男子高校生のきんいろな日常 (牧弥潤巳)
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復活の兆し

初投稿です。どうぞよろしくお願いいたします。


???「?ここどこだ?」

俺はどこかわからない場所に立っていた。ただただ歩き、周りを見回すと、

???「なんだよこれ!?」

俺は街が銀色のメダルになってどこかに吸い込まれていったのを見た。俺は急いでいつもの場所に向かうと、

???「陽子!綾!こっちだ!」

俺の友達の女の子を助けようと手を伸ばしたら、その二人までもがメダルになってしまった。

???「あ・・・あぁ・・・」

俺は辺りを見回した。そしたら街のほとんどが消え去っていた。俺は人の気配がして振り向くと友達の女の子がいた。

???「・・・しの!こっち!」

俺は女の子に手を伸ばした。するとその女の子は俺に微笑んで・・・

メダルになって消えていった。

 

 

 

???「あああああああああああああ!!」

 

 

 

 

 

???「・・・ハッ!はぁはぁはぁ・・・」

息を切らしながら俺、桐生楓は夢から目を覚ました。

楓「なんだ。夢か。・・・ん?なんだこれ。メダル?」

手に何か違和感を持った俺は手を見たら、赤いメダルを握っていた。

楓「夢で見たのと似てるな。何に使うんだ?」

俺がこれの使い方を考えていると、

???「楓!早く降りなさい!遅刻するわよ!」

楓「あ、はーい!」

俺は制服に着替え、リビングに向かった

楓「おはよう。母さん。」

紫音「おはよう楓。」

母の桐生紫音は時に厳しく時に優しいというのにふさわしい人だ。母さんはモデルのような体型なのに、柔道の有段者なのだ。

悠木「おはよう。母さん。楓。」

楓「おはよう兄さん。」

紫音「おはよう悠木。」

兄の桐生悠木は成人していて、今は昔からの夢だった警察官になっている。

紫音「悠木。今日も遅いの?」

悠木「うん。あ、今日は会議があるから、もう行くよ。昼は適当に済ますから。じゃあ行ってきます!」

紫音「行ってらっしゃい。」

楓「大変だねぇ。警察官は。」

紫音「あんたもそろそろ時期が来るんだから、ちゃんと進路決めときなさい。」

楓「分かってるよ。今日午前中だから弁当いらないよ。じゃあ行ってきます。」

紫音「いつも忙しいわね。色々と。」

楓「まぁね。」

そうして俺は自宅を出て、隣の家に向かいインターホンを鳴らした。

ピンポーン

???「あら、楓君。おはよう。」

楓「おはようございます勇さん。しの起きてますか?」

勇「起きてるけど、玄関にいるわ。ドア開けていいわよ。」

楓「はい。ありがとうございます。」

俺はドアを開けると、何かを読んでいる小学校からの幼馴染がいた。

楓「しの、なにしてんの?」

忍「あ、楓君。おはようございます。」

楓「あぁ。おはよう。じゃなくて、なにしてんの。」

忍「いえ、お手紙を読んでいまして。」

楓「なんで今読むんだよ!遅刻するぞ!」

忍「でも読みたいんですよ。」

楓「あーもう!学校着いてから読みなさい!行くぞ!」

俺はしのの手を引いてあいつらのいる駅前に向かった。

???「それでさー。」

楓「おはよう。」

忍「おはようございます。陽子ちゃん、綾ちゃん。」

陽子「しの、楓遅い!」

楓「悪い!しの連れてくのに時間食った。」

綾「時間食ったって、今まではそんな事なかったわよね?」

忍「実はお手紙を読んでいたんですよ。」

陽子「あ!エアメール!」

楓「そういや、しのってイギリスにホームステイしたことあったっけ?」

忍「はい。アリスからです。」

陽子「おぉすげぇ!不思議の国か!」

綾「イギリスね。」

楓「読んでたまではいいけど、読めたのか?」

忍「いえ、一文も。」

陽子「読めてないのか。見せて。」

陽子「おぉ、英語だ!ディアシノブ。」

忍「私は大宮忍ですよ。」

楓「おい、高校生でそれはないだろ。」

しのの発言に通りすぎた女性が笑っていた。

すると綾が顔を真っ赤にしながら

綾「ちょっと後にして!」

と言ったので、俺達は学校へ向かった。

学校に行く途中、陽子がいきなり

陽子「あれ、楓。胸ポケットにあるそれなんだ?」

楓「え?あぁ。これ?」

俺は今朝のメダルを見せた。

綾「何?それ?」

楓「知らん。なんかあった。」

忍「何に使うんですかね?」

楓「まぁ一応持っとくよ。」

俺達は学校に着き、下駄箱にいた。

忍「楓君英語得意でしたよね?」

楓「まぁある程度は。・・・わーったよ。ちょっと見せな。」

俺はしのから手紙を受け取った。

楓「えっと、日本に来るって書いてあるな。」

忍「本当ですか?」

楓「あぁ。それから・・・」

さくら「大宮さーん。ちょっといいかしらー?」

俺達のクラスの担任の烏丸先生がしのを呼んでいた。

忍「あ、はーい。今行きます。先に行ってて下さい。」

陽子「じゃあ行こうか。」

綾「そうね。」

???「あのー。そこの方?」

陽子「おー!金髪少女!」

楓「初めて見た。」

???「シノブという女の子を知りませんか?」

楓「え?しの?」

???「最近の写真がなくて申し訳ないのですが、この人形にそっくりな子です。」

と言いながらこけしを見せてきた。

陽子「失礼だなおい。」

???「あ、そろそろ行かないと、失礼しました。」

陽子「なんだったんだ?」

綾「さぁ。」

???「あ、楓達だ。」

???「ほんとだ。おはよう。」

楓「昴、海翔。」

陽子「おっはよう!」

綾「おはよう。」

昴「あれ?大宮さんは?」

楓「しのならさっき烏丸先生によばれてていないぞ。」

海翔「じゃあ教室行こう。」

綾「えぇ。」

こうして俺達は教室へと向かった。

忍「あ、昴君と海翔君。おはようございます。」

昴「おはよう、大宮さん。」

海翔「うっす。」

俺達は全員同じクラスだ。だが俺としのが前の席で、綾達が後ろの席なので離れている。

楓「そういや、さっき金髪少女に会ったぞ。」

忍「え!?本当ですか!?詳しく教えて下さい!」

しのが目をキラキラさせながら言ってきた。しのは外国と金髪が好きだからである。

楓「背はそこまで高くなかったな。金髪をツインテみたいにしてて、かんざしつけてたな。あと、しのに用があったっぽいぞ。」

忍「え?そうなんですか?」

楓「あぁ。」

さくら「皆さん。おはようございます。」

俺達の担任の烏丸さくら先生。英語の教師で、ほんわかした人だ。なぜかいつもジャージを着ている。

忍「先生!おはようございます!」

さくら「大宮さん。今日も元気ね。」

忍「はい!」

さくら「いらっしゃい。」

先生がそう言うとさっき会った金髪少女が入ってきた。

陽子「あ!」

綾「さっきの。」

忍「アリス?」

楓「え?あの子が?」

しのがアリスと言ったその子はこちらを向くと、あからさまに明るくなって、しのに抱きついた。

アリス「シノブ!シノブ!」

忍「お久しぶりです。本当に来たんですね。」

アリス「うん!シノブに会いに来たよ。」

忍「アリス。日本語。」

アリス「勉強したよ。」

忍「すごいです!でもどうしてここに?」

さくら「カータレットさん。まず自己紹介からね。」

アリス「あ、ごめんなさい。」

そう言うと少女は自己紹介を始めた。

アリス「はじめまして。アリスカータレットと申します。イギリスから編入してきました。」

忍「・・・えー!?」

綾「気づくの遅!」

アリス「手紙に書いたよ?」

忍「英語だったので。」

アリス「そう思って二枚目はローマ字で書いたよ?」

楓「あぁ。何か違和感あるなって思ったら、ローマ字だったのか。」

アリス「皆さん。よろしくお願いします。」

放課後、俺達はまだ教室にいた。

陽子「いやーまさか高校入学して間もない時にイギリスの子が編入してくるとはねー。」

昴「人形みたいだな。」

綾「かわいいわね。」

忍「わかります。ドレスを着せて小ケースに入れて一日中眺めたいですよね。」

忍以外「・・・」

俺達はしのの発言に絶句してしまった。

もうアリスは顔が青ざめている。

忍「え?ジョークなので笑って下さい。」

楓「本気かと思った。」

忍「へ?」

アリスはゆっくりだが、俺達の名前と誰がそうなのかを確認していた。

アリス「コミチアヤ。」

綾「よろしく。」

アリス「イノクマヨウコ。」

陽子「猪に熊で猪熊。なんか強そうでかっこいいだろ?」

アリス「あ、あぁ・・・ワタシタベテモオイシクナイノデ。」

陽子「片言!?」

アリス「ヤガミスバル。」

昴「どうも。」

アリス「セトカイト。」

海翔「うっす。」

アリス「キリュウカエデ。」

楓「よろしくな。」

陽子「そうだ。アリス、そのかんざしかわいいな。」

アリス「あ、これはホームステイの時にシノブがくれたものなの。」

忍「あ!あの時の物を今も大事に。けど私かんざしって刺すものだと思ってました。人を。」

昴「怖いよ。」

綾「仕事人?」

楓「そういや、日本にいる間はどこに住むんだ?」

海翔「一人できたんだろ?」

アリス「うん!えっと、シノブの家に。」

忍「アリス!」

アリス「?」

忍「かわいそうに。たった一人、住むところもなく・・・」

楓「あれ?」

忍「私の家にきていいんですよ!何もない家ですが!」

アリス「え!?えーっとそのつもりであああの!」

昴「面白いコンビだね。」

陽子「そうだな。」

綾「あはは。」

昴と陽子が面白がる中、綾は苦笑いをしていた。

海翔「じゃあ。」

陽子「またなー!」

綾「またね。」

アリス「バイバーイ!」

別れ道が来たので、俺達は昴達と別れた。

アリス「カエデはどこに住んでるの?」

楓「ん?しのん家の隣。」

忍「楓君とはお隣さんなんですよ。」

アリス「へぇー。そうなんだ。」

楓「じゃあな。」

忍「また明日。」

アリス「バイバーイ!」

〜忍side〜

アリス「アリスと言います。お世話になります。」

忍「お母さん。アリスが来るのを知ってて内緒にしてたんですよ?プチドッキリです。」

忍母「驚かそうと思って黙ってたの。ごめんなさい。それにしても日本語上手ね。」

忍「正座も上手です。」

アリス「日本のこといっぱい勉強したよ。それと、一度だけ着物を着たことあるよ。正座も苦しいけど、着物も重くて暑くて辛かった。十二単の重さは凡そ10キロにもなるという。これに耐えたら大和撫子になれると信じて・・・」

アリスが正座の状態で震えています。足がしびれてしまったようです。

忍「苦しいなら我慢しなくていいんですよ!?どうぞ。くつろいで下さい。遠慮は無用ですよ。」

アリス「あの。お土産ですが。」

忍「まぁご丁寧に。」

アリス「空港で買ったどら焼きです。」

忍「日本産!?」

私、てっきりイギリスで買ってきたものかと思ってました。

忍母「あ、そうだ。忍。楓君と遊んで来たら。アリスちゃんと一緒に。」

忍「そうですね。アリスはどうします?」

アリス「私はいいよ。」

忍「じゃあ行きましょうか。」

アリス「うん!」

桜の咲く頃、我が家にイギリス人少女がやって来ました。

〜楓side〜

楓「ただいま。・・・って昼頃だし誰もいないよな。さぁて、これからどうするかな。」

ピンポーン

楓「?はーい。」

俺がドアを開けると、

忍「こんにちは。」

アリス「カエデ!遊ぼう!」

隣に住んでるしのとアリスがいた。

楓「えっと、どうした?」

忍「お昼は特にやることがないので、お母さんが楓君と遊んだらと勧められたので。」

アリス「忙しかった?」

楓「いや、別に暇だったけど、なにするんだ?」

忍「ショッピングモールに行きたいです。生地がそろそろ切れそうなので。」

楓「俺はいいけど、アリスは?」

アリス「私もいいよ!」

忍「じゃあ行きましょう!」

アリス「おおー!」

楓「行くのはいいが・・・」

忍・アリス「?」

楓「しの、まともな格好をしろよ。」

忍「?私はちゃんと着ていますが?」

楓「いや、そのゴスロリみたいな格好のどこがまともなんだ?」

忍「外国人ですよ!」

楓「ざっくりだなおい!・・・まぁいいや。じゃあ行くぞ。」

こうして俺達はショッピングモールへと向かった。あの事件に巻き込まれ、あの赤いメダルの使い方を知るとは思いもせずに・・・

 

 

〜???side〜

ショッピングモールの地下に赤い腕が浮遊していた。幸い誰も人がいない為、騒ぎになっていない。

???「はぁはぁはぁ・・・クソッ!なんでこれだけしか復活しないんだ。おまけに俺のコアメダルがたったの一枚。加えてこの二枚とはな・・・」

その腕は楓が持ってるメダルに似ている黄色と緑色のメダルを握っていた。

???「仕方がない・・・こうなったらやるしかないか。」

赤い腕は持ってるメダルが入るくらいの差し込み口が三つある石を握っていた。

???「800年前に俺達を封印した・・・

 

 

 

 

 

オーズを復活させる!」




ご閲覧頂きありがとうございます。この作品はなるべくきんいろモザイクと仮面ライダーオーズの話をベースにしながら書いて行きたいと思います。オリジナルを書くときもあると思います。至らないところがありますが、どうぞよろしくお願いいたします。それではまた。







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復活のオーズ

最近、アニメの見過ごしがありすぎて心が折れそうです。(泣)



俺、桐生楓は幼馴染のしのこと大宮忍と今日からしのの家にホームステイし始めたアリスカータレットとショッピングモールに来ている。何でもしのが生地がそろそろ切れそうと言ったからである。

楓「んー。結局、これ何なんだろうなー。」

そう言いながら、俺は今朝握ってたメダルを放りながら呟いた。

アリス「カエデ。なにそれ?」

忍「今朝楓君が持ってたらしいんですよ。」

楓「(嫌な夢も付いてな・・・)あ。着いたぞ。」

そんなこんなで俺達はショッピングモールに着き、目的の店に着いた。

アリス「喉乾いたね。」

忍「そうですね。」

楓「じゃあ俺、飲み物買って来るよ。何がいい?」

忍「いえ。悪いですよ。」

楓「気にすんなって。ちょっと行って来る。」

忍「相変わらずですね・・・」

アリス「・・・(もしかして)」

忍side

大宮忍です。私は今日ホームステイに来たアリスとお隣さんの桐生楓君と一緒にショッピングモールにきたのですが、楓君がまた気を遣ってくれたのか、飲み物を買って来ると行ってしまったので、アリスと生地を見ていました。

忍「アリス。どれがいいですかね。」

アリス「あ!これがいいと思うよ。」

忍「あ!これ、楓君に合いそうです。」

アリス「ねぇ。シノブ。」

忍「?どうかしましたか?」

アリス「シノブって、カエデが好きなの?」

アリスにそう質問されたのがきっかけなのか、顔が熱くなってきました。

忍「!わ、私は別に、楓君とはお隣さんなだけで・・・///」

アリス「(シノブって、こういう事分かりやすいなー。)」

楓side

飲み物を買った俺はしの達のもとへ戻ろうとしていた。

すると、

???「おい!」

楓「?」

???「こっちだ!」

楓「おわぁ!?腕だけ!?」

俺がみると、赤い腕だけの人?がいた。そいつはいきなり俺の胸ぐらを掴んで、

???「さっきのなんだ!」

楓「え?」

???「さっき投げてた物はなんだ!」

楓「あぁ。これ?今朝持ってたんだよ。」

俺は今朝の赤いメダルを見せると、

???「コアメダル・・・」

楓「?」

怪物「よこせ。」

楓「うわ!なんだあれ!?」

俺が振り向くと、カマキリに似た怪物がいた。

怪物「フッ!」

その怪物はいきなり俺に攻撃してきた。

???「グッ!」

攻撃を受けるかと思ったが、赤い腕が俺を庇っていた。

怪物「お前・・・アンクか。」

楓「え?アンクって言うの。お前。」

アンク「今はどうでもいいだろ。これは俺のコアメダルだ。」

楓「おいおい。一方的過ぎるだろ。おい、やめろ!」

俺は怪物に掴みかかる。だが、あっさりと俺の首元を掴み放り投げた。

楓「うわぁー!」

俺はショッピングモールのテーブルにぶつかる。

楓「ぐっ、いってぇ。」

俺が痛みに耐えていると、パトカーの音が聞こえた。

そこから刑事が拳銃で怪物を発砲するが

怪物「フン、ハっ!」

銃弾を真っ二つに切り、怪物はパトカーを攻撃した。

攻撃を受けたパトカーは他の車とぶつかる。すると、パトカーから人が拳銃を持ちながら出てきた。だが、力尽きてしまった。しかも出てきた人が、

楓「兄さん!大丈夫!?」

俺の兄、桐生悠木だった。

楓「大丈夫ですか!?しっかり!」

怪物の方を見ると、アンクへの攻撃を続けていた。

楓「これなら・・・」

怪物がアンクにとどめを刺そうとしたとき、

バン!バン!

俺は怪物に向かって発砲した。

楓「なんだか知らないけどもうやめろって!」

怪物「邪魔するな。お前に関係ない。」

楓「あるね。」

怪物「ん?」

楓「あるよ。兄さんとは長い付き合いだし、そいつともさっき知り合った仲だからな。」

アンク「・・・」

怪物「フン。」

怪物は再びとどめを刺そうとする。

楓「やめろ!」

俺は再び怪物に発砲したが・・・

楓「弾切れ!?クソッ!」

拳銃を投げ捨て、もう一度怪物に掴みかかった。がまた投げ飛ばされた。

忍side

忍「楓君どこに行ったんでしょうか。」

アリス「シノブ!あれ!怪物がいるよ!?」

忍「?あ!楓君!・・・と腕?」

アンク「あいつ・・・ただのバカだ。使える。いや・・・今はこの手しかない。」

怪物が楓君を壁にぶつけて、放り投げました。

楓「ぐわっ!うわぁー!」

と、腕が楓君を掴んでいたのです。

怪物「アンク。人間を助けるとはな。」

忍「楓君君!」

アリス「カエデ!大丈夫!?」

楓「しの!アリス!」

 

楓side

怪物に投げ飛ばされて、もう終わりと思ったが、アンク?が助けてくれた。

アンク「お前、名前は?」

楓「え?桐生楓だけど。」

アンク「楓、お前には感心した。助かる方法を教えてやる。」

そう言うとアンクは何かの石を取り出した。

怪物「!?それは、封印の!?」

アンクが俺の腰に石をつけたらいきなり何かのベルトに変わった。

楓「うお!?」

アンク「俺がこの手に握ってきたのはコアメダルだけじゃなくてな。楓、助かるには奴を倒すしかない。」

楓「あいつを・・・」

アンク「メダルを三枚、ここにはめろ。緑を左、黄色を真ん中、赤を右にな。そうすれば力が手に入る。」

俺はアンクからメダルを二枚受けとる。すると怪物が

怪物「乗せられるなアンクに。使えば、ただでは済まない。」

楓「え?そうなの?」

と、アンクの方を見た。するとアンクが頬を挟んで、

アンク「おい、多少のリスクがなんだ。ここで全員死ぬよりはマシだろ。早くやれ楓。変身しろ。」

怪物「よせ!」

俺は少し考える。中学の時に父さんから聞いた話を思い出し、少し笑いこう言う。

楓「父さんから色々話は聞いてきたけど、楽して助かる命がないのは、どこも一緒らしいな!」

俺はメダルを高く弾いた。帰って来たメダルを掴み、ベルトに左右に同時に、真ん中にメダルはめる。真ん中にはめたと同時にベルトが傾いた。

アンク「これを使え。オースキャナーだ。これをメダルに通せ。」

そう言いながらアンクが俺の右腰についていた丸い物体を渡す。

楓「あ、あぁ。」

俺がその物体を取ると音が出始めた。俺は言われた通りにメダルを通す。通した瞬間、軽快な音が出て来て、俺は不意にこう呟いた。

 

楓「変身?」

 

タカトラバッタ タ ト バ♪ タトバタトバ♪

 

怪物「なんだと!?」

アンク「フッ、思った通りだ。」

忍「楓君!?」

アリス「カエデが変わったよ!?」

後で聞いてみたら上から赤、黄色、緑に変わっていたらしい。

楓「え?何だ今の歌。タカトラバッタってこれが!?」

アンク「歌は気にするな。それはオーズ。どれだけのものかは戦ってみればわかる。」

楓「え?」

俺が前を見ると怪物がこっちに襲いかかってきた。

楓「おわぁ!」

俺は間一髪怪物の攻撃を防ぐ。すると、胸の黄色の場所がいきなり光始め、かぎ爪?が現れた。

楓「はっ!」

俺がカマキリに似た怪物をそのかぎ爪で攻撃する。すると、その怪物はメダルを少し撒き散らしながら転がっていく。俺は怪物を

今度は緑の場所が光始めた。

楓「おぉ。なんか力が体の中に溜まってくる!」

怪物「クッ!」

楓「フフッ!はぁー。はぁ!」

俺がジャンプすると、一回だけで怪物も元まで飛べたので、連続で蹴りを入れる。

楓「ヘヘッ。これ面白いな。」

怪物「貴様ぁ!」

怪物が俺に攻撃を仕掛けてきた。俺はそれをまともに受けてしまった。すると、真ん中のトラ?の絵がかかれた場所が黒く点滅し始めた。

楓「いてててて。ん?なんだ?」

アンク「楓!真ん中をこいつに変えて、さっきと同じことをやれ!」

アンクは俺に緑のメダルを投げてきた。

楓「え?えっと、これを真ん中に変えて・・・」

俺が言われた通りに真ん中のメダルを変えている途中、

怪物「させるか!」

楓「あー邪魔!」

怪物が邪魔をしようとしてきたので俺は蹴りを加え、少し遠ざける。

楓「さっきと同じことをやる。」

右腰にあるオースキャナーを取り出し、もう一度メダルに通すと、

 

タカカマキリバッタ

 

音が鳴り終えると、腕がカマキリに似たものに変わっていた。

楓「わーお。ホントにカマキリだ。」

アンク「よし!」

怪物「貴様!そのメダルを渡せ!」

俺は襲ってきた怪物をさっき変わった腕で切りつけた。

楓「はっ!ふッ!はぁ!」

カマキリとバッタの場所が光り始め、

楓「はぁーーー!」

俺はジャンプして、一気に怪物へと近づき、勢いよく切りつけた。

楓「せいやーー!!」

すると怪物が爆発したと同時に銀色のメダルが飛び散っていた。

楓「銀色のメダル。これでできてたんだ。さっきの。」

俺はそのメダルを拾いよく見る。

楓「(やっぱり、夢のアレと同じだ)」

夢の事を思い出し、考えていたが一番大事な事を思い出した。

楓「ていうか、これどうやってもどんだ?おーい!アンクってやつー!」

俺がアンク?を探してると、

忍「楓君!」

楓「どうした?しの。」

アンク「良い体を見つけた。」

忍「あれ見て下さい!」

楓「?」

しのの指さした場所をみると、

アンク「これで少しはマシに動ける。」

兄さんが起き上がっていた。起き上がっては・・・いたのだが、右腕を見た瞬間、何が起こったのかわかってしまった。

楓「お前、兄さんに何した!」

なんとアンクって腕は兄さんに取り憑いて?いたのだ。

アンク「俺には目的があるからな。それを果たすまでこの体を借りるぞ。」

楓「なんだよ。目的って。」

アンク「さぁな。あと、傾きを戻せば変身が解ける。」

楓「えっと・・・こうか。」

傾きを戻すと変身が解けた。

楓「あぁ戻った。それより、兄さんは大丈夫なんだよな。」

アンク「どうでもいいだろ。どのみちこいつは死にかけだったんだからな。」

楓「気になるよ。家族なんだし。というかさっきのなんだよ。聞きたいことが色々あるんだけど。」

アンク「あーうるさい!話してやるから騒ぐな!」

俺がアンクに次々と問いを掛けていると、

prrrrr

楓「?兄さんの電話?」

兄さんの電話が鳴っていた。発信元をみると、今の状況下で掛けてきてはいけない人からだった。

楓「うっわ・・・これはまずい。」

忍「どうかしましたか?」

楓「勇さんだ。」

大宮勇さん。しののお姉さんで、今は高校三年でモデルをしている。え?それのどこがまずいのかって?いや、そりゃぁ・・・

忍「お姉ちゃん?何がまずいんですか?」

楓「いやだって勇さんが今の兄さんの状況を知ったら・・・あの人達付き合ってるし。」

そう。勇さんと兄さんは恋仲、両家公認?というものなのだ。今の兄さんの状況を知れば絶対悲しむだろう。そういう事はしたくない。

忍「どうしましょう。」

楓「黙っておくか?でもあの人結構勘が鋭いからな。誤魔化すにしても大変だし、どうしよう。」

???side

白衣を着た研究員?みたいな男性がオーズの戦いを見ていた。

???「あれがオーズの力・・・頭と胴体と脚を変えられるのか。興味深いね。」

研究員がそれを見ていると、

???「旭さん。何堂々とサボってるんですか。」

オーズの戦いを見ていた人に白衣を着た女性が近づいてきた。

旭「おや?亜美君。いやね、面白いものをみつけたのだよ。見たまえ。」

旭が亜美にオーズの戦いを見せた。

亜美「これは確かに興味深いですが、私達が今実験中だと言うことを忘れてませんか?」

旭「忘れてはいないさ。それに一つ完成しているだろ

う?」

亜美「それはそうですが、まだ使ったことがないでしょう。実験体もないのに。」

旭「それなら心配ないよ。心当たりがある。」

旭はポケットから二つのメモリ?みたいなものを取り出した。

旭「あの二人に使わせよう。」

亜美「あの二人?」

旭「私の友人の子さ。彼ならこれを使いこなせるだろう。」

亜美「因みに、その人の名前は?」

 

 

 

旭「八神昴だよ。」

 




ご閲覧ありがとうございます。ここでキャラを一人紹介します。


桐生楓
年齢 15歳
身長 160㎝
体重 55㎏
趣味 ゲームと人の話を聞く。あと人助け?
父親が世界中を旅していて、父親から色々な話を聞いていつか自分も旅をしたいと思っている。
小さい頃から大宮忍の隣の家で暮らしているため、忍とは幼馴染。ぼんやりしている忍をよく保護者のように面倒を見ていた。
忍は密かに想いを寄せるが、楓は気づいていない。







こんな感じです。更新?があったらまたご報告します。


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ダブル誕生

このシリーズは投稿できる時に投稿します。いわゆる不定期投稿と言うものです。

それでもよろしければご閲覧よろしくお願いいたします。


昴side

俺の名前は八神昴。県立もえぎ高等学校に通い始めた。

突然で話が変わるが、俺の家には居候と呼べる奴がいる。

???「やっと帰って来たね。昴。」

昴「フェイ、お前本気で高校行く気なにのかよ。」

フェイ「僕はここで本を読むのがすきなんだよ。ここの本は実に興味深い。」

昴「そういう問題じゃないんだがな。とりあえず、母さんに相談するから。行くつもりでいろよ。」

フェイ「ふむ、わかった。」

こいつが居候のフェイ。小さい頃に色々あったらしく、俺が子供の時に母が引き取った。読書が好きな好奇心旺盛な奴だ。中学までは一緒に通ってたんだが高校になってからどこの高校にも入っていない。それは母は知らず、俺が苦労してるのである。

って、誰に説明してんだ俺は。

ピンポーン

昴「?」

俺の家のインターホンが鳴った。誰かが来たみたいだ。

昴「はーい。」

旭「やぁ、昴君。久しぶりだね。」

昴「お久しぶりです旭さん。」

望月旭さん。彼は研究員で、小さい時から色々と世話をしてもらってた。因みにフェイとも面識がある。

昴「それで、今日は用事ですか?」

旭「まぁ、ちょっとね。細かい話は間を挟んで話すとしよう。まずはこれを見たまえ。」

旭さんがアタッシュケースからUSBメモリ?らしき物を6本見せてきた。

昴「あの、旭さん。これは一体?」

旭「これはガイアメモリ。地球に記憶された現象・事象を再現するプログラムが組み込まれている。」

昴「は、はぁ。それで、これをどうすればいいんでしょうか?」

旭「次にこれだ。」

そういうと旭さんがメモリの差し込み口が二つある何かを見せてきた。

昴「これは?」

旭「これはダブルドライバー。さっきのガイアメモリを差し込むことで力を発揮する。」

昴「じゃあ、なんで差し込み口が二つも?」

旭「あぁ。それは、君達二人で使ってもらいたいんだよ。ダブルドライバーは元々二人で使うものだからね。詳しいことはこのマニュアルブックをみて確認したまえ。」

昴「え?ちょっと。まだ使うなんて言ってないんですけど。」

旭「おおっと、もうこんな時間か。悪いね昴君。じゃあそういうことで頼んだよ。」

昴「ちょっと旭さん!・・・逃げたな。」

フェイ「昴。これは興味深いね。」

昴「何が?」

フェイ「このダブルドライバーはどうやら腰につけるとベルトに変わるようだ。一人がつければ、自動的にもう一人にも装着されるらしい。」

昴「ふーん。で、問題がこのガイアメモリってやつよ。」

 

サイクロン

 

昴「?」

フェイ「昴。これはどうやら中に端末らしきメカが入っている。このボタンを押せば音が鳴るようだ。」

昴「なるほどね。」

俺は黒いメモリを手に取り、ボタンを押すと

 

ジョーカー

 

と、音が鳴った。

昴「ふーん。確かにこれは面白い。」

カチッカチッ

またフェイがなにかいじってるな。

昴「今度はなにしてんだお前。」

フェイ「昴。これを見た限りではどうやらこのメモリをこのベルトに差し込み、二つを左右に同時に開けると、二つのメモリの力を持ち、変身?を遂げるようだ。」

昴「変身だぁ?」

キャーー!!

昴「!なんだ!?」

フェイ「昴。行ってみよう。これの正確な使い方が分かるかもしれない。」

昴「オーケー。」

 

 

楓side

俺は桐生楓。俺は今日赤い腕のアンクって奴に遭遇したり、変な怪物に襲われたり、なんかオーズってやつに変身したり、色々とおかしなことに巻き込まれている。夢なら覚めて欲しい。それだけならまだしも、あの腕が兄さん、桐生悠木に取り憑きやがった。

楓「あいつ・・・好き放題やりやがって。」

忍「か、楓君。アンクさんが・・・あれ見て下さい。」

楓「アンクがどうし・・・」

俺はこの日絶句の意味をその身を持って知った。え?なんでかって?なぜなら、アンクが勝手にアイスキャンディを持った行こうとしてるからだよ!

店員「ちょっと兄ちゃん!なにしてんの!」

楓「おい!お前なにしてんだよ!」

俺はすぐさま店員に謝りに向かい、アンクが持って行った分のアイスキャンディのお金を払った。

楓「えっと、360円でしたよね。どうぞ。」

店員「ちょうどね。ちゃんとあの兄ちゃんに言っといてよ。」

楓「すいません。おいアンク!」

俺は店員に謝罪し、アンクの元へ向かう。

アンク「なんだ。」

楓「なんだじゃないよ。いい加減説明しろって!」

アンク「俺達は800年前に封印されたグリードと呼ばれるコアメダルから作られた・・・」

楓「ちょっ!待て待て待て待て!全然わかんねぇし。俺が聞いてんのは兄さんのことだよ。」

アンク「安心しろ。俺が時々こうして食わせてやる。」

楓「食わせるって・・・」

普通に食べてるだけなのに、なんか感じの悪い言い方だな。

アンク「何だ?俺も味は感じてるぞ。これが冷たくてうまいのは分かる。それとも、こっちのほうがよかったか?」

するとアンクはアイスキャンディを口に含まず、腕、つまりアンクの本体に突っ込んだ。

楓「ああ!なにしてんの!こいつ!離れろ!」

俺がアンクの部分を掴み、兄さんから離そうとするが、中々離れない、勢い良くアンクから兄さんを引き剥がした。

楓「やった!離れた!」

俺が喜んでいると、

アンク「俺が離れると、こいつは十分もしない内に死ぬぞ。」

はぁ!?死ぬ!?

楓「えぇーー!?先に言えよ!このっ!えいっ!くっつけーーっ!!」

今俺達は橋にいた。あの後、なんとかアンクを兄さんに戻し、事なきを得た。

忍「楓君、大丈夫ですか?」

俺がどんよりしていると、しのが話しかけてきた。

楓「あぁ。それにしても、離れたら持たないって・・・じゃあもう兄さんは・・・ん?」

俺がどうするか考えていると、アンクは俺の口にアイスキャンディを入れた。

アンク「食ってろ。お前に倒れられたら困る。メダルを集める為にもな。」

アンクは俺が変身した赤いメダルと、怪物が落とした銀色のメダルを取り出した。

楓「・・・お前もさっきの奴みたいにメダルでできてんのか?」

アンク「あ?ヤミーか。メダルにも二種類あってな。このメダルがコアメダル。この銀色のメダルがセルメダルだ。」

メダルを一枚ずつ見せ、アンクは説明を始めた。

アンク「いいか?このアイスキャンディ、この棒がコアで、アイスがセルだ。コアを中心にセルがくっついてるのが俺達、封印されてたグリード、お前が倒したヤミーは棒のないアイスだと思っとけ!」

そういうとアンクは俺の口にアイスを突っ込み、棒だけを引っこ抜いた。俺は残ったアイスを掴み、

楓「分かりやすいのか分かりにくいのか微妙な説明だな。」

そう呟いた。

アンク「!ヤミーか。早速お出ましだな。楓、行くぞ!」

そう言いアンクは走り出す。

楓「あぁ。しの!アリス!二人はここにいてくれ!」

忍「あ、楓君!」

アリス「カエデ!」

俺はアンクの後をついて行った。

 

 

忍side

私は今何かわからない感情に襲われています。楓君がオーズって言うものに変身して戦う。まだそれはいいんです。ただ、楓君だって無傷で帰ってくるのかわからない。さっきだって、怪物の攻撃を受けていましたし。

私はどうしたらいいんでしょう・・・

アリス「シノブ!」

忍「?」

アリス「行こう!」

忍「!はい!」

私達は楓君達を追いかけました。

 

楓side

 

楓「ここなのか?」

アンク「あぁ。間違いない。あれを見ろ。」

俺達は銀行へと着いた。すると包帯だらけの怪物がいた。

楓「あいつが・・・」

アンク「あぁ。ヤミー、棒のないアイスだ。」

ヤミー・・・絶対止めないと!俺は変身しようとアンクに手を出した。

アンク「あ?なんだ?」

楓「いや、メダルだよ。変身しないと!」

するとアンクは俺の手をのけた。

アンク「まだあいつを倒しても一枚しかメダルを落とさない。」

は?そんな事言ってる場合じゃない。俺はアンクにこう言った。

楓「いや、けどあいつが食ってるのって銀行のお金じゃないか。みんな困るだろ!」

アンク「違う。欲望だ。」

楓「え?」

アンク「コアもセルもメダルの元は、人間の欲望。」

俺はヤミーを見る。

楓「人間の・・・欲望・・・あんなのが」

アンク「待つんだ。あいつが欲望をメダルにして溜め込むまで。」

するとヤミーは包帯を巻いた状態から昆虫のような姿へと変わった。そしてヤミーはビルを登って行く。そのビルはどんどん傾いていく。更にヤミーはどんどん巨大化している。

楓「おい!いい加減止めないと!」

アンク「奴がこのビルを食ってからな。」

楓「食うって、中にいる人達はどうなるんだよ。」

アンク「フン!どうでもいいだろ。」

楓「どうでもいいことあるか!死ぬかもしれないんだぞ!助けないと!」

忍「楓君!」

アリス「カエデ!」

楓「え!?しの達なんで?」

忍「楓君が心配だからですよ!」

昴「楓!」

楓「え!?昴まで。」

昴「楓!なにしてんだよ!早く逃げろ!」

アンク「フン!関係ない奴は引っ込んでろ!」

昴「う、腕が赤い・・・」

フェイ「これは興味深いね。」

アリス「?誰?」

昴「あぁ。こいつはフェイって言って・・・って説明は後な。つか、これどうするよ。」

昴がこの状況をどうするか考えていると、アンクが俺に話しかけてきた。

アンク「おい楓。お前確か楽して助かる命はないって言ったよな。」

楓「それがなんだよ?」

アンク「タダで助かる命もないんだよ。黙って俺の言うことを聞け!」

楓「・・・」

俺はそんな時、今朝の夢を思い出した。あんな事が起こりかねない状況で、じっとしてなんかいられない。手を伸ばさないと、あんな思いはしたくない。俺はビルに走りだした。

アンク「おい!楓!」

忍「楓君!」

昴「なにする気だ!」

所々瓦礫が道を塞いでいて、俺は空いている階段を飛ばして行く。

そして、ヤミーがいる場所に着くと今にもヤミーによって外へと連れて行かれて、そのまま放り出されてしまいそうな男性がいた。

楓「くっ!」

俺はその男性の手を掴み、ヤミーから離した。

楓「早く逃げて!」

そう言って逃げやすいような場所へと押しやった。

ヤミーはそれに気づいてるのか上へと移動する。

そのタイミングで床に亀裂が入り―――そして、崩壊した。俺は落ちかけるが、残った部分をつかみなんとかなった。

それを落とすかのように建物が揺れ、片手を離してしまう。

マズイ、このままじゃ・・・

ガシッ

アンク「お前は本当にバカだな。」

上を見るとアンクが俺の片腕を掴んでいた。

楓「お前、兄さんから離れたら。」

アンク「人の心配してる場合か。さっさと変身しろ!」

そう言い、アンクは俺にベルトを見せてきた。だが、その前に言わないと!

楓「その前に約束しろ。俺が変身したい時は絶対変身させる。人の命よりメダルを優先するな。でなきゃもう二度と変身しない!」

アンク「チッ・・・」

ヤミーが移動したせいでビルが揺れる。すると掴んでいた場所が崩れ、俺は下に落下していく。

楓「うわぁー!」

忍「楓君!」

昴「楓!」

俺が落ちている時に、アンクは俺にベルトを着けた。

アンク「おら!」

俺にメダルを渡してきた。てことは・・・

楓「約束するのか!」

アンク「あぁわかった!早くしろ!」

俺はアンクからメダルを三枚受けとる。そして・・・

楓「変身!!」

 

タ ト バ♪ タトバタトバ♪

俺は変身したと同時に腕のかぎ爪を倒壊していないビルに引っ掛ける。そして瓦礫にぶつかり、地面に着いた。

楓「っと、危ねぇ。」

昴「・・・あれは?」

忍「オーズらしいです。」

俺が安堵していると、大きい箱と小さい箱を持つ黒い服を着た男性が来た。

???「ある方からの誕生日プレゼントだ。」

楓「え?誰か誕生日の人いた?」

???「これを使え。」

俺が小さい箱を開けると、バイクの免許証があった。そこには俺の名前がある。

楓「あれ?何でバイクの免許証?確かにバイクの使い方は知ってるけど・・・こっちは?」

俺が大きい箱を開けると、セルメダル五枚と、剣が入っていた。

楓「剣だ。うわぁ。かっこいい!」

???「メダルを、そこにある自販機に使え。」

その男性は黒い自販機を指差した。

楓「え?大丈夫です。喉乾いてないんで。」

???「早くしろ。」

楓「は、はぁ。」

俺は自販機へと向かった。

楓「これ?」

俺は言われた通りにメダルを入れる。

楓「えっと、ここか。」

俺が黒いボタンを押すと、自販機が突然バイクに変形した。

楓「バイクじゃん。かっこいい!あ、この為の免許証か。」

何で免許証が渡されたか納得していると、

???「これもプレゼントだそうだ。」

男性はバイクだったそれを自動販売機に戻し、セルメダルを入れる。

それから青い缶を選ぶ。そうするとたくさん下から出てくる。

その缶の一つが突然タコになり、大量の缶もそれへとかわり、空へ飛んでいく。

楓「わぁすげぇ!アンク!見て!ほら!タコだタコ!」

昴「あいつ、興奮してる場合か?」

忍「楓君、見たことない物を見るとああなるんですよね。」

昴「あんな楓初めてみた。」

しの達が何か言っているが今はそれよりタコが道を作ってくれたことに俺は興奮状態だった。

楓「うわぁ!すげぇ!!」

???「剣にもメダルを入れておけ。」

楓「剣?これか。」

これにもメダルを?覚えておこう。

楓「誰だか知らないけどありがとうございます。」

俺は男性にお礼を言い、タコが作った道をバイクで進む。ヤミーの元へ着き、ヤミーに攻撃を仕掛けた。するとヤミーは反撃し、バイクと剣が下へと落下した。

楓「あっ!!」

アンク「楓!チッ・・・舐めてんのか。」

そう言うとアンクがカマキリのコアメダルを投げた。

立ち上がり、投げられたメダルを受け取ると

楓「ごめん。ちょっと油断した。」

俺はトラのメダルをカマキリのメダルにかえ、オースキャナーを通す。

 

タカカマキリバッタ

 

カマキリに変わったことを確認して、俺はデカイヤミーの脚一本に斬りかかる。その時に多少のセルメダルがばらまかれ、ヤミーは倒れこんだ。

楓「やっぱりこれいいな。気に入った。」

俺がカマキリのメダルを好評価していると、ヤミーが突然起き上がり、攻撃してきた。ってこれって・・・

楓「うわぁー!」

ヤバいまた落ちるーー!するとタコが足を使って助けてくれた。

楓「ふぅ。助かった〜。」

死ぬかと思った・・・あれ?近くに剣が

楓「ちょっと、タコ君、そのまま待っててそらっ!」

俺は勢い良く剣を引っこ抜いた。

アンク「おい!」

 

タ ト バ♪タトバタトバ♪

 

タコは俺を引っ張り、ヤミーの元へと飛ばしてくれた。

楓「このっ!」

俺は着いた勢いで剣をヤミーに刺した。

楓「ぬぅぅぅ!」

するとヤミーが暴れて下へと落ちる。

タコが今度は一ヶ所に集まってクッション代わりになってくれた。

楓「よし!これならもう一回バイクで!」

アンク「おい!それ以上セルメダルを使うな!」

楓「いや、そんな事言ったって!」

昴「・・・そういう事か。」

 

昴side

 

なるほどね。楓はああいう風に・・・じゃあ

昴「・・・フェイ。大体はわかった。やってみる価値はある。」

フェイ「フフッ。」

忍「?昴君?」

俺は旭さんからもらったダブルドライバーをつける。するとフェイにもベルトがついた。

フェイ「昴。君はこれを使いたまえ。」

そう言いフェイは俺に黒いメモリを渡してきた。

昴「オーケー。」

俺とフェイはメモリのボタンを押す。

 

サイクロン

 

ジョーカー

 

昴・フェイ「変身!」

フェイが右の差し込み口にメモリを差し込む。するとフェイのベルトから俺のベルトにメモリが送られた。

昴「え?うーん。これでいいのか?」

俺は送られたメモリを差し込み、俺が持ってるメモリを差し込んだ。

昴「それでこれを同時に開ける!」

俺がそれを開けると、

 

サイクロンジョーカー

♪〜

音楽が鳴ると同時に風が俺の周りに吹き始めた。そして姿が変わってることに気づいた。

楓「え!?マジ!?」

忍「昴君まで。」

アリス「変わった!?」

昴「ふーん。これが変身か。悪くないな。ん?」

俺がフェイの方を見ると、フェイが倒れていた。

昴「え!?フェイ!大丈夫か!?」

フェイ「僕なら大丈夫だ。」

昴「えっと、どういう事?」

フェイ「説明は後だ。昴!君が差し込んだメモリを右腰に差し込み軽く押したまえ。終わらせるよ。」

昴「了解!楓!一気に決めるぞ!」

楓「わかった!」

俺の黒いメモリを右腰の差し込み口に差し込み、軽く押すと、

 

ジョーカーマキシマムドライブ

すると俺の周りに再び風が吹き始め、俺を浮かす。

 

楓side

 

楓「あ、そう言えば、これにもメダルを入れるんだっけ?」

俺はさっきの男性の言ってたことを思い出し、メダルを三枚程入れる。

楓「これを、こうか?」

そして手前にあるレバーを押すと、メダルが出て来た。

楓「こいつで行けるか?」

俺はオースキャナーを取り出し、剣に通す。

 

トリプルスキャニングチャージ

 

俺が剣を振り抜く体勢を取る。上をみたら昴が変身した姿が二つに分離し、こちらに勢い良く向かっていた。

昴・フェイ「おらぁ!!」

昴がヤミーに蹴りを連続で入れる。そして昴が離れたタイミングで剣を握る手に力を込める。そして・・・

楓「はぁぁ!せいやーー!!」

俺が剣を振り抜くと、ヤミーだけじゃなく、ビルまでも斬ってしまった。斬ったはずが、なぜかビルだけが元に戻った。そして・・・

怪物「ぐああああああああ!!」

巨大な怪物は大量のセルメダルをばらまきながら爆発した。

楓「こんなにメダルがあったんだ。」

俺がメダルの多さにビックリしていると、

アンク「俺のだ!俺のものだ!」

アンクはお構い無しに、メダルを体内に取り込んでいた。

あ、昴は大丈夫かな?

昴「で、これメモリ抜けば戻るか?」

どうやら変身の解き方を考えてたらしいがあっさりと変身を解いた。

昴「よし、戻った。」

すると昴は俺に近づいてきた。

昴「楓、さっきの奴何か説明できるか?」

まぁ、そうなるよな。聞いた範囲で答えるか。あれ?

楓「まぁ、聞いた程度でなら。・・・?」

昴「どうした?」

楓「いや、誰かに見られてたような。」

昴「誰もいないぞ。」

楓「気のせい・・・かな?」

 

海翔side

 

海翔「そんな・・・まさか・・・」

俺はみた。見てしまった、楓達が変身を解いたのを。怪物を。心臓の鼓動が、呼吸が早くなってるのが分かる。これは楓達への興奮ではない。恐怖だ。自分のように楓達がなってしまうかもしれない。このままじゃ・・・

海翔「どうしよう・・・」

 

━━━俺も戦う?

 

 

 

━━━駄目だ。

 

 

━━━━もう俺に、そんな資格はない。

 

 

楓side

 

昴と別れた俺達は家へと向かっていた。

忍「楓君、どうしたのですか?」

楓「いや、兄さんの事。一応手は打ったけど、いつまでもつかを考えたらな。」

俺は兄さんの携帯を見る。俺が打ったメールを見る。そこにはこう書かれていた。

『勇、今俺は大変な事件に関わっているんだ。しばらくは連絡できそうにない。』

俺はそれを送信した。

楓「さて、これがいつまでもつか。」

俺が兄さんの携帯をしまったと同時に、声が聞こえてきた

???「あれ?悠木?」

あれ?おかしいな。どこかで聞いたことのある声だ。ごく最近、しかも今の状況下でマズイ人の声が・・・

忍「お姉ちゃん。」

はい?勇さん?

勇「なにしてるのよ!心配したのよ!」

そう言い勇さんはアンクに抱きついた。

アンク「・・・」

楓「う、嘘だろーーー!?」

 

俺の打った手は一瞬で砕け散った。




ご閲覧ありがとうございます。このシリーズは以前お話した通り、オーズときんいろモザイクの話しを組み合わせて行く予定です。ドーパントやゾディアーツは出さない予定です。もしリクエストがあれば出します。後、「あ、この表現おかしいぞ。」などの事があればコメントをよろしくお願いいたします。それではオリキャラの紹介をします。


八神昴
年齢 15歳
身長 167㎝
体重 61㎏
趣味 読書と人の世話

比較的普通に生活をしているが、居候のフェイとよく一緒にいる。大体は面倒を見る程度。陽子や楓達とは小学校で知り合う。フェイも楓達と同じ小学校、中学校に行ってる為、楓達と顔見知り。


こんな感じです。楓君のプロフィールの訂正ですが、小学校からと書いていたのですが、幼い時からなのでつじつまが合いませんでした。すいませんでした。
それではまたお会いしましょう。


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グリード登場

溜め録りしてたアニメを休日に見るのはとてもいいですね。(非常にどうでもいい話題)


ウソだろ!?俺の打った手がまさかの1日で砕け散ったとは。いや違う。そんな事はどうでもいい。今のこの状況下で一番アンクに会わせたくない人が目の前にいる。

勇「悠木何してるの?仕事じゃなかったの?」

アンク「(何だ。この女。)」

突然アンクはこめかみに指を当てる。すぐ後に不敵に笑う。

アンク「(そういう事か。)」

勇「悠木。どうしたのその手。」

するとアンクは勇さんの首を絞めた。

勇「うっ・・・」

楓「やめろ!アンク!」

俺が止めに入ると、勇さんは無意識なのかアンクを背負い投げで飛ばした。そして飛ばされたのは兄さんの体だった。えっ?てことは・・・

勇「あ・・・あ・・・」

アンクの腕だけが勇さんの手に掴まれた状態でいた。勇さんの顔が青ざめている。

アンク「お前・・・何なんだ。」

勇「キャーー!!」

勇さんは悲鳴を上げ気絶してしまった。

楓「ちょっ!勇さん!大丈夫ですか!?」

アンク「おい。こいつ人間か?」

楓「当たり前だろ!それよりお前なに考えてんだよ!付き合ってんだぞこの二人!」

アンク「だからだ。こいつに付きまとわれたら困る。だからその前に消したほうが面倒がない。」

平気でそんな事を口走るアンク。そうか、そっちがそうならこっちだって考えはあるんだぞ。俺はアンクの案を否定すると同時にベルトを取り出した。

楓「駄目だ。もし、勇さんに手を出そうとしたら・・・このベルト、捨てるぞ?」

俺はそう言い川にベルトを落とそうとした。

アンク「チッ・・・。」

どうやらアンクはあきらめたようだ。こいつは本当に物騒な考えしかないな。

とりあえず俺達は自宅へと帰ることにした。アンクは当然俺の家に入れた。母さんに事情を話すと、

「なんかよくわからないけどとりあえずようこそアンクちゃん。」

と言っていた。ホントにこの人軽いんだよな。

さて・・・明日からどうしようかな?

翌日。結局俺は普通に学校へと向かった。ホームルームの時間になると、

フェイ「今日からこのクラスに入ることになりました。八神フェイです。よろしくお願いします。」

あれ?フェイって他の高校に行ってるんじゃないんだ。

さくら「ではフェイ君は八神君の隣に座ってください

。」

フェイ「なぜ彼女は僕を名前で呼んだんだろうか?」

昴「どっちも八神だからこんがらがるんだろ。」

確かに両方名字が八神じゃどっちかわからないからな。

そう思いながら俺は後ろを見ていると、しのがとんでもないことを口にした。

忍「アリスは今年でいくつになるんですか?」

楓「おい。同い年に決ってるだろ。」

アリス「そうだよ!同じクラスでしょ!」

忍「そうでした。でもその割には地位さですね。私が155㎝ですので、アリスは50㎝くらいですかね。」

アリス「それはないよ!」

授業の準備が終わった俺達は昴達のいる後ろの席に行った。因みに席の配置は教卓の目の前にしのとアリスが俺はしのの後ろ。窓側の席の後ろに綾、陽子の順番、綾の隣に海翔、陽子の隣に昴、そしてその隣にフェイとなった。

陽子「背が低いのがコンプレックス?」

アリス「うん・・・」

陽子「何で?小さいのかわいいじゃん。」

海翔「成長期が来てないだけだろ。」

綾「そうよ。これから伸びるわ。」

アリス「でも私、小学生の時から3㎝くらいしか伸びてなくて・・・」

アリスがそう言うと、ここのグループに静寂が走る。俺達はあることを察し、顔を伏せた。

海翔「それはもう・・・」

忍「はい・・・」

陽子「ダメかも・・・」

アリス「そんなー!そんな事ないって言ってー!」

俺達が黙っているのを見てアリスはガクリと膝を崩した。俺はせめてもの励ましの為にこう言った。

楓「けどさ、そこまで気にするか?俺だって男子のなかじゃ中の下くらいだけど気にしないぞ。」

そう。俺はクラスの中なかじゃ中の下くらい。つまり低い方なのだ。

陽子「そうそう。気にしなくていいって。」

アリス「ヨーコ・・・」

するとアリスは陽子にゴニョゴニョと話している。すると陽子が、

陽子「ん?背が低いから胸も小さいって?」

アリス「(コクッ)」

おいおい。そんな事をこんな場所で口走るなよ。

昴「そんな事をここで言うな。」

どうやら昴も同じ事を考えていたようだ。

陽子「ハハハッ!それは身長関係ないって!」

綾「そうよ。それこそ気にしないでも・・・」

陽子「いい例がここに!」

あ〜あ。綾を例えにしたか。見事に墓穴を掘ったな。

海翔「おいそれ、地雷だぞ。」

陽子「ん?なんで?」

綾「・・・いわよ。」

陽子「?」

綾はガシッと陽子の肩を掴んで思いっきり揺らした。やはりぶちギレたか。

綾「どうせないわよ!悪かったわねー!!」

陽子「冗談!冗談なのに!」

キーンコーンカーンコーン

フェイ「おや、授業が始まるようだ。」

忍「やった!一時間目英語です!」

アリス「シノブ、英語が好きなの?」

陽子「からすちゃんが好きなんだよねー。」

アリス「カラス?」

楓「烏丸先生だぞ。担任の。」

アリス「あのメガネの?」

忍「そうです。優しくて笑顔で、英語ペラペラで、大人でジャージで。あんな人になりたいです。」

昴「ジャージはよくないような。」

俺もそう思う。と心で思っていると、突然アリスが「あ・・・あ・・・」と言いながら震えている。どうかしたのか?俺がアリスに声を掛けようとした時アリスが突然叫んだ。

アリス「だ、ダメだよシノブ!カエデがいるのにそんな事したら!」

忍「わぁーーー!アリスダメです!!///」

そう叫んでアリスの口をふさいだ。俺がいるのに?どういう意味だ?しかも顔が赤い。熱あるのか?

楓「どうした?顔赤いぞ。」

忍「き、気にしないでください!///」

フェイ「ニヤニヤ」

楓「何だよ。」

フェイ「楓は以外と鈍感なんだよね。」

楓「な!どういう事だよ!」

海翔「さぁて授業の準備するか。」

楓「おい!・・・まぁいいか。とりあえず席に戻ろう」

英語の授業。黒板に英語を書いている烏丸先生。

烏丸先生「っと、ここはこうなります。ん?」

アリスはずっと烏丸先生を見ていた。

烏丸先生「本場の方が居ると緊張しますね。先生の英語はどうかしら?」

忍「先生の英語は日本一です!!」

突然しのが立って高らかに言い放った。

さくら「まあ!ありがと!」

おいおい。さすがにそれは・・・しのってホント烏丸先生好きだな〜。

アリス「(ラ、ライバル!)はい!」

突然アリスが挙手して立ち上がった。どうしたんだ?

烏丸先生「アリスさん。」

アリス「Miss Karasuma,Your English sounds Little awkward(ミス・カラスマ!あなたの英語はちょっとだけ変です)!!」

・・・はい?

全員「おおおお!!」

まさか英語を見せてきたとは、しかも少しドヤ顔だし。それに周りも歓喜していた。

昴「本場の人の英語、初めて聞いた。」

陽子「すげぇ!」

と、アリスを称賛する声が多かった。

烏丸先生「凄いわアリスさん!皆さん、アリスさんがお手本を見せてくれますよ。」

アリス「え!?」

周りから拍手されてアリスは赤面する。

さくら「それでは、40ページの最初から。」

アリス「あ、はい!」

そう返事するとアリスは教科書を持つ。

アリス「(な、何でこんな事に!?)」

なんて思ってるんだろうな。アリスって思ってる事が顔に出るタイプだな。アリスが教科書を読んでいる中、教室に赤い腕が入ってきた。ってマジ!?俺は驚いてるがそれ以外の人達は悲鳴を上げている。当然だよな。腕だけなんだし。

陽子「腕だけ!?すげぇ!」

綾「陽子!感心してる場合じゃないでしょ!」

・・・どうやら例外がいるようだ。っと、その前にアンクを追い出さないと!

楓「なにしてんのお前!」

アンク「いいからこい!ヤミーだ。近くにいる。」

楓「え?・・・わかった。」

俺は昴にアイコンタクトでそれを伝えた。すると、

昴「オーケー。」

どやら昴は理解してくれたようだ。

楓「先生!ちょっとこいつを追い出してきます。」

昴「そういう訳で失礼します!」

さくら「桐生君!八神君!」

陽子「気になる。・・・行ってみよ!」

綾「駄目よ!授業中でしょ!」

アリス「シノブ、もしかして、」

忍「・・・」

俺達はアンクに案内され、とある倉庫へと来た。すると、食べ物を運ぶために用意してあった場所から食べ物を食べる体格のよい男がいた。

持ち運ぼうとした男は気づいてそれを止めようとする。

楓「アンク、あれがヤミーなのかよ?どう見ても人間だろ。」

その男を指差しながら困ったように笑う。

アンク「ああ、そうだ。しかもただのヤミーじゃない、人間に寄生するタイプだ」

そう言いながら3枚のコアメダルを上に投げたりキャッチしたりしてあそんでいる。

昴「一般人が巻き込まれてるわけね。止めるぞ楓。」

楓「当然。」

アンク「いや、あれはもっと育てたほうがいいな。もっとメダルでぶくぶくに太らせて・・・」

と言うアンク。しかし、俺はそれを聞き捨てるわけもなく、もてあそばれてる3枚を手のひらの上に再び落ちる前に手に取り、俺はベルトを取り出す。

楓「そんなに待ってられないね。行こう昴。」

昴「よし。」

俺と昴がベルトを着け、俺はメダルをはめオースキャナーを通す、昴はガイアメモリ?を使うらしい。

 

ジョーカー

 

楓・昴「変身!」

 

タカトラバッタ タ ト バ♪タトバタトバ♪

 

サイクロンジョーカー

〜♪

 

楓「おい!その人から離れろ!」

昴「離れな・・・ってうわっ!」

そう言いながら駆け寄り、相手の近くへと行く。

しかし、炎のようなものを直線に3発自身へと放たれ、避ける暇もなくあたる。

昴「おい待て!こいつ火吹くぞ!?」

そのせいで後ろへと軽く下がってしまう。

楓「そうか、寄生ってことは、その人の状態で力が使えるかも。とりあえず引き剥がさないと。」

あの剣がちょうどいいと思い出すと即座にそれを取り出す。前に軽く構えるようにして前に進む。

その間もまた炎のようなものを放ってくる男。

剣のおかげで防げたはそれをその男と軽くもみあいになった。

それをなんとかしようとは男に剣を振りかざすが、相手が人間だと言うことに躊躇いを感じ、切りつけることができなかった。

楓「こらっ!早く離れろ!戦えないだろ!」

そう男の中にいるヤミーに言ったつもりで叫ぶ。

それでなにもしなかったので飛ばされるが、そこは。

こけそうになるのをなんとか防いで後ろへと後退するかのように動くだけに収めた。

アンク「チッ・・・寄生してるヤミーはそう簡単には出てこない。やるなら本体ごとやれ!」

楓「いや、そんな事言ったって!」

言った後に男が迫ってきたので避けるが、つかみかかられてしまう。

それからある程度もめて後ろにバックステップして避けたりをしていた。

上からその様子をみていたアンクは不満そうに顔をしかめ、右手を赤い腕に変えるとそこから降りると俺と男性との間に入りその男のあごを掴み、壁にぶつけた。

アンク「まだパワーは成長してないようだな」

と言った矢先に男性を軽く空中で回転させると男は背中から地面に落ちた。

それになにかをしようとして近づくアンクを俺が後ろから羽交い絞めにしながらアンクにこう言った。

楓「言ったよな!メダルを命より優先するなって!」

アンク「そんなもん知るか!いい加減どっちが命令する立場なのか覚えろ!」

に両肩を軽く押されながらもそう叫び返したアンク。

そうしている最中にも男が立ち上がり俺達に向けて炎のようなものを吐く。

男「うがぁ!」

と叫びながら。

昴「マズイ!」

フェイ「任せたまえ。」

するとフェイ?は緑のメモリを抜き取り、黄色のメモリを取り出した。そしてそれを押すと、

 

ルナ

 

それをベルトの右側に差し込み、バックルを開けた。

 

ルナジョーカー

 

〜〜♪

 

音楽が鳴ると、右半身が緑から黄色に変わった。そして腕が突然延びだし、炎の攻撃を防いだ。

・・・だが、肝心のヤミーが逃げてしまった。

アンク「チッ、逃げたか。」

楓「サンキュー昴、助かったよ。」

昴「気にすんな。」

楓「にしても、どこに行った?」

と呟いた。そこへ1人、バイクに乗って現れる男性がいた。

近くに横になるように止めると2人に近づき、それからヘルメットを取った。

そしてそのバイクのとあるボタンを押すと自動販売機のようなものへとなった。

???「これを使え」

それを聞くとは、

楓「あ!そうか!バイクで!」

と言いながらそれに近づいき、セルメダルを入れ、バイクに変形させた。

???「何故戻す。タカでヤミーを追跡させろ。」

楓「あぁ。そういう事。」

その人に言われてもう一度自販機に戻す。

アンク「おい!それ以上メダルを使うな!今の取り消せ!無効だ。」

???「一回は一回だ。」

アンクが何か抗議している間に俺はセルメダルを入れて上のほうの赤い色の缶のボタンを試しに押した。

するとタカ・カンと言う機械に近い音声と共に赤い缶が出てきた。

楓「確か、この人こうやってたよな。」

それを手にし、開け逆さにする。

逆さにされた赤い缶はタカのようなメカ?になった。

楓「すげぇな。悪いけど、ヤミー探してくれない?」

と言った。そのタカのようなアンドロイドは理解したらしく二度首を上下に動かすと飛んでいった。

アンク「お前なにもんだ!どうして人間がメダルの力を使える!」

そう言いながら男を睨みつけるようにして言う。

???「お前たちが眠っていたのは800年。その間に人間も進化したってわけだ。お前たちグリードに対抗できるほどにな!」

と言うと銃をアンクに向ける。え?あれって本物!?

アンク「フン!進化っていうのはデカ過ぎる自信のことか!」

皮肉のように聞こえたが、これはマズイ状況だな。

昴「一触即発ってこのことだな。」

その間に変身を解いた俺が入る。

楓「ち、ちょっと落ち着いてください。」

そう言うと2人は暫くにらみ合った。

男が銃を降ろすとバイクで走り去っていった。

昴「ふぅ。大事にならなくて済んだな。」

そう言い、昴は変身を解いた。

アンク「どうやらこっちにもそうする必要があるようだな。」

と言うアンク。またなんか企んてんのか。

楓「てかさ、あの緑のメモリ、どこから?」

昴「あぁそれは学校にいるフェイからだよ。これ二人で変身するんだ。」

楓「そういえば、昨日昴が変身した時、フェイ倒れてなかった?」

昴「・・・パニックになってなきゃいいんだけど。」

俺達は学校へと戻る。

アリス「シノ!二人帰ってきたよ!」

綾「何してるのよ!もう授業終わったわよ!」

昴「悪い悪い。ってアリスいつから大宮さんの事しのって呼んでるんだ?」

綾「あぁ。それはね・・・」

綾が言うには、授業が終わった後、移動教室だったので、しの達が移動するときに烏丸先生がいたからアリスが「シノブの事をシノって呼びます!」と言ったらしい。皆はほんわかしてアリスを見て、当の本人は顔を真っ赤にしていたらしい。どうやらアリスにとってライバル宣言だったようだ。

楓「にしても、かわいらしい宣言だな。」

アリス「だってシノが仲良しのあだ名だって!」

 

そこからは何事もなく授業が進み、放課後になった。俺はアンクに呼ばれ、とある場所に来た。

楓「なぁアンク、ここって。」

アンク「俺の家だ」

平然とそう語っているアンクだがこいつは何言ってるんだ。ここは・・・

楓「いや、どっからどう見ても兄さんが借りてるアパートだろうが。お前の家じゃねぇよ。」

そう。兄さんは元々アパートを借りて一人暮らしをしているのだ。

アンク「こいつは俺だ。だから俺の家だ」

楓「別人だろうが。全く違ぇよ。つか何でここがわかったんだよ。」

とアンクに問い掛けた。するとアンクはこう答える。

アンク「自由にできるのは体だけじゃない。頭の中身もだ。」

楓「なんとすごいことだか。」

もう凄くて呆れてきた。俺はアパートを改めて見上げたらアンクが追いかけた。

中にずけずけと入っていくと、

アンク「調べないとな、セルメダル集めてる人間と封印されてる間に無くなったコアメダル。進化した方法で」

と言いながらその中にあったパソコンに目をつけた。

 

海翔side

俺は瀬戸海翔。楓達と同じクラスだ。俺は今考え事をしている。それは昨日と今日の楓達の事。恐らく楓達が学校を出た理由はヤミー・・・あの怪物共だ。あんな事が起こりかねない。だから俺は・・・

綾「あれ?海翔?」

海翔「!・・・綾。」

綾「偶然ね。今帰り?」

海翔「まぁ、ちょっと。」

できることなら綾達を巻き込みたくない。

けど、もう俺には・・・

綾「ちょっと!あれ!」

海翔「ん?・・・!?」

俺が見たのは、楓が男と取っ組み合いになってる場所だった。

 

 

楓side

 

アンクは今パソコンをいじっている。というかどこで覚えたのかが気になって仕方ない。そのためアンクにこう聞いた。

楓「おい、なんでお前がそれ使えんだ?」

アンク「こいつの記憶を使えばすぐ覚える」

いや、そんな当たり前のように言われると一層困惑するんですけど

アンク「趣味だったらしいな。昨日の女に説教されるくらいに。」

楓「確かにたまに勇さんが注意するけど。」

そう言うと再び記憶を探るアンク。

アンク「なるほど・・・。最近貰ったもんがここにあるのか」

呟きながらタンスを漁る。奥の方に誰もいない部屋があるのを見ては違和感を覚える。

アンクはいつの間にかスマートフォンを取り出していた。そして箱から取り出し、眺めた。

それからタカが窓をつついていた。

楓「ヤミー、見つけた?」

俺はタカに案内されヤミーの元へ向かった。俺が見たら男性は缶を捕まえている。だが、男性が掴んだのはカンドロイドだったため、タコに変形する。なるとそこから墨をはく。目潰しされた男を羽交い締めをするとタカのアンドロイド(通称:カンドロイド)が食べ物を持ったまま動く。するとヤミーは寄生者から出てこようとした。

楓「いいぞ、このままっ・・・!」

中からヤミーが出てくるのをみてそう呟く。

しかし、アンクによって邪魔されたあげく、その食べ物を男に投げ渡してしまう。

男は受け取ると食べ始める。

楓「おい、なにしてんだよアンク!」

アンク「言っただろう?このヤミーはまだでかくなれる」

とアンクが言った。

楓「まだそんなことを?」

呆れたように言うと

アンク「問題あるか?食ってるだけなら周りで誰も死なない。」

説明するようにアンクが答える。

楓「この人はどうなるんだよ!」

俺は少しキレ気味でアンクに問い掛けた。

アンク「フン!これは自業自得だ。いいか、ヤミーのせいでこうなったんじゃない。この人間の持っている欲望のせいでこうなったんだ。欲望にまみれて死ねれば本望だろう」

当たり前のようにそう言った。

楓「だからって・・・」

男は腹部が更に膨れてうめき声を上げている。

楓「マズイ。いいからメダル出せって!」

と言いながらアンクの腕をつかんで言うが、アンクに離されたあげく突き飛ばされてしまう。

それから上半身を軽く起こすとアンクが近寄ってきて、

アンク「いい加減覚えろ!命令するのは俺だ!言っておくが、ベルトを捨てたらそれこそ人は助けられない!」

そう大きな声で叫ばれる。

俺はそそくさと立ち上がり、まだ食べようとしている男に近づいて止めようとした。

楓「やめろって!それ以上食ったら死ぬぞ!」

と言いながら食べ物を取り上げようとした。

しかし、反対側へと放り投げられてしまう。それから立ち上がるのと同時に男せも立ち上がった。俺はわき目もふらず男の方へと向かう。

アンク「馬鹿が・・・」

と独り言のように呟く。だが俺はヤミーを引き剥がそうと必死だった。

アンク「やめとけ!お前の方が先に死ぬぞ!」

と叫ばれ、忠告されるが、

楓「なにもしないで見殺しにするよりは全然マシだね!」

と叫び返した。すると男からヤミーが出てきて脱皮するかのように姿が変化した。

するとヤミーが襲いかかる。変身してないため、攻撃を避けるしかない。

海翔・綾「楓!」

楓「え?海翔と綾、何で・・・うわっ!?」

あいつらいつからここにいたんだ?というかこれ以上友人を巻き込む訳には・・・

アンク「チッ、またこのパターンか・・・おい楓!」

アンクは俺にメダルを投げてくる。俺はヤミーを蹴り飛ばし、メダルを受け取りベルトをつけた。そして左右に同時に、真ん中にメダルを入れた。ヤミーが攻撃するが、それを避ける。そしてオースキャナーと手に取ると同時にバックルを傾け、メダルにオースキャナーを通す。

楓「変身!!」

 

タカトラバッタ タ ト バ ♪タトバタトバ♪

 

綾「え!?何あれ!?」

海翔「・・・」

今度は最初から剣で行くか!俺は剣を取り出し、ヤミーに斬りかかったが弾力のよい肉体のせいで攻撃がはじかれる。

ヤミーの攻撃を避けてから切ろうと横にしてやってみるがそれもはじき返されてしまう。

楓「はぁ!?こいつプヨプヨしてる!」

と思わず叫ぶ。そしてそれから再度切ろうとするがやはりはじきかえされる。

それを後ろに行きながら繰り返すが後ろのめりになったせいで剣を手放してしまう。

そのため、トラのかき爪を出してヤミーに向かった。

最初は避けられてしまうがそのあとは当てたが、なかなか通じない様子。

楓「もう!めんどくさいな!こいつの体!」

それを何度やっても無駄だったため、かき爪をそのままに少しうろたえた様子で叫ぶ。

それから突き飛ばすようにしてヤミーをつく。

ヤミーはそのまま突き飛ばされて建物の柱へとぶつかり、そのままの方に戻って来て俺にぶつかってきた。

楓「ぐぁっ!」

こいつ・・・めんどくさい体だな。

すると、緑色のほうから足へと光が進んで行く。

それからジャンプし、軽く足をあてるとセルメダルが少量出てきた。

俺は何度もヤミーを蹴った。そのたびにそこからセルメダルが出てくる。

外の見晴らしのいいところまで進むと攻撃をしてくるが、それを簡単に避けてそのまま飛び蹴りをしようとするが軽く避けられてしまう。

俺は気にせずそのまま再び何度も蹴る。ヤミーはそれで軽く転がるようにして後ろへと移動する。

剣が行けたんなら、ベルトでもできるはず。俺はそう思い、オースキャナーをもう一度メダルに通すと、

 

スキャニングチャージ

 

メダルが突然光だし、光が足の方へと移動すると足の形がまるでバッタの後ろ足のように変化する。俺はそれを使って高く飛んだ。

楓「フッ、はぁぁぁ!はっ!」

俺の前に赤・黄・緑のリングが現れる。俺はそこを通り抜け、ヤミーを捕らえる。 最初のリングを抜けた時、赤い羽が生える。あれ?柱が浮かんでる。けど構ってられるか!俺は柱を破壊しながら進んだ。

楓「はぁぁぁぁ!!せいやーー!!」

俺が三つのリングを通り抜けると、オーズみたいにリングが並んだ。俺は地面に着いた。

楓「っと!やったか!」

セルメダルを多少落としていたがヤミーはまだ生きていた。

楓「嘘!?何で!?」

海翔「マジかよ・・・」

綾「倒したんじゃ・・・」

アンク「お前を邪魔したやつがいたんだ。」

楓「え?」

アンク「カザリ、お前だな。」

カザリ「フフフッ。久しぶりだね。アンク。」




今回はオリキャラの紹介はしません。
それではまた。


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疑いと価値と救いの手

これからはナレーション立場で執筆します。
それと、色々と説明を
復活のオーズから、
何かのベルト→オーズドライバー

ダブル誕生で出て来た剣→メダジャリバー

グリード登場より、オーズドライバーのバックル→オーカテドラル



・・・今のところは以上です。それではどうそ。


アンク「カザリ・・・お前だな?」

 

カザリ「久しぶりだね、アンク」

 

と言った。

 

アンク「こそこそ付きまとってるとは・・・お前らしいな。そういえば人間に寄生するヤミーはお前のお得意な手だったな。」

 

と腕を動かしながら言う。

ヤミーはその間にも倒れている男へと近づいていく。

そして、軽く振り返るとセルメダル状になって倒れている男の元へと戻った。

男はうめき声をあげながら立ち上がる。

 

男性「もっと、もっと食い物!」

 

楓「おい待て!」

 

と言って近づこうとするがカザリの攻撃によって妨害されてしまう。楓はその攻撃で吹き飛ばされていまった。

 

アンク「気をつけろ!奴は取り戻しに来たんだ。お前のその1枚は奴のコアメダルだからな」

 

と楓が着けてるベルトのオーカテドラルを指差しながらそう言う。

 

楓「コアメダル・・・てことはグリード!?」

 

楓は驚き、アンクのそばによって軽く身構える。

 

カザリ「そんなに警戒しないでよ。戦う気はないんだから。」

 

そう言うカザリ。

 

アンク「なに?」

 

先に言ったのはアンクだった。

 

カザリ「聞いてよ。無くなったコアメダルなんだけど、さすがに君が全部持ってるとは思ってないよ」

 

そう説明するように言ってから、

 

カザリ「なにしろ君自身がそんなだしね。」

 

と言った。

 

アンク「で?」

 

カザリ「オーズなんて捨てて、グリード同士で手を組まない?」

 

楓「え!?」

 

一方戦いを見ていた綾は、忍に電話していた。

 

綾「しの!今楓が怪物と戦ってるの。」

 

忍「えぇ!?今どこですか?」

 

綾「場所は・・・」

 

綾は、忍にその場所を伝える。

 

3人に戻る。楓は今も警戒していた。

 

カザリ「分かってると思うけど、オーズなんて元は僕達を封印した存在だよ。そんなのと組むのなんて無理がある。」

 

そう言いながらカザリは楓とアンクに近づく。

楓はアンクとカザリと呼ばれたグリードを交互に見つめる。

 

カザリ「アンク。僕は昔からグリードの中で君に注目していた。僕と組んだほうがメダル集めは効率的だよ。」

 

足を止めてなおも言うカザリ。

 

アンク「俺としても仕方なくオーズを使っているだけだ。」

 

呆れたようにも聞こえる声で言う。

 

アンク「なにしろ・・・これだけしか復活できていない。」

 

言いながら右手をあげる。

思い出したかのように首を動かすと、

 

アンク「・・・が、人間はやっぱり面倒くさい。お前の方がマシかもな」

 

楓「な!?」

 

カザリ「決まりだ。オーズはもういらないね」

 

そう言いながら楓の方へと歩き出すカザリ。楓は警戒しながら少し後ずさりをする。

 

アンク「待て!」

 

そう言うと楓とカザリの間に歩くアンク。

 

アンク「グリードのお前と組むのもそれはそれでデメリットがある。少し考えさせろ」

 

と自身の額に赤い腕の方の手を動かして指差すように動かす。

 

カザリ「ふん。分かった。でも長くは駄目だよ。君は油断ならない」

 

とカザリは言うと、また黄色の竜巻のような物を出す。

それを楓はまともに受けてしまった。

 

楓「ぐぅぅ!ぐぁっ!」

 

それから姿は見えないが、カザリの声で「いい返事を期待してるよ。頭のいい君ならいい答えが出せるはずだ」と聞こえた。

 

楓「これがアンクと同じグリードの力・・・」

 

ヤミーとは比べ物にならない。そう感じながら呟いた。

 

 

カザリがいなくなった後、楓は変身を解いた姿で多少おぼつかないような立ち方をしていた。

 

楓「グリードってヤミーとは全然違うんだな。強さというより、力の質って言うの?」

 

はぁ、はぁ、と息を切らしながらそう言った。

 

と言った。アンクは楓に近づきこう言う。

 

アンク「当然だ。カザリのほかにもあと3人。緑のグリードウヴァ、白のグリードガメル、青のグリードメズール。」

 

グリードは合計五人いることを伝え、こう続ける。

 

アンク「もし奴らのコアメダルが揃っていたとしたら・・・今頃どうなってたか」

 

それを聞いて未だにはぁ、はぁと息を切らし、立っているのがやっとの楓が、

 

楓「確か・・・世界を喰らうって・・・」

 

と言った。暫く間をおいてから、

 

アンク「さてと・・・カザリからのありがたい申し出で俺もオーズが必要ってわけじゃなくなった。どうする。黙ってメダル集めに協力するなら考えてやるが。」

 

戦い慣れしてないせいか未だに息を切らしている楓に向けて言った。

 

楓「それは無理。」

 

そう言いながらなんとか立てている体をアンクに向ける。

 

アンク「馬鹿か。お前も見たろ。人間なんて一皮向けば欲望の塊だ。いくら助けてもきりがない。」

 

楓「そりゃ時には欲望に負ける事もあるけど、最後には、ちゃんと・・・」

 

そう言う楓を遮るように言う。

 

アンク「欲望に負けるか。よーく考えろ。その間、俺はこれを勉強だ」

 

prrrrr

 

携帯の着信音が鳴っていた。

 

楓「え?」

 

楓は自分の携帯を取り出すが、自分の携帯からではないと気づく。楓は違うポケットに入れてある悠木の携帯を取り出した。

 

楓「マジかよ・・・こんな時に・・・」

 

???「どうして?」

 

楓「!?」

 

楓は後ろから人の声、聞き覚えのある声を聞き、振り向いた。

楓「勇さん・・・」

 

勇「それ、悠木の携帯よね。どうして楓君が?」

 

楓「いや・・・これ・・・」

 

楓は言葉を言い切る前その場に倒れこんでしまった。

 

勇「楓君!?」

 

海翔「楓!大丈夫か!」

 

綾「え!?どうなってるの!?」

 

忍「楓君!大丈夫ですか!?」

 

海翔「ひどい傷だ。手当てしないと。」

 

一方ヤミーにとりつかれた男性は別の場所で食べ物を食べていた。

 

しかし男は

 

男性「苦しい、もう食べたくない。もうイヤだ!」

 

と言っていた。周りの引いている人々は気づいてる様子はあまりない。手を止められず口にしてしまう。その間にもセルメダルが増えていく・・・。

 

その場所にはいないが、アンクはそれに気づく。

 

アンク「(いいぞ。もっと食え!食って溜め込め!)」

 

内心でそうと思った。

 

スマートフォンをいじりながら、

 

アンク「なるほど、面白いな」

 

と1人で呟いた。

 

アンク「ただ突っ立ってるだけで、大量のデータが手に入る。飛び回る必要もないってわけだ」

 

そう言ってからスマートフォンを見る。それを離れた場所から楓を時々たすけている男性がみていた。

それをどこか別の場所で見ている男性と女性は軽い会話を交わしていたのを楓達は気づいていない。

 

 

一方、カザリの攻撃で負傷した楓は自宅で手当てを受けていた。

 

海翔「よし!これでオーケー。」

 

海翔は楓の背中にシップを四枚程貼り付けた。楓は新しく服を着た。

 

海翔「あと、替えのシップな。」

 

そして、海翔は替え用のシップを二枚楓に手渡した。

 

楓「サンキュー。」

 

勇「それで、さっきの話本当なの?」

 

楓の方へと顔を向けてそう尋ねる勇。

 

勇「あの腕の怪物が、悠木に取り憑いてるって。」

と言った。楓はうなずき、

 

楓「すみません。巻き込みたくなくて。」

 

そう申し訳なさそうに言った。

 

勇「なにか方法があるんじゃないの。警察とか?病院とか?」

 

と楓に向けて言った。

 

楓はその質問に首を振った。

 

楓「そこじゃどうにもならないと思いますし、アンクは平気で兄さんの体を捨てる。」

 

楓の言葉に勇はショックを受け、膝をついてしまった。

 

勇「そんな・・・」

 

楓「違うんですよ。いくら姿が一緒でも、中身が全然違う。今は俺の兄でも、勇さんの恋人でもない。」

 

そう平然と話した。

 

海翔「楓はこれからどうするんだ。」

 

楓「え?今タカちゃんにヤミー追って貰ってるから。見つかったら行くつもり。」

 

勇「ヤミーってあの腕の怪物みたいなやつ?」

 

楓「うーん。微妙に違うけど、似たようなものか。」

 

綾「本気!?そんな怪我なのよ!」

 

綾はまた楓が戦いに行くつもりだったので、少し感情的になって止めに入った。

 

楓「でも、人も巻き込まれてるし、ヤミーどうにかできるのは、オーズ・・・俺のできることらしいし。」

 

海翔「・・・何で。」

 

楓「?」

 

海翔「何でそんな事が言えるんだよ!死ぬかもしれないんだぞ!怖くないのかよ!?」

 

綾「海翔?」

 

余り感情的にならない海翔が珍しく表情を変えて止めた。

 

楓「確かに死ぬのは怖いけど、それで自分のできる事から逃げたくないんだ。」

 

感情的に止めに入った海翔に、楓は自分の思ってる事を伝えた。

 

楓「・・・誰もを助けられるわけじゃないし。」

 

忍「え?」

 

楓が一瞬表情を曇らせたのを忍は見てしまった。

 

楓「ただ、手が届くのに手を伸ばさなかったら、死ぬほど後悔する。それがイヤだから手を伸ばすんだ。それだけ。」

 

真剣な表情でそう楓は語る。すると、タカカンドロイドが窓をつついていた。

 

楓「あ、ヤミー見つかった?」

 

タカカンドロイドが案内しようとしてるので、楓は自宅は

 

忍「楓君!大丈夫ですか?怪我してるのに。」

 

楓「あぁ。大分体動けるようになったし替えのシップだってあるから、大丈夫。 」

 

そう言いながら懐よりその替えのシップのようなものを取り出して見せ、それをしまい走り出した。忍はそんな楓を心配そうに見送った。自販機にセルメダルを入れてボタンを押してバイクにする。ヘルメットをかぶり、バイクを走らせた。移動してから暫くするとその問題の店の前についた。ヘルメットを脱ぎ店に入ろうとした。

 

昴「楓!」

 

騒ぎを聞いて来たのか、昴も店に赴いていた。

 

楓「昴。」

 

昴「やっぱりヤミーか。」

 

楓「あぁ。」

 

するとアンクが近くに現れる。

 

楓「・・・アンク」

 

落ち着いた様子で言う。

 

アンク「答えは出たのか楓。俺はすっかりこれをマスターしたぞ。」

 

スマートフォンをみせながら楓に近づくアンク。

 

楓「答えは同じだ。俺はお前の道具にならない。」

 

と平然と言い放つ。

 

アンク「お前は本当にバカだな。」

 

呆れたように言うアンクの後ろにカザリが出てきて、

 

カザリ「じゃあ・・・アンクの答えも決まりだね」

 

と言った。

 

昴「なんだ!またヤミー?」

 

楓「違う。グリードだ。アンクと同じ。」

 

カザリ「君はオーズなんか捨てて僕と組む」

 

それに対し、

 

アンク「そうなるなぁ」

 

と言うアンク。

 

カザリ「お前は・・・ここで消える」

 

学校の制服の楓に向けてそう言い、カザリは近づく。

楓はバイクからメダジャリバーを取り、昴はダブルドライバーを取りだす。

 

カザリが楓達にに向かってくる。アンクは右腕を戻し、それからカザリに攻撃した。

軽くセルメダルが出てくる。カザリはそのせいでそこから後ろの軽く突き飛ばされる。

 

カザリ「アンク・・・お前・・・!」

 

そう言うと顔をあげてアンクを見る。

 

アンク「お前は昔から疑い深かったが、復活しても同じだな。俺と楓が示し合わせて裏をかくんじゃないかと、うろうろかぎまわってたろ。」

 

カザリ「くっ・・・・」

 

そう言ってからスマートフォンを出して

 

アンク「最近の人間の道具だ。黙ってても情報が集まる。お前の行動は全部見られてたんだよ。人間に。」

 

と言った。

 

カザリ「まさか・・・人間がそんなこと・・・」

 

とうろたえるように言った。

 

アンク「変わったんだ。俺達が封印されてる間に。疑い深いグリードはその疑いから裏切る。メダルを狙う。バカでも面倒でも・・・人間の方がまだマシだな。」

 

楓を見ながらまんざらでもなさそうに言った。

 

カザリ「お前・・・!」

 

と言ってアンクに近寄るがアンクに抵抗されて後ろへと移動する。

 

アンク「楓!!」

 

楓はメダジャリバーを近くに投げ捨て、右手でオーズドライバーをつける。そして左手でメダルを受け取る。

オーカテドラルに両手で左右にメダルをはめ、右手で真ん中にはめ込む。

楓は入れ終えると左手でオーカテドラルを傾け、右手でオースキャナーを手にする。

それから斜め上になるよう持ち上げてオーカテドラルに通す。

 

楓「変身!」

 

 

タカ トラ バッタ タ ト バ ♪タトバタ ト バ♪

 

 

 

カザリがその間にも襲い掛かってくる。カザリの攻撃を避けることしかできない楓。すると、

 

アンク「楓!これに変えろ!」

 

アンクの言葉と一緒にカマキリのコアメダルが投げられる。楓はそれを受け取ると真ん中のと取り替えそして相手の攻撃を再度避け、オースキャナーで再びメダルに通す。

 

タカ カマキリ バッタ

 

そしてその腕でカザリと戦う。その腕でカザリを軽く後ろへとやるとカザリが砂嵐を起こし、楓を攻撃する。戦いに慣れていないせいか、攻撃をまともにくらい、倒れ込んでしまった。

楓「くっ!」

 

カザリ「コアメダル・・・返してもらうよ」

 

その様子を見ながら言い放つ。それから楓に近づく。楓はなんとかして立ち上がる。しかし、立ち上がってから少しふらついてしまう。

 

アンク「楓!死んでもとられるな!」

 

と楓に向けてアンクは叫んだ。

 

楓「死んでもね・・・フッ!」

 

それからお互いに飛んで攻撃し合うが相撃ちとなり、そのときに胸の辺りを攻撃されてしまったのでそれが原因で、オーカテドラドルの真ん中からコアメダルが弾き飛ばされる。

それをキャッチしようとアンクは腕を体からはなし、飛んで行くが先にカザリに奪われてしまう。

同時に地面に落ちた楓はそのまま変身が解けてしまう。

 

カザリ「・・・ウヴァのコアか」

 

と言いながらそのコアメダルを見つめるカザリ。

 

アンク「チッ、やっぱ人間を選んだのは失敗だったか」

 

多少怒りを感じる声でそう呟くアンク。

 

カザリ「僕のメダルも返して・・・」

 

言いかけた瞬間、何故か肩の部分がセルメダルになって外れる。

 

カザリ「・・・なに!?」

 

楓「え?」

 

手に何か握ってるのに気づいた楓が右手を開くと・・・3枚のコアメダルを手にしていた。

 

カザリ「僕の・・・」

 

さっきの楓の行動を思い出す。実は楓は、カザリを切りつけたつもりが、無意識にカザリのコアメダルを抜き取っていた。

 

カザリ「僕のコアを・・・」

 

楓「切った感覚がないわけだ。」

 

アンクは楓からコアメダル三枚を半ば強引に奪い取り、こう言った。

 

アンク「ハハッ、上出来。」

 

コアメダルを抜き取られたカザリはふらつきながら、

 

カザリ「アンク・・・いつか後悔するよ」

 

と言い残し、ふらつきながら逃げるように去っていった。

 

昴「楓!今なんかおかしな状況なんだよ。」

 

楓「なんだあれ!?」

 

窓が割れる音でする。

 

男性「助けて・・・うがぁぁぁぁ!!」

 

とうめくように叫ぶ。

 

アンク「そろそろ寄生するのも限界だな。メダルの収穫だ」

 

そう言ってる間にも男はヤミーの中に取り込まれるように入っていってしまった。

 

楓「え!?あの人ヤミーの中に!」

 

軽く暴れるヤミーをみてアンクが先に移動する。楓と昴は急いで後を追う。それから人気の無いような場所で離れた場所にヤミーが見える。

 

アンク「欲望に飲み込まれたってところだ。あの醜さが人間の本性だよ。あんなのに助ける価値があると思うのか。」

 

と言うアンク。前へ移動しながら、

 

楓「人の価値は俺が決めることじゃない。」

 

アンクに向けて楓はそう言った。

 

アンク「俺は決めるぞ。価値なしと決めたらすぐにお前を捨てる。」

 

昴「こいつ・・・」

 

平然と言い放つアンクにジト目で見ていた。

楓「俺は必ず隙を見つけて、絶対兄さんを取り戻す。お前を倒してもな。」

 

アンクの少し前で少し睨みながら言った。

 

アンク「やれたら褒めてやる」

 

言ってから3枚のメダルを放り投げる。

楓はそれをキャッチすると、再びオーズドライバーを腰に当ててオーカテドラルにしてそこにメダルをいれる。左手で傾け、右手にオースキャナーをもってからメダルに通す。

 

同時に昴はダブルドライバーを付け、ジョーカーメモリを取り出し、メモリを押す。

 

ジョーカー

 

楓・昴「変身!」

 

タカ トラ バッタ タ ト バ タトバタ ト バ♪

 

サイクロンジョーカー

 

〜♪

 

先に走り出していた楓はメダジャリバーで切ろうとするがやはりはじかれる。それを繰り返しても切れなかった。

 

楓「やっぱり切れない・・・」

 

面倒くさそうに楓は呟いた。

 

上からみていたアンクが、

 

アンク「また妙な具合に成長したな。楓!もっと深く切り込め!」

 

アンクはそう叫んだ。

 

楓はヤミーの方を見ながらこういう。

 

楓「あんまり深い中の人が・・・うわっ!」

 

と叫び返してから相手の攻撃を受ける。それから攻撃を防ぎ、おなか辺りを何回かやや深めに切ると少しひらいてセルメダルが見えるようになる。そのときに一瞬だけだが、男性の顔が見えた。

 

楓「そうか!セルを押し退ければ!」

 

昴「来るぞ!」

 

昴がそう言と、ヤミーは口から火を放つ。楓と昴はそれを避ける。

 

アンク「なるほどな。楓!さっきとったこいつバッタと変えろ!」

 

と黄色のコアメダルをに投げる。オーカテドラルからバッタを取り、黄色のメダルを入れる。その時、ヤミーが攻撃を仕掛けて来たのでそれをかわしながらオーカテドラルを傾け、オースキャナーを通す

 

タカ トラ チーター

 

すると、楓の脚が緑から黄色に変わる。

 

男性「助けて・・・」

 

楓「助ける。絶対!」

 

楓宅に残された忍達は楓の言葉を思い出していた。

 

『手が届くのに手を伸ばさなかったら、死ぬほど後悔する。それがイヤだから手を伸ばすんだ。』

 

楓は連続で蹴りを入れながら男性に手を伸ばしている。男性も手を伸ばしている。楓はギリギリ腕を掴み、ヤミーから引きずり出した。

 

楓「よっしゃ!」

 

昴「楓。今回は俺に決めさせてもらうぞ。」

 

楓「え?いいけど。」

 

フェイ「昴。これを使いたまえ。」

 

昴は二本のガイアメモリを抜き取り、黄色のメモリ、青のメモリを取り出し、メモリを押した。すると、

 

ルナ トリガー

と音がなり、ダブルドライバーにメモリを入れ、再びバックルを開ける。

 

ルナ トリガー

〜♪

 

音楽が鳴り、右半分が黄色に、左半分が青色にかわる。左半分には銃らしきものがある。昴はその銃に青のメモリを入れると、

 

トリガーマキシマムドライブ

 

そう鳴ると、銃をヤミーに向けヤミーを撃つ。すると、その銃弾はヤミーの全方面へと拡散し、ヤミーを攻撃する。ヤミーは爆破し、セルメダルはその場に落ちる。

 

 

男「もう食べ物のドガ食いはしません。ちゃんと規制します。」

 

と言っていた。

 

楓「ね?一度欲望に負けたって、人間はもう一度やり直せる。あんな目にあったんだし、もう大丈夫でしょ。」

 

アンク「フン!」

 

楓がそう言ってる間に男は上半身を起こすと、

 

男性「あ、できれば病院食が上手いところに。」

 

と言った。男達は呆れながらタンカに再度横にさせる。

楓は最早口を開け、絶句状態である。

 

アンク「そういうことだ。人間は欲望1つとしてコントロールできない。俺の言った通りだろ。」

 

そう言ってから楓の後ろを歩いていきながらこういい放った。

 

アンク「俺の勝ちだな!」

 

それを追いかけながら、

 

楓「別に勝ち負けとかじゃねぇし。」

 

と半ばキレたように楓は言った。

 

昴「おい楓!」

 

それを昴は追いかけた。

 

 

それから2人で歩いていくと高級車があった。それをみていると中から女の人が出てきた。その女性はパネルを後ろの席から持って出てくる。するとそこに男性の姿が出て来た。

 

???「やぁ、桐生楓くん、八神昴君。それとグリードの1人のアンクくんだったね?」

 

もちろん昴と楓とアンクは戸惑った。

 

楓「え?」

 

アンク「なんだ?」

 

と言う三人。それに対し

 

???「まずは我々の出会いの祝って」

 

と言ってからクラッカーを鳴らす。

 

???「人と人との出会いはなにかが生まれる新しい前触れでもある」

 

昴「は?」

 

 




ご閲覧ありがとうございます。
そろそろアレが来ます(予告?)。え?アレって何かって?それはお楽しみと言うことで、それではまたお会いしましょう。


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セレブと転校生と鬼ごっこ

最近になって、きんモザの漫画を買い始めました。



 

 

???「やぁ、桐生楓君、八神昴君。それにグリードの一人アンク君だったね。」

 

楓「え?」

 

アンク「何だ?」

 

???「人と人との出会いは何かが誕生する前触れでもある。」

 

昴「は?」

 

???「それは一体なにか。そしてその為に私が作るケーキは一体どれ程の物か・・・期待で胸が膨らまないかい?」

 

その男性はそう言いながらケーキを作っていた。

 

里中「では改めて、こちらは鴻上ファウンデーション会長、鴻上光成。それから・・・」

 

女性は車にモニターを置き、黒い箱に、白いリボンがついていた。

 

里中「これはつまらない物ですが、ご挨拶代わりに。」

 

女性は箱を開けると、赤、青、緑のカンドロイドがそれぞれ3つ入っていた。

 

楓「あっそれ!」

 

楓はカンドロイドを見て、その女性に駆け寄った。

 

楓「じゃあ今まで助けてくれてたのって。」

 

里中「どうぞ。」

 

楓「ありがとうございます。いやーこれホントにスゴいですよね。」

 

楓「あ、この色は初めてだな。」

 

楓はカンドロイドを起動させる。するとバッタに変わった。そのバッタは楓の周りを走り回った。

 

アンク「お前か。人間のクセにメダルを集めてるのは。」

 

鴻上「そう!実は今日は商談を持ってきた。」

アンク「商談?」

 

時を同じくして、金髪の男が楽しそうに街を歩いていた。スケートボードに乗って酒瓶や雑誌などが散らかっている建物の中に入って行った。そこには、黒いTシャツにジーンズ、緑の上着を着ている男性、灰色の服にジーンズを着ている男性がいた。

 

???「フフッいいじゃん。似合うよウヴァ、ガメル。」

 

???「良くはないが、いちいち人間に騒がれないのは面倒がなくていい。」

 

緑の上着を着た男性はそういう。

 

???「そっ。動きやすいよね。」

 

金髪の男性が突然メダルに包まれ、怪物へと変わった。その怪物は以前、楓が戦ったグリード、カザリだった。

 

カザリ「気に食わないけど、アンクが言ってた事は正しいよ。この800年で人間は進化した。僕達も変わらないと。」

 

ウヴァ「アンクか・・・」

 

緑の上着を着てる男性もメダルに包まれて怪物へと変わる。そして灰色の服の男性も。

 

ガメル「メズールはまだ戻らない。何故だ?」

 

カザリ「彼女の事だし、まだ気に入った人間がいないんだよ。それともとっくに手に入れて遊んでるか。でしょ?」

 

そして、高級車が高層マンションに着いた。そこから大量の袋をもった女性が出て来て、そのマンションに入って行った。女性がエレベーターを待っていると、制服を着た中学生くらいの背丈の少女がこう女性に問い掛けた。

 

???「それ・・・全部買ったの?」

 

???「フン。」

 

その少女の問い掛けに、女性は息一つで返す。

 

???「たくさん買うのが好きなの?」

 

???「たくさん?これっぽっちで。」

 

中学生くらいの背丈の少女から少量のセルメダルが落ちる。すると突然少女の体が怪物に変わった。

 

???「その悲しいまでに大きな欲望・・・気に入ったわ。」

 

その怪物は女性にセルメダルを入れた。

突然彼女の意識が戻ると、自分の部屋にいた。

 

???「あれ?何してたんだろ。私。」

 

女性の部屋は服やカバン、雑誌などで散らかっていた。すると突然、彼女の部屋の片隅に蒼い卵が出て来た。

彼女は気配を感じたのか後ろに振り向くが、何もなかつた。

 

???「ま、いっか。」

 

そう言うと女性は先程買ったカバンや服を取り出していた。そんな彼女を見てさっきの少女は笑みを浮かべ、その場を立ち去った。

 

 

 

アンク「メダルの分け前をよこせだと?」

 

鴻上「そう。我が財団は君達にバイクや武器など、貴重な装備を提供する。その代わり君達は戦いで得たメダルを我が財団に提供する。フッ。単純な取引だよ。」

 

そして鴻上は続ける

 

鴻上「全部とは言わない。回収した分の70%だよ。」

 

アンク「ふざけんな!」

 

そう叫びアンクは右腕を戻し、女性に歩み寄る。すると、拳銃の音が響く。するとアンクの足元に銃弾がとんでいた。

 

???「次は外さない。」

 

発砲したのは、時々楓を助けてくれた男性がいた。

 

昴「あ、あの時の。」

 

アンク「お前・・・!」

 

鴻上「氷室君。あまり無礼な態度はよしたまえ。」

 

楓「アンク!すごいよこれ!通信機になる!な?いいよこれ!もしもーし!」

 

楓は完全にカンドロイドを気に入っていた。

 

アンク「楓・・・」

 

その楓の姿にアンクは呆れていた。

 

鴻上「桐生楓君。君なら分かるだろう。我々のメダルシステムの素晴らしさが。グリードとの戦いには必要だろう?」

 

楓「そうですね。あ、そういえば、あの人って・・・」

 

鴻上「あぁ。彼は氷室翔琉君。君と同い年で同じ高校に通ってるはずだよ。」

 

楓「え?じゃあ。」

 

翔琉「俺も最近、県立もえぎ高校に入学した。まさか違うクラスの奴がオーズだったとはな。」

 

楓「へぇ〜。あ、それから、メダルを集めて何するんですか?」

 

鴻上「秘密だ。」

 

楓「なるほど。」

 

鴻上「里中君。今日はここまでにしよう。アンク君。答えはまた後日改めて。」

 

そう言うとモニターからの映像が消え、里中という女性は車を走らせた。すると、後ろから氷室翔琉がバイクで走り去って行った。

 

 

 

時を同じくして、セルメダルを入れられた女性は紅茶を飲みながら、服やカバンなどが載ってる雑誌を眺めてると、

 

女性「あー!これ絶対欲しい。明日買いに行こう。」

 

するとどこかからメダルが溜まっていく音が響き、それを遠くから女性にメダルを入れた少女はそれを見ながら

 

???「ゆっくり・・・じっくりとね・・・子供達。」

 

そう呟いた。

 

休日、アンクはアイスを食べながら鴻上ファウンデーションについてスマートフォンで調べていた。

 

アンク「(鴻上か・・・人間がメダルに手を出すとどうなるか・・・教えてやる。)」

 

楓「ヤバい!ホントにバイトしようかな。」

楓は財布を見ながら、焦りを見せていた。アンクが食べてるアイスのお金は楓が払っているからである。

 

楓「アンク!お前アイス食いすぎ!まだ夏にもなってないんだぞ!どうすんだよ!」

 

アンクに少し自重するように言うと、

 

アンク「邪魔だな。気が散る!」

 

アンクはそう返した。

 

楓「おい!少しは俺の・・・」

 

アンク「お前じゃない。」

 

楓ではないと伝え、こう続ける。

 

アンク「この気配・・・ヤミーか・・・あるいは。」

 

楓「??」

 

楓達は海が近くにある橋まできた。そしてアンクはそこを見渡すと、突然アンクはメダルを楓に投げた。

 

アンク「楓。変身しとけ!」

 

楓「え?」

 

アンク「急げ!」

 

アンクがそう叫んだ瞬間、海から怪物が出て来た。

そこから少し離れ、オースキャナーを通す。

 

楓「変身!」

 

 

タカ トラ バッタ ♪タ ト バ タトバタ トバ♪

 

 

???「まったく、そんな程度の復活なのに、めざとさは変わらないのねアンク。」

 

アンク「お前のじめじめした気配もな。楓、気をつけろ。そいつはグリードの一人、メズールだ。」

 

メズール「よろしく。オーズの坊や。」

 

楓「俺は坊やじゃないぞ。」

 

アンク「メズール。俺の側をうろうろするな。邪魔だ。」

 

メズール「フッ、あなた達こそ目障りよ。散歩もできやしない。」

 

メズールから攻撃を仕掛けてきた。楓はギリギリそれを回避して、メダジャリバーを取り出した。そして攻撃に出るが、ことごとく避けられてしまう。メズールは楓がメダジャリバーを振った瞬間を突き、脚をかけ楓を転倒させる。楓はメダジャリバーでメズールを突きで攻撃しようとするが、それに脚を乗せ、楓の背中を使い高く飛んだ。

 

メズール「オーズの坊や。またね。」

 

そう言い、メズールは立ち去った。

 

楓「グリードが散歩ねぇ。ヤミー仕掛けたのかな?」

 

そう言いながら、楓は変身を解いた。

 

アンク「だとしても、メズールのヤミーはそう簡単に出てこない。どこかに巣を作って、人間の欲望を食ってるかもな。」

 

楓「何だよそれ。どこにあるかわかるか。」

 

アンク「さぁな。」

 

アンクはメズールが出て来た場所辺りを見渡す。そして少し遠い高層マンションに目を付けた。

 

アンク「とにかく、今はこれの勉強だ。」

 

アンクはスマートフォンを取り出し、操作しながら歩き出した。

 

楓「アンク!お前またヤミーがメダル増やすの待つ気か!」

 

楓はアンクにそう叫んだ。そしてこう続ける。

 

楓「おい!教えろって!」

 

楓の言葉にアンクは無視した。だが、楓は気づいていた。ここから離れる前に少しだけ凝視した場所があった事に。

 

楓「フフ、なーんてね。今あいつあそこ見たよな。」

 

楓はアンクが凝視していた高層マンションを見た。

 

時を同じくして、グリード達のアジトにメズールが戻っていた。

 

ウヴァ「なに!?オーズとアンクが!?」

 

メズール「えぇ。さっさと引き上げてきたけど、せっかく仕掛けたヤミーに気づいたかもしれない。うまく育てば、あなた達にもたっぷりセルメダルを分けられるのに。横取りされたんじゃたまらないわ。」

 

メズールの言葉に緑のグリード、ウヴァが激昂した。

 

ウヴァ「俺が行く!オーズもアンクもこの手で叩き潰す!」

 

そう言いウヴァはアジトを出た。

 

ガメル「ウヴァ・・・怒ってる。」

 

白のグリード、ガメルがそう言った。

それに続き黄色のグリード、カザリが、

 

カザリ「メダルを取られてるからね。僕も同じだから、気持ちはよくわかる。」

 

メズール「あら、あなたがそんな同情的な事を言うなんて、珍しいわねカザリ。」

 

カザリの言葉に青のグリード、メズールはそう言った。それに続けて、

 

メズール「その悲しい姿のせいかしら?」

 

その言葉にカザリは少し離れて

 

カザリ「かもね。」

 

と言う。

 

一方、メダルを入れられた女性は今、高級な店に訪れていた。そして服を着比べしながら店員にこう言う。

 

女性「雑誌に載ってたバックとワンピース、それとブーツ、やっぱり欲しくなったから買ってきて。」

 

━━━━━━━

 

翌日、いつも通り学校に向かうアリスと忍、その時、駅前で友達と会ってから一緒に行っている。だが、今日は少し違っていた。

 

陽子「おっはよう!アリス、しの!あれ?楓は?」

 

陽子はいつもなら忍達と一緒に来ているはずの楓の姿が見当たらなかったのを不思議に思ったのかそう聞いた。

 

アリス「行くとこがあるから先に行っててって。」

 

綾「行くとこ?」

 

綾が疑問を持っていると、

 

???「アリス!」

 

アリスはどこからか自分の名前を呼んでるのを聞いて、辺りを見渡す。

 

アリス「?」

 

???「アリス!アリース!」

 

アリスの名前を呼んでた金髪の少女はアリスに抱き付いた。

 

アリス「カレン!?」

 

と、アリスは驚きの表情をみせる。

 

???「誰?」

 

と、何故か関係ない忍が二人に抱きついていた。

 

陽子「おい!しのは関係ないだろ!」

 

と、陽子は忍を引き剥がすと、金髪の少女自己紹介を始めた。

 

カレン「九条カレンと申すデス。」

忍「金髪の美少女です!」

 

アリス「カレン。何で日本に?制服まで・・・」

 

カレン「ブーンブーン!」

 

と、両手を広げて走り出した。

 

アリス「乗って来た乗り物じゃなくて!」

 

後でカレンに聞くと、旅行から帰って来たときに、アリスは日本に行ったと聞き、追って来たらしい。

 

綾「そんな簡単に!?」

 

後でカレンはいわゆるお嬢様だとしる。

 

一方、先日ヤミーがいそうなマンションに高校生の制服を着た男性がいた。

 

楓「(寝坊って事にしとけば問題ないし、放課後にまたきて、ヤミーが出て来ても迷わないようにちゃんと覚えとかないと。)」

 

そこにいたのは、用事だと言って遅れると言った楓だった。少し下調べをしようと中に入ろうとしたら、黒いTシャツにジーンズ、緑の上着を着ている男性、グリードウヴァがいた。

 

ウヴァ「オーズだな。」

 

と言った。当然、グリードだと気づいていない楓は少々戸惑い、こう問いかける。

 

楓「え?えっと、どこかで会いました?」

 

ウヴァ「初めてだ。どっちの顔も。」

 

楓「?」

 

ますます訳がわからなくなる楓。すると、とうとうウヴァはグリードとしての姿を見せた。

 

楓「まさか・・・グリード!?」

 

ウヴァ「返してもらうぞ。俺のコアメダル。」

 

そう言うと、ウヴァは楓に襲いかかった。楓はそれをよけ、オーズドライバーをつける。だが、コアメダルが手元に三枚ないので変身ができない。

 

楓「あ、あれ?」

 

ウヴァ「どうした?メダルを出せ。アンクはどこだ!」

 

楓「へ?えーっと。あいつどこだ?」

 

ウヴァ「貴様・・・ふざけてるのか。」

 

そう言うとウヴァは右腕の爪らしきもので、楓に襲いかかる。楓は変身できない為ギリギリで回避するのが精一杯だった。その時、楓はポケットの中にカンドロイドがあることを思い出した。

 

ウヴァ「まずはお前を潰す。オーズをなくしたアンクなど、どうにでもできる。」

 

再びウヴァは楓に攻撃を仕掛ける。それを回避し、カンドロイドを起動させた。

 

楓がグリードに襲われている中、アンクは鴻上が何処にいるのかを探っていた。

 

アンク「ここじゃない。さすがに鴻上の居場所は早々漏れてこないな。」

 

そう言いアンクはスマートフォンで情報を得ようとしていた。そこへ、タカのカンドロイドがバッタのカンドロイドを持ってアンクの元へ飛んで来た。

 

楓「アンク!?」

 

その二つのカンドロイドはウヴァに襲われてる時に、楓が起動させたカンドロイドだった。

 

アンク「お前遊ぶのもいい加減にしろよ。」

 

それを知らずにアンクはまた遊んでると思ったのか少し強めに言葉を放った。

 

楓「グリードとの鬼ごっこが遊びなんて笑えねぇよ!」

 

アンク「なに?」

 

楓「うわぁ!こっち来た!」

 

楓の悲鳴にアンクは大体の状況を把握し、こう言う。

 

アンク「楓。俺が行くまでとにかく逃げろ。」

 

そう言いアンクは近くにあった自販機にセルメダルを入れ、バイクに変形させた。それに乗ろうとした時、

 

鴻上「アンク君。」

 

アンクのいた建物のモニターに鴻上光生の姿が映った。

 

鴻上「我々のシステムはかなり役立っているようだが。」

 

その言葉を無視し、アンクはバイクを走らせた。

 

━━━━━━

 

アリス「なるほどー。」

 

綾「アリス、何メモしてるの?」

 

アリス「学校で聞いた難しい日本語。後で忘れないように書いておくんだよー。」

 

綾「なるほど。メモしてたら忘れないわね。」

 

アリス「ところでアヤ、何持ってるの?」

 

綾が持っているカバンが気になったのか、アリスはそう問い掛けた。

 

綾「ジャージだけど、一時間目体育よ。」

 

アリス「忘れた!」

と、アリスは言っているが、メモ帳にはジャージと書かれていた。

 

綾「ばっちりメモしているけど。」

 

アリス「忘れないように玄関の目のつく所に置いておいたのに!」

 

そう言い、アリスはガクリと膝をついた。

 

綾「アリスも結構ドジなのね・・・」

 

陽子「しのは気づかなかったの?一緒に住んでるのに。」

忍「そう言えば、アリス、体育なのにジャージ持ってないなーとは思いました。」

陽子「確信犯!?」

 

知ってて黙ってた事に陽子は驚きを隠せなかった。

忍「でも中に着てるのかもと思いまして。」

 

陽子「水着じゃないんだから。」

 

陽子はそうツッコムと、何か閃いたのか、陽子はアリスに近づいた。

 

陽子「アリス!大丈夫だ!」

そう言いながら、何故か烏丸先生を連れてきた。

 

陽子「こう言う時の為にカラスちゃんのジャージがあるんだ!」

 

アリス「えーー!?」

 

さすがに先生から貸りるのはマズイと言うように叫んだ。

アリス「で・・・でも先生だし・・・」

 

さくら「大丈夫よ。デザインはほぼ当時のままだから、バレないバレない!」

 

アリス「え・・・いや、先生!?」

 

先生も貸す気満々だった事にアリスは驚いてしまった。

そして、更衣室で着替えるのだが、当然アリスは上のジャージだけだった。

 

アリス「上は貸してもらったけど、下がないよ・・・」

 

陽子「大丈夫!無くても行ける!シャツ一枚的な!」

 

綾「えぇ。違和感0だわ。」

 

陽子と綾は大丈夫だと言っている。

 

アリス「ええぇ!大丈夫じゃないよ!」

 

忍「あっ、私、夏用の短パン持ってますよー。」

陽子「それだ!」

 

結果、上はジャージ、下は短パンという、格好になってしまった。

 

アリス「(さ、寒い・・・)」

 

まだ、寒さが少し残っているせいか、アリスは全身が身震いしていた。

 

綾「体育なんて科目、この世から無くなればいいんだわ。」

 

陽子「何言ってんだよ。見学すんな。」

 

陽子は、体育座りをしながら変な事を口走る綾に参加するように言う。

 

綾「痛い・・・痛い・・・やめて・・・!」

 

柔軟体操で何故か綾は、変な声を出していた。

 

陽子「変な声出すな。」

 

綾「私体硬いんだから、あんまり力入れないで!」

 

背中伸ばしをするがこれでも綾は痛がる。

 

綾「痛たたたた!!!」

 

柔軟体操のはすが、陽子は関係ない関節技を綾に食らわせる。

 

綾「ギブギブ!これ柔軟じゃないー!」

 

陽子「うるさい。」

 

昴「陽子、程々にな。」

 

そう言いながら、昴は海翔と体操をしていた。こちらはどちらも柔軟は人並み、それ以上なので、スムーズに進んでいた。

 

━━━━━━

 

一方、楓はウヴァから逃げ続けていた。その時、フェンスを飛び越え撒こうとしたが、すぐに見つかってしまい、ウヴァはフェンスを蹴飛ばして向かってくる。なんとか走っている楓は自販機を見つけ、バイクに変形させる。その間にウヴァは走って攻撃を仕掛けようとする。

 

楓「来るなー!」

 

するとウヴァはとてつもないジャンプ力で、車の上に飛び乗る。楓は出来る限りの速さで、距離を開けようとするが、ウヴァは車に飛び移って行く。そして、頭から緑の雷らしき物を放った。楓はそれを回避しながらバイクを走らせる。すると、前にアンクがいた。

 

楓「アンク!それにここ・・・」

偶然か、楓が走ってた場所は楓が通ってる高校の近くだった。とうとうウヴァは楓が乗ってるバイクに飛び乗り、首を絞める

 

楓「ぐっ!」

 

楓は職員用の門が開いていることに気づき、スピードがついた状態で飛び降り、学校に入った。

 

陽子「あれ?楓だ!」

 

アリス「ホントだ!」

 

体操中に楓が来たことに、クラスの人達は困惑を見せていた。

 

アンクはウヴァをバイクで吹き飛ばし、楓に続いてバイクに乗ったまま学校へと入った。

 

綾「ちょっと!バイクで入ってきたわよ!?」

 

当然、それは常識的には考えられない事なので、楓のクラスの人達は更にパニックになっていた。

 

楓「あいつ・・・言ってる場合じゃないか。アンク、メダル!」

楓がそう言うと、アンクはすれ違い様にメダルを渡した。楓はもう一度オーズドライバーを付け、オーカテドラルにタカトラバッタのメダルを入れ、オーカテドラルを傾ける。そしてオースキャナーを取り、メダルに通す。

 

楓「変身!」

 

タカ トラ バッタ タ ト バ ♪タトバタ ト バ♪

 

陽子「なんだあれ!?」

 

楓が変身したことに、陽子だけじゃなく、クラスの人達も驚いていた。

 

そして、ウヴァが学校に入って来て、楓にこう言う。

 

ウヴァ「俺のメダルを勝手に使うな。」

 

その言葉を楓は聞かず、バッタの部分を光らせ、跳躍力を高める。そして楓は攻撃を仕掛ける為に高く飛び上がる。と同時にウヴァもジャンプし、互いに攻撃を仕掛けるが、ウヴァの攻撃が通り、楓が落ちてしまう。

 

それをすかさずウヴァが攻撃を仕掛ける。

 

ウヴァ「俺のメダル!俺のメダルを!返せ!」

 

そう叫び、オーカテドラルに攻撃を仕掛けるウヴァ。それを防ぎつつ、攻撃を仕掛ける楓だが、中々攻撃は通らない。だが、その中アンクの中で一つ疑問を浮かんだ。

 

アンク「(ウヴァの奴、もしかして知らないのか。)」

 

その中、楓はどんどん追い込まれる。すると、

 

アンク「ウヴァ!お前のメダル一枚はカザリが持ってったって聞いてるか!」

 

アンクがそう言うと、ウヴァはアンクの方を見た。

 

ウヴァ「なんだと!」

 

アンク「やっぱりな。あのカザリが言うはずもないか。持ってったんだよ。俺達は一枚取られた! 」

そう。以前のカザリとの戦いで、カマキリのメダルを失った代わりに、カザリのメダル三枚を奪ったのだ。本当なら、それはウヴァの手に渡っているはずが、それをウヴァは知らなかった。

 

ウヴァ「まさか、カザリの奴が・・・カザリの奴が・・・」

 

アンクの言葉に、ウヴァは動揺を隠せずにいた。その状況を見て、

 

アンク「楓!今だ!」

と言い、チーターのメダルを楓に投げた。楓はそれを受け取る。

 

楓「なんかやり方がよろしくないような。」

 

オーカテドラルにチーターメダルとバッタメダルと入れ替えて再びオースキャナーを通す。

 

タカ トラ チーター

 

脚がチーターに変わったのに気づいたウヴァは再び楓の方を見る。楓は攻撃を仕掛ける体勢をとっていた。

 

ウヴァはもう一度楓に攻撃を仕掛ける。だが、チーターの足の速さを利用して、連続で蹴りを入れる。ウヴァはそれにより、軽く飛ばされる。そして楓は高速でウヴァとの距離を詰め、今度は勢い良く蹴りを入れる。するとウヴァの体から多少のセルメダルと二枚のコアメダルが出てきた。

 

アンク「!!」

 

それに気づいたアンクは腕と体を切り離し、コアメダルのみを掴んだ。そして体に戻って行った。

 

ウヴァはコアメダルを失った事で、カザリ同様肩の部分がセルメダルになって外れた。

 

そしてアンクはウヴァから奪ったコアメダルを見てこう呟いた。

 

アンク「揃ったな。三枚。」

 

 




原作から大分離れていると、気づいてしまいました。
けどこれからこういう風にやっていくので、何卒よろしくお願いいたします。


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ヤキモチと契約と昆虫コンボ


ウヴァはコアメダルを失ったせいか、息が少し上がっていた。それを見たアンクは不敵な笑みを見せた。すると、ウヴァはこう言う。

ウヴァ「アンク!貴様まさか、自分以外のコアメダルも全て手に入れようと。」

楓「え?」

楓は意味がわからないという目線でアンクを見る。

アンク「俺達の名はグリード。欲望だ。欲しがらなくてどうする。」

ウヴァ「フハハッ!そうだ!俺もせいぜい欲しがるとするか。コアメダル、必ず取り戻す!」

そう言い、ウヴァは立ち去った。

一方、メズールにメダルを入れられた女性に変化があった。

prrrrr

女性「あ!パパだ。」

女性は父からの電話に出る。

女性「ハロー、パパ。どうしたの?」

と、意気揚々に聞く女性。だが、そのあと悪い知らせがしてしまった。

女性「え?倒産?」

その言葉は冗談か何かだろうと、少し笑いながらこう言う。

女性「ちょっと、何?ウソ言わんといてよ。」

瞬間、女性の顔が青ざめる。

女性「お父ちゃん?じゃあ家はどうなるん?仕送りは?」

女性は父からの仕送りによって買い物ができていたため、それがなくなると、お金がこない状況になるのだ。

女性「バイトって、謝られても困るわそんなん。うちはどうすればいいんよ!」

女性は涙ぐみながら自分の部屋に戻って行った。


再び楓とアンクに視点を戻す。

教師達は楓に様々な質問を出す。それに楓はなるべくの事は話さず、今怪物が出ている事だけを話し、質問を終わらせる。

その後、アンクはしばらく自分の右腕を見つめ、それをしまった。先程の事が気がかりだった楓はアンクにこう問い掛けた。

楓「全てのコアメダルを手に入れるって、どういうことだ?お前何しようとしてる訳?」

アンク「別に。欲望に理由なんかあるか。欲しいから集める。それだけの事だろ。」

楓「そうじゃなくて!俺が聞いてんのは何が起こるのかってこと!」

するとアンクは緑のコアメダルを三枚見せてきた。

アンク「ウヴァのメダルが三種類。三枚だ。」

楓「うん。カマキリとバッタにクワガタ。それが?」

アンク「グリードのコアメダルはそれぞれ三種類。そして、オーズが変身に使うのも三種類。」

アンクの言葉に楓は少し考えて、

楓「そっか!今までバラバラだったけど、同じ種類三枚で変身できるってわけか。」

楓の言葉に少し間を置き、アンクはこう言う。

アンク「メダルのコンボ、その意味、メダルの本当の力が、みられるかもなぁ。」

楓「本当の力?」



 

アンクはバイクに乗り、その場を去るかと思ったらアンクは楓にコアメダルを三枚投げてきた。

 

アンク「楓!」

 

楓はアンクが投げたコアメダルを受け取り、困惑の表情をみせた。

 

楓「え?これ・・・」

 

アンク「気は進まないが、お前一人でも変身できなきゃ面倒な事もあるってわかったからな。」

 

楓「確かに。てかお前どこ行くんだよ。」

 

楓はアンクの言葉に納得するが、アンクが何処かに行くつもりなのか聞いた。

 

アンク「わかったのはもう一つ、この装備もあった方がいい。」

 

バイクを叩きながらそう言うアンク。

 

楓「だろ?」

 

アンク「が・・・」

 

アンクは少し言葉を詰める。何故なら、この装備を使う代わりに回収したメダルの70%を渡せと言ったからだ。その条件にアンクは不満を抱いていた。

 

アンク「メダル70%も持っていかれてたまるか。タダで使えるようにしてきてやる。」

 

楓「おい!お前また物騒なことやらかすつもりじゃ・・・」

 

楓がまた物騒な事をするつもりではないかと思い、アンクを止めようとするが、

 

アンク「放課後ってやつになったらあのマンションに行け。そこにヤミーがいる。」

 

その言葉に遮られる。

 

楓「やっぱり知ってたんだな。」

 

その言葉を聞き、楓に放課後にもう一度あのマンションに行けとアンクが言う。楓は教室に戻る時、アンクにこう言う。

 

楓「とにかく無茶だけはするなよ!分かったな!」

 

そう言い、楓は教室に、アンクは鴻上の居場所を探しに行った。

 

一方、ウヴァはカザリの胸ぐらを掴んでいた。

 

ウヴァ「カザリ!お前よくも俺のコアメダルを!アンクから聞いたぞ!」

 

カザリ「何の事かわからないな。」

 

ウヴァ「とぼけるな!」

 

その状況に目もくれず、ガメルは椅子を使ってなにかを作っていた。ウヴァの激昂にカザリは冷静にこう言う。

 

カザリ「ウヴァ。アンクが昔からウソが上手いのを忘れた?騙されたんだよ君は。どっちを信じるのかは自由だけどね。」

 

カザリの言葉にウヴァの怒りは増す。カザリを投げ飛ばし、

 

ウヴァ「俺のコアは何処だ!?」

 

そう叫びながらガメルが作ってた物を蹴飛ばした。

 

ガメル「俺の城が・・・」

 

メズール「落ち着きなさい。完全に復活するまで、 私達に争ってる暇はないはずよ。今私のヤミーが沢山のメダルを作ってるから、それを仲良く分けましょ。」

 

ウヴァ「フン・・・」

 

メズールの言葉にウヴァの怒りは少し収まる。

 

メズール「大丈夫。私の選んだ人間に間違いはないわ。」

 

視点はメダルを入れられた女性に移す。

 

女性「もう買えない・・・これも全部なくなって・・・この部屋にも住めなくなって・・・それで・・・」

 

女性は自分が貧乏生活を送る事になると考えにたどり着き、

 

女性「そんな・・・そうなったら・・・」

 

そう思うと女性は自分が買った服を守るかのように抱き抱えた。

 

━━━

 

時を同じくして、楓はクラスでも質問攻めを受けていた。

 

生徒A「さっきの怪物なんだよ!?」

 

生徒B「桐生君、攻撃受けてたけど大丈夫なの!?」

 

と、クラスメイト達はそう言う質問を出していた。

 

楓「大丈夫大丈夫!それに、関わったら皆も危ない目に遭うと思うし、ね?」

 

楓が深入りはダメだと伝えていると、

 

カレン「アリスー!」

 

楓「?」

 

カレン「アリスーキター!」

 

と言いながら笑顔で手を振っているカレンを見て、楓は、

 

楓「(・・・誰?)」

 

と思った。

 

綾「楓は初めてよね。彼女はアリスの友達のカレンよ。」

 

カレン「九条カレンと申すデス!」

 

楓「俺は桐生楓、楓でいいよ。よろしくカレン。」

 

カレン「よろしくデス!カエデ!」

 

綾「え?ちょっと、それ馴れ馴れしくない?」

 

楓とカレンのやり取りに、綾がそう言った。

 

楓「そうか?でも、下の名前で呼ぶのが普通になってるからな。」

 

アリス「カレン日本語上達したね。」

 

カレン「毎日勉強頑張ったデスよー。」

 

綾「カレンはイギリスで育ったの?ハーフにしては片言だけど。」

 

カレン「うん。普段はパパも英語で喋ってたから、アリスみたいに日本語ペラペラになりたいデス。」

 

忍「片言が良いんですよ!可愛いじゃないですか!」

 

アリス「わたしもまだまだデス。日本語難しいデスネ。」

 

昴「(わざとらしいよアリス。)」

 

陽子「そう言えばさ、ハーフの子って、日本名でも外国名でも通じる名前の子が多いよね。リサとかナオミとか。」

 

楓「あぁ、確かに。」

 

カレン「パパが名付けてくれマシタ。漢字では、可憐な花の可憐と書くデス。」

 

ノートに可憐の漢字を書く綾。

 

綾「綺麗な名前。」

 

海翔「確かにピッタリだな。」

 

カレン「パパがつけてくれました。」

 

忍「きっと可憐な女の子に育つようにって願いを込めて付けたのですよ。」

 

アリス「シノ!私は?」

 

忍「アリスは、リスのように小さく可愛らしくと言う意味ですね。」

 

アリス「リスかぁ〜。そっか〜!」

 

綾「あ、リス!じゃないわよ。」

 

楓「それとアリスはハーフじゃないだろ。」

 

するとカレンは、忍達を指差した。

 

カレン「カエデ、スバル、カイト、ヨーコ、シノブに、えっと・・・」

 

綾「綾よ。」

 

カレン「アヤヤ?」

 

綾「一文字多いわよ。綾よ。」

 

カレン「・・・・アヤヤー!アヤヤー!」

 

パァーと明るくなったカレンはアヤヤと連呼した。

 

陽子「アヤヤー!!」

 

カレン・陽子「アヤヤ!アヤヤ!アヤヤ!アヤヤ!アヤヤー!」

 

綾「や、やめて・・・」

 

カレンと悪のりした陽子により、綾はやや顔を青ざめている。

 

忍「カレン、私の事はしのと呼んで下さい。仲良しのあだ名です。」

 

アリス「あ・・・」

 

急にアリスが落ち込んだ。

 

カレン「シノはニンジャ?壁歩ける?」

 

陽子「あー、忍(しのび)な。」

 

忍「それはちょっと・・・」

 

カレン「えー?出来ないデスか?」

 

アリス「そんな事無いよ!シノは凄いから何でも出来るよ!」

 

全員「え?」

 

突然のアリスの言葉に楓達は驚いた。

 

アリス「さぁシノ!壁を歩いて!」

 

忍「無茶振り!?」

 

綾「どうしたのよアリス?さっきから様子が変よ?」

 

アリス「え?変ってどんな風に?」

 

陽子「アリスはカレンに妬いてるんだよなー。」

 

アリス「あ!」

 

忍「そうなんですか?」

 

アリスの心情を聞いた忍はアリスにそっと微笑んだ。

 

忍「確かにカレンは身長が平均的ですし、アリスより喋り方が外国人らしくて魅力的です。でも、アリスにはアリスの良い所がいっぱいありますよ!自身持って下さい!」

 

だが忍はアリスの良い所を一言も言ってない為アリスは落ち込んだ。

 

綾「全くフォローになって無いわしの。」

 

楓「アリスの魅力もちゃんと言わないと。」

 

そして、放課後になり、楓はヤミーがいるマンションに向かった。

 

楓「さてと、これだけ大きいと、何処から仕掛ければいいのやら。」

 

楓はマンションの大きさを見て、そうボヤいていた。すると楓は、近くに時々助けてくれる氷室翔琉がいた。

 

楓「あれ?えっと、氷室君?」

 

楓の言葉に翔琉は手招きで、楓を呼んだ。

 

翔琉「ここの上層階のリアルタイム映像だ。」

 

そう言いながら翔琉はモニターの映像を変える。

 

翔琉「場所は2805号室。住人は山野春だ。こんな化け物がはびこっていいわけない。」

 

すると、空からタカカンドロイドがバッタカンドロイドを翔琉の手元に落とす。そしてバッタカンドロイドは缶の状態になり、翔琉はそれをポケットにしまった。

 

翔琉「止める為にも、素直に我々の協力を受け入れろ。」

 

楓「いや、俺はそのつもりだけど・・・」

 

自分は協力するが、アンクがその気にならないからか、少し言葉を詰まらせる。すると翔琉が、

 

翔琉「アンク・・・だったか。あんなグリードに口を押さえ込まれるなんて。この街を守れるか。」

その翔琉の言葉に楓は驚きの表情を見せた。その言葉だけを放ち、翔琉はその場をバイクで走り去った。

 

楓「この街・・・かぁ。大きく出るねぇ。ま、俺は、目の前の事から。」

 

楓はそう言い、マンションの中へと入っていった。その時、見る限りセレブの人とすれ違った。その人がヤミーの親だとは知らない楓はそのまま通り過ぎ、目的の部屋へと着く。

 

楓「2805号室・・・ここか。」

 

ピンポーン

 

楓「・・・留守?」

 

反応がなかったため、そう呟いた。そのあと楓は、

 

楓「マジかよ。」

 

とだけ言い、その場を後にした。

 

楓「どうしよう。このままじゃ。」

 

楓がそう言い、これからどうするか考えていると、

 

忍「楓君!」

 

楓「え?」

 

そこには、楓を追いかけていた忍達がいた。

 

楓「なんで・・・」

 

陽子「当然だろ!楓、この前、怪我してたのにあんな怪物と戦ったんだろ?」

 

楓「え?陽子がなんでそれ知ってんの?」

 

陽子「しのに教えてもらった。」

 

アリス「それで、なんでカエデはここに?」

 

楓「まぁいいか。実は・・・」

 

楓はあそこにヤミーがいることを話した。そして、降りる瞬間、すれ違った女性がヤミーの親だと降りた瞬間気づいた。そして、その手には大量の買い物袋が握られていた。

 

カレン「その人、買いすぎだと思いマス!」

 

状況を聞いたカレンは楓にそう言った。

 

楓「仕方ないよ。彼女はそれが欲しいんだろうし。」

 

綾「でも・・・」

 

楓「誰だってそうでしょ。」

 

時を同じくして、鴻上はケーキを箱に隠し、それをリボンでくくった。そんな時、

 

里中「会長、お客様が・・・」

 

その客とは遂に鴻上の居場所を突き止めたアンクだった。それに気づいた鴻上はこう言う。

 

鴻上「ようこそアンク君。ここは非公開とはいえ秘密ではない。遅かれ早かれ情報は掴むと思っていたよ。」

 

鴻上はハハッ、と笑い言葉を続けた。

 

鴻上「で、今日はいい返事を持って来てくれたんだね?」

 

アンク「そう見えるか。」

 

そう言いアンクは右腕を戻していた。

 

一方、楓は忍達に話をしていた。

 

楓「俺、父さんから色々聞いてきたけど、何も欲しくない人なんていないよ。お金じゃなくても、物とか色々。そう思うのが、生きるのに必要な国もあるって。だから、欲しいって思うのは、そこはいいんじゃないかな。」

 

楓のその言葉に、忍達は楓を不思議そうにみる。

 

そして、鴻上達の方は契約の事を話していた。

 

鴻上「いいかねアンク君。私も君も欲しいのはメダルだ。その為のgive and take!何処に問題がある。」

 

アンク「致命的だ。俺はtakeは好きだが、giveは嫌いだからな。」

 

アンクは右腕を動かしながらそう言う。

 

 

一方、その言葉の後に楓は続ける。

 

楓「大切なのは、その欲しいって気持ちをどうするかだと思う。」

 

と、楓は近くに流れている川を見つめながら言う。

 

その時、ヤミーの親の女性はパソコンでネットショッピングをしていた。

 

女性「これ・・・」

 

カチッカチッと、商品を購入していた。

 

女性「これも・・・これも。」

 

その女性の欲でセルメダルが貯まっていく。そして買える限界が来たことに気づいた女性は不満気にパソコンを閉じる。

 

すると、ヤミーの卵は女性のすぐそこまで迫っていた。

 

女性「キャーー!!」

 

その悲鳴と同時にヤミーの卵が孵化し、大量のヤミーが出て来てしまった。そのヤミーは女性の部屋の窓を割って下へと降りていた。

 

楓「!?」

 

窓が割れた音に気づいた楓はマンションの方を見て、

 

楓「しの達はここに。」

 

とだけ言い、楓はオーズドライバーを着け、アンクから貰ったタカメダル、トラメダル、バッタメダルをはめる。そして、オーカテドラルを傾け、オースキャナーを通す。

 

楓「変身!」

 

 

タカ トラ バッタ タ ト バ♪ タトバタ ト バ♪

 

楓は女性の部屋の元へと走り出した。

 

一方の女性はヤミーの大群から逃げようとしていたが、上手く走れていなかった。

 

楓「大丈夫?さぁ早く!」

 

そこに楓が駆けつけ、女性をなんとか立たせそこから離れる。

 

視点はアンク達に変わる。

 

鴻上「なるほど・・・つまり君は私を消して、メダルシステムを奪う。takeだけしたいというわけか。」

 

アンク「それが一番手っ取り早い。」

 

鴻上の言葉にアンクは肯定する。

 

鴻上「分かってないなぁ君は。そうだろ里中君。」

 

里中「はい。それは無理ですから。」

 

アンク「ハッタリなら無駄だぞ。」

 

アンク達の間に少しの静寂が走る。それを翔琉の連絡が破った。

 

翔琉『会長、ヤミーです。オーズが既に戦闘に入りました。』

 

翔琉の報告に鴻上は、

 

鴻上「ほう・・・これは・・・ちょうどいいアンク君。実戦で説明しよう。」

 

と言い、鴻上はモニターに映るヤミーの大群をアンクにみせた。

 

それを知らずに楓は女性を救出し、忍達の元へと戻り、こう言った。

 

楓「しの。悪いんだけど、この人よろしく。」

 

カレン「え!?カエデデスか!?」

 

楓「ん?あぁ、そうそう。じゃあその人頼むね。」

 

驚いた様子のカレンに楓は肯定しながら女性の身を忍達に任せた。

 

楓「うわぁ。多いなぁ。」

 

ヤミーの大群を見て、楓はそう呟く。すると、楓の近くに自販機があった。

 

楓「よし!バイクで蹴散らしますか!」

 

そう言い楓は自販機の元へと走る。そして、セルメダルを入れ、バイクに変形させようとするが、

 

楓「ん?あれ?なんで?え?何で変形しないんだよ!」

 

それに反応しなかった事に驚き、楓は何度もボタンを押すが、全く反応がない。

 

楓「あれ?ちょっと!おい!」

 

それをモニターで見ていたアンクはこう言った。

 

アンク「なにやってんだ。」

 

鴻上「私の意思だ。」

 

アンク「なに?」

 

鴻上「私の意思一つで全てのメダルシステムはさせれば作動しなくなる。私が死ねば、その途端に、全ては屑鉄だ。」

 

鴻上のその言葉にアンクは少し目を見開く。それを見た鴻上は笑いながらこう言う。

 

鴻上「さぁ、道は一つだ。今後手に入れたメダルの70%を渡す事、そうすればメダルシステムは使い放題だ。」

 

アンクは少し黙り、こう言った。

 

アンク「・・・40だ。」

 

鴻上「70。」

 

アンク「そんなに渡せるか。」

 

アンクはセルメダルを渡す事を決めたが、こちらが得になるようにそう言うが、鴻上は首を振り、

 

鴻上「70。」

 

と言った。

 

鴻上「オーズの戦いが有利になれば、得をするのは君だ。」

と続けてアンクに言う。それに対しアンクは、

 

アンク「50。」

 

と言うが、

鴻上「70♪」

 

と、体を後ろに向けながら言った。その行動にアンクは拳を握りしめる。

 

そして、楓は自販機の上に跨がり、それを叩きながら叫んでいた。

 

楓「おい!変われって!はい変わった〜。うぅ・・・おい!変われよ!もう!」

 

楓のその言葉に遂にアンクは、こう言った。

 

アンク「60だ!これ以上はない!」

 

鴻上「ハッピーバースデー!」

 

アンク「クッ・・・」

 

無理かと思いアンクは歯を食いしばる。

 

鴻上「私達の契約。」

 

そう言い鴻上は箱の紐を解き、箱を開ける。すると、そこにあるケーキには、60%と書かれていた。

 

アンク「貴様・・・最初から。」

 

それを見てアンクは鴻上を睨みながらそう言う。

 

鴻上「では手付け用に前払いとして、セルメダル100枚。」

 

アンク「持ってけ!」

 

そう叫びアンクは鴻上の要求通りセルメダル100枚を渡した。それを確認した鴻上は指を鳴らす。

 

一方の楓はバイクに変形しない自販機に乗っていた。すると突然、自販機はバイクに変形する。

 

楓「うおっ!?」

 

それを確認した楓は、

 

楓「良かった〜。」

 

と、安堵の声を漏らしながらバイクを走らせる。

 

その近くで翔琉は自販機をリモコンで操作していた。こちらも操作ができることに安堵の息をついた。

 

一方、女性は忍達にこう問い掛けた。

 

女性「あれ何?」

 

忍「よく分かりませんけど、人の欲望から生まれるらしいです。」

 

女性「人の・・・じゃあ、あれは私の?」

 

女性は自分の部屋から飛んでいく服を見ながらこう呟いた。

 

女性「私・・・あんなのにすがってたんだ。・・・うちはお金持ちだけど、セレブなんて言えない家で、だから自分に自信が持てなくて・・・高い物を買ってればって思って、それでもっともっとって・・・」

 

忍「・・・少し分かります。」

 

女性「・・・え?」

 

忍「私、小さい頃から、ずっと一緒にいた男の子がいるんです。その人は、いつも私の面倒を見てくれていて。その人が急に・・・こう言う事に関わることになって・・・」

忍は楓の名前を言わずに、そう言う。それに続けて、

 

忍「あなたがお洋服なら、私は彼にすがってました・・・」

綾「しの・・・」

 

忍はバイクで走り去って行くアンクを見つける。それをしばらく見つめた後、

 

忍「欲しいって思うのは悪くないです。大切なのは、その気持ちをどうするかです。」

 

忍「もうすがってるままじゃダメだと思います。」

 

そう言い、女性の手を握り、こう言った。

 

忍「少しずつでも、ちゃんとしていかないとダメだと思います。」

 

女性「・・・うん。」

 

忍の言葉に女性は手を握り返しながらそう言った。

 

女性「・・・私は大丈夫だから、あなた達は行って。」

 

忍「え?」

 

女性の言葉に忍は少し戸惑いを見せる。

 

女性「あの人、あなた達のお友達なんでしょ?」

 

忍「・・・分かりました。行きましょう。」

 

陽子「よし!」

 

カレン「イェス!」

 

忍達は楓の元へと向かった。

 

━━━━━━

 

アンクがヤミーの元へとバイクで向かっている間、楓はバイクでヤミーを地上へ落としていたが、途中でバイクから落ちてしまう。ヤミーが所々噛みついていたので、楓は脚と腕でそれを引き剥がす。楓はアンクを見つけたので、アンクに近づきこう言う。

 

楓「これ、キリがない。ねぇアンク。コアメダル三枚揃う。コンボってやつ?どうなんの?」

 

アンク「とんでもない力だ。お前、タダじゃ済まないかもな。」

 

楓「へぇ〜・・・」

 

そう言い、楓はヤミーの大群を見る。そして、こう言った。

 

楓「じゃあ・・・やってみますか。」

 

そう言った楓にアンクはメダルを取り出し、楓に渡した。

 

アンク「吹っ飛ばされてメダルなくすなよ。」

 

楓はアンクにそう言われ、二枚の緑のコアメダルを受け取る。

 

楓「わかった。」

 

その言葉を了承した楓は走り出し、オーカテドラルのタカメダルとトラメダルを抜き 、右にクワガタメダル、真ん中にカマキリメダルを入れる。すると、三枚のメダルが光出した。そして、もう一度オースキャナーを通した。すると、今までのメダルチェンジとは違った現象が起きた。

 

クワガタ カマキリ バッタ

♪ガ タ ガタガタキリバ ガタキリバ♪

 

その現象とは、タトバコンボと似たような歌が流れ、クワガタの頭、カマキリの腕、バッタの脚の、ガタキリバコンボが完成した。

 

綾「あれが、コンボ・・・」

 

忍達は楓の元へとたどり着き、綾は緑一色になったオーズをみてそう言った。

 

すると突然、

 

楓「うおぉーー!!」

 

 

楓が雄叫び?を上げる。すると、その衝撃波がアンク達にも届く。アンクはたじろぎ、忍達は少し後退りをする。

 

その間にも大量のヤミーが楓達へと向かっていた。

対する楓はヤミーの大群の元へ走り出す。すると、大量のオーズの分身が現れた。

 

一人はカマキリの腕の力を使い、一人は足で蹴飛ばしたりと、次々とヤミーの大群の数を減らしていく。

 

陽子「スゲェ・・・」

 

その光景に陽子は呆気にとられながらもそう言う。

 

ヤミーの大群は集結し、巨大な怪物へとなる。

楓(本体)はオースキャナーを取り出す。すると、分身も続けて取り出し、オーカテドラルに通した。

 

スキャニングチャージ

 

楓「はぁぁぁぁぁ!!」

 

分身「はぁぁぁぁぁ!!」

 

ヤミーは楓へ光線を繰り出す。楓と分身は高くジャンプしてそれを回避し、巨大なヤミーの中へ入って行く。一人は腕で切り裂き、一人は足で蹴りを入れたりしている。そして、それを受け続けたヤミーは所々膨張?し、爆発した。その時、大量のセルメダルが落ちる。そして楓はヤミーの爆発と共に落下し、なんとか着地し、オーカテドラルを変身解除の位置まで戻し、変身を解く。楓は息を切らし、アンクを見ていた。

 

楓「俺、戻った?ちゃんと一人になっ・・・」

 

そう言う前に楓はその場に倒れてしまった。

 

アリス「カエデ!?」

 

忍「大丈夫ですか!?」

 

忍達が驚いている中、楓を見てアンクはこう呟く。

 

アンク「さすがにとんでもなかったなぁ。」

 

ヤミーの親だった女性は今はアルバイトをして、少しずつ自立しようとしていた。

 

一方、楓は学校に行く準備をしていた。

 

楓「アンク!今から学校行くから、留守番よろしく!」

 

アンク「フン!」

 

楓の言葉にアンクは鼻息一つで返す。クワガタとカマキリのメダルを見る。

 

アンク「(少しヤバいか・・・コンボは・・・)」

 

そう思ってると知らない楓はいつも通り 学校へと向かった。

 

 




はい。遂にコンボを発動させました。それでは、オリキャラ紹介をします。

瀬戸海翔

年齢 15歳

身長 168㎝

体重 60㎏

趣味 読書(小説のみ)

楓達とは中学2年生の時に知り合う。いつも冷静で、あまり感情を顔に出さない。どうやら楓達に何か隠しているよう。

大体はこんな感じです。それではまたお会いしましょう。


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おつかいと悩みと慣れ始め

ある朝、アリスは部屋のカーテンを開けた。外を見ると鳥の鳴き声、晴れ渡っている。

アリス「いい天気。」

それを見たアリスはそう呟き忍の元へと寄る。

アリス「おはようシノ。」

忍「おはようございます。」

二人「ぐぅーー。」

挨拶を交わす二人だが、すぐさま眠りについてしまう。これが二人の毎朝の出来事なのだ。

アリス『日本に来て数週間、生活にも、大分慣れて来ました。』

忍「あ、今日は私に結ばせてくださいー。」

アリス「いいよー。」

忍のお願いにアリスは快く了承した。

忍「わーい・・・」

喜びながら髪を解く忍だが、途中で絡まってしまった。

女子高生「アハハ!マジウケる!」

家のポストから新聞紙を取り出すアリス。だがアリスは金髪の女子高生を外国人だと思ってた。

アリス『日本はとても住みやすい。外国人もたくさんいるし。』

忍「アリス!そろそろ着替えないと。」

アリス「うん。」

忍「太ったんでしょうか。ウエストが苦しい・・・」

アリス「それ私の制服だよ!!」


制服に着替えたアリスは、外に水を撒く。そこに忍が来た。

忍「アリス、夏でもないのに水撒かないで下さい。」

アリス「日本大好き!」

また新しい一日が始まった。



その後リビングで朝食を食べる2人。アリスは和食、忍は洋食の朝食を食べてている。

 

アリス『大宮 忍 あだ名はシノ。シノはおっとり優しくて大和撫子の鑑だよ。』

 

すると誰かがアリスの頬を突っついた。

 

勇「良いな〜。色白もち肌。」

 

忍「お姉ちゃん今日仕事でしたっけ?」

 

勇「そー。午後から。」

 

アリス『イサミはモデル。二人は姉妹だけど、あんまり似てない。こんな感じ!』

 

アリスは勇と忍を尾山人形とこけしに見立ててニコニコしている。

 

アリス・忍「行ってきます。」

 

楓「おはよう。しの、アリス。」

 

アリス「おはようカエデ。」

 

忍「おはようございます。」

 

楓「じゃ、行きますか。」

 

アリス『桐生楓。あだ名はカエデ。カエデは色んな人に優しい。シノとは幼馴染。たまに・・・』

 

楓「なぁしの。休日どっか遊びに行く?久しぶりに。」

 

忍「え?でもこの前行きましたよね?」

 

楓「ヤミーとか出てきたからノーカンみたいなものだよ。それに、色々心配させたお詫びとして、な?」

 

忍「///」プシュー

 

楓の行動と言動に忍は顔を真っ赤にしている。

 

アリス『ちょいちょいシノを口説いてる。あれって無自覚なのかな?』

 

いつもの場所に楓達が向かう。

 

忍「おはようございます綾ちゃん。」

 

そこには綾がいた。

 

アリス「おはようアヤ。」

 

綾「おはよう。」

 

忍「陽子ちゃんは?」

 

綾「日直で先行ったわ。」

 

忍「昴君達は?」

 

綾「昴達も先に行ったわ。」

 

忍「すみませんお待たせして。」

 

綾「早く行きましょ?遅刻しちゃう。」

 

アリス『小路綾。あだ名はアヤ。アヤは頭も良くてしっかり者。だけど・・・』

 

忍「綾ちゃん!タイツ履き忘れてますよ!?」

 

綾「え?・・・あ!!」

 

下を見ると、綾はタイツを履いてなかった。

 

忍「わ、私の靴下を!」

 

綾「しのが裸足になっちゃうじゃない!あ!確か・・・あった!」

 

カバンの中を探ると、中に運良くタイツが入ってた。

 

アリス『時々すごくおっちょこちょい。』

 

昴「来た来た。遅いよ。」

 

アリス『八神昴。あだ名はスバル。スバルはクールでしっかり者。面倒見がいい。』

 

楓「おはよう、今日早いな。」

 

昴「フェイに手こずったから。もう行ってるかなって思ったけど。」

 

フェイ「だから焦らなくていいって言ったのに。」

 

アリス『八神フェイ。あだ名はフェイ。フェイは好奇心旺盛。いつも本を持ってきている』

 

海翔「遅かったな。」

 

アリス『瀬戸海翔。あだ名はカイト。カイトはいつも無表情だけど、周りをよく見てる優しい人。』

 

陽子「おっはよー!」

 

アリス『猪熊陽子。あだ名はヨーコ。ヨーコは明るくて元気。』

 

海翔「朝食ってこなかったのか?」

 

陽子「え?食べたけど?」

 

昴「食べたのに?」

 

陽子「?」コテン

 

楓「いや、その「何か?」みたいな顔されても。」

 

アリス『いっぱい食べるのはいいことだよね。』

 

さくら「進路希望の紙、明日までですよ〜。」

 

アリス『ミス・カラスマは担任で、英語の先生。シノの憧れの人。』

 

さくら「昨日のテスト返しま〜す。」

 

忍「先生コッチ見て下さーい!」

 

アリス「憧れ?」

 

楓「もはやファンの一種だな。」

 

さくら「アリスさんすごいわ。100点よ。」

 

アリス「フッ。ドヤァ」

 

さくら「見てここ、特別に花丸上げちゃいましたー。しかも旗付き!」

 

アリス『ちょいちょい子供扱いします。』

 

忍「質問です。先生はどうして教師になろうと思ったんですか?」

 

さくら「先生は・・・そうねぇ。気づいたらなってたわぁ。その場のノリ?」

 

全員「(参考にならない・・・)」

 

さくら「でも、学生時代が一番楽しいわよ。学生で大変な事と言えば、睡魔との戦いくらいだものね・・・」

 

そう言ったさくらたが、本人も目が虚になっていて、いかにも眠そうだった。

 

楓「先生今も眠そうに見えますけど。」

 

さくら「(眠いわぁ)」

 

陽子「んー。学校の先生って頭が良くないとなれないよね。」

 

綾「まぁね。」

 

アリス「あっ!シノもう書いてるよ!」

 

楓「まぁしのだし。当然か。」

 

忍「はい。私、小さい頃からの夢があるので。」

 

アリス「何て書いたの?」

 

忍「通訳者です!」

 

陽子「あぁ、宇宙人の?」

 

忍「外国人ですよ!」

 

海翔「宇宙人の通訳なんて無理だろ。」

 

楓「いや、そこを真面目に返すのは。あそういや、しの最近アリスに英語習ってるんだっけ?」

 

忍「はい!心配ご無用ですよっ!」

 

陽子「おーっ!それじゃ、アリスの英語通訳してみて!」

 

忍「いいですよー。」

 

アリス「It`s been a few weeks since l arrived in japan .And I am getting used the life here. 」

 

忍「えっと・・・私は・・・」

 

アリス「It`s great l could come to japan. Japan is such a suitable place for・・・」

 

忍「略す前にどんどん喋らないで下さい!」

 

アリスの口を抑えながら忍はそう言った。

 

5人「えー!?」

 

驚きの声を上げる中、楓は少し考えた後、

 

楓「アリス、今言おうとしたこともう1回全部言ってみて。」

 

アリス「うん。It`s been a few weeks since l arrived in japan .And I am getting used the life here .It`s great l could come to japan. Japan is such a suitable place for living. And everyone is just so kind。」

 

アリスはもう一度英語で喋った。すると、

 

楓「オーケー。『日本に来て数週間が経ちました。生活にも慣れてきました。私は日本に来られてとても嬉しいです。日本はとても住みやすいです。周りの皆は優しいです。』で合ってる?」

 

アリス「凄いよカエデ!全部合ってるよ!」

 

見事に通訳した楓である。本人は少し満足気だった。

 

陽子「楓英語分かるの!?」

 

楓「まぁ、父さんから色々と聞いてきたし。外国関連なら少し自信はあるよ。」

 

忍「そんな・・・」

 

ショックを受けている忍。

 

昴「まぁそう落ち込まないで。けど、楓のお父さん関連で覚えたなら納得だね。」

 

アリス「?どういうこと?」

 

昴「楓のお父さんは今世界の色んな国をまわってるんだよ。」

 

アリス「え!?すごいよ!」

 

楓「まぁ将来俺もまわりたいって思ってるけどね。さすがにこれには書けないよ。」

 

と、楓は言った。

 

アリス「進路なんて考えたこともないよ。」

 

忍「そんなに悩まなくても大丈夫ですよ。自分がどうなりたいか考えればいいんです。」

 

アリス「(シノすごい)」

 

アリスは忍に憧れの視線を送り、忍にこう言った。

 

アリス「はっきりとは決まってないけど、人の役に立てる人間になりたいな。」

 

忍「なるほど。少し貸して下さい。」

 

アリス「うん。」

 

忍「つまりこういうことですね。」

 

紙には「人間」と書かれていた。

 

アリス「大事な部分か抜けてるよ!?」

 

楓「アリスは今も人間だからな。」

 

アリス「ヨーコは決まってるの?」

 

陽子「んー、そうだなぁ。私は、アイドルになって武道館でライブかな。」

 

昴「おい。」

 

アリス「(すごい!そんな大きな夢を)」

 

またもや憧れの視線を送るアリス。

 

アリス「ヨーコならきっと叶うよ!わたしも応援するからね!」

 

陽子「え?嘘だよージャパニーズジョーク!そこは「むりやろー!」って突っ込むところ。」

 

アリス『日本のジョークレベル高いよ。』

 

陽子「綾は「お嫁さん」とか書きそうだな。」

 

綾「かっ、書かないわよ。」

 

といいながら消しゴムを使う綾。

 

陽子「消してんじゃん。」

 

綾「消すわよ消しゴムだもの!誤字を消すための道具だもの!」

 

といいながら綾はダンッと机を強く叩きながらこう叫んだ。

 

綾「もうっ!だったらなんて書けばいいの!?」

 

海翔「開き直った。」

 

綾「はぁ・・・理想のプロポーズとかなら悩まずに書けそうなのに。」

 

陽子「どうした?乙女モード全開だな。」

 

綾「私は男らしくストレートに言うのがいいと思うのよ!」

 

陽子「(どうしよ・・・絡みづらい)あ、だったら。」

 

すると陽子は綾の顎をクイッと少し上げ、

 

陽子「「俺の嫁になれ!」とか?」

 

と、いつもと違う声で言った

 

綾「やめてよバカ!」

 

陽子「いてぇ!」

 

海翔「ハァ」

 

顔を真っ赤にして慌てる綾に海翔はため息をついた。

 

綾「しのの髪って綺麗なストレートよね。」

 

楓「確かに。」

 

アリス「サラサラだよねー。」

 

忍「そうですかー?アリスの髪の方が素敵ですよー。」

 

フェイ「確かに、地毛が金髪なのは興味深い。」

 

と、フェイは興味ありげな視線を向ける。

 

綾「あ、でも会った時から思ってたけど、ちょっとトイプードルの垂れ耳に似てるわよね。」

 

海翔「なんでトイプードル?」

 

忍「黒かったら昆布っぽくないですか?」

 

綾「そんなヌメっとしてないわ!もふもふよ!」

 

アリス「シュン」

 

それに対し少しアリスはテンションが下がってしまう。

 

昴「当の本人はサラサラがいいみたいだけど。」

アリスの気持ちに察した昴であった。

 

授業中、

 

生徒A「はい、陽子から。」

 

『さっき髪の話してたじゃん。言いそびれたんだけど、綾、今日後ろの寝グセすごいよ!』

 

先生「次の問題を小路さん・・・」

 

綾「寝グセを直してからでいいですか!」

 

海翔「いや、何故今直す。」

 

髪をほどいてくしを取り出す綾に突っ込みをいれる海翔。

 

先生「で、では桐生君に・・・」

 

楓「スースー」

 

フェイ「寝てるね。」

 

授業が終わった後、いつものグループで集まっていた。

 

陽子「楓が寝るなんて珍しいな。」

 

楓「なんかさっき異常に眠くなって。」

 

綾「(もしかして・・・)楓、何か心当たりない?体力を使いすぎたとか。」

 

楓「うーん・・・もしかしてコンボ?」

 

腕を組み、少し考えると、その結論にたどり着いた。楓はヤミーとの戦いで、ガタキリバコンボを使用した後、その場に倒れてしまったのだ。

 

綾「やっぱりね。」

 

昴「コンボ?」

 

陽子「あぁ!あの分身使ったやつか!」

 

フェイ「すまないが、僕らは何か分からない。説明してもらえないかな?」

 

楓「あぁ、コンボは・・・」

 

楓は昴達に同じメダル三枚を集めることで発動するコンボ、それによって強力な力が発揮されることを説明した。

 

昴「なるほど・・・で、楓は大丈夫なのか?」

 

楓「うん。いまのところは。」

そして放課後になった。

 

陽子「かーえろ。」

 

忍「あ、帰りにスーパーに寄ってもいいですか?夕飯のおつかいを頼まれているんです。」

 

陽子「いいよー。今日のご飯はなに?」

 

アリス「林さんのご飯だよー!」

とアリスはニコニコしながら答えた。

楓「それってハヤシライス?」

 

アリス「そうだよー。」

陽子「なんで訳した?」

 

忍「しかも今日のご飯はカレーライスですしね。」

 

そしてスーパーに向かっている時、

 

松木「あら、忍ちゃん、楓君こんにちは。」

 

楓「こんにちは。」

 

忍「こんにちはー。」

 

陽子「誰?」

 

忍「お向かいの松木さんです。」

 

松木「アリスちゃんもこんにちは。」

 

アリス「コニチハ。」

 

と、アリスはカタコトで挨拶した。

 

忍「アリスはああ見えて人見知りですので、慣れてないと日本語を話せないフリをします。」

 

楓「特に大人の人には顕著なんだよ。」

 

綾「まだ日本に慣れてないのね。」

 

陽子「こういうのは経験がものを言うんだ。よしっ、今日のおつかいはアリスに任せよう!」

 

アリス「えっ!?」

 

陽子の提案にアリスは驚いた。

 

忍「いいですね!では、私達は通行人のフリをして見守りましょう。」

 

アリス「なにこの距離感!?」

 

少し距離を空けられたことに動揺するアリス。

 

アリス「わーー!日本のスーパーは初めて入るよ。」

 

忍「そうでしたっけ?」

 

陽子「何が初めてだって?」

 

忍「アリスが・・・大きな声では言えませんが。ゴニョゴニョ」

陽子「アリスがまさか!」

忍「まさかの。」

 

アリス「なんで言いよどむの!?」

楓「何の話してるんだろ?」

 

忍「これが買い物メモです。書いてあるものをカゴに入れてくださいね。ちょっと読みにくかったので、アリス用に書き直しておきました。」

 

アリス「あ、ありがと。(シノ優しいなぁ)」

 

アリスはメモを見るが、それには字ではなく絵で書かれていた。

 

陽子「あれっからすちゃん!学校は?」

 

さくら「見つかっちゃった〜。まだ仕事が残ってるんだけど、ちょっとおやつをね。」

 

陽子「こんな時間に食べたら太るぞー。」

 

さくら「大丈夫よ〜。お豆腐だから!」

 

陽子「(豆腐って、おやつ・・・?)」

 

綾「(わざわざ醤油まで・・・)」

 

さくらの言動に疑問を抱く陽子と綾。その後、綾もカゴを手に持っていた。

 

陽子「綾も買い物?」

 

綾「今日当番だし、ついでに買って帰るわ。」

 

陽子「すげーなー。あ、今日はハンバーグがいいなー!」

 

綾「あのねぇ。」

 

買い物をする綾は陽子の言葉に呆れるが、

 

女性「今日何にするー?」

 

男性「そうだなぁ。」

 

夫婦が買い物をしているのを見た綾は

 

綾「私とあなたはただのお友達だからっ!」

 

陽子「なんだ突然!?」

 

奇妙な言動を取り、陽子は完全に戸惑っていた。

そして、

 

海翔「ジーー」

 

昴「海翔?」

 

海翔「・・・なんでもない。」

 

昴「(そういうことか。)」

 

海翔が少し不機嫌そうに歩いて行くのを見て、昴は何かを察した。

一方、

 

楓「えーっと。」

 

忍「楓君もお買い物ですか?」

 

楓「うん。今日母さん帰り遅いし。あとコンビニでアイス買わないと。」

 

忍「アンクさんですか?」

 

楓「うん。・・・勇さん大丈夫だった?」

 

忍「はい。今日はいつも通りでした。」

 

楓「・・・そっか。よかった。」

 

安堵の表情を見せる楓だが、

 

忍「ムスゥ」

 

楓「どうかした?」

 

忍「なんでもないです。」

 

楓「?」

忍が頬を膨らましていたのを見た楓は彼女に問い掛けるが、不満気に返されたので、余計わからなくなる楓だった。

 

アリス「無事に全部買えたよー!」

 

忍「やりましたねアリス!」

 

陽子「今日の買い物で随分経験値あがったぞ!もうなんでも買えるな!」

 

アリス「例えば?」

 

陽子「株!!」

 

昴「こら。」

 

陽子「あははは、言ってみたかっただけー。」

アリス「かぶ・・・?」

 

楓「アリスにはまだ早いことかな〜・・・」

 

食べ物の方を持ってきたアリスに若干呆れながらそう言う楓であった。

 

忍「せっかくの日本です。一人で好きな所に遊びに行っていいんですよ。」

 

アリス「えーっ、シノと一緒がいいよー。」

 

忍「アリス・・・」

 

完全に喜んでいる忍。

 

昴「そういえば、アリスさんの留学理由聞いてないような。」

 

海翔「確かに。なんでだ?」

 

アリス「シノと同じ高校に行きたかったからに決まってるYO!」

 

綾「そんなお手軽な理由でいいの!?」

 

陽子「どんだけ愛されてるんだよしの!」

二人はその言葉に驚きを隠せなかった。

 

アリス「今日はおつかいさせてくれてありがとう。大分日本に慣れた気がするよ!」

 

綾「(おつかいで・・・?)」

 

アリス「実は日本に来てから苦手なものあったけど、今なら心を開けそう。」

 

陽子「苦手な人でもいるのか?」

 

楓「あ、もしかしてあのワンちゃん?」

 

楓が言うワンちゃんとは学校へ向かう途中にいる柴犬でかなり凶暴なのだ。アリスはその犬と対峙?する。

 

忍「アリスいけません!その犬はいくら日本に慣れても、飼い主以外に慣れることはありませんよ!」

 

楓「え?俺なつかれてるけど?」

 

忍「へ?」

 

犬「ヴーーッ」

 

楓「おぉよしよし。よーしよし。いい子いい子。」

 

犬「クーンクーン。」

 

 

 

アリス『カエデはやっぱりいろいろすごいなー。』

 

忍「ただいまー。」

 

忍母「アリスちゃんどうしたの!?」

 

アリスは先程の戦い?でぼろぼろになっていた。

 

忍「ちょっと不毛な戦いを・・・あ、これおつかいです。」

 

忍母「ありがとう。あら?これってシチューのルー?」

 

アリス「言い忘れてたんだけどわたしカレー得意じゃないんだよ。辛くて〜・・・」

 

忍「買い慣れてる!!」

 

やはり色々と子供なことに驚いた忍である。

アリス「あ、そういえば、カエデもおつかいしてたけど。」

 

忍母「あぁ、また紫音さんがいないのね。大丈夫よ。楓君色々できるから。ホントに早くくっついてくれないかしら〜♪」

 

忍「お母さん!!」

忍母「あらあら。」

そんなこんなで大宮家が騒がしい中、

楓「フーンフーンフフーンフーン♪」

 

鼻歌を歌いながら料理を作っている楓であった。

 

 

 

ある日、カレンは忍達にある相談をしていた。

 

カレン「実は、クラスの子と仲良くしたいけど、上手く出来ないのデス・・・」

 

カレンはA組で、忍達がB組のため、カレンはクラスに友達がいない状況だった。

 

海翔「それはまぁ、しょうがないだろ。」

 

陽子「まだ転校して来たばかりだしな。」

 

忍「外国の方ってだけで、話し掛け辛いのかもしれません。カレンはハーフですけど、見た目は外国人オーラがバンバン出てますし。」

 

アリス「あれ?シノ、私は?」

 

忍「動物に例えると、鹿の群れの中にライオンが居るみたいで」

 

忍「に、逃げなきゃ・・・」

 

綾「しの、その例えは間違ってる。」

 

楓「もっといい例えがあるだろうに。」

 

忍「あ!そう言えば、綾ちゃんは転校経験者なんですよ。」

 

陽子「中一の時にこっちに引っ越して来たんだよな。」

 

綾「う、うん・・・」

 

カレン「Oh!先輩デース!クラスの子と仲良くなれるアドバイスお願いシマース!」

 

綾「そ、そうね・・・一番大切なのは、空気を読む事!」

 

カレン「カザミドリデスね!明日持ってマス!」

 

綾「風じゃないわ。空気よ。」

 

━━━━

 

中学の頃、綾は席に座って終始無言だった。

 

忍『大宮忍って言います。』

 

そんな綾に最初話し掛けて来たのは忍だった。

 

忍『綾ちゃんって呼んでも良いですか?』

 

綾『え、ええ、お好きにどうぞ。』

 

ギクシャクしながら答える綾。

 

忍『学校、案内させて下さい!一緒に行きましょう!』

 

綾『お、お気遣いなく!先生に校内の地図貰ってますので!』

 

この場が静まり返ってしまった。

 

綾『あ、あの、別に嫌だとかでは無くて・・・』

 

━━━

 

綾「う゛っ、古傷が・・・」

 

その事を思い出した綾は少し顔が青ざめていた。

 

忍「綾ちゃん、どうしたのですか?」

 

綾「ごめんなさい、全然参考にならなくて。」

 

 

陽子「そうそう。学校に慣れるまで、ずっと私の側に居てさ。」

 

 

陽子「何かもう、捨てられた子犬状態で。」

 

 

 

綾「嘘よ!デタラメ言わないで!」

 

陽子「本当だろ?」

 

 

 

忍「2人は仲良しさんなんですよ。」

 

カレン「分かりマース。」

 

昴「今考えたら、海翔だって似たようなものだったよな?」

 

海翔「・・・なんで今俺の話題になる。」

 

カレン「カイトも転校生デス?」

 

海翔「いや違う。」

 

昴「海翔って普段表情を顔に出さないタイプだから、中学の時、色んな人から毛嫌いされてたんだよ。」

 

━━━━

 

生徒A『あの人、いつも無表情だから嫌よね。』

 

生徒B『なんでいつもあんななんだよ。』

 

海翔『・・・フン!』

 

くだらないと言わんばかりの鼻息を出す。

 

楓『ああいうの気にしなくていいから。』

 

そこに寄ってきたのは楓だった。

 

海翔『は?どうした?』

 

楓『ん?だって、ああいうのは・・・』

 

海翔『そこじゃない。』

 

楓『?』

 

海翔『お前、なんで俺みたいな奴に話しかけるんだよ。ほっとけばいいだろ。』

 

海翔は自分みたいなのに話しかけるのかという雰囲気で問い掛ける。

 

楓『う〜ん。そうだなぁ。なんか君とは仲良くなれそうだったからかな。』

 

海翔『・・・!』

 

その言葉に海翔は少し驚いた表情を見せる。

 

楓『まぁ、俺の勘だけど。』

 

昴『楓。』

 

楓『あぁ、昴。』

二人の元に来たのは昴だった。

 

昴『ん?その人誰?』

 

楓『あっ!えっと・・・』

 

海翔『・・・瀬戸海翔。海翔でいい。』

 

軽い自己紹介をする海翔だった。

 

━━━━━

 

陽子「なんか楓らしいな。」

 

海翔「お節介ってもんじゃなかったがな。」

 

アリス「でも、カエデは昔から色んな人に優しかったんだね。」

 

楓「そうでもないよ。」

 

その後、カレンは烏丸先生を観察していた。周りには女子生徒達が先生に質問していた。次は忍を観察忍は綾と陽子と三人で会話をしていた。

 

忍「うっかり12時間寝ちゃいまして。」

 

綾「寝過ぎよ。」

 

その後カレンは中庭のベンチに座って鏡で自分の顔を映してた。

 

忍「何してるんですかカレン?」

 

そこに忍が声を掛けた。

 

カレン「ああ、シノ。」

 

そこでカレンは忍に悩みを言った。

 

忍「そうですか、クラスの子とまだ打ち解けてないのですね。」

 

カレン「釣り目だから話し掛け辛いのかな?って、シノは穏やかで話し掛けやすくて良いデスね。」

 

忍「人と人が分かり合うには時間が掛かりますよ。カレンは笑顔がとっても素敵です。友達100人も夢じゃないですよ!」

 

カレン「皆優しくて大好きだけど、シノは特別な感じするです。」

 

忍「えへへ、照れますね〜。」

 

そんな2人をアリスはショックを受けていた。

 

陽子「そういや、カレンは部活入らないの?」

 

カレン「部活デスか・・・アリスは何処か入ってマスか?」

 

忍「私達は帰宅・・・」

 

アリス「シノ部だよ!!」

 

綾「え?何それ!?」

 

アリス「シノとお話したり、お弁当食べたりする部活だよ!!」

 

カレン「うわー!それ私も入りたーい!!」

 

アリス「部長は私だからね!!」

 

忍「そうなんですかー。」

 

綾「えっと・・・つまり単なるファンクラブ?」

 

昴「いつから出来たの?それ。」

 

放課後のホームルームの時間になり、カレンはどうすれば仲良くなれるかを考えていた。

 

先生「以上です。他に委員会からの連絡など、伝えたい事はありませんか?」

 

その時、カレンはある事を閃き、

 

カレン「ハイハイハーイ!」

 

そこにカレンが挙手した。

 

先生「え?九条さん?どうぞ。何かしら?」

 

指名されたカレンは立ち上がって皆の前に立った。

 

カレン「え?」

 

周りは皆カレンを見てちょっと驚いてた。

 

カレン「大丈夫デス!丸腰でゴザル!」

 

その言動にクラスの人達は戸惑いを見せるが気を取り直してカレンはこう言った。

 

カレン「私はイギリスから来マシタけど、皆と同じ高校生デス!皆と仲良くなりたいデス!お気軽に話して下サイ!私も頑張るデス!」

 

満足したかのように一息。周りは拍手をしていた。

 

忍「カレンってすごいですね〜。」

 

アリス「カレン・・・」

 

そして放課後、カレンが皆と帰ろうとしていると。

 

生徒「カレンちゃん。バイバイ。」

 

カレン「バイバーイ!また明日!皆話し掛けてくれました!良かったデス!」

 

陽子「良かったな!」

 

昴「有言実行とはこの事だな。」

 

アリス「カレンは昔からハッキリした性格なんだよ。でもそこがカレンの良い所で好きな所だよ。」

 

カレン「ありがとう!私もアリス大好き!」

 

嬉しくなりアリスに抱き付いた。

 

カレン「勿論シノも大好きー!」

 

今度は忍に抱き付いた。

 

アリス「ハッキリしすぎー!」

 

陽子「あ!アリスがまたやきもち妬いちゃったぞー!」

 

海翔「おい、煽るな。」

 

アリス「やきもちなんて妬いてないよー!」

 

陽子「分かった分かったー!」

 

その後の帰り道。

 

アリス「バイバーイ!」

 

昴「じゃあまた明日!」

 

海翔は昴とアリスの言葉に手を上げ返した。そして、海翔と綾は二人で帰っている。

 

綾「ねえ海翔。私も中学生の時もう少しハッキリしていたら、カレンみたいに皆とすぐ仲良くなれたかしら?」

 

海翔「さぁ、俺も人の事は言えないけど、後からでもそうやって反省出来るのは綾の良い所だと思うぞ。」

 

綾「え?私の・・・」

 

綾は海翔の言葉で顔を赤らめている。

 

海翔「こう言うはハッキリしてるな。」

 

綾「う、うるさい!」

 

それは中学の頃、海翔と綾が知り合って数週間のこと、家までの道がほぼ同じだったので、こういった感じで帰っていた。

 

綾『なんでいつもここまで?』

 

海翔『いや、俺家コッチだし。それに・・・』

 

綾『?』

海翔『猪熊と大宮には連れがいるけど、お前だけいないだろ。一人でってのも危ないし。』

 

綾『!』

 

海翔『じゃ。』

 

綾は周りをちゃんと見てることに驚き海翔の背中を見つめ続けていた。

 




はい、まずはこんなに遅くなったのをお詫びします。時にこれくらい遅くなるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いいたします。
ではオリキャラ紹介をします。

八神フェイ

年齢 15歳

身長 152㎝

体重 50㎏

趣味 読書・物を調べる事

とある事情で八神家に居候している。好奇心旺盛で、興味が沸いたらそれをとことん調べる。だが、その分飽きやすいのが難点。

こんな感じです。それではまたお会いしましょう。



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番外編 フェイの1日とキャラ変更事項

今回は番外編として、二つの事をします。一つ目は前作を読み返してみると、「フェイに出番が全くなかったじゃねぇか!」となってしまい今回はフェイを中心とした話をします。二つ目は、原作キャラの変更事項の説明をします。今回はかなり短めです。それではどうぞ!



フェイ「ふぅ。これも読み終えたか。」

 

僕の名前は八神フェイ。本当は別の名前があるのだが、それはまた別の機会に。僕はいつも家で本を読んでいるのだが、なんと言うことか、全ての本を読み終えてしまった。

 

 

フェイ「うーむ。」

 

僕はどうするか考えていると、昴の言葉を思い出した。確か「やることがないなら、一度外に出て気分転換をしたらどうだ。」だったか?

 

フェイ「そういうのもありか。」

 

僕は着替えて外へと足を踏み出した。

 

フェイ「とは言ったものの、何をしようか。」

 

ぶらぶらと歩いていたら、あるものが目に入った。

 

フェイ「まじょっ子ぷりずむ?」

 

そう言えば、ああいうのを旭さんも見ていたような気がする。あれが世に聞く着ぐるみショーというやつか。

 

フェイ「せっかくだし、見てみようか。」

 

僕はそこへと歩き出した。

 

すると・・・

 

???「香奈ちゃん、ちょっと恥ずかしいよ〜。」

 

???「ちびっこに変装してるから浮いてないはず!」

 

???「無理があるよ〜!」

 

栗色の髪のツインテール?の子とショートの子がいた。彼女達は変装して見ているのか。ということは高校生くらいなのか?僕はそう思い、彼女達の元へと歩み寄る。

 

???「穂乃花、子供の心を取り戻して!」

 

???「でも高校生なんて周りには私達しか・・・」

 

フェイ「おや、やはり君達も高校生なのかい?」

 

二人「いた━━━━!?」

 

突然彼女達は叫んだ。やめたまえ。鼓膜が破れてしまう。

 

ショーを見終えた後、僕と彼女達はその場で会話を始めた。

 

フェイ「あの番組は子供から大人にまで人気だと聞いたのだが、本当のようだね。」

 

???「えっと・・・オタクとか言わないの?君。」

 

彼女はそんなことを言った。なんだ、そんなことを気にしていたのか。

 

フェイ「僕をああいう人達と一緒にしないでくれたまえ。僕は興味が沸いたものにしか手をつけない。君達だって興味があるからこれを見に来たのだろう?興味を持つ人を笑う人達なんて気にしなくてもいいんじゃないかな?」

 

二人「・・・」

 

彼女達は豆鉄砲を食らったかのような顔をしていた。

 

フェイ「おや、少し長かったかな?」

 

???「えっと・・・結構大人な事言うね。君。」

 

フェイ「僕は高校生だ。」

 

香奈「私は日暮香奈。香奈でいいよ。で、コッチは友達の松原穂乃花。」

 

穂乃花「よろしく。私も穂乃花って呼んでね。えっと・・・」

 

フェイ「八神フェイだ。フェイでいい。」

 

穂乃花「あ、フェイ君ってもえぎ高校に転校してきた子?」

 

フェイ「あぁそうだが、ということは君達もそうなのかい?」

 

香奈「うん。ところで、フェイ君はどうしてここに?」

 

フェイ「なに。単なる暇つぶしさ。」

 

香奈「暇つぶしで?」

 

フェイ「というよりは気分転換かな?だが、あれは中々面白かったね。」

 

穂乃花「暇つぶしで・・・すごいなー。」

 

フェイ「じゃあ僕はこれで。」

 

香奈「あ、フェイ・・・」

 

フェイ「なんだい?」

 

香奈「えっと・・・ありがとう。」ニコッ

 

フェイ「・・・」

 

なんだ?彼女の笑みを見た瞬間、何かがこみ上げて・・・それに、顔の辺りに熱を感じる。

 

香奈「あれ、どうかした?」

 

フェイ「な、なんでもない。気にしないでくれたまえ。」

 

僕はなんとかこの場をしのぐ。

 

フェイ「・・・しかし、あれには少し興味が沸いた。香奈と言ったかな?あれについて説明してもらえないかい?」

 

香奈「え?興味が沸いた?・・・ホントに!?」

 

フェイ「あぁ。」

 

香奈「わかった!色々と教えるよ!任せて!」

 

目をギラギラさせながら香奈は説明を始めた。

 

穂乃花「(か、香奈ちゃんがアツい!)」

 

それから僕達は穂乃花のレストランに行く事になる。

そして、

 

香奈「って感じなんだけど、それで!」

 

香奈は説明に夢中になっている。それを見た僕は少し彼女は子供みたいだと思った。

 

 

けれど━━━━

 

 

 

フェイ「なるほど。とても興味深いね。」

 

 

━━━少し、香奈にも興味が沸いたようだ。

 

 

昴「あれ?フェイいないのか。ん?これ。」

 

昴は玄関の書き置きに目が入った。そして、そこにはこう書かれていた。

 

 

『少し気分転換に行ってくる。少ししたら戻る。』

 

昴「少し変わったな。あいつ。」

 

それを見た昴は少し笑みを浮かべた。

 





はい。突然のフェイに初恋到来か!?という感じになりました。フェイの長い話、実は原作を読んだ後の自分の考えです。自分の周りでもよくオタクだとか言われるのですが、正直な話、そんな風に人の趣味をそんな感じで小馬鹿にするのはやめて欲しいですね。オタク呼びをやめて欲しい香奈に同感します。

失礼、長話でした。では、ここで二つ目のキャラの変更事項についてまとめておきました。
こちらです。

大宮忍 桐生楓の幼馴染。外国好き、金髪好きは変わらず、それ以上に楓が好きで楓のことになると頭がいっぱいになり、かなり感情的になってしまう。


アリスカータレット 日本大好き、忍大好き、忍は楓が好きなのは知っているため、なるべくのサポートをしようと決めている。



猪熊陽子 超鈍感、なおかつ性格良いのはそのまま。とにかく行動派。恋愛感はとても乏しいが、昴には何か特別なようで?


小路綾 陽子になついている。ツンデレは健在。しかし、とあることがきっかけで海翔に想いを寄せることになる。



九条カレン 忍が好き、アクティブはそのまま。周りをしっかり見ており、同じクラスの氷室翔琉に助けられる。



日暮香奈 ここのキャラの中で唯一の的な人。だが、少し子供向けのアニメが好きで、それをかくしている。フェイとはアニメのショーで偶然知り合い、好意を寄せることに。

松原穂乃花 金髪大好き、カレンが大好き、香奈の付き添いでアニメのショーに赴いた時にフェイと知り合う。香奈がフェイに好意を寄せていることを知っているため、自分なりに応援することに。





と、大体こんな感じです。今回はかなり短めでしたが、お許しください。それではまたお会いしましょう。



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男子会と女子会と新たなベルト


オリジナル書くとこんなに短くなるんだね。


とある休日、桐生家で男子だけの入学パーティーをしていた。今更なのは気にしない。

 

楓「え?好きな人?」

 

昴「そ、楓いんの?」

 

楓「いないけど。」

 

そして、男子達での恋ばなが始まる。楓は即答でいないと答える。

 

昴「マジか・・・海翔。どう見る。」

 

海翔「なんの動揺もないからあれはガチだな。・・・ここまできたら大宮が可哀想になってきた。」

 

海翔は楓もあまりの鈍感さに頭を抱える。

 

楓「?なんでしのが出てくんの?」

 

昴「あぁ、気にしないでいい。コッチの話だから。」

 

海翔「そういや、昴も聞いたことないな。こういうの。」

 

昴「俺?いるよ。」

 

楓「え?いたんだ。」

 

海翔「言いたくないと思うが・・・誰だ?」

 

昴「陽子。」

 

海翔「・・・え?」

 

戸惑いを見せる海翔。

 

昴「だから陽子だって。」

 

楓同様、昴は見事な即答で答える。それもいると。名前まで出して。

 

海翔「・・・以外だ。」

 

昴「お父さんからも言われた。」

 

どうやら以外だと昴も自覚わしていたらしい。

 

楓「ねぇ海翔。一ついい?」

 

海翔「・・・なんだ。」

 

楓「海翔の好きな人ってさ・・・」

 

そこに静寂が走る。そして、楓は海翔に質問をする。

 

楓「もしかして綾?」

 

海翔「!?な、なんでそうなる。」

 

まさに、なぜわかった!?と言わんばかりの表情を見せる海翔。普段顔に出さないせいか、二人は納得がいる。

 

楓「いやーだって、海翔中3の時チラチラ見てたし。そうかなって思ったんだけど。」

海翔「・・・」

 

明らかに目をそらす海翔。

 

昴「あれは図星だね。・・・それがわかるんだったらなんで大宮さんのは気づかないんだろうね。不思議だ。」

 

楓「ん?」

 

海翔「・・・楓って、鋭い時と鈍い時があるよな。」

 

楓「な!俺だって気にしてるんだぞ!」

 

昴「気にしてたんだ。」

 

海翔「また、なんでだ?」

 

楓「実は母さんに『お前はもうちょっと恋愛に気を配れ。鈍感すぎる』って・・・」

 

楓は少ししょんぼりする。

 

昴「紫音さん。中々容赦ないな。」

 

海翔「いや、こいつの場合、容赦なく言っても無駄だと思うんだが。」

 

楓「ちょっと!そんなに俺をいじめて楽しいか!?さすがに傷つくぞ!」

 

昴「いや、なんかこういう楓は珍しいなって。」

 

楓「ひどいにも程があるぞ!」

 

二人はマシンガントークをしていると、

 

海翔「・・・フフッ」

 

昴「ん?・・・海翔笑った?」

 

海翔は一瞬笑顔を見せた。だが、すぐ無表情に戻ってしまう。

 

海翔「・・・気のせいだ。」

 

海翔「(すごいな楓達は。自分の事をちゃんとわかってて、それだなお、駄目な場所と向き合っている。)」

 

海翔「(・・・俺も、向き合わないとな)」

 

窓を見て海翔はそう考えていた。

 

一方、女性陣もパーティーをしていた。彼女達もどういうわけか、恋ばなの話題になっている。

 

綾「しのって結構わかりやすいのに、楓には全然届いてないみたいね。」

 

忍「はぁ・・・」

 

ため息をつく忍。

 

陽子「まぁまぁしの。絶対楓でもいつかは気づくよ。さすがの楓でも、卒業までには。多分・・・きっと・・・」

 

アリス「ヨーコ。全然フォローになってないよ!」

 

カレン「大丈夫デス!シノの想いは、きっとかえでカエデに届きマス!」

 

忍「カレン・・・」

 

陽子「うーん。にしても、綾って海翔をチラチラ見てるよな。」

 

綾「え!?ななな、なんで今その事になるのよ!」

 

アリス「そっか。アヤはカイトが好きなんだね。」

 

綾「そ、そういうのじゃないわ!ただ・・・」

 

陽子「ただ?」

 

綾「なんというか・・・海翔って、いつも無表情じゃない?それがなんとなく心配で。」

 

アリス「確かに。それで中学の時も嫌われてたって。」

 

忍「昔なにかあったのでしょうか?」

 

カレン「カイトはいつも無表情なんデスか?」

 

陽子「そっか。カレンは違うクラスだからな。」

 

アリス「そうだよ。私達もちょっと心配してるんだよ。」

 

その場は少し暗い雰囲気に包まれる。それを紛らわすように、カレンは話題を変えた。

 

カレン「ところで、ヨーコも好きな人いマスか?」

 

陽子「そうだなぁ。私ってそういうのはあんまりわかんないし。」

 

アリス「スバルは?」

 

陽子「うーん。昴が彼氏かぁ。・・・アリかも!」

 

綾「そんな簡単に決めちゃダメよ!」

 

陽子「えー?けど、昴といると楽しいし。」

 

カレン「シノ!これはまさか!」

 

忍「陽子ちゃん。無意識に楽しいと思えるのは、きっといいことですよ。」

 

陽子「う、うん?」

 

忍「ですので、今度昴君と話す時に、少し意識してみてはどうでしょうか?」

 

陽子「意識かぁ。やってみるよ。ありがとうしの。」

 

忍「いえいえ。」

 

かくして、彼ら彼女らは、自分達の楽しい日常を送っていた。

 

一方、その裏で、彼らは・・・

 

旭「よーし!できたぞ!」

 

亜美「旭さん。気持ちはわかりますが、もう少し慎んで下さい。」

 

旭「おや、ごめんごめん。さて、これを誰に使ってもらうか。」

 

亜美「旭さんの親戚とかに使っていただくのはどうでしょうか。彼も一応関わっているんでしょう?」

 

旭「うーん。けど、彼、結構プライド高いからねぇ。メダル関係、特にオーズ以外になるつもりはない!とか言いそうだし。・・・おや?」

 

亜美「旭さん?」

 

人物リストを見て、旭は真顔になる。

 

旭「・・・亜美君。車を出すから、少し付き合ってくれないかな?」

 

亜美「・・・見つけたんですね。」

 

旭「あぁ。彼ならきっとこれを・・・」

 

彼の手には4つのスイッチ、赤いボタン、レバーがついているベルトを手に取る。

 

そして彼が見ていたリストには一人の名前に丸がついていた。

 

瀬戸海翔と。

 

 





はい。急展開!これは・・・どうなるか!?(下書きに使っていたノートを間違えて捨ててしまった末路)



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スカウトと条件と記憶喪失

連続投稿できたぜ!
けど、今回は結構重い・・・


休日、海翔は一人で小説を読んでいた。その時、

 

ピンポーン

 

海翔「・・・誰だ?楓達ではないはず。」

彼らには自分の家は教えていないため、訪問者ではないと考えた。そして、海翔はドアを開ける。

そこにいたのは・・・

 

旭「やぁ、君が瀬戸海翔君かい?」

 

海翔「・・・あんたは?」

 

望月旭と氷室亜美だった。

 

旭「なーに。しがない科学者さ。」

 

紳士の如く礼をする旭。

 

亜美「旭さん。彼があれを渡すのにふさわしいと?」

 

海翔「あれ?」

 

旭「そう。そのあれとは、これだ!」

 

ババーンと音が出るかのように堂々とベルトを取り出した。

 

海翔「・・・なんだ?」

 

旭「そう!名付けて!フォーゼドライバー!」

 

海翔「フォーゼドライバー?」

 

旭「そう!」

 

「なに言ってんだこいつ」海翔はそんな目を向けた。

 

亜美「すいません。旭さんがこれなので私が代わりに説明をします。」

 

旭「そういうわけで亜美く・・・あれ?今さらっと毒はかなかった?」

 

亜美「このフォーゼドライバーはあなたのご友人、八神昴君や桐生楓君が使う物をベースに作ったものです。これを使って、怪物を倒して下さい。」

 

海翔「なんで俺がそんなことを・・・」

 

旭「・・・瀬戸心咲。」

 

海翔「!?」

 

旭「君ならわかるよね。この名前。」

 

海翔「・・・だったらなんだ。」

 

少し海翔の表情は暗くなる。

 

海翔「もう。その名前の人は・・・俺の姉は、もういない。」

 

そう。旭が口にした瀬戸心咲とは、瀬戸海翔の実の姉である。心咲はいつも自分よりも海翔中心で動いているため、いつも海翔と一緒にいた。海翔本人も、それを嫌っていたわけでなく、ごく普通の日常を送っていた。だが、7年前の交通事故で、姉は亡くなった。海翔はそう伝えられ、ひどくショックを受けた。彼が無表情になったのもこの事故が原因である。

 

旭「・・・そっか。確か君にはそう伝えられたんだっけ。彼女は今生きている。」

 

海翔「は?」

 

旭「僕、実は色んな資格を持っててね。それに、悪友に頼まれたんだ。断るわけにはいかないしね。」

 

海翔「悪友?」

 

旭「僕と君のお父さんは、大学時代に知り合ってね。あまりに意気が合ったからね。」

父親の知り合い、姉を救った人が目の前にいる。海翔は旭にこう頼んだ。

 

海翔「・・・じゃあ、俺を会わせてくれるか。」

 

旭「・・・」

 

少しマズイと目をそらす旭だが、すぐに海翔に目を戻す。

 

海翔「?」

 

旭「・・・そうだね。ちゃんと受け止めてもらわないと。」

 

海翔「・・・姉ちゃん。何してたんだよ、心配したんだぞ!」

 

心咲「・・・?」

 

彼女はロボットのように首を傾げた。

 

海翔「姉ちゃん?」

 

心咲「・・・君、誰?」

 

その場に静寂が走る。それは今の海翔には受け止められない状況だった。

 

海翔「・・・は?な、何言って・・・俺だよ!瀬戸海翔!あんたの弟だ。」

 

心咲「・・・わからない。私には、何も・・・」

 

海翔「・・・」

 

彼女の悲しげな顔を見て、海翔は血の気が引いていた。

 

旭と海翔は心咲がいた部屋から離れ、会話をしている。

 

海翔「記憶喪失・・・」

 

旭「なんとか一命はとりとめた。だが・・・君が見た通り、彼女は記憶喪失、自分の過去を忘れている。」

 

海翔「・・・」

 

旭「こんな言い方は酷いのは承知だが、君と取引をしたい。」

 

海翔「取引?」

 

旭「あぁ。彼女を君と一緒に暮らせるようにする。支給するべきものは支給しよう。その代わり、君はこれを使って昴君達と戦かってくれないかな?」

 

海翔「・・・俺にその資格はない。なんで俺なんだ。」

 

旭「・・・じゃあ、君に質問するよ。」

 

海翔「?」

 

旭「もし、君の友達が怪物に襲われてたとしたら、どうする?」

 

海翔「そんなの、助けるに決まって・・・」

 

旭「そう、それでいいんだよ。」

 

海翔「は?」

 

旭「資格なんて御大層なもの、僕が作った物に求めたくないしね。それに、資格あるなしじゃない

 

・・・君に使って欲しいんだ。」

 

旭の真剣な顔を見た海翔は少し動揺する。

 

海翔「・・・少し、考えさせてくれ。」

 

旭「・・・ふむ。確かに急かしすぎたね。気持ちが固まったらでいい。ここに連絡を。」

 

連絡先が書かれたメモを受け取る海翔。

 

旭「じゃあ、今から君達を車で送るから。」

 

海翔「たち?」

 

旭「おや?決まっているだろう?心咲君と君だよ。」

 

心咲「・・・あの、瀬戸さん。」

 

海翔「・・・海翔。」

 

心咲「え?」

 

海翔「海翔って呼んでくれ。家族に名字で呼ばれたくない。」

 

心咲「か、海翔。」

 

海翔「ここが姉ちゃんの部屋。ちょっと埃っぽいけど。」

 

心咲「埃っぽい・・・これは?」

 

一冊の本を手に取る心咲。

 

海翔「それはアルバム。昔の写真とか置いてる。」

 

心咲「アルバム・・・?私の昔?」

 

彼女は興味を抱いたのか、アルバムを開く。そこには自分と海翔が写っている写真がたくさんあった。

 

心咲「昔の私ってこういう人なのかな?」

 

海翔「まぁ、そうだな。」

 

心咲「・・・戻れるかな?」

 

海翔「!」

 

心咲の笑顔を海翔はみる。そして、こう思った。

彼女は記憶がなくなってても自分の姉なんだと。

 

海翔「・・・ちょっと風呂沸かしてくる。一人で入れるだろ?先に入る。」

 

少し早歩きで部屋を出ていく。そこには心咲だけが取り残された。

 

心咲「(あの子にとって、今の私は・・・)」

 

きっと今の自分は見ていられない存在なんだろう。そう思ってしまう。その時、

 

心咲「(この写真・・・)」

 

一枚の写真を見つける。

 

亜美「いいんですか?旭さん。彼の方のメリットを先に与えて。」

 

旭「こうすれば、なるべくオーケーを出してくれるだろう。」

 

亜美「・・・やっぱり、質が悪いですね。」

 

旭「言うな。自覚している。それに・・・」

 

彼は笑みを浮かべる。それはまるで、勝利を確信したかのような。

 

旭「彼ならやるさ。僕の目に狂いはない。」

 

亜美「はぁ・・・旭さんがそういうなら、きっとそうなんでしょうね。」

なんだかんだ言いながらも、旭を信用している亜美である。

 

一方その頃、

 

海翔「はぁ・・・」

 

海翔は湯船に浸かって、考え事をしていた。

それは、車で送ってもらっているときの旭の言葉。

 

旭『彼女は記憶を失っている。だが、もちろん取り戻せない訳じゃない。だから、君には、彼女とともに生活をして、彼女の記憶を取り戻す手伝いをしてもらいたい。』

 

海翔はこれを了承したが、まだ実感がわいていない。自分には死んだと言われた姉が生きており、記憶喪失になっていたのだから受け止めようにもできない状況である。

 

海翔「せっかく・・・生きてたのに・・・」

海翔は一人、ただ涙を浮かべていた。

 

 




はい。という訳でオリキャラ紹介です。今回は二人やります。


桐生悠木

年齢 20歳

身長 170㎝

体重 65㎏

趣味 マンガを読むこと

桐生楓の兄。大宮勇と交際しており、現役の警察官である。ヤミーの攻撃で意識を失うが、アンクが憑依したことで一命をとりとめている。



瀬戸心咲

年齢 19歳

身長 164㎝

体重 51㎏

趣味 不明

瀬戸海翔の姉。自分よりも海翔中心で動いているため、いつも海翔と一緒にいた。だが、7年前、交通事故にあってしまう。望月旭がそれを助け、一命をとりとめている。だが、彼女は意識が戻るより前の記憶を失っている。





こんな感じです。今回ちょっと重かったかと思います。すいません。




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手助けと少女と恋模様

日常と書いているのにヤミーとの戦闘ばかりだとなぁ。
そうだ。恋愛成分を入れよう。


多国籍料理店クスクシエ。ここで一人の少年が次のフェアの準備をしていた。

 

楓「さて、こんなところか。」

 

そう。その少年とは楓の事である。楓はアンクの件もあり、バイトをすることを決心したのである。

 

知世子「ありがとうね楓君。助かったわ。」

 

楓「いえいえ、バイトさせてもらってるわけですし、これくらい当然ですよ。」

 

知世子「じゃあ、気をつけて帰ってね。」

 

楓「はい。」

 

帰り道、楓は財布を見る。

 

楓「帰りにまたアイス買わないと。」

 

そんな一人言をしていると、

 

キャー

 

楓「!?」

 

悲鳴が聞こえたので楓はすぐさまその場所へと向かった。

 

???「やめて下さい!」

 

チンピラ1「いいじゃねぇか。」

 

楓「やめろ!嫌がってるだろ!」

 

絡まれている女子の前に立つ。当然チンピラ達は黙っていない。

 

チンピラ1「なんだお前。」

 

チンピラ2「兄貴に口出ししようってか!?」

 

チンピラ3「兄貴はケンカ強えんだぞ!」

 

 

 

楓「ふーん。じゃあ、やってみれば。」

 

楓は左手で来いと相手を挑発する。

 

チンピラ1「ガキが。調子に・・・!?」

 

チンピラの言葉は最後まで言われることはなかった。楓の見事な背負い投げが炸裂したからである。

 

楓「こっちは柔道黒帯の母に教えてもらったんだけど・・・やる?」

 

チンピラ達「ひ、ヒィーー!」

 

一睨みした瞬間、チンピラ達は手のひらを返して逃げ出した。

 

楓「ふぅ。大丈夫だった?」

 

???「は、はい。ありがとうございま・・・す。」

 

少女は楓の顔を見た瞬間、顔を赤くしはじめた。

 

楓「?」

 

それに対し楓は首を傾げる。

 

???「き、桐生君!?」

 

楓「え?俺の事知ってるの?」

 

???「知ってるよ!私、同じクラスだし、中学の時も同じクラスになったでしょ?」

 

首を傾げるが、すぐに思い出す楓。

 

楓「・・・あ!もしかして、篠原さん?」

 

舞「そう!篠原舞!」

 

篠原舞。彼女は中学二年の時に楓と知り合って以降度々話しているが、高校に入ってから話す機会が減っていたのである。

 

楓「久しぶり!こうして話すの中2以来だっけ?」

 

舞「うん。」

 

舞「桐生君、今帰りなの?」

 

楓「うん。バイト帰り。」

 

舞「バイトしてたんだ。どこ?」

 

楓「クスクシエってとこ。篠原さんは?」

 

舞「私はお店の材料の買い出し帰りで。」

 

楓「和菓子屋だっけ?」

 

舞「うん。」

 

prrrrr

 

舞「あ、ごめんね。」

 

舞「もしもし、お母さん。うん。うん。え!?それどこで!ちょっとお母さん!」

 

楓「どうかした?」

 

舞「ううん。何でもないよ。じゃあ、帰るね。」

 

楓「あ、送ろうか?さっきみたいになるのもアレでしょ?」

 

舞「うん。ありがとう。」

 

舞「(うぅ。なんでお母さんが知ってるの?)」

 

楓「じゃあね。」

 

舞「うん。じゃあね。」

 

舞「お母さん!」

 

「およ?どうした舞。」

 

舞「な、なんでお母さんが!」

 

「あぁ。あんたがあの子の事好きだってことでしょ?大丈夫よ。誰にも言いふらしたりしないから。」

 

舞「うぅ・・・」

 

舞「(私は今、ある男の子に恋をしている。)」

 

写真立てを見つめる舞。そこには柔道の授業時の楓が写っていた。

 

舞「(桐生楓君。誰にでも優しくて、色んなことを知ってて、柔道が強い男の子。)」

 

prrrrr

 

舞「?誰だろ?もしもし。」

 

???「あー舞?私だけど。」

 

舞「は、華ちゃん!?」

 

藤咲華。舞と同じ高校に通っていて、同じクラスの女の子である

 

華「あんたね、いい加減桐生君と進展しなさいよ。せっかくあんたの親御さんに伝えてその気にさせようとしてるのに。」

 

舞「あれやっぱり華ちゃんだったの!?」

 

身近に犯人がいたことに驚く舞。

 

華「にしても舞。あんた意外とヤバイ状況なのわかってる?」

 

舞「?どういうこと?」

 

華「大宮忍って女の子いるでしょ?」

 

舞「うん。中学の時少しだけ話したけど。」

 

華「その子、桐生君のお隣さん、つまり幼馴染よ。」

 

舞「え・・・えーーー!?」

 

驚きの声を上げる舞。

 

華「ね?ヤバイ状況でしょ?あんたは結構不利なわけ。」

 

舞「けど、忍ちゃんが桐生の事・・・」

 

華「多分好きよ。」

 

舞「え?」

 

華「あんたと同じくらいバレバレだったもの。それでも気づかないなんて彼なんなんだろうね?」

 

舞「・・・華ちゃん。」

 

少しの沈黙の末、舞は一つの決心をする。

 

華「?」

 

舞「私・・・やるよ。桐生君に伝えて見せるから。」

 

華「舞・・・」

 

感激した華だが・・・

 

舞「ボンッ///」

 

華「!?」

 

舞「どうしよう・・・想像したら段々恥ずかしくなってきた。///」

 

華「いやいやあんたね・・・覚悟決めたんでしょ?なら頑張んな。」

 

舞「うん。」

 

一方の楓は

 

楓「ただいまー。ん?」

 

紫音「あー楓?今忍ちゃん達でご飯食べてるから、楓も混ざる?」

 

楓「えーと。話に入るくらいは。ご飯食べて来たし。」

 

アリス「カエデー!お帰り!」

 

忍「お帰りなさい。」

 

紫音「ニヤニヤ」

 

楓「?どうしたの?」

 

紫音「いや、将来こんな事が起こるのかと思うと・・・笑いが・・・ククッ」

 

この光景が紫音のツボに入ったらしい。

 

忍母「そうよねー。いつになったらコッチにも報告がくるか楽しみでー。」

 

忍「もー!///何を言ってるんですかー!///」

 

顔を赤らめながら叫ぶ忍。その中、

 

勇「ねぇ楓君。」

 

楓「はい?」

 

勇「ちょっといい?」

 

楓と勇は外に出ていた。

 

勇「あのアンクって腕の事。考えたのよ。」

 

楓「・・・絶対取り返します。」

 

勇「うん。それは楓君しかできなさそうだし。だから、出来ることがあったら言ってね。協力するから。」

 

楓「・・・ありがとうございます。」

 

再び家に戻った二人。

 

アリス「カエデ!イサミ!どこ行ってたの?」

 

楓「うん。ちょっとね。」

 

忍「・・・アンクさんの事ですか?」

 

楓「うん・・・出来ることがあったら協力するって。」

 

海翔「なんだかんだでもらってしまった。ご丁寧にマニュアルまで。」

 

パラパラマニュアルを捲りながら戸惑っている。

 

海翔「俺に使って欲しい・・・か。」

 

フォーゼドライバーを手に取る海翔。

 

海翔「もし・・・もし俺でも誰かを助けられるなら、誰かの手を掴めるのなら・・・!」

 




次回 男子高校生のきんいろな日常は。

昴「これが俺達の強化アイテム?」

香奈「ホントに変身できるの!?」

楓「つまりそういう事じゃないかな?」

忍「でも、人を好きになるのはいいことですよ?」

綾「そっか・・・多分。」

海翔「宇宙キターー!!」

次回「鋼鉄と猛獣と宇宙戦士」


なんかやってみたくなりました。



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鋼鉄と猛獣と宇宙戦士

ある日、昴は旭の場所を訪れていた。

昴「強化アイテム?」

旭「そう!このメモリガジェットがそれさ!」

昴「これは?」

旭「それはバットショットそれをトリガーマグナムにつければ狙撃が可能になる。」

昴「ただのカメラですよね?」

旭「今はね。でも、このバット専用のメモリを挿せば、」

カメラにメモリを挿した。すると、それはコウモリに変わり、辺りを飛び回っていた。

昴「コウモリになった。」

旭「このスタッグフォンはクワガタ。このスパイダーショックはクモ。このフロッグポットはカエル。このデンデンセンサーはカタツムリさ!」

誇らしげに語る旭に昴は複雑な表情で呟いた。

昴「なんでこんな特定の状況でしか使えない物を作るんですかね?」

旭「フフン!そうだ!忘れるところだった!」

昴「?」

旭「これを!」

昴「これって・・・!」

一方、アンクはタブレットを操作して、コアメダルの現状を確認していた。

アンク「コアメダルの現状はこんなところか。俺が9枚・・・カザリ達が、17枚から27枚。それ以外は少なく見積もっても9枚か。残これがどこにあるのか・・・」

━━━━

フォーゼドライバーを受け取ってから数日が経ち、海翔はいつもとは少し違う生活を送ることになった。
なぜなら・・・

海翔「お、おはよう姉ちゃん。」

心咲「うん。おはよう海翔。」

海翔の姉、心咲と生活することになったからである。はたから見れば普通に思えるかもしれないが、この姉弟には少し事情がある。海翔の挨拶に心咲は微笑みで返す。それからは二人に会話はなく、海翔は学校へと向かう。

海翔「じゃあ、行ってきます。」

心咲「うん。いってらっしゃい。」

海翔を見送る心咲。すると彼女はポケットから一枚の写真を取り出した。それは幼い時に海翔と遊んでいた写真である。

心咲「(・・・この写真。私があの子と遊んでいた時の写真。)」

心咲「・・・記憶、戻ればいいな。」

そう。瀬戸心咲は七年前交通事故にあっており、重体だったが、望月旭がそれを助け、意識を取り戻した。だが、それより前の記憶がない。つまり、記憶喪失である。

そして、海翔が向かった先は

海翔「じゃあ、こいつの使い方教えてもらうぞ。」

フォーゼドライバーを渡した望月旭のところである。

旭「ではまずは、それを腰につける。」

海翔「こうか?」

言うとおりに腰にベルトを当てる海翔。

旭「次に手前にある赤のボタンを4つ押す。」

海翔「こ、ここか。」

旭「そうそう!」

手前のボタンを4つ押すと旭がその場から離れた。

海翔「ん?なんで逃げて・・・」

Three

Two

One

海翔「は?」

旭「さぁ!変身って言ってレバーをいれて!こう!」

左手を前に持っていって、レバーを入れ、空に手をかざすジェスチャーをとる。

海翔「あ?」

旭「いいから早く!」

海翔「へ、変身!で、レバーを引いて、こうか!」

手を空へかざすと、海翔の周りに煙が発生し、海翔を覆う。その時に軽快な音が響く。

亜美「うっ!」

旭「くるぞー!」

するとリングらしきものが現れ、煙が晴れる。するとそこに海翔の姿はなかった。そこにいたのは、ロケットのような頭、全身が宇宙服のような姿をした戦士だった。

旭「おめでとう!これで君も変身者の一員だ!」

海翔「・・・本当に変わった。でっち上げかと思ってた。」

旭「なにげに酷いこと言うね。それはフォーゼ、宇宙の力をベースにしている。」

海翔「じゃあ、宇宙キター!ってとこか。」

旭「おお!ノリノリだね!」

海翔「ま、少しはな。それは。」

旭「これはバガミール。このカメラスイッチを挿すことで、自立行動が可能になる。」

海翔「ふーん。」

旭「他にもいろんなモジュールがある。持って行きたまえ。」

海翔「じゃあ、帰る。」

旭「え?いいのかい?お茶とか。」

海翔「使い方を聞きに来ただけだしな。」

旭「頼んだよ。海翔君。」



 

そして、この日を楽しもうとしている少女達がいる。

 

綾「ムゥーーー」

 

内のツインテールの少女、小路綾は友達が来るのが遅すぎてご立腹である。

 

陽子「ごめーん。遅れちゃったー。」

 

綾「遅い!!」

 

八神昴と猪熊陽子が遅れてやってくる。

 

陽子「え?10分だけじゃん。」

 

綾「だけ!?だけって何よ!私なんて1時間も前からここにいるのに!」

 

昴「真面目だな。」

 

綾「あれ?フェイは?」

 

昴「なんでも今日は一人でぶらぶらしたいって。」

 

陽子「珍しいな。」

 

物珍しそうに話しているが、昴は笑みを浮かべる。

 

昴「確かに。」

 

どうやら何か知っているようだ。

 

その中、

 

香奈「お待たせ!じゃあ、行こっか。」

 

フェイ「コクリ」

 

八神フェイと一緒にいるのは日暮香奈。表は普通の女子高生だが、本当はアニメ好きでオタクと言われたくないために普通というレッテルを貼っている。

 

視点は昴達へと戻す。

 

陽子「というか、しの達もまだ来てないじゃん。」

 

綾「そうなのよ。心配だわ。どこかで事故に遭っていたら・・・」

 

陽子「この差はなんだ?」

忍「お待たせしましたー。」

 

陽子「あっ、来た・・・」

 

昴達は驚愕した。何故なら、はたから見ればまさにゴスロリみたいな格好をしていたからだ。

 

陽子「なんだあれ!?しの、それ私服か?」

 

忍「はい。似合いますか?」

 

アリス「シノは何かのモノマネをしてるんだよー。」

 

陽子「なるほど、コスプレか。えっと・・・メイド?」

 

綾「ゴスロリとか?」

 

忍「ブブー!正解は、外国人でしたー。」

 

綾・陽子「ざっくり!」

 

同時に突っ込む二人。

 

陽子「あれ?楓もいないのか?」

 

アリス「今日用事あるって。」

 

だが、忍達は知らないだろう。楓と海翔の二人と偶然鉢合わせることに。

 

時刻は昼頃となり、昼食をとる場所をさがしていた。

 

陽子「お昼どこで食べる?」

 

忍「そうですねぇ。あ、ここはどうでしょう?」

 

アリス「?「ラビットハウス」?」

 

綾「喫茶店のようね。」

 

忍「入ってみましょう。」

 

 

 

???「いらっしゃいませー。」

 

女性陣「・・・」

 

???「?」

 

少年は首を傾げるが、女性陣は硬直していた。何故なら、その少年は。

 

陽子「楓じゃねぇか!」

 

忍「なにしてるのですか!?」

 

桐生楓だからである。

 

楓「まぁまぁとにかく座って座って。」

 

アリス「ところで、カエデはなにしてるの?」

 

楓「んー。バイト。体験だけどね。」

 

昴「でもどうして急に。」

 

楓「あぁ。それは今朝・・・」

 

紫音「楓ー!そろそろ起きなさい!」

 

楓「今日バイトもないし学校も休みだからいいでしょ。」

 

今日はのんびりしようとする楓だが、突然。

 

???「早く起きないとCQCかけちゃうぞ。お兄ちゃん。」

 

楓「あんた柔道だったろ。CQCなんて出来るならやってみてよ。」

 

???「そうか。じゃあ遠慮なく。」

 

楓「え・・・?」

 

紫髪の少女が、楓に跨がっていた。

 

楓「誰ーーー!?」

 

桐生家に楓の叫び声が響いた。

 

楓「母さんの知り合いの娘さんか。泊めてるんなら一言言っといてよ!」

 

紫音「言うの忘れてた。この娘は天々座理世ちゃん。今高2だったっけ?」

 

リゼ「そうだが、すまない、家出に巻き込んで。」

 

申し訳なさそうにリゼは言う。

 

楓「それはいいんだけど、進路でケンカってどんな道に・・・」

 

リゼ「・・・小学校の先生・・・って言ったら笑われた。からケンカした。」

 

楓「ニヘラ‐」

 

リゼ「ほらーー!!やっぱり笑う!」

 

楓「いいんじゃない?似合ってるよー。」

 

リゼ「やっぱり私が先生なんて怖いかな。鬼軍曹先生なんて呼ばれてしまうかも。」

 

楓「(いや、それはそれで慕われてるような)あ!だったらリゼちゃん。今日は一緒に出かけない?」

 

リゼ「なんでだ?」

 

楓「リフレッシュだよ。それと、ここにいる間はリゼちゃんの事先生って呼ぶから。ここで経験を積んで鬼?を倒そう!」

 

リゼ「上等だ!かかって来い!!ゴゴゴゴゴゴ」

 

楓「先生のオーラじゃないけど!?」

 

そして、楓達は喫茶店へと着く。

 

リゼ「ここが、私のバイト先のラビットハウスだ。」

 

楓「じゃあ、入ろう。」

 

???「いらっしゃいま・・・あ、リゼさん・・・と、えと・・・どなたでしょう・・・?」

 

楓「俺は桐生楓、リゼちゃんの付き添いできたんだよ。楓でいいよ。」

 

楓は簡単な挨拶をした。

 

チノ「私は香風 智乃です。よろしくお願いします。」

 

楓「頭に乗ってるもじゃもじゃは何?」

 

チノ「これですか?これはティッピーです。一応うさぎです。」

 

楓「うさぎっ!?えこれが?」

 

チノ「はい。これがうさぎです」

 

楓「さ、触ってもいい?」

 

目をキラキラさせる楓。楓は見たことのないものをみると気分が高ぶってしまうのである。

 

チノ「楓さん。ちょっと怖いです。あと、コーヒー一杯で一回です。」

 

楓「分かった。じゃあ一杯お願い。」

 

チノ「かしこまりました。」

 

???「ごめーん!遅れちゃった!・・・てあれ?」

 

なんて賑やかな声が登場した。

 

???「だ、誰!もしかしてリゼちゃんの彼氏!?」

 

リゼ「ち、違う!そんなわけあるか!」

 

楓「すごいこと言うなこの子。俺は桐生楓。今は高1で、今日はリゼちゃんの付き添いみたいなものだ。気軽な楓で呼んで。」

 

ココア「私は保登 心愛!私も高校一年生で最近こっちに来たんだ!今はチノちゃんの家で下宿してるの!よろしく楓君!」

 

楓「よろしく。」

 

チノ「ところで、どうして付き添いを?」

 

楓「あぁ、実は・・・カクカクシカジカ」

 

ココア「家出!?」

 

チノ「小学校の先生ですか。」

 

リゼ「やっぱり似合わないかな。」

 

チノ「とりあえず銃の携帯をやめた方がいいと思います。」

 

楓「銃!?」

 

リゼ「おいチノ!・・・親父が軍人だから幼い時から・・・」

 

楓「だから鬼軍曹って言ってたんだ。気にしなくていいよ。リゼちゃん十分かわいいし。」

 

すると突然リゼは顔を真っ赤にしモデルガンを突きつける。

 

リゼ「な、何を言ってるんだお前はーー!!///」

 

ココア「リゼちゃん落ち着いてー!」

 

楓「これがバイトでのリゼちゃんかぁ。これキリマンジャロ?」

 

チノ「正解です。楓さん。ティッピーどうぞ。」

 

ティッピーを受け取り、少しもふもふする楓。

 

楓「わぁ!ティッピーって見た目通りもふもふなんだね。」

 

しばし堪能したあと、ティッピーをチノに返す。

 

楓「ありがとうチノちゃん。」

 

チノ「いえいえ。それより、よくコーヒーの銘柄を当てれましたね。」

 

楓「ん?あぁ、両親がよく飲んでるから。その影響かな?」

 

そんな他愛のない話をしているなか、鴻上ファンデーションでは、ガタキリバコンボの映像が流れていた。

 

鴻上「コアメダルグリーンのコンボ。それを見るだけでも、コアメダルの力がどれ程のものかわかる。しかもそれをオーズはいとも簡単に使った。」

 

ケーキを作りながら嬉々と鴻上は言う。

 

鴻上「素晴らしいよー。全く素晴らしい。ハハッ。そこで私はプレゼントを考えた。里中君。」

 

里中は一個の箱を持っていく。

 

鴻上「このケーキ。それにふさわしいとは思わないかね?」

 

だが、一人の少年が抗議する。

 

翔琉「自分は反対です。オーズにはグリードの1人もついているんですから、これ以上危険な・・・」

 

鴻上「氷室君!君が監視の目を光らせていればいい。」

 

翔琉「しかし!会長!自分がここにいるのは、この街を守る為であって。」

 

彼、氷室翔琉は街を守る為に

 

鴻上「そう!この街を守る為だよ。」

 

里中「よろしく。傾けないようにしてください。」

 

スマホをいじっているときにメダルを見つけたとネットにかかれていた。

 

アンク「緑色のメダル?まさか。コアメダルか。確かめるか!」

 

そして、メズールとカザリは拠点にいた。

 

メズール「アンクを狙うのはいいけど、うまくいくかしら。彼にはオーズがついているのよ?」

カザリ「大丈夫。ガメルが上手くやればね。」

 

視点はラビットハウスに戻る。そして、ココアはあることを口にする。

 

ココア「ねぇチノちゃん。会いたくない?噂の謎のヒーローに!」

 

チノ「まだ言ってるんですか。仕事をしてください。」

 

楓「謎のヒーロー?」

 

リゼ「あぁ。最近怪物が出てくるようになって、それと同時に怪物と戦うヒーローが出てきたって噂がたってるんだよ。『仮面ライダー』って周りじゃ言ってるよ。」

 

楓「仮面ライダーかぁ・・・」

 

それを聞いた楓は少しにやついていた。

 

リゼ「なんでそんなに笑ってるんだ?」

 

楓「え?笑ってた?」

 

昴「なんかちょっと嬉しそうだったよ。」

 

ガシャーン

 

楓「?」

 

昴「なんだ?」

 

楓「行ってみよう。」

 

昴「そうだね。」

 

場所に向かうと、ヤミーが暴れていた。

 

楓「ちょっとちょっと。これのどこが欲望に関係あるのさ。」

 

するとヤミーが瓦礫を、楓達へとぶつけようとする。

 

ココア「リゼちゃん!」

 

リゼを抱え、それを楓は回避する。

 

リゼ「か、楓。」

 

楓「って、聞いても無駄っぽいか。行くよ昴。」

 

昴「はいはい。」

 

リゼを離した後、楓と昴はオーズドライバーとダブルドライバーをつける。

 

昴がベルトをつければ、当然彼にも。

 

香奈「この話いいよねー!」

 

フェイ「確かにね。・・・?」

 

ダブルドライバーが出てきたことにより、大体の事を察するフェイ。

 

香奈「なにそれ?」

 

フェイ「出たか。」

 

Cyclone

 

香奈「メモリ?」

 

Joker

 

昴がメモリを出してる間にオーカテドラルにタカ トラ バッタのメダルをはめ、オースキャナーを通す。

 

楓・昴・フェイ「変身!!」

 

香奈「変身!?」

 

フェイはサイクロンメモリを差し込むと同時に気を失う。

 

香奈「ちょっと!フェイ!大丈夫!?どうしよう!」

 

タカ トラ バッタ

 

タ ト バ タトバタ ト バ♪

 

Cyclone Joker

 

〜♪

 

ココア「あー!あれ!噂のヒーローだよ!」

 

陽子「楓はともかく昴まで!?」

 

リゼ「あれが・・・仮面ライダー。」

 

一方のアンクはメダルの情報提供者に会いに行っていた

 

アンク「ここか。メダル拾ったって場所は。」

 

そこには、緑のコートを着た一人座っていた。アンクは気づいていないみたいだが、グリードウヴァである。

 

アンク「なんとなく妙だな。」

 

違和感を抱いたアンクは楓を呼ぶ為にバッタカンドロイドを起動し、楓の元へと向かわせた。

 

その楓と昴はヤミーに少し苦戦していた。

 

楓「硬い。」

 

昴「これはまた面倒な。」

 

そこにバッタカンドロイドが来た。

 

アンク「楓。運河沿いの工場跡地へ来い。コアメダルを拾ったらしい人間がいる。一応用心して。」

 

楓「今ヤミーと取り込み中!メダルは後!」

 

アンク「あいつまた勝手に戦ってんのか!」

 

カンドロイドをしまい、一人で接触することにしたアンク。ウヴァは笑みを浮かべていた。

 

海翔「ご丁寧にバイクをもらったが、案外運転は簡単だな。」

 

 

 

海翔「なんだあれ。」

 

アンク「おい!メダル拾ったって流したのお前か!」

 

ウヴァ「あぁ。」

 

アンク「ほう!そのメダル見せろ。」

 

ウヴァ「フフッ、フハハハハ!この姿だとお前でもわからないらしいな!」

 

アンク「あ?」

 

ウヴァ「俺だよ。」

 

グリードの姿を見せるウヴァ、それに対しアンクは腕を元に戻すが、なすすべがなく掴まれる。

 

アンク「なるほど。メダルの情報は俺を誘き出すための餌か!」

 

ウヴァ「フン!貴様だけが進化してると思うな!自惚れて墓穴を掘ったな!オーズのいないお前など、赤ん坊のようなものだ!」

 

アンクを投げ飛ばすウヴァ。アンクは策にぶつかってしまう。ウヴァはそれを無理矢理立たせる。

 

ウヴァ「立て!」

 

アンク「手が込んでるな。が、お前の石頭じゃ考えられるはずわけがない!カザリだろ?カザリに手取り足取り教えてもらったんだろ?なぁウヴァ。」

 

ウヴァ「貴様!黙れ!!」

 

激昂したウヴァはアンクに蹴りを入れる。アンクは腕が悠木から離れてしまった。

 

ウヴァ「貴様のコアメダル、全部渡してもらおう。」

 

こちらも不利な状況だった。近づいても体が硬いため、簡単には攻撃が通らない。

 

楓「どうしよう。」

 

対策を練っていると、ヤミーが近くの瓦礫を浮かばせ、楓達にぶつける。楓と昴はそれをかわしたが。

 

陽子「綾!危ない!」

 

綾に直撃するところだったが、一台のバイクと少年がそれを助けた。その少年とは。

 

海翔「ギリギリってとこか。」

 

綾「海翔?」

 

瀬戸海翔だった。

 

海翔「やっぱりお前らも絡んでるのか。」

 

海翔は奥のヤミーをみる。そして、周りを見て大体の事を察した。

 

海翔「こいつか。なら!」

 

フォーゼドライバーを取り出して装置する。

 

楓「あれ?」

 

昴「まさか・・・」

 

先程教えてもらったボタンを右二つを左で、左二つを右で押すそして右手でレバーを握り、左手を前に置いた。

 

Three

 

Two

 

One

 

海翔「変身。」

 

レバーを入れ、変身を遂げる。

 

海翔「しゃあ!宇宙キター!」

 

楓「うっそ!」

 

昴「旭さんまた。」

 

誰が渡したのか察した昴は頭を抱える。

 

一方の海翔はヤミーに攻撃を仕掛ける。攻撃を受ける時には後ろのブースターでそれを回避、攻撃して回避を繰り返した。ヤミーは激昂して、また瓦礫をぶつける。

 

楓「瓦礫が!」

 

海翔「問題ない!」

 

右二つ目の青いスイッチを入れる。

 

Launcher On

 

すると右足にランチャー砲が出てきた。

 

海翔「おら!」

 

ランチャーのミサイルを発射し、正確に瓦礫を破壊した。

 

昴「うわぁ、すごいな。」

 

楓「でもなんでそんなに使いこなしてるの!?」

 

海翔「一回使えば慣れる。」

 

次に右端のオレンジのスイッチを入れる。

 

Rocket On

 

すると右腕にロケットが出てきた。それを噴射させ、海翔は攻撃を与えすぐ後ろに下がる。

 

海翔「じゃあ、こいつで。」

 

今度は左から二つ目の黄色のスイッチを入れる。

 

Drill On

 

すると、左足にドリルが出てきた、

 

海翔「確か、こうだったか!」

 

prrrrr

 

海翔「あ?」

 

同時に左端の黒いスイッチをいれる。

 

Radar On

 

すると左腕にレーダーが出てきた。

 

亜美「瀬戸君!今グリードが・・・」

 

海翔「だったらまとめてやるだけだろ。」

 

レーダースイッチを切り、もう一度レバーを入れる。すると、

 

Rocket Drill

Limit Break

 

ロケットは勢いよく噴射し、ドリルが相当のスピードで回転している。これでヤミーを倒すつもりらしい。

海翔「取った!」

 

だが、ヤミーに届かず、

 

海翔「あ!?」

 

ガメル「俺のヤミー、いじめるな!」

 

楓「海翔!こいつがグリード!」

 

海翔「だったらこいつで!」

 

Chainsaw

 

Chainsaw On

 

海翔「あ!?こいつ硬い!」

 

すぐさまドリルスイッチを外し、レーダースイッチとは違う黒いスイッチをはめる。

 

Spike

 

そして、すぐにスイッチを押す。

 

Spike On

 

すると左足から無数のトゲが出てくる。

 

海翔「おら!」

 

それをぶつけるとそのトゲが伸び、少しダメージを与える。

 

楓「はぁ!」

 

すかさず楓もメダジャリバーで仕掛けるが、あっけなく返されてしまう。

 

海翔「さっき硬いつったろうが。」

 

昴「硬さには、硬さで勝負するか。」

 

銀色のメモリを取り出し、昴はそれを押す。

 

Metal

 

フェイ「そのメモリには、これが一番相性がいい。」

 

右半分のフェイも赤いメモリを取り出し、それを押した。

 

Heat

 

昴「ふーん。じゃ、これで!」

 

ダブルドライバーのメモリを入れ替え、バックルを開く。

 

Heat Metal

 

〜♪

 

すると右半分が赤く、左半分が銀色のダブルに変わった。後ろには棍棒らしき武器がある。

 

昴「さぁて。・・・?誰かいる?」

 

海翔「誰だ?」

 

楓「氷室君。」

 

翔琉はケーキの箱を取り出すと、楓は

 

楓「あ!もしかしてまたプレゼント!?」

 

翔琉「また?俺はお前の配達屋じゃない!」

 

翔琉はそれを楓から離す。

 

翔琉「やっぱり、これをお前に渡す訳には。」

 

ヤミーが二人に襲いかかる。

 

楓「あ、危ない!」

 

翔琉を突飛ばし、回避させ、ヤミーを突き放す楓。

 

楓「氷室君、大丈夫!?」

 

当然、突飛ばされた翔琉はケーキが顔にぶつかり、クリームだらけとなる。

 

楓「ん?」

 

だが、そこに楓は違和感を覚えた。

 

翔琉「お前な・・・」

 

楓「あ、ちょっと!失礼しまーす。」

 

右頬についてた物を外すと、そこにはライオンの絵が描かれたメダルがあった。

 

楓「プレゼントってこれ?え、これってコアメダル!?なんで?」

 

翔琉「俺が聞きたい。なんでそんな貴重なものを。」

 

楓「とにかく、使わせてもらうね。」

 

オーカテドラルのタカメダルをライオンメダルに変え、オースキャナーを通す。

 

ライオン トラ バッタ

 

すると頭がタカからライオンに変わり、光を放った

 

ガメル「眩しい!目が!!」

 

グリードガメルとヤミーが苦し右出した。

 

海翔「光に弱いのか。」

 

楓「おぉ!すげぇ!氷室君、鴻上さんによろしくね!」

 

お辞儀をし、楓はヤミーの元へと向かう。

 

翔琉「俺は・・・この街を守る為に・・・」

 

翔琉はケーキをはたき飛ばした。

 

三人は攻撃を始める。昴と海翔はガメルに、楓はヤミーに攻撃する。するとヤミーは瓦礫をぶつけた時と同じように、トラックをぶつけようとする。

 

楓「はぁ!」

 

それに対しメダジャリバーでトラックを斬りつける。するとトラックが爆発し、ヤミーとガメルは姿を消していた。

 

海翔「逃がしたか。」

 

4つの赤いボタンを同時に上に上げ、変身を解除する海翔。

 

昴「そのようだね。」

 

そして、バックルからメタルメモリを外し変身解除する昴。

 

楓「また現れるでしょ?」

 

オーカテドラルを解除の位置まで戻す楓。

 

そして、それを傍観していた彼女達はすぐさま駆け寄った。

 

ココア「ねぇねぇ!あなた達が仮面ライダーなの!?話聞きたい!」

 

ココアは目をキラキラさせているが、リゼは少し目を睨ませている。

 

リゼ「確かに・・・話が必要かもな。」

 

だが、ココア達とは初対面の為、海翔はポカンとしている。

 

海翔「・・・誰だ?」

 

楓「説明がいるかもね。」

 

そしてこちらも。

 

メモリが戻って来たことにより、目を覚ますフェイ。

 

香奈「ちょっとフェイ!大丈夫!?」

 

フェイ「うん。大丈夫だよ。」

 

香奈「変身って言ってたけど、ホントに変身できるの!?」

 

フェイ「正確には、僕の意識をこのメモリと一緒に転送してるって言ったほうがいいかな?」

 

香奈「倒したの?怪物。」

 

フェイ「逃してしまった。最も、すぐに現れるだろうから、心配いらないさ。」

 

そして、ウヴァとアンクは。

 

ウヴァ「もういい。コアメダルを渡してもらうぞ。」

 

アンクはウヴァに飛びかかるが、鉤爪で攻撃される。その時にコアメダルが二枚飛び散ってしまった。

 




次回 男子高校生のきんいろな日常は。

綾「どこかおかしい。」

楓「ちょっとお願いが。」

リゼ「なんだこの気持ちは。」

海翔「簡単な話だ。」

次回「電撃と自覚と仲直り」

今回歯切れが悪いかもですが、ご閲覧ありがとうございます。


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電撃と自覚と仲直り


※タグ編集しました。

男子高校生のきんいろな日常

前回の3つの出来事。

一つ。楓は紫音の知り合いの娘、天々座理世と知り合う。

二つ。楓、昴の後に瀬戸海翔も仮面ライダーに変身。

そして三つ。アンクはグリードの策略にはまり、コアメダルを奪われてしまった。


ウヴァ「コアメダル!!」

 

アンクからコアメダルを奪ったウヴァ。そこには自分のメダルもあった。

 

ウヴァ「アンク!出し惜しみせず、全部吐き出して!・・いない!?」

 

アンク「ウヴァ!お前のその目先の事にとらわれる性格はどうにかした方がいいぞ!」

 

ウヴァ「貴様!わざとメダルを飛ばしたのか!」

 

アンク「カザリによろしく言っとけ!じゃあな!」

 

ウヴァ「待てアンク!!」

 

ジャンプ力を使ってその場を去るウヴァ。アンクはバッタカンドロイドを使ってなんとかこの場をしのいだ。

 

ラビットハウスで海翔達とも自己紹介を終え、リゼが話を切り出した。

 

リゼ「さぁ、説明してもらおうか。」

 

楓「いや、でもあれが事実なわけだし。」

 

綾「まさか海翔まで変身するなんて。」

 

海翔「仮面ライダーって呼ばれてたのか?あれ。」

 

昴「それ今聞く?こっちはカクカクシカジカで。」

 

陽子「なるほどなぁ。そういえば、楓がオーズになった経緯はしらないな。」

 

昴「あのアンクってグリードでしょ。悠木さんに取りついてる」

 

陽子「悠木兄に!?」

 

昴と陽子は勇とも顔見知りなため、自然と悠木とも面識がある。

 

楓「うん。それもあるけど・・・」

 

一つ楓の中で疑問があった。オーズになったあの日、全ての物がセルメダルとなって消えていく夢がどうしても頭から離れなかった。

 

忍「どうかしたのですか?」

 

楓「いや、なんでもない。」

 

そこに目をキラキラさせココアが楓達を褒め称える。

 

ココア「でも、変身して戦ってる時カッコよかったよ!ねぇリゼちゃん!・・・リゼちゃん?」

 

リゼ「え?あ、あぁそうだな。」

 

楓「リゼちゃん、大丈夫?」

 

リゼ「だ、大丈夫だ!気にするな!」

 

楓「?」

 

ずっとぼーっとしているリゼの顔を見るがすぐにそらされてしまう。

 

リゼ「(・・・何故だ?楓を正面から見れない。見るとなんだかドキドキする///。)」

 

楓「あれ?そう言えばアンク来なかったな。」

 

その頃アンクはその場に倒れこんでいた。

 

アンク「・・・仕方ない。」

 

バッタカンドロイドを起動させようとしているが、少し躊躇いがあった。

 

アンク「(こんなとこを見せたら、調子に乗るだけか)あいつバカのくせに、時々くえない。」

 

海翔は綾をバイクで送っている。

 

綾「ありがとう海翔。送ってくれて。」

 

海翔「別に家が近いし、危ないだろ。こんな時間に一人って。」

 

綾「・・・ホントに、海翔って優しいのね。中学の時から変わらない。」

 

海翔「・・・別にそんなんじゃない。」

 

綾「ううん。私、海翔と会うまではずっと陽子についていってたから。けど、二年になって海翔と知り合ってから、少し変われた気がする。だから・・・」

 

綾は後ろから抱きしめる力を少し強めた。

 

綾「ありがとう。」

 

それに海翔は綾に見えずとも顔が赤くなっていた。

 

海翔「・・・まぁ、そう言うってことはそうなんだろうな///」

 

綾「海翔?顔赤・・・」

 

海翔「ほら、着いたぞ。」

 

綾「あ、うん。」

 

海翔と別れ、部屋に入った綾。ベッドに横になり考える。

 

綾「(やっぱり、何か変。海翔と二人きりの時・・・皆といるときとは別の感じになる。)」

 

その時忍の言葉を思い出す。

 

忍『人を好きになることは良いことだと思いますよ?』

 

綾「私・・・好きなのかな?」

 

━━━━━

 

一方、鴻上ファンデーションでは。

 

翔琉「会長、失礼します。」

 

氷室翔琉が帰宅しようとしていた。

 

楓「あ、氷室君。今日はライオンのメダルありがとうね。」

 

そこに楓が訪れていた。

 

鴻上「これは意外な客だね。で、用件は?」

 

楓「ちょっとお願いが。」

 

━━━━━

 

海翔「よし。」

 

準備を整え、ヤミーを倒しに向かう海翔。そこへ昴がやって来た。

 

昴「やっぱりここだったんだ。」

 

海翔「なんでここに。」

 

昴「ま、こっちも聞きたい事があるしね。それに、ヤミーの居場所も特定してる。」

 

海翔「・・・はぁ。ヤミーを倒したらな。」

 

観念したのか、海翔はため息をついて、ヤミーの元へと向かった。その中。

 

アンク「ヤミーか。あいつからメダルを取れれば。」

 

アンクは立つこともやっとで、足がおぼつかなかった。

 

楓「ずいぶん面白い絵面だな。」

 

そこへ楓がきた。

 

アンク「ほっとけ!なにしに来た!」

 

楓「鴻上さんから前借りしてきた。多分なんかあったろうと思って。」

 

鴻上の元へと向かったのは、セルメダルを借りるためだったのである。

 

アンク「条件は?」

 

楓「別に。」

 

アンク「そんなわけあるか!」

 

楓「お前と約束したところで無駄でしょ?ま、今日で死ねないだろうから。な?」

 

セルメダルをアンクへ落とす楓。するとアンクの腕が少し回復したようである。

 

アンク「意味わからんが、お前が使えるバカだと言うことは間違いないなぁ。」

 

楓「いやぁお前も結構使えるグリードだと思うよ?」

 

アンク「フン!」

 

楓「おい、どこ行くんだよ!」

 

━━━━

 

海翔「見つけた!」

 

ヤミーを見つけた海翔と昴。

 

昴「ま、事情を聞くのは後回し。先にこっちを片付けよう。」

 

海翔「言われなくても。」

 

ベルトをつける二人。そこへ楓も着いた。

 

楓「こんな所にいたんだ。」

 

オーズドライバーをつけ、オーカテドラルにメダルをはめる。が、ヤミーが攻撃を仕掛けてくる。それをアンクはバイクで弾き飛ばした。

 

アンク「ガメルのヤミーか。あれは能力を使う度に自分のメダルを消費するんだ。倒してもたいしてメダルは落ちない。」

 

楓「ああそう。」

 

メダルを三枚はめる。

 

アンク「チッ・・・」

 

Joker

 

この日、香奈はフェイの家へときていた。これは俗に言うお家デートと呼ばれるものだが、フェイは気にしていない。だが、

 

香奈「ここがフェイの部屋・・・」

 

そこへフェイが来る。それと同時にダブルドライバーが装着される。

 

フェイ「待たせたね。・・・早いね。もう見つけたか。」

 

香奈「事情はわかった。さぁ!どーんと来て!」

 

フェイ「・・・そんな構えられると、こっちもねぇ。」

 

cyclone

 

昴とフェイはメモリを押し、

 

Three

 

Two

 

One

 

海翔はスイッチをいれ変身体制に。

 

そして、楓はオースキャナーを通す。

 

四人「変身!!」

 

cyclone Joker

 

〜♪

 

タカ トラ バッタ

 

タ ト バ タトバタ ト バ♪

 

戦いを挑むが、また瓦礫を操られ、近づけないでいる。

 

昴「でも、あれをどうするか。」

 

海翔「簡単だ。」

 

すると海翔は黄色の10と書かれたスイッチを取り出し、フォーゼドライバーに差し込む。

 

Elek

 

海翔「(あの時は逆流したが、今なら!)」

 

Elek On

 

すると右腕が金色になり、電流が発生する。

 

海翔「腕だけで無理なら、コイツの電気を全身を使って受け止める!そうすれば!」

 

海翔の周囲に電気が発生し、黒いが現れる。それが海翔に纏われ。

 

〜〜♪

 

音楽がなり、全身が金色になった。所々に電気のマークがついている。

 

昴「なにそれ?」

 

海翔「仮面ライダーフォーゼ、エレキステイツってやつだ。」

 

海翔はエレキステイツに変わった時に出てきた剣、ビリーザロッドの左側にコンセントを差し込んだ。

 

海翔「よし!」

 

それをヤミーにぶつけると、そこに電撃が発生する。攻撃して回避、攻撃して回避を繰り返す。

 

楓「負けてられないね!アンク、こないだのコンボ行ってみよっか。アンク?」

 

アンク「コンボは無闇に使うな。こいつだけにしとけ。」

 

昴「だったらこいつでけりをつける。」

 

heat metal

 

heat metal

〜〜♪

 

タカ カマキリ バッタ

 

その瞬間にヤミーが殴りかかってくる。

 

楓「やば!」

 

すると海翔はコンセントを右側に差し込んだ。

 

海翔「おら!」

 

すると電撃でヤミーを縛り付けた。

 

そして昴は棍棒のような武器、メタルシャフトを使い攻撃する。

 

アンク「楓、メダル変えろ。」

 

楓「ちょっと待って。どうせなら、こっちのほうがいい。」

 

アンク「なに!?」

 

ライオン カマキリ バッタ

 

頭をライオンに変え、光を放つ。するとまたヤミーは苦しみ出した。

 

楓「やっぱり光に弱いんだ。」

 

だがその中で、アンクは驚愕していた。

 

アンク「お前、そのメダルどうした!?」

 

楓「鴻上さんからプレゼント!」

 

アンク「またあいつか。」

 

楓「さぁて、そろそろ決めますか。皆!」

 

昴「了解!」

 

海翔「コクリ」

 

スキャニングチャージ

 

楓はカマキリとバッタの部分を同時に光らせ、高くジャンプする。

 

海翔はビリーザロッドにエレキスイッチを差し込むと、危険音に近いものが鳴り、電気かたまる。その後、この音がでる。

 

Limit Break

 

昴はメタルメモリをメタルシャフトに差し込む。

 

Metal MaximumDrive

 

その後、メタルシャフトの両端に炎が発生する。それは段々増幅する。

 

昴「そら!」

 

それを昴は遠距離でぶつける。

 

海翔「おら!」

 

強烈な電撃でヤミーを斬りつける。

 

そして楓はライオンで目をくらませた。

 

楓「せいやぁ!」

 

カマキリで斬りつけ、ヤミーを倒した。

 

セルメダルが落ちたが、一枚だけだった。

 

楓「確かに前借り分には全然足りないなぁ。」

 

アンクは機嫌を損ね去って行った。

 

そして、ラビットハウスでコーヒーを飲んでいる楓達。

 

昴「・・・なるほど。それが理由ね。」

 

海翔「ま、決めたのはそれだけじゃないがな。」

 

その中、楓とリゼは。

 

リゼ「仲直りするよ。親父と。」

 

楓「ちゃんと受け入れてくれるといいね。」

 

リゼ「あぁ。・・・なぁ楓。」

 

楓「ん?」

 

リゼ「・・・恋ってなんだと思う?///」

 

顔を赤らめながら問いかけるリゼ。

 

楓「うーん。あんまりわからないけど、気持ちの問題じゃない?」

 

リゼ「え?」

 

楓「だって、自分の気持ちは人に決められないでしょ?だから自分が恋って言うんだったら、それが恋なんじゃないかな?」

 

リゼ「・・・」

 

楓「俺はわかんないけどね。でも、ということはリゼちゃんも初恋まだなんだね。リゼちゃんが初恋をしたらどんな顔するのか・・・な?」

 

リゼ「〜〜///」

 

顔を下に向けているリゼ。だが顔が真っ赤になっているのを隠していた。

 

楓「?」

 

リゼ「べ、別にそう言うんじゃないからな!」

 

楓「え?何が?」

 

理解が出来ず首を傾げる楓だった。

 

その日の夜。

 

リゼ父「・・・リゼ!帰ってきたか。」

 

リゼ「あぁ。すまない。勝手に出ていって。」

 

リゼ父「気にするな。それに、リゼの進路を笑ってしまった俺にも責任がある。」

 

リゼ「親父・・・」

 

リゼ父「紫音の所に泊まったんだろう?紫音の息子とも会ったのか?」

 

リゼ「ブフッ」

 

それを聞き、吹き出すリゼ。

 

リゼ父「ど、どうしたリゼ!?いきなり!」

 

リゼ「いや、なんでもない。」

 

そそくさに部屋を出ていき、部屋に入る。

 

リゼ「(・・・少しの間だが、楓といるとき何かが満たされていく。温かい気持ちになる。

 

そうか・・・

 

これが・・・

 

【好き】なのか。)」

 

後日、楓は忍の家で忍達と話していた。

 

楓「それで仲直りできたって。リゼちゃん。」

 

忍「良かったですね。ところで家出していたって、何処に泊まっていたのですか?」

 

楓「ん?うち。」

 

忍「・・・へ?」

 

楓「だから、俺ん家。」

 

忍「そ、そうですか・・・もしかしてリゼちゃんも。」

 

楓「リゼちゃんもどうかした?」

 

忍「な、なんでもないです!」

 

アリス「カエデって、本当に無自覚なのかな?」

 

楓「?」

 

ただ首を傾げるしかない楓だった。

 




次回予告

綾「前から思ってたんだけど、楓は無自覚に人を口説くタイプだと思うの。」

忍「そうですかね。」

綾「だってあそこに。」

女子「ごめんなさい!」

楓「気にしないで。やりたくてやってることだし。怪我してなくて良かった。」

女子「え・・・///」

綾「ほら!」

忍「もー!」

楓「え?」

昴「はぁ。」

次回『事情と説明と誕生日』

アリス「See you next time」

ヤミー編に入る時は前回のタイプで、日常に入る時にはこれを使おうと思います。それではまた!


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事情と説明と誕生日


忍「これは金太郎飴。切っても切っても金太郎の飴ですよ。」

アリス「ニコニコ」

忍「珍しいですか?」

アリス「シノがいっぱい!」

忍「へ?」

アリス「日本の物はみんなシノにそっくりだね!」

忍「きんたろー・・・」

ピンポーン

楓「はーい。」

忍「私、金太郎じゃないですよね!?」

楓「え?何急に。」

訳が分からなくなった楓だった。


ヤミーを倒した後日。海翔はいつも通り学校へと向かう。

 

海翔「あ。」

 

綾「おはよう海翔。」

 

海翔「あ、あぁ。おはよう。」

 

二人は待ち合わせ場所で他の皆を待っていると、

 

綾「そういえば海翔。制服ちゃんと着たら?」

 

今夏服の為、海翔はワイシャツだけで、ボタンを一つ開けている状態だった。

 

海翔「今さらだな。別に式の日には着てるし、大丈夫だろ?」

 

綾「普段からビシッとするべきだと思うの!」

 

すると綾はシャツのボタンを付けてネクタイを付け始めた。

 

海翔「いや、ボタン苦しいから外してんのに。」

 

綾「(あ!なんかこれって・・・///)プイッ」

 

あることを察した綾は赤面し目を背けた。

 

海翔「どうした、お前?」

 

綾「・・・///」

 

きちんとした服装になった海翔。

 

海翔「・・・で?これで満足か?」

 

綾は完全に顔が真っ赤になっている。

 

綾「///」

 

海翔「大丈夫かお前。」

 

結局元に戻したが、その後二人には会話がない。というよりは話そうにも話しづらい状況だった。

 

綾「(やっぱり二人きりだと緊張する。前は全然大丈夫だったのに。)」

 

綾「・・・ねぇ海翔。」

 

海翔「なんだ?」

 

綾「海翔って・・・好きな女の子っている?(・・・私なんて事を聞いて!?)」

 

海翔「ブフッ」

 

綾「だ、大丈夫!?」

 

海翔「お前、いきなりなんだよその質問。」

 

綾「(海翔が焦るところ初めて見た。)で、いるの?いないの?」

 

海翔「・・・一応いる。というよりは・・・チラッ」

 

少しだけ綾を見た海翔。だが、それが裏目にでてしまう。

 

綾「(え?海翔こっち見なかった!?というかいつもと違ってドキドキする!)」

 

綾「え?それって・・・」

 

昴「おはよう。」

 

そこに昴、陽子、フェイが来た。

 

海翔「・・・うす。」

 

綾「あ、おはよう。」

 

フェイ「二人とも顔赤いよ?」

 

昴「もしかして告白してたり?」

 

海翔・綾「違う!!」

 

楓「息ピッタリ!」

 

海翔「楓。」

 

忍「おはようございます。」

 

━━━━

 

アリス「あ、ああ!」

 

回収したプリントを落としてしまったアリス。

 

アリス「ごめんなさい〜・・・」

 

海翔「気にするな。日本にはドジっ子っていう言葉がある。」

 

アリス「ドジ・・・?」

 

陽子「ちょっとくらいドジった方が可愛いってことだよ

。」

 

綾「私もそう思うわ。」

 

海翔「?」

 

綾「誰だって失敗するわよね。完璧な人なんていないもの。」

 

海翔「ま、まぁそうだな。」

 

綾「ドジっ子って可愛いわよね!」

 

海翔「そうなんじゃないの?」

 

綾「実はね、さっき海翔のノートをバケツに落としてしまったんだけど。」

 

海翔「ちょっ!俺のノート!」

 

綾「ドジっ子って可愛いわよね。」

 

海翔「ごまかすんじゃねぇ!」

 

二人のやりとりを見ると皆が少し違和感が出ていた。

 

楓「・・・なんか。」

 

海翔「落としたならそう言えよ。・・・明日ノート見せてくれよな。」

 

綾「だ、大丈夫!ちゃんと見せるから。」

 

楓「海翔、叫ぶようになったよね。」

 

昴「感情が出るようになったって言ってやろうよ。」

 

━━━━━

 

忍「私って、何歳くらいに見えますか!?」

 

楓「16でしょ?」

 

アリス「そんなストレートに言っちゃダメだよ!」

 

陽子「15じゃなくて?」

 

楓「だって今日しのの誕生日だから。」

 

陽子「あ、そう言えば!」

 

全員がそれに気づくが、本人には問題があったようだ。

 

忍「見た目年齢の話です!制服を着てると思っちゃダメです!」

 

綾「最近まで高校生だったし、14,5歳?」

 

陽子「けど案外30歳って言われても違和感ないかもな!なんかこう落ち着き具合が・・・ってあれ!?」

 

アリス「ヨーコなんて事を!!」

 

忍「ダメですアリス。私にはやっぱり若さがないのです・・・」

 

アリス「そんなことないよシノ!」

 

楓「何かあったよね?絶対勇さんが原因で。」

 

アリス「あ、うん。実は今朝・・・」

 

勇「そう言えば忍、あんた今日誕生日よね?」

 

忍「はい。」

 

勇「おめでとー。確か今年で36歳だったわね。」

 

忍「違いますよ!何ですかそのブラックジョーク!」

 

アリス「36!?シノ・・・そうだったの!?」

 

忍「違います!!」

 

忍「もーっ。姉妹でも言っていいことと悪いことがありますよっ。」

 

勇「ごめんねー。だって忍ったら若さが足りないから。」

 

アリス「教えてくれたらプレゼント用意したのにー。」

 

忍「私も忘れてました。」

 

勇「プレゼントかぁ・・・私も忍にピッタリのものプレゼントするわ。」

 

忍「えっ、何ですか?」

 

勇「うーん。盆栽?」

 

忍「初老じゃないですか!!」

 

綾「そんなことが・・・」

 

陽子「盆栽はヒドイなー。」

 

アリス「でもら盆栽ってすごく高価なんだよ!うらやましいよー!」

 

忍「盆栽なんてもらっても困りますよ〜。ですが、同じ植物ならモミの木が欲しいです。」

 

昴「もらってどうするの?」

 

忍「そしたら毎日がクリスマスですよ!」

 

陽子「あー、なるほど。」

 

目を輝かせる忍に納得がいった陽子。

 

綾「これプレゼント、参考書。」

 

陽子「じゃあ私はジュースあげるよ。」

 

忍「ありがとうございます。チラッ」

 

楓「あ、俺のは帰ったらな?」

 

昴「もしかして、プレゼントは自分です!みたいな?ニヤニヤ」

 

楓「違うよー。そういうものやって誰が喜ぶ・・・」

 

忍「プシュー///」

 

当の本人は湯気が出るほど顔が赤くなっていた。

 

楓「ちょっ!どうしたしの!顔真っ赤になってるよ!熱!?大丈夫!?」

 

陽子「あー!楓ストッープ!!」

 

楓「へ?」

 

綾「そんな事したら余計温度が上がるわよ?」

 

楓「?」

 

首を傾げる楓に昴がある質問をした。

 

昴「そういえばさ、なんで楓って人助けに迷いとかないの?率先してるっていうの?」

 

陽子「確かにー。いつから?」

 

楓「・・・わからない。」

 

全員「・・・え?」

 

皆が戸惑っているなか、楓は続ける。

 

楓「小さい頃からやってるっていうのは覚えてるんだけど、何が理由でとか、そこら辺の記憶がすっぽり抜けちゃってて。」

 

綾「記憶喪失?」

 

海翔「・・・!」

 

不意に言った言葉は海翔には深くささった。

 

綾「海翔?」

 

海翔「いや、なんでもない。」

 

楓「それとは少し違うんだよねー。ま、そのうち思い出すと思うけど。アリスはプレゼントどうする?」

 

アリス「わたし何も上げられるもの無いから歌を歌うよ。」

 

忍「歌を?」

アリス「♪たんじょーびおめでとーたんじょーびおめでとー♪」

 

昴「なんだろうあれ。」

 

楓「ハッピーバースデーを和訳してるね。」

 

忍「どうして英語で歌ってくれないんですか!?」

 

そして、アリスにはあることが引っ掛かっていた。

 

アリス「ところで若さが足りないってどういう意味?」

 

陽子「えーとねつまり、老けてるって意味だよ!」

 

忍「老けてないです!!」

 

アリス「わたしは若さ足りてるかなー?」

 

陽子「アリスは若いぞっ。とても高校生には見えない!」

 

アリス「わーいやったー。」

 

綾・海翔「(アリス・・・そこは喜んじゃいけないところ(だろ。)だわ。)」

 

綾「喋り方のせいじゃないかしら。しのって誰にでも敬語でしょ?」

 

忍「なるほど!ではもう少し崩して喋ってみます。女子高生っぽく!」

 

綾「うん。」

 

忍「エッフェル塔の高さって知ってるぅ?324メートルなんだってぇ。うっそーましまでぇ!?みたいなー?」

 

結果、

 

海翔「なにかが違う。」

 

忍「へ?」

 

陽子「勇姉と同じ血を引いてるんだから、しのにもモデルの素質あるかも。」

 

忍「ですが、お姉ちゃんは母親似、私は父親似で・・・」

 

楓「よしっ!一枚撮ってみよ!」

 

綾「しのちょっとここに座って。」

 

忍「あ、はい。どっこいしょ。」

 

これのせいで周りに気まずい空気がながれる。

 

忍「何か?」

 

陽子「でも写真撮るんなら、水着にならないと。」

 

昴「何で?」

 

陽子「だってグラビアってそうじゃん?」

 

忍「お姉ちゃんはファッションモデルです。水着は着ません。」

陽子「ちっ。」

 

楓「ちっ?」

 

陽子「体のラインを見るのが好きなんだよ私はっ。」

 

綾「何フェチ?それ。」

 

陽子「うーん。筋肉フェチ?肉付きフェチ?」

 

楓「アイドルとかって筋肉ないでしょ?」

 

陽子「全くない人間はいないって。綾だって脱げば少しは〜。」

 

綾「こっ、この・・・変態!!」

 

陽子「え?なんで?」

 

写真を撮った結果、どれも満面の笑みを浮かべていた。

 

陽子「いい笑顔だ。」

 

アリス「うん。」

 

綾「モデルは無理だけどね。」

 

楓「今更だけど、そんなにらしさとか気にしなくていいと思うよ。敬語とか全部合わせてしのだからさ。」

 

忍「そ、そうですか?///」

 

陽子「そうそう!関係なくしのはしのってことだな!」

 

アリス「ハッピーバースデーシノ!」

 

皆で誕生日を祝った。

 

アリス「きっとイサミは大人っぽいって言いたかったんだよ。」

 

忍「おおっ。言い回しで随分違って聞こえます!女子高生だけど、盆栽の似合う大人になれというメッセージだったのですね。」

 

忍「ありがとうお姉ちゃん・・・」

 

綾「うわぁ。」

 

陽子「ポジティブシンキングすぎる・・・!!」

 

アリス「やっぱりわたしも何か形に残るものをプレゼントしたいなー。」

 

忍「いいんですよ〜気持ちだけで。私にとってアリスと一緒にいられることが、最高のプレゼントですよ。」

 

アリス「シノ・・・」

 

忍「でもどうしてもと言うなら髪の毛一本欲しいんですけど・・・」

 

アリス「何か怖い!」

 

━━━━

 

学校から帰っているなか、

 

忍「楓君。ぽっかり抜けちゃってるってどういう事ですか?」

 

楓「うーん。何と言うか、昔の記憶はあるけど、そこだけが覚えてないって言うのかな。」

 

忍「・・・それ以外事は覚えてるのですよね?」

 

楓「うん。覚えてるよ。」

 

忍「・・・良かったです。」

 

楓「?」

 

一方の海翔達。

 

綾「そういえば、海翔はなんで仮面ライダーになったの?」

 

海翔「は?いや・・・質の悪いやり方で頼まれたし。それに・・・」

 

綾「?」

 

海翔「・・・やらないといけないこともあるし。」

 

綾「それって・・・?」

 

海翔「実は・・・」

 

海翔は綾に自分の姉の事を話した。小さい頃に亡くなったと知らされた事、事実は生きていた事、そして記憶喪失になっていた事を話した。

 

綾「だからずっと表情を出さなかったの?」

 

海翔「・・・」

 

沈黙で肯定する海翔。すると

 

綾「・・・ごめんね。」

 

海翔「は?」

 

綾「気づいてあげられなくて。」

 

顔を俯けて謝罪する綾。

 

海翔「言ってないんだし、気づかないのも当然だ。」

 

綾「じゃあ、せめてお姉さんに会わせて!」

 

海翔「え・・・」

 

綾「私も手伝いたいの!」

 

海翔「・・・分かった分かった。」

 

そして、初めて知り合いを自宅に呼んだ海翔。

 

心咲「海翔・・・お帰り。その子は?」

 

綾「あ、えっと海翔君の友達の小路綾です。」

 

心咲「海翔のお友達?ごめんね。私、あなたのこと覚えて・・・」

 

綾「あ!えっと、初対面です。海翔とは中学の時に。」

 

あわあわとしていると心咲が。

 

心咲「?ねぇ、小路さん?」

 

綾「あ、はい。」

 

心咲「もしかして小路さんって、海翔の事好き?」

 

綾「え!?ですから、海翔とは・・・///」

 

否定しようとしたが、忍の言葉を思い出す。

 

忍『人を好きになるのはいいことですよ?』

 

綾「・・・///」

 

海翔「・・・姉ちゃんもういいか?用事あるらしいし。」

 

綾「え?」

 

心咲「うん。小路さん。海翔の事よろしくね。」

 

綾「は、はい。」

 

また綾の家まで送る海翔。

 

綾「えっと・・・海翔?」

 

海翔「ああでもしないと追求されるだろ?」

 

綾「あ、ありがとう。・・・それと。」

 

海翔「?」

 

綾「朝のあれ、今度また聞かせて。」

 

海翔「・・・わ、わかった。」

 

そして、海翔は自宅へと戻るのだが、焦りがでていた。

 

海翔「(・・・まさか、勘づかれた!?)」

 

一方、綾もベッドでゴロゴロしながら慌てていた。

 

綾「(・・・どうしよう!?本当にどうしよう!?海翔の好きな人って。)・・・私、どうしたらいいんだろう。」

 

その日の夜、

 

勇「プレゼント、買ってきた。」

 

忍「えっ、本当に!?ありがとうございます!」

 

勇「開けてみて。」

 

プレゼントを買ってきた勇。

 

忍「わー。スノードーム。めちゃくちゃ季節外れですけど、いいんですか?こんな高そうな物。」

 

勇「100均よ。それ。」

 

忍「よく出来てる!!」

 

勇「こんなのもあったからアリスに買ってきた。」

 

アリス「あっ盆栽!!(の置物。)」

 

盆栽に目が輝き出したアリス。

 

アリス「いいの?わたし誕生日じゃないのに。」

 

勇「アリスが喜ぶと思って買ってきただけだから。」

 

アリス「イサミ!ありがとう!!」

 

その中電話で

 

楓「え?アリスを取られた?」

 

忍「お姉ちゃんにはかないません。」

 

 

 





次回予告

海翔「悪いな。うちの姉が。」

綾「気にしないで。出来ることがあるなら協力するわ。」

昴「おや?ラブコメの匂いがするぞぉ?」

綾「違う!!」

海翔「お前そんなキャラだったか!?」

楓「あはは・・・」

「ラブレターと勉強会と夏休み」

楓「see you next time」


今回海翔と綾の間にフラグを建ててみました。それではまた!



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ラブレターと勉強会と夏休み


アンク「・・・」

現在、アンクは訳あってクスクシエに居候している。

アンク「まぁ、根倉ができたのはよしとするか。」

知世子「アンクちゃん。アイスよー。」

アイスだけおいて知世子は去って行った。

アンク「・・・なんだ、あの女。」

誰かも知らなかったアンクである。


今日は雨で、傘をさしながら登校するメンバー。だが、そこに忍の姿がなかった。

 

昴「今日大宮さん、風邪で休みなんだね。」

 

楓「うん。調子悪そうだったから心配してたんだけど、まさか本当に風邪だったとは。」

 

アリス「休んで看病してあげたかったんだけど大丈夫だって。」

 

楓「しののお母さんもいるし、それに風邪なら1日寝ればよくなるよ。」

 

アリス「でででも学校にいる間もしもの事があったらと思うと・・・!」

 

綾「心配しすぎよ。」

 

過保護なアリスに呆れる一同。

 

楓「まぁでも、学校終わったらお見舞い行くけどね。皆も来る?」

 

陽子「もちろん!」

 

フェイ「うーむ。今日は用事もないし、それに友達ならお見舞いに行くのが普通だと思うしね。」

 

楓「決まりだね・・・?」

 

すると楓は下駄箱に違和感を覚えた。

 

海翔「・・・どうした?」

 

楓「いや、なんか手紙入ってた。」

 

アリス「・・・え?」

 

楓「ほら。」

 

綾「本当に手紙ね。・・・これが下駄箱に。」

 

楓「うん。奥に入ってた。」

 

陽子「まさか・・・」

 

全員「ラブレター!?」

 

楓「ラブレターって、あのラブレター!?」

 

海翔「それ以外に何があんだよ。」

 

カレン「WAO〜Love Letter?」

 

陽子「ナイス発音!」

 

アリス「大変!カエデがモテモテになったら・・・」

 

楓「え?なにかまずいことでもあるの?」

 

このままでは楓が忍から離れてしまうと焦るアリス。だが、カレンには別の疑問があった。

 

カレン「(モテモテってどういう意味デス?モチモチと同じ種類の言葉デスか?OH きっとそうデスね!)」

 

カレン「スゴイデスカエデ!モチモチデスね!」

 

楓「え?それ、褒めてるの?まぁ中身を見ればすぐわかるけどね。」

 

アリス「でも、もしラブレターなら・・・」

 

楓「大丈夫。知らない人だったら断るし。えーと何々?」

 

『お久しぶりです。忍です。イギリスはどうですか?日本の天気は晴れです。アリスは元気に小さいです。ではまた。・・・を、英語に訳しなさい♪』

 

楓「・・・宿題かな?」

 

海翔「は?」

 

━━━━━━━

 

休み時間に一人綾はため息をついていた。

 

綾「はぁ・・・」

 

陽子「最近、綾あんな風になるの多いよな。」

 

フェイ「なにかあったのだろうか。」

 

昴「(・・・そろそろ気づくべきだと思うけどね)」

 

この状態の原因が分かっていたのは昴だけだった。

 

綾「(なんか、海翔とまともに話せない。誰かに相談した方がいいのかな)・・・?」

 

屋上へ一人で行ってみると、そこには舞と華の姿があった。綾は二人に相談する。

 

舞「え?それって・・・」

 

綾「なにか分かる?篠原さん。」

 

舞「あ、いや、舞でいいよ。それでね、綾ちゃんの言ったそれね、端的に申し上げますと。」

 

綾「うん。」

 

舞「恋ではないかと思われます。」

 

綾「ボンッ///こここ、恋!?」

 

あたふたと焦り出す綾。

 

華「一般的に考えてもそれで正解だと思うけど、舞もいま、それの真っ最中だし、舞なら説得力あるわよ?」

 

舞「ちょっ、華ちゃん!」

 

綾「え!?舞今恋してるの!?だ、誰?」

 

舞「えーと、それは・・・」

 

華「ほら、同じクラスのき・・・」

 

舞「ビチィン!」

 

完全に話す気だった華の口を叩いて止める。

 

華「痛いんだけど・・・」

 

舞「ご、ごめん。でも今のは華ちゃんが悪いです!」

 

 

 

綾「(・・・恋って言われて、顔が熱くなってた。やっぱり私。)はぁ。分かってもどうすればいいんだろう。」

 

海翔「なにがわかったって?」

 

綾「へ?」

 

自分がこうなった元凶もとい自分が片思いをしている海翔の姿があった。

 

綾「わぁー!」

 

海翔「な、なんだよ。」

 

突然叫ぶ綾に困惑する海翔。

 

綾「ご、ごめん。」

 

海翔「はぁ・・・なんかあったのか。」

 

綾「え?」

 

海翔「いつもより口数少かったからな。あんまり一人で考えすぎるなよ。」

 

綾「!(もう。そういうところが・・・///)プイッ」

 

海翔「?」

 

どうやら自覚をしたようだ。

 

舞「はぁ・・・」

 

一方、舞はため息をついていた。

 

華「結局桐生君ともまともに話せないで、そろそろ夏休みだよ?なんかきっかけでも残さないとヤバいよ?」

 

舞「わかってるんだけど。・・・そういえば、忍ちゃん今日いなかったね。」

 

華「風邪だって。・・・そういえば、これは大宮さんにも言える事なんだけど、桐生君のどこが好きなの?」

 

舞「え?」

 

華「いや、中学の時から見てきたけど、私にはさっぱりわからなくて。悪い奴ではないことはわかるんだけど。」

 

舞「それは・・・うーん。」

 

すると舞は考え出し、続けるにつれて顔が赤くなっていた。

 

舞「優しいところっていうか、いい人なところっていうか、分かってるのにいざ言葉にすると難しいっていうか。どう表現すればいいのかな?うーん。」

 

華「(私が知るか)」

 

楓「あれ?」

 

二人「?」

 

そこに楓が現れた。

 

楓「篠原さんと藤咲さん。なにしてるの?ここで。」

 

舞「桐生君。」

 

華「ピーン!ダッ」

 

なにかを閃いたのか、華は全力疾走でその場を離れる。

 

華「じゃーね、舞。私部員の人とご飯食べる約束してるの忘れてたからすぐ行かないとバイビー!」

 

舞「(は、華ちゃん!そ、そんな!)アワアワ」

 

楓「藤咲さんスゴイ勢いで行ったね。部員さんと仲良いのかな?」

 

舞「(華ちゃんのバカ。そりゃ告白はするって行ったけど、いきなりなんて。)・・・ん?」

 

華「(逃げるなよ。)」

 

目で訴えてその場を去った華。

 

舞「(えぇぇ!?華ちゃん、そんな・・・)」

 

楓「あれ?なんか戻って来なかった?」

 

舞「(どうしよう!?いきなり二人きりなんて。どうしよう!?心臓が壊れそう!ごめん!いきなり今日は無理だよ!華ちゃん!)」

 

楓「篠原さん。なんか顔赤くない?」

 

舞「え?」

 

楓「大丈夫?真っ赤になってるよ?熱?風邪?」

 

おでこに手をつける楓。当然舞の顔は完全に真っ赤になる。

 

楓「あっつ!ウソ本当に風邪!?とととりあえず保健室に行こう!熱計ってもらわないと!」

 

舞「き、桐生君落ち着いて。」

 

楓「いやいや!この熱じゃ落ち着けないよ!40度近くあるよあの熱さじゃ!これは本当にヤバい!」

 

舞「(華ちゃん。私が好きなのはね。こういうところだよ。)」

 

楓「よし!そうと決まったら早速保健室に!」

 

舞「わー!待って待って桐生君!」

 

ガシッ

 

舞「あ・・・」

 

とっさに腕を掴む舞。

 

楓「ん?・・・篠原さん?」

 

舞「(今なら・・・)桐生君。私実はね。」

 

昴「全く、楓遅いな。どこで道草食ってるんだろ?」

 

舞「今までずっと言えなかったんだけど。」

 

一方、楓の帰りが遅いのを心配して昴が迎えに行っていた。

 

昴「あ、そういえば、楓の事好きそうな人もう一人いたっけ?確か・・・あ!

 

 

 

 

篠原舞さんだったかな?」

 

その中、舞は楓に告白しようとしていた。

 

舞「私ずっと桐生君の事・・・す」

 

楓「す?」

 

舞「す」

 

prrrrr

 

二人「!?」

 

楓「ん?」

 

舞「・・・ふぇ?」

 

楓「あぁ俺のだ。・・・もしもし?あ、昴。うん。あ!ごめん!すぐ戻るよ!ごめん!篠原さん、ちょっと用事ができたからすぐに戻るよ。あ、熱あるなら保健室に行くこと。いいね?」

 

舞「え?あ、ひゃい。」

 

楓「ん?でもさっきなんて言おうとしたの?」

 

舞「え!?いや、その・・・ううん!なんでもない。気にしないで。」

 

楓「そう?じゃあまた。」

 

そして、その場を去る楓。その中、告白に失敗した舞はその場に倒れた。

舞「・・・はぁぁ。(こ、こんな事ってある!?ひどいよ神様。あーまだドキドキしてる。力抜けちゃった。せっかく勇気だしたのに・・・)///」

 

そして、昴と楓は合流した。

 

昴「あ!楓いた。」

 

楓「ごめん!」

 

昴「で、どこで人助けしてたの?」

 

楓「ん?」

 

昴「楓が遅くなる理由、それくらいしか思いあたらないし。」

 

楓「いや、篠原さんと話してた。」

 

昴「ふーん。・・・篠原さん?」

 

楓「?」

 

昴「な、なぁ。それってまさか、同じ中学だった篠原舞さん?」

 

楓「あ、昴も覚えてた?いやー!最近思い出してねー。それでたまに話すようになって。」

 

昴「ヤバい・・・これはヤバい!」

 

楓「?」

 

昴はあまり見せない焦りの表情をとっていた。楓はわからず首を傾げていた。

 

一方、この二人は。

 

華「で?結果は?」

 

舞「・・・ごめん。無理だった。」

 

華「そう・・・このヘタレ!まぁどうせそんな事だろうとは思ってたけど。」

 

舞「うっ!そ、そんなぁ。」

 

華「ま、舞にしては頑張ったんじゃない?私もせかしすぎたし。」

 

舞「華ちゃん。」

 

華「でも、次同じ事やらかしたら絶交だから。」

 

舞「え!?」

 

華「ま、そのつもりで頑張んな。」

 

舞「そんなぁ。(ごめんね華ちゃん。実は少しほっとしてるんだ。これは早く知ってほしいけど、この関係もまだ続いてほしいから。)」

 

舞「(でも、次はちゃんと伝えるからね、桐生君。)」

 

新たな決意をした舞であった。

 

━━━━━━━━

 

放課後

 

楓「もしもし?あぁしの?うん。それでさ、あの手紙なに?」

 

忍『はい。アリスのお母さんと電話で話したくて、アリスに訳をお願いしようと手紙に書いておいたのですよ。』

 

楓「なるほどねぇ。」

 

忍『下駄箱にいれたらラブレターっぽいかなと思いましてアリスドキドキしてましたか!?』

 

楓「・・・なぁしの?その事なんだけど。」

 

忍『はい?』

 

楓「それ・・・俺のところに入ってたよ?」

 

忍『・・・』

 

楓「・・・」

 

二人に沈黙が走るが。

 

忍『うわぁぁぁ!!///』

 

楓「ちょっ!しの大丈夫!?」

 

突如忍が叫び出したので戸惑う楓。

 

忍『す、すいません!大丈夫です!///』

 

楓「と、とにかく訳はできたから持っていくよ。あと、皆でお見舞いに行くから。」

 

忍『わ、わかりました!///』

 

電話を切った忍はベッドで悶絶していた。

 

忍「私は・・・なんて事を・・・!!///」

 

昴「大宮さんなんて?」

 

楓「わかったって。」

 

陽子「そこじゃなくて、あのしのの宿題ってやつ。」

 

楓「あぁあれ?なんかそれ伝えたら叫んでた。」

 

海翔「(間違えて好きな奴に手紙置いたら誰だって悶えるだろうな)」

 

綾「あ、今度勉強会することは?」

 

楓「あ、忘れてた!」

 

昴「楓も時々ドジになるよな。」

 

楓「あ、でも元気そうだったよ。明日には復活するかもね。」

 

アリス「そっかぁ、良かったよ!」

 

━━━━━

 

日曜日

 

綾「何だか緊張する。」

 

昴「ああ、小路さんと海翔は勇さんに会うの初めてなんだっけ。」

 

綾「雑誌では何度も見たことある。」

 

陽子「私ファッション雑誌読まないからな。」

 

昴「陽子ってあんまり読むタイプじゃないからね。」

 

陽子「なにおう!」

 

昴の一言にくいつく陽子。

 

カレン「イエス!女子高生から絶大な人気を誇るファッションモデル、イサミに憧れる女の子は多いデス!サインは何枚までOKデスかね!?」

 

海翔「お前が日本に来てからそんなに時間たったのか。」

 

綾「海翔は知ってるの?」

 

海翔「具体的には何も。ただ姉ちゃんが読んでたまに見せるから。」

 

昴「お姉さんも読んでるんだ。」

 

そして、忍の家にお邪魔する一同。

 

全員「お邪魔します。」

 

楓「みんな遅いよ。」

 

忍「おはようございます。」

 

陽子「あれ?しのそんな花飾りつけてたか?」

 

忍は頭に花飾りをつけていた。

 

楓「フフン!どう?実はこれ、しのの誕生日プレゼントだったんだよ! 」

 

勇「あら。今日はなんの集まり?」

 

楓「勉強会ですよ。」

 

カレン「九条カレンと申します。イサミさんの事は雑誌でお見かけしてすぐファンになりました。よろしければ、サインを頂きたいと・・・」

 

陽子「カレンの日本語が流暢になってる!」

 

綾「なんで。」

 

楓「さて、俺はそろそろ行くか。」

 

昴「行くってどこに?」

 

楓「んー?バイト。」

 

海翔「前言ってたクスクシエってとこか?」

 

楓「いや、今日はラビットハウスで。」

 

陽子「そこでもバイトしてるの?」

 

楓「いやー、あそこの空気にハマっちゃって!結局バイトすることに。」

 

勇「楓君。」

 

楓「はい?」

 

勇「いつか修羅場になるかもね。」

 

楓「?」

 

それに理解ができないまま楓はバイトへと向かった。

 

チノ「楓さん、おはようございます。」

 

楓「おはようチノちゃん。今日コーヒー豆出しておこうか?」

 

チノ「まだ余裕があるので大丈夫です。」

 

リゼ「すまない!部活の助っ人で・・・遅く・・・」

 

楓「あ、リゼちゃん。どうしたの?」

 

突如リゼは驚いた。

 

リゼ「な、なんで楓がここに!?」

 

楓「あれ?聞いてないのかな?俺ちょっと前からここでバイト始めたんだけど。」

 

リゼ「ば、バイト?」

 

そこへ二人の少女が入ってきた。

 

???「こんにちはー。」

 

???「今日バイト休みだからってコーヒー苦手なの知ってるでしょ?・・・ってリゼ先輩!?」

 

リゼ「あ、あぁ、シャロ。千夜もどうした?」

 

千夜「今日私達バイトお休みだから、ラビットハウスに行こうってことになって。」

 

シャロ「その人は。」

 

楓「・・・知り合い?」

 

リゼ「ああ、こっちが私の後輩の、桐間紗路。隣が宇治松千夜だ。」

 

楓「へぇ、あ。俺は桐生楓。最近ここでバイトを始めたんだよ。」

 

ココア「楓君も来たんだね!ねぇ千夜ちゃん!彼が前に言った仮面ライダーさんだよ!」

 

楓「ちょっ!」

 

突然の暴露に驚く楓。

 

千夜「仮面ライダー。」

 

シャロ「この人が?」

 

楓「・・・そう呼ばれてるっぽい。」

 

ココア「この目でちゃんと見たもん!変身するところ!」

 

チノ「ココアさん仕事してください。」

 

楓「そんな大袈裟に言うことかなぁ?」

 

考える楓にリゼはそわそわしながら話しかけた。

 

リゼ「そ、そういえば楓。夏休みは何か予定はあるのか?」

 

楓「うん。7月の終わりくらいに皆で山に行くことになって、それと8月に花火大会に。」

 

リゼ「そ、そうか・・・シュン」

 

その中、千夜は何かに気づいたのか、リゼに釜をかけた。

 

千夜「あらあら?リゼちゃんは楓君と二人きりの時間が欲しいのね?」

 

リゼ「ち、違う!そんなわけあるか!ただ、誘える機会があるか聞いただけだ!///」

 

顔を赤らめながら咲けぶリゼ。

 

リゼ「わかったか楓!決して千夜の言ってるような事ではないからな!///」

 

楓「わかった。わかったから。そんなにムキにならなくてもいいから。」

 

宥めているなか、シャロも気づいてしまった。リゼが楓に恋心をむけていることに。

 

シャロ「(これは・・・まさか!)」

 

楓「えっと・・・桐間さんだっけ?どうしたのそんな俺を睨んで。」

 

シャロ「え?あ、なんでもないです。」

 

そんな中、チノは何かを考えていた。

 

チノ「・・・」

 

楓「チノちゃんどうかした?」

 

チノ「楓さんは、三枚のメダルを使うんですよね?」

 

楓「うん。そうだけど、それが?」

 

チノ「いえ、ちょっとした確認です。」

 

ココア「他のお友達も仮面ライダーさんなんだよ!」

 

千夜「私も見たかったわー。」

 

シャロ「そんなにくいつくこと?」

 

チノ「(子供の頃にあんなメダルをみたような・・・気のせいでしょうか?)」

 

楓達が談笑している中、ティッピーとチノの父親、タカヒロが話していた。

 

・・・一応、ティッピーはうさぎである。中身は別だが。

 

ティッピー「息子よ。」

 

タカヒロ「・・・なんだ親父。」

 

ティッピー「あの小僧がお前が言ってた奴か。」

 

タカヒロ「・・・間違いない。彼が【あの時】の子さ。妻が亡くなる前の・・・最後の戦争に巻き込まれたもう一人の子だ。」

 




次回 男子高校生のきんいろな日常

陽子「あれ?なんで皆ここに?」

ココア「すごい偶然だね!」

海翔「最近姉が少し戻りつつある。」

昴「もしかしてフェイも。」

楓「なんで忘れてたんだろう。」

紫音「あの子が人助けをする理由を教えてあげる。」

次回 『爆弾と記憶と灼熱コンボ』

はい、次はヤミー回ですね。そして、タカヒロ達が口にしたあれと楓の抜けた記憶もここで出します。それでは
また!


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