生き残った男の子を殺すこと、それが私の生きる糧。 (おぜうだよー)
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プロローグ
始まり


みなさん、初めまして!おぜうだよーと申します。
生き残った男の子を殺すこと、それが私の生きる糧。を連載しました。
ざっくりいうと、まあハリー殺すぞ〜っていう復讐物語です。
目標は2020年までには完結させたいな〜と思います。ですが私は飽きやすい性格なので、いつエタってもいいよっていう人、大歓迎です(笑)
オリ主、アンチ・ヘイト、残酷な描写含みます。それが嫌っていう方はブラウザバック!


私以外は知らない

 

 

あの日の惨劇を

 

 

私以外は知らない

 

 

あの忌々しい日のことを

 

 

私だけが知っている

 

 

あの日のことを、全てーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

アデラ視点

 

 

「おやすみなさい。お父様、お母様」

 

そう私がいうと、お母様とお父様も、微笑み、おやすみなさいと返してくれた。

 

私が部屋に入った途端、ドアを蹴破る音がした。

 

「アデラ!」

 

お母様がこっちに来て、私をクローゼットに隠す。

 

「静かにしていて、アデラ。絶対に声を出しちゃダメ。」

 

そう言うとお母様は去っていく。

 

クローゼットの中からは少し外が見えた。

 

私が隙間から外を見ると、お父様、お母様と黒髪の男、赤毛の女がいた。

 

「なんで、あなた達が・・・・・」

 

お母様が驚いたような顔をして言う。

 

あの人達は誰なのだろうか。私たちの仲間なのだろうか、それとも・・・

 

「『ステューピファイ!』」

 

なんと黒髪の男がお父様に突然呪文を放つ。確かあれは相手を失神させる呪文だったはずだ。

 

なぜそんなものをお父様に放ったのだろう

 

そんなものは決まっている。

 

お父様が自らの敵だからだ。

 

「『ステューピファイ!』」

 

お母様も黒髪の男に向けて失神呪文を放つ。

 

黒髪の男は盾の呪文で防ぐ。

 

「『エクスペリアームス!』」

 

今度は赤毛の女がお母様に向かって武装解除呪文を放つ。

 

「『プロテゴ!』」

 

お母様も、盾の呪文で防いだ。

 

そこからはもう呪文の打ち合いである。

 

「『アバダケダブラ!』」

 

黒髪の男が突然、死の呪文を放つ。

 

それに対処する術はない。

 

お父様は死の呪文にあたり・・・・

 

 

死んだ

 

 

嘘だ・・・

 

まさかあのお父様が死ぬなんて・・・

 

お母様が泣き叫ぶ。

 

当然だろう。目の前で夫を殺されたのだから。

 

そこに黒髪の男は躊躇なく失神呪文をお母様に向けて放つ。

 

お母様は盾の呪文を防がず、そのまま失神呪文にあたる。

 

お母様は失神した。

 

「さあ、リリー、今度は君が殺す番だ。」

 

黒髪の男が赤毛の女に向かって呟く。

 

あの赤毛の女はリリーというらしい。

 

「無理よ!あの子を殺すなんて、人を殺すなんて私には出来っこないわ!」

 

赤毛の女(リリー)が叫ぶと黒髪の男はなだめるように言った。

 

「僕たちがあいつを殺さないと 『ハリー』 が殺されるんだよ!」

 

『ハリー』とは誰なのだろうか。

 

もしかしたら『ハリー』のせいでお父様は死んだのだろうか

 

『ハリー』という言葉を聞いた途端、赤毛の女は何かを決心したように杖を構え、呪文を叫ぶ。

 

「『アバダケダブラ』」

 

お母様は

 

 

死んだ

 

 

私は思わず叫びそうになるけど叫ばなかった。

 

今は亡きお母様と約束したから。

 

代わりに私は決めた。

 

お母様とお父様を殺した原因となった『ハリー』を殺すことを

 

それ以来私はがむしゃらに勉強した。

 

すべてはハリーを殺すために・・・

 

後見人にはルシウスさんがついた。ルシウスさんはホグワーツにいた時にお父様とても仲が良かったそうだ。

 

ルシウスさんは杖から何まで全部揃えてくれた。一緒に暮らさないかと言ってくれたがさすがにそれは断った。

 

呪文の練習にも付き合ってくれた。

 

他にも、お金を送ってくれたり、屋敷に来てくれたり・・・親バカなのが困るのだけど。

 

今日もまた、あいつを殺すために勉強を始める。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アデレイドの愛称はアデラなため、組み分けなど以外ではアデラと呼ばせていただきます。


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アデレイド・ヴァンジェーンと賢者の石
新たな一歩


今回は、ホグワールの手紙回と、パーティー回です。


ある日、私の元に、二通の手紙が届いた。

一通目はルシウスさんからだった。

 

 

愛しいアデラへ

 

アデラ、君ももう11歳だ。そろそろホグワーツへ入学する歳だろう。

そのホグワーツに今年入学する純血の子供と、その親をマルフォイ邸に呼んでパーティーを開こうとのことで君も是非招待したい。

君が来てくれることを願っている。

 

ルシウス・マルフォイ

 

 

・・・まあ、要するにパーティーを開くから来てほしいということだろう。後で、ドレスローブについて考えなければ。

 

二通目はルシウスさんが言っていたホグワーツからだった。

 

ホグワーツ魔法魔術学校 校長

マーリン勲章 第一等 授与

大魔法使い

最上級独立魔法使い

ウィゼンガモット首席魔法戦士

国際魔法使い連盟 議長

アルバス・ダンブルドアじゃよ♪

 

心底どうでもいい肩書きを読み飛ばす。

ちなみに私はダンブルドアが嫌いだ。これだって、最後にじゃよ♪とかつけているが、心の中は腹黒ジジイでしかないことを私は知っている。

二枚目には入学案内とリストが書かれていた。

 

アデレイド・マーニー・ヴァンジェーン様

 

この度、ホグワーツ魔法魔術学校にめでたく入学を許可されましたこと心よりお喜び申し上げます。

また、教科書並びに、必要な教材のリストを同封いたします。

新学期は九月一日に始まります。七月三十一日必着、ふくろう便でのご返事をお待ちしています。

 

敬具

 

ミネルバ・マクゴナガル

 

必要品のリストを見ると、大体のものは揃っていたが、ホグワーツの制服はないので買いに行かなければならないだろう。

それに、杖もそろそろ二本目を持ちたいと思っていたところだ。何にしてもダイアゴン横丁へと行かなければ。

ぱぱっと、入学の返事を書き、フクロウのフェデルに手紙を咥えさせホグワーツへと、飛ばした。

 

突然、屋敷しもべ妖精のノックがかかる。

 

「お嬢様、スチュアート男爵がお見えになりました。」

 

もうそんな時間か。確かスチュアート男爵とは株の取引をするんだっけ。

それにしても、あの人はロリコンだから会いたくないんだよな・・・

そんなわがままは言えず、私は部屋を出て、ロリコン男爵と取引をした。

 

 

 

 

マルフォイ邸

 

 

ルシウス視点

 

 

「アデラ、今日は来てくれてありがとう。君のおかげで、パーティーに華が出た。」

 

私がそう言うと

 

「いえ、そんなことは全く・・・ルシウスさんはお世辞がお上手ですこと。」

 

アデラも社交辞令のように言葉を返す。

 

お世辞などではなく本当のことなのだが・・・

アデラは、そこらの女子なんて目に入らないほど美しい美貌で、

それに彼女の金髪と金色の瞳は全てを輝かせる太陽のように美しかった。

それに今日は、シンプルな黒いドレスローブのせいか、いつも以上に金髪と瞳がよく映えている。

街行く人が皆振り返り一目惚れするーーーーそんな美貌を彼女は持っていた。

 

 

「そうだ、良かったらダイアゴン横丁へ一緒に買い物に行かないかい?」

 

私がそう言うと、アデラは快く了解してくれた。

 

「アデラ!!」

 

ドラコがこちらに向かって来た。私はここで失礼するとしよう。

 

 

アデラ視点

 

私がルシウスさんと話している途中、ドラコがこっちに来た。

ルシウスさんはそれを見かねたのか、どこかに行ってしまった。

 

「アデラ、久し振りだな。」

 

ドラコが私に話しかけてくる。

 

「そうね、あら、ドラコ。貴方また背が伸びた?」

 

私は今152センチくらいだが、ドラコはそれよりもう少し高い。

 

「そうだな、今は156センチくらいだ。」

 

・・・・・思ったより高かったのが少しショックだった。

 

 

「聖28一族の家と、その他純血の皆さん!今日は我がマルフォイ家の息子のドラコと娘同然のアデレイドのホグワーツ入学記念パーティーにようこそ!小さかった頃が昨日のことのように思い出せます。そんな話はまた後で・・・今はとりあえず酒を飲みましょう。ドラコとアデレイドの入学を祝い、乾杯!」

 

「乾杯!」

 

ルシウスさんの合図とともに私は、オレンジジュースを飲み干す。未成年だから、シャンパンは無しだ。(ドラコは少し飲みたそうにしていたが)

パーティーの最中、私はドラコと同じく、パーティーの主役であることやそれにマルフォイ家の支援を受けていて、聖28一族の一つであるヴァンジェーン家の当主であることもあり、大人達と話すばかりだった。

 

「いや〜お若いのにヴァンジェーン家の当主だなんて大変ですね、アデラ様」

 

このようにただの純血の家は、私に気に入られて、ヴァンジェーン家やマルフォイ家と接点を保とうとする輩は、年下であるにも関わらず、私に『様』をつけてくるのだ。気持ち悪いとしか言いようがない。

 

「アデラさん、パーティーは楽しまれてますか?」

 

聖28一族でさえ私に『さん』をつけるのだ。

純血の家の中には、女王陛下とまで言う奴もいて、ちょっと笑えると思ってしまった私はSなのだろうか。

 

その次は 、ルシウスさんが私のために()()()()()()友達を紹介してくれた。

どの子も聖28一族であるダフネ・グリーングラスと、パンジー・パーキンソン、ミリセント・ブルストロードという子だった。

正直に言うと、パーキンソンと、ブルストロードは馬鹿で話しにくく、友達にはなれそうもなかった。向こうも私をさん付けで呼んで来たのでもう二度と話したくない。

でも、グリーングラスは希望が持てそうだった。普通に友達のノリで付き合ってくれたし、私をさん付けで呼ばず、アデラと呼んでくれた。

私はグリーングラスが気に入り、今日のパーティーは大体グリーングラスと一緒にいた。

今日のパーティーはとても良かったと思う。ルシウスさんが私をダイアゴン横丁へ誘ってくれたし、グリーングラスとは友達になれそうな気がする。今日はそれなりに楽しかったなと思いつつ、私はヴァンジェーン邸へと帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はホグワーツからの手紙と、パーティー回でした。
アデラの容姿は金髪、金色の瞳、美人です。152センチ、スリーサイズは・・・・秘密です。
アデラちゃんにもドラコ以外に友達が出来そうです!

「P.S」
・突然ですけど、グリーングラスって響きいいですよね。


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ルシウスさんとお買い物

通算UA数560突破いたしました。
皆さん、ありがとうございます。
感想とか評価、メッセージをいただけるととても嬉しいです。
お気に入り登録もお待ちしています。



アデラ視点

 

 

パーティーから二日後、

今日はルシウスさんと一緒にお買い物をする日だ。

白のブラウスに、黒いロングスカートを履き、ヴァンジェーン家に伝わる指輪をはめると、ルシウスさんとドラコが屋敷にやって来た。

 

「お嬢様、ルシウス・マルフォイ様と、そのご子息がお見えです。」

 

「今行くわ、紅茶を淹れて頂戴。」

 

屋敷しもべ妖精に、紅茶を淹れるよう伝え、私は応接間へと向かった。

 

 

「アデラ、久しぶりだな。」

そのパーティーはつい()()()に行われたものであるのですがね・・・

ルシウスさんの久しぶりはどれくらいなのでしょうか

親バカというか、なんというか・・・

 

「そうですね。ルシウスさん、紅茶をお飲みになってください。良い茶葉が入ったので。」

 

私は指を鳴らし、先ほど屋敷しもべ妖精に命じた紅茶を出現させる。

 

「いただこう。」

 

そう言い、ルシウスさんとドラコは紅茶を飲む。それを見て、私も紅茶を飲んだ。うん、美味しい。

 

「ところで、アデラは、ダイアゴン横丁で何を買うの?」

 

ドラコが質問して来た。

そうだった、今からダイアゴン横丁へと行くのだから、買うものを話さなければ。

 

「教科書や、羽根ペンなどはすでに揃っているので、ホグワーツの制服と、杖、あと鍋でしょうか。」

 

「杖は私があげたはずだが?」

 

「そろそろ二本目を持ちたいと思っていましたので。」

 

私がそう答えると、ルシウスさんは、少し悲しげな顔をした。

 

「そうか、僕等は、ノクターン横丁へも行かなければならないから、少し待っててくれるかい?」

 

「ええ、もちろん。」

 

 

そう言った途端、私達は、ダイアゴン横丁へと姿現ししていた。

 

「まず最初はグリンゴッツへ行きましょうか。」

 

グリンゴッツとは、いわばゴブリンがやっている銀行である。

魔法族の人間はグリンゴッツへお金を預けるものが大半だ。・・・まあ、まずそれにはお金がないとダメだが。

グリンゴッツはセキュリティが抜群である。

入り口の銀色の扉にもこんな文字が彫ってあるほどだ。

 

見知らぬ者よ 入るがよい

欲の報いを 知るがよい

奪うばかりで 稼がぬものは

やがてはつけを 払うべし

おのれのものに あらざる宝

我が床下に 求める者よ

盗人よ 気をつけよ

宝のほかに 潜むものあり

 

・・・まあ、まず盗人がいないのだが

 

 

グリンゴッツへ入ると、ゴブリンがいる。

「失礼、マルフォイ家の金庫とヴァンジェーン家の金庫を開けてもらいたい。」

「いつも有難うございます。失礼ながら杖を拝見させていただきます。」

ルシウスさんが聞くと、ゴブリンが杖を要求する。

これも、グリンゴッツのセキュリティの一つだ。

マルフォイ家やヴァンジェーン家は古くから続く名家なため、グリンゴッツの奥にある、ドラゴンが守る金庫にしまわれ、開くときには、個人を識別する杖をゴブリンに見せる必要がある。

普通の魔法族の家庭は、所狭しとある金庫に詰められ、入れたときに渡された、キーで開くのだ。

まあ、どちらにしても、本人確認が必要なのだが

私とルシウスさんが杖を差し出すと、ゴブリンが了承し、私達は金庫へと進んだ。

 

 

「グルアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァ!!」

 

カラカラカラカラカラカラン!!

 

ドラゴンが唸ると同時にゴブリンが鳴子を鳴らす。

・・・なんというか、とてもうるさい。

ドラコもそう考えているのか、耳を塞いで、顔を歪ませている。

ルシウスさんも目を細め、眉間にはシワが出来ている。

私はこのことを予想していたから、ちゃんと耳栓を持って来ている。

うん、うるさくない。

 

 

どうやら金庫についたようだ。

私は耳栓を外す。

幸い、マルフォイ家の金庫とヴァンジェーン家の金庫は隣り合っているので、もうドラゴンのところへは行く必要はない。

まず、ゴブリンがマルフォイ家の金庫を開ける。

ヴァンジェーン家と同じくらい、金と銀と銅が積み上がっている。

 

「そうだな、まず51ガリオンと10シックル頼む。」

 

ルシウスさんは、51ガリオンと10シックルを頼んだ。

なんでそんなにいるのだろうか。

まあ、後でノクターン横丁にでも行くのだろう。

 

「かしこまりました。」

 

そう言ってゴブリンはルシウスさんが渡した巾着にガリオンとシックルを詰めて行く。

 

「次はヴァンジェーン家の金庫です。」

 

そう言って、ゴブリンは我がヴァンジェーン家の金庫へと歩く。

このグリンゴッツの奥にある金庫は聖28一族の者が多い。

そのため、預ける金の額が一般家庭と違うため、一つ一つの金庫の大きさがバカでかいのだ。

 

「いくらになさいますか?」

 

「そうね・・・32ガリオンと12クヌートを。」

 

ゴブリンに金額を告げ、巾着に詰めさせると、私達はトロッコに乗り、外へと出た。

 

 

「じゃあ、お金も調達できたので、次は鍋を買いに行きましょう。」

 

鍋屋に入ると、所狭しと鍋が並んでいた。

中には不思議な鍋もあり、喋る鍋や、歩く鍋、食べられる鍋、さらには自動でかき混ぜてくれる鍋まであった。

金属にも色々なものがあり、純金、純銀、白金、銅、青銅、合金、スズ、鉄など様々だ。

ルシウスさんによると、純銀か白金がいいらしい。

結局、ドラコは純銀で、蛇の装飾がついたもの、私は白金にして、取っ手にエメラルドが埋め込まれたものにした。

 

 

次はホグワーツの制服を仕立てるためにマダム・マルキンの洋裁店に行くことにした。

マダム・マルキンは採寸を手作業で行うことで有名である。

また、手作業で行うため、とても遅く効率が悪いのである。

ルシウスさんは、箒を見に行くとのことで、ペット屋で待ち合わせとのことだった。

 

「いらっしゃい、もしかしてホグワーツの制服を仕立てにいらしたの?」

 

「ええ、そうよ。ドラコ、先に行って。」

 

「いや、レディーファーストだ。君が先に行ってくれ。」

 

私がドラコに先に行くよう促すと、ドラコもルシウスさんに教わったのか、レディーファーストとのことで、先に行くようとのことだった。

まあ、お言葉に甘えさせてもらおう。

私が、マダム・マルキンの前へ行くと様々なところを計っていく。

20分ほどたって、ようやく私の測定が終わった。

次はドラコの番だというところでクシャクシャの黒髪に、緑色の瞳の少年がやってきた。

 

「いらっしゃい。あなたもホグワーツの制服を?」

 

「は、はい!」

 

マダム・マルキンの問いに少年は、緊張したように答えた。

 

「やあ、君は魔法族なのかい?」

 

「魔法族って?」

 

「つまり、君の、お父さんとお母さんは、魔法使いと魔女なのかってことだ。」

 

「・・・・・・父さんと母さんは死んだよ。」

 

「おや、これは失礼なことを言ったね。」

 

こうしてドラコと少年が会話を続けていく。

その間にも、マダム・マルキンはサッサとドラコの採寸を続けていく。

 

「・・・でも、父さんと母さんは魔法使いと魔女だったよ。」

 

「おや、君も僕らと同じだ。マグルはホグワーツに入学させるべきじゃないと思うんだよ、僕は!」

 

「・・・そうかな?」

 

「あぁ、それにしても、君はどこの寮がいい?僕は断然スリザリンさ!ハッフルパフになろうものなら、死んだほうがマシだ!」

 

「そうなんだ。」

 

その後もドラコと少年の会話は続く。

クィディッチのこと、先生のこと・・様々な話題をドラコは少年に話しかけていく。少年が嫌がっているとは気付かずに。

そんなことをしているうちにドラコの採寸は終わった。

代金を支払い、制服を受け取る。

 

「ドラコ、行くわよ。」

 

「ああ、アデラ。じゃあ、ホグワーツで。」

 

そういうと、私たちは少年と別れた。

 

 

待ち合わせ場所であるペットショップに行くと、ルシウスさんが待っていた。

どうやら、私たちのペットを買ってくれるようだ。私の分も買ってくれる。

 

「やっぱりペットはフクロウがいいよな。」

 

「そうかしら?私はホグワーツにいるフクロウでいいわ。私は猫にするわよ。」

 

そう言い、ドラコはいいフクロウを、私はいい猫を探し始めた。

 

「この純白のフクロウいいと思わないか?」

 

「そのフクロウもいいけど、この灰毛のフクロウも素敵よ?」

 

「この黒猫はどうかしら。」

 

「うーん、目つきが悪いからこっちの白猫がいいと思うぞ?」

 

10分くらい経った後、私は紅茶色の毛並みのペルシャ、ドラコは漆黒のワシミミズクで、それぞれ『ティー』と『イカロス』と名付けた。

 

 

次はようやく杖の店だ。

杖を買うのはオリバンダーの杖店。紀元前から営んでいる店で、老舗である。

また、イギリス中の魔法族は大体が、杖をこのオリバンダーの杖店で買っていると言ってもいいだろう。

 

カランカラン

 

「いらっしゃい。」

 

「杖を二本お願いしたい。」

 

「はいはい、じゃあ、右のお坊ちゃんからいこうか。杖腕は?」

 

オリバンダー老人が、杖腕をドラコに聞く。

杖腕はは文字通り、杖を振る腕のことで、マグル風に言えば、利き手だ。

 

「右だ。」

 

ドラコが答えると、どこからともなく巻き尺がやってきて、ドラコの腕の長さ、首の太さなど様々なところを図り始める。

それを見て、オリバンダー老人はふむふむと何やら頷いていた。

やっと一本目の杖を持ってきた。

 

「これはどうかの?桜にドラゴンの心臓の琴線。27センチ、振りやすい。」

 

ドラコが杖を振ると近くにあったランプが爆発した。

 

「おお、こりゃいかん。」

 

「次はこれじゃ。ヤシの木に不死鳥の尾羽、29センチ、よく曲がる。」

 

これは、杖を振る以前に杖がドラコの手から逃げた。

 

「うーむ、ではこれは?サンザシに一角獣のたてがみ、25センチ、しなやか。」

 

杖を振ると暖かい光が出た。

 

「うむ、これじゃな。次は左のお嬢さんじゃ。杖腕は?」

 

「左よ」

 

そういうと、また、巻き尺がきて、図り始めた。

今度はオリバンダー老人はうーむと悩んでいた。

 

「あなたは、少々難しい客のようじゃな。これはどうじゃ?柊に、ユニコーンの尻尾の毛。32センチ、変身術に最適。」

 

私が手に取った途端、おお、だめじゃ!とオリバンダー老人がいい、杖を取り上げられた。

 

「あまりオススメしたくないのじゃが・・・桜に・・ダンブルドアの髭、50センチ、振りにくい。」

 

は?ダンブルドアの髭?50センチ?ふざけてるとしか言いようがない。

 

「嫌です。」

 

「そう言わずに、とにかく振って見なされ。」

 

そう言われ、私は渋々振ると、店中の杖が一気に出てきた。

 

「・・・やっぱりダメじゃな。」

 

「当たり前です。」

 

その後も三本目、四本目と続いて行くがなかなか合わない。

ついに六本目となった。

 

「これでどうだ!イチョウの木にとても凶暴なハンガリー・ホーンテールの心臓の琴線。11センチ。全ての魔法に最適。」

 

・・・うん、全ての魔法に最適というのは気に入った。だけどなんで11センチ?振りにくいでしょ、どう考えても。色はイチョウのせいか黄色で、私好みなのだが。なんでこんなふざけた杖に当たるんだろう。これじゃないといいけど。

そう思いながら、振るとイチョウの葉がヒラヒラと振ってくる。

 

「おお、やっぱりこれじゃ!」

 

 

 

 

 

・・・・・・・え?

 

 

 

 

 

嘘でしょ?これが私の杖?嫌だ。

 

「あー、アデラ?次はノクターン横丁へと行きたいのだが、いいかね?」

 

「・・・・・・・・分かりました。」

 

そう言い私は、心底落ち込んだ表情で代金を払いノクターン横丁へと向かったのだった。

 

 

向かったのは、ボージン・アンド・バークスだった。

 

「ボージン、頼んだ品はできたか?」

 

「へい、マルフォイの旦那!こちらでございます。」

 

「・・・ふむ、なかなかいいじゃないか。いくらだ?」

 

「41ガリオンと9シックルでやんす!」

 

ルシウスさんとボージンが会話をしている中、私は落ち込んだ気分を直そうと可愛い小物を探していた。

すると、綺麗な水晶が目に止まった。

台座も美しく、サファイアが埋め込まれていて、蛇が支えているような形になっている。

 

「ボージン、この水晶はいくら?」

 

「は、はい!ヴァンジェーン家のお嬢。それは25ガリオンと6クヌートでやんす!」

 

「効果は?」

 

「触れると、どんな遠いところでも、誰が、今、どこで、何をしているか見えるという効果があります!」

 

「気づかれる可能性は?」

 

「 全くございません!!」

 

「買うわ。」

 

「ありがとうございます!!」

 

・・・まあ、暇つぶしにはいいだろう。落ち込んだ気分ももうなくなった。

これで、ハリーポッターがどこで何をしているかが見えて、復讐の手助けにもなる。

私は、少し微笑んだのだった。

 

 

「今日はありがとうございました。ルシウスさん、おかげで楽しい一日を過ごせました。」

 

「こちらこそ、楽しい一日をありがとう、アデラ。」

 

ノクターン横丁を出て、ルシウスさん達と一緒にヴァンジェーン家に戻ってきた私は、ルシウスさんとドラコに別れを告げ、自室へと向かった。棚に例の水晶を置き、ティーを放すと、今日の一日を振り返りながら日課の日記を書いた。

 

 

 

八月三十一日

 

今日は、ルシウスさんとドラコと一緒にダイアゴン横丁と、ノクターン横丁で買い物をした。

杖は11センチの手のひらサイズで、ふざけているようなものだけれど、新しい猫、ティーを買ったわ。

ティーはとても可愛いし、賢そうだから、私に懐いてくれるといいのだけれど。

ノクターン横丁では、誰が、今、どこで、何をしているかが見える水晶をボージン・アンド・バークスで買ったわ。

これがポッターを殺すことに役立つといいのだけれど。

明日はホグワーツに行く日ね。

私の寮はどこかしら?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いや〜今回は頑張って書きました。と言っても10000文字も言ってませんが(泣)
今後はこれくらいの量を1話とします。
一日中、パソコンに張り付いてましたよ。夏休みの宿題なんてまだ三つしか終わってません(笑)

今回はアデラの杖が決まりました!
イチョウの木にとても凶暴なハンガリー・ホーンテールの心臓の琴線です。
ハリーポッターの二次創作としては必ず通る杖選び。
イチョウの木は単に私の誕生木だからなんですが(笑)
芯がとても凶暴なハンガリー・ホーンテールの心臓の琴線っていうのは・・・うん、まあテキトーです。
重要なのはココ!サイズ!なんと11センチ。手のひらよりも小さいサイズですよ!凶器を隠し持てるのでいざハリーを殺すとなった時に便利かと思いまして。小さいので使いこなすのが大変で振りにくいですが、我らがアデラちゃんにはいけるでしょう!

あと、水晶。これは・・・まあ、特に意味はございません。

ティーは可愛い。天使。


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9と4分の3番線

だ、誰か、感想をくれ・・・・・
自分の作品が面白いのか面白くないのかわからないじゃないか・・・



アデラ視点

 

九月一日。今日はホグワーツへ入学する日だ。

どうやら、キングズ・クロス駅の九と四分の三番線でホグワーツ特急に乗るらしい。

だが、まず九と四分の三番線がわからない。

まあ、行ったらわかるだろう。

そう思いながら、私服に着替え、制服やら、鍋やら、教科書やらを拡大したカバンに突っ込み、ティーをケージに入れ、杖をポケットに入れると、キングズ・クロス駅に向けて出発した。

 

 

キングズ・クロス駅

 

誰だ。行ったらわかるだろうとか行った奴は。

私か。

それよりも・・・九と四分の三番線が

 

 

ない。

 

 

九番線はある。

十番線もある。

だが九と四分の三番線はない。

ヤバいと思い始めたその頃、私はふっとマグルの帯分数を思い出した。

左に整数があり、右に分数があるというアレだ。

これも同じで、九番線側には四本の柱がある。

この四本の柱を一と見て、一本の柱を四分の一とみたらいいのでは?

つまり、入り口は、柱だ

そう思った私は、試しに一番手前の柱に手を伸ばした。

すると手が柱に吸い込まれて行く。

うん、間違いない。

柱の向こうに歩いてみると、そこには異世界が広がっていた。

 

いや、というか普通に魔法界なのだが。

 

今の時刻は十時三十二分。早く来たつもりだったが、割と人がいる。

まあ、コンパートメントを早めに取っておこうと思いながら、ホグワーツ特急に入った。

 

「あら、アデラじゃない。

 

声のした方をみると、ダフネ・グリーングラスがいた。

 

「・・・・・グリーングラス。」

 

「もう!アデラ!いつもダフネって言ってるでしょ!」

 

「分かりました、ではダフネ、コンパートメントを一緒にさせてもらっても?」

 

「うん、もちろんOKだよ!」

 

ダフネは、ちょっとテンションが高い子だが、いい子である。

パーキンソンやブルストロードはあまり好きになれないが、ダフネは好きだ。

 

 

ダフネとしばらく喋っていると列車が発車した。

 

「・・・そういえば、アデラはどこの寮がいい?」

 

やっぱり、寮の話が来たか。

新入生にとって、楽しみであり、不安でもあるのが組み分けだ。

 

「そうですね、私はどこの寮でもいいのですが、やはりルシウスさんの期待に応えるという意味では、スリザリンでしょうか。」

 

「そうだよね〜。やっぱりみんなスリザリンか〜。」

 

「ダフネはどうなのです?」

 

「ん〜、私もどこでもいいけど、グリフィンドールとかに行くとお父様がうるさいし、スリザリン以外に行っても、何で純血主義の奴がこの寮にいるんだよ!って責められそうだから、私もスリザリンかな。」

 

「・・・純血主義者は肩身がせまいですね。」

 

「ん〜そうだよね〜」

 

ダフネは、ん〜、や、は〜とか、ね〜とか言うのが口癖だ。

なんとなく、のんびりした感じで私は、この口癖が好きだ。

 

 

「車内販売はいかが〜?車内販売はいかが〜?」

 

そんなことを話している間に、車内販売が来た。

 

「あ!!私、カエルチョコと、かぼちゃジュース!」

 

「はいはい・・・8シックルだよ。」

 

「私は、かぼちゃパイと、炭酸水をお願いします。」

 

「じゃ、9シックルと3クヌートね。」

 

私はかぼちゃパイと炭酸水、ダフネはカエルチョコとかぼちゃジュースを頼んだ。

 

「かぼちゃジュースは、あんまり美味しくないと思うけど?」

 

「アデラだって、かぼちゃパイ頼んだじゃない。も〜!」

 

ダフネに向けて私は皮肉を言う。

すると、ダフネをほおを膨らませて、言い返す。

正直、すごく可愛い。

 

私が微笑むと、ダフネがまた怒る。

可愛い。

 

「そういえば、アデラはペット持って来た?」

 

「ええ、ダフネは?」

 

「私も〜、私はフクロウだけど、アデラは?」

 

そう行ってダフネは、綺麗な茶色の毛に黒の毛が少し混じったコノハズクを見せる。

 

「綺麗ね、名前は?」

 

「クラスィーヴィーって言うのよ。ロシア語で美しいの意味なの。アデラは?」

 

「私は猫よ。名前は、ティー。見ての通り、紅茶色の毛だから。」

 

そう言って私はティーを見せる。

 

「ミャーゥ!」

 

「可愛い〜!」

 

ダフネの目がハートになる。うん、確かに可愛い。

 

しばらく、私達はかぼちゃパイやカエルチョコを食べながら、ゆっくりしていた。

 

 

ガラッ!!!

 

「ああ、アデラ、ここにいたのか。」

 

「あら、ドラコ。何か用?」

 

「ドラコ?もしかして貴方はドラコ・ マルフォイ?」

 

「パーティーで僕を見なかったのか?」

 

「ん〜、あんまり見てなかったよ?パーティーの間はずっとアデラと喋ってたから!」

 

「そ、そうか・・・・・・・・」

 

ドラコが少し落ち込んだように言う。

なんだかんだいって、ドラコもマルフォイ家の息子として、もてはやされるのが好きなのかもしれない。

 

「で、もう一度聞くわ。何か用?」

 

「あ、あぁ、近くのコンパートメントを見に行かないか?」

 

「えぇ、いいわよ。ダフネは?」

 

「あ、うん、行くよ〜!」

 

近くのコンパートメントを見るのも面白いだろう。

人間観察のような感じでなんだかドキドキしてくる。

 

 

 

ガラッ!

 

最初のコンパートメントはフリント家の長男、マーカスフリント先輩だった。

 

「ペットを飼ってますか?」

 

ダフネがコンパートメントに入った途端、いきなり質問する。

いきなり質問って・・・・・・

失礼しますとか、すみませんとかいう文字は彼女の辞書にはないのだろう。

「ああ、フクロウのワシミミズクを飼っている。名前はカルロスだ。」

 

何の驚きもなく、さらりと答えた。

いきなりノックもなしに入って来たけど驚かないのかしら。

 

「好きなお菓子は?」

 

「カエルチョコだ。」

 

ドラコもまた遠慮なしに質問する。

・・・・というか、遠慮なさすぎじゃない?

一応フリント先輩も、年上だから、敬意を払って、敬語くらいは使いなさい

・・・まあ、フリント家は()()()純血の一族なので、ドラコもダフネも少々見下してるのかもしれないが。

 

「ありがとうございました。ではこれで失礼します。」

 

私は少々、敬語を使い、ドラコとダフネを連れて外へ出た。

 

「も〜、アデラったらもうちょっと質問したかったのに〜」

 

「途中で切ることないじゃないか。」

 

「そんなことより、貴方たちは遠慮と敬語という言葉を知っているの?」

 

 

 

ガラッ!

 

次は、セオドール・ノットだった。

まあ、この人物に対しては、敬語も遠慮もいらないだろう。

 

「やあ、ノット。」

 

「また会ったな、マルフォイ。なるほど、運命がまた俺たちを引き合わせたな・・・」

 

「ねえ、アデラ、ノットっていう人、・・・・・なんか、すごく厨二。」

 

ダフネが私にヒソヒソと囁いてくる。

うん、それは私も思っていたところだ。

というか、ドラコは何であんなのと仲良くできるんだ。

 

「ね、ねえ、ペットは、飼ってる?」

 

「・・・・ペット?そんなものはいない。こいつは真友(しんゆう)だ。穢れなき動物。俗にいうと猫だ。」

 

ダフネが恐る恐る聞く。

もう、答えには、真友とか、穢れなき動物とか、色々ツッコミどころが満載ではあるが、突っ込まないでおこう。

 

「あぁ、猫が穢れなき動物というのは同意だな。だが、僕はフクロウも穢れなき動物だと思っている。」

 

「それは、良かった。次の『選ばれし者の集い』はいつにするのだ?」

 

選ばれし者の集い?

まさか、ドラコ、貴方も厨二病・・・・

 

「そうだな、必要の部屋で時が14時を刻む時だ。」

 

「承知した。」

 

「ち、ちなみにペット?というかその真友の名前は?」

 

「闇の炎に抱かれし者だ。」

 

隣でダフネが吹いたが、私は笑わない。

笑わないぞ、絶対に。

ていうか、確かにその猫は黒い猫だけど。

闇の炎に抱かれし者はないだろう。

というか、名前が長すぎる。

そして、ネーミングセンスが皆無だと思う。

・・・・・もう出よう。

 

 

「ドラコ、ダフネ、そろそろ失礼しましょう。」

 

「・・・うん。」

 

「またな、運命より召集された者。」

 

「ああ、また運命が俺たちを引き合わせてくれるまで。」

 

もう言葉も出ない・・・・・。

 

「じゃあね、ドラコ。」

 

「ああ、またな。」

 

私とダフネはドラコに別れを告げ、コンパートメントへと戻った。

 

 

 

キキーーーーーッッッッ!

 

 

 

「そろそろついたみたいだね。」

 

「ええ、そうね。」

 

すでに制服に着替えた私達は、ホグズミート駅へと降りたち、歩き出した。

しばらく歩くと、ホグワーツが見えてきた。

なんというか・・・・すごい。

 

「わあっ!綺麗だね。」

 

ダフネも満面の笑顔で話しかける。

私は頷き、ダフネに応えた。

 

灯りのついた城は見るだけで心が休まる。

 

「イッチ年生はこっち!イッチ年生はこっち!」

 

ハグリッドが何やら叫ぶ。

スウェーデン訛りでよく聞き取れないが、多分一年生はこっちに来いと言っているのだろう。

 

行ってみると、そこまで大きくもないボートに、四人で乗れとのことだった。

私とダフネは、ドラコと合流し、一緒にボートに乗ることにした。

ウスノロの二人は体格が大きすぎるので、途中で別れた。

 

「ああ、本当にスリザリンじゃなかったらどうしよう。」

 

「大丈夫よ、ルシウスさんはきっと分かってくれるわ。なんだかんだ言って、あの人は親バカですし。」

 

「私のお父様なんて、グリフィンドールだったら、お前はもう娘じゃない!!とか言いだすよ。」

 

「・・・・」

 

そんな会話を続けているうちに、あっという間にホグワーツについてしまった。

 

 

 

 

 

 




アデラはパンジーとミリセントが嫌いです。(全国のパンジーファン、ミリセントファンの皆様、すいません)
そして、コンパートメントはあえてドラコと一緒にさせませんでした。
アデラとダフネの絡みを描きたかったので。

アデラは天然系です。
そして今回はドラコの意外な一面が明らかになりました。なんと!!ドラコは隠れ厨二病・・・

今回はもう、コメディ回でした・・・


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我輩のとある回想

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今回はセブルス回、組み分け会です。


セブルス視点

 

そういえば、今年は、アデレイド・ヴァンジェーンとハリー・ポッターが入学する年だったな、と、我輩はふいに思い出した。

ヴァンジェーンとポッターと聞いて、我輩はある過去の出来事を回想していたーーー。

 

 

 

 

 

我輩がホグワーツにまだ『先生』としてではなく、『生徒』として、在学していた頃・・・

リリー・エバンズと、アデレイド・ヴァンジェーンの母親である、マーニーは大の親友だった。

あの忌々しいジェームズ・ポッターが我輩に、いたずらをしていた時も、二人で一緒に止めたものだ。

我輩も、二人のことがとても好きだった。

 

 

「ほ〜ら、スニベルス!この灰色のパンツが欲しかったら、こっちに来てみな!」

 

「やめろ!返せ!ポッター!!」

 

若かった頃の我輩は、毎日と言っていいほど、ジェームズ・ポッターと喧嘩をしていた。

喧嘩をいつも止めてくれたのは、いつもあの二人だった。

 

「ジェームズ、セブのパンツを返しなさい!」

 

「リリー、もう大丈夫よ、セブルスのパンツは奪い取ったわ。」

 

リリーとマーニーが連携プレーでジェームズからパンツを奪う。

 

「リリー、マーニー!そんなに、パンツパンツって連呼しないでよ〜。」

 

そうして、我輩は困ったように笑う。

 

そんな光景は、ホグワーツの『当たり前』な光景となっていた。

 

 

 

 

あの日までは。

 

 

 

ある日、不幸なことに、我輩は、純血主義である、マルシベールと、エイブリーと一緒にあるいていた。

そこで、リリーとマーニーと遭遇してしまった。

 

「なあ、スネイプ。お前は、何であんな穢れた血と血を裏切るものとつるんでるんだ?」

 

マルシベールが耳元で囁いてくる。

 

マーニーは、純血だし、聖28一族にも入るほどの名家だが、マグル生まれである、リリーと仲良くしていることから、よく、血を裏切るものと呼ばれ、リリーはマグル生まれだったため、穢れた血と呼ばれることが多かった。

 

「それはっ・・・」

 

「そう言えばそうだよな。おい!エバンズ、マーニー、こっち来いよ!」

 

リリーとマーニーが振り返る。

ああ、もうやめてくれ。頼むからやめてくれ。

 

「何?」

 

「スネイプがよぉ、エバンズとマーニーに言いたいことがあるんだってさー。」

 

「そうなの?なあに、セブ!」

 

リリーがあどけない表情で聞く。

やめてくれ、やめてくれ。本当にやめてくれ。

 

「さあ、お前みたいな穢れた血と血を裏切るものとはもう話したくない。って、エバンズに向けて言えよ。」

 

エイブリーが囁く。

 

「でも・・・・・」

 

「言わなかったら、お前の悪い噂を学校中に広めてやる。」

 

あの時の我輩は、みんなに好かれたかった。

だけど、我輩の暗い性格もあり、ほとんどが我輩を避けていた。

だけど、エイブリーとマルシベールは我輩に話しかけてきてくれた。

本当はただ我輩を利用しているだけだった、と気づいた時にはもう遅かった。

我輩はみんなに嫌われたくなかった。

嫌われることが怖かったから、我輩はついに・・・・

 

「・・・・・お、お前みたいな穢れた血と血を裏切るものとはもう話したくない!!」

 

言ってしまった。

 

ついに言ってしまった。

 

恐る恐る、顔を上げると、リリーは涙目で僕は睨んでいた。

マーニーも驚きと悲しみが混じったような顔をしていた。

 

それを見て、我輩は間違いにようやく(・・・・)気付いた。

もう、リリーとマーニーとは、仲良く出来ないのだと悟った。

 

 

次の日、リリーとマーニーは、我輩と口をきかなかった。

 

あの事件から二日後、我輩はジェームズにいじめられたが、二人が助けてくれることはなかった。

 

あの事件から三日後、我輩は、勇気を出して、談話室でマーニーに謝って見た。

 

「・・・あの、マーニー。」

 

「何?あなたは、血を裏切るものとはもう話したくないんでしょう?」

 

マーニーが皮肉げに言う。

 

「その・・・この間のこと、ごめん。」

 

「本当に申し訳ないと思ってる?」

 

「ああ、自信を持って言うよ。」

 

「それなら、・・・許すわ。リリーもすごく落ち込んでいたから、後で謝ってあげて。」

 

マーニーは笑顔で許してくれた。

 

あの事件から四日後、僕はリリーに廊下でバッタリ会った。

 

「リリー!」

 

「・・・・・・何」

 

「あの、本当にごめん、申し訳ないと思ってる。だから、許してくれ!」

 

「許す?冗談じゃないわ!あの時からもう四日も経ったのよ。今更謝ってももう遅いわ!ふざけないで、この黒髪ベタベタ男!!」

 

リリーは、許してはくれなかった。

 

 

夜になり、自室でくつろいでいると、次第にリリーに対して、憎しみが湧き上がってきた。

なんで、マーニーは許してくれたのに、リリーは許してくれないんだ、と。

 

朝になると、我輩は、リリーに対して、憎しみしか残っていなかった。

 

あの事件から五日後、マーニーは我輩を許さなかったリリーに疑問感を抱いた。

 

あの事件から六日後、マーニーは次第にリリーと距離を置くようになった。

 

あの事件から七日後、マーニーは純血主義に没頭するようになった。

 

あの事件から八日後、マーニーは、マルシベールや、エイブリーと仲良くするようになった。

 

あの事件から一年後、もう、誰もマーニーを血を裏切るものとは呼ばなかった。

 

卒業後、我輩はルシウス先輩の誘いで、死喰い人になった。

 

卒業後、マーニーは、ルシウス先輩の親友のヴァンジェーンさんと結婚した。

 

あの事件から三年後、我輩は、ホグワーツの、魔法薬学の教師になった。

 

それから我輩はーーーーーーー

 

「・・・・ブルス!!セブルス!!」

 

「!?・・・あぁ、フィリウス、どうかしたか?」

 

「どうかしたかでは、ありません、セブルス!あなたはもうすぐ組み分けの儀式が始まるというのに、なにをボーッとしているのですか!」

 

「・・・すまない、フィリウス。」

 

我輩は回想をやめ、前を向いた。

 

 

 

アデラ視点

 

私達は、ボートから降りると、大広間の近くにある、部屋へと連れてこられた。

生徒たちのざわめきで、とてもうるさい。

 

「どんな感じで組み分けするのかな〜」

 

「僕、聞いたんだけどさ、トロールと決闘させられるらしいぜ。」

 

そこで、私の近くにいた、前歯の大きい栗毛の女の子が目を見開く。

決闘と聞いて驚いたのだろうか。

そう思いながら、栗毛の女の子を見つめていると、なんとその女の子は呪文をブツブツ言い始めたのだ。

よくよく聞いていると、1年生のものだけでなく、2年生のものまである。

どれだけ博識なのだろうか。

 

「ねえ、本当にトロールと決闘するのかな?」

 

そんなことを、私の後ろにいたダフネが聞いてくる。

魔法族は、組み分けの方法を子供に教えないのが伝統らしいが、まさかグリーングラス家もそうだとは。

 

「ちがいますよ、ダフネ。私はルシウスさんから聞きましたが、組み分け帽子と呼ばれる帽子をかぶって決めるそうです。決して、トロールと決闘するわけじゃありませんよ。」

 

「そうなの!?良かったあ〜。」

 

私が、ダフネと話していると、ふと、あの少年が目に入った。

あのマダム・マルキンの洋裁店出会ったあの少年だ。

なぜか、ドラコと話している。何をしているのだろうか?

 

 

 

ハリー視点

 

僕がロンと一緒に喋っていると、あの、洋裁店で見かけた、青白い顔の少年がやってきた。

 

「やぁ、ウィーズリー。・・・おや、君はあの時の少年じゃないか!」

 

「知り合いなの?こんな奴と!?」

 

ロンと青白い顔の少年が同時に話しかけてくる。

やめてくれ、すごく聞き取りづらい。

 

「え〜と、ロン、この子はダイアゴン横丁でちょっと喋っただけだよ。それと、君の名前は?」

 

「名前を聞くなら、まず、自分の名前を名乗ってくれ。」

 

「あぁ、ごめん。僕はハリー・ポッター。」

 

「ハリー・ポッター!?まさか、ここでそんな有名人に会えるなんて。よろしく、僕は、ドラコ・マルフォイ。・・・ところで、付き合う友達は選んだほうがいいぞ。そこは僕が教えてあげよう。」

 

まあ、要はロンと友達になるな、ということと、僕と友達になれ、とのことだろう。

洋裁店で話を聞いている時も、自己中心的な子だな、と感じたし、ロンはいい奴だと思う。

そんな子とは、友達になりたくない。

 

「お生憎だけど、友達は自分で選ばせてもらうよ。」

 

そう言い、僕はロンを連れて、マルフォイから離れた。

 

「ありがとう!僕、あいつが大嫌いなんだ!」

 

「そうなんだ、少しだけどその気持ちがわかる気がするよ。」

 

ロンと少し会話をしていると、突然、大声が耳に入った。

何事かと声のした方を向くと、そこには、老婆がいた。

 

「みなさん、ご入学おめでとうございます。今から組み分けの儀式を行いますが、その前に、一つ言っておくことがあります。」

 

「みなさんは、寮で、生活を送ってもらいます。寮の仲間は家族といっても過言ではありません。寮は、全部で4つあってグリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、スリザリンです。どれも輝かしい歴史があり。素晴らしい人物の出身寮です。私から言いたいことはただ一つ、いいことをすれば、自身の寮に加点され、悪いことをすれば、自身の寮から減点されます。学期末には、寮の点数が一番あった寮にトロフィーが贈られます。みなさんも、寮に貢献し、寮を支えることを願っています。私の話は以上です。組み分けでは、ファミリーネームのアルファベット順に呼びます。呼ばれたら、前へ出て、帽子を被るように。それでは、組み分けを行う、大広間へまいりましょう。」

 

 

 

 

アデラ視点

 

あの老婆の話を聞く限り、やはり、組み分けは帽子を被って行うということだろう。

そう思いながら、大広間へ入る。

そこは、綺麗としか言いようがない部屋だった。

大広間には、長机が四列あり、右から見て、グリフィンドール、ハッフルパフ、レイブンクロー、そしてスリザリンだろう。

それぞれ、赤、黄、青、緑などのイメージカラーがあり、獅子、穴熊、鷲、蛇のモチーフがある。

前には、教員席があり、その真ん中にはボロボロの帽子がある。

あれが組み分けに使う帽子なのだろうか?

そう思っていると、突然、帽子が歌い出した。

 

 

私はきれいじゃないけれど

人は見かけによらぬもの

私をしのぐ賢い帽子

あるなら私は身を引こう

山高帽子は真っ黒だ

シルクハットはすらりと高い

 

 

私はホグワーツの組み分け帽子

私は彼らの上をいく

君の頭に隠れたものを

組み分け帽子はお見通し

かぶれば君に教えよう

君が行くべき寮の名を

 

 

グリフィンドールに行くならば

優希ある者住まう寮

勇猛果敢な騎士道で

他とは違うグリフィンドール

 

 

ハッフルパフに行くならば

君は正しく忠実で

忍耐強く真実で

苦労を苦労と思わない

 

 

古き賢きレイブンクロー

君に意欲があるならば

機知と学びの友人を

ここで必ず得るだろう

 

 

スリザリンではもしかして

君はまことの友を得る

どんな手段を使っても

目的遂げる狡猾さ

 

 

かぶってごらん!恐れずに!

興奮せずに、お任せを!

君を私の手にゆだね(私は手なんかないけれど)

だって私は考える帽子!

 

まあ、何を重んじるかということだろう。

グリフィンドールは勇気、ハッフルパフは忍耐、レイブンクローは知性、スリザリンは狡猾さ

まあ、おそらく私はスリザリンだ。

 

「アボット・ハンナ!」

 

呼ばれた子は、赤い顔をして、帽子に座った。

 

「ハッフルパフ!」

 

乗せて二十秒ほど経つと、帽子が寮を告げる。

私はVだから、ずっと先だろう。

 

 

 

 

「ポッター・ハリー!」

 

は?

 

嘘でしょ?私が11年間探し求めた、相手はあの洋裁店で見た少年だったのだ。

ハリーポッターは、すぐ(・・)目の前にいたのだ。

それと同時に私は歓喜した。

ホグワーツにいる間は、いつでも殺せるチャンスがあるじゃないか。と

そう思いながら、黒い笑顔で、ポッターを見つめる。

しばらく帽子は黙っていたが、グリフィンドールと告げた。

 

 

ダフネとドラコもスリザリンだった。

これで、私がグリフィンドールだったら、笑っちゃうところだ。

 

「ヴァンジェーン・アデレイド!」

 

私が呼ばれた。

私は、美しく見えるように、手早く、それでいて優雅に歩く。

椅子に座り、帽子を被ると、頭に声が聞こえてきた。

 

《君はどこの寮に行きたいかね?》

 

「それはあなたが決めることでしょう。」

 

《ははっ、そりゃそうだ。ふーむ、君は、知性があるようだ、勇気もあるが、何より抜きん出ておるのは狡猾さだな・・・》

 

「さっさと決めてよ。」

 

《いいのかね・・・では、グリフィ・・・・スリザリン!!》

 

ワアアアアアアアア!!

 

スリザリンのところから歓声が上がる。

うん、歓迎されてて何よりだ。

それより、組み分け帽子、一瞬グリフィンドールって言いかけたわね。

まあ、気にしたら終わりだ。

私はスリザリンのテーブルのダフネとドラコの隣に座った。

もれなく、厨二病のノットもついてきて、ドラコが厨二病を発症したのだが。

 

 

 

 




というわけで、今回はセブルスの回想と組み分け会でした〜!
何気にハリー視点は今回が初めてです。
ちなみに私が組み分けして見たところ、レイブンクローでした。
あと、本文に出てきた、フィリウスという人物は、フィリウス・フリットウィックと言い、レイブンクローの寮監です。

追記

挿絵を描きました!

ハリー
【挿絵表示】

ロン
【挿絵表示】

ハーマイオニー
【挿絵表示】

アデラ
【挿絵表示】

ダフネ
【挿絵表示】

マーニー(大人)
【挿絵表示】

ドラコは難しくて描けませんでした(泣)


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スリザリンの談話室

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これからも応援よろしくお願いいたします。


アデラ視点

 

組み分けが終わり、私は、ダフネと喋りながら、ローストビーフを口に詰め込んでいた。

イギリスの食事はほとんどが不味いが、ローストビーフはすごく美味しい。

次は、牛肉のステーキに手をつけようとしたところで、ダンブルドアが、声を発した。

 

「皆、よく食べ、よく飲んだことじゃろう。新入生の寮も無事決まり、喜ばしい限りじゃ。さて、寮に戻る前に、一言、二言、言っておきたいことがある。4階の右側の廊下には、決して立ち入らないように。これは新入生だけじゃなく、上級生にも言えることじゃ。」

 

そう言うとダンブルドアは、あのウィーズリーの双子の方を見て言った。

 

「さて、暗い話は終わりじゃ!最後にホグワーツの校歌を歌おうとしようかの。リズムは好きにしていいぞ。それでは、3、2、1、はいっ!」

 

 

ホグワーツ ホグワーツ

ホグホグ ワツワツ ホグワーツ

教えて どうぞ 僕たちに 

老いても ハゲても 青二才でも

頭にゃなんとか詰め込める 

おもしろいものを詰め込める

今はからっぽ 空気詰め 

死んだハエやら がらくた詰め

教えて 価値のあるものを 

教えて 忘れてしまったものを

ベストをつくせば あとはお任せ 

学べよ 脳みそ 腐るまで

 

 

・・・なんとも言い難い歌詞だ。

これを作曲した人は誰なんだろう。

最も、私は歌わなかったし、スリザリンは全員歌わなかった。

 

「おぉ 、音楽とはなんといいものじゃ。わしは、感動して涙が出てしもうた。」

 

・・・なんか、あの腹黒爺は突然泣き始めた。

正直言って、気持ち悪い。

 

「それじゃあ、寮に帰りなさい!監督生が寮まで引率すること、いい夢を!」

 

そう言って、腹黒爺は、どこかに消えてしまった。

さて、私達も寮に行くとしよう。

 

「一年生はこっちにきて!上級生、一年生が先よ!」

 

そう言って叫ぶ監督生に私はダフネとともについて行く。

ドラコはノットと『選ばれし者の集い』という厨二病全開な集いのことに関して一緒に話しているので、とりあえず、無視だ。

 

「新しい寮ってどんな感じなのかな?」

 

「さぁ・・・私もよく分かりません、ルシウスさんに聞いたら、それは後のお楽しみだ。と言って教えてくれませんでした。」

 

「私も、お父様に同じこと言われた。お母様は、レイブンクローだったし・・・・」

 

「ですが、そっちの方が楽しみじゃないですか。」

 

「そうだよね〜」

 

「一年生!寮についたよ!」

 

監督生の声が聞こえたので、私とダフネは声のした方を向く。

 

そこには、ドアも何もないただの(・・・)石壁があった。

 

え?

 

私とダフネは顔を見合わせる。

お互い困惑の表情を浮かべていた。

 

「あぁ、ごめんごめん、ビックリしたよね。ここを押して、合言葉を言うの。『聖28一族』!ほらっ、開いたでしょ?」

 

監督生が石壁の一部を押す。

すると、石壁が音を立てて開き、緑に彩られた、陰気な談話室があった。

 

「わあーっ!」

 

ダフネが目を輝かせる。

 

「どう?ここが、スリザリンの寮よ。湖の中にあるから、たまに窓から大イカとか、マーピープルが見えるわよ。」

 

スリザリンの寮は少し陰気だが、濃紺の湖が影を落として、とても神秘的だった。

ダフネは目を輝かせているし、ドラコも満足げに見つめている。

かくいう私も、うっとりした表情を浮かべている。

 

「あ、ごめんね!自己紹介がまだだった。私は、監督生のジェマ・ファーレイ。スリザリンに入った皆さん、おめでとう。心から歓迎するわ。スリザリンの紋章は生物の中でも最も賢い蛇、寮の色はエメラルドグリーンと銀、談話室は地下牢の隠された入り口の奥よ。すぐに目にすると思うけど、談話室の窓はホグワーツ湖の水中に面しているわ。よく巨大イカが水を吐きながら通りすぎていくし、ときにはもっと面白い生物を見れるわ。神秘的な沈没船といった趣でみんな気に入ってるのよ。

 

さて、スリザリンについて知っておくべきことがいくつかと、忘れるべきことがいくつかあります。

 

まず、いくつかの誤解を解いておきましょう。もしかするとスリザリン寮に関する噂を聞いたことがあるかもしれないわね。たとえば、闇の魔術が大好きだとか、純血主義者だとか、家系に有名な人がいないと入れてもらえないだとか、いろいろね・・・でも、そんなことはないわ!いまは、半純血の人もいるし、マグル生まれの人もいるわ。他の寮の人たちには言わせて起きなさい!

 

他の 3 つの寮があまり触れたがらない、あまり知られていない事実を教えてあげる。マーリンはスリザリン生だったの。そう、かのマーリン、史上最も有名な魔法使いが! マーリンは知識のすべてをこの寮で学んだのよ! マーリンの足跡に続きたいと思わない?それに、マーリンはダンブルドアより優れているの。二人で決闘させたら必ずマーリンが勝つわ!もう死んでしまっているけど・・・

 

スリザリンが何でないかについてはこれで十分ね。スリザリンが何であるか、つまり学校の先端をいく素晴らしい寮だということについて話しましょう。私たちは常に勝利を目指している。なぜなら、スリザリンの名誉と伝統を重んじるから。

 

それに、スリザリンは他の生徒から尊敬されているわ。確かに、闇の魔法にまつわる評判のせいで尊敬の中には恐怖が混じっていることは否めない。でも知ってる? ワルっぽい評判というのもドキドキして楽しいものよ。ありとあらゆる呪いの呪文を知っていると思わせるような態度を取れば、誰がスリザリン生の筆箱を盗もうなんて思うかしら?

 

それに、スリザリンは行動力があるわよ!行動するためには、手段を選ばないーーー、まあ、こう言っちゃうと少し聞こえが悪いけれど、やると思ったことは必ずやって、そして達成するわ。

 

それに、スリザリンはものすごく団結力があるわよ。

たとえば、スリザリンは仲間の面倒を見るけど、これはレイブンクローだったら考えられないことね。連中は信じられないようなガリ勉集団というだけでなく、自分の成績を良くするために互いを蹴落とすことで知られているわ。逆に、スリザリンでは皆兄弟よ。ホグワーツの廊下では不用心な生徒を驚かせるようなことも起きるけど、スリザリンが仲間なら安心して校内を歩き回れるわ。私たちからすれば、あなたが蛇になったということは、私たちの一員になったということ。つまりエリートの一員よ。

 

だってサラザール・スリザリンが、彼の選ばれし生徒に何を求めていたか知ってる? 偉大なる者の種よ。あなたがこの寮に選ばれたのは、文字どおり偉大になる可能性があるから。もしかすると、談話室にいる生徒の中には、とても特別な運命があるようには思えない人がいるかもしれない。でも、それは心の中にしまっておくべきよ。組分け帽子がこの寮に入れたということは、何かしら偉大な部分があるということなんだから、それを忘れないように。

 

偉大になる運命にない人たちといえば、グリフィンドールに触れていなかったわね。多くの人がスリザリンとグリフィンドールはコインの両面だって言うけど、私に言わせれば、グリフィンドールなんてスリザリンの後追いをしているだけよ。でもね、中にはサラザール・スリザリンとゴドリック・グリフィンドールは同じような生徒を大切にしたと言う人もいるから、もしかすると私たちは自分たちが思ってる以上に似ているのかもしれない。だからといって、グリフィンドールと慣れ合うわけじゃないわ。グリフィンドールは私たちをやっつけるのが好きなわけだし。もっとも、スリザリンのほうが少しだけグリフィンドールをやっつけるのが好きだけど。

 

談話室に入る合言葉は 2 週間ごとに変わるわ。だから掲示板に気を配ること。他の寮の生徒を連れてきてはいけないし、合言葉を教えるのも禁止。談話室には、7 世紀以上も部外者が立ち入っていないのよ。

 

まあ、こんなところかしら。あなたたちはきっと私たちの部屋を気に入るはずよ。私たちが寝るのは、緑の絹の掛け布がついたアンティークの 4 本柱のベッド、ベッドカバーには銀色の糸で模様が入っている。有名なスリザリン生の冒険が描かれた中世のタペストリーが壁を覆い、天井からは銀のランタンが下がっている。きっとよく眠れるわ。夜、湖の水が窓に打ち寄せるのを聞いているととても落ち着くから・・・とまあ、すっごく長くなっちゃって申し訳ないわ。次は寮監である、スネイプ先生から、長〜いお話を聞いて頂戴。」

 

そして、スネイプ先生から長〜いお話を聞いて、私達はぐったりして、部屋へ行った。

部屋は、ダフネと一緒なのはすごく嬉しかったが、パーキンソンとブルストロードがいたのはちょっと嫌だった。

 

「やったね、アデラ!部屋が一緒になれて!」

 

「えぇ、そうですね。」

 

「パーティー以来ですね、アデラさん。」

 

「一緒の部屋になれて光栄ですわ。」

 

私はそう言ってきたパーキンソンとブルストロードに適当に返事をして、ダフネと隣のベッドに荷物を置いた。

 

「おやすみなさい、ダフネ。」

 

私は眠りについた。

 

 

 

 

翌日

 

私は起きると真っ先にルシウスさんへと手紙を書いた。

 

 

 

ルシウス・マルフォイ様

 

ルシウスさん、私はスリザリンへと入りました。

ドラコも一緒です。

私はダフネ、パーキンソン、ブルストロードと一緒の部屋です。

ルシウスさんもお身体を大切に。

 

アデラより

 

そう書くと、私は談話室に降りた。

スリザリンの談話室は、緑色のソファに緑の炎が上がる暖炉、窓から見える、湖の水中が印象的な、神秘的な空間だ。

私は窓辺にいるドラコを見つけた。

 

「はぁい、ドラコ。」

 

「あ、あぁアデラか。」

 

「随分と早起きね。眠れなかったの?」

 

「そういうわけじゃないんだが・・・」

 

「ドラコ!アデラ!もう起きたの?」

 

ダフネが髪を櫛で梳かしながらやってきた。

というか、私とドラコが早くて、ダフネは普通なのだが。

今の時刻は六時、起きる時間にはちょうどいい時間だ。

そろそろ、みんな起きてくるだろう。

 

「おや、もう起きていたの?」

 

「ファーレイ先輩!」

 

ジェマ・ファーレイ先輩が談話室にやってくる。

すると、他の生徒もゆっくりと談話室にやってきた。

 

一年生が全員、談話室に降りてきたころ、ファーレイ先輩は口を開いた。

 

「さぁ!今からホグワーツの最初の授業が始まるわよ!私についていらっしゃい。」

 

そうだ、今からホグワーツの初めての授業が始まるのだーーー。

 

 




ついに第6話目まできました!
いつも感想をくださっている皆様、影ながら応援してくださっている皆様、ありがとうございます。
これからも生き残った男の子を殺すこと、それが私の生きる糧。の応援をよろしくお願いいたします。

ちなみにアデラの嫌いなもの

ハリー・ポッター、アルバス・ダンブルドア、媚を売ってくる人たち、パンジー・パーキンソン、ミリセント・ブルストロード、厨二病モードのドラコ、虫(特にG)、魔法史の授業

アデラの好きなもの

ルシウス・マルフォイ、厨二病モードじゃないドラコ、ダフネ・グリーングラス、飼い猫のティー、ノクターン横丁で買った水晶、ヴァンジェーン家の屋敷

そして、すみません、ジェマの話があまりにも長かったですよね。
今後はパパッと済ませるようにします。


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初めての授業

ついにこの小説も7話目を迎えました。
ここまで来れたのも皆様のおかげです。
これからも応援、よろしくお願いします。


アデラ視点

 

「さぁ!今からホグワーツの最初の授業が始まるわよ!私についていらっしゃい。」

 

ファーレイ先輩が談話室を出て、階段を登る。

それに続いて、一年生も続いていった。

 

 

 

 

 

最初の授業は変身術だった。

変身術の教室に行くためには様々なところを通らないといけない。

動く階段はもちろん、お辞儀しないと開かないドア、安全というものを教えてやりたい突然一段抜ける階段など、様々なところを通り、ようやく変身術の教室に到着する。

 

「はぁ・・・やっとついたよぉ〜!」

 

ダフネがため息をつく。

談話室を出発して二十分、二十分歩き続け、ようやく変身術の教室に到着した。

 

「おや、スリザリンは寮全員で来たんですね。」

 

マクゴナガル先生は驚いたように言う。

そういえば、ここにグリフィンドール生は一人しかいない。

組み分けの時に一年生だけでなく、二年生の呪文までも唱えていたあの女の子だ。

 

「じゃあ、みんな席に座ってちょうだい。」

 

「ありがとうございました!ファーレイ先輩!」

 

スリザリン生一同でファーレイ先輩に礼を言う。

純血たるもの、礼儀は当然だ。

 

「アデラ!隣に座ろ〜!」

 

「えぇ、いいですよ、ダフネ。」

 

私はダフネとともに、一番前の席に座る。

私が一番前に座った時、一瞬ダフネが引きつった顔をしたが、仕方ないと言う顔で席に着いた。

一番前の何がいけないのかしら?

 

私たちが席に着くとすぐにチャイムがなり、授業が始まった。

現時点で教室にいるのは、スリザリン生一同と組み分けの女の子、あとグリフィンドール生が四名ほどだ。

今、グリフィンドール生はほとんどいない。

 

「まったく・・・初日の授業から遅刻するとは、何事ですか!自寮ながら情けない!」

 

そう怒鳴りながら、遅刻するものには学ぶ資格はないとばかりに、授業を始めていく。

まずは三十分ほど理論を板書する。そして、その理論を頭に入れながら変身術を唱えるものだった。

その間にグリフィンドール生は到着したが、ポッターともう一人の赤毛の少年は板書がやっと終わった時にやって来た。

マクゴナガル先生は呆れながらも減点しなかったが、スネイプ先生と同じで、自寮には甘いのかもしれない。

 

その日の変身術はマッチ棒を針に変えるというものだった。

より、輝き、美しく、鋭い針に変身させたものがいい成績をもらえる。

そう、思いながら私は呪文を唱える。

そうするとすぐにマッチ棒は針に変わった。

 

「アデラ、もう変わったの!?速くない!?」

 

「ヴァンジェーン家たるものこのくらいできて当たり前ですわ。」

 

すぐ変わったのでつまらなくなった私は装飾を施していくことにした。

針の頭に蛇の装飾を施して、眼には小さなルビーを。

そして、針全体に細かな蔦の装飾を施した。

うん、我ながらよく出来た。

 

「おや、ミス・ヴァンジェーン、速いですね。装飾まで施して・・ですが、これでは、実用性がありませんね。」

 

あ、考えてなかった。

割と蛇を大きくしてしまったので、針が布に通らないのだ。

ちゃんと、考えないと・・・・・

 

「ですが、その努力を認めて、スリザリンに15点を差し上げましょう。こんなに早く出来たのはあなたが初めてです。あなたは、まだ出来ていない生徒を手伝いなさい。」

 

「すごいじゃん!アデラ、あなた、初めての授業で得点をもらっちゃった!」

 

「ありがとうございます。マクゴナガル先生・・・ところで、ダフネ、あなたは手伝って欲しくありませんか?」

 

「いいの!?手伝って〜!」

 

私はダフネの手伝いをした。

その日、マッチ棒を針に変えることができたのは、私と、組み分けの女の子(グレンジャーと言うらしい)だけだった。

 

 

 

 

「すごいじゃないか!アデラ。」

 

「えぇ、ありがとうございます。ドラコ。・・・と、ノットはなぜここにいるのですか?」

 

「すまぬ・・・我は邪気眼があるからとドラコに伝えたのだが・・・。」

 

・・・ドラコはノットを好いているようですね。

ドラコのそういう所は嫌いなのですが・・・

次の授業は闇の魔術に対する防衛術でしたっけ。

私はため息をつくと、ダフネの手を引き、歩き出した。

 

 

 

 

 

闇の魔術に対する防衛術の授業が終わった。

あの、クィレル先生は精神科を受診した方がいいくらいに挙動不審で、とてもにんにく臭かった。

すごく、授業はつまらなかったし、割と楽しみにしていただけに残念だ。

ほかは、魔法史の授業だった。

魔法史は一言で言って、退屈だ。

グリフィンドール生はグレンジャー以外ほとんどがいねむりをし、スリザリン生もグリフィンドールほどではないが、眠っていた。・・・私も睡魔と戦った。

 

 

 

 

魔法史が終わった後、私は真っ先に教室を飛び出した。

あそこへ行こう、退屈な(・・・)時はあそこへ!

 

 

 

 

 

私は息を切らしながら、四回の右側の廊下へたどりつく。

この娯楽のないホグワーツで少しくらいスリルがあってもいいじゃない!

私はニヤリと笑うと廊下の一番奥にあった扉を開けた。

 

「グル・・・・」

 

中には、とてつもなく大きな三頭犬が寝ていた。

よく見ると、下に隠し扉がある。

よし、行ってみよう。

 

私は隠し扉を開け、中に飛び込む。

すると、下になにか蔦のような植物があった。

 

「これは・・・悪魔の罠でしょうか?」

 

悪魔の罠。それは石ころや草、小動物、人間までも食べて栄養に変えるという恐ろしい植物だ。弱点は熱と光である。

 

「チッ・・・巻きついて来ましたね。『インセンディオ!炎よ!』」

 

私は魔法で炎を出し、悪魔の罠を燃やす。

悪魔の罠だって植物だ。

炎に強いわけがない。

 

次の部屋を開けると、中には箒と羽の生えた鍵が飛んでいた。

ドアがあるが、鍵がかかっている。

これは、おそらく箒で飛んで、鍵を捕まえてこいという事でしょう。

 

「これは・・・面倒ですね。夕食までに間に合うといいのですが。」

 

そう思いながら箒に乗り、飛び立つ。

あのドアの形状から見て、大きく、古い鍵でしょう。

 

 

 

 

しばらくすると、私は大きくて古く、錆びていたカギを捕まえて、ドアを開いた。

そこには大きなチェスがあった。

これをクリアせよとのことだろうが、私にそんな時間はない。

 

「ごめんなさいね・・・『ボンバーダ・マキシマ!爆破せよ!』

 

私はドアを爆破し、次へと進む。

なんというか、ちょろい。

このまま次のドアも爆破しようと次に進んだ所、炎が行く手を阻んだ。

見ると、来た方にも炎があるではないか。

すると、とある机が目に入る。

 

 

 

 前には危険 後ろは安全

  君が見つけさえすれば 二つが君を救うだろう

  七つのうちの一つだけ君を前進させるだろう

  別の一つで退却の 道が開ける その人に

  二つのは イラクサ酒

  残る三つは殺人者 列にまぎれて隠れてる

  長々居たくないならば どれかを選んでみるがよい

  君が選ぶのに役に立つ 四つのヒントを差し上げよう

  まず第一のヒントだが どんなにずるく隠れても

  イラクサ酒の左には かならず毒入り瓶がある

  第二のヒントは両端の 二つの瓶は種類が違う

  君が前進したいなら 二つのどちらも友ではない

  第三のヒントは見たとおり 七つの瓶は大きさが違う

  小人も巨人もどちらにも 死の毒薬は入ってない

  第四のヒントは双子の薬 ちょっと見た目は違っても

  左端から二番目と 右の端から二番目の 瓶の中身は同じ味

 

 

うーん・・・まず、ここまで来たら前へ進もう。

テーブルには、七つの瓶が置いてある。

イラクサ酒の左には かならず毒入り瓶がある、これだと

 

◯毒イ毒イ毒◯

 

◯◯毒イ毒イ毒

 

毒イ毒イ毒◯◯

 

毒イ毒イ◯◯毒

 

など、様々なパターンがあり、絞りきれない。

 

次は、両端の 二つの瓶は種類が違うだ。

 

これだと、両端は選ばない方がいいという事だろう。

 

毒イ前毒イ毒イ後

 

というパターンとか、これでも、まだ絞りきれない。

 

次に、小人も巨人もどちらにも 死の毒薬は入ってない。

 

これは、

 

◯毒イ毒イ◯毒

 

とかのパターンもある?

 

うーん・・・ますますわからなくなって来たぞ?

 

次は・・・双子の薬 ちょっと見た目は違っても、左端から二番目と 右の端から二番目の 瓶の中身は同じ味か。

 

なるほど!わかってきた気がする。

 

つまり、

 

双子の薬は、二つあるイラクサ酒のこと。

 

◯イ◯◯◯イ◯だ!

 

そしてイラクサ酒の左には毒だから・・・

 

毒イ毒◯毒イ◯

 

かな?

 

うん、そして、小人は右から4番目の丸。つまりこれは毒じゃないから、前か後ろのどっちかの薬だろう。

 

まあ、一番右と右から4番目を両方飲んでしまえばいい。

私は、両方飲むと、次へと続く炎へと進んだ。

 

 

 

 

「これはどういうことでしょう?」

 

そこには無造作に置かれた、綺麗なルビーのような石があった。

 

「綺麗ですね、持って帰ってしまいましょう。」

 

私は石をポケットに入れ、部屋を去った。

 

 

 

 

「あっ!アデラ、どこに行ってたの〜?」

 

「少し用がありまして・・・」

 

「そっか、じゃあ、夕食、食べよう?」

 

私は、ダフネの言葉に頷き、夕食をとった。

 

 

その時、私は知るよしもなかった。

 

この時の私の行動で、様々な人を巻き込む、大騒動となることをーーー。

 

 

 

 




すごくどうでもいいことですが、USJのハリポタ行ってきました。
スネイプとダンブルドアの杖を買ってきました。
アトラクションもとても楽しかったです。
みなさんも、暇があったら行ってみてください!



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空を飛ぶ

みなさん、こんにちは!おぜうだよーです。
みなさんのおかげで、この小説は成り立っています。
本当にいつもありがとうございます。
かなり遅れて申し訳在りません!


アデラ視点

 

私は昨日手に入れた石を手に取る。

あれだけ厳重な警備がされていたのだからよほど重要なものなのだろう。

 

「アデラ、それ何?」

 

「これは私の宝物ですよ」

 

ダフネが聞いてきたので、私は微笑んで言った。

 

「・・・その時、マグルの飛行機が僕めがけて飛んできたんだ!それを僕はこう・・・ヒラリと避けて見せたんだ!母上もびっくりしてたよ!」

 

ちょうど、ドラコの自慢話が聞こえてきた。飛行訓練が近づいてきているからか、みんなクィディッチや箒の話をしたがる。

それはドラコも例外ではない。

箒で飛んでいたところ、マグルの飛行機が飛んできて、それを避けたという自慢話をほぼ毎日のようにしている。

というか、マグルの飛行機が飛んでいるのは雲のずっと上なのだけれど。

そこまでドラコは飛んでいったのかしら?

ひょっとして、ただの『ラジコン』だったりしてね(笑)

 

 

 

 

 

4時間後

 

 

「さあ!箒の横に立って上がれ!と言いなさい!」

 

「上がれ!」

 

マダム・フーチが叫ぶ。

私は上がれという。

すると、箒はすぐに私の手の中に飛び込んできた。

周りを見渡しても、ドラコとグリフィンドール生が一名、それにポッターと私しかできていない。

今は飛行訓練。

みんながずっと楽しみにしていた授業だ。

 

しばらくすると、ほとんどが箒を持っていた。

ダフネもちゃんと持っている。

 

「できたー!」

 

とダフネが叫んだ直後に

 

「静かにしなさい。グリーングラス」

 

とマダムフーチにぴしゃりと言われすぐに黙る

 

その瞬間、悲鳴と叫び声が聞こえた。

 

 

「うわっ…うわあああああああ」

 

その声の主はグリフィンドール生のネビル・ロングボトム。

よく注意されていて、ドジっ子としてホグワーツ中に知れ渡っている。

ある意味有名人。

その有名人は箒に捕まったまま大空へと飛んでいく。そして、箒から手を離し、箒は彼方へ飛んでいく。

そしてロングボトムは地面へ……

 

ゴキッ

 

あ、骨が折れた。

悲鳴の大合唱

駆け寄るマダムフーチ。

 

 

「私はこの子を医務室へ運びます。決して!決して!箒にまたがって空を飛んではいけませんよ。飛んだら退学です!」

 

((((((今二回言った………))))))

 

そうお笑いの前振りのようなことを言い残しマダムフーチはロングボトムを抱え、去っていった。

 

「はっ、ロングボトムの奴どこまでドジでマヌケなんだか。」

 

私の隣のドラコが嗤う

ドラコがの手には……ロングボトムの思い出し玉。

 

「マルフォイ!それはネビルのだ!返せ!」

 

ポッターがドラコに叫ぶ

 

「嫌だね。どうしても返して欲しいならポッター。お前が取りに来い。箒でな。」

 

ドラコも言い返すと箒にまたがりひらりと飛ぶ。

 

ポッターが箒に手を伸ばそうとした途端

 

「ダメよ!ハリー!フーチ先生が言ってたでしょう!?箒に乗っちゃダメ!」

 

栗毛の出っ歯のグリフィンドール生が言う。

名前は……グレンジャーという名前だった気がする。

優等生で確か私以外で唯一、マッチ棒を針に変身させた子だ。

 

「ハーマイオニー、僕は思い出し玉を取り返さなきゃいけないんだ!」

 

そう言い残しポッターは飛び立つ。

 

 

………………………………………………………………………………………………………………

 

 

結果は、ドラコの惨敗。

二人ともマクゴナガル先生&スネイプ先生の最悪コンビに連れていかれた。

グリフィンドール生はポッターを庇ってたが、あれはポッターもドラコも悪いでしょ!

 

ドラコは父上ええええ!アデラああああああ!と叫んでたが聞こえないことにした。

ポッターもダーズリー家の悪夢ううううううう!などと叫んでたが。

ダーズリー家って何だ。

 

………………………………………………………………………………………………………………

 

ハリー視点

 

 

「ダーズリー家の悪夢うううううううう!」

 

そう叫んだ途端ドアが閉められ、ロンの顔が見えなくなる。

ここはマクゴナガル先生の私用の部屋。

 

「ミスター・ポッター!一体これはどういうことですか!」

 

マクゴナガル先生の顔は真っ赤。

そりゃそうだね、うん。

僕がもしハーマイオニーの言うことを聞いていれば。

僕がもしマルフォイを説得していれば。

僕がもし思い出し玉を持って行かないようにネビルに言っていれば。

少しは違ったかもしれない。

でも今は違う。

僕は生き残った男の子じゃない。稲妻の少年でもない。

僕は退学決定のハリーポッターだ。

ダンブルドアに何て言おう?

ハグリッドに顔向けできない。

ロンとハーマイオニーともう会えない。

ダーズリー家からの虐待がまた始まる。

 

 

悪夢だ。

 

 

「ミスター・ポッター!退学とクィディッチチームのシーカー!どちらがいいですか!」

 

「それはもちろん………は?シーカー?」

 

何言ってるんだ。このしわくちゃおばば。

変身しすぎて頭がイカれたのだろうか。

退学にならないのならば何でもいい!

 

「選びなさい!」

 

「シ…シーカーでお願いします。」

 

 

……………………………………………………………………………………………………………………

 

 

ドラコ視点

 

 

「マルフォオオオオイ!マルフォオオオオイ!」

 

クィディッチ事件から30分後

僕はスネイプ先生に連れて行かれた。

最初のうちは冷静だったが、もう今はマルフォイマルフォイうるさい髪ベタベタの中年に成り下がっている。

というか何叫んでるんだ。

僕のスネイプ好感度が割と本気で0になった頃、悪夢の言葉は告げられる。

 

「マルフォオオオオイ!マルフォオオオオイ!スリザリン50点減てーーーん!」

 

嘘だろ

 

 

……………………………………………………………………………………………………………………

 

 

アデラ視点

 

あ、ドラコが帰ってきた。

ダフネと談話室で談笑してたが、みんなの視線はドラコへと一斉に向く。

みんなの心の声が聞こえる。

それは、さよならドラコ、この七文字。

 

「ドーラコ!退学退学?」

 

表情は悲しそうだが、心の奥は喜んでそうなダフネが言う。

ダフネってちょっと腹黒いところあるのよね。

 

「グ、グリーングラス…それが、退学じゃないんだ。ただ………」

 

一瞬ダフネが真顔になる。

 

「ただ?」

 

私が聞き返す。

 

「50点減点になっちゃった………」

 

一瞬、場が固まる。

その直後、ブーイングと中指を立てるスリザリン生で溢れかえる。

 

ダフネは遠くを見つめて、ウミガキレイダネ。アデラ。とロボットのような声で狂ったように私に同じことを言う。

1時間くらいスリザリン寮は落ち着かず、発狂するもの、号泣するもの、寝るもの、遠くを見つめるもの、下ネタを叫ぶもの…

 

ダフネの耳を塞ぎながら部屋へ戻る。

頼む。夢だと言ってくれ。

 

……………………………………………………………………………………………………………………

 

 

翌朝

 

 

 

本当だ。

夢じゃなかった。

スリザリンの点数を表すエメラルドの砂時計に人が集まっている。

一位だったスリザリンは三位に転落。一位はレイブンクローになった。最下位はグリフィンドールのままだ。

 

朝起きてみると、いつも通り早くおきていたドラコがいる。

今の時刻は5時45分。

死んだ目で暖炉を見つめていた。

 

「ドラコ。」

 

私が声をかけるとゆっくりとドラコが振り向く。

 

「アデラ……」

 

「そんな気にすることないわよ。一週間くらいしたらみんな忘れるわ。」

 

これは気休めだ。

贔屓するスネイプ先生が50点もの減点。ということは相当怒ってる。

 

「何でさ…ポッターは減点されなかったんだろ…僕はただ…ちょっとからかおうと思っただけなのに」

 

まあ、あの時のマダムフーチの言葉はちょっとお笑いに近しい何かがあったけど

 

「これに懲りたら先生の言うことをこれからはちゃんと聞くことね」

 

「そうだな……」

 

「おーい!アデラ!ドラコ!」

 

「盟友!」

 

 

ダフネとあと…ノット。

 

「ダフネ!それに盟友!」

 

「ふっ…運命に選ばれるということは足枷もついてくることもあるのだ。選ばれし者の宿命だよ。盟友」

 

ノット………相変わらず厨二全開だ。

 

「だからさ!取りあえず前向きに生きてこー!」

 

ダフネ、いいこと言うね〜

 

「共に手を取り合って足枷を乗り越えていけばいいのさ!」

 

やめてノット。あばら骨が折れる。

 

「そうだな!ありがとうアデラ、ダフネ、盟友!」

 

さて、いい感じにまとまった所で朝食を食べに行きましょう。

 

大広間へ行くと少しだが人がいる。

 

「ねぇねぇアデラ!このパイ美味しい!」

 

「ダフネ、朝からそんなの食べてると太るぞ?」

 

「むー!余計なお世話!」

 

「アデラ、この俺お手製の罪のなき子羊のローストはいらないか?」

 

「あ、結構です。それ、もう炭の塊じゃないの。」

 

いつもの会話。

いつもの食事。

 

違うのは得点だけ。

 

……………………………………………………………………………………………………………………

 

 

そして月日は流れ、

 

「起きて起きてアデラ!!!!ヒャッホーウ!」

 

いつになくハイテンションなダフネは私を叩き起こす。

パーキンソンとブルストロードは迷惑そうにダフネを見つめる。

 

「何ですか、ダフネ。」

 

「アデラ!知ってた?今日はクィディッチだよ!!!」

 

うん、知ってた。

でも面倒くさい、見に行きたくない。

 

「面倒くさいなんていってちゃダメダメ!いこーよー!」

 

何で心の声を読み取れたんだ。

恐るべしダフネ。

 

今日の対戦はスリザリン対グリフィンドールだったか。

グリフィンドールにはなぜかポッターが入ったらしい

マクゴナガル先生、えこひいきがすぎるぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歓声に包まれたグラウンド。

緑と赤の旗。

スリザリンはスリザリンを。

グリフィンドールはグリフィンドールを応援している。

そりゃそうだね。

ダフネは顔に蛇のペイントをし髪に緑のメッシュを入れ、スリザリンの旗を10旗持っている。

どう考えてもやりすぎでしょ!

 

私はいつもどおりのスリザリンのローブ。

無理矢理ダフネに顔にスリザリンの紋章をペイントされたが特に変わってない。

 

「さぁ!始まりました!クィディッチ!初戦はスリザリン対グリフィンドール!」

 

 

ワアアアアアアアアアアアアアアアアアア!

 

 

ハッフルパフとレイブンクローは両方ともグリフィンドールを応援している。

まぁ、狡猾スリザリンに応援する寮なんてないよね…

 

………………………………………………………………………………………………………

 

 

結果はスリザリンの敗北。グリフィンドールのシーカー、ポッターがスニッチを取りグリフィンドールは勝利した。

 

「まーけーた!」

 

ダフネが頬を膨らませて残念がる。

まぁしょうがない。ポッターはマクゴナガル先生が認めるほどの才能を持っているのだろう。多分。

 

 

私たちは気づかなかった

私たちの日常の裏で巨悪が復活を目論んでいることに………

 

………………………………………………………………………………………………………………

 

 

「何じゃと!?賢者の石が消えた!?誰が………全教員を呼べ!今すぐにじゃ!」

 

その頃、校長室では老人が叫んでいた。

 

 

 




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