クッパ戦記 (鰹ふりかけ)
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クッパ戦記

思い付きで書いた
意味はない


ワガハイは亀族の王にして魔王

 

クッパ大魔王である!

唐突に自己紹介を始めた訳だが

 

朝起きるとワガハイはクッパになってた。

ただそれだけである。

 

さすがに自分でもえっそれだけしか感じないの?と自分に対して突っ込みを入れたのだがどうやら元のクッパの意識が自分に混じっているらしい

 

まさに良くいえば豪快、悪くいえばおおざっぱな性格になっているようだ

 

さて、こうなってしまったからにはしょうがない前向きで建設的な思考していかなくては

 

まずは現状確認からだ

 

ワガハイはクッパ、立憲君主制のクッパ帝国の王であり軍の最高指揮官でもある。

また、この世界の悪の象徴でありマリオの宿敵でしょせんは倒されるべきラスボスである。

 

「………マリオか」

赤帽子に髭の男とのこれまでを思い返すと出るわ出るわ

投げられ爆発させられ落とされ焼かれるとボッコボッコにされた苦い記憶がよみがえる

 

ここまではゲーム等で当たり前の流れなのだが、一つだけゲームでは語られなかったものがあったのだ

 

なんとワガハイ、すべての記憶のなかに帝国や民や部下の幸せを願っていたのだ

 

「どういうことなのだ?」

クッパは作中では自己中心的であり自分の欲望のままにピーチ姫を拐う、キノコ王国や周辺諸国への侵略を繰り返す等の悪行をしている。

だがそれらはこの思いとは矛盾しているのだ

 

なぜあのようなことをしたのか必死に思い出そうとするが思い出せない。

 

何故だ?

 

我は容姿に似這わず冴えた頭脳を持っている。

記憶の我が自分のためだけに無下に軍を動かし部下を危険にさらすとは思えないのだ

よくよく考えればワガハイ何回も侵略に失敗しているのだ。いくらワガハイが強くても失策を繰り返す指導者は人望を失うはずである。

何故?皆我についてくるのか…………

 

「何かあるな………誰か!誰かおらぬのか!」

「どうされまぢたクッパ様?」

王座の間から叫ぶと扉が開き紫のローブを着たカメックババが現れた

「おババか、ちょうどよい。我が国や周辺諸国の情報をすべて整理してここに持て!カメック達を総動員してもかまわん」

「かしこまりました」

カメックババが退出したのを確認した後に窓から我が国の景色を眺める。

 

乾燥した大地がどこまでも広がりドロドロとマグマが川のように流れ、遠方では大きな火山が噴火しているにが見える。火山の噴煙が空を覆い昼間でも薄暗く城下の灯りは絶えることはない

 

それが綺麗だなと感じる同時に自分が変わったことを実感する。

 

そして、一つ重大なことに気づいた

 

……………あれ?我が国で農業無理じゃね

 

 

 

-------------------------------------

 

「なんと言うことだ!」

カメック達がまとめた資料に目を通すにつれて頭が痛くなり同時に怒りがこみ上げて来る。

おもわず炎を吐きそうになるがそれを抑えて情報を整理する。

 

まず、地理だ

この国があるのは緯度が高いところにあるらしく日照時間が少なく更に厳しい寒さに襲われるようだ。

確かにゲームでもラストステージの前は氷のステージを越えて行くパターンが多い

ワガハイ達は種族的にはカメに近似しているために寒ければ寒いほどに活動しにくい。

だがこの国は多くの火山とマグマが存在しているため気温は高くすごしやすくなっているようだ。

 

次に産業

多くを占めるのは第二次産業のようだ

この国は鉱物資源が豊富らしく鉱山が多くあり火山の熱を利用した工業が盛んなようだ。鉄鋼や造船、兵器工廠等の軍関係のもの以外にも様々な生活用品が生産されている。だが、国内での生産量は魔法による水の供給に制限があるため細かく規定されている。

 

そして懸念していた農業なのだが……壊滅的である。

 

水は魔法によって生成できるが噴煙が日光を遮り土地も荒れている。わずかであるが火山性植物のファイアフラワーや香辛料の集団農場があるぐらいだ。

食料自給率は最悪の状態で長い間配給制度が続いてる様子である。

 

では食料はどうしているのか?それは次の項目で語ろう

 

また、驚いたことにこの国。研究開発に重きをおいているようで予算が多く割り振られ。その成果か様々な技術が開発されている。

ゲームでもキノコ王国に無いような空中戦艦や大砲、戦車、動力が不明な空中要塞等明らかに技術が進んでいるのはわかっていたが………まともに国家運営してるなクッパ帝国

のはわかっていたが………まともに国家運営してるなクッパ帝国

 

続いてだが目を通して怒りがわくのはここの部分だ

 

交易

一応だがキノコ王国や周辺諸国にも国交があるらしく貿易が行われているようだ。

 

だが、レートが酷い!ものすごく酷い!

 

キノコ王国からは農作物や木材を輸入してクッパ帝国からは機械や工業材料、薬品を輸出してる。

 

比率はキノコ100個に対して鉄インゴット300である。

 

暴利にも程がある!!

 

こちらは食料がなければ生きていけないので泣き寝入り状態で条件を飲んでいる。

まさに「値段が高い?じゃあ買わなければいいじゃないですかw」状態。周辺諸国も大国のキノコ王国に習って同じようなレートを提示してくる始末

 

マリオのシリーズでもキノコ王国で飛行機や艦船、列車やレーサーカーが登場するが。一度も作っている工場や作業場を見たことがなかったがこのような理由があったのか……

 

当面の目標は食料だなと思いつつ。

中央計画経済にすべての工場や施設が国営で集団農場とか経済がソビエトぽいな………厳しい環境のなかで生きて行く上でこのような形態になったのかも知れないとつっこんでみて

 

そして、あれ?

 

クッパ国の長としては正しいことしてね?と思うようになり。

同時に食料確保のための植民地侵略・領土を荒らさないで活用するための首都強襲作戦(毎回ピーチ城を最初に襲撃する)・相手国の王族(ピーチ姫)との婚姻による併合計画・占領した領地への代官の派遣(各ワールドボス)

占領した領地の住民への危害をあまり加えないことといいゲームではおおざっぱにたてられた作戦に見えたが視点を変えて見れば実に合理的だなと思う

加えてゲーム規模の軍をあれほどまでに運用しているのだバックには強力な家臣団が控えているはずである。

 

なかなか堅実な国家運営である。もしかしたらクッパはマリオとバトルする以外は書類仕事してるんじゃと思うほどである。

 

だが、どうしてもマリオが邪魔である。

武力行使すれば正面から叩きのめされるし引きこもって何かしようとすればどこぞから情報が漏れて「クッパが何か企んでるの!」の告げ口がされマリオがここに攻めて来るし

 

というよりはあの髭の爺のどこにそんな力が?奴はただの配管工…………待てよ!

確かに奴は配管工だ。現実では「へーー」ですむが此処ではそうならない。奴が整備しているのはあの土管なのだからだ

 

土管と言えばあれだろA地点からB地点まで一瞬で行けるあれだろ…………ワープ装置じゃないか!

 

えっちょと待って!じゃああの爺は空間を繋げたりねじ曲げたりできるのか?

 

……………なんだ、ただの化け物じゃないか

もしくは空間やその他もろもろを弄くれる高度な魔法使いという可能性もある。

奴のこれまでの能力(火を出す・地蔵になる・ハンマーを無限に投げる・Bダッシュ・マグマに落ちても死なない)を考えてみるとあり得そうで怖い

 

だがワガハイは諦めない民に柔らかなキノコを!緑を!与え我ら一族の繁栄を築くことこそ我が使命!

 

「ワガハイこそはカメのなかのカメ!ワガハイがやらずに誰が成す!」

 

 

こうして今までとは一風変わったクッパは歩みを始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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ブラックキノコ王国

まず、さしあたっては食料だ。

人であれ亀であれ食べなければ生きていけない

 

水がなく、日光もない痩せた土地が広がる我が国では、成長に多量の水を必要とする菌類(キノコ)をすべての国民分与えることは不可能。

というよりもキノコが生えるような森がない。つまり我が国ではキノコが栽培できない

 

ゆえにキノコ王国から輸入したキノコのスープが国民の主食となってしまったのだ。

三食スープ、そして鉱毒や砂塵にまみれ有毒ガスがあらゆるところで湧き出るこの国では、子供の死亡率が異常に高い

(逆に言えば、『ある程度までの成長を卵という隔絶された空間で行える』我ら亀族だから生き残れたともいえるのかもしれない)

 

だがこちらには現代知識とゲーム知識がある

 

さっそくカメックを呼び出すことにした

「陛下、何か御用でして」

「よくきた!頼みたいことがあるのだ!」

「何なりと!」

「クリボーを巨大化させた魔法があったはずだが」

「は、はい。巨大化の魔法ですか」

「ああ、それでこれを巨大化させろ!」

ドンッとキノコを机にのせる

 

「………陛下?キノコは戦力になりませんが」

それに対してカメックは真面目な顔でそう言い放ったのだ。

 

「やはりか………いいか!これは兵器なんかではない、食べるのだ」

意識が宿ってからおびただしい量の資料を読み返したのだが、ひとつおかしいところがあったのだ。

それは技術の発展方向。明らかに軍事方面にしか技術が進んでいない。

おそらくこの国の風土の影響もあったのだろうが、歴史書を読めば戦争、別の本を読んでも戦争、また別の本を読んでも戦争、とほとんどが戦争で終わるのも大きな要因のひとつだろう。

 

お陰さまで戦争以外の技術が全く育っていない

 

つまりこいつらにはキノコを育てるという発想がわく機会がなかったのだ

 

「………ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

やがてこちらの意図を理解したのだろうか口を大きく開けて叫ぶ

 

「へ、陛下!」

「出来るか?」

「はい、必ずとも!」

「予算と人員に糸目はつけん。行け!」

そう言うと、カメックはドタドタと王間から走り去って行った。

 

続いて近衛兵であるトゲノコエースを呼び出す

「カラカラの実ですか?」

「そうだ!」

「カラカラ砂漠に生えている木の実と記憶しておりますが………」

「持ち帰れ!」

「了解しました!」

カラカラの実とはマリオストーリーに登場するアイテムで、カラカラ砂漠のサンボを倒すと一定確率でドロップするのだ。

暑さと乾燥が激しいカラカラ砂漠に自生する植物ならば、我が国でも育てられる可能性がある。

キノコに変わる植物を探せ!

そう言って世界中にノコノコ達を送り出した。

 

 

これで食料のほうは少しは改善するだろう、

しなかったらしなかったで新しい事を考えるまでだ。

 

そして、資料を見ている最中重大な重大な問題に気がつく、『国民の若い年代層がいなくなっているのだ』それもごっそりと。

原因はキノコ王国への移民、亡命等なのだが。

 

ゲーム中でノコノコはキノコ王国の首都に数人ぐらいしか見たことがない。

さらに言うならば家にノコノコがいない。

 

大量に見かけるとしたら農村や工場等、そして一部の技術者のみ

 

さらに言うならば、本来なら高度な技術を要求される蒸気機関車の機関士が、全てキノピオであることだ

蒸気機関車は我が国の産物であり、運用や整備等をキノピオが自然に理解できるはずがない。

 

指導や教育を行った亀族がいるはずなのだ。

彼等の足取りが全然わからない。

 

手紙も帰って来ず蒸発したのだ。

 

嫌な予感がしたため、ハックン等により組織された諜報部隊に調査を命令した。

 

 

 

数日後

「まじか………」

調査報告書を読みながらこめかみを押さえる。

そこには、知られざるキノコ王国の実態が書いていた。

 

まず、キノコ王国はピーチ姫を除く全ての役職がキノピオによって独占されている

さらに、キノピオ以外の他種族がそれを目指すことは許されておらず

 

キノピオのための政府

 

キノピオのための法律

 

キノピオのための権利

がまかり通っている。

 

そのため、キノピオが異常に優遇される社会が形成されている

 

そして、食料を求め飢えをしのぐためにかの国に渡った同胞を待っていたのは、地獄だった

 

村単位で集団農場に押し込まれ、嗜好品である茶葉のみを作らされる。しかも、死ぬまでだ。

(もちろん主食となるものは栽培させてくれない………つまり食糧を盾に強制的に働かされるのだ)

 

技術者も工場に監禁され、休みなく働かされる。

技術を教えているときは優遇されたのだが、キノピオが技術を習得すれば容赦なく捨てられる

 

難民という立場を利用され、法外な契約を交わし闇に消える者も多い

 

我が国との異常な貿易による利益、そして彼等のような奴隷からの搾取により、キノコ王国は栄華を極めていたのだ

 

人は怒り過ぎると一転冷静になり、表情がなくなる。それが今の我輩にあてはまるだろう。

『今すぐにもキノコ王国へ攻め入りたい』そのような気持ちが沸き上がるが、それを押さえる。

 

今はまだその時ではない、臥薪嘗胆の時なのだ

 

カメックへ国境警備を強化するように命じ出来る限りこれ以上の被害が出ないようにするための方法を考えるのだった

 

 

 

__________________

半年後

クッパの政策が効果を発揮しはじめ、食糧の自給率が上昇しはじめた頃

 

キノコ王国某所

暗いラウンジの中にはスーツをきたキノピオ達が集まっていた。各々高級なワインをゆらし葉巻を嗜みながら何かを待っているようであった

 

「皆様、本日はお集まりいただきありがとうございます」

やがて一人のキノピオが椅子に座る。

そして、ラウンジにいたキノピオ達はそちらを一斉に向いた。

「本日お集まりいただいたのは他でもありません、クッパ帝国についてです」

 

「そういえばまたクッパが何かしているようだな」

「この頃かの国との貿易額が減少している。このままでは利益が少なくなってしまうではないか」

「ええ、こちらでも奴隷の数が少くなって来ましてね」

「あなたもですか、流れてくる奴隷も減りましたからね」

 

「皆様お静かにしてください。それよりもこちらが入手した情報で報告しなけれならないことがありまして」

「それは何だ!」

「食糧増産計画です!奴ら我が国に頼らなくてもいいように独自に食糧を得ようとしているようなのです」

「それは困る!」

「我が商会の不利益だ!」

「軍としても困るぞ………」

「全く、野蛮な亀が余計な知恵をつけよって」

 

「ええ、皆様のおっしゃる通りです見過ごす訳にはいきません。なので全て壊してしまいましょう」

「だがどうやって?」

「お飾りの姫を利用するのです。しばらく消えていただきましょう」

「なるほどクッパに拐われたと」

「それは大変だなぁ、ははは」

 

 

数日後

一人のキノピオが道を急ぐ、国を救った英雄の元へ。

つぶらな瞳に一生懸命な手足………そして、拭いきれない悪意を携えて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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悪魔の謀略

感想に呼ばれて復活だあああああ


 

その報告を理解するのには時間がかかった………いや、頭が真っ白になったと言った方がよいか

 

「我がキノコ王国臣民一同はピーチ姫の即刻返還と賠償金を求める。なお、応じない場合にはそれ相応の措置を取らしていただこう」

 

 

思わず書類を持ってきたパタパタの前で無言で書類ごと机を叩き潰してしまった

 

甲羅に縮まり怯えるパタパタ、よくみると甲羅のしたに水溜まりが形成されている

 

「おい!」

「ひゃいいいいいいい」

「今すぐ全軍団長を呼べ、今すぐだ!」

「かかっっかしこまろぁしたあああああああ」

いかんいかん、口調が荒くなってしまっているようだ。

パタパタが弾丸のごとき勢いで執務室を飛び出していくのを確認してから思案する。

 

ピーチ姫がさらわれた?

 

誰に?

 

 

あいにくだが我が国は改革の真っ最中であり、上層部及び末端の兵に至るまでそんな無駄なことをしている暇がないのだ

さらに、指揮系統の改善により指揮統一が進み、上級将校の負担軽減と各種族ごとに独立していた軍団の一部を統廃合し、混成部隊の設立(砂中奇襲歩兵であったチョロプーを工兵へと配置転換・ほぼ全て部隊にパタパタ等の飛行種族の偵察兵を配置等)が行われた。

これにより各部隊の連携と情報の共有の効率がよくなり、さらに部隊がどこで何をしているのかが把握できるようになっておりそのような兆しすらなかった。

 

これにより我が軍における欠点の双頭である部隊の暴走と情報漏洩(マリオが壊せそうな壁や穴・暗号が漏れる)を防ぐ事ができるように………なったと思いたいな

 

軍団を率いるような連中には徹底した指令の遵守と報告を命令しているし………忠誠心故の暴走とかやるなよマジで

 

当然ながらワガハイにも心当たりがまったくないのだ

 

 

となると考えられるものは

 

この世界においてはきちんと謎の組織の態をとった連中の暗躍が考えられる。

 

ピーチ姫はワガハイ以外にもいろいろな組織に狙われており、

その種類は魔術師・蛮族・秘密結社・エイリアン……エトセトラと数えるだけで頭が痛むような連中がひしめきあっている。

 

まあ、ほとんどがすぐさま正体がばれてマリオのカチコミにあって速攻で滅ぶが、例外として正体を隠した上でピーチ姫の誘拐を成功させる奴らがいる。

そういう奴らは優れた科学技術や魔術をあつかったりしてめんどい上に初期には証拠や手掛かりをほぼ残さない

 

そうなった場合にマリオがとりうる行動としては………怪しいと思った勢力に突撃である(大抵はそこのボスから情報が得られてストーリーが進む)

 

 

 

 

ワガハイ

↑グサッ

ピーチ姫誘拐常連者

大魔王(笑)

なんか悪そう

とりまクッパボコればおk

 

 

さらに先程の書状を組み合わせると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぬわああああああああああ奴がくるではないかあああああああああああああああああああ」

となる

 

暫くして落ち着く

 

 

しかし、先程のキノコ王国の連中が調子にのったことを書いていたのが気になる

今まで幾度も和平交渉をすれどもあのようなことしてくるなどはじめてなのだ

 

ウーム・・・判断材料がなさすぎる

 

 

「クッパ様皆集まりましたじゃ」

「オババか今向かう」

ゆっくりと立ち上がり歩き出し執務室から出ていく

 

 

クッパ城王座の間

 

「各軍団長および文官一同揃っておりますじゃ」

「ウム」

オババの言葉を聞いて王座の間を見渡す。

ノコノコやパタパタ等の亀族以外にもサンボやヘイホーテレサ・ハックン・パックンフラワー等の様々な種族が揃っていた。

 

『こうして見るといろんな奴がいるな我が軍団』と思いつつも同時にこれだけの種族がいるのにほぼキノピオオンリーで構成されるキノコ王国の歪さに気がつく

 

もうなんかね、民族主義バリバリで他種族排斥・奴隷化万歳で食料やエネルギーを盾に他国を脅迫する国家とかね

 

 

どうしようめっちゃヤバくね

 

 

キノピオ:穏やかな性格の種族

ぜってえ嘘だろ

 

「皆、よく集まってくれた。いきなりだが、本題に入ろうと思う。先程のキノコ王国よりピーチ姫返還を要求する書状が届いた」

「馬鹿な!」

「あり得ん!」

「何かの間違いだ!」

ざわざわ、ざわざわ

 

「静まれエエエエエエエエ!!………ウム、我もそうだがまったく心当たりがない。だが、万が一のこともあろう一応聞いておこう」

 

「ピーチ姫拐った奴いるか?」

「「「「「(ブンッブンッブンッ)」」」」」

「先祖に誓えるか!」

「「「「「「「(コクコク)」」」」」」

「ならばワガハイに誓えるか!」

「「「「「「「「ハイ!」」」」」」」」

 

 

 

「わかった、ではお前達を信じよう」

「クッパ様!では何者がやったのでしょうか?」

「わからん!」

「エエエエエエエエ!!」

「ただわかるのは、あの髭を撒いてピーチ姫をさらえるような連中がいる可能性がある」

「「「「「………」」」」」」

「さらにな、ぐずぐずしてるとマリオがカチコミかけてくかもしれん」

「「「「「「「!」」」」」」」」

「なので、我等が行うべきことは速やかに姫に城へと戻ってもらうことだ!」

「「「「「なるほど………」」」」

「でもどうやってやるんですか?」

 

「これだけの事態が起きているのだ、相手の目的が不明と言えども市場や経済に変化が起きるはず………そこから探る!」

「さらに今まで遭遇した組織の連中に接触して情報を引き出せ!その上で情報でもってキノコ王国と髭の疑惑を払拭する!」

 

「よいか!まさに我が帝国は危機に瀕しているのだ………総員一層の活躍を見せろ!」

 

「第一航空歩兵大隊、カラカラ砂漠へ向かいドロンチュ一家を捜索します!」

「第五装甲槌撃兵中隊、ゴロツキタウンのモンテファミリーの元へ向かいます」

「ハックン諜報部隊、キノコ王国への潜入を継続し市場経済・噂の収集を強化!」

「第三連合飛行艦隊、キノコ王国周辺海域の警「クッパ様あああああああああああああああ!!」なんだ!」

参謀本部が各部隊に指示を出していると箒にのった状態のカメックが飛び込んできた

メガネは外れかけローブがずれて禿げ頭がみえかけている明らかに様子がおかしい彼は情報を伝えてくる。

「奴が、奴がきます!」

「早すぎる!外交官!」

「はい!」

「今すぐキノコ王国へ行け!」

「予備軍を召集しろ!防衛戦を行う!」

 

カンッ カンッ カンッ

「炉を温めろ!フライホイールを回せ!」

「錨を上げろ!出港準備!」

「航空歩兵の搭乗急げ!」

 

「出撃!陣形を鱗形陣に移行!目的地はジャンボル島沖」

「ジャイロコンパス起動!」

「面舵いっぱい!」

「ようそろおおおおおおお」

軍港から多くの飛行戦艦が出撃していく同時に軍団が各地から召集されマリオの進行が予測される進路上の都市に避難命令が出される。

 

帝国歴×◯△年クッパ帝国戦時体制に移行

 

 

 

キノコ王国某所

 

「ですから!我が国は今回の件には関係ありません」

 

「本当ですかねぇーーー」

「証拠はあるのですかねえ」

 

「本当なんだ!」

 

「「「信じられませんねーーーー」」」

 

「クッ」

 

「それで、此方としても早く姫を返して欲しいんですがねぇ?」

 

「だから、いないといっているだろうが!」

 

「ふう、困りましたねえええ。これは調査しなくてはいけないですね」

「ええ、怪しい所を徹底的に調べないと!」

「調査隊を派遣しましょう!」

 

「貴様ら一体何を!」

 

「調査隊の保護のために軍を派遣しなくては行けませんねえ!」

「あなたの国は野蛮ですからねぇ、拠点を作らなくてはいけませんねぇ」

 

「………貴様ら」

 

「ええ、わかってますよ。なので早くしてくれませんかねええええええ!!」

「その通りですねええ!!」

 

「こんな事が許されるとでも………」

 

「はっはっ、日頃の行いのおかげですよ」

「亀とキノピオ。どちらの声を彼は信用しますかねえ」

「愚かな亀よ、立場をわきまえたまえ」

 

「不愉快だ!帰らせてもらう!」

ガシッ

「ちょっと困りますね」

「我等としても姫を救助するための情報が必要なんですよねえ」

 

「貴様らあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」

 

 

「終わったか?」

「ああ、魚のエサにしておいた」

「まさかの情報ですねぇ、ピーチ姫がクッパ城にいるなんてね」

 

「「「笑いが止まりませんねぇ」」」

 

「さてと、この事をマリオさんに伝えてこないとね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





もう、ヤバい
キノピオが悪すぎる。


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進撃の髭悪魔

寒いですねーー
試験が!!試験が!!
あばばああああ

まあ、元気にやっとります


注意
本話では一部残虐なワードが含まれております

また、マリオワールド系ではマリオを待ち受ける形式なのにマリオストーリー系ではキノコ王国にクッパが攻め込んでいるため統合が困難になりました


結果 ごちゃ混ぜになりました


それでも良ければ
どぞ


マリオ侵攻の報から一月ほどが経過した。

 

【砂の国】

 

キノコ王国から一つステージを挟んだ国。その国の海岸線では、多くのクッパ軍団に所属する兵士達が忙しそうに働いていた。

 

チョロプーが塹壕を掘り、

 

その土をクリボー達が運び出し、

 

後ろではノコノコ達が木製のトゲや櫓を組み立てる。

 

海岸線は完全な要塞線へと変貌しており、マリオをここで食い止めるという意気込みがひしひしと感じられた。

 

マリオは孤軍である。

 

攻め込んでくるのは軍ではなく個――。そのために防衛線を構築しても一点で突破されれば防衛線は無意味になる。

 

たとえ後方を遮断しても補給という概念は奴に存在しない。

(ちなみにマリオにアイテムを供給するキノピオハウスは開戦直後に襲撃しており、ここではマリオ個人の食料等を指す)

 

かといって、マリオの後を追って軍勢を動かすとなれば奴の侵攻速度と突破力に対応できず、軍の再編成もままならない。

結果的に散兵のみがマリオと接敵するという悪循環に陥っていた。

 

 

だが、数回の戦闘とステージの陥落を通して奴の弱点が判明した。

 

 

 

 

 

 

 

 

マリオは復活していない。

 

 

 

 

 

 

 

仮にマリオを撃ち取ったとしても、しばらくすれば奴は再度侵攻してくる(ゾンビアタックに近いものだな)。だがその場では復活せず、死亡地点から数キロ離れた所に現れる。

 

そう、空間から奴がいきなり出てきたのだ。

 

肉片からの再構成ではなく、あたかもその場にいたかのようにいきなり出現した。

 

初めにそれを目撃したパタパタは、瞬きした瞬間そこにいたと証言している。

「な…何を言っているのかわからねーと思うが、俺も何を見たのかわからなかった…。頭がどうにかなりそうだった…。催眠術だとか超スピードだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。 もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……。」

 

 

これによって、奴の無限復活のからくりの一端がカメックの学者達によって予測された。結論は魔法による空間跳躍。つまりはワープである。

 

マリオは致命的なダメージを負う瞬間に飛び上がり、別の空間へと侵入し安全な場所に出現して再度侵攻を繰り返すのではないかという仮説が提唱された。

 

 

そして、一つ実験が行われた。

 

 

マリオが侵攻している間に、奴の出現するエリアに大小の障害物を設置した。

もし仮にワープを行っているとすれば、ワープ地点に予測できない障害がある場合何らかのトラブルが起こるのではないか?という趣旨である。

(要するに石の中にいる状態の誘発)

 

 

 

結果から述べると、奴の出現地点がさらに遠くへとずれた。

 

 

これはマリオの空間跳躍説を裏付けると共に、新たな疑問を生み出した。

 

「「「奴はどうやって障害物に気づいたんだ?」」」

 

奴の出現の方法とその法則は未だに謎に包まれており、今回の事象はマリオ攻略の起点になり得る出来事であった。

 

 

マリオは不死身ではない。

 

 

その可能性が得られただけでも、今までの戦闘に意義が得られたのだ。

 

 

また、マリオは遠くまで飛べないし泳げない。

 

帽子に羽を生やして空を飛んだり、水中でコインを取ると体内の酸素分圧が回復するという意味のわからん生態を持つ奴だが、その反面長距離の移動は苦手ということがわかった 。

 

その反面長距離の移動は苦手ということがわかった

 

 

これにより、ゲーム上の疑問の一つが解決した。

「なぜ、クッパは城を建てたのか?」

 

各ワールドにある城。

 

城とは防衛拠点としての能力はもちろんだが、兵士を収容して軍を維持し、そして砦周辺の領土の内政を行う拠点という側面を持つ。

だが、中身はほぼ罠やマグマだらけであり、とてもではないが拠点として機能しているとは思えない。

 

それが不可解であったが、城がすべてワールドの端。なおかつ次のワールドへの最短距離の地点に築城されていた事に気づいた時、これらの城が対マリオとしては実に合理的であると震撼した。

 

クッパは奴の侵入経路を見極めて必ず通らなくてはならない場所に軍ではなく、トラップだらけの要害を建てて奴に備えていたのだ。

 

 

これらの情報から奴に有効な戦略が考えられた。

 

前ワールドから一番近い海岸線に要塞線を設置し迎撃。

 

これが今のところ奴に一番刺さる戦略であった。

 

 

 

「マリオだ!マリオが来たぞ!」

空中で警戒にあたっていたパタパタが大声で叫ぶ。

 

号令があたりに響き、バタバタと兵士達が砲台や塹壕の配置につき固唾を飲んで待機する。

 

砂浜の向こう、飛沫をあげる波間にそれは見えた。

 

 

「パターン・ホワイト!ファイヤーマリオです!!」

同時に敵の情報が全軍に伝えられる。

 

「来るぞぉぉぉ!!!」

その言葉の直後だった。

 

彼らが潜んでいた塹壕に高熱の火の玉が飛来し、圧倒的な熱量でその場に居たものを消し炭へと変える。

 

 

【Here we go!!】

 

「うあああああああああっ!!」

マリオはジャンプやスライドを繰り返しながら変則的に動き、ノコノコやクリボー達が隠れていたトーチカにファイアボールを投げ込んでいく。

 

 

直撃を免れた幾人かが全身火だるまになって飛びだし、火を消そうともんどりがえるが、やがて真っ黒になり動かなくなる。

 

 

【Yahoo!!!】

そのままの勢いでマリオは脅威的なジャンプ力で次の塹壕へと飛び込んでいく。

 

「貴様あああっ!!」

「よくも仲間をやったグベ……ッ」

塹壕の中に飛び込んできたマリオを倒すべくノコノコが飛びかかるが、それをマリオは躊躇なく頭から踏みつける。

 

そして

そして、あろうことかノコノコを敵の集団へと尋常ならざる脚力で蹴りこんだ。

 

強烈な速度で蹴り出されたノコノコは、皮肉にも彼の仲間を引き潰し、塹壕には無事な者はおらず誰もがうめき声をあげる。

 

その中をマリオは悠々と歩く。

 

「なんなんだよ!お前!いったいなんなんだ!!」

 

まだ無事な者が震えながらそう叫ぶ。

 

 

 

【It's me Mario!】

 

 

そういってマリオは走り出す。

 

 

 

 

「第一防衛ライン突破されました!」

「こちら被害甚大!」

「第二防衛ラインにマリオが侵入!」

 

 

「撃てーー!撃って撃ちまくれーー!!」

塹壕地帯から飛び出して来たマリオを待ち受けていたのはキラーの雨であった。

 

塹壕の出口に向かって十二門もの砲台からキラーが発射される。

 

マリオは断続的に撃たれるキラーに少し思案した後に飛び出す。

 

 

【Yahoo!!!】

さすがのマリオと言えど、キラーの雨を走り抜けることはできずにキラーの内の一本が命中するが、それを無視して疾走する。

 

キラーをかわし、キラーを踏みつけて、やがて砲台へと到達する。

 

「「「「この化け物がぁぁぁ!!!」」」」

キラーの周囲にいた兵士達が果敢に立ち向かう。

 

 

数分後――、

兵士達はもの言わぬ状態になり、

もう一段階縮んだマリオが砲兵陣地から出てくる。

 

 

そしてさらに奥へと走り出す。

 

 

「「「「「いくぞぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」」

 

それを見て砲台周囲の塹壕にいたクリボー達が、ここぞとばかりに一斉に飛び出しマリオに突撃していく。

 

それからは酷い乱闘であった。

 

クリボーが踏みつけられ、体をひしゃげている間に別のクリボーが背後を狙って突進する。

 

マリオはそれを察知してクリボーを踏んだ衝撃で斜めに飛び、接近してきたクリボーを踏みつけ、先のクリボーと同じ結末を辿らせる。

 

今度は両サイドからクリボーがタックルを仕掛ける。

 

マリオは地面を蹴り空中へと退避する。

 

 

その時だった。

仲間のクリボーによって打ち上げられたクリボーの蹴りが、空中におり回避ができないマリオを捉えようとした

 

その瞬間マリオは、まるで空に吸い込まれるように短く上昇し姿を消した――。

 

 

【Mamma mia!!】

 

そう言い残して。

 

 

「やっ…た?」

「やっ、やりやがった…!」

「「「「「やったぞおおおおおおおおおおお」」」」」

 

あたり一面から歓声が沸き上がる。

周囲の兵士はお互いに抱き合い。マリオを撃退した本人は心未だここにあらずと呆然としている。

マリオを撃退した本人は心未だここにあらずと呆然としている

 

 

――マリオの撃退――それは間違いなく偉業であった。

 

 

 

 

 

 

だが、マリオの恐ろしさはここから始まる。

 

「緊急警報!緊急警報!………第二波接近!奴が来るぞおおおおおおお!」

 

 

要塞線は未だ突破されていない。

 

だが、それがいつまでも続かない事は、誰の目にも明らかであった。

 

…………………………………………………………………

 

【クッパ城・同大本営】

 

同大本営

 

「うむ、やるしかないか…」

「陛下!ご決断を。今はなんとか戦線は停滞していますが………いつどうなるかわかりません」

「守ってばかりでは勝てません!」

 

そうなのだ、戦争は始めるよりも終わらせるほうが難しいとはよくいったものだ。

 

今まではマリオを撃退=勝利という感じだったが

 

今まではマリオを撃退=勝利という感じだったが、今回の戦争はこちらが仕掛けられたのだ。

勝利条件が不明に近い………いや、わかっている。

 

ピーチ姫を早く見つけてこの愚かな戦いを終わらせる。

 

これが唯一の方法であった。

 

 

だが、肝心のピーチ姫が見つからない。

 

 

というよりもピーチ姫がさらわれた形跡が全くないのだ。

あらゆる角度から情報を集め、分析し、思考してもペンペン草一株も出てこない。

 

それどころかピーチ姫がいなくなってからのほうが議会や経済の動きが活発化している傾向さえある。

 

いくつもの法案が恐ろしいスピードで議会を通過し、人知れず公布され。

 

戦争特需で武器や鉄鋼等の会社株が暴騰。

 

これが仮にも国家元首が行方不明の国か?

 

それに、叩けば叩くほどに影に企業の姿が見え隠れしてくる。

 

そして、先日パックンの一人が気になる情報を入手した。

 

「マヨイ森に大量の物資が輸送されているだ。ーーーいったいあの国で何が起こってやがる…?」

 

 

 

 

やるしかないか………幸いにも戦線が集中しているおかげで軍に余裕はある。

 

このままだとじり貧なのはわかっている。

 

だけどなー、絶対泥沼になりそうなんだよなー。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前の卓上には一つの書類。

 

 

重要機密。

 

『キノコ王国侵攻作戦』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やられた後のピチュン【上向き上昇】からのまるで画面とは別の空間に入ったかのような退場………まさかね?





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奴隷兵士とプロパガンダ

ジャンボル諸島近海 夜明け前

 

上空400メートル

 

普段ならば偵察の為に少数の戦艦が浮かんでいるのだが、その日は違った

 

今までに観測されたほどのない濃霧が発生。

その上に見たこともないような大きさの雲の塊が形成されているのだ。

 

当然の事ながら現地の観測所はてんやわんやの騒ぎを起こした。

 

本国への通信を行う者

 

計器の点検を行う者

 

上空の様子を眺める者

 

慌ただしくデータの計算を行う者

 

誰もが作業に没頭していた。

いや、してしまったと言った方がよいだろう

 

誰もがその雲の中を通過する無数の存在とその唯一の手がかりである大型回転機のわずかな駆動音を聞き逃してしまった。

 

「気づかれていないようだな………」

「はい、提督」

「魔法部隊の様子はどうだ?」

「今のところ問題はありません!」

「うむ、霧発生の魔法が切れないように注意しろ」

「は!」

 

「まさか、私がこのような大作戦の指揮をとることになろうとは………」

 

そう呟きながら艦橋から辺りを見渡す。

そこには霧に隠れて輪郭のみしか視認できないが多くの艦影がお互いに一定の間隔を開けて飛行している。

 

「艦と艦との間隔に注意しろ!」

「はい!」

 

灯火制限をしているため艦橋の中は暗く、時折射し込む月光が唯一の光源であった。

その僅かな明かりで怪しげに光る蛍光が、開かれた羅針盤から漏れる。

 

「航海長!現在の当艦現在地は?」

「ジャンボル諸島水道を通過進路を西にとっています」

「うむ、予定通りか………」

 

今度は時計を取り出し確認すると自分の手が震えているのに気がついた。

それは上空の寒さによるものなのかそれとも緊張から来るのか自分にはわからなかった。

 

 

 

夜明けが近い

 

遠くの地平線に目を凝らせば僅かにしろずんでいる

 

 

「航空参謀!」

 

 

作戦の開始が近づきつつある

 

 

…………………………………………………………………

 

 

キノコ王国首都キノコタウン

 

夜明けを迎え朝日がさっと射し込んでいく、多くの住民はまだ眠りについているが。

港の漁師達が活発に活動しており、丁度漁から帰ってきたであろう漁船で賑わっていた。

 

 

「なあ、ありゃなんだ?」

「なんだいきなり」

魚を船から運びだそうとするキノピオが上の方を指差す

つられて見れば空に黒い点々が見えた。

 

「鳥か何かだろ」

「それにしてはでかくないか?」

「ちょっと待ってろ」

やがて一人が望遠鏡をのぞきこむ。

 

ガタッ

 

そして手元から望遠鏡を落として呆然と立ち尽くした。

その異様な様子に周囲が肩を揺すってしっかりしろと言うように語りかける中でじっと空を見つめながらこうつぶやいた。

 

「クッパだ………クッパがきた!」

 

その言葉で一瞬にしてその場が氷ついた。

 

そして、数分後に一斉に動きだす。

あるものはあわてふためきその場をいったりきたりし、その他の者も頭を抑え怯えてその場に座りこむ。

 

やがて、その中でも勇敢な者達が非常時用の鐘を鳴らすべく走り出すが………時すでに遅し。

 

 

「#%#<%>%<%>%>%(}/{」

彼らが鳴らそうとした鐘が木っ端微塵に吹き飛び、その残骸の上を編隊を組んだカメック達が飛び去っていく

 

そして、彼らが飛んでいく方向からさらに多くの爆発音が響き始める。

 

危険を知らせるための鐘が、塔が、煙を上げて崩れさっていき、その後にピーチ城の方向へと飛行していく。

 

「「「「姫様が!」」」

 

いきなりの出来事に呆然となり立ちすくみ、しばらくしてから敬愛すべき姫の危機だと自覚する。

 

「どうする?どうする?」

「どうしよう……」

「とにかく城に向かわない………なんだ?」

クッパの襲撃である。

いつもならばマリオさんが向かってくれてクッパをやっつけてくれる………だけど今国元に英雄はいない。

では、どうすべきか?自分達ではどうすることもできないのも十分に理解しているのだが、じっとしていられなかったのだ。

 

とにかく様子だけでも見ようとかけだそうとするが、いきなり周囲が闇につつまれ足を止める。

 

 

ゴウン、ゴウンという音と共に恐るべきクッパの飛行戦艦が自分達の上を通過しこれが戦艦の影だと理解してしまう。

 

 

そして

 

「降下ーー!降下ーー!」

「「「「「ワアアアアアアア!!」」」」」

パラシュートクリボーやパタパタ等が降下してくる。

 

 

「「「「あわああわわわ」」」」

 

 

 

 

ピーチ城の周囲には飛行戦艦が着陸し中からハンマーブロスを中心とした重装歩兵が飛び出していき、大砲や尖塔を破壊され城壁の上までもが占拠された城には防衛能力など皆無に等しく易々と城門を突破し場内へとなだれ込んでいく。

 

 

「上層の人物を確保しろ!」

「書類の破棄をさせるな!」

「逃がすんじゃないぞ!いけええええええ!」

蜘蛛の子を散らすように場内を走り回るキノピオ達を追いかけ回し、他の部隊が大臣や閣僚の事務室を制圧していく。

 

そして、城内はてんやわんやの騒ぎになっていくのだが、問題が起きた。

 

 

「「「「「「キノピオの見分けがつかねえええええええええええええええええええええ」」」」

 

事前の調査で上層部の人相は調べられており現場の人間にも人相書きが配られているのだが………ほぼ同じ顔なのである。

 

それが大量にしかもあちこち無茶苦茶に走り回るのだ。

 

当然の事ながら現地で大混乱が生じた。

 

「こいつだ!」

「傘の色が違うぞ!」

「こいつか?」

「なんか微妙に違うくね?」

「こいつ!こいつだ!」

 

「違いますよ!」そっくりさんA

「自分じゃないです!」そっくりさんB

「うええええええん」そっくりさんC

「姫様ああああああ!」そっくりさんD

「マリオさん助けてえええええ」そっくりさんE

 

 

「おい!こっちにも似たような奴が沢山………」

「「「ファ!」」

 

そしてこれは市街地へと降下した部隊にも発生、一時指令部が機能不全を起こす事になり城からの逃亡者が多数出てしまう結果になってしまった。

 

 

 

「ピーチ城の制圧及びキノコタウンの占拠が完了しました!」

「うむ、それでピーチ姫は?」

「やはりいなかったようです!」

「そうか………押収した資料は情報部に送らせろ!それと万が一に備えて周囲に偵察隊を派遣しておけ!」

「はい」

 

作戦成功である。

だが、提督の心は喜べなかった。

 

多数の大臣や閣僚を捕獲してほぼ無傷の状態で首都を占拠できたのにも関わらずだ。

 

「嫌な予感がするぞ………」

 

 

 

 

そして、提督の予感は的中する事となる。

 

 

 

キノコ王国侵攻から数日が経過。

 

クッパ軍団は首都から周囲の集落や都市へと進出を開始しほぼ無抵抗で勢力範囲を広げていく。

 

だが、ある日を境に妙な報告が出始めた。

 

 

 

 

ノコノコが襲撃してきたのだ。

 

 

 

 

最初はキノコ王国側のノコノコ達だと思われたのだが、報告が増えるにつれて嫌な予感が雪だるま式に増えていく。

 

 

顔は痩せ焦げて身なりは貧相で、煤に汚れた甲羅はもはや色の識別も困難。

 

その上でしきりに我が軍団の反対、自陣を見返し恐怖の表情を浮かべ泣きながら走って来るのだ。

 

極めつけに軍団に突撃してきた者達を制圧して話を聞こうとすると周囲を巻き込んでノコノコが爆発したのだ。

 

これによって何の情報も得られず。さらに前線部隊の士気が著しく低下している。

 

 

 

某所

「なかなかよい案だったな」

 

「ええ、」

 

「奴隷を戦場に突撃させるとは思い切った考えだ」

「家族を人質に取れば簡単でしたよ」

 

「そうか、そうか、でそいつらは?」

「はい、あとぐされなく消しておきました」

 

「その上で怯えて帰ってきたやつは処刑、突撃したら爆死か………傑作だな!」

「少しもったいない気がしますがどうせクッパ軍団が来たらなくなるんです。資源の有効活用と思ってくれればよいのです」

「資源か………言えておるの」

 

「彼らには我々が資産を回収する時間をかせいでいただかないと行けませんから」

「笑いが止まらんな」

「全くだ」

 

「難民となった国民からは金を巻き上げられるし」

「武器も売れに売れている」

「政府が無茶苦茶なおかげでいろいろできる」

 

 

 

「「「「「「戦争は最高だな」」」」」

 

 

「それで、例の計画は?」

「滞りなく」

「そうか、下級国民達も本望だろうよ」

「ええ」

 

 

「「「「「愛する国のために死ねるのだからな」」」」

 

 

暗い一室の中に不気味な笑い声が響く、彼らの目はギラギラとひかり口元は薄い三日月のようになる。

 

 

 

 

 

 

数週後 キノコ王国ある町

 

町の広場にはこの地の住民のほとんどが集められており、皆侵攻してきたクッパ軍団の噂を聞いてみんな不安がっていた。

 

「クッパ軍団がもうすぐそこまで来ている!そのため他の町へと避難する事になった!!」

どこかから派遣されて来た兵士がそう言って住民を急がせる。

 

あまりの急報に住民は慌てて準備をして兵士に誘導されて町から逃げていく。

 

他の町とは反対の方向へと。

 

 

「あのー兵士さん、私達どこに向かっているんですか?」

「行けばわかる」

「そうですか………でもだんだんとなんだか森深くなってきていませんか?」

「………」

「兵士さん?」

 

「「「「「………」」」」

 

 

「えっ!?どういうっ」

「お前のような勘のいい奴は嫌いだよ」

周りの兵士達の様子がおかしいことに気がついたキノピオだが言葉を最後まで発する事はなく切り伏せられた。

 

それを目撃した人々に恐怖が伝染していく。

 

「へっ兵士さん一体何をガッ」

「皆殺しだ!一人も逃がすな!」

おそる、おそる近寄ってきた住民が喉を貫かれ物言わぬ屍へと変わる。

同時に周りの全ての兵士が抜刀し近くの住民へと切りかかる。

 

「うわあああああああ!!」

「にげろおおおおおおおおおおお」

「いやあああああああああああああ!!」

それを見て住民達は道を外れて逃げ出そうとするが周囲の藪から潜んでいた兵士達が現れて退路がたたれる。

 

周囲には悲鳴が響き、地面が赤く染まり濃厚な鉄が錆びた匂いが漂う。

 

 

 

 

 

数時間後、そこで動く者はだれもいなかった。

 

 

 

 

それから、数日後

 

 

全世界にあるニュースが発信された。

 

〈クッパ軍団がキノコ王国で虐殺か?〉

 

これが、詳細な写真と文書、そして情報源が明確だった事もあり大反響を巻き起こした。

 

 

マメーリア王国、クッパ帝国へ非難声明

 

同じくドルピック諸島政府、サラサランドなどからも非難声明が発信される。

 

 

そして、多くの国が貿易の停止を宣言した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




仮説

なぜキノコ王国がこんなことになってしまったか?

マリオ&ルイージRPG2をプレイしてた時。

ヤバいです

赤ちゃんピーチ姫しか王族いないとかあかんやん

しかも政治能力皆無の赤ちゃんとか権力継承もできないし権力が宙ぶらりんじゃね?



信頼できる家臣が爺一人とか………仮に爺が大臣の立場だとしても一人で全政治の監督とか無理だろ
(さらにキノコ大臣とか言う別のキャラクターが居たので最悪の場合世話役の可能性すらある)

ヤバいです

しかも、この状態のキノコ王国にゲドンコ星人が襲来し国中の基盤がガタガタに

ヤバいです

逆臣が暗躍できる要素がありすぎる


その点クッパは

幼少期はカメックババが家臣団を統制
(ヨッシーアイランドの時点でクッパの命令にカメックが従っている

さらにゲドンコ襲来時にはすでにカメジェットの指揮を行っている。

さらにクッパ帝国は基本的にマリオ以外はだれも攻めて来ることがなく国家基盤が安定しているし

あと、クッパ幼少期の時点で強いんだな

クッパ帝国という国家の性質上で強者は権力継承しやすいし



と思ってた





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忠義と不死の軍勢

感想欄でマリオが気がつかない。
とおっしゃる方々ご意見ありがとうございます。

だけども考え見てほしい。

あれが封印とか宝物とか守りきったことありましたか?
むしろ進んでやらかしたりとかしてませんか?

それどころか事前に何かしようとしたりした事がありますか?

と、ここまで述べたように。
はっきし言ってあの髭が自発的に行動する所を見たことがないのです。
いつも何かが起きる→出動→何々するために何が必要→それをてにいれたらまた何かが起こる→また何かをする→残念罠でした………こんなんばっかり。

情報に関しても自分で調べようとせずに何々に聞きにいきましょうが殆どだし。

これを見てあのコピペを思い出した。



マリオの特徴

1 自分自身の具体的な目標をもたない
2 相手の夢を阻止するのが生きがい
3 単独~小人数で行動
4 常になにかが起こってから行動
5 受け身の姿勢
6 いつも怒っている


クッパの特徴

1 大きな夢、野望を抱いている
2 目標達成のため、研究開発を怠らない
3 日々努力を重ね、夢に向かって手を尽している
4 失敗してもへこたれない
5 組織で行動する
6 よく笑う


キノピオによるプロパガンダによりクッパ帝国は世界の敵となった。

周囲の国家から国交断絶をこちら側との協議を行う必要すらもないというように一方的に告げられ。

 

貿易や通信が死滅

 

外交官や現地にいた記者の追放や我が国に関係のないカメ系の種族への迫害が起こり初めたとの情報まで出てきている。

 

 

さらに、貿易が壊滅したことにより帝国で産出されないゴム等の一部戦略資源が不足し、軍団の整備や生産が滞りつつあった。

幸いな事に食料系への投資のおかげで品種改良されたカラカラの実や地下を利用したキノコの水耕栽培工場が稼働しており巨大化魔法も相まって余裕があり国家としては未だに余裕がある状態だ。

 

最後に戦況であるが………マリオに対する少数精鋭部隊の投入や起伏の激しい山岳地帯や洞窟での遅滞戦術、航空戦艦の総員離脱後の自沈作戦によりマリオの侵攻を抑え込むことに成功。

 

だが、クッパ帝国は世界の敵となった。

 

これが意味する所は世界の中での孤立であり、すなわち政治工作が壊滅。

同盟や連合どころの話ではない、奴らのプロパガンダにより講和交渉や終戦交渉までならず会談を仲介してくれる第三国がいなくなってしまったのだ。

 

 

さらに、敵の正体がようやく判明したのだがそれが軍産複合体のような存在であった。

通常ならば軍産複合体と言えども政治的影響力があるだけで直接的な権限を持っていないが現在のキノコ王国においては政府の腐敗がすさまじく、まさに売国奴の巣穴と化している。

 

このくそったれな戦争も奴等が煽っているのだ。

 

 

憎しめ!争え!怨め!それらが我らの富となる。

 

戦争を起こして一番得をするのは誰か?。

 

答えは簡単、商人だ。

 

戦争はしょせん経済と経済のぶつかりあいであり主義や思想それらは後付けのスパイスに過ぎない。

領土を奪っても開発し運営するのは商人達だし賠償金等は戦時国債の支払いに当てられる。そしてそれを大量に保有するのも商人。

当然戦時は物質の消費が莫大になり利益が増える。

 

ここまでこれば、いかにウハウハであるかがわかるだろう。

彼らにとっては戦争を終わらせるなんてもってのほか、むしろ優勢ならばいくらでも続けてほしいと望む。

 

だから、必死になって煽る。

 

いかに相手が醜悪で卑劣で下等であるかを訴えてそして執拗に自分たちが正義だと訴え。

 

人が死ねばそれだけ新たな需要が生まれ。

 

民衆の怒りは相手国民への非道への免罪符となり。

 

商人達の懐は盛り上がっていく。

 

たとえマリオを倒したとしても奴等は死滅しない。

政府と軍部の責任を追及すれども彼らは裁かれもしないし責任の追及さえもできないだろう。

もしくは一瞬で掌を返して自分達は哀れな被害者だと装い出すのがおちだろう。

 

奴等はゴキブリだ。叩いても叩いても無からわくかの如く出現するような存在。

もしもこの文明が滅びようとも最後まで生き延びてそうなしたたかさとしぶとさとを兼ね備えた存在。

 

そんな奴等との戦争なのだ。

政府や軍部等は操り人形に過ぎずその裏側に見え隠れする闇が相手では本来の戦略では勝てない。

 

土俵が違う。

 

奴等は戦争なんぞで倒せる相手ではない。

 

「どうすればいいのだ………」

「クッパ様どうされましたか?」

「何でもない!で、戦況はどうなのだ?」

「やはり厳しいです。マリオの侵攻を抑えてはいますが完全には止め切れていません。」

「いつまでもつのだ?」

「………もって半年です」

「そうか」

「キノコ王国の方でもパルチザンの活動がはげしく捜索活動が難航しています」

「再統合した部隊を回せ」

「ですが!」

「くどい!今だからまだ可能なのだ………マリオが本国に到達するのを危惧して尻込みをすれば最後の希望すらもなくなる」

「わかりました!」

「しばらく休む!後は任せた!」

「「「「了解しました」」」」

 

 

自室に戻り思案する。

やはり、マリオをなんとかしなければいけない………だがピーチ姫を見つけねば反撃のチャンスすらもない。

 

マリオが城に到達する。

それがどのような事かわかるだろうか?

 

クッパ城は城であり民衆の住居でもある。極寒のこの土地では適切な設備なしではカメ族はいきられない。

そのために都市を囲むように至るところにマグマを流して気温を上げてカメ族が生活しやすいような環境を作りその上で建物を建てて、それを防御するように城壁が築かれていき今の城ができている。

 

そこにマリオが突入してくるのだ。当然ながらマリオ側も亀族やクリボーの男女や子供の区別等はつかない。

そのために徹底的な虐殺が起こる。その上で遺体からコインやアイテムを持ち去り城内を蹂躙して回る。

宝物庫や食料庫のアイテムやコインも全部持ち去り持ちきれないものはその場ですべて捨てる。

 

後に残るのは避難していた大量の孤児や未亡人そして重症の働き手のみ。

 

そして、そこに笑顔のキノピオ達がやって来て全てを奪っていくわずかに残った物資を食料を働き手を………その状態のまま放置して本当に抵抗する力を奪った上で不平等な条約や契約を結びさらに搾取を行っていく。

 

なぜ我輩が処刑されないか疑問に思わなかっただろうか?ワガハイなんぞ自国に対して侵略を繰り返し軍事的挑発を行う独裁者だ。

そんな奴の首なんぞなん十回規模で飛んでなくてはおかしいのだ。

 

だが、自分がクッパになったからわかる。クッパは慕われ過ぎているのだ。ワガハイがいなくなればカメ族は、いや配下の者達全員が絶望する。

生きる希望すらも失いこの世に望みがなくなってしまう。

 

するとどうだろうかキノコどもは金の卵を生み出す亀を失う事になり儲けが少なくなる。

 

なのでワガハイが生かされているのはカメ族から永遠的に搾取するためなのだ。

 

「どうすればよいのだ………」

頭を抱える。ワガハイはしくじったのであろうか?

民を思い今まで行動してきた母親の腕の中でぐったりとする赤子を、腹をすかせて道の草を食べようとする子供を無くそうとしただけだ。

 

なのに何故?何故このような仕打ちを受けるのだ!

 

今唯一の希望はピーチ姫のみ。

早く、早く見つけるのだ!そうしなければ………我輩達は終わりなのだ。

 

 

 

 

 

 

クッパは何度も首をひねり資料を読みあさり何度も何度も思考する。

あらゆる方向からアプローチをいれども状況が好転するとは思えないのだ。

それでも諦めずに瞳を閉じて思案する。

 

だが良案はでてこない。

 

そして、突然糸が切れたように倒れて眠りにおちてしまう、連日の怒涛の激務と徹夜でクッパの体はもう限界を迎えていたのだ。

 

自分の独りごとさえも聞かれないように扉の前の衛兵すらも追い払っておりクッパの周囲には誰もいなかった。

 

「誰ダ!我らノ王を悲しませるノは?」

 

「誇り高い我らノ王を悩まセタのは?」

 

「ダレダ!」

 

「「「「優しシキクッパ様ヲ悲しませタノは!」」」」」

 

それは、人に観測されない事象。

 

テレサではなく根本的にことなる存在達。

 

部屋の中に淡い光が集まり始め………それはやがてノコノコやトゲノコ、ハンマーブロスへと形創られていく。

 

一様にクッパを見つめ、あるものは嘆き。あるものは憤慨し。あるものは涙を流す。

 

そして皆に共通するところがあった。

 

決意をこめた瞳である。

 

それらはやがて四散しキラキラと光る残光を残して窓から飛び出していった。

 

 

 

この日から各地で異変が起き始めた。

 

かつての戦場で砦で城でカロンが起き上がり始めたのである。

 

彼等は言葉を話さず皆一点に向かって歩き始めた。

 

マリオのいる場所に。

 

 

 

 





このクッパなら王の軍勢とかできそう。


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絶対邪竜戦線

クッパが、これからの打開策をなんとか打ち出そうともがいている間にも状況は著しく変化していく。

 

 

 

占領下においているはずのキノコ王国では、クッパ軍団ではなくキノピオを狙った攻撃が立て続けて発生。

 

現地の憲兵隊が対応に追われている。

 

さらに、国家ぐるみではなければ動員できないような規模の謎の軍団がクッパ軍団の非支配地域で騒動を起こしており。

 

 

 

クッパ軍団の影響下へキノピオの避難民が列をなしてやって来ている事態にまで発展していた。

 

 

 

その中で両者共に言動の一部において違和感が目立つとの報告がなされ。

 

 

 

調査を行ってみると会話内容が所どころ噛みあっていない事が判明した。

 

 

 

それらの齟齬の中でも軍団が市民を救出したさいにあるキノピオの老婆が言った疑問が最たるものだろう。

 

 

 

「私の息子は元気なのでしょうか?」

 

 

 

聞けば息子がクッパに拐われたそうだ。

 

 

 

確かにクッパ軍団はキノピオを拐うこともある。

 

だが、それは副産物に過ぎないのだ。

 

大抵はピーチ姫の巻き添えをくらって城とか乗り物ごと拐われる。

 

しかし、キノピオを単体で誘拐することなどめったにないし。第一拐った所で何の役にたつというのだろうか。

 

 

 

クッパ軍団は国単位でカツカツの状態であり、わざわざ

 

ただめしぐらいを増やす必要もない。

 

 

 

この時対応した兵士もおかしな話だなーーと済ましていた…翌日に百人単位で誘拐被害者の家族が詰所に押し寄せてくるまでは。

 

 

 

異常である。

 

 

 

兵士は、あわてて国元の軍務局にカメックを介した魔法通信で問い合わせた。

 

 

 

かえってきた返事は。

 

「知らんぞそんなもん」

 

 

 

軍務局としても寝耳に水の状態であった。

 

キノピオをさらうといえど、話から相当な数のキノピオが拐われているのだ。

 

そうなれば当然の如く飛空艦や部隊が動くはず…なのにそのような記録が見つからないのだ。

 

また、クッパ帝国の台所事情によって記録などはかなり正確につけられており裏付けとしてしっかりと機能していたことによりさらに疑問が生じる。

 

 

 

接収した市役所で戸籍と情報を付き合わせて見る。

 

自分の顔色がどんどん悪くなっていくのがわかる。側にいた同僚も同じだったようでやがて室内を沈黙が支配するようになった。

 

 

 

 

 

年間千単位でキノピオが行方不明になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

 

ヨースターアイランド

 

 

 

 

 

ここヨースターアイランドは言わずとも知れたヨッシー達の本拠地。

 

クッパが何度も進行し撃退されたキノコ王国に次ぐ激戦地である。

 

歴史は古く、クッパの先代の時代においても砦が築かれておりここが重要拠点の一つであることがうかがえる。

 

 

 

 

 

所でなぜこのヨースターアイランドが血で血を洗う激戦地区になったか疑問をていした者はいないだろうか?

 

 

 

 

 

実際の所、ここヨースターアイランドは地政学的にはほぼ意味のない地点であるのだ。

 

 

 

クッパ軍団は飛行戦艦を保有しており直接キノコ王国にいくことができる。

 

さらに言えば、ここヨースターアイランドはキノコ王国への航路から離れており補給基地としても不適。

 

 

 

すべてはこの島に住まうある生物が原因である。

 

 

 

ヨッシー

 

正式名称ヨッシードラゴン

 

凶悪なまでの生物としての頑丈さ、ある程度のダメージを負うと仮死状態に移行する生存力。

 

鉄のような硬度でありながら伸縮性に優れた舌を振り回し爆裂する卵を投げつける。

 

水の上を走る。なんかホバリングする。逸脱した能力を持つこの生物だが、ここまではまだ良いほうであり。

 

多数の種族の寄り合い所帯であるクッパ軍団とはどうしてもわかりあえない特性があるのだ。

 

 

 

 

 

奴ら知的生命体を補食して繁殖するんだぜ。

 

 

 

 

 

あの愛くるしい姿に騙されてはいけない。

 

奴らは舌で臣民を舐めとり生きたまま補食しその亡骸から構成された卵を味方に投げつけてくるのだ。

 

 

 

そんな奴らを邪竜と言わず何と言えと。

 

 

 

 

 

このようにヨッシードラゴンはこの世界において屈指の危険生物であり。

 

クッパ軍団においては不倶戴天の敵に相当する。

 

そのため、ヨースターアイランドにはヨッシーを食い止めるための最前線基地として城塞がつくられている。

 

 

 

 

 

その城塞が今陥落しようとしていた。

 

 

 

 

 

「緊急!こちらヨースター要塞。襲撃を受けている!被害甚大なり。至急応援をうあああああううあうhs6っっっっっっっっhガリボリゴキ・・・ヨッシーーーーー」

 

「嫌だ!死にたくない助けて・・・・」

 

「舌が!舌が足に絡み付いて助けてくれ!」

 

「うああああああああああああああああああああああああ」

 

「トゲ付きのものは時間を稼げ。非戦闘員は退」

 

「うわあああああヨッシーだああああああ!死にたく」

 

 

 

 

 

突如始まったヨッシーによる襲撃。

 

通常ならばここまで蹂躙されるはずがなかったがヨッシー達に異変が起きていた。

 

 

 

通常ならばヨッシーの身長は1メートルから2メートルである。

 

だが、今回出現した個体は優に十メートルを超えており城壁を楽々と破壊し、そこから多数のヨッシーが侵入。

 

迎撃態勢が整っていない城兵は壊滅という惨状を作りだす。

 

 

 

城内には緑と白のマーブル模様の卵があちらこちらに産み付けられ、絶命したクッパ軍団の死体をヨッシー達が貪っていた。

 

 

 

そしてわずかな兵士の生き残りが砦の最奥で立て込もっていた。

 

 

 

「だめです出入口すべて塞がれています・・・」

 

「そうか・・・」

 

そこには砦の司令官であるトゲノコエースと数人のクリボーとノコノコが身をよせあい。

 

あるものは震い泣き。また別の者はただただ茫然と立っていた。

 

帰ってきた偵察の報告に皆落胆し絶望の空気が充満する。

 

 

 

扉からは中にいる餌を早く早くとせくように扉に体当たりを繰り返すヨッシー達、ぼろぼろになった壁の穴からは貪欲な舌がチロチロと蠢く。

 

 

 

ヨッシー!ヨッシー!とおぞましい鳴き声が響きあちこちでヌチャリと卵を産卵する音が聞こえてくる。

 

 

 

「もはやこれまでか・・・」

 

トゲノコエースが呟く。

 

「では、最後に奴らをできる限り巻き込んで散りますか?」

 

「ダメだ。」

 

呟きを聞いたノコノコが覚悟を決めた瞳で見つめてくるが即座に司令官はそれを否定する。

 

 

 

心情は理解できる。

 

というよりは自分もそうしたい。

 

 

 

だがそれは愚策に近い。

 

 

 

奴らの性質の上で半端な抵抗はほぼ無力。

 

むしろわざわざ餌を与えにいくほどバカなことはない。

 

その行為は奴らの増殖に手をかす事になり、やがては国本の家族・軍の同胞を危険にさらす事になる。

 

 

 

さらに言えば奴らの行動に餌の貯蓄。

 

つまり餌を巣穴に生きたまま生餌として保管する習性も存在し。

 

 

 

現段階での最良作戦、航空戦艦による絨毯爆撃の妨げにもなる。

 

 

 

「自決する・・・」

 

そう宣言すると共に周囲を見渡す。

 

 

 

そこには怯えと恐怖があった。

 

 

 

死への恐怖で震える部下をある時は優しく諭し。

 

 

 

正論を持って説得し。

 

 

 

約束を結び。

 

 

 

苦痛ができる限りないように自ら介錯を行う。

 

 

 

一人、また一人と命が消えて行き。

 

 

 

やがて最後の一人となった。

 

 

 

「覚悟はできています。」

 

「そうか」

 

最後に残ったのは自分に長く付き従ってくれた副官であった。彼には悲壮感などなく、覚悟を決めた澄んだ瞳をしていた。

 

 

 

「では、先に行かせていただきます。クッパ様万歳!クッパ帝国とその臣民に栄光があらんことを!」

 

そう叫び、部下は生き絶えた。

 

だが最後に自分に対して「申し訳ありません」と言ったのが聞こえた。

 

 

 

彼は気がついてしまったのだ。

 

最後の一人は自らの手で命を絶つことになると。

 

その覚悟はいかんなことか、その痛み・苦しみがどれ程重い事かを。

 

 

 

最後まで苦労をかけた。

 

 

 

司令官は今の行いを恥じてはいない、理由はいかんにしても自分は部下をこの手にかけたとしてもだ。

 

 

 

その心には。

 

奴らに対する最大限の抵抗を行ったという思いと共に、部下を生きたまま咀嚼されその血肉が同胞を傷つける事に利用されるのを防ぎ。

 

 

 

何よりあんな酷い死にかたを部下にさせずにすんだという思いがあった。

 

 

 

「クッパ様万歳!」

 

そう言って司令官は自ら命を絶った。

 

同時に撒かれたランプオイルに火を放ち周囲の亡骸を火に包む。

 

これで部下の亡骸が辱しめられることもないだろう。

 

 

 

 

 

かくしてヨースター島の島が陥落。

 

守備隊は全滅となった。

 

 

 

それからすぐに砦からの救援要請によって駆けつけた航空戦艦による爆撃が開始され。

 

ヨースター島が炎に包まれ多くのヨッシー達を行動不能に陥らせる事に成功する。

 

 

 

が、

 

 

 

その爆撃を生き延びたヨッシー達が餌を求めて海を渡り

 

クッパ帝国へと接近している事が同盟を組んでいる水生部族からの警告により発覚。

 

急遽ヨースター島方面の住民疎開が行われ、同時に義勇兵や退役軍人の召集が行われる。

 

 

 

各都市では住み慣れた街を離れ飛行戦艦で避難する市民の姿が見られた。

 

 

 

「お母さん…いつ帰ってこれるの?」

 

「大丈夫よ!きっとクッパ様が必ずなんとかしてくれるわ」

 

「本当?」

 

「ええ前にもこんな事があったの。でもクッパ様がすべて倒してしまったのだから大丈夫」

 

 

 

 

 

臣民のために自身の叡智と力で邪竜のことごとくを封印せしめた魔王。

 

 

 

それがかわいそうだという理由で邪竜の封印を暴き。あまつさえその背中に騎乗し国へと侵攻する勇者。

 

 

 

魔王とは誰の事を指すのだろうか?

 

 

 

 

 

邪竜の侵攻によりパニックとなるクッパ帝国。

 

この騒動によってキノピオの行方不明事件などは有耶無耶となった。

 

 

 

だが、この2つの事件は繋がっていた。

 

 

 

クッパ帝国がこの事に気がつくのはもうしばらくしてからのお話。

 

 

 

なぜなら

 

 

 

「クウックパ様っっっっっっっっっ」

 

「どした、落ち着け❗」

 

「ピいいいい」

 

「ピ?」

 

 

 

「ピーチ姫が亡命してきました❗」

 

 

 

 

 

超特大の爆弾が投下されたからである。

 

 

 

 

 

 



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隣人が化け物の皮を被された人間だった時の対処法

この小説ではマリオ作品に登場した種族しか出てきません。
今回で黒幕がわかる人もいるかもしれませんが楽しんでくだせえ。

タイトル二重(特に意味はない)



























考えてみましょう。

 

まず、キノピオって何かしら。

 

キノコ王国の国民?そんなのはわかっているわ。

 

 

 

 

そもそも菌類なのに出産する事に疑問を持ったことはないかしら?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が自我を確立した時、そこには両親の姿はなかった。

そこにいたのは親代わりの爺やとその他有象無象だけ。

 

皆が喜んでいたのを覚えている。

 

 

「どうして私とあなた達は姿が違うの?」

成長するにつれて次第に周囲と姿形が違っていることに気がつき周囲に聞いて回った。

 

「姫様ですから」

そしていつもそう返される。

 

それが当たり前だと思っていた。それが常識であり言うに及ばないことだと私は思っていた。

 

彼等に会うまでは。

 

マリオとルイージ。

 

はじめて彼等にあった時、私ははじめて同胞にあった事になる。

 

自分と同じような姿、キノピオとは違う姿を見て私はなぜか安心感を覚えた。

 

そして彼等との出会いを繰り返していくごとに私は気がついてしまった。

 

この国は滅んでいると。

 

 

 

 

 

キノピオ達は自我が薄い、ある一定の個体以外は感情に乏しくまるで一様に同じ行動を繰り返す。

 

キノピオの中には自主的な行動や新しいものを作り出すような個体がいるが、大多数のキノピオから見て彼等は異質に映る事が多い。

 

また、年々その数も減っている。

 

ある時、キノピオに雷が当たりどういう事か骨が透けて見えた。

 

キノピオには骨がある。

 

 

 

 

 

 

 

 

骨?

 

菌類に骨があるのかしら。

 

キノピオ達は私に象徴としてこの王国に君臨して欲しがっている。政務などには関わらせずただ笑いながら玉印をおす君主を欲しがっている。

 

なぜ?

 

だんだんと疑問は膨れ上がり私は試してしまった。

 

キノピオの胞子とキノコの胞子を照合して見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一致してしまった。

 

 

日常にある物品と話している人物の構成要素が同じなのだ。つまり・・・。

 

出産して繁殖し会話やコミュニケーションをとれて。

 

骨があり、人形の存在を軸に菌糸で覆われたものがキノピオという存在である。

 

思わず悲鳴をあげかけた。

 

思い返せばいくらでも違和感がある。

 

キノピオ達は実は強い。マリオと同等の戦闘力を持ちいざとなれば機敏に動く。

では、そんな存在がなぜにクッパに由って一方的にやられるばかりなのか。

 

おそらく思考に制限がかけられているのだろう

自分たちがよりふえやすいように臆病にし、より生き残らせようとしている。

もしくは宿主に自らを認識できないように思考が抑えられ無意識のうちに菌の誘導のもとで生きている。

 

生殖し、子宮のなかで菌に侵されて産まれた時から苗床として一生を終えるキノピオ。

 

では、なぜ私は存在している?

マリオは?ルイージは?

 

調べていくうちに驚くべき事がわかる。

 

菌糸に対して魔力が多いものほど耐性があったのだ。

 

やがて、その傾向が自主的な行動を行うキノピオに多い事がわかる。

おそらく脳が侵食されきれずある程度の知能を持ったキノピオ達が存在する…気づかなければよかった。

 

調べなければよかった。

 

私は、私の存在理由に気がついてしまった。

 

 

ある学者が昔こう言った。

人という認識がある場合において、もしもその人物が人ではない何かになった場合。

 

自己を認識できなくなる。

 

ならば、キノピオ達が私に求めることはただ一つ。

 

王国の国民であることだ。

 

自分が失ってしまったものを無意識下で求め、そして愛する。人間性を求めて私に向かって来るのでは?

 

「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」「姫様!」

 

 

私にはそれが助けを求めるようにしか聞こえなかった。

 

 

私の周りには沢山の化け物がいる。

 

彼等に気がつかれないように笑い、そして求められるがままにふるまう。

 

唯一安心できる時はクッパに拐われている時。

 

とても楽しい、亀族はキノピオと違い独立した意思と肉体をもっている。

彼等の前では怯えず恐怖せずに生きていられる。

 

そして何よりも、マリオに会える。

 

 

 

どうか、神様。

 

 

 

この時間が長く続きますように。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

ヨッシーアイランドからの邪竜の襲来とマリオの侵攻によりクッパ軍団は窮地にたたされていた。

 

戦力は補助まで出払い、動員された兵士の年齢もドンドンと若くなり。一部の兵種においては女性兵士の割合まで多くなっていた。

 

だが、占領下であるキノコ王国においてテレサを使った憲兵による調査で大いなる発見があった。

 

建物をや床をすり抜けられるテレサの前では隠し扉や地下室等は無意味。

 

キノコ王国指導部及びに社会的な重要人物を捕捉し憲兵が怒り狂いながら隠れ家へと突入していく。

 

そして、彼等は溶けていた。

 

恐怖の表情で何かから逃げるように部屋のすみで。

目から血を流し、外耳孔から液状になった脳漿が流れていおり死因が全く想像できなかった。

 

あまりにも無惨な死にかたに憲兵の一部が嘔吐するほどであった。

 

だが、あわててそれらの処分を行ったのだろうか一部の書類が残されておりそれらを憲兵が回収していく。

 

その中に一部のみが燃え残った未知の言語でかかれたものがあった。

 

 

(┗┠┝┓┏┌├││┼┃┠┫┛┫┐┏┗┯┣┐┌╋)

<すべては姫様達のために>

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数刻前。

 

「まあ、奴らは戦うしか脳がないですからな、どうせマリオに叩かれて這いつくばるのに健気なものですな」

「我らはただ待てばよいのです。さっシャンパンでもいかが?」

「そうですな、またしばらくすれば元通り。庶民も蛮族も所詮は我らの道具、それらを適切に操って我らが豊かになるこれこそ至極真っ当なこと」

「「「そうだ!そうだ!」」」

地下室奥深くではキノコ王国指導部がおのおの談話していた。

あるものは今後の野望を語り、次はもっと亀から絞りとってやると息巻き。

他のものもそれに追従する。

 

そこに

「大変だ!ここが感づかれた!」

「「「なんだと!」」」

「馬鹿な…そんな事があるはずがない❗」

とキノピオ達は騒ぐが動こうとはしなかった。

 

ここで皆様は疑問を覚えるのではないであろうか?

 

何故こんな連中に今までいいようにやられていたのかと。

 

 

「頃合いか…」

騒ぐだけで何もしないキノピオを冷ややかな目で見つめる者達がいた。

 

お互いに目配せを行い。

 

カチャリと室内に金属音が響く。

 

「なっ何を」

異変に気がついたキノピオ達が見つめるその先には、得体のしれない物体を持ったキノピオ達がいた。

 

それはあまりにも異質であった。

グニャリと曲がったフォルムそして謎に光る動力と思われる部品。

見るものを無意識下で恐怖に落とし入れる何かがそこにはある。

 

「やれ」

パシュンそういう音が聞こえただけだった。

何もおこらないことに疑問をうかべるキノピオ達だが物体を向けられたもの一人に異変が起こる。

 

「あががあがあっjdHdtfhねおおlっksjgdhbzbぅぢぇじぇjねんsんっっkdっkdjdtydkjhsgdgっkっっっっっっっっlっっっっkっっっlk」

もんどりうつかのように倒れそして奇声をあげながら暴れ始める。

 

目から血が流れそして苦痛な表情をしながらそれは動かなくなった。

 

そして、その死骸から緑色の液体でも気体でもない何かが浮き上がり、その物体へと吸い込まれていった。

 

 

「「「「「「ヒイイイ」」」」」」」

突然の仲間の死とその形相に残ったキノピオ達は逃げようとするが。

そもそもこの隠れ家に出入り口は一つしかない。

通常ならば頭のおかしな物件であるが、これはそうなるように設計されている。

 

彼等がそうしたのだ。

 

パシュンパシュンパシュンと閃光が響き壁際に死体が積み上がっていく。

 

そして、一人だけが残される。

かしくもそれは議長を勤めていた固体だった。

恐怖に表情を浮かべる議長に彼等は近づく、懐から針のようなものを取り出して議長に突き刺す。

 

議長が苦痛の声をあげるが、針が紫色に変化したことに気がついた彼等は喜色満面で頷き。

 

「待て!どこに連れていかれるんだ!止めろ行きたくない行きたくない行き…」

ガシリと議長の腕をつかみ引っ張っていく。

 

そして残った彼等は書類を燃やし始める。

 

その時だった。

突然キノピオ?の顔がベロりと剥がれかけたのだ。

 

あわてて彼等はそれを抑え元に戻し書類を燃やし始める。

 

そして、後始末が終わったのか彼等は忽然と部屋から姿を消した。

 

憲兵が突入して来るが後には何も残っていない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




キラーとはもともと何を対象とした兵器なのか。

空中要塞はなぜ存在しているのか。

そもそもクッパがなぜ、かたくなに空を目指すのか。
すべては理由があると思うこの頃。

ただ一つ作者は思う事があります。


クッパ城(浮遊要塞)はイゼルローン要塞である。




おまけ
カロン
死出の騎士。
肉体が滅び、魂でありながらも王に忠誠をはかる誠の忠臣達。

敬愛する王の破滅を防ぎ、死から王を遠ざける。

現れたカロンの数によって王の治世がうかがえる。
が、同時にそれだけの忠臣を安らかに眠らせる事ができなかった歴代の王は喜びと悲しみを同時に得る事になる。











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