バカとダイスとTRPG! (逝神)
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0話

明久たちがTRPGをやるそうです


「明久。今度の三連休、お前の家に泊まりに行ってもいいか?」

いきなり話しかけてきたこの野生味たっぷりの男は僕の悪友、坂本雄二

今日も赤い髪が逆立っている

「どうしたのさ雄二、霧島さんに聖典(エロ本)でも見つかったの?」

「………」

そう押し黙った雄二の目尻にはうっすら光るものがあった

「…ゲームをしたいんだ」

「ゲーム?また徹夜で[straight fighter4]でもやるの?」

「いや、もっと面白いゲームだ」

「?もっと面白いゲーム?」

「なにをやるかまでは当日まで秘密にするが・・・代わりに諸々の準備は俺がしておく」

こいつがそこまで言うんだ、期待はずれなんて事はないだろう

「おっけー、他にも誰か呼ぶの?」

「ああ、秀吉にムッツリーニ、姫路や島田、翔子も誘う。」

「ごめん流石に多い気がするんだ」

どう考えても手狭になるだろう。

「っていうか霧島さんがいるなら霧島さんの家でやればいいんじゃないの?」

「いや、あいつの家はちょうど増築中らしい」

「へー」

なんだろう。倉庫とかかな

「……ところで明久、お前、今翔子の家で何を作っていると思う?」

「倉庫じゃないの?」

「倉庫だったらどんなに良かったことか……!」

なんだろう、聞いちゃいけなかったんだろうか

 

そんなこんなで金曜日の放課後

 

ピンポーン

うちのチャイムが鳴り

「おーす、邪魔するぜー」

「お邪魔するのじゃ」

「………お邪魔します」

「お邪魔します」

「おっじゃまっしまーす」

「……お邪魔します」

「いらっしゃい」

今日は姉さんは仕事で夜になるらしい。僕としては願ったり叶ったりだ

「………っ!?」ブシュッ

と思ったらいきなりムッツリーニが鼻血を出した。なにがあったんだ

[アキ君へ ベッドの下にありました。帰ったらぼっきりとお話をしましょうね♥ 玲より]

そのメモとともにテーブルに晒された僕の聖典(エロ本)たち

「ノォォォォオオオオウッ!」

あの悪魔め!今日友達が来ると言ってあったのにこの仕打ちか!

「明久くん、ちょっとこっちでお話しましょうか…ぼっきりと」

「アキ、ちょっといいかしら…ぼっきりと」

あ、もうぼっきりいかれそうだ

「……雄二」

「待て翔子、これは不可抗力でぎゃぁあああああ!!!!」

雄二、ごめん。

 

~1時間後~

 

「よし…今日の本題に進むぞ…」

あれから1時間、僕と雄二はあんなことやこんなことをされた。丈夫な体に産んでくれた母親への感謝の念でいっぱいです。

「今からこの紙を人数分配る、それに俺の指示に従って記入してくれ」

「何なのこの紙?技能とかdbとか書いてあるけど…」

「まぁ待て明久。今から説明する。今からやるゲームは」

 

「クトゥルフ神話TRPGだ」




次回、探索者作成です
アドバイスや感想、待ってます


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探索者作成編 

前回のあらすじ

雄二の提案でTRPGをすることになった明久達
しかしそこには見るものを地獄に叩き落とす凶悪な罠が仕掛けられていた!
「帰ったらぼっきりとお話をしましょうね♥」by玲
明久たちはゲームを無事に終えることができるのか!?主に肉体的な意味で


「「「クトゥルフ神話TRPG?」」」

「あぁ、ちなみにTRPGってのは

T(テーブルトーク)

R(ロール)

P(プレイング)

G(ゲーム)の略だ」

ふむふむ、つまり

「テーブルについて話し合うゲームってことかい?」

「目をつぶって歯を食いしばれ」

なっなぜ殴られるんだ!?

「簡単に言うとだな、人生ゲームのより凝った奴だ。しかも常人では体験しうることはまずないことが起こる」

「あの、クトゥルフ神話ってなんですか?」

姫路さんがそう質問する。それについては僕も気になる

「………クトゥルフ神話とはアメリカの怪奇小説家H.P.ラブクラフトやその文通仲間たちが生み出した邪神や異形の怪物が登場する小説群のこと」

ふむふむ、なるほど。わからん

「その通りだムッツリーニ。ちなみにH.P.を略さずに言ってみろ」

「………H(ヒット)P(ポイント)」

「H(ハワード)P(フィリップス)だ」

えっ違うの!?

 

「さて、いよいよプレイヤーが操作する探索者の制作だ。」

「この能力値ってのは?」

「それは探索者のスペックだ。例えばSTRは筋力。どれだけ力があるかだな」

「まとめてくれんかのぅ」

「だと思ったから表を作った」

 

STR…筋力、あればあるほど力が強い。

DEX…素早さ、高ければ逃げやすかったり戦闘で早く行動できる。また器用さもこの能力値に当てはまる

INT…聡明さ、どこにどう気づくかなど

アイディア…ひらめき、機転を利かすために要る 数値はINT×5

CON…耐久力、どれだけタフかを示す。

APP…容貌、高いほど美人。交渉にも使えることがある

POW…精神力、このゲームでも特に重要

幸運…その名の通り、数値はPOW×5

SIZ…体格、大きければdbが高くなりやすい。また小さかったら隙間に潜り込めたりすることもある 数値は2D6+6

SAN…正気度、超重要 数値はPOW×5

EDU…教養、どのくらいの学力があるか。数値は3D6+3

知識…その名の通り、数値はEDU×5

db…ダメージボーナス、近接攻撃での追加ダメージ分。

 

「ちなみにこの表で書いたやつ以外は全部3D6だ」

「Dって?」

「ダイスだ。3D6なら6面ダイスを三つ、2D6+6なら6面ダイス二つに6を足した数字だ」

うーん、つまりダイスを2つ振って、合計が9だったら9+6で15という訳か

「坂本、このSANってどう重要なの?」

「このゲームにはムッツリーニも言ったように邪神や異形の怪物が現れる。そんなのを人間が見て正気でいられるか?」

「でも具体的なたとえが無いとわからないよ」

「じゃあ例をあげよう。肝試しの時の常夏コンb」

「ああ、それは正気を失うね」

「………………」ガタガタガタ

秀吉が震えている…もう、思い出すのはやめよう…

 

「この技能っていうのは?」

「まぁ、後で説明するから先に能力値を決めてくれ」

「………雄二、振り直しは?」

「そうだな、3回までOKにしよう」

これはなんとなく分かる。一回でいい目が出るとは限らないからね

 

~探索者作成中~

「どうだっ(コロコロ)よし!いい目が出たぞ!」

「明久、お前はそんなにINTないだろうが」

「ゲームでくらい好きにやらせてよ…」

 

「……瑞希」

「なんですか?翔子ちゃん」

「……調子はどう?」

「サイコロもいい目が出ていますし、楽しくなりそうです」

 

「ムッツリーニ」

「………なに?」

「そのステータスでよいのかと思っての」

「………大丈夫だ、問題ない」

「そうか、ならいいのじゃ」

 

 

終了

 

「うし、みんなできたな」

「オッケー」

「うむ、さっきできたのじゃ」

「………問題ない」

「……できた」

「次は…年収と職業を決めてくれるか?資料はこれだ」

そう言って雄二が渡した本のタイトルは[クトゥルフ2010]。これから年収と職業を選ぶのか

「年収はそこの表にある方法で算出してくれ」

「どんな職業がいいかな」

「基本なんでもいいが、今回プレイするのは戦闘が多いからな。警察官とかは銃が使えるぞ」

「……私はディレッタント」

「?どういう職業なの?聞いたことないけど」

「あぁ、簡単に言うと…金持ちで頭が良く、基本的に趣味に日々の時間を費やす、いわば勝ち組だ」

「何っ!?」

そんな夢のような職業があるのか!

「ワシは作家にしようかのう」

「………ジャーナリストか」

 

決定

 

「うぅ…年収が低いよぅ…」

「ま…まぁそういうこともありますから…」

三回やって三回とも10以下って…もう何かの呪いなんじゃないだろうか

「それでは次は350ポイントで技能に振り分けてもらう」

「え?技能ってEDU×20でやるんじゃないの?」

「すまん、先にハウスルールの説明をすべきだったな

今回はEDUの数値がいくつでも技能への振り分けは350ポイントにするというハウスルールを設けた」

「………EDUが低かったから助かる」

「あと回避は趣味としてとる場合、50までとさせてもらう。ちなみに回避の初期値はDEX×2だ」

「ほかには何かある?」

「そうだな…さっきも言ったが戦闘系技能を取っておいたほうが何かといいぞ」

「技能の振り分けはそのキャラシートに書いてある初期値+振り分けポイントで算出してくれ。最大は99だが…それはあまり取らないほうがいいかもな」

 

技能振り分け中

 

「ウチは武道〈組み付き〉を取っておこうかな」

「なんだろう、すごい嫌な予感がする」

 

「……ショットガンと武道、どっちにしよう」

「今回は現代日本が舞台だからショットガンはマズイと思うがな」

 

「頭突きってどう使うんじゃ…?」

「………ロマン?」

 

「医学と精神分析は職業としては外せませんね」

「実際、回復役がいないと不便だしな、色々と」

「そうだね、回復役はRPGの基本にして極意だもんね」

 

オワタ

 




次回は探索者紹介に移ります

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