ハイスクールD×D──ディオドラ転生 (Mr. KG)
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プロローグ

すまない。オーバーロードが本命と言いつつまたD×Dで二次創作を書いて本当にすまない。
ただ、言い訳をさせてほしい。書きたいという欲が抑えられなかったのも事実だ。だが、これを書いたのは活動報告でドライグIFについてアンケートをやってるからそれを知ってほしかったんだ。
そしてもう一度すまないと言っておく。アンケートについて知ってほしかったのが理由だからオーバーロードの方の一章が終わるまで続きは書かないんだ。
すまない。同時執筆が出来ない作者で本当にすまない。




ふと目を覚ますと、そこは闇だった。

前後左右上下どの方向を向いても一寸、大体3cmどころかmm単位先すら見えない。それどころか自分が立っているのかも分からない。水中のように浮力が働いている空間に漂っているような感覚だ。

無意識に顔に手をやるが、動いている感覚こそあるものの触っている感覚が感じられない。

こんな異常事態、普通ならパニックになるのだろうが、生来の性分なのかどうも昔からこういった場面で動揺はしなかった。

とりあえず目覚めたばかりにも関わらず妙にクリアな頭で記憶をたどってみる。

まず俺は大学を卒業してコツコツ貯めていた金とカタコトの英語、そして身振り手振りを使って世界を回っていた。それは間違いない。

この闇の中に来る前の最後の記憶は……確か………。

そこまで考えて思い出した。

 

「ああ、そっか……。俺は死んだわけか」

 

そう、最後の記憶にあるのは中東に行ってレストランで昼食を摂っていた時に急に現れた銃を持った黒服の集団と足元に転がってきた手榴弾、そこから発せられた閃光と一瞬感じた熱と痛み。

とするとここはいわゆる死後の世界というやつだろうか。もし、そうだとしたらこの後閻魔的な存在が出てきて裁かれるのだろうか。

そんなことを考えている時だった。

 

「その通り! よく分かったね、君は死んだよ。」

 

どこからか声が聞こえてくる。ここに来て初めて少しの混乱を覚えているとその声はさらに続ける。

 

「でも、君、割と冷静だね。普通こういう時って『ここはどこだ!』とか『お前は誰だ!』とかなったりするものじゃないかな」

 

どうもその声は口調からすると俺より年下に思えるが、声色は男とも女とも若者とも老人とも判別がつかない。その全てに当てはまるようであり、当てはまらないようでもある。そんな矛盾した声の主はま、いいや、とさらに続ける。

 

「さっきも言ったけど君は死んだよ。手榴弾投げられてね。あ、勘違いしないでよ? 別に僕が間違えて君を殺した〜とかそんなことはない。そもそも運命というもの自体無いしね。っと、話がズレた。それじゃあ本題に入ろう」

 

声はコホン、と咳払いを挟み、こう言った。

 

「君には転生してもらいまーす!あ、拒否権は無しね!」

 

転生云々は驚いたが、それより俺はこう思った。

 

こいつウゼェ

 

 

 

▪️▪️▪️▪️▪️

 

 

 

「──さて、話は理解してもらえたかな?」

 

「ああ、はい。要はネットでよく有るようなやつってことですよね?」

 

「うん。その認識で大体合ってる。たださっきも言った通り、僕が間違えて君を殺したなんてことはない。もちろん、僕の部下が〜とかでもない。ただの暇つぶしだよ。あと、敬語はなくて構わない」

 

つまり俺は幸運だったということなのだろう。だが、世界では一日何万もの人間が死んでいる。特に取り柄が有るわけではない何処にでもいる一般人の俺を選んだ理由が分からない。

俺の考えていることが分かるのか、笑いが混じったかのような声がする。

 

「一応言っておくけど君を選んだのは、くじ引きとか、思いついてから一番早く来た魂が君だったとか、そんなんじゃない。」

 

「あんたの言ってることが事実なら、なおさら分からない。なんで俺なんだ?」

 

「それはねぇ、君の精神性だよ」

 

「精神性?」

 

もっとわけが分からなくなった。別に俺は物語の主人公のようなどんな逆境でも挫けないなんてことはない。確かにパニックになったことは数えるほどしかないが、そんなことで一般人が選ばれるだろうか。

 

「ま、君には教えないでおくよ。その内嫌でも分かるだろうからね」

 

嫌な笑みを浮かべているだろうと容易に想像出来る声に追求はやめにする。この声は絶対に話さないだろうと分かる。

 

「じゃ、特典の話に移ろうか。君を転生させるのは異能バトル系だからね」

 

「おい待て」

 

今すごく不穏な単語が聞こえた。異能バトルということはつまり下手すれば死ぬということだ。そして大体こういった転生者の立場は自分の意思と関係無く原作に巻き込まれると相場が決まっている。

そして、そんな俺の言葉は当然のごとく無視される。

 

「とりあえず、君の好きな作品から選んでおいたよ。他にリクエストがあれば言ってくれたまえ」

 

挙げられた特典は俺としても心が躍るものだった。

まず一つ目、オーバーロードの魔法やスキル、武技、アイテム等。

そして二つ目、金色のガッシュ‼︎の呪文とビクトリームなど一部を除く魔物自体の能力。

そして三つ目、成長性EX

かなりのチートだと思う。神座シリーズやドラゴンボールみたいな世界じゃなければそうそう負けることは無いんじゃないか?

 

「さて、何かリクエストはあるかな?」

 

謎の声──もう面倒だから神様でいいか──の問いにふむ、と考え込む。

体感で大体五分ほど考え結論を出す。

 

「そろそろ決まったかな。それなら早く言ってほしいんだけど」

 

ちょうど結論を出したタイミングで神の声がする。タイミングの良さに心を読んでるんじゃないか、と思ったがまぁ、いいだろう。別に読まれて困るようなことは考えていないはずだ。

俺が出したリクエストは四つ。

一つ目が魔法や武技を教えることが出来るようにする。

二つ目がスキルを譲渡、統合等の改造する能力。

三つ目が道具作成EX。

そして四つ目が幸運EXだ。

 

正直言えば獣殿の聖槍とかニートの回帰みたいなものにしようと思ったが、折角神が特典を選んだのだから、それを前提にした物の方がいいだろう。ここで機嫌損ねて転生は無しとかなったら嫌だ。

そうなれば後は汎用性だ。俺一人で生きるより仲間が欲しいしその仲間を強化する術もあった方がいい。俺の能力が異質だった場合のカモフラージュにもなるしな。

俺の考えが正確だったのかは分からないが、少なくとも神の機嫌を損ねるようなものではなかったようだ。

 

「では、行っておいで。大丈夫! 少なくとも君の思ったような天体や宇宙規模の世界ではないから!」

 

「あ! 転生する前に一つ聞きたいことがある!」

 

俺を転生させようとする神に待ったをかける。これだけは聞いておかないとまずい。

幸いにも問答無用ではなかったようで質問を許可してくれた。

 

「俺を転生させるのは娯楽らしいが、そういう風に行動しないと駄目か?」

 

俺の問いに神はキョトンとしたのか一拍置いて笑い声を上げた。俺には本気で笑ってるように思う。というか、反応からして俺の心は読んでなかったようだ。

 

「そうだね、そこは言っておくべきだったよ。ごめんね、忘れてた」

 

「忘れんなよ! 結構大事だろ、これ!」

 

俺は割と本気で抗議するが、神は軽く流して質問に答える。

 

「まぁ、それは置いといて。それで君の転生後の行動についてだったね」

 

「ああ。それを聞かないで好きにやった結果つまらないから能力没収とかやられたら困るしな」

 

本題である俺の質問に入ったので抗議の言葉を彼方に追いやって聞く姿勢を整える。

 

「君の質問の答えは、好きにしていいよ、だね。君はきっと面白いだろうし、君がつまらなかったら別の誰かを転生させるだけだから」

 

それを聞いて安心した。それなら第2の人生を思う存分楽しめる。

 

「さて、一応聞くけどもう質問は無いね?」

 

神の質問に俺はああ、と答える。もとよりこういった場面で質問したことなんて片手で足りるほどしかない。

 

「よし! では改めて行っておいで!」

 

その言葉の直後、俺の意識は闇に沈んでいく。まるで眠りにつくかのような心地よさに自然と目を閉じる。

さて、俺の第2の人生は何があるのか。とりあえず平穏と、バトルとの適度な距離を目指そうかな。

第2の人生の予定を立てたところで俺の意識は完全に闇に沈んだ。

 

 




作品には何の関係もありませんが、FGO始めました。現在ネロとオルタを主に応援しつつ種火集めに走り回ってます。
そして10連ガチャを2回引いたらほしかった星4以上のセイバーの代わりにエルメロイ二世とアルジュナが来ました。嬉しいですけど何か複雑です。


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