昔書いたH×Hssを電波的に書き直してみた (蜜柑好き)
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昔書いたH×Hssを電波的に書き直してみた

唐突だが私は長い修行の末やっと念能力を手に入れることが出来たよ。

師匠には才能が無い帰れと言われ。

事実弟弟子、妹弟子にはあっさり抜かれる……

 

まあ、そんな些細なことこの偉大なる私は全く気にしていないとも。

そうさ気にしていない。

気になどしていないんだからな。

だが、そこまで言うなら少しは気にしようかな?

うんこれは私の本意じゃないんだが、君がそこまで言うのなら仕方が無いな。

 

ん、なんだいその顔は?

何か言いたいことでもあるのかね?

ほら、私と君の仲じゃないか。

遠慮など要らないぞ?

あ、こら私と話しているときに新聞なんか読み始めるんじゃない。

貴様は朝のお父さんか。

おーい、返事をしたまえ。

 

やれやれ、やっと私に意識を戻してくれたか。

それで何の話をしていたかな?

ああ、そうだ念能力の話だったな。

いやー苦労したとも。

あの夢が無ければここまでくることはできなかっただろうね。

幸い念の系統も幸いにも私が望んでいた系統だったから。

後はオーラを鍛えるだけだったのだが……

実に長かったね。

8歳から修行を始めたからもう15年か。

昨日やっと師匠から4大行すべての最低限の許可をいただけたよ。

あいつ実は教える才能無いんじゃないのか?

あの程度の教育能力しかないくせに我が国最高の念の指導者とはこの国も落ちたものだね?

そうは思わないかい?

だが、そんなことは最早どうでも良い!!

一応あの男にも感謝はしておいてやるよ。

君にそんな目で見られたくは無いしね。

 

っと、いかんいかん。

ついつい君と話していると話が脱線してしまうようだ。

まあ、4大行を極めたと言っても過言ではない私だが。

そろそろ発を作ってみたくなるのは人情だろう。

師匠にはメモリー3ふん、ごみめ。

とか言われた気がしたが。

聞き返したら幻聴だと言っていたから何も問題は無い。

運がよかったら制約をつけまくればなんか一つくらい強化できるんじゃね?

とお褒めの言葉を頂いた。

さすがは私だね。

と言うわけで、早速私は自分の技を作ってみた。

何?

早すぎるって?

昨日やっと許可が出たのにもう完成したのかと言いたいんだろう?

それは仕方が無いだろう。

何世故の私は天才だからね。

存分に褒め称えるがいいよ。

ま、まあ物心ついたころから毎日忘れたことの無い野望実現の手段だ。

イメージトレーニングとか必要ないまでにやりこんできたからな。

いつ出来てもおかしくない状態だったのは認めるけどね。

ただ、オーラが圧倒的に足りなかっただけで。

信じられるかい?

私は師匠の子供よりもMOPもPOPもAOPも負けているんだぞ。

15年も修行した私がだ。

え、師匠の子供?

生後1週間だがどうかしたのか。

忘れたのかい君と一緒にお祝いに行ったじゃないか。

君の驚愕した顔は久しぶりに見るな。

さすがは私だろう?

それだけしかないオーラでも能力を作れてしまうのだからね。

節電いい言葉だ。

 

え、私に野望があったのは初耳だって?

それはそうさ。

君に話したことは無かったからね。

今こそ君に教えよう。

そう、私の野望は唯一つ―――

 

 モテル事だ!!

 

何せ私が物心ついてからこちら師匠と家族をのぞけば君くらいしかまともに話したことは無いからね。

何故にみんなこの私をよけるんだろうね?

実に不思議だよ。

え、どうしたんだいそんな怖い顔をして。

おい。

急に帰るんじゃない。

私の話はまだ途中だぞ。

おーい。

 

 

 

やあ、君の行動パターンなんてすべてお見通しだよ?

え、仕事。

そんなものはする必要は無いさ。

いわゆるさぼりというやつだね。

アニメを見ながら10分程度で出来る量の仕事しか今日は無かったしな。

あそこには100人以上人がいるんだぞ今頃皆酒でも飲みに行く相談をしているだろう。

と言うわけで昨日の話の続きだ。

君に最初に私の能力を見せたくてな。

見てくれるかい?

これが私の能力。

 

フェロモン強化さ。

 

私は、気がついたのだよ。

何でこの私に誰もよってこないのか。

服だって君と一緒に買いに行った君が選んでくれたものだから問題は無いだろうし。

元々親が金持ちであったから、お金もある。

それになんか知らんがおっちゃんが毎月私にお小遣いをくれるしな。

いい人だと思わないかい?

流石はお父さんの親友だな。

さすがに悪いから毎日10~20分位お仕事を手伝ってあげているんだが。

そんな肩たたきレベルのことで使い切れないお金をくれるんだぞ?

全くもう少し金銭感覚を養って欲しいものだね。

この間なんかお金はもう要らないからって言ったんだがね。

そしたら涙ながらにこの国を見捨てるのかお願いだから考え直してくれ。

そうだ、いっそ余のあとを継ぐか?

だからお願いだから見捨てないでくれと謁見の間の人たち総出で土下座をされたぞ。

あれは一体なんだったんだい?

何かあの日国債の価値が急激に下がって驚いたんだが。

次の日お父さんに泣いて頼まれるからいつもより張り切って30分くらいアニメも見ないで仕事を手伝ったら逆に以前よりも高くなるし。

おかしな国だね。

そう言えば最近おっちゃんが私の事を最小とか言うんだよ。

失礼な話だね。

私は背が低いことを気にしてるんだ。

 

まあいい。

おっちゃんは一応お父さんの親友だしな。

少しくらいは大目に見ようじゃないか。

そんなどうでもいいことはほっておいて。

念能力を覚えた私に女の子達はメロメロさ!!

……何?

そんなことしなくても皆私にメロメロだと?

本当に君は優しいな。

赤子にも勝てないこの私がもてるわけ無いだろう?

現に最近だと誰にあっても顔を合わせてくれないんだぞ?

皆そんなに私と顔を合わせるのが嫌か。

昨日なんか君と別れたあと気晴らしに町に出かけたら町民そろって地面に這い蹲るんだぞ?

頭なんか地面にこすり付けるし。

お年寄りに下を向きながら手を合わせられたぞ。

私が何をしたと言うんだ。

 

君またあきれた顔をしているね。

なんか君はあきれた顔を浮かべていることが多いが。

一体何にそんなにあきれることがあるんだか。

実に興味深いね。

 

なんだいそんな投げやりな顔をして。

え、もてるだけだったら強化じゃなくて操作の方がよかったんじゃないかって?

馬鹿にするなよ。

私は人形に囲まれたいんじゃないんだ。

私は人間と遊んでみたいんだよ。

君と最初にあった時、君と最初に遊んだ時。

いまだに覚えているよ。

くすんだ世界に色がついたようだった。

あの感動は忘れられない。

誰かと遊ぶと言うのはこんなに面白いものかと感動したよ。

私は知っているんだぞ。

内の書庫にある本で勉強したからな。

何でも女の子にもてれば友達に囲まれたリアジューなるものになって友達に囲まれた楽しい生活を送ることが出来るんだろう?

ああ、実に楽しみだね。

早く私の所に女の子がよってこないものかね?

って、昨日に引き続き今日ももう帰ってしまうのか?

おい待て。

私と一緒に女の子を探しに行こうじゃないか?

おい、おーい。

 

 

 

やあ、やっと見つけたよ。

何で君牢屋になんか入ってるんだい?

いつもの行動パターンをすべて探してもいないから驚いたよ。

君もかくれんぼが上手くなったものだね。

こんなに君を見つけるのに苦労したのは初めてだよ。

ほら、いつまでもそんな所に隠れてないで早く帰ろうじゃないか?

私はもう疲れてしまったよ。

は、はは……

そう言えばお腹が空いたな……

なんかふらふらするよ。

 

 

 

 

おや、君が看病してくれたのかい?

また君に迷惑をかけてしまったようだね。

何で私はこんな体に生まれてきてしまったんだろうな。

お父さんやおっちゃんと比べて圧倒的に低い身長。

やはり私は何かの病気なのだろうか?

胸も腫れてしまってこんなになってしまったし。

月に一回昨日みたいに妙に体調が悪い日があるしな。

え、どうしたんだいそんな目をして。

おい、落ち着きたまえ。

ちょ、イタイイタイ。

なんだい何が気に触ったと言うのかね。

ちょ、誤るから。

この通りだ。

許してくれたまえ。

はあ、君は怒らせてしまうし女の子はよってこないしで本当にどうしたものだろうね。

いっそ、良いこうなったら孤児院にでも行って光源氏計画でも発動するさ……

何でもジャポンと言う国の歴史的なリアジューのやったことらしいが。

きっとそれをやれば女の子がよってくるに違いないよ。

そうとなったら孤児院を2~30個は買い取らねば……

さて、そろそろ寝ていられないね。

だが。子供を育てるとどうしてリアジューになるんだろう?

実に謎だね。

 

 

 

 

まあいい。

今日も頑張ろうじゃないか。

我が友よ。

 

 

 

 

 

さて、光源氏計画発動中の私だが又会ったね!!

君はお元気かな?

私?

私は気味と最後にあった時以来別に倒れたりはしていないよ。

 

そう言えば少し問題が起きてしまったよ。

孤児院を買い取ったのは良いのだが……

いや、子供たちは可愛いね。

こんな私だと言うのに一緒になって遊んでくれるんだ。

君と一緒にいる時ほどではないがかなり楽しい時を過ごしているよ。

流石は古の偉人光源氏。

きっと彼もまた子供好きな御仁であったに違いないね。

私も楽しい、孤児院で不幸な目にあう子供も減る。

今後私は彼を心の師と仰ぐことにしたよ。

念の師匠とは違う。

まさに偉大な方だね。

きっと彼の支配していたへいあんきょーなる都は光り輝くほどだったに違いないね。

 

ただね、問題が無いわけじゃあないんだ。

最近子供らの態度がおかしいのだよ……

最近忙しくなって中々会いにいけないのが悪いのだろうか?

勿論時間を見ては子供らに援助と会いに行く事は忘れてはいないが。

何故か最近国が発展してるみたいでね。

私が戯れに勉強を見てあげた子供達が活躍しているみたいだ。

おかげでおっちゃんの手伝いが最近増えてしまってね。

私は子供達と遊びたいと言ってるのだが。

しかも、その活躍してる子達は最近私から目を背けるんだがね。

昔はおねーちゃんおねーちゃんと近寄ってきてくれたのに。

寂しいね。

まあ、あの子達の活躍は素直に祝福するが。

 

ぶっちゃけ、私の周りに人が寄ってこないのだよ……

幼い内は勿論寄って来るのだがね。

少し育ってくると私から遠ざかるのだよ。

何故だ?

こんな筈ではなかったのに。

おかしい、謀ったな光源氏。

 

ん?

おや、見た顔だな。

何だね?

父上からの使いか?

それはご苦労様だね……

で、父上は私に何のようなんだい?

 

ああ、そう言えば今日は母さんの命日だったか。

そう言えば最近忙しくてお墓に行ってなかったね。

よし、今日は母さんの所に行くとするよ。

知らせてくれてありがとう。

もう帰っていいぞ。

 

よし、行こうじゃないか。

って、何で君まで帰るんだい?

君は私と一緒に行くんだよ。

え、水入らずの邪魔は出来ない?

母さんのお気に入りだった君が何を言っているんだい。

君が来て喜ぶことこそあれ邪魔になることなど無いよ。

さ、行くぞ。

 

母さん。

私はいつまでこんな演技をしていればいいのかな?

こんなおどけた演技をしても私には誰もよって来ないと言うのに。

母さんと約束した友達100人達成できそうも無いよ。

皆に好かれようと努力をしているんだけどね。

何故か皆私から離れていってしまう。

昔から私は変わらず孤独なままだよ母さん。

 

ん、どうしたんだい君。

いきなり私に抱きついてきたりして。

ああ、そうだったね。

私は孤独では無かったよ。

いつも君がいてくれた。

そうだね母さん。

母さんが連れてきてくれた子は友達100人なんかよりもずっとかけがえの無い私の親友だ。

 

ありがとう。

私は君がいてくれるから頑張れるんだ。

ありがとう。

私の親友。

大丈夫だよ。

君がいるのを思い出した私はもう涙を流すことは無いよ。

君がいる限りはね。

 

よし、今日は湿っぽい話はもう終わりにして町に女の子でも誘いに行こうか?

って、何か抱きつく力が強くなっていないか?

苦しい苦しいよ?

私は体が弱いんだぞ。

おい、ちょ流石にシャレにならないぞ。

ああ、母さん今行くよ。

 

 

 

 

母さん、あなたのおかげでこうやって馬鹿な事をできる友人を得ることをできました。

だから心安らかに見守っていてください。

私はもう一人じゃありません。

 

 

 

 

 

 

 

なあ君。

今日とても悲しいことが会ったよ。

去年私が孤児院で世話をしていた子供が一人死んだよ。

学校でな遠足に行ったのだそうだ。

私は良かれと思って援助をした。

その子は行って見たい国があると言っていたからね。

その子のお母さんの故郷だそうだ。

だがね、その国に向かう途中子供達を乗せた飛行機は隣国の戦争に巻き込まれてしまったらしいよ。

 

なあ、私が良かれと思ってやったことは何だったのかな?

私は結局あの子の命を奪ってしまっただけだ。

私は人殺しさ。

君の友人としてふさわしくない人間だ。

まったく。

こんな私が友人だと?

女の子にもてるだと?

所詮そんなこと出来る筈が無い夢物語だったんだ。

 

今日はね、君に別れを言いに来たんだ。

さようなら、私は君にふさわしくない人間だ。

こんな醜い私が君のような存在のそばにいていいはずが無かったのさ。

だから、もう私のことは構わずにいいよ。

今まで母さんに頼まれてこんな私なんかと友人でいてくれてありがとう。

とても感謝しているよ。

ではもう会うことも無いだろう。

さあ、車を出してくれ。

 

 

 

さようなら君。

私の楽しかった日の象徴よ。

私はこれから修羅の道を行く。

どうかこんな私のことなど忘れてくれたまえ。

 

 

 

 

 

 

ん、君か。

久しぶりだね。

ああ、私はこの世界から戦争を無くしたよ。

はは、子供の頃の馬鹿な考えで作った念能力がまさかこんなことになるとはね。

おぞましい力さ。

世界は停滞してしまった。

争うことの無い世界。

誰もが私の言う事を聞く世界がこんなにもつまらないものだとはね。

ああ、すっかり私は師匠にだまされたよ。

考えてみれば私に出来ないことなど無かった。

幼い日より何をやっても誰とも勝負にならなかった。

そんな私が念だけ使えないと言うことがあるわけ無いんだと痛感したよ。

師匠は私の能力を封印していたんだな。

このおぞましい力を。

 

今の私は初の世界統一国家の君主様だそうだよ。

笑ってしまうよ。

私は皆が楽しく笑える世界を作りたかった。

だがね、私に作れたのは操り人形でいっぱいのおもちゃ箱さ。

私の能力の及ぶ限りの世界にふたをして。

その外との行き来を禁止した。

狭い狭いおもちゃ箱。

私を退屈させるつまらない世界さ。

 

こんなものいらなかったのにな。

私はただ君さえいてくれればよかった。

そんな簡単なことにも気がつけなかったんだ。

私は念をこの国から隠そうと思う。

限られた一部のもののみに残し外の世界から誰かが来たときの自衛手段として。

それ以外の一般人には触れないものにする。

いつか第二題三の私のような化け物がこの世界に現れないようにね。

 

ああ、それにしても君は何でここに来てしまったんだい?

お父さんにでも呼ばれたかい?

 

私は今まで君に会わないように我慢してきた。

君にあってしまえば二度と君を手放せなくなるのがわかっていたからね。

笑ってしまうだろう?

私の能力は君にだけは効かないんだ。

私は最初能力が無いと思っていたからね。

君と親密になるために能力を作ったのに命よりも大事な君に効果が無いとしなければこの能力は使えなかったんだ。

笑ってしまう。

君を手に入れるための能力が気がついたら私から君を奪っていた。

私は君以外のすべてを手に入れたが、君は私のものではない。

 

今私は君が手に入るのなら君の意思などどうなってもいいと思っている。

だが、その一方君だけは私の思い通りにならない事を喜んでいる。

ただ、どちらの私も君をここから逃がす気が無いのだけはもう一致している。

 

ああ、あの日君を牢屋に入れたのはこの私だったのだな。

今思い出したよ。

私は本当におぞましいな。

だが、私が君から離れられないのはもう事実だ。

だが、君を私の言いなりにしたくは無い。

だから、私の家族になってはくれまいか?

 

ああ、思えば私はずっと君にこれを言いたかったのだな。

なあ、妹が欲しいと言った私の為に体が弱かった母さんが無茶をして作ってくれた私の妹よ。

 

 

ふん、君は私が気がついていないと思っていたのか?

ああ、私はすべて気がついて君に黙っていたのさ。

君に告げたら再び君が私の元を去ってしまいそうでな。

君を産んだ無理が元で数年で母がこの世を去り、そのショックで父は君を家から出してしまったが。

再び会えたとき私には一目でわかったよ。

 

もう二度と君から離れる気は無い。

そして、君を放す気は無い。

 

ああ、君の言うとおり我ながら厄介な女だと思うよ。

実際君を手に入れるためだけに世界を手に入れるような女だからな。

もう君の逃げ道は全部ふさいだ。

この世界は君を捕まえる私と言う蜘蛛が紡いだ糸なのかもな。

 

はは、これで私は友を全て無くすのだな。

だが、家族を手に入れられるのなら何も問題は無い。

 

おかえり

 

「ただいま、姉さん」



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原文

捻挫も少しましになって久しぶりにネットにつないでみたらこのssがうぃきでレビューされてて吃驚しました。

話の展開がわかりにくいという意見でしたのでどうしてこうなったかわかりやすいように以前理想郷で投稿していた原文を投稿しておきます(もちろん向こうに投稿した物は数年前に消してあります)
この話は元々向こうで書いたときも高熱でかなりハイになっていた時作ったものでしたのでこれを見ても話がわかりにくいことは変わらないんですけど。

作品として色々ましになったなと思う反面当時の勢いが無くなったと感じる感慨深い作品です。
それにしても、自分への戒めとはいえこれを見ると顔が真っ赤になるほど恥ずかしいですね。


ハッハッハ唐突だが私は長い修行の末やっと念能力を手に入れることが出来た。

 師匠には才能が無い帰れと言われ。弟弟子、妹弟子にはあっさり抜かれる。

 そんな私だが、唯一つの目的のためだけに頑張ってここまで来たのだよ!! 念の系統も幸いにも私が望んでいた強化系だったしね。イヤー長かった。ここまで来るのに8歳から初めて15年もかかったよ!!

 だが、そんなことは最早どうでも良い!! 師匠には技を一つでも作ったらメモリーが足りなくなって強化系から最も遠い特質にすら殴り合いで負けると言われたがそれでも構わない。

 早速私は自分の技を作ることにした。何? 早すぎるって? 仕方ないだろう初めからこのためだけに修行してきたのだから……

 

 

 そう、私の目的は唯一つ―――

 

『モテル事だ!!』

 

 早速フェロモンを強化するという能力を作った!!

 私は、その日からファッション雑誌を買い漁り。鏡の前に立ち毎日ファッションチェックに余念が無い。元々親が金持ちであったから、念というものを早くから知っていた私はお金もある!! 美容整形もした。最早絶世の美男子!!

 これで女の子達は私にメロメロさ!! ……何? そんな金があるのなら初めから念なんて学ばないでそうすれば良かったじゃないかだって?

 ハッ!? わかって無いねえキミは…あえて遠回りすることにこそ意義があるんじゃないか!!

 さて、次はホスト共を呼んで女の子を楽しませる会話を学ぶとしようか……ではね私は忙しいのだよ又機会があったら会うこともあるだろう。その時までさらばだ!!

 

 

 やあ、又会ったね!! 何? 時間がたってないって?

 馬鹿を言っちゃあいけないよ……あれからもう二月はたっただろうに。

 さて、財力、魅力、話術、権力、能力、ずば抜けたフェロモンこれらを持つ私には女の子達が寄って来てもおかしくは無いはずなのだが……

 一向に寄って来ない。おかしい何がいけない……むしろ男共ばかり寄って来て困っている……

 

 

 やはり、私が女であることがいけないのだろうか?

 ム、呆れているな…何がいけないんだい?私が美しい女の子達を好きになって……

 にしても誤算だったのはやはり念能力か……女の私がフェロモンを強化したらそれは女の子ではなく男を近づけると気が付くべきだったか。

 まあ、良いこうなったら孤児院にでも行って光源氏計画でも発動するさ……そうとなったら孤児院を2~30個は買い取らねば…フウやることが増えて困るね。いや、孤児院なら子供達の世話をするお姉さん的なものも居るだろう……これは一粒で2度おいしいというやつかな……

 

 

 さて、今日も頑張るとするかね!!

 

 

 

さて、光源氏計画発動中の私だが又会ったね!!

 君はお元気かな? 私? 私は勿論元気だとも……

 ただ少し問題が起きてしまったがね!! 孤児院を買い取ったのは良いのだが……余りに大っぴらにやりすぎたようでね!! 美少女達を大量にゲットしたのだが……

 彼女らに構っている時間が無いのだよ……勿論寝食を惜しんで彼女らに援助と会いに行く事は忘れてはいないが……気が付いたら世間での私の評価は聖女様という奴でね!!

 ぶっちゃけ、私の周りに人が寄ってこないのだよ……幼い内は勿論寄って来るのだがね。少し育ってくると私に近づくのが恐れ多いみたいでね…皆緊張して寄って来てくれないのだよ!!

 おかしい!!こんな筈ではないのだが……

 

 

 ん? 何だね? 父上からの使いかね? ご苦労様…で、父上は私に何のようなんだい?

 ほう!! 私に今の世間の目を利用して政治の舞台に立てと……フムどうしようか? 正直私は忙しいのだがね……いや、待て!? 政治の世界に出たら美人秘書を雇えるではないか!!

 これは盲点だった……良し政治の舞台に立つとするか!! どうせなら最高の政治というものをお見せしてあげようではないか!! ではすまんが私は又忙しくなったようだ……それではこれでさらばだね!! 暫くしたら又会うこともあるだろうが、今は忙しいではな!!

 

 

 ふう、この国もこれでほぼ全ての問題を解決かな!! ん? 又君かね? 久しぶりだね……

 ハッハッハ!! 見てくれたまえこの国の発展振りを……町では犯罪の発生率はほぼゼロさ!! その上ごみ一つ落ちてはいない!! さらにだ、公害や環境にも考慮したクリーンなエネルギーがほぼ100%を担っている……

 素晴らしいだろう!! 私は自分の才能が恐ろしいよ!! 勿論美人秘書も3名使っている…忙しすぎてもう電話以外で最後に会ったのを思い出せないがね……

 おっと、勿論光源氏計画も継続中さ…私の周りは常に美少女達で一杯さ!! おかしい!! 何故私は美女に囲まれていないんだ!! これ以上私に何が足りないというのだ!! 実質この国は私が動かしている。上の者達? そんなものは飾りです……偉い人達はそれが分からんのです!!

 まあ、気が付いたら私は聖女ではなくメシア様と呼ばれるようになっていたがね!!

 

 

 そうだ、こういう時は一度基本に立ち返ってみよう!! おお!! 念のことをすっかり忘れていたよ……そういえば師匠に聞いたことがあるな。制約と誓約だったか? 多少違う気もするがまあ気にしない!!

 これで、私の念能力のフェロモンを美女達にも効く様にすればいいのだ!! そうだな、一体何を犠牲にしようか……うむ、決めた私は今後この能力以外の全ての念能力を失う!! というか、これしかいらないしな……ついでだから、私は生涯男性とは関係を持たないことでも誓っておくか……

 さらについでだ、これを破ったら私は命も捨てよう!!これだけすればいくらなんでも私の能力も美女達に効くようになるだろう……

 

 

 相変わらず私は自分の頭脳の冴えが怖いよ!! まあ、才能は無かったがね……そんなものはどうでもいい!! さて、これで今後が楽しみだ!! とりあえず手始めに久しぶりに自分の秘書に会ってみようかね!?

 ところで…君は私の秘書の顔を知っているかい? 正直忘れてしまってね……一体誰だったか? ム……まあ、良いさ国の仕事は一通り終えたのだ…少しくらい秘書達を呼んでも罰は当たるまい? 何? 自分の秘書と会うのは当然のことだと!! 君は私の労働環境を知らなかったからそんなことが言えるのだよ……そうだ、これをきに国の者達の言葉を政治の場にいかす事にしよう!!

 美女とも遭遇できる機会が増えて一石二鳥だね……

 ハッハッハ!! 私はやるやってやるぞ…美女にもてる為にこの国を歴史に名を残すくらいまで押し上げてみせる!! その暁には美女達も寄ってくるだろう……待っていろまだ見ぬ美女達。今私が行くぞ……ハーッハッハッハ!!

 ん? 後ろからもうあなたは歴史に名前を残してますよと言われた様な……気のせいか!! と言うわけで私はもう行く。さらばだ!!

 

 

 

 

ん、又君か……どうも直接人々から意見を聞こうと思ったのだが。何故か皆私を見ると顔を背けて会話にならないのだよ……

 秘書にも久しぶりに会ってみたのだがね、どうにも避けられているようだ……

 何故だ!! 私はまだ若いし実際24だ……そして、およそ人に好かれそうなもので考え付くものは全て手に入れたつもりだ……何が足りないんだ……

 あっ丁度良い!! お嬢さん少しよろしいかな? ほらね皆私を見ると直ぐに顔をそらす……

 さすがの私も自信を無くすよ……それにしても、風邪が流行っているのだろうか? 何故か女性の顔が皆赤いな…さっき会った女性など私とぶつかった瞬間倒れてしまったよ……

 そうだな、こんな時は孤児院にでも行って子供達に癒してもらうとするかな……

 

 

 おや、久しぶりではないかシスター!! 最近見ていなかったが元気にしていたかね?

 たまにはと子供達に会いに来たのだが……ん? シスターも風邪かな? だんだんと顔色が赤くなっていくじゃあないか!? 大丈夫かいミス……さあ、私の腕につかまりなさい。だめだ、気絶してしまった……シスターの鏡だなこんな体調でも働いていたとは…

 おや、何か落としたようだな……ふむ、私のファンクラブ会員NO.6567395だと!! ふむ、最近は子供とこんな事をして遊んでいるのか? 無駄に丁寧に作ってあるが……最近の子供達と遊ぶのならこれ位の技術は必要なのか……一つ勉強になった。よし、育児の補助金を引き上げるとしようかな!!

 

 

 ふう、子供達は無邪気だな…皆私に擦り寄ってきて一時も放れようとしない。私が帰るときも大分泣かれてしまったよ……美少女も良い物だ!!

 

 

 さて、後は目安箱を確認してから帰るか!! 何故か知らんが、実際に目安箱に投入される量と私の所に届く量には差があるのだよ!! 秘書達には届けますから絶対に自分で確認しないで下さいと言われているが……まあ、たまには良いだろう。ん? これはラブレターか? なるほどポストか何かと勘違いされているのか……それで、識別に私の手を煩わせまいとしてくれていたのか……嫌われていると思ったが。仕事はちゃんとしてくれているのだな!! 良い娘達だ……

 賃金を増やしてやらねば……それにしても、今や私とじかに会ってちゃんと話をしてくれるのは君と後、良く顔を合わせる数人。それと子供達、ご老人方。後は師匠だけになってしまった……

 他の者達は電話でしか話してくれない……制約を付けた頃からか。師匠にはお前は念の才能は無かったが、念使いとしては最高だなどと誉められたし……全く訳の分からない話だ!!

 

 

 おっと、ほら早速電話だよ。私だが、何かあったかね? ん? 隣の女王国が私の国に無条件降伏して来ただと……またか、これで何回目だ? どうせまた条件として私の家の直ぐ近くで女王自ら私を見張らせろとか言うのであろう? 確かにこの国は私が動かしていて今や世界でも最大規模の国家だが……全く理解できない話だよ? だって、私には侵略等と言う考えは無いのだからね…考えても見たまえ!! 戦争なんかして美女達が傷付いてしまったらどうするんだい?

 まあ良い……すまんね。国家の併呑で忙しくなりそうだ……最近の数少ない我が友である君と別れるのはつらいが。今日はここまでのようだ……又会おうではないか!! ではな。

 

 

 

 フム、すまないね君を呼び出してしまって……最近人とあって話すことが減っているのでたまに君のような人に会いたくなるのだよ……前回君と会った後、良く考えてみたのだがね……いつまでもくよくよしていても仕方が無いからそろそろ又前のような自身を取り戻そうと思ってね!!

 すまないが、ひとしきり私の話し相手になってくれたまえ!! 光栄に思うことだね!! どうだい凄いだろう? 私が政治を志してからわずか1年これだけの期間で大陸を征服してしまったよ!! ちなみに私はまだ24だよ!! 誕生日は4ヵ月後だ!? ん? 知ってるって? 何……念のためさ!!

 ちなみに戦争は一度たりともしていないよ!! 何故か全ての国が無条件で私に膝を負ったのだよ!? これはいまだに理由が分からんが!! まあ、私のオーラの前には仕方が無いことだ!! そろそろ私も歴史に名を残すと思うのだよ!! 気がついたら国王まで私の前では平伏するしね……父上も最近では私を主のように扱い始めてきたよ!! さすがに他の大陸はまだ私の物になっていないが、およそ世界の半分は手に入れたと言えるだろうね!? 昔誰かが言っていたが、世界を征服するためにはその半分を征服せよ!!その半分を……つまり、世界を征服するためには市街を征服せよと言った者がいたが……これで言うのなら私は世界を征服したも同然と言うわけだ!!

 しかも、私が治める国は治安も良く。税も少ない……どんどん国民が増えているよ!!

 

 

 だが、美女は私の物になっていない……何故だ? このままではあの約束が果たせないではないか!? ん? あの約束? まあ、気にしないでくれ!! 私の秘書、今は30人ほどいるのだが、最初からいた3人がやっと私と話してくれるようになってきた!! やはり、常日頃からのアタックが必要なのか? まあ、良い……少しはめどが立ってきたんだ!! 来年位までには美女に囲まれたいものだ……そうすればやっと…おっと!! そこから先はまだ秘密さ!!

 ともかく、今日はありがとう!! 久しぶりに会えて嬉しかったよ。ではな。

 

 

 

 おや、君かい……今日はこんなだらけた格好ですまないね!! 世界制覇を成し遂げたのはいいんだが、今一つ達成感が無くてね…来週には正式に私が女王になるというのにだよ!! 一体何故こうなったのだか……フッ冴え渡る私の頭脳は全く恐ろしいよ!! 最近は側近位は私に近づいてきてくれるが……全く仕事が手間取ってたまりゃしないよ……

 ん? 美女達かい? そっちはまだあいにくさ……たまに側近の数人が近づいてきていい雰囲気に持って行けそうになるのだが……その度に他の者達が邪魔をしに来るのさ!! どうにも私は信用されてないようだね…最近はそれにも慣れてしまったよ……

 

 

 何かたまに側近達から1番目の栄誉は譲れないとか……私が最初にだの……どうやって出し抜こうか!? だのと聞こえてくるが……一体何の話をしているのやら? 仲が良くて結構な事だ!! ん? 立場を使って命じれば良いだと!! それではせっかく咲き誇った可憐な花たちを手折ってしまうことになるではないか? あくまでも優雅にだよ!! なあに……いつかは私の素晴らしさを分かってくれるようになるさ!?

 

 

 ん? どうしたね? この馬鹿は処置無しだ……みたいな顔をして? 私の言った事に何かおかしな点でもあったかな!? 生憎良く考えてみると生まれてこの方同世代の友人というのは君ぐらいでね……世間知らずに育ってしまったようだからな!! 子供の頃は修行と勉強三昧……大人になってからは君も良く知っての通り政治に福祉にと大忙しでね…美女達と一度で良いから心行くまで戯れたいものだ……

 

 

 おや、どうしたね? また変な顔をして……変な奴だな君は? それにしてもこの世界始めての統一帝とか言う物になってしまうとわ……人生分からないものだ……修行しているときなど諦められて罵倒すらされなかったからな……そのときから比べると信じられないよ!! 結局師匠にテンプテーションと名前を勝手に付けられたこの能力しか覚えられなかった私がだよ!! 若干25歳の私がここまで来てしまって良いのだろうか……? 始めは純粋に美女と戯れたいだけだったのだが!! まあ、良いとしようか!! ん? 何だってまた来週の即位式の準備の打ち合わせかい……

 全く残念だ……最近では君と話しているときが唯一の安らぎだと言うのに!! 子供達にも寂しい思いをさせている…早く我が悲願を達成させて幸せになりたいよ……

 君にはいつでもここにこれる権利と私に自由に会える権利を与えてあるからまたいつでも来てくれ給えよ!! それではな!!

 

 

 どうだったね? 私の即位式は? 周りに美女達をはべらせてずいぶんと良い気分だったよ!! それはそうと……最近父上をはじめ周りの者共がうるさい!! 早く子供を作って世継ぎをだと? フン、男などどうでも良いのだがな……というか、むしろ嫌悪しか出てこないよ!! それに、関係を持ったら私は死んでしまうのだがね!! ん? どうした? そんな顔をして? ああ、君には言っていなかったっけか? 私の念能力の制約とか言うやつだよ……私は生涯男とは関係を持てんのだ……この能力も余り役に立っているとは思えないのに!! 全く……まあ、初めから男などどうでも良いから関係無いのだが!!

 ところで、聞いてくれたまえよ!! やっと私は美女達と園遊会なるものに行って戯れることが出来たのだよ!! 半ば立場を使ったものとなってしまったがとても楽しかったよ!! 

 昨晩も美女達との晩餐会だったしな!! やっと、やっと美女達と戯れることが出来た……思えば長かった!! それで君に聞いて欲しい話があるのだが、良いだろうか?

 

 

 ん? 構わないかい? 感謝しよう!! ……改まって君に話そうとすると緊張するものだな……幼馴染でこんな子供の頃からの付き合いだというのに!! まあ、良い!! 決心した!! 君、私の后になってはくれまいか? ん? どうしたねそんな顔をして? 何!! 女同士だと!! それがどうした……私は君と結ばれるために努力をしてきたのだぞ!! 君と結ばれるために身体を鍛えた……まあ、君のほうが強いが……勉強もした!! 地位も栄誉も手に入れた!! 女の子達を喜ばせる会話だって学んだし……実際に試してきた!!

 ん? あれは私の趣味ではなかったのかだと? 余り見損なってくれるな!! 全ては君を手に入れるための予行演習に過ぎん!! 実際私ほど一途なものも居ないぞ!! 身体も清いままだぞ!! 地位もあるし女同士で結ばれるのも可能だ!! ひそかに作らせていた化学工場で先ほど女同士でも子がなせるようになる薬も完成したと報告もあった!! ん? 呆れて物も言えないという顔だな!! 私は君にはそれだけの価値があると思っているのだがな!! それは、君の家は私の家の使用人の家さ!! 立場だって良くはない……だが、私と話をしてくれたのは君だけだったのだよ!!

 

 

 それはもう嬉しかったぞ……思えばあの時からだな君を手に入れるために全ての労を厭わなくなったのは!! ん? この強化系の単純一途な馬鹿が!! だと……それは私には誉め言葉だな!! これから先私は君以外いらないしな!!

 で? 答えはどうなのだ? おお!! 受けてくれるのか!! これはありがたい!! 早速今夜から祭りだ!! おい、誰か居らんか? 私は結婚するぞ!! さあ、準備をいたせ!!

 

 

 ん? これからは忙しくなる……君は休んでいてくれたまえ!! 私が全ての準備をしよう!!

 楽しみに待っていてくれたまえよ!! ではな……また会おう!!

 

 

 

 やあ、起きたね!! 君が寝ている間に全て結婚式の準備を終えてしまったよ!! 早すぎるって? なあに事前から準備していてね!! 足りないのは君の返事だけだったんだよ。さあ、最早この世界で私達を阻むものは存在しない!! 何せ私がこの世界の統一帝なのだからね!!

 いやあ、昨日の夜はとても緊張したよ……まあ、断られるとは思っていなかったがね!! 実際準備も最早引き返せない所まで行っていたし……よかった、よかった。ところで、君の呼び方なのだがね…何と呼ぼうか? 今まで通り君では味気無いしね……ん? 君が良いだって? それが呼ばれなれてる……フム、君がそう言うのならば仕方が無い……色々と考えていたのだが……

 まあ良い……さあ、結婚式だ……さっさと行くぞ!! 君のために用意したウェディングドレスだ……これに着替えてくれたまえ!! ん? 恥ずかしいから外に出ていてくれ? これから結婚するのだし……分かったよ出て行くとしよう……君が密かに私の護衛を勤めていたことには気がついていたが……ここまで実力差があるとはね……

 

 

 ゆっくり待つとしようか……にしてもどうしたんだい? 今日は目出度い日だというのに妙に泣いている者が多いな…宮殿も妙に静かだし……テレビでも見ようか? うむ、妙に落ち着かないものだな……それにしても、何処のテレビ局も私の事を放送するのは良いのだが!! 何故皆泣いて居るのか? 理解不能だ……

 

 

 フム、ただ待っていても仕方が無い……私も着替えるか!? 何故に皇帝の正装は軍服のようなものにマントなのだろうな? 私は戦争など一度もした事が無いというのに!? というか、むしろ聖女とか呼ばれていたはずなのだが……きっと気にしたら負けなのだろう……ただ作者が考えるのがめんどくさかったとかの理由でないことを祈ろう!! おや、君もドレスを着たようだね? 良く似合っている……実に可憐だ!! 背は160cmの比較的標準に近いが宝塚的な顔の私!! それに対して143cmと小柄で童顔な君…君に似合うだろうドレスを一月もかけて選んだかいがあった!!

 

 さすが私だなセンスも良い……さて式場に向かうとするか!! おいそこの者式場まで案内いたせ!! 私はともかく彼女のドレスを汚してはならんぞ…… ん? 貴様も泣いているのか……全く何が起こっているのか? 今、この宮殿で元気なのは私と君それにそれぞれの両親だけのようだな……いや、君の両親は恐縮しすぎて青白くなっているか……

 

 

 さて会場についたな!! 見るが良いこの広い広場……何万もの人々……何故か殆ど泣いているのが不気味だが…立派に飾られたデコレーション!! 君に気が付かれない為に実は私も始めて見たのだ……どうだ、凄いであろう!! これからも君を最高に感動させるための催し物で一杯な予定だ!! 絶対に君を感動の涙で溺れさせて見せよう!!

 

 

 ふう、さすがに式も3日目ともなると少し疲れたかい!? 大丈夫……後3日で終わる予定だから!! ん? なんだいその更に疲れたって顔は……まあ、良いか!! さあ、行くぞ……

 良し、これを持って私と君との結婚式を終了とする!! 皆のもの私たちを祝福するために集まってくれてすまなかった!! 感謝しよう!! 

 さて、これから私たちは新婚旅行に世界を回ってくる!! その間の責務は任せたぞ大臣!! では行ってくる……さあ行こうか君……これより先は私達の新婚旅行だ無粋な覗き等はやめて貰おうか!!ではな!!

 

 

 ん? 看護師がこちらに駆け寄ってくる!! 産まれたか? 

 良くやったぞ君。新婚旅行中に例の薬を飲んで初夜を過ごした所見事に妊娠していた!! これで世継ぎにも恵まれたしますます国も栄えよう!! 偉かったぞ君!! 私たちに似てかわいい子だ……我が姓『ネテロ』の名におじない強く賢い子になれよ!!

 良くやった君!! さあ、ゆっくり休め……疲れているだろうこの子の事は私に任せておくが良い!! さあ、眠るが良い……

 

 

 よし、私の子も産まれたし。世界の平和を悠久なものとするためにハンター協会なるものでも作ってみようか!! 私の孤児院からも実力者は育ち始めているし……願わくは世界がずっと平和であらんことを!!

 

 

 

 

    蛇足の物語

 

 始めは義務感からだった。

軽い気持ちであの方の話し相手になったのは。

親に言われて仕方なく。

いや、違うな……あの綺麗な方に初めからあこがれていた。

友達になりたいと思っていたのかもしれない。だから、親にあの方の友達になってくれと言われた時は。むしろ嬉しかったのかもしれない。

 

 

 あの方と話をした。

友達になって下さい……か細く消え入るような声でぽそりとつぶやかれた。

それからはたまに一緒に遊ぶ友達である。

だが、今日のあの方の台詞「将来大きくなったら結婚しよう!!」には大きく動揺した、女同士だし。

何よりも住む世界が違う。

いや、子供どうしの戯言だ。

まだ、深く考えていなかったから了解してしまったが。

今でも顔が火照ってしまって眠ることが出来ない。

覚えているはずのない約束。

ですが、私のよすがはただその一言。

 

 

 あの方が今日から修行を始めるらしい。

あの方の父親からはどうかあの子を守ってやってくれと言われ一緒に入門することになった。

今日からは当分同じ生活が出来る、嬉しい。

私にはどうやら才能が有ったらしいそれも信じられないほどの。

修行に通い始め一週間でオーラと言う物が見える様になった。

そして、直ぐに纏、絶、錬と物にできた。

これには師匠も吃驚していたけど、私には何が凄いのか分からない。

ただ、あの方が私を誉めて下さったので凄いことなのだろう。

でも、私は何を言われても耐えられるあの方の方が凄いと思った。

 

 

 今日から発と言う物の修行に入るらしい師匠が水とグラス、それから葉っぱを持ってきた。グラスに並々と水を注ぐとその上に葉っぱを浮かべたどうもこれに向かって錬をしろということらしい。

ん、何か白いごみが浮いてきたかな?

と思ってみていたら師匠に具現化系だと言われた。暫くはこの変化が顕著になるまでこの修行を繰り返すらしい。

まあ、いいか。

あのお方でも眺めつつの暇つぶしにはなるでしょう。

それから一週間私はこれを続けた。

今ではグラスが一瞬で真っ白になり水がはじき出され、グラスが割れるくらいの固形物だ出てくるように。

それを師匠に見せたら吃驚していた。

 

 

 自分の手には負えない天才だ。誰かもっといい師匠を紹介するとか言われても困る。

私はあの方と一緒に居なければいけないのだ。

離れること等ありえない。

そもそもあなたの利点なんてはじめからあの方と一緒にいられる以外にないでしょう?

そういったら納得してくれたのか次のステップに進むことになった。次は何を出したいのかと言われた。

これは生涯を通して重要になってくるものだから慎重に考えろだそうだ。私は思わず布が良いと答えていた。

何故布なんだ? と聞かれたので直ぐに答える。

時にはあの方を守るたてとなり。時にはあの方を包む物となり。

そしてある時にはあの方を血で汚さないように殺せる武器となり。

あの方の居ない所では錘や繊維を変えることで。自由に形を変える武器とすることが出来るからだと答えた。

実際に布槍術やマントの裾で敵を切り刻む人を見たことがあるが、以外にえげつない武器だと言うことを知っている。水に濡らしても良い。そのまま殴れるし絞殺、窒息死など色々出切る。

 

 

 その日から常に布と共に有る生活が始まった。

色んな形にしてみたり。食べてみたり嚙んでみたり、果てはあの方のぬいぐるみを作ったりした。それからも常に布と共に有った寝る時はあの方ぬいぐるみを抱き布にまとわりつかれて眠る。

気がついたらいつの間にか布を出せるようになっていた。始めに出したのがあの方のぬいぐるみと言う辺りが私らしいですけど。

 

 

 今日からは強度を上げる修行らしい。と言っても制約と誓約と言う物で自分の覚悟で念を強化するらしい。そうだな、私はあの方を守る。あの方から一月と離れない事を制約にした。そして、守れなかったときにはこの世のどんな責め苦よりもつらい死に方をする。と誓約をした。これで私はあの方の物。

あの方に囚われた。自分で自分をあの方に差し出した。

能力もとりあえず2つ。

あの方が怪我等をされたとき身代わりとなる『身代り人形』これはあの方のぬいぐるみで常に私の身体から離さない事で発動する。もう一つは『迷子のおまわりさん』あの方と私が常に同じ布から作ったものを身に付けている限りお互いに場所も分かり連絡も取れると言うもの。

うふふ、これで私はいつでもあの方と一緒。あの方の物。あの方の私。

 

 

 え、戦闘?

そんなものは下手な能力をつけるよりも純粋な技術でカバーする。

メモリーの無駄遣いするくらいだったらその方がより布も強固にできるし。

その日よりついでとばかりに応用技である凝、隠、周、円、堅、硬、流と鍛えた。

そして、私はさすがに師匠に追い出された。

曰く俺より強い奴に何を教えろって言うんだよ。だそうだが、結局あの方とは半年しか一緒に居られなかった。

まあ、いつでもこれるしお嬢様をお守りするための実戦経験をつむ期間だと思えば。

 

 

 それから14年私はこの生活を続けた。

だが、今日やっとあの方が修行を終えた。発は教えてくれなかったが。

意地悪だです。

その後はあの方も何を思ったか女の子達と戯れたい等と。

婚約者である私だけでは不満なのでしょうか?

私はあの方の物だというのに。

それは念のせいで23歳だと言うのに140cmしかない身長や異常な童顔ではあの方には物足りないのかもしれないが。

畜生あの師匠め、何故念が老化を遅らせると教えてくれなかった!!

私ならあの方の物いつでもどのように扱われても構わないと言うのに。

あの方が他の娘のために頑張る姿は見ていられない。

暫くは遠くから眺めるだけにしよう、どうせ、私の能力で居場所がばれていると言っても会いたくは無かったのだ。

 

 

 暫く意地を張っていたが私の方が根負けしたらしい。

どんな形でもいい。あの方の1番になれなくてもお側に居られればそれで良いと思うようになった。そうだ、私は物だ自我なんていらない。

私はあなたの物。

ただ、あの方さえ居ればいい。

そうでない人生に等意味は無い。

ただあなたさえいればいい。

だから、あなたとあなたの物である私だけいればいい。

 

 

 あの方も何を考えているのか。

児童養護施設とかそれは童顔な私へのあてつけですか?

しかも、周りがあの方の良さに気がつき始めてしまった。

私が最初に目をつけていただいて最初に結婚の約束も交わしたのに、あのメス豚共が。

ついにあの方の私財を投げ打って子供を救うと言う尊い行為に周りはあの方を聖女様とか呼び始めた。

こらそこの男。

あの方に近づくな。

死にたいのか?

む、あっちでもですか。

私のものだ……私のものなんだ。

くそうあいつら後で覚えておきなさい。

 

 

 ん、あの方が政治へ参入ですか?

それは素晴らしいことですね。あの方のなさる政治の下に住めて私は幸せです。

え? そんな、お、御義父様……私は影ながらあの方を守る裏方の存在だから実際は戸籍を無くしたですか。

では、私はあの方の指導の下で生活出来ないのですか。何とひどいことを。

あなたが御義父様で娘であるあの方のためだと言っていなかったらその首ありませんでしたよ。

  クックック

 

 

 さすがは私のあの方。素晴らしい政治手腕です。無駄なもの犯罪者等のいない町、最近ますますオーラを磨かれて

周りがメシアと呼ぶのは当然です。

素晴らしすぎます。

え、スムーズに行きすぎですか?

それはあの方の政敵は全て殺すか黙らせるかしましたから。もうあの方を止めるものはいません。

 

 

 それは良いのですが、最近ますますあの方に近づくメス豚やごみにも劣る男共が増えてきたな。

あの方の前で顔を赤らめたりとわかりやすすぎるんだよ屑共が。

あ、またですね。

ん? あのシスターは……いい度胸ですね前の警告は通じなかったのですか。言葉が不自由な方が子供たちを導く立場にあるとは嘆かわしいですね。そんなあなたはその場所にはいらないでしょう?

あの方に倒れこむとは。

あなたごときの冥土の土産には上等すぎますけど。

まあ、許してあげますよ。

この世の最後存分に味わいなさいな。

 

 

 最近は周りの豚共も自分の分をわきまえて来て良いことですね。直接お嬢様と話せるほどの者が減ってきました。ああ、神々しすぎです。

あの方はそれでお嘆きのようですがその真実は教えてあげません。

これで、あの方は寂しさを紛らわすために私と良く連絡をして下さる様になったのですから。

  クスクス

お寂しいでしょう。かわいそうなお嬢様。

今私が参りますからね。

  クスクス

 

 

 最近他の国があの方の前にひれ伏し始めた。

身の程というものをよくわきまえていますね。

それにしても、流石は私のあの方。

戦わずしてその魅力だけで国を落としますか。

勿論真相は教えませんが、忙しそうに働くあの方も最高です。

  ハアハア

 

 

 

 

 今日ついにあの方が大陸を制覇なさった。

素晴らしい。あの方はそんなことはさも無いことだと嘯きなさるし。

本当に凄すぎですね。

え、これでもまだ美女が寄ってこないのが不満ですって。

そうですか、まだそんなことをおっしゃっておられるのですね。

お嬢様の心を煩わせるその美女とか言うやつらが憎い。にくくて仕方がない。

何故私はこんな姿なのだ。こんな童顔では美女などというあのお方の好みとかけ離れている。

私でしたらいくらでもあの方を慰めて差し上げるのに。

 

 

 ついに大陸だけでなく全世界を制覇なさった。

凄すぎですね。

もうとっくに捧げてますが。私の全てはあの方だけのものです。

  クスクス

さて、国王を脅しに参りましょうか? 最早ここまできたらあの方の上に誰か存在等していいわけがありませんよね。

国民もそう願っているでしょうし、いえ、願っているんです。

私がそう決めました。待っていてくださいね。今私があの方を至高の存在にして差し上げますね

  クックック

 

 

 うかつでした。即位式はそれはもう素晴らしく非の打ち所が無いほどでしたが。皇帝ともなれば美女達と遊び放題になれるのだった。

  シクシク

この間私といるときが唯一の安らぎだといってくれたのは嘘だったのですか? ん?

あの方からのお呼びだ。

心配だ、もう私など要らないと言われたらどうしよう。

いや、考えるまでもないその時は潔く果てよう。

あの方に見捨てられた物など存在していて言い訳が無いからな。

例えそれが私自身でも例外ではない。

 

 

 この世がひっくり返るかと思いました。

あの方に呼ばれ行ってみると結婚して欲しいなどと。正直理解が追いつけなかった。だって、あの方が私に抱いている感情は友情以外の何物でもないのですから。

私があの方の感情をわからないわけがないです。

きっとあの方は余りにも人と触れ合ったことがなさ過ぎて感情を誤解しているのでしょう。

思わずあの方に変なことを口走ってしまった気もしたが

忘れる。

だって、誤解とはいえ私が名実ともにあのお方のものになれるのだから。

 

 

 そんなことよりも結婚。

 それもあの方との結婚とは人生最良の日だ。

おや、壁の向こうからすすり泣きの声が聞こえる。

いいざまだ、私にとっては最高の祝福ですね。

最後に選んでくださったのはあなた達有象無象ではなくこの私。

  クスクス

おや、あの方には隠してきた暗い笑いが止まらない

良いや、寝たと言う事にしてしてごまかしてしまおう

 クスクス クスクス

 

 

 起きたらあの方がいた。

 何と言う幸せウェディングドレスまで持って。

あの方の前で着替えろと言われましたがここは少し恥らっておく。だって、そのほうがあなたの好みの私でしょう?

  クスクス

ええ、私があなたの好みを調べていないわけが無いです。

あ、もし嫉妬に狂った女があの方を刺しでもしたら困るわね。

忘れずに『身代り人形』と『迷子のおまわりさん』を具現化して身に着けておかないと。

私以上に私にとって大切なあの方。ええ、全ては私にお任せを。あなたはいつまでも清らかなあなたでいてください。

 

 

 美の象徴がそこにはいた。

美しすぎる、正直目がつぶれるかと。

 この人が今日から私と共に歩んでくれる。

 クスクス クスクス

あれ笑いが止まらない

  クスクス

私のもの、物は私。

その物のものになって下さるあの方。

  クスクス

 

 

 結婚式では能力の常に全力展開、かすり傷一つ許さない。

を6日展開で疲れましたが、新婚旅行の初夜…。

私は天国を見た。女は妊娠した瞬間が分かると言うが本当なのだなと思った。

 私は頑張ります。

 

 

 今日私は子供を産んだ。あの方も喜んで下さっている。それならいくらでもこんな物を産んで差し上げよう!! 愛情を注ぐ振りをして差し上げよう!! 私の唯一は常にあの方だけ!!




これが原文でした。流石に当時と少し変えてありますけど。主に三点リーダとか。当時は偶数で使うということを知らなかったですから。ただ、正直多すぎました。何を考えてこんな口癖みたいに三点リーダと感嘆符を多用したんでしょうね。


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