少年の異世界道中~遊戯王GX編~(凍結中) (クロイツヴァルト)
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プロローグ
「……いま、なんと?」
「だから、ある世界で今まで観測されたことが無い規模で異常が見られたから行って欲しいんだ。」
部屋も景色も真っ白に塗りつぶされた空間で金髪緋目の青年と全身をスッポリと覆うローブを着た人物…声から判断するならば男のようだ…
「で、その観測された世界は・・・?」
青年の言葉に口元しか見えない男はニヤリと笑い・・・
「遊戯王・・・二期のアニメ・・・GXだ。なに、君のデッキのことならば安心したまえ。ペガサス・J・クロフォードに海馬瀬人に対してアプローチ出来るようにしておくから君自身の説明とソレに関するメリットを教えればいけるはずだよ。」
「そんなもの神であるアンタがどうとでも出来るんじゃないのか?」
青年の言葉に神と呼ばれた男は肩を竦ませる。
「神であっても全能では無いんだよ?ゼウスなんて奥さんの尻に敷かれて能力なんてあって無いようなものだからね・・・?」
「いや、そんな神の裏事情は知りたくなかったが・・・まぁいいや。取り敢えず自分でなんとかしてみるかな。」
「頼んだよ?あ、あと君の他にも他世界のバカが転生者を送り込んでるみたいだから気をつけてね?」
フードの男に忠告を受けるが・・・
「ハッ!俺のシンクロシリーズに勝てる奴がいるなら見てみたいね・・・。例えエクシーズが出たとしても勝てる自信が俺とデッキにはあるからね。」
青年はフードの男にそう告げるといつの間にか持っていた深紅のジェラルミンケースと腰に吊り下げた同色のデッキケースを持っていた。
「確かに・・・君の収集力には驚嘆に値するけどあの世界ではカード一枚でも異変が起こせる世界だ。くれぐれも注意だけは怠らないでくれよ?」
神の言葉を聞きながら青年は光と共に白い空間から消えた。
―――――――――――――――――――――――
「此処が童実野町・・・。年代はアテムが消えて数日って所か・・・」
青年はその姿を10代の少年へと姿が変わっていた。
「先ずは・・・後ろ盾の確保と情報収集にシンクロがちゃんと使えるかどうか確認しないとだな・・・。デッキはジャンクシリーズの物でメインデッキは今は封印しておくか・・・。」
そして少年は童実野広場に足を運ぶ。
「なにやら人だかりがあるが・・・」
少年が人だかりが出来ている一角に向かう。
「ミノケンタウロスでダイレクトアタック!」
「うわぁぁぁ!」
対戦相手の男が出していた上半身が人型の牛で下半身が馬のモンスターが突進して対戦相手の少年のライフが0になった合図のブザーが周りに鳴り響く。
「クソっ!」
「おら!アンティのレアカードを出しな!」
「っえ!最初の時にアンティなんて「ウルセェ!それとも何か?名蜘蛛コージ様の超レアカードのダイヤモンドドラゴンに合わせれるカードが無いならデッキ事でも構わないんだぜ?」そんなっ!?」
周りにいるギャラリーは少年少女が殆どで大人と呼べる者が少なく名蜘蛛と名乗った男の風貌も相まって少年を助けようとする人物は現れないと思われた所・・・
「・・・ちょっと待った。」
「え?」
「あぁん?なんだお前?」
「通りすがりの者だけど最初の勝負の時に
「うん。」
「なら君がカードを出す事はないよ。そこのオジサンの戯言だからね。」
「俺の気が変わったんだよ!」
「それはルール違反だね。」
少年の言葉に気弱に頷く赤い帽子を被った少年に対して激昂する名蜘蛛。それにたいして少年は紅い瞳を細める。
「ならなんだ?お前が俺と
名蜘蛛の宣言に周りの子供達が騒ぎ出す。
「いいだろう。ならさっさと準備しな。」
「お兄さん、大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だ。それと
「良いよ。」
赤い帽子を被った少年から借りた決闘盤はバトルシティで使われた角ばったデザインでは無く新しく売り出されたモデルで以前の決闘盤とは違い丸みを帯びデッキを差し込む付近に球形の液晶ディスプレイを持った物で此処にライフポイントや相手や自身の
「おら!こっちは準備完了だ!」
「そうか・・・。」
名蜘蛛の言葉に敢えて冷静に返す少年はカット&シャッフルをして決闘盤にデッキをセットし液晶にライフポイントが4000と表示される。
「「デュエル!!!!」」
「先ずは俺様のターン、ドロー!先ずは仮面竜―マスクドラゴン―を攻撃表示で召喚しカードを2枚セットしてターンエンド!」
レベル3
炎属性
ドラゴン族
効果
このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、自分のデッキから攻撃力1500以下のドラゴン族モンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。
名蜘蛛 手札4 場1 魔罠1
名蜘蛛の場を見た少年は
「リクルート付きのドラゴン・・・ドラゴンデッキか・・・。好都合か。」
「何をぶつぶつ言ってやがるお前のターンだぞ!」
何事か呟く少年に対して名蜘蛛が言葉を荒げながら急かす。
「やれやれ、我慢が出来ないとは・・・俺のターン。ドロー・・・」
デッキトップから1枚ドローして思案して・・・
「俺は手札よりレベルスティーラーを捨ててチューナーモンスター、クイックシンクロンを特殊召喚。」
クイックシンクロン
レベル5
風属性
機械族
攻700 守1400
効果・チューナー
このカードは手札のモンスター1体を墓地へ送り、手札から特殊召喚できる。
このカードは「シンクロン」と名のついたチューナーの代わりにシンクロ素材とする事ができる。
このカードをシンクロ素材とする場合、「シンクロン」と名のついたチューナーをシンクロ素材とするモンスターのシンクロ召喚にしか使用できない。
レベルスティーラー
レベル1
属性闇
昆虫族
攻600 守0
効果
このカードが墓地に存在する場合、自分フィールド上のレベル5以上のモンスター1体を選択して発動できる。
選択したモンスターのレベルを1つ下げ、このカードを墓地から特殊召喚する。
このカードはアドバンス召喚以外のためにはリリースできない。
少年が手札にあるテントウムシに似たモンスターを墓地に送り手札から低身長だがカウボーイハットを被り二丁拳銃を構えたモンスターが現れた。
「?チューナーモンスター?見た事無いカードだが特殊召喚した所でたかが700程度じゃ仮面竜すら倒せねえぞ?」
「俺のデッキを舐めていると痛い目を見るぞ?俺は手札よりチューニングサポーターを召喚!」
ガンマンの他に少年の場に鍋の様な物を頭から被った小人の様なモンスターが現れた。
チューニングサポーター
レベル1
光属性
機械族
攻100守300
このカードをシンクロ召喚に使用する場合、このカードはレベル2モンスターとして扱う事ができる。
このカードがシンクロモンスターのシンクロ召喚に使用され墓地へ送られた場合、自分のデッキからカードを1枚ドローする。
「更に俺は手札から機械複製術を発動!チューニングサポーターを指定してデッキから同名カードを2枚を特殊召喚する!」
鍋を被ったモンスターが更に少年の場に現れる。
「雑魚を何体並べても同じだ!」
「雑魚だと思うのならそれでも構わない!俺はレベル5のクイックシンクロンに三体のチューニングサポーターをチューニング!」
「「「チューニング!?」」」
名蜘蛛を含めた子供達が少年の宣言に驚きの声をあげる。そんな事はお構いなしとばかりに少年はエキストラから一枚のカードを取り出す。しかし、それは普通の融合カードでは無くカードの縁の周りは白く塗られた物でどのモンスターとも確実に違う事が伺われる。
そして、クイックシンクロンが緑色の円環に姿を変え、チューニングサポーターたちがその円環に飛び込みその姿を球形のカードテキストに描かれる星の形に姿を変える。
「集いし闘志が、怒号の魔人を呼び覚ます!光差す道となれ!シンクロ召喚!粉砕せよ!ジャンク・デストロイヤー!」
その瞬間、その場を埋め尽くす光、その中から四本の腕を持った男の子なら一度は憧れた巨大なロボットが姿を現す。
レベル8
地属性
戦士族
攻2600守2500
シンクロ・効果モンスター
「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードがシンクロ召喚に成功した時、このカードのシンクロ素材としたチューナー以外のモンスターの数までフィールド上のカードを選択して破壊できる。
「攻撃力2600!?(だが、俺の場にはミラーフォースと道連れがある!仮にミラーフォースが躱されても道連れのカードで消えて貰うぜ!)だが、俺の場に破壊されても別のドラゴンを呼ぶ仮面竜がいる上に罠か魔法のどちらかのカードが伏せられてるぜ?」
「此奴の前にそんな小細工は意味は無い!ジャンク・デストロイヤーの効果発動!このカードがシンクロ召喚に成功した時に相手の場のカードをチューナー以外のシンクロ召喚の素材の数だけ破壊する!」
「俺の場には仮面竜に伏せが二枚・・・!?」
「数通りと言う訳だ!ジャンク・デストロイヤーよ、奴の場を破壊しろ!ダイダルウェーブ!」
ロボットの胸の辺りから見えない力が発せられ仮面竜と伏せカード二枚を一気に破壊した。
「な・・・「更にシンクロ素材として墓地に送ったチューニングサポーターの効果発動!」墓地効果だと!?」
「そうだ、チューニングサポーターはシンクロ素材として墓地に送られた時デッキからカードを1枚ドローすることが出来る。そして俺が墓地に送った数は3枚!よって3枚ドロー!」
驚く名蜘蛛を置き去りにして少年はデッキから新たに3枚ドローする。
「更に手札からシンクロ・キャンセルを発動!場のシンクロモンスターをエクストラデッキに戻して墓地にある素材となったモンスターたちを復活!戻ってこいクイックシンクロン!チューニングサポーター達!」
「あ、あぁ・・・」
「そして、クイックシンクロンのレベルを1個下げて墓地からレベルスティーラーを特殊召喚する!」
ガンマンに小人3人の横にテントウムシ型のモンスターが現れる。
「そして再びシンクロ召喚する!レベル4になったクイックシンクロンにレベル1のチューニングサポーターをチューニング!集いし星が、新たな力を呼び起こす!光差す道となれ!シンクロ召喚!出でよ!」
再びクイックシンクロンが円環となるが今度はチューニングサポーターが一体のみだが少年の言葉に呼応するように現れたのは紫色を主体としたカラーリングのロボットの様なモンスターで首元にスカーフを巻いており利き腕と思われる腕は反対の腕よりも一回り程大きかった。
ジャンク・ウォリアー
レベル5
闇属性
戦士族
攻2300守1300
シンクロ・効果
「ジャンク・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードがシンクロ召喚に成功した時、このカードの攻撃力は自分フィールド上に存在するレベル2以下のモンスターの攻撃力を合計した数値分アップする。
「何かと思えばたった攻撃力2300じゃねぇか。驚かせやがって・・・。」
「安心するのはまだ早い!ジャンク・ウォリアーの効果発動!場のレベル2以下のモンスター達の攻撃力を吸収する!俺の場には攻撃力600のレベルスティーラーに攻撃力100のチューニングサポーターが2体!よってジャンク・ウォリアーの攻撃力は800ポイントアップする!パワー・オブ・フェローズ!」
ジャンク・ウォリアー
攻2300→3100
「あ、あぁ・・・!」
「更に手札から二重召喚を発動!手札からニトロ・シンクロンを召喚!」
今の少年の場にはジャンク・ウォリアーにレベルスティーラー、そして2体のチューニングサポーターそして新たなチューナーモンスターであるニトロ・シンクロン。その姿はガスボンベに手足をつけた何ともアメリカンコミックのような容姿をしていた。
「ニトロ・シンクロンにレベル2に変更したチューニングサポーターにレベルスティーラーをチューニング!集いし思いが、ここに新たな力となる!光差す道となれ!シンクロ召喚!燃え上がれ!ニトロ・ウォリアー!」
レベル7
炎属性
戦士族
攻2800守1800
シンクロ・効果
「ニトロ・シンクロン」+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、自分のターンに自分が魔法カードを発動した場合、このカードの攻撃力はそのターンのダメージ計算時のみ1度だけ1000ポイントアップする。
また、このカードの攻撃によって相手モンスターを破壊したダメージ計算後に発動できる。
相手フィールド上に表側守備表示で存在するモンスター1体を選択して攻撃表示にし、そのモンスターにもう1度だけ続けて攻撃できる。
「あ、あぁぁぁ!!!」
「ニトロ・シンクロンの効果とチューニングサポーター2体の効果を使い更に3枚ドロー!」
「これで終わりだ!手札より受け継がれる力を発動!」
受け継がれる力
通常魔法
自分フィールド上のモンスター1体を墓地に送る。
自分フィールド上のモンスター1体を選択する。
選択したモンスター1体の攻撃力は、発動ターンのエンドフェイズまで墓地に送ったモンスターカードの攻撃力分アップする。
「このカードにより場のジャンク・ウォリアーを生贄にしてニトロ・ウォリアーの攻撃力に加算する!」
ジャンク・ウォリアーが光の粒子となりニトロ・ウォリアーの体に吸収される。
ニトロ・ウォリアー
攻2800→5900
「こ、攻撃力5900!?伝説の神のカードを超えてるだと!?」
「そしてバトルフェイズ中にニトロ・ウォリアーの効果発動!場にこのカードがあり魔法が発動していた場合攻撃力に1000ポイントプラスし6900となる!」
「なんだと!?」
「屑には熱いお灸を据えてやる!ダイナマイト・ジャイアントナックル!」
「うわぁぁぁぁぁ!?」
名蜘蛛 LP4000→-2900
ジャンク・ウォリアーの力が加わった巨大な拳による一撃により名蜘蛛のLPが0となり勝者は通りすがりの少年に決まった。
ちなみにニトロ・ウォリアーの一撃に吹き飛ばされた名蜘蛛は近くで気絶して子供達から社会的制裁を加えられることとなった。公園で餓鬼大将をやっていいのはリーダーシップのある者だけにしてほしい・・・。
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KC突入と社長との会合
名蜘蛛を倒して名蜘蛛の決闘盤を拝借(笑)し、子供達の質問責めにあっていた少年はなんとか公園から離脱し一路この童実野町に立つ一段と高い建物・・・世界一と名高い
「この世界での重要人物の1人、海馬瀬人・・・奴は異常に気付いているかな?」
少年はそう呟いて玄関口からスッと消える。
―――――――――――――――――――――
「だから何度も言っているだろう、この俺が開発した
最上階の部屋・・・社長室にてこのKCの社長兼総帥である海馬瀬人が受話器を通してTV電話の相手の言葉に怒鳴っていた。
《とは言いましても実際に何人もの人間がデュエルして怪我をしたと言う報告を聞いているのです。この事態に社長である貴方がどう対応されるのかをお聞きしたいのです。》
「その怪我をさせた者の特徴は?」
《なにやら見た事のないカードを使っていると聞いています。》
「・・・それはシンクロモンスターだ。」
「誰だ!?」
ただ一人、電話していた相手の他の声が聞こえ海馬はとっさに叫ぶと本棚の陰から一人の少年が現れた。
「貴様どこから・・・いや、その前にシンクロと言ったな。」
「そう、本来ならこの時代には存在しえないカード。」
そう言って少年は枠の白い何も絵柄が入っていないカードを海馬に見せる。
「存在しえないカードだと?」
《社長・・・あの少年の持つカードは被害者となった者達が証言している白いカードで間違いないかと・・・。》
「ふぅん、面白い。その存在しえないカードとやらについて教えて貰おうか・・・。」
「なら、海馬社長、貴方と
「それは貴様と戦った後でも出来る。場所はこの海馬KCの屋上にある離陸場だ!」
―――――――――――――――――――――
そして、海馬瀬人の案内の下屋上に辿り着くと2人はある程度の距離・・・デュエルするための距離を取る。
「デュエルモンスターズのルールを知っているのなら一々説明しなくてもいいな・・・」
決闘盤を起動させがら海馬は少年に問う。
「構いませんよ。そう言えば俺が勝った場合は後ろ盾になって貰えないかな?この世界に来たは良いけど住居にこの肉体は約13歳だ。保護責任者あるいは後見人が必要なんでな・・・。もし海馬社長が勝てば社長御自慢の青眼の白龍のサポートカードを無償でお渡ししますが?」
そう言って少年は数枚のカードを懐から取り出した。
「ふぅん・・・よかろう。ならば」
「「デュエル!!!!」」
かくして世界最高峰の
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青眼の究極竜VS紅蓮悪魔竜
「先攻は俺からだ!ドロー!俺はブラッドヴォルスを攻撃表示で召喚しカードを二枚伏せてターンエンド!」
瀬人 モンスター1 伏せ2 手札3 LP4000
「・・・俺のターン、ドロー。相手の場にモンスターが存在し、自身の場にモンスターが存在しない時にこいつは特殊召喚できる。出番だ、出ろ!太陽の神官!」
太陽の神官/レベル5/光属性/魔法使い族/ATK1000/DEF2000
相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。
フィールド上のこのカードが破壊され墓地へ送られた時、デッキから「赤蟻アスカトル」または「スーパイ」1体を手札に加える事ができる。
「更に手札からフレア・リゾネーターを召喚!」
フレア・リゾネーター/炎属性/レベル3/悪魔族/ATK300/DEF1300/効果・チューナー
このカードをシンクロ素材としたシンクロモンスターの攻撃力は300ポイントアップする。
「低ステータスの雑魚ばかり並べても攻撃力1900のブラッドヴォルスには勝てんぞ!」
神官服に身を包んだ男性に2、3頭身くらいでメトロノームみたいな物を持ったモンスターを見た海馬は少年にそう叫ぶ。
「焦りは禁物と言う・・・。手札より魔法カード強欲な壺を発動し、2枚ドローする。」
「なに!?」
「・・・そして、チューナーモンスターのフレア・リゾネーターに太陽の神官をチューニング!」
「っ!?来るか!」
フレア・リゾネーターが新緑の円環に姿を変え、太陽の神官がその身を五つの星へと姿を変える。
「王者の鼓動、今ここに列を成す!天地鳴動の力を見るが良い!シンクロ召喚!我が魂・・・レッド・デーモンズ・ドラゴン!」
少年の詠唱に呼応して、光が爆ぜ飛び出してきたモンスターは真紅の体躯にドラゴン特有の威圧感を持っていた。それは奇しくも瀬人の持つ青眼の白竜に匹敵するモノであった。
レッド・デーモンズ・ドラゴン 闇属性/レベル8/ドラゴン族/ATK3000/DEF2000/シンクロ・効果
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが相手フィールド上に守備表示で存在するモンスターを攻撃した場合、そのダメージ計算後に相手フィールド上に守備表示で存在するモンスターを全て破壊する。
自分のエンドフェイズ時にこのカードがフィールド上に表側表示で存在する場合、このカード以外のこのターン攻撃宣言をしていない自分フィールド上のモンスターを全て破壊する。
「俺の青眼の白竜と同等の力だと!?」
「更に自分の場に【レッド・デーモンズ・ドラゴン】がいる時に手札より魔法カード、【クリムゾン・ヘル・セキュア】を発動する!」
クリムゾン・ヘル・セキュア/通常魔法
自分フィールド上に「レッド・デーモンズ・ドラゴン」が表側表示で存在する場合のみ発動する事ができる。
相手フィールド上に存在する魔法・罠カードを全て破壊する。
「小細工などさせない!紅蓮悪魔竜の力を思い知れ!」
「ならば、和睦の使者を発動しこのターンのダメージを0にしてモンスターは戦闘破壊を防ぐ!」
レッド・デーモンズ・ドラゴンの口より放たれた紅焔により瀬人の伏せ2枚の内1枚はその効力を発揮したがもう1枚の伏せカード、収縮は破壊される。
「・・・和睦の効果により意味がない為、伏せを2枚セットしてターンエンド!」
少年 手札3枚 モンスター1 伏せ2枚 LP4000
最初のターンで瀬人はお目当てのシンクロモンスターを見る事が叶った・・・。
「(通常モンスターや効果モンスター、融合、儀式・・・そのどれにもカテゴライズされないモンスターか。)俺のターン、ドロー!・・・俺はクリッターを手札より捨てて魔法カード【コストダウン】を発動!」
コストダウン 通常魔法
手札を1枚捨てる。
自分の手札にある全てのモンスターカードのレベルを、発動ターンのエンドフェイズまで2つ下げる。
「それにより上級モンスターは1体の生贄だけで召喚が可能!今ここに姿を現せ、青眼の白竜!」
瀬人はそう叫び決闘盤にカードを叩き付け、空より現出したM&W始まって以来の超激レアカード、そして海馬瀬人の代名詞
「それが貴方のエース・・・。しかし、僕の紅蓮悪魔龍と僅か300ポイント差がある。どう対処するのでうか?」
「それならばそいつには早々に消えて貰うだけだ!手札より魔法カード【滅びの爆裂疾風弾】発動!このカードはブルーアイズがいる時に攻撃権を放棄する代わりに相手の場のモンスターを一掃する!やれ、ブルーアイズ!」
滅びの爆裂疾風弾/通常魔法
自分フィールド上に「青眼の白龍」が存在する場合に発動できる。
相手フィールド上のモンスターを全て破壊する。
このカードを発動するターン、「青眼の白龍」は攻撃できない。
手札から決闘盤にカードを差し込んで現れた緑色のカードにはブルーアイズが攻撃する絵柄が描かれた物が現れ、ブルーアイズは口に溜めたエネルギーを放ち少年の場にあるレッド・デーモンズを破壊した。
「除去してきましたか・・・。」
「更に手札から命削りの宝札を発動し自身の手札が5枚になるようにドローする!そして融合を発動!ドラゴンの支配者と融合呪印生物―闇を素材とし竜魔神 キングドラグーンを融合召喚する!」
融合呪印生物―闇/レベル3/闇属性/岩石族/ATK1000/DEF1600
効果
このカードを融合素材モンスター1体の代わりにする事ができる。
その際、他の融合素材モンスターは正規のものでなければならない。
フィールド上のこのカードを含む融合素材モンスターを生け贄に捧げる事で、闇属性の融合モンスター1体を特殊召喚する。
竜魔神 キングドラグーン/レベル7/闇属性/ドラゴン族/ATK2400/DEF1100
融合・効果
「ロード・オブ・ドラゴン-ドラゴンの支配者-」+「神竜 ラグナロク」
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、相手はドラゴン族モンスターを魔法・罠・モンスターの効果の対象にする事はできない。
1ターンに1度だけ、手札からドラゴン族モンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。
「竜魔神の効果を発動し、手札からアレキサンドライトライドラゴンを特殊召喚する!」
アレキサンドライドラゴン/レベル4/光属性/ATK2000/DEF100
「伏せカードは気にはなるがバトル!竜魔人でプレイヤーにダイレクトアタック!」
「ダメージ計算時に罠カード【ガードブロック】を発動し、戦闘ダメージを0にしてカードを1枚ドローします!」
相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。
その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、自分のデッキからカードを1枚ドローする。
少年 手札3→4
「ならばアレキサンドで攻撃する!」
「・・・それは通します。」
少年 LP4000→2000
「俺はカードを1枚セットしてターンエンドだ!」
瀬人 手札0 モンスター2 伏せ2
「ターエンド時にリバース発動!【終焉の焔】を発動し黒炎トークンを2体特殊召喚します!」
終焉の焔/速攻魔法
このカードを発動するターン、自分は召喚・反転召喚・特殊召喚できない。
自分フィールド上に「黒焔トークン」(悪魔族・闇・星1・攻/守0)2体を守備表示で特殊召喚する。
このトークンは闇属性モンスター以外のアドバンス召喚のためにはリリースできない。
「そして、相手ターンで発動した為にデメリットである召喚権の破棄は無しです。そして自分のターン!ドロー!」
「僕は手札より魔法カード【死者蘇生】を発動し、甦れ紅蓮悪魔竜!」
墓地より蘇り再びレッド・デーモンズが咆哮を上げる。
「更に魔法カードワンフォーワンを発動!手札のモンスターを1枚捨ててデッキからレベル1のモンスターを特殊召喚する!自分はレベル1チューナモンスターであるバリア・リゾネーターを特殊召喚。効果は今は必要無いので次に永続魔法共鳴波を発動!」
ワン・フォー・ワン/通常魔法
手札からモンスター1体を墓地へ送って発動できる。
手札・デッキからレベル1モンスター1体を特殊召喚する。
共鳴波/永続魔法
このカードがフィールド上に存在する限り、「リゾネーター」と名のついたモンスターがシンクロ素材として墓地へ送られる度に、相手フィールド上に存在するカード1枚を選択して破壊する。
このカードは発動後2回目の自分のエンドフェイズ時に破壊される。
「そして、自分も手札より命削りの宝札を発動し手札が5枚になるようにドローし、フォース・リゾネーターを召喚!そしてフォースに黒炎トークン2体をチューニング!彼方より来たりてその手に掴め!眼前の敵に鉄槌を!シンクロ召喚!アームズ・エイド!」
手札0→5
フォース・リゾネーター /チューナー・効果/レベル2/水属性/ATK500/DEF500
自分フィールド上に表側表示で存在するこのカードを墓地へ送り、自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動する。
このターン、選択したモンスターが攻撃する場合、相手はダメージステップ終了時までモンスターを対象にする魔法・罠・効果モンスターの効果を発動する事ができない。
アームズ・エイド /シンクロ・効果/レベル4/光属性/ATK1800/DEF1200
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に装備カード扱いとしてモンスターに装備、または装備を解除して表側攻撃表示で特殊召喚できる。
この効果で装備カード扱いになっている場合のみ、装備モンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。
また、装備モンスターが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
「そして、永続魔法【共鳴波】の効果発動!リゾネーターと名のつくカードがシンクロ素材として墓地に送られる度に相手の魔法または罠を1枚破壊する!自分は竜魔神のバックの伏せカードを破壊します!」
「なんだと!?」
瀬人の驚愕の声と共にフィールドには2体のリゾネーターが現れて自身の武器を重ねた際に生じた超音波により瀬人の伏せカード【攻撃の無力化】が破壊される。
「阻害カードを破壊できたのは僥倖ですね・・・。自分の場にいるレッド・デーモンズにアームズ・エイドを装備し、攻撃力を1000ポイントアップさせます。」
レッド・デーモンズ・ドラゴン ATK3000→4000
「俺のブルーアイズの攻撃力を上回っただと!?」
「バトル!レッド・デーモンズでブルーアイズに攻撃!アブゾリュート・パワーフォース!」
アームズ・エイドが装着された右手に煌炎を纏わせて突撃するレッド・デーモンズ。それを迎え撃つ為に高エネルギーを口から放つブルーアイズ。しかし、ブルーアイズの攻撃はその右手により斬り裂かれ敢え無くブルーアイズは爆散した。
「ぐぅ、おのれぇ!よくも俺のブルーアイズを!」
「戦闘でモンスターを破壊した瞬間、装備されているアームズ・エイドの効果発動!戦闘破壊したモンスターの攻撃力の分だけダメージを与えます!追撃のクリムゾン・フレア!」
「なに!?ぐぅぅぅ!」
瀬人 LP4000→8000→7000→4000
「・・・この瞬間、リバースを発動!【体力増強剤スーパーZ】を発動!プレイヤーが2000ポイント以上おダメージが発生した時、4000ポイント回復する!」
このターンのダメージステップ時に相手から2000ポイント以上の戦闘ダメージを受ける場合、その戦闘ダメージがライフポイントから引かれる前に、一度だけ4000ライフポイント回復する。
「・・・自分は手札すべてを伏せてターンエンド。」
少年 モンスター2 伏せ4
「俺のターン!・・・俺は魔法カード【天よりの宝札】を発動!」
天よりの宝札/通常魔法
お互いのプレイヤーは手札が6枚になるようにカードをドローする。(原作効果)
「そして、増えた手札から死者蘇生を発動し蘇れ!ブルーアイズホワイトドラゴン!」
「倒したばかりなのにもう戻って来たよ・・・。」
「まだだ!手札より二重召喚を使用してクリッターを召喚し、そのままブラッドヴォルスと共に生贄にして2体目のブルーアイズホワイトドラゴンだ!」
ブルーアイズの横に2体目のブルーアイズが現れる。
「そして墓地に送られたクリッターの効果発動!攻撃力1500以下のモンスターをデッキから手札に加える!俺はミンゲイドラゴンを手札に加える。」
クリッター 効果/レベル3/闇属性/悪魔族/ATK1000/DEF600
このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、デッキから攻撃力1500以下のモンスター1体を手札に加える。
ミンゲイドラゴン 効果/レベル2/地属性/ドラゴン族/ATK400/DEF200
ドラゴン族モンスターをアドバンス召喚する場合、このモンスター1体で2体分のリリースとする事ができる。
自分のスタンバイフェイズ時にこのカードが墓地に存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、このカードを自分フィールド上に表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。
この効果は自分の墓地にドラゴン族以外のモンスターが存在する場合には発動できない。
この効果で特殊召喚されたこのカードは、フィールド上から離れた場合ゲームから除外される。
「そして、手札より融合を発動!場の2体のブルーアイズと手札にあるブルーアイズを融合!神をも超える力を見るが良い!
フィールドの上に歪みが出来たと思えばその中に3体のブルーアイズが吸い込まれていく。そして次第に渦の勢いがなくなり現れたのは、神の1柱オベリスクの攻撃力を超える名は体を体現するように青眼の究極竜が瀬人の場に現れる。
「バトルフェイズ!アルティメットでレッドデーモンズを攻撃!アルティメット・バースト!」
「っく!なら、罠カード【ロスト・スター・ディセント】を発動し墓地に送られたレッド・デーモンズを守備表示で特殊召喚する!このカードで特殊召喚されたモンスターはレベルが一つ下がり守備力は0になり表示形式の変更も出来ない!」
「守備力0のカードでドラグーンを止められるものか!キングドラグーンでその死にぞこないを攻撃!」
「その瞬間に罠カード【スカーレッド・カーペット】を発動!墓地に眠るフォースとフレアを特殊召喚!」
「だが雑魚を出した所で死にぞこないは破壊する!」
「まだだ!巻き戻しで再び攻撃宣言された瞬間、リバースカード【緊急同調】を発動!バトルフェイズ中にシンクロ召喚を行う事が可能となります!」
緊急同調/通常罠
バトルフェイズ中のみ発動できる。
シンクロモンスター1体をシンクロ召喚する。
「なんだと!?」
「フレアとフォースの2体をレッド・デーモンズにダブル・チューニング!」
「2体のチューナーでのシンクロ召喚だと!?」
守備表示を取っていたレッド・デーモンズが空に飛びあがりフレア・リゾネーターとフォース・リゾネーターが緑色の円環に変わる。その中心にレッド・デーモンズが入り星となるその数はフレアとフォースを合わせて12・・・
「王者と悪魔、今ここに交わる!荒ぶる魂よ!天地創造の叫びを上げよ!シンクロ召喚!出でよ!スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン!」
その姿はレッド・デーモンズとは違い鎧の様な物を付けた様な姿でより重厚感が溢れ力強い雰囲気と強烈な存在感を醸し出していた。
スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン シンクロ・効果/レベル12/闇属性/ドラゴン族/ATK3500/DEF3000
チューナー2体+「レッド・デーモンズ・ドラゴン」
このカードの攻撃力は、自分の墓地に存在するチューナーの数×500ポイントアップする。
このカードは相手の魔法・罠・効果モンスターの効果では破壊されない。
また、相手モンスターの攻撃宣言時、このカードをゲームから除外し、相手モンスター1体の攻撃を無効にする事ができる。
エンドフェイズ時、この効果で除外したこのカードを特殊召喚する。
「っく、キングドラグーンの攻撃を中断し1枚伏せてターンエンド。」
「エンド宣言時に速攻魔法サイクロンを発動し今伏せたカードを破壊!更にサイクロンにチェーンしてダブル・サイクロンを発動!自分の場と相手の場のカードを1枚づつ破壊する!自分はサイクロンを選択しもう1枚の伏せカードを破壊します!」
サイクロン/速攻魔法
フィールド上の魔法・罠カード1枚を選択して破壊する。
ダブル・サイクロン/速攻魔法
自分フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚と、相手フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚を選択して発動する。
選択したカードを破壊する。
「ミラーフォースに幽閉が破壊されたか!」
「うはぁ・・・危ない危ない。では僕のターンですね。」
「だが、お前のモンスターでは俺の究極竜には勝てんぞ!」
「心配無用!もう1枚の最後のリバースカード発動!【緊急脱出装置】!このカードが発動した時、場のモンスターを持ち主の手札に戻す!」
「場のカードを減らすとはプレイングミスか?」
「そう言っていられるのも今の内・・・スカーレッド・ノヴァの永続効果!自軍の墓地に存在するチューナーの数だけ500ポイントアップする!僕の墓地にはフレア・リゾネーターにフォース・リゾネーターの2体が存在する為に1000ポイントアップ!」
「なに!?」
スカーレッド・ノヴァ ATK3500→4500
「更に手札から天使の施しを発動して3枚ドローして2枚捨てる!僕はさっき回収したチューナーモンスターのフォース・リゾネーターと同じモンスターであるアタックゲイナーを捨てて更に1000ポイントアップ!」
スカーレッド・ノヴァ ATK4500→5500
「アルティメットの攻撃力を上回った・・・だと!?」
「流石にアルティメットが出て来た時には胆が冷えましたけどノヴァが出てくれば戦闘では無類の強さを誇りますからね・・・。」
「この・・・俺が負けるだと!?
「これで終わりです。スカーレッド・ノヴァでアルティメットに攻撃!バーニングソウル!」
スカーレッド・ノヴァ ATKはその手に持った双剣で斬り掛からずに炎を纏った体当たりで瀬人のアルティメットドラゴンを破壊した。
「ぬわぁぁぁぁぁ!?」
瀬人 LP4000→-1000
爆発と煙に乗じてデュエルの決着を告げるブザーが屋上に鳴り響く・・・。
「あ~、少しやり過ぎたかも。流石にダブル・チューニングは使わない方が良かったかも・・・。」
少年の呟きに瀬人は反応していなかった。
ちょっとアンケートですがカードの詳細を小説内に書くか、後書きにて紹介しようか迷っています。のでこのまま小説内で説明で行くか後書きにて紹介するのか決めて頂きたく思いますm(_ _)m
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