LIAR GAME ーキマグレー (におい菌)
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始まり
この世は三つの種類の人間で分ける事ができる。
私はその中では貧乏に入るだろう。
古びた服。段ボールの部屋。騙されて得た商品。有り金5000円。今の私にはこんな粗末な物しか残っていない。
何もかも信じていてはこの世は生きていけない。
それをこの状況にまで落ちる事で理解した。
そんな絶望の中。
一つのOL達の会話が耳に入ってきた。
「ねぇ。ライアーゲームって知ってる?」
貧乏。裕福。一般。
この世は三つの種類の人間で分ける事ができる。
私はその中では貧乏に入るだろう。
古びた服。段ボールの部屋。騙されて得た商品。有り金5000円。今の私にはこんな粗末な物しか残っていない。
何もかも信じていてはこの世は生きていけない。
それをこの状況にまで落ちる事で理解した。
そんな絶望の中。
一つのOL達の会話が耳に入ってきた。
「ねぇ。ライアーゲームって知ってる?」
ライアーゲーム。私には何故かその言葉が自然に耳に入ってきた。
「何それぇ?」
「超〜金が儲かるんだよ!すごいでしょ!」
「何それ気になる気になる。何処であったりするの?」
「ほらこの近くのさ、豪華なホテルあったじゃん。」
「あ〜。あれね。何故か潰れた所でしょ。」
「あれ買い取られたらしいんだ。ライアーゲームするために。そして私はこれに参加するのだ!ふふふ。」
「・・・。私も参加していい・・?」
「全然大丈夫だよぉ。そこのホテル行ったらいいだけだし。」
「ホント!じゃあ参加する!いつあるの!一緒に行こうよ!」
「ふふふ。あせりなさんな。今日なんだよ!今日!」
ここまで聞いた時には彼女。つまりホームレスの身体は動きだしていた。
「さて・・と・・・。どうすっかな。」
とりあえず、有り金で今着ている服装を整えようと、考えた。
女性の本能だろうか。
ちょうど近くに古着屋があった。
そこで彼女は服を買うことにした。
そこにあったものは古びた服ばかりだが、彼女には豪華な品に見えた。
そこで有り金の半分くらいを使い果たし、服を買った。
まだ昼だ。
彼女はこういう金を稼げるゲームは夜にあるという印象が強かったため、日が沈み始めた頃に、ホテルに足を運んだ。
「ここ・・だったかな・・・。」
「あなたは今回のゲームの参加者ですか?」
黒服に身を包んだ男が彼女に話しかけた。
「え?!あ、はい・・・。」
彼女は一瞬驚いた後、平静を取り戻したかのように返事をした。
「では、こちらへ。楽しんでいってください。」
男は強張った顔に似合わないニヤケ顔を浮かべ、彼女をホテルの中へ案内した。
「あの・・。これからどのようなゲームがあるんですか?」
彼女は黒服に尋ねた。
「命とか掛けたりするものではない・・・ですよね・・?」
彼女は表面状では怯えていたが、内心では恐怖と期待で心が弾んでいた。
「何言っても答えてくれませんか・・・。」
彼女は心の中で呟いた。
「こちらでお待ちください。」
部屋には机。その上にカード。そして、高校の時の唯一の男友達である『神崎 黒井』がいた。
「黒井!?」
黒井 友和。見た目はスラッとした痩せ型で、黒が多めのフードコートを身に纏い、対象的な白のジーンズを履いている。全体的に見ると、不良的イメージをかきたてられる。そういう奴だ。
「やぁ。里花。久しぶりだね。高校以来だから・・・、5年ぶりかな?」
「あんたも相変わらずだね。またギャンブル?」
「それは里花が言えた口じゃないだろ。まったく。」
今さらだが、彼女の名前は真島 里花。ギャンブルが子どもの頃から好きな女性。
どんな負けさえも彼女にとっては、それもギャンブルの楽しみの一つだった。
しかし負けすぎてホームレスである。
黒井は彼女とは逆で、ギャンブルが上手かった。
「「ザァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!」」
激しいノイズ音と共に天井近くにあるテレビに映像が流れだした。
「どうも。こんばんは。私がディーラーです。今回私のライアーゲームに参加して頂き誠に感謝しております。」
映像に映る仮面を被った男が話した。
仮面が笑った顔だった。
それも、不気味な笑い方ではなく、満面の笑みといった感じだ。
「うわぁ・・。楽しそう・・。でも怖い。」
黒井は、最後の「でも怖い。」だけは小声で言った。
「まず、あなた達二人には最初の持ち金を決めるためにあるゲームをしてもらいます。」
ディーラーが続ける。
「その名も・・・。」
「サイズゲーム」
「です。」
何故かいちいち間をあけて話した。
「サイズゲーム?」
里花、黒井共に尋ねた。
「はい。その名の通り、数の大きさを競うゲームです。」
仮面の男の話が続く。
「ルールはこちらです。」
そう告げると画面に文字が映し出された。
<ルール>
・まず、テーブルにある15枚のカードから5枚、好きなカードを選ぶ。
・攻撃、防御にはそれぞれ別のカードを使う。
・カードにはそれぞれ数字がかかれてある。そして、お互いに選択した5枚のカードの中からカードを選ぶ。
・カードは選んだ後、シャッフルして場に置く。
・防御側が攻撃側のカードを選ぶ。防御側は自分のカードを確認する事ができるが、攻撃側は確認できない。
・勝負をする際、攻撃側は15分間防御側のカードを選ばない場合はタイムアップになり、ターンが強制終了される。
・そして攻撃側は相手に4回質問ができる。
・カードを選ぶ前に質問をする事もできる。
・防御側はその質問の答えに一度だけ嘘をつく事ができる。
・そして、数の大きさを競う。
・勝負に勝てば、相手の金を貰える。
・勝負を破棄する場合は戦争放棄と書かれたボタンを押し、その回の勝負を無効化させる。
・勝負を無効化させた次のターンでは質問が3回しかできなくなる。
・攻防共に3回行い、終了。
<禁則事項>お金を渡してください。
・防御側は相手の質問に対し、1回しか嘘をつけないため、2回以上嘘をついたら相手にお金を渡してください。
・質問での数を特定させる質問は1回しかできない。
・カードは触る事ができない。触った場合は、そのカードを選択したことになる。
・2回以上タイムアップをしてはいけない。タイムアップした場合も相手にお金を渡さなければならない。
・暴力行為の禁止
「以上でルールの説明を終了します。質問がある場合はどうぞ。」
「特にないぜ。」
「私もよ。」
「では今からリハーサルの代わりで1ターンだけ、ゲームをプレイしてもらいます。こちらはリハーサルですが、負けた場合は相手にお金を渡してください。」
「では、ゲームスタートです。」
里花の顔は強張った。
が、黒井はいつもどおり、ヘラヘラしていた。
「ではコイントスで先攻を決めます・・・チャリーン。コイントスの結果、黒井様の先攻でゲームを開始します。」
「よし。じゃあ始めるぜ。」
「では私は失礼させて頂きます。では、楽しんでいってくださいね。」
プツンとTVが消えた。
「ふぅ。疲れたー。」
先程までのディーラーとは思えない程ぐったりしていた。
その証拠に仮面を外して、座り方が椅子に寄りかかるようだった。
「今は仮面外さないほうが良いですよ。一応仕事中ですし。」
別のディーラーが先程まで満面の笑みの仮面を被っていたディーラーに話しかけた。
その別のディーラーの仮面は悲しい顔をしていた。
「別にいいでしょー。今くらいゆっくりしてても。てかお前の所の勝負は終わったの?」
「はい。組み合わせが悪かったようでして…。見ているのがつらかったです・・・。」
「それは奇遇ですね。こちらも少し組み合わせがまずいようです。どうせですし、一緒に観ますか?」
「そうさせてもらいます。」
「じゃ。こちらに座って。」
ディーラー達は監視カメラで里花達を観た。
「カードはこんな感じかな・・。」
黒井が独り言を呟きつつ、カードを選らんでいる。
「お前はもう決めたか?」
「(カードか・・。普通ならちゃんと考えて選ぶんだろうけど・・・。適当でいいや!)」
「選んだよ。」
「よし。じゃあ・・。俺のカードのどれかを選んでくれ。」
黒井はニッコリとした笑顔から、ニヤリとした笑顔に変えた。
<カード>□選ばれてないカード・■選ばれたカード・○戦闘放棄ボタン
黒井:□ □ □ ■ □
○
里花:□ □ □ □ □
「選んだな。じゃあ質問いくぜ。」
「ゴクリ・・・。」
里花は唾を飲んだ。
「まずは相手の数の基準を決めないとな。お前の持ってるカードの中で、8以下の数字を持つカードをどれでもいいから教えてくれ。」
上手い質問だった。
「あ・・・えーと。ココだよ。」
黒井:□ □ □ ■ □
○
里花:□ ■ □ □ □
「そこだな。よし。次の質問。今の質問で嘘をついたか?」
「(げ。やべ。)」
里花は察した。黒井がこのゲームについて考えて行動している事を。自分とは違う事を。
「は、はい・・・。つきました。」
「これでもうお前は嘘をつけない。じゃ、こっからが本番だな。質問いくぜ。」
黒井の猛攻は続く。
「ん?いや、待てよ。」
黒井は何かを思いついたようだ。
「なぁディーラー。」
プツンと音がしてTVが点つき、満面の笑みな仮面を被ったディーラーがTVに映った。」
「はい。何でございましょうか。」
「相手が選んだ俺のカードって確認する事できるか?」
「そうですね・・・。それもおもしろそうですし、良いでしょう。新ルールとして認めましょう。」
「やりぃっ!運良いぜ!」
黒井はガッツポーズで喜びを示した。
「(?。自分の質問を減らした?何か意味あるのかなぁ?)」
里花はまだ何も気付いてないようだった。
「では。また用があったら呼んでくださいね。」
またTVが消えた。
「よし。じゃあお前が選んだ俺のカードを確認させてもらうぜ。」
「う、うん…。」
黒井:□ □ □ ■←確認 □
○
里花:□ ■ □ □ □
「っと。あー。運やばいな。ここまで行くと自分が怖くなる。もう勝負するぜ。」
ムカつくような言い方で黒井は勝負宣言をした。
「やばいかなぁ…。」
里花の顔は今更まじめにしなかった事を後悔しているのか、歪みっぱなしだ。
「ふふふ…。俺のカードは15だ!!!勝負の女神は俺に味方してくれたようだな!!!」
「げ。やっぱ強いの選んじゃったか…。私の数は5だったよ。」
「お前の負けだな。じゃあ。金を渡してもらうぜ。」
里花は仕方なく、100万円を渡した。
「やはりこちらも組み合わせが悪かったようだな。」
「そのようですね。彼は運が良いし、戦略的に物事を考えれている。この勝負は彼の勝ちになりますかね…。」
里花には後悔と共に黒井に対する勝ちへの欲求が高まっていた。
「次は私の攻撃だ…。すぐに100万なんて取り返してやる!!!」
つづく。
どうも。におい菌です。初投稿でまだまだ文法、単語、などいろいろと間違っていると思いますが、よければこれからよろしくお願いします。
ライアーゲームを書いてみました。途中から黒井がメインになっていますが、主人公は里花です。はい。里花です。ちゃんとトリックなども考え、頑張っていきたいと思います。
では次回予告です。
<次回予告>
黒井「お前は本当運が悪いな。可哀想に思えてきたぜ。」
里花「このゲームには必勝法があるんだよ。」
黒井「俺の負けなのか・・・⁉」
ディーラー「決着がつきました。発表します。このゲームの勝者はーー。」
次回タイトル<決着>
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