ウルトラマンオーブ SHIN GODZILLA SAGA (naogran)
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プロローグ「さいあい〜再逢〜」

<東京都新宿区>

 

この街に1人の青年が歩いていた。

 

クレナイ・ガイ ウルトラマンオーブ「今度はこの地球か。」

 

彼はクレナイ・ガイ。ウルトラマンオーブに変身する風来坊の青年。ウルトラマンゼロ達宇宙警備隊達と共に、レイバトスを倒した後、再び風来坊に戻って様々な世界を旅する。彼は現在、とても平和な別地球の日本に訪れていた。

 

ガイ「宇宙警備隊にスカウトされたけど、やはり俺は風来坊の方が性に合うな。」

 

その後近くの銭湯へ行き、ゆったりと湯に浸かる。

 

ガイ「はぁ〜・・・久々の銭湯だなぁ・・・」

 

そして風呂から上がり、好物のラムネを飲む。

 

ガイ「ふぅ〜・・・さて行くか。」

 

 

 

 

 

 

<昭和記念公園>

 

公園のベンチに座って、オーブニカでメロディを奏でる。

 

ガイ(彼奴ら、今頃どうしてるだろうな。)

 

彼は、アマテ、サイキ、更にサムシングサーチピープル通称『SSP』の夢野ナオミ、早見ジェッタ、松戸シン、そしてナオミの叔父である渋川一徹、そして自分のライバルのジャグラス・ジャグラーの事を考えてた。

 

ガイ(アスカさんとムサシさん、我夢さんに藤宮さんもどうしてるだろうな。)

 

そして、嘗て共に戦ったアスカ・シン、春野ムサシ、高山我夢、藤宮博也の事も考えてた。メロディを終えたと同時に。

 

???「ガイ。」

 

ガイ「え?」

 

そこに立っていたのは、見覚えのある男だった。

 

ガイ「アスカさん!」

 

その男の正体は、共に戦った『ウルトラマンダイナ』に変身する男『アスカ・シン』だった。

 

アスカ・シン ウルトラマンダイナ「久し振りだな。」

 

ガイ「はい。お久し振りです。どうしてここに?」

 

アスカ「俺は、今も別の宇宙や地球を何度も旅してる。そして、この地球にやって来たんだ。ガイは?」

 

ガイ「はい。俺はまだ風来坊のままなんです。俺もさっきこの地球にやって来たばかりなんです。」

 

アスカ「そっか。にしてもお前、随分逞しい雰囲気になってきたな。」

 

ガイ「そうですか?」

 

アスカ「ああ。あんなに無茶してたけどな。」

 

ガイ「それは昔の話ですよ。」

 

アスカ「悪い悪い。」

 

その後ガイとアスカは、2人で都内を歩き回った。

 

<新宿区>

<大田区>

<台東区>

<練馬区>

 

様々な箇所を観光した。

 

 

 

 

 

 

そして夜になり、2人は銀座のホテルに泊まった。ガイはある本を読んでた。

 

アスカ「ガイ、何読んでんだ?」

 

ガイ「糸守町の歴史です。この場所に彗星が落ちたって歴史があります。」

 

アスカ「ガイって、歴史に興味あったのか?」

 

ガイ「最近興味持ち始めたんです。住民達は奇跡的に無事だって書いてあります。」

 

アスカ「そうか。そう言えばガイ、宇宙警備隊にスカウトされたって聞いたが。」

 

ガイ「え?知ってたんですか?」

 

アスカ「ゼロから聞いたんだ。」

 

ガイ「ええ。でも俺は風来坊の方が自分らしいので断りました。」

 

アスカ「そうか。」

 

ガイ「ムサシさん達はどうしてます?」

 

アスカ「あの3人はそれぞれの世界に戻って頑張ってるらしいぞ。」

 

ガイ「そうですか。それにしても、この世界は平和で良いですね。」

 

アスカ「ああ。」

 

しかしこの日本に、最大の危機が迫ってる事を誰も知る由も無かった。

 

「続」



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第1章「いへん〜異変〜」

クレナイ・ガイとアスカ・シンがこの東京に来て3日が経った。そこに、1つの通報が海上保安庁に舞い降りた。


<東京湾横浜沖。同・羽田空港沖>

 

海保の無線『東京湾内羽田沖に、漂流中と思われるプレジャーボートを発見との通報あり。』

 

 

 

<海上保安庁・巡視艇『PC16 はまなみ』>

 

通信士「はまなみ了解。」

 

海保隊員A「漂流中と思われるプレジャーボートを確認。船体の損傷は認めず。船名『GLORY-MARU』。登録番号MJG-15041。所有者の照会を願う。漂流船に移乗した。」

 

羽田沖の海上に浮かぶ謎のプレジャーボートが漂流していた。海保隊員達は、そのプレジャーボートの中を調べる。

 

海保隊員B「すみません、誰か居ますか?」

 

海保隊員C「フライングデッキに人は居ません。」

 

海保隊員A「船内は無人の模様。遺留物あり。事件性は無さそうだが、海中転落の可能性あり。」

 

ボートの中にあったのは、折り鶴と1枚の封筒と1冊の本と地図とメガネ。更に黒い革靴までも残されていた。

 

海保隊員A「やはり無人だ。曳航準備に入る。」

 

するとその時。

 

 

 

”ドゴオオオオオオオオオン!!!”

 

 

 

突然の衝撃音が響き、海上に巨大な水飛沫が舞い上がった。

 

 

 

 

<東京湾アクアライン・アクアブリッジ 同・アクアトンネル(上り線)>

 

ここでも異常事態が起こった。突然亀裂が起こり、亀裂した箇所から、謎の赤い液体が降り始めた。

 

女性「えっ、何?」

 

男性「ちょちょちょ待て待て!!」

 

2人「うわああ!!」

 

この液体で、数台の車が巻き込まれてしまった。

 

 

 

 

 

 

このニュースを、ガイとアスカがホテルで観ていた。

 

ガイ「何が起こったんだ?」

 

アスカ「これは、調べてみる必要があるな。」

 

ガイ「これって、また新たな怪獣か宇宙人の仕業ですか?」

 

アスカ「それはまだ分からない。ガイ、行くぞ。」

 

ガイ「はい。」

 

2人は急いでホテルを出た。

 

 

 

 

 

 

<東京都千代田区 首相官邸>

 

この異常事態はここに送られた。

 

<首相官邸 5階内廊下>

 

志村「集約センターから第一報連絡です。アクアトンネル上り線で亀裂による浸水。詳細は不明ですが車両数台が巻き込まれた模様です。先程官邸連絡室が設置されました。緊参チームに参集指示が出ています。」

 

矢口「了解した。総理は?」

 

志村「到着予定まで28分あります。」

 

矢口「今情報が欲しい。下に降りよう。」

 

志村「はい。」

 

 

 

 

 

 

<羽田沖>

 

ここにガイとアスカが水蒸気煙を見に来た。

 

アスカ「あの水蒸気煙か。」

 

ガイ「海面が赤くなってますね。それにしても水蒸気煙が凄いですね。」

 

アスカ「あぁ、それに何だか温度が高く感じるな。」

 

ガイ「えぇ、それに何だか悪臭もしますね。」

 

 

 

 

 

 

<首相官邸・地下 危機管理センターオペレーションルーム>

 

危機管理要員「第一報確認します。発生日時8時30分頃、発生場所東京湾アクアライン。アクアトンネル上り線2,5キロポスト付近。発生状況としましては、トンネル天井部に亀裂が生じ浸水あり。車両数台が巻き込まれた模様。湾内発生中の水蒸気煙に、はまなみ海保隊員数名が巻き込まれた模様。」

 

<同・幹部会議室>

 

危機管理要員「アクアラインは上下線とも通行止め。湾内に三菅本部から注意喚起が出ています。」

 

矢口蘭堂(やぐちらんどう) 内閣官房副長官(政務担当)「郡山危機管理監、状況はどうなってますか?」

 

郡山肇(こおりやまはじめ) 内閣危機管理監「隧道事故案件は衝突事故発生を5件確認しています。」

 

矢口「崩落の原因は局地的な地震ですか?」

 

沖良郎(おきよしろう) 気象庁次長「現在本庁に問い合わせ中です。」

 

矢口「海上の噴火的事象との関連はどうですか?」

 

郡山「今は何とも、情報不足です。」

 

危機管理要員「海保のヘリテレ来ました。」

 

モニターに海保のヘリテレの映像が映し出された。海面が赤く沸騰し、巨大な水蒸気を上げていた。

 

志村祐介(しむらゆうすけ) 内閣官房副長官秘書官(防衛省)「やはり海底火山の噴火に見えますね。」

 

矢口「にしては違和感があるな。」

 

 

 

 

<東京湾 川崎人口島(風の塔)>

 

<海上保安庁 スーパーピューマ 225 MH691(いぬわし)

 

海保ヘリ通信員『こちら保安691。水蒸気は尚も噴出中。変色水が攪拌され、海中の状況を確認出来ません。』

 

 

 

 

郡山「状況が不可測だ。今後は複合的な初動対応が必要と思われる。官邸対策室に改組する。」

 

 

 

 

オペセン『官邸対策室への改組に伴い、消防庁災害対策本部・・・』

 

危機管理要員『三菅本部本部より連絡。湾内の航行船舶を入域制限。全域を無期限封鎖したとFAXで受診しました。』

 

危機管理要員『国交省より当該沿岸部に避難準備韓国を指示との連絡あり。』

 

 

 

 

 

 

<東京湾 木更津人口島(海ほたるパーキングエリア)>

 

避難指示が出された。都民や観光客達がスマホで撮影していた。

 

アナウンス『避難勧告が出ています。直ちにここから退避して下さい!』

 

警官『警察が誘導します。皆さん急いで乗車して木更津方面へ避難して下さい!』

 

この場所に、ある青年が居た。

 

青年「この地球にも、異変が起きたのか。」

 

 

 

<東京湾アクアライン・アクアトンネル(上り線)>

 

避難指示が出された。

 

係員A「浸水が続いています!」

 

男性A「うわぁ、車どうしたら良いんだ・・・?」

 

男性B「トンネル水浸しだ・・・」

 

係員A「頭打たないように気を付けて下さい!」

 

男性「凄え滑り台!」

 

 

 

<同・避難連絡用スロープ>

 

男性「うわあ!」

 

係員A「騒がないで!」

 

 

 

<同・床版下避難路>

 

係員B「1番避難口から救護所へ向かいます。」

 

係員C「歩ける方は・・・」

 

女性「もうヤダ足痛い・・・」

 

男性「凄えなこれ、スクープ映像って奴じゃね?」

 

避難路では、ビデオ撮影してる人、足が痛いと訴える人、興奮してパニック状態になってる人達が居た。すると次の瞬間。

 

 

 

”ドゴオオオオオオオオオン!”

 

 

 

男性「うわっ!」

 

突然謎の巨大な足音が響いた。

 

女性「えっ、何何何?何何?何の音?」

 

男性「上に何か居るんじゃないのか?」

 

 

 

 

同じ頃地上でも。

 

空港アナウンス『出発の飛行機は一旦・・・』

 

男性「ヤバいヤバい!」

 

 

 

 

そして海面に、謎の物体が少しだけ姿を表した。

 

女性A「えっ?な・・・何か分かんないけど怖い・・・」

 

女性B「何あれ?何あれ?」

 

男性「何か居る!」

 

 

 

 

この映像を、アスカも観ていた。

 

アスカ「これは何だ?」

 

ガイ「どうしたんですか?」

 

アスカ「ガイ、これ観てみろ。」

 

ネットの動画で撮られた謎の物体を観せる。

 

ガイ「これは・・・クジラですか?」

 

アスカ「いや、こんなに胴体の長いクジラは見た事もない。」

 

ガイ「メガロドンでもシロナガスクジラでもなさそうですね。やはりこの地球にも怪獣が居るんですか?」

 

アスカ「それも分からない。しばらく様子を見よう。」

 

 

 

 

 

 

<首相官邸地下 危機管理センター・幹部会議室前階段>

 

矢口が謎の物体を捉えたネット映像を観ていた。

 

志村「総理、戻られました!」

 

 

 

 

<再び同5階内廊下>

 

内閣総理大臣及び随行者一同

 

大門「ですからアクアトンネル崩落事故の原因は現在も調査中でありまして・・・」

 

大河内「ああ、細かい事はいい。要するに死者は出ていないんだな?」

 

大門「はい。」

 

大河内「なら対応は下に任して良いじゃないか。」

 

赤坂「いえ、二次災害の危険があります。幹事長との面談はキャンセルとし、5分後にレクを始めさせていただきます。」

 

大河内「そうか。分かった。」

 

 

 

 

 

 

<首相官邸5階・総理執務室>

 

東京湾における水蒸気爆発複合事案に関する総理レク(チャー)

 

東「これは海中に何らかの熱源が存在する事象です。考えられるケースを挙げて下さい。」

 

関口悟郎(せきぐちごろう) 文部科学大臣「国籍不明の原潜事故、メルトダウン等は考えられませんか?」

 

花森麗子(はなもりれいこ) 防衛大臣「あり得ません。東京湾の水深では潜水艦の潜水航行は不可能です。」

 

柳原邦彦(やなぎわらくにひこ) 国土交通大臣「海上の現象はマグマ水蒸気爆発だと思われます。やはり新たな海底火山の噴火が妥当な事でしょう。」

 

沖「あの、柳原大臣、そうは言いましても震源地は浅く噴出物の成分はただの水蒸気と思われ積極的に火山の噴火とは認められない事象でして・・・」

 

柳原「えっ、そうなのか?なら早く言え!」

 

沖「失礼しました・・・」

 

関口「総理、新たな大規模熱水噴出孔も考えられます。」

 

金井「そうだ。それに違いない。」

 

矢口「しかし噴出位置がトンネルの直上です。既に地質調査済みの地点では考えにくい事象かと思われます。」

 

金井光二(かないこうじ) 内閣府特命担当大臣(防災担当)「想定外だ。よくある事だろ。」

 

矢口「総理。何物かが海底に居る可能性があります。」

 

大河内清次(おおこうちきよつぐ) 内閣総理大臣「何物って何だ?」

 

矢口「巨大な生物と推測します。ネットにはそれを裏付ける動画も存在します。」

 

金井「バカバカしい。あれがクジラの潮吹きとでも言いたいのか?」

 

関口「海水が沸騰してるんだ。100度を超える体温の生物など居る訳ないだろ。」

 

河野純(かわのじゅん) 総務大臣「本省もインターネット等の確認をしておりますが、エビデンスとして確証に至るかどうかは判断しかねます。」

 

東竜太(あずまりゅうた) 内閣官房長官「結論を急ぎましょう。ここは消去法で考えてはいかがですか?」

 

柳原「そうですな。やはり新たな海底火山か、大規模熱水噴出孔でしょう。他に考えられません。」

 

東「では基本的対処方針をまとめて直ちに関係閣僚会議を開きます。宜しいですな総理?」

 

大河内「うん。分かった。」

 

東「では皆さん、大会議室に集まって下さい。」

 

内閣はすぐに大会議室へ向かう。矢口も大会議室に向かう途中。

 

赤坂「矢口。総理レクは先に結論ありきの既定路線だ。いい加減かき回すの止めとけ。」

 

矢口「しかし、あらゆる可能性を具申すべき事案と考えます。」

 

赤坂秀樹(あかさかひでき) 内閣総理大臣補佐官(国家安全保障担当)「やんちゃも良いが、お前を推した長官のお立場も考えろ。良いな?忠告はしたぞ。」

 

そう矢口に忠告した赤坂も大会議室に向かう。矢口は何も言わないまま大会議室へ向かった。

 

 

 

 

 

 

その頃ガイとアスカは、避難せずに沸騰中の海面を見ていた。

 

ガイ「しかし、中々収まりませんね。俺達で調べに行きましょうか?」

 

アスカ「いや、そうしたら周囲に怪しまれる可能性がある。ここは、政府に任せてみる必要がある。」

 

ガイ「そうですね。分かりました。」

 

そこに1人の警官が、ガイとアスカを発見した。

 

警官「そこの2人!早く避難して下さい!」

 

ガイ「アスカさん、そろそろ行きましょう。」

 

アスカ「ああ。」

 

 

 

 

 

 

<首相官邸4階・大会議室>

 

アクアトンネル浸水事故及び東京湾における水蒸気爆発に関する複合事案対策会議(第1回)。里見農林水産大臣は豪州外遊中の為、不在。

 

河野「隧道事故による重軽傷者数名の搬送は完了しております。東京湾海上に関しましては、既に消防艇及び情報収集のヘリが出動し、あらゆる事態に備えております。以上です。」

 

柳原「次に東京湾沿岸部等への対処ですが、噴火による噴石等の被害の危険性がある為、警戒レベルを「避難準備」とし、羽田空港も万が一に考えて全便欠航として、危機管理を徹底しております。」

 

すると柳原の秘書官が1枚の原稿を渡した。

 

柳原「失礼、訂正します。羽田空港の欠航による経済的損失よりも、安全を優先する為の止むを得ない処置として、全便欠航とし・・・」

 

 

 

”以下中略”

 

 

 

柳原「トンネル浸水事故の原因とされる新たな海底火山等ですが、現在のところ幸い有毒ガスは検出されず、気象庁及び海保海洋情報部の調査研究チームを現地に送り、速やかな事故原因の徹底究明に努めさせていただきます。」

 

再び秘書官が1枚の原稿を渡した。

 

柳原「あっ、ただ今、噴火活動が急速に沈静化してるとの報告が入りました。」

 

 

 

 

 

 

沸騰していた海面が急速に収まった。避難中のガイとアスカもそれを見ていた。

 

ガイ「アスカさん、噴火が収まったようです。」

 

アスカ「本当か?」

 

すると2人は、驚愕の光景を目にした。

 

ガイ「っ!?」

 

アスカ「あれは!?」

 

 

 

 

 

 

<大会議室>

 

安堵の空気が漂っていた。

 

葉山「もう収まったのか?」

 

鵜飼「大した事なかったな。」

 

しかしそこで、矢口が口を開いた。

 

矢口「総理、改めて提言致します。やはり原因は、巨大不明生物である可能性があります。各省庁の検討を願います。」

 

東「矢口!閣僚会議の席だ。冗談はよせ。」

 

大河内「議事録が残るんだ。政府に恥をかかせる気か?そんなモノが居る訳がないだろ!」

 

 

 

 

 

 

しかしそれは存在していた。沸騰位置から、謎の巨大な尻尾が現れた。ガイとアスカが見た驚愕の光景は、この謎の尻尾だった。

 

ガイ「尻尾ですか・・・!?」

 

アスカ「それしか、考えられないな・・・」

 

 

 

 

 

 

<大会議室>

 

葉山「見込まれております。えー未だ復旧のメドが立っておりません。その為損害額は今後も更に増大するものと思われ・・・」

 

すると東竜太官房長官の秘書が、東に何かを伝えた。

 

東「中断!会議を一時中断します!テレビ!テレビ点けて!」

 

テレビを点けると。

 

 

 

 

アナウンサー「信じられません!全く信じられません!未だ嘗て、このような事があったでしょうか?前代未聞です!海面に突如・・・」

 

 

 

 

ニュース番組で、謎の巨大の尻尾が映っていた。半数はこの巨大な尻尾を見て驚きを隠せなかった。矢口は巨大な尻尾を冷静に睨む。

 

関口「な・・・何だ?今のは・・・」

 

大河内「尻尾?」

 

東「ええ尻尾ですね。」

 

赤坂「矢口の冗談が現実ならば受け入れるしかないか。」

 

東「事態急変の為、会議を中止します!関係閣僚は至急総理執務室へ!」

 

内閣は、矢口が言ってた巨大不明生物の認識を改めた。

 

 

 

 

 

 

その頃外では、人々が巨大な尻尾を見て、逃げ惑ったり、ビデオ撮影もしていた。

 

青年「あれが、海面に現れた胴体の正体かぁ。」

 

 

 

 

 

 

<総理執務室>

 

大河内「これは一体、何だ?」

 

関口「巨大不明生物としか呼称しようがありませんが・・・目下、省内や大学の研究機関の生物学等多方面から学識経験者を招集し、緊急の有識者会議を設置すべく候補者リストを作成しております。」

 

大河内「早く正体を知りたい!急いでくれ!」

 

関口「はい!」

 

赤坂「総理。緊急の課題は尻尾の正体よりも今後の対応です。」

 

大河内「あっそうか・・・」

 

金井「しかし此奴は思ったより想定外過ぎるぞ。」

 

郡山「ですが対処フローの選択肢はシンプルです。静観つまり野放し。もしくは捕獲か駆除か。それとも湾外に追い出すかですね。」

 

国平修一(くにひらしゅういち) 内閣副総理大臣兼外務大臣「でしたら、駆除でよろしいかと。」

 

葉山達也(はやまたつや) 経済産業大臣「賛成ですね。トンネル事故との関連はさておいても、羽田は全便欠航。東京湾内が無期限全面封鎖されており、既に莫大な経済的損失が出ております。」

 

河野「私も駆除に同意します。」

 

金井「そうだ。一刻も早く駆除しすべきだ。そうだろう?防衛省。」

 

松本誠一(まつもとせいいち) 防衛省運用政策統括官「えー、過去有害鳥獣駆除を目的とした出動は幾度かありますが、海自による東京湾内での火器の使用は前例もなく何とも・・・」

 

柳原「まあまあ。事を荒立てず穏便に追い出せないのか?」

 

菊川「総理。各学会と環境保護団体が貴重な新生物として捕獲調査を提言しています。定置網を至急湾内に用意して欲しいです。」

 

金井「いや、ここは駆除だ。魚雷とか使えばすぐ済むだろ。」

 

花森「お気持ちは分かりますがここは、火器使用も含め本省に検討の時間を頂きたい。」

 

関口「私からも、是非とも捕獲を視野に入れた検討を願います。」

 

矢口「速やかに巨大不明生物の情報を収集し、駆除捕獲排除と、各ケース別の対処方法についての検討を開始して下さい。」

 

平岡君男(ひらおかきみお) 内閣官房副長官補「それ、どこの役所に言ったんですか?」

 

 

 

 

 

 

すると巨大不明生物が海中の中を移動し始めた。

 

ガイ「彼奴、進んでるのか?」

 

アスカ「こっちに来るようだな。」

 

 

 

 

 

 

<総理執務室>

 

壱岐「水蒸気煙が多摩川方面に向けて移動を開始した模様です!」

 

金井「えっ、動くの?」

 

柳原「そりゃ生き物だからな。」

 

 

 

<東京湾多摩川河口>

 

海保ヘリ通信員『巨大不明生物は、羽田D滑走路連絡誘導路側面から多摩川河口に進入しています。あっ!』

 

 

 

<総理執務室>

 

大門「首都高湾岸線多摩トンネルに浸水事故発生!損害不明!」

 

河野「何てこった!」

 

関口「捕獲は無理だな・・・」

 

安西(あんざい) 政務担当総理秘書官「総理、まだ3名ですが、生物学の有識者が到着しました。」

 

 

 

 

 

 

<首相官邸5階・総理応接室>

 

巨大不明生物の学術的正体等に関する緊急有識者会議

 

志賀(しが)(仮名) 古代生物学者「あのテレビの映像だけでは、太古の恐竜なのかクジラの亜種なのか、種目も何も判別は付きませんね。」

 

(やなぎ)(仮名) 海洋生物学者「誰も見た事のない水生生物の新種。それ以上は現物を調査しないとなんにも言えません。」

 

(はなわ)(仮名) 生物学教授「そもそもあの映像が本物かどうか、実証もなく憶測で判断しては、最早生物学とは言えんでしょうが。」

 

 

 

 

 

 

<総理執務室>

 

大門「有識者会議、後5分で終わります!」

 

<首相官邸5階・総理秘書官室>

 

志村「こんな事してる場合かよ・・・」

 

 

 

 

 

 

<東京都大田区 呑川 旭橋>

 

巨大不明生物が多くのボートを押し切って進行をしていた。人々はパニックになりながら逃げ出す。そこにガイとアスカが駆け付けた。

 

ガイ「ここまで来るとは・・・」

 

アスカ「あれが巨大不明生物の本体か。」

 

 

 

 

 

 

<総理執務室>

 

有識者会議から大河内達が戻って来た。

 

大河内「時間を無駄にした。御用学者じゃ何も分からん。」

 

安西「仰る通りです。」

 

大河内「レベルは問わん。誰でも良い。すぐに話の分かる奴を呼んでくれ。」

 

安西「畏まりました。」

 

すぐに矢口は、自分の秘書官の志村に訊きに向かった。

 

矢口「志村、誰か居ないか?」

 

志村「確か環境省に居る大学の先輩に詳しい人が居ます。まだ課長補佐ですが。」

 

矢口「構わないからすぐに呼んでくれ。」

 

 

 

 

 

 

早速志村が課長補佐を呼んだ。課長補佐は、巨大不明生物の映像を黙視してる。

 

尾頭(おがしら)ヒロミ 環境省自然環境局野生生物課長補佐「この動き、基本は蛇行ですが補助として歩行も混じっていますね。エラらしき形状から水棲生物と仮定しても肺魚のような脚の存在が推測出来ます。」

 

矢口「もし脚があるなら、上陸の可能性はありますか?」

 

尾頭「はい。可能性は捨て切れません。」

 

大河内「本当か?どうなんだ?」

 

安西「と言われましても、まだ所管官庁も正式決定しておりませんので・・・」

 

関口「学者の意見では、例えヒレのような脚があっても水棲生物が陸に上がると自重で潰れて死に至りますから、学術的に上陸は万が一にもあり得ないとの事です。」

 

尾頭「お言葉ですが、既に自重を支えている状態と考えます。」

 

大河内「そうなのか?環境大臣の見解はどうだ?」

 

菊川俊介(きくかわしゅんすけ) 環境大臣「あっ、はあ。うちの課長補佐が失礼な事を言っておりますが、先程の有識者の結論も、上陸行動は常識として考えられないと。」

 

大河内「そうか。」

 

東「総理、隧道案件の被害もあります。一刻も早く国民を安心させる為に緊急の記者会見を開くべきかと。」

 

赤坂「総理、会見の際は、不確実な憶測ではなく確実な情報だけを公表すべきだと。」

 

大河内「分かった。防災服と原稿を用意してくれ。」

 

すぐに防災服と原稿を用意する。

 

 

 

 

 

 

<東京都大田区 呑川 呑川新橋>

 

巨大不明生物が進行中だった。

 

男性「早く逃げて!」

 

女性「きゃあ!」

 

2人の男女が巨大不明生物から逃げてた。女性が転んだ。

 

ガイ「あんた、大丈夫か?」

 

女性「は、はい。」

 

ガイの手を握って、体を起こす。

 

女性「ありがとうございます。」

 

男性「すみません。」

 

ガイ「さぁ早く逃げろ。」

 

男性「ありがとうございます。」

 

2人の男女がすぐに逃げ出す。

 

ガイ「彼奴、このままどうするつもりなんですか?」

 

アスカ「まだ分からない・・・ここはもうダメだ。ガイ行くぞ!」

 

ガイ「はい!」

 

2人もその場から逃げ出した。

 

 

 

 

 

 

<首相官邸1階・記者会見室>

 

大河内「巨大不明生物は、アクアトンネルと多摩トンネル等に甚大な被害を齎し、現在東京都大田区の呑川を遡上しております。その正体は、現時点で不明でありますが、上陸と言う事態は想定しづらく、水深が浅くなり、川岸に打ち上げられたとしても、自重で潰れ、死に至ると思われますのでどうかご安心下さい。繰り返します。巨大不明生物の上陸はあり得ませんので、都民国民の皆様どうかご安心下さい。」

 

安西「総理、会見中に失礼します。」

 

そこで伝えられたのは。

 

大河内「えっ、蒲田に?」

 

「続」



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第2章「じょうりく〜上陸〜」

突如現れた巨大不明生物。上陸があり得ないと確信した政府だったが、そこにとんでもない報せが舞い降りた。


<東京都大田区・蒲田>

 

人々がパニックになりながら逃げ惑っていた。

 

男性A「撮ってないで早く!」

 

男性B「早く逃げて!!」

 

逃げてる理由はただ1つ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()から逃げていたからだった。

 

ガイ「あれが巨大不明生物・・・」

 

アスカ「まさか上陸して来るとは・・・さっきの総理の言葉は嘘だったのか・・・」

 

ガイとアスカは、逃げてる人混みの中で巨大不明生物を冷静に見ていた。

 

アスカ「ガイ、行くぞ!」

 

ガイ「はい!」

 

2人は逃げながらガッツブラスターとハンドビームで巨大不明生物に命令させる。そして、1人の青年も巨大不明生物を見ている。

 

青年「・・・」

 

この青年は、何処かへ走り去った。

 

 

 

 

 

 

<記者会見室>

 

男性記者「何だよ・・・さっき上陸はあり得ないって・・・」

 

 

 

 

 

 

<首相官邸・地下通路>

 

大河内「どうするんだ!上陸はあり得ないと言っちゃった後だぞ!」

 

安西「ですから、文言はアレンジせず報道官の原稿のままお読み下さいと。」

 

大河内「はっきり言わんと国民は安心せん!心が伝わらんだろ!」

 

安西「仰る通りです!今何故上陸出来たかを識者に問い合わせ中です。」

 

大河内「済んだ事はもういい!現状はどうなってる!」

 

 

 

 

 

 

<東京都大田区・蒲田>

 

人々が悲鳴を上げながら逃げていた。すると巨大不明生物がエラから赤い液体を排出して地面に流し込んだ。

 

アスカ「ガイ、ここは一旦逃げるぞ!」

 

ガイ「はい!」

 

攻撃を止めて人混みに紛れて逃げる。

 

 

 

 

 

 

<首相官邸・地下通路>

 

郡山「総理、これは緊急災害対策本部を設置する案件と考えます。」

 

大河内「分かった。」

 

 

 

 

 

 

<巨大不明生物に対する緊急災害対策本部の設置に関する閣僚会議(第1回)>

 

東「設置に関する閣僚会議を終了します。では皆さん、これで。」

 

 

 

 

 

 

<首相官邸4階・廊下>

 

澁沢「形式的な会議は極力排除したいが、会議を開かないと動けない事が多過ぎる。」

 

尾高「効率は悪いがそれが文書主義だ。民主主義の根幹だよ。」

 

弓成「しかし手続きを経たないと会見も開けないとは。」

 

 

 

 

 

 

そして東は、記者会見を開いた。

 

東「先程政府は東京に上陸した巨大不明生物に関する緊急災害対策本部を設置致しました。これにより国民、皆様の安全に対して万全の対策を講じ、速やかな避難活動を実行する為、都庁及び関係省庁との連絡を密とした・・・」

 

 

 

 

 

 

巨大不明生物は、民家やビルやマンションを破壊しながら進行中。

 

 

 

 

危機管理要員「巨大不明生物は大田区から品川区方面に移動中!平均移動速度は時速13キロ程度と判明!」

 

菊川「図体はでかいのに随分と遅いな。」

 

矢口「この速度でも3時間あれば首都圏を縦断します。」

 

関口「東京は意外と狭いし脆いからな。」

 

河野「ヤバいぞ!被害が尋常でなく拡大してる!」

 

金井「だからこそすぐに駆除すべきじゃないか!」

 

花森「しかし現場が人口密集地です!今は攻撃より避難を優先すべきです!」

 

郡山「総務省と国交省で避難先の区域と搬送手段の確保を進めてくれ。」

 

 

 

 

 

 

<東京都新宿区・東京都庁第一本庁舎。同・9階大外対策本部>

 

都庁職員「官邸より当庁に対するシャドウ・エバキュエーションを考えた避難処置の指示を受理しました!」

 

そこに小塚都知事達が到着した。

 

小塚(こづか) 東京都知事「何故すぐに避難指示が出せないんだ!」

 

田原(たはら) 東京都副知事「何せ想定外の事態で、該当する初動マニュアルが見当たりません。」

 

小塚「災害マニュアルは何時も役に立たないじゃないか。すぐに避難計画を考えろ。」

 

田原「しかしこのような事態に防災訓練も行っておりませんし、パニックの回避を考えるならば、避難区域の広域な指定も困難です。」

 

川又(かわまた) 東京都副知事「ここは住民の自主避難に任せるしかありません。」

 

恩地(おんち) 警視総監「現場には交通統制によるコントロールを徹底させます。」

 

 

 

 

 

 

<東京都品川区・国道15号第一京浜>

 

アナウンスA『この信号は止まっています。直ちに降車して、警察官の指示に従って行動して下さい。』

 

人々は車から降りて避難を開始する。

 

アナウンスB『区内全域に避難指示が発令されました。住民の方は直ちに避難して下さい。』

 

 

 

巨大不明生物は停車してる大量車を飛ばしながら進行している。目の前にマンションがあった。

 

パパ「ママ!急いで!」

 

中には、避難準備中の3人家族が残っていた。そして巨大不明生物は、その家族がまだ残ってるマンションに体当たりした。マンションが巨大不明生物の体当たりを受けて倒れ始める。するとそこに、1つの光がマンションの中に入り、すぐに脱出して、近くの公園に降りた。光が晴れると、3人の家族と、1人の青年が立っていた。

 

青年「大丈夫ですか?」

 

パパ「あ・・・ありがとうございます!」

 

青年「さぁ、早く逃げて下さい。」

 

ママ「は、はい!」

 

3人は青年に一礼して避難区域へ急いだ。青年は巨大不明生物に向かって走り出した。

 

 

 

 

 

 

その頃ガイとアスカは、<品川区>まで逃げて来た。

 

ガイ「これは大忙しになりそうですね。」

 

アスカ「ああ。」

 

ガイ「アスカさん、彼奴に立ち向かいましょう。」

 

アスカ「いやまだだ。ここで戦ったら、避難途中の人々が巻き込まれてしまう。避難が完了するまで待とう。」

 

ガイ「そうですね。」

 

 

 

 

 

 

<東京都庁第一本庁舎。同・9階大外対策本部>

 

小塚「このままでは被害が拡大するばかりだ。公安委員会に連絡を取ってくれ。政府が動かないなら都から有害鳥獣駆除として、自衛隊の事案出動要請を出すしかない。」

 

 

 

 

<首相官邸・地下 危機管理センターオペレーションルーム>

 

危機管理要員A「遂に治安出動か。」

 

危機管理要員B「それより、第76条の武力攻撃と解釈して、防衛出動の方が武器使用に対応しやすいんじゃないか?」

 

危機管理要員A「武力攻撃と解釈するのは難しい。76条では武力攻撃を加えてくる主体を国または国に準ずるものと想定している。防衛出動は出せない。」

 

危機管理要員C「今はそんな事を議論している時じゃないだろ。どう見ても自衛隊しか事態に対処出来ない。」

 

危機管理要員B「だがそれは、市街地で自衛隊が戦闘を始める事になる。」

 

警察庁リエゾン「恐らく総理は渋るよな。」

 

 

 

 

 

 

<総理執務室>

 

矢口「ですから総理、自衛隊の運用や、国民の避難など、政府による事案対処のあらゆる統合が必要です。直ちに災害緊急事態の布告の宣言をお願いします。」

 

赤坂「今は超法規的な処置として、防衛出動を下すしか対応がありません。この国でそれが決められるのは総理だけです。」

 

大河内「しかしな・・・今までに出た事のがない大変な布告だぞ・・・その上、初の防衛出動の命令とは・・・」

 

郡山「総理、警察による短時間での避難誘導は困難です。防衛出動となると、逃げ遅れた住民を戦闘事態に巻き込む覚悟が必要になります。」

 

大河内「いやいや、それは・・・」

 

国平「日米安保を適用し、在日米軍に駆除を肩代わりしてもらうのはどうですか。」

 

花森「いえ、まずはこの国の政府と自衛隊が動くべきです。安保条約があっても米国はあくまで支援の立場です。」

 

菊川「しかしあれは生物です。下手に刺激すると被害が更に拡大する可能性もあります。」

 

赤坂「そう生物です。ですから人の力で駆除する事が出来ます。同じ自然災害と区分しても地震や台風とは違います。」

 

矢口「総理、国民を守る事が第一です。」

 

東「総理、ここは苦しい所ですが被害の拡大を防ぐ為にも、承認のご決断を頂かないと。」

 

大河内「今ここで決めるのか?聞いてないぞ!」

 

東「時間がありません。ご決断を。」

 

 

 

 

 

 

アナウンサー「先程初の災害対策基本法の災害緊急事態の布告を総理が宣言。巨大不明生物に対し、自衛隊初の防衛出動が決定されました。緊急措置として国会の承認を事後に回し、害獣駆除を目的とした戦後初の武力行使命令を総理が下した模様です。」

 

 

 

 

 

 

<東京地新宿区 防衛省本省庁舎A棟>

 

大庭「練馬の第1師団は既に都の要請により災派で出ています。」

 

同・地下中央指揮所

 

浜田「引き続き現運用部隊は救護の避難誘導任務を優先させます。どの道普通科の装備では対処出来ないでしょう。」

 

石倉(いしくら) 陸上幕僚長「機甲科も特科も即応出来ない。やはり対戦ヘリしかないな。木更津の状況を確認しておけ。」

 

小沢(おざわ) 航空幕僚長「三沢のF-2を爆装させて上げるか。」

 

浜田(はまだ) 統合幕僚監部運用部長「いえ、国民に被害が出た場合、自衛隊の存続に関わる可能性があります。使用武器は最小限に留めましょう。」

 

北野(きたの) 海上幕僚長「ただしかの能力が不明過ぎる。我の全力を投入する準備は必要だと考えます。」

 

矢島(やじま) 統合幕僚副長「そうだな。三自衛隊の統合運用による作戦案を統幕長に進言しよう。官邸に連絡。」

 

 

 

 

 

 

<総理執務室>

 

花森「東部方面総監を指揮官とした統合任務部隊を編成。作戦目的は駆除とします。」

 

財前正夫(ざいぜんまさお) 統合幕僚長「陸上部隊は住民の避難誘導優先で対応出来ない為、即応可能な回転翼機を主力とした作戦を立案しました。」

 

郡山「総理、市街地での作戦なので老人や病人が残ってる可能性もあります。」

 

大河内「だとしたら現場を見ない事には判断しかねるだろう。」

 

赤坂「現場では国民の生命及び私有財産への損害も止むを得ないと考えます。」

 

東「総理、ここは苦しい所ですが、承認のご決断を。」

 

大河内「・・・・・・分かった!」

 

 

 

 

 

 

<千葉県木更津市 陸上自衛隊・木更津駐屯地>

 

貝塚(かいづか)「対応が想定外で前例がない危険な任務だ。隊員は志願させるのか?」

 

芦田「いえ、ローテで行きます。皆入隊した時から覚悟は出来ています。」

 

<東部方面航空隊 第4対戦者ヘリコプター隊第2飛行隊>

 

芦田「気をつけ!敬礼!」

 

出動の準備が入った。

 

<陸上自衛隊 対戦者回転翼航空機AH-1S(コブラ)

 

芦田『木更津離陸1308。現着予定時刻1320。送れ。』

 

航空隊が品川区への移動を開始した。

 

 

 

 

 

 

<首相官邸・地下直通エレベーター>

 

柳原「これで一安心だな。」

 

金井「ドでかくても生き物だ。」

 

柳原「自衛隊の武器で殺処分出来るだろう。」

 

金井「ああ。奴の死骸を利用した復興財源案を考えてみるか。」

 

矢口「大臣、先の戦争では、旧日本軍の希望的観測、机上の空論、こうあって欲しいと言う発想などにしがみついた為に、国民に300万人以上もの犠牲者が出ています。根拠のない楽観は禁物です。」

 

 

 

 

 

 

<東京都品川区・北品川>

 

ここでも避難誘導が勧告されていた。住民達はすぐに避難する。巨大不明生物は未だに進行中。ガイとアスカは、誰にも気付かれないように巨大不明生物に向かって走り出す。

 

消防隊員A「足元に気を付けて下さい!落ち着いて!早くここから離れて!急いで下さい!」

 

消防隊員B「地震災害時の避難場所では役に立ちません!新たな避難場所の指示を請う!どうぞ!!」

 

 

 

 

そしてガイとアスカは、巨大不明生物付近にあるビルの屋上へ立った。

 

アスカ「ガイ、行くぞ。」

 

ガイ「はい。」

 

2人はオーブリングとリーフラッシャーを取り出して、変身しようとした時。

 

アスカ「っ!?待てガイ!」

 

ガイ「え?」

 

突然巨大不明生物が止まって直立した。次の瞬間、その場で倒れて死んだかのように停止した。

 

 

 

 

危機管理要員「巨大不明生物が停止!突如進行を停止した模様です!」

 

大河内「停止?何だ急に?」

 

 

 

 

ガイ「止まった?死んだのでしょうか?」

 

アスカ「っ!いやまだだ!」

 

倒れた巨大不明生物が起き上がった。すると足が大きくなり、更に胴体から手が生成された。次の瞬間、突然胴体が大きくなり、2足歩行で立った。

 

 

 

 

巨大不明生物「ーーーーーーーーーー!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

矢口「凄い・・・まるで進化だ・・・」

 

 

 

 

 

 

巨大不明生物「ーーーーーーーーーー!!!!!!」

 

顔を上に向けて咆哮を上げた。そして2足歩行で再び進行を始めた。

 

 

 

 

<東京都品川区・品川神社>

 

住民が避難していた。

 

 

 

<同・京急本線 北品川駅>

 

巨大不明生物が京急線の電車を尻尾で薙ぎ飛ばした。それを見た住民達が戦慄した。

 

 

 

<同・八ツ山跨線線路橋>

 

ガイ「彼奴、進化したのか・・・?」

 

アスカ「ガイ、空を見ろ!」

 

ガイ「え?」

 

空を見ると、謎の赤い玉が舞い降りて来た。

 

 

 

危機管理要員「巨大不明生物前方に謎の赤い玉が出現しました!」

 

大河内「赤い玉?」

 

 

 

巨大不明生物は、その赤い玉を見て立ち止まった。そして赤い玉の中から現れたのは。

 

アスカ「あれは・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウルトラ兄弟の1人・ウルトラマンメビウスであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガイ「ウルトラマンメビウスさん?」

 

 

 

 

 

 

危機管理要員「巨大不明生物前方に巨人が現れました!」

 

金井「何だ?あの巨人は?」

 

 

 

巨大不明生物「ーーーーーーーー!!!!」

 

 

 

メビウス「ハァ!!」

 

巨大不明生物に立ち向かうメビウス。キックやパンチなど繰り出す。巨大不明生物はメビウスの攻撃に怯んだ。すると巨大な尻尾でメビウスに攻撃した。

 

メビウス「アアッ!!!」

 

尻尾を喰らったメビウスは飛ばされ、マンションにぶつかり、マンションが崩れた。

 

 

 

危機管理要員「巨大不明生物、巨人を圧倒しています。」

 

大河内「なんて強さだ・・・」

 

 

 

メビウス「ッ・・・!!ヤァ!!!」

 

再び巨大不明生物に立ち向かう。尻尾が迫って来たが、スピンキックで弾いた。巨大不明生物が少し怯んだ。

 

メビウス「ハァ!」

 

その隙にメビュームスラッシュを放ち、巨大不明生物の首に傷が出来た。

 

 

 

 

 

 

そこに飛行隊が来た。

 

貝塚『アタッカー1、こちらCP。送れ。』

 

芦田「CP、アタッカー1。送れ。」

 

貝塚『ホールディングエリア2に前進。別名あるまで待機。送れ。』

 

芦田(あしだ) 第2飛行隊第1小隊長「アタッカー1、了解。」

 

そして、メビウスと巨大不明生物の姿を確認した。メビウスは巨大不明生物と戦ってる。

 

同・小隊長機 射撃手「報告と形状が違います!巨人の姿を確認!」

 

芦田「CP、アタッカー1。目標が報告と違う。巨人の姿を確認。繰り返す。目標と報告が違う。巨人の姿を確認。」

 

貝塚『アタッカー1、CP。駆除作戦は続行。そのまま待機。指示を待て。』

 

 

 

郡山「作戦展開区域の住民避難完了との報告です。」

 

財前「分かりました。花森大臣、何時でも射撃を開始出来ます。」

 

花森「了解しました。総理、本当に始めますよ。良いですね?」

 

大河内「分かっている。やってくれ。ただし巨人は後回しだ。」

 

 

 

 

メビウス「ッ!?」

 

飛行隊に気付いたメビウスが巨大不明生物から距離を置いた。

 

貝塚『アタッカー1、CP。巨人は後回し。巨大不明生物への射撃を開始せよ。射撃開始。繰り返す。射撃開始。送れ。』

 

芦田「CP、アタッカー1。了解。射撃する。目標正面。巨大不明生物頭部。距離300。発射用意!」

 

射撃を開始しようとしたその時。

 

観測手「射撃待て射撃待て!」

 

突然の射撃中断命令。

 

 

 

 

 

金井「何故撃たないんだ!?」

 

 

 

 

 

<陸上自衛隊 観測回転翼航空機 OH-1(ニンジャ)

 

観測手「目標周辺に人影を確認。射線上に住民が居る。」

 

射撃中止命令を出した理由は、避難途中の老夫婦が居たからだった。

 

 

 

<木更津駐屯地 第4対戦車ヘリコプター隊本部>

 

貝塚「まだ人が居る!射撃の可否を問う!」

 

 

 

<朝霞駐屯地 統合任務部隊司令部>

 

山岡「まだ人が居る!射撃の可否を問う!」

 

 

 

<防衛省本省庁舎・中央指揮所>

 

矢島「まだ人が居る!射撃の可否を問う!」

 

 

 

<首相官邸地下 危機管理センター・幹部会議室>

 

財前「人が残ってます。射撃を開始して構いませんか?」

 

花森「総理、撃ちますか?良いですか?」

 

大河内「・・・・・」

 

花森「総理!」

 

大河内「・・・・・・・中止だ。攻撃中止!自衛隊の弾を、国民に向ける事は出来ない!」

 

 

 

貝塚『アタッカー1、CP。攻撃中止!待機維持!送れ!』

 

芦田「了解!射撃中止!待機する!」

 

射撃中止に伴い待機する。

 

 

 

 

ガイ「どうなってるんですか?」

 

アスカ「分からない。」

 

 

 

 

その間にメビウスは、メビウスブレスのエネルギーを解放して、両手を掲げた。

 

メビウス「ッ?」

 

すると何かを見て中断した。それは、巨大不明生物の背中が赤く発光していた。

 

 

 

 

 

 

巨大不明生物「ーーーーーーーーーー!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

そして咆哮を上げたと同時に、その場を去って行った。

 

危機管理要員「巨大不明生物は天王洲運河より離岸!首都高羽田線を破断し、京浜運河から東京湾へ移動中!」

 

そのまま<東京湾>の中へ姿を消した。

 

貝塚『アタッカー1、CP。巨人に照準を合わせろ!送れ!』

 

芦田「CP、アタッカー1。了解。全機巨人に照準を合わせろ!」

 

飛行隊がメビウスに照準を合わせた。

 

メビウス「セヤッ!」

 

巨大不明生物が消えた事を確認したメビウスは、空の彼方へ飛び去った。

 

芦田「CP、アタッカー1!巨人が撤退!繰り返す!巨人が撤退!送れ!」

 

 

 

危機管理要員「巨人はそのまま遥か上空へ去って行きました。」

 

金井「あの巨人は、何だったんだ?」

 

 

 

貝塚『アタッカー1、CP。帰投せよ。送れ。』

 

芦田「CP、アタッカー1。了解。帰投する。」

 

飛行隊が帰投を開始した。

 

 

 

 

 

 

<東京都品川区>

 

アスカ「巨大不明生物が海へ消えたようだな。」

 

ガイ「ええ。けどまさかメビウスさんがここに居るとは。」

 

???「呼んだかな?」

 

後ろから声が聞こえた。振り向くと、1人の青年が立っていた。

 

アスカ「久し振りだな。ウルトラマンメビウス。」

 

メビウス「あなたは、確かウルトラマンダイナ?」

 

ガイ「知ってるんですか?」

 

アスカ「ああ。共にベリアルと戦った仲間だ。メビウス、俺の事はアスカで良いぞ。」

 

メビウス「はい。アスカさん。僕はヒビノ・ミライ。ミライで構いません。」

 

アスカ「ミライ、紹介しよう。彼はクレナイ・ガイ。俺達と同じウルトラマンだ。」

 

ガイ「初めまして。クレナイ・ガイです。ウルトラマンオーブです。」

 

ヒビノ・ミライ ウルトラマンメビウス「君がウルトラマンオーブか。ゼロから話を聞いてるよ。宜しく。僕の事はミライで良いよ。」

 

ガイ「はい。ミライさん。」

 

アスカ「ミライ、お前もこの地球に来たのか?」

 

ミライ「ええ。数日前宇宙をパトロールしていた時、謎の気配を感知したんです。そしてその気配に辿ったら、この地球にやって来たんです。」

 

アスカ「俺達がこうして会うなんてな。」

 

ミライ「ええ。まさに運命の出逢いですね。」

 

2人は、ウルトラマンメビウスこと『ヒビノ・ミライ』と出会った。

 

 

 

 

 

 

<東京都大田区>

 

夜に消防隊が消火活動をしていた。

 

この日以来、巨大不明生物は現れなかった。

 

「続」



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第3章「きょさいたい〜巨災対〜」

謎の巨大不明生物によって、大田区と品川区に甚大な被害が溢れ出た。


巨大不明生物が消えて翌日が経った。

 

危機管理要員A「よって羽田空港は全便が・・・」

 

危機管理要員B「品川消防署管内南品川付近にて新たな火災発生。」

 

危機管理要員C「都内各路線は京急を除いて・・・」

 

アナウンサー「各国首脳から哀悼と意の支援の表明が・・・」

 

危機管理要員「救援物資やスタッフの受け入れを・・・」

 

アナウンサー「東京証券取引書は通常通り取引を行い・・・」

 

JR職員「東海道新幹線は新横浜駅で折り返し運転を・・・」

 

アナウンサー「アメリカ、フランスを始めとする各国の学術的調査団が成田空港や関西空港に降り立ち・・・」

 

危機管理要員「現在浦賀水道を捜索中なるも、目標は未だ発見に至らず海自の横須賀地方隊が・・・」

 

アナウンサーA「昨日の巨大不明生物上陸による死者行方不明者は・・・」

 

危機管理要員「昨日現れた巨人は現在も調査中・・・」

 

アナウンサー「大田区品川区の火災はほぼ沈静化され、現在金井防衛担当大臣を団長とした政府視察団が派遣されており、直接被害状況の確認を行っています。」

 

 

 

 

 

 

<東京都大田区>

 

巨大不明生物による災害現場では、残酷な光景が広がっていた。そこに、巨大不明生物被害政府調査団が派遣された。

 

柳内「上陸からたったの2時間強で、この有り様とは・・・」

 

矢口「いえ、2時間強あっても初期対応に至らず、残念です。」

 

金井「想定外の事案だ。仕方無いだろ。」

 

赤坂「完璧ではないが最善は尽くしている。自惚れるな矢口。」

 

内閣府係員「時間ですので報道関係者の取材を始めます。大臣はこちらへ。」

 

金井「分かった。」

 

調査団はこの場を離れて移動した。矢口は、災害現場に向かって黙祷し、すぐに移動した。

 

 

 

近くのビルの屋上から、ガイとアスカとミライが災害現場を無表情に眺めていた。

 

ガイ「見てるだけで、心が痛みますね。」

 

ミライ「うん。僕も気持ちは分かる。」

 

アスカ「俺もだ。目の前で人が亡くなるのはとても辛い事だ。」

 

 

 

 

 

 

<相模湾沖・大島付近>

 

<海上自衛隊 たかなみ型護衛艦 DD-11(おおなみ)が巨大不明生物を調査していた。

 

航海長「両舷前進強速。」

 

操舵員「両舷前進強速。対潜対水上警戒を厳となせ。」

 

<同・哨戒回転翼航空機 SH-60K(シーホーク)

<吊下式ディッピング・ソナー>

 

巨大不明生物を調査中。

 

 

 

 

 

 

<総理執務室>

 

花森「巨大不明生物は離岸後金谷沖の東京湾底に潜行したと推測されます。」

 

財前「現在、監視態勢を強化し、千葉沖と相模湾の哨戒を海自が遂行していますが、相模トラフに潜伏中となると早期発見は困難です。」

 

大河内「何時また何処に現れるか分からんと言う事か。巨人についてはどうなんだ?」

 

財前「昨日現れた巨人についてはまだ調査中です。分かり次第そちらに連絡します。」

 

大河内「分かった。巨大不明生物の再上陸への備えはどうなんだ?」

 

 

 

 

 

 

<東京都練馬区 陸上自衛隊・朝霞駐屯地 同・統合任務部隊司令部>

 

三木「発見直後、水際での対着防衛作戦では、時間的に即応が困難です。」

 

山岡(やまおか) 統合部隊指揮官(東部方面総監)「上陸地点と進行方向のケース分けで、1次及び2次展開を考慮した作戦を考えるしかないな。」

 

鮫島(さめじま) 東部方面総監部防衛部長「はい。ケース別に特科戦車大隊及びF-2が連動した運用計画を速やかに立案させます。」

 

 

 

 

 

 

その頃ガイとアスカとミライは、<東京湾>を見ていた。

 

ミライ「一体何処から来るんですか?」

 

ガイ「分かりません。もしかしたら別の場所から来る可能性があると思います。」

 

アスカ「そうだな。ガイの言葉に一理ありだ。彼奴は東京湾に消えて行ったから、何処から現れるのか分からないからな。」

 

ミライ「それにしても、巨大不明生物の事で話題を呼んでますが、僕までも話題沸騰中ですよ。」

 

世間では、巨大不明生物及びウルトラマンメビウスが話題となっていた。

 

 

 

 

 

 

<首相官邸3階・エントランスホール 内閣記者会>

 

記者A「にしても防衛拠点が関東近郊に偏ってますね。」

 

記者B「迎撃作戦は首都防衛が最優先だ。まあ、5階からのお達しらしい。」

 

記者A「ここでも地方は後回しですか。」

 

記者B「東京の人口は1300万人強。GNPは約85兆円。日本の17%の水準だ。関東地区に広げると200兆円。40%に当たる。国家の維持を考えた戦略的判断だ。仕方無いだろう。」

 

記者A「国を守るって大変なんですね。」

 

 

 

 

 

 

<首相官邸5階・官房副長官執務室>

 

夜に矢口がある人物と通話していた。

 

矢口「防衛計画は市ヶ谷に任せて官邸内に新たな専従調査班を設置する事になったんだ。」

 

 

 

<東京都港区赤坂・割烹 FUJINOSE>

 

泉「巨災対だろ?君がその事務局長を拝命したと聞いている。出世してるな。良い事だ。」

 

 

 

矢口蘭堂 巨大不明生物特設災害対策本部事務局長 兼務「そのチームの人選を泉に頼みたい。霞ヶ関には顔が広いだろ?」

 

 

 

泉修一(いずみしゅういち) 保守第一党 政調副会長「了解した。首を斜めに振らない連中を集めて渡すよ。」

 

矢口「ああ。骨太を頼むよ。」

 

 

 

 

 

 

その翌日。

 

立川「立川です。」

 

竹尾「竹尾でーす。」

 

官邸職員「せーの。」

 

<首相官邸・2階会議室>

 

職員達が巨災対の準備を進めていた。額縁を撤去し、テーブル、ホワイトボード、ノートパソコン、更に数台のコピー機を配備した。

 

 

 

 

 

 

<巨大不明生物特設災害対策本部(2階会議室)>

 

矢口「巨災対事務局長の矢口だ。本対策室の中では、どう動いても人事査定に影響はない。なので役職、年次、省庁間の縦割りを気にせず、ここでは自由に発言して欲しい。」

 

森文哉(霞ヶ関のはぐれ者) 厚生労働省医政局研究開発振興課長(医系技官)「と言う事だ。まあ便宜上私が仕切るが、そもそも出世に無縁な霞ヶ関のはぐれ者一匹狼変わり者オタク問題児鼻つまみ者厄介者学会の異端児。そう言った人間の集まりだ。気にせず好きにやってくれ。っで推定された基本スペックはこれだ。各省で確認してくれ。」

 

基本スペックをテーブルの上に置いて、メンバーが拝見する。そこには巨大不明生物に関する基本情報が載ってあった。

 

竹尾「これだけですか?」

 

森「それだけだ。その先を調べるのも我々の仕事だ。他に何か基礎情報があれば共有しておきたい。」

 

矢口「因みに昨日の有識者会議では、あまりにも常識から外れ過ぎていて何も分からないと言う結論だったそうだ。」

 

間邦夫(学会の異端児) 国立城北大学大学院生物圏科学研究科准教授「確認された形状を簡単に整理してみた。第1形態、第2形態、そして第3形態だ。今後も変態を遂げると思われる。」

 

志村「まだ次もあるのか。」

 

安田龍彦(オタク) 文部科学省研究振興局基礎研究振興課長「後、先日採取した体液のサンプルはうちの理研で分析中です。」

 

尾頭ヒロミ(一匹狼)「サンプルがあるならうちにも回して下さい。外郭施設に手伝わせます。」

 

安田「それが残りのサンプルは全部米国が持ってっちゃいました。」

 

袖原泰司(厄介者) 防衛省統合幕僚監部防衛計画部防衛課長「現場の残液は腐敗臭が酷いと言う名目で全て焼却処分されたそうだ。」

 

小松原潤(問題児) 外務省総合外交政策局長「ああそれ、裏で米国の圧力があったらしいよ。」

 

尾頭「分かりました。分析は理研に任せます。」

 

森「他、行動生物学的にも何かないか?」

 

安田「行動パターンと言っても、奴はただ移動してるだけです。なので思考も特定出来ません。」

 

間「知能レベルも不明だが、我々とのコミュニケーションは無理だろうな。」

 

森「巨人について何か分かる奴は居ないか?」

 

尾頭「いえ、まだ巨人の詳細や正体すら掴めていません。」

 

立川始(変わり者) 資源エネルギー庁電力・ガス事業部原子力政策課長「素朴な疑問なんだが、あれのエネルギー源は何なんだ?」

 

安田「確かに身体の活動だけではなく基礎代謝だけでもかなりのエネルギー量が必要です。消化器官による酸素変換では消費量や動作効率が説明出来ませんね。」

 

尾頭「あれだけのエネルギー・・・まさか核分裂?」

 

すると周りが尾頭の方を向いた。

 

安田「フッ。冗談ポイです尾頭さん。」

 

すると尾頭が安田を睨んだ。

 

安田「あり得ませんよ。」

 

 

 

 

 

 

<東京都新宿区>

 

ガイ「巨災対ですか。」

 

アスカ「ああ。政府が設立した巨大不明生物に対抗する為の組織らしい。」

 

ミライ「もしかしたら、僕達ウルトラマンにも対抗するんでしょうか?」

 

アスカ「それは様子を見ないと分からないな。今の所巨大不明生物について集中してるらしい。」

 

 

 

 

 

 

<神奈川県・横須賀港>

 

米空母が出港していた。その事はすぐに矢口の耳に入った。

 

矢口「横須賀の米空母が緊急出港?」

 

郡山「そうだ。先程横須賀市の放射線モニタリングポストに反応があるとの報告が入った。」

 

矢口「分かりました。至急原子力規制庁に確認します。」

 

 

 

 

 

 

<東京都港区 原子力規制庁・監視情報課>

 

根岸「はい。上から止めらているので公表を差し控えていますが、都内各地の放射線モニター空間線量に警備な上昇が認められます。」

 

矢口「何処から漏れてると考えられますか?原発ですか?」

 

根岸達也(ねぎしたつや) 原子力規制庁監視情報課長「いえ、全国全ての原子力施設での放射性物質のリークは確認されておりません。」

 

矢口「じゃあ発生源は何なんだ!」

 

そう考えてるその時。

 

安田「わあっ!!」

 

突然安田が叫んだ。

 

安田「わあっ!!わあ・・・こんなんアリか!!」

 

矢口「えっ?」

 

すぐに間にデータを見せた。

 

尾頭「このサーベイデータってあの巨大不明生物の移動ルートよ完全に一致しています。」

 

サーベイデータを矢口に見せる。安田もデータを矢口に見せた。

 

安田「見て下さい!ほら。」

 

矢口「・・・・尾頭さんの言う事が正しかったと言う事か。」

 

安田「ごめんなさい。」

 

 

 

 

 

 

<昭和記念公園>

 

アスカ「ネットでも結構話題沸騰しているな。」

 

ガイ「ですね。放射線がかなりばら撒かれてますからね。」

 

ミライ「そうだね。」

 

 

 

 

 

 

TwitterやFacebookでは、放射線や巨大不明生物の事で話題沸騰中だった。

 

尾頭「既に一般市民の間でも情報がかなり広がっていますね。」

 

矢口「長官室へ行く。赤坂補佐官と森戸さんに連絡してくれ。」

 

 

 

 

 

 

<首相官邸5階・官房長官執務室>

 

東「面倒だなこれは・・・」

 

矢口「だからこそ長官か総理が直ちに会見を開くべきです。」

 

森戸柊志(もりとしゅうじ) 内閣官房副長官(事務担当)「とは言え、発生源は特定出来ず、先の生物との関連性も不明のままの公表発表は悪戯に不安を煽る事になります。」

 

赤坂「行政が避難指示を出す線量値でもない。すぐに政府が動く法的根拠もありません。」

 

矢口「しかし、幾ら軽微とは言え、放射性物質の案件です。会見を急ぐべきです。」

 

東「そうだな、私がやろう。総理には話しておく。5分で良い。この後総理レクを入れてくれ。」

 

 

 

 

 

 

<日米首脳電話会談>

 

大河内「Yes.President Ross.I understand.Thank you.」

 

米国のロス大統領の電話会談が終了した。

 

大河内「一方的な注文ばかりだな。かの国は・・・」

 

 

 

 

 

 

<東京都練馬区>

 

ガイとアスカとミライが銭湯でゆったりしていた。

 

 

 

 

 

 

<首相官邸廊下>

 

赤坂「米国大統領次席補佐官が密かに来日。非公式な会談を総理に望んでいる。」

 

矢口「動きが性急過ぎますね。」

 

赤坂「ああ。次席補佐官は既に横田を出てここに向かっている。外務省北米局が大慌てだ。同行の大統領特使がお前にアポを取ったとの情報も入っている。」

 

矢口「僕に?何故です?」

 

 

 

 

 

 

<官房副長官執務室>

 

ある人物が訪れた。

 

カヨコ・アン・パタースン 米国大統領特使「現政権のレポートを読んで私が判断したの。過去も興味深い。使えそうな人物としてランドウ・ヤグチがベダーな選択。不服でも?」

 

矢口「いえ、そうでしたら赤坂首相補佐官が適任かと思いますが。」

 

カヨコ「ああ、彼が断ったから次点にあなたにしたの。何をしても良いけど私に汚点を残さない仕事をして。この当該人物を探して欲しい。」

 

書類が入った封筒を渡した。

 

矢口「その理由は何ですか?」

 

カヨコ「ここに上陸した生物の存在を数年前から予言していた人物。今はそれで十分でしょ。7日前に成田に降りた時点までは把握している。」

 

封筒の中には、1人の老人の個人写真が入っていた。

 

矢口「ゴロウ・マキ、日本人・・・元大学教授。」

 

ゴロウ・マキ。本名『牧悟郎』。

 

カヨコ「この国の捜査機関は優秀だそうね。期待してる。」

 

矢口「その対価は何ですか?」

 

カヨコ「彼の情報をトレードして我々の蓄積情報をあなたに渡す。ただし、第三国にインテリジェンスは流さない。日米仲良く。そう、ウィンウィン。」

 

矢口「分かりました。引き受けましょう。」

 

カヨコ「ありがとう。友人のパーティーから横田基地まで直行だったので着替えを用意する時間も無かった。・・・ZARA(ザラ)は何処?」

 

 

 

 

 

 

<官房長官執務室>

 

東「カヨコ・アン・パタースン。随分若いな。」

 

赤坂「年齢より才能を見るのがあの国の良い所です。おまけにパタースン上院議員の長女です。」

 

東「カーン合意、黒幕の娘か。手強そうだ。親からの才能と七光りでのし上がる。君には苦手なタイプだな。」

 

赤坂「いえ、親のコネも臆する事なく利用する。矢口と同じ政治家タイプです。」

 

 

 

 

<東京都新宿区>

 

その頃ガイはラムネ、アスカはコーヒー牛乳、ミライは牛乳を飲んでいた。

 

ガイ「ふぅ・・・どうですか?巨大不明生物の情報は。」

 

アスカ「未だに無いな。」

 

ミライ「そう簡単に分かる訳は無いですものね。」

 

 

 

 

 

 

<東京都千代田区・中央合同庁舎第2号館>

 

<警察庁長官官房長・執務室>

 

本部「こんな時に人探しですか。」

 

沢口龍彦(さわぐちたつひこ) 警察庁長官官房長「矢口副長官からだ。彼の先代には世話になった。最優先で頼む。鑑取りにどれだけ人を割いても構わん。人的情報はこれだけだ。」

 

本部(もとべ) 警察庁刑事局長「・・・日本から追い出されるように米国研究機関に移籍した異端の老教授。生物学者なのにエネルギー関連の研究機関に帰属。面白い老人ですね。レッドノーティスですか?」

 

沢口「いや、生活拠点の特定までだ。後はNSAだがCIAだかが引き継ぐらしい。こちらに迷惑は掛けないそうだ。」

 

 

 

 

 

 

<官房副長官執務室>

 

矢口「元教授の最後の足取りです。」

 

カヨコ「さっすがお婆ちゃんの国仕事が速い!」

 

矢口「先日来行方不明。羽田沖で漂流していた彼の小型船が無人状態で海保に保護されています。」

 

あの時漂流していたプレジャーボートの所有者は牧悟郎だった。志村が矢口に牧教授の遺品を渡した。

 

矢口「パタースン特使、あなたが捜していたのは元教授ではなくこちらでは?」

 

カヨコ「ええ。そっちもね。」

 

矢口「私は好きにした。君らも好きにしろ。

 

遺品に遺書らしき言葉が書かれてあった。

 

矢口「遺書と見るべきか。中身の確認が必要ですか?」

 

カヨコ「必要ない。」

 

ボディガードがカヨコにファイルを渡し、そのファイルを矢口に渡す。

 

カヨコ「信用してる。印刷は特殊インク。コピーは不可能よ。」

 

矢口「写真は撮れます。対策チームには共有させます。」

 

受け取ったファイルにはある文字が書かれてあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

矢口「Godzilla(ゴジラ)?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは、『GODZIILA』と言う文字だった。

 

カヨコ「そう。米国エネルギー省のコードネーム『GODZILLA』。彼が英語で名付けていた。」

 

遺品には『呉爾羅(ごじら)』と言う漢字が書かれてあった。

 

矢口「呉爾羅・・・どう言う意味だ?」

 

すぐに志村が呉爾羅と言う意味をスマホで調べた。

 

志村「1つだけヒットしました。元教授の故郷の大戸島で、『神の化身』を意味する言葉だそうです。」

 

カヨコ「荒ぶる神。彼が英語表記でGODを付けたと聞いている。」

 

矢口「言い難いな。日本名は本来の『ゴジラ』にしよう。」

 

 

 

 

 

 

<総理執務室>

 

東「ゴジラ・・・ですか。」

 

赤坂「こんな時に名前なんか、どうでもいいでしょう。」

 

大河内「まあ米国に由来があるならそれも良いじゃないか。名前は付いている事が大切だ。」

 

 

 

 

 

 

アナウンサー「先程政府首脳が非公式に巨大不明生物を、『ゴジラ』。ゴジラと呼称するとの談話を発表しました。」

 

このニュースを3人が観ていた。

 

ガイ「ゴジラですか。」

 

アスカ「ああ。さっき政府が発表した。非公式だけどな。名前はあった方が良いじゃないのか?」

 

ミライ「ゴジラ、確かにそうですね。名前が付けば誰でも分かる気がします。」

 

 

 

 

 

 

<東京都千代田区・国会前庭(北地区)>

 

早船「牧悟郎。元城南大学統合生物学教授ね。」

 

志村「どう言う人物か調べて欲しい。記事にして良い時が来たら早船さんに独占させるので宜しくっと、うちの先生が言っていました。」

 

早船達也(はやふねたつや) 記者(フリージャーナリスト)「はい。分かってますよ。」

 

 

 

 

 

 

<官房副長官執務室>

 

その日の夜に矢口達がある資料を見ていた。

 

矢口「今から60年前、各国の放射性廃棄物の無秩序な海洋投棄の資料ですか。・・・・・まさか・・・・・ゴジラが食べた?」

 

カヨコ「Yes.それがDOEの出した結論。」

 

 

 

 

 

 

<巨災対本部>

 

メンバーに資料を渡した。

 

カヨコ「放射性廃棄物を餌とする生物の存在に気付いたDOEが調査分析を嘱託機関に依頼。その中心人物がマキ元教授だった。太古から生き延びた海洋生物が奇跡的に生き永らえていた生息地域に、偶然大量の放射性廃棄物が海中投入され、その影響下で生き残る為、放射線に耐性を持つ生物へと急速に変化した。それがGodzillaに関する彼の仮説。」

 

尾頭「しかしパタースン特使。上陸したゴジラは当時の推定体長を遥かに上待っています。」

 

カヨコ「Yes!それに水生生物から陸上生物への急激な突然変異。今のGodzillaはDOEの情報を超えた状態で私にも説明が付かない。私の権限で知りうる情報はここまで。ここからは、Personal service。」

 

ボディガードの男がテーブルに巨大な資料を置いた。そこに記されていたのは、謎の物質と思われる物が複雑に大量に記されていた。安田がスマホで撮ろうとしたが。

 

森「おい!」

 

止められた。

 

矢口「牧元教授の遺品ですか?」

 

カヨコ「Uh-huh。」

 

矢口「さっぱり分かりませんね・・・」

 

間「新元素による分子配列でもない。一体ゴジラの何なんだ?」

 

カヨコ「私も専門外でよく理解出来てないけど、構造レイヤーの解析表らしいの。彼が本国に残していた最終データには意図的な空白があり会席不能だった。やはりこれと合わせると完全版になるみたい。」

 

矢口「我々も解析を試みます。宜しいですね?」

 

カヨコ「Sure。どうも日本語の敬語が苦手なの。そろそろタメ口にしてくれる?」

 

矢口「では遠慮なく。米国はゴジラをどうする気だ?研究対象かそれとも駆逐対象か?」

 

カヨコ「それは大統領が決める。あなたの国は誰が決めるの?」

 

 

 

 

 

 

<内閣総理大臣大河内清次・花押>

 

内閣総理大臣及び総務財務両大臣講義、被害者救済と復興の特別法律案閣議決定所。

 

 

 

 

 

 

<首相官邸4階・廊下>

 

官僚A「ようやく被害者救済とは復興の特別法案が閣議決定か。」

 

官僚B「ゴジラ関連法案も中々各省庁間のサブ調整が難しい。」

 

官僚C「前例のない案件なので組織令も曖昧だ。面倒を嫌った消極的権限争いも無理ないよ。」

 

 

 

 

 

 

<首相官邸2階・廊下>

 

澁沢「機密保護案件だけでは紙爆弾もなく早かったな。」

 

尾高「外務省のゴリ押しだ。何時もの圧力があったらしい。」

 

弓成「情報は独占している事に価値がある。米国もゴジラ情報をこの先外交的手段として利用したいからな。」

 

澁沢「ホワイトハウスとやり合うなら、駆け引きの上手い赤坂補佐官に期待するしかないよ。」

 

 

 

 

 

 

<神奈川県川崎市・東洋原子力研究所>

 

根岸「現場で回収された放射物質の分析結果です。検出されたガンマ戦の波長が既存のそれと一致しません。大発見ですよ。ゴジラでしたっけ?その体内には未知の新元素が存在しています。」

 

赤坂「DOEも絡んだ米国の素早い動きはこれが事由か。データを対策室に。総理に連絡だ。」

 

秘書官「はい。」

 

 

 

 

 

 

<総理執務室>

 

大河内「分かった。放射能とはまた面倒な話だ。で・・・・何処まで言って良いんだ?」

 

 

 

すぐに記者会見を開いた。

 

大河内「ゴジラの通貨経路で回収された物質を分析した結果、被災地付近で『0,5μSv(マイクロシーベルト)』と言う・・・・」

 

 

 

 

 

 

<東京都台東区>

 

ミライ「マイクロシーベルトですか。」

 

アスカ「かなり危険な物質が検出されたもんだな。」

 

ガイ「この量でも、人体に影響を与えてしまう事は確実ですね。」

 

 

 

 

 

 

<巨災対本部>

 

森「ごちそうさまでした。・・・・しかし米国の情報供与等があったもののここに来てあれだな、色々と手詰まりになってきた感があるな。」

 

安田「ですね。理研の報告はインパクトありましたからね。まさかゴジラに人類の8倍もの遺伝子情報があるとは。」

 

根岸「シークエンスの作業だけで何年掛かるか分からない情報量ですよ。」

 

尾頭「これでゴジラがこの星で最も進化した生物と言う事実が確定しました。」

 

間「ゴジラは世代交代ではなく、1個対のまま劇的な進化を続けてる。まさに人知を超えた完全生物だ。」

 

袖原「とは言えゴジラは生き物だ。ならば必ず倒せる。」

 

間「だと良いんだが・・・」

 

森「それを探るのも我々巨災対の仕事ですよ。生体情報だけでなく行動にも何かヒントは無いか?」

 

安田「とは言え歩くだけですよ。」

 

竹尾「そう言えば先の上陸時、何故急に東京湾に戻ったんだ?」

 

その言葉を聞いた間が閃いた。

 

間「そうか。冷えてないんだ。」

 

 

 

 

 

 

<官房副長官執務室>

 

間「ゴジラは恐らく体内に原子炉のようなシステムを有していて、背びれ等から常時放熱してる。だがそれは余熱調整の補助でメーンは血液流の冷却機能としてる可能性が非常に高い!」

 

安田「だから最初の形状変態時は体温調整が上手く働かず一時的に退化し、海中に戻ったと推測出来ます。」

 

根岸「そこから考えられる即応可能な唯一の対処方法が、体内冷却システムの強制停止です。」

 

尾頭「停止されるとゴジラは生命維持の為水から反応炉をスクラム状態にせざるを得ないと思われます。その過程で急速な冷却を必要とするので死に至るかは不明ですが、少なくとも活動の凍結は可能です。」

 

町田一晃 経済産業省製造産業局長「その為の血液凝固促進剤の経口投与の可能性を模索すべきと考えます。」

 

矢口「ゴジラは直立歩行携帯になっている。出来るのか?」

 

袖原「具体的な実行方法は朝霞で立案します。経口投与には民間の高圧ポンプ車が使えそうです。」

 

竹尾保(鼻つまみ者) 国土交通省危機管理・運輸安全政策審議官「必要な凝固剤や特殊車両等は、厚労省、経済省、うちの役所で各自手配して全国からかき集めます。」

 

森「これを矢口プランとして総理への提案をお願いします。」

 

矢口「分かった。名前は兎も角、進めてくれ。」

 

一同「はい。」

 

 

 

 

 

 

その頃外では。

 

デモ隊A「ゴジラを倒せ!」

 

デモ隊B「ゴジラは神だ!」

 

デモ隊A「ゴジラを倒せ!」

 

デモ隊B「ゴジラを守れ!」

 

ゴジラ討伐とゴジラ信者の両デモ隊が対立していた。ガイとアスカとミライは、近くのビルの屋上からデモ隊を見ていた。

 

ガイ「随分と賑やかですね。」

 

アスカ「ゴジラを討伐とゴジラの信者達がそれぞれデモを結成したらしいな。」

 

ミライ「やはり、ゴジラはこの地球では神の存在なんでしょうか?」

 

アスカ「俺達は邪悪な疫病神にしか思えないな。」

 

ガイ「今の所まだ出現場所はないですね。」

 

それから数日が経ち、ゴジラはまだ現れてない。

 

 

 

 

 

 

<官房副長官執務室>

 

官邸職員の女性が矢口にお茶を出した。

 

官邸職員「ご苦労様です。」

 

矢口「ああ、何時もありがとう。」

 

他のチームにお茶を出した。

 

志村「ありがとうございます。」

 

矢口「皆、少し休むか。」

 

一同「はい。」

 

森は愛する家族にメールを送った。安田はまだ仕事をし、間は汗を拭き、尾頭はお茶を淹れる。

 

<矢口官房副長官秘書官室メンバー>

 

志村「頼んでもないのに黙々とやれる事をやって、家庭があるだろうから帰って良いですよと言っても帰らず、或いは帰ってもまた早朝に手料理を持って出勤してくれたりしています。マジ感動ですよ。」

 

津秋「ゴジラ関連法案の整備も泉政調副会長の調整もあって、各省が所管に囚われずよくやってくれています。」

 

檜山「担当部署以外のメンバーも沢山の志願者が参加して、不眠不休で頑張ってます。」

 

矢口「そうだな。この国はまだまだやれる。そう感じるよ。」

 

志村「しかし副長官。そのシャツは何時から着ているんですか?」

 

矢口「うん?」

 

尾頭「正直、服も部屋も少し臭います。」

 

矢口「そうか?」

 

尾頭「シャワーくらい浴びても、宜しいかと思います。」

 

矢口は自分のシャツを嗅いだ。

 

 

 

 

 

 

<官房副長官執務室>

 

シャワーを浴びた谷口が仮眠を取った。するとそこに秘書官の志村が入って来た。

 

志村「副長官!1分前にゴジラが相模湾から出現!鎌倉に再上陸します!」

 

「続」



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第4章「タバ〜作戦〜」

巨災対を設立した政府。事務局長の矢口にゴジラ再上陸の報せが来た。


<神奈川県鎌倉市・稲村ガ崎>

 

ゴジラ現れた。しかし以前に見た形状とは違い、身長がでかくなり、体は黒と赤。更に巨大な尻尾を持ってる。

 

 

 

 

 

 

<首相官邸・地下 危機管理センターオペレーションルーム>

 

危機管理要因『J-ALART発動。巨大不明生物上陸警報を一斉に伝達。Em-Netによる第一次情報の通知及び送信を完了しました。』

 

 

 

 

 

 

<神奈川県鎌倉市>

 

防災行政無線『こちらは防災かまくらです。』

 

遂にゴジラが上陸を果たした。

 

防災行政無線『ただ今政府により、巨大不明生物出現による緊急避難警報が発令されました。市民の皆さんは、警察、消防の指示に従い・・・』

 

住民や観光客達が一斉に避難を開始した。ガイとアスカとミライは、ゴジラ上陸の速報を耳にした。

 

ガイ「鎌倉市にゴジラが!?」

 

アスカ「ああ。先程上陸したニュースが流れた。」

 

ミライ「ここに来るんですか?」

 

アスカ「可能性はあるな。」

 

 

 

 

 

 

<幹部会議室>

 

大門「総理入ります!」

 

 

 

 

 

 

<神奈川県鎌倉市>

 

ゴジラがゆっくりと前進している。住民や観光客達が避難を続けている。そしてゴジラの足音と同時に、民家の屋根の瓦が崩れたりもした。

 

 

 

 

 

 

<幹部会議室>

 

防衛省リエゾン「目標は鎌倉市街を抜け、釜利谷方面へと進攻する模様。」

 

柳原「おい、初上陸よりかなりでかくなってないか?」

 

金井「ああ、全く想定外の大きさだ。」

 

国平「顔や姿も丸で違うぞ。」

 

矢口「ええ。身長が2倍近くになっています。更に進化したゴジラ第4形態です。」

 

 

 

このゴジラは第4形態まで進化していた。

 

 

 

関口「こいつは大事になりそうだ・・・」

 

ゴジラは前方の民家やビルを壊しながら進攻していく。

 

 

 

 

 

 

<神奈川県横浜市磯子区・洋光台>

 

消防隊員『該当地区以外の住民は屋内待機です。許可のない外出は法律で禁じられています。』

 

アナウンス『当地区は、避難該当区域に指定されました。』

 

該当地区の住民は避難し、該当地区以外の住民はすぐに屋内待機をした。

 

ゴジラは民家を壊しながらゆっくりと前進する。

 

 

 

 

 

 

<幹部会議室>

 

防衛省リエゾン「巨大不明生物、3時間以内に再び都内侵入の可能性大。」

 

佃駒人(つくだこまひと) 法務大臣「何でまたこっちに来るんだ!」

 

 

 

 

 

 

<神奈川県川崎市川崎区・扇町>

 

サイレンが発令された。

 

 

 

<武蔵小杉駅内>

 

ガイとアスカとミライは、ゴジラ出現に備えて隠れて待機していた。

 

ミライ「アスカさん、ゴジラが来たらどうしますか?」

 

アスカ「政府が自衛隊を出す可能性はあるだろうな。ゴジラが自衛隊にやられたら大丈夫だが、自衛隊がもしゴジラを倒せなかったら、俺達の出番だ。」

 

ガイ「分かりました。」

 

 

 

 

 

 

<幹部会議室>

 

葉山「配布資料にある通り、攻撃に際し体内の放射性物質の拡散等のリスクが存在しますが、再び首都蹂躙を許す訳にいかず、ここは進攻阻止を優先すべきと考えます。」

 

河野「ゴジラは放射性物質が補給源と聞く。もしも原子力関連施設を襲われたら、ゴジラより大変な事になる。総理、今の内に叩くべきです。」

 

葉山「総理、海外から弱腰と見られる事態も避けたいと考えます。」

 

大河内「例の矢口プランの進捗はどうなってる?」

 

矢口「残念ながら実行に至るまではまだ・・・」

 

花森「総理、命令があれば自衛隊は市街地でも徹底的にやります。」

 

東「災害緊急事態の布告は今も継続中です。攻撃は総理のご意志で決まります。」

 

赤坂「総理。」

 

大河内「分かっている。始めてくれ。」

 

花森「分かりました総理。市ヶ谷に連絡を。」

 

財前「はい。」

 

 

 

 

 

 

<統合任務部隊司令部>

 

矢島「総理から新たな作戦の実施が下命された。武器使用は無制限までを想定。防衛大臣からは、いざとなったら徹底的にやれ。必ず都内侵入前に駆除せよとの事だ。」

 

高須「神奈川上陸の場合はB号計画となります。」

 

山岡「よし。川崎側を主戦場とする駆除作戦、B-2号を発動せよ。」

 

三木 東部方面総監部幕僚長「了解。多摩川を絶対防衛ラインを想定するB-2号、<タバ作戦>を開始!」

 

 

 

 

 

 

遂に<タバ作戦>が実行された。

 

 

 

 

<青森県三沢市 航空自衛隊・三沢基地>

 

パイロットA「Taxi to holding point B1.Runway10.」

 

パイロットB「Runway10.cleared foe taleoff.」

 

<航空自衛隊戦闘機・F-2(エフツー)が出撃した。

 

 

 

 

 

 

<千葉県木更津市 陸上自衛隊・木更津駐屯地>

 

戸川ヘリ隊長「Attacker formation will report 5 mile west.」

 

 

 

<東京都立川市 陸上自衛隊・立川駐屯地>

 

アパッチ第3小隊長「P03(マルサン)04(マルヨン)。立川離陸1526。」

 

 

 

 

 

 

<東京都大田区 多摩川丸子橋緑地>

 

戦車隊の配置準備が進んでいる。

 

通信員A『戦車及び特科大隊、丸子橋方面へ配備中。』

 

通信員B『了解。射撃準備態勢に移れ。』

 

 

 

 

 

 

<幹部会議室>

 

花森「頼んだわよ・・・」

 

 

 

 

 

 

<東京都大田区・多摩川浅間神社>

 

通信員C『会敵予想時刻まで後8分。』

 

1等陸士「本当にここで実戦なんですね。」

 

陸士長「緊張すんな。訓練通りやれば良い。」

 

 

 

 

 

 

<多摩川浅間神社境内・タバ戦闘団前方指揮所>

 

西郷(さいごう) タバ戦闘団長(第1普通科連隊長)「目標は体内に放射性物質を有している。よってこの攻撃は頭部と脚部のピンポイントのみとする。改めて全部隊に徹底させろ。」

 

通信員C「目標接近!会敵予想時刻まで後3分!」

 

通信員D『第1から第4対戦ヘリ小隊、間もなく現着。』

 

 

 

 

 

 

<陸上自衛隊・対戦車ヘリ中隊>

 

武蔵小杉駅上空に現着した。

 

ガイ「お2人方、自衛隊が来ました。」

 

ミライ「遂に戦闘が始まるんですね。」

 

アスカ「ああ。ゴジラとどう戦うのか。」

 

 

 

 

西郷『C01、こちらCP。送れ。』

 

戸川ヘリ隊長『CP、C01。送れ。』

 

西郷『C01、CP。P01は武蔵小杉駅上空BP1にて待機。P02から04はビル郡後方、ホールディングエリア2にて待機。送れ。』

 

<神奈川県川崎市・武蔵小杉駅付近>

 

戸川ヘリ隊長『CP、C01。BP1進入。目標との距離約1200。送れ。』

 

西郷『了解。待機を維持せよ。送れ。』

 

 

 

 

 

 

<幹部会議室>

 

防衛省エリゾン「対戦ヘリ小隊による威力偵察準備完了。」

 

郡山「全該当地区の避難完了を確認しました。」

 

大河内「郡山君、今度は本当だな。間違いないな?」

 

郡山「私は現場の勧告を信じるだけです。」

 

財前「目標、依然進行中です。」

 

花森「総理、武器使用の承認をお願いします。」

 

大河内「武器の使用を・・・・・・許可する。」

 

 

 

 

 

 

<統合任務部隊司令部>

 

鮫島「総理の下命を確認しました。」

 

山岡「射撃を許可する。射撃開始!送れ!」

 

西郷「タバ作戦フェイズ1を開始する。射撃開始。繰り返す。射撃開始。送れ。」

 

 

 

 

<武蔵小杉駅付近>

 

戸川(とがわ) 第4対戦車ヘリコプター隊長『CP、C01。了解。射撃する。発射用意・・・発射!!』

 

対戦車ヘリ中隊が、ゴジラの頭部に向けて機関砲を一斉発射した。しかしゴジラの頭部は硬かった為、通用しなかった。

 

通信員「機関砲全弾命中!しかし効果を認めず!」

 

 

 

西郷「アパッチを30ミリに切り替えろ。もう少し様子を見る。」

 

 

 

<陸上自衛隊 戦車回転翼航空機 AH-64D(アパッチ)

 

一斉に30ミリ機関砲を発射した。しかしゴジラの頭部は予想以上に硬かった。

 

通信員D『ニンジャACP。威力偵察。第3波展開中。効果を報告せよ。』

 

観測手「第3小隊攻撃続行中。目標健在。未だ効果無し!」

 

 

 

三木「16000発の機関砲を食らい続けて、傷ひとつ付かんとは・・・」

 

山岡「市ヶ谷と官邸に連絡。」

 

 

 

<武蔵小杉駅>

 

ガイ「なんて奴なんだ・・・」

 

ミライ「アスカさん。」

 

アスカ「よし。ガイ、ミライ。行くぞ。」

 

ガイ・ミライ「はい!」

 

 

 

<幹部会議室>

 

財前「東部方面総監が、誘導弾の使用許可を求めています。」

 

花森「人口密集地ですが止むを得ません総理。ミサイルの使用を許可しましょう。」

 

大河内「今より武器の無制限使用を・・・・・・・・許可します!」

 

 

 

 

 

 

西郷『C01、CP。攻撃を誘導弾に切り替える。発射準備完了次第、全弾射撃。送れ。』

 

戸川ヘリ隊長『了解!P01から04、誘導弾全弾発射!目標正面、巨大不明生物。距離700。発射用意・・・発射!』

 

誘導弾ミサイル『AGM-114(ヘルファイア)』と『TOW(トウ)ミサイル』を一斉発射した。

 

戸川ヘリ隊長『TOW!ヘルファイア!全弾発射!』

 

ヘルファイアとTOWを全弾、ゴジラ頭部に命中した。全弾命中したにも関わらず、ゴジラは平然としていた。

 

 

 

<幹部会議室>

 

全員が驚愕した。

 

花森「誘導弾全弾命中。しかし目視による損傷、確認出来ません。」

 

金井「ミサイルでも死なないのか?」

 

菊川「何て奴だ!」

 

 

 

三木「目標の外皮硬度は予想以上です・・・」

 

山岡「作戦をフェイズ2に移行する。」

 

西郷「タイガー1、CP。タバ作戦フェイズ2を開始。射撃開始。繰り返す。射撃開始。送れ。」

 

 

 

<陸上自衛隊・10(ヒトマル)式戦車>

 

岡野大隊長『了解。タイガー。こちらタイガー1。射撃開始。射撃開始!』

 

<同・第1戦車中隊>

 

砲口をゴジラに向けた。

 

池田(いけだ) 第1戦車中隊長『10、目標正面の敵脚部。対留。中隊集中。指命。10。各車、射撃開始!』

 

照準をゴジラ脚部に集中した。

 

池田「距離良し!撃て!」

 

戦車隊が滑腔砲を一斉発射した。全弾ゴジラ脚部に命中した。

 

池田「命中!続いて撃て!」

 

滑腔砲を止めずに撃ち続けた。するとゴジラに異変が。

 

 

 

観測員「目標、移動速度が低下した模様!」

 

西郷「よし!このまま押すぞ!特科大隊攻撃開始!」

 

 

 

<陸上自衛隊 99(キュウキュウ)式自走・155mm榴弾砲>

 

ゴジラに向けて一斉発射した。

 

 

 

FDC通信員「弾着10秒・・・8、7、6、5、4、3・・・弾着!今!」

 

ゴジラ頭部に弾着した。

 

観測班長「全弾命中!」

 

砲班中隊長「斉射用意!撃て!」

 

<陸上自衛隊 96(キュウロク)式多目的誘導弾システム>

 

こちらも発射した。全てゴジラ頭部に命中した。戦車隊が移動しながら滑腔砲を発射する。全弾がゴジラ頭部及び脚部に命中した。

 

観測員「目標、堤防敷を越え、多摩川河川区域に侵入!」

 

西郷「御殿場と特科に伝達!攻撃開始!」

 

 

 

 

 

 

<静岡県 陸上自衛隊・富士駐屯地>

 

<多連装ロケットシステム 自走発射機・M270 MLRS>

 

一斉発射した。

 

 

 

 

 

 

その頃ゴジラは多摩川に侵入していた。

 

防衛部員『目標!進行を停止!』

 

山岡「作戦をフェイズ3に移行。直ちに航空攻撃を開始。」

 

池田中隊長『10各車!こちら10!フェイズ3に移行!全車陣地変換!繰り返す!全車陣地変換!』

 

戦車中隊はすぐに退却した。

 

 

 

FAC『Cleared attack.』

 

パイロット『Cleared attack.Fire.Ready・・・now.』

 

F-2がJDAM(ジェイダム)を装着した爆弾を投下した。

 

パイロット『Bombs away.Laser on.』

 

FAC『Lasing.』

 

爆弾がゴジラに命中し空爆した。

 

空自観測員『Completed!』

 

空爆の爆風が巻き起こった。

 

ガイ「くっ!」

 

アスカ「っ!!」

 

ミライ「うわっ!」

 

3人は爆風に巻き込まれたが、すぐに体勢を直してゴジラに向かって走る。そしてゴジラに新たな異変が。

 

観測員『目標、進路を北西へ転進!繰り返す!北西へ転進!』

 

 

 

 

<幹部会議室>

 

関口「向きを変えた?」

 

河野「空爆が効いたのか?」

 

花森「JDAMの第2波行きます。」

 

国平「よし。これでトドメだ。」

 

 

 

 

F-2が再びJDAMを投下して、ゴジラに全て命中させた。

 

 

 

 

<幹部会議室>

 

一同「おお!」

 

金井「やったか!」

 

 

 

 

 

 

しかし、黒煙の中から丸子橋が蹴り飛ばされた。

 

 

 

 

 

 

村崎(むらさき) 第2戦車中隊長「全車退避!全速後退!」

 

全戦車が全速力で退避する。蹴り飛ばされた丸子橋は、多摩川に落下し、そのまま市街地に向かって倒れ始めた。タバ戦闘団前方指揮所が落下した衝撃で崩れてしまった。全戦車が後退したが、池田が乗った戦車が巻き込まれてしまった。そしてゴジラは、あれだけの攻撃を受けたにも関わらずまだ健在だった。

 

西郷「退避!!退避!!」

 

一同「退避!!退避!!」

 

戦車の半分は大破されたが、パイロット達は重軽傷を負った。池田は辛うじて救出された。

 

観測員「目標!多摩川を越え東京都に侵入!」

 

戸川ヘリ隊長『ACP!C01!全機、全火器残弾無し!繰り返す!全火器!残弾無し!』

 

第4中隊長『タイガー1!こちら40!視界ゼロ!目標確認出来ず!』

 

岡野大隊長『CP!こちらタイガー1!現在8個小隊残弾無し!尚、現在までの被害状況としては、大破3、中破2!送れ!』

 

ゴジラはそのまま東京都に侵入してしまった。

 

無線『前方指揮所壊滅!タバ戦闘団、指揮機能喪失!』

 

観測員「目標、防衛ライン突破!防衛陣地崩壊!作戦続行不能!」

 

 

 

 

 

 

<統合任務部隊司令部>

 

山本(やまもと) 統合幕僚幹部運用部第1運用課長「統幕副長、特科大隊はまだ射程内です。攻撃を続行しましょう。」

 

矢島「ダメだ!大田区及び世田谷区の避難完了の報告は受けてない。」

 

 

 

 

 

 

<幹部会議室>

 

花森「ああっ!総理、残念ですがここまでです・・・」

 

大河内「分かった・・・作戦を終了する。」

 

 

 

 

 

 

<前方指揮所>

 

壊滅したこの場所では。

 

自衛隊「足止めも敵わず、残念です・・・」

 

西郷「気落ちは不要。国民を守るのが我々の仕事だ。攻撃だけが華じゃない。住民の避難を急がせろ。」

 

 

 

 

 

 

<巨災対本部>

 

タバ作戦の失敗の速報が入った。

 

袖原「タバ作戦が失敗した!ゴジラは健在、依然進行中だ!」

 

森「自衛隊の総力戦も徒労と化すとは・・・」

 

間「予測計算を凌駕する自己防衛力だ・・・」

 

尾頭「外からの物理兵器で倒せるなら、私達も苦労しなくて済みます。」

 

 

 

 

<幹部会議室>

 

矢口「まさに人知を超えた完全生物か・・・」

 

するとその時、ゴジラに光が当たってる映像が映った。

 

大河内「何だあの光?」

 

防衛省リエゾン「巨大不明生物付近に人影を確認!」

 

一同「?」

 

モニターには、ガイとアスカとミライの3人が映し出された。3人はゴジラに向かいながらハンドビームとガッツブラスターとトライガーショットを撃ち続けている。

 

金井「あの3人、何をする気だ?」

 

柳原「あの銃は何だ?」

 

 

 

 

 

 

3人はゴジラから60メートル前まで止まった。

 

ミライ「やはり効かないか・・・!」

 

ガイ「これがゴジラか・・・かなりでかいですね・・・」

 

アスカ「狼狽えるな。大きさだけが力じゃない。俺達の質を彼奴にぶつけてやるんだ。行くぞ!ガイ!ミライ!」

 

ミライ「はい!」

 

ガイ「はい!」

 

オーブリング、リーフラッシャー、メビウスブレスを出した。

 

 

 

 

アスカ「ダイナーーーー!!!」

 

ミライ「メビウーーース!!!」

 

 

 

 

ガイ「ウルトラマンさん!」

 

『ウルトラマン!』

 

ガイ「ティガさん!」

 

『ウルトラマンティガ!』

 

ガイ「光の力、お借りします!」

 

『フュージョンアップ!』

『ウルトラマンオーブ、スペシウムゼペリオン!』

 

 

 

 

そしてゴジラ前方に、ウルトラマンオーブ スペシウムゼペリオン、ウルトラマンダイナ、ウルトラマンメビウスが現れた。

 

オーブ「俺の名はオーブ。闇を照らして悪を撃つ!」

 

 

 

 

 

 

<幹部会議室>

 

防衛省リエゾン「3体の巨人を確認!」

 

一同「っ!?」

 

金井「あの巨人は前の・・・」

 

柳原「あの3人が巨人に変わった!?」

 

 

 

 

 

 

オーブ「シェア!!」

 

ダイナ「デァ!!」

 

メビウス「セヤ!」

 

3人はゴジラに挑んだ。

 

オーブ「シェア!」

 

ゴジラの頭部にキック。

 

ダイナ「デァ!!」

 

ゴジラの腹部にパンチ。

 

メビウス「ハァ!!」

 

ゴジラの脚部にスピンキック。しかしどれも無効化だった。ゴジラは何事もないように前進している。

 

オーブ「スペリオン光線!!」

 

ダイナ「シュワ!!」

 

メビウス「セヤ!!」

 

スペリオン光線、ソルジェント光線、メビュームシュート、3つの光線がゴジラの首に命中した。しかし、効果は無かった。

 

 

 

 

ガイ「だったら此奴を喰らえ!タロウさん!」

 

『ウルトラマンタロウ!』

 

ガイ「メビウスさん!」

 

『ウルトラマンメビウス!』

 

ガイ「熱いやつ、頼みます!」

 

『フュージョンアップ!』

『ウルトラマンオーブ、バーンマイト!」

 

ダイナ「デァ!!」

 

メビウス「ハァァァ・・・ハァ!!」

 

それぞれバーンマイト、ストロングタイプ、バーニングブレイブに変身した。

 

オーブ「紅に燃えるぜ!!」

 

 

 

 

 

防衛省リエゾン「巨人3体、姿を変えました!」

 

 

 

 

 

オーブ「ストビュームバースト!!」

 

ダイナ「ハァァァァ・・・デァ!!」

 

メビウス「ハァァァ・・・セヤ!!」

 

ストビュームバースト、ガルネイトボンバー、メビュームバーストを同時に放った。3つの技が1つになり、ゴジラに命中して爆発した。

 

 

 

一同「おお!」

 

 

 

しかしゴジラは健在だった。

 

メビウス「なんて硬さだ・・・」

 

ガイ「今度は此奴だ!ジャックさん!」

 

『ウルトラマンジャック!』

 

ガイ「ゼロさん!」

 

『ウルトラマンゼロ!』

 

ガイ「キレのいいやつ、頼みます!」

 

『フュージョンアップ!』

『ウルトラマンオーブ、ハリケーンスラッシュ!』

 

ダイナ「ダァ!!」

 

メビウス「ハァ!!」

 

今度はハリケーンスラッシュ、フラッシュタイプ、メビウスブレイブに変身した。

 

オーブ「光を越えて、闇を斬る!オーブスラッガーランス!」

 

オーブスラッガーランスを具現化させた。そしてレバーを3回引いてボタンを押した。

 

オーブ「トライデントスラッシュ!!」

 

ダイナ「デア!!」

 

メビウス「ハァァ!!!」

 

トライデントスラッシュ、フラッシュバスター、ブレードオーバーロードを同時に繰り出した。

 

オーブ「どうだ!」

 

しかし傷すら付かなかった。

 

ダイナ「想像以上にヤバいぞ・・・」

 

オーブ「だったら、この力を受けやがれ!」

 

ガイ「ゾフィーさん!」

 

『ゾフィー!』

 

ガイ「ベリアルさん!」

 

『ウルトラマンベリアル!』

 

ガイ「光と闇の力、お借りします!」

 

『フュージョンアップ!』

『ウルトラマンオーブ、サンダーブレスター!』

 

サンダーブレスターにフュージョンアップした。

 

オーブ「闇を抱いて、光となる!」

 

ダイナ「オーブ、その姿・・・」

 

メビウス「まさかベリアル・・・?」

 

オーブ「はい。ですが既に闇の力を克服しました。お2人に危害を加える事はありません。」

 

ゴジラの方を向いた。

 

オーブ「ゼットシウム光輪!!」

 

ゼットシウム光輪でゴジラを斬り裂こうとしたが、あまりの硬さで砕かれてしまった。

 

オーブ「っ?」

 

するとオーブが、ゴジラの首を見た。両腕に光と闇のエネルギーを集中させた。

 

オーブ「ゼットシウム光線!!」

 

今度はゼットシウム光線を放った。ゴジラの首に命中した。するとゴジラの首に巨大な傷が出来た。

 

 

 

 

 

 

防衛省リエゾン「巨大不明生物の首に傷発生!」

 

大河内「凄い力だ・・・!」

 

金井「あの巨人、凄い力を秘めてるのか・・・!?」

 

国平「しかしゴジラはまだ生きてるぞ。」

 

 

 

 

 

 

メビウス「あの傷は・・・」

 

オーブ「以前メビウスさんがゴジラに傷を付けた箇所にぶつけたんです。」

 

ダイナ「流石だオーブ。けどゴジラはまだ生きてる。」

 

 

 

 

 

 

<東京都目黒区>

 

遂にゴジラが侵入した。

 

防衛省リエゾン「目標、世田谷区から目黒区に侵入!」

 

花森「総理、遺憾ながら在日米軍に安保適用による駆除協力の要請を出しましょう!」

 

国平「総理、駐日米大使からです!既に大使館防衛の為空軍機がグアムを離陸しているそうです!」

 

 

 

 

<米国空軍 第509 爆撃航空団・戦略爆撃機B-2(スピリット)

 

グアムから離陸し、東京へ向かってる。

 

 

 

 

赤坂「至急米国に正式な協力要請を出すように、私も横田で大使と確認する。」

 

東「私は在日米軍に関する緊急会見を開きます。」

 

すぐに緊急会見を開いた。

 

 

 

 

<家電製品店>

 

東『政府は在日米軍に対し、日米安保条約に基づく駆除協力を正式に・・・』

 

すると停電が発生した。ゴジラが進行してる為、周囲一帯に停電が発生してしまった。

 

 

 

 

メビウス「このままじゃ・・・」

 

オーブ「くそ!だったらこの力を!」

 

ガイ「ギンガさん!」

 

『ウルトラマンギンガ!』

 

ガイ「ビクトリーさん!」

 

『ウルトラマンビクトリー!』

 

ガイ「エックスさん!」

 

『ウルトラマンエックス!』

 

『トリニティフュージョン!』

 

オーブスラッシャーを掴んだ。

 

ガイ「三つの光の力、お借りします!オーブトリニティ!」

 

3体のウルトラマンの力が合わさったオーブトリニティにトリニティフュージョンした。

 

オーブ「俺はオーブトリニティ。三つの光と絆を結び、今、立ち上がる!」

 

そしてオーブスラッシャーを取り出して、スライドタッチを3回スライドした。

 

オーブ「トリニティウムブレイク!!」

 

カッター光線のトリニティウムブレイクで、ゴジラを斬り裂いた。しかし全く通用しなかった。

 

ダイナ「効いてないのか!?」

 

オーブ「まだです!」

 

今度はオーブスラッシャーのタッチスライドを2回スライドした。

 

オーブ「トリニティウムシュート!!」

 

トリニティウムシュートを放って、ゴジラの頭部に直撃した。だが効果は無かった。

 

メビウス「これもダメなのか!?」

 

今度はオーブスラッシャーを3回スライドして、ブーストスイッチを押した。

 

オーブ「トリニティウム光輪!!!!」

 

巨大なトリニティウム光輪を放った。ゴジラを斬り裂こうとしたが、物凄い硬さで砕かれてしまった。

 

オーブ「何!?」

 

メビウス「砕かれた!?」

 

ダイナ「これでもダメなのか!?」

 

 

 

 

 

 

<東京都新宿区・東京都庁第一本庁舎 同・9階大外対策本部>

 

小塚「あの巨人達が、ゴジラを倒そうとしてるのか・・・」

 

自衛隊リエゾン「米軍の爆撃予定範囲です。」

 

爆撃予定範囲を乗せた原稿を小塚と田原と恩地に渡した。

 

恩地「こんなに広いのか!?」

 

田原「無茶苦茶だ!ゴジラより大変じゃないか!」

 

小塚「搬送や移動じゃ間に合わん・・・兎に角地下施設に退避させるしかない!」

 

 

 

 

<東京都港区・愛宕下通り>

 

人々がパニックになりながら逃げ惑っていた。

 

警官「ゴジラに対し、米軍の攻撃が開始されます!」

 

消防隊員「ここは危険です!地下に!地下鉄や地下街に逃げて下さい!!」

 

 

 

 

 

 

<同・都営地下鉄 浅草線泉岳寺駅>

 

人々が興奮してパニック状態になりながら避難していた。自衛隊員達が落ち着かせようとしたが、人々は逃げるのに必死だった。

 

男性「押すなよ!!」

 

地下鉄の電車は満員だった。それでも人々は満員でも乗り込もうとした。すると停電が発生して暗くなり、人々は悲鳴を上げた。

 

 

 

 

 

 

その頃オーブとダイナとメビウスは、今もゴジラと対峙していた。

 

オーブ「ハァァァ!!」

 

EXレッドキングナックルで殴るが、ゴジラは無傷だった。

 

オーブ「ゴモラアーマー!!」

 

サイバーゴモラアーマーを装着した。

 

オーブ「ゴモラ振動波!!」

 

ダイナ「デァ!!」

 

メビウス「タァ!!」

 

ゴモラ振動波、ダイナスラッシュ、ブレードオーバーロードで何度も斬り裂くが、ゴジラに変化は無かった。すると3人のカラータイマーが赤く点滅し始めた。

 

オーブ「ゼットンアーマー!!」

 

今度はサイバーゼットンアーマーを装着。

 

オーブ「ゼットントルネード!!」

 

ゼットントルネードでゴジラに直撃して貫こうとしたが、ゴジラの皮膚が非常に硬い為弾かれてしまった。

 

オーブ「ゴジラ!まだ終わってないぞ!!」

 

ガイ「ギンガさん!」

 

『ウルトラマンギンガ!』

 

ガイ「エックスさん!」

 

『ウルトラマンエックス!』

 

ガイ「シビれるやつ、頼みます!」

 

『フュージョンアップ!』

『ウルトラマンオーブ!ライトニングアッタカー!』

 

ライトニングアタッカーにフュージョンアップした。

 

オーブ「電光雷轟!闇を討つ!アタッカーギンガエックス!!」

 

アタッカーギンガエックスを放った。爆発はしたが、ゴジラは無傷だった。

 

メビウス「ゴジラ・・・どれ程の強度なんだ・・・?」

 

オーブ「だったら、これはどうだ!!」

 

ガイ「セブンさん!」

 

『ウルトラセブン!』

 

ガイ「ゼロさん!」

 

『ウルトラマンゼロ!』

 

ガイ「親子の力、お借りします!」

 

『フュージョンアップ!』

『ウルトラマンオーブ!エメリウムスラッガー!』

 

セブンとゼロ、親子の力を併せ持ったエメリウムスラッガーにフュージョンアップした。

 

オーブ「知勇双全、光となりて!」

 

メビウス「セブン兄さんとゼロの姿なのか?」

 

オーブ「はい!」

 

 

 

 

 

 

<幹部会議室>

 

郡山「ゴジラの予想進路内に官邸も位置しています。自衛隊で阻止出来なかった奴です!米軍や巨人も駆除出来ない可能性があります!」

 

大河内「まさか・・・ここを捨てろと言うのか!?」

 

郡山「はい!市ヶ谷も有明も危険です!直ちにここを退去し、官邸機能を立川予備施設に移管する必要があります!」

 

大河内「しかし米軍の攻撃が都内で始まる!それに巨人はゴジラと戦っている!私にはここで、その推移を見極める義務がある!それに都民を置いて、我々だけが逃げ出す事は出来ん!」

 

矢口「しかし総理、総理には東京を捨てても守らなければならない国民と国そのものがあります。ここは退避して下さい!」

 

東「幸い都庁は機能しています。しばしの間、指揮は小塚都知事に任せましょう。」

 

大河内「・・・・・分かった。」

 

壱岐「至急、木更津からヘリを2機用意します。」

 

矢口「長官。我々は車で移動します。」

 

東「分かった。もう出ろ。君達の方が時間が掛かる。渋滞で大変だろうが、後で会おう。」

 

矢口「はい。這ってでも行きます。」

 

 

 

 

 

 

<巨災対本部>

 

アナウンス『巨大生物の接近に伴い、退避命令が発令されました!直ちに総員退避して下さい!巨大生物の接近に伴い、退避命令が発令されました!直ちに総員退避して下さい!』

 

巨災対のチームは、必要な書類やデータだけを集めて退避した。

 

 

 

 

オーブ「ワイドスラッガーショット!」

 

ダイナ「デヤッ!!」

 

メビウス「セヤッ!!」

 

ワイドスラッガーショット、フラッシュバスター、ブレードシュートを同時に放ったが、無傷だった。

 

オーブ「トリプルエメリウム光線!!」

 

額のクリスタルからトリプルエメリウム光線を放ち、ゴジラの傷に命中した。ゴジラは少し怯んだ。

 

オーブ「ハイパーウルトラノック戦法だ!!」

 

オーブスラッガーショットと空中に静止させたアイスラッガーを飛ばし、ハイパーウルトラノック戦法で滅多斬りにした。傷が増幅した。

 

オーブ「エメリウムスラッガースペシウム!!」

 

エメリウムスラッガースペシウムがゴジラに命中した。

 

 

 

 

 

 

 

 

<東京都港区赤坂・外堀通り>

 

車のクラクションが響いていた。

 

志村「ここもグリッドロック状態ですね。車はもう動きません。」

 

矢口「そうだな。米軍の攻撃が近い。皆に地下を避難させよう。」

 

巨災対のメンバー達はすぐに車から降りて地下へ避難する。すると。

 

 

 

 

 

 

”ドゴォォォォォォォォン!”

 

 

 

 

 

 

巨大な足音が聞こえた。矢口が後ろを見ると、ゴジラが進行していた。オーブとダイナとメビウスが懸命にゴジラに立ち向かっていた。

 

矢口「あれがゴジラか。」

 

志村「副長官!予定より早く米軍の攻撃が始まります!」

 

 

 

 

ダイナ「っ!?オーブ!メビウス!離れろ!」

 

オーブ・メビウス「っ!?」

 

3人はゴジラから離れた。

 

<米国空軍 地中貫通型爆弾・MOPⅡ(モップツー)

 

上空から降って来た。MOPⅡはゴジラの背中に減り込んで爆発し、ゴジラが大量出血した。

 

 

 

 

 

 

<首相官邸・屋上ヘリポート>

 

壱岐治(いきおさむ) 事務担当総理秘書官(防衛省)「地中貫通型爆弾MOPⅡが命中!目標損傷!出血を確認!」

 

金井「いけるぞ!」

 

国平「流石米軍だ!」

 

そしてオーブとダイナとメビウスはゴジラに再び対峙する。カラータイマーが点滅しながらも対峙する。

 

郡山「総理、間もなくヘリが到着します。」

 

 

 

 

 

 

ゴジラ「ーーーーーーーーーー!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

突然ゴジラが咆哮を上げた。3人はゴジラから距離を取った。

 

ダイナ「どうしたんだ彼奴?」

 

メビウス「あっ!ゴジラの背中が!」

 

するとゴジラの背中が、赤から紫に発光した。

 

 

 

 

 

 

<東京都港区 東京地下鉄 赤坂五丁目駅・A2番出口>

 

残ってる人々を志村が避難誘導をしていた。

 

志村「地下の方へ避難して下さい!地下の方へ!」

 

矢口「何の光だ?」

 

するとゴジラが大きく口を開き、顎が割れて顔を下に向けた。

 

 

 

 

 

 

<首相官邸・屋上ヘリポート>

 

<陸上自衛隊 特別輸送回転翼航空機・EC-225LP(ユーロコプター)

 

官僚達がユーロコプター2機にそれぞれ乗り込んだ。

 

壱岐「現在ゴジラの背部放熱器官が発光中!!詳細不明!!」

 

大河内「何をする気だ!?」

 

 

 

 

 

 

そしてゴジラの口から黒い靄を吐き出した。靄は都内に蔓延した。するとゴジラの目が白くなった。次の瞬間、靄が突然赤い炎と化して、都内を燃やし始めた。

 

オーブ「ハッ!」

 

ダイナ「ダァ!!」

 

メビウス「セヤ!」

 

オーブとダイナとメビウスが巨大なバリアを張った。被害を防いだ。次の瞬間、ゴジラの火炎放射が一気に白い光線と化して上に向けて放った。上空を飛んでた1機のB-2が撃墜された。

 

 

 

 

志村「もう誰も居ません!副長官も早く中へ!」

 

矢口と志村がすぐに地下へ避難した。

 

 

 

 

 

 

<東京都福生市・国道16号 駐日米国大使館公用車群>

 

大使館職員「横田基地から緊急連絡!B-2、1番機が撃墜されたそうです!」

 

<駐日米国大使専用車内>

 

ランシング駐日米大使「バカな!信じられん!」

 

カヨコ「Godzilla・・・まさに神の化身ね・・・」

 

 

 

 

 

 

地上無線『目標は正面から謎の対空火器を放出中。2、3番機は背後から回り込め。1番機の仇を頼む。』

 

機内無線『了解!今から仇を討つ!』

 

再びMOPⅡを投下した。するとゴジラが光線を止め、身体を下に向けた。MOPⅡ直撃寸前、ゴジラの背中から無数の白い光線が放射された。MOPⅡが全て爆発されてしまった。そしてゴジラが身体を横に捻ると、B-2が破壊されてしまった。

 

オーブ「何て奴だ・・・!」

 

ダイナ「っ!来るぞ!」

 

ゴジラがオーブとダイナとメビウスに向かって白い光線を放った。巨大なバリアで防いだが、貫通されてしまった。

 

オーブ・ダイナ・メビウス「うわああああああ!!!!」

 

白い光線を受けた3人は、地上に落下して倒れてしまった。ゴジラはそのまま白い光線を放射し続けて、街を破壊していく。そして顔をまっすぐにして横に振った。その先には・・・

 

 

 

 

 

 

ヘリ無線『官邸離陸1835。総理以下8名を伴いこれより立川へ向かい』”ドゴォォォン!!!”

 

1機のEC-225LPがゴジラの光線を受けて爆発してしまった。もう1機はまだ離陸していなかったので無事だった。

 

 

 

 

 

 

<昭和記念公園>

 

オーブ「くそっ・・・!」

 

ダイナ「くっ・・・!」

 

メビウス「っ・・・!」

 

オーブとダイナとメビウスは、光となって変身前の姿に戻って気を失ってしまった。

 

 

 

 

 

 

その後もゴジラは光線を放射し続けた。

 

<東京都港区・浜松町及び新橋>

<東京都中央区・銀座四丁目交差点>

 

その2つの街を破壊した。白い光線は再び赤い炎に変わり、周囲一帯を火の海にさせた。

 

<東京都港区・虎ノ門>

<東京都千代田区・霞ヶ関及び永田町>

 

この3つの街も火の海と化してしまった。

 

<首相官邸・地下 危機管理センターオペレーションルーム>

 

今は無人状態。

 

地下では、生き残った人々が居た。しかし別の地下に逃げた人々はゴジラによって蒸し焼きにされてしまった。そしてゴジラは火炎放射を止めて前へ進んだ。

 

<東京都千代田区・東京駅>

 

ゴジラが眠り始めた。

 

「続」



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第5章「しんないかく〜新内閣〜」

ゴジラが東京駅で眠り始めたが、被害は尋常に拡大していた。


アナウンサー「高い放射線量が予想されます。都民の皆さんは発生時から49時間は屋内待機・・・」

 

自衛官「ゴジラはどれ程の放射性物質を東京に放出したんだ・・・」

 

小塚「政府は当てにするな。ここで決めて実行しろ。」

 

機動部隊隊員「そっちにホットスポットが確認されている!バリケードテープの右に入らないように!」

 

都庁担当者「サーベイ対象者が多過ぎる・・・隔離の基準数値を下げないと現場が保たない!」

 

消防庁職員「二次災害が起こる恐れがある!防護服のない救援隊は災害現場に入らないように!」

 

内閣府官僚「大河内総理以下、東官房長官ら総理臨時代理の就任予定者5名全員が安否不明の状況です。」

 

都庁職員「警視庁、国交省、総務省辺りはギリギリで直撃を免れたようだ。消防庁が生存者の確認を急いでいる。」

 

経済評論家「流通や経済的にも大打撃です。」

 

アナウンサーA「横須賀を出港したままの在日米軍空母は、そのままシンガポールへと奇港し・・・」

 

アナウンサーB「都内からは数百万人規模と見られる膨大な避難民が受け入れ先も搬送手段も・・・」

 

矢口はこの状況に対して激怒した。

 

アナウンサーC「政治的空白を避ける為に、連絡が取れた閣僚数名により、現在総理臨時代理の人選を与党幹部と共に協議中です。」

 

朝になり、矢口と志村は立川に訪れた。

 

アナウンサーD「尚、官邸機能は非常事態を想定し、臨時拠点として整備された立川広域防災基地内の、立川災害対策本部予備施設に移管されました。」

 

 

 

 

 

 

<東京都立川市 立川広域防災基地・災害対策本部予備施設前>

 

到着した矢口と志村は、テントの中で防災服に着替えて予備施設内へ歩く。

 

久松「矢口副長官!」

 

泉「また掛ける。」

 

志村「泉先生。」

 

途中で泉と合流した。

 

泉「いや、兎に角無事で良かった。俺は金帰火来のお陰で助かったよ。矢口も地元は大事にしとけよ。・・・おい、怪我してるじゃないか。大丈夫か?」

 

志村「すみません、何処も救急用品は品切れで・・・」

 

矢口「大丈夫だ!大した怪我じゃない!」

 

 

 

 

 

 

<昭和記念公園>

 

生き残った巨災対のメンバー達が、倒れてるガイとアスカとミライを発見して、救急車を呼んで立川予備施設へ運んだ。

 

 

 

 

 

 

<災害対策本部予備施設・オペレーションルーム>

 

予備要員A「消防関係者は都庁の指示に従って下さい。総務省は殆ど機能していません。」

 

予備要員B「帰宅難民は警察に任せておけば良い。」

 

予備要員C「被害人口は約300万人だ。この先の風評被害は想像も付かない。報道への対応も急いでくれ。」

 

 

 

 

 

 

<同・本部員室前室>

 

矢口「兎に角情報をくれ。あるだけで良い。今ゴジラはどうなってる?」

 

泉「今も活動停止したまま。停止理由は目下の所、丸で不明だ。」

 

矢口「放射線量の状況は?」

 

泉「原始力規制庁は何とか被害を免れた。今都内のサーベイでてんてこ舞いだ。ゴジラの方は口から微量の放射性物質を今も放出しているが、この程度なら問題無いらしい。」

 

久松明(ひさまつあきら) 保守第一党 泉政調副会長 公設第二秘書「ゴジラによるブルームは房総沖に抜けたそうですが、かなりの広範囲に高濃度な汚染が広がっているようです。」

 

矢口「直撃を受けた都内3区は期間困難区域となる恐れがある。汚染の問題も大きくなるだろう。」

 

泉「自体は危急存亡っちゅうか超深刻だが、対応するには人も物資も法律も丸で足りない状態だ。」

 

そこに救急箱を持った志村が戻って来た。

 

志村「仕方ないですよ。総理も官房長官も花森大臣も皆・・・もう誰も居ないですから・・・」

 

大河内内閣11名は全員死亡が確認されてしまった。すると矢口が激怒した。

 

矢口「居ない者を当てにするな!!今は残った者でやれる事をやれるだけだろ!!」

 

泉「矢口、まずは君が落ち着け。」

 

激怒してる矢口に、泉が水を差し出した。矢口はそのまま水を受け取って飲んだ。すぐに落ち着きを取り戻した。

 

矢口「すまない。総理臨時代理は決まったのか?」

 

 

 

 

 

 

<埼玉県加須市・避難所(鵜ノ島小学校体育館)>

 

多くの避難民が居た。

 

ラジオ「与党内の調整が決着し、里見祐介農水大臣が総理臨時代理に指名されました。政府の機能不全による緊急避難としての臨時体制です。」

 

 

 

<群馬県伊勢崎市・避難所(西中町公民館)>

 

避難民がカレーを貰っていた。

 

ラジオ「これ以上の政治的空白を避ける為、直ちに新内閣が組閣される模様です。」

 

 

 

 

 

 

これにより、大河内内閣の死亡者は。

 

大河内清次・内閣総理大臣

国平修一・副総理兼外務大臣

岩田剛・厚生労働大臣

柳原邦彦・国土交通大臣

花森麗子・防衛大臣

東竜太・内閣官房長官

金井光二・防災担当大臣兼国家公安委員長

森学・行政改革担当大臣

大山修治・国家戦略担当大臣

大野孝博・経済材部政策担当大臣

河溝丈文・金融担当大臣

郡山肇・内閣危機管理監

 

そして大河内内閣の生存者は。

 

関口五郎・文部科学大臣

河野純・総務大臣

葉山達也・経済産業大臣

菊川俊介・環境大臣

佃駒人・法務大臣

鵜飼真一朗・財務大臣

 

となった。大河内内閣が壊滅され、里見臨時内閣へと組閣された。

 

 

 

 

 

 

<巨大不明生物緊急対策本部仮説事務局>

 

志村「しかし、派閥の年功除霊と首班指名の功労賞で大臣になれた人が、臨時とは言え総理ですよ。」

 

泉「生き残った現職大臣や幹事長から押し付けられたらしい。こんな時だ。誰も中継ぎで責任なんて負いたくないんだろう。」

 

 

 

 

 

 

<東京都立川市 災害対策本部予備施設・本部長室>

 

風越達雄(かざこしたつお) 新政務担当総理秘書官「佐世保からです。対馬沖付近に不穏な動きがあるそうです。」

 

里見「そう。ここはちと様子見かな。外務省は動けるの?」

 

片山修一(かたやましゅういち) 臨時外務大臣「機能復旧を急がせておりますが、まだ。」

 

里見「そう。兎に角不測の事態だけは避けてよ。」

 

片山「はい。現地と大使にそう伝えます。」

 

風越と片山とその2人の秘書官が退室した。

 

里見祐介(さとみゆうすけ) 内閣総理大臣臨時代理(前・農林水産大臣)「あーあ・・・伸びちゃったよ・・・やっぱ総理の仕事って大変だなあ・・・」

 

彼は、伸びてしまった出前のラーメンを見てがっかりした。

 

 

 

 

 

 

<巨大不明生物緊急対策本部仮説事務局>

 

泉「まあ、腹の内の読めないお人だからな。」

 

矢口「誰が総理だろうと、国を支えるのが我々の仕事だ。特別立法の草案を急ごう。」

 

泉「しかし、立川もゴジラから30キロしか離れてないが大丈夫か?」

 

矢口「ここがやられた時の政治的空白の心配なら無用だ。次のリーダーがすぐに決まるのがこの国の長所だと言う事がよく分かった。」

 

泉「次は君か?」

 

矢口「まさか。俺は10年後を考えている。」

 

泉「その時にまだ日本が残っていたら総裁選に立候補してくれ。応援するよ。見返りは幹事長のポストで良い。フフッ。」

 

テレビのニュースには、赤坂秀樹が映っていた。彼は官房長官代理に就任する事になった。

 

泉「赤坂先生、先行して横田に居たんで無事だったんだってな。やっぱ政治家に必要なのは戦略と強運だ。ちゃっかり官房長官代理に就任してる。君にも世渡りの素養があればな。」

 

今度は矢口が巨大不明生物統合対策本部副本部長を就任すると言うニュースが流れた。

 

泉「副本部長で特命担当大臣とは、また異例の出世だな。これで君が事実上の行政執行者だ。」

 

矢口蘭堂 内閣府特命担当大臣(巨大不明生物防災)・巨大不明生物統合対策本部副本部長「聞こえは良いが、失敗した時の腹切り要員だ。赤坂さんの抜け目の無い采配だよ。泉も首相補佐官に内定している。君の好きな出世コースじゃないか。」

 

泉「出世は漢の本懐だ。そこに萌えんとは君、何で政治家になった?」

 

矢口「政界は敵か味方しか居ない。シンプルだ。性に合ってる。」

 

津秋「副本部長、巨災対のメンバーが到着しました。」

 

 

 

 

 

 

<巨害対策本部予備施設・事務室(3)>

 

巨災対のメンバーが到着した。

 

矢口「先の悲劇から生き残り、チームの半数以上の者達がここに居る事を感謝する。残念ながらここに来る事が出来なかった者達の想いと共に、諸君には頑張って欲しい。欠員は随時補填していく。家族や友人、同僚を失った悲しみが消える事は無い。だがそれを乗り越える事は出来る。今は国民の為、対策と凍結プランの完遂に力を注いで欲しい。頼む!」

 

メンバー達に深く頭を下げた。メンバー達も頭を下げた。

 

森「では仕事に掛かろう!」

 

一同「はい!」

 

志村「副本部長、先日の巨人と思われる3名を保護したとの連絡が入りました。」

 

矢口「本当か?」

 

 

 

 

 

 

医務室には、ガイとアスカとミライの3人が包帯を巻かれた状態でベッドに座っていた。

 

ガイ「あんたは?」

 

矢口「矢口蘭堂。内閣府特命担当大臣、巨大不明生物統合対策本部副本部長を務めている。君達3人は、先の巨人なのか?」

 

ミライ「ええ。あの巨人は僕達で、ウルトラマンです。」

 

矢口「ウルトラマン?聞いた事ない名前だ。」

 

アスカ「数多くの宇宙や地球を守って来た戦士だ。」

 

矢口「って事は、君達は別の世界から来たと言う事か?」

 

ガイ「ああ。そして俺達はあの時ゴジラに立ち向かったが、歯が立たなかった。お陰で多くの犠牲を出してしまった。すまない。」

 

矢口「いや、君達にも感謝している。」

 

ミライ「ありがとうございます。矢口さん、もし良かったら、僕達を仲間に入れてくれませんか?」

 

アスカ「ゴジラを倒す為なら力になるぜ。」

 

ガイ「俺もだ。あの怪物を見放す訳にはいかないからな。これ以上人が死ぬのを見たくないからな。」

 

矢口「ありがとう。歓迎するよ。」

 

その後3人は、巨災対チームと面会した。

 

 

 

 

 

 

<立川広域防災基地・立川防災合同庁舎>

 

<同・巨大不明生物対策仮説本部・事務室(3)>

 

巨災対メンバーが仕事をしていた。

 

矢口「森課長、凍結プランの進捗はどうなってますか?」

 

森「ゴジラのデータ不足の為、シリカやトロンビンなどをベースにした血液凝固剤のプロトタイプを民間各社で手分けして24種類程生成中です。このどれかが効く筈なんですが・・・」

 

矢口「その検証はどうしますか?」

 

尾頭ヒロミ 環境省自然環境局野生生物課長代理「整体細胞の回収を陸自とうちのレンジャーに頼んでいます。そのサンプルを使って絞り込みます。」

 

 

 

 

<予備施設1階>

 

ここにガイとアスカとミライが居た。

 

ガイ「ゴジラを凍結される作戦ですか。」

 

ミライ「倒せないなら活動停止させるって事ですか。」

 

アスカ「それはまた良い作戦だな。」

 

 

 

 

 

 

<陸上自衛隊・化学防護車>

 

サンプルが入ったタンクを積み込んだ。

 

袖原「了解した。サンプル回収作業完了です。」

 

尾頭「副本部長、早速筑波のBSL4対応施設に回します。」

 

矢口「分かった。残ったサンプルは官民を問わずP3レベルに対応可能な研究所に送ってくれ。」

 

尾頭「しかし国の最重要機密指定物です。ヤバいですよ。」

 

矢口「良いんだ。少しでも多角的なゴジラの情報が欲しい。」

 

 

 

 

 

 

その頃ゴジラは活動停止中。

 

 

 

 

 

 

<東京都中央区・歌舞伎座タワー屋上>

 

<陸上自衛隊 中央特殊武器防護隊・第11巻監視班>

 

ゴジラを監視している。

 

土長「空間放射線量はほぼ動きがないですね。0.8から1シーベルト付近で安定しています。」

 

2曹「寝相は良いんだな。」

 

小隊長「その分腹にエネルギーを溜めてるって事だ。」

 

すると線量計の警告音が鳴り始めた。

 

小隊長「交代だ!戻れ!」

 

 

 

 

 

 

同じ頃矢口に、1本の電話が入った。

 

矢口「はい。矢口です。」

 

カヨコ「It`s me.後5分で立川に着く。総理臨時代理に支給ミーティング宜しく。」

 

 

 

 

 

 

<東京都立川市 災害対策本部予備施設・本部長室>

 

里見「では改めて米国の知見を日本国危急の事態に提供したいと?」

 

カヨコ「はい。中露を中心にゴジラを日本政府から国際機関の合同管理下に置こうと言う動きがあります。同調する国も多い。しかしながら、米国政府としては、日米共同によるゴジラの完璧なコントロール権を強く望みます。」

 

赤坂秀樹 内閣官房長官代理(前・内閣総理大臣補佐官)「Okay.政府の見解として、その為の2プラスによる協議を認めましょう。しかしながら、軍官の専門家を政権中枢、意思決定の場に常駐と言う申し出はお断りします。その代わりに・・・」

 

 

 

 

 

 

<立川広域防災基地・立川防災合同庁舎 同・巨大不明生物対策仮説本部・事務室(3)>

 

ガイとアスカとミライも居た。

 

森「ゴジラの研究は日米コアリションって事ですか。」

 

矢口「良いじゃないですか。知恵は多い程ありがたい。彼らにスペースを空けましょう。」

 

<米国GODZILLA統合調査団>

 

矢口「Nice to meet you.I`m Rando Yaguchi.」

 

 

 

 

早速無人偵察機の検証映像を観る。

 

陸自隊員「陸自の新無人偵察機システムによる検証映像です。」

 

映像にはゴジラが映っていた。しかし途中で途切れてしまった。

 

間「うっ、なん・・・」

 

ミライ「途切れた・・・」

 

陸自隊員「撃墜後、即座に休止しました。シミュレーションD2と同じ結果です。」

 

リヒター 統合調査団長「やはりゴジラには、フェイズドアレイレーダーのような器官があると推定される。」

 

袖原「今後、接近する飛行物体は本能的に全て撃墜されると見て間違いありません。」

 

 

 

 

 

 

<東京都港区・米国空軍攻撃跡地>

 

<陸上自衛隊・第1特殊武器防護隊>

 

本部通信員『スクワッド2。こちらCV1。ゼロマークより5分経過。行動可能時間残り10分。送れ。』

 

陸自隊員「CV1、スクワッド2。了解。」

 

するとその時。

 

 

 

”ベゴン!!”

 

 

 

何かが落ちる音が聞こえた。落ちた箇所の上を見ると、謎の物体が鉄筋に引っ掛かっていた。

 

 

 

 

 

 

<立川広域防災基地・立川防災合同庁舎 同・巨大不明生物対策仮説本部・事務室(3)>

 

安田「各所で起きている事象と、筑波からの各種データを合わせて検証したゴジラの無生殖による個体増殖の可能性です。世界中へネズミ算式に個体が群体化すると予測しています。」

 

間「進化的現場から小型化だけでなく、有翼化し、大陸間を飛翔する可能性すらある。」

 

アスカ「ゴジラはとんでもない存在だな。」

 

ガイ「ええ。」

 

リヒター「Let's go.」

 

調査団員「その時は人類の終わりだ。」

 

リヒター「その前に人類の叡智の炎を使うしか救いの道は無い。」

 

その後カヨコに電話が入った。

 

カヨコ「マジですか!?」

 

 

 

 

 

 

<東京都立川市・多摩都市モノレール運営基地>

 

そこでカヨコが矢口にある事を伝えた。ガイとアスカとミライも同行している。

 

カヨコ「ワシントンで国防長官がGodzilla・・・いえ、ゴジラの処分に熱核兵器を使用すべきと主張している。」

 

ガイ「熱核兵器!?」

 

ミライ「落とすんですか!?」

 

カヨコ「ええ。」

 

矢口「ホワイトハウスの動向は?」

 

カヨコ「西海岸へのゴジラ上陸の可能性が13%と言うレポートが大統領に上がった。国連大使が安保理に対して、対ゴジラ専門の多国籍軍の設置工作を始めたそうよ。」

 

矢口「米国は本気か?」

 

カヨコ「本気ね。」

 

アスカ「なんてこった・・・」

 

カヨコ「横田と本国の研究チームが弾道ミサイルによる核攻撃しか術がないとの結論を出した。ペンタゴンでは既にB83核弾頭の爆発規模選定と有効な爆発高度設定のチームが動いているそうよ。」

 

矢口「このまま東京で使う気か?」

 

ガイ「そうだとしたら、この街が滅ぶぞ?」

 

カヨコ「分かっている。でもどうする事も出来ないの。それに私に即時退去命令が出た。」

 

矢口「そうか。その可能性が高い・・・と言う事だな?」

 

カヨコ「ええ。・・・だからこそ今は戻らない。」

 

ミライ「どうしてです?」

 

カヨコ「祖母を不幸にした原爆を、この国に3度も落とす行為を私の祖国にさせたくないから。」

 

実はカヨコの祖母は、広島の原爆の被爆者だった。

 

 

 

 

 

 

<日米首脳電話会談>

 

里見「分かりました。そのように善処致します。ロス大統領。」

 

松沢(まつざわ) 新総理秘書官(外務省)「Certainly.we would act accordingly that way.president Ross.」

 

里見「聞いていた通りだ。ホントにあの国は無茶を押し付けて来るんだな。」

 

片山「それにしても・・・・・・・・・この内容は酷過ぎます!!!」

 

里見「だよなあ。長官代理を呼んでくれ。」

 

風越「はい。」

 

 

 

 

すぐに赤坂を呼んだ。

 

里見「米軍を中心とした対巨大不明生物の多国籍軍結成を、国連安保理が決議した。当事国として我が国も参加。その指揮下で動く事になる。まあ、これを総理に全権委任する特別立法を成立させてくれ。」

 

赤坂「東京での、核兵器使用の容認もですか?」

 

無言で頷く里見。そして溜め息をして外を見る。

 

里見「こんな事で歴史に名を残したくなかったなあ・・・」

 

 

 

 

 

 

<立川広域防災基地 立川防災合同庁舎・新館屋上>

 

矢口を呼んで、さっきの事を話した。

 

赤坂「この先は国連の名の下に米国が巨大不明生物の処理を管轄する。戦後日本は常にかの国の属国だ。」

 

矢口「戦後は続くよどこまでも。だから諦めるんですか?」

 

赤坂「熱核兵器の直撃、数百万度の熱量に耐えられる生物は居ない。確実に駆逐するなら、核攻撃は正しい選択だ。それにあの時、3体の巨人も巨大不明生物に立ち向かったが、歯が立たなかった。」

 

矢口「しかし凍結手段もメドが立ちつつある状況です。再考を願えませんか?」

 

赤坂「お前のプランにはまだ不確定要素が残ってる。それに巨大不明生物の核攻撃を容認すれば、復興時の全面的支援を世界各国から約束される。巨大不明生物を確実に処理出来なければ日本は世界の信用を失う。多国籍軍の核攻撃に頼るしかない。巨大不明生物を消した後の日本の事までを考えるのが私の仕事だ。」

 

矢口「今は東京3区の被害で済みます。まだ東京の復興は可能です。核をつ替え刃それも難しくなります!」

 

赤坂「既に東京の経済機能はないに等しい。円も国債も株価も爆楽しつ付ける現状では、復興どころかデフォルトの危機に晒されている。日本には国際社会からの同情と融資が必要だ。」

 

矢口「国の復興が最優先ですか?」

 

赤坂「この国を、救う道は他には無い。矢口、夢ではなく現実を見て考えろ。」

 

 

 

 

 

 

矢口はすぐに、巨災対のメンバー達にその事を伝えた。

 

森「えっ?ゴジラに対して熱核攻撃!?」

 

根岸「ここで使うんですか!」

 

ガイ「確定しやがったのか・・・」

 

矢口「先程政府が承認し、国連大使に通知した。」

 

袖原「マジかよ・・・」

 

アスカ「こんな事になるとは・・・」

 

間「ゴジラは進化自体を超越し、死をも克服している可能性すらありうる。だから核で滅却するか、矢口プランで凍結させるしか自体終息の方法は無い。」

 

ミライ「凍結しかありませんね。」

 

安田「そりゃ選択肢としてはアリだろうが、選ぶなよ。」

 

尾頭「ゴジラより強いのは私達人間ね。」

 

矢口「国連はすぐにも核弾頭を使いたいだろうが、人道的配慮で都民の避難を優先するだろう。その間に凍結プランを確立させるしかない。」

 

森「ですね。まあ、サンプル実験で適応可能な生成物は確定出来ましたが、量産はこれからです。」

 

安田「ゴジラの推定血液量から計算して、凝固剤は最低672キロリットル必要です。」

 

町田「全国でプラントの確保は進めているんだが・・・」

 

立川「間に合いますか?」

 

矢口「必ず間に合わせるんだ!諦めず、最後までこの国を見捨てずにやろう。君達3人も手伝ってくれるか?」

 

ガイ「ああ。」

 

アスカ「勿論だ。」

 

ミライ「はい。やらせて下さい。」

 

「続」



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第6章「かいせき〜解析〜」

熱核攻撃が決定した政府。巨災対は凍結プランを完成させる為に多くの業界と交渉を開始した。


町田「全国の民間化学会社に、可能な限りの製造ラインを確保出来るよう、審議官から次官にお願いします!」

 

安田「そちらの研究員に資料を渡しますから明日中に生成過程の戦略案を出すように局長に頼んで下さい。」

 

尾頭「サンプルをバラまいていたお陰で各種照合が進みます。」

 

アスカ「順調に進んでるな。」

 

尾頭「確かに、知恵は多い方が良いですね。」

 

工場では、血液凝固剤を製造していた。

 

津秋「血液凝固剤の現地輸送は、警察と国交省でロジを詰めておいてくれ。」

 

竹尾「それは僕がやるから。圧送業界への温度取りを経済産業省でやって欲しい。」

 

庭野「タンク車を最終的に政府で引き取ってくれるなら、上海の業者が3台提供してくれるそうです。」

 

町田「サイズは問わない。最低は後5台ホイールローダーの調達を頼む。」

 

ゴジラは未だに活動停止中。

 

 

 

 

 

 

<東京都立川市 災害対策本部予備施設・本部長室>

 

片山「ランシング大使より、ゴジラが先の戦闘時に放出したエネルギー量を多国籍軍が推測し、再び同レベルに蓄積するまで後360時間との結論が通知されました。」

 

泉修一 内閣総理大臣臨時補佐官「後15日でゴジラが活動を再開する可能性が極めて大です。」

 

里見「そうか。」

 

 

 

 

 

 

<東京都福生市 在日米軍・横田基地司令室>

 

アナウンス『1時間後に本国へのチャーター機が出発する。残っている全職員は退去準備を急げ。』

 

カートランド 米軍大佐「ゴジラに対する核攻撃開始時間が決定しました。5分後にカウントダウンスタートです。」

 

ペイン 在日米軍司令官「最早中断はあり得ないか・・・」

 

ランシング 駐日米国大使「住民避難の為に残された日本への猶予期間は2週間。多国籍軍にとっては長いが、日本には短過ぎる。」

 

 

 

 

 

 

<東京都立川市 災害対策本部予備施設・本部長室>

 

里見「避難とは住民に生活を根こそぎ捨てさせる事だ。簡単に言わないでほしいな・・・」

 

泉「全くです。」

 

 

 

 

 

 

<災害対策本部予備施設・オペレーションルーム>

 

危機管理要員「360万人の疎開?あまりにも無茶です!その規模では警察もオペレーション遂行は困難です!」

 

官僚A「都内だけでなく千葉、神奈川も該当区域です!あまりに対象者が多過ぎる!」

 

官僚B「小塚都知事も東京がなくなると反対しています!」

 

赤坂「国の重要決定事項だ。自治体レベルの話じゃない。」

 

平岡「しかし受け入れ先の選定や許可だけでも困難です。2週間ではとても。」

 

赤坂「巨大不明生物が活動を再開した時点で、熱核攻撃の開始時刻は無条件に繰り上がる。その時は犠牲者もやむを得ないとし、速やかに戦略原潜の弾道弾による熱核攻撃を開始すると言うのが安保理と多国籍軍の決定だ。」

 

危機管理要員「クソッ!遠いアジアの出来事だからって無茶苦茶言いやがる!!」

 

赤坂「例えここがニューヨークであっても、彼らは同じ決断をするそうだ。」

 

 

 

 

 

 

<東京都台東区>

 

避難支援バスが臨時乗車場に到着した。

 

消防隊員「子供を優先します!親御さんは絶対に手を離さないで下さい!」

 

避難民達は支援バスに次々と乗り込む。

 

東京都八王子市・中央自動車道では、長い渋滞が出来ていた。

 

<神奈川県横浜市・横浜港>でも避難民が船に乗り、<千葉県木更津市 陸上自衛隊・木更津駐屯地>では避難民がチヌークに乗る。

 

全国に疎開分散した東京都民は合計360万人強になった。

 

 

 

 

 

 

<東京都立川市・国営昭和記念公園>

 

志村と早船が居た。

 

早船「西日本の土地は高騰して食料も不足。関東地方の会社や企業も休業していて、街は失業者で溢れ返っている。投資家の思惑から円安も続くし。まあ、それが金儲けになる人も居る。多種多様ですね。人の世は。」

 

志村「ネット以上の情報は?」

 

早船「勿論です。まあこっちも仕事ですので。核攻撃の1日前には記事にっと言う確約と交換ではどうでしょう?」

 

志村「新たなゴジラネタです。その代わり発表のタイミングはこっちでどうでしょう?」

 

早船「はいはい。分かってますよ。」

 

2人は書類を交換した。

 

 

 

 

 

 

その日の夜、早船から受け取った書類を拝見する。

 

矢口「教授は唯一の救いだった自分の妻を死に追いやった放射性物質を憎んでいた。」

 

アスカ「成る程。」

 

矢口「だから放射性物質を無害化する研究を続けていたらしい。」

 

尾頭「放射性物質は無害化が可能と言う事は、新たな放射性物質を作り出す事も可能。後に軍事利用される事を危惧したんですね。」

 

根岸「それで意図的にDOEのデータを歯抜けしたのか。」

 

矢口「彼は放射性物質を憎んでいた。そしてそれを生み続けた人間そのものも憎んでいたんだろう。」

 

ガイ「人間を憎んだ老人か・・・」

 

矢口「妻を見殺しにした日本と言う国も。」

 

ミライ「国までも憎んでいたとは・・・」

 

志村「それでいて今度はデータをわざと残して好きにしろって、変わった人ですね。」

 

矢口「彼は最後に何を好きにしたんだ?」

 

 

 

 

 

 

その頃ゴジラは未だに停止中。すると尻尾に『ガキン』と言う音が響いた。

 

 

 

 

 

 

<災害対策本部予備施設・事務室(3)>

 

夜食を食べ終えた。

 

森「あぁ・・・ごちそうさまでした。」

 

そしてガイは、好物のラムネを飲んでいた。

 

ガイ「はぁ。」

 

矢口「解析図の謎は解けたか?」

 

安田「内閣情報局の暗号専門部署にも手伝ってもらってますが、さっぱりです。米国はまだですか?」

 

矢口「そう聞いているが、実のところは不明だ。今は当てにしないほうが良い。」

 

尾頭「ゴジラに関する多層的な展開による重要データと言う事は分かるんですが、その先がまだ。」

 

間「化学的な図式と言うより、観念的な文様だ。寧ろ曼荼羅に近い。先に答えを想像しないと解けないと言う逆説的な問いかけになっている。牧元教授はかなりの偏屈者だよ。」

 

アスカ「この線の完璧な意味すら掴めないな。」

 

間「ああ。この簡単な線の意味さえ分からん。」

 

安田「何でそもそもデータじゃなくて紙なんだ?」

 

志村「何か、折れ線みたいっすよね。」

 

ミライ「折れ線ですか?」

 

志村「ええ。しかしこれだけの図体、昔の放射性廃棄物だけじゃ腹打ちしなさそうですよね。」

 

森「そうだな。噛み合わせが悪そうな歯並びだ。これじゃ核物質も捕食出来んぞ。」

 

ゴジラの歯並びを見てそう言った。

 

間「折り紙・・・食べてないんだ。」

 

 

 

 

 

 

翌朝になった。

 

尾頭「2種の折り紙の形状から新たな図式情報が追加され、解析パターンを全て網羅する事が出来ました。その結果・・・」

 

間「放射性物質がエネルギー源と言う情報に拘り過ぎた。元教授の残した解析図は恐らく元素を変換する生体機能部の分子構造図です。元素変換細胞膜とでも言うのかな。先に検出された未知の放射性同位元素の存在が、その証左です!」

 

尾頭「水素や窒素等陽子数が少ない物質を取り入れて細胞膜を通し、細胞内の元素を必要な分子に変換してしまう。ゴジラはその崩壊熱を利用した熱核エネルギー変換を生体器官を内蔵する混合栄養生物と推測出来る。大胆な仮説ですが、いけそうです。」

 

志村「水や空気があれば何処でも生きていけるって、霞を食っている仙人みたいだ。」

 

矢口「つまりゴジラは、人類の存在を脅かす脅威であり、人類に無限の物理的な可能性を示唆する福音でもある。と言う事か。」

 

森「しかしそんな細胞膜を持ってたら血液凝固促進剤も体内で無力化される可能性が高い。矢口プランが成り立たんぞ。」

 

ミライ「そんな。」

 

竹尾「あり得る話だ。で、どうする?」

 

尾頭「他に代案はありません。矢口プランの確度を上げるだけです。」

 

ガイ「無力化されても意地で押し通すしかないか。」

 

森「まずはこの分子構造を解析して回避手段を考えるしかないな。解析の準備は?」

 

安田「うちの主導で日本中のスパコンを並列化して解析する予定でいますが、それでも結果が出るまで何日掛かるか。」

 

アスカ「やはりそう早く判明出来る事ないか。」

 

志村「核が落とされるまで後10日しかないのに・・・」

 

安田「なのでコネの多い局長代理から世界中に声を掛けてもらってます。」

 

 

 

 

 

 

<独国・バーグヘッド科学電算研究所>

 

男性職員A「日本からです。ここのスパコンを並列に繋げてゴジラの解析に協力して欲しいそうです。」

 

男性職員B「止めましょう。クローズにシステムを他国に解放するとこの研究データを盗まれます。」

 

女性職員「いえ、ここは人間を信じましょう。喜んで参加すると伝えて。」

 

スーパーコンピュータ群で、ゴジラの解析を始める。遂に解析結果が出た。

 

 

 

 

 

 

結果が<災害対策本部予備施設・事務室(3)>へ舞い降りた。

 

安田「牧元教授の解析表が解けました!」

 

ガイ「何?」

 

森「おい、急げよ!」

 

安田「ほら。」

 

解析結果がこれだ。

 

間「こりゃ驚いた。」

 

安田「正体は細胞膜自体ではなく、細胞膜の活動を抑制する極限環境微生物の分子講座だったんです。」

 

尾頭「この抑制剤を同時に投与すれば血液凝固剤の性質を維持出来る。ゴジラ凍結に希望が持てます。」

 

森「いけますよこれ!」

 

矢口「よし。」

 

 

 

 

 

 

<立川広域防災基地 立川防災合同庁舎・本館屋上>

 

矢口「牧元教授は、この自体を予測していた気がする。彼は荒ぶる神の力を解放させて試したかったのかもしれない。人間を、この国を、日本人を。核兵器の使用も含めてどうするのか好きにしてみろと。」

 

カヨコ「そうね。あなたに好きにしてみろと・・・けど、この国で好きに通すのは難しい。」

 

矢口「ああ。僕一人じゃな。」

 

 

 

 

 

 

<東京都立川市 災害対策本部予備施設・本部長室>

 

泉「総理、巨災対の働きで矢口プランの問題点は解決に向かっております。実行の承認を重ねてお願いします。」

 

里見「しかしな泉ちゃん。もう国連決議まで出ちゃってるしな。」

 

泉「米国はゴジラの存在を隠匿していた事実を有耶無耶にする為に早期の幕引きを図っている節もあります。」

 

里見「そんな事は分かってるよ。泉ちゃんだって我が国の立場分かってるだろ?」

 

泉「ですが総理、自国の利益為に他国に犠牲を強いるのは覇道です。」

 

里見「我が国では、人徳による王道を行くべきと言う事か・・・」

 

赤坂「総理、そろそろ好きにされたら如何でしょう。」

 

里見「・・・そうだな。っで、どれに判を押せば良いんだ?」

 

 

 

 

 

 

<立川広域防災基地 陸上自衛隊・立川駐屯地応接室>

 

矢口「巨大不明生物の活動凍結を目的とする血液凝固剤経口投与を主軸とした作戦要項。長いですね。」

 

財前「役所のする事ですから。」

 

矢口「ゴジラ凍結作戦も子供っぽいですから、『ヤシオリ作戦』としましょう。」

 

財前「分かりました。作戦の運用は5段階。朝霞で詳細に詰めてあります。」

 

山本「仮設架線と軟条の復旧作業、隊員による車両の遠隔操作の訓練や爆薬の設置作業も終了しています。」

 

石倉「後は実行のみです。」

 

矢口「ありがとうございます。」

 

財前「礼は要りません。仕事ですから。」

 

 

 

 

 

 

数日後。この日は雨だった。ゴジラはまだ活動停止中。

 

志村「カウントダウンも残り2日か・・・」

 

不安を抱える志村に、矢口が志村の肩に手を叩いて励ます。

 

森「くっそ、抑制剤の最低量の製造確保にどうしても後3日掛かります。何とか24時間カウントを中断出来ませんか?」

 

アスカ「カウントダウン2日しかないのに、確保が3日掛かるのか・・・」

 

立川「安保理に対し引き伸ばし工作を考えるしかないな。何処を動かす?」

 

尾頭「中露は地政学的に近過ぎますから反対どころか推進しています。」

 

町田「フランスはどうだ?原子力推進国だ。ゴジラの体内システムには興味津々だと思う。」

 

森「うん。」

 

泉「フランス政府にパイプがある。裏で交渉してみるよ。」

 

森「お願いします。」

 

間「私も欧州局長に連絡を入れておきます。」

 

矢口「頼む。片山外務大臣には俺から話しておく。何としても24時間確保してくれ。」

 

一同「はい!」

 

ミライ「これで大丈夫みたいだね。」

 

ガイ「都合良く出来れば良いんですが。」

 

 

 

 

 

 

<東京都福生市 在日米軍・横田基地 米国政府チャーター機内>

 

カスリー 米国政府高官「フランスがカウントダウンの中断を申し入れてきた。中露は反対しているが、我が国は沈黙だ。」

 

カヨコ「ワシントンもペンタゴンも核の強硬論だけではありませんから。」

 

カスリー「まさか、この国が狡猾な外交手段を使えるとは驚きだ。危機と言うものは日本ですら成長させる様だな。」

 

カヨコ「友人が今、有効性の高い凍結計画を進めています。この国はそれに賭けたのでしょう。」

 

カスリー「その賭けに君もレイズか。核兵器は抑止力だ。使用回避をロス大統領に進言しよう。だが、主流派の意向に逆らう動きだ。君も私も報復のリスクを背負う。私はいいが、君の完全潔癖な経歴とパタースン家に汚点が残る。40代で大統領の夢が消えるぞ。」

 

カヨコは、カスリーの手の上に自分の手を置いた。カスリーはカヨコの手を置いて励ました。カヨコがチャーター機から出ようとすると。

 

カスリー「Hey.Kayoko.幸運を。」

 

激励の言葉をカヨコに与えた。

 

カヨコ「Yeah.」

 

 

 

 

 

 

<東京都千代田区 北の丸公園・科学技術館屋上>

 

矢口「米軍との共同作戦?」

 

<同・1階>

 

カヨコ「自衛隊だけで行動するより作戦成功率が上がる。」

 

矢口「互いの指揮は独立しているが、歩調は合わせられるか。」

 

カヨコ「この国は好かれてるわね。空軍も海兵隊からもサポート志願者が続出よ。無人攻撃機も調達済み。どう、一口乗らない?」

 

矢口「乗ろう。ただし、無傷で返す保証はなしだ。」

 

カヨコ「大丈夫。損耗分の請求は後で日本政府に回すから。」

 

 

 

 

 

 

<千葉県つくば市・SBPCPC関東化学工場>

 

森「何とか必要最低限の抑制剤を確保した。そうだ。至急つくばのSBにタンク車を回してくれ。頼む。」

 

 

 

 

 

 

<千葉県木更津市・木更津港>

 

町田「こちらも集積可能な資材と搬送可能な血液凝固剤で作戦を断行します。本部にGOサインを送って下さい。」

 

 

 

 

 

 

<立川広域防災基地 陸上自衛隊・立川駐屯地本部隊舎>

 

ガイ「遂に作戦決行の日ですか。」

 

ミライ「決着の日が来ましたね。」

 

アスカ「ああ。けど油断は禁物だ。」

 

志村「副本部長、今一度前線部隊への同行は考え直していただけませんか?」

 

矢口「作戦には政治的な判断が必要な状況が予想される。即座にそれが出来る者が必要だ。」

 

泉「とは言え危険過ぎる。為政者は後方指揮で良いだろ。10年後には総理じゃなかったのか?」

 

矢口「僕は10年後に総理になるより、10年先にもこの国を残す方が重要だ。この国には有能な若い人材が官民に残っている。君も居るし、次のリーダーは問題ないよ。君のキャラには助けられた。礼を言う。」

 

泉「買い被りだ。赤坂先生の手腕だよ。」

 

矢口「後は頼む。」

 

泉「おう。幹事長なら任せとけ。」

 

2人は握手を交わした。

 

矢口「ああ。君達も行くぞ。」

 

ガイとアスカとミライは頷いて矢口に同行する。

 

 

 

 

 

 

<同・ヘリポート。ヤシオリ作戦・協力民間企業関係者 同・陸上自衛隊・特殊建機中隊>

 

ミライ「こんなにも協力者が居るんですね。」

 

アスカ「この日本を救いたい人達ばかりだからな。」

 

ガイ「俺達も同じ気持ちです。」

 

矢口「今回のヤシオリ作戦遂行に際し、放射線流の直撃や急性被曝の危険性があります。ここに居る者の生命の保証は出来ません。だがどうか実行して欲しい!我が国の最大の力はこの現場にあり!自衛隊はこの国を守る力が与えられている最後の砦です!日本の未来を君達に託します!以上です。」

 

特殊建機中隊長「では、分かれ!」

 

一同「はい!」

 

 

 

 

 

 

<科学技術館屋上・ヤシオリ戦闘団前方指揮所>

 

施設科要員「施設科低地爆破中隊より、最終運用試験完了の連絡あり。」

 

本部管理中隊・大2科長「現在北西の2メートル、ゴジラプルームが東京湾に向かい、被害が最小限レベルと推測される状況です。」

 

通信小隊長「全部隊配置完了。準備よし。」

 

野城「米軍本部から連絡。角無人攻撃部隊予定位置に滞空中。問題なし。」

 

丹波(たんば) 第32普通科連隊長「対策副本部長、こちらはいつでも行けます。」

 

甲斐「しかし都庁から避難完了の報告がまだです。」

 

矢口「いえ、この機はのがせません。決行します。自治体に屋内待機を徹底して下さい。では、君達はゴジラに向かってくれ。」

 

3人は頷いた。

 

ガイ「行きましょうアスカさん。ミライさん。」

 

アスカ「ああ。本当の戦いは、ここからだぜ!」

 

ミライ「最後まで諦めず、不可能を可能にする。それがウルトラマンと人間だ!」

 

3人は、オーブリングとリーフラッシャーとメビウスブレスを取り出した。

 

 

 

 

ガイ「ヒカリさん!」

 

『ウルトラマンヒカリ!』

 

ウルトラマンヒカリのカードをリードし、ミライの横にウルトラマンヒカリが召喚された。

 

ガイ「ミライさん!」

 

ミライ「うん!メビウーーーース!!」

 

そして、メビウスブレスとナイトブレスが光り、2人が光となって融合した。ウルトラマンメビウス フェニックスブレイブに変身した。

 

アスカ「ダイナーーーーーー!!!!」

 

『覚醒せよ!オーブオリジン!』

 

ガイ「オーブカリバー!」

 

オーブカリバーを取って、天に掲げた。

 

ガイ「オーーーーーーーーブ!!!!」

 

ヤシオリ作戦に、ウルトラマンオーブ オーブオリジン、ウルトラマンダイナ、ウルトラマンメビウス フェニックスブレイブが参戦した。

 

オーブ「俺はウルトラマンオーブ!銀河の光が我を呼ぶ!」

 

3人はゴジラに向かって飛んだ。

 

 

 

 

矢口「よし。丹波1佐お願いします。」

 

丹波「分かりました。関東地区の各自治体に連絡。以降50時間の一切の外出自粛と、全住民の屋内待機を要請。」

 

通信小隊長「了解。新橋より連絡。無人車両全車、切り離し完了。ゼロポイントを通過。」

 

丹波「では、ヤシオリ作戦を開始する。」

 

オーブとダイナとメビウスは、ゴジラ付近に着地した。オーブはオーブカリバーを構えた。

 

甲斐「第1段階、陽動始め!」

 

「続」



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第7章「ヤシオリ〜作戦〜」

ゴジラの解析を終えて、ヤシオリ作戦が決行された。


ヤシオリ作戦開始。

 

<新幹線N700系電車・無人運転>

 

ゴジラに向かって走行し始めた。

 

ダイナ「来たぞオーブ!」

 

オーブ「はい!」

 

オーブカリバーのリングを回した。

 

オーブ「オーブグランドカリバー!!」

 

地面にオーブカリバーを叩き付けると、弧を描きながら地を這う2つの光線が発射された。そして無人新幹線とオーブグランドカリバーが同時にゴジラに直撃して爆発した。爆発を受けたゴジラが目を覚ました。

 

 

 

 

 

 

ゴジラ「ーーーーーーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

通信小隊長「陽動成功!無人新幹線爆弾、効果あり!」

 

丹波「作戦第2段階、航空部隊、攻撃開始!」

 

野城「了解。米軍へ連絡。」

 

 

 

<米国空軍 第5空軍・第309情報中隊L/O>

 

米軍リエゾン「本部。こちらブラボー1。第一波攻撃開始。」

 

米軍本部『了解。第一波攻撃開始する。』

 

<米国空軍・無人戦闘航空機部隊(第一波)

 

無人戦闘航空機が爆弾を投下した。するとゴジラの背中が紫に発光して、背中から無数の放射熱線を放射した。爆弾と無人航空機が大破した。

 

通信小隊長「目標、予定通り背部より放射線流を放出中。」

 

袖原「作戦通りです。飛行する物は全て撃ち落とします。」

 

オーブカリバーのリングを回した。

 

オーブ「オーブフレイムカリバー!」

 

ゴジラにオーブフレイムカリバーを直撃させた。炎がゴジラを取り囲んだ。

 

ダイナ「メビウス、俺達も行くぞ!」

 

メビウス「はい!」

 

ダイナはミラクルタイプにタイプチェンジし、シャイニングジャッジを放った。メビウスはライトニングカウンターを放った。しかしゴジラの放射熱線で遮られるばかりだったが、怯まず放ち続ける。

 

通信小隊長「第1波全滅!」

 

丹波「構わん。消耗戦だ。ゴジラが熱焔を放出不可となるまで吐かせ続けろ。」

 

無人航空機は、ゴジラに向けてミサイルを発射した。しかし放射熱線でミサイルが爆破されてしまった。

 

無線A「無人攻撃機、第2波全滅!」

 

 

 

 

東京都福生市 在日米軍 横田基地滑走路では、カヨコが遠くから見守っていた。

 

 

 

 

無線A「第3波攻撃を開始!」

 

無線B「目標、キルポイント1へ移動中。」

 

放射熱線が近くのビルを破壊しながら、無人航空機を次々と大破させてゆく。

 

通信小隊長「第3波全滅!」

 

根岸「新たな汚染区域が拡大しています。」

 

丹波「副本部長、積線量が予定地を超えます。」

 

矢口「今止めたら、全てが無駄になります。彼らも協力してくれています。このまま攻撃を続行して下さい!」

 

ゴジラが体を捻った。

 

オーブ・ダイナ・メビウス「っ!!」

 

3人は散開して回避成功したが、ビルが崩壊してしまった。

 

通信小隊長「第4波壊滅!」

 

丹波「第5波攻撃を開始!」

 

無人航空機は怯まずミサイルを発射し続ける。

 

 

 

 

するとゴジラの放射熱線が止んだ。止んだと同時にミサイル全弾がゴジラに直撃した。

 

オーブ「止んだか!」

 

ダイナ「チャンスだ!」

 

メビウス「はい!」

 

オーブ「オーブフレイムカリバー!」

 

オーブフレイムカリバーを再び放った。フラッシュタイプにタイプチェンジしたダイナが、フラッシュ光弾を放ち、メビウスはメビュームツインブレードでゴジラを何度も斬り裂く。

 

 

 

 

野城「目標、背部放射線流の放出を停止!第5波、攻撃を続行中。」

 

 

 

 

すると尻尾が紫に発光し始めた。そして尻尾の先端からも放射熱線を放射した。

 

オーブ「何!?」

 

 

 

 

<陸上自衛隊 第32普通科連隊・第3爆撃誘導分隊>

 

陸自隊員「まさか、あんな事が・・・」

 

 

 

 

ゴジラは口からも放射熱線を放ち、放射熱線を放射している尻尾を大雑把に降って無人航空機を大破させてゆく。メビウスは避けながら何度もゴジラを斬り裂く。

 

 

 

 

通信小隊長「攻撃機第5波全滅!」

 

甲斐(かい) 第32普通科連隊第3科長「ゴジラプルーム、予想値の2倍を超えます!」

 

丹波「怯むな!耐えるしかない。第6波攻撃を開始!」

 

 

 

 

ゴジラの放射熱線が紫から赤に変色し、尻尾からの放射熱線が止んだ。

 

メビウス「止んだのか?」

 

 

 

 

根岸「放射線流の絶対量が低下しています!」

 

 

 

 

口から放射している放射熱線も赤に変色して、遂に止んだ。

 

 

 

 

松井(まつい) 通信小隊長「目標の熱焔放射停止を確認!」

 

野城(のしろ) 第32普通科連隊副連隊長「目標、キルポイントに誘導完了!」

 

丹波「よし!作戦第3段階、定置爆破開始!」

 

作業小隊長「点火!」

 

スイッチを押すと、ゴジラ付近のビルが爆破した。

 

 

 

 

ビルはゴジラに向かって倒れ始めた。

 

ダイナ「デァ!」

 

メビウス「セヤ!」

 

オーブ「ハァッ!」

 

オリジウムソーサー、ビームスライサー、メビュームスラッシュを同時に放ち、ゴジラに命中して怯ませた。周囲のビルが一気にゴジラに向かって倒れた。

 

 

 

 

 

 

ゴジラ「ーーーーーーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

根岸「放射線量の絶対量予定地まで落ちました。」

 

通信員「目標、キルポイント1に固定中。」

 

丹波「了解。作戦第4段階誘導爆破、開始!」

 

<太平洋房総沖 米国海軍イージス艦(ヒューイ)・巡航ミサイル『RGM-109C(トマホーク)』>

 

発射した。トマホークがビルに直撃して爆発した。ビルは爆破の衝撃で、ゴジラに向かって倒れ始めた。

 

 

 

 

 

 

ゴジラ「ーーーーーーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

ビルの重さに耐え切れなかったゴジラはそのまま転倒した。

 

通信小隊長「目標転倒!」

 

通信員「キルポイント1に固定完了!」

 

丹波「作戦最終段階、特殊建機小隊、行動開始!」

 

 

 

 

 

 

村山(むらやま) 特殊建機第1小隊長「了解!第1小隊前へ!!」

 

<特殊建機第1小隊・ホイールローダ群>

 

第1小隊通信員「特建01各車、アメノハバキリ01、各車ブーム伸展開始!」

 

<同・コンクリートポンプ車群>

 

第1小隊通信員「12から14はBP2侵入後、単縦陣より散開!戦闘陣に移行せよ!」

 

隊員A「アメノハバキリ01、特建11、BP1にて展開空域確保完了。送れ。」

 

第1小隊長「特建11、アメノハバキリ01了解!防御円陣にて待機!警戒せよ!特建各車、アウトリガー展開!BP1に侵入!爾後、各車注入開始せよ!」

 

隊員A「特建12、BP2にて展開完了!」

 

隊員B「アメノハバキリ01、特建15、15各車展開完了!接続作業に入る!送れ!」

 

第1小隊通信員「特建15、アメノハバキリ01了解!」

 

ポンプをゴジラの口内に向けた。

 

<同・タンクローリー群>

 

第1小隊通信員「作業可能レンジに留意せよ!」

 

ポンプのチューブを、タンクローリー群に接続した。

 

第1小隊長「各機!注入を開始!」

 

隊員「凝固剤注入開始!」

 

ゴジラの口内に凝固剤を投与する。そしてオーブは、オーブカリバーのリングを回した。

 

オーブ「オーブウォーターカリバー!!」

 

オーブウォーターカリバーで、ゴジラの身体を冷やし始める。

 

ダイナ「ハァッ!」

 

そしてダイナは、ウルトラ水流でゴジラの身体を冷やし始める。これは血液凝固剤の効果を高める為の作戦である。

 

隊員「全車、ポンプ始動!リモコン操作問題なし!」

 

第1小隊長「よし!回転上げろ!出力最大!出来るだけ奴の中に流し込め!!」

 

出力を最大まで上げて、凝固剤を大量に流し込む。

 

 

 

 

安田「投与量、予定の20%を突破!」

 

 

 

 

オーブ「このまま氷漬けになれゴジラ!」

 

 

 

 

安田「投与量、予定の30%を突破!」

 

 

 

 

メビウス「ッ!?」

 

するとゴジラの背中が紫に再び発光した。

 

メビウス「ハアッ!」

 

ゴジラが放射熱線を下に放った。ホイールローダ群、コンクリートポンプ群、タンクローリー群が爆破された。しかしメビウスが間一髪で第1小隊全員を救った。

 

 

 

 

通信小隊長「ホイールローダ、コンクリートポンプ、タンクローリー全車全滅!巨人が特殊建機第1小隊を救出!」

 

 

 

 

メビウスが第1小隊全員を安全な場所へ降ろした。

 

オーブ「お手柄ですメビウスさん!」

 

ダイナ「安心するのはまだ早い!」

 

ゴジラ「ーーーーーーーーー!!!!」

 

転倒していたゴジラが起き上がった。移動を始めたが、動きが鈍くなっていた。

 

メビウス「動きが鈍くなりました。」

 

ダイナ「凝固剤の効果が効いたのか。」

 

 

 

 

野城「投与と水の効果あり!目標、動きが鈍っていきます!」

 

丹波「この機を逃すな!無人在来線爆弾、全車投入!」

 

 

 

 

 

 

<無人在来線爆弾・E233系・E231系電車流用>

 

一気に投入され、ゴジラに向かって走行する。

 

オーブカリバーのリングの回した。

 

オーブ「オーブウインドカリバー!」

 

オーブウインドカリバーで風を巻き起こして、無人在来線爆弾を風に乗せて、ゴジラの身体中に直撃させた。無人在来線爆弾全車が一気に爆発した。

 

 

 

 

ゴジラ「ーーーーーーーーー!!!!」

 

 

 

 

無人在来線爆弾の攻撃で、ゴジラが再び転倒した。

 

通信小隊長「ゴジラ、再度転倒!」

 

矢口「丹波1佐!第2陣の出発をお願いします!」

 

丹波「第2及び第3小隊!前へ!一気に凍結させろ!」

 

 

 

 

<特殊建機第2・第3小隊>

 

行動を開始した。ポンプを急いで起動させて、ゴジラの口内に向けた。

 

菊池(きくち) 特殊建機第2小隊長「全車!一斉に投与を開始!」

 

血液凝固剤を一斉に投与する。

 

メビウス「今です!」

 

オーブ「オーブウォーターカリバー!」

 

ダイナ「ハァッ!」

 

メビウス「ハァッ!!」

 

オーブウォーターカリバーとウルトラ水流でゴジラの身体を再び冷やし始める。

 

隊員A「投与量、50%を突破!」

 

隊員B「タンク車、20番までが空になります。」

 

第2小隊長「了解!21番からの交代作業!急げ!」

 

隊員A「投与量、60%を突破!」

 

その後も凝固剤を投与し続ける。オーブとダイナもゴジラを冷やし続ける。

 

 

 

 

安田「投与量、75%を突破!血液凝固剤投与すべき最低限を超えました!・・・投与量、90%を突破!」

 

 

 

 

ゴジラが尻尾を立てようとしたが。

 

メビウス「ハァッ!」

 

尻尾がメビュームスラッシュを喰らって力尽きた。

 

 

 

 

安田「投与量、100%!限界点を超えました!」

 

野城「目標、表皮に凍結が認められます!」

 

安田「頼む、計算通りいってくれ・・・!」

 

再びゴジラが尻尾を立てようとしたが、また落ちてしまった。

 

矢口「やったか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかしゴジラが再び起き上がり始めた。口を閉めて、ポンプ車数台を噛んで持ち上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーブ「起き上がった!?」

 

ダイナ「マズイぞ!」

 

第3小隊通信員「目標!再度活動を開始!」

 

第2小隊通信員「特建02、全接続破断!」

 

第3小隊長「総員退避!各車、陣地変換!急げ!」

 

第3小隊通信員「装備を放棄し、速やかにホールディングエリアまで退避!」

 

オーブ「させるか!」

 

『解き放て!オーブの力!』

 

オーブカリバーのリングを高速回転させた。

 

オーブ「オーブスプリームカリバー!!!」

 

オーブスプリームカリバーをゴジラの頭部に命中させて動きを止めた。そして遂に。

 

 

 

 

 

 

ゴジラ「ーーーーー・・・・・・!!!!」

 

 

 

 

 

 

凝固剤と水の効果で、ゴジラが凍結した。

 

根岸「胸部中心部の温度、マイナス196度に低下。」

 

ダイナ「よし!オーブ!メビウス!最後行くぞ!」

 

オーブ・メビウス「はい!」

 

3人がゴジラの前に浮遊して、エネルギーを集める。

 

 

 

 

 

 

オーブ「オリジウム光線!」

 

ダイナ「デァ!!」

 

メビウス「セヤァァァァ!!!!」

 

 

 

 

 

 

オリジウム光線、チャージソルジェント光線、メビュームナイトシュートを一斉に放ち、3つの光線が1つに合体して、ゴジラの胸部に命中させた。するとゴジラの全身が光り始め、遂に・・・

 

 

 

 

 

 

”ドガーーーーーーーーーーン”

 

 

 

 

 

 

凍結のままゴジラが爆散した。破片が周囲に舞い散った。

 

根岸「巨人の力によって、ゴジラ爆散。」

 

野城「ゴジラ、完全に沈黙しました!」

 

ゴジラ沈黙を聞いた矢口が、静かにガッツポーズした。

 

丹波「現時刻をもって、ヤシオリ作戦を終了する!」

 

巨災対のメンバーや他の官僚達は、静かに「ふぅ〜・・・」と安堵した。

 

矢口「ありがとう、ご苦労でした!」

 

 

 

 

 

 

<予備施設・オペレーションルーム>

 

赤坂「発射まで1時間を切っていた。微妙なタイミングだが、フランスを説得し続けた総理臨時代理のお陰だ。」

 

 

 

 

 

 

里見は、モレリ中日仏国大使を説得し続けていた。

 

 

 

 

 

 

そして巨災対に朗報が舞い降りた。

 

尾頭「あの!このサーベイデータを見て下さい。」

 

確認したサーベイデータを見せた。

 

間「ああ・・・ゴジラの新元素、半滅期が20日程度だったか。」

 

森「これだと1ヶ月で半分以下。2〜3年で殆ど影響がなくなる。」

 

尾頭「ええ、これで都内の除染に光明が見えます。・・・・良かった・・・・」

 

「続」



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最終章「しんせかい〜新世界〜」

ヤシオリ作戦でゴジラ凍結に成功し、ウルトラマンオーブ、ウルトラマンダイナ、ウルトラマンメビウスがゴジラを凍結のまま爆散成功した。


<東京都・上空>

 

ヤシオリ作戦後、オーブは両手から光を降り注ぎ、崩れた周囲の建物や東京駅を元通りに修復した。

 

 

 

 

<神奈川県・上空>

 

ダイナとメビウスは飛びながら両手から光を降り注ぎ、崩壊した箇所や街を全て元通りに修復した。

 

 

 

 

<東京都練馬区 陸上自衛隊・練馬駐屯地>

 

自衛隊達が装甲車を洗車していた。

 

矢口と赤坂もこの駐屯地に居た。

 

赤坂「ご苦労。近々、里見臨時内閣は全ての責任を取って辞任する。」

 

矢口「長官代理のシナリオ通りにですか。」

 

赤坂「俺じゃない。全て里見さんのシナリオだ。折角崩壊した首都と政府だ。まともに機能する形に作り替える。次の臨時政府で巨大不明生物関連法案の成立と、東京復興のメドが立てば、解散総選挙だ。都の避難民が360万人居る瀕死の日本を立て直す新たな内閣が必要だからな。スクラップアンドビルドでこの国はのし上がってきた。今度も立ち直れる。」

 

日本に、喜びが溢れていた。ゴジラの脅威が去り、人々に笑顔が戻って来た。関東地区復帰まで自衛隊と多くの方々がボランティア活動を始めた。ガイとアスカとミライもボランティアに参加している。そして僅か1週間で関東地区が完全復旧し、疎開した360万人が関東地区に戻り、日本に平和が訪れた。人々は日本を救ってくれた3人のウルトラマンと政府を大いに讃えた。

 

 

 

 

 

 

<科学技術館屋上>

 

矢口「君達の協力のお陰で、日本を救う事が出来た。本当に感謝する。」

 

ガイ「礼は必要ねぇよ。あんた達が俺達を仲間に入れたお陰で、ゴジラを倒す事が出来た。」

 

アスカ「俺達ウルトラマンは、どんな危機に立ち向かう戦士だからな。」

 

メビウス「最後まで諦めず不可能を可能にすれば奇跡が起こります。」

 

矢口「不可能を可能か。確かにそうかもしれないな。」

 

ガイ「じゃあここでお別れだな。」

 

矢口「もう行くのか?」

 

ミライ「はい。僕達には、まだやる事がいっぱいあります。」

 

アスカ「何時か、また会おうぜ。」

 

矢口「ああ。その日まで楽しみにしている。」

 

3人は頷いて、光に包まれた。3人はウルトラマンオーブ、ウルトラマンダイナ、ウルトラマンメビウスに変身した。

 

オーブ「シュワッチ!」

 

ダイナ「シュワ!」

 

メビウス「セヤァッ!」

 

3人は宇宙に向かって去って行った。

 

矢口「ありがとう、ウルトラマン。」

 

 

 

 

 

 

宇宙に着いた3人は。

 

ダイナ「じゃあ俺はここでお別れだ。オーブ、メビウス、また何処かで会おうぜ。」

 

オーブ「はい。またお会いしましょう。」

 

メビウス「お気を付けて。」

 

別れを告げて、遥か宇宙の彼方へ消えて行った。

 

オーブ「ではメビウスさん。また何処かでお会いしましょう。ゼロさんや宇宙警備隊の皆さんに宜しく言っといて下さい。」

 

メビウス「勿論だよ。じゃあオーブ、また何処かで会おうね。」

 

トゥインクルウェイでワームホールを作り、メビウスがワームホールの中へ入って行った。

 

オーブ「さてと、次の旅の続きを始めるとするか。」

 

光に包まれたオーブはそのまま姿を消した。

 

 

 

 

 

 

あれから翌日が経った。

 

<科学技術館屋上>

 

矢口とカヨコが景色を眺めてる。

 

カヨコ「巨人のお陰でゴジラは壊滅。そしてカウントダウンと熱核は全て放棄。よく許容したわねそんな事。」

 

矢口「それがないと世界は安心しないだろう。」

 

カヨコ「フランスにデータを横流ししたでしょ?」

 

矢口「フランスだけじゃない。世界中に共有させた。約束は破ったが、後悔はない。」

 

カヨコ「あなたの手段を選ばないところ気に入っている。だから、辞めないでよ?私が大統領の時に、ヤグチが総理なのが理想的なビジョンだから。」

 

矢口「理想的な傀儡だろ。結果はどうあれ、多くの犠牲者を出した。その責任を取るのが政治家の仕事だ。政治家の責任の取り方は、自らの進退だ。自分の責任は自分で取る。」

 

カヨコ「まあ、マキと同じく好きにすれば?」

 

そう言い残して、カヨコは去って行った。

 

 

 

 

 

 

そして爆散して、破片となったゴジラだが、尻尾だけが綺麗に残っていた。その尻尾の先端には、背びれと尻尾を持つ謎の人型が数体生成されていた。しかし凍結により、バラバラに砕かれた。




キャスト

クレナイ・ガイ/ウルトラマンオーブ:石黒英雄

アスカ・シン/ウルトラマンダイナ:つるの剛士

ヒビノ・ミライ/ウルトラマンメビウス:福山潤

矢口蘭堂:長谷川博己

赤坂秀樹:竹野内豊

カヨコ・アン・パタースン:石原さとみ

大河内清次:大杉漣
東竜太:柄本明
郡山肇:渡辺哲
花森麗子:余貴美子
里見祐介:平泉成
金井光二:中村育二
河野純:浜田晃
柳原邦彦:矢島健一
関口悟郎:手塚とおる
葉山達也:信太昌之
菊川俊介:横光克彦
岩田剛:児玉頼信
佃駒人:川井つと
国平修一:大林丈史
鵜飼真一朗:松澤仁晶
大野孝博:小野孝弘
大山修治:大槻修治
河溝丈文:川口丈文
森学:三浦清光
会田晴臣:水野智則
森戸柊志:土屋良太
平岡君男:佐藤貢三
壱岐治:日中泰景
沖良郎:野口雅弘
松本誠一:蒲生純一
久松明:加藤貴宏
風越達雄:神尾佑
片山修一:嶋田久作
松沢:中島伸

泉修一:松尾諭

志村祐介:高良健吾
森文哉:津田寛治
尾頭ヒロミ:市川実日子
間邦夫:塚本晋也
安田龍彦:高橋一生
袖原泰司:谷口翔太
小松原潤:三輪江一
立川始:野間口徹
竹尾保:小松利昌
警察庁危機管理要員:加藤厚成
消防庁危機管理要員:阿部翔平
根岸達也:黒田大輔
町田一晃:吉田ウーロン太

財前正夫:國村隼
矢島:鶴見辰吾
浜田:山中敦史
石倉:國本鐘建
小沢:中田春介
北野:近童弐吉
山本:岸端正浩
山岡:小林隆
三木:橋本じゅん
鮫島:吉家章人
芦田:石垣佑磨
池田:斎藤工
村崎:KREVA
西郷:ピエール瀧
戸川:川崎誠一郎
丹波:鳥山昌克
松井:松井晶熙
野城:大内厚雄
甲斐:堀岡真
村山:ムラヤマ・J・サーシ
菊池:菊池康弘

呑川の男性:神木隆之介(特別出演)
呑川の女性:上白石萌音(特別出演)

ケネス・ランシング:チャールズ・グラバー
リヒター:ドン・ジョンソン
リーマン・ペイン:Gil
カートランド:スミス・スティーブン
グレアム・カスリー:トム・ドーラン
ロス:無し(名前のみ登場)

カップルの女:前田敦子
官邸職員:片桐はいり
小塚:光石研
川又:藤木孝
田原:諏訪太朗
恩地:河野洋一郎
ベテラン記者:川瀬陽太
新人記者:三浦貴大
沢口龍彦:古田新太
本部:モロ師岡
早船達也:松尾スズキ
志賀(仮名):犬童一心
柳(仮名):緒方明
塙(仮名):原一男
消防隊隊長:小出恵介
牧悟郎:岡本喜八(写真出演)
モレリ:ダニエル・アギラル

声ノ出演

オーブリング:櫻井孝宏

ソノ他ノ声

小野塚貴志 合田慎二郎 松川央樹
中務貴幸 塚田徹郎 武藤真之介
上野龍太 新祐樹 滑川洋平
下山吉光 山田陽斗 手塚ヒロミチ
村上達哉 中村公彦 森下由樹子
塙愛美 大南悠 かとう有花
坂本あすみ 増尾興祐 南嶋毅
宇佐美涼子 ド・ランクザン望オランド
Florian Geier MAEVA E
Mark Chinnery Mark Tanigawa Charles Peck



ゴジラ:野村萬斎



『終』


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