったからご飯にしよう」

桃子

「それじゃ皆いただきましょう」

 

『いただきます!!』

 

桃子

「どうかしら、今日はトーストにベーコンエッグとコーンスープとレタスのサラダとフルーツヨーグルトにしたけど、美味しい?」

将玄

「はい、今日も美味しいです」

アリサ

「タマゴの黄身が半熟で丁度いい位ですよ」

すずか

「コーンスープがとても美味しいです」

はやて

「ホンマ桃子さんの料理には敵わへんなぁ~(けど絶対に上達して将君に「はやてのご飯が一番うまい」って言わせるで~)」

美由希

「いいなぁ、母さんは料理が上手で(何で上達しないんだろう? あんなにも頑張ってるのに)」

 

桃子さんの料理を素直に賞賛する者と野心を抱いている者と才能の無さに嘆いている者など各々の思いがある中、一人だけ違う事を言う者がいた

 

なのは

「玄君、今日のベーコンエッグどう?」

将玄

「ん?今日のはタマゴの黄身が完熟と半熟の間で作られていて、僕の好みに出来ていたけど?」

なのは

「それね実は、なのはが作ったの!」

将玄

「本当に! 桃子さんが作ったかと思う位に美味しかったよ、なのはちゃん」

ア・す・は・美

「「「「何ですって(何やて)!!」」」」

 

なのはちゃんの問いに素直に答えると、なのはの突然のカミングアウトに驚きの声を上げる四人となのはちゃんの料理に褒める俺。

士郎

「頑張ったじゃないか なのは」

桃子

「これでまた一歩近づいたわね♪(将玄君のお嫁さんへの距離が)」

なのは

「にゃはは、玄君に喜んでもらえて嬉しいの♪(お母さんと一緒に1ヵ月間ずっと頑張ったかいがあったの)」

 

娘の努力が実を結んだことに喜ぶ士朗さんに、二人の将来計画に画策する桃子さん。

なのはも、思い人に褒められて満面の笑顔で喜んでいる。

アリサ

「くっ!(完全にやられた。だけど将の好みが分かったのは好都合よ、必ずココから巻き返して見せるわ!!)」

すずか

「むぅっ(なのはちゃんずるい! 家に帰ったらノエルに頼んで料理の練習を見て貰おう。)」

はやて

「ほぉ~(やっぱしなのはちゃんが一番の強敵や。将君の『ファースト幼馴染み』を名乗っとるだけはあるなぁ~。けど私は諦めへん、皆が笑顔のエンディングを目指すでぇ~!)」

美由希

「むむっ(まだ望みはあるもん! 千冬さんだって掃除も料理も出来ないのに結婚できたんだから希望はまだある!!)」

将玄

(なのはちゃん相当頑張ったみたいだな。僕も料理で負けない様に頑張らないとな。)

 

其々の野望に燃えてる4人だが、肝心の本人が気づいてない上に盛大な場違いな考えをしていた。

朝食を食べ終えてから士郎さん達は先に翠屋に行き、アリサちゃん達も一度家に帰ってから翠屋に来ると約束して二人を見送り、俺達も準備を終えて翠屋にむかった。

11時頃になるとアリサちゃん達がやって来た。

はやて

「いらっしゃいませー。おっアリサちゃん達やっと来たなぁ~」

アリサ

「はやて!何やってるのよー」

すずか

「はやてちゃん、なんか楽しそうだね」

「はやてちゃんよく似合ってるじゃない可愛いわよ」

 

翠屋の入口前に車イスに乗ってビラ配りをするメイド服姿のはやてちゃんの姿に、その近くでウェイトレスをしてる美由希さんの姿もあった。

はやて

「いややわ~忍さんそんなん褒めんといて~ ♪。なのはちゃんが手伝ってる所を見て面白そうやったから桃子さんに頼んでみたらビラ配りを任されたんよ~。

中になのはちゃん達がいるからゆっくりしてってやぁ~。」

 

はやてちゃんの事情を聴いて納得した三人は店の中に入るとウェイトレスが来た

???

「いらっしゃいませー 席は此方になります。」

アリサ

「へっ?.......ちょっ..将玄!あんたその恰好...」

すずか

「将玄君どうしたの?その恰好を?」

「あら将玄似合ってるじゃない...そのメイド服♪」

 

アリサちゃん達が見たのは髪に白いリボンと右側にサイドテールに纏めてメイド服を来た防人(さきもり) 将玄(まさはる)の姿があった。

将玄?

「ありがとうございます。ちなみにお客様ここでの私の名前は冬夏(とうか)と言います。(後で説明するから)」

アリサ

「わかったわ、ちゃんと説明してよね」

すずか

「将玄君...その、似合ってるよ」

「さあ二人とも席に着きましょう」

 

忍さんに促され席に着いたすずかちゃん達にメニューを渡して持ち場に戻った将玄を見送り(その背中には哀愁が漂っていたが)、メニューが決まり注文をする為に店員を呼ぶと。

なのは

「いらっしゃいませーご注文はお決まりですか?」

 

何時ものツインテールではなく将玄とは逆の左側のサイドテールに白いリボンで髪を纏めたメイド服姿のなのはがやった来た。

アリサ

「なのは!あんたまでメイド服を来て、しかも髪型もサイドテールに成ってるじゃない」

なのは

「にゃはは、似合うかな?」

すずか

「うん似合ってるよなのはちゃん」

「髪型は将玄君とは左右逆になってるのね」

なのは

「ありがとうすずかちゃん、この髪型は小さい頃してたんだけど玄君と一緒にお手伝いする時だけこの髪型に戻してるの」

 

すずかに褒められた事を素直に喜びメイド服姿の説明をアリサ達にしていた。

ちなみに将玄のメイド服は桃子さんのアイディアでリボンはなのはが自分の物を貸したやつだ。(本人は勿論速攻で反対してたが、なのはの涙目で上目遣いの目線と桃子さんの笑顔の前に逆らえるはずもなかった)

説明を終えてアリサ達から注文を聞き仕事に戻るなのはを見送り、10分後に注文を持ってきた将玄こと冬夏が来た。

冬夏

「おまたせしました。カルボナーラ3つに紅茶3つお持ちしました。」

アリサ

「なんか将n「ゴホン」...冬夏の姿って千冬さんに似ててあんまり違和感が無いんだけど?」

すずか

「うん...私達よりも可愛いかも」

「ねぇ冬夏ちゃん、家ですずか専属のメイドにならない?お給料弾むわよ♪(メイド服だけじゃなくてゴスロリや巫女服なんかも着させたいわ♪)」

 

母さん似の為に違和感ゼロとアリサに断言された上にすずかには自分達より可愛いと言われる始末。忍さんからは執事ではなくメイドとしてスカウトされるが何故か嫌な予感しかできない。

冬夏

「忍さん慎んでお断りします。(忍さんの目がまるでメイド服を着させる時の桃子さんと同じ獲物を狙う狩人(ハンター)の目をしてるよ)私は翠屋だけで十分ですから。」

「そう解ったわ。(チっ)」

冬夏

(今間違いなく舌打ちしたよ忍さん、どんだけ連れて行きたかったんですか!)

桃子

「冬夏ちゃん4番テーブルオーダーよ」

冬夏

「分かりました。それじゃ皆また後で」

すずか

「冬夏ちゃん頑張ってね」

アリサ

「早く戻って来なさいよね」

 

アリサちゃん達を後に仕事に戻ってオーダーの入ったテーブルに向かうと珍しいお客様が来ていた。

???

「はぁ~い久しぶりね将玄君、おっと今は冬夏ちゃんだったわね♪」

冬夏

「ドゥーエさん2週間ぶりですね、今日はお仕事お休みなんですか?」

ドゥーエ

「ええ、久しぶりに此処のシュークリームが食べたくなっちゃってね。

それに君ともお話がしたかったからね♪」

 

彼女の名はドゥーエさん、長い金髪と金色の瞳が特徴的な女性で半年前に偶々しつこい男達にナンパをされていた所を発見して助けた事で知り合い、休暇でこの街に遊びに来たと話していてその時に翠屋に案内した事をきっかけに遊びに来るようになった。

ドゥーエ

「そうそうこの前借りた本面白かったわよ【仮面ライダーV3】と【仮面ライダーX】の原稿の奴。ドk..父もこの本にとても興味をもってたわ。」

 

実は4ヵ月前に出来たばかりの本を士郎さんから受け取る所を見られて、観念して見せたら最初の10頁あたりで驚いた顔をして、一瞬俺を睨み付けたかと思ったら直ぐ本に目を戻して15分位経った頃には何時もの笑顔に戻って貸して欲しいと頼まれた。

断ろうとしたんだがその目があまりにも真剣だったので「何処ですか?」と聞いたら、「突然改造され人であって人では無い苦しみを受けながらも“人々の自由と平和の為に戦う”と言える事に興味がでてね。それに小説だって分かってるけど本当の様に思えたから」と言ってた。

まるでその言葉が信じられないという顔と同時に眩しい物を見るような顔をしてて、それを見て二つ返事でOKしたのだ(その時からなんだよな、ドゥーエさんがなのはちゃんや美由紀さん達の様に接して来たのは何でだろう?)。

その時にパソコンに打ち込み終わった仮面ライダーXの原稿も一緒に貸してあげたのだ(ちなみに原稿の内容はアポロガイストを倒した所で終わってる)。

 

 

冬夏

「確かドゥーエさんの父親って科学者でしたっけ?よくこんな子供の書いた小説を読む気になりましたね(完全に前世(あっち)の世界の物語のパクリだしなぁ)」

ドゥーエ

「ストーリー性が良くできたし、ライダーマンこと結城丈二の人生と生き様やカセットアームなんかは科学者として興味をそそるとか言ってわね。

それから仮面ライダーXの神 啓太郎に一番興味を示してたわ。(それを読んでからドクターの考え方と雰囲気が変わっちゃったけどね♪)」

冬夏

「ふ~んそうなんですか(素直に喜べない。パクリの上に俺の黒歴史が色んな人に知られてゆく事が、恥ずかし過ぎる)

そ、それで話は変わりますが、ご注文は何になさいますか?」

ドゥーエ

「コーヒーと日替わりランチでデザートにチーズケーキね。お土産用のシュークリームを5つお願いね♪」

冬夏

「かしこまりました。では少々お待ち下さい」

 

俺は注文を厨房に伝えにいく為、離れていった。そして忍さん達の食べ終わった食器を下げる為に忍さん達のいるテーブルに向かった。

 

冬夏

「お客様食器を片付けてもよろしいでしょうか?」

アリサ

「その前に将hじゃなくて冬夏、あのテーブルの女性は誰なのよ!どういう関係なのかキリキリ言いなさい!!」

すずか

「冬夏ちゃんワタシモシリタイナ。」

「冬夏ちゃん食器は下げても大丈夫よ♪」

 

俺の顔を見るやいきなりドゥーエさんの事を怒りながら聞き出そうとするアリサちゃんに笑ってるけど目が全然笑ってないすずかちゃんにこの様子を華麗にスルーしてる忍さん(絶対に楽しんでいるよ。この人)

冬夏

「あの人はドゥーエさんって言って半年前に知り合ったお姉さんでナンパされて困ってたから助けて上げた事を切っ掛けに知り合ったんだよ。関係は…歳が離れた友達かお姉さん的な感じだよ。」

アリサ

「なあんだ、其れならそうと言いなさいよね!(一応警戒しといた方がいいわね。)」

すずか

「そうだったんだまsじゃない冬夏ちゃんらしいね(今は大丈夫だけどあと10年いや8年したらわかんないかもその間に何とかしないと)」

「そういう所は相変わらずね(すずか達のライバルがまた増えたわね)」

 

ドゥーエさんとの関係を説明したら納得してくれたみたいだ。でもアリサちゃんとすずかちゃんが何か考え事をし始めてしまったがまぁいいか。

食器を片づけて、ドゥーエさんの所にランチを持っていくとドゥーエさんにもアリサちゃんと似た質問をされた(特に忍さんの事を睨んでたが、恭也さんの恋人と言ったらいつもの笑顔に戻った)。

ドゥーエ

「それじゃ冬夏ちゃん私はこれで帰るわね。近いうちに父と姉妹達を紹介するわね♪」

冬夏

「わかりました楽しみにしてますね。お客様ありがとうございましたまたご利用くださいませ。」

 

ドゥーエさんを見送ったあと俺となのはちゃんとはやてちゃんは着替えてアリサちゃん達の座るテーブルで昼食を食べる事になった。

アリサ

「さぁ将、なんであんな格好(メイド服)だったのか説明しなさい。」

将玄

「1年生の時に桃子さんがお揃いのメイド服を作ってなのはちゃんと一緒に着てと言った事が全ての始まりだよ。

最初にこの姿に成った時は誰も僕だと分からないし、そのうえなのはちゃんと鏡合わせになるみたいに髪型やリボンまで揃えて当時は身長が一緒だったから二卵性の双子なのか?と聞かれた事もあったよ。」

なのは

「にゃはは、そんな事もあったね。それが好評になって今に至ったの。」

はやて

「私はいっぱつで将君やってわかったで~将君の事よく見取ったから♪」

アリサ・すずか

「「くっ(何で気が付かなかったのよ!)」」

将玄

「だからって姿を見るなりイキナリ胸を揉んだ時は思わず御盆で頭を叩いたけどね。」

はやて

「あん時は痛かったんよ~将君も酷いで~」

将・な・す・ア

『それは自業自得だ(だよ)(よ)(なの)』

はやて

「うわ~ん美由希さ~ん、皆が私をイジメるで~」

 

ちょうど食器を下げに来た美由紀さんに泣き付こうをとするはやてだが。

 

美由希

「はやてちゃん、ドサクサ紛れて胸を揉むのはダメよ。」

 

抱きつこうとしたはやてを躱して何事もなかった様に片づけて去って行った。

 

はやて

「(チッ)美由希さんのいけず~♪」

全員

『(今舌打ちしたよこの子!!!!!)』

俺達は勿論だがこの瞬間を見てた客達も含めて気持ちが一つに成った瞬間であった。

それからアリサちゃんは久々に両親が日本に帰国し午後は帰って家族と過ごすため鮫島さんの待つリムジンで帰り、すずかちゃんは忍さんと一緒に買い物を楽しむと言って一緒に帰って行った。

なのはちゃんとはやてちゃんは桃子さんに料理の修行をするから翠屋に残った。

俺は散歩と称して近くのゲーセンに出かけた。その理由はただ一つ。

 

将玄

「オラオラ、くたばれネメシス!!」

 

客1

「すげぇなあのガキ、ここまでノーミスだぜ。」

客2

「おまけに二丁拳銃で一番難しい奴だぞ、あのバイオハザード3」

客3

「ああ、何か自信無くしちまいそうだぜゲーマーのプライドとかがさぁ」

 

流石に本物の銃は使えないから偶にゲーセンに来てゲームで射撃の腕を磨くしかないからなぁ(銃を使うライダーも居るから練習して損はないからな)。

しかし、最初は一丁で片手撃ちと両手撃ちと使い分けしてたが最近は二丁拳銃が主流になってるからなぁ。

 

将玄

「(次は士郎さんに頼んで棒術も学んでみようかな?)心のトリガーを引けば誰でも上手くできますよ?」

客全員

『出来るかーアホ!!!!』

 

何故か皆に怒られた。

そう言ってゲーセンを後にして一度家に帰って明日の学校へ行く準備をしてランドセルを持ちこのまま高町家に帰った。

将玄

「ただいまー」

恭也

「おっおかえり将玄」

 

家に入ると恭也さんが帰っていた。

 

将玄

「恭也さん帰ってたんですか」

恭也

「今さっき帰ってきたんだ、将玄はなのは達と一緒じゃないのか?」

将玄

「なのはちゃんとはやてちゃんは翠屋に残って料理の修行するそうです。」

恭也

「そうかわかった。将玄はどうするんだ?」

将玄

「テレビを見てゆっくり休みます。」

 

そう言ってテレビを付けるといつも見てるアニメがやっていた、そのアニメは。

 

???

「お前はもうすでに死んでいる」

???

「何!!グッがっギェビっグッヒッひでぶ~!!」

将玄

「(なんではジ〇〇プはないのに北〇の拳あるんだろ?。

この前はキン〇マ〇とシ〇ィー〇ン〇ーの劇場版が放送されてたし、どっちも好きだからいいけど。

特に冴羽 (りょう)の『トリガーは心で引くんだ』あのセリフはカッコ良かった。

けど最初は射撃は上手くなかったんだがシ〇ィー〇ン〇ーを見てマネしてたら上手くなったんだよな。)」

 

テレビを見てて1時間後に桃子さん達が帰って来たみたいだ。

 

桃子

「ただいま。今帰ったわよー。」

な・は・美

「「「ただいまー。」」」

士郎

「ただいま、おっ恭也帰ってきたか。」

 

桃子さんを筆頭になのはちゃん達も帰って来た。

 

恭・将

「「おかえりなさい。」」

桃子

「今すぐ夕食の支度をするからちょっと待っててね。」

なのは

「お母さん、なのはもお手伝いするの。」

はやて

「桃子さん私も手伝うで~」

将玄

「僕も手伝います桃子さん。」

桃子

「ありがとうそれじゃ行きましょうか。」

 

そう言って僕は桃子さん達と一緒に台所へ行ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

士郎

「それでだ恭也、赤雷君と戦ってみてどうだった。まだ上には上がいると感じたんじゃないか?」

恭也

「やっぱり、赤雷先輩が家に来てたのは父さんの仕業か。」

美由希

「えっそうなの父さん。」

士郎

「ああ、恭也は強くなったはいいが、わずかではあったが慢心してる事がわかってたからあえて赤雷君に頼んだんだ。試合をして恭也の慢心を打ち砕いて欲しいって。」

恭也

「そうか・・・ありがとう父さん。」

美由希

「あれ恭ちゃん今日はやけに素直だね、何時もなら怒って突っかかるのに。」

恭也

「美由希お前が普段俺をどう思ってるか良ぉくわかった。明日から鍛錬5倍にするからな。」

美由希

「ちょっちょっとそれは無いよ恭ちゃん許して~」

 

ただでさえキツイ鍛錬をさらに5倍にすると言われて慌てて許しを請う美由希。

 

恭也

「ははは5倍は冗談だ・・3倍だ。」

美由希

「あんまり変わってないよ~。」

士郎

「恭也もう勘弁してあげろ、けど美由希の言うこともそうだが素直に自分の欠点を指摘されても怒らなかったな?」

恭也

「父さんまで言う事ないだろ。まあ今までの事を考えたらわかるけど。

俺は無自覚に父さん以外の人にはもう負けないだろうって心の何処かで思ってた。

けど赤雷先輩と戦って、負けてあの時の誓いを思い出したんだ。」

士・美

「「あの時の誓い?」」

 

恭也の言葉に士郎は勿論、美由紀までも疑問に思った。

 

恭也

「父さん達は知ってるだろ。俺は家族が大変だった時に無茶な鍛錬をしていた事を、そしてその事でなのはが一人でも大丈夫な良い子で居ようとして公園で泣いている何て知る由もなかった。将玄に言われるまでな。」

 

「俺は情けなさと同時に悔しさを感じたよ。長男として家族を守っているつもりが実際は心配だけ掛けて妹の心さえ守れてなかった事が。兄の俺じゃなくて赤の他人の将玄がなのはの心を救ってたという事実に感謝せず嫉妬して悔しがっていた自分がいたんだ。」

 

過去を思い出して語る恭也の拳は力強く握り締められていた。当時の自分の不甲斐なさと心の弱さが許せなくて、過去に戻れたら当時の自分をぶん殴ってやりたいとさえ思っていた。

 

恭也

「だが将玄はそんな俺にこう言ったんだ。「なのはのお兄さんの家族を守りたいと思った心は決して間違ってなんかいません。ただ少しだけ守り方を間違ってしまっただけなんですから、今からでも家族と一緒に話合っていけばまだ間に合います。」って言ったんだ。

この時思ったよ{俺の剣は敵を倒すための剣では無く、家族は勿論だが自分も含めた自分の大切な人達の笑顔と心を守れる剣になる}って。」

美由希

「そうだったんだ。恭ちゃん立派だよ。」

士郎

「将玄君、あの子は本当に優しい子だよ一夏君に似て。」

 

恭也の過去とその時の誓いに感心した美由希と将玄の優しさが父親からしっかり受け継がれていた事に喜ぶ士郎。

 

恭也

「これで綺麗に終われば良かったんだがそうは問屋が卸さなかったよ、将玄は一夏さんだけじゃなく千冬さんの厳しさもしっかり受け継いでいたよ。

近づいて俺の腹にパンチをお見舞して立ち去りながらうしろを向いてこう言ったんだ「これは家族の皆に心配をかけた事となのはちゃんに寂しい思いをさせた事と自分の体を労わらなかった事に対しての罰です。」って笑顔で言った瞬間腹に痛みが走って気を失ったんだ。」

士・美

「「・・・・・」」

 

士郎達は絶句していた。性格は絶対に一夏よりだと思った将玄がまさか殴った上に恭也を気絶させていたとは思ってもいなかったようだ。千冬さんは悪い事をした者は老若男女問わず拳骨を落とす事で海鳴市では有名だった。(因みに拳骨を貰ってないのが桃子さん、なのはちゃん、すずかちゃん、将玄だけで残りのメンバーは既に経験済みだったりする。)

 

恭也

「しかし気になる事が1つあるんだ。如何に無防備だった上に今までの疲労が溜まってたとはいえ、正拳突き1発で沈んだのは気になるんだ。」

士郎

「(痛みがあとから来たって言ってたな...!)恭也それは“裏当て”だ。しかしあんな幼い子に使える技じゃないぞそれ。」

恭・美

「「“裏当て”?」」

 

剣以外でも武道の知識はあった二人だが“裏当て”と言う技は聞いた事がなかった。

 

士郎

「これは聖柴(せいし)から聞いたんだ。“裏当て”とは人体内部に衝撃をあたえる技法であり打突部とは逆側に痛みが付き抜けると言う。“御神流 徹”の空手バージョンだよ。

しかしそれは極めるのが難しく使い手が殆ど居ない筈なんだ聖紫達を除いてね。」

 

恭也

「なんだって!!」

美由希

「嘘!将玄君そんなすごい技を使えるの!!」

 

自分が昔受けたパンチは只のパンチじゃなかった事に驚く恭也に自分より未熟だと思った将玄がこんなすごい技を持って恭也を倒した事に驚愕していた。

 

士郎

「・・・だが恭也、おそらくこれはマグレだと思うよ。」

恭也

「マグレ?」

士郎

「将玄君がもし裏当てを使えていたら師事している赤雷君が気づくはずだ。

だけど僕は赤雷君からは何も聞いてない。おそらく将玄君自身も知らないって事だ。」

恭也

「そう...なの、か。」

 

今いち納得がいかない恭也だが空手に関しては完全に専門外であり、その道のプロである赤雷先輩が父親にその事を報告していない以上納得するしかないのだ。

 

恭也

「わかったよ父さん、この話はこれでお終いだ。そろそろ母さん達が夕飯の支度が終わる頃だな」

美由希

「うわ1時間近く話してたんだ。」

将玄

「士郎さん、恭也さん、美由希さん、夕飯の支度ができました。」

 

丁度いいタイミングで呼びに来た将玄に苦笑いしながら食卓に向かう士郎達。

そして夕食を終えてお風呂も済ませて将玄が寝る所で士郎に声を掛けられた。

 

士郎

「将玄君すまないがチョットだけいいかな?」

将玄

「??なんですか士郎さん」

 

呼び止められた事に疑問を感じたがすぐに士郎の元にきた。

 

士郎

「単刀直入に聞くよ。君は裏当てを使えるのかい?」

将玄

「はい使えますよ。1週間前麗朱(れいしゅ)さんに言われるまで知らなかったんですけど。」

 

誤魔化すなり黙秘をするものだと思ってた士郎だが、あっさりそれを認めた将玄に少々頭痛を軽く感じていた。

士郎

「れ、麗朱さんから言われたって将玄君は裏当て(これを)知らずに使っていたのか? いったい何時から使ってたんだい。」

 

将玄

「多分恭也さんにおはなし(O☆HA☆NA☆SHI)をした時からですけど。でも成功率が20回中に1回あるか無いかなんです(前世では1回も成功しなかったけど)。」

 

20回中に1回ってそれでも簡単に使える技ではないんだがっと心に思う士郎。

だが自分が推測した通りのマグレに近く、知らずに使っていた事は予想とは少し違っていた。

士郎

「そ、そうか・・其れなら仕方ないか。けどあまり無茶はいかんぞ、将玄君に何かあった一夏君達は勿論だが僕達家族もはやてちゃんもアリサちゃん達もおやっさんだって心配するし悲しむからな。」

将玄

「はい、気を付けます士郎さん。それじゃおやすみなさい。」

 

士郎さんに無茶はするなとクギをさされて部屋に眠りにいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

士郎

「しかし将玄君の武才は底が見えないな、いったい何処まで登り詰めていくんだ?

才能だけなら僕や一夏君たちや麗朱さんたちを超えてしまうんじゃないか。いや将玄君は才能だけじゃなくその上に超がつく程の努力家でもあったな。」

 

「・・今度麗朱さんに合って将玄君の空手の上達具合の確認を見ておいた方がいいかも知れないな。

将玄君なら麗朱さんからアレ(・・)を教わるのも早いかもしれないな。」

 

そう呟くと士郎は戸締りの確認をして寝室にむかった。




いかがでしたか?
まさかのナンバーズの2番目が登場でしたがプロローグのあとがきでも書いた様に救済のフラグ立てのひとつです。
その時の出会いの過去話を書く予定なので疑問に思った読者はもう少し待ってください。
次回は学校生活に関する話を投稿します。また遅くなるので広い心でお待ちください。
ISキャラを数名出す予定です。
ではまた逢う日までsee you again


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第4話 変化する日常と手に入れた力

長い事お待たせして申し訳ありません。m(_ _)mゴメン
年が明けて初めての投稿ですが、こんな駄作者の小説を読んでくれてありがとうございます。
色々と忙しくて四苦八苦しながらやっと書く事ができたのでどうか楽しんでください。


今日も何時もの様に朝早く起きて、恭也さん達とランニングと素振りを終えて皆と朝食を食べ終えてゆっくりしてる時だ。

なのは

(はる)君、学校が終わったら翠屋に来るの?」

将玄

「いや、今日は学校で日直だから翠屋には行かないで友達の家に行ってから公園で何時もの鍛錬をするよ。」

なのは

「そっか、頑張ってね。」

 

ちょっと残念そうな声を出してたが、いつもの笑顔がそこにあった。

 

将玄

「なのはちゃん達も塾の勉強頑張ってね。」

なのは

「うん♪」

 

将玄の応援に嬉しそうに答えた。

 

将玄

「はやては今日はどうするの?」

はやて

「午前中は図書館で過ごしてからお昼からはおやっさんの店でいるで~。」

将玄

「じゃあ、鍛錬が終わったらCOLに直行だね。」

はやて

(まさ)君、私は一日千秋の思いで待ってるからな~。」

将玄

「オーバーだよ。

それじゃ時間なので行ってきま~す。」

 

『行ってらっしゃ~い』

 

はやての大袈裟な言葉にツっこみを入れて学校までランニングをして登校。

自分の家なら歩いて15分だがなのはちゃん家からは30分以上かかるので、なのはちゃん家に泊まった時は今の様に走って登校しているのだ。(鍛錬目的で走ってるだけなんだけど)特に変わった事もなく無事に海鳴小学校に1番で着いた。

1時間目の準備をしていたら突然ドアが開いてウサ耳のカチューシャーを着けた女の子が俺に目掛けて飛び。

???

「まーーく~~ん。3日振り~束、寂しかったよ~ハグハグしt「ガシッ」っヘブッ!?」

 

俺に目掛けてルパンダイブ顔負けの飛びついて来た束を見事キャッチした……アイアンクローで。

将玄

「おはよう束ちゃん、でもその3日前に何をしたか覚えてるかな~?(ニコニコ)」

「ええっと…束、何をしたか分からないんだけど~?(gkbrgkbr)」

 

良い笑顔なのに恐怖を感じる程の怒りを纏ってる将玄に、頭をアイアンクローで掴まれ恐怖に震える()。将玄の問いに心当たりがありまくりの様だ。

将玄

「篠ノ之 束、今すぐ自分の罪を数えて素直に謝ればこれで許してあげるけど、このまますっとぼけてるんだったら絶k「束の罪はまーくんが翠屋で働いてる時の姿、冬夏ちゃんの写真をクラスの男共に売り飛ばした事、売り飛ばしたお金を束さんのお小遣いにした事、そしてその事をまーくんにばれそうになって逃げました、束さんの罪は3つですごめんなさい。」・・・正確には束ちゃんのお母さん、箒さんと交わした約束〈友達が嫌がる事をしてはいけない〉を破った事の4つだよ、今日は箒さんが迎えに来るからこの事はしっかり報告するからね。」

「お願いまーくん!、どうかそれだけは許して~!!」

 

彼女は篠ノ之 束、この小学校に入学した時からの友達でサード幼馴染でもあるのだが(決してあの天災などではない)、人見知りが激しくて最初の時は先生の出席確認以外の事では話しかけても皆を無視していた(俺も無視されてたが、なのはちゃんの声に似てるから余計にほっとけなかったんだよな。)この年頃の男の子達はそうはいかない。

無視をする束の注意を引く為に束が何時もしているウサ耳のカチューシャー(原作と同じ物)を無理矢理取り上げて、それを取り返そうとする束ちゃんを取り囲んでカチューシャーを投げて近づけないようにして束ちゃんをイジメていたのだ。

俺がトイレから戻って来た時丁度に束ちゃんが泣き出したのだ、それを見て大体察しが付いた俺は、束のカチューシャーを直ぐに取り返してあげて束ちゃんをイジメいた男子達に思わず、「さあ、お前らの罪を数えろ!!」と叫んでイジメっ子達から束ちゃんを助けたのはいいが、仮面ライダーWの名台詞ともいうべき言葉と決めポーズをした事で周りからは【ジャッジメント】などと呼ばれる様になった。(決して某学園都市の風紀委員などに憧れては無い、俺は仮面ライダーに憧れているんだい。)

 

・・・っとと話が少し逸れちゃったが用はイジメから助けたら束ちゃんと仲良くなった上に“まーくん”と呼ぶ様になったんだ(余談だが、なぜあのカチューシャーを身に付ける理由を聞いたら亡くなった父親がプレゼントしてくれた大切な物だったらしい)。

それから束ちゃんは男子には殆ど喋らなくなったが、先生と女子には何とか普通に接する様に成ってくれた。

将玄

「だいたい束ちゃん、クラスの男子とは碌に話もしないのによく写真を売ろうと考えたね。

人付き合いが進歩した事を喜ぶべきか否か迷うが、あの写真の正体が僕だって学校中に知られたら箒さんにきっっっつうく叱ってもらうからね。」

「ううっっまーくんどうかお慈悲を~~~、今月お小遣いが足りなかったんでほんの出来心だったんだよ~~(ToT)。

この事がママにばれたらお尻百叩きの刑にされて、お尻の真っ赤な兎さんになっちゃうよ~。」

将玄

「今月始まってまだ5日だよ!いったい何につかったの?」

「それは家に着いてからのお楽しみなのだよ~、期待しててね♪」

将玄

「??…うん、わかった。」

 

束ちゃんと会話しながら過ごしていたら生徒も集まり、先生も来て丁度1時間目が始まったようだ、1時間目は算数だ。

 

???

「皆さん、おはようございます。」

 

『おはようございます。真耶先生。』

真耶

「それじゃ今日も1日元気に勉強しましょうね。まず昨日の復習から。」

 

俺たちの担任の山田 真耶先生、独身で年齢はあえて言わないが…アニメと同じ姿で童顔なのが不思議だと言っておく。

1年の時からずっと同じ担任と結構縁がある先生だ、俺だけじゃなく父さんや士郎さん達や束ちゃんのお母さんとも知り合いらしく世の中案外狭いなぁと思った。

俺が父さん達の息子だと知ると、驚いた顔や悲しい顔と四面楚歌していた。

そういえば母さんに「もう怒ってないから」という先生の伝言を伝えたら一瞬悲しそうな顔して「ありがとう」って伝えて欲しいと言われたんだよな。(一体母さん達に何があったんだろ?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まぁ特に学校生活では変わった事はなかったんだが、束ちゃんが先生の間違いを辛辣に指摘したり、それに落ち込んでいる先生のフォローしたり、束ちゃんのイタズラで迷惑の掛けた生徒や先生に一緒になって誤ったり、怒ってアイアンクローで束ちゃんを叱ったりと、・・・・・・・うん、いつも通りだ。

そんな風に過ごしている内にもう下校時間になっていた。

真耶

「それじゃ皆、車に気を付けて帰って下さいね。あと知らない人に着いて行ったらダメですよー。」

 

『先生、さようなら~』

 

 

 

将玄

「それじゃ校門に行こうか束ちゃん。」

「はいは~い、行こ行こ~まーくん。」

 

教室を出て直ぐに俺の左手を握って嬉しそうに一緒に校門まで歩いて行くと丁度一台の軽自動車が止まって巫女服を着た女性が出てきた。

「おかえり将玄君、いつも束の面倒を見てくれてありがとう。

束、今日は誰にも迷惑を掛けなかっただろうな?」

「ええっ、束にはおかえりじゃなくてそれ、いくらなんでも酷いよママ~。

大丈夫誰にも迷惑はk「箒さん実はky」先生とまーくんを始めとしたクラスメートに迷惑かけましたごめんなさい。」

 

俺が先に報告しようとしたら慌てて正直に話して腰を90°に曲げて箒さんに謝った。俺が言ったのと自分で打ち明けたのではお仕置きのレベルが違うのだ、例えば。

「束いつも言っているだろう正直に話せばある程度は許すって、誤魔化そうとしても将玄君や先生から報告されるんだ。

将玄君が言いかけたから慌てて話したんだろうが、今日のお仕置きはお尻百叩き3セッt「にゃあああ~、それだけは許して~」・・だったんだが将玄君が言う前にちゃんと話したから正座でお説教30分だ。」

「よっよかった~」

 

お仕置きから逃れてほっとする束ちゃんだが、世の中そんなに甘くはない。

将玄

「束ちゃん、今日の(・・・)お仕置きはこれでOKだけど~。

まだ3日前の事が、終わってないよ。」

「…へっ?」

 

一体何の事?。と思っているが、俺は有言実行する人間だという事を忘れているみたいなので思い出させてあげよう。

将玄

「朝一番に言ったよ僕。束ちゃんが3日前に僕が知り合いのお店の手伝いをしている時の格好の写真を学校で売り捌いて自分の小遣いにした上に、その事をごまかして逃げだしたんだよね~。

あの写真、皆から買い戻すって苦労したんだよ~。精神的にも経済的にも~」

 

そう、冬夏ちゃんモード(翠屋で働く僕の姿)の写真を倍の値段で回収したのだ。

おかげで諭吉さんが6人財布から居なくなっちゃった……ハァ~。

 

「たぁ~ばぁ~ねぇ~~、お前という娘は~~!!。」

「……(gkgkbrbr)」

 

顔を真っ赤にして恐い顔をしてる箒さんと、顔を青から白に成り掛けてブルブル震える束ちゃんがいた。

 

あの(・・)写真を売るとは何事か~~!!、私に渡せば1枚1万円で買ってやったのに!!」

将玄

「箒さ~~ん!!怒る所はソコ~~~!!!」

「当たり前だ~!あの可愛らしい冬夏ちゃんの写真は1万円の価値はあるのだぞ、勿論今のかっこいい将玄君の姿もいいぞ、その写真を他の誰にも渡す気は毛頭にない。(束が友達ができたと言って連れて来たのがまさかあの一夏の息子とは驚いたが、束に知り合った経緯を聞いたらまるで昔の私達にそっくりな出会い方とは思わなかったぞ、将玄君のおかげで一夏の事はやっと諦める事ができたよ。だがその息子を狙ってはいけないという法律はこの世に存在しない。将玄君と冬夏ちゃん、1度で2倍美味しいとは。今度こそは負けないぞ千冬さん、将玄君は私のだ、束にも誰にも絶対渡さん。)」

 

鼻息を荒げて力説するが・・・この時の箒さんの顔はどう見ても犯罪者か不審者にしか見えない。

なんで俺の事になると暴走するんだ、普段は真面目なのにこういう所はやっぱり親子だよなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

色々あったが箒さんの車で束ちゃんの家まで乗せてもらい、10分で箒さん家に着いたが、俺の前には長い階段があった。

箒さんの家は代々神社の家系で箒さんも巫女さんとして仕事をしているのだが、この所最近参拝客が少なくなって来ていると愚痴っていた。

そして長い階段を登り終えると境内を掃除している帽子を被った巫女さんがいた。

???

「おかえりなさい、箒さん、それに束に将玄君も。」

「ただいま、掃除ご苦労様リニス。」

「ただいま~リっちゃん♪。」

将玄

「こんにちは~リニスさん。」

 

リニスさん、この神社に突然現れた山猫さん(・・・・)だ。

何故人ではなく山猫だというのは、この境内で遊んでいた僕と束ちゃんの前で突然光ったと思ったら知らない女性が倒れていて、更には人から山猫に変身してしまったんだから。

それを見た束ちゃんは興奮して、しまいには解剖しようって言い出した時はアイアンクローをかまして落ち着かせたが。

束ちゃんには箒さんを呼びに行かせて、俺は慌ててその女性?(でいいのか疑問だったが)駆け寄って介抱しようとして頭部に手を置くと俺の体から不思議な感じがしたのと同時に山猫の体が光で覆われていき、先程の女性の姿に戻ったのだ。

束ちゃんが箒さんを連れて戻って来て(束ちゃんの頭に何故かタンコブができていたが?)倒れていた女性を家の中に入れてから何が起こったかを説明した(解剖の事を話したら束ちゃんの頭にさらにタンコブ1個追加された)微妙な顔をしていたが何とか信じてもらえた。

束ちゃんは「横暴だ~、不公平だ~」と叫んでいたが、箒さんが拳骨を落とす素振りを見せると大人しくなった(最初のタンコブの理由がなんとなくわかった)。

 

10分程で女性の意識が回復したようなので、お互いに自己紹介を済ませて現在の場所を説明すると多少驚いていたが、それ以上に何故動物になったり人になったりする事に束ちゃんはズバリ聞いてきた。

リニスさんはそれに一番驚いていたが正直に話してくれた。

この世界とは違う次元世界から来た事、リニスさんが魔導師と呼ばれる人の使い魔である事、使い魔契約を破棄されて地球に転移させられた事、偶然にもリンカーコアを持っていた俺に触れた時に再契約して消滅を免れた事と今に至るワケなんだが、一番の問題はリニスさんの住む場所を如何するかであった。

最初に思い浮かんだのは俺の家だったんだが、其れよりもはやてちゃんの家に連れて行けばはやてちゃんが寂しい思いをしないかもって思ったんだが、束ちゃんがリニスさんを気に入っていて“リッちゃん”と呼んで懐いていたのだ、リニスさんも戸惑ってはいたが何処か嬉しそうでその姿を見てなんだか姉に甘える仲のいい姉妹に見えて、箒さんに無理を承知で此処に置いて欲しいと頼んだらアッサリOKした。(「あの人見知りの激しい束があんなに嬉しそうな笑顔は久しぶりに見れたから」って喜んでいたっけ)

 

「リニスのお蔭で束を迎えに行ったり、神社関係者の所まで遠出したり出来て助かってるよ。」

リニス

「いいえ、得体の知れない私を此処に置いて下さった上に、私の言葉を信じてくれた箒さん達に少しでも恩を返せればと思ってやってる事ですから。」

将玄

「リニスさん、お疲れ様です。」

リニス

「ありがとう将玄君。

少し遅かったみたいですが、束がまたイタズラをして箒さんに怒られてたんだすか?」

将玄

「正解、何時もの通りですよリニスさん。」

「ううっまーくんとリッちゃんも酷いよ~、まるで束が何時もイタズラして迷惑を掛けてるみたいに聞こえるよ~。」

 

『掛けてるよ、実際に!』

 

皆からツッコまれて束ちゃんが顔を膨らませて不満がっていたが、何かを思い出したのかリニスさんと一緒に家の中に入って行き、箒さんはリニスさんの続きを再開しており、俺は箒さんに一言言って束ちゃんの後を追いかけ束ちゃんの遊び(・・)部屋に着いた。

この部屋はまるで大学の化学研究をする様な感じに仕上がっていて束ちゃんが色んな発明を作ったりしている(箒さん曰くこの部屋は元々知り合いに借していた部屋で、しばらく帰れないからと連絡を残して以来そのまま放置された物らしい)。

リニスさんも最初この部屋を見て驚いていたなぁ、なんでもこの部屋に置かれている機材は全部魔導師に必要なある物を作る為の機材ばかりだと言っていたから俺達も驚いたからな。

「まーくんまーくん、見て見てこれ、束とリッちゃんで作ったんだよ~。」

 

束ちゃんが見せたのは虹色に輝くビー玉みたいな宝石の首飾りを見せていた。

将玄

「束ちゃん。リニスさん此れってもしかして、前にリニスさんが言ってた魔導師をサポートするデバイスって奴ですか?」

リニス

「ええ、ある程度の資材は有りましたからね。

ちょっと足りなかった物は束と一緒にジャンク屋を見て周って集めて作ったんです。その為束は、貯めてたお小遣いを全部使いきってしまいました。」

「リッちゃん!それを言わないで!!」

 

学校で楽しみにしててと言ってたのはそういう事か、態々俺の為に一文無しにまでなって。

将玄

「束ちゃん、それで写真を売って小遣い稼ぎをしてたんだ。僕の為っていう意味では嬉しいけど、対価が釣り合わないよ。」

言ってくれれば資金提供ぐらいは協力してのに、翠屋の事がばれたら二度と手伝え無くなっちゃうんだけど。

リニス

「束はいつも学校でお世話になっている将玄君にお礼がしたくて内緒でプレゼントしたかったんです。どうか許してあげて下さい。」

リニスは束ちゃんの気持ちを俺に解って欲しく、束の弁護に頭まで下げた(小学生に頭を下げる美人巫女さん、シュールだ・・じゃなくて)

将玄

「リニスさん、頭を上げて下さい。別に僕は怒っているわけじゃないんです。

ただ、俺はそうゆう理由なら僕にも声を掛けて欲しかっただけなんですから。そうすれば僕もお金を出す事がでたんですから。」

「でもでも、それじゃあまーくんの驚く顔が見れないよ~。」

将玄

「・・・学校で何時も見てると思うのは僕の気のせいかな?(最初の俺の感動を返してくれ)」

 

束ちゃんの発言にジト目で見る俺にたまらずリニスがフォローを掛ける。

リニス

「まぁまぁ将玄君、束は喜ぶ意味での驚く顔が見たかっただけですよ。

それよりも束、早速将玄君にデバイスの説明をしたほうが良いんじゃないですか?」

リニスさんが何とか話の元に戻してデバイスの説明を束ちゃんに促した。

「それじゃまーくん、束が説明しちゃうぞ~。

それは束がリッちゃんにアドバイスを受けながら作ったミッド式インテリジェントとベルカ式アームドデバイスの中間になるように作ったデバイス、名付けてベルカ式(・・・・)インテリジェントデバイス、因みに名前はまだにゃい。

まーくんが付けた方がいいと思ってあえて付けなかったんだ。」

 

自信タップリに説明をしている束ちゃんはとっても活き活きしていて見ているこっちも嬉しくなってくる。

将玄

「けど急に言われても……イマイチこれだ!って感じが来ないんだよな。」

リニス

「でしたら実際に起動させて見ては如何でしょうか?実物を見て決めても遅くはないですし。

それに前に教えた魔法の応用が利く様に調整も出来ていますので、Set upと言えば起動と同時に魔法も一緒に使用しますので。」

将玄

「(普通にセットアップて言っても「チョッ芸がない」って束ちゃんが言いそうだよな。

・・せっかくだからアレ(・・)をやるか!)」

 

そう思った俺はデバイスを首に下げてまず左手を握り左腰に置き、右手を左肩の斜め上に真っ直ぐ伸ばしこう叫んだ。

将玄

「セタッーープ!!」

 

仮面ライダーXの最初の変身ポーズとその言葉が切っ掛けで俺の身に着けていたデバイスが周囲に光だし、束ちゃんもリニスさんも手で光を遮りながら見守っていると段々光が弱まり、そこには腰に日本刀を掛けた戦国武将の格好した長い髪を後ろに束ねた一夏に似た青年がいた。

「やった~~!大成功だよリッちゃん、まーくん♪」

リニス

「ええ、起動と同時に身体強化の魔法と変身魔法で大人の姿になって、バリアジャケットと一緒に展開出来るようプログラムの設定もバッチリでしたね、束はいいデバイスマイスターになれますよ。」

将玄

「…まあ大人の姿は魔法の練習で前にもなった事があるからいいけど、この格好は?」

「やっぱり大人になったまーくんはこの格好が一番似合うね~カッコいい♪」

リニス

「私もカッコいいと思います////(これが10年後の将玄君の姿、その時が来るのが楽しみです)。」

将玄

「(だからって、なんで戦国BASARA3の石田 三成の第弐衣装の格好なの?前世でも使いこんだキャラだからあまり文句もないけど)」

 

鏡を見ながら変身した姿を観察しながら思うと、背中を見て驚いたよ。

右の部分に〝一輝刀閃〟 左の部分に〝天下無双〟 と書かれていたんだから。

「まーくん、このデバイスの凄いのこれだけじゃないよ、この姿は1stモードの通称居合一刀流フォルムって言うの。

次に2ndモードの通称風炎二刀流フォルムがあるんだよ、まーくん2ndモードって言ってみて。」

将玄

「わかった束ちゃん、2ndモード!」

???

「御意当主、第弐形態移行」

 

束ちゃんに言われて2ndモードと叫ぶと、デバイスから渋めの男性の声がし、すると先程と同じく全体的に光だしてさっきとは違う姿に変わっていた。

鎧姿から額に鉢金を巻いてかなり軽装な格好にっていうかこれ戦国無双の宮本 武蔵の格好その物だった(背中の文字は1stモードと同じだけど)。今のに少し驚いたが、両腰に日本刀が掛かっており折角だから抜いて見ると右手に緑、いや翠色の刀に、左手の方は赤というより紅い色の刀の2本がある。

リニス

「その刀は将玄君の魔力変換資質【炎】と【風】を刀に宿して戦う事が出来るように作られています。右手の刀の銘は風龍刀、左の刀の銘は炎龍刀と言います。」

「因みにさっきの1stモードの刀の銘は太極刀って言うんだよ~、縁起がいいように束が名付けたんだよ~ぶいぶい。」

 

やっと俺が驚いた顔をした事が嬉しかったのか何時もより上機嫌な束ちゃんがいた。

 

リニス

「将玄君そのデバイスには3rdモードもありますが、今はリミッターを掛けて使えない状態にしています。」

将玄

「えっ、何でですかリニスさん?」

 

俺は疑問に思い、その真意を聞いてみた。

リニス

「このデバイスはミッド式であると同時にベルカ式でもあるんです。

ベルカ式の最大の特長は自信の魔力を爆発的に高めさせる【カートリッジシステム】がある事です、ですがデメリットも勿論あります。

制御が難しく身体に掛かる負担も大きくて体に異常が出る事だってあるんです。【カートリッジシステム】を使用する3rdモードは出来れば15歳に成るまでは使っては欲しくはありません。

ですが将玄君の魔法陣はベルカ式、ミッド式よりのデバイスでは相性が悪くて逆に将玄君の足を引っ張ってしまいます。」

「そこで束とリッちゃんが一緒に考えて、両方の長所を上手く合わさってできたこのベルカ式インテリジェントデバイスが完成したって事なのだ~。」

 

体に異常を起こすか。

パワーアップの代償(リスク)は必ずあるってワケだ、まるで仮面ライダーV3の逆ダブルタイフーンや、クウガのアルティメットフォームや、ブレイドのキングフォームみたいだな。

俺はとりあえず元の姿をイメージして魔法を解除した。

 

将玄

「ありがとう束ちゃん。このデバイス大事に使うね、リニスさんもありがとうございます。」

「いや~頑張った甲斐があったよ~。」

リニス

「ふふっどういたしまして、将玄君それでデバイスの名前は決まりましたか?」

将玄

「はい、このデバイスの名前は“天命”です。」

リニス

「テンメイ?・・・何ですかそれは。」

 

聞きなれない言葉にリニスさんが俺に聞いてきた。

将玄

「この前友達と一緒に図書館に行って勉強してた時に知ったんです。

天命、それは運命とは似て異なるもの。天から人に与えられた使命であり、己が生まれてきた理由のことだと。 」

「そういえば外国語でもDestiny(天命)Fate(運命)って二つの言葉があるけど微妙に違うんだよね。」

リニス

「デスティニーに、フェイト…ですか。」

 

リニスさん、なぜかフェイトと言う言葉に一瞬悲しみと懐かしさを思わせる顔をしたけど、一体何があったんだろう。

いや、これはさすがにプライバシーに関わる事だしそっとしといた方がいいよな。

将玄

「そういえば束ちゃんも魔法が使えたよね、束ちゃんも自分のデバイスを作ったの?」

「いや~~まーくんのデバイスを作る事しか頭に無かったから、オマケに昨日で殆ど使い気ったからお金も雀の涙ほどしか残ってないんだよ~。」

リニス

「文字通り、束は文無しになってしまいました。」

 

・・何故だろう、俺は別に悪い事をしていないのに罪悪感で胸がいっぱいになってる自分がいる。

将玄

「……!じゃあ今度一緒に友達の店で手伝いをしてみる?あそこのシュークリームとっても美味しいから評判がいいのは知ってるでしょ。僕が店長に事情を話してお駄賃が貰えるようにするけど。」

「ええ~、でもまーくん、束は人見知りが激しいの知ってるでしょ~。

それに束はまーくん以外の男とは声だって掛けたくもn「残念だな~束ちゃんが大好きなキャロットケーキをタダで食べる事ができるk「いや~実は束もまーくんと一緒に働いて見たかったんだよ~。

まーくんと一緒に働けるし、オマケにお駄賃も貰えて束の大好きなキャロットケーキも食べれて一石三鳥だよ~。」

……(ボソ)かもしれないって言おうとしたのに。」

 

束ちゃんの思い込みの暴走は今に始まった事じゃないけど、これを機になのはちゃん達とも友達になれれば良いと思うし、それに人見知りも良くなればなお嬉しい。

そう考えているとドアが開いて箒さんが出てきた。

「束、将玄君おやつの用意ができたぞ。手を洗って一緒に食べるぞ。」

「わ~いグットタイミングだよママ~、ま~くんリッちゃん早く行こうよ~。」

 

俺とリニスさんの手を取り、洗面台にピョンピョンと跳ねる勢いで向かって行く束ちゃん。

束ちゃんの姿を見送った箒さんは懐から一枚の写真を取り出した。

「・・あの子達を見てると昔の私達を見ているみたいだよ。

一夏、千冬さん、そして・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・姉さん」

 

その写真には小学生位の一夏と箒、その後ろに中学生位の千冬にトレードマークのウサ耳を付けた千冬に抱き着く束の姿があった。




予告と違って思ったより学校生活の事を書く事が出来なかった事がちょっと悔しいです。
篠ノ之姉妹が親子設定はチョットした思いつきです。だけと最後の写真と、箒の姉発言の謎はネタバレになるのでここまで。
予告をするとそれに縛られて前に進めなくなるので今回で予告は終了します。


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第5話 過去に縛られし死にたがりのピアニスト 前編

やっと更新できました。今回の小説は長くなったので前篇と後編の二つに分けました。今回は色々な伏線を用意してます。


束ちゃんからデバイスを貰ってからは鍛練場所が公園から束ちゃんの神社の裏に変わった。

それは勿論、武道だけじゃなく魔法の練習もする為だ。なのはちゃんにはしばらくは友達と勉強するから公園には行けないって言ったら怒っていたけど何でだろう?

今日ははやてちゃんの病院受診の日で俺と赤雷さんで行く予定だったのだが、赤雷さんに急に用事ができた為、赤雷さんの代わりの保護者が来る事になったんだけど。

はやて

「遅いな~赤雷さんの代わりの人。」

将玄

「約束の時間15分も過ぎてるよ。」

 

そう代わりの保護者が遅刻しているのだ。昨日の電話では問題無いって言ってたはずなんだげど。

???

「お~い、わりぃわりぃ遅くなっちまったぜ。」

 

声のする方に顔を向けると、黒のランニングシャツに青いジーパンを穿いた青年が走っていた。

将玄

藍朓(あいちょう)さん!お久しぶりです。」

はやて

「将君の知り合いなん?」

将玄

「赤雷さん経由で知り合ったんだけどね。」

 

彼の名は鳥居 藍朓、赤雷さんとは同じ道場の同門で【空の藍朓】の異名で門下生からは慕われているが、昔は手の付けられない不良でその道からは【地獄の藍朓】と恐れられていた。

今は黒髪だがその当時は金髪に染めて髪を逆立ていたのだ。(ドラゴンボールの孫悟空の超サイヤ人みたいな頭をイメージ)

藍朓

「話は赤雷から聞いてるから付き添いは任せろよ、将玄とは色々と話がしたかったからな。

そこのお嬢ちゃん、俺は鳥居 藍朓だよろしくな。」

将玄

「藍朓さんありがとうございます。」

はやて

「よ、よろしくお願いします。それから私は八神 はやてです。」

 

簡単に自己紹介も済ませて俺達ははやてちゃんのかよう海鳴大学病院に急いだ。

病院に着いて、受付も済ませ何とか間に合ったようだ。

はやてちゃんの順番が来るまで藍朓さんの話をしていた。

将玄

「そういえば藍朓さん、昔は手の付けられない不良だったって言ってたけど、よく更生できましたね。」

藍朓

「お師匠さん達のおかげだけどな。それにな、俺はある事情で人をまったく信じられずにいたんだ。人を信じたら何時か必ず裏切られるって心が拒絶していたんだ。

そんな俺の心を救ってくれたのがおやっさんに、忍空を通して信じる事の大切さを教えてくれたお師匠さんや仲間達がいたから俺は更生できたんだ。」

 

おやっさん達の事を話す藍朓さんは本当に嬉しそうな顔して語る。魔法の練習が一段落したら俺も赤雷さんに頼んで教えてもらおうかな?

???

「おまたせはやてちゃん、将玄君達も診察室の中に入って大丈夫ですよ。」

はやて

「は~い石田先生、ほな行こか将くん藍朓さん。」

 

はやてちゃんの担当医師の石田 幸恵先生だ。あまり治療に進展のないはやてちゃんを何かと気にかけ、治療以外のプライベートでも連絡を入れている優しい先生だ。

石田先生

「足の麻痺以外はとりあえず問題無しね、あまり進展は無いままか。

けど決して諦めちゃだめよはやてちゃん、必ず原因を突き止めて治してあげるからね。」

はやて

「はい!石田先生、私には将君や皆がおるから大丈夫や。」

 

嬉しい事を言ってくれるはやてちゃんに皆から笑顔がでてくる、そんな風に和んでいたら。

 

『『『キャアアアアアーーーーーー!!!!!!』』』

 

突然病院の外から絹を裂くような大勢の悲鳴が絶叫した。

藍朓

「な、なんだおい、一体何が起きたんだ!!」

将玄

「・・・またか。」

はやて

「・・・またやで。」

石田先生

「はぁ~またですか。」

藍朓

「またって、知ってるのかこの悲鳴の原因をよー?」

 

俺達三人が当たり前の様に振る舞ってる事に疑問をぶつける藍朓さん。

将玄

「まぁ行けばわかりますよ藍朓さん。」

 

俺達は藍朓さんを連れて現場に向かって行った。

そこには新人のナースさんが数名に筋肉マッチョが白衣を着たお医者さんに、長髪で金色に染めていて、男なのに口紅も塗っており、ヴィジュアル系を思わせる姿をした虚弱体質な男性が花壇に倒れていた。

医者

「こら~~~黄純(きすみ)!!!また飛び降り自殺しやがったな! しかも屋上から植え替えしたばかりの花壇の上に落ちやがって~!!狙ったのか?!狙ってやったのかこの大馬鹿野郎!!

何度も言ってんだろうが、自殺なら病院(ここ)以外の場所でして、確実に死んでから来いって。

お前のせいでこの病院の利用患者が3割も減ってんだぞ。」

 

とても医者の発言とは思えない事を言い出したぞ。まあ気持ちは分かるが。

黄純

「ウ、うるせぇ・・・、でっかいお世話だ・・ゴリラやぶ医者・・・。

俺の命だ・・・どこで死のうが俺の自由だ。」

 

ユラリと何事も無かった様に立ち上がったよこの人。屋上から飛び降りたって言ってたのに、いかに柔らかい土の上に落下しているとはいえこの人自身頑丈な身体をしているようだ。

そのままフラフラしながら歩き出してこっちにやって来た。黄純と呼ばれた人は虚ろな目をして歩いていると藍朓さんが前に出てきた姿を確認すると、正気に戻ったかの様に驚いた顔していた。

黄純

「あ、あい・・ちょう・・」

藍朓

「黄純、お前どうしたんだよ・・この荒れようは一体。本当にあの(・・)黄純なの・・か。」

黄純

「・・・・・・」

 

黄純さんは何も答えずに藍朓さんを通り過ぎて行った。

藍朓

「黄純まt「今頃のこのこ現れて・・・ほっといてくれ、一人にしてくれ。」・・黄純。」

 

藍朓さんは黄純さんが見えなくなるまでその姿を見続けていた。

石田先生

「藍朓さんは黄純さんの知り合いだったんですか?」

藍朓

「知り合いなんてレベルじゃねぇ、同じ道場の同期で一緒に修行した・・・大事なダチなんだ。」

将玄

「ええっ、てことはあの人も空手家ですか?」

はやて

「嘘やん、あんな弱っちそうな身体で運動なんて出来へんやろ。」

 

はやてちゃんの言いたい事はわかるが、ストレートに言いすぎだよ。

藍朓

「昔も強い方ではなかったがあそこまで酷くは無かったぜ。それに黄純は空手家じゃなくてピアニストだ。」

石田先生

「そうなんですか?でもこの間はリストカットして運ばれてましたけど。」

藍朓

「何だと、手はピアニストの命だとあれ程言ってた奴が・・・手を傷つけた・・だと。」

 

藍朓さんは黄純さんが手を自分の意志で傷つけた事に驚きを隠せないでいた、まあ無理もないけど。

けど黄純さんがピアニストってのは前世(マンガ)で知っていたけど、まさか自殺の原因も・・

将玄

「藍朓さん、おやっさんの店に行きましょう。もしかしたらおやっさんが何か知ってるかもしれませんよ?」

はやて

「そうやね、ここでウジウジ悩んでもしゃあないしなぁ。」

藍朓

「・・そうだな、此処で考えるよりも断然いいか。

うっしゃあそれじゃCOLに急ぐぜ将玄にはやて。」

 

藍朓さんはそう言いながら1人COLに向かって走って行った。

将玄

「藍朓さん待t・・って行っちゃった。・・仕方ない石田先生、すみませんが介護タクシー呼んで貰っていいですか?」

石田先生

「ええわかったわ。藍朓さんと黄純さんの事よろしくね将玄君。」

はやて

「石田先生ありがとうございます。」

 

俺達は先に向かった藍朓さんをタクシーで追いかけて行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして俺達がCOLに到着し、中に入ると赤雷さんと藍朓さんが一緒にいる所を見つけた。

将玄

「おやっさんただいまー、あっ赤雷さんも来てたんですね。藍朓さん置いていくなんてひどいですよ~。」

藤兵衛

「何!藍朓、お前将玄君達を置いて先に帰ったのか。」

藍朓

「い、いや、てっきり後ろから付いて着てるものと。」

はやて

「藍朓さん私は車イスやで、将くんは私が怪我しない様にってタクシーを使うて来たんよ。

はいおやっさん、これ領収書。」

 

はやてちゃんはタクシーの領収書の紙をおやっさんに渡し、皆のいるテーブル席に一緒に移動した。

赤雷

「藍朓、はやてちゃんは車イスだから俺達の様に早くは来れないぞ。慌ててたのは見れば分かるが一体どうしたんだ?」

藍朓

「ああ、実は病院で黄純の奴にあったんだ。」

赤・藤

「「!!!」」

藍朓

「姿が昔の面影も無いぐらいに変わっちまってて、しかも病院で飛び降り自殺までしてやがった。

忍空で鍛えてたお蔭で怪我こそしてたが、命には別状は無かったみてぇだったけどよぉ。

周りの話じゃあ1回だけじゃねぇんだ、何度も飛び降りやリストカットを繰り返して入退院してるって言ってやがったんだ。おやっさん、黄純に何があったか知ってたら教えてくれ!」

 

藍朓さんは凄い勢いでおやっさんに頼んでいた。それたけあの黄純さんが変わってしまった事が気になってしょうがなかったんだな。(それでも保護者の責任を投げ出す行為は許されないけど。)

藤兵衛

「・・藍朓は知らなかったのか。・・・藍朓、黄純には水奈ちゃんって婚約者がいた事は覚えているか?」

藍朓

「覚えてるよ、黄純が自分の命より大事な女性(ひと)だって嬉しそうに言ってたのをよぉ。」

藤兵衛

「その水奈ちゃんが、半年前に亡くなったんだ。だが黄純の不幸はそれだけでは終わらなかった。

その時水菜ちゃんのお腹には妊娠4ヶ月の赤ちゃんがいたんだ。」

 

俺とはやてちゃんは驚き、藍朓さんはその言葉に絶望な顔をし、赤雷さんは悲痛な顔して聞いていた。

藤兵衛

「黄純が戦争で傷ついた戦災孤児や人々の心を癒す為にピアノを聞かせに世界中を飛び回っていたのは知っているな、その時黄純は水奈ちゃんに会いたくなって現地に招待してその帰りに悲劇は起こったんだ。

現地ガイドが道を誤って地雷原の場所に行って、車ごと木端微塵に吹き飛んだんだ。」

 

藍朓

「そ・・そ・・そんな、なんで・・なんで黄純達がそんな理不尽な目に合わなきゃならないんだーーーー!!!!!」

 

藍朓さんは黄純さんの身に起きた不幸を、まるで自分の事のように怒り・悲しみ・悔しさをテーブルに思い切りぶつけた。(テーブルは凹んだ上に支柱は歪んで使い物にならなくなった。)

藍朓

「おやっさん!!俺は今から黄純の家に行くぜ。

行って何時までも過去を引きずっている黄純を一発ぶん殴って目を覚ましてやるぜ。」

藤兵衛

「待て藍朓、黄純の家はもう引き払われていて海鳴市にはいないぞ。」

藍朓

「なんだって、水奈さんの思い出が詰まっているあの家を手放したのか!」

 

今にも飛び出して行きそうな藍朓さんだが、おやっさんの言葉にさらに驚いていた。

藤兵衛

「黄純は今は隣の遠見市に引っ越してマンションの最上階に住んでいると麗朱から場所を聞いているから俺のジープで案内してやる。

赤雷、すまないが留守番を頼むぞ。」

赤雷

「わかった。おやっさん、藍朓と黄純を頼みます。」

将玄

「待っておやっさん、僕達も連れてって下さい。」

 

急いで出かけようとした藍朓さん達に待ったをかけた。

藍朓

「将玄悪いがそれはできねぇ。これは俺達の問題なんだ、それに黄純がお前たちの話に耳を貸すとはおもえねぇ。」

将玄

「藍朓さん、僕よりもはやてちゃんの方が黄純さんに言いたい事があるんです。」

 

そう言ってはやてちゃんを見ると、普段は見せない真剣な顔をしていた。

はやて

「おやっさん、私も連れて行って下さい。黄純さんの止まった時間を、ガツンと言って動かさなぁアカンのや。」

藤兵衛

「・・・わかった、一緒に連れてってやる。藍朓、将玄行くぞ。」

 

俺達はおやっさんのジープに乗って黄純さんのマンションに向かっていった(その途中俺の家に一度寄って貰った)。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠見市はおやっさんの店から車で約30分の時間で着いた。

藤兵衛

「此処が麗朱が言ってたマンションだ。」

藍朓

「・・思ってたよりも良い場所に引っ越したんだな。」

将玄

「けど、でかいマンションですけど何階くらいなのかな?」

はやて

「まさか此処から飛び降りをする為に、引っ越したんやないよなぁ~?」

 

はやてちゃん、いまのは冗談じゃすまないよ。ありえそうで怖いから。

藤兵衛

「と、とりあえず中に入ろうか。ここで考えてもしょうがないからな。」

将玄

「そ、そうですね。」

 

はやてちゃんの一言に不安を覚えるが、おやっさんに促されて俺達は黄純さんの居る最上階に足を向けエレベーターに乗り、最上階のドアが開いた瞬間。

 

『ゴォラァァァァァァぁぁぁぁぁ~~~~

この自殺マニア!!帰って早々リストカットか~、お前のせいでこの最上階フロアの住人は皆いなくなっちまっただろうが~~~!!

それから家賃3ヶ月もまだ払って無いんだぞ!死ぬなら家賃を払ってかにしろ~。』

 

エレベーターから出ると開いたドアから怒鳴り声が聞こえ、慌ててドアの開いた部屋に駆け込むと、楽譜が散乱しているピアノの所でリストカットして血に染まった鍵盤に頭を伏せて倒れている黄純さんに、このマンションのオーナーらしき中年女性がいた(姿は〇魂のお〇勢さんによく似てるが、髪型は普通のロングヘア)。

 

藤兵衛

「黄純、生きてるか!!」

藍朓

「黄純、しっかりしろ!!」

はやて

「あのすいません、救急箱を持ってきてもろうて貰えないでしょうか?」

女オーナー

「あのバカタレの知り合いかい?しょうがないねぇ、持って来てやるからあの自殺マニア死なせるんじゃないよ。」

 

おやっさんと藍朓さんは急いで黄純さんの手首をタオルで止血し、ベットまで運び腕を頭より上にする様に横に寝かせ、その間にはやてちゃんが女オーナーさんに救急箱を取りに行ってもらい、女オーナーさんは戻って来ると黄純さんの手首をあっという間に応急処置してしまった。

どうやら黄純さんの手当を何度もした事があって慣れてたそうだ、黄純さんの事で一息ついた所で俺達は自己紹介をしたら女オーナーさんの名前は寺田 綾乃というそうだ(〇魂のお〇勢さんの本名と同じだった)。

 

黄純

「う・・ううっ此処は?」

藍朓

「黄純、良かった気が付いたのか。」

藤兵衛

「黄純、心配したんだぞ。」

黄純

「藍朓・・・それに・・おやっさん?」

 

黄純さんが目を覚ました事に俺達は一安心した。

 

綾乃

「やっと目を覚ましたかい、取り敢えずここにいる連中に礼をいっとくんだね。」

 

女オーナーこと綾乃さんがそう言うと、黄純さんは自分の腕を見て何があったのか理解したようだ。

黄純

「・・・何で・・助けたんだよ、余計な事すんじゃねぇ!!」

全員

『!!!!!』

 

黄純さんの突然な大声と怒りの形相に俺達は驚いた。

黄純

「あのまま死なせてくれた方がよかったのに、誰が助けろっていったよ!!」

綾乃

「アンタってバカは、いい加減にしろ!!

心配して来てくれた友達に何て事を言うんだい。」

黄純

「・・もう俺には心配される資格なんて無いんだよ。

大切な女性(ひと)を殺した俺には・・・」

 

黄純さんはそう言うと棚にあった写真立てに黄純さんとボブカットに顎の右側にホクロがある女性が写っていた。

藤兵衛

「黄純、やっぱりあの事を気にして・・あれは決して黄純のせいなんかじゃない、事故だったんだ。」

黄純

「違う!!俺が殺したんだ!・・・俺の我儘が・・水奈を・・・生まれるはずだった俺達の子供を。

俺が・・あんな我儘を言わなければ。

俺は生きてちゃいけないんだ、死んで水奈達に償わなくちゃならねぇんだ。」

 

黄純さんはきっと水奈さんが亡くなってからずっと自分を責め続けてきたんだ。

そうしないと自分を保てないぐらいに。

藍朓

「黄純おやっさんの言うとおりだ、水奈さんだってお前の事を恨んでなんかいないはずだ、そんなに自分を責めんじゃねぇ。」

黄純

「うるせぇ、責めちまうんだよ!!知ったような口を聞くな。

親や親戚にも捨てられた情けないお前に、俺の何がわかるんだよ!!」

将・は・綾

「「「!!!」」」

 

黄純さんの発言に耳を疑う言葉が出てきた、藍朓さんが親に捨てられたと。

そういえば藍朓さん、ある事情で人が信じられないと話してたのは親に捨てられ、裏切られたからだったのか。

この言葉は禁句だったのだろう。鬼みたいな顔して藍朓さんは黄純さんの胸倉を掴み今にでも殴りかからんとしていた。

藍朓

「何だとごらぁ、もういっぺんぬかしてみやがれ。」

黄純

「・・へっ・・・殴りたきゃ殴れよ・・・いつでもサンドバッグになってやるぜ・・」

 

黄純さんはまるで殴ってくれと言わんばかりに藍朓さんを挑発してる。

藍朓さんもまるで何もかも諦めたような顔をした黄純さんに毒気が抜けて気たのか?だんだん落ち着いてきたのか、顔の表情が何時もの様に戻っていって手を放した。

藍朓

「・・殴らねぇよ。お前が俺の大事なダチだから。

それによ、俺は血の繋がった親以上に大切な物をお前たちから教えてもらったんだ。」

 

藍朓さんはそう言うとはやてちゃんの所に来て。

藍朓

「俺以上に黄純に言いたい事がある嬢ちゃんがいるみたいだからこの子に説教してもらえ。」

 

そして俺とはやてちゃんを見た。後は頼むとその目で訴えてるのが解り、はやてちゃんの車イスを押して黄純さんの前にきた。

はやて

「初めまして、私は八神 はやてって言います。」

将玄

「僕は防人 将玄です。黄純さんまずは自己紹介から始めましょうか。」

黄純

「・・・・」

藤兵衛

「黄純ちゃんと自己紹介しろ、子供でもできる事だぞ。」

黄純

「・・・司馬 黄純だよ。」

 

俺達が自己紹介したが黄純さんは無視をしてたが、おやっさんに注意されてやっと自己紹介した黄純さんだった。

黄純

「それで、俺に何の用だ?」

はやて

「いつまでも現実から逃げとる黄純さんを説教しにきたんや。」

黄純

「何?」

 

はやてちゃんの言葉にさっきまで無気力な顔が僅かに動いた。

はやて

「黄純さん、確かに大切な人が亡くなって悲しいのはようわかります。

そやけど、世の中には黄純さん以上に辛い思いしても笑顔で頑張っとる人だっておる人を私は知ってるで。」

黄純

「・・・」

はやて

「けどなぁそれで自殺していい理由にはならん!〈死んで罪を償う〉聞こえはええみたいに思えても結局は現実から目ぇ背けて逃げとるだけやぁ!」

黄純

「・・・ㇾ」

 

はやてちゃんは今、心の底から怒っている。同じ様に大切な人を亡くしたはやてちゃんだからこそ、自分の殻に閉じこもっている黄純さんにかつての自分を重ねて見ているかもしれない。

はやて

「水奈さんの為・・ちゃうな黄純さん、黄純さんが自殺なんて凶行に走らせとるのは水奈さんの為やなくて水奈さんのせい(・・)にしとる。」

黄純

「・・マレ」

はやて

「自分が苦しんでいるのも、心を閉ざして逃げてるのも、自分がこないに弱ゎなったしまったのを全部水奈さんのせいにして逃げとるだけや!!」

黄純

「ダマレェェェェ~~~!!!!」

 

はやてちゃんの言葉に耐えられなくなった黄純さんが大声を上げた。

黄純

「黙って聞いてれば好き放題言いやがって、何にも知らないくせに、俺の倍も生きてない子供(ガキ)に何がわかる。

人の心を土足で踏み込む様な子供(ガキ)が育つなんてこいつの親は教育もできない最低な人間だな!」

はやて

「ッッッッ!!!!」

 

黄純さんの心のない言葉にはやてちゃんが今にも泣きそうな顔をしていた。

将玄

「黄純さん!!あn「「この馬鹿野郎!!!」」「がはっ!!」っうぇ!?」

 

俺が怒って黄純さんを殴りに行く前におやっさんと綾乃さんが殴り飛ばした。

(因みにおやっさんは左側の右ストレートで綾乃さんは右側の左ストレートのパンチを正面にお見舞い)

藤兵衛

「黄純!!お前こそはやてちゃんの何を知っているんだ!

はやてちゃんの親はこの子が幼い頃に事故で、それもはやてちゃんの目の前で亡くなったんだぞ!!」

黄純

「なっ!」

藤兵衛

「俺と藍朓が話したからはやてちゃんはお前の事を知った上で叱ってるんだ。

同じ心の傷を持ちながらも懸命に前を向いて生きているんだ、だからこそ過去に縛られている黄純の事が見ていられなかったから説教しに来たんだ。」

 

おやっさんの言葉を聞いて黄純さんははやてちゃんを見てすぐ顔を下に向ける。

知らなかったとはいえ、あんな酷い事を言った事に罪悪感を感じているようだ。

綾乃

「黄純悪いって思っているならちゃんと謝んな。」

黄純

「・・・・・わるかった・・・・ごめん。」

はやて

「黄純さん・・顔を上げてぇな、私も少し言い過ぎやったごめんなさい。」

 

はやてちゃんに言われて顔を上げる黄純さん、若干ではあるが両頬が赤く腫れている。

将玄

「黄純さん、はやてちゃんの言うとおり、このままじゃ本当にいけないんです。今の生き方を変えないと水奈さんは永遠に成仏出来なくなってしまいます。」

藍朓

「将玄どう言うことだ?」

 

俺の言葉に疑問を感じた藍朓さんが質問してきた。

将玄

「そのままの意味です。黄純さんがこんな風に変わってしまったのは自分がせいだと思って、水奈さんは今も謝っているんです(・・・・・・・・・・)

黄純

「お・・お前、何を言ってるんだ。水奈は死んだんだぞ、現に居ないじゃないか。」

藤兵衛

「将玄君、ま・・まさか視えて(・・・)いるのかい?(知り合いにもこんな力を持ったのが数名いたが)」

将玄

「はい、黄純さんの傍で膝を抱えたまま俯きながら『ゴメンナサイ、死ンデゴメンナサイ』ってずっと謝り続けているんです。」

 

俺の言葉に全員が驚いていた(はやてちゃんは知っているから驚いていない)。

 



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第5話 過去に縛られし死にたがりのピアニスト 後編

黄純(きすみ)

「う・・嘘だ!!デタラメを言うんじゃない!そんな嘘を付いてまで俺を立ち直させようとすんじゃないぞ。」

将玄(まさはる)

「・・わかりました黄純さん、今から証拠を見せます。」

 

俺はそう言ってリュックから丸い水晶を取り出した。

将玄

「これは霊水晶と言ってこの水晶を通して霊を見たり、霊力を持った人間が使用すると霊感が無い人でも妖怪や霊を視る事が出来るようになります。」

 

そう言うと俺は霊水晶を両手で持ち、目を瞑って霊力を霊水晶に集中させる。

将玄

「・・霊水晶よ、今此処にいる悲しみに囚われ心を閉ざした黄純さんの傍にいる霊を皆に見せたまえ。」

 

俺が言い終わると霊水晶が光だし、黄純さんの隣から薄い人影が現れ次第に人の姿がはっきりしてきた。

藍朓(あいちょう)

「ま・・本気(マジ)かよ・・こんな事って。」

綾乃

「あ・・あの娘は・・写真の」

黄純

「ま・・まさ・・か、・・・み・・水奈・・水奈!!」

 

それは亡くなった筈の黄純さんの婚約者水奈さんの姿がそこにあった。

 

水奈

「黄純ゴメンナサイ、死ンジャッテゴメンナサイ。」

黄純

「水奈俺だ黄純だ、分からないのか?何故お前が謝るんだ、何とか言ってくれ水奈!!」

 

黄純さんは必死になって叫ぶが水奈さんは俺達には気付かず、ただひたすら謝ってばかりだった。

将玄

「無駄です。水奈さんは心を閉ざしていて誰の声も届きません。

このままじゃあ水奈さんは成仏できず、あの世とこの世の狭間で亡霊となって永遠に苦しみ続けてしまいます。」

藍朓

「そ、そんな・・将玄何とかできねぇのか?」

将玄

「今の僕一人の力では霊視する事はできても除霊できる程の霊力はまだ無いし。

ましてやあんなに心を閉ざしいる水奈さんは僕の声は勿論、さっき黄純さんの声も届かなかった今、もう僕には手が・・・」

 

俺では確かにこれ以上の手は出せないが、俺の学校の先生(霊能力者)なら水奈さんを助ける事が出来たかもしれない。けどそれじゃあ黄純さんの心は永遠に救えない。

 

将玄

「(せめて水奈さんの魂に黄純さんの思いを伝える事が出来れば・・・・っこれだ!)」

 

考えながら周りを見渡していると俺の眼の前にピアノが眼に入った。

将玄

「・・一つだけ、一つだけ方法があります。黄純さんにしか出来ない方法が。」

黄純

「何!おい将玄本当か、どうすれば水奈を助ける事が出来るんだ教えてくれ!!」

 

黄純さんは必死になって俺の両腕を掴みながらその方法を聞き出そうとしていた。

将玄

「その方法は、水奈さんの心に一番楽しかった時の曲を黄純さんが魂を込めたピアノの演奏を魂の底まで届かせる事が出来れば、水奈さんは俺達に気が付くはずです。」

 

そう、魂を持って魂に響かせる。それしか今の俺達・・いや、黄純さんが今一番に本当にしなければいけない事に気が付かせる事が大事だったんだ。

黄純

「そうか、分かったぜ。・・・水奈待ってろ、今その苦しみから救ってやるからな。」

 

黄純さんは急いでピアノの前に座り、いざ鍵盤を押した瞬間。

 

黄純

「ッグゥゥッッ」バアァァァ~~~~ン

 

黄純さんは手を鍵盤に押し付けたまま顔を蹲っていた。

はやて

「黄純さん、どないしたんや!!」

将・藍・藤・綾

「「「「黄純(さん)!!!」」」」

 

俺達は慌てて黄純さんに駆け寄った。

藍朓

「黄純どうした、何があった?」

藤兵衛(とうべえ)

「黄純、大丈夫か?」

黄純

「・・・テ・・手が、痛みで・・思うように動かせねぇ。」

 

そうだった。黄純さんの手首はさっきリストカットして痛めていたんだった。

綾乃

「まずは手の治療が先だね。こんな手じゃああの娘は勿論、此処にいるあたし達にすら魂は響かないよ。」

黄純

「そんな悠長な事が言って居られるか、水奈は今も苦しんでいるだぞ!俺がピアノを弾いて水奈をs「無駄です、心が乱れきっている時に弾いても徒労に終わるだけです。」なんだと。」

 

俺は黄純さんの前に出て何とか落ち着かせる事に専念した。

 

将玄

「落ち着いて黄純さん、武術にも『心・技・体』の言葉があるように芸術にだって『心・技・体』があるんです。

忍空を学んでいた黄純さんなら僕の言葉の意味が解るはずです。思い出して下さい、黄純さんにいる周りの人たちを・・友達や恩師を。」

 

そう言うと、さっきまで焦っていた黄純さんの目に落ち着きと光が戻って来た。

黄純

「・・・そうか・・そう、だったな・・・・皆、すまなかった!。

俺は水奈を救いたい、どうか俺に・・皆の力を貸してくれ、頼む!!。」

 

そう言って黄純さんは俺達に土下座で頭をさげた。さっきまでのネガティブな黄純さんではなく。

目に、心に燃える魂を宿した真剣な顔の黄純さんが此処にいた。

藍朓

「黄純・・その言葉を待ってたぜ。いくらでも力を貸すぜ黄純。」

藤兵衛

「俺もだ、手始めにまず最初に病院だ。ちゃんと医者に見せて手を完治させるんだ。」

はやて

「私もや、黄純さんが帰ってきたら栄養のある食事でその弱っちぃ体を健康にせぇへんとアカンからな。」

綾乃

「・・しょうがないねぇ、黄純(アンタ)が病院言ってる間にあたしはこの部屋掃除しておくよ。

こんな環境じゃ落ち着いて演奏なんてできないからね。」

 

黄純さんの真摯な頼みに皆は待ってたとばかりに協力していく、特に藍朓さんは嬉しそうだ。

黄純さんは藍朓さんの肩を借りておやっさんの車に一緒に病院に行き、その間に綾乃さんは部屋を掃除し始め、俺とはやてちゃんは近くのスーパーへ行って夕食の買い出しに出かけて行った(冷蔵庫の中が空っぽだったから)。

買い出しから戻って来た時には綾乃さんは掃除を終えていて俺とはやてちゃんと綾乃さんが一緒になって料理をして1時間後に藍朓さん達が帰って来た。

藤兵衛

「みんな~今戻ったぞ。」

将・は・綾

「「「おかえり~」」」

藍朓

「おっ、うまそうな匂いがするぜ。」

黄純

「・・・こんな日が、また来るなんてな。」

 

おやっさん達が帰って来たみたいだ、黄純さんは何か懐かしむ様な顔をしていた。

はやて

「今日の晩御飯は皆で美味しく食べれる料理定番のお鍋や~」

将玄

「体が暖まれる様に生姜やニンニク等も沢山入ってます、おやっさん達も早く椅子に座ってたべましょう。」

藤兵衛

「そうだな、ほら二人も早く席に座るぞ。」

 

おやっさんに言われて急いでテーブルの椅子に腰かけた。

綾乃

「もうすぐ春でも夜はまだ冷えるからね。じゃ、冷めない内に食べちまおうか。」

はやて

「ほな皆さん、手を合わせて」

 

『いただきます。』「・・・イタダキマス」

皆が箸に手を取ってご飯を食べる。遅れて黄純さんも箸に手を伸ばして恐る恐る鍋を食べた。

 

藍朓

「お~うめぇじゃねぇか。」

藤兵衛

「はやてちゃんに将玄君また腕が上がったみたいだね。」

将玄

「実は最後の味付けは綾乃さんが仕上げたんです。」

はやて

「私らはこの半分の上手さしか出せへんかったんや。」

 

俺達がそう言うと二人は綾乃さんに視線を向けた。

綾乃

「あたしが料理が出来るのが以外かい?若い頃にスナックで働いてた時に料理も習ったんだよ。此れ位あたし等の世代じゃあ料理が出来て当たり前なんだよ。」

 

正直綾乃さんが料理をする様に見えなかった藍朓さん達は吃驚していた。

ふと俺は黄純さんが気になって目を向けると鍋を一口食べた状態のまま固まっていた。

将玄

「黄純さん、どうしたんですか?」

はやて

「黄純さん、もしかして美味しく無かったん?」

 

俺とはやてちゃんが心配になって声を掛けてみた。

黄純

「・・・・まい。」

はやて

「えっ」

黄純

「・・うまい。飯がうまいって言ったんだ。

・・水奈が死んでからは飯はまるで砂を食べてる感覚しかなかったのに、もう何も感じなく成っていたのに。」

将玄

「閉ざした心が再び開いたからですよ。」

 

黄純さんの疑問に俺が答えた。

将玄

「心が閉ざしたら人は痛みも悲しみも感じなくなるし、目に見えるはずの色もまるで灰色を見てる様に感じてしまうんです。

ご飯の味を感じる様に成ったのは黄純さんが心を開き、感情を取り戻した確かな証拠です。」

藍朓

「将玄本当か?黄純が心を開いたって。」

 

黄純さんの心が開き始めた事に嬉しさを感じている藍朓さんは手を止めて身を乗り出した。

将玄

「ええ間違いありません。似たような前例を僕は知っていますから。」

綾乃

「前例って?」

はやて

「私や。両親が亡くなって直ぐの時は黄純さんみたいにご飯が美味しいって思えへんくて、目に見えるもん全部が灰色やった時、家に来ていた将君に教えたんよ。」

 

綾乃さんの疑問にはやてちゃんが答えた、けどはやてちゃんの話にはまだ続きがある。

心配になってはやてちゃん家に上がったら包丁を持ってリストカットする寸前だったんだ。両親も死んで、足も動けなくなって、親戚も誰もいない、こんな世界で一人で生きていても意味が無いから死んで両親の所に逝くと。

あの時は必死だったよ、思わずビンタまでして自殺なんて馬鹿なマネを止めさせたからな。

はやて

「あの時将君が居らんかったら黄純さんみたいに成ったかもしれへん(もしかしたら最悪な結果を選んだやろうなぁ。けどあの時から私は将君の事が好きになったんよ)。」

 

はやてちゃんは説明を終えるとこちらの視線にに気づき顔を赤くして目線を逸らした。

将玄

「はやてちゃん、もしかして熱いの?窓開けてこようか?」

はやて

「やっぱその答えかいな!、はぁ~違う意味で期待を裏切らへんなぁ。」

将玄

「???」

藍朓

「おやっさん、将玄ってもしかして」ヒソヒソ

藤兵衛

「察しがいいな、将玄は一夏君と千冬ちゃんの一人息子だ。」ヒソヒソ

藍朓

「やっぱりそうか、この親にしてこの子供ありとは良く言ったもんだな。」ヒソヒソ

 

何か周りがコソコソと話しているみたいだけど、きっと皆黄純さんの力になる相談をしているんだろう。

それから皆で話し合って黄純さんの体調管理を綾乃さんが担当し、リハビリと自殺発作の防止の為に藍朓さんが暫くは黄純さんと一緒に暮らして面倒を見る形に収まった。時々おやっさんとはやてちゃんと一緒に様子を見に行ったりしたりしている内に3週間が過ぎ、今怪我の具合とリハビリの成果の確認を電気店の電子ピアノで実践している。

藤兵衛

「黄純、どうなんだ手の調子は?」

黄純

「ああ、痛みも違和感も無い。皆のおかげだありがとう。」

 

黄純さんの顔は化粧こそしているがもう陰りが無い、これならもう大丈夫だ。

将玄

「黄純さん、これで水奈さんの心に魂を響かせる第一準備ができました、けど忘れないで下さい。

水奈さんの魂を救えるのは一緒に過ごして来た黄純さんしかできないんです。」

藍朓

「大丈夫だ黄純、今のお前なら必ず水奈さんを救える。自分を信じるんだ。」

黄純

「ありがとう皆、行こう・・今度こそ水奈を助けるんだ。」

 

俺達はおやっさんの車で黄純さんのマンションに向かった。部屋に入るとそこには綾乃さんとはやてちゃんが待っていた。

綾乃

「お帰り黄純、決心が出来たって顔つきになったね。頑張んなよ。」

はやて

「黄純さん、水奈さんを苦しみから救うてや、もう泣く必要は無いんやでって教えてやって。」

黄純

「ああ・・水奈にお前のせいじゃないと、俺はもう大丈夫だとちゃんと伝えてみせるさ。」

 

黄純さんはそう言うとピアノの前に座り楽譜の隣にある水奈さんの写真に目をやると一度目を瞑った。

黄純

「(水奈、お前が死んでから俺はずっと自分を恨んで自分が死ぬ事ばかりを考えて過ごした。死んでお前に会う事ができるなんてバカな望みを抱いてな。

だが俺が水奈にした事は死んだ水奈に死ぬより辛い地獄を与えただけだった事を将玄に教えて貰うまでお前を苦しめていたんだ。

水奈、すまなかった。誤って許して貰えるとは思ってはいない・・・今から弾くこの曲は俺と水奈が結婚式にお前に送った、俺の魂が籠った曲だ。)」

 

黄純さんは目を開くと俺に目で合図を送り、俺は霊水晶を使って水奈さんの姿を皆の前に表した。

やっぱり水奈さんの魂は謝り続けているだけだった。

黄純

「水奈、今まで苦しめてきてゴメン、今お前をその苦しみから救ってみせる。」

 

『BGM 輝きは君の中に』

 

黄純さんはそう言い終わると同時にピアノの弾いた、俺達は黄純さんのピアノを弾く姿と演奏に驚いていた。

リハビリの時に弾いたのとは比べ物に成らないほど素晴らしい演奏だ。

俺達の心に、魂に響いているのが素人の俺達でも分かるほどだ。これならきっと水奈さんの魂に必ず響いたはずだ。

水奈

「ゴメンナサイ、黄純ゴメンナサイ、キスm…アア、コノ曲ハ、ああ、懐かしい、黄純が私たちの結婚式の為にって半年掛けて頑張って作詞作曲した。」

 

虚ろな目で謝り続けていた水奈さんが黄純さんの曲に反応した。

水奈

「ああ、あんなに真剣な顔してピアノに打ち込んでいる黄純がもう一度見れるなんて、私が死んだせいで絶望してピアニストの道まで捨ててしまったのに。

・・・黄純の周りに藍朓やおやっさんがいる、良かった黄純みんなに助けて貰えたんだね。」

 

黄純さんの演奏が終わると水奈さんは黄純さんの傍に近寄り、俺達はそれを静かに見守った。

水奈

「黄純ごめんね、貴方を置いて先に逝っちゃって、そのせいで黄純に辛い思いをさせたね。」

黄純

「水奈謝るのは俺の方だ、俺が我儘言ったせいで水奈を死なせたんだ、許してくれ!」

 

お互い誤ってばかりでこれじゃあ平行線だな。

将玄

「黄純さんも水奈さんも誰も悪くありません。ただ、ほんの少し運が悪く不幸な結果になっただけです。

だからもう謝らないで、自分を責めなくていいんです。」

 

俺の言葉に落ち着いたのか二人とも謝るのをやめてくれた。黄純さんに水奈さんはお互い見つめ合い微笑むと、水奈さんは黄純さんの胸に手を置き、少ししてから水奈さんは黄純さんから離れると霊体が段々薄くなっていく。

藍朓

「なっ水奈さん、体が!」

綾乃

「薄く、いや消えようとしているのかい。」

藤兵衛

「将玄君、これは一体。」

将玄

「水奈さんはこの世にもう心残りが無くなったからです。」

はやて

「将君それって。」

 

水奈さんは成仏してあの世に行く。

それが自然の摂理であり必然だ、まあ俺はどうだったか知らないけどな。

黄純

「水奈!待て、逝くな。やっと会えたのに。」

水奈

「ごめんね黄純、私はもう死んでいるの、これ以上この世にいられないのよ。」

将玄

「黄純さん、前にも話しましたが死者の魂がこの世に留まるのは危険なんです。

この世の未練が断ち切れずにいると人に害を成す悪霊に変わる事だってあるんです。」

黄純

「分かってる!頭では分かっているけど、気持ちが納得してねぇんだよ。」

 

やっぱり黄純さんにとって水菜さんがそれだけ大事な存在なのか。

水菜

「大丈夫だよ黄純。私の魂は天国に行くけどその一部は黄純、貴方の心にずっと生き続けるから。黄純が私を忘れるまでね。」

黄純

「水菜・・・馬鹿なこと言うな、俺がお前の事を忘れるなんてそれこそありえねぇ。

絶対に忘れない。俺が天国(そっち)に逝くまでいや、天国に逝っても忘れないさ。」

 

黄純さんの言葉に満足してのか、水菜さんはそのまま笑顔のまま消えてゆき、完全に消えた瞬間確かに聞こえた。“黄純に出会えて幸せだった”って。

黄純

「・・・さようなら・・水菜・・・・俺も幸せだったよ。」

 

言いきったと同時に黄純さんは膝を付き大声で泣いた、子供に戻ったかの様に泣いていた。

藍・綾・藤

「・・・黄純。」

はやて

「・・・黄純さん。」

 

皆は泣き崩れる黄純さんの側に寄り添い、黄純さんを優しく見守っていた。

俺は静かに玄関の外に出た。俺の頭上に小さな光の玉が浮かんでいた。

将玄

「・・これで良かったのかい、キミ(・・)。」

キミ?

「うんありがとうおにいちゃん、おとうさんとおかあさんをたすけてくれて。」

 

この光の玉は所謂人魂と呼ばれる現象で、そしてその正体は産まれる事が出来なかった黄純さんと水菜さんの子供だった(人魂だから性別が解らないが)。

将玄

「あの日、黄純さんの傍に水奈さんの霊とキミの人魂に気づいてたけど、おやっさん達と一緒に黄純さんの家に行く前に一度家に戻ってきた時、キミが来た時は吃驚したよ。

「おとうさんとおかあさんをたすけて」って言った時に気づいたよ、君が二人の子供なんだって。」

キミ?

「ぼくがどんなにさけんでもおとうさんたちにはぼくはみえてなかった、こえがとどかなかった。けどぼくにきづいたおにいちゃんならきっとたすけてくれるってしんじられたんだ。」

 

助けないわけがない。俺が知っているヒーロー(仮面ライダー)達は、助けを求める人がいれば声なき声にも駆けつけるんだ。

そしてその子も水奈さんと同じく段々霊魂が薄くなっていく。

将玄

「お別れだね、さよならは言わないよ。キミが生まれ変わったら、また会おうね。」

キミ?

「うん。ぼくもさよならはいわない、またねおにいちゃん。」

 

あの子の顔は分からなかったけど、きっと笑って逝けたよね。未来で会える日を楽しみにしてるよ。

俺は目に溜まった涙を拭って黄純さんの所に戻った。

 

 

 

雲より上で俺を見ていた物の存在に気づく事も無く。

 

 

 

???

「へぇ~クワちゃんが言ってた通りの子だね。これなら4~5年後に期待できそうだね。

さあ二人ともあの世の案内は任せてねぇ~。」

 

その女性はピンクの着物姿に(カイ)に乗って空を飛んでおり、そのまま水奈さんと子供の魂と一緒に天に向かって消えてった。

 

 

 

 

因みに黄純さんの自殺癖は治る事が無く、1日3回のペースで病院に行ってたのが2週間に1回に少なくなってはいたが、これが黄純さんクオリティなのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オマケ

 

家に帰る途中におやっさんにCOLに一人呼ばれて。

 

藤兵衛

「所で将玄君、因みにこれらは(霊具)一体どこで手に入れたんだい?」

将玄

「神社を経営している友達のお母さんから譲り受けました。

そのお母さんの友人の方から他にも念珠や白衣観音経や密教の武器の扱い方も伝授してもらいましたけど大丈夫ですよ、僕の通ってる学校の先生が霊能者だから色々アドバイス貰ってますから。」

藤兵衛

「教師!まさかその先生の名前は鵺野 鳴介(ぬえの めいすけ)って言うんじゃないのか?」

将玄

「いいえ、桑原和真っていう先生ですけど?」

藤兵衛

「何!桑原だって、あいつ大学に進学できたのか。てっきり中学を卒業したら就職して働いていると思ってたんだがな。」

将玄

「おやっさんは桑原先生の事知っているんですか?」

 

初めて桑原先生を見た時ビックリしたよ。この世界、子供の頃に見た漫画やアニメのキャラがいたりって、本当に色々とおかしいよな?

ってか此処にはぬ~べ~先生もいるのかよ!会って見たいぜ。

藤兵衛

「昔あいつが中学の頃よく友達と一緒に此処を(COL)よく使ってたんだよ。それにあいつは当時は問題児の不良の1人でよくケンカばっかりしてたんだ。

オマケに頭も悪くて当時は理科のテストなんか7点しか取れないほどだったんだぞ、よく進学できたなぁ。」

将玄

「そ、そうだったんですか。」

 

俺が大体知っている通りの桑原先生の経歴に思わず苦笑いしていた。

藤兵衛

「まあ教師になった事は驚いたが霊能者に関して納得したけどな、桑原やあいつの姉は人一倍霊感に優れていたからな。

まぁともかく、桑原に会ったら私は今も此処で働いているから顔を見せに来いって伝えてもらっていいかい。」

将玄

「はい、必ず伝えますね。」

 

そう言って俺は改めて自分の家に帰って行った。




如何でしたか、最後の謎の女性は察しの良い読者は知ってますよね。
この女性はアリシア復活に必要なフラグだと言っておきます。
こんな作者の小説を楽しんで頂けたら幸いです。
また何時になるか分かりませんが更新を楽しみにしてて下さい。
そろそろライダーを出したい作者ですwww。


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第6話 平穏の終わり、災厄の前兆

あけおめ。
半年ぶりの投稿です、色々忙しくて遅くなりました。
まだまだ未熟ですが第6話どうぞ~~。



黄純さんの一件から3週間が経ち、俺は赤雷さんと藍朓さんと一緒に赤雷さん達の通う道場で鍛錬をしていた。

将玄

「それで今日は何の為に此処に?」

 

藍朓さんに向かってパンチ、キックのラッシュを繰り出しているが全て躱される。

赤雷

「実は将玄を呼んだのは俺達の道場の武術を教える為だ。」

将玄

「えっ赤雷さん達が?」

藍朓

「正確にはお師匠さんが、だけどな。」

 

藍朓がそう言うと同時に道場の裏口から野菜が一杯に詰まった大きな籠を背負った初老の男性が入って来た。

赤・藍

「「お師匠さん」」

麗朱

「待たせて済まないな、今年は畑の野菜が豊作でな収穫に時間が掛かってしまった。

藍朓済まないがこの野菜を洗って近所に分けて来てくれ、将玄君達の分を取って置くの忘れずにな。」

藍朓

「分かったぜお師匠さん、んじゃチョット行ってくるぜ。」

 

藍朓さんは麗朱さんから籠を受け取ると道場の奥に急いで向かって行った。

赤雷

「お師匠さんお帰りなさい、聖柴さんは一緒じゃなかったんですか?」

麗朱

「あやつは合宿先の畑の収穫に行っておる、現地におる門下生と一緒にな」

 

麗朱さんはそう言うと俺達の所に来た。

将玄

「麗朱さん赤雷さんから聞いたんですけど、僕に忍空を教えるって本当ですか?

確かそれって特別な試練に合格しないと学べないんじゃ。」

麗朱

「本来ならそうだ。だがそれは決してエコ贔屓ではない、将玄の心・技・体の真髄の見極めは藍朓に赤雷、そして士郎達自身の口から儂の耳に届いておる。

なにより、儂自身の目で防人 将玄と言う人間性を見て判断した結果だ。」

 

麗朱さんにそう認めて貰えるなんて思ってもいなかった。

麗朱

「ではまず忍空についての説明だ、忍空とは約1000年前に作られた忍術と空手を組み合わせた史上最強の武術。干支に因んで十二の流派がある。 それぞれ身体能力の中で突出する部分(空力)を操る事が出来、また自然の力が異なっている。」

 

「忍空の技は2種類に分けられている。 十二流派でも共通な忍術の流れを汲む技を忍技。 十二流派の特色である空力と自然の力を利用する技を空技と呼ぶ。

其々の流派の頂点に立った忍空使いは干支忍と呼ばれ、自然界の龍の姿を見る事ができる様になる。

因みに赤雷や藍朓も干支忍の称号を得ており、赤雷が辰忍で藍朓が酉忍の頂点に立ってりるぞ。」

 

麗朱さんの説明に俺は驚いていた、アニメや漫画のキャラがいたり、魔法があったり、幽霊がいたりでも驚きだったのに更に前世で大好きだった忍空が実在してそれを学ぶ事ができるって、もう何でもアリの世界だな。

将玄

「自然の力を操るってどうやって出来るんですか?(一応知らない事にしないと)」

麗朱

「その前に外に出る、ついて来い。」

 

俺達は麗朱さんの後を付いていき裏庭に出た。

だが俺の目に飛び込んで来たのは、俺の方を嬉しそうに見つめる宙に浮かぶ龍の姿だった。

将玄

「えっえぇぇぇ~~!!な、何で龍がいるんですか!!(実際に見てみるとスゲェ!)」

麗朱

「意識せずに視えるとは、やはり将玄は何か特別な何かがあるのかもしれんな。」

赤雷

「ええ、俺なんて視える様に成るまで3年掛かったんですけどね。」

将玄

「ちょっと待って下さいあの龍達がさっき話に出てた自然界の龍達なんですか!」

麗朱

「ああそうだ…ん、まて将玄いま龍達と言ったか?!」

 

何か麗朱さんが俺以上に凄く驚いている。

将玄

「は、はい。4匹とも何か嬉しそうな顔して僕を見ているですけど。」

麗朱

「氷龍、炎龍、雷龍、風龍が視えるのか。」

赤雷

「・・・これは流石に予想外だぞ。」

 

お互いに何とか落ち着きを取り戻し、改めて話し合いを始めた。

麗朱

「それで話の続きだが、忍空の力の源とも言える12の龍がおってな。

本来は1匹の龍の力を借りるのだが、まさか修行もせずに視える上に複数の龍から好かれるとはなぁ。」

赤雷

「まぁ、流石は一夏さん達の息子さんと言った所ですね。」

将玄

「それでどうやって力を借りるんですか?」

麗朱

「自然界の龍の体の一部に触れ、その龍の力を借りる事で自然を操る事ができるのだ。

赤雷やって見せるがいい。」

 

麗朱さんが赤雷さんにそう言うと赤雷さんの手から、いや拳から火が出たのだ。

赤雷

「これは空炎掌と言って炎龍の力を借りる事で空気中の酸素を急激に燃焼して炎と化す事が出来るんだ。」

 

赤雷さんはそう言うと手から炎を消す、手は火傷一つしていなかった。

 

麗朱

「この様に自然界の龍の力を借りて戦う事が出来るのが忍空の最大の特徴だ。

将玄君はまず風龍を使いこなすことからだ、他の龍達の力はそれから教えて行こう。」

 

俺は麗朱さん達に忍空の技を学びながら自分の身を守る忍術も教わった。

 

以前赤雷さんが使った変わり身の術、着ている服を残して素早く残像を相手に見せて身を守る幻身(うつせみ)の術。

空気の詰まった袋に木の葉を詰めて、それと一瞬にして入れ替わり葉がいきなり舞い散るの事で相手の注意を引く空舞葉を覚えた。

これは忍空を学んだ相手なら誰でも使いこなせる共通の忍技の一部で他にもたくさんあるそうだ。

 

そして一ヶ月が立ち、これが風龍に力を借りる事で繰り出せる忍空技の一つで手の掌に風を圧縮した空気の塊を作り相手にぶつける・・・その名を。

 

将玄

「空圧拳っ!」

 

グシャァァァァァ!!

 

よく時代劇で試し斬りに使われる藁人形に向かって空圧拳を繰り出し、藁人形を木端微塵に吹き飛ばした。

藍朓

「すごいな将玄、もう空圧拳をマスターしたのか。」

赤雷

「それに将玄君の子忍流最大空技である【足の素早さ】は士郎さん達の神速にこそ劣るが、残像を出せる位に速く動けるからな。」

麗朱

「2年前から赤雷達が基礎を徹底的に鍛えていたとはいえ、本格的に教え込んで一月、更に空圧拳を教えて1週間で此処まで使いこなすとはな。

将玄君なら今年中で風龍の力を自在に扱う事が出来る様に成れるやもしれん(そうなると将玄君が最年少で干支忍に成ると言う事か、早くても12歳だったのだがな)。」

将玄

「麗朱さんどうですか今の空圧拳は?」

麗朱

「うむよかろう、空圧拳の伝授はこれにて終了だ。次回からは本格的に技の伝授していくからな、本日はこれにて終了だ(もし将玄が干支忍最大のあの試練を成し遂げたなら、アレ(・・)を託しても良いかもな)。」

将玄

「っはい!分かりました。」

 

俺は忍空を会得できる事に内心とても喜んでいた。

赤雷

「将玄君今日はもう遅いからここまでだな、明日は始業式だろ。」

将玄

「はい、今日も有難う御座いました。」

 

日が大分傾いており、もう夕方になっていた。俺は取り立ての野菜を持参したリュックサックに入れて背負った。

赤雷

「ところで将玄君、ずっと気になっていたんだがそのリュック何時も背負っているけど何か入っているのかい?」

将玄

「この中身はカメラと写真を収めたアルバムです。見ますか?」

 

そう言うと俺はリュックの中からアルバムを取り出し麗朱さん達に見せた。

麗朱

「ほう、綺麗に撮れてるな将玄君が撮ったのかい?」

将玄

「はい、大体はそうです。」

藍朓

「ブブッこれ絵を描いててそのまま居眠りしてる赤雷じゃねぇかよ。しかも鼻ちょうちんに器用に筆握ったままキャンパスに絵塗りの途中の写真かよ。」

赤雷

「人の事笑えないぞ、コッチは黄純の時におやっさんの店のテーブルぶっ壊して罰として1ヶ月翠屋で働いてた写真だぞ。執事服で。」

 

実は藍朓さんおやっさんに弁償代を払う為にCOLで働くと言ったのだが、おやっさんの店では昔の藍朓さんの不良時代を知っている人たちが結構多く来るため客にも藍朓にも居心地が悪かろうと、士郎さんに頼んでウェイターとしてバイトを初めたのだが桃子さんのアイディアによって執事服を着てバイトをしたのだ(当初は接客は引きつった笑顔で今一つだったのだが、その翌日には自然な笑顔でせっせと接客してたのには驚いた。後に藍朓さん曰く桃子さんの笑顔でのO☆HA☆NA☆SHIが二度と嫌だったから必死で体に叩きこんだと遠い目をしていた)。

その結果藍朓さん目当てで来る女性客が増えて売り上げが15%UPしたと大喜びしたとの事。

 

ふと視線を感じる所に顔を向けると犬が二本足でコッチに歩いて来た、腕を組んだ状態で。

 

???

「将玄もうかえるのか?偶にはゆっくりしていけよ。」

将玄

「ワルいポチ、次は一緒に遊べるように時間つくるからまた今度な。」

 

今俺に話しかけたのは、この道場の番犬(ポチ)だ。なんでも忍空が出来てから代々この土地を守り続けている番犬の子孫で先祖の代から鍛えられた為かポチの爺さんの代で言葉を話せるようになったといってる(最初に会った時はリアルデ〇ズ〇ーでビビったのは内緒)。

今では数少ない男の友人・・・否〝漢〟の友犬。大の仲良しで俺個人は親友と思っている。

ポチ

「そうか、それじゃあ今度な。そうだ最近折り紙に凝っていてな、お前の顔に似せたヤツを作ったからお守り代わりにやるよ。」

 

そう言って器用に指に挟んでいた折り紙を俺に渡してくれた、結構良く出来ている。

将玄

「ありがとなポチ。」

ポチ

「またな。」

 

そう言うとこれまた器用に右前足を伸ばして肉球を突き出した。

将玄

「肉球(プ二ッ)」

そう呟いて右人差し指で肉球の感触を確かめた、これが俺とポチの握手がわりの挨拶だ。

藍朓

「またな将玄、学校サボるんじゃねぇぞ。」

将玄

「サボりませんよ!」

麗朱

「藍朓じゃないのだ、将玄君がそんな事するわけないだろう。」

藍朓

「いけね、藪蛇だったぜ。」

 

藍朓さんが麗朱さんにツっこまれていた。まあ藍朓さんが不良だった話を聞いていたから大体予想がつくけど。

 

将玄

「それじゃ、またご指導お願いします。」

藍朓

「気をつけて帰れよ」

麗朱

「将玄君、今度来る時は藤兵衛も連れて来てくれ。久しぶりに一緒に酒が飲みたいからな。」

将玄

「はい、おやっさんに必ず伝えます。」

 

最後にさようならと言って俺は道場を後にした。俺はこの時、明日も平和な一日が当たり前にやって来るって思っていた。

曲がり角を曲がったと同時に世界から消えて自分の運命が大きく動き出すなんて夢にも思って無かった・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後ろでその様子を見てた物たちが3人いた。

正確には1人と2人の異形者または怪人と呼ばれる物達がいた。人間の方はまるで変身魔法を使用した時の将玄にそっくりの人物だった。

 

将玄に似た青年

「・・・・・実際に見て改めて思った。あれが始まりで必然だったんだって。

・・10年・・・か、言葉にすると短いが、生きてみると自分が色々変わった所がいっぱいあるもんだな。」

???

「ここが、マサハルの故郷の世界なのか? 俺がいた世界に比べて土や風がとってもいい香りがするぞ。」

???

「おまけに海の香りもするぞ~。自然が活き活きしてるのがわかるぞ~。」

将玄?

「ああ、此処が俺の生まれた世界で10年前の俺が居た時代だよモグラ、クジラ。

さぁ早く士郎さんと忍さんに麗朱さん達とおやっさん、あと桑原先生にも連絡してさっきの(俺が消えた)映像と事情を説明をしないといけないからな、あとモグラとクジラの住む場所を提供して貰わないと。」

モグラ

「大丈夫なのかマサハル?」

クジラ

「俺達は見ての通りの姿だぞ?」

 

不安そうな顔で将玄を見る二人、共に色んな世界を回って優しく受け入れてくれる者、激しく拒絶し迫害する者の2種類の人種がいたからだ。

将玄

「あの人達なら大丈夫さ、見た目や過去に悪事を働いたからって差別をする人たちじゃないよ(リニスさんにも事情を話して協力して貰わないとな)。

それとこの10年で書き上げたアマゾンから鎧武のライダー小説と俺が実際に体験してきた世界の物語の小説を出版できないか交渉しないとな。」

 

俺は携帯で麗朱さん達に連絡を取り、モグラとクジラを家の中に入れて皆が来るのを待ちながらこれからの事を考えていた。

この世界に降り注ぐ災厄からどうやって戦い抜けるかを。




やっと話を進めきれたepion-mk5です。
あと1~2話位で原作開始できればなぁって考えています。
では2015年も宜しくお願いします。


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第7話 新しい戦士の誕生その名は仮面ライダーバンデ 前編

お久しぶりです、約5ヶ月位に帰ってきました。
仕事も小説もなかなか思う様に進まなくてグロッキー状態の作者です。
今回はやっと話が進みます(すこしだけですが)御都合的主義な所もありますが広い心で見てください。



俺が自分の世界に戻り、変身魔法で子供の姿で日常を過ごしながら小学3年生になって数日が立った。

そう言えば少し前に束ちゃんが翠屋で一緒に手伝う様になってから一段と忙しく成ったが毎日が楽しく過ごしている。なのはちゃんと最初に会った時は二人揃って「「にゃあ~~」」って二重奏してた姿は微笑ましかったな。

 

*余談だが束ちゃんが悪戯でなのはちゃんが口パクして束ちゃんが恭也さんにワザと「シスコンのお兄ちゃんなんてキモーーイ、そんなお兄ちゃん大嫌い。」って言ったせいで恭也さんは危うく首を括って自殺する寸前だったからシャレになんなかったよ(束ちゃんにはアイアンクローでしっかりお仕置済み)。

色々あった御陰でなのはちゃん達とも友達になれたのは本当に良かった。因みに束ちゃんは皆にも愛称で呼んでいる。

 

なのは=なっちゃん。

 

すずか=すーちゃん。

 

美由希さん=みっちゃん。

 

はやて=狸「誰がポンポコやねん」はーちゃん。

 

アリサ=ツンd「ア゛ア゛ッ≫ギロッ」…アーちゃん。

 

恭也さん=シスコン。「orz」

 

赤雷さん=ヅラ「ヅラじゃない桂だ、あっ間違えた赤雷だ。」じゃタレ目で。「・・・GUUUU~~~」

 

ってな感じで、すずかちゃんとアリサちゃんは最初は束ちゃんに破天荒さに戸惑ってたがもう慣れたみたいで、特にアリサちゃんとは一緒に束ちゃんが暴走した時のストッパー役になってくれて大助かりだ。

俺は今日も束ちゃんの家で魔法の練習を終えて今神社の裏にリニスと箒さんと俺の3人だけだ。束ちゃんは今日の戦闘データを持って部屋で調べに行っている。

「将玄君、それで話って言うのは?」

リニス

「束には言えない事なんですか?」

将玄

「その前にこの姿を見てください、天命変身解除してくれ。」

天命

「御意、変身魔法解除そのまま待機状態施行。」

 

天命によって俺の姿は子供の姿から大人に変わった。髪は膝あたりまで伸びて首の後ろに髪止めで綺麗に纏っており、顔の左目側には傷があり両眼茶色だったのに左目だけが赤い眼に変化し、恰好は白いジャケットに白いズボンを履いていて白いレザーグローブに首に待機状態の天命を身に着けていた。

「えっ一夏、いや将玄くん・・なのか?」

リニス

「今確かに変身解除って、将玄君は今魔法を使っていない状態だという事に。

将玄君、一体なにがどうなっているんですか?!」

 

やっぱり箒さんたちは驚いていた、まぁこれが当然の反応なんだよな。

俺にとっては10年前でも皆にとっては数日前、事の始まりはあの日麗朱さん達と別れて家までもう少しという時、曲がり角を曲がってすぐだった。

俺の目の前に灰色のオーロラが向かって来て、何もできずにオーロラに飲み込まれた。

 

Side out

 

第3者視点

 

 

???

「はぁ、はぁ、はぁ、頑張れ! 後少しだ。」

少年A

「はぁ、は、はい。」

女性A

「もう少しで、助かるんですね。」

少年B

「ウェェェ~ン、おどうさ~~んドコ~、おがあざんが死んじゃったよ~。」

少女A

「ママ"~~、おにいぢゃ~~ん。」

 

 

此処は人里離れた山中の山頂の近く、白髪混じりの男性が女子供を連れて避難していた。

少し離れた場所には人が住んでいた街があったが、火の手が上がり廃墟と化していた。

それは此処だけじゃなく世界中でそうなっていた。

 

???

「じっくんコッチだよ、次元転移魔法の準備はOKだよ。」

 

所々傷だらけになっていて、白髪混じりの男性と同じ歳と思われる女性がデバイスの杖で体を支えながら待っていた。

じっくんと呼ばれた男性

「分かった。さあ皆急げ、この魔法陣に入れば安全な世界に避難できるぞ。」

 

女性A

「はい、皆もうすぐで助かるわ、あと少しよ頑張って。」

 

女性の声掛けに子供達の顔に希望が戻り、泣いていた子供も数名が泣き止んでいた。

???

「見つけたぞ、この世界の最後の生き残りの人間がー!!」

じっくんと呼ばれた男性

「くそっ見つかった!!皆急ぐんだ。」

???

「逃がさんぞ行けっ戦闘員ども。反乱分子の人間を1人残らず皆殺しにするのだー!!」

 

『イィーーーっ!!!』

 

全身黒ずくめタイツに骸骨を思わせる模様が入った戦闘員に異形の姿をした“怪人”と呼ばれる者達が追いかけていた。

???

「ハハハ、もう逃げられんぞ。この世界の生き残りはもうお前たちだけだ、諦めて死を受け入れろ。」

じっくんと呼ばれた男性

「黙れバットロイド!!たとえ最後の1人になろうともお前たちダークネスショッカーに屈したりしない。」

バットロイド

「ふん!お前以外戦える者も居ない上にライダーメットもカセットアームも破壊されてもまだ抵抗するか。流石は仮面ライダー4号ことライダーマン、いや結城丈二よ。

嘗ては大ショッカーの大首領だった門矢 士こと仮面ライダーディケイドに右腕を切られてヤツを憎んでたお前が、あろう事かどん底につき落とされていたディケイドを立ち上がらせた上に更には自分を裏切った相手の為に命を懸けるとはな。」

 

バットロイドはそう言うと目線を後ろにいる傷だらけの女性に目を向けた。

丈二

「確かに彼女は罪を犯した、嘗ての士の様に道を誤り多くのライダー達が倒れ幾つもの世界が崩壊した。

だが今は自分の罪を悔い、死んで逃げずに生きて戦い続ける道を選んだ、士と同じ様にな。

そして士は最期までライダーとしての生き方を貫いて殉じて逝ったんだ。だからこそ俺も士同様にライダーとして最後まで戦い続けると誓ったんだ。」

バットロイド

「それが全て無駄に終わったな。あの女の数々の研究成果のお蔭でライダー達に倒された怪人達は再生怪人以上の力を持って復活し、更に壊滅したすべての組織が結集した新しい組織〝ダークネスショッカー”が誕生したのだ。

その結果あの憎き仮面ライダーを倒す事ができ、そしてお前が最後のライダーとなった今、もうあの女も用済みだ。一緒に始末してくれる、やれぇ戦闘員ども!!」

 

『イィーーーっ!!!』

 

≫ドォーーーン!!

 

「うっ」『イィっ!!!』「なんだ!?」

 

バットロイドの命令に丈二に突撃していく戦闘員たち、だがその間に突如何かが降ってきた。

将玄

「突然オーロラに飲み込まれたと思ったら戦争にあったような廃墟がいっぱいでしかもショッカーの戦闘員のコスプレしてTVの撮影かと思ったらいきなり顔を切られて、もう一度襲われた時にポチの折り紙で咄嗟に変わり身の術を使って相手が怯んだ何とかデバイス起動して空に逃げてたのもつかの間、やっと人がいたと思ったら最悪の場面に自分から飛び込んじまうなんて、まぁお約束と言えばお約束だけど!」

 

オーロラによって異世界に来た将玄が巻き込まれ、リュックサックを背にバリアジャケット(以降BJ)1stモードを纏ってこの危機的状況に助けに来た(首ツッコんだ)

???

「へっ?・・・いっ・・・いっくん・・なの?」

丈二

「き、君は?」

将玄

「俺は防人 将玄、今だ状況が解ってはいなくても目の前の相手が悪党だって事は分かっている、此処はまかせて早く避難を。」

丈二

「しっしかし」

バットロイド

「ええい構わんまとめて始末しろ!!」

 

『イィーーーっ!!!』

 

さっきまで戸惑っていた戦闘員たちも構わず突撃する。

 

将玄

「問答はあとで、今は後ろにいる人達だけでも助けないと。」

丈二

「・・分かった。死ぬんじゃないぞ!」

 

そう言うと皆を連れて魔法陣の所まで避難した。

将玄

「行ったか。よしいくぞ天命、敵は複数だ一気に決めるぞ。」

天命

「御意当主、太極刀魔力装填」

 

天命にそう言うと抜刀術の構えを取り、鞘の周りに溢れるほどの白い魔力が帯び始めている。

 

戦闘員A

「何をする気イィー?」

戦闘員B

「構わん、やれイィー」

 

『イィーーーっ!!!』

 

疑問には思っていてもそれでも突撃する戦闘員たち。

 

『死ねイィーーーっ!!!』

 

戦闘員達は一斉に襲い掛かってきた、だが。

将玄

「今だ!くらえ〝凶王流抜刀術〟慙悔!!」

天命

「慙悔!」

 

≫ヒュン、ズバ、ススゥ~

 

将玄の足もとに三角の魔法陣が展開し目にも止まらぬ速さで抜刀、何故か動きが止まっている戦闘員たち。

そのまま後ろを向いたまま自分の手前で刀と鞘を納刀。

 

≫スッカチン、ズバ!ズバ!ズバ!ズバ!ズバ!

 

『イ゛ィ゛ーーーっ!!!』

 

≫バタバタバタバタバタ

 

すると白い斬撃の閃光が戦闘員たちを遅い、体中に刀傷だらけになって倒れた。

 

バットロイド

「何!!一体何が起こったんだ!!」

将玄

「(〝これで貴方も戦国武将の様に強くなれます〟て謳い文句の通信武道なんて胡散臭い本で覚えてみたけど流石は〝凶王〟こと石田三成の剣術、だけど)くそっ何とか倒せたけど踏み込みが甘い、右目だけだから若干間合いがズレるか!」

???

「今の魔法陣はベルカ式、・・・・(ボソッ)けどいっくんは。」

 

一瞬で戦闘員達が倒された事に驚くバットロイドに慣れない片目の戦いに苛立つ将玄とその光景に戸惑う女性。

将玄

「(もう魔力も残り少ない、一か八かアレ(・・)に全てを掛けてみるか)どうした蝙蝠野郎?怖気づいたんなら飛んで逃げていいぜ腰抜け。弱そうだから逃がしてやるよ。」

バットロイド

「なっなんだと!!貴様俺様をバカにするとは許せん!殺してやる、そこを動くなー!!」

将玄

「(こんな簡単に挑発に引っかかるとは)行くぜ、一世一代の大博打!」

 

頭に血が上り突っ込んでくるバットロイドを迎え撃つ将玄。

丈二

「おい次元転移いつでもいけるか?」

???

「う、うん今すぐでも。」

丈二

「じゃあ今連れて来た皆を避難させた後もう1回できるか?」

???

「もう魔力が少ないけど多分、ううん絶対やって見せるよじっくん。」

丈二

「よく言った頼むぞ。俺は防人を援護してくる。」

???

「えっ防人って・・・まさか!」

 

二人が振り返ってみるとバットロイドの右手の爪が後頭部の髪止めを切り裂き、将玄の右の掌がバットロイドの胸の心臓の位置に当たった瞬間だった。

バットロイド

「ば、バカな!・・・人間・ごと・・きに・・・」

 

グラリとそのままバットロイドは崩れ倒れた。

将玄

「・・ふぅー文字通り髪一重(かみひとえ)ってか、漢字が違うけど。運良く空圧拳が決まったお蔭で勝てた。」

 

俺はさっきの人たちと合流しようと後ろを向いて歩き出そうとした時。

丈二

「!っ後ろだー!!」

将玄

「なnガハッ!!」≫グチャッ

 

俺は後ろを振り向くが、咄嗟で避ける事も忍術も使う事もできずBJごと腹部を貫かれた・・・・倒した筈のバットロイドに。

将玄

「何故・・・心臓は、完全に潰れた・・のに。」

バットロイド

「ガハハハハハ残念だったな、心臓が潰れて死んだ瞬間俺はオルフェノクの特性(チカラ)で姿こそ変わらんがオルフェノクとして蘇ったんだよ。

人間の進化形態の1つと言われているオルフェノク覚醒を初め、再生怪人達は全員何らかの二重強化改造が施されているんだよ、二段構えとしてな。

恨むんならあの後ろの裏切り女を恨みな、奴の残した研究のお蔭で助かったぜ!。」

 

バットロイドは腕を引き抜くと将玄を蹴り飛ばした。そのまま丈二のいる所まで飛ばされ、落ちたと同時に気絶し丁度魔力も無くなり元の姿に戻った。

丈二

「こっ子供だったのか!!防人君しっかりしろ、目を開けるんだ。」

バットロイド

「我らD(ダークネス)ショッカーに刃向う者は例え子供だろうと皆死ぬのだ!!

安心しろ結城丈二、お前もすぐ後を追うk「死ねぇぇぇーー霊丸(れいがん)ーー!!」なnっぐわあァァーー!!」

 

突然後ろから砲撃みたいな物が放たれ、それを正面からもろに受け跡形も無く消えたバットロイド。

丈二は後ろを振り返ると右手を鉄砲の形にして左手で右手首を固定した状態で宙に浮いている傷だらけの女性。

???

「一見無敵そうに思えるけど、無理矢理オルフェノクに生き返ると霊力による攻撃には極端に弱いって弱点が有るんだよバーカ。他の研究も似たような欠点があったからこそ破棄したのに。」

 

そう言うと丈二達の元に降りた。

丈二

「大丈夫なのか?傷も深いのに霊力まで消費して。」

???

「私よりもこの子の傷が一番酷いよ、直ぐに隠れ家に転移するから頑張って。(あの子やっぱり似てる、子供の頃のちーちゃんやいっくんに面影がある)。」

 

傷だらけの女性は残りの魔力を全てを振り絞ってこの世界から消えた。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

とある次元世界の隠れアジト

 

≫ピッピッピッピッ

 

将玄

「・・・・・」

丈二

「・・・正直、生きているのが奇跡だぞ。この少年。」

???

「・・・・・・」

 

3人は重傷に成りながらも逃げ出す事が出来たが、将玄は呼吸器と生命維持装置に繋がれ今まさに生と死の狭間をさまよっていた。

丈二

「打てる手は全てやった、そんなに自分を責めるなよ。」

???

「・・・(コク)」

 

丈二はそう言うと部屋から出て行った。女性の方は将玄をジッと見つめていた。

???

「…やっぱり面影がある、子供時代のいっくんやちーちゃんに。

……まさか二人の……でも可能性はアリでも証拠が無い。」

 

ふと視線を外すとリュックが目に入った、所々ボロボロになっているが。

???

「何か身元が分かるのがあればいいけど。」

 

リュックの中を探ると汚れた運動着と壊れたデジカメと奇跡的に無傷のアルバムがあり開いて見た。私の目に入った最初の写真は入学式と書かれた看板が立った学校の校門の前にランドセルを背負って立つ将玄とその後ろに並んでいるスーツ姿の一夏と千冬を見て驚きと悲しみだった。そしてその隣の写真には満面の笑顔で将玄に抱き着いている束ちゃんに苦笑いしながらも嬉しそうな顔している将玄の写真を見てとうとう堪えていた涙が決壊した。

???

「や・・・やっぱり、この子は二人の子供だったんだ。

・・・した。・・・壊した。・・・また、私は・・・自分の・・・大事な・・・人を、思いを・・・絆を・・・私が壊した。

いっくん達の絆も・・・世界や人々の命と幸せも・・・じっくんの仲間達も。

そして今度はいっくん達の大切な子供の命と未来まで壊そうとしている!!」

 

傷だらけの女性はそのまま膝から崩れ、アルバムを胸に埋めて泣いた。何度も何度もゴメンナサイ、ゴメンナサイと謝り続けていた。

暫くして茫然自失していた女性が立ち上がろうとして視線をずらすと金庫が目に入った、すると目に光を失って絶望していた顔が一縷の希望と何かを決意と覚悟をした目と顔になっていた。

???

「・・死なせない…この子を絶対に死なせない。例え自分の命と引き換えにしてでもこの子を助けてみせる!!

・・・ごめんねじっくん、きっと許してくれないよね。でも私はもう後悔したく無いの。

罪は全部私が背負うから、ゆっくんの大切なモノ()使わせて。」

 

何重にもロックされている金庫を開けるとその中には真ん中に穴が開いたディケイドライバーと大量のライダーカードに赤色に輝く丸い石があった。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

丈二

「・・・・う、う~ん?。何時の間にか寝ていたか。

げっしまった、時計の針が最後に見た時間と一緒だ!いくら疲れたからって寝過ぎだ。」

 

丈二は疲れた体に喝を入れ、将玄の様子を見に行った。そこには呼吸器と生命維持装置が外れ、修復されたディケイドライバーが腰部に着けた状態の将玄と隣の机に伏せた状態でいた女性の姿があった。

 

丈二

「こ、これはディケイドライバー!しかもキングストーンが内臓されているだと。オマケにこのキングストーンは光太郎の、だが赤だったのがなぜ虹色に輝いている!!。おい!これは一体どういうkっ!!」

 

丈二は問い詰めようと腕を掴んだが女性の腕は、いや体が異様に冷たいのだ。

動揺するなかふと女性の机の上に途中ではあるが手紙が書かれており、それを読んでみると。

 

“じっくんへ

 

この遺書を読んでいるという事は私はもう死んじゃってるんだね。

最期まで戦うって約束してたのに約束守れなくてごめんね、でも私はもう後悔したくないの。

死の淵に立たされているこの子を救う為に色んな世界で培った科学力・霊具作り・魔具作り・錬金術の知識をフル動員させて壊れたディケイドライバーとキングストーンと全てのライダーカードを融合させた新しい仮面ライダーのベルトをこの子の身体に移植手術を施したけど生命力はドンドン低下していって、最後にある異世界の古代禁書に自分の生命と能力をそのまま相手に与え、死んで間もない者なら生き返る事が出来る秘術が書かれていたその術で私の命と能力と知識をこの子に全部あげちゃった。

勝手にこんな事してやっぱり怒っちゃってるかな?でも私はあの子を…いっくんとちーちゃんの大切な子どもを死なせたく無かった、ケンカ別れになっちゃたけどやっぱり二人とも大好きだから笑っていて欲しいから。だからじっくんが大事にしてたディケイドライバーやキングストーンを…大事な絆を使って戦う力を…人び の  まも    る せ しに  かm    だー    としt……〟 

 

此処から先は書かれていない、書いている途中で力尽きてしまった様だ。

 

丈二

「・・・カ・・ヤロー・・・こんな・・勝手・・に・・一人で背負い込んで。

何で俺に、一緒に背負わせてくれなかったんだ!束えぇぇぇぇぇ~~~!!!」

 

≫ドォガァァァァーーーー!!

 

突如アジトが大きく揺れた、外部から攻撃を受けたみたいだ。

丈二

「まさか此処がばれたのか。だがこの子だけでも必ず守り切ってみせる。」

 

そう言うとすぐ飛び出して行った。だがその時丈二は背中を向いてて気づかなかった様だが、将玄の指が動き、意識は戻っていた事に。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

丈二は慌てて外に出るとロボットらしき残骸と30人以上の戦闘員と嘗て2号ライダーに倒された

丈二

「ドクガンダーっ!!貴様も再生怪人として蘇っていたか。」

ドクガンダー

「その通り!偉大なるDショッカーの大首領様の温情で蘇えり、更に魔法の源なるリンカーコアと呼ばれる力まで頂いたのだ。

お蔭で俺の力は数倍にもパワーUPしたのだからなぁ。」

丈二

「何っ!束のリンカーコア移植の研究まで奪っていたのか!!」

ドクガンダー

「これで貴様を殺せば憎っき仮面ライダーの最期となるのだ!!行けぃ戦闘員ども。」

 

『イィーーーっ!!!』

丈二

「くっどうすr『ピカーーー』なっ何が起こった!?」

 

後ろの隠し扉から強烈な光が突然溢れ出し、戦闘員たちも足を止めて様子を伺っていると扉が開き一つのシルエットが出てきた。

その姿はディケイドのに似ているが違っていた。

丈二

「ディ・・ディケイドじゃ・・無い。おっお前はまさか!」

ドクガンダー

「誰だ!!そ、その姿は・・」

???

「・・・・バンデ」

ドクガンダー

「何?」

バンデ

「俺は・・・仮面ライダー・・バンデだ!!」

 

この時、新たな仮面ライダーの物語が始まった瞬間だった。

 




いかがでしたか。
やっと仮面ライダーに変身できる所まで持っていけました(少し強引ですけど)。
どうかこんな作者ですが見捨てず応援よろしくお願いします。
*次は1月後に更新できたらな~
(楽観的希望願望なので真に受けないで下さい)


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第7話 新しい戦士の誕生その名は仮面ライダーバンデ 中編

ひと月ぶりの更新です。
長くなったので更に分けました。


時はライダーが現れる少し前に遡る。

 

 

将玄

「・・う・・ううっ・・!あれっ何だ此処は?、真っ暗だぞ。」

 

俺は気が付くと何も無い真っ黒な空間にいた。立っているのか座っているのか寝ているのかも分からなかった。

俺は確かに怪人の手によって致命傷の傷を負ったのに。

???

「此処は君の精神世界の一つで我々が君を此処に呼び寄せてのだ。」

将玄

「はい?」

 

突然何処から声がした。何処かで聞き覚えのあるような声だったなと思いながら探してみると俺は目を疑った。

其処に居たのは仮面ライダー1号こと藤〇ひr…もとい本郷 猛さんがいた。

よく見ると本郷さんを筆頭に変身する前の仮面ライダー達が後ろにいたのだ。

将玄

「ほ…本郷・・猛さん・・・何で俺の精神世界に?」

「それは我々の魂の一部がやどったライダーカードがキングストーンと融合し、君の身体にライダーベルトと一体化したことで君の意識を此処に呼ぶことが出来たのだ。」

将玄

「キッキングストーンだって!一体化って、それっt・・・ま・・まさか、俺の身体は」

 

考えたくない、だけど俺の尊敬する本郷さんの話が正しいなら俺は・・・

「君の考えは正しい、死にかけた君を救う為に篠ノ之博士は改造手術を施した。」

 

俺の考えた事はできれば当たって欲しくなかった、だが真実はもっと残酷だった。

「手術は成功したが君の生命力はどんどん低下していく一方だった。博士は最後の手段に異世界の禁術を使い自分の生命と知識と能力を君に全てを捧げた、その結果君は見事峠を越え一命を取り留めたが博士は。

 

聞きたくなかった、本郷さんが何を言ってるのか信じたくなかった。

だけどこれが現実なのだ、俺は改造人間になった上に自分の命の恩人の命を奪ってまで生き長らえているなんて。

???

「お前の気持ちは俺にも理解できる。けどそれでもお前に生きて欲しいと願った篠ノ之博士の意志を無駄にしちゃいけない。」

 

俺にそう言ってくるのは5号ライダーにして仮面ライダーXこと神 敬介だ、父親と共にGOD機関に襲われて死亡するもその直後、瀕死の父の手で改造手術を施され改造人間カイゾーグとして復活をとげた人だ。

境遇が何処となく似てた俺にとってその言葉はとても重く感じた。

・・・ん、篠ノ之・・・博士?

将玄

「あの本郷さん、俺の手術をしたその、篠ノ之・・博士の名前を教えて貰ってもいいですか(何故こんなに嫌な予感しかしないんだ)。」

「君の悪い予感は当たりだ、博士の名は・・・・篠ノ之 束だ。君の友人の母親の篠ノ之 箒の実の姉だ。」

 

何故俺の考えが本郷さんに分かったんだ。

???

「僕達の魂はカードとキングストーンを通して繋がっている存在だ。

君とも魂が繋がっていると言っても過言ではないんだ、だからある程度は読み取る事が出来るんだ。」

 

俺の疑問に答えたのは11号ライダーこと仮面ライダーBLACKでもありRXへと進化して戦いぬいた南 光太郎だ。

将玄

「そうですか・・・何故箒さんのお姉さんがこの世界に?それに何故束ちゃんと同じ名前なんですか?」

「その答えは結城と箒さんに聞くと言い、ただ君が考えてる以上にあの娘(束ちゃん)には辛い現実が待っているぞ。それでも君には聞く覚悟があるのか?」

 

そう言われると黙ってしまった。戦う事が恐いとかじゃなくて間接的にも博士の命を奪ったという罪悪感や俺なんかが束ちゃんを支えに成れるのかと考えてしまう。

???

「大丈夫!!難しく考えないで。

博士が亡くなった事は確かに悲しい事だけど、博士は将玄君に笑顔で生きて欲しかったから自分の命を君に与えようとしたんだ。博士が此処にいたらきっとこう言うよ「将玄は決して悪くない」って、だから将玄君の正しいと思う事をすればいい。」

???

「ソレニ、マサハルトタバネチャン・・トモダチ、トモダチシンジル・トモダチタスケルコト・リユウ・イラナイ。」

 

少しネガティブになっていた俺を大丈夫といって笑顔で励ましサムズアップして見せる平成ライダー1号とも呼ばれている仮面ライダークウガこと五代 雄介。

カタコトな日本語で友情を信じ友達を助ける事に理由は要らないと教える6号ライダーこと仮面ライダーアマゾンこと山本 大介。

 

将玄

「・・(そうだ、俺の答えはもう決まっている)正直俺は今でも恩人の命を奪った罪悪感と仮面ライダーとして戦う使命感と命を狙われ続ける恐怖心で気持ちで一杯です。

けど俺は博士の命を貰って生きているんです。どんなに辛い事が待っていようともそれを背負って生きて戦う覚悟ならこの世界で罪の無い人々が理不尽に殺されるのを何を出来ずに死なせてしまった後悔を二度としたくないんです。」

 

これ以上誰かの悲しみの涙を見なくない、手を伸ばす事を諦めたくない、こんな辛い思いをもう誰かにしてほしく無い。

そう誓って戦ってきたライダー達の気持ちが今ならハッキリを解る、だからこそ俺はそんな仮面ライダーの生きざまに歓喜し憧れた。あの日(前世)の俺が救われた様に今度は俺が皆を守りたいと生まれ変わった時の誓いだ・・これが俺の精一杯の覚悟であり戦う決意だ。

「・・・真実を受け入れる覚悟は本物の様だな・・・合格だ、これなら篠ノ之博士の忘れ形見も安心して託せる。

それに我々の力も技も魂も全部将玄君にいや、新しい後輩ライダーに託せるぞ。」

将玄

「後輩、俺が・・・」

「まだ入り口の前に立ったに過ぎない。君の行く道は想像を超える様な事ばかりだ。」

敬介

「だがお前は決して一人では無い。」

大介

「オレタチ・トモダチ、タマシイイツモ・イッショ。」

光太郎

「今日まで将玄君と共に築いてきた愛する家族や友達と仲間達の絆を信じて。」

雄介

「誰よりも皆の笑顔を、絆を大切にして来た将玄君なら必ず乗り越えられる。自分の信じるライダーの道を信じて進むんだ。」

 

そうだ俺には愛する両親に大切な幼馴染達や友達がいて、俺の事を自分の子供と同じ様に大切にしてくれる士郎さん達に、戦う意味を教えてくれた麗朱さん達が皆がいる。

一人じゃない事がこんなに嬉しいことなんだ、だから俺はこの大切な絆を守る事が出来る(オトコ)に・・・仮面ライダーを目指すって決めたんだ。

 

≫ドォガァァァァーーーー!!

 

すると突然爆発音と衝撃が襲って来た。

「さあ行くんだ、D(ダークネス)ショッカーの野望を打ち砕き人々の自由と平和を守るんだ!」

 

そう言うと真っ暗だった空間を真っ白に成る位の光に包まれ、俺は何かに引っ張られる様に飛ばされ気づいたら呼吸器等に繋がれた状態で目覚め、丁度結城さんがドアから出て行く後ろ姿が見えた。

俺は繋がれた器材全てを引き剥がし、相棒兼デバイスの天命を手に持ちフラフラとしながらも後を追って行った。

将玄

「・・・行かなきゃ、僕が・・いや。

俺が・・仮面ライダーが、行かなくちゃ・・・いけないんだ~~!!。」

 

{その時、不思議な事が起こった。

ベルトに埋め込まれたキングストーンから強烈な光が放ち、同時に天命がキングストーンに吸収され将玄の姿を大人へと変え、また新生ライダーベルトは歴代のライダー達の魂も影響を受けた為かディケイドに変身した体が色んな変化を見せた。

まるで新しいライダーを祝福する様に変わり、頭部の信号部にXライダーのVのアンテナが創られ緑色の目が1号ライダー達の様に赤い色へと変わり、マゼンダ色のボディは白に変わりその首には腰まであるマゼンダ色のマフラーが巻かれ、ディケイドライバーの真ん中には虹色のキングストーンがありその周りのライダーの紋章が消えてライドブッカーの代わりにオルタリングの様に左右横にスイッチが現れた。}

 

『これらは私達からの贈り物だ、私達とも絆を深めれば新たな力にも目覚める事も出来るようになる。

絆を紡ぎ、君だけの仮面ライダーの道を創って行くのだ。』

???

「頑張れよ、新しい通りすがりの仮面ライダー。」

 

最後に聞こえたあの声は、このディケイドライバーの真の持ち主の・・・其処まで考えた時、俺は扉を開けた。

ドクガンダー

「誰だ!! そ、その姿は・・」

 

俺の目に写ったのは2号ライダーに倒されたドクガンダーと戦闘員達に幽霊を見たかの様に驚いた顔をした丈二さんがいた。

一瞬俺はディケイドを名を浮かんだがここまで姿が変化したのなら名乗る訳にはいかない。この姿は先輩ライダー達が俺の為にくれた力であり、ライダー達の想いであり、絆の姿、絆・・・たしかベルカの言葉で。

将玄

「・・・・バンデ」

ドクガンダー

「何?」

バンデ

「俺は・・・仮面ライダー・・バンデだ!!」

 

揺るぎない絆を紡ぎ、絆を力に変えて災厄から星と自然を守り、人々の自由と平和の護り人、仮面ライダーバンデの誕生だった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

ドクガンダー

「ば!バカな、まだ仮面ライダーが居ただと!!ええい構わん戦闘員どもやれー!!」

 

『イイィィーー!!』

 

ドクガンダーは動揺しながらも戦闘員に突撃命令をだして来た。

バンデ

「ハッ!トオッ!ウリァ!!」

 

ナイフで斬りつけようとする戦闘員Aに素早く右ストレートをおみまい、そのまま吹っ飛ばされ他の戦闘員を巻き込みそれを避けながらも剣を振り上げて唐竹割を右足を一歩前に踏み出す事で軸をずらし回避しながら後ろ回し蹴りを頭に蹴り上げて戦闘員BもA同様になり、槍で突き殺そうとした戦闘員Cを右手で受け流し、その反動を利用して回転し裏拳を叩き込んだ。

 

その行動にビビった戦闘員達は距離を保ちながらバンデを囲んでいった。

バンデ

「さあて新しい仮面ライダーの物語(ストーリー)、仮面ライダーバンデ〝第序章(プロローグ)〟の始まりだ!」

 

そう言うと左腰のスイッチを叩くとベルトの中心から日本刀、デバイス天命の1stモードの対極刀が飛び出し目の前で浮かんでいた。

バンデ

「一気にカタをつける、〝凶王流抜刀術〟鬱屈。」

 

≫ヒュッズバ!!『イ゛イ゛ィィーーー!!』

 

≫シュッスゥ~ッカチン、ズバズバズバズバズバ『イィィーー!!』

 

対極刀を取り居合の構えをした時、戦闘員達は一斉に襲い掛かってきた刹那の瞬間、将玄の足元に魔法陣が展開し軌道上の敵全てを切り裂く刹那、後ろの戦闘員達を慙悔で纏めて倒した。

ドクガンダー

「ええい役立たず共め!この俺が相手だライダー!!」

 

ドクガンダーは空へ飛び上がり触覚からビームが放たれ咄嗟に横に跳び転がりながら躱し立ち上がって飛翔魔法で空中戦を挑もうとするも飛ぶことが出来なかった。

バンデ

「!っなぜ飛べない。」

天命

「当主、この姿の時は攻撃魔法以外の魔法は使用不可能の様です。」

 

そんなの聞いてねぇよ!ライドブッカーが無い以上遠距離攻撃ができないし接近戦でしか攻撃手段がないのに。

ドクガンダー

「この俺の魔法の力で死ぬがいい、くらえドクガンダービーム!」

 

やばい、考えている間にもドクガンダーの攻撃は激しくなる一方だぞ。どうする?

???

「なら魔法以外の力で飛べばいい。君には空を飛ぶ力を借りる事が出来る方法がある。」

バンデ

「なっ頭の中に念話とは違う声が、魔法以外のってディケイドがベースになってるライダーだから飛べないぞ。」

???

「確かにこのままでは無理だ、だがディケイドがベースになっているからこそ使える力があるんだ。」

 

その言葉が何を言っているのかは分かったが致命的な欠点がある。

バンデ

「肝心のライダーカードがキングストーンと融合したからカメンライドする事ができないからその案はボツです。」

 

そうライダーカードは1枚残らず全部キングストーンに融合してる以上、他のライダーの力を使用することが出来ないのだ。

???

「ライダーの変身はカードだけじゃない事を将玄君は知っているはずだ。

俺達の事を誰よりも理解している君なら俺の力を、空を自由に飛ぶ事の出来るライダーの変身の方法を。」

 

俺の力、変身方法だって、それじゃこの声の主はもしや。

バンデ

「天命、2ndモードに。」

天命

「御意、第弐形態移行」

 

何を考えたのか突然武器を変更したのだ。

バンデ

「天命、風龍刀に風の力を限界まで溜めてくれ。」

天命

「御意」

 

右手に持つ風龍刀に風の魔力を溜める様に頼むと刀身に徐々に竜巻が覆っていき、刀が見えなくなっていた。

バンデ

「これでどうだ。」

 

風龍刀を地面に突き刺すと辺り一面に突風が吹き荒れて土埃でバンデの姿が見えなくなった。

ドクガンダー

「何っ煙幕だと!ど、ドコだ!!」

 

突如煙幕を発生され目標(ターゲット)を見失ったドクガンダーは動揺していた。

その隙にバンデは刀を全部地面に刺し、バンデは一度両手の拳を腰に当てて右の拳を突き出し、腰まで引くと開いた左手を前に突き出す。

するとバンデのベルトが別のライダーのベルトへと変化し、その後に左手で円を描くように大きく回し、左斜め上で止める。

バンデ

「スカ~イ……変…身!」

 

 入れ替えるように左腕を引き、右腕を左斜め上に突き出すとベルトの風車が回り、バンデの肉体が飛蝗に似た改造人間のそれとなる。

???

「空を駆けるライダー、スカイ…ライダー!!」

ドクガンダー

「何っ!!こいつディケイドと同じ能力(チカラ)が使えるのか!」

丈二

「ベルトまで変化させて完全なスカイライダーに。バンデの能力はディケイド以上か?」

 

バンデからスカイライダーに変身した事に驚くドクガンダーに姿だけじゃなくベルトまで完全に変化させたバンデスカイライダー(以後Bスカイ)の|能力がディケイド以上にある事に疑問をもつ丈二。

Bバンデ

「これで同じ土俵で戦える、勝負だドクガンダー、セイリングジャンプ!」

 

 大空を愛し、蒼穹を自在に翔ける自由と平和の守護者……8号ライダーことスカイライダーへ変身し、刀を手にしてドクガンダーのいる空へと舞い上がった。

姿を見えなくしたのは変身する時妨害されない様にする為だったのだ。

ドクガンダー

「ほざけ近づけさせなければいいだけの事、死ねライダー!」

 

ドクガンダーはライダーを近づけまいとビームを乱射するもBスカイはビームの雨を隙間に糸を通すかの如く掻い潜って行く。

ドクガンダー

「何故だ!!何故当たらない。」

Bスカイ

「こんな攻撃、あの二人の(リニスと束ちゃん)特訓と言う名の魔法弾幕の嵐(フォトンランサーの壁)に比べれば屁でもないぜ!(二人ともホント容赦ねぇからな)」

 

そう言うと炎龍刀を投げると同時にスピードを出しドクガンダーを横切るが、擦れ違いの際に触覚を斬り飛ばしていた上に左羽に刀が刺さっていた。

ドクガンダー

「ウァアアアーー!!バ、馬鹿なーーー!!!」

 

触覚を斬り飛ばされ羽もやられたドクガンダーは錐揉み状に落下していく。

???

「今だトドメだ!!」

将玄

「はい(ひろし)さん」

 

あの声の主こそスカイライダーにして仮面ライダー8号こと筑波 洋さん本人だったのだ。

俺は風龍刀を収めてドクガンダーへ向けて急降下し、スカイライダーの99の必殺技の一つにしてセイリングジャンプの能力を使用したスカイライダーの1番の決め技、それは。

Bスカイ

「スカァァァイ、キィィック!!」

ドクガンダー

「グアァァァッ!!」

 

≫ズドォーーーン!!

 

スカイキックが見事にドクガンダーに決まり、落下の勢いが更に加速し小さなクレーターができた。

クレーターの前で着地しBスカイからバンデに戻って中を覗いて見るとフラつきながらも立ち上がるドクガンダーに警戒して構える。

ドクガンダー

「お・俺を倒して・・もまだ、1000以・上の怪人に、7人の幹部に大幹・・・部がいるのだ。

どう足掻い・・てもお前たちに・は絶望しか・・ないぞ。」

バンデ

「お前たちDショッカーがどれだけ巨大な闇が立ち憚ろうとも、仮面ライダーの正義の系譜が・・否、人の正義の心の光が途絶える事は決して無い!!

断言してやる、お前達Dショッカーは必ず俺達が倒す!」

 

顔前に握り拳を作り反対の手でドクガンダーを指をさす。

ドクガンダー

「ダ、Dショッカーに・・・栄光あれ~~!!!」

 

≫ドーーーン!!

 

ドクガンダーはそのまま後ろに倒れると爆発した、爆破の衝撃でドクガンダーに刺さっていた刀がバンデの足元に刺さり、バンデは無言のまま回収し丈二の所に歩いていく。

丈二

「防人君、きみh「此処を離れましょう、すぐに新たな追手が来ますから話はその後で。」っ分かった。」

 

俺達は急いでアジトの中に入り必要な道具を持ってアジトを爆破して別の場所に転移した。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

某次元観測無人世界

 

辺り一面に水平線が広がる海にボートに乗った結城丈二と子供姿の将玄がいた。

丈二

「・・・」

将玄

「・・本当に良いんですか?」

 

将玄はそう言うと丈二の持つ小さな壺を見つめる。

丈二

「ああ。ヤツらに利用されない様にしてと、束の願いでもあるからな。」

 

丈二は持っていた壺の中に入っていた粉末状のナニカを海に入れ、全部出した後その壺も一緒に海に沈めた。

その壺の底に『篠ノ之 束』と彫られていた。

丈二

「これで奴らが束を利用する事は永遠に出来なくした。問題は将玄君、君の事なんだが「戦います。」・・本気かい。君が気にする事はないんだ、今ならまだ「罪の意識からじゃありません。」」

将玄

「Dショッカーは血も涙も無い悪魔の集団だ!。

ヤツラを放っておけば必ず俺や丈二さん達の様な辛い思いをする人が増えると知って見て見ぬ振りをして逃げるなんて俺には絶対に出来ない!

俺は俺の意志で戦う道を決めたんだ、例え一人になっても戦う事に後悔は無い。」

 

その真っ直ぐな目で丈二を見つめる将玄。丈二は将玄の目にある人物が見えた、その瞳に映る人物に驚愕した。

丈二

「(門矢 士!!、つっ士だけじゃない。本郷や一文字を初めとしたライダー達が見える。)……そうか、分かった。だが一人じゃないぞ、俺達二人でDショッカーを倒すんだ。」

将玄

「丈二さん。はい、駆け出しの仮面ライダーだけどよろしくお願いします。」

 

二人はそう言うと互いに手を差し出し固い握手を交わした。

 

 

 




今回で過去話は終わりです。
次も1ヶ月以内に更新できるようにしたいです。


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第7話 新しい戦士の誕生その名は仮面ライダーバンデ 後編

おひさ~一月ぶりです。



将玄(まさはる)

「こうして篠ノ之博士のおかげで九死に一生を得た俺は仮面ライダーとなってそのまま戦いの渦に飛び込み。

その2年後にこれまでの戦いの傷が原因で結城さんが亡くなった後も、1人で色んな世界を旅してこの世界に帰って来ておやっさん達に俺の身に起こった出来事を全て語った。」

 

丈二さんが亡くなってから一人で並行世界の旅を続けて8年間本当に色々な出会いや別れがあった。

 

・人々の欲望のまま望む物を与え争わせる邪悪な女神の力を手に入れようとするD(ダークネス)ショッカーと黒竜族を白竜族の少年と7人の仲間達と共に力を合わせて邪悪な女神とDショッカーを一緒に倒したり。

 

・ある一組の魔物の子供とそのパートナーと一緒に100人の魔物の中から1000年に一度魔界の王を決める戦いに協力するが、魔物を滅ぼそうとする魔物との戦いで重傷を負ったまま違う世界に跳ばされたり。

 

・怪我の治療と魔力の回復に専念する為に犬に変身していた時、熊に襲われてた所を身体中に熊の爪痕がある秋田犬に助けて貰いその犬の群れに入りその恩を返す為に犬の状態でも戦える様に野生の勘と力を鍛えて、一人のマタギと750匹の犬達と一緒に凶暴な巨大人食い熊の群れを倒したり。

 

・悪魔の力を利用して世界征服を企むDショッカーによって悪魔の塔が立てられて地上が悪魔だらけに成り掛けた時。一匹の悪魔が正義に目覚め、たった一人で魔帝の軍勢との戦う魔剣士に加勢し塔の中で再生怪人として復活し牢屋に入れられていたモグラ達を救出して共に魔帝の軍勢とDショッカーを蹴散らしたり。

 

・Dショッカーの策略でライダーの変身能力を初めとした全ての力を封じられ、自力で封印を打ち破る為自棄(ヤケ)になって無茶な修行して倒れてしまった時、大滝の前に鎮座する老人に保護されその人の下で修業しさらにその老人の友人を名乗るチェック柄のシルクハットが似合う若作りな老紳士から教えてもらった特殊な呼吸法を会得し『力と技と魂』を極限まで鍛えて貰い、今まで以上に自然や宇宙を身近に感じる様になれ、自分の中にある小さな宇宙を爆発させ封印の枷を破壊し元に戻る事が出来たり。

 

・Dショッカー幹部のネオスーパー童士との戦いの最中に異空間に一緒に落ち、五つの異世界が〝ゆらぎ〟によって混迷している場面に成り行きで参戦し、Dショッカーの幹部と世界を混沌に導こうとした組織〝逢魔〟を初めとした悪の組織を一人の青年と妖狐の〝森羅〟エージェントを筆頭に集まった仲間達と共に敵を倒したり。

 

・ある島でモンスターに囲まれて育った少年が勇者を目指し、仲間達と一緒に大魔王倒す旅の仲間になり勇者は大魔王の居城で戦いを繰り広げているその同時刻、裏で俺は魔界でDショッカーの謀略により勇者の父親が倒した冥竜王が復活し地上に出るのを防ぐため一人で戦い、死闘の末辛くもDショッカーたちを倒したが地上で冥竜王の刺客が用意した”黒の(コア)〟と呼ばれる超爆弾から勇者達を守る為に一人爆弾を抱えて空で爆発させて仲間を救ったり。

 

・あの超爆弾で死にはしなかったが子供の姿で重傷を負って動けなかった所をとある民家に落ち、たこ焼き大好きで自称大魔法使いを名乗る4~5歳程の男の子と小学生の男の子とこの家の家族に助けてもらい此れまでの戦いで傷ついた身体と心を癒しつかの間の平和を楽しむ事ができ、傷が癒え完全復活した時に大魔法使いの子供の魔法で遂にDショッカーの本拠地がある世界を見つけ出した。

Dショッカーのアジトに一人で殴り込み、人を捨てDショッカーの大幹部に成り下がった鳴滝を倒しその後ろにいた大首領との死闘中突如出現したオーロラからバイクではなく車に乗って戦う仮面ライダーと一緒に共闘の末、とうとう大首領を倒す事が出来た。

崩れゆくアジトから脱出した後、新しいライダーこと仮面ライダードライブを見送り自分のいた世界に戻って来た。

 

全て話し終えると二人とも黙ってしまった、特に箒さんはショックと驚きを通り越して虚ろな目をし感情が無い顔になってしまっている。

無理もない色々手を焼かされたとは言えこの世でただ一人の姉が亡くなったという事実はショックだろうな。その原因が俺の命を助けるために総ての生命力(チカラ)を与えて逝ったのだから。やっぱり俺に恨みを持っているh「将玄君、すまなかった!!」なっ!?

将玄

「ほっ箒さん!!」

リニス

「箒さん!?」

 

突然箒さんは俺の目の前で土下座して謝りだした。

「姉さんが、私の姉が将玄君や世界中の人々の運命を狂わせた罪は決して謝っても許される事じゃない!!

私の事を煮るなり焼くなり好きにしていい、最悪殺されても構わん。それで将玄君や世界中の人々の受けた恨みの溜飲が下がるなら甘んじて受け入れる。その代わりどうか束だけは見逃してやってくれ!!

あの子は何も知らないし何の罪も犯してないんだ。だから束だけは私の娘だけは助けてやってくれ頼む!!」

 

箒さんは泣きながら謝り続けた。俺が恨んでいると勘違いして、その矛先が束ちゃんに向かない様に自分を犠牲にまでして。

将玄

「箒さん頭を上げて下さい。俺は束さんの事を恨んでなんかいません、寧ろ感謝してるんです。

この身体になった事で力は今も上がっていてチョットでも力加減を誤れば簡単に人を傷つけてしまう危険だってありますけど、束さんの勇気ある英断が俺の命を救ってくれたです。束さんが俺に守る力を与えてくれたからDショッカーの多次元世界征服の野望を阻止する事ができたんです。」

 

そこまで言うと箒さんは頭を上げて俺を見た、涙は止まっていたがその眼はまるで怯えた子供の様な目をしていた。

将玄

「Dショッカーによって失われるはずの人々の命と心の自由と輝かしい未来を、俺と丈二さんそして束さんが守ったんです。だから箒さんどうか自分の事も束さんの事も赦してあげてください。

亡くなった丈二さんも同じ事を思っているはずです。」

「っ!!だ、だが」

 

それでもと、言いかけた箒さんに続けてこう言った。

将玄

「なら一つだけ約束して下さい。」

「約・・束?」

将玄

「これからも束ちゃんと一緒に温かい家族の幸せを築いて下さい。

それが俺と束さんのたった一つの願いです。」

 

その言葉を聞いた箒さんは俺の顔を見つめながら光が戻った目からはまた涙が溢れ出していた。

「あ・・・ああ、わ・わた・・しは・・・ねえ・・さんは・・・私と束を・・思ってくれていたのか?」

将玄

「はい。俺の魂の中に束さんの魂の一部も宿っています、束さんが箒さんや束ちゃんを思わなかった日なんて一日だってありませんでしたよ。」

 

 

“なんだって家族なんですから”

 

 

俺のその言葉に安心したのか悲痛な顔だったその顔に涙こそあったが笑顔が戻っていた。

10分程で箒さんもやっと落ち着きを取り戻し、立ち上がり埃を払っていた。

「将玄君・・その・・束に姉さんの事は。」

将玄

「分かってます、〝時が来たら箒さんの口から真実を話すからそれまでは黙っててくれ〟でしょ。」

「・・・すまない、本当に二人には情けない姿をさらした。」

リニス

「いいえ、そんな事はありませんよ。」

将玄

「そうです。誰かの為に泣く事ができるのは箒さんが優しい心を持つ人である証なんですから。」

「・・・そうか」

リニス

「さあ、立ち話は此処までにして家に入ってお茶にしましょう束ちゃんも待っていますから。」

箒・将

「「ああ(はい)」」

 

話を終え家の中に入ろうと思った時、突如灰色のオーロラが出で黄色の体に緑色のたてがみにマスクとガスボンベを背負った傷だらけの怪人が出てきた。

???

「はぁはぁっ何とか崩壊したアジトから脱出できたぞ。くそっ忌々しい仮面ライダーめ、この傷が癒えたらDショッカーを復活させて必ず貴様を倒してやるぞ。その手始めこの世界をDショッカーの恐怖に沈めてy「やれんぞ、何故なら今日此処で俺に倒されるからだ」何!!なっなぜ貴様がこの世界に!!!」

将玄

「Dショッカーがいる所に必ず仮面ライダー現れるって言ったぜ俺?改造しすぎて頭がパーになったか、シュトゥルムJr.mk-8。いや2つ前の世界の魔界にいた時で8だから今はmk-9か?」

シュトゥルムJr.mk-8(長いから次からJr.mk-8)

「今が8だ!オレを前と同じと思うなよ。前回よりもパワーアップしたのだ、今度こそ貴様の最期になるのだ防人 将玄いや仮面ライダーバンデ!!」

将玄

「そう言って何度も倒されたのは何処の誰だっけ?どっちにしろ俺だけじゃなくキャプテンコマンドー達にも何度も返り討ちにされたにもかかわらず、ち~~とも懲りない奴だな。

まぁいいぜさっきの疑問にだけは答えてやるよ、この世界にいる理由は此処が俺の帰る場所(世界)だからさ。

サッサと倒してティータイムを楽しむか。天命、封鎖結界を一番強固な奴で頼むぞ。」

天命

「御意、当主の望むままに。」

 

天命が結界を張った事を確認し俺は右手を広げ、前に突き出した後直ぐに腰に落とし左手を天高く揚げると腰部にディケイドライバー改めバンデドライバーが出現し、時計周りにグルっと1回転し左手を腰に当て、右手を左斜めに伸ばし叫んだ。

将玄

「変~身っバンデ!」

 

バンデドライバーの中心部にあるキングストーンから溢れんばかりの白い光が放たれ、それが将玄の全身を包み手が足が変化し、腰部にボディが変わり最後に頭部まで行きわたり、白と黒を基本カラーとしたボディとマゼンタマフラーに真っ赤な複眼、この世界の人類の平和を守る正義の戦士、仮面ライダーバンデに変身した。

バンデ

「仮面ライダー……バンデ!!」

 

バンデは右側に右肘を曲げ右手の指を伸ばし左手は拳を握り右手の近くにまでよ寄せて少し奇妙なポーズを決めていた。

バンデ

「さぁて新しい物語(ストーリー)の始まりだ。」

Jr.mk-8

「ぬかせバンデ!今度こそ貴様を矢ぶすまにしてくれる!!」

 

Jr.mk-8の今は改造手術で左腕に完全に一体化した愛用のボウガンが乱射する。が俺は慌てず右側のベルトのスイッチを叩き右手を前に出すとリボルバー型の拳銃が飛び出し、青白い弾丸がJr.mk-8の矢を全て撃ち落とした。

Jr.mk-8

「バ、バカな!前よりもパワーアップしたオレ様の矢を。」

バンデ

「お前やっぱり頭ワルイぞ、テメェのパワーが上がってもその身体(ボディ)や矢とかの耐久力が上がってないから意味を成さないんだよ。」

Jr.mk-8

「何!?訳の解らん事をほざいて俺を混乱させようとしても無駄だぞ。」

バンデ

「……改造されすぎて最早救いよう無いオツムになったか?呆れを通り越して可哀そうと思う感情が強くなったよJr.mk-8。

Dショッカーのネオスーパー童士の気まぐれの改造で確かにパワーは上がったがそれだけだ、自分で変だと思わなかったのか?魔化魍の強靭な肉体にして貰った訳でもなくリンカーコアを移植して魔法が使えるようになった訳でもない、ただ腕の改造とパワーだけが上がった事実しかない事に。

要するにお前は都合のいい実験動物(おもちゃ)だったんだよ、Dショッカー(あいつら)の外道な言動を見ていれば分かりそうだろ。」

Jr.mk-8

「お、オモチャ・・・だと、ジェノサイド様の幹部まで務めたオレが……奴らのオモチャだっただとぉぉ~~~!!!!」

 

俺が教えたDショッカーの実態に漸く理解し残酷な真実に絶叫するシュトゥルムJr.mk-8。

Jr.mk-8

「信じないぞ!オレが使い捨てだったなんてしn(≫ボォン!)グゥガア!な、何が起こった!?」

 

突然Jr.mk-8の腕に内蔵されたボウガンが爆発した。

将玄

「・・とうとう始まったな。その限界を無視して上げ過ぎたパワーが臨界点に達し、お前を滅ぼす力に変わったんだ。」

Jr.mk-8

「なん・・・だと……フ、フフフフフッハハハハハッハハhahahahahahahahaフザケルなぁーー!!

タダでは死なんぞ!!貴様らを巻き込んで道連れにしてくれるぞ仮面ライダー!!!」

 

Jr.mk-8は開き直って身体のあちこちから亀裂ができショートさせながら特攻覚悟でこちらに突進してきた。

バンデ

「・・本当に哀れだなシュトゥルムJr.mk-8。これまでの悪事を考えれば自業自得だが・・・戦士としての情けだ、俺の剣術奥義の一つで倒してやる。」

 

バンデは拳銃を消すと突っ込んで来たJr.mk-8を抱えあげて、高速で錐揉み回転させて空高く投げ飛ばした。

バンデ

「ライダァァーーきりもみシュゥ~~ト!!」

Jr.mk-8

「うわぁぁぁ~~!!」

 

Jr.mk-8が錐揉み状になりながら空高く飛ばされる間にデバイスの刀ではない蒼い鞘に収まった日本刀を取り出した。

バンデ

「地獄で自慢しなJr.mk-8、魔剣士スパーダと共に魔帝を倒した次元をも切り裂く一撃必殺。」

 

≫コォォォ~≫バチバチ~≫ギュィィ~

 

居合の構えを取ると腕から鞘にかけて黄金色の火花みたいな物が纏わり、更には鞘に魔力と霊力が螺旋を描くように溜まり始めた。

 

バンデ

波紋魔霊疾走の(マジックソウルオーバードライブ)次元斬(ジャッジメントカット)

 

≫シュッカチン!ズバッ!キィンキィンキィンキィンキキィン

 

Jr.mk-8

「ぐぎゃぁあああアアアアAAAaaa~~!!」

 

≫ドカァァァン!

 

≫ピキピキピキ! パリィィン!

 

抜刀したと思った瞬間すでに刀の鍔が鳴り納刀したバンデの姿とJr.mk-8はまるで身体中に電撃を帯びながら空間事見えない刃で切り刻まれて爆発した。

そしてその爆発に連動したかの様に結界の壁に刀傷ができ、ガラスが砕ける音と共に結界も砕け散った。

バンデ

「………」

 

俺は無言のまま変身を解除し子供の姿に戻った(というか魔法で子供に変身したが)。

そのままJr.mk-8のボウガンの残骸を見て何とも言えない虚しさを感じ、自分の頬に何かが流れるの感じた。

将下

「・・・戦い散った者を哀れむは戦士として侮辱と考える俺がいれば、生命を弄ばれて死んだJr.mk-8の事を可哀そうと思う俺もいる。こんな悲しい事はもう嫌だと考える俺は・・まだ未熟・・か。」

 

そこで考えを中断して頬を拭って残骸をデバイスにしまった。

リニス

「将玄君それをどうするんですか?」

将玄

「・・・誰も来ない綺麗な場所で埋葬して墓を建てます。」

「・・そうか、大人になってもその優しさは変わらないな。将玄君どうかそのまま変わらないで生きてくれ。」

将玄

「・・・軟弱者とは・・・思わないんですか?」

 

敵に対してそんな甘い事を考えるなっと、箒さんの厳しい性格ならそう言ってくると考えてた俺の予想とは違う答えが返ってきた。

「・・少し前ならそう言ってたかもしれん。だが先程の私はその優しさに救われたのだぞ。

将玄君に救われた人達は皆同じ想いを抱いてるはずだ。」

リニス

「そうですよ将玄君、私も将玄君に救われた命の一人なのですよ、もっと自分の事を大切に思って下さい。将玄君は自分を悪く考える事が欠点です、そこだけは変えていく様にすればいいです。」

「それに将玄君、(他人を事を想い泣く事ができるのは優しい心を持つ人である証)だとさっき言ったばかりじゃないか。」

将玄

「・・・ええ、そうでしたね。

箒さん、リニスさん・・ありがとうございます≫ニコッ。」

 

二人の励ましの言葉に思わず泣きそうになった。色んな世界を回っていたが、二人の様に感謝してくる人も確かにいたが、ボロボロになりながら人命を守った俺や仲間達を〝化け物〟と蔑み命を狙われるなんて事もあった。

人には善と悪の心がある事を歴代のライダー達の記憶を見た事が有る。知っているからこそ人間の矛盾に苛まれる事もよくあった。

だからこそ二人の言葉が心から嬉しく感じる、人はまだ愚かな生き物じゃないって信じる事ができる。だから二人に笑顔で感謝の言葉を贈ったがやはり涙が出てくる、俺の泣く姿を見ない様に後ろを向いてくれた優しさも嬉しかった。

 

(反則だぞ将玄君~! あんな涙目+笑顔なんてされたら惚れてまうやろ~~!!

ハッ待てよ、もう大人と言う事は例の計画を実行する時がキターーー!!10年は掛かると思ったのに早くもチャンスが、嬉しさに顔がニヤけてしまう・・・グヘヘ~~)≫ニタァ

リニス

≫ボソッ「ほっ箒さん何をそうz妄想しているんですか!!その顔はやめて下さい、小さな子供が見たら号泣ものですよ。あとヨダレも拭いて下さい。(気持ちは解りますよ、私も油断したら鼻から愛が出そうになりましたから。でも箒さんでも将hもといご主人様は絶対渡しません!ご主人様が大人と言う事はもう我慢する理由はありませんね。安心して下さいご主人様、私が必ずご主人様のハートと貞操をCAT'S♥EYEします。)」

 

≫ブルブルゾクゾク

 

将玄

「っっ!!(な、何か物凄い悪寒が身体中を駆け巡った!)」

 

命以外の身の危険感じた俺はサッサと家の中に入り、束ちゃんとお茶と翠屋のシュークリームを楽しみながら束ちゃんの笑顔を見て思う。何時か自分自身も知らない真実を知った時必ず心の支えになると。

それが俺の誓いだ……それに束ちゃんは束さんと丈二さんの大切な・・・

 

 

色々あったが無事に家に帰り今日の出来事を原稿に書き残した、その原稿のタイトルにはこう書かれていた。

 

[仮面ライダーバンデ  帰還編(仮)]

 

将玄

「っとまぁこんな所か? さてと明日も早いしもう寝るか。」

 

俺は原稿を片付けてベットに入って寝るとふと思った、大首領との戦いで出会った新しい仮面ライダーを。

将玄

「ライダーはもう俺が最後だと思っていたけどやっぱり何処かの平行世界で新しいライダーは誕生していた。

・・・俺も自分の世界でも頑張っていきます、身体に気をつけて・・そしてサボりはほどほどに頑張って下さいね。

泊 進ノ介さん。」

 

そう呟くと俺は本能のまま睡魔に身を委ねた。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ドライブの世界

 

進ノ介

「ヘッキシュン」

ベルトさん

「ドウシタ、シンノスケ? 風邪ヲヒイタカ?」

進ノ介

「いや、誰かが噂してるんだろう? モテる男は大変だぜ。」

ベルトさん

「イヤ、外デ風ニアタリスギガ原因ダトオモウガ?」

霧子

「泊さん、サボってないで事件を追いかけますよ!。違う世界の仮面ライダーは一般人の上に子供が世界を守っているって報告を聞いてますよ。社会人としても大人としても恥ずかしくない様にしっかり仕事して貰います!!」

進ノ介

「イテテ分かったからそんなに引っ張るな、腕か抜ける~~!!」

ベルトさん

「・・(アノチガウ世界ノ〝仮面ライダー〟ハアキラカニカラダヲ改造サレテイタ。世界ハチガッテモ人ノ愚カサハ、変ワラナイノカモシレナイ・・ダガ彼ハ、アノ〝仮面ライダー〟ハ言ッテタ。人間(ヒト)ニ〔優シサ〕ガ失ワレナイ限リ人類ニ絶望シナイ・・ト。)ソウダゾ進ノ介、我々モ彼ニ負ケナイヨウコノ世界ヲ守ッテ行クゾ。」

進ノ介

「・・分~かってるよ、考えるのはやめた。今日くらいは真面目にパトロール頑張りますか!」

 

彼らの戦いの旅路は始まったばかり、平和というゴールまで突っ走れ!!仮面ライダードライブ。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

バンデの世界

 

ある場所で雲一つない星空を見上げる黒いフード付きローブを纏った人物が一人

 

 

???

「・・・世界に絆という名の道を創り、世界を破壊せずに物語のいう名の可能性の未来を創造し渡り歩く仮面ライダーよ。新たにやってくる災厄にどうやって立ち向かうか見せてもらうぞ。」

 

その時、空に21の災いの種が降り注いでいる事を見届けると灰色のオーロラに消えてった。

この世界に危険が迫っている事を眼鏡にコートとフェルト帽が特徴の一人を除いて誰も知らない。




何とか投稿できました。でもストックが切れたからまた何ヵ月も空くかもしれませんがこれからも応援をよろしくお願いします。
次回からやっと無印編が始まります。


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無印
第8話 動き出す災い魔法少女との邂逅


明けましておめでとう御座います。
2016年度も宜しくお願いします。


Dショッカーの残党との戦いから翌日、私立聖祥大学附属小学校の昼休み。なのは、すずか、アリサの三人は屋上に来てお弁当を食べていた。

なのは

「将来の夢、かぁ……。」

 

なのはがふと口にする。

昼前の授業で将来の夢についての話題がでたのだが、なのはは今ひとつピンとこないのだ。

なのは

「すずかちゃんとアリサちゃんは、もう決まってるの?」

 

なのはが、二人に顔を向け首をかしげる。

アリサ

「私はお父さんもお母さんも会社経営だし、しっかり勉強してあとを継ぎたいわね。」

 

アリサは胸を張って答えた。

すずか

「私は機械系が好きだから、工学系の専門職につけたらいいなぁって感じかな?」

 

すずかはアリサほどハッキリとはしていないが、おおかたの夢は決まっているようだ。

なのは

「そっかぁ、二人ともすごいなぁ。」

 

なのはは思わず感嘆の声をもらす。

アリサ

「なのはは翠屋の二代目じゃないの?」

なのは

「う~ん……それも将来のビジョンの一つではあるんだけど~、あ!っそれ以上になりたい事が一つだけできたの。」

すずか

「なりたい事?なんなの、なのはちゃん。」

 

すずかは疑問に思い聞いてみる。

なのは

「それは…」

ア・す

「「それは?」」

なのは

(はる)君のお嫁さんに成る事なの♡♡♡」

 

顔を真っ赤にし、頬に手を当てて照れながら言うなのは・・だがしかし。

ア・す

「「ちょおおおっっっと待っったあぁぁぁぁぁぁ!!!!」」

なのは

「にゃにゃにゃっ!!何っ何っ?」

 

ドアップでシンクロして待ったを掛ける二人に驚くなのは。

アリサ

「何っ?じゃないわよ。こればっかりはなのはでも譲れないわよ。

(まさ)は私と結婚してバニングス家のお婿さんに成って一緒に会社を継いで貰うんだから。」

すずか

「ダメ!!。いくらなのはちゃん達でもそれだけは絶対に譲れないよ!!。

将君は私と結婚して大きな家に住んで猫達に囲まれて一緒に幸せな家庭を作るの。」

なのは

「にゃ~ダメ!玄君のお嫁さんはなのはなの!アリサちゃん達でもこれだけは絶対絶対に譲れないの!!」

 

普段は仲が良い三人娘も想い人の事になるとケンカもしばしば有る。結局昼休みが終わるまで言い争いは終らなかった。

 

 

 

同時刻喫茶店COLでは

 

はやて

「っアカン!将君は私と結婚して大家族に囲まれた幸せな家庭を築くんや~!」

藤兵衛

「は、はやてちゃん。イキナリどうしたんだい大声なんかだして?」

はやて

「? よう解らへんけど、そう叫ばなぁアカン気がしたんや。」

藤兵衛

「??」

 

訳が解らんと首を傾げるはやてに藤兵衛。また将玄の通う小学校でも束が似た様な事を叫んで将玄のアイアンクローを喰らっていた。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

その日の夕刻、将玄は道場に足を運び、大人の姿でズラリと並んだ鉄塊で出来た人形で特訓をしていた。

将玄

「はあ~~飛燕連脚!空炎掌!獅吼爆炎陣!!」

 

将玄の蹴りを打ち込み1、2発めの蹴りで人形を浮かせて更に左手で人形を掴み懐に炎を纏った右拳、空炎掌を叩き込みすかさず灼熱の獅子を模した闘気を放ち将玄自身が敵に突撃、ドーム状の火炎の爆風で追撃すると鉄塊で出来た人形が周りの人形を含めて跡形も無く燃え尽きていた。

まだ他に残っている人形を破壊する為に突撃すると。

将玄

「うお~~昇竜拳!竜巻旋風脚!波動拳!!」

 

一気に人形の真下まで沈み込んだ態勢からアッパーカットと膝蹴りを繰り出し上空に飛び上がり、宙に浮き上がった人形を竜巻のように回転しながら連続して回し蹴りを放ち、着地と同時に右腰側に両手を組み合わせその手の中から青白い塊ができ前に突出すと気弾が放たれ蹴り飛ばされた人形に命中し木端微塵に壊れた。

赤雷

「・・最後に放ったあの爆炎、炎の使い手である俺よりも威力があるぞ。」

麗朱

「それに加え並行世界だったか?他の格闘流派の技も自分の物にして我々よりも遥かに強くなっておる。」

黄純

「・・・こいつには限度って物がないのか?」

 

特訓を見ていた赤雷達は三者三様の感想を口にしていた。

赤雷

「異世界に悪の組織か、世界が違っても悪党のやる事は皆一緒かよ。」

黄純

「しかも此処にも来るみたいな話だろ、傍迷惑な話だぜ・・・黄純ご立腹。まっ頑張れよ将玄、応援はするぜ。」

麗朱

「何他人事みたいに言っている、我々も協力するのだからしっかりと鍛え直すぞ。」

赤・黄

「「・・・へっ!?」」

 

麗朱さんの言葉に二人は気の抜けた声が出てきた。

麗朱

「将玄君の言ってる事が事実ならDショッカーの残党がまだ生き残っている上に此処に攻めて来る可能性が高いのだ、戦い方次第では生身の我々だけでも魔物や怪人を倒せるのだ地獄を見る覚悟をしておくんだぞ。」

 

麗朱の地獄宣言に二人は死を覚悟した瞬間だった。

一方将玄はそんな事には目もくれず新しいタイプの藁人形を用意してた。その藁人形は6mもある熊の形であった。

将玄

「天命、熊犬モードに変身だ。」

天命

「御意」

 

天命はそう言うと将玄の身体が光だし徐々に縮んでいき白い体毛に虎毛模様の入った秋田犬になっていた。

ポチ

「話には聞いてたけど本当に魔法なんてもんがあったんだな。ってかアレは止めなくていいのか?」

将玄

「麗朱さんは二人の師匠だから問題無いだろ、まぁなポチ見ててくれよ。・・いくぞ、これが人食い熊赤カブトを倒した犬の銀とそのボスで銀の父親リキが使っていた奥義だ。」

俺は藁人形に向かって駆け出してそのまま飛び上がって体を縦に回転させつつ突っ込み、回転の力で牙にすさまじい切れ味を与える奥義その名も。

将玄

「絶・天狼抜刀牙だー!!」

 

将玄は縦に回転していた体を横にして藁人形の首に当たり人形の後ろに着地し人形を見ると人形の頭が吹っ飛んで・・・・・いなかった、3/2までしか切断できていなかったのだ。

将玄

「・・チッ魔力や気で強化しない状態ではこれが限界か。

流石は一子相伝の奥義と言ってただけはあるな、この技を取得できたボスと銀がどれだけ凄いって事がよく分かるぜ。」

ポチ

「スゲェな、支柱の竹を回転の勢いを付けた牙だけで切れているぞ。」

将玄

「ああ、だが最終目標は本物のヒグマの首の切断できる事だ。

ポチにも取得してもらうつもりだから。」

ポチ

「俺も!?」

 

将玄の言葉にポチは目を見開いて驚いた。

将玄

「無茶難題を言っているのは充分承知だ。だがこれは必ず必要になる日が来る。」

ポチ

「なぜそう言いきれるんだよ?」

将玄

「赤カブトの話には続きがある。赤カブトを倒してボスが銀に総大将の座を渡した直後、突如現れた死神博士ことイカデビルと戦闘員が赤カブトの遺体を電光石火の速さで回収して行きやがったんだ。

あいつ等は赤カブトを素体にした新たな怪人を必ず造り上げたはずだ。だが最終決戦でもそれらしき怪人は出てこなかった。」

ポチ

「それは実験に失敗したからじゃ無いのか?」

 

ポチは単純に実験が上手くいかなかったのだと思った。

将玄

「気になって崩壊後の基地の地下実験室を調べて分かった事がある。原型が分からない位にバラバラになった怪人の死体と10人弱の科学者らしき血塗れに引き裂かれた白衣だけが残されていた。」

ポチ

「らしきって如何言う事だよ?」

将玄

「身分IDカードが付いた千切れた白衣の数と十数本残った指のDNAが一つも一致しなかったからだ。何より怪人の死体の頭部らしき部分の中から隕石誘導装置の残骸が出てきたんだ。

つまりイカデビルは、死神博士は怪人になった赤カブトに喰い殺されたんだ。」

ポチ

「ま、マジか・・・仮にもその死神博士は蘇らせてくれた恩人みたいなもんだろ。」

 

ポチはその最悪な結果に酷く狼狽していた。

将玄

「赤カブトが人間に対してそんな感情は無い、銀に聞いた話じゃあ赤カブトは銀を鍛えたマタギに頭部を撃たれて右目を失った事で人間に対して強い憎しみがあるが故に怪人でも元人間であるなら殺す対象だったんだよ。また脳に損傷を受けたことで驚くべき変化が起こり、冬眠もしなくなった上に成長が止まらなくなり異常に巨大化したって言ってた。

実際に俺も赤カブトを見たが俺の見立てでは全長は推定10メートルで体重は約5トンはくだらないだろうよ。」

ポチ

「本当にソイツは熊かよ、悪魔か化け物じゃないのか。」

 

赤カブトの脅威にポチは身震いしていた。

将玄

「赤カブトは地元の人間達からは魔王と恐れられていたがな、だがその称号は決して伊達じゃなかった。

奴の牙城に踏み込んだ時に二子峠のボスの座を狙う狂熊を一撃で頭が粉砕し、仲間の赤虎が命を引換にした特攻によって残った左目を破壊されるがその強さは変わらず、爪牙を振り回すことによって数分で200匹の犬達を葬った。しかし、囮となったジョンと赤目達の援護による隙を突き脊柱起立筋をボスと銀の抜刀牙で切断され、さらに現れた年寄りのマタギに猟銃で数十発撃たれてやっと死んだんだ。」

ポチ

「ん?赤カブトは銀って(オトコ)が倒したんじゃないのか。」

将玄

「この話はまだ終わって無かったんだよ。一度は確かに死んだが恨みと執念だけで息を吹き返し、瀕死の状態でマタギの猟銃を破壊しボスも致命傷を負わされた、俺の見様見真似の抜刀牙で赤カブトの注意を逸らした隙に銀が正面からの絶・天狼抜刀牙によって首を切断され、遂に絶命したんだ。」

ポチ

「・・恐るべき執念、正に魔王だな。」

将玄

「ああ、そして赤カブトはきっと何処か別の世界で新たな牙城を必ず造り上げいるに違いない。奴は誰にも頭を下げない上に狡猾で残忍な熊だ、再び俺達人間や自分を殺した銀達に復讐する機会を窺っているはずだ。

(奴によって多くの仲間達がボスが命を失った。いや銀達の世界だけじゃない、色んな世界でも仲間達が命の懸けて守ってきた大切な世界や人たちの笑顔を守り通すんだ。だからこそいざという時の為に力と技を身に付け強くならないといけない)」

 

俺は新たな戦いの予感を感じながら修行に打ち込んでいった。

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

夕方になり俺は麗朱さんの特訓によって悲鳴を上げている赤雷さん達を背に訓練を切り上げて荷物を片づけに一度家に帰ると直ぐにはやてちゃんの家に向かい丁度はやてちゃん家の前で藤兵衛さんがはやてちゃんを送っている所に出くわした。

家に入り暫くして夕食後になのはちゃんからメールが届き開いて見るとどうやら塾に行く途中で傷ついたフェレットを拾ったと書かれていた、そのフェレットをどちらの家で飼うかで相談しているみたいで俺やはやてちゃんの方で飼えないかとメールしてきたようだ。確かアリサちゃん家は犬屋敷だし、すずかちゃん家は猫屋敷だから俺達に白羽の矢が立った訳か。

しかし夕方か・・赤雷さん達が悲鳴を上げていた時間帯に謎の念話が聞こえていたが、悲鳴の一部だと思って無視していたが流石に考え過ぎだろう。

はやて

「フェレットかぁ~、犬やったら飼うても良かったんやけどなぁ~」

将玄

「俺も両親が留守中に勝手な事は出来ないしな。」

 

俺達は心苦しくも無理だとメールを送って数十分後、どうやらなのはちゃん家が飼う事が決定したようだ。

俺はフェレットの居住か決まったの確認できたのではやてちゃんにお別れを言って家に帰った。

家に帰ってから俺は異世界の旅の事を小説に書き綴っている、今丁度俺が初めて零児さん達と出会い戦った時の話を書いていたらまた念話が聞こえてきた、どうやら俺の気のせいなんかじゃ無かったって事かよ、短い休息だったなマジで。

俺は気持ちを切り替え直ぐにリニスに連絡を取り警戒するように知らせて箒さん達の警護を任せ、赤雷さん達にも連絡して万が一の時ははやてちゃんを守ってもらう様に頼みこんだ。

外に出た俺は変身魔法を解除し大人の姿に戻ると突如オーロラからバイクが出現するも何の躊躇も無く颯爽と跨ると携帯が鳴りだした。

将玄

「はいもしもし、士郎さんどうしたんですかこんな時間に?」

士郎

「実はさっきなのはが家を飛び出して行ってな。」

将玄

「なんだって、本当ですか!(なんだってこんなタイミングで、まさかあの念話の声が聞こえて!)」

 

俺は一抹の不安がよぎった、俺ほどではないがなのはちゃんもまたかなりの魔力保持者なのが俺のデバイス天命を通して分かっていたから。

将玄

「士郎さん動物病院の場所を教えて下さい、なのはちゃんはそこに向かってるはずです。」

士郎

「分かった。場所は●●●●通りの●●●の所だ、なのはの事を頼んだよ将玄君。」

将玄

「分かりました士郎さん、なのはちゃんは必ず守ります。」

 

そう言いうと俺は電話を切り、バイクを走り出して数分後、桃色に輝く魔力光が天高く伸びていくのが見えた。

 

将玄

「あれはまさか!今助けに行くぞなのはちゃん。変~身っバンデ!」

 

俺はバイクを走らせながら仮面ライダーに変身し夜の街を駆け抜けていった。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

なのは

「リリカルマジカル、ジュエルシードシリアル21……封印!」

 

私、高町なのはは今日の夕方アリサちゃん達と塾に向かう途中で助けを求める声が聞こえました。アリサちゃん達は聞こえてなかったが私には聞こえてくる声に導かれ行くと傷ついたフェレットに出会い動物病院に預けたその夜に、誰かに呼ばれる声に誘われて私は夜の街を走っていた。普段ならすぐにバテてしまうのに、今は走り続けることが出来た。あのフェレットさんがいる動物病院に着いたとき、そこにいたのは逃げ回って私に話してくる喋るフェレットさんと黒くて大きな怪物だった。

私は喋るフェレットさんを抱えてまた走る、其れを追いかける怪物。このままだとあの怪物は町を破壊しちゃうとフェレットさんが教える、如何したらいいのか尋ねるとフェレットさんが付けていた首輪の玉、レイジングハートを渡してフェレットさんが言うにはこれで魔法の力が使えると一緒に呪文を唱えると魔法の杖と学校の制服をアレンジした衣装が出てきたの。

フェレットさんが言うには自分だけの呪文、始動キーを唱えるとあの怪物を封印できると言って何とか頑張ってやってみたら、あの怪物はXXIという数字が書かれたひし形の石になってフェレットさんに言われてそのまま杖を近づけると杖の中に封印されちゃったの。

なのは

「あれ?・・終わったの?」

フェレット?

「はい、貴女のおかげで・・・・・・ありがとう」

 

そう言うとフェレットさんは気を失っちゃったの、私はすぐにフェレットさんを抱き上げたその時

黒い怪物

「Guwooooooooooo!!!!!」

なのは

「っえええ!!!!」

 

さっきの黒い怪物が違う所から出て来たの!なんで!何でまた出てくるの!いや来ないで!!

 

突然の事で私は何にもできずただ混乱して向かってくる怪物に何も出来ず思わず目を瞑って蹲っていたその時バイクの音が聞こえ私の傍を横切った感じがしたの。

 

 

ファイナルアタックライド…バ・バ・バ・バンデ

 

???

「ライダァァーーディメンションキィィック!」

 

 

目を開けて見ると空中で白いヒーロー見たいな恰好した人が金色のエネルギーの壁と黒い怪物を蹴り抜くと怪物が爆発してさっき封印したジュエルシードって言う石が粉々に砕け落ちていたの。

これが私と仮面ライダーさんとの初めてで忘れられない出会いだったの。

 

 

 




また1年間よろしくお願いします。


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