ストライクウィッチーズ~神風のウィッチ~ (疾風海軍陸戦隊)
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プロローグ

1945年、8月14日。扶桑皇国九州鹿児島県鹿島飛行場。

 

今から数年前、扶桑皇国はカールスラント、ロマーニャと3国同盟を結び、物資確保のためアジアに進出した。しかしそこでリベリオンといざこざになり1941年12月8日ついに扶桑皇国はリベリオン合衆国に宣戦を布告し、戦争となる。言わる世界大戦となったのだ。扶桑皇国は半年は連戦連勝だったが、リベリオンの南洋攻略の時に空母4隻、と飛行機と熟練のパイロットとウィッチを多く失う。その後扶桑皇国は守勢に変わり、1922年のマリアナ海戦で連合艦隊は壊滅と同時に大本営は新たな作戦を計画し、特殊部隊を作った。

それが「神風特別攻撃隊」である。最初の作戦ではリベリオンの空母を1隻沈めそれを皮切りに次々と特攻作戦が開始された。そして多くのパイロットウィッチが命を落とした。

 

そして今、新たに特攻に出撃するウィッチが今飛び立とうとしている。目指すは沖縄、リベリオンの艦隊が集結する所だ。

そして滑走路前では10人のウィッチが上官の前に並んでいた。みんな二十歳以下、最年長でも16歳の娘たちだ。そのうちの一人が扶桑海軍所属の宮藤春佳である。彼女は元々学生だが学徒出陣の為、軍隊に入り、そして今特攻隊員のウィッチとして今出撃しようとしている。春佳には芳佳という1歳年上の姉がいたが去年のマリアナの戦いで亡くなっている。

そして春佳含む10人がお互いを囲んで人生最後の会話をする

 

「いよいよ最後の時ね・・・・」

 

「ええ・・・でもいつかまた来世で会えるよ」

 

「そうだな」

 

「そうね。きっといつかはどこかで会えるわよ」

 

「その時まで。みんなしばしのお別れだ」

 

そう言い10人のウィッチたちはストライカーユニット、零式艦上戦闘脚62型を履く。体には小型の爆弾だが1つで250キロ級の破壊力を持つ爆弾を沢山縫い込んだ飛行服を着こんでいた。

そして、仲間が見送る中、春佳含む10人のウィッチと護衛であるウィッチ47人は今飛び立った。

 

 

海ゆかば、水浮く屍

 

山征かば 草生す屍

 

大君の  辺へにこそ死しなめ

 

かへりみはせじ

 

 

飛びだって30分後、リベリオン海軍のウィッチたち50人が特攻隊を味方の空母に近づけさせまいと、春佳たちに襲い掛かる。春佳は上空にいる敵ウィッチを発見し

 

「退避!!雲のに隠れるぞ!」

 

と、指示し全機がバラバラになる。雲の中に退避した春佳はどんどん降下していく。すると雲の下に出た。すると雲の上から墜落するウィッチが見える。誰かが撃墜されたのだ。

 

「くそっ!」

 

春佳は悔しいさと悲しさの顔をしながら敵艦まで飛んだ。すると敵艦が見えてきた周りを見ると自分と同じ特攻隊員3人の姿が見えた。残りの6人はやられたのか・・・

だが、敵艦隊もこちらに気付いたらしく、こちらに向かって対空砲を撃つ。リベリオン軍の使う対空砲は最新式でVT信管という奴だこれが結構厄介。いつもの対空砲弾は時限をセットして爆発するんだがこのVT信管は弾の中に小型のレーダーを入れ、レーダーが物体を感知すると弾が爆発し、直撃しなくてもその爆風と破片で敵を撃ち落とす。

 

「クッ・・・・まるで暴風の嵐・・・」

 

私はなるべく当たらないように波のすれすれまで高度を下げる。だが、他の仲間はVT信管によって撃ち落とされる。

 

「みんな・・・・・・私もすぐに行くからね」

 

そう言い私は水面すれすれまで飛ぶ。VT信管は私の手前で爆発する。その様子を見て空母にいるリベリオン兵は驚く

 

『なんで当たらないんだ!』

 

『海面の反射に反応しているんだ!敵のよりかなり手前で爆発している!!』

 

20ミリ機銃や40ミリ機関砲で撃つが春佳はその弾丸を避ける

 

『艦橋。こちら右舷見張り。敵方向110℃ 距離一マイル!!』

 

『何がマジックヒューズだ!!さっさと落とせ!!』

 

『彼女は仕組みがわかっているのか!?』

 

『そんなわけないでしょ!!』

 

『ぶつかるぞ!!距離500ヤード!艦橋間もなく衝突します!!』

 

空母の兵員は衝撃に備えた

 

「距離500メートル・・・・・・・十分よし!」

 

春佳は鹿島基地に無電を打った

 

『ワレ、今ヨリ突入ス』

 

一方、鹿島飛行場での無線室では

 

「無電来ました!!」

 

無電を聞いた電信兵が上官に報告する

 

「誰だ?」

 

「宮藤少尉です。」

 

「内容はなんだ?敵艦の種類は!」

 

「我今ヨリ突入ス‥‥フタ・フタ・フタ・・・・・・空母です!!」

 

ちなみに戦艦ならセタ・セタ・セタ。輸送船ならユタ・ユタ・ユタである。

そして春佳の命の音であるモールス信号のツーって音が鳴る。今から敵艦に突入しているのだ。

 

 

 

一方、春佳は敵空母に向かって突っ込もうとする。

 

(・・・・お姉ちゃん。今行くからね)

 

「天皇陛下万歳!!さよならお母さん!!」

 

ツゥーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーブチンッ

 

そして、春佳は見事に敵空母甲板に突入し服にぬいつけてあった爆弾が大爆発。突入された空母の飛行甲板は格納庫に積んであった航空機の燃料や弾薬が誘爆し大炎上してリベリオン空母は大破したのだった。

そして彼女が敵に突っ込んだ翌日。多くの犠牲を出して扶桑皇国は降伏し戦争は終わったのだった。

 

 

 



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1944年 501基地

 

「宮藤!リーネ!もっと気合いを入れて走れ!」

 

「はい!」

 

「はい!」

 

ここ、501基地ではいつものように体力向上のための訓練が行われていた

 

「なんか...今日は..いつもに増して..ハードだね、リーネちゃん」

 

「うん...あれ?」

 

「うわ!どうしたのリーネちゃん。急に止まって」

 

「芳佳ちゃん、あれ」

 

「え?」

 

「こら!誰が休んでいいと言った!」

 

「坂本さんあれ」

 

「ん?」

 

宮藤が指を差した浜辺では一人の少女がうちあげられていた。

 

「ウィッチ!?」

 

「ミーナ来てくれ。浜辺に怪我をしたウィッチ発見、暇なやつ集めて来てくれ」

 

数名が集まったところで坂本達は浜辺へと降りていった。

 

「ひどい怪我だわ・・・・すぐに医務室に」

 

 

 

 

 

ミーナたちが少女を医務室に運んで数分後・・・・・

 

「うっ‥…ここは?」

 

少女こと春佳が目を覚ます。

 

(どうなってるの‥・・・私は確か敵空母に体当たりしたと思っていたのに・・・)

 

そう、確かに彼女はリベリオン空母に体当たりしたはず。しかし今いるところは何か医務室みたいなところだった。

 

(もしかして自爆に失敗して、敵艦に捕らえられたの?いや、どう見てもここは船の中じゃない。じゃあ、ここはどこなの?)

 

春佳が不思議に思っていると。

 

「あ!目が覚めたんですね」

 

「あ、あの・・・・大丈夫ですか?」

 

「…‥あなたたち誰ですか?」

 

春佳が周りを見渡すとそこには二人の女性がいた。春佳はそのうちの一人に見覚えがあった。

 

「・・・・・・・(お姉ちゃん!?)」

 

そう、そこには去年マリアナで戦死した姉、宮藤芳佳の姿であった。姉は武器を使う兵隊ではなく、人の命を看護する看護兵だったがある時、1発の敵の砲弾が衛生室に命中し姉は死んだ。その死んだ姉が今目の前にいるのだ。だけど姉に似た人物かもしれない。もし姉ならあんな敬語は使わないからだ。とすると、隣にいる女性は誰だ?友軍であるカールスラント人か、それとも敵であるブリタニアかリベリオン。それともオラーシャか?か・・・・

 

「ここはどこ?そしてえ・・・・と」

 

「あ、私は芳佳といいます。こっちは友達のリーネちゃん。」

 

名前まで同じ・・・・それと隣にいる女の名前からして・・・・

 

「あの・・・ここは?」

 

「ここはブリタニアの基地です」

 

と、リーネという子がそう言う……ブリタニアだって!そう言えば彼女が喋っている言葉はブリタニア語・・・・つまり敵!!

私はそこまで考えてから自分の周りに視線を巡らすとそこには、果物ナイフがあった。私はナイフを取り、それから自分にかけてあったシーツを剥ぎ取り芳佳とうい少女に投げつけるように被せた。

 

「芳佳ちゃん!!」

 

いきなりの行動にリーネは驚いたが・・・・

 

「動くなブリタニア人!」

 

「ひっ!」

 

春佳はナイフをリーネの首筋に突き付ける

 

「リーネちゃん!」

 

「う、動くな!!そのまま動かないで!」

 

「落ち着いて!私たちは何もしないわ」

 

「動かないでって言ってるでしょ!!」

 

「きゃ!」

 

「芳佳ちゃん!」

 

「!?」

 

宮藤は春佳を説得しようとしたが、春佳はパニックになっていたのかナイフを振り回す。だが、そのナイフが宮藤の腕をかすめ、血が垂れるそれを見て春佳ははっと我に帰る

 

「あああ・・・・・」

 

春佳は、宮藤の腕から流れる血を見て顔を青ざめた。そしてリーネを離し、ナイフを捨てる。そして春佳ははまるで震えるように自分の両手を見つめていた

 

「私は・・・・私は・・・・」

 

そう言うと、春佳は部屋を飛び出してしまった

 

 

 

 

「なんですって!?」

 

「どうしたミーナ?」

 

「トゥルーデ。例のウィッチが医務室から逃げたそうよ」

 

「なんだと!」

 

「本当か、ミーナ!?」

 

ミーナの言葉にバルクホルンと坂本少佐が驚く

 

「ええ、何でも宮藤をナイフで切り付けた後、部屋を飛び出したらしいのよ」

 

「宮藤を!!」

 

「とにかく皆さん手分けして探してください、念のため拳銃の携帯を許可します」

 

『了解』

 

 

 

一方、春佳は基地の中を見つからないようにうろうろしていた。

 

「ブリタニアって言っていたけど・・・・基地というよりはまるで城ね。」

 

と、春佳は呟いた。しかしそれと同時に、さっき医務室でしてしまったことを思い出してしまう。

 

「・・・・・なんであの人お姉ちゃんに似ているんのかな・・・それにあの人は看護してくれたのに私はその人を傷つけてしまった」

 

そんな後悔が頭をよぎる。すると、開けた場所に出る恐らく格納庫だろうそしてそこに置かれていたのは・・・・

 

「零戦・・・・」

 

そう、出撃の際履いていたあの零式艦上脚62型だった。

 

「おかしい、確かに私は空母に体当たりしたはずだわ・・・・なのに」

 

おかしい、本当におかしい。ブリタニアといえば欧州のはず。私が飛び立って体当たりした場所は沖縄。なぜそんな遠くに・・・・

 

「動くな!」

 

後ろを振り向くとそこには拳銃を突き付けた茶髪のツインおさげの女性がいた。もはやここまでのようね・・・

 

「どうやらここまでのようね。殺して」

 

「なに?」

 

「私たちは元々死ぬために訓練を受けてきたわ。今更生きようと思わない・・・・さぁ、さっさと私を殺して、殺してくれないなら今この場で腹を掻っ捌いて死んだ英霊たちのもとに行くわ」

 

「お前いったい何を・・・・」

 

「残念だがお前を死なせるわけにはいかない」

 

すると、ツインおさげの少女の後ろから一人の人物が現れた。

 

「・・・・・坂本少佐」

 

そう、扶桑海軍エースパイロットである坂本少佐だ。だがいま彼女は霞ケ浦の教官をしているはずだ。出撃する1週間前にも会ったことがある。たった1週間で欧州にいるわけがないはず・・・・本当にどうなっているのよ

 

「私を知ってるのか?まあいい。とにかく私についてこい」

 

「・・・・・・」

 

私は言われるがままついていくことにした。そして私は執務室に通された、机には赤毛の女性、恐らくカールスラント人だろう。どうなってるんだなんでブリタニアにカールスラント人がいるんだ。

 

「さて、あなたの所属と階級を教えてくれないかしら?」

 

「・・・・・扶桑海軍、神風特別攻撃隊所属の宮藤春佳少尉です」

 

「宮藤?お前は宮藤の身内か?いやでもあいつには姉妹はいないはずだ・・・それよりさっき言った神風特攻隊だったか?聞かない部隊だな。どういう部隊だ?それに貴様がきていた服には無数の小型爆弾が縫い付けてあった。お前の任務はいったいなんだ少尉」

 

おかしい。同じ扶桑軍人である坂本少佐が知らないなんて・・・

 

「答えなさい。春佳少尉」

 

「・・・・・・敵の船に体当たりする」

 

「何?どういうことだ」

 

「言った通りですよ坂本少佐。私の部隊の任務はその爆弾を縫い込んだ服を着てそのまま敵の船に体当たりする。十死零生・・・・つまり自殺部隊。それが神風特別攻撃隊の任務よ!」

 

「「「!?」」」

 

春佳の言葉にミーナ、バルクホルン、坂本は驚くのであった。

 

 

 

 



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「た、体当たりだと!?それに空母!・・・・・ネウロイではないのか?」

 

「ネウロイ?なんですかそのネウロイというのは?リベリオンが作り出した新兵器か何かですか?」

 

「リベリオン?貴女何を言ってるの?なんでそこでリベリオンが出てくるの?」

 

ミーナ中佐が不思議そうな顔をして春佳に訊く

 

「なにって・・・・我が祖国、扶桑皇国はリベリオン・ブリタニアの連合軍と戦争をしているはずでしょ?同盟国であるカールスラントの軍人でもあるあなたが知らないはずはないでしょ?」

 

「なにを寝ぼけているんだ貴様は!?人間同士が殺し合うなんて聞いたことがないぞ!少尉。」

 

「落ち着け、バルクホルン。少尉。お前がここに来るまでのことを話してくれるか?」

 

「はい。実は・・・・」

 

坂本少佐が促すように春佳に訊く。春佳は深呼吸をし、ここに来るまでの話をした。1939年にカールスラントのオスとマルク侵攻から始まる世界大戦。その後ガリアを占領したカラールスラント。そして1941年12月8日にカールスラントの同盟国である扶桑皇国がリベリオンに宣戦布告し、真珠湾を奇襲攻撃。半年間の快進撃に衰退。各地の激戦、リベリオン軍の反撃、続く負け戦、帝政カールスラントの滅亡…そして扶桑では玉砕や特攻が続いき、そして自分も特攻に出撃して空母に体当たりしたことなどすべて話した。

 

「人類同士で戦争をするなんてね…。それもその戦争、カールスラントが引き起こしたなんて・・・・」

 

ミーナ中佐は世界大戦という言葉に驚きを隠せなかった恐らく。いや、きっとそのネウロイ?が現れなければこの世界でも同じような事が起こっていただろうと春佳は思った。

 

「それにしても体当たりを主体とする特攻隊か・・・・・あまりにも非人道的だ。扶桑はそこまで追い詰められたのか・・・・少尉。本土はどうなっている海軍は?」

 

「少佐。連合艦隊はマリアナ海戦で壊滅し、リベリオンの戦略爆撃機B-29に無差別に爆弾を落とされ国中焼かれて何もかも灰燼!正直いって、もう長くは持たないと思います」

 

「カールスラントも焼け野原になったのか?」

 

「詳しくは知りませんが、恐らく扶桑と同じだと思います・・・」

 

「‥‥‥そうか」

 

そう言うとバルクホルンは悲しそうな顔をする

 

「そう言えば、この世界はどうなんですか?それに先ほど言ったネウロイとは何ですか?」

 

「ああ、そうだったな」

 

坂本少佐はこの世界のことを説明した。

 

1930年代、欧州各地にネウロイと呼ばれる異形の集団が欧州各地に出現。人類は攻撃するも各地で敗北、欧州はネウロイに覆われた。それに対して人類は魔法力を使うことのできるウィッチと魔法力を高めることのできるストライカーユニットを使い反撃、世界各地で人類とネウロイの激戦が繰り広げられていた。

 

(ウィッチの存在は一緒だけど。戦う敵が謎の生命体なわけね・・・・・)

 

「つまり、少尉は異世界から来たことになるな」

 

「少佐。本気ですか?」

 

「本気だ。それにあのストライカーや、あの服が何よりの証拠だ」

 

「........」

 

「少尉。貴方はこの後どうするつもりですか?」

 

どうするもなにも、私はこの世界の事を何も知らない......同じ国名、同じ時代でも異世界から来た私にとっては全くの別世界だ。扶桑に帰ったとしても私の居場所はない・・・・

 

「う~ん・・・・・そうだ。ミーナ。この子を保護するのはどうだ?」

 

「美緒!?本気なの!」

 

「ああ、臨時隊員のウィッチといえば上にも説明しやすい。こいつが本当に別の世界から来た奴なら、こちらの世界のことは何一つ知らない素人だ。それになこのまま、ほ

おっておいて死なれると目覚めが悪いからな」

 

「分かったわ。それじゃあ、宮藤春佳少尉。あなたは今から臨時隊員として戦ってもらいます。いいですか?」

 

「はい!特攻隊に入った時から覚悟はできています」

 

「はっはっはっ!いい返事だな!」

 

「では、夕食の時に他の隊員にあなたの紹介をしますので、それまで部屋で待機してください」

 

「部屋は私が案内しよう」

 

そう言い、坂本少佐は春佳を部屋へと連れて行くのだった。

 

「あの・・・・坂本少佐」

 

「宮藤。お前と私は同じ扶桑海軍だ。だから堅苦しいのは無しだ」

 

「・・・・では・・・坂本さん」

 

「それでいい。でなんだ?」

 

「あの・・・さっき私が傷つけてしまった人なんですが・・・」

 

「ん?ああ、宮藤か。安心しろ幸いかすり傷程度だ。宮藤本人も気にしていないって言ってたぞ」

 

「そうですか・・・・あのその宮藤さんって、もしかして宮藤芳佳という名前で父が宮藤一郎っていうストライカーユニットの開発者ではないんですか?」

 

「ああ・・・・そうだ。お前の苗字も確か宮藤だったが、もしかして・・・・・」

 

「はい。宮藤芳佳は私の姉です。顔を見てはっきりと確信しました」

 

そう、異世界と知ってから思ったことがある。あの芳佳って名乗った人がお姉ちゃんだということが、となるとこの世界にも私がいるんだろうか?

 

「なに!?そう言えば確かに宮藤に少し似ているな。でもあいつには従妹がいても妹はいないぞ」

 

「そうですか…この世界には私は存在しないんですね」

 

なんか安心したような、しないような・・・・

 

「で、お前の世界の宮藤は元気にしているか?」

 

「・・・・・・・1944年のマリアナの戦いで戦死しました。」

 

「・・・・・・すまない」

 

「いえ、いいんですよ」

 

そう話し合っていると、二人の少女がやってくる。そうシャーリーとルッキーニだった。

 

(あいつのあの格好・・・・リベ公!!」

 

シャーリーの姿を見て春佳の目つきが変わる。異世界のリベリオンとはいえ、春佳のいた世界のリベリオンは扶桑本土を無差別爆撃し、そして最近では8月6日広島に8月9日には長崎に新型爆弾を落としおびただしい数の一般市民が犠牲になった。春佳にとってはリベリオンは心許せない敵と思っているからである。

 

「おっ!少佐。その子は誰なんだ?」

 

「ああ、シャーリー。こいつは今度、ウィッチ臨時隊員になった。宮藤春佳少尉だ」

 

「宮藤?そう言えば顔も少し似てるしもしかして宮藤の親戚か?」

 

「まあ、当らかずとも遠からずかな」

 

「?・・・・・まあ、いいや。よろしくな春佳。私はシャーロット・イェーガー。シャーリーって呼んでくれ」

 

そう言いシャーリは手を差し伸べるが、春佳は無言のまま立ち去ってしまうのだった。

 

「あれ?なんか気に障ること言ったかな」

 

(そう言えば、あいつの世界ではリベリオンと戦争していたんだっけな。ならばあいつにとってシャーリーは・・・・)

 

「いいや、あいつはただここに方ばかりで緊張してるんだ。気にするな」

 

と、坂本少佐はそうフォローする。

 

「そうか~あいつ緊張していたのか」

 

「ああ、そうだ。それじゃあ、私はあいつの部屋を案内しなきゃならんのでな」

 

そう言い、少佐は春佳の元に急いで向かうのだった。

 

(あいつ・・・もとにいた世界でどんな思いをしたんだ・・・・)

 

 

 

 

 

 

 

(ここは、異世界・・・・・人間同士の戦争がない世界。つまりあのシャーリーさんはあの世界のリベ公とは全く違う。それはわかってる。分かってるけどやっぱり許せない。お姉ちゃんを殺し、無抵抗の一般市民を絨毯爆撃をして焼き殺し虐殺したリベ公なんか・・・)

 

頭の中では違う世界だとわかっている。分かってるのだが、だが体や記憶がその邪魔をし許せない気持ちが勝ってしまうのだ。

 

そう、複雑な気持ちを胸に秘め春佳はそのまま部屋に進むのだった。

 

 

 



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暗い中恐らく夢の中だろうその闇の中、自分の目の前に血まみれになったウィッチ。そう、自分と同じ特攻隊員であるウィッチが姿を現した。

 

「宮藤春佳!!なぜ貴様がまだ生きている!!」

 

「あんた、それでも皇国軍人か!」

 

「それでも特攻隊員か!恥を知れ!!」

 

私を囲み特攻隊のウィッチは私にそう責める

 

「ごめんみんな。本当にごめんなさい!私もすぐに自決して靖国に・・・」

 

「だめだ!靖国は勇敢に戦いそして散った英霊たちが行く場所!!あんたには靖国に行く資格すらないのよ!宮藤春佳!!」

 

その言葉に春桂はショックを受けるのだった。

 

 

 

「うわあぁぁ!!」

 

「はぁ・・・はぁ・・・・夢・・・?」

 

春佳は目を覚ますとそこは先ほどいた部屋の中だった。

 

「ごめん・・・・ごめんみんな。私だけ生き残って・・・・」

 

部屋でただ一人涙を流しながらそう呟く春佳であった。

 

 

 

しばらくして坂本少佐に呼ばれ、ついていった。最初、自分は異世界などに来た。最初は信じられなかったが、冷静に考えれば空母に体当たりし、爆散した自分が欧州にいるなんて不可能な話だそういうと納得できる。

 

「ん?どうした春佳。元気なさそうだが?」

 

「いえ、そんなことはありません・・・」

 

「・・・・・・もしかしてシャーリーのことか?」

 

「・・・・はい」

 

「やっぱりか。お前の世界ではリベリオンと戦争してたらしいけどここはお前のいる世界とは・・・・」

 

「分かってます!・・・・・わかっているんですけど・・・まだ心の整理が出来ていないんです。」

 

「春佳・・・・」

 

因みに坂本少佐は春佳を名前呼びにしている。姉である宮藤芳佳と被らないように。

 

「春佳。話してくれないか?リベリオンとの戦争をもっと詳しく」

 

春佳は坂本少佐にリベリオンとの戦争「大東亜戦争」の話を詳しく話した。

ミッドウェーの後、扶桑は守勢に回り、絶対国防圏と言われたサイパンやレイテに侵入した時扶桑海軍が総力を挙げて戦ったが、結果は惨敗、戦艦「武蔵」を始め多くの艦艇や艦載機を失った挙句。春佳はそこで大切な姉を失ったこと。そしてサイパンが陥落した時にそこからB29が飛び立ち扶桑本土を無差別に爆撃し、極めつけが帝都大空襲での無差別爆撃で一般市民10万人が焼き殺され、広島・長崎に新型殺戮兵器の爆弾を落とされ多くの命が吹き飛んだことを坂本少佐に話した。

坂本少佐はその話を聞き

 

「なるほど・・・・春佳がシャーリーのことを少し睨んだのも少しわかる」

 

そうあの時シャーリーは気付かなかったが、春佳はシャーリーを見た時少し睨んでいたのだった。

 

「人間同士の戦争でこんな惨劇が起るなんてな・・・・春佳・・・特攻隊に選ばれるってどんな感じなのか?」

 

「・・・・・あの時は、何故か冷静でした。命令を受けたら、ああ・・・・私もついに行くのか。ただそれだけ。でも・・・出撃前の夜、私は近くの川にいました。その時にこう思ったの。『水が冷たい。雑草が風に揺れている。そんな今まででどうでもよかったことがなんかすべて愛おしく感じてしまう』そう言う不思議な気持ちになってしまうんです。そして翌日には笑顔で死地へと向かっていくんです・・・」

 

「そうか・・・・」

 

坂本少佐は悲しい顔をする。

 

「坂本さん。私、この世界が羨ましいです。戦争はあっても人同士の殺し合いじゃないから」

 

「そうだな。その点に関してはこの世界は少し恵まれているな。」

 

そう言い春佳と少佐は何も言わずただ歩いていた。

 

 

しばらくしてブリーフィングルームにつきミーナ中佐のほかにウィッチ達が集まっており、皆がそれぞれの待ち方で待っていた。その時、春佳は芳佳と目が合うが、春佳は気まずそうに眼をそらすのだった。

するとミーナが手をたたく。

 

「ハイ皆さん、注目。改めて今日から皆さんの仲間になる新人を紹介します」

 

そう言ってミーナは説明する。

 

「扶桑皇国海軍。神風特攻隊所属の宮藤春佳です!階級は少尉、本日付けでここの予備隊員になりました。よろしくお願いします」

 

春佳は海軍式敬礼をしみんなに挨拶をする。その後は各自自由行動となり、みんな春佳の所に集まる

 

「よろしくね。春佳ちゃん。」

 

「こちらこそよろしくお願いします。それと宮藤さん。リーネさん。先ほどはすみませんでした。」

 

「いいよ。だって春佳ちゃん。あの時パニックになってたから・・・」

 

「私もたいした怪我じゃなかったから気にしてないよ。それに春佳ちゃん。私のことは芳佳でいいよ。同じ宮藤だとこんがらがるでしょ?」

 

「うん・・・・わかった。よろしくお願いします。お姉・・・・芳佳さん・・・」

 

そういうが、春桂は複雑そうな顔をする。(この世界のお姉ちゃんも、変わらないな・・・・・)

 

そう春佳が思った時ルッキーニがいきなり飛びつき

 

「ひゃあ!!」

 

「どうだ、ルッキーニ」

 

シャーリーがルッキーニに聞く。ルッキーニは微妙な顔をし

 

「う~ん・・・・芳佳よりは大きいけど。サーニャよりは小さい~微妙賞~」

 

「そうか~まあ、気にするな春佳。宮藤なんかは残念賞だったんだぞ」

 

シャーリは春佳にそう言い、芳佳は春佳の胸を羨ましそうに見る

 

「エイラ・イルマタル・ユーティライネン、スオムス空軍少尉。こっちはサーニャ・V・リトヴャク、オラーシャ陸軍中尉」

 

「よろしくね・・・春佳さん・・・」

 

と、エイラとサーニャの自己紹介が行われる。尤も、サーニャは少しおっとりしながら言う。

 

「私はフランチェスカ・ルッキーニ、ロマーニャ空軍少尉!」

 

「エーリカ・ハルトマン、カールスラント空軍中尉よろしくね♪あっちにいるのはバルクホルン。同じカールスラントの大尉よ」

 

「・・・・」

 

「ペリーヌ・クロステルマン自由ガリア空軍中尉ですわ」

 

「よろしくお願いします」

 

「やあ、さっきもあったけど改めて紹介するよ。私はシャーロット・E・イェーガー、リベリオン出身で階級は大尉だ。シャーリーって呼んで」

 

そしてシャリーが挨拶をしたが・・・・

 

「・・・・・・」

 

「どうしたの?」

 

「・・・ごめんなさい。シャーリーさん・・・私リベリオン人とは仲良くできません」

 

「え?」

 

「ごめんなさい・・・」

 

春佳はシャーリーに頭を下げると、部屋を出てしまった。

 

「春佳ちゃん・・・」

 

「なんだあいつ感じ悪いナ~」

 

「・・・・・・なんか私気にさわちゃったのかな・・・・」

 

そういい頬を掻くシャーリー。その理由を知っているミーナ、坂本、バルクホルンはただ黙ってみているしかなかった。

 

 

 




春佳とシャーリーにできた溝いつか消えるといいですね次回もお楽しみに


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これまでのあらすじ

1945年。太平洋戦争末期、神風特攻隊員のウィッチである宮藤春佳は、リベリオン空母へと体当たりして死んだ。そう思っていたが、目が覚めるとそこは1年前の1944年。しかも春佳がいた世界とは全く異なる世界であった。行く当てのない春佳は保護してくれた501戦闘航空団の臨時戦闘員として戦うことになったが、春佳は、自分だけ生き残ってしまったことに苦しみ、さらに元の世界では敵だったリベリオン軍人であるシャーリーと距離を取ってしまうのだった。

では本編をどうぞ


「うっ・・・・う~」

 

歓迎会が終わり春佳は自分の部屋に戻っていたのだが、毎晩、同じ夢を見てうなされていた。

 

「ここって‥‥東京!?」

 

彼女が目にしたのは、首都である東京であった。しかし自分の目にしているのはいつもの東京ではなかった。真っ暗な風景おそらく夜だろう。春佳はその東京の上を飛行していた。

 

「もしかして戻ってこれたの!?」

 

そう思っていた。しかし春佳はこれは夢だとすぐにわかったなぜなら今自分はストライカーユニットをはいていない。それなのに自分は宙を浮いているだからこれは夢としか言いようがない。そう思っていると上空から黒い影が差す。春佳は上を向きその正体を見た

 

「・・・・・・B29」

 

そこには数十機も在ろうかリベリオンが開発した戦略爆撃機B29だった。B29は爆弾ハッチから焼夷弾が、ばらまかれて東京の下町を火の海にする。そうこの風景は・・・・

 

「・・・・・帝都大空襲」

 

忘れもしないあの忌まわしき無差別爆撃が起きたあの大空襲だった。春佳はその光景をただ見ているしかなく街から苦痛や怨みなどの無数の悲鳴が聞こえる。

 

「あ、あああああ」

 

春佳は青ざめながらそれを見ているしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「わあぁぁぁー!!」

 

がばぁ!!

 

春佳はベットから飛び上がるように起きた。その体は汗でべっとりだった。今まで見た悪夢の中では1番最悪の悪夢だ。春佳はそう思いベットに座り顔を手で隠して項垂れる。なぜ自分はこの世界に来たのだろうか?もし私が生き残るべき人間だという理由ならそれは違う。もっと他に生き残るべき人間がいたはずだ。

 

「なぜ・・・・私は生き残ったの?」

 

 

 

 

 

 

 

その後、春佳は汗をシャワーで流した後、朝食を取りに食堂へ向かった。すると・・・・

 

「あ、春佳ちゃん。おはよう」

 

「おはようございます。春佳さん」

 

「・・・・・おはようございます。リネットさん。宮藤さん」

 

と、エプロン姿で料理をする宮藤さんとリネットさんが元気よく挨拶し、私はこれを返す。この世界ではお姉ちゃんは生きている。だけど私は宮藤さんと呼んでいる。なぜならお姉ちゃんと呼ぶといろいろと厄介なことと、あのいやな出来事を思い出すため、さん付けで呼んでいる。

私は席に座り朝食を食べる今日のメニューは和食だ。しかも白米に鮭に味噌汁だし巻き卵に納豆だ。こんな豪華な食事をしたのは久しぶりだ。そう中華戦争が始まるまではみんなで食卓を並んでこういう食事を食べたっけ。そういえばこの世界には中華民国は存在しないことを事情聴衆の時、坂本さんがいっていたっけ・・・・

そんなことを思いながら私は箸を進める。

 

「・・・・・美味しい」

 

美味しいと思ったのは久しぶりだ。この世界に来るまでちゃんとした食事なんてとっていなかったし

 

「えっ!本当ですか?春佳ちゃん」

 

「はい。あっ・・・もう一杯ご飯のお替りもらえますか?」

 

「はい。待っててね。すぐに入れるから」

 

と、宮藤さんは嬉しそうに言う。

 

「はい。どうぞ」

 

「ありがとうございます。」

 

と私は久しぶりの白米の味を堪能する。

 

「フフッ♪」

 

「芳桂ちゃん。うれしそうだね」

 

「うん。やっぱり自分たちが作った料理がおいしいって言われるとすごくうれしいんだもん」

 

「確かにそうだね」

 

そんな会話が厨房から聞こえ春佳は少しほほ笑む。

 

「やっぱり、この世界のお姉ちゃんも変わらないね・・・」

 

そんなことを思っていると

 

「みんなおはよう!おっ!今日の朝食は和食か?」

 

「あっ!坂本さんおはようございます。」

 

と、坂本さんが元気よく入ってきた。そして私の席の隣に座る。

 

「おはよう春佳。。昨日はよく眠れたか?」

 

「はい・・・・おかげさまで」

 

私は嘘をついた。みんなを心配させたくないからだ

 

「そうか。それはよかったな。はっはっはっ!そういえば春佳。この食事が終わったら、宮藤たちと特訓だ。わかったな?」

 

「・・・・・はい」

 

「ん?どうした?元気がないが」

 

「そ、そんなことはありません。い、いつでも元気です」

 

と私は作り笑いを見せた。すると・・・・

 

「おっはよー。おっ!きょうは扶桑料理か宮藤?」

 

「はい。今日はだし巻き卵と焼き魚と納豆です」

 

「そうか~私は料理のことはわからないけど宮藤の作る料理はなんでもうまいからな」

 

すると、シャーリーと春佳の目が合った。

 

「おー!春佳おはよう」

 

っと元気に声をかけるが春佳は・・・

 

「ごちそうさまでした。」

 

といい春佳は、シャーリーから逃げるように食堂を後にした。

 

「・・・・・・」

 

その様子を坂本少佐は心配そうに見るのだった。

 

 

 

 

 

 

朝食から数分後、私たちは滑走路で宮藤さんやリネットさんとランニングをしていた。

 

「な...何で..春佳ちゃん息切れしないで..ハァハァ..あんなに早く..ハ..走れるの..?」

 

「すごい‥‥体力だね・・・・・」

 

と、息切れしながら走る二人。

今回の訓練は滑走路ランニング500メートル10週と飛行訓練だ。リネットさんや宮藤さんは最初の3周でもう息切れしている。そんなにきついのかな?私なんて予科練の時、朝から晩まで大声を出しながら走らされたっけ・・・・

 

「宮藤!リーネ!春佳よりペースが落ちてきてるぞ!!」

 

「「はいっ!!」」

 

そして私やふたりがランニングを終えると、

 

「よし!少し休憩!!」

 

っと、休憩の時間に入る。すると、二人は地面に寝っ転がってはあ、はあと息をつく

 

「春佳ちゃん。すごいね・・・・あんなに走っても息切れ一つしないなんて」

 

「本当にすごいよ」

 

「・・・・予科練で死ぬほど走らされたんで体力には自信があるんですよ」

 

「予科練?春佳ちゃん。予科練って何?」

 

宮藤さんが首をかしげて言う。

 

「え?予科練って・・・あれ?そういえば何の略でしたっけ?まあ、簡単に言えば飛行訓練生のことです」

 

「へ~そうなんだ・・・・」

 

休憩中はそんな他愛のないことを話していた。今この世界で仲がいいのはこの二人だけだ。あっペリーヌさんもだっけ。あまり話すことは少ないけど。しばらくして私は、坂本さんに呼ばれた。どうも飛行技術を見せてくれとのことだ。ちなみに二人はまだランニングをしている。あの二人はまず体力作りからだというそうです。

 

「春佳。そういえばお前のストライカーは零戦だったよな」

 

「はい「零式艦上戦闘脚62型」です」

 

「62型・・・・ということはこれは最新型か?」

 

「はい。零戦シリーズでは、っという意味ならそうです。ただこれは「爆戦用」です」

 

「爆戦・・・・ということは」

 

「はい。お察しの通りです」

 

そう、私の履いていた62型は特攻目的のため改良されたユニット。ただほかの戦闘脚同様空中戦はできる

 

「そうか・・・・すまないがそれを履いて飛んでみてくれるか?」

 

「はい」

 

私はユニットを履いて空を飛ぶのだった・・・・

 

 

 

 

 

 

「どう?彼女の飛行」

 

「ああ、ミーナか。」

 

しばらくして訓練も終わり春佳は自室へと戻り、坂本少佐はミーナのところにいた。

 

「そうだな・・・・飛行技術はまあまあっといったところだが、何か警戒しながら飛ぶ癖があるな。それにさっき着陸の練習もしたが、完全に失敗で何度も転んでいたよ」

 

「私も見たわ。おそらく彼女、ちゃんとした飛行訓練を受けたことがないようね」

 

「ああ、春佳から聞いたが、飛行訓練を一か月で繰り上げられて出撃したそうだ」

 

「一か月!?ちょとまて少佐。普通ウィッチの訓練は最低でも半年、長くて1年はかかるぞ!それを一か月だなんて」

 

坂本少佐の言葉にバルクホルンが驚く。

 

「ああ、なんでも上の連中は「ただ飛べればいい」っということで合格にしたみたいだ。つまり春佳は・・・・」

 

「特攻・・・・自爆のためだけに飛行訓練を受けたのか・・・狂ってる!」

 

「それは私も同感だ。向こうの世界の私はなぜこんな作戦を止めようとしなかったのだ」

 

「そうね・・・・・それよりも今の春佳さん。何か思い詰めている顔をしていたわ」

 

「春佳が?」

 

ミーナの言葉にバルクホルンが首をかしげる

 

「そういえば今朝もなんか元気がなかったな。なんか自暴自棄になっているっていうか・・・・」

 

「おそらく原因は・・・・・」

 

「シャーロット・イェーガー大尉か」

 

「ええ、彼女の世界ではリベリオンと戦争をしていたらしいから複雑な気持ちなんでしょう」

 

シャーリーは今まで道理、春佳に気軽に話しかけているが当の本人は彼女を避けているためいまだに平行線なのだ。

 

「でも、ミーナこのままほっとくと戦闘時に支障が出るぞ!」

 

「そうだな。確かにこのままじゃいけない。なんとかしないと・・・・」

 

「そうね・・・・・」

 

 

と、三人はため息をつくのだった。

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。文才が欲しい。たまにそう思うことがあります。
次回もお楽しみに

ちなみに宮藤春佳のステータスは

宮藤春佳
階級:少尉
原隊:第七二一海軍航空隊(神雷部隊)
身長:155センチ
使用ストライカー:零式戦闘脚62型
使用武器:三式一三粍機関銃
服装:海軍第2種軍装
得意なこと:洋食作りとブルタニア語
苦手なこと:扶桑料理
将来の夢:学校の先生
性格:心優しいがやんちゃなところがある。
髪型:サイドーテール

っとこんな感じです。


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今回は少し短めです。この頃、いいアイディアが浮かばない・・・・


春佳がこの世界に来て三か月たったが、いまだに彼女は501のウィッチたちと溶け込めず、いまだに溝ができていた。

ある日のこと出撃命令が出た時にて、小型ネウロイを全部倒し基地に向かって帰る最中

 

「また小型ネウロイですの?いい加減飽きてきましたわ」

 

「そうですねー・・・ずっとこんなんですしね。春佳ちゃんが来る前からこうなんです」

 

「・・・そうなのですか?」

 

「もう、三ヶ月になりますよ。どう思います?」

 

「・・・そうですね、そろそろ強いのが来るかもしれないと思います。地震みたいに」

 

「前兆ってことですか・・・嫌な感じですわね」

 

坂本少佐の訓練のおかげで小型機相手ぐらいは戦えるようになっていた。向こうではただ飛び方や、急降下の練習をしただけで空中戦の訓練は一切行われていなかった。そう私は初めから特攻のためだけに訓練を受けていたんだ。もともと私は学校の先生になるべく教員学校で勉学に入っていたのだが、大東亜戦争が始まり、ミッドウェーの敗戦後、ウィッチの人員不足のため徴兵免除になっていた魔法力のある女学生が戦場に駆り出されることになった。いわゆる学徒出陣ってやつよ。それで私はウィッチになるべく霞ケ浦航空訓練所に入った。その訓練の時はまさに地獄だった。何かあるたびにウィッチの教官に殴られたんだよな。どんなことをしても怒鳴られたり殴られたり、毎晩、涙で枕を濡らしていた。それでもお姉ちゃんから送られてくる手紙が唯一の楽しみであり、希望でそれを読むたびに毎日の辛さも薄れていた。

だが、そのお姉ちゃんもマリアナの戦いでリベリオン軍の攻撃で死んだ。

それを聞いた時の私は絶望し、そしてお姉ちゃんを殺したリベリオン軍を憎むようになっていた。そうまさに「鬼畜利米里遠」という感じになっていた。そして気が付いていたら特攻隊に志願したんだっけな・・・・・

 

「春佳ちゃん。どうしたの?そんな怖い顔をして・・・」

 

リーネが心配そうに訊く。

 

「え?あ、大丈夫です。リネットさん」

 

「気分が悪いのでしたら無理はしないでくださいね」

 

「そうだよ。春佳ちゃん。」

 

と、リネットさん、ペリーヌさん、そしてお姉ちゃ・・・・宮藤さんの三人は心配してそういう。よく一緒に出撃するこの三人は、今のところ一番打ち解けている人たちだ。よく話しかけてくれている。まだぎこちない感じだけど。

 

「大丈夫です。ご心配なく・・・」

 

と、私は笑った。だがこれは作り笑い。三人に無理な心配はさせたくなかったのだ。

この世界に来ていまだに疑問がある。それは「なぜ私だけが生き残ってこの世界にしまったのか」という疑問だった。なぜほかのみんなは死んだのに自分だけこの世界に来てしまったのか。その気持ちが自分の胸を秘めつけるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

               基地

 

「よくやったな、みんな。特に春佳。最近上達してきたみたいじゃないか。良かったな」

 

坂本少佐は三人が基地に帰るとねぎらいの言葉をかける。

 

「・・・ありがとうございます」

 

「ん?どうした春佳?あまり嬉しそうじゃないな」

 

元気のない声に坂本少佐は心配そうに言う。

 

「あ、い、いえ。大丈夫です。あ、あの・・・・私は部屋に戻ってもいいですか?」

 

坂本少佐に尋ねる。

 

「あ、ああ・・・食事の時間になったら呼びに行くぞ」

 

「わかりました。では」

 

そういい、少佐に敬礼をしてここを離れようとしたが・・・・

 

「ちょっと待て、春佳」

 

と、バルクホルン大尉に止められた。

 

「・・・・・・なんですか、大尉?」

 

「確かにお前の飛行の腕はよくなった。だが、今のお前の飛び方は危険だ。この前の戦闘の時も命を落とすような戦い方だったぞ!お前このままだといずれ死んでしまうぞ!!」

 

そう、バルクホルンの言ったと通り、春佳の飛び方は一歩間違えば死んでしまうような飛び方だった。シールドを張らず敵に接近し機銃を撃つ。まるで死に急ぐかのように・・・・

 

「・・・・・かまいません。」

 

「え?」

 

「・・・・・別に死んでも構いません」

 

「なっ!?」

 

春佳の言葉にバルクホルンは絶句する。それはこの場にいた全員も同じだ。

 

「私はもともと死ぬために訓練を受けました。他の戦友たちが死んだのに自分だけのうのうと生きているのが辛いんです。ですから私の命なんて使い捨ての駒でいいんですよ大尉」

 

「!?」

 

「は、春佳さん!?」

 

「なっ・・・」

 

「春佳ちゃん!そんなこと言っちゃダメだよ!」

 

あまりの発言にミーナたちは絶句し、芳佳は春佳に注意するが・・・・

 

「・・・・・すみません」

 

春佳は光を失った目でそう一言いうと、その部屋から出て行ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・春佳ちゃん・・・」

 

春佳が出て行ったあと、その場にいたみんなの空気が重くなっていた。

 

「何であいつ、そんなに命を無駄にしようとするのかな?なあ、サーニャ?」

 

「うん。それにしても私少し心配です」

 

「私もおんなじ気もちだよ。春佳、最近、以前にもまして表情が硬くなってるし」

 

サーニャとエイラ、ハルトマンが心配声で言う。

 

「・・・なかなか、向こうから打ち解けてくれないな」

 

「そうね・・・私達だけが一方的に彼女のことを受け入れてもしょうがないのよね・・・」

 

「なあ、中佐。春佳はなんであんなことを言ったんだ?何か知ってるんだろ?」

 

「そ、それは・・・・」

 

シャーリーがミーナに訊く。シャーリーも春佳によく話しかけているが、目も合わしてくれずいっつもスルーされているのだ。シャーリーは春佳のことが心配なのだ。

ミーナは悩んだ。彼女のことを話すべきか、すると・・・

 

「シャーリー。確かに私とミーナ、バルクホルンは春佳の過去のことを知っている。だが、私たちは言えない。どうしても知りたいんなら、あいつ自身に訊くことだ。シャーリー」

 

坂本少佐がシャーリーに言った。確かに三人は彼女の過去ことを聞いている。だがそれは自分たちが言うのではなく春佳本人に聞くべきだっとシャーリーに言った。

 

「そ、そうか・・・・確かにそうだよな。」

 

確かにそういうことは他人ではなく本人から直接に訊くのが礼儀だ。シャーリーはそう思い、春佳の部屋に行くのだった。

 

「ここか・・・・」

 

シャーリーは春佳の部屋の前につきノックをしようとすると・・・・・

 

「ひっく・・・うぐ・・・・・」

 

部屋の中から鳴き声がするのだ。

 

「(春佳?・・・・)」

 

シャリーはノックをするのの止めその場に立ち止まるすると部屋の中から・・・

 

「な、なんで・・・・私だけ生き残ってしまったの?何で死なせてくれないのよ・・・・」

 

と春佳の涙声が聞こえる。

 

「(春佳・・・・・・)」

 

シャーリーは春佳の部屋に行くのを止めその場を去る。今はとても訊ける状態じゃないと判断したからだ。

 

「(あいつの過去にいったい何があったんだよ・・・・・)」

 

そう思うシャーリーだった。

 

 

春佳side

 

私は、ブリーフィングルームから出ていき自分の部屋に入りそして、ベットに横になり、泣いた。ここに来てからの毎日、私はずっと絶望しっぱなしだった。

生きているのが辛い。そう思った。自決しようとしたときがあったが、その時、ナイフを持った手が震えて結局することができなかった。「私は臆病者だ」そう思った。だから自分は靖国に行けず、この世界に来てしまったのかそう思ってしまう。まるで死んだ戦友たちが「お前みたいな臆病者は一生、そこで野垂れ死ね」そういう風に感じていた。

実際特攻に行く前、一度ストライカーの不調で基地に戻った時がある。

その時は仲間のウィッチや上官に『なぜ、生きて戻ってきた!ほかの戦友たちが死にに行っているのにお前がなぜ戻ってきた!』『この臆病者っ!!」などと言われた。

本当に何で私だけこの世界に来てしまったのだろう・・・・・

 

 

 

 

 

翌日、談話室で、少佐たちがブルタニアの街で補給調達をすることになった。その補給調達としていくことになったのは・・・・・

 

「シャーリーと、春佳それに宮藤とリーネ。お前たち4人には補給調達に行ってもらう」

 

そう、坂本さんに言われるのだった・・・・・・・

 

 

 

 

「え?‥‥‥‥シャーリーさんたちと?」

 

 

 

 




今日はここまでです。次回は春佳が自分の悩みや気持ちそして過去を3人に話します。
次回もお楽しみに!!


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久しぶりの更新です。


私はなかなか周りのみんなに溶け込めず、周りから距離を取っていた。特にシャーリーさん。彼女はリベリオン人。だが私のいた世界のリベリオン人とは違う。それは頭の中ではそれは分かっていた。だが、今までの記憶・・・・そうあの時のリベリオンウィッチに事が頭にこびりついてなかなか、話せないのだ。

それに私はなぜ、自分がこの世界に来てしまったのか。なぜまだ私は生きているのか。何でほかのみんなじゃなくて私なのか。そういう考えが私の心を蝕んでいた。その蝕んだ心が私に生きよとする思いを失わせていたのだ。だから私はバルクホルン大尉に「自分の命なんて捨て駒でいい」っと言ってしまったんだ。

あれから翌日、私は坂本さんにシャーリーさんや宮藤さんたちと補給調達に行くことになったのだったのだが・・・

 

「「う・・・・へ~」」

 

「大丈夫?二人とも?」

 

街へ向かう途中、シャーリーさんの荒っぽい運転で、私と宮藤さんは気分が悪くなり、それを心配した顔で見るリーネ。

 

「し、死ぬかと思いました・・・・」

 

あ、私もう、一度死んでいたんだっけ・・・・

 

「バルクホルンさんの言っていた意味わかった気がする。リーネちゃんは大丈夫なの?」

 

「・・・・実は・・・私も少し目が回ってるの芳佳ちゃん・・・」

 

「あははは・・・・」

 

「さて、街についたことだし。3人とも買うものは何かわかっているか?」

 

「はい。このリストに書かれています。」

 

「そうか。それじゃ買い物にレッツゴー!」

 

と、シャーリーはノリノリで買い物に行くのだった。

それからみんな買い物を楽しんでいた。

 

「ねえ、リーネちゃん。この服どう思う?」

 

「似合うよ。芳佳ちゃん」

 

「おっ!このバイクゴーグル、最新型か~欲しかったんだよな~」

 

「・・・・・・」

 

「春佳ちゃん。どうしたの?」

 

さっきから無言の春佳を芳佳は心配そうに顔を覗かせる

 

「えっ?ああ・・・何でもありません。こんなに多くの品物を見るの初めてでちょっと驚いただけです」

 

「あっ!そういうことか!実は私もなんだよ。扶桑だとこういう品ぞろえの多い店あまり見ないからね」

 

「・・・・・そうですね」

 

私たちのいた時代のデパートもそこそこ品ぞろえは多かったがここまで多い品が置いてある店を見るのは初めてだった。

 

「あっ・・・・春佳ちゃん。こういう服なんてどうかな?」

 

「えっ…この服ですか?」

 

「うん。春佳ちゃんに似合いそうだと思って」

 

リーネさんが持っていたのは薄い水色で少し大人びた可愛いワンピースだった。

 

「うわぁー可愛い!!春佳ちゃん絶対に似合うよ!」

 

「そ、そうですか?」

 

「ねえ!ちょっと着てみたら?」

 

「そうだな。ちょっと着てみろよ」

 

3人にそう言われ私はその服を着ることにした。おしゃれとかかわいい服を着るなんて今までなかったな。今まででは「贅沢は敵だ」とか言われて男物の服とかモンペとかそういう服とか着ることしかなかったからな・・・なんか新鮮な感じだ。

 

「ど、どうかな?やっぱり変ですか?」

 

「そんなことないよ!すっごく似合うよ春佳ちゃん!!」

 

「あ、ありがとうございます。あ、あの・・・これ買ってもいいですか?」

 

「別に問題ないよ。じゃあ、この服、買ってくるから春佳ちゃん待っててね。行こうリーネちゃん」

 

「うん」

 

そう言って、二人は私が選んだ服を会計しに行った。残ったのは私とシャーリーさんだけになった。

 

「ふふ・・・」

 

「おっ!やっと笑ったな」

 

「え?」

 

シャーリーさんに言われ私はきょとんとする

 

「この頃、お前の笑う姿が見えなかったからね。少し心配していたんだよ」

 

「・・・笑うような出来事がなかったので」

 

「中に入れば笑えるような出来事があっても、それに入り込もうとしなかったんだろ」

 

「・・・それは」

 

確かにそうだと思った。だけど私はそれができなかった。自分だけ幸せな人生を送ったら死んだ仲間に申し訳なさすぎると思って入らなかったのだ。あの時出撃した仲間には12歳に満たなかった、そうルッキーニさんぐらいの歳の子も少なくなかった。そんな子たちが死んだのに自分だけ楽しく生きるのが辛かったのだ。

 

「・・・なあ、春佳」

 

「なんですか・」

 

「悩みがあるなら相談しろよ。私たちは仲間だろ?」

 

「・・・仲間?」

 

「そうだよ。お前は私たちの大切な仲間だ。」

 

「・・・・」

 

「春佳。話してくれないか?お前のこと。みんなお前が傷ついて苦しむ姿なんて見たくないんだ」

 

「・・・・・・」

 

シャーリーさんの言葉に私は黙ってしまう。そして・・・

 

「お待たせしましたー!・・・・・て、あれ?二人ともどうしたんですか?」

 

会計を終えた宮藤とリーネが来た。

 

「(・・・・・この人たちなら話してもいいかな)」

 

私は深呼吸すると・・・

 

「宮藤さん、リーネさん、シャーリーさん。聞いてほしいことがあります」

 

「え?」

 

「ここで立ち話もなんです。あそこのベンチで話しませんか?」

 

私は決心した。3人にすべてを話すと・・・・・

 

 

 

 

 

店から場所を移して、私たちは近くのベンチに座った。

 

「・・・・で、春佳ちゃん。私たちに何か言うことがあるの?」

 

「・・・・・皆さん。これから私は信じられないような話をしますが、これは事実です。信じてくれますか?」

 

「何言っているの春佳ちゃん。私たちは仲間だよ。話してみて」

 

宮藤の言葉に春佳は少し安心したのか春佳はゆっくりと口を開いた。

 

「・・・実は私…この世界の人間じゃないんです」

 

「え?」

 

「どういうこと?」

 

「私はこの世界とは違う世界から来たウィッチなんです。」

 

「え?違う世界?」

 

「はい。そして私の世界にはネウロイという未知の生命体もいませんでした。その代り私の世界は人同士が殺しあう世界だったんです」

 

「「「っ!?」」」

 

その言葉に三人は驚く。

 

「そして、私の国、扶桑皇国はシャーリーさんやリネットさんの生まれ故郷であるリベリオン・ブルタニアと戦争をしていました・・・・」

 

その後、春佳は自分がこことは似て違った世界の住人だということを、自分のいた世界にはネウロイが存在しない代わり人間同士の戦争があったこと、自分のいた扶桑はリベリオンとブルタニアと戦争をしていたこと、そして神風特攻隊でリベリオン空母に体当たりして死んだこと、なぜかこの世界に来てしまったこと、毎晩仲間の夢を見ることをすべて話した。ただ、目の前にいる宮藤さんが自分の姉だということは話さなかった。あまり混乱させたくなかったからだ。

 

「そして私は爆弾を縫い込んだ特攻服を着て、空母に体当たりしたと思ったらこの世界に来ていました・・・・」

 

「「「・・・・・」」」

 

春佳がすべてのことを話し終えると3人は黙ってしまう。

 

「・・・・ごめんなさい。シャーリーさん。初めて会った時あんなことを言ってしまって、あなたはあの世界のリベリオン人じゃ、ないのに・・・・・頭では分かっていたのに・・わたし・・・・」

 

春佳が涙を溜めて話していると・・・・・

 

ガバァ!

 

シャーリーさんが春佳を抱きしめる。

 

「シャ・・・・シャーリーさん?」

 

「辛かったな・・・・・春佳。本当につらかったな・・・」

 

シャーリーさんは私の頭をやさしくなでる。

 

「春佳。異世界とはいえ同じリベリオン人として謝りたい。たとえ人間同士の戦争だとしてもだ。・・・・・・・本当にごめんな」

 

「シャーリーさん・・・・」

 

「春佳ちゃん。本当につらかったんだね・・・・でも大丈夫だよ春佳ちゃん。もう春佳ちゃんは一人なんかじゃないよ」

 

「宮藤さん・・・・・・」

 

「そうだよ。春佳ちゃんは一人じゃないよ。」

 

「リネットさん・・・・」

 

3人の言葉に私は何か吹っ切れたかのように涙が流れそうになっていた。

 

「私は・・・・・私は・・・・」

 

「春佳ちゃん。泣いてもいいんだよ?」

 

「で、ですが。軍人たるもの泣いてはいけません」

 

「気にするな。上官である私が許すよ」

 

シャーリーさんの言葉に私は我慢できず・・・・・

 

「う、う・・・・うわあぁぁぁん!!」

 

この時私は泣いた。姉の死以来一度も泣かなかった私が・・・・今まで溜めていた苦しみや悲しみを一気に流すように私は大粒の涙を流したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「落ち着いた?春佳ちゃん」

 

「はい。おかげさまで少し楽になりました。」

 

「春佳」

 

「なんですかシャーリーさん」

 

「これからもよろしくな」

 

シャーリーさんは手を差し出す。

 

「はい!よろしくお願いします!!」

 

私は笑顔でシャーリーさんの手を握った。こういて私は彼女たちとほんの一歩だが距離を詰めることができました。

 

 

・・・・しかし・・・・

 

 

ヴヴゥゥゥゥーーーーーン!!!!!

 

「「「「!?っ」」」」

 

急に空襲警報を知らせるサイレンが鳴り響いた。

 

「もしかして!」

 

「ネウロイ!?」

 

「シャーリーさん。ストライカーユニットは!?」

 

「トラックの中だ!急ぐぞ!」

 

「「「はいっ」」」

 

私たちは急いでストライカーユニットや武器が置かれているトラックへと向かった。その最中に中型のネウロイがビームを放ち街を攻撃する。

 

「くそっ!501のみんなは何をしてるんだ!」

 

「あともう少しでトラックです!」

 

「見えた!」

 

芳佳が一足先にトラックにつこうとしたその時トラックを停めているすぐ後ろの建物に、ネウロイのビームが直撃した 。

ネウロイのビームが宮藤のすぐそばの建物に当たり、そしてその外壁の、自動車ぐらいの大きさの瓦礫が今にも芳佳を押し潰そうと落下する。

 

「!?っ」

 

「芳佳ちゃん!!」

 

「宮藤!!」

 

今にも彼女を押しつぶそうとする瓦礫が芳佳の迫る。その時春佳は、あの世界。そうリベリオンの艦砲射撃で死んだ自分の姉が重なり、そして・・・・

 

「お姉ちゃん危ない!!」

 

ドンッ

 

「きゃあ!」

 

春佳に突き飛ばされ芳佳はかろうじて瓦礫の下敷きになるのを免れたのだが・・・・

 

「い、今何が起きて・・・・・」

 

ピチャッ・・・

 

ふと地面に置いた手に、何かが触れた。芳佳がその手を見ると

 

「・・・・・え?・・・・血……? な、んで・・・―――!!!」

 

手に触れたのは血で周りには血溜まりができていた。芳佳はその血だまりの正体を見た。それが今瓦礫の下敷きになった仲間の姿だった・・・

 

「は・・・・・春佳ちゃぁーん!!」

 




文が不完全なので修理しました。


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「は・・・・・春佳ちゃぁーん!!」

 

目の前にいたのはさっきまで、一緒に話をしていた仲間。しかし今はがれきの下敷きとなりそこから血が流れている。

私のせいだ・・・・私をかばって春佳ちゃんは・・・・

 

「春佳っ!くそっ!この瓦礫重いな!宮藤、リーネ!!手伝ってくれ!!」

 

「は、はい!」

 

「・・・・・」

 

「宮藤っ!しっかりしろ!春佳を死なせる気か!!」

 

「っ!! は、はい!」

 

シャーリーに言われて宮藤は2人のところに行き、

 

「せーのでどかすぞ!行くぞ!せーのっ!」

 

3人は使い魔を発動させて春佳を下敷きにしている自動車ぐらいの大きさの瓦礫を持ち上げようとする。そして三人の力で何とか瓦礫をどけることができたのだが・・・

 

「春佳っ!」

 

「ひ、酷い怪我・・・・・」

 

それは一目で大丈夫じゃないとわかるほどの酷い怪我だた。体は傷だらけで息はあるが空気が漏れている。おそらく肺も傷ついたのだろう。その姿はとても目も当てらたものではない。

 

「春佳!しっかりしろっ!春佳!!」

 

「春佳ちゃん!芳佳ちゃん!」

 

「うん。わかってる。」

 

そう言って芳佳は春佳のそばに近づき、両手を彼女の体に当て、そして治癒魔法をかけた。

 

「大丈夫だよ。春佳ちゃん。必ず、助けるから!!」

 

そう言い、宮藤は治癒魔法をかけ続ける。すると・・・

 

『こちら坂本!シャーリー!リーネ!宮藤!春佳!応答しろ!!』

 

トラックに積んであった無線から坂本少佐の声が聞こえた。シャーリーはその無線を取り

 

「こちら、シャーリー。」

 

『シャーリーか!みんなは無事か!』

 

「私は無事だ。だけど。春佳ががれきの下敷きになって重傷だ!」

 

『何っ!?春佳が!』

 

「今、宮藤が治癒魔法をかけているけど。今ネウロイが・・」

 

『わかってる!今向かっている最中だが小型機が私たちの行方を邪魔して近づけない!何とか持ちこたえてくれ!』

 

「わ、わかった!・・・・・・宮藤!春佳を頼む!」

 

「わかりました」

 

「リーネ。行くぞ!」

 

「はい!」

 

そう言い、シャーリーとリーネはトラックに積んであったストライカーユニットを履き、シャーリーはM1918BAR。リーネはボーイズMk.I対装甲ライフルを手に取った。

 

「芳佳ちゃん。春佳ちゃんのことをお願いね!」

 

そう言い二人は空に上がり街を攻撃する中型ネウロイへと向かった。宮藤もリーネとともに行きたかったが、今は春佳の怪我を直すのが先決だった。

 

「春佳ちゃん・・・・」

 

「うっ・・・・・」

 

宮藤の治癒魔法が効いてきたのか、春佳の意識が微かに戻る。そして春佳は目を薄く開けて

 

「・・・・・・お姉・・・・ちゃん?」

 

「え?」

 

まだ意識がもうろうとしているのか春佳は宮藤の顔を虚ろな目で見て宮藤を『姉』と呼んだ。そのことに宮藤は驚く

 

(もしかして、私を誰かと勘違いしている?)

 

どうやら春佳は今目の前にいる宮藤を自分のいた世界の姉宮藤芳佳が自分を迎えに来たと思っているのだ。

 

「お姉ちゃん・・・・・迎えに来てくれたの?私・・・・・異世界でお姉ちゃんにあったんだよ」

 

「・・・・・・」

 

「お姉ちゃん・・・・ごめんね。私だけ生き残ちゃって・・・・お姉ちゃんや他のみんなが死んじゃったのに・・・・本当にごめんね」

 

春佳はそう言う。芳佳は優しく手を取り

 

「春佳ちゃん・・・・辛かったね・・・・・でも、もう苦しまなくていいんだよ。頑張ったんだね春佳ちゃん」

 

と、芳佳は春佳の頭をやさしくなでる

 

「・・・・ありがとう・・・・お姉ちゃん・・・」

 

芳佳の言葉を聞いて安心したのか春佳は気を失う。

 

「・・・・・・春佳ちゃん」

 

芳佳は気づいた。なぜ、春佳の名字が自分と同じなのか、なぜ私と顔が少し似ているのか。そして、初めて会った時、他人とは思えなかったのか。さっきの言葉でわかった。

そして、宮藤は春佳の治療を終えると、芳佳は春佳を安全な街の裏道へと運び、そして・・・

 

「春佳ちゃん。私、みんなを守るため行ってくるからね」

 

そう言い宮藤は春佳に微笑み、トラックの方へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・あれ?私は確か。宮藤さんをかばって瓦礫の下敷きになって・・・」

 

そう、私は確かにネウロイの攻撃で崩れた建物の瓦礫から芳佳をかばって下敷きになったはず・・・・でも今自分の目の前に広がるのは真っ暗な空間。そうなれば考えられることは一つ。

 

「そっか・・・・ここはあの世・・・・・・私は死んだのね」

 

そう、あの瓦礫の下敷きになって無事なはずはない。そう自分は死んだのだ。そうとしか考えられなかった。でも悪い気分ではなかった。なぜなら誰かを守るために死んだんだ。だから、少しだけ胸を張ってあの世に行ける。そう思ったのだ。

だが・・・・

 

『違うわよ。春佳』

 

「っ!?誰!」

 

急に誰かの声が聞こえるが、周りを見ても誰もいない。しかし・・・

 

『ここよ。ここ』

 

そう声が聞こえた瞬間。春佳の前に数人の少女が現れた。

 

「・・・・・・森岡(もりおか)・・・川内(かわうち)・・・沖梅(おきうめ)・・・それに股上(またがみ)遠山(とおやま)・・・」

 

春佳の目の前に現れたのはかつて一緒に釜の飯を食べ、ともに特攻隊として出撃した戦友たちだった。

 

「あ、あの・・・・みんな・・・・・本当にごめんなさい!」

 

春佳は戦友たちに土下座をしながら謝る。

 

「・・・・・・・」

 

「本当にごめんなさい!私だけ生き残って!!本当にごめんなさい!」

 

涙を流しながら死んだ仲間に謝る春佳。しかし・・・・・

 

『春佳。もういいよ』

 

「・・・・え?」

 

仲間たちの言葉に春佳は思わず顔をあげると仲間たちは微笑んでいた。

 

『私たちはあなたのことちっとも恨んでいないよ』

 

「で、でも!みんな数年しか生きられなかったのに、私だけ!」

 

『何、行ってるんだよ春佳。そんなこと私たちは気にしないって』

 

「で、でも・・・・」

 

『人間はいつか死ぬ。それが早いか遅いか。ただそれだけだよ。だから春佳が生き残っても私たちはあなたを恨んだりしないわ」

 

『それにさ。私たち春佳がそんなしょぼくれた姿なんて見たくないよ』

 

『そうだよ。せっかく生き延びた命なんだから、私たちの分まで生きてもらわないと私たちも浮かばれないよ』

 

「み、みんな・・・・・・・」

 

『ほら、早くみんなのとこに行きなよ。私たちは気長に待ってるから』

 

と、戦友たちは春佳の背中を押す。

 

「みんな・・・・また会える?」

 

春佳がそう言うと戦友たちは微笑み

 

『ええ、たとえ見えなくても聞こえなくても、私たちはいつも見守っているからね。さあ、早く行ってあげて』

 

「うん。じゃあ、みんな・・・・またね」

 

春佳はそういうと、真っ暗な暗闇空間がひかり、春佳はその光に包まれるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「ここは・・・・」

 

春佳は目を覚ますと、そこは先ほど自分がいた街だった。

 

「あれ?・・・・傷が治ってる」

 

先ほどまで重傷だったがその傷はふさがっていた。

 

「宮藤さん‥‥ありがとう」

 

ドゴォーン!!

 

「っ!?」

 

空の上から爆音が聞こえる。春佳が空を見上げるとそこにはネウロイと戦うみんながいた。

 

「・・・・私・・・・行かなくちゃ!」

 

そう言い春佳は行くべき場所へと向かうべくトラックに向かうのだった。生まれ変わったこの命を仲間を守るために春佳は今、新たな仲間がいる空へと向かうために・・・・・

 




さて、春佳は死んだ戦友と会い、そしてその死を乗り越え今飛び立とうとしました。
次回も楽しみにしてくださいね。
感想や評価をもらえると嬉しいです。次回も更新頑張りたいと思います。
ではまた、ごきげんよう!


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やっと書き終わることができました。



春佳がトラックに向かっている最中、シャーリーたちは中型ネウロイを攻撃していた。

 

ダダダダダァ!

 

「くそっ!こいつ手強いな!」

 

「シャーリーさん大丈夫ですか!?」

 

「宮藤かっ!?春佳はどうしたんだ。」

 

「大丈夫です。傷を治した後、安全な場所に避難させました。」

 

「そうか。それじゃあ、宮藤は私についてきて。リーネは後方で援護射撃。これ以上街へ侵攻させるわけにはいかない!」

 

「「わかりました!」」

 

そういって3人は中型ネウロイに攻撃を仕掛けるのだった。

 

 

 

一方、援軍に向かっている坂本少佐たちも、小型ネウロイに手間取っていた。

 

ダダダダダァ!!

 

「くっ!次から次へと、きりがない!!」

 

「まったく。こんなのにかまっている暇はないですのに!」

 

と、言いながら機銃を撃ち小型ネウロイを撃ち落とすが、小型ネウロイは次々と襲い掛かり行く手を遮る。

 

「少佐!ミーナ!急がないと宮藤たちが!」

 

「わかってる・・・・宮藤、シャーリー、リーネ、春佳・・・・無事でいろよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

私はユニットのあるほうへ向かう。

 

「急がなきゃ!じゃないとみんなが」

 

私は夢中で走り続ける。私は死んだみんなに会ったとき誓った。もう誰も死なせたくない。自分が死ぬのではなく、必ず生き続けそして守るとあの時そう誓ったのだ。

そしてトラックにつくとそこには自分が最後に乗った機体があった。そうそれは爆戦用に開発された零式艦上戦闘脚62型だった。

 

「零戦・・・・」

 

私は零戦に近づき、そして額をユニットにつける

 

「零戦・・・・わたしやあなたは特攻用のために飛んだけど、今は違う。だから私に力を貸して。」

 

私がそう叫ぶと零戦は光りだす。そして私も光に包まれた。

 

「ここは?」

 

気が付くとそこは浜辺だった。すると後ろで人の気配がし、春佳は振り向くとそこには緑色のした巫女服姿の女性が立っていた。

 

「あ、あの・・・」

 

「あなたはなぜ飛ぶのですか?」

 

「え?」

 

急な女性の質問にはるか春佳は唖然とする。するとその巫女はもう一度確認するように

 

「あなたはなぜ飛ぶのですか?」

 

春佳はすぐになぜ自分が飛ぶか考える

 

(私が飛ぶ理由・・・・飛ぶ理由か・・・)

 

しばらく考え春佳が発した言葉は

 

「私が飛ぶ理由は・・・・何かを守るためです」

 

「守る?」

 

「はい。今までの私の感情は死ぬことで祖国を守るという感情だけでした。ですが今は違います。今の私には守るべき人たちがいます。そして今その守る人たちは必死に敵と戦っている。もう、大切な人たちが目の前で死ぬところは見たくない!だから私はみんなを守るために飛びたいんです!!」

 

心の底から思ったことを春佳は巫女に言う。すると巫女はフフッと笑い

 

「わかりました。それじゃあ、わが翼。あなたに貸しましょう」

 

「もしかして‥…あなたは零・・・・」

 

彼女が笑った瞬間。その場はまた光に包まれるのだった。

 

「あ、あれ…ここは」

 

気が付くと春佳は元の場所にいた。

 

「そうだ。行かなくちゃ!」

 

そういい彼女はストライカーユニットを履く。すると・・・・

 

ヒョオォォー

 

 

私の周りに大きな魔方陣が映し出される。

 

「(・・・なんだろう・・・なんか力がみなぎる・・・)」

 

そして春佳は99式13ミリ機銃を取り敵がいる空を見上げて飛び立ったのだった。

 

 

 

 

 

一方、宮藤たちはネウロイと激しい空中戦をしていた。宮藤とシャーリーが機銃をネウロイ目掛けて撃ち、リーネは遠距離から狙撃する。対戦車ライフルの弾丸はネウロイに命中し、装甲をはがす。だがネウロイはすぐに傷を回復させさっきのお返しとばかりにビームを撃ちまくる。

 

「くっ!」

 

「回復が早い・・・・」

 

シャーリー、リーネがそう言う中、ネウロイは容赦なく攻撃してくる。三人は必死でその攻撃に魔法シールドで防ぐ。

 

「くそっ。やつの攻撃が強くなってる。少佐!まだつかないのか!」

 

無線でそういう。シャーリーだが

 

『あともう少しだ!何とか耐えてくれ!!』

 

と、無線でそう返される。どうやら援軍はまだしばらくかかりそうだ。

すると、一筋にビームが宮藤に向かう。

 

「宮藤っ!」

 

「芳佳ちゃんっ!!」

 

「っ!?」

 

芳佳は敵のビームに気づくが既に遅し、ビームはすぐそこまで来ていてシールドを張る余裕はなかった。

ビームが芳佳にあたる寸前誰かが芳佳の前に立ちシールドを張り彼女を守った。

そのシールドを張った人物とは・・・・

 

「春佳ちゃん!!」

 

「お待たせしました。宮藤さん」

 

そこには機銃を片手ににこっと笑う春佳の姿だった。

 

「春佳!」

 

「春佳ちゃん!!」

 

シャーリーと、リーネが二人に近づく

 

「シャーリーさん。リネットさん。お待たせしました」

 

「傷はもう大丈夫なのか?」

 

「はい。宮藤さんのおかげで、もう平気です」

 

そう話していると中型ネウロイは4人に向かってくる。

 

「話はあとです。とにかく今はあのネウロイを倒すことが先決です」

 

「わかった。じゃあ、行くぞ!」

 

「「「はいっ!」」」

 

そういい、4人は中型に攻撃をかける。まずシャーリーが先陣を切り機銃を撃ちその後ろから、宮藤と春佳が続く。

 

「行くよ!春佳ちゃん!!」

 

「ええ、行くよ!お姉ちゃん!!」

 

「え?」

 

一瞬、芳佳が驚くが、今は驚いている時ではないと思い、春佳とともに九九式二号13m機銃改を同時射撃をし、そして後ろからリーネが狙撃をする。一点集中攻撃のためさすがのネウロイも怯み、装甲がはがれ真っ赤に輝くコアが露出する。

 

「コアだぁ!」

 

シャーリーはそういい、みんなはコアに向かって一斉射撃をし、コアは砕かれ、ネウロイは白い破片となって消えたのだった。

 

「やぁったー!」

 

「よかった~」

 

「春佳ちゃん。やったね」

 

「うん。やったよ。お姉ちゃん」

 

「お、お姉ちゃん?」

 

春佳の言葉を聞いて、リーネとシャーリーは首をかしげる。すると春佳は「しまったっ!つい言ってしまった」っというような顔を見せる。

 

「そ、そういえば。春佳も名字が宮藤だったよな。それで異世界人で宮藤を見てお姉ちゃんって呼んだってことは・・・」

 

「う、うん・・・・すみません黙っていて。実は私、向こうの世界の宮藤芳佳の妹なんです」

 

「え!?芳佳ちゃんの妹!!」

 

「あ~だから顔が似ていたわけだ・・・」

 

その言葉にさらに驚くのだった。

 

「すみません。宮藤さん。黙ていて」

 

「ううん。別にいいよ。それと私のことは別にお姉ちゃんって呼んでもいいから」

 

「いいんですか?」

 

「うん。前から妹とかいいな。と思ってたから。だから・・・・」

 

そういい宮藤は手を差し伸べ

 

「これからもよろしくね。春佳ちゃん」

 

春佳はその言葉を聞き、そして涙をためそして・・・

 

「はいっ!これからもよろしくお願いします!お姉ちゃん!」

 

笑顔で答えるのだった。すると・・・

 

「お~い!!」

 

「おっ!おっ少佐たちだ!お~い!!」

 

向こうから、坂本たちがやってきて、シャーリーやリーネは坂本少佐のもとへと向かう。

 

「行こう。春佳ちゃん!」

 

「はい!」

 

宮藤や春佳もみんなのところに向かうのだった。

 

(お姉ちゃん・・・みんな。私、もう少しだけ頑張って生きてみる。だからこれからも見守っていてね)

 

春佳はそう思いながら、新しい仲間と元へと向かう。その時の空はこの世界に来る前の世界の空とは違い蒼く清々しい感じだった。

 

 

 



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