東方現幻夢 (カミユ)
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プロローグ
第1話 幻想入り


 幻想郷上空

 

 Side????

 

 落ちてる。うん、これは間違いなく落ちてる。なんでかなー。さっきまではちゃんと地面に足をつけていたはずなんだけど…まさか道に落ちていたUFOみたいな円盤みたいな物のせいかな? 電源みたいなボタンを押したら光り出したし…うん…間違いなくアレだ

 

「それにしてもかなり落ちてるはずなんだけどなー。高いところから落ちたんだね」

 

 独り言をつぶやいても誰の返事もない。当然か。

 

「ん?あれは…村?」

 

 下を見てみたら時代劇で使われていそうな村?があった。村の人達が全員こっちをみている

 

「まあまずは無事に着地しないとね」

 

 

 博麗神社

 

 Side霊夢

 

「今日も幻想郷は平和ね」

 

 いつもの日課で境内の掃除をしていると、空が幻想郷全体を覆うほど光った。それと同時に外の世界と隔離するための博麗大結界が一部破壊された

 

「博麗大結界が…人里上空ね。誰かが落下してる?それよりも早く行かないと!」

 

 私の【主に空を飛ぶ程度の能力】で人里に向かう。

 飛んでいると友人の魔理沙が箒に乗って来た

 

「おーい霊夢ー!さっき光ったけど…」

 

「えぇわかっているわ。だから早く人里に行くわよ」

 

「あぁわかったぜ!」

 

 魔理沙と一緒に人里に向かうと、紫髪で青い瞳の外来人が蓬莱人の『藤原妹紅』の弾幕を避けていた

 

「ねえ!本当に話聞いてくれない?!」

 

「チッ!ちょこまかと!避けるんじゃねぇ!」

 

「死んじゃう!避けないと死んじゃう!」

 

 外来人は妹紅の攻撃の拳を受け流し、距離を取る。妹紅は態勢を崩したが、すぐに立て直す。外来人との距離を詰め、蹴りを放つ。外来人は寸前で体を逸らし回避したが、妹紅は蹴った脚を軸にし、もう片方の足で蹴る。外来人は回避はできずにお腹にくらった。

 外来人は吹っ飛んだが地面にあたる寸前で両手をつき、立つ

 

「あ〜あ〜服が汚れちゃったよ」

 

「服の心配をしている暇はないぞ!」

 

 その戦いを見ていた魔理沙は口が開いたままだった

 

「おいおいおいありゃ妹紅本気じゃないか?弾幕ごっこじゃなくて殴りかかってるし」

 

「これは止めないとあの子無事じゃ済まないわよ」

 

 あの子は妹紅の蹴りをくらう瞬間に横に跳び、衝撃を和らげた。でもあのままだと危険なのは明らか。魔理沙といっしょに妹紅を止めようとむかう

 

「はあー。一応聞いておくけど話を聞いてくれる?」

 

 外来人の問いに妹紅は即答で断った

 

「聞かない。それよりもなにか最期に言い残すことはあるか?」

 

 妹紅のセリフを聞き外来人はため息をつくと首を鳴らした

 

「はあ…じゃあ少し落ち着いてもらおうかな」

 

 私達が妹紅たちのところまでおよそ3秒。その間に外来人の目は鋭くなり呟いた

 

「脚力強化。超速移動」

 

 外来人が呟いた瞬間に妹紅がくの字になって横に吹っ飛んでいった。幸い里には被害が出なかった

 私にはあの子が何をやったのかはわからなかった。魔理沙に聞いてみてもわからないらしい。しかし当の本人は

 

「あ…やっちゃった。どうしよう…死んでないよね」

 

 妹紅を心配をしているようだ。悪い人には見えないがそれでも今の光景を見てしまったら警戒をしてしまう。外来人の側まで近寄り問いかけた

 

「あなたは今何したの?」

 

 できるだけ平静を保ちながら問いかけた

 

「え?今あの人を蹴っただけだよ」

 

 さも当たり前のように答えた。あの妹紅がなんの抵抗もできずに倒された。冷や汗をかきながらもう一つ質問する

 

「あなたは何者?」

 

「僕は上殊 夢華(かみこと ゆか)よろしく」

 

 夢華と名乗る人は私の問いに左目が少し黒くなっている目で自己紹介をした




幻想入りからの妹紅戦でした。


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第2話 戦闘と取材

前回、紫髪で青い瞳の外来人『上殊 夢華』が幻想入りして人里で妹紅と戦闘し、蹴り飛ばす
ここにいるほとんどの人は夢華を見て女の子だと思っています


 Side 夢華

 紅白巫女に自己紹介をすると紅白巫女は僕を見て固まっている。

 あれ?どうしたのかな?変なこと言ったかな?僕の顔に何かついてるのかな?

 

「どうしたの?僕の顔に何かついてる?」

 

 不思議に思い聞いてみた。

 紅白巫女はハッとした顔をすると首を横に振りながら聴いてきた

 

「あなたはどうして妹紅と戦っていたの?」

「妹紅?………あ、さっき蹴り飛ばした人のこと?」

「そうよ」

 

 あ…蹴り飛ばしたこと忘れてた

 急いで蹴り飛ばした人のところに行こうとすると

 

「まだ終わってねぇぞー!」

 

 という声と共に火球が飛んできた

 わわっ危ない!

 火球を後ろに跳び回避した

 

「あーびっくりしたー。丈夫だねあの人」

 

 ここにいると危ないと判断して全力で反対方向に向かって走る

 

「え?ちょっと!」

 

 後ろから紅白巫女の声が聞こえるけど無視して全力で走る。

 まだ火球が飛んでくる。里は大丈夫なのか。

 火球が飛んでこなくなったから立ち止まり後ろを向くと紅白巫女が妹紅という人を羽交い締めにしていた

 

「離せ霊夢!あいつがあの光を出した犯人だ!あいつは危険だ!」

 

「ちょっと落ち着いて妹紅!魔理沙妹紅押さえつけておいて!」

 

「え?ああ!わかったぜ霊夢!」

 

 魔理沙って人が妹紅って人を抑えてる。まだ叫んでるし…

 

「私は博麗 霊夢。博麗の巫女をやっているわ。それで聞きたいんだけどどうして妹紅と戦っていたの?」

 

 戦い?一方的に攻撃されたんだけど…まあこっちも攻撃しちゃったし何も言わない

 

「えっと……」

 

 

 数十分前

 

「着地ーっと。凄い!時代劇みたいな場所だ!」

 

 周りを見回っていたら妹紅って人が睨みながらこっちに来て聞いてきたんだよ

 

「お前は?」

 

 妹紅って人の方を向いて自己紹介した。

 

「僕は上殊 夢華。よろしく」

 

 僕の顔を見たらさらに睨んで

 

「さっきの光はお前がやったのか?」

 

 さっきの光…あのUFOみたいな物体の光のことかな?

 電源みたいなボタンを押して光ったなら僕がやったことになるから…

 

「そうだね。僕がやったよ。まあ正確には…って危ない!」

 

 続きを言う前に妹紅って人が攻撃してきた。鬼のような顔で蹴ってくる

 

「やっぱりお前が犯人か…じゃあぶっ倒す!」

 

「話を…おっと…話をしよう!ねえ聞いてる?」

 

 妹紅って人は聞いていないみたいだ

 

 

 現在 人里

 

「説得を何回かしたんだけど無理だったんだよ」

 

「そう…大変だったわね。で、その続きっていうのは?」

 

 良かった霊夢さんは話を聞いてくれる!良かった良かった。

 

「正確には僕が電源みたいなボタンを押した機械がやったんだよ。多分(小声)」

 

 霊夢さんは僕の話を聞いて目を瞑っている。寝てないよね?

 

「まあだいたいわかったわ。ここじゃなくて博麗神社でもっと詳しく聞かせて」

 

 あ、寝てなかった。博麗神社か…ここがどういう場所かわからないし、行くところもないし

 

「うんわかったよ。あ、その前に…えっと魔理沙…さーん!その人離してー」

 

「は?何いってるの?あなたが危ないわよ!」

 

 霊夢さんは心配をしてくれている。でも一度妹紅さんを落ち着かさせないと周りに被害が及びそうだし

 

「大丈夫ですよ〜」

 

 魔理沙さんは恐る恐るといった感じでゆっくり妹紅さんを離す。

 妹紅さんはゆっくりとこっちに歩いてくる

 

「もう一度聴くよ?僕はUFOみたいな物体のボタンを押したら光ってこっちにきた。わかった?」

 

「信用できない」

 

 これはひどい。

 ため息をこぼし、拳を構える

 それを合図ととった妹紅さんは僕に近寄り殴りかかってくる

 

「打撃強化」

 

 僕も殴りかかる。僕の拳と妹紅さんの拳がぶつかり合う。ぶつかった瞬間に左に軌道を逸らし、一回転し妹紅さんの頰を殴り、妹紅さんは一メートルほど飛んだ

 

「ふう危なかった」

 

 今は夏だから汗がたくさん出てきた。妹紅さんはすぐに起き上がったがさっきまでの剣幕は無くなり、深く息を吐く

 

「悪かった。少し感情が高ぶっていた」

 

 落ち着いたみたいで良かった。

 こっちも攻撃しちゃったし謝らないと

 

「こっちこそごめん。割と強めに殴っちゃったし、怪我とかはない?」

「ああ大丈夫だ」

 

 これで一件落着かな?まあ良かった良かった。

 

「終わったなら博麗神社に行っても良い?」

 

 霊夢さんが空を飛びながら行こうとしている

 

「えっと、妹紅さんまたー。空中浮遊」

「ああじゃあな」

 

 僕は妹紅さんから離れて霊夢さんの所まで飛んだ

 

 

 Side 霊夢

 

 夢華がこっちに飛んできた

 

「あなた何でもありね」

 

 思わず私はそんなことを口にしてしまった。

 夢華は笑いながら周りを見渡している

 

「よく言われたよ。でもここは凄いね!自然豊かで気持ちいい!あはははは!」

 

 凄くハイテンションね。でも夢華の能力は何かしら?力を操る能力?それなら納得はできる…けど少し違う気がする

 

「おい霊夢。博麗神社についたぜ」

 

 考えていると博麗神社についたみたいね

 

「夢華あそこよ。降りましょう」

「うんわかったよ」

 

 私達は博麗神社に降りた

 

「じゃあお茶淹れてくるから縁側にいて」

「わかったよ」

 

 お茶を淹れる為に移動する。

 お茶を用意して夢華のところに行くと鴉天狗の『射命丸 文(しゃめいまる あや)』が居た

 

「文なんで居るのよ」

「さっきからつけていたよ。ていうか人里のときから居たよ」

「あややや、まさか気づいていたとは」

「まあ妹紅さんを止めて欲しかったけどね」

「スクープでしたよ。明日の記事は『藤原妹紅、外来人に敗れる』で決定ですね」

「そんなことよりも「そんなこと…」なんでいるの?」

「あややや私としたことが、夢華さんあなたを取材させて下さい!」

「夢華やめておいた方が良いぜ。そいつなんでもでっち上げるからな」

「魔理沙さん!そんなことを言わないで下さい!少し大きく書いているだけですよ!」

「まあいいや。何が聞きたいの?」

「正気か夢華!」

「やめといた方がいいわよ」

「まあひどいと思ったら潰しに行くから」

「あ…はい」

 

 あ…文の顔が引きつってる。

 

「では外の世界はどんなところですか?」

「んー良いところだけど、悪いところもある。かな」

「ふむふむ、では幻想郷はどう思いますか?」

「自然豊かで気持ちいい。ゆっくり本を読んでいたいよ」

「ふむ夢華さんは本が好きなんですね。次にいきなり幻想入りした時どう思いましたか?」

「別に…朝起きたら空から落ちてることとかかなりあったし。前に魔界に行ったことあったし」

「なるほど魔界に…魔界⁉︎え?どういうことですか?」

「友達の能力で魔界にね」

 

 これは私達は全員驚いた。魔界に行ったことがあるなんて。

 

「その話は私も聞きたいのだけど、それよりも霊夢。博麗の巫女としての役割を果たしてちょうだい。」

 

 何もない空間からリボン付きの裂け目が出てきた。中は夥しい数の目玉があった。

 その中から金髪の女性が出てきた

 女性の名前は『八雲 紫(やくも ゆかり)』。妖怪の賢者

 

「そうね忘れていたわ。文悪いのだけれど取材はまた今度にしてくれる?」

「むう…まあいいでしょう。今日は聞いた分を記事にしましょうか」

 

 文はあっさりとひいた。

 あの文が簡単に引き下がるなんて珍しいわね

 

「えっと…」

 

 夢華は紫をみて困っている

 紫は気づき自己紹介をした

 

「私は八雲 紫。妖怪の賢者よ」

「さっきもしたけどもう一度やるわね。私は博麗 霊夢。博麗の巫女をやっているわ」

「そういえば私もやってなかったな。霧雨 魔理沙。普通の魔法使いだぜ!」

「私は清く正しい射命丸 文です」

「じゃあ僕も。上殊 夢華。よろしく!」

 

「それじゃあ幻想郷のことを話しましょうか」




今回は妹紅と和解しました。


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第3話 幻想郷と再会

前回妹紅と和解しました

東方の旧作キャラの中で一番好きなキャラが出て来ます。

一部修正しました


 Side夢華

 

 霊夢さんが幻想郷について語り出す

 

「幻想郷は忘れられた者たちの最後の楽園。外の世界とは陸繋がりだけど博麗大結界で隔離されているから異世界よ。」

 

 異世界か。魔界以来かな。

 

「幻想郷は魔界と繋がっていて自由に行き来できるわよ」

「じゃあ今度行ってみようかな」

 

 今度場所教えともらおう。みんな元気かな

 

「気をつけてね。それで幻想郷に来ることを『幻想入り』というの。そして、幻想郷に来る人のことを『外来人』というの」

「つまり僕はさっき幻想入りした外来人ってこと?」

「そうよ」

 

 なんとなくわかってきた…かな?

 

「幻想入りするには大まかに3つあるわ。世界から忘れ去られること、自力で幻想郷に来ること、そして紫に誘拐させること」

「霊夢間違ってはいないけど言い方…」

「外の世界で人間に忘れ去られた者はちゃんとここに存在しているわ「無視…」。吸血鬼や妖精、妖怪に神様、鬼や河童とかが居るわ。【妖怪は人間を襲い、人間は妖怪を退治する】という決まりがあるのよ」

 

 霊夢さんは一息ついた。

 

「人里は妖怪は絶対に暴れてはいけない。逆に言えば人里以外では襲われるわ。私は妖怪退治の専門家よ」

「妖怪が神社に居るんだね」

 

 紫さんと文さんを見ながらそんな事を呟いた

 

「悪さをしない限りは何もしないわよ」

「そうなんだ」

 

「幻想郷では『弾幕ごっこ』というものがあって、殺し合いではなく、美しさを競ったり、模擬戦闘をするものね。これにより妖怪たちのストレス解消できるわ」

 

 幻想郷って凄いな。人間と妖怪が共存できているってことかな?

 

「弾幕ごっこで使われる『スペルカード』があって、各々の能力を元に作られた弾幕を宣言する為のカードよ」

「弾幕って何?」

「こういうものよ」

 

 霊夢さんは空に向かって手を挙げると、丸い球が出てきた。

 ドラゴン○ールの気弾みたいな感じだなー

 

「これが弾幕よ」

「んー。こんな感じ?」

 

 僕は手を挙げ、魔力を球の形に整えて発射するイメージをする。

 すると弾幕が出てきた。なるほどこんな感じか。

 霊夢さんは驚いた顔をしている。

 

「こんな早くに弾幕を放てるなんて」

「案外簡単だっ「夢華くーーーーーーーーん!」た…ん?」

 

 前方の空から長い緑髪で巫女服を着た、見覚えのある少女がこっちに飛んで来る。

 僕は笑顔でその少女の名前を言う

 

「早苗ちゃ「夢華くーーーーーーーーん!」ん。え?」

 

 僕の横から長い銀髪で、赤いローブを着て、サイドテールの女性が抱きついてきた

 

「あ、神綺久し…うわっ」

 

 神綺に抱きつかれ、支えられず後ろに倒れる。そのまま頭を強打し、気絶した。

 

 

 Side霊夢

 

 夢華が弾幕を放った。

 外来人が簡単に放つことは珍しく驚いていると、前方の空から『東風谷 早苗(こちや さなえ)』が飛んできた。

 

「夢華くーーーーーーーーん!」

 

 知り合いだろうか。親しげな感じね。

 夢華は笑顔で叫んだ。

 

「早苗ちゃ「夢華くーーーーーーーーん!」ん。え?」

 

 その横から魔界の神様の『神綺(しんき)』が夢華に抱きついた

 

「あ、神綺久し…うわっ」

 

 ゴンという音とともに夢華が目を回して気絶した。

 

「久しぶりー!夢華くん!元気だった?魔界に来てくれないから暇だったのよ!」

 

 神綺は抱きつきながら言っているが気絶している夢華には気づいていない。

 早苗が到着し神綺を制止しようと夢華を離す

 

「神綺さん!夢華くんは気絶していますよ!」

「え?わーーー!夢華くん!起きてー」

 

 神綺は夢華の胸ぐらを掴み前後に揺らす。

 神綺は魔界の神様で夢華は人間。人間が神様の力で揺らされたら気絶どころではすまない。

 これ止めないと夢華死ぬんじゃ。そう思いながら魔理沙たちを見ると、みんな呆然としている。

 文はハッと我にかえり写真を撮っている

 

「これはいいネタですね!」

 

 写真を撮るよりも夢華を助けてあげなさいよ。

 早苗は前後に揺らされている夢華を助けようとしているが神綺は御構い無しに夢華を起こそうとしている

 

「やめて下さい!夢華くんのライフはとっくにゼロです!」

「ははは早く手当てしないと!」

 

 神綺は夢華を抱え飛ぼうとすると

 

「神綺様ー!」

「あ、夢子ちゃん!」

 

 魔界で最強クラスのメイドの『夢子(ゆめこ)』が慌ててきた

 

「神綺様何やっているんですか!って夢華くん⁉︎」

「丁度よかった!夢子ちゃん早く魔界に戻って手当てするわよ!」

「え?あ、はい!」

「ちょっと待って下さい!ここで手当てすればいいじゃないですか!」

 

 夢華を抱えている神綺、急いで魔界に戻ろうとする夢子、それを全力で止めようとする早苗、この光景を様々な角度から撮っている文、横で爆笑している魔理沙、扇子で顔を隠して笑っている紫。何これ?

 これだけの騒ぎでも起きない夢華。

 だんだんイライラしてきた。

 

「いい加減にしなさい!夢想封印!」

「「「え?」」」

 

 神綺、夢子、早苗が一瞬で止まって、ピチュッた

 

 しばらくして落ち着いた神綺、夢子、早苗が正座をしている。

 夢華は未だに起きる様子がない。

 

「で、何かいうことは?」

「「「はい、ゴメンなさい」」」

 

 三人は足に手をおき俯いている。効果音にシュンと出そうなほど落ち込んでいる。

 反省しているみたいだし、後は本人に謝ればいいかしらね

 

「あの〜霊夢さん。御三方に聞きたいことがあるのですが…」

 

 文が控えめに尋ねてきた

 

「えぇいいわよ」

 

 文の目が光り早速言う

 

「では夢華さんとはどういった関係ですか?」

「幼馴染みです」(早苗)

「親友よ」(神綺)

「友人です」(夢子)

 

 早苗は幼馴染みね。

 

「そういえばさっきから夢華さんのことを『夢華くん』と言っていましたが、夢華さんは男の子ですか?」

 

 そういえば夢華のことをくん付けしていたわね

 

「そうですよ。夢華くんは見た目どころか全体的に女の子ですが、男の子ですよ。初対面の人には間違われていましたね」

 

 神綺たち以外は夢華を見ている。

 寝息を立てている。かわいいと思ってしまった。みんなも私と同じ様な感じだ。

 

「ではもう一つ聞きます」

 

 文は驚いた顔から真剣な顔で

 

「夢華さんは何者ですか?」

 

 その言葉でこの場にいる全員が真剣な顔になった。

 

「確かに夢華の持っている力は霊力じゃなく魔力だぜ。それも私や紫よりも圧倒的に多いぜ。」

 

 魔理沙も当然気づいていたわね。

 

「それもそうだけど夢華は妹紅と戦っている時、目が少し黒くなっていたわ。あの目は危険な感じがしたわ」

 

 私も夢華と会った時左目が青色の瞳に微かに黒くなっていた。妹紅と別れた後はもっと黒くなっていたわ。

 

「夢華くんの能力の影響ですね。私は一度5歳ぐらいの時に夢華くんの左目が真っ黒に染まったところを見たことがあります。とても夢華くんとは思えませんでした」

 

 早苗の顔が真っ青になっている。

 

「それで夢華くんの母親が魔法使いで、5歳の誕生日にあげた扇子で能力を抑えています」

 

 紫は夢華のポケットに手を入れ、扇子を取り出した。広げると魔法陣が描かれていた。

 わずかに光っておりだんだん弱くなっている。

 

「この魔法陣で抑えているのね」

「夢華くんの能力は私と同格よ」

 

 魔界の神様である神綺と同格っていうことは危険な能力ね

 

「で、夢華の能力はなんだ?」

「それは『 』です」

 

 早苗が能力を言おうとした時、雨が降り出し雷が鳴り、聞こえなかった。

 しかし紫と文は聞こえたようで、険しい顔をしている。

 

「これは能力の使用を控えさせないといけないわね」

「そうですね。夢華さんの性格が良くなかったら世界が破滅します」

 

 なんの能力かわからないから紫に問おうとしたら

 

「う…う〜ん…あれ?」

 

 夢華が起きた。

 

「あれ僕は何やっていたんだっけ?」

 

 夢華の瞳は青く黒くはなかった。魔法陣の光も消えている。

 

「さて雨も降ってきたことだし、私たちは帰ろうかしら」

 

 神綺と夢子は立ち上がり魔界に帰ろうとする

 

「じゃあね神綺、夢子。今度魔界に行くよ〜」

「ふふふ楽しみに待っているわよ」

「ではさようなら」

 

 神綺と夢子は帰っていった

 

「夢華はこれからどうするんだ?」

「どういう事?」

「どこに住むかって事だよ」

 

 確かに幻想入りした夢華はどこに住むか決まっていない

 

「では守矢神社に来ませんか?」

「良いの?」

「えぇ神奈子様も諏訪子様も喜びますよ!」

「じゃあこれからよろしく!」

 

 決まったようね

 

「じゃあ外は雨だし瞬間移動しよう」

 

 夢華は早苗の手を持ち

 

「位置把握…ここね。じゃあねまた会おう。瞬間移動」

 

 夢華と早苗は一瞬で消えた

 

 今ここには私、魔理沙、文、紫がいる。

 

「私達も帰ろうぜ」

「そうですね。私は新聞を作りますね」

「えぇ…」

「みんないつ夢華が暴れても良いように準備しておいてね」

 

 魔理沙、紫、文は帰っていった。

 ここには私しかいない。あ…

 

「幻想郷に永住するか聞くの忘れてたわ」




今回は夢華についてかなり(?)語られました。まあまだありますが…

プロローグは次回で終わるかもしれません


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第4話 妖怪の山

前回瞬間移動で博麗神社から守矢神社に移動しました。



 Side 夢華

 

 博麗神社から懐かしの守矢神社まで瞬間移動した。

 

「ただいまー!神奈子様、諏訪子様!」

 

 隣で早苗ちゃんが神奈子と諏訪子さんに挨拶をしている。

 

「「おかえり早苗」」

「ただいまです!」

「久しぶりです。神奈子さん、諏訪子さん」

 

 久しぶりに会う神様二人にお辞儀しながら挨拶をする

 

「夢華くん久しぶりだね。人里で戦ったのはやはり君だったか」

「夢華くん久しぶり!早苗と手を繋いじゃって前と変わらないね〜」

 

 背は小さく特徴的な帽子をかぶった諏訪子さんはニヤニヤしながら言っている。

 まあ良く手を繋いで帰ったことがあるから今更?と思う。

 

「え?あ…」

 

 早苗ちゃんは顔を赤くしながら急いで手を離す。

 

「そ、そういえば夢華くんは今日から守矢神社で住むことになりました!」

 

「良いよ。それじゃあ夢華くんの部屋は早苗の部屋と一緒ね〜」

「ちょっ諏訪子様!」

「神奈子も良いよね?」

「私は構わないさ」

「神奈子様まで!」

 

 青髪で背中に巨大な縄?をつけている神奈子も賛成のようだ。早苗ちゃんの意見は無視されているけど…

 

「ふふふ…あはははは!ここは変わらないなー!」

 

 早苗ちゃんたちと別れた後と全く変わらない光景を見てつい笑ってしまった。

 

「早苗、諏訪子、夢華くんに言わなければいけないことがあるだろう」

「そうだった。忘れてた」

「そうですね。先に言わせともらいましょうか」

 

 三人は僕を見て

 

「「「ようこそ幻想郷へ!」」」

 

 どうやら僕は幻想郷に受け入られたようだ

 

「よろしく!」

 

 

 僕が幻想郷に受け入られた翌日、朝6時に起きた

 

「ん〜良い朝だー!」

 

 今は夏だが涼しい

 

「おはようございます夢華くん!」

「おはよう早苗ちゃん!」

 

 早苗ちゃんに挨拶をする。まだ若干眠そうだ

 

「朝食の準備をしてくるので居間で待っていてください」

「僕も手伝うよ」

「ではよろしくお願いします」

 

 僕は早苗ちゃんといっしょに台所まで移動する。朝食を作っていると外から文さんの声が聞こえた。完成した朝食を作り終えると居間まで持っていく。

 神奈子さんと諏訪子さんがそこにいて、新聞を読んでいる。

 さっき文さんの文々。新聞を分けていたのか。

 

「おはよう二人とも」

「おはよう。朝からいっしょに朝食を作ってたのか〜」

「おはようございます」

「諏訪子様!」

 

 諏訪子さんはニヤニヤしているが理由がわからない。早苗ちゃんは顔が赤い。何故か神奈子さんと目が合い頷かれた。本当に何だろう。

 

「そうそう。文々。新聞見ていたんだがこれは本当かい?」

 

 神奈子さんが新聞を渡してくれた。文々。新聞に書かれていたことは

 

『突然幻想入りした外来人「上殊 夢華」。人里に降り、藤原妹紅を撃破!その後博麗神社にて魔界に行ったことがあると判明!さらに守矢の巫女が来て、魔界の神様、その門番に一悶着あったが博麗の巫女によって止められた(写真あり)。今は守矢神社に住んでいる。謎は多いが今後明かしていこう』

 

 うん。間違ってはいない。

 

「僕が気絶しているときこんなことがあったんだ」

「あ…あはは〜」

 

 早苗ちゃんは目をそらしている。

 

「早く食べようーよ!」

 

 諏訪子さんに急かされ四人で朝食を食べ始める。

 急かされたとき神様でも中身は子供だと思ったが言ったらいけないと判断…祟られそうだ。

 

「そうだ。これから夢華くんはどうするんだい?」

 

 神奈子さんに言われた。

 

「まだ決めていないですね。ん〜」

 

 僕が考えていると

 

「まずは妖怪の山の連中に会っといたほうが良いよ」

「それもそうですね。昨日は博麗神社から瞬間移動で来ましたし、誰とも会っていませんね」

 

 妖怪の山?そういえば神社の周りは山だった。妖怪の山っていうんだここ。

 確かにここにいる人?たちに挨拶しないといけないからね

 

「そうします」

「それじゃあ早苗、夢華くんについて行ってあげるさ」

「そうですね。夢華くんなら大丈夫だと思いますが、私もついていきましょう」

「よろしく早苗ちゃん」

 

 などとこれからのことを決めていくと朝食を食べ終えていた。

 

「「「「ごちそうさまでした」」」」

 

 食器を台所に持っていき洗い終えると外から「すみませーん」と女の子の声が聞こえた

 

「この声は椛さんですね。どうしたのでしょう?」

「椛?ここの人?」

「人ではありませんがそうです」

 

 玄関まで移動すると、白髪で犬みたいな耳があり、尻尾がある。手には刀に盾を持っている。

 敵意を出し話しかけてくる。

 

「あなたが上殊 夢華さんですね…って」

 

 椛ちゃんがなんか話しかけていたけれど気にせずに頭を撫でている。うん。癒される。癒すような傷は無いけどなんか癒される。

 

「ちょっ…や、やめて…やめなさい!」

 

 急に怒り出した椛ちゃんは刀を横に振りきった。

 

「おー危ない危ない」

 

 バックステップで避ける。

 

「紹介が遅れました。私は犬走 椛(いぬばしり もみじ)です。それであなたは昨日妖怪の山に無断で侵入しました。侵入者は排除する決まりがあるのであなたを排除します!」

 

 ここって許可がないと入っちゃいけないんだ。

 

「待って下さい!確かに夢華くんは許可申請をしていませんが、悪い人ではありません!」

 

 早苗ちゃんが椛ちゃんに抗議している

 

「決まりですので」

 

 あ、これ戦わなきゃいけないやつか

 

「椛さん!」

「大丈夫だよ早苗ちゃん」

 

 早苗ちゃんが心配そうにこっちを見ている。

 

「さて、ここじゃなくてあっちで戦おう」

 

 ここでは迷惑をかけてしまうから森の中に降りた。

 椛ちゃんはちゃんと追いかけてくれた。上に文さんがカメラを片手に飛んでいる。

 

「妖怪の山について知れるからちょうどいいか」

 

 呑気に考えていると椛ちゃんが攻撃して来た

 

 

 

 Side 早苗

 

 夢華くんが椛さんを連れて森の中に入っていった。

 夢華くんなら大丈夫だろうからこちらがやることは

 

「神奈子様ー!夢華くんの許可申請ー!」

 

 

 

 Side 椛

 

 夢華さんを追いかけて森の中に入ると夢華さんが走っていた

 

「逃がしません!」

 

 急いで後を追いかける。

 気づいたのか走るスピードを上げる。それでも簡単に追いつく。

 

「速いね〜」

 

 呑気に話しかけてくる。

 

「余裕ですか?」

「そりゃあ瞬間移動する人と追いかけっこやったことあるからね。まあ勝てなかったけど」

 

 瞬間移動する人と追いかけっことか勝てるわけがない…とおもったが口には出さない。

 

「くっ…ちょこまかと…」

 

 何度か攻撃をするが全て避けられる

 

「どうして攻撃しないのですか?」

「早苗ちゃんが申請するのを待っているだけだよ。食後の運動にはちょうど良いし」

 

 私は運動にはちょうど良い?その言葉で刀を握る手に力を入れる。

 

「はあ!」

「おっと…」

 

 私の斬撃は簡単に避けられた。

 

「さて…とこっちからも行こうかな…よっと」

 

 夢華さんはサマーソルトキックで私の盾を蹴り上げた。

 

「しまった!」

「すきあり!」

 

 夢華さんの拳が私の目の前で止まっている。あまりのスピードに驚いて尻餅をついてしまった。

 

「大丈夫?」

 

 夢華さんは私に手を出している。

 

「大丈夫…です」

 

 返事をしながら夢華さんの手を取る。夢華さんの力で立ち上がる

 

「どうして当てなかったんですか?」

「はい盾。「ありがとうございます」傷つけずに無力化したかったんだよ」

 

 盾を受け取り、そんなことを聞く。傷つけずに無力化することは私には難しい。それは相手との実力が離れていないとできないこと。つまり夢華さんは私よりも圧倒的に強い。

 

「なんだなんだ〜もう終わりか〜?」

 

 この声は…

 

「萃香さん!」

「あんたが上殊 夢華だね。ちょいと戦おうよ」

 

 

 

 Side 夢華

 

「なんだなんだ〜もう終わりか〜?」

「萃香さん!」

「あんたが上殊 夢華だね。ちょいと戦おうよ」

 

 なんか小さくて頭から角を生やして、手首足首に鎖、手には瓢箪を持っている女の子がいきなり現れた。

 

「鬼?」

 

 僕は首を傾げながら思ったことを言った。

 

「そうだよ。私は鬼だ」

「鬼って金棒とか持たないの?」

「持っている奴もいるけど、私は持たないね」

「未成年なのにお酒飲んで良いの?」

 

 萃香ちゃんと椛ちゃんは口が開いている。そのあと笑い出した。

 ひとしきり笑い終えるとお酒をグビッと飲んだ

 

「私はこの見た目でもあんたの倍は生きているからね。それに幻想郷じゃだいたいのやつは飲んでいるさ」

「そうか。妖怪は歳を取っても見た目はあまり変わらないんだっけね」

 

 そういえばそうだったなー。

 

「あんた変わってるね」

「よく言われたよ」

「さてそろそろ始めようか?」

「え?嫌なんだけど…」

「問答無用♪」

 

 そういうと萃香ちゃんは距離を詰め、蹴りかかる。

 

「あっぶな」

 

 少し身体をそらし寸前で回避する。

 

「やるねぇ〜」

 

 萃香ちゃんが鎖を飛ばしてくる。鎖が僕の手に絡んだ

 

「あっ!」

「それそれ〜」

「わ〜〜!目が…うぷ…朝食が…」

 

 萃香ちゃんがそのままの位置で僕を回す。目が回り気持ち悪くなってきた。

 これはやばい。モザイク必須の物が出てくる

 

「この…形状崩壊」

 

 鎖が崩れ去り跡形もなく無くなった。そのままの勢いで僕は放り出されたが、近くの木に着地する。

 

「なんだこれ?鎖が崩れた?」

「う…気持ち悪い」

「じゃあこれならどうだ?スペルカード発動【鬼神 ミッシングパープルパワー】」

 

 スペルカードを発動すると萃香ちゃんの体が何倍にも大きくなった。

 かっこいいと思った。男の子の厨二心をくすぐるよね巨大化って。

 

「ははは行くぞー!」

 

 萃香ちゃんは僕を足で押し潰そうとする。それを横に跳び回避する。回避はしたが巨大な足が地面を踏んだ瞬間に地面が揺れている。

 

「ほらほら〜♪」

 

 本人からすれば足踏みをしている程度だろうが、こっちからすれば地震だ。

 自然破壊にもほどがあるね。椛ちゃんはすでに遠くに離れたようだ。これなら巻き込まなくて良いね

 

「落雷現象」

 

 僕は指を鳴らすと、空から雷が落ち、萃香ちゃんに直撃する。

 鬼なら大丈夫だよね?若干不安だな…

 

「あ…が…」

 

 ぎこちないが萃香ちゃんは拳を振り上げる。

 

「瞬間移動」

 

 萃香ちゃんの目の前に移動した。

 

「打撃強化。一発入魂」

 

 萃香ちゃんの眉間に魔力をまとった拳で殴る。

 ドゴン!という音とともに萃香ちゃんのスペルカードの効果が消え、元の大きさに戻った。気絶しているのかそのまま重力に従い落ちて行く

 

「あ…空中浮遊」

 

 僕は空を飛び萃香ちゃんを抱える。そのまま守谷神社まで飛んで行く

 

 

 守矢神社に着くと早苗ちゃんが駆け寄ってきた

 

「夢華くん!さっきの地震は…って萃香さん⁉︎どうしたんですか⁈」

「さっき戦ってやりすぎちゃった」

「とりあえず中に入ってください!」

 

 

 

 Side 萃香

 頭に冷たい感覚で目が覚めた。

 

「ここは…」

 

 見たことのない天井を見て何があったのかを思い出そうとする。

 確か巨大化しているときにいきなり雷が落ちてきて…

 

「負けたのか…」

 

 そんなことを思っていると襖が開き夢華が顔を出した

 

「あ、気がついたんだ。良かった〜。強く殴っちゃったかな?しばらく起きないから心配したよ〜。ごめんね」

 

 夢華は申し訳ない顔で謝ってくる。

 

「いやいやこちらこそすまない。いきなり喧嘩ふっかけて」

「いいよ〜もう過ぎたことなんだし」

「ははは…そうかい」

 

 こいつは嘘を付いていない。過ぎたことなんて気にしない性格か…

 

「立てる?」

「ああ大丈夫だよ」

 

 すぐに立ち上がった。

 

「今昼だけど昼食食べる?」

「もらおうかね」

 

 夢華と一緒に居間まで移動する。守矢の神様二人に巫女が座っていた

 

「萃香さん大丈夫ですか?」

「ああ問題ないよ」

「まったくあいかわらず無茶苦茶だね夢華くんは」

「鬼を倒すなんてね」

「人間とは思えなかったよ」

「はははははは……文さん居るんでしょ?でてきなよ」

「あややや〜気づかれてしまいましたか〜」

「椛ちゃんの時から居たよね」

「そうですよ」

 

 襖から文が出てきた

 

「まさか萃香さんが負けるとは思いませんでしたよ」

「観ていたのかい」

「えぇ殆どの人が観ていましたよ。それで大天狗様からの伝言です。

「これからは妖怪の山の出入りは自由にする」

 だそうですよ」

「良かった〜」

 

 安心したような笑みをしている

 

「それと明日夢華さんの歓迎会をするらしいので博麗神社に集合だそうですよ」

「歓迎会か〜楽しみだな〜♪」

 

 夢華は上機嫌だ。

 

「では私はこれで〜」




次回は歓迎会と称した宴会です。ここでたくさんのキャラを出したいですね。


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第5話 歓迎会

前回萃香を倒しました
今回はかなり雑になっています


 視点 夢華

 

「えー皆さん…今日は僕のために歓迎会を開いていただきありがとうございます。前置きはめんどくさくなったので騒ぎましょう‼︎」

 

 今博麗神社で僕のために歓迎会が開かれている。とりあえず早苗ちゃんに

 

「ここは主役が一声やったほうが良いですよ!」

 

 と言われたからやったけどこれで良かったかな?前置きめんどくさくなったからとばしたけど…

 

「飲むぜーーーー!」

「ウォォォォォォォォ!」

「フォォォォォォォォ!」

「ッエーイ☆」

「エヒャヒャヒャヒャ!」

 

 盛り上がっているみたいだね。良かった良かった。

 ……あれ?今一方通○いなかった?…気のせいだよね…うん気のせい気のせい…

 

「夢華くん良かったですよ」

「ありがとう。みんな凄く騒いでいるね」

「まあここの人は宴会好きな人が多いですからね」

「そう。僕は高校生なんだよね」

「……そうですね」

「えっとお酒飲んで良いのかな?」

「私は現人神(あらひとがみ)なので大丈夫ですよ。霊夢さんと魔理沙さんも私達と同い年ですが普通に飲んでいますよ」

「じゃあ大丈夫…なのかな?」

「夢華くんは魔法使いの子供なので多少の耐性はあると思いますよ」

「よし飲もう。たくさん飲もう」

 

 何かを決意してしまった。まあもしものことがあったら能力使えば大丈夫大丈夫。

 

 

 

「おーい夢華ー」

 

 妙に間延びした声が聞こえた。そこには魔理沙さんが手招きしている

 

「こっちに来いよー一緒に飲もうぜー」

「はーい」

 

 僕は早足で近づき魔理沙さんの隣に座る

 

「昨日萃香を倒したらしいな。しかも素手で」

「萃香ちゃんが巨大化してくれたから早く終わったんですよ」

「そうか。てことはあの状態だったらどうなんだ?」

「そうですね。もっと時間がかかったと思いますよ」

 

 文さん達とお酒を飲んでいる萃香ちゃんをみながら話す

 

「そうだ。敬語はやめてくれ。慣れてなくてな。それと大体の奴はやめてくれって言うと思うぜ」

「そうなんだ。わかったよ。それでえっと…」

 

 僕は空気になってしまっている金髪の女の子が気になった。どこかで感じたことがあるような…

 

「そうだ。忘れてた。こいつはアリス・マーガトロイド。人形の魔法使いの私の親友だぜ!」

「よろしく。私はアリス・マーガトロイドよ。それでごめんなさい。前ママが迷惑をかけてしまって」

 

 初対面なのにいきなり謝られたことに驚く

 

「え?なんで?」

「私のママは「はーい夢華くん!一昨日ぶり!」ちょママ!」

「あ、神綺一昨日ぶりだね。…ママってことはアリスのお母さんって神綺なの?」

「あれ夢華くんには言ってなかったしら」

「まったく聞いてないよ」

「ママ…神綺様から毎日のように電話や手紙であなたの事を言っているのよ」

「アリスちゃん元気そうで良かったわ!」

「話のそれ具合が凄いぜ」

 

 その後ワイワイ騒ぎ、一区切りつくと向こうから妹紅さんに呼ばれた

 

「あー妹紅さんに呼ばれたから行ってくるよ」

「おうわかったぜ!」

「気をつけて行ってらっしゃい〜」

「神綺様はいつから夢華の親になったのよ」

「私は今すぐにでも夢華くんが欲しいわよ?」

「ちょっ!」

 

 なんか言ってたけど周りの声でよく聴こえなかったな。なんて言ったんだろう。そんなことを置いておいて妹紅さんのところにつく

 

 

 

 

 妹紅さんのところには特徴的な帽子?を頭に乗せた薄い青色の長髪の女性が座っていた

 

「おう来たか夢華」

「一昨日ぶりですね。妹紅さん」

「敬語はやめてくれ。それと別の呼び方にしてくれ…」

「じゃあもこたん?」

 

 その言葉でもこたんが頰を赤らめ、胸ぐらを掴んで来た。そして近くに座っている女性がお腹を抑えて笑っている

 

「おいどうしてそうなるんだよ」

「なんかパッと頭に浮かんだからかな」

「なんでだよ!」

 

 さらに力が加わり苦しくなってきた

 

「お…落ち着け…も…妹紅…ククク」

 

 長髪の女性がもこたんを慰める。

 ヤバい意識が…

 

「そうだな…妹紅ど良い。むしろそうしてくれ」

「うんわかったよ」

 

 やっと解放され息を整える

 

「すまないな。私は上白沢 慧音(うわしらざわ けいね)だ。人里で寺子屋の教師をやっている。よろしく頼む」

「僕は上殊 夢華。よろしく」

「慧音は一人で寺子屋の教師をやっているから時々私も手伝っているんだ」

 

 一人で寺子屋をやっているんだ。かなり気になるな…

 

「今度僕も行ってみても良い?」

「もちろん大歓迎だ!場所は…」

 

 慧音が寺子屋の場所を教えていると

 

「わはー。お姉さん美味しそうな匂いがするのだ〜」

 

 頭に赤いリボンをつけた金髪の小さな女の子が抱きついてきた。なんかすっごく危ない発言をしたのだが…

 

「こらこらルーミア。夢華が困っているだろう」

 

 慧音が言うとルーミアちゃんが離れた

 

「そうなのかー」

「ルーミアちゃんで良いのかな?僕は男だよ」

「そうなのかー」

 

 同じことを言っているね。

 

「え?夢華男なのか?」

「その見た目で?」

 

 なんか妹紅と慧音が驚いている。

 

「よく女の子と間違われるんだよね。なんでだろう?」

「鏡見てわからないか?」

「僕の顔が見えてるね」

 

 慧音が持っていた鏡をこちらに向ける。うん、いつもと変わらない僕の顔だ

 

「夢華の顔は女の子みたいなのだー」

「え?そうなの?」

 

 だからみんな驚いてたのか。納得した

 

「おーいルーミアー!」

「チルノちゃんあそこにいるよ!」

 

 遠くから2人分の女の子の声が聞こえた。

 

「ルーミアちゃん呼ばれてるよ」

「大ちゃん、チルノここだよー!」

「やっと見つけた!探したんだぞ!」

 

 ポニーテールで背中に羽がある緑髪の女の子と水色の髪で氷みたいな羽がある女の子が飛んできた。

 

「お前さっき見たぞ!えっと…上夢 百合!」

「違うよチルノちゃん。この人は上殊 夢華さんだよ!」

「そうだっけ?なんか違うような…」

「僕は上殊 夢華だよ。よろしくね。チルノちゃん、大ちゃん」

「よろしくお願いします。夢華さん」

「さいきょーのあたいが挨拶をしてやる!」

 

 最強?悪いけどデコピンで勝てる気がした

 

「チルノは妖精の中では最強だけど…」

「うるさいルーミア!くらえ!パーフェクトフリーズ!」

 

 いきなり冷気が発生した。攻撃のつもりかもしれないけど

 

「いやー夏にはちょうどいい涼しさだね」

「そうだな。チルノいいことしたな」

「いきなり技を使うな」

「涼しいのだー」

「チルノちゃんがごめんなさい!」

 

 あー涼しいー。なんか大ちゃんがチルノちゃんの保護者みたいだ。

 

「ううっ」

 

 チルノちゃんが泣き出しそうになってる。どうしよう。妹紅の方を見るとため息をつき、慧音は困った顔をしている。仕方がない

 

「チルノちゃんこれを見て。冷気操作」

 

 手を挙げ空から小さな氷の粒が落ちてくる。その粒は月明かりに反射して綺麗に光っていた。

 

「綺麗…」

「凄い…」

「綺麗なのだー」

「これは凄いな」

「夢華これがお前の能力か?」

 

 みんな賞賛してくれる。良かった。チルノちゃんも泣きやんでるし。妹紅だけは能力のことを聞いてくる

 

「冷気だけじゃなくて大体のことはできるよ」

「他には?」

「うーん…火を出したり、水を操ったり、雷を落としたり」

「自然を操る能力か?いや違うな」

「僕の能力は『連なる四つの漢字の意味を実現する程度の能力』だよ」

「なんだよそりゃ…チートかよ」

「よく言われたよ」

 

 外の世界でもよく言われたなー。そう言えばみんな元気かな?

 

「さて騒ぐか」

「そうだね騒ぐかー」

 

 その後妹紅達と騒いだ。途中で魔理沙達が乱入してきた

 

「夢華ー!面白そうなことになってるなー!私達も混ぜてくれよ!」

 

 少し顔が赤くなっている。もしかして酔ってる?

 

「魔理沙これは?」

 

 僕は人差し指を魔理沙に向けてみた。

 

「なんで人差し指が二本あるんだー?」

「アリスこれどうすれば良いの?」

「私に聞かれても…魔理沙がこんなに早く酔うなんて」

 

 アリスでもわからないのか。さてどうするか…

 

「おら!夢華も飲め!」

「え?ちょっ…」

 

 魔理沙がお酒の入っている瓶を口に入れた。

 ゴクゴクと飲んでしまった。急性アルコールなんだかががが

 

 

 

 Side 早苗

 

 私は霊夢さん達とお酒を飲んでいましたが夢華くんとも飲みたくなったので誘おうと思い夢華くんに声をかけると

 

「あれー?なんで神綺が三人居るのー?姉妹ー?」

 

 夢華くんは赤い顔で辺りを見回している。

 

「あのー夢華くん?」

「早苗ちゃんが4人?なんで」

「私は4人も居ませんよ!」

 

 明らかに酔っているであろう夢華くん。

 

「水を!」

 

 水を持って来ようとしたら紫さん達が夢華くんのところに座った

 

「あらもう酔ってしまったの?早いわねー」

「紫さんが10人ー」

「紫が10人…考えたくないわ」

「霊夢それはどういうこと?」

「そのままの意味だけど?」

 

 酔っている夢華くんを放って話している2人。

 

「はい夢華くん水よ」

 

 神綺さんが水を夢華くんに渡した。夢華くんは一気に飲み落ち着いたように立ち上がる

 

「少し風に当たってくるよ」

「え?あ、はい」

 

 夢華くんは少し離れた場所に移動した。

 しばらくして顔がまだ少し赤くなっている夢華くんが戻ってきた

 

「大丈夫ですか?」

「うん大丈夫だよ。初めてのお酒だったから酔ったみたいだよ」

 

 そう言って私の隣に座る夢華くん。

 

「ここの人達は面白い人達だね」

「そうですね。本当に」

「去年の秋にいきなり引っ越すなんて言われたからもう会えない気がしてたんだよ?」

「私もです。メールのやり取りもできませんからね幻想郷は」

「まさか会えるとは思わなかったよ」

「そう言えばあれから何かありましたか?」

「沢山あったよ。絢斗(けんと)君も昏御(くれみ)ちゃんも蓮舞(れんま)君も菫子(すみれこ)ちゃんもかわらずに元気だったよ」

「そうですか。夢華くんは戻りたいと思いますか?外の世界に」

「うーんどうだろう。まだ決まっていないかな?」

 

 話をしているとプリズムリバー姉妹の演奏が始まった。

 

「凄いね。幻想郷は。歓迎会でここまでやってくれるとはね」

「いつもはもっと凄いですよ。ここなら、幻想郷なら退屈はしませんよ」

「そっか」

 

 夢華くんは呟くと後ろに手をつき楽しそうに笑った

 

 

 

 

 

 

 歓迎会は夜明けまで続いたようだ。大体の人は眠ってしまっている。

 そんな光景を遠くから見ている人がいた

 

「どうだった?」

 

 どこからか現れた黒髪の青年の問いに対して紺色の髪をした少年は本に視線を落としながら答える

 

「博麗の巫女、賢者の他にヤバい奴は沢山いるけれど、今の幻想郷で一番危ない奴は紫髪の奴」

「まああんたがそう言うならそうなんだろうね」

 

 黒髪の青年は夢華を見ながら

 

「まあとりあえずお疲れさま。戻ってゆっくりするさ」

 

 黒髪の青年がそう言うと道ができる。紺色の少年は立ち上がり道を歩いていく。

 

「さーてどうなるかなー?」

 

 黒髪の青年は上機嫌なまま後に続く。道が消え、その場は静寂に包まれた




今回でプロローグは終わりです。
夢華はお酒を飲んでいますが未成年です。真似をしてはいけませんよ
次はプロローグのまとめみたいなものをやります

感想、評価お待ちしています!


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5.5話 主人公のプロフィールなど

夢華→夢 紫→紫 魔理沙→魔

まとめみたいなものです。

UAが200回突破していました。ありがとうございます!


 夢「今回はまとめみたいな雑談です!ゲストは普通の魔法使いの霧雨 魔理沙さんと、妖怪の賢者 八雲 紫さんです!」

 

 魔「どうも!私は霧雨魔理沙ってまあ知っているか、今回はゲストとして出させてもらうぜ、よろしくな!」

 

 紫「妖怪の賢者の八雲紫よ。よろしく」

 

 夢「はいよろしく!で、今回は最初だし主人公のプロフィールとかプロローグのまとめだね」

 

 

  名前 上殊 夢華

 

 夢「身長150cm、体重38kg、細身だね。運動神経は良いよ」

 

 魔「あの身長で能力を使いながらでも十分動けてたからな、身体能力は高くて不思議じゃないな」

 

 紫「そうね。確かに不思議ではないわね」

 

 夢「次に行こう!」

 

 

  見ため

 

 夢「紫髪で肩くらいの長さで青い瞳だよ」

 

 魔「最初はただの女の子にしか見えなかったんだけどな、まさか男だったとは驚きだったぜ」

 

 紫「男って言わなければ分からないわよ」

 

 夢「妖怪の賢者でもそう言われるとは」

 

 

  持ち物 スマホ 扇子 財布

 

 夢「必要最低限しか持っていないね」

 

 紫「あら、案外少ないのね」

 

 夢「その時はいろいろね」

 

 魔「扇子は3話くらいに説明があったよな」

 

 夢「それはまた後で…」

 

 

  能力【連なる四つの漢字の意味を実現する程度の能力】

 

 夢「これカミユいわく

 カ「夢華に勝てる人がいるのか…」

 と言ってた気がしたよ」

 

 魔「だろうな、まず言葉自体を実現する能力なんて月のあいつくらいだしな」

 

 夢「ああーサグメだね」

 

 紫「確かに色々応用利きそうね、私の能力も使えるのかしら?」

 

 夢「できるよ。漢字さえわかれば」

 

 魔「全く、なんて能力だよ、漢字さえわかりゃやりたい放題なんてずるいぜ」

 

 夢「その分負荷が大きいけどね。サグメの方が使い勝手がいいと思うよ」

 

 魔「まあどっちにせよ強いことに変わりはないんだけどな」

 

 

  能力説明

 

 夢「まあさっき少し言ったというよりも能力名のままなんだけどね」

 

 夢「主には

 ・四つの漢字が繋がっている

 ・四つの漢字が繋がっていれば魔力がある限り大体のことはできる

 ・その漢字を知らなければいけない

 ・五回使うと身体能力の低下、体が弱くなる。六回からは気絶する可能性あり。十回で気絶

 ・一時間後に元に戻る

 こんなとこかな」

 

 魔「回数制限はそりゃあるわなあ、幾ら何でも無敵すぎて泣けてくるぜ」

 

 夢「無限に使えたら最強だからね〜。左目が少しづつ黒くなっていくんだよね。一時間後には戻ってるけど」

 

 紫「場所によっては使いにくわね、気絶中は大丈夫なのかしら?」

 

 夢「あ、それは……そこはノーコメントで…今降ってきた紙にそう書いてあるので」

 

 魔「きっと本編でのネタバレだからだろうなぁ」

 

 夢「……みたいだね。紙にそう書いてある。メモ渡してくれればいいのに」

 

 

  外の世界での夢華

 

 夢「うん普通の一般人だよ」

 

 魔「外でも能力は使えるのか?」

 

 夢「普通に使えたよ。それに能力持っている友達もいるしね」

 

 魔「そいつらは本編で出てくるのか?」

 

 夢「出てくるらしいよ。過去編にも」

 

 紫「過去…」

 

 夢「紫さんどうかしましたか?」

 

 紫「いいえ、なんでもありませんわ」

 

 夢「そうですか。なら良かったです」

 

 

  早苗との関係

 

 夢「3歳からの幼馴染だよ」

 

 魔「ヘぇ〜、そういや早苗からは女の子と間違えられたのか?私たちは普通に間違えたけどな」

 

 夢「うん間違われたよ。しばらく「夢華ちゃん」って呼ばれてたよ。あまり気にしなかったんだけど、途中から「夢華くん」になったよ」

 

 紫「あら、私はいいと思うのだけれど」

 

 夢「僕は良いんだけどね。気にしないし。………早苗ちゃんからの手紙が届いたんだけど…その話はやめてください…だって」

 

 魔「あ〜、確かに今考えたら恥ずかしいだろうなぁ」

 

 夢「みたいだね」

 

 

  夢華の家族構成

 

 夢「お父さん、お母さん、祖父母、兄弟がいない一人っ子だよ」

 

 魔「普通の家族構成だな」

 

 夢「まあね。お母さんは魔法使いだよ。お父さん達は人間だけど」

 

 魔「へぇ〜、お前のお母さんは能力はあったのか?」

 

 夢「たしか…【漢字の意味を魔法の力に変える程度の能力】だったかな」

 

 魔「それから派生と言うか強力になった能力がお前の能力なんだな、家族揃って凄いな」

 

 夢「確かに今考えれば凄いね」

 

 夢「主人公のプロフィールはこれくらいかな?」

 

 

  1話〜5話までのまとめ

 

 1話 主人公の上殊 夢華がUFOみたいな物体の謎の光?によって幻想入りし幻想郷上空から落下。視点変わって霊夢が魔理沙と一緒に人里へ移動。人里では夢華が妹紅の攻撃を避けているところを見つけ、夢華が妹紅を蹴り飛ばす

 

 夢「今思えば最初から妹紅を蹴り飛ばすとか…」

 

 魔「そういやあのUFO?はなんだったんだ?お前の能力なら何かわかると思うんだが…」

 

 夢「そこはノーコメントだって。過去編でわかるんじゃない?」

 

 紫「それじゃあ過去編に期待ね」

 

 2話 霊夢が夢華に話しかけ、妹紅が夢華を攻撃した理由がわかった。その後妹紅と夢華の拳の語り合いで一件落着。妹紅と和解した。博麗神社に移動。夢華が文に取材を受ける。取材で魔界に行ったことが判明した。その後紫が出てきて、幻想郷のことについて話す

 

 3話 霊夢が幻想郷のことについて話す。霊夢が弾幕を放つと、夢華が弾幕を放つ。その時夢華の幼馴染の早苗が飛んでくる。そして神綺が夢華に抱きつき夢華は気絶。

 夢華が気絶したことにより大騒ぎし、霊夢の夢想封印が炸裂。落ち着き夢華の能力、過去が少し判明、夢華が起き解散した

 

 魔「まさか神綺と知り合いとはな」

 

 紫「本当よ。魔界に行ったことがあるなんて」

 

 夢「まあ過去編であるからそっちを見てくれればわかるよ…多分」

 

 4話 夢華と早苗が瞬間移動で守谷神社まで移動。神奈子、諏訪子が現れ、夢華は守矢神社で住むことになり幻想郷から受け入られた。

 次の日、朝から椛が現れ夢華を排除しようとする。夢華は椛を無力化し、平和的に終わったと思ったら鬼である萃香が現れ、戦うことになった。夢華は萃香を倒し守矢神社まで運ぶ。

 萃香が目覚め昼食を一緒に食べていると文に『妖怪の山の出入りは自由』と『博麗神社で歓迎会がある』ことを知らされた

 

 魔「鬼を倒すなんてな。でも魔界の後で聞いてもあまり驚かないな」

 

 紫「そうね。神綺と同じくらい強いなら納得するわね」

 

 夢「次に行こう!」

 

 5話 博麗神社での歓迎会が開かれた。夢華は魔理沙、アリスと会話していると神綺が登場。酒を飲んでいると妹紅に呼ばれ移動。

 妹紅と慧音が居た。話しているとルーミアが抱きついた。ルーミアから夢華の見た目が女の子だと言われた。ルーミアを探していたチルノ、大妖精が登場。チルノの攻撃をバカにされ泣き出しそうになるが夢華が慰めた。妹紅に能力の事を訊かれ夢華の能力が判明。魔理沙達が来て魔理沙に酒を飲まされる

 早苗が夢華と一緒に飲もうと夢華に話しかけるが酔っ払っていた。そこに霊夢、紫が来る。夢華の発言により2人は言い争う。神綺が夢華に水を渡すと夢華は風にあたりに行った。戻ってくると早苗と外の世界のことを話す。

 遠くから夢華たちを見ている人がいた。その人たちは話した後消えた

 

 魔「あーーこん時は悪かったな夢華」

 

 夢「気にしないで良いよ」

 

 紫「それよりも最後の人達は誰なのかしらね」

 

 夢「それは本編で明らかになるよ」

 

 

 

 魔「とまあ色々とあるが」

 

 紫「今後も東方現幻夢をよろしくね」

 

 夢「じゃあねー」




はい。雑ですね。

次回からは幻想郷巡りをやっていきます。戦闘ありますけど

感想、評価お待ちしています!


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第1章 幻想郷巡り
第6話 普通の魔法使いとの弾幕ごっこ


今回から夢華が幻想郷を巡っていきます

サブタイトルでわかる通りです。

夢華のスペルカードも出てきます
スペルカードの説明が雑ですがお許しください!


 Side 夢華

 

 僕の歓迎会の次の日、僕は二日酔いに悩まされていた

 

「う…気持ち悪い…お酒ってこんなに…」バタッ

「夢華くん大丈夫ですかー?って本当に大丈夫ですか⁉︎」

 

 僕が倒れたと同時に早苗ちゃんが部屋に入ってきた。と同時に駆け寄ってくる

 

「全然大丈夫じゃない…よ」

「とにかく水を…」

「おーい夢華ー!酒を飲むぞ!」

 

 早苗ちゃんが水を取りに行こうとすると萃香ちゃんが部屋に入ってきた。

 今倒れているのにお酒を飲ませる気かな?だとしたら鬼だよ!…あ萃香ちゃんは鬼だった

 

「ダメですよ萃香さん!今夢華くんは二日酔いでダウンしているんですよ」

 

 まさにその通りだけど、早苗ちゃんはなんで酔ってないの?僕と同じ年齢だよね?

 萃香ちゃんは少し考えるように腕を組み、俯くと何かを思いついたのか顔を上げた

 

「能力使えばよくない?」

「………」

「あ、能力使えばよかったじゃん」

 

 萃香ちゃんの発言で能力使えばよかったことに気がついた。早苗ちゃんはなんか固まったまま沈黙している。

 

「体調回復」

 

 能力を使った瞬間に今までの気持ち悪さは無くなった。

 萃香ちゃんは早苗ちゃんの肩に手を乗せ「大変だな」と言っている。

 

「ありがとう萃香ちゃん」

「よしじゃあ酒を飲むぞ!」

「え…っとまた今度にしよう?まだお酒に慣れてないからさ」

「む…まあ良いか今度一緒に飲もうな!」

「うん!」

 

 萃香ちゃんと今度お酒を飲む約束をすると萃香ちゃんは飛んでいった

 

「では昼食にしますか」

 

 時間的に今は昼時。

 

「そうだね。じゃあ一緒にやろう!」

「はい!」

 

 早苗ちゃんと一緒に昼食をつくり、昼食を済ませ、食器を洗っているとふと思った。

 

「そういえば…」

「どうしたんですか?」

 

 隣で一緒に食器を洗っている早苗ちゃんが聞いてきた

 

「えっと弾幕ごっこやったことがないなと思って」

 

 そう僕は幻想郷に来てから一度も弾幕ごっこをやっていない。妹紅の時はまだ知らなかったからノーカンだとして椛ちゃんとは戦っていないし、萃香ちゃんとは殴っただけだし…

 

「そうですか。では食器を洗い終わったら説明しますね!」

「ありがとう!」

 

 食器を洗い終え、境内に出る。

 

「では弾幕ごっこについて話しますね。弾幕ごっこについてはどこまで知っていますか?」

「人と妖怪の力の差を無くす為の方法だっけ?」

「まあだいたい合っていますね。ではスペルカードについては知っていますか?」

「よくは知らないけど萃香ちゃんが使っていたカードみたいなの?」

「そうですね。長いのでスペカと言っていますが。弾幕ごっこではスペカを使います。まあ必殺技みたいなものです」

「必殺技…」

 

 必殺技と言われてはやりたいと思ってしまうよね

 

「どうやって作るの?」

「そうですね。まずスペカの素を用意します。スペカの素に技のイメージをします。これは強いイメージが必要です」

「これに強くイメージするんだね?」

 

 そう言ってスペカの素に技のイメージをする。

 しばらくして6枚ほど作った

 

「こんな感じで良いのかな?」

「そうですね」

 

 早苗ちゃんに確認してもらうと遠くから魔理沙の声が聞こえた。

 

「おーーーーい夢華ーーーー!」

 

 声の方を見ると魔理沙とアリスが飛んで来た。境内に着地する

 

「どうしたの?」

「アリスから夢華は魔法が使えるって言ってたから知りたくなってな」

「神綺様の手紙に書いてあってね。魔法使いとして気になってて。で、ちょうど魔理沙が来たから一緒に行きましょうということになったんだけど大丈夫だった?」

 

 アリスは心配そうに聞いてくるけど全然問題ない

 

「全然大丈夫だよ」

「それじゃあ少し見せてくれ!」

「うん!」

 

 僕の右側に魔法陣が出てきて右手を入れる。そこから魔導書を取り出す。なんか指輪の魔法使いみたい

 

「それは魔導書か?」

「そうだよ。お母さんが作ってくれてね。魔力を送れば簡単な魔法から少し強い魔法が使えるよ」

「凄い…これなんて上級魔法よ」

「夢華くんのお母さんとはよく会いましたけどそんな感じはしませんでしたよ」

 

 魔理沙とアリスは魔導書を1ページ1ページゆっくりと見ている。早苗ちゃんのいう通りお母さんが魔法使いみたいな雰囲気は無かったけど

 しばらく魔導書を見ていた魔理沙が

 

「なあ夢華。弾幕ごっこやらないか?」

 

 魔理沙に提案された。まだ弾幕ごっこやったことがないからちょうどいい。

 

「うんいいよ」

「よーしじゃあやるか!」

 

 魔理沙は箒に乗り空を飛ぶ。

 

「気をつけてください!」

「魔理沙負けないでねー」

 

 僕と魔理沙は声援をもらう。もらったら返さないとね

 

「気をつけるよー」

「負けないぜ!」

 

 僕は魔法陣に乗り魔導書を片手に魔理沙と同じくらいの高さまで浮く

 

「先手必勝!」

 

 魔理沙は小瓶を空に投げそこから緑色の弾幕が飛んできた

 

「綺麗な弾幕だね」

「ありがとうな!でもどんどん行くぜ!」

 

 弾幕を躱しながら褒めるとさらに量が増えた。

 

「この量はきついかな」

 

 僕は炎系魔法のページを開き、魔法陣から炎の弾幕を放つ。炎の弾幕で魔理沙の弾幕に当てようとするが、数発は当たるけどほとんどが当たらなかった。

 

「おっと危ない危ない」

「すばしっこいな。だったらこれだ!」

 

 弾幕をギリギリで避けながら弾幕を撃っていると魔理沙が

 

「彗星 ブレイジングスター」

 

 魔理沙は帽子から八角形の物をだし箒に取り付けのの凄いスピードで飛んで来た。

 

「危なっ…」

 

 寸前で回避したが箒の後ろから星型の弾幕が放たれる。

 これ初見殺しってやつだよね〜。って早く回避しないと!

 

「危なかった…」

 

 身をひねり服には掠ったがなんとか回避した。

 

「まだまだ終わらないぜー!」

 

 魔理沙が方向転換してまだ飛んで来る。ただでさえキツイのにこれ以上は被弾しそうだしこっちもスペカ使ってみるか。さっき魔理沙はスペカ出してなかったしそのまま言っても大丈夫だよね…

 

「氷炎 炎と氷の弾幕網」

 

 魔理沙の周りに魔法陣が現れ、炎型の弾幕と氷型の弾幕が網の様に重なって放つ。

 

「甘いぜ!」

 

 魔理沙はスイスイと避けて行く。しばらく魔理沙が避けて行くと時間切れでスペカが終わった。

 

「あーあ。全部避けられちゃったかー」

「そんなんじゃ私には当たらないぜー!」

「じゃあこれならどうかな?」

 

「疾符 疾風迅雷」

 

 魔理沙の周りに魔法陣を大量に展開する。

 

「なんだ?また同じ様なやつか?」

「それはどうかな?」

 

 目の前の魔法陣を踏んで別の魔法陣まで行き、魔法陣を踏む。踏んで行けば行くほどスピードが増すおまけ付き。踏んだ魔法陣から弾幕が小さい弾幕が放たれる。それを繰り返す

 

「うおっ!これはきついぜ」

 

 魔理沙はなんとか躱して行く。

 

「それならこっちも使うぜ!」

 

「魔符 ミルキーウェイ」

 

 魔理沙を中心に星型の弾幕の弾幕が放たれ、周りから弾幕が放たれる。

 弾幕を避けながら魔法陣を踏んで行く。

 

「くっそー!速すぎて当たられない!」

「あ…終わった」

 

 スペカ終了により魔法陣が消える

 

「やるじゃないか。これなら幻想郷は大丈夫だな。霊夢といい勝負できるぜ」

「そうなの?」

 

 幻想郷では大丈夫みたいだね。

 

「なあ提案なんだが、次のスペカで決めないか?」

「そうだね。それじゃあこれだね」

 

 そう言って目の前に魔法陣を展開する。魔理沙は八角形の物を構える。そして

 

「魔砲 ファイナルスパーク」

「破砲 破壊光線」

 

 八角形の物と魔法陣から高威力のレーザーが放たれる。二つのレーザーは丁度中間あたりでぶつかる。二つのレーザーは同じくらいの威力で均衡している。

 

「はあああああ!」

「最大出力!」

 

 魔理沙は最大まで魔力を使い、僕は能力で威力を最大まで上げる。

 結果は

 

 

 

 

 僕のレーザーが押し勝った。

 

 

 

 

 

 しばらくして

 

「あ〜ちくしょう。負けたぜー」

 

 魔理沙は服がボロボロになっていながら言っている。弾幕ごっこの様子を撮っていた文も混ざっている

 

「まさか魔理沙が負けるなんてね」

「今度霊夢さんと弾幕ごっこをやってみたらどうですか?」

「まあ気が向いたらね〜」

「今度の記事は『霧雨 魔理沙弾幕ごっこ初心者に敗北!』で決まりですね!」

「そんな事を書いてみろ。私はお前をムッ(ぶっ)殺す!」

 

 魔理沙はその後満面の笑みを浮かべた。剣ネタどこで知ったんだろう?

 

「さてまだ3時くらいだし夢華の話を聞いてみたいわね」

 

 アリスの言葉がきっかけで質問責めにされた。

 質問責めされて三時間後夕方になりみんな帰って行った

 

「じゃあな〜」

「じゃあね」

「さようならです!」

「さようなら〜」

「じゃあね〜」

 

 みんなに手を振って見送る。

 

「さてでは、夕飯を作りましょうか」

「そうだね〜」

 

 早苗ちゃんと一緒に夕飯を作るために神社の中に入る




夢華のスペルカードは今後増えていきます

次回は人里です

感想、評価お待ちしております!


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第7話 人里

前回幻想郷巡っていませんね。今回から回っていきます。とはいえ最初の場所なんですけどね。

ルビを使ってみました。1話〜5話までルビを使って編集しました。

途中三人称視点になります。


 Side 夢華

 

 魔理沙との弾幕ごっこの次の日時間的には九時ごろの時に早苗ちゃんからお使いを頼まれた。

 

「夢華くん。すみませんがお使いを頼んで良いですか?」

「良いよ。何を買えば良いの?」

「メモに書いてあるのでこれを見てください」

 

 そう言って早苗ちゃんにバックとメモと財布を渡された

 

「じゃあ行ってくるね〜」

「気をつけてくださいね〜」

 

 僕は魔法陣に乗り、人里方面に飛んでいく。外の世界では魔法陣は目立つから基本的に徒歩か空を飛んでいた。幻想郷に常識は通用しないと早苗ちゃんに言われたけど今まで幻想郷が存在していることが少し凄いと思ってしまった。

 

 空を飛んでいると遠くでチルノちゃんと大ちゃんとルーミアちゃんと緑髪で頭から触角?みたいなものが生えている………女の子?が飛んでいるのが見えた。

 

「おーいチルノちゃん、大ちゃん、ルーミアちゃん」

「あ、夢華!悪いけど今アタイ達は急いでいるんだ!早く行かないと慧音の頭突きがーー!」

「へー慧音の頭突きねー」

「夢華ー急がないと私達が危ないのだー冗談抜きでー」

「すみませんが急がないと本当にヤバいので…」

「えっと…ごめん誰?」

「僕は上殊 夢華だよ。よろしくね」

「あ、僕はリグル・ナイトバグです。よろしく」

「さーて急がないといけないらしいから魔法陣に乗って」

 

 魔法陣が五人くらい乗れる位まで拡張する。4人は乗った

 

「よーし行っくよーーー!」

 

 魔法陣のスピードを上げる。ドラゴンボ○ルの筋斗雲みたいだなー。と思う

 

「あーーーー!速い速い速い!夢華飛ばしすぎーーーーー!」

「速すぎなのだーーーー!」

「夢華さんスピードをさ、下げて下さいーー!」

「………」

「え?何?なにか言ったーーー!」

 

 みんながなにか叫んでいるけど風の音で聞き取れなかった。リグルちゃん?に関しては気絶している。知ーらない僕は何も知らない。初めて全力で飛んだけどなかなか速いね。

 

「ねーあれが寺小屋ーーーー?」

 

 すぐに人里まで着き、寺小屋らしき建物が見えた。

 

「そうだー!」

 

 チルノちゃんが言ったので中庭みたいな場所に降りる。

 

「到着ー!」

「し…死ぬかと思った…」

「フラフラするのだー」

「あ…ありがとうございます」

「あれ?ここは…寺子屋?」

 

 リグルちゃんは起き、大ちゃんから感謝され、チルノちゃんとルーミアちゃんは青ざめていた

「みんな大丈夫〜?」

「だ…大丈夫だ。問題ない」

 

 チルノちゃんは死亡フラグを建築しましたー。魔理沙といいなんで知ってるのかな?紫さんかな?

 

「は…速く入ろう!」

 

 リグルちゃんの一言でみんなフラつきながら立ち上がり、教室に入って行こうとする。すると扉が開き慧音が顔を出す。

 

「みんなおはよう。今日は遅刻しなかったな。偉いぞ」

 

 慧音はみんなに挨拶をする。チルノちゃん達はいつも遅刻するのかな?大ちゃんが大変そうだな〜

 

「どうしたんだ?顔が真っ青だが」

「夢華さんが速すぎたんです」

「え?夢華?あ…おはよう」

「おはよう慧音」

 

 視界に入っていなかったのか認識されていなかったみたい。

 

「そうだ。今予定がないなら寺子屋を見ていかないか?外の世界の人との交流は滅多にないから生徒達に良い影響だと思うから」

「今お使いを頼まれているんだけど…ちょっと待って」

 

 慧音に言うと魔法陣を展開し、守矢神社に繋ぐ。

 早苗ちゃんは守矢神社の境内を掃除していた

 

「早苗ちゃん」

「え?もう終わったのですか?」

「まだなんだけどさ、今から寺子屋の手伝いをやることになったから昼頃に戻ってくるね」

「はいわかりました」

 

 早苗ちゃんの許可を得たので魔法陣を消した。

 

「大丈夫みたいだよ」

「そうかすまないな。後で人里を案内するよ」

「ありがとう」

 

 慧音と一緒に寺子屋の教室に入った。チルノちゃん達は先に入っていった…みたい

 

 

 

 

「今日は外の世界から来た上殊 夢華が来てくれたからみんな仲良くするんだぞ!」

「「「はーい!」」」

 

 寺子屋の生徒は大体15人くらい居た。その中にチルノちゃん達が居た。顔色は良くなっている。みんな元気がいいねー

 

「僕は上殊 夢華だよ。みんなよろしくね!」

「「「よろしくー!」」」

「今日は夢華が来てくれたから訊きたいことがあったら質問するんだぞー!」

 

 授業が始まった。慧音の授業はレベル的には小学生の足し算〜割り算までの範囲だったが、高校くらいの教え方だった。僕はいろんなところで呼ばれた。

 

 昼時になる少し前になった。時間的には11時くらいかな?

 

「何か夢華に訊きたいこいこととかあるか?夢華が答えてくれるらしいぞ」

「え?」

 

 そんなこと一言も言っていないんだけど…慧音は何故かこっちを見てくれない

 

「「「はーい(なのだー)!」」」

 

 みんなが一斉に手を挙げる。ルーミアちゃんが一番分かりやすいね。一発で分かったから。

 僕は男子生徒を指す。男子生徒は立ち上がる。

 

「夢華さんはどこに住んでいるのー?」

「守矢神社だよ」

「守矢神社って妖怪の山の頂上にある神社?」

「そうだよ」

「じゃあ夢華さんは妖怪?」

 

 あまり妖怪の事を恐れていないみたいだね。

 

「僕は人間だよ。魔法使えるけど」

 

 その言葉でみんな驚いたけれど男子生徒はもう良いのか座った。

 

 

 

 

 その後色々と訊かれた。昼になり生徒達は帰りの支度をし、帰って行った。

 

「さて…とそれじゃあ買い物をするかー」

 

 教室の隅に置いておいたバックを持つと慧音が来るのを待った。

 

「待たせたな!」

 

 なぜスネ○ク風に言ったのか…

 

「それじゃあ行きますかー」

 

 僕は慧音と一緒に寺子屋を出た

 

 慧音と人里を歩いている。周りの人達はみんな和服を着ているね。あ、洋服の人居た。

 

「さっきから周りの人に見られているねー」

 

 ほとんどの人がこっちを見ている。屋根の上には文がいるね。なんかいつもいる気がする…

 

「まあ外来人だからというのもあるが、初日に妹紅を倒したのと次の日の新聞のせいかもな」

「あ〜なるほど」

 

 確かに妹紅蹴り飛ばしちゃったしな〜ひとの目の前で。すっごく今更だけどなんで文は僕の漢字わかったんだろう?

 

「ん?夢華じゃないか」

 

 曲がり角から妹紅が歩いて居た。

 

「こんにちは〜」

「妹紅また永遠亭に行っていたのか?」

「まあな。今度こそあの引きこもりを…」

 

 なんかブツブツ言っている。

 

「永遠亭って何?」

「病院だな。そこの医師が凄腕なんだ。どんな怪我でも治せるらしい」

「どんな怪我でも…か…」

「どうしたんだ?」

「いや何でもないよ」

 

 今度行ってみるかな永遠亭。

 

「昼はもう食ったのか?」

「んーまだだよ」

「そうかならあそこの団子屋行かないか?なかなか美味いぞ」

「良いよ!行こう!」

 

 団子は大好き!美味しいよね!夜静かな場所で月を見ながらお茶飲みながら食べるのは最高だよね!え?分からない?そんなぁ〜

 

「ちょっ待て!」

 

 

 

 

 団子屋に着くと店の前の長椅子に座る。するとメニュー表を持ちながら店員が出てきた。

 

「いらっしゃい。何にしますか?」

「じゃあ…」

「私も一緒に良いかしら?」

 

 隣から女性の声が聞こえた。そっちを向くと白髪のロングヘアーで赤い瞳の女性が座っていた。

 

「良いですよ。何にしますか?」

「ではこれを二つほどお願いします」

「僕はこれを二つお願いします!」

「ありがとうございます。では少々お待ちください」

 

 店員はお店の中に入った。

 

「おいおい速いぞ夢華」

 

 妹紅と慧音が追いつき僕の横に座る。二人とも反対側に座っている女性に気づいた。

 

「初めまして。私は月城 朱鳥(つきしろ あすか)と言います。よろしく」

 

 朱鳥さんは軽くお辞儀をする。

 

「私は藤原 妹紅だ。よろしく」

「上白沢 慧音だ。寺子屋の教師をしている。よろしく」

「僕は上殊 夢華。よろしく!」

 

 それから朱鳥さんと色々な話をした。好きな事や趣味とか。

 話しているといつの間にか食べ終わっていた。朱鳥さんは立つと

 

「では私はこの辺りで失礼します」

「また会おうね〜」

「じゃあな」

「さようなら」

 

 朱鳥さんは立ち去る

 

「そうですね。速いうちにまた会いますよ…」

 

 そんな呟きは誰にも聴こえなかった

 

 

 

 

 その後、妹紅と慧音と一緒に人里を回った。幻想郷のお金が僕の知っているお金じゃない事に驚いていた。今度両替してもらおう。お使いが終わる頃には一時くらいになっていた。

 遠くから寺子屋の生徒の男の子が慌てた様子でこちらに走ってきた。

 

「慧音先生!」

「どうしたんだ。そんなに慌てて」

「それが風土君がどこにも居なくて!」

 

 風土君は確か最初に僕に質問した男の子か…

 

「とりあえず隅々まで探すんだ!妖怪の山には行っていないと思うが…」

「夢華わかるか?」

「ちょっと待って……位置情報…………居た。妖怪の山にいるよ。急がないと!」

「どうしたんだ!風土は大丈夫なのか?」

「狼の妖怪に囲まれてる!」

「なっ…慧音!妖怪の山だ!」

「!わかった!って夢華どこ行った?」

「居ない!まさか行ったのか?」

 

 

 

 

 

 妹紅達が話していたけど時間が無かったら無視して瞬間移動で風土くんの所まで行った。ちょうど狼の妖怪が襲いかかる所だった。

 魔法陣で攻撃を止める。

 

「え?夢華さん?」

「もう大丈夫だよ」

 

 風土君にできるだけ優しく話す。僕は妖怪でも人間でも殺さないようにしている。

 ……例えあいつらでも…

 

「重力操作」

 

 妖怪にかかる重力を上げた。妖怪は全く動けなくなった。

 

「…もう大丈夫なの?」

「うん。大丈夫だよ」

「うわーん怖かったよー!」

 

 よほど怖かったのか抱きついて泣き出した。優しく背中をさすっていると落ち着いたのか離れた。

 

「もう大丈夫?」

「うん助けてくれてありがとう!」

「良かった。じゃあ戻るか〜」

 

 魔法陣を展開し、風土君と乗る。ゆっくり上空まで浮き、人里まで飛んでいく

 

 

 

 

 夢華達が居なくなった後

 

「いや〜凄いな〜一瞬であの場を収めるなんて」

 

 黒髪の青年は買い物袋を片手に歩きながら現れた。

 

「まさか人里にいるなんてねー。あの子には悪いことしちゃったかな?今度何かあげようかなー。まあでもなかなか強いね。こりゃー薪羅が喜びそうだ。会わせたくないけど…」

 

 楽しそうに独り言を言っていると誰かが近付いている事に気づく。

 

「誰か来たね。帰ろっと」

 

 青年は道を歩いて去る。

 

 しばらくしてこの場を遠くから能力で見ていた椛が飛んで夢華が立っていた場所に着地する

 

「もう狼達は居なくなりましたか。しかしどうやって人間の子供はここまで……ん?この匂いは…」

 

 椛の鼻がある匂いに気付く

 

「火薬…でしょうか。あっちに続いていますね」

 

 椛は火薬の匂いの続く所まで行く。

 しかしすぐ匂いが消えた。その場所は…

 

「木?ここで火薬の匂いが消えています。どうなっているのでしょう?」

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

 すぐに人里に着いた。風土君は空を飛んで上機嫌になった。良かった良かった。

 

「風土君!大丈夫だった⁉︎」

「うん!夢華さんが助けてくれたよ!凄かった!妖怪を一瞬で倒しちゃったよ!」

 

 寺子屋の生徒達が戻って来た風土君を囲む。慧音はこっちに来た

 

「ありがとう夢華。風土を助けてくれて」

「良いよ。当然の事をしただけだよ」

「そうか」

「じゃあ僕は行くね」

 

 そのまま魔法陣で飛んで行く。それに気づいた風土君達は

 

「助けてくれてありがとうー!」

「じゃあねー!」

「また来てねー!」

 

 みんなに手を振られ、僕も皆んなに手を振りながら守矢神社に帰る。

 

 

 

「でもどうやって行ったんだろう?」

 

 守矢神社に向かいながら考える。いくら考えても分からないから能力使おうとしたら早苗ちゃんが飛んで来た

 

「夢華くん!大丈夫ですか?」

「僕は全然大丈夫だよ」

「良かった…遅かったので心配したんですよ」

「ごめんごめん」

 

 早苗ちゃんは僕の横を飛んでいる。

 

「明日はどうしますか?」

「そうだね〜それは明日決めるよ〜」

 

 お使いが終わり、守矢神社に帰った所である事に気付く

 

「そういえば妹紅居なかったような」

 

 

 

 

 その頃の妹紅

 

「風土ー!どこだー!」

 

 妖怪の山を走り回っていた。それに気づいた椛が妹紅の所まで行く

 

「どうしたのですか?」

「椛お前の能力で子供を探してくれないか?山にいると思うんだが」

「その子供は寺子屋の生徒ですか?」

「そう!そいつだ!」

「それだったら夢華さんがもう助けましたよ」

「………え?」

「夢華さんが、助けましたよ」

「……つまり」

「すれ違いですね」

 

「すれ違いかよーーーーー!」

 

 

 

 

 妹紅の叫びは守矢神社まで聞こえた。




次は紅魔館です。

黒髪の青年と朱鳥は今後重要な立ち位置になります。多分…

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第8話 紅魔館の門番

前回謎の登場人物が登場しましたが、しばらくは(多分)でません。

今回はあのキャラが登場します。


 Side 夢華

 

 時刻は午前7時頃。いつもの変わらず四人で朝食を食べていた所で神奈子さんからこれからのことを聞かれた

 

「幻想郷に来てから少し経つけど少しは何処かに行ったらどうだい?」

 

 確かにまだ博麗神社と人里、妖怪の山しか行っていない。妖怪の山は常にいる感じだけどね…

 

「うーん……じゃあ本がたくさんある所…かな」

 

 幻想郷にもあるよね?図書館みたいな所

 

「変わりませんね〜夢華くんは。そうですねー…では紅魔館にはどうでしょう!」

「紅魔館?」

「吸血鬼の住む館だよ。危険な場所だから人はあまり近付かないけど夢華くんなら大丈夫だよ」

 

 諏訪子さんから説明された吸血鬼の住む館…っていう事は吸血鬼しか居ないのかな?

 

「いえ、吸血鬼の他にも人間や妖怪、魔法使い…魔女でしょうか?それと悪魔と妖精が住んでいます」

「そこの地下に大図書館っていうところがあって、大量の本があるんだよ」

 

 何その行きたくなる説明は!これは行くしかない!ところで早苗ちゃんは心を読めるようになったのかな?

 

「幼馴染みですので」

 

 また読んだ!幼馴染みって言葉便利だよね〜

 

「じゃあ朝食食べ終わったら行こうかな〜」

「私もついて行きます!場所分かりませんよね?」

「そうだね。一緒に行こう!」

「はい!」

 

 方角が分かれば一直線に進めばいいけど…

 

「「「「ごちそうさまでした!」」」」

 

 早苗ちゃんと食器を洗っている間ずっとワクワクしていた。何があるかな〜ラノベあるかな〜。それに魔法使いの人に聞きたいことあるし。

 

 食器を洗い終え、支度を済ませる。

 

「では行きましょうか」

「レッツゴー!」

 

 僕は魔法陣に乗り、早苗ちゃんは飛ぶ。僕は紅魔館の場所がわからないから早苗ちゃんが先導してくれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 諏訪子

 

「本当に仲良いよね。あの二人」

「幼馴染みだからじゃないか?だが、本当に仲良いな。夢華くんになら早苗は任せられるよな」

「だね。強いし、優しいしねぇ〜」

「紅魔館で戦いそうだな…」

「夢華くんは戦うのは好まないんだがな〜。きっと無理なんだよな」

 

 そんな会話をしている。夢華くんは大丈夫。そう思うのだけど…やっぱり…

 

「ーー心配なことは夢華くんの暴走だな」

「うん。万全の私達でも勝てるかどうか…」

「でも夢華くんも成長している。もしかしたら私達でも無理かもしれない。もしもの時の為に備えておくか」

「そうだね」

 

 空気が重くなっていく。

 その時に椛がやって来た。

 

「すみませんが夢華さんは居ませんか?」

「ついさっき紅魔館に行ったよ」

「そうですか…」

「何かあったのかい?」

 

 神奈子が椛に問う

 

「昨日人里の子供が妖怪の山に入ったことは知っていますか?」

「まぁ少しだけだけど」

 

 昨日の夕食の時夢華くんが少し言っていた。人里の子供が気づいたら妖怪の山に居て、狼の妖怪に襲われたらしいが夢華くんが救ったと。どうやって子供が移動したのかは夢華くんもよくわかっていないらしい

 

「人間が山の中枢辺りまで来れることは霊夢さんや魔理沙さん、夢華さん達みたいに強くない限り滅多にありません」

「それで?」

「子供がいた場所に行ったのですが、そこで火薬の匂いがしたのです。なので夢華さんに協力してもらおうと思いました」

「わかった。夢華くんが帰って来たら伝えておくよ」

「ありがとうございます。では」

 

 椛は帰って行った

 

「神奈子。何かありそうだね」

「私達も調べておくか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

「夢華くん!あそこが紅魔館ですよ!」

 

 早苗ちゃんに言われた場所を見ると湖の沿岸付近に全体が紅かく、窓が少ない館が建っていた。

 悪趣味と思わなくはないけどなんでこんなに紅いの?

 

「紅いね」

「紅魔館ですから」

 

 何故か納得してしまった僕が居る

 

「では入りましょう!」

「うん良いけどさ…」

 

 紅魔館の門の側で立ったまま寝ているチャイナ服で赤髪の長髪で三つ編みの女性が居た。妖力だから妖怪かな?

 まさかこの人が門番なんて事はないよね?

 

「早苗ちゃん。門の近くで立ったまま寝ている人が門番じゃないよね?」

「門番ですよ」

「……え?門番?寝ているよね?」

「えぇ寝ていますね」

「紅魔館は大丈夫なのかな?そもそも空飛べるからあまり門番必要ないよね?」

 

 身もふたもないことを言うけど侵入し放題だよこのままじゃ。

 

「起こした方がいいよね?」

「そうでしょうね」

 

 とりあえず魔法陣から降りて、門番の人に近寄る。

 

「おーい起きて下さ〜い!朝の…八時か九時位ですよー」

 

 近くから起こそうとしても全く動かない。いい夢でもみているのか幸せそうな表情だ。

 何度か起こそうとするがなかなか起きない。仕方がないから揺らして起こそうと手を伸ばすと、急に門番の人に手を掴まれた。

 

「侵入者!」

「え?」

 

 門番の人の掴む手が強くなる。

 

「イタタ!」

 

 折れる!これは折れる!とっさに手を払う。

 

「大丈夫ですか?夢華くん!」

「うん大丈夫だよ」

 

 まあ少し腫れてるけどね。これくらいなら問題はないよ

 

「紅魔館の門番紅 美鈴(ホン メイリン)侵入者を排除します!」

 

 門番の人改め、美鈴さんが身体を半身に傾け左手を前に、右手を引いた状態で構える。

 多分、美鈴さんは拳法を使うと思う。なんとなくだけど…中国拳法かな?

 うーん。苦手なんだよね。拳法使う人。こういうのは絢斗君が適任なんだよね

 

「あの〜僕はただ寝ていたのを起こそうとしただけで侵入者じゃないですよ」

 

 一応ちゃんと誤解だということを知ってもらおうとするが…

 

「問答無用!」

 

 美鈴さんはこちらに向かってくる。

 何このデジャブ…

 美鈴さんの蹴りを後ろに跳び、距離を取る。

 

「はあ!」

 

 美鈴さんは前に踏み込み、拳をたたみ込んでくる。僕はとっさに腕を交差し、受ける

 

「グッ…」

 

 ボギン!という音とともに僕はそのまま後ろに一メートル程飛ばされ、地面を転がる

 

「夢華くん!」

 

 早苗ちゃんは駆け寄ってくる。

 左腕は真っ赤に腫れていて、変な方向に向いており、力が入らない。完璧に折れてるね

 

「これはなかなかヤバイね。左腕が全く動かないよ」

「夢華くんは下がっていてください。ここは私がやります」

「いや、早苗ちゃんは下がっていて。骨折完治」

 

 左腕を激痛に耐え、支え、能力を使う。左腕はくっつき、ちゃんと動く。骨折なんていつぶりだろう。魔界だっけ?

 

「!!!」

 

 能力を使い、骨折を治すと美鈴さんは警戒し、その場で構える

 

「なんですかあなたは。奥底から来る黒い気は一体なんですか?」

 

 黒い気?何それ僕は知らない。横で早苗ちゃんが明らかに動揺したような素振りをするが気にしない。

 僕は立ち上がり、美鈴さんにもう一度訊く。

 

「もう一度言いますよ。確かに僕は紅魔館に用があり、入ろうと思いました。けれど門番の人である美鈴さんが寝ていたので起こそうとしました。だから僕は侵入者ではありません!」

 

 懇切丁寧に言う。そして最後を強調する。ここを分かってくれないと話にならない。

 

「あなたは危険です。そんな人を門番として見過ごせません」

 

 話が通じない。なんかふて寝したくなってきた。

 僕は「はあ」と溜息をつくと構える。

 何でだろうまたデジャブを感じる。

 

「行きます!」

 

 美鈴さんの言葉とともに僕も距離を狭める。魔力を両手両脚に集める。美鈴さんは蹴りを、僕は拳を繰り出す。お互いぶつかり合う。

 

「え?」

 

 多すぎないくらいの魔力を集めたつもりだったけど美鈴さんは痛がる素振りはない。妖怪だからなのか。それとも僕と同じように脚に集めたのか…

 僕と美鈴さんは同時に半歩下がる。と同時に魔力を右手に集めてストレートに殴る。

 

「甘い!」

 

 僕の攻撃は右に流される。

 

「だったら!」

 

 流された勢いのまま一回転して左脚でかかと落としのように攻撃しようとする。しかし、その事を気付かれたのか足を少し浮かせた時に右手首を掴まれ、右方向に軽く投げられ、胴体がガラ空きになる

 

「しまっ…」

「隙あり!」

 

 僕のお腹に拳をたたみ込んできた。とっさに左手とお腹に魔力を集める。さっきよりも多く集めたから痛みはないが、少し飛んでいる状態だからまた後ろに飛ばされる。悲しいかな、これが経験の差ってやつなのか…そもそも僕はサポートなんだよね。

 

「なら!」

 

 やり方を変えれば良いだけ。反応できないスピードまで加速すれば良い。後ろに多めに魔力を使い、魔法陣を展開する。魔法陣を踏み台のようにし、加速しながら蹴りを放つ。

 美鈴さんは反応できなかったのかそのまま蹴りが横腹にあたる。美鈴さんは横に飛ばされる。

 

「まだまだ!」

 

 僕は追い討ちをかけるように接近する。そして美鈴さんを蹴り上げる。美鈴さんはまた反応できずに蹴り上げられる。

 魔法陣をまた踏み台のようにし、跳ぶ。美鈴さんを追い越し、一回転し、

 

「打符 一発入魂」

「!」

 

 美鈴さんは腕を交差し、防ごうとする。右手に魔力を集める。僕の攻撃が当たる瞬間に美鈴さんが消えた。

 

「……え、えー」

 

 当然急に消えた美鈴さんに当たるはずもなく、空振りする。

 何だろうこの渾身の一撃を失敗したような脱力感は…いやそのままだよ、これ…

 

「どこに…居た」

 

 消えた美鈴さんを見つけるために周りを見るとすぐに見つかった。門の前に膝をついている。その横に銀髪で美鈴さんみたいに三つ編みのメイドさんが居た

 

 そのまま降り、地面に着地する

 

「えーと話できますか?」

 

 一応念のためにもう一度訊いてみる。

 

「えぇ大丈夫です」

 

 メイドさんは明らかに警戒しながら了承してくれた。

 さっきと同じように説明する

 

「成る程。分かりました。これはこちら側に非があります。申し訳ございませんでした」

 

 そう言って警戒を解き、謝罪と一緒にお辞儀をする。やっと分かってくれて嬉しい

 

「いえ、もう過ぎたことを言っても仕方がありません。なのでもう良いですよ」

 

 そう言うとメイドさんは態勢を直し、自己紹介をする

 

「私は紅魔館のメイドを勤めております。十六夜 咲夜(いざよい さくや)と申します」

「僕は上殊 夢華です。よろしく」

 

 咲夜さんは真っ直ぐこっちを見ている。何だろう?

 

「すみませんが私と一戦やっていただけませんか?」

 

 え?会っていきなり戦おうとか…血気盛んなのかな?というか弾幕ごっこはどこに行った。今更だけど…

 

「あの〜弾幕ごっこではないのでしょうか…」

 

 早苗ちゃんがいつの間に移動したのか隣で控えめに手を挙げて質問する。全くもってその通りだよ

 

「お嬢様が『弾幕抜きの実力を見て見たい』とおっしゃったので。美鈴はどちらでも」

 

 え〜また戦うの?でもここで戦わなかったら中に入れなさそうだし、仕方がない…

 

「分かりました。(嫌だけど)やりますか」

 

 僕は嫌々了承した。

 

「私も、やります」

 

 咲夜さんの横で膝をついていた美鈴さんが立ち上がりながら言う。

 

「なら私もやります!」

 

 早苗ちゃんが意気込む。

 ……けど

 

「早苗ちゃん。悪いけど少し待ってて」

「どうしてですか?」

 

 早苗ちゃんは納得いかないように言う

 

「これは弾幕無しだよ。それだと怪我をしちゃうよ。それに、あっちは僕を指名しているから早苗ちゃんは戦わなくていいんだよ?」

「でも!……いえ、夢華くんはこうなったら言っても聞きませんよね。だったらせめて」

 

 早苗ちゃんはどこか諦めたように言う。そして両手を未だに腫れている左腕にかざす

 

「見てください!これが私の奇跡です!」

 

 そう言うと同時に左腕が光りだす。暖かく安心するような光。どんどん痛みが引いていく。光が消えると腕は治っていた

 

「凄い!治ってる!」

「どうですか⁉︎これが私の奇跡!【奇跡を起こす程度の能力】です!」

「ありがとう早苗ちゃん!」

 

 早苗ちゃんは得意げに腰に両手を当てる。ついに早苗ちゃんの奇跡を見ることができた。『奇跡は起きるものじゃなくて、起こすものです!』みたいな事を言いそう。

 今更だけど早苗ちゃん能力あったんだ。

 

「じゃあ頑張ってください!」

「うん!」

 

 門の前で黙って待ってくれていた二人に向く。

 

「お待たせしましたー」

「いえお気になさらず」

「では、始めましょう」

 

 僕は魔法陣から魔導書を、咲夜さんは時計を取り出し、美鈴さんはさっきと同じように構える

 

「「「行くよ(ます)!」」」




何となく区切りが良かったのでここまでにしました。次回は二人と戦います。

戦闘描写って難しいですね。ちゃんと皆様に伝わるか不安です。改善点があったら教えて下さい。できるだけ直します

感想、評価お待ちしております!


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第9話 夢華vs紅魔館の門番とメイド

今回は仮面ライダー要素を若干含みます

拙い文章ですが、どうぞ本編へ


「「「行くよ(ます)!」」」

 

 僕達は一斉に走り出した。

 

「「は!」」

 

 美鈴さんとまた拳同士がぶつかる。後ろから咲夜さんがナイフを投げてくる。どこから出したんだろう?

 

「咲夜さんはナイフを使うのか」

 

 ナイフを魔法陣で防ぐ。一瞬ナイフに気を取られた隙に美鈴さんの蹴りがくる

 

「よっと」

 

 蹴りを横に跳び回避する。着地した瞬間に僕の周りに大量のナイフが出現する

 

「え?」

 

 これには驚いた。何もないところからいきなりナイフが出現するとは…咲夜さんの能力かな?だとしたら絢斗君みたいな能力なのかな?

 

「でも、これくらい」

 

 魔導書を風のページにし、僕の周りに魔法陣を展開し、暴風を起こす

 ナイフは風に乗り飛ばされる

 

「この位は絢斗君で慣れてるからあまり意味ないよ〜」

「そうですか」

 

 咲夜さんはそう言うと一瞬で僕の前に移動した

 

「ならばこれならどうです?」

「いやそれもですよ」

 

 咲夜さんはナイフを横に振るう。しゃがんで回避をする。ついでに足払い。

 

「くっ…」

 

 咲夜さんの体は空中に浮いている状態からナイフを縦に振るう。けど僕の方が少し早かった

 

「吹き飛べ〜」

 

 さっきの暴風を咲夜さんに放つ。咲夜さんはいつのまにか少し離れた場所に移動している

 

「次は私ですよ!」

 

 咲夜さんと入れ替わるように美鈴さんが接近してくる。右手に妖力?を纏わせながら殴りかかる。僕は魔法陣で防ぐ。魔法陣と美鈴さんの拳が当たった瞬間に魔法陣が砕ける

 

「……え」

「チャンス!」

 

 美鈴さんは勢いはそのままにしながら踏み込んで殴る。回避はできずに頰を殴られ、後ろに吹っ飛ばされる。地面を3回ほどバウンドし、ようやく止まる。顔を上げるとナイフが迫っていた

 

「忙しいな〜」

 

 ナイフを横に転がり回避する。しかし一本が左肩に刺さる

 

「痛〜」

 

 急いでナイフを抜く。魔導書を治癒のページにして傷を癒す。その間に二人の能力を考える

 

 咲夜さんは瞬間移動みたいに行動している。ナイフは突然現れる。ナイフは突然現れて動くから絢斗君みたいな能力じゃないと思う。でも対処できないわけでもない。

 

 美鈴さんは格闘と一緒に使っていると思う。魔法陣を一瞬で破壊されたから破壊する能力か力を操る能力。

 

「ふう〜傷も治ったし…早苗ちゃん!少し離れてて!『あれ』やるから」

「え?『あれ』をやるんですか?分かりました!」

 

 そう言って早苗ちゃんは離れていった。それもかなり遠くに。

 

「警告です。今からやる事はとても危険です。なので全力で堪えてください」

「何を言って…」

 

 僕は二人に警告をする。美鈴さんが何かを言い終える前に始める。

 僕と紅魔館以外の半径五十メートルの地面に大量の魔法陣を展開する。その魔法陣から暴風が吹く。

 

「なっ…」

「きゃああ!」

 

 二人は急のことで対処できずに悲鳴を上げながら上空に飛ばされる。

 

「まだまだ」

 

 僕の上に魔法陣が現れ、通過する。

 

「さ〜て行きますよ〜」

 

 全身に風を纏いながら飛ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 早苗

 

「相変わらず凄まじいですね…」

 

 木の陰に隠れながら事の顛末(てんまつ)を見ている。さっきから暴風で木が吹き飛びそうになっている

 

「でもまだ手加減していますね。紅魔館を破壊しないようにしているのでしょうか?」

 

 本当に変わりませんね。いつも相手を殺さない様にしている。そのせいで逆鱗に触れたこともありましたが…

 

「でも幻想郷でならあまり手加減しなくても大丈夫だと思いますがね(暴走しない程度にですけど)」

 

 魔法陣が現れ、夢華くんを通過する。そして夢華くんが風を纏う。

 

「やっぱりあれウ○ザードですよね」

 

 他にもありますけどね。魔法だけで紫さん並みに強いんですよね。能力では神綺さん並みとか普通に化け物ですよ

 

「前はここから炎での追撃していたのですが、美鈴さんと咲夜さんだったら大丈夫何ですがね。何を考えているのでしょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

 風に飛ばされた二人を魔法陣を踏み台の様にして跳ぶ。上昇気流の風ですぐに追いつく。

 

「あ…行き過ぎた」

 

 制御ができずに追い越してしまう。

 

「まあいいか」

 

 今の風の魔法を止め、上空に魔法陣を展開させ、同じ風魔法を使う。

 

「きゃああああ!」

「わーーーー!」

 

 二人は上からくる風を抵抗できずに地面まで一直線に落ちる。

 

「くっ…」

 

 美鈴さんは苦し紛れに妖力(のようなもの)を右手に集め、拳を突き出す。

 その時、二人に向かう風が打ち消された。

 

「!なるほどやっと分かった」

 

 今ので美鈴さんの能力がなんとなく分かった。

 風が一瞬止んだ隙に咲夜さんと美鈴さんが地面に降りていた。何となくだけど咲夜さんの能力も分かった。

 ……けどね〜これが当たったたら言っちゃうかもしれない…

 確かめるかな

 

「どうしますか?」

「私と交代交代で攻撃していきましょう」

「了解です」

 

 おっ二人の作戦会議が終わったし、こっちも仕掛けるかな

 

「さ〜てとやりますか」

 

 風魔法を解除して炎魔法のページにする。

 魔法陣を展開する。魔法陣から炎が出てくる。その炎を刀の形に整える

 

「いきますよ」

「はっ!」

 

 離れた場所から目の前に咲夜さんがナイフを両手に持って現れ、左手のナイフを横に振るう。

 それを刀で弾く。ほぼ同時のタイミングで右手のナイフを振るう。それをしゃがみ回避する。すぐに咲夜さんは後方に跳び置き土産と言わんばかりの大量のナイフが急に現れ、襲ってくる

 

「ちょっ!危ない!」

 

 反射的に刀を横にふるい、ナイフを全て溶かす。

 

「次は私ですよ!」

 

 入れ替わって美鈴さんが前に出て拳を振るう。SA○のスイッチみたいだな〜。コンビネーションバッチリだ。

 

「それは何度も見ました…よっと」

 

 美鈴さんの拳を姿勢を低くして炎の刀を崩し、右手に纏わせた右手で昇竜拳ばりのアッパーをして、拳の軌道を上に逸らす。

 

「しまった!」

「さっきのお返し!脚力強化」

 

 軌道を変えられた美鈴さんは胴体がガラ空きになっている。

 

「せいや!」

 

 すかさずに右足を軸にして半回転しお腹に炎を纏い、能力で威力を上げた蹴りを放つ。

 

「ぐ…は…」

「よっし!…っと」

 

 蹴り飛ばされた美鈴さんは五メートルほど吹き飛ぶ。その時に咲夜さんが目の前にまた現れナイフを繰り出す。それを蹴りでパキン!という音とともにナイフが砕けた

 

「なっ!」

「もう一回!」

 

 そのまま咲夜さんに蹴りを放つ。が、またナイフが急に現れ襲いかかる。咲夜さんは美鈴さんの所に移動している。美鈴さんは能力で守ったのか思っていたよりも軽傷みたい

 

「またか」

 

 全てのナイフの軌道を読み、蹴り砕く。これなんかワンピ○スのサンジみたくなったと思う

 

「さて咲夜さんの能力も分かったし、後はタイミングだけか。うーん……よしこれだね」

 

 やっぱりあれか。まさか実際に見ることになるとは…

 

 すぐに炎魔法のページから水魔法のページに変える

 

「水魔法 水檻」

 

 僕が唱えると魔法陣が二人の上に現れ、そこから水の檻が落ちる。

 

「檻!?でも!」

 

 咲夜さんはとっさにナイフを檻の格子と格子の間に投げる。

 

「ですよね〜」

 

 当然そうくると思ったから格子と格子の間を水で埋める。

 

「なら!」

 

 美鈴さんは能力で檻を吹き飛ばそうとする。

 

「ま、そう来ますよね」

 

 これもまた予測してたんだよね〜

 

「重力操作」

 

 右手を前に出し、重力を操る。

 

「さて問題です!水を圧縮したらどうなるでしょうかー!」

 

「まさか!」

「それよりも早く!」

 

 咲夜さんは驚き、美鈴さんは僕が実行する前に檻を吹き飛ばそうとするが…

 

「答えは『水圧カッター』です!」

 

 僕がそう言うと同時に水圧カッターで二人の全方位から攻撃する。

 

「はあ!」

「くっ…」

 

 美鈴さんは襲いかかる水圧カッターを打ち消していく。

 咲夜さんはナイフで打ち消していったが数が多くて対処できなくなったのか時計を持っている手を少し挙げた瞬間に安全な場所に避難していた。美鈴さんの援護も忘れずに。

 

「なるほどこのタイミングか」

 

 咲夜さんの能力発動のタイミングが分かった。もうこの魔法はいいか

 水魔法のページから氷魔法のページに変え、水檻を凍らせる。ついでに魔法陣から氷の巨大な大剣を作り振り落とす。そして氷が砕けた音が響く

 

「さーて二人は大丈夫かなー?」

 

 まああの二人なら大丈夫。大丈夫だよね?

 僕の心配は杞憂だったようで二人は膝をついて息を荒げている。このままだとイジメみたくなるから能力の考察でもするかな

 

「さて何となく二人の能力が分かりました。まず美鈴さんは【気を操る程度の能力】で咲夜さんは【時を操る程度の能力】ですね?」

 

 僕の考察をすると二人は目を見開き驚いていた。

 

「何故分かったのですか?」

「私の能力は分かりづらいはずなんですが」

「咲夜さんは外の世界で時を止めてナイフを投げるキャラクターがいたのでなんとなく分かりました」

 

 D I○とかD I○とか

 

「美鈴さんは風を打ち消された時に分かりました。何となくでしたが…」

「では能力が分かったからどうします?」

 

 咲夜さんがナイフを構える。

 

「対処策くらいありますよ」

「では見せて下さい」

 

 咲夜さんは時計を少し挙げる。このタイミングで時を止めるのは分かっているから、今…

 

「時間停止」

 

 僕の言葉で僕と咲夜さん以外の時が止まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side ???

 

 地上からいろいろな音が聞こえてくる。風の音、悲鳴、打撃音その他…

 

「また…この感じ…私と同じ」

 

 私と同じ様な人が外に居る。すぐに行かなくちゃ

 

「フフフ誰だろう?」

 

 でもやっぱり私と同じ様な人がここに来るのを静かに待つ

 

 

 

 

 

 

 

 Side 咲夜

 

「何故…貴女が時が止まったこの空間に…」

「僕の能力ですよ。【連なる四つの漢字の意味を実現する程度の能力】。それが僕の能力」

「時間停止…ですか」

「そうです」

 

 脚力強化、重力操作、時間停止。確かに四つの漢字が繋がっている。一言で形勢逆転出来る能力…強すぎる。更に桁違いの魔力量で私と美鈴相手をしても息切れを全くしていない。私は殺す気で、美鈴は本気でやっているのに…相手は手加減をしている…

 

「お嬢様が殺す気でやれと言った意味がわかりました」

 

 相手には聞こえないくらいの声量で呟く。

 しかしどうすれば倒せるのか全く方法が思い浮かばない。美鈴と一緒に戦うのが最善策でしょうか…

 そう思い能力を解除しようとすると

 

「させませんよ」

 

 相手の言葉と一緒に時計が弾き飛ばされる

 

「しまった!!」

 

 いつのまにか地面に魔法陣があり、そこから氷が飛び出していた。相手ばっかり見ていて周りを警戒していなかった。

 私は飛ばされた時計がないと時間を操れない。急いで取りに行こうと走り出そうとしたら足が動かなくなった。

 

「え!?」

「取りに行かせませんよ」

 

 地面と足が氷で固められている。

 

「さて…終わらせましょうか」

 

 相手は勢いよく地面を蹴り接近して来る

 私はナイフを投げて迎撃しようとするが魔法陣で防がれる

 

「この氷さえどうにかすれば!」

 

 力を入れて氷から抜け出そうとするが、皮膚が裂けそうになり激痛が足に走る。

 

「しばらく寝ていて下さい」

 

 いつのまにか後ろにいた相手の声が聞こえた。後ろを振り向こうとする前に私の意識が飛んだ

 

 

 

 

 

 

 Side 美鈴

 

 侵入者が私と咲夜さんの能力をあてた。普通は私と咲夜さんの能力は分からないというよりも分かりにくいのだが…能力でも使ったのか…

 

「能力が分かったからどうします?」

「対処策くらいありますよ」

「では見せて下さい」

 

 咲夜さんが能力で時を止める素振りをする。と同時に侵入者が

 

「時間停止」

 

 え?と言葉を言うよりも早く咲夜さんが倒れた。

 

「え?」

 

 目を見開いて咲夜さんを見た。目立った外傷は無いが足が少し濡れている。そして時を止めるために使う時計が遠くの場所に落ちている。

 咲夜さんの近くには侵入者が立っている。能力を使って行くごとにさっきよりも左目が黒く、内側からどす黒い気を感じる。

 この状況から考えられることは

 

「時を止めた?」

「そうですよ。時を止めて咲夜さんを倒しました。気絶させただけで外傷は無いですよ。……多分」

 

 時を止められて重力を操ったり侵入者の能力は一体なんだ?

 

「能力は咲夜さんから訊いて下さい」

「読心能力ですか?」

「違いますよ〜」

 

 今気づいたが身体が弱くなっているのか気が弱くなっている。

 

「さてと早く終わらせましょう」

「そうですね」

 

 侵入者は本(魔導書?)のページをめくる

 

「行きますよ」

 

 そう言うと私の周りに大量の魔法陣が現れる。そこから炎の弾(弾幕では無い)が私を襲う

 

「はっ!せい!」

 

 襲って来る炎を打ち消して行く。炎の外側では侵入者の気が上に飛んだ。

 そのままこちらに接近して来る。

 

「来い!」

 

 右手に気を集めて待つ。その時炎の一部が無くなり魔法陣が現れる。侵入者は魔法陣をものすごい速さで通過しながら右足を突き出し、左足を右足に当てながら迫って来る

 

「はあああああああ!!!」

「せいやーーーーー!」

 

 侵入者が現れた瞬間に正拳突きを繰り出す。侵入者の蹴りと拳がぶつかった。

 

「くっ…」

 

 拮抗していたが、段々こちらが押され始めた。

 

「はあ!」

 

 そのまま押され侵入者の蹴りが私の腹部に突き刺さった。

 

「か…は…」

 

 そのまま紅魔館の門にぶつかり気を失った

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

 美鈴さんをライダーキックみたいな攻撃(デ○ケイドのカードが魔法陣になった)で倒した

 

「終わったね」

 

 能力の反動でバランスを維持できなくなり尻餅をつきそうになるが頑張って耐える

 

「強かったな〜二人とも」

「夢華くん大丈夫ですか!?」

 

 早苗ちゃんが飛んでくる。正直に言ってきつい

 

「大丈夫とは言えないけどね」

「少し休んでいて下さい!」

「そうしたいんだけどさまだやる事があるんだよ」

「何ですか?」

「咲夜さんと美鈴さんの治療をしないと」

 

 咲夜さんは大丈夫だと思うけど一応ね。美鈴さんはやりすぎたかもしれない

 

「分かりました。ここにいて下さい。私が二人を連れてきます」

「ありがとう」

 

 早苗ちゃんが二人を連れてくるのを待つ。早苗ちゃんが二人を連れて来ると治癒のページにして魔法陣を出す。早苗ちゃんは慣れた手つきで二人を乗せる

 

「そう言えばさっきのアレなんですか?」

「アレって?」

「ほら、美鈴さんを倒した時のやつです。デ○ケイドのファイナルアタックライドみたいでしたけど」

「あれね」

 

 二人を治癒しながらさっきのことを話した

 

「アレは早苗ちゃんが幻想郷に行っちゃった後に絢斗君が「夢華って能力なしの必殺技たくさんできるよな」って言ってから昏御ちゃんが「一人だし、デ○ケイドかオ○ズみたいなライダーキックを真似ればよくない?」って事で色々あってこうなったんだよ」

「何というか絢斗くんと昏御ちゃんだったら言いそうですね」

「あの後一時間くらいずっとやったなー」

「その時に蓮舞くんいなかったんですか?」

「丁寧にアドバイスしてくれたよ」

「じゃあ菫子ちゃんは?」

「ハイテンションだったね」

 

 早苗ちゃんは苦笑いしかできないようだった。外の事を話していると咲夜さんと美鈴さんが起きた

 

「う…ん。あれ?」

「傷が無い?」

「二人とも起きたね」

「大丈夫ですか?」

 

 二人は起き上がり自分の体を見ていた。傷はもう無いし安心だよ

 

「そうですか。治療までされたのですか。ありがとうございます」

「ありがとうございます」

 

 二人にお礼を言われた。

 

「それで紅魔館に何の御用でしょうか?」

「そうでした。図書館に行きたかったんですよ。そこでやりたいことがあるので」

「そうですか。分かりました。美鈴。通しても良いわよね?」

「ええ良いですよ。それと急に攻撃してすみません」

「いえ、もう過ぎたことなので気にしませんよ」

「では紅魔館へどうぞ」

 

 美鈴さんに入館許可をもらい、咲夜に促され紅魔館の門を通る




やはり戦闘描写が難しいですね。分かってくれたら感謝です

次回は紅魔館の主人等…と夢華の目的が分かります


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第10話 紅魔館の主人と新しい魔法

今回は紅魔館に住んでいる人(?)が全員出ます



 Side 夢華

 

「ようこそ紅魔館へ」

 

 咲夜さんが言う。

 

「お邪魔しま〜す」

「お邪魔します」

 

 咲夜さんの後に続き僕と早苗ちゃんが入る

 

「広い…」

 

 紅魔館のロビーがとても広い。

 そして外装も紅いけど内装も紅い。

 

「こちらです」

 

 周りを見回していると咲夜さんが二階へ続く階段まで歩こうとしている

 

「あ…はい」

 

 急いで咲夜さんの後に続く。

 

「そういえば紅魔館の主人は吸血鬼って本当ですか?」

「えぇ本当です。お嬢様は500年生きた立派な吸血鬼です」

「そうなんですか」

 

 吸血鬼は初めてだから楽しみだな〜。あれ?この感じどこかで…?

 咲夜さんについて行くと妖精のメイドさんが道の角からこちらを覗いているのが分かる

 しばらく歩いているとある部屋の前まで来た。

 

「こちらが客室です」

 

 どうやらここが客室のようだ。紅魔館の主人はどんな人なんだろう。吸血鬼を人と呼ぶかはよく分からないけどね

 咲夜さんがドアを三回ノックする。ノックが二回だとトイレとからしい。

 

「入って良いわよ」

 

 と部屋の中から幼い声が聞こえてくる。

 咲夜さんは扉を外側に開いて先に入ってドアの横に立つ。

 部屋の中は中央にテーブルがあり、椅子が8つある。

 

「ようこそ紅魔館へ。私は紅魔館の主人、レミリア・スカーレットよ」

 

 さっきの声と同じだ。僕と同じくらいの長さの紫髪で紅い瞳、背中から本で見たことのあるような吸血鬼の翼が生えている見た目10歳前後の女の子が椅子に座っていた。人を惹きつけるようなオーラ?を醸し出している。確かこういうのをカリスマって言うんだっけ?

 別の椅子にパジャマ姿で紫髪が腰くらいまで伸びている人(魔法使い?)が本を読んでいる

 

「椅子に座っていいわよ」

 

 レミリアちゃんに言われて部屋に入っていないのに気がつく。

 

「そうだった。忘れてた」

「夢華くん?どうしました?」

「大丈夫だよ」

 

 部屋の中に入って椅子に座る。隣に早苗ちゃんが座る

 

「自己紹介してなかったね。僕は上殊 夢華よろしく」

「私はパチュリー・ノーレッチよ。大図書館の管理者よ」

 

 パチュリーさん(パジャマ姿の人)は図書館の管理者か。だから本持っているのかな?

 

「貴方の事は聞いているわ。三年前に早苗含めた六人で魔界に行き、魔界の神様と戦った。そして突然幻想入りした外来人で、すぐに妹紅を倒した。魔界の神様とも知り合い。次の日に鬼の萃香を倒した」

 

 スラスラと僕の過去と幻想郷での行動を行っていくレミリアちゃん。いつのまにかテーブルに紅茶が人数分置いてある。咲夜さんが時を止めて用意したのかな?今はレミリアちゃんの後ろに居る

 レミリアちゃんの言葉に少し違和感があった

 

「待って、なんで魔界の事知ってるの?」

「それは…「パチュリー様〜終わりましたよ〜」」

「え?」

 

 早苗ちゃんの言葉の途中で誰かが部屋に入ってくる。この声は確か…

 

「あれ!?夢華くんですか!?お久しぶりですー!」

「あー!こあさん!久しぶり!」

 

 魔界に行った時に知り合った人…悪魔。本名は小悪魔だけど本人から「こあと呼んでください」て言われている

 というか魔界の人達とは多分全員知り合ってる。中で一番話したのが神綺。次に夢子。

 

「もしかしてさっきの音夢華くんですか?」

「多分そうだよ。咲夜さんと美鈴さんと戦ってたんだよ」

「え!?あの二人を相手に無事なんですか?」

「無事かどうかは分からないけど怪我はないよ。能力の反動で体が重いかな」

「何回使いましたか?」

「えっと…」

 

 骨折完治、一発入魂、重力操作、脚力強化、時間停止の計五回。スペカで四つの漢字が繋がっているのを使うと一回分にカウントされるみたい

 

「五回だね」

 

 僕が回数を言うとこあさんは驚いたように目を見開いた

 

「あとどれくらいで良くなりますか?」

 

 咲夜さんと美鈴さんの治療で30分くらいで、客室まで来るのに5分くらいだから…

 

「あと25分くらいかな?」

「そうですか。それまでは能力を使わないようにしてくださいね」

「そうするよ」

「こあ座りなさい」

「分かりました」

 

 パチュリーさんに言われてこあさんはパチュリーさんの隣に座る

 

「で、夢華。ここには図書館に用があるみたいだけどなんの本を読みたいの?」

 

 パチュリーさんに問われる

 

「その前に図書館に魔導書ってありますか?」

「大体の魔導書はあるわよ」

 

 良かった。無かったらどうしようかと思ったよ

 

「じゃあ『お酒に強くなる魔導書』ありますか?」

「「「「は?」」」」

 

 この場(咲夜さん除く)の全員が口が開いていた。少し面白い。

 

「いやさ、この前の僕の歓迎会の時にさ、僕すぐにダウンしちゃったからさ、もっと楽しみたいから……ってどうしたの?みんな鳩が豆鉄砲を食らったような顔してさ…」

 

 みんながポカンとしている

 

「え?そんな理由なんですか?」

 

 早苗ちゃんが控えめに問いかけて来る

 

「まああとはどんな本があるかとかもあるんだけどね」

「そ…そうなのね。じゃあ後で一緒に行きましょう」

「お願いします」

 

 パチュリーさんが苦笑いをしている。

 

「それじゃあそれまで夢華の事でも話してもらおうかしら」

 

 レミリアちゃんに言われて何を話そうか少し迷う

 

「レミリアちゃんは「待ちなさい!」…え?」

「え?じゃないわよ!私は気高き吸血鬼よ!」

「じゃあレミちゃん?」

「違うわよ!」

「え?リアちゃん?」

「わざとやっているでしょ!『ちゃん』付けしないで!レミリアで、呼び捨てで良いわよ!」

「分かったよレミリア」

「うー☆じゃあ…」

 

 さっきまでのカリスマはどこに行ったのやら、大声で叫ぶ。後にこれを『カリスマブレイク』だと早苗ちゃんから教えてもらった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side レミリア

 

 今は私、夢華、早苗、パチェ、咲夜、こあが座っている(咲夜はさっきの戦闘で疲れていると思ったから)。

 さっきは驚いたわ。お酒に強くなる魔法を覚えるために来るなんて。確かに夢華の歓迎会の時に私たちが遅れて参加した時には酔いつぶれていたけれど…このことは置いておいて夢華に質問する

 

「夢華は外の世界ではどんな人だったの?」

「え?う〜ん…一般人?」

「は?嘘でしょ…」

 

 魔界の神様と戦って生き残っていたり、咲夜と美鈴と戦って息切れしていないし、桁違いの量の魔力を持っている人が一般人?何を言っているのかしら?

 

「何言っているんですか?神綺さんと同じくらい強い人が一般人なわけないじゃないですか…」

 

 早苗は私と同じ様なこと思っているわね

 

「ひどい言われようだな〜」

「それに夢華の周りには危ない人がたくさんいたんですから…」

「それは気になるわね」

 

 パチェが問う。私もだけど

 

「だって夢華くん数え切れないほど誘拐されそうになりましたよね?」

「え?いつだっけ?」

「私と一緒に出かけた時ですよ」

「そうだっけ?」

 

 二人は外でも仲が良いみたいね。というか…

 

「二人っていつもいますよね。魔界の時もそうでしたし。も、もしかして付き合っていますか?」

 

 ナイスこあ!私も思っていたのよ。何故か夢華の運命がモヤがかかっている様に分からないのよね…

 

「ち、ちちち違いますよ!私たちはまだそんな…(ボソボソ)」

「付き合うって何?」

「「「「え?」」」」

 

 早苗は明らかに混乱している。夢華のことが好きなのね。

 でも、夢華と早苗を除いて私たち四人がポカンとしている。

 

「付き合うって知らないの?」

「どういう意味?」

「そ…そうね…まあ…いずれ知るわよ」

「そうなんだ〜」

 

 マジか…これは早苗や神綺、あとこあが大変そうね…

 

「はっ!私は一体!」

「なんか小声で何か言っていたよ」

「そうなんですか…」

「夢華って見た目が女の子って言われない?」

「よく言われたよ〜」

 

 確かにこあから夢華のことを話していたから男だということは知っていたけれど、女の子にしか見えない。

 

「夢華くん、学校のコスプレ大会で優勝しましたよ。これが証拠写真です」

 

 早苗はポケットから長方形の機械(っていうんだっけ?)を少し操作してみんなに見える様にした。そこにはメイドの衣装を着た夢華がトロフィーを持っている姿がある

 

「懐かしいね〜」

「「「「………」」」」

 

 私たち四人が言葉が出ていない。何故か負けた様な気がしたわ…

 

「そうだ!美鈴さんも呼んでみんなで写真撮らない?」

 

 写真か…

 

「そうだ。兄弟いますか?」

「いるわよ。でも」

 

 最近落ち着いてきたのにまた不安定になってきた私の妹の顔が浮かぶ。

 

「今はダメよ」

「そうですか」

 

 夢華は少し残念そうにする

 

「夢華。一時間経ったんじゃない?」

 

 パチュリーが言うように、咲夜たちとの戦闘からもう一時間が経った。その証拠にさっきまで黒かった左目が青くなっている

 

「そうですね。じゃあ図書館に行きます」

「じゃあ私についてきてください!」

「え?ちょ!こあさん引っ張らないでー!」

 

 こあが夢華の手を引っ張り図書館まで走っていく

 

「待ってください〜」

 

 早苗も急いで走っていく

 

「じゃあ私も行くわ」

「そうね。私も行こうかしら」

「珍しいわね。レミィが来るなんて」

「フランが暴れないか見るためよ」

「そう」

 

 パチェは短く返すと歩き出す。私もパチェについていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

「ここが大図書館ですよ!」

「大きい…」

 

 こあさんに引っ張られた先は大きな扉だった。

 

「この中が大図書館です!もっと大きいですよ!」

「やっと追いつきましたよ。早いですよ〜」

「すみません」

 

 少し遅れて早苗ちゃんが走って来る。室内は走ってはダメなんだけどね。僕も走ったから何も言わない

 

「失礼しま〜す」

 

 挨拶をしながら図書館に入る

 

「………」

 

 多分他の人が僕を見たら目が輝いているというと思う。これは凄い。見渡す限り本棚と本、中央あたりには長椅子と長机、あとは図書当番と人がいるような机と椅子がある。机にはたくさんの本がある。

 

「で、夢華くんはお酒に強くなる魔法でしたよね?」

「そうだよ」

「取って来るので椅子に座っていてください」

「ありがとう」

 

 こあさんが飛んで行った

 

「じゃあ座るか早苗ちゃん」

「そうですね」

 

 椅子に座ってからもう一度周りを見回す

 

「多いな〜」

「まあ外の世界ではこんなに大きい図書館なんてありませんよゆね」

「だね」

 

 早苗ちゃんと話しているとパチュリーさんとレミリアがこちらに歩いてきた

 

「あら?こあはどこにいるの?」

「本を取りに行ってくれましたよ」

「そう」

 

 パチュリーさんはゆっくりと歩いて僕の向かい側に座る。レミリアはパチュリーさんの隣

 

「夢華の魔導書見てみたいわ。少し貸して」

 

 レミリアが唐突に言ってくる

 

「私も気になるわね」

 

 パチュリーさんも便乗する

 

「良いよ。……はい」

 

 魔法陣から魔導書を取り出し、二人に渡す

 

「ありがとう…………パチェわかる?」

「凄いわね。初級魔法から上級魔法まであるわ。夢華が作ったの?」

 

 レミリアはわからないらしい。パチュリーさんはアリスと同じような反応をしている

 

「違うよ。僕のお母さんが作ったよ」

「貴方のお母さん凄い魔法使いでしょう?」

「う〜んどうかな〜。お母さんが魔法使ったことがあまりなかったし、あまり魔法に詳しくないからな〜」

「そうなのね。ていうか魔法のことあまり知らないのに覚えようとしたのね」

「まあ……頑張るよ」

「なら私と一緒にやりましょう?そうすればミスをすることは多分ないから」

「ありがとう!」

 

 パチュリーさんに魔法を教えてもらうことになった。その時にこあさんが本を持ってこちらに来た

 

「夢華くん持ってきましたよ〜あ、パチュリー様達も来ていたのですね」

「ありがとうこあさん」

「今から夢華に魔法教えるわ」

「じゃあ私は見ていますね!」

 

 それからパチュリーさんに色々教えてもらった。パチュリーさんの教え方が上手で分かりやすかった。あとは教えてもらったことを実行するだけ

 

「じゃあ夢華やってみて」

「うん」

 

 僕の魔導書の白紙のページを開いて魔法陣を書いていく。

 しばらくしてようやく魔法陣を書き終えた

 

「これで大丈夫かな?」

「えぇ大丈夫よ」

「やった!」

「夢華くん終わりましたか?」

「うん終わったよ」

 

 隣で静かにしていた早苗ちゃんに終わったことを教える

 テレッテレ〜

 上殊 夢華はお酒に強くなる魔法を覚えた▼

 

「他に覚えたい魔法とかある?」

「う〜んないかな〜僕は魔導書の他に何かないかみてくるよ」

「そう。何かあったら私かこあに言ってね」

「うん。わかったよ」

 

 僕は立ち上がり歩いていく。早苗ちゃんも一緒に

 

 しばらく本を見ていたらライトノベル…略してラノベがあった。

 

「えーと…禁書にシャナ、その他諸々…」

 

 なんで幻想郷にあるんだろう?幻想入りしたのかな?まあでも、全部読んであるからな〜新刊が幻想入りするのを待とうかな…

 

「ん?あそこは…」

 

 他の所を歩いていると結界だろうか?変な違和感がある

 

「中になんの本があるのかな?」

 

 その結界に触れようとした瞬間にバンッという音が響く。

 多分図書館の扉あたりかな?

 

「パチュリー!また本を借りに来たぜー」

「また来たわね!今日こそ本を返してもらうわよ!」

「やれるならばやってみろ!」

 

 この声は魔理沙かな。パチュリーさんとの会話からして魔理沙が本を借りに来たという名目で奪っているのかな?

 

「火符 アグニシャイン」

「魔符 ミルキーウェイ」

 

 パチュリーさんと魔理沙が周りに弾幕を張る。

 

「綺麗だな〜」

 

 弾幕ごっこはやるよりも見ている方が楽しい気がする。

 

「夢華くーん。危ないですよ」

「早苗ちゃんどうしたの?っておおっと」

 

 二人の弾幕がこちらまで飛んで来た。身をかがめ回避する。確かに危ない。

 

「ってたくさんくるね!早苗ちゃんこっちに来て」

 

 早苗ちゃんも入れて魔法陣で弾幕を防ぐ。

 

「ゴホッゴホッ!」

「ここまでだな!じゃあ本を借りてくぜー」

 

 パチュリーさんって嘆息持ちだったんだ。体調が悪いみたいだし急いで行かないと

 

「パチュリーさん大丈夫ですか?」

「えぇ薬を飲めば良くなるわ」

「おー夢華じゃないか!どうしたんだ?」

 

 パチュリーさんに近づき治癒魔法をかける。その時に魔理沙が放棄に乗りながら上から話しかけてきた

 

「お酒に強くなる魔法を覚えるたもに来たんだよ〜」

「あ…うん歓迎会の時は悪かったな…」

「良いよ〜気にしないで〜」

「そうか。せっかくここに来たんだ。弾幕ごっこやろうぜ!再戦だ!」

「………うん良いよ」

「なんだぜその間は」

 

 弾幕ごっこは見るものだと思う。まあ断る理由は納得しなさそうだしこのままだと魔理沙が本を盗みそうだし

 

「スペカの数は3枚まで、一回撃沈、もしくは全てのスペカをブレイクされたら負けで良いな?」

「良いよー」

 

 魔法陣に乗り、空中まで移動する。

 

「行くぜ!恋符 ノンディレクションレーザー」

「こっちも!氷炎 炎と氷の弾幕網」

 

 魔理沙から三方向+周りに弾幕を張る。対して僕は魔理沙の周りに網のように弾幕を張る

 

「前の同じじゃあ私には勝てないぜ〜」

「ん〜どうしようかな〜」

 

 魔理沙さんは余裕そうに避ける。僕もだけど。

 

「次は…」

 

 魔理沙が次のスペカを使おうとした時にドガンッという大音量とともに魔理沙の弾幕とは別の弾幕がこっちに飛んでくる

 

「よっと…危ない危ない」

 

 魔法陣の上でバックステップで回避する

 

「私も遊びに入れて」

 

 音がした方を見ると金髪で背はレミリアと同じくらい。背中から木のような翼?があり、翼?に宝石のようなものが垂れ下がっている目が紅くなっている女の子が立っていた

 




カリスマはブレイクするものです。皆さまはう〜☆するレミリアとカリスマ全開のレミリアどっちが好きですか?僕はどっちも好きです

次回はフランとのバトルです


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第11話 悪魔の妹vs炎を纏いし者

この話を編集中にUAが500を超えました!皆様のご愛読ありがとうございます!これからも東方現幻夢をお願いします!


 Side 夢華

 

「フ、フラン!?どうしたんだぜ!?」

 

 魔理沙が金髪の女の子のことをフランと言っている。どことなくレミリアに似ている気がする。髪の色と翼、服が違うくらいかな?

 

「フラン!」

「どうしたのお姉様?」

 

 下の方でレミリアがフランちゃんを呼ぶ。フランちゃんはレミリアの妹なんだ

 

「私はただ遊びたいだけだよ」

「じゃあ遊ぼうよ」

「え?」

 

 何故かレミリアが不思議そうな声を出す

 

「遊びたいんでしょ?だったら遊ぼうよ」

「良いの?じゃあ…」

「夢華逃げて!」

「え?」

 

 レミリアが叫ぶ。「なんで?」と問う前に--

 

殺し合い(あそび)ましょう?」

 

 そんな声が聞こえて、いつのまにかフランちゃんが目の前に居た

 そして僕のお腹にフランちゃんの腕が通っていた

 

 

 

 

 

 

 

 Side レミリア

 

 私の視界は一つのことに釘付けになっている。夢華がこちらを向こうとした時に妹のフラン(フランドール・スカーレット)が夢華のお腹を手で刺した

 

「夢華ーーーー!」

 

 気がついたら私は叫んでいた。フランは吸血鬼で夢華は人間。吸血鬼の攻撃は人間にはひとたまりもない。その証拠に夢華の体から血が噴水のように溢れ出ている

 

「咲夜!急いで夢華を永遠亭に連れて行って!」

「分かりましたお嬢様!」

 

 夢華は咲夜に任せておけば良い。永遠亭に連れて行けば問題ない。だからフランをどうしようか考える。

 咲夜が時を止めるその時–−−

 

「ねぇ腕抜いてくれない?痛いんだけど」

「「「「「え(は)?」」」」」

「今ので壊れないの〜お姉さん凄いね。壊しがいがある!」

 

 夢華は本当に人間か疑いたくなるようなことを言う。普通ならそのまま気絶するか、全力で抵抗するかだけれど夢華は冷静…いや、これが日常茶飯事みたいな言い方だ

 これを見た早苗、フランを除くみんなは驚いている。早苗に関しては、ため息をついている。

 フランは上機嫌だ

 

「とりあえずデコピンね〜」

「え?」

 

 夢華の呑気な一言にフランは抵抗できずにくらう。ゴンッ!という音が響く。そのまま夢華の体から腕が抜ける。今のデコピンを人間がくらったら最悪死ぬかもしれない一撃だ

 

「さて…あれ?治りが悪いな?どうしてだろう…傷口完治」

「傷の治りが遅い…これは誰かに妨害されている…?」

 

 隣でパチェが言う。確かに夢華の魔力の流れが少しおかしい。誰かに妨害されている。もしくは気がつかない内に体に負担がかかりすぎているのか…

 その時、かすかに気配を感じた。近くに誰かいる?そう思い気配がした方を見る。…が誰もいなく、気配は感じない。と同時に夢華の魔力の流れが元に戻る

 

「おいどうするんだぜ?このままフランは夢華に任せるか?」

 

 魔理沙がこちらに降りてきた。とは言え少し迷っている。今のフランを止められるのはできる…がここで夢華の本気も見てみたいと思いもある

 

「あ…離れますよ!ここにいると巻き込まれます!」

 

 急に早苗が叫ぶ。夢華の方を見ているのでそちらを向くと、耳に何か付けていた。

 

「夢華くん!やるなら外でやってください!ここでは本に被害が及びます!」

「了解〜じゃあフランちゃん。外で遊ぼうか」

「分かったよ。じゃあ行こうか」

 

 夢華とフランは図書館から出て外まで行く。猛スピードで

 

「パチュリーさん今から強力な結界を張ってください。そうしないと紅魔館にものすごい被害が及びます」

「それは耳に付けた物が理由?」

「そうです。あれはヘッドフォンといって本来は機械につなげて音を聞く物です。夢華くんはよくヘッドフォンを使っていました」

「もしかしてそのヘッドフォン?という物に細工かしら?」

「えぇ、あのヘッドフォンには夢華くんの能力を使えなくする、魔法を強化するものです」

「それじゃあ夢華が危ないじゃないか!最悪死ぬぞ!」

「夢華くんの魔力は能力が6、魔法に4の割合で使い分けています」

「どういう事です?」

「そういうことね」

 

 魔理沙とこあはまだ分かっていないような反応をする。けど、パチェと咲夜は分かったようね。

 

「では魔理沙さん。二つに分けていたもののうち、一つが無くなったらどうなりますか?」

「そりゃあもう一つに集中…そういうことか!」

「能力に回っていた魔力が魔法に回る。ということは魔法が最大まで強化されます。それにおの状態にならないと使えない魔法もあります」

「じゃあ咲夜と美鈴と戦った時は…」

「えぇ通常の半分もありませんでした」

「アレよりも強くなる…の?」

「そうです。早くしないと紅魔館が破壊されます」

「分かったわ」

 

 パチェは結界を張る準備をする。

 

「フラン…」

 

 私はフランの心配をする。咲夜と美鈴を半分以下の力で勝てる相手にフランが勝てないと思ったから

 

 

 

 

 Side フラン

 

 今私と紫髪のお姉さんと紅魔館の外にいる。美鈴は居なかった。恐らくお姉様達といるのだろう。天気は曇りだから外に出ても問題はない

 

「じゃあ何して遊ぶ?」

 

 お姉さんは気軽に話しかけてくる。さっきお腹を貫いた人物に話すような口ぶりではないはずなんだけど

 

「それは当然殺し合いだよ」

「え〜鬼ごっことかかくれんぼでしょ。普通〜」

「それじゃあつまらないよ。私は前まで地下にいたの。けど最近魔理沙が来てくれて地下から出てきた。みんなと遊べてとても楽しかった。けれどね?私は壊したいの。いろんなものを。人を、物を、自然を壊したい!だから!

 禁忌 レーヴァテイン」

 

 右手に紅い剣、レーヴァテインを出す。そしてそのまま振るう。

 

「壊れて!」

 

 炎と弾幕がお姉さんに向かう。

 

「よーと」

 

 お姉さんさんは弾幕を全て躱す。弾幕が地面に当たった瞬間に地面が抉られる。

 

「弾幕ごっこってなんだっけ?」

 

 お姉さんは青ざめている

 

「これは弾幕ごっこじゃなくて殺し合いだ…よ!」

 

 お姉さんさんとの距離を詰め、レーヴァテインを振るう。

 

「危な!」

 

 この攻撃も躱す。

 

「だったら!禁弾 スターボウブレイク!」

 

 至近距離から弾幕をばら撒く。

 

「近っ!」

 

 スターボウブレイクは何発か被弾するがダメージはあまり無さそうだ

 お姉さんは十メートルほど距離を置く

 

「フランちゃん本当に殺し合い以外やる気はないの?」

「さっきからそう言ってるじゃん」

 

 何度も聞いてくるお姉さん。私の言葉を聞くとはぁ〜とため息をつく。そして手に持っている本のページをパラパラとめくる。めくるのが終わるとお姉さんの前に魔法陣が現れ、お姉さんを通過する。

 

「殺し合いは無理だけど戦闘なら少しだけやってあげるよ」

 

 その言葉とともにお姉さんは炎を纏って現れた。

 

「行くよ。氷炎 炎と氷の弾幕網」

 

 お姉さんがスペルを唱えると私の周りに炎と氷が網みたくなり、迫ってくる。さっきの魔理沙との弾幕ごっこのときは炎と氷は同じくらいの大きさだったけれど今は炎の方が圧倒的に大きい。

 

「暑い…」

 

 躱しているが暑さで少しずつ体力がなくなっていく。しばらくしてスペルの時間切れになって弾幕が消えた

 

「お返しだよ!キュっとして…ドカーン!!」

 

 私は右手を前に出し、緊張の目を手に移動させる。そしてすぐに握り潰す。それと同時にお姉さんの体が木っ端微塵になる。遠くからお姉様達の悲鳴が聞こえる。

 

「やった!壊した!壊した!」

 

 やっと壊せた。けれどどこか虚しい。壊すという私の欲求を果たしたのに満たされない。

 しばらく右手を見ていた。

 その時、あることに気づく。さっき木っ端微塵になったお姉さんの本がパラパラとめくられる。そして本に火が一箇所に集まっていく

 

「嘘……」

 

 火が集まり、お姉さんの形を作っていく。

 

「いや〜すごい能力だね〜」

 

 何もないような調子で言う。信じられない。私はそう思う。人間は木っ端微塵になったら死ぬはずなのに…私の目の前に本を片手に笑っているお姉さんがいた

 

「どうなっているの?それがお姉さんの能力なの?」

「違うよ。今僕は能力が使えないよ」

「じゃあどうやって」

「魔法だよ。今の僕は炎を操る魔法に長けている状態なんだよ。今のこの状態を僕は【炎上モード】って言ってるよ」

 

 炎上モード…炎を操る魔法に長けている状態…ということは…

 

「じゃあ木っ端微塵になったときは…」

「炎上モードになると、腕が吹き飛んでも木っ端微塵になっても自動的に戻るようになっているんだよ」

「ありえない…」

「魔法はありえないを、『ありえる』にするものだってお母さんが言ってたよ」

 

 魔法はありえないをありえるにする…か…

 

「さて、こっちからも行くよ。炎魔法 火弾」

 

 魔法陣が現れ、そこから大量の火が飛んでくる

 

「甘いよ!」

 

 私は軽々避ける。通り過ぎていった火は消えずに遠くにあって止まっている

 

「お返しだよ!禁弾 カタディオプトリック!」

 

 大きな弾幕と、小さな弾幕を放つ。

 

「それそれ〜」

 

 お姉さんは私の弾幕を火で撃って消滅させて行く。大きな弾幕は数発当てないと消せないみたいだね

 

「炎魔法 火柱!」

 

 私の下に魔法陣が現れ、そこから火の柱みたいな攻撃が来る

 

「そんなのじゃあ私には当てられないよ!」

「まだまだ!」

 

 下だけではなく全方向から火柱が襲う。これは避けきれないと判断した私はレーヴァテインで一部を相殺して逃げる

 

「これならどうだ!禁忌 フォーオブアカインド!」

 

 スペルで私は四人に分身する。私達はお姉さんを囲むように動く

 

「禁忌 クランベリートラップ」「禁忌 カゴメカゴメ」「禁忌 恋の迷路」「QED 495年の波紋」

 

 それぞれが別々のスペルを使い、弾幕を放つ

 

「わ〜綺麗だな〜」

 

 お姉さんは私の弾幕を見て感嘆の声を上げる。しかしその間にも弾幕は迫る

 

「炎魔法 火炎弾」

 

 二つの魔法陣が現れ、さっきの魔法よりも強い火を撃つ。火と弾幕が相殺されていくが圧倒的にこちらの方が数で勝っている。

 

「あ…これヤバイ」

 

 お姉さんの火が私の弾幕が勝ち、そのままお姉さんを襲う。弾幕でお姉さんが見えなくなってすぐに弾幕が消えた。

 しかしそこにはお姉さんは居なかった

 

「あれ?どこにいったんだろう?」

「あそこにいる!」

 

 四人の私が辺りを見て、探すと少し離れた場所にお姉さんが立っていた

 

「あー危なかった〜。もう少しで被弾するところだったよ…」

「いつの間に」

「あ〜これ?あらかじめこの場所に魔法陣をセットしておいて、危なくなったらいつでもここに移動できるようにしたんだよ」

「もうなんでもありだね」

 

 いつ仕掛けたのか全くわからなかった。抜け目ない人だ。そして素直な感想である

 

「さて、もう終わらせようか」

「え〜まだフランは遊びたいーーー!」

「雨が降りそうだからね〜」

 

 そういうとお姉さんの周りに二枚の魔法陣が現れる

 

「炎魔法 吸炎」

 

 さっきの火の魔法で当たらなくてその場に残っていた火が魔法陣に集まって行く。当然、周りに撃っていたから後ろから火が私達に飛んでくる

 

「させない!」

 

 直感的に危険だと思い火を避けながら四人の私がレーヴァテインを振るう。炎をと弾幕が一緒に放たれるが炎はそのまま魔法陣に吸い込まれ、弾幕は防がれる。

 

「チャージ完了」

 

 お姉さんが呟くと一枚の魔法陣を前に出す

 

「火炎スパーク!」

 

 魔法陣からさっき集めた火がレーザーのようになって放たれる。

 

「うわー!」「キャアア!」「嘘ー!」

 

 分身が消滅する。

 

「最後だよ!」

「まだフランは負けてない!」

 

 そう言い、スペルを唱えようとするとポツポツと雨が降ってきた

 

「熱い熱い!」

 

 吸血鬼の弱点の一つが流水。吸血鬼は雨も弱点なのだ。

 

「急いで中に入ろう!」

 

 お姉さんはもう一つの魔法陣を私の上に移動させて雨を蒸発させる。下にいる私は暖かい空気が流れてくる

 そして二人で急いで紅魔館に入った。不思議とさっきの破壊衝動は無くなっていた

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

 やっぱり雨が降ってきたからフランちゃんと一緒に紅魔館に入る。玄関にはレミリア達全員が居た。咲夜さんからタオルを渡された。ヘッドフォンを取り髪を拭く。

 さっきいきなりフランちゃんが四人に分身した時天津飯かと思ったよ

 

「お疲れ様。ありがとうフランの相手をしてくれて」

「いいよ〜いいものが観れたし」

「いいものって?」

「フランちゃんの弾幕だよ。ものすごく綺麗だったよ!」

 

 あの弾幕は凄く綺麗だった。また観たいくらいだよ

 

「あの…」

「どうしたの?」

 

 フランちゃんが俯きながら話しかけてくる

 

「さっきは壊しちゃってごめんなさい」

「大丈夫だよ!この通り全然問題ないから!」

 

 その場で両腕を広げ動かす。

 

「次からは殺し合いじゃなくて弾幕ごっこや普通の遊びだったら喜んでやるよ」

「本当!?」

「うん!」

 

 僕の言葉で両目を光らせてこっちを見るフランちゃん。

 

「話はついたみたいだな。じゃあ私は帰るぜ〜じゃあな夢華〜」

「まあ少し待とうか魔理沙?」「どこへ行こうというのかね?」

 

 この場の雰囲気に紛れて帰ろうとする魔理沙の肩に僕とパチュリーさんの手がポンとおかれる。パチュリーさんどこの大佐だよ

 

「取り敢えず帰る前に本を返してもらおう(おこう)かしら(か)?」

「何のことだからわからないのぜ〜」

 

 パチュリーさんのセリフと同じようなことを言う。魔理沙は冷や汗を流す

 

「どさくさに紛れて本を盗もうとしているわね?」

「気づかれてるからね〜」

「逃げるのぜ!」

 

 魔理沙は箒に乗って逃げる。それを僕とパチュリーさんが追う

 

「楽しそう!フランも混ぜて混ぜて〜」

「フランもかよ!」

「今回は私が許すわ!みんな魔理沙を捕まえて今まで盗まれたパチェの本を取り返すのよ!」

 

 レミリアの言葉でさらにフランちゃんが楽しそうに魔理沙を追う

 

「妹様楽しそうですね」

「そうね。フランのあんな笑顔がまた観れてよかったわ」

 

 レミリアと咲夜さんは魔理沙を追うフランちゃんとパチュリーさんを観ながら言う

 その後パチュリーさんが喘息によりリタイアし、フランちゃんがそっちを向いた隙を見て魔理沙は逃走した




炎上モードはウィザードみたいなものです。他にもモードはありますが幻想郷巡りで出せるかどうか…
フランは夢華のことを男だと知って呼び方がお兄様になりました(見た目がレミリアに似ているとかで)


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第12話 不幸な調査

途中から三人称視点です


 Side夢華

 

 紅魔館の出来事から次の日の朝8時ごろ椛ちゃんが僕を訪ねてきた。

 

「おはようございます。夢華さん」

「おはよう椛ちゃん。調査頑張ろうね」

「はい。では行きましょう」

 

 昨日守矢神社に帰ってから神奈子さんに明日椛ちゃんと人里で起きた事(8話)の調査をやりたいらしい。

 椛ちゃんや天狗の人達の調査だと火薬の匂いがした。火薬の匂いは木で途切れているらしい。

 

「まずはその場所に行ってみましょう」

「そうだね。あっちだっけ?」

 

 今飛んでいる場所からだいたい西だった気がする

 風土君が襲われた場所に降りる

 

「さて…どうしようか」

「何がです?」

 

 僕が能力の事で考えていると椛ちゃんが問いかけてくる

 

「何で調べようかと思ってさ」

「???」

「痕跡をどうやって探ろうかって事だよ。あまり能力使いたくないからね」

「では手っ取り早くやるならば犯人ですが分からなければ火薬の事をお願いします」

「OK」

 

 やることは決まったね。まずは犯人だけど…過去を観よう

 

「過去詮索」

 

 魔法陣が目の前に現れる。

 

「うわっ…驚きました」

「あーゴメンゴメン。驚かすつもりは無かったんだけどね」

「それは何ですか?」

「今から過去を観るんだよ。この魔法陣に日にち、時間を…ほいほい。はい。これで2日前の妖怪の山の事を観れるよ」

「では失礼します」

 

 僕と椛ちゃんが魔法陣を観る。そこに映っていたのは………砂嵐のようなものだった。

 

「あれ?おかしいな故障?」

「これって機械なんですか?」

「違うよ…ん〜どうしてだろう?」

「何者かの妨害か、能力の不発ですかね?」

「能力の不発は今までなかったと思うから…妨害…というよりも証拠を消された…が正しいかな?」

「ではどうしますか?」

「そりゃあ証拠を消されたなら、消される前に居て、見ればいいんだよ」

 

 椛ちゃんが「え?」みたいな顔をする。

 

「この木だよね?」

「そうですが…どうするのですか?」

「そりゃあこうやるんだよ。時間操作」

 

 火薬の匂いがした場所だけ時間逆行する。その場所にはお互い干渉できない(やろうと思えばできる)

 

 火薬の匂いがした場所の時間だけ戻るその瞬間

 

「夢華さん!私達囲まれました!」

「え?あ…能力が…」

 

 時間操作はかなりの集中力が必要になるから椛ちゃんに言われて集中力が途切れてしまった。後でまたやらないと

 

「数は16匹です。どうしますか?」

「そうだね。この場所から離れるとその隙に過去とかの証拠を消されそうなんだよね」

 

 さてさてどうしようかな〜能力は…調査のためにとっておこう。となると魔法かな

 

「私が妖怪達の相手をします。その隙に…」

「あれも相手するの?」

 

 僕はその相手の方を指さす。指の先は巨人だった。

 大きさは三メートルくらいで、服は着てない。数は4体

 

「幻想郷に巨人って居るの?」

「どうでしょう。幻想郷ならば巨人くらい居ても不思議ではありませんが私は見たことがないですね。今初めて見ました」

「ということは…立体起動装置の出番かな〜」

 

 多分この巨人は進撃かな。放っておけば人里に行くのは分かりきってる。

 

「能力使わないといけないかな〜これは」

「出来れば能力の使用はしないでください」

「そうなると魔法で時間稼ぐから誰か呼んできて。出来れば神奈子さんか諏訪子さん」

 

 死亡フラグを建設しました〜。死亡フラグはへし折るもの!

 

「大丈夫ですか?」

「大丈夫だよ。もしかしたら近くに萃香ちゃんが居るかもしれないしさ」

「〜〜分かりました。死なないでくださいね!」

「大丈夫だ。問題ない」

 

 話しているうちに妖怪と巨人が僕達を包囲している。よく見たらあの妖怪前の奴(8話)だね

 

「僕が道を作るからそこを行って」

「分かりました!」

「炎魔法 火剣!」

 

 椛ちゃんが向いている方向に火の刀を放ち、妖怪と巨人に攻撃する。妖怪と巨人が回避する

 

「今だよ!」

 

 僕がいうのとほぼ同時に椛ちゃんが飛び出した。妖怪は何もすることができなかったが、巨人はすぐに反応し椛ちゃんを捕まえようと手を出す

 

「させないよ!」

 

 火の刀で巨人の手を刺す。「ウガアアアアアア」と手を抑える。椛ちゃんはもう遠くまで移動している。

 

「追わせないよ」

 

 椛ちゃんを追おうとしている巨人達の前に立ちふさがる(魔法陣の上に立っている)ように移動する。両手を前に出し魔法陣を出す。

 

「炎魔法 火炎弾!」

 

 魔法陣から炎が乱射され、妖怪と巨人を襲う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 椛

 

 私は守矢神社まで全力で飛んでいる。妖怪と巨人に囲まれている夢華さんのために早く応援を呼ばないと行けない

 

「早苗さん!神奈子さん!諏訪子さん!誰かいませんか!?」

 

 私は守矢神社の境内に降りる。そしてありったけの大声を出す

 

「どうしましたか!?」

 

 神社の中からドタバタと早苗さんが出てきた。神奈子さんと諏訪子さんは少し遅れて出て来る

 

「夢華さんが妖怪と巨人に囲まれて…しまいました!」

「夢華くんが!?でも夢華くんなら」

「いえ今は能力を調査のために使うと言って魔法だけで…」

「それってあれかい?」

 

 神奈子さんが指を指す。その先には巨人が火柱に飲み込まれている

 

「そうです!まだ敵の応援が来るかもしれません」

「分かりました。すぐに向います」

 

 早苗さん達と夢華さんの元へ向かう。どうかご無事で

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

 椛ちゃんが飛んでいってしばらく経つ。現在巨人を燃やしている

 

「どうしようかな…もう能力使わないときついかな…炎上モード地味に疲れるからな〜」

 

 現在飛んでいるから狼の妖怪は下で吠えている。

 

「巨人どうしようかな…やっぱうなじ斬らないとかな」

 

 本当にどうしよう。これ以上火力上げたら妖怪の山の被害と証拠とかいろいろ

 

「仕方がない。うなじ斬ろうか………な?」

 

 巨人が四方から迫って来た。まあ上昇すれば回避できるから良いんだけど…

 急に巨人が全員その場で転んだ

 

「え?」

 

 4体一斉に転んだ。当然巨人が転んでら土とかが捲き上る。その中心には僕がいる。

 

「ちょっ…!」

 

 その土とかに巻き込まれる。

 

「うわ!え?まさか言わないと?あれ言わないと?」

 

 急なことでどうする事もなく吹き飛ばされる。空中を回転しいるからどっちが上か全くわからない。ギャグ漫画みたいに地面を転がっていく。ゴン!という音とともに止まる

 

「やっと止まった…ってマジかーーー!」

 

 どうやら木にぶつかったみたいだ。背中をおもいっきり打って痛い。そしてその木で待っていたのは狼の妖怪達だった

 

「厄符 バットフュージョン!」

 

 横から弾幕が飛んできて妖怪に当たる。ついでに僕にも…ヤバイ気絶しそう…

 

「夢華君大丈夫!?」

「大丈夫です。雛さん」

 

 横から駆け寄ってきたのは厄神の鍵山 雛(かぎやま ひな)さん。能力で【厄をため込む程度の能力】を持っており厄払いで払われた厄を溜め込んでいる。雛さんの近くに居ると厄がこちらに取り憑くので不幸になる。この近くに居たってことは巨人に厄が取り憑いたのかな?だから転んだのか。そしてその近くに居た僕にもと…

 因みに妖怪の山の人(?)達とは萃香ちゃんを倒してからすぐに知り合った

 妖怪達は雛さんの弾幕で気絶している。だから残るのは

 

「巨人だけど…また転んでる」

 

 恐るべし雛さん。

 

「取り敢えず離れましょう」

「そうね」

 

 雛さんの手を取りその場を離れる。これほどの不幸が起こればさすがにもう無いよね…

 

「急な浮遊感…あ(察し)」

 

 後ろでドゴーン!みたいな音が響いた。巨人がまた転んだのかな?そのせいで地面が割れた。今は能力、魔法陣を使っていないから…

 

「落ちたーーーー!」

 

 当然落ちる。雛さんも一緒に

 

「雛さんちゃんと捕まっていて!」

「え?あ…」

 

 魔法陣をすぐに下に展開して、魔法陣を踏み、即刻脱出

 

「あ…危なかった」

 

 下を見ると巨人が穴に落ちている。これなら大丈夫だね。

 

「ちゃくt…」

 

 地面に足をつけた瞬間に石が何故かものすごく滑るようになっていたらしい。ド派手に転んだ。やっぱり言わないとか…

 

「不幸だ……」

「えっと大丈夫?」

「大丈夫だけど…これ調査無理だね。滅茶苦茶だ」

 

 すぐに立ち上がって周りを見渡す。木々は折れたり倒れたり、地面は割れたり穴ができていたりしている。もう調査は無理だね

 

「あ〜どうしよう。戻そうかな」

「夢華さん大丈夫ですか?」

 

 丁度その時椛ちゃんと早苗ちゃん、神奈子さん、諏訪子さんが来た

 

「見ての通り僕は大丈夫だけど調査は無理かな」

「えっと…何があったのですか?」

 

 早苗ちゃんが聞いてくる。僕はありのままさっき起こったことを話す

 

「何というか…ドンマイとしか言えないな…」

「右に同じく」

「調査は無理でしょうね。夢華さんが能力使えば何とかなりますか?」

「地形のことは何とかなるけど調査の方は多分消されただろうね」

「そうですか。ではご協力ありがとうございます」

「どういたしまして。じゃあ僕は帰ろうかな」

「待って」

 

 立ち上がり帰ろうとすると雛さんに呼び止められた

 

「その…ごめんなさい」

「いえ…雛さんが近くに居てくれたから巨人と妖怪を撃退できたので謝る必要はありませんよ」

「そう。分かったわ。もう厄は無いからこれ以上不幸な目にあうことはないわよ」

「そうですか。さようなら」

 

 僕達は飛び立ち守矢神社に帰る

 

「巨人はどうなったんだろう。そのまま生き埋めなのかな?」

 

 気になり巨人が落ちた穴を見るが巨人は居なかった

 

「夢華くんどうしましたか?」

「巨人がどうなったのか気になったんだけどね。居なかったよ」

「そうですか。巨人って進撃でしたか?」

「多分そうなんじゃないかな?早苗ちゃん達はこれが出来る人の心当たりとかある?」

「紫さんですかね?」

「紫としか」

「紫か紫と同じような能力を持っている人じゃないかな?」

「となると厄介ですね」

「ですね」

 

 そんな会話をしながら守矢神社に帰る。後で紫さんに聞いとかないとね

 

 

 

 

 

 

 

 

 ある場所

 

「あははははははははは!何あれ面白すぎる!」

 

 その空間で先ほどまで夢華達に起こった悲劇を観てお腹を抱えて笑っていた

 

「ふふふ…あはははは。それにしてもあの子が面白いな」

「いつまで笑っているんだよ。で、ちゃんと過去まで証拠を消したのか?」

「ちゃんと消したよ。まあその為に巨人送ったんだけどね。まあいい奴らだったよ」

 

 やっと笑い終わった黒髪の青年は紺色の髪の少年に言う

 

「証拠を消したならこっちに来てくれ。また暴走している」

「また?落ち着いてくれないと俺過労死しそうなんだけど」

 

 黒髪の青年がため息をつきながら言う。さっきまで笑っていたのが嘘みたいに気だるく歩き出す

 

「で、烈っさんはどうなの?」

「まだかかるらしい。それまでに俺たちのことを気付かれるなよ」

「了解〜(バレかけていたんだけどね)」

 

 遠くから「誰か俺と戦えーーーーー!」という叫び声が聞こえる

 

「早く行かないとここ破壊されそうだな〜」

「アイツは危険人物だからな」

「そんなこと言ったらあんたもでしょ」

 

 黒髪の青年は皮肉げに言うが紺色の髪の少年は何も返さずに歩き出す

 黒髪の青年はもう一度だけ妖怪の山の方を見ると口元を押さえて笑いをこらえる

 

「今日のあの子は不幸なのかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

「もう一回見てみようかな」

 

 さっきの事が気になったから昼食を食べたら不幸な目にあった場所へと戻る。そこには青い帽子、青い服、背中にリュックを背負った河童の河城(かわしろ)にとりさんが居た

 

「にとり何やってるの?」

「おや盟友かい。さっきものすごい音が何度もしたからさ気になって来てみたんだよ。何が発明の手がかりがあるかもしれないからさ」

 

 にとりは機械系が大好きで造っていたりしている。一度見てみたことがあるけど失敗しているものが多いらしく機械の残骸が散らばっていた

 

「それは僕と巨人がやったんだよ。ものすごい不幸で」

「不幸ってことは雛か」

「そうだね。さっきはかなり焦ったよ」

 

 二人で「あははは〜」と笑っていると噂をすれば何とやら、雛さんがやってきた

 

「どうしたんです?こんなところに来て」

「ハンカチを落としちゃって探しているの」

「そうですか」

「それなら私の発明品が役に立つ!」

 

 にとりはバーン!と効果音が出そうな勢いでアンテナが付いた機械を出した

 

「名付けて『探索落物』!落としたものを探す機械さ!」

「おお〜!じゃあ早速!」

「スイッチオン!」

 

 にとりが黄色いボタンを押すとアンテナが回り出した

 

「あれが止まったらその方にある!」

「凄い!」

 

 僕達二人でテンションが上がっていると機械から煙とともにシュ〜と音が…まさかこれって

 

 その時『探索落物』が爆発した。周りの木々が爆風で揺れる

 

「えっと大丈夫?」

「問題ないさ。私は慣れているから」

「私も…」

 

 僕達は立ち上がると雛さんの頭にハンカチが落ちる

 

「これよ!あったわ」

「良かった良かった」

「これも私の発明品のおかげだね」

「爆発しなくて見つかれば良かったんだけどね」

 

 それから二人と別れて僕は博麗神社を目指す

 




次回は博麗神社に行きます。幻想郷巡りがとても長くなりそうです


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第13話 博麗の巫女と弾幕ごっこ

編集中に感想をいただきました。ありがとうございます!
前回 不幸な目に遭った夢華。それを見ていた青年。今回は題名通りです
では本編へどうぞ


 Side 夢華

 

 現在、先ほどの不幸な出来事から約10分。少しスピードを落として飛行している。というか

 

「博麗神社ってこの方向であってるよね?」

 

 若干迷っていた。でもこういう時にはあの人に聞けば方向は絶対にわかるよね

 

「文さん。博麗神社の方向はこっちであってますよね?」

「あやややや〜バレてますか〜」

 

 下の木の陰からカメラを片手に文さんが出て来た。毎日のように気配を感じるんだけど…

 

「博麗神社はこの方向であってますよ。博麗神社にはどのようなご用件で?」

「紫さんは博麗神社に居ると思ってね」

「ん〜紫さんは神出鬼没なんですよね…霊夢さんに頼めば良いと思いますよ」

「ありがとうございます」

 

 ゆっくり飛行しながら博麗神社に向かう。当然のように文さんが付いてくる

 

 それから10分くらいで目的地の博麗神社に着いた。

 

「久しぶり…と言ってもだいたい3日ぶりかな?」

「霊夢さーん!居ますかー?」

 

 文さんが霊夢さんを呼ぶ。本当は僕がやらなきゃいけないんだけどね。助かりました

 文さんの言葉の後に神社の中から音も無く襖が開いた

 

「どうしたのだー?」

 

 何故かルーミアちゃんが出てきた。なんで?

 

「え…と、ルーミアちゃんなんで博麗神社に居るの?」

「夢華久しぶりなのだー。今霊夢は人里に買い物に行ったのだー」

「久しぶり。そうなんだ。それまで待とうかな」

「お茶を出すのだー」

 

 そう言ってルーミアちゃんは神社の中に入っていった。僕と文さんは縁側に座る

 

「ところで夢華さんは具体的に紫さんにどのようなご用なんですか?」

「2日前に人里の子供が妖怪の山に入った事件ありましたよね」

「ありましたね。椛が不思議がっていましたよ。どうやって私の監視を逃れてあそこまでこれなのか。と」

 

 確かに言っていた気がする。椛ちゃん苦労人だね

 

「それでさっきどこからか巨人が4体出てきたんですよ。椛ちゃんから巨人は幻想郷には居ないみたいですし…」

 

 萃香ちゃんは能力でどうにかできるみたいだけどね

 

「確かに私も長く幻想郷に居ますが巨人は見たことがありませんね」

「その巨人が外の世界でマンガで登場するキャラだったんだよ」

「ということはその世界から幻想郷に送ることができる人物ということですね」

 

 文さんがどんどん行っていく

 

「そうです。それでそのようなことができる人物を早苗ちゃんたちに聞いたら紫さんと言ったので。まあ紫さんがその巨人とかを送る理由が無いと思うので紫さんが犯人ではないと思っていますが」

「お待たせなのだー」

 

 と、僕が言い終わるのと同時にルーミアちゃんがお茶を持ってきてくれた。この感じだと博麗神社のものの位置がどこに何があるかわかっていそうだな

 

「なんの話をしていたのだー?」

「2日前に人里の子供が妖怪の山に行った事件あったでしょ?その話だよ」

「そうなのかー」

「そーなのだー」

 

 それからルーミアちゃんと談笑をする

 

「霊夢が来たのだー」

 

 ルーミアちゃんが気づく。

 

「あら夢華久しぶりね。どうしたの?」

「久しぶり霊夢。今日は紫さんに会いたいんだよ。でもどこに居るか分からないから霊夢なら知ってるかなと」

「紫?あいつだったら…」

「あら呼んだ?」

 

 霊夢が何かを言い終わる前に目の前にスキマ(と呼ばれる空間?)から紫さんが出てきた

 

「さっきからそこに居たのですか?」

「えぇ居たわよ」

 

 全く分からなかった…紫さんの【境界を操る程度の能力】便利だな〜

 

「じゃあ分かりますよね。心当たりありますか?」

「私が犯人じゃないと思ってくれるのはありがたいわね。霊夢なんてすぐに私を疑ったわよ」

「そりゃあ人里から妖怪の山までの移動なんてアンタぐらいじゃない」

「そうなのよねぇ。私には心当たりないわ」

「そうですか…」

 

 本当にどうしよう。紫さんなら知っていると思ったのになぁ

 

「この話はここまでにして。霊夢、夢華と弾幕ごっこやりなさい」

「「え(は)?」」

 

 僕と霊夢が同時に言った。なにを言っているんだこの人は

 

「なんで夢華と弾幕ごっこやらなきゃいけないわけ!?」

「話を聞きにきただけなのに」

「これはスクープですよ!」

「見てみたいのだー」

「霊夢と夢華の弾幕ごっこ観たい人〜」

 

 紫さんの言葉で「はーい(なのだー)」と文さんとルーミアちゃんが手を挙げた。3対2になってしまった。

 

「ウソダドンドコドーン」

 

 雪山で長袖パーカーで言いたい

 

「なんで夢華と弾幕ごっこなのよ!」

「夢華は弾幕ごっこ初心者だしいいじゃない。魔理沙たおしたのよ」

「魔理沙に勝てるなら初心者じゃないわよ!」

「でも回数的には一回なんだよね」

 

 魔理沙の時(6話)だけなんだよね。やったの

 

「霊夢いいじゃない。夢華の実力が分かるわよ」

「分かってるわよ!魔理沙を弾幕ごっこで勝って、美鈴と咲夜相手に圧勝、フランには能力を使わずに勝っているのよ。強いどころじゃないわよ」

「だからこそ霊夢との弾幕ごっこを見たいのよ」

 

 話し合いが終わらない。僕はさっき爆発に巻き込まれたからやりたくない

 

「なんだったら今からアンタを退治するわよ!」

「キャー助けて夢華ー」

「嫌です」

 

 慈悲なんて無い。そして二人は僕と文さん、ルーミアちゃんを置いて話し合った。

 

「で、結局霊夢は夢華に負けるのが怖いの?」

「は?なに言ってるのよ」

「霊夢は幻想郷最強だもんね〜最強の座を取られるかもしれないわね〜」

「ぐ…ムカつく。分かったわよ!やればいいんでしょ!やれば!」

「というわけで頑張ってね〜」

「拒否権は?」

「無いわよ」

 

 この流れ嫌だ…いつのまにか紫さんは縁側に座っている。

 

「行くわよ!」

「頑張りますかー(諦め)」

 

 はっきり言ってやりたくない。拒否権がないから仕方がない

 僕と霊夢は空中に飛ぶ。僕の場合は魔法陣の上に立っているが正しいけど

 

「ルールはスペカの使用枚数は無制限、一回撃沈したら負けよ。では」

 

「「「よーい、始め(なのだー)」」」

 

 見学組の三人が開始の合図をする。と同時に弾幕を展開する

 

「はっ!」

「そいっと」

 

 霊夢はお札を投げる。それを横に跳び回避する(魔法陣の上で移動)。

 

「甘いわよ!」

「え?うわっ!」

 

 さっきのお札がUターンした。

 

「追尾機能付き?」

 

 そのお札を横に大きく動き回避する。しかしまだそのお札は追尾してくる

 

「仕方ない」

 

 火の弾幕で打ち消す

 

「次よ!霊符 夢想封印!」

 

 霊夢がスペカを唱えると周りに色とりみどりの弾幕が現れ、飛んでくる

 

「これは相殺しないどやばいかな〜。氷炎 炎と氷の弾幕網」

 

 夢想封印と霊夢を囲むように炎と氷が網みたくなるように展開する。夢想封印と網が当たり、夢想封印の弾幕が4個炸裂し、残りが迫ってくるがそれほど回避は難しくないので避ける

 

「やるじゃない」

「それはどうも」

 

 霊夢も囲んでいた網をかけ終わったみたいだ。そして僕と霊夢は動きながら弾幕を放ち続ける。お互いスペカのタイミングを図っているのだろう

 

 このままでは終わらないからこっちから動いた。

 

「疾符 疾風迅雷!」

 

 霊夢の周りにたくさんの魔法陣を展開する。今乗っている魔法陣から別の魔法陣まで移動する。その魔法陣を踏み台にまた別の魔法陣まで移動するを繰り返す(加速付き)。魔法陣からは小さな弾幕がばらまかれる

 

「何これ!?」

 

 霊夢が何とか避けている

 

「チッ!夢符 二重結界!」

 

 霊夢が結界を張る。結界に弾幕が当たるも割ることができない

 

「そこっ!」

「うわっ!」

 

 危なかった。もう少しで霊夢のお札に当たるところだった(お札は弾幕で打ち消し済み)。この速度で軌道を読んで攻撃するなんて凄いな

 それからしばらく同じことを繰り返し、時間切れになる

 

「危なかった。凄いね!あの速度で狙って攻撃するなんて」

「博麗の巫女をなめないで!これくらいの事なんて当たり前よ!」

 

 疾風迅雷では無理なのか…じゃあ

 

「風雷 落雷と竜巻の二重災害」

「こっちも!霊符 夢想封印 散」

 

 霊夢の十字の位置に四つの竜巻が発生、竜巻からは弾幕が飛んでいき、霊夢に向かって行く。上空には魔法陣が展開され雷型の弾幕が落ちる。

 霊夢の夢想封印 散は色とりどりの弾幕が現れ、竜巻に当たる。当たった瞬間に炸裂し、中から弾幕が出てくる。しかしそれでも竜巻を消すことはできなかった

 

「嘘!?打ち消せないなんて!なんて威力よ!」

 

 文句を言いながら弾幕を避け続ける

 

「〜時間切れ…早いな〜」

「油断大敵よ!霊符 夢想封印 集!」

 

 次は色とりどりの弾幕が一点に集中して襲いかかる

 

「次は集中型か…」

 

 一点に集中した弾幕を高度を上げ避ける

 

「お返し!」

 

 右手に炎の刀を作る

 

「翔符 飛翔斬撃」

 

 そのまま真横に振るう。炎を纏った斬撃が霊夢に向かって飛んで行く

 

「甘いわよ!」

 

 霊夢は少し後ろに下がり回避する

 

「これで終わらせる!夢想天生!」

 

 霊夢が大量の弾幕を放つ。

 

「この量はヤバイ」

 

 全て避けられないほど弾幕…どうしよう

 

「仕方がない…破砲 破壊光線!」

 

 目の前に魔法陣を展開させ、そこから高出力のレーザーが霊夢に向かって行く。周りの弾幕を打ち消しながら霊夢を通過する

 

「勝ったかな?」

 

 しかしまだ弾幕が飛んで来る

 

「嘘!結界 五重結界!」

 

 結界を展開する。しかしそれでも弾幕の数が多くすぐに結界を破壊する

 

「さっきの破壊光線は直撃したはず…なのにまだ終わってない。ということは無敵状態?」

 

 もしそうだったら時間切れを狙うしかない…か。魔法陣からヘッドフォンを取り出す

 

「だったら【炎上モード】しかないでしょ」

 

 ヘッドフォンを装着する。その瞬間に炎を纏う

 

「炎魔法 爆熱大車輪!」

 

 直径五メートル程の炎の車輪を10個作る。上に3個、霊夢に3個、周りに4個投げた。車輪が弾幕に当たった瞬間に大爆発が起こる。爆発で大体の弾幕を燃やした

 

「まだよ!」

 

 弾幕が燃えてもまだ夢想天生は終わっていない。大量の弾幕が追加される

 

「甘いよ」

 

 上に車輪を投げた時にフランちゃんの時みたいに移動用の魔法陣を設置していた。すぐにそこへ移動する。さっきまで僕がいた場所には弾幕が飛んでいた。あそこにいたら負けていたかも

 

「炎魔法 爆炎ガトリング!」

 

 上空に直径五十メートル程の魔法陣を展開する。さらに魔法陣からガトリング砲並みに炎の弾幕が霊夢に降り注ぐ。霊夢の弾幕にぶつかりほぼ燃やした

 

「このタイミングで!」

 

 たった今夢想天生が終わった。

 

「クッ!」

 

 霊夢はなんとか避けながら弾幕を放つが炎に包まれる

 

「炎魔法 吸炎!」

 

 ガトリングをやめ、周りにある炎を上空の魔法陣に集める。そして霊夢と僕のあいだに一直線にいくつもの魔法陣をセットする。さらに霊夢と僕を包み込むように炎を操る。

 

「来なさい!」

 

 霊夢が叫ぶのと同時に炎が集まった。

 

「これで決まりだ!炎魔法 炎竜の息吹!」

 

 上空の魔法陣から竜の頭が出て、巨大な炎の球を放つ。炎の球は僕を包み込み、そのまま右脚を前に出し、左脚を右膝の横にあて、魔法陣を通過して行く

 

「神技 八方鬼縛陣!」

 

 霊夢の大量の弾幕が僕に殺到する

 

「せいやーーーーーーーーーーー!」

「はあああああああああああああ!」

 

 霊夢の弾幕と僕の蹴りが拮抗する。少しでも気を緩めたら押し負ける。

 

「炎魔法 爆炎ブースト!」

 

 背中に炎の爆発を起こしさらに加速する。そして霊夢の弾幕を通過する

 

「かかった!」

 

 霊夢は予期していたのかすぐに横に移動し、蹴りを回避する

 

「詰めが甘い!」

 

 僕は霊夢が何となく避けるだろうと思い、霊夢のいた位置に魔法陣をセットしておいた。ヘッドフォンを外し、セットしておいた魔法陣を踏み霊夢に向かって跳ぶ

 

「符の壱 夢想妙珠連!」「打撃 一発入魂!」

 

 魔力が纏った僕の拳と、霊夢のスペカがほぼ同時に当たる。そのまま二人してピチューンという音が鳴った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 文

 

 夢華さんと霊夢さんの弾幕ごっこが引き分けという結果で終わった

 

「終了ね」

 

 隣に座っている紫さんが呟くと落下している二人がスキマに入る。紫さんに霊夢さん、私に夢華さんが降ってくる

 

「ちょっ!何でいきなり」

「二人共疲れているのよ?休ませてあげないとね。ルーミア二つほど布団敷いといて」

「分かったのだー」

 

 紫さんの妖艶な笑みに納得した。夢華さんは不幸な出来事&爆破オチで(恐らく回復魔法で治していると思うが)本当は傷だらけで疲れているのだ。その状態で霊夢さんと引き分けとは…

 

「しかしこの魔力どこかで感じた…いや、見たことがある?」

やっぱり忘れているのね( )

「どうしまいました?」

「いえ、何でもないわよ」

 

 忘れている?何をだろう。

 

「敷いたのだー」

「ありがとう。じゃあ二人を運ぶわよ」

「分かりました」

 

 私達は二人を運ぶ。夢華さんを持ち上げるが…

 

「軽すぎる」

 

 私は妖怪だから人間基準で重たいものでも普通に持てるが、夢華さんは軽すぎる。綿みたいだ。

 

「さて、二人を寝かしたし、『上殊』という姓を思い出す…いや調べれば忘れていることも思い出せるかもね」

「上殊…夢華さんの姓ですね。分かりました」

「じゃあ私は帰るから二人のことお願いね〜」

 

 それだけ言うと紫さんはスキマの中に入っていった

 

「上殊……あれ?本当に聞いたことが…ある?」

 

 ふと、無意識のうちに寝息を立てている夢華さんを見る。紫髪で青い瞳…レ…

 

「二人が起きるまで暇なのだー」

 

 何かを思い出す寸前でルーミアさんが声をかけてくる。そのせいで忘れてしまった

 

「そうですね。私はこの事を明日の記事にしますからまとめておこうかと思います」

「そーなのかー」

 

 忘れてしまった事はまた後で思い出そう。

 もう一度夢華さんの方を見る。

 

「記念に一枚撮っておきますか」

 

 パシャリと二人の寝顔を写真に収める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 紫

 

 二人を文に任せてスキマに入る

 

「まさか霊夢相手に引き分けるとはね。やっぱり貴女の子供ね。面影もあるし」

「お帰りなさいませ紫様」

「ただいま藍」

 

 私を出迎えたのは式神の八雲 藍(やくも らん)。私の従者だ。とても頼りになるしっかり者。

 

「夢華と言いましたか。彼は本当に人間なのですか?」

「えぇ人間よ。あの魔力量は凄まじいけどね」

「あの弾幕ごっこ本気出していたのでしょうか」

「それは分からないわ」

 

 彼が理性を保って能力を使っている事が救いね。普通あんな量の魔力と、強力すぎる能力を持っていたら理性なんて保てなくて暴走しているかもしれない。これは彼の性格のおかげか、それとも

 

「あなたのおかげかしらね。レイア」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 次の日の文々。新聞では夢華と霊夢の弾幕ごっこが記事になっていた。記事の内容は

 

 手負いの上殊 夢華と博麗 霊夢、弾幕ごっこで引き分け!?

 博麗 霊夢『夢想天生』を使うも【炎上モード】の上殊 夢華によりブレイクされ炎に包まれる!(写真あり)その後、炎の中で何が起こったのかは分からないが炎が消えた時には弾幕ごっこは終わっていた。本人達曰く「八方鬼縛陣…だっけ?あれを突破した時に【炎上モード】を解除してスペカ使ったんだけど霊夢も同じ瞬間に発動したみたいで相打ちになった」と、言っている。弾幕ごっこが終わると二人は気絶してしまった。寝顔写真あり

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

「写真撮られたのか。まあ良いけど」

 

 僕は神奈子さんが持っていた文々。新聞を貸してもらい読んでいた。

 手負い?あーにとりの爆発の事かな?あれだったら回復魔法使ってたからあまり問題なかったんだけどね

 と、そんな事を思っていると外から霊夢の怒声と文さんの悲鳴、その後ピチューンと音が鳴る

 

「まあ自業自得…かな」

 

 新聞を畳み神奈子さんに返す

 

「できれば爆発にはもう巻き込まれたくないな〜」




霊夢とは引き分けで終わりました。何となく引き分けも良いなと思ったのでこうなりました
レイアとは後々分かります


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第14話 白玉楼

今回は前回、夢華が新聞を読んだ日と同じで、前回は8時でした


 Side 夢華

 

 霊夢との弾幕ごっこの次の日の午前10時、僕は大図書館で借りた本を縁側で読んでいた。ジャンルはミステリー。本を読んでいたらいきなりスキマが目の前に開き紫さんが顔を出した

 

「こんにちは夢華。昨日ぶりね」

「………こんにちは」

 

 いきなりの事なので挨拶が遅れてしまった

 

「どうしました?」

「私の親友が貴方に会いたいらしいから連れて行くわ」

「唐突ですね」

 

 マイペースな人だな〜

 

「じゃ行ってらっしゃい」

「え?」

 

 紫さんの言葉とともに下にスキマが開く。

 

「うわあ。またかよ」

 

 そのまま重力に従い落ちていく

 

 スキマから落下したけど魔法陣を展開して上に乗っている。僕は取り敢えず下を見る前にあることに気づいた

 

「肌寒い?」

 

 今の季節は夏。夏なのに肌寒いくらいの気温だ。それに

 

「大きい木だな〜」

 

 視線(まっすぐ)の先には夏なのに枯れて葉が全く無い巨木があった。枝の周りに白い…なんだろう…分からないけど表現するなら魂みたいな物体?があった

 

「降りないとね」

 

 この事は考えても分からないので紫さんに聞いてみよう。で、下を見たら立派なお屋敷が建っていた。二階などがなく、池や橋、庭など和風というか昔の貴族の人達が居そうだ。お屋敷の周りには塀がある。塀の外側には木と魂みたいな物体?が浮いていたりしている

 

「これ不法侵入だよね。どうしよう…一回出てから入ったほうがいいよね?」

 

 まだ庭には降りていないから門みたいなところまで行こう。こんなところを見られたらここに住んでいる人に勘違いされそうだし…

 そう思い門のところまで移動した。

 

(門番?…なのかな?)

 

 門の上を通過する寸前で門の下を見たら白髪でカチューシャをつけて、刀を二刀ほど持っている女の子がいる。しかも木の周りに浮いていた魂?みたいなものがいる

 

 何となく門の上の場所に音を立てずに静かに着地する。

 

(どうしよう。このまま降りたら疑われる…だからといってこのままの状態でいるとお屋敷の中に居る人に見られる)

 

 降りて事情を説明しようかな、と考えていると

 

「気配!誰!?」

「あ…」

 

 いきなりこちらに顔を上げた。

 

「あ…あの〜えっと…こんにちは」

「侵入者!」

 

 女の子は門の上まで跳び着地してからゆっくりと刀を構える。背は僕と同じくらい

 

「は…話をしましょう?」

「せいっ!」

「よっと。話聞いてくれない」

 

 どうしよう。とにかく誤解をとかないと。

 

「僕は紫さんのスキマに落ちて来たからね?これは不可抗力だよ」

「なっ!紫様を言い訳に使うとは…貴女はこの、白玉楼の庭師魂魄 妖夢(こんぱく ようむ)が成敗します!」

「神様助けて…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 早苗

 

「ハッ…誰かが助けを求めている!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

 もうヤダ…本気で誰か助けて。絶対紫さんこの状況観て笑っている!

 

「はあ!」

「やるしかないのか…」

 

 妖夢ちゃんが斬りかかる。バックスップで距離を取り避ける。すぐに魔法陣から魔導書を取り出し、火のページを開く。

 

「炎魔法 火弾」

「遅い!」

 

 魔法陣を展開してから撃つまでの間に距離を詰められる。早すぎるでしょ。もしかしたら文さんよりも早いとか…

 

「く…」

 

 真横に振るわれた斬撃をしゃがむ。頭の上では刀が通過した音がする

 しゃがんでいてさらにたった今妖夢ちゃんの攻撃を避けている今がチャンス

 すぐに氷のページにする

 

「氷魔法 氷結世界」

 

 魔法を使った瞬間に僕と妖夢ちゃんの周りが凍る。話を落ち着いて聞いてもらうために妖夢ちゃんを腰のところまで凍らせた。これで身動きは取れないはず

 

「なっ…凍った?」

「お願いです落ち着いて話を聞いて下さいお願いします」

 

 一応刀を振るわれても避けられる位置に移動し、お願いする

 その時お屋敷の襖が開く。

 

「妖夢その子は今日来るお客様よ」

「幽々子様…え?という事はこの人が夢華さんですか?」

「あ…はい僕は夢華です」

 

 妖夢ちゃんが幽々子という人?の言葉で落ち着いてくれた。

 

「中に入ってちょうだい」

「はい。あ、妖夢ちゃん魔法陣の下にしばらくいてね」

 

 氷結世界をやめ、氷が溶ける。炎のページにして妖夢ちゃんの頭の上に暖気を出す魔法陣を展開する。

 幽々子さん?はもう中に入っている

 

「お邪魔しま〜す」

 

 玄関から靴を脱いで入る。妖夢ちゃんも

 

「こちらです」

 

 妖夢ちゃんが先に歩いているのでその後を追う

 

「ここです。私はお茶の用意をして来ますのでごゆっくり。あ、魔法陣はもういいです。ありがとうございました」

「うん。ありがとう」

 

 部屋の前で止まり妖夢ちゃんはどこかへ行った。僕は目の前の襖を開ける

 

「いらっしゃ〜い」

 

 襖を開けた瞬間に幽々子さんが陽気な声で言う。丁度正面に座っている

 

「僕のことは知っていると思いますが自己紹介します。上殊 夢華です。よろしくお願いします」

「私はここ、白玉楼の主人をやっているわ。西行寺 幽々子(さいぎょうじ ゆゆこ)よ。気軽に幽々ちゃんでいいわよ」

 

 幽々子さんを幽々ちゃんとは言えない。なんか嫌だ。だから幽々さんにしよう

 

「で、幽々さん…「幽々ちゃん…」幽々さんは僕に何の用ですか?」

「そうね〜妖夢ちゃんが来てからにしましょうか〜」

 

 というわけで妖夢ちゃんが来るまで幽々さんの前に座り待つことになった。それと…

 

「紫さん居ますよね?今すぐにでて来て下さい。出てこないとFV(ファイナルベント)をクロックアップした状態で全て…」

「分かったわ!分かったからやらないでよ!?死んじゃう!」

「はい、捕まえた」

「え?」

 

 僕の脅し(目を瞑っていると本気かどうか分かる人がいるらしいので、脅す時は目を瞑っていると良いらしい。蓮舞君説)を聞いていた紫さんがすぐにスキマから出てくる。出て来た瞬間に背後に周り羽交い締めにする。紫さんと幽々さんは状況が分かっていないらしい

 

「本を読んでいたのに邪魔された。あの本借り物なんですよ?無くしたり傷つけたりページが破れたり折れたりしてたらどうするんですか?ねぇ?」

 

 紫さんを羽交い締めにしたままその場でできるだけ早く回転する。

 

「えええ?ちょっと待ってお願い回らないで謝るから!いきなり落としたことは謝るから止まって!」

「嫌です」

 

 読書の邪魔をする人に慈悲は無し!

 

「助けて幽々子ー!」

「無理ね。これは紫が悪いもの」

 

 幽々さんが微笑むと同時に襖を魔力で開ける。回転したまま紫さんを外まで飛ばす。

 

「さて、じゃあ待ちますか」

 

 紫さんを外に出したまま襖を閉める

 

「ひどいわね」

「読書の邪魔をしなければこんなことにはなりませんでしたよ」

「ごめんなさい。これからは読書をしていない時に落とすから許して」

「人を落とすことをやめて下さい」

 

 外にいたはずの紫さんはスキマから半泣き状態で謝って来た。「は〜い」と若干怪しい返事をして幽々さんの隣に座る

 

「お待たせしまし…どうしましたか?」

 

 妖夢ちゃんがお盆に四つの湯呑みをもって来た。多分紫さんが半泣き状態だから疑問に思っているのだろう

 

「カクカクシカジカ」

「まるまるうまうま…なるほど紫様が悪いと…」

「よ…妖夢まで?」

「自業自得」

 

 妖夢ちゃんは分かってくれたのかアレ。自業自得の時能力は使ってないよ。ON、OFFは出来るし、能力を使ったところで効果はさっきやったし、何より疲れるから

 

「で、お話ってなんですか?」

「妖夢ちゃんが来たからお話をしましょう〜……」

 

 なぜか幽々さんが黙ってしまった。どうしたのだろう?

 

「何か聞きたいことあるかしら?」

「(計画性ェ)そうですね。では、外にいる白い浮いているのは何ですか?」

 

 その白い浮いているものは幽々さんに細かく?周りに浮いていて、妖夢ちゃんは大きくて少し後ろの位置にいる

 

「それは魂よ」

「魂ってあの…死んだ人から出てくるアレですか?」

「そうね。幽々子はここ、白玉楼で罪のない魂の管理人みたいなことをやっているわ」

 

「そうなんですか〜」と言う前に罪のない魂が集まる場所ってことは…まさか

 

「ここってあの世ですか?」

「そう。冥界よ」

「そうなんですか」

 

 まさか生きていながら来ることができるとは…レアな体験だよね

 

「驚かないのですか?」

 

 妖夢ちゃんが少し珍しい目で見てくる

 

「幻想郷だから冥界があっても不思議ではないですし…」

「正確には幻想郷とは別の場所なんだけどね」

「…一度三途の川に行ったことがあるので」

「「「は(え)?」」」

 

 三人とも驚いてるね。まあ当然か。一度三途の川に行っているのに生きているんだから

 

「え?一度行ったことがあるの?」

「ありますよ。10歳の時に高熱を出して寝ていて気がついたら三途の川に居ました。いや〜びっくりしましたよ」

「どうやって戻ったの?」

「どうやらその時僕は仮死状態になっていたらしく、半分死んでいる状態扱いされてました。外だとお母さんが何とかしてくれたらしく、映姫さんの許可と共に帰りました」

 

 元気かな映姫さんと小町さん。何となくだけど小町さんサボっていそう…

 

「そうなのね…」

「他にはあるかしら?」

「じゃあ…(あの巨大な木は魂がたくさんあるし転生するためのものかな?だったらいいや)幽々さんと妖夢ちゃんの能力は何ですか?」

「あらあの木の事を聞くかと思ったわ」

 

 幽々さんは巨木を指差しながら言う

 

「まあ何となくですけどここが冥界であの木だけ大量の魂が集まっているので転生する木なのかな〜と」

「大方あっているわ」

「よく分かりましたね」

「なんとなくですよ」

 

 まさかあっているとは…

 

「私の能力は『剣術を扱う程度の能力』です」

「私は『死を操る程度の能力』よ」

「良い能力ですね」

 

 カッコいい能力だな〜妖夢ちゃんの能力は僕達はできなかったし…絢斗君だったら「仲間になってくれ!」って絶対に言ってる。

 

「あら私の能力を聞いて恐れない人初めてよ?」

「そうなんですか。能力は人それぞれ違うし、望んで持ったものでもないですし、何より…自分もできる事を恐れる必要はありませんよ」

「「「っ………」」」

 

 僕が言うと全員が言葉を詰まらせた。なんでだろ

 

「じゃあもし私が能力で貴方を殺そうとしたらどうするの?」

「抵抗はします」

 

 まあ黙って殺されるのは嫌だからね。抵抗くらいはするさ

 

「大丈夫よ。そんなことはしないわ」

「それは良かったです」

 

 それからしばらく話した。一番長く話したのが三途の川だった。白玉楼での話があるまで夢だと思っていたんだけど、本当だったんだ。今度行ってみようかな。

 

「昼になったし夢華はここで食べていきなさい」

「ご馳走になります」

「では食事の支度をしてきます」

 

 そう言って妖夢ちゃんは襖を開け、行った

 

 しばらくして妖夢ちゃんが大量の食事を持ってきた。例えるならルフィとかトリコとか悟空とかが食べそうな量を…

 

「多すぎ…」

「大丈夫よ…これでも少ないくらいよ」

「何が……え?」

 

 紫さんに聞こうとした時、妖夢ちゃんが皿を置いた瞬間に皿にあったご飯が消えた。何が起こった…

 これをやった犯人は消去法で考えると幽々さんしかいないのだが…まさかねぇ

 そろ〜りとゆっくりと幽々さんの方を見ると幸せそうな顔で食べていた

 

「すごく食べますね」

「早く食べないといけないわよ」

「僕は小食なので大丈夫です」

 

 妖夢ちゃんがご飯を持って来るのが大変そうなので転送用の魔法陣を渡しておいた。妖夢ちゃんは苦労人だな〜よく一人でできるよ。え?手伝えばだって?無理です

 

「ご馳走さまでした〜」

 

 なんであの量食べられるんだろう…ルフィとかトリコとか悟空とかと大食い大会やればすごいことになりそう…食材の消費量が…

 

「ふう〜食べたし、夢華はこれからどうするの?」

「そうですね。少し白玉楼の周りを見て回ります。その後は帰りますよ」

「分かったわ。じゃあまた来てね」

「さよなら〜」

 

 白玉楼を出て塀の外側にある森の中に入り魂達を見ていく。迷いそうになっても飛べばいいし最悪瞬間移動すれば問題ないからね

 

「……お墓まいりしないと…でも勝手に出て良いのかな…」

 

 独り言を言いながら森の中を歩いていく。

 

「さて、そろそろ帰ろうかな…」

 

 その場で止まり一度周りを見渡す。大量の魂があり、その魂が誰のものかは分からない。でも、もしかしたらいるかもしれないから歩いた。

 ここに居たら、会えたのならもう一度言いたい事がある。

 

(はふり)ちゃん…瞬間移動」

 

 かつて僕を助けてくれた女の子の名前を呟き、守矢神社に帰る




今回比較的に荒事は終わりました。本当はもっとやろうとしましたがこんなのも良いかなと…
三途の川、祝のところは過去編であります


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第15話 永遠亭

今回かなり雑になってしまいました。
それでも良い人はどうぞ


 Side 夢華

 

 白玉楼から帰って来てから次の日、本(昨日紫さんが落としたせいで縁側に落ちていた。傷や折れていたりはしていない)のクライマックスを読んでいた

 

「まさかこの人だとは…」

 

 などと独り言を言っていると早苗ちゃんが隣にいた

 

「どうしたの?」

「あの竹林見えますか?」

「うん見えるよ」

 

 本を閉じ、早苗ちゃんが言った竹林は人里の向こうにある。ちょうど妖怪の山と反対側かな

 

「竹林だけどどうしたの?」

「今の季節が夏なのに竹林だけ雪が降っているのがおかしいと思わないのですか!?」

 

 確かに雪が降っているけど…

 

「幻想郷だから夏に雪が降っても不思議じゃないかな」

「確かに幻想郷は常識にとらわれてはいけないからと言って雪が降るのはおかしくないですか?」

「じゃあ奇跡が起こった」

「なら納得です」

 

 凄い速さで納得しちゃったよ。まあ奇跡が起こったなんて言われたら僕も信じちゃうね

 その時スキマが開いた。その瞬間に本を横にそっと置く

 

「あの…そこまで警戒されるのは…」

「自業自得です」

「すみません」

 

 僕の行動に少し肩を下げている紫さんが出てきた

 

「紫さんどうしたんです?」

 

 早苗ちゃんが聞いたので紫さんは顔を上げる

 

「幻想郷で夏に雪が降ることは今までなかったよ。一年中寒かったことはあったけどね」

 

 ということは誰かが雪を降らしているということかな?

 

「他にも紅魔館の周りに霧が出ていたり、博麗神社には雨が降っていなかったりとか色々あるわ」

「こっちには影響無いですよね?」

「えぇ今はね」

 

 今後こっちにもあるかもしれないということか

 

「さてと…」

「どこに行くんですか?」

「あの竹林にだよ。なんか面白そうな気がするからね〜」

「じゃあ私も行きます!」

 

 そう言うと早苗ちゃんは支度をしに行った

 

「お待たせしました〜」

 

 2分くらいで戻ってきた。

 

「じゃあ行こうか」

「はい!」

「気をつけてね〜」

 

 紫さんの言葉を聞きながら雪が降っている竹林に向かって飛ぶ。

 

「一度人里に行きましょう」

 

 人里の上空で早苗ちゃんがいきなり止まり提案してくる

 

「どうして?すぐそこじゃん」

「あの竹林は『迷いの竹林』と言われていて一度入るとなかなか出る事ができないのですよ。私も一人で行った時に迷いました」

「迷いの竹林か…(能力使えばすぐなんだけど面白くないからな〜それだと)…うん。良いよ。でもどうして人里?」

 

 知らない場所で能力使用は本当に面白くない。例えるならストーリーが全て分かっていて興味の無い映画を観るのと同じくらい。危険な場所や迷った時とかは例外だけどね

 人里の人が迷いの竹林のことをよく知っているのかな?

 

「妹紅さんがよく知っています。なので迷いの竹林に行くときは妹紅さんが居ないと大変です。私は妹紅さんが偶然通りかかって助けてもらいました」

「妹紅が…でも迷うのが分かっているのにどうして竹林に入るの?」

 

 今更ながらに気づく。迷うのが分かっているのに行く人は好奇心旺盛な探索者か偶然そこに入る人ぐらいだよね

 

「言っていませんでしたっけ?竹林の中に『永遠亭』というところがあって、病院なんですよ」

「そうなんだ。じゃあ妹紅探そっか」

 

 という事で、妹紅さんを探すために人里に降りる。まず僕達は妹紅の家がわからないからよく居るらしい寺子屋に向かう。徒歩で

 

「あら夢華くん?」

 

 寺子屋がある道を歩いていると前方から白髪ロングヘアの女性が話しかけてきた

 

「朱鳥さん。久しぶりですね」

「えっと…誰ですか?」

 

 早苗ちゃんは小さな声で聞いてくる。まあ初対面だからね

 

「私は月城 朱鳥。夢華くんとは前に会ったの。よろしくね」

「私は守矢神社の巫女をやっています。東風谷 早苗です。よろしくお願いします!」

「フフフ礼儀正しい子ね」

 

 お互いが自己紹介する。朱鳥さんに妹紅がいるかどうか聞いてみる

 

「朱鳥さん。妹紅見かけませんでした?」

「妹紅さん?妹紅さんだったら迷いの竹林に入って行ったのを見たわよ」

「ありがとうございます!」

 

 朱鳥さんに礼を言って迷いの竹林の方に歩いて行く。「気をつけてね〜」と朱鳥さんが手を振りながら言ってくれたのでこっちも手を振る

 

「うわ〜本当に雪が降ってる」

「ですね。今の季節には助かるのですが寒くないですか?」

「寒いね。指がかじかんでいるよ」

 

 迷いの竹林入り口?前に着いてから寒くなる。冗談抜きでやばい。ただ今僕は半袖(白)半ズボン(黒)の服を着ている。早苗ちゃんは変わらずに巫女服で来ている

 

「ここで奇跡を使って雪を溶かしますか?」

「待って。この足跡がある。妹紅のかな?」

 

 早苗ちゃんが能力を使おうとする時に下を見ると足跡が竹林に向かっていた。朱鳥さんの話だと妹紅は竹林に入ったみたいだからこの足跡を辿っていけば会えるからね。

 でもこのままでは凍死しそうだから魔法を使おう。

 

「早苗ちゃんこれ持ってて」

「これは?」

 

 早苗ちゃんに小さい魔法陣を渡す。

 

「それは魔力で動くカイロみたいなものだよ。僕が注いだ分だけ熱を発するものだよ。とりあえず五時間分にしておいたよ」

「ありがとうございます。でも五時間分ですか。見つかりますねそれだけあれば」

 

 そんなわけで二人で歩いている。ついさっき来たのか雪が降っていても足跡は分かる

 

「あ、兎がいる」

 

 横を見ると兎がいるのを発見。

 

「なんでいるんだろう」

「竹林にはたくさんいますよ。それに月の「うわっ!」夢華くん!?」

 

 早苗ちゃんが説明している時に兎に近づいて行くと落とし穴に落ちた。

 

「痛ててて…」

 

 上を見ると大きな石が大量に落ちてくる。マジか…

 

「脱出脱出」

 

 魔法陣で防ぎながら軽くジャンプして脱出。

 

「大丈夫ですか?」

「大丈夫だよ。もしかしてここら辺って罠だらけだったりする?」

「私の時は罠に引っかかりませんでしたが…まだあるかもしれないので気をつけましょう」

「だね」

 

 地面を特に注意しながら先に進む。と、その時後ろから気配を感じた

 

「そこの竹に隠れている人出てきて」

「え?」

 

 後ろを振り向くと…なんて言えばいいのか…人間に兎の耳がある?白のワンピースを着て、首から人参のネックレスを下げている女の子が現れた

 

「うさうさ。よく分かったね」

「何となくだけどね。初めまして。僕は上殊 夢華。よろしく。えっと…」

「私は永遠亭に住んでいて迷いの竹林の兎たちのリーダーの因幡 てゐ(いなば てい)。よろしく。あんたのことは妹紅や新聞からで知ってるよ」

 

 てゐちゃんと言うのか。多分さっきの罠を作ったのはてゐちゃんだね

 

「さっきの罠はてゐちゃんが作ったの?ここまで来るのに20個くらいあったんだけど」

「そんなにあったのですか!?」

「うさうさ。よく分かったね。鈴仙は毎日引っかかっているのに」

「レイセン?レイセンって…」

 

 僕が最後まで言い終わる前にまた後ろから誰かの気配を感じた。またか…と思いながら後ろを見る

 

「てゐ…やっと…見つけた…お師匠様が呼んで…いたわよ…」

 

 疲れているのか所々言葉が切れながらこちらに来る。外の世界の高校とかにありそうなワイシャツを着た兎の耳で腰まで長い薄紫の髪の人(兎?)がてゐちゃんの言っていたレイセンなのかな?

 

「僕の知っているレイセンじゃない」

「貴女は…」

「上殊 夢華。前に妹紅が話していただろう?強すぎる人間って。あと新聞。最近の文々。新聞でよく載っていたじゃないか。博麗の巫女と引き分けたとか」

「あーそうですね。言われてみればその人です。え?女の子じゃないのですか?」

 

 本当に間違われるな〜慣れたけど…

 

「初めてまして」

「私は永遠亭に住んでいる鈴仙・優曇華院・イナバ(れいせん うどんげいん いなば)。よろしく」

 

 僕の知っているレイセンじゃないけど鈴仙は月の兎だね

 

「ちょうど良かったわ。姫様が貴方に会いたいと言っていたから来てくれない?」

「良いよ。そっちにも聞きたいことがあるからね」

「こっちよ。付いて来て」

 

 そう言って鈴仙が来た道と方向が違うようで歩き出した。でもその方向には

 

「そこに落とし穴があるから気をつけ「わーーーーーーーー!いて!」…遅かった」

「うさうさうさ。相変わらず鈴仙は面白いね」

「大丈夫でしょうか?」

「月の兎なら大丈夫でしょ」

「それもそうですね」

 

 鈴仙を救出してから罠のある場所を僕が言いながら永遠亭まで歩いていく。

 どうやら二人は雪が降っていても寒くないらしい。良いなぁ

 

「ここが永遠亭?」

「そうよ。入って。姫様を呼んで来るわ」

 

 そう言って鈴仙…混ざっちゃうから優曇華と呼ぼう…優曇華が中に入った

 

「それにしても長かったような…」

「それは私も思いました。ここまで長いとは…」

「うさうさ。早苗はともかく、夢華は初めて竹林に入ったし今は雪が降ってるからね。人間にはきついだろうさ」

 

 てゐちゃん達とあった場所から二キロほど歩いた気がする。

 

「そういえば優曇華が言ってた姫様ってどんな人?」

「うーん……あんな人」

 

 てゐちゃんが考えていると曲がり角からゆっくりと着物を着た黒髪で地面につきそうなほど長い髪の女性が歩いて来た

 

「初めまして。私はここ、永遠亭の主人蓬莱山 輝夜(ほうらいさん かぐや)よ」

「初めまして。僕は上殊 夢華。よろしくお願いします」

「とりあえず中に入りなさい。妹紅も中に入りし、貴方が聞きたいことも話すわよ」

 

 と、まだ玄関にいる僕達に輝夜さんが促す。ははは…と早苗ちゃんと笑いながら上がる

 

「うーん…幻想郷は和式が多いね」

 

 今まで幻想郷で行ったことのある場所は紅魔館を除いで和式だった。

 

「あら、貴方は洋式?だったかしら…そっちの方が好みなのかしら?」

「外の世界では殆どが洋式だったので少し以外だったのです」

「そう…ついたわよ」

 

 少し話しているうちに目的の部屋まで着いたみたい。輝夜さんに襖を開けてもらい中に入る

 

「来たか」

 

 中には何故か機嫌が斜めの妹紅と、優曇華、銀髪で後ろに三つ編みにしているて特徴的?な服(片方が赤でもう片方が青)を着た女性が座っていた

 

「妹紅どうしたの?なんか機嫌が悪いみたいだけど…」

「別に…」

 

 僕が話しかけてみると短く返して別の方向を見てしまう。これは拗ねてますね

 

「さっき私と殺し合いをしてたのだけどね。私が勝っちゃったから拗ねてるのよ」

「え?殺しあってたのに勝っていてなんで妹紅が生きてるの?」

「そこ聞いちゃうの?」

「夢華くんは案外はっきり言えますからね…」

 

 直情径行な性格だと散々言われたけど変えるつもりはあまりないね…

 

「貴方は竹取物語って知っているかしら?」

「それはもちろん…多少は…」

 

 そりゃあ有名だからね。中学かどこかで授業受けたから知ってるよ

 

「私は竹取物語に出て来るかぐや姫よ」

「な…なんだってー。え?あのかぐや姫?本物?幻想郷って本当に何でもありだね!」

 

 かぐや姫が居るなら聖徳太子がいそう…

 

「え?でも、かぐや姫は月に帰ったんじゃ」

「私は月にいた頃そこに居る永琳に蓬莱の薬…不死の薬ね…その薬を作るように頼んで私が飲んだことによって罪に問われたのよ。それで地上に落とされたわ」

八意 永琳(やごころ えいりん)よ。永遠亭で薬師をやっているわよろしく。夢華」

「よろしくです」

 

 軽く挨拶をすると輝夜さんが咳払いをし話し出す。因みに早苗ちゃんや優曇華、てゐちゃん、妹紅は黙って話を聞いている

 

「地上に落とされた後は貴方が知っている通りよ。違うといえば私が月に帰らずに迎えに来た永琳と一緒に逃げたことかしら。その後は人里離れたところに隠れていたわ」

「実際とは違うんだ…月に行った時にかぐや姫が居なかったから竹取物語は無かったのかも何て思ってたけど結末が違っただけなんだ。それに月に月人が居たから……「ちょっと待ちなさい!」…え?」

「いや「え?」じゃなくて貴方月に行ったことあるの!?」

「ありますよ。去年の冬くらいに」

「じゃあ誰か言ってみて!」

「えっと…豊姫に依姫、レイセンにサグメetc…」

「嘘…」

「夢華くん本当に月に行ったことあるのですか!?」

 

 輝夜さんや永琳さん達が驚いている時に早苗ちゃんが僕の肩を前後に揺らしながら問いかけてくる

 

「うん!早苗ちゃん達が居なくなってから昏御ちゃんが「本当にかぐや姫って居るのかなー」って言ったからみんなでじゃあ行ってみよーみたいになったし、それに早苗ちゃん達を見つけることができるとも思ったから〜」

 

 早口で言っていたけどそろそろ止めてもらわないと首がもげる…

 

「なあその昏御って奴と月に行ったのか?」

 

 僕の首がもげそうになっている時にさっきまで黙っていた妹紅口を開く

 

「いや…僕と昏御ちゃん以外にあと二人」

「そいつら強いよな?」

「うん。体術は全員僕よりも上だよ。能力もあるし、昏御ちゃん一人で豊姫と戦ってたし」

「あと二人は?」

「絢斗君は依姫と、蓮舞君は司令塔をしやがら兎達と戦ってたね」

「バケモノだな」

 

 まあよく言われてた気がする。アイツからもバケモノ呼ばわりだったし

 

「じゃあ夢華は誰と戦ったの?」

 

 優曇華が聞いてくる。けどあまり覚えてないんだよな〜

 

「いや〜僕はとにかく戦いを終わらせようとして走ってたからあまり覚えてないんだよね…あ、でも護衛団長みたいな人とサグメとは戦ったね」

「はっ!?あの護衛団長と!?」

「いや…一度ちゃんと謝ったんだけど…急いでたし…」

 

 いや…あの時は本当にサグメ探さないと月が崩壊しそうな勢いだったし…

 

「じゃあ豊姫達は元気なのね。良かったわ」

 

 そしてそれからみんなで話し合った。

 

「あ…ねぇ迷いの竹林の季節外れの雪について何か知ってる?」

 

 だいたい一時間ほど話したところで目的を思い出す。

 

「分からないわね。というかこういうのは紫に聞くべきでしょう」

「その紫さんから言われて来たんですよ」

「紫も知らないとなると異変かもしれないうさね」

「異変ね〜ということは霊夢が動くのかな」

「恐らくそうね」

 

 異変については早苗ちゃん達から聞いた。異変を解決するのは霊夢なんだけど魔理沙も入っていたり…前の異変は早苗ちゃん達だと言う…

 

「夢華の能力でどうにかできないのか?」

 

 妹紅さんが…まあ僕の能力を知っているならだいたいの人はそう言う事を言った

 

「んーできなくはないけどね、あまりやりたくないんだよ。竹林の雪を解決したところでまた別のことが起きるかもしれないし、首謀者を直接倒した方がいいと思いますよ」

「じゃあ一応聞くけどこれが異変だとして、『異変解決』と言ったらどうなるの?」

「さ〜どうなるのかは僕にも分からないんだよね。もしかしたら首謀者死亡で終わったり、首謀者もろとも全員死亡エンドだったり、もしかしたら誰も死なずに終わるかも知れないから賭けになるんだよね。だから使いたくないし、使う気は一切無いよ」

 

 そう…一度使ったことがあるから使いたくないんだよね。中学の小テストで異変じゃないけどやった結果…30点だった(見直せば普通に分かった)。

 

「多分霊夢が動くと思うからその時にどうするのかを考えればいいと思うわよ」

 

 と、輝夜さんが結論を言ってくれた。まあそれしかやることないしそうしよう。紫さんの報告は「知らないみたい」しかないね

 

「じゃあ私は帰るよ。夢華達はどうする?」

「早苗ちゃんどうする?」

「良いですよ」

「じゃあお願い」

「おうよ」

「それじゃあ何か困ったことがあったら永遠亭に来てね」

「はい。それではさようなら」

 

 妹紅さんについて行き永遠亭を出る




外の世界の友人達は過去編で出てきます。三人ともチート並みに強いです。月の都は過去編であります
7話で夢華は永遠亭の存在は知っていましたが場所までは分かっていません


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第16話 夢の中

今回は短めです。UAが気がついたら1000を超えていました!ありがとうございます!
ただ今過去編をどうやって入れようか迷っています
絢斗「過去編早よっ!」
どうやって入ってきた!?
絢斗「能力!(ここは誰でも自由に来れるんだけどな)」
アッハイ。じゃあせっかくだし、一緒に言おう
絢斗「だな」
絢斗&カミユ「本編へどうぞ」


 Side 夢華

 

 妹紅について行き竹林を出ると紫さんに報告するために妹紅と別れる。

 魔法陣に乗りながら早苗ちゃんと帰る。時刻は午後1時。まだ昼食は食べていない。が、神奈子さん達のことも考えると早く帰ろうということになった。

 

「ただいまでーす」

「神奈子様ー諏訪子様ーただいま帰りましたー」

「お帰りなさい」

 

 守矢神社に帰ってきて戸を開けると何故か紫さんが居た

 

「何でいるんですか?」

「報告を待って居たのよ。それと昼食は用意してあるから食べなさい」

「ありがとうございます」

 

 普通にスキマから聞いていたと思っていたんだけど…まぁ昼食を用意してくれたのだから食べて報告しよう

 

「「ごちそうさまでした」」

 

 昼食を早く食べた僕達は早速報告をする。

 

「永琳さん達は雪の原因は知らないみたいですよ」

「そう。『月の頭脳』とまで言われてた永琳なら知っていると思ってたのだけど」

「紫さんなら分かるんじゃないですか?」

「私は季節外れの現象だと思うのだけど異変の可能性もあると思っているわ」

「異変なら霊夢が動くだろうと輝夜さん達の結論でした」

「そう。ありがとうね」

 

 と、簡潔に報告した後紫さんはスキマに入って行った

 

 

 

 それから時間が経ち就寝時間10時。この時間になると僕は眠くなる。早いって?僕もそう思うけどこれには勝てない。ただ…

 

「萃香ちゃん達まだ騒いでるのかな?相変わらず元気だな〜」

 

 まあ絢斗君はこの時間までトレーニングとかやってたし、まあ普通だよね。妖怪の活動時間が気になる。もしかしたら不眠もあり得そう。

 

「さて…寝るか…」

 

 魔法陣からヘッドフォンを取り出し装着。今この状態で呪いとかかけられたりしたら終わるね。でも音は遮断できるからなかなか良いと思っている。

 枕に顔を埋めて目を閉じる。今日は寝つきがいいのかすぐに寝付くことができた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん〜ここは…」

 

 僕が目を開けると見知った天井が見えた。多分ここは

 

「夢の中か…ということは……ドレミー居るの?」

「居るわよ。夢の中にならいつでも。久しぶり夢華君。そっちの時間的には二週間ぶりかしら?」

 

 僕が呼びかけると白と黒の球みたいなものを服につけ、サンタクロースみたいな帽子を被っている青髪の女性…獏という種族の妖怪のドレミー・スイートが現れた。獏とは人の夢、特に悪夢を食べて生きていると言われている。

 ドレミーは【夢を喰い、夢を創る程度の能力】を持っている。生き物が見る夢は根底から繋がっていて、その夢を消したり創ったり入れ替えたりできる。夢の中では能力が使えないのでドレミーに喧嘩を売る人はおかしい(僕はいつもヘッドフォンをつけているので寝言で能力を使うことはない)

 

「そうだね。二週間ぶりだね。ここって月にも繋がっているんでしょ?みんな元気?」

「えぇ元気よ。特にサグメがね。貴方のお陰で能力を使わずに済んでいるからみんなと毎日話しているわよ」

「そうなんだ。サグメは最近ここに来るの?」

「まあ時々かしら。多分もうすぐここに来るわよ」

「本当に?最近は幻想郷に行ってね、輝夜さんや永琳さんに会って二人が月の出身みたいでビックリしたよ」

「そう。ふふふ」

 

 そんな感じでサグメが来るまで僕が幻想郷で遭った出来事を話す。ドレミーは楽しそうに話を聞いてくれる。

 

「来たわよ」

 

 ドレミーが言うと銀髪の赤い目、片翼の月の賢者の一人、稀神(きしん)サグメが現れた。白いパジャマ姿で首から月に行った時にあげたネックレスを下げている。因みに僕も白いパジャマである

 

「夢華!?久しぶり!一ヶ月ぶりだね!」

「久しぶり!」

 

 サグメが走って来た。そのままの勢いで飛んで抱きついてきた。

 

「うおっと…」

 

 そのままサグメを掴み一回転してサグメを床に置く。サグメは床に足をつけて立つ

 

「あはは〜夢華だ〜。久しぶりの夢華だ〜!」

 

 サグメが僕を頬ずりする。去年の冬から変わっていないようで。

 

「夢華今までどこに居たの?」

「幻想郷だよ」

「幻想郷ね。博麗の巫女や魔法使いとかスキマの妖怪が去年夢華達が来る前に月に攻めてきたのよね」

「え?何やってるのあの人たち」

 

 月にケンカを売るとかよく今まで生きていられるな〜

 

「それ夢華君達もでしょ」

「心を読まれた…だと…」

 

 ドレミーに心を…って夢の中だからわかるのか

 

「まあ積もる話もあるけれど!夢華(ダブル)やるわよ!」

「オッケー!」

 

 サグメの手にWの変身ベルトが出現し、装着する。夢の中だから何でもありだね

 

「行くよ夢華!ファング」

 

 サグメが変身ベルトを装着して、サグメはファングのガイアメモリーを出す。ならこっちは

 

「ジョーカー!」

 

 手元にジョーカーのガイアメモリーを出す。

 

「「変身!」」

 

 二人で同時に言い、僕はジョーカーのガイアメモリーを左側に差し込む。差し込んだらメモリーがサグメの方に転送されるように移動する。サグメはジョーカーのガイアメモリーを押し、右側にファングのガイアメモリーを差し込む。そのまま開く。ファングを間に倒す。ベルトから「ファング、ジョーカー!」と、音声が流れ、僕達はファングジョーカーになった

 

「おおーなれた!」

「ふふふ夢華達が帰った後に地上の文化を調べて仮面ライダーにはまったわ」

 

 その後、ドレミーも含めて昭和から順番で変身ポーズありでやった。僕の好きな仮面ライダーは鎧武、ウィザード、ディケイド、ガタック、カリス、王蛇、BLACK。

 仮面ライダーの変身ポーズが終わる(一番長かったのが響鬼。一番白熱したのが鎧武)と……

 

「夢華はあれからどうなったの?」

 

 ……サグメが訊いてくる

 

「まああの後は高校に入学したり………」

「夢華?どうしたの?」

「………いや、何でもないよ。高校に入学してから絢斗君達とある団体を壊滅したりしたよ」

「サラッとすごいこと言った!」

 

 四人の人間が一つの団体を壊滅したらすごいと思うのかな?サグメ達は一人でも余裕でできると思うけど…

 

「夢華君。もうすぐ朝の6時になるわよ」

「え?もう?」

「さっきの変身ポーズをやってたからね。昭和からだったし、平成からだったらもう少し余裕あったかもね」

 

 クッ…まだあると思っていたのに…

 

「まあしょうがないか…じゃあね二人とも。楽しかったよ」

「じゃあね。夢華君。悪夢は私が食べるから安心してね」

「じゃあまたここか月で会いましょう」

「バイバーイ」

 

 二人に別れの挨拶をし、目を閉じる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side サグメ

 

 夢華が居なくなった今、ここには私とドレミーが居る。

 

「さて、サグメも時間なんじゃない?」

「少し教えてくれない?夢華の夢のことを」

「断るよ」

 

 さっきの夢華のあの間が気になった。夢華があんな反応をするのはトラウマに匹敵するものだと思う。

 

「そうねぇ。最近私は夢華君の悪夢を食べることを優先していたわ。そうじゃないと夢華君が壊れてしまうかもしれないから。貴女からしたらちっぽけなものかもしれないわ。けれど彼からしたら忘れたくても忘れられないことよ。知らない方がいいと思うわよ」

「構わない」

「分かったわ。夢華には教えないでね」

「分かったわよ」

 

 ドレミーが言うと人差し指を私に向ける。人差し指に黒い球体ができる。

 

「これは夢華が毎日のように見ている夢よ」

「これが…」

 

 黒い球体から夢華の真っ黒な感情が溢れ出ている。

 

「こ…れは…痛ッ!」

 

 まだ最初のところなのに急に弾かれた。まるで誰かが夢華の過去、または今から観るものを知られないようにするようだった

 

「大丈夫?」

「え…えぇ。それよりも今のは?」

「私以外の誰かが夢の中で妨害したとしか…」

「それ程夢華の過去を知られたくないのかな?」

「かも…」

 

 さて、夢華に聞いても意味はない…というか聞いちゃダメだから月の方で調べるか…

 

「じゃあ私も行くわ」

「分かったわ。じゃあね」

 

 目を閉じ、夢から覚める

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

 目を開けると朝の6時だった

 

「う〜ん…まだ萃香ちゃん達騒いでいるのか…」

 

 まだ遠くから微かに騒いでいる音が聞こえる

 

「……最近観なくなったなーあの夢。ドレミーのお陰かな?」

 

 体を起こし、布団をたたんでいると早苗ちゃんの声が聞こえる

 

「夢華くーん起きてますかー?」

「起きてるよー」

 

 あの夢は絶対に観たくないし、できれば忘れたいけど忘れないんだろうな…

 

「おはようございます!」

「おはよう!」

 

 部屋に入ってきた早苗と朝の挨拶をする。

 ま、今を楽しく生きていけば良いよね。でしょ?祝ちゃん




さて、今回は夢の中でした。夢の中だからやりたい放題ですよね
絢斗「サグメ久しぶりだな」
(まだ居る…)過去編で会っていますからね
絢斗「月の都あるんだろ?」
もちろんです。
幻想郷巡りはあと一つです。魔界はまた今度ですね
絢斗「じゃあまた今度!」


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第17話 太陽の畑

今回はテストも兼ねて予定投稿にしました
昏御「チワース」
チワース……どうやって来た?
昏御「絢斗から訊いて(暇だから)来た」
アッサイデスカ。
昏御「今回はどんなの?」
幻想郷巡りで夏の季節に行かせておきたいところです
昏御「ふーん。じゃあ一緒に言うか?」
ですね。せーの
昏御&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 夢華

 

 ドレミー達と会った夢から覚めてから数時間後、時刻は午前の10時。昨日読み終わった本を返そうと早苗ちゃんに一言言い、紅魔館に向かう。

 

「うわっ…見えないな…」

 

 紅魔館付近まで来ると濃い霧によって先が全く見えなくなっていた

 

「これは…どうしよう。湿気で本が…とりあえず魔法陣に入れて…突撃ーーーー!」

 

 湿気によって本がダメになってしまうといけないから魔法陣に入れて、霧の中に全速前進DA!

 

「多分…こっちだよね?」

 

 なんとなくの勘で進んでいたけど分からなくなってきた

 

「あ、見えてきた」

 

 そのまま真っ直ぐに進んでいくと紅い洋館が見えてきた

 紅魔館に入るために門の前に着地。

 

「こんにちわ夢華さん。今日はどうなされました?」

 

 いつも通りに門の前に立っている美鈴さんが僕に気付いたみたい。こんな霧の中でも仕事があるなんて大変だな〜

 

「今日は本を返しにきたんですよ。こんな霧の中お勤めご苦労様です」

「あはは〜ありがとうございます。どうぞ中へ入ってください。フラン様が遊びたがっていましたよ」

「では早く本を返して遊びますね」

 

 軽く会話をして紅魔館に入る。

 

「お兄様ーーーーーーー!」

「フランちゃん!?」

 

 紅魔館に入った瞬間にフランちゃんが真上から突進してきた

 

(このままフランちゃんと激突したら最悪死ぬかも…なら)

 

 一歩横にずれる。さっきまで僕がいた場所にフランちゃんがきた時に捕まえる

 

「危ないじゃないか」

「あはは〜ごめんなさ〜い」

 

 まあ怪我はないし良しなんだけどさ

 

 

 

 

 

 

 

 

「パチュリーさん本を返しにきました〜」

「はい丁度返却予定日ね」

「お兄様。この本読んでー」

「良いよ」

 

 借りてた本を返してからフランちゃんが持ってきた本を読む

 

 それから一時間後に紅魔館を出る。レミリアに合わなかったけどどうしたんだろう?

 美鈴さんに別れを告げ、濃い霧をぬける。

 

「さーて…どうしようかな〜」

 

 霧からぬけ、帰ろうかどうか考えていると視界に妖怪の山とは反対の山の中腹に小さな花がたくさん咲いている場所を見つけた

 

「あの花は…よく分からないな」

 

 気になるので近くに行って見てみよう…

 と、いうことで近くに行ってみたけど…

 

「人間!?なんでここに?」

「その花が気になってね。その花は何?」

 

 降りたら花の前で座っている金髪で薄い紫色の瞳で赤いリボンをつけていて、特徴的なスカートをはいている女の子がいた。

 僕が降りてくるとビックリしたのか敵意を出してにらめつけてくる。まあそれよりも後ろの花が気になる

 

「スーさんのこと?」

「スーさん?知らないな…」

 

 外の世界には無い花なのかな?もしくは僕が知らないとか。蓮舞君なら知ってるかな

 

「ん?この花鈴蘭じゃん」

 

 前にいる女の子の背後の花をよく見ると鈴蘭だった。女の子のスカートと同じような形だ。

 

「え?スーさんのこと貴女知ってるの?」

「スーさん(鈴蘭)は知ってるよ。図書館の図鑑で見たことあるからね」

 

 女の子の言うスーさん(鈴蘭)のことを知っていると言ったら敵意が無くなった。図書館の図鑑で見たけど鈴蘭の花言葉は良いものだった気がする。何だっけ?

 

「貴女は花は好き?」

「好きだよ。ここは(季節的に)風通しが良くて涼しいから花に囲まれながら本を読みたいね」

 

 今は夏であまり日は当たらずに風通しが良く、気温があまり高くない。今度から本を読むならここに来ようかな

 

「貴女花が好きなのね!だったら幽香と気があうかもしれないわ!」

「幽香?誰?」

風見 幽香(かざみ ゆうか)。花の妖怪なの。実際に会って話してみたら絶対に気があうわよ!」

「じゃあ行ってみようかな」

「私が案内するわ!私はメディスン・メランコリー。よろしくね」

「僕は上殊 夢華。よろしくねメディスンちゃん」

 

 そういえば自己紹介をしていなかったな…お互いに自己紹介をするとメディスンちゃんが歩き出したのでその後について行く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side メディスン

 

 さっき知り合った人間の夢華と幽香に会うために太陽の畑まで一緒に歩いている。

 

「メディスンちゃんの種族って何?」

「私は元々人形だったんだけど人間にさっきのところで捨てられたのよ」

「え?あ…ゴメン」

「いいの。気にしないで」

 

 さっきの畑はスーさんの畑。私はそこに捨てられた

 

「最近目覚めてたの。最初は驚いたな〜。目が覚めたら知らない場所だったんだもの。それでしばらく考えていたら気づいたの。『私は捨てられた』んだって」

 

 私は目覚めた時のことを話す。

 

「どうして捨てられたのか、ここはどこなのか。それを考えるだけで寂しくて、悲しくなった」

 

 言葉が止まらずに口から出てくる

 

「その時に偶然、幽香が来たの。その時は驚きと戸惑い、少しの喜びがあったわ。幽香が親身になって私の話を聞いてくれたの」

 

 夢華は静かに聞いてくれている。そういえば何で夢華は私が妖怪だって分かっているのに逃げたり怖がらないんだろう?

 

「それから幽香に色んな花のことを教えてもらった。花に夢中になる事もあったから良かった。それからいろんな人と会えた。楽しいよ。でも、なんで私は捨てられたか分からないの。私は要らなくなったのかな?」

 

 もう自分でも何言っているのか分からなくなってきた。

 

「う〜ん僕には分からないかな〜」

「え?」

 

 私の話を静かに聞いていた夢華が言う

 

「なんでメディスンちゃんを捨てたのかは本人にしか分からないよ」

「そう…だね」

 

 急に話し出した夢華に曖昧に言葉を返す

 

「でも、多分だけど、メディスンちゃんを捨てた人はメディスンちゃんの事が大事だったんじゃないかな?」

「何で?捨てられたのよ」

 

 そう…捨てられた。理由はわからないけど

 

「本当の理由は分からないけど、どうしようもない状況に陥ってしまって捨てたのかもしれない。でも、本当に大事にしてたからスーさんの畑にしたんじゃないかな?」

「何でスーさんの畑に?」

「メディスンちゃんはスーさんの花言葉は知ってるかな?」

「えっと…確か、純粋だったような」

 

 幽香から聞いた花言葉はそれだったと思う。でもどうしていきなりそんな事を…

 

「スーさんの花言葉には純粋の他にもいくつかあってね。その内の一つに『再び幸せが訪れる』っていうのがあるんだよ」

 

「純潔とか」と付け加える

 

「その人がスーさんの花言葉を知っているかどうかは分からないけどね。メディスンちゃん。今の状況は嫌い?退屈でつまらないものなの?」

「違う!今の生活は楽しくて好きで…幸せだよ!」

 

 夢華の問いにすぐに答える。

 

「なら、今をもっと幸せに過ごせば良いんじゃない?せっかくのチャンスなんだからさ」

 

 そう言って夢華は微笑む。その顔が可愛くて顔が熱くなるのが分かる

 

「顔が赤いけど大丈夫?熱中症じゃないよね?」

「え?大丈夫!全然大丈夫だよ!」

 

 そう言って自分でも分かるくらい顔を赤くしながら足早に歩き出す

 

「え?ちょっと…本当に大丈夫なの?おーい」

 

 後ろから夢華が呼びかけてくるが無視する。

 

「〜♪」

 

 気がついたら鼻歌を歌いながら歩いていた

 

「元気が出てきた?」

「うん。夢華のおかげでね。ありがとう!」

「どういたしまして」

 

 追いついてきた夢華にお礼を言う。全身が軽くなったような気がする

 

 それから夢華と目的地まで話しながら歩く。ずっとこの時間が続けば良いのにと思いながら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

「もうそろそろ着くよ」

 

 歩き始めて(メディスンちゃんの話の時も含めて)約三十分。まだ疲れてはいない。歩いている時に幽香さんの事を教えてもらった

 

「そうなんだ。優しい人なんだよね幽香さんって人は」

 

 まあ妖怪なんだけどね。優しいのだけど一つ例外があるみたいだけど

 

「花を傷つけたりすると問答無用で攻撃してくるから気をつけてね…って夢華は大丈夫か」

「僕は大丈夫だよ〜でも、メディスンちゃんは体調の方大丈夫なの?」

 

 さっきメディスンちゃんの過去を聞いた後僕なりに慰めたんだけどその時に顔が赤くなっていたから熱中症かと思ったけどちゃんと歩けているし…本当に大丈夫か気になった

 

「大丈夫だよ!心配性なの?」

「心配性なのかな?まあでも危ないと思ったら教えてね」

 

 また顔を赤くするメディスンちゃん。うーむ分からん

 

「ここを抜けた所が太陽のh…」

「危ない!」

 

 もうすぐで歩いていた道を抜けようとした時に前から弾幕が目の前の木を貫通しながら飛んで来た。その弾幕を魔法陣で防ぐ

 

「チェイサー!」

 

 重力に従い落ちてくる木をステップを取り、魔力を足に纏わせ、どこかのレベル5が自販機にやりそうな回し蹴りをする。バキバキッと音を出しながら砕け散る

 

「ふぅ。大丈夫?メディスンちゃん」

「え…えぇ。だ…大丈夫…」

 

 立ったまま呆然とし、答える

 

「今の弾幕は幽香さんのものかな?」

「多分ね。おそらく誰かが幽香を怒らせたのかも…」

 

 どうなっているのか抜けた先を見ると、チルノちゃんと大ちゃん、ルーミアちゃんが逃げていた

 

「メディスンちゃん。ここに居て」

「え?ちょっと、危ないわよ!」

「大丈夫だ。問題ない」

 

 チルノちゃん達が危険なのでメディスンちゃんにはここに居てもらうように言って、急いで向かう

 

 

「くっ…サイキョーのアタイが逃げることになるなんて!」

「早く逃げるのだー。足を止めたら消し炭になるのだー!」

「ちゃんと謝ろうよ!そうすれば許してくれるよ!」

「あら?どこまで逃げるのかしら?」

 

 チルノちゃん達を弾幕を放ちながら追っている女性が威圧的に言うと弾幕の量が増える。その場所までの距離が約十メートル

 

「この量は避けきれない!」

 

 チルノちゃんが言うと二人もそのことに気づき、ギュッと目を瞑る

 

「チルノちゃん。最後まで諦めちゃダメだよ?スペカを使うなりして少しでも弾幕の量を減らすとかあると思うよ?」

 

 三人の前に魔法陣を展開させ、女性の弾幕を防ぐ。

 

(なにこの威力…こんなの直撃したら一瞬であの世行きだよ…)

 

 弾幕の威力は魔法陣にヒビを入れるぐらい強い。

 魔法陣で防ぎながら三人の前に立つ

 

「え?夢華?どうして…」

「幽香さんって人に会いに来たんだけど……まさかあのひとじゃないよね?」

 

 さっきからずっと弾幕を放っている女性を指差す

 

「そのまさかですよ」

「マジか…どうしようこれ…なんか三人がピンチだったから助けたけど…」

 

 言っていると魔法陣が破壊された。

 

「ウェ!?」

 

 急いで魔力を両腕両足に纏わせて後ろにいる三人の所まで行かないように相殺したり、軌道を変えたりする

 

「あら?貴女やるじゃない」

 

 弾幕を放っていた張本人である女性の声が聞こえると同時に弾幕が消えた

 

「痛…もう少し続いていたら腕が吹き飛んでいたかも…」

 

 弾幕の威力と咄嗟のことにより魔力の量が少ない状態でやっていたので両腕両足の骨が痛い。これ以上使ったら折れるor無くなるかもしれない…

 

「よく見たら最近幻想入りした…確か上殊 夢華だったかしら?」

「ソウデス。上殊 夢華です。貴女が風見 幽香さんですか?」

「そうよ。誰から聞いたのかしら?」

「メディスンちゃんから」

 

 軽く自己紹介しながら治癒魔法を使う。5分くらいで骨に関しては問題なく動く…はず

 

「そうなの。で、なんで貴方はその子達を庇うのかしら?」

「そりゃあ知っている人が襲われていたからですよ」

「事情も知らないで?」

「事情なんて一旦落ち着いてからで良いでしょう?」

「それもそうね」

 

 緑髪で赤い瞳で傘を持っている。傘を広げ肩にかけながらクルクル回しながら威圧的に話す。

 どうしてこうなったのかはメディスンちゃんの話からなんとなくの予想はつくけど…

 

「その氷精が花を踏んだのよ」

「さんとなくそんな感じはしていましたけど…」

 

 思った通りの返答だった。

 

「花は生きているのよ?それを殺したということは、自分も殺されても文句は言えないわよね?」

「怖い!その考え方が怖い!たしかに花は生きていると思うけどやりすぎ!」

 

 流石は『四季のフラワーマスター』と言われているだけはある…花の妖怪だし、仲間を殺されたようなものなのか…

 

「だからそこを退いてちょうだい」

「嫌だと言ったらどうします?」

「貴方もろとも三人を殺す」

 

 三人って…大ちゃんとルーミアちゃんは完璧にとばっちりじゃん

 

「じゃあどうやったら許してくれるんです?」

「そうねぇ…じゃあ三人はさっきの花の場所に新しく芽を入れて育てることと育つまで花達に水をあげること。この二つよ」

「みたいだけど大丈夫?」

 

 まあなんとも大変な作業なんだろう。とはいえこれは三人(正確にはチルノちゃんの)問題だから僕は手伝わないつもりでいる

 

「私は大丈夫です。チルノちゃん謝って」

「うぅサイキョーのアタイが言わなくちゃいけないなんて…」

 

 チルノちゃんが躊躇う。

 

「最強でも完璧じゃないんだ。失敗することだってある。だから失敗を糧に最強の先につながるかもしれないよ」

 

 諭すように言うとチルノちゃんが目をキラキラさせながら今言ったことを小声で繰り返す

 

「夢華の言っていることは正しいな!ただでさえサイキョーのアタイがその先に行ったらさらにサイキョーになれるじゃん!」

「とりあえず謝るのだー」

 

 ルーミアちゃんと一緒に謝るチルノちゃん

 

 

 その後三人は種とかを持っておくに行った。まあ声は聞こえるから大体どこにいるのかは分かるけどね

 

「夢華、大丈夫?」

「ん?大丈夫だよ」

 

 いつのまにか背後にメディスンちゃんが居た。

 

「あらメディスン。貴女が彼を連れて来たの?」

「そうよ。でもこんな事になっているとは思わなかったわ」

「それよりも貴方の魔力量が凄いわね。どうしてかしら?」

「さあ?僕は普通に生きていただけですから」

 

 学校に通って絢斗君達と遊んだり、色々な場所に行ったり

 

「それに…貴方のその魔力、どこかで感じたことがあるのよね」

「え?僕達初対面ですよね?」

 

 少なくとも僕の記憶には幽香さんと会った事はない…はず

 

「まあ良いわ。ゆっくり思い出すわ。で、何しに私に会いに来たのかしら」

「そうそう!夢華は花が好きだから幽香に合わせたくて来たのよ」

「へぇ貴方花が好きなのね」

「だって綺麗じゃないですか。何回か写真を撮りましたよ。これとか」

 

 そう言ってスマホを起動し、写真のアプリから花の写真を見せる

 

「あら、綺麗じゃない。写真の写りも良いし」

 

 その後幽香さんとメディスンちゃんと一緒に花の事について話した。

 そして気がついたら二時間も経過していた。よくこんなに話せたな〜

 

「じゃあ僕は帰りますね」

「じゃあね夢華!」

 

 メディスンちゃんが言っていると幽香さんは傘を畳んだ。

 

「そうね帰る前に私と戦いなさい」

「え?」

 

 幽香さんは言うのと同時に傘を横に振るう。

 

「早っ」

 

 しゃがんで回避。その後幽香さんは傘を振り落とす。これも早い

 

「そりゃ!」

 

 傘を魔力を多く纏った片手で掴む…が、それでも骨からまた嫌な音が聞こえてくる。反射的に地面に付けるように放す。地面につく前に傘が止まり、そのままフルスイングでもするように両手で柄を掴み、振るう

 

「嘘っ」

 

 できないと思っていたので驚いた。けどこのまま当たったら上半身と下半身が分離しそうだ。魔法陣を展開し、傘が当たる瞬間に僕に当たらない角度にする。傘は僕の頭の上を通る。と、同時に後ろに跳び距離を取る

 

「やるじゃない」

「ちょっと幽香なんでいきなり夢華を攻撃するのよ!」

 

 突然のことで動かなかったメディスンちゃんが幽香さんに問いながら間に入ってくる

 

「戦えば彼の魔力について思い出すかもしれないし、何より彼の本気を見てみたいのよ。霊夢と引き分けたみたいだし」

「え!?あの霊夢と!?」

「いや、逃げますよ?」

「その場合は守矢神社を破壊しにいくわよ」

 

 何という脅しだ…早苗ちゃん達には迷惑をかけられない…

 

「分かりました。ただし、場所を変えましょう」

「良いわよ。先に言っておくけど今からやるのは弾幕ごっこじゃなくて本気の戦いだからね」

「弾幕ごっこが良かった…」




次回は幽香戦です。
昏御「何あいつ。怖い」
そうですね
昏御「夢華は戦闘が嫌いだからな…ドンマイとしか言えないな」
まあ主人公ですしお寿司。仕方ないね
昏御「で、あのメディスンって子の過去はあれであっているのか?」
僕の妄想です
昏御「あっそ。眠くなったから帰る」
アッハイ。サヨウナラ
次回は…彼が来るのか?
ではまた次回会いましょう


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第18話 vs四季のフラワーマスター

今回は幽香戦です
蓮舞「そうか」
やはりあんただったか
蓮舞「今回は幽香とかいうやつと戦うのか?」
そうです
蓮舞「一緒に言うぞ」
了解了解
蓮舞&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 霊夢

 

「う〜ん………何か忘れているような………?」

 

 夢華と弾幕ごっこをやって引き分けた後から頭に何かが引っかかって取れない感覚に見舞われていた

 

「あの夢華の動き、どこかで見たことがある…の?」

 

 と、その時私がう〜ん、う〜んとお茶を飲みながら唸っていると目の前にスキマざ現れ、夢華の監視などを行なっている紫が出て来た

 

「どうしたのかしら?」

「紫?それが、前の夢華と弾幕ごっこの時に夢華の動きを幻想郷以外で前に見たことがあるような気がして…」

「幻想郷以外だと、霊夢が外の世界で博麗の巫女の修行をやっていた時になるわね」

「そうなんだけど、幻想郷に来る少し前の記憶が少し無くなっているような気がするのよ」

 

 霊歌のことも覚えているし。私の言葉を聞いた後、紫は扇子を口に当て、「まさかそこまで…」と、小さな声で言った。バッチリ聞こえている

 

「で、紫には心当たりあるの?」

「あるわよ」

 

 即答で返答が返って来た。

 

「霊夢はその記憶のことをどう考えているの?」

「思い出せるなら思い出したいわね。でも自分で言うのもなんだけど私、記憶力いいわよ」

「そうね。たしかに霊夢は記憶力いいわよね。じゃあもしも誰かに記憶を忘れさせられたら?」

「それは無いはずよ」

 

 私の能力は【空を飛ぶ程度の能力】。空を飛ぶ以外にも、何事にも縛られない。重力にも重圧も私には意味がない。つまり能力の干渉などは基本的には受けないはず…

 

「今から大体30年くらい前だったかしら。幻想郷に魅魔と同等以上の魔法使いがいたわ」

「あの魅魔と!?」

「そう。でもまだ13歳の少女が。少女の成長は早く、16歳になってからは先代の博麗の巫女と同じくらいまで強くなったわ」

 

 そこまで聞いて私は絶句した。先代の博麗の巫女は私よりも強い。その人と同じくらい…

 

「でもその少女は今は幻想郷に居ないわ」

「外の世界に行った、でしょ?」

「そうよ」

 

 なんとなくわかってきた。ということは夢華は…

 

「どうやら夢華と幽香が戦うみたいよ」

「それは弾幕ごっこじゃないわよね?」

「みたいね」

「私にも観せなさい。それで思い出すかもしれないわ」

「幽香も同じ理由みたいね」

 

 目の前のスキマを覗くと広い場所で夢華と幽香が十メートルの間隔で立っている。巻き込まれない位置にメディスンも居る

 

「もしかしたら夢華の本気も観れるかもね」

「その場合は私達も参戦するわよ」

「わかっているわよ」

 

 忘れた記憶を思い出すために夢華の一挙手一投足を見逃さずに集中しながら二人の戦闘を観る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

 ここは幽香さんについて行き、広い場所に移動した。

 

「ここなら多少、本気で戦っても人里にも花たちにも被害は及ばないわ」

「そうですか。では、もう一度勝負内容を確認しましょう。

 1、今からやるのは弾幕ごっこではなく…………弾幕ごっこ以上、殺し合い未満

 2、ここまでならどんな手段を使っても良い

 3、周りに被害を出してはいけない

 4、絶対に殺してはいけない

 で、いいですか?」

「良いわよ。でも、3の周りに被害は出してはいけないのところでスキマから覗いている人達は対象外で良いかしら?」

「問題ないでしょう」

(どさくさに紛れてやろうかしら)

(と思っているんだろうな〜)

 

 幽香さんの思っていることがなんとなくわかってしまった。まだ二時間くらいしか話したことがないのに…それに紫さんと霊夢がスキマから覗いている事に気付いてたんだ

 

「じゃあやりましょうか」

「出来るだけ早く終わらせましょう」

 

 幽香さんは傘を構え、僕は魔導書の火のページを開いたまま中に浮かす

 

「行くわよ!」「行きます!」

 

 魔法で『炎の妖刀(レッドソード)』を右手に出す。と、同時に地面を蹴り駆け出す。幽香さんは少し早く接近する

 

「はっ!」

「くっ…」

 

 幽香さんは傘を思いっきり振り下ろす。それを刀で受け流す。でも僕は刀に長けているわけではないから見様見真似なんだけどね

 

「貴方刀使えるのね」

「特撮の見様見真似ですけど…ね!」

 

 刀を地面に刺す。すると、地面から僕を巻き込まれないように火の渦が発生する

 

「あら。熱いじゃないの」

「逃げ足速いですね」

 

 幽香さんは刀を地面に刺した時に離れていた。さて、どうしようかな

 

(刀は僕…というか絢斗君達にも出来ないし、見様見真似だと妖夢ちゃんよりも下手だし…素手は文字通り骨が折れるし)

「そちらからどうぞ?」

「ならお言葉に甘えて…」

 

 また全力で駆け出す。刀を両手に持ち

 

「僕の必殺技パート1!」

 

 そのままモモタロスみたいに幽香さんの近くまで行って思いっきり横に振るう。

 

「それが必殺技?」

「ふざけている時の、が前につきますけどね」

 

 ガンッと傘が刀を止めた音が鳴る。

 

「戦闘中にふざける余裕があるなんてね」

「ハハハ…ふざけるだけの余裕って必要だと思いますよ?」

「貴方いつか死ぬわよ?」

「それが今、なんて事にはなりませんよね?」

「それは貴方次第かしら?」

 

 その言葉と共に距離を取り、刀を消し、雷のページにする

 

「雷魔法 サンダーグローブ」

 

 両手に雷を纏う。バチバチ聞こえる

 

「貴方の魔法の種類はどれくらいあるのかしら?」

「火と、水と、氷と、風と、雷と、治癒だから六種類ですね」

「そんな簡単に言って良いの?」

「良いですよ。隠すようなものでもな…あ、いつもの癖で言っちゃった」

 

 この事は蓮舞君に止められていたのに言っちゃった。……過ぎた事はどうしようもない。集中しよう

 両手の雷を球体の形にして幽香さんの周りに10個展開する。

 

「これは?」

「何でしょうね?」

 

 10個の雷の球体から細い糸みたいな物が球体に伸び、繋がる

 

「これは…」

 

 幽香さんは周りを一通り見る。けど…

 

「死なない程度に威力を下げておきますよ〜 雷魔法 雷の包囲網」

 

 バチバチッと細い糸に雷を流した音と共に雷の弾幕が幽香さんに向かっていく

 

「甘いわよ!」

 

 幽香さんは弾幕で雷の弾幕を全て相殺する。マジか〜今のを相殺するのか〜

 

「今のは威力だけ高くてスピードはそこそこね。これだったらまだ魔理沙の方が強いわよ」

「まだ弾幕には慣れてないんですよ〜」

 

 弾幕がなかなか慣れない…

 

「弾幕はこうやるのよ!」

「!衝撃吸収!」

 

 幽香さんが高威力の弾幕を大量に放つ。咄嗟に能力を使って魔法陣で防ぐ。衝撃は魔法陣に、弾幕は魔法陣で相殺。その結果全てを防いだが、魔法陣が今すぐに砕けそうになっている。これをまともにくらったら粉砕コース待ったなしですな

 

「どうやらその魔法陣に衝撃だけが残っているようね」

「ですよ〜」

「でも、少しでもそれで防いだら砕けそうね」

 

 そこまで分かるのか…これはまだ使い道があるから今壊されないようにしないと…

 

「来ないならこっちから!」

「速い…」

 

 幽香さんは傘を真横に振るう。

 

「ハンドル剣!」

 

 魔法陣から取り出したドライブで使うハンドル剣で受け止める。形としては剣に車のハンドルが付いているものだ。

 

「面白いものを使うわね」

「僕もそう思います。身体強化」

 

 能力で身体を強化し、ハンドル剣を振るい、幽香さんを遠くに飛ばす

 

「まだまだ!」

 

 ハンドルをきり、ものすごい速さで幽香さんを追い、空中にいる時に攻撃する。因みにハンドル剣から『ターン!』というベルトさんの音声付き

 

「はあ!」

 

 後方に飛んでいる幽香さんは弾幕で迎撃しようとするがさらにハンドルをきり、回避しながら斬りあげる

 

「く…」

 

 斬りあげられた幽香さんは空中に止まる。けど、ここで追い討ちをしない僕ではない

 

「瞬間移動」

「なっ!」

 

 瞬間移動で幽香さんの後ろに移動。ハンドル剣は魔法陣に入れておいた

 

「セット!」

 

 さっきの弾幕の衝撃が破裂寸前の魔法陣を驚いている幽香さんの背中にセット

 

「させない!」

 

 僕が何をしようとするのかを察したのかそのままの状態で傘を振り回す。が、傘が届く前にこっちが早かった

 

「衝撃解放!」

 

 能力で破裂寸前の魔法陣の衝撃が幽香さんの背中にダイレクトアタック!そのまま地面まで急降下した。ズドーン!という音と共に砂埃が舞い上がる

 

「死んでないよね?」

 

 当たったら粉砕コースの衝撃をまともにくらったら妖怪でも死ぬかも…と、思ったけど霊夢と紫さんが動いてないから大丈夫なのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 霊夢

 

 今の戦闘をスキマを覗きながら観ていた

 

「幽香相手にふざけるだけの余裕があるなんてね」

「全くよ。ちゃんとやらないと死ぬわよ…」

 

 紫は笑い、私は呆れる

 

「幽香の弾幕は遊びじゃなくて殺し合いの威力なんだけど」

「まあそれだけ夢華が強いということよ」

 

 確かに夢華は強いけど、本気でやらないと今からは幽香が優勢になってしまう

 

「何か思い出せそう?」

「ええ大体思い出したわ」

「そう。夢華は思い出すかしらね?」

「それは無いと思うわよ。自然にはね」

 

 これは私の勘だけどね

 

「さあ夢華は本気の幽香相手にどうするのかしらね?」

「命に関わるレベルになったら止めるわよ」

「分かってるわよ」

 

 命に関わるレベルになるのは多分幽香だと思うけどね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

 うーん…本当に大丈夫かな?永遠亭に連れて行った方がいいんじゃないかな?

 

「あははははは!!!」

「え?なになになに!?一体どうし…うわっと!」

 

  晴れない砂煙の中から幽香さんの笑い声と共に大量の高威力の弾幕が視界を埋めて飛んで来る

 

「炎・氷魔法 氷炭灰冷図!炎魔法 爆炎ガトリング!氷炎 炎と氷の弾幕網!」

 

 魔法とスペカを同時に使う。弾幕網で後から来る弾幕を(すぐに破壊されるだろうけど)止める。今来る弾幕を氷塊と炎球の連打、大量の炎型の弾幕で対応。

 

「これはふざけられないーーーー!」

 

 大量の弾幕で対応しても、弾幕網を突破した弾幕が多すぎる。これはもうふざける余裕が無くなってきた

 

「だったら!雷魔法 雷鳴の鉄槌!」

 

 両手に巨大な雷の小槌を出し、振り落とす

 

「ググググギギ………そりゃああああ!!!」

 

 力任せで全ての弾幕を相殺する。今のでかなりの魔力を使った。これで勝てるかな?

 

「貴方面白いわ!最高よ!こんなに楽しいのはアイツ以来よ!」

 

 アイツ?誰だろ?…と思っていると地面から一気に僕のところまで跳躍する

 

「はあ!」

「うわっ……ゲホッ」

 

 跳躍し、僕の所まで一瞬で来ると傘を横に振るう。それをしゃがんで回避。その後傘を振り上げ、顎にもろにくらう。そのまま宙に浮く。これはマズイ!本当にマズイ!ディモールトマズイ!このままだと冗談抜きで死ぬ!幽香さん絶対に勝負内容の4を忘れてるよね?

 

「まだまだまだ!」

 

 宙に浮いている僕を地面に叩きつけるように傘を上から下に振るう。咄嗟に魔力をまともに纏わせていない両手をクロスにして、傘での攻撃を防御する。魔力をほとんど纏っていない両手から当然のごとくメキメキメキ!と聞きたくない音が鳴る

 

「ガッゴッグ…ゲホゲホッ!痛…腕は……折れてないね」

 

 背中から地面に叩きつけられ、バウンドしてからゴロゴロと転がる。すぐに立ち上がり両腕を動かし、手をグーパーグーパー動かしてちゃんと動くことを確かめる

 

「隙あり!」

 

 空中から幽香さんが猛スピードで接近して来る。そのまま傘を振り落とす。

 

「グッ…」

 

 さっきと違い、魔力を多く纏わせた右手で傘を受け止める。治癒魔法を使ってないから正直な話骨が大変なことになりそうだ

 

「へぇまだやるのね」

「まだ負けてないので…ね!」

 

 傘を掴みながら幽香さんのお腹に蹴りを入れる。距離を取る。

 

「さて、終わらせますよ。『炎の妖刀(レッドソード)』&『氷の聖剣(ブルーブレイド)』!」

 

 右手に妖刀を、左手で聖剣を持ち、構える。

 

「超速移動」

 

 小さく呟き能力を使う。呟くと、幽香さんの目の前まで移動する。幽香さんは全く反応しない。正確にはものすごくゆっくり動いている。ぶっちゃけアクセルモード状態。すぐに傘を弾き飛ばす。

 

「剣戟乱舞。氷炎 氷炎乱舞」

 

 僕の剣の腕はからっきし。だから能力の剣戟乱舞で乱舞の時だけうまく立ち回れるようにする

 

「はあああああああああ!」

 

 超速移動(アクセルモード)ができる時間は約10秒。その10秒の間に出来るだけ斬る。一応スペカを使っているので血しぶきが舞っていることはない。痣はできると思うけど

 

「10秒!」

 

 10秒後、時間切れになる。と、同時に時間の流れが元に戻る。

 

「グハッ…え?速すぎる」

「ジ・エンド!破砲 破壊光線!」

 

 幽香さんからしたら一瞬のうちにたくさん攻撃されたから驚愕しているだろうね。だから今のこの隙にレーザーを叩き込む!

 

「傘は…」

 

 傘を求めて手を動かすが意味も無くレーザーをくらい吹き飛ぶ

 

「ふう…弾幕ごっこようだし死んではないはず…けど治療くらいは…」

 

 言っていると魔力の使いすぎなのか足の骨に異常があるのか、はたまた能力の使いすぎなのか、バランスを崩して倒れこみそうになる

 

「夢華!」

 

 遠くから観ていたメディスンちゃんが倒れそうになる僕を支える

 

「ありがとう。メディスンちゃん。できればそのまま幽香さんの所まで連れて行ってくれると助かるんだけど」

「それよりも夢華の方が治療しないと!骨まで響いていたでしょ!」

「ははは…バレてる。こっちは幽香さんと一緒にやるから大丈夫だよ」

 

 そう言うとメディスンちゃんは渋々といった感じで幽香さんの元まで連れて行ってくれる

 幽香さんの治療と僕の治療で約一時間。能力のデメリットはもう無いから自由に動ける。

 

「夢華はもう帰ってもいいと思うよ。幽香は私が診ておくから」

「ん〜じゃあお願いしても良い?」

「うん。任せて!」

「じゃあ幽香さんが目覚めたら 次は戦闘無しで花の話をしましょう って言っておいて」

「了解!じゃあね〜」

「バイバイ」

 

 魔法陣に乗り、守矢神社に帰る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 霊夢

 

 夢華が魔法陣に乗って飛んで行ってからすぐにスキマを通り、幽香の所まで行く。

 

「ほら起きてるんでしょ?早くしなさい」

「こっちは怪我人なんだけどね」

 

 そう言って幽香は立ち上がる

 

「彼、面白いわね。また今度相手してもらおうかしら」

「その事なんだけど夢華が 次から戦闘無しで花の話をしましょう って言ってたよ」

「あら?釘を打つのが早いこと」

 

 二人で話している。

 

「話の途中で悪いんだけどさ、なんで幽香は夢華と戦ったの?」

「彼の魔力をどこかで感じたことがあるから戦えば分かると思って」

「ふ〜ん。で、分かったの?」

「えぇちゃんも思い出したわよ」

 

 幽香が笑う。私も幽香のお陰で思い出したから強く言えない

 

「ねぇ幽香。夢華は本気で戦ったと思う?」

「無いわね。彼からしたら本気だろうけれど無意識のうちに力をセーブしているんじゃないかしら」

 

 紫の質問に幽香は淡々と答えて行く

 

「そんな状態でも幽香に勝てると、子は親に似るなんて言うけれど本当にその通りね」

「本当にね。レイアにそっくりだわ」

 

 レイア…名前から女性だろうか。親ということは夢華の母親ね

 

「さて、じゃあ霊夢の話を聞きましょうか」

「霊夢も?」

「えぇ夢華と弾幕ごっこした時から何か頭に引っかかる感覚があってね。それで思い出そうとしているときに紫が来て、スキマからさっきの戦いを観ていたのよ」

「なるほどね。で、ちゃんと思い出したと」

「そうよ」

「何を思い出したの?」

 

 幽香に言われて少し間を置き言う

 

「私と夢華は4歳の時に外の世界で会っているわ」




今回で幻想郷巡りは終了です
蓮舞「名瀬さんがいたのだが…」
気のせいです
蓮舞「次回からは?」
次は幻想郷巡りの反省みたいなものと、用語解説?をやっていこうかと。多分今日か明日くらいにできるかと…
蓮舞「その後は?」
恐らく過去編になると…早めに過去編をやらないと(謎の使命感)
蓮舞「そうか。じゃあな」
さよなら〜
ではまた


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第18.5話 解説という名の雑談

遅れてしまって申し訳ありません!リアルでの時間に余裕が無く、遅れてしまいました!


夢「さあさあさあ!今回もやっていきましょう!今回のゲストは(ダイスにより決まった)紅魔館の主人、レミリア・スカーレットさんと、紅魔館の完全で瀟洒なメイド、十六夜 咲夜さんです!」

 

レ「ふっふっふっ登場してからすぐにこのコーナーにこれるなんてやっぱり私のカリスマがさせた事!」

 

夢「わーすごいなー尊敬しちゃうなー」

 

咲「まさか選ばれるとは…(しかもお嬢様と)十六夜 咲夜です。今回はよろしくお願いします」

 

夢「はい!お願いします!ではやっていきましょう!」

 

 

 

〜幻想郷巡りの解説等〜

 

第6話 普通の魔法使いとの弾幕ごっこ

 

夢「この回では僕に弾幕ごっこをやらせる為です。幻想郷を巡っていないけど」

 

レ「最初の弾幕ごっこの相手が魔理沙なんて…なんというかベタね」

 

咲「しかし、6話で初めての弾幕ごっこは少し遅いというか、スローペースですね」

 

夢「この時点でスペカを作りましたからね。しかし、まだ幻想郷に来て3日ですから…たしかに遅いですね」

 

カ「そんなこと言ったって仕方がないじゃないかー」

 

レ「うるさい!」

 

カ「ヘブシ!」

 

 

 

〜第7話 人里〜

 

夢「この回では新キャラを出しました」

 

レ「朱鳥ね。このキャラの立ち位置が気になるわね」

 

夢「まだ教えられませんね〜」

 

咲「黒髪の青年の火薬の匂い、道、これはどういうことでしょう?」

 

夢「それはしばらく教えられませんね〜ただかなり後になるとだけ…」

 

レ「妖怪の時の『僕は妖怪でも人間でも殺さないようにしている〜』の所はどんな意味なのかしらね?」

 

夢「どうでしょうかね〜」

 

 

 

 

〜第8話 紅魔館の門番〜

 

レ「ここで私たちの出番ね!」

 

夢「この回では美鈴さんの戦闘でした。本当は最初から咲夜さんも一緒に戦うみたいでしたけどカミユの気まぐれで予定が変更されました」

 

咲「美鈴のお仕置きをやっていなかったわ」

 

夢「美鈴さん…ご愁傷様です。というか今回は次の話に移った方がいいかもですね」

 

 

 

 

〜第9話 夢華vs紅魔館の門番とメイド〜

 

夢「戦闘回ですね」

 

咲「二人掛かりでやっても半分以下で勝てるなんて強すぎます」

 

レ「本当よ。何だっけ…あの仮面ナントカっていうやつ」

 

夢「仮面ライダーだね。魔法陣が標的(今回は美鈴さん)に何枚も重ねて通過しながら蹴りをするやつだね。ディケイドのファイナルアタックライド(ライダーキック)だね」

 

咲「さて、次でお嬢様方の登場ですね」

 

 

 

 

〜第10話 紅魔館の主人と新しい魔法〜

 

夢「レミちゃん(超小声)」

 

レ「聞こえているわよ!何よレミちゃんって!リアちゃんも何よ!本当に何なのよ!」

 

夢「からかっただけだよ〜」

 

咲「あれは内心で笑ってしまいましたよ」

 

レ「咲夜まで………この話は終わりにしましょう!えっと…夢華は新しい魔法を覚える為に来たんだっけ?」

 

夢「そうそう。ただそれだけ。歓迎会の時にすぐに酔いつぶれたからね」

 

レ「私たちは夢華が酔いつぶれた後に参加したから、初対面ね」

 

咲「妹様のことで遅れましたよね」

 

レ「そうそう。そうなのよ。伏線かしらね?」

 

夢「…………すぐにわかるんじゃないですか?」

 

 

 

 

〜第11話 悪魔の妹vs炎を纏いし者〜

 

レ「何よあの【炎上モード】ってチートじゃない!」

 

咲「確かに妹様の能力でも破壊できないとなるとチートとしか言いようがないですね」

 

夢「それに関しては後の用語解説の時に…」

 

レ「4話分使うまでやる必要あった?」

 

夢「区切りが良かったみたい」

 

 

 

 

〜第12話 不幸な調査〜

 

夢「ふざけたかった…ただそれだけの事だったのだ」

 

レ「ひどかったわね。本当にひどいわ。雛だけで巨人を倒すとは…」

 

咲「相手にしたくないですね」

 

 

 

 

〜第13話 博麗の巫女と弾幕ごっこ〜

 

夢「霊夢と弾幕ごっこをやらせたかっただけみたいだったね」

 

レ「霊夢相手に引き分けなんてすごいわね。なんというか…フランに勝っただけのことはあるということね」

 

咲「18話で言っていた気になる所とはどこだったのかしら」

 

夢「それは最後の霊夢と同時にスペカを使うところとその前の行動だね」

 

レ「それは過去編でしょう?」

 

夢「そうそう」

 

 

 

 

〜第14話 白玉楼〜

 

夢「早く巡らせないといけない(謎の)使命感によってできたものです」

 

レ「脅す時の目を瞑った方が良い説って本当なの?」

 

夢「さあ?」

 

咲「考えてなかったのですか?」

 

カ「知〜らない」

 

夢「打撃 一発入魂」

 

カ「グゲバッ!」

 

レ「最後の祝って子は…」

 

夢「過去編の最後のやつですね」

 

咲「すごく意味深なことを言っていましたね」

 

夢「過去編で〜」

 

 

 

 

〜第15話 永遠亭〜

 

夢「この時にはすでに異変は始まっています。しかしまだ本格的には動いていません」

 

レ「じゃあ原作通りに」

 

夢「そういうことです」

 

咲「私の出番は…」

 

夢「あるかな〜?」

 

レ「伏線があったわね。月のことで」

 

夢「それは次で話しますね」

 

 

 

 

〜第16話 夢の中〜

 

夢「これも過去編でわかるんですよね〜」

 

レ「いくつ過去編の伏線があるのよ」

 

夢「えっと……それはこの後の過去編についてで…」

 

咲「私たちも月に行っていますがね」

 

夢「儚月抄ですね」

 

 

 

 

〜第17話 太陽の畑〜

 

カ「メディスンとフラグが立ちやがった」

 

夢(編集してるのあんただろ)

 

レ「ところであの話は本当の事じゃないのよね?」

 

咲「作り話らしいですね」

 

夢「幽香さんと話しが合うことが良かったけど戦闘好きは…」

 

レ「手をつけられたからね…」

 

咲「それは次の話ですかね」

 

 

 

 

〜第18話 vs四季のフラワーマスター〜

 

夢「能力をちゃんと使わなければ本当にやばい相手だった」

 

レ「本当にね。夢華の能力がチートすぎることも改めてわかったわ」

 

咲「ですが、何故【炎上モード】を使わなかったのですか?」

 

カ「能力を使った戦闘にしたかったから。夢華は魔法を主に使うからね」

 

夢「らしいね」

 

レ「あのレイアって奴は…」

 

咲「でしょう」

 

夢「まあ過去編で分かります(何回目だろう。この言葉使ったの)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢「用語解説コーナー」

 

レ「それは【炎上モード】かしら?」

 

夢「そう。と言っても今回は【炎上モード】だけだけどね」

 

咲「では、【炎上モード】みたいなものがあるごとに用語解説コーナーをやるんですか?」

 

夢「そうですそうです。そうしないとネタバレになるので」

 

レ「なんとなく予想はつくけれどね」

 

夢「じゃあやっていこう!」

 

【炎上モード】

夢華の持っている魔導書と、夢華の能力を使えなくするヘッドホンを使ってなれるモード。能力が使えなくなる代わりに、能力に回していた魔力を魔法側に回すことができる。このモードになると炎か火を使う魔法、スペカで炎の威力が跳ね上がり、他が弱くなる。消えるわけではない。例 氷炎 炎と氷の弾幕網だと炎がでかくなり、氷が弱くなる。このモードでしか使えない魔法があり、フランの能力で破壊されても元の形に戻る(イメージはウィザードに出てくるフェニックス)

 

夢「というものです」

 

レ「チートね」

 

咲「チートですね」

 

夢「そのかわり能力は全く使えませんがね」

 

レ「それでもよ。この状態だと死なないでしょ」

 

夢「まあ死なないだろうね」

 

咲「【炎上モード】の名前の由来はありますか?」

 

夢「絢斗君達の論争の結果ですね。あの時は疲れた…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢「過去編について〜」

 

夢「今のところ過去編は

・早苗ちゃんとの出会い

・小学校のとき&三途の川

・魔界編

・月面旅行編

・違法能力開発編

くらいですかね」

 

レ「多いわね。ちゃんとできるの?」

 

夢「できるできる(多分)」

 

咲「どれが一番長くなりそうですか?」

 

夢「一番下の『違法能力開発編』ですかね」

 

咲「ここではオリジナルキャラクターが多いですよね?」

 

カ「考えるの大変でした…」

 

夢「もしかしたらもうちょっとあるかもしれないけどね」

 

レ「未定なのね」

 

カ「ハハハ…」

 

 

 

 

 

夢「今回はここまで〜お疲れ様でした〜」

 

レ「ありがとうね。楽しかったわ」

 

咲「次回はどうするのですか?」

 

夢「早苗ちゃんとの出会いをやります。多分3、4話くらいで終わると思いますが」

 

レ「そうなのね。じゃあみんなで言いましょう」

 

夢&レ&咲「今回はここまで!次回も楽しみに!」

 




次回は過去編です。本編の通り早苗との出会いともしかしたら霊夢との出会いもやるかもです

分からないところがあったら教えてください


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過去編一章 出会い
第19話 二人の出会い


今回から過去編やります。今回はかなり短いです。


「神社に神様がいるって本当なのかなー?」

 

○○県○○市にある少し大きい屋敷の書斎で紫髪の3歳くらいの男の子が絵本を読みながら呟いた

 

「確か近くに神社があったし……確かめにいこう!」

 

男の子は何も持たずに玄関を開けて歩き出す。近くの神社までの距離はそこまで無く、3歳の男の子が歩いたとしても1分もかからないくらいだ

 

「これがとりい?だっけ?お母さんと一緒に来た事があるからそこまで疲れないよね!」

 

男の子のお母さんと一緒に来た時は抱きかかえられていたから疲れはしないだろう…多分

 

「仮面ライダーはこういう階段をバイクで走るなんてすごいな〜」

 

階段を上りながら呟く

 

「疲れたぁ休憩〜」

 

階段の半分まで上がってからその場で腰を下ろす

 

「ふぅお水持ってくるの忘れたけどいっか………あれ?女の子の声?」

 

男の子が静かにその場で座っていると上の神社から二つの声が聞こえた。二つとも幼い声だった

 

「神社の人かな?」

 

男の子は立ち上がり階段を上っていく

 

 

 

 

 

男の子が階段を上りきると二人の女の子がボールを使って遊んでいた。一人は緑髪で女の子と同じくらいであろう年齢で脇を出した巫女服を着ている。もう一人は見た目は小学高学年くらいのカエルの目が二つある帽子をかぶっている金髪の女の子がいた

 

「はあ…はあ…着いた〜」

「えっと…あなたは…?」

「君はこの近くに住んでいる子だね。どうしたの?」

 

息を切らせて立っていると緑髪の女の子が金髪の女の子の後ろに隠れてしまった。金髪の女の子は男の子に近寄りながら問う

 

「ぼくは神社に神様がいるって絵本で読んだから本当かどうか確かめに来たの!」

「そうなんだ。私は守矢神社の神様の一人、洩矢 諏訪子。ほら早苗。挨拶して」

「わ…私は東風谷 早苗です。守矢神社で巫女をやっています。君の名前はなんて言うの?」

 

金髪の女の子…諏訪子の後ろから緑髪の女の子…早苗が自己紹介をして、男の子の名前を訊く

 

「ぼくは上殊 夢華。よろしく!諏訪子さん!早苗ちゃん!」

 

男の子…夢華は満面の笑みで二人に自己紹介をする

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side 夢華

 

さっき家の書斎で絵本を読んで、本当に神社に神様がいるかどうかを確かめに来た

そう思い、すぐ近くの守矢神社に階段を途中で休憩をした。その時に神社の境内(だっけ?)から女の子の声が聞こえた。急いで階段を上りきる

そこには神様の諏訪子さん、守矢神社の巫女をやっている早苗ちゃんと会った

 

「夢華ちゃんだね!で、神様が本当に居るかだっけ?さっきも言ったけど私は神様だよ。早苗は私の子孫」

「ゆ…夢華ちゃん。諏訪子様が見えるの?」

「見えるよ?」

 

なぜかちゃん付けされているけど別に良いかな。目の前の諏訪子さんが神様でしょ?

 

「私達神様の存在を信じている人にしか見えないんだよ」

「そうなんだ〜良かった〜神様がいて。諏訪子さんは何の神様なの?」

「私は山の神様で守矢神社の一柱」

「じゃあ早苗ちゃんは山の神様なの?」

「えっと私は人間だよ。風祝っていうの」

 

かぜはふり?何だろう?早苗ちゃんは諏訪子さんの背中から出てきた。それよりも…

 

「一柱?っていうことは別の柱?があるの?」

「ほう夢華ちゃん。君はなかなか頭が回るね。そう。もう一人居るの。神様が」

「じゃあ早苗ちゃんは三柱になるの?」

「みばしら?何、それ?」

「三つの柱っていう意味だよ。夢華ちゃんはいろんなことを知っているんだね」

「お母さんが読んでいる本を見ているからかな?」

 

お母さんが読んでいる本が難しくて分からないところがあるから教えてもらっているから?

 

「ところで夢華ちゃん。せっかく来たんだから私達と遊ばない?」

「良いの?遊ぶ!」

 

そんなわけで二人とボールで遊んだ。鬼ごっこやかくれんぼなどもやった。

もう一人の神様にも会いたいと思ったけど用事があるのかな?

 

「夢華〜?どこにいるの〜?」

 

と、二人と遊んでいるとお母さんの声が聞こえた。多分階段を上っているんだと思うけど

 

「夢華。ここに居たのね。急にいなくなるんだから探したわよ」

「書斎で神様がいるかどうかを確かめに来たんだけど、早苗ちゃん達と遊んでた」

「早苗ちゃん?君が早苗ちゃんかい?」

 

お母さんは早苗ちゃんのそばまで行き、しゃがむ

 

「私は夢華の母親のレイアよ。夢華と遊んでくれてありがとう。これから夢華をよろしくね」

「は…はい!こちらこそ!」

 

お母さんは早苗ちゃんの頭を撫でながら自己紹介をする。早苗ちゃんは緊張しているのかあたふたしていた

 

「久しぶりだね」

「そうね。元気そうね」

「お母さん。諏訪子さんと知り合いなの?」

「そうよ。いつも年明けは守矢神社なの。それで良く話すのよ」

「じゃあ神様の存在を信じているんだ〜」

「そうよ。この世にはもっと不可思議な現象も存在もあるのよ」

 

お母さんは楽しそうに、どこか寂しそうに言った。ぼくにはその意味がわからなかった

 

「じゃあ行こう」

「うん!じゃあね!早苗ちゃん、諏訪子さん!」

「じゃあね〜」

「あ…あの!また来てください!」

「うん!」

 

二人に別れを告げお母さん帰る

 

 

これが夢華と早苗ちゃんの最初の出会い




過去編はかなり短いです。あと三〜五話くらいで終わるかもしれません


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第20話 神様との鬼ごっこ

今回はサブタイトル通りです
絢斗「俺たちの出番は?」
まだありません。
絢斗「さあお前の罪を数えろ」
what!?ピチューン
絢斗「ピチュッたか。俺一人でやるか
本編へどうぞ!」


 Side 夢華

 

「早苗ちゃん!あーそーぼー!」

「夢華ちゃん!?ビックリしました!」

 

 早苗ちゃんと出会ってから次の日、お母さんに守矢神社に行くことを告げ、昼の一時に鳥居の前で大きな声を出す。すると早苗ちゃんが慌てて出てきた

 

「早苗ちゃん遊ぼ!」

「良いですよ!何して遊びます?」

「うーん……」

「考えてなかったのですね」

 

 思いつきで来ちゃったからね。どうしよう

 

「おや?君は?」

 

 考えていると、神社の中からぼくと同じの紫髪で首から鏡?を下げていて後ろに大きな縄を輪っかにしている長身の女性が出てきた

 

「ぼくは上殊 夢華だよ」

「ほう、君が夢華ちゃんか。私は守矢神社の一柱、八坂 神奈子だ。よろしく」

「よろしく!」

「ところで二人は何をやっているんだい?」

「これから何をして遊ぼうかを考えていたのです」

 

 早苗ちゃんがそう言うと神奈子さんが少し考えるようなそぶりをすると

 

「それじゃあ私から30分間だけ鬼ごっこをするのはどうだ?」

 

 神様相手に鬼ごっこは今後やれるかどうか分からない…ならばやるしかない!

 

「やります!」

「私もやります!」

「そうか。じゃあ10秒後に行くぞ〜」

 

 神奈子さんが10秒数えている時に早苗ちゃんと離れる

 

「神奈子さんってどれくらい早いの?」

「私達よりも早いことは確かですよ。神様ですし」

「だよね。じゃあこっちに来たら一斉に左右に別れよう。合図はこっちでやるから」

「分かりました」

 

 話していると10秒数えた神奈子さんが走ってくる。こういうのは諏訪子さんがやるものだと思っていたんだけど…

 

「固まっていたらすぐに捕まるぞ〜!」

「今!」

 

 神奈子さんが一メートルくらいまで来たら合図を出す。早苗ちゃんは左に、ぼくは右に移動する

 

「む?そりゃっ!」

「おっと…」

 

 ぼくたちが左右に別れると、神奈子さんは左手でぼくを捕まえようと腕を伸ばすがひらりと躱す。そのまま脚に力を入れて後方に跳ぶ。いまの神奈子さんとの距離は五メートル

 

「なっ…」

「夢華ちゃん…今のは……」

「え?なになに?どうしたの?」

 

 なんか二人とも動かなくなった。どうして驚いているのか分からない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 神奈子

 

 今、普通ではあり得ないであろう光景を見た。さっき隣の家の子…夢華ちゃんが遊びに来た。夢華ちゃんの凄まじいほどの魔力量は感じでいた。しかしまだ3歳くらいの子供だ。だから例え、魔力なんて使えたとしてもうまく制御なんてできないだろうと思い、鬼ごっこでは半分も力を使わずに手加減している。

 早苗と左右に別れた時に先に捕まえようとし、夢華ちゃんの方に腕を伸ばしたら脚に魔力を集めて跳んだ。

 あの様子だとおそらくまだ魔力のことを知らないはずだ。無意識のうちに制御したのか?

 

「どうしました?」

「いやいや、3歳にしては運動神経が良くてビックリしていたんだよ」

「ぼくってそんなに運動神経良いんですか?」

「ああ、少なくとも私はそうそう見ないな」

「そうなんですか」

「じゃあ再開するよ!」

 

 私はそう言ってさっきよりもスピードを上げて夢華ちゃんに接近する

 

「早っ!」

「ほら!」

 

 私のスピードに驚いている夢華ちゃんはすぐに後ろを向いて走り出す。脚に魔力を纏わせて走っているため3歳児よの子供にしては早いだろう。が、それでも私の方が圧倒的に早い。すぐに追いつき右手で触れようとする

 

「簡単には捕まらないよ!」

 

 夢華ちゃんは左に方向を変える

 

「やるねぇ」

「早すぎですよ」

 

 すぐに追いかけ、何度も触ろうとするが避けられる

 

「くっ…何故触れられない!?」

「危ない危ない」

 

 くねくね曲がって全て手が空をきる。

 脚に魔力を纏わせているため瞬発力を上げていることは分かっている。さらに早苗よりも体が小さく姿勢を低くしないといけない。神力を使うわけにはいかないので素の運動神経でやらなければいけない

 

「はあ!」

「できるかな〜そりゃっ!」

 

 私の左手が夢華ちゃんに触れる瞬間に夢華ちゃんが後ろ向きのまま神社の屋根の上に乗った

 

「おっとっと……できた〜!」

「おいおい…これは…」

「夢華ちゃん?」

 

 夢華ちゃんは屋根の上に乗るが、少しふらつく。落ちるのかと思ったがなんとかちゃんと立つことができたみたいだ。夢華ちゃんは特撮みたいな行動ができたことに喜んでいる。

 私から少し離れた場所で(居ることを忘れていた)早苗が声を出していた

 

「はあ〜降参だ。夢華ちゃんには勝てないよ。とりあえず降りなさいな」

「わ〜い!勝った〜!」

 

 素直に喜んでいるところを見ればただの子供にしか見えないな

 

「そ〜いっと…」

「夢華ちゃん!凄いですよ!何ですか今のは!仮面ライダーみたいでしたよ!」

「いや〜何となくだけど出来たよ。ライダーキックまでできたら良いんだけどね〜」

 

 できそうなんだが…

 まさか魔力を使えるとはいえ、三歳の子供に遊びで負けるなんてな。諏訪子にからかわれそうだ

 

「さて、夢華ちゃん。中で神様の事を話さないか?」

「良いんですか!?」

「あぁ良いぞ。早苗も聴くか?」

「聴きます!」

 

 そして、三人で神社の中に入る

 

(魔力をあんなに使ったのに疲れている様子がないな……もしかしたら将来大物になるかもな)

 

 そんな事を思いながら

 

 それから小二時間ほど神の事を話した。と言っても、此方からすれば少し話し足りない気もする。夢華ちゃんと早苗は目を輝かせながら話を聴いてくれた。

 

「さて、もう四時だ。夢華ちゃんは帰った方が良いんじゃないか?」

「え?もう四時?…うわ〜本当だ。もっと神様の事を聴きたかったな〜」

「また明日も来てください!」

「そうだな。来てくれたら話すよ」

「分かりました!じゃあまた明日来ます!」

 

 そう言って夢華ちゃんは玄関で靴を履く

 

「じゃあね〜また明日!」

「さようなら〜」

 

 夢華ちゃんは鳥居のところで手を振っている。此方も手を振る

 そして、夢華ちゃんが見えなくなってから諏訪子が出て来る

 

「帰ったんだ夢華ちゃん」

「ああ」

「諏訪子様は今までどこにいたのですか?」

「少し眠かったから自室で寝ていたよ。夢華ちゃんの魔力を感じるまではね」

「やっぱり諏訪子は気づいていたのか」

「まあね。早苗は夢華ちゃんの行動にどう思った?」

「かっこよかったです!まるで特撮みたいで!」

「そうだな。確かに特撮みたいだったな」

「あれは………まあ早苗ならすぐにわかるだろうね」

「私にも分かるんですか!?」

「そうだね〜夢華ちゃんとこれから居ればいずれ自然とわかるさ」

 

 諏訪子の言葉で早苗は楽しそうに夢華ちゃんが帰った鳥居の方を見る

 

「さて、これからどうなるかね」




絢斗「まだ復活しないな…どうしたものか」
蓮舞「この投稿で今年最後になるんだろ?」
昏御「みたいだね」
蓮舞「だから二人とも呼んだ方がよくないか?」
絢斗「だね!」
夢華「というわけで来ましたよ〜」
早苗「私たちってここに来るのは初めてなんじゃ…」
夢華「まあ別にいつも通りでいいでしょ。じゃあみんな一緒に言おうか〜」
五人+α「良いお年を!」


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第21話 二人の博麗の巫女候補者

絢斗、昏御、蓮舞、夢華、早苗、カミユ「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願います!」

今回は夢華が早苗達と出会ってから一年後です。つまり4歳です。え?飛びすぎだって?僕もそう思います!だがやめられない
蓮舞「お前ではこれが限界なんだな」
そうです
蓮舞「もう話す事がなくなったんだな」
そうです(2回目)では、
蓮舞&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 夢華

 

 今、ぼくは知らない道を歩いている。

 早苗ちゃん達と会ってからなにこれ一年が経った。この一年の間に神様の事をたくさん神奈子さんと諏訪子さんから聴いた。

 

「ん〜どこだろう…ここは…」

 

 周りをキョロキョロ見てみるけどやっぱり知らない家や塀しかない。試しに元の道に戻ってみても何故か戻ることができない。

 

「これはまさか……隣町まで来ちゃったのかな?」

 

 知らない道を歩いてから戻ろうとしても何処かで間違えたとしか言えない

 

「道を間違えた………どうしよう。隣町の道なんてわかんないよ」

 

 と、こうなってしまったら近くにいる人に訊けばいい。周りをまたキョロキョロ見てみる。しかし人が見当たらない。

 

「え?人が居ない?」

 

 もう一度見てみるが誰も居ない。そして、あることに気づいた

 

「そもそも歩いている時に人がいたっけ?」

 

 今まで歩いている時に人どころか猫や犬も見ていない気がする。というか鳥の声も聴こえない

 

「どうしよう。とにかく突き進めばいいのかな?でもそうすると更に迷うし、でもこのまま戻っても更に迷うし、どうしよう」

 

 お母さんだったらどうするんだろうな。と、考えていると道の先に光の塊みたいなものが浮いているのに気づいた

 

「光みたいなものについて行けばいいのかな?」

 

 そう思い光の塊みたいなものについて行く

 光の塊は届きそうで届かない位置でぼくを先導して行く

 

「ねぇねぇ君って何で浮いているの?ていうか喋れるの?」

 

 返事が返ってこない。ただの光の塊みたいだ。

 

「どこまで行くの〜?ねぇ。出来れば此処はどこかを教えて欲しいな〜喋ることはできなくても何かしらでこみゅにけーしょん?はできるでしょ〜?」

 

 何度も問いかけるが反応をしてくれない。ならば仕方がない。黙って歩くしかないね

 しばらく歩いて行くと光の塊が消えた。

 

「消えた…だと……」

 

 少し驚き、その場で立っていると目の前に赤い鳥居と奥にある少し古めかしい神社が見えた。鳥居には奥にある古めかしい神社の名前が書かれている

 

「あれは……なんて読むんだろう?はく…何とか神社……あれ?何処かで見たことがあるような?」

 

 あの字…いや、名前を何処かで見たことがあるような………思い出した!

 

「博麗神社!お母さんが言っていた名前だ!」

 

 神社の名前を知ることが出来たから行くのかどうかは別だ。

 周りを見てみると近くには家があって、来た道を見てみると白い霧?があって先が見えない

 

「つまりは博麗神社に行けという事かな?」

 

 鳥居の近くまで移動する

 

「入っていいのかな?中に人が居たら迷った事を言えばいいし…」

 

 鳥居をくぐる前に後ろを振り向くけど白い霧?で視界が悪い

 

「良し!ウェェェェェェェェェェイ」

 

 覚悟を決め、剣(ブレイド)のオンドゥル語を叫びながら鳥居をくぐる

 鳥居をくぐった先には…

 

「あれ?古めかしい神社が綺麗な神社になってる」

 

 鳥居をくぐる前に見た神社は古めかしい感じがしたが、鳥居をくぐった先は建てたばかりの神社がある

 

「……………何これ。どういう事?」

 

 ありえない出来事に頭が追いつかない。その時…

 

「あんた誰?」

「妖怪じゃないよね?」

 

 頭に赤いリボンをつけた女の子が神社の襖から出てきた。そういえば今は何時だろう?

 

「(妖怪?まあいいや)ぼくは上殊 夢華。えっと?」

「私は博麗 霊夢」

「私は博麗 霊歌(はくれい れいか)。よろしく夢華」

「霊夢ちゃんに、霊歌ちゃんね。よろしく!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 霊夢

 

 私は博麗の巫女の候補者である霊歌と神社の中で二人でお茶を飲んでいたら急に博麗神社の周りに張ってある結界が歪んだのを感じた

 

「霊歌!」

「分かってる!鳥居のところにいるよ!この魔力の量は妖怪かも!」

 

 霊歌も気づいたようですぐに立ち上がり襖を開け、境内の方を見る。そこには驚いている様子の紫髪で青い瞳の女の子が立っていた。多分私たちと同じくらいだから4歳だろうか

 

「あんた誰?」

「妖怪じゃないよね?」

 

 見た目は人間だけどとてつもない魔力で霊歌が思わず言う。しかし、女の子は『妖怪』という単語に対して分からないような仕草をする。その行動には嘘や演技ではないということが分かる

 

「ぼくは上殊 夢華。えっと?」

「私は博麗 霊夢」

「私は博麗 霊歌。よろしく夢華」

「霊夢ちゃんに、霊歌ちゃんね。よろしく!」

 

 夢華は演技ではない事が霊歌にも伝わったようで警戒心は解いている。私はまだ少しあるけど

 

「ところで、二人はここで何をやっているの?」

 

 当然な問いをしてきた。これは素直に答えればいいのか…

 

「私たちは博麗の巫女の修行をしているの。私たちの二人以外にお師匠様が居るんだけど、お師匠様は用事があるから今は居ないわ」

「へぇ修行か〜」

 

 幻想郷の事は伏せておく。夢華は『修行』という単語に反応する

 

「どんな修行をしているの?」

「今は結界だけよ」

「あのさ、立ち話も何だし中に入らない?お茶を淹れるわ」

「それもそうね。夢華ちゃん入りなよ」

「じゃあお邪魔しま〜す」

 

 霊歌と夢華が神社の客室に入ると同時に夢華が使う茶碗を持ってくる。夢華と霊歌が座ると茶碗にお茶を淹れる

 

「いただきます。美味しい」

「ありがとう。で、夢華はどうやってここまで来たの?」

「う〜ん……なんて言えばいいのかな?家を出て歩いていたら迷って気づいたら誰も居なくて白い霧みたいなもので先が見えない道に居たんだよ。それでおかしいと思って戻ってみても更に分からなくなってそこに立っていたら光の塊みたいなものが浮いていたからそれについて行ったら博麗神社の鳥居が見えた。こんな感じかな〜」

 

 夢華の話を聞いて霊歌は俯いて考えている。まあ分からなくはないけどね。はっきり言って突拍子も無い話だとは思う

 

「それでここに来たの?」

「まあそれ以外に何もなかったからね〜でさ、ここって何市?」

「そうね。ここは隔離されているから…………外に出れば××市だよ」

「じゃあ隣町か………歩いて行けるかな?」

 

 外に出れば隣町からは近い距離にあるから道さえ覚えていれば大丈夫だと思う

 

「そうだ!夢華ちゃん。このお札投げてみて!」

「?このお札は?」

「これは博麗の巫女の素質を持っている人しか使えないお札だよ。もしかしたら夢華ちゃんも素質があるかもしれないよ!」

「うん。やってみるよ」

「やるなら境内でね」

 

 二人は境内に出る。私は中から外を見ている。それよりも早くお師匠様が帰って来て欲しいと思っている。さっき夢華が来た時に結界が揺らいだ。今の結界だったら力の弱い妖怪は大丈夫だが、力の強い妖怪だと不安がある

 

「ん〜まっすぐ飛ばなかったな〜」

「じゃあ夢華は素質は無いのか〜でもすごい魔力量なんだけどな〜」

「魔力?何それ?」

「え!?知らないの?」

「お母さんの本で読んだ事があるような気がするんだけどイマイチ理解してないんだよね」

 

 夢華が投げたお札は投げた瞬間に落ちた。まあ何となく無いような気はしてたんだけどね

 それよりも夢華のお母さんの本の事が気になる。オカルトにハマっているだけの人の可能性もあるけど私の勘で違うと思う

 

「魔力っていうのは…」

 

 霊歌が魔力について説明していると結界が夢華の時よりも大きく揺らいだ。と、同時に凄まじい量の妖力を感じる。恐らく強い力を持った妖怪が来た。更にざっと5個の妖力を感じる。まさか集団で攻めて来た!?

 

「霊歌!」

「お兄さん後ろにいる人?達は〜?」

「おやおや、博麗の巫女だけかと思っていましたが人間の子供までいるとは…これは幸運だ」

「夢華ちゃん下がって!コイツら妖怪よ!」

「妖怪?妖怪って何?あのお兄さんの後ろにいる人?達は見るからに人間じゃ無いと思うけど」

「あのお兄さんは妖怪で人を襲う悪い奴等よ」

「妖怪って全員が悪い奴なの?」

「いえ、一部例外がいるわ」

 

 紫とか…

 妖怪達のリーダーみたいな金髪ロングの奴は後ろにいる妖怪よりも桁違いに強い…私と霊歌だけじゃ無理ね。それに夢華を守りながら……最悪なパターンは夢華が人質になること…そうなると手出しできない…

 

「さて、ではあの人間の子供を捕らえなさい」

 

 リーダーが指示すると一体の妖怪が「グォォォォォォ!」と叫びながら夢華に向かって走り出す

 

「「させない!」」

 

 私と霊歌が同時にお札を投げ、妖怪に当たる。妖怪の足が止まる

 

「とりゃあ!」

「「「え?」」」

 

 妖怪が足を止めて時に夢華の声とともに弾丸のように夢華が妖怪めがけて跳んだ。そのまま妖怪の顔に足がめり込みグシャアという音が鳴る。突然の出来事に夢華と蹴られた妖怪以外の全員は口を開けている。蹴られた妖怪は顔を抑え、悶絶している

 

「あれ?爆発しない。何で?」

 

 夢華は妖怪を特撮に出てくる怪物か何かと勘違いをしているのかものすごくずれたことを呟く

 

「どうやらただの人間の子供ではないみたいですね。よっと…いきなり石を投げないでほしいですね」

「躱されちゃったけど後ろの妖怪には当たったみたいだね」

 

 リーダーが夢華の投げた石を躱すと後ろに居た妖怪に当たる。石を見たら魔力が纏っていた。夢華は魔力のことを知らないと言っていたから無意識のうちにやっていたのか…

 

「人間の子供も殺しなさい!」

 

 リーダーの合図で悶絶していた妖怪も起き上がり、リーダー以外の妖怪がこちらに向かってくる

 

「霊夢ちゃん!霊歌ちゃん!頑張るか!」

「やってやるわよ〜!」

「行くわよ!」

 

 夢華と一緒なら勝てる。そんな希望を持ち、人間の子供三人と妖怪六人の戦いが始まった




4歳の霊夢が出て来ましたね。そしてオリキャラの霊歌も出て来ましたね。
蓮舞「流れ的に次回は戦闘回だな」
そうなります。4歳の時から妖怪と戦うなんて…
蓮舞「それは夢華のセリフだぞ」

ではまた次回!
蓮舞(逃げた…)


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第22話 初めての戦闘

今回は完全に戦闘回です。でも、先に言っておきます。『今出て来ている夢華は四歳』です
霊歌「(やっと私も出て来れた)そう。あのさ…カミユ」
何でしょうか
霊歌「私の出番って今回で終わりじゃないでしょうね?」
…………本編へどうぞ!
霊歌「え?ちょっと!逃げるなー!」


 Side 霊夢

 

 五人の妖怪が夢華に三人、私に一人、霊歌に一人で襲う

 

「グオオオオオオ!」

「はあ!せい!」

 

 二メートルくらいの妖怪の拳を躱し、お札を目に向けて投擲する。妖怪はお札を腕で払いのけ、そのまま腕を振るう

 

「結界!」

 

 すぐに結界を張る。結界が破壊されるのは分かりきっているから結界が破壊されると同時に妖怪の懐に飛び込む

 

「破ッ!」

「グオオオオオオ!」

「しまった!」

 

 懐に飛び込んで霊力がまとった拳を妖怪の腹部に叩き込む。が、妖怪は少しよろけ、半歩後ろに動いたがすぐに拳が襲う。思っていたよりも速く躱しきれないと分かった

 

「霊夢ちゃん!」

 

 横から三人の妖怪の間をすり抜けて飛んで来た夢華が妖怪の腕を蹴る。蹴りによって妖怪の拳は私の顔の横を通り過ぎた。すぐにしゃがむ。すると頭の上を腕が通過した

 

「グ…オオオ!」

「どりゃあ!」

 

 夢華は空中で脚に魔力を集め魔力を爆発させる。さっきまで夢華が居たところに妖怪の腕がからぶる。そのまま夢華は妖怪の頭に膝蹴りを入れる

 

「トドメ!」

「夢華!結界!」

 

 妖怪に膝蹴りを入れた夢華はそのまま妖怪に拳を叩き込もうとした時に横から木が飛んで来た。私はすぐに夢華と木の間に結界を張る。木が結界に当たった瞬間に結界の角度を上げ、木を上に飛ばす。

 

「グ…オ…オ…」

「霊夢ちゃんありがとう!」

「霊夢ナイス!」

 

 夢華の拳を受けた妖怪はそのまま倒れた。まだ息があるから死んだわけではないようだ。木は偶然にも霊歌と戦っていた妖怪の頭に直撃したみたい

 

「もう一人やられましたか……本当に何者でしょう。あの子供は」

 

 さっきの木はリーダーがやったみたいだ。リーダーは仲間が一人やられたことに考えている

「霊夢ちゃんは霊歌ちゃんの方に行って!ぼくはこっちで頑張るから!」

「ダメよ!アンタ一人にしたら絶対に無茶をするでしょ!」

「大丈夫だよ!それよりも確実に一人一人倒していこう!!」

「〜〜!分かったわよ!すぐにこっちを片付けるからそれまで絶対に死なないでよ!!」

「了解!」

 

 夢華と口論の結果こっちが折れた。少なくとも夢華は一人で(危なかったけど)妖怪を素手で倒している。流石にリーダー格の奴は無理だと思うけど他の妖怪なら大丈夫。リーダー格の奴の援護には近くの妖怪を盾にするように動けば良いんだし

 夢華を信じて急いで霊歌のところに行く

 

「霊歌!」

「ちょっ!霊夢!夢華は?!」

「夢華は目の前の妖怪(こいつ)を確実に倒すために今一人であっちにいる!夢華が殺される前にこいつを倒すわよ!」

「〜〜っ…分かった!急いでこいつを倒すよ!」

 

 私がまくしたてるように急いで言うと霊歌は少し考えたがすぐに返事をして御弊を構える

 

「グガアアアアアア!」

「結界!」

 

 妖怪が霊歌に向かう。霊歌はすぐに結界を張り、横に跳ぶ。妖怪が腕を振るうとすぐに結界が破壊された

 

「ふぅ危なかった…」

「御弊で同時に攻撃すらわよ」

「了解。私が結界で視界を防いだのと同時に背後に回ってね」

「分かったわ」

 

 妖怪はさっきと同じように「グガアアアアアア!」と叫びながら腕を振るう。知能が低いのか…

 

「「せーの」」

「結界!」

 

 二人で声を合わせる。霊歌が妖怪の視界を覆うように大きく結界を張る。私はその瞬間に妖怪の背後に回る

 

「霊夢!」「霊歌!」

 

 結界が破壊された時に突き出た妖怪の腕に霊歌が飛び乗り、私は妖怪の背後に回り込んで飛ぶ。同時にお互いの名前を言って霊力を込めた御弊で同時に霊歌は額に、私は後頭部を攻撃する

 

「グ……ガ…ア………」

 

 そのまま妖怪は前に倒れ、少しの間痙攣し、すぐに動かなくなる。息もしていないから死んだのだろう

 

「やったね霊夢!」

「そうね。それよりも夢華の…方を………え?」

 

 霊歌の称賛の言葉を適当に返してからすぐに夢華の方を見ると

 

「あのお兄さん怖いな〜なんだろ?触ったのが飛んでくるんだけど」

 

 夢華は倒れている妖怪の陰に隠れていた。発している言葉はこの状況の中でもこいつらが来る前に私たちと話していた声色と変わっていなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

 霊夢ちゃんを霊歌ちゃんの方に向かわせてから妖怪が三人横に並ぶように走って来た

 

「三人か……このまま突っ込んだら無意味………なら横から!」

 

 脚に力を込めて斜め横からぼくから見て右にいる妖怪の横腹に向かって飛びながら蹴り込む

 

「ギガアアアアア!」

「え?ちょっ…ヤバッ!」

 

 蹴りが妖怪に当たる前に、妖怪が半身後ろに下がりぼくはそのまま妖怪を通り過ぎる。流石に慣れてきたのかな?

 

「けど!このまま行けば!おりゃ……っと!危ない!」

「今のも避けるのですか…あの子供はムラが多いけど魔力をうまく使えていますね………さて、どうしようか……」

 

 ぼくが空中から一気に攻撃しようとしたのに、リーダーのお兄さんが木を投げて来るからそのまま真上に行ってしまった。ちらっと霊夢ちゃん達の方を見ると二人で何か相談しているみたい。ここまでは声は聞こえないね

 

「今です!集中攻撃しなさい!」

「ギガアアアアア!」

「ガアアアアアアアアアア!」

「アアアアアアアアアアアアアアア!」

 

 リーダーのお兄さんの指示で三人が一斉に飛んで来た。空飛べるの!?いいなぁ。ていうか一人悲鳴……ヤケクソになっているような?

 

「え?どうしよう!」

「今です!」

 

 ぼくが迷っているとリーダーのお兄さんが近くの木を触ってから振り払うように腕を動かすと木がこちらに飛んで来た

 

(これは避けられない?死んだかも…)

 

 前の下から妖怪二人が、前の上から一人、左からはあの後木を触ったのか木が三本飛んで来た。ぼくが諦めた時に……

 

「え?」「は?」

「あれ?なんで木に………?」

 

 気がついたら飛んで来ている木に足がついていた。リーダーのお兄さんも驚いているがぼくも驚いている

 

「まあいいや!くらえ!」

「ギガアアアアア!」

 

 今はそんなことを考えるよりも目の前のことについて考えないといけないから目の前に来ている妖怪の顔を思いっきり殴る。殴られた妖怪は少し後ろにいる妖怪も巻き込みそのまま地面に叩きつけられる

 

「次はアンタ!」

 

 次は上から来ている妖怪は、木から飛び降り注意をぼくにする。狙い通りそのまま飛んで行った木にぶつかって空中でバランスを崩しそのまま落下

 

「そらよっと!回避回避」

 

 木が妖怪にぶつかったのとほぼ同時にぼくは下で倒れている妖怪の上に乗る。上から木と妖怪が落ちて来るので、妖怪から離れる。ドガンッという音とともに木と妖怪がぼくが乗った妖怪の上に落ちた。下敷きにされた妖怪は呻き声を出した

 

「悪いけど少し眠っていてね〜」

 

 ドガッと下敷きにされている妖怪の頭を蹴る。妖怪は抵抗できずに気絶する

 

「ふぅ…あれ?飛んでいた妖怪は動かないんだけど……まあいいや」

 

 何故か空中で木とぶつかって落ちて来た妖怪が動かなくなっている。動かないなら別に良いと判断する

 

「あのお兄さん怖いな〜なんだろ?触ったのが飛んでくるんだけど」

 

 お兄さんのやっていることは触った木を飛ばすこと。さて、どうしようかな

 

「夢華!」「夢華ちゃん!」

「あ、二人とも無事だね。良かった」

「アンタがこれをやったの?」

「半分くらいかな」

「どうするの?敵はあのリーダーみたいな男とそこでフラつきながら立ち上がろうとしている妖怪なんだけど」

「そうね。まず私と霊歌であの妖怪を倒すから夢華はあの男の様子を見ていて。で、何か行動しようとしたら知らせて」

「オッケー。それとお兄さんは触った木を飛ばしてくるよ」

「分かった!じゃあ霊夢行こ!」

「ええ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 霊歌

 

 夢華ちゃんがやってフラついている妖怪に向かって霊夢と走る

 

「霊夢はそっちから!私はこっちからやるよ!」

「分かったわ。あの男の方には注意していて」

「分かってるよ!」

 

 霊夢は左から、私は右から妖怪に向かっていく

 

「させませんよ!」

「二人とも!右から木が飛んで行ったよ!」

 

 リーダーの男の方から私に向かって木が飛んでくる。夢華ちゃんの声で早く気づくことができ、すぐにしゃがみ回避しながら脚に霊力を集めて放出する。御弊を構えながら妖怪に突撃する。フラついている妖怪はこれに対処できずに御弊をくらう

 

「霊夢!」

「えぇ!はあ!せい!」

「ア…ア………」

 

 霊夢の御弊は的確に妖怪の側頭部に当たる。妖怪は掠れた声を出して倒れた

 

「すごいね今の。ぼくもできるかな?」

「いや…夢華はこれ以上の事をやっているでしょ」

「全くだわ」

 

 夢華ちゃんがこっちに駆け寄る

 

「まさか三人の子供にやられてしまうとは…しかも三人は博麗の巫女ではなくあの子供…やれやれ…私もやりましょうか」

「どうやらあっちもやるみたいよ」

「えー帰ってくれないの〜三対一なんだから素直に帰って欲しいんだけど」

「次はお兄さん?良いよ!やるか!」

 

 夢華ちゃんはこれが遊びだと勘違いしてないだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

 ぼく達とお兄さんの距離は大体十メートル。ぼく達の周りには妖怪と木の重なっているもの?と倒れている妖怪が二人。お兄さんの周りには大量の木がある

 

「すぐに終わらせるわよ!」

 

 霊夢ちゃんの言葉で一斉に動き出す。ぼくは脚に力を込めて全力で走る

 

「すぐに片付けてあげますよ。今博麗の巫女が来られると面倒ですからね!」

 

 お兄さんは近くの周りに比べて大きい木に触れて腕を振るう。するとそのまま木は抜けてこちらに飛んでくる

 

「霊歌!当たる瞬間に角度をそらすわよ!」

「了解!夢華ちゃんはそのまま突っ込んで!」

「オーケー!」

「「結界!」」

 

 飛んでくる木とぼく達の間に二つの結界が張られる。木が結界に当たる瞬間に角度を上げた。その結果、木は木と妖怪が重なっている上に落ちる。妖怪死んだんじゃない?

 

「今!そりゃ!」

「甘いですよ!」

 

 お兄さんに向かって蹴り込もうとするがひらりとお兄さんは避け、ぼくに触れる

 

「飛んでいきなさい!」

「え?ちょっと…うわっ」

「きゃ!」

「夢華?」

 

 お兄さんはぼくに触れたら霊夢ちゃん達に向かって腕を振るう。ぼくは抵抗をすることができずにそのまま霊夢ちゃん達にぶつかる

 

「アイツの能力が分かったわ。恐らく【触れたものを飛ばす程度の能力】よ。絶対にアイツに触れられない様にしなさい」

「ほう。私の能力が分かりましたか。流石は博麗の巫女の候補ですね」

「じゃあどうやるの?触られないようにするなんてキツイと思うけど」

「不意をつくくらいしか思いつかないんだけど」

 

 話し合っている間にお兄さんがこちらに走ってきた。少し姿勢を低くしており両手で石垣を触りこちらに飛ばしてくる

 

「はあ!」

 

 飛んでくる二つの石垣の一つを蹴りで粉砕する。もう一つは普通に避ける

 

「これでもくらいなさい!」

 

 霊夢ちゃんが御弊でお兄さんに攻撃する。お兄さんは霊夢ちゃんの手を触りぼくに飛ばしてくる。霊歌ちゃんはすぐにお兄さんの背後に回り込む

 

「隙あり!」

「気付いていましたよ」

 

 霊夢ちゃんが飛ばされたタイミングで攻撃するけどお兄さんは後ろを見ずに手を後ろに回して防ぐ。そして霊歌ちゃんをこっちに飛ばす

 

「よっと。二人とも大丈夫?」

「えぇ私は大丈夫よ」

「私も〜」

 

 ぼくが二人を受け止めているうちにお兄さんはさっき飛ばしてきた木を触りまた飛ばす

 

「よそ見をしていて良いのですか?」

「(今二人は結界を張れない。なら!)ああ!」

 

 飛んでくる大きな木を右手で止める。不思議と痛くなかった

 

「嘘……」

「ありえない」

「人間離れしていますね。これは……ですが!隙は出来ました!」

 

 木を横に投げる。と、同時にお兄さんが突進してくる。そのまま右手でぼくを殴ろうと手を突き出す。

 

「え?」

「捉えた!」

「「結界!」」

 

 お兄さんの拳は二つの結界で一瞬止まるが、すぐに壊れてしまった

 

「止める!」

 

 お兄さんの拳が止まった瞬間にぼくも右手を突き出し拳を受け止める

 

「止められた?!でも、このまま飛ばせる!」

「させない!」

 

 そのままお兄さんの手を掴む。お兄さんは腕を振るうけどぼくは飛ばされない。

 

「な…!」

「そ〜りゃあああああ!」

 

 お兄さんの手を両手で持って、さっきまでお兄さんが居たところに投げる

 

「くっ!ですが!」

「え?うわっ…痛ぅ」

「グアッ!」

 

 お兄さんは腕を振るってぼくを神社の方に飛ばされて、突然のことに抵抗できずに背中から神社に激突する。お兄さんは頭から木に激突する。お互いに短い悲鳴を出すと同時に動く

 

「まだ!」

「させませんよ!」

 

 ぼくは全力で駆け出しす。お兄さんは近くの二本の木を両手で触りこちらに飛ばす

 

「夢華!まだ未完成だけど…夢想封印!」

 

 霊夢ちゃんが七色の球?を出して木を粉砕する。霊夢ちゃんは今の球を出して力尽きたのかその場で倒れる

 

「霊夢(ちゃん)!」

「甘いですよ!」

「くっ…」

 

 霊歌ちゃんが霊夢ちゃんを抱えている。霊夢ちゃんが力尽きた方を見ていて前方を見ていなかった。どうやら二本木を飛ばしてから追加に一本飛ばしていたようだ

 

「くぅ…うああああ!」

「な…何と!?」

 

 木に当たる前に全力で跳ぶ。木を回避しながら上空に滞空する

 

「はあああ!せりゃあああああ!」

「これは…魔法陣?まずい避けなければ…」

 

 目の前に魔法陣が現れる。その中に入るとお兄さんの前まで移動していた。そして蹴ろうとするがお兄さんは横に転がるように避ける。ぼくの蹴りは木に当たるが方向を変えてお兄さんのほうに跳び、拳を構える

 

「まだ!くらえ!」

「な…避けきれない!」

 

 ぼくの拳はお兄さんの顔面に吸い込むように入る。ゴキィ!と音がなり、お兄さんは吹き飛ぶ。近くの木にぶつかった。ぼくはそのまま地面に転がる

 

「イテテ…はあ…疲れた。これは神奈子さんよりも疲れた…ね…はあ」

「夢華!大丈夫!?怪我は!?」

「無いと…思うよ……」

 

 途切れ途切れで霊歌ちゃんの言葉に答える。霊夢ちゃんはしかし、前方でお兄さんがゆっくりと立ち上がる

 

「まだ…まだですよ…」

「まだ立ち上がるの!?どんだけタフなのよ!」

「はあ…キツ…イ…ね………これは……」

 

 ぼくもフラフラと立ち上がる

 

「これで…おしまいだアアアアア……え?ガ…ア…」

 

 お兄さんが叫びながら木に触れ、腕を振るう時、炎の針が大きくなったような物がお兄さんの身体にサクッと音を立てた。そのままお兄さんは前のめりに倒れる

 

「これは…誰が」

 

 霊歌ちゃんが呆然としていると後ろの鳥居の方から足音が聞こえる

 

「大丈夫!?夢華!怪我は!?君も!取り敢えず神社の中に入るわよ!」

 

 後ろからぼくのお母さんが駆け寄ってきてぼく達三人を神社の中に連れて行く。霊夢ちゃんはさっき力尽きた所で気絶していた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side レイア

 

 今私は息子の夢華と博麗の巫女候補の二人の怪我の応急手当をやっている

 今日、夢華が一年くらい前に知り合った隣にある神社の女の子…早苗ちゃんのところに行くと言って家を出て行った。最初は大丈夫だろうと飲んでいたコーヒーを口に含んだ時に膨大な夢華の魔力が感じなくなった

 それからずっと夢華を探した。少なくとも○○市には居なかった。次は隣町の××市を探した。そうしたら少しの間だけ夢華の魔力を感じた。すぐにその場所に行ったら博麗神社だった。すぐに入ってみたら夢華が金髪のロングヘアの妖怪を殴り飛ばしたところだった。その後地面に転がった。その時は焦ったが妖怪が立ち上がろうとしていたから咄嗟に魔法で妖怪を殺した。すぐに夢華達に駆け寄った。この状況から応急手当をした方が良い人がいるかもしれないと思い神社の中に入った

 

「では貴女は夢華ちゃんのお母さんですね」

「そうよ。えっと…霊歌ちゃん」

「ところで…レイアさんはどうやって結界の中に入ったのですか?」

 

 うっ…地味に聞かれたくなかった質問だ

 

「普通に入れたわよ?」

「そうですか。夢華ちゃんはもう寝ちゃっていますね」

「そうね。疲れちゃったのかしら?」

「確かに…妖怪を三人も倒したのですから疲れるでしょう」

「夢華が……」

 

 夢華が妖怪を三人も倒した?まだ魔力の使い方をちゃんとわかっていないはずなのに…

 

「夢華ちゃんが起きたらありがとうと言ってください。それと霊夢の治療もありがとうございました」

「いえいえ…こちらこそありがとう。夢華一人では彼達には勝てなかったでしょうから二人が協力をしてくれたのでしょう?」

「私は殆ど…霊夢がやってくれました」

「でもありがとう」

 

 霊歌ちゃんに対してお辞儀をする

 

「霊夢ちゃんは安静にしていれば平気よ。じゃあ私は帰るわね」

「あ…分かりました。お気を付けて」

「えぇありがとう。貴女も修行頑張ってね。それと夢華は男の子よ」

「え?夢華ちゃんは男の子なんですか?でも見た目が………待ってレイアさん!何で修行の事を…そんな事は一度も…」

「簡単なことよ。『私が幻想郷の事を知っている人物だから』というのが理由よ。じゃあね。霊歌ちゃん。消去魔法 メモリーデリート」

 

 そう言って霊歌ちゃんと霊夢ちゃんの夢華と一緒に居た記憶を魔法で消した。夢華はここに来たという記憶を消した

 

「悪いわね。夢華は知らなくて良い事なのよ。幻想郷に関する事は消しておかないといけないのよ」

 

 そう呟いて博麗神社から出る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side ???

 

「は〜〜〜全く…ボクが居なかったら今頃死んでいたよ?好奇心は怖いねぇ」

 

 今この空間にはボクしか居ない。空間には椅子と机、ベッド、本、本棚、後はテレビ。そんな空間で一人呟く

 

「普通あんなに動けるわけないじゃん。まだ四歳だよ夢華は。まあ魔力の扱いは夢華だけど」

 

 魔力の扱い方と思考は夢華。それ以外は基本的にボク

 

「ま、良いか!」

 

 勢いよく椅子から立ち上がる

 

「しばらくはボクの出番はないだろうしね。さ〜てこれからどうなるかな〜」

 

 ボクはこれから夢華に起こる出来事が楽しみだ。速く観たいな〜




今回の戦闘の描写が皆様に伝わるか不安です
霊歌「うんお疲れ。で、私の出番は?」
次回は一年後です。恐らく次回で過去編一章は終わります
霊歌「早かったね。だとすると大体5話くらいじゃん。何で?」
今回の章は三歳〜五歳までの夢華の出来事なのでそこまで多くはありません。しかし、過去編二章からは多くなると思います
霊歌「そっか。で、最後の奴は?」
それは言えませんね。しかし、本編では必ず出ます
霊歌「了解。今回はここまで?」
そうです。では、みなさん
霊歌、カミユ「また次回!」


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第23話 暴走

今回は夢華が初めて能力を使います
昏御「この話でこの章は終わりなんでしょ?」
そうです
昏御「さて…と私は出番があるまでアップでもしてるよ」
何故?まあいいや。じゃあいっしょに
昏御&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 夢華

 

四字熟語(よっじじゅっくご〜)。辞書はどっこかな〜?」

 

 今僕は書斎で四字熟語の辞書を探している。きっかけは外から聞こえたおじいさんがなんか喋っているのを聞いてお母さんになんて言っているかを訊いたら、「あれは四字熟語って言ってね。まだ夢華には早いよ」と言われたので気になって書斎まで来たのだ

 

「あったあった。ふ〜む……確かにこれは難しいな〜つまり、四字熟語は四つの漢字が繋がっているものをいうのかな?じゃあ四つの漢字が繋がっていれば四字熟語になる?」

 

 四字熟語についてはまだよくわからないがあっていると思う

 

「え〜と確かお母さんが万物と創造を繋げよう!…………どういう意味なんだろう…」

 

 意味を分かっていた方が良いよね。と言うわけで辞書で調べる

 

「万物は宇宙に在る、すべての物。創造は新たらしいものを造りだすこと…か。つまり宇宙に在るすべての物を造るという事だよね。そうだな〜。やるんだったら仮面ライダーのベルトかな〜」

 

 今はカブトがやっているんだけどまだよく分かってないんだよね。じゃあ(ブレイド)にしようかな

 

「じゃあ『万物創造』!」

 

 その瞬間に目の前に(ブレイド)のベルトが出てきた。と、同時に前のめりに倒れる

 

(え?何で倒れるの?もしかして僕…死ぬの?嫌だ…死にたくな…い)

 

 そう思うと意識が闇に包まれた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夢華からドス黒い魔力が出てきた時に気づいた者がいた

 

「な…なに……この魔力は…夢華から出ている?」

 

 レイアはすぐに夢華の下まで走る

 

「これは………」

「神奈子…これは…夢華ちゃんから出ている…」

「え?神奈子様?諏訪子様?どうしましたか?」

「早苗!すぐに神社の中に入るんだ!決して外を見るなよ!」

「え?あ…はい!分かりました!」

 

 守矢の二柱も気づいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side レイア

 

 書斎から出ているドス黒い魔力の下まで行くと紫髪の男児が立っている。紛れもなく息子の夢華だ。何をするでもなくその場に立っている

 

「夢華?」

 

 消えそうな声で名前を呼ぶと夢華がゆっくりと顔を上げる

 

「!!!!」

 

 夢華の顔を見たら腰を抜かしそうになる。夢華の左目がいつもは青色であるはずが今は真っ黒。青色はなくなっている。右目は青色だ

 

「夢華。どうしたの?」

 

 息子に向けてはいけない恐れをいつも通りで装いながら声が震えないようにしながら問いかける。夢華は右手を私の方に向けて水平に上げる。私は何が起こるのか見逃さないようにする

 ドゴンッと天井から音が響く

 

「なっ!」

 

 書斎の天井から青空が見える。そこに夢華が飛んでいく

 

「待ちなさい!けどその前に結界を張らないと」

 

 市全域に被害が及ばないように結界を張る。恐らくこれで人は私たちには気づかないだろう。しかし隣の守矢神社の二柱は気づいていそうだが

 

「夢華!どうしたの!?何があったの!?」

「………」

 

 夢華はこちらに向いているが喋らない。代わりに手に黒い……あれは闇?を刀の形に変わっていく。刀の形に変わった瞬間に射出される

 

「っ!」

 

 ものすごい速さで射出された刀を寸前で回避をする。更に、夢華の背後に刀ができていき射出される

 

「夢華!落ち着いて!お母さんよ!」

 

 刀を躱しながら夢華に話しかけるが攻撃は止まらない

 

「こうなったら!爆裂魔法 エクスプロージョン!」

 

 夢華の目の前で爆裂魔法を使う。視界が真っ赤になるがすぐに真っ黒になる

 

「闇に飲み込まれた…の?」

 

 呆気にとられていると夢華の右手から球体が飛んでくる。身構えたが私と周りに止まった

 

「これは…キャア!」

 

 しばらく何も起こらなかったので触ろうとした時、球体からトゲみたいに鋭利な物が無数に飛び出して来た。それを反射的に(さっき羽織った)マントで防ぐ。マントには防護魔法を使っており幽香の攻撃にも耐える

 

「ぐっ…なんて威力…空間魔法 テレポート!」

 

 マントが破れそうになったのでテレポートで離れる。すぐに夢華がいた場所を見るが夢華がいない

 

「うし…ぐ…」

 

 マントに黒い球体の形をした闇が貼りついており、そこから夢華が出て来ていた。そしてそのまま真っ黒な腕で思いっきり殴られた。マントのお陰で致命傷にはならなかったが左腕が麻痺して思うように動かない

 

「炎魔法 ファイアブレス!ファイアブレッド!氷魔法 アイスガン!治癒魔法 ヒーリングスペース!」

「………」

 

 炎のブレスと弾丸、氷の弾丸を夢華に放つ。夢華は闇を壁のようにして防ぐ。この間に治癒魔法で左腕を使える状態にする

 

「これでも無理なの!?」

 

 闇で守っているとはいえ全く攻撃が通らない。闇で防いでいるので飲み込んでいるわけではないようだが…

 

「夢華どうしたの!?私よ、お母さんよ!」

 

 私が呼びかけても全く反応しない。もしかして今の夢華にとっては目の前にいる人全てがてきに見えているのか?今の私はどうすれば良い?あの闇は夢華の魔力を換えているものだ。魔力を使いきれば今の夢華なら倒れるか?だったら夢華の魔力を使い切らせるだけ!。残りはざっと半分。攻撃して、攻撃を躱す。この繰り返しか。でも希望はないわけではない

 

「夢華耐えてね…威力倍増!攻撃力強化!連撃効果!炎魔法 ファイアブレッド!水魔法 ウォーターブレッド!風魔法 鎌鼬!雷魔法 サンダーブレス!氷魔法 アイスガン!」

 

 私の能力は【漢字の意味を魔法の力に変える程度の能力】。言った言葉を魔法の力に変える。能力で攻撃力を上げ、さらに連撃の効果を付け、手数の多い魔法で一気に攻める

 

「………」

 

 夢華は闇の壁で攻撃を防いでいるがすぐに壊れていましそうだ。壊れそうなところを補強するために魔力を使う。攻撃を防ぐのに集中しているため私に攻撃が飛んでこない。このままならいける!

 

「そんな訳ないか」

 

 私が勝ちを確信した時に四方八方から闇の刀が飛んでくる。防御と攻撃によりさらに魔力を使う。夢華の魔力は残りわずか

 

「っ!夢華がいなくなった!?」

 

 闇の壁が破壊される。しかし壁の先には夢華が居なかった

 

「どこに…」

 

 周りを見回すがどこにも見当たらない。しかし攻撃は止んでいないので何処かにいるはず…

 

「え?し、しまった」

 

 急に腕を掴まれた。反射的に掴まれた腕を見ると夢華が無表情で両手で腕を掴んでいた。どうやって…と思うがすぐに分かった。闇の刀の中を移動したという事が。闇の中を移動しつつ私に攻撃する。こんな事が五歳の夢華に出来るのか?闇の中にいる夢華の魔力までには分からなかった

 

「っ!ぐ…が…」

 

 両手で夢華が私を一回回してから守矢神社の境内に投げる。抵抗できずに背中から地面に激突する。2回ほどバウンドして立ち上がる

 

「大丈夫か!?」

「手当てしないと。腕が腫れている!」

「それよりも夢華を止めないと」

 

 目の前には二柱である神奈子さんと諏訪子さんが居た。私を気遣ってくれるがそれよりも夢華を止めないと守矢神社はもちろん、市が破壊されるかもしれない。残りわずかな魔力であっても簡単に出来るだろう

 夢華が境内に降りた

 

「夢華ちゃん。私達が分からない?」

「………」

 

 諏訪子さんが話しかけるが私と変わらず黙ったままだ。こんな時にこんなことを思うのはどうかしていると思うけど、夢華は男の子なんだけど。いや、男の娘か

 

「夢華ちゃん?」

 

 その時、早苗ちゃんが神社の中から顔を出した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 早苗

 

 外から重いものが叩きつけられる音と、神奈子様と諏訪子様の声が聞こえた。何の音なのか気になって神社の中から覗いてみる

 

「夢華ちゃん?」

 

 夢華ちゃんが無表情で境内に立っていた。いつもの夢華ちゃんとは違い左目が真っ黒。遠くから見ても怖さで足がすくんで動けない

 

「早苗!逃げろ!」

「え?」

 

 神奈子様が叫ぶと同時に夢華ちゃんが無表情でこちらに飛んできた

 

「!夢華…ちゃん?」

「………」

 

 右手が私の顔に伸びてくるが鼻の先で止まっている。そのまま尻餅をついてしまった

 

「………ぅ…」

 

 呻き声を上げ、夢華ちゃんはその場に前のめりで私に覆いかぶさるように倒れてしまった

 

「え?夢華ちゃん。どうしたの?ちょっと!」

「すぅーすぅー」

 

 夢華ちゃんはそのまま寝てしまった

 

「早苗大丈夫かい?」

「大丈夫です。でも夢華ちゃんが…」

「少し診させて頂戴。解析魔法」

 

 レイアさんが魔法を使うと夢華ちゃんの身体が淡く光った。「なるほど…」とレイアさんが呟くと顔を上げた

 

「さっきの夢華の状態は防衛本能によるものだろう。眼に映る全ての人が敵だと思っていたらしいわ。その原因が夢華の能力の負担だろうね。能力一回に使う魔力の量が多過ぎて身体がその負担に耐えることができなくていつもの夢華は気絶。そして防衛本能の方が出てきたんだと思う。しかも防衛本能の方の能力があって闇に関すること」

「つまり夢華ちゃんは能力を使ったことによってさっきの防衛本能の方が出てきたと。その対抗策はあるのかい?」

「魔力の消費を減らせば問題ないと思うわ。でも能力自体は弱くなるけどね。何回まで使えるかは今後の経過次第かしら」

「ところで何で能力を使ったのかな?」

 

 諏訪子様の言葉で全員が静かになった

 

「そもそもなんで能力を使ったんだろ?能力のこと知っていたのか?」

「そんな気配はないと思っていたけど…書斎に行けばわかるかも…」

「私も行きます!」

 

 よく分からないことを話している会話から分かるものを拾っていると夢華ちゃんが倒れた所に行くみたいだから私もついて行くことにする

 

「では頼んだぞ。私たちはあまりここから出ることができないからね」

「分かりました!行ってきます!」

 

 レイアさんについて行き夢華ちゃんの家の書斎まで行くと、天井が破壊されていた

 

「これは辞書ね。解析魔法………万物と創造。これで何ができるの?」

「あ!見てください!コレ!(ブレイド)のベルトですよ!」

 

 机の上の辞書はレイアさんが。私は床を見ていたらベルトが落ちていた。試しにお腹に当ててみると左側の側面からカードが手できて後ろを回るようにして右側の側面の縦穴に入る

 

「変身!」

 

 掛け声と一緒い右側の取っ手みたいなところを引くと『ターンアップ』と音が出てきた。ベルトの前の模様のところから私を包み込むくらいの大きさの青色でカブトムシの背中にスペードの模様がある縦長のカード(通称 畳)みたいなものが出てきた。そしてそのまま私を通過する

 

「まさか…仮面ライダーのベルトを創り出すとは…」

「や…やったー!仮面ライダーになれました!早速神奈子様と諏訪子様に見せに行きます!」

「あ…早苗ちゃん!変身を解いてから行って!結界さっき消しちゃったから〜」

 

 レイアさんに言われた通りに変身を解いてから守矢神社を戻る

 

「見てください!変身できますよ!」

「は?何を言っているの?さな…え?」

「仮面ライダーになった…だと…」

 

 神奈子様と諏訪子様の所に戻るとすぐに変身する

 

「どうやら夢華は能力でそのベルトを創り出したらしいわ…それで書斎の辞書には万物と創造を調べていたらしいわ」

「つまり能力は万物を創り出す能力っていうことなの?」

「それは見て見ないと行けないわ。解析魔法……わかったわ。夢華の能力は【連なる四つの漢字の意味を実現する能力】だわ。つまり四つの繋がっている漢字の意味を実現するみたいね」

「つまり万物と創造で『万物創造』。これでそのベルトを創り出したわけか…」

「なんというか強すぎる能力だね」

「あまり使わせないために魔法を教えるわ。出来るだけ能力を使わせずにするために。それと一応、能力を弱体化させて能力を多少使っても大丈夫にするわ」

「そうか。分かった。何かあったらここにきてくれ。夢華ちゃんは悪い奴ではないからな」

「ベルトはこっちで保存しておくね。能力の存在はあまり気づかれたくないでしょうし」

「よろしくね。じゃあまた」

 

 結局私は話について行けなかった…レイアさんは夢華ちゃんを連れて行った

 

「あ…そうだった。夢華は男の子よ」

「え?」

「「「えーーーー!」」」

 

 レイアさんは歩くのをやめてから言った。それよりも夢華ちゃんが男の子!?全然そんな風に見えない!レイアさんがさは「ふふっ」と笑うと階段を降りていった

 

「つまり夢華ちゃんは夢華くんで……なんで訂正しなかったんだろう?」

「さ…さあ?」

「夢華ちゃ…くんは男の娘だったということか…」

 

 この後三人でこれからはいつも通り普通に接することにして夢華ちゃんを夢華くんと言うようにしようと話し合った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side ???

 

「はっはっはっ!どうだった?面白かった?」

「………」

 

 今ボクの目の前の椅子に座っているみんなから防衛本能と呼ばれているやつに話しかける

 

「まあそんなにひねくれる必要は無いよ!お母さんが強すぎただけだって!それにしても『防衛本能』という一つの感情がボクの目の前に出てくるとはね」

 

 防衛本能は無口キャラなのか全く話そうとしない。呆れた目でこっちをみてくるけど

 

「さて、君のことを防衛本能なんて言うのめんどくさいから名前を決めよう」

 

 そうだな〜防衛本能と言ってもなんかピンとくるものがないんだよな〜暴走するから…

 

「魔の時……うん。君の名前は『時魔(ときま)』で良いかな?」

「………」

 

 頷いてくれたということは気に入ってくれたのかな?

 

「じゃあよろしくね時魔。で、ボク達のやる事は夢華を守ること。夢華が死んじゃったら君はもちろんボクも死んじゃうからね。ボクはいつでも出る事はできるけど君は夢華が危険な時だけ出る事になるからしばらくはここにいないとだね。ボクもだけど。どうやら君が表に出る方法は『能力の使いすぎによる身体の負担による気絶』みたいだから。夢華が危険じゃ無いと判断したら出なくてもいいんじゃない?それは君の判断に任せるよ」

「………」

 

 一方的に喋って行動方針を決めたけど頷いてくれた

 

「さ〜てこれからどうなるかな〜ボクの出番はあるのかな?」

 

 この空間にはボクと時魔の二人だけ。もしかしたら増えるかも。それが楽しみだ




レイアの強さは幻想郷の中でもかなり上位に入ります。それでも時魔はレイアよりも強いです
昏御「何それ怖い。ていうか強すぎでしょ」
能力がほぼチートですからね
昏御「次の過去編は何?」
次の過去編では小学校の時の夢華の話です
昏御「いや〜楽しみだな〜」
次は過去編の解説は無しにして異変になります
昏御&カミユ「では次回!」

新しいシリーズを考えています。投稿する時に活動報告で報告します


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第2章 緋想天〜荒れる天候と動き出す影〜
第24話 倒壊した博麗神社


どうもカミユです!
昏御「なんか始まりかたが変わったね」
そう言えば毎回挨拶をしてなかったと思いまして今回からやる事にしました
昏御「普通だけどね」
そういえば僕の投稿しているシリーズは大体Side ○○となっていて誰かの視点からできていますがSide ○○が無い時は三人称視点と思ってください
昏御「そうだね。完璧に忘れてたでしょ」
だから今伝えたのです
昏御「もうそろそろ始めないとじゃないか?」
ですね。では
昏御&カミユ「本編へどうぞ!」


「ねぇ烈っさん〜調子は〜?」

 

 黒髪の青年はあるドアの前で扉を軽く叩きながら中に居る人物を呼ぶ。すると、ドアが開き中から170cmほどの男が出てきた。茶髪で真っ黒な瞳をしていてどこか苛立っている様子だ

 

「あぁまだ少しかかるが試運転くらいしないといけないな」

「そんなんだ。で?アイツと戦るの?」

「そうだな。新羅(しんら)と戦るか。居るか?」

「新羅?そういえば今日どっかに行ったような気がするけど?」

「クソ…試運転にはちょうど良いんだがな…狼。何か試運転に使えるものを探してこい」

「え〜あったっけかな〜?」

 

 黒髪の青年…影雨 狼(かげさめ ろう)がボソボソ独り言を言いながら道を歩いていく

 

「さて、お前は幻想郷(ここ)に来ているか?零魔」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 霊夢

 

「はあ〜全く…何て奴なのよ。私の記憶を消すことができる人がいるなんてね」

 

 夢華が幽香と戦ったその夜。私は布団を敷いていながら独り言を呟く

 

「私が忘れていたということは霊歌も忘れているのよね。夢華も忘れているし……思い出してほしいな」

 

 夢華は今と昔の性格は変わっていないから、思い出してくれたらあれからどんな修行をしたとか色々と話したいことがたくさんある。でも、自然には思い出さない。私の勘だけど

 

「無理に急いでもダメよね。あくまで勘なんだから外れるかも知れないからね」

 

 願うように言うと、敷き終わった

 

「明日夢華のところに行こうかしら。そうすれば思い出してくれるかもしれないし…」

 

 布団に寝転がり目を瞑る

 

 

 

 次の日の朝。私は目が覚めた。神社が倒壊する程の激しい揺れによって

 すぐに外に飛び出る。と、同時に神社が倒壊する。しばらく呆然として何も言えなかった。しばらくして叫ぶ

 

「私の神社がーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

 幽香さんと戦ってから次の日の朝。境内から周りを見回していた。今まで気にしてなかったけど場所によって天候が違っている

 

「紅魔館は霧、迷いの竹林は雪、あそこの森は雨と……氷?いや、雹かな。博麗神社の方は快晴と…異変かな?」

「夢華くんどうしました?」

「いや〜今なんとなく周りを見たらいろんなところの天候がおかしくなってるから見てたんだよ。ほらあの森なんて雨と雹が降ってるよ」

「本当ですね。全く気付きませんでしたよ」

 

 後ろから早苗ちゃんが話しかけて来た。最近の幻想郷中の天候がおかしくなっている。これは霊夢に聞いたほうがいいのかな?

 と、思っているとものすごく強い風と共に文さんが飛んで来た。確か文さんの能力は【風を操る程度の能力】だった気がする

 

「夢華さん夢華さん!博麗神社が倒壊しました!」

「え?いつですか?」

「霊夢さんによれば今日の朝みたいですよ。これが証拠の写真です」

「どれどれ…本当だ。これはひどい…全壊してますね」

 

 文さんの写真は少しブレていた。多分隠し撮りしたんだと思う。それでも分かるくらい、神社が倒壊していた

 

「夢華くんどうしますか?」

「異変だよね。これは。でも異変解決は霊夢の仕事なんでしょ?だったら解決するまでこっちに被害がないようにすれば良いんじゃない?」

「…夢華くん。本音は?」

「異変解決するところを見て見たい!」

「ですよね。私達は神社が破壊されないようにしときますね」

「了解。じゃあ行ってくるね〜」

「行ってらっしゃ〜い」

「夢華さん!今の霊夢さんは機嫌が悪いので気をつけてください!いつ攻撃されるか分かりませんよ!」

「善処しま〜す!」

 

 早苗ちゃんと文さんに見送られながら博麗神社に向かう。文さんによれば霊夢は機嫌が悪いみたいだから気をつけないと

 

「♪〜」

 

 鼻歌を歌いながら飛んでいると博麗神社が見えてきた。境内に霊夢と魔理沙が居る。ここからでも分かるくらいに霊力が伝わる。近付きたくないです。そう言うわけにもいかずに境内に降りる

 

「やっほー」

「夢華助けてくれ!霊夢が怖いのぜ!」

「夢華?何しに来たの?」

「博麗神社が倒壊したみたいだから観に来たのと、最近幻想郷中の天候がおかしいことについてだよ」

「前者については怒るわよ「やめて…」。まあ良いわ。で?天候の事だっけ?」

「なあ夢華。最近雨ばっかだよな?」

「え?最近は晴ればっかりだと思うけど」

 

 僕が幻想入りしてから今のところ雨は降っていないような。あ…初日に降ってた

 

「それが私のところだけ雨が降っているみたいでおかしいと思うぜ」

「魔理沙が住んでいるところって雨と雹が降ってる森?」

「雹?雹は分からないが魔法の森に住んでるのぜ?」

「じゃあ雹は誰なのかしらね」

 

 霊夢が途中から話に入ってくる

 

「他に誰か住んでいる人いない?」

「アリスが住んでいるのぜ」

「じゃあアリスかもね」

「じゃあ行ってみる?」

「当然!さっさとこんな異変、解決してやるわよ!」

 

 霊夢が飛び立とうとした時にふと、ある事が気になった

 

「そういえば霊夢は神社が建て治るまでどうするの?」

「当然この異変の首謀者にやらせるわよ!今日中にね!」

 

 そう言って霊夢がものすごい速さで飛んで行った。もう見えない

 

「魔理沙はどうするの?」

「私は幻想郷を周るぜ。とにかく今は情報が欲しいからな。何か見つけたら報告するぜ!」

「了解。じゃあこっちも情報を見つけたら報告するよ」

「また後で会おうぜ〜」

 

 魔理沙はどことなく死亡フラグ漂う発言をして飛んで行った。取り敢えず僕は霊夢ちゃんを追いにいかないと。魔法の森に飛んで行く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………どこだここ…」

 

 森の中に赤みがかった茶髪で175cm程の男が歩いている

 

「ッたくよォここに祭りの予感がしたンだがなァ。ハズレかァ?」

 

 男はただ真っ直ぐに進んでいたが足を止める

 

「ここら一帯を吹き飛ばすか?だが、そうしたら狼がうるせェしよォ。クソが!何かねェのか?ン?」

 

 男が見た先には霊夢が飛んでいた。男に気付いていなく通り過ぎた。霊夢を見た男の顔が狂気を含んだ笑みを浮かべる

 

「ハハハハ!ちょうど良いところに現れたじゃねェか!憂さ晴らしには丁度良いねェ!ンじゃアまあぶっ殺しに……クソ!まだだったな!」

 

 今すぐにも霊夢に向かおうとした男が何かを思い出したように辞めて周りにある木を蹴り倒した

 

「アア暇だ。何かねェのかよ」

 

 男が空を見ると緋色に染まっている雲を見た。それを目撃した男はまた狂気的な笑みをした

 

「あるじゃねェかよ。ハハハハ!この先には戦える奴がいるのか!?」

 

 そう言って男は緋色の雲が集まっている場所まで歩いて行く。

 男は気付かなかったが彼の上空を夢華が通り過ぎた




今回、最初のところで何人か名前が出て来ていました。その人たちは主人公たちの敵対組織です。三人くらい出ましたがまだ何人か居ます。敵対組織の人たちは全員オリキャラです
昏御「あの狼とか言った人は何回が出て来たよね」
はい。彼の能力は使い勝手がいいですから
昏御「そういえば前回の後書きで新しいシリーズを投稿するとか言ってたがどうなの?」
やりますよ。今オリキャラの設定が完成しつつあります
昏御「ファイトだ!」
おう…?

ではまた次回!


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第25話 異変の出所

どうもカミユです!
絢斗「俺!(久々に)参上!」
今回は絢斗君ですか
絢斗「ああ!昏御や蓮舞は寝込んでる!」
(風邪か)ご愁傷様です。さて、今回はまだ出ていない原作キャラが出てきます
絢斗「誰だろうな?」
すぐに分かりますよ
絢斗「じゃあ、始めるか」
絢斗&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 夢華

 

「霊夢…早すぎやしませんかねぇ。追いつかないんだけど…」

 

 霊夢が飛び立ってから暫く魔法の森に向かって速いスピードで飛んでいるはずなんだけど…

 

「アリス!この雹はアンタの周りで起こっているんだけど何か心当たりはあるかしら!?」

「え?霊夢?どうしたの?取り敢えず入って」

 

 二階建てでとんがっている屋根の玄関のドアをドンドンドン!と強めに叩いる。何やってるの?ドア壊れるんじゃないの?と思うほどだ

 アリスが中から玄関を開け、霊夢を招き入れる

 

「あ!アリス待って!僕も入れて!」

「夢華?貴方も異変解決やるの?中に霊夢も居るから入って。紅茶淹れるわ」

「ありがとう」

 

 玄関を閉める前に何とかアリスを止めることが出来た。良かった。このまま次あくまで待つのはキツイ

 

「夢華遅いわよ」

「霊夢が速すぎるんだよ。それに魔理沙と合流のことを話していたからね」

「へ〜しっかりしてるわね。で、何処で集合するの?」

「出会い次第情報交換することになってるよ」

「……決めてないの?」

「…………」

 

 こちらを見る霊夢の視線が痛いです。だって仕方がないじゃないか…忘れていたんだから…苦し紛れに顔をそらす

 

「忘れていたみたいね。まあ魔理沙のことだしすぐ見つかるわよ。バカは目立つというし」

「アリスって毒舌なの?」

「まあ時々かしらね。そんな事はどうでも良いわ。重要な事じゃない」

 

 霊夢が話を一旦区切り僕達がアリスの家に来た理由を話す

 

「最近幻想郷中の天候がおかしいことに気づいている?」

「如何かしら。私は最近は家に引きこもっていたから分からないわ。でも、最近は季節外れの雹が降っているのは知っているわ」

「おかしいと思わないの?」

「最初はそう思ってたけど…慣れちゃったのかしら。何とも思っていないわ」

「慣れってすごいね」

 

 最近の魔法の森での異常天候現象は、魔理沙中心の雨、アリス中心の雹。この二つか…何か共通点は何かな?

 

「そう言えば霊夢、さっさとこの異変を解決しないと神社破壊されるかもよ」

「今朝破壊されたよ」

「え?本当、霊夢?」

「本当よ。今日中に異変解決してから首謀者に立て直してもらうわよ。絶対にね!」

「う…うん。が…頑張ってね」

 

 霊夢の迫力にアリスがドン引きする。分からないわけじゃないけど

 

「あ、ほら雹が降ってきたわよ」

「本当に降ってくるなんてね」

 

 屋根からコツコツと音が聞こえる。雹が降ってきているみたいだ

 

「ねえ霊夢」

「如何したの夢華」

「空見て。緋色の雲がかかってる」

「本当だわ。あの雲が異常天候現象の原因かもしれないわ。あの雲が集まっているところに行くわよ夢華!」

「了解。アリスは如何するの?」

「私はここに残るわ」

「うん。じゃあまた今度来るね」

「待っているわよ夢華」

 

 僕が見つけた緋色の雲を霊夢が見るとアレが原因かもしれないと言って外に出る

 アリスはここに残るみたいだから霊夢の後を追う

 玄関を出たら見知った顔の人物がいた

 

「あれ、小町さん?」

 

 霊夢と話をしている赤髪のツインテールの死神、小野塚 小町(おのづか こまち)さん。閻魔様の映姫さんの部下で死者の魂を彼岸へ運ぶ三途の川の船頭をやっている。鎌を持っているが死神のイメージのために持っているだけでちゃんと使えないらしい。仕事をサボることが多く映姫さんに説教を受けている所をよく見た

 

「おや、夢華じゃないか。久しぶりだね。元気にしていたかい?」

「僕は元気だよ。小町さんも元気そうだね。ちゃんと仕事やってる?」

「やっているさ。今は仕事の合間に散歩していたら面白そうなことをしているから見に来たのさ」

「へ〜」

「夢華ってこのサボマイスタと知り合いなの?」

「うん。10歳の時に会ったことがあるんだよ。大体映姫さんに説教されているところを見ていた感じがしたかな」

 

 僕達が話しているとあることに気づいた

 

「小町さんの周りがジメジメしてない?」

「そうそう。最近ジメジメしてて嫌なんだよ」

「アンタも天気を変えるのね」

「ああん?何言っているのか判らんな」

「小町さんの周りだけ川霧が出ているよ。気付かなかったの?」

「そう言えばそうかな。それがどうにかしたのかい?」

「体から漏れている気も天気の気も同じ………異変を起こした敵に利用されているかもしれない。その気を潰させてもらうわ」

「まあ。良いけど」

「じゃあ別のところでやれば?ここだとアリスに迷惑かけるし」

 

 そんなこんなで場所を変えることにした。気を潰すとか言ってたけど如何やるんだろ。出来れば霊夢が気を潰している間に魔理沙と情報交換しておきたいな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夢華と霊夢が小町と場所を移している時、男は魔法の森から妖怪の山まで歩いて来た

 

「あの緋色の雲は山の上だけ晴れてねェな。つう事はあの上に犯人でもいるのかァ?」

 

 男は緋色の雲の上まで歩いて行こうとすると、横から強風が吹いて来た

 

「ちょいと、そこの人間。見ない顔ですけど、こんな強い風の日に山に来るなんて死ぬ気ですか?というか人間が来てはいけませんよ」

「あ?テメェの周りだけ風が強いのに気付いてねェのかよ。て事はお前もそうなのかァ」

 

 男はそういうと、強風を気にせず右手に何処から出したのか小太刀を両手に出し文の目の前まで移動する。そのまま文の首を捉えて振るう

 

「おらあ!」

 

 文は小太刀を躱し、男から距離を取る

 

「いきなり何するんですか!」

「最近の天候がおかしいのは異変のせいみたいでなァ。その現象がテメェの周りにも出てンだよ。だからテメェをぶっ倒せば犯人のとこが判ると思ったからだ」

「最近の幻想郷の天候がおかしいのは異変の所為だと思っていましたが私にも出ていたのですね。ですが、貴方を危険人物とし、ここで排除します!」

「ハハッ!ハハハハハハ!!そうかよ。良いぜ!異変の犯人の前の準備運動になるぜ!」

 

「(相手は恐らく接近戦に長けている。なら距離を取りながら弾幕を撃ち続ければ勝てる!)幻想風靡!」

 

 文がスペカを宣言すると男の周りに赤く細長い弾幕が男に向かう

 

「あ?こんなもんか?」

 

 男は細長い弾幕を小太刀で真っ二つにする

 弾幕を真っ二つにしたら、小太刀を捨てる。小太刀は跡形もなく消えた

 左手にトンプソンを出し文の目の前で乱射する

 

「クッ速い!」

「捉えたぜ!」

 

 文はすんでのところで左に躱すと、その動きを予知していたのか受け流すことができずに、男の回し蹴りが文の背中にめり込む

 

「が…は…」

「まだまだ!」

 

 文は肺の空気がなくなる感覚を覚える

 男は右手を文の首に狙いを定めいつ出したのか小刀を振り下ろす

 

「ま…だ…です!旋符 飄妖扇!」

 

 文のスペカの旋風が男の胴体に当たったがキンッ!という音が鳴る。男にダメージは無いようだがノックバックにより小刀はギリギリ当たらなかった

 

「やるじゃねェかよ!良いねェ!やっぱ幻想郷(ここ)は飽きねェぞォ!」

(強い!どうする?ここは椛達が来るのを待っているしか…)

「さァて準備運動はこんなもんで良いかァ。じゃあまあ」

 

 男が呟くと、男の周りに小刀、手裏剣、クナイ、小太刀等の凶器が出現する

 

「終わりにすっかァ」

 

 大量の凶器が文に向かって殺到する

 

「(何ですかこの量は!こんな強風なのにブレることなく一直線に向かって来るなんて!かわすことができない!)旋風 鳥居つむじ風!」

 

 二つ並ぶつむじで凶器の嵐を防いでいる

 

「ハハハハハハ!こんな風じゃあ俺を止めることなんてできねェぞ!」

 

 男は右手に鈍器を持ちながら桃白白のように薙刀に乗りながら文の旋風を突破する

 

「躱せないわけではないですよ!」

 

 文が振るわれる鈍器の軌道上から外れようと体を動かすが脚に激痛が走る

 

「っ!脚に小刀が!いつの間に…」

「テメェが俺に気を取られていた時だ!あばよ!」

 

 激痛により反応が遅れた文は側頭部に鈍器を直撃して、近くの木まで飛び、木にぶつかると同時に気絶した

 

「さァてと準備運動も終わったし目的地まで行くかア」

 

 男は気絶している親を尻目に緋色の雲が晴れていない場所まで歩いて行く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 男が立ち去ってから暫くすると息を切らせた椛が文の近くで着地した

 

「文さん!大丈夫ですか!」

 

 気絶している文を見てまず息があるかどうか口元のところに手をかざして息をしていることを確認する。次に損傷箇所を確認する。脚と側頭部と箇所は少ないが、脚は貫通しており側頭部からはまだ血が流れている

 

「まずは止血しないと!」

 

 椛はハンカチで側頭部の流血を止血しながら遅れてきた天狗達に指示を出す

 

「A〜C班までさっきの男を追って下さい!D班の一人は大天狗様に報告!残った人は男の包囲をして下さい!私は文さんを永遠亭まで運んでから急いで向かいます!決して無茶はせずに入れ替わりながら戦って下さい!」

 

 椛の指示を聞くと言われた通り行動する

 

「文さん。死なないで下さい!」

 

 文を背負いながら椛はできる限りの速さで永遠亭に向かう




今回は敵さんが文さんとぶつかりましたね
絢斗「何だ彼奴。危ない奴じゃないか」
まあ敵組織の中で最も危ない人なので…
絢斗「彼奴と戦ったら俺勝てるか?」
それはやって見ないと分かりません

前から言っていた別のシリーズは水曜日に第1話を投稿します。活動報告にて知らせます

ではまた次回!


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第26話 情報交換と動き出す影

どうもカミユです!
蓮舞「久しぶりだな。しばらく来ないうちに話が進んだか?」
まあ進みましたが未だに異変の黒幕側が出て来てないんですよね
蓮舞「遅すぎないか?」
僕もそう思いますがねぇ?
蓮舞「……これ以上は訊くなと…まあいいか」
(良かった)
蓮舞&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 夢華

 

 今、僕は霊夢が小町さんの気を潰すとか言ってやる場所を移すために移動中…

 

「何処でやるの〜?」

「とりあえず三途の川にする?彼処なら問題ないと思うけど」

「じゃあそこにしましょう。夢華は魔理沙と情報交換しなくていいの?」

「そうだね。僕は緋色の雲の事を魔理沙と話すよ。その後は三途の川の場所が分からないしそのまま異変の場所まで行こうかな」

「分かったわ。私もすぐに行くから待ってなさいよ」

「僕は戦闘狂じゃないから大丈夫だよ。じゃあね〜小町さん。また今度会いに行くよ」

「分かった。異変解決頑張れよ。アタイも楽しみに待っていることにするよ」

「その時は映姫さんに説教をされているところだったり」

「うぐ……あり得そう」

「じゃ、お仕事頑張って下さいね〜」

 

 小町さんと雑談しながら別れる。その時の霊夢の顔が少し怖かった………なんで?

 二人と別れた後、人里上空を飛んでいたら遠くに放棄に乗った魔法使いの格好をしている少女が見えた。しかし、相手はコッチには気付いていないみたい……………よし、驚かそう

 まずは魔法陣から…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 魔理沙

 

「う〜む……夢華はどこに行ったのぜ…まだ魔法の森に居るのか?」

 

 緋色の雲の事を知ったから夢華に教えようと思って、10分くらい探して居るのに全く、姿形見当たらない

 まだ魔法の森でアリスと話していると思い、魔法の森方面に向かおうと方向転換した時に後ろから夢華の声が聞こえた

 

「おーい魔理沙〜」

「夢華か?見つからないから今から魔法のも………え?」

 

 あ……ありのまま今起こっている事を話すのぜ

 夢華の声の方に向いたら顔の部分がみかんみたいな模様をしている二メートル程あるみかんの模様のある剣を振り上げながら鎧?を着込んでいながら微動だにせずに迫ってきている奴がいる

 な…何を言っているのか判らないと思うが私にも判らないのぜ。魔法とか程度の能力なんてチャチなもんじゃ断じてねぇ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わっているのぜ

 

「な…な…何なんだぜ!?そこのお前!見ない奴だが、夢華は何処にやった!」

「え、魔理沙?僕はここだよ?」

 

 また夢華の声がすると目の前にいる鎧を着込んでいる奴が横に現れた魔法陣の中に入っていく。この魔力は夢華の物だと思ったが鎧を着込んでいた奴の後ろに居たのは頭が異様に大きくて全身青い肌の巨人が居た

 

「え?は?え………」

 

 突然の事で頭の中が真っ白になっていると自覚したのぜ。何が何やら判らなくなり、とっさに取った行動が…

 

「あはは!びっくりした?………待って魔理沙!その八卦炉をしま……」

「恋符 マスタースパーク!!!!!」

「…ちょっ待っ…ああああ!」

 

 気が付いたら右手に八卦炉があり、マスパを撃っていたのぜ

 目の前にいた巨人はマスパに飲み込まれて悲鳴をあげながら魔法陣の上に寝転がっていたのぜ

 

「えっと……」

 

 だんだん冷静になり、今の状況と起こった出来事をゆっくりと理解していく

 

「とにかくこいつは何なのぜ?」

 

 魔法陣の上で寝転がっている奴に警戒しながら近付くと板に巨人の絵が描かれているだけだということがわかった

 板と魔法陣に挟まれている紫髪を見つける

 

「夢華!おい大丈夫か?」

「う…うん。まさかいきなりマスパを撃つとは思わなかったよ」

「わ…悪かったのぜ。ってお前が私を驚かさなければよかった事じゃないか!」

「うんそうだね。今度レミリアにやってみようかな」

「やめとけやめとけ。怒られるだけじゃ済まないぜのぜ」

 

 私のマスパをくらっても怪我がない事に驚いたが、咄嗟に魔力で防いだのだと思うのぜ

 

「で、そっちは何か掴んだ?」

「こっちは緋色の雲の事をだぜ。この雲は妖怪の山の上に集まっているとか」

「僕もそんな感じだね。その人はどんな人なの?」

「確か白髪のロングだったかな」

「……その人の名前って月城 朱鳥って名前の人だった?」

「悪いが名前を訊いていなかったのぜ」

「そっか。もしかしたら会うかもね」

 

 夢華が誰か知っていそうな事を言った。私達の情報交換が終わると一緒に異変の犯人のところまで行こうと提案されたので了承しようとすると夢華が私を見て固まった

 

「どうしたのぜ、私を見て固まって。何か顔についているのかぜ?」

「後ろ」

「後ろ?」

 

 夢華に言われて後ろを振り返ると、頭に赤いハンカチを付けている文を抱えている、切迫した顔の椛が飛んでいた

 よく見ると、文が頭につけているハンカチから赤いものが滴り落ちて椛の服に付いている。更に脚にも血が落ちている

 

「何があった!」

「ま…魔理沙さん!文さんが、文さんが!」

「落ち着け!急いで永遠亭に行くぞ!」

「はい!」

「乗って。すぐに行くよ。瞬間移動」

 

 文の負傷に完全に取り乱している椛。此処で落ち着かせるわけにはいかないから永遠亭に行こうと促すと、急に魔法陣が現れて、今まで聴いたことのない夢華の温度の無い様な声で乗るように促された。何がどうなのか判らないが言われた通りにすると一瞬で永遠亭に着いた

 

「永琳先生ー!急患です!居ますかー!?」

 

 夢華が玄関の方で大声で叫んでいると中から鈴仙が出て来てすぐに椛を中に入る様に促す

 

「魔理沙はどうするの?此処で文さんの回復を待つか、文さんをあんなにした奴が居るかもしれないところに行くか」

「………文の事は心配だけど椛が居るし、永琳なら問題無い。私は異変解決の方に行くぜ」

「………分かったよ。今から其奴がいるところまで移動するけど、魔理沙は真っ直ぐに山の上に行って」

「夢華はどうするのぜ?」

「僕は其奴を足止めするよ。出来るだけそっちに行かせないようにするから」

「分かった。じゃあ行くか!」

「うん!」

 

 夢華の目の前に魔法陣が現れた。魔法陣の中から戦闘音がする。私たちは魔法陣の中に入る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 狼

 

 今、俺は困っている。それもかなりの方で

 いきなり何言ってんだ?と思う事だろう。まあ判るが………さっき新羅の奴がアジトから居なくなっているからボスの烈っさんに「何か代わりになるものを持って来い」と言われた。その時は適当なものがあるか〜と軽い気持ちで探していたのだが…

 

「見つからないんだけど………あれ?ロケランは?か○は○破製造機は?仮面ライダーナイトのベルトは?」

「ん〜あ、狼君。どうしたの?」

「栞さん。それが前まで此処にあったロケラン等が何処にあるのか知ってますか?」

「ん〜〜確かベルトは新羅君が破壊しちゃって、ロケランは新羅君が持って行って、か○は○破製造機は修理中だったかな」

「そうですか………ついてない…」

 

 赤髪のサイドテール、青紫色の瞳で、美人な栞さんによれば、さっきまで机の上に置いていた物が使えないのは、3分の2が新羅のせいらしい……いや、俺が今こんなことになっているのも新羅のせいだから4分の1か…

 

「そういえばボスの様子はどうなの?元気?」

「元気そうですよ。機嫌が悪そうですがね。何か能力の試運転がしたいとかで何か使えないものがないか探すように言われましてね。それで今探していたんですけど………」

「あ…(察し)うん、ドンマイ!元気出して!アジトに無ければ幻想郷()にはあるわよ!」

「そんなもんなんですかね。まあ本当に無ければ探しに行きますけど……」

 

 アジトには多種多様な物が沢山ある。日用品から武器まで、品揃えは豊富だ。それでも烈っさんには通用する物があまり無いから見つからなければ探しに行かなければならない

 

「じゃあ少し行って来ますね。留守番と烈っさんのことお願いします。あの人、何やるか判らないので」

「分かったわ。幻想郷住人には気付かれないようにね〜」

「わかっていますよ。 はあ面倒くさい。適当な所に行くか」

 

 アジトから妖怪の山半ばまでの道を歩いていると遠くから戦闘音と聞いたことのある声と、聞いたことのない声が聞こえた

 

「この声は新羅?やっぱり外に出させないようにすれば良いのに……でも、一応博麗の巫女と戦ってないだけマシかな」

 

 山を登って行くと強力な結界が施されているところを見つけた

 

「おー結界。洞窟に…いや、洞窟全体に強力な結界が張られているね。いつの物かは判らないけど多分博麗の巫女の結界かな」

 

 近くに行ってみると博麗の巫女の力が使われていることに気付く。俺は結界の知識はあまり無いから栞さんに訊けば良いのかな?

 

「そうだ。結界(コレ)を試運転に使ってもらおうかな」

 

 そうと決めれば急いでアジトまで戻る。その足で烈っさんの部屋まで行くとドアをノックする

 

「烈っさん。博麗の巫女の結界なんて試運転にはいいんじゃない?やってみれば?」

 

 ガチャ…とドアが開き烈っさんが出て来る

 

「そうだな、じゃあ行くか。タイミングはお前に任せる」

「了解!じゃあこっちですよ」

 

 ボスを連れて結界の前まで行く。さ〜て、この中には何があるのかな?




蓮舞「次に夢華が戦うのか?」
まあ一応そうですけど、主人公が黒幕と戦うどころか会わないというのも何か変だと思いますがね
蓮舞「じゃあどうするんだ?」
どうでしょうかね。それは次回でわかりますよ
蓮舞「そうか」

ではまた次回!


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第27話 無縁塚の戦闘

どうもカミユです!
昏御「インフルエンザになったの久々だよ。いつのまにか進んでいるわね」
ご愁傷様です。(前回)蓮舞さんも言っていましたよ
昏御「前回の終わりだと夢華と妖怪の山で戦うみたいな終わり方だったね」
今回は戦いますよ
昏御「そうかじゃあ一緒に」
昏御&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 夢華

 

「なんだこの人間!?強過ぎる!早く椛さん来てくれ!」

「右のほうが空いたぞ!攻めろ!」

「負傷者が多過ぎる!」

 

 魔理沙と永遠亭から魔法陣で妖怪の山で戦闘をしているところまで着く。妖怪の山まで来ると僕の指示通り魔理沙は真っ直ぐに異変の出所まで箒に乗って飛んで行く

 

「あぁ!?テメェは狼の奴が言ってた奴じゃねェか!こんな所に来やがって、俺と戦いに来たのかァ!?丁度いいぜ!コイツ等じゃ手応えがなさすぎてココら一帯を吹き飛ばすとこだったぞ!」

「場所を移そうか!空間操作!」

 

 空間を早苗ちゃんが前に言っていた外の世界の物が流れ込んで来ていると言われている『無縁塚』という所に目の前の男の人と僕を飛ばした

 

「ハッ!なんでもアリだなァ、テメェ。ココなら暴れても良さそうだなァ」

「さっさと倒して異変を解決する!」

 

 無縁塚は森に囲まれている小さな空間。足元に見たことのある外の世界の物がいくつかある

 

「テメェは俺を楽しませてくれるかァ!?」

「知らないよ!氷炎 炎と氷の弾幕網」

 

 男の人が何もない空間から色々な種類の凶器が出現し、此方に向かって飛ばされる。それを炎と氷の網で防ぐ。多くの凶器は溶けた

 

「成る程なァ………これならどうだ!」

「銃まで?どんな能力?」

 

 男の人の周りに種類まではわからないが、視界を埋め尽くすような量の銃が出現し、発砲する

 大量の銃弾を僕をの目の前に出し、防ぐ。大きさは銃弾が尽きるまで耐えきれると思う程の大きさ

 

「魔法陣が…破れる……」

 

 あまりの銃弾の多さに魔法陣が耐えきれなくなり、真ん中辺りにヒビが入る

 

「どうした!こんなもんか!」

「クッ……キツイ…」

 

 とうとう耐えきれなくなり魔法陣が破壊される。が、

 

「超速移動」

 

 銃弾が僕に当たる前に能力を使い、僕が活動できる10秒間、ものすごい速さで動く

 

炎の妖刀(レッドソード)氷の聖剣(ブルーブレイド)!剣戟乱舞!氷炎 氷炎乱舞!」

 

 幽香さんと戦った時と同じように攻撃をする。男の人からすれば一瞬で目の前に移動されたと同じ速さで懐まで行き、胴体に乱舞をする

 キィンキィンキィン!と金属と金属がぶつかった時に響く金属音が鳴る

 

「!服の下に小刀?」

 

 男の人は服の下に小刀を仕込み、斬撃を防いでいた。それでも乱舞を続ける。流石に壊れたのか小刀が破壊される。しかし、小刀を破壊するのに時間を使ってしまい、残り時間が後2秒ほどになってしまった

 

「これで……どうだ!翔符 飛翔斬撃」

 

 最後に男の人を斬りあげ、両手に持っている武器で、魔力で形作られた斬撃を飛ばし、男の人に当てる

 

「グッ…ハ…ァ………ハハハ………ハハハハハハハハ!イイねェ!そうでなくちゃァなァ!そうでなくちゃァ、こうでなくちゃァツマラネェぞ!」

 

 男の人は僕の乱舞と斬撃をくらっても怯むこともなく狂ったように笑い、空中にとどまり大声で叫ぶと、四方八方に日本刀、太刀、西洋刀などから、針、手裏剣、クナイなどの殺傷武器が僕に向けられる。当然ながら僕に向かって殺傷武器が僕に殺到する

 

「ふぅ……………」

 

 殺傷武器が殺到しているが、息を吐き出す。そのまま叫ぶ

 

「破砲 破壊光線!」

 

 殺到する殺傷武器を全て巻き込むかのように大きな魔法陣を展開して、魔理沙のファイルスパークと同等の威力のレーザーを放つ

 幸い、上からの攻撃なので、上空に向けてレーザーを放っているので周りの木々に被害は無い……はず

 

「久々にやったな……特大破壊光線(これ)。大丈夫だよね…一応スペカだし…死んではいないはずなんだけど」

 

 スペカとはいえ、この威力のレーザーをくらって怪我をしていないのは丈夫すぎると思う

 

「はぁ…はぁ…やるじゃねェか…俺をココまで追い込む奴はボスくらいだ…」

 

 男の人は前方の木に手をつき、息を切らせている。怪我は見られないけど服がボロボロになっている

 

「これで終わりだよね」

「まさか!まだだ!こんなもんじゃ終わらねェよ!」

 

 何処からかロケットランチャーを取り出し、こちらに向けて発射する。しかし、ロケットランチャーなら魔法陣で防ぐことは容易い。前方に魔法陣を展開しようとすると男の人が話し出した

 

「俺の能力はいつも俺の周りに出していたが別に何処にでも出すことはできる」

「?何を言って……あっ!」

「俺の周りだと扱いやすいってだけだ」

 

 男の人の言っていることがわからなかったが途中で察することができて、僕の周りに魔法陣を展開しようとすると、背中からザクザクザクザクザクッと音が聞こえた

 それが刃物によるものだと分かったと同時に前から来るロケットランチャーを回避しようと動こうとしたが、体が思うように動けなくなった

 

「即効性の麻痺毒をつけた刃物だ。じゃあな、楽しかったぜ」

 

 男の人の声がゆっくりに聞こえ、全ての出来事の動きがゆっくりになっている事を自覚しながら、あぁ、なんかデジャブだなぁ。と考えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「え?ちょっと…マジ?えーと……うん……時魔。ちょっと待って」

「………」

「どうしてだ?みたいなこと言いたそうな目だね。それは簡単だよ」

 

「横からものすごい速さでこっちに来てる人がいるから」

「………」

「それにさっきの男の人はもう居ないよ。ロケランぶっぱなした後に妖怪の山の方に行ったから」

 

 時魔の前で一人で話す少年が呟く

 

「幻想郷吹き飛びそうだな〜まあ夢華が死ななきゃどうでも良いけど。あ、麻痺毒の効果は消しとくか〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 男…『新羅』が放ったロケットランチャーは今にも夢華に当たりそうな位置にある。夢華は即効性の麻痺毒により身動きが取れなく、背中の激痛により意識が朦朧としている。絶体絶命な状況だ

 しかし–––

 

「なんで幻想郷にロケットランチャーがあるのかしら」

 

 –––先程までの夢華達の戦闘を知らない人からしたら当然抱く疑問だが、今の状況には全くあっていない軽い口調で白髪ロングの女性がロケットランチャーを手に持っている扇子で受け流す。ロケットランチャーはそのままあらぬ方向に飛んで行った

 

「貴女大丈夫ですか?背中に小刀とか色々刺さっていますが…」

「…………」

「喋れないのですか?」

 

 背中に小刀などが刺さっていて大丈夫とは言えないが、過去にフランドールに腹を貫かれて大丈夫と言う夢華にとっては麻痺毒さえなければ問題はない

 倒れている夢華に質問するが答えられない(答えない)

 

「…あ……あ、喋れる」

「喋れなかったみたいですけれどどうしたのですか?」

「さっき麻痺毒付きの小刀を背中に刺されてしまって喋れませんでした。それとありがとうございます」

「いえ、気にしないで下さい。当たり前のことを行っただけですので。貴女は夢華って名前ですか?」

「そうですけど……」

「やはりそうですか。朱鳥が君のこと話していました。よく見ると朱鳥が言っていた特徴と同じですね。左目が黒いところ以外は、ですけれど」

「これは能力による影響ですね。朱鳥さんと会ったときは能力を使っていなかったので」

「そうなのですか。それにしても本当に男の子ですか?声とか見た目とか、女の子にしか見えないのですが」

「よく間違われますね。慣れましたけど」

「成る程。俗に言う、男の娘ですか。可愛いですね」

「……反応に困りました。うーん…ありがとうございます?」

「面白いですね。私、四葉 廻零(よつば みお)です。よろしくお願いします。夢華さん」

「よろしくお願いします」

「これからはどうするつもりですか?」

「さっきの人を追いかけようと思っています。異変の方に行ってなければ良いですけど」

「それならばあちらに行った感じがしましたよ」

「妖怪の山…………はあ〜じゃあ行きますね。ありがとうございました。朱鳥さんによろしく言っておいてください」

「分かりました。気を付けて下さい」

 

 夢華が魔法陣に乗り、飛び立とうとしたが、飛び立つことなくその場に留まる。そして「それと…」と言うと黒い瞳だけが見える角度に体を傾けて言う

 

「アンタ、幻想郷を破壊する気は無いんだよね?」

「そんなものありません。それにしても急に別人みたいに口調が変わりましたね?貴方は夢華さんですか?」

「ボクはボクだよ」

 

 夢華が短く言うと今度こそ妖怪の山に向かう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時間は遡り、夢華の魔法陣から出た魔理沙の方では

 

 

 

 Side 魔理沙

 

 私は夢華の魔法陣から出た後、後ろを見ずに夢華に言われた通り、緋色の雲まで箒に乗り突き進む

 

「さっさと異変を解決して夢華の方に加勢しに行かないとな」

 

 私のためにあの場に残ってくれた夢華の為に雲の中に入る

 それと、最近は雨ばかりでウンザリしていたからという理由もある

 比率は夢華の為が8、雨は2なのぜ

 

「雲の中は荒れているが、これを越えれば……待っていろよ。夢華!私の雨の無い世界!」

 

 雲の中は荒れに荒れていて、進むのがキツイのぜ

 

「鯉は滝を登り龍となり、龍は雷雲の中で成長する。この雲を泳ぐ人間が居るなんて。そんな貴方は何者かしら?」

 

 雲の先の方から紫髪で帽子に赤いリボンを付け、赤と白の羽衣を身につけている情勢が出てきた

 

「おお?なんか障害物みたいな奴が現れたな」

「私は貴方に対して邪魔はしません。ただ、幻想郷の未来を憂え、そして警告するだけです」

「なんだ。邪魔しないならさよならだ」

「貴方は何故雲を越えようとしているのです?」

「一つは私の為に残ってくれた奴の為速くこの異変を解決するのと、もう一つは私の周りだけいつまでたっても晴れないからだよ」

「つまり、貴方は雲の先に異変を起こしている人を止める為に越えるのですね。しかし、天候がそんなにおかしな事になっているなんて知りませんでした。私はずっと雲の中にいるから天候は変化無いですし」

「いや、雲を越える必要は無くなった」

「?何故ですか?」

 

 私は帽子から八卦炉を取り出し、目の前で不思議そうに訊いてくるやつに向かって言い放つ

 

「犯人を見つけたからだ!」




今回夢華と戦った男は新羅です。まだまだ出番はあります
昏御「戦闘狂って怖い(確信)」
そうですね
昏御「廻零ってキャラはオリキャラだよな」
そうです。この先の重要なポジションになるかもしれないキャラです
昏御「ふーん。それで次回の夢華の出番があるかどうか」
どうでしょうかね(黒い笑み)
昏御「……あ(察し)」

ではまた次回!


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第28話 雲の中の戦闘

どうもカミユです!
夢華「ここに来たのは年末と年明けの時以来かな?まあ今回出番無かったからいいか」
そんなこと言ったら早苗さんは出番が最近ないんですけど?
夢華「妖怪の山に居るのにね〜」
気にしたら負けですよ
夢華「あははは!じゃあ一緒に……」
夢華&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 魔理沙

 

「速攻で決める!恋符 マスタースパーク!」

「そんなもの、簡単には当たりませんよ」

 

 私の放ったスペカの極太レーザーを難なく躱す女

 

「そういやお前の名前聞いてなかったな」

「そう言えばそうですね。私とした事が失念していました。私は竜宮の使いの永江 衣玖と申します」

「私は霧雨 魔理沙。普通の魔法使いだぜ!」

 

 お互いが自己紹介をすると衣玖がスペカを取り出す

 腰に手を当て、反対の腕を上に挙げて宣言する

 

「雷符 神鳴り様の住処」

「…!足元から」

 

 私の足元から青い弾幕が襲いかかる。咄嗟に後ろに回避し、被弾は避けた

 

「ほう。今のを避けますか。人間にしてはやりますね」

「お褒めにあずかり光栄だぜ!ならこっちはどうだ!儀符 オーレリーズサン!」

 

 私の周りに青い弾幕を四つ出し、衣玖に向かってレーザーを放つ。それに対して衣玖は必要最低限の動きで躱していく

 

「クソっ!当たんねー!どうなってんだ!?」

「それは私が空気を読んでいるからですよ」

「?何言ってんだこいつ」

 

 空気を読む?能力か?

 と、衣玖の発言の意味を考えていると後ろから七色の、私のよく知っている親友の弾幕

 

「魔理沙大丈夫!?」

「霊夢!ナイスタイミングだぜ!さっさとコイツ倒して異変を解決するぞ!」

 

 霊夢が来てくれたおかげでこっちに余裕ができている

 

「魔理沙、夢華は何処にいるの?此処に向かう時に見かけなかったんだけど」

「それだったら妖怪の山を襲撃していた奴と戦っていたはずなんだが……別の場所に移動したのか?」

「お二人して会話なんて余裕なんですね。これでどうで……」

 

 衣玖がスペカを使おうとした時に3人が同時にある方向に向いた

 

「何なんですか……今のこの圧倒的な魔力量は……」

「魔理沙…」

「あぁこれは夢華の魔力だ。こんなの私のファイナルスパークを超えているぜ。あの時(6話)は手加減してたのかよ」

「夢華とはあまり弾幕ごっこやりたくないわね」

「そうか?私はやりたいけどな。どっちの方が強いのかをはっきりできるからな!」

 

 本気の夢華と弾幕ごっこでどっちのパワーが強いのかを確かめないといけないのぜ。それにしても前の弾幕ごっこでは手加減していたとは…恐ろしい奴だぜ

 

「今の魔力を持つ方の種族はなんですか?神?それとも妖怪?」

「夢華は人間だぜ?確かにあの魔力量は人間が持てるものとは思えないがな」

「………そうですか。そういえば貴女達はこの上に行くんですよね?」

 

 何言ってんだアイツ。異変の首謀者はお前なんだから倒せば良いんじゃないのか?

 

「あの……私はただ、幻想郷の未来を伝えるだけです。なので私を倒したところで幻想郷の壊滅的な悲劇は変わりません」

「アンタの言う幻想郷の壊滅的な悲劇ってどんなのよ」

「地震です」

「地震?それって確か今朝博麗神社で起こってなかったか?」

 

 今朝の博麗神社を思い浮かべる。昨日まではなんてことのないいつも通りの神社だったが今は見るも悲惨な状態になっている

 

「あの…私は地震の有無とは一切無関係です。もしかしたらその地震は試し打ちか、前兆なのかもしれません」

「ちょっと待ちなさい!後者の方はどうでも良いけど、前者はどう言うこと!?私の神社を破壊した奴がいるの!?」

「私の推測が正しければあの方が自身を引き起こした張本人。でも、これから起こる本当の悲劇を止めるのもあのそのお方」

「よく分からないけど…そいつが私の神社の責任を取ってくれるってことね!そいつは何処!?」

「では、この雲の上を進んでくださいまし、きっと大変ですがね」

 

 話から衣玖が言うその『あのお方』って奴が神社を破壊したみたいだな。それに雲の上に居ると…

 

「そいつは私が最初にぶっ倒してやるぜ!」

「あ、待ちなさい魔理沙!まずはそいつと話をつけてからぶっ倒すのよ!」

 

 私が先に行くような感じで雲の上に行く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜同時刻 妖怪の山の一箇所〜

 

 

 

 Side 狼

 

「狼」

「はいはい、なんですか?」

「まだか?」

「まだですね。少なくとも今やったら妖怪の賢者が来て俺達の存在が………新羅が暴れているからあまり意味ないのか。まああまり隠密に動きたいでしょう?」

「……お前に任せる」

「はいはい。そうですね。やるタイミングは博麗の巫女が天界に居る奴を倒す時ですね。その時だったら気付くとしても異変を解決した後になるでしょうね」

「来たとしても俺たちなら余裕で撃退できるがな」

「目立ちたくないんですけどね。烈っさんとは一緒に戦ったことがあまりないからコンビネーションに自信がないんですよね〜」

 

 博麗の結界が張られている前に立って2人で話して居る。俺の能力で博麗の巫女と普通の魔法使いが雲を抜けたところを見る

 

「そういえば新羅どこに行ったんだろう?まさか負けてないよね?」

 

 近くから戦闘音が全くしなくなったことに疑問を持ち、新羅が居るであろう場所を観てみるが新羅の姿が見えない

 

「あれ?新羅どこ行ったんだろ?」

 

 さらに広く観るとボロボロ姿の新羅が妖怪の山の上に行こうとしている。アイツの性格からして絶対に天界まで行こうとするよな。でも、新羅があそこまでボロボロになるなんて………誰だ?

 

「……ハハハハ…君か……あ〜やっぱり君は面白い」

 

 紫髪の女の子に見える男の子。彼なら新羅を倒すことはできるだろうね

 

「烈っさん。この後新羅が性格的に天界に行くと思うのでその時に合図出しますね」

「わかった。新羅の回収はしろよ」

「やりますよ、もちろん。新羅が暴れてくれるとこっちが動きやすいですし、何より俺が動きやすいので」

 

 あの戦闘狂は戦闘において俺と相性が良い。日常では最悪だが……

 

「さ〜て、この異変はどうなるかな?新羅が全滅させる……は無理かな。でも、幻想郷に被害は出せるかな?」

 

 楽しみで楽しみで仕方がない

 

「何か忘れているような?」

 

 この時、俺は『博麗の巫女とは戦ってはいけない』と言うことを忘れていた




次回は異変の首謀者が出て来ますね。どうなるでしょうか
夢華「僕の出番はあるかな〜?」
次回のお楽しみに
夢華「そうだね〜」

ではまた次回!


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第29話 天界の戦闘

どうもカミユです!
昏御「花粉マジで無くなればいいのに…」
全くもって同意見です。目が痒くて痛くて…
昏御「絢斗と蓮舞は違うんだよなぁ」
羨ましい…
昏御「今回は異変の犯人が出てくるんだよな」
そうですそうです
昏御&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 霊夢

 

「よーし!私が一番乗りー!」

「別に競ってたわけじゃないんだけど……まあいいわ。それよりも、何処に居るのかしら。地震の責任を取ってくれる奴は。それにしても雲の上は静かね」

「そういやそうだな。静かだぜ」

 

 雲の上まで行くと静かな場所に出た。俗に言う天界かしらね。下の幻想郷とは大違いね

 

「天にして大地を制し、地にしてかなめを除き。人の緋色の心を映し出せ」

 

 何かよくわからないことを言いながらこちらに歩いて来る、青い髪を背中まで伸ばして赤い瞳、桃が付いている帽子をかぶっている少女がいる

 

「誰よアンタ」

「私は天人の比那名居 天子(ひなない てんし)。貴女たちが異変解決の専門家ね。待っていたわ」

「アンタが地震を起こしたり、天候をおかしくした犯人ね?」

 

 天子と名乗る少女は自分が今起こっている犯人って言っているようなことを言う

 

「そうよ。異変解決ごっこは何も妖怪だけって訳じゃないでしょ?私は毎日毎日、歌、歌、酒、踊り、歌の繰り返し。ホント天界の生活は、のんびりしていてねぇ」

「何よそれ。羨ましいじゃない。自慢?」

「私は分からなくはないかな。毎日同じことが続くなんてつまんないよな」

「おっ!金髪の貴女はわかってるじゃない。まあ暇だから地上を見たら貴女達が色々な妖怪相手に遊んでいるのを見てね」

「遊んでいた訳じゃないけどね」

「私は楽しいがな」

「それを見て思ったのよ!私も異変解決ごっこをやりたいって。だから起こしちゃった。異変」

「起こしちゃった、じゃないわよ!お陰で私の神社が滅茶苦茶よ!」

「あれは試し打ちよ。本番はこれから。この、緋想の剣は人の気質を丸裸にする剣なの。天人にしか扱えないわ」

 

 天子が腰にさしていた緋色の刀身の剣を取り出した。その瞬間に隣にいた魔理沙の目が光ったような気がした。この異変が解決したらまた天界に来てそうね

 

「これで、緋色の雲を集めて………集めた天の気が大地を揺るがすの。さらに私の後ろにある要石を動かし、これなら幻想郷全域の大地を揺るがすでしょう」

「ふん舐めきったもんね。どういう仕組みだろうと、アンタが地震を起こした犯人だってなら、例え天人であろうと変人であろうと私の仕事は一つ!異変の犯人を退治する事のみ!あとついでに、神社の修理をしてもらうわよ!」

「ついでなのか。霊夢のことだから神社を優先すると思ったぜ」

「魔理沙黙りなさい!」

「うふふ。そうそう!その意気込みが欲しかったのよ!天界暮らしをしていたくないわ!それも今日でおしまい。空の天気も、地の安定も、人の気質も私の掌の上。数多の妖怪を退治してきた貴女達の天気、見させてもらうわよ!」

 

 私は御幣を、魔理沙は帽子から八卦炉を取り出し、天子は剣を構える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さっさと終わらせる!霊符 夢想封印」

「全力で楽しむぜ!魔符 スターダストレヴァリエ!」

 

 霊夢の色鮮やかな七つの弾幕が周りから、魔理沙が箒に乗り天子に真っ直ぐ向かう。天子からしたら魔理沙の周りから弾幕が現れているように見えるだろう

 

「良いじゃない!流石いつも異変解決をやっている2人ね。ちゃんと連携ができているわよ!けど、」

 

 天子は2人を褒めると迫る魔理沙の箒を手で掴み振り回す。振り回された時に魔理沙の箒と霊夢の弾幕がぶつかり、弾幕が相殺される

 

「は!?ちょっ……回すなー!目が回る〜あ〜〜」

「あははは!楽しい!」

「魔理沙を離しなさい!神霊 夢想封印 瞬!」

 

 魔理沙を左手で回している天子に素早く動く色鮮やかな弾幕が向かうが、天子は魔理沙を適当に放ると右手に持っている緋想の剣で向かってくる全ての弾幕を斬る

 

「嘘っ!今の弾幕を全て斬るなんて………魔理沙大丈夫?」

「私は平気だぜ。それにしてもアイツ凄い力だぜ。天人だからか?」

「それは分からないけどこれは短期戦に限るわね」

「ふふふっ!楽しいわね。次はこっちから行くわよ!地符 不譲土壌の剣!」

 

 天子が緋想の剣を地面に刺すと、霊夢達の前の地面が迫り上がるように動く

 

「魔理沙飛んで!」

「分かってるぜ!」

 

 霊夢と魔理沙は地面に刺さる前に飛んで回避する

 

「まだよ!要石 天地開闢プレス!」

 

 天子は霊夢達よりも上空まで飛び、要石に乗りながら霊夢達の真上に急落下する

 

「なっ!魔理沙こっちに来て!」

「え?わ、分かったぜ!」

「神技 八方鬼縛陣!」

 

 魔理沙が近くに来るのを確認した霊夢は、縦に長い陣のスペカを発動する

 

「!やるじゃない!これを防ぐ人なんてそうそう居ないわよ!」

「そりゃあ、どうも!」

「私も加勢するぜ!恋符 ノンディレクションレーザー!」

 

 霊夢と天子が拮抗状態になっていると魔理沙が5本のレーザーで天子に追い打ちをすると要石にヒビが入る

 

「これはマズイわね……いったん離れないと」

 

 天子はすぐに要石から離れ、地面に降り立つ

 

「いつぶりかしら、こんなに楽しいのは!」

「なんて奴なの……魔理沙と一緒にやっても互角なんて……」

「霊夢、どうする?マスパ使うか?」

「待ってちょうだい。それはアイツが油断して、確実に当たる時まで取っておいてちょうだい」

「分かったぜ」

「じゃあこれならどうする?全人類の緋想天!」

 

 天子から緋いレーザーが放たれる

 

「夢境 二重大結界!」

 

 霊夢と結界と天子のレーザーがぶつかると大音量の音が響く

 

「魔理沙!今からマスパを撃てる準備をしておいて!これが終わったらすぐに!」

「分かった!最大出力でやってやるぜ!」

 

 結界の中で早口で会話がされる

 

「いっけえええええええええ!」

「はあああああああああああ!」

 

 2人のスペカが拮抗し、スペカブレイクする

 

「魔理沙!」

「うおおおお!恋符 マスタースパーク!」

 

 二つのスペカが終わると結界の中で八卦炉を構えて魔力を集めていた魔理沙の特大レーザーが放たれる

 

「え?しまっ…」

「いっけえええええ!」

 

 魔理沙の特大レーザーが急な事で天子は反応できずに、レーザーに巻き込まれる

 

「はあ…はあ…やったか?」

「全力のマスパで倒れない…なんて事は流石にないでしょう。多分」

 

 霊夢は立ったままそう言い、天子がさっきまで居た方に視線を向けると–––

 

「はあ…はあ…危なかったわ」

 

 –––天子が緋想の剣を地面にさして立っていた

 

「嘘でしょう?」

「マスパで、倒せないなんて…な…絶体絶命ってやつだな」

 

 霊夢達が弱音を吐いていると天子の口が開く

 

「あー、楽しかったわ。もう異変は良いや」

「は?」「へ?」

 

 天子の言葉に2人は開いた口が開いたまま閉じない

 

「つまり、もう異変は解決したって事?」

「そうよ。じゃあ異変の後はいつも宴会やっていたでしょう?早くやりに行きましょう!」

「都合のいい奴だぜ」

「いや、その前に博麗神社を建て直しなさい!」

「えー」

 

 と、異変は終わり、3人は疲れているが会話をしていると、横から男の声が響く

 

「あ?もう異変解決しちまったのかァ?チッ遅くなっちまったか……だがまァ…関係無くやるかァ」

 

 新羅が天界に上がって来ていた

 

「誰よアンタ」

「霊夢アイツは夢華が足止めしていた奴だぜ。アイツがここにいるって事は夢華は……」

「夢華?あーあの、紫髪のガキかァ。今頃丸焦げになってンだと思うぜ」

 

 新羅から出た言葉に2人は殺気を放つが新羅は何も反応せずに小刀を出し、右手で適当に回している

 

(博麗の巫女が居るんだが……ここは引いた方がいいのかァ?てか、青髪の奴以外からの殺気が凄いな………攻撃して来たら対処するか)

「ねぇねぇあの男って何なの?」

「アイツは文に大怪我を負わせた奴だぜ。私が此処に来るまでにアイツが邪魔するだろうから夢華が足止めしてくれていたんだが」

「夢華に限って死んでいるなんてありえないわよ」

「いや、文と夢華って誰よ」

 

 新羅が考えて居ると霊夢達は新羅の事について話す

 

「その夢華って人は強いの?」

「少なくとも私達よりも強いわよ。弾幕ごっこだと魔理沙は負けているからね」

「つまり、夢華って人よりも強いってことよね?」

「そうだが、どうするんだ?」

「あの人は戦いをしに来ているみたいだから私が戦うわ。貴女達は疲れているからそこで休んでいなさい」

「そうはいかないぜ。夢華の仇を取るんだ」

「アンタ達がアイツと私達と戦うなら私もやるわ」

「(やるみたいだな。ここは逃げるのが良いんだが……ダメだ…衝動を抑えきれねェ)準備はいいかァ!?ンじゃあまあ、やりますかァ」

 

 新羅が小刀を日本刀に替えてから全力で駆け出す。霊夢達は動かずにそれぞれの武器を構えて待っている

 

(私達はさっきの戦いで疲れ切っている……出来るだけ体力を温存しながら戦う!)

 

 新羅の日本刀の上段を霊夢達は三方向に分かれる。霊夢は回避しながらお札を投げ、魔理沙は星型の弾幕を撃ち、天子は小さな要石を新羅に投げる

 

「ハッ!こんなのに当たるわけねェだろォがよォ!」

 

 新羅はその場でバク転し、星型の弾幕と小さな要石を回避するが追尾機能が付いている霊夢のお札は避けきれていなく、日本刀で斬る

 新羅が着地した瞬間に霊夢達の足元の地面から視界を埋め尽くすほどの多さの短刀が放たれる

 

「ふっ!」

「はあ!」

「くっ……」

「どうやら早速1人脱落しそうだなァ?」

 

 霊夢は素早くバックステップで回避し、天子は持っている緋想の剣で短刀を弾くが、魔理沙は反応する事はできたが肩に深々と刺さった

 新羅はこの光景を見て狂気的な笑みを浮かべる

 

「魔理沙!すぐに応急手当てをしたいけれど……」

「俺がさせるわけねェよなァ?」

 

 霊夢は魔理沙に近付いて応急手当てをしたいが新羅が間におり、その場で考える

 

(どうする?天子が足止めをしてくれるならできなくはないと思うけれど……それだとうまくいくとは限らないし……こんな時に紫か夢華が居てくれたら…)

 

 つい此処に居ない人が居てくれたら、という思考になってしまった時–––

 

「ねぇ上を見て!火の弾がこっちに!」

 

 –––天子が指摘すると全員が上を見る。そこで天子以外の3人は気付く

 

「この魔力は!」「夢華の!」

「何でだ?ロケランで吹き飛んだんじゃあ!」

 

 全ての火の弾は新羅に殺到する

 

「チッ!オラオラオラ!」

 

 殺到する火の弾を大量の短刀で迎え討つ新羅だが、さらにその後から火で出来た巨大な槍が降って来る

 

「なんなんだ、コレは!」

 

 短刀でも迎え討つ事が出来ずに貫通する槍を横に跳び回避する新羅

 槍が地面に刺さると大音量と大量の砂埃、高温の熱風が発生する

 

「何なのよ!天界が無茶苦茶に!」

「あ…あ…」

「だよな、お前が死ぬなんてありえないよな」

「まだ生きていやがったか!しぶとい奴だなァ!おい!」

 

 全員の目線の先には火を纏い、ヘッドホンをつけている紫髪の、天子以外の見知った人物が立っていた

 

「夢華(誰!?)(ガキ)!」

 

「お待たせ。此処からは僕のステージだ!」




いや〜こんな終わり方もいいと思うんですよ
昏御「良いんじゃない?私は好きだよこの展開」
戦闘の時は三人称視点にしていますがそちらの方が良いのでしょうか?しばらくは戦闘の時は三人称視点にしようと思います。わかりにくいのなら指摘してください
昏御「なんか長いから此処らで締めるか」
ですね
昏御「花粉症の人は花粉症対策を!」

ではまた次回!


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第30話 脅威の復活

どうもカミユです!
蓮舞「ふむ、前回なかなか気になる終わり方をしたようだな。ちゃんとできているのか?」
恐らくは……
蓮舞「まあ良い。今回は夢華の独せん場になりそうだな。新羅とか言う奴は可哀想だ」
まあすでに夢華の特大破壊光線を受けていますからね
蓮舞「どうなるのか」
蓮舞&カミユ「本編へどうぞ!」


 〜時間は少し遡り新羅と霊夢達が戦い始めた時〜

 

 Side 夢華

 

「さっきの男の人はあの緋色の雲の上に居るのか………」

 

 僕は廻零さんと別れてから妖怪の山に向かう。さっきの男の人のいる位置はわかった。だから

 

「【炎上モード】」

 

 魔法陣から能力の使用を不可能にするヘッドフォン(僕限定)を付け、魔法陣から出した魔導書を火のページにする

 ヘッドフォンを付けることで通常使えない魔法を使えるようにすることができる。さらにいつも使う魔法が強化される

 

「男の人の位置は……霊夢と魔理沙と……誰だろう?わからない人の3人に囲まれている……あの緋色の雲の中に誰かいるから4人に当てないように男の人に当てる……」

 

 ゆっくりと男の人の周りにいる人を見分ける

 

「男の人をロックオン。誤射しないように調整…………完了」

 

 誤射しないように調整が完了し、魔導書を宙に浮かし、魔導書のページからパラパラとめくられる

 

「炎魔法 爆炎ガトリング!」

 

 僕の目の前に魔法陣を10個展開し、一つ一つから大量の強力な炎の弾を撃つ

 目標の上空まで行くと、軌道が変わって目標に向かうようになっている

 

「最後に!炎魔法 炎神の槍!」

 

 右手に僕の身長(150cm)の5倍(750cm)の全てが炎で形取られた槍を出し、全力でスローイングする

 風を切るような音を鳴らしながら目標まで飛ぶ槍の中に入る

 

「緋色の雲の中はすごいなぁ。こんな所普通に入ったら吹き飛ばされちゃうよ」

 

 緋色の雲に突入したら緋色の雲の中を知る事になった。すごい風と強い雨だった。普通に入ったら吹き飛ばされちゃうね確実に

 

「さあ、やるか!」

 

 雲を突き抜けて、空に地面が浮いた。感想としては劇場版ワンピ○スのルフ○達はこんなところを冒険したのか、というものしか浮かばなかった

 そんな感想が浮かんでいると地面の方から短刀が大量に向かってくるが全て溶かす

 そして、槍が地面に衝突する

 

「夢華(誰!?)(ガキ)!」

 

 と霊夢達の声が聞こえる。青髪の人に関してはこっちも誰?と言いたいところではある

 そんなことはどうでも良い。さっきはアンタのステージだったんだ。だったらこのセリフくらい言ってもいいよね

 

「お待たせ。此処からは僕のステージだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガキ!テメェロケランはどォした!あの時はマトモに動けねェハズだろォ!」

「助けてもらったんだよね。だから僕は無事だよ」

 

 新羅は夢華の言葉を聞くと、ハッ!と笑い、刀身が2メートルはある形的に太刀を出す

 

「だったら!此処でくたばれェ!」

 

 新羅が太刀を横薙ぎに払う。霊夢達は少し新羅から距離を取っていたため攻撃範囲内には入っていなかったが、夢華はバッチリ入っている

 

「炎符 大炎戒 炎帝!炎魔法 爆熱大車輪!炎魔法 炎神の槍!」

 

 ワンピ○スのエースが使う技と夢華の炎魔法の中で強力な魔法を使う。炎帝は天界を破壊しない程度に弱めてはあるが弱っている新羅には十分すぎる威力だ。さらに50個以上ある炎でできた巨大な車輪と槍が新羅の太刀を溶かし、直接新羅に向かう

 

「なんなんだぜ……この魔法は…次元が違いすぎる…」

「私と弾幕ごっこやった時は手加減、いえ、遊んでいたの?」

「何よアイツ……私が怯むなんて………」

 

 離れた場所に居る3人は夢華の圧倒的な魔力に完全に怯えていた

 

「チッ……ここは退くか……」

「あ!ちょっ……危ない!」

 

 新羅はこれ以上はやられると判断し、夢華の攻撃を躱しながら置き土産の手榴弾を2個ピンを抜き霊夢達に投げる。夢華は後を追おうとしたがそれよりも霊夢達に注意が向き、防御に炎を回した結果、新羅を逃してしまった

 

「ふぃーー逃げられちゃったか〜3人とも大丈夫?」

 

 ヘッドフォンを外し、魔法陣の中に入れながら霊夢達に駆け寄る夢華。だが、3人は身動きが取れていない

 

「どうしたの?」

「え?あ、大丈夫よ。少し疲れただけだから…」

「そう?とりあえず青髪の貴女は誰?」

 

 夢華は首を傾げながら霊夢達に問うが反応できたのは霊夢だけだった。霊夢の言葉に納得した夢華は霊夢と魔理沙と一緒に居る天子について問いかける

 

「あ、コイツは異変の犯人の天人、比那名居 天子。さっき異変は解決したわ」

「そうなんだ!じゃあこの後は宴会だっけ?」

 

 夢華は自分に怯えている霊夢達に気付かずにいつもの調子で話す

 その時–––

 

「総領娘様大丈夫ですか!?」

 

 緋色の雲から天界まで上がってきた衣玖が天子を見つけると急いで駆け寄る

 

「え?誰?」

 

 またもや知らない人が出てきたことにより夢華が固まる

 そして衣玖は簡単に自己紹介をすると夢華も自己紹介する

 だんだん冷静になってきた魔理沙と天子。夢華が博麗神社を倒壊した理由を訊いてきたので天子がいつもの調子で答える

 

「ーーということよ」

「試し打ちで倒壊させる必要は無いよね。普通」

 

 夢華の人当たりの良い態度と話し方で天子の怯えは完璧に無くなった

 

「じゃあ博麗神社の建て直しは明日?」

「そうね。私は疲れたから明日になるわね(やりたくないけど)」

「霊夢はどうするの?今日どこで寝るのか宛は」

「そうね。今すぐに建て直させたいけど時間がかかりそうだから明日直して貰えば良いから今日は魔理沙の家に行こうかしら。ボソッ(夢華と居たいんだけど…守矢が……)」

「私は良いぜ」

 

 霊夢は魔理沙の家に泊まることになり、みんなはそれぞれの家に帰る

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 狼

 

 能力で天界の様子を観ていると丁度良いタイミングが来た。具体的に言えば夢華君が魔法を3つ…いやスペカ1つ、魔法2つか

 

「烈さん。今やって下さいな」

「分かった」

 

 烈さんが能力を使うと結界の一部がグニャリと歪み、人1人通り抜けられそうなのができる

 

「あれ?破壊しないんですか?」

「それだと妖怪の賢者がすぐに駆けつけそうだからな。ちょっとでも時間は稼いで置いたほうがいいだろ?」

「いや〜烈さんの事だから盛大にパリーンと破壊するものだと思っていたから」

 

 烈さんって意外と冷静でよく物事を考えているからな〜まあ烈さんの気遣いにはありがたい以外の言葉があまり出てこないな

 

「お!出てきますよ」

 

 結界の歪みから端正な顔立ちで青髪の背中まで伸びている髪。瞳は水色で青いシャツ、水色のスカートをはいている。パッと見たら青い印象の女性が出てきた。身長は俺(165cm)の少し高いくらい。目は淀んでおり、あ、この人ヤバイ部類に普通に入る人だ。種族は妖怪で長く封印されていたのか、妖力が少なくちょっとでも能力を使えば無くなりそうだ

 

「ふふ……うふふ…やっと外に出られたぁ。貴方達がやってくれたのかしらぁ。感謝するわぁ」

 

 声は少し高いくらいかな。ところどころ伸びている口調で話す

 

「えっと……とりあえず此処だといつ妖怪の賢者が来るかわからないから俺たちの拠点に来てもらってもいいかな?妖力が今にも尽きそうだし拠点で休んで行ったら?」

「ふふふ………良いのかしら…いつ暴れるか分からないわよ?」

「その時は俺が始末してやる」

「いや、烈さん。流石にヒド……くないな…うんまあ早く行こう。新羅のバカが天界から逃げたから」

 

 本来は自力で帰って来てほしいところだけどこの人を紹介とかすぐにしたいから嫌々能力を新羅の方に回す

 

「あら、ふふ…便利な能力ね。私の妖力が元に戻ったら一緒に…ふふふ…幻想郷を滅ぼさない?」

「遠慮しておきまーす。俺がついていくのは烈さんだけなので〜」

 

 能力で拠点の台所まで来るとさっきまで拠点にいなかった奏蘭(そら)がソファーに座りながら本を読んでいる。集中しているのか此方には気付いていないみたいだ

 

「狼。なンだあのガキは」

「新羅?よく生きていたね。あのまま燃やし尽くされるかと思って少し期待していたよ」

「ア?ンだとテメェ」

「せっかく人が苦労して持ってきたベルト破壊してさー」

 

 新羅が戻って来ると早々言い合いから掴み合いに発展する。まあ此処ならいつもの光景いつもの光景

 

「あ、お帰り〜。ボス元気そうだね。いやはやよかったよかった。ってあれ?2人が知らない人を連れてきているぞ〜?しかも美人だし、ナンパでもして来た?」

「いや、栞さん。お願いですから貴女はボケに回らないで下さい!?ツッコミをするこっちの身になって!」

「まあ冗談は置いておいて。ホントにどうしたの?」

 

 心臓に悪い冗談を言う栞さんはふざけた雰囲気を出したまま後ろの女性のことに関して訊いてくる。拠点に来てからはずっと周りを見ている。当然の行動だけどね。俺も来たことのないところに来たらそうする

 

「あー、どっかの誰かさんが急に居なくなったせいで俺が烈さんの能力の実験に使うものを探していたら妖怪の山の洞窟に博麗の結界で封印されていたのを烈さんに解いてもらったら中に居た人。そういえば名前聞いてなかった」

「私は…ふふ…雨季(うき)。よろしくね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

 今僕は天界から永遠亭まで飛んでいる。さっきみんなは家に向かったみたいだけど異変はもう終わったのかと、永遠亭に入院している文さんの様子を確認するため

 

「パッと見て異変の影響は無いかな。紅魔館の霧が無くて魔法の森には雨…は魔理沙が居ないからなくて、雹は降ってない。竹林の方も雪は降っていない」

 

 異変の影響は無くなっている事を確認してから竹林の中に入る。迷いそうになるけれど妹紅の足跡だと思われるものを追っていけば辿り着くはず

 

「着いた〜そういえばもう1時間経ったかな?」

 

 魔法陣から手の平サイズの手鏡を取り出し、左目を見ると、黒くなく1時間経った事を知る

 

「能力使えば良かった〜」

 

 竹林に入る前に使っておけばもっと早く着いたんだけどね

 

「優曇華ー。居るー?」

「はいはい居ますよー。文についてでしょう?」

 

 永遠亭の玄関から優曇華を呼ぶと、すぐに出て来て僕の用件を理解しているのかすぐに教えてくれる

 

「命に別状はなく、明後日に退院出来ますよ」

「良かった。それで、面会はできる?」

「できますよ。ついて来て下さい」

 

 永遠亭に上がる。優曇華について行くとすぐに着いた。待合には椛ちゃんが座っている。さっきまで泣いていたのか目が少し腫れている

 

「椛ちゃん」

「あ、夢華さん。あの男は…」

「逃げられちゃったけど一応ボロボロにはしたかな」

「そうですか。ありがとうございます」

 

 椛ちゃんは立ち上がって頭を下げる

 

「頭を上げて。自分を追い込んでいるみたいだけど、あまり追い込んじゃダメだよ?文さんだって椛ちゃんのそんな顔を見たくないと思っているだろうからさ」

 

 僕は慰めながら頭を撫でる。やっぱり気持ちいいな〜。ずっと撫でていたい

 

「今から文さんと話して来るけど後で入って3人で話そう?」

「はい!」

 

 元気が出たのか元気よく返事をする椛ちゃん。良かった良かった。優曇華はいつのまにか居なくなって……あれ?なんか優曇華の悲鳴みたいなものが聞こえたような…

 

「文さーん怪我は大丈夫ですかー?」

 

 ガラガラと戸を開けて病室に入る。文さんはベットの上で自分の手帳にペンで何か書き込んでいた

 

「あの〜何書いているんでしょうかね?」

「あやややや!夢華さんですか!いや〜ありがとうございます。此処まで連れて来てもらって」

「いえいえ、気にせず」

「ところで!異変はどうなりましたか!?」

「解決しましたよ。で、宴会はまだ未定ですけど博麗神社の建て直しは明日行われるみたいですよ」

「では宴会は博麗神社の建て直しが終わってからになりそうですね」

「その時は文さんは退院していますね。それで文さんに怪我を負わせた人ですが……逃げられましたけどボロボロになるくらいにはダメージは負わせましたよ!」

「そうですか。しかし、あの男の人はなんでしょう。あまりにも人間離れしている強さでしたが…」

「ん〜分かりませんね。あの人の目的は戦いたいとかなんとか」

「戦闘狂ですか」

 

 と、文さんに異変のことを軽く報告していると椛ちゃんが病室に入ってきた

 それから日が暮れるまでずっと3人で話していた(永琳先生に言われるまで日が暮れていることに気がつかなかった)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 紫

 

 〜スキマ内〜

 

「!なんでアイツが居なくなっているの!?」

「どうなされましたか紫様」

「藍!今すぐアイツの居場所を突き止めて!私は幽香や慧音に言ってくるわ!」

 

 私の切羽詰まった行動に察したのかすぐに藍は行動に移す

 

「マズイわ!このままだと幻想郷が危ない!」

 

 今から100年くらい前に博麗の巫女によって封印された、危険な妖怪の封印が解けていることを幻想郷の実力者に伝えに行く




いやー敵側に1人危ない人が増えましたね〜
蓮舞「あの妖怪の賢者が危険な奴扱いするほどだからな。今後どんな動きをするのか」
ちゃんと考えていますよ。ただ、彼女の出番はしばらくないかもしれませんが
蓮舞「次回は宴会か?」
そうです。博麗神社の建て直しが終わって次の日ですね
蓮舞「この時点で出て来ていないキャラが多いが出せるか?」
出せるように頑張ります

ではまた次回!


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第31話 宴会準備

どうもカミユです!
絢斗「久しぶりだな!前のみたけど今回は宴会か?」
いえ、サブタイトルで分かる通り宴会準備です
絢斗「俺が準備を手伝えばすぐに終わるな!」
いや、貴方の能力は使い勝手がいいですよね。羨ましいです
絢斗「そんなことよりも始めるぞ!」
はい。では
絢斗&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 夢華

 

「夢華くーん!準備はできましたかー?」

「できたよー!」

 

 異変が解決してから2日後、博麗神社で異変解決の宴会をやることになった。宴会の食事とか準備は異変を起こした人たちがやるみたいだけど、天子がやるとは思えない。衣玖さんならやると思うけど

 

「じゃあ行ってきまーす!」

「おう行ってらっしゃい。楽しんできなよ」

「早苗頑張りなよー!」

 

 神奈子さんと諏訪子さんに見送られ、何故か横で顔を赤くしている早苗ちゃんと一緒に並びながら妖怪の山の上空を飛ぶ

 …………気のせいかもしれないけど早苗ちゃん達と話すのは久しぶりなきがするのだが……

 

「夢華くんが【炎上モード】で炎神の槍を使うとは驚きですよ。それほど強い相手だったのですか?」

「まあね。背中に何刀か短刀が刺さったからね〜しかもロケランぶっ放すような人だったし、短期戦で決着をつけたほうがいいと思ってさ」

「確かにそうですけど、【炎上モード】って確か身体自体が炎になるからその心配はないかと思われますが……」

「まあそうなんだけどさ。近くに霊夢達が居たからね」

 

 軽く話しているところに横から文さんと椛ちゃんが飛んできた

 文さんは昨日退院して文々。新聞のネタ探しをしていたのを目撃したから、もう元気になるのか、と少し驚いていた

 

「お二人は博麗神社の様子は見ましたか?」

「ん?あーまだ見ていなかったな〜どうなったんだろう?天界の技術とか見た目になっていたりしているかもしれないな〜」

「そういえば夢華くん。昨日はずっと寝ていましたよね。全く動きませんでしたよ」

「確かに夢華さんずっと寝ていましたね」

「え?なんで2人とも知っているの?」

「え!?あ…いや、五分おきに見に行ったなんてことはないですよ?」

「わ、私も仕事の合間に能力で見ていたなんて…ゴニョゴニョ」

「あややや〜2人ともこれは〜」

「「うううう〜」」

 

 2人が顔を赤くしてうつむきながら呻いている。文さんはそんな2人を見てニヤニヤしている

 

「そろそろ博麗神社が見えてくる頃だよ」

 

 遠くから見た博麗神社は意外と以前のままだった。近くから見れば使われている木材とかが新しくなっている感じかな?縁側でお茶を飲んでいる霊夢。なんとなく満足しているような安心している気がする

 

「やっほー霊夢。1日で博麗神社が建て直されるなんて凄いね」

「あら、夢華。昨日は来なかったからどうしたのかと思ったわよ。天界の連中が何人か来て半日くらいで建ったわよ。家具とかは紫が持って来てくれたわ」

「天子は手伝いしてた?」

「いえ、見ているだけだったわよ」

「やっぱり……」

 

 僕は博麗神社に着くと早速霊夢と話す。早苗ちゃん達3人は博麗神社の周りを見て回っている。文さんは写真を撮っているね

 

「今日の宴会はどれだけの人が来るか分かる?昨日はずっと寝ていたから知らないんだよね僕」

「そうなの?えっと確か……魔理沙とアリスは来るでしょ?それに異変を起こした天子とか。紅魔組も来て、永遠亭……輝夜はどうかしらね、冥界の2人に慧音と妹紅に幽香やその他にも来そうね。神綺とか」

「結構来るね。入るの?」

「いつものことよ。それよりも夢華はお酒大丈夫なの?前は魔理沙のせいですぐにダウンしたけど」

「大丈夫!お酒に強くなる魔法を大図書館で学んだから!」

「そ…そうなの。そうだ。少し待ってて。お茶淹れて来るわ。濃いめの方が好き?」

「どっちでも良いよ。僕は基本的に出されたものは飲むから」

「分かったわ」

 

 そう言って霊夢は神社の中に入る。なんとなく縁側に座るけど前との違和感がない。天界の技術が入っていると思ったけど、そういうのは月の都の方なのかな?

 

「ふーむ。これから人が集まって一気に騒がしくなるのか〜外だとあまりないことだよね。でも絢斗君達が家に来た時は騒がしくなるけど、広さが広さだしな〜前は博麗神社をゆっくり見ることはなかったような」

 

 僕がこの後広い境内が人に埋め尽くされるのを想像して感慨にふける。あれ?なんか眠くなって……

 そう思った時は身体が倒れて意識が途切れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 霊夢

 

「夢華〜お茶を……って寝ているじゃない。まあ眠くなるのも分からなくはないけどね」

 

 私と夢華の2人分のお茶を持って来ると縁側で夢華が横になって寝ていた。そういえば前に夢華と弾幕ごっこした後に気絶したことを思い出す。その時に文に夢華と一緒に寝顔を撮られた事があったような。もちろん文に制裁はしてある

 

「お茶冷めちゃうかしら……でも今は夏だし氷を入れたほうがいいのかしら」

 

 そう思いもう一度台所に戻ろうとすると、外からもうお馴染みの魔理沙とアリス、ルーミアに大妖精。よく見ると暑さのせいで小さくなったのか大妖精の肩に乗っているバカ妖精にリグルが飛んで来た

 

「あら、みんな早いじゃない。宴会はまだよ。もしかして手伝いに来てくれたの?」

「まあそんなところだぜ。にしても本当に信じられないぜ。1日で博麗神社を建てるなんてな」

「夢華だったら一瞬でしょうね」

「夢華は凄すぎるわよ。一言なんでしょうね」

「ところでなんで夢華は寝ているんだ?アタイみたいに暑さにやられたのか?」

「チルノちゃん、流石にそれはないと思うよ?夢華さんだったら自分の周りに冷気を漂わせるなんて朝飯前なんだし」

「夢華は朝ご飯を食べていないのか〜?」

「ルーミア…そういう意味じゃないよ」

 

 魔理沙とアリスの会話で夢華も手伝って貰えばもっと早く完成していたような気がするけれど、昨日は寝ていたみたいだから仕方ないわね

 バカ妖精から始まった会話に関してはノータッチ

 

「あやややや〜夢華さんの寝顔の写真2枚目ですか!?これは今のうちに撮っておかないと後々撮れるかわかりませんよ!」

「ちょっ!文さん!私にもください!いや……私もスマホで撮れば良いんじゃ…ってあれ?無い!私のスマホが!」

「2人とも落ち着いてください!夢華さん起きちゃいますよ!」

 

 神社の方を見ていた3人が戻ってきた。戻ってきて早々うるさいわね……静かに寝かしてあげようと思わないのかしら

 

「さあさあ!早く宴会の準備をするわよ!私は夢華を奥の方に寝かしておくから。あとチルノは邪魔になるから夢華の近くに居て、夢華が起きたら知らせて」

「霊夢さん!ナチュラルに夢華くんを!」

「うるさいわね!早くしなさい!今日何人参加するのか分からないからさっさとやるわよ!今からやらないとみんなが来ちゃうわよ!」

 

 私の言葉にみんな渋々行動し始めた。私は肩にチルノを乗せ夢華を運ぶ

 

「じゃあ私は準備しに行くからよろしくね」

「サイキョーのアタイに任せて!」

 

 チルノの言葉を背に宴会の準備に取り掛かる。それにしてもさっきの騒ぎに起きない夢華って……どれだけ深く寝ているのよ

 その後、紅魔組が来て幽香とメディスン、死神の小町と閻魔の映姫とだんだん集まって来た。しばらくすると宴会の準備が終わった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

「う………う〜〜〜〜〜〜ん……あれ?ここどこだっけ?守矢神社じゃ無いと思うけど」

 

 僕はいつの間にか寝ていたみたいで、目を開けるといつもと違う天井が見えた。ここは「僕は誰?ここは何処?」というのをいうのが良いのかな?

 

「夢華!やっと起きたな!待ちくたびれたよ!」

「ん?…………あれ?チルノちゃん?小さくなってない?」

 

 今まで何をやっていたのかを思い出していると、顔の横の多分近い位置から聞いたことのある声がする。頭を横に倒すとなぜか小さくなっているチルノちゃんが腕を組んで立っている

 

「夏だと時々こうなるんだよ」

「あ、氷精だから夏に弱いんだ。じゃあ冷気があれば元の大きさに戻るの?」

「戻るんじゃないかな?アタイは分からないけど」

(自分のことなのに?)

 

 本人がよくわかっていないようだけどとりあえず氷魔法で小さな魔法陣をチルノちゃんに渡す。しばらくするといつもの大きさになった。つまり、熱気で小さくなって、冷気で大きくなるのかな?じゃあ冬の場合はどうなるんだろう?

 

「そうだ。チルノちゃん。今は夜なの?宴会はどうなったの?」

「宴会の準備は終わったってさっき霊夢………あれ?大ちゃんだっけ?」

「終わったんだ。じゃあ待ってくれていたの?ありがとう」

「どういたしまして!じゃあ早く行くぞ!」

「うん!」

 

 チルノちゃんと一緒に部屋の襖を開けて外を見ると、紅魔組、冥界の2人、異変の犯人の天子と衣玖さん。早苗ちゃんに妹紅と慧音。永遠亭の皆んなにルーミアちゃんにリグルちゃん、大ちゃん。幽香さんとメディスンちゃん。紫さんと知らない人?と尻尾が2つある…確か猫又(だっけ?)っていう妖怪の子。魔理沙とアリス。にとりと雛さんに、萃香ちゃんに文さんと椛ちゃん。2人の近くに知らない茶髪のツインテールでガラケーを持っているはたてさんがいる。そして、霊夢の全員で何人だろう?数えるのがめんどくさい

 

「夢華よく寝ていたわね。6時間は寝ていたわよ」

「え?そんなに?あー……ごめん。終わりの片付け手伝うよ」

「そう?ありがとう」

 

 霊夢の話によるとなんと僕は6時間も寝ていたみたいだ。お詫びに終わりの片付けを手伝うことにした

 

「じゃあ宴会を始めるわよー!」

「「「「おーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」」」」

 

 霊夢が皆んなに宴会の始まりを告げると、皆んなが歓声をあげる




絢斗「おい、準備してないじゃないか」
正確には描写していないが正しいですがね。いや〜でも一応夢華が寝ている6時間の間にやっていたということで1つ
絢斗「俺は別にいいが……な?」
次回は(逸らしたな)宴会です!まだ出ていないキャラを次回で出します!もしかしたら前後半で分かるかもしれません

ではまた次回!


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第32話 宴会(前半)

どうもカミユです!
昏御「カミユ!」
は…はい!なんですか!
昏御「話す事がない!」
そうなんですか
昏御「じゃあ本編へどうぞ!」
え、早い!


 Side 夢華

 

「おーい!夢華、こっちに来いよー!」

「はいはーい」

 

 宴会が始まると同時に少し離れた魔理沙から指名が入った。すぐに移動すると横にアリスとアリスの肩に乗っている人形がある

 

「紹介するわね。私が作った半自立思考型人形の上海よ」

「シャンハーイ」

「よろしく!」

 

 人形って自立思考を与えるなんてすごいな〜僕はあまり考えたことないからな〜

 

「今度人形を作りに行っていい?」

「良いわよ!私の目標が完全自立思考の人形を作ることでね、夢華ならできそうなきがするわ!」

 

 アリスから了承をもらった。近いうちに行こう。場所はわかるからね

 

「じゃあ、今度パチュリーも呼んでアリスの家で魔法の研究をやるってのはどうだ?面白そうだぜ!」

「僕は良いけどパチュリーさんが許可を出すかどうか……二つ名が『動かない大図書館』だよ?やるなら紅魔館に………いや、魔理沙が本を盗んじゃうか」

「そうね。パチュリーは外には出ないし、4人でやるなら場所は大図書館になるわね。後はいつも通りどさくさに紛れて魔理沙が本を盗む流れね」

「酷いぜ2人とも!私はそんな事しないぜ!(多分……)」

「「日頃の行いのせいで信憑性が無さすぎ」」

 

 アリスとハモってお互いに顔を見合わせて笑う。魔理沙は今にも泣き出しそうだがそんなものは日頃の(ry

 

「夢華ー!」

 

 アリスと魔理沙をいじって遊んでいるとチルノちゃんと大ちゃんにリグルちゃんにルーミアちゃんの何時もの4人組が飛んできた。尚、チルノちゃんと大ちゃんの顔が真っ赤ですぐに酔っていると分かった。リグルちゃんとルーミアちゃんは酒ビン片手に持っている

 

「夢華ー!アタイと大ちゃんの2人と飲み比べて勝負だ!」

「え……とりあえず落ち着こう。まず、たくさんお酒を飲むのは危険だよ?」

「アタイはさいきょーだから問題ない!」

「チルノ落ち着くのだー。チルノと大ちゃんが組んでも夢華には勝てないのだー」

「そんな事ないよ!私とチルノちゃんが一緒だったら夢華さんにも勝てるよ〜!」

「大ちゃん落ち着いて!」

 

 まだ酔っていない2人がすでに酔っている2人を落ち着かせようとする。しかし、この宴会にはあの鬼がいるのだ

 

「飲み比べなら私が参加しないわけないよね?」

「だよね。来ると思ったよ萃香ちゃん」

 

 飲み比べての勝負において鬼である萃香ちゃんが参加しないわけがないのだ!どうしよう……魔法だけで乗り切れるかな?

 

「面白そうなことになってきたな!これに乗らない私ではないぜ!」

「魔理沙の参加が決定しちゃったよ。これって終わった時に、もう滅茶苦茶だよって言わなくちゃいけなくなるのかな?僕は参加したくないんだけど」

「おやおや〜?逃げるのかい?」

「じゃあ紫さんを参加させよう」

「え!?」

 

 飲み比べてなんてロクなことにならないのは明らかなので代わりに萃香ちゃんと同じくらい飲めそうな紫さんの名前をあげると幽香さんと霊夢の居るところから驚愕の声が上がる

 すぐ横にスキマが現れて紫さんが出てくる

 

「ちょっと夢華!なんで私になるのよ?」

「え?妖怪の賢者なら萃香ちゃんと同じくらい飲めると思ったんだけど……」

「すごい偏見ね!私は嗜む程度に飲むように決めているのよ!」

「いいじゃない紫。面白そうな事になるじゃない」

「幽香まで!?藍助けてー!」

 

 スキマから出てきた後もスキマが開いており、そこから幽香さんの声が聞こえる。さらに紫さんのヘルプの声にスキマから出てきたのが金髪の女性が出てくる。彼女が藍さんなのかな?

 

「ふむ、すまないが紫様は飲みすぎると悪酔いをしてしまってな。一度そうなると止めるのが大変なのだ。だから遠慮してくれないか?」

「うーん……それなら仕方がないですね。でもこの流れを止めることはできないような……」

 

 藍さんからに言われて紫さんは出ない事になったけど、僕の視線の先に萃香ちゃんを中心にたくさんの人が集まっている。文さんはどこか諦めたような目をしている

 

「飲み比べをやる奴は私のところに集まれー!勝った奴は夢華が何でも一つ叶えてくれるぞー!」

「「「「おーーーーーーーー!」」」」

「はあ!???!!そんなこと僕は一言も言ったことないんだけど!」

 

 萃香ちゃんがあまりにもふざけたことを言う。どうなってしまうんだ………これって僕も参加しないと大変なことになるかも………なんか嫌な汗がブワッと浮かんだんだけど……

 

「よし!まずは夢華に魔法の実験台になってもらおう!」

 

 魔理沙。やめて下さいお願いします

 

「これは私も参加するわよ!天人の酒豪をなめるなよ!とりあえず弾幕ごっこやってもらおうかしら」

 

 天子。え?弾幕ごっこは今やりたくないんだけど……

 

「新薬の実験台になってもらおうかしら」

 

 永琳先生。やめて下さいお願いします

 

「おい、夢華大丈夫なのか?」

「助けてもこたん」

「誰がもこたんだ!」

 

 もこた…ゲフンゲフン。妹紅が心配してくれるが僕の参加は免れないようだ……ドウシテコウナッタ

 

「よーし!みんなやるぞー!」

「「「「うおーーーーーーーーーーー!!!!!」」」」

 

 身の危険を感じた僕は魔法陣から高速でヘッドフォンを取り出して氷魔法で(わりと本気で)魔法を使った

 ピキーンと気持ちいい音を出して暴走しそうだった集団の一人一人を凍らせた

 

「はあ……ゆっくりお茶を飲みたい」

「酒じゃないのか」

 

 僕の呟きに横にいる妹紅が優しくツッコム

 

「夢華ー。次はこっちに来なさい」

 

 暴走しそうだった集団を凍らせてなぜか疲れた僕はその場に座ってお茶を飲もうとしたら、今回の異変で何をやっていたのか全くわからないレミリアに誘われた

 ついでに、魔理沙が凍って身動きが取れなくなったことで一緒に飲む人がいなくなってしまったアリスも一緒に来ることになった

 

「いきなり静かになったと思ったらみんなが氷漬けになっているなんて、びっくりさせないでほしいわ」

「あれが一番手っ取り早いと持ってね」

「こあが居なくなったと思ったら凍っているなんてね」

「いや……近くに居たから」

「お兄様!これあ〜んして!」

「はいはい。フランちゃんあ〜ん」

「美味しー!」

「そういえば美鈴さんはあの霧の中ずっと門番やっていたんですか?」

「えぇ。それが私の仕事なので。まあ風邪をひくかもしれないとは思いましたね」

「私は霧の中でも寝ていた貴女が信じられなかったわ」

「私は寝ていませんよ!シエスタをしていただけです!」

 

 と、こあさんは現在状態異常・凍結によりこの場にはいないけど、紅魔組が全員居た。ていうか、美鈴さんは霧の中でも寝ていたんだ

 フランちゃんにあ〜んをしたら2方向から視線を同時に感じたけれど気のせいだよね……正確にいえば文さんを救出している早苗ちゃんと、呆れた目で紫さんと幽香さん、メディスンちゃんと凍った人達を見ていた霊夢から

 さっき凍った人たちを救出しようとしているのが、早苗ちゃんと慧音と妹紅と椛ちゃん。つい、手違いで萃香ちゃんに捕まっていた文さんまでも凍らせてしまった。あとで謝ろう……

 

「そうだ。パチュリー」

「何?」

「今度、私と夢華と魔理沙で大図書館で魔法の研究をしようって話になったんだけどどう?」

「私は全くもって構わないけれど……あそこで凍っている魔理沙が……ねぇ…」

「それだったら僕が能力と魔法でどうにかするよ」

「なら安心ね」

 

 アリスがパチュリーさんにさっき話していたことを確認している。魔理沙の窃盗は僕がなんとかすると言ったら即答で了承を得た。早い

 

「私も入れないよ〜!」

「うわっ!霊夢?顔が真っ赤だよ!?とりあえずこれ水。飲んで」

「良いわよ〜そんな事より私と飲むわよ〜」

「え〜〜」

 

 真横から真っ赤な顔で出来上がった霊夢が突撃して来る。さっきまでは何ともなかったのにどうしてこうなったのか、さっきまで霊夢がいたところを見ると紫さんと幽香さんが微笑んでいた。メディスンちゃんは頑張ってお酒を飲もうとしているけれど全然飲めていない感じがする

 

「はい、霊夢水よ」

「咲夜〜?ありがとう」

「え?それってお酒……」

「ぐぅ〜」

 

 咲夜さんが渡したのはお酒でそれを全く疑わずに口に入れた霊夢はすぐに寝てしまった。……なるほど、飲み過ぎて倒れるアレか

 

「ナイスです咲夜さん」

「霊夢は一度暴れると周りの被害が計り知れないので」

 

 ふう、と軽く息をつくと凍っている氷のうちの一つがパリーンと音を立てて弾け飛んだ。何故か氷の大多数が僕に向かって飛んで来るが、こちらに被害が及ばないように魔法陣を展開する

 

「誰よ!こっちは楽しく飲んでたのに邪魔する奴は!?」

「私だ」

天子(お前)だったのか」

 

 天子が復活して僕達の方に向かってくる。するといきなり僕に向かって言い放つ

 

「私と勝負しなさい!」

「何がどうなってそうなったのかの説明を要求するよ」




昏御「そういえば夢華が異変の犯人と戦わないなんてあり得ないと思っていたら次になるのかしら」
そうですよ。流石に天子と戦わないなんて良いのかと思いまして……無理やりですが次回やります

ではまた次回!


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第33話 天人vs仮面ライダー!?

どうもカミユです!
絢斗「仮面ライダーの気配がする!」
何だこの人(今回は絢斗さんですか)
絢斗「本音と建前が逆になってる」
おっと……今回はサブタイの通りです
絢斗「天子…だっけ?頑張ってほしいな!」
それって天子さんが負ける事前提みたいな事に…
絢斗「本編へどうぞ!」


 夢華と天子は博麗神社から離れた広い場所に移動する。約10メートル離れて向かい合う

 この戦いを紫のスキマで宴会に参加している人達が見るすることができる

 

「ここなら問題ないわよね」

「そうですね。じゃあやりますか」

「そうね」

 

 天子は緋想の剣を構え、夢華は魔法陣から(ブレイド)で使われるギャレンバックルと♦︎のAのカードを取り出して♦︎のAのカードをバックルに入れ、服の上から腹に装着する。バックルの側面からカードが腰を一周するようにして反対側の側面に入る

 

「変身!」

 

 夢華が叫びながら右側のレバーみたいなところを引くとバックルのカードが入っている所が反転し、♦︎の柄からTURN UPと共にクワガタの背中に♦︎の模様がある青い長方形が出る。青い長方形が夢華に迫り、通過すると体調2メートルほどある仮面ライダーギャレンになった

 

 

 

 

 〜宴会会場〜

 

「うわー!なんだアレ!?夢華の姿が変わったぞ!」

「夢華くん……早速ギャレンになるなんて…あのセリフを言いたいだけなんじゃあ…」

 

 

 

 

「へぇいきなり姿が変わるなんてね。見せてくれるじゃない」

「仮面ライダーギャレンは面白いからね〜じゃあやろうか」

 

 夢華はギャレン専用武器、銃の形をしたギャレンラウザーで天子に射撃する。天子は緋想の剣で炎を斬りながら夢華に迫り、斬撃を繰り出す

 夢華は後ろに下がりながら射撃をする

 

「そんなのじゃあ私には勝てないわよ!」

「そうなんですけどね〜僕は徒手空拳が得意というわけではないんですよ」

 

 天子は小さな要石で炎を相殺しながら夢華の腹に蹴りを入れる。夢華は少し後ろに飛ばされたが構わずに射撃する

 

「基本形態だと勝ち目は薄いかな?じゃあジャックフォームかな」

 

 夢華はラウズアブゾーバーに♦︎のQを挿入し、♦︎のJをラウズする。すると、マスクとマスクがディアマンテゴールドになり、背中に左右に孔雀の羽根が5枚増え、飛翔するとことができる。それにより、全ての能力値が上昇する

 

「へー……強くなったのね。第2形態ってことかしら」

「そうですね。さあ、ここからですよ」

 

 ジャックフォームになったことにより、ギャレンラウザーの銃口下部に鋭い刃…ディアマンテエッジが追加された醒銃ギャレンラウザーを羽根を広げ、上昇しながら天子に射撃する

 

「要石 天地開闢プレス!」

 

 天子は上空に飛び、巨大な要石に乗りながら夢華を押し潰すように真上から落ちる

 

「おっと……危ない危ない。じゃあお返し!」

 

 夢華は巨大な要石を避け、地面に着地した天子を向かって、♦︎の2、4、6のカードを使い、バーニングショットを高速連射する

 

「何よこれ!」

 

 天子はバーニングショットを緋想の剣で斬りながら接近する。1メートルまで近付いたところで夢華は体勢をずらして天子の横腹に射撃する

 

「甘いわよ!」

「嘘〜」

 

 天子は小さな要石で炎を防ぐ

 

「はあ!」

「うおっ……」

 

 緋想の剣が振るわれ、回避ができない夢華はまともにくらい、地面に落とされる

 

「く〜痛てて…良かった…ジャックフォームが解除されてない…まあ次は無理かな」

「さあ来ないなら私から行くわよ!」

 

 地面に降りた天子はまっすぐ夢華まで走る。夢華もまっすぐ天子に射撃しながら走る

 

「そらそらそら!」

「う……でも……!」

 

 炎を斬りながら進む天子の緋想の剣をバーニングエッジで押さえ込み、銃口を天子に向け、射撃する

 射撃を小さな要石で防ぐと、夢華は緋想の剣を掴んでいる天子の右手を掴み、小さな要石をバーニングエッジでどかしながら、天子の腹にバーニングエッジで斬らない位置で静止する

 

「この距離なら小さな要石(バリア)は張れないな!」

 

 そう叫ぶと同時に射撃する。天子は抵抗することが出来ずにまともにくらう。が、天人の頑丈な体で火傷などは無い(服にも)

 

「ふ…ん…おりゃあ!」

「え?うごあ!」

 

 炎を食らうがのけ反ることなくその場で耐え、右腕を強引に振るう。夢華は手を離したと同時に緋想の剣の斬撃をくらい、後方に吹き飛ばされる。地面を転がりながら変身は解除された

 

「ふふふ……どうよ。こんなものかしら?」

「背中痛ー!」

「えっと……大丈夫?」

「ボクノカラダハボドボドダ!」

 

 夢華はバックルをさりげなくしまいながら次のベルトを出す

 

「そうには見えないんだけど?」

「うん。ただ言いたかっただけ」

 

 夢華は痛がるようなそぶりをやめ、軽く伸びをする

 

「うーん……ギャレンの次はコレだね!」

 

 ファイズドライバーを両手を持ち、装着する。そして、右手に折り畳み型のファイズフォンを開き、5のボタンを3回押し、左上のENTERを押し、Standing byと電子音が発音され、畳む。ファイズフォンを右手に持ちながら天高く上げてファイズドライバーに装着し、completeと電子音と全身にフォトンストリームを放出しながら変身する。右側にポインターを左側にショットを装備している

 

「また姿が変わったわね。その変身する物って何個あるの?」

「え〜と………あー……多すぎて数えきれないな〜あはは」

 

 夢華はそう言いながら右手をスナップしてファイズフォンをベルトから出し、開き1、0、3と押して横方向に折り曲げる

 

「じゃあ第2ラウンド始めますか」

 

 

 

 

 〜宴会会場〜

 

「また変わったぞ!」

「次は555(ファイズ)ですか。これはまさか超スピードのリンチですかね?」

 

 

 

 

「はあ!」

 

 天子が夢華に接近する

 

「さて、シングルモードから〜」

 

 ファイズフォンの引き金を3回引き、銃口から赤いフォトンブラッド光弾を発射する

 

「精密射撃ね。でも私には効かないわよ!」

「じゃあ次はバーストモード!」

 

 1、0、6と押し、シングルモードに比べて威力が上がっている。バーストモードをで発射する

 天子は緋想の剣で全て弾く

 

「バーストモードでもか〜」

 

 夢華はファイズフォンを元の位置に戻すと緋想の剣の攻撃を耐えるように両腕をクロスするようにして防御態勢にする

 

「緋想の剣を防御するなんて考える奴なんているのね」

「え?うおっ」

 

 緋想の剣が当たる瞬間に背後に飛びダメージを軽減するがそれでも腕が腫れたのかじんじんする

 

「さて、と〜じゃあ10秒間耐えれるかな?」

「10秒?」

 

 天子の頭に疑問符が浮かび上がる

 夢華はアクセルメモリーを使い、アクセルフォームになる。ファイズアクセルのスイッチを押し、Start Upと電子音が鳴り、超加速モードになる

 

「さーて、通常の1000倍の速度のリンチタイムに耐えられるかな」

 

 アクセルフォームになっている夢華には35秒間後に解除される。その間、夢華は天子に大量の攻撃を与えてから10メートル離れた場所に移動する

 35秒経過するとTime Out、次にRefomationと電子音が鳴りアクセルフォームが解除され、通常のファイズになる

 

「ぐ……あ……が…え?速すぎる」

「今のがアクセルフォーム。ファイズのあらゆる動きが通常の1000倍になるモード。どうだった?」

「コレってただのイジメよね?」

「……ノーコメントです」

 

 夢華は天子から全力で目を逸らしてからファイズを解除する

 

「全く……今の奴のままだったら私に勝てるんじゃないかしら?」

「いやいや、それだとさっき天子が言ってたじゃん。イジメになっちゃうからね。だから変えるよ?」

「次は何かしらね。銃、超スピードの次は何になるの?」

「ふふふ。次は2人でやろうかな?」

 

 ファイズドライバーを魔法陣にしまい、ダブルドライバーを取り出して装着する

 

「早苗ちゃん久々にやるよ!」

『わっかりました!なんかイジメをしているような気分になりそうですが手加減すれば問題ないですよね!』

「多分ね〜」

「は?何言ってるの貴方。独り言を」

 

 天子の言葉に答えずにポケットからJOKERメモリーを取り出す。宴会会場の早苗はさっき夢華に渡されたガイアメモリーのCYCLONEメモリーを取り出す。夢華は右手でJOKERメモリーを持ち肘を曲げて左側に構える。早苗は左手でCYCLONEメモリーを持ち肘を曲げて右側に構える

 

 尚、早苗がガイアメモリーを構えている時点で宴会会場に参加している人たちからすれば

 

「早苗どうした?」

「いきなり独り言なんてどうしたの?」

 

 などと心配されています

 

「「変身!」」

 

 早苗が左手に持っているCYCLONEメモリーを左右に二つあるダブルドライバーの右側に挿入する。CYCLONEメモリーが夢華の方のダブルドライバーの右側に移動し、早苗の意識が夢華と同化する。夢華はCYCLONEメモリーを押し込み、右手でJOKERメモリーを左側に挿入する

 CYCLONE、JOKERと電子とをがなり、左が黒く、右が緑の姿になった

 

「さあ、お前の罪を数えろ!」

「私なんかやったっけ?」

「エターナルだけだっけ?今のに答えたの」

 

 

 

 

 〜宴会会場〜

 

「おい、早苗大丈夫か!?急に倒れたが……永琳診てくれ!」

「どれどれ………問題無いわね、健康よ」

 

 

 

 

「早苗ちゃん。天子相手に素手はキツイから……ルナメタルにしよう」

「分かりました。夢華くんは好きですよねルナメタル」

「まあね。ルナトリガーが一番なんだけどさっきから銃ばっかだったからね」

「棒術に関しては蓮舞くんが凄いですからね。メテオに変身させたら私達でも勝てませんでしたからね」

「だよね〜」

 

 夢華と早苗は軽く話し合いながらLUNAメモリー、METALメモリーに変え、左側が銀に、右側が黄色になる。METALにより、背中に長い棒…メタルシャフトが現れる

 

「行くよ〜」「行きます!」

「第3ラウンド開始よ!」

 

 夢華と早苗(ダブル)は背中のメタルシャフトを構え、天子は緋想の剣をその場の地面に突き刺す

 

「ここからは出し惜しみ無しで行くわよ!地符 不譲土壌の剣!」

 

 天子を中心に地面がせり上がり、ダブルを上空に吹き飛ばす

 

「うわっ……これが天子のスペカかな?地面に関する能力だとすると……」

「とりあえずマキシマムドライブと行きましょうか!」

 

 ルナメモリーをヒートメモリーに変え、右側が黄色から赤に変わる

 メタルメモリーをメタルシャフトのスロットに装填する。メタル!マキシマムドライブ!という電子音とともにメタルシャフトに炎が現れ、天子に向かう

 

「「メタルブランディング!」」

 

 ダブルが天子の目の前まで移動すると2回打撃攻撃をする

 

「クッ……」

 

 天子はファイズのアクセルフォームによる攻撃により苦しそうな声を出しながら何とか緋想の剣でガードする

 

「次で決めるよ!」

「来なさい!私も最後の本気を見せてあげるわ!」

 

 ダブルは天子から離れ、最初のサイクロンジョーカーになる

 天子は緋想の剣をダブルに向ける

 

「はあああああ!」

 

 天子は切っ先にエネルギーを溜める

 

「早苗ちゃん。声を合わせて行くよ!」

「サイクロンジョーカーならアレしかないですね!」

 

 ダブルはジョーカーメモリーを右側のスロットに入れ、上空に跳躍する。マキシマムドライブと電子音が鳴る

 

「「これで決まりだ!」」「これで決まりよ!」

 

 

「「ジョーカーサイクロンキック!!!!」」

「全人類の緋想天!!!!」

 

 上空に跳躍したダブルは中心の部分が動き、サイクロン側が前に突き出るようになり天子に向かう

 天子は切っ先に溜めていたエネルギーをを上空から向かってくるダブルに向かって放出する

 2つの高威力のぶつかり合いが発生し、拮抗状態になる

 

「「はあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」」

「はあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」

 

 先ほどのダメージによるガタがきたのか天子のスペカが切れた

 

「しまった!」

 

 ダブルのマキシマムドライブを止めるものがなくなった天子は緋想の剣でガードする事もなくサイクロン側の足が腹に突き刺さり、元の位置に戻るようにジョーカー側が前に押し出るように動きもう一度蹴りが天子の腹にはいる

 天子はその場に崩れるように倒れ、ダブルは天子の倒れる天子の後方に着地する

 

「これで勝ちだね!」

「そうですが……少々やりすぎた感じがしますよ?」

「……すぐに回復魔法を使おう」




えー…夢華さんは仮面ライダーのベルトを能力(万物創造)にで全て作っています
絢斗「今やっているビルドはやってないけどな。エグゼイドまでだ」
尚、変身するための条件や反動などは全て無くなっています。そうしないとオーズとかになれませんし

ではまた次回!


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第34話 宴会(後半)

どうもカミユです!
霊歌「(超久々の私。覚えている人はいるかな?)異変の後は宴会やって終わりみたいな感じがするから今回で終わりかな?」
そうですね。こんなに長くなるとは思わなかったです
霊歌「実際は7話くらいだと思ってた?」
まあ……はい

霊歌&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 夢華

 

 天子を仮面ライダーで倒してからは大変だった。ダブルの変身を解いてからまずは天子に治癒魔法で傷を治してすぐに天子は目を覚ました。天人って本当頑丈だなぁと感心

 

「貴方魔法と能力無しで戦って私に勝つなんてね」

「まあベルトとかは能力で創ったものだけどね。他にも沢山あるよ?キバ(吸血鬼)とかね」

「そうなんだ。今度天界に来た時に話を聞かせてもらってもいいかしら。そのかめんらいだー?っていうのに興味が湧いたわ」

「良いよ!なんだったら能力で実際に見ることできるし」

 

 と、宴会会場に戻りながら天子と話していると凍っていた人達が元気にお酒を飲んでいた。……元気だなぁ

 

「夢華!さっきの仮面ライダーって奴で私と勝負しろ!天子の観てたら私とやりたくなった!」

「萃香ちゃん?一旦落ち着こう?首と肩がマズイことになるから〜!」

 

 戻って早々萃香ちゃんが詰め寄って来て肩を思いっきり揺らす。萃香ちゃんって見かけによらず凄い力なんだよね。種族が鬼だからね

 

「待って待って待って。その前に何か食べさせて!僕ほとんど何も食べてないから!」

「む…それなら仕方がない。私も一緒にいるからな!」

(回避しようと思ったんだけどな〜助けて早苗ちゃん)

 

 心の中で早苗ちゃんにヘルプを投げかけると、すぐに来てくれた。ただ、心なしか顔が赤くなっているような……?

 

「何れすか〜夢華くーん。一緒に飲みましょうよ〜」

「そうですよ〜一緒に(ry」

 

 早苗ちゃんと一緒に椛ちゃんまでも来た。しかも酔っている模様。後ろからは酔っている2人で、すぐ側には目が輝かやいている萃香ちゃんが居る。なんで目が輝いているの?

 

「よし、じゃあ4人で飲むぞ〜!」

「「おー!」」

「私も入れろー!」

「私も飲むわよー!身体動かしたらお腹すいたし」

「みんな飲みすぎないでね〜?」

 

 途中から魔理沙と天子も参加して、さらに騒がしくなりそうだ。僕が何か言っても今の勢いを止めることはできないと思って申し訳程度に言っておいた。まあ酔いつぶれても永琳先生が居るから問題はないよね

 

「ふー。なんかこのまま萃香ちゃんが忘れそうな勢いだけど……良いか。さーてと、何食べ…………あれ?無い?なんで?なんで無いの!」

 

 一気に騒がしくなった周辺を少し離れて食べ物を探していると無くなっていた。『全て無い』。つまりは食べ物がないのだ

 

「あー美味しい〜幸せだわ〜次はどこかしらね」

 

 少し離れた場所からピンク髪の女性の幸せそうな声が聞こえた

 

「幽々さん?」

「あ、お疲れ様〜夢華。凄かったわねあの仮面ライダーっていうの。天人を倒せるんだもの〜」

「ありがとうございます。ここら辺の食べ物は幽々さんが全部食べたんですか?」

「ん〜そうねぇ。でも美味しかったわよ」

「そうですか。良かったですね」

「そうね〜妖夢のご飯は美味しいわ〜」

 

 そう言うと幽々さんはまた何処かへ行ってしまった。ただ言えることは……

 

「妖夢ちゃんも大変だなあ」

 

 おそらく博麗神社の台所にいるであろう妖夢ちゃんに同情することしかできなかった

 その後は完全に酔った4人と一緒にお酒を飲んだりした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う……魔法があるとはいえ飲みすぎたかも……気持ち悪い…」

 

 宴会会場が静かになった頃、僕は口に手を当てて逆流しそうになっているものを必死にこらえていた。お酒に強くなるだけで飲み過ぎれば気持ち悪くなるもの……その事を考慮する事を忘れていたよ

 

「ふーふー……よし。さて、と〜。片付けを始めようか〜」

 

 みんなが寝てしまっているから僕1人だけで片付けをしなければならない。霊夢は神社の中で寝ている

 

「んーお酒の瓶とかは一つのところに固めておくとして〜。寝ている人はどうしようかな、と」

 

 瓶は縁側のところにピリミットに積み立てる。うん。ちょうどだ

 

「ま、気持ちよさそうに寝ているから良いよね。今何時だろう?」

 

 少し気になりスマホを出して時刻を確認すると夜中の3時……あ……おネムの時間だ

 

 時刻を確認した僕はその場で寝てしまう。倒れたかは分からないけどね

 

(そういえば廻零さん来てなかったな)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん……?ここは…人里?あれ?さっきは博麗神社で宴会をやっていたはずなんだけど……いつ来たんだっけ?」

 

 僕は人里の……何処だろう?人里とは分かるけど、人里の何処に居るのかはわからない場所に立っていた

 

「ん〜寺子屋に行こうかな。みんな元気だと思うけど最近会ってないからな〜。ん?誰だろう……外来人かな?」

 

 寺子屋に向かおうとすると、視界の端によろよろと不安定な足取りで歩く、薄水色の髪の僕と同じくらいの背の子供が映った。服装が幻想郷にはなく、長袖を着ていた。今は夏なのになんで長袖なのかは分からないけど、その人からは冷気がドライアイスみたいに全身から白いものが出ていた

 

「あれってもしかしたら能力の暴走?だとしたら急がないと!」

 

 急いでその人の下まで行く

 

「ねえ君、能力が–––」

 

 僕はその先を言うことができなかった。何故なら、その場がその場が一瞬で凍りついたから

 

「え?」

 

 驚く僕は最も近くにいるのに、凍っていない。急いで周りを見ると四方八方、全てのものに氷を纏っていた

 さっきの人はすでにその場には居なくなっていた

 

「人里が凍りついた。他のところに被害は……」

 

 この現象の犯人である人を探すついでに人里以外の場所に同じことがあるかどうかを確認した。結果は–––

 

「妖怪の山、太陽の畑、迷いの竹林、魔法の森……早苗ちゃん!」

 

 人里以外の被害を見た時に真っ先に守矢神社に向かった。守矢神社の境内には驚いた顔の早苗ちゃんがいた

 

 

 

 

 

「早苗ちゃん!」

「うひゃああああああああ!ど…どうしたんですか夢華くん」

 

 凍りついた早苗ちゃんを見て叫んだら目の前に早苗ちゃんが僕の顔を覗き込んでいた

 

「早苗…ちゃん?凍ってない?」

「え?ど…どうしたんですか?私は凍っていませんよ。萃香さん達は凍りましたが。それよりも夢華くん、うなされていましたけど大丈夫ですか?」

「うなされる?…………夢かー。良かったー」

 

 さっきまでのはリアルな夢だったみたいだ。良かった……夢オチで

 

「夢華くんがうなされるなんてどんな夢を見ていたんですか?」

「人里と妖怪の山と魔法の森と迷いの竹林と太陽の畑が薄い水色の髪の人によって凍りついたもの」

「……そうですか」

 

 早苗ちゃんは少し考えるような間を開ける。夢だったみたいだからいつも寝る前につけて寝るヘッドフォンを取ろうとするがヘッドフォンが無い

 

(まさか……さっきの夢って…予知夢……?)




今回は短めですね
霊歌「最後に夢華が観た予知夢はなんだろうね?」
なんでしょうかね〜。次の章では何話か平和な日常の後に過去をやる予定です

ではまた次回!


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第34.5話 解説?

どうもカミユです!
今回は夢華が解説?をやっていくだけです
飛ばしてもいいです


 夢「今回は軽〜く今回の章……緋想天〜荒れる天候と動き出す影〜の解説?をやって行くよ〜まさか11話もなんてね。まとめるの大変だな……」

 

 第24話 倒壊した博麗神社

 

 夢「この話で夢華と霊夢、狼、新羅、魔理沙(調査描写なし)が動くという事を知ってもらいたかったみたい。因みにこの異変でレミリアとか他のキャラがあまり出てないけど進行上こうなったんだ。と、カミユのメモがここに」

 

 

 第25話 異変の出所

 

 夢「この話は異変の犯人(天子)がいる場所を主人公側に知ってもらうため。後は小町さんを出すためらしいよ。妖怪の山の事は新羅の実力が文さんを余裕で倒せる事を知らせるためだね。文さんは犠牲になったんだ……(死んではいません)」

 

 

 第26話 情報交換と動き出す影

 

 夢「これは魔理沙との情報交換(おふざけあり)と文さんの怪我のことを僕に知ってもらい、怒らせる話で、狼達のアジトは沢山のものがあって、後から必要なものを揃えるための伏線だって」

 

 第27話 無縁塚の戦闘

 

 夢「僕と新羅を戦わせる話だね。ここでは、僕は不意とかをつけば倒せるって事を教えるためと、オリキャラ(廻零さん)を出すためらしいよ」

 

 

 第28話 雲の中の戦闘

 

 夢「27話から少し遡って、魔理沙視点の話でだね。衣玖さんと戦ってもらう為らしい。………短いな〜」

 

 

 第29話 天界の戦闘

 

 夢「異変の犯人(天子)と霊夢と魔理沙が戦う話。天子のキャラがよく掴めなくて異変解決が面白そうだから(異変を)起こしたって理由らしいから満足すれば勝手にやめそうと勝手にそうしたらしいね(カミユメモ)。まあ戦闘後は新羅が出てくるんだけど僕のダイナミック☆登場をやりたかったらしい(カミユメモ)」

 

 

 第30話 脅威の復活

 

 夢「この話は【炎上モード】の強さと100年くらい前に危険だった妖怪の雨季の復活と烈さんの能力使用場面の話。その後の永遠亭はただカミユがやりたかっただけだって」

 

 

 第31話 宴会準備

 

 夢「この話はサブタイの通りだね。宴会準備描写は無かったけどね。僕は魔力をいつもよりも多く使うとしばらく睡魔に襲われる設定があるからだね。自分で自分の事を設定という日がくるなんてね」

 

 

 第32話 宴会(前半)

 

 夢「この話はこの後の平和な日常の伏線とかと(センスのない)茶番だったね。これもやりたかっただけみたい(カミユメモ)」

 

 

 第33話 天人vs仮面ライダー!?

 

 夢「これは天子とエグゼイドまでのベルトをコンプしている僕を能力、魔法無しで戦った場合の話だね。最初のギャレンはオンドゥル語の為、次のファイズはアクセルフォームが好きだからこれで天子を弱らせておきたかった(カミユメモ)だって。最後のダブルは早苗ちゃんとやらせたかっただけみたいだね。早苗ちゃんのイメージカラーって緑だからル○ージだからとかなんとか。そうなると霊夢はマ○オということになるね」

 

 

 第34話 宴会(後半)

 

夢「最後の予知夢をやはりたかっただけだって。その予知夢は本編でどうなるかは分からないけど異変だよね、完璧に」

 

 

 

夢「そんなわけで簡単に解決?をやっていったよ〜。次は平和な日常の話みたいだから。これからも東方現幻夢をよろしくね〜」




次回は平和な日常です

ではまた次回!


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第2.5章 日常
第35話 夢華の人形作り


どうもカミユです!
今回からは次の異変までの間にある日常です
絢斗「人形作りなんだってな。俺は気合でどうにかして来たぞ!」
気合って凄いですね〜

絢斗&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 夢華

 

 予知夢を観てから一週間後に僕は2日酔い(能力未使用。疲れていたし)により少し遅れてアリスの家に行く。場所は異変の時に知っているので迷うことはなく来れた

 

「ふんふんふん♪アリスの家はあと少し♪A T O S U K O S H I♪あと少し〜♪」

 

 魔法陣に乗りながら鼻歌を歌っているといつのまにかアリスの家についていた。最近気が付いたら目的地についていることがあるんだよね〜無意識に動いているとか?はっはっは。そうかもね

 

「到着〜。おーいアリスー!居るよね〜!?」

「はいはい。居るわよ〜」

 

 軽い声とともにアリスが玄関を開けてくれる。さっき起きたばかりなのか少し目が眠たそうだ。僕も眠い

 

「それで人形を作りに来たのよね?」

「そうだよ。人形を作ったことないから変にならないように頑張るよ」

 

 と、話していると背後から2つの人形が浮かんで来た。片方は宴会の時にアリスの近くにいた、上海。もう片方は上海に似ている人形。双子かな?

 2人でお盆に乗せた紅茶とお菓子のクッキーを運んでくれる

 

「あら、蓬莱。来たのね。紹介するわ。この子は蓬莱。上海とは姉妹みたいな感じね。半自立思考型よ」

「そうなんだ。よろしく蓬莱。2人ともありがとう」

「ホウラーイ」「シャンハーイ」

 

 アリスの紹介の後、2人に紅茶とお菓子を持って来てくれたことに感謝する。2人はその場をクルクル回って嬉しそうに笑っている。和むね

 

「さて、夢華は裁縫はしたことあるかしら?」

「えーと、小学生と中学生の時にやったことがあるかな。家庭科でね」

「じゃあ大体わかるわよね。これが人形作りの時に使うもの一式よ。針には気をつけてね。刺さると血が人形に付いちゃうから」

 

 アリスは人形作りに必要なものを探しながら僕に問いかける

 脳裏に早苗ちゃんと絢斗君と昏御ちゃんと一緒に雑巾か何かを作った事があったな〜。絢斗君は大胆で意図が180度回って、さらにまた180度回って元に戻っていたような戻っていなかったような……昏御ちゃんは上手くできていたね。早苗ちゃんは手慣れているようにすいすいやっていたね

 そんな事を思い浮かべていながらテーブルに座っているとアリスが人形作りで必要なものをテーブルの上に置いた。針に糸に綿など本当にたくさんある

 

 それからアリスが人形を僕にお手本として1つ作った。手際が良く、猫が1時間ほどで完成した

 

「まあこんな感じよ。口で説明してもピンとこないと思うから実際にやったほうがいいと思うわ」

「なるほど。つまり、聞くより慣れろって事だね」

「………そうね」

 

 そうと決まれば早速作って行くよ。まずは針の穴に糸を通す。いつもは10回なんて普通。酷ければ早苗ちゃんか昏御ちゃんにやってもらっていたけれど今回は一回で通った

 

「最初はやっぱり早苗ちゃんっと」

 

 頭の中で早苗ちゃんを思い浮かべながらすいすいと縫って行く

 

「早いわね。初心者とは思えないくらいよ。夢華って何をやっても器用よね」

「そうかな?僕はみんなの中では一番遅かったかな」

「そうだ。夢華の外の世界の友達ってどんな人が居るの?」

「うーん。なんて言えばま良いかな?神綺にも聞いた方が早いと思うね。でも、一言で言えば個性豊かでみんな良い人だって事かな」

 

 僕からしてのみんなの印象だから他にも知っている人に聞いた方がいいと思うね

 そんな感じで世間話と言えば良いのかよく分からないけどしばらくしたら早苗ちゃん人形が出来た

 

「さて、早苗ちゃん(人形)が出来たけどどうかな?似てる?」

「えぇ似ているわよ。完璧と言えるほどに……いつも早苗を見ているのね」

「そうだね。幼馴染で去年の秋から僕が幻想入りするまで毎日のように一緒にいたからね」

 

 そう。とアリスは頷くと魔理沙の姿をした人形を手に持ち、縫い始める。凄くリアルで大きさを除けば魔理沙に見える

 

「アリスも魔理沙の事をちゃんも見てるんだね」

「ファッ!???!!いきなりどうしたのよ!」

「ん?アリスが今持っている人形が魔理沙そっくりだからちゃんと見てるんだな〜と思ったんだけど……違った?」

「い……いえ、そういうわけではないんだけどね?」

 

 急に焦り出したアリスは手がブレまくって自分の手に刺さりそうになっていることに気づいていない。止めた方がいいのかわからないけど、落ち着くまで待つことにする。早苗ちゃんの次は神奈子さんと諏訪子さんかな〜

 三十分程するとやっと落ち着きを取り戻したアリスは紅茶を一口飲むとちょうど完成した神奈子さん人形を見る

 

「30分で出来るのなら初心者なんて言えないわね」

「そうかな?慣れれば案外簡単に出来るよ。この調子だと神綺もできるね」

 

 神綺、という人(?)名が出てきた時にアリスの家の玄関のドアが開く

 顔をのぞかせたのは魔界の神様の神綺。噂をすればなんとやら

 

「お邪魔するわよアリスちゃんー。この匂いは夢華くんの……!夢華くーーーーん」

「サラッと回避」

 

 玄関を開けてから僕まで飛んでくるまで約2秒。このままでは激突は確実なので体を横に倒して回避する。神綺はそのまま後ろの壁に激突してズルズルと床まで落ちる

 

「久しぶりだね、神綺」

「久しぶりね〜。夢華くんが魔界になかなかこないから暇で暇でカブトを全部観ちゃったわよ」

「カブトを?夢子に怒られなかったの?」

「夢子ちゃんも横で観ていたわよ〜。後はサラも居たわね」

「みんな元気そうだね〜」

 

 床に落ちた神綺は何事をなかったように起き上がり、僕と話す

 魔界にテレビとかDVDとかあったんだ。カブトを観たって事は平成は全部ありそう……なんか急激に行きたくなってきた…

 

「ところで今2人とも何やっているの?見たところ人形を作るものを一式あるみたいだけど」

「まさにその通りよ。夢華が人形作りをやってみたいって言っていたから2週間前に誘ったのよ」

「まさかアリスちゃんも夢華くんを!?ふふふ……負けないわよアリスちゃん……!」

(なんの勝負だろう?人形の完成度?)

 

 2人の会話の意味を理解できずに手を動かしていると諏訪子さん人形が完成した。まだ話している2人の手は着実に今作っている人形が完成に近づいている

 ……神綺も作り始めたんだ。目にも止まらない速さで人形が形作られていっている

 

 それから3時間。3人で(途中で魔理沙が来たけれど、人形作りはできないとかで本を盗む(借りる)為に紅魔館に行った)話しながら人形作りをした。僕は慣れてからは1つ15分ほどで完成することができるようになった。神綺とアリスからありえないものを見るような目で僕の動く手を見ていた

 

「そろそろかしらね」

「そうだね〜。私としてはたくさん作ることができたから満足よ〜」

「夢華はどう?」

「ちょっと待って。あと1つ作りたいから」

「分かったわ」

 

 それからしばらく静かに黙って作業をする。針をゆっつりゆっくりと、進める

 背中まである長い青い髪、黄色の瞳。窓辺に座って読書が似合っていそうな雰囲気を出す人形ができたと思う

 

「夢華。その子は誰なの?」

「…………一ヶ月くらい前に僕を助けてくれた友達」

「……そう…」

 

 僕が簡潔にモデルの子の説明をする

 思い出すと切なくて、悲しくて、泣き出しそうになってくる

 

「それじゃあ夢華は、自分で作った人形を魔力で操ってみて」

「え?うん。…………イメージとしてはどんな感じなの?」

 

 アリスが僕の心中を察してくれたのか二回手を叩く。僕はすぐにアリスの方を向く

 アリスは完全自律人形?を作ることを目標としているんだっけかな?同じ魔法使いとして参考になることがあると思ったのかな?

 一度操ってみようとするが魔力をどういう風に使えばいいのかイメージがよくわからない。弾幕をどんな形にして放つとか、スペカでイメージを必要とするのと同じだと思っている

 

「そうね。私は指先から魔力の糸を人形に伸ばすイメージね。まあそれは人それぞれだから夢華にあったやり方があると思うけどね」

「糸……糸か…こんな感じかな?」

 

 指先からすごく細かい魔力の糸のイメージを人形に伸ばす

 指先から伸びている僕の魔力の糸が人形に当たった。すると、人形の手が動く

 

「あれ?動いた?」

「じゃあ夢華は人形を動かすイメージをして。そうすればその通りに動くわ」

「え?じゃあオーズの変身を………おお〜やった!」

 

 オーズドライバーにコアメダルを入れて斜めに傾けて右にある円状物を傾いた上から下に動かす

 

「こんな感じたんだね。じゃあこんな事もできるかな?」

「踊り出したんだけど……ねぇなんで踊り出したの!?」

「思ったよりも簡単なんだね」

 

 少し面白くなって来たので早苗ちゃんが幻想郷に行っちゃったあとに絢斗君たちと鎧武であったダンスを朝から晩までスマホをもって練習したことがあったことを思い出し、人形でもやってみたくなったからだね

 

 

 

 その後、作った人形のほとんどはアリスの家に預けることになった。守矢神社でお世話になっている3人の人形と、僕を助けてくれた友達の人形を持ち帰った。人形に僕の魔力が少し残っている




絢斗「最後に夢華が作っていた人形って…」
そうですね。貴方なら分かるでしょう
絢斗「まだ考えているのか夢華は…」
この話はこれで終わりにしません?暗い感じのまま終わりたくないんですが
絢斗「おっそうだな。次はどうするんだ?」
次は人里ですね

ではまた次回!


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第36話 魔法使いの魔法研究会(?)

どうもカミユです!
昏御「サブタイの?ってなんよ?って!やる気はあるの!」
(やる気なんて)無いでs…やめて下さいお願いします!嘘です!全て嘘です!
昏御「そうかそうか。サブタイが詐欺だったら魔界行きね」
……(oh)

昏御&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 夢華

 

 アリス家での人形作りから2日後。宴会で魔法使い3人と大図書館で魔法の研究をやる事になっていたので少し早めに紅魔館に行く

 紅魔館が見えてくるといつもの様に門の前に美鈴さんが器用に立ちながら腕を組んで寝ている。因みに、鼻から鼻ちょうちんができている。割ったら起きるのかな?

 

「美鈴さーん。起きないと頭にナイフが刺さりますよ〜」

「ウェ!いえいえいえいえ!私は寝ていませんよ!?少し瞑想していただけですよ!ほら、私武闘家ですし!」

「へぇ〜瞑想って鼻ちょうちん出来るんだ〜私知らなかったな〜」

 

 僕が美鈴さんに声をかけるといきなり起きて僕に弁解し始めた。なんで僕なのかは分からないけど、気が付いたら時を止めて来たのか咲夜さんが、背を向けて出現した。声が少し低い様な気がするけれど気のせいだよね。ついでに言うとナイフを刺した音と、美鈴さんの悲鳴もまた気のせい……だよね?

 

「待っていたわ。パチュリー様が昨日から待ちわびていたわよ。もうアリスは来ているわ」

「そうなんですか。魔理沙……はまだ来ていませんよね?」

「それだったら昨日やっとの思いで捕まえて縄で縛って天井に吊るされているわよ」

 

 何というか……うん。自業自得なんだよなぁ。なんとなく魔理沙は遅刻しそうだと思っていたけれど一番最初に来ていたんだね

 ………あとで降ろしてあげよう

 

 その後、美鈴さんの頭にナイフが生えてから咲夜さんに大図書館まで案内される

 歩いていたら妖精メイドさん達が仲よさそうに話しながら休んでいた。咲夜さんから諦めの雰囲気というかオーラというものが漂って来ていた希ガスる

 

「じゃあ私はこれで。もしかしたら妹様が来るかもしれないからその時はよろしくね」

「分かりました。ありがとうございます。お仕事頑張ってください」

 

 そんな訳で咲夜さんが時を止めて移動したのでその場で消えたように見えた後、大図書館の大きな扉を開く

 

「うーん……いつ見ても大きいな〜。空間が拡張されているんだっけ?」

 

 大図書館の扉を開く。視界に開くのは巨大な本棚が左右に分かれており、本棚には所狭しと並べられている本がある。ところどころないけどね

 中央には横長のテーブルがいくつかあり、そこで本を読むことができる空間がある。既にそこには、アリスが座っていた。図書館は静かに本を読むところなのは幻想郷でも同じ事

 僕の目線の先には社長室にある木製の机があり、そこには大図書館の主人のパチュリーさんが座っている

 

「こんにちは。なのかな?」

「こんにちはであっているわよ」

「夢華も来たことだし魔理沙を下ろしてあげないとね」

「しばらくはあそこにいてもらうわよ。それと盗られた本も回収しないとだし」

 

 パチュリーさんとアリスと挨拶をする

 上を見ると本当に縄で縛られている魔理沙の姿がある。なんというかミノムシというか、小さい頃に掛け布団にくるまっていた時を彷彿とさせる姿に笑いそうになる

 

「それじゃあやっていきましょうか。魔理沙はそこで見ている様に」

「それは酷いんだぜ!私も混ぜるのぜ!のぜのぜ!」

「最後の何よ。まあ自業自得ね」

「あ〜……うん。魔理沙頑張って抜けだすんだね」

「私に味方がいないなんて……ガクッ」

 

 うなだれてしまった魔理沙はご愁傷様でした。南無南無

 パチュリーさんが横長の机までゆっくり移動すると話が始まる

 

「魔法のことはもういいわね」

「もちろん」「もちろんよ」「もちろんだぜ!」

「じゃあこの魔法試してみない?」

 

 パチュリーさんがどこから出したのか分からないけど手に一冊の魔導書を取り出した。きっと魔法で出したんだな。うん

 

「これは一言で言えば召喚魔法ね」

「へ〜……なんでだろう……何故かニャル様を思い浮かべてしまった……」

「それで何を召喚できるの?パチュリーは一度やったことがあるの?」

「それが……分からないのよ」

「は?パチュリーがやってないとかそんなに危ないものなのか?」

 

 一度もやったことがないということは何が起こるのか分からないということか……。これって召喚した瞬間にオワタ展開もしかしてありえるかも……

 

「じゃあやりましょうか。えーと……」

 

 パチュリーさんが呪文?を唱え始める。魔法陣描いてないけどいいの?と思ったけど口に出している暇があるならさっさと描いておいたほうがいいと思い、詠唱が終わるのと同時に描き終わる

 すると、魔法陣が光り出して、目を瞑る

 視界を開けたら–––

 

 

 

「…………」

「…………」

「…………」

「あ、ミッチー」

 

 魔法陣から召喚されたのはパッと見ては中型犬の様に見える魔界の神綺の屋敷で飼われている魔界の犬。先ほど言ったように見た目は中型犬だけど神綺の家に無断で侵入しようとする者を襲うと言われている。僕や絢斗君達には物凄く懐いている。一度戦ったような〜戯れたような〜感じだったような

 名前は絢斗君と昏御ちゃんが真剣に考えた結果みたい。龍玄に変身しそうな……

 

「バウッ!バウッ!」

「ちょっと!ミッチー……くすぐったいよ……あはは!アリス助けて!」

「ミッチーって名前だっけ?」

 

 じゃれついて来たミッチーに僕はなすすべもなく舐められているので、何やらミッチーが出て来てからずっと黙ったままのアリスに助けを求めると、やっと話し始める

 ……名前についてだけど……。それは絢斗君と昏御ちゃんに訊いて。僕はどうしてミッチーになったのかは分からないから……。これも全て鉱汰さんの(ry

 

「取り敢えず今すぐに召喚を解除するわ」

「あー…ちょっと待って。さらさらさら〜と。これをミッチーに付けてと。うん。良いよ〜」

「何を付けたんだぜ?」

「ん〜内緒」

 

 ミッチーの召喚を解除しようとするパチュリーさん。それに待ったをかけて、机にあった紙とペンで神綺宛に手紙?を書いてミッチーの脚につける

 縄で縛られている魔理沙は怪訝そうに訊いてくるけど、それは内緒。だって仮面ライダーだからわかんないと思うんだよね。でも異変の時に鎧武の等身大の物を見せていたから………まあいいか

 

「それで、そのミッチーって言うのはなんなの?貴方が付けたとは思えないけど」

「僕じゃなくて友達が…だね。ミッチーは仮面ライダー鎧武のキャラクターのあだ名だね」

「その仮面ライダーっていうのに夢華はなれるのよね?少しみてみたいわ」

「良いよ!」

「なら私と弾幕ごっこやろうぜ!」

 

 パチュリーさんの疑問に答えると、次にアリス。仮面ライダーになれると言ったら魔理沙が弾幕ごっこを志願する。縄に縛られているからその場を空中で跳ねている。コイ○ングの跳ねるみたいな光景になっていて笑ってしまう

 

「あっはは!うん。良いよ。けど、その前に縄から抜け出そうか」

「解いてくれないのかぜ?」

「頑張って」

「自業自得」

「貴女の罪を数えろ!」

 

 パチュリーさんはWに目覚めたのかな?

 

 大図書館にて、戦極ドライバーを装着した夢華と、その気になれば10分で縄を解けると言っていた先ほどまで縄で縛られていた魔理沙が本棚と本棚の間に立っている

 今から弾幕ごっこをやるので、パチュリーとアリスが全力で本と本棚に魔法をかけた。「だって魔理沙は手加減しなさそうだから本気でやらないと。夢華?夢華なら手加減してくれる」……らしい

 

「魔法もかけ終わったみたいだし、やり始めようか?」

「そうだな!その腰に巻いているのが仮面ライダーに使う物なのか。それにしても珍しい形をしているな」

「僕もそう思うけど面白いよ」

 

 そう言うと夢華は魔法陣からぶどうのロックシードを取り出す

 

「変身!」

 

 手に持っているロックシードのスイッチを入れると夢華の頭上にクラックが開き、夢華が手に持っているぶどうのロックシードが大きくなった鎧がヘルヘイムの森から宙に浮きながらその場に残る

 ぶどうのロックシードを戦極ドライバーに装填してロックする。戦極ドライバーから銅鑼と二胡の中華風のテイストが流れる。右側にあるブレードを倒すと「ハイ〜!」と電子音が鳴る。同時に頭上に浮いていたぶどう()が展開し、夢華に被さると、仮面ライダー龍玄になる

 

「さーてと、じゃあやりますか」

「おっしゃあ!行くぜ!魔符 ミルキーウェイ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side アリス

 

「それにしてもやるわね〜。あの仮面ライダーって言うのは凄いわね」

「本当ね。私達では思いつかないような姿なんだもの」

 

 私とパチュリーは弾幕ごっこをやっている2人から離れた二階から2人を見ている

 夢華が腰に装着している掌サイズの物体を外してから、魔法陣に手を入れてまた別の物を取り出した。あれはキュウイかしら

 

「ところで、一昨日に夢華が私の家に来て人形を作ったのよ」

「そうなの。まあ夢華の事だからたくさん作ったんじゃない?慣れたからとかで」

「その通りよ。帰る前の最後の1つをいつもよりも念入りに作ったのよね」

 

 今の話ではまだパチュリーはピンと来てないみたい。頭の上に?マークが出ているもの。それもそうよね

 

「作っている最中に夢華が言っていたわ。一ヶ月前に夢華を助けてくれた友達、とね。悲しそうで今にも泣き出しそうだったわ」

「じゃあ……」

 

 最後にパチュリーが言い出しそうにすると、夢華達の方からキュウイスカーシュ!と電子音がなり、ピチューンと音が鳴った。魔理沙の方からね

 

「どうやら終わったみたいよ」

「そうね。あ、夢華の姿が戻った」

 

 遠くにいる夢華の鎧みたいな物が消えた

 

「終わったよー」

「負けちまったぜー。いや〜凄いぜ。射撃しかできないから接近すればいけると思ったんだけどな……。いきなり姿が変わったと思えばすぐやられるもんな〜」

「いや……ね。とっさのことですぐ終わっちゃったよ」

 

 2人は私達のところまで来るとさっきの弾幕ごっこの事を話し出す。そんな姿を見ているとさっきの会話の表情に連想できない

 

 その後、魔理沙の魔法の研究はどうなったんだぜ?という発言により、4人で連携をとってやるスペカを作った……らしい

 帰り際に魔理沙が案の定というかお約束のように本を盗もうとする魔理沙を取り押さえた。また一日縄に縛られて大図書館の天井に吊るされたとか




昏御「魔界行きね。ミッチーによろしく」
辞めろ!辞めるんDA☆
昏御「ばーい」
うわあああああああああ

昏御「カミユは魔界に行きましたとさ。ちゃんちゃん。サブタイ詐欺はよくあるかもしれないけど今後ともよろしくね〜」

ではまた次回!


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第37話 夢華の就職

どうもカミユです!
蓮舞「夢華の就職……か。なんとなく分かった」
高1で就職…というよりもバイトの方が正しいと思いますがね
蓮舞「そうだな」
(会話が続かないェ)

蓮舞&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 夢華

 

 大図書館での魔法の研究会の次の日、僕は守矢神社の境内から人里方面を見ていた

 

「最近夢華くんはそこに居ますがどうしたんでしょうね?」

「さ〜。夢華くんは楽観的な考え方だからな〜。単純にあそこら見る景色が好きなだけじゃない?」

「そうとも言えるし、そうとも言えないかも知れない。もしかしたら感慨老けているだけかも知れないな。私達が外の世界から、夢華くん達から居なくなってからのこの約半年間に何かあったのかもな」

 

 僕の後方の背後にある神社の襖の間から見ているのを気付いていない神様3人組

 まあ感慨老けていると言えばそうなんだけどね。単純に此処からの幻想郷の景色が好きなのもあっているし

 でもまた人里で事件が起こった時のためにいつでも行けるようにしておこうと思っているのもあったりする

 

「ん?慧音?どうしたんだろ?」

「夢華はいるかー!?」

「おはよう。居るよ〜。なんか道場破りみたいな言い方だね」

「おはよう。道場破りとは言い得て妙な言い方だな。この場所だと神社破りになるな」

「それなら博麗神社に行ったら?」

「私の残機が著しく減って行くからやりたくないな。いや、この話自体おかしいな」

「そうだね」

 

 道場破り改め、神社破りをしようとする慧音は咳払いをすると守矢神社に来た本題に入る

 

「夢華。お前寺子屋の教師にならないか?」

「え?」

 

 慧音の口から出た言葉に気の抜けた声を出す。だっていきなり教師にならないかと言われたんだよ?16歳の僕に。教員免許も無いのにやって良いのか。そもそも幻想郷に教員免許はあるのだろうか?

 疑問が尽きることのない僕だが、そんな時にタイミングよくスキマが開いて紫さんが顔を出して言う

 

「幻想郷では、教員免許とかなくてもなりたい職業には慣れるわよ。その素質があればね。永琳がいい例ね」

「あー何となく納得したような」

 

 言うことだけを言ったら紫さんはスキマに戻る

 

「と、言うわけでなる気はないか?」

「明日寺子屋に行きますね。その時に言います」

「分かった」

 

 そう言うと慧音は人里に飛んで戻って行く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜次の日〜

 

「………と言うわけでみんなよろしくね!」

「「「よろしくーー!!!!」」」

 

 昨日、襖で隠れて僕を見ていた神様3人に寺子屋の教師について相談した

 結果

 

「OK(ズドン)」(諏訪子さん)

「大丈夫だ、問題ない」(神奈子さん)

「コクンコクンッ!」(早苗ちゃん)

 

 相談してから3秒で3人から了承を得た。それからすぐに慧音を追いかけて、教師をやることを伝えてから資料を大量に渡されて能力を使って頑張ってやる内容を覚えたよ。内容的には小学高学年くらいだったからそこまで大変だったと言うわけではなかったけどね

 

「それじゃあ始めるぞー!まずは国語だ」

 

 〜約10分後〜

 

「シュ〜」

「ちょっとチルノちゃん……頭から湯気が出てるけど大丈夫?」

「あたいさいきよー……あたいさいきよー」

「さいきよーじゃなくて最強だよチルノちゃん」

 

 10分で頭のキャパオーバーをしてしまったチルノちゃん。今の季節が夏なのもあるかも知れないけど比喩表現無しで初めて見たよ

 わからないところを教えなくてはいけないのは教師の仕事。なのでチルノちゃんの下まで行く

 

「チルノちゃんどこが分からないの?」

「夢華ー。ここが分からないよー」

 

 チルノちゃんの教科書を見てみるとほとんど解けてない。どうやら傍線部Aの部分が分からないみたい

 

「そうだね。こういう問題だと、傍線部の前後の文に答えがあったりするよ」

「ん?じゃあここの前後だから……………この部分か?」

「そうだよ。こういうのはノートにメモをしておけば忘れたりはしないよ」

 

 チルノちゃんの分からないところの解き方を教える。その後は今の説明を渡したノートに書いたチルノちゃんは授業を頭から湯気を立てることなく進めたとか

 

「凄い、夢華さん!僕のところも教えて!」

「次私!」

「はいはい。ちょっと待ってね〜」

 

 それからは寺子屋の生徒全員に呼ばれて教室内を縦横無尽に移動したとさ

 

 

 

 

 

 

 〜帰りの時間〜

 

「じゃあね〜。気をつけて帰るんだよ〜」

「「「はーい!」」」

 

 帰りの時間となり…昼の3時…寺子屋の生徒達はみんな帰って行った。まだ生徒達の住所を把握しているわけじゃないけど、一応対策はしてある

 

「大好評だったな夢華」

「あの……威圧がすごいのですが…」

 

 かみことゆかは けいね の いあつで うごけない▼

 冗談抜きで慧音の威圧が半端ない。少しでも動けば頭突きをされそうだ

 

「あの……何をされているんですか?」

「威圧で動けません」

 

 ひょっこりと角から出てきた赤紫の髪で、髪に赤いリボンが付いている花を乗せている。袖に何の花かは忘れたけれど、花柄がある。高価そうな和服で人里では地位は高いのかな?年齢的には僕と同じくらいか少し上……?

 

「いやいや、すまない。私としたことが少し嫉妬していた」

 

 けいね の いあつは とけた▼

 僕はようやく動けるようになった

 

「紹介しよう。こちらは人里の名家、稗田家当主、稗田 阿求(ひえだ の あきゅう)だ」

「初めまして。上殊 夢華さん。貴方の噂はかねがね伺っております。幻想入り早々妹紅さんを蹴り飛ばしたり、風土君を助けたり、異変解決を手伝ったりなど。その中でも見た目が女性というのは本当だったのですね」

「そうですか。僕は上殊 夢華です。見た目に関しては幻想入りする前からよく言われました」

 

 僕って噂が立つほどのことをした覚えがないような……あったよ。まあいいや

 

「それで阿求はどうしたんだ?」

「そうでした。私は『幻想郷縁起』というものを書いておりまして。幻想郷に存在する妖怪についてをまとめた書物です。夢華さんは色々なところに行っていると聞きまして、そのお伺いしたいと思いまして」

「良いですよ。何を知りたいですか?」

「その話は稗田家で」

 

 幻想郷縁起についての話は稗田家でやる事になったので、慧音とはその場で別れた

 

「うわ〜」

 

 阿求さんと歩いて10分ほどで阿求家に着いた。家の大きさは僕の家のお屋敷の2倍はあるのではないかと思うほどだ。これは感嘆の声を上げるしかないね

 

「では、お話を!」

 

 ものすごい速さで迫って来た。目が輝いているね(修造風)

 

 それから2時間をかけて根掘り葉掘り聞かれました達筆の速さが凄かったよ。1つの言葉を言うのと一文字書く速さが同じってどういう事なの?そんなこと出来るの?僕だって能力使わないとできない領域なんだけど

 それで、阿求さんの能力が一度見たものを忘れない程度の能力だって。まんま禁書目録じゃん。上条さん呼んだ方がいいかな?

 

「夢華!」

 

 阿求さんの質問に答え終わって別れた後、人里を少し歩いていた。時刻は午後の5時。今の季節は夏なので夕方になってもまだ明るい。人里はまだ賑わっているね

 そんな時に妹紅に呼ばれた。すごく焦っているようで、すぐにただならぬことが起こっていることはわかった

 

「どうしたの?」

「それが……霧の湖でものすごい速さで動く怪物がいるって…情報を受けて」

「ものすごい速さで動く生物?仮面ライダーで言えばワームかネイティブかな?とりあえず霧の都に行けばいいね。瞬間移動」

 

 妹紅からの情報で目星をつけた(仮面ライダー脳)。他には……殺せんせー?襲うとは思えないけど

 能力で霧の湖まで飛ぶ?と、チルノちゃん達が緑色の虫の幼虫みたいな化け物複数とものすごい速さで動く生物が一体いた

 完全にワームだね。しかも脱皮しているのが居るし

 

「夢華!」「夢華さん!」

「2人とも隠れていて!」

 

 チルノちゃんと大ちゃんは僕を見ると声を上げる。そのまま隠れるように指示を出すと魔法陣の中からZECTによって作られたマスクドライダーシステム第1号のライダーベルトを取り出し、装着する

 そして手を空に挙げると魔法陣からカブトムシの形をした、カブトゼクターが飛び、僕の手に収まる

 

「変身!」

 

 手に収まっているカブトゼクターをベルトに装着する。すると、Henshinとゼクターから電子音が発声させられると、仮面ライダーカブトのマスクドフォームに変身する

 ワーム達は僕を見ると標的を僕に変え、走りながら迫ってくる

 

「あいにくもう脱皮しているワームが居るからマスクドフォームのまま戦えないよ。だから、キャストオフ」

 

 カブトゼクターのツノを反対側に倒すと、ゼクターからCast Offと電子音が発声しマスクドアーマーが秒速2000mで飛散する。飛散したマスクドアーマーは迫ってくるワームに当たり吹き飛ばす

 顎を基点にカブトホーンが起立して顔面の定位置に収まり、Change Beetleと電子音が発声され、ライダーフォームになる

 

「さっさと倒させてもらうよ」

 

 カブトクナイガン・クナイモードを取り出し、ワーム達に走って接近する

 

「ほらほらほら!」

 

 まだ脱皮していないワーム達にクナイで攻撃して、緑色の爆発を起こす。雑だって?本編だとキャストオフしたアーマーにぶつかっただけで爆発したから問題(ry

 

「クロックアップ!」

 

 高速移動しているワームには今のままでは対抗できないので、こちらもマスクドライダーに備わっているクロックアップを使って同じスピードで移動して戦う

 クロックアップしている間は周りのものが遅く動いているように見える

 

「はっ!そりゃ!」

 

 クナイで脱皮したワームの体に攻撃しつつ、チルノちゃんと大ちゃんが隠れている方向とは反対方向に後退させていく。その間、攻撃されるが躱していく

 

「そろそろ倒すよ」

 

 クナイをワームに投げつけ、一度後退させてから、ワームから背を向ける

 カブトゼクターの足のところを左から右にかけて順番に押していく。その際、1、2、3と電子音が発声する

 

「ライダー、キック」

 

 後退したワームは飛びかかってきた。爪で攻撃する気だろう

 ワームの攻撃が当たる瞬間にライダーキック(回し蹴り)をする。見事にワームの首に当たり、緑色の爆発を起こす

 クロックオーバー、と電子音が発声されると同時にクロックアップが終わる

 

「はあ……なんでワームが居たんだろ」

 

 変身を解きながらため息混じりに呟く

 

「夢華!なんだ今のは!?早すぎてさいきょーのアタイでもも見えなかったぞ!」

「凄いです夢華さん!カッコ良かったです!」

 

 カブトゼクターは魔法陣の中に入っていく

 

「ハハハ…ありがとう。もうすぐ夜になるから早く家に帰ってね」

 

 そう言って守矢神社に帰る




蓮舞「なんで最後にワームが出て来た」
いや、何となく出そうかなと……次は何を出そう…
蓮舞「ファンガイアで良いんじゃないか?」
吸血鬼姉妹が変身しそう…

ではまた次回!


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第38話 閻魔様とお話し

どうもカミユです!
霊歌「今更だけどさ、夢華っていろんなところでいろんな人物と出会っているよね」
だって主人公ですし。この方が設定とか色々と浮かんだりするので
霊歌「絶対収集つかなくなるわよ」
だ…大丈夫だ。もももも問題ない(汗
霊歌「ダメだこりゃ」

霊歌&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 夢華

 

「じゃあみんな気を付けてね〜」

 

 ワームと戦ってから次の日、就職……いや、バイトの方が正しいかな?……2日目。授業がすべて終わり、生徒達を見送っていた

 

「相変わらずすごい人気だな夢華は」

「そうかな?外だとこんな感じだと思ったけど」

 

 小学校の先生ってこんな感じじゃないの?僕が知っている中だと日常茶飯事で先生が過労で倒れなかったのが不思議なくらい教室内を歩いていたから

 あの先生は凄かったな〜。先生の経験を知ることになるとは思わなかったけど

 

「それじゃあ後は事務仕事をするだけだね」

「そうだな。妹紅が居てくれれば手伝ってくれるから助かるんだが……また輝夜と戦っているのか?」

「仲よさそうだよね。あの2人」

 

 慧音と話しながら職員室に向かう

 

 それから一通りの事務仕事を終わらせて、また明日と言いながら別れた

 

「〜♪幻想郷だと外の世界ではなくなったものが沢山あるからな〜。あ、すみませーん。金平糖1つくださ〜い」

「はいよ。ありがとうね。夢華は外来人なんだろ?戻りたいとかって思わないのか?」

「ありがとうございます。そうですね。まだ幻想郷に居ますよ」

「いつか居なくなっちまうとなると寂しくなるな〜。夢華は幻想郷で知らぬ者はいないほど有名人なんだからよ」

「そうなんですか?まあ幻想郷を出るときはもしかしたら明日かもしれないですね」

「ほう。それはどういう意味だい?」

 

 甘味処の店主の人と世間話をする。まあ今は僕が幻想郷から出て行くかどうかの話なんだけど

 それは外にいる友達が僕を見つけることができるかどうかを知りたいんだよね。いつきても不思議じゃないのが凄いんだよねあの3人は

 

「それじゃあさようなら〜」

「おう。また来てくれな」

 

 店主と別れ、守矢神社に帰ろうと考え始めたところに道の角に見知った人が歩いて出て来た

 

「あ、夢華さん」

「あ、四季さん。お久しぶりです」

 

 偶然角から現れた閻魔様……四季 映姫(しき えいき)、ヤマザナドゥさん。四季 映姫が名前で、ヤマザナドゥが役職名。能力が白黒はっきりつける程度の能力を持っている。具体的には…と言ってもそのままの意味で迷わないだったような。紫さんとか苦手そうな人だと思えば分かりやすいかな?礼儀正しく、小町さんの上司。僕の知っている限りでは2人が揃っているときは大抵四季さんが小町さんを説教している

 見た目は緑髪のショートで僕と同じくらいの背。しかし、大人のような雰囲気が出ている

 

「お久しぶりです。6年前とあまり変わりないようですね。変わったことと言えば背くらいですか」

「そういう四季さんは全く変わりませんね。こういう時に人間って思い知らされますね」

「そうですね。私からすればすぐで夢華さんからすれば年単位ですから。感覚的には昨日までいた自分よりも背の低い子供が次の日には私と同じくらいまで大きくなった感じですか」

「具体的ですね」

 

 ばったり会ってからその場で談笑。四季さんはなんで人里にいるんだろう?小町さんの説教(されている前提)が終わっていて、仕事が終わったからかな?

 

「そうですね。仕事がひと段落ついたので人里の見回りでしょうか」

「少しは休んだらどうですか?6年前とあまり変わらない質で仕事をやっているでしょう?人里の見回りはいいと思いますが、四季さんが倒れたら小町さんが仕事を今まで以上に身に入らなくなってしまいますよ」

 

 どこからか「解せぬ」と小町さんの声が聞こえた気がするけど……幻聴幻聴

 

「ふむ、確かに小町が仕事を今以上にサボるような事は好ましくありませんね。仕事をサボることなど問題外なのですが」

「仕事詰めはやめた方がいいと思いますが……。息抜き程度はやってもいいと思いますが。小町さんは息抜きを軽く超えていますけど」

 

 はあ……。と2人同時にため息をついてしまう。というか6年前と変わらずに小町さんはサボっているのか……本当に変わらないな〜

 

「小町から夢華さんが幻想郷に来ていることを知らされていました。夢華さんなら来ると思っていましたが……」

「まあ行こうとは思ったんですけど……立て続きにいろいろなことが起きたり、場所がわからなかったり、三途の川に死んでもいないのに行っても良いのかと考えていましたから」

 

 実際三途の川は何処にあるのか…………どこかで妖怪の山のどこかとは聞いたような気がしたけど……分かんないや

 

「今度三途の川に来てみませんか?最近、仕事が多くて……資料整理が大変なんですよ」

「ん〜〜〜〜。良いですよ。じゃあ今日の夜…寝る時に三途の川に行きますね」

「仮死状態で、ですか?」

「まあそんなところです」

「はあ……そういうところも変わりませんね。無茶苦茶で通常ならできないことを平然とやることのできるなんて羨ましいです」

「では、また後で」

 

 そう言って四季さんと別れた。いつも睡眠というか夢はサグメやドレミーと居るから珍しいことではあるね

 …………これから毎日三途の川に行こうぜ!

 

 

 

 

 

 

「という事で、今日は三途の川に行って来るね!」

「いやいやいやいや!三途の川に行くのをを友達の家に行くようなノリで行くみたいに言わないよ!?」

「でも、夢華くんなら死んでも次の日には帰って来そうですよね」

「ただしそのままとは言っていない」

 

 夕食時に早苗ちゃんたち神様に三途の川に行くことを伝える。まあ行くと言っても死ぬわけじゃないから心配はいらないんだけどね

 それと僕でも死んだら帰ってこれる自信はないよ

 

「まあ三途の川だろうが、ゆっくり遊んで来ると良いさ」

「三途の川で娯楽なんてあるとは思えませんが」

「案外あるかもよ?子供が遊ぶ遊園地とかあったり」

「あったっけかな〜?」




この後、夢華は幽体離脱というか、魂だけが抜けて三途の川に行きます
霊歌「夢華万能説」
万能です。次回は過去編になります。歳は小学校に入学してから10歳くらいまでです。そこで(チート並みの)強さと個性豊かなオリキャラが登場します。最近陰が薄い早苗さんが出てきます
霊歌「言ってあげないでよ」

ではまた次回!


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過去編二章 2つの出会い
第39話 入学と出会い


どうもカミユです!
絢斗&昏御「俺(私)達、参上!」
耳元で叫ばないでくださいお願いします
絢斗「ようやく俺達(幼少期)の出番だな!」
そうですね。とはいえ、今回の章ではあまり出番はありませんね
昏御「なん…だと…」
いつから今回の章で出番がたくさんあると思った?
絢斗「順番が逆」

絢斗&昏御&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 夢華

 

 さあ!やって来たよ!待ちに待った小学校!!小学校入学はどれほど待ちわびたか……幼稚園(保育園)も行かずに早苗ちゃんと神奈子さんと諏訪子さんと毎日の様に遊ぶ日々が続いたけど、嫌じゃないけど、待っていたのだ!背中には紫のランドセルがある。早苗ちゃんは緑

 

「よーし!早苗ちゃん!行くよ!」

「わっかりましたー!」

「夢華ー。走らないでー」

 

 近くにはレイア(お母さん)と早苗ちゃん。入学する小学校の名前はは『現想小学校』。現想の"現"は"幻"だと思うけど。現れる想いって意味なのかな?

 

「絢斗!走らないの!」

「昏御も!」

 

 少し先では2組の母親が走っている子供を注意する

 

「大丈夫!俺は鍛えているから!」

「うおおお!」

 

「すごい人たちですね。私達と同じクラスになりますかね?」

「なったら凄いよね。毎日が楽しくなりそうだよ」

 

 さて、僕の予感は当たるかな?そんなことを考えながら早苗ちゃんと入学生徒が案内される方に行く。お母さんは先に保護者席に着くみたい。神奈子さんたちは神様だし、大人の事情で来れなかったみたい。残念

 

「やったね!早苗ちゃん同じクラスだよ!」

「そうですね。しかも席が隣です!」

 

 僕たちのクラスは1年B組。人数は21人。全クラスはA〜D組まであり、それぞれ21人づつ子供がいる。縦に4列で、横に5列。1人余るから窓側の列の後ろに1人いるかんじ。総勢84人の新入生が入った。他の学年はよくわからないけど入場するときに同じ人数の上級生が連れて行ってくれたから2〜6年生も84人くらいかな?だから……えっと……500人ちょっとかな?

 

「昏御も同じクラスになったな!よろしく!」

「絢斗もこれからよろしく!」

 

 少し離れたところから学校に来た時に少し先にいた2人組の声が聞こえる。あの2人とも同じクラスか。仲良くなれるかな?

 

「みんなー。私はこのクラスの担任をする、中山 二胡(なかやま にこ)。よろしくねー」

「「「「よろしくー!」」」」

 

 ガラガラと教室の扉をあけて入って来たのはすごく優しそうな女性が入って来た。手には帳簿を持っている

 

「それじゃあ出席を取るから名前を言われたら返事してねー」

 

 先生がそう言うと一番から言われていく。僕の番になって返事する。何故か女の子と間違われた。なんでだろう?

 それから最後らへんになるとさっきの2人組のうちの1人の名前が呼ばれる

 

原峰 絢斗(はらみね けんと)君」

「はーい!」

 

 はらみね けんとくん……うーんどんな漢字なんだろう……それからすぐにもう1人の方が呼ばれる

 

「最後に、夢栄 昏御(ゆめさか くれみ)ちゃん!」

「はーーい!」

 

 最後にゆめさか くれみちゃん。なんか2人は競っているのかと思うほど元気よく返事をする

 

「それじゃあ安達君から自己紹介してもらおうかな。前に出て、名前と好きな事、将来の夢とかね」

 

 つまりは1番から自己紹介してって事だね。僕はまだ将来の夢とかは決まってないけど…好きな事?そんなの決まっているじゃないか

 

「僕は上殊 夢華。好きな事は仮面ライダーの変身ポーズをする事と読書に、漢字を調べる事です。将来の夢はまだ決まっていないよ。よろしく!」

 

「私は東風谷 早苗です。好きな事はおしゃべりする事です。将来の夢は神社を継ぐ事です。よろしくお願いします」

 

 早苗ちゃんの自己紹介が終わると次々と自己紹介が進む。そして原峰君の番になった

 

「俺は原峰 絢斗!好きな事は筋トレする事と誰かを守る事!将来の夢は正義の味方になる事だ!よろしく!」

 

 原峰君のの夢は警察官とか消防士になることかな?正義の味方と聞いて仮面ライダーを思い浮かべてしまったけれど仕方がないね

 そして最後に夢栄ちゃんの自己紹介になった

 

「私は夢栄 昏御!好きな事は体を動かす事!将来の夢は人を助ける事!よろしく!」

 

 原峰君……言いづらいから絢斗君と昏御ちゃんは似たような自己紹介だったな〜

 

「それじゃあ自己紹介が終わったから学校を見て回って行こう!」

 

 そんな訳で先生に連れられて学校の中を歩き回った。移動中に2人一緒にいる絢斗君と昏御ちゃんに話しかける

 

「えっと……絢斗君と昏御ちゃんで良いかな?僕は同じクラスの上殊 夢華。よろしくね」

「おう!俺は原峰 絢斗!」

「私は夢栄 昏御!」

 

 こうやって面と向かって話すと、なんとなく僕と早苗ちゃんと似ているような気がするんだよね。なんでだろう

 

「さっきの自己紹介の時に夢華から俺たちと似ている感じがしたが、もしかして特殊能力を持っていたりしないか?」

「……!え……能力?絢斗君と昏御ちゃんも持ってるの?」

「うん。まだよくわかっていないんだけど……移動する能力みたいな感じ」

「僕の勘もあながち間違ってなかったんだね。僕は漢字に関係する能力なんだけど、学校じゃ話せないから今度僕の家に遊びに来て。その時に話すよ」

「分かった!あっちにいる早苗も能力持ちか?」

「それは早苗ちゃんの口から聞いた方がいいかな?」

 

 移動系の能力を持っていると言っている2人。この出会いは僕の人生で、ものすごく面白くなって、色々な事に遭う原因になるんだけど……悪い出会いではなく、面白い出会いになった




絢斗「短っ!」
昏御「2000ちょっとじゃん!」
だって……自己紹介とかでどうやって
絢斗「次回は長くなかったら…」
昏御「ムッ殺す!」
ハイ

ではまた次回


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第40話 2人の能力

どうもカミユです!
蓮舞「今回は絢斗と昏御の能力の判明か」
そうです!この2人の能力は似通っています。能力解説をオリキャラ全ての能力が本編に出たらやろうかなと
蓮舞「そうか。さて、これはなんだと思う?」
?それは木の棒ですかね?
蓮舞「昏御から渡されたものだ」
あ…(察し
蓮舞「それと2人の容姿を言ってなかったな」
夢華「あ」
えっと、絢斗さんが黒髪黒目のFateの士郎みたいな髪型。昏御さんが御坂 美琴のヘアピン無し状態の髪型で茶髪。紫の瞳ですね
蓮舞「それじゃあ」

蓮舞&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 夢華

 

 小学校入学から次の日の土曜日。入学式は春休み(僕達は幼稚園とかに通ってなかったから無いけど)に金曜日にやることが多いと聞く

 同じクラスになった絢斗君と昏御ちゃんと2人の親が来ている。早苗ちゃんは少ししたら来るらしい。完璧に徒歩距離だからいつも遊んでいる

 昨日小学校が終わった後に親に許可を得た

 

「夢華ー!来たぞー!」

「ハイハイ。いらっしゃい。あ、こんにちは」

「こんにちは」

 

 絢斗君の元気な声で玄関まで出迎える。2人は横に並んでおり、2人の親は少し後ろに立っている

 

「いらっしゃい。お2人はこちらへ。夢華達は夢華の部屋に行って頂戴」

「分かったよ!2人ともこっちだよ!」

「行くぜ行くぜ行くぜ!」

「広い家だね。迷いそう」

 

 2人を僕の部屋がある2階の突き当りの右2個手前に案内する。ある物としては仮面ライダーのDVDとDVDプレイヤーや漢和辞典などが上に乗っている机にその横に大量のマンガが揃っている本棚。大きな窓にカーテンがかかっており、その近くにベットがある。クローゼットが机とベッドとは少し離れている場所にある。この部屋の中で一番絢斗君達の目が行ったのは、ガラスケースの中にある平成ライダーのバックルなどの変身に必要な物一式。これはそれぞれ僕が能力の『万物創造』で作ったもの。本当に変身できるよ

 

「すごいな!これ全部仮面ライダーのベルドじゃないか。これ使って良いか!?」

「あーちょっと待って……(お母さん。絢斗君がベルト使いたいって言っているんだけど…)」

(良いわよ。それと2人も能力を持っているみたい。後で言うからそれまで少し待ってて)

「(分かったよ)うん。良いよ。使い方はわかるよね?」

「ああ!それじゃあカイザだ!」

 

 絢斗君はガラスケースから丁寧にカイザに変身するもの一式を取り出すと、すぐに装着する。ピ、ピ、ピと少し低い電子音が三回鳴り、畳む

 

「変身!」

 

 completeと低い電子音とともに絢斗君は仮面ライダーカイザになる

 

「おおーー!スゲェェェェ!本当に変身できた!次は………」

「夢華!私にもやらせて!」

「良いよ」

 

 絢斗君が変身したことによって昏御ちゃんもやりたくなったのか僕に了承を得ようとする。僕は快く了承する

 すぐに昏御ちゃんはブレイドのバックルを手に取り変身する

 

 それは親の3人が来るまで続いた

 

「夢華ー。下に降りて来てー」

「分かったよー。うーん、2人も一緒に来て。多分2人にも関係のある話だから」

「ん?そうか」

「夢華の家ってすごいな〜♪」

 

(1人話を聞いていない人がいたけど無理矢理)2人を連れて居間(約8畳の部屋)に移動した。畳が一面の床を覆い、横長のテーブルがあり、囲うようにそれぞれの親が座っている一応、お母さんが一年くらい前にくれた魔法陣の描かれた扇子を持っていく。右手で適当に回している

 

「取り敢えず座って」

 

 お母さん(僕)が座るように促すと、従わない理由がないので促されるままおもいおもいに座る

 位置的には僕達は固まっているね。親の顔が少し寂しそうに見えるのは気のせいだよね

 

「さっき私たちはあなた達の『能力』について話していたのよ」

「レイアさんから夢華君の能力を聞いた時には驚いたわ。完璧にチートだもの」

「私達には能力は無いから。どうして突然能力が発現したのか話し合っていたの」

 

 ?????お母さん能力持っているよね?黙っていたのかな?そもそも種族が魔法使いだから適当に話を合わせていたのかな?

 というか、2人も能力持っていたんだ。そんな感じもそぶりもしなかったけれど

 

「絢斗に能力があると分かったのは2年前の4歳の時。離れたところにあったみりんが絢斗が触れた時に私の手の元にあったわ」

「昏御は自身が持っている物が、物に当たると瞬間移動みたいな現象が起こるわ」

「つまり、まとめれば、絢斗君の能力は【触れたものを瞬間移動させる程度の能力】、昏御ちゃんは【追放する効果を物に付与する程度の能力】ね」

「そして、夢華君の能力が【連なる四つの漢字の意味を実現する程度の能力】。これだと2人の能力を使うことができるわね」

 

 すごい能力だよ!瞬間移動と追放って!でも、瞬間移動と追放ってどう違うんだろう?弱点があるのは当然として、考え方によっては1人で戦争とか行っても帰って来そう

 

「……なんか難しい話ししているけどさ、夢華に能力があることはなんとなく分かってたし、それが私たちが来たってなんの意味もないよね〜」

「多分能力は今後できるだけ使わずにしていこうってことじゃない?」

「?なんでだ?能力を持っていることが周りの人に気付かれることができるだけ使わないようにする事と同じになるんだ?」

 

 絢斗君と昏御ちゃんは僕の言った意味が理解していないみたいだね

 

「学校の先生や、クラスメートのみんなは能力を持っていないんだよ。僕達が能力を持っていることがみんなに知られたらどうなると思う?」

「さあ?私は普通に接すると思うけど……」

「俺もそうだな。能力を持っていても悪さをしなければ問題ないと思うぞ?」

「でも、みんなは違うかもしれない。クラスメートのみんなは良いかもしれないけれど、先生は違う。実際に能力を使ったところを見られたら誰かに報告されるかもしれない。最悪、僕達は狙われて研究されるかもしれない」

 

 僕の言葉に2人は固まってしまった。それもそうだろうね。こんなことを言われたら(理解できないから)固まってしまうだろう

 が、2人の反応は僕の予想の斜め上を行った

 

「そんなことをする奴らがいるのか!?そんな奴らは今すぐ退治しに行くぞ!」

「全くもってその通り!絢斗今すぐ準備して!私も全力で手助けをするよ!」

 

 わなわなと肩を動かしていた2人は、絢斗君が立ち上がるとともに行ったことに便乗した昏御ちゃんは(何故か)近くにあった棒を手に取る

 こんなところを見させられたら慌てずにいられない

 

「まあまあまあ、2人とも落ち着いて。もしもだから。(存在するかもしれないけれど)そんな事はないと思うから!」

 

 説得する事約10分。ようやく落ち着いた2人。僕はこれで学んだ事は、『2人の正義を刺激してはいけない』という事だ

 

 

 それから『小学校とかで能力を使ってはいけない。危ないことがあったら近くの人に助けを呼ぶ』という事を絢斗君と昏御ちゃんに1時間近く言い聞かせていた。それほどまで時間を費やさないといけない。その間、僕はお母さんと魔法のことを話していた

 一応、まだ、絢斗君と昏御ちゃんと2人の親には魔法のことは知られていない

 

「じゃあね。2人とも、また来てね」

「おう!何かあったら俺に言ってくれ!どんなものでも解決してみせる!」

「また来るね!仮面ライダーにまたなってみたい!」

 

 あはは……と、苦笑いしかできない僕。仕方がないよね?

 

 4人の姿が見えなくなるとお母さんが話しかけてくる

 

「夢華。もしものことがあったら、2人にバレない程度に解決してあげてね。あの2人は止めても止めても、止まらないタイプだから」

「うん。その為にも沢山の漢字を覚えないとね!」

「ふふふ。そうね。何かわからないものがあるなら聞いて頂戴」

「うん!」

 

 お母さんの言葉に元気よく返事をすると自分の部屋に駆け込む

 それから早苗ちゃんが遊びにくるまで漢和辞典で漢字を調べていた。今時の小学一年生のすることじゃないと早苗ちゃんに言われたけれど……まあ、能力に必要だからね




蓮舞「3000弱……」
ど、どうですかね?
蓮舞「文字数を言われてないから俺はなんとも言えないな」(木の棒を捨てる)
(た、助かった…)
蓮舞「それで絢斗と昏御の能力は…」
はい、強いです。2人の能力の違いは素手で直接触れるか、物で触れるかの違いです
蓮舞「今後どうなるんだろうな?」
ははは

ではまた次回!


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第41話 夢華に向かう針

どうもカミユです!
霊歌「今回って一気に時間を飛ばして三途の川に行くところだよね」
そうです。時間的には仮面ライダーディケイドが放映されているので小学5年生くらいです
霊歌「これ以降絢斗達の出番がなさそう」
もしかしたらあるかもしれませんよ
霊歌「決まってないんだ……」

霊歌&カミユ「本編へどうぞ!」


「さて、最近はまた能力を使用した犯罪が増えているようだが、何か対策案を思いつくものはある者は意見を出してくれ」

 

 ある一つの巨大な部屋。その中にいくつもの机によって巨大な長方形が出来ている。そこにペットボトルを置いた各所の地位の高い人間が集まっていた

 そのうちの1人が現在、起こっている犯罪の中でもトップで多い『能力による犯罪』の解決案を募る。能力と一言で言っても沢山ある。空間を操る能力による強盗。当然それを追ったところですぐに逃げられる。しかし、範囲などは様々で個人差があるのは確認されている

 男の問いに静かに手を挙げる人物が1人

 

「私は世間に能力がある事を知ってもらえばいいとおもいます。そうすれば能力を使った犯罪を行えば、周りの人間が気付くので、抑止にはいいと思います」

 

 男が言った事も一つだ。グループで能力犯罪を行うケースが多く、その多くは犯罪の痕跡は一切残されていない

 

「世間が信じてくれるかは分からないが、少なくとも、我々が呼びかければ存在を認知する程度には認めてくれると思います」

 

 そう自分の意見を言うと静かに椅子に腰掛ける

 

「他にある人は」

 

 次の意見を促したらすぐにまた別のところで手を挙げる人がいる。その人は静かに立ち上がる

 

「私は目には目を、歯には歯を。能力者には能力者を、ということで、我々が知っている能力に呼びかけるのはどうでしょう」

 

 それだけ言うと静かに椅子に座る

 

「今の所二つの案が出たが、他にある者は居ますか?次の意見が出たら一度決をとります」

 

 二つの意見が出たところで最初案を募った男の秘書らしき女性が次の案が出たら決を採るように言う

 そして、スッと手を挙げる人物。すぐに立ち上がる

 

「私は能力者を人工的に作り出し、能力者を殲滅する案を出す。能力者の殲滅後にこれに関わった能力者を処分する」

 

 その意見に周りの人が一斉に声を上げる

 

「それは人工的に人間を作り出すことだ!それは法に触れている!」

「非合法的行為だ!そんなものはダメに決まっている!」

 

 周りの声が大きくなったところで切り込むように発案者が言い出す

 

「殲滅するくらいしなければ能力犯罪を消すことはできない。能力者という我々とは別の存在と共存すると言う事自体が間違いだ。子供だろうと今後国を危機に追いやる事をするかもしれない。例え、それが1パーセント未満だろうと、な。能力を持っていれば抹殺するべきだ」

 

 男の話に先ほどまで声をあげていた人物たちは黙り、その方法はありえない、と小声で呟いたり、それも視野に入れるべきか?と言っている

 

「では、決をとります。今上がった3つの中でどれがいいか、手をあげてください」

 

 結果は3つ目の案になった

 

「それでは、まずは能力者の素体が必要だ。ちょうどいい奴がいる。まずはそいつを仮死状態にしてから研究室に連れて行こう」

 

 

 

 

 

 〜その日の夜〜

 

「お母さんおやすみ〜」

「おやすみなさい。夢華」

 

 その家にいる誰もが寝静まった頃に夢華の首に毒針が刺さり……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

 ここはどこ?僕は夢華

 目を開いたら知らない場所にいる時にはこの言葉を言うのが当たり前と絢斗君言っていたけど本当かな〜?わけもわからずに言ってみたけど、本当にここは何処?

 見渡す限り、周りは彼岸花が沢山咲いていて綺麗な場所。辺りは薄っすらと霧が出ているのかな?何というか三途の川みたいなところと言えばいいのかな?お母さんが言っていたこととほんとんど同じ

 

「〜!〜〜〜!〜〜〜〜〜!」

 

 周りの様子を見ていたら何処からか女の子の声が聞こえる。ここが何処かわからないし、やることが特になくなっちゃったし、そこに向かうしかないのかな〜。行かなければいけないのは何となくわかるけど行ったら行ったで大変なことになりそうな気がしてならないよ

 

「どうして小町、貴女はすぐに……!」

「すみませんすみません!………映姫様アレ…」

「何ですか?今はこっちに集中しなさい!」

「いや、あの子供の魂」

「子供の魂?」

 

 近づいて行くと次第に声が鮮明に聞こえるようになる。最初は何の話かわからなかったけれど、お説教されていると理解した

 しかも説教されていて正座をしている赤髪ツインテールの女の人は僕に気付いたみたい。そして、その人と向き合っている緑髪ショートヘアの女の子はこちらに向く

 

「あ、え〜と。こんにちは?こんばんは?う〜ん。おはこんばんにちは?」

 

 現在の時刻がよくわからないので挨拶を全て合わせた言葉で挨拶をする

 

「映姫様どうします?連れて行きますか?」

「少し待ってください。あの子供の反応が少し変ですし、何というか本当は死んでいないのに死んでしまっているような」

 

 何の話かはわからないけど、2人は僕を見ながらひそひそ話をする。尚、僕には聞こえている模様

 待って、なんか死んでる死んでないという会話なんだけど……しかもさっきは子供の魂とか言っていたし。この辺りに僕以外に子供は………居ないね。つまり、僕は魂と言っているという事なんだけど

 

「な、え、僕は死んじゃったって事なの?」

「厳密に言えば仮死状態が正しいですが、大方あっているでしょう。現在、夢華さんの肉体は動かないでしょう」

「でも……うーん…どうやったんだろう?何かあればすぐに知らされるようにしたのに。解除しちゃったのかな」

 

 自己紹介とともに今、僕が置かれている状況を四季さんに教えてもらった。仮死状態になっているってことは能力を使っちゃったかな?僕に何かあればキバットが教えてくれるのに

 今後能力を使えなくする物を作らなくちゃ。あ、でも能力で作った物には効力が出ないようにしとかないと

 そして、僕がいるのは三途の川らしい。なんてこったパンナコッタ。四季さんは見た目に違わず閻魔様。死んだ者の魂を天国か地獄かを決める人。嘘をつくと舌を抜かれるなんて言われているけど、そんなことをしそうには見えない。それでさっき怒られていたのが小町さん。三途の河から魂を彼岸まで運ぶ船頭をやっているみたい

 今までの仮面ライダーで幽霊みたいなものはなかったような気がしたな〜。幽霊とかをモチーフにした仮面ライダーって出るかな?

 

「それで夢華さんはまだ死んでいるわけではないので肉体が通常通りの活動をするようになれば戻ることはできます」

「そうなんですか。それまで僕はこれから何をしましょうか」

「それなのですが、少し私と此処をみて回りませんか?三途の河はそう何度も来れるような者ではないですし、いい経験になると思いますよ」

「そう……ですね。そうします。お願いします、四季さん」

「はい」

 

 四季さんの提案に快く頷く。あの世なんて普通なら一度だけ。それが一度戻れる状態で来れたのは幸運だろうね。だったら此処を探検しないではないでしょ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜家で寝ている夢華の体〜

 

 Side レイア

 

 現在の時刻は朝の8時。いつもなら6時には起きていたのに今の時刻になっても顔を出さない。今日は日曜日だから学校はないから問題はないのだが。夫は既に仕事に行ってしまっているので台所にいるのは私のみ

 寝坊だとは思うけれど、心配になったので夢華の部屋の前まで行ってみる

 

「夢華〜。8時だけど起きてる〜?」

 

 ドアを何回かノックしながら呼びかけても返事の声がしない

 声どころか物音1つ立たない。夢華だったら何かしらの動きがあるはず。それが無いということは–––––

 

「夢華!」

 

 すぐに夢華の部屋の中にテレポートする。何かしらの音が無いということは、夢華が部屋に居ないか、何かしらの理由で動けないか……もしくは……

 最悪の可能性を考えてしまった。夢華は自分のベッドの上で横たわって居た。一瞬ただ寝ているだけかと思って息を吐き出そうとしたが、夢華の寝息が全く聞こえないことに気づいた

 

「これは……仮死状態になっているの?………夢華の首に刺さっているのは……針?」

 

 寝息が聞こえ無いことに気づき、夢華に駆け寄る。仰向けにする。本当にただ寝ていると思える顔が映る

 調べて行くうちに何かしらの方法で仮死状態になっていることに気づく。夢華が寝言で能力を使用してしまったのかと思われたが、首に刺さっている針で違うことに気付かされる

 

「針が刺さっている角度からして窓から。しかも約500mからの精密な射撃。昨日は風はなかったから凄腕からすれば簡単でしょうね。つまり、これを行える技量があり、夢華を狙ったということは能力の存在を知っている。そして夢華に能力があることも知っている」

 

 今の状況、敵の規模、敵の技量などを頭の中で整理する。整理すると携帯を取り出し、夫にメールを出す

 魔法陣に一通りの道具を入れ、幻想郷で活動していた服装に変える

 そしてその場にいない私の敵に一言言う

 

「私を狙うならまだ許せる。けど夢華を狙うのは許せない………私から、私たちから大切なものを奪おうとするならそれ相応の報いは受けてもらうわよ!」




霊歌「最初に出てきた人たちって……」
過去編で重要な立ち位置にあります
霊歌「それよりも早く逃げたほうがいいんじゃ……夢華のお母さんが動き出したわよ」
逃げないとここら一帯吹き飛ばすなんて朝飯前ですから

ではまた次回!


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第42話 現世とあの世の温度差

どうもカミユです!
絢斗「前回から夢華はあの世で活動しているんだよな?」
そうです。夢華の性格上恐れたりはしないでしょう
絢斗「夢華はどこへ行こうと楽しもうとするからな」
しばらくは仮面ライダーになる事はしないでしょう
絢斗「マジかよ」

絢斗&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 夢華

 

「うわ〜。すごいな〜死んでいないのに三途の川を探索できるなんて!」

「珍しい経験でしょう。私としては外の世界の方に行ってみたいのですが」

「それじゃあ今から休暇をもらって僕と一緒に来ます?」

「すごい無茶振りを言いますね。そんな急にはできないんですよ」

 

 それは残念。社会は厳しいのかな?

 四季さんに連れられて行ったのは大きな建物だった。広さ的には僕の家よりも大きいかな

 

「それでは夢華さんは漢字や書き取りが得意なのですよね?」

「はい。漢字は漢字検定三級をとりましたから。それ以降はまだですね」

「そうですか。この事務的な仕事を任せてしまうのですが、他に一緒にやってくれる人がいるのでわからないところがあったらその人に聞いてください」

「分かりました!」

 

 一通り話すと四季さんは近くの人と少し話をすると、話している人が僕のところに来た

 それと同時に四季さんはどこかに言ってしまう

 

「君が夢華君かな?俺はリレッド。よろしくね」

「よろしくお願いします!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 映姫

 

「ふぅ……終わりましたか。最近は死者が多いですね。それも能力による死亡が多い……外の世界では何が起こっているのでしょうか」

 

 さっきまでの仕事を終えてからの感想をつぶやく。先ほどの審判は殆どの魂の死因が能力による死亡。中には空間がよじれる現象に巻き込まれるものもあった。また、能力者も居た。能力者同士の交戦があり、それに敗れたのでしょう

 

「まあこういうのは夢華君たちの事務仕事の書類があるでしょうからそちらに向かった方が良いですね」

 

 そう思って事務室に向かう。どれくらい終わっているのだろう?だいたい2時間くらい離れていたのですが、まあ10歳の子供ならば半分終わっていれば良い。漢字や書き取りが得意ということと、真面目そうな雰囲気で大丈夫と判断しました。リレッドも一緒にいるのでわからないところがあれば聞いてくれるでしょう

 色々と考えながらお二人がいる部屋の前まで着く

 試しにドアに耳を当てて中の音を聞いてみようとするがこれといって不自然な音はない

 ガチャとドアを開ける。中は–––––

 

「あれ?また無くなっちゃった。リレッドさん。手伝います」

「あ、ありがとう」

 

 中では夢華君の机には書類が一枚もなく、かわりにリレッドの机には大量の書類がある。先ほどの会話から夢華君の仕事が一通り終わってからやることがなくなりリレッドの仕事を手伝うことになったのだろうか。近くにある書類を手に取ると綺麗な字で要点をちゃんと捉えている箇条書き。確かざっと1000枚はあったはずなのですが

 

「あ、四季さん来てたんですか。少し待ってください。あとちょっとで終わるので」

 

 そう言いながらもこちらを見ながら手をありえない速さで動かす夢華君

 有言実行をした夢華君は10秒ほどで一枚を終える

 

「お疲れ様です。なんか能力が原因で亡くなった人多いようですね。だいたいが能力者同士の交戦中に偶然立ち会ってしまったとか」

「それのことを聞きに来ました。それで話を聞いても良いですか?」

「そうだろうと思って別の紙に書いておきました。確かここに挟んであったような…………えーと……あーありました。これです」

「ありがとうございます」

 

 夢華君は書類を書いておきながらも別の紙にそれをまとめておいた紙を書いているとは…………すごく優秀ですね。それも見やすく分けられていて、能力持ちと能力無しのを分けてある

 …………ずっとここで働いて欲しい……と一瞬考えてしまうが、それはいけない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side レイア

 

「まずは家の周りに結界を張り巡らせることから始めないといけないわね」

 

 家を出る前に結界を家の出入りできる場所に少しでも触ったり接近した瞬間に私に知らせるようなものをくまなく張る。それでも夢華を狙い撃ちできるような連中なので魔法などの知識があることを想定して能力で私の携帯に連携する監視カメラを結界の近くに設置する。電気は私の魔力に変えているので電気代がバカになることはない

 それと夢華の部屋の中と外に敵が入って来た時ように迎撃魔術と、居間に瞬間移動する際に使う魔法陣を設置する

 

「まずは狙撃場所からね。薬莢や痕跡ね。あるとは思えないけど、どうしても消せないものもある。それは過去」

 

 透明魔法を自身にかけ、瞬間移動で狙撃現場に移動する。狙撃の痕跡はやはりない。が、過去を消すことなど不可能に近い。できる者は時間に関する能力者だということがわかる

 

「検索魔法。時間干渉」

 

 時間に干渉しつつ、この場のいかなる過去を自由に見れる様にする

 結果としては現代に住む人にとっては最悪といっても良い存在

 

 国家関係者

 

「これは殺し屋集団ね。それに公安の人間。まあ、関係無く関わった人は倒すけれどね。まずは、そうね。コイツらのアジトにでも行きましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 公安の人間

 

 昨日の狙撃によって能力者のターゲット、上殊 夢華を仮死状態にしたと、依頼した殺し屋集団から報告を受けた

 

「ふむ、あとは仮死状態のターゲットを拉致するだけだな。そろそろ家族が気付いていることだろう。そうなれば病院に侵入すれば良い

 なんともまあ楽な作業よ

 

「さて、そろそろ状況が動き出した頃かな?」

 

 俺が座っている長椅子の向かい側にある長椅子に愉快そうにしながら机に肘をついて方に当てながら聞いてくる

 見た目は黒人と思われ、高身長の美形な肌の黒い男。日本語が流暢でとても外人とは思えない

 

「そうだ。もうそろそろ家族が気付いくことだろう」

「そうだね。もう気付いているんじゃないかな?でもまあ君が思っている通りに動くとは限らないけどね」

「どういうことだ?」

「そもそも能力の有無は親の遺伝子とかが強く反映されるんだよ?まあ能力を持っていない親同士の間の子供が能力を持っているなんてことは稀にあるんだけどね?そんな稀なことがない限りは親も能力を持っていることを想定するのは普通だよね?」

 

 そんなものはしてある。だから上殊家に監視をつけている。先ほど部下から父親が出勤したと連絡を受けたが、母親はまだだ

 

「それでこっそり私が見に行ってみたけどあれはヤバイね。まず、ターゲットの夢華君は部屋に放置しているね。そしていたるところに迎撃用の魔法陣に監視カメラ。それを近くでやるにしても私と同じくらいの魔力量が必要になるね。それを遠隔操作しながらでも維持できる。しかも狙撃場所に透明になって操作しているし。はっきり言って私が戦っても勝てる勝算が全くない。これは選択ミスとしか言えないかな〜?」

「お前がそこまで言うなら本当なんだろうな。神話生物であるお前が、な」

「どうするの〜?核をいくら積んでも足りないと思うけどな〜?」

 

 フッと笑ってしまう。選択ミスをしてしまったのならそれを巻き返せば良い。人質、恐喝など沢山ある

 

「愚問だな。真っ向から立ち向かうしかないだろう。相手がお前以上ならやり方はあるにはある」

「ほうほうほう。して、そのやり方とは?」

「ここにボタンがあるだろう?」

「あるね。それが?」

「仮死状態にできなかった時様にボタン一つで即効性の毒を仕込んでおいた」

「流石!汚い手!抜かりないね!」

「褒める気がないな」

 

 コイツの性格上から諦めているところはあるが

 相手が攻めて来たのならこれで脅せば良い。透明になる能力者なのか?それとも魔術とかに通じている人物なのか

 目の前に座っているやつと話していると無線機から雑音が鳴り、部下の声が届く

 

『な、何者かの襲撃を受けました!相手は視認できません……どうなって……え…が…う…は…なせ!』

『夢華をやったのはアナタ達ね。それ相応の報いは受けてもらうわよ』

 

 無線機の声の主が首でも掴まれたのかすぐに無線機を奪われてしまう。そこからは女の声が恫喝な声でこちらに敵意をむき出しにして宣戦布告する。それから無線機は破壊されたのか声が届かなくなる

 

「望むところだ」

 

 呟くと同時に建物全体を震わせるほどの爆音が鳴り響く




絢斗「おい、黒人の美形を詳しく言え」
APP18ですが何か?
絢斗「あ…(察し)そいつよりも強いレイアさんヤベェ」
東方キャラで比べると1人で魔界を壊滅できるでしょう
絢斗「メディオダスと同等か」
それは厳しいと思いますよ。夢華なら別だと思いますが
絢斗「ハハッ」

ではまた次回!


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第43話 あの世の戦い

どうもカミユです!
昏御「今回はあの世と現世で戦いを分けていくんだね」
同時にやっても良かったのですが、こちらの方が簡単かと
昏御「まあいいわ。カミユは仮面ライダーは誰が好きなの?」
そうですね。メインはファイズでサブはディエンドですね。メイン、サブを一緒に考えればディエンドが一番好きです
昏御「ふーん」

昏御&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 映姫

 

 私が夢華さんのまとめたプリントを眺めていたらドアから小町が入ってきた

 

「あー小野塚さん。どうしましたか?」

「あたいのことは小町でいいよ。それよりもすごい噂になっているな夢華」

「ほへ?」

 

 夢華さんが間抜けな顔でから返事をする。私も夢華さんが噂になるようなことは知らないし、ここに来るまででそんな話は耳に届いていない

 

「どう言うことですか?」

 

 プリントから視線をあげ、小町に問いかけると、笑いながら楽しそうに話し出す

 

「それがなんでも一度ここにきた奴が夢華を見ちまって、あまりにも作業が早くて驚いたらしいですよ。しかも容姿は可愛いときた。これはこっちも手伝ってもらいたいとあちこちで」

「あー、そういえば一度ここにきた人がいたっけ。確か書類が…………ありました。これですね。えーと、『祭りの開催の必要事項』ですね」

「開催日は一週間後だったはずです」

「それでしたら僕は参加できませんね。あの世の祭りはどんな感じなのかは見て見たかったんですが」

「それは仕方がないことですね。明日には現世に戻っているかもしれないのですから」

 

 残念がる夢華さんに少し悪い気がしますが、事実なので受け止めてもらいましょう。それにしても夢華さんがこっち(あの世)で人気になるとは……たしかに、見た目は女の子みたいで声も幼く、綺麗な紫の髪に澄んだ青い瞳をしているので人気になるのは分かりますが……

 と、考えていると後ろからバタバタッ!ではなく、ドタバタドタバタガラガッシャーンッ!!!!と足音が…………いえ、誰か転びませんでしたか!?

 

「えー!君明日には帰っちゃうのー!?!!??じゃあ帰っちゃう前にこっちの仕事手伝ってよー!」

「それだったらこっちにも!人手が足りないんだ!」

 

 なんでしょうか。ドアを破壊しそうなほどの勢いと人数で10歳ほどの子供に手伝いをこうこの光景は……頭痛がしてきました←最初に夢華に仕事を頼んだ人

 

「それじゃあ書類とかをこっちに持ってきてくださーい」

 

 おう!!!!!!!!!!!!と一度に生きの良い返事が帰り、我先にと自分の持ち場に戻る職員

 

「はあ」

「一応言っておきますがこれは映姫様から始まったことですよ?」

「分かっているから通常よりも頭痛がひどいのです」

 

 力なく肩を落とすしかなかった

 

「えぇ、まさかこうなるとは……」

「これはなんと言うか……もうこのまま働いてもらいます?子供1人の労働で職員の3倍分ほどありますよ」

 

 私の目はおかしくなってしまったのか?私の呟きに小町が同じ反応をするので間違っていないみたいですね。今すぐにベッドに横になりたい気分です

 夢華さんの机の上にはあの世の書類の3分の2は置かれていた。それでもまだ行列ができているほどだ

 大量のそれをさばいている夢華さんの目が少し黒くなっているが、ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリッッッッッ!!!!!!!!と腕が増えていると錯覚するほど早く動いている。本人はなんだかんだで1時間はやっているだろうに疲労の様子が全く見えない

 

「まあ流石にこれ以上はないと願いたいですね。夢華さんが過労死しそうで怖いです」

「いや、魂になっているから死ぬことはないと思いますがね」

 

 さて、どうしようかと考え始めた時に建物全体を揺さぶる程大きな揺れが発生した。今の揺れでその場にいたほとんどの人が転んでしまい、書類が宙に舞うが、いつのまにかまとめられている

 

「四季さん。これはなんですか?」

「(いつのまに)分かりません。外に出てみるしかないかと」

「では行きましょう」

「ここは私の出番だな」

 

 一瞬で私の目の前に移動した夢華さんは現状の把握をしようと動き出そうとするが、それよりも小町の『距離を操る程度の能力』の方が楽だ。小町は軽く鎌を振るうと一瞬で外に移動した

 

「……こ、これは……」

「なんで…………地獄の悪霊が…門番は!?ケルベロスはどう……」

「あっちにえっと、ケルベロス?が居ますよ!」

 

 外の様子は悲惨なことになっている。揺れが起きてからそれほど時間が経っていないのに地獄の門が開いており、そこから無数の悪霊が飛び出している。視界には速くも破壊された建物を見えます

 その光景を見てから原因はなんなのかと地獄の門番であるケルベロスに聞こうとするが、見当たらない。そこに夢華さんの声で少し離れた岩陰にケルベロスが横になって倒れていた。駆け寄って診てみるが、まだ死んではおらず、瀕死状態だ。速く適切な処置をしないと死んでしまう

 

「2人はケルベロスを運んでください。僕はあの悪霊たちの相手をします」

「は!?そんなことは無理だ!夢華だけじゃあどうやっても太刀打ちできない!それにここで死ぬような事と同じことになったら戻れなくなるぞ!」

「大丈夫ですよ。僕は死にません」

 

 そう言うと夢華さんは何処からともなく銃の形をした青い……物体を取り出して、一枚のカードを取り出す

 

「変身!」

 

 カードを銃に入れ、空に向けて発砲すると電子音がなり、夢華さんの姿が変わる

 

「まずは数を減らさなくちゃ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーん…………多過ぎないかな?もしかして地獄にいる全員が出てきているなんてことはないよね?仮面ライダーでも対処するのはきついかな」

 

 夢華は地獄の中に入り、仮面ライダーディエンドの状態でカードを駆使し、入ってから一体も霊を通さない状態を保っていた

 しかし、それは一時的なもので相手も反撃してくる。それを対処できるかはわからない。ならばやる事はある。ディエンドでできることが

 

「まずは守りを固めて、それから数を増やしていく。まずは遠距離から攻めていく…………となると、デルタ、サイガ、ギャレン、響鬼、クロックアップできるカブト達と、アクセルモードのファイズもある。とりあえず高火力と手数でやっていかなくちゃ」

 

 夢華はBLASTで、ディエンドドライバーの銃口が一時的に分身し、一度に発射できる弾の数を増やしてホーミング機能がつき、その少しの間に呟いたライダーのカードをディエンドドライバーに入れて、引き金を引く。すると、デルタ、サイガ、ギャレン、響鬼、仮面ライダーカブトのライダー全員、ファイズを一度に呼び出す

 

「こっからは耐久戦。頭数を維持続けるにはディエンドの返信を解除しちゃいけない。クロスアタックを使う?それはまだ早いから、イリュージョンでブラストのコンボかな」

 

 他のライダーを呼び出したことで少しは楽になったが、霊の数が多すぎる。はっきり言って夢華が能力を使えばすぐなのだが、ディエンドに変身したことで、一時的に能力の使用ができなくなっている

 夢華の視界には少なくとも千は超えるほどの霊が全力で向かってくる。それをライダーが押しとどめている状態でいつ消えてしまうのか分からない。クロックアップしているカブトのライダーとアクセルフォームで高速移動しているファイズがすごい速さで霊を倒しているのが現状。その取りこぼしをデルタとサイガ、ギャレン、響鬼が倒している

 それでも少しまだ足りないと感じている夢華はディエンド(自分)が6人に分身するILLUSIONと、先ほど使用したBLASTを使う

 

「さて、ここまで来ればあとは前に出て出どころを叩けばこっちの勝ちかな?」

 

 そう思い、夢華は前に歩き出すと、ライダーが一斉に消失する

 

「え!?もしかして時間切れ!?それともやられた?」

 

 夢華がライダー達が消失するところを見る。やった本人はどこにいるのか辺りを見回すが見当たらない

 

「どこ?」




昏御「やっぱりディエンドが出てきたか」
いえ、相手の数が多ければまずはこちらの頭数を増やしてからの方がいいと思いまして。本編ではまだディケイドまでなので一番効率が良さそうなのがディエンドなのでこうなりました
昏御「へー、ふーん」
(なんだその反応は)

ではまた次回!


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第44話 この世の戦い

どうもカミユです!
蓮舞「最近お前鼻水とかくしゃみがすごいがどうした」
風邪気味なのですかね?分かりませんが、もしかしたら花粉かも
蓮舞「花粉は辛い」
花粉は辛いです
蓮舞「さて、と。今回はこの世だからレイアさんか」
そうです。夢華を仮死状態にして持っていくと考えるほどの人間ですから今回で男の異常さがわかるかもしれません

蓮舞&カミユ「本編へどうぞ」


 Side レイア

 

 …………色々と破壊し回っているのに相手の出方があまりない。銃を構えて撃ってくる人くらいでそのほかが無い。何か仕掛けでもあるのか……

 と、夢華を仮死状態にした連中のアジトに殴り込みしている。透明化しているので撮影されることは無いと思う。一応、これが終わった後に魔法で記録を消しておく。場所は隣の県の塀で囲まれている洋館。外見は3階建てで、貴族が住んでいるような外見をしている。侵入の際には呼び鈴は使用せずに整えられた中庭へ不法侵入して、扉を火球でノックしながら入る

 

「相手の場所はこの先の階段を登って、三回の奥の部屋ね。それにしても、サーモグラフィーだったかしら。あの熱を見ることのできる物。現代は便利な世界になったわね。だから幻想郷ができたとも言えるけれど」

 

 独り言を呟きながら透明化しながら三階まで階段を二段飛びしながら着くと、相手のいるであろう奥の部屋の前に色黒の高身長の顔が整っていて、モデルに向いているほどの人物が立っている。ここで黄色い悲鳴を上げないのは、あの扉の前にいるということは私の敵であるということ。違ったら何もせずに進むが。そして次は、圧倒的な魔力量。さっきは"人"物と言ったが、あれは人なのか?

 

「やあー初めまして、上殊 レイアさん。私は……言わなくてもいいか」

「あら?私が見えているみたいね。初めましてであるとは思うわよ。貴方は私が透明化していることに気づいているあたり、魔術とか魔法を知っている側の人間ね」

「そうだね。私はそろそろここから離れることにするよ。貴方の攻撃に巻き込まれたくはないからね」

「そう」

「今度お茶でもどう?」

「こんな状況なのにお茶に誘うなんてね。悪いけれど私は既婚者なの。浮気はできないわね」

「それは残念。まあ頑張ってね。貴方の人生は何かと大変そうだし」

「それはどうも」

 

 私たちはすれ違うと立ち止まりながら話す。お互い、攻撃されたらいつでも行動できるように身構えている。そんなことはなかったけれどね

 そしてあっちが歩き出した。なんとなく片手を挙げていると思う。後ろを向くと既にその姿はなく、静かな空気が漂っている

 

「さて、ここね」

 

 私の敵がいる部屋の扉の前で立ち止まると一度深呼吸する

 貴方の人生は何かと大変そうだし、とさっきの人物?の言葉が耳から離れないが、無理やり頭から追い出して火球を出し、目の前の扉を破壊する

 

 ドンッ!とボンッ!という扉が爆ぜる音と破壊される音が洋館一帯に鳴り響く

 3階奥の部屋には黒いスーツに身を包んでいる高身長の男が佇んでいる。男の手には黒い手袋をつけており、右手には何やら赤いボタンが付いている手のひらサイズの筒状の物体が握られている

 

「よく来たな。何ともまあ破壊し回ってくれたものだ。おかげで風通しが良いぞ」

「それはどうも。貴方が持っているその物体は?」

「対象……お前の子供のアラだの中に入っている毒を一気に促進させる為のボタンだ」

「………………私に何を望むの?」

「話が早くて助かる」

 

 ハハッと笑うと左のズボンのポケットからビーカーに液体が入ったものを取り出す。多分あれが毒の解毒薬と言ったところね

 

「まあ予想はできるだろうが、これは対象の毒を消す解毒薬だ」

 

 勿体つけるように軽く解毒薬が入っているビーカーを振る

 

「さて、対象を仮死状態にした理由としては、今多発している超能力を使用した犯罪だ」

「それは私も知っているわ。私が知っている中で一番新しいのは空間を操った強盗ね。時々すれ違ったら交番まで催眠を使ったりしていたわね」

「協力に感謝するよ」

 

 最後の一言はどこか引っかかりがあった。2つの獲物がかかったが、片方は狙っていたものではないようなそんな感じの言葉。本人からすれば2つの意味があったのだろう

 男の口から言葉が発せられた瞬間に、ズドンッ!という銃声とともに私の体が反射的に動いた。それにより、本来は頭部にあたって即死であろう銃弾が男の背後にあるガラスに当たるが、ガラスは破壊されない。強化ガラスだろうか

 

「交渉する気がなかったととっても構わないわよね?」

「当然だ。被験体は多いほうがいいからな」

 

 それと同時に魔導書を取り出して背後に気を配りながら男に接近する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 現在レイアと公安の男の部屋には先ほどまで、大柄な黒人が座っていた長いソファーとソファーと同じくらい長さの長方形の机と男が使っている事務机。企業の社長が使っていそうな部屋だ

 男は長い長方形の机の前に立っている

 レイアは男と距離2m程前に憤怒の表情で睨んでいる

 

 先に動いたのは男だ。右手に持っている解毒薬の入ったビーカーをおもむろに右に向けて投げた

 レイアの目的は目の前の男と愛する息子を仮死状態にするのに加担した人をくまなく後悔させることだが、同時に夢華を助け出すことも含まれている

 目的を達するために必要なものが宙に浮いたのを見ると同時に脱兎のごとく動き、ビーカーをつかみ取ろうと手を伸ばす

 が、それを予期していないはずもない男は懐から手慣れた調子でS&W M19を取り出して、早撃ちをする

 

「っ!」

「だろうな」

 

 M19の銃弾を体をひねり余裕な様子で回避して、ビーカーを掴み取る

 M19を両手で撃った男は左手をズボンの左ポケットに突っ込み、中に入っているボタンを躊躇なく押す

 それと同時にレイアの手にしているビーカーが爆発する

 

「こんなものか?」

 

 男は適当な調子でいうが、目は油断なく爆発した場所を捉えている

 

「ケホケホっ…………爆発するものなんてあったかしら」

「ふむ、やはりこんなものでは死んでくれないのか。こちらとしてはさっさと目的を達成したいのだが」

「それは無理な相談ね(家に仕掛けてあるトラップが全く反応を示さない。と言うことは私が死ぬまでは突入しない感じなのかしら)」

(M19の弾速を躱すか。ならばアイツに教わったアレを使うしかないのか。アイツの掌の上みたいで癪だが)

 

 公安の男が少し目を細めると、グジュリ…と音を立てて男の手袋の形が変わった

『ソレ』は先ほどまで黒色だったが形を変えると虹色の輝きを出し、先ほどまで部屋の空気は悪くはなかったが、急激に悪くなる。『ソレ』からテケリ・リと声のような、鳴き声のようなものを発した

 

『ソレ』を見たレイアはすぐに何か検討がついた

 

「まさかソレって『ショゴス』!?じゃあさっきの男は……」

「これも知っているのか。お前も『こちら側』ということか」

「なんで貴方が……」

 

 ソレの正体がショゴスだということを知るとレイアは絶句する。それを見た男は目元を少し緩めて少し苦しそうに話す

 

「なんの超常を持たない人間が超常を持っている者達に勝つことは容易ではない。色々な策を立てようが、それを意に介さずに根底から覆してくる事なんてザラだ。ならばこちらも超能力という超常に頼らずに、それ以外からかき集める」

 

 男は子供に言い聞かせるようにレイアにいう。反論されるのは嫌なのかどんどん言っていく

 だが、レイアはそれに賛同できない様子だ。肩を震わせてワナワナとしている

 

「だとしても!」

 

 男の言葉を遮るように、感情的にレイアは叫ぶ

 

「だとしても、神話の生物に手を伸ばしてはダメなの!貴方は、超能力者を倒すと同時に身を滅ぼすか、その前に身を滅ぼす結果しかないわ!そんな破滅しかない結末に納得できるの!?」

「できる。あいにくと俺はそれしか目的がないからな」

 

 レイアの感情が嫌という程こもった訴えに、男は即答で返した

 最後の言葉に家族はいないのだろうとレイアは察してしまう

 

「…………」

 

 一度レイアは目を閉じて深呼吸をして気持ちを落ち着かせる。そして、目を開き、口を開く

 

「貴方の信念はわかったわ。確かに最近の能力が使われた犯罪は目に余るところが多いことは確かね。それを抑制しようとする貴方は立派だと思う。でも、思想が立派でもやり方が間違っている」

「そうか。まあ理解されることはないだろうとは思ってはいたさ。お前にいうのが初めてだったがな」

 

 レイアは真っ直ぐ公安の男を見、そして、大きな声で宣言する

 

「間違えたやり方の中に私の家族や、友達が含まれているなら私が出向く。どんなことがあろうと!そして、ここで宣言することが1つ目的が増えたわ!」

「それは?」

「あんたの逸れすぎた行為をここで止める!」




蓮舞「SAN値チェックしようか」
へ?うわっ……いつのまにかダイスが……
蓮舞「取り敢えずお前のSAN値はもともと低いな。まあ振るだけふれ」
コロコロ…あ、成功です
蓮舞「チッ」
(舌打ちされた)あ、次回はあの世です

ではまた次回!


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第45話 あの世の戦い(決着)

どうもカミユです!
霊歌「いよいよ過去編も終わって行くわね」
えーと……あと3話ほどでしょうか
霊歌「その後はオリジナル異変…か」
ははは…ちゃんとできるか自信ないですね

霊歌&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 夢華

 

「これは……いやいや、早すぎるでしょ。クロックアップしたカブトたちでも一瞬で倒せるとか。ディエンドでも無理そうかな?」

 

 僕が変身を解除するとともに頭上に何か硬いものが通り過ぎる風を切るような音が聞こえる

 

「岩を投げてきた?早すぎて対象を見ることができないね。じゃあハイパークロックアップなら間に合うかな?」

 

 僕は飛んでくる岩をかわしながら何処からともなく飛んでくるカブトゼクターとハイパーカブトゼクターを同時に使用してハイパーカブトに変身する

 と、ともにハイパークロックアップで相手と同じ早さで動く

 

「流石に時間を飛び越えるみたいな事はしないけど……この人は…」

 

 僕の目の前には黒い瘴気を見にまとう様になっている赤い1人をした男性がゆっくりとこちらを見る

 

「貴方は……」

「お前は……いや、君か。君も死んだ身のようだが、どうして我々の邪魔をする?」

「え?僕は仮死状態だからまだちゃんと死んではいないみたいだよ。邪魔をする理由はこっち側に被害があるからだよ」

 

 しわがれたような、掠れたような声で低く声を発する

 我々の邪魔って事は蘇ろうとしているのかな?

 

「我々のなかで蘇りたいものだけ蘇るだけだ。現世に未練があるだけだ。邪魔はしないでくれ」

「貴方はどうして地獄に落ちたのですか?」

「我は主君を守るために邪魔をするものを斬り捨てて行った。命じられ場こなすだけだった。それだけなのだ。それでも我にとってはなによりも必要な事だ。ただあの方に仕えていたいだけなのに……死刑判決を下され、地獄に落ちた!」

「その人に命じられたことの中にやってはいけないことがあった、ということですよ」

 

 僕は淡々と答える。斬り捨てるということから恐らく刀を使ってくるだろう。けど僕は使えないから使えないなりに動かなければならない

 だから戦闘態勢に入る

 

「貴方は一度自分の罪を洗い流してから生まれ直し、またその人に出会えるように願ってください」

「話は通じぬか。ならば君を倒して先に行くだけだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハイパーカブトの夢華と黒い瘴気を纏っている赤目の男が地獄のなかで、傍目から見たら2人の姿は目に終えずに戦闘音が遅れて聞こえてくるほどの速さで戦っている

 

「クッ……(なんだこの少年は……!戦闘経験が豊富でこちらの攻撃を危なげなく躱すだけでなく冷静に攻撃してくる!)」

「はあ!」

 

 赤目の男は夢華の拳を身をそらして躱すと両手に持っている小太刀を回転するように夢華に攻撃しながら距離を取る。前世では剣の達人であろう美しい動きに夢華は一瞬動きが止まる

 

(この人に勝つには隙を突くだけじゃなくて、確実に重い一撃を入れないと長丁場になっちゃう。でもこれ以上のスピードだと僕が制御できない)

(どちらとも決定打がないままに小康状態が続いている。こちらはこれでトップスピードだが……霊体でなければ確実に体を壊している速さだ。これに対応できるとは…)

 

 2人が現状での打開策を模索していると男のそばに巨大な岩が出現する。手当たり次第にやっているのか夢華の近くにも岩が出現する

 

「これは…」

 

 夢華が周りを見渡すと遠くに小町の姿が見える

 

「夢華!やってやれ!」

 

 クロックアップ状態の2人からはひどく遅く聞こえるが、それでも夢華には小町の言っていることが理解できた

 それと同時にこの岩は小町が能力でやったことだということも理解した

 だからこの小町からの援護を利用する

 

「はあああああああ!!!!」

「なっ!」

 

 小町が移動させた岩を男に向かって無闇矢鱈に破片を飛ばすように殴り続ける

 その行動に男は驚きの声を出して破片を回避し続ける

 

「まだまだだ。こんなもの慣れて仕舞えばどうと追うことはない」

 

 男は破片を回避していきながら少しづつ確実に夢華に回避して行く

 そして夢華のものにたどり着く

 

「黄泉の太刀 深淵の舞」

 

 男は小太刀を舞うようにして夢華を斬っていく

 

「が……ゲホッ……」

 

 最後に蹴りをくらい後ろに飛ばされて地面を転がる。その時に変身が解かれる

 

「マズイ……変身が……」

「これでおしまいだ!」

 

 夢華は倒れながら必死に起き上がろうとする。が、それを許さない男はハイパークロックアップと同等の速さで夢華に接近し、小太刀が夢華の首を的確に捉える

 

「なに!」

 

 男の小太刀は風を切る音とともに空を切る。夢華がいつのまにか移動していた。しかしそれがどこかわからない

 周りを見渡すと地獄の出口のところに小町の横で倒れたままの夢華が居る。小町が夢華を距離を操って移動させたのだ

 

「大丈夫かい、夢華。その傷はすぐに治療しないとだけど……」

「それを…許してくれるかどうかですね」

 

 夢華は自力だ立ち上がり、頭の中で男に勝つ方法を模索し始める

 

(魔法を使う?できないことはない。能力を使う?5回だけで倒せるかどうか……なら、能力と魔法を同時に使う…………それしかないか)

「夢華?」

「小町さん。今から僕は少し無茶をすると思います。だから回収してください」

「え?ちょっと…」

 

 小町の言葉を一切聞かずに魔法陣から魔道書を取り出す。そしてある一ページを一回で開く

 

「高速移動。一撃連打。身体強化。打撃強化。効果増幅。効果永続」

 

 目を閉じて呟くように言葉を発して、最後の言葉を言い切ると同時に目を開く。と、体に炎が巻き起こり、左目が真っ黒になっている

 

「なんて魔力量だい。地獄全体が揺れている……」

 

 まだちゃんと魔法を制御できていない夢華は漏出する魔力の量が多すぎて地獄全体を揺らすほどに出て行ってしまっている

 夢華はユラっと一歩前に出しを踏み出す

 

「行ってきます」

 

 一言言うと、夢華の姿は小町の隣にはなく、代わりに激しい連打音とともに男が背後に吹き飛ばされた

 

 男からすれば一瞬で目の前に出現した夢華に反応できずにそのまま一撃を腹部に食らったことだろう。しかもその一撃は夢華の細い体からは予想できないほど重く、さらにその一撃が同じところに何度も叩きつけるように衝撃が体に伝わっている

 

(な……なんだ、この尋常ならざる一撃は……魔力で補強しているだけでなくその他のものも加算されているようだ)

「炎魔法 爆熱大車輪!炎の鳥!」

 

 夢華は男を吹き飛ばすと、夢華の身長大の炎でできた車輪と、雀サイズの炎の鳥を無数に魔法陣から出す

 これには男も驚いた様子で小太刀を構える

 

「炎魔法 炎の糸」

 

 指先から一本ずつ糸を炎でできた車輪に飛ばして接続する

 

「そ〜れ!」

「!?!?」

 

 夢華は腕を適当に振り回して男に当てようとする。車輪の1つが地面にぶつかるだけでそこに巨大なクレーター(若干溶けていて溶岩みたくなっている)ができる

 

「ふっ……はあ……はあ…これは避けようが……次は鳥」

 

 車輪を回避し続けるにも限度があり、暑さで体力が徐々にはまっていく中で逃がさないと行ったような雀さいずの火の鳥が男に殺到する

 

「黄泉の太刀 蓮冥の刃」

 

 腕を体の前でクロスさせるようにして持ち、火の鳥と車輪が自分にぶつかる寸前で太刀に霊力を纏わせ、一気に解き放つ

 車輪と火の鳥は一瞬で吹き飛ばされ、余波が夢華に向かうが、炎の壁で防ぐ

 

「今のを凌ぐんだ……」

「長期戦はダメだとわかったから、本気を出させてもらった。そちらとしてもそろそろ限界なのではないのか」

「バレちゃったか。もって後5分。だから僕の全魔力を使うよ…………!」

 

 夢華は言葉とともに全魔力を解き放つ。魔力の量が多すぎるのか地獄の地面が割れて地震が起こる

 

「亀裂が発生するほどの魔力を持っているとは……妖の類なのではないのか?」

 

 男がそう思うほどの魔力を夢華は姿勢を低くして駆け出す姿勢に入る

 

「炎魔法 炎神の拳!」

 

 夢華の腕が炎と化し急激に巨大化する

 男は小太刀を苦無を持つようにして、右腕を後ろに引き、左腕を前に出すようにして構える

 

「黄泉の太刀 刃桜」

 

 男も自分の持てる全ての霊力を小太刀に集める

 

 夢華の拳が男に向かって行く

 

 男は小太刀を炎の拳に刃を入れる

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!」

 

「はあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

 

 2人の叫び声が聞こえなくなるほどの爆発音が地獄に鳴り響く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 小町

 

 あたいのところまで響く爆発音はしばらく地獄中を揺らしていった。2人が激突したところは土煙が立ち上がっている

 

「おいおい……夢華の奴まさか死んではいないだろうね!?」

 

 現在の夢華は体が仮死状態になったことによってあの世(此処)にきている状態だが、魂が死んでしまえば核のない機械が動かないのと同じように本当に死んでしまう

 

「アレは……」

 

 揺れが収まり、土煙が晴れると夢華が死んだようにピクリとも動かずに倒れている。戦っていた奴はどうなったかはわからないけど消滅したと思う

 倒れた夢華を見て鎌を振り、距離を操ってこちらに移動させる

 

「おい……これは…全身火傷になっている…………急いで治療しないと!」

 

 夢華は全身火傷していて目も当てられない状態になっている。さらに持ち上げてわかったが、腕が通常の向きとは逆に向いていることから腕も折れている

 距離を操り、医療施設に移動させる

 

「にしても……夢華は本当に子供かい?とてもそうには思えなかったが……」




霊歌「結局、夢華の相手の名前ってなんなの?」
それは二話ほど後からですね
霊歌「そうなんだ。夢華のアレ、【炎上モード】みたいなもの?」
アレは【炎上モード】の一歩手前です。この時点では夢華はモードの手がかりは掴んでいるけど完成していないって感じです
霊歌「今の夢華だったらさっきの相手は瞬殺だろうね」
でしょうね

ではまた次回!


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第46話 この世の戦い(決着)

どうもカミユです!
絢斗「あと1話で終わるのか……早いな」
次はもっと長くなると思います
絢斗「次は…………あぁ蓮舞と……」
そうです

絢斗&カミユ「本編へどうぞ!」


「精製魔法……幻影の属刀(イリュージョン・アトリビュート・ソード)

 

 レイアの背後でゆっくりと、少しずつ刀が形作られようとしている

 

「なん……だ……これは……」

「これは私の使う武器の中で最も強い刀。これが出来上がれば魔界の神様だって簡単に倒せるわ」

 

 魔界の神様、という単語を聞いた男は弾けるようにレイアに向かって駆け出す。ショゴスを散弾銃のように発射する

 

「ショゴスに触れるとどんなことが起きるか……想像しただけで寒気がするわね。変換魔法」

 

 レイアは幻影の属刀(イリュージョン・アトリビュート・ソード)が完成するまで持ちこたえれば良い。しかし、目的のものが完成するまでに時間がかかりすぎるのと、現在進行形で魔力が底をつくように消費して行く。なので魔力の消費が比較的少ない変換魔法を使用する

 変換魔法によって散弾銃のようになって迫るショゴスを道を開けるように左右に飛ばす

 

「な……」

「強化魔法」

 

 驚いている男の隙をついてショゴスが反応できない速度まで己の身体能力を上げ、掌底を下から上に向かって顎に当てる

 男は軽く宙に浮き、掌底により、脳を揺さぶられるがぐらつく視界を無理やりレイアにピントを合わせる

 

「こんな……ところで…………やられるわけにはいかないんだ!」

 

 左右に飛ばされたショゴスはレイアに向かって集まるようにして攻撃する

 レイアはしゃがみ、低い姿勢のままクラウチングスタートするように男に駆け出し、溝に蹴りを入れる

 

「ガ…………なんだ……この強さは……」

「諦めなさい。貴方では私に勝てないわ」

「ふざけるな……まだ手段はある」

 

 悪役のセリフを吐き捨て、男は何かブツブツと呟く。呟き終わると肉体の体積が大きくなる

 

「体に負担をかけて筋力をあげた……。でも、それをすると」

「あぁ分かっている……この後俺は立ち上がれないほど体の負担がかかるだろう…………だがお前を倒すくらいには持ちそうだ」

 

 レイアの背後にいるショゴスを手元に戻して銃の形にする

 

 銃声とともに、ショゴスが発射されるが、それと同時にレイアの手に一振りの無色の一振りの刀が収まっていた

 

「完成したわ」

 

 レイアは迫るショゴスを真横に飛ばすようにして振るう

 ショゴスは壁にぶつかって動かなくなった

 

「ショゴスが一撃!?」

「属性・地」

 

 幻影の属刀(イリュージョン・アトリビュート・ソード)に魔力を込めながら床に突き刺すとこの建物を囲う塀の内側のみに大地震が起き、建物が陥没して大きな穴が開く

 

「地殻変動……な…………あれは……水の網か?」

「属性変更・水、雷」

 

 建物が崩れ落ちていく中で底の方に水の網が掛けられ、さらに底には水がたまっていて、落ちた建物が水しぶきを上げている

 

「水に電撃は通りやすいわよね?」

「まさか……」

 

 幻影の属刀を底の方に向けてレイアは魔力を込めて電気を飛ばす。男が水の網にかかるのと、電気が水の網にかかるのが同時になり……

 

「うわあああああああああああ!!!!!」

 

 バチバチバチッ!!!と男の全身に電気が駆け巡る

 

「さて、後は解毒薬を取り上げるだけね……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side レイア

 

 公安の人間がいた洋館を破壊した後は、透明魔法を使い、足跡や毛などの痕跡を残さず(残っていたものは消去)にその場を去る。同然夢華を仮死状態にしている毒と、ボタン1つで毒が回るものも一緒に持つ。違うものかもしれないので他のものも持って行き、帰ったらゆっくり成分を分析する

 衛星に観測され、解析などをされるのはめんどくさいので透明魔法に瞬間移動して帰ろうとする……が、現実はそうも甘くはない

 

「やあ、さっきぶりだね」

「あら、どうしたのかしら」

 

 先程消えたモデルに向いている顔の色黒の男が私が開けた大穴の縁でこちらを覗き込んでいた

 

「いやーすごい音がしたので心配になって見に来たらこのザマだよ。貴女が持っているその刀……あぁ〜消えちゃったか。それって『指定した属性を扱うことのできる』物でしょ?」

「よく知っているわね。そうよ。今、貴方と戦うのは避けたいわ。だからそこをどいて欲しいのだけど?」

「良いよ。早く息子さんを助けるさ。後でその息子さんに報復なんてことは絶対に避けたいからね」

「貴方とは2度と会いたくないわ」

「私は何度も会いたいね」

 

 男の軽口を聞き流して瞬間移動で家に帰る

 

 夢華は何もされてないように、私が家を出てから全く変わっていない。窓や、迎撃魔法その他に反応はない

 

「これは違う……これも違う……これも……これも……これ……とこれね」

 

 持ち帰った薬を全て調べる。最後の2つが夢華に使うものだと知る。他のものは実験に使うものや、能力を消すようなものだ。能力を消すといってもまだ未完成なのか弱くする程度のものだった

 

「夢華……」

 

 属刀の召喚とその他の魔法の使用で私の魔力はほとんど無い。魅魔と本気で戦って以来こんな事はなかったはずなんだけど……

 夢華のベッドに倒れこむ形で意識を手放しそうになる。最後の力を振り絞り夢華の口に2種類の解毒薬を飲ませると同時に私の意識は途絶えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

「う……うーん…………おばあちゃんがいっていたような…無いような………………キバって行くぜー………………変身!」

 

 なんかものすごくカオスな夢を見たような気がする。確か仮面ライダー大戦が勃発していたような…………夢だよね?とりあえず目を覚ましてから気がついた事は消毒液の匂いとかが充満している。病院かなと思いながら全身に痛みが走るような感覚があり、手元に手を移すと包帯が巻かれている。病院確定しました

 

「目を覚ましたかい!?」

「小町さん、どうしました?というか僕何してましたっけ?書類の山をさばいていた事は覚えているのですが……それ以降がちょっと……」

 

 僕の言葉を全く訊いていない小町さんは体を一通り見ると肩に両手を強めに置く。痛いけど声に出すほどでは無いけど表情には出てしまう

 

「……っ痛ぅ」

「すまない!大丈夫かい?」

「あ……はい、大丈夫です」

 

 骨が折れるようなほど痛いわけではなかったのでわりかし大丈夫。今気付いたけど全身に包帯が巻かれていることに気付いたよ。本当に何があったんだろう?

 

「お前さんは炎を纏って瘴気を纏ったやつと戦ったじゃないか」

「そうでしたっけ?あまり覚えていませんね」

「夢華さん!目を覚ましたか!」

 

 デジャヴ二回目。四季さんが部屋に入ってくる。と、同時になんか……こう……あれ……空間の歪み?みたいなのが現れる

 

「何これぇ」

「これは現世の体に繋がるものです。どうやら現世の誰かが仮死状態を解いたようです」

「つまりは……」

「お別れって事だ。まあ次会うときは本当に死んじまったときかな」

「不穏なこと言わないでくださいよ」

 

 ゆっくりと立ち上がり現世の僕の体に戻るためにゆっくりと歩く

 

「四季さん、小町さん。ありがとうございました。他の人にも言っておいてください。次会うときは三途の川ですかね?まあ何年後になるか分かりませんが、また会いましょう」

 

 2人に背を向けて全身に包帯を巻いた状態であの世から現世に向かって歩く




次回は過去編第2章の最後です。絢斗さんは仮面ライダーを視聴するために帰りました

ではまた次回!


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第47話 目覚め

どうもカミユです!
昏御「仮面ライダー!」
仮面ライダー!
昏御「仮面ライダー(観たい)!」
仮面ライダー(圧縮言語を使用しないでください)

昏御&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 夢華

 

 僕は眼を覚ます。今まで僕はなにをやっていたのか覚えてはいないが、何故か全身が焼けたように痛む。気になりそこを見てみるが、なにも怪我らしい怪我はない体をどこかにぶつけすぎたのかと思ったが、お母さんの頭が視界の隅に見える

 

「お母さん?おーいお母さーん。今…………は昼の一時……昼ですよー!起きて下さーい!」

 

 倒れるように僕のベッドの上で眠っているお母さんを起こすために声をかけてみるが全然起きる様子がない。これはしばらくは起きそうにないね。あれ?魔力が妙に少ないような?

 

「あっ!仮面ライダー観なきゃ!ディケイドは最初から最後まで忘れずに朝観るようにしてたのにー!」

 

 全身痛むような感覚を忘れて台所に移動する

 台所のソファに座ってお茶を淹れていつでも観れるようにする。準備は完了!では、いざ、

 

「あれ?なにこの紙」

 

 リモコンに手を伸ばすとリモコンに被さるように置かれている紙に目が止まる。手にとって中を見ると、こんなことが書かれていた

 

『上殊 夢華さんへ

 

 この紙を見ているということは無事に戻ってこられたようですね

 まず、我々が本来解決する出来事を代わりにしてくださりありがどうございます。お陰で怪我人は少なく、死者は出ておりません。現在復興中です

 夢華さんが倒してくれた瘴気を纏った人物は束帯 廉銘(そくた れんめい)というものです。詳しいことは諸事情により書くことはできません

 

 我々あの世のものは、夢華さんが遅くこちらに来ることを切に願っております。健康に気をつけて末長く幸せに生きてください

 

 四季 映姫より』

 

 四季 映姫……四季 映姫…………あ!思い出した!

 

「じゃあ僕は本当にあの世に行ったんだ。お母さんが倒れたのは仮死状態の僕を助けるために?」

 

 一つの情報で色々とつながっていく

 

「これはみんなに知らせないと!」

 

 仮面ライダーのことは忘れて守谷神社まで走って行く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「公安がやられた…………か」

「能力者を捕まえるために動いた結果がこれか…………」

「失敗してしまったもの仕方がない。次はどうするか」

「私から良い案がある」

「言ってみろ」

 

「公安が言っていたクローンの技術を実現できる奴がいる。そいつに任せてはみないか?」

「信用できる奴なのか?」

「できる……と言い切ることはできないが、こちらに利益をもたらすことは確かだ」

「分かった。そいつが要求するものを全て渡せ。解散とする」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

「え!?夢華くんあの世に行ったんですか!?」

「そうなんだよ!凄かったよ!ハイパークロックアップと同じ速さで動くことができる人と戦ったんだけど、カブトがやられちゃったよ」

「ハイパークロックアップと同じ速さで!?その人って過去に移動することとかできたんですか?」

「できなかったみたいだよ。過去に飛ぶことはできないハイパークロックアップって感じだったね」

 

 守谷神社に着いてからは早苗ちゃんとずっとあの世の出来事を話し続けた。早苗ちゃんは最初は信じられないようなことを言っていたけど、神奈子さんと諏訪子さんの補足で信じてくれた。神様ってなんでも知っているよね

 

「臨死体験なんて人生に一度あるかないかのレアな体験だからなぁ。私はしたことがないな」

「神様が臨死体験なんてしたら大騒ぎになるよ。滅多なことは言わないでよ神奈子」

「神様ジョークだよ神様ジョーク。そんなことはそうそうないはずさ諏訪子」

 

 神様2人が縁側に座りながら楽しく談笑していると急に顔が険しくなり、鳥居の方を睨むように見る

 何事かと僕も一緒にその方向を見る。早苗ちゃんも僕につられてそちらを見る

 そこには帽子を深くかぶっている。凄くかっこいい高い身長の人が立っていた。口元はわずかに笑っているように見える

 

「これはこれは……君がレイアさんのご子息ですか?」

「ご子息?」

「子供っていう意味だよ」

「あ、ならそうです」

 

 男の人は少し目を見開いたかと思うと笑い出す

 

「ハッハッハッ!なるほど、レイアさんのご子息なだけある。神を見ることができるなんて」

「え?貴方も見えているの?」

「見えていますよ。ちゃんとね」

 

 男の人は僕の目の前まで近づくと顔を近づけて囁くようにいう

 

「これから大変なことがたくさん起こるかもしれないけれど、それでも今の君でいるように頑張ってね」

「?それってどういうことですか?」

「それは時期にわかるかもね」

 

 言い終わると同時に瞬間移動したのか一瞬で姿が消える

 

「なんだったんでしょうか」

「さあ?」

 

 遠くから絢斗君と昏御ちゃんの声が聞こえる

 

「あ!2人が来たよ!仮面ライダーごっこしよう!」




昏御「過去編終了してから次回はオリジナル異変の開催だね!」
そうなんですが……不安しかないんですよね。ご指摘してくだされば頑張って対処します……はい
昏御「ガンバ!」

ではまた次回!


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第3章 凍結異変〜凍える身体〜
第48話 異変前の準備


どうもカミユです!
夢華「いやーここに来るのは久しぶりだね!」
そうですねー
夢華「今回からオリジナル異変をやるんでしょ?頑張って!」
は、はい!(プレッシャーを無意識にかけて来るスタイルだと……)

夢華&カミユ「本編へどうぞ!」


「ご飯できたわよ〜!ちょっと狼、雨季呼んできて」

「はいはい…………あの人どこにいるんだっけ?人じゃなかった。妖怪だった」

 

 料理係である栞は狼に150年前に博麗の巫女によって封印された妖怪、雨季を呼ぶように言われたが、何をするかわからない雨季に狼はどこにいるのか(雨季が来てから三ヶ月は経った)皆目見当がつかない

 

「アァ?雨季だァ?あの女の居所なンて俺が分かるわけねェだろォが」

「使えね(ボソッ」

「ア?なンか言ったか?」

「いや別に?」

 

 アジトの中で探しているうちに狼はバッタリと(性格面で)相性最悪の戦闘狂の新羅と出会ってしまった

 煽り耐性があまりにも低い新羅に狼は小声で本音を出してしまう。口論になる前に狼がそそくさと離れる

 

「雨季さーん。何処ー?見当たらない…………前は風呂に入らないのに風呂場に執拗に執着してたし、もしかしたらまた風呂場にいる可能性が……」

 

 前の行動から雨季はジメジメした湿気の多い場所に好んで居る事が多いと知っている狼(その他は栞だけ)は風呂場に行ってみるが人影がない

 

「居ない……だと……。諦めるか(即決)。ここには居ない。いや、ここのアジトには居ない。となると後は烈っさんと奏蘭さんか。烈っさんは能力が安定してきたから後ちょっととして、奏蘭さんは何処だろう?自室で読書かな…………斬られそう。パス」

 

 奏蘭を一言で言うなら読書中である時に話しかけると斬られる。危険人物

 

「烈っさん!ご飯ですよー」

「あぁ」

「烈っさんやっと能力の調整ができるようになったんですね」

「分かるのか?」

「何年烈っさんと居ると思っているんですか!6年は居ますね」

「そんなに経つのか」

 

 狼の呼びかけに自室の扉をあけて姿をあらわす身長180cm超えの男、烈魔。烈魔の雰囲気から5年も時間をかけて能力の制御を終わらせたことを看破する狼

 

「早く食べましょう?雨季さんが何処にいるか分からないのですが」

「雨季だったら天井裏に居るぞ?」

「………………」

 

 脳に雨季のいる場所リストに天井裏を追加する狼。気苦労が絶えない苦労人

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 狼

 

 mgmg。うん、やっぱり栞さんのご飯は美味しい。この鮭の塩焼きがヤバイ。細かくしてからご飯にかけてお茶漬けの元をかけてお茶を注いで完成。これは美味い。ところでお茶漬けにお茶をかける人とお湯をかける人がいるけど違いってあるのかな?俺はそこまで気にしない

 

「mgmg。そろそろ俺たちも動きますか?具体的に言えば異変を起こすとか」

「パクパク。いいわね。そうしましょう。具体的にはどう行ったものがいいかしらね。あ、醤油取って」

「はい醤油。折角だし烈っさんの能力の性能でも確かめない?」

「良いンじゃねェか?クチャクチャ。俺も見てみたいしなァ」

「口を閉じて食え」

「ア?」

「正論なんだけどなぁ?」

「ほらほら、喧嘩しないの。烈魔さんはそれで良いの?」

「問題はない。後は奏蘭と雨季の意見だが」

「僕は特に」

「私は貴方の能力を見てみたいから良いかしらぁ」

 

 どうやら異変を起こす方向に話がまとまった。俺は基本的には後ろで援護する役が基本だからそこまでは心配していないんだよなぁ

 栞さんはこのチーム(組織?)のまとめ役みたいなもので本当に助かる。特に煽り耐性皆無の戦闘狂の制御には本当に本当に助かっている

 

「外の世界の子供を使う」

「奏蘭さんナイスアイディア!それで行こう!」

「私たちに関係ない人を巻き込むのはねぇ。私としては少し憚れるかしらねぇ」

「結界で隔離されているとしても地続きなんだから関係ないってことはないんじゃないかしらぁ」

「雨季さんの考え方怖い」

「でも補助役は誰がやるのかしら。アレがまだ来ていないし」

「つかあの女はいつになったらくるンだよ」

「さあ」

「さっさとご飯食べて作戦会議でも始めよう」

 

 キングクリムゾン!

 

 そんなわけでご飯を食べ終わってからみんなで集まる

 

「誰を標的にするの?能力があって霊力がそこそこ持っている人が望ましいよね」

「そうね。烈魔さんの能力の性能を知りたいからそれが適切の条件ね」

「あのガキなんか良いンじゃねェか?能力があッて霊力がそこそこある条件が整ッているし」

「あの薄い水色髪の子?」

「アァそうだ」

「どうですか?烈っさん」

「アイツだな?」

 

 俺の能力で標的を探しているとぴったりと条件に合っている子供がいた。標的がいるならさっさとやるのが烈っさんで、手をその子に向けると能力を使用する。子供はいきなり苦しみだす

 その頃雨季さんと奏蘭さんは各々好きなようにしていた。この人たち本当に無関心だな

 

「パパッと「ライス」……今言った人後で迷路行き。ゴホン。パパッと幻想入りさせますか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

 季節は秋。暑くもなく寒くもないちょうど良い季節だと僕は思う。そのかわり短いのが…………ねぇ

 夏に起きた天子の異変(6月くらい)から10月までこれと言って大きな出来事がなかった。夏休みで寺子屋のみんなと太陽の畑に遠足?をしたり、魔理沙と弾幕ごっこをしたり、フランちゃん4人と幻想郷全部使った本気の鬼ごっこをしたり、早苗ちゃんたちと浴衣で夏祭りを満喫したりした。良い思い出になったね

 

「人里を覆う感じになると…………こんなものかな。東西南北と中央に魔法陣…………うん。確かこれで良かったかな」

 

 現在寺子屋の仕事を終えて人里全体に高熱を出すように魔法陣を設置する

 なんでこんなことをやっているのかというと、前の異変の宴会の時に予知夢をしてしまって、その時に人里を中心として幻想郷全域が凍りついたものを観ちゃった。だから事前に備えて置くために今の作業をしている

 

「あら夢華。魔法陣なんて描いちゃって、どうしたのかしら」

「紫さん。それがもうすぐ異変が起こるのでそれを事前に防ごうかと思いまして」

「異変が?未来予知でもしたのかしら」

「前の異変の宴会の時にしまして。予知夢の方があっている気がしますが」

「それで誰がやるの?」

「恐らく外の人だと思います。見た目は僕と同じくらいの背で薄い水色の髪をした男の子です。服が外の世界のものなのでそう思いました」

「規模は?」

「人里を中心に、妖怪の山、太陽の畑、迷いの竹林、魔法の森くらいです。もしかしたらもっとあるかも……」

「そう……」

 

 急にスキマが現れて紫さんが顔を出す。現在行なっている作業の意味を教えると、紫さんが考えるようなそぶりをすると、霊夢に伝えると言ってスキマが閉じてしまった

 

「うーん……よし、明日に再調整するか!」

 

 作業を終えて守谷神社に帰る




夢華「黒幕さんたちすごく軽いね」
…………シリアスなんてありません。あの空間は基本的にはシリアルなんです!
夢華「仮面ライダーの敵組織がこうだったらいいのに」
現実は非情である
夢華「ポルポル君」

ではまた次回!


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第49話 異変開始

どうもカミユです!
絢斗「今回短いみたいだな?」
区切りってやつですよ
絢斗「理由がわからないが?」
はっはっはっ

絢斗&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 狼

 

「さて、もうそろそろピークを迎えることかな?それにしても烈っさんは慎重というべきか、何というか。ゆっくり能力を強化して行くなんて事をするのかな〜。まあ良いや。さっさと異変起こしちゃおうかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side ???

 

「え?何……周りが凍って……ああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

「さて、と。もうそろそろ来る頃だけど……来た来た。まずは設置した魔法陣を起動してっと」

 

 異変解決の宴会で観た未来の通りにタイミングピッタシで例の薄い水色の少年がドライアイスのように白いものを出しながら現れた。ただ、どうやって現れたのかはわからない。急に何もないところから出てきたって感じ

 

「念のために【炎上モード】になっておくかな」

 

 相手が氷もしくは冷凍系の能力を扱うことは知っている。だからそれに有利になる炎の出番になる

 寺子屋の仕事は休ませてもらった。理由を説明すると問題ないと慧音に言われた。というか休みになった。人里の住民をマヨヒガに紫さんが移してくれたから(出来るだけ被害は出さないようにするけど)無茶をしても良い

 

「ねぇ。君調子が悪そうだけど大丈夫?」

 

 僕が聞くと同時に急に霊力が膨れ上がり予知夢の通りに人里が凍りつく

 周りを見るが予知夢のようではなく、凍ってはいるがそこまで被害はない、といったところだ

 

「僕の魔法では君の能力には敵わないようだね」

 

 僕のことを無視するようにおぼつかない足取りで歩いていく少年。方向としては博麗神社の方角だけど目的がわからない

 

「君の目的は知らないけどここを通すわけにはいかないんだよね」

 

 少年の前に立つ

 さっきから一言も喋らないんだけどどうしたんだろ

 僕は視界に入っていないのかそのまま歩みを止めない少年。僕はここを動くわけにはいかないのでぶつかる事になる

 そしてお互いの肩と肩がぶつかる

 

 

 

 ピキィンと音を立てて僕は動けなくなった

 

 

 

 それが僕が凍ったということに気付くのにそこまでかからなかった

 

(あれ?全然溶けない……というか魔導書自体が凍っていて魔力が通じない……なんだっけ?なにかのラノベの世界でこういうのなんだかの反応だっけ?覚えてないな〜)

 

 魔法が使えなくなっていて【炎上モード】でも全く溶けない。そのうちにフラフラと歩いていく

 

(あっちょっと待って!?全く動けない!だれか心読める人来てー!)

 

 心から叫ぶしかできないこの現状に涙を流すがすぐに冷たくなる




絢斗「あれ?夢華が動かなくなったぞ?」
オリ異変だと主人公が無双するよりも、主人公が後から登場〜みたいな展開の方が良いかなと
絢斗「これしばらく夢華の出番がないな。まあ仕方ないな」
次回はオリキャラvs幻想郷住人になります

ではまた次回!


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第50話 行動開始

どうもカミユです!
昏御「主人公動けない状態で異変開始とか」
やってみたいじゃないですか!というかこれ2回目なきが
昏御「気にするな!最近10連ガチャが爆死続きだからって目に光を点さないのはどうかと思うよ?」
貴女にはわからないでしょうね!
昏御「分かりませんねー」
バッサリ斬られた……!

昏御&カミユ「本編へどうぞ!」


  〜人里が凍りつく前の守谷神社〜

 

 Side 早苗

 

「もう〜早苗落ち着きなよ〜。夢華くんなら問題ないって〜」

「まあそう言うな諏訪子。夢華くんの予知夢は外れたことがないからな。とは言えその運命すら変えてしまうのは簡単なわけだが」

「そんなこと言われても私は心配なんですよ!神様の勘なのか分かりませんが、夢華くんに良からぬことが起きると思うんですよ!」

 

 先程から私は神社の境内をそわそわと忙しなく歩いている。神奈子様と諏訪子様は笑いながら心配ないと言っているけれど、朝から夢華くんがピンチになる気がしてならない

 

「心配なら行ってくればいいじゃないか。もしかしたら霊夢も行っているかもしれないしさ」

「そうしたいのですが夢華くんの邪魔にしてしまったらどうしようかと……」

「凄いジレンマだね〜。それにしても今日は晴れかー」

 

 そわそわそわそわ

 それから人里が急に凍りついた

 

「アレは!」

「始まったみたいだね。でも被害が人里だけか」

「夢華くんは他にも被害が広がったって言っていたけど、人里で収まっている。夢華くんが人里でやっていた対策が功を奏したみたいだね」

 

 そう、夢華くんは他にも凍ると言っていた。ここの守谷神社も同じ。でもここまで凍りついた様子はないということは夢華くんの設置型の魔法陣が働いている証拠だろう

 ここまでは順調なのに胸騒ぎは治らない

 

「あー!いてもたっても要られません!人里に行って来ます!」

「え?あぁ分かった。気をつけるんだぞ」

「サポートしてあげてね」

「はい!」

 

 全速力で人里まで飛ぶ

 

「早苗!」

「霊夢さん!」

「早苗も気になるんでしょう?早く人里まで行くわよ!」

「はい!」

 

 途中で霊夢さんと合流する。霊夢さんも私と同じように夢華くんが心配で居ても立っても居られないんでしょう

 霊夢さんと共に人里まで来ると……

 

「え?夢華くん!?」

「ちょっ……夢華がやられるなんて」

 

 人里のほぼ中心部にはヘッドフォンをつけた夢華くんが凍ったまま動かない姿が視界に入る

 

「ウソ!ヘッドフォン付けているから能力使えてない状態じゃない!」

「早く氷を溶かさないと……!」

「待って早苗!」

 

 凍りついた夢華くんをいち早く助けようとするが、霊夢さんに止められる

 

「どうしてですか!?早くしないと夢華くんが……!」

「待ちなさい。迂闊に触ると貴女もそうなるわよ」

 

 霊夢さんが博麗の札を地面に落とす。札は重力に従って地面に広がっている氷の表面に触れた瞬間に、一瞬にして凍ってしまった

 

「分かるでしょ?今の夢華に触ると私たちもこのようになってしまうわ。さらに氷の表面に触れてはいけないし、夢華に強力な弾幕があたりでもすれば粉々に砕けてしまう」

「そんな……」

 

 今の夢華くんを助けることはできないなんて……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー。今回は私か〜。まあくじだししょうがないかな」

「チッ!なんでテメェなんだよ」

「くじだからだよ」

「私はまだみたいね〜」

「そういえば1人引いていないような……」

「引きこもっているな」

「あちゃー」

「じゃあ送ってね。場所はそっちに任せるよ」

「はいは〜いっと。それじゃあ転送っと」

 

「どこに転送したんだ?」

「転送じゃないんだけどね。巫女が居る場所だよ。邪魔されると面倒だし」

「博麗の巫女にアイツの能力が効くとは思わないが」

「守谷の巫女には効くのかって?」

「…………そうだ」

「効くんじゃない?奇跡を起こす能力みたいだけど俺たちの中だと栞さんの邪魔をするスキルは俺と並んでいるからね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 霊夢

 

「……!早苗止まって!」

「どうしたんですか霊夢さん」

「誰か来る」

 

 私の勘が止まった方が良いと囁く。止まった瞬間にスゥーと目の前の空間が凍ってしまっている人里から何もない白い空間が現れる。そこは人が3人並んでも問題ないほど広く、奥行きが分かりづらいが少なくとも1メートルはあるだろう

 そこから赤髪に私たちから見て左側に紅魔館のフランみたいにサイドテールになっており、背中くらいまで伸ばしている髪、青紫色の瞳の美人な女性が歩いて来た。服装は赤いワンピースを着ている

 女性は目を細め、親しい子供と接するように微笑みながら私たちの前に止まる

 

「ん〜!ひっっっっっっっさびさに外に来たー!いやー今の季節って秋なのに寒いねー。まあ理由は知っているんだけどね。それにしてもどこでもいいって言ったけど、まさか異変解決組の前にする必要はあるのかなー」

 

 急に現れた女性は勝手に色々と喋るそのおかげでこの人が異変を起こした側の人物であることがわかった

 

「アンタは黒幕側みたいね。さっさと倒して情報をはいてもらうわよ」

「ん〜それは嫌ね〜。それよりも良いの?」

「何がよ」

「下下。炎が吹き出ているわよ」

 

 何言っているの?の言う前に隣の早苗が叫ぶ

 

「え?熱い熱い熱い熱い!!!!なんで炎が!?」

 

 早苗が横で叫ぶので下を見るが炎なんて出ていないしその逆の氷がある。熱いと言うよりも触ってはいないが冷たいだろう

 早苗は宙に浮いたまま足をあたふた動かしていて近くに敵がいなければ大笑いしているほど滑稽だ

 

「…………これはアンタがやったの?」

「ん〜。やっぱり博麗の巫女には効かないか〜。ん?あぁそこの緑の巫女ちゃんが慌てているのは私のせいよ。どうやっているのかは教えませーん。今気づいたけど貴女達ってマリ○兄弟みたいな色しているわねw」

「マ○オって何よ」

 

 コイツに質問をしていけば勝手に情報を落としてくれそうね。このままやっていきたいところだけど、夢華と人里に被害を出した奴が野放しにされるのは避けたいからコイツを倒してさっさと追いかけないと

 それと、コイツの能力は私に効いて早苗に効くってことは干渉系の能力かしら

 

「あー、このままだとあの子がやられちゃうわね。しょうがないかー。悪いけど貴女達の相手をする暇がなくなっちゃったから私は行かせてもらうわー」

「(誰か行った?魔理沙あたりね)それは出来ないわ。しばらく私と遊んでもらうわよ」

「えー。うーん…………援護よろしく!後ろには気をつけてねー」

「えっ!?」

 

 女性は私たちの背後に視線を向けながら言う。まさか仲間が背後から攻撃して来る!?と考えて背後をバッと振り返る

 

「って何もないじゃない!?」

 

 背後には何もいなかった。叫びながら正面を向くと誰もいない

 

「アイツもいない!嵌められた!」

「あれ?炎がなくなりました」

「あ、戻ったのね早苗。諸々のことは向かいながら話して」

「え?あ、はい。分かりました」

 

 相手の能力?術?が解けた早苗が復帰して異変を起こした人物まで2人で飛ぶ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「行ったかー。いやーまさか近くに潜んでいるなんて思わないんだ。あれ?なんか日本語がおかしいな……まさかが必要なかったね。さて、と私は戦闘能力が皆無なんだよね。これはどうしたものか」




昏御「おー、敵組も動き出したねー」
黒幕側が一切行動を起こさない異変をみたいですか?
昏御「それ異変じゃないよね」
そうなんですけどねー
昏御「次回は〜?」
元凶vs異変解決組です

ではまた次回!


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第51話 白黒魔法使い側

どうもカミユです!
蓮舞「異変の規模が小さくないか?」
主人公が頑張ったんですよ
蓮舞「というか夢華の【炎上モード】でも凍ったのに設置した魔法陣が機能するって……」

本編へどうぞ!


 時間を少し戻して霊夢たちが栞と対峙(?)している時

 

 Side 魔理沙

 

「おいおい、こりゃあどうなっているんだ!人里が氷漬けになってるじゃねぇか!でも人里から少しも外が凍ってないな。炎の魔法でも使っているのか?」

 

 博麗神社に行こうと思って最短距離で飛んでいたら急に人里が氷出した。また異変の香りがする。私の嗅覚が訴えているんだぜ

 

「とりあえず現場に向かうか!」

 

 博麗神社から現場に向きを変えようとすると上から斬撃が飛んでくる

 

「うおっ!なんだぜ!?斬撃?妖夢ってことはないと思うが……誰だ?」

 

 次々と落ちてくる斬撃を避けながら人里の方に向かうと、人里から博麗神社に向かって歩く小さな影を見つける

 なんだ?と見ようとするが斬撃はとどまることを知らずに攻撃してくる

 

「チッ!一気に吹き飛ばしてやるぜ!恋符 マスタースパーク!!」

 

 帽子から八卦炉を取り出して大雑把だが斬撃の出どころにマスパをぶっ放すが全然止む気配がない

 どうしたものかと斬撃を避けながら考えていると急に斬撃がやんだ

 

「なんだったんだ?まあ良いか!さっきの影は……真っ直ぐ博麗神社に向かっているな!この異変、私が解決してやるぜ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?奏蘭こんなところで何やっているの?」

「静かに本を読もうとしたが目障りな奴がいたから攻撃していた」

「別にそれは構わないけどくれぐれもバレないでよ?」

「わかっている。次は人が寄り付かなそうな……そうだな、無縁塚にでも行くとする」

「はいはい。今異変起こしているから被害に遭わない様にしておいてね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 魔理沙

 

 謎の斬撃から逃れてきたが、さっきのは一体なんだったんだ?急に止んだんだが目的はなんだったんだ?

 さっきの斬撃は気にはなるが、それは異変が終わってから調べれば良いことか。今は目の前の異変に集中しないと

 

「ん?木が凍っている?これは人里からだな。歩いた場所は凍っている。って事はこの先にいるやつは氷を使うのか。だったら私のマスパで吹き飛ばせば問題ないな!」

 

 人里からここまで直線というわけではなく、蛇行したかの様に歪に木が凍っている。目的はわからないが苦しんでいて近くの木に手を当てながら歩いているって感じにも捉えることができる

 

「とはいえ博麗神社を破壊されるのは勘弁してほしいものだ。私の行く場所が減るのは嫌だからな」

 

 葉が落ちて氷に触れると凍ってしまうのを見て氷には触らないほうがいいとわかり、箒に乗りながら、氷をたどって行く。しばらくすると木に手を当てながら歩く人物を発見する。木に手を当てると急速に手から全方向に氷が張っていく

 

「やっと見つけたぜ!挨拶がわりの恋符 ノンディレクションレーザー!」

 

 先手必勝!相手がこっちに気づいていないうちに能力を知っておく必要がある。だからと言って不意打ちで倒してしまうのは私のポリシーに反するから威力は抑えてあるがな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 魔理沙の放ったレーザーが少年にぶつかる。ノンディレクションレーザーは複数のレーザーが全方位に放たれる。放った直後は収束されており高威力だが、時間が経つにつれて拡散していき威力は下がる

 

「なっ!レーザーが凍った!?」

 

 威力が下がっているレーザーが少年に当たると同時に凍りついた。さらにレーザー全体を凍らせるつもりなのか発射元である魔理沙の方まで急速に凍らせて行く

 

「スペカ解除しないと私まで凍らせるつもりなのか……」

 

 魔理沙は自分の危機に機敏に動き、スペカを解除して少年から距離を取る。レーザーは凍っていた部分までが地面にぶつかって砕ける

 

 急に攻撃されたことに気づいた少年は後ろを向いて魔理沙が箒に乗って空を飛んでいることに小さな悲鳴をあげて先ほどよりも駆け足気味に行動する

 

「あ、待て!」

「く、来るな!」

 

 少年が逃げようとするのを見た魔理沙は箒に乗ったまま少年の方に向かうが、少年は魔理沙が敵に見えて反射的に言葉を放つ。それが合図だったのか少年と魔理沙の間に道を塞ぐほど大きな氷の壁ができる

 

「危ねぇ!これに触ったらスペカだろうが凍るからな。うーむ、これはマスパで吹き飛ばす!」

 

 魔理沙は八卦炉を持ち、マスタースパークを放つ。氷の壁に衝突して、氷の壁が粉々に砕ける。が、マスパはまだ残っておりさっきとあまり変わらない位置にいる少年を巻き込む

 

「え?うわああああああああああああああああああ!!!!!」

 

「あ、やっちまったぜ……まあスペカだし服がちょっと破けてたり擦り傷がある程度だから大丈夫……のはず……」

 

 魔理沙は急いで少年の元まで飛ぶと、急に少年が上半身を起こす

 

「ひっ……おどろ……」

「吹き飛べ!!!」

 

 魔理沙の言葉を遮る様にして氷柱が魔理沙の目の前で作られ、射出される

 

「うおっ!悪かったぜ!だから……」

「はあああああああああ!!!」

 

 魔理沙が謝罪をしながら氷柱を避ける。謝罪が聞こえていないのか少年は次々に氷柱を形成していき魔理沙に射出する

 

「ちっ……一旦上に逃げるか」

 

 魔理沙は攻撃しても意味ないと判断し、上空に逃げる

 

「ったく……アイツは……居ない?どこ行った?」

 

 上空から下を見下ろすが誰もいない。木に隠れていると思ったが探してもどこにもいない

 

「どこに行ったんだ?アイツ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「危ないところだったわー。白黒魔法使いちゃんも早速交戦しちゃうから。私の能力も不自然じゃないくらいに使えたし。このままサポートでいいかなー」




蓮舞「敵側ができることってあまりない感じじゃないか?」
一応ダイス振って決めたんですよ
蓮舞「なんでだよ」
この章では敵側で誰が出ても問題なかったんですが
蓮舞「そうなのか」
次回は霊夢達が魔理沙と合流します

ではまた次回!


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第52話 復活

どうもカミユです!
霊歌「今回は異変解決組(夢華抜き)が異変の犯人と戦うんだよね!」
そうです。どうして【炎上モード】の夢華が凍ったのかが分かります!
霊歌「それならこんな前書きは飛ばすしかないでしょ!」

霊歌&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 霊夢

 

「ちょっと何よあの氷の塊の数は!?」

「あれ魔理沙さんじゃありませんか!?急いで向かわないと!」

 

 黒幕側の女が居なくなってから博麗神社まで早苗と全力で向かっている最中に、博麗神社と人里の間の森の一部からものすごい速さで上に飛ぶ魔理沙を追うように氷の塊が飛ぶのを目撃する

 そして魔理沙のところまで行くと本人はケロっとした様子で首を傾げている

 

「おー霊夢か。そっちも異変解決するために動いてんのか?」

「それが博麗の巫女の仕事だからね」

「霊夢さんってそういう役割はちゃんとやりますよね。それ以外は真面目にやりませんし」

「何よそれ。喧嘩売ってるの?」

「まあ待てって。確かに霊夢はズボラだけどやることはちゃんとやるぜ。異変解決とか妖怪退治とか」

「ズボラって何よズボラって!」

 

 っと、こんなしょうもない話をしてる場合じゃなかった。今は異変のことを話さないと

 

 〜情報交換中〜

 

「はあ!??夢華がやられた!?」

「言った通りよ。氷漬けになっていたわ」

「でも【炎上モード】だっけか?それになっていたんじゃないのかよ」

「夢華くんの魔法はいつも持っている魔導書から使用しているので魔導書を使えなくされたと考えれば……」

「でも夢華の能力はどうなんだ?漢字が4つ繋がっていればいいんだろ?瞬間解凍とか使えばいいじゃないか」

「【炎上モード】になっているってことは能力が使えないってことよ?」

「付け加えるのならば声に出して言わなければ発動しません」

「夢華の能力って欠点多いな」

「1つは自分からやっているけどね」

 

 魔理沙も夢華がやられるのが信じられないみたいね。幻想郷で一番頼りにしている奴が真っ先にやられるなんて考えてなかったわ。それを言ったら早苗もかもしれないけど。幼馴染で外の世界にいるときは毎日会っているって言っていたし

 

「で、アイツはどうするんだ?」

「いつもなら問答無用で退治して万事解決。ってなるんだけどちょっと引っかかるのよね」

「前に夢華くんが言っていましたよ。次の異変の人は能力の暴走を起こしている、と」

「じゃあどうするんだぜ?倒して保護するか?」

「それしか無いでしょうね。全く面倒だわ」

 

 アイツの能力は凍らせる能力。凍らせたものに触れれば、触れたものも一緒に凍ってしまう。魔理沙によれば、弾幕だろうが凍らせてしまうらしい。弾幕ごっこなんて知ったこっちゃ無いというオーラを感じるわ

 

「じゃあ遠距離から弾幕を張るってことでいいのか?」

「取り敢えずは。相手の霊力を切らせればこちらの勝ちだもの。ただ、さっき言った女には気をつけなさいよ。いつ邪魔してくるかわからないわ」

「分かったぜ!」

「行きましょう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 霊夢達が下降していき、少年を視界に捉えると一斉にスペカを発動する

 

「霊符 夢想封印 散!」

「魔空 アステロイドベルト!」

「奇跡 ミラクルフルーツ!」

 

 3人が同時に大量の弾幕を張るが、氷の壁に阻まれてしまう。壁に当たった弾幕はその場で凍り、地面に落ちて砕けてしまう

 

「まだよ!散霊 夢想封印 寂!」

「恋符 ノンディレクションレーザー!」

「奇跡 白昼の客星!」

 

 また3人が弾幕を張る。が、霊夢の弾幕は少年に向かうが、『魔理沙と早苗の弾幕は霊夢に向かって放たれた』

 

「ちょっと!」

 

 霊夢はスペカを止めて2人の弾幕を避ける

 

「何するのよ!対象は私じゃなくてあっちでしょうが!」

「アレ?なんで霊夢がそっちに居るんだ?私の横にいたはずなのに……」

「霊夢さんまたですよ!さっき私がやられたものですよ!私と魔理沙さんが弾幕を放つと別のところに放ってしまいます!」

 

 そこで霊夢は相手の能力に気づく

 

(私には効かなくて、魔理沙と早苗が効くってことは干渉系の能力!それで2人はアイツ(少年)に向かって放ったはずが私にはなっている事から、認識を操る能力であることがわかるわね。後はあの女の場所がわかれば私が倒しに行くのに!)

 

「霊夢さん!どうしますか?」

「………………あの女の能力はわかったわ」

「本当か!?ならすぐにとっちめれば……」

「無理ね。これは私にしかできないことよ。あんたが行ったところでイタチごっこの始まりよ。だから私があの女を突き止めている間に2人はアイツを追って」

「…………むぅわかったぜ」

「分かりました。そうと決まればいきますよ魔理沙さん!」

 

 魔理沙と早苗は少年の方に向かって飛んで行った

 それを見送った霊夢は地面に触らないくらいの高さで浮遊する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「不味いわねー。多分私の能力について気づいているわよね…………博麗の巫女と真正面からぶつかれなんて言われても私にはできないわよー。誰かヘルプー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜その頃、夢華の方では〜

 

(あー!何もできないこの状況ムズムズする!背中が痒くなって来たーー!!!)

 

 夢華は魔法を使うための魔導書を凍らされて使うことができない状況で自分自身が凍っているのにいつもと変わらない調子で心の中で叫ぶ

 

(というか急に雲が出始めんだけど…………今日は晴れのはずなんだけど……)

「あら、夢華さんではないですか」

 

 急な天候の移り変わりに夢華の意識が向いていると背後から聞き覚えのある声が届く

 

(あ、廻零さん!)

「これは……凍っていますね。他のものが触れるとそれも一緒に凍ってしまうと……」

(そうなんですよ!だから早くここから氷に触れずに離れたほうがいいと思うます!僕を助けてくれた人に言うことではないと思うけど!)

「まあ私には無意味なのですが」

 

 突如として夢華の身動きを制限していた氷が綺麗な音を立てて砕けた

 

「わわっわ!と……っと……ふぅ危ない危ない。また触れて凍っちゃうところだった」

「大丈夫ですか?」

 

 夢華が凍っている地面に足が着く前に魔法陣を展開して再び凍ることを阻止する

 背後を振り返ると、長い白髪の女性が微笑んでいた

 

「廻零さんありがとうございます!おかげで助かりました!」

「いえいえ、それよりも異変のようですが、もうすぐ終わってしまいそうですよ」

「え!わかりました!僕はそっちに向かいます!では〜」

 

 夢華が魔法陣に乗ったまま博麗神社の方に飛ぼうとする

 

「そうです。良いことを教えます。どうやらこの氷は氷には効果がないようです」

「目には目を、歯には歯を、ということですか。(2度目の)ありがとうございます!」

「気をつけて下さい」

 

 廻零に礼を言って今度こそ飛ぶ夢華

 

「さて、朱鳥さんのお気に入りはこれからどうなるのか楽しみです」

 

 人里の中心でそう呟く廻零は『凍った地面を踏みしめて』その場を去った




霊歌「廻零さんなんで氷の能力効かないの?」
それは秘密です
霊歌「じゃあ敵の認識を操る人の場所は?」
次回です
霊歌「夢華が動き出したことで一気に物語は進んで行く。どのような結末になるのかは分からない」
いきなりどうしたんですか?
霊歌「次回 カミユ死す
殺さないデー!

ではまた次回!


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第53話 霊夢側の戦い

どうもカミユです!
絢斗「今回は書き方を付け加えたんだっけ?」
そうです。今までは、Side ○○の場合はその人物視点で物語を進行していました。今回からは○○Sideの場合はその人物達がいるところを三人称視点で進行するようにします
絢斗「個人的にはいいと思うが……まあ忘れるなよ」
ハイ

絢斗&カミユ「本編へどうぞ!」


 霊夢Side 〜人里から博麗神社までの道 人里寄り〜

 

 霊夢は地面に張る氷に触れないようにして低空飛行して認識を操る栞を探していた

 

「う〜ん…………私の勘だとこの辺りにいると思うんだねどねぇ」

 

 凍っていない木を中心に探して行くが人影が全く見つからない

 

「もしかして先に行かれた!?」

 

 魔理沙達の方に向かったのかと思って振り向くと同時に背後から弾幕が飛んでくる

 

「ッ…………危なっ!」

『あ〜あ。避けられちゃった』

 

 弾幕を避けると反響するかのような声がどこからともなく聞こえてくる

 

「何処にいるの!出てきなさい!!」

『え〜どうしよっかな〜?』

 

 反響する謎の声は霊夢の神経を確実に逆撫でて行く

 

「何処よ!」

『見つからない見つからない。360度見渡しても絶対に見つかる訳ないんだよなぁ〜?』

「絶対にアンタを見つけ出してぶっ飛ばしてやる!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 早苗Side 〜人里から博麗神社までの道 博麗神社寄り〜

 

「魔理沙さん!見つけました!」

「弾幕を張りまくるぜ!星符 ドラゴンメテオ!」

「奇跡 ミラクルフルーツ!」

 

 上から弾幕が降ってくるスペカと真っ直ぐ飛ぶ弾幕のスペカを使用する

 だが結果は全て氷になり地面に落ちて積もったり転げたり砕けたりする

 

「霊力切れを起こすまで撃ち続けるぞ!」

「博麗神社に着くまでが条件として加わりますがね!」

 

 再び2人が弾幕を撃つが本来の場所とは違うところに飛ぶ

 

「またか!霊夢が担当しているんじゃないのかよ!」

「もしかしたら足止めをされているかもしれません!」

「クッソ!私たちで対処するしかないのかよ!」

 

 

「は〜間に合ったわ〜。それにしても早過ぎない?こっちは走るのは苦手なのに〜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夢華Side 〜博麗神社までの道に出る人里の出口〜

 

「ん〜これは霊夢の方が近いね。でも誰と戦ってるんだろ。霊夢以外の気配が全くない。つまり気配を消す人?それともその場にいなくても攻撃できる人?とりあえず向かわないと!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華 〜人里から博麗神社までの道 人里寄り〜

 

「うわっ……ちょちょちょ!霊夢がむしゃらに放ってるじゃん…………声をかけないわけにはいかないをよね」

 

 魔法陣に乗って霊夢の近くまで来ると、まるでどこに居るのかわからない相手にとにかくでたらめに放っているようだね

 少し息を吸い込むといつもよりも大きな声を出す

 

「おーい!霊夢ー!敵の位置はどこ〜!?」

「夢華!?氷はどうしたの!?」

「砕いてもらった〜」

 

 夢華はいつも通りの調子で会話する。そんな夢華に安心と呆れをまとったため息を吐き出す

 だが反対に反響する声の人物は驚きと好奇心を混ぜた声を出す

 

『え……なにこのタイミング……どうしよう…………主人公並みなんだけど……援護しないとなんだけどな〜あー相手したくないんだけど好奇心には勝てない……』

 

 そんな声が僕たちに聞こえると同時に南南東から銃弾が飛んでくる

 

「銃弾って遅いよね」

『普通に考えたら早いんだけどな〜?』

「慣れじゃないかな?」

『へぇ……じゃあこれならどうだい?』

 

 次は北東から大量の銃弾が飛んで来る。これは散弾かな?

 

「ん?銃…………火薬…………もしかして妖怪の山の火薬の匂いって……」

『あ…………完璧に忘れていた……ヤッベ…………どうしよう。まだ完全にやり終えてなかったんだっけ。あの後の明日でいいかが発生した……のか』

 

 僕が幻想入りしてからしばらくしてから椛ちゃんからの手伝いの時だった。風土君を助けた近くで火薬の匂いがする、とのことだった。僕の能力で過去の出来事を知ろうとしたら消えていたと言う。詳しくは12話参照

 

「(霊夢。今のうちに行って)」

「(分かったわ)」

「(それとあの子の能力は氷には氷は凍らないらしいよ。だから結界を張って。そうすれば自爆するようなものだよ)」

「(……!なるほどその手があったわね)」

 

 霊夢には先に行ってもらい、僕はここに残る

 

『良し、ここは足止めに徹して帰るか』

「んー早く帰って欲しいけどこっちも訊きたいことがあるから残ってもらうのはありがたいかな」

 

 魔法陣からキバットが出てきて手に収まる

 

「キバッて行くぜー!」

「変身!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 魔理沙Side 〜人里から博麗神社までの道 博麗神社近く〜

 

「おい早苗!一旦離れるぞ!このままだと私の弾幕がお前に当たっちまう!」

「…………分かりました。どっちに行くかは自分で決めるとしましょう」

「せーの、で動くぞ」

 

 魔理沙が自分の弾幕と早苗の弾幕が自分たちに向かう現状に痺れを切らし、別々に離れることにした。そうすれば片方が能力の影響を受けないと考えたのだろう

 

「「せーの!」」

 

 魔理沙の早苗が同時に反対方向に動くと魔理沙の箒の柄の部分がドスッと早苗の腹に突き刺さる

 

「ゲホッ……ゲホッ……!」

「すまない早苗……!クッソ……どうする!?認識を操る能力だってのは分かるが対処の仕方がわからない……」

「ゲホッ……なら、全方位ならどうでしょう。それなら牽制にもなりますし、あの子に攻撃できます……」

「分かった!早苗は頑張って避けてくれよ!恋符 ノンディレクションレーザー!」

 

 魔理沙のスペカは本来は無差別な方向にレーザーの弾幕を放つものだが、認識を操られ、若干のズレはあるが早苗に向けて放たれた

 

「ッ!……スレスレでした…………」

 

 魔理沙のレーザーは早苗の髪をわずかにかすった

 

 

 この現象を引き起こしている本人である栞は、魔理沙達から10メートルほど離れた場所で木の陰に隠れていた

 

「ん〜まだかしら。そろそろ解決策くらい立てられるかもしれないから〜一気に決めましょうか」

 

 栞は足元にある石を氷につけて凍らせてから持ち、少年に向けて投げる

 

「……ハァハァ……痛て……なに……が…………うわああああああああああああ!!!!」

 

 栞の投げた石は綺麗な弧を描き、少年の頭に当たる

 氷に対して氷は凍らない事象が発生し、頭を抑えて後ろを振り向くと空に飛んでいる魔理沙と早苗が目にとまる。外から来た人が空を飛ぶ人を見たら十分驚くが、今まで自分を攻撃して来た人物は殆どが空を飛んでいたので耐性がついたのか混乱した頭でも冷静に理解できた。が、その認識を栞が操る。耐性の分を恐怖に変えた事によって化け物を見たかのように大きな声で博麗神社までの走る

 

「さて、これで後はあの2人を足止めすればいいだけ……あ〜疲れたわ〜。今日のご飯は狼に作ってもらおうかしら」

 

 栞が残りの仕事も簡単に終わるので腕のストレッチをしながら上を見るの博麗の巫女が飛んで博麗の札を投げるところを見る

 

「あ〜あー!あー!!あーーー!!!ちょっと嘘でしょ!?狼が足止めしてるんじゃなかったの!?」

 

 その狼は仮面ライダーキバとなった夢華の対峙していることをまだ知らない栞

 

 

「夢符 二重結界!」

 

「霊夢!」「霊夢さん!」

 

 人里近くから魔理沙達のいるところまで全速力で飛んで来た霊夢は夢華にアドバイスされた通りに結界を張ると、言った通りに自分の氷が邪魔で道が塞がれた

 

「認識を操る人はどうしたんですか?」

「それがどこにも居なくて、代わりに別のやつが来て居たみたいで夢華が代わりに戦ってもらっているわ」

「夢華復活したのか!だったらすぐに行かなくちゃな!」

「待ちなさい魔理沙。今行ったところで夢華の邪魔になるだけよ」

「私は行きます!邪魔じゃないところで見てます!」

 

 早苗は嬉しそうにして人里まで戻っていく

 

 

「えーちょっと…………博麗の巫女となんて戦えないわよ〜」




絢斗「これで異変を起こしたやつは無力化したな。後は夢華の方だけか」
現在仮面ライダーキバに変身したところで終わっているのでそこからですね
絢斗「なんでキバなんだ?」
コウモリって吸血鬼って耳がいいってイメージが凄いあるからです
絢斗「なるほどな」

ではまた次回!


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第54話 異変解決

どうもカミユです!
霊歌「やっと異変解決なのね。長かったじゃない」
長かったです。本当に……
霊歌「次はどうするの?」
宴会はカットで、1話出した後、過去編に行きます。前章では、異変→日常→過去編でしたが、異変→過去編→日常にします。流れ的に
霊歌「そういうのは決めなさいよ」

霊歌&カミユ「本編へどうぞ!」


 霊夢が去った後、夢華は仮面ライダーキバに変身して反響する声と戦っていた

 

「……うーん……どこから来てるのかわからないな…………」

『一応訊いておくけどなんで仮面ライダーキバなの?』

「え?吸血鬼って耳が良い印象があるから」

『………………………………』

 

 実際吸血鬼は耳が良いが、変身したからと言って鎧武のピーチミックスみたいな特殊能力がなければ夢華の聴力のままではある。謎の声の人物は、そんな理由で選んだのか、と少しの間放心した

 

「それよりもどうしようかな」

『……(能力を使えば良いと思うが言わないでおこう)』

 

 ここで能力のことを言えば確実に不利になるのは火を見るよりも明らかだからだ

 ガッガピピとその場に響く

 

「え……なになに?無線機の雑音みたいなのが響いたんだけど」

『はいはーい。あ、もう解決されちゃいました?じゃあそこで待っていてくださいね』

「え?ちょっと……」

『悪いねー。用事ができたからここでバーイ。今度また遊ぼうねー』

 

 それと同時に反響する声はなくなった

 

「なんだったんだろう。足止め?」

 

 夢華は急な展開についていけずに呆然としたまま変身を解除する

 

「霊夢達の方に行かなくちゃ!」

 

 夢華はふと正気に戻り、霊夢達がいるであろう場所まで魔法陣に乗り飛んで行く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 夢華

 

 反響する声の人物がいなくなって僕は魔法陣に乗りながら霊夢達がいる方に向かっているわけだけどあの子は結局どうやって来たんだろ…………紫さんが連れて来たってことではないと思うけど……さっきの人が連れて来たのかな……あれ…でも、やるメリットが無いよね。だって霊夢を足止めできる人がいて、認識を操れる人がいて、文さんを倒せる人がいる訳だから回りくどく能力が暴走した人を連れて来る必要はあるの?幻想郷の戦力を見たかった?

 

「夢華くーん!」

「あ、早苗ちゃん!」

 

 僕の思考を遮るように上から早苗ちゃんの声が聞こえる

 早苗ちゃんは僕を見ると信じられない速さで僕の前で止まって両手で両頬を引っ張る

 

「大丈夫でしたか!?どうやって抜け出したんですか!?体冷えていませんか!?怪我とかは……」

大丈夫だよー(だいひょーぶだひょー)廻零さんに助けてもらったからー(みほさんにたひゅけてもらっひゃかひゃー)それよりも手を離してー(ひょれよりみょてをひゃなしてー)

「え、あー!すみません!」

「大丈夫大丈夫。それよりも異変の方はどうなったの?」

「それが霊夢さんが結界を張って足止めしてくれて動けない状況にしまして、後は能力の暴走を止めるだけです」

「オーケー。後は僕がやるよ」

「夢華くん少し疲れているでしょう?私につかまってください!」

「え?大丈夫だよ。そこまで疲れていないから」

「少しだけふらついていますよ。夢華くんは自分でたくさん背負いこむ習性があるんですから」

「そんな習性なんてないと思うんだけどなー」

 

 早苗ちゃんの迫力には勝てなかったよ。そんなわけで早苗ちゃんに背負われて霊夢達のところに向かう。すごく眠くなったけど我慢我慢……

 

「遅いわよ!」

「遅かったじゃないか。まだ戦っていたのかぜ?」

 

 しばらく早苗ちゃんに背負われたままにされていると霊夢と魔理沙がこちらに気づく

 

「お待たせー」

「さっさと異変解決するわよ!人里とかの処理しないとだからこれから大変なのよ!」

「そうだね。じゃあパパッと終わらせちゃいますかー」

 

 早苗ちゃんにおろしてもらって魔法陣に乗る。右方向に魔法陣が現れてそこに手を突っ込み能力を使えなくするヘッドフォンを装着する

 そして魔導書が勝手にペラペラと動き、氷のページになる

 

「【氷凍モード】」

 

 僕の体の周りの空気が一気に凍りつき、小さな氷が生成される

【氷凍モード】とは、【炎上モード】の氷版みたいなもので、体が氷になり、砕かれても再生される。分からなければヒエヒエの実の能力者と同じだと思って。片脚と大火傷を負う予定はないけど

 

「ねぇ、君」

 

 地面に降り立つ。地面は氷に覆われ、触れたら凍りつくのだが、廻零さんの情報からこの氷には氷が効かないとのこと。つまり、体が氷でできている今の僕には効かないということ

 ゆっくりと歩くと男の子は怯えた小動物のような目でこっちを見てくる。見るなー。そんな目で僕を見るなー

 

「大丈夫だよ。君を元の世界に戻すから」

「ヒェッ……」

 

 男の子の恐怖に反応したのか地面を覆う氷から先端の鋭い物が僕の首を狙って発射される

 それを人差し指と中指で挟んで止める

 

「えっ!」

「え?」

 

 男の子は何故か白目を向いて倒れてしまった。えーと……なんで?

 

「恐怖のあまり気絶したみたいね」

「え、あーなるほど」

「小心者なんだなこいつ」

「魔理沙さんそれはひどいかと……」

 

 その後、男の子を博麗神社に連れて行って僕の能力で能力の暴走を止めた。人里は男の子が倒れたことにより氷が勝手に溶けた……らしい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「––––––というわけで、人里のみんなは無事よ。強いて言えば家具とかその他諸々が冷たくなっていてしばらく大変そうとだけ」

「じゃあ僕がこの異変のために置いておいた魔法陣で温めれば良いですね」

「……あ、そういえば貴方やっていたわねそんなこと」

 

 男の子を博麗神社に運んでから人里が気になると思考を呼んだかのようなタイミングで紫さんが現れた。そして僕の望んだ言葉を並べてくれた

 。その後は知って良かった物だね

 

「それで、異変を起こした人物はどこにいるのかしら?」

「博麗神社の中にいるかと……気絶していますけど」

「分かったわ。少し話をしたいから席を外してくれる?」

「分かりました。しばらくどこかにいますね」

 

 さて、紫さんは何を話すのか。まあ幻想郷に残るのかどうかっていうことだと思うけど

 何をやれば良いのか…………一応人里以外の凍る未来が見えた場所に行こうかな……と

 

 結果から言えば特に被害に遭わなかったようだね。いやー予知が起きて良かったよ!

 

「夢華。話終わったわよ」

「そうですか」

 

 太陽の畑で幽香さんと話していると真横にスキマが開いて紫さんが顔を出す。………………もう慣れたけど最初は驚いたなー

 

「こっちに来て。あの子をこれからどうするかを話すから」

「その話はまだでしたか。まあ良いや。分かりました。幽香さんまた来ますねー」

 

 幽香さんに手を振りながらスキマに入ると、博麗神社の中につながっていた。とりあえず靴を脱いで魔法陣の中に入れる

 

「あ、どうも」

「時間的にはこんにちわ」

 

 中に入ると落ち着いた様子で正座して居る(させられて居るかも……)。僕は挨拶されたので返しながら正座する。正座に意味はないけど床に座るときは正座になっちゃうんだよね

 部屋の中には僕と男の子と紫さん以外に霊夢が機嫌悪そうに座っている。胡座

 

「えーととりあえず、俺は凍渓(とうけい)です。え、本当に男なの?女の子にしか見えないんだけど…………初めてリアルで男の娘見た」

「プッ……ふふふ……」声を頑張って殺して笑っている霊夢

「…………」笑いをこらえている紫さん

「あははは、よく言われるよ」苦笑いする僕

「もっと髪伸ばせば良いと思うよ」凄くフレンドリーな凍渓君

 

 この場に魔理沙がいなくて良かったと思うよ。お腹を抱えて笑いこけていると思うから

 しばらくして笑っている2人が落ち着いてから本題に入る

 

「それで紫さん。なんの話をしたのですか?」

「その子に幻想郷に残るか外の世界に戻るのかを話し合っていたわ。霊夢も一緒にね」

「あーはい。それで返事はどうなったんですか?」

 

 予想通りの答えで返事に困ったけど先を促す

 

「戻るよ」

 

 凍渓君が自分から言う

 

「それじゃあ幻想郷での記憶は消すことになるんだよね?それで良いの?何処にいた?みたいなこと聞かれたらなんて答えるの?」

「少しズレているわよ」

「それに関しては大丈夫。近くの神社の境内に居たって事にするから」

「……君の住んでいるところって何処なの?」

「××市だけど……」

「|《××市ってことは隣町だね。距離にもよるけど……………》」

「夢華何ブツブツ言っているの?」

「あ……えっと、幻想郷から出るのには霊夢がやるの?」

「え、まあそうね。それが?」

「僕の友達にこういうのに強い人が居てね。多分このまま記憶を消しても幻想郷の事を知っちゃうかもしれないんだよ。だからそれを防ぐために、紫さんがやった方がいいと思ってね」

「アンタの友達って化物か何か?」

「少なくとも玉兎達と戦いながら指示できるくらい強いね」

 

 このままでは話が逸れそうなので強引に軌道を戻す

 

「というわけで頼めますか?」

「良いけど……」

「あ、念のため、××市の神社から○○市から200メートル離れた場所でお願いします」

「なんで俺が住んでいる場所に詳しいの?」

「僕もそこに住んで居たから」

「え!そうなの!?」

 

 その後凄く迫られたんだよね。戻らないの?とか色々

 

 そして、凍渓君が戻るときに念には念を入れて記憶の消去と少しだけ改ざんする

 スキマの中に入っていく凍渓君を見送りながら思う

 

(蓮舞くんでも気付かないよね……?)

 

 外の世界の友達にも気付かれないか内心凄くハラハラしながら達成のため息をつく………

 疲れた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?」

「どうしたの、蓮舞?」

「いや、気のせいだろうか……200メートル先に急に人が現れたような……」

「夢華かもしれない!行こう!」

 

 

 

 

 

「あれ?ここは……」

「夢華!」

「ひゃあ!」

「おい絢斗。驚いたじゃないか」

「蓮舞に同じく」

「あ、悪い!つい夢華がいるかと思って……」

「あ、えーとゴメンね。私は昏御。ちょっと聞きたいことがあるんだけど良いかな?」

「は……はい」

「じゃあさっきまで君は何処に居たの?」

「?神社だけど……」

「蓮舞」

「把握した。問題はない」

「そう、ありがとうね。バイバイ」

「じゃあね」

 

「昏御にしてはちゃんとした聴き方だったな」

「何その言い方!私だってちゃんとした人からの話の聴き方を覚えるわよ!」

「それにしても夢華は何処に行ったんだ?」

「3ヶ月くらい行方不明だから心配だよね」

「しかも–––––

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 –––––この世から消えた……いや、最初からいなかったかのように全てが消えているとはな」



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第55話 負と無

どうもカミユです!
絢斗「おおー!!!」
うわっなんですか貴方はいったいいきなり大きな声を出して大丈夫ですか!?
絢斗「新しい仮面ライダーが放送されるんだ!早く見に行かないといけない!じゃあな!」
あ……行っちゃった……

本編へどうぞ!


「あ〜疲れたわ〜!狼、私の代わりに晩御飯作って〜」

「え?ちょっとまってよ栞さん!俺だって疲れているんだよ!夢華君と戦う時の緊張感で全身があまりうごかなかったんだよ!」

 

 アジトに戻ってきた栞と狼があーだこーだ、と言い合っているとどこからともなく出てきた薪羅が現れる

 

「ア?ピーチクパーチクうるせェなァ。何騒いでンだ?」

「「疲れているのに狼(栞さん)が晩御飯作れって言うんだよ!」」

「息ピッタリだなァ。つか疲れているなら他の人に頼めばよ」

「薪羅にしてはマトモで落ち着いているだと……明日は槍が降るか?」

「何か失礼なこと考えているなァクソ野郎」

「でも、誰が料理するの?雨季ちゃんは料理出来そうにないし、烈さんも然り。奏蘭は頼んでも本を読んでいるだけだし。というか、どこに行ったのよ」

「無縁塚に行くとか何とか」

 

 ここまで栞がアジトと人物の名前を挙げて行く。2人は1人だけ名前を挙げていないことを理解しているが、それは敢えてやっていないだけだ

 もしも、そいつが料理をやるとどうなるか…………結果、死人が出る

 

「俺が料理すれば良いじゃねェか」

 

「やめろ!お前が料理するな!なんで加熱する=火炎放射器なんだよ!」

「そりゃあすぐ焼けるからだろ」

「真っ黒焦げになるけどね!」

「なんでレトロができるの!?それを花壇に植えただけで半日で他の植物が枯れるの!?なんで放射線反応が出るの!?」

「とにかくテメェはダメだ!さっさと自室に帰れ腐れ狂人!」

 

 言い争いに1人加わってさらに騒がしくなるがそれでもしないと薪羅は引いてくれない

 30分の説得により薪羅はぶつくさ言いながら自室に戻る

 

「ハァハァハァ……」

「ハァハァハァ……」

 

 息を切らせる2人。そして同じタイミングでお互いの顔を見る

 

「一緒に作ろうか……」

「そうね〜……」

 

 はぁ……と同じタイミングで大きなため息をつくと作業に取り掛かる

 

 

 夕食を終えると、食器の片付けの後奏蘭だけ本に視線を落としたまま話を聞いている

 

「さて、あまり喋らない烈っさんに代わって俺がやるけど、とりあえず今回最初の異変についてどう思った?」

 

 狼が腕を組みながら座っている烈魔のそばで立ちながら進行を務める

 狼の議題に早速手を挙げる人物が現れる

 

「次の異変は私が出ても良いかしら〜?」

「人の話聞いてた?雨季さんは次の異変は出てもらうとして、この議題についての話題を出して」

 

 次に薪羅が手を挙げる

 

「なンで人里にあのガキ送ったンだ?テメェなら直接送ることができただろうが」

「まさかお前が最初にまともな!話題を出すとはな」

「なんで強調したの?」

「なんで博麗神社に直接送らなかったのか、ね。それは幻想郷の戦力と、俺たちの目的である『零魔』の存在を確かめるため」

「零魔?アァ烈魔の目的を達する為に必要な能力を持ッているッてやつだッたか」

「そうだ」

 

 薪羅が自分たちの目的とその人物について知っていることを話すとゆっくりとした声で烈魔が話し出す

 

「零魔がこの幻想郷に居れば出てこざるを得ないだろう」

「うわぁえげつないことをする気だ………………」

「そもそも私は貴方がどのような存在なのかを知らないのだけど〜?」

「そういえば雨季さんは烈っさんのこと全く話していなかったね」

「良いの?烈さん。話しても」

「今更黙っておくことはないだろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺はこの世界の負の感情、象徴、エネルギーなど、世間的にマイナスとされているものの塊が俺だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side ???

 

「!」

「…………」

 

 ゾッと悪寒が背中を走る。後ろを振り向くが何も無い。ボクの急な反応に時魔は不審者を見るような目でこっちを見る

 

「ちょっとやめてよ時魔〜。少し背中に悪寒が走っただけなんだって〜」

「…………」

「うわ〜お……ここまで疑われるなんて……酷いって〜」

「…………」

「…………ん〜そういえば自己紹介していなかったっけね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ボクは『零魔』。プラスマイナスゼロ、無気力、何も無い空間、文字通りの『無』の塊の存在。どうして夢華の中に居るのかは知らな〜い」

 

 

 

 

「これで信じてくれた?」

「…………」

「やったぜ」

 

 時魔の首肯で安心した

 

「とりあえずこれから、ボクが無の存在なら、マイナス……つまり負の存在の人と対峙するかもしれないから。表に出ることが多くなるかもね」




無と負の存在が戦うのはいつなんですかね……(遠い目)

ではまた次回!


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過去編三章 魔・界・突・入!
第56話 最後の1人の登場


どうもカミユです!
昏御「これで私たちが全員出たわけだけど、これからどれくらい飛ばすの?」
いきなりですね。まあ一年くらい飛ばしますよ
昏御「厨二か」
厨じゃなくて中です。その前に1話挟みますよ。そうしないと話が進まないので
昏御「……あーなるほど」

昏御&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 夢華

 

 やっとの中学生!待ってました!

 

「よっしゃーー!待ちに待った入学式だー!」

「いやったーー!待ちに待っていた入学式ーー!」

「便乗して、わーーーい!待ちに待っている入学式だーー!」

「いや、あの……3人とも…静かにしてくれませんか?周りの人が見ていますよ」

 

 はっ………………つい絢斗くんと昏御ちゃんに乗っかってしまった

 現在、学年が1つ上がる前にある春休みが終わってからの中学校の入学式!春休みは楽しみでよく4人で集まって仮面ライダーごっこ(リアル)をやっていた。制服は紺のブレザーに白いワイシャツ。黒い長いズボンが男子で、紺のブレザーに白いワイシャツでネクタイが男子のと違くて、膝くらいまであるスカート。一度寸法とか測る時にスカートを渡されたんだよね。何でだろう?

 

「クラスどうなるんだろうね!みんなと同じクラスがいいなぁ」

「なんだかんだでずっと同じクラスだったよね」

「運動会だと夢華くんと私、絢斗くんと昏御ちゃんで他のクラスにさせられましたけどね」

「熱かったな!気をぬくことができない緊迫感!最初からクライマックスだった!」

 

 そう。小学校では1年生〜6年生まで同じクラスだった。何度か先生たちが僕たちを離そうとしたけどどうやってもできなかったらしい。まるで誰かに操られているような……

 

 

 〜家にいるレイア〜

 

「くしゅん!噂でもされているのかしら」

 

 

「よーし!クラスは〜…………」

「5」

「5」

「5」

「555」

「「「「同じクラスだ〜(ですね〜)」」」」

 

 凄いね。ここまで来るとこれからずっとこうなるかもしれない

 昇降口にクラスごとに大きな紙で名前を並べられている。7年間同じになるのか!と絢斗くんが騒ぐと、少し後ろから呟くほど小さな低い声が聞こえた

 

「5組か。こいつらと同じとは……把握した。悪いやつではないが危ない奴がいるな。出来れば関わりたくない」

 

 そんな声が聞こえたから後ろを振り向くとそこには誰もおらず、周りを見ると赤髪の中学生の中では背の高い生徒が昇降口に入っていく

 

「それじゃあ早く入ろうぜ!」

「そうだね!」

「早く教室に入ろう!」

「いや、あの……先に体育館で入学式をやった後に在校生に案内されるって事になっているはずなのでは……ってちょっと待ってください!そっちじゃないです!」

 

 入学式が終わって自分たちの教室1-2に入る。人数は30人くらいで僕は出席番号12番になった。早苗ちゃんは16番で絢斗くんは25番、昏御ちゃんは一番最後の30番。朝の赤髪の人は5番

 机の並び順は縦が5で横が6って感じだもんで、僕は左から3番目の前から2番目。早苗ちゃんは、僕の右の列の一番前。絢斗くんは右から2番目の一番後ろ。昏御ちゃんは絢斗の右。赤髪の人は一番左の一番後ろ

 

「さて、自己紹介を始めます」

 

 一番から順に哀崎くん、粟井ちゃん、井宮くん、衛宮くんが自己紹介する。そして赤髪の人が自己紹介を始める

 

「俺は桜花 蓮舞(おうか れんま)。棒術をやっている。よろしく」

 

 蓮舞くん……か。棒術をやっているなんて……

 

「仮面ライダーの武器にぴったしじゃないか!」

「絢斗くん!?確かに私も思いましたけどそこは口に出さずにいましょうよ!」

「早苗ちゃんも思ったんだ!」

「私は銃だからサブライダーだね!」

 

 いやー!気になっていたんだよね!やっぱり僕たちと同じような雰囲気があったから!

 

「蓮舞!俺たちと仮面ライダー部を作らないか!?」

「いや、その前に自己紹介をやりましょうよ!ほら見てください!」

「うわっ!先生の顔が怒っているような困惑しているような顔してる!結局どっちなの!?」

「困惑じゃない?」

 

 早苗ちゃんが的確なツッコミと昏御ちゃんのコメントによると、先生は怒っているような〜困っているような〜な顔になっている…………青筋が額に出てていて口元がピクピクしているけど、目が困っているみたいだね。怒り2で困惑が1

 

「お前ら静かにしろよ」

「正論」

「正論」

「ぐうの音も出ない」

「ごめんなさい」

 

 早苗ちゃんの謝罪により先生の溜飲は下がったのか困惑と青筋は消えた。口元はまだ動いているけど

 

 それからしばらくは自己紹介を昏御ちゃんで終わって、一年の流れのプリントを全員に渡す

 

(いや〜それにしてもみんなと少し離れすぎているかなー。まあ最初はいつもこうだししょうがないけどさ〜。初日に席替えなんてイベントはないよね)

 

 心の中で考えていると、先生が箱を持ってくる

 

「今から席替えをします。出席番号が小さい人から一枚ずつ引いてください。紙は折りたたまれているため、開くときは皆んなで一緒にやります。では1番の哀崎さんから」

 

 そして、全員が取り終えて一斉に開く。僕の紙には15番と書かれている

 それで実際に移動してみると……

 

「揃った!」

「いつもの!」

「おばあちゃんが言っていた。2度ある事は3度以上あると」

「これぞ奇跡!」

 

「……………………把握したくない」

 

 僕は1番後ろに移動して、早苗ちゃんは僕の左側だから二列目の1番後ろ。絢斗くんは僕の前で昏御ちゃんは絢斗くんの横。そして〜〜〜僕の横は蓮舞くん!

 現実逃避したいかのように自分の両手をあわせて顔を覆う

 

「よろしくな蓮舞!」

「よろしく蓮舞!」

「よろしくね。蓮舞くん!」

「よろしくお願いします蓮舞さん!」

「ハァ……よろしく」

 

 どこか諦めたような目でため息の後、呟くように言葉を発した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Side 蓮舞

 

 今日のやることが終わってからこれから何をやろうか、と考えながら席を立つと左斜め前の絢斗って奴が机に両手をついて目をキラキラさせて話し始める

 

「蓮舞!俺たちと仮面ライダー部を作らないか!?」

「…………仮面ライダー部ってなんだよ」

 

 しまった。相手のペースに流される

 

「仮面ライダー部とは––––––

 

(中略)

 

 10分後

 

 ––––––悪の組織を––––––

 

(中略)

 

 20分後

 

 ––––––世界の平和を守る部だ!」

 

 長い。30分も説明に時間をかけるな。要約すれば世界の平和を守る部だ

 

「入らない」

「まあ、そう言いますよね」

 

 俺の返事に予想していたのか早苗だったか……早苗はため息をつく。こいつはなかなか常識人だ

 

「えー!仮面ライダー部良いじゃん!やろうよ!」

「何が良いのかをはっきりしてください」

 

 次は昏御だったか。俺も早苗と同じで何が良いのかはっきりしてくれ

 

「まあ仮面ライダーにはなれるよね。敵が出るかどうかはわからないけど」

「それ以前に顧問の先生を見つけないとですよ」

 

 俺の隣の席の夢華だったか。こいつは常識があるが、時々周りの流れに乗ることが多いようだ。本当に敵が現れるようなことがあれば人類は滅ぶだろう。目の前のこいつらがいなければな。というか本当に特撮のキャラクターに変身できるって凄いな

 

「悪いが俺はこれから棒術の修行をやりに行く」

「俺たちもついて行くぞ!共に高みを目指そう!」

 

 めんどくさいなこいつ

 

「棒術の修行なら私のBB弾が役に立つね!」

「人に向けて撃つな」

 

 それならやった

 

「じゃあ人目のつかない廃ビルとかで仮面ライダーと戦わない?」

「立ち入り禁止の場所に立ち入るな」

 

 こいつはわざとやっているのか?

 

「あの……こうなったらなかなか止まりませんよ」

「止まれよ」

 

 常識人が消えた……

 

「キバっていくぜー!」

「やっぱり風都は良い風が吹くな」

「ここは風都ではないのですが……」

「答えは聞いてない!」

「おい、ちょっとやめろ!」

 

 こうして俺は家まで4人が付いてきた。はっきり言って学校生活が終わったとしか言いようがない




昏御さんは帰ったので皆さんに絢斗、昏御、蓮舞の能力のヒントを出します

絢斗……移動系と能力。触れる必要がある

昏御……効果を与える能力。触れる必要がある

蓮舞……常時発動型。周りを知ることができる

これでわかったらすごいです。少しづつ出していこうかと思います。次回までですが

ではまた次回!


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第57話 最後の1人の加入(前半)

どうもカミユです!
蓮舞「最後の1人って俺か」
他に誰がいると?
蓮舞「霊歌」
霊歌「呼んだ?」
蓮舞「呼んでない」
霊歌「なーんだ」
………………あ……
蓮舞「完璧に忘れていたな」
………………………………(沈黙中)

蓮舞「本編へどうぞ」


 Side 夢華

 

「蓮舞!今日こそ俺たちの仲間になってくれ!」

「……何度もなんどもしつこい!」

「アンタに拒否権はないのだよ!」

 

 僕達が中学校に入学してから半年ほど経つ。中学校に入学してから小学校とは違うものがたくさんあって楽しい

 入学初日の自己紹介から今日まで1日も欠かさずに蓮舞君を仲間にしようとしている。因みに"仮面ライダー部"から"仲間"に変わったのは1ヶ月ほど経った後から。そもそも部としての活動を学校が承認するかどうかと言われて何度も僕達は先生に頼みに行ったけど認めてくれなかった。代わりに特撮部はどうか、みたいに言われたけれど(そんな部があるんですか!?と食らいついた)、僕達は本当に変身できるから断腸の思いで諦めた。じゃあ部はできないけど仲間になろう!ということになった。流石絢斗くんと昏御ちゃん

 

「飽きもせずによくやりますね」

「僕も参加したいけど何故か凄い目で見られるんだよね。何でかなぁ」

「何故でしょうね」

 

 ほんっとうに分かんないなー

 

 そしてワーワーと騒いでいる3人を眺めていると学校特有の鐘が鳴る。キーン、コーン、カーン、コーン。そういえば帰りの鐘は音程が下がっているような気がするんだけど気のせいかな?

 

「それじゃあ次のイベントの体育大会のやる競技を決めるぞー」

 

 体育大会かー。運動会みたいなものかな

 僕は何やろうかな。二人三脚はやるとしたら早苗ちゃんか絢斗くん……かな?身長的には早苗ちゃんとなら丁度いいかな。蓮舞くんは身長差的に僕の足が派手に裂けちゃう

 

「それだ!」

「!」(クラスの全員)

 

 先生が黒板に競技を書いていこうとすると大声で絢斗くんが叫ぶ。これは予想することができなかったけど、蓮舞は耳を抑えていた

 

「蓮舞!次の競技で俺と勝負しろ!そしてお前が勝ったらもう仲間にしようなんて言わない!代わりに……」

「俺が勝ったら仲間になれ、か?」

「そうだ!」

「丁度いい機会だ。半年もウンザリしていたんだ。ここで終わらせてやる」

 

 燃えてるねー。2人の目から電気が出てきてぶつかり合っているみたいだ

 けど、ね。絢斗くん

 

「俺、じゃなくて俺たちだろう?絢斗」

「絢斗くん。僕も参加したいんだけど」

「私は集計しますね」

 

 僕達をそんな面白そうなことに誘わないなんて、ちょっと水くさいんじゃないかな?

 

「みんな!」

「俺はいいぞ。さっきの条件だとお前は誘わないとこになっているが、他は含まれていなかったからな」

 

 こうして、僕達の勝負の火蓋が落ちるのだった

 

 

 

 

 

 

「お前らいい加減にしろーーーーーー!!!!」

 

 

 

 

 

 

 先生の怒号が教室内に響く

 

 

 

 忘れていた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜〜体育大会当日〜〜

 

 体育大会当日になって絢斗くんの全身から出てくる熱気がすごい。出席番号的に少し離れているのにすごく伝わってくる。僕は氷魔法の魔法陣をシャツに付けてあるからそこまで気にならないけど他の人の汗が止まらないみたい。これじゃあ全員が熱中症で中止になるんじゃないかな

 

『第一競技、徒競走です』

 

 準備運動と選手宣誓が終わってからそれぞれのテントに移動して第一競技が行われる

 僕達1-5は橙チーム。全学年が5クラスあって、1-1が赤、1-2が青チーム、1-3が黄色チーム、1-4が緑チームとなった。二年生と三年生も同じく。各クラス若干人数が違うが、30人いるので、1チーム約120人

 第一競技の徒競走では、1年、2年、3年の順でやり、一度に4人が走る。一度に各チームから2人が選抜される。全てのチームが均等になるようになっているので、絢斗くんvs蓮舞くんの勝負が問題なく行える

 

「待っていたぞ!この時を!」

「俺も待っていた。お前たちをぶっ倒して静かな生活を過ごす」

 

 2人ともすごいな……か〜な〜り離れているここにも熱気が伝わってくる……

 

「すごい熱気ですね……水分補給しないと」

「流石絢斗だわ。ラトラータコンボしていても不思議じゃないわ」

「というか、振り切るぜ!って言いそうだけどね」

 

『では、選手の意気込みを聞いてみましょう!』

 

「振り切るぜ!」

「なんかすごい2人に挟まれた気分です。あと暑い」

「勝つ。それだけだ」

「水分補給したいです」

 

 2人ほど意気込みというか願望を言っているけど……まあ分からなくはないね。あの2人の間には行きたくないね

 

『位置についてー、よーい、ドン!』

 

 スタートの合図とともに4人が一斉に飛び出す

 

「「「おおおおおおおおおおおおおお!!!!!」」」

 

 早い!これ以外の言葉で言い表すなら疾風の如く走っている2人の差はほとんどない

 まさに接戦という言葉が似合うほど。他のクラスの2人は前にいる2人と大きな差を開けて頑張って走っている

 みんな頑張れ!

 

「おおお!」

「おおおお!」

 

 2人がほとんど同時にゴールテープを通過する。集計の人はどっちが1番かを審査しているみたい。僕が見た限りだと蓮舞くんの方が少し前にいたかな

 

『えー結果は、1-5の桜花 蓮舞さんが僅差で勝利しました!』

 

「「「おおおおおお!!!!!」」」

 

 結果が発表されると、グラウンドに歓声が上がった。まだ最初の競技の1番目なのに、最後のクラス対抗リレーくらいに盛り上がっている

 

「はあ………はあ………お前早いな」

「負けたか……だが、俺の他に昏御と夢華が居る!それに最後には全員で勝負するから……」

「それまでに圧勝してやる」

 

 2人は火花を散らしながら(着順に旗に1〜4までのところに座るようになっている)一位と二位の旗のところに座りながら説明口調で話す

 

「絢斗の仇は私が取る!」

「絢斗くんはまだ亡くなってませんよ!」

「次の刺客は昏御ちゃんだ!」

「夢華くんも悪ノリしないでください!」

 

『次はー、障害物競争です。各選手は所定の位置まで移動してください』

 

 徒競走から僕たちが競う競技まで3つくらいあった

 一応僕は借り物競走をやったんだけど、『マイク』なんてお題が出た。流石に誰も持ってないよね……と思いながらあたりを見ているとお母さんがマイクを片手に持って振っていた。あとはすぐにもらってからゴームに到着。順位は1位だったよ。持った感じ魔法で作られているものだとわかったよ。周りの保護者の方々の奇異の目が凄かった

 そして、絢斗くんvs蓮舞くんの次は障害物競走で昏御ちゃんvs蓮舞くん。基本的には網とかその他色々を潜り抜けてゴールまで行く。蓮舞くんは多分一年生の中では1番背が高いから不利かな?と思う。昏御ちゃんは背が低くて運動神経がいいから勝てるかも

 

「蓮舞、私は絢斗ほど運動はできないけど負けないよ!」

「それはだいたい負けるやつが言うセリフだ」

 

「やっちゃえ昏御ちゃん!」

「かっとばせー!」

「絢斗くん、それは野球の応援の時のものです。頑張ってください昏御ちゃん!」

 

 2人はスタート位置に着く。順番は4番目にスタート。6人が一斉にやることになっていて、3クラスの代表2名がやるもの

 

『第4レース』

 

 放送の声の人が昏御ちゃんと蓮舞くん達の名前と他のクラスの人たちの名前を挙げていく

 

『では、位置について』

 

「ここで引き分け状態にする」

「一気に引き離して勝つ」

((((なんで同じクラスなのに競っているだろう…………))))

 

 なんでだろう…………他のクラスの人たちの心の声が聞こえてくる

 

「奇遇ですね。私もですよ」

「どうかしたか、早苗?」

「いえ、ただなんとなく受信しました」

 

 さすが幼馴染。僕の考えていることはなんでもお見通しか

 

「おおーー!」

 

 またまた歓声が上がる。グラウンドの方に視線を移すと勝負中の2人が前に出て網を潜っている

 昏御ちゃんはスルスルと潜っていき、蓮舞くんはその体格の不利をものともせずに潜っていく。なんだろう……言葉に表せないけど、『潜りやすい所を把握してそこを進んでいる』みたい

 

「凄いな蓮舞!あー!俺も参加したかった!」

「次の勝負は僕で、その次にみんなと戦うんだから待とうよ」

「く……」

「因みに私たちは負けていますから、ここで勝たないと厳しいですよ」

「2対2になった場合は引き分けで私たちの勝利になることになっていますね」

「でも勝利以外には認めないんでしょ?絢斗くん」

「当たり前だ!ちゃんと勝って、蓮舞を仲間にする!」

 

 だよねー

 

 こんな会話をしているうちにグラウンドでは最終コースに入っている。流石に早くないかな?話しているって言っても1分程度だよ。それなのに5つくらいの障害を乗り越えるなんて超人かな、あの2人

 

「夢華くんも超人の域に十分達していると思いますがね」

「心読まないで〜」

 

 流石幼馴染

 

「いけー!昏御ー!!」

 

「やってやるー!」

「クッソ!」

 

 ちょうど頭くらいの大きさの差で昏御ちゃんが前に出ている。けど、少しでもスピードを緩めれば抜かれてしまうほど。他のクラスの人たちはまだ3つ目の障害の戦車みたいに段ボールの中に入って動くアレで手間取っている。多分アレくらいが普通だと思う

 

「よっしゃー!!!一対一!」

「クッ……次はアイツか」

 

 他のクラスの人たちの方を見ている間にゴールテープが切られたみたい。大きな声で叫んでいることから昏御ちゃんが勝ったみたい

 蓮舞くん。僕は君に何かしたのかな?

 

「次は夢華だな」

「そうだね。じゃあちょっと準備運動してくるね」




今回は後半もしくは中があるかもしれません。なんか楽しいです


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第58話 最後の1人の加入(後半)

どうもカミユです!
霊歌「今回で蓮舞が仲間になるかどうかが決まるんだね!」
まあ結末は分かっていますが
霊歌「ハハハハ」
今回は今出せる全力の文章でやりました。書いている最中めっちゃ楽しかったです

霊歌&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 夢華

 

 前回の3つの出来事!

 1つ、運動会前に絢斗くんが蓮舞くんに宣戦布告!僕たちも参加!

 2つ、徒競走で絢斗くんvs蓮舞くん!結果は蓮舞くんの勝ち!

 3つ、障害物競走で昏御ちゃんvs蓮舞くん!結果は昏御ちゃんの勝ち!

 

 

 

 

「さーて、次は僕だね。勝つぞー!」

「やれ!お前ならできる!」

「夢華ならなんでもできる!」

「本当にできそうだから反応に困るんですよね……」

 

「…………やはり順番がおかしい。意図的にやっているとしか思えないな」

 

 僕はみんなから激励してもらっている時に、蓮舞くんはスケジュールを見ながら呟いた

 たしかにその気持ちはわかるよ………………だって第一競技の後にやるものでしょ……と思う競技が僕と蓮舞くんの勝負なのだから

 それは––––––

 

 

 

『次の競技は1500mそうです。各選手は速やかに準備して下さい』

 

 

 

 やっぱりおかしいよね。徒競走……つまり100m走の後にやるものだと思っていたんだけどね。前もってスケジュールを分けられていたため、そこまで騒ぎにはなってないけれど、決めている時は知らなかったんだよね。スケジュールを分けられた時にクラス全員で先生に聞いたような

 

「よーし!蓮舞くん行こうか!」

「ダントツで1番になってお前を倒して勝ってやる。あと––––––

 

 

 

 

 

 ––––––ズルはするなよ」

 

 

 

 ………………えっと、そのズルって魔法とか能力を使うこと?

 

 

 

『位置について、よーい、ドンッ!』

 

 

 発砲音と共に、僕たちは弾丸のように飛び出した

 1500m走は1年から3年までの代表者2名が全員一度にやることになっている。時間短縮とかで……

 

「蓮舞くん飛ばしすぎじゃない?」

「ふん、お前も飛ばしすぎると思うが?」

 

 現在僕と蓮舞くんはほぼ隣合っている状態で走っている。他の人たちは後ろの方で走っているね。それにしても、棒術をやっている蓮舞くんは無駄のない動きで走っている。僕は元より魔法とか能力を使ったりはするつもりもない。神奈子さんや諏訪子さんと遊んでいるからかなり体力がある方だと思う。因みに神様2人は神社から出ることができないのでここには来ていないけど、お母さんが撮って後で観せる……らしい

 

「そういえば蓮舞くんって特撮とか、アニメって観るの?」

「…………特撮は電王あたりでやめたな。アニメは観てはいるが、がっつりは観ていない」

「そうなんだー。アニメのジャンルは何が好きなの?僕は日常系」

「…………バトルものと推理ものだな」

「たしかに蓮舞くん頭いいもんね。学年で1位って凄いじゃん!」

「英語以外は俺とほぼ同列のお前が言うと皮肉に聞こえるな」

「いや〜照れ照れ」

「露骨に照れるな」

 

 バッサリと斬り捨てられる僕の心はボドボドだ!

 そんな他愛のたい雑談をしていながら走っているとゴールが見えてきた

 

「ラストスパート!」

「クロックアップ!」

 

 全力で走る僕と蓮舞くん。僕たちはほぼ同時にゴールテープを切る。僕たち接戦が多いね

 

 結果は……

 

 

 

 

『ただいまゴールしました1-5の2人。ほぼ同列でしたが、上殊 夢華さんが先にゴールしました!』

 

「やったああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

「はぁ、はぁ、はぁ、クソ!まだ鍛錬が必要だな」

 

 これで僕たちは2-1で勝っているけど、次の勝負で蓮舞くんが勝てば、同列だけど、蓮舞くんの勝ちになってしまう

 まだ気の抜けない戦いだよ

 

 

 

 

 

「よーし!次でラストだ!ここに全てをかけるぞ!」

「「「おー!!!」」」

 

「…………普通中学校でないだろ……やっぱり」

 

『次は騎馬戦です。一年生のみなさんは移動して下さい』

 

 僕たちにとっての最終競技は騎馬戦…………蓮舞くんと同意見。なんで中学校であるの?

 この競技は学年で分かれていて、人学年男女合同で行われる。1つの騎馬を作るのに4人必要。僕たちは、僕、早苗ちゃん、昏御ちゃんが足場で絢斗くんが上。蓮舞くんは背が高くて力持ちだから足場の方になるんだったんだけど勝負をやるために上になった。蓮舞くんの足場のクラスの人たちは、蓮舞くんほど背は大きくないけど他の人に比べたら大きい人が3人となっている。制限時間は10分で、多く他のクラスの騎馬の頭に巻いてある鉢巻をとったら勝ち。取られた時点で速やかに場外に出ることになってる。騎馬の人がハチマキがあっても失格

 騎馬戦で難しいところは、足場の人だろう。バランスを崩したら上の人が倒れるので失格。上の人の重心で倒れて以下略

 

「ここで俺たちが勝って、蓮舞を仲間に加えるぞ!」

「「「おーーーーーー!!!!」」」

 

「絶対にぶっ倒す」

 

 

 

 

 

 

 

 

『騎馬戦、スタートです!』

 

 スピーカーから流れる声により、僕たちの最終勝負が開始された

 

『分取れ!赤チーム!』

『生き残れ!青チーム!』

『震え上がれ!黄チーム!』

『燃え上がれ!緑チーム!』

『引きちぎれ橙チーム!』

 

 上級生たちからの熱い応援が耳に届くんだけど…………うん、ツッコミどころが多いね。1つずつやっていこうか

 なんで緑チームが燃え上がれなの!?緑が燃えちゃダメでしょ!茶色になっちゃうよ(たぶん)!他のものは思い浮かばないけど!あと橙チーム!引きちぎっちゃダメでしょ!次の試合のときどうするの!?予備がたくさんあるの!?

 

 と、僕が心の中で頑張っている中でも状況は進んでいるわけでして

 

「絢斗!後ろ!」

「次は左です!」

「絢斗くん一旦下がるよ!」

「こっちばっかり狙ってくるな!」

 

 現在僕たちは他チームに集中砲火されている

 

「なんでこんなにくるんだ!対処しきれないぞ!」

「さっきの僕たちの勝負の光景を見たからだと思うなー」

「まあ集中砲火を受けているのにいまだに失格になっていない絢斗くんは凄いですけどね」

「絢斗の身体能力は中学生を超えているよね」

 

 実際絢斗くんの身体能力は凄く、日頃からいつくるかわからない悪の組織を倒すために鍛えている(その光景を早苗ちゃんと観たことがある)ので、中学生とは思えない反射神経と正確な動きで相手のハチマキを取っていく

 

「ふぅ、ひと段落ついたところで蓮舞くんの方はどうかな」

 

 僕は蓮舞くんがいる方へ目を向けると絶句する

 何故なら、他のチームの人ハチマキを『目を瞑ったまま』取っているからだ。後ろから来ても適当に振るうとハチマキが取れている。取る瞬間に素早く手首を使っているのはわかったけれどなんで分かるのかは分からない

 

 しばらくすると、僕たちと蓮舞くん以外の騎馬は居なくなっていた。絢斗くんと蓮舞くんが持つハチマキの数は同数(能力使用)

 

『試合終了です……って、ええええええええーーーーーー!!!!!!!』

 

 流れるような驚愕の声。さてはこの人プロだな?

 ここで僕たちの勝負の決着がつく予定だったんだけどできなかったらデスマッチ化するのは当たり前だよ

 つまり、

 

 

『なんと!最後の1人になるまで戦うことになりました!なんでだー!』

 

「そりゃあ最後の1人になるまで終わらないからだ!」

「こんな結末じゃ満足できねぇ」

 

 そう言って2人はグラウンドの中心でハチマキの取り合いを始める

 

 先に手を伸ばしたのが蓮舞くん。背も高くて腕も長い蓮舞くんの方が有利なのは明確。絢斗くんは手の届く間合いまで入らないとハチマキは取れない。蓮舞くんが後ろに体を倒したら崩れてしまうのは明確だからそれは無い。でも絢斗くんはできる。小学校からいろいろなことをやって来たから絢斗くんがやりたいことはわかる。友情パゥワーみたいなものだね!

 

 蓮舞くんの手は弾かれてしまうがもう片方の手でハチマキを取ろうとする。その手を絢斗くんは体をねじって回避。そして右手を突き出して取ろうとするがそれを左手で弾いてからそのままハチマキを取ろうとする。が、絢斗くんはまた体をひねって回避する。それを先読みしたのか蓮舞くんは右手でハチマキを狙う。それを体勢が悪いままでジャンプして蓮舞くんのハチマキを取ろうとするが、上手くいかず、蓮舞くんが今を横に倒して回避。空中に飛んだ絢斗くんをキャッチするために急いで動く足場の僕たち

 

 この激戦を見ていた人たちは最初、何やってるんだこいつら……、と見ていたが、どんどん激しくなっていく攻防の熱気に当てられて歓声が湧く

 

「いいな蓮舞!今最高に楽しいぞ!」

「癪だが、俺もそうだ!」

 

 2人とも楽しそうにせわしなく両手を動かす。だが、蓮舞くんは背が高くて鍛えているからそれなりに体重がある。それでこんな激しい攻防をしていくうちに足場の3人は大変だろう。もうそろそろ力尽きてもいいはずなんだけど……

 でも、そんな結末は望んでいないのは僕たちだから最後まで頑張ろう!という目線を送る

 

「ぐ……」

「なっ……」

「そこだ!」

 

 足場のうちの1人が限界になって来ていたのか蓮舞くんのバランスが崩れる。それを見逃さずに絢斗くんは右手を突き出す。それを、体勢を崩したままで蓮舞くんは右手で払うが、絢斗くんは飛んで左手をハチマキを捉えて振るう。蓮舞くんは体勢を崩したまま右手で払ってしまったため、左手は自分の体の反対側から来る左手に対処することができないまま、絢斗くんの左手は蓮舞くんの頭に巻きついているハチマキを取ることに成功した

 

 当然絢斗くんは飛んでいてハチマキを取ることを優先したため、僕たちが受け止めようとしても、蓮舞くんたちが邪魔をして受け止められない。蓮舞くんは体勢を崩したまま地面に倒れるようになる

 地面にぶつかる!と、思った時に絢斗くんは綺麗な受け身をとって無事に着地。蓮舞くんは左手を地面に当てて逆立ちしてから両足をつけて無事着地

 

 結果は––––––

 

 

 

『え、えー、ただいまの勝負、ハチマキをとったえーと、原峰 絢斗さんが勝利です!』

 

 スピーカーからの声でグラウンドが歓声で埋め尽くされる

 

 その中を歩く絢斗くんは蓮舞くんに手を差し伸べる

 

「いい試合だったな」

「そうだな。まあ、負けてしまったんだ。約束は守る」

 

 そう言って蓮舞くんは絢斗くんの手をとった

 

 これで、僕たちの勝負は終了。後は、他の競技とかあるけど、もう、どうでもいいやって気分になってしまった




次回、3人の能力がわかります


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第59話 3人の能力

どうもカミユです!
絢斗「今回は俺たちの能力の公開だな!」
まあ今回の説明でわからなくてもこの章が終わってからまとめみたいなのをやるのでそこで詳しくやるつもりです
絢斗「今回でちゃんとやれよ」
捉え方次第ですがみなさんの能力はチートです

絢斗&カミユ「本編へどうぞ!」


 Side 夢華

 

 運動会から3ヶ月が経過した日。運動会が秋にやった事で現在は冬。いやー、布団から出るのが辛いですね〜

 みんな共通(であると思う)の出来事。まあ僕は魔法でどうにかできるし、寒暖なんて僕の敵じゃない!……………………朝とかはマジで無理……

 

「やっほー凄いね〜なんか雨の降った後の河原は滑るね〜」

「絢斗私の手をとって〜うわわわわ〜」

「昏御!」

「相変わらず絢斗くんの運動神経が良いですね。スケートもできそうです」

「はあ、この光景に慣れてしまった自分をこれほど憎む事になるなんてな」

 

 朝布団から出るのが大変なほど寒い日に近場の河原に出ているのかは、頭を抱えてため息をついている蓮舞くんが呼んだから

 

「それで蓮舞、俺たちを呼んだ理由を教えてくれないか?」

「そうだな。とりあえずお前は器用に滑るのをやめてこっちに来い」

 

 ものすごく滑る河原で滑っている絢斗くんを連れ戻してから僕たちが集まる

 

「単刀直入に言う––––––

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ––––––お前たち能力を持っているだろ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………蓮舞くん、いきなりどうしたんですか?」

「能力って厨二病?」

「蓮舞!お前も覚醒したのか!?」

「僕からはノーコメント〜」

 

 ………………あー、ははははは。蓮舞くんに能力のことは言っていないはずなんだけどな〜

 

「とぼけるな。絢斗と昏御は似たようなもので、東風谷は奇跡のもの。夢華は漢字を使用したもの、さらに魔法が使える。絢斗と昏御は瞬間移動系だ。どうだ?」

 

 ………………蓮舞くんの能力は把握的な能力かな?

 

「そうだ」

 

 地の文を理解するのか……

 

「そうだが、蓮舞も能力を持っているのか?」

「あぁ、俺の能力は『把握する程度の能力』だ。具体的には俺を中心とした半径100m内の状況を把握する能力だ。範囲内のものの動きを知ることができる。1人に絞れば、過去の状況を把握することができる」

 

 強!なにそのチート!だから僕たちの能力を知ることができたのか!

 それと運動会の騎馬戦で振り向かずにハチマキを取っていたけど能力でできたのか

 

「俺はそうだな。触れたものを瞬間移動させる能力だ。片手に触れればどこでも移動させることができる。自分を移動させるときは、移動したいと思えばできる」

 

 よく分からなければ、超電磁砲の黒子の上位互換だと思って。あと、移動させる重さに制限はなし………………これも十分チート

 

「私は追放する能力……って言えばいいのかな?いや、でも、『追放する能力をものに付与する程度の能力』かな?生き物には付与できないけど物ならなんでもいいよ。例えば、木には出来ないけど、折れたりしている枝でもいいよ。追放の解釈は、その場から強制的に移動させるもので、場所の指定はできるよ。あと、最低でも1m以上は移動させるもの。自分は基本的にはできないけどできないことはない」

 

 絢斗くんの能力との違いとしては、自分で触れるか、もので触れるかの違い

 

「僕は〜以下略」

 

 僕の能力は別の話にあるから略します

 

「私は〜以下略」

 

 早苗ちゃんの能力は奇跡を起こす能力だけどまだ未熟で簡単なものしかできない

 

「夢華、突っ込まないぞ」

「なんのことかな?」

 

 うわー、ほんとチートだなー

 

「よし!俺の家でクトゥルフをやるぞー!」

「……俺がやってもいいのか?」

「適当な人に能力を絞ればできるよね」

「ルルブみなさん持っていますか?」

「無かったら僕が作るよー」

 

 うーん…………いつも通り!




次回は魔界へ行きます


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第60話 疑問

どうもカミユです!
今回は急いでやったのでいつも以上に抜けているところが多いでしょうがご了承下さい


 Side 夢華

 

 話をしよう。あれは今から…………何日前だっけ?あー思い出せない。せっかくネタでやろうと思ったんだけどなー

 

 〜〜ある日のこと〜〜

 

 現在中学2年生の夏の8月。つまり、夏休み!学校によるけど大体40日前後の長期休日。多くの人は、夏休みを楽しみにしていることは間違いなし。長期休暇でいつもはできないことにも挑戦できるし、趣味に没頭することもできる

 

 しかし、長期休暇の分、宿題が多い。当然といえば当然なんだけどね

 そんな大量の宿題を終わらせるのに大体3つくらいに分かれる

 1・夏休み序盤で一気にやってしまう。そうすればあとは遊んでも良いし、やり残しがあったとしても気付けばできるし、個人的にはオススメ

 2・毎日コツコツやる。あらかじめやる範囲とかを決めておいて、それを毎日こなす。宿題さえ忘れなければ他の時間は自由に使える。個人的にはまあオススメ

 3・残り一週間以内で終わらせる。これは、夏休み最初は遊んでいられるけど、学校の登校日が近づいていくにつれて絶望していくもの。やっつけ仕事並みにやってしまったり、友達の宿題を写すなどなど。個人的には絶対にオススメしない。絶対にオススメしない。大事なことなので二回言いました

 

 …………なんで夏休みの宿題のこと話していたんだろう……

 

 えーと、話を戻して〜現在僕たち中学二年生の5人は、近くの山の滝が流れている川に遊びに来ている。全員水着姿でそれぞれやりたいように遊んでいる

 

「くらえ!」

「なにを〜!」

 

「早苗ちゃーん。あそこにカエルがいるよー」

「わー諏訪子様みたいですね!」

「諏訪子さんの帽子って特殊だよねー」

 

「……ふーむ。釣りをしているがなかなか釣れないな。把握したとしても意味ないことが多い。というか絢斗と昏御が暴れているから魚たちが逃げている」

「えーい」

「おわっ」

 

 さっきの『中学二年生の5人』は違ったな。正確には、『中学二年生5人と中学一年生1人』だった

 さっき釣りをしていた蓮舞くんを川に突き落とした眼鏡をかけた茶髪(ツインテール)の女の子。宇佐見 菫子ちゃん。蓮舞くんの幼馴染で、一歳年下。家が近くで家族ぐるみで仲が良いらしい。気さくで話しやすい子で、オカルトチックの事に興味があるみたい。僕もないことはないけど……魔法使いである僕だったらいつでも知ることができるから、あえて知らないようにしてる。神秘の真実を知ってはいけないとゴーストが囁いているような気がしたから

 

「そういえばーみんな宿題終わったー?僕は最初にやっちゃったよー」

「私はあと少しです。確か英語だけです」(早苗ちゃん)

「やってない!」(絢斗くん)

「同じく!」(昏御ちゃん)

「とっくに終わっている」(蓮舞くん)

「私も終わってる」(菫子ちゃん)

 

 まあ、うん。絢斗くん昏御ちゃんは予想通り。他のみんなも予想通りかな。早苗ちゃんは毎日コツコツやるタイプだから

 

「先に言っておくが写させて欲しいとか言ってくるなよ」

「そんな事はしない。宿題は自力でやるものだからな。だが、どうしても自分で解けないものは仲間の力を借りれば良い」

「絢斗と同意見」

 

 これはみんなで勉強会はあり得るかな?

 

「さて、たくさん遊んだわけだし、ここからは能力を使用した模擬戦をやるぞ」

「了解!ちょっと待って。モデルガンを持ってくるから」

「私は見学しておきますね。戦闘向きではないので」

「私も〜」

「いつでもできるぞ」

「蓮舞くんずぶ濡れなのにやるの?」

「…………着替えてくる」

 

 僕たちは定期的に模擬戦をやっている。発案者の絢斗くん曰く

「いつ何時でも緊急時に備えて鍛錬をしておかなければならないから」

 らしい

 

 この場所は僕の魔法で基本的に出入りすることができないようにしている。魔法を破ればできるけど、それをできる人はこの場にいるみんなと、お母さんくらいしか知らないなー

 

 

 

「ん〜」

「どうかしましたか?なにか気になることでも……」

「いやね?前々から思っていたんだけどさ、昏御ちゃんの能力って、基本的に『BB弾に触れたものを追放』しているでしょ?」

「そうですね。場所の指定もできるとか」

「その場所を決めるっていっても戦闘中だと追放したい場所が常に変わったりするでしょ?その程で昏御ちゃんがやっているわけだし。じゃあ、『場所決めをしない状態で、能力を受けたらどうなるのかな?』」

「…………分かりません」

 

 絢斗くんと昏御ちゃんの模擬戦を見て僕は思ったわけだけど、本当どうなるのかな?

 

「それは、まあ実際に行ってみればいいんじゃないか?」

「それだよねぇ。気になるけど知ったらいけないような気がする」

「もしかしたらブラックホールとか」

「蓮舞くん!?そういう事は言っちゃいけないよ!?ありえそうだから!」

 

 蓮舞くんのブラックジョークにツッコミを入れていると、模擬戦を終えた2人が戻ってくる

 さっきの疑問を話すと

 

「じゃあ明日行ってみるか!」

「場所はここで、持ち物は各自必要だと思うもので!」

 

「「「おーー!!」」」

「「マジ(か・ですか)……」」

 

 こうして僕たちはどこに行くのかわからないところに行くのであった

 

 

 

 

 

 

 

 〜翌日〜

 

「みんなー持ち物は持って来たー?」

「当然!」

「何を持って来れば良いかわからなかったので神奈子様と諏訪子様と一緒にやりました」

「とりあえずこれがあれば良いかな」

「とりあえずの非常食と武器だな」

 

 昨日のみんな(菫子ちゃんを除く)が集合場所に集まって持ち物を公開する

 

 僕・ライト 辞書 携帯

 早苗ちゃん・非常食 ライト お守り 携帯 虫除けスプレー

 絢斗くん・仮面ライダーの図鑑 特撮のカードゲームのカード 非常食

 昏御ちゃん・モデルガン二丁 BB弾 絢斗くんと同じもの

 蓮舞くん・組み立て式の棒(ナミのクリマ・タクトみたいな) 棒の予備 非常食 ライト 虫除けスプレー

 

「それじゃあみんな行こう!」

「「「おー!」」」

「はあ、おー」



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第61話 魔界突入

どうもカミユです!

やっと本題に出ることができました……


 Side 夢華

 

「それじゃあ順番でやっていくよー」

 

 昏御ちゃんが改造モデルガンをこっちに向けてくる。一応BB弾に触れると痛みは無く、追放されるわけだけど、能力付与無しの威力は木にめり込むくらいの威力で、スピードも色々と改造したらしく通常のよりも早い。上記の通り、痛みは無いが、恐怖が無いわけでもない

 

「その前に昏御ちゃんが最後だとしても、それなりの準備は必要だよね。取り敢えず、暑さと寒さに対応している魔法陣を持って行って」

「追加できるなら瘴気にも対応しているものも必要だな」

「あと仮面ライダーのベルトも貸してくれ。オーズ」

「ほい、ほーい」

 

 蓮舞くんの要望通りに瘴気に対応した魔法陣を人数分、絢斗くんの要望通りにオーズのベルトを渡す。メダルはコンプしているから原作通りにしまってある

 

「早苗ちゃんと昏御ちゃんは?」

「私は……夢華くんと一緒に行きたいです。その……怖いので」

「私は〜…………うーん、アクセルかな」

「はい、ベルトとアクセルメモリーとトライヤル。早苗ちゃんは手をつないで行こうか」

 

 そんな訳で準備は万端。あとは順番を決めるだけなんだけど…………

 

「行きたい人手をあげて」

 

「はい!」(絢斗くん)

「はい」(蓮舞くん)

 

 2人が手をあげたから、絢斗くん→蓮舞くん→(僕は早苗ちゃんと一緒に行くから)僕&早苗ちゃん→昏御ちゃんになった

 

「それじゃあ俺は先に行っている。待っているぞ」

「地味な死亡フラグを立てていくー」

「安全くらいは確保しておく」

「そこまでラグはないけどー」

「それじゃあ行こっか」

「はい」

 

 僕は早苗ちゃんと手をつないで発砲される。一瞬で景色が変わって……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 気が付いたら綺麗な装飾をされた部屋に出た…………いや、出たと言うよりは転移した、が正しいのかな?

 

「早苗ちゃん。ここはどこだと思う?」

「そうですねぇ。王国の王様がいるような場所ですね」

「うわぁお、凄いね。あっちこっちに肖像画が飾られてる」

 

 僕たちが転移した場所は早苗ちゃんが行った通りの王様みたいに位が高い人物が住んでいそうなところだった。見渡すと本棚にベッド、机に椅子などの物が揃っている。全てが豪華だと一目でわかるくらい凄い

 

「ん?なんだろうこの本。題名がないけど」

「なんでしょうか。見てみます?」

「……う〜ん。人の物を勝手に見るのは少し気がひけるなー」

 

「あら、可愛らしい不法侵入ね」

 

「うわあ!」

 

 本棚にあった本を手に取ってみるけど、人様の物を勝手にみるのはいけないことだと知っているので返そうとしたところで急に大人の女性の声が背後から聞こえる

 ドアが開く音もしなければ、最初からこの部屋にいたとも思えない。いつ来たのか分からない。そんな突然の出来事に驚いてマンガみたいに両手を上げてしまった。返そうとした本が手から離れ、宙に舞い、床に落ちる

 

「あ」

「あ」

「あら」

 

 落ちな本はパラパラとページを開いて、しばらくすると止まる

 

「えっと……その……すみません?」

「いえいえ、こちらこそ驚かせてごめんなさい」

「不可抗力とはいえ不法侵入したのはこちらですので……」

 

 みたいな会話が始まった

 

 その本は簡単に言えばこの部屋の主人、神綺さんの娘のアリスって子の成長記録だった。写真付きで挟まれていた

 

「神綺様。魔界に侵入した人間の子供が3人現れました。おや、もう2人追加しておきます」

「そうなの夢子ちゃん。もしかしたらその3人はこの子たちの友達かもしれないから丁重に連れてきて」

「その……それが、町の住人たちと戦闘中みたいです」

「あ、まあ急に魔界に人間が現れたらそうなるわよね」

 

 早苗ちゃんの神綺さんの会話の途中にメイド服を着た夢子さんが現れて報告する

 そういえば絢斗くんたちが見当たらなかったな〜

 

「多少傷つけてもいいから連れてきて」

「分かりました」

 

「早苗ちゃん、僕たちも行くよ!」

「はい!」

「瞬間移動!」

 

 早苗ちゃんと手をつないでこの家……じゃなくて屋敷の上空に移動する

 

「絢斗くんたちは……」

 

 魔法陣を展開して足場にする。早苗ちゃんと一緒に乗ると、辺りを見渡す

 少し騒がしいところがあり、そこをみると町であった。その中に見知った顔が3人いる

 

「あそこ!何やってるのみんな!」

「自衛だと思います!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〜時は遡り Side 絢斗〜

 

 昏御の能力で1番最初に飛ばされた俺は町みたいなところに出た。そこそこ明るく、住んでいるところに比べれば薄暗いと印象があった。上を見れば黒い雲があるのか、それとも岩の中なのかよく分からない

 そして周りを見れば明らかに人間じゃないもの。ツノとか尻尾がなければ人間に見えるものなどが闊歩している

 

「なんだ、此処は?」

 

「おい、人間が居るぞ。どうする?」

「当然食うだろ」

 

 不穏なセリフが聞こえたんだが……気のせいだよな?

 

「オラァ!」

「ふん!」

 

 急に襲いかかってきた魔物?の攻撃を回避して背中に蹴りを入れる

 

「ったく、どうしてこうなるんだよ。俺がこうなっているってことは他のみんなもこんな目にあっているのか?」

 

 魔物の攻撃を避けながら反撃をしていくが、ほとんどダメージはないらしい。装甲でもあるのか、単純に硬いのか

 

「だったら」

 

 昏御に飛ばされる前に、夢華に渡されたオーズドライバーを手に取り、装着する

 

「行くぞ!」

 

 3つのコアメダルをオーズドライバーに装填し、傾ける。右側についている円形の物、オースキャナーを持ち、右から左にオーズドライバーの上をスライドする

 

「変身!」

 

 タカ!トラ!バッタ!タ・ト・バ!タトバ、タ・ト・バ!

 と変身音とともに俺は仮面ライダーOOOの基本フォーム、タトバコンボになる

 

「なんだ、今の音楽は」

「音楽は気にするな」

 

 アンクと同じことを言えるなんて……感動した

 

「なんだ!この人間!」

「クッソ!止まらねぇぞ!」

 

「こっちからも来たぞ!なんだこの人間は!?」

 

 魔物たちの叫びが2方向から聞こえる

 見る必要もない。あの2人ならすぐに来るだろう

 

「絢斗!もうオーズに変身したの!?早いって、私と一緒に変身しようよ!」

「じゃあ変身を解除するか?」

「それはダメ!」

 

「おい、俺が後ろで指示を出すからさっさと倒せ。夢華たちがどこにいるかわからない」

「分かった。昏御、やるぞ!」

「うん!」

 

 昏御は夢華から渡されたアクセルドライバーを取り出して装着する

 

「変、身!」

 

 アクセルメモリーを取り出してドライバーの中央に入れる

 そして横の取っ手を一捻りをする

 バイクの音とともに、昏御は仮面ライダーアクセルになった

 

「さあ、振り切るぜ!」

「敵は多い。なるべくたくさん倒していけ」

「行くぞ!」



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第62話 3対1

どうもカミユです!

最近リアルが忙しすぎて執筆する暇がなくて投稿することができなくてすみませんでした。これからは週一に投稿することになりますがよろしくお願いします


「絢斗、後ろだ!」

「クッソ!多い、コンボだ!」

「絢斗、一緒に行くよ!」

 

 絢斗は今ベルトに装填しているメダルを外して、クワガタ、カマキリ、バッタのメダルを装填し、オースキャナーを右から左にスライドする。すると全身が緑色に輝く。コンボチェンジした時、虫の羽音が鳴る。その後、ガータガタガタキリバ、ガタキリバ!と音声が鳴る

 

「行くぞ!」

 

 ガタキリバが1人また1人と、分身していく。そして一人一人がオースキャナーを右から左にスライドし、スキャニングチャージする。そして全員が跳躍する

 

 その間に昏御はエンジンブレードにアクセルメモリーを装填する

 

「せいやあああああああああ!!!!!」

「はああああああああ!」

 

 無数のオーズが無数の魔物達を蹂躙し、アクセルが前方の魔物達を倒していく

 オーズがメダルを変えているときに特撮のお約束を守って黙って立っていたが、蹂躙された

 

 

 

 

 絢斗と昏御が魔物を全員倒すと変身を解く。それぞれのドライバーをご都合主義の4次元空間にしまう

 

「蓮舞。ここはどこなんだ?」

「少なくとも人間界ではないことは確かじゃないか?」

「あ、私には聞かないでね。設定していなかっただけでこんなところに飛ばされることなんて知らないから。こういう時に能力の情報を全て知りたいよね」

 

 3人が話していると蓮舞の顔がこわばる

 

「絢斗、伏せろ!」

「!うおっ!」

 

 蓮舞が指示を出すのと同時にケントが伏せると、絢斗の頭の上に空を切る音がする

 蓮舞の能力で急速に半径100m内に入ったものに対しての嫌な予感が働き、指示を出さなければ絢斗の首は体と分かれていたことだろう

 

「おや、指示があったとはいえ反応が早いですね」

「なんだこの人。瞬間移動でもしたのか!?」

「絢斗、コイツはヤバイぞ。俺たちが連携でもしないと勝てない。単体で挑めばまず勝てない」

「絢斗一旦下がって」

「聞こえていて下がらせると思いますか?」

 

 襲撃者、夢子は剣を持ち変えて、絢斗の体を斬りあげるようにする

 が、絢斗の能力は瞬間移動。夢子の剣が体に触れる前に後方に退避する。と同時に昏御と蓮舞に触れて夢子の直線上から別の場所の近くの建物の陰に隠れる

 

「今あの女は南東の65m付近を歩いている」

「今のうちに砂利とか持っておかないと」

「立ち位置はどうする?俺が前に出て蓮舞が指示を出して、昏御が援護か?」

「そうだが、絢斗は全力で避けることを考えてくれ。アイツはさっきも言ったが俺たち3人でもキツイ。あんな化け物と戦えるのは夢華だけだ。東風谷はどこにいるかは知らないが夢華が連れてくるだろう」

 

 昏御は近くの砂や砂利などの細かいものを持ち、絢斗はゆっくりと息を吐きながら蓮舞の作戦に耳を傾けている

 蓮舞は能力に集中しながら冷静な指示を出す。この戦闘においての勝利条件は夢華が来るまで持ちこたえること

 

 蓮舞の能力の把握する程度の能力は、現時点で半径100m内のものの状況を把握することができる。さらに把握する対象を1つに絞ればそのものの過去などを知ることができるが、それ以外のものを把握することができなくなる。もしかしたら他の援軍が来る可能性もある。なので、夢子の過去などを把握せず、こちらの援軍の夢華が来るまで隠れる、もしくは戦闘しながら待つしかない

 

 ここまで蓮舞が考えた瞬間に

 

「作戦は練り終わりましたか?」

 

 建物の中から少しくぐもった夢子の声が聞こえた。その瞬間に蓮舞が真横に体を倒し、昏御が手に持つものを蓮舞の方に投げる

 その行動が建物の壁から剣が豆腐を切るように真横に振り切るのが同時だった。間一髪回避した蓮舞は少しだけ髪を切られた

 

(早すぎる!俺が感知できる早さよりも早く動けばほとんど意味がない)

 

 壁を豆腐のように切った剣が蓮舞の頭を貫こうとするが、その間に昏御が持っていた砂や砂利が剣の刀身に当たる

 

 昏御の能力は追放する効果を触れたものに付与する程度の能力。能力は触れた生き物以外のものに追放(その場から1m以上)することができる。砂や砂利のように細かく多く手に持つことができれば効果を無効化されたり点と点の攻撃など以外の攻撃には最強の盾を持つ。さらに、その効果は昏御が能力を解除するか、地面に落ちた瞬間に解除される。なので砂や砂利が地面に落ちるまで効果が続く。相手の後からの攻撃にも効果を発揮する

 

「あら、珍しい能力だこと」

「絢斗、開けた場所に移動しろ!」

「おう!」

 

 絢斗が蓮舞と昏御に触れ、瞬間移動する。一度上空に移動し、視線を辺りに向けて開けた場所に再び瞬間移動する

 

「ここで夢華が来るまで持ちこたえるぞ」

「来た」

「どこからでも来い!」

「人間にしてはやりますね。博麗の巫女ほどではないですが、油断せずに行きましょう」

 

 絢斗と夢子が正面から激突する

 

「オラァ」

「正直な人なのですね」

 

 絢斗が走るスピードと夢子の走る早さは圧倒的に夢子の方が早い。なので、絢斗は正面から右拳を振るうが、夢子は身をそらし回避する。そしてそのまま先ほど昏御の能力で追放(2m先)された剣で斬りかかる

 

「絢斗今だ!」

「おう!」

「ほらほら!」

 

 蓮舞が指示を出すのと同時に絢斗は夢子から離れたところに瞬間移動する

 

 絢斗の能力は触れたものを瞬間移動させる程度の能力。詳しい能力効果は禁書目録の黒子の能力参照。違う点は複雑な計算はせずに、見たことがあるところに移動させることができる

 

 そして近くにある石畳に触れて夢子の目の前に移動させる。それと同時に昏御が改造モデルガン二丁で一発ずつ発砲する

 

「下と左だ」(小声)

 

 蓮舞の能力で夢子の体勢と筋肉の動きで相手の動くであろう可能性の場所を小声で昏御に指示を出す

 

「!」

 

 夢子は左側に避けるが、そこには昏御のBB弾が迫っていている。昏御の能力を知っているため生身で受けるわけには行かずに、距離をとって回避しようとする

 

「おおお!」

「なっ」

 

 夢子の視界の隅に絢斗が出現する。そして拳を振りかぶっている。それに反応して夢子が剣で迎撃しようとするが、急に絢斗の姿が消え、夢子の背後に移動する

 

「ぐ……」

「はあ!」

 

 夢子の背中に絢斗の拳が叩き込まれる。夢子は少しよろめいたが少しだけ飛んで回し蹴りをする

 

「がっ……」

 

 絢斗は腕をクロスにして夢子の蹴りを受け止める

 そして絢斗は昏御の蓮舞のそばに瞬間移動する

 

「3人がかりとはいえ人間が私と対等に戦えるなんて……」

 

「蓮舞。夢華がどこにいるかはわかるか?」

「少なくとも100m内には居ないな」

「どうする?このまま行く?」

「いや、待て」

 

 蓮舞が目を見開く。夢子の剣に魔力が集められていくのを把握したからだ

 

「絢斗!」

「は?」

「ヤバイヤバイヤバイ!」

 

「散りなさい!」

 

 夢子の高密度の魔力が3人を襲う。それに反応できたのは蓮舞だけで絢斗と昏御は呆けていた

 

 蓮舞は少なくともここで全滅する。そう思った。が、魔力が蓮舞にあたるよりも早く、蓮舞の能力範囲内に高スピードで突っ込んでくるものがある事を把握する

 

「あああああああああ!!!!!おのれディケイドー!」

 

 そう叫びながら突っ込んできた夢華は夢子の高密度の魔力とぶつかる

 

「へ?グベラ!」

「うおっ」

「夢華!」

「ちょっと待って!」

 

 魔力に突っ込んだ夢華はそのまま押し出されるように吹き飛ぶ。直線状にいた3人はそれぞれの反応をする。蓮舞と昏御は避け、絢斗とぶつかってしまう。2人が吹き飛ぶところを離れたところで見ていた早苗はこう思った

 

(ある意味奇跡ですね)

 



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