遊戯王OCG’s─変態デュエリスト「古霊 真由美」の1日─ (レモンの人)
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トーチ・ゴーレムの新提案、【トーチ・リンク】
年齢:20歳
性別:女
身長:184cm
体重:62kg
3サイズ:96・58・90
血液型:B型
星座:蟹座
髪色:琥珀
髪型:ストレートロング
職業:喫茶店店員(月収50万円)
服装:バイト制服【カマーベスト(黒)・Yシャツ(白)・タイトスカート(黒)】、ハイヒールブーツ(茶・ヒール長6cm)
アニメの好きなシーン:「遊戯王5D’s 4話でシンクロ召喚された時のレッド・デーモンズ・ドラゴンの咆哮」
概要:その気になればモデルにもなれる美貌を持ってるのに全く活かす気zeroの遊戯王ヲタク女。好きなモンスターは『レッド・デーモンズ・ドラゴン』・『No.107銀河眼の時空竜』・『トポロジック・ボマー・ドラゴン』と攻撃力3000ばかり。特にレッド・デーモンズ・ドラゴンについてはガチレベルのファンで、彼女の作るデッキには必ず1枚は投入され、必ずこのカードがシンクロ召喚出来るルートが存在する。
「いらっしゃい♪」
「どうも〜」
機嫌良く挨拶して来た店員に私は笑顔を見せた。此処は私が足繁く通っているカードショップ「ドミノ」。朝と昼は喫茶店「寄り道」で働き、夕方からこのお店で存分にカードゲームを堪能する事を日課にしている。
「出た、変態女!」
「こらー!変態は要らんわ!変態は!」
横で煽ってきたいつものメンツにワザとらしく文句を言いつつもショーウィンドウを目で物色しながら歩く。大体いつもバイトの格好のまま来るので私の事はこの店の殆どの人が知っている。
「ん〜……てんちょー!取り置きお願いしたカード来てる?」
「真由美ちゃんか!」
店の奥でキーボードを叩いている店長に探していたカードについて聞いてみる。前から探していたカードの行方は間違いなくあの小太りオヤジが知っている…筈……
「えーっと、何てカードだっけ?」
「『トーチ・ゴーレム』ですよ店長」
「トーチ・ゴーレムねぇ…」
取り置き(VIP用)と書かれたプラスチックケースを開けてカードを探す店長を横目に壁に凭れ掛かっているといつものメンツの1人…高校生の『諸星 翔太』君が声を掛けてきた。
「トーチ・ゴーレムってどんな効果でしたっけ?」
「トーチ・ゴーレム?じゃあ教えてあげるわ」
分かりやすくするべく私は鞄から小さなホワイトボードを取り出した。
「トーチ・ゴーレムは星8の闇属性・悪魔族のモンスターなの。攻撃力3000は守備力300よ」
「攻撃力3000!?強くないっスか!?」
「モンスター効果は3つよ。①通常召喚出来ない。②『トーチ・トークン』(星1・闇・悪魔族 ATK0/DEF0)2体を攻撃表示で自分フィールドに特殊召喚し、このカードを相手フィールドに特殊召喚する。③このカードを特殊召喚するターン、通常召喚権は破棄される。」
「……それ弱くないっスか?自分は攻撃力0のモンスター2体で相手フィールドに攻撃力3000のトーチ・ゴーレムを送り付ける…なんか、しょっぱいっス。僕のスフィアードデッキにもあんまり相性良くないし…」
そう言う翔太君に私はチッチッチと指を振った。
「トーチ・ゴーレムはそんな雑魚カードじゃないわよ?」
「えっ?」
「トーチ・ゴーレムには無限の可能性があるの。例えばこのカード」
私は1枚の速攻魔法カードを見せた。
「速攻魔法『ヘル・テンペスト』。このカードは3000ポイント以上の戦闘ダメージを受けた時に発動する事ができるの。そして、その効果はお互いのデッキと墓地のモンスターを全てゲームから除外する!」
「ひぇっ……それフルモンスターデッキじゃゲームエンド直行じゃないですか!?」
「この速攻魔法とトーチ・ゴーレムを駆使した【トーチ・テンペスト】ってデッキがあってね。他にも高攻撃力・高レベルのカードを押し付けられるとして【シザースバンカー】でも活躍したんだ」
「歴史があるんスね」
いつの間にか会話に乱入したオタク君こと『小林 拓』を一瞥して私は胸を張った。
「そう。でも、今回のトーチ・ゴーレムは一味違うのよ?」
「一味違う?」
「まぁ、トーチ・ゴーレムが入荷してたら見せてあげるわ。てんちょー!手伝うけど〜?」
気になって声を掛けるとややテンション高めに店長がやって来た。
「トーチ・ゴーレム3枚…あったぜ!」
「やったー!因みに幾ら?」
「今値上がりしてるからなー…3枚合わせて3600円!」
うげぇ……まぁいいや。化粧品とか服をケチれば買えるか!どうせ何処でもバイトの格好だし。
「よし!買います!」
「よっ!真由美ちゃん太っ腹ァ!」
「店長程でも無いですよ〜……ごめんなさい。許してぇ………」
と、まぁこんな感じでやっと念願のトーチ・ゴーレム3枚買いでデッキが完成した私は三重スリーブでカードを覆い、デッキに混ぜ込んだ。因みにキャラスリのイラストは『ハイスクールD×D New版リアス・グレモリー』。完全にそっち系のオタクやんとよく突っ込まれるが気にしない!人間十人十色って事よ!
「じゃあ、翔太君。デュエルしましょう」
「イイっスよ。じゃあそこでやりましょう」
対する翔太君は市販のカードスリーブでデッキを覆っていた。互いにデッキをカット&シャッフルしてデッキゾーンにセット、先攻後攻を決めるジャンケンをした。先攻は翔太君だ。
「じゃあ、いつも通りライフは8000ね」
「よし!僕の風デッキの実力見せてやるぜ!」
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000 【トーチ・リンク】
翔太 LP8000 【スフィアード】
「僕の先攻!ドr───じゃなかった。先攻はドロー出来ないんだった!危ない危ない…」
翔太君は初っ端から反則負けしそうになったが、思い出して持ち直した。
「僕はペンデュラムスケールに『
音響戦士ギータス スケール7
「ギータスのペンデュラム効果発動!手札1枚を墓地へ送りデッキから音響戦士モンスター1体を特殊召喚出来る!僕は『
音響戦士ピアーノ 星3 ATK900 チューナー
墓地へ送ったのは『ガスタ・グリフ』…なるほど、手札損失を減らしつつ展開する戦術みたいね…。
「この瞬間、墓地へ送った『ガスタ・グリフ』の効果を発動!このカードがカード効果で墓地へ送られた場合、デッキからガスタモンスターを特殊召喚出来る!『ガスタの
ガスタの神裔ピリカ 星3 ATK1000
「レベル3のガスタの神裔ピリカにレベル3の音響戦士ピアーノをチューニング!シンクロ召喚!『ダイガスタ・スフィアード』!」
ダイガスタ・スフィアード 星6 ATK2000
ダイガスタ・スフィアード…攻撃力もパッとしないこのカードには恐ろしい力が秘められている。具体的に言うと『シンクロ召喚時に墓地のガスタカードを手札に戻すサルベージ効果』・『攻撃では破壊されない戦闘破壊耐性』・『ガスタモンスターが戦闘を行う場合、その戦闘ダメージを相手に跳ね返す反射効果』を持っている。つまり、どんな攻撃力のモンスターが相手だろうと相手にダメージをほぼ確実に与えてくるという事。攻撃力の高いモンスターで構成されたデッキはとにかく不利になる相手だ。
「ダイガスタ・スフィアードのシンクロ召喚に成功した時、墓地のガスタカードを1枚手札に戻す。ガスタの神裔ピリカを手札に戻す」
ガスタの神裔ピリカは通常召喚した時に墓地の風属性チューナーを蘇生する効果を持つ。なるほど、風属性チューナーであるピアーノを吊り上げてスフィアードを何度もシンクロ召喚して戦うデッキみたいね。
「さらにフィールド魔法『
さて、私のデッキの本領発揮ね。私の本気見せたげる!
「私のターン、ドロー!」
早速引いたわよ!トーチ・ゴーレム!!!
「『トーチ・ゴーレム』を特殊召喚!」
「来たか!」
「トーチ・ゴーレムは自分フィールドにトーチ・トークンを2体特殊召喚する事で相手フィールドに特殊召喚される!私のエクストラモンスターゾーンの先にトーチ・ゴーレムを特殊召喚!」
真由美
トーチ・トークン 星1 ATK0
トーチ・トークン 星1 ATK0
翔太
トーチ・ゴーレム 星8 ATK3000
「まずは一体目!トーチ・トークン1体でリンク召喚!」
「リンク召喚!?」
「そう!リンク召喚よ!私がリンク召喚するのは『リンクリボー』!」
リンクリボー LINK-1 ATK300 リンクマーカー【下】
「さらにもう1体のトーチ・トークンでもう1体の『リンクリボー』をリンク召喚!」
リンクリボー LINK-1 ATK300 リンクマーカー【下】
「まだまだァ!このカードの召喚条件はトークン以外の同種族モンスター2体!リンクリボー2体でリンク召喚!私のデッキの中核モンスター『アカシック・マジシャン』!」
アカシック・マジシャン LINK-2 ATK1700 リンクマーカー【上・下】
「でも攻撃力1700じゃダイガスタ・スフィアードもトーチ・ゴーレムも倒せないっスよ!」
「だからこうするの───アカシック・マジシャンの効果を発動!リンク召喚に成功した場合、リンク先のモンスターを手札に戻す。私のエクストラモンスターゾーンの先に特殊召喚したトーチ・ゴーレムを手札に戻す!そしてもう1回リンク先にトーチ・ゴーレムを特殊召喚!今度は守備表示!」
「!?」
真由美
トーチ・トークン 星1 ATK0
トーチ・トークン 星1 ATK0
翔太
トーチ・ゴーレム 星8 DEF300
「召喚条件はモンスター2体!トーチ・トークン2体でリンク召喚!『プロキシー・ドラゴン』!」
「すごい回りますねぇ…」
プロキシー・ドラゴン LINK-2 ATK1400 リンクマーカー【左・右】
「召喚条件は効果モンスター2体以上!そして、アカシック・マジシャンとプロキシー・ドラゴンはどちらもリンク召喚に使用する場合、2体分のリンク素材に出来る!アカシック・マジシャンとプロキシー・ドラゴンを素材にリンク召喚!いでよ!『トポロジック・ボマー・ドラゴン』!!!」
トポロジック・ボマー・ドラゴン LINK-4 ATK3000 リンクマーカー【上・左下・下・右下】
「い、いきなり攻撃力3000!?」
「バトル!トポロジック・ボマー・ドラゴンで守備表示のトーチ・ゴーレムを攻撃!!!《
トポロジック・ボマー・ドラゴンが一撃でトーチ・ゴーレムを吹き飛ばす。
「トポロジック・ボマー・ドラゴンの効果発動!モンスターへの攻撃を行ったダメージ計算後、攻撃対象としたモンスターの攻撃力分のダメージを与える!」
「つまり…3000ダメージ!?」
翔太 LP8000→5000
「カードを2枚伏せてターン終了。さ、翔太君のターンよ?」
「さて、僕のターンだな。ドロー!」
さて、翔太君が意気揚々としてるみたいだけど何を企んでるんだか……。
「手札を一枚墓地へ送り装備魔法『閃光の双剣─トライス』発動!ダイガスタ・スフィアードに装備!装備モンスターの攻撃力は500下がるが2回攻撃が可能となる!さらに、ガスタ・グリフを墓地へ送った事で効果発動!『ガスタ・ガルド』を攻撃表示で特殊召喚!」
ダイガスタ・スフィアード ATK2000→1500
ガスタ・ガルド 星3 ATK500
なるほど、2回攻撃とガスタのリクルーターをぶつける事で一気にゲームエンドに持ち込む気らしい。
「これで僕の勝ちだ!バトルフェイズに移行──」
「でもこの瞬間、トラップ発動!『悪魔の嘆き』!」
「え?」
「相手の墓地のカードを1枚デッキに戻す。私は墓地の『ガスタ・グリフ』をデッキに戻すわ。さらに、その後デッキから悪魔族モンスター1体を墓地へ送る。私は『絶対王バック・ジャック』を墓地へ送る。バック・ジャックの効果発動!墓地へ送られた場合デッキの上から3枚をめくり、好きな順番でデッキの上に戻す。さぁ、攻撃する?」
「!?」
絶対王バック・ジャックには2つの効果がある。1つは『墓地へ送られるとデッキトップを3枚までコントロールする』効果、もう1つは『相手ターンに墓地のこのカードを除外して発動し、自分のデッキの一番上のカードをめくりそのカードが通常罠カードだった場合、自分フィールドにセットする。違った場合、そのカードを墓地へ送る。この効果でセットしたカードはセットしたターンでも発動できる。』速攻効果。さぁ、どうする?
「攻撃……しようかな…うーん…」
「じゃあ、このタイミングでバック・ジャックの効果発動!デッキトップをめくり通常罠ならセットする。私が引いたカードは──」
まぁ、デッキトップを操作したんだし結果は決まりきっている。
「『業炎のバリア─ファイヤー・フォース─』。セットするわね…………それでも攻撃する?」
ファイヤー・フォースは攻撃宣言に反応して相手フィールドの攻撃表示モンスターを一掃してこの効果で破壊したモンスターの元々の攻撃力を合計した数値の半分のダメージを受ける代わりに受けたダメージと同じ数値分のダメージを相手に与えるカード。これならダイガスタ・スフィアードを退かす事が出来る。これでこれ以上の攻めは困難になった筈だ。
「うーん…止めとく」
これで翔太君は勝機の大半を失った。さてと、どうするのかしら?
「メインフェイズ2に移行。ガスタの神裔ピリカを召喚!」
ガスタの神裔ピリカ 星3 ATK1000
「このカードの召喚に成功した時、墓地の風属性チューナーを1体特殊召喚出来る!音響戦士ピアーノを特殊召喚!」
音響戦士ピアーノ 星3 DEF1300
「僕はカードを1枚伏せてターンエンド。さぁ、攻撃してみろ!このターンは凌ぎ切ってみせる!」
なるほど、攻撃表示になっているモンスターは全てガスタモンスター。スフィアードの効果を受けて戦闘ダメージを反射する仕掛けになっている。迂闊に攻撃したら私の方が損をするって訳ね。
「じゃあ、私のターン。悪いけどこのターンで私は勝つわよ?」
勝利宣言。この布陣なら悪いけど勝てるわ。
「私が引いたカードは『RUM-
「マジっスか!?あんな使いづらいカード入れてるンスか!?」
「デッキトップを操作出来るカードも入ってるしね♪さぁ、私が召喚するのはこのカード!『No.107
No.107銀河眼の時空竜 ランク8 ATK3000
「さらに、このカードをランクアップさせる!カオスエクシーズチェンジ!逆巻く銀河を貫いて、時の生ずる前より蘇れ。永遠を超える竜の星!顕現せよ、『CNo.107
CNo.107超銀河眼の時空龍 ランク9 ATK4500
「速攻魔法『禁じられた聖衣』を発動!対象モンスターの攻撃力を600下げる代わりに対象モンスターはモンスター効果の対象にならずモンスター効果で破壊されなくなる」
CNo.107超銀河眼の時空龍 ATK4500→3900
「さらに、『
銀河眼の雲篭 星1 ATK300
「超銀河眼の時空龍の効果発動!銀河眼の時空竜をオーバーレイユニットとしてエクシーズ召喚されたこのカードは自分フィールドのこのカード以外のモンスター2体をリリースする事でモンスターに3回攻撃を行う事が出来る!!!トポロジック・ボマー・ドラゴンと銀河眼の雲篭をリリース!」
「3回攻撃!?でも攻撃力は3900…!格好の獲物っス!」
「甘いわね。超銀河眼の時空龍の効果発動!カオスオーバーレイユニットを1つ使い、このカード以外のフィールドの全てのカード効果を無効にする!《タイム・タイラント》!!!」
「なっ!?」
全てはこの時の為、デッキを弄ったのもこのカードを呼び出す為よ!
「まずは1回目の攻撃!超銀河眼の時空龍でダイガスタ・スフィアードを攻撃!反射効果も戦闘破壊耐性も無効となっている今、最早恐るゝに足らず!!!《アルティメット・タキオン・スパイラル》!!!」
翔太 LP5000→3100
「そして、これでゲームエンドよ!ガスタの神裔ピリカを攻撃!」
「参りました〜!」
翔太 LP3100→0
******************
「今日はありがとうね!」
「いえ、またデュエルしたいっス!明日もまた来ます!」
「えぇ、またね!」
2人で仲良く握手して私は店を出た。デュエルはやっぱり楽しい!互いに面白いデッキを考えて「どう回すのか」、デッキを作りながら思い浮かぶ完成図が目の前で見事再現されればその喜びは一入!
「服代と化粧代消し飛ばした甲斐あったわね♪」
余談だが、この後化粧品を調べたら今月保たない事に気付きさらに化粧の塗りを薄くした。でも反省はしない。
真由美「古霊真由美のデッキレシピのコーナー!」
翔太「わー」パチパチ
真由美「この小説では何とデッキレシピを後書きでプレゼントする事になってます!アレンジするもよし、そのまま使うもよし!どうぞご自由に使ってください!」
翔太「デッキ早く見たいンスけど」
真由美「前置きが長かったわね。じゃあ今回のデュエルで使ったレシピ公開〜♪」
カード総数44枚
モンスター(24)
●トーチ・ゴーレム×3
●亡龍の戦慄─デス・トルドー×1
●BF-朧影のゴウフウ×1
●絶対王バック・ジャック×2
●金華猫×3
●ドット・スケーパー×1
●エフェクト・ヴェーラー×2
●虹クリボー×2
●バトル・フェーダー×2
●百万喰らいのグラットン×1
●ミスティック・パイパー×3
●黄泉ガエル×2
●銀河眼の雲篭×1
魔法(13)
●闇の誘惑×2
●ワン・フォー・ワン×1
●RUM-七皇の剣×1
●ワンチャン!?×2
●おろかな埋葬×1
●死者蘇生×1
●ハーピィの羽根帚×1
●貪欲な壺×1
●封印の黄金櫃×1
●ソウル・チャージ×1
●スケープ・ゴート×1
罠(7)
●転生の予言×1
●迷い風×2
●ダメージ・ゲート×2
●激流葬×1
●悪魔の嘆き×1
EX(15)
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×1
●月華竜ブラック・ローズ×1
●CNo.107超銀河眼の時空龍×1
●No.107銀河眼の時空竜×1
●シャイニート・マジシャン×1
●トポロジック・ボマー・ドラゴン×1
●ファイアーウォール・ドラゴン×1
●デコード・トーカー×1
●電影の騎士ガイアセイバー×1
●アカシック・マジシャン×1
●プロキシー・ドラゴン×2
●リンクリボー×3
真由美「こんな感じよ」
翔太「改めて見ても結構大味なデッキっスね」
真由美「ジャック・アトラスとミザエルをリスペクトしつつリンク召喚で味付けしたデッキよ♪基本、【ローレベル】の立ち回りで戦いつつ、トーチ・ゴーレムを使って形成有利に持ち込む事がコンセプトになってるの」
翔太「そう言えばリンク1モンスターにリンク・スパイダーが居ないっスね?どうしたンスか?」
真由美「いい質問ね。リンクリボーを採用した理由は2つ。『レベル1モンスターさえ居れば自己再生出来るリンクモンスターである事』、『自身の効果で戦闘ダメージを無効に出来る事』よ。この効果のおかげでトークンをバトルダメージシャットアウトカードに変えられるの。攻撃力こそ低いけど、高攻撃力のリンクモンスターが居るから心配はあまりしてないわ」
翔太「罠カード枠が結構テキトーっスね」
真由美「ここはデュエリストの裁量次第よ。ここはまだ手探り状態だからアレンジポイントね」
翔太「そろそろお別れの時間っス!挨拶しましょう!」
真由美「そうね!えー…こほん、それでは皆さん!」
真由美&翔太「また次回〜!!!」
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メタルフォーゼは添えるだけ!?【融合解除ビート】!
「マスター、新商品ですか?」
「あぁ」
仕事終わりに店でコーヒーを飲んでいた私はマスターが新しい料理を作っている事に気付いた。
「なんですかそれ?」
「ピッツァだよ。食べてみるかい?」
「凝り性ですよねぇ。ホント」
よく見ると厨房にはいつの間にかピザ釜が置いてあった。最近イタリア旅行に行った時に死ぬほど美味かったとか言ってたような…?
「マルゲリータの試作品だ。ほら1枚」
「1ピースでいいですよ。まったくもう──」
文句を言いつつもピッツァを口に運んだ私は感嘆した。結構いい感じに焼けてるみたい。チーズのチョイスがいい。水牛のモッツァレラなんて高いだろうに…。
「美味しいですね。因みに材料費は?」
「まぁ、市販の物で揃えたから1500円くらいだね」
「ブッ!?」
高ッ!?モッツァレラチーズ使い過ぎ!日本ではモッツァレラチーズは高いのに!
「すみません!今拭きます!」
噴き出してしまったコーヒーを拭き…ふと思い立った。
手札損失
カバー
損失
「!」
閃いた。これはまさに天啓!早速作らなければ!
「マスター!ありがとうございました!」
「え!?」
荷物を抱えた私は、マスターに一礼して全速力でカードショップへと向かった…。
「俺何もやってないんだけどなぁ……」
************************
カードショップ
「ただ今参上ッ!」
私は滑り込むくらいの勢いで店に入ると店長に断ってデュエルスペースの一室を借りた。角の席を占拠した私は、いつも欠かさず持っているジュラルミンケースをテーブルに置き、解錠して中身を出した。
「いつ見てもすごいなぁ。真由美ちゃんのデッキケース」
「ジロジロ見ないでくださいよ店長。私の宝物なんですから」
因みに、詰めているカードには順番がある。何処に何があるかも把握する為でもあるし、デッキ作りをスムーズにする目的もある。
「出来た──!即席デッキ!」
完成したデッキを手元に置いて手をニギニギしていると、暇そうな店長が私をジッと見ていた。あの目は「デュエルでもやらないか?」と誘っている目だ。
「店長!やりましょう!」
「よっしゃ!」
早速持参したマットをカウンターに敷き、デッキをセット。店長もデッキとマットを用意していつでもデュエル出来るようにする。
「店長のデッキって確か【列車ドール】でしたよね?」
「うん、でも今日は違うんだぜ?」
確かにいつも使っているスリーブとは全く違う。これは期待出来そう!今回もじゃんけんで先攻後攻を決める。今回は私が先攻みたい。
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
店長 LP8000
「私の先攻……っと」
一応、様にはなっているが理想の姿ではない。取り敢えず、このターンはスルーしよっと。
「魔法カード『一時休戦』!互いにカードを1枚ドローし、次の相手ターン終了時まで全てのダメージを無効にする。カードを1枚伏せてターン終了…」
うーん…しょっぱい!デッキ構築が甘過ぎたかしら?
「俺のターン。ドロー!」
店長…一体どんなデッキを考えたのかしら?
「まず手札の『ギミック・パペット-ネクロドール』を捨て『ハードアームドラゴン』を特殊召喚!」
ハードアームドラゴン 星4 ATK1500
「さらに、魔法カード『死者蘇生』でネクロドールを特殊召喚!」
ギミック・パペット-ネクロドール 星8 DEF0
「魔法カード『機械複製術』!これでネクロドールを2体デッキから特殊召喚!」
ギミック・パペット-ネクロドール 星8 DEF0
ギミック・パペット-ネクロドール 星8 DEF0
「そして、ネクロドール2体とハードアームドラゴンをリリースして『邪神ドレッド・ルート』をアドバンス召喚!」
「げぇっ!?ドレッド・ルートォ!?」
邪神ドレッド・ルート 星10 ATK4000
ドレッド・ルートは特殊召喚出来ず、神のカードと同じく3体のモンスターをリリースしてアドバンス召喚しなければならないが、その効果は恐るべきものだ。「ドレッド・ルート以外のモンスターの攻撃力を半分にする」。この単純な効果はデュエリストから戦う力を奪い去ってしまう。「攻撃力・守備力が変動すれば必ずその後で半分にする処理を行わなければならない」のだ。この効果の所為でただのモンスターでは絶対にドレッド・ルートには太刀打ち出来ない。しかも、今のドレッド・ルートにはハードアームドラゴンの効果が備わっている。
ハードアームドラゴンには「自身を素材にアドバンス召喚したレベル7以上のモンスターは効果で破壊されなくなる」のだ。
つまり、今店長のフィールドには効果破壊出来ずほぼ絶対に戦闘では負けない強力なモンスターが居るという訳だ。
「フッフッフッ…どうだ!この最強モンスターは!」
「『神の宣告』で」
「Nooooooooooooooooooo!!!」
じゃあそもそも召喚させなきゃええやん。って事で私が発動したのはモンスターの召喚・反転・特殊召喚及び魔法・罠カードの発動をライフを半分払い無かった事にするカウンター罠『神の宣告』。悪いけど負けたくないの。ごめんなさいね。
真由美 LP8000→4000
「鬼!悪魔!」
「何とでもどうぞ。負けたくないんで」
「まぁいっか!墓地の『ギミック・パペット-ネクロドール』の効果発動!墓地のギミック・パペットモンスターを除外して墓地から特殊召喚出来る!」
ギミック・パペット 星8 DEF0
「そして、この2体でエクシーズ召喚!『No.40 ギミック・パペット-ヘヴンズ・ストリングス』!」
No.40 ギミック・パペット-ヘヴンズ・ストリングス ランク8 ATK3000
「カードを1枚伏せてターンエンド」
「うーん…粘るなぁ」
ヘヴンズ・ストリングスに相手ターンに干渉する力は無い。恐らく伏せカードが肝みたい。
「私にターン、ドロー(よし、来た!)」
コンボは成立した。後は炙り出すだけね。
「『捕食植物オフリス・スコーピオ』を召喚!」
捕食植物オフリス・スコーピオ 星3 ATK1200
「オフリス・スコーピオの効果発動!召喚・特殊召喚に成功した場合、手札からモンスターカードを1枚捨てて手札またはデッキからこのカード以外の捕食植物モンスター1体を特殊召喚する!『捕食植物ダーリング・コブラ』を特殊召喚!」
捕食植物ダーリング・コブラ 星3 ATK1000
「ダーリング・コブラが捕食植物の効果で特殊召喚に成功した場合、デッキから融合またはフュージョンカードを1枚手札に加える!」
「はいはい、『ブリリアント・フュージョン』だな。いつものいつもの───」
「『融合解除』を手札に加える」
「───は?」
そうそう!その顔!その顔が見たかったのよ!
「なんで!?なんで融合解除?」
「まぁ、見ててくださいよ。下拵えは終わったから攻めに行くわよ!」
「ッ」
「まずはレベル3のオフリス・スコーピオとダーリング・コブラでエクシーズ召喚!『幻影騎士団ブレイクソード』!」
幻影騎士団ブレイクソード ランク3 ATK2000
「ブレイクソードの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、自分及び相手フィールドのカードを1枚ずつ対象として発動できる!そのカードを破壊する!私が対象とするのはブレイクソードとヘヴンズ・ストリングス!」
ブレイクソードは失ったけど、これで強引に道を切り開けた!
「魔法カード『錬装融合』!手札またはフィールドから『メタルフォーゼ』融合モンスターの素材を墓地へ送り融合召喚を行う。私が融合するのはこのカード!『メタルフォーゼ・ヴォルフレイム』!『E・HERO シャドー・ミスト』!融合!私が呼び出すのは『メタルフォーゼ・アダマンテ』!」
メタルフォーゼ・アダマンテ 星6 ATK2500
「シャドー・ミストの⑵の効果発動!墓地に送られた場合、デッキからシャドー・ミスト以外のHEROモンスターを1体手札に加える。バトル!アダマンテでダイレクトアタック!」
「受けます!」
店長 LP8000→5500
「『錬装融合』の効果発動!墓地のこのカードをデッキに戻し1枚ドロー!カードを1枚伏せてターンエンド」
「あら、攻めないの?」
「…じわじわ行かせてもらうわ」
実は手札計算をミスっていたとは口が裂けても言えない。無理矢理融合解除を手札に加えたのが仇になったわ。
「じゃあ俺のターン!伏せていた罠カード『エクシーズ・リボーン』!墓地のエクシーズモンスターを特殊召喚しこのカードをエクシーズ素材にする!ヘヴンズ・ストリングスを特殊召喚!」
No.40 ギミック・パペット-ヘヴンズ・ストリングス ランク8 ATK3000 エクシーズ素材0→1
「ヘヴンズ・ストリングスの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、このカード以外のモンスターにストリングカウンターを1個乗せる!」
メタルフォーゼ・アダマンテ カウンター0→1
「魔法カード発動!『RUM-アージェント・カオス・フォース』!自分フィールドのランク5以上のエクシーズモンスター1体をランクアップさせる!ヘヴンズ・ストリングスをオーバーレイ!エクシーズ召喚!『CNo.40ギミック・パペット-デビルズ・ストリングス』!」
CNo.40ギミック・パペット-デビルズ・ストリングス ランク9 ATK3300
店長もなかなかの変態デッキね。邪神を召喚したと思ったらいつの間にかギミック・パペットになってる。
「デビルズ・ストリングスの効果発動!特殊召喚に成功した時、フィールドのストリングカウンターが乗っているモンスターを全て破壊しその攻撃力分のダメージを与えカードを1枚ドローする!」
「流石にそれ食らって直接攻撃されたら死ぬから伏せカードにして速攻魔法『融合解除』を発動!フィールドの融合モンスター1体をエクストラデッキに戻し、素材一式が墓地に揃っているなら特殊召喚する!メタルフォーゼ・ヴォルフレイムとシャドー・ミストを特殊召喚!」
「あ…」
メタルフォーゼ・ヴォルフレイム 星7 DEF2000
E・HEROシャドー・ミスト 星4 DEF1500
「このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから「チェンジ」速攻魔法カード1枚を手札に加える!さらに、私のフィールドにストリングスカウンターが乗っているモンスターはいないから空振りね♪」
「うーん…この」
渾身の一撃が空振り苦虫を噛み潰したような顔をした店長は
「バトル、シャドー・ミストを攻撃!」
「通します」
まぁ、これは仕方ない。通すしかない。
「エンドで」
出来れば一気にゲームエンドに持ち込みたいところ…!行けるかしら?
「私のターン、ドロー!」
良いカードだ。条件は完全に整った。〆ていくわ!
「まず魔法カード『強欲で貪欲な壺』!デッキの上から10枚裏側で除外しデッキからカードを2枚ドローする!『E・HEROボルテック』を召喚!」
E・HEROボルテック 星4 ATK1000
「速攻魔法『マスク・チェンジ』!自分フィールドのHEROモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを墓地へ送り、そのモンスターと同じ属性のM・HEROモンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚する!ボルテックを墓地へ送り『M・HERO光牙』を特殊召喚!」
M・HERO光牙 星8 ATK2500
「このカードの攻撃力は相手フィールドのモンスターの数×500アップする!」
M・HERO光牙 ATK2500→3000
「さらに光牙の効果発動!1ターンに1度、自分の墓地のHEROモンスター1体を除外し、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで、この効果を発動するために除外したモンスターの攻撃力分ダウンする!オフリス・スコーピオの効果で捨てた『E・HEROレディ・オブ・ファイア』を除外してデビルズストリングスの攻撃力を1300ポイントダウンさせる!」
CNo.40 ギミック・パペット-デビルズ・ストリングス ATK3300→2000
「そして、魔法カード『死者蘇生』!墓地から『E・HEROボルテック』を特殊召喚!」
「……これまずくない?」
E・HEROボルテック 星4 ATK1000
「ヴォルフレイムを攻撃表示に変更!これでライフを削り切れます!M・HERO光牙でデビルズ・ストリングスを攻撃!!!」
「駄目だー!」
メタルフォーゼ・ヴォルフレイム DEF2000→ATK2400
店長 LP5500→4500
M・HERO光牙 ATK3000→2500
「光牙の攻撃力は下がるけど、まだ攻撃出来るモンスターは2体いる!続けてボルテックでダイレクトアタック!」
店長 LP4500→3500
「ボルテックの効果発動!戦闘ダメージを与えた時、除外されている自分のE・HEROモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する!『E・HEROレディ・オブ・ファイア』を特殊召喚!」
E・HEROレディ・オブ・ファイア 星4 ATK1300
「レディ・オブ・ファイアでダイレクトアタック!」
「もう駄目だー!」
店長 LP3500→2200
「そして、ヴォルフレイムでダイレクトアタック!」
「ありがとうございましたー!」
店長 LP2200→0
****************
「因みに伏せカードはどんな感じだったんですか?」
「酷いよ?見てくれよ」
ふむふむ…伏せカードは『RUM-アージェント・カオス・フォース』か………。確かに酷いわね。しかも次のドローカードは『機械複製術』…これじゃネクロドールを蘇生出来ても戦えないわね。
「なんか珍しいデッキだなぁ。融合解除で戦うデッキか…」
「そうなんです。逆に言うと融合解除が無いと貧弱なデッキなんですよね。そこはおいおい説明するから」
「?」
「き、気にしないで///」
まぁ、今回のデッキはまだまだ改良が必要そうね。今のデュエルではっきり分かったわ。融合召喚の致命的な弱点…此処を修正出来ればいいデッキになりそう!
「じゃあ、もう少しテーブル借りてますね!」
「おう!」
取り敢えず、改良しながら改善点を見つけていこう!そう決めて私はカードを広げた…。
真由美「(翔太君まだかな〜)」
翔太「こんちわっス!あれ?真由美さん?」
真由美「よく来たわね。じゃあデッキ紹介のコーナー!」
翔太「え?え?僕デッキ見てないんだけど!」
真由美「まぁまぁ、まずレシピを公開するわよ」
(総デッキ枚数 50枚)
モンスター(25)
●メタルフォーゼ・ヴォルフレイム×2
●メタルフォーゼ・ゴルドライバー×3
●メタルフォーゼ・シルバード×2
●メタルフォーゼ・スティエレン×2
●亡龍の戦慄─デストルドー×1
●タツノオトシオヤ×1
●光帝クライス×2
●聖鳥クレイン×2
●ヴァイロン・プリズム×1
●超電磁タートル×1
●召喚僧サモン・プリースト×1
●捕食植物オフリス・スコーピオ×2
●捕食植物ダーリング・コブラ×1
●レッド・リゾネーター×3
●ミラー・リゾネーター×1
魔法(19)
●苦渋の決断×3
●錬装融合×3
●強欲で貪欲な壺×2
●リゾネーター・コール×2
●融合解除×3
●超融合×1
●貪欲な壺×1
●ハーピィの羽根帚×1
●金満な壺×1
●死者蘇生×1
罠(4)
●神の宣告×1
●メタルフォーゼ・カウンター×2
●メタルフォーゼ・コンビネーション×1
●激流葬×2
EX(15)
●琰魔竜レッド・デーモン・アビス×1
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×3
●邪竜星ガイザー×2
●ブラック・ローズ・ドラゴン×1
●レッド・ライジング・ドラゴン×2
●メタルフォーゼ・オリハルク×1
●メタルフォーゼ・アダマンテ×2
●幻影騎士団ブレイクソード×1
●デコード・トーカー×2
真由美「ズバリ!アダマンテを融合召喚!それを融合解除して展開していくデッキなの。採用したモンスターには墓地効果や特殊召喚時に効果を起動するカードを多めに選んでいるわ」
翔太「コンセプトごっちゃごちゃっスね」
真由美「でも共通点があるの。『メインデッキに採用しているモンスターの殆どが攻撃力2500以下』なのよ?」
翔太「あ、ホントだ」
真由美「融合解除が引けなくてもペンデュラム召喚が出来るリゾネーターデッキとして機能するの。クライスはターボ要因としてデッキの中でもある程度活躍するわ。やっぱりガチデッキに比べたら手札消費を補いづらいし、高火力モンスター相手には苦戦するけどね」
翔太「融合解除で攻めるとか…」
真由美「因みに作者さんはアダマンテが出た時点で融合解除と相性良いって思ったらしいんだけど、どう組むかで苦戦してたみたいよ」
翔太「作者って?」
真由美「何でもない!それより、そろそろお別れの時間よ!」
翔太「そうっスね!それでは─」
2人「また次回〜!」
追記(9/6)
真由美「クライスの効果がタイミングを逃すという指摘でこのデッキが回りにくい事に気付きました。9/6よりシナリオを変更しましたのでお詫びという事でデッキレシピを掲載します。本当に申し訳ありませんでした…」(土下座)
モンスター(22)
●メタルフォーゼ・ヴォルフレイム×2
●メタルフォーゼ・ゴルドライバー×2
●メタルフォーゼ・シルバード×2
●メタルフォーゼ・スティエレン×2
●E・HEROボルテック×1
●E・HEROレディ・オブ・ファイア×1
●E・HEROエアーマン×2
●E・HEROシャドー・ミスト×1
●V・HEROヴァイオン×1
●捕食植物オフリス・スコーピオ×2
●捕食植物ダーリング・コブラ×1
●沼地の魔神王×2
●レッド・リゾネーター×2
●ミラー・リゾネーター×1
魔法(18)
●融合×2
●ミラクル・フュージョン×1
●マスク・チェンジ×2
●ハーピィの羽根帚×1
●アライブ・ヒーロー×1
●E─エマージェンシー・コール×2
●死者蘇生×1
●貪欲な壺×1
●錬装融合×1
●強欲で貪欲な壺×3
●融合解除×2
●超融合×1
罠(4)
●神の宣告×1
●メタルフォーゼ・カウンター×2
●メタルフォーゼ・コンビネーション×1
EX(15)
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×1
●レッド・ライジング・ドラゴン×2
●メタルフォーゼ・アダマンテ×2
●E・HEROアブソルートZero×1
●E・HEROノヴァ・マスター×2
●E・HERO The シャイニング×1
●M・HEROカミカゼ×1
●M・HERO光牙×1
●M・HEROダーク・ロウ×1
●深淵に潜む者×1
●幻影騎士団ブレイクソード×1
●デコード・トーカー×1
真由美「HEROとメタルフォーゼ、そしてリゾネーターを混ぜ込んだデッキに仕上げ直しました。互いにサーチ能力などで共存出来、融合召喚してビート出来ます。パワーカードに頼ったデッキとなってしまいましたが、こちらも回転率が高いのでオススメです。大変申し訳ございませんでした…全ては私の不徳の致すところです」
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結婚してください!なんでもしますから!【マリッジ・ビートダウン】
年齢:17歳
性別:男
身長:167cm
体重:55kg
血液型:B型
星座:双子座
髪色:薄緑(本人曰く「キャベツ色」)
髪型:ショートヘア
職業:高校生
服装:制服【学ラン(黒)・スニーカー】、私服【長袖シャツ(チェック柄)・Tシャツ(流れ星柄)・ジーンズ・スニーカー】(代表的な格好)
概要:真由美が狙っている男子高校生。真由美と話す時は何故か語尾に「ッス」を付ける。デッキレシピ紹介コーナーでは真由美と一緒にステマする。真由美曰く、「一期の遊城十代みたいな雰囲気」。
童顔で真由美より背がかなり低い所為で姉弟のようにも見えてしまうが本人はあまり気にしていない。私服を鞄に入れており、下校中にトイレで私服に着替えては友達と遊んでいる。Tシャツは毎日柄が違うが流れ星柄だけは気に入って着ている。金銭感覚がしっかりしており、使っている高いカードは友人のツテで手に入れている為か必須カードでも3枚入っていない。
使用デッキは『ダイガスタ・スフィアード』でダメージ反射を行う【スフィアード】とスピードロイドとWWの混合デッキに『ダイガスタ・スフィアード』と『ガスタの神裔ピリカ』を採用した【SRWWガスタ】。
「ねぇ翔太君」
「何スか?」
いつものようにデュエルをしていた私は、ふと翔太君に尋ねてみた。
「お金あったら全部カードに費やせる私でも恋愛って出来るのかしら…」
「なな何ですか突然!?」
赤面する翔太君に私ははぁ…っと溜め息を吐いた。
「実は母さんからお見合いしろって言われててね。私が『彼氏出来てるから駄目』って言ったら『実際に連れて来い』って言うのよ…」
「はぁ…って!?」
翔太君は私の言葉に大体察したらしい。
「もしかして僕に相談したのって『私の彼氏のフリをして』って展開になるって事っスよね!?」
「まぁ……本気で好きってのもあるけど」ボソッ
「何か言いました?」
「え………ぁあああああああ!!!なんでもない!なんでもないわよ!!!」
「(あからさまな否定…こりゃ間違いないっスね)」
そうよ!私が大学進学諦めて喫茶店で働き出した時から一目惚れしてたわよ!童顔で1stシーズンの遊城十代みたいな雰囲気出してたら惚れるでしょう!?何言ってんだ私は!?ん……?
許してください、なんでもしますから。
ん?今なんでもするって…言ったよね?
「(閃いた!)」
この物語を書いている
「翔太君!デッキ組むから手伝って頂戴!」
「えっ!?なんで今の会話からデッキ組む話になるんスか!?」
************
「出来た…名付けて【マリッジ・ビートダウン】よ!」
「すげぇネーミングセンス」
私は完成したデッキに満足した。これがあれば………!
「早速デュエルするわよ!翔太君!」
「い、いいっスよ!よーし!改良した僕の【SRWWガスタ】デッキ!頑張れ!」
早速マットを敷きデッキをセット。カウンターからジッと私達の様子を見る店長………何故かニヤニヤする翔太君の友人。先攻は私!
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000 使用デッキ【マリッジ・ビートダウン】
翔太 LP8000 使用デッキ【SRWWガスタ】
「私のターン!」
早速、攻めに行きましょう!
「フィールド魔法『祝福の教会─リチューアル・チャーチ』発動!」
「おぉ、結婚っぽい」
よし、結婚式っぽいデッキである事は伝わったわね。
「リチューアル・チャーチの効果発動!1ターンに1度、手札の魔法カードを1枚墓地へ送る事でデッキから儀式モンスターか儀式魔法を手札に加える!『黒竜降臨』を手札に。それだけじゃないわ!捨てた魔法カード『おジャマジック』を発動!このカードが手札またはフィールド上から墓地へ送られた時、自分のデッキから『おジャマ・グリーン』・『おジャマ・イエロー』・『おジャマ・ブラック』を1体ずつ手札に加えるわ」
「何かすごい手札が増えてるんですが…」
「さらに魔法カード『手札抹殺』発動!互いに手札を全て、その枚数分ドローする!」
私の手札は7枚に増えてるから7枚の手札交換が出来る。そして、キーカードも引けた!
「墓地の儀式魔法『黒竜降臨』の効果発動!このカードを除外し『レッドアイズ』魔法・罠カードを1枚手札に加える。『レッドアイズ・インサイト』を手札に加え、発動!デッキからレッドアイズモンスターを1枚墓地へ送り、『レッドアイズ』魔法・罠カードを1枚手札に加える。『レッドアイズ・ダークネス・メタル・ドラゴン』を墓地へ送り、『レッドアイズ・トランスマイグレーション』を手札に加えるわ」
「え?あれ?」
「儀式魔法『レッドアイズ・トランスマイグレーション』を発動!自分の手札・フィールドからレベルの合計が8以上になるようにモンスターをリリース、またはリリースの代わりに自分の墓地のレッドアイズモンスターを除外し、手札から『ロード・オブ・ザ・レッド』を儀式召喚する!墓地のレッドアイズ・ダークネス・メタル・ドラゴンを除外して『ロード・オブ・ザ・レッド』を儀式召喚!」
ロード・オブ・ザ・レッド 星8 ATK2400
「カードを2枚伏せてターンエンド」
「えーっと…キツくないっスかこれ」
「ダメよ!諦めちゃ!デュエルはまだ始まったばっかりよ!」
「往復1ターン毎に除去される盤面なんてどうやって対処すればいいんスか!?」
さて、ここからが踏ん張りどころよ!頑張りなさい!ロード・オブ・ザ・レッドには往復1ターン毎に1度、カード効果が発動するとモンスターカードか魔法・罠カードを破壊する効果をそれぞれ1つずつ使用出来るけど何とか出来るでしょ?翔太君のプレイング、見せてみなさい!
「よし、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、『SRベイゴマックス』は手札から特殊召喚出来る!このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、デッキからSRモンスターを1枚手札に加える……ロード・オブ・ザ・レッドは使ってこないか」
SRベイゴマックス 星3 ATK1200
「よし!さらに!『SRタケトンボーグ』を特殊召喚!このカードは自分フィールドに風属性モンスターが存在する場合手札から特殊召喚出来る!これも発動しない──なら行ける!」
SRタケトンボーグ 星3 ATK600
「さらに通常召喚!チューナーモンスター『SR赤目のダイス』!」
SR赤目のダイス 星1 ATK100 チューナー
「なっ!?やっぱりベイゴマックスの時に阻止するのが正解だったのかしら……ならトラップ発動!『破壊輪』!相手ターンに、相手ライフの数値以下の攻撃力を持つ相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。その表側表示モンスターを破壊し、私はそのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを受けるけど、その後に自分が受けたダメージと同じ数値分のダメージを相手に与えるわ!タケトンボーグを破壊!」
「うっ!?流石に邪魔してくるか!」
真由美 LP8000→7400
翔太 LP8000→7400
「さらにカード効果が発動した事でロード・オブ・ザ・レッドの効果発動!私はモンスターを破壊する!赤目のダイスを破壊!」
「酷ッ!?」
これでモンスター2体を退かす事に成功したわね。通常召喚も使わせたしもうこれ以上展開は──
「まだまだ!墓地の『SR電々大公』の効果を発動!」
「あっ…しまった!」
墓地確認を忘れてた!私とした事が…!
「電々大公は墓地から除外する事で手札または墓地のSRチューナーを一体特殊召喚する効果を備えている!電々大公を除外して『SR赤目のダイス』を特殊召喚!」
SR赤目のダイス 星1 ATK100 チューナー
「赤目のダイスは召喚・特殊召喚に成功した時、『SR赤目のダイス』以外の自分フィールドのSRモンスター1体を対象とし、エンドフェイズまでレベルを1〜6に変更する!ベイゴマックスのレベルを6に変更するっス!」
SRベイゴマックス 星3→6
「レベル6になったベイゴマックスにレベル1の赤目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!!!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 星7 ATK2500
「バトルだ!クリアウィング・シンクロ・ドラゴンでロード・オブ・ザ・レッドを攻撃!《旋風のヘルダイブスラッシャー》!!!」
「やられた──ッ!」
真由美 LP7400→7300
私のコンボを早速崩してくるなんて……
「ふふふ…燃えてきたわ……!」
「どんなもんだい!カードを2枚伏せてターンエンド!」
さぁ、いよいよ私のターンね!
「私のターン!ドロー!」
いいカードが引けたわ!
「魔法カード『トライワイトゾーン』を発動!墓地のレベル2通常モンスターを3体まで特殊召喚するわ!『おジャマ・グリーン』・『おジャマ・イエロー』・『おジャマ・ブラック』を特殊召喚!」
「ゲッ!?」
おジャマ・グリーン 星2 DEF1000
おジャマ・イエロー 星2 DEF1000
おジャマ・ブラック 星2 DEF1000
「召喚条件は通常モンスター1体!おジャマ・イエローでリンク召喚!『リンク・スパイダー』!」
リンク・スパイダー LINK-1 ATK1000
「まだまだ行くわよー!召喚条件はモンスター2体!ブラックとグリーンでリンク召喚!『プロキシー・ドラゴン』!」
プロキシー・ドラゴン LINK-2 ATK1400
召喚条件はモンスター3体!そして、プロキシー・ドラゴンはリンク素材とする場合、2体分として扱う!プロキシー・ドラゴンとリンク・スパイダーでリンク召喚!来い!『デコード・トーカー』!」
デコード・トーカー LINK-3 ATK2300 リンクマーカー【上・左下・右下】
「さらに、通常召喚!『黒鋼竜』!」
黒鋼竜 星1 ATK600
「まだまだ!フィールド魔法『祝福の教会─リチューアル・チャーチ』の効果発動!墓地の魔法カードを任意の枚数デッキに戻し、戻した枚数と同じレベルの光属性天使族モンスター1体を特殊召喚する!『手札抹殺』をデッキに戻し、『ハネワタ』を特殊召喚!」
ハネワタ 星1 ATK200 チューナー
「レベル1の黒鋼竜にレベル1のハネワタをチューニング!シンクロ召喚!シンクロチューナー『天輪の双星道士』!」
天輪の双星道士 星2 ATK100 チューナー
「天輪の双星道士の効果発動!このカードがシンクロ召喚に成功した時、自分の手札・墓地からチューナー以外のレベル2モンスターを4体まで選んで守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、この効果の発動後じゃターン終了時まで自分はシンクロモンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない。おジャマ3体を再び特殊召喚!チェーンして『黒鋼竜』の効果も発動!このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、デッキからレッドアイズカード1枚を手札に加える!」
おジャマ・グリーン 星2 DEF1000
おジャマ・イエロー 星2 DEF1000
おジャマ・ブラック 星2 DEF1000
「レベル2のおジャマ・グリーン、おジャマ・イエロー、おジャマ・ブラックにレベル2の天輪の双星道士をチューニング!《王者の鼓動、今ここに列を成す。天地鳴動の力を見るがいい!》シンクロ召喚!我が魂『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!リンク先へ舞い降りよ!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000
「すげぇコンボ…」
「デコード・トーカーはリンク先のモンスター1体につき攻撃力を500アップする!レッド・デーモンズがリンク先にシンクロ召喚された事で攻撃力は2800となる!」
デコード・トーカー ATK2300→2800
「バトル!デコード・トーカーでクリアウィング・シンクロ・ドラゴンを攻撃!《デコード・エンド》!」
「そんなあっさり破られるものか!トラップ発動!『迷い風』!特殊召喚された表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの効果は無効化され、元々の攻撃力は半分になる!対象はデコード・トーカー!」
「なるほど、デコード・トーカーの効果で無効にしてもクリアウィングの攻撃力と比べ元々攻撃力で劣るから……と。だが、甘い…甘いわよ!カウンタートラップ発動!『ギャクタン』!相手の発動したトラップカードを無効にしデッキに戻す!迷い風には再セット効果がある事は知っている。再利用はさせないわよ!」
「ッ!?」
「よって戦闘は続行!撃破よ!」
「やられたッ!」
翔太 LP7400→7100
「続けてレッド・デーモンズ・ドラゴンでダイレクトアタック!《アブソリュート・パワー・フォース》!!!」
「ライフで受けるっス!」
翔太 LP7100→4100
「カードを2枚伏せてターンエンド」
良い感じで来てるわ。このまま行けば勝てるわね。え?フラグ?
「僕のターン、ドロー!よしッ!まだ運は尽きてない!自分フィールドにモンスターが存在しない場合このカードは手札から特殊召喚出来る!『WW-アイス・ベル』を特殊召喚!」
WW-アイス・ベル 星3 ATK1000
「その後、デッキからWWモンスター1体を特殊召喚できる。この効果でデッキから特殊召喚したモンスターはリリースできず、この効果を発動するターン、自分はレベル5以上の風属性モンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない!チューナーモンスター『WW-グラス・ベル』を特殊召喚!」
WW-グラス・ベル 星4 ATK1500 チューナー
「アイス・ベルはこのカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、相手に500ダメージを与える!さらにグラス・ベルの効果をチェーン発動!グラス・ベルは召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから『WW-グラス・ベル』以外のWWモンスター1体を手札に加える。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は風属性モンスターしか特殊召喚できない!『WW-スノウ・ベル』を手札に加える。そして500ダメージ!」
真由美 LP7300→6800
「さらに、チューナーモンスター『WW-スノウ・ベル』は自分フィールドに風属性モンスターが2体以上存在し、風属性以外のモンスターが存在しない場合にこのカードを手札から特殊召喚する!」
WW-スノウ・ベル 星1 ATK100 チューナー
「畳み掛ける!レベル3のアイス・ベルにレベル4のグラス・ベルをチューニング!シンクロ召喚!『WW-ウィンター・ベル』!」
WW-ウィンター・ベル 星7 ATK2400
「ウィンター・ベルの効果発動!自分の墓地のWWモンスター1体を対象としそのモンスターのレベル×200ダメージを相手に与える!グラス・ベルを選択し800ポイントのダメージを与える!
真由美 LP6800→6000
「続けて!レベル7のウィンター・ベルにレベル1のスノウ・ベルをチューニング!シンクロ召喚!いでよ!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000
やっば、1番来たら困るモンスターが出てきた。
「スノウ・ベルをシンクロ素材として風属性シンクロモンスターをシンクロ召喚した場合、そのモンスターは相手の効果では破壊されない!さらに、1ターンに1度、このカード以外のモンスターの効果が発動した時にその発動を無効にし破壊。この効果でモンスターを破壊した場合、このカードの攻撃力はターン終了時まで、この効果で破壊したモンスターの元々の攻撃力分アップする!」
さてと、1番対処に困るモンスターね。効果で破壊出来ず、1ターンに1度モンスター効果を無効にする。しかも、レベル5以上の相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に攻撃力はそのダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップするという正に上級モンスターキラーな効果を備えている。どうやって対策しようかしら…?
「バトル!クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンでレッド・デーモンズ・ドラゴンを攻撃!効果発動!レベル5以上のモンスターとの戦闘を行うダメージ計算時に相手モンスターの攻撃力分攻撃力をアップする!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→6000
「まずいわねぇ……!」
真由美 LP6000→3000
「厄介なデコード・トーカーもこのカードで破壊する!魔法カード『ヒドゥン・ショット』!墓地のスピードロイドを2枚まで除外する事で相手フィールドのカードを除外した枚数分破壊する!赤目のダイスとタケトンボーグを除外し、デコード・トーカーと左の伏せカード!」
「させない!チェーン発動!罠カード『戦線復帰』!墓地のモンスター1体を守備表示で特殊召喚する!蘇れ!我が魂『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 DEF2000
「ターンエンド!クリスタルウィングならレッド・デーモンズなんて怖くないッス!」
さて…あとはこのドローに賭けるしかないって事ね。了解!
「あと一撃食らえば即死案件ね。運命は次のドロー次第…私のターン!ドロー!!!」
さってと、スタンバイフェイズっと……!
「(良いカードが引けた!)」
手札のカードとフィールドのモンスターを見直し、私は手札のカードを手に取った。
「悪いけど私も負ける訳にはいかないの!宣伝者として……1人のファンデッカーとして!!!『限界竜シュヴァルツ・シルト』を特殊召喚!このカードは相手フィールドに攻撃力2000以上のモンスターが存在する場合に手札から特殊召喚出来る!」
限界竜シュヴァルツ・シルト 星8 ATK2000
「このターンで私の勝利はほぼ確定したわ」
「なっ……レベル8のモンスターが2体って事は…!」
「レベル8のレッド・デーモンズ・ドラゴンと限界竜シュヴァルツ・シルトでオーバーレイ!!!《宇宙を貫く雄叫びよ、遥かなる時をさかのぼり銀河の源より蘇れ!顕現せよ、そして我を勝利へと導け!》エクシーズ召喚!!!『No.107 銀河眼の時空竜』!」。
No.107 銀河眼の時空竜 ランク8 ATK3000
「まさか……相打ち狙い…!?」
「ご名答!バトル!銀河眼の時空竜でクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンを攻撃!レベルが無いなら攻撃力アップ効果は発動しないわ!《殲滅のタキオン・スパイラル》!!!」
「迎え討て!クリスタルウィング!!!」
2体のドラゴンが咆哮を上げ、ビームのような炎を吐きそれがぶつかり合う(脳内補完)!!!
「やられた…でも、まだ手札は残ってるしライフは……」
「何勘違いしてるの?言ったはずよ、このターンで勝つって……」
まさか……といった顔の翔太君の目の前で私は伏せていた1枚のカードを展開する。これぞ私の勝利のキーカード!目ん玉かっぽじってよぉく見なさい!!!
「速攻魔法『エクシーズ・ダブル・バック』!!!自分フィールド上のエクシーズモンスターが破壊されたターン、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合に発動できる。自分の墓地から、そのターンに破壊されたエクシーズモンスター1体と、そのモンスターの攻撃力以下のモンスター1体を選択して特殊召喚する!蘇れ!『No.107銀河眼の時空竜』!『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」
「なっ…これを狙って……!」
No.107 銀河眼の時空竜 ランク8 ATK3000
レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000
壮観ね!私の大好きなカードが2枚並ぶなんて…!後はトポロジック・ボマー・ドラゴンが欲しいけどまぁそこは妥協点という事で。
「すごいッス!一瞬で盤面をひっくり返すなんて!」
「ありがとう…最高に楽しかったわ!バトル!銀河眼の時空竜とレッド・デーモンズ・ドラゴンでダイレクトアタック!!!《アブソリュート・タキオン・ヘル・スパイラル》!!!」
翔太 LP4100→1100→0
******************
「すごいデッキッスね。おジャマかと思ったらレッドアイズになったり、シンクロしたと思ったらエクシーズ召喚まで出来る…新感覚のデッキッスよ!」
「まぁ、デッキ枚数が多いからどうカードを引き込むかが勝利の鍵って感じだけどね」
いやー…今回ばかりは流石に負けるかと思ったわ。あの時にシュヴァルツ・シルトが引けて無かったら確実にアウトだったもの。
「あの…真由美さん?」
「何?」
「そう言えば、さっき恋愛がどうのって話をしてたッスよね?」
「うん」
「俺で良ければ彼氏になってもいいっスよ?」
「そうなの………!?」
えぇええええええええええ!?もしかして…間に受けてくれたの!?
「えーっと……私みたいなクズ女で良いなら………どうか、よろしくお願いします」
あーもぉ!拍手されてるし!これ告白する流れなの〜!?恥ずかしい!早く出て行きたいと私は急いでデッキをジュラルミンケースに戻して帰ろうとしたところで
「(しまっ!?ヒールが…!)」
「真由美さん!」
足を縺れさせそのまま前のめりになる私を翔太君がキャッチしてくれた。が……
もにゅっ
「あっ…!すんません!すんません!!!」
「…死にたい……」
ラッキースケベが発動したのか、私の胸が翔太君に掴まれてしまっていた。胸の肉に埋もれるようになっており彼の手の温かさを直に感じてしまった。翔太君の拘束を解いた私は胸を押さえて店を飛び出した。
「(でも…翔太君の手…あったかかった/////)」
実はラッキースケベしてたのは自分だったとは死んでも口に言えない私なのだった。
真由美「その…よろしくね」
翔太「何か成り行きで歳上のカノジョをゲットしちゃったッス……」
真由美「えー…こほん!それより!デッキ紹介のコーナーよ!翔太君!ステマよステマ!」
翔太「はっ!そうだった!今日のデッキは何か…濃いネーミングッスね」
真由美「【マリッジ・ビートダウン】よ。このデッキは人によって構築内容が大きく変わるデッキだから自分なりのアレンジレシピを考えてね♪じゃあレシピを紹介するわ」
デッキ総枚数(60)
モンスター(26)
●レッドアイズ・ダークネス・メタル・ドラゴン×1
●時械神カミオン×1
●時械神ザフィオン×1
●ロード・オブ・ザ・レッド×2
●カオス・ソルジャー─開闢の使者─×1
●限界竜シュヴァルツ・シルト×2
●真紅眼の黒竜×2
●黒竜の聖騎士×1
●召喚僧サモン・プリースト×1
●ジャンク・シンクロン×2
●おジャマ・イエロー×1
●おジャマ・ブラック×1
●おジャマ・グリーン×1
●黒鋼竜×2
●天輪の葬送士×1
●ハネワタ×1
●ブーテン×2
●時械巫女×3
魔法(24)
●祝福の教会─リチューアル・チャーチ×3
●テラ・フォーミング×3
●レッドアイズ・トランスマイグレーション×2
●レッドアイズ・インサイト×3
●黒竜降臨×2
●おジャマジック×1
●貪欲な壺×1
●真紅眼融合×1
●エクシーズ・ダブル・バック×1
●ワン・フォー・ワン×1
●トライワイト・ゾーン×2
●死者蘇生×1
●手札抹殺×1
●ハーピィの羽根帚×1
●スケープ・ゴート×1
罠(10)
●神の宣告×1
●ギャクタン×2
●破壊輪×2
●戦線復帰×2
●メタバース×3
EX(15)
●真紅眼の黒刃竜×1
●ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン×2
●天輪の双星道士×1
●魔界闘士バルムンク×2
●瑚之龍×1
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×1
●シャイニート・マジシャン×1
●No.41泥睡魔獣バグースカ×1
●No.107銀河眼の時空竜×2
●デコード・トーカー×1
●プロキシー・ドラゴン×1
●リンク・スパイダー×1
真由美「こんな感じね。リチューアル・チャーチでおジャマジックを捨て黒竜降臨かレッドアイズ・トランスマイグレーションをサーチ、同時に溢れるおジャマを儀式召喚や手札抹殺で消費。墓地に送った所でジャンク・シンクロンやトライワイト・ゾーン、天輪の双星道士で釣り上げてシンクロ素材に使うの。レッドアイズは基本デッキ圧縮として重宝するわ。魔法カードの量が過剰なのもリチューアル・チャーチの効果の為にコストとする事が目的よ。また、儀式召喚したロード・オブ・ザ・レッドの効果を効率的に使えるようメタバースや破壊輪、スケープ・ゴートを採用してるわ」
翔太「エクシーズ・ダブル・バックからのレッド・デーモンズ&タキオンドラゴンのコンボは圧巻だったッス!」
真由美「そう、銀河眼の時空竜を召喚しやすいように獣族及び闇属性ドラゴン族を多く採用したわ。『ビーストアイズ・ペンデュラム・ドラゴン』はフィールドの獣族と闇属性ドラゴン族を墓地へ送って融合召喚する独特な召喚ルールがあるの。おジャマやスケープ・ゴートをレッドアイズや黒鋼竜と共に融合素材にするといいわよ」
翔太「開闢の使者の採用理由を聞きたいッス!」
真由美「レッドアイズの闇属性とおジャマや天使族が光属性だから召喚しやすいの。また、手札で腐っても『真紅眼融合』の効果で融合素材にも出来るし一石二鳥って訳」
翔太「なるほど……でも、これってサイバーエンジェルで組んだ方が」
真由美「………」
翔太「こ…今回はここまで!次回もお楽しみに〜!!!」
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蟲塗れの融合デッキ【カース・マルツゥ】
翔太「まぁ……慰めになったんなら構わないッスよ」
真由美「あー!私にドロー運をくれー!」
「真由美ちゃ〜ん!久しぶり〜」
「……げぇっ、美咲」
昼過ぎになり静かになった喫茶店でカップを洗っていると、あまり会いたくない人に出会ってしまった。小学の頃に鈍臭い私をイジメ、中学の頃にカードゲームで遊んでいる私を揶揄い、高校の頃に私を仲間外れにしたあの迷惑女だ。何かキャピキャピした格好しちゃって…彼氏を取っ替え引っ替えしてそうな感じ……最高に嫌いなタイプ。よりによってマスターが家族旅行に行っている時に…!
「真由美ちゃんここで働いてんの?辛気臭いトコね」
「関係無い話です。御注文は?」
「ひっど〜い。シカトしないでよ」
「はいはい、私が悪い私が悪い」
溜め息混じりにテキトーに受け流した私は手際よくカップを片付けてカウンターの椅子に座った。
「何注文すんの?」
「じゃ〜あ〜♪コーヒーとショートケーキ♪美味しく作ってね♪」
「畏まりました」イラッ
私はイラッとしつつ、調理を開始した。ショートケーキは朝に用意したスポンジケーキを使い、コーヒーを淹れつつショートケーキ用のクリームも用意する。
「まずお先にコーヒーになります。本日はショートケーキにピッタリ合う『ガテマラ』産のコーヒーです。ミルクとシュガーもお付けしますのでご自由にお使い下さい」
「気が利いてるね〜ありがと♡真由美ちゃん♪」
「もう少しで完成しますのでゆっくり飲んでお待ち下さい」
喩えお頭が馬鹿な女だろうと妥協する気は無い。手早く準備して私は盛り付けを開始した。作業用の手袋でスポンジケーキをショートケーキに変身させる。完成したショートケーキを規定通りの1ピース分切って皿に盛り付け、“丁寧に”お客様にお出しした。
「(あのインスタバエが…)」
インスタグラムで勝手に写真を撮る美咲を一瞥し、私は胃に穴が空く思いで貧乏揺すりをしながらその様子を眺めていた。
************************
「って事があったのよ今日」
「はぁ…御愁傷さんッス」
私はイライラしながら翔太君と一緒にデュエルに興じていた。因みに今回は少し趣向を変えている。ストレスの発散と爽快感を楽しむ為のデッキだ。
「昔私の事散々イジメといて『今までの事は水に流してお友達になりましょう♡』ですって?バカにすんじゃないわよ!あの
「真由美さん落ち着いて!出禁になるから!」
ゼェゼェと荒い息をしながら私はクールダウンするべく自分の顔をバチンと叩いた。よし!もう引っ張らん!
「そうだ!僕のデッキを見て欲しいッス!いや、言い方が悪かったッスね。僕の試作デッキとデュエルして欲しいッス」
「いいわよ。今回は試作デッキが出来てないから【3軸シンクロ】デッキで行くわ」
早速、テーブルを整理してデュエルの体勢を取る。準備が完了してから私と諸星君はデュエルを開始した。先攻は私が戴いた。
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
翔太 LP8000
「私の先攻!魔法カード『コール・リゾネーター』発動!デッキからリゾネーターモンスター1体を手札に加えるわ。さらに『俊足のギラザウルス』を特殊召喚!このカードを特殊召喚する場合、相手は墓地のモンスター1体を特殊召喚出来る。翔太君の墓地にはモンスターが0…よってノーコストで特殊召喚出来るわ!」
俊足のギラザウルス 星3 ATK1400
「チューナーモンスター『フレア・リゾネーター』を通常召喚!」
フレア・リゾネーター 星3 ATK300 チューナー
「レベル3の俊足のギラザウルスにレベル3のフレア・リゾネーターをチューニング!シンクロ召喚!『レッド・ライジング・ドラゴン』!」
レッド・ライジング・ドラゴン 星6 ATK2100
「レッド・ライジング・ドラゴンのシンクロ素材となったフレア・リゾネーターの効果発動!シンクロ素材となった時、そのシンクロモンスターの攻撃力300ポイントアップする!」
レッド・ライジング・ドラゴン ATK2100→2400
「さらに、レッド・ライジング・ドラゴンのシンクロ召喚に成功した場合、墓地のリゾネーター1体を特殊召喚出来る!『フレア・リゾネーター』を特殊召喚!」
フレア・リゾネーター 星3 ATK300 チューナー
「レベル6のレッド・ライジング・ドラゴンにレベル3のフレア・リゾネーターをチューニング!《深淵の闇より解き放たれし魔王よ!!その憤怒を爆散させよ!!》シンクロ召喚!『琰魔竜レッド・デーモン・アビス』!」
琰魔竜レッド・デーモン・アビス 星9 ATK3200
「フレア・リゾネーターの効果により攻撃力は300アップ!」
琰魔竜レッド・デーモン・アビス ATK3200→3500
「カードを2枚伏せてターンエンド」
さて、翔太君はどんなデッキを組んだのかしら?
「僕のターン、ドロー!『ハーピィの羽根帚』発動!相手の魔法・罠カードを全て破壊する!」
「まずいわね……レッド・デーモン・アビスの効果発動!1ターンに1度、表側表示のカード効果を1枚無効にする!ハーピィの羽根帚は無効よ!」
「ならこっちで…魔法カード『テラ・フォーミング』!デッキからフィールド魔法を手札に加えるッス!さらに『切り込み隊長』を通常召喚!」
切り込み隊長 星3 ATK1200
「このカードの召喚に成功した時、手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚出来る!『パラサイト・フュージョナー』を特殊召喚!」
パラサイト・フュージョナー 星1 ATK100
パラサイト・フュージョナー!…なるほど、そういうデッキなのね!
「パラサイト・フュージョナーの効果発動!特殊召喚に成功した場合、自分フィールドのモンスターとこのカードを素材に融合召喚を行う!ただし、パラサイト・フュージョナーは融合モンスターの融合素材に必要なカードの代用となり、他の素材は正規のカードでなければならない。パラサイト・フュージョナーと切り込み隊長を融合!融合召喚!『E・HERO ネオス・ナイト』!」
E・HEROネオス・ナイト 星8 ATK2500
「ネオス・ナイトは融合素材にした『E・HEROネオス』以外のモンスターの攻撃力の半分攻撃力をアップする!素材にした切り込み隊長の攻撃力1200の半分の600アップ!」
E・HERO ネオス・ナイト ATK2500→3300
「まだ攻撃力が届いてないわよ」
「だからこれを使う!フィールド魔法『召魔装着』!さらに永続魔法『ブランチ』発動!召魔装着の効果で自分フィールドの戦士・魔法使い・ドラゴン族モンスターの攻撃力を300アップ!」
E・HERO ネオス・ナイト ATK3300→3600
「ネオス・ナイトは2回攻撃出来るが相手に戦闘ダメージは与えられない。バトル!ネオス・ナイトでレッド・デーモン・アビスを攻撃!」
「やられた──腕を上げたわね!」
「僕はカードを1枚伏せてターンエンド」
流石ね。一瞬で場をひっくり返した。私も負けられない!
「私のターン、ドロー!」
でも、こんな日に限っていいカードが引けない…。
「(取り敢えず敵を倒す事に集中する──!)『クレーンクレーン』を召喚!」
クレーンクレーン 星3 ATK300
「クレーンクレーンは召喚に成功した時、墓地のレベル3モンスター1体を特殊召喚する!『フレア・リゾネーター』を特殊召喚!」
フレア・リゾネーター 星3 ATK300
「レベル3のレベル3のクレーンクレーンにフレア・リゾネーターをチューニング!シンクロ召喚!シンクロチューナー『
瑚之龍 星6 ATK2400→2700
「瑚之龍の効果発動!手札1枚を墓地へ送り、相手フィールドのカード1枚を破壊する──」
「どれを破壊するんスか?」
くっ……どれを破壊しても面倒ね。参ったわね……。
「…ネオス・ナイトを破壊するわ」
「ならネオス・ナイトの破壊をトリガーにブランチの効果発動!墓地から融合素材になったモンスター1体を特殊召喚する。さらにチェーン発動!永続罠『鏡像のスワンプマン』!属性・種族を宣言し、その通りの罠モンスターとしてこのカードを特殊召喚する!『地属性・ドラゴン族』として特殊召喚!」
鏡像のスワンプマン 星4 ATK1800→2100
「そして、ブランチの効果を処理。墓地から『パラサイト・フュージョナー』を特殊召喚!パラサイト・フュージョナーの効果発動!特殊召喚に成功した場合、自分フィールドのモンスターとこのカードを素材に融合召喚を行う!ただし、パラサイト・フュージョナーは融合モンスターの融合素材に必要なカードの代用となり、他の素材は正規のカードでなければならない。パラサイト・フュージョナーとスワンプマンを融合!融合召喚!『竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー』!」
「バスター・ブレイダーまで…!」
竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー 星8 ATK2800→3100
「このカードの攻撃力・守備力は、相手のフィールド・墓地のドラゴン族モンスターの数×1000アップするッス!真由美さんのフィールドと墓地には合計3体のドラゴンがいるので3000ポイントアップ!」
「3000───ッ!?」
竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー ATK3100→6100
「さらに、このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手フィールドのドラゴン族モンスターは守備表示になり、ドラゴン族モンスターの効果を発動できない!このカードが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与えるッス!ダイレクトアタックは出来ないッス…でも、ドラゴン族をエースに据えた真由美さんのデッキでは絶対に対処出来ないッス!」
瑚之龍 ATK2700→DEF500
「ッ……分かってはいたけど、いざその盤面になるとキツイわねぇ…。ターンエンド」
「僕のターン、ドロー!竜破壊の剣士-バスター・ブレイダーで瑚之龍を攻撃!この貫通攻撃は痛いッスよ!」
「ぐはっ!?」
真由美 LP8000→2400
かなり手痛いパンチを食らってしまった。全然読めない。翔太君の戦術が全然読めない。まだあのイライラを引き摺っているのか、いつもより集中力と判断力に欠けている。
「瑚之龍の効果、シンクロ召喚したこのカードが墓地へ送られた場合デッキからカードを1枚ドローする!」
「その効果も封じられてるッス!」
「ッ…そうだった!」
「僕はカードを1枚伏せてターンエンドするッス」
「私のターン!」
よし来た!今日の鬱憤…晴らさせてもらうわよ!
「罠カード『戦線復帰』を発動!墓地のモンスター1体を守備表示で特殊召喚する!瑚之龍の効果で墓地へ送っていた『スター・フィッシュ』を特殊召喚!」
スター・フィッシュ 星3 DEF300
「そして今引いた速攻魔法『地獄の暴走召喚』を発動!相手フィールドに表側表示モンスターが存在し、自分フィールドに攻撃力1500以下のモンスター1体のみが特殊召喚された時に発動できる。その特殊召喚したモンスターの同名モンスターを自分の手札・デッキ・墓地から可能な限り攻撃表示で特殊召喚し、相手は自身のフィールドの表側表示モンスター1体を選び、そのモンスターの同名モンスターを自身の手札・デッキ・墓地から可能な限り特殊召喚する!翔太君のモンスターは竜破壊の剣士-バスター・ブレイダーのみ。そして、竜破壊の剣士-バスター・ブレイダーはEXデッキのモンスター!エクストラデッキからこれ以上特殊召喚する事は出来ない!」
スター・フィッシュ 星3 ATK300
スター・フィッシュ 星3 ATK300
「スター・フィッシュは1ターンに1度、メインフェイズにスター・フィッシュ全てのレベルを1つ上げる事が出来る!」
スター・フィッシュ 星3→4
スター・フィッシュ 星3→4
スター・フィッシュ 星3→4
「レベル4となったスター・フィッシュ3体でオーバーレイ!3体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築!エクシーズ召喚!《最強最大の力を持つ深海の帝王!その牙で全てのものを噛み砕け!》『No.32海咬龍シャーク・ドレイク』!!!」
「なんでそんなモンスター入れてるんスかぁああああああ!?」
No.32海咬龍シャーク・ドレイク ランク4 ATK2800
「これだけでは足りないわね。次のステップよ!私はシャーク・ドレイクでカオスエクシーズチェンジ!シャーク・ドレイクの上に重ね、特殊召喚!『CNo.32 海咬龍シャーク・ドレイク・バイス』!」
CNo.32 海咬龍シャーク・ドレイク・バイス ランク4 ATK2800
「伏せていた装備魔法『サイコ・ブレイド』発動!シャーク・ドレイク・バイスに装備!このカードはライフを100の倍数ライフを払いその数値分攻守を上げる。ただし、最大値は2000まで。私は1400払う!」
CNo.32 海咬龍シャーク・ドレイク・バイス ランク4 ATK2800→4200
真由美 LP2400→1000
さぁ、逆転の時間よ。
「でもこれじゃ攻撃力で勝ててないッスよ」
「でも、発動条件は満たせたわ」
「発動条件…あ」
「CNo.32 海咬龍シャーク・ドレイク・バイスの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、墓地のモンスターを1体除外する事でフィールドのモンスターの攻撃力を0にする!クレーンクレーンを除外してバスター・ブレイダーの攻撃力をエンドフェイズまで0にするわ!」
竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー ATK6100→0
「こ…攻撃力が!?」
「そ、レッド・デーモン・アビスを守備表示でってのはしょっぱいからね。形勢逆転よ!シャーク・ドレイクで竜破壊の剣士-バスター・ブレイダーを攻撃!恐らくその伏せカードは罠モンスター…!パラサイト・フュージョナーとの兼ね合いで罠モンスターの割合が多い筈よ!《デプス・カオス・バイト》!!!」
一矢は報いたわ。後は防衛し続ければ勝機は……
「罠発動『聖なるバリア─ミラー・フォース─』。攻撃宣言時に相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊するッス」
「………ふぇ?」
あ、ヤバ。前提条件が崩れるじゃない!?いや、私もバカだっただけど…このままじゃまずいわ!?あぁ…防ぐ手がない。
「シャーク・ドレイク・バイス…撃破!」
「くっ……ターンエンド」
完全に読み違えた……。もう何も出来ない。
竜破壊の剣士-バスター・ブレイダー ATK0→6100
「勝ったッス!僕のターン!ドロー!」
ダメだ…流れが……!翔太君の手札は2枚……マズイ。非常にマズイ!
「来た!マジで今日はツイてるッス!『召喚僧サモンプリースト』を召喚!このカードの召喚に成功した時、守備表示に出来る!」
召喚僧サモンプリースト 星4 ATK800→DEF1600
「サモンプリーストの効果発動!1ターンに1度、手札の魔法カードを1枚墓地へ送り、デッキからレベル4モンスター1体を特殊召喚する!『カブトロン』を特殊召喚!ただし、この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃出来ない」
カブトロン 星4 ATK1600
「召喚条件は効果モンスター2体!サモンプリーストとバスター・ブレイダーでリンク召喚!『コード・トーカー』!」
あ、終わった。
コード・トーカー LINK-2 ATK1300 リンクマーカー【上・下】
「サレで」
「あざっしたー」
真由美 投了
******************
「…あんまりだぁ………」
翔太君が門限で帰った後、ショックのあまり天を仰いだ私は何とか正気を取り戻しカードを片付けた。まだまだ改良する点はある。一々周囲の目など気にするまでもないのよ。
「店長、ありがとうございましたー」
「またおいで〜」
帰る前にカードパックを買い、帰り道に開封した。外れだった………この日あと2回ほど不運が続き、ショックのあまりさっさと寝てしまった。
真由美「……zzzz」
翔太「なんか寝ちゃってるみたいなんで今日は僕のデッキを紹介します。今回作ったのは【カース・マルツゥ】こと融合デッキです」
モンスター(21)
●カブトロン×1
●召喚僧サモンプリースト×1
●超電磁タートル×1
●魔装戦士ドラゴディウス×2
●召喚師アレイスター×3
●ジャンク・シンクロン×2
●切り込み隊長×3
●レッド・リゾネーター×3
●パラサイト・フュージョナー×3
(16)
●召魔装着×3
●テラ・フォーミング×2
●召喚魔術×1
●ハーピィの羽根帚×1
●死者蘇生×1
●ブランチ×3
●シャッフル・リボーン×1
●貪欲な壺×1
●ワン・フォー・ワン×1
●再融合×1
罠(8)
●鏡像のスワンプマン×3
●聖なるバリア─ミラー・フォース×1
●神の宣告×1
●量子猫×3
EX(15)
●波動竜騎士ドラゴエクィテス×1
●召喚獣メルカバー×1
●召喚獣メガラニカ×1
●召喚獣ライディーン×1
●召喚獣ブルガトリオ×1
●竜破壊の剣士─バスター・ブレイダー×1
●呪符竜×2
●ルーンアイズ・ペンデュラム・ドラゴン×1
●真紅眼の黒刃竜×1
●E・HEROネオス・ナイト×1
●波動竜フォノン・ドラゴン×2
●シャイニート・マジシャン×1
●魔界闘士バルムンク×1
翔太「僕の作ったデッキは在り来たりに言えば『パラサイト・フュージョナー』を使いまわして戦うデッキです。その為に幾らか工夫もしています。まず切り込み隊長やレッド・リゾネーターを採用し手札に来ても特殊召喚しやすく、またデッキからもワン・フォー・ワン。極め付けに墓地からなら『ブランチ』や『死者蘇生』、『シャッフル・リボーン』・『魔界闘士バルムンク』がある。ブランチを使って連続でパラサイト・フュージョナーを特殊召喚し続け融合召喚を行う事が動作の基本なんだけど、それでは素材が補給しづらくなる。そこで採用したのが『鏡像のスワンプマン』と『量子猫』。これらカードは共通して属性及び種族を自由に操作出来ます。これを使い、融合素材や危ない時は壁に使うなどしてサポートをしている感じです。真紅眼の黒刃竜の効果で『魔界闘士バルムンク』を装備させれば破壊されても後続のリクルートが出来るコンボもあります。この機会に是非、パラサイト・フュージョナーデッキを組んでみては如何でしょうか?」
真由美「むにゃ…」
翔太「さて、お別れの時間がやって参りました。何故か汚いカード名ですがお許しください。それでは、また次回!」
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予算3000円!?【パシフィスHERO】
注意:本来ならばより強力なカードの投入が推奨されますが、あくまでも低予算デッキですのであしからず……。
「予算3000円でデッキを作れ!?」
いつも通っている格安美容室で安い化粧品を一緒に買っていると店長の息子さんの「堅太」君にそんな事を言われた。「予算は3000円・友達の間で勝てるくらいのデッキ・カッコイイ」が条件だ。
「うーん…困ったわねぇ……」
頬を掻きながら少し考える。確かに3000円の予算さえあればいくらでもデッキは組める。でも漠然とし過ぎていて正直…。
「カッコイイモンスターって何で戦いたいの?融合?儀式?シンクロ?エクシーズ?ペンデュラム?」
「HERO!HEROで戦いたい!」
「HEROデッキかー……HEROならなんでもいい?」
「うん!お願いおばちゃん!」
「よし!おばちゃんに任せときなさい!戦えるデッキに仕上げてあげるから!」
ドンと胸を叩き私は会計を済ませて店を出た。後ろで何か声が聞こえた気がするが今はそんな事よりデッキ構築が先だ。
「真由美ちゃーん!化粧品は〜?」
******************
「よく来たわね。堅太君。今から出来たデッキで試作実験をするわよ。って事で翔太君。実験体よろしくね♪」
「真由美さん…また変なデッキを……」
「じゃかましい!次こそ勝つ!」
「(まだあの時のデュエルを根に持ってるんスか…)」
デッキとマットをテーブルに用意して準備万端になったところで私は堅太君にサムズアップした。
「私の動きをじっくり見てなさい」
「うん!」
「じゃあ行くわよ!翔太君!」
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
翔太 LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!」」
「よし!私の勝ちね!先攻は貰った!私のターン!」
手札も理想的だし、これは行けそう!
「『E・HERO スパークマン』を召喚!」
E・HEROスパークマン 星4 ATK1600
「カードを2枚伏せてターン終了!」
「僕のターン!ドローっス!
「僕のターン、ドロー!自分フィールドにモンスターが存在しない場合このカードは手札から特殊召喚出来る!『WW-アイス・ベル』を特殊召喚!」
WW-アイス・ベル 星3 ATK1000
「その後、デッキからWWモンスター1体を特殊召喚できる。この効果でデッキから特殊召喚したモンスターはリリースできず、この効果を発動するターン、自分はレベル5以上の風属性モンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない!チューナーモンスター『WW-グラス・ベル』を特殊召喚!」
WW-グラス・ベル 星4 ATK1500 チューナー
「アイス・ベルはこのカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、相手に500ダメージを与える!さらにグラス・ベルの効果をチェーン発動!グラス・ベルは召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから『WW-グラス・ベル』以外のWWモンスター1体を手札に加える。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は風属性モンスターしか特殊召喚できない!『WW-スノウ・ベル』を手札に加える。そして500ダメージ!」
真由美 LP8000→7500
「さらに、チューナーモンスター『WW-スノウ・ベル』は自分フィールドに風属性モンスターが2体以上存在し、風属性以外のモンスターが存在しない場合にこのカードを手札から特殊召喚する!」
WW-スノウ・ベル 星1 ATK100 チューナー
「畳み掛ける!レベル3のアイス・ベルにレベル4のグラス・ベルをチューニング!シンクロ召喚!『WW-ウィンター・ベル』!」
WW-ウィンター・ベル 星7 ATK2400
「ウィンター・ベルの効果発動!自分の墓地のWWモンスター1体を対象としそのモンスターのレベル×200ダメージを相手に与える!グラス・ベルを選択し800ポイントのダメージを与える!
真由美 LP7500→6800
「続けて!レベル7のウィンター・ベルにレベル1のスノウ・ベルをチューニング!シンクロ召喚!いでよ!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000
「大人気ないぞ!ブー!」
「ひどいッ!?」
いきなり効果耐性付きのクリスタルウィングはセコい!
「バトル!クリスタルウィングで─」
「ストップ。バトルフェイズ開始時にトラップ発動!『メタバース』!デッキからフィールド魔法を手札に加えるか発動する!『幻煌の都 パシフィス』発動!」
「パシフィス!?」
「パシフィスはルール上「海」として扱うフィールド魔法よ。効果を発動するターン、自分は効果モンスターを召喚・特殊召喚できないけど1ターンに1度、自分が通常モンスター1体の召喚・特殊召喚に成功した場合にデッキから『幻煌龍』カード1枚を手札に加える効果があるの。それだけじゃないわ。1ターンに1度、自分フィールドにトークンが存在せず、相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した場合に自分フィールドに『幻煌龍トークン』(幻竜族・水・星8・攻/守2000)1体を特殊召喚するの」
「つえー!」
「しかも字キラだしね。平均10円で販売してる店舗が多いわ」
「でも攻撃は止められないッスよね?スパークマンを攻撃!」
「え?止めるわよ。罠カード『砂塵のバリア─ダスト・フォース─』。相手モンスターの攻撃宣言時に発動出来、相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て裏側守備表示にする。この効果で裏側守備表示になったモンスターは表示形式を変更できない。どんな耐性があろうが無駄よ」
「えぇ……」
「因みに単価もノーマルなら平均50円未満で買えるわ。自信がないなら数枚入れるのがオススメよ」
「酷い…カードを2枚伏せてターンエンド」
「じゃあ行くわよ!私のデッキの本領発揮よ!ドロー!罠カード『幻煌龍の戦禍』!このカードはフィールド魔法『海』があるなら手札から発動出来る!自分フィールドのモンスターが通常モンスターのみの場合、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する!クリスタルウィングは裏守備になった事で効果破壊耐性を証明出来ない。よって破壊される!」
「しょーめーって?」
いい質問ね。
「クリスタルウィングは破壊耐性を付与するスノウ・ベルの効果を受けていたわ。でも、裏守備になったら付与されている証拠をどうやって出せばいいと思う?」
「うーん……できない」
「そうよ。だから裏守備の状態でも破壊出来るのよ!」
「クリスタルウィングが…」
これで邪魔なカードは消えたわね。これで攻められる!
「装備魔法『幻煌龍の
E・HEROスパークマン 星4 ATK1600
「さらに通常モンスターが召喚に成功した事でパシフィスの効果を発動!『幻煌龍の戦禍』を手札に加えるわ。このままバトル!2体のスパークマンでダイレクトアタック!」
「押されてるッス…!」
翔太 LP8000→4800
「さらにバトルフェイズが終了した事で『幻煌龍の螺旋波』の効果!自分の手札・デッキ・墓地から「幻煌龍 スパイラル」1体を選んで特殊召喚し、このカードをそのモンスターに装備する。」
幻煌龍 スパイラル 星8 ATK2900
「その後、相手の手札がある場合、相手は手札を1枚選んで捨てる!」
「うげぇ」
「カードを1枚伏せてターンエンド」
ここまでは順調だ。捨てられたのはSRベイゴマックス…っていうか手抜きしてない!?さっきのターンで手札にあったでしょ!?通常召喚権もあったのに!!!ムカつく……。
「じゃあ僕のターン!さってと…」
翔太君は引いたカードと捨てられたカードを何度か確認してから動き始めた。
「じゃあ本気で行きますかね。『烈風の結界像』を召喚!」
「!!!!!!」
烈風の結界像 星4 ATK1000
烈風の結界像…!風属性以外の特殊召喚を封じるカード!させない!
「手札から『幻煌龍の戦禍』を発動!このカードはフィールド魔法『海』があるなら手札から発動出来る!結界像を破壊する!」
「そっちはブラフっス!魔法カード『死者蘇生』!墓地の『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』を特殊召喚!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000
「でもパシフィスの効果も起動する!私のフィールドにトークンを特殊召喚する!」
幻煌龍トークン 星8 DEF2000
「トークンはルール上通常モンスター…よって、パシフィスの効果により私はデッキから『幻煌龍の戦禍』を手札に加える!」
「さらに罠カード『タイラント・ウィング』発動!ドラゴン族モンスターの装備カードとしてこのカードは装備出来る!装備モンスターの攻撃力を400ポイントアップする!さらに装備モンスターはモンスターに2回攻撃出来る!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→3400
「!!!!!」
「さらに、クリスタルウィングがレベル5以上の相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時にこのカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする!バトル!クリスタルウィングでスパイラルを攻撃!この瞬間、クリスタルウィングの攻撃力は3400にスパイラルの攻撃力2900を追加して6300となる!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3400→6300
「幻煌龍の螺旋波の効果!1ターンに1度だけ戦闘破壊を防ぐッ!」
真由美 LP6800→3400
「でも、次でトドメっス!クリスタルウィングでスパイラルを攻撃!」
「させるか!速攻魔法発動!『収縮』!モンスター1体の元々の攻撃力を半分にする!クリスタルウィングの攻撃力を半分にする!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3400→1900
「やる──!」
「でもこれ以上スパイラルを防ぐ事は出来ないッ!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK1900→4800
真由美 LP3400→1500
「ターンエンドっス。この瞬間、タイラント・ウィングは自身の効果で破壊されるッス」
「収縮の効果も終了するわ」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK1900→3000
「私のターン!ドロー!」
戦禍は無駄遣い出来ない。あの伏せカードが気になる…!ずっと沈黙したままってのが凄く気になる。使うか…?
「手札から『幻煌龍の戦禍』発動!私が破壊するのは伏せカード!」
「助かるッス!通常罠カード『ハーピィの羽根吹雪』の効果発動!」
私のバカ!ブラフを踏んじゃったじゃない!
「ハーピィの羽根吹雪が相手によって破壊された場合、デッキか墓地から『ハーピィの羽根帚』を手札に加える!」
「まだ私の闘志は燃え尽きちゃいないわよ!魔法カード『馬の骨の対価』!自分フィールドの効果モンスター以外のモンスター1体を墓地へ送りデッキからカードを2枚ドローする!スパークマンを墓地へ送り2枚ドローする!2度目の正直……引いたわよ!速攻魔法『超融合』!」
「…!?」
「超融合は手札1枚を墓地へ送って発動する速攻魔法よ。自分・相手フィールドから融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する!召喚条件はE・HEROと風属性モンスター…!クリスタルウィングとスパークマンを融合!融合召喚!『E・HERO Great Tornado』!」
E・HERO Great Tornado 星8 ATK2800
「さらにトークンを攻撃表示に変更!」
幻煌龍トークン DEF2000→ATK2000
「バトル!Great Tornadoとトークンでダイレクトアタック!貰った!!!」
「やっぱり出し惜しみしてベイゴマックスを握ったのが失敗だったッス……」
翔太 LP4800→0
*********************
「こんな感じかしらね。駆け引きとか必要になるけど色々と弄って遊べるデッキよ」
「おばちゃん、そのデッキ買ってもいい?」
「……流石に小学生からお金を巻き上げるのは主義じゃないわ。代わりにコレ、デッキレシピだから好きなようにアレンジして組んでみてね♪」
「ありがとうおばちゃん!」
「じゃ、気をつけてね〜!」
堅太君に手を振った私は、少ししてからデッキを解体してケースに戻した。
「真由美さん…おばちゃんって言われてたけど嫌じゃないんスか?」
「小学生から見ればおばちゃんよ。ヲタク業界だったらBBA扱いだからね!怒っちゃうわ」
わざとらしくプリプリ怒ってみせてから私は微笑んだ。
「デッキを考えるのってやっぱり楽しいわ。アレだコレだと考えながら組んで…出来上がった時の快感は忘れられない。だから遊戯王は止められないの」
「真由美さん……」
「それより門限は大丈夫?夕飯近いんじゃないの?」
「やっべ、今日カツカレーの日じゃん!じゃ、また明日〜!」
「えぇ、また会いましょう!」
翔太君の後ろ姿に手を振った後……私は青ざめた。
「やっば!化粧品持って帰るの忘れてた!!!」
真由美「ゼェ……ゼェ……やっぱり年には勝てないわね」
翔太「20歳の癖に何言ってるんスか!?」
真由美「まぁまぁ、そんな事よりデッキ紹介の時間よ。早速オープン!」
モンスター(7)
●幻煌龍スパイラル×1
●E・HEROスパークマン×3
●沼地の魔神王×3
魔法(23)
●幻煌の都パシフィス×3
●チキンレース×1
●テラ・フォーミング×3
●ハーピィの羽根帚×1
●超融合×1
●融合×3
●ミラクル・フュージョン×2
●幻煌龍の螺旋波×1
●馬の骨の対価×2
●E─エマージェンシー・コール×3
●O─オーバー・ソウル×2
●収縮×1
罠(10)
●神の宣告×1
●幻煌龍の戦禍×3
●メタバース×2
●砂塵のバリア─ダスト・フォース×2
●貪欲な瓶×2
EX(15)
●始祖竜ワイアーム×2
●E・HERO ガイア×2
●E・HERO アブソルートZero×1
●E・HERO The シャイニング×1
●E・HERO ノヴァマスター×1
●E・HERO Great TORNADO×1
●E・HEROエクスリダオ×1
●E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン×1
●No.101 S・H Ark Knight×2
●No.41 泥睡魔獣バグースカ×2
●電影の騎士ガイアセイバー×1
真由美「…」
翔太「何か…物足りないッス」
真由美「それでも戦える構築にはしてあるのよ?構造上最も依存するパシフィスのサーチの為にテラ・フォーミングとメタバースを採用。沼地の魔神王も採用してデッキ圧縮を中心としたデッキとしたわ。」
翔太「パシフィスとHEROって噛み合わない気もするんスけど」
真由美「そうでもないわよ?スパークマンはエマージェンシー・コールでサーチ、オーバー・ソウルで蘇生と用途は多いのよ?ここでは採用してないけど、ヒーロー・ブラストや戦士の生還、ヒーローアライブの採用も良いわね。HERO寄りになるけど面白いデッキに仕上がると思うわ」
翔太「因みに高価なカードを採用するなら何がオススメっスか?」
真由美「………それ聞く?」
翔太「いや…遊んでいる内に物足りなくなった人向けに」
真由美「分かったわ。採用するカードは3種類。1枚目は『E・HEROオネスティ・ネオス』よ。単純に火力サポートとして機能する上にエマージェンシー・コールでサーチ出来るし融合素材にもなれるからオススメよ。2枚目は魔法カード『予想GUY』。スパークマンを直接デッキから特殊召喚出来る点で優秀だわ。3枚目は永続罠カード『潜海強襲』よ。パシフィスをデッキか墓地から発動出来るし、スパイラルを守る事も出来る。採用も十分検討内よ。私からは以上ね。大事な事はアレンジよ。ただコピーするだけじゃ面白くないわ。自分で見つける事こそが真のデュエリストの道だと私は信じてる」
翔太「ありがとうございました!………ん?レッドデーモン系が今回入ってないッスね」
真由美「私の趣味を押し付けちゃいけないしね」
翔太「確かに」
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腹を切ってデカイの出す【ザボルグHERO】
ガイザー「そうだよ(便乗)」
「マジかー…」
不覚。古霊真由美、20歳…一生の不覚。
「体重が3kgも……」
原因はおよそ分かっている。仕事終わりに帰ろうとした時に美咲に出くわし、強引にイタリアンに連れて来られピッツァを半分食べさせられたのが理由だ。間違いない。
「ダイエットしなきゃなぁ……」
でも、これ以上削るものは無い。朝は玄米・味噌汁・キャベツの千切りを食べ、昼はコーヒーとトースト、夕方は鍋。これ以上は流石に厳しい。
「………!」
閃いた。天啓のように降り注いだそのコンセプトを実現させるべく私はカードショップへと急いだ。今日は喫茶店が休業日なので少しランニングして銭湯で汗を流し着替えてから店に入った私だった…。
************************
「よし、出来たわ!」
今回のデッキはやや使い辛さが目立つがそれでも面白いデッキであると個人的には自負している。そのキーカードを如何に高速召喚出来るかがこのデッキの鍵となる。そろそろ翔太君が来る時間かな?
「こんちわーッス!真由美さん!」
「こんにちは、待ってたわよ」
私は早速出来上がったデッキをシャッフルして翔太君を向かいの席に座らせた。
「真由美さん、また胸がデカくなってません?」
「3kgも太ったのよ3kgも!」
「あらー…」
私はシャッフルを終えたデッキをメインデッキゾーンにセットした。さて、翔太君はいつものデッキみたいだし、クリスタルウィングに気を付ければなんとかなる…はず。
「じゃあ、デュエルしましょう!」
「負けないッスよ!」
やや端折り気味だが、私と翔太君はデュエルを開始した。
「「デュエル!!」」
真由美 LP8000
翔太 LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!」」
「よし!私の勝ちね!先攻は貰った!私のターン!」
じゃあ…翔太君には悪いけど、致命傷与えちゃいますか♪
「『天帝従騎イデア』召喚!」
天帝従騎イデア 星1 ATK800
「イデアの効果発動!このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから天帝従騎イデア以外の『攻撃力800・守備力1000のモンスター1体を守備表示で特殊召喚する!ただしこのターン、自分はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚できない。『冥帝従騎エイドス』を特殊召喚!」
冥帝従騎エイドス 星2 DEF1000
「さらにエイドスの効果発動!このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、このターン自分は通常召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズにアドバンス召喚できる!イデアとエイドスをリリースして『轟雷帝ザボルグ』をアドバンス召喚!」
轟雷帝ザボルグ 星8 ATK2800
「ゲェッ!?ザボルグっスか!?」
「ザボルグの効果発動!このカードがアドバンス召喚に成功した場合、フィールドのモンスター1体を対象とし、そのモンスターを破壊する。破壊したモンスターが光属性だった場合、その元々のレベルまたはランクの数だけ、お互いはそれぞれ自分のEXデッキからカードを選んで墓地へ送る。このカードが光属性モンスターをリリースしてアドバンス召喚に成功した場合、墓地へ送る相手のカードは私が選ぶ!ザボルグを破壊するわ!《切腹、御免》!!!」
「おい、効果名」
さて、これで私はクリスタルウィングを消しつつ勝利へのキーパーツを墓地へ送れるという訳ね♪じゃあ、行くわよ!
「私が墓地へ送るのはこのカード達よ!」
『E・HERO The シャイニング』
『N・マリン・ドルフィン』
『E・HERO ネオス・ナイト』
『E・HERO マリン・ネオス』
『E・HERO エクスリダオ』
『捕食植物 キメラフレシア』
『真紅眼の黒竜剣』
『覇王眷竜ダーク・リベリオン』
「このカード…まさか…!?」
「さて、私はどっちを出すかしら♪さて、翔太君…覚悟は出来てるわね?」
「……はぃ」
翔太君のEXデッキを借りると手早くカードをすっぱ抜いていく。
『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』×3
『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』×3
『WWウィンター・ベル』×2
「これで牙は殆ど抜かれたわね♪」
「酷い…あんまりだぁ……」
「カードを2枚伏せてターンエンド。さぁ、かかって来なさい!」
このターンを凌げば私の猛攻が待ってるわよ…さぁ、攻めて来なさい!
「僕のターン、ドローっス(まだチャンスはある)!」
「スタンバイフェイズに入った瞬間、墓地へ落としたキメラフレシアの効果発動!デッキから『融合』魔法カードまたは『フュージョン』魔法カードを1枚手札に加える。私が手札に加えるのは『ミラクル・フュージョン』!」
まだまだ行くわよ〜!
「さらに永続トラップ発動!『1回休み』!特殊召喚されたモンスターが自分フィールドに存在しない場合にこのカードを発動できる!このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、特殊召喚されたモンスターは、このターン終了時まで効果が無効化される!また、効果モンスターが攻撃表示で特殊召喚された場合そのモンスターを守備表示にする!」
「なん…だと……」
勿論、このターンは意地でも妨害しまくるけどね♪
「ならば押し通る!魔法発動!『ハーピィの羽根帚』!相手の魔法・罠カードを全て破壊する!」
「まんまと引っかかったわね!トラップ発動!『スターライト・ロード』!自分フィールドのカードを2枚以上破壊する魔法・罠・モンスターの効果が発動した時に発動できる。その効果を無効にし破壊する!その後、『スターダスト・ドラゴン』1体をエクストラデッキから特殊召喚できる!《大いなる翼に導かれた風を見よ!》『スターダスト・ドラゴン』!」
スターダスト・ドラゴン 星8 ATK2500
「スターダスト・ドラゴン…!」
「ただし、1回休みの効果によりスターダスト・ドラゴンの効果は無効となり守備表示となる」
スターダスト・ドラゴン ATK2500→DEF2000
「『SRパチンゴーカート』を召喚!」
SRパチンゴーカート 星4 ATK1800
「さらに自分フィールドに風属性モンスターが存在する場合、『SRタケトンボーグ』は手札から特殊召喚できる!」
SRタケトンボーグ 星3 DEF1200
「パチンゴーカートの効果発動!1ターンに1度、手札の機械族モンスター1体を墓地へ送りフィールドのモンスター1体を破壊する!スターダスト・ドラゴンを破壊!」
「やるわね!でもそうはさせないわよ!スターダスト・ドラゴンの効果発動!フィールドのカードを破壊する魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、このカードをリリースして発動できる。その発動を無効にし破壊する!1回休みはフィールドでのみ発生する効果、でもスターダスト・ドラゴンの効果によるリリースはコスト、よって効果は無効化されない!」
「やっぱ防いでくるか…!」
「ただし、正規召喚では無い為エンドフェイズに特殊召喚は出来ない」
翔太君の「〜ッス」って言葉が抜けてる辺り互いにガチでやってる感がバリバリ伝わってくる。この緊張感………赤点ギリギリで卒業した時の高校時代の期末テスト以来ね!
「魔法カード『ヒドゥン・ショット』を発動!自分の墓地のスピードロイドモンスターを2体まで除外し、除外した数だけフィールドのカードを対象とし破壊出来る!パチンゴーカートを除外し1回休みを破壊!」
「っ!?」
「そして、タケトンボーグは自身をリリースする事でデッキからスピードロイドチューナー1体を特殊召喚出来る!『SR三つ目のダイス』を特殊召喚!」
SR三つ目のダイス 星3 ATK300 チューナー
「さらに速攻魔法カード『スピードリフト』発動!自分フィールドのモンスターがチューナー1体のみの場合に発動できる。デッキからレベル4以下のスピードロイドモンスター1体を特殊召喚する!そのモンスターの特殊召喚成功時には、お互いに魔法・罠・モンスターの効果は発動できない!僕が特殊召喚するのは『SRオハジキッド』!」
SRオハジキッド 星3 ATK1000
「レベル3のオハジキッドにレベル3の三つ目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!『スターダスト・チャージ・ウォリアー』!」
スターダスト・チャージ・ウォリアー 星6 ATK2000
「スターダスト・チャージ・ウォリアーのシンクロ召喚に成功した時、デッキからカードを1枚ドロー出来る!」
ブンブン回すなぁ。
「魔法カード『貪欲な壺』!」
「ひ、引き当てやがった……」
この状況で引き当てるとか…なんて強運なのかしら!?
「墓地のモンスターを5枚デッキに戻し、デッキからカードを2枚ドローする!WWウィンター・ベルを2枚、クリアウィングを1枚、クリスタルウィングを2枚デッキに戻し2枚ドロー!」
マズイマズイ!クリスタルウィングをデッキに戻された!ドヤ顔で墓地に送ったけどこのターンで対処されちゃった!
「さらに、パチンゴーカートの効果で墓地へ送った『SR電々大公』は自身を除外する事で手札または墓地のスピードロイドチューナー1体を特殊召喚出来る!手札から『SRドミノバタフライ』を特殊召喚!」
SRドミノバタフライ 星2 100 チューナー
「レベル6のスターダスト・チャージ・ウォリアーにレベル2のドミノバタフライをチューニング!シンクロ召喚!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000
「止められなかった…!」
「バトル!クリスタルウィングでダイレクトアタック!!!」
真由美 LP8000→5000
「僕はカードを1枚伏せてターンエンド!」
すごい…翔太君……あの状況でクリスタルウィングを…!なら私も負けてられないわ!
「私のターン!ドロー!早速行くわよ!魔法カード『ミラクル・フュージョン』!フィールドまたは墓地のモンスターを素材として除外しEXデッキから『E・HERO』融合モンスター1体を融合召喚する!」
「カウンタートラップ発動!『神の警告』!ライフを2000払って発動する!モンスターを特殊召喚する効果を含む、モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する!」
翔太 LP8000→6000
ミラクル・フュージョンがぁ……折角、アレを呼ぼうと思ったのに大失敗。
「やられたわね……なら作戦変更よ!魔法カード『HEROの遺産』を発動!HEROモンスターを融合素材とする融合モンスター2体を自分の墓地からエクストラデッキに戻して発動できる。自分はデッキから3枚ドローする!エクスリダオとネオス・ナイトをデッキに戻し3枚ドロー!『覇王眷竜ダークヴルム』を召喚!」
覇王眷竜ダークヴルム 星4 ATK1800
「効果発動!このカードの召喚・特殊召喚成功時にデッキから『覇王門』ペンデュラムモンスター1体を手札に加える!止める?」
「止める!クリスタルウィングの効果発動!1ターンに1度、相手のモンスター効果を無効にし破壊する!この効果でモンスターを破壊した場合、このカードの攻撃力はターン終了時まで、この効果で破壊したモンスターの元々の攻撃力分アップする!覇王眷竜ダークヴルムはペンデュラムモンスター、よってEXデッキに送られる!」
さて、手札はまだ3枚………そして、通常召喚権を使った囮に引っかかるとは迂闊だったわね。翔太君!
「私は手札の『覇王門零』と『覇王門無限』でペンデュラムスケールをセッティング!」
「!」
「ペンデュラムスケールは13〜0。よってレベル1〜12のモンスターをペンデュラム召喚出来る!ペンデュラム召喚!EXデッキから『覇王眷竜ダークヴルム』を特殊召喚!効果発動!デッキから『覇王門』ペンデュラムモンスター1体を手札に加える」
「しまった…!」
「魔法カード『竜の鏡』!手札またはフィールドのモンスターを指定された枚数分除外し、ドラゴン族融合モンスター1体を融合召喚する!ダークヴルム、スターダスト・ドラゴン、覇王眷竜ダーク・リベリオン、真紅眼の黒竜剣を除外!
覇王龍ズァーク 星12 ATK4000
「!?!?」
「ズァークの効果発動!このカードが特殊召喚に成功した場合に発動出来、相手フィールドのカードを全て破壊する!クリスタルウィングを破壊!」
「ッ!」
「バトル!覇王龍ズァークでダイレクトアタック!!!」
翔太 LP6000→2000
「覇王龍ズァークは相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。私はこれでターンエンド」
最早語るまい。ここから先は神のみぞ知る領域ね(大袈裟)。さて、翔太君…どう仕掛けてくる?
「僕のターン、ドロー!効果対象にならず効果破壊出来ない?ならバトルで倒してやる!魔法カード『竜の鏡』!」
「翔太君も!?」
「これが僕の隠れたエース!スターダスト・チャージ・ウォリアーとクリアウィング・シンクロ・ドラゴンを除外!融合召喚!来い!『波動竜騎士ドラゴエクィテス』!!!」
波動竜騎士ドラゴエクィテス 星10 ATK3200
「波動竜騎士!?……ヤバっ!この状況は……!覇王門無限のペンデュラム効果発動!1ターンに1度、自分フィールドに覇王龍ズァークが存在する場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる!そのモンスターの攻撃力分だけ私のライフ回復する!ドラゴエクィテスの攻撃力3200分回復!」
真由美 LP5000→8200
「構うもんか!『波動竜騎士ドラゴエクィテス』の効果発動!1ターンに1度、墓地のドラゴン族シンクロモンスター1体を除外しその名前とモンスター効果をエンドフェイズまで得る!クリスタルウィングを除外し、波動竜騎士ドラゴエクィテスをクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンにする!」
波動竜騎士ドラゴエクィテス→クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン
「バトル!クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンで覇王龍ズァークを攻撃!!!この瞬間、クリスタルウィングの効果発動!レベル5以上の相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする!!!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3200→8200
「覇王門零の効果発動!ズァークがいる限り、全てのダメージは0になる!ズァークが戦闘破壊され墓地へ送られる処理はダメージステップ終了時!よってこの戦闘でダメージは発生しない!」
「ターンエンド。これにより波動竜騎士ドラゴエクィテスの効果は終了となる」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン→波動竜騎士ドラゴエクィテス ATK8200→3200
「厄介ねぇ…ドロー!」
でもいいカード引けた!
「魔法カード『ヒーローアライブ』発動!自分フィールドに表側表示モンスターが存在しない場合、ライフを半分払って発動できる。デッキからレベル4以下のE・HEROモンスター1体を特殊召喚する!『E・HEROエアーマン』を特殊召喚!」
真由美 LP8200→4100
E・HEROエアーマン 星4 ATK1800
「エアーマンの召喚・特殊召喚に成功した時、デッキからHEROモンスター1体を手札に加える!『V・HEROヴァイオン』を手札に加え、召喚!」
V・HEROヴァイオン 星4 ATK1000
「このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキからHEROモンスター1体を墓地へ送る!『E・HEROシャドー・ミスト』を墓地へ送り、シャドー・ミストの効果発動!このカードが墓地へ送られた場合、デッキからシャドー・ミスト以外のHEROモンスター1体を手札に加える!」
「まだ展開してくる…!」
「覇王門零のペンデュラム効果発動!1ターンに1度、もう片方の自分のペンデュラムゾーンに覇王門無限が存在する場合に発動できる。自分のペンデュラムカード2枚を破壊し、デッキから『融合』魔法カードまたは『フュージョン』魔法カード1枚を手札に加える!手札に加えるのは『融合』!そして発動!手札の『E・HEROブレイズマン』とフィールドの『V・HERO ヴァイオン』を融合!融合召喚!『V・HEROアドレイション』!」
V・HEROアドレイション 星8 ATK2800
「アドレイションの効果発動!1ターンに1度、このカード以外の自分のHEROモンスターと相手モンスター1体ずつを対象とし、相手モンスターの攻撃力を選択したHEROの攻撃力分ダウンする!エアーマンとドラゴエクィテスを選択!これにより攻撃力は1800ダウン!」
波動竜騎士ドラゴエクィテス ATK3200→1400
「三つ目のダイスがあろうがこれなら関係無い!バトル!エアーマンでドラゴエクィテスを攻撃!」
「うっ…!」
翔太 LP2000→1600
「そして、アドレイションでダイレクトアタック!」
「それは止める!墓地の三つ目のダイスの効果発動!墓地のこのカードを除外する事で相手モンスター1体の攻撃を無効にする!」
「ターンエンド…」
トップ解決での戦い…ここから先は運の良い奴が勝つ。ドローカードを引こうものなら──
「僕のターン!魔法カード『強欲で貪欲な壺』発動!」
言ってるそばから引きやがった。どんだけドロー運強いのよ!
「デッキの上から10枚を裏側で除外しデッキからカードを2枚ドローする!自分フィールドにモンスターが存在しない場合このカードは手札から特殊召喚出来る!『WW-アイス・ベル』を特殊召喚!」
WW-アイス・ベル 星3 ATK1000
「その後、デッキからWWモンスター1体を特殊召喚できる。この効果でデッキから特殊召喚したモンスターはリリースできず、この効果を発動するターン、自分はレベル5以上の風属性モンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない!チューナーモンスター『WW-グラス・ベル』を特殊召喚!」
WW-グラス・ベル 星4 ATK1500 チューナー
「アイス・ベルはこのカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、相手に500ダメージを与える!さらにグラス・ベルの効果をチェーン発動!グラス・ベルは召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから『WW-グラス・ベル』以外のWWモンスター1体を手札に加える。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は風属性モンスターしか特殊召喚できない!『WW-スノウ・ベル』を手札に加える。そして500ダメージ!」
真由美 LP4100→3600
「さらに、チューナーモンスター『WW-スノウ・ベル』は自分フィールドに風属性モンスターが2体以上存在し、風属性以外のモンスターが存在しない場合にこのカードを手札から特殊召喚する!」
WW-スノウ・ベル 星1 ATK100 チューナー
「畳み掛ける!レベル3のアイス・ベルにレベル4のグラス・ベルをチューニング!シンクロ召喚!『WW-ウィンター・ベル』!」
WW-ウィンター・ベル 星7 ATK2400
「ウィンター・ベルの効果発動!自分の墓地のWWモンスター1体を対象としそのモンスターのレベル×200ダメージを相手に与える!グラス・ベルを選択し800ポイントのダメージを与える!
真由美 LP3600→2800
「続けて!レベル7のウィンター・ベルにレベル1のスノウ・ベルをチューニング!シンクロ召喚!いでよ!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000
すごい執念ね。私のレッド・デーモンズと互角くらいの執念だわ。
「バトル!クリスタルウィングでアドレイションを攻撃!この瞬間、クリスタルウィングの効果発動!レベル5以上の相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする!!!これで終わりだ!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→5800
「あっ…」
慢心、ダメ。絶対…
真由美 LP2800→0
*********************
「……ダメかぁ」
私は次のターンに引くカードを見た。『ミラクル・フュージョン』…勿体無いなぁ。今回は翔太君の執念の勝ちだ。
「すんません、なんか熱くなっちまったッス」
「いいのよ。それに…」
翔太君の背中をギュッと抱きしめた、顔を真っ赤にする彼に私は微笑んだ。
「今日はちょっと男前な翔太君が見られたし♪」
「は、は、離れて!当たってるッス!」
「ちぇー…残念」
名残惜しげに手を離して椅子に座り直すと…翔太君は自分のデッキを片付け始め、また聞いてきた。
「やっぱり、胸がデカくなったんじゃないッスか?」
「え?」
「いつもの制服…なんか胸がキツそうッス。いや、いつもだけど」
私は荷物を片付け急いで戻った。そんなバカな!腹に付いてるはず…!
「……よかったぁ…」
増えた脂肪は胸に回ってくれたみたい。
真由美「巻き尺で測ったらバストサイズが100になってたわ」
翔太「デカイっス…枕にしたいくらいっス」
真由美「じーっ…」
翔太「は、はい!なんでもないっス!それより、デッキ紹介したいんスけど…」
真由美「ごほん!失礼したわね。では、デッキ紹介よ。」
カード総枚数(44)
モンスター(22)
●轟雷帝ザボルグ×3
●E・HEROネオス×1
●覇王門零×2
●覇王門無限×1
●E・HEROエアーマン×2
●E・HEROブレイズマン×1
●E・HEROシャドー・ミスト×1
●V・HEROヴァイオン×1
●覇王眷竜ダークヴルム×2
●召喚僧サモンプリースト×1
●レッド・リゾネーター×2
●冥帝従騎エイドス×2
●天帝従騎イデア×3
魔法(18)
●ハーピィの羽根帚×1
●貪欲な壺×1
●強欲で貪欲な壺×2
●ミラクル・フュージョン×2
●融合×2
●竜の鏡×2
●E-エマージェンシー・コール×2
●ヒーローアライブ×2
●HEROの遺産×1
●フォトン・サンクチュアリ×2
●ワン・フォー・ワン×1
罠(4)
●1回休み×2
●スターライト・ロード×2
EX(15)
●E・HEROゴッド・ネオス×1
●覇王竜ズァーク×1
●E・HEROマリン・ネオス×1
●E・HEROネオス・ナイト×1
●E・HERO The シャイニング×1
●E・HERO Great Tornado×1
●E・HEROエクスリダオ×1
●E・HEROノヴァマスター×1
●捕食植物 キメラフレシア×1
●真紅眼の黒竜剣×1
●V・HEROアドレイション×1
●N・マリン・ドルフィン×1
●スターダスト・ドラゴン×1
●ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン×1
●デコード・トーカー×1
真由美「今回は、ゴッド・ネオスと覇王竜ズァークの二大『出しにくい癖に微妙なモンスター』を出す為のデッキよ。ザボルグで腹を切り墓地にHEROやドラゴン族シンクロ・エクシーズ・融合などを墓地へ落としてミラクル・フュージョンや竜の鏡を使って戦うの」
翔太「ザボルグをサーチする手段は無いみたいッスけど今回は少し変わってるッスね」
真由美「今回はマリン・ネオスも出せるようなギミックも採用したの。マリン・ネオスは唯一エンドフェイズにデッキに帰らないモンスターよ。おまけにハンデスも出来る結構強いカードなの。さらに融合やフュージョン系のカードを手札に加える為にキメラフレシアも採用したのよ」
翔太「ザボルグが引けなくてもHEROとして戦えるように組んでいるのもいいっスね。ただ…今回はレッド・デーモンズを採用してないッス」
真由美「今回はシンクロ召喚するような構築にしなかったの。はぁ…思えばデッキに入れてなかったから負けたのかも…」
翔太「現実逃避はダメっス……」
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ライバル登場…【SRWWガスタ】+【ローレベル】
※翔太は毎回デュエル前にデッキを少し弄っていますので今までのデュエルと公開されているレシピとは異なります。予めご了承ください。
それは久しぶりに仕事帰りに図書館で本を読んでいた時に起こった。
「探偵本も見飽きたし、次は冒険譚的なものでも──」
そう思って本を戻していた時、不意に視線を感じた。チラリと横目で見ると…そこには大層なイケメンが立っていた。艶っぽい金髪を一本結びにし、フランス人形みたいな整った中性的な顔立ち、スラリとしたそれでいて引き締まった体を見覚えのある制服で覆っていた。
「(翔太君と同じ学校の子かしら?)」
私もヒール込みで190cmはあるけど彼はそれに迫るくらいの長身。被るテンガロンハットが気障っぽさを醸し出している。
「姉ちゃん、今日忙しい?」
「生憎だけど、あと一冊読んだら用事があるの」
「まーまー、そう言わずに!その一冊より、オレと何処か食べに行かない?いい店知ってんだ」
「はいはい、いい店いい店」
こういうのはテキトーに流してあしらうのが一番。そう思い、本を次々としまおうと動いているのだが、思っていたよりしつこい。
「姉ちゃんフリーなの?」
「もう居るわよ。しっしっ!」
例えるなら魚を焼いていたら猫が絡んでくるあの感じだ。しつこい。
本を全て片付けて出ようとした時…突然、通り道を塞ぐように片手で壁をドンと叩き、私の顎を優しく掴んでイケメンの顔に向くように動かされた。
「いいから、オレの女になれよ」
“キャー!壁ドン顎クイよー!”
“まるで恋愛マンガみたーい!”
図書館でたむろしていたJK達がキャーキャー騒ぐ中での突然の告白だった。こういう場合、選択肢は2つある。1つは「はい、私なんかでよければ////」と受け入れ付き合う。もう1つは……
「邪魔」(ドゴォッ!
「ふごぉっ!?」
護身術兼レッド・デーモンズリスペクトの「
「あんまりしつこいと嫌われるわよ」
捨て台詞を残して私はドン引きするギャラリーを無視して出て行った。余談だけど、この騒動が原因で私は出禁になりました。あー腹立つ。
************************
次の日、いつものように仕事を終えてカードショップに向かうと人だかりが出来ていた。しかも、黒塗りの高級外車が止まってるし!
「何!?何の騒ぎなの!?」
「真由美ちゃんかい!大変なんだよ!」
店長に聞いてみると、私はとんでもない話になっている事を知った。
「昨日、真由美ちゃんにフラれた腹いせにカードショップを潰してイタリアンを建てるとか言い出したんだよあのイケメン!」
「えぇ………」
「で、真由美ちゃんの彼氏である翔太君が今店の中で睨み合いになってんだよ!ケーサツに電話しても取り合わないし!」
地元警察まで買収したのかあのイケメン……その金を寄越せ。カードにしてやっから。
とにかく、止めなきゃいけないと思いながら店に入ると2人が私に振り返った。
「待っていたよ。真由美ちゃん」
「あんたに名前で呼ばれる筋合いは無いわ。それに腹いせにこんな事やってんならその程度の器って事ね。あーかわいそ」
私の煽りを無視してイケメンは気障っぽくテンガロンハットを指で持ち上げた。
「今から賭けデュエルを始めようと思うんだ。乗らないならこの店を叩き潰す」
「物騒な話ね。条件は?」
「真由美さん…ちょっと黙ってて欲しいッス。賭けデュエルを受けたのは僕ッス」
「翔太君!?」
今日の翔太君は昨日以上にガチの顔になっている。そうとう怒るような事を話して翔太君が乗せられた形なのだろう。
「まぁ、いいだろう。条件を教えよう。賭けデュエルの対象はキミだ。真由美ちゃん」
「……!」
「オレが勝ったらキミはオレの女になる。これは決定事項であり止める事は出来ない。手元にあるこの電話一本でキミはそうなるんだ。勿論、オレが負けたら営業妨害及び違法賭博で大人しく罰を受けよう。諸星はオレの顔に免じて逮捕はさせない。約束しよう」
「ふざけんなよ遊斗…絶対真由美さんは渡さない!」
「私はモノじゃないんだけどなぁ……」
なんか…カードゲームお決まりの展開じみて来たわね。
「さて、オレはデッキを持っていない。だから店のカードで組む事にしよう。幸い、レシピは事前に用意しておいた。店長!このリストのカードを全て買い取る。釣りは要らん」
そう言うと彼は札束をカウンターに放り投げた。慌てて店長がカードを掻き集める姿を他所に翔太君はイケメン…遊斗を睨みつける。
「遊斗はいっつもそうだよな。親がラスベガスのカジノ経営者だからって札束で何でも解決しようとする…おまけに容姿を利用して女の子をつまみ食いしまくって……タチが悪いったら仕方ない」
「ハハハ、言うがいいさ半熟。童顔なんて今の時代モテないよ。それに、オレの女になったら幸せは絶対に保証する。あんなダサい格好じゃなくて最高の服とメイクで世界一の女にしてみせるよ。ダイヤの原石は磨かなきゃ」
「僕は今のままの真由美さんがいい。絶対に奪わせるもんか!」
こうしている内にデッキが完成し遊斗はデッキを眺め、それをデッキゾーンに置いた。マットまで買い取ったのかあのボンボン。
「さて、デュエルと行こう。精々足掻くがいい」
「負けない!」
「「デュエル!!!」」
翔太 LP8000
遊斗 LP8000
「さて、先攻後攻はコイントスで決めよう。表面が出ればオレの先攻だ」
1ドル銀貨を取り出した遊斗はそれを指でトスした。出た面は裏だった。
「先攻は僕だ!」
「翔太君がんばれー!」
「うっス!自分フィールドにモンスターが存在しない場合、『SRベイゴマックス』は手札から特殊召喚出来る!このカードが召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる!デッキからベイゴマックス以外のスピードロイドモンスター1体を手札に加える!」
SRベイゴマックス 星3 ATK1200
「さらに、手札の『SRタケトンボーグ』は自分フィールドに風属性モンスターが存在する場合、手札から特殊召喚出来る!」
SRタケトンボーグ 星3 ATK600
「まだだ!チューナーモンスター『SR電々大公』を通常召喚!」
SR電々大公 星3 ATK1000 チューナー
「レベル3の電々大公にレベル3のタケトンボーグをチューニング!シンクロ召喚!『スターダスト・チャージ・ウォリアー』!!!」
スターダスト・チャージ・ウォリアー 星6 ATK2000
「スターダスト・チャージ・ウォリアーはシンクロ召喚に成功した時、デッキからカードを1枚ドローする!召喚条件は効果モンスター2体!スターダスト・チャージ・ウォリアーとベイゴマックスでリンク召喚!『コード・トーカー』!」
コード・トーカー LINK-2 ATK1300 リンクマーカー【上・下】
「さらに魔法カード『強欲で貪欲な壺』!デッキの上からカードを10枚裏側で除外して2枚ドローする!墓地の『SR電々大公』の効果発動!このカードを除外する事で手札または墓地からスピードロイドチューナー1体を特殊召喚する!手札からチューナーモンスター『SR赤目のダイス』を特殊召喚!」
SR赤目のダイス 星1 ATK100 チューナー
「さらに通常召喚に成功したターン、このカードは手札から特殊召喚出来る!『ワンショット・ブースター』を特殊召喚!」
ワンショット・ブースター 星1 ATK0
「レベル1のワンショット・ブースターにレベル1の赤目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!シンクロチューナー!『フォーミュラ・シンクロン』!」
フォーミュラ・シンクロン 星2 DEF1500 チューナー
「このカードのシンクロ召喚に成功した時、デッキからカードを1枚ドローする!ドロー!」
ブンブン回してる…すごいわね。遊星みたい。
「魔法カード『ソウル・チャージ』発動!バトルフェイズを破棄する代わりに墓地のモンスターを任意の数特殊召喚しその枚数×1000のライフを失う。覚悟は出来ている!僕はこいつらを纏めて特殊召喚する!」
スターダスト・チャージ・ウォリアー 星6 ATK2000
ワンショット・ブースター 星1 ATK0
SR赤目のダイス 星1 ATK100 チューナー
SRベイゴマックス 星3 ATK1200
翔太 LP8000→4000
「召喚条件は効果モンスター2体以上!そして、コード・トーカーはリンク素材2体分としても扱える!コード・トーカーとワンショット・ブースターで『デコード・トーカー』をリンク召喚!」
デコード・トーカー LINK-3 ATK2300 リンクマーカー【上・左下・右下】
「レベル3のベイゴマックスにレベル1の赤目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!リンク先に来い!『HSR快刀乱破ズール』!リンク先にモンスターが置かれた事でデコード・トーカーの攻撃力を500アップ!」
HSR快刀乱破ズール 星4 ATK1300
デコード・トーカー ATK2300→2800
「すごい…この布陣は…!」
「行くぞ遊斗!レベル4のHSR快刀乱破ズール、レベル6のスターダスト・チャージ・ウォリアーにレベル2のフォーミュラ・シンクロンをチューニング!デルタアクセルシンクロ!招来せよ!『コズミック・ブレイザー・ドラゴン』!右下のリンク先に降臨!!!」
コズミック・ブレイザー・ドラゴン 星12 ATK4000
「カードを2枚伏せてターンエンド!エンドフェイズに墓地の乱破ズールの効果発動!墓地へ送られたターンのエンドフェイズに墓地のスピードロイドモンスター1体を手札に戻す!ベイゴマックスを手札に戻す!」
「Wow…厄介な布陣だなそりゃ」
これが翔太君の本気か…いや、それ以上出てるな。この布陣…どう返す?
「さぁ行くぜ!オレのターン!ドロー!」
遊斗はドローした瞬間、私を見てウインクした。何をする気?
「魔法カード『ブラック・ホール』発動!フィールドのモンスターを全て破壊する!」
「コズミック・ブレイザー・ドラゴンの効果発動!このカードをエンドフェイズまで除外する事でカード効果を無効にし破壊する!」
「じゃあ罠に嵌まってくれたところだしトドメ刺しますか!」
「…!?」
え?
「『スキヤナー』を召喚!」
スキヤナー 星1 ATK?
「魔法カード『機械複製術』を発動!自分フィールドの攻撃力500以下の機械族1体を対象に同名モンスターを手札またはデッキから2体まで特殊召喚出来る!」
スキヤナー 星1 ATK?
スキヤナー 星1 ATK?
「スキヤナーの効果発動!こいつらは相手の除外されているモンスター1体を対象としてエンドフェイズまでレベル・属性・攻守・名前を同じにする!除外されているコズミック・ブレイザー・ドラゴンを選択!」
スキヤナー→コズミック・ブレイザー・ドラゴン 星1→12 属性:光→風 ATK?→4000
スキヤナー→コズミック・ブレイザー・ドラゴン 星1→12 属性:光→風 ATK?→4000
スキヤナー→コズミック・ブレイザー・ドラゴン 星1→12 属性:光→風 ATK?→4000
「攻撃力4000が3体…!?」
「これで真由美ちゃんはオレのモノだ!バトル!コズミック・ブレイザー・ドラゴンでデコード・トーカーを攻撃!」
「うっ…!」
翔太 LP4000→1700
「さぁ、覚悟しろ。2体目のスキヤナーでダイレクトアタック!」
「この瞬間、手札の『SRメンコート』の効果発動!相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。このカードを手札から攻撃表示で特殊召喚し、相手フィールドの表側表示モンスターを全て守備表示にする!スキヤナーは攻守をコピー出来ても効果まではコピー出来ないだろう!」
SRメンコート 星4 ATK100
コズミック・ブレイザー・ドラゴン ATK4000→DEF4000
コズミック・ブレイザー・ドラゴン ATK4000→DEF4000
コズミック・ブレイザー・ドラゴン ATK4000→DEF4000
「往生際の悪い…」
「まだ諦めないぞ!」
「だが、これはどうだ?オレはレベル12のコズミック・ブレイザー・ドラゴン2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!現れろ『No.77 ザ・セブン・シンズ』!!!」
No.77 ザ・セブン・シンズ ランク12 ATK4000
「さらに魔法カード『アドバンス・ドロー』発動!自分フィールド上に表側表示で存在するレベル8以上のモンスター1体をリリースして発動できる。デッキからカードを2枚ドローする!スキヤナーをリリースして2枚ドロー!カードを1枚伏せてターンエンド。さぁ!突破出来るもんなら突破してみろ!!!」
「エンドフェイズにコズミック・ブレイザー・ドラゴンが元のフィールドに戻る」
「だが、セブン・シンズはオーバーレイユニットを1つ使う事で破壊から身を守る事が出来る。2回分の破壊耐性をどう突破する!」
コズミック・ブレイザー・ドラゴン 星12 ATK4000
「それはドローしてから考えるさ!僕のターン、ドロー!絶対にその壁を越えてみせる!チューナーモンスター『SR赤目のダイス』を召喚!」
SR赤目のダイス 星1 ATK100 チューナー
「赤目のダイスの効果発動!召喚・特殊召喚に成功した時、このカード以外のスピードロイド1体を選択。そのレベルを1〜6に変更する!メンコートのレベルを5に変更!」
SRメンコート 星4→5
「レベル5となったメンコートにレベル1の赤目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!『獣神ヴァルカン』!」
獣神ヴァルカン 星6 ATK2000
「ヴァルカンの効果発動!シンクロ召喚に成功した時、互いのフィールドのカード1枚を選択し手札に戻す!セブン・シンズとヴァルカンをデッキに戻す!!!」
上手い!これならセブン・シンズを除去出来る!
「ッ!?」
「そして、コズミック・ブレイザー・ドラゴンでダイレクトアタック!」
遊斗 LP8000→4000
よし!押し返した。流れが変わってきたわね!
「トラップ発動!『ダメージ・ゲート』!受けた戦闘ダメージ以下の攻撃力を持つモンスター1体を墓地から特殊召喚する!」
「コズミック・ブレイザー・ドラゴンの効果発動!エンドフェイズまで除外する事でカード効果を無効にし破壊する!」
「チッ……」
「ターンエンド。そして、コズミック・ブレイザー・ドラゴンも元に戻る!」
コズミック・ブレイザー・ドラゴン 星12 ATK4000
完全に主導権を握った!もう少し…あともう少しで勝てる!
「オレのターン、ドロー!『ハック・ワーム』召喚!」
ハック・ワーム 星1 ATK400
「さらに魔法カード『機械複製術』発動!攻撃力500以下の機械族1体を対象に同名モンスターを手札またはデッキから2体まで特殊召喚出来る!」
「させない!コズミック・ブレイザー・ドラゴンの効果発動!エンドフェイズまで除外する事でカード効果を無効にし破壊する!」
「なら3枚目の『機械複製術』発動!これは止められまい!」
ハック・ワーム 星1 ATK400
ハック・ワーム 星1 ATK400
「召喚条件はトークン以外のモンスター2体以上!ハック・ワーム3体で『スリーバーストショット・ドラゴン』をリンク召喚!」
スリーバーストショット・ドラゴン LINK-3 ATK2400 リンクマーカー【上・左・下】
「スリーバーストショット・ドラゴンは1ターンに1度、ダメージステップ時に発動したカード効果を無効にし破壊出来る!いい加減墜ちろ!!!バトル!」
「バトルフェイズ開始時にトラップ発動!『迷い風』!特殊召喚された表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの効果は無効化され、元々の攻撃力は半分になる!」
「ふざけんな諸星ィ!いい加減に沈めよ!沈めェ!!!スリーバーストショット・ドラゴンでダイレクトアタック!!!」
「ライフで受ける!……残念、削り切れなかったな」
スリーバーストショット・ドラゴン ATK2400→1200
翔太 LP1700→500
「ターンエンドだ…」
「エンドフェイズにコズミック・ブレイザー・ドラゴンが戻って来る!」
コズミック・ブレイザー・ドラゴン 星12 ATK4000
「いい加減諦めたらどうだ遊斗。もう手は無いだろ?」
「…まだ負けじゃない!まだ負けじゃない!!!」
往生際の悪い遊斗と言動こそ荒々しいが冷静な翔太君。この時点で勝敗は決していた。
「僕のターン、ドロー!『SRダブルヨーヨー』を召喚!」
SRダブルヨーヨー 星4 ATK1400
「このカードが召喚に成功した時、自分の墓地のレベル3以下のスピードロイドモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する!『SR赤目のダイス』を特殊召喚!」
SR赤目のダイス 星1 ATK100 チューナー
「レベル4のダブルヨーヨーにレベル1の赤目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!『HSRチャンバライダー』!」
HSRチャンバライダー 星5 ATK2000
「このカードは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃出来、戦闘を行うダメージステップ開始時に攻撃力を200ポイントアップする!バトル!『HSRチャンバライダー』でスリーバーストショット・ドラゴンを攻撃!」
HSRチャンバライダー ATK2000→2200
遊斗 LP4000→3000
「続けてチャンバライダーでダイレクトアタック!」
HSRチャンバライダー ATK2200→2400
遊斗 LP3000→600
「コズミック・ブレイザー・ドラゴンでダイレクトアタック!」
よし!これが決まれば!
「手札の『バトルフェーダー』の効果発動!このカードを特殊召喚し、その後バトルフェイズを終了させる!」
「場には残させん!コズミック・ブレイザー・ドラゴンの効果発動!エンドフェイズまで除外する事でカード効果を無効にして破壊する!」
惜しい!え?私が実況するとフラグを立てる?大丈夫、翔太君の事は信じてるから。
「ターンエンド。そして、エンドフェイズにコズミック・ブレイザー・ドラゴンは戻ってくる」
コズミック・ブレイザー・ドラゴン 星12 ATK4000
でも、次のドローで遊斗の手札とフィールドは1枚。詰みだ。
「オレの…ターン……」
先程の威勢は何処へやら完全に萎縮してしまったようだ。ドローしたカードもハズレだったらしい。
「ターンエンド」
「僕のターン!このままバトル!コズミック・ブレイザー・ドラゴンでダイレクトアタック!!!」
遊斗 LP600→0
彼の敗因は2つ……ガチデッキで挑まなかった事、灰流うららを引けなかった事だ。
****************
「オレの負けだ。潔く敗北を認めよう」
敗北した遊斗は私と翔太君、そして店長に深々と頭を下げた。約束は守る人間だったようで、これなら安心そうだ。
「でも、スキヤナーで戦うって発想は無かったわ」
「…えっ?」
「真由美さん!?」
「ま、要するに……ファンデッキを使ったデュエルの腕としては上出来じゃないの?って事。店長さえよければまた会いに来てよ」
私は遊斗に右手を差し出した。
「今度はナンパ好きのボンボン君じゃなくてデュエリストとして…ね?」
「……オレを許してくれんのか?」
「まぁ、真由美さんはこういう人だからね。三度の飯よりデュエル好き。ファッションよりアイドル追っかけよりずっと遊戯王に魅せられた人だから」
「ははは………最初からオレの負けだったんじゃねぇか…チクショウ、なんでこんな変態女をナンパしちまったんだよ…」
遊斗は頬を赤らめて、私と握手を交わした。これで仲直り。今度は遊斗…いや、遊斗君とも結構高度なデュエルが出来る。楽しみね。
「因みに遊斗は半陰y──」
「おい!その話はするな!」
「?」
後日、遊斗君は罪の償いとしてカードショップのカード全ての30%分を店に納めた事でその日限り全品30%OFFセールが始まった。私?有り金殆ど溶かしてレアカード買ったわよ。
遊斗「よろしくな!お前ら!」
真由美「因みに、翔太君とはどういう関係なの?」
翔太「小学校からの腐れ縁ッス。あの時から札束でトランプタワー作ってたッス…」
真由美「…」
遊斗「まぁまぁ!もう悪さはしねぇから、な?」
真由美「はぁ……。そんな事より翔太君のデッキを今回紹介したいと思うの。いいかしら?」
遊斗「マジ?期待できるわ〜」
翔太「くたばってろ。じゃあ僕のデッキを紹介するッス!」
デッキ総枚数(40)
モンスター(20)
●SRメンコート×1
●SRダブルヨーヨー×2
●SRバンブー・ホース×2
●WWグラス・ベル×2
●WWアイス・ベル×3
●ガスタの神裔ピリカ×1
●SRベイゴマックス×1
●SRタケトンボーグ×3
●SR三つ目のダイス×1
●SR電々大公×2
●SR赤目のダイス×1
●WWスノウ・ベル×1
魔法(14)
●ハーピィの羽根帚×1
●スピードリフト×2
●ソウルチャージ×1
●強欲で貪欲な壺×2
●貪欲な壺×1
●死者蘇生×1
●竜の鏡×1
●おろかな埋葬×1
●ヒドゥン・ショット×2
●スケープ・ゴート×2
罠(6)
●戦線復帰×2
●迷い風×2
●神の宣告×1
●神の警告×1
EX(15)
●波動竜騎士ドラゴエクィテス×1
●クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン×3
●クリアウィング・シンクロ・ドラゴン×2
●WWウィンター・ベル×2
●ダイガスタ・スフィアード×1
●スターダスト・チャージ・ウォリアー×1
●HSRマッハゴーイータ×1
●HSRチャンバライダー×1
●HSR快刀乱破ズール×1
●デコード・トーカー×1
●コード・トーカー×1
翔太「僕のデッキはとにかくシンクロ召喚してクリアウィングやクリスタルウィングのような高火力高性能なシンクロモンスターで叩き潰すデュエルを得意としているッス。小回りを利かせる為にWWやガスタも入れてるッス。除去札としてヒドゥン・ショットを採用。リンク召喚もある程度出来るようにとスケープ・ゴートも採用してるッス」
真由美「スケープ・ゴートはシンクロ素材にも壁にもなるし良いカードよね♪」
翔太「ダイガスタ・スフィアードは出す場面が少ないッス。でも状況によってはフィニッシャーにもなれる良いカードになれる…理想のモンスターッスよ」
真由美「なるほどなるほど……じゃあ、今日はここまでにしましょうか!」
遊斗「ちょーっと待った!オレのデッキも見てくれよ!」
モンスター(18)
●カオス・ソルジャー-開闢の使者-×2
●スキヤナー×3
●サイバー・ヴァリー×3
●ハック・ワーム×3
●バトル・フェーダー×1
●金華猫×2
●虹クリボー×1
●ジェスター・コンフィ×2
●RRラスト・ストリクス×1
魔法(17)
●機械複製術×3
●ワン・フォー・ワン×1
●ブラック・コア×2
●RUM-七皇の剣×1
●RUM-リミテッド・バリアンズ・フォース×1
●強欲で貪欲な壺×3
●貪欲な壺×1
●ワンチャン!?×2
●死者蘇生×1
●アドバンス・ドロー×1
●異次元の埋葬×1
罠(5)
●ダメージ・ゲート×2
●神の宣告×1
●奈落の落とし穴×2
EX(15)
●No.77ザ・セブン・シンズ×2
●SNo.0ホープ・ゼアル×1
●RR-アルティメット・ファルコン×1
●CNo.69 紋章死神カオス・オブ・アームズ×1
●CNo.104仮面魔踏士アンブラル×1
●No.104仮面魔踏士シャイニング×1
●ゴーストリックの駄天使×2
●ゴーストリック・デュラハン×2
●シャイニート・マジシャン×1
●神羅の姫芽宮×1
●スリーバーストショット・ドラゴン×1
●リンクリボー×1
遊斗「オレのデッキはエクシーズ中心のレベル1デッキだ。機械族を多めに採用し機械複製術で一斉展開〜からのエクシーズ召喚やリンク召喚で叩き潰す。なんたってオレのデッキはRUM-七皇の剣を使う事にもある程度特化している。万が一手札に来てもブラック・コアやワン・フォー・ワンのコストにすれば無駄が無いし、サイバー・ヴァリーの効果でデッキトップにも戻せる。」
真由美「確かに…今回のデュエルでは出てこなかったけど厄介な構築してるわねぇ」
遊斗「しかも、オレのデッキにはブラック・コアや奈落の落とし穴のように相手モンスターを除外するギミックも少し採用している。開闢の使者はレベル1では無いが相手モンスターを除外する強力な効果を持つ。そして、除外ゾーンに置かれたモンスターはスキヤナーでコピーして強力なモンスターに仕立て上げる。今回のデュエルではスキヤナーが輝いたって感じさ。即席のデッキにしてはまぁ動けたって感じだな」
翔太「確かに…不意打ちの4000のスキヤナー3体はビビったッス」
真由美「侮れないわね、スキヤナー。除外してエスケープするモンスターを逆利用したコンボ…盲点だったわ」
遊斗「そう言われて嬉しいぜ!真由美ちゃん…じゃなくて古霊パイセン!飯食べに行きましょう!自分、奢ります!」
翔太「僕も連れてけよ」
真由美「疲れたー…帰って寝るわ」
遊斗&翔太「えっ」
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うるせぇドライアイスぶつけんぞ!【パシフィスHERO】その2
「潜海奇襲かぁ…」
単発夜勤で働いていた大型スーパーでパックを買った私はパックの中身を一瞥して私は肩を落とした。今日は『覇王紫竜オッドアイズ・ヴェノム・ドラゴン』が目当てだったのに……残念。
「近所の牛丼屋で食べて帰るか…」
肩を落としながら当たったカードをしまおうとした時、私の視線はジュラルミンケースのあるカードに釘付けになった。
「こ、これだぁああああああっ!!!………あ、すみません」
驚いて私を見る人達に小さく頭を下げ、いそいそと店を出た後…私は全速力でカーショップに向かった。
****************
「今回のデッキは代わり映えしない【パシフィスHERO】よ」
「あれ?同じなんスか?」
「そうよ、【パシフィス】デッキは色々応用が利くの。早速だけど実験体になって、翔太君」
「えぇ…」
今回からは遊斗君も一緒に観戦に来ている。本来のデッキとやらを手に『そんな奴よりオレとデュエルしろよ』的な嫉妬の視線を感じる。
「じゃあ、遊斗君とデュエルするかな?」
「なっ!?」
その言葉を聞いて遊斗君が歓喜を体で表現し、翔太君が憤慨した。
「本来のデッキって奴をボコボコにしてから翔太君とデュエルしたいのよ」
「あぁ…そういう」
遊斗君、完全に舞い上がってしまっている。ある意味弄りやすいキャラなのかもしれない。
「じゃあ、行きますか!」
「よっしゃ、カッコいいトコ見せてやるぜ!」
そのついでに食事でも誘ってあわよくば…とか、何やらブツブツ言っているが無視無視。
「真由美さんガンバー!」
「オッケー自信諸共踏み砕く」
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
遊斗 LP8000
「じゃんけんで決めるわよ。なーにコイントスしようとしてんのよ!」
「ひっ!?すんません!」
「じゃあ行くわよー!先攻後攻」
「「じゃんけんポン!」」
「先攻はオレだ!チューナーモンスター『魔轟神レイヴン』を召喚!」
魔轟神レイヴン 星2 ATK1300 チューナー
「レイヴンの効果発動!手札を任意の枚数捨て、このカードのレベルは捨てた枚数分アップし1枚につき攻撃力が400アップする!この効果はエンドフェイズまで続く。オレは2枚捨てる」
魔轟神レイヴン 星2→4 ATK1300→2000
「さらに墓地へ送った『Emトリック・クラウン』の効果発動!このカードが墓地へ送られた場合、墓地のEmモンスター1体を攻守0にして特殊召喚する!トリック・クラウンを特殊召喚!その後、オレは1000ダメージを受ける」
Emトリック・クラウン 星4 DEF1200→0
遊斗 LP8000→7000
「レベル4のトリック・クラウンにレベル4のレイヴンをチューニング!シンクロ召喚!来い!『ブラッド・メフィスト』!」
ブラッド・メフィスト 星8 ATK2800
「カードを2枚伏せてターンエンド」
「私のターン、ドロー!」
ブラッド・メフィストには2つの効果がある。1つは相手ターンのスタンバイフェイズに相手フィールドのカード1枚につき300ダメージを与える効果。もう1つは魔法・罠カードゾーンにカードをセットした時に300ポイントを与える効果だ。さしずめビートバーンといったところか。
「魔法カード『融合』!手札またはフィールドのモンスターを素材に融合召喚を行う!手札の『E・HEROスパークマン』と『城塞クジラ』を融合!融合召喚!『E・HEROアブソルートZero』!!!」
E・HEROアブソルートZero 星8 ATK2500
「さらに魔法カード『死者蘇生』発動!墓地から『城塞クジラ』を特殊召喚!」
城塞クジラ 星7 ATK2350
「城塞クジラの効果発動!特殊召喚に成功した時、デッキから『潜海奇襲』をセットする!」
「この瞬間、ブラッド・メフィストの効果発動!魔法・罠カードにカードがセットされた時、相手に300ポイントのダメージを与える!」
「その程度なら痛くもないわ!」
「が、効果ダメージが発生する効果が発動した瞬間!墓地の『Emスティルツ・シューター』の効果発動!オレの墓地にスティルツ・シューター以外のEmモンスターが存在する場合に発動出来、自身を除外する事で2000ポイントのダメージを与える!合計ダメージは2300!!!」
「うっ!?」
真由美 LP8000→5700
なるほど、ブラッド・メフィストの効果ダメージをスティルツ・シューターの効果で増幅させるデッキなのね。
「でも、アブソルートZeroはこのカード以外のフィールドの水属性モンスター1体につき攻撃力を500ポイントアップする!」
E・HEROアブソルートZero ATK2500→3000
「バトル!アブソルートZeroでブラッド・メフィストを攻撃!」
「永続罠『強制終了』!自分フィールドのカード1枚をコストにバトルフェイズを終了させる!」
「カードを1枚伏せてターンエンド」
これはマズいわねぇ……墓地にシャッフル・リボーンが落ちちゃったわ。
「オレのターン、ドロー!墓地の『シャッフル・リボーン』の効果発動!このカードを除外し自分フィールドのカードを1枚デッキに戻す事でデッキからカードを1枚ドローする!強制終了をデッキに戻し1枚ドロー!速攻魔法カード『異次元からの埋葬』!互いに除外されてるモンスターの中から3枚までを墓地に戻す!オレはスティルツ・シューターを墓地に戻す!さらに、魔法カード『強欲で貪欲な壺』!デッキの上から10枚を裏側で除外し2枚ドロー!」
なんか皆んな引いてるわね強欲で貪欲な壺…そのドロー運が羨ましい。
「魔法カード『ミス・フォーチュン』発動!バトルフェイズを破棄する代わりに相手モンスター1体の元々の攻撃力の半分のダメージを与える!対象はアブソルートZero!さらにスティルツ・シューターも除外!合計3250ダメージを喰らえ!」
「厄介ね…!」
真由美 LP5700→2450
「さらに魔法カード『おろかな埋葬』!デッキから『Emスティルツ・シューター』を墓地へ送る。ブラッド・メフィストが次のスタンバイフェイズに与えるダメージは1200ポイント!スティルツ・シューターの効果を加えれば3200ダメージだ!次のターンでオレの勝利が確定する!」
「気は済んだ?」
「…?」
「永続罠『潜海奇襲』発動!発動後処理として手札または墓地の『海』を発動する!手札から『幻煌の都 パシフィス』を発動!パシフィスはルール上『海』として扱う!」
さて、やりたい放題やらせたし反撃と行きますか!
「潜海奇襲の効果を発動!1ターンに1度、自分フィールドの水属性モンスター1体をエンドフェイズまで除外して発動できる。このターン、自分フィールドの表側表示の魔法・罠カードは相手の効果では破壊されない。アブソルートZeroを除外!」
「アブソルートZeroを除外…まさか!?」
「察しがいいわね!アブソルートの効果発動!このカードがフィールドから離れた場合、相手フィールドのモンスターを全て破壊する!」
「しまった…ブラッド・メフィストが!」
「自分フィールドにトークンが存在せず、相手が魔法・罠・モンスターの効果を発動した場合に発動できる。自分フィールドに『幻煌龍トークン』1体を特殊召喚するわ!」
幻煌龍トークン 星8 ATK2000
「パシフィスの効果発動!1ターンに1度、自分が通常モンスター1体の召喚・特殊召喚に成功した場合に発動する。デッキから幻煌龍カード1枚を手札に加える!『幻煌龍の戦禍』辺りでいいわね」
このコンボ強いのよねぇ。毎ターン禁止カードこと『サンダー・ボルト』をぶちかませる。しかも潜海奇襲も自身の効果で守る事が出来るからタチが悪い。まぁ、サーチしたカードは大抵使えないんだけどね。
「クソッ…ターンエンド」
「エンドフェイズにアブソルートZeroはフィールドに戻る!フィールドには幻煌龍トークンと城塞クジラの2体!よって1000ポイントアップ!」
E・HEROアブソルートZero 星8 ATK2500→3500
「私のターン、ドロー!このままバトルよ!幻煌龍トークンでダイレクトアタック!」
遊斗 LP7000→5000
「城塞クジラでダイレクトアタック!」
遊斗 LP5000→2650
「そして、アブソルートZeroでダイレクトアタック!!!」
「ああああああああああ!!!」
遊斗 LP2650→0
************************
「ひどぃ…また除外系カードにボコられた…」
四隅で体育座りする遊斗君を他所に私と翔太君は完成したデッキを眺めていた。
「今回はHERO要素少なめッスね…」
「アブソルートZeroを出す為に必要だってだけでメインは『城塞クジラ』なの。詳しい説明は後でするわ」
「これならガチデッキ相手にもマトモに戦えそうッスね!」
「ダメダメ、今の環境に殆ど入ってる壊獣相手には処置されちゃうの」
「壊獣は悪、はっきり分かるッス」
今回の出来は割と満足ね。いいデッキが作れたと思うわ。
「ところで、最後の遊斗のターンの時もっと早くに潜海奇襲を使ってもよかったと思ったんスけど……」
「アレ?あぁ、ジャックの真似をしただけよ?」
「ジャックの?」
私は腕を組むと翔太君の前でドヤ顔でこう言った。
「己のピンチを演出し、観客のカタルシスを掴む!これがキングのデュエル!ってね」
「……遊斗に同情するッス」
遊斗「クソッ!セコいぞお前ら!除外とフィールドを行ったり来たりしながら徹底的に妨害しやがって!!!」
真由美「はいはい、私が悪い私が悪い…さて、今回は私の使ったパシフィスHEROデッキを紹介するわ」
モンスター(10)
●城塞クジラ×2
●沼地の魔神王×3
●E・HEROスパークマン×3
●ウォーター・スピリット×2
魔法(22)
●融合×3
●E-エマージェンシーコール×3
●増援×1
●鹵獲装置×2
●幻煌の都 パシフィス×3
●テラ・フォーミング×2
●死者蘇生×1
●ハーピィの羽根帚×1
●強欲で貪欲な壺×3
●幻煌龍の螺旋波×1
●おろかな埋葬×1
●ミラクル・フュージョン×1
罠(8)
●幻煌龍の戦禍×2
●潜海奇襲×3
●神の宣告×1
●ヒーロー・ブラスト×2
EX(15)
●E・HEROアブソルートZero×3
●E・HEROシャイニング・フェニックス・ガイ×1
●E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン×1
●E・HEROサンダー・ジャイアント×1
●始祖竜ワイアーム×2
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×1
●トポロジック・ボマー・ドラゴン×1
●プロキシー・ドラゴン×2
●リンクスパイダー×3
真由美「今回のデッキの特徴は敢えてHEROをスパークマンに絞り、デッキ圧縮カードを多めに採用した事ね。スパークマンと水属性を素材にアブソルートZeroを融合召喚し潜海奇襲とのコンボで毎ターン『サンダー・ボルト』をぶちかます!これだけで相手は毎ターンサンダー・ボルトを撃たれる恐怖に怯えながらプレイしないといけないわ」
翔太「え、えげつないッス」
真由美「本文でも言ったけど壊獣には弱いわ。アブソルートZeroをリリースされてデッキが崩壊しちゃうの。ま、それでも戦えるようカードも幾らか用意してるから問題ないけどね」
遊斗「出た、シャイニング沼地マン」
真由美「勿論沼地マンや沼地ガイも状況によっては使うわ。どっちも性能としては悪くないからね」
翔太「強欲で貪欲な壺を無視するとしたらかなり安いデッキっスね。これなら安心して組めるッス」
真由美「強欲で貪欲な壺が無くもツイン・ツイスターとか馬の骨の対価を採用する手もあるし応用色々って感じよ」
翔太「なるほどー…」
真由美「ところで、翔太君。明日空いてる?ラーメン屋でも行かない?」
翔太「行くッス!」
遊斗「ならオレとっておきの店知って…る……行っちゃった」
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一撃で消し飛ばす火力!【ガンドラビート】
「こんにちは、今日は何が安いの?」
買い出しで八百屋に来ていた私は店長のおばさんに尋ねていた。いつもは白菜とエノキばかり買っているのだが、今回は少し奮発しようと決めていた。何せ今日はトップクラスで大事なイベントだからだ。
「今日は真由美ちゃんがいつも買ってる白菜が1番安いわよ」
「本当ですか!やった!」
……あれ?
「結局、いつものメニューね…。鶏鍋で行こうかしら?」
ブツブツと呟きながら商店街を歩いていると、ベンチで小学生達が集まっている事に気付いた。しかも何かゴミ箱に放り投げている。あれは……!カードじゃない!!!
「君達何やってるの?」
「カード捨ててんの。ハズレしか引けなかったし」
「見せてちょうだい」
まだ生きていきたカード達を回収した私はそれに素早く目を通した。
「(勿体無い…!こんなにも使えるカード達なのに!!!)」
心の中で私は憤慨した。ゴミ箱を一瞥すると使えそうなカード達がゴミと一緒に沈んでいた。
「君達、捨てるくらいなら私に売ってくれないかしら?」
「え?いいの?」
「5枚で300円よ。どうかしら?」
「マジ!?捨てた奴も?」
「えぇ」
そう言った途端、子供達が慌ててゴミ箱からカードを引き揚げ始めた。流石にふやけたカードは使えないからまだ美品な状態しか買い取れないと付け足して私は子供達から次々とカードを買い取っていく。
「よし、これでいいかしら?」
「ありがとうおねえちゃん!」
奮発しようとしたお金は半分ほどカードに消えた。悪いとは思っていない。
****************
「いらっしゃい!待ってたわ」
「お邪魔しまーす」
今日が大事な日の理由…それは翔太君が家に来る日だからだ。なんでも翔太君が所属している部活が何とか賞を取ったらしいからそのお祝いだ。この日の為に家を大家さんから借りた掃除セットで掃除し、少しくらい飾り付けしていた。
「狭いし殺風景だけど許してね」
「大丈夫ッス!アレも持ってきたッス!」
「助かるわ」
翔太君はジュースやお茶の1ℓペットボトルが入った袋を持って来てくれた。鍋パでもしようという話で約束を取り付けた私は少し浮かれ気味にキッチンに立っていた。
「(鶏鍋だけどいいよね)」
白菜を1/2にカットし茎を食べやすいサイズにカット、ネギも食べやすくブツ切り、木綿豆腐も少し大きめにカットする。個人的な拘りは人参だ。ピーラーで気持ち厚めに切っておく。こうすると味が染みやすいし食感も煮込む時間によって変わる。しいたけもへたを取って包丁で十字に線を入れる。
「手伝うけど大丈夫ッスか?」
「毎日やってる事だから大丈夫よ。それより、カセットコンロの準備と炊飯頼むわ」
「は、はい!」
流石にこのまま調理風景ばかり描写するとデュエルを見に来た読者の皆さんに失礼なので割愛するわ。なんか…ごめんなさい。
************************
「お待たせ〜」
「美味そうッス!」
土鍋を開けると美味しそうな匂いを放つ鶏鍋が完成していた。
「「いただきまーす!」」
鍋の出来は悪くないわね。色々悪さしたかったけど無理に冒険は出来ないし…。
「エプロン姿で調理してる姿初めて見たッス」
「そ、そう?」
「可愛かったッス!」
「可愛い!?わ、私が!?」
「可愛かったッス。鍋も美味しいし毎日でも食べたいッス!」
「いや…毎晩鍋は飽きるでしょ」
ツッコミを浴びせながら鍋を味わい、持ち寄ってもらったドリンクを飲む。楽しい時間はまぁあっという間に過ぎていくもので…。
「ごちそうさまでした!」
「お粗末様です」
空っぽの鍋を洗い、綺麗な台拭きでテーブルを拭いたところで私は完成したデッキを綺麗なテーブルにセットした。
「今日は少し趣向を変えてみたの」
「自然な流れでデュエルする真由美さん全然ブレてないッス」
今回はさっき回収したカードをベースにしたデッキだ。
「他に何かあるの?」
「あ、いや…何でもないッス…」
「デッキは用意してるの?」
「そこは抜かりなく…」
翔太君のデッキは何だろう…?
「じゃあ、行きますよ!」
「えぇ!」
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
翔太 LP8000
「私の部屋の周りは上下左右どっちにも人住んでないから遠慮なく大きい声出しても大丈夫よ」
「マジっスか?」
「これで遠慮なく先攻後攻決めるじゃんけんが出来るわね!」
「……えぇ」
「せーの!先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!」」
よし、先攻いただき!
「先攻もらったわよ!私のターン!魔法カード『強欲で貪欲な壺』を発動!デッキの上から10枚裏側で除外し2枚ドローする!さらに魔法カード『手札抹殺』!互いに手札を全て捨てそれぞれに捨てた枚数分ドローする!」
「ベイゴマックスが…!」
捨てたいカードを捨てられたし、目当てのカードも来た!
「魔法カード『魔導契約の扉』!私の手札の魔法カード1枚を相手に渡す代わりにデッキからレベル7または8の闇属性モンスター1体を手札に加える!はい、どうぞ」
「………なっ!?」
フフフ、驚いているわね。そう…何を隠そう、私が渡したカードは『強欲で貪欲な壺』だからね。
「モンスター1体を裏守備で伏せ、カードを2枚伏せてターンエンド」
「真由美さん…正気ッスか?」
「正気よ?」
さぁ、この罠に引っかかるかしら?
「僕のターン、ドローっス!」
翔太君は手札のカードと私の盤面とを何度も見比べてからカードを手に取った。
「魔法カード『強欲で貪欲な壺』を発動!デッキの上から10枚裏側で除外し2枚ドローする!さらに、自分フィールドにモンスターが存在しない場合このカードは手札から特殊召喚出来る!『WW-アイス・ベル』を特殊召喚!」
WW-アイス・ベル 星3 ATK1000
「その後、デッキからWWモンスター1体を特殊召喚できる。この効果でデッキから特殊召喚したモンスターはリリースできず、この効果を発動するターン、自分はレベル5以上の風属性モンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない!チューナーモンスター『WW-グラス・ベル』を特殊召喚!」
WW-グラス・ベル 星4 ATK1500 チューナー
「アイス・ベルはこのカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、相手に500ダメージを与える!さらにグラス・ベルの効果をチェーン発動!グラス・ベルは召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから『WW-グラス・ベル』以外のWWモンスター1体を手札に加える。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は風属性モンスターしか特殊召喚できない!『WW-スノウ・ベル』を手札に加える。そして500ダメージ!」
真由美 LP8000→7500
「さらに、チューナーモンスター『WW-スノウ・ベル』は自分フィールドに風属性モンスターが2体以上存在し、風属性以外のモンスターが存在しない場合にこのカードを手札から特殊召喚する!」
WW-スノウ・ベル 星1 ATK100 チューナー
「レベル3のアイス・ベルにレベル4のグラス・ベルをチューニング!シンクロ召喚!『WW-ウィンター・ベル』!」
WW-ウィンター・ベル 星7 ATK2400
「ウィンター・ベルの効果発動!自分の墓地のWWモンスター1体を対象としそのモンスターのレベル×200ダメージを相手に与える!グラス・ベルを選択し800ポイントのダメージを与える!
真由美 LP7500→6700
「続けて!レベル7のウィンター・ベルにレベル1のスノウ・ベルをチューニング!シンクロ召喚!いでよ!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000
「お決まりの流れね」
「これさえあれば何とかなるッス!バトル!クリスタルウィングで伏せモンスターを攻撃ッス!」
「トラップ発動!『迷い風』!特殊召喚された表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの効果は無効化され、元々の攻撃力は半分になる!クリスタルウィングを対象にする!これでクリスタルウィングの効果は使えない!そして伏せモンスターは…!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→1500
霊廟の守護者 星4 DEF2100
「なっ!?」
「600ダメージ分お返しよ!」
翔太 LP8000→7400
「っ…カードを2枚伏せてターンエンド」
「じゃあ私のターンね。ドロー!」
そして、一撃で状況をひっくり返すカードも来た。さて、止められるかしら?
「霊廟の守護者はドラゴン族モンスターをアドバンス召喚する場合2体分のリリース素材になる!霊廟の守護者をリリースして『破壊竜ガンドラ』をアドバンス召喚!!!」
破壊竜ガンドラ 星8 ATK0
「破壊竜ガンドラ!?」
このカード、小学生が捨てたカードの1枚よ。さて、このカードの恐ろしさをとくと味わいなさい!
「ガンドラの効果発動!ライフを半分払い、このカード以外のフィールドのカードを全て破壊し除外。ガンドラは破壊し除外したカード1枚につき攻撃力300をアップする!」
真由美 LP6700→3350
「クリスタルウィングの素材となったスノウ・ベルの効果はまだ生きている!クリスタルウィングは破壊されずフィールドに残る!!!」
伏せていたカードは『聖なるバリア─ミラー・フォース』と『迷い風』か。迷い風はアドバンス召喚したモンスターには効かないのよね。運が良かったわ。これで遠慮無く叩き潰せる。私のカードを含めれば除外されたカードの総数は3枚。
破壊竜ガンドラ ATK0→900
「この瞬間、除外されたトラップ『エクシーズ・ディメンション・スプラッシュ』の効果発動!」
「エクシーズ・ディメンション・スプラッシュ!?」
これも捨てられてたカードよ!
「セットされたこのカードがゲームから除外された場合、デッキから水属性・レベル8モンスター2体を特殊召喚できる!この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃宣言できず、効果は無効化され、リリースする事もできない!私は青氷の白夜龍を2体特殊召喚!」
青氷の白夜龍 星8 ATK3000
青氷の白夜龍 星8 ATK3000
「さらに、このカードは自分フィールドのモンスター2体を墓地へ送り、手札から特殊召喚出来る!ガンドラと青氷の白夜龍を墓地へ送り、『破壊竜ガンドラ─ギガ・レイズ』を特殊召喚!!!」
破壊竜ガンドラ─ギガ・レイズ 星8 ATK0
「げっ!?」
「破壊竜ガンドラ─ギガ・レイズの攻撃力は除外されているカードの数×300アップする!さっき除外した3枚と強欲で貪欲な壺2枚で除外した20枚…合計23枚除外されているから、攻撃力は6900になる!!!」
破壊竜ガンドラ─ギガ・レイズ 星8 ATK0→6900
「破壊竜ガンドラ─ギガ・レイズの効果発動!1ターンに1度、ライフを半分払って発動できる。自分の墓地のガンドラモンスターの種類によって効果を適用する!私の墓地には手札抹殺で捨てた『破滅竜ガンドラX』と特殊召喚の素材に使った『破壊竜ガンドラ』の2種類!よって、このカード以外のフィールドのカードを全て除外する!」
真由美 LP3350→1675
「!!!」
「青氷の白夜龍とクリスタルウィングを除外した事でさらに600ポイントアップ!」
破壊竜ガンドラ─ギガ・レイズ 星8 ATK6900→7500
「これで、ライフを削り切れる!バトル!破壊竜ガンドラ─ギガ・レイズでダイレクトアタック!!!」
「悪いけどこのままじゃ負けられないッス!手札の『SRメンコート』の効果発動!ダイレクトアタック時にこのカードを手札から攻撃表示で特殊召喚し相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て守備表示に変更する!」
ヤバッ!?ガンドラの効果では守備力を上げられない!
SRメンコート 星4 ATK100
破壊竜ガンドラ─ギガ・レイズ ATK7500→DEF0
「ふぅ…死ぬかと思ったッス……」
「なんとかする!メインフェイズ2に墓地の『錬装融合』の効果発動!このカードをデッキに戻してデッキからカードを1枚ドローする!」
よし!まだ希望は消えてない!
「ペンデュラムスケールに『メタルフォーゼ・ゴルドライバー』をセッティング!」
メタルフォーゼ・ゴルドライバー スケール1
「ゴルドライバーのペンデュラム効果発動!自分フィールドのこのカード以外のカードを1枚破壊し、デッキからメタルフォーゼ魔法・罠カード1枚をセットする。破壊竜ガンドラ─ギガ・レイズを破壊し、『メタルフォーゼ・カウンター』をセット!さらに、墓地の『霊廟の守護者』の効果発動!ドラゴン族モンスターが破壊された場合、手札または墓地のこのカードを特殊召喚出来る!」
霊廟の守護者 星4 DEF2100
「ターンエンド」
ギリギリの展開だ。正直、厳しい。
「僕のターン、ドローっス!『SRバンブー・ホース』を召喚!」
SRバンブー・ホース 星4 ATK1100
「このカードが召喚に成功した時に発動できる。手札からレベル4以下のスピードロイドモンスター1体を特殊召喚する!チューナーモンスター『SR電々大公』を特殊召喚!」
SR電々大公 星3 ATK1000 チューナー
「レベル4のバンブー・ホースにレベル3の電々大公をチューニング!シンクロ召喚!『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 星7 ATK2500
「どのみち放っておいても厄介ッス…ならば、バトル!クリアウィングで霊廟の守護者を攻撃!撃破ッス!」
「この瞬間、トラップ発動!『メタルフォーゼ・カウンター』!自分フィールドのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。デッキからメタルフォーゼモンスター1体を特殊召喚する!『メタルフォーゼ・ヴォルフレイム』を特殊召喚!」
メタルフォーゼ・ヴォルフレイム 星7 ATK2400
「ターンエンド」
「勝つのは私よ!私のターン、ドロー…よし!魔法カード『貪欲な壺』!墓地のモンスター5体をデッキに戻しデッキからカードを2枚ドローする!」
『レッドアイズ・ダークネス・メタル・ドラゴン』
『青氷の白夜龍』
『護封剣の剣士』
『メタルフォーゼ・ヴォルフレイム』
『破壊竜ガンドラ─ギガ・レイズ』
「この5枚を対象とし、デッキに戻して2枚ドロー!」
引き込めた!このデュエルに勝利する切り札!
「墓地の闇属性が3体となった為、このカードは手札から特殊召喚出来る!来い!『ダーク・アームド・ドラゴン』!」
ダーク・アームド・ドラゴン 星7 ATK2800
「レベル7のダーク・アームド・ドラゴンとヴォルフレイムでオーバーレイ!エクシーズ召喚!『真紅眼の鋼炎竜』!」
真紅眼の鋼炎竜 ランク7 ATK2800
「そしてこれが、雌雄を決す切り札!魔法カード『RUM-アストラル・フォース』!自分フィールドのランクが一番高いXモンスター1体を対象として発動できる。その自分のモンスターと同じ種族・属性でランクが2つ高いモンスター1体を、対象のモンスターの上に重ねてX召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する!」
「アストラル・フォース!?って事は……」
「真紅眼の鋼炎竜でオーバーレイネットワークを再構築!エクシーズチェンジ!いでよ!『No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon』!!!」
No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon ランク9 ATK0
「あ…負けた」
翔太君が気付いたみたい。さて、フィナーレと行きますか!
「『メタルフォーゼ・ゴルドライバー』のペンデュラム効果発動!自分フィールドのこのカード以外の表側表示で存在するカード1枚を破壊し、メタルフォーゼ魔法・罠カードを1枚セットする!私が破壊するのはNo.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon!」
No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragonの召喚をずっと狙ってたけど、運が良かった!!!
「そして、『メタルフォーゼ・カウンター』をセット!さらに、No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragonの効果発動!オーバーレイユニットを持つこのカードが破壊された場合、墓地のこのカードを特殊召喚出来る!」
No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon ランク9 ATK0
「そして、この効果で特殊召喚したNo.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragonは除外されているカード1枚につき攻撃力を1000ポイントアップする!除外されているカードは25枚!よって攻撃力は…!!!」
No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragon ATK0→25000
「25000…!」
「バトル!No.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragonでクリアウィング・シンクロ・ドラゴンを攻撃!!!《ハートブレイク・キャノン》!!!」
翔太 LP7400→0
****************
「えーっ!?強欲で貪欲な壺以外全部捨てられてた物なんスか!?」
「そうなのよ、なんか勿体無くて…殆ど回収してデッキを組んだの。ゴミだけにね」
「かなりの完成度じゃないんスか?」
「ダメダメ。色んなレベルが混在してて事故が起きてもおかしくない状態だったのよ?」
現に事故起きかけてたし…と付け加えた私は頬を掻いた。
「真由美さんならではのデッキですね」
「そうかしら?」
「何でも組みたがるじゃないッスか」
「ガチデッキ以外はね」
デッキを片付けた私は、思い切って目の前の風呂場を指差した。実は意識しまくってました!はい!
「今日はその……泊まっていってもいいわよ」
「えっ!?それって…!」
ドキドキと止まらない心臓で私は精一杯平静を装う。意識しないってのは無理よ。だって…翔太君だし。
「じゃあありがた──」
そう翔太君が言おうとした時、彼のスマホが鳴り始めた。
「もしもし!……いや、これから泊まろうと………は!?ダメ!?ふざけんなって!……分かった。すぐ帰るわ」
「……あれ?」
スマホを切った翔太君は荷物を纏め始めた。
「すんません、親父がすぐ帰れって言ってまして……折角のお誘いですが、今日は遠慮します」
「……あ、うん。気を付けてね」
親御さんに心配はかけられない。玄関まで見送った私はゆっくりと扉を閉め……ベッドに倒れ込み気絶するように寝た。テーブルには片付け忘れたNo.92 偽骸神龍 Heart-eartH Dragonのカードが月光に晒されほんのりと輝いていた…。
真由美「……はぁ、思い切って用意したのに…」
翔太「すんません」
真由美「次は親御さんを説得してでも泊まりに来てね♪」ニコォッ
翔太「と、ところで!今回のガンドラデッキを見てみたいんスけど見てもいいッスか!」
真由美「いいわよ。今回は事故率を考慮せずロマン中心に組んでみたデッキなの。」
デッキ総枚数(50)
モンスター(22)
●レッドアイズ・ダークネス・メタル・ドラゴン×1
●護封剣の剣士×1
●青氷の白夜龍×3
●破壊竜ガンドラ-ギガ・レイズ×2
●破滅竜ガンドラX×1
●破壊竜ガンドラ×1
●ダーク・アームド・ドラゴン×1
●メタルフォーゼ・ヴォルフレイム×3
●メタルフォーゼ・ゴルドライバー×2
●霊廟の守護者×2
●覇王眷竜ダークヴルム×1
●メタルフォーゼ・シルバード×2
●メタルフォーゼ・スティエレン×2
魔法(20)
●トレード・イン×3
●おろかな埋葬×1
●ハーピィの羽根帚×1
●錬装融合×2
●金満な壺×1
●手札抹殺×1
●強欲で貪欲な壺×3
●苦渋の決断×2
●死者蘇生×1
●召喚師のスキル×2
●RUM-アストラル・フォース×1
●魔導契約の扉×2
罠(8)
●エクシーズ・ディメンション・スプラッシュ×2
●迷い風×2
●メタルフォーゼ・カウンター×3
●神の宣告×1
EX(15)
●No.77ザ・セブン・シンズ×1
●No.99希望皇龍ホープ・ドラグーン×1
●No.92偽骸神龍Heart-eartH Dragon×1
●No.107銀河眼の時空竜×2
●真紅眼の鋼炎竜×2
●No.39希望皇ビヨンド・ザ・ホープ×1
●SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング×1
●No.39希望皇ホープ×2
●銀河影竜×1
●メタルフォーゼ・ミスリエル×1
●メタルフォーゼ・アダマンテ×2
真由美「今流行りの強欲で貪欲な壺の除外効果を逆手に取り、高火力となったガンドラで叩くデッキよ。さらにメタルフォーゼ要素を取り込んだ事でエクシーズ召喚もある程度出来るようになったわ。」
翔太「No.92偽骸神龍Heart-eartH Dragonが採用されてたのはビックリしたッス」
真由美「ぶっちゃけこれが使いたかっただけなのよね。キッカケは最近、カードショップでNo.92偽骸神龍Heart-eartH Dragonを含めたカード達をゴミ箱に捨てようとした小学生に怒って、『捨てるくらいなら売ってくれ』と頼んだのがキッカケね。No.92偽骸神龍Heart-eartH Dragonの効果を能動的に使えるようにメタルフォーゼと共存。ガンドラの処理の為にも役に立つし霊廟の守護者があれば破壊しても壁を作れるってのも利点よね♪」
翔太「事故率シャレにならないと思うんスけど…」
真由美「それが最大の欠点ね。ロマン重視だから仕方ないわよ」
翔太「アストラル・フォースの採用ってのも面白いッス。今度アストラル・フォースを活用したデッキを作ってみるッス!」
真由美「フフ…それは楽しみね」
遊斗「…あれ?オレの出番……」
※実は、今回の茶番はお泊りルート(R-18)を書こうとして失敗した話を改良した物です。ソッチの文才は無かったよ……
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旦那様に代わってお仕置き致します【マネキンワンキル】
「デュエリストの朝は早いわ」
「そうッスね」
公園で朝の散歩をしていると、翔太君がやって来た。曰く、入部しているフェンシング部の大会が近いらしく、体作りで運動しているらしい。私は高校の時、帰宅部だったからなぁ…。
「スンマセン、そんな訳で暫くはカードショップに顔出せないッス」
「私も応援に行くわね。お金無いから地方大会で限界だけど…」
「僕も嬉しいッス!楽しみに頑張ります!それじゃ、僕はこれで!」
「地方大会で落ちるんじゃないわよ〜!」
私はその背中に手を振り、いつものように銭湯で汗を流し着替えをしてカードショップに入った。
*********************
「どうかオレと夕飯だけでも…!」
「却下。そしてダイレクトアタックで終わりよ」
「酷い…」
翔太君が居ないと分かった途端に絡み始める遊斗君をあしらいながら、私はデュエルをしていた。やっぱり味気ない。翔太君は反撃された時の策をしっかり練ってくるのに遊斗君は出し惜しみなくカードを使い切ってそれで『もう防げません』となって負ける。あの私と同じようなギラギラした感じがしないのだ。
「はぁ〜……翔太君早く部活終わらないかなぁ…」
そう思っていた時!突然場違いな人物が現れた。
ショートボブで纏めた黒髪、端正過ぎて『整形した?』とツッコミたくなるような顔、私程ではないが突き出た胸とスラッとした胴体、その全身を覆うのは女執事服……完全にテンプレの女執事です。本当にありがとうございました。
「遊斗様、こんなところで遊んでいましたか」
「ゲェッ…セバス……!!」
遊斗君が執事を見た途端に嫌な顔をした。ゴキブリを踏んだ時のような顔では無く、お節介焼きな人物が絡んできてウンザリといった顔だが。
「おや、そちらの方は?」
「セバス、紹介するよ。オレのフィア──いでっ!?」
「すみません、太陽君の友人の彼女です。はい」
「そうでしたか…遊斗様の度々の無礼…どうかお許しください」
「いえいえ、大丈夫ですよ。顔を上げてください」
物腰柔らかな態度で謝ってきたので私も慌てて頭を下げた。
「ところで、ここには何の用で?」
「はい、実は近々社交パーティがありまして……将来の伴侶となる方を探すよい機会と私、セバスティアンがお誘い申し上げたところ逃げ出した…というのが発端でございます」
こ、このブルジョワ共めぇ…!社交パーティだと…!?
「ですが、遊斗様は頑なに『まだ身を固めたくない』と逃げているのです」
「遊斗君……」
「うるせえ!オレの人生だろ!勝手にさせてくれよ!何が悲しくてテンプレなドリルヘア女と政略結婚しなきゃなんねぇんだよ!」
「しかしながら、遊斗様はまだ1度も将来の伴侶となる方と結ばれていないではありませんか……旦那様が見ればどんな顔をなさるか…」
もう勘弁して、カードショップなんだからカードゲームやってよ…と、思ったらデュエルの流れが始まったようだ。
「セバス!こうなったらデュエルだ!デュエルでオレが負けたら社交パーティに行ってやる。だが、セバスが負けたら」
「負けたら?」
「……なんでもねぇ///今後オレのやる事に口を出すな!」
ん?あの態度…まさか、ねぇ。
「やれやれ、デッキ構築力が無く諸星様との一件でもデッキ構成を私に丸投げした遊斗様が私に勝てると踏んでいる事自体が未熟者の証です」
「マジかよサイテーね遊斗君」
「……それ言わないでくれよ頼むから」
この少年、情けねぇ………。
「では、お情けで条件を付けましょう」
「条件?」
そう言うとセバスティアンさんは店内のカードを指差した。
「店内のカードでデッキを構築する事が条件です。ただし、買い占めは禁止。メインデッキ40枚・EXデッキ15枚を購入する事。マッチ戦はする気はありませんのでサイドデッキの構成も禁止です。制限時間は20分です。さぁ、始めましょう」
「ッ!」
そう言った途端にセバスティアンさんが歩き始めた。もうデッキが決まっているらしい。一方の遊斗君はネットで検索しながら細かくデッキの構成を練りながらメモを取っている。
「(既にセンスで差がついてるわね…)」
「構築終わりました」
「早ッ!?」
気がつくとセバスティアンさんはデッキを組み終えて椅子に座ったまま瞑想を始めていた。流石執事…恐ろしい人物だ。
「よし、コレをくれ!」
「えーっ…コレ今在庫切れなんだよねー」
「マジかよ!あー時間無ェ!チクショウ!アレでフォローするか!」
そうして20分ギリギリで遊斗君はデッキを構築し終えてマットの用意を完了した。
「20分13秒…アウトですが大目に見ましょう」
さて、2人がどんなデッキ構築をしたのか見ものね。私も観戦しよっと♪
「「デュエル!!!」」
遊斗 LP8000
セバス LP8000
「先攻はお譲りします。さぁ、手を打ちなさい」
「言われなくたって!オレの先攻!」
遊斗君、(一応)頑張れ!
「魔法カード『手札抹殺』!違いに手札のカードを全て捨てる。そして捨てた枚数ドローする!」
「はい。それで?」
「ッ!手札を2枚伏せ魔法カード『エクスチェンジ』を発動!互いに手札を見せ、その中からそれぞれ1枚ずつ選び手札に加える!さぁ、オレのカードだ。遠慮無く使え!」
「……なんの真似ですか?」
遊斗君が提示したカードは『死のデッキ破壊ウィルス』…本来ならば相手のフィールドや手札を破壊し情報アドバンテージを得るカード。それを相手に渡す?何を考えているのやら。
「じゃあ、セバスからは『大天使クリスティア』を戴くぜ!これでターンエンド!」
「おや、守りですか…では、私のターン。ドロー…」
白い手袋に覆われた細く長い指がデッキトップのカードを引く。ドローだけでこの上品さ…これが育ちの差か……!
「私が引いたカードは『RUM-七皇の剣』」
「ぇっ!?」
嘘ッ!?いきなり引いたのこの
「自分のドローフェイズ時に通常のドローをしたこのカードを公開し続ける事で、そのターンのメインフェイズ1の開始時に発動できる。
CNo.以外のNo.101~No.107のいずれかをカード名に含むモンスター1体を、自分のエクストラデッキ・墓地から特殊召喚し、そのモンスターと同じNo.の数字を持つCNo.と名のついたモンスターをその特殊召喚したモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚します。私が特殊召喚するNo.はこのカード…『No.101 S・H・Ark Knight』」
No.101 S・H・Ark Knight ランク4 ATK2100
「そして、このモンスターでオーバーレイネットワークを再構築…カオスエクシーズチェンジ。『CNo.101 S・H・Dark Knight』」
CNo.101 S・H・Dark Knight ランク5 ATK2800
「バトルフェイズ、CNo.101 S・H・Dark Knightでダイレクトアタック」
「させるか!墓地の『虹クリボー』は直接攻撃宣言時に墓地から特殊召喚出来る!」
虹クリボー 星1 DEF100
「では、そのまま戦闘破壊します」
「この効果で特殊召喚された虹クリボーはフィールドから離れる場合除外される!」
「メインフェイズ2。このままターンエンド」
「チッ…なら意地でも使わせてやるよ!オレのターン、ドロー!トラップ発動!『戦線復帰』!墓地のモンスター1体を守備表示で特殊召喚する!チューナーモンスター『極星霊デックアールヴ』を特殊召喚!」
極星霊デックアールヴ 星5 DEF1600 チューナー
「このカードは相手フィールドにモンスターが存在し自分フィールドにチューナーモンスターが存在する時に手札から特殊召喚出来る!『異次元の一角戦士』を特殊召喚!」
異次元の一角戦士 星4 ATK1800
「この効果で特殊召喚に成功した時、除外されているレベル3以モンスター1体を特殊召喚出来る!『虹クリボー』を特殊召喚!」
虹クリボー 星1 DEF100
「レベル1の虹クリボー、レベル4の異次元の一角戦士にレベル5の極星霊デックアールヴをチューニング!シンクロ召喚!来い!オレの姿見、醜悪なる化身!『極神皇ロキ』!」
極神皇ロキ 星10 ATK3300
姿見…?それってどういう事なんだろう。セバスティアンさんも少し思いつめたような顔をしている。ま、家庭の事情だし踏み込むのはやめとこう。
「バトル!極神皇ロキでCNo.101 S・H・Dark Knightを攻撃!」
「通します。ですが…分かっていますよね?」
セバス LP8000→7500
「知ってらァ!」
「CNo.101 S・H・Dark Knightの効果発動。カオスオーバレイユニットを持つこのカードが破壊された時、墓地にNo.101 S・H・Ark Knightがある場合墓地から特殊召喚しこのカードの攻撃力分ライフを回復する」
「それくらい織り込み済みだぜ!カウンター罠『威風堂々』!バトルフェイズ中のみ発動する事が出来、相手が発動した効果モンスターの効果を無効にし破壊する!」
なるほど、モンスター効果も対策済み…と。『ロキを倒すには死のデッキ破壊ウィルスが最優』と心理的に誘導しているみたいね。初手も完全把握しているみたいだし、恐らく次のドローで引けなければ死のデッキ破壊ウィルスを使う筈…と踏んだのだろう。
「では、私のターン。ドロー」
セバスティアンさんはドローしたカードと手札のカードとを交互に見比べて…
「私の勝ちですね」
「………は?」
え?勝ち!?墓地だってさっきシンクロ素材にした虹クリボーが居るから1回はダメージを防げるけど…。
「遊斗様の甘さは『相手にやってもらう』事を前提とした心理デッキが多い事です。それは初見相手には有利に働くでしょうが、私がその策に乗るわけが無いでしょう?」
「ッ…!」
「では、旦那様に代わってお仕置き致します。『素早いビーバー』を召喚」
素早いビーバー 星2 ATK400
「このカードが召喚に成功した時に、自分のデッキ・墓地からレベル3以下の素早いモンスター1体を選んで特殊召喚する。デッキから『素早いビーバー』を特殊召喚します」
素早いビーバー 星2 ATK400
「レベル2の素早いビーバー2体でオーバーレイ。2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚。『No.29 マネキンキャット』」
No.29 マネキンキャット ランク2 ATK2000
あ…この流れは……
「マネキンキャットの効果発動。1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使い、相手の墓地のモンスター1体を相手の場に特殊召喚する。私は虹クリボーを特殊召喚」
虹クリボー 星1 ATK100
「さらにマネキンキャットの効果。このカードが既にモンスターゾーンに存在する状態で、相手フィールドにモンスターが特殊召喚された場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動出来る。そのモンスターと種族または属性が同じモンスター1体を自分の手札・デッキ・墓地から選んで特殊召喚します。私は同じ光属性である『創造の代行者ヴィーナス』を特殊召喚」
創造の代行者ヴィーナス 星3 ATK1600
「ヴィーナスの効果発動。ライフを500払い、デッキから『神聖なる球体』を1体特殊召喚出来る。私はこれは3回発動して3体特殊召喚」
セバス LP7500→6000
神聖なる球体 星2 ATK500
神聖なる球体 星2 ATK500
神聖なる球体 星2 ATK500
「召喚条件はモンスター2体、マネキンキャットと神聖なる球体で『プロキシー・ドラゴン』をリンク召喚」
プロキシー・ドラゴン LINK-2 ATK1400
「続けて。召喚条件は効果モンスター2体以上…そしてプロキシー・ドラゴンは2体分のリンク素材となる。プロキシー・ドラゴンとヴィーナスでリンク3の『デコード・トーカー』をリンク召喚」
デコード・トーカー LINK-3 ATK2300
「レベル2の神聖なる球体2体でオーバーレイ。エクシーズ召喚…リンク先へ『幻影騎士団カースド・ジャベリン』を攻撃表示」
幻影騎士団カースド・ジャベリン ランク2 ATK1600
「カースド・ジャベリンの効果発動。1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使い、相手モンスター1体を対象として発動。対象となったモンスターはエンドフェイズまで攻撃力は0となり効果を無効とします」
極神皇ロキ ATK3300→0
「召喚条件は効果モンスター2体以上、そしてデコード・トーカーはリンク素材3体分として扱える…デコード・トーカーとカースド・ジャベリンでリンク4の『トポロジック・ボマー・ドラゴン』を呼び出します」
トポロジック・ボマー・ドラゴン LINK-4 ATK3000
「バトルフェイズ。バトルステップに移行した瞬間、手札の『ジュラゲド』の効果発動。このカードはバトルフェイズ中に手札から特殊召喚出来ます」
ジュラゲド 星4 ATK1700
「ジュラゲドの効果で私は1000ライフを回復」
セバス LP6000→7000
「ジュラゲドで虹クリボーを攻撃」
「うげっ!?」
遊斗 LP8000→6400
「続けてトポロジック・ボマー・ドラゴンでロキを攻撃。この瞬間、ジュラゲドの効果発動。このカードをリリースしてモンスター1体の攻撃力を1000アップする。トポロジック・ボマー・ドラゴンを選択」
「ひっ!?」
トポロジック・ボマー・ドラゴン ATK3000→4000
遊斗 LP6400→2400
「攻撃したダメージ計算後、その相手モンスターの元々の攻撃力分のダメージを与えます。お仕置き…終了」
遊斗 LP2400→0
あ…鮮やか過ぎるワンキル…!
******************
「では、約束通り。遊斗様は私がお預かりします」
「いえ、返さなくて結構です」
「ひでぇ!血も涙もねぇや!」
「帰ったらお仕置きです。私からの補習をサボタージュした罰ですのでお受けください」
「げぇ………セバスのお仕置き苦手なんだよなぁ」
観念したのか遊斗君はセバスティアンさんに連行されていった。その背中を見送…ろうとして私は思いついた。
「セバスティアンさん!」
「……?」
「折角でしたら遊斗君と一緒にまた来てください。セバスティアンさんのデッキ構築…参考にさせてください!」
「……しばらくお待ちを」
そう言うと彼女はスケジュール帳を広げ小1分程眺めてから視線をこちらに向けた。
「幸い、明日は空いています。」
「じゃあ、明日。今度は私ともデュエルしてください!」
「……いいでしょう。遊斗様にもその間指導をさせていただきますのでその点ご了承ください」
「はい!」
そして、近くの駐車場に停めてある高級車に遊斗君を乗せたセバスティアンさんは車を走らせ帰っていった。帰り際に『The big Saturnでワンキルを狙おうなどという浅はかな考えは止めたほうがよかったですね』『なっ!?何故バレた!?』という会話があり遊斗君のあの行動が腑に落ちた。死のデッキ破壊ウィルスはフィールド・手札破壊の他にも相手に攻撃力1500以上のモンスターを3枚まで選ばせ破壊させる効果がある。さらに、The big Saturnは相手のカード効果で破壊され墓地へ送られた時、互いにThe big Saturnの攻撃力分のダメージを受ける。だが、死のデッキ破壊ウィルスを発動後、次の相手のエンドフェイズまで相手に与えるダメージが0になるデメリットがある。これを使い、死のデッキ破壊ウィルスを発動したプレイヤーだけがダメージを受ける事になる。つまり、セバスティアンさんが死のデッキ破壊ウィルスを発動した場合、手札またはデッキからThe big Saturnが3体破壊され、セバスティアンさんが8400のダメージを負けるというシナリオとなる。相手に依存するとはいえ、恐ろしいコンボだった。
「翔太君が居ない間…少し学ばせてもらおっと」
今日はちょっと満足だったかな。そう思いながら私は家へと帰った。
セバス「セバスティアンです。以後お見知りおきを」
真由美「よろしくね。セバスティアンさん」
セバス「このコーナーではデッキを紹介しているのですね?」
真由美「そうよ。今回はセバスティアンさんのデッキを見せてくれるんでしたよね?」
セバス「はい、こちらがレシピとなります」
モンスター(20)
●壊星壊獣ジズキエル×2
●雷撃壊獣サンダー・ザ・キング×1
●大天使クリスティア×1
●妖精伝姫─シラユキ×1
●トリックスター・キャンディナ×1
●ジュラゲド×2
●創造の代行者ヴィーナス×3
●神聖なる球体×3
●トリックスター・リリーベル×2
●素早いビーバー×3
●ゾンビキャリア×1
魔法(12)
●妨げられた壊獣の眠り×1
●ハーピィの羽根帚×1
●貪欲な壺×1
●強欲で貪欲な壺×3
●テラ・フォーミング×1
●トリックスター・ライトステージ×2
●スケープ・ゴート×1
●RUM-七皇の剣×1
●死者蘇生×1
罠(8)
●バージェストマ・ディノミスクス×3
●バージェストマ・オレノイデス×2
●拮抗勝負×3
EX(15)
●トポロジック・ボマー・ドラゴン×1
●デコード・トーカー×2
●プロキシー・ドラゴン×2
●リンクスパイダー×1
●CNo.101 S・H Dark Knight×1
●No.101 S・H Ark Knight×2
●機装天使エンジネル×1
●幻影騎士団カースド・ジャベリン×1
●No.29マネキンキャット×2
●神騎セイントレア×1
●魔界闘士バルムンク×1
セバス「マネキンキャットの効果で手早くモンスターを揃えワンキルするデッキです。相手の墓地に光属性があり、手札に素早いビーバーとジュラゲドが揃えばほぼワンキル成立です。条件は選びますが…」
真由美「そうでなくてもクリスティアも手札に握っているのであればトポロジック・ボマー・ドラゴンを出した後に天使族が4体揃っているから特殊召喚出来る…と」
セバス「はい、七皇の剣は正直遊びでしたが、手札に来てもゾンビキャリアがあればデッキトップに戻せる利点もあります。また、トリックスターやバージェストマを採用した事でレベル2モンスターを手早く場に揃える事も出来ます。攻め立てられた時の対応も出来るのがこのデッキの特徴です」
真由美「ははぁ…」
セバス「まだ煮詰める点が多過ぎますが、即興としては良好な物であると思います」
真由美「参考になります。ありがとうございます!」
セバス「…ありがとうございます」
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体で(アド)稼ぎます【キサラシンクロ】
EMヒックリカエル「え?」
マスク・チェンジ・セカンド「今何でもするって…」
ドロー・マッスル「言ったよね?」
アド稼ぎという名のソープに堕ちた青き眼の乙女の明日はどっちだ!
「………読んでしまった…」
久しぶりに客が来なかった喫茶店…暇潰しと言わんばかりに寄付しておいた遊戯王の漫画を読み進めていたらいつの間にか就業時間が終わり、光の中で完結してしまった。
「いい話だったなぁ…」
思わずホロリと泣いてしまったのはナイショの話。その感動を抱えたまま全く働かずに退勤した私はそのままの足取りでカードショップに向かった。店に入ると、既にセバスが遊斗へ厳しい指導を行っていた。
「遊斗様、デッキのバランスをよく考えてください!キーカードが引けなかった時サレンダーするようなデッキでは恥をかきます!」
「うるさいなぁ…ファンデッキってのは楽しさが無きゃ意味ねぇだろ!」
「遊斗様は構築が甘すぎます!」
「ちぇーっ…面白いと思った───古霊さんチーッス!」
「古霊様ですね。お待ちしておりました」
「ごめんなさい、少し寄り道しちゃって…」
因みに、今回は遊戯王原作に因んだあるカードを中心としたデッキを組んでいる。人によってはガチデッキと扱う人もいるだろうけどね。
「では、古霊様の約束を果たさせていただきましょう」
そういうとセバスはデッキを置いた。既に準備は万端らしい。私も準備万端。
「さぁ、デュエルやりましょう!」
「デッキに関しましては今回、本気のデッキで行かせていただきます」
「私はこれって決めてるデッキは無いから思いつきで組んだデッキで行くわね。じゃ、行くわよ。せーの!」
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
セバス LP8000
「先攻!」
「後攻」
「「じゃんけんぽん!!!」」
先攻……取れなかったよ…。
「では、私の先攻…モンスターを1体伏せる。さらにカードを2枚伏せてターン終了」
やっぱり様子見だ。セバスティアンさんは最初のターンを様子見に使う傾向にあるみたいだ。
「私のターン、ドロー!!!」
良いカードが引けた!
「『青き眼の乙女』を召喚!」
青き眼の乙女 星1 ATK0
遊戯王の原作及びアニメを観ていない人には申し訳ないがネタバレ。遊戯王には王の記憶編と呼ばれる闇遊戯の過去についての話がある。そのお話ではブルーアイズの精霊を宿す女『キサラ』が現れ、海馬瀬人の前世『セト』と運命的な出会いと禁断の愛を育む話がある。まぁ…原作ではアッサリしてるんだけどね。今回はこの青き眼の乙女もといキサラさんにたっぷり仕事をしてもらいます。はい。
「ブルーアイズデッキですか…」
「フフフ…ただのガチデッキと思って侮る事なかれ!装備魔法カード『妖刀竹光』を青き眼の乙女に装備!装備モンスターの攻撃力を0アップするわ!」
青き眼の乙女 ATK0→0
「青き眼の乙女の効果発動!1ターンに1度、このカードがカード効果の対象となった場合、手札・デッキ・墓地から『青眼の白龍』を特殊召喚出来る!デッキよりいでよ!『青眼の白龍』!!!」
青眼の白龍 星8 ATK3000
「バトル!青眼の白龍で伏せモンスターを攻撃!《滅びのバースト・ストリーム》!!!」
「通します」
ゲッ…伏せてたそのモンスターは……!
「戦闘破壊されたチューナーモンスター『プチトマボー』の効果発動。このカードが戦闘破壊され墓地へ送られた時、デッキからトマボーモンスターを2体まで特殊召喚出来ます。私は『トマボー』とチューナーモンスター『プチトマボー』を特殊召喚します」
プチトマボー 星2 DEF400 チューナー
トマボー 星3 DEF800
「メインフェイズ2、魔法カード『黄金色の竹光』!自分フィールドに竹光装備魔法カードがある場合、デッキからカードを2枚ドローする!カードを1枚伏せてターンエンド…!」
非常にマズイ。この陣形はシンクロ召喚の構え…!
「では、私のターン。引きます………」
シンクロ召喚をする事は分かっている…けど、何をする気?
「『TG ワーウルフ』を召喚」
TG ワーウルフ 星3 ATK1200
「間違いない…【TGトマボー】デッキ!」
「御名答です。では、参ります。レベル3のTG ワーウルフにレベル2のプチトマボーをチューニング。シンクロ召喚。私が呼び出すのはシンクロチューナー『TG ワンダー・マジシャン』」
TG ワンダー・マジシャン 星5 ATK1900 チューナー
「ワンダー・マジシャンの効果発動。このカードがシンクロ召喚に成功した時、フィールドの魔法・罠カードを1枚破壊します。破壊するのはそちらの伏せカード」
「『ドロー・マッスル』が…!」
でもよかった。これならこのターン確実に場にモンスターを残せ……ハッ!?
「続けまして、レベル3のトマボーにレベル5のワンダー・マジシャンをチューニング。シンクロ召喚するモンスターは『琰魔竜レッド・デーモン』」
レッド・デーモンですって!?私の専売特許を…!?
琰魔竜レッド・デーモン 星8 ATK3000
マズイ…レッド・デーモンは自身以外の攻撃表示モンスターを一掃する効果を持つ…青き眼の乙女の効果なんて意味が無い!!!
「レッド・デーモンの効果で1ターンに1度、このカード以外の攻撃表示モンスターを全て破壊します。」
「……ッ!」
青き眼の乙女と青眼の白龍が呆気なく破壊される。
「そして、バトルフェイズ。レッド・デーモンでダイレクトアタック」
真由美 LP8000→5000
「でも、『妖刀竹光』がフィールドから墓地へ送られた時、デッキから竹光カードを1枚手札に加えられるわ!『折れ竹光』を手札に加える!」
「なるほど、後に繋げる…と。私はこれでターン終了」
厄介なデッキだ…隙を見せればあっという間に盤面を崩される。
「でも、負けないんだから!私のターン、ドロー!魔法カード『強欲で貪欲な壺』発動!デッキの上を10枚除外しカードを2枚ドローする!『金華猫』を召喚!」
金華猫 星1 ATK400
「金華猫の効果発動!このカードが召喚に成功した時、墓地のレベル1モンスター1体を特殊召喚する!チューナーモンスター『青き眼の乙女』を特殊召喚!」
青き眼の乙女 星1 ATK0 チューナー
「さらに、ペンデュラムスケールに『EMラクダウン』をセッティング!」
EMラクダウン ペンデュラムスケール2
「ラクダウンのペンデュラム効果発動!1ターンに1度、自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動出来る。相手フィールドの全てのモンスターの守備力はターン終了時まで800ダウンし、このターン対象のモンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与えるわ!対象とするのは『青き眼の乙女』!」
「攻撃表示モンスターから守備力を奪ったところで無意味です」
琰魔竜レッド・デーモン DEF2000→1500
「知ってるわ。本命は青き眼の乙女の効果よ!青き眼の乙女が効果対象となった事で私はデッキから『青眼の白龍』を特殊召喚!」
青眼の白龍 星8 ATK3000
「レベル1の金華猫と青き眼の乙女でオーバーレイ!エクシーズ召喚!『森羅の姫芽宮』!」
森羅の姫芽宮 ランク1 ATK1800
「森羅の姫芽宮の効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使い、デッキトップをめくる。めくったカードが魔法・罠カードだった場合、そのカードを手札に加える。違った場合、そのカードを墓地へ送る!私がめくったカードは『太古の白石』。このカードが墓地へ送られたターンのエンドフェイズ時にデッキからブルーアイズモンスター1体を特殊召喚出来る!」
これで攻め込むチャンスは整った!
「バトル!青眼の白龍で琰魔竜レッド・デーモンを攻撃!《滅びのバースト・ストリーム》!!!」
「通します。これにより相打ちとなります」
「続けて森羅の姫芽宮でダイレクトアタック!」
「トラップ発動『ガード・ブロック』。私への戦闘ダメージを0としデッキからカードを1枚ドローします」
「流石に無理かぁ」
でも、ライフは削る事が出来た。それだけでも収穫だ。
「カードを1枚伏せてターンエンド。そして、太古の白石の効果発動!これにより、デッキから『白き霊龍』を特殊召喚!」
白き霊龍 星8 ATK2500
「白き霊龍はルール上ブルーアイズモンスターとなる効果を持つ。さらに、このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを除外する!セバスの伏せカードを除外するわ!」
「いい気にはならない事です。チェーン発動…『戦線復帰』。墓地のモンスター1体を守備表示で特殊召喚します。『TG ワンダー・マジシャン』を特殊召喚」
TG ワンダー・マジシャン 星5 DEF0 チューナー
「私のターン、ドロー。では、行きましょうか…」
「!?」
「チューナーモンスター『TG サイバー・マジシャン』を通常召喚」
TG サイバー・マジシャン 星1 ATK0 チューナー
「この陣形は…!?」
「サイバー・マジシャンはTGシンクロモンスターのシンクロ素材とする場合、手札のTGモンスターを他のチューナー以外のシンクロ素材とする事が出来ます。手札のレベル4の『TGラッシュ・ライノ』にレベル1のサイバー・マジシャンをチューニング。シンクロ召喚『TG ハイパー・ライブラリアン』」
TG ハイパー・ライブラリアン 星5 ATK2400
「アクセルシンクロを狙う気だったの…!?」
「御名答です。レベル5のハイパー・ライブラリアンにレベル5のワンダー・マジシャンをチューニング。《リミッター解放、レベル10。メイン・バスブースター・コントロール、オールクリアー…無限の力、今ここに解き放ち、次元の彼方へ突き進め。GO、アクセルシンクロ!》『TG ブレード・ガンナー』!」
「セバス…アンチノミーのファンなんだ…」
顔無表情なのにめっちゃ饒舌になってるやんセバスティアンさん……。
TG ブレード・ガンナー 星10 ATK3300
「バトル。ブレード・ガンナーで森羅の姫芽宮を攻撃。《ブレード・シュート》」
「まさかブレード・ガンナーを呼んでくるなんて…!」
真由美 LP5000→3500
「私はこれでターン終了」
セバスティアンさんのフィールドにはブレード・ガンナーとプチトマボーがいる。ブレード・ガンナーは自身の効果でフィールドから離れる事が出来るが、それを使えば仮に次のターンでレシプロ・ドラゴンフライを特殊召喚するにしてもブレード・ガンナーをハイパー・ライブラリアンとワンダー・マジシャンに分離する事は出来ない……つまり、今が攻め時!
「私のターン、ドロー!」
そして、幸運の女神も私を見捨てちゃいなかった!
「『銀河眼の雲篭』を召喚!」
銀河眼の雲篭 星1 ATK300
「銀河眼の雲篭の効果発動!このカードをリリースして手札または墓地からギャラクシーアイズ1体を特殊召喚するわ!《闇に輝く銀河よ、希望の光となりて我が僕に宿れ!光の化身、ここに降臨!》手札より現れろ、『銀河眼の光子竜』!」
銀河眼の光子竜 星8 ATK3000
「レベル8の銀河眼の光子竜と白き霊龍でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!《宇宙を貫く雄叫びよ、遥かなる時をさかのぼり銀河の源よりよみがえれ!顕現せよ、そして我を勝利へと導け!》いでよ!『No.107銀河眼の時空竜』!」
No.107銀河眼の時空竜 ランク8 ATK3000
「EMラクダウンのペンデュラム効果発動!1ターンに1度、自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動出来る。相手フィールドの全てのモンスターの守備力はターン終了時まで800ダウンし、このターン対象のモンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与えるわ!対象とするのは『No.107銀河眼の時空竜』!」
TG ブレード・ガンナー DEF2200→1400
プチトマボー DEF400→0
「なるほど、銀河眼の時空竜の効果で火力を上げ私のリクルーターを攻撃し、連続攻撃でブレード・ガンナーを倒す気…ですか」
「その通り!バトルフェイズ突入よ!この瞬間、銀河眼の時空竜の効果発動!バトルフェイズ開始時にオーバーレイユニットを1つ使い、このカード以外の全てのモンスター効果を無効にし、攻守を元に戻す!」
TG ブレード・ガンナー DEF1400→2200
プチトマボー DEF0→400
「バトル!銀河眼の時空竜でプチトマボーを攻撃!《殲滅のタキオン・スパイラル》!!!貫通ダメージは受けてもらうわよ!」
「通します」
セバス LP8000→5400
「プチトマボーの効果発動。戦闘破壊され墓地へ送られた時、デッキからトマボーモンスターを2体まで特殊召喚する。私はデッキからプチトマボーとトマボーを特殊召喚」
プチトマボー 星2 DEF400 チューナー
トマボー 星3 ATK1400
「銀河眼の時空竜の効果発動!このカードの効果適用中に相手モンスターの効果が発動する度に攻撃力を1000ポイントアップし、このターン2回攻撃が出来る!」
No.107銀河眼の時空竜 ATK3000→4000
「既に1回攻撃したからこれが2回目の攻撃!ブレード・ガンナーを攻撃!《殲滅のタキオン・スパイラル》!!!自身の効果で除外しなかったのが裏目に出たわね!」
「……手札より、『工作列車シグナル・レッド』の効果を発動。相手モンスターの攻撃宣言時にこのカードを手札から特殊召喚し、その相手モンスターの攻撃対象をこのカードに移し替えてダメージ計算を行う。このカードはその戦闘では破壊されない。シグナル・レッドの効果は手札で一連の効果を発動するモンスター…よって、銀河眼の時空竜の効果は受けません」
工作列車シグナル・レッド 星3 DEF1300
「そう、なら貫通ダメージを受けてもらうわ!」
「通します…!」
セバス LP5400→2700
「私はこれでターンエンド」
さぁ、どう来るのかしら?セバスティアンさん!
「……私も少々気が乗って参りました。ここからは自分を制御出来なくなるかもしれませんのでどうかご了承ください」
制御…?いや、もう既に饒舌になってるでしょ。顔はそのまんまだけど声に感情乗りまくりだから。
「私のターン、引きます……では、魔法カード『強欲で貪欲な壺』を発動。デッキの上からカードを10枚除外しデッキからカードを2枚ドローします……フッ」
何か引いた……!一体何を…?
「魔法カード『シンクロキャンセル』を発動します。フィールド上に表側表示で存在するシンクロモンスター1体を選択してエクストラデッキに戻す。さらに、エクストラデッキに戻したそのモンスターのシンクロ召喚に使用したシンクロ素材モンスター一組が自分の墓地に揃っていれば、その一組を自分フィールド上に特殊召喚できる。ブレード・ガンナーを選択。蘇れ!『TG ハイパー・ライブラリアン』!『TG ワンダー・マジシャン』!」
TG ハイパー・ライブラリアン 星5 ATK2400
TGワンダー・マジシャン 星5 ATK1900 チューナー
「召喚条件はトークン以外の同種族モンスター2体…トマボーとプチトマボーでリンク召喚。『アカシック・マジシャン』」
アカシック・マジシャン LINK-2 ATK1700 リンクマーカー【上・下】
「このターン、まだ通常召喚は行っていない。チューナーモンスター『モノ・シンクロン』を召喚」
モノ・シンクロン 星1 ATK0 チューナー
「このカードをシンクロ素材とする場合、他のシンクロ素材モンスターはレベル4以下の戦士族・機械族モンスターでなければならず、そのレベルは1として扱います。レベル1として扱った工作列車シグナル・レッドにレベル1のモノ・シンクロンをチューニング。リンク先へシンクロ召喚『TG レシプロ・ドラゴンフライ』」
TG レシプロ・ドラゴンフライ 星2 ATK400
シンクロチューナーとシンクロモンスターが2体…!クェーサーを出されたら────
「行きますよ古霊様!レベル2のレシプロ・ドラゴンフライとレベル5のハイパー・ライブラリアンにレベル5のワンダー・マジシャンをチューニング!《リミッター解放、レベルMAX!レギュレーターオープン・オールクリアー!無限の力よ!時空を突き破り、未知なる世界を開け!》GO!デルタアクセル!」
こ、この口上…まさか!?
「リンク先へ現れよ!『TG ハルバード・キャノン』!!!」
TG ハルバード・キャノン 星12 ATK4000
ハルバード・キャノン キター!!!流石アンチノミーファンと仰るだけあって勝ち筋かなぐり捨てて召喚してきたよ……全く。最高よ、セバスティアンさん!
「バトル!ハルバード・キャノンで銀河眼の時空竜を攻撃!」
しかも、ハルバードキャノンの攻撃モーションまで真似してる。このガチ具合……ジャックファンを自称する私を遥かに凌駕してる(痛い)
「うっ…!」
真由美 LP3000→2000
「続けてアカシック・マジシャンでダイレクトアタック!」
真由美 LP2000→300
「さぁ、このハルバード・キャノンを越えてみるがいい!ターンエンド!………////」
ターンエンドを宣言した辺りで、正気に戻ったセバスティアンさんは茹で蛸レベルまで顔を真っ赤にしてスケジュール帳を広げて顔を隠した。流石に羞恥心はあるらしい。
「さてと………」
ハルバード・キャノンには2つの効果がある。1つ目は1ターンに1度、モンスターの通常召喚・反転召喚・特殊召喚を無効にし破壊する効果…2つ目は破壊された時に墓地のTGモンスター1体を特殊召喚する効果。1つ目の効果を突破出来れば勝ち筋は見えてくる。
セバスティアンさん…勝ち筋を捨ててまでハルバード・キャノンを選んだその心意気…私のアトラス様LOVE精神を以て受けて立つわ!!!
「私のターン!ドロー!『青き眼の乙女』を召喚!」
「無駄です!ハルバード・キャノンの効果発動!1ターンに1度、モンスターの通常召喚・反転召喚・特殊召喚を無効にし破壊します!《クローズ・サモン》!!!」
やっぱりね。私が加えていた竹光カードを警戒して使ってきた…そして、それこそがセバスティアンさん…貴女のミスよ!
「魔法カード『貪欲な壺』!墓地のカードを5枚デッキに戻し2枚ドローする!」
『No.107銀河眼の時空竜』
『白き霊龍』
『森羅の姫芽宮』
『青眼の白龍』
『金華猫』
「この5枚をデッキに戻しカードを2枚ドローする!」
まだまだ行ける!
「墓地の『太古の白石』の効果発動!このカードをゲームから除外する事で墓地のブルーアイズを1体手札に戻す。青眼の白龍を手札に!魔法カード『トレード・イン』発動!手札のレベル8モンスター1体を墓地へ送り、2枚ドローする!青眼の白龍を墓地へ送り2枚ドロー!」
召喚権を使わない手札増強…完了。さて、次行くわよ!
「魔法カード『二重召喚』!これによりもう一度通常召喚出来る!『金華猫』を召喚!」
金華猫 星1 ATK400
「金華猫の召喚に成功した時、墓地のレベル1モンスター1体を特殊召喚出来る!『青き眼の乙女』を特殊召喚!」
青き眼の乙女 星1 ATK0 チューナー
「さらに、手札のチューナーモンスター『亡龍の戦慄─デストルドー』の効果発動!このカードが手札・墓地に存在する場合、ライフを半分払い、自分フィールドのレベル6以下のモンスター1体を対象として発動できる。このカードを特殊召喚する!青き眼の乙女を対象に特殊召喚!」
亡龍の戦慄─デストルドー 星7 DEF3000 チューナー
真由美 LP300→150
「この効果で特殊召喚したこのカードは、レベルが対象のモンスターのレベル分だけ下がり、フィールドから離れた場合に持ち主のデッキの一番下に戻る」
亡龍の戦慄─デストルドー 星7→6
「青き眼の乙女が効果対象となった事で手札・デッキ・墓地から『青眼の白龍』を特殊召喚出来る!墓地から特殊召喚!」
青眼の白龍 星8 ATK3000
「魔法カード『アドバンス・ドロー』!自分フィールドのレベル8以上のモンスター1体を墓地へ送りデッキから2枚ドローする!青眼の白龍を墓地へ送り2枚ドロー……これで決着を付けるわ!」
「………!」
私も出そう…無駄に採用したあのカードを!!!
「レベル1の金華猫にレベル6のデストルドーをチューニング!デストルドーはフィールドから離れた為デッキの1番下へ…シンクロ召喚!『邪竜星─ガイザー』!」
邪竜星─ガイザー 星7 ATK2600
「ガイザーの効果発動!自分フィールドの竜星モンスター1体と相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる!そのカードを破壊する!その心意気を汲んで真剣勝負を受けるわ。ガイザーとアカシック・マジシャンを破壊!」
「………良いでしょう。ファンデッキ同士の意地のぶつかり合い…受けて立ちましょう」
「ありがとう、セバスティアンさん。ガイザーの効果発動!このカードが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。デッキから幻竜族モンスター1体を守備表示で特殊召喚するわ!チューナーモンスター『タツノオトシオヤ』を特殊召喚!」
タツノオトシオヤ 星7 ATK2100 チューナー
「タツノオトシオヤの効果発動!自分メインフェイズに発動できる。このカードのレベルを1つ下げ、自分フィールドにタツノコトークン1体を特殊召喚するわ。この効果は1ターンに3回まで発動出来る。私はこの効果を3回発動!」
タツノオトシオヤ 星7→4
タツノコトークン 星1 ATK300
タツノコトークン 星1 ATK300
タツノコトークン 星1 ATK300
「レベル1のタツノコトークンにレベル4のタツノオトシオヤをチューニング!シンクロ召喚!シンクロチューナー『アクセル・シンクロン』!」
アクセル・シンクロン 星5 ATK500 チューナー
「1ターンに1度、デッキからシンクロンモンスター1体を墓地へ送り、墓地へ送ったそのモンスターのレベル分だけ、このカードのレベルを変動出来る!レベル1『ジェット・シンクロン』を墓地へ送り、レベルを1つ上昇させる!」
アクセル・シンクロン 星5→6
「レベル1のタツノコトークン2体にレベル6となったアクセル・シンクロンをチューニング!《王者の鼓動、今ここに列を成す!天地鳴動の力を見るがいい!》シンクロ召喚!我が魂『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000
「レッド・デーモンズ・ドラゴン…!」
「そしてこれが…私の勝利の1枚!トラップ発動!『シンクロコール』!墓地のモンスター1体を特殊召喚しそのモンスターを含む自分フィールドのモンスターでドラゴン族または悪魔族の闇属性シンクロモンスター1体をシンクロ召喚する!特殊召喚するモンスターはチューナーモンスター『トラスト・ガーディアン』!」
トラスト・ガーディアン 星3 ATK0 チューナー
「レベル8のレッド・デーモンズ・ドラゴンにレベル1の青き眼の乙女とレベル3のトラスト・ガーディアンを…ダブル・チューニング!青き眼の乙女は金華猫の効果により除外される!」
「…!」
「《孤高の絶対破壊神よ!!神域より舞い降り終焉を齎せ!!!》シンクロ召喚!『琰魔竜王レッド・デーモン・カラミティ』!」
琰魔竜王レッド・デーモン・カラミティ 星12 ATK4000
「このカードがシンクロ召喚に成功した時に発動できる。このターン相手はフィールドで発動する効果を発動できずこの発動に対して、相手はカードの効果を発動できない!そして、このカードが戦闘でモンスターを破壊した場合そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える!さらに、シンクロ素材となったトラスト・ガーディアンはレベル7以上のシンクロモンスターのシンクロ召喚にしか使用出来ない代わりにシンクロ召喚したモンスターは1ターンに1度、攻守を400下げる事で戦闘破壊を無効にする効果を得る!」
「……なるほど」
セバスティアンさんは納得したような口調で呟いた。
「バトル!レッド・デーモン・カラミティでハルバード・キャノンを攻撃!!!」
「迎え討て!ハルバード・キャノン!!!」
2つの攻撃がぶつかり合い(イメージ)、そして爆発する(イメージ)!だけど、トラスト・ガーディアンに守られたレッド・デーモン・カラミティは破壊から免れる!
レッド・デーモン・カラミティ ATK4000→3600
「レッド・デーモン・カラミティの効果発動!このカードが戦闘でモンスターを破壊した場合そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える!」
「………私の敗北です」
セバス LP2700→0
今日1番に白熱した試合は辛くも私の勝利で幕を閉じた。遊斗君どころか遊んでいた客までギャラリーに加わる中での試合だった。
****************
「セバスティアンさん、今度5D’sについて熱く語らいましょう!」
「………分かりました。その時間は用意しておきます」
クライマックスの興奮がまだ残る状態で私とセバスティアンさんは握手を交わした。遊斗君はセバスティアンさんに何やら説教を受けながら出て行ったがその顔は無表情でも分かるくらいに楽しそうだった。
「折角だし、翔太君にも報告しよっと」
私はメールを打ちながら店を出た。余談だが、今日の天気予報は土砂降りの雨だった為、傘を忘れた私はびしょ濡れになって帰ったのだった。
翔太『えぇっ!?そんな愉快な事があったんスか!?』
真由美「そうなのよ。まだTG使いがいたのもビックリだったけど…あそこまでのガチ勢だとは思わなかったわ」
翔太『ハルバード・キャノンか………クェーサー出してたら勝っていただけに勿体ない』
真由美「そうね………。と、ここまでが感想!レシピ掲載するわよ!」
翔太『強引っス』
カード総枚数(45)
モンスター(23)
●青眼の白龍×3
●銀河眼の光子竜×1
●白き霊龍×2
●タツノオトシオヤ×1
●亡龍の戦慄─デストルドー×1
●EMラクダウン×1
●EMドクロバット・ジョーカー×1
●トラスト・ガーディアン×1
●クリエイト・リゾネーター×1
●青き眼の乙女×3
●金華猫×3
●銀河眼の雲篭×1
●太古の白石×2
●青き眼の賢士×2
魔法(18)
●ワン・フォー・ワン×1
●ハーピィの羽根帚×1
●トレード・イン×3
●アドバンス・ドロー×2
●黄金色の竹光×2
●妖刀竹光×2
●折れ竹光×1
●強欲で貪欲な壺×2
●貪欲な壺×1
●マスク・チェンジ・セカンド×1
●死者蘇生×1
●ドロー・マッスル×1
罠(4)
●シンクロコール×1
●鳳翼の爆風×2
●神の宣告×1
EX(15)
●琰魔竜王レッド・デーモン・カラミティ×1
●琰魔竜レッド・デーモン・アビス×1
●青眼の精霊龍×2
●蒼眼の銀龍×1
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×2
●月華竜ブラック・ローズ×1
●邪竜星ガイザー×1
●アクセル・シンクロン×1
●No.107銀河眼の時空竜×2
●森羅の姫芽宮×2
●M・HERO光牙×1
真由美「基本、【ブルーアイズ】を意識した構築にしてるけど、青眼の亜白龍が高いから抜いて組んだの。どのみち他のカードの役割を食ってしまうから敢えて抜いたってのが本当だけど」
翔太『トラスト・ガーディアンはネタ枠ッスね』
真由美「否定はしないわ。でも、レベル4モンスターも採用してるからシンクロ素材にする機会は多いわ。ダブル・チューニング用とはいえ結構侮れないわよ?」
翔太『今回はネタ要素控えめッスね』
真由美「当初は反復横跳びさせたり、団結させたりさせようと思ったんだけど………それは別の時に作ろうかなぁって」
翔太『何でッスか?』
真由美「翔太君が居る時に組みたいの。やっぱり、翔太君が居なかったら日常に味気が無くて…」
翔太『真由美さん…』
遊斗「爆発しろ」
セバス「勉強中はお静かに」
遊斗「……はい」
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フェンシング部暴走事件
フェンシング部
僕が所属する部活は男子7名の女子1名+マネージャー1人という構成となっている。現在、最終調整の為に郊外の施設を借りて練習に励んでいる。
「……ふぅ」
マスクを捨て、僕は練習の成果を身に沁みて感じていた。得意戦術はガードを捨てた一撃必殺の突き。相手より疾い一撃を加えて勝負を決める………正直、牽制のし合いが苦手だった僕が唯一マスター出来た技だ。
「せんぱ〜い!スポドリです!」
「ありがとう。遥香ちゃん」
可愛い後輩のマネージャーも応援してくれているし、今の僕は万全の状態だった。地方大会の優勝だって夢じゃない。
「先輩はやっぱり強いです!先輩さえ居れば怖いもの無しです!」
「へっ!地方なら優勝間違いなしってもんさ!」
流石に全国は厳しいけどな、と付け加えて僕はスポーツドリンクを一口飲んだ。後輩の水瀬遥香ちゃんはロリ巨乳というキャラクター故にウチの部でも常に告白合戦が起きているくらいの人気ぶりだ。まぁ、僕は真由美さんみたいな人がタイプだから関係無いけどね。
事件は、大会をあと3日に控えた合宿中に起こったのだ。
******************
「小林〜カードやろ…う…ぜ……」
合宿で決められた部屋を出て友人の小林の部屋の扉を開けた時………小林が遥香ちゃんを押し倒そうとしている姿が目に映った。一瞬にして、その状況がいかに可笑しいか気付いた僕は扉を敢えて音を立てて開けた。
「何やってんだ小林!!!」
僕の怒声で小林が正気に戻り、遥香ちゃんが泣き出した。
「どういう状況か説明しろよ」
取り敢えず、鍵をかけて顧問に見つからないようなシチュエーションを作ってから僕は小林に落ち着いた声で話しかけた。が、小林の顔は僕が見ても変だった。なんか…発情してるっていう奴だ。来るのがあと数秒遅かったら薄い本案件だった。遥香ちゃんは僕の後ろに逃げるように隠れて震えている。ややイッた目で小林は僕を睨む。
「遥香ちゃんが悪いんだ…遥香ちゃんが俺の事が好きだから悪いんだ…!」
「何言ってんだお前!?」
遥香ちゃんがブンブンと首を横に振っている事から、小林の思い込みだというのははっきり分かる。しかも、喋り方も可笑しい。
「遥香ちゃん…どうしてこういう状況になったか教えてくれないか?」
「はぃ……小林さんが水筒を忘れてて…渡しに行ったら突然豹変して…!」
「ッ!?」
この匂い…真由美さんの家で嗅いだ事が………!
「小林…まさか、お前…酒飲んだのか!?」
「酒なんてのんでねーよ!」
テーブルを見ると数人分の使われた形跡のある紙コップがある。匂いの発生源はここだ………推理すれば大体分かる。他の部員が酒を飲み、同室の小林が止めようとしたら逆に飲まされたといった感じか。あの馬鹿共…!
決めた。小林は僕が止める。
「よし小林…こいつは何に見える?」
「遊戯王カード」
「テキストは読めるか?」
「“長い腕とかぎづめが特徴の奇妙な姿をした悪魔。”」
「OK。デッキを用意しろ。デュエルだ」
テーブルの上のゴミを片付けつつ紙コップは証拠品としてこっそり遥香ちゃんに持たせた。
「ぜってー俺が勝って遥香ちゃんを彼女にしてやる!ハーレムなんて作らせねーぞ!」
「勝手に決めんな!それに僕は真由美さんONLYだ!」
「「デュエル!!!」」
翔太 LP8000
小林 LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!」」
先攻は小林か…!
「俺の先攻!『
ゲッ!?インゼクかよ!?
甲虫装機センチピード 星3 ATK1600
「センチピードの効果発動!1ターンに1度、手札または墓地の甲虫装機を装備カードとして装備出来る!手札から『甲虫装機ホーネット』を装備!ホーネットの効果発動!このカードの装備モンスターのレベルは3つ上がり、攻撃力・守備力はこのカードのそれぞれの数値分アップする!ホーネットの攻撃力・守備力はそれぞれ500と200!」
甲虫装機センチピード 星3→6 ATK1600→2100
「速攻魔法『超進化の繭』発動!装備カードを装備した自分・相手フィールドの昆虫族モンスター1体をリリースし、デッキから昆虫族モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する!」
「なっ!?」
なんだそのオリカ臭いカードは!?インゼクター専用のカードじゃねぇか!?
「俺はセンチピードをリリース!デッキから『甲虫装機ダンセル』を特殊召喚!」
甲虫装機ダンセル 星3 ATK1000
ダンセル…!甲虫装機のキーカードにしてパワーカード!一時期規制されていた程のチートカードだ。一瞬にしてリクルートされるとは…!
「ダンセルの効果発動!1ターンに1度、自分メインフェイズに自分の手札・墓地から甲虫装機モンスター1体を選び、装備カード扱いとしてこのカードに装備する!センチピードを装備!装備モンスターのレベルは3つ上げる」
甲虫装機ダンセル 星3→6
「さらに装備魔法『甲虫装機の魔弓ゼクトアロー』をダンセルに装備!装備モンスターの攻撃力は500ポイントアップする。」
甲虫装機ダンセル ATK1000→1500
「さらに装備モンスターの効果の発動に対して相手は魔法・罠・効果モンスターの効果を発動できない。カードを1枚伏せてターン終了だ!」
「僕のターン!ドロー!」
問題はあの伏せカードだ。ドロソも羽根帚も引けなかった。どうやって攻略するか…幸い、あのカードは引けたけどね。
「自分フィールドにモンスターが存在しない場合このカードは手札から特殊召喚出来る!『WW-アイス・ベル』を特殊召喚!」
WW-アイス・ベル 星3 ATK1000
「その後、デッキからWWモンスター1体を特殊召喚できる。この効果でデッキから特殊召喚したモンスターはリリースできず、この効果を発動するターン、自分はレベル5以上の風属性モンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない!チューナーモンスター『WW-グラス・ベル』を特殊召喚!」
WW-グラス・ベル 星4 ATK1500 チューナー
「アイス・ベルはこのカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、相手に500ダメージを与える!さらにグラス・ベルの効果をチェーン発動!グラス・ベルは召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから『WW-グラス・ベル』以外のWWモンスター1体を手札に加える。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は風属性モンスターしか特殊召喚できない!『WW-スノウ・ベル』を手札に加える。そして500ダメージ!」
小林 LP8000→7500
「さらに、チューナーモンスター『WW-スノウ・ベル』は自分フィールドに風属性モンスターが2体以上存在し、風属性以外のモンスターが存在しない場合にこのカードを手札から特殊召喚する!」
WW-スノウ・ベル 星1 ATK100 チューナー
「レベル3のアイス・ベルにレベル4のグラス・ベルをチューニング!シンクロ召喚!『WW-ウィンター・ベル』!」
WW-ウィンター・ベル 星7 ATK2400
「ウィンター・ベルの効果発動!自分の墓地のWWモンスター1体を対象としそのモンスターのレベル×200ダメージを相手に与える!グラス・ベルを選択し800ポイントのダメージを与える!」
小林 LP7500→6700
「続けて!レベル7のウィンター・ベルにレベル1のスノウ・ベルをチューニング!シンクロ召喚!いでよ!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000
スノウ・ベルの効果でクリスタルウィングはホーネットの効果を受けない…心許ないがなんとかなるか。
「バトル!クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンでダンセルを攻撃!!!」
「永続罠カード『強制終了』!自分フィールドのカードを1枚墓地へ送りバトルフェイズを終了させる!装備されたセンチピードを墓地へ送る!」
甲虫装機ダンセル 星6→3
「ダンセルの効果発動!このカードが自分フィールドに存在し、このカードに装備されたカードが自分の墓地へ送られた場合に発動できる。デッキからダンセル以外の甲虫装機モンスター1体を特殊召喚する!」
「させっか!クリスタルウィングの効果発動…って言いたいところだが、ゼクトアローの効果で無効には出来ない…」
「そういうこった!俺は『甲虫装機センチピード』を特殊召喚!」
甲虫装機センチピード 星3 ATK1600
なんて事だ…これでは攻撃が通らない……!
「僕はこれでターン終了」
甲虫装機……超進化の繭の所為でなんて厄介なデッキに仕上がったんだ…!罠カードが使い物にならない……。
「俺のターン、ドロー!」
まずいなぁ……さっきからインゼクターの戦術に翻弄されてる。
「ダンセルの効果発動!1ターンに1度、手札または墓地から甲虫装機を装備出来る!墓地の甲虫装機ホーネットを装備!」
甲虫装機ダンセル 星3→6 ATK1000→1500
「さらに手札の甲虫装機ギガマンティスの効果発動!このカードは装備カードとして自分フィールドの甲虫装機に装備出来る!ダンセルに装備!装備モンスターの元々の攻撃力は2400となる!」
甲虫装機ダンセル ATK1500→2900
「甲虫装機ホーネットの効果発動!装備カードとなっているこのカードを墓地へ送りフィールドのカードを1枚破壊する!ギガマンティスを破壊!」
甲虫装機ダンセル 星6→3 ATK2900→1000
「この瞬間、ダンセルの効果を2回発動!さらにギガマンティスの効果も発動!まずはギガマンティスの効果!モンスターに装備されているこのカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地からギガマンティス以外の甲虫装機モンスター1体を選択して特殊召喚できる!墓地からセンチピードを特殊召喚!」
甲虫装機センチピード 星3 ATK1600
「さらに、このカードが自分フィールドに存在し、このカードに装備されたカードが自分の墓地へ送られた場合に発動できる。デッキからダンセル以外の甲虫装機モンスター1体を特殊召喚する!この効果が2回発動され、俺はデッキから甲虫装機センチピードと甲虫装機ギガウィービルを特殊召喚!」
甲虫装機センチピード 星3 ATK1600
甲虫装機ギガウィービル 星6 DEF2600
グルグル回るなぁ…唯一の救いはクリスタルウィングがカード効果では破壊されない事くらいだ。
「まずは1体目のセンチピードの効果発動!1ターンに1度、手札または墓地から甲虫装機を装備出来る!墓地からホーネットを装備!」
甲虫装機センチピード 星3→6 ATK1600→2100
「ホーネットの効果発動!装備カードとなったこのカードを墓地へ送りフィールドのカードを1枚破壊する!ギガウィービルを破壊!」
甲虫装機センチピード 星6→3 ATK2100→1600
「センチピードの効果発動!このカードに装備された装備カードが自分の墓地へ送られた場合、デッキから甲虫装機カード1枚を手札に加える事ができる!」
狙うなら…このタイミングだ!
「クリスタルウィングの効果発動!1ターンに1度、効果モンスターの効果を無効にし破壊する!」
「チッ……!」
「この効果でモンスターを破壊した場合、このカードの攻撃力はターン終了時まで、この効果で破壊したモンスターの元々の攻撃力分アップする!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→4600
これで盤面にはゼクトアローを装備したダンセル1体・センチピード2体となった。少しはマシになったか……。
「だが、センチピードはまだ2体もいる!2体目のセンチピードの効果発動!墓地からホーネットを装備!」
甲虫装機センチピード 星3→6 ATK1600→2100
「さらに、3体目のセンチピードの効果発動!ギガウィービルを装備!ギガウィービルの装備モンスターは元々の守備力が2600になる!」
甲虫装機センチピード DEF1200→2600
「2体目のセンチピードに装備されたホーネットの効果発動!装備カードとなっているギガウィービルを破壊!」
甲虫装機センチピード DEF2600→1200
「センチピードの効果とギガウィービルの効果発動!モンスターに装備されているこのカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地から甲虫装機モンスター1体を選択して特殊召喚できる!墓地のギガマンティスを特殊召喚!」
甲虫装機ギガマンティス 星6 ATK2400
「さらにセンチピード2体の効果によりデッキから甲虫装機ダンセル2体を手札に加える!レベル3のセンチピード2体でオーバーレイ!エクシーズ召喚!『機装天使エンジネル』!」
機装天使エンジネル ランク3 DEF1000
「俺はこれでターンエンド」
このターンで削り切れなかった…ってのはいただけない。あれだけ回しといてライフを削れてないのはどうなんだ?
「僕のターン、ドロー!」
そして、このターンで叩き潰す!
「エンジネルの効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使い、自分フィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。 選択したモンスターを表側守備表示にし、 このターンそのモンスターは戦闘及びカードの効果では破壊されない!ダンセルを選択し守備表示にする!」
「クリスタルウィングの効果を忘れてるぜ!クリスタルウィングは1ターンに1度、モンスター効果を無効にして破壊し、その攻撃力を得る!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→4800
「『SRバンブー・ホース』を召喚!」
SRバンブー・ホース 星4 ATK1100
「このカードが召喚に成功した時に発動できる。手札からレベル4以下のスピードロイドモンスター1体を特殊召喚する!手札からチューナーモンスター『SR電々大公』を特殊召喚!」
SR電々大公 星3 ATK1000 チューナー
「このカードは自分フィールドに風属性モンスターが存在する時、手札から特殊召喚出来る!『SRタケトンボーグ』!」
SRタケトンボーグ 星3 ATK600
「召喚条件は効果モンスター2体以上!レベル4のバンブー・ホース、電々大公、クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンでリンク召喚!『デコード・トーカー』!」
デコード・トーカー LINK-3 ATK2300
「リンク先に甲虫装機センチピードがいる事で攻撃力は500ポイントアップする!」
デコード・トーカー LINK-3 ATK2300→2800
「魔法カード『死者蘇生』!墓地からクリスタルウィングをリンク先へ特殊召喚!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000
「リンク先に特殊召喚された事でデコード・トーカーの攻撃力が500ポイントアップする!」
デコード・トーカー ATK2800→3200
「墓地のSR電々大公の効果発動!このカードを除外する事で手札または墓地からスピードロイドチューナーを特殊召喚する!SR赤目のダイスを特殊召喚!」
SR赤目のダイス 星1 DEF100 チューナー
「このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、SR赤目のダイス以外の自分フィールドのスピードロイドモンスター1体を対象とし、1~6までの任意のレベルを宣言して発動できる。そのモンスターはターン終了時まで宣言したレベルになる!タケトンボーグのレベルを4に変更!」
SRタケトンボーグ 星3→4
「レベル2となったタケトンボーグにレベル1の赤目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!リンク先へ来い!『HSRチャンバライダー』!」
HSRチャンバライダー 星5 ATK2000
デコード・トーカー ATK3200→3700
「害虫駆除の始まりだ!バトル!デコード・トーカーでダンセルを攻撃!」
「害虫ってなんだよ害虫って!」
小林 LP6700→4500
「続けて!チャンバライダーで1体目のセンチピードを攻撃!チャンバライダーの効果発動!このカードが攻撃するダメージステップ開始時に攻撃力が200ポイントアップする!」
HSRチャンバライダー ATK2000→2200
これで2体!
小林 LP4500→3900
「チャンバライダーは2回攻撃出来る!続けて2体目を攻撃対象にする!ここでチャンバライダーの攻撃強化効果に対しクリスタルウィングの効果発動!モンスター効果を無効にして破壊、その元々の攻撃力をクリスタルウィングに加える!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→5000
「ギガマンティスを攻撃表示で出したのが仇になったな!クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンでギガマンティスを攻撃!このカードがレベル5以上の相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする!」
「!!!!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK5000→7400
「これでゲームエンドだ!」
「ちっくしょぉおおおおおおおおおお!!!!」
小林 LP3900→0
よし、これで終わっ───
「俺はまだ諦めねぇぞおおおおおお!!!」
「きゃあああ!」
「危ない!!!」
突然、逆上した小林が遥香ちゃん目掛けて襲い掛かった。それは酔わせ過ぎた他の部員のせいでもあり、デュエルでなんとか出来ると踏んだ僕のせいでもあり、多くの男子に思わせぶりな態度を取った遥香ちゃんのせいでもあったのかもしれない………と僕は脳内で推理しながら小林のタックルを身代わりに受けて………
ボキィッ!!!
「あっ」
「あっ」
「せん…ぱい…?」
************************
「で、吹っ飛ばされた勢いで右腕を骨折し同時に遥香ちゃんが顧問を呼んだ事で飲酒も発覚してフェンシング部は大会棄権&廃部…って訳ね。災難だったわねぇ…」
「………」
カードショップに出没した「右腕を布で吊る翔太君」の話を聞いた私はやや呆れながらため息を吐いた。
「だーいじょうぶよ!私、怒ってないし!大学に進学出来ないんだったら私が養ってあげるから!」
「…そういう話じゃないッス……」
ガックリと肩を落とした翔太君を慰めるように私は肩をナデナデした。
「でも、よかった〜」
「よく無いッスよ!小林はまぁ無理矢理飲まされたって事で罰則は受けなかったし、僕も許したし…でも、大会まで全てが順調だったんスよ!大好きなデュエルも我慢して、真由美さんと会うのも我慢して……それなのにこんなオチ無いッスよ!」
「いや、飲酒の時点で詰んでるわよ…」
軽くツッコミを入れた私は、まだ愚図る翔太君を抱きしめた。周囲からリア充爆発しろという声が聞こえる中で私は顔を真っ赤にしつつ耳元で囁いた。
「よく頑張ったわね。デュエルで解決しようって態度…私、好きよ」
「御門違いな慰めはやめてほしいッス!!!」
元気があって何より。それにまた翔太君と会える!カードショップがまた賑やかになりそうね!
真由美「おはよう、翔太君を骨折させた小林君!」
小林「すんません…ホントすんません」
真由美「そこまで怒ってないわ」
小林「えっ?」
真由美「その代わり!今回使ったデッキを公開しなさい!セレモニーベル効果発動よ!さっさとデッキレシピを公開しなさい!」
小林「なにいってんだこいつ」
モンスター(18)
●ダーク・アームド・ドラゴン×1
●甲虫装機ギガマンティス×2
●甲虫装機ギガウィービル×1
●寄生虫パラノイド×2
●召喚僧サモンプリースト×1
●甲虫装機ダンセル×3
●甲虫装機センチピード×3
●甲虫装機ホーネット×3
●甲虫装機グルフ×2
魔法(18)
●甲虫装機の魔弓ゼクトアロー×2
●超進化の繭×3
●アーマー・ブレイク×2
●貪欲な壺×2
●強欲で貪欲な壺×3
●超融合×1
●死者蘇生×1
●ハーピィの羽根帚×1
●闇の誘惑×2
●増援×1
罠(4)
●神の宣告×1
●戦線復帰×3
EX(15)
●スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン×1
●甲虫装機エクサビートル×1
●SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング×1
●CNo.39希望皇ホープ・レイ×1
●No.39希望皇ホープ×2
●機装天使エンジネル×3
●虚空海竜リヴァイエール×2
●No.20蟻岩土ブリリアント×1
●デコード・トーカー×3
小林「超進化の繭があまりにもインゼクターとマッチしてたんで思い切って売ろうと思ってた遊戯王カードからインゼクターを引っ張り出して組んだ感じです。」
真由美「確かに超進化の繭は強力なカードね。寄生虫パラノイドと合わせて強力なモンスターをリリース出来たり、甲虫装機ダンセルをリクルート出来る点では強いわね」
翔太「今回のデュエルでは出てこなかったけど、デッキの構造上スターヴ・ヴェノムを召喚する点も甲虫装機の利点ッス」
真由美「甲虫装機もそろそろ復権しそうね」
翔太「今の環境では先攻で動けないデッキに人権は無いッス…」
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言いたいコト、言えないコト【冥界軸コントロール】
私の名前は「
「溶岩魔神ラヴァ・ゴーレムでダイレクトアタック!《城之内ファイヤー》!!!」
みんな私がデュエリストである事をまだ誰も知らない。
******************
「はぁ……ここもダメか」
帰り道、いつも通っているカードショップの一軒目近くに大学の知り合いが屯して喋っていた。今日は行けないみたいだ。どうしても「デュエリストとしての自分」より「体裁の良い自分」を演じようとしてしまい、勇気を出して入る事が出来なかった。
「あ、鞠菜さん!」
「ごきげんよう。坂田さん」
「この後、美味しいスイーツショップに行くんだけど一緒に行かない?」
「きょ、今日は…用事がありまして、また今度ご一緒させてください」
「そっか!ごめんね!じゃあ気を付けて帰ってね!」
知り合い達に手を振り、私は踵を返して他のカードショップを探した。が、今日に限ってどこも知り合いばかりで中々入れそうにない。
「(今日くらいデュエルがしたいのに…)」
今週は家族揃ってのテニス観戦・バイオリンコンクール・女子グループとのスイーツ巡り・生け花教室とデュエルどころではない状況でストレスがガンガン溜まっていた。
「(………どうしましょう)」
と、思っていた時…突然右隣を1人の男子が同じ速度で歩き始めた。恐らく…ナンパでしょうか?
「やぁやぁ、美しいキミ。オレと食事でもどうだい?」
「申し訳ありませんが…本日は予定が詰まっております」
「そうかい?それにしては変なストレスの匂いがするけど?」
「!?」
この人…私のストレスに気付いて……!?
「あぁ…なるほどね。そういう…」
彼は被っているテンガロンハットを指で持ち上げると、私の肩を抱き耳元で囁いた。
「ならとっておきの場所、知ってますよ?デュエリストのお嬢さん」
「ッ!?!?」
バレた…!!!なんで……
「まぁ、その前に………目眩ましでもしますかね」
テンガロンハットの男子は、そのまま建物の裏路地を回った後…突然、私をお姫様抱っこして走り始めた。
「な、何をなさるのですか!?」
「追っ手を巻くのさ!嫉妬深い雑草達を躱してね!」
彼は角を数回曲がると、見えた先に止まっていた高級車に私を押し込めると運転手に何か告げてから車に乗らず別方向へ走って行った。走り出す車の中で、私は『誘拐されたのか?』という思いと『とっておきの場所』というワードにときめく思いとで混乱しながら…取り敢えず、運転手の女性の様子を見ていた。
********************
「って、事で『迷えるデュエリスト』1名様入りまーす!」
「お…お邪魔…します」
「やーい誘拐はーん!警察にチクるぞー!」
「おいバカやめろ」
私は目の前に居るお嬢様を一瞥した後、遊斗君にブーイングした。女の子攫うのはサイテーね。
「まぁ、色々溜まってるみたいなんだ。ストレスの溜まったデュエリストを解放するにはデュエルしかないと思うんだけど?」
「そうッスね。確かにストレス溜まってそうな顔してるッス」
「そうだったのですか!?」
「おぅ、そうさ」
遊斗君はそう言うと、女の子のほっぺを優しく撫でた。顔を真っ赤にする女の子に対し、遊斗君のイケメン顔が妙にイラっとくる。
「少し頬が緊張していて、口角がかたーくなってるよ。柔らかくしてあげなきゃ」
「遊斗キモーい!」
「なんでそうなる!?小林もブーイングやめろや!どつき回すぞ!」
「そんな事より!デュエルしましょ!ほら、ここ座って!」
「確かに、拉致同然なんで警察呼ばれてる可能性だってあるッス……って事は僕らも共犯!?」
冷静に考えたら………と、思ったらセバスティアンさんが遅れて入店して来た。
「警察と海野家の方には私から連絡しておきました。大事には至りませんのでご安心を」
出た。太陽家お得意の口封じ!一体幾らの金が吹き飛んだ!言え!
「そうですね。では………デュエルの方をやりたい…ので遊斗様。私のお相手をしていただけないでしょうか?」
「任せとけ……ってオレ!?」
いざという時に童貞丸出しの態度を取るなや。遊斗君に関しては毎度二枚目なのか三枚目なのかよく分からない。
「じゃあ、オレとデュエルしようぜ。今回は試作デッキの試運転といったところだ」
「では、私は本来のデッキで…」
互いにデッキをシャッフルしてどちらも自分で用意したマットの上にカードを並べる。さて…遊斗君は今回どんな尖ったデッキを使うのやら。そして、この海野(?)さんはどんなデッキを使うのか…見ものね。
「では、お手柔らかに」
「オレのテクで酔わせてやるよ…」
「遊斗様、キモいです」
「セバスも黙ってろ!じゃあ、行くぜ!」
「「デュエル(です)!!!」」
海野 LP8000
遊斗 LP8000
「先攻後攻はじゃんけんで決めよう」
「分かりました」
「行くぞ、せーの!先攻!」
「後攻」
「「じゃんけんぽん!」」
「先攻は鞠菜さんか。さ、遠慮なくプレイしちゃって」
海野さんは手札とフィールドを凝視すると、カードを手に取った。
「では、私の先攻…(来た)」
「さーってと、どう来るのかな〜?」
「永続魔法『冥界の宝札』を発動します。2体以上のモンスターをリリースしてのアドバンス召喚に成功した時、デッキからカードを2枚ドローします。さらに、永続魔法『ブリリアント・フュージョン』発動です」
「冥界軸最上級多様デッキ…か」
「はい、御名答です。このカードの発動時に自分のデッキからジェムナイト融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体を、攻撃力・守備力を0にしてエクストラデッキから融合召喚します!デッキより『ジェムナイト・ガネット』と『Emトリック・クラウン』を融合!融合召喚!」
手を組む動作をし海野さんは目を閉じた。Arc-Vの融合召喚のポーズだ。
「『ジェムナイト・セラフィ』!」
ジェムナイト・セラフィ 星5 DEF1400→0
「さらに、墓地のトリック・クラウンの効果発動!このカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地のEmモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを、攻撃力・守備力を0にして特殊召喚し、その後私は1000ダメージを受けます!」
Emトリック・クラウン 星4 DEF1200→0
海野 LP8000→7000
「さらに通常召喚。『天帝従騎イデア』!」
天帝従騎イデア 星1 ATK800
「このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。
デッキから天帝従騎イデア以外の『攻撃力800・守備力1000』のモンスター1体を守備表示で特殊召喚します。ただしこのターン、私はエクストラデッキからモンスターを特殊召喚出来ません。『冥帝従騎エイドス』を特殊召喚!」
冥帝従騎エイドス 星2 ATK800
「さらに、エイドスの効果発動!自分は通常召喚に加えて1度だけアドバンス召喚出来ます!エイドスとイデアをリリースして『轟雷帝ザボルグ』をアドバンス召喚です!」
「ゲッ…!」
「冥界の宝札の効果で私は2枚ドローしますが、チェーンしてザボルグの効果発動!このカードがアドバンス召喚に成功した場合、フィールドのモンスター1体を対象とし破壊します。破壊したモンスターが光属性だった場合、その元々のレベルまたはランクの数だけ、お互いはそれぞれ自分のEXデッキからカードを選んで墓地へ送りますが、光属性モンスターをリリースしてアドバンス召喚に成功した場合、墓地へ送る相手のカードは私が選びます!ザボルグを破壊!」
「ゲェ……ザボルグでズァーク呼び出された時の事を思い出したッス」
「さぁ、エクストラデッキをお見せください!」
「………では、どうぞ。お嬢さん」
遊斗君は何故か笑顔でエクストラデッキを手渡した。なんで笑顔……まさか!?
「さぁ、エクストラデッキを選んでくれよ。くれぐれも選択を間違えないように…ね♪」
●旧神ヌトス×3
●外神ナイアルラ×2
●PSYフレームロード・Ω×1
●虹光の宣告者×3
●捕食植物キメラフレシア×2
●ミレニアム・アイズ・サクリファイス×2
●サウザンド・アイズ・サクリファイス×1
●グリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン×1
「こ…これは………!?」
罠だ。遊斗君のデッキは墓地融合タイプだった!つまり…“墓地に送られると却って有利になる”デッキだったのだ。なんて陰湿なデッキをチョイスするの…!遊斗君!
「……ッ」
「さぁ、どうしますか?」
「……この8枚を…墓地へ……」
●外神ナイアルラ×2
●捕食植物キメラフレシア×2
●ミレニアム・アイズ・サクリファイス×2
●サウザンド・アイズ・サクリファイス×1
●グリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン×1
「まいどあり」
因みに、海野さんが墓地へ送ったのは
●LL─インディペンデント・ナイチンゲール×1
●WW─ウィンター・ベル×2
●捕食植物キメラフレシア×2
●PSYフレームロード・Ω×1
●ジェムナイト・セラフィ×1
●召喚獣エリュシオン×1
だった。今エクストラデッキを盗み見た(観客なのでセーフだ)が、なるほど。『WW─クリスタル・ベル』を融合召喚し、今墓地へ送った強力モンスターの効果をコピーして戦うデッキだったらしい。互いに墓地アド合戦になっている様子だ。
「…カードを1枚伏せてターンエンド!」
一見優勢に見える海野さん…だが、このターンで4枚の手札補充が出来たものの満足な展開は出来なかったようだ。やや貧弱な盤面だ。引きが弱かったのかもしれない。相手はあの尖りまくりデュエリストこと遊斗君だ。何を仕掛けてくるやら…!?
「では、オレのターン!」
「「この瞬間!キメラフレシアの効果発動!このカードが墓地へ送られた場合、次のスタンバイフェイズに発動できる。デッキから融合魔法カードまたはフュージョン魔法カード1枚を手札に加える(ます)!」」
見事なハモりと共に2人ともカードを手札に加えた。因みに内容は遊斗君が『超融合』と『サクリファイス・フュージョン』、海野さんは『ブリリアント・フュージョン』と『ミラクル・シンクロ・フュージョン』だった。どちらも採用枚数を考えれば欲しいカードは1枚しか加えられていない状況だ。
「悪くない引きだ。相手が強かったという事を恨むがいい。儀式魔法カード『イリュージョンの儀式』を発動!手札の『サクリボー』をリリースして儀式召喚!『サクリファイス』!」
サクリファイス 星1 ATK0
「サクリボーがリリースされた事でデッキからカードを1枚ドローする。さらに、サクリファイスの効果発動!1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。その相手モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する。このカードの攻撃力・守備力は、このカードの効果で装備したモンスターのそれぞれの数値になり、このカードが戦闘で破壊される場合、代わりに装備したそのモンスターを破壊する!ジェムナイト・セラフィを装備!サクリファイスは現在値を攻守として加える為、ステータスに変化は無い。カードを2枚伏せてターンエンド」
遊斗君……結構マトモなデッキを作るようになったのね。
「私のターン、ドロー!魔法カード『ミラクルシンクロフュージョン』を発動!」
「チェーン発動。トラップカード『貪欲な瓶』。墓地のカードを5枚デッキに戻し1枚ドローする」
●ミレニアム・アイズ・サクリファイス×2
●外神ナイアルラ×2
●グリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン×1
「この5枚をデッキに戻し1枚ドロー!」
「ミラクルシンクロフュージョンの効果を処理…ッ!」
間違いなく、遊斗君が伏せたウチの1枚は超融合だ。恐らく、融合召喚が完了した瞬間に………仕掛けてくる!
「自分のフィールド・墓地から、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、シンクロモンスターを融合素材とするその融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚します!墓地の2体のWW─ウィンター・ベルを除外して融合!融合召喚!『WW─クリスタル・ベル』!」
WW─クリスタル・ベル 星8 ATK2800
「リバースカードオープン!速攻魔法『超融合』。手札を1枚コストに自分または相手フィールドのモンスターで融合召喚を行う!サクリファイスとクリスタル・ベルを融合素材とする!」
「ッ!?」
「融合召喚!『ミレニアム・アイズ・サクリファイス』!」
ミレニアム・アイズ・サクリファイス 星1 ATK0
ミレニアム・アイズ・サクリファイスの融合素材はサクリファイスと『効果モンスター』。それだけでこのカードが如何に強いかが分かる。にしてもセコい。
「でも、まだ通常召喚権は残ってます!永続魔法『ドラゴノイド・ジェネレーター』を発動!発動コストとして1000ライフを払います!」
海野 LP7000→6000
「自分メインフェイズに発動できる。『ドラゴノイドトークン』1体を自分フィールドに攻撃表示で特殊召喚します。この効果の発動後、ターン終了時まで自分はEXデッキからモンスターを特殊召喚できません。この効果は1ターンに2回発動できます。このターンのエンドフェイズに、相手はドラゴノイドトークン1体を自身のフィールドに攻撃表示で特殊召喚しなければなりません!私はこの効果を2回発動し、2体特殊召喚します!」
ドラゴノイド・トークン 星1 ATK300
ドラゴノイド・トークン 星1 ATK300
「ドラゴノイド・トークンとトリック・クラウンをリリースして『虚無の統括者』をアドバンス召喚!冥界の宝札の効果で私は2枚ドロー!」
虚無の統括者 星8 ATK2500
「虚無の統括者は特殊召喚できませんが、このカードが存在する限り、相手は特殊召喚できません!」
上手い!これならミレニアム・アイズ・サクリファイスの効果を掻い潜ってダメージを与えられるだけでなく、遊斗君の場に出る筈のトークンや以降の特殊召喚を封じる事ができる!
「墓地のトリック・クラウンの効果発動!このカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地のEmモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを、攻撃力・守備力を0にして特殊召喚し、その後私は1000ダメージを受けます!」
海野 LP6000→5000
Emトリック・クラウン 星4 DEF1200→0
「バトル!ドラゴノイド・トークンでミレニアム・アイズ・サクリファイスを攻撃!」
「やっべ!?忘れてた!!!………なーんてね♪」
「!?」
「この瞬間!手札の『ミレニアム・アイズ・イリュージョニスト』の効果発動!このカードを手札から捨て、相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる!自分フィールドのアイズ・サクリファイス融合モンスターまたはサクリファイス1体を選び、その効果による装備カード扱いとして対象の相手の効果モンスターを装備する!この効果は相手ターンでも発動できる!虚無の統括者を装備!ミレニアム・アイズ・サクリファイスは装備モンスターの攻撃力と守備力を得る!迎え討て!ミレニアム・アイズ・サクリファイス!」
ミレニアム・アイズ・サクリファイス ATK0→2500
「うっ…!?」
海野 LP5000→2700
ダメだ。これでは虚無の統括者の効果が適用出来ない…!却ってトークンが展開されて不利になってしまう!
「メインフェイズ2…魔法カード『おろかな埋葬』を発動します!デッキからモンスターを墓地へ…!この瞬間、墓地へ送った『ダンディライオン』の効果発動!私の場に綿毛トークンを2体特殊召喚します!」
綿毛トークン 星1 DEF0
綿毛トークン 星1 DEF0
「ターンエンド…」
「じゃあ、オレもドラゴノイド・トークンを戴くとしよう」
ドラゴノイド・トークン 星1 ATK300
ドラゴノイド・トークン 星1 ATK300
なんとか盤面は残した形となったが、このままではジリ貧だ。どう逆転するの…?海野さん。
「オレのターン、ドロー。チューナーモンスター『ジャンク・シンクロン』を召喚」
ジャンク・シンクロン 星3 ATK1300 チューナー
「ジャンク・シンクロンの召喚に成功した時、墓地のレベル2以下のモンスター1体を特殊召喚する!この効果で特殊召喚されたモンスターの効果は無効となる。サクリファイスを特殊召喚!」
サクリファイス 星1 DEF0
「ミレニアム・アイズ・イリュージョニストの効果発動!フィールドに「アイズ・サクリファイス」融合モンスターまたは「サクリファイス」が特殊召喚された場合に発動する!墓地のこのカードを手札に加える!」
まずい…また吸収効果を使うつもりだ!!!
「レベル1のサクリファイスにレベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!シンクロ召喚!『
虹光の宣告者 星4 ATK600
「このカードがモンスターゾーンに存在する限り、お互いの手札・デッキから墓地へ送られるモンスターは墓地へは行かず除外される。さらに、モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時、このカードをリリースしてその発動を無効にし破壊する。さらにさらに!このカードが墓地へ送られた場合にデッキから儀式モンスター1体または儀式魔法カード1枚を手札に加える!」
なんてこと…これじゃあ……盤面を殆ど潰されちゃうじゃない!
「バトル!ドラゴノイド・トークンで綿毛トークンを攻撃!」
「永続トラップ!『幻影剣』!フィールドの表側表示モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。対象のモンスターの攻撃力は800アップし、戦闘・効果で破壊される場合、代わりにこのカードを破壊できる。そのモンスターがフィールドから離れた時にこのカードは破壊される…!」
「そう来るか…虹光の宣告者の効果は……うーん…使ったところでこのターン削りきれないんだけどなぁ…でも、邪魔だから潰すよ!虹光の宣告者の効果発動!このカードをリリースしてその発動を無効にし破壊!」
「うっ…!」
「よって攻撃はそのまま通る!虹光の宣告者の効果でオレはサクリファイスを手札に加える。続けてもう1体のドラゴノイド・トークンで綿毛トークンを攻撃!」
「通します…!」
「ミレニアム・アイズ・サクリファイスでEmトリック・クラウンを攻撃!」
「これも通します…!ですが、トリック・クラウンの効果発動!このカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地のEmモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを、攻撃力・守備力を0にして特殊召喚し、その後私は1000ダメージを受けます!」
海野 LP2700→1700
Emトリック・クラウン 星4 DEF1200→0
「まぁ、じっくりと攻略していくさ。ターンエンド」
遊斗君…ミレニアム・アイズ・イリュージョニストの効果をなんで使わなかったの…?そうやって慢心するから…。
「私のターン、ドロー!」
お、海野さんの表情が変わった…何か引いたらしい。
「遊斗さん…」
「何かな?」
「私、楽しいです!こんなにギリギリの熱い戦いが出来るなんて…生まれて初めて!」
「嬉しい事言ってくれるじゃん!オレも頑張ってデッキ構築の勉強した甲斐があったぜ!」
「だから……これが、私の最後の一手です!」
それを聞いた遊斗君に動揺が走った。手札と盤面を念入りに確認しながら、その動きを見ている。虚無の統括者はミレニアム・アイズ・サクリファイスによって奪われている為に同名カードの効果は使えなくなる。どうする気…?
「このカードは特殊召喚できず、召喚する場合は自分フィールドのモンスター3体をリリースして自分フィールドに召喚、または相手フィールドのモンスター3体をリリースして相手フィールドに召喚しなければならず、召喚したこのカードのコントロールは次のターンのエンドフェイズに元々の持ち主に戻る!」
「!!!」
「相手フィールドのミレニアム・アイズ・サクリファイス、2体のドラゴノイド・トークンをリリース!いでよ!『ラーの翼神竜─球体形』!」
ラーの翼神竜─球体形 星10 DEF?
盤面を…ひっくり返した!やった!これで虚無の統括者も海野さんの墓地へ戻る!
「私の墓地には天使族モンスターが4体…これで召喚条件は揃いました」
「召喚条k───まさか!?」
「えぇ、そのまさかです!いでよ!『大天使クリスティア』!」
大天使クリスティア 星8 ATK2800
「この効果で特殊召喚に成功した場合、自分の墓地の天使族モンスター1体を対象として発動する。その天使族モンスターを手札に加える!ジェムナイト・セラフィを手札に…いえ、EXデッキに戻します!さらに、クリスティアがいる限り、互いに特殊召喚は行えない!私はこれでターンエンド!」
これでサクリファイスデッキは総崩れ!特殊召喚に頼りきりな遊斗君のデッキでは対抗するのは困難な筈!
「へぇ……なるほどぉ…こりゃ参ったな…オレのターン!モンスターを裏守備でセットしてターンエンド。この時点で『ラーの翼神竜─球体形』の効果が発動し、このカードを元々の持ち主である鞠菜さんに返す」
「私のターン、ドロー!トリック・クラウンとラーの翼神竜─球体形をリリースして『虚無の統括者』をアドバンス召喚!」
トリック・クラウンの効果は残念ながらクリスティアの効果で妨害される。が、この盤面なら恐れる事はない!
「さらに、冥界の宝札の効果でデッキからカードを2枚ドローします!このままバトル!虚無の統括者で裏守備モンスターを攻撃!」
ミレニアム・アイズ・イリュージョニスト 星2 DEF1400
「ミレニアム・アイズ・イリュージョニストを撃破!続けて、クリスティアでダイレクトアタック!」
「これを防ぐ手立てはない……!」
遊斗 LP8000→5200
遂に遊斗君のライフにダメージが入った。形勢が完全に変わった!
「私はこれでターンエンド!」
「オレのターン!………参ったな…クリスティア対策をまるでしてなかったんだよなぁ…ターンエンド!参った参った!もう出せるモンスターが無いや!」
「私のターン!バトル!クリスティアと虚無の統括者でダイレクトアタック!」
遊斗 LP5200→2400→0
終わってみれば、海野さんの逆転勝利。なかなかやるわね…あの子。
********************
「今日は本当にありがとうございました!」
私はこのお店でとてもいい出会いを経験する事が出来た。みんな温かくて優しい人ばかりで、デュエルも皆んな似たようなデッキではなく個性溢れる面白いものばかり…こんな楽しいデュエルは久しぶりだった。
「帰りはオレが家まで送るよ。あ、夕飯一緒に食べない?いい店知ってるんだ」
「遊斗君は懲りないわねー」
「はい!御一緒させていただきます!この楽しい体験をさせていただいた御礼…というのは何というか…変なんですけど……遊斗さん?」
遊斗さん…突然のオッケー宣言に泣いて喜んでます。
「よし!セバス!車を出せ!あのお店の予約は取ってるな?」
「はい、抜かりなく」
遊斗君はノリノリで私の手を引いて高級なイタリアンのお店に連れて行ってくれた。流石にプロポーズまでは御断りしたけど、彼のおかげで色々勇気を持てた。
「(明日、話そう!)」
私はデュエリスト、海野 鞠菜………。
海野「今回はよろしくお願いします」
真由美「いえいえ、この度は投稿していただいてありがとうございます。よろしければレシピの方も見せていただければ幸いです」
海野「どうぞ!私のデッキです」
デッキ枚数
モンスター(28)
●時械神カミオン×1
●時械神ザフィオン×1
●時械神メタイオン×1
●ラーの翼神竜─球体形×1
●究極封印神エクゾディオス×1
●The Despair Uranus×2
●大天使クリスティア×1
●轟雷帝ザボルグ×3
●虚無の統括者×2
●BF─朧影のゴウフウ×1
●ジェムナイト・ガネット×1
●Emトリック・クラウン×1
●ダンディライオン×1
●雷帝家臣ミスラ×1
●素早いビーバー×3
●冥帝従騎エイドス×2
●天帝従騎イデア×3
●時械巫女×2
魔法(14)
●ワン・フォー・ワン×1
●ミラクルシンクロフュージョン×1
●おろかな埋葬×1
●打ち出の小槌×3
●ブリリアント・フュージョン×2
●ドラゴノイド・ジェネレーター×3
●冥界の宝札×3
罠(1)
●幻影剣×1
EXデッキ(15)
●暗黒方界邪神クリムゾン・ノヴァ・トリニティ×1
●召喚獣エリュシオン×1
●WW─クリスタル・ベル×1
●捕食植物キメラフレシア×2
●ジェムナイト・セラフィ×2
●LL─インディペンデント・ナイチンゲール×1
●PSYフレームロード・Ω×1
●WW─ウィンター・ベル×2
●No.29 マネキンキャット×2
●リンクリボー×2
サイドデッキ(15)
●時械神メタイオン×1
●時械神ラツィオン×1
●覇王龍ズァーク×1
●覇王紫竜オッドアイズ・ヴェノム・ドラゴン×1
●グリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン×1
●旧神ヌトス×2
●クリスタル・ウィング・シンクロ・ドラゴン×1
●No.92偽骸神龍Heart eartH Dragon×1
●No.68魔天牢サンダルフォン×1
●禁止令×1
●熱き決闘者たち×1
●王宮のお触れ×2
●王宮の鉄壁×1
海野「アドバンスを主体としたコントロールデッキとなっています。冥界の宝札が来なくてもデッキとしては回るようになっており、基本的にクリスティアや統括者で特殊召喚を封じたりザボルグで相手のエクストラ削りつつアド回収する感じですね。冥界の宝札もウラヌスを使えば上手くいえばですがサーチ出来ます」
真由美「ほぅほぅ」
海野「基本的には冥界を引いてから暴力的な展開で物量押し、素早いビーバーからマネキンキャットをエクシーズ召喚してクリスティアをリクルートしザボルグを切腹させてからのミラクルシンクロフュージョンでクリスタル・ベル。そしてそのモンスター効果をコピーすれば4000バーンと超火力で叩き潰せるといったところです。仮に相手が先に展開してきた時は時械神でケア出来ます」
真由美「なるほど、球体形のワンポイントも良かったわね。参考にさせてもらうわ」
海野「ありがとうございます」
真由美「もし、『俺(私)のデッキを見てくれよ!』というモノ好きがいらっしゃいましたら是非メッセージボックスへ!あと私からの注意点をおしらせします」
翔太「?」
真由美「ガチデッキの投稿は禁止です!この小説ではあくまで『面白さを追求したファンデッキ』を掲載した物ですのでガチデッキの投稿をなさった場合は原則受け付けない事となっていますので予めご了承下さい!以上!」
海野「私…これからゼミがありますのでここでお別れです。それでは、ごきげんよう」
真由美「バイバーイ!」
翔太「お疲れ様っしたー」
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2人の賭けタッグ!【リゾネーター&SRWW】VS【リボルバー&リアクター】
「古霊さん!今日こそ─」
「イヤよ」
「即答ッ!?」
「僕の居る前でナンパとはいい度胸ッスね」
今日もいつもの面子でワイワイ騒ぎながらカードで遊んでいると、今日は遊斗君のテンションが少し違う事に気づいた。
「フッフッフッ…これを見ても否定出来るかな?」
そう言って遊斗君が取り出したのは2枚のチケットだった。この…ブルジョワ共めェ!
「高級イタリアンVIP優待券。金持ちであるオレの特権ってヤツさ……おっと、怖い顔をしないでくれよ。今回はちょっと趣向を凝らしてみようと思ってね」
「趣向を?」
尋ねると遊斗君は括れた腰に左手を当て、右手で私達を指差した。
「そう、タッグデュエルだ!」
「……なんも趣向凝らしてないじゃん」
「頭ワルワルッス」
「えぇ………」
と、そのタイミングでセバスティアンさんが輪に加わった。
「これで4人となりました。遊斗様のおっしゃるタッグデュエルのルールを説明いたします」
そういうと、セバスティアンさんは何処からともなくホワイトボードを取り出し、眼鏡を掛けると説明文を書いた。
●ルール1…ライフは2人で8000。
●ルール2…先攻後攻はチーム代表がじゃんけんで決め、勝ったチームのどちらかが先攻1ターン目のターン先取者となる。
●ルール3…後攻1ターン目のプレイヤーからドローフェイズにドローを行い、攻撃出来る。
●ルール4…フィールドと墓地はチームで共有する。
●ルール5…チームの手札は「相手の」カードとして扱う。
「勝ったチームがチケットのペアを決定出来るんだ。悪くないだろ?」
「なるほどね、いいわ。受けて立ちましょう」
楽しそうなタッグデュエルになりそうね。間違っても負けないようにしなきゃ。
「翔太君!作戦会議よ!」
「りょ、了解ッス!」
「遊斗様、勝ちたいのであれば私のデッキをお使いください」
「心配には及ばないさ。今回のデッキには自信があるんでね。セバスはオレのサポートだけしていればいい」
「では、遊斗様…このカードをデッキに入れておいてください。役に立ちますので…」
何やらあまり小さくない小声で作戦会議しているようだが、何を仕掛けてくるのやら。
********************
「いい?パワーモンスターを高速召喚して私をサポートしなさい」
「了解ッス!」
「セバスはオレを完全サポート!が、引きによっちゃお前だけが頼りだ!頼んだぜ…セバス」
「御意」
2組のペアが対峙する。互いに睨み合いの状況になりながらも、デッキをセットし中央にチケットを置いた。
「行くぞ!タッグデュエルだ!」
「かかってきなさい!返り討ちよ!」
「「デュエル!!!」」
真由美&翔太 LP8000
遊斗&セバス LP8000
「じゃんけん代表の諸星翔太!」
「じゃんけん代表の太陽遊斗!」
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!!」」
よし!先攻は奪えた!
「真由美さんに頑張って繋ぐッス!僕のターン!」
頼むわよ翔太君。キミの手札に全てがかかっているわ!
「魔法カード『手札抹殺』を発動!互いに手札を全て捨て、捨てた枚数分ドローするッス!」
ありがと!ちょうど墓地に落としたいカードを落とせた!
「『SRダブルヨーヨー』を召喚!」
SRダブルヨーヨー 星4 ATK1400
「効果発動!このカードが召喚に成功した時、自分の墓地のレベル3以下のスピードロイドモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚するッス!チューナーモンスター『SR赤目のダイス』を特殊召喚!」
SR赤目のダイス 星1 ATK100 チューナー
「赤目のダイスの効果発動!召喚・特殊召喚に成功した時、このカード以外のスピードロイドのレベルを1〜6に変更する!ダブルヨーヨーのレベルを6に変更!」
SRダブルヨーヨー 星4→6
「さらに!このカードは自分フィールドに風属性モンスターが2体以上存在し、全てが風属性の場合に手札から特殊召喚出来る!チューナーモンスター『WW─スノウ・ベル』を特殊召喚!」
WW─スノウ・ベル 星1 ATK100 チューナー
「レベル6となったダブルヨーヨーにレベル1の赤目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 星7 ATK2500
「続けて、レベル7のクリアウィング・シンクロ・ドラゴンにレベル1のスノウ・ベルをチューニング!シンクロ召喚!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000
よし!先攻1ターン目に効果破壊耐性付きのクリスタルウィングを呼び出せた!上々よ!
「カードを1枚伏せてターンエンド!」
「オレのターンだ。所詮はモンスター…叩き潰してやるぜ!ドロー!」
問題は遊斗君の出方ね…何を仕掛けてくるのかしら?
「魔法カード『トレード・イン』!手札のレベル8モンスターを捨てて2枚ドローする!お望みのカードは墓地へ置いたぜセバス!あとは好きに暴れさせてもらうぜ!墓地のトラップカード『ブレイクスルー・スキル』効果発動!このカードを除外する事でモンスター効果を無効にする。クリスタルウィングの効果を無効に!」
「……ッ!」
「さらに『BM-4 ボム・スパイダー』を召喚!」
BM-4 ボム・スパイダー 星4 ATK1400
「BM-4 ボム・スパイダーの効果発動!1ターンに1度、1ターンに1度、自分フィールドの機械族・闇属性モンスター1体と相手フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する!BM-4 ボム・スパイダーとクリスタルウィングを破壊!」
「バカな…!クリスタルウィングには破壊耐性が……」
「効果を無効にして!翔太君!」
「残念、諸星は無効にしなかった……こいつが召喚出来る条件は揃った」
遊斗君が悪党のっぽい笑みを浮かべると手札の“あのカード”を場に出した。
「このカードは通常召喚出来ず、自分フィールドのモンスターが効果破壊された時に手札から特殊召喚出来る!『機皇帝ワイゼル∞』!」
機皇帝ワイゼル∞ 星1 ATK2500
「しまった!?」
「機皇帝ワイゼル∞の効果発動!1ターンに1度、相手フィールドのシンクロモンスター1体を吸収する!」
機皇帝なんて予想できるか!!!
「諸星も古霊さんもシンクロ召喚を得意とするデュエリストである事は承知している。だったら当然対策するよなァ!!!」
「クリスタルウィングが…!」
機皇帝ワイゼル∞ ATK2500→5500
「バトル!機皇帝ワイゼルでダイレクトアタック!!!」
「手札の『SRメンコート』の効果発動!このカードを攻撃表示で特殊召喚する事で相手フィールドのモンスター全てを守備表示にする!」
SRメンコート 星4 ATK100
機皇帝ワイゼル∞ ATK5500→DEF2500
あ…危なかった………。
「チッ…運のいい奴め。カードを2枚伏せてターンエンド」
まずいわね……魔法カードを封じられ、伏せカードは何やら怪しいものばかり…絶対罠よね…これ。
「でも、臆さず攻めるわ!ドロー!」
伏せカードは…『スピードリフト』か。これは無理だな………。
「チューナーモンスター『レッド・リゾネーター』を召喚!」
レッド・リゾネーター 星2 ATK600 チューナー
「レベル4のメンコートにレベル2のレッド・リゾネーターをチューニング!シンクロ召喚!『レッド・ライジング・ドラゴン』!」
レッド・ライジング・ドラゴン 星6 ATK2100
「このカードがシンクロ召喚に成功した時、自分の墓地のリゾネーターモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する!『レッド・リゾネーター』を特殊召喚!」
レッド・リゾネーター 星2 DEF200 チューナー
「レッド・リゾネーターが特殊召喚に成功した時、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる!そのモンスターの攻撃力分だけ自分はライフポイントを回復する!ワイゼル∞を選択してその攻撃力5500を回復する!」
真由美&翔太 LP8000→13500
「レベル6のレッド・ライジング・ドラゴンにレベル2のレッド・リゾネーターをチューニング!《王者の鼓動、今ここに列を成す!天地鳴動の力を見るがいい!》シンクロ召喚!我が魂!『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000
「ワイゼル∞の守備力は2500!攻撃力3000のレッド・デーモンズにとって…恐るゝに足らず!!!バトル!レッド・デーモンズ・ドラゴンでワイゼル∞を攻撃!《アブソリュート・パワー・フォース》!!!」
「防ぐ手立てはない…!」
よし!これで破壊でき───
「このカードは自分フィールドの闇属性機械族モンスターが破壊された場合に手札から特殊召喚できる。これがオレのエースモンスター『デスペラード・リボルバー・ドラゴン』!」
デスペラード・リボルバー・ドラゴン 星8 ATK2800
「なっ…!?」
リボルバー・ドラゴンの新規カード…!なんて事……機皇帝をカムフラージュにしていたのね…。
「カードを2枚伏せてターンエンド!」
さてと、ワイゼルは撃破出来たけど…厄介なカードを残しちゃったわねぇ…。
「セバス!存分にやっちまえ!」
「畏まりました…私のターン、ドロー」
セバスティアンさん…一体何を仕掛けてくるの?
「魔法カード『簡易融合』発動。ライフポイントを1000払い、EXデッキからレベル5以下の融合モンスターを融合召喚扱いで特殊召喚します。融合召喚『重装機甲パンツァー・ドラゴン』」
重装機甲パンツァー・ドラゴン 星5 ATK1000
「通常召喚、チューナーモンスター『ブラック・ボンバー』」
ブラック・ボンバー 星3 ATK100 チューナー
「ブラック・ボンバーの召喚に成功した時、墓地の機械族・闇属性・レベル4モンスター1体を守備表示で特殊召喚します。ただし、モンスター効果は無効となります。『トラップ・リアクター・RR』を特殊召喚」
トラップ・リアクター・RR 星4 DEF1800
「この布陣は…!?」
「その通りです。レベル5のパンツァー・ドラゴンにレベル3のブラック・ボンバーをチューニング。シンクロ召喚…『ダーク・フラット・トップ』」
ダーク・フラット・トップ 星8 DEF3000
「このカードは1ターンに1度、自分の墓地のリアクターモンスター
または『ジャイアント・ボマー・エアレイド』1体を選択、召喚条件を無視して特殊召喚します」
そんなモンスター手札抹殺では………!?そうだ、あの時だ。
回想──
「魔法カード『トレード・イン』!手札のレベル8モンスターを捨てて2枚ドローする!お望みのカードは墓地へ置いたぜセバス!あとは好きに暴れさせてもらうぜ!」
回想終了──
「あの時か…!だから墓地を共有性に……!」
「ご案内ください。ダーク・フラット・トップの効果では蘇生制限を満たしていないジャイアント・ボマー・エアレイドは特殊召喚出来ません。ですが、素材は揃えられる…『サモン・リアクター・AI』を特殊召喚」
サモン・リアクター・AI 星5 ATK2100
「そして魔法カード『死者蘇生』。墓地から『マジック・リアクター・AID』を特殊召喚」
マジック・リアクター・AID 星3 ATK1200
「召喚条件が……!?」
「揃っちまったッス……」
「サモン・リアクター・AIの効果発動。自分フィールド上に表側表示で存在する、このカードとトラップ・リアクター・RR、マジック・リアクター・AIDをそれぞれ1体ずつ墓地へ送る事で自分の手札・デッキ・墓地から『ジャイアント・ボマー・エアレイド』1体を選んで特殊召喚します。遊斗様の墓地から特殊召喚です」
ジャイアント・ボマー・エアレイド 星8 ATK3000
遊戯王史上でも屈指のレベルの妨害性能と火力を誇るモンスター…ジャイアント・ボマー・エアレイドの召喚を許してしまった…!これはマズイ……!
「ジャイアント・ボマー・エアレイドの効果発動。1ターンに1度、手札を1枚墓地へ送る事で、相手フィールド上のカード1枚を選択して破壊します。古霊様が伏せた魔法・罠カードを破壊します」
見事に抜かれた…!『スクリーン・オブ・レッド』は残したかったのに………。
「さらに、遊斗様が伏せた永続罠カード『
「よーし!やっちまえセバス!」
「バトルです。デスペラード・リボルバー・ドラゴンは自身の攻撃宣言を破棄する代わりに1ターンに1度、自分・相手のバトルフェイズに発動できます。コイントスを3回行い、表が出た数までフィールドの表側表示モンスターを選んで破壊します。3回とも表だった場合、さらに自分はデッキから1枚ドローします。」
「!?」
「さらに、銃砲撃は1ターンに1度、コイントスを行う効果が発動した場合、その効果で表が出た数によって以下の効果を適用します」
●1回以上:相手に500ダメージを与える。
●2回以上:相手フィールドのカード1枚を選んで破壊する。
●3回以上:相手の手札を確認し、その中からカード1枚を選んで捨てる。
「そして、コイントスを2回以上行う効果が発動した時、遊斗様の墓地の銃砲撃の効果発動。このカード除外して発動し、そのコイントスの効果を全て表が出たものとして扱います」
「なっ……」
「では、デスペラード・リボルバー・ドラゴンの破壊力を存分に味わってください」
「レッド・デーモンズが…!」
真由美&翔太 LP13500→13000
レッド・デーモンズ・ドラゴンが撃破されるどころか、伏せていたヒドゥン・ショットや私のなけなしの手札までが1枚吹き飛んでしまった。どうやら、全くコンセプトの異なるデッキでも属性と種族を殆ど統一させる事で連携が出来るようになっていたらしい。
「デスペラード・リボルバー・ドラゴンの効果で1枚ドロー」
「(残り手札は…2枚)」
「まだジャイアント・ボマー・エアレイドの攻撃が残っています。ダイレクトアタックです」
真由美&翔太 LP13000→10000
「私はカードを1枚伏せてターン終了」
そして、どちらのエースも互いに互いの欠点を補い合える効果を持っている。厄介なデッキを選んだものね…!
「ごめんなさい、翔太君」
「ヘッ…寧ろやる気が出るってモンですよ!真由美さん!」
「!……そうね!」
翔太君の不屈の精神に私も肖ろう!
「エンドフェイズ時に罠カード『戦線復帰』を発動よ!墓地からモンスター1体を守備表示で特殊召喚するわ!蘇れ!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 DEF2500
「翔太君!存分に暴れてきなさい!!!」
「ありがとう!真由美さん!」
クリスタルウィングならそのどちらの効果も突破出来る!翔太君…貴方に全部、託すわよ!
「僕のターン、ドロー!!!」
そして、翔太君も良いカードを引けたみたい!
「クリスタルウィングの表示形式を変更するッス!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン DEF2500→ATK3000
「さらに、真由美さんの伏せていた罠カード『タイラント・ウィング』を発動!フィールドのドラゴン族モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。このカードを攻撃力・守備力400アップの装備カード扱いとして、そのモンスターに装備する!そして、このカードの効果でこのカードを装備したモンスターは、1度のバトルフェイズ中に2回までモンスターに攻撃できる!!!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→3400
「ジャイアント・ボマー・エアレイドが相手ターンに破壊出来るカードは『召喚・反転召喚・特殊召喚されたモンスター』と『セットされた魔法・罠カード』のみ!これで逆転ッス!バトル!クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンの1回目の攻撃!攻撃対象はジャイアント・ボマー・エアレイド!!!」
「……ッ、迂闊にデスペラード・リボルバー・ドラゴンの効果を使えば即死級のダメージかよ…!」
「通します」
「このカードがレベル5以上の相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動!このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする!!!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3400→6400
遊斗&セバス LP7000→3600
よし!ジャイアント・ボマー・エアレイドを撃破したわ!
「2回目の攻撃!攻撃対象はダーク・フラット・トップ!!!」
「通します…が、このままでは終わりません。ダーク・フラット・トップが破壊され墓地へ送られた場合、手札からレベル5以下の機械族モンスター1体を特殊召喚出来ます。『TM-4ボムスパイダー』を特殊召喚」
TM-4ボムスパイダー 星4 DEF2200
「ナイス!」
「仕事ですから」
マズイわね…今ここで妨害したらデスペラード・リボルバー・ドラゴンの標的にされていた。まさにギリギリのバトルフェイズだったわ。
「カードを1枚伏せてターンエンド。このカードの効果でこのカードを装備したモンスターが相手モンスターを攻撃したターンのエンドフェイズにタイラント・ウィングは破壊されるッス」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3400→3000
「オレのターン!」
次は遊斗のターンだ。次は何を仕掛けてくるのかしら…?
「オレだって古霊さんとのデートがかかってんだ!負けらんねぇよTM-4ボムスパイダーの効果発動!1ターンに1度、自分フィールドの闇属性機械族モンスター1体と相手フィールドの表側表示のカード1体を対象としそのカードを破壊する!」
「させるか!クリスタルウィングの効果発動!1ターンに1度、このカード以外のモンスターの効果が発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する!この効果でモンスターを破壊した場合、このカードの攻撃力はターン終了時まで、この効果で破壊したモンスターの元々の攻撃力分アップする!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→4400
「だが、これで無効効果は使えまい!魔法カード『死者蘇生』!墓地から『TM-4ボムスパイダー』を特殊召喚!」
TM-4ボムスパイダー 星4 ATK1400
「バトル!そして、デスペラード・リボルバー・ドラゴンの効果発動!1ターンに1度、自分・相手のバトルフェイズに発動できる。
コイントスを3回行う。表が出た数までフィールドの表側表示モンスターを選んで破壊する。3回とも表だった場合、さらに自分はデッキから1枚ドローする!このカードの攻撃宣言は破棄されるが1枚でも表になりゃ合格だ。逝けよ!!!」
表
裏
裏
「成功だ。デスペラード・リボルバー・ドラゴン!クリスタルウィングを破壊せよ!!!」
「うわっ!?」
「さらに、銃砲撃の効果にTM-4ボムスパイダーの効果をチェーン発動!自分フィールドの元々の種族・属性が機械族・闇属性のモンスターが、戦闘または自身の効果で相手フィールドのモンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動できる。その破壊され墓地へ送られたモンスター1体の元々の攻撃力の半分のダメージを相手に与える!」
真由美&翔太 LP10000→8500
「まだだ!銃砲撃の500ダメージ!」
真由美&翔太 LP8500→8000
「さらに、TM-4ボムスパイダーでダイレクトアタック!!!」
真由美&翔太 LP8000→6600
「俺はこれでターンエンド」
一瞬で追いつかれちゃったわ…でも、この程度なら引っ繰り返せる!
「私のターン!ドロー!」
翔太君の伏せカードは……っと…!?
「(ありがとう翔太君…貴方は最高のパートナーよ)」
このデュエルの勝敗を変え得るカードを引けていたみたいね。
「翔太君が伏せていた魔法カード『死者蘇生』を発動!私は墓地から『レッド・デーモンズ・ドラゴン』を特殊召喚!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000
「さらに、墓地のレッド・ライジング・ドラゴンの効果発動!このカードを除外する事で墓地のレベル1のリゾネーターを2体特殊召喚できる!『チェーン・リゾネーター』と『シンクローン・リゾネーター』を特殊召喚!」
チェーン・リゾネーター 星1 ATK100
シンクローン・リゾネーター 星1 ATK100
「レベル8のレッド・デーモンズ・ドラゴンにレベル1のチェーン・リゾネーターとシンクローン・リゾネーターをダブルチューニング!!!は《王者と悪魔、今ここに交わる。赤き竜の魂に触れ、天地創造の雄たけびを上げよ》!!!シンクロ召喚!『レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント』!!!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント 星10 ATK3500
「レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント…だと!?」
このレッド・デーモンなら突破出来る!!!
「レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラントの効果発動!自分メインフェイズ1に発動できる。このカード以外のフィールドのカードをモンスター1体を伏せて全て破壊する!!!《アブソリュート・パワー・インフェルノ》!!!」
これにより、銃砲撃とデスペラード・リボルバー・ドラゴンのコンボを打ち破る事が出来た。
「デスペラード・リボルバー・ドラゴンの効果発動!このカードが墓地へ送られた場合、コイントスを行う効果を持つレベル7以下のモンスター1体をデッキから手札に加える!オレは『伝説の賭博師』を手札に加える!」
「だが、私の破壊したカードもこの瞬間に発動する!私が伏せていたチューナーモンスター『ゲリラカイト』は墓地へ送られた場合、相手に500ポイントのダメージを与える!」
「しまった!?」
遊斗&セバス LP3600→3100
「これでフィナーレよ!バトル!『レッド・デーモンズ・ドラゴン・タイラント』でダイレクトアタック!!!《獄炎のクリムゾンヘルタイド》!!!」
「やられた〜!!!」
遊斗&セバス LP3100→0
*********************
「真由美さん、スプーンとフォークの向き逆ッス」
「え?こう?」
「喧嘩売ってるんスか!?なんで口に運ぶ部分を握るんスか!?」
「ごめんなさい…こういうの初めてで…」
約束通り、高級イタリアンのお店に翔太君と2人で行った……のは良いんだけど洋食の作法を全く知らない私はさっきから食事に手を付けられずにいた。
「(セバス…一緒に行かなくてよかったな)」
「(はい、間違いなく大恥をかきましたね…)」
よく見ると、少し離れた席から遊斗君とセバスティアンさんが必死にカンペで作法を教えていた。なんか…申し訳ない。今まで麺類はラーメンやうどんばかり、汁物も味噌汁や鍋ばかりだった為にその食べ方しか知らないのよ。
「あぁあああああああ!!!ヤケクソになってスープを味噌汁みたいに飲まないでください!パスタも啜らないでぇえええええ!!!」
翔太「フェットチーネをズルズル啜るなんて前代未聞ですよ!大恥かいたッスよ!」
真由美「スンマセン…フォークで巻けないんです自分……」
翔太「それにしても、今回の遊斗のコンビは厄介だったッスね」
セバス「お呼びですか?」
真由美「ちょうどいいところにきたわね!」
遊斗「今回は役割分担でデュエルしたんだ」
翔太「役割分担?」
遊斗「オレのデッキはデスペラード・リボルバー・ドラゴンを多用するから必然的にレベル8が多くなる一方で、展開力は微妙だ」
セバス「私のデッキは高速召喚が出来ますが、ジャイアント・ボマー・エアレイドのカード自体が邪魔になってしまいます」
遊斗「だからオレがセバスのエースを受け持ち、トレード・インのコストに使えばセバスのデッキ回転率を向上出来るって訳だ。」
セバス「私はジャイアント・ボマー・エアレイドの召喚条件を整える事に専念しつつダーク・フラット・トップをシンクロ召喚する事で強力な布陣を展開します」
真由美「なんか…すごい信頼関係ね。エースモンスターを仲間に託すなんてなかなか出来ないわ」
翔太「もしかして、セバスの事s───」
遊斗「だぁああああああ!黙ってろ!!!」
セバス「デッキレシピにつきましては、以下の通りとなっています。それでは、また次回会いましょう」
遊斗【リボルバー・スリーバースト】
デッキ総枚数(40)
モンスター(20)
●ジャイアント・ボマー・エアレイド×2
●デスペラード・リボルバー・ドラゴン×3
●ギミック・パペット・シャドーフィーラー×1
●召喚僧サモンプリースト×1
●TM-4ボムスパイダー×3
●機皇兵ワイゼル・アイン×2
●機皇兵スキエル・アイン×3
●ツインバレル・ドラゴン×2
●伝説の賭博師×2
●機皇帝ワイゼル∞×1
魔法(13)
●トレード・イン×3
●おろかな副葬×2
●おろかな埋葬×1
●強欲で貪欲な壺×3
●死者蘇生×1
●死皇帝の陵墓×2
●テラ・フォーミング×1
罠(7)
●銃砲撃×3
●カオス・インフィニティ×2
●ブレイクスルー・スキル×2
EX(7)
●No.22不乱健×1
●ギアギガントX×3
●鳥銃士カステル×3
セバス【スリーヌークリアス・リアクター】
デッキ総枚数(40)
モンスター(16)
●サモン・リアクター・AI×3
●トラップ・リアクター・RR×2
●TM-4ボムスパイダー×3
●召喚僧サモンプリースト×1
●終末の騎士×2
●マジック・リアクター・AID×2
●ブラック・ボンバー×3
魔法(16)
●死者蘇生×1
●ソウルチャージ×1
●おろかな埋葬×1
●手札抹殺×1
●トランスターン×3
●強欲で貪欲な壺×3
●シャッフル・リボーン×2
●アイアンコール×2
●簡易融合×2
罠(8)
●フェイク・エクスプロージョン・ペンタ×3
●戦線復帰×3
●リビングデッドの呼び声×2
EX(15)
●重装機甲パンツァー・ドラゴン×2
●ダーク・ダイブ・ボンバー×3
●ダーク・フラット・トップ×2
●SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング×1
●CNo.39希望皇ホープ・レイ×1
●No.39希望皇ホープ×3
●ギアギガントX×3
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カーロボットって知ってるぅ?【ロイドリゾネーター】
翔太「全然隠れてないッス!」
真由美「今はロシア人のマニアの女の子に買われていったわ……デビル○ガトロンくらい残しとけばよかった………」ズーン
翔太「分かるッス……それ…」
「「おじゃましまーす!!!」」
「いらっしゃい♪私の言った食材は買ってきてくれたかしら?」
今日は、翔太君と遊斗君が遊びに来る日だ。ただし、遊斗君には指定した食材を持って遊びに来るようにと制限をかけた。それでもその食材を持ってくるあたり真面目だ。
「今日は何を食べさせてくれるんスか?」
「グラタンっぽい料理よ。慣れない洋食だからうまく作れなかったらごめんなさいね」
「食べる食べる!オレ古霊さんの料理何でも食べ──いでっ!?」
「なに彼氏ヅラしてんだよ……あ、手伝うッスよ僕!」
「じゃあ…オーブンを190℃くらいまで温めて、ラザニア生地を茹でてちょうだい。終わったらくつろいでいいからね」
いつもの服の上にエプロンを掛けた私は、台所に立って作業を始めた。横に翔太君もついて調理を手伝う。
「そういえば気になったんスけど、真由美さんの服って一張羅なんスか?」
「ううん、5枚くらいあってそれを着回してるの。」
「なんで私服着る選択肢無いんだよ。オレが買ってやろうか?」
「要らない。今の服が一番フィットするから」
そんな話をしながら私は調理を始めた。フライパンで牛挽肉・塩胡椒・刻んだニンニク(匂いしない品種)を混ぜて炒める。いい色になったら一旦、炒めた物をボウルに入れ、油の残ったフライパンの上にバターと小麦粉大さじ1落として炒めさらにミルクを90ml投入しホワイトソースを作る。
「ラザニアが茹で上がったッス!」
「じゃあ、溶き卵を塗って」
「了解ッス!」
「なんだこの場違い感」
「じゃあ、遊斗君はグラタン用の皿3枚にラザニアを盛り付けて上にマリナーラソース(ピッツァなどで使うトマトソース)をかけてちょうだい!」
「よっしゃ!手伝うぜ!」
皿の上にラザニアを盛り付けた後はその上にマリナーラソースをかける。さらにさっき炒めた挽肉を盛り付けて上からモッツァレラチーズをたっぷり乗せ、さっき作ったソースをかける。そして、さらに追いパルメザンチーズ。そして、それを遊斗君の家から借りたオーブンに突っ込み、35分温めるだけ……っと。
「じゃあ、暇な時間でデュエルしますか!」
「「待ってました!」」
早速テーブルの上でデュエルの用意を開始した。今日のデッキは試作した物だから上手くいくかどうか………。
「オレが相手になるぜ!」
「では、お手柔らかに…」
私はデッキを敷いたマットの上に置き、デュエルの体勢を取る。遊斗君はまーた変なデッキ作ってるみたいだけど、何を仕掛けてくるのやら。
「じゃあ、行くわよ!!!」
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
遊斗 LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!!」」
「「あいこでぽんっ!」」
「先攻は貰ったぜ!オレのターン!」
先攻取られたか〜…何を仕掛けてくるかしら…?
「魔法カード『予想GUY』発動!自分フィールドにモンスターが存在しない時、デッキからレベル4以下の通常モンスター1体を特殊召喚出来る!『X-ヘッド・キャノン』を特殊召喚!」
X-ヘッド・キャノン 星4 ATK1800
このモンスターは…もしや!?
「フィールド魔法『ユニオン格納庫』発動!発動処理としてオレはデッキから光属性機械族ユニオンを1体手札に加える!さらに『ゴールド・ガジェット』を召喚!」
ゴールド・ガジェット 星4 ATK1700
「このカードが召喚・特殊召喚に成功した時に発動できる。手札から機械族・レベル4モンスター1体を特殊召喚する。『Y-ドラゴン・ヘッド』を特殊召喚!」
Y-ドラゴン・ヘッド 星4 ATK1500
「ユニオン格納庫の効果発動!1ターンに1度、自分フィールドに機械族・光属性のユニオンモンスターが召喚・特殊召喚された場合、そのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターに装備可能で、カード名が異なる機械族・光属性のユニオンモンスター1体をデッキから選び、そのモンスターに装備する。この効果で装備したユニオンモンスターは、このターン特殊召喚できない。ドラゴン・ヘッドに『Z-メタル・キャタピラー』をユニオン!」
いきなりXYZを揃えた…!
「このカードは自分フィールドのXYZのモンスター達を除外して融合召喚出来る!来い!『XYZ-ドラゴン・キャノン』!」
XYZ-ドラゴン・キャノン 星8 ATK2800
「すごい……!」
「これで終わりじゃないぜ…見な!魔法カード『
「!!!」
「このカードは自分フィールドのXYZ-ドラゴン・キャノンとVW-タイガー・カタパルトを除外して融合召喚出来る!来い!『VWXYZ-ドラゴン・カタパルトキャノン』!!!」
VWXYZ-ドラゴン・カタパルトキャノン 星8 ATK3000
「なっ……!?」
「嘘…1ターンで……!?」
「どうだ。驚いたか!オレはカードを1枚伏せてターンエンド」
なんで尖ったデッキを使おうとするのかなぁ…遊斗君は。
「私のターン、ドロー!」
取り敢えず、引きたいものは引けた!
「フィールド魔法『融合再生機構』発動!1ターンに1度、手札を1枚捨てる代わりにデッキから『融合』を手札に加える。さらに、『ミキサーロイド』を召喚!」
ミキサーロイド 星4 ATK0
「魔法カード『機械複製術』発動!自分フィールドの攻撃力500以下の機械族モンスター1体を対象として発動できる。デッキからその表側表示モンスターの同名モンスターを2体まで特殊召喚する!デッキから2体のミキサーロイドを特殊召喚!」
ミキサーロイド 星4 DEF2200
ミキサーロイド 星4 DEF2200
「ミキサーロイドの効果発動!自分フィールドの機械族モンスター1体をリリースして発動できる。デッキから風属性以外のロイドモンスター1体を特殊召喚する!私は攻撃表示のミキサーロイドをリリースしデッキから『エクスプレスロイド』を特殊召喚!」
エクスプレスロイド 星4 ATK400
「エクスプレスロイドの効果発動!このカードの召喚・反転召喚・特殊召喚に成功した時、エクスプレスロイド以外の自分の墓地のロイドモンスター2体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える!私は墓地から融合再生機構の効果で手札から捨てたジェットロイドとミキサーロイドを手札に加える……そして、魔法カード『融合』発動!フィールドの2体のミキサーロイドで『ペアサイクロイド』を融合召喚!」
ペアサイクロイド 星5 ATK1600
「ペアサイクロイドは相手にモンスターが居てもダイレクトアタックが出来る!ペアサイクロイドでダイレクトアタック!」
「チッ…!」
遊斗 LP8000→6400
「メインフェイズ2に魔法カード『ビークロイド・コネクション・ゾーン』を発動!自分の手札・フィールドから、ビークロイド融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは効果では破壊されず、そのモンスターの効果は無効化されない!私は自分フィールドのペアサイクロイドと手札のジェットロイドを融合素材に融合!融合召喚!!!『スーパービークロイド─モビルベース』!!!」
スーパービークロイド─モビルベース 星10 DEF5000
「やるじゃん…!」
「カードを1枚伏せてターンエンド。エンドフェイズ、モビルベースは自分フィールドのロイドモンスター1体を手札に戻す事でそのゾーンに移動出来る。エクスプレスロイドを手札に戻しEXモンスターゾーンからメインモンスターゾーンに移動」
さて…どうやって切り抜けるか。考えていかなければ………
焼き上がりまで残り20分
「オレのターン、ドロー!『VWXYZ-ドラゴン・カタパルトキャノン』の効果発動!1ターンに1度相手フィールドのカードを1枚除外する!モビルベースを除外!」
「カウンター罠『レッド・ロイド・コール』!自分フィールドにロイド融合モンスターが存在し、モンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時に発動できる。その発動を無効にする。その後、発動したそのプレイヤーのデッキ・EXデッキから同名カードを全て墓地へ送る!」
「オレのデッキに同名カードは無い」
よし!モビルベースも守れた!次のターンで───
「果たしてそうかな?」
「な…」
「オレはVWXYZ-ドラゴン・カタパルトキャノンをリリース!」
「リリースですって!?」
「あんなに手間暇かけて出したカードをあっさり…」
「フン、見て驚け!アドバンス召喚!『アームド・ドラゴンLV5』!」
アームド・ドラゴンLV5 星5 ATK2400
「さらにリバースカードオープン!『レベルアップ!』!フィールドに表側表示で存在するLVを持つモンスター1体を墓地へ送り発動する。そのカードに記されているモンスターを、召喚条件を無視して手札またはデッキから特殊召喚する!来い!『アームド・ドラゴンLV7』!!!」
アームド・ドラゴンLV7 ATK2800
「アームド・ドラゴンLV7なんて出したってモビルベースは倒せないッスよ!」
「召喚条件が……揃った………」
「えっ?」
嘘でしょ……あのモンスターをいともあっさり…!
「このカードは自分が上記のカード全ての特殊召喚に成功しているデュエル中に、自分のフィールド・墓地の上記のカードを除外した場合のみ、EXデッキから特殊召喚できる!フィールドのアームド・ドラゴンLV7と墓地のVWXYZ-ドラゴン・カタパルト・キャノンを除外し、いでよ!究極にして至高の機械獣神!『アームド・ドラゴン・カタパルトキャノン』!!!」
「なっ!?!?」
アームド・ドラゴン・カタパルトキャノン 星10 ATK3500
「このカードが存在する限り、互いに除外されているカードの効果を相手は使えねぇ!さらに相手ターンに1度、デッキ・EXデッキからカード1枚を除外して相手フィールド・墓地のカードを全て除外する!オレはこれでターンエンド」
そん…な……。
焼き上がりまで残り15分……
「私のターン…ドロー!モビルベースの効果発動!相手フィールドのモンスター1体を選択し、そのモンスターの攻撃力以下のロイドモンスターをデッキまたはEXデッキから特殊召喚する!」
「させるかよ!アームド・ドラゴン・カタパルトキャノンの効果発動!相手ターンに1度、デッキ・EXデッキからカード1枚を除外して相手フィールド・墓地のカードを全て除外する!」
「モビルベースが………!でも、これで効果を使わせる事は出来たわ」
「何…?」
「遊斗君!アームド・ドラゴン・カタパルトキャノンは確かに強力よ。でも、出すのが早過ぎたわ!チューナーモンスター『レッド・リゾネーター』を召喚!」
レッド・リゾネーター 星2 ATK600 チューナー
「レッド・リゾネーターが召喚に成功した時、手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚出来る!『エクスプレスロイド』を特殊召喚!」
エクスプレスロイド 星4 ATK400
「レベル4のエクスプレスロイドにレベル2のレッド・リゾネーターをチューニング!シンクロ召喚!『レッド・ライジング・ドラゴン』!」
レッド・ライジング・ドラゴン 星6 ATK2100
「レッド・ライジング・ドラゴンの効果発動!墓地からレッド・リゾネーターを特殊召喚!」
レッド・リゾネーター 星2 ATK600
「レッド・リゾネーターが特殊召喚に成功した場合、フィールドのモンスター1体を選択しその攻撃力分ライフを得る!アームド・ドラゴン・カタパルトキャノンを選択!」
真由美 LP8000→11500
「レベル6のレッド・ライジング・ドラゴンにレベル2のレッド・リゾネーターをチューニング!《漆黒の闇を裂き天地を焼き尽くす孤高の絶対なる王者よ!!万物を睥睨しその猛威を振るえ!》シンクロ召喚!『琰魔竜レッド・デーモン』!」
琰魔竜レッド・デーモン 星8 ATK3000
「げっ……!」
「レッド・デーモンの効果発動!1ターンに1度、このカード以外の攻撃表示モンスターを全て破壊する!《
さてと…アームド・ドラゴン・カタパルトキャノンは撃破したし…お仕置きといきますか。
「バトル!レッド・デーモンでダイレクトアタック!《
「チクショウ!!!」
遊斗 LP6400→3400
「私はこれでターンエンド」
「……手札ほとんど使い切っちまったよ…」
ここで遊斗君の悪い癖『出し惜しみ無さすぎ』が炸裂。あっという間に後がなくなったようだ。対して私はまだミキサーロイドというキーカードを握っている。倒す事など容易い。
「オレは、まだ諦めない!ターンエンド!」
焼き上がりまで残り7分……
「頼む…モンスターが増えないでくれぇ…」
「私のターン、ドロー!このターンで仕留める!『ミキサーロイド』を召喚!」
「あっ……」
ミキサーロイド 星4 ATK0
「ミキサーロイドの効果により、このカードをリリースして『サブマリンロイド』を特殊召喚!」
サブマリンロイド 星4 ATK800
「バトル!サブマリンかロイドとレッド・デーモンでダイレクトアタック!!!」
「参りました………」
遊斗 LP3400→0
*********************
「「うぉおおおおお!!!」」
少し余裕を持ってオーブンに行った私達は、時間ぴったりに完成した料理を取り出した。かつてないほどいい匂いが漂っている。これは美味い匂いね。私が保証する。
「じゃあ、お好みでオリーブオイルとかバジルとかかけていいからね」
色々と添える物をテーブルの中央に置き、グラタンもどきをそれぞれの席に置いた。
「それじゃあ…」
「「いただきまーす!!!」」
うん、美味しい!チーズとホワイトソースたっぷりの濃厚な味わいとマリナーラソースのちょっぴりの酸味、そしてラザニア生地のもっちりした食感が堪らないわね。
「おかわりは無いけど、遠慮なく食べてね」
「美味い……」
遊斗君に限っては男泣きする始末。彼曰く、「セバスの飯は英国面に堕ちていて食えたものでは無い」との事。あのセバスティアンさんにも弱点あったのね。
「オレ…なんか幼い頃にお袋に食わせてもらったラザニア思い出しちまって……悪りぃ…少し泣きながら食ってる」
「遊斗っていい奴なのか悪い奴なのか…時々分かんなくなるんだよな」
「そうね、しつこくナンパしてくるし、これ見よがしに金の力を見せ付けるし…でも、優しいし結構ウブだし…」
「え、マジで!?オレと付き合ってくれる!?」
突然、泣き止んでズイと顔を近付けてきたので私はグラタンもどきを食べる時に使っていた木ベラで額をぶっ叩いた。嘘泣きかよ、ホント…どっちなんだか。
真由美「ロイドの名を騙りながらレッド・デーモンでトドメを刺さざるを得なかった非力な私を許してくれ」
翔太「いや…そもそもロイドそのものに除去の手段が少な過ぎる方が問題と思うッス」
遊斗「オレのVWXYZはどうだったよ?」
翔太「アレ絶対一般の方には扱えないので却下ッス」
遊斗「ひでぇよぉ……」
真由美「さて、今日はロイドデッキを紹介するわ!」
カード総枚数(40)
モンスター(20)
●ミキサーロイド×3
●エクスプレスロイド×3
●ジェットロイド×2
●シャトルロイド×1
●ドリルロイド×1
●スチームロイド×1
●サブマリンロイド×1
●召喚僧サモンプリースト×2
●ブリキンギョ×3
●レッド・リゾネーター×3
魔法(15)
●メガロイド都市×3
●融合再生機構×1
●盆回り×2
●ビークロイド・コネクション・ゾーン×2
●融合×1
●機械複製術×2
●コール・リゾネーター×2
●リゾネーター・エンジン×1
●貪欲な壺×1
罠(5)
●レッド・ロイド・コール×3
●神の通告×1
●神の宣告×1
EXデッキ(15)
●スーパービークロイド─モビルベース×2
●スーパービークロイド─ステルスユニオン×1
●スーパービークロイド─ジャンボドリル×1
●ペアサイクロイド×3
●琰魔竜レッド・デーモン×1
●レッド・ライジング・ドラゴン×2
●HSR魔剣ダーマ×1
●ギアギガントX×2
●鳥銃士カステル×2
真由美「今回はロイドをコンセプトにリゾネーターをワンポイントで刺す事でロイド本来の動きに加えてレベル6のシンクロ召喚が行えるように調整したわ」
翔太「なんで魔剣ダーマが入ってるんスか?」
真由美「魔剣ダーマは低攻撃力とはいえ、守備貫通・500バーン・自己再生と色々やれる事が多いスピード“ロイド”だからねー♪」
翔太「ロイド……あ!!!そういえばスピードロイドもロイドだった!」
真由美「SRパチンゴーカートもスピードロイドに拘らない除去モンスターだからオススメよ♪」
翔太「なるほど、スピードロイドならメガロイド都市の効果を共有出来るし、融合召喚しか出来ないデメリットもロイドの力を使えばペアサイクロイドくらい出せる……面白い着眼点ッス!」
真由美「リゾネーターやレッド・デーモン系のカードを抜いてスピードロイドを採用してもいいかもしれないわ」
翔太「面白い話を聞かせてもらったッス!今度友達に譲ってもらって組んでみるっス!」
真由美「うんうん!私も宣伝した甲斐があったわね!」
遊斗「オレのVWXYZは……ダメか」ズーン…
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お金と海と…(前編)【水属性シンクロ】
翔太「なんか雰囲気がいつもと違うッスよ!?どうなってるんスか!?」
「海水浴…?」
「そうさ、オレの親の私有地である海水浴場で海水浴を楽しまないか?って話だ。勿論、カップルで来てくれ。貸切だしSPも巡回させるから暴漢の心配も無いぜ」
「どうする?翔太君」
「真由美さんの水着…見たいし、行きたいッス」
正直に言ってくれるわねぇ。まぁ、カップルって言ってくれた辺り、今回はナンパする気はないのかしら?それはそれで何か変な気もするけど………。
「でも、私水着持ってないわよ」
「心配無く、セバスがキミのサイズぴったりの水着を100種類近く用意してるから当日に海水浴場近くのホテルで試着してくれ」
「何か…断りにくいわね……」
セバスティアンさん…どうやって私のスリーサイズを知ったのかすごい気になる……。
「海水浴の日は3日後、その日は必ず晴れる。気温も水着で過ごしやすいくらいだし、アニメみたいないい天候の下で楽しめるぜ」
「そういや、遊斗はどうするんだ?」
「?」
翔太君に聞かれて遊斗君は目を泳がせた。
「どーすっかな〜……オレの秘密はもう少し先に延ばしたいんだけどなぁ…まぁいいや。それなりの水着を用意するさ」
「いいのか?」
なんで遊斗君はそんなに嫌がるのかしら。女の子いっぱいつまみ食いするような色男なんだからきっとそれなりの体つきの筈なんだけど………。
「じゃあ、前日にホテルに来てくれ。これがホテルの住所とオレの招待状だ。入ったら受付に招待状を見せてくれたらいい」
「なんか…ありがとうね」
「良いのさ。オレは古霊さんの水着姿を見て満足するさ」
「キモ…」
「なんでだよ!?」
まぁ、ここまでお膳立てしてくれたら翔太君との水着デート…年甲斐無くはしゃいじゃってもいいわよね?
「もしもし、セバス?OKが出たぜ!あ?なんで嬉しくないんだよ…オレの心配はすんな!それより、スタッフの皆に挨拶回りすっからついて来い!」
遊斗君はスマホで通話しながらカードショップから出て行った。なんか……ドキドキするわね。
**********************
前日…翔太君と一緒に目的地まで電車を乗り継いで行くと……目の前に美しい砂浜が広がってきた。
「すごいッスよ!塵1つ無い綺麗な砂浜ッス!」
「すごいわね…私みたいな貧乏人が来ていいところなのかしら?」
「こちらの砂浜は映画撮影にも使用されている有名な場所となっております。太陽家現社長が愛するこの砂浜は毎日スタッフによりメンテナンスが行われております。因みにこの砂浜は海亀の産卵地となっており、今回宿泊されるホテルの他、海沿いでは照明を少なく配置する事で子亀が安全に海に行けるよう配慮がなされております。他にも多くの海洋生物が生態系を保っており、映画撮影の際も生態系を傷付けないようスタッフの監視の下撮影がなされるようになっております」
「!?」
いつの間にか後ろにセバスティアンさんが立っていた。丁寧な説明ありがとうございます…。
「おはようございます」
「おはよう、セバスティアンさん!」
「おはようございますッ」
「早く来過ぎてしまったようですね。では、私が部屋まで案内致します。招待状を」
「あ、はい。今日からしばらくよろしくお願いします」
セバスティアンさんは招待状を受け取るとカツカツとヒールを鳴らしながら歩き始めた。一切姿勢の崩れない見事な歩き方ね。真似したいくらい。
「行きましょう!」
「そうッスね!」
「スゲェ!!!絶景じゃん!」
「この窓…光が外に漏れない構造になってるのね…初めて見たわ」
「んでもって…ダブルベッドか…」
「ま、最悪私が床で寝るから安心して」
「普通逆ッス!逆!」
私達が泊まる事になった部屋は…なんと最上階のVIPルーム。私の家の2倍くらいある広さと適温で保たれた室内は快適そのもの。室内には大型液晶テレビの他、高級感溢れる家具や様々な飲み物が入った冷蔵庫があった。
「バスルームもすごいわね…これ。内側から外の景色が見えるだなんて……レベル高過ぎない?」
「これが金の力だってのかよ…」
「でも、翔太君と一緒に過ごせてよかった…」
「後でこのテーブルでデュエルしたいッス!」
「そうね!私も楽しみだわ」
「あの……お二方…」
「あ、水着選ぶんだった!?ごめんなさい!待たせちゃったわね!」
なんか圧倒され過ぎて忘れてた!そう言って廊下へ出るとセバスティアンさんが気持ち自信たっぷりに話し始めた。今回の水着選びには相当力が入っているらしい。
「いえ、構いません。遊斗様は社交パーティの為、アメリカに居ます。明日までにはお帰りになりますので、それまでゆっくりと用意致しましょう」
「ありがとうございます。」
「因みに本日、このホテルは貸切となっていますので裸で歩いても心配ありませんのでどうぞご安心下さい」
「……いやいやいや!やらないわよ!?」
「真由美さんの……(ゴクリ)」
翔太君……スケベはその程度にしときなさい。
「では、古霊様は私と共に屋上のクローゼットルームへどうぞ。諸星様はお部屋でお待ち下さい」
「ちぇ……僕も個人で水着持参しちゃったしな…損した気分」
取り敢えず、翔太君を待たせて私はセバスティアンさんと一緒に屋上のクローゼットルームに入った。中に入ると………本当に女性用の水着が所狭しと並んでいた。
「世界中から取り寄せました水着です。どうぞお気の召すままに試着なさって下さい…」
「うーん……」
色々と水着のかかったハンガーを手にして十数着ほど自分の体に当ててみた…が、違和感しかない。なんだろう……私に合わないのかなぁ…?
「…お気に召しませんでしたか?」
「……ごめんなさい。せっかくだけど…どれも全然しっくりこないの……あ、でもこれなら良さそう!」
私はある水着を選び、体に当ててみた……これがいいわね!うん!でもこれ幾らぐらいするんだろ……きっと万単位はあるんだろうなぁ………。
「(何十万…何百万もの価値のあるブランド物の水着の中からどこにでもある3000円の水着を選びました…か………完全にこちらのリサーチ不足でした)」
セバスティアンさんは何処か複雑そうな表情を無表情の顔に少しだけ浮かべていた。
「ただいま〜」
「おかえり!どんな水着選んだんスか?」
「じゃーん!いいでしょ〜?一目見てこれにしようって決めたの!」
そう言って自信満々に見せた水着に翔太君は苦笑いした。
「(ブランド水着が沢山ある中でなんで安物を選んだんスか……)」
「どうかしたの…?」
「な、なんでも無いっス!それより、デュエルしたいッス!」
「そうね!今用意するから!」
私は鞄からデッキを取り出すとテーブルにマットを敷き、その上にセットした。
「今回のテーマはズバリ、夏らしく【水属性】よ!」
「水属性ッスか!楽しみッス!」
「じゃあ互いにデッキをカット&シャッフルして……っと」
「よし、じゃあデュエル始めますか!」
「負けないッス!」
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
翔太 LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!!」」
「先攻貰ったッス!」
「ちぇっ…」
取り敢えず、後攻にはなったけど…ま、後でリカバリーすればいいか!
「自分フィールドにモンスターが存在しない場合このカードは手札から特殊召喚出来る!『WW-アイス・ベル』を特殊召喚!」
い つ も の
WW-アイス・ベル 星3 ATK1000
「その後、デッキからWWモンスター1体を特殊召喚できる。この効果でデッキから特殊召喚したモンスターはリリースできず、この効果を発動するターン、自分はレベル5以上の風属性モンスターしかエクストラデッキから特殊召喚できない!チューナーモンスター『WW-グラス・ベル』を特殊召喚!」
WW-グラス・ベル 星4 ATK1500 チューナー
「アイス・ベルはこのカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、相手に500ダメージを与える!さらにグラス・ベルの効果をチェーン発動!グラス・ベルは召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから『WW-グラス・ベル』以外のWWモンスター1体を手札に加える。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は風属性モンスターしか特殊召喚できない!『WW-スノウ・ベル』を手札に加える。そして500ダメージ!」
真由美 LP8000→7500
「さらに、チューナーモンスター『WW-スノウ・ベル』は自分フィールドに風属性モンスターが2体以上存在し、風属性以外のモンスターが存在しない場合にこのカードを手札から特殊召喚する!」
WW-スノウ・ベル 星1 ATK100 チューナー
「レベル3のアイス・ベルにレベル4のグラス・ベルをチューニング!シンクロ召喚!『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 星7 ATK2500
「続けて!レベル7のクリアウィングにレベル1のスノウ・ベルをチューニング!シンクロ召喚!いでよ!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000
変わり映えの無いいつもの展開ね。まぁ、そうこなきゃ!
「カードを1枚伏せてターンエンド」
「私のターン、ドロー!」
突破し甲斐が無いわ!
「スタンバイフェイズと同時に速攻魔法カード『手札断殺』発動!互いに手札を2枚墓地へ送り、その後2枚ドローする!さらに、墓地に送った『黄泉ガエル』の効果発動!スタンバイフェイズ時に自分フィールドに魔法・罠カードが存在しない場合、墓地から特殊召喚出来る!」
黄泉ガエル 星1 DEF100
「このカードは魚族・水族・海竜族が召喚・特殊召喚に成功した時、手札から特殊召喚出来る!『シャーク・サッカー』を特殊召喚!」
シャーク・サッカー 星3 DEF1000
「そして、メインフェイズ!このカードの召喚条件はレベル1モンスター1体!黄泉ガエルを素材にリンク召喚!『リンクリボー』!」
リンクリボー LINK-1 ATK300 リンクマーカー【下】
「さらに、リンクリボーとシャーク・サッカーをリリースして『超古深海王シーラカンス』をアドバンス召喚!」
超古深海王シーラカンス 星8 ATK2800
「シーラカンス!?」
「さらに!シーラカンスの効果発動!1ターンに1度、手札を1枚墓地へ送り、デッキからレベル4以下の魚族モンスターを可能な限り特殊召喚するわ!ただし、この効果で特殊召喚したモンスターは効果が無効化され攻撃宣言出来ない!私はデッキから『オイスターマイスター』!『サイレント・アングラー』!チューナーモンスター『フィッシュボーグ─ランチャー』!『フィッシュボーグ─アーチャー』を特殊召喚!」
「クリスタルウィングの効果発動!1ターンに1度、モンスター効果を無効にし破壊する!」
「速攻魔法『禁じられた聖杯』。モンスターの攻撃力をターン終了時まで400ポイント上げ、効果を無効にする」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→3400
「しまった…!」
「これで効果は適用されなくなったわ。さ、改めてシーラカンスの効果により、一斉展開よ!」
オイスターマイスター 星3 ATK1600
サイレント・アングラー 星4 ATK800
フィッシュボーグ─ランチャー 星1 ATK200 チューナー
フィッシュボーグ─アーチャー 星3 ATK300 チューナー
「召喚条件は水属性モンスター2体!シーラカンスとフィッシュボーグ─ランチャーでリンク召喚!『マスター・ボーイ』!」
マスター・ボーイ LINK-2 ATK1400 リンクマーカー【左下・右下】
「マスター・ボーイの効果により、フィールドの水属性モンスターの攻守は500ポイントアップする!」
マスター・ボーイ ATK1400→1900
フィッシュボーグ─アーチャー ATK300→800
オイスターマイスター ATK1600→2100
サイレント・アングラー ATK800→1300
「レベル3のオイスターマイスターにレベル3のフィッシュボーグ・アーチャーをチューニング!シンクロ召喚!リンク先へシンクロチューナー『
瑚之龍 星6 ATK2400→2900 チューナー
「さらに、オイスターマイスターの効果発動!戦闘以外の方法で墓地へ送られた時、自分フィールドにオイスタートークンを1体特殊召喚する!」
オイスタートークン 星1 ATK0→500
「瑚之龍の効果発動!1ターンに1度、手札を1枚捨ててフィールドのカードを1枚破壊する!翔太君の伏せカードを破壊!」
「ッ!?」
伏せカードは『ガード・ブロック』か……そして、これで……!
「レベル4のサイレント・アングラーにレベル6の瑚之龍をチューニング!シンクロ召喚!リンク先へ来い!『
白闘気双頭神龍 星10 ATK3300→3800
「自分ターンにこのカードがシンクロ召喚に成功した時に発動できる。自分フィールドに神龍トークン1体を守備表示で特殊召喚出来る!」
神龍トークン 星10 DEF3000→3500
「ゲッ…ボスラッシュっスか!?」
「これで終わり?答えはNOよ。このカードの召喚条件は通常モンスター1体!神龍トークンを素材にリンク召喚!『リンク・スパイダー』!」
リンク・スパイダー LINK-1 ATK1000 リンクマーカー【下】
「さらに、リンクリボーの効果発動!このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドのレベル1モンスター1体をリリースして発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。オイスタートークンをリリースして特殊召喚!」
リンクリボー LINK-1 ATK300 リンクマーカー【下】
「このカードの召喚条件はトークン以外の効果モンスター3体以上!そして、マスター・ボーイはリンク素材2体分として扱える!リンクリボー!リンク・スパイダー!マスター・ボーイをリンク素材に『ヴァレルロード・ドラゴン』をリンク召喚!」
ヴァレルロード・ドラゴン LINK-4 ATK3000 リンクマーカー【左・左下・右下・右】
白闘気双頭神龍 ATK3800→3300
「ヴァレルロード・ドラゴン!?」
「確か、翔太君のデッキじゃこのモンスターは突破困難だったわよねぇ?」
「ッ!?」
「バトル!ヴァレルロード・ドラゴンでクリスタルウィングを攻撃!この瞬間、ヴァレルロードの効果発動!このカードが相手モンスターに攻撃するダメージステップ開始時に発動できる。その相手モンスターをこのカードのリンク先に置いてコントロールを得る!そのモンスターは次のターンのエンドフェイズに墓地へ送られる。」
「クリスタルウィングが!?」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3400 (コントロール:翔太→真由美)
「コントロールを奪ったクリスタルウィングでダイレクトアタック!」
翔太 LP8000→4600
「そして、白闘気双頭神龍でダイレクトアタック!!!」
「これも通す…!」
翔太 LP4600→1300
「私はこれでターンエンド」
これが私の作った水属性デッキ。このデッキのポリシーはね…シーラカンスを高速召喚し、一気にシンクロとリンクで攻め倒す事よ!
「僕のターン、ドロー!」
「この瞬間!白闘気双頭神龍の効果発動!相手ターンに1度、自分フィールドにトークンがない場合に発動できる。自分フィールドに神龍トークン1体を特殊召喚する!」
神龍トークン 星10 ATK3300
「……ッ!」
「フッフッフッ…流石に対抗出来ないかしら?」
攻撃力3000台のモンスターが合計4体。流石にこれに対抗は出来ないでしょう。
「……面白いっス!そして、これが最後の抵抗ッス!『ラピッド・ウォリアー』を召喚!」
ラピッド・ウォリアー 星4 ATK1200
「ラピッド・ウォリアーは1ターンに1度、ダイレクトアタック出来る!」
「今更攻撃力1200程度……!?」
忘れてた……ラピッド・ウォリアーは戦士族…!という事は……
「戻って来い!クリスタルウィング!速攻魔法カード『超融合』!」
「この状況で!?」
「このカードは自分及び相手フィールドのモンスターを融合素材に融合モンスターを融合召喚する!僕はラピッド・ウォリアーと真由美さんのフィールドのクリスタルウィングで融合!!!融合召喚!見よ!これが僕の裏のエースモンスター!『波動竜騎士ドラゴエクィテス』!!!」
波動竜騎士ドラゴエクィテス 星10 ATK3200
「ドラゴエクィテスの効果発動!1ターンに1度、墓地のドラゴン族シンクロモンスター1体を除外しエンドフェイズまでそのモンスターと同じ効果、そして名前を得る!クリスタルウィングを除外!」
波動竜騎士ドラゴエクィテス→クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン
「まだだ!装備魔法カード『D・D・R』を発動!手札を1枚捨て、除外されているモンスター1体を特殊召喚しこのカードを装備する!還って来い!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000
「バトル!クリスタルウィングとなったドラゴエクィテスで白闘気双頭神龍を攻撃!」
「ヴァレルロードの効果発動!1ターンに1度、モンスター1体の攻守を500ポイントダウンする!私は攻撃してきたドラゴエクィテスを選択!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン(ドラゴエクィテス) ATK3200→2800
「でも、ダメージ計算時にコピーしたクリスタルウィングの効果が発動!このカードがレベル5以上の相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン(ドラゴエクィテス) ATK2800→6100
真由美 LP7500→4700
「いい悪あがきよ…!どんどん来なさい!」
「はい!続けて!クリスタルウィングで神龍トークンを攻撃!このカードがレベル5以上の相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする!」
「くっ…!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→6300
真由美 LP4700→1700
「僕はこれでターンエンド!ドラゴエクィテスの効果も切れる」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン(ドラゴエクィテス)→波動竜騎士ドラゴエクィテス
相手の場には攻撃力3000のモンスターと攻撃力2800のモンスター!内1体はレベル5以上のモンスターで攻撃すれば手痛い反撃に遭うし、もう1体は効果ダメージを反射する…!そしてモンスター効果は1度無効になり攻撃力を吸収される!
「サイコーよ!やっぱりデュエルは辞められないわ!ドロー!」
そして、名残惜しいが私もこのデュエルを終結させる。
「墓地の『黄泉ガエル』の効果発動!スタンバイフェイズ時に自分フィールドに魔法・罠カードが無い場合、このカードを墓地から特殊召喚!」
黄泉ガエル 星1 DEF100
「……ッ」
「さらに、魔法カード『簡易融合』!ライフを1000払い、レベル5以下の融合モンスター1体を融合召喚扱いで特殊召喚する!チューナーモンスター『テセウスの魔棲物』をヴァレルロードのリンク先に特殊召喚!」
テセウスの魔棲物 星5 ATK2200 チューナー
「レベル1の黄泉ガエルにレベル5のテセウスの魔棲物をチューニング!シンクロ召喚!『
白闘気海豚 星6 ATK2400
「白闘気海豚の効果発動!1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで元々の攻撃力の半分になる!クリスタルウィングを対象に発動!」
「させるか!クリスタルウィングの効果発動!1ターンに1度、モンスター効果を無効にし破壊!その後、そのモンスターの攻撃力をクリスタルウィングに加える!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→5400
「でも、白闘気海豚は相手によって破壊された場合、墓地の水属性モンスター1体を除外して墓地から蘇生出来る!」
白闘気海豚 星6 ATK2400
「決着ね…」
「そうッスね……もう煮るなり焼くなりやってくださいッス」
「じゃあ、バトル!ヴァレルロード・ドラゴンでクリスタルウィングを攻撃!効果発動!このカードが相手モンスターに攻撃するダメージステップ開始時に発動できる。その相手モンスターをこのカードのリンク先に置いてコントロールを得る!そのモンスターは次のターンのエンドフェイズに墓地へ送られる」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK5400
「クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンで波動竜騎士ドラゴエクィテスを攻撃!クリスタルウィングの効果により、レベル5以上の相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→5800
「負けッス………ありがとうございました〜…」
翔太 LP1300→0
アドレナリンドバドバの激闘は私に軍配が上がった。最初に黄泉ガエルを送った時点で私の勝利は決まっていた………。
****************
「やぁ、二人共!楽しんでるかい?」
「遊斗君、お疲れ」
「長旅お疲れさん」
ホテルで夕飯を食べていると正装の遊斗君がやって来た。それなりの格好をしていてもイケメンである事に変わりはなさそうだ。
「セバス、水をくれ」
「畏まりました」
「サンキュ」
セバスティアンさんから受け取った水を一気に飲み干した彼は少し屈伸などの軽いウォーミングアップをした。
「スタッフ!ちょっと雰囲気をくれ!」
音響スタッフにそう叫ぶと、さっきまで和やかな雰囲気の音楽が、少し大人な音楽へと変わった。
「折角だし、一曲踊ろうじゃないか」
遊斗君はセバスティアンさんの手を取ると彼女も手帳を置き、フォークダンスを始めた。え!?これ、そういう雰囲気なの!?
「しょ、翔太君!?私ダンスなんて習ってない!」
「ぼぼぼ僕もッスよ!」
「ハハハ!オレ達の真似をするがいい!五流程度のダンスならすぐに踊れるだろうさ!」
「遊斗様、煽りはホドホドに」
「へいへい、上から色々言われてね。少し苛立って戻って来たんだ。これくらい許してくれ」
えーっと……
「やろう!遊斗君をチラチラ見ながらやりましょう!」
「ダンス用の服が無いのが残念だけどね!」
私達は互いに手を取り合ってガッチガチの動きでダンスを踊った。翔太君の顔が近くて…心臓の音も聞こえちゃいそうな……。
「いでっ!?セバス!今ヒールで踏んだろ!」
「申し訳ありません、遊斗様。足元が狂いました」
「なんかあっちもあっちね」
「気楽に踊った方が楽ッスね」
私は音楽と翔太君の動きに合わせるように踊り、微笑んだ。
「楽しいわね。翔太君」
「そうッスね。真由美さん」
もっと近づきたい……
「次から語尾に『ッス』付けるの禁止ね」
「えぇ!?なんで──」
私は勇気を出して動揺する翔太君の唇にキスをした。
「私、並みの女性よりズボラなクズ女だけど…もっと先に……行ってもいいかな?」
「ま、真由美さん………」
顔を真っ赤にする翔太君だったが、その顔から動揺が消え…少し大人な顔になった。
「分かった
「ありがとう…翔太君」
「……な?上手くいったろ?セバス」
「はい…少しは見直しましたよ。遊斗様…」
「オレも、そろそろ過去を清算しようと思うんだ…」
「
今日は少しくらい前に進めたのかな…?
翔太「真由美さん……やっぱり、ッスって付けたい…」
真由美「ダメよ。もっと踏み出したいから……ね?」
翔太「そうだね。僕も頑張るよ!」
真由美「じゃあ、今日は【水属性シンクロ】デッキを紹介するわ」
デッキ総枚数(40)
モンスター(24)
●超古深海王シーラカンス×3
●ダブルフィン・シャーク×2
●サイレント・アングラー×3
●竜宮の白タウナギ×2
●オイスターマイスター×3
●シャーク・サッカー×3
●フィッシュボーグ─アーチャー×2
●鬼ガエル×3
●黄泉ガエル×2
●フィッシュボーグ─ランチャー×1
魔法(11)
●サルベージ×3
●ワン・フォー・ワン×1
●手札断殺×3
●ハーピィの羽根帚×1
●死者蘇生×1
●貪欲な壺×1
●禁じられた聖杯×1
罠(5)
●水霊術─「葵」×3
●フィッシャー・チャージ×2
EXデッキ(15)
●白闘気双頭神龍×1
●氷結界の龍トリシューラ×1
●白闘気白鯨×2
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×1
●白闘気海豚×1
●瑚之龍×2
●ヴァレルロード・ドラゴン×1
●デコード・トーカー×1
●マスター・ボーイ×2
●リンク・スパイダー×1
●リンクリボー×2
真由美「今回は水属性にスポットライトを当ててデッキを作ったわ。白闘気シンクロはみんな挙って強い効果を持ってて私のレッド・デーモンズにも分けて欲しいくらいよ」
翔太「話逸れてるよ」
真由美「ごめんごめん……さて、今回のデッキはいかに早く黄泉ガエルを落としてシーラカンスを出すかで戦略が大きく変わるわ。黄泉ガエルは毎ターンに1度リンクリボーになれるし、リリース要員にも最適。だからこのカードはかなりのキーカードになるわ。だからこのデッキには鬼ガエルや手札断殺のような捨てられるカードを採用してるの」
翔太「仮にシーラカンスを引けなくても白鯨や海豚で戦えるように組まれてる訳か」
真由美「そ、もし足りないなぁと思ったら水精鱗─ディニクアビスを採用してもいいわね。アレも使いやすい効果だからね」
翔太「なるほど〜…あ、そろそろ時間だね」
真由美「さっ!明日は水着着て遊ぶわよ〜♪」
翔太「(出来れば高級ブランドのビキニとかパレオとか着て欲しかったッス…)」
真由美「なんか言った?」
翔太「何でもないッス」
真由美「こらー!ッスは禁止〜!」
遊斗「リア充爆ぜろ」
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お金と海と…(後編)【アビスホエール】
遊斗「ちょっ!?」
嘘です
「おはよう、翔太君」
「おはよう、真由美さん……やっぱり照れくさいッス」
「駄目よ!ッスは付けない約束でしょ?」
そんな事を言いながら起床した私達は互い違いに風呂に入り汗を流した。結局、互いにダブルベッドで眠れず壮絶な譲り合いの末にどっちもベッドを境にして翔太君が用意した寝袋に入って床で寝てしまった。もっと前に進んでもよかったのかもしれないけど…全年齢版はここまで!
「よーし!今日は海行ってデュエルして帰るわよー!」
「やっぱりデュエルはするんだ」
「この日の為にとデッキを2種類作ったのよ?使わずじまいなんて事はしないわ!」
必要な荷物だけエコバッグに投入したり金庫に預けたり見えにくい場所に隠したりした私達はそれぞれに別の場所で着替えをした。
「じゃーん!どうかしら?」
「すごく似合ってるよ!(安物で正解だったんだな…)」
私が選んだのは所謂紐ビキニという物で白を選んだ。
「なんか…僕と釣り合うかな……」
対する翔太君は黒にデフォルメされた流れ星がプリントされたサーフパンツだった。身長低いけど…鍛え過ぎずだらけずの中々良い体に幼さの滲み出た海パン…ぶっちゃけ好みです!
「ガン見しないでくれよ」
「あっ///ごめんね!じゃあ行こうよ!」
「夏の海にブーツは違うと思うけどなぁ…」
「そうね…盲点だったわ……トホホ…」
完全に舞い上がって忘れていた私だったが、ドアを開けるとそこには一足のサンダルがあった。高めのピンヒールが入った結構オシャレなサンダル……。
「(ありがとう!セバスティアンさん!!!)」
誰もいない廊下で手を合わせた私はサンダルを回収し履いた。履きやすく私にピッタリに調整されていた。ここもゾッとするのよねぇ…何で知ってるの?
「行こう!翔太君!」
取り敢えず、翔太君と一緒に私は外へ出た。
***********************
日焼け止めもないし、正直焼く覚悟で来ていたけど…外へ出てみると思っていたほど日差しは強くなく、快適な環境になっていた。これも遊斗君の計算通りなのか…。
「そういえば、セバスティアンさんと遊斗君がまだね」
「あー!みんな!待ってたぜ!」
遅れて遊斗君とセバスティアンさんがやって来た。遊斗君は何故かダイビング用のスーツ、セバスティアンさんは色気漂う黒いパレオだった。
「うーん……古霊さんそれ選んだのか〜…もしかしてと思ったんだけどやっぱりかー……」
私の水着姿を凝視した彼は何故が落ち込んでいた。何でだろ?
「え?これそんなに変なの?」
「はい、近くのスーパーマーケットに売っていた3000円の水着です」
「え……」
マジですか〜……完全にブランド物だと思ってましたわー…。私って絶対アブラガニとタラバガニを間違える人間ね。格付け最底辺。
「今からでも遅くないですのでお着替え致しませんか?」
「いいのいいの!身の丈に合う服を着るのが一番よ」
「すみません…真由美さんはこういう人なんですよ」
呆れ返る私以外のみんなに私は口笛を吹きながらエコバッグからビニール風船を取り出し、膨らませた。取り敢えず…話を逸らそう。
「せっかくだし、ビーチバレーでもやりましょう!」
「賛成〜!オレ古霊──ふぎょっ!?」
私に早速絡もうとした遊斗君とセバスティアンさんが羽交い締めにした。
「申し訳ありません。念入りに発情しないようにしたのですが…」
「気にしないで!…あ、そうだ!セバスティアンさん!私とやりましょ!」
「私ですか?」
「真由美さん!?」
これは女の子同士でチームを組むべきなんじゃないのかなぁ〜…と思っていたが、セバスティアンさんはバッテン印のジェスチャーをした。
「私は遊斗様のお世話がありますので今回は遠慮させていただきます」
「分かったわ。翔太君!一緒にやるわよ!」
「よし!絶対負けないぞー!」
こうして、私&翔太君 VS 遊斗君&セバスティアンさんの構図が出来上がった。一応、学校で習った経験から少しくらいは動けるかなぁ…と思ってたんだけど……。
「そらもう1発ッ!」
「きゃっ!?」
「申し訳ありません。負ける訳には参りませんので」
「くっ───!?」
ぶっちゃけビーチバレーなんて楽しむ余裕もクソもなかった。だって遊斗君もセバスティアンさんも大人気なくガチプレーで1点もくれないんだもん!正直、球の速度が速過ぎて飛んで行ったボールを拾いに行くので必死だった。
「(真由美さんの乳揺れを見る余裕なんて無かったッス…)」
「(セバス、手加減しろよ!真由美さんの乳揺れ見れなかっただろうが!)」
事件があったのは……何故か不満げな男性陣を一瞥し、人生で一番と思えるくらい強烈なサーブを放った時だった。遊斗君が衝撃を抑え切れず胸にボールが直撃し……
「あ……ヤベ………」
次の瞬間、遊斗君は後ろを向いた。セバスティアンさんも何故か慌てて遊斗君のスーツに手をかけた。そして、私は翔太君によって後ろを向かされた。
「なんで!?」
「良いから、遊斗の尊厳に関わるから見ないで欲しいんだ」
「?」
よく理解出来ないまま私は翔太君に手を引かれてビーチバレー用のコートを出た。
******************
「あ…危なかった」
「諸星様には御礼を差し上げなければなりませんね」
何とか処理が終わったオレは、セバスに感謝の言葉を告げた。
「仕事ですから」
セバスの無表情な顔からはその感情を読み取りにくい。でも、心配してくれている事だけは分かった。
「では、直しますので…じっとしていてください」
「キツイくらいでいい」
いつまでこの嘘が隠し通せるのだろうか……そんな恐怖心だけがオレの心の中を蝕んでいた。オレとセバス以外に唯一オレの秘密を知っている諸星………オレの秘密をアイツに見られた時…最初は口封じをしてやろうと思った。だが、諸星は今まで秘密を一緒に守ってくれた…古霊さんにもまだ言っていないようだ。
「調整が終わりました」
「ご苦労。さて、あの2人に何か埋め合わせをしてやらない……と…」
そう言って移動しようとした時、セバスがオレの右手を手に取り、それを自分の胸に押し当てた。掌がセバスの柔らかな胸に沈み込み……心音が手を伝って聞こえてきた。
「遊斗様」
「何だよ」
「私も遊斗様も同じ心臓が脈打っております。血も同じです……貴方は決して怪物ではございません」
「………あぁ、何せこの企画はオレの秘密を伝える為なんだからな…」
「どうか無理はなさらないでください。遊斗様は旦那様の子…何かあればこのセバス…腹を切らねばなりません」
「あぁ、だから頑張って伝えるよ」
掴んでいた手の力が緩み、オレは1人…2人を追った。セバスの不安げな顔がまだ頭の中に残っていた。
************************
「こんなの海外ドラマでしか見た事ないわ!凄いわね!」
ビーチチェアに仰向けに寝転がり、ビーチパラソルで日差しを避ける…こんなの今までやった事が無かった。
「これでマズイ焼きそばがあればサイコーだけどね」
「そうねぇ…あとは甘じょっぱい味噌がかかったおでんとか!」
何故かカラフルなお酒を飲む発想にならない私達はビーチチェアで寛いだ。
「悪い!遅れた」
「遊斗、大丈夫か?」
「あぁ、心配すんな」
男同士で何やらやり取りした後で、遊斗君はスタッフに何やら電話していた。なるほど、色々アイテムを装備出来るのはダイバースーツの利点ね。
「折角だし、豪華なランチを食べるとしよう。遠慮はしなくていい」
「では私が調理を───」
「セバスは切り分けを頼む」
「……」
あ、セバスティアンさん…しゅんとした。
「お待たせ致しました」
「サンキュ、チップは弾ませてもらうぜ」
遊斗君はバーベキューセット・テーブル・包丁・俎・クーラーボックスを持って来たスタッフ達にチップを渡していた。
「親父の方針でね…『アメリカ人の男はバーベキューを取り仕切られる人間になれ』ってね。今日はオレが用意した肉を味わってもらうよ」
クーラーボックスを開けると、分厚い牛肉の塊や野菜が入っていた。青空の下でバーベキューを食べるなんて素敵じゃないの。
「そいつはアメリカ産だけど、個人契約した酪農家から買い付けている良質なランプ肉なんだ。まぁ、食べてみりゃ分かる。和牛にも決して劣らない味を保証するよ」
「本当か〜?」
「オレを疑うってのか!?」
軽い口論になっている間に私とセバスティアンさんは野菜と肉を切っていた。確かに…従来のアメリカ産のイメージとは違って柔らかくてすぐに包丁が入る。
「遊斗様はバーベキューと言っていますが、実質ステーキです。遊斗様の方針で分厚く切らせていただきます」
「一口サイズの方がいいのに」
「“日本のステーキは貧相過ぎる”との事で本場のステーキを食べさせたいそうです」
「なるほど…」
「サンキュ、セバス!」
セバスティアンさんが分厚く切ったステーキを遊斗君はブッチャーナイフで突き刺し、オリーブオイルと刻んだニンニクを炒めた鉄板の上に移動させた。すぐ隣では無塩バター・オリーブオイル・塩などを混ぜたタレ(?)のような物を作っており、如何に本気かが分かる。
「まぁ、見てろよ」
凄く良い香りが広がる中で遊斗君は真剣な眼差しで肉を焼いていた。しばらく待ってから、遊斗君特製のステーキが焼きあがった。5分程寝かせた後…
「本物のステーキってのは素材そのままの旨味を味わうものなんだけどな、オレは自信無いから味を付ける主義だ。よし、後はこの溶かしバターソースをかけて…完成だ!」
「美味しそう…!」
「セバス、切り分けておけ」
「畏まりました」
セバスティアンさんが手際よくステーキを切り分け、サイコロサイズにして紙皿に移した。もう食べられるという事かしら?
「どうぞ、熱々の内にお召し上がり下さい」
「いただきまーす!」
ご丁寧に箸も用意してくれていたので早速ステーキを口に運──
「……私…生まれて初めてアメリカ産の肉が美味いって思ったわ」
「美味すぎて死にそうッス」
語尾に『ッス』は……まぁいいか。その内慣れるでしょ。
「野菜も焼けてるから食べろ」
「えー…食いたくないんだけど」
「あ?野菜も食わないと嫌な体臭が出たり、健康にも悪いんだぞ!」
「たまにくらいいいだろ!?」
何やってるんだか。仲良く喧嘩してなさいな。あ、美味しそうに焼けたニンジン…食べようかな。
「古霊さんを見ろ、文句言わずに食ってるぞ!」
「バターソース使っていいかしら?」
「いいぜ。使えよ」
「くー…っ!僕も食べてカッコイイとこ見せなきゃ!」
「その調子だ!ピーマンも食えよ!」
こうして、昼はワイワイ騒ぎながらステーキと野菜を食べた。何故遊斗君が尊大な態度を取っていたのか聞いてみたところ、セバスティアンさん曰く「ピットマスターだから」。ナニソレイミワカンナイ。
************************
「楽しかったわね!」
「何か…昼食べたらもうゆっくりしたくなりますね」
結局、お昼を食べたら休みたくなってしまった私達は部屋に戻り、シャワーを浴びていつもの服に着替えた。
「真由美さん、もう帰る時間になってきたね」
「あっという間だったわね…」
荷物を片付けながら、私達はデュエルの用意も始めていた。
「あと残されたもう1個のデッキか…」
「こっちも水属性だけど一味違うわよ」
シャッフルしながら、私はたっぷりと自信を滲ませた。このデッキこそ本命。ネタに走った…色々とすごいデッキ。
「じゃあ、この部屋ともお別れって事で!ラストデュエル行きますか!」
「負けないぞ!」
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
翔太 LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!!」」
「先攻はもらったわ!私の先攻!」
いきなり引けたわね…!
「スタンバイフェイズと同時に速攻魔法カード『手札断殺』発動!互いに手札を2枚墓地へ送り、その後2枚ドローする!さらに、墓地に送った『黄泉ガエル』の効果発動!スタンバイフェイズ時に自分フィールドに魔法・罠カードが存在しない場合、墓地から特殊召喚出来る!」
黄泉ガエル 星1 DEF100
「このカードは魚族・水族・海竜族が召喚・特殊召喚に成功した時、手札から特殊召喚出来る!『シャーク・サッカー』を特殊召喚!」
シャーク・サッカー 星3 DEF1000
「召喚条件はレベル1モンスター1体!黄泉ガエルをリンク素材に『リンクリボー』をリンク召喚!」
リンクリボー LINK-1 ATK300 リンクマーカー【下】
「前と変わり映えしないような………」
「それはどうかしら?私はリンクリボーとシャーク・サッカーをリリースして『ビッグ・ホエール』をアドバンス召喚!」
「ビッグ・ホエール!?」
ビッグ・ホエール 星9 ATK1000
「ビッグ・ホエールの効果発動!このカードがアドバンス召喚に成功した時、このカードをリリースして発動できる。デッキからレベル3の水属性モンスター3体を特殊召喚!私は『水精鱗─ネレイアビス』・『キラー・ラブカ』・『オイスターマイスター』を特殊召喚!」
水精鱗─ネレイアビス 星3 DEF2000
キラー・ラブカ 星3 ATK700
オイスターマイスター 星3 ATK1600
「ただし、この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される」
「モンスターが増えた…!」
「召喚条件は水属性モンスター2体!オイスターマイスターとキラー・ラブカでリンク召喚!来い!『マスター・ボーイ』!」
マスター・ボーイ LINK-2 ATK1400 リンクマーカー【左下・右下】
「まだよ!オイスターマイスターの効果発動!オイスターマイスターは戦闘以外の方法でフィールドから墓地へ送られた時、オイスタートークンを特殊召喚するわ!」
オイスタートークン 星1 DEF0
「マスター・ボーイが存在する限り、私のフィールドの水属性モンスターの攻守は500ポイントアップする!」
マスター・ボーイ ATK1400→1900
水精鱗─ネレイアビス DEF2000→2500
オイスタートークン DEF0→500
「このカードは通常召喚できず、自分の墓地の水属性モンスターが5体の場合のみ特殊召喚できる!『氷霊神─ムーラングレイス』を特殊召喚!」
「げぇっ!?」
氷霊神─ムーラングレイス 星8 ATK2800→3300
「このカードが特殊召喚に成功した時、相手の手札をランダムに2枚選んで捨てる!」
「戦線復帰とアイス・ベルが…!」
やった!ピンポイントで落とせた!
「続けて!ネレイアビスとオイスタートークンで2体目のマスター・ボーイをリンク召喚!」
マスター・ボーイ LINK-2 ATK1400→2400 リンクマーカー【左下・右下】
マスター・ボーイ ATK1900→2400
氷霊神─ムーラングレイス ATK3300→3800
「ネレイアビスがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。自分はデッキから1枚ドローし、その後手札を1枚選んで捨てる。この瞬間、墓地へ送られた『水精鱗─アビスグンデ』の効果発動!このカードが手札から墓地へ捨てられた場合、自分の墓地からアビスグンデ以外の水精鱗と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚できる!墓地のネレイアビスを特殊召喚!」
水精鱗─ネレイアビス 星3 DEF2000→3000
「カードを1枚伏せてターンエンド」
終わってみれば手札こそ使い切ったものの、翔太君の手札を2枚削り・モンスターを4体展開し、伏せカードも1枚用意出来た。中々の盤面だ。
「僕のターン、ドロー!」
「そして、罠カード『水霊術─「葵」』を発動!自分フィールドの水属性モンスター1体をリリースして相手の手札を確認し1枚選んで捨てる!ネレイアビスをリリースして…っと。さ、手札を見せて♪」
「………っ!」
ふむふむ……
●SRベイゴマックス
●SRタケトンボーグ
●WW-グラス・ベル
●ハーピィの羽根帚
か……。
「じゃ、SRベイゴマックスを捨ててね♪」
「あ…あんまりだぁ……」
「さらに、ネレイアビスの効果発動!デッキからカードを1枚ドローし、その後1枚を捨てる(……これは…!)」
これで打つ手の殆どは削った。後は最後の悪足掻きをするしか無い。
「僕はまだ諦めない!チューナーモンスター『WW-グラス・ベル』を召喚!」
WW-グラス・ベル 星4 ATK1500 チューナー
「グラス・ベルの召喚・特殊召喚に成功した時、デッキからグラス・ベル以外のWWを手札に加える。僕は『WW-スノウ・ベル』を手札に加える。さらに!タケトンボーグは、自分フィールドに風属性が存在する場合に手札から特殊召喚出来る!」
SRタケトンボーグ 星3 ATK600
「まだまだ!手札のチューナーモンスター『WW-スノウ・ベル』は自分フィールドに風属性モンスターのみが2体以上存在する場合に特殊召喚出来る!」
SRスノウ・ベル 星1 ATK100 チューナー
「レベル3のタケトンボーグにレベル4のグラス・ベルをチューニング!シンクロ召喚!『WW-ウィンター・ベル』!」
WW-ウィンター・ベル 星7 ATK2400
「ウィンター・ベルの効果発動!自分の墓地のWWモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターのレベル×200ダメージを相手に与える!グラス・ベルを選択し800ダメージを与える!」
真由美 LP8000→7200
「レベル7のウィンター・ベルにレベル1のスノウ・ベルをチューニング!シンクロ召喚!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000
「ムーラングレイスさえ破壊出来ればまだチャンスはある!バトル───」
「この瞬間、墓地から罠カード発動!『仁王立ち』!」
「え?そんなカードいつ………!」
回想───
真由美「スタンバイフェイズと同時に速攻魔法カード『手札断殺』発動!互いに手札を2枚墓地へ送り、その後2枚ドローする!」
回想終了──
「あの時か……!」
「このカードは墓地から除外する事でモンスターの攻撃対象を1体に固定させる事が出来る!私は攻撃対象をメインモンスターゾーンのマスター・ボーイに変更!」
「ならマスター・ボーイを攻撃!」
「さらに墓地から『キラー・ラブカ』の効果を発動!このカードを墓地から除外する事でモンスター1体の攻撃を無効にする!」
「させるか!クリスタルウィングの効果発動!1ターンに1度、モンスター効果を無効にし破壊する!」
真由美 LP7200→6600
氷霊神─ムーラングレイス ATK3800→3300
マスター・ボーイ ATK2400→1900
「うっ……!でも、マスター・ボーイの効果発動!このカードが戦闘・効果で破壊された場合、自分の墓地の水属性モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを手札に加える!私はビッグ・ホエールを手札に加える!」
「くっ……、今さっき墓地へ送られたカードは『ブレイクスルー・スキル』。って事は……」
「お仕置きの時間よ!」
私は腰に手を当て渾身のドヤ顔を披露した。
「カードを1枚伏せてターンエンド…」
「私のターン!ドロー!この瞬間、墓地の黄泉ガエルの効果発動!さらにチェーンして墓地のブレイクスルー・スキルの効果発動!このカードを除外する事で相手モンスター1体の効果をエンドフェイズまで無効にする!」
「クリスタルウィングが…!」
「さらに、黄泉ガエルの効果を処理し墓地から特殊召喚!」
黄泉ガエル 星1 DEF100
「魔法カード『サルベージ』を発動!墓地の攻撃力1500以下の水属性モンスター2体を手札に加える!私は『水精鱗─ネレイアビス』と『水精鱗─アビスグンデ』を手札に加える!さらに、サルベージで手札に加えたネレイアビスを召喚!」
水精鱗─ネレイアビス 星3 ATK1200→1700
「召喚条件は効果モンスター2体以上!そして、マスター・ボーイはリンク素材2体分とする事も出来る!マスター・ボーイとネレイアビスでリンク召喚!『デコード・トーカー』!」
デコード・トーカー LINK-3 ATK2300 リンクマーカー【上・左下・右下】
氷霊神─ムーラングレイス ATK3300→2800
「さらに、ネレイアビスがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。自分はデッキから1枚ドローし、その後手札を1枚選んで捨てる。この瞬間、墓地へ送られた『水精鱗─アビスグンデ』の効果発動!このカードが手札から墓地へ捨てられた場合、自分の墓地からアビスグンデ以外の水精鱗と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚できる!墓地のネレイアビスを特殊召喚!」
水精鱗─ネレイアビス 星3 ATK1200
「召喚条件は効果モンスター2体以上!そして!デコード・トーカーはリンク素材3体分とする事が出来る!デコード・トーカーとネレイアビスでリンク召喚!来い!『トポロジック・ボマー・ドラゴン』!」
トポロジック・ボマー・ドラゴン LINK-4 ATK3000 リンクマーカー【上・左下・下・右下】
「さらに魔法カード『ミニマム・ガッツ』を発動!自分フィールド上のモンスター1体をリリースし、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターの攻撃力はエンドフェイズ時まで0になる。このターン、選択したモンスターが戦闘によって破壊され相手の墓地へ送られた時、そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える!黄泉ガエルをリリース!」
「しまった!?」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→0
「バトル!トポロジック・ボマー・ドラゴンでクリスタルウィング・シンクロ・ドラゴンを攻撃!《必滅のプロミネンス・ストリーム》!!!」
「うわっ!?」
翔太 LP8000→5000
「さらに、トポロジック・ボマー・ドラゴンが相手モンスターを攻撃したダメージ計算後に発動する。その相手モンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える!」
翔太 LP5000→2000
「そして!ミニマム・ガッツの効果により追加で3000ダメージよ!」
「負けた〜!!!」
翔太 LP2000→0
************************
荷造りを終え、外へ出た私達は遊斗君とセバスティアンさんが見送りで待ってくれていた。
「今回は本当にありがとう。いい経験が出来たわ!」
「遊斗、ありがとな!」
「ま、オレもちょっとはカッコイイところを見せられたかな〜って思ったが…ホントは感謝してるんだぜ?」
「え?」
遊斗君はポリポリと頬を掻くと、照れた。と…ここでセバスティアンさんが真面目な表情をした。シリアスタイムらしい。
「遊斗様は御二方のおかげで変わられました。日本へ来た時の遊斗様はしきたりと欲望に満ちた社交界から逃げかなり怯えていました。権力と美貌を生かし、己を偽って常に強者のフリをしていました……」
「おい、セバス…!」
遊斗君が何かを止めようとするのをセバスティアンさんは手で制した。
「諸星様は既に御存知なので、古霊様に真実を告げましょう。遊斗様は今日の為にかなり勇気と覚悟を決めて御二方を招待しました。が、やはり遊斗様がヘタレましたので私が代わって申し上げます。この真実はかなり深刻なので遊斗様のお言葉を聞いた時…私は幾度も問いました。『それで良いのか』と……」
「あーもう!勿体ぶらないでシャキッと言いなさいよ。こういう空気苦手なのよ私…」
何か嫌な予感がしつつ、私は翔太君の不安げな表情を一瞥した。恐らく…そうとうヤバイ話なのだろう。不安過ぎてドキドキする……。セバスティアンさんの小さな唇が開き、言葉が紡ぎ出された。
「太陽 遊斗は『半陰陽』と呼ばれる身体障害を抱えております」
「……?」
「あーもう!言葉じゃ分かんないなら…!」
遊斗君はそう言うと、背中をゴソゴソと弄り…直後。
「えっ…?」
遊斗君の胸が急に膨らんだ。それじゃ…まるでコルセットか何かで押さえつけてたみたいじゃない……?
「オレは男でもあり女でもあるって事だ!!!いい加減気付けよ!」
遊斗君が大声で叫んだ。顔は羞恥と悔しさで歪んでいる。そうとうな勇気を出して私に打ち明けてくれたのだろう。私は大きく溜め息を吐くと言葉を返した。
「………で?」
「で?……って!」
「それがデュエルにどんな影響を及ぼすの?遊斗君のデュエルタクティクスにはいつも驚かされてるし、奇想天外な発想…私大好きよ?でも、そこに半陰陽だっけ?そんなの関係無いじゃない」
「なっ…!オレがこの日の為にどんだけ緊張したか知ってんのか!?オレ…怖かったんだぞ!心は男なのに体の9割は女なんだぞ!この体を知られたくなくてオレは…十何年間もの人生を純粋な男と偽って生きてきたんだ……あぁ!だから体育の授業なんて賄賂使って受けないよう工作したし、着替えをする授業は一切出なかった!だからオレは逆らえば恐ろしい男を演じ続けた!……バレるのが怖くて…」
なるほど…全部繋がった。遊斗君がテンプレな金持ちチャラ男を演じていたのも…極神皇ロキを『化身』と言ったのも…やたら肌を隠していたのも……。
「でも、そんな事で私が拒絶すると思った?」
「………」
「勿論、貴方の愛は受け取れないわ。私は翔太君を愛してる…でも、私は貴方のデュエリストとしての姿勢は尊敬してる。それでいいじゃない!いつものまんまよ?遊斗君は遊斗君!私に絡んで飄々としてるいつもの遊斗君でいなさい」
「……ははは、とんだデュエル馬鹿だ。頑張って告白したオレが阿呆みてぇだ…」
「だから言ったでしょう?大丈夫と」
「言ってねぇよセバス!お前心配してたろうが!!!」
「「ハハハハハ!!!」」
まるで夫婦漫才みたいな会話に、私と翔太君はお腹を抱えて2人の痴話喧嘩を笑った。遊斗君の顔からはいつも表情に混じっていた負の感情は消えて無くなっていた……。
この2日間…本当に楽しかったわ!ありがとう!二人共!
遊斗「えー…改めてよろしく〜…」
真由美「改めてよろしくね、遊斗“ちゃん”♪」
遊斗「うがあああああああ!!!幼少期のトラウマがぁああああああああ!!!」
真由美「冗談よ、おっぱいついてよういまいと遊斗君は遊斗君よ♪ね?」
翔太「そうそう、あっても無くてもデュエルに関係ねーよ」
遊斗「……だよな。よぉし!今日はオレがデッキレシピを紹介しよう!幸い、このデッキタイプは見た事があるしな」
デッキ総枚数(40)
モンスター(22)
●ビッグ・ホエール×3
●氷霊神─ムーラングレイス×1
●水精鱗─ディニクアビス×2
●水精鱗─ネレイアビス×3
●水精鱗─アビスグンデ×2
●キラー・ラブカ×1
●オイスターマイスター×2
●シャーク・サッカー×3
●鬼ガエル×3
●黄泉ガエル×2
魔法(14)
●手札断殺×2
●サルベージ×3
●貪欲な壺×1
●浮上×2
●ワン・フォー・ワン×1
●おろかな埋葬×1
●死者蘇生×1
●簡易融合×2
●ミニマム・ガッツ×1
罠(4)
●水霊術─「葵」×2
●仁王立ち×1
●ブレイクスルー・スキル×1
EXデッキ(15)
●テセウスの魔棲物×2
●白闘気白鯨×1
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×1
●白闘気海豚×1
●瑚之龍×1
●ヴァレルロード・ドラゴン×1
●トポロジック・ボマー・ドラゴン×1
●デコード・トーカー×2
●マスター・ボーイ×3
●プロキシー・ドラゴン×1
●リンクリボー×1
遊斗「基本は水精鱗の動きで展開する水属性ビートダウンデッキだが、このデッキの魅力は何と言っても場持ちの良さだ。黄泉ガエルは毎ターンにリンクリボーへと変化出来るし、ビッグ・ホエールさえ手札に加われば場持ちの良さを生かして一斉展開しリンク召喚で叩き伏せる!」
真由美「水属性の枚数を調整出来るからピンでムーラングレイスを入れているわ。上手く噛み合えばハンデスで相手を妨害出来るの」
翔太「なるほど…テセウスの魔棲物を入れる事でリンク召喚とシンクロ召喚にも対応出来るようにしたんだね」
真由美「そうよ、伏せカードとして伏せるカードを少なくしたから防御面は落ちたけどモンスターで守っていけば1発逆転もあり得るっていうのがこのデッキの魅力かな?」
翔太「ある程度実戦能力も有してるっていうのがポイントだね」
真由美「うん!(言えない…本当は【シャーク・ドレイク】にしようとしていたなんて絶対言えない…!)」
遊斗「さってと、オレはこの後スタッフの皆と打ち上げに行く事になってるからここらで帰るよ。じゃあな!」
真由美&翔太「「バイバーイ!」」
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広がるタ キ オ ン【銀河忍者】
翔太「気にしたら負けだと思うよ」
「へぇ〜…珍しいの見つけちゃった」
喫茶店の読書コーナーに追加で置いておく本を古本屋で探していたら珍しい本を見つけた。そう、あの某巨大ロボット仕置人アニメ…その続編の小説!結構レアじゃないかしら!
「……んー…でも本編見なきゃ全く話についていけないわよねぇ…」
そういった事情から残念ながら購入は断念、やむを得ず某忍殺のまとめ売りがあったので、それを購入した。幸いにもお金はマスターから出ていた為、大きめの買い物も出来た。
「あ…」
お会計を終えた時、久々に天啓が降りて来た。ふむふむ……忍者とギャラクシーアイズで戦え…と。
「いいわ。なら早速見せてやりましょう!忍者とギャラクシーアイズの可能性って奴をね!」
「てんちょーお久〜!」
「おぅ!真由美ちゃん聞いてくれよ!」
2日ぶりにカードショップに行くと、店長が何やら鼻息が荒い。何かあったのかしら?
「俺彼女出来たさ」
「へー彼女ぉぉぉおおおおおおおお!?」
ビビった。デブで汗臭くてお下品な男が好きな女の子なんていたのね。いや…半ばショタ趣味の私も同類か……。スマホの画面見ろって?何々………
「かなりの美人じゃないの!?」
「そーなんだよ〜!昨日行った合コンでさ、意気投合しちゃって!今日は夕方に店閉めちゃう!」
「えー……」
なんかムカつく上に傍迷惑なんですがそれは……。
「なら、夕方から閉店時間の8時まで店番してます?」
「え!?いいの!?頼んじゃうよお願いしちゃうよ〜?」
「一応契約書の方を書かせていただきます」
「じゃあ、今すぐ行こうかな」
「おい」
結局、14:00時から20:00時までの6時間の単発バイトとして店番を引き受けた私は、内心こっそりカード流通業者との会話記録を残しているという帳簿を探し新たなフラゲ情報を集めようかと企んでいた。ま、冷静に考えたら監視カメラ付いてるしやらないけどね〜♪
*********************
「遊斗達は仕事で来れないってさ」
「そうなの…」
先日の一件から、急に自信を取り戻した遊斗君は社交界に戻り、太陽家の跡取りとして活動を再開したらしい。なんか寂しい。
「まぁ、その内戻って来るでしょ」
「大丈夫かな〜…アイツの事だから1週間保たない気がするけど……」
そんなに心脆いの!?大丈夫かしら……
「それより、デュエルしましょ!早速出来上がったデッキで戦いたいわ」
「それよりで記憶の彼方に消される遊斗……」
「きっと今日の終わりくらいで戻って来るわ。理由は何となく」
マットを敷き、デッキをセットした私達はデュエルの用意を整えた。少し先祖返りした感じだけど…どう評価してくれるかな?
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
翔太 LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!」」
よし、先攻いただき!
「私の先攻!魔法カード『トレード・イン』!手札のレベル8モンスター1体を墓地へ送り、デッキからカードを2枚ドローする。『忍者マスターHANZO』を召喚!」
「忍者デッキか…」
忍者マスターHANZO 星4 ATK1800
「HANZOの召喚に成功した時、デッキから忍法魔法・罠カードを1枚手札に加える。さらに永続魔法『隠密忍法帖』!1ターンに1度、手札の忍者モンスター1体を墓地へ送り、デッキから忍法魔法・罠カードをセットする。カードを1枚伏せてターン終了」
「僕のターン、ドロー!自分フィールドにモンスターが存在しないので『SRベイゴマックス』を特殊召喚!」
SRベイゴマックス 星3 ATK1200
「ベイゴマックスの効果発動!デッキからベイゴマックス以外のスピードロイドを1体手札に加える。僕は『SRタケトンボーグ』を手札に加える。そして、タケトンボーグは自分フィールドに風属性モンスターがいるなら手札から特殊召喚出来る!」
SRタケトンボーグ 星3 ATK600
「タケトンボーグの効果発動!このカードをリリースする事でデッキからスピードロイドのチューナーを特殊召喚出来る!チューナーモンスター『SR赤目のダイス』を特殊召喚!」
SR赤目のダイス 星1 DEF100 チューナー
「赤目のダイスの効果発動!このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、自分フィールドのこのカード以外のスピードロイドのレベルを1〜6に変更する!ベイゴマックスのレベルを6に変更!」
SRベイゴマックス 星3→6
「レベル6となったベイゴマックスにレベル1の赤目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 星7 ATK2500
「さらに通常召喚!『SRダブルヨーヨー』!」
SRダブルヨーヨー 星4 ATK1400
「ダブルヨーヨーの召喚に成功した時、墓地のレベル3以下のスピードロイドを1体特殊召喚する!チューナーモンスター『SR赤目のダイス』を特殊召喚!」
SR赤目のダイス 星1 DEF100 チューナー
「レベル7のクリアウィング・シンクロ・ドラゴンにレベル1の赤目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000
「ブンブン回してるわねぇ」
「ありがとう!バトル!クリスタルウィングで忍者マスターHANZOを攻撃!!!」
無計画に攻めてきて……反撃なんていくらでも出来るわよ!
「永続罠『忍法─超変化の術』を発動!」
「!?」
「互いのフィールドのモンスター1体を選択し、そのモンスターをリリースする事でデッキからリリースしたモンスターのレベルの合計以下のレベルを持つドラゴン族・恐竜族・海竜族モンスター1体を自分のデッキから自分フィールド上に特殊召喚する!HANZOとクリスタルウィングをリリース!」
「あぁっ!?」
「私は『白竜の忍者』を特殊召喚!」
白竜の忍者 星7 ATK2700
「メインフェイズ2…カードを一枚伏せてターンエンド」
「私のターン、ドr───」
「レモンのおばちゃん!今日店番なの?」
と、ここでいつも世話になっている美容室の息子さんである「堅太」君とその友人が入店してきた。
「そうよ〜♪てんちょーはサボりだから今日はおばちゃんが店番なの」
「えー…」
小学生にまでドン引きされてるわよ…店長。
「あ、おばちゃんの彼氏だ〜!」
「うっす!お前ら、元気に遊んでるか?」
強制的にデュエルが中断となったけど、まぁいいかな。
「おばちゃん達、昨日までホテル行ってたんでしょ?」
「なっ////」
「いや…ホテルだけどさ、やましい事はやってないぞ…してないぞ!」
「えー?俺たちラブホだなんて一言も言ってないけど〜?」
「「/////」」
この悪ガキどもめ…覚えておけよ……。
「雄乃!デュエルやろうぜ!俺はおばちゃんがくれたデッキで戦うぜ!」
「よっし、負けねぇぞ!」
小学生達がデュエルに興じ始めた辺りで私達も戦いを再開した。
「じゃあ改めて、私のターン!ドロー!このカードは忍者モンスター1体をリリースしてアドバンス召喚が出来る。白竜の忍者をリリースして『黄昏の忍者将軍─ゲツガ』をアドバンス召喚!」
黄昏の忍者将軍─ゲツガ 星8 ATK2000
「超変化の術は対象を失うが、リビングデッドの呼び声と同じでフィールドには残る。魔法カード『機甲忍法─ゴールド・コンバージョン』を発動!自分フィールドの表側表示で存在する忍法魔法・罠カードを全て破壊しデッキからカードを2枚ドローする。ゲツガの効果発動!このカードを守備表示にする事で墓地の忍者を2体守備表示で特殊召喚出来る!私は墓地から2体の『黄昏の忍者将軍─ゲツガ』を特殊召喚!」
黄昏の忍者将軍─ゲツガ 星8 DEF3000
黄昏の忍者将軍─ゲツガ 星8 DEF3000
「さらに永続罠『忍法─分身の術』を発動!自分フィールド上の忍者モンスター1体をリリースして発動できる。レベルの合計がリリースしたモンスターのレベル以下となるようにデッキから忍者モンスターを任意の数だけ表側攻撃表示または裏側守備表示で特殊召喚する!ゲツガをリリースして『忍者マスターHANZO』と『成金忍者』を特殊召喚!」
忍者マスターHANZO 星4 ATK1800
成金忍者 星4 DEF1800
「HANZOが特殊召喚に成功した時、デッキから忍者モンスター1体を手札に加える。さらに!成金忍者の効果発動!手札の罠カードを1枚墓地へ送り、デッキから忍者モンスター1体を表側守備表示または裏側守備表示で特殊召喚する!『機甲忍者─アクア』を特殊召喚!」
機甲忍者─アクア 星4 DEF1600
「レベル8の黄昏の忍者将軍─ゲツガ2体でオーバーレイ!《宇宙を貫く雄叫びよ、遥かなる時を遡り銀河の源より蘇れ!顕現せよ、そして我を勝利へと導け!》エクシーズ召喚!『No.107 銀河眼の時空竜』!」
No.107 銀河眼の時空竜 ランク8 ATK3000
「さらに『RUM─アージェント・カオス・フォース』を発動!自分フィールド上のランク5以上のエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターよりランクが1つ高いCNo.またはCXと名のついたモンスター1体を、選択した自分のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する!私はNo.107 銀河眼の時空竜でオーバーレイネットワークを再構築!カオス・エクシーズ・チェンジ!《逆巻く銀河を貫いて、時の生ずる前より蘇れ。永遠を超える竜の星!》顕現せよ、『CNo.107 超銀河眼の時空龍』!」
CNo.107 超銀河眼の時空龍 ランク9 ATK4500
「CNo.107 超銀河眼の時空龍の効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使い、このカード以外のフィールド上に表側表示で存在する全てのカードの効果はターン終了時まで無効になり、このターン、相手はフィールド上のカードの効果を発動できない!《タイム・タイラント》!!!」
「しまった…!」
「このターンで仕留める…!速攻魔法『ハーフ・シャット』を発動!フィールドのモンスター1体の攻撃力を半分にする代わりにこのターン、戦闘では破壊されない!対象はダブルヨーヨー!そして、CNo.107 超銀河眼の時空龍の効果発動!このカードがNo.107 銀河眼の時空竜をエクシーズ素材としている場合、自分フィールドのモンスター2体をリリースする事でこのターン、モンスターに3回攻撃を行う事が出来る!私は成金忍者とアクアをリリース!これで4500の3回攻撃が可能となったわ…!バトル!まずは1回目の攻撃!《アルティメット・タキオン・スパイラル》!!!」
「うおっ!?」
翔太 LP8000→4900
「だが、僕もこのままやられる訳にはいかないんでね!手札からチューナー『SR-OMKガム』の効果発動!自分・相手のバトルフェイズに自分が戦闘・効果でダメージを受けた場合に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。」
SR-OMKガム 星1 DEF100 チューナー
「……ハーフ・シャットの効果が仇になったわけねぇ…」
「このカードの効果でこのカードが特殊召喚に成功したバトルフェイズに発動できる。このカードを含む自分フィールドの風属性モンスターのみをシンクロ素材としてシンクロ召喚する!レベル4のダブルヨーヨーにレベル1のOMKガムをチューニング!シンクロ召喚!『HSRマッハゴー・イータ』!」
HSRマッハゴー・イータ 星5 DEF1000
「さらに、OMKガムがシンクロ素材として墓地へ送られた場合に発動できる。自分のデッキの一番上のカードを墓地へ送り、そのカードがスピードロイドモンスターだった場合、このカードをシンクロ素材としたシンクロモンスターの攻撃力は1000アップする!僕が墓地へ送ったのは『SR三つ目のダイス』!」
HSRマッハゴー・イータ ATK2000→3000
「続けて、CNo.107 超銀河眼の時空龍でマッハゴー・イータを攻撃!《アルティメット・タキオン・スパイラル》!」
「戦闘破壊されるが、CNo.107 超銀河眼の時空龍はモンスターにしか攻撃出来ない。よって3回目の攻撃は出来ない」
「ならばHANZOでダイレクトアタックよ!」
「通す…!」
翔太 LP4900→3100
「私はこれでターン終了」
予定としては3回攻撃でダブルヨーヨーをサンドバッグしてワンショットキルする予定だったんだけど…上手くいかないわねぇ。
と、ここで小学生達が割り込んできた。カードが欲しいらしい。
「レモンのおばちゃん!ショーケースのカードが欲しいんだけど!」
「ショーケースの何のカードが欲しいの?」
「『鳥銃士カステル』!」
「300円よ。在庫箱にある筈だからちょっと待ってて」
私は1度デュエルを中断し、『300〜500円のカード』と書かれた箱を開けて中からカードを物色する。あったあった。
「はい、300円頂戴」
「ありがとう!」
一応、帳簿に記録を付けた私は小学生の背中を見送ってからデュエルを再開した。
「次は翔太君のターンね」
「うん、僕のターン…ドロー!『ガスタの神裔ピリカ』を召喚!」
ガスタの神裔ピリカ 星3 ATK1000
久々のピリカがキター!!!これはアレの流れよね……。
「ピリカが召喚に成功した時、墓地から風属性チューナー1体を効果を無効にして特殊召喚する!チューナーモンスター『SR三つ目のダイス』を特殊召喚!」
SR三つ目のダイス 星3 ATK300 チューナー
「レベル3のピリカにレベル3の三つ目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!来い!『ダイガスタ・スフィアード』!!!」
ダイガスタ・スフィアード 星6 ATK2000
「ダイガスタ・スフィアードがシンクロ召喚に成功した時、墓地のガスタカードを1枚手札に戻す。僕はガスタの神裔ピリカを手札に戻す!」
見事な流れで盤面を回復した翔太君が追撃を仕掛けてくる辺り、流石といったところか。
「さらに装備魔法『巨大化』を発動!ダイガスタ・スフィアードに装備!装備モンスターは攻撃力を2倍にする!」
ダイガスタ・スフィアード ATK2000→4000
「バトル!ダイガスタ・スフィアードでHANZOを攻撃!」
「やるわね!!!」
真由美 LP8000→5800
「そして、これでトドメだ!罠カード発動!『イクイップ・シュート』!」
「!?」
「イクイップ・シュートはバトルフェイズ中のみ発動する事ができる。自分フィールド上に表側攻撃表示で存在するモンスターに装備された装備カード1枚と相手フィールド上に存在する表側攻撃表示のモンスター1体を選択し、選択した装備カードを選択した相手モンスターに装備する。その後、選択した装備カードを装備していた自分のモンスターと、選択した相手モンスターで戦闘を行いダメージ計算を行う!」
「つまり、攻撃力倍加状態のネオタキオンにダイガスタ・スフィアードが戦闘を行う形になり……」
「ダイガスタ・スフィアードの反射ダメージ効果で僕の勝ちだ!」
なるほど、ダイガスタ・スフィアードを活かすための戦術という訳ね。発想は褒めてあげるわ。でも……
「そんな事させると思った?手札からカウンター罠『タキオン・トランスミグレイション』発動!このカードは自分フィールドにギャラクシーアイズ・タキオン・ドラゴンモンスターがいるなら手札から発動できる!自分フィールド上にギャラクシーアイズが存在する場合に発動できる。このカードの発動時に積まれていたチェーン上の全ての相手の効果モンスターの効果・魔法・罠カードの発動を無効にし、この効果で発動を無効にしたフィールド上のカードを全て持ち主のデッキに戻す!」
「なっ!?」
「よって……無効よ」
イクイップ・シュートが消えた事で戦闘そのものが不成立となり、装備魔法も元のままとなる。
「くっ………!ターンエンド」
渾身のコンボを崩された事で動揺する翔太君に追撃を加えるべく私はデッキの上に指をかけた。
「私のターン、ドロー!!!」
残念だけど…始末の時間ね。
「CNo.107 超銀河眼の時空龍の効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使い、このカード以外のフィールド上に表側表示で存在する全てのカードの効果はターン終了時まで無効になり、このターン、相手はフィールド上のカードの効果を発動できない!《タイム・タイラント》!!!」
ネオタキオンを正規召喚する利点ってやっぱりタイム・タイラントを連発出来る事だと思う。
ダイガスタ・スフィアード ATK4000→2000
「魔法カード『強欲で貪欲な壺』発動!デッキの上からカードを10枚裏側で除外し、デッキからカードを2枚ドローする!」
よし、決着を付けるカード…引けた!
「さらに魔法カード『死者蘇生』を発動!墓地から『黄昏の忍者将軍─ゲツガ』を特殊召喚!」
黄昏の忍者将軍─ゲツガ 星8 ATK2000
「ゲツガの効果発動!このカードを守備表示にする事で墓地の忍者を2体守備表示で特殊召喚出来る!『黄昏の忍者将軍─ゲツガ』と『忍者マスターHANZO』を特殊召喚!」
黄昏の忍者将軍─ゲツガ 星8 DEF3000
忍者マスターHANZO 星4 DEF1000
「HANZOが特殊召喚に成功した時、デッキから忍者モンスター1体を手札に加える。さらに永続魔法『隠密忍法帖』を発動!1ターンに1度、手札から忍者モンスター1体を墓地へ送って発動できる。デッキから隠密忍法帖以外の忍法魔法・罠カード1枚を選んで自分フィールドにセットする。さらにこの効果で伏せた魔法カード『機甲忍法─ゴールド・コンバージョン』を発動!自分フィールドの忍法魔法・罠カードを全て破壊しデッキからカードを2枚ドローする!」
よし、ここまでいいカードを引けたら大丈夫。後は…!
「ゲツガとHANZOをリリースして『ファントム・ドラゴン』をアドバンス召喚!」
ファントム・ドラゴン 星8 ATK2300
「ファントム・ドラゴンのデメリットにより、自分のメインモンスターゾーンを二ヶ所使用不能になるが、ゲームエンドに持ち込むには充分よ。バトル!ファントム・ドラゴンでダイガスタ・スフィアードを攻撃!」
翔太 LP3100→2800
「そして、これでトドメよ!CNo.107 超銀河眼の時空龍でダイレクトアタック!《アルティメット・タキオン・スパイラル》!」
「あと一歩だったのに…」
翔太 LP2800→0
******************
「なんか閉店まで付き合わせてごめんね」
「いいんだって、僕は真由美さんの彼氏だし」
「くっそ〜!俺も彼女欲しいぜ!」
小林君と3人で雑談しながら閉店時間まで過ごした私達は、遅れてやって来た店長が店に入ってくるのを見た。そうとう酔っている。
「おかえり〜、カノジョさんと仲良く出来た〜?」
「うん///」
何か返答がキモい。デブが赤面するのはまた格別にキモいな…うん。
「いや、初めてのデートでいいイタリアンの店に行って来たんだよ!いい子だよ…俺の事気遣ってくれてさ。俺ダイエットするわ。あの子に見合う男になる!」
でも、その根性は認めたい。まぁ一念発起の状態が続けばの話だけどね。
「もう帰っていいよ。それと、コレ今日の給料な!受け取ってくれ」
「えぇ!?6時間で3万円も!?いいんですかこんなに!?」
「いや、いつも真由美ちゃんがデュエルしててさ、そのデッキ構成に触発されたお客さんがココで買うようになったから結構潤ってるんだよね。だからほんのサービスだと思って…受け取ってくれよ」
「じゃあ…ありがたく」
私はそれを受け取った直後に既にショーケースのカードに目をやっていた。
「3万円なんてすごいッス!これで都会とか旅行に行けたら──」
「最新弾のパック3箱買うわ」
「まいどあり〜!」
「期待を全く裏切らない真由美さん流石ッスよ!」
「余った分でどこか行きましょう!」
「1万5千円でどうする気だよ……」
そんな会話をしていた時、店のドアが開き……遊斗君とセバスティアンさんがやって来た。
「ハハハハハ!!!帰って来たぞ!古霊さん!諸星!」
「お帰り、戻って来ると思ってたわ!」
「帰って来るの早くね!?」
「申し訳ありません…急に古霊様が恋しくなったと言い出しまして…」
えぇ……、帰って来たよホントに。
「社交パーティは勿論出たんだけどさ…やっぱ着飾って気取った女は駄目だな!古霊さんのすっぴん顔の方が綺麗でさ!早く会いたくて戻って来ちまった!」
「何さりげなく口説いてんだおい!?」
遊斗君も全然ブレないわね……まぁ、それ込みで遊斗君なんだけどね。
真由美「えーっと…今回は忍者デッキの紹介よ」
翔太「ギャラクシーとは何だったのか」
真由美「え?時空竜居るでしょ?」
翔太「それ【図書館エクゾ】に『トゥーンのもくじ』入れて【トゥーン】と言い張るのと同じッス」
真由美「まぁまぁ。さて、今回のレシピはこちら!」
デッキ総枚数(45)
モンスター(19)
●黄昏の忍者将軍─ゲツガ×3
●限界竜シュヴァルツシルト×2
●ファントム・ドラゴン×1
●白竜の忍者×1
●召喚僧サモンプリースト×2
●黄昏の忍者─シンゲツ×3
●忍者マスターHANZO×3
●成金忍者×2
●機甲忍者アクア×1
●デルタフライ×1
魔法(14)
●トレード・イン×2
●死者蘇生×1
●隠密忍法帖×3
●機甲忍法─ゴールド・コンバージョン×3
●貪欲な壺×1
●ハーフ・シャット×2
●RUM-アージェント・カオス・フォース×2
罠(12)
●忍法─超変化の術×3
●忍法─分身の術×2
●タキオン・トランスミグレイション×2
●時空混沌渦×2
●ブレイクスルー・スキル×1
●神の通告×2
EXデッキ(15)
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×1
●CNo.107超銀河眼の時空龍×1
●No.107銀河眼の時空竜×3
●No.23霊騎士ランスロット×1
●機甲忍者ブレート・ハート×2
●鳥銃士カステル×2
●デコード・トーカー×2
●アンダークロックテイカー×2
●プロキシー・ドラゴン×1
真由美「忍者デッキに時空竜のギミックを加えたデッキね。事故率はやや上がっているけど、隠密忍法帖やサモプリなどのカードリクルートが多いからデッキ圧縮速度はそこそこ早い方よ。タキオン系のカードが手札で腐っても成金忍者のコストに出来るわ」
翔太「レベル8ドラゴン族のチョイスも独特ッスね」
真由美「自力で特殊召喚出来るモンスターを選んだのよ。ファントム・ドラゴンはデメリットを抱えているけど、2300打点を持つアタッカー、シュヴァルツシルトは制約の緩い特殊召喚モンスターとして重宝するわ。どっちもゲツガの効果を使った後にタキオンを呼ぶ事を目的としているの」
翔太「なるほど〜…」
真由美「ただ欠点があってね…」
翔太「欠点?」
真由美「超変化ギミックを抜いた方が強いのよ…」ガックリ
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私があの日、勇気を出した訳【08’のあの日】
ちょいシリアスです。この本編を見た方はもしかしたら真由美さんのターン中に『ジャックバトル』を流したくなるかも…?
※08年3月当時のルール及びレギュレーションで製作しております。
「真由美さんってそういえば、最古参のデュエリストだよね」
「そうよ」
私はカードを整理しながら翔太君の言葉に耳を傾けた。その話をされると少し照れ臭い。あの日遊戯王に出会わなかったら私はきっと…。
「でも、すごいレッド・デーモンズ・ドラゴンに執着してるよな。その話についてちょっと聞かせて欲しいな」
「馴れ初めの話?」
「そういう言い方やめて下さいよ」
そっか、聞きたいのかー…じゃあ話をするとしよう。あれは私が小学生だった頃の話………。
************************
「………」
当時、小学生だった私は周囲に馴染めず、私に対し過度な期待を込めて行き過ぎた教育をする両親…生まれつきのバカが災いして、イジメの対象にされた。学校に行く勇気も出ず、いつもランドセルを公園に隠しては親戚のおじさん…現在のマスターの家に居候していた。マスターが淹れてくれる温かいミルクが大好きで、お店に匿ってくれる代わりに私は一生懸命お皿洗いの手伝いをしていた。
「……きょうはたのめないなぁ…」
いつものようにお店に行ったら今日はお出かけしているみたいでCLOSEの看板が置かれていた。
「…がっこういこう」
諦めて重い足取りでトボトボと学校への道を歩いていた時、急に横から誰かがぶつかってきた。尻餅をついてしまい、見上げると……1人の男が立っていた。
「ごめん、見てなかったんだ。大丈夫?」
「うん……」
「この時間は学校の筈だけど…どうしたんだい?お兄さんでよければお話聞いてあげるよ」
「…うん!」
初めて優しくしてくれた彼に手を引かれて着いた先はその人の家だった。その時の私はその意味がよく分からなくて…遊んでくれる優しいお兄さんという程度の感覚だった。
「それ遊戯王カードじゃないの?懐かしいなぁ」
「わたしの大好きな遊びなの!これがなきゃ……毎日がつまんないの」
「そっか……じゃあ、今日はお兄さんと一緒に学校サボろうか!」
リビングで寛いだ私はお兄さんに色んな事を打ち明けた。遊戯王好きの所為で学校でイジメられ、家族からは学力の低さを責められ、おじさん以外に頼れる人が居ない事…寂しくて……途中から泣きながらお兄さんに訴えた。数少ない理解者だと思い、私はいっぱい話をした。お兄さんはうんうんと頷きながら時々私の頭を撫でてくれた。
「6時になったら一緒にアニメ観ようよ」
「アニメ…?」
「そう、お兄さんアニメをよく観るんだ。今日は一緒に観よう」
「うん!」
トランプで遊んだり…ジェンガで遊んだりして時間を潰した私は……とうとう6時に始まったアニメ…『遊戯王5D’s』を一緒に観る事になった。お兄さんが作ってくれたポップコーンを食べながらそれをじーっと眺める。
「真由美ちゃんは遊戯王が好きなの?遊戯王カードが好きなの?」
「カードが好き!アニメも好きなんだけど…いっしょうけんめい勝つために考えて戦うのが大好きなの!」
「へぇ……」
その放送回…『運命の対決! 立ちはだかるスターダスト・ドラゴン』こそが私を真の意味でデュエル漬けにさせてくれた大きな転機だった。
「!!!」
レッド・デーモンズ・ドラゴンはアニメでは『ジャック・アトラス』というデュエリストが使う魂のモンスター。1話でもその姿は出ていたけど、シンクロ召喚で現れた時のあのレッド・デーモンズ・ドラゴンの勇姿たるや!荘厳にして修羅の如き力強さ…悪魔のような禍々しさを持つドラゴンの力強い咆哮に私は心を奪われた…。
「お兄さん!あのドラゴンかっこいいよ!」
「えぇ…お兄さんはスターダストの方が好きなんだけどなぁ…」
「レッド・デーモンズの方がずっとカッコイイもん!」
思わずむくれてしまう程、私は一目惚れしてしまった。驚いたお兄さんは私に1枚のカードをくれた。
「じゃあこれやるよ。俺使わねーし」
「えっ……?」
そのカードは今アニメに出ていた筈の『レッド・デーモンズ・ドラゴン』だった。
「いいの?」
「いいんだよ。これは持っときな」
「わーい!」
お兄さんから貰ったカードを天に掲げて私は嬉しさでいっぱいだった………。
「じゃあ、お兄さんとデュエルしよっか」
「本当?やるやる!」
早速融合デッキにレッド・デーモンズを入れた私は、テーブルの上でデュエルの準備をした。
「じゃあ、デュエル!」
真由美 LP8000
男 LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!!」」
よし!先攻もらった!
「私のターン、ドロー!」
手札は…まぁ、いいかな?
「手札の『サンダー・ドラゴン』の効果発動です!このカードを捨ててデッキからサンダー・ドラゴンを2体手札に加えて…っと、魔法カード『融合』です!手札の2枚のサンダー・ドラゴンを融合!『双頭の雷龍』を融合召喚!」
双頭の雷龍 星7 ATK2800
「カードを2枚伏せてターンエンド!」
「じゃあ、俺のターン…ドロー!」
…一体どんなデッキを使うんだろう。
「じゃあ、魔法カード『コストダウン』!手札を1枚捨てモンスター1体のレベルを2つまで下げる。手札の『ホルスの黒炎竜 LV6』のレベルを2つ下げる。そして、レベル4となったホルスの黒炎竜 LV6を召喚!」
ホルスの黒炎竜 LV6 星6→4 ATK2400
「さらに魔法カード『レベルアップ!』を発動!ホルスの黒炎竜LV6を墓地へ送り、『ホルスの黒炎竜 LV8』を特殊召喚!」
ホルスの黒炎竜 LV8 ATK3000
「ホルスの黒炎竜 LV8がいる限り、魔法カードの発動を無効にし破壊出来る!バトル!ホルスの黒炎竜 LV8で双頭の雷龍を攻撃!」
「カウンター罠カード『攻撃の無力化』!攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了させる!」
「カードを1枚伏せてターンエンド」
よし!相手は魔法カードを無効にするモンスター…恐らく伏せカードは罠カードの効果を無効にする永続罠『王宮のお触れ』…それらで完璧に封殺するつもりだろう。でも、私の手札には…!
「私のターン、ドロー!」
「永続罠『王宮のお触れ』!これで互いに罠カードの効果が無効になる!どうだ!真由美ちゃんに勝てるかな〜?」
「突破は出来ます」
「…え?」
その布陣を切り崩す程度なら…!!!
「チューナーモンスター『ダーク・スプロケッター』を召喚!」
ダーク・スプロケッター 星1 ATK400 チューナー
「この布陣…まさか!」
「レベル7の双頭の雷龍にレベル1のダーク・スプロケッターをチューニング!《おうじゃのこどう、いまここにれつをなす!てんちめーどーのちからをみるがいい!》シンクロ召喚!わがたましい!『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000
「いきなり召喚しやがった…!」
「ダーク・スプロケッターの効果です!闇属性シンクロモンスターの素材として墓地へ送られた時、表側表示の魔法・罠カードを1枚破壊します!王宮のお触れを破壊!」
「マジかよ…!?」
「バトル!レッド・デーモンズ・ドラゴンでホルスの黒炎竜を攻撃!《灼熱のクリムゾン・ヘルフレア》!!!」
これでカードを2枚除去出来た。損失分は稼げたかな…?
「カードを1枚伏せてターンエンド」
「クソッ…俺のターン!ドロー!『ホルスの黒炎竜 LV4』を召喚!」
ホルスの黒炎竜 LV4 星4 ATK1600
「さらに、ホルスの黒炎竜を除外して手札から『レッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴン』を特殊召喚!」
レッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴン 星10 ATK2800
「わぁ〜!本物だ〜!」
「うるせぇ!黙ってろ!」
「ッ!」
この辺りで私はこのお兄さんが危険な人間である事に気付いた。でも、1度始めたデュエルを捨てる気にもなれなかった。だからヤケクソになって、戦う道を選んだ。
「レダメの効果発動!1ターンに1度、手札か墓地のドラゴン族1体を特殊召喚する!墓地から『ホルスの黒炎竜 LV6』を特殊召喚!」
ホルスの黒炎竜 LV6 星6 ATK2300
「バトル!ホルスの黒炎竜でダイレクトアタック!」
「うっ…!」
真由美 LP8000→5700
「レダメでダイレクトアタック!」
「罠カード『炸裂装甲』!レダメを破壊します!」
「クソがぁ!ターンエンド!」
なんとか…糸口を…!
「ドロー!」
来た…!このカードならデュエルに勝てる!
「速攻魔法カード!『自律行動ユニット』発動!ライフを1500払って相手の墓地のモンスターを攻撃表示で特殊召喚します!『レッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴン』を特殊召喚です!」
「チッ…」
レッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴン 星10 ATK2800
乱暴に投げ渡してきたレダメを慎重にキャッチした私は自分のフィールドに置いた。緊張するなぁ…激レアだもん!
「レダメの効果発動です!1ターンに1度、手札か墓地のドラゴン族1体を特殊召喚する!墓地から蘇れ!『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000
「さらに魔法カード『受け継がれる力』発動!自分フィールドのモンスター1体をリリースしてその攻撃力を自分フィールドのモンスター1体の攻撃力に加えます!レダメをリリースしてレッド・デーモンズ・ドラゴンの攻撃力に継承!お返しします」
レッド・デーモンズ・ドラゴン ATK3000→5800
「バトル!レッド・デーモンズ・ドラゴンでホルスの黒炎竜 LV6を攻撃!《灼熱のクリムゾン・ヘルフレア》!」
「痛くも痒くもねぇ!」
男 LP8000→4500
「このターンで終わりです」
「ハァ?何言って……!」
「罠カード『破壊神の系譜』発動です!レベル8モンスターが相手モンスターを破壊した時発動出来ます。このターン、そのモンスターは1ターンに2回攻撃が出来ます!」
「なっ…!」
「レッド・デーモンズ・ドラゴンでダイレクトアタック!」
男 LP4500→0
「このクソガキが!!!調子に乗りやがって!!!」
「ッ!」
直後に飛んできたパンチを避けた私はデッキを何枚か取り落としつつも素早く回収して全速力で家から飛び出した。
「待てやゴラァ!!!」
「…!!!」
それから私は交番まで全速力で走り、お巡りさんの目の前でお兄さんに捕まった事で気付いてくれ、お兄さんは無事逮捕された。
「………」
あの日、私が手にしたレッド・デーモンズに今でも感謝している。私に逃げる勇気をくれた事……私に鉄のような意思をくれた事…………あの日、あの時私が見た咆哮は確かに私を変えてくれたのだ。
************************
「なんか…すごい話っスね」
「私が使ってるレッド・デーモンズはその時のカードじゃないけど……ここに入ってるわ」
私は胸に下げていた板状の御守りを服の下から引っ張り出して蓋を開けた。
「ホントだ…」
「この子のおかげで私はイジメにも耐えたし、勉強だって諦めずに頑張ったわ。落ちたけどね」
私がお兄さんに捕まった時にカードが一部折れ、年月を経て既に色褪せ、雨に晒された時にテキストの部分が皺くちゃになってしまったり、管理していたにも拘らず生えてしまったカビの部分をハサミで切ってしまったりと散々な姿になってるけど…私の魂はちゃんとこのカードに刻み込まれている。
「さ、今日は気分がいいから夕飯奢るわよ!」
「やった!」
「あそこの食堂でいい?うな丼が700円で食べられるの!」
「マジっすか!?」
レッド・デーモンズ…あの日、私を守ってくれてありがとう。
真由美「って事で私の過去の話でした〜♪」
翔太「で、ロリコンはその後どうなったの?」
真由美「3年ブタ箱に入って釈放されたわ。釈放されてすぐ謝罪に来たんだけど、私を見てなんて言ったと思う?『ヲタクBBAに欲情なんてしねーから』だからね!」
翔太「何だそれ」
真由美「って事で、今回は2008年当時の私のデッキを復元するわね。参考にはならないと思うけど……まぁ、見てってよ」
デッキ総枚数(40)
モンスター(20)
●ダーク・クリエイター×2
●ダーク・アームド・ドラゴン×1
●サンダー・ドラゴン×3
●サイバー・ドラゴン×2
●スナイプ・ストーカー×1
●首領・ザルーグ×2
●キラー・トマト×3
●沼地の魔神王×2
●ダーク・リゾネーター×2
●クレボンス×1
●ダーク・スプロケッター×1
魔法(14)
●サイクロン×1
●大嵐×1
●自律行動ユニット×2
●早すぎた埋葬×1
●貪欲な壺×1
●スケープ・ゴート×1
●増援×2
●死者蘇生×1
●洗脳─ブレイン・コントロール×1
●融合×3
罠(6)
●攻撃の無力化×2
●神の宣告×2
●破壊神の系譜×1
●聖なるバリア─ミラー・フォース×1
融合デッキ(6)
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×1
●マジカル・アンドロイド×2
●双頭の雷龍×2
●サイバー・ツイン・ドラゴン×1
真由美「昔はこんなデッキだったわねぇ…懐かしいなぁ」
翔太「……なんだろう。トマハンの香りがするだが…」
真由美「まぁ…お小遣いで少しずつ買ってたから構築も甘いし、今見てみると恥ずかしいわね」
翔太「でも、真由美さんの貴重な姿が見られてよかったなぁ」
真由美「あらそう///嬉しい事言うじゃない!」バシバシ
翔太「いだいいだいいだい!」
真由美「みんなは2008年のあの日…どんなデッキを組んでた?当時の雰囲気を味わえたら最高ね!」
翔太「因みに僕は遊星デッキを組んでたよ〜!」
遊斗「………オレがまだ遊戯王カードをやってない時期か…」
セバス「…裁き3体並べてダブルピースしてました」
遊斗「怖ぇよ!無表情で裁き3体並べてダブルピースとかサイコパスかよ!!!」
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イギリス料理、パイから食べるか肉から食べるか【スプラッシュ&ストイック】
「どうぞ、こちらになります」
「「わぁ………」」
休日を使い、遊斗君の家に入った私達はその豪邸ぶりに小学生並みの感想しか出なかった。金をふんだんに使った家具や見れば分かるくらい高級そうなソファー…そして、喫茶店に置いてある安物のテレビの3倍の大きさの液晶モニター…遊斗君……何故このタイミングでアフリカに行ってるの…?
「こんな広い家を2人きりで使ってるの?」
「はい……。ただ、大抵私も遊斗様も外出している事が多く、大抵は半日も此処には居ません」
「勿体無いわねぇ」
「……身の丈の物を揃えなければ社交界で侮られてしまいますので…」
「なるほどなぁ」
お、屋上にプールまであるみたいね。すごい豪邸だわ。
「では、お食事を用意致しますので少々お待ちを…」
「うん、ありがとう!」
というわけでソファーでのんびり寛ぎながら、私は翔太君と2人でテレビを観る事にした。
「面白そうなの無いわねぇ」
「困った時はディカ○リーチャンネルだよ」
「デスカリバーチャンネル?」
「何その強そうなチャンネル」
冗談を言い合いながらテレビを眺めている事1時間。結局、私オススメの探偵ドラマを観賞した私達はセバスティアンさんが料理を持ってきたのでテレビを消した。
「完成致しました。どうぞお召し上がりください」
「やったー!一体どんな料理……が………」
「えーっと……」
笑顔で食卓に座った私達は数秒で無表情になり閉口した。何これ?
「我が母の祖国イギリスの伝統料理『スターゲイザー・パイ』でございます。どうぞ遠慮無く──」
忘れてた……セバスティアンさんの料理は激マズだって遊斗君言ってたじゃない!そうか…セバスティアンさんのお袋さんはイギリス出身だったのか……!
「(どうするのさ!食べる?)」
「(食べなきゃダメでしょ…)」
取り敢えず、魚がブッ刺さったゲテモノパイをナイフとフォークで食べ…たんだけど、味も素っ気も無い。てか味しないんだけど…。
「味付けは?」
「ほとんどしていません」
「マジかー……」
セバスティアンさんは涼しげな顔で食べている。しかも昼間っからワインを飲みながら食べている。飲酒運転とか大丈夫?
「あの…私もイギリス料理作ってもいい?」
「作り方を古霊様にも伝授致しましょう」
「いや、作り方言ってくれたら私がアレンジするから」
取り敢えず、横で話を聞きながら私は料理を開始した。
******************
「はーいお待たせ〜♪ヨークシャー・プディングとローストビーフよ!サラダも用意したわよ」
「うめぇ…!真由美さんの料理美味いッス…!」
「何でしょうか……この敗北感…」
セバスティアンさんの言う味付けを拒否して私なりの味付けでやったら美味いの出来たわこれ。うん!肉も高いものを使ったから短期間でも十分柔らかいし、ヨークシャー・プディングも肉の付け合わせ向けの味付けをしておいた。我ながら上手くいったと思う。
「後で味付け方法を伝授していただければ幸いです」
「いや、その前に調理がおかしい」
肉汁を捨てようとしたり、付け合わせで切っていた野菜を茹でようとしたりと調理中ツッコミばかりしてた気がする。
「いい?郷に入れば郷に従えとは言わないけど、ここはイギリスよりは衛生管理もしっかりした美味しい野菜がたくさん買えるんだから素材をしっかり活かさないとダメよ?」
「はぁ」
「茹でる時も茹で過ぎないようにして。味付けもしっかりとするの。野菜スープを作る時はブイヨンを入れたり、肉も入れて味と旨味を溶かしたり…まだツッコミたいのは山々だけど料理小説じゃないから今回は割愛するわ!」
「一体誰と話してるんですか真由美さん」
セバスティアンさんがものすごい勢いで私のアドバイスをメモしている様子を一瞥しながら完成品を食べる。うん、いい感じに味付け出来たわ。
「あと、臭みを消す為の香辛料とかそういうのしっかりと使わないと肉料理はダメよ」
「ハギスも…ですか?」
「えっ、何言ってるの」
「ごちそうさまでした!」
「お粗末様。なんかゴメンね」
「お気になさらず、遊斗様は大抵二、三口しか食べてくれませんので…」
今のイギリス料理も文化が変わって少しずつ美味しくなってきてはいるんだけどね。セバスティアンさんの今後の進化に期待しよう!
「これ食べ終わったらデュエルしましょう!」
「賛成です」
「いつでもOKだぜ!」
3人でイギリス料理を食べた後、私達はデッキを取り出し広いテーブルの上に置いた。
「今回も変なデッキを組んでみたわ!デュエルしてくれる人は居る?」
「では私が」
「セバスティアンさんと久しぶりとデュエルしたかったし、いいわよ!相手になるわ!」
互いにマットを敷いてデッキをセットする。セバスティアンさんのデッキも中々に危険な物が多いから気をつけなきゃ。
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
セバス LP8000
「先攻!」
「後攻」
「「じゃんけんぽん!」」
先攻は取れた!さて、好きにやりますか!
「魔法カード『簡易融合』を発動!ライフを1000払い、レベル5以下の融合モンスター1体を融合召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できず、エンドフェイズに破壊される。チューナーモンスター『テセウスの魔棲物』を特殊召喚!」
真由美 LP8000→7000
テセウスの魔棲物 星5 ATK2200 チューナー
「さらに、手札の『サイバー・シャーク』は自分フィールドに水属性モンスターが存在する場合、リリース無しで召喚出来る!」
サイバー・シャーク 星5 ATK2100
「レベル5のテセウスの魔棲物とサイバー・シャークでオーバーレイ!エクシーズ召喚!『No.73 激瀧神アビス・スプラッシュ』!」
No.73 激瀧神アビス・スプラッシュ ランク5 ATK2400
「カードを2枚伏せてターンエンド」
「なるほど、そのカードを選びましたか…。では、私のターン…ドロー……」
セバスティアンさんはどんなデッキを選んだのだろうか…?気になるところだけど、嫌な予感はする。
「永続魔法『ウォーター・ハザード』を発動します。これにより、1ターンに1度、相手フィールドにのみモンスターが存在する時、手札からレベル4以下の水属性モンスター1体を特殊召喚出来ます。この効果により、私は『スクリーチ』を特殊召喚」
スクリーチ 星4 ATK1500
「さらに、魔法カード『渾身の一撃』。自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動します。このターン、選択したモンスターは戦闘では破壊されず、その攻撃によって発生するお互いへの戦闘ダメージは0になる。また、このターン、選択したモンスターが相手モンスターを攻撃した場合、ダメージ計算後にその相手モンスターを破壊します。私はスクリーチを選択。このままバトルです。スクリーチでアビス・スプラッシュを攻撃」
「戦闘ダメージは0……」
「よってダメージを受けない上に渾身の一撃の効果でアビス・スプラッシュを破壊出来ます」
くっ…手札を3枚消費してまで処理してきたか……!
「スクリーチが戦闘で破壊された場合、デッキから水属性モンスター2体を墓地へ送ります。そして、メインフェイズ2…『レクンガ』を通常召喚」
レクンガ 星4 ATK1700
「レクンガの効果、墓地の水属性モンスター2体を除外する度に『レクンガトークン』を特殊召喚します」
レクンガトークン 星2 ATK700
「さらに、魔法カード『おろかな埋葬』。デッキからモンスター1体を墓地へ送ります。さらにレクンガの効果…墓地の水属性モンスター2体を除外する度に『レクンガトークン』を特殊召喚します」
レクンガトークン 星2 ATK700
「召喚条件は水属性2体…レクンガトークン2体で『マスター・ボーイ』をリンク召喚」
マスター・ボーイ LINK-2 ATK1400 リンクマーカー【左下・右下】
なんかグルグル回ってない!?
「マスター・ボーイの効果により、水属性モンスターの攻撃力は500上昇します」
マスター・ボーイ ATK1400→1900
レクンガ ATK1700→2200
「さらに、カードを1枚伏せてターン終了です」
なんか、グルグル回してモンスター2体を揃えてる辺り全く訳が分からない。ただ、まだ何かを仕掛けようとしている事は分かった。
「私のターン!ドロー!」
今私が引いたカードは『ゲイザー・シャーク』。墓地のこのカードをゲームから除外し、ゲイザー・シャーク以外の自分の墓地の水属性・レベル5モンスター2体を選択して発動できる。選択したモンスター2体の効果を無効にして特殊召喚し、その2体のみを素材として水属性のエクシーズモンスター1体をエクシーズ召喚する……ただ、現状でゲイザー・シャークを召喚するのは難しい。その上、伏せカードが気になってしょうがない。
「(……このままエンドする方が良さそうだけど…)」
守りを固めよう。まだ攻めるには早過ぎる。
「モンスターを裏守備で伏せる。私はこれでターンエンド」
「私のターンです。ドロー……」
覚悟を決めるしかないか。このターンは意地でも耐えるわよ!
「魔法カード『フィッシュアンドキックス』を発動。ゲームから除外されている自分の魚族・海竜族・水族モンスターが3体以上の場合、フィールド上に存在するカード1枚を選択して発動する。選択したカードをゲームから除外します」
「なんですって!?」
確かに…セバスティアンさんの除外ゾーンにはレクンガの効果で除外した『アビス・ソルジャー』・『サイレント・ウォビー』・『ホワイト・スティングレイ』、そして対象外の『スクリーチ』がいる。発動条件はクリアしてる。てゆうかそれが目的なんじゃないかなぁ!
「私は自分の伏せカードを除外します」
「げっ…て事は……」
「除外した『エクシーズ・ディメンション・スプラッシュ』の効果発動」
「ですよね〜…」
「セットされたこのカードがゲームから除外された場合、デッキから水属性・レベル8モンスター2体を特殊召喚できます。この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃宣言できず、効果は無効化され、リリースする事もできません。私はデッキから『アイスブリザード・マスター』2体を特殊召喚」
アイスブリザード・マスター 星8 ATK2500
アイスブリザード・マスター 星8 ATK2500
「レベル8のアイスブリザード・マスター2体で『No.23 冥界の霊騎士ランスロット』をエクシーズ召喚致します」
No.23 冥界の霊騎士ランスロット ランク8 ATK2000
「ランスロットはオーバーレイユニットがある限り、モンスターが居てもダイレクトアタックが出来ます。バトル。ランスロットでダイレクトアタック」
「通すわ。でもモンスター破壊効果は表側表示のみ。伏せカードは除去されないわ」
真由美 LP7000→5000
「ですが、2回分の効果無効効果を保有しています。充分ではないかと」
「そう」
「続けてレクンガで守備モンスターを攻撃します」
私の伏せカードは………
水晶機巧─ローズニクス 星4 DEF1000
「戦闘破壊されるわ」
「続けてマスター・ボーイでダイレクトアタック」
真由美 LP5000→3100
「私はこれでターンエンドです」
「私のターン、ドロー!」
さて、セバスティアンさんの場には攻撃力1900以上のモンスターが3体…内1体はカード効果を無効にする効果を持っている。手札にはゲイザー・シャーク…そして、今ドローしたカードともう1枚を合わせると計3枚……そして…
「(来た……!)」
このデュエルを終結させるカードを引けた!
「伏せていた魔法カード『シャッフル・リボーン』を発動!」
「無駄です。ランスロットの効果により無効にします。強制効果ですので」
「ならさらにもう1枚!罠カード『サンダー・ブレイク』を発動!手札を1枚捨てカードを一枚対象として発動…そのカードを破壊する!レクンガを破壊!」
「通します」
さて、効果を使い切らせたし、墓地にゲイザー・シャークを落とせた。さぁ……
「ワンショットキル……行くわよ!!!」
「っ」
「真由美さん…!?勝ったんスか!?」
このカード…このカードを待っていたわ!
「墓地の『ゲイザー・シャーク』を除外しその効果を発動よ!ゲイザー・シャーク以外の自分の墓地の水属性・レベル5モンスター2体を選択して発動できる。選択したモンスター2体の効果を無効にして特殊召喚し、その2体のみを素材として水属性のエクシーズモンスター1体をエクシーズ召喚する!テセウスの魔棲物とサイバー・シャークを特殊召喚!そして、この2体でオーバーレイ!!!エクシーズ召喚!『No.73 激瀧神アビス・スプラッシュ』!」
No.73 激瀧神アビス・スプラッシュ ランク5 ATK2400→2900
「マスター・ボーイの効果は相手フィールドにも適用されます」
「アビス・スプラッシュの効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使い、このカードの攻撃力を相手のエンドフェイズまで2倍にするわ!」
No.73 激瀧神アビス・スプラッシュ ATK2900→5800
「ですが、その効果を使えば戦闘ダメージは半分になります。どうやってワンショットキルをする気ですか?」
「こうするのよ!装備魔法『ストイック・チャレンジ』を発動!アビス・スプラッシュに装備!装備モンスターの攻撃力は自分フィールド上のエクシーズ素材の数×600ポイントアップし、相手モンスターとの戦闘によって相手ライフに与える戦闘ダメージは倍になる!」
No.73 激瀧神アビス・スプラッシュ ATK5800→6400
「だからそれが───しまった」
「あ!そうか!真由美さんのアビス・スプラッシュのデメリットがストイック・チャレンジの効果で上書きされて戦闘ダメージが半分にならないのか」
正解よ、翔太君。これでアビス・スプラッシュの効果で大ダメージを与えられる。
「つまり、実質12800の戦闘ダメージが発生するって訳よ!バトル!アビス・スプラッシュでランスロットを攻撃!!!」
「……お見事です」
セバス LP8000→0
********************
「今日はありがとうね」
「いえ、みっちり調理指導をしてくださり感謝の限りです」
「じゃ、帰ろっか♪」
「うん!家まで送りますよ!真由美さん!」
夕日が綺麗な外を一緒に歩いて私達は家路についた。余談だが、遊斗君は私達の入れ違いに帰宅し、事実を知ってものすごく悔しがったのだという。
真由美「さて、今回は水属性デッキを紹介しました」
翔太「今回は大人しかったッスね」
真由美「アビス・スプラッシュで攻撃力を上げて、ストイック・チャレンジでワンショットキルするのがこのデッキの特徴よ。まぁ、構築上の問題で手札事故は多いけどね」
翔太「じゃあデッキの紹介だ!」
デッキ総枚数(40)
モンスター(19)
●ゲイザー・シャーク×2
●サイバー・シャーク×3
●ドラゴン・アイス×2
●召喚僧サモンプリースト×2
●セイバー・シャーク×2
●サイレント・アングラー×3
●水晶機巧─ローズニクス×2
●スクリーチ×3
魔法(15)
●ツイン・ツイスター×2
●簡易融合×2
●ストイック・チャレンジ×3
●強欲で貪欲な壺×2
●RUM─ヌメロン・フォース×1
●異次元からの埋葬×2
●死者蘇生×1
●シャッフル・リボーン×2
罠(6)
●神の宣告×1
●サンダー・ブレイク×3
●水霊術─「葵」×2
EXデッキ(15)
●テセウスの魔棲物×2
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×1
●CNo.73 激瀧瀑神アビス・スープラ×1
●No.73 激瀧神アビス・スプラッシュ×3
●No.94 極氷姫クリスタル・ゼロ×1
●CNo.101 S・H・Dark Knight×1
●No.101 S・H・Ark Knight×3
●マスター・ボーイ×3
真由美「レベル4と5の混合デッキよ。本編でもやったようにアビス・スプラッシュの高火力でワンショットキルするデッキなの。条件が満たされなくてもS・H・Ark Knightやマスター・ボーイといったカードでビートダウンも出来るわ。まぁ、扱いにくいカードばかりだからかなり厳選したんだけどそれでも事故は起きるけどね」
翔太「ヌメロン・フォースの採用で2種の派生に行けるのも大きいッスね」
真由美「エクシーズ素材を選ぶに辺り、特殊召喚効果を内蔵するドラゴン・アイスは優秀よ。都合上相手ターンに特殊召喚する事が多いけど、高い守備力でターンを稼ぎやすいし手札コストにゲイザー・シャークを使えればコンボも出来るわ」
翔太「テセウスの魔棲物も結構優秀だよね」
真由美「レッド・デーモンズが出せるのが大きいわよね!チューナーだからレベル3を用意出来ればすぐに除去効果内蔵のアタッカーとして存分に力を発揮してくれるわ」
翔太「今回は割と面白いデュエルだったね」
真由美「ストイック・チャレンジが引けなかったら負けてたわ…」
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バカラッチ、死にかける【ワンショットデュエル】
※今回はデュエルしません。
「セバス…」
「はい……分かっていますとも」
高級車の中で、オレとセバスはバックミラーに映る1人のライダーを一瞥した。あれはパパラッチだ。それも、オレが社交界に顔をよく出すようになってからずっと追ってきている。何を握らされたか知らないが………〆るか。
「セバス、人気の無い場所に移動しろ」
「畏まりました」
そう言いつつ、運転しながら胸元からデリンジャーを抜き出したセバスから銃をもぎ取った。
「日本で撃つな」
「………はい」
「何ガッカリしてんだよ!?撃ったら立場悪くなるだろうが!」
ツッコミを入れつつ、オレはパパラッチを再起不能にしようと企んでいた……そして、人気の無い道路に入ったところで停車させオレは車から降りた。
「よぉ!あんたか!ネズミみてぇにこそこそ嗅ぎ回ってる奴は!」
「ッ」
ずっと写真を撮り続けるパパラッチに対し、オレは全速力でダッシュした。それに気付くより早く渾身のヤクザキックが決まり、バランスを崩したパパラッチが転倒した。
「オレに文句付けるタァいい度胸してるじゃねぇか……ん?」
「ひぃっ!?」
胸倉を掴み、ヘルメットを剥ぎ取ると……そこには妖艶な白人の女の顔が出てきた。
「女…?」
「ご…ごめんなさい……」
『自分、ハニートラップ得意です』といったスタイルをぴっちりとしたラバースーツで覆う女の顔は何処か情けない。てっきり色仕掛けで時間稼ぎをするのかと思ったら、仔鹿のように足を震わせている。
「取り敢えず、車で話しようや」
「ひっ……ごめんなさい!お願いします!命だけは!お腹を空かせた娘が待ってるんです!お願いします!どうか無事におうちへ帰してください!」
が、オレの拘束を振りほどくとバイクを動かそうとし…さっきのヤクザキックで故障したのだと悟った瞬間の行動は凄かった。水溜りで泥濘んだ土の上で一切躊躇いの無い土下座が炸裂。顔を泥塗れにしながら謝罪と命乞いの言葉を繰り返し始めたのだ。
「(なんなんだこいつ……?)」
********************
「……って事で連れてきた」
「…よ……よろしく…お願いします」
いや、という事じゃないわよ!?なにパパラッチ連れて来てんのよ!?しかも体のあちこち泥だらけじゃない…。
「じゃあ…罰ゲームすっから、まず自己紹介しろや」
「はい……オレゴン州出身のレイチェル…です。家が貧しく、ある富豪の方の命令で遊斗さんをパパラッチしていました。両親は喧嘩の末に離婚し、母に引き取られた私達は虐待を受けて育ちました。最近結婚して3つになる娘を育てているのですが、夫がDVの末に離婚してしまいお金が無く……今の職業に就きました」
「はい、説明ありがとう」
なんか…可哀想な気もするけど、彼女が選んだ道だからなぁ…オマケに遊斗君を嵌めようとした事実も変わらないし。
「よし、じゃあ罰ゲームするからそこ座って。セバス!例のカードは集めたか?」
「はい。店長…謝礼です。無言でお受け取りください」
セバスティアンさんが店長に何か渡しつつ持ってきたのは20枚の通常モンスターと20枚の魔法・罠カードだった。
「今からワンショットデュエルを行う。互いのライフはこれで決まる」
そういって遊斗君がアタッシュケースから取り出したのはなんとドル札の束!その束をレイチェルさんの場に積み上げていく。対する遊斗君も同じ数積み上げた。
「今、互いの手元には1万ドル分の束が20…つまり20万ドルがある。妹を学校に通わせ、ゆとりのある生活が出来る額だ。これがあんたの命となる。100ダメージにつき1万ドル分の束が抜き取られ、0になった時点でTHE ENDだ。だが、オレのライフを先に削り切れたなら、残っている額をやる上に助けてやる。その代わり、2度とオレの前に顔を出すな。OK?」
え…何その初期遊戯王みたいな闇のゲーム。
「は…はい……あの…もし先にライフが0になったら………」
「分かってるよな?」
「はい…」
「よし、セバス!モンスターと魔法・罠で分けた20枚ずつをシャッフルした後、それぞれ10枚ずつ
「畏まりました」
セバスティアンさんが手早くシャッフルしてカードを混ぜた後、分配した。
「ここでルールを説明する」
●ライフは2000点
●まず互いにモンスターデッキの一番上のモンスターを攻撃表示で出すか守備表示で出すかを決め、決めた形式で出す。
●同時に魔法・罠カードデッキのトップのカードを強制発動した後、ダメージ計算処理を行う。ただし、2回目以降守備表示で出す場合はペナルティとして500点を失う。戦闘後、互いのモンスターと発動した魔法・罠カードを除外する。
●デッキが0になるかライフが0になった時点でゲーム終了。
「分かったか?」
「はい……」
なんかそれ面白そう。まぁ、セバスティアンさんの事だし…似たような攻撃力・守備力を持つモンスターを用意してそう。すごい駆け引きになりそうね!翔太君が居ないのが残念だけど…
「じゃあ、まず1回目だ。召喚!」
遊斗:ランプの魔精 ラ・ジーン 星4 ATK1800
レイチェル:ジェネティック・ワーウルフ 星4 ATK2000
「やった…!」
レイチェルさん…結構引き運いいじゃない。
「甘いな。魔法・罠カードオープン!」
遊斗:突進 速攻魔法 エンドフェイズまで攻撃力を700ポイントアップ
ランプの魔精 ラ・ジーン ATK1800→2500
レイチェル:ファイティング・スピリッツ 装備魔法 装備モンスターの攻撃力を相手モンスターの数×300アップ
ジェネティック・ワーウルフ ATK2000→2300
「そんな……!?」
レイチェル LP2000→1800
「じゃあ2万ドル没収」
「あぁっ!!!」
遊斗君…引き強過ぎよ。
「さーってと……次行くぞ〜」
「は、ひぃっ!?」
「オープン!」
遊斗:ミノタウルス 星4 ATK1700
レイチェル:レッド・サイクロプス 星4 DEF1700
あー…酷い。レッド・サイクロプスの攻撃力は1800もあるのに!なんで守備表示で出すの!?まぁ…運なんだけど、セバスティアンさんの事だから攻撃力より守備力の方が高いモンスターは採用していない筈なのに!
「魔法・罠カードオープン!」
遊斗:ビッグバン・シュート 装備魔法 装備モンスターの攻撃力を400アップ+守備貫通効果付与
ミノタウルス ATK1700→2100
レイチェル:デーモンの斧 装備魔法 装備モンスターの攻撃力を1000アップ
レッド・サイクロプス ATK1800→2800(守備表示の為、無意味)
「400ポイントの貫通ダメージを受けろ!」
レイチェル LP1800→1400
勿体無い……もし攻撃表示で出していたら攻撃力2800のモンスターで700ダメージを与えられたのに…!レイチェルさん…めそめそ泣いてるし……なんか可哀想になってきたわね。
「ごめんなさい……マリア…ダメなママでごめんなさい……」
「レイチェルさん!」
我慢出来ずに私はレイチェルさんの背中をバシンと叩いた。
「痛っ」
「レイチェルさん!前を向いて!負ける事を考えちゃダメ!臆せず攻めるの!そうすればきっと勝機が見えるわ…」
「ありがとうございます…」
ムッとする遊斗君に私はウインクした。だって、戦いはフェアじゃないとね♪
「そう……私には食べさせていかないといけない娘がいる…負けるわけには…いかない!!!」
「フン…勝敗は既にオレの方に傾いてる。覚悟するんだな!オープン!」
遊斗:闇魔界の戦士ダーク・ソード 星4 ATK1800
レイチェル:セイレーン 星5 ATK1600
「まだ諦めないわ!魔法・罠カードオープン!」
遊斗:蝶の短剣─エルマ 装備魔法 モンスターの攻撃力を300アップする。
闇魔界の戦士ダーク・ソード ATK1800→2100
レイチェル:巨大化 装備魔法 自分のライフが相手より上なら装備モンスターの攻撃力を半分にし、下なら攻撃力を倍にする。
セイレーン ATK1600→3200
「何ッ!?ぐわっ!!!」
遊斗 LP2000→900
「やった……やりました!!!」
「おい、セバス!なんかあいつにばっか良いカードが偏ってねぇか!?」
「はて、何のことやら」
「お前わざとだろ!?」
運も実力の内…レイチェルさんに勝機が見えてきたわね。
「チッ……だが、ここで負けたら古霊さんに顔向け出来ないんでな!オープン!」
復讐のソード・ストーカー 星5 ATK2000
磁石の戦士γ 星4 ATK1600
「魔法・罠カードオープン!」
遊斗:破天荒な風 魔法 相手ターン終了時まで攻守1000アップ
復讐のソード・ストーカー ATK2000→3000
レイチェル:極星宝ブリージンガ・メン 罠 相手モンスター1体と同じ攻撃力になる。
磁石の戦士γ ATK1600→3000
「相打ち……!?」
「まだ諦めないわ!」
デュエルは5巡目…ここまでで遊斗君のライフは900。レイチェルさんは1400。レイチェルさんがリードしているように見えるけど……さっきの巨大化や破天荒な風みたいにゲームエンド級の火力のあるカードも混ぜているみたいだから何が起きるか分からない…緊張感あるわねぇ。
「行くぞ…!」
「はい!」
「モンスター、オープン!」
遊斗:星杯に誘われし者 星4 ATK1800
レイチェル:Xセイバーアナペレラ 星4 ATK1800
「互角か!面白い!」
「遊斗さん…私、こんなにスリルを感じるゲームは初めて…!」
「そりゃどーも!!!」
遊斗:愚鈍の斧 装備魔法 装備モンスターの攻撃力を1000アップし効果を無効にする。
星杯に誘われし者 ATK1800→2800
レイチェル:幸運の鉄斧 装備魔法 装備モンスターの攻撃力を500アップ
Xセイバーアナペレラ ATK1800→2300
「全然幸運じゃないじゃないの…!!!」
レイチェル LP1400→900
ライフポイントが並んだ…!
「恐らく、あと3ターン以内に決着が付くだろう。行くぞ!」
「オープン…!」
遊斗:千眼の邪教神 星1 ATK0
レイチェル:青眼の白龍 星8 ATK3000
「………は?」
「えっ」
ちょっwwwwなんで最高攻撃力と最低攻撃力のカードが入ってんの!?
「面白いと思いまして1枚ずつ入れました」
「確信犯かよ!?」
「やった……勝ったわ!マリアにいい生活をさせられるわ!」
「まだだ……魔法・罠カード!オープン!」
「オープン!」
遊斗:シールド・バッシュ 装備魔法 自分フィールドのモンスターの攻撃力を1000アップ+自分への戦闘ダメージ0
千眼の邪教神 ATK0→1000
レイチェル:魔界の足枷 装備魔法 装備魔法の攻撃力を100にする+攻撃宣言出来ない
青眼の白龍 ATK3000→100
「は………?」
「えっ?」
レイチェル LP900→0
急転直下。セバスティアンさんが混ぜた罠の所為でレイチェルは敗北を喫したのだった。にしても絵面が酷い………
******************
「じゃ、罰ゲームだな」
「ごめんなさい…私やっぱりダメな子でした……マリア…どうか幸せに───」
遊斗君が最高に悪い顔をしながらレイチェルさんの肩を摩っている。レイチェルさんの方はというとメソメソと泣きながら辞世の句を詠もうとしている。
「ちょっと流石にやりすぎじゃ───」
思わず止めようとした時、遊斗君はレイチェルさんの目の前に5万ドルをドサっと置いた。
「えっ…?」
「お前への罰だ。雇い主のスキャンダルをスッパ抜いて来い。それが出来ればもう5万ドルくれてやる。この5万ドルは前金だ…いいな?オレを嵌めようとした奴の立場が揺らぐくらいヤバイスクープを取って来い」
「は…ひぃ……でも、雇い主さんの方がお金多──」
「コンクリートに埋められて東京湾に沈む選択肢をくれてやろうか?」
「ひぃっ!嘘です!遊斗さんの方が多いです!遊斗さんばんざーい…」
ポロポロと涙を流しながら、レイチェルさんは必死に笑顔を作った。
「ついでにカメラのデータからオレに関するデータは全部消しておいた」
「私がやりました」
「セバスはあとでお仕置きだ……それはさておき、いいかレイチェル。お前をこうまでして助けてやったのは古霊真由美というこの美しい女性が居たからだ。いいか、この仕事が終わったらお前は自由の身だ。パパラッチなんて仕事は辞めて司書の仕事にでも就け。いいな?」
「はい……ありがとうございます…」
遊斗君、なんだかんだですごくいい人じゃない。ただ、与えた任務は下手すると死に直結する。だから決していい人という訳ではない。
「今日はありがとうございました…」
「バイクも修復が終わっております。どうぞお気を付けて」
セバスティアンさんのおかげで修復したらしいバイクに乗ったレイチェルさんは私達に一礼してからどこかへ去っていった…。
「さてと、そろそろ翔太君が来る時間だ。今の事は忘れて楽しくやろうぜ!」
「そうね…!」
いつの間にかお金は無くなっていた。セバスティアンさんの方を見るとケースにしっかりと詰めていたようで少し膨らんでいた。
ワンショットデュエルのライフ計算は20万ドルが無くても100円玉20枚でやると緊張感が出ます。賭け事をしてるような気分が出てスリルが増しますが…遊斗君みたいな事はくれぐれもしないように。
真由美「今回はデュエル出来なくて申し訳ありませんでした。ネタを捻り出せなかった非力な私を許してくれ…」
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至るべき日の為に【捕食幻影SR】
「うーん…」
私はテーブルを排除したリビングに所狭しと並べたカード達をジッと見つめていた。
「……」
今回、私はガチデッキを組もうか真剣に迷っていた。でも……私のアイデンティティが無くなってしまうという恐怖も感じていた。
「やっぱり無理せずファンデッキで行こう」
冷静にデッキのカードを選びながらも勝利への追求を織り交ぜていた。翔太君に遊斗君と強豪揃いの為、あの日に私が優勝を果たすには隙を減らさなければならない。
「これでいいかしら…?」
完成したデッキに私は少しだけ自信を得る事が出来た。これならレッド・デーモンズも召喚出来るし、基本的に勝利への障害にはなりにくい筈だ。
「(待ってなさい……店内非公式大会!)」
************************
「真由美ちゃん、力入ってるね〜」
「ちょっと気合入れてみたんですよ。どうですか!」
喫茶店にて、私は新メニューを提案。実践してみせた。
「うん、これならメニューに出来そうだね」
「ありがとうございます!」
そうして真面目に働きながら完成への糸口を探してるんだけど…まだ決定的なものが足りない。どうしようかしら……
「真由美ちゃん、最近こんつめてるじゃないのか?」
「……はい。中々完成への糸口が見えなくて…」
私の様子に気付いたマスターが声をかけてくれたけど……流石に新しいデッキについて考えてるとは言えないし…
「そういう時はストレス発散だよ。家内が持ってる映画…洋画なんだけど何枚かあるからこれでも見なさい」
「あの…私、家にテレビ無いです」
「そうか、じゃあウチの店で見なさい。お客さんも見られるしちょうどいいだろう」
「ありがとうございます!」
早速、DVDを確認する。数枚あるディスクを睨みつける中…
「これ…面白そう」
その名はリベ○オン。凄まじいB級臭がするけど、B級見てバカになるのも面白いかも…。
「リ○リオンか…それをチョイスしたか……」
「何か聞き慣れた響きなので」
取り敢えずテレビに装填し、仕事をしながら映画の視聴を開始した。
それはまさしく天啓だった……
****************
「私がバカだった…!最初から迷ってるなら全て纏めればよかったのよ!!!」
カードショップへ走りながら私はその閃きに感動していた。これなら…!
「店長!このリストのカードください!!!」
「真由美さ〜ん!今日は何を組………」
「あ、翔太君!今大会向けのデッキを組んでるの。」
勝ちを追求しながらロマンも求めるデッキ…これぞ私の求めたデュエルの極限…!
「動いてるところ見てみたいッス!」
「駄目。対策されちゃうからね!」
流石に拒否しようと思った…が、ある閃きが生まれた。
「やっぱりデュエルしようかしら。試運転したいし」
「分かった。僕も大会向けのデッキを組んでいたんだ。互いに試運転という事で…!」
そうと決まれば早速デュエル開始よ。テーブルを整理しマットを敷いてデッキをセットした。今回の大会用のデッキには「レッド・デーモンズ・ドラゴン」のスリーブを使っている。私なりの決意表明だった。
「覚悟はいいかしら?」
「来い!」
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
翔太 LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!!」」
後攻か…ちょっと残念。
「僕のターン!『SRベイゴマックス』は自分フィールドにモンスターが存在しない場合、手札から特殊召喚できる!」
SRベイゴマックス 星3 ATK1200
「ベイゴマックスが召喚・特殊召喚に成功した時、デッキからベイゴマックス以外のスピードロイド1体を手札に加える!今手札に加えた『SRタケトンボーグ』は自分フィールドに風属性モンスターが存在する場合、手札から特殊召喚できる!」
SRタケトンボーグ 星3 ATK600
「レベル3のベイゴマックスとタケトンボーグでエクシーズ召喚!『彼岸の旅人ダンテ』!」
彼岸の旅人ダンテ ランク3 DEF2500
「ダンテの効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使い、自分のデッキの上からカードを3枚まで墓地へ送って発動できる。このカードの攻撃力はターン終了時まで、この効果を発動するために墓地へ送ったカードの数×500アップする!僕は3枚を墓地へ送る!」
彼岸の旅人ダンテ ATK1000→2500
「カードを1枚伏せてターン終了!」
彼岸の旅人ダンテ ATK2500→1000
「私のターン、ドロー!私が発動するのはこのカード、フィールド魔法『リボルブート・セクター』を発動!自分メインフェイズに1度、手札からヴァレットモンスターを2体まで守備表示で特殊召喚出来る!いでよ!『メタルヴァレット・ドラゴン』!『オートヴァレット・ドラゴン』!」
メタルヴァレット・ドラゴン 星4 DEF1400
オートヴァレット・ドラゴン 星3 DEF1000
「フィールド魔法の効果でヴァレットの攻守は300アップ!」
メタルヴァレット・ドラゴン 星4 DEF1400→1700
オートヴァレット・ドラゴン 星3 DEF1000→1300
「永続魔法『補給部隊』発動!1ターンに1度、モンスターが破壊された場合にデッキからカードを1枚ドローする。さらに速攻魔法カード『スクイブ・ドロー』を発動!自分フィールドのヴァレットを1体破壊し、デッキからカードを2枚ドローする。オートヴァレットを破壊!補給部隊を合わせて3枚ドロー!…カードを1枚伏せてターン終了。そして、ヴァレットが破壊された場合、デッキから破壊されたヴァレットと同名以外のヴァレットを特殊召喚する。私は『シェルヴァレット・ドラゴン』を特殊召喚!」
シェルヴァレット・ドラゴン 星2 DEF2000→2300
「いきなりすげぇアド…」
「さぁ、かかってらっしゃい!」
私のデッキ…見破れるかしら?
「ヴァレットデッキか…!ならば…ドロー!ダンテの効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使い、自分のデッキの上からカードを3枚まで墓地へ送って発動できる。このカードの攻撃力はターン終了時まで、この効果を発動するために墓地へ送ったカードの数×500アップする!僕は3枚を墓地へ送る!」
彼岸の旅人ダンテ ATK1000→2500
「墓地の『幻影剣』の効果発動!このカードを除外して墓地の幻影騎士団を特殊召喚する!この効果で特殊召喚したモンスターはフィールドから離れる場合除外される。僕が特殊召喚するのは『幻影騎士団ダスティローブ』!」
幻影騎士団ダスティローブ 星3 ATK800
「さらに墓地の『幻影霧剣』の効果も発動!墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の幻影騎士団モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは、フィールドから離れた場合に除外される。『幻影騎士団サイレントブーツ』を特殊召喚!」
幻影騎士団サイレントブーツ 星3 ATK200
「そして、魔法カード『死者蘇生』!墓地からモンスター1体を特殊召喚する!『SRベイゴマックス』を特殊召喚!」
SRベイゴマックス 星3 ATK1200
「ベイゴマックスが召喚・特殊召喚に成功した時、デッキからベイゴマックス以外のスピードロイド1体を手札に加える!召喚条件はカード名が異なるモンスター2体以上!ベイゴマックス、サイレントブーツ、ダスティローブ、ダンテでリンク召喚!来い!『鎖龍蛇-スカルデット』!」
鎖龍蛇-スカルデット LINK-4 ATK2800 リンクマーカー【上・左下・下・右下】
「いきなりリンク4を召喚した…!?」
「このカードは、このカードのリンク素材としたモンスターの数によって以下の効果を得る。2体以上をリンク素材としたなら『このカードのリンク先にモンスターが召喚・特殊召喚された場合に発動する。そのモンスターの攻撃力・守備力は300アップする』。3体以上を素材としたなら『1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。手札からモンスター1体を特殊召喚する』。4体を素材としたなら『このカードがリンク召喚に成功した時に発動できる。自分はデッキから4枚ドローし、その後手札を3枚選んで好きな順番でデッキの下に戻す』!」
「げっ…!って事は全部の効果を使えるって事!?」
「まず4体の効果!デッキからカードを4枚ドローし!その後3枚をデッキボトムに戻す!」
なんかヤバイ展開になってきたんじゃないの!?
「さらに!鎖龍蛇-スカルデットのもう1つの効果により、手札からモンスター1体を特殊召喚!僕は手札から『捕食植物オフリス・スコーピオ』を特殊召喚する!」
捕食植物オフリス・スコーピオ 星3 ATK1500
「まだまだ!オフリス・スコーピオの効果を発動!このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、手札からモンスター1体を墓地へ送って発動できる。デッキからオフリス・スコーピオ以外の捕食植物モンスター1体を特殊召喚する!『捕食植物ダーリング・コブラ』を特殊召喚!」
捕食植物ダーリング・コブラ 星3 ATK1000
「ダーリング・コブラが捕食植物モンスターの効果で特殊召喚に成功した場合、デッキから融合魔法カードまたはフュージョン魔法カード1枚を手札に加える!『置換融合』を手札に加え、発動!このカードは自分フィールドのモンスターで融合召喚を行う!ダーリング・コブラとオフリス・スコーピオで融合召喚!『捕食植物キメラフレシア』!鎖龍蛇-スカルデットのリンク先の真下に特殊召喚!」
捕食植物キメラフレシア 星7 ATK2500
「スカルデットの効果発動!リンク先にキメラフレシアが特殊召喚された事でキメラフレシアの攻守は300アップ!」
捕食植物キメラフレシア ATK2500→2800
「キメラフレシアの効果発動!1ターンに1度、このカードのレベル以下のレベルを持つフィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する!メタルヴァレットを除外する!これならリクルートされまい!」
「させないわよ!伏せていた速攻魔法『スクイブ・ドロー』を発動!メタルヴァレットを破壊し2枚ドローする!さらに補給部隊の効果でもう1枚ドロー!」
除外だけは回避出来たけど…これどうしよう……。
「通常召喚、『SRダブルヨーヨー』!」
SRダブルヨーヨー 星4 ATK1400
「このカードが召喚に成功した時、自分の墓地のレベル3以下のスピードロイドモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する!墓地からチューナーモンスター『SR三つ目のダイス』を特殊召喚!」
SR三つ目のダイス 星3 ATK300 チューナー
「レベル4のダブルヨーヨーにレベル3の三つ目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!右下のリンク先に特殊召喚!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 星7 ATK2500→2800
「(どうしようこれ……)」
正直、勝てそうにないわね……。
「バトル!鎖龍蛇-スカルデットでシェルヴァレット・ドラゴンを攻撃!」
「通す…!」
「続けてキメラフレシアとクリアウィングでダイレクトアタック!」
真由美 LP8000→2400
「僕はこれでターンエンド!」
「エンドフェイズに破壊されたヴァレットの効果により2体を特殊召喚する!『マグナヴァレット・ドラゴン』・『アネスヴァレット・ドラゴン』を特殊召喚!」
マグナヴァレット・ドラゴン 星4 ATK1800→2100
アネスヴァレット・ドラゴン 星1 DEF2100→2400
正直…キツイ。攻撃を1度無効にされ、レベル5以上のモンスター効果は軒並み無効にされる。そして、レベル7以下のモンスターを出そうものなら1体除外される……。
「私のターン、ドロー!」
でも、いいカードを引けた。少なくとも何体かは倒せるだろう。さて、意地ィ見せるか!
「アネスヴァレット・ドラゴンを除外し、手札から『レッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴン』を特殊召喚!」
レッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴン 星10 ATK2800
「レッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴンの効果発動!1ターンに1度手札または墓地のドラゴン族1体を特殊召喚する!」
「クリアウィングの効果発動!1ターンに1度、このカード以外のフィールドのレベル5以上のモンスターの効果が発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する!このカードの効果でモンスターを破壊した場合、このカードの攻撃力はターン終了時まで、このカードの効果で破壊したモンスターの元々の攻撃力分アップする!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン ATK2800→5600
「ッ…!やっぱ止めてきたわね!なら『終末の騎士』を召喚!」
終末の騎士 星4 ATK1400
「終末の騎士が召喚・特殊召喚に成功した時、デッキから闇属性モンスター1体を墓地へ送る。さらに、墓地へ送ったチューナーモンスター『亡龍の戦慄─デストルドー』の効果発動!ライフポイントを半分払い、自分フィールドのレベル6以下のモンスター1体を対象として発動できる。このカードを特殊召喚する。終末の騎士を選択し特殊召喚!」
真由美 LP2400→1200
「──なんて事はさせない!カウンター罠『神の通告』!ライフを1500払い、モンスター効果を無効にし破壊する!」
翔太 LP8000→6500
「ッ…!これもダメ………なーんてね♪」
「………へ?」
モンスター効果…殆ど使わせたわよ!
「召喚条件は効果モンスター2体!終末の騎士とマグナヴァレット・ドラゴンでリンク召喚!『アンダークロックテイカー』!」
アンダークロックテイカー LINK-2 ATK1000 リンクマーカー【左・下】
「さらにフィールド魔法、リボルブート・セクターの効果発動!相手フィールドのモンスターの数が自分フィールドのモンスターよりも多い場合、その差の数まで自分の墓地からヴァレットモンスターを選んで守備表示で特殊召喚する!翔太君のフィールドにはモンスターが3体、よって2体分を墓地から特殊召喚する!『メタルヴァレット・ドラゴン』と『シェルヴァレット・ドラゴン』を特殊召喚!」
メタルヴァレット・ドラゴン 星4 DEF1400→1700
シェルヴァレット・ドラゴン 星2 DEF2000→2300
「召喚条件は効果モンスター3体以上!そして、アンダークロックテイカーは2体分のリンク素材となる!メタルヴァレット・ドラゴン、シェルヴァレット・ドラゴン、アンダークロックテイカーでリンク召喚!『ヴァレルロード・ドラゴン』!」
ヴァレルロード・ドラゴン LINK-4 ATK3000 リンクマーカー【左・左下・右下・右】
「速攻魔法『クリック・リボルブ』発動!デッキからヴァレットモンスター1体を特殊召喚する!『メタルヴァレット・ドラゴン』を鎖龍蛇-スカルデットのリンク先へ特殊召喚!」
メタルヴァレット・ドラゴン 星4 ATK1700→2300
「鎖龍蛇-スカルデットの効果を逆利用してきたか…」
「さっきのお返し、たっぷりさせてあげる!」
「あ……」
「ヴァレルロード・ドラゴンの効果発動!1ターンに1度、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力・守備力は500ダウンする!対象はメタルヴァレット・ドラゴン!」
メタルジャケット弾の破壊力を見せてあげる!
「さらに、効果対象となった事でメタルヴァレット・ドラゴンの効果発動!フィールドのこのカードを対象とするリンクモンスターの効果が発動した時に発動できる。このカードを破壊する!その後、このカードが存在していたゾーンと同じ縦列の相手のカードを全て破壊する!スカルデットとキメラフレシア!纏めて吹っ飛べ!《被甲弾装填、
キメラフレシアとスカルデットが纏めて吹き飛び、形勢逆転っと。
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン ATK5600→5300
「そんなぁ……」
「補給部隊の効果で1枚ドロー…バトル!ヴァレルロード・ドラゴンでクリアウィングを攻撃!この瞬間、ヴァレルロード・ドラゴンの効果発動!このカードが相手モンスターに攻撃するダメージステップ開始時に発動できる。その相手モンスターをこのカードのリンク先に置いてコントロールを得る!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 星7 ATK5000
「クリアウィングでダイレクトアタック!」
「墓地の『SR三つ目のダイス』を除外する事で攻撃を無効にする!」
「カードを一枚伏せてターンエンド。ヴァレットモンスターの共通効果でデッキから『マグナヴァレット・ドラゴン』を特殊召喚」
シェルヴァレット・ドラゴン 星4 ATK1800→2100
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン ATK5300→2500
終わってみればクリアウィングを奪い取り、モンスターは3体…因みに今伏せたカードは戦闘ダメージを0にして1枚ドローする『ガード・ブロック』。仮にヴァレルロード・ドラゴンが倒された場合の予防もバッチリだ。
「僕のターン、ドロー!」
そして、マグナヴァレット・ドラゴンはフィールドのこのカードを対象とするリンクモンスターの効果が発動した時に発動できる。自身を破壊した後、相手モンスター1体を墓地へ送る!
「(これが私のガン=カタよ!)」
「スタンバイフェイズ時にキメラフレシアの効果発動!このカードが墓地へ送られた場合、次のスタンバイフェイズに発動できる。デッキから融合魔法カードまたはフュージョン魔法カード1枚を手札に加える。僕が手札に加えるのは『超融合』!」
あ、ヤバ…
「速攻魔法『超融合』!手札を1枚コストに自分・相手フィールドのモンスターを融合素材に融合召喚を行う!真由美さんのフィールドのヴァレルロード・ドラゴンとマグナヴァレット・ドラゴンを融合!」
「しまった…!」
「融合召喚…!『スターヴ・ヴェノム・フュージョンドラゴン』!」
スターヴ・ヴェノム・フュージョンドラゴン 星8 ATK2800
「このカードが融合召喚に成功した場合に発動できる。相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体を選び、その攻撃力分だけこのカードの攻撃力をターン終了時までアップする。クリアウィングの攻撃力を吸収する!」
「させないわよ!クリアウィングの効果発動!1ターンに1度、このカード以外のフィールドのレベル5以上のモンスターの効果が発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する!」
「ならばスターヴ・ヴェノム・フュージョンドラゴンの効果発動!融合召喚したこのカードが破壊された場合に発動できる。相手フィールドの特殊召喚されたモンスターを全て破壊する!」
「補給部隊の効果で1枚ドロー」
凄まじいモンスター効果の応酬で互いにモンスターが撃破される。
「でもまだ終わらない!これが最後の賭け!墓地の『置換融合』の効果を発動!墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の融合モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをエクストラデッキに戻す。その後、自分はデッキから1枚ドローする。キメラフレシアをデッキに戻し…ドロー!」
さて…一体何を引いたのかしら……ちょっと怖いわね。
「………来た」
「!?」
「魔法カード『龍の鏡』発動!自分のフィールド・墓地から、ドラゴン族の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを除外し、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する!」
「!!!」
「僕は墓地から『捕食植物サンデウ・キンジー』と『ダーク・クリエイター』を除外!融合召喚!いでよ…『グリーディー・ヴェノム・フュージョンドラゴン』!」
グリーディー・ヴェノム・フュージョンドラゴン 星10 ATK3300
「攻撃力3300…!!」
「バトル!グリーディー・ヴェノムでダイレクトアタック!」
「伏せててよかった『ガード・ブロック』!戦闘ダメージを0にしデッキからカードを1枚ドローする!」
「僕はこれでターンエンド!さぁ、来い!これが僕の最後の壁だ!」
確かに…グリーディー・ヴェノム・フュージョンドラゴンは自分ターンに1度相手モンスター1体の攻撃力を0にし効果を無効にする。さらに、自身が破壊された場合にフィールドのモンスターを全て破壊しその後墓地の闇属性レベル8以上のモンスター1体を除外して自身を蘇生させる効果を備えている……突破は困難だ。それでも……
「私はそれを超えてみせる!ドロー!」
よし…これでいい。この手札で決着を付ける!
「フィールド魔法リボルブート・セクターの効果発動!墓地から『マグナヴァレット・ドラゴン』を特殊召喚!」
マグナヴァレット・ドラゴン 星4 ATK1800→2100
「さらに魔法カード『死者蘇生』!墓地のモンスター1体を特殊召喚する!私は墓地から『レッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴン』を特殊召喚!」
レッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴン 星10 ATK2800
「効果発動!1ターンに1度、手札または墓地のモンスター1体を特殊召喚する!『ヴァレルロード・ドラゴン』を特殊召喚!」
ヴァレルロード・ドラゴン LINK-4 ATK3000 リンクマーカー【左・左下・右下・右】
「チューナーモンスター『レッド・リゾネーター』を召喚!」
レッド・リゾネーター 星2 ATK600 チューナー
「このカードが召喚に成功した時に発動できる。手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する。『ゲートウェイ・ドラゴン』を特殊召喚!」
ゲートウェイ・ドラゴン 星4 ATK1600
「レベル4のゲートウェイ・ドラゴンにレベル2のレッド・リゾネーターをチューニング!シンクロ召喚!『レッド・ライジング・ドラゴン』!」
レッド・ライジング・ドラゴン 星6 ATK2100
「レッド・ライジング・ドラゴンがシンクロ召喚に成功した時、墓地からリゾネーター1体を特殊召喚する!レッド・リゾネーターを特殊召喚!」
レッド・リゾネーター 星2 DEF200 チューナー
「このカードが特殊召喚に成功した時、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力分だけライフを回復する!対象はグリーディー・ヴェノム!」
真由美 LP1200→4500
「ヴァレルロード・ドラゴンの効果発動!1ターンに1度、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力・守備力は500ダウンする!対象はマグナヴァレット・ドラゴン!」
次はマグナム弾よ。一撃で消し飛ばしてあげる!
「マグナヴァレット・ドラゴンの効果発動!フィールドのこのカードを対象とするリンクモンスターの効果が発動した時に発動できる。このカードを破壊する。その後、フィールドのモンスター1体を選んで墓地へ送る!グリーディー・ヴェノムは破壊されなければ蘇生出来ないわよね?」
「ッ…これが真由美さんのデュエルか…!」
「そしてトリはこのカード!レベル6のレッド・ライジング・ドラゴンにレベル2のレッド・リゾネーターをチューニング!《王者の鼓動、今ここに列を成す。天地鳴動の力を見るがいい!》シンクロ召喚!いでよ、我が魂!『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000
「バトル!レッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴンでダイレクトアタック!」
「何も防ぐ手立て無いですよ!」
翔太 LP6500→3700
「続けて、ヴァレルロード・ドラゴンでダイレクトアタック!」
翔太 LP3700→700
「そして、レッド・デーモンズ・ドラゴンでダイレクトアタック!紅蓮の鉄槌震えよ!《アブソリュート・パワー・フォース》!!!」
「あと一歩で……!」
翔太 LP700→0
******************
「ダメダメ!ヴァレットじゃ回転率が低いわ…」
「暴力的なアドで展開してきた人の言葉とは全く思えないッスね」
今回の課題は2つ。序盤での制圧力とリクルートの遅さ。これさえ改善出来ればいい。ただ、抜くべきカードの選別が難しいのも事実…どうしたものか……ここはまだまだ突き詰めないと。
「ありがとうね!翔太君!」
「うん、僕も欠点が分かったし…もう少し頑張ってみるよ」
ここから先は敵同士。大会に向け互いに情報を知りたがっている。私も慎重にいかないと………
翔太「今回は僕が如何に本気かを証明するデッキだよ」
真由美「久々に死にかけたわ。初めて見るタイプね」
翔太「うん、早速レシピを公開するね。真由美さんだから公開するんだよ?」
デッキ総枚数(40)
モンスター(20)
●ダーク・クリエイター×2
●SRダブルヨーヨー×1
●SRベイゴマックス×1
●SRタケトンボーグ×2
●SR電々大公×1
●SR三つ目のダイス×1
●SR赤目のダイス×1
●幻影騎士団サイレントブーツ×3
●幻影騎士団ダスティローブ×3
●捕食植物オフリス・スコーピオ×3
●捕食植物ダーリング・コブラ×1
●捕食植物サンデウ・キンジー×1
魔法カード(12)
●龍の鏡×1
●死者蘇生×1
●スピードリバース×1
●超融合×1
●置換融合×1
●超越融合×1
●強欲で貪欲な壺×2
●ソウルチャージ×1
●ハーピィの羽根帚×1
●RUM─幻影騎士団ラウンチ×1
●増援×1
罠カード(8)
●幻影霧剣×3
●幻影剣×2
●神の通告×1
●戦線復帰×2
EXデッキ(15)
●グリーディー・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン×1
●スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン×1
●捕食植物キメラフレシア×2
●ダーク・レクイエム・エクシーズ・ドラゴン×1
●ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン×1
●幻影騎士団ブレイク・ソード×2
●彼岸の旅人ダンテ×1
●機装天使エンジネル×1
●クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン×1
●クリアウィング・シンクロ・ドラゴン×1
●鎖龍蛇─スカルデット×1
●デコード・トーカー×1
●アカシック・マジシャン×1
翔太「融合・シンクロ・エクシーズ・リンクを制覇したデッキなんだ。殆どがレベル3になっていて、何れも展開しやすいのが特徴だよ」
真由美「Arc-Ⅴのエースが軒並み採用されてるのが凄いわね」
翔太「ただ、本人の腕に依存するのが欠点なんだよね」
真由美「いや、それでも劇中でのあの展開力はビビるわよ。一瞬で私のフィールドを制圧してトドメを刺そうとしてくるんだもの…」
翔太「今後はもう少し改善していこうかなと思ってるんだ。具体的にはダーク・クリエイターとか…」
真由美「私のデッキもまだまだ発展させないと!」
翔太「それじゃあ、今日はここまで明日はなんとアイツがやらかすぞ!」
真由美「またね〜」
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至るべき日の為に【サクリファイス】
遊斗「おい、ネタバレすんな!」
「セバス、デッキレシピの確認をしてくれ」
「ふむ……」
セバスにデッキレシピを確認してもらいながらオレは完成したデッキを一瞥した。
「よくここまで上達しましたね」
「何回セバスに手直しされたと思ってんだ全く…」
古霊さんが足繁く通うカードショップにて大会が近づいている事を知ったオレは、社交パーティに顔を出しつつも大会向けに最高のデッキを構築していた。
「(古霊さんの手は煩わせねぇよ……ガチデッキを使うクズ共はオレが潰してやる)」
「(遊斗様…最高に小悪党な顔をしております)」
****************
「みんな殺気立ってるわねぇ…」
「大会の賞品が大きいから仕方ないよ」
仕事終わりにカードショップに寄ると昨日以上に遊んでいる人達が殺気立っていた。それもその筈、大会の賞品は「店長が偶然手に入れた『定山渓温泉ペア2泊5食3万円分無料券』と『寝台列車ペア往復無料券』」だからだ。私も当然狙っている。遊斗君が優勝すれば間違いなく私と2人きりで旅行しようと迫ってくるに違いない。絶対に阻止して優勝しないと!
「やぁやぁ、元気かな諸君!」
「(噂をすれば…!)」
やって来た遊斗君はいつものカウボーイスタイル。だが、いつも以上に根拠の無い自信に満ち溢れていた。
「ハハハ!なんだいなんだい!みんな揃って【SPYRAL】かい?全く、脳味噌が空っぽな奴はいいな!同じ強いデッキにすれば勝てると思い込んでるんだからな!」
煽る煽る。SPYRAL同士のミラーマッチをしている中学生達の間に割って入るなり煽りまくっていた。一体何のつもりなのかしら…?
「いい加減にしろよ遊斗!」
「ん〜?誰だっけ君?」
とここで小林君が我慢出来ずに遊斗君に噛み付いた。が、遊斗君はあくまでヘラヘラとした笑みを絶やす事はない。
「俺とデュエルしろ!俺が勝ったらお前は出禁だ!」
その言葉に「よく言った」とばかりにその場にいたみんなが殺気立った目で遊斗君を見た。なのに彼は平然としている。
「じゃあオレが勝ったらどうする?」
「……俺はSPYRALを使う。お前の安っぽいファンデッキなんかに負けはしない」
「そ、じゃあオレが勝ったら今大会の【SPYRAL】使用禁止な」
「ッ!?」
遊斗君…大きく出たわね。小林君も嵌められたみたい……というか、こういう状況を作る為に敢えてヒール役になったみたいね。
「で、いいよな?店長」
「お、おう」
「じゃあ始めようか!なぁに、オレが勝ったところでデッキを変えればいいだけの話だろ?色鮮やかになると思うぜ」
「ほざいてろ…!」
中央の席に座った遊斗君と小林君はそれぞれの思いを以って対峙した。互いにマットを敷いてデッキをセットする。
「かかっておいで」
「圧勝してやる!」
「「デュエル!!!」」
遊斗 LP8000
小林 LP8000
そして、デュエルが始まった。もしかしたら遊斗君のデュエルは見納めになるかもしれないから私は真剣にその様子を見ていた。
「先攻──」
「先攻後攻の権利は君に委ねるよ。」
「ッ…!なら俺は先攻を取る!」
遊斗君…SPYRAL相手に慢心してるけど大丈夫なの…?
「俺のターン!『SPYRAL─ジーニアス』を召喚!」
SPYRAL─ジーニアス 星1 ATK500
「ジーニアスが召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキからSPYRAL GEARカードを手札に加える!俺が手札に加えるのは『SPYRAL GEAR-ドローン』!さらに魔法カード『機械複製術』を発動!自分フィールドの攻撃力500以下の機械族を対象とし同名モンスターをデッキから2体まで特殊召喚する!2体のジーニアスを特殊召喚!」
SPYRAL─ジーニアス 星1 ATK500
SPYRAL─ジーニアス 星1 ATK500
「ジーニアスの効果で俺は『SPYRAL GEAR-ビッグ・レッド』、『SPYRAL GEAR-マルチワイヤー』を手札に加える!さらに魔法カード『二重召喚』発動!このターン、通常召喚権をもう1つ得る!手札に加えた『SPYRAL GEAR-ドローン』を召喚!」
SPYRAL GEAR-ドローン 星1 ATK100
「このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、相手のデッキの上から3枚を確認し好きな順番でデッキに戻す」
「フフ…いいともお好きなように……」
遊斗君はデッキの上から3枚を裏側のまま抜き出し小林君に見せた。小林君はそれを弄ってからデッキに戻した。
「俺はドローンとジーニアスでリンク召喚!『SPYRAL─ザ・ダブルヘリックス』!」
SPYRAL─ザ・ダブルヘリックス LINK-2 ATK1900 リンクマーカー【左・下】
「ダブルヘリックスの効果発動!相手のデッキトップのカードの種類を当て、互いに確認。正解ならデッキまたは墓地からSPYRALを1体手札に加えるかこのカードのリンク先に特殊召喚する!宣言するのは魔法カード!」
「うん、『所有者の刻印』。当然正解だね」
「俺は『SPYRAL─グレース』を特殊召喚!」
SPYRAL─グレース 星6 DEF2800
「グレースの効果発動!デッキからSPYRAL MISSIONカードを手札に加える!『SPYRAL MISSION─救出』を手札に加える!さらに墓地のジーニアスの効果!SPYRAL─ダンディがフィールドに存在する場合に手札を1枚捨て、このカードを特殊召喚する!ダブルヘリックスはダンディとしても扱える為効果は機能する!」
SPYRAL─ジーニアス 星1 ATK500
「ジーニアスの効果で俺は『SPYRAL GEAR-ラスト・リゾート』を手札に加える!さらに、ダブルヘリックスとグレースで『電影の騎士ガイアセイバー』をリンク召喚!」
電影の騎士ガイアセイバー LINK-3 ATK2600 リンクマーカー【左・下・右】
「グレースの効果発動!このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、デッキから『SPYRAL─ダンディ』と『SPYRAL RESORT』を手札に加える!」
「ガイアセイバーと蘇生していない方のジーニアスで『ファイアウォール・ドラゴン』をリンク召喚!」
ファイアウォール・ドラゴン LINK-4 ATK2500 リンクマーカー【上・左・下・右】
「ジーニアスの効果で墓地へ送った『SPYRAL MISSION─救出』の効果!このカードを除外し墓地のSPYRALを蘇生する!リンク素材にしたジーニアスをファイアウォールのリンク先に特殊召喚!」
SPYRAL─ジーニアス 星1 ATK500
「ジーニアスの効果で俺は『SPYRAL GEAR─エクストラアームズ』を手札に加える!そして、3体のジーニアスでリンク召喚!『トライゲート・ウィザード』!」
トライゲート・ウィザード LINK-3 ATK2200 リンクマーカー【上・左・右】
「リンク先のジーニアスが墓地へ送られた事でファイアウォールの効果発動!手札からモンスター1体を特殊召喚する!『SPYRAL─ダンディ』を特殊召喚!」
SPYRAL─ダンディ 星4 ATK1900
「さらにフィールド魔法『SPYRAL RESORT』を発動!1ターンに1度、デッキからSPYRALを手札に加える!俺は2枚目のダンディをサーチ!そして、手札のダンディの効果!カードの種類を宣言し相手のデッキトップを互いに確認。宣言した種類なら手札から特殊召喚する!デッキトップは魔法カード!」
「まぁ、所有者の刻印だよな」
「よって特殊召喚!」
SPYRAL─ダンディ 星4 ATK1900
「そして、ダンディ2体で『ダイガスタ・エメラル』をエクシーズ召喚!」
ダイガスタ・エメラル ランク4 ATK1800
「エメラルの効果発動!墓地の効果モンスター以外のモンスターを墓地から特殊召喚する!ガイアセイバーを特殊召喚!」
電影の騎士ガイアセイバー LINK-3 ATK2600 リンクマーカー【左・下・右】
「エメラルとガイアセイバーで2体目のファイアウォールをトライゲートの左側のリンク先に特殊召喚!」
ファイアウォール・ドラゴン LINK-4 ATK2500 リンクマーカー【上・左・下・右】
「装備魔法『SPYRAL GEAR─ビッグ・レッド』発動!墓地のSPYRALを特殊召喚しこのカードを装備する!ダブルヘリックスをトライゲートの右側に特殊召喚!」
SPYRAL─ザ・ダブルヘリックス LINK-2 ATK1900 リンクマーカー【左・下】
「さらに手札の『SPYRAL GEAR-ラスト・リゾート』と『SPYRAL GEAR─エクストラアームズ』をダブルヘリックスに装備!ラストリゾートの効果で装備モンスターは破壊されず、効果対象にならない。そして、エクストラアームズの効果で装備モンスターの攻撃力が1000アップし、装備モンスターが相手モンスターを戦闘破壊した場合、相手フィールドのカードを1枚選択しそのカードと共に除外する!俺はこれでターンエンド!SPYRAL RESORTの維持コストで俺は墓地のモンスター1体をデッキに戻す。ダイガスタ・エメラルをデッキに戻す!遊斗…突破出来るってんならやってみろ!」
「おぅおぅ、すげぇ盤面だ。追い込まれてる気分だぜ」
対する遊斗君はずっとヘラヘラ笑っている。全然読めない。でもこの盤面は厳しいわよ……2体のファイアウォールの効果で合計6枚ものカードがデッキに戻り、トライゲート・ウィザードの効果で毎ターンに1度カード効果を無効にし除外・相互リンク先モンスターの戦闘ダメージの倍化・毎ターンに1度カードを1枚除外する。そして、頑丈過ぎるダブルヘリックス……どう突破する気なの?
「確かに見た目は派手だね。ククク……ドロー!」
遊斗君は一切動じる事なくデッキトップの所有者の刻印をドローした。
「さて、マニュアル通りにしか動けない奴には相応の態度で応えてあげるよ。俺はダブルヘリックス、ファイアウォール2体をリリースして『ラーの翼神竜─球体形』をお前のフィールドに特殊召喚!」
「!?」
ラーの翼神竜─球体形 星10 ATK?
「たとえ無敵といえる盤面だろうが召喚コストにリリースされちゃあ意味ねぇよなぁ?ん〜?」
「ッ…!」
「さらに、魔法カード『所有者の刻印』を発動!この効果で俺はラーの所有権を取り戻す」
ラーの翼神竜─球体形 星10 ATK?
「ラーの効果を発動!このカードをリリースする事で手札またはデッキから『ラーの翼神竜』を召喚条件を無視して攻撃力4000のモンスターとして特殊召喚する!」
ラーの翼神竜 星10 ATK?→4000
「さらに魔法カード『融合』を発動!手札の『ラーの翼神竜─不死鳥』と『サクリファイス』を融合!いでよ!『ミレニアム・アイズ・サクリファイス』!」
ミレニアム・アイズ・サクリファイス 星1 ATK0
「ラーの翼神竜の効果、ライフを1000払い、フィールドのモンスター1体を破壊する!トライゲートを破壊!」
「クソッ…!?」
遊斗 LP8000→7000
「バトル!ラーの翼神竜でダイレクトアタック!!!」
小林 LP8000→4000
「この程度……!次のターンで──」
「次のターン?そんなのある訳ねぇだろ」
「!?」
「速攻魔法『神秘の中華なべ』。自分フィールドのモンスター1体をリリースしその攻撃力か守備力分のライフを得る!俺はラーをリリースして攻撃力分のライフを得る!」
遊斗 LP7000→11000
「ラーがフィールドから墓地へ送られた場合、このカードは墓地から特殊召喚出来る。いでよ!『ラーの翼神竜─不死鳥』!!!」
ラーの翼神竜─不死鳥 星10 ATK4000
「そんな………」
「オレに勝ちたきゃ……そんなコピーデッキとはおさらばするんだな。ラーの翼神竜─不死鳥でダイレクトアタック!!!」
小林 LP4000→0
嘘でしょ……あのフルスペックの【SPYRAL】相手にワンターンキルを決めちゃった………。
****************
「ははははは!!!さぁ店長!ルール変更を宣言しろ。高々とな!」
「えー今回の大会では【SPYRAL】禁止でーす!いぇーい!」
「店長ェ……」
軽い調子であっさりSPYRAL禁止令が言い渡される中、この大会の為にSPYRALを買い揃えた小・中学生は噎び泣き、たった今買ったばかりのデュエリストはがっくりと肩を落とした。
「ハハハ!残念残念!小早川もよく健闘したなぁ!」
「小林だよ……チクショウ…」
SPYRAL禁止令の原因となってしまった小林君は周囲からの憎悪の視線に耐え切れなくなり、【SPYRAL】を全部店長に売り払ってしまった。彼なりに責任を取ったつもりらしいがそこまでしなくてもいいのに………。
「小林…元気出せよ」
翔太君も流石に小林君を慰めていた。でも、賭けデュエルを挑んだ事自体が間違っていると思うんだけどな私。
「これで敵は殆ど消えた………後は最高の舞台で古霊さんと諸星…君達を打ち倒す!それがオレのこの戦いへの意気込みだ。生半可なデッキで戦いを挑むなよ……いいな!」
「遊斗君の覚悟…この胸に受け止めたわ。この大会…絶対勝つ!」
「小林君の分まで僕が戦うよ。遊斗、僕が絶対倒してやる!」
「気持ちはありがたいけど大会を私物化すんな〜!!!」
こうして、大会前日は終わった。恐らく、今からデッキ調整をし直すとなると出場者達のデッキの完成度は落ちる。必然的にファンデッキ慣れした私達が有利になるだろう。だからこそ、私は遊斗君に絶対勝つ。えぇ、勝ちますとも!!!
遊斗「ハハハ!デュエリスト諸君!オレ様、太陽 遊斗の参上だ!」
真由美「遊斗君、そういうキャラじゃないでしょ?」
遊斗「流石、よく分かってるね。きっとオレ達、相性が良い─」
真由美「いいからデッキレシピ見せなさい」
遊斗「へーい…じゃあ、今回はダミーとして用意した【サクリファイス〜不死鳥仕立て〜】の紹介だ。」
真由美「あれダミーだったの!?」
デッキ総枚数(40)
モンスター(20)
●ラーの翼神竜─不死鳥×1
●ラーの翼神竜×2
●ラーの翼神竜─球体形×3
●雷撃壊獣サンダー・ザ・キング×1
●海亀壊獣ガメシエル×2
●怒炎壊獣ドゴラン×1
●マンジュ・ゴッド×3
●捕食植物サンデウ・キンジー×2
●ミレニアム・アイズ・イリュージョニスト×2
●サクリファイス×3
魔法カード(20)
●イリュージョンの儀式×3
●儀式の下準備×2
●ツイン・ツイスター×2
●融合×3
●神秘の中華鍋×2
●サクリファイス・フュージョン×1
●所有者の刻印×2
●おろかな埋葬×1
●超融合×1
●簡易融合×2
●妨げられた壊獣の眠り×1
EXデッキ(15)
●スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン×1
●捕食植物キメラフレシア×2
●サウザンド・アイズ・サクリファイス×2
●ミレニアム・アイズ・サクリファイス×3
●No.23冥界の霊騎士ランスロット×1
●森羅の姫芽宮×2
●リンクリボー×2
●セキュリティ・ドラゴン×1
●デコード・トーカー×1
遊斗「今回は偽装してラーを採用した。本来ならもっとエグ〜いデッキなんだが、それは追々公開する予定だからよろしく」
真由美「趣味悪いわねぇ…」
遊斗「今回はSPYRAL対策でラーを採用したんだ。どうせオレを潰す為にSPYRALを使ってくる事は織り込み済みって奴さ」
真由美「なんでラーがSPYRAL対策になるの?」
遊斗「だってあいつら大量展開するだろ?どうせ相互リンクでロックを仕掛けてくるだろうから先攻譲ってやりたいだけやらせた後、決める」
真由美「うわぁ…」
遊斗「そこをリリースのコストにして除去してかつ攻め切れるのはラーしか居なかった。それが理由だ。他に適任がいるか?」
真由美「居ないわね…」
遊斗「さて、オレはセバスと一緒にデッキの再調整をするからここで帰るわ。じゃあな!」
真由美「私もうかうかしてられないわね!じゃあ今日はここまで!バイバイ♪」
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至るべき日①【覇王の魔弾】
遊斗「(笑)大会が普通に開催される?訳ねぇだろ。大体ハプニングとかアクシデントとかが起きるのが鉄板だろ?」
「よし…」
今日は気持ち化粧を濃い目に塗った。と言っても一塗り程度の足しだ。ギリギリまで切り詰めたお金で買った化粧品はとっくに空になる寸前まで来ていた。そして、これで化粧品は使い切った。明日からは給料日までスッピン生活!
「絶対勝つわよ…!」
完成させたデッキを手に私は会場へと足を運んだ。今日はマスターに土下座してまで手にした休み…優勝という形で何としても大会を勝ち抜きたい思いで私はカードショップに入った。
「すごい熱気ね…」
「あ、真由美さん!おはよう!」
「おはよう、翔太君」
「ちょっと化粧濃くした?」
「あ、バレた?」
「うん…それ程今日の為に頑張ったんだなって分かるから」
「////」
私は早速組み分け表を見た。トーナメント方式だが、私も翔太君も遊斗君も別のグループだ。そして、順当に勝ち抜けば準決勝で翔太君と遊斗君がぶち当たる事になる。
「……頑張ってね。翔太君」
「おう!」
私はそれぞれに指定された席へと移動した。
****************
「よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
モブなデュエリストが初戦の相手だ。登録名は【剣闘獣】…昔のデッキを引っ張り出して来たのかしら?
「遊斗君の件についてはごめんなさいね」
「いいんですよ。ああいう人は絶対逆らっちゃいけませんから。それに自分達も慢心してあいつに任せたのも問題ですし…」
「そう…」
「でも、変態女には負けないですよ!いいリンクモンスターを手に入れたし!」
「分かったわ。私も全力でぶつかるわよ!」
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
モブ LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!」」
よし、先攻はもらった。剣闘獣だからガイザレスに警戒した戦術で行こう!
「ペンデュラムスケールに『覇王眷竜ダークヴルム』をセッティング!」
覇王眷竜ダークヴルム ペンデュラムスケール5
「ダークヴルムのペンデュラム効果!1ターンに1度、自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動できる。デッキから覇王門Pモンスター1体を選び、自分のPゾーンに置く。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は闇属性モンスターしかP召喚できない。私は覇王門零をセッティング!」
覇王門零 ペンデュラムスケール0
「『メタルヴァレット・ドラゴン』を召喚!」
メタルヴァレット・ドラゴン 星4 ATK1700
「続けて、フィールド魔法『天空の虹彩』と永続魔法『補給部隊』を発動!まずは天空の虹彩の効果!自分フィールドの表側表示のカードを1枚破壊し、デッキからオッドアイズカード1枚を手札に加える!さらに補給部隊の効果で私は1枚ドローする!カードを1枚伏せてターンエンド。そして、エンドフェイズにマグナヴァレットの効果でデッキから『マグナヴァレット・ドラゴン』を特殊召喚!」
マグナヴァレット・ドラゴン 星4 ATK1800
下地は出来た。後は私なりの戦術を突き詰めて追い込むだけ…。
「俺のターン、ドロー!魔法カード『強欲で貪欲な壺』!デッキトップから10枚を裏側で除外し2枚ドローする!さらに魔法カード『二重召喚」!このターン2度の通常召喚が出来る!『剣闘獣ラクエル』召喚!」
剣闘獣ラクエル 星4 ATK1800
「さらに『剣闘獣ベストロウリィ』を召喚!」
剣闘獣ベストロウリィ 星4 ATK1500
「このカードは上記の素材をフィールドからデッキに戻して融合召喚出来る!『剣闘獣ガイザレス』を融合召喚!」
剣闘獣ガイザレス 星6 ATK2400
「やれやれ…」
「ガイザレスの効果発動!融合召喚に成功した時、フィールドのカードを2枚まで破壊する!補給部隊と伏せカードを破壊!」
「そう来るのは分かってたわ!速攻魔法『クイック・リボルブ』!デッキからヴァレット1体を特殊召喚する!『オートヴァレット・ドラゴン』を守備表示で特殊召喚!」
オートヴァレット・ドラゴン 星1 DEF1000
「バトル!ガイザレスでマグナヴァレットを攻撃!」
「通すわ…!」
真由美 LP8000→7400
「このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時にこのカードを持ち主のエクストラデッキに戻して発動できる。デッキから剣闘獣ベストロウリィ以外の剣闘獣モンスター2体を特殊召喚する!『剣闘獣ラニスタ』と『剣闘獣ムルミロ』を特殊召喚!」
剣闘獣ラニスタ 星4 ATK1800
剣闘獣ムルミロ 星3 ATK800
「ムルミロの効果発動!剣闘獣の効果で特殊召喚した時、モンスター1体を破壊する!オートヴァレットを破壊!さらに自分フィールドにのみ剣闘獣がいる事で『スレイブタイガー』を特殊召喚!」
スレイブタイガー 星3 ATK800
「スレイブタイガーの効果発動!このカードをリリースする事で、自分フィールド上に表側表示で存在する剣闘獣モンスター1体をデッキに戻し、自分のデッキから剣闘獣モンスター1体を特殊召喚する。このカードの効果で特殊召喚したモンスターは剣闘獣と名のついたモンスターの効果で特殊召喚した扱いとなる!ラニスタをデッキに戻し、『剣闘獣ベストロウリィ』を特殊召喚!」
剣闘獣ベストロウリィ 星4 ATK1500
「ベストロウリィの効果でフィールドの魔法・罠カードを1枚破壊する!天空の虹彩を破壊!」
流石にすごい制圧力ね…!?
「さらにベストロウリィとムルミロをデッキに戻し、『剣闘獣ガイザレス』を融合召喚!」
剣闘獣ガイザレス 星6 ATK2400
「ガイザレスの効果でダークヴルムと覇王門零を破壊!」
「通すわ」
「俺はカードを1枚伏せてターンエンド」
「エンドフェイズにクイック・リボルブの効果でオートヴァレットが自壊し、オートヴァレットとマグナヴァレットの効果でデッキから『マグナヴァレット・ドラゴン』と『アネスヴァレット・ドラゴン』を特殊召喚!」
マグナヴァレット・ドラゴン 星4 DEF1200
アネスヴァレット・ドラゴン 星1 DEF2100
さてと…一瞬で盤面をひっくり返された訳だけど……。
「蹴散らしますか」
「!?」
「私のターン、ドロー!『終末の騎士』を召喚!」
終末の騎士 星4 ATK1400
「このカードが召喚に成功した時、デッキから闇属性モンスター1体を墓地へ送る。私が墓地へ送るのは『亡龍の戦慄─デストルドー』!」
まだまだ行くわよ!
「召喚条件はトークン以外のレベル4以下のドラゴン族!シェルヴァレットとアネスヴァレットでリンク召喚!『ツイン・トライアングル・ドラゴン』!」
ツイン・トライアングル・ドラゴン LINK-2 ATK1200 リンクマーカー【右・下】
「このカードがリンク召喚に成功した時、ライフを500払い、自分の墓地のレベル5以上のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、このターン攻撃できない。墓地へ送ったチューナーモンスター『亡龍の戦慄─デストルドー』を特殊召喚!」
亡龍の戦慄─デストルドー 星7 DEF3000 チューナー
「召喚条件は効果モンスター3体以上!そして、ツイン・トライアングル・ドラゴンは2体分のリンク素材としても扱う!ツイン・トライアングル・ドラゴン、終末の騎士、デストルドーでリンク召喚!『ヴァレルロード・ドラゴン』!」
ヴァレルロード・ドラゴン LINK-4 ATK3000 リンクマーカー【左・左下・右下・右】
「さらに魔法カード『貪欲な壺』!墓地のモンスター5体を対象として発動する!」
●オートヴァレット・ドラゴン
●メタルヴァレット・ドラゴン
●アネスヴァレット・ドラゴン
●マグナヴァレット・ドラゴン×2
「この5枚をデッキに戻し、その後デッキからカードを2枚ドローする!」
来た……!
「永続魔法『補給部隊』を発動!さらに、速攻魔法『クイック・リボルブ』!デッキからヴァレット1体を特殊召喚する!『オートヴァレット・ドラゴン』を特殊召喚!」
オートヴァレット・ドラゴン 星3 ATK1600
「オートヴァレットを対象にヴァレルロードの効果発動!対象モンスターの攻守を500下げる。そして、リンクモンスターの効果対象となった事で先にオートヴァレットの効果発動!このカードを破壊し、その後フィールドの魔法・罠カード1枚を選んで墓地へ送る!その伏せカードを墓地へ送ってもらうわ!」
「ッ…!」
ハンディ・キャップマッチか…危ない危ない。
「さらに補給部隊の効果で1枚ドローして……ペンデュラムスケールに『オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン』と『オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン』をセッティング!」
オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン ペンデュラムスケール1
オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン ペンデュラムスケール8
「ペンデュラム召喚!エクストラデッキから『覇王眷竜ダークヴルム』をヴァレルロードのリンク先へ特殊召喚!」
覇王眷竜ダークヴルム 星4 ATK1800
「ダークヴルムが召喚・特殊召喚に成功した時、デッキから覇王門カードを1枚手札に加える!さらに、墓地のデストルドーの効果発動!このカードが手札・墓地に存在する場合、ライフを半分払い、自分フィールドのレベル6以下のモンスター1体を対象として発動できる。このカードを特殊召喚する!ダークヴルムを対象に特殊召喚!」
真由美 LP7400→3700
亡龍の戦慄─デストルドー 星7 DEF3000 チューナー
「この効果で特殊召喚したこのカードは、レベルが対象のモンスターのレベル分だけ下がり、フィールドから離れた場合に持ち主のデッキの一番下に戻る!」
亡龍の戦慄─デストルドー 星7→3
「レベル4のダークヴルムにレベル3となったデストルドーをチューニング!シンクロ召喚!リンク先へ来い!『邪竜星─ガイザー』!」
邪竜星─ガイザー 星7 ATK2600
「ガイザーの効果発動!1ターンに1度、自分フィールドの竜星と相手フィールドのカードを1枚対象として破壊する!《切腹、御免》!!!」
「ガイザレスが…!?」
「自分フィールドのガイザーが戦闘・効果で破壊され墓地へ送られた時に発動できる。デッキから幻竜族モンスター1体を守備表示で特殊召喚する!『タツノオトシオヤ』を特殊召喚!」
タツノオトシオヤ 星7 DEF1400 チューナー
「タツノオトシオヤの効果発動!自分メインフェイズに発動できる。このカードのレベルを1つ下げ、自分フィールドに『タツノコトークン』1体を特殊召喚する!この効果は1ターンに3度まで発動出来る!私は3回分効果を発動!」
タツノオトシオヤ 星7→4
タツノコトークン 星1 DEF200
タツノコトークン 星1 DEF200
タツノコトークン 星1 DEF200
「レベル1のタツノコトークン3体にレベル4となったタツノオトシオヤをチューニング!シンクロ召喚!『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 星7 ATK2500
「バトル!クリアウィングでダイレクトアタック!」
「通す!」
モブ LP8000→5500
「続けてヴァレルロードでダイレクトアタック!」
「手札の『剣闘獣ノクシウス』の効果発動!相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、その相手モンスターの攻撃対象をこのカードに移し替えてダメージ計算を行う。このカードはその戦闘では破壊されない!」
「バトルフェイズ終了時にノクシウスはデッキに戻り後続の剣闘獣を特殊召喚する!俺は『剣闘獣ベストロウリィ』を特殊召喚!」
剣闘獣ベストロウリィ 星4 ATK1500
「ベストロウリィの効果で補給部隊を破壊!」
「カードを1枚伏せてターンエンド。エンドフェイズに墓地のオートヴァレットの効果発動!デッキから『マグナヴァレット・ドラゴン』を特殊召喚!」
マグナヴァレット・ドラゴン 星4 ATK1800
「俺はまだ諦めない!ドロー!『レスキューラビット』を召喚!」
レスキューラビット 星4 ATK300
「その希望の芽…摘み取ってあげるわ!ヴァレルロードの効果発動!1ターンに1度、フィールドのモンスター1体の攻守を500下げる!マグナヴァレットを対象にこの効果を発動!そして、この効果をトリガーにマグナヴァレットの効果発動!このカードを破壊、その後フィールドのモンスター1体を墓地へ送る!レスキューラビットの効果なんて使わせないわ!」
「ッ………サレンダーします」
モブ LP5500→surrender
***********************
私は最初の勝利を噛み締めながら、改めて自分のデッキの完成度が高い事を確認した。【ヴァレット】で動きながら防御に徹しつつ手札を増やし、ペンデュラム召喚で攻める。我ながら上手くいったと思う。
「次は2回戦……そして…」
今対戦を始めようとしている遊斗君…そして、翔太君へと視線を移した。
真由美「今回のデッキはまだ未完成なの。上手く回らないかもしれないからそこはごめんなさい」
デッキ総枚数(40)
モンスター(20)
●タツノオトシオヤ×1
●亡龍の戦慄─デストルドー×1
●覇王門零×2
●オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン×1
●覇王眷竜ダークヴルム×3
●終末の騎士×2
●マグナヴァレット・ドラゴン×2
●メタルヴァレット・ドラゴン×2
●オートヴァレット・ドラゴン×2
●オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン×2
●シェルヴァレット・ドラゴン×1
●アネスヴァレット・ドラゴン×1
魔法カード(16)
●補給部隊×2
●クイック・リボルブ×3
●ハーピィの羽根帚×1
●リボルブート・セクター×1
●天空の虹彩×2
●増援×1
●オッドアイズ・フュージョン×1
●死者蘇生×1
●竜の霊廟×2
●テラ・フォーミング×1
●貪欲な壺×1
罠カード(4)
●メタバース×2
●神の通告×2
EXモンスター(15)
●覇王眷竜スターヴ・ヴェノム×2
●オッドアイズ・ボルテック・ドラゴン×1
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×1
●邪竜星─ガイザー×1
●オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン×1
●クリアウィング・シンクロ・ドラゴン×1
●ダークリベリオン・エクシーズ・ドラゴン×1
●覇王眷竜ダークリベリオン×1
●ヴァレルロード・ドラゴン×1
●ツイン・トライアングル・ドラゴン×1
●アカシック・マジシャン×1
●プロキシー・ドラゴン×1
●セキュリティ・ドラゴン×1
●リンクリボー×1
真由美「今回のデッキは覇王・オッドアイズ・ヴァレットを組み合わせてみたの。覇王眷竜の展開力からのペンデュラム召喚を行う事でリボルブートが手札に無い時でも対応出来るようにしたわ。でも、まだ現実的じゃないわ。後はサイドデッキのカードを採用して何とかしようかな?って思っているわ」
翔太「作者さんがまだデッキ調整で忙しいみたいなので…申し訳ありません」
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至るべき日②…【サクリファイス】
「なるほど、数奇な運命という奴かな?」
「遊斗…!」
オレの相手は…小林か。リベンジに燃えているようだが、オレの相手役が務まるかな?
「今度こそリベンジだ」
「ははは、穏便に頼むよ」
オレのデッキにはほぼ死角が無い。弱点があるとすれば…低攻撃力で編成されたデッキくらいだ。それを読んでくるかは分からないが…ね。
「「デュエル!!!」」
遊斗 LP8000
小林 LP8000
「先攻を譲るなんて事するなよ!」
「分かっているとも、先攻…」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!!」」
オレの先攻…か。
「オレの先攻……魔法カード『簡易融合』。ライフを1000払い、レベル5以下の融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚扱いで特殊召喚する。いでよ、『サウザンド・アイズ・サクリファイス』!」
遊斗 LP8000→7000
サウザンド・アイズ・サクリファイス 星1 ATK0
「カードを2枚伏せてターンエンド。エンドフェイズに簡易融合の効果でサウザンド・アイズ・サクリファイスが破壊されるが、サクリファイスモンスターが破壊された事で、手札の『幻想魔術師・ノー・フェイス』を自身のモンスター効果で特殊召喚する」
幻想魔術師・ノー・フェイス 星5 ATK1200
「それだけか?ならこのターンで決めてやる!俺のターン、ドロー!」
このターン…か。いいだろう。見てやるとするか。
「『古代の機械飛竜』を召喚!」
古代の機械飛竜 星4 ATK1700
「このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合にデッキから古代の機械飛竜以外のアンティーク・ギアカード1枚を手札に加える。俺は『古代の機械箱』を手札に加える!このカードはドロー以外の方法でデッキ・墓地から手札に加わった場合、古代の機械箱以外の攻撃力または守備力が500の機械族・地属性モンスター1体をデッキから手札に加える!『古代の機械騎士』を手札に加える。そして、魔法カード──」
「早まるなよ。発動する前に先にこのカードを使わせてくれ。永続罠カード『暴君の暴飲暴食』!自分フィールドのモンスターを1体リリースし発動する。このカードがある限り、レベル6以上のモンスターは特殊召喚出来ない!よって手札に握っているであろう融合系カードは使えない。」
「ッ!?」
「さらにノー・フェイスが墓地へ送られた事で効果発動!このカードが墓地へ送られた場合、墓地からアイズ・サクリファイス融合モンスター1体を特殊召喚する!蘇れ!『サウザンド・アイズ・サクリファイス』!」
サウザンド・アイズ・サクリファイス 星1 ATK0
諸星と古霊さんのシンクロデッキへの対抗札として用意していたのだが…バラしてしまったな。次の試合では抜くとしよう。
「そんな…」
「サウザンド・アイズ・サクリファイスが居る限り、相手は攻撃宣言出来ない・召喚権も使った・このターンは飛竜のデメリットでカードを伏せる事も出来ない。さぁ、ワンキル出来るもんならやってみな」
「くっ……ターンエンド。エンドフェイズに手札が7枚以上ある為、手札を一枚捨てる」
さて、オレのターン…か。
「オレのターン、ドロー!魔法カード『強欲で貪欲な壺』!デッキトップから10枚を裏側で除外しデッキからカードを2枚ドローする。サウザンド・アイズ・サクリファイスの効果発動!1ターンに1度、相手モンスター1体を吸収しその攻撃力を得る!古代の機械飛竜の攻撃力を得る!」
サウザンド・アイズ・サクリファイス ATK0→1700
「バトル!サウザンド・アイズ・サクリファイスでダイレクトアタック!」
「通す!」
小林 LP8000→6300
「カードを1枚伏せてターンエンド」
オレの戦術はじわじわと攻め込み、絶対に勝てない状況にまで追い込む事に特化している。融合主体のアンティークギアなぞに遅れを取りはしないさ。
「俺のターン、ドロー!……ッ」
「手はあるんだろう?見せてみろよ」
「『ブリキンギョ』を召喚!」
ブリキンギョ 星4 ATK800
「ブリキンギョの効果発動──」
「フィールドのモンスターの効果が発動した時、またはフィールドの既に表側表示で存在している魔法・罠カードの効果が発動した時、
手札の『幽鬼うさぎ』を墓地へ送って発動できる。フィールドのそのカードを破壊する!」
「ッ…!!!」
さぁ、次はどの手でくる?
「ブリキンギョの効果を処理!手札から『古代の機械騎士』を特殊召喚…!」
古代の機械騎士 星4 ATK1800
残りの手札では処理出来まい。さぁ、諦めるがいい…それが最善の道だ。
「ターンエンド」
「ハハハ!打つ手無しか!ドロー!サウザンド・アイズ・サクリファイスで古代の機械騎士を攻撃!サウザンド・アイズ・サクリファイスは装備カードとなったモンスターを墓地へ送り戦闘破壊を無効に出来る」
遊斗 LP7000→6900
サウザンド・アイズ・サクリファイス ATK1700→0
「メインフェイズ2に移行し、サウザンド・アイズ・サクリファイスの効果で古代の機械騎士を吸収する!」
サウザンド・アイズ・サクリファイス ATK0→1800
「ターンエンドだ」
「俺のターン、ドロー!…運はまだ尽きちゃいない!墓地の魔法カード『ギャラクシー・サイクロン』を発動!このカードを除外し相手フィールドの表側表示の魔法・罠カードを1枚除外する!暴君の暴飲暴食を除外する!」
「ほぅ」
「これで使える…!魔法カード『パワー・ボンド』!手札の『古代の機械猟犬』・『古代の機械箱』・『古代の機械素体』・『古代の機械巨人』を融合!来い!『古代の機械混沌巨人』!」
古代の機械混沌巨人 星10 ATK4500
「パワー・ボンドの効果発動!この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力は、その元々の攻撃力分アップする!」
古代の機械混沌巨人 ATK4500→9000
「さらに、速攻魔法カード『禁じられた聖杯』!フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。ターン終了時までそのモンスターは、攻撃力が400アップし、効果は無効化される!対象はサウザンド・アイズ・サクリファイス!この効果が通れば俺の勝ちだ!」
サウザンド・アイズ・サクリファイス ATK1800→0→400
そのタイミングでオレは場に伏せていたカードを見せびらかした。残念だったな。
「チェーン発動。罠カード『サンダー・ブレイク』。手札を一枚墓地へ送り、フィールドのカードを1枚破壊する」
「古代の機械混沌巨人は魔法・罠カードの効果を受けないぞ!」
「知ってるさ。オレが破壊するのは『サウザンド・アイズ・サクリファイス』だからな」
「!?」
「サウザンド・アイズ・サクリファイスが破壊された事で墓地の『幻想魔術師・ノー・フェイス』を特殊召喚!」
幻想魔術師・ノー・フェイス 星5 DEF2200
「ノー・フェイスの蘇生効果そこ使えないが、削り切れるかぁ?」
「くっ……バトル!古代の機械混沌巨人でノー・フェイスを攻撃!」
「クックック………!」
遊斗 LP6900→100
これが主人公補正って奴さ。ライフが100あれば充分。返しのターンで潰せる。
「ターン…エンド。パワー・ボンドを発動したターンのエンドフェイズ時、自分はこのカードの効果でアップした数値分のダメージを受ける」
小林 LP6300→1800
「ハハハ!風前の灯火だな。ドロー!まぁ、相応しい終わらせ方をするとしようか」
「!!!」
「魔法カード『死者蘇生』!オレは墓地から『サウザンド・アイズ・サクリファイス』を特殊召喚!」
サウザンド・アイズ・サクリファイス 星1 ATK0
「そんな…」
「サウザンド・アイズ・サクリファイスの効果!1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として装備カード扱いとしてこのカードに装備する!」
「混沌巨人が……!!!」
「このカードの攻撃力・守備力は、このカードの効果で装備したモンスターのそれぞれの数値になり、このカードが戦闘で破壊される場合、代わりに装備したそのモンスターを破壊する。」
サウザンド・アイズ・サクリファイス ATK0→4500
「やはりお前では力不足だ。せめてオレという天才に討ち滅ぼされる事を感謝しながら逝け!サウザンド・アイズ・サクリファイスでダイレクトアタック!」
「くっそぉおおおおおおおお!!!」
小林 LP1800→0
************************
やっぱり強い…自分の受け身癖を理解した上で癖を最大限に生かしての徹底した防衛戦だった。ライフが100になるのも想定内…か。あの豪胆さを私も見習うべきなのだろうか。
「次は翔太君か…対戦相手は……」
翔太君の対戦相手…それは、堅太君だった。
遊斗「オレのデッキに死角はないさ」
真由美「吸収出来るカードが無い場合はどうするの?」
遊斗「……デッキ紹介と行くか」
翔太「逃げた!?」
デッキ総枚数(44)
モンスター(20)
●幻想魔術師・ノー・フェイス×1
●マンジュ・ゴッド×3
●終末の騎士×3
●沼地の魔神王×2
●幽鬼うさぎ×2
●浮幽さくら×1
●灰流うらら×2
●ミレニアム・アイズ・イリュージョニスト×3
●サクリファイス×3
●金華猫×1
●パラサイト・フュージョナー×1
魔法カード(17)
●サクリファイス・フュージョン×1
●融合×2
●超融合×1
●イリュージョンの儀式×2
●強欲で貪欲な壺×2
●儀式の下準備×3
●ワン・フォー・ワン×1
●簡易融合×2
●ハーピィの羽根帚×1
●おろかな埋葬×1
●死者蘇生×1
罠カード(5)
●サンダー・ブレイク×2
●暴君の暴飲暴食×2
●神の宣告×1
EXデッキ(15)
●スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン×1
●M・HEROダーク・ロウ×1
●サウザンド・アイズ・サクリファイス×2
●ミレニアム・アイズ・サクリファイス×2
●クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン×1
●No.41泥酔魔獣バグースカ×1
●彼岸の旅人ダンテ×1
●シャイニート・マジシャン×1
●ヴァレルロード・ドラゴン×1
●アカシック・マジシャン×1
●SPYRALザ・ダブルヘリックス×1
●リンクリボー×2
真由美「うわぁ…」
翔太「陰湿なデッキだなぁ…」
遊斗「なんとでも言え。あ、ダブルヘリックスは一応採用って感じだ。このデッキでデュエルする時は絶対ピンで入れとけよ。SPYRALにブッ刺さるから」
翔太「とにかくサクリファイスで相手モンスターを吸引してボコすデッキかぁ…」
遊斗「ミレニアム・アイズの条件はサクリファイスと効果モンスターだからな。その気になれば他のカードも採用できるんだが今回は妨害カードを採用した」
真由美「弱点はやっぱりデッキそのものが低火力な事ね。」
遊斗「ミラーマッチになろうもんならダラダラデュエルになっちまうからな。じゃあ、頑張れよ諸星。負けたら許さねぇぞ」
翔太「おう!」
真由美「次回のデッキ紹介はお休みです。理由は…デッキが変わんないからです。それと、Cパートにする予定だからというのもあります。ご了承ください」
翔太「それじゃあ、また明日〜」
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至るべき日③…1回戦終了
翔太「任せてくれ!全力で叩き潰す!」
遊斗「小学生相手にえげつねぇぜ」
「次は君が相手か」
「レモンのおばちゃんの彼氏だ」
「僕の扱い酷くない!?」
僕の相手はまさかのあの悪ガキだった。真由美さんと遊斗が観戦している手前、大人気ない戦略はしたくないんだけど…やるしかないか。
「君が小学生だろうと、僕は負ける気はない。本気で行かせてもらうよ!」
「うん、もちろん負ける気なんてないもん!」
「いい返事だ…!」
「「デュエル!!!」」
翔太 LP8000
堅太 LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!!」」
先攻貰い!でも…なんでニヤニヤしてるんだ?
「僕の先攻!」
幸い、手札は万全だ。初っ端からパナして行くとしよう!
「自分フィールドにモンスターが存在しない場合に手札から『SRベイゴマックス』を特殊召喚!」
SRベイゴマックス 星3 ATK1200
「ベイゴマックスの召喚・特殊召喚に成功した時、デッキからベイゴマックス以外のスピードロイドを1体手札に加える。さらに、『捕食植物オフリス・スコーピオ』を召喚!」
捕食植物オフリス・スコーピオ 星3 ATK1200
「オフリス・スコーピオが召喚・特殊召喚に成功した場合、手札からモンスター1体を墓地へ送る事でデッキから捕食植物を1体特殊召喚する!『捕食植物ダーリング・コブラ』を特殊召喚!」
捕食植物ダーリング・コブラ 星3 ATK1000
「ダーリング・コブラが捕食植物の効果で特殊召喚に成功した場合、デッキから融合またはフュージョン魔法カードを1枚手札に加える!今加えた魔法カード『超越融合』を発動!発動コストとして僕はライフを2000払う!」
翔太 LP8000→6000
「融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスター2体を自分フィールドから墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する!オフリス・スコーピオとダーリング・コブラを融合!融合召喚!『捕食植物キメラフレシア』!」
捕食植物キメラフレシア 星7 ATK2500
「さらに、超越融合の効果発動!墓地のこのカードを除外し、このカードの効果で融合召喚したモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの融合召喚に使用した融合素材モンスター一組を自分の墓地から特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力・守備力は0になり、効果は無効化される!オフリス・スコーピオとダーリング・コブラを特殊召喚!」
捕食植物オフリス・スコーピオ 星3 ATK1200→0
捕食植物ダーリング・コブラ 星3 ATK1000→0
「召喚条件は名前の異なるモンスター2体以上!ベイゴマックス、オフリス・スコーピオ、ダーリング・コブラ、キメラフレシアでリンク召喚!『鎖龍蛇─スカルデット』!」
鎖龍蛇─スカルデット LINK-4 ATK2800 リンクマーカー【上・左下・下・右下】
「スカルデットはリンク素材に4体以上のモンスターを使った場合、リンク召喚に成功した時に発動できる。自分はデッキから4枚ドローし、その後手札を3枚選んで好きな順番でデッキの下に戻す!」
翔太君…小学生相手に本気で来てるわね。
「スカルデットは素材に3体以上のモンスターを使った場合、1ターンに1度、手札からモンスター1体を特殊召喚出来る!『幻影騎士団ダスティローブ』をリンク先へ特殊召喚!スカルデットの効果によりリンク先へ召喚・特殊召喚されたモンスターは攻守が300アップ!」
幻影騎士団ダスティローブ 星3 ATK800→1100
「さらに、手札の『幻影騎士団サイレントブーツ』は自分フィールドに幻影騎士団が存在する場合に手札から特殊召喚出来る!」
幻影騎士団サイレントブーツ 星3 ATK200→500
「レベル3のダスティローブとサイレントブーツでオーバーレイ!エクシーズ召喚!『彼岸の旅人ダンテ』!」
彼岸の旅人ダンテ ランク3 DEF2500→2800
「ダンテの効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使い、自分のデッキの上からカードを3枚まで墓地へ送って発動できる。このカードの攻撃力はターン終了時まで、この効果を発動するために墓地へ送ったカードの数×500アップする。」
彼岸の旅人ダンテ ATK1300→2800
「カードを1枚伏せてターンエンド。エンドフェイズにダンテの攻撃力は元に戻る」
彼岸の旅人ダンテ ATK2800→1300
「俺のターン、ドロー!」
「キメラフレシアの効果で僕はデッキから融合またはフュージョン魔法カードを1枚手札に加える!」
「よっしゃ!ワンキル決まり!」
「え…?」
ワンキル!?
「魔法カード『融合』!手札の『E・HEROスパークマン』と『沼地の魔神王』を融合!融合召喚!『E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン』!」
E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン 星8 ATK2500
「シャイニング・フレア・ウィングマンの攻撃力は墓地のE・HERO1体につき×300ポイント攻撃力をアップする!さらに、魔法カード『ヒーローハート』を発動!自分フィールド上に表側表示で存在するE・HEROモンスター1体を選択して発動する。このターン選択したモンスターの攻撃力は半分になり、1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる!」
E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマンATK2500→2800→1400
げっ!?マジでワンキルを狙う気だ!!!
「さらに、手札から『E・HEROオネスティ・ネオス』を捨てて効果発動!このカードを手札から捨て、フィールドのHEROモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで2500アップする。さらにシャイニング・フレア・ウィングマンの効果で攻撃力を300アップ!」
E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン ATK1400→3900→4200
「そして魔法カード『H─ヒートハート』を発動!自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで500アップし、このターンそのモンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える!」
E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン ATK4200→4700
ヤバイよヤバイよ!?スカルデットとの戦闘ダメージで1900+自身の効果で2800ダメージ+ダンテとの戦闘で発生する守備貫通で2100+効果ダメージで1000…あ、終わった。
「やった!勝った!バトル!シャイニング・フレア・ウィングマンでスカルデットを攻撃!」
ま、僕が何もせず通せばの話だけどね。
「──悪いが僕は手加減出来ない主義でね。永続罠カード発動!『幻影霧剣』!このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、対象のモンスターは攻撃できず、攻撃対象にならず、効果は無効化される。そのモンスターがフィールドから離れた時にこのカードは破壊される」
E・HERO シャイニング・フレア・ウィングマン ATK4700→4250
「えーっ!ズルい!!!」
「手札と相談しながらデュエルしないからだ!」
「ちぇっ、ターンエンド」
E・HEROシャイニング・フレア・ウィングマン ATK4250→1400
「僕のターン、ドロー!彼岸の旅人ダンテを攻撃表示に変更し、効果発動!1ターンに1度、オーバーレイユニットを1つ使い、自分のデッキの上からカードを3枚まで墓地へ送って発動できる。このカードの攻撃力はターン終了時まで、この効果を発動するために墓地へ送ったカードの数×500アップする!」
彼岸の旅人ダンテ DEF2800→ATK1300→2800
「さらに、墓地の幻影剣の効果発動!このカードを除外して墓地の幻影騎士団1体を特殊召喚出来る!墓地から『幻影騎士団ダスティローブ』を特殊召喚!」
幻影騎士団ダスティローブ 星3 ATK800→1100
「さらにチューナーモンスター『SR電々大公』召喚!」
SR電々大公 星3 ATK1000→1300
「レベル3のダスティローブと電々大公でオーバーレイ!エクシーズ召喚!『幻影騎士団ブレイクソード』!」
幻影騎士団ブレイクソード ランク3 ATK2000→2300
「ブレイクソードの効果発動!1ターンに1度、このカードのオーバーレイユニットを1つ使い、自分及び相手フィールドのカードを1枚ずつ対象として発動できる。そのカードを破壊する!僕はブレイクソードとシャイニング・フレア・ウィングマンを破壊!」
「あー…俺のヒーローが……」
「エクシーズ召喚されたこのカードが破壊された場合、自分の墓地の同じレベルの幻影騎士団モンスター2体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターのレベルは1つ上がる。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は闇属性モンスターしか特殊召喚できない。ダスティローブとサイレントブーツを特殊召喚!」
幻影騎士団ダスティローブ 星3→4 ATK800→1100
幻影騎士団サイレントブーツ 星3→4 ATK200→500
「レベル4となったダスティローブとサイレントブーツでオーバーレイ!エクシーズ召喚!『ダークリベリオン・エクシーズ・ドラゴン』!」
ダークリベリオン・エクシーズ・ドラゴン ランク4 ATK2500→2800
「総戦闘ダメージは8400!バトル!3体でダイレクトアタック!」
「ありがとうございましたー」
堅太 LP8000→0
******************
「おめでとう!翔太君!」
「真由美さんも遊斗も勝ち上がったんだ。負けてられねぇさ!」
さぁ次は2回戦──と思った時、電話を取っていた店長が突然大声を出した。
「えー…みんな〜!今日の大会の続きは明日に延期しまーす!」
突然の延期宣言に私は一瞬理解出来なかった。
「なんで!?なんで延期になるの!?」
「理由はインフルエンザが広がってるみたいで、小学校や中学校からカードショップなどでのイベントを中止して帰宅させるよう電話が来たからでーす!」
「「え〜!!!」」
「明日大会は続行するけど、もし行けない時は電話してね!」
こうして、理不尽な展開で今日の大会は一時中断となったのだった………明日からスッピンかぁ。
店長以外誰もいなくなったカードショップ…店長は次々と鳴り響く電話の応対に追われていた。危惧していた通り、インフルエンザにかかった参加者から多数の辞退の電話が来ていたのだ。
「あのバカ3人組くらいしか無事な奴がいないのか……まぁ、当然親御さんは止めるわな…」
ふと、店長はメモしていた紙に影が差した事に気付いた。恐る恐る顔を上げると……いつの間にかローブを纏い不気味な仮面を被った4人組の人間が視界に入った。
「だ、誰だお前は!?警察警察…」
「安心せよ。我らの条件さえ呑めば危害は加えない」
警察に電話しようとしたが、1人が仮面を外した事で店長はその手を止めた。
「条件ね〜、何?」
「いたって単純である。我ら四人衆をこの大会に参加させよ」
「え?そんなんでいいの?」
「然り」
「うん、いいよ。じゃあ明日楽しみに待ってるわ」
あっさり了承し、それぞれの名を参加名簿に記入した事を確認した4人組はあっさりと退店していった。
「しっかしねぇ……」
その名簿の名前には
ラフェリオ
ディアドラ
天馬
二律背反
という文字が刻まれていた……。
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陰陽四人衆①【最上級軸アドバンス】VS【幻魔】
「えぇっ!?私達以外の殆どがインフルエンザで休み!?」
「そうなんだよ〜」
私は店長の言葉に憤慨した。昨日、突然帰れと言い渡され全員家に帰り、今日スッピンで来てみたら出場者の多くがインフルエンザでダウンしているとの事。確かに、仕事中に流してたテレビでアナウンサーがインフルエンザが流行ってるなんて言ってたけど…それでも続行する辺り店長、理不尽過ぎない?
「って事で追加で募集を掛けたら何人かが乗ってくれてね。1人はエキシビションでの参加を希望してるんだ。勿論、真由美ちゃんのよく知る人だよ」
「へぇ…」
私達のよく知ってる人って誰だろう?
「まぁ、全員揃うまで待っていようか」
今のところは…まだ私・翔太君・遊斗君しか居ない。いや、私達が早すぎるだけか。
「翔太君…もし優勝したら……!えーっと……」
と、その時だった。突然、天井が開いてローブを纏った4人の人物が降り立った。え!?何このサプライズ!?
「あぁ、参加者だよ」
「参加者なの!?普通に入店しなさいよ!!!」
「いや、あの人達が依頼した演出だから…」
しかも、4人の内の1人は着地に失敗したのか、『年甲斐なくはしゃぎ過ぎたかしら?』と呟きながら腰を軽く叩いている。いいのかそれで。
「我ら4人衆、古霊真由美とその仲間達を討つ刺客なり」
そう言うと、4人はそれぞれローブを掴み宙に放った。
ローブを脱いだ姿はそれぞれなんかパッとしない風貌の男・英国紳士風の服装を纏った金髪の白人男性・ファンタジー世界にありがちな賢者のようなゆったりとした神官服を纏った銀髪の女性・どっかで見た事があるような黒い執事服と抜群のスタイルを持つ黒髪の女性の4人…だが、いずれも顔に左右モノクロの仮面を被せ、不気味な印象を受ける。
「あの…お名前は……?」
ドン引きしながらも恐る恐る質問しようとした時、1人の少女が走って入店して来た。あ、あの子は…!
「鞠菜ちゃん!」
「はぁ……はぁ……やっと見つけました…因縁の相手!」
ゲスト参加と言っていたのは恐らく鞠菜ちゃんだろう。そんな彼女はカツカツとミュールを鳴らしながらパッとしない男に近寄るとジーッと睨み付けた。
「では、次の対戦相手は決まったようですね」
私は女執事、翔太君は賢者(?)、遊斗君は金髪の白人男性という組み合わせになった……んだけど、なんで翔太君と遊斗君…顔色悪いんだろう?
「ここで会ったが3年目です!」
「左様。今の名はラフェリオ……では、決闘と参ろうか」
「はい、今度こそ…決着を!」
まず最初にラフェリオと名乗った男と鞠菜がデュエルを始めるようだ。私達はギャラリーとしてそれぞれの陣営でテーブルを囲み、デュエルを開始した。
「いざ、尋常に……!」
「「
何か新鮮ね。私も2回戦はその掛け声でやろ〜。
鞠菜 LP8000
ラフェリオ LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!!」」
そこそのまんまかい!!!
「我の先攻となった」
「ッ…!」
「我のターン…ではこのカードを使おう。『ヘルウェイ・パトロール』を召喚」
ヘルウェイ・パトロール 星4 ATK1600
「さらに魔法カード『トランスターン』!自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を墓地へ送って発動できる。墓地へ送ったモンスターと種族・属性が同じでレベルが1つ高いモンスター1体をデッキから特殊召喚する。いでよ『暗黒の召喚神』」
暗黒の召喚神 星5 ATK0
「暗黒の召喚神の効果発動!このカードをリリースして発動できる。『神炎皇ウリア』・『降雷皇ハモン』・『幻魔皇ラビエル』のいずれか1体を手札・デッキから召喚条件を無視して特殊召喚する!いでよ!『幻魔皇ラビエル』!!!」
幻魔皇ラビエル 星10 ATK4000
幻魔!?使い手不足に悩んでるあの幻魔デッキなの!?
「さらにフィールド魔法『失楽園』!このカードがフィールドゾーンに存在する限り、自分のモンスターゾーンの『神炎皇ウリア』・『降雷皇ハモン』・『幻魔皇ラビエル』・『混沌幻魔アーミタイル』は相手の効果の対象にならず、相手の効果では破壊されない。また、自分のモンスターゾーンに『神炎皇ウリア』・『降雷皇ハモン』・『幻魔皇ラビエル』・『混沌幻魔アーミタイル』のいずれかが存在する場合に発動できる。自分はデッキからカードを2枚ドローする!」
あっという間に殆ど手札損失をカバーしつつ幻魔を守る…か。
「永続魔法『フィールドバリア』を発動。このカードがフィールド上に存在する限り、お互いにフィールド魔法カードを破壊できず、フィールド魔法カードの発動もできない。カードを1枚伏せてターン終了」
鞠菜ちゃん…この状況をどう打開する?
「私のターンです。ドロー!」
「永続罠『生贄封じの仮面』!このカードがフィールド上に存在する限り、お互いのプレイヤーはカードをリリースできない」
「!!!」
まずいわね。鞠菜ちゃんがラビエルを除去しようと手に取っていた壊獣が紙札になってしまったわ。
「……ッ」
それだけじゃない。鞠菜ちゃんのお得意『冥界の宝札』も腐ってしまっている。酷い状況ね……でも、いいカードを引けたみたい。
「『素早いビーバー』を召喚!」
素早いビーバー 星2 ATK400
「ラビエルの効果。相手がモンスターを召喚した場合、幻魔トークンを1体を自分フィールドに特殊召喚する」
幻魔トークン 星1 DEF1000
「素早いビーバーが召喚に成功した時に発動できる。自分のデッキ・墓地からレベル3以下の素早いモンスター1体を選んで特殊召喚する!2体目の素早いビーバーを特殊召喚!」
素早いビーバー 星2 ATK400
「レベル2の素早いビーバー2体でオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚です!『No.29 マネキンキャット』!」
No.29 マネキンキャット ランク2 DEF900
「マネキンキャットの効果発動!1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを相手フィールドに特殊召喚する。ヘルウェイ・パトロールを蘇生させます!」
ヘルウェイ・パトロール 星4 ATK1600
「マネキンキャットが既にモンスターゾーンに存在する状態で、相手フィールドにモンスターが特殊召喚された場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターと種族または属性が同じモンスター1体を自分の手札・デッキ・墓地から選んで特殊召喚する!同じ闇属性のモンスターとして私はデッキから『ギミック・パペット─シャドーフィーラー』を特殊召喚!」
ギミック・パペット─シャドーフィーラー 星8 DEF1000
「シャドーフィーラーは戦闘では破壊されません」
「なるほど、単純明快にして強力な効果だ」
「私はこれでターンエンド(あと…1枚)」
鞠菜ちゃん…さっきから何を狙っているのかしら?
「我のターン、ドロー!失楽園の効果で追加で2枚ドローする。永続魔法『天変地異』を発動!」
「!」
「このカードは互いのデッキを裏返しにする」
【天変地異コントロール】!そのギミックまで入っているの!?
「さらに永続魔法『デーモンの宣告』。1ターンに1度だけ、500のライフポイントを払いカード名を宣言する事ができる。その場合、自分のデッキの一番上のカードをめくり、宣言したカードだった場合手札に加える。違った場合はめくったカードを墓地へ送る」
ラフェリオ LP8000→7500
天変地異の効果でデッキトップはハッキリと分かる。そして、デッキトップは…永続罠『夜霧のスナイパー』。
「夜霧のスナイパーを宣言。このカードを手札に加える。ヘルウェイ・パトロールを守備表示に変更し、バトル!ラビエルでマネキンキャットを攻撃!《天界蹂躙拳》!」
「うっ…!?」
「カードを1枚伏せてターンエンド」
あの伏せカードは間違いなく夜霧のスナイパー…宣言したモンスター名を相手が召喚・特殊召喚・リバースした場合、そのモンスターと夜霧のスナイパーを除外する厄介極まりないカードだ。そして、鞠菜ちゃんのデッキトップは『時械神カミオン』…。
「私のターン、ドロー!」
「永続罠『夜霧のスナイパー』。我は時械神カミオンを宣言」
そう言えば、よく見えないカードが手札に握られている。あれは…なんだろう?
「私は……この瞬間を待っていた!」
「!」
「手札の『蒼穹の機界騎士』の効果発動!同じ縦列にカードが2枚以上存在する場合、このカードはその縦列の自分フィールドに特殊召喚できる!ヘルウェイ・パトロールと生贄封じの仮面が連なる場に特殊召喚!」
蒼穹の機界騎士 星5 ATK2100
上手い!これなら鉄壁の布陣を突破しながら上級モンスターを場に出せる!
「このカードが手札からの召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。このカードと同じ縦列の相手のカードの数だけ、デッキから蒼穹の機界騎士以外のジャックナイツモンスターを手札に加える!縦列には2枚のカード、よって『燈影の機界騎士』と『紺碧の機界騎士』を手札に加える。さらに、幻魔トークンと天変地異が連なる場に『紺碧の機界騎士』を特殊召喚!」
紺碧の機界騎士 星8 ATK2400
「1ターンに1度、自分フィールドのジャックナイツモンスター1体を対象として発動できる。その自分のモンスターの位置を、他の自分のメインモンスターゾーンに移動する!蒼穹の機界騎士を横の列に移動!そして、ヘルウェイ・パトロールと生贄封じの仮面が連なる場に『燈影の機界騎士』を特殊召喚!」
燈影の機界騎士 星6 DEF3000
「行きます!召喚条件は効果モンスター3体以上!シャドーフィーラー・蒼穹の機界騎士・燈影の機界騎士・紺碧の機界騎士でリンク召喚!『ヴァレルロード・ドラゴン』!」
ヴァレルロード・ドラゴン LINK-4 ATK3000 リンクマーカー【左・左下・右下・右】
すごい…一気に流れを手繰り寄せてる!これなら…!
「バトル!ヴァレルロードで幻魔皇ラビエルを攻撃!この瞬間、ヴァレルロードの効果発動!このカードが相手モンスターに攻撃するダメージステップ開始時に発動できる。その相手モンスターをこのカードのリンク先に置いてコントロールを得る。そのモンスターは次のターンのエンドフェイズに墓地へ送られる」
幻魔皇ラビエル 星10 ATK4000
よし!ラビエルのコントロールを奪った!
「頑張れ〜!鞠菜ちゃーん!!!」
「バトル!ラビエルでヘルウェイ・パトロールを攻撃です!天界蹂躙……いいえ!今はコントロールを奪ってる身!攻撃名は私が決めるわ!《まりな☆ぱんち》!!!」
「甘んじて受けよう」
「「(ま…まりな☆ぱんち……)」」
城之内君ばりの絶望的なネーミングセンスに呆れつつも、ラフェリオに反撃を仕掛ける様子に感心した。アドバンス召喚が封じられても即座に立て直せるのは見事な改善といえるだろう。
「メインフェイズ2、私はカードを1枚伏せてターン終了です」
「なるほど……生け贄封じの仮面では最早通用しない域に来たか。だが……」
だが…って!?まだ戦略があるっていうの!?デッキトップは『幻銃士』だけど、モンスターが居ない今、そこまで効果のあるカードとは……
「我のターン、ドロー!デーモンの宣告はライフを500払い、デッキトップのカード名を宣言し、宣言したカードがデッキトップに存在するならばそれを手札に加える。ふむ…『王家の神殿』か。なら手札に加える価値はある。カード名は『王家の神殿』!よって手札に加える」
ラフェリオ LP4900→4400
「このカードの召喚条件は自分フィールドの永続魔法3枚!デーモンの宣告・フィールドバリア・天変地異を墓地へ送り、『降雷皇ハモン』を特殊召喚!」
ハモンまで…!必要なカードを引いた後即座にドローソースに変換…やるわね。
降雷皇ハモン 星10 ATK4000
「ハモンが居る事でフィールド魔法『失楽園』の効果発動!デッキからカードを2枚ドローする。永続魔法『王家の神殿』。我は1ターンに1度、伏せたターンに罠カードを発動出来る。永続罠『宮廷のしきたり』。このカードがある限り、我の永続罠は破壊されない。」
「この状況……!!!」
「墓地の『暗黒の召喚神』の効果発動!このカードを除外しデッキから『神炎皇ウリア』・『降雷皇ハモン』・『幻魔皇ラビエル』のいずれか1枚を手札に加える。我が手札に加えるのは『神炎皇ウリア』!そしてこのカードの召喚条件は表側表示の罠カード3枚!」
「「!!!」」
「宮廷のしきたり、夜霧のスナイパー、生け贄封じの仮面を墓地へ送り…『神炎皇ウリア』を特殊召喚!」
嘘……3ターンで三幻魔を全部召喚した…!
神炎皇ウリア 星10 ATK?
「神炎皇ウリアの攻撃力は墓地の永続罠の枚数により決定する。墓地の永続罠は3枚」
神炎皇ウリア ATK?→3000
「ウリアの効果発動!1ターンに1度、相手のセットされた魔法・罠カードを1枚破壊する。この効果に対し相手は魔法・罠カードを使用出来ない」
「ッ…!」
あれだけ回しておきながら手札がまだ5枚以上余っている。アドバンテージに差が出過ぎているわ…。
「永続魔法『デーモンの宣告』と『天変地異』を発動!再びデーモンの宣告の効果発動!ライフを500払いデッキトップのカード名を宣言、当たったならば手札に加え違うなら墓地へ送る。ふむ…『くず鉄のかかし』か。手札に加えよう!」
ラフェリオ LP4400→3900
「『幻銃士』を召喚!」
幻銃士 星4 ATK1100
「通常召喚が行われた為、幻魔皇ラビエルの効果で私は『幻魔トークン』を特殊召喚します!」
幻魔トークン 星1 DEF1000
「このカードが召喚・反転召喚に成功した時、自分フィールド上に存在するモンスターの数まで自分フィールド上に『銃士トークン』を特殊召喚する事ができる。私のフィールドにはウリアとハモンの2体…!」
銃士トークン 星4 ATK500
銃士トークン 星4 ATK500
「幻銃士の効果発動。1ターンに1度、銃士モンスターの攻撃権を破棄する代わりに銃士モンスター1体につき300ポイントのダメージを与える。900ダメージを受けていただこう!」
「ッ…」
鞠菜 LP8000→7100
「このカードの召喚条件は悪魔族モンスター3体!銃士を3体リリースし『幻魔皇ラビエル』を特殊召喚!」
ぜ…全部正規召喚しやがった!!!
幻魔皇ラビエル 星10 ATK4000
「バトル!ハモンでヴァレルロードを攻撃!《失楽の霹靂》!」
「通します…」
「ハモンがバトルで相手モンスターを破壊した時、1000ポイントのダメージを与える!」
鞠菜 LP7100→6100
「幻魔皇ラビエルで幻魔トークンを攻撃!《天界蹂躙拳》!」
「これも通すしか…!」
あっという間に鞠菜のフィールドのモンスターは殆ど消滅。頼みの綱も墓地へと消えた。
「カードを1枚伏せてターンエンド」
「エンドフェイズに私がコントロールを奪ったラビエルも墓地へ送られます」
どうするの…?鞠菜ちゃん…
「でも、私はまだ諦めません。最後まで戦います!」
鞠菜ちゃんはデッキトップに指をかけて目を閉じ…そして、カードを引いた。
「(来た!)」
───試合が動く。
「永続魔法『ブリリアント・フュージョン』発動!このカードの発動時に自分のデッキからジェムナイト融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体を、攻撃力・守備力を0にしてエクストラデッキから融合召喚する。このカードがフィールドから離れた場合にそのモンスターを破壊する!『ジェムナイト・クリスタ』と『Emトリック・クラウン』で融合!『ジェムナイト・セラフィ』をEXゾーンへ!」
ジェムナイト・セラフィ 星5 ATK2300→0
「トリック・クラウンの効果発動!このカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地のEmモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを、攻撃力・守備力を0にして特殊召喚する。その後、自分は1000ダメージを受ける。」
Emトリック・クラウン 星4 DEF1200→0
鞠菜 LP6100→5100
「さらに、トリック・クラウンをリリースして『光帝クライス』をアドバンス召喚!」
光帝クライス 星6 ATK2400
「このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、フィールドのカードを2枚まで対象として発動できる。そのカードを破壊し、破壊されたカードのコントローラーは破壊された枚数分だけデッキからドローできる!伏せカードと失楽園を破壊!」
「では、2枚ドローするとしよう。だが、この布陣をどう突破する?」
私は見たわ。このデュエルを決めるカードを!
「突破するのではなく…乗り越えるんです!セラフィの効果で私はもう一度通常召喚が行えます!私はトリック・クラウンとセラフィをリリースして『DDD運命王ゼロ・ラプラス』をアドバンス召喚!」
DDD運命王ゼロ・ラプラス 星10 ATK?
「このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算前に発動できる。このカードの攻撃力はダメージステップ終了時まで、その相手モンスターの元々の攻撃力の倍になる!」
「!!!」
「バトル!ゼロ・ラプラスでラビエルを攻撃!」
ゼロ・ラプラス ATK?→8000
「見事だ…」
ラフェリオ LP3900→0
******************
「最後まで居たらいいのに…」
「申し訳ありませんが私が参加出来るのはここまでです。この後、家族旅行で京都に行きますので…」
「そっかぁ…じゃあ、ありがとうね。四人衆の1人を倒してくれて」
私と鞠菜ちゃんは握手を交わした。ありがとう…ラフェリオを倒せるのは貴女だけだったわ。
「それでは、私はこれで…御機嫌よう」
「ふむ…では敗者は潔く消えるとしよう。では、予定の場所で」
足早に走り去る鞠菜ちゃんと堂々と退店するラフェリオを見送った私は、次の対戦表を見た。その対戦相手は……『翔太VSディアドラ』。
真由美「白熱したデュエルだったわね」
翔太「次のデュエルやりたくないなぁ…」
真由美「さっきからどうしたの?」
翔太「何でもないよ…それより!デッキ紹介しようよ」
真由美「そうね!まずは鞠菜さんが使ったデッキをご紹介!」
デッキ枚数(45)
モンスター(32)
●ジェムナイト・クリスタ×1
●DDD運命王ゼロ・ラプラス×1
●時械神カミオン×1
●時械神ザフィオン×1
●壊星壊獣ジズキエル×2
●大天使クリスティア×1
●デスペラード・リボルバー・ドラゴン×1
●ギミック・パペット─シャドーフィーラー×1
●紫宵の機界騎士×2
●紺碧の機界騎士×1
●紅蓮の機界騎士×1
●光帝クライス×1
●蒼穹の機界騎士×2
●BF─朧影のゴウフウ×1
●Emトリック・クラウン×1
●マスマティシャン×1
●雷帝家臣ミスラ×1
●素早いアンコウ×1
●素早いビーバー×3
●冥帝従騎エイドス×2
●ジェムナイト・ラズリー×1
●天帝従騎イデア×3
●時械巫女×2
魔法(12)
●ワン・フォー・ワン×1
●ミラクルシンクロフュージョン×1
●おろかな埋葬×1
●増援×1
●ブリリアント・フュージョン×2
●ドラゴノイド・ジェネレーター×3
●冥界の宝札×3
罠(1)
●星遺物に眠る深層×1
EXデッキ(15)
●ジェムナイト・セラフィ×2
●PSYフレームロード・Ω×1
●No.22不乱健×1
●No.38希望魁竜タイタニック・ギャラクシー×1
●No.68魔天牢サンダルフォン×1
●No.23霊騎士ランスロット×1
●No.7ビッグ・アイ×1
●No.29 マネキンキャット×2
●ヴァレルロード・ドラゴン×1
●鎖龍蛇スカルデット×1
●パワーコード・トーカー×1
●リンクリボー×2
サイドデッキ(15)
●時械神メタイオン×1
●時械神ラツィオン×1
●究極伝導恐獣×1
●創世神×1
●The despair URANUS×1
●火之迦具土×1
●サブテラーマリス・グライオース×1
●サイレント・ウォビー×1
●マスマティシャン×1
●禁じられた聖衣×2
●帝王の進撃×1
●熱き決闘者たち×1
●醒めない悪夢×1
●虚無空間×1
真由美「機界騎士を採用した事で従来の回転率及び自力での展開力などの性能が向上してるみたいね」
翔太「EXデッキも高ランクのエクシーズモンスターを多数採用してる…すごいなこれ」
真由美「他にも採用するとしたら『星痕の機界騎士』の採用や『クラッキング・ドラゴン』の採用もいいかもしれないわね」
翔太「次はラフェリオが使用した【幻魔】のデッキレシピを公開するよ」
デッキ枚数(45)
モンスターカード(20)
●幻魔皇ラビエル×2
●降雷皇ハモン×1
●神炎皇ウリア×1
●暗黒の召喚神×3
●幻銃士×1
●召喚僧サモンプリースト×1
●ヘルウェイ・パトロール×3
●トリック・デーモン×2
●魔界発現世行きデスガイド×1
●彼岸の悪鬼スカラマリオン×1
●魔サイの戦士×2
●マスマティシャン×2
魔法カード(17)
●失楽園×3
●テラ・フォーミング×1
●貪欲な壺×1
●手札抹殺×1
●トランスターン×2
●おろかな埋葬×1
●天変地異×3
●デーモンの宣告×2
●フィールドバリア×2
●王家の神殿×1
罠カード(8)
●くず鉄のかかし×1
●デーモンの呼び声×2
●生贄封じの仮面×1
●夜霧のスナイパー×1
●宮廷のしきたり×1
●光の護封霊剣×1
●デモンズ・チェーン×1
EXデッキ(12)
●トポロジック・ボマー・ドラゴン×1
●デコード・トーカー×1
●パワーコード・トーカー×1
●彼岸の黒天使ケルビーニ×2
●パーペチュアルキングデーモン×2
●永遠の淑女 ベアトリーチェ×1
●SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング×1
●No.39希望皇ホープ×1
●彼岸の旅人ダンテ×1
●機装天使エンジネル×1
真由美「正規召喚を目指しつつ暗黒の召喚神による召喚も目指したデッキね。」
翔太「すご〜く事故りそうなんだけど」
真由美「魔法カードが多めなんだけどよく見るとサーチカードとかリクルートカードが多いのよ。罠カードも事故完結型のカードが多いし…」
翔太「パーペチュアルキングデーモンの効果を効率良く使う為にデーモンの宣告やデーモンの呼び声が採用されてるし…」
真由美「作者に送った時点ではパーペチュアルキングのギミックは無かったんだけど、公開に伴って追加で送られてきたデッキレシピに基づいているわ。劇中では出てこなかったけどね」
翔太「僕もうかうかしてられないな!頑張ってか…ディアドラを倒さなきゃ!」
真由美「(ディアドラさんって誰なんだろう…?某炎の紋章のNTR系ヒロインと同名だけど…)」
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陰陽四人衆②【捕食幻影SR】対【霊魂トロール】
僕の対戦相手は……すみません。いつも顔を合わせてるんで顔隠しても背格好だけで分かっちゃうんですがそれは。てかディアドラって…確かに某炎の紋章に出てくるあの人にすご〜くよく似てるけどさぁ……コスプレはアウトだろ。しかもさっき着地に思いっきり失敗してたし。
「我が名はディアドラ…貴女を倒す陰陽四人衆の1人なり」
「あのさぁ、か──」
「ディアドラです」
「いやでも─」
「デ ィ ア ド ラ です」
「アッハイ」
「翔太く〜ん!負けちゃダメよ〜!!!」
「オッケー!善処する!」
さて、僕の見立てが間違いで無ければか…ディアドラは僕がデュエルにハマり出すキッカケを作った人だ。今まで1度たりとも勝った事がないの相手…勝てるかどうか正直不安だ。
「いざ、尋常に…!」
「「
翔太 LP8000
ディアドラ LP8000
「先攻!」
「後攻」
「「じゃんけんぽん!」」
よし、先攻……取っちゃった…ヤバイ!ディアドラのデュエルで先攻を取っちゃいけないんだった……えぇいヤケクソだ!
「僕のターン!『捕食植物オフリス・スコーピオ』を召喚!」
捕食植物オフリス・スコーピオ 星3 ATK1200
「オフリス・スコーピオの召喚・特殊召喚に成功した場合、手札のモンスター1体を墓地へ送り、手札・デッキからオフリス・スコーピオ以外の捕食植物を1体特殊召喚出来る!『捕食植物ダーリング・コブラ』を特殊召喚!」
捕食植物ダーリング・コブラ 星3 ATK1000
「ダーリング・コブラが捕食植物の効果で特殊召喚に成功した場合、デッキからフュージョンまたは融合魔法カードを1枚手札に加える!魔法カード『超越融合』!ライフを2000払い…ッ!自分フィールドのモンスターで融合召喚を行う!オフリス・スコーピオとダーリング・コブラで融合!『捕食植物キメラフレシア』を融合召喚!」
翔太 LP8000→6000
捕食植物キメラフレシア 星7 ATK2500
「さらに、超越融合の効果発動!墓地のこのカードを除外し、このカードの効果で融合召喚したモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの融合召喚に使用した融合素材モンスター一組を自分の墓地から特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力・守備力は0になり、効果は無効化される!オフリス・スコーピオとダーリング・コブラを特殊召喚!」
捕食植物オフリス・スコーピオ 星3 ATK1200→0
捕食植物ダーリング・コブラ 星3 ATK1000→0
「オフリス・スコーピオの効果で墓地へ送った『SR電々大公』の効果発動!このカードを除外して手札または墓地のスピードロイドチューナー1体を特殊召喚する!チューナーモンスター『SR三つ目のダイス』を特殊召喚!」
SR三つ目のダイス 星3 ATK300 チューナー
「召喚条件は名前の異なるモンスター2体以上!キメラフレシア、三つ目のダイス、オフリス・スコーピオ、ダーリング・コブラでリンク召喚!『鎖龍蛇─スカルデット』!」
鎖龍蛇─スカルデット LINK-4 ATK2800 リンクマーカー【上・左下・下・右下】
「スカルデットが4体以上をリンク素材としたリンク召喚に成功した時、デッキからカードを4枚ドローし、その後手札を3枚デッキボトムに戻す」
よし、いい感じに手札交換出来た!
「スカルデットは3体以上をリンク素材とした時に1ターンに1度、手札からモンスター1体を特殊召喚出来る!『SRベイゴマックス』を特殊召喚!スカルデットは2体以上をリンク素材としている時、リンク先に召喚・特殊召喚されたモンスターの攻守を300アップする!」
SRベイゴマックス 星3 ATK1200→1500
「ベイゴマックスは召喚・特殊召喚に成功した時、デッキからスピードロイド1体を手札に加える!僕が手札に加えたのは『SRタケトンボーグ』!このカードは自分フィールドに風属性モンスターがいるなら手札から特殊召喚出来る!」
SRタケトンボーグ 星3 ATK600→900
「タケトンボーグの効果発動!このカードをリリースして発動できる。デッキからスピードロイドチューナー1体を特殊召喚する。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は風属性モンスターしか特殊召喚できない…僕はチューナーモンスター『SR赤目のダイス』を特殊召喚!」
SR赤目のダイス 星1 ATK100 チューナー
「赤目のダイスは召喚・特殊召喚に成功した時、赤目のダイス以外の自分フィールドのスピードロイドモンスター1体を対象とし、1〜6までの任意のレベルを宣言して発動できる。そのモンスターはターン終了時まで宣言したレベルになる!ベイゴマックスをレベル6に変更する!」
SRベイゴマックス 星3→6
「レベル6となったベイゴマックスにレベル1の赤目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!ペンデュラムシンクロモンスター『クリアウィング・ファスト・ドラゴン』!」
クリアウィング・ファスト・ドラゴン 星7 ATK2500→2800
「クリアウィング・ファスト・ドラゴンはエクストラデッキから特殊召喚された相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。ターン終了時までそのモンスターの攻撃力は0になり、効果は無効化される。この効果は相手ターンでも発動できる。また、モンスターゾーンのこのカードが戦闘・効果で破壊された場合に発動できる。このカードを自分のペンデュラムゾーンに置く!」
「なるほどねぇ」
「カードを2枚伏せてターンエンド!」
手札は全て使い切ったが、それでも万全の布陣だ。が…この程度は気休めにしか過ぎない。あの人にとっては…あまりに低過ぎるハードルなのだ。
「では、行きますね?私のターン、ドロー!」
「キメラフレシアの効果発動!墓地へ送られた次のターンのスタンバイフェイズにデッキからフュージョンまたは融合魔法カードを1枚手札に加える!」
僕なりの全力で挑ませてもらおう!さぁ引くな……儀式カード!
「魔法カード『儀式の下準備』を発動!デッキから儀式魔法カード1枚を選び、さらにその儀式魔法カードにカード名が記された儀式モンスター1体を自分のデッキ・墓地から選び、そのカード2枚を手札に加えます!『霊魂鳥神─彦孔雀』と『霊魂の降神』を手札に加えます」
「!!!」
………引かれてしまった…ダメだぁ…
「儀式魔法『霊魂の降神』!レベルの合計が儀式召喚するモンスターのレベル以上になるように、自分の手札・フィールドのモンスターをリリース、またはリリースの代わりに自分の墓地のスピリットモンスターを除外し、手札から『霊魂鳥神-姫孔雀』または『霊魂鳥神-彦孔雀』を儀式召喚するわ!手札の『和魂』2体で儀式召喚!おいでませ!『霊魂鳥神-彦孔雀』!」
霊魂鳥神-彦孔雀 星8 ATK3000 スピリット
「霊魂鳥神-彦孔雀の効果発動!このカードが儀式召喚に成功した場合に発動できる。相手フィールドのモンスターを3体まで選んで持ち主の手札に戻す!ファスト・ドラゴンとスカルデットを手札に戻す!さらにチェーンして墓地の和魂2体の効果発動!このカードが墓地へ送られた時、スピリットが場にある場合、デッキからカードを1枚ドローする。よってデッキからカードを2枚ドローする!」
「ファスト・ドラゴンはバウンスさせない!チェーン発動!永続罠『ペンデュラム・スイッチ』!自分のペンデュラムゾーンのカード1枚を対象として自分フィールドに特殊召喚するか、自分のモンスターゾーンのペンデュラムモンスター1体を対象としてそのペンデュラムモンスターを自分のペンデュラムゾーンに置く!」
なんとかファスト・ドラゴンは逃がせた。シンクロ・ドラゴンにしなくてよかった…。
「その後、手札からレベル4以下のスピリットモンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚できる!『天岩戸』を特殊召喚!」
天岩戸 星4 ATK1900 スピリット
「バトル!天岩戸でダイレクトアタック!」
「通す…!」
翔太 LP6000→4100
「そして、霊魂鳥神-彦孔雀でダイレクトアタック!」
「永続罠『幻影霧剣』!このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、対象のモンスターは攻撃できず、攻撃対象にならず、効果は無効化される。そのモンスターがフィールドから離れた時にこのカードは破壊される!」
「まぁ」
「そして、次のターンでペンデュラム・スイッチを使えば…ファスト・ドラゴンを場に戻せる!」
「なるほど、つまり今のクリアウィング・ファスト・ドラゴンは不死の効果を得た…と」
「そういう事だ」
「じゃあ、メインフェイズ2に『ハーピィの羽根帚』を使っちゃおうかな〜?」
「げっ…」
今のファスト・ドラゴンは魔法カード扱い…!どっちみち除去されんのかよ!!!
「カードを2枚伏せてターンエンド。幻影霧剣の効果が解けているので彦孔雀の効果発動。このカードを手札に戻して自分フィールドに『霊魂鳥トークン』を2体特殊召喚!」
霊魂鳥トークン 星4 ATK1500
霊魂鳥トークン 星4 ATK1500
「くっ……」
「シンクロ・ドラゴンを選んでいれば彦孔雀の効果から自分フィールドのモンスターを守れたわ。コンボが出来るからといって慢心せず己の身を守る最善の手を打つように」
「う…うん……」
「それと、もし使うなら幻影霧剣は天岩戸に使えばロックを解きつつ三つ目のダイスで彦孔雀の攻撃も無効に出来た……よく考えてカードを使いなさい」
クソ…今は敵同士だってのに説教までされちゃったよ。っていうか、羽根帚…もっと早く使えただろ!絶対に僕を試してるわこれ。
****************
あの人誰なんだろう…翔太君とは親しい関係みたいだけど……。
「怯むんじゃないわよ〜!試合はまだ始まったばっかりよ〜!」
「いや、手札1で場も0からどうやって巻き返すんだよ!?」
「翔太君が手札使い過ぎなのよ!アド回復カードを入れなさい!」
確かにそうなんだけど……さぁ。その手札も融合関連のカードだからなぁ。手札使い過ぎよ翔太君。人の事言えないわ。
「最後まで足掻く!僕のターン、ドロー!!!!」
翔太君…死者蘇生を引き当てたみたいね。まだまだ行けるわよ!頑張れ!
「魔法カード『死者蘇生』!墓地からモンスター1体を特殊召喚する!『捕食植物キメラフレシア』を特殊召喚!」
捕食植物キメラフレシア 星7 ATK2500
「バトル!キメラフレシアで天岩戸を攻撃!」
「永続罠カード発動、『霊魂の円環』!相手モンスターの攻撃宣言時に自分の墓地のスピリットモンスター1体を除外して発動できる。その攻撃を無効にし、その後バトルフェイズを終了する。和魂を除外するわ」
「ッ…!」
「古霊さんのご指摘の通り…翔太。手札使い過ぎよ。相手のデッキが分かるなら尚更。状況を見極め冷静に立ち回る事を忘れないで」
「はーい…」
だからあの人誰なの!?ものすごく気になるんだけど…ていうか遊斗君!?なに鼻の下伸ばしてるの!?
「だって…溢れ出る人妻オーラが犯罪的過ぎてさぁ」
「遊斗ェ…」
私達の会話をディアドラさんは笑みを浮かべ手を振って応えた。あれが大人の余裕か…。
「私のターン、ドロー!霊魂鳥トークン2体をリリースして『火之迦具土』をアドバンス召喚!」
火之迦具土 星8 ATK2800
「バトル、火之迦具土でキメラフレシアを攻撃!」
「忘れてないか…?墓地の三つ目のダイスの効果を──」
「天岩戸」
「あああああああああああああああああああ!!!!!」
翔太 LP4100→3700
「火之迦具土が相手ライフに戦闘ダメージを与えた時に発動する。次のターンのドローフェイズのドロー前に相手は手札を全て捨てます。今度は手札に温存した所為で融合系カードを墓地へ送る羽目になるわねぇ」
「全然歯が立たない……」
「天岩戸でダイレクトアタック!」
「これも通す…」
翔太 LP3700→1800
「私はこれでターン終了よ。エンドフェイズに火之迦具土は手札に戻る」
まずいわね…ディアドラさんが完全にフィールドを支配してる。オマケに手札にはまだ彦孔雀を握ってるし、いつ儀式召喚してくるかも分からない…。攻撃しようにも霊魂の円環でシャットアウトされる上にモンスター効果は天岩戸で封じられている。そして、未だ沈黙する伏せカード……全く彼女の返しの手が読めない。
「(師匠……そうか!師弟関係なんだ……あの2人)」
全く関係無いけど、こう…なんというか心の靄が晴れてスッキリした。
「僕のターン…」
「ドローする前に手札を捨ててね」
「分かってる」
翔太君が捨てたカードは『超融合』…勿体無かったわね。
「ドロー!!!」
翔太君は引いたカードを見て…すぐに伏せた。
「カードを1枚伏せてターンエンド」
「……」
翔太君は目を閉じている。あぁ、なるほど…伏せカードが何か悟られない為に目を閉じてるのね。さて、ディアドラは引っかかるかしら?
「私のターン、ドロー!バトル!天岩戸でダイレクト───」
その瞬間に翔太君は伏せカードを開いた。そのカードは……
永続罠 幻影剣
「負けだよコンチクショォオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
翔太 LP1800→0
************************
「よく頑張ったわね。よしよし」
ディアドラさんに抱き締められ頭を撫でられながら悔し泣きする翔太君に私は思い切って声をかけた。今チラッと見えたけど伏せカードの正体は『禁じられた聖杯』だった。どのみちシンクロ・ドラゴンの方を出していても負けていたって事か……恐るべし。
「翔太君。この人は…?」
「うん、紹介するよ」
翔太君がそう言うと、ディアドラさんは仮面を脱いだ。その顔もやっぱりコスプレ元そっくりで……
「私、諸星翔太の母『諸星 薫』と申します」
物腰柔らかにお辞儀をした……というか、翔太君のお母さん!?若作りし過ぎィ!!!見た目明らかに20代後半じゃない!年齢換算したら40代なのに……。
「貴女が翔太君の彼女さんね?ウチの息子がお世話になっています…」
「いえいえ!私こそ!翔太君とお付き合いさせていただいております!」
うわぁ…恥ずかしい。
「今日の2回戦が終わったらお家に遊びに来て頂戴。お夕飯をご馳走するわ」
「あ、ありがとうございます////」
「僕達の交際を…認めてくれるの?」
「えぇ、この子なら大丈夫よ。少なくとも私の見立てではね」
「やったー!」
今回のデュエルは翔太君が負けてしまったけど私達の関係は認めてもらえた。それだけで充分嬉しかった…。
薫「新レギュラーという事で登場させていただきました。翔太の母、薫です」
真由美「よろしくお願いします」
翔太「腰大丈夫?」
薫「実はまだジンジンするのよ。帰ったら夫に腰をマッサージしてもらわないと♪」
翔太「声のボリュームは下げてね」
真由美「……?」
薫「……こほん。さて、私のデッキ紹介だったわね。見たい?」
真由美「見ます!見させてください!」
デッキ総枚数(40)
モンスターカード(21)
●トーチ・ゴーレム×2
●霊魂鳥神─彦孔雀×2
●霊魂鳥神─姫孔雀×3
●火之迦具土×1
●海亀壊獣ガメシエル×2
●天岩戸×2
●月読命×1
●荒魂×3
●和魂×3
●マンジュ・ゴッド×2
魔法カード(14)
●儀式の下準備×3
●霊魂の降神×3
●ハーピィの羽根帚×1
●禁じられた聖杯×1
●トレード・イン×3
●貪欲な壺×1
●強制転移×2
罠カード(5)
●霊魂の円環×2
●緊急儀式術×2
●神の宣告×1
EXデッキ(15)
●No.23冥界の霊騎士ランスロット×1
●SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング×1
●No.39希望皇ホープ×2
●竜巻竜×1
●鳥銃士カステル×1
●ヴァレルロード・ドラゴン×1
●ファイアウォール・ドラゴン×1
●電影の騎士ガイアセイバー×1
●セキュリティ・ドラゴン×1
●アカシック・マジシャン×1
●プロキシー・ドラゴン×1
●リンクリボー×3
薫「基本的にスピリットモンスターによる妨害戦術を軸としてじわりじわりと反撃の糸口を奪う。それがこのデッキの基本戦術よ」
真由美「これはまた遊斗君みたいにえげつないデッキねぇ」
翔太「これに何回ボコられた事か…」
薫「儀式素材に和魂を使えば手札損失を補えるわ。また、トーチギミックも採用してるから応用が利くっていうのも利点ね」
真由美「いいデッキですね。参考になります」
薫「じゃあ…2回戦終わったら私の家に行きましょう。打ち上げは顔出しだけしておくわね」
真由美「やった〜!翔太君、お邪魔するね♪」
翔太「いいよ。楽しみにしてるから!」
遊斗「……」
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陰陽四人衆③【Relinquished】VS【Forbidden One】
「……」
「…」
落ち着けオレ、いつかこうなる事くらい覚悟していたじゃないか。
「思えば仕事以外でこうして向き合うのはお前が家を出る前日が最後であったな」
「…そうだな、親父」
仮面に隠れていようがこのプレッシャー…オレでも分かる。ラスベガスの闇社会で生き残り、力を蓄え、支配する者だけが出せる強者のオーラ…オレの親父以外にいない。
「だが、今は天馬と名乗りお前の力を押して図るとしよう」
「本名と同じじゃねぇか!!!」
ったく…、SPも付けずにノコノコこんなところに来るなんてよ。図太い神経してるぜ。まぁ、念の為サイドチェンジっと…。
「オレは太陽 遊斗!せめてデュエルだけでも親父を越えてやる!」
「いいだろう…我が名は天馬。その実力!見せてみろ!」
「「Duel!!!」」
遊斗 LP8000
天馬 LP8000
「オレの先攻だ」
オレの手札にはサクリファイスが握られている。だが、サクリファイスを儀式召喚する手筈が整っていない。ここは手札を1度リセットすべきだ。
「魔法カード『手札抹殺』!互いに手札を全て捨て、互いに捨てた枚数分ドローする!」
「ふむ、残念だな」
「残念……って危なッ!?危ねぇよ!!!」
親父の手札にあったのは『サイバー・ヴァリー』とまさかの『4枚のエクゾディアパーツ』だった。ホント危ないんで勘弁してください。右腕以外全部揃ってたぞ…
「さらに速攻魔法『サクリファイス・フュージョン』を発動!手札・フィールド・墓地からアイズ・サクリファイス融合モンスターの融合素材を除外して融合召喚を行う!墓地から『サクリファイス』と『サイバー・ウロボロス』を除外し融合召喚!来い!『ミレニアム・アイズ・サクリファイス』!!!」
ミレニアム・アイズ・サクリファイス 星1 ATK0
「カードを1枚伏せてターンエンド」
ミレニアム・アイズ・サクリファイスは1ターンに1度、相手モンスターの効果が発動した時、相手のフィールド・墓地の効果モンスター1体を対象としてその相手の効果モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備する。さらに装備カードと同じカードの攻撃と効果を無効に出来る……エクゾディアさえ装備出来ればこっちのものだ。
「では、儂のターン!ドロー!『封印されし者の右腕』を召喚」
封印されし者の右腕 星1 ATK200
そのまま召喚してくるか…だとしたら選択肢は2つ。ワンダー・ワンドで引いてくるか……召喚神エクゾディアの召喚コストに使うかだ。どっちだ…?後者はマズ──
「儂は右腕をリリースし『召喚神エクゾディア』を特殊召喚!」
なんでそっちを呼ぶかなぁ。
召喚神エクゾディア 星10 ATK?
「このカードの攻撃力は自分の墓地の封印されしモンスターの数×1000ポイントアップする!」
召喚神エクゾディア ATK?→5000
「うげぇ……」
「バトル!ミレニアム・アイズ・サクリファイスを攻撃!」
「ッ…!!!」
エクゾディアなんて予想できっか!!!ま、近しい対策カードは手札にある。問題は…あのエクゾディアを突破出来るモンスターが今オレのデッキに居ないという事だけだが。
遊斗 LP8000→3000
「カードを2枚伏せてターン終了。エンドフェイズに発動する。自分の墓地から封印されしモンスター1体を選んで手札に加える。儂は墓地から『封印されし右腕』を手札に加える。さぁ、我がエクゾディアを突破してみせぃ!」
召喚神エクゾディア ATK5000→4000
エクゾディアパーツ0→1
「やってやる…やってやらぁ!ドロー!」
「永続罠『スキルドレイン』!ライフを1000払う。このカードがある限り、フィールドの全てのモンスター効果は無効となる!だが、召喚神エクゾディアはいかなるカード効果も受け付けん!」
「ッ…!」
天馬 LP8000→7000
「嘘…遊斗君まで負けるの……?」
「負けんな遊斗!」
「言われなくてもな…!」
確かに【サクリファイス】はモンスター効果依存のデッキだ。だが、効果無効の範囲が狭過ぎるぜ!親父!
「魔法カード『強欲で貪欲な壺』を発動!デッキトップを10枚裏側で除外し、デッキからカードを2枚ドローする!」
よし…引けた。後は発動タイミングを待つのみだ。
「魔法カード『ハーピィの羽根帚』!相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する!」
「やりおる…だが、お前が破壊した伏せカードは『魔神火炎砲』!このカードが魔法&罠ゾーンから墓地へ送られた場合、自分の墓地の封印されしモンスター1体またはエクゾディアカード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。儂は『封印されし者の左腕』を手札に加える」
召喚神エクゾディア ATK4000→3000
エクゾディアパーツ 1→2
「魔法カード『簡易融合』!ライフを1000払い、レベル5以下の融合モンスター1体をEXデッキから融合召喚扱いで特殊召喚する。いでよ、『サウザンド・アイズ・サクリファイス』!」
遊斗 LP3000→2000
サウザンド・アイズ・サクリファイス 星1 ATK0
「オレはカードを1枚伏せてターンエンド。エンドフェイズに簡易融合の効果でサウザンド・アイズ・サクリファイスが破壊されるが、サクリファイスモンスターが破壊された事で、墓地の『幻想魔術師・ノー・フェイス』を自身のモンスター効果で特殊召喚する」
幻想魔術師・ノー・フェイス 星5 DEF2200
「無駄な事だ。儂のターン、ドロー!ノー・フェイスが墓地へ送られた場合、墓地のサクリファイスまたはアイズ・サクリファイス融合モンスターを特殊召喚する…という効果だったな。なら儂はバトルフェイズに入らずターンエンド。儂は『封印されしエクゾディア』を手札に加える」
召喚神エクゾディア ATK3000→2000
エクゾディアパーツ 2→3
「待っていたぜ…この瞬間をよぉ!」
「?」
エクゾディアの攻撃力をオレのデッキのモンスターで破壊出来る数値まで下げてしまったこの瞬間。それが親父……あんたのプレイングミスだ!
「オレのターン、ドロー!『融合呪印生物─闇』を召喚!」
融合呪印生物─闇 星3 ATK1000
「融合呪印生物─闇の効果発動!闇属性の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスター1組(このカードをその内の1体とする)を自分フィールドからリリースして発動できる。そのリリースしたモンスターを融合素材とする闇属性の融合モンスター1体をEXデッキから特殊召喚する!融合呪印生物─闇とノー・フェイスをリリース!いでよ!『スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン』!」
スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 星8 ATK2800
「ノー・フェイスが墓地へ送られたのでオレは墓地から『ミレニアム・アイズ・サクリファイス』を特殊召喚!」
ミレニアム・アイズ・サクリファイス 星1 ATK0
「バトル!スターヴ・ヴェノムで召喚神エクゾディアを攻撃!」
「通そう。だが、召喚神エクゾディアが戦闘で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。手札の封印されしモンスターを任意の数だけ相手に見せ、見せた数だけ自分はデッキからドローする。儂の手札の封印されしモンスターは3枚。よってカードを3枚ドローする」
天馬 LP8000→7200
よし、攻撃が通ったならオレの勝ちだ!
「さらにオレは魔法カード『ブラック・ホール』を発動!フィールドのモンスターを全て破壊する!」
「血迷ったか遊斗!それではお前のモンスターのみが破壊されるぞ!」
「慌てんな。ミレニアム・アイズが破壊された事で墓地から『幻想魔術師・ノー・フェイス』を特殊召喚!」
幻想魔術師・ノー・フェイス 星5 DEF2200
これで発動条件は揃った…!
「これがオレの秘策だ!罠カード発動!『ファイナル・ギアス』!」
「ファイル・ギアスだと!?」
「元々のレベルが7以上のモンスターが、自分及び相手のフィールドからそれぞれ1体以上、墓地へ送られたターンに発動できる。お互いの墓地のモンスターを全て除外する!オレの前から消え去れ!エクゾディア!」
これでエクゾディアパーツが2枚除外された。パーツを帰還させる手段はあるまい!
「上手いわ遊斗君!」
「ファイナル・ギアスなんて普通考えねぇよ…」
「バカな…儂のエクゾディアが……」
「その後、この効果で除外したモンスターの内、レベルが一番高い魔法使い族モンスター1体を自分フィールドに特殊召喚できる!最もレベルが高いモンスターはレベル1!オレが特殊召喚するのは『サウザンド・アイズ・サクリファイス』!」
サウザンド・アイズ・サクリファイス 星1 DEF0
「オレはカードを1枚伏せてターンエンド。正真正銘の手詰まりさ。だが、エクゾディアを使えないこの状況で勝てるか?」
「……フハハハハハ!流石儂の息子だ!儂が召喚神エクゾディアを呼び出した時点で既にこの筋書きを用意していたとはな!」
「ヘッ…セバスのおかげさ」
「ふむ…情けで雇ったあの女もやれば出来るではないか……」
え…何その不穏なワード……嫌な予感がするんだけどオレ。
「……ならば儂も本気で行くとしよう」
「なっ…!?」
親父まだ本気じゃなかったのかよ!?
「儂のターン!ドロー!魔法カード『手札抹殺』!互いに手札を全て捨て、捨てた枚数ドローする。魔法カード『闇の量産工場』を発動し、その効果で墓地の通常モンスター2体…墓地の右腕と左腕を手札に戻す。さらに魔法カード『ダーク・バースト』!墓地の攻撃力1500以下のモンスター1体を手札に加える。儂は封印されしエクゾディアを手札に戻す。そして、墓地の『召喚神エクゾディア』と『サイバー・ヴァリー』を除外し『カオス・ソルジャー─開闢の使者─』を特殊召喚!」
カオス・ソルジャー─開闢の使者─ 星8 ATK3000
「今更開闢を出された程度で……!」
「魔法カード『原初の種』。『カオス・ソルジャー─開闢の使者─』または『混沌帝龍─終焉の使者─』がフィールド上に存在する場合に発動する事ができる。ゲームから除外された自分のカード2枚を自分の手札に加える。儂は封印されし者の右足と封印されし者の左足を手札に戻す」
「させっか!カウンター罠カード『魔宮の賄賂』!相手が魔法・罠カードを発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。相手はデッキから1枚ドローする!」
「やはり止めるか」
「危ねぇよ…危ねぇよ!!!」
なんとか首の皮1枚繋がった…危うく負けるところだったぜ。
「ならば、開闢の使者の効果発動!1ターンに1度、攻撃宣言を破棄する代わりにモンスター1体を除外する!サウザンド・アイズ・サクリファイスを除外!儂はこれでターンエンド」
ファイナル・ギアスの効果はオレにも及んでいる。オレは今、サクリファイスという翼を捥がれてしまった。勝利の鍵は次のドローにかかっている。
「オレのターン、ドロー!」
来た…!
「『紅蓮魔獣ダ・イーザ』を召喚!」
紅蓮魔獣ダ・イーザ 星3 ATK?
「このカードの攻撃力と守備力は、ゲームから除外されている自分のカードの数×400ポイントになる!除外されているカードは15枚!よって攻撃力は6000!」
紅蓮魔獣ダ・イーザ ATK?→6000
「バトル!ダ・イーザで開闢を攻撃!」
「ぬぅっ!」
天馬 LP7200→3800
「ターンエンド!」
万策尽きた。後はダ・イーザが死なないよう戦うしかない。
「儂のターン!モンスターを裏側守備表示で伏せてターンエンド」
「オレのターン、ドロー!」
よし、まだ望みはある。
「ダ・イーザで伏せモンスターを攻撃!」
封印されし者の左腕 星1 DEF300
「カードを1枚伏せてターンエンド」
「儂のターン!ドロー!……」
親父はカードを引いた後、参ったといった顔をした。
「ハハハ!負けだ負け!儂は良いカードを引けなかったようだ!」
「親父……息の詰まるような戦いをありがとう」
天馬 LP3800→0 surrender
******************
「よくぞここまで成長したな。面構えもさらに良くなった」
「ますます親父に似てくるなぁ…」
遊斗君のデュエルを見届けた私は、微笑ましい気分で2人の背中を眺めていた。私もあんないい親に当たりたかったなぁ…ちゃんと褒めてくれる親が欲しかった。
「さてと、私も戦わなきゃ!」
最後の四人衆は絶対に厄介な相手だ。もし私の予想が正しければ…
「貴女が次の相手ね」
何処となく予想出来る展開。私は二律背反を名乗る女性と対峙する。
「次の相手は……」
二律背反は仮面を外すと私に素顔を晒した。
「私だ!」
「セバスティアンさん…貴女だったのか!?」
うん、それやりたかっただけよね。というか仮面を被るパフォーマンスも貴女の立案でしょ!?
遊斗「……流石に負けるかと思ったぜ」
翔太「すげぇデュエルだったぞ。3度もエクゾディア完成の危機を乗り切ったんだからさ。準決勝も負けるなよ?」
真由美「そうね、私も最後の1人を倒さなきゃ…!」
セバス「………」
遊斗「じゃあ、親父のデッキをオレが代わりに紹介するぜ」
真由美「よろしく〜!」
デッキ総枚数(40)
モンスターカード(20)
●カオス・ソルジャー─開闢の使者─×3
●召喚神エクゾディア×2
●沈黙の魔術師─サイレント・マジシャン×2
●封印されしエクゾディア×1
●封印されし者の右腕×1
●封印されし者の左腕×1
●封印されし者の右足×1
●封印されし者の左足×1
●サイバー・ヴァリー×2
●ミスティック・パイパー×3
●金華猫×3
魔法カード(12)
●ダーク・バースト×1
●貪欲な壺×1
●原初の種×1
●ワンチャン!?×2
●ワン・フォー・ワン×1
●闇の量産工場×3
●サイレント・バーニング×2
●手札抹殺×1
罠カード(8)
●スキルドレイン×2
●魔神火炎砲×3
●無謀な欲張り×3
EXデッキ(10)
●森羅の姫芽宮×2
●リンクリボー×3
●プロキシー・ドラゴン×2
●セキュリティ・ドラゴン×2
●デコード・トーカー×1
真由美「開闢の使者とサイレント・マジシャンを使ったエクゾディアデッキね……」
翔太「回転難しそうだね」
遊斗「サイレント・マジシャンは手札にダブつきやすいエクゾディアを攻撃力強化にも使えるいいカードだな。召喚も比較的容易だし」
真由美「エクゾディアとの契約と魔神火炎砲を出張させたリチューアル・チャーチデッキなるものもあるらしいわよ」
翔太「マジッスか…」
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2回戦終了【覇王魔弾術師】VS【機巧TG】
アンチノミーと化したセバスと変態デュエリスト真由美の戦いの行方や如何に…!?
「我が名は二律背反…いえ、その真名『アイリス・
「アイリスだったんだ名前」
まさかこの場で本名をカミングアウトするとはね。
「我、陰陽四人衆の一人にして──」
「そういうのいいから」
「………はぃ」
シュンとするセバスティアンさんに思わずクスリと笑いながら私はデュエルの用意を終えた。私、この戦いが終わったら翔太君の家でご飯食べるの……え?フラグ?
「いざ、尋常に!」
「「
真由美 LP8000
セバス LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!!」」
先攻は何とか確保出来た。何とか地盤は確保するわよ!
「『マグナヴァレット・ドラゴン』を召喚!」
マグナヴァレット・ドラゴン 星4 ATK1800
「永続魔法『補給部隊』を発動してターンエンド」
まずは場を安定させる。アドバンテージを確保し続ける事がこのデッキの得手だからね。
「では、私のターンです。引きます」
何を仕掛けてくる…セバスティアンさん!
「いざ、参る。相手フィールドにのみモンスターが存在する時、手札からチューナーモンスター『TGストライカー』を特殊召喚出来る」
TGストライカー 星2 DEF0 チューナー
「続けて『スクラップ・リサイクラー』を召喚」
スクラップ・リサイクラー 星3 ATK900
「スクラップ・リサイクラーが召喚に成功した時、デッキから機械族モンスター1体を墓地へ送ります。『水晶機巧─サルファフナー』を墓地へ……そして、墓地のサルファフナーは手札のクリストロンカードを墓地へ送り、守備表示で特殊召喚出来ます」
水晶機巧─サルファフナー 星5 DEF1500
「ただし、その後自分フィールドのモンスター1体を破壊します。サルファフナーを破壊。サルファフナーが破壊された事で効果発動。フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊された場合、デッキからクリストロンモンスター1体を守備表示で特殊召喚します。チューナーモンスター『水晶機巧─クオン』を特殊召喚」
水晶機巧─クオン 星1 DEF500 チューナー
「墓地の『水晶機巧─ローズニクス』を除外し効果発動。私のフィールドに水晶機巧トークン1体を特殊召喚します」
水晶機巧トークン 星1 DEF0
「このカードの召喚条件はチューナー1体以上を含むモンスター2体。クオンとトークンでリンク召喚。『水晶機巧─ハリファイバー』」
水晶機巧ハリファイバー LINK-2 ATK1500 リンクマーカー【左下・右下】
「このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。手札・デッキからレベル3以下のチューナー1体を守備表示で特殊召喚します。『水晶機巧─シトリィ』を特殊召喚」
水晶機巧─シトリィ 星2 DEF500 チューナー
「この効果で特殊召喚したモンスターは、このターン効果を発動できない。レベル3のスクラップ・リサイクラーにレベル2のストライカーをチューニング!《リミッター解放、レベル5!レギュレーターオープン!スラスターウォームアップ、OK!アップリンク、オールクリアー!》GO、シンクロ召喚!カモン、『TGハイパー・ライブラリアン』!」
TGハイパー・ライブラリアン 星5 ATK2400
「バトル!ハイパー・ライブラリアンでマグナヴァレット・ドラゴンを攻撃!」
「通すわ!補給部隊の効果で1枚ドロー!」
真由美 LP8000→7400
「カードを1枚伏せてターンエンド」
「エンドフェイズにマグナヴァレットの効果で私はデッキから『メタルヴァレット・ドラゴン』を特殊召喚!」
メタルヴァレット・ドラゴン 星4 ATK1700
この布陣…まさか。
「私のターン、ドロー!」
「メインフェイズに突入しますか?」
「うん。『覇王眷竜ダークヴルム』を召喚!」
覇王眷竜ダークヴルム 星4 ATK1800
「ダークヴルムの効果発動!召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから覇王門ペンデュラムモンスター1体を手札に加える!『覇王門零』を手札に!」
「この瞬間、シトリィのモンスター効果発動。相手のメインフェイズ及びバトルフェイズに、チューナー以外の自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを効果を無効にして特殊召喚し、そのモンスターとこのカードのみを素材として機械族Sモンスター1体をシンクロ召喚する。その時、シンクロ素材となったモンスターは墓地へは行かず除外される。スクラップ・リサイクラーを特殊召喚」
スクラップ・リサイクラー 星3 ATK900
「レベル3のスクラップ・リサイクラーにレベル2のシトリィをチューニング。シンクロ召喚『水晶機巧─アメトリクス』」
水晶機巧─アメトリクス 星5 ATK2500
「ハイパー・ライブラリアンがフィールドに存在し、自分または相手が、このカード以外のシンクロモンスターのシンクロ召喚に成功した場合に発動する。このカードがフィールドに表側表示で存在する場合、自分はデッキから1枚ドローする。さらにその効果にチェーンしてハリファイバーのモンスター効果発動!相手のメインフェイズ及びバトルフェイズにフィールドのこのカードを除外して発動できる。EXデッキからシンクロチューナー1体をシンクロ召喚扱いで特殊召喚する!『フォーミュラ・シンクロン』を特殊召喚」
フォーミュラ・シンクロン 星2 DEF1500 チューナー
「フォーミュラ・シンクロンはシンクロ召喚に成功した時、デッキからカードを1枚ドローします。さらにハイパー・ライブラリアンの効果でデッキからカードを1枚ドロー!」
召喚条件が…揃った。
「見るがいい!限界を打ち破る境地…トップクリアマインド!フォーミュラ・シンクロンは相手ターンのメインフェイズにこのカードを含む自分フィールドのモンスターでシンクロ召喚を行う事が出来る!レベル5のハイパー・ライブラリアン、アメトリクスにレベル2のフォーミュラ・シンクロンをチューニング!《リミッター解放、レベルマックス!レギュレーターオープン・オールクリアー!無限の力よ!時空を突き破り、未知なる世界を開け!》GO!デルタアクセル!カモン!『TGハルバード・キャノン』!」
TGハルバード・キャノン 星12 ATK4000
セバスティアンさん、相手ターンでデルタアクセルシンクロを決めやがった……それほどに本気という事なのかしら?
「(オマケにペンデュラム召喚しようとしてたから思いっきりぶっ刺さってるのよねぇ…)」
「さぁ、私の全力…受けてみよ!」
…ここはペンデュラム召喚を匂わせるか……それともペンデュラム召喚を仕掛けるか…。いずれにせよ、なんとかしないと!
「レベル4のダークヴルムとメタルヴァレットでオーバーレイ!エクシーズ召喚!『ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン』!」
ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン ランク4 ATK2500
「無駄だ!ハルバード・キャノンのモンスター効果発動!フィールド上に表側表示で存在する場合、1ターンに1度だけモンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚を無効にし破壊する事ができる!《クローズ・サモン》!」
「流石に無理か…!」
でもモンスター効果は使わせた!
「ペンデュラムスケールに2枚目の『覇王眷竜ダークヴルム』をセッティング!」
覇王眷竜ダークヴルム ペンデュラムスケール5
「1ターンに1度、自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動できる。デッキから覇王門ペンデュラムモンスター1体を選び、自分のペンデュラムゾーンに置く。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は闇属性モンスターしかペンデュラム召喚できない。『覇王門零』をセッティング!」
覇王門零 ペンデュラムスケール0
「ペンデュラム召喚!手札からチューナーモンスター『調弦の魔術師』を特殊召喚!」
「カウンター罠『昇天の剛角笛』!相手メインフェイズに相手がモンスターを特殊召喚する際に発動できる。その特殊召喚を無効にし、そのモンスターを破壊する。その後、相手はデッキから1枚ドローし、相手メインフェイズを終了する」
「ッ!?」
って事はメインフェイズ1強制スキップ!?
「メインフェイズ2、墓地の覇王眷竜ダークヴルムは自分フィールドにモンスターが存在しない場合、墓地から特殊召喚出来る!」
覇王眷竜ダークヴルム 星4 DEF1200
「カードを2枚伏せてターンエンド」
セバスティアンさん…前よりずっと強くなってる!どう突破しよう……
「私のターン、引きます!」
対するセバスティアンさんはあっという間に手札損失を補い、1枚だった手札は5枚に増えている。ハンドアドバンデージで明らかにこちらが不利だ。
「『異次元の探求者』を召喚」
異次元の探求者 星3 ATK1500
「バトル。異次元の探求者でダークヴルムを攻撃」
「通すわ…!」
「そして、ハルバード・キャノンでダイレクトアタック!!!」
「速攻魔法『クイック・リボルブ』!デッキからヴァレットモンスター1体を特殊召喚する!『メタルヴァレット・ドラゴン』を特殊召喚!」
メタルヴァレット・ドラゴン 星4 DEF1400
「構いません。メタルヴァレットを攻撃!」
「補給部隊の効果で私は1枚ドローする!」
「では、メインフェイズ2。自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを次のターンのエンドフェイズまで除外する。ハルバード・キャノンを除外。そして、魔法カード『死者蘇生』。私はチューナーモンスター『TGストライカー』を特殊召喚」
TGストライカー 星2 DEF0 チューナー
「このカードの召喚条件はチューナー1体以上を含むモンスター2体。ストライカーと探求者でリンク召喚。『水晶機巧─ハリファイバー』」
水晶機巧ハリファイバー LINK-2 ATK1500 リンクマーカー【左下・右下】
「このカードがリンク召喚に成功した場合に発動できる。手札・デッキからレベル3以下のチューナー1体を守備表示で特殊召喚します。『水晶機巧─リオン』を特殊召喚」
水晶機巧─リオン 星3 DEF500 チューナー
「ターンエンド。エンドフェイズにハルバード・キャノンがフィールドに戻ります」
TGハルバード・キャノン 星12 ATK4000
「メタルヴァレットの効果で私はデッキから『マグナヴァレット・ドラゴン』を特殊召喚!」
マグナヴァレット・ドラゴン 星4 ATK1800
またアクセルシンクロを狙う気だ。でも、それを阻止する手は無い。
「私のターン、ドロー!」
「メインフェイズに突入しますか?」
「するわよ。手札の『超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン』を捨ててライフポイントを500払い、効果発動!デッキからレベル8以下のドラゴン族ペンデュラムモンスター1体を手札に加える!私が手札に加えるのは3枚目の『覇王眷竜ダークヴルム』!」
真由美 LP7400→6900
「この瞬間、リオンの効果発動!相手のメインフェイズ及びバトルフェイズに、チューナー以外の除外されている自分のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを効果を無効にして特殊召喚し、そのモンスターとこのカードのみを素材として機械族シンクロモンスター1体をシンクロ召喚する。その時、シンクロ素材となったモンスターは墓地へは行かず持ち主のデッキに戻る。リオンと除外されているマスマティシャンでシンクロ召喚。『HSR魔剣ダーマ』」
HSR魔剣ダーマ 星6 ATK2200
「永続罠『ペンデュラム・スイッチ』!自分のペンデュラムゾーンのカード1枚を対象としてこの効果を発動できる。そのカードを特殊召喚する!」
「その発動にチェーンしてハリファイバーの効果発動。相手のメインフェイズ及びバトルフェイズにフィールドのこのカードを除外して発動できる。EXデッキからシンクロチューナー1体をシンクロ召喚扱いで特殊召喚する!『水晶機巧─クオンダム』を特殊召喚」
水晶機巧─クオンダム 星4 ATK1800 チューナー
「ペンデュラム・スイッチの効果でペンデュラムスケールにセッティングした『覇王眷竜ダークヴルム』を特殊召喚!」
覇王眷竜ダークヴルム 星4 ATK1800
「ダークヴルムの効果発動!召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから覇王門ペンデュラムモンスター1体を手札に加える!『覇王門無限』を手札に加える。」
「クオンダムの効果発動!相手のメインフェイズ及びバトルフェイズ中にこのカードを含む自分フィールドのモンスターでシンクロ召喚する事が出来る!レベル6の魔剣ダーマにレベル4のクオンダムをチューニング!《リミッター解放、レベル10!メイン・バスブースター・コントロール、オールクリアー!無限の力、今ここに解き放ち、次元の彼方へ突き進め!》GO、アクセルシンクロ!カモン、『TGブレード・ガンナー』!」
TGブレード・ガンナー 星10 ATK3300
さて、アクセルシンクロモンスターとデルタアクセルシンクロモンスターが並んでしまった訳だけど……反撃開始よ!
「レベル4のマグナヴァレットとダークヴルムでオーバーレイ!エクシーズ召喚!『鳥銃士カステル』!」
鳥銃士カステル ランク4 DEF1500
「無駄だ!ハルバード・キャノンはフィールド上に表側表示で存在する場合、1ターンに1度だけモンスターの召喚・反転召喚・特殊召喚を無効にし破壊する事ができる!《クローズ・サモン》!」
「ッ…でも、これで逆転出来る!」
「!?」
「さらに、3枚目のダークヴルムをペンデュラムスケールにセッティング!」
覇王眷竜ダークヴルム ペンデュラムスケール5
「ペンデュラム召喚!手札より現われろ!チューナーモンスター『調弦の魔術師』!」
調弦の魔術師 星4 ATK0 チューナー
「調弦の魔術師が手札からペンデュラム召喚に成功した時、効果発動!デッキから調弦の魔術師以外の魔術師ペンデュラムモンスター1体を守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、フィールドから離れた場合に除外される。私が特殊召喚するのは『虹彩の魔術師』!」
虹彩の魔術師 星4 ATK1500
「このカードは自分フィールドの闇属性ペンデュラムモンスター2体を墓地へ送る事でEXデッキから特殊召喚出来る!虹彩の魔術師と調弦の魔術師を墓地へ送り、いでよ…『覇王眷竜スターヴ・ヴェノム』!」
覇王眷竜スターヴ・ヴェノム 星8 ATK2800
「…!」
「スターヴ・ヴェノムの効果発動!1ターンに1度、このカード以外の自分または相手のフィールド・墓地のモンスター1体を対象として発動できる。エンドフェイズまで、このカードはそのモンスターと同じ、元々のカード名・効果を得る。このターン、自分のモンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ相手に戦闘ダメージを与える!私がコピーするのは『超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン』!レボリューション・ドラゴンの効果により相手のライフの半分だけ攻撃力をアップする!」
覇王眷竜スターヴ・ヴェノム→超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン ATK2800→6800
「超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴンとなったスターヴ・ヴェノムの効果発動!1ターンに1度、ライフを半分払い、このカード以外のお互いのフィールド・墓地のカードを全て持ち主のデッキに戻す!」
「そうか…レボリューションの効果をコピーして……!ブレード・ガンナーの効果発動!墓地のTGを1体除外する事でこのカードをエンドフェイズまで除外する!」
真由美 LP6900→3450
でも、これでハルバード・キャノンは除去出来た。そして…!
「スターヴ・ヴェノムでダイレクトアタック!!!」
「くっ………!」
セバス LP8000→1200
ついに攻撃が通った!手札に攻撃力1200以上のモンスターが居ないのは残念だが、形勢は逆転した…と思う。
「私はこれでターンエンド!」
「エンドフェイズに帰還せよ、『TG ブレード・ガンナー』!」
超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン→覇王眷竜スターヴ・ヴェノム ATK6800→2800
TG ブレード・ガンナー 星10 ATK3300
「私のターン、ドロー。バトル!ブレード・ガンナーで覇王眷竜スターヴ・ヴェノムを攻撃!《シュート・ブレード》!」
「うっ…!」
流石にブレード・ガンナーの処理はキツイ…!
真由美 LP3450→2950
「私はカードを1枚伏せてターンエンド」
これが格の違い……あっという間に処理されてしまった。いや、正直に言います。人の事言えません…はい。
「私のターン、ドロー!モンスターを1枚伏せてターンエンド」
このカードだけが頼りね。後は、セバスの戦略ミスを信じるのみ…。
「モンスターを伏せただけ……あの伏せモンスターはブレード・ガンナーからの攻撃を何らかの形で対処する効果を持つカード……と、普通は考えるだろう」
「!」
「君の事だ。私がそう読む事も想定済みだろう。だからそのカードは私からの攻撃を躊躇させるモンスターと見せかけたブラフであるとも考えられる………私のターン、引きます!」
やっぱり読まれちゃってるか〜……で、どうする?
「そんな小細工は通用しない!手札の『水晶機巧─サルファフナー』の効果発動!手札・墓地のサルファフナーは手札のクリストロンカードを墓地へ送り、守備表示で特殊召喚出来ます」
水晶機巧─サルファフナー 星5 DEF1500
「ただし、その後自分フィールドのモンスター1体を破壊します。サルファフナーを破壊。サルファフナーが破壊された事で効果発動。フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊された場合、デッキからクリストロンモンスター1体を守備表示で特殊召喚します。チューナーモンスター『水晶機巧─シトリィ』を特殊召喚!」
水晶機巧─シトリィ 星2 DEF500 チューナー
「レベル4以下のモンスターが特殊召喚に成功した時、このカードを手札から特殊召喚する事ができる。『TG ワーウルフ』を特殊召喚!」
TGワーウルフ 星3 ATK1200
「レベル3のワーウルフにレベル2のシトリィをチューニング!《シンクロフライトコントロール!リミッター解放、レベル5!ブースター注入120%!リカバリーネットワーク、レンジ修正!オールクリアー!》GO、シンクロ召喚!カモン、『TG パワー・グラディエーター』」
TG パワー・グラディエーター 星5 ATK2300
「パワー・グラディエーターは守備表示モンスターを攻撃した時、
その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える!この攻撃が通り、ブレード・ガンナーの攻撃が通れば終わりだ!バトル!パワー・グラディエーターで伏せモンスターを攻撃!」
「私が伏せていたモンスターは……!」
紫毒の魔術師 星4 DEF2100
真由美 LP2950→2850
「このカードが戦闘・効果で破壊された場合、フィールドの表側表示のカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する!ブレード・ガンナーを破壊!」
「しまった……ッ!」
どうよ、このカウンターは!流石に本命とは考えなかったでしょう!アンチノミーになり切っているセバスティアンさんがTGを優先的に召喚してくる事は分かっている。だからこそこの方法で反撃したのだ。
「私はこれでターンエンドです」
少しずつでも流れを手繰り寄せるわよ!
「私のターン、ドロー!」
決まった……このデュエルを終結させるカードを引けた。
「ペンデュラムスケールに『覇王門零』と『覇王門無限』をセッティング!」
覇王門零 ペンデュラムスケール0
覇王門無限 ペンデュラムスケール13
「ペンデュラム召喚!EXデッキから『紫毒の魔術師』、手札からチューナーモンスター『白翼の魔術師』を特殊召喚!」
紫毒の魔術師 星4 ATK1200
白翼の魔術師 星4 ATK1600 チューナー
「そして…これが、私の勝利への覚悟!レベル4の紫毒の魔術師にレベル4の白翼の魔術師をチューニング!《王者の咆哮、今天地を揺るがす。唯一無二なる覇者の力をその身に刻むがいい!》!シンクロ召喚!昇華せし我が魂、『レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト』!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト 星8 ATK3000
「スカーライト……運に見放されたか」
「レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトの効果発動!1ターンに1度、自分メインフェイズに発動できる。このカード以外の、このカードの攻撃力以下の攻撃力を持つ特殊召喚された効果モンスターを全て破壊する。その後、この効果で破壊したモンスターの数×500ダメージを相手に与える!パワー・グラディエーターが破壊され、500ポイントのダメージが発生する!」
セバス LP1200→700
「バトル!レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトでダイレクトアタック!《灼熱のクリムゾン・ヘルバーニング》!」
「……フッ」
セバス LP700→0
***************************
「レッド・デーモンズ・ドラゴンしか入っていないとタカを括った私の慢心による敗北……まだまだ修行不足です」
「セバスティアンさんが考えたの?この衣装と仮面」
「はい、そうです。インフルエンザは偶然でした」
「ホント〜?」
因みに、当初の計画では自分とラフェリオの2人で私を押さえ込み、手を知り尽くしたディアドラと天馬で翔太君と遊斗君を倒す…という筋書きだったのだが、鞠菜の乱入という予想外の展開で私と戦う筈だったラフェリオが敗北する結果となってしまったとの事。運が悪かったわねぇ。私多分、ラフェリオに負けてたかもしれないのに…。
「今回は我々がお詫びをとして、古霊様にシード権を与える事となりました。ディアドラ様も遊斗様もかなりの難敵ですが、どうか負けないように。それでは…『
セバスティアンさんは装束を肩に掛けると退場した。5人だけになった店内で、薫さんはふぅっと息を吐いた。
「さ、帰ってご飯にしましょ♪夜になれば旦那が仕事を終える頃だろうからそのタイミングで食べましょう。寝床も用意してあげるから遠慮無く泊まっていきなさい」
「あ、ありがとうございます」
「じゃあ、行こうか!山の麓にあるから少し歩くからね」
「はーい♪」
無事2回戦は終わった。途中、陰陽四人衆の集合場所(私のバイト先)に顔を出してから私達は町の近くにある山の麓へと向かった………。
セバス「無念……サイドチェンジ出来るとはいえ、全く把握していなかったとは…これは戦犯案件です」
遊斗「ドンマイって奴だ。まぁ、元気出せよ。今度飯奢ってやるから」
セバス「……ぽっ///」
遊斗「口に出すなよおい!?」
セバス「……気のせいです///それでは、私のデッキの紹介です」
遊斗「今回は得意のTGを派生させたデッキ…だったか?」
セバス「はい」
デッキ総枚数(40)
モンスターカード(22)
●水晶機巧─サルファフナー×2
●水晶機巧─ローズニクス×2
●スクラップ・リサイクラー×3
●水晶機巧─スモーガー×2
●水晶機巧─リオン×2
●TG ワーウルフ×3
●異次元の探求者×1
●水晶機巧─シトリィ×3
●TG ストライカー×2
●水晶機巧─クオン×2
魔法カード(8)
●ナイト・ショット×2
●貪欲な壺×1
●リミット・オーバー・ドライブ×1
●増援×1
●おろかな埋葬×1
●死者蘇生×1
●手札抹殺×1
罠カード(8)
●昇天の剛角笛×2
●クリストロン・インパクト×3
●クリストロン・エントリー×2
●神の宣告×1
●前線復帰×2
EXデッキ(15)
●TG ハルバード・キャノン×1
●TG ブレード・ガンナー×1
●水晶機巧─グリオンガンド×1
●スクラップ・ドラゴン×1
●ダーク・ダイブ・ボンバー×1
●HSR魔剣ダーマ×1
●水晶機巧─アメトリクス×1
●TG パワー・グラディエーター×1
●TG ハイパー・ライブラリアン×1
●TG ワンダー・マジシャン×1
●水晶機巧─クオンダム×2
●フォーミュラ・シンクロン×1
●水晶機巧─ハリファイバー×2
セバス「クリストロン特有のスタートの遅さをTGストライカー及びワーウルフを出張させる事で補う…それがこのデッキの特徴です。効果を使って除外されたハリファイバーもクリストロン・インパクトにより帰還可能で、そこからさらなる展開も行えます」
遊斗「確かに……そう考えたらTGの出張は理にかなってる訳だ」
セバス「また、クリストロンでも戦えるようにとグリオンガンドも採用。いざという時の護身用として機能します」
遊斗「スクラップ・ドラゴンは?機械族でも無いのになんで…」
セバス「詳しくは遊戯王5D’s146話をご覧ください」
遊斗「細けぇよ!!!」
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閑話休題…諸星家はこんな家
「いらっしゃ〜い♪」
「お、お邪魔しまーす…」
「ただいま〜」
翔太君の家は山の麓にある大正時代に建てられたという木造の一軒家。庭がやや広く、即席で作られた畑には野菜が植わっている。
「まぁ、つまむ程度の知識で作った家庭菜園だから味はプロに負けるけどね」
翔太君の家には古ぼけた時計、テレビ、ちゃぶ台、畳、縁側と時代が止まっている感じ。奥は作業場のようで障子で見えないようになっていた。
「すごい家ですねぇ」
「そうなのよ。ここに嫁いだ時は古臭いと思っていたんだけど、今じゃ愛着が湧いてくるわ」
「父さんは今仕事中だから静かにね。騒ぐ時は2階って決めてるんだけど妹も期末試験が終わって寝てるんだ…」
「なるほど…」
薫さん曰く、「夫は製本職人」らしい。あと、翔太君には一個下の妹がいる事も発覚した。翔太君の妹…どんな顔をしてるのかしら?
「ただ、仕事を僕に継がせる気はないって言ってて、父さんの代で終わりにする…そんなつもりらしいよ」
「そうなの…」
子供には好きな仕事をさせたい、好きな学校に通わせたい…いい親じゃない。私なんて何でもかんでも名門一流と身の丈に合わない所ばっかり通わせようとしてたからそういう親はホントに羨ましい。
「妹とはもう少ししたら顔を合わせるだろうから、今は寛いでて」
「翔太、先に2人で手を洗いなさい。私はお夕飯を作ってるから」
「じゃあ父さんに何食べたいか聞いてくるよ」
翔太君は半紙と硯を用意すると、達筆で手紙を書いてから障子を少し空けて手紙を置いた。気になってチラリと仕事場の様子を見てみたけど…翔太君のお父さんは背中しか見る事が出来なかった。
しばらく、翔太君と2人でテレビを見ていると障子に何かが当たる音が聞こえた。
「父さんからの返事だ」
障子を少し開けると、先程の半紙が紙飛行機にされていた。翔太君がそれを広げたところ、半紙には翔太君の字の下に「鶏大根+鰐」と書かれている。ん?ワニ……?
「母さん!鶏大根と鰐だって!」
「鶏大根と鰐ね…ちょっと庭で大根取ってくるわ」
「あ!私が行ってきますよ義母さん!」
「じゃあ…手前の一本をお願い出来るかしら?玄関にあるサンダル使っていいから」
「ありがとうございます!」
よし、この大根ね。一度農家でバイトした事あるから大丈夫でしょ。よいしょぉ!
「あの…義母さん?」
「?」
「大根…プロレベルだと思いますよ?」
大根の太さとか…大きさとか……普通に店頭に並んでもおかしくないんですが…。
「そんな事無いわよ。ありがとう」
「手伝いますよ?」
「ごめんなさいね。じゃあ…大根切ってくれないかしら?」
「はい!」
この人とは仲良く出来そう♪翔太君と同じくいい人そうだし。
**********************
鶏大根が出来上がり、盛り付けている最中に階段から1人の女の子が降りてきた。多分、翔太君の妹…だと思うんだけど……
「こんばんは、翔太君と付き合ってる古霊真由美です」
「あ…どうも」
顔が見えなくなるまで伸びきった枝毛だらけのロングヘア、風呂に何日も入っていないのか結構酷い体臭、そしてその体に纏うパジャマ………間違いなく勉強のし過ぎで仙人に至ったパターンね。
「お兄ちゃん…お風呂借りる……」
「お、おぅ」
隈が出来た虚ろな顔で私に会釈した彼女はフラフラと風呂場へと向かっていった。
「いつもはあんなんじゃないんだけどね。試験後の寝不足と知恵熱のダブルパンチから治ったばかりだから……まぁ、大目に見てあげて」
「うん…分かるわ。その気持ち」
あの子は自主的な勉強だろうけど、私の場合は母さんがメガホン片手に勉強しろ・期末で1位を取れと監督しながら脅迫してたからなぁ……。確か3年辺りで1度発狂して…そこから点数が落ちて……うん。結論から言えば有名大学への進学が不可能と悟った両親に「出来損ない」呼ばわりされて…それに今まで溜まりに溜まった怒りとストレスと悲しみが爆発。絶縁状叩きつけて出て行ったのはいい思い出かな。おかげで自由に生きられてるし。
「(まぁ、中学の時点で自炊も出来たしバイトさえ出来れば完全自立する事だって出来た…まぁ、高校まで通わせてくれただけでも感謝しないと)」
「真由美さん…顔怖いけど?」
「あぁ、ゴメン!気にしないで……ちょっと嫌な事思い出しちゃったから。よし!夕飯食べるわよ〜!」
もう私に関わる親戚はマスターだけなんだ…だから、もう親の事は忘れよう。それが私の幸せなんだから。
「ん?お客さんか?」
と、このタイミングで障子が開いて作務衣を着た男が出てきた。うん、すごいイケメン。薫さんに似たヨーロッパ系の顔だ。髪色は黒だけど…諸星一家ってみんな髪がウェーブしてるのね。
「あ、父さん。この人が僕の彼女!」
「古霊真由美です。翔太君とお付き合いさせていただいています!」
「そうか、『諸星 陽介』だ。ウチのバカ息子が世話になっている」
「バカってなんだよバカって!?」
陽介さんとも握手を交わした。すごい大きな手だ。翔太君より大きいんじゃない?
「お兄ちゃん!今行くから!」
「優里香!走らなくていいからな!それと、使ったスポンジは捨てとけ!」
「お兄ちゃんのスケベ!」
「なんでさ!?」
大きな声で数度やり取りした直後、さっきとは別人のような女の子が出てきた。母親譲りの髪色を持つ綺麗な銀髪のウェーブロング(自分で散髪&整髪したのだろう)・翔太君と同じ幼さの残る顔・たっぷり使ったシャンプーのいい匂いがする。ん?じゃあ何で翔太君だけキャベツ色なんだろう……隔世遺伝って奴かな?
「初めまして!『諸星 優里香』です!よろしくね!真由美さん!」
「えぇ、よろしくね」
これで全員と握手したのかな?
「よし、じゃあ『いただきます』の挨拶をしてから夕飯を食べるとしよう」
いつの間にか薫さんが用意してくれた夕飯に私は驚いた。
発芽米のご飯・味噌汁・鶏大根の他に見覚えのない白身の刺身があったのだ。しかも、よく分からない魚の煮付けもある。なんだろこれ。
「では、いただきます」
「「いただきます!」」
挨拶をしてから、私は味噌汁を一口飲んでから刺身を食べてみた……
「美味しい…トロみたいな味です!義母さん…こちら何の魚ですか?」
「サメよ」
「なるほど、サメですか…………サメ!?」
サメってこんなに美味しいの!?アンモニア臭がすごいイメージがあるんだけど…全然臭くない……。
「じゃあこの煮付けも…?」
「サメのアラよ」
「サメェ…」
「真由美さん!サメは何処を食べても美味しいんですよ!ねぇお兄ちゃん」
「うん…まぁ、美味しいけど押し付けはダメだよ」
ふと、まな板を見てみるとアブラツノザメの頭と皮と骨が乗っていた。頭以外全部解体したんだ…あれ。
「頭と骨から煮凝りを取るのよ。コラーゲンたっぷりだからお肌にもいいの」
「な、なるほど…」
「それより、翔太の部屋に行きなさい。内臓の処理は私がやるから」
今更だが、流石に臓器類は捨ててあった。後で聞いたところ『臓器は劇物』とのこと。
************************
「ここが僕の部屋だよ」
「で、向かいが私の部屋」
二階には4つの洋式の扉があって、二階に上がって手前の右側が翔太君、左側が優里香ちゃんの部屋みたいだ。なんか…既に家族の一員扱いになってるんだけど…それほど気に入られたって事?
「まず僕の部屋から─」
「私の部屋を案内するね。真由美さん!」
「えぇ…」
まず、優里香ちゃんの部屋に入ってみると…私の家と同じレベルの殺風景ぶりだった。大抵ありそうなアイドルのポスターも無く、文房具やファイルも単色かチェック柄。学習机には整理整頓された資料や過去問などの試験対策の本が積み上げられている。強烈な芳香剤の匂いはずっと篭りっぱなしだった時の異臭を誤魔化す為だろうか。
「今は名門大学に進学する為に色々断捨離したの。卒業したら一人暮らしして高校時代に溜めていたものを爆発させるつもりなの」
「へぇ…聞き辛いんだけど、目標への到達率はどれくらいなの?」
「70%ね。いいところまでは来たんだけど…」
「そう…」
この子は大成する…と思うわ。人生どうなるか分からないからね、私がいい例よ。まぁ、私は諦めてしまった側なんだけど。
「じゃあ、私はこれからテストの正答確認をするから後はお兄ちゃんの部屋でゆっくり過ごしてね」
「な、なるほど…お邪魔しました〜」
要は『ここで勉強するから静かにしろよ?入ってくんなよ?』って意味かしら。気を付けないと…
「いらっしゃい、ここが僕の部屋だよ」
「なるほどなるほど」
翔太君の部屋は年頃(?)らしく、某二次元アイドルのポスターやゲーム機が置いてあった。机はさっぱりしており、意外にも掃除が行き届いた綺麗な部屋だった。
「綺麗な部屋ね。こんなにモノがあるのに…」
「真由美さんが少な過ぎるだけだよ」
「そうかしら?」
まぁ、お金の無い私には厳しいわね。親に頼れないから……
「せっかくだし、ゲームとかやろうか」
「いいの?妹さんの邪魔にならない?」
「気にすんな。いつも部屋の中では耳栓かイヤホン付けて勉強してっから」
「そう…なら、お言葉に甘えて」
その日、特にやる事も無かった私は翔太君と2人でゲームしたり、義母さんの仕事を手伝ったりと充実した時間を過ごした。翔太君のベッドで一緒に寝た時は正直ドキドキしたけど、何も無かった…。
真由美「翔太君の両親がシグディアじゃなくてアルディアだった件について」
翔太「いや、何それ…」
真由美「もしかして親御さんは異母姉弟(兄妹?)だったりする?」
薫「そんな訳ないじゃない♪安心なさい」
翔太「(ほっ……)」
薫「ところで、昨日の夜は何かあったの?」
翔太「な、何もないよ///何を言ってるんだい!?R-18じゃないんだからケンゼンにやらなきゃ!ケンゼンに!」
薫「R-18版が無いなら作ればいいじゃない」
真由美「いや、意味分からないです!」
薫「まぁ、いっか。それより…次の相手は太陽遊斗とかいうチンピラみたいじゃない」
真由美「いや、あぁ見えて真面目な男(?)なんですよ」
薫「?」
翔太「ま、それより!今日のデュエル、頑張ってね!母さん!」
薫「あったりまえのコンコンチキよ!私にかかれば【サクリファイス】だって叩きのめしてあげるんだから!」
真由美「と、いう訳で…準決勝をお楽しみに!」
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決勝の前は準決勝【サクリファイス】VS【霊魂トロール】
朝早くに諸星宅を出てバイトに勤しみ、バイト終わりにカードショップへ直行したタイミングでついに始まった3回戦…私はシード権を得て決勝に上がる事になったが……今回の対戦カードでは遊斗君が勝ち上がってくるのか義母さんが勝ち上がってくるのか全く読めない。
「貴女がディアドラさんか。美しい……実に美しい方だ」
「ふふ…褒めても何も出ないわよ?」
早々にナンパまがいのセリフを吐いている遊斗君だが、いつものチャラ男感は出ていない。
「故にオレは全力の果し合いを臨む。どんな敵だろうが…どんな状況だろうがオレは超えてみせる!」
「いい覚悟ね。格の違いってヤツを教えてあげるわ…」
開幕から既に義母さんと遊斗君との間で火花が散っていた。自信と実力が伴う遊斗君と実力未知数の義母さん…どっちに勝敗が傾くか全く分からない。
「「デュエル!!!」」
遊斗 LP8000
薫 LP8000
「先攻!」
「後攻…」
「「じゃんけんぽん!!」」
先攻は遊斗君が先取した。遊斗君…一体どんな戦略を展開する気なのかしら?
「オレのターン……!儀式魔法『イリュージョンの儀式』を発動!手札の『儀式魔人リリーサー』を儀式素材として儀式召喚!いでよ、『サクリファイス』!」
サクリファイス 星1 ATK0
「リリーサーを儀式素材とした儀式モンスターがいる限り、相手はモンスターを特殊召喚出来ない!カードを1枚伏せてターンエンド」
特殊召喚が封じられた今…薫さんは儀式召喚が封じられたも同じ。さぁ…どうす─
「『月読命』を召喚」
ですよねぇ。
月読命 星4 ATK1100
「月読命が召喚に成功した時、モンスター1体を裏守備にする。サクリファイスを裏側に」
「ッ…!」
「これでリリーサーの効果は使えません。さらに魔法カード『儀式の下準備』を発動!デッキから儀式魔法カードを1枚手札に加え、その後加えたカードに記された儀式モンスターを手札に加えます…『霊魂の降神』と『霊魂鳥神ー姫孔雀』を手札に加えます。そして、儀式魔法『霊魂の降神』を発動!レベルの合計が儀式召喚するモンスターのレベル以上になるように、自分の手札・フィールドのモンスターをリリース、またはリリースの代わりに自分の墓地のスピリットモンスターを除外し、手札から『霊魂鳥神-姫孔雀』または『霊魂鳥神-彦孔雀』を儀式召喚するわ!フィールドの『月読命』と手札の『和魂』で儀式召喚!おいでませ!『霊魂鳥神-姫孔雀』!」
霊魂鳥神─姫孔雀 星8 ATK2500
「必勝パターンかよ…クソッ!」
「姫孔雀にチェーンして和魂の効果発動!自分フィールドのスピリットモンスターが場にいる時にこのカードが墓地に送られた場合、デッキからカードを1枚ドローする!そして、姫孔雀が儀式召喚に成功した場合、相手フィールドの魔法・罠カードを3枚まで選んで持ち主のデッキに戻す」
「やられた…!」
伏せカードは『融合』。完全にやられたわね。
「その後、デッキからレベル4以下のスピリットモンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚できる。『天岩戸』を特殊召喚!」
天岩戸 星4 ATK1900
「これでスピリットモンスター以外のモンスター効果は発動出来ない。バトル!天岩戸で守備モンスターを攻撃!」
「──ッ!」
「そして、姫孔雀で直接攻撃です!」
遊斗 LP8000→5500
「カードを1枚伏せてターン終了。エンドフェイズに姫孔雀は手札に戻り、『霊魂鳥トークン』を2体特殊召喚します」
霊魂鳥トークン 星4 DEF1500
霊魂鳥トークン 星4 DEF1500
「(マジかよ…諸星が苦戦する訳だ。こいつぁ…歯が立たない)」
「どうしますか?」
「やってやる……やってやらぁ!オレのターン、ドロー!」
でも、サクリファイスを出せた所で吸収効果が発動出来ない……魔法・罠カードで容易に壊せないだけあって厄介な盤面となっている。どうするの…遊斗君。
「速攻魔法カード『サクリファイス・フュージョン』を発動!手札・フィールド・墓地のモンスターを除外しアイズ・サクリファイス融合モンスター1体を融合召喚する!そして、手札の『パラサイト・フュージョナー』は永続効果として融合素材代用効果を持つ!手札のパラサイト・フュージョナーと墓地のサクリファイスを除外!融合召喚!いでよ、『ミレニアム・アイズ・サクリファイス』!!!」
ミレニアム・アイズ・サクリファイス 星1 ATK0
「……なるほど、そういう事ね。これは突破されちゃうわね〜」
え、もう攻略したの!?
「墓地のサクリファイス・フュージョンを除外し効果発動!自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外し、相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。自分フィールドの、アイズ・サクリファイス融合モンスターまたはサクリファイス1体を選び、その効果による装備カード扱いとして対象の相手の効果モンスターを装備する!この装備効果は魔法カードによる効果、よって天岩戸で発動を封じる事は出来ない!!!天岩戸を吸収!」
ミレニアム・アイズ・サクリファイス ATK0→1900
上手い!これなら天岩戸を除去出来る!
「バトル!ミレニアム・アイズ・サクリファイスでトークンを攻撃!」
「………ふっ」
あっさりと攻略されたのに全然涼しい顔をしてるんだけど…何を企んでるのかしら?
「ターンエンド。ミレニアム・アイズ・サクリファイスは1ターンに1度、相手モンスターの効果が発動した時、相手のフィールド・墓地の効果モンスター1体を対象としてその相手の効果モンスターを装備カード扱いとしてこのカードに装備。攻守を継承し、このカードの効果で装備したモンスターと同名のモンスターは攻撃できず、その効果は無効化される!同名モンスターで処理しようなんて考えは止すんだな」
「そうね。止しておくわ。私のターン、ドロー!……だから」
義母さんはそう言うと1枚のカードを手に取った。
「面白い趣向で行くわね♪」
「……何だと…」
「霊魂鳥トークンを攻撃表示に変更」
霊魂鳥トークン DEF1500→ATK1500
「伏せていた魔法カード『強制転移』♪自分のモンスター1体と相手モンスター1体のコントロールを入れ替える」
「しま──ッ!!!」
そうか、ミレニアム・アイズには魔法・罠カードへの耐性はない。おまけにコントロールが奪われる…!
ミレニアム・アイズ・サクリファイス(所有権) 遊斗→薫
霊魂鳥トークン 薫→遊斗
「罠に嵌めたつもりが……!」
「まんまと罠にかかってくれたわね♪」
これはマズイ状況だ。エースモンスターのコントロールを奪われ、おまけに下手に動くと同名カードを封じられてしまう。
「じゃあ次の展開行きます!これがサイドデッキに入れていたカード『SRベイゴマックス』!」
SRベイゴマックス 星3 ATK1200
親子揃ってベイゴマックスを入れているなんて…なんか感慨深いわね。
「ベイゴマックスの召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキからスピードロイドを1体手札に加えます!『SRタケトンボーグ』を手札に加え…自分フィールドに風属性がいる為、このカードを自身の効果で特殊召喚!」
SRタケトンボーグ 星3 ATK600
「レベル3のベイゴマックスとタケトンボーグでエクシーズ召喚!『No.30 破滅のアシッド・ゴーレム』!」
No.30 破滅のアシッド・ゴーレム ランク3 ATK3000
「バトル!ミレニアム・アイズ・サクリファイスでトークンを攻撃!」
「通す…!」
遊斗 LP5500→5100
「そして、破滅のアシッド・ゴーレムで直接攻撃です!」
遊斗 LP5100→2100
「ターン終了」
マズイわね…アシッド・ゴーレムは自分のスタンバイフェイズ時、このカードのオーバーレイユニットを1つ取り除くか、自分は2000ポイントダメージを受ける自傷効果を持つ。また、アシッド・ゴーレムはオーバーレイユニットが無い場合、このカードは攻撃できず、フィールド上に存在する限り、自分はモンスターを特殊召喚できないというデメリットを抱えている。そして、一見デメリットでしかない効果は
「……くっ」
おまけにモンスターで無闇に動こうとすればミレニアム・アイズに吸収され同名モンスターが紙札と化してしまう。見事なロックだ。これこそまさしく【霊魂トロール】という奴だ。
「僕のターン、ドロー!」
遊斗君…その顔は……引けたみたいね!
「魔法カード『強欲で貪欲な壺』を発動!デッキトップを10枚裏側で除外し、デッキからカードを2枚ドローする!そして、召喚!『紅蓮魔獣 ダ・イーザ』!」
紅蓮魔獣 ダ・イーザ 星3 ATK?
「このカードの攻撃力は除外されているオレのカード1枚につき400アップする!除外されているカードは12枚!」
紅蓮魔獣 ダ・イーザ ATK?→4800
「バトル!ダ・イーザでミレニアム・アイズを攻撃!」
「やるわね…♪」
薫 LP8000→5100
「カードを1枚伏せてターンエンド」
遊斗君の布陣もなかなかに強力ね。切り札級の攻撃力を得たダ・イーザと情報の無い伏せカード1枚。プレッシャーをかけるには十分過ぎる。
「私のターン、ですね。ドロー。維持コストとしてアシッド・ゴーレムのオーバーレイユニットを使うわ」
No.30破滅のアシッド・ゴーレム ORU2→1
だが、義母さんも全く動じていない。冷静に手札と盤面を交互に見ながら調整していた。
「魔法カード『強制転移』発動です!モンスターのコントロールを入れ替えるわ」
「だが、薫さんの除外されているカードは0。アシッド・ゴーレムの攻撃力には及ばない!」
No.30 破滅のアシッド・ゴーレム(所有権) 薫→遊斗
紅蓮魔獣 ダ・イーザ(所有権) 遊斗→薫 ATK4800→0
考えたわね…強制転移を使うよう誘った訳ね。そして、ダ・イーザは『自分』の除外されたカードを参照するから除外されているカードが少ないプレイヤーが奪ったとしても弱小モンスターと化す……実に理にかなった戦術だ。
「(仮にオーバーレイユニットが0になったとしてもオレはノー・フェイスなどの上級モンスターを引くことが出来れば解決する…)さぁ、どうした?この程度で終わりじゃないだろ?」
「そうね。でも、今回はこの程度にしておくわ。ダ・イーザを守備表示に変更してターン終了」
紅蓮魔獣 ダ・イーザ 星3 ATK0→DEF0
「エンドフェイズに速攻魔法『スケープ・ゴート』を発動!オレのフィールドに羊トークンを4体守備表示で特殊召喚!」
羊トークン 星1 DEF0
羊トークン 星1 DEF0
羊トークン 星1 DEF0
羊トークン 星1 DEF0
形勢は変わった。完全に流れが遊斗君に来ている!
「オレのターン、ドロー!アシッド・ゴーレムの維持コストとしてオーバーレイユニットを1つ使う!」
No.30破滅のアシッド・ゴーレム ORU1→0
「オレはアシッド・ゴーレムをリリースして『幻想魔術師─ノー・フェイス』をアドバンス召喚!」
幻想魔術師─ノー・フェイス 星5 ATK1200
「召喚条件はレベル1モンスター1体!羊トークン1体で『リンクリボー』をリンク召喚!」
リンクリボー LINK-1 ATK300 リンクマーカー【下】
「召喚条件はモンスター2体!羊トークン2体を使い『セキュリティ・ドラゴン』をリンク先へリンク召喚!」
セキュリティ・ドラゴン LINK-2 ATK1100 リンクマーカー【上・下】
「セキュリティ・ドラゴンの効果発動!表側表示で存在する限り1度だけ、カードが相互リンク状態の場合に相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを持ち主の手札に戻す!ダ・イーザを手札に戻す!」
よし、さらに次のターンで攻撃力4800のダ・イーザを召喚出来る!完全に強制転移を逆利用した形になったわ!
「続けて!リンクリボーと羊トークンで『プロキシー・ドラゴン』をリンク召喚!」
プロキシー・ドラゴン LINK-2 ATK1400 リンクマーカー【左・右】
「バトル!セキュリティ・ドラゴン、プロキシー・ドラゴン、ノー・フェイスでダイレクトアタック!」
「通します」
薫 LP5100→1400
「さらに畳み掛ける!メインフェイズ2に移行!このカードの召喚条件は効果モンスター3体以上!そして、セキュリティ・ドラゴンはリンク素材に使う場合は2体分としても扱える!セキュリティ・ドラゴン、プロキシー・ドラゴン、ノー・フェイスでリンク召喚!『ヴァレルロード・ドラゴン』!」
ヴァレルロード・ドラゴン LINK-4 ATK3000 リンクマーカー【左・左下・右下・右】
「さらに、ノー・フェイスが墓地へ送られた場合、墓地の『ミレニアム・アイズ・サクリファイス』を特殊召喚!」
ミレニアム・アイズ・サクリファイス 星1 DEF0
「オレはこれでターンエンド!」
ついにライフポイントが逆転した。盤面でも遊斗君が優位に立っている!そして、次のターンで攻撃力4800のダ・イーザを出す事だって──
「さてと、お遊びはここまでね」
「なっ──」
お遊び…?
「私のターン、ドロー!魔法カード『トレード・イン』を発動!手札のレベル8モンスター1体を墓地へ送り、デッキからカードを2枚ドローする。姫孔雀を墓地へ送り2枚ドロー!」
「だが、どう足掻こうがその手札ではヴァレルロードを落とす事は出来ない!」
「虚勢ね。儀式魔法『霊魂の降神』は墓地のスピリットモンスターも素材に出来るわ。もし儀式の下準備を引けば彦孔雀を儀式召喚して私の勝利が確定するわ」
「くっ……」
手札を素早く交換した義母さんだが、その顔からは先程とは全く違う…冷徹な一面が浮かんでいた。
「私は最初に言った筈よ。『格の違いを教える』と…そして、このカードでそれを証明してあげるわ!魔法カード『ダーク・コーリング』!」
「しまった…!!!」
「このカードは自分の手札と墓地のモンスターを除外して融合素材とし、『ダーク・フュージョン』で融合召喚出来る融合モンスターをEXデッキから特殊召喚する!手札の『トーチ・ゴーレム』と墓地の『No.30 破滅のアシッド・ゴーレム』を除外融合!いでよ…『E-HERO ダーク・ガイア』!」
E-HERO ダーク・ガイア 星8 ATK?
「ダーク・ガイアの攻撃力は融合素材となったモンスターの元々の攻撃力の合計となる。素材となったモンスターの攻撃力はそれぞれトーチ・ゴーレムとアシッド・ゴーレムの3000ずつ…よって攻撃力は!」
E-HERO ダーク・ガイア 星8 ATK?→6000
「そん…な………」
「バトル!ダーク・ガイアでヴァレルロードを攻撃!プライドごと砕け散りなさい!《ダーク・カタストロフ》!!!」
遊斗 LP2100→0
嘘……遊斗君まで…負けた……。
************************
「クソッ!あと一息だったのにあんな……あんなカードをサイドデッキに仕込んでたなんて…!」
「最初から天岩戸を除去された時点でこの筋書きは出来ていたんですね」
「そうよ。先の先を読んでデュエルをする……冷静なペース配分が勝敗を分けるの。いい?そこは忘れないように」
「っ…」
これは私にも言っている言葉だ…決勝で恥を掻くわけにはいかないわ。
「真由美さん、貴女のデュエルは温存型…ただし、私のデッキとの相性は最悪……貴女が勝つ方法はただ1つ」
義母さんは私に人差し指を向けた。
「私からの猛攻を最小限のカードでかい潜り、確実に仕留める事。それが出来ないならば…貴女は必ず私に敗北する。私の期待を裏切らない事ね」
「は…はい!」
義母さんは最初から私以外眼中に無いって事ね…そういう事なら私も本気でやるしかないわね。
「(と…言っても、サイドデッキの殆どを見せてしまった今…情報アドバンテージでは明らかに負けている。私が勝つ為には…)
私は首に提げた御守りを少し握った。
「(今あるカードで勝機を掴むしかない!)」
古霊真由美、人生の大一番がやって来た……。
真由美「惜しかったわね」
遊斗「悔しいぜ。あと一息で倒せたのに…」
翔太「母さんのデュエルはやっぱえげつないわ。手札だってラストターンの時には余ってたし…」
薫「さてと、サイドデッキ弄らないとね…」
真由美「そうだった!私も今から弄るから…ここで離脱させてもらうわね」
翔太「うん、頑張ってね」
遊斗「負けたりしたら承知しないからな!」
真由美「いや、遊斗君に承知されなくてもなぁ…」
遊斗「酷いッ!?」
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運命も特に感じない決勝戦【覇王オッドアイズ魔術師】VS【霊魂トロール】
今回は、オチを考えるのに結構時間がかかったのがホントの話です。真由美さんらしさを出せたのではないかと思っています。
「いよいよね」
「はい」
ギリギリまでデッキ調整を進めていた私は、予定時刻を迎えて緊張していた。この戦いは今後の私の立場とかにも影響してくるから負ける訳にはいかない。
互いにデッキを渡し、シャッフルをしていると不意に義母さんが口を開いた。
「真由美さん」
「は、はい…」
「息子のどこら辺が好きなの?」
「ちょっ、お母さん!いきなり何言ってるんだよ!?」
「そこの外野!五月蝿いわよ!」
え!?いきなり面接ですか!?えーっと………
「まぁ…白状しますと……2つありまして」
「2つ?」
「はい、1つは……『ショタっぽい』ところです。何というか…庇護欲を掻き立てられると言いますか…」
「あ、分かるわその気持ち。優里香は芯がしっかりしてるんだけど、翔太はまだ顔が幼いというか……」
翔太君が顔を真っ赤にしている中、義母さんは悪戯っぽくウインクした。
「2つ目は?」
「えーっと…1つ目の逆で体の一部が『大人』ってところです。手が大きかったり///これから大人になる発展途上って感じの体が////」
「よし、面接合格!」
この答えでいいんだ。満面の笑みでサムズアップされたらこちらもちょっと反応し辛いんだけど。
「そして、シャッフルおしまい。さ、始めるわよ!私をがっかりさせないでね♪」
「あ…はい!頑張らせていただきます!」
時刻は17:00……緊張感に満ちたテーブルの上で私達はデュエルを開始した。
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
薫 LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!!」」
先攻か……攻撃の機会を与えてしまうとなるとこの手札では厳しい。いや、いっそ開き直るしかないだろう。
「私のターン!永続魔法『補給部隊』を発動!さらにモンスターを1体セット。カードを1枚伏せてターンエンド」
後は天に祈りを捧げるだけ………お願い!何とか生き残って!
「私のターンですね。ドロー!」
義母さんはブツブツ呟きながら手札を吟味していたが…すぐに手札の一枚のカードを二本の指で挟み、見せつけた。
「魔法カード『スター・ブラスト』を発動!500の倍数ライフを払い、自分の手札または自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選び、そのモンスターのレベルをエンドフェイズ時まで、払ったライフポイント500ポイントにつき1つ下げる。私が選んだカードはこのカード!」
ゲッ…『火之迦具土』!?
「2000ポイントと引き換えに、このカードのレベルを4つ下げる!」
薫 LP8000→6000
「さらに、魔法カード『トレード・イン』!手札のレベル8モンスターを墓地へ送り、デッキからカードを2枚ドローする!そして、儀式魔法『霊魂の降神』を発動!」
「!」
早い…あまりにも早すぎる。
「墓地のスピリットモンスターも儀式素材と出来る為、私は墓地のレベル8モンスター『霊魂鳥神─姫孔雀』を除外して儀式素材とする!儀式召喚!『霊魂鳥神─彦孔雀』!」
霊魂鳥神─彦孔雀 星8 ATK3000
「彦孔雀の効果発動!このカードが儀式召喚に成功した場合に発動できる。相手フィールドのモンスターを3体まで選んで持ち主の手札に戻す」
伏せカードは『メタルヴァレット・ドラゴン』…完全にしてやられたわ。
「その後、手札からレベル4以下のスピリットモンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚できる。先程レベルを下げた『火之迦具土』を召喚条件を無視して特殊召喚!」
火之迦具土 星8 ATK2800
そうか、強引だけどこの方法ならローリスクでフィールドに火之迦具土を確保出来る。そして…私の今の状態で攻撃を防ぐ事は出来ない。
「バトル!火之迦具土でダイレクトアタック!」
「うっ…!」
真由美 LP8000→5200
「火之迦具土が相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、次のターンのドローフェイズのドロー前に相手は手札を全て捨てる。続けて彦孔雀でダイレクトアタック!」
「これも通すしか…!」
真由美 LP5200→2200
あっという間に風前の灯火となったライフ。そして…次の私のターンで手札のカードが全滅する。何て事なの……
「火之迦具土に攻撃を大人しく通したって事はもう対抗策が無い…そういう事ね。少しがっかりだわ。私はこれでターンエンド。そして、エンドフェイズに彦孔雀は手札に戻り、私の場に霊魂鳥トークンが2体特殊召喚されます」
霊魂鳥トークン 星4 DEF1500
霊魂鳥トークン 星4 DEF1500
「私のターン!……ドローする前に手札を全て捨てます」
あぁ…せっかく手札にあった『調弦の魔術師』が……。
「(……)」
酷い手札…これじゃマトモに対抗出来ないじゃない。
「(……待てよ)」
さっき伏せたカードと組み合わせたら……行ける!
「魔法カード『強欲で貪欲な壺』!デッキトップからカードを10枚除外し、デッキからカードを2枚ドローする!さらに罠カード発動!『メタバース』!デッキからフィールド魔法カード1枚を選び、手札に加えるか自分フィールドに発動する。フィールド魔法『天空の虹彩』を発動!続けて『マグナヴァレット・ドラゴン』を召喚!」
マグナヴァレット・ドラゴン 星4 ATK1800
「天空の虹彩の効果発動!自分フィールドのカードを1枚破壊し、デッキからオッドアイズカードを1枚手札に加える!マグナヴァレットを破壊し私が手札に加えるのは『超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン』!さらに、モンスターが破壊された為、永続魔法『補給部隊』の効果が発動しカードを1枚ドローする!」
これが運命のドロー……こいこい!
「ドロー!………」
………待ってました!
「超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴンの効果発動!このカードを手札から捨ててライフを500払い、デッキからレベル8以下のドラゴン族ペンデュラムモンスター1体を手札に加える!『覇王眷竜ダークヴルム』を我が手に!」
真由美 LP2200→1700
「さらに、私はペンデュラムゾーンにダークヴルムをセット!」
覇王眷竜ダークヴルム ペンデュラムスケール5
「さらに、ダークヴルムのペンデュラム効果発動!1ターンに1度、自分フィールドにモンスターが存在しない場合に発動できる。デッキから覇王門ペンデュラムモンスター1体を選び、自分のペンデュラムゾーンに置く。ただしこの効果の発動後、ターン終了時まで自分は闇属性モンスターしかペンデュラム召喚できない。もう片方のペンデュラムスケールに『覇王門零』をセット!」
覇王門零 ペンデュラムスケール0
「スケール0〜5間でペンデュラム召喚!手札は残り1枚…そして、これが私の勝利への布石!チューナーモンスター『調弦の魔術師』!」
調弦の魔術師 星4 ATK0 チューナー
「調弦の魔術師…!よくあの状況で引いたわね…」
「調弦の魔術師の効果発動!このカードが手札からのペンデュラム召喚に成功した時に発動できる。デッキから調弦の魔術師以外の魔術師ペンデュラムモンスター1体を守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、フィールドから離れた場合に除外される!『虹彩の魔術師』を特殊召喚!」
虹彩の魔術師 星4 ATK1500
「レベル4の虹彩の魔術師と調弦の魔術師でオーバーレイ!エクシーズ召喚!いでよ、『覇王眷竜ダーク・リベリオン』!」
覇王眷竜ダーク・リベリオン ランク4 ATK2500
「バトル!ダーク・リベリオンで火之迦具土を攻撃!この瞬間、ダーク・リベリオンの効果発動!1ターンに1度、このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算前に、このカードのオーバーレイユニットを1つ使って発動できる。ターン終了時まで、その相手モンスターの攻撃力を0にし、その元々の攻撃力分このカードの攻撃力をアップする!」
「…あー……」
覇王眷竜ダーク・リベリオン ATK2500→5300
………あ、やべ
薫 LP6000→700
削り切れなかった…!
「……言ったはずよ。削る時は削り切れって」
「…」
「まず宣言するわ。返しのターンで私は貴女のライフを確実に削り切る。このターンで削り切れないのなら残念だけど貴女の実力不足ね…」
「………カードを1枚伏せてターンエンド。エンドフェイズにマグナヴァレットの効果でデッキから『メタルヴァレット・ドラゴン』を特殊召喚!」
覇王眷竜ダーク・リベリオン ATK5300→2500
メタルヴァレット・ドラゴン 星4 DEF1400
……流石に無理ね。この状況じゃどう頑張っても削り切れない。やっぱり強いわ…義母さん。
「このターンで決めてあげる!私のターン、ドロー!」
ごめんね…みんな。私……やっぱりドジのちんちくりんだったわ。
「真由美ちゃん、召喚するべきだったのは『覇王眷竜スターヴ・ヴェノム』だったわね。そうすればトークンも除去出来たし、もう少し多くライフを削れたわよ」
「……はぃ」
そう………
「(怪しいわね……その伏せカードに何か仕込んでいるかもしれない。でも、その仕草から見て……何も仕掛けてこないと見た!)魔法カード『儀式の下準備』を発動!デッキから儀式魔法を手札に加え、その後テキストに記載された儀式モンスターを手札に加える!『霊魂の降神』と『霊魂鳥神─姫孔雀』を手札に加える」
「………」
「最後はデュエルを終結させるに相応しいこのカードで決着をつけてあげるわ!儀式魔法『霊魂の降神』!手札の『霊魂鳥神─姫孔雀』を除外し『霊魂鳥神─彦孔雀』を儀式召喚!」
霊魂鳥神─彦孔雀 星8 ATK3000
「彦孔雀が儀式召喚に成功した場合に発動できる。相手フィールドのモンスターを3体まで選んで持ち主の手札に戻す。メタルヴァレットとダーク・リベリオンを手札に戻す!特殊召喚するカードは無いけど、真由美ちゃんのライフを削り切るには充分過ぎる数値!バトル!彦孔雀でダイレクトアタック!!!」
「─────トラップ発動!!!!!」
引っかかったなバーカ!!!
「!?」
「私が発動するカードは『王魂調和』!このカードは直接攻撃を受ける際に発動出来、その攻撃を無効にする!」
「ッ…!」
義母さんのプレイングミスに救われたわ!翔太君とは違って前髪が長めだから顔を隠せたのが功を奏した!
「その後、レベルの合計が8以下になるように、自分の墓地からチューナー1体とチューナー以外のモンスターを任意の数だけ選んで除外し、除外したモンスターのレベルの合計と同じレベルを持つシンクロモンスター1体を、エクストラデッキからシンクロ召喚扱いで特殊召喚する!墓地に眠るレベル4の黒牙の魔術師にレベル4の調弦の魔術師をチューニング!」
「……っ」
「《王者の鼓動、今ここに列を成す。天地鳴動の力を見るがいい!》シンクロ召喚!!!我が魂『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000
「このタイミングでレッド・デーモンズ…ですって!?」
「そう、このモンスターこそ絶対不動のエース。そして私の守護竜よ!」
「普通、この状況なら『覇王眷竜クリアウィング』だろ……」
「違うよ遊斗、真由美さんにとってレッド・デーモンズは特別なカードなんだ!頑張れー!真由美さ〜ん!」
トリはこのカードで無ければ務まらないわ。さぁ、反撃開始よ!
「ッ………ターンエンド。エンドフェイズに彦孔雀は手札に戻り、自分フィールドに霊魂鳥トークンを2体特殊召喚する!」
霊魂鳥トークン 星4 DEF1500
霊魂鳥トークン 星4 DEF1500
「あ…危なかった。トークンを攻撃表示に変更にして出してたら私が負けてたのね………」
「ダーク・リベリオンはエクシーズモンスター。そして、オーバーレイユニットになったペンデュラムモンスターは墓地へそのまま送られるから王魂調和を使えるって寸法です」
義母さんは嬉しそうな顔をしていた。無策での戦術だと思ったら罠に嵌められていたという展開に熱くなっているようにも見える。
「私のターン、ドロー!」
来た。このデュエルを終わらせるカード……無難な展開もアリだけど、どうせならレッド・デーモンズで…トドメを刺したい!
「メタルヴァレットを召喚し、バトルフェイズに入れば私は勝てる………でも」
「でも?」
「私自身が一番納得の行く方法で決着をつけたい…!」
「よく言ったわね。さぁ、いらっしゃい!」
義母さんも許してくれたし、行きますか!
「スケール0〜5間でペンデュラム召喚!来い、チューナーモンスター『レッド・リゾネーター』!『メタルヴァレット・ドラゴン』!」
レッド・リゾネーター 星2 ATK600 チューナー
メタルヴァレット・ドラゴン 星4 ATK1700
「レッド・リゾネーターが特殊召喚に成功した場合、1ターンに1度フィールドのモンスター1体を選択してその攻撃力分ライフを回復する!レッド・デーモンズ・ドラゴンを選択!」
真由美 LP1700→4700
レベル8のレッド・デーモンズ・ドラゴンにレベル2のレッド・リゾネーターをチューニング!《泰山鳴動!!山を裂き地の炎と共にその身を曝せ!!》シンクロ召喚!『琰魔竜 レッド・デーモン・ベリアル』!!!」
琰魔竜レッド・デーモン・ベリアル 星10 ATK3500
「レッド・デーモン・ベリアル…!」
「レッド・デーモン・ベリアルの効果発動!自分フィールドのモンスター1体をリリースし、自分の墓地のレッド・デーモンモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する!メタルヴァレットをリリース!今一度蘇れ!我が魂『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000
「バトル!レッド・デーモンズ・ドラゴンで霊魂鳥トークンを攻撃!《アブソリュート・パワー・フォース》!」
「ッ…!」
「レッド・デーモンズの効果発動!このカードが相手の守備表示モンスターを攻撃したダメージ計算後に発動する。相手フィールドの守備表示モンスターを全て破壊する。《デモン・メテオ》!!!」
これでトークンは全て取り除いた。レッド・デーモンズ・ドラゴンでは倒せなかったけど、満足かな。
「続けて、琰魔竜レッド・デーモン・ベリアルでダイレクトアタック!《割山激怒撃》!!!」
「あ〜ぁ!すっきりした!やっぱり嫌味言うのは性に合わないわ」
薫 LP700→0
************************
「やった……の?」
「おめっと〜。真由美ちゃんが店内大会優勝だよ〜」
や、やった!私勝ったわ!
「やったね!真由美さん!」
「ありがとう!翔太君!」
思わず翔太君を抱きしめてしまった私だが、すぐに義母さんの方へ体を向けた。
「ありがとうございました。素晴らしいデュエルでした」
「最後の展開は予想以上だったわ。貴女の信念とやら…しっかり見させてもらったわよ」
義母さんとも抱擁を交わした私は改めて握手した。
「不束者な息子ですが、どうか仲良くしてね」
「はい!ありがとうございます!」
次に待っていたのは遊斗君だった。頬をポリポリと掻きながら彼は壁に凭れかかった。
「今回はオレの負けだ。決着もつけられずに敗北するとは……残念だよ」
「正直、遊斗君と対峙したら勝てる自信なんて無いわよ」
「次は負けねぇからな!………と、言いたいところだが…しばしお別れだ」
「………え?」
気がつくと、店の前にはセバスティアンさんが停めた車があった。運転席では彼女がココアシガレットを咥えて待っている。
「親父とのデュエルの後、少し長期旅行する話になってね。一緒にアイスランドへ行くんだ。観光を楽しんだら次はフィンランドだ」
「そう…」
遊斗君の家族関係も修復されたみたいだし、私も安心かな。
「じゃ、北海道旅行楽しんでな!
「うん!じゃあね!」
「達者でな〜!」
「帰ってくるわアホ!」
なんだか楽しげな表情で遊斗君は車に乗り込んだ。少しずつギャラリーも減っていく中で、私は店長から景品を受け取った。
「北海道か…」
「ま、何とかなるよ」
「そうね!2人なら………」
そう言いながら顔を近づける私達の間に義母さんが割り込んできた。
「せっかくで悪いんだけど、この期に家族旅行にしない?実はチケット見せてもらってね……その日の予約3人分取っちゃったの♪」
「」
「」
そうか、翔太君のKYは母親譲りなのね………。
真由美「お疲れさ〜ん」
翔太「かなりギリギリの勝負だったね」
薫「やっぱりあの時、勝利を確信して全員攻撃表示で攻撃力低い順に殴っていけば勝てたのかしら?」
真由美「どの道、次のターンでレッド・リゾネーターを引いてましたので結末は変わらないかと」
薫「そうかしら…」
翔太「結果論だよ母さん」
薫「ま、そしたら『覇王眷竜クリアウィング』が飛んできそうだから怖いけどね」
真由美「でも…それでも強敵でした。正直勝てたのが奇跡です」
薫「ありがとう」
真由美「さてと、祝賀会でも開きますか!」
翔太「いいね!じゃあ帰ろうか!」
真由美「その前に!今回使ったデッキレシピ紹介!」
デッキ総枚数(42)
モンスター(21)
●超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン×2
●覇王眷竜ダークヴルム×3
●覇王門零×2
●亡龍の戦慄─デルトルドー×1
●終末の騎士×2
●メタルヴァレット・ドラゴン×2
●マグナヴァレット・ドラゴン×2
●虹彩の魔術師×2
●黒牙の魔術師×1
●調弦の魔術師×2
●レッド・リゾネーター×2
魔法カード(16)
●補給部隊×2
●クイック・リボルブ×3
●ハーピィの羽根帚×1
●リボルブート・セクター×1
●天空の虹彩×2
●増援×1
●オッドアイズ・フュージョン×1
●死者蘇生×1
●竜の霊廟×2
●テラ・フォーミング×1
●貪欲な壺×1
罠カード(5)
●メタバース×2
●神の通告×2
●王魂調和×1
EXモンスター(15)
●覇王眷竜スターヴ・ヴェノム×1
●オッドアイズ・ボルテック・ドラゴン×1
●琰魔竜レッド・デーモン・ベリアル×1
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×1
●邪竜星─ガイザー×1
●オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン×1
●レッド・ライジング・ドラゴン×1
●ダークリベリオン・エクシーズ・ドラゴン×1
●覇王眷竜ダークリベリオン×1
●ヴァレルロード・ドラゴン×1
●ツイン・トライアングル・ドラゴン×1
●アカシック・マジシャン×1
●プロキシー・ドラゴン×1
●セキュリティ・ドラゴン×1
●リンクリボー×1
真由美「まぁ、こんな感じです。まだまだ調整が必要よ」
翔太「うん…あっちこっち手を出し過ぎて取り返しのつかない感じだね」
薫「回せりゃいいのよ回せりゃ!それより早く行きましょう!」
真由美「そうね。じゃ、行きましょうか!」
翔太「うん!」
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真由美「禁止制限についてうんぬんかんぬん」翔太「その1!」
真由美「さて、今回はスペシャルと題しまして…今回の禁止制限内容を確認していきましょう!」
翔太「おー!」パチパチパチパチ
真由美「まず、リストはこちらとなります!」
2018年1月リミットレギュレーション
禁止
エンシェント・フェアリー・ドラゴン
制限
SPYRAL GEAR-ドローン
SPYRAL-ジーニアス
ダンディライオン
BF-隠れ蓑のスチーム
ファイアウォール・ドラゴン
SPYRAL RESORT
準制限
同族感染ウィルス
トーチ・ゴーレム
影霊衣の術士 シュリット
マスマティシャン
ローンファイア・ブロッサム
スケープ・ゴート
汎神の帝王
盆回し
神の警告
無制限
海皇の竜騎隊
増殖するG
ブラック・ホール
未来融合-フューチャー・フュージョン
翔太「うわぁ…露骨……」
真由美「では禁止カード順に解説していきましょう!」
禁止カード
●エンシェント・フェアリー・ドラゴン
真由美「遂に変態駄ウナギが禁止になったわね!」
翔太「エンシェント・フェアリー・ドラゴンが禁止かぁ……」
真由美「チューナーが『簡易融合』や手札でも効果を発揮する『灰流うらら』などから手軽に呼び出せるウナギよ。最近サーチ効果などを保有するフィールド魔法を持つコンセプトが増えて一気に価値が上昇。バトルフェイズを破棄する代わりに手札からモンスターを呼び出せる効果も相俟ってついに捌かれたわ」
翔太「裁く、ね」
制限カード
●SPYRAL GEAR-ドローン
●SPYRAL-ジーニアス
●SPYRAL RESORT
小林「嘘だぁああああああああああ!!!」
翔太「ざまぁああああああああああ!!!」
真由美「【SPYRAL】の投獄は確定してたけど、予想通りこの3枚が制限になったわ」
翔太「上2つは攻撃力500以下の機械族だから『機械複製術』1枚でザ・ダブルヘリックスに派生出来るのはセコイ」
小林「じゃあ機械複製術も制限にしろや」
真由美「【ブンボーグ】とか【サイバー・ドラゴン】とか【デコイチ】に迷惑かけて恥ずかしくないんですか?」
小林「有り金叩いて買ったのに……(涙)」
●ダンディライオン
真由美「今回はダンディライオンも制限に行く事になったわ。理由は後述」
翔太「なんで?」
真由美「詳しくは準制限で説明するわ」
●BF─隠れ蓑のスチーム
店長「隠れ蓑のスチームも制限か?」
真由美「水晶機巧─ハリファイバーの凶悪コンボが原因ね。具体的に言うと」
①隠れ蓑のスチームを通常召喚
②メインフェイズ2にこのカードをリンク素材に『副話術士クララ&ルーシカ』をリンク召喚。同時にスチームの効果でスチーム・トークンを特殊召喚。
③『副話術士クララ&ルーシカ』かスチーム・トークンをコストに隠れ蓑のスチームを蘇生
④それら2体をリンク素材に『水晶機巧-ハリファイバー』をリンク召喚。同時に再びスチーム・トークンを特殊召喚。
⑤『水晶機巧-ハリファイバー』の(1)の効果で適当なレベル3チューナーを特殊召喚。
⑥相手ターンに『水晶機巧-ハリファイバー』の(2)の効果で『アクセル・シンクロン』を特殊召喚
⑦『アクセル・シンクロン』の効果を使い『アクセル・シンクロン』+レベル3チューナー+スチーム・トークンで『水晶機巧-グリオンガンド』をシンクロ召喚
(出典:遊戯王カードWiki『BF─隠れ蓑のスチーム』より)
真由美「って流れが出来るの。アクセル・シンクロンではなくTG ワンダー・マジシャンを出して魔法・罠カードを除去しつつ、水晶機巧-グリオンガンドをシンクロ召喚することも可能よ」
店長「禁止だ禁止!ハリファイバーが最新のカードじゃなかったらハリファイバーもブタ箱行きだYO!」
真由美「(自虐かしら?)」
●ファイアウォール・ドラゴン
真由美「まさかの主人公のエースが制限行きになったわ」
翔太「満足ループとかトーチ・ゴーレムから複数体に繋げてバウンス仕掛けてくるからホント頭おかしい」
真由美「ターン1指定をしなかったのが原因ね。エラッタされて帰って来なさい」
後半に続く!
真由美「作者は現在、北海道旅行編を執筆中です。もうしばらくお時間がかかります」
翔太「大変申し訳ありません」
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真由美「禁止制限についてうんぬんかんぬん」翔太「その2!」
真由美「さて、ここまで禁止〜制限までを一通り解説しましたが…何故準制限及び制限解除を別途解説しようとしたかと言いますと、それだけ複雑な事情が絡んでいるからです」
翔太「複雑な事情って…モンニマイキザンキザンキザンシハンソロエテオラァ!って呪文みたいなのがあるって事?」
真由美「その通りよ。その中でも抜きん出てキチガイ性能を誇っていた【植物リンク】が原因なの。最初は『トポロジック・ボマー・ドラゴン』にスポットライトが当たった!…って喜んでたんだけどね」
翔太「取り敢えず、説明聞いても?」
真由美「いいわよ。じゃあ…いよいよ本番!魔法の言葉があなたを待ってるわ!」
準制限カード
●同族感染ウィルス
●影霊衣の術士 シュリット
●汎神の帝王
真由美「この3枚は緩和されたわ。おめでとう!」
翔太「同族感染ウィルスは相手ターンに使えたら出所不可だったね」
真由美「それでも種族統一デッキは今後も増えるから切り札にはなり得るわね。サイドに1枚入れておくと種族統一デッキ相手にジョーカーとして使える事間違い無しだわ!」
翔太「シュリットと汎神は環境が安定してきてきたので緩和…って感じですかね。それでもネクロスは強いからなぁ…」
真由美「因みに、次のパック『FLAMES OF DESTRUCTION』で帝王にテコ入れがあるわ。真帝王降臨とも相性がいいからこれからデュエルを始める方には是非オススメしたいわ!」
●トーチ・ゴーレム
真由美「言わずと知れた爆アドカードね。記念すべき最初の回でも紹介していたかしら?」
翔太「たった1枚からリンク4モンスターを2体並べられるキチガイだからなぁ」
真由美「【トーチテンペスト】や【ゴーレム】を皮切りに幾つもの派生コンボに繋げられるカードとして初期からコンボカードだったわ。リンク召喚が来てからは半ループコンボの要としてリンク召喚を中心としたデッキではほぼ必須カードに片足入れてるわね」
●盆回し
●神の警告
真由美「準制限に指定されたわね」
翔太「上は発動処理を行う効果を持つフィールド魔法を相手に送り付ける事でフィールド魔法ロックを行える。控え目に言ってやばいカードだね」
真由美「神の警告は単純に2000ライフコストで特殊召喚系の効果を封殺出来るカウンター罠というのが大きかったのかしらね…。盆回しは何かしら処分があるとは思ってたけど神の警告もか……」
●スケープ・ゴート
真由美「控え目に言ってチートカードね。1枚でファイアウォールを出せる時点で弱いはずがない」
翔太「でも、他にも使えるカードがあるから結局は抜けちゃう悲しいさだめを抱えているんだけどね」
真由美「それでも単純にボードアドバンテージを大幅に稼げるのはおかしいと思うわ。シンクロ時代でも使われる場面あったし」
●マスマティシャン
●ローンファイア・ブロッサム
真由美「さて、端折り気味になったけど…本番ね」
翔太「植物リンクってそんなに強いの?」
真由美「当たり前よ。必須カード1枚を含む2〜3枚の手札だけでワンキル決めてくるのよ!?規制かけるわよ!ヴェーラーゲーの再来かと絶望しかけたわよ!」
翔太「因みに、具体的なコンボを教えてください」
真由美「まぁ、私が考えた場合のデッキだけど、このカードの内どれか1枚とモンスターが引けたら勝ちね」
オフリス・スコーピオ
ローンファイア・ブロッサム
マスマティシャン
おろかな埋葬
真由美「コホン、じゃあ呪文行くわよ」
❶スコーピオ(ロンファ)+モンスターの場合
オフリス→オフリス効果でコブラ→コブラ効果で簡易サーチ→簡易でテセウス→テセウスとオフリスでハリファイバー→効果でスチームSS→スチームとコブラでケルビーニSS→スチーム効果でスチームトークン→ケルビーニ効果でダンディ墓地→ダンディ効果で綿毛トークン2体SS→ハリファイバーリリーススチーム蘇生→綿毛トークン2体でジャスミンSS→ジャスミン効果でスチームトークンリリースしてロンファ→ロンファ3体出したあとにダンディSS→ジャスミンとダンディでジャスミンSS→ダンディ効果で綿毛トークン2体SS→綿毛トークンジャスミンでジャスミンSS→綿毛トークンでリンクリ→リンクリスチームケルビーニでキュリオス→キュリオス効果でアマリリス墓地→ジャスミンとキュリオスでトポロジック
墓地にロンファx3 ダンディx2 ジャスミンx3 スコーピオ コブラで植物10体いるのでトポロジックとアマリリスで8000バーン
翔太「えぇ……」
真由美「そしてこっちがその2」
❷マスマティ+モンスターの場合
マスマティ→マスマティ効果でダンディ墓地→ダンディ効果で綿毛トークン2体SS→綿毛トークン2体でジャスミンSS→ジャスミン効果でマスマティリリースでロンファ→ロンファ3体出したあとにスコーピオ→スコーピオ効果でコブラ→コブラ効果で簡易サーチ→スコーピオとコブラでケルビーニSS→ケルビーニ効果でダンディ墓地→ダンディ効果で綿毛トークン2体SS→簡易でテセウスSS→テセウスとケルビーニでハリファイバーSS→ハリファイバー効果でバルブSS→綿毛トークンでリンクリSS→リンクリでセキュアSS→綿毛トークンとバルブで天輪SS→バルブ効果で自身SS→バルブとジャスミンでジャスミンSS→ジャスミンとセキュアと天輪でキュリオスSS→キュリオス効果でアマリリス墓地→キュリオスとハリファイバーでトポロジック
ロンファx3 ダンディx2 ジャスミンx2 バルブ オフリス コブラで墓地に植物10体いるのでトポロジックとアマリリスで8000バーン
真由美「❷はおろかな埋葬でもできるわ。けど少しズレていくからフォローは忘れずに」
翔太「ホントに呪文ですね」
真由美「ローンファイアは人類にはまだ早過ぎたわね…ホントはまだコンボがあるんだけど今回は割愛するわ」
無制限
●海皇の竜騎隊
●増殖するG
真由美「これも時代の変化かしら?竜騎隊が無制限に復帰したわ」
翔太「アビスの新規も来たしちょうどいいんじゃないかな?」
真由美「いや…また悪さするかもしれないわよ(ネプトアビスの悲劇)」
翔太「増殖するGの無制限化も、現環境の連続特殊召喚への対策として使えるしいい判断だね!」
真由美「ループコンボでデッキデス…」ガクブル
●ブラック・ホール
●未来融合-フューチャー・フュージョン
真由美「ブラック・ホールだって今じゃ何枚も入れたとしても展開力の阻害にしかならないし、無制限復帰も悪くないんじゃない?」
翔太「未来融合も場に維持するのが手間だからあまり使えないのが致命的だよね」
真由美「こんな感じね。現環境は」
翔太「ありがとう!今後の参考になりそうだよ!」
真由美「F○CK YOU 【SPYRAL】、さよならウナギ」
翔太「主人公のエースが制限か……エラッタされて帰って来て欲しいものだね」
真由美「それじゃあ、またね!」
翔太「バイバーイ!」
真由美「1月の次の禁止制限について私が予言してみようと思います。あくまで今回までのカードでの予言ですのでアテにしないように!」
禁止
水晶機巧─ハリファイバー
理由:1枚で一気にアドを回復しつつシンクロチューナーをリクルートしてくるパワーカード。B級戦犯。
制限
彼岸の悪鬼─スカラマリオン
理由:ケルビーニの影響で手軽に落とせるようになった。今後のレベル3悪魔族でさらに凶悪なモンスターが出る可能性が否定できないので制限行き。
超天新龍オッドアイズ・レボリューション・ドラゴン
理由:このカードと攻撃力1200のモンスターがあるだけで後攻ワンキルを決められるチートカード。天空の虹彩で簡単にサーチ出来る点を考慮し制限行き。
準制限
無し
真由美「気になるところを挙げたらこんな所かしらね」
翔太「今後、さらにパワーカードが出るかもしれないけど楽しく遊戯王が出来る環境を作れるようにして欲しいね!」
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北の大地ってやっぱ貧乏くさい【リボルバー風ドラゴン】
「ん〜♪ここが北海道か〜」
「家内がすまない」
「いえ、お気遣いなく」
結局、諸星一家全員と一緒に北海道に来る羽目になった私は、北海道の空気を吸って…盛大にむせた。結構自然が多いイメージの北海道だが札幌はかなりの割合で開発されており、排気ガス臭かったりする。雪が完全に真っ白な所なんてそれこそ田舎に行かなければならない。
「JRで行く?それともレンタカーで行く?」
「俺はレンタカーで行きたい。バスと列車を待っていたら疲れるだろ?」
「はーい!私はJRで行きたいでーす!せっかくだし気分を味わいたいわ!」
子供っぽい義母さんと現実的な義父さんの対比がちょっと面白い。義父さん…義母さんに振り回されて結構疲れてるみたい。さっきだって義母さんが飛行機の中で全く落ち着きが無くて途中から目が死んでたし。
「お母さん、どっちも乗ればいいじゃん」
観光に来ているのに過去問から目を離さない優里香ちゃんの提案によりJRで札幌駅まで行ってからレンタカーに乗る事になったのだった…
******************
「ん〜!ここが札幌駅…!来た甲斐があったわね〜!」
駅弁を食べながら電車に揺られる事40分。札幌駅に到着した。やはり雪が汚い所為で景観が良いかと言われたら微妙な線だが、札幌駅の外観は綺麗だった。義母さんはさっきからずっとインスタントカメラで手当たり次第に撮影している。
「真由美さん、すまないんだけど運転頼む」
「いいわよ。車運転できるの私しかいないみたいだし」
義父さんも運転免許持ってないみたいだし、ここは私がしっかりしないと!
「ひぃっ!?」
6人乗りの車を借りて定山渓に目指して走らせていたが、早々にスリップしてしまった。雪なんてこんな路面を分厚い氷で凍結させる程降らないから走り方が全く分からなかった…というのが原因だった。
「ねーちゃん、大丈夫か?」
「あ、ありがとうございます」
幸いスリップしただけだったので何処にもぶつかっていない。ショックから立ち直ろうとしていた時に外から親切そうな老人が声をかけてくれた。
「雪道を走る時は車間距離を開けて、ブレーキを数回に分けて素早く踏むんだぞ」
「ありがとうございます!」
雪道の運転の仕方を教えてもらった後は普通に運転できるようになった。ただ、すごい緊張する。私だけ事故るならいいが翔太君と家族を事故らせるわけにはいかない。
「途中で何処かで小腹を満たさない?」
「いいですね!そうしましょう!」
義父さんは義母さんの聞き役に徹し過ぎた為にダウンして寝ているし、優里香ちゃんは車酔いしたのか過去問をカバンに入れてボーッと外を見ている。こんな時でも童心のままはしゃぐ義母さんの体力は尊敬できる。
「そういえば南区に美味しいスイーツショップがあるらしいんだけど行く?」
「いいですね、じゃあそっちの方向で」
向かった先は定山渓に行く過程で通る南区のとあるスイーツショップ。ログハウス風の店内には手作り感満載のお菓子やケーキが並んで美味しそうだ。
「へぇ…噂には聞いた事あるけどシュー生地の一部が匙として使えるシュークリームねぇ……」
翔太君のナイス采配のおかげで義母さんと優里香ちゃんは満足げにスイーツを味わう事が出来た。私も食べてみたけど、ちょっと甘過ぎるけどこれはこれでジャンクな味で好きだった。
******************
美味しいスイーツを食べた後は車を走らせて定山渓を目指す……途中で私の目には例のアレが映ってしまった。
「すみません……一件寄り道していいですか?」
「ん?どこかな?」
義母さんが眠り、代わりに義父さんが起きたタイミングで私は提案した。実は先程、翔太君にも耳打ちして賛成済み。
「大型のリサイクルショップがあるみたいでして…そちらで少々遊んで来ても……」
「ふむ、長丁場だからね。息抜きは必要だろう。翔太と行ってきなさい」
「私は残るかな〜…今断捨離中だし」
というわけで義父さんが運転席に座り、私と翔太君は藤野にある某大型リサイクルショップに入った。
「凄いわね……じゃんじゃかうるさいわ」
「うん…僕らの住んでる町にこんな店無いもんね」
私は例のジュラルミンケースを肩に担ぎ、迷わず遊戯王コーナーに向う。
「あったあった!」
私のお目当てのカードは無事見つかった。
「なんですかそれ?」
「ふっふっふー、このカードはね……【ヴァレット】使いにとって嬉しい効果を持つLINK-2のドラゴン族モンスターよ!」
その名も『ブースター・ドラゴン』!ヴァレットモンスター2体という召喚条件と微妙な攻撃力がネックだけど侮る事なかれ。モンスターを対象にした効果と墓地蘇生効果を持つリンクモンスターなの!
「すみませーん!このショーケースの35番を2枚くださーい!」
早速購入して新作のデッキに入れた私は、デュエルスペースに陣取った。1回戦くらいなら…出来ると思う。
「翔太君、やろうよ!」
「オッケー!ちゃっと済ませて行こう!」
早速デッキをセットして私達は戦いの火蓋を切って落とした。
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
翔太 LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!!」」
先攻はもらった!
「私の先攻!」
手札も悪くない。仕掛けるわよ!
「手札の『デフラドラグーン』の効果発動!手札のこのカード以外のモンスター1体を墓地へ送り、このカードを特殊召喚出来る!」
「早速新規カードの宣伝か……!」
紹介しよう。デフラドラグーンとは手札1枚コストにした特殊召喚効果とデフラドラグーン以外の同名モンスター3枚が揃っている場合にその3枚を全て除外して自身を蘇生する効果を持つ。手札消費は激しいが使いやすいドラゴンである。
「『バックグランド・ドラゴン』を墓地へ送り、このカードを特殊召喚!」
デフラドラグーン 星3 ATK1000
「さらに、『ゲートウェイ・ドラゴン』を召喚!」
ゲートウェイ・ドラゴン 星4 ATK1600
「ゲートウェイ・ドラゴンの効果発動!1ターンに1度、手札からレベル4以下の闇属性ドラゴン族モンスター1体を特殊召喚出来る!『スニッフィング・ドラゴン』を特殊召喚!」
スニッフィング・ドラゴン 星2 ATK800
「スニッフィング・ドラゴンが召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから同じモンスターを1枚手札に加える!召喚条件はレベル4以下のドラゴン族2体!デフラドラグーンとスニッフィングでリンク召喚!『ツイン・トライアングル・ドラゴン』!」
ツイン・トライアングル・ドラゴン LINK-2 ATK1200 リンクマーカー【右・下】
「ツイン・トライアングル・ドラゴンの効果発動!このカードがリンク召喚に成功した時、ライフを500払い、自分の墓地のレベル5以上のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する!この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、このターン攻撃できない。『バックグランド・ドラゴン』を墓地から特殊召喚!」
真由美 LP8000→7500
バックグランド・ドラゴン 星5 ATK1600
バックグランド・ドラゴンは墓地に存在し、自分フィールドにカードが存在しない場合に墓地の自身と手札のレベル4以下のドラゴン族モンスター1体を守備表示で特殊召喚する効果を持つ。ただし、この効果で特殊召喚したバックグランド・ドラゴンはフィールドから離れた場合に除外される。巻き返す力がある優秀なモンスターである。
「このカードの召喚条件は効果モンスター2体以上!そして、ツイン・トライアングルは2体分のリンク素材としても扱える!ツイン・トライアングル・ドラゴン、バックグランド・ドラゴン、ゲートウェイ・ドラゴンでリンク召喚!来い、『トポロジック・ボマー・ドラゴン』!」
トポロジック・ボマー・ドラゴン LINK-4 ATK3000 リンクマーカー【上・左下・下・右下】
「カードを1枚伏せてターンエンド」
「よーし、じゃあ僕のターンだ!ドロー!」
次は翔太君のターン。冷静に立ち回れば倒せない相手じゃないわ。デッキはちゃんと把握している…なんとでも──
「『霊獣使いの長老』を召喚!」
え……?
霊獣使いの長老 星2 ATK200
「このカードが召喚に成功したターン、自分は通常召喚に加えて1度だけ、自分メインフェイズに霊獣モンスター1体を召喚できる!『精霊獣カンナホーク』を召喚!」
精霊獣カンナホーク 星4 ATK1400
「カンナホークは1ターンに1度、自分メインフェイズにデッキから霊獣カード1枚を除外する。発動後2回目の自分スタンバイフェイズに、この効果で除外したカードを手札に加える。僕は『霊獣の連契』を除外!」
れ、【霊獣】……だと!?突然の初見デッキに驚いていた時、パタパタと駆け足と共に見覚えのある人物がやって来た。
「やっぱり!!!お兄ちゃん!私のデッキを勝手に使わないでよ!」
「え?」
と、このタイミングで乱入してきたのはまさかの優里香ちゃんだった。え?このデッキ…妹さんの!?
「だってさ、優里香。遊戯王も断捨離したって言ってたよな?」
「お兄ちゃんズルイ!私だってホントは真由美さんとデュエルしたかったのに!」
優里香ちゃん……断捨離出来てないじゃない。でも、こんな時くらい羽目を外して欲しいし………よし!こうしよう。
「翔太君!優里香ちゃんとチェンジ!」
「えーっ!?」
「優里香ちゃん、私と戦いましょう!」
せっかくの旅行なんだもの!優里香ちゃんとも仲良くなりたい。受けてくれるわよね?デュエリストなら!
「…………ぅ〜…」
過去問とデッキを交互に見つめる優里香ちゃんだったが…結局、過去問に付箋を入れて本を閉じた。
「お兄ちゃん、退いて」
「よし!優里香が本気になった!」
「あとお兄ちゃん、【霊獣】の使い方下手っぴ」
翔太 LP8000→優里香 LP8000
小さく毒づいた優里香ちゃんは翔太君の座っていた椅子に座ると手札と盤面を確認し、動き出した。
「このカードは霊獣モンスター2体をリンク素材に要求します!長老とカンナホークで───」
っていうか、ちゃっかり新規買ってるじゃないの!断捨離出来てないわよ優里香ちゃん!そして、やらせはしない!
「速攻魔法発動!『クイック・リボルブ』!デッキからヴァレットモンスター1体を特殊召喚するわ!『マグナヴァレット・ドラゴン』を特殊召喚!」
マグナヴァレット・ドラゴン 星4 ATK1800
「トポロジック・ボマー・ドラゴンの効果発動!このカードがモンスターゾーンに存在し、フィールドのリンクモンスターのリンク先にこのカード以外のモンスターが特殊召喚された場合に発動する。お互いのメインモンスターゾーンのモンスターを全て破壊する!」
「!!!」
「砕け散れ!《フルオーバーラップ》!!!」
よし、取り敢えず一丁上がり。第1波は切り抜けた。でも、間違いなく第2波が次に来る……!
「ならバトルフェイズに突入します!速攻魔法『ライバル・アライバル』を発動!自分・相手のバトルフェイズに発動できる。モンスター1体を召喚する!私は『精霊獣使いウィンダ』をトポロジックのリンク先に召喚!」
精霊獣使いウィンダ 星4 ATK1600
「そして、ウィンダでトポロジックを攻撃!」
「え?優里香!そんな事したらトポロジックの効果が発動して……」
「お兄ちゃん。トポロジックのバーン効果は自分から攻撃した時だけ」
「あ、そうだ」
優里香 LP8000→6600
「ウィンダの効果発動!このカードが相手によって破壊された場合、エクストラデッキから霊獣モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚出来ます!いでよ、『聖霊獣騎ガイアペライオ』!!!」
聖霊獣騎ガイアペライオ 星10 ATK3200
「バトル!ガイアペライオでトポロジック・ボマー・ドラゴンを攻撃!」
「───ッ!」
真由美 LP7500→7300
一筋縄では行かないわね。これは……!
「カードを1枚伏せてターンエンドです」
「エンドフェイズにデッキから次弾装填!『メタルヴァレット・ドラゴン』を特殊召喚!」
メタルヴァレット・ドラゴン 星4 ATK1700
でも、手札を十分に使わせた。こちらと同じく手札を消費する傾向がある霊獣は手札が命。展開を防いだこの状況はまさに好機だった。
「私のターン、ドロー!」
よし、いいカードだ。
「チューナーモンスター『レッド・リゾネーター』を召喚!」
レッド・リゾネーター 星2 ATK600 チューナー
「レッド・リゾネーターが召喚に成功した場合、手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する!スニッフィング・ドラゴンを特殊召喚!」
スニッフィング・ドラゴン 星2 ATK800
「このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキから同名カードを1枚手札に加える!レベル4のメタルヴァレットにレベル2のレッド・リゾネーターをチューニング!シンクロ召喚!シンクロチューナー『瑚之龍』!」
瑚之龍 星6 ATK2400
「瑚之龍の効果発動!1ターンに1度、手札を1枚捨てフィールドのカードを1枚破壊する!ガイアペライオを破壊!」
「ッ……!」
「レベル2のスニッフィング・ドラゴンにレベル6の瑚之龍をチューニング!《王者の鼓動、今ここに列を成す。天地鳴動の力を見るがいい》!!!シンクロ召喚!我が魂『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000
「よりによって素レモン……!」
「そう、これが私の正真のエース!バトル!レッド・デーモンズ・ドラゴンでダイレクトアタック!《アブソリュート・パワー・フォース》!!!」
「……!」
優里香 LP6600→3600
「私はこれでターンエンド!」
どうよ!これがレッド・デーモンズの力!
「……必殺技とか堂々と言える貴女のメンタルすごいですね」
「それは言わない約束!」
さて、デュエルは折り返し地点に入りかけている。私のエースの攻撃で優里香ちゃんのライフは大きく削られた。レッド・デーモンズを維持できれば勝ち。でも、そんな事はさせないだろう。
「エンドフェイズに罠カード発動『霊獣の騎襲』!自分の墓地のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から、霊獣使いモンスターと精霊獣モンスターをそれぞれ1体ずつ対象として発動できる。対象のモンスターを守備表示で特殊召喚する。このカードの発動後、ターン終了時まで自分は霊獣モンスターしか特殊召喚できない。墓地からカンナホークと長老を特殊召喚!」
やっぱり!これはマズイ…反撃してくる……!
精霊獣カンナホーク 星4 ATK1400
霊獣使いの長老 星2 ATK200
「私のターン、ドロー!カンナホークは1ターンに1度、自分メインフェイズにデッキから霊獣カード1枚を除外する。発動後2回目の自分スタンバイフェイズに、この効果で除外したカードを手札に加える。私は『精霊獣アペライオ』を除外!このカードは霊獣使いと精霊獣を除外する事で融合召喚出来る!『聖霊獣騎カンナホーク』を融合召喚!」
聖霊獣騎カンナホーク 星6 ATK1400
カンナホークには2つの効果がある。
まず、「1ターンに1度、除外されている自分の霊獣カード2枚を対象として発動できる。そのカードを墓地へ戻し、デッキから霊獣カード1枚を手札に加える」サーチ効果。
もう一つはほぼ全ての聖霊獣騎に備わった「このカードを持ち主のEXデッキに戻し、除外されている自分の霊獣使いモンスター1体と精霊獣モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。この効果は相手ターンでも発動できる」フリーチェーンの分離効果。
また、厄介な事に効果処理時にこの効果で戻すカードのうち片方がすでに存在しない場合でも残りのカードを墓地に戻してサーチ効果を使用できるという裁定が出ている。これを利用し、「除外された霊獣2枚を対象に(1)の効果を発動→チェーンして霊獣1枚と別の霊獣を対象に(2)の効果を発動」とチェーンを組むことで、墓地に送る霊獣を1枚だけにできる。
「騎カンナホークの効果発動!除外されている『霊獣使いの長老』と『精霊獣アペライオ』を墓地へ戻してデッキから霊獣カードを1枚手札に加えます!それにチェーンして騎カンナホーク第2の効果を発動!長老とカンナホークを対象にし、この2体を特殊召喚!」
精霊獣使いウィンダ 星4 ATK1600
精霊獣カンナホーク 星4 ATK1400
「騎カンナホークの効果を処理。『精霊獣使いウェン』を手札に!さらに、このカードは霊獣モンスター2体でリンク召喚出来る!『聖霊獣騎キムンファルコス』をリンク召喚!」
聖霊獣騎キムンファルコス LINK-2 ATK1800 リンクマーカー【左下・右下】
「キムンファルコスの効果発動!自分の墓地から霊獣カード1枚を除外して発動できる。手札から霊獣モンスター1体を召喚する!ウィンダを除外してウェンをキムンファルコスのリンク先に召喚!」
霊獣使いウェン 星3 ATK1500
「キムンファルコスはリンク先のモンスターに攻守600を付与します!」
霊獣使いウェン ATK1500→2100
「ウェンの効果発動!このカードが召喚に成功した場合、除外されている自分の霊獣モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する!除外したウィンダをリンク先に特殊召喚!」
精霊獣使いウィンダ 星4 ATK1600→2200
「バトル!ウィンダでレッド・デーモンズ・ドラゴンを攻撃!」
「────っ、やられた」
優里香 LP3600→2800
「ウィンダの効果で私はEXデッキから『聖霊獣騎ガイアペライオ』をリンク先に特殊召喚!」
聖霊獣騎ガイアペライオ 星10 ATK3200→3800
「きっちりお返しします!ガイアペライオでレッド・デーモンズを攻撃!!!」
「うっ!?」
真由美 LP7300→6500
「続けて、ウェンとキムンファルコスでダイレクトアタック!!!」
真由美 LP6500→2600
「ターンエンド!行けます!押し返してみせます!」
「やるわね……」
やっぱりやられたかー…ま、やられたらやり返すけどね!
「私のターン、ドロー!」
来た…このデュエルを無慈悲に終わらせるカードが……!
「墓地の『バックグランド・ドラゴン』の効果発動!このカードが墓地に存在し、私のフィールドにカードが無い場合、このカードと手札のレベル4以下のドラゴン族モンスター1体を特殊召喚する!手札の『スニッフィング・ドラゴン』を特殊召喚!」
バックグランド・ドラゴン 星5 ATK1600
スニッフィング・ドラゴン 星2 ATK800
「『マグナヴァレット・ドラゴン』を召喚!」
マグナヴァレット・ドラゴン 星4 ATK1800
「このカードの召喚条件はレベル4以下のドラゴン族モンスター2体!マグナヴァレットとスニッフィングでリンク召喚!『ツイン・トライアングル・ドラゴン』をリンク召喚!」
ツイン・トライアングル・ドラゴン LINK-2 ATK1200 リンクマーカー【右・下】
「ツイン・トライアングル・ドラゴンの効果発動!このカードがリンク召喚に成功した時、ライフを500払い、自分の墓地のレベル5以上のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する!この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、このターン攻撃できない。蘇れ!我が魂『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」
真由美 LP2600→2100
レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000
「このカードの召喚条件は効果モンスター2体以上!レッド・デーモンズ・ドラゴン、バックグランド・ドラゴン、ツイン・トライアングル・ドラゴンを素材にリンク召喚!『トポロジック・ボマー・ドラゴン』!!!」
トポロジック・ボマー・ドラゴン LINK-4 ATK3000 リンクマーカー【上・左下・下・右下】
「墓地の『デフラドラグーン』の効果発動!このカードが墓地に存在する場合、自分の墓地からこのカード以外の同名モンスター3体を除外して発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。『スニッフィング・ドラゴン』を3枚除外しトポロジックのリンク先に特殊召喚!」
「あ……」
デフラドラグーン 星3 ATK1000
「この瞬間、トポロジックの効果発動!このカードがモンスターゾーンに存在し、フィールドのリンクモンスターのリンク先にこのカード以外のモンスターが特殊召喚された場合に発動する。お互いのメインモンスターゾーンのモンスターを全て破壊する。ただしこのターン、このカード以外の自分のモンスターは攻撃できない!《フルオーバーラップ》!!!」
「そんな!?」
これでメインモンスターゾーンのモンスターは全て制圧した。さぁ、〆にかかるとしよう!
「バトル!トポロジック・ボマー・ドラゴンでキムンファルコスを攻撃!《終極のマリシャス・コード》!!!」
「ぅぁっ……!」
優里香 LP2800→1600
「トポロジック・ボマー・ドラゴンの効果発動!このカードが相手モンスターを攻撃したダメージ計算後に発動する。その相手モンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える!《エイミング・ブラスト》!!!」
「…参りました」
優里香 LP1600→0
****************
「見事な腕前ですね。母さんが負けたのも頷けます」
「優里香、連契をサーチして伏せれば展開妨害出来たのに何でやらなかったの?」
「ついライフを削る事を優先するあまり受け身な戦術を捨ててしまった私のミスです。かくいう私もデッキの回し方をド忘れしてしまいまして…反省しないと」
「ブランクがあったから勝てただけよ。現役の頃はもっと強かったと思うと恐ろしいわね」
優里香ちゃんとも握手して私達は車に戻った。車内に戻ると、夫婦仲良く身を預けて寝ていた。すごく仲のいい夫婦なのね……私も翔太君とそんな関係になりたいなぁ。
「じゃあ、起こさないように安全運転でいきましょうか!」
「「おー(小声)」」
温泉旅行はまだ始まったばかりだ。
真由美「いや〜、負けるところだった……」
優里香「大袈裟ですよ。連契選んでいても負けてたと思いますよ?」
翔太「いやいや、優里香なら勝てたと思うけど」
真由美「翔太君は」
優里香「どっちの味方なの?」
翔太「……すんません」
真由美「って事で今回はVRAINSにてリボルバーが使ったデッキを私なりにアレンジして組んでみました!」
翔太「マスター用とスピード用にリゾネーターが混ざったデッキだったね!」
真由美「まぁ///レモン出せなきゃ私らしくないからね」
優里香「真由美さんってアレですね。火薙ぎの剣が付いたソレイユの武器を勇者の剣に変えるタイプ」
真由美「辛辣ッ!?」
デッキ総枚数(42)
モンスター(22)
●レッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴン×1
●亡龍の戦慄─デストルドー×1
●バックグランド・ドラゴン×2
●ゲートウェイ・ドラゴン×3
●霊廟の守護者×1
●マグナヴァレット・ドラゴン×3
●メタルヴァレット・ドラゴン×3
●デフラドラグーン×2
●スニッフィング・ドラゴン×3
●レッド・リゾネーター×3
魔法カード(15)
●クイック・リボルブ×3
●竜の霊廟×2
●ハーピィの羽根帚×1
●死者蘇生×1
●ソウルチャージ×1
●竜の渓谷×2
●リボルブート・セクター×1
●盆回り×2
●コール・リゾネーター×2
罠カード(5)
●前線復帰×3
●タクティカル・エクスチェンバー×2
EXデッキ(15)
●トポロジック・ボマー・ドラゴン×2
●トポロジック・トゥリスバエナ×1
●デコード・トーカー×1
●パワーコード・トーカー×1
●ツイン・トライアングル・ドラゴン×2
●水晶機巧ハリファイバー×1
●ダーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン×1
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×1
●瑚之龍×2
●レッド・ライジング・ドラゴン×1
●魔界闘士バルムンク×1
●波動竜フォノン・ドラゴン×1
真由美「基本的にドラゴン族で展開しつつ強力なリンクモンスターやシンクロモンスターに繋げて倒すのがセオリーね」
翔太「スニッフィング、バックグランド、デフラの3枚が上手く噛み合ってるね」
優里香「ヴァレットも同名カードを墓地に落としやすいモンスターだから優秀ですね。タクティカル・エクスチェンバーを使えば後続を残しやすくなりますし」
真由美「ただ、特殊召喚封じをやられるとどうしようもないのが欠点ね。まぁ、そうなったら開き直るしかないわね」
翔太「それは僕のデッキも」
優里香「私のも同じですから」
真由美「まだまだ続きますのでこれからも応援よろしくね!」
3人「「良いお年を〜!」」
遊斗「ハッピーニューイヤー!……え?違う?」
セバス「間違えました」
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北の大地ってやっぱ貧乏くさい(後編)【タッグデュエル大会】
「とーちゃーく!」
途中、何度かスリップしかけたり優里香ちゃんのくしゃみで義父母さんを起こしてしまったりとアクシデントはあったものの、無事に定山渓温泉に到着した。小さい土産物店やガソリンスタンド、コンビニがある程度で結構シャッターが降りた店が多い。全盛期はもっと人が多かったのではと思うとちょっと残念。
「父さん、母さん。着いたよ」
「ん……もう着いたの?」
「ぁぁぁ……随分と寝てしまったな」
某宿泊施設に着いた私達は取り敢えず必要な荷物を持ち、車を預けて受付に向かった。
「はい、チェックアウトは……(以下略)」
和洋折衷の6人定員の部屋に泊まる事になり、私達は従業員に連れられて部屋に入った。
「すごいわねぇ」
「陽介さん!液晶テレビがあるわ!」
「そうだなぁ、ブラウン管を改造して誤魔化してたからな」
そういえば…!諸星家にあった違和感はそれだったのね!どうやって改造したのかは触れないでおこう。
「じゃあ早速お着替えして入浴しましょ!」
「男子はそっちで着替えてね〜」
早速男女に分かれて着替えを始めた……んだけど。
「ちょっと真由美ちゃん!何そのおっぱい!?メロン!?メロンなの!?」
「羨ましい……」
実は私の胸>優里香ちゃんの胸+義母さんの胸だったらしい。さっきから執拗に指でツンツンされている。
「とにかく!早くお風呂入りましょう!」
取り敢えず、つっつき攻撃から逃れるべく私は浴衣に着替えて廊下に出た。
***************
「はぁ〜……なんかマトモにお風呂に入るの久しぶりね〜…」
「(浮いてるわね)」
「(うん、浮いてる)」
独立して久しぶりにお風呂に入った気がする。いつもシャワーだったし…温泉なんて実は初めて。中学高校と修学旅行は高熱出して行けなかったからなぁ。
「ねぇ、真由美ちゃん」
「何でしょう?」
ふと、義母さんが私の隣に座った。てっきり風呂場で泳ぐような愚行でも起こすのかと思っていたけど、腐っても大人らしい。
「息子はまだ高校生よ。養ってでも結婚したいっていう気持ちは分かったけど…実際大変じゃない?」
「まぁ…そうですけど、何とかなると思いますよ。今までだってカードにお金を費やしながらちゃんとやりくり出来てたし…」
「翔太の話では貯金が殆どないって聞いてたんだけど?」
ギクッ……やっぱりバレてたか。どう言い訳しようかと考えて居たが…義母さんは意外にも毒のない笑みを浮かべていた。
「じゃあ、交渉してみない?」
「交渉?」
イヤーな予感を感じながら聞き返すと…
「単刀直入に言えば、私達のお家に住んで欲しいの。一緒に暮らしてくれる代わりに生活費とか私も工面してあげるわ」
「あ、それいい!真由美さん、一緒に暮らそうよ!」
「いきなり人生の分岐点!?」
翔太君と2人っきりで暮らすのではなく翔太君の実家で暮らすという事か。でも、悪くない話だ。生活費とか出してくれるみたいだし、みんな意地悪な人じゃないし……。
「もし私がヨボヨボのおばあちゃんになったら遠慮なく老人ホームに放り込んでいいから介護の必要はないわ。殆どノーリスク」
いや、義母さんはリスクしか無いじゃん。
「ただし、遺産の取り分は妹に60%よ。いい?」
「飛躍し過ぎです。義母さん……」
そもそもこんな場所で言う話ではないんじゃないの……?
「分かりました。翔太君と相談してみますが前向きに検討させてください」
そう答えると義母さんと優里香ちゃんは嬉しそうに私に抱きついてきた。やれやれ……これから大変になりそうね。
「♪〜」
「ひ、酷い目にあった……」
胸を守るように腕で隠しながら気持ち早めに部屋を目指して歩いているとスマホが鳴った。
「陽介さんは?」
「バイキングの席取りに行ったみたいです」
「私達も行きましょう!」
義父さんが資金提供してくれたおかげでバイキングに行けるようになった私達はホクホクとした気分で向かった。
「こうして見ると個性って出るものなのねぇ」
それぞれに欲しいものを盛り付けて戻って来たが…義父さんは徹底した和食中心、義母さんはステーキを中心とした茶色いものとフルーツ、優里香ちゃんはイタリアン、翔太君はバランスの取れたメニューとなっている。因みに私は自分のお腹の分量は分かっているので最初にお腹を八分目にするくらいの量で全種持って来た。後で食べたいものを少しずつ摘んでいくのが私のスタイル。
「翔太君、美味しいわね」
「うん、真由美とこうして楽しめるなんて夢にも思わなかったよ」
もぐもぐと食事を味わいながら私達はゆっくりとバイキングを楽しんだ。
******************
「はぁ〜、食べたわねぇ……」
部屋に戻ると義母さんが布団に横たわり、お腹を摩った。従業員さん…本当にありがとう。
「そうだ、真由美ちゃん…いつものジュラルミンケースは持って来てるの?」
「はい、こちらに!」
義母さんに話を振られたので私は隠していたジュラルミンケースをテーブルの上に置き、解錠した。中に揃ったカードを一通り眺めた義母さんは私の肩をポンと叩いた。
「よし!タッグデュエルするわよ!」
「いきなり!?」
「真由美ちゃんと翔太の愛を確かめてあげるわ!」
えぇ……もう義母さんとは戦いたくないんだけど。
「2人には私と陽介さんの2人のタッグデュエルを受けてもらうわ!」
「薫……俺は遊戯王やった事ないんだが…」
「私が手取り足取り教えるから安心して」
しかも片方ど素人じゃない!大丈夫なの!?
「まぁ、私一人で二人とも相手にしてもいいんだけど今回は『愛を確かめ合う』事がテーマだから、私は陽介さんと一緒にデュエルしたいの」
「薫…足手まといになるかもしれないが頑張らせてもらうよ」
「えぇ…私が支えるわ」
「あー……お熱いお熱い」
優里香ちゃんはハブられた事を悟り、過去問を開いていた。哀れ…
「申し訳ないんだけど、陽介さんにデッキを組ませて欲しいの。ケースのカードを数十枚貸してくれないかしら?」
「いいですよ、私はもう使うデッキが決まってますので」
陽介さんのデッキがどんなものになるのか楽しみに思いながら私と翔太君はネタバレを避ける為に離れた場所に座った。
20分後……
「出来たわ。早速やりましょう!」
「負けないぞ!」
テーブルに着いた私と翔太君はラブラブぶりを発揮しながらデッキをセットする義父母に対峙した。
「翔太君、連携するわよ。私のフォローを頼むわね」
「御意」
こうして夫婦(仮)と夫婦のデュエルが始まった。
「「デュエル!!!」」
真由美&翔太 LP8000
薫&陽介 LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!!」」
「ありがとう陽介さん///」
「はは、大人気なかったかな?」
「うわ、セコい……」
義父さんの微妙な遅出しじゃんけんで先攻を奪われてしまった。まぁ、攻撃出来るのなら……
「先攻は陽介さんよ。さ、私が教えた通りに動いて♪」
「分かった。俺のターン…、どれ……まずは手札を4枚伏せるとしよう」
え?4枚伏せる?……まさか
「『インフェルニティ・デーモン』を召喚!」
ふざけんな!なーに初心者に【インフェルニティ】使わせてんのよ!?っていうか、義母さんあんな短時間でデッキの回し方教えたの!?
「さらに伏せていた魔法カード『ダウンビート』を使おう。なになに……自分フィールドの表側表示モンスター1体をリリースして発動できる。リリースしたモンスターと元々の種族・属性が同じで元々のレベルが1つ低いモンスター1体をデッキから特殊召喚する。薫…何を召喚すればよかったんだ?」
「ネクマン」
「それだそれ。デーモンをリリースして『インフェルニティ・ネクロマンサー』を特殊召喚!」
横から教えるのはNGなんだけど…まぁ、ど素人が【インフェルニティ】使ってるんだしよしとするか。
インフェルニティ・ネクロマンサー 星3 DEF2000
「ネクロマンサーの効果を使おう。手札が0枚の時、墓地のインフェルニティを一体蘇生する。『インフェルニティ・デーモン』を特殊召喚」
インフェルニティ・デーモン 星4 ATK1800
「さて…この後はどうするのだ?」
「デーモンの効果で永続魔法『インフェルニティガン』をサーチするの!」
補足説明すると、インフェルニティ・デーモンは手札が0枚の時に自身が手札に加わると特殊召喚でき、手札が0枚の時に特殊召喚に成功するとデッキからインフェルニティカードを1枚サーチできる。厄介なカードだ。
「そうだったな。インフェルニティガンを手札に加え、発動!さらにデーモンとネクロマンサーをリンク素材にリンク2『LANフォリンクス』をリンク召喚」
LANフォリンクス LINK-2 ATK1300 リンクマーカー【左下・右下】
「永続魔法『インフェルニティガン』の効果発動!手札が0枚の時、このカードを墓地へ送り、墓地のインフェルニティを2体蘇生する!ネクロマンサーとデーモンを蘇生しデーモンの効果を使う!『インフェルニティ・デストロイヤー』を手札に加える!」
「あっ」
インフェルニティ・デーモン 星4 ATK1800
インフェルニティ・ネクロマンサー 星3 DEF2000
よし、サーチ先を間違えた!これ以上の展開は無い…はずだ。
「参ったな…これじゃなかったなぁ……」
義母さんが頭を抱えている。まぁ、今がチャンス!よね。
「仕方ない。リンク2のLANフォリンクスとデーモンで『トロイメア・ユニコーン』をリンク召喚しよう」
トロイメア・ユニコーン LINK-3 ATK2200 リンクマーカー【左・下・右】
げっ!?まだ展開出来る!?
「トロイメア・ユニコーンの効果発動!このカードがリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨て、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを持ち主のデッキに戻す。手札のミラージュを捨てて俺の伏せカード1枚をデッキに戻す」
「ヤバッ……」
「さらに、ネクロマンサーの効果で墓地からデーモンを特殊召喚しミラージュを手札に加える」
インフェルニティ・デーモン 星4 ATK1800
義父さん…意外とデュエル上手いかも。冷静にカードを使いこなせてる。
「リンク3のユニコーンとネクロマンサーで『ファイアウォール・ドラゴン』をリンク召喚!」
ファイアウォール・ドラゴン LINK-4 ATK2500 リンクマーカー【上・左・下・右】
「まだ行くぞ!魔法カード『死者蘇生』!『インフェルニティ・ネクロマンサー』をファイアウォールのリンク先へ特殊召喚!」
インフェルニティ・ネクロマンサー 星3 DEF2000
「さらにデーモンとネクロマンサーで『トロイメア・フェニックス』をリンク召喚!」
トロイメア・フェニックス LINK-2 ATK1900 リンクマーカー【上・右】
「さらに、リンク先のモンスターが墓地へ送られた事でファイアウォール・ドラゴンの効果発動!このカードのリンク先のモンスターが、戦闘で破壊された場合、または墓地へ送られた場合に発動できる。手札からモンスター1体を特殊召喚する!手札から『インフェルニティ・ミラージュ』を特殊召喚!」
インフェルニティ・ミラージュ 星1 ATK0
「ミラージュの効果発動!ミラージュは墓地から蘇生できないが手札が0枚の時に自身をリリースする事で墓地からインフェルニティを2体蘇生出来る。デーモンとネクロマンサーを特殊召喚!」
インフェルニティ・デーモン 星4 ATK1800
インフェルニティ・ミラージュ 星3 DEF2000
「デーモンの効果で『インフェルニティ・ビートル』を手札に加え、デーモンとリンク2のフェニックスで『トライゲート・ウィザード』をリンク召喚!」
トライゲート・ウィザード LINK-3 ATK2200 リンクマーカー【上・左・右】
「さらにリンク先のモンスターが墓地へ送られた事でファイアウォールの効果発動!手札からチューナーモンスター『インフェルニティ・ビートル』を特殊召喚!」
インフェルニティ・ビートル 星2 ATK1200 チューナー
なんかすごい回ってるんですけどー!
「ビートルの効果発動!手札が0枚の時にこのカードをリリースする事でデッキから同名モンスターを2体まで特殊召喚する!」
インフェルニティ・ビートル 星2 ATK1200 チューナー
インフェルニティ・ビートル 星2 ATK1200 チューナー
「ネクロマンサーの効果で俺はデーモンを特殊召喚!」
インフェルニティ・デーモン 星4 ATK1800
「デーモンの効果で俺は『インフェルニティ・ビショップ』を手札に加える。このカードは手札がこのカードのみの場合に手札から特殊召喚出来る!」
インフェルニティ・ビショップ 星4 ATK1000
「ビートルとネクロマンサーで『トロイメア・ゴブリン』を特殊召喚!」
トロイメア・ゴブリン LINK-2 ATK1300 リンクマーカー【左・右】
「さらにビートルとビショップで『トロイメア・ケルベロス』をリンク召喚!」
トロイメア・ケルベロス LINK-2 ATK1900 リンクマーカー【上・左】
「そしてこれで終いだ!魔法カード『星遺物を継ぐもの』を発動!墓地のモンスター1体を自分のリンクモンスターのリンク先へ特殊召喚する!ケルベロスの上のリンク先に『トロイメア・ユニコーン』を特殊召喚!」
トロイメア・ユニコーン LINK-3 ATK2200 リンクマーカー【左・下・右】
「嘘……これって」
エクストラリンク!?自分が選択したエクストラモンスターゾーンからもう片方のエクストラモンスターゾーンまでが全て相互リンク状態で繋がっている場合、もう一つのエクストラモンスターゾーンも占有できるというルールだ。しかも今のところ、こちらは『相互リンクしているモンスターを効果対象に出来ず効果破壊出来ない上に相手ターンになると1枚除外され、相手ターンを含め1度だけファイアウォールの相互リンクの数までバウンスされてしまう』という状況だ。
「よくできました!」
「ありがとう、俺はターンエンドと行こう」
さて、ここまでよくやってくれた…と思う。だからこそ……!
「反撃と行きますか!」
その布陣を正面から叩き潰す気も起きるって訳よ!
「私のターン、ドロー!」
いいカードだわ!このカードならば!
「魔法カード『召喚魔術』を発動!手札のモンスターを融合素材として融合召喚を行う!私が素材にするのは『召喚師アレイスター』と『ヴォルカニック・バレット』!融合召喚!ファイアウォールのリンク先へ来い!『召喚獣プルガトリオ』!」
召喚獣プルガトリオ 星7 ATK2300
「!」
「プルガトリオの攻撃力はフィールドの相手フィールドのカードの数×200アップする。また、このカードは相手モンスター全てに1回ずつ攻撃でき、守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える!」
「陽介さん!止めて!!!」
「わ、分かった!ファイアウォールの効果発動!このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度だけ、このカードと相互リンクしているモンスターの数まで、自分または相手の、フィールド・墓地のモンスターを対象として発動できる。そのモンスターを持ち主の手札に戻す!この効果は相手ターンにも使える!俺はプルガトリオを手札に戻す!」
「あっ……バトルフェイズに」
「えー…今止めろって言ったじゃないか」
ふっふっふ…気付いたみたいね!でも、もう遅い!
「墓地のバレットの効果発動!このカードが墓地に存在する場合、
自分のメインフェイズ時に1度、500ライフポイントを払う事で、
デッキから同名カード1体を手札に加える」
真由美&翔太 LP8000→7500
「手札から2枚目の魔法カード『召喚魔術』を発動!召喚獣融合モンスターを融合召喚する場合、自分フィールド及び自分・相手の墓地のモンスターを除外して融合素材とする事もできる!!!」
「なっ……!?」
「ヴォルカニック・バレットとアレイスターを除外して…もう一度来い!『召喚獣プルガトリオ』!」
召喚獣プルガトリオ 星7 ATK2300
「そして、相手の場にはエクストラリンクを含めて計5体のモンスター!よって攻撃力は……!」
召喚獣プルガトリオ ATK2300→3300
「攻撃力3300……!」
「バトル!プルガトリオでトロイメア・ゴブリンを攻撃!」
「っ……!」
薫&陽介 LP8000→6000
召喚獣プルガトリオ ATK3300→3100
「続けて!プルガトリオでケルベロスを攻撃!」
「これは……!?」
薫&陽介 LP6000→4800
召喚獣プルガトリオ ATK3100→2900
「もう一発!プルガトリオでトライゲートを攻撃!」
「全然楽勝じゃないじゃないか!!!」
薫&陽介 LP4800→4100
召喚獣プルガトリオ ATK2900→2700
「まだまだ!プルガトリオでファイアウォールを攻撃!」
「ごめんなさい!違うパターンの方がよかったわ……!!!」
薫&陽介 LP4100→3900
召喚獣プルガトリオ ATK2700→2500
「これでラスト!プルガトリオでユニコーンを攻撃!!!」
「っ……やれやれ」
薫&陽介 LP3900→3600
召喚獣プルガトリオ ATK2500→2300
これでライフを大きく削り、フィールドも全壊。手札はたっぷり4枚使ってしまったけどまだまだ行ける…と思う!
「カードを1枚伏せてターンエンド」
後は翔太君の為に見せ場を作っておこう。そうすれば私達の絆をちゃんと証明出来る!
「私のターンよ!ドロー!陽介さん…私がしっかりフォローしてあげるから!儀式魔法『霊魂の降神』!手札のモンスターを素材に『霊魂鳥神─彦孔雀』または『霊魂鳥神─姫孔雀』を儀式召喚出来る!私は手札の『和魂』と『羅刹』を素材に『霊魂鳥神─姫孔雀』を儀式召喚!」
霊魂鳥神─姫孔雀 星8 ATK2500
召喚獣プルガトリオ ATK2300→2500
「姫孔雀の効果発動!にチェーンして和魂の効果発動!自分フィールドにスピリットモンスターがいる場合にこのカードが墓地へ送られた時、デッキからカードを1枚ドローする!そして姫孔雀の効果を処理…儀式召喚に成功した場合、相手の魔法・罠カードを3枚までデッキに戻す!真由美ちゃんの伏せカード1枚をデッキに戻すわ!……ふふふ、いいカードを除去出来たわ♪」
「やっぱり強い……!」
デッキに戻されたのは『王者の調和』…翔太君の為に残しておきたかったんだけどなぁ……。
「そして、この効果を発動後…デッキからレベル4以下のスピリットモンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する!『天岩戸』を特殊召喚!」
天岩戸 星4 ATK1900
「そして永続魔法『霊魂の拠所』発動。このカードがある限り、自分フィールドのスピリットモンスターの攻守を500アップする!」
霊魂鳥神─姫孔雀 ATK2500→3000
天岩戸 ATK1900→2400
召喚獣プルガトリオ ATK2500→2700
「バトル!姫孔雀でプルガトリオを攻撃!」
「くっ……!」
真由美&翔太 LP7500→7200
「さっきのお返しよ!天岩戸でダイレクトアタック!」
真由美&翔太 LP7200→4800
「カードを1枚伏せてターンエンド。エンドフェイズに姫孔雀を手札に戻し、霊魂鳥トークンを2体特殊召喚するわ!さらに拠所の効果!自分フィールドの表側表示の風属性モンスターが自分の手札に戻った場合に発動できる。デッキからスピリットモンスター1体または儀式魔法カード1枚を手札に加える。私は『霊魂の降神』を手札に加える」
霊魂鳥トークン 星4 DEF1500
霊魂鳥トークン 星4 DEF1500
やっぱ強い……連携すら組む余裕が無い。と言っても私ではもうどうしようもない。翔太君…頼んだわよ。
「今日は僕の試作デッキが相手だ!ドロー!魔法カード『精神操作』を発動!相手モンスター1体のコントロールをエンドフェイズまで得る!僕は天岩戸のコントロールを奪う!」
「やられた……!」
天岩戸 薫&陽介→真由美&翔太 ATK2400→1900
「チューナーモンスター『ニトロ・シンクロン』を召喚!」
ニトロ・シンクロン 星2 ATK300 チューナー
「このカードは通常召喚に成功した時に手札から特殊召喚できる!『ワンショット・ブースター』を特殊召喚!」
ワンショット・ブースター 星1 DEF0
「レベル1のワンショット・ブースター、レベル4の天岩戸にレベル2のニトロ・シンクロンをチューニング!シンクロ召喚!『ニトロ・ウォリアー』!」
ニトロ・ウォリアー 星7 ATK2800
「ニトロ・シンクロンがニトロシンクロモンスターのシンクロ素材になった時、デッキからカードを1枚ドローする!」
「げっ!丸ごとブチ抜いてく気!?」
義母さんの言う通りだ。ニトロ・ウォリアーは限定的だが連続攻撃能力を備え、2回目の際に守備モンスターを狙えば強制的に攻撃表示にできる。まさにうってつけのモンスターだ。
「バトル!ニトロ・ウォリアーで霊魂鳥トークンを攻撃!」
「通すしかない……!」
よし、伏せカードは攻撃に対抗するカードじゃないみたいね!いけるわ!
「ニトロ・ウォリアーの効果発動!このカードの攻撃によって相手モンスターを破壊したダメージ計算後に発動できる。相手フィールド上に表側守備表示で存在するモンスター1体を選択して攻撃表示にし、そのモンスターにもう1度だけ続けて攻撃できる!もう1体のトークンを攻撃表示にしもう一度攻撃!!!」
「流石にキツイわね……!!!」
薫&陽介 LP3600→2300
「僕はこれでターンエンド!」
なんとかモンスターは残せた。次のターンでニトロ・ウォリアーを引き継げればデッキトップ操作で義父さんの展開を阻止出来る!
「俺の番か…参ったな。デッキトップのカードに全てを託さないと行けないとは……」
義父さんは肩を竦めつつデッキトップを捲ると…墓地のカードを確認してからモンスターを裏守備で伏せた。
「モンスターを伏せてターンエンド」
「次は私のターンか、ドロー!」
ニトロ・ウォリアーを引き継げたのは大きい。このまま攻めていきたいわね!
「バトル!ニトロ・ウォリアーで伏せモンスターを攻撃!」
「伏せモンスターは『インフェルニティ・ガーディアン』!手札が0枚の時、破壊されない!」
「げっ!?」
インフェルニティ・ガーディアン 星4 DEF1700
「カードを1枚伏せてターンエンド」
「……ならばそれを正面から叩くのみ!私のターン、ドロー!」
一番のヤマ場だ。さぁ、私の思惑通りに動いて来い!
「4800程度のライフなら余裕で削り切れるわ!儀式魔法カード『霊魂の降神』を発ど───」
来た───絶好のチャンス!
「カウンター罠発動!『封魔の呪印』!手札から魔法カードを1枚捨てる。魔法カードの発動と効果を無効にし、それを破壊する。相手はこのデュエル中、この効果で破壊された魔法カード及び同名カードを発動する事ができない!『シャッフル・リボーン』を捨て、『霊魂の降神』を封印する!」
これが儀式スピリットへの対抗手段!これで義母さんは儀式召喚が封じられた!!!
「すごいよ真由美!」
「まぁ、絡繰さえ分かれば後は妨害するだけって話よ!」
思わず苦虫を噛み潰したような顔をする義母さんだったが、観念したのか霊魂の降神を捨てた。これで切り札は封じた。
「ならプランを変更するわ。伏せていた魔法カード『トレード・イン』を発動!手札のレベル8モンスターである姫孔雀を捨て、2枚ドロー!」
ま…まだ戦えるの!?
「私のデッキが儀式でしか戦えないと思ったら大間違いよ!『河伯』を召喚!」
河伯 星4 ATK1800→2300
「このカードが召喚に成功した時、モンスター1体を『スピリット』モンスターにする!」
「なっ……!?」
ニトロ・ウォリアー スピリット化
「カードを1枚伏せてターンエンド。エンドフェイズに河伯の効果でスピリットになったモンスターは手札に戻る…ま、私のモンスターもエンドフェイズに手札に戻るんだけどね」
上手いことやられた。ニトロ・ウォリアーをバウンスされてさらに謎の伏せカードまで追加された。やっぱり義母さんのデュエルは予測できない。
「(場には効果が起動していない守備力1700のインフェルニティ・ガーディアンと伏せカード1枚…あの伏せカードは恐らく『霊魂の円環』…3600を削るのは難しい。でも、真由美が伏せてくれたカードがまだ生きている!)僕のターン、ドロー!」
翔太君!頼んだわよ!
「『サイバース・ガジェット』を召喚!」
サイバース・ガジェット 星4 ATK1400
「このカードの召喚に成功した時、墓地のレベル2以下のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。チューナーモンスター『ニトロ・シンクロン』を特殊召喚!」
ニトロ・シンクロン 星2 DEF100 チューナー
「召喚条件はチューナーを含めたモンスター2体!ニトロ・シンクロンとサイバース・ガジェットでリンク召喚!『水晶機巧─ハリファイバー』!」
水晶機巧─ハリファイバー LINK-2 ATK1500 リンクマーカー【左下・右下】
「ハリファイバーの効果にチェーンして墓地のサイバー・ガジェットの効果発動!このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。自分フィールドに『ガジェット・トークン』1体を特殊召喚する。
ガジェット・トークン 星2 DEF0
「ハリファイバーの効果を処理。このカードがリンク召喚に成功した場合、デッキからレベル3以下のチューナーモンスター1体を特殊召喚できる!『幻影王ハイド・ライド』を特殊召喚!」
幻影王ハイド・ライド 星3 ATK1500 チューナー
「レベル2のガジェット・トークンにレベル3のハイド・ライドにをチューニング!シンクロ召喚!リンク先に現れろ!シンクロチューナー『アクセル・シンクロン』!」
アクセル・シンクロン 星5 DEF2100 チューナー
ここまで都合よくコンボが繋がってる…後は翔太君の引き次第!
「アクセル・シンクロンの効果発動!デッキからシンクロンモンスター1体を墓地へ送り、そのレベル分このカードのレベルを上げるか下げる事が出来る!『ジェット・シンクロン』を墓地へ送り、アクセル・シンクロンのレベルを1つ上げる!」
アクセル・シンクロン 星5→6
「さらに手札の『泣き神の石像』の効果発動!墓地からチューナーモンスター1体を除外して手札から特殊召喚できる!」
泣き神の石像 星2 ATK0
「レベル2の泣き神の石像にレベル6のアクセル・シンクロンをチューニング!シンクロ召喚!リンク先に飛翔せよ!『スターダスト・ドラゴン』!」
スターダスト・ドラゴン 星8 ATK2500
すごいわね…翔太君。あの状況からスターダスト・ドラゴンを呼び出せるなんて!
「バトル!スターダスト・ドラゴンでインフェルニティ・ガーディアンを攻撃!」
「通す!」
「続けて、ハリファイバーでダイレクトアタック!」
「させないわよ!手札から『バトル・フェーダー』の効果発動!このカードを手札から特殊召喚する事でバトルフェイズを強制終了する!」
バトル・フェーダー 星1 DEF0
「僕はこれでターンエンド」
次は義父さんのターン。ノーマークで大丈夫だと思うけど。
「俺のターン、ドロー!」
義父さんは引いたカードをじっと見つめ、ウンウン唸っていたが……
「カードを1枚伏せ、さらに今伏せた魔法カード『ZERO-MAX』を発動!自分の手札が0枚の場合、自分の墓地に存在するインフェルニティ1体を選択して発動する事ができる。選択したモンスターを特殊召喚し、特殊召喚したモンスターの攻撃力より低い攻撃力を持つ、フィールド上に表側表示で存在するモンスターを全て破壊する。このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行う事ができない!」
「しまっ───!」
しまった。スターダスト・ドラゴンは『効果によって破壊されるモンスターが発動したタイミングにて存在する場合は発動できる効果』!ZERO-MAXじゃ効果を適用できない!!!
「無念……!」
チェーンしてハリファイバーの効果で『フォーミュラ・シンクロン』をリクルートしようにもタイミングを逃してしまう。完全にやられた…!
「俺は墓地から『インフェルニティ・デストロイヤー』を特殊召喚!」
インフェルニティ・デストロイヤー 星6 DEF1000
「そして、ZERO-MAXの効果でハリファイバーを破壊する!」
あっさりこちらの目論見は外れ、逆に処理されてしまう……ということは、翔太君は何らかのメッセージを残したに違いない。
「俺はこれでターンを終了する」
「(あー……なるほどね)」
しかも墓地には除外する事でインフェルニティを守る効果を持つインフェルニティ・ビショップが用意されている。でも、今の行為は……間違いない!翔太君はデッキ構築の時に私に持たせたあのカードを待っている!ならば!引くしかあるまい!
「私のターン、ドロー!」
「……すごい調子だな。何をしでかしてくるのやら」
そう、しでかしてやるのよ!今いいカードを引いたから!!!
「魔法カード『バラエティ・アウト』を発動!」
「!」
「バラエティ・アウトは、自分フィールド上に表側表示で存在する
シンクロモンスター1体をエクストラデッキに戻して発動する。
レベルの合計がそのシンクロモンスターのレベルと同じになるように、自分の墓地に存在するチューナーを選択して自分フィールド上に特殊召喚する!ただしこのカードを発動するターン、自分はシンクロ召喚をする事ができない。スターダスト・ドラゴンをデッキに戻し、墓地から『アクセル・シンクロン』・『ニトロ・シンクロン』・『ジェット・シンクロン』を特殊召喚!」
アクセル・シンクロン 星5 DEF2100 チューナー
ニトロ・シンクロン 星2 DEF100 チューナー
ジェット・シンクロン 星1 DEF0 チューナー
「召喚条件は効果モンスター2体以上!アクセル・シンクロン、ニトロ・シンクロン、ジェット・シンクロンでリンク召喚!来い!『トポロジック・トゥリスバエナ』!」
トポロジック・トゥリスバエナ LINK-3 ATK2500 リンクマーカー【上・左下・右下】
「さらに、墓地の『ジェット・シンクロン』の効果発動!手札を1枚捨てる事でこのカードを墓地から特殊召喚できる!リンク先に特殊召喚!」
ジェット・シンクロン 星1 DEF0 チューナー
「この瞬間、トゥリスバエナの効果発動!このカードのリンク先にモンスターが特殊召喚された場合に発動する。そのモンスター及びフィールドの魔法・罠カードを全て除外し、この効果で除外した相手のカードの数×500ダメージを相手に与える!義父母さんのフィールドには魔法・罠カードが2枚!」
因みに除去したもう一枚のカードは『霊魂の降神』。ブラフだったのね。
薫&陽介 LP2300→1300
「そして、墓地のバレットの効果発動!このカードが墓地に存在する場合、自分のメインフェイズ時に1度、500ライフポイントを払う事で、デッキから同名カード1体を手札に加える。」
真由美&翔太 LP4800→4300
「そして、通常召喚!『ヴォルカニック・バレット』!」
ヴォルカニック・バレット 星1 ATK100
「さらにリンク召喚!召喚条件は効果モンスター2体以上!そして、トゥリスバエナはリンク素材3体分扱いとなる!トゥリスバエナとバレットでリンク召喚!いでよ!『トポロジック・ボマー・ドラゴン』!」
トポロジック・ボマー・ドラゴン LINK-4 ATK3000 リンクマーカー【上・左下・下・右下】
「やられた……」
「バトル!トポロジック・ボマー・ドラゴンでデストロイヤーを攻撃!《必滅のプロミネンス・ストリーム》!」
「墓地の『インフェルニティ・ビショップ』の効果発動!自分の手札が0枚である限り、自分フィールドのインフェルニティモンスターが戦闘・効果で破壊される場合、代わりに墓地のこのカードを除外できる!」
無駄よ!何故なら……!
「このカードが相手モンスターを攻撃したダメージ計算後に発動する。その相手モンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える!」
「えー……それズルくない?」
「ズルくない」
薫&陽介 LP1300→0
*********************
結局、優里香ちゃんも我慢できず飛び入り参戦しながら家族+私で親睦を深めた後、もう一回温泉に入って就寝した。
「優里香…なんで間に入るの?」
「私まだおばさんになりたくないもーん」
何故か大きなイベントがあると思い込んだ優里香ちゃんが私と翔太君の間に割り込んだ。まぁいいかと思いつつ私と翔太君はぐっすりと眠ったのだった……。
真由美「次回は帰りがてら私達のタッグのデッキレシピを紹介します」
翔太「お待たせしてすみませんでした!」
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北の大地からお暇しまして
「ん〜!おはよう」
朝一番に起きたと思ったらもう既に義父さんが着替えを終えて新聞を読んでいた。早いわね……。
「日課でね。早寝早起きを習慣にしているんだ。まぁ、昨日は親睦会だから遅めに寝たんだ」
「そうでしたか……」
「まぁ、家内にはずっと家で仕事ばかりさせていたからね。羽を伸ばしてやりたかったんだ」
ちょうどそのタイミングで義母さんが起きて……
「あいたっ!?」
ベッドから転げ落ちた。布団の感覚で起きようとしたからなのか単に寝相が悪いのかは不明だが、いずれにせよ痛そうだ。
「陽介さんも真由美ちゃんも起きてたのね…………」
「他所ではあまり眠れなくて」
私達年長3人組が起きて緑茶を飲みながら新聞の内容でやいのやいの言っていると、遅れて翔太君と優里香ちゃんも起きてきた。
「おはよー…」
「真由美…起きてたの?」
「えぇ、2人ともいい寝顔だったわよ♪」
さてと、私も少しくらいお返ししなくちゃね。
「では、私がコーヒーを振る舞うとしましょう!」
実は、こんな時のためにと店で挽いたコーヒーを持ってきてるんだよな〜(勿論、その分のお代は払ってます)。お湯足りるかな……。
「ごちそうさま、美味しかったわ」
「コーヒーは軟水で入れた方が味がまろやかになるんです。参考になれば幸いです」
私なりに豆の配合をやってみたんだけど、満足してくれたみたい。飲み干してくれた。
「それじゃあ、今日の旅の計画を───」
「薫、レンタカーを返さなきゃいけないよ。もう帰らなきゃ」
「えー!豊平峡のカレーは!?時計台観光は!?函館の五稜郭は!?」
「母さん飛躍し過ぎ」
*********************
新千歳空港
愚図る義母さんを義父さんが慰めながら改札まで来た私達だったが、最悪のタイミングで吹雪が始まった。突発的らしいからすぐ止むだろう。
「しばらく動かないんだってさ」
「やった!今日帰るのはやめて小樽にでも───」
「薫、この天気じゃJRもやってないだろ?」
「むー…」
「仕方ない、少し待って動かなかったら近くのビジネスホテルにでも泊まろう。仕事はキャンセルを入れるしかないな」
「私もバイト先に電話しなきゃ」
義父さんがしばらく受付と話をしていたが、ふと優里香ちゃんの視線を感じた。
「真由美さん」
「なぁに?」
「昨日のデュエルで使ったデッキを見せて欲しいな」
「いいわよ」
私はバラバラにせず確保していたデッキをテーブルを広げた。
真由美:【召喚獣シンクロ】
デッキ総枚数(40)
モンスター(18)
●こけコッコ×2
●召喚師アレイスター×1
●フォトン・スラッシャー×2
●TG ワーウルフ×3
●トリックスター・リリーベル×1
●TG ストライカー×2
●レッド・リゾネーター×2
●ヴォルカニック・バレット×3
●ミラー・リゾネーター×1
●ジェット・シンクロン×1
魔法カード(18)
●暴走魔法陣×2
●トリックスター・ライトステージ×1
●盆回り×2
●召喚魔術×3
●コール・リゾネーター×2
●シャッフル・リボーン×1
●おろかな埋葬×1
●増援×1
●貪欲な壺×1
●ワン・フォー・ワン×1
●バラエティ・アウト×1
●簡易融合×1
●コズミック・サイクロン×1
罠カード(4)
●封魔の呪印×2
●王者の調和×1
●神の宣告×1
EXデッキ(15)
●召喚獣メルカバー×1
●召喚獣メガラニカ×1
●召喚獣プルガトリオ×2
●召喚獣コキュートス×1
●召喚獣ライディーン×1
●テセウスの魔棲物×1
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×1
●スターダスト・チャージ・ウォリアー×1
●瑚之龍×1
●トポロジック・ボマー・ドラゴン×1
●トポロジック・トゥリスバエナ×1
●暴走召喚師アレイスター×2
●水晶機巧ハリファイバー×1
「リンク・シンクロ・融合を混ぜたデッキね。メインデッキは鳥獣・魔法使い・炎・機械・悪魔・戦士・獣戦士・天使とバラけさせる事で暴走魔術師を召喚しやすく工夫しつつそれぞれに特殊召喚ギミックやサーチギミックを組み込んだ事で三種の召喚に派生しやすくしたわ」
「そういえば、真由美ちゃんはバラエティ・アウトを組み込んでたわね」
「バラエティ・アウトはフィールドにモンスターを増やせるので効率よくリンク召喚が出来るんですよ。ただし、シンクロ召喚は出来ませんがその点はリンクや融合に使用すれば問題ありません」
書店で買っていたクロスワードに飽きた義母さんも会話に加わってきた。
「因みに、手札融合なら『召喚師アレイスター』+『ジェット・シンクロン』+手札1枚でプルガトリオを経由してレッド・デーモンズが出せるようになってます」
「なるほど……」
義母さんは翔太君のデッキも気になったらしい。それに気づいたようで翔太君もデッキを公開してくれた。
【現代版シンクロン】
デッキ総枚数(40)
モンスター(22)
●クイック・シンクロン×3
●サイバース・ガジェット×3
●幻影王ハイド・ライド×1
●ジャンク・シンクロン×2
●泣き神の石像×3
●ボルト・ヘッジホッグ×2
●ジャンク・アンカー×1
●ニトロ・シンクロン×1
●ワンショット・ブースター×2
●ブースト・ウォリアー×2
●ジェット・シンクロン×1
●グローアップ・バルブ×1
魔法(12)
●調律×3
●コズミック・サイクロン×1
●増援×1
●ワン・フォー・ワン×1
●貪欲な壺×1
●手札抹殺×1
●簡易融合×1
●おろかな埋葬×1
●精神操作×1
●ソウル・チャージ×1
●バラエティ・アウト×1
罠カード(5)
●戦線復帰×2
●神の宣告×1
●緊急同調×1
●神の通告×1
EXデッキ(15)
●シューティング・スター・ドラゴン×1
●スターダスト・ウォリアー×1
●スターダスト・ドラゴン×2
●フルール・ド・シュヴァリエ×1
●クリアウィング・シンクロ・ドラゴン×1
●ニトロ・ウォリアー×1
●瑚之龍×1
●ドリル・ウォリアー×1
●ジャンク・ウォリアー×1
●アクセル・シンクロン×1
●フォーミュラ・シンクロン×1
●水晶機巧ハリファイバー×2
●ジャンク・コレクター×1
「僕のデッキは昔ながらの【シンクロン】にリンクモンスターを添えたタイプだよ。シンクロンの展開をサポートするためにハリファイバーとジャンク・コレクターを採用したんだ」
「…結構センスあるんじゃない?」
「私のデッキのサポートのためにってのもあるけどチューナーが多めに採用されているのが特徴ね」
因みにハリファイバーは私が貸した。翔太君が2枚もハリファイバー揃えられるわけないでしょ。
「シューティング・スターの効果をより使いやすくっていうのもコンセプトにあるけど、やっぱり真由美さんに渡したバラエティ・アウトをより使いやすくするっていう目的もあるかな」
「2人のデッキはきっちりと終着点を決めて組んだみたいね。真由美ちゃんが全部考えたの?」
「ううん、今回は僕が考案したんだ」
しかもバラエティ・アウトでリンク召喚に繋げる戦術を考えたのも翔太君だ。本当に成長したと思う。
「やった!規制が解除された!帰れるぞ!」
「よし、帰ろう!」
「早く家に帰ってテスト勉強したい」
「えー……」
消化不良だけど、一泊二日ならこの程度だろう。
「今度は家族5人でもっと長く旅行しましょうね!」
結局、義母さんは帰り道ずっとこんな調子のまま私達は家へと帰るのだった……。
真由美「少々長引きまして申し訳ありませんでした」
翔太「次の投稿は新パックに合わせて考える予定です」
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おい、デュエルしろよ。【閃刀姫】(大嘘)
今回は都合によりライフ4000でのデュエルとなりますのでご了承ください。
夜のネオンが輝く街を一台のDホイールが駆ける。白を基調としたDホイールには女のパイロットが座していた。
「今日も街は異常無しね。このまま帰ってご飯でも食べようかしら?」
Dホイールを停め、少し休憩をしていると……モニターに赤いビーコンが瞬いた。
「残念だけど今日も夕飯は抜きみたい……」
わざとらしく肩を竦めたパイロットはDホイールをUターンさせ、一気に目的地へと走った…。
********************
「よっしゃ!捕まえられるもんなら捕まえてみやがれ!!!」
セキュリティ精鋭部隊の一個小隊を強行突破したDホイーラーが煽るように叫ぶ。パイロットは小柄な少年、そして彼が操るのは白い龍。
「Fooo〜!」
次々と細かいタクティクスを展開して敵のエースを撃破し、一気に距離を離した。遠のいていく脅威に満足していた少年……だったが、突如別のレーンから飛び出してきた白いDホイールが進路を妨害するように走り出した。
「な、なんだアンタは!?」
「───フッ」
パイロットは女…その手には光子ワッパーが握られている。女はクルクルとそれを回すと少年の右腕に括り付けた。
「……逃がさない。そう言いたいんだな!」
「……」
「なら上等だ!連戦だが今の僕に敵は居ない!デュエルだ!」
「元よりそのつもりだ」
「行くぞ!ライディングデュエル!!!」
「「アクセラレーション!」」
女性 LP4000
少年 LP4000
2人の高速走行に併せバリケードを張っていたセキュリティも道を開ける。女パイロットの方が圧倒的な速度を維持していたが、突然減速を始めた。
「先攻を譲る……?僕への挑発か!」
「…………」
「まぁいいさ!僕の先攻!魔法カード『調律』発動!デッキからシンクロンモンスター1体を手札に加え、その後デッキトップからカードを1枚墓地へ送る!今手札に加えたチューナーモンスター『ジャンク・シンクロン』を召喚!」
ジャンク・シンクロン 星3 ATK1300 チューナー
「ジャンク・シンクロンが召喚に成功した時、墓地からレベル2以下のモンスター1体を効果を無効にして守備表示で特殊召喚する!調律の効果で墓地へ落ちた『チューニング・サポーター』を特殊召喚!」
チューニング・サポーター 星1 DEF100
「まだまだ行くぜ!魔法カード『機械複製術』!自分フィールドの攻撃力500以下の機械族モンスター1体を対象に、デッキから同名モンスターを2体まで特殊召喚出来る!チューニング・サポーターの攻撃力は100!よって、デッキからチューニング・サポーターを2体特殊召喚!」
チューニング・サポーター 星1 DEF100
チューニング・サポーター 星1 DEF100
「チューニング・サポーターの効果発動!このカードはシンクロ素材にする場合、レベル2として扱う事も出来る!僕はチューニング・サポーター1体をレベル2として扱う!」
チューニング・サポーター 星1→2
「レベル1のチューニング・サポーター2体とレベル2となったチューニング・サポーターにレベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!《その美しくも雄々しき翼翻し、光の速さで敵を討て!》シンクロ召喚!現れろ!『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 星7 ATK2500
「チューニング・サポーターの効果発動!このカードがシンクロ素材として墓地へ送られた場合、デッキからカードを1枚ドローする!よってカードを3枚ドロー!……カードを1枚伏せてターンエンド!」
白き龍を引き連れ、必勝パターンに持っていった少年はほくそ笑んだ。妨害されなかった。これなら勝てると思っての笑みだった。
だが、次のターンでその目論見は外れる事になる。
「私のターン、ドロー」
女パイロットはアクセルを噴かせて前進する。
「速攻魔法『閃刀機─ホーネット・ビット』を発動。自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合に発動出来、『閃刀姫トークン』1体を特殊召喚する。このトークンはリリースできない」
閃刀姫トークン 星1 ATK0
「さらに魔法カード『おろかな副葬』を発動。デッキから魔法・罠カードを1枚選んで墓地へ送る。私はデッキから『閃刀起動─エンゲージ』を墓地へ送る。このカードの召喚条件は炎属性以外の閃刀姫モンスター1体。閃刀姫トークンをリンク素材にリンク召喚。来い、『閃光姫─カガリ』」
閃刀姫─カガリ LINK-1 ATK1500 リンクマーカー【左上】
「カガリの効果発動、このカードの特殊召喚に成功した場合、墓地の閃刀カードを1枚手札に加える。さらに、カガリの攻撃力は墓地の魔法カード1枚につき100上がる」
閃刀姫─カガリ ATK1500→1800→1700
墓地の魔法カード:3→2
「カガリの効果で手札に加えた魔法カード『閃刀起動─エンゲージ』を発動。デッキからエンゲージ以外の閃刀カードを1枚手札に加える。フィールド魔法『閃刀空域─エリアゼロ』を手札に加える!」
閃刀姫─カガリ ATK1700→1800
墓地の魔法カード:2→3
「!!!」
「まだだ2枚目魔法カード『閃刀起動─エンゲージ』を発動。メインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、デッキから閃刀カードを手札に加える。永続魔法『閃刀機関─マルチロール』を手札に加える!さらに、墓地に魔法カードが3枚以上ある場合、デッキからカードを1枚ドローする」
「魔法カードの数で追加効果があるのか……あのデッキは!」
一気にコーナーを駆け抜けた女パイロットは回収し切れなかったバリケードを強引に突破する。安全策を取り回避した少年はタイムロスで追い抜かれてしまった。
閃刀姫─カガリ ATK1800→1900
墓地の魔法カード:3→4
「召喚条件は水属性以外の閃刀姫モンスター1体!閃刀姫─カガリをリンク素材に『閃刀姫─シズク』をリンク召喚!」
閃刀姫─シズク LINK-1 ATK1500 リンクマーカー【右上】
「相手フィールドのモンスターの攻撃力・守備力は、自分の墓地の魔法カードの数×100ダウンする!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン ATK2500→2100
セキュリティの車両を通過する際に彼等が電光掲示板で何かを知らせるが女パイロットはソレを鼻で笑った。
「フィールド魔法『閃刀空域─エリアゼロ』と永続魔法『閃刀機関─マルチロール』を発動!このカード以外の自分フィールドのカード1枚を対象として発動できる。自分のデッキの上からカードを3枚めくる。その中から閃刀カード1枚を選んで手札に加える事ができる。残りのカードはデッキに戻す。閃刀カードがめくられた場合、さらに対象のカードを墓地へ送る!シズクを対象としてカードをめくる!」
中身は
●閃刀起動─エンゲージ
●シンクロコール
●ライトロード・アサシン─ライデン
「エンゲージを手札に加え、残りはデッキに戻す。その後、シズクを墓地へ送る!さらに、マルチロールの効果発動!1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドのカード1枚を対象として発動できる。このターン、自分の魔法カードの発動に対して相手は魔法・罠・モンスターの効果を発動できない。さらに、対象のカードは墓地へ送られる!エリアゼロを対象に発動し、エリアゼロは墓地へ送られる。だが!この瞬間、エリアゼロの効果発動!このカードが効果でフィールドゾーンから墓地へ送られた場合に発動できる。デッキから閃刀姫モンスター1体を特殊召喚する。『閃刀姫─レイ』を特殊召喚!」
閃刀姫─レイ 星4 ATK1500
「さらに魔法カード『光の援軍』を発動!デッキトップから3枚を墓地へ送り、デッキからレベル4以下のライトロードモンスター1体を手札に加える。チューナーモンスター『ライトロード・アサシン─ライデン』を手札に加え、召喚!」
ライトロード・アサシン─ライデン 星4 ATK1700 チューナー
「ライデンの効果発動!自分のデッキの上からカードを2枚墓地へ送る。この効果で墓地へ送ったカードの中にライトロードモンスターがあった場合、このカードの攻撃力は相手ターン終了時まで200アップする!」
●閃刀機─アフターバーナー
●ミラー・リゾネーター
「少年よ!見るがいい!これが私の力だ!レベル4の閃刀姫─レイにレベル4のライトロード・アサシン─ライデンをチューニング!《王者の鼓動、今ここに列を成す…天地鳴動の力を見るがいい!》シンクロ召喚!我が魂『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000
「レッド・デーモンズ・ドラゴン!?そんな……そのモンスターはとうに使い手が消えたはず!?」
「フン、何故私が使えるのかは分かっているだろう?」
「……クッ」
レッド・デーモンズ・ドラゴン……漆黒の悪魔竜が白き龍に対峙する。女パイロットは先程の冷静な顔から一転、好戦的な笑みを浮かべていた。
「3枚目の魔法カード『閃刀起動─エンゲージ』を発動!メインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合に発動出来、デッキからエンゲージ以外の閃刀カードを手札に加え、さらに墓地に魔法カードが3枚以上存在する場合、デッキからカードを1枚ドローする!」
「まだ……!?」
「私のデュエルはエンターテイメントでなければな!バトル!レッド・デーモンズ・ドラゴンでクリアウィング・シンクロ・ドラゴンを攻撃!《アブソリュート・パワー・フォース》!」
「クソッ…!クリアウィングが!!!」
少年 LP4000→3500
「カードを1枚伏せてターンエンド。この瞬間、マルチロールの効果発動!マルチロールの効果は自分・相手のエンドフェイズに発動できる。このターン、このカードが表側表示で存在する間に自分が発動した閃刀魔法カードの数まで自分の墓地の閃刀魔法カードを選び、自分フィールドにセットする(同名カードは1枚まで)。この効果でセットしたカードはフィールドから離れた場合に除外される。私は『閃刀機─シャークキャノン』をセット」
2人のDホイーラーがハイウェイを駆け抜ける。少年も負けじと喰らい付く。
「僕のターン!ドロー!魔法カード『シャッフル・リボーン』を発動!自分フィールドにモンスターが存在しない場合、墓地のモンスター1体を効果を無効にして特殊召喚出来る!蘇れ、『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
「無駄だ。マルチロールの効果でセットした速攻魔法『閃刀機─シャークキャノン』を発動!自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを除外する!自分の墓地に魔法カードが3枚以上存在する場合、除外せずにそのモンスターを自分フィールドに特殊召喚できる。ただし、この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できない。私はクリアウィングの除外は行うが特殊召喚は行わない」
「クリアウィングが……!?」
「どうした?それで終わりなのか?」
レッド・デーモンズ・ドラゴンが少年を見下ろす。絶望的な盤面だが……少年は恐れなかった。
「ヘッ、そう来ると思ってたぜ!」
「何……?」
「装備魔法『D・D・R』発動!手札を1枚捨て、除外されている自分のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚し、このカードを装備する!このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される!戻って来い!クリアウィング!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 星7 ATK2500
「さらにチューナーモンスター『ジェット・シンクロン』を召喚!」
ジェット・シンクロン 星1 ATK500 チューナー
「レベル7のクリアウィング・シンクロ・ドラゴンにレベル1のジェット・シンクロンをチューニング!《神聖なる光蓄えし翼煌めかせ、その輝きで敵を撃て!》シンクロ召喚!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000
「ジェット・シンクロンがシンクロ素材として墓地へ送られた場合に発動できる。デッキからジャンクモンスター1体を手札に加える!『ジャンク・シンクロン』を手札に!」
少年も負けじとアドバンテージを回復し反撃の糸口を作ろうとする。
「クリスタルウィングは1ターンに1度モンスター効果を無効にして破壊しその攻撃力をエンドフェイズまで得る。さらにレベル5以上のモンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に戦闘を行う相手モンスターの攻撃力をクリスタルウィングに加える!バトルだ!クリスタルウィングでレッド・デーモンズ・ドラゴンを攻撃!!!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→6000
「速攻魔法『閃刀機─イーグルブースター』を発動!自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。このターン、その表側表示モンスターは自身以外のカードの効果を受けない。さらに、自分の墓地に魔法カードが3枚以上存在する場合、さらにこのターン、そのモンスターは戦闘では破壊されない!この身に替えても、我が魂は墜とさせはせん!!!」
女パイロット LP4000→1000
「僕はカードを1枚伏せてターンエンド!」
「この瞬間、マルチロールの効果発動!このターン、このカードが表側表示で存在する間に自分が発動した閃刀魔法カードの数まで自分の墓地の閃刀魔法カードを選び、自分フィールドにセットする(同名カードは1枚まで)!私は『閃刀起動─エンゲージ』と『閃刀機─イーグルブースター』をセット」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK6000→3000
再びの電光掲示板…だが、女パイロットはソレをスルー。
「レベル5以上のモンスターに攻撃力で上回るだと?面白い…ならばその鼻先、我がレッド・デーモンズの力でへし折ってくれようぞ!私のターン、ドロー!」
女パイロットは引いたカードと手札を確認し…1枚を手に取った。
「まずはセットした『閃刀起動─エンゲージ』を発動!デッキからエンゲージ以外の閃刀カードを手札に加える。さらに墓地に魔法カードが3枚以上ある場合はデッキからカードを1枚ドローする!『閃光機─ウィドウアンカー』を手札に加え、デッキからカードを1枚ドロー!」
凄まじい勢いでアドバンテージを回復する女パイロットに少年は焦り始めていた。強力なエースを召喚しているのに悉く対処されているからだ。
「今手札に加えた速攻魔法『閃刀機─ウィドウアンカー』を発動!自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする!本当はコントロール奪取も出来るが、クリスタルウィングの効果を無効にする!」
「しまった……!」
「圧倒的なパワーで叩き潰す!それが私流の戦い方だ!魔法カード『フォース』を発動!2体のモンスターを対象に一方のモンスター1体の攻撃力を半分にしその攻撃力をもう一方のモンスター1体に加える!この効果はエンドフェイズまで継続される!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→1500
レッド・デーモンズ・ドラゴン ATK3000→4500
「バトル!レッド・デーモンズ・ドラゴンでクリスタルウィングを攻撃!《アブソリュート・パワー・フォース》!!!」
「うわっ……!?」
「カードを1枚伏せてターンエンド!」
翔太 LP3500→500
「でも、まだライフは残っている!ライフある限り、僕はまだ負けない!!!僕のターン!」
2人のライディングデュエルはデッドヒートに到達している。凄まじい睨み合いが続く中、少年が仕掛ける。
「チューナーモンスター『ジャンク・シンクロン』を召喚!」
ジャンク・シンクロン 星3 ATK1300 チューナー
「ジャンク・シンクロンが召喚に成功した時、墓地からレベル2以下のモンスター1体を効果を無効にして守備表示で特殊召喚する!『チューニング・サポーター』を特殊召喚!」
チューニング・サポーター 星1 DEF100
「この瞬間、速攻魔法『地獄の暴走召喚』を発動!相手フィールドに表側表示モンスターが存在し、自分フィールドに攻撃力1500以下のモンスター1体のみが特殊召喚された時に発動できる。その特殊召喚したモンスターの同名モンスターを自分の手札・デッキ・墓地から可能な限り攻撃表示で特殊召喚し、相手は自身のフィールドの表側表示モンスター1体を選び、そのモンスターの同名モンスターを自身の手札・デッキ・墓地から可能な限り特殊召喚する!レッド・デーモンズ・ドラゴンはEXデッキのモンスター!数は増えない!」
「ほぅ」
「僕は墓地に眠る『チューニング・サポーター』2体を特殊召喚!」
チューニング・サポーター 星1 DEF100
チューニング・サポーター 星1 DEF100
「真ゆ──じゃなかった!あんたの為に僕も本気を出す!墓地の『ジェット・シンクロン』の効果発動!手札を1枚捨てる事でこのカードは墓地から特殊召喚出来る!」
ジェット・シンクロン 星1 ATK500
「召喚条件はチューナーを含めた戦士族または機械族モンスター2体!レベル1のジェット・シンクロンとレベル1のチューニング・サポーターでリンク召喚!いでよ『ジャンク・コネクター』!」
ジャンク・コネクター LINK-2 ATK1700 リンクマーカー【左下・右下】
「チューニング・サポーターはシンクロ素材になる場合、レベル2としても扱える!レベル2として扱ったチューニング・サポーター2体にレベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!シンクロ召喚!シンクロチューナー!『シューティング・ライザー・ドラゴン』!」
シューティング・ライザー・ドラゴン 星7 ATK2100 チューナー
「シンクロ素材になったチューニング・サポーター2体の効果で僕はカードを2枚ドロー!さらに、ライザー・ドラゴンがシンクロ召喚に成功した場合に発動できる。フィールドのこのカードより低いレベルを持つモンスター1体をデッキから墓地へ送り、そのモンスターのレベルの分だけこのカードのレベルを下げる。このターン、自分は墓地へ送ったそのモンスター及び同名モンスターのモンスター効果を発動できない!僕はデッキから『ジャンク・コレクター』を墓地へ送りレベルを5下げる!」
シューティング・ライザー・ドラゴン 星7→2
「そして、これが勝利への布石!魔法カード『ネクロイド・シンクロ』を発動!チューナー1体とチューナー以外のモンスター2体までを自分の墓地から選んで除外し、除外したモンスターのレベルの合計と同じレベルを持つ「スターダスト」シンクロモンスター1体をエクストラデッキからシンクロ召喚扱いで特殊召喚する!墓地のジャンク・コレクターとジャンク・シンクロンを除外!《集いし願いが新たに輝く星となる。光さす道となれ!》飛翔せよ『スターダスト・ドラゴン』!」
スターダスト・ドラゴン 星8 ATK2500
かつてライバルとして、あるいは仲間として切磋琢磨し合ったモンスター達が再び対峙する。5D’sファンにとっては胸熱な展開である。そして、さらにその上を少年は行こうとしていた。
「レベル8のスターダスト・ドラゴンにレベル2となったシューティング・ライザー・ドラゴンをチューニング!《集いし夢の結晶が新たな進化の扉を開く。光さす道となれ!》アクセルシンクロ!」
少年は隙を見つけて全速力で突き進み、風のようになったと思った瞬間。彼とモンスター達が視界から消えた。
「───っ」
振り向いた時、背後から少年が現れた…新たなモンスターを引き連れて。
「生来せよ!『シューティング・スター・ドラゴン』!!!」
シューティング・スター・ドラゴン 星10 ATK3300
かつて不動遊星が使っていたとされるアクセルシンクロモンスター…それが再び戦場に舞い降りる。
「シューティング・スター・ドラゴンの効果発動!1ターンに1度、発動できる。自分のデッキの上から5枚めくってデッキに戻す。このターンこのカードはめくった中のチューナーの数まで攻撃できる!モンスター達よ…僕に勝利を!」
少年は目を閉じて5枚をめくった。その中身は……
●迷い風
●エフェクト・ヴェーラー
●クイック・シンクロン
●コズミック・サイクロン
●貪欲な壺
「よって、シューティング・スター・ドラゴンは2回攻撃出来る!バトル!シューティング・スター・ドラゴンでレッド・デーモンズ・ドラゴンを攻撃!《スターダスト・ミラージュ》!!!」
2体に分離したシューティング・スター・ドラゴンがレッド・デーモンズに襲い掛かる。
「…………罠カード『王者の調和』!相手モンスターが自分のシンクロモンスターに攻撃宣言した時に発動できる。その攻撃を無効にする!」
「!?」
レッド・デーモンズ・ドラゴンがシューティング・スター・ドラゴンの体当たりをアイアンクローで受け止める。さらにその体が炎に包まれる!
「その後、自分のシンクロモンスターと自分の墓地のチューナー1体を除外し、除外したモンスターのレベルの合計と同じレベルを持つシンクロモンスター1体を、エクストラデッキからシンクロ召喚扱いで特殊召喚する!レベル8のレッド・デーモンズ・ドラゴンと墓地に眠るレベル4のライトロード・アサシン─ライデンを除外!この荒ぶる魂を見るがいい!《王者と悪魔、今ここに交わる。荒ぶる魂よ、天地創造の叫びをあげよ!!!》出でよ、『スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン』!」
スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン 星12 ATK3500
かつてのライバルはさらに進化する。そして、その戦いは誰にも止められないのだ!
「スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンの攻撃力は墓地のチューナー1体につき500ポイントアップする!墓地には『ミラー・リゾネーター』が眠っている!よって攻撃力は4000!」
スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン ATK3500→4000
「フフフ……ハハハハハハハハ!!!どうした?攻撃が巻き戻されたぞ?」
「───ッ!バトルフェイズは中止だ!カードを1枚伏せてターンエンド!」
シューティング・スター・ドラゴンが名残惜しげに後退し、スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンが勝ち誇ったように咆哮する。
「伝わるぞ!お前の揺れが!!!」
少年のDホイールとの距離をさらに離し、女パイロットは王者の如き余裕を見せた。スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンもそれに並走するように飛ぶ。
「追われる者が余裕を持ち、追う者の心が焦りに縛られる!今の状況こそまさに追う者、追われる者!私のターン!」
「──ッ」
「その程度で私の荒ぶる魂を止められると思うな!リバースカードオープン!『閃刀機─イーグルブースター』!自分のメインモンスターゾーンにモンスターが存在しない場合、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。このターン、その表側表示モンスターは自身以外のカードの効果を受けない。自分の墓地に魔法カードが3枚以上存在する場合、さらにこのターン、そのモンスターは戦闘では破壊されない!私はスカーレッド・ノヴァ・ドラゴンを対象とする!バトル!スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンでジャンク・コネクターを攻撃!」
今度は逆にスカーレッド・ノヴァ・ドラゴンが突撃を仕掛ける!
「やらせはしない!罠カード発動!『ガード・ブロック』!この戦闘ダメージを0にしカードを1枚ドローする!さらに、ジャンク・コネクターの効果発動!リンク召喚したこのカードが戦闘または相手の効果で破壊され墓地へ送られた場合に発動できる。EXデッキからジャンクシンクロモンスター1体をシンクロ召喚扱いで特殊召喚する!『ジャンク・アーチャー』を特殊召喚!」
ジャンク・アーチャー 星7 DEF2000
「……フン、凌ぎ切ったか。カードを1枚伏せ、エンドフェイズにマルチロールの効果発動!私は墓地から『閃刀起動─エンゲージ』をセットする」
2体のドラゴンが睨み合うように対峙する中、少年が女パイロットの背中を追うように加速する。
「僕のターン(よし…)!ジャンク・アーチャーの効果発動!1ターンに1度、相手フィールド上に存在するモンスター1体を選択して発動する事ができる。選択したモンスターをゲームから除外する!スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンをフィールドから取り除く!」
ジャンク・アーチャーが弓を引き絞り、対象を射抜くべく一射を放った。光の矢はまっすぐに飛び……
「その程度か?」
何か反撃されると思っていた少年だったが、スカーレッド・ノヴァ・ドラゴンはあっさりと除外された。ほぼガラ空きになったフィールドにはまだ伏せカードが攻撃を誘うかのように伏せられている。
「──騙されないぞ!バトル!シューティング・スター・ドラゴンでダイレクトアタック!」
「罠カード『リジェクト・リボーン』!」
「───!!!」
ジャンク・アーチャーの除外効果を甘んじて受けた事で先程までの猛攻が止んだ……つまり手が無くなったと踏んで攻めた少年を待っていたのは無慈悲なトラップだった。
「相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。バトルフェイズを終了する。その後、自分の墓地からチューナーとシンクロモンスターを1体ずつ選び効果を無効にして特殊召喚出来る!」
「!」
「蘇れ!我が魂、『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!『ミラー・リゾネーター』!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000
シンクローン・リゾネーター 星1 DEF100 チューナー
「クッ……カードを1枚伏せてターンエンド。エンドフェイズにジャンク・アーチャーの効果で除外したモンスターはフィールドに戻る」
スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン 星12 ATK3500
「私のターン!少年よ、いい道化っぷりだったぞ?だが、もう飽きた。貴様には褒美として我が僕の前に這い蹲る栄誉を与えてやろう!チューナーモンスター『ライトロード・メイデン ミネルバ』を召喚!」
ライトロード・メイデン ミネルバ 星3 ATK800 チューナー
「このカードが召喚に成功した時、自分の墓地のライトロードモンスターの種類の数以下のレベルを持つドラゴン族・光属性モンスター1体をデッキから手札に加える。『救世竜─セイヴァー・ドラゴン』を手札に加える。見るがいい!これがさらなる王者の力だ!《孤高の絶対破壊神よ!!神域より舞い降り終焉を齎せ!!》シンクロ召喚!絶対王者の剣『琰魔竜王レッド・デーモン・カラミティ』!!!」
琰魔竜王レッド・デーモン・カラミティ 星12 ATK4000
「このカードがシンクロ召喚に成功した時、このターン相手はフィールドで発動する効果を発動できず、この発動に対して、相手はカードの効果を発動できない!」
「……」
「バトル!レッド・デーモン・カラミティでシューティング・スター・ドラゴンを攻撃!」
「うわぁああああああああ!!!」
絶対王者の前に少年は対抗出来ずに敗北してしまったのだった……。
少年 LP500→0
「カット!カット!!!!」
************************
「オレ言ったよね!?『閃刀姫の宣伝をしてください!!!』って!なんで5D’sの再放送見せられてんの!?」
「ごめんね〜…ついいつもの調子でデュエルしちゃった♪」
ここはハイウェイ……ではなく、それを模した撮影スタジオ。先程まで王者の如き風格を見せていた女パイロット……もとい私、『古霊 真由美』は正座させられて友人の『太陽 遊斗』君から説教を受けていた。
実は、久しぶりに来日してきた遊斗君は映画会社の人を伴って来ており、私達に会うなり私と翔太君の2人でショート映画を作って欲しいと言ってきたのだ。10万円PON☆と出されたらやるしか無いでしょ?
内容は簡単、『閃刀姫を使ったデュエルをしたビデオを撮影して宣伝に使う』という物。私と翔太君はバイク…の模型に乗ってデュエルすればいいだけ。後はCG合成で作ると息巻いた遊斗君の熱意に負けて始めたはいいんだけど……私がチューナーを出した辺りで『私が調子に乗ってる』事に気付いた遊斗君がアドリブでCGを使い『閃刀姫で戦え』と言ってくれたのだ。まぁ、アドレナリンがドボドボ出て興奮状態だった私がそんな話に耳を貸す筈がなく結局このザマである。せっかく来てくれたスタッフの方々が呆れ返っていた。
「すみませんでした!」
取り敢えず、謝罪して私達はスタジオから退室した。余談だが、この映画はYo◯T◯beに投稿され、『完全上位互換がある中素レモンで戦う女パイロット』としてネタにされた上に某虹六のアイドル同様BB素材にされてしまうのだがこれはまた別の話。
真由美「反省?してないけど」
翔太「クズ過ぎる……」
真由美「さっきスタッフの1人に『You are crazy!』と言われたんだけど、私そんなに変だったかな?」
翔太「だ、大丈夫だと思うよ……そ、それよりデッキ紹介お願いいていいかな?」
真由美「あら!忘れてたわ!じゃあデッキ紹介ね!今回使用した【閃刀姫】はこちら!」
デッキ総枚数(40)
モンスター(12)
●召喚僧サモンプリースト×1
●閃刀姫─レイ×2
●ライトロード・アサシン ライデン×3
●ライトロード・ビースト ウォルフ×1
●ライトロード・モンク エイリン×1
●ライトロード・メイデン ミネルバ×1
●ミラー・リゾネーター×1
●フォーマッド・スキッパー×2
魔法カード(24)
●閃刀空域─エリアゼロ×2
●閃刀機関─マルチロール×2
●閃刀起動─エンゲージ×3
●閃刀術式─アフターバーナー×2
●閃刀機─シャークキャノン×2
●閃刀機─イーグルブースター×2
●閃刀機─ウィドウ・アンカー×2
●閃刀機─ホーネット・ビット×3
●死者蘇生×1
●フォース×1
●光の援軍×1
●おろかな副葬×2
●ワン・フォー・ワン×1
罠カード(4)
●シンクロコール×1
●王者の調和×1
●ブレイクスルー・スキル×1
●リジェクト・リボーン×1
EXデッキ(15)
●琰魔竜王レッド・デーモン・カラミティ×1
●スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン×1
●琰魔竜レッド・デーモン・アビス×1
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×2
●ライトロード・アーク ミカエル×1
●シューティング・ライザー・ドラゴン×1
●ライトロード・セイント ミネルバ×2
●アカシック・マジシャン×1
●閃刀姫─カガリ×3
●閃刀姫─シズク×2
翔太「あの…真由美さん?これ【閃刀姫】……だよね?」
真由美「……さて!今回のデッキは『レッド・デーモンズ・ドラゴン』が単騎で活躍出来る事を目指して組んだデッキよ!」
翔太「えー……」
真由美「閃刀魔法カードは総じて『メインモンスターゾーンにカードが無い』条件で使えるカードなんだけど、レッド・デーモンズはエクストラモンスターゾーンに召喚されるモンスター、単騎で活躍するレッド・デーモンズと閃刀姫とは相性がいいの♪」
翔太「でもそれはベエルゼにも─」
真由美「シャラップ!それ以上はいけない!……で、基本的には閃刀姫リンクモンスターでデッキを回し、レッド・デーモンズが呼べる条件が整ったらエリアゼロやマルチロールで処分する」
翔太「これは酷い」
真由美「また、閃刀魔法カードは墓地に魔法が3枚以上落ちていればさらなる強力な効果が使えるの。そこで、私はライトロードに目をつけたの。確かにライトロードではメインモンスターゾーンが埋まってしまうけど、それでも墓地に魔法カードを能動的に落とせる点は見逃せないわ」
翔太「なるほど……」
真由美「本日はここまで!待っていてくれた読者のみなさん!本当にありがとう!また地道に更新していきますので今後とも」
2人「「よろしくお願いします!」」
遊斗「余談だけど、作者は『5D’sのさらに先の世界を題材にした遊戯王小説』っていう新作を考えていたらしいんだ。アドリブで滅茶苦茶になっちまったけど、何処からか手に入れたレッド・デーモンズ・ドラゴンをエースに据えた主人公『真由美』がセキュリティ隊長として戦いに明け暮れる日々を描いた刑事モノっぽい話さ。ただ、その時期がちょうど卒論にぶち当たってそっちの作業を優先した結果、浮かんでくる案をメモする時間も無く断念したんだよ。今回のデュエルはそんな作者の無念が宿っているストーリーだったりするんだ。みんな、こんなつまらない話を見て『酷いものを見せられた』と思ったかもしれないから補足しておくよ。それじゃあ!またね!」
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小児科にありがちな現象【カオス代行】
今回は敷島大吾氏の投稿されたデッキを使っております。一部提供された内容と異なる点もありますのであらかじめご了承ください。
※今回のストーリーは作者の実体験を基に氏のキャラ設定を融合させました。
「いだだだだだ!死ぬ!私ここで殺される!!!」
「大人なんだから筋肉注射なんて痛くないでしょ!しっかりなさい!」
年に一度ワクチン接種でお世話になっている病院でかかりつけの女医さんにワクチン接種を受けた私はまだジクジク痛む腕を庇いながら席に着いた。会計も終わったしあとは帰るだけ……なんだけど、実は今年でこの病院は閉鎖になる。少し離れた隣町にもっと立派な病院が出来るそうで、そっちに移るらしい。ただ…そうなると設備の揃った病院はこの町から消える事になる。私も反対署名に入れたんだけど結局、施設の老朽化を前にすれば反対もしにくい。結局、隣町まで行くのもめんどくさいので、今年の予防接種を最後に節約の為に病院にはかからないつもりでいる。
「また1つ親しい物が無くなる……か」
少ししんみりしてベンチを撫でていると……聞き覚えのある用語が聞こえてきた。何事かと歩いて行くとそこは病棟だった。ちらりと覗いてみると小学生〜高校生くらいの男子達が遊戯王で遊んでいた。懐かしい……私も中学の時に検査入院で長期入院(2ヶ月程度)した事があるんだけど、その時に病棟の年の近い人とデュエルに興じていた。今となればいい思い出。別れの時は抱き合って泣いた……そんな日々。
「おねーさん、何やってんの?」
「うわぁっ!?」
しんみりしていると急に背後から声をかけられ私は思わず転んでしまった。
************************
「へぇ……みんな隣町の病院に移動するんだ」
さりげなく昼食に付き合い、メニューの昆布巻きを一本失敬した私は子供達の話を聞いていた。病院に付属していた養護学校も移転するらしく、新しい病棟が楽しみだと笑顔で話してくれたが、なんか寂しい気分になった。
「そうだ!おねーさんの待ち受け『レッド・デーモンズ・ドラゴン』だよね!デュエルするの?」
「もちろんよ。ライフワークだからね」
私は子供達に胸を張って答えた。いい大人が何をやってんだと顰蹙を買いそうだが気にしない。引かぬ媚びぬ省みぬの精神だ。
「せっかくだし、オレ達とデュエルしない?」
「……本来ならすぐ帰る予定だったんだけど、まぁ食堂でならいいわよ」
中学の時はよくレッド・デーモンズをエースにして暴れまわってたなぁ〜……あ、裁きの龍は勘弁してください。死んでしまいます。
10分後
「スカーレッド・コクーンを装備したレッド・デーモンズ・ドラゴンで効果が無効になったホープ・ザ・ライトニングに
「素レモンに負けた〜!なんでだよ〜!!!」
ふっふっふ〜、素レモンとかれこれ15年以上向き合いどんな環境だろうが活躍させようと磨き続けた技量…甘く見てもらったら困るわよ!
「さぁ、次は誰が相手なの?」
「勘弁してよ〜…強すぎだって!」
「さてと、そろそろ帰りますかね」
「分かった!バイバーイ」
デュエルも充分満喫したし今日はこのまま帰ろうかな……と歩いていると…1人だけが入っている病棟を発見した。戸が開けっ放しになっており、少し覗いてみると…ベッドから半身を起こし遊戯王カードを簡易テーブルの上に並べている少年が目に入った。
「『市之瀬』君ね……」
表札に書いてある名前と少年を交互に見てから、私はノックして彼の反応を待った。
「!」
「こんにちは。少し覗いちゃったんだけど…入ってもいい?」
「い、いいですけど……」
さっきから顔を赤くして私の事を見てくる彼をリラックスさせるべく私はジュラルミンケースを開けた。ギッチリと詰め込まれたカードを見た市之瀬君は驚いた顔でそれを見ていた。
「っ……!?」
「私、重度のオタクなの。今のところ限定以外全部のカードを3枚ずつ持ってるわ」
「なんか…尊敬します」
「さてと、私はこのデッキにしようかしら?」
私はさっさとカードを取り出してカスタマイズを開始する。脳内でイメージしたデッキを次々と組み込む事5分…完成品を敷いたマットの上にセットした。
「さ、始めましょう♪」
「や、やるぞ!」
市之瀬君もデッキをセットした。初対面の相手だけど、楽しまなきゃ損ね!
「「デュエル!」」
真由美 LP8000
市之瀬 LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!!」」
結果は…私の勝ちか。初手も悪くないし!
「私の先攻!『銀河の魔導師』を召喚!」
銀河の魔導師 星4 ATK0
「銀河の魔導師は1ターンに1度、エンドフェイズまでレベルを4つ上昇出来る!」
銀河の魔導師 星4→8
「魔法カード『銀河遠征』発動!自分フィールドにレベル5以上の、
「フォトンモンスターまたはギャラクシーモンスターが存在する場合に発動でき、デッキからレベル5以上のフォトンまたはギャラクシーモンスター1体を守備表示で特殊召喚する!いでよ!『銀河眼の光子竜』!」
銀河眼の光子竜 星8 DEF2500
「レベル8となった銀河の魔導師と銀河眼の光子竜をオーバーレイ!2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築…エクシーズ召喚!現れよ!『No.90 銀河眼の光子卿』!」
No.90 銀河眼の光子卿 LANK8 DEF3000 ORU2
「カードを1枚伏せてターンエンド」
「よ、よーし…やってやるさ!ドロー!」
市之瀬君が緊張した声でカードを引いた。さて……どんなデッキで来るのかしら?
「スタンバイ…メイン。このカードは手札から攻撃表示で特殊召喚できる!『ジェスター・コンフィ』を特殊召喚!」
ジェスター・コンフィ 星1 ATK0
「レベル4以下のモンスターが特殊召喚に成功した時、このカードは手札から特殊召喚できる!『TG ワーウルフ』を特殊召喚!」
TG ワーウルフ 星3 ATK1200
「さらに……『幻銃士』を召喚!」
幻銃士 星4 ATK1100
「幻銃士の効果発動!召喚に成功した時──」
「この瞬間、銀河眼の光子卿の効果発動!相手モンスターの効果が発動した時、このカードのオーバーレイユニットを1つ使いその効果を無効にする!」
No.90 銀河眼の光子卿 ORU2→1
「なっ……!?」
「さらにそれがギャラクシーカードだった場合、そのカードを破壊する!私が使ったオーバーレイユニットは『銀河の魔導師』!よって幻銃士を破壊する!」
いやー、新規は強いわね。これが暴力という奴か。
「ならリンク召喚で行く!召喚条件はモンスター2体!ワーウルフとコンフィで『プロキシー・ドラゴン』をリンク召喚!」
プロキシー・ドラゴン LINK-2 ATK1400 リンクマーカー【左・右】
「メイン2……カードを1枚伏せてターンエンド」
「エンドフェイズに入る前に銀河眼の光子卿の効果発動!相手ターンに1度、デッキからフォトンカードまたはギャラクシーカード1枚を選び、 手札に加えるか、このカードの下に重ねてオーバーレイユニットとする!私はデッキから速攻魔法『破滅のフォトン・ストリーム』を手札に加えるわ」
さてと、この流れなら完封勝ち出来そうね。
「私のターン、ドロー!速攻魔法『破滅のフォトン・ストリーム』を発動!自分フィールド上にギャラクシーアイズモンスターが存在する場合に発動できる。フィールド上のカード1枚を選択してゲームから除外する!セットカードを除外する!」
「罠発動…『和睦の使者』。何かありますか?」
「それかー……何も無いわ。カードを1枚伏せてターンエンド」
「ドローフェイズ、ドロー!スタンバイ…メイン1……ここまで何かありますか!?」
「無いわよ」
「なら、『創造の代行者ヴィーナス』を召喚。ここまで何かありますか?」
「無いわ……って結構マメなのね」
「一応……大会とかじゃ確認取らなきゃ面倒ごとになるから」
「それも一理あるわね」
創造の代行者ヴィーナス 星3 ATK1600
ヴィーナスが出てきたという事は一気にリンク召喚で仕掛けてくる事と同義。だが、それを止める術は銀河眼の光子卿しかない。だが、ここで使えば次の行動を止められなくなる。仮に死者蘇生を握っていればこちらは本当に何も出来なくなる。
「ヴィーナスの効果発動!ライフ500と引き換えにデッキから『神聖なる球体』を特殊召喚する!これを3回使いたいですが止めますか?」
「全部通すわ」
市之瀬 LP8000→6500
神聖なる球体 星2 ATK500
神聖なる球体 星2 ATK500
神聖なる球体 星2 ATK500
「召喚条件は効果モンスター2体以上!さらにプロキシー・ドラゴンはリンク素材2体分としても扱える!プロキシー・ドラゴンとヴィーナスでリンク召喚!『デコード・トーカー』!」
デコード・トーカー LINK-3 ATK2300 リンクマーカー【上・左下・右下】
「まだ……!召喚条件はモンスター3体!球体3体をリンク素材に『パワーコード・トーカー』をリンク召喚!」
パワーコード・トーカー LINK-3 ATK2300 リンクマーカー【左・左下・右】
デコード・トーカー ATK2300→2800
「パワーコードは1ターンに1度、フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの効果をターン終了時まで無効にする!」
「発動するなら今ね!光子卿の効果発動!1ターンに1度、相手モンスターの効果が発動した時、このカードのオーバレイユニットを1つ使いその効果を無効にする!」
No.90 銀河眼の光子卿 ORU1→0
「さらにそれがギャラクシーカードだった場合、そのカードを破壊する!私が使ったオーバーレイユニットは『銀河眼の光子竜』!よってパワーコード・トーカーを破壊する!」
「でもこれで光子卿は無効効果を使えない……!」
デコード・トーカー ATK2800→2300
そりゃそうだけど、守備力3000をどう越える気なのかしら?デコード・トーカーでなんとかするにはまだまだモンスターが必要だけど…
「ならバトルフェイズ!このカードはバトルフェイズ時に手札から特殊召喚し、1000ポイントライフを回復出来る!『ジュラゲド』を特殊召喚!」
ジュラゲド 星4 ATK1700
市之瀬 LP6500→7500
「ジュラゲドの効果発動!このカードをリリースし、自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力を次のターンの終了時まで1000アップする!これで光子卿を倒せる…!デコード・トーカーで光子卿を攻撃!」
デコード・トーカー ATK2300→3300
なるほど!普通のモブ少年と侮っていたけど、やるようね!
「罠カード『光波防輪』!」
「!?」
「自分フィールドの、ギャラクシーアイズまたはサイファーエクシーズモンスター1体を対象として発動できる。このカードをそのモンスターのオーバーレイユニットとし、そのモンスターはこのターンに1度だけ戦闘・効果では破壊されない!」
No.90 銀河眼の光子卿 ORU0→1
惜しかったわね。でも、その気概はいいわよ。
「くっ……メイン2に移行…そのままターンエンド」
「エンドフェイズに光子卿の効果発動!私はデッキから『銀河眼の雲篭』を選択。手札に加える!私のターン、ドロー!」
ギャラクシーアイズの恐ろしさを教えてあげるわ!
「『銀河眼の雲篭』を召喚!」
銀河眼の雲篭 星1 ATK300
「効果発動。このカードをリリースする事で手札または墓地から『銀河眼の光子竜』を特殊召喚する!墓地より蘇れ!『銀河眼の光子竜』!」
銀河眼の光子竜 星8 ATK3000
「バトル!銀河眼の光子竜でデコード・トーカーを攻撃!《破滅のフォトン・ストリーム》!!!この瞬間、銀河眼の光子竜の効果発動!このカードが相手モンスターと戦闘を行うバトルステップに、その相手モンスター1体を対象として発動できる。その相手モンスターとフィールドのこのカードを除外する!この効果で除外したモンスターはバトルフェイズ終了時にフィールドに戻る!」
「通します……!」
これでデコード・トーカーの攻撃力はリセットされる。ラッキーね。
デコード・トーカー ATK3300→2300
「銀河眼の雲篭が墓地に存在する場合、デュエル中に一度、自分のメインフェイズ時に自分フィールド上のギャラクシーアイズエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。墓地のこのカードを選択したモンスターのオーバーレイユニットとする!光子卿のオーバーレイユニットを追加する!」
No.90 銀河眼の光子卿 ORU1→2
「じゃあ、このままターンエンド」
さぁ、この布陣を突破出来るかしら?
「俺のターン、ドロー(…よし)!!!」
なーんか表情変わったわね。嫌な予感が……
「スタンバイ…メイン1。魔法カード『ブラック・ホール』!互いのモンスターを全て破壊する!」
「げっ!?」
フォトンモンスターをオーバーレイユニットにしていない為、光子卿は効果で破壊されない効果を持っていない!よって私のモンスターは全滅……いいカードを引いたわね。モンスターの展開とオーバーレイユニットの追加が可能な銀河眼の雲篭を選んだのは間違いだったみたい。
「さらに、『夢幻崩界イヴリース』を召喚!」
夢幻崩界イヴリース 星2 ATK0
「このカードが召喚に成功した時、自分の墓地のリンクモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力を0にし、効果を無効にして、このカードとリンク状態となるように自分フィールドに特殊召喚する!『プロキシー・ドラゴン』を特殊召喚!」
プロキシー・ドラゴン LINK-2 ATK1400 リンクマーカー【左・右】
「召喚条件は効果モンスター2体以上!さらにプロキシー・ドラゴンはリンク素材2体分として扱える!プロキシー・ドラゴンとイヴリースでリンク召喚!『トポロジック・トゥリスバエナ』!」
トポロジック・トゥリスバエナ LINK-3 ATK2500 リンクマーカー【上・左下・右下】
「イヴリースが自分フィールドから墓地へ送られた場合に発動できる。このカードを相手フィールドに守備表示で特殊召喚する!トゥリスバエナのリンク先に特殊召喚!」
夢幻崩界イヴリース 星2 DEF0
「トゥリスバエナの効果発動!このカードのリンク先にモンスターが特殊召喚された場合に発動する。そのモンスター及びフィールドの魔法・罠カードを全て除外し、この効果で除外した相手のカードの数×500ダメージを相手に与える!この効果に何か?」
「無いです!」
私のフィールドには伏せカードが1枚……やられた!
真由美 LP8000→7500
「バトルフェイズ!トゥリスバエナでダイレクトアタック!何かありますか!?」
「通す……!」
真由美 LP7500→5000
結構手強いわね……、でも私だって負けてられない!
「メイン2…ターンエンドです」
「私のターン、ドロー!」
さーってと…私も本気出しますかね。
「自分フィールドにモンスターが存在しない場合にこのカードは手札から特殊召喚出来る!『フォトン・スラッシャー』を特殊召喚!」
フォトン・スラッシャー 星4 ATK2100
「チューナーモンスター『ヴァイロン・プリズム』を召喚!」
ヴァイロン・プリズム 星4 ATK1500 チューナー
「レベル4のフォトン・スラッシャーにレベル4のヴァイロン・プリズムをチューニング!《王者の鼓動、今ここに列をなす…天地鳴動の力を見るがいい!》」
「あのー…言ってて恥ずかしく」
「無いわよ。シンクロ召喚!我が魂、『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000
「ヴァイロン・プリズムの効果発動!このカードがモンスターカードゾーン上から墓地へ送られた場合、500ライフポイントを払って発動できる。このカードを装備カード扱いとして自分フィールド上のモンスター1体に装備する!このカードが装備カード扱いとして装備されている場合、装備モンスターが戦闘を行うダメージステップの間、その攻撃力は1000ポイントアップする!レッド・デーモンズに装備!」
真由美 LP5000→4500
「バトル!レッド・デーモンズ・ドラゴンでトゥリスバエナを攻撃!《アブソリュート・パワー・フォース》!!!」
「うっ……!?」
レッド・デーモンズ・ドラゴン ATK3000→4000
市之瀬 LP7500→6000
「カードを1枚伏せてターンエンド!」
そろそろ戦いにも終わりが見えてきたわね……次のドローでこの戦いは決する!
「ドロー、スタンバイ…メイン……」
「……」
実は今…私は大事なカードを伏せている。この先出てくるかもしれないとあるカードにも通用するカードだ。ただ、それは市之瀬君次第だ。
「『夢幻崩界イヴリース』を召喚!」
ゲッ!?読み違えた!!!
夢幻崩界イヴリース 星2 ATK0
「このカードが召喚に成功した時、自分の墓地のリンクモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力を0にし、効果を無効にして、このカードとリンク状態となるように自分フィールドに特殊召喚する!『プロキシー・ドラゴン』を特殊召喚!」
プロキシー・ドラゴン LINK-2 ATK1400 リンクマーカー【左・右】
「召喚条件は効果モンスター2体以上!さらにプロキシー・ドラゴンはリンク素材2体分として扱える!プロキシー・ドラゴンとイヴリースでリンク召喚!『トランスコード・トーカー』!」
トランスコード・トーカー LINK-3 ATK2300 リンクマーカー【上・右・下】
「イヴリースの効果は使わない。トランスコードの効果発動!これに対して何か?」
「無いわ」
「トランスコードの効果!自分の墓地のリンク3以下のサイバース族リンクモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する。この効果を発動するターン、自分はサイバース族モンスターしか特殊召喚できない!俺はパワーコードを蘇生する!」
パワーコード・トーカー LINK-3 ATK2300 リンクマーカー【左・左下・右】
「これで突破出来る!バトル!パワーコードでレッド・デーモンズを攻撃!このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に、
このカードのリンク先の自分モンスター1体をリリースして発動できる。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、元々の攻撃力の倍になる!!!」
パワーコード・トーカー ATK2300→4600
「ぐっ…!?」
パワーコード・トーカー ATK4600→2300
真由美 LP4500→3900
「メイン2…ターンエンド」
さーてと…次のドローで何が引けるかな〜。
「私のターン、ドロー!」
さて、相手フィールドには攻撃力2300のパワーコード・トーカー…2回攻撃を食らえば…または攻撃力1600以上のモンスターを引かれたらもれなく敗北直行ルートとなる。今引いたカードは何かしら……お、ラッキー!
「魔法カード『死者蘇生』!墓地からモンスター1体を特殊召喚する!蘇れ!我が魂!『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000
「バトル!レッド・デーモンズでパワーコード・トーカーを攻撃!《アブソリュート・パワー・フォース》!!!」
「通します…!」
市之瀬 LP6000→5300
「私はこれでターンエンド」
私の闘志はまだ消えないわよ!泥沼化してるけどね!
「ドロー!スタンバイ、メイン…」
さて、市之瀬君!かかってらっしゃい!
「よし来た!このカードは通常召喚出来ないが墓地の闇属性と光属性モンスターを1体ずつ除外して手札から特殊召喚出来る!『カオス・ソルジャー-開闢の使者』を特殊召喚!」
カオス・ソルジャー-開闢の使者 星8 ATK3000
やっぱり入ってた……!開闢!!!開闢には①攻撃を破棄してモンスター1体を除外する効果と②モンスターを破壊した時続けて攻撃出来る効果を持つ。問題はどちらの効果を使うかだ。
「……」
「開闢の効果発動!このカードの攻撃宣言を破棄する代わりにモンスター1体を除外します!これに対して何かありますか!?」
完全に勝ち戦のムードになっている中悪いんだけど……
「あるわよ!」
「!?」
「罠カード発動!『スキル・プリズナー』!自分フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。このターン、選択したカードを対象として発動したモンスター効果を無効にする!」
危ない危ない……相討ちにされていたらそれこそピンチだったわ。
「ッ……メイン2…ターンエンド」
「私のターン!」
そして、引けた。最高のカード!
「チューナーモンスター『ミラー・リゾネーター』を召喚!」
ミラー・リゾネーター 星1 ATK0 チューナー
「レベル8のレッド・デーモンズ・ドラゴンにレベル1のミラー・リゾネーターをチューニング!《深淵の闇より解き放たれし魔王よ!!その憤怒を爆散させよ!!》シンクロ召喚!『琰魔竜レッド・デーモン・アビス』!」
琰魔竜レッド・デーモン・アビス 星9 ATK3200
「バトル!レッド・デーモン・アビスでカオス・ソルジャーを攻撃!!!」
「そんな……!」
市之瀬 LP5300→5100
「レッド・デーモン・アビスが相手に戦闘ダメージを与えた時、自分の墓地のチューナー1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する!『ミラー・リゾネーター』を守備表示で特殊召喚!」
ミラー・リゾネーター 星1 DEF0 チューナー
「私はこれでターンエンド!」
「ドロー、スタンバイ…メイン……」
レッド・デーモン・アビスの効果でカード効果を無効に出来る。これでもう何も出来ないわよね?
「……ッ、モンスター1体を伏せてターンエンド」
「私のターン!」
さらに畳み掛ける!
「レベル9のレッド・デーモン・アビスにレベル1のミラー・リゾネーターをチューニング!《泰山鳴動!!山を裂き地の炎と共にその身を曝せ!!》シンクロ召喚!『琰魔竜レッド・デーモン・ベリアル』!!!」
琰魔竜レッド・デーモン・ベリアル 星10 ATK3500
「さらに、チューナーモンスター『ヴァイロン・プリズム』を召喚!」
ヴァイロン・プリズム 星4 ATK1500 チューナー
「ベリアルの効果発動!自分フィールドのモンスター1体をリリースし、自分の墓地のレッド・デーモンモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する!ヴァイロン・プリズムをリリースし、蘇れ!『琰魔竜レッド・デーモン・アビス』!」
琰魔竜レッド・デーモン・アビス 星9 ATK3200
「ヴァイロン・プリズムは場合の効果!タイミングは逃さん!このカードがモンスターカードゾーン上から墓地へ送られた場合、500ライフポイントを払って発動できる。このカードを装備カード扱いとして自分フィールド上のモンスター1体に装備する!このカードが装備カード扱いとして装備されている場合、装備モンスターが戦闘を行うダメージステップの間、その攻撃力は1000ポイントアップする!ベリアルに装備!」
もう防ぐ手は無いわよ!
「バトル!レッド・デーモン・アビスで伏せモンスターを攻撃!」
オネスト 星4 DEF1900
オネスト…!もし同時に引かれてたら負けだったのね。
「そして、レッド・デーモン・ベリアルでダイレクトアタック!!!」
琰魔竜レッド・デーモン・ベリアル 星10 ATK3500→4500
市之瀬 LP5100→600
「この瞬間、ベリアルの効果発動!このカードが相手に戦闘ダメージを与えた時に発動できる。自分のデッキ及び墓地からレベルが同じチューナーをそれぞれ1体ずつ選んで守備表示で特殊召喚する!私はデッキから『エフェクト・ヴェーラー』・墓地から『ミラー・リゾネーター』を特殊召喚!」
エフェクト・ヴェーラー 星1 DEF0 チューナー
ミラー・リゾネーター 星1 DEF0 チューナー
「ターンエンド!」
「投了します」
市之瀬 LP600→0 surrender
****************
「ゼェ……ゼェ……」
その後、もう1回試合をしたんだけど…2試合目は完全に対策され、満足に抵抗出来ないまま開闢&オネストでライフを焼かれてしまった。3試合目は流石に連戦で私の方がバテてしまった為、断念した。
「……なんかすみません。せめて一矢報いたかったので」
「それだけの意地があれば元気に治るわよ」
因みに、市之瀬君は検査入院との事。なんでも内臓が悪いらしい。
「でも、このデュエルで自信つきました。また…もし退院出来たら!また対戦してくれますか?」
「えぇ、ここの近くのカードショップで夕方辺りに居るからいつでも挑戦にいらっしゃい♪」
私はガッチャのポーズを真似て病室を出た。試作デッキのテストも出来たし充分な収穫だったと思うけど、ちょっと疲れたかな。
真由美「今回は市之瀬君に来ていただきました!」
市之瀬「あ、あの…こういうところ初めてなんですよ。上手く話せるかなぁ」
真由美「まぁまぁ、なんとかなるわよ。ささ、デッキ紹介よろしく♪」
市之瀬「わ、分かった。やってみる。」
デッキ枚数(44)
モンスターカード(25)
カオスソルジャー 開闢の使者×2
マスターヒュペリオン×2
オネスト×3
終末の騎士×1
ジュラゲド×1
幻銃士×1
創造の代行者ヴィーナス×3
神聖なる球体×3
TGワーウルフ×1
神秘の代行者アース×3
夢幻崩界イヴリース×2
メタモルポット×1
ジェスターコンフィ×1
絶対王バックジャック×1
バトルフェーダー×1
魔法カード(15)
スケープゴート×2
フォトンリード×1
二重召喚×1
死者蘇生×1
精神操作×1
ブラックホール×1
サイクロン×1
ツインツイスター×1
局所的ハリケーン×1
ハーピィの羽根箒×1
貪欲な壺 2
大欲な壺×1
成金ゴブリン×1
トラップカード(4)
聖なるバリア-ミラーフォース-×1
和睦の使者×1
ガードブロック×1
リビングデッドの呼び声×1
エクストラデッキ(15)
ファイアウォール・ドラゴン×1
ヴァレルロード・ドラゴン×1
鎖龍蛇-スカルデット×1
トポロジック・ボマー・ドラゴン×1
トポロジック・トゥリスバエナ×1
トランスコード・トーカー×2
パワーコード・トーカー×1
デコードトーカー×1
プロキシードラゴン×2
セキュリティドラゴン×1
リンクリボー×1
ライトロード・アークミカエル×1
アームズエイド×1
市之瀬「基本的にはカオス代行の動きで戦い、リンク召喚やシンクロ召喚で攻めていく。イヴリースの効果を活かす為にサイバース系のリンクモンスターを多く採用しているんだ」
真由美「実際、コード・トーカー系のモンスターによる猛攻はきつかったわよ。切り返しに苦労したわ」
市之瀬「一番の決め手は開闢にオネストやアームズエイドを添えて叩き潰す事。1回戦では上手く使えなかったけど、2回戦では上手く決まったよ」
真由美「久しぶりに開闢の恐ろしさを感じられたわ……」
市之瀬「では、そろそろ戻るよ。病気を治して、今度こそ決着を付ける!」
真由美「ウン、マッテルヨー(開闢はもう勘弁してください)」
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チューナーください【サイバーストロイメア】
?「うっせーよカス」
最近、北斗の拳を観始めました。映画から入り始めましたのでジャギは大塚派(争いの種蒔き)
「……疲れた〜」
シフトを終え、いつものブーツに履き替えた私はジュラルミンケースを手にカードショップへの道を歩く。今日も面白いデッキを思いついた。早く使ってみたいなぁ……なんて思っていると、遊斗君と出くわした。いつも高級車で移動しているのに珍しい。
「やぁ、古霊さん。ここで会ったのも何かの縁だ。夕飯でもどう?」
「お断りします」
「ちぇっ、つれねぇなぁ…」
そのままの流れで一緒にカードショップまで歩く事になり、自然と早歩きになった。やっぱダメだ。このイケメンもどきと居るとテンポが崩れる!
「ちょっ!?歩くの早ッ!?オレそんなに嫌われてる?」
「多分そのしつこさを直したら多少マシになると思うわよ」
少しずつ距離を離していく……が、ここでアクシデントが起きた。道路に埋まっている格子蓋に足を引っ掛けたのだ。正確に言うと、『ヒールを引っ掛けた』。
ボキィッ!!!
ヒールが折れ、バランスを崩した私だったが…体は道路に転がる事無く遊斗君の腕に抱きとめられていた。
「大丈夫か?」
「転けた方がマシだったわ」
「ひでぇなおい」
腕を解いた私はすぐに破損箇所を確認する。幸い、ブーツとの結合部が緩くなっていただけだったらしい。
「そのブーツ何年履いてるんだ?かなり年季入ってるみたいだが」
「まぁ…5年くらいかしら?」
「そろそろ買い替え時じゃないか?いい店知ってるから連れて……って何やってんだ?」
「?……修理だけど?」
「おいおいマジかよ…まだ履く気か?」
遊斗君のツッコミを無視して私はブーツを脱いでジュラルミンケースからいつものパッチワークセットを取り出した。
「これくらいなら瞬間接着剤で応急処置出来るわね……先行ってていいわよ」
「いや、そこはオレが家まで背負う流れだろ!?」
鬱陶しいと思いながらもブーツの接着を終えた私は接着剤が固まるのを待ってから履き直した。
「よし、ちょっとゆっくり行こうかな」
「あぁ、思い出したが今日は諸星の奴…補習で来れないらしいぞ」
「何を落としたの?」
「英語」
「私もテストある度に落としたのよね」
「マジか」
取り敢えず、カードショップに入ると私は席に着き完成品をシャッフル。遊斗君も対面に座りデッキを取り出すとシャッフルを始めたがそのデッキに違和感を感じた。その正体が分からないままシャッフルを終え、私と遊斗君はデッキをセットした。久しぶりのデュエルだけど、大丈夫かしら?
「行くぜ!」
「行くわよ!」
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
遊斗 LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!」」
先攻はもらった!幸いやりたいコンボは手札に揃ってるし…!
「魔法カード『封印の黄金櫃』を発動!デッキからカードを1枚除外し、2ターン後の自分スタンバイフェイズに手札に加える!私が除外するのは『バランサーロード』!このカードは除外された場合、手札のレベル4以下のサイバース族モンスター1体を特殊召喚する!『サイバース・ガジェット』を特殊召喚!」
サイバース・ガジェット 星4 ATK1400
「このカードの召喚条件はレベル4以下のサイバース族1体!ガジェットでリンク召喚!『リンク・ディサイプル』!」
リンク・ディサイプル LINK-1 ATK500 リンクマーカー【下】
「サイバース・ガジェットがフィールドから墓地へ送られた場合、自分フィールドに『ガジェット・トークン』1体を特殊召喚!」
ガジェットトークン 星2 ATK0
「続けて!このカードの召喚条件はレベル4以下のサイバース族1体!ガジェットトークンでリンク召喚!『リンク・ディヴォーティー』!
リンク・ディヴォーティー LINK-1 ATK500 リンクマーカー【上】
「リンク・ディヴォーティーは特殊召喚に成功した場合、このターンリンク3以上のリンクモンスターをリンク召喚出来ないが、この効果は誓約効果では無いので無効に出来る!速攻魔法『禁じられた聖杯』発動!フィールドのモンスター1体の効果を無効にしエンドフェイズまで攻撃力を400アップする!ディヴォーティーを選択!」
リンク・ディヴォーティー ATK500→900
「さらに、リンク・ディサイプルの効果発動!リンク先のモンスター1体をリリースして自分はデッキから1枚ドローし、その後手札を1枚選んでデッキの一番下に戻す!さらにディヴォーティーは相互リンク状態でリリースされた場合、自分フィールドに『リンクトークン』2体を特殊召喚する。」
リンクトークン 星1 ATK0
リンクトークン 星1 ATK0
「このカードの召喚条件はサイバース族2体!リンクトークンとディサイプルで『サイバース・ウィッチ』をリンク召喚!」
サイバース・ウィッチ LINK-2 ATK800 リンクマーカー【左下・下】
「さらに、このカードの召喚条件はレベル1モンスター1体!リンクトークン1体をリンク素材に『リンクリボー』をウィッチのリンク先にリンク召喚!」
リンクリボー LINK-1 ATK300 リンクマーカー【下】
「ウィッチのリンク先にモンスターが召喚・特殊召喚された事でウィッチの効果発動!自分の墓地の魔法カード1枚を除外し、デッキからサイバース族の儀式モンスター1体と『サイバネット・リチューアル』1枚を手札に加える!私はデッキから『嵐竜の聖騎士』と『サイバネット・リチューアル』を手札に加える!」
「まだ回す気かよ!?」
「さらに、この効果を使用したターンのメインフェイズ時、自分の墓地のレベル4以下のサイバース族モンスター1体を対象として特殊召喚出来る!『サイバース・ガジェット』を特殊召喚!」
サイバース・ガジェット 星4 ATK1400
「このカードの召喚条件はトークン以外の同種族のモンスター2体以上!サイバース・ウィッチとリンクリボーで『サモン・ソーサレス』をリンク召喚!」
サモン・ソーサレス LINK-3 ATK2400 リンクマーカー【上・左下・右下】
「サモン・ソーサレスの効果発動!このカードのリンク先の表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターと同じ種族のモンスター1体をデッキから選び、このカードのリンク先となる自分・相手フィールドに守備表示で特殊召喚する。ただし、この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。ガジェットを選択してデッキから『フォーマッド・スキッパー』を特殊召喚!」
フォーマッド・スキッパー 星1 DEF0
「さらにこのカードの召喚条件は同名以外のモンスター2体!フォーマッド・スキッパーとサイバース・ガジェットをリンク素材に『トロイメア・ゴブリン』をソーサレスの左下のリンク先にリンク召喚!」
トロイメア・ゴブリン LINK-2 ATK1300 リンクマーカー【左・右】
「ゴブリンのリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨て自分は通常召喚に加えて1度だけ、このターンのメインフェイズにこのカードのリンク先となる自分フィールドに手札からモンスター1体を召喚できる!さらにチェーンしてフォーマッド・スキッパーの効果発動!このカードがこのカードがリンク素材として墓地へ送られた場合に発動できる。デッキからレベル5以上のサイバース族モンスター1体を手札に加える!私はデッキから『SIMMタブラス』を手札に!さらに、SIMMタブラスは自分の墓地のレベル4サイバース族1体を対象とし、このカードをリンクモンスターのリンク先へ特殊召喚して対象モンスターを手札に戻す!」
SIMMタブラス 星5 ATK0
「そして、通常召喚権を1つ消費して『サイバース・ガジェット』を召喚!」
サイバース・ガジェット 星4 ATK1400
「このカードの召喚に成功した時、墓地のレベル2以下のモンスター1体を効果を無効にして特殊召喚する!『フォーマッド・スキッパー』を特殊召喚!」
フォーマッド・スキッパー 星1 DEF0
「このカードの召喚条件はモンスター2体以上!サモン・ソーサレスとサイバース・ガジェットで『ファイアウォール・ドラゴン』をゴブリンの右のリンク先へリンク召喚!」
ファイアウォール・ドラゴン LINK-4 ATK2500 リンクマーカー【上・左・下・右】
「このカードの召喚条件は同名モンスター以外のモンスター2体!フォーマッド・スキッパーとSIMMタブラスをリンク素材に『トロイメア・フェニックス』をゴブリンの左のリンク先へリンク召喚!」
トロイメア・フェニックス LINK-2 ATK1900 リンクマーカー【上・右】
「ファイアウォールの効果発動!リンク先のモンスターが墓地へ送られた時、手札からモンスター1体を特殊召喚する!『ドングルドングリ』を特殊召喚!」
ドングルドングリ 星1 ATK0
「このカードが特殊召喚に成功した場合、自分フィールドに『ドングルトークン』を特殊召喚出来る!」
ドングルトークン 星1 DEF0
「召喚条件はレベル1モンスター1体!ドングルトークンで『リンクリボー』をファイアウォールの上のリンク先へリンク召喚!」
リンクリボー LINK-1 ATK300 リンクマーカー【下】
「ファイアウォールの効果発動!このカードと相互リンクしているモンスターの数までフィールドまたは墓地のモンスターを手札に戻す!相互リンクしているモンスターは2体!よって、墓地のサイバース・ガジェットとフォーマッド・スキッパーを手札に戻す!そして、リンクリボーとドングルドングリでトロイメア・ケルベロスをファイアウォールの右のリンク先に特殊召喚!」
トロイメア・ケルベロス LINK-2 ATK1600 リンクマーカー【左・上】
「さらに、ファイアウォールの効果で手札からフォーマッド・スキッパーを特殊召喚!」
フォーマッド・スキッパー 星1 ATK0
「フォーマッド・スキッパーの効果発動!エクストラデッキのリンクモンスター1体を相手に見せ、このターンにリンク召喚する場合、このカードは見せたモンスターと同じカード名・種族・属性の素材としても扱える!私が見せるのは『トロイメア・マーメイド』!よってこのカードはトロイメアとして扱われる!」
フォーマッド・スキッパー→トロイメアモンスター
「このカードの召喚条件はトロイメアマーメイド以外のトロイメア1体!トロイメアとなったフォーマッド・スキッパーで『トロイメア・マーメイド』をエクストラモンスターゾーンにリンク召喚!」
トロイメア・マーメイド LINK-1 ATK1000 リンクマーカー【下】
「このカードがリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨てて発動できる。デッキからトロイメアモンスター1体を特殊召喚する!この効果の発動時にこのカードが相互リンク状態だった場合、さらに自分はデッキから1枚ドローできる!『夢幻崩界イヴリース』を特殊召喚!」
夢幻崩界イヴリース 星2 ATK0
「そして、このカードの召喚条件はレベル4以下のサイバース族モンスター1体!イヴリースをリンク素材に『リンク・ディサイプル』を最後のエクストラモンスターゾーンにリンク召喚!」
リンク・ディサイプル LINK-1 ATK500 リンクマーカー【下】
「イヴリースはフィールドから墓地へ送られた場合、相手フィールドに守備表示で特殊召喚される!」
夢幻崩界イヴリース 星2 DEF0
「これでエクストラリンク完了よ!」
「なんてこった……」
「ふっふっふ、私はこれでターンエンド」
現在、ケルベロス・マーメイド・フェニックス・ゴブリンの効果で相互リンクしてないモンスターの攻守-1000、効果対象にならず戦闘&効果では破壊されない、しかも相手フィールドに出したイヴリースの効果でリンクモンスター以外のモンスターをエクストラデッキから出せない。これは無理でしょ?
「オレのターン、ドロー!」
さぁ、来い!
「……ハハハ!確かに面白い考えだと思う。だが、そんなレッド・デーモンズの一欠片も無い布陣に覇気も何も無い!そんな布陣なぞオレの敵ではないわ!イヴリースをリリースし、手札から『サイバー・ドラゴン』をアドバンス召喚!」
サイバー・ドラゴン 星5 ATK2100
しかも黒い肌バージョンのイラストじゃない。でも、一体何を…………あっ。
「このカードはサイバー・ドラゴンと自分・相手フィールドのエクストラモンスターゾーンのモンスター1体以上を墓地へ送った場合のみ、EXデッキから特殊召喚できる!サイバー・ドラゴン!リンク・ディサイプル!トロイメア・マーメイドを融合!いでよ!『キメラティック・メガフリート・ドラゴン』!」
「そんなぁ……!?」
キメラティック・メガフリート・ドラゴン 星10 ATK0
「このカードの元々の攻撃力は、このカードの融合素材としたモンスターの数×1200ポイントになる!」
頭の中に流れるのは「テレッテー」のBGM。終わった……
キメラティック・メガフリート・ドラゴン ATK0→3600
「さらにこのカードは自分フィールドの機械族モンスターをリリースする事で手札から特殊召喚出来る!メガフリートをリリースして『サイバー・ファロス』を特殊召喚!」
サイバー・ファロス 星1 ATK0
「このカードは1ターンに1度、自分の手札・フィールドから、機械族の融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する!手札の『サイバー・ドラゴン』、『サイバー・ドラゴン・コア』、『サイバー・ドラゴン・フィーア』、『サイバー・ドラゴン・ドライ』とフィールドの『サイバー・ファロス』を融合!顕れよ!『キメラティック・オーバー・ドラゴン』!」
キメラティック・オーバー・ドラゴン 星9 ATK?
「このカードの元々の攻撃力・守備力は、このカードの融合素材としたモンスターの数×800ポイントになり、融合素材としたモンスターの数だけ相手モンスターを攻撃できる!」
キメラティック・オーバー・ドラゴン ATK?→4000
「……あはは」
「バトル!キメラティック・オーバー・ドラゴンで戦闘破壊耐性を得たトロイメア・ゴブリンに5回の連続攻撃!《エヴォリューション・レザルト・バースト、グォレンダァ》!!!」
やっぱレモンなきゃ精度に欠くわね、私……(涙)
真由美 LP8000→0
********************
「死にたい……」
「まぁ…元気出せって。よし、この後飯でもどう?」
「やだ、帰る」
あんだけ苦労して成立されたエクストラリンクをたった2枚のカードで攻略されてしまった事で不貞腐れてしまった。やっぱりエクストラリンクデッキはエクストラデッキがかっつかつになるし、デュエルでも途中から何やってたか分からなくなる。
「サイバース族のチューナー欲しいなぁ……この際『サイバース・リゾネーター』なんてカード出てくれないかなぁー……」
「古霊さん、悪かったって!」
結局、エネルギーを使い果たしてしまった私はそのまま帰宅。さっさとブーツを修理した後、簡易ベッドにダイブして夢の世界へと旅立った。
真由美「トロイメアって害悪だわ」
遊斗「自分で使っといてその物言いはどうかと思うが…」
真由美「取り敢えず、紹介するわね。リストをドドンと表示するわ!」
デッキ総枚数(40)
モンスター(23)
●SIMMタブラス×2
●リンクスレイヤー×1
●嵐竜の聖騎士2
●レディ・デバッカー×3
●バランサーロード×3
●サイバース・ガジェット×3
●バックアップ・セクレタリー×2
●シーアーカイバー×1
●夢幻崩界イヴリース×2
●ドットスケーパー×1
●ドングルドングリ×2
●フォーマッド・スキッパー×1
魔法カード(14)
●ワン・フォー・ワン×1
●サイバネット・バックドア×3
●サイバネット・リチューアル×3
●貪欲な壺×1
●封印の黄金櫃×2
●禁じられた聖杯×2
●ワンタイム・パスコード×2
罠カード(3)
●無限泡影×3
エクストラデッキ(15)
●ファイアウォール・ドラゴン×1
●サモン・ソーサラー×1
●トライゲート・ウィザード×1
●トロイメア・ユニコーン×1
●トロイメア・ケルベロス×1
●トロイメア・フェニックス×1
●トロイメア・ゴブリン×2
●サイバース・ウィッチ×1
●トロイメア・マーメイド×1
●リンクリボー×2
●リンク・ディサイプル×2
●リンク・ディヴォーティー×1
真由美「今回のデッキはサイバース・ウィッチでサーチした2枚の儀式セットを儀式召喚ではなく2枚のハンドアドとして扱い、トロイメアのハンドコストに使う事でエクストラリンクを目指すデッキよ。魔法カード1枚とモンスター1体が揃うだけでガン回し出来るわ」
遊斗「チューナーがいないな」
真由美「チューナーが無いと元気も判断力も半減するわね…やっぱり」
遊斗「そもそもサイバース族って手札めっちゃ消費するクソデッキのイメージしかないからな」
真由美「否定はしないわ。エクストラリンクかサイバース・マジシャンでのロックデッキくらいしか能がないもの。もっと沢山の属性のバニラサイバースが出ればダーク・ドリアードを使ったデッキも作れるのだけど、まだ欠陥だらけね」
遊斗「なるほど……」
真由美「そんな事より、サイバーデッキが見たいんだけど!」
遊斗「それはまたいつかな」
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フィールドを支配せよ【霊式裏サイバー流】
「翔太君〜久しぶり〜!」
「わっ!?真由美……!」
昼の忙しい時間が終わってマスターと野球のテレビ中継を観ていると翔太君がやって来たので反射的に抱きついてしまった。一緒について来た遊斗君が若干引いている。
「今なに見てたの?」
「野球中継、ライダーズとワイバーンズの試合やってたのよ」
「あー、今投げてるの例の新人ピッチャー?」
「そうそう、155km/hの本格派で『与謝野』って人」
翔太君に抱きついたまま野球中継を眺める事10分。客も入って来ないし高校の授業が早く終わったという事もあってか気を利かせて仕事を切り上げてくれたマスターの気概に感謝しつつ、私は店を出た。
「引っ越しの準備は出来てるの?」
「70%ってところかな?翔太君の家は?」
「母さんがスペースを作ってくれてる……はず」
「はず?」
「だって僕が見てる時いっつもサボってるから」
「へくちゅ!?……んあ、なんか噂話されたような…」
「気のせいだよお母さん。それより肩揉んだんだから早く片付けてよ。真由美さんが来れないじゃん」
「ごめんごめん、よーし!お母さん頑張るぞ〜……あっ、やっぱり腰が…」
「まー、気長に待つわよ」
「ありがと」
「(オレが空気になってるぞ!)」
3人で道を歩きながら、カードショップへと入っていった。
「いらっしゃい!」
「今日も来たわよ〜」
遊斗君は不貞腐れたのか、セバスティアンさんを呼びつけてデュエルを始めていた。それをスルーして私は翔太君とデュエルスペースに陣取った。
「今日はどんなデッキを用意したの?」
「ふっふっふ、今日は【ロックビート】を用意したのよ」
「ロックビート?珍しいね」
「まぁ見てなさいな!レモンの新しい使い方を教えてあげる!」
早速デッキをシャッフルし、私と翔太君は対峙した。久しぶりの翔太君とのデュエルだから俄然やる気も出るってわけよ!
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
翔太 LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!!」」
よっしゃ先攻いただき!
「私のターン!ドロー!……手札から『サイバー・ダーク・カノン』を墓地へ送り効果発動!デッキからサイバー・ダークモンスター1体を手札に加える!」
「って、裏サイバー流!?」
「フィールド魔法『サイバーダーク・インフェルノ』を発動!装備カードを装備したサイバー・ダークモンスターは効果対象にされず効果破壊されない!さらに『サイバー・ダーク・ホーン』を召喚!」
サイバー・ダーク・ホーン 星4 ATK800
「サイバー・ダークモンスターは共通効果として墓地のレベル3以下のドラゴン族モンスター1体を装備カード扱いで装備しその攻撃力を得る!墓地のサイバー・ダーク・カノンを装備!」
サイバー・ダーク・ホーン ATK800→2400
「さらに魔法カード『トレード・イン』を発動!手札のレベル8モンスター1体を墓地へ送りデッキからカードを2枚ドローする!手札の『闇黒の魔王ディアボロス』を墓地へ送り2枚ドロー!」
引けた!このデッキの肝にして心臓部!
「永続魔法『巨神竜の遺跡』を発動!1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドの表側表示のカード1枚を墓地へ送り、自分フィールドに『巨竜トークン』1体を特殊召喚出来る!カノンを墓地へ送り、トークンを1体生成!」
巨竜トークン 星1 ATK0
「装備状態のカノンが墓地へ送られた場合、デッキからカードを1枚ドローする!このカードの召喚条件はレベル1モンスター1体!巨竜トークンをリンク素材としてリンク召喚!来い!『リンクリボー』!」
リンクリボー LINK-1 ATK300 リンクマーカー【下】
「さらにフィールド魔法『サイバーダーク・インフェルノ』の効果発動!1ターンに1度、自分フィールドのサイバー・ダークモンスター1体を手札に戻し、別のサイバー・ダークモンスター1体を通常召喚出来る!ホーンを戻し、『サイバー・ダーク・キール』を召喚!」
サイバー・ダーク・キール 星4 ATK800
「キールは共通効果により墓地のレベル3以下のドラゴン族を1体装備出来る!墓地のカノンを装備!」
サイバー・ダーク・キール ATK800→2400
「カードを1枚伏せてターンエンド」
さぁ、かかって来なさい!アド地獄を見せてあげる!
「僕のターン、ドロー!……自分フィールドにモンスターが存在しないので『SRベイゴマックス』を特殊召喚召喚!」
SRベイゴマックス 星3 ATK1200
「このカードの召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキからスピードロイドモンスター1体を手札に加える!僕が加えるのはチューナーモンスター『SR赤目のダイス』!そして召喚!」
SR赤目のダイス 星1 ATK100 チューナー
「このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、自分フィールドのこのカード以外のスピードロイドモンスター1体のレベルを1〜6に変更する!ベイゴマックスのレベルを6に変更!」
SRベイゴマックス 星3→6
「レベル6となったベイゴマックスにレベル1の赤目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 星7 ATK2400
「さらに魔法カード『死者蘇生』で『SR赤目のダイス』を蘇生!」
SR赤目のダイス 星1 ATK100 チューナー
「使っちゃっていいの?」
「こういう時は出し惜しみしちゃダメなのさ!レベル7のクリアウィングにレベル1の赤目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000
「これでリンクリボーは効果が使えまい!バトル!クリスタルウィングでリンクリボーを攻撃!」
「……そう思うじゃない?」
「!?」
「永続罠『強制終了』!自分フィールドのこのカード以外のカードを1枚墓地へ送り、バトルフェイズを終了させる!装備状態のカノンを墓地へ送りバトルフェイズを終了!」
「なっ……!?」
「しかもカノンが墓地へ送られたのでカードを1枚ドローするわ」
ふっふっふ、この爆アドはどうかしら?しかも返しのターンでインフェルノの効果を使い装備し直せば幾らでもドローできる。しかも、カノンのドロー効果に制限は無い。コンボパーツ次第では爆アドを稼げるという絡繰だ。
「カードを1枚伏せてターンエンド」
「私のターン、ドロー!」
いいカード…引けた!!!
「まずクリスタルウィングには黙ってもらおうかしら!速攻魔法カード『エネミーコントローラー』を発動!私は2つ目の効果を使うわ!自分フィールドのモンスター1体をリリースし、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。その表側表示モンスターのコントロールをエンドフェイズまで得る!リンクリボーをリリースしてクリスタルウィングを掌握する!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 翔太→真由美
「さらに闇属性モンスターがリリースされた為、墓地の『闇黒の魔王ディアボロス』の効果発動!このカードは手札または墓地にあり、自分フィールドの闇属性モンスターがリリースされた場合、特殊召喚出来る!」
闇黒の魔王ディアボロス 星8 ATK3000
「チューナーモンスター『ライトロード・アサシン ライデン』を召喚!」
ライトロード・アサシン ライデン 星4 ATK1700 チューナー
「レベル4のサイバー・ダーク・キールにレベル4のライデンをチューニング!《王者の鼓動、今ここに列をなす!天地鳴動の力を見るがいい!》シンクロ召喚!我が魂『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000
「お、攻撃力3000が3体も並んでる…って1枚諸星のカードじゃん」
「横から茶々入れるな遊斗!」
「最低ですね」
「おい!セバスは黙ってろ……って!うわぁああああああああ!!!またスタバかよぉおおおおおおおお!!!」
さて、気を取り直して……
「バトルフェイズに入るけど、防げるかしら?」
「それはお楽しみに」
「じゃあ行くわよ!バトル!闇黒の魔王ディアボロスでダイレクトアタック!」
「それは通す!」
翔太 LP8000→5000
「続けて!クリスタルウィングでダイレクトアタック!」
「これも……!」
翔太 LP5000→2000
「そして!レッド・デーモンズ・ドラゴンでダイレクトアタック!」
「このタイミングで罠発動!『迷い風』!特殊召喚された表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの効果は無効化され、元々の攻撃力は半分になる!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン ATK3000→1500
翔太 LP2000→500
「あちゃー、防がれたかー……」
それでも防衛に軌道を変えられるのが裏サイバー流。
「メインフェイズ2、巨神竜の遺跡の効果発動!クリスタルウィングを墓地へ送り、巨竜トークンを特殊召喚する!」
巨竜トークン 星1 ATK0
「さらに、墓地のリンクリボーは自分フィールドのレベル1モンスター1体をリリースして墓地から特殊召喚出来る!巨竜トークンをリリース!」
リンクリボー LINK-1 ATK300 リンクマーカー【下】
「カードを1枚伏せてターン終了よ」
ここまで追い込みは順調。でも、僅かに残った500ポイントが気になって仕方ない。これを起点に逆転される可能性も否定できないからだ。
「僕のターン、ドロー!」
今の盤面なら特殊召喚したターンに効果は使えず、バトルフェイズに入れば強制終了に持ち込める。
「魔法カード『星屑のきらめき』を発動!自分の墓地に存在するドラゴン族のシンクロモンスター1体を選択!そのモンスターのレベルと同じレベルになるように、選択したモンスター以外の自分の墓地に存在するモンスターをゲームから除外し、選択したモンスターを墓地から特殊召喚する!クリアウィングと赤目のダイスを除外!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』を墓地から特殊召喚する!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000
まずいわね…巨神竜の遺跡は墓地蘇生には対応してない。伏せカードをここで使うか否か……
「さらに、魔法カード『ヒドゥン・ショット』!墓地のスピードロイドモンスターを2体まで除外してその枚数分相手フィールドのカードを破壊する!ベイゴマックスを除外して強制終了を破壊!」
「っ」
これで防ぐカードの殆どは失われた。頼みのリンクリボーもクリスタルウィングの前には無力……
「バトル!クリスタルウィングでディアボロスを攻撃!このカードがレベル5以上の相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動する。このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする!」
「っ!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→6000(ダメージ計算のみ)
真由美 LP8000→5000
「僕はこれでターンエンド!」
巨神竜の遺跡のおかげで後続の展開は防げたが、攻撃力1500のレッド・デーモンズではクリスタルウィングの猛攻は防げない。このカードが最後の砦となる!
「私のターン、ドロー!」
問題は伏せカード……仮にクリスタルウィングを突破出来ても伏せカードが突破出来なければ意味がない。今、引いたカードではその手立てが無い。
「レッド・デーモンズを守備表示にする。ターンエンド」
レッド・デーモンズ・ドラゴン ATK1500→DEF2000
「随分と後ろ向きじゃないですか。これは勝てるかも!ドロー!」
翔太君の剣がじわりじわりと向けられる。絶体絶命のピンチ……
「魔法カード『H-ヒートハート』を発動!モンスター1体を対象としてエンドフェイズまで攻撃力500アップ+守備貫通効果を付与する!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→3500
「さらに、『SRシェイブー・メラン』を召喚!」
SRシェイブー・メラン 星4 ATK2000
「このカードは召喚したターンには攻撃できないが、1ターンに1度、フィールドの表側表示モンスター1体を対象としてこのカードを守備表示にする事で対象のモンスターの攻撃力をターン終了時まで800ダウンさせる!だが、その効果に対してクリスタルウィングの効果発動!モンスター効果を無効にして破壊!その攻撃力をクリスタルウィングに加える!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3500→5500
あかん、攻撃されたら死ぬやつだわ。
「これで僕の勝ちだ!バトル!クリスタルウィングでレッド・デーモンズを攻撃!この瞬間、クリスタルウィングの効果発動!」
「──やるなら今よね」
「?」
「罠カード発動!『鎖付きブーメラン』!」
「!?」
「鎖付きブーメランは以下の効果から1つ、または両方を選択してこのカードを発動できる。1つ目は相手モンスターの攻撃宣言時に、その攻撃モンスター1体を対象としてその攻撃モンスターを守備表示にする。2つ目は自分フィールドの表側表示モンスター1体を対象としてこのカードを攻撃力500アップの装備カード扱いとして、その自分のモンスターに装備する!」
元々はサイバーダークの召喚時にチェーン発動で装備させてクリスタルウィングの効果から身を守る算段だったんだけど、これで形勢逆転ね。
レッド・デーモンズ・ドラゴン ATK1500→2000
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK5500→DEF2500
「…そんなカードあったんだ」
「えぇ……」
城之内君のカードよ!翔太君!
「僕はこれでターンエンド」
さぁ、逆転の時間よ!守備表示になってしまえば何も怖くないわ!
「私のターン、ドロー!」
ここぞという時にガン回しの恩恵が来てるわね!いいカードが引けた!
「魔法カード『強欲で貪欲な壺』を発動!デッキトップから10枚を裏側で除外してデッキからカードを2枚ドローする!そして、魔法カード『死者蘇生』を発動!私は墓地から『闇黒の魔王ディアボロス』を特殊召喚!」
闇黒の魔王ディアボロス 星8 ATK3000
「さらにレッド・デーモンズを攻撃表示に変更!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン DEF2000→ATK2000
「バトル!ディアボロスでクリスタルウィングを攻撃!クリスタルウィングの効果で守備力は上がらないでしょ?」
「っ……!」
「そして、レッド・デーモンズ・ドラゴンでダイレクトアタック!《アブソリュート・パワー・フォース》!!!」
翔太 LP500→0
最後は力技だったけど無事削り切れた。充分すぎる成果だった。
*********************
「スタバは勘弁してください」
「……文句があるならメタカードを採用してはいかがでしょうか?」
スターダスト・ドラゴン/バスターを展開した容赦の無いドSビートの前にボコボコにされた遊斗君を一瞥して、私は背中を伸ばした。
「今回は上手くいったわね。でもやっぱりカードが足りない気もするわ」
「クリスタルウィングを出されると戦力が60%も減衰するのは問題だからね」
そう、サイバー・ダークは装備しなければインフェルノの加護を受けられない。なので、召喚に成功した時の装備効果を無効にされると途端に弱くなってしまう。今後の課題ね。
「明日は空いてる?」
「空いてるよ」
「じゃあ明日デッキ調整手伝ってよ。三食と寝床無料でつけてあげるから♪」
「オレも一枚噛まさせろ!」
「却下」
真由美「制欲を持て余す」
翔太「レモンを出したかったんだね。途中からレモンデッキになってたよ」
真由美「後悔はしていない(キリッ)」
デッキ総枚数(45)
モンスター(18)
●闇黒の魔王ディアボロス×2
●Sin スターダスト・ドラゴン×1
●限界竜シュバルツシルト×2
●サイバー・ダーク・ホーン×1
●サイバー・ダーク・エッジ×1
●サイバー・ダーク・キール×1
●召喚僧サモンプリースト×1
●ライトロード・アサシン ライデン×2
●BF-精鋭のゼピュロス×1
●サイバー・ダーク・カノン×3
●サイバー・ダーク・クロー×3
魔法カード(19)
●サイバーダーク・インフェルノ×3
●サイバーダーク・インパクト!×1
●巨神竜の遺跡×3
●強欲で貪欲な壺×2
●トレード・イン×1
●死者蘇生×1
●エネミー・コントローラー×1
●盆回し×2
●竜の渓谷×1
●闇黒世界─シャドウ・ディストピア×1
●超融合×1
●おろかな副葬×2
罠カード(8)
●鎖付きブーメラン×2
●強制終了×2
●苦渋の黙札×3
●神の通告×1
エクストラデッキ(15)
●鎧黒竜─サイバー・ダーク・ドラゴン×1
●スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン×2
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×1
●スターダスト・ドラゴン×1
●No.95 ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴン×1
●ギャラクシーアイズFA・フォトン・ドラゴン×1
●銀河眼の光波竜×1
●鳥銃士カステル×1
●ヴァレルソード・ドラゴン×1
●トポロジック・トゥリスバエナ×1
●見習い魔嬢×2
●リンクリボー×2
真由美「基本的にサイバー・ダークにカノンを装備→巨神竜の遺跡でカノンをトークンに変換して1ドロー→インフェルノがあればそこから別のサイバー・ダークを呼び込みつつ再度カノンを装備して次のアド稼ぎをするの。強制終了は相手ターンにカノンを墓地に送る手段として採用したわ」
翔太「Sinスターダストはフィールド魔法が多いから採用したんだね」
真由美「そうね。手っ取り早く墓地にカノンとディアボロスを落とす為にダークマターコンボも混ぜてみたの。裏サイバー流も進化するってね!」
翔太「……(真由美さんの場合はレモン汚染されるけど)」
セバス「スタバ、2体目です」ドヤァ
遊斗「鬼!悪魔!」
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あいつ、禁止制限になったんだってよ
真由美「さて皆さん!2018年7月リミットレギュレーションが公開されましたよ!」
翔太「今年も波乱の予感が……!」
遊斗「セバス、征竜の買い占めは?」
セバス「万事完了です」
遊斗「ハハハハハ!次の勝者はオレだ!さぁ、リストを見せろ!」
2018年7月リミテッドレギュレーション
禁止
キャノン・ソルジャー
トゥーン・キャノン・ソルジャー
マジカル・エクスプロージョン
制限
アストログラフ・マジシャン
調弦の魔術師
ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラム
閃刀機-ホーネットビット
盆回し
準制限
エルシャドール・ネフィリム
エルシャドール・ミドラーシュ
SPYRAL GEAR-ドローン
SRベイゴマックス
D-HERO ディスクガイ
緊急テレポート
無制限
WW-アイス・ベル
影霊衣の術士 シュリット
マスマティシャン
命削りの宝札
真竜の継承
遊斗「」バタッ
翔太「よっしゃ!ベイゴマックスが2枚入れられる!」
セバス「坊ちゃん?……し、死んでる」
遊斗「死んでねーよ」ムクリ
禁止カード編
真由美「では、何故禁止制限になったのか我々で検証するわね」
セバス「禁止カードはキャノン・ソルジャー及びトゥーン・キャノン・ソルジャー、そしてマジカル・エクスプロージョンですね」
翔太「……なんか、10年以上昔の禁止制限を見てる気分になるよ」
真由美「キャノン・ソルジャーについてはもうご愁傷様といったところね。ファイアウォール・ドラゴンやインフェルニティのループコンボの要にされたのが運のツキよ」
セバス「前者ではファイアウォールの効果で手札から特殊召喚出来るという利点がありますね。」
翔太「マジカル・エクスプロージョンは間違いなく魔法カードを肥やしやすく強力なコンセプト【閃刀姫】への規制だね。ホーネット・ビットも間違いなく対象になってると思うし」
制限カード編
真由美「予想通り、アストログラフ・マジシャンと調弦の魔術師が制限行きになったわね。この2枚は【魔術師】の要にしてパワーカードだったので制限行き。これによって【魔術師】は大きく衰退する事になるわね」
翔太「アストログラフはモンスターが破壊された時に自身を特殊召喚しつつ破壊されたモンスターと同じカードをサーチ出来る点が決め手になったね」
遊斗「調弦は1枚で殆ど条件無しにレベル8、ランク2、LINK-2のモンスターに繋げられる点が制限理由だろうな。魔術師・闇属性・攻撃力0ってのがサーチのし易さの一因にもなったな」
真由美「ヘビーメタルフォーゼ・エレクトラムも制限行き。このカードは1枚で欲しいペンデュラムモンスターを回収出来る点、ペンデュラムゾーンのカードがフィールドを離れればドロー出来る。しかも左下・右下のリンクマーカーなどペンデュラムデッキに有効な効果しか書いてないので制限は避けられなかったわね」
遊斗「閃刀機-ホーネットビットも制限行きかー…宣伝した身としては複雑な気分にだな」
セバス「緩い発動条件の速攻魔法のトークン生成器。これほど強力なカードはありません。このカード1枚から閃刀姫に繋がり、盤石な布陣を用意出来る点から禁止もあり得ました」
翔太「最後に盆回しが制限。発動の処理としてサーチしなければならないようなフィールド魔法が増えたせいで制限行きが確定。最近出た金の城を相手に出しておけば3ターンで決着がつくほどのパワーカードと化してしまったのも制限化の理由かな?」
制限→準制限
真由美「さて、今回は悪い報告だけじゃあないわよ!エルシャドール・ネフィリムとエルシャドール・ミドラーシュが準制限に緩和!これで私の組みたいデッキが組めるわ!やったー!」
遊斗「SPYRAL GEAR-ドローンも準制限…これは良からぬ事を考えられそうだな」
翔太「1枚お帰り!SRベイゴマックス!これで事故率減るぞ〜」
セバス「D-HERO ディスクガイと緊急テレポートも準制限に緩和です。ディスクガイは…エラッタが大きいですね。緊急テレポートの緩和は私に【超量】を組めという神からのお告げですか?」
遊斗「いや、知らねーよ!」
準制限→無制限
真由美「おめでとう翔太君!今日はお赤飯よ!」
翔太「WW-アイス・ベルが無制限なんて僕幸せ!」
遊斗「影霊衣の術士 シュリットも無制限…時代も変わったな」
セバス「マスマティシャンと命削りの宝札も無制限になりました。閃刀姫への救済措置ですね。真竜の継承は……マスターPが使えなくなった現環境への救いですかね」
真由美「さてこんな感じかな?」
翔太「嬉しいな!今日はいい夢見られそう!」
セバス「あの、融合・儀式の2500枠も出た事ですし仲間の首を捧げても生きようとするファイアウォールはそろそろ禁止にすべきでは──」
遊斗「シーッ!」
真由美「ではみなさん!」
4人「「また会いましょう!」」
仕事でクソ忙しい中、なろうの方で平行世界の真由美さんをメインに据えた話でも書こうか考えてるレモンの人です。しかしネタが薄い!ファンタジーも似合いませんし日常も今作のネタと被ってしまいます。日常モノも遊戯王も書けるこの小説で当分続けていこうと思っていますのでよろしくお願いします(前フリは?というツッコミはいけない)
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地獄の沙汰も引き次第次第…そう思っていた時期が私にもありました【スタバリンク】
「じゃあ、セバス。デュエルしようか」
「えぇ、あちらのお2人が楽しげなようですので」
セバスと2人でデッキを切り、オレはデュエルの用意を始めた。セバスとはいつも負けてばかりだが、今回はバッチリ。今回こそギャフンと言わせてやる!
「今日のオレは一味違うぜ」
「あっそ」
「ご主人様に対していい態度してんなぁオイ」
デッキをセットしてオレとセバスは観客のいないデュエルを始めるのであった……
遊斗 LP8000
セバス LP8000
「先攻!」
「後攻」
「「じゃんけんぽん!」」
よっしゃ!先攻は戴きだ!
「フィールド魔法『魔界劇場ファンタスティック・シアター』を発動!」
「魔界劇団ですか」
「ククク……これがオレの新たな力よ」
「道化役とはまた……自虐ネタですか?」
「うっせぇ!ファンタスティック・シアターの効果発動!手札の魔界劇団ペンデュラムモンスター1体と魔界台本魔法カード1枚を相手に見せて発動できる。見せた魔法カードとカード名が異なる魔界台本カード1枚をデッキから手札に加える!オレが見せるのは『魔界劇団カーテン・ライザー』と『魔界台本「ロマンティック・テラー」』!そして手札に加えるのは『魔界台本「魔界の宴它女」』!」
「ふむふむ……ファンタスティック・シアターはペンデュラム召喚した魔界劇団が自分フィールドに存在する限り、相手が発動したモンスターの効果を『相手フィールドにセットされた魔法・罠カード1枚を選んで破壊する』効果に書き換える……のですか」
「そうよ!さらに『魔界劇団─エキストラ』を召喚!」
魔界劇団─エキストラ 星1 ATK100
「このカードは自身をリリースする事でデッキから魔界劇団ペンデュラムモンスター1体を選び、自分のペンデュラムゾーンに置く!オレは『魔界劇団─メロー・マドンナ』をペンデュラムスケールにセット!」
魔界劇団─メロー・マドンナ ペンデュラムスケール0
「メロー・マドンナのペンデュラム効果発動!ライフを1000払い、デッキからメロー・マドンナ以外の魔界劇団モンスター1体を手札に加える。オレは『魔界劇団─ティンクル・リトルスター』を手札に加えセット!」
遊斗 LP8000→7000
魔界劇団─ティンクル・リトルスター ペンデュラムスケール9
「これでレベル1〜8までペンデュラム召喚が出来る!ペンデュラム召喚!来い!『魔界劇団─カーテン・ライザー』!」
魔界劇団─カーテン・ライザー 星4 ATK1100
「カーテン・ライザーのみがオレのフィールドに居る場合、攻撃力は1100ポイントアップする!」
魔界劇団─カーテン・ライザー ATK1100→2200
「カードを3枚伏せてターンエンド」
カーテン・ライザーの攻撃力は2200。さらに伏せたカードはセットされた状態の時に相手の効果で破壊されるとデッキから魔界台本魔法カードを任意の数だけ選んで自分の魔法&罠ゾーンにセットする『魔界台本「ロマンティック・テラー」』・セットされた状態で破壊されるとデッキから魔界劇団ペンデュラムモンスターを任意の数だけ特殊召喚する『魔界台本「魔界の宴它女」…そして極め付けは自分フィールドの攻撃力2000以上のモンスター1体をリリースする事で相手フィールド・手札・相手ターンで数えて3ターンの間に相手がドローしたカードを全て確認してその中の攻撃力1500以下のモンスターを全て破壊する『魔のデッキ破壊ウィルス』。少しでも動いてみろ?ズタボロになるのはセバス、お前だ!
「……ドローしてから考えますか。ドロー」
セバスは首を捻るとデッキからカードを引き…1枚のカードを手にとった。モンスターか?攻撃力2200を相手にどう──
「エクストラデッキの『スターダスト・ドラゴン』を除外して『Sin スターダスト・ドラゴン』を特殊召喚します」
Sin スターダスト・ドラゴン 星8 ATK2500
───は?……ハァ!?!?
「バトル、Sin スターダスト・ドラゴンでカーテン・ライザーを攻撃します」
「……ッ!多少のダメージなら甘んじて!罠カード発動!『魔のデッキ破壊ウィルス』!自分フィールドの攻撃力2000以上のモンスター1体をリリースする事で相手フィールド・手札・相手ターンで数えて3ターンの間に相手がドローしたカードを全て確認してその中の攻撃力1500以下のモンスターを全て破壊する!さぁ!手札を見せろ!」
「……どうぞ」
●神の警告
●レスキューキャット
●アドバンス・ドロー
●大欲な壺
●死者蘇生
「レスキューキャットが破壊されますね。墓地へ……」
しょ……しょっぺぇ…!台本が使えなくなるリスクと全く見合ってねぇよ。っていうか!手札のカードとあまり関係無いSinモンスターを何故入れてんだ!?
「最近このような強力なフィールド魔法カードが流行っていますので、Sinモンスターが気楽に採用出来るようになりました。嬉しいものです。スターダストでそのままダイレクトアタックです」
「ッ……!」
遊斗 LP7000→4500
完全に手のひらの上かよ!くそッ!
「私の手の内は分かっていますよね?では…お覚悟を」
「……」
「メインフェイズ2、まずは魔法カード『アドバンス・ドロー』発動。自分フィールドのレベル7以上のモンスター1体をリリースしてデッキからカードを2枚ドローします。Sinスターダストをリリース」
「ドローしたカードを見せろ!」
「……どうぞ」
●ボルト・ヘッジホッグ
●グローアップ・バルブ
「2枚共墓地送りですね」
「チクショォオオオオオオオオ!!!」
なんでこういう時に限って墓地効果持ちを引くんだよお前は!!!
「さらに墓地のグローアップ・バルブの効果発動です。デッキトップを墓地へ送り自身を特殊召喚します」
グローアップ・バルブ 星1 DEF100 チューナー
墓地へ行ったのは『神の通告』。助かった……。
「続けて、自分フィールドにチューナーが居る為、『ボルト・ヘッジホッグ』は墓地から特殊召喚出来ます」
ボルト・ヘッジホッグ 星2 ATK800
「では、リンク召喚です。召喚条件はチューナーを含むモンスター2体。グローアップ・バルブとボルト・ヘッジホッグで『水晶機巧ハリファイバー』を呼びます。ボルト・ヘッジホッグは自身の効果で蘇生した場合、フィールドから離れると除外されます」
水晶機巧ハリファイバー LINK-2 ATK1500 リンクマーカー【左下・右下】
「ハリファイバーがリンク召喚に成功した事でデッキからレベル3以下のチューナーモンスター1体を特殊召喚します。『アーケイン・ファイロ』を特殊召喚」
アーケイン・ファイロ 星2 DEF400 チューナー
は?
「さらに、魔法カード『死者蘇生』を発動し、墓地から『レスキューキャット』を特殊召喚します」
レスキューキャット 星4 ATK300
「レスキューキャットの効果発動。フィールドのこのカードを墓地へ送り、デッキからレベル3以下の獣族モンスター2体を特殊召喚します。ただし、この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、エンドフェイズに破壊されます。私のデッキに採用している獣族モンスターは少ないのでこちらを」
ペロペロケルペロス 星3 DEF1800
星見鳥ガリス 星3 DEF800
「あ、あのですね…この流れはもしかしなくても」
「レベル3のケルペロス、ガリスにレベル2のアーケイン・ファイロをチューニングです。では、リンク先で飛翔せよ『スターダスト・ドラゴン』っと」
「リンク先で、ってなんだよ」
スターダスト・ドラゴン 星8 ATK2500
「アーケイン・ファイロがシンクロ素材となって墓地へ送られた場合、デッキから『バスター・モード』をサーチします。カードを2枚伏せてターン終了です」
「うぎぎ……!」
よりによってスタバかよ!?手札が0の状況で…!
「オレのターン、ドロー!」
「では罠カード『バスター・モード』発動です。自分フィールド上のシンクロモンスター1体をリリースし、そのシンクロモンスターのカード名が含まれる/バスターモンスター1体をデッキから表側攻撃表示で特殊召喚します。スターダストをリリースし、『スターダスト・ドラゴン/バスター』を特殊召喚です」
スターダスト・ドラゴン/バスター 星10 ATK3000
お、終わった……。
「オレは…!」
「どうしますか?」
「……サレで」
遊斗 LP4500→surrender
************************
「もう一回!もう一回だ!」
「仕方ありませんね。サイドを変えてもう一度対戦しましょう」
「ククク、後悔させてやる!」
遊斗 LP8000
セバス LP8000
「では、今度は私が先攻をいただきます。よろしいでしょうか?」
「……まぁ、いいだろう」
「では先攻です。魔法カード『調律』発動。デッキからシンクロンチューナーを1体サーチし、その後デッキトップから1枚を墓地へ送ります。『ジャンク・シンクロン』を手札に加え……墓地に落ちたのは『ドッペル・ウォリアー』ですね」
ヤベ……
「『ジャンク・シンクロン』召喚です」
ジャンク・シンクロン 星3 ATK1300 チューナー
「通常召喚に成功した時、墓地のレベル2以下のモンスター1体を守備表示で特殊召喚します。ただし、モンスター効果は無効になります」
ドッペル・ウォリアー 星2 DEF800
「レベル2のドッペルウォリアーにレベル3のジャンク・シンクロンをチューニング。『アクセル・シンクロン』をシンクロ召喚します」
アクセル・シンクロン 星5 DEF2100 チューナー
「このカードがシンクロ素材として墓地へ送られた場合に自分フィールドに『ドッペル・トークン』2体を攻撃表示で特殊召喚します」
ドッペル・トークン 星1 ATK400
ドッペル・トークン 星1 ATK400
「アクセル・シンクロンの効果発動です。1ターンに1度、デッキからシンクロンモンスター1体を墓地へ送り、墓地へ送ったそのモンスターのレベル分だけ、このカードのレベルを上げるか下げる事が出来ます。『ジェット・シンクロン』を墓地へ送り、レベルを1下げます」
アクセル・シンクロン 星5→4
「アクセル・シンクロンとドッペル・トークンをリンク素材にハリファイバーをリンク召喚です」
水晶機巧ハリファイバー LINK-2 ATK1500 リンクマーカー【左下・右下】
「ハリファイバーがリンク召喚に成功した事でデッキからレベル3以下のチューナーモンスター1体を特殊召喚します。『アーケイン・ファイロ』を特殊召喚」
アーケイン・ファイロ 星2 DEF400 チューナー
「は……ははは!スターダストを呼ぶにはレベルが5足りないようだなセバス!」
「そうですね…確かに足りません。レベル1のドッペル・トークンにレベル2のアーケイン・ファイロをチューニングし『たつのこ』をハリファイバーのリンク先にシンクロ召喚」
たつのこ 星3 ATK1700 チューナー
「アーケイン・ファイロの効果で『バスター・モード』を手札に」
チラリと横を見ると古霊さんと諸星のデュエルが進行していた。
「レベル4のサイバー・ダーク・キールにレベル4のライデンをチューニング!《王者の鼓動、今ここに列をなす!天地鳴動の力を見るがいい!》シンクロ召喚!我が魂『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000
「お、攻撃力3000が3体も並んでる…って1枚諸星のカードじゃん」
「横から茶々入れるな遊斗!」
「最低ですね」
「おい!セバスは黙ってろ……」
セバスは手札にある1枚のカードを表にした。何々…『ジャンク・コレクター』?あれ?ジャンク・コレクターのレベルって確か5だったよな……
「って!うわぁああああああああ!!!またスタバかよぉおおおおおおおお!!!」
「ご名答です。手札のレベル5『ジャンク・コレクター』にレベル3のたつのこをチューニング。シンクロ召喚!ハリファイバーのリンク先で飛翔せよ『スターダスト・ドラゴン』!」
スターダスト・ドラゴン 星8 ATK2500
「カードを3枚伏せてターン終了です」
マジかよ冗談じゃねぇぜ!またスタバが来るのか!?
「オレのターン、ドロー!」
「では罠カード『バスター・モード』です。スターダストをリリースして『スターダスト・ドラゴン/バスター』を特殊召喚!」
スターダスト・ドラゴン/バスター 星10 ATK3000
「……恐れるなオレ!オレは今度こそセバスを超える!フィールド魔法『魔界劇場─ファンタスティック・シアター』発動!」
「スターダスト・ドラゴン/バスターの効果発動です。カード効果が発動した時、自身をリリースする事で無効にし破壊。エンドフェイズに自身を蘇生します。さらにチェーン発動、『戦線復帰』を発動し『ジャンク・コレクター』を守備表示で特殊召喚」
ジャンク・コレクター 星5 DEF2200
よし!引っかかった!
「これで場はハリファイバーだけだ!一気に押し切る!ペンデュラムスケールに『魔界劇団─メロー・マドンナ』をセット!」
魔界劇団─メロー・マドンナ ペンデュラムスケール0
「させません。ハリファイバーの効果発動。相手のメインフェイズ及びバトルフェイズにフィールドのこのカードを除外しエクストラデッキからシンクロチューナー1体をシンクロ召喚扱いで特殊召喚します。『TG ワンダー・マジシャン』を特殊召喚!」
TG ワンダー・マジシャン 星5 ATK1900 チューナー
「ワンダー・マジシャンがシンクロ召喚に成功した時、フィールドの魔法・罠カードを1枚破壊します。メロー・マドンナを破壊」
「何の……!」
まだ手札は4枚ある!ん?古霊さんのデュエル終わったみたいだな。やっぱり強いな。
「明日は空いてる?」
「空いてるよ」
「じゃあ明日デッキ調整手伝ってよ。三食と寝床無料でつけてあげるから♪」
「オレも一枚噛まさせろ!」
「却下」
さすが塩対応。ブレないなそこんところは。さて、オレもそろそろ集中するか!スタバが戻ってくる前に対処出来ない盤面を用意してみせる!
「もう1枚の『魔界劇団─メロー・マドンナ』をペンデュラムスケールにセット!」
魔界劇団─メロー・マドンナ ペンデュラムスケール0
「ならばチェーンして永続罠『リビング・デッドの呼び声』を発動。墓地から『スターダスト・ドラゴン』を特殊召喚します」
スターダスト・ドラゴン 星8 ATK2500
─────は?
「ま、『魔界劇団─メロー・マドンナ』の効果発動。ライフを1000払い、このカード以外の魔界劇団を手札に加える」
「チェーンしてフィールドの『ジャンク・コレクター』と『バスター・モード』を除外して効果発動。このカードの効果は、この効果を発動するためにゲームから除外した通常罠カードの効果と同じになります。スターダストをリリースして2体目の/バスターを」
「死ね!!!」
スターダスト・ドラゴン/バスター 星10 ATK3000
「スタバ、2体目です」ドヤァ
「鬼!悪魔!」
遊斗 LP8000→7000
詰んだわ!スケール8以上の魔界劇団は今サーチした『魔界劇団─コミック・リリーフ』しか無いわ!!!
「どうしますか?」
「……『魔界劇団─サッシー・ルーキー』召喚!」
魔界劇団─サッシー・ルーキー 星4 ATK1500
「魔法カード『魔界台本「魔王の降臨」』!自分フィールドの攻撃表示の「魔界劇団」モンスターの種類の数まで、フィールドの表側表示のカードを対象として発動できる。そのカードを破壊する!」
「カウンター罠『神の宣告』です。ライフを半分払い、その効果を無効にし破壊します」
「ふざけんな」
セバス LP8000→4000
頼みの綱であり、除去の切り札でもある魔王の降臨すら止められたとなると……ホントに勝ち筋消えたんですがね。コミック・リリーフをセッティングしてもスタバで無効にされるし……
「ターンエンド……」
「エンドフェイズにスタバが帰ってきます」
スターダスト・ドラゴン/バスター 星10 ATK3000
スターダスト・ドラゴン/バスター 星10 ATK3000
「あ、悪夢だ……」
「私のターンです。引きます」
スタバ…どうやって退ければいいのさ?
「魔法カード『強欲で貪欲な壺』発動!デッキトップから裏側で10枚除外してデッキからカードを2枚ドローする。さらに魔法カード『死者蘇生』発動です。墓地から『スターダスト・ドラゴン』を特殊召喚します」
スターダスト・ドラゴン 星8 ATK2500
「バトル、スターダスト・ドラゴンでサッシー・ルーキーを攻撃」
「通す!」
遊斗 LP7000→6000
「だがサッシー・ルーキーは破壊された時─」
「1体目のスタバの効果。自身をリリースしてその効果を無効にして破壊します。2体目のスタバでダイレクトアタックです」
遊斗 LP6000→3000
「カードを1枚伏せてターン終了です」
今伏せたカードは何だ?またバスター・モードじゃないだろうな!?
「オレのターン、ドロー!……バスター・モードを発動しないのか?」
「……頭大丈夫ですか?」
ウゼェ……
オレが使えるカードはペンデュラムスケールのメロー・マドンナと手札のコミック・リリーフ…そして、今引いたカード『闇の誘惑』。コミック・リリーフと闇の誘惑を犠牲にすればメロー・マドンナの効果でペンデュラムスケールを揃えられる。揃えた段階でペンデュラム召喚すればエクストラモンスターゾーンにモンスターを置く事が出来る。だが……。
「……サレで」
無理だわボケ!
遊斗 LP3000→surrender
遊斗「スタバ死ね」
セバス「手札に来たら終わりですので一概にもそうは言えないかと」
遊斗「あったまきた、セバスのデッキを見せてもらうぞ!」
セバス「えー……まぁいいですが」
デッキ総枚数(52)
モンスター(28)
●Sinスターダスト・ドラゴン×1
●スターダスト・ドラゴン/バスター×3
●ジャンク・コレクター×1
●クイック・シンクロン×2
●デブリ・ドラゴン×1
●レスキューキャット×2
●星見鳥ガリス×3
●ペロペロケルペロス×1
●ジャンク・シンクロン×3
●ダンディライオン×1
●ドッペル・ウォリアー×3
●ボルト・ヘッジホッグ×2
●幻獣機オライオン×1
●アーケイン・ファイロ×1
●ドット・スケーパー×1
●ジェット・シンクロン×1
●グローアップ・バルブ×1
魔法カード(17)
●貪欲な壺×1
●チキンレース×3
●盆回し×1
●シュトロームベルクの金の城×1
●擬似空間×1
●おろかな埋葬×1
●打ち出の小槌×2
●調律×3
●増援×1
●強欲で貪欲な壺×2
罠カード(8)
●神の通告×1
●神の警告×1
●バスター・モード×3
●戦線復帰×1
●仁王立ち×1
●リビングデッドの呼び声×1
EXデッキ(15)
●シューティング・クェーサー・ドラゴン×1
●スターダスト・ドラゴン×3
●ニトロ・ウォリアー×1
●ブラック・ローズ・ドラゴン×1
●シューティング・ライザー・ドラゴン×1
●ドリル・ウォリアー×1
●TGワンダー・マジシャン×1
●アクセル・シンクロン×1
●たつのこ×1
●ファイアウォール・ドラゴン×1
●サモン・ソーサレス×1
●水晶機巧-ハリファイバー×1
●リンクリボー×1
セバス「基本的にハリファイバーの展開からアーケイン・ファイロを呼び出し素早くシンクロモンスターに繋ぎバスターモードを呼び込み、スタバを召喚するのがセオリーです。通常のクイックジャンドの流れも組み込んでいますので通常通りのデュエルも可能です」
遊斗「ひたすらにスタバがうざかった……あの日の諸星が使ったコズミック・ブレイザーの比じゃないぜ」
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…義母さんです【ペンデュラムスピリット】
真由美「いいの?早速組もうと思うんだけど……」
翔太「大丈夫だよ!それに僕、このガンダム好きだからね!好きになってくれたら嬉しいな!じゃあ学校行ってくる!」
最近、HGバエルを買ったのですが正気を疑う兵装ですね(笑い)
「あーぁ……」
今日は真由美さんの家に泊りがけでデッキ構築をする!
予定だったんだけど…………
「や〜、真由美ちゃんのお料理も美味しいわね〜」
「母さん…」
母さんが箪笥を運ぼうとしてギックリ腰をやらかし、真由美さんが逆に母さんの看病に来ていた。
「箪笥が思ったより重くてね、腰に変な力が入ってギックリ腰になっちゃった♪」
「……」
しかし、口だけは元気だなぁ。そういうのも込みで腹が立つ。
「重い家財道具は私が動かしましたので後は細かい道具を整理してください」
「うんうん……翔太ぁ、いいお嫁さん見つけたわね!お母さん嬉し過ぎて泣いちゃう」
「はいはい、ありがとうありがとう」
父さんは納期が近い辞書の製本作業でとてもじゃ手伝ってなんて言える状況じゃないし、優里香は定期テストが近付き再び仙人と化している。僕と真由美さんくらいしか問題を解決出来なかったのだった。
「さてと、次は陽介さんにお昼ご飯を差し入れて欲しいの。作り方はメモに書いたから出来るかしら?」
「出来ます!」
真由美さんがパタパタと駆けていく中、僕は母さんの太ももを揉んでいた。筋肉剥がしが有効らしいとネットに書いてあったので実践しているのだが見ようによってはすごい絵面になってると思う。
「母さん、ギックリ腰って突然は起きないってネットにあったよ。なんかやってたんじゃないの?」
「あ、いや…それは」
「まずこの部屋、そんな重いもの無いよね?」
「………最近陽介さんと熱い夜を」
「ストーップ!」
それ以上はR指定入るからやめとけよ。母さん。てか真っ黒だろアンタ!
「(父さんの仕事が遅いのは母さんのせいか……)」
「?」
「なんでもない。それより腰の調子はどう?」
「ホントに少し楽になったわ。ありがとう」
……地味に太腿とか脹脛とかタプタプしてて気持ち良かったとか死んでも言えないぞこれは…。
「終わりました〜」
「お疲れ様、あとは翔太と遊んでなさい」
「ありがとうございます!……あ、そういえば!」
真由美さんは何かを思い出したかのように手をポンと叩いた。
「スピリットに新規出ましたよね?どう扱っているか教えて欲しいのですが……」
「!」
母さん、わざとらしく驚くのやめよう。一昨日自分のデッキ弄ってたに見たぞ。
「実は、もう組んだのよ。まぁ、代償として儀式しにくくなったけど戦力としては十分過ぎるくらい」
「なるほど、早速対戦とか─」
「真由美さん、母さんはギックリ腰──」
「まぁ、壁に凭れるくらいなら出来るからやりましょう♪」
「……」
いいのかそれで、というツッコミを我慢して僕は母さんと真由美さんの対戦を観る事になった。
真由美 LP8000
薫 LP8000
「腰のせいで大声出せないから普通のトーンで喋るわね。先攻」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!」」
真由美さんが勝ち、先攻を取った。デッキをチラ見した時に【サイバー・ダーク】である事は分かっているので気になる点とかツッコミ入れていこう。
「私の先攻……フィールド魔法『サイバーダーク・インフェルノ』発動!さらにエクストラデッキから『スターダスト・ドラゴン』を除外して『Sin スターダスト・ドラゴン』を特殊召喚!」
Sin スターダスト・ドラゴン 星8 ATK2500
「『防覇龍ヘリオスフィア』を召喚!このカードは自分フィールドにレベル8ドラゴンがいる場合はレベル8となる!」
防覇龍ヘリオスフィア 星4→8 ATK0
「レベル8のスターダストとヘリオスフィアをオーバーレイ!『銀河眼の光波竜』をエクシーズ召喚!」
銀河眼の光波竜 ランク8 ATK3000
「さらにこのカードは自分フィールドのギャラクシーアイズエクシーズモンスターをオーバーレイユニットにエクシーズ召喚出来る!光波竜でオーバーレイ!『No.95 ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴン』!」
No.95 ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴン ランク9 ATK4000
「このカードがエクシーズ召喚に成功した時、自分のデッキからドラゴン族モンスター3種類を1体ずつ墓地へ送る事で相手はデッキからモンスター3体を除外する!私はデッキから『サイバーダーク・カノン』、『サイバーダーク・クロー』・『闇黒の魔王ディアボロス』を墓地へ送る!カードを1枚伏せてターン終了」
「そこにカードを伏せたのね…(しめしめ)」
重要なのは最低限のカードで展開する事。母さんがスピリット使いである以上、なにか仕掛けてくる事は明白だからだ。
「私のターン、ドロー。いったたた……」
カードを引いただけで苦痛に顔を歪める。でも辞めない辺りデュエル脳なんだなぁと思う。
「『和魂』を召喚!さらに右ペンデュラムスケールに『Yoko-Zuna Sumo Spirit』をセッティング」
Yoko-Zuna Sumo Spirit ペンデュラムスケール1
「さらに和魂の効果で私はもう一度召喚出来る!和魂をリリースし『Kai-Den Kendo Spirit』をアドバンス召喚!」
Kai-Den Kendo Spirit 星5 ATK2400
「Kai-Den Kendo Spiritは召喚に成功した時、ペンデュラムゾーンのカードを1枚選び、同じ縦列のカードを全て墓地へ送る!確か、私のYoko-Zuna Sumo Spiritの正面にはサイバー・ダーク・エッジがいるよね?」
「なんですって!?」
強ッ!?つまり両端にカードを置けば成敗されるって事!?
「さらにチェーンして和魂の効果。このカードが墓地へ送られた時に自分の場にスピリットモンスターが存在する場合、デッキからカードを1枚ドロー……チェーン処理で伏せカードは除去」
「う…」
伏せカードは『強制終了』。やられた……!
「よし、フィールド魔法『霞の谷の神風』を発動!自分フィールド上に表側表示で存在する風属性モンスターが手札に戻った場合、自分のデッキからレベル4以下の風属性モンスター1体を特殊召喚する事ができる!さらに永続魔法『霊魂の拠所』を発動!自分フィールドのスピリットモンスターが手札に戻った時、デッキからスピリットモンスターまたは儀式魔法カード1枚を手札に加える!」
なんかすごいアドラッシュ…いや、手軽に出せる風属性のスピリットモンスターが登場したからか!
「カードを1枚伏せてターンエンド。エンドフェイズにKai-Den Kendo Spiritは手札に戻り、神風の効果でデッキから『九蛇孔雀』を特殊召喚し、拠所の効果でデッキから『Kuro-Obi Karate Spirit』を手札に加えるわ」
九蛇孔雀 星3 DEF900
つまり伏せカードに九蛇孔雀を除去する何らかの仕掛けがあるという意味だ。そうでなければリリースされた際に効果を起動するカードなんて入れない。
「さぁ、かかってきなさい!」
でも、どんなカードかは分かっても何を伏せたのかが分からない。攻撃反応型かフリーチェーンのカードか…
「ドロー。『サイバー・ダーク・ホーン』を召喚!」
サイバー・ダーク・ホーン 星4 ATK800
「ホーンの共通効果で私はカノンを装備させる!」
サイバー・ダーク・ホーン ATK800→2400
「ホーンには守備貫通効果が備わっています。さらに、ダークマターの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、このターンはモンスターに2回攻撃出来ます!バトル!ホーンで九蛇孔雀を攻撃!」
「罠カード発動!『ゴッドバードアタック』!自分フィールドの鳥獣族モンスター1体をリリースして相手フィールドのカードを2枚破壊する!九蛇孔雀をリリースしてダークマターとインフェルノを破壊!」
「なっ!?……インフェルノは相手によって破壊された場合、デッキから融合またはフュージョン魔法カードを1枚手札に加えます!『オーバーロード・フュージョン』を手札に!」
「あ、そんな効果あったわね確か」
インフェルノの効果で損失の一部は取り戻せたが、さらに九蛇孔雀は自身の効果でデッキからレベル4以下の風属性モンスター1体を手札に加える。
「九蛇孔雀の効果、このカードはリリースされた時、デッキからレベル4以下の風属性モンスター1体を手札に加える。私が手札に加えたのは『SR メンコート』」
まずいな……現在のホーンは攻撃力こそ2400だが守備力が低い。攻撃すれば間違いなく毒牙にかかる。でもここで攻撃しないという事は事態を先延ばしにする事に直結する。真由美さんはどう出るのだろうか?
「……やむを得ないです。ホーンの攻撃はモンスターが減った事で巻き戻る。ホーンでダイレクトアタック!」
「この瞬間、手札の『SR メンコート』の効果発動!モンスターの直接攻撃時にこのカードを手札から特殊召喚する事で相手フィールドのモンスター全てを守備表示にする!」
サイバー・ダーク・ホーン ATK2400→DEF800
「っ……メインフェイズ2!伏せていた永続魔法『巨神竜の遺跡』を発動!1ターンに1度、このカード以外の自分フィールドの表側表示のカード1枚を墓地へ送り、『巨竜トークン』1体を特殊召喚する!私はカノンを墓地へ送りトークンを生成する!」
サイバー・ダーク・ホーン ATK2400→800
巨竜トークン 星1 DEF0
「なるほど、ただでは転ばないのね」
「カノンの効果発動!装備状態のこのカードが墓地へ送られた場合、デッキからカードを1枚ドローします!このカードの召喚条件はレベル1モンスター1体!トークンを素材に『リンクリボー』をリンク召喚!」
リンクリボー LINK-1 ATK300 リンクマーカー【下】
「……私はこれでターン終了」
状況は真由美さんがリードしている…ように見えるが母さんの戦略によっては一気にひっくり返る。ペンデュラムスケールの影響で迂闊に両端にカードが置けない為、実質ボードアドバンテージを握っているのは母さんの方だ。
「私のターン、ドロー……さってと…」
母さんは腰を叩きつつも場と手札を交互に確認してからカードを1枚手に取った。
「Kuro-Obi Karate Spiritをペンデュラムスケールにセッティング」
Kuro-Obi Karate Spirit ペンデュラムスケール9
「これでレベル2〜8のペンデュラム召喚が可能になる!ペンデュラム召喚…いたたた。私が呼び出すのは『霞の谷の祈祷師』と『Kai-Den Kendo Spirit』!」
霞の谷の祈祷師 星3 ATK1200 チューナー
Kai-Den Kendo Spirit 星5 ATK2400
そうか!祈祷師でメンコートをバウンスし再利用する事でスピリットモンスターの弱点であるフィールドのがら空きを防ぐ気だ!さらにシンクロ召喚に繋げれば盤面をひっくり返す事も出来る!
「現在スケールにセットされているペンデュラムモンスターはペンデュラム召喚が行われた後、手札に戻る。さらに祈祷師の効果発動!1ターンに1度、このカード以外の自分フィールド上のモンスター1体を手札に戻し、攻撃力をエンドフェイズまで500アップする!Kai-Den Kendo Spiritを手札に戻し、攻撃力を500アップ!」
「なっ!?」
霞の谷の祈祷師 ATK1200→1700
母さんがハンドアドバンテージを選んだという事は……まだ展開がある!
「この瞬間、神風と拠所の効果発動!まず神風の効果で『クロック・ワイバーン』を特殊召喚!」
クロック・ワイバーン 星4 ATK1800
「さらに拠所の効果でスピリットモンスターを手札に。私は『砂塵の悪霊』を手札に加える。クロック・ワイバーンは召喚・特殊召喚に成功した場合、攻撃力を半分にする事で自分フィールドにクロックトークンを1体特殊召喚する」
クロックトークン 星1 DEF0
アドの暴力だ。ここまで一切の容赦が無い。
「っ…!」
「このカードの召喚条件はチューナーモンスター1体以上を含むモンスター2体!クロックトークンと祈祷師を素材に『水晶機巧─ハリファイバー』をリンク召喚!」
水晶機巧─ハリファイバー LINK-2 ATK1500 リンクマーカー【左下・右下】
「ハリファイバーの効果、このカードのリンク召喚に成功した場合、デッキからレベル3以下のチューナーモンスター1体を特殊召喚する。『幻獣機オライオン』を特殊召喚!」
幻獣機オライオン 星2 DEF1000 チューナー
「このカードの召喚条件は効果モンスター2体以上。そしてハリファイバーは2体分のリンク素材として扱える。オライオンとハリファイバーで『サモンソーサレス』をリンク召喚!」
サモンソーサレス LINK-3 ATK2400 リンクマーカー【上・左下・右下】
「オライオンはフィールドから墓地へ送られた場合、自分フィールドに幻獣機トークンを1体生み出す。サモンソーサレスのリンク先へ特殊召喚」
幻獣機トークン 星3 DEF0
「サモンソーサレスの効果発動。このカードのリンク先の表側表示モンスター1体を対象とし、そのモンスターと同じ種族のモンスター1体をデッキから選び、このカードのリンク先となる自分・相手フィールドに守備表示で特殊召喚する。対象は幻獣機トークン。幻獣機トークンは機械族…よって『A・ジェネクス バードマン』を特殊召喚」
A・ジェネクス バードマン 星3 ATK1400 チューナー
「レベル3の幻獣機トークンにレベル3のバードマンをチューニング。『獣神ヴァルカン』をサモンソーサレスのリンク先にシンクロ召喚!」
獣神ヴァルカン 星6 ATK2000
「このカードがシンクロ召喚に成功した場合、自分及び相手フィールドの表側表示のカードを1枚ずつ対象としその自分及び相手の表側表示のカードを手札に戻す。ただしこのターン、自分はこの効果で手札に戻したカード及びそれらの同名カードの効果を発動できない。 私はメンコートとリンクリボーを手札に戻す」
これで場には攻撃力900のクロック・ワイバーン、攻撃力2000のヴァルカン、攻撃力2400のサモンソーサレスが展開し、手札には防御カードのSR メンコートが加わった。一気に盤面をひっくり返したと言える。
「バトル!クロックワイバーンでホーンを攻撃!」
「ッ……!」
「続けて、ヴァルカンとサモンソーサレスでダイレクトアタック!」
真由美 LP8000→6000→3600
「メインフェイズ2、このカードのリンク素材はモンスター2体以上!クロック・ワイバーンとサモンソーサレス で『トポロジック・ボマー・ドラゴン』をリンク召喚!」
トポロジック・ボマー・ドラゴン LINK-4 ATK4000 リンクマーカー【上・左下・下・右下】
「私はこれでターン終了!」
あの状況からよくひっくり返したなぁ…母さん。
「…この盤面、厄介ねぇ。ドロー!」
一方、真由美さんの盤面には巨神竜の遺跡しか無い。手札2枚というこの状況でどうやって巻き返すのだろうか?
「……『サイバー・ダーク・キール』を召喚!共通効果により墓地からカノンを装備!」
サイバー・ダーク・キール 星4 ATK800→2400
「さらに遺跡の効果発動!自分フィールドの表側表示カードを1枚墓地へ送り、トークンを生成する!」
巨竜トークン 星1 DEF0
「さらにカノンが墓地へ送られた事でデッキからカードを1枚ドロー……!」
真由美さんの表情が変わった。これは……!
「召喚条件はレベル1モンスター1体!トークンを素材に『リンクリボー』をリンク召喚!」
リンクリボー LINK-1 ATK300 リンクマーカー【下】
「さらに魔法カード『おろかな埋葬』を発動し、『サイバー・ダーク・キール』を墓地へ送る!」
真由美さんはわざとらしくポーズしてカードを発動した。完全に役に入ってしまったみたいだ。
「これが私の最後の抵抗です!魔法カード『オーバーロード・フュージョン』を発動!」
「!」
「このカードはフィールド・墓地の融合素材を任意の数除外する事で素材通りの闇属性機械族融合モンスター1体を特殊召喚する!墓地のホーン・エッジ・キール・カノン・クローを除外し『鎧獄竜─サイバー・ダークネス・ドラゴン』をリンクリボーのリンク先に特殊召喚!」
鎧獄竜─サイバー・ダークネス・ドラゴン 星10 ATK2000
「サイバー・ダークネス・ドラゴンはこのカードが特殊召喚に成功した場合、自分の墓地からドラゴン族モンスターまたは機械族モンスター1体を選び、装備カード扱いとしてこのカードに装備しその元々の攻撃力を得る!ダークマター・ドラゴンを装備!」
鎧獄竜─サイバー・ダークネス・ドラゴン ATK2000→6000
「攻撃力6000…!」
「さらに速攻魔法カード『エネミー・コントローラー』を発動!自分フィールドのモンスター1体をリリースして相手モンスター1体のコントロールをこのターン得る!リンクリボーをリリースしトポロジック・ボマー・ドラゴンのコントロールを奪う!」
トポロジック・ボマー・ドラゴン 薫→真由美
「さらに、闇属性モンスターがリリースされた事で墓地の『闇黒の魔王ディアボロス』を自身の効果で特殊召喚!」
闇黒の魔王ディアボロス 星8 ATK3000
すごい、あっという間にエースが揃い踏みした。これが真由美さんのデュエル……!
「バトル!サイバー・ダークネス・ドラゴンでヴァルカンを攻撃!」
「ッ……!?」
薫 LP8000→4000
「続けて、ディアボロスでダイレクトアタック!」
「……っ、メンコートの効果発動!」
「無駄です!サイバー・ダークネスは相手が魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、自分フィールドの装備カード1枚を墓地へ送りその発動を無効にし破壊する!ダークマターを墓地へ送る!」
「そんな……!」
鎧獄竜─サイバー・ダークネス・ドラゴン ATK6000→2000
よって攻撃がそのまま通過する!真由美さんの勝ちだ!
薫 LP4000→1000
「そして、トポロジック・ボマー・ドラゴンでダイレクトアタック!」
「……参りました」
薫 LP1000→0
****************
「腕を上げたんじゃない?裏サイバー流…懐かしいコンセプトで義母さん涙出てくらぁ」
「はいはい、母さんはちゃんと寝て」
パラマウントベッドを買いたいとか宣う母さんを布団に戻した僕は、真由美さんと一緒に部屋を出た。余談だが、母さんが次に引くカードは『和魂』、そして和魂でドローするカードは『死者蘇生』だった。紙一重の差での勝利…運を味方につけるのも大事だなと思い、僕は約束を果たすべく真由美さんを部屋に招き入れるのであった……。
薫「どう?私の【ペンデュラムスピリット】の恐ろしさは!」
真由美「正直…難易度高くて組みづらいと思います」
薫「ちぇーっ、いいもん!折角だし私のデッキレシピ披露しちゃお!」
デッキ総枚数(45)
モンスター(26)
●Kai-Den Kendo Spirit×2
●Kuro-Obi Karate Spirit×2
●Yoko-Zuna Sumo Spirit×2
●砂塵の悪霊×1
●和魂×2
●荒魂×1
●霊魂鳥─巫鶴×1
●クロック・ワイバーン×1
●SR メンコート×2
●烈風の結界像×1
●九蛇孔雀×3
●ハーピィ・ダンサー×2
●星見鳥ガリス×2
●霞の谷の祈祷師×2
●A・ジェネクス バードマン×1
●幻獣機オライオン×1
魔法カード(13)
●霞の谷の神風×1
●オレイカルコスの結界×1
●チキンレース×3
●テラ・フォーミング×1
●盆回し×1
●霊魂の拠所×2
●強欲で貪欲な壺×2
●大欲な壺×1
●スワローズ・ネスト×1
罠カード(6)
●ゴッドバード・アタック×3
●魂の綱×2
●神の宣告×1
エクストラデッキ(15)
●ファイアウォール・ドラゴン×1
●トポロジック・ボマー・ドラゴン×1
●サモンソーサレス×1
●星杯戦士ニンギルス×1
●アカシック・マジシャン×1
●グレートフライ×1
●セキュリティ・ドラゴン×1
●トロイメア・フェニックス×1
●トロイメア・ケルベロス×1
●水晶機巧─ハリファイバー×1
●スターダスト・ドラゴン×1
●月華竜ブラックローズ×1
●オッドアイズ・メテオバースト・ドラゴン×1
●獣神ヴァルカン×1
●氷結界の竜ブリューナク×1
薫「風属性モンスターでデッキを回し、新規スピリットで盤面を牽制しつつリンクモンスターやシンクロモンスターで叩き潰す構築になっているわ。鳥獣族が多いからゴドバも入っているわ」
真由美「ヒェッ」
薫「リリース要員を確保する為にメンコート・ガリスを採用。前者や手札にあるとありがたい風属性モンスターをサーチ出来るように九蛇孔雀を採用したわ」
真由美「なるほど……」
薫「まだまだ改良しないといけないからスピリットモンスターの今後の動向に期待ね」
真由美「そうですね!ありがとうとざいます!」
次の日……
翔太「真由美さーん!早速、バエルを観に来たよ!」
真由美「あ、翔太君!出来たよ!じゃーん♪」
翔太「よーし、真由美さんが作ったバエルがどんな姿になってるか見…て…………なにこれ?」
真由美「フッフッフ〜、まず射撃戦に不安を感じたからドッズガンを装備して、バエルソードじゃ抜刀に時間がかかるからビームサーベルにしたわ!バエルソードは勿体ないから刀身をナイフで切り落とし連結してシールドにしてみたの!インストに書いてあったんだけど超硬金属ってすごく硬いんだよね?そんなに硬いならシールドにしちゃえばいいのに!って思って……翔太君?」
翔太「そういえば真由美さんはアレンジしまくる人だったね……もういいよ。僕が悪かった」
真由美「え?私、料理とかレシピ通りに作るんだけど……ゴメンってば!翔太く〜ん!」
ガンダムバエル(真由美さん版)
●ドッズガン(HG ジェノアスⅱから拝借)
●ビームサーベル(HG ジェノアスⅱから拝借)
●シールド(バエルソードを加工)
翔太「僕のバエルが……ただの汎用機に…」
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Gの閃光【昆虫リゾネーター】
「だぁああああらっしゃぁあああああああいっ!!!」
渾身のフルスイングが飛翔するアレに直撃。床に落ちた瞬間に洗剤をぶっかけた。
「……はぁ」
戦いが終わった時、私は大きく溜息を吐いた。黒光りする生命体、通称ゴキブリは甲殻の隙間などから呼吸を行う。なので、洗剤をぶっかけると粘性のある液体が呼吸する穴「気門」に纏わり付き窒息死させるのだ。
「まさか引越し用の荷物に紛れていたとは……!」
手に持っていた新聞紙でまだ抵抗するゴキブリを包んだ後踏み付けて捨て、ふと…降りてくるモノを感じた。
「よりによって……なんでゴキブリなのよ」
1人でボケツッコミをしつつ、荷物を担いだ私は諸星家に向かう途中にカードショップに立ち寄った。翔太君が迎えに来てくれる約束なので、合流次第荷物の一部を持ってもらう予定だ。
「……保ちなさいよ〜…私のヒール」
そろそろ限界が来ているブーツを履いて、私は今まで住んでいた部屋を出た。いよいよ今晩……私は諸星家に住む事になる。
***********************
「おいっす!久しぶり、真由美ちゃん」
「お久ね、店長。結婚生活楽しんでます?」
「うん、2人目デキたんだわ。早く顔が見たいぜ」
「Wow」
斜め上の回答に驚きつつも私はテーブルに座った。翔太君はまだ来ていないようなので今のうちにデッキを組む事にした。
「うぇっ、真由美ちゃん。なんでゴキブ─」
「……仕方ないでしょ。強いんだもん」
言われたくなかったツッコミを適当に流してなんとかデッキを組み上げた。うん、強いけど生理的にキッツいデッキになったわ。
「ごめん真由美!さっき母さんを寝かせたとこ!」
「翔太君!待ってたわよ。早速デュエルしよっか!」
「そういうと思ってたよ」
さっさとデッキをセットした私達はデュエルを開始した。
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
翔太 LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!!」」
先攻は翔太君がもぎ取った。だが、このデッキの力は後攻でこそ輝く!
「僕の先攻!自分フィールドにカードが存在しないので『SR ベイゴマックス』を特殊召喚!」
SR ベイゴマックス 星3 ATK1200
「このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキからスピードロイド1体を手札に加える!僕が加えるのは『SR タケトンボーグ』!そしてこのカードは自分フィールドに風属性モンスターが存在する場合、手札から特殊召喚できる!」
SR タケトンボーグ 星3 ATK600
「それだけじゃない!タケトンボーグの効果発動!このターン、風属性以外のモンスターを特殊召喚出来なくなるが、このカードをリリースする事でデッキからスピードロイドチューナーを1体特殊召喚出来る!『SR 赤目のダイス』を特殊召喚!」
SR 赤目のダイス 星1 ATK100 チューナー
「赤目のダイスが召喚・特殊召喚に成功した時、このカード以外のスピードロイドのレベルを1〜6にする!ベイゴマックスのレベルを6に変更!」
SR ベイゴマックス 星3→6
レベル6となったベイゴマックスにレベル1の赤目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!『クリアウィング・ファスト・ドラゴン』!」
クリアウィング・ファスト・ドラゴン 星7 ATK2500
「カードを2枚伏せてターンエンド」
さてと、場にはクリアウィング・ファスト・ドラゴンと伏せカード2枚……私のレッド・デーモンズへのルートを潰しにかかった形になったわね。でも……
「私のターン、ドロー!」
このデッキにはその程度の小細工は通用しない!
「フィールド魔法『G・ボールパーク』を発動!続けて、チューナーモンスター『レッド・リゾネーター』を召喚!」
レッド・リゾネーター 星2 ATK600 チューナー
「このカードが召喚に成功した時、手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚出来る!『共振虫』を特殊召喚!」
共振虫 星4 ATK1000
「バトル!レッド・リゾネーターでファスト・ドラゴンを攻撃!」
「なっ!?そんな事をしたらファスト・ドラゴンの……騙されないぞ!ファスト・ドラゴンの迎撃!」
「そうはならないわ」
「え?」
「G・ボールパークの効果発動!1ターンに1度、ダメージ計算時にその戦闘で発生するお互いの戦闘ダメージを0にし、自分のデッキからレベル4以下の昆虫族モンスター1体を墓地へ送る!私が墓地へ送るのは『G戦隊 シャインブラック』を墓地へ」
「?」
「この効果で通常モンスターが墓地へ送られた場合、さらにその同名モンスターを自分の手札・デッキ・墓地から任意の数だけ選んで特殊召喚できる」
「なっ!?」
さぁ、戦慄するがいい!!!
G戦隊 シャインブラック 星4 ATK2000
G戦隊 シャインブラック 星4 ATK2000
G戦隊 シャインブラック 星4 ATK2000
「げぇ…ゴキブリぃ……」
「それだけじゃないわ!メインフェイズ2へ移行。このカードの召喚条件はモンスター2体以上!共振虫とレッド・リゾネーターで『セキュリティ・ドラゴン』をリンク召喚!」
セキュリティ・ドラゴン LINK-2 ATK1100 リンクマーカー【上・下】
「共振虫がフィールドから墓地へ送られた場合、デッキからレベル5以上の昆虫族モンスター1体を手札に加える!『デビルドーザー』を手札に…!このカードの召喚条件は通常モンスター1体!シャインブラックで『リンクスパイダー』をセキュリティ・ドラゴンのリンク先へリンク召喚!」
リンクスパイダー LINK-1 ATK1000 リンクマーカー【下】
「さらに、このカードの召喚条件はトークン以外の同種族モンスター2体以上!そして、セキュリティ・ドラゴンはリンク素材2体分として扱う!セキュリティ・ドラゴンとリンクスパイダーで『サモン・ソーサレス』をリンク召喚!」
サモン・ソーサレス LINK-3 ATK2400 リンクマーカー【上・左下・右下】
「サモン・ソーサレスの効果発動!このカードのリンク先の表側表示モンスター1体を対象とし、そのモンスターと同じ種族のモンスター1体をデッキから選びこのカードのリンク先となる自分・相手フィールドに守備表示で特殊召喚する!対象はリンク先のシャインブラック!よって、デッキから2体目の『共振虫』を特殊召喚!」
「チェーンしてファスト・ドラゴンの効果発動!サモン・ソーサレスの効果を無効にし攻撃力を0にする!」
サモン・ソーサレス ATK2400→0
「ッ……!」
止められた……!なら…軌道を修正する!
「魔法カード『アリの増殖』発動!自分フィールドの昆虫族モンスター1体をリリースして『兵隊アリトークン』を2体特殊召喚する!シャインブラックをリリース!」
兵隊アリトークン 星4 DEF1200
兵隊アリトークン 星4 DEF1200
「さらに、墓地のシャインブラックと共振虫を除外して『デビルドーザー』を特殊召喚!」
デビルドーザー 星8 ATK2800
「デビルドーザーの効果で共振虫が除外されたので共振虫の効果発動!このカードが除外された場合、デッキから共振虫以外の昆虫族モンスター1体を墓地へ送る。『ゴキポール』を墓地へ…ゴキポールは墓地へ送られた場合、デッキからレベル4昆虫族モンスター1体を手札に加える。『応戦するG』を手札に!このカードの召喚条件は昆虫族モンスター2体!兵隊アリトークン2体で『甲虫装機ピコファレーナ』をリンク召喚!」
甲虫装機ピコファレーナ LINK-2 ATK1000 リンクマーカー【左下・右下】
「ピコファレーナの効果発動!このカードがリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨て、このカード以外の自分フィールドの昆虫族モンスター1体を対象とし、デッキから昆虫族モンスター1体を選び、攻撃力・守備力500アップの装備カード扱いとして対象のモンスターに装備する!デビルドーザーに2体目の『共振虫』を装備!」
デビルドーザー ATK2800→3300
「このカードの召喚条件はモンスター2体以上!そしてサモン・ソーサレスはリンク素材3体分としても扱える!ピコファレーナとサモン・ソーサレスで『ファイアウォール・ドラゴン』をリンク召喚!」
ファイアウォール・ドラゴン LINK-4 ATK2500 リンクマーカー【上・左・下・右】
「装備カードとなっていた共振虫が墓地へ送られた事で効果発動!デッキからレベル5以上の昆虫族モンスター1体を手札に加える!『プリミティブ・バタフライ』を手札に!」
ガンガン回るなぁ……今回のデッキ回転力は正直どうかしてる。
「ピコファレーナの効果発動!1ターンに1度、自分の墓地の昆虫族モンスター3体を対象としてデッキに戻し、その後カードを1枚ドローする!」
●G戦隊 シャインブラック
●G戦隊 シャインブラック
●ゴキポール
「シャインブラック2体とゴキポールをデッキに戻し1枚をドロー!……カードを1枚伏せてターン終了」
「怒涛の展開だったなぁ…」
まぁ、それでも相互リンクしていないファイアウォールとリンク先のデビルドーザーしか居ない時点で色々お察しね。なんとかなると信じよう。
「僕のターン!……『アンノウン・シンクロン』を召喚!」
アンノウン・シンクロン 星1 DEF0 チューナー
「ファスト・ドラゴンの効果発動!エクストラデッキから特殊召喚された相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。ターン終了時まで、そのモンスターの攻撃力は0になり、効果は無効化される。この効果は相手ターンでも発動できる!ファイアウォールを対象に発動!」
ファイアウォール・ドラゴン ATK2500→0
「バトル!ファスト・ドラゴンでファイアウォールを攻撃!」
「フィールド魔法『G・ボールパーク』の効果発動!1ターンに1度、ダメージ計算時にその戦闘で発生するお互いの戦闘ダメージを0にし、自分のデッキからレベル4以下の昆虫族モンスター1体を墓地へ送る!私が墓地へ送るのは『G戦隊 シャインブラック』を墓地へ……この効果で通常モンスターが墓地へ送られた場合、さらにその同名モンスターを自分の手札・デッキ・墓地から任意の数だけ選んで特殊召喚できる!」
G戦隊 シャインブラック 星4 DEF0
G戦隊 シャインブラック 星4 DEF0
「そう来ると思ってた!罠カード『緊急同調』!バトルフェイズ中にシンクロ召喚を行う!!!レベル7のファスト・ドラゴンにレベル1のアンノウン・シンクロンをチューニング!シンクロ召喚!!!来い!『覇王白竜オッドアイズ・ウィング・ドラゴン』!」
覇王白竜オッドアイズ・ウィング・ドラゴン 星8 ATK3000
覇王白竜!?翔太君のデッキ……前と少し変わってる!
「オッドアイズ・ウィング・ドラゴンでファイアウォール・ドラゴンを攻撃!」
「なら私も……!罠カード『パワー・フレーム』を発動!自分フィールド上に表側表示で存在するモンスターがその攻撃力よりも高い攻撃力を持つモンスターの攻撃対象に選択された時に発動する事ができる。その攻撃を無効にし、このカードを攻撃対象モンスター1体に装備する!」
「なっ!?」
「装備モンスターの攻撃力は、その時の攻撃モンスターと攻撃対象モンスターの攻撃力の差の数値分アップする。ファイアウォールの攻撃力はファスト・ドラゴンの効果で攻撃力は0になっている」
「っ……ファスト・ドラゴンの効果が仇になったか」
ファイアウォール・ドラゴン ATK0→2500
「カードを1枚伏せてターンエンド」
ファスト・ドラゴンの効果が終わり、ファイアウォールの攻撃力も元に戻る!
ファイアウォール・ドラゴン ATK2500→5000
「私のターン、ドロー!このカードの召喚条件は昆虫族モンスター2体!ファイアウォールのリンク先のデビルドーザーとシャインブラックを素材に2体目の『甲虫装機ピコファレーナ』をファイアウォールのリンク先へリンク召喚!」
甲虫装機ピコファレーナ LINK-2 ATK1000 リンクマーカー【左下・右下】
「ピコファレーナの効果発動!このカードがリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨て、このカード以外の自分フィールドの昆虫族モンスター1体を対象とし、デッキから昆虫族モンスター1体を選び、攻撃力・守備力500アップの装備カード扱いとして対象のモンスターに装備する!だが、ピコファレーナの効果にファイアウォールのチェーン発動!このカードのリンク先のモンスターが戦闘で破壊された場合、または墓地へ送られた場合に手札からモンスター1体を特殊召喚する!私は手札からチューナーモンスター『ミラー・リゾネーター』を特殊召喚!」
ミラー・リゾネーター 星1 DEF0 チューナー
「チェーンを処理。手札を1枚捨て、リンク先のシャインブラックにゴキポールを装備!」
G戦隊 シャインブラック DEF0→500
「ピコファレーナの効果発動!墓地の昆虫族モンスター3体を対象にデッキへ戻して1枚ドローする!」
●G戦隊 シャインブラック
●デビルドーザー
●甲虫装機ピコファレーナ
「この3枚を戻して1枚ドロー!このカードの召喚条件はカード名の異なるモンスター2体以上、そして…ピコファレーナはリンク素材2体分としても扱える!ピコファレーナ、シャインブラック、そしてミラー・リゾネーターで『トロイメア・グリフォン』をリンク召喚!」
トロイメア・グリフォン LINK-4 ATK2500 リンクマーカー【上・左・下・右】
「グリフォンはリンク召喚時に効果を発動するがその効果にチェーンして装備カードとして墓地へ送られたゴキポールの効果発動!」
「その上にチェーンして永続罠『ペンデュラム・スイッチ』発動!効果はまだ使わない」
「チェーンを処理、このカードが墓地へ送られた場合に発動できる。デッキからレベル4の昆虫族モンスター1体を手札に加える!手札に加えたモンスターが通常モンスターならそのまま特殊召喚し、その後特殊召喚したモンスターの攻撃力以上のモンスター1体を破壊する!シャインブラックを特殊召喚!」
G戦隊 シャインブラック 星4 ATK2000
「ゴキポールの効果で覇王白竜は破壊しないわ。さらにチェーンを処理してグリフォンの効果。このカードがリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨て、自分の墓地の魔法・罠カード1枚を対象として発動できる。そのカードを自分フィールドにセットする。そのカードはこのターン発動できない。さらに、この効果の発動時にこのカードが相互リンク状態だった場合、デッキから1枚ドローできる!」
よし、来た。
「ファイアウォールの効果発動!表側表示で存在する限り1度だけ、このカードと相互リンクしているモンスターの数までフィールドまたは墓地のモンスターを手札に戻す!相互リンク数は1体!よって覇王白竜を手札に戻す!これでコンボは封じたわ!」
「やられた……!」
「さらに、墓地の共振虫と応戦するGを除外して手札から『デビルドーザー』を特殊召喚!」
デビルドーザー 星8 ATK2800
「共振虫が除外された場合、デッキから共振虫以外の昆虫族モンスター1体を墓地へ送る……そして、バトル!デビルドーザーでウィング・ドラゴンを攻撃!」
「通す…!」
「続けてシャインブラック→グリフォン→ファイアウォールの順にダイレクトアタック!」
「……ダメだったー…」
翔太 LP8000→6000→3500→0
****************
「今回のデッキ、回転力すごかったね」
「虫を召喚する度にSAN値が下がっていったけど、満足してるわ。ジャック・アトラスのようなパワーデュエルでこれはこれでいいのかな……と。まぁ、ジャックとも関連あるし…」
「えっ?どういう事?」
「……遊戯王5D’s 25話」
「……うわ、めっちゃコアなシーン」
番宣も終わり、楽しく雑談した後…私は翔太君の家に向けて歩き始めた。夕焼けが綺麗な道を歩きながら新たな生活に胸を踊らせるのだった……。
真由美「さて、翔太君。歩きながらデッキ紹介でもしよっか」
翔太「うん、今回のデッキはかなり特異なものだったね」
真由美「そう!まずはデッキを公開するわね」
デッキ総枚数(45)
モンスター(25)
●超装甲兵器ロボ ブラックアイアンG×1
●デビルドーザー×2
●プリミティブ・バタフライ×2
●G戦隊 シャインブラック×3
●共振虫×3
●応戦するG×2
●ゴキポール×3
●増殖するG×2
●寄生虫パラノイド×2
●レッド・リゾネーター×3
●ミラー・リゾネーター×2
魔法カード(16)
●G・ボールパーク×3
●オレイカルコスの結界×1
●盆回し×1
●テラ・フォーミング×1
●アリの増殖×3
●ハーピィの羽根帚×1
●おろかな埋葬×1
●死者蘇生×1
●超進化の繭×2
●コール・リゾネーター×2
罠カード(4)
●ライヤー・ワイヤー×2
●神の通告×1
●パワー・フレーム×1
エクストラデッキ(15)
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×1
●レッド・ライジング・ドラゴン×1
●ファイアウォール・ドラゴン×1
●トロイメア・グリフォン×1
●サモン・ソーサレス×1
●トロイメア・ユニコーン×1
●セキュリティ・ドラゴン×1
●プロキシー・ドラゴン×1
●リプロドクス×1
●甲虫装機ピコファレーナ×3
●リンクスパイダー×1
●星杯竜イムドゥーク×1
真由美「新規カードの豊富な昆虫族サポートを駆使しての高速展開が特徴のデッキよ。レモンを召喚しても攻撃力不足だとしてもボールパークがあればモンスター3体展開のメリットに変換出来るし、リゾネーターも昆虫族の展開をサポート出来る程度の採用にしたわ」
翔太「肝になるのがピコファレーナとアリの増殖だね?」
真由美「そうよ。ピコファレーナは場に出してしまったシャインブラックを墓地へ送る事、デッキのモンスターを装備カードとして間接的に墓地へ送る効果、墓地へ落ちたシャインブラックをデッキに戻す事で次のボールパークの球を装填する効果においてこのデッキの核となるわ。昆虫族を装備させれば超進化の繭でさらに展開したり、敢えてパラノイドを装備させてからリンク素材にする事で手札で腐った最上級昆虫族を展開したりと豊富な派生展開が出来るのが魅力ね」
翔太「アリの増殖は昆虫族1枚からピコファレーナに派生する為のカードだね?」
真由美「勿論よ。ピコファレーナを展開する事がこのデッキを円滑に展開していく絶対条件だからね。でも、シンクロ素材やリンク素材には出来るから色々な派生が可能……っていうのも魅力ね」
翔太「でも……」
真由美「うん……」
2人「「ゴキブリはSAN値下がるわ……」」
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そして家族になr(以下略)【ドラグニティ】
「すみません、これから諸星家でお世話になります。『古霊 真由美』です。どうかよろしくお願いします」
「真由美、よろしくね。僕はまだ学生だけど、絶対に真由美を養えるくらいになるから!」
「真由美ちゃん、これからも末永くよろしくね!」
「とうとう俺も爺さんか」
「まだ早いってお父さん!あ、よろしくね!私、お勉強で忙しいけど出来るだけ仲良くするからね!」
晴れて諸星家の仲間入り(まだ結婚していないので実質居候)を果たした私は、少し嬉しい気分になった。親と縁切りして2年以上経つけど、久しぶりの家族単位での共同生活だ。不安な気もするけど、やるしかない。
「真由美ちゃんは基本私の仕事を手伝ってちょうだい。この家の事についても色々指導するから」
「はい!」
義母さんとはシンパシーを感じるけど、今までの胡散臭い雰囲気の所為でそんなに信用ないんだよなぁ。
「まず外を案内するわね。ついてきて」
********************
「この家は基本的に年中涼しいの。ただ、虫が多いから防虫対策は徹底してもらうわ。まずここなんだけど──」
「はい」
メモを取りながら私は義母さんの話に耳を傾けた。結構内容が濃くて走り書きになりながらもなんとか話を記録しつつ今度は畑から家の中に移った。
「陽介さんは決まった場所に物が無いと怒る…いや、怒らないけど困るから配置も教えるわね」
「結構拘りますね」
「あと基本色柄も同じじゃないと困る人だから消耗品も買い換えるなら最低でも同じ色を選んで。まぁ〜ここまで拘るのは陽介さんだけだから安心してね」
「はぁ……」
義母さんの言葉に耳を傾けて話を聞くこと3時間。終わる頃には昼を迎えていた。
12:00
「なにか料理の際に拘りはあるんですか?」
「無いわ」
「え?」
「うちの料理はその日の気分次第よ。気楽に家でのんびりと暮らすのが諸星家の女の生活…らしいわ」
「らしい?」
「陽介さんの家族は『男は家族のために働く。女は家事を熟した後はしたい事をして家を賑やかにする』っていうルールがあったらしいの。馬鹿馬鹿しいと思うかもしれないけど、おかげで毎日楽させてもらっているわ」
所謂『男は仕事、女は家庭』って話ね。でも、ここの家はそれでやって行けるからいいのかも。
「そういえば、思い出したんですけど、ユリ根はどこへ売ってるんですか?」
「近くのコンビニよ。店長と知り合いでね、契約して店頭で売ってもらっているの」
「いや、近くって……ここから歩いて3kmありますよね?」
「そうなのよ。少し傾斜あるから膝に負担がかかるのよね。だから私が出られない時は翔太か優里香に運んでもらっているわ」
なるほど……でも、私の出勤ルートが噛み合ってるから私が運ぶべきな気がしてきた。
「よし、早速料理を作ってもらおうかしら?陽介さんは基本夕方まで仕事場から出る事が無いから、昼に軽食の差し入れと夕飯何にするかをここの硯と筆を使ってそこの棚に入ってる和紙に書いて、障子の間からそっと置いて欲しいの。結婚してからずっとそういう決まりになってるからそこは気をつけてね」
「はい!」
取り敢えず、言われた通りに料理を開始した。今日はマスターが定期検診の為、お休みしているので丸一日過ごす事になる。
「(軽食といっても仕事しながらだろうから……無難におにぎりがいいかな?)冷蔵庫見ていいですか?」
「いいわよ。漬物は床の蓋開けたら壺があると思うからそこから使ってね」
「!…なんで分かったんですか!?」
「だってサンドイッチじゃパン屑が落ちるし麺じゃ伸びるでしょ?」
「あー……なるほど」
「おにぎりを発明した人はきっと天才ね!べとつくけど手を拭くだけで済むからね」
楽しく会話をしながら私と義母さんは料理を作った。昼は何でもいいらしいのでおにぎりを作る横でちょっと贅沢する事にした。
「即席カルボナーラのパックで即席ドリア…へぇ、カロリー高そうだけど……」
「まぁ、今日は手が込まなくてもいいかと思いまして……少し贅沢しようと」
カルボナーラのパックを開けてご飯の上にかけ、粉チーズとミートソースをかけたら後は10分程度焼くだけ。
「美味しい♪」
「カルボナーラのパックはオムライスやグラタンにも派生出来ますのでオススメです」
******************
「ふぃ〜、食べた食べた」
満腹により、ごろーんと寝そべった義母さんの隣で私はアタッシュケースを開けた。
「また新しいデッキ組むの?」
「はい、諸星家の仲間として私だけ属性がバラバラでは…と思いまして。風属性デッキを模索中です」
「……あー…なんか申し訳ないわね。別にいいのよ?真由美ちゃん、色んなゲテモノデッキ組んでるんでしょ?」
「ゲテモノ……では………ないですけど。色々組んでますね」
「単一化しちゃうと面白くないからなぁ」
ゲテモノと思われてたんだ今まで……まぁ、ゲテモノって言われたら認めざるを得ないのもあるけど。
「で、今作ってみました」
「早ッ!?もう作ったの!?」
「まぁ、決めてから作るまで早いですから」
実は、アタッシュケースに入っているカードの位置は全て把握している。1日に食べた物を噛む回数より多くのカードの枚数を数えている事が最大の理由だ。
「カテゴリと50音順に並べているので欲しいカードがすぐ分かるようになってるのね。しかも3枚ずつ入ってる……」
「揃ってないのもありますけど……」
「よし、せっかく作ったんだから……」
義母さんはニタリと笑い、箪笥からデッキケースを出した。
「マットは敷かなくていいでしょ?」
「はい」
デッキをセットし、正座で向き合った私と義母さんはデュエルを開始した。
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
薫 LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!!」」
先攻は取れた。問題は……先攻で無闇に展開すれば霊魂鳥神の餌食になる事だ。
「私のターン!」
初手は悪くない。ただ、霊魂鳥神を相手にする場合は危険な手段である事になんら変わりはない。
「フィールド魔法『竜の渓谷』発動!このカードは1ターンに1度、手札を1枚捨てる事でデッキからドラゴン族モンスター1体を墓地へ送るかデッキからドラグニティモンスター1体を手札に加えます!」
「【ドラグニティ】ね…なるほど」
「手札を1枚捨て、私は『ドラグニティ・ドゥクス』を手札に!そして、そのまま召喚!」
ドラグニティ・ドゥクス 星4 ATK1500
「このカードが召喚に成功した時、墓地のドラグニティのドラゴン族モンスター1体を装備する!墓地へ送った『ドラグニティ・ファランクス』を装備!さらにこのカードは自分フィールドのドラグニティカード1枚につき攻撃力を200上げる!」
ドラグニティ・ドゥクス ATK1500→1900
「さらに、装備状態のファランクスは自分フィールドに特殊召喚出来る!」
ドラグニティ・ファランクス 星2 DEF1100 チューナー
「レベル4のドゥクスにレベル2のファランクスをチューニング!シンクロ召喚!『ドラグニティナイト─ガジャルグ』!」
ドラグニティナイト─ガジャルグ 星6 ATK2400
「ガジャルグは1ターンに1度、デッキからレベル4以下のドラゴン族または鳥獣族のモンスター1体を手札に加え、その後手札からドラゴン族または鳥獣族のモンスター1体を選んで捨てる!『ドラグニティ・セナート』を手札に加え、『ガスタ・グリフ』を墓地へ送る。この瞬間、墓地へ送った『ガスタ・グリフ』の効果発動!このカードが手札から墓地へ送られた場合、デッキからガスタモンスター1体を特殊召喚できる!『ガスタの神裔ピリカ』を特殊召喚!」
ガスタの神裔ピリカ 星3 DEF1500
「このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、自分の墓地から風属性のチューナー1体を選択して表側守備表示で特殊召喚できる。ただし、この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化され、このターンは風属性しか特殊召喚できない。『ドラグニティ・ファランクス』を特殊召喚!」
ドラグニティ・ファランクス 星2 DEF1100 チューナー
「このカードの召喚条件は風属性モンスター2体!ガジャルグとファランクスで『グレートフライ』をリンク召喚!」
グレートフライ LINK-2 ATK1400 リンクマーカー【左下・右下】
「このカードが存在する限り、自分フィールドの風属性モンスターの攻守は500ポイントアップする!」
グレートフライ ATK1400→1900
ガスタの神裔ピリカ DEF1500→2000
「ターン終了」
「そんなに展開しちゃって〜、私が何デッキか知ってる癖に〜♪」
義母さんにとって、相手フィールドにカードはある程良い。でも、展開しなければ強烈なパンチが待っている。八方塞がりな状況で私に出来る事は…相手の隙を探すだけ。
「私のターン、ドロー!魔法カード『儀式の下準備』発動!デッキから儀式魔法カードを手札に加え、その後…その儀式魔法カードに記載された儀式モンスター1体を手札に加える!『霊魂の降神』を手札に加え、『霊魂鳥神─姫孔雀』を手札に加えるわ!さらに、『霊魂鳥─巫鶴』を召喚!」
霊魂鳥─巫鶴 星4 ATK1500→2000
「さらに儀式魔法『霊魂の降神』を発動!このカードはレベル8以上になるよう手札・フィールドのモンスターをリリース…もしくは墓地のスピリットモンスターを除外する事で儀式召喚を執り行うわ!手札の『和魂』2枚で儀式召喚!さぁおいでませ!『霊魂鳥神─姫孔雀』!」
「グレートフライの効果は相手にも……やらかしたわね」
霊魂鳥神─姫孔雀 星8 ATK2500→3000
「姫孔雀の効果に和魂2枚の効果と巫鶴の効果を一斉チェーン!まずは巫鶴の効果、このカードが存在する状況でスピリットモンスターが召喚・特殊召喚された場合、デッキからカードを1枚ドローする。さらに和魂はこのカードが墓地へ送られた時、自分フィールド上にスピリットモンスターが存在する場合、デッキからカードを1枚ドローする。よって2枚ドロー!さらに姫孔雀の効果!」
凄まじいアドの乱れ咲き。これぞ義母さんのデュエルだ。
「このカードが儀式召喚に成功した場合に発動できる。相手フィールドの魔法・罠カードを3枚まで選んで持ち主のデッキに戻す!竜の渓谷には消えてもらうわよ」
「ッ……!?」
「その後、デッキからレベル4以下のスピリットモンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚できる。『天岩戸』を特殊召喚!」
あっ……詰んだ。
天岩戸 星4 ATK1900
「巫鶴の効果でドロー……永続魔法『霊魂の拠所』を発動!自分フィールドのスピリットモンスターの攻撃力を500アップするわ!」
霊魂鳥神─姫孔雀 ATK3000→3500
霊魂鳥─巫鶴 ATK2000→2500
天岩戸 ATK1900→2400
「バトル!天岩戸でピリカを攻撃!」
「通します……!」
「続けて!巫鶴でグレートフライを攻撃!」
真由美 LP8000→7400
「グレートフライが戦闘・効果で破壊された場合、自分の墓地の風属性モンスター1体を対象としそのモンスターを手札に加える。『ガスタ・グリフ』を手札に!」
霊魂鳥神─姫孔雀 ATK3500→3000
霊魂鳥─巫鶴 ATK2500→2000
「続けて、姫孔雀でダイレクトアタック!」
真由美 LP7400→4400
「カードを2枚伏せてターン終了よ。エンドフェイズに姫孔雀と巫鶴は手札に戻る。姫孔雀は手札に戻った場合、霊魂鳥トークンを2体特殊召喚する!」
霊魂鳥トークン 星4 DEF1500
霊魂鳥トークン 星4 DEF1500
「さらに、霊魂の拠所の効果で霊魂鳥神─彦孔雀を手札に加える!さぁ、かかってらっしゃい!」
勝てるかなぁ……正直言って詰みの流れなんだけど。
「ドロー!」
うーん、突破はできたけど。これは厳しいなぁ。
「魔法カード『ハーピィの羽根帚』!相手フィールドの魔法・罠カードを全て破壊する!」
「あっ」
やっぱり伏せカードは『緊急儀式術』じゃないか(キレ気味)
天岩戸 ATK2400→1900
「さらに魔法カード『死者蘇生』を発動!墓地から蘇れ!『ドラグニティナイト─ガジャルグ』!」
ドラグニティナイト─ガジャルグ 星6 ATK2400
「バトル!ガジャルグで天岩戸を攻撃!」
「ッ!この程度……!」
薫 LP8000→7500
「メインフェイズ2に移行、ガジャルグの効果発動!デッキからレベル4以下のドラゴン族または鳥獣族モンスターを1体手札に加え、その後手札のドラゴン族または鳥獣族モンスター1体を墓地へ送る。『ドラグニティ・セナート』を手札に加え、ガスタ・グリフを墓地へ送る。そして、ガスタ・グリフの効果を発動!このカードが手札から墓地へ送られた場合、デッキからガスタモンスター1体を特殊召喚できる!『ガスタの神裔ピリカ』を特殊召喚!」
ガスタの神裔ピリカ 星3 DEF1500
「ピリカの効果発動!墓地から『ドラグニティ・ファランクス』を特殊召喚!」
ドラグニティ・ファランクス 星2 DEF1100 チューナー
「レベル6のガジャルグにレベル2のファランクスをチューニング!シンクロ召喚!翔太君…私に力を貸してちょうだい!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000
「カードを1枚伏せてターンエンド」
「なるほど……止めて来る気ね。ならば、ドロー!」
義母さんはさっとカードを引くと手札を数枚重ねた。コンボを組む気だ!
「魔法カード『トレード・イン』を発動!手札のレベル8モンスター1体を墓地へ送り、デッキからカードを2枚ドローする!……『天岩戸』を召喚」
あ、逝った……
天岩戸 星4 ATK1900
「さらに儀式魔法『霊魂の降神』発動!墓地の姫孔雀を除外して『霊魂鳥神─彦孔雀』を儀式召喚!」
霊魂鳥神─彦孔雀 星8 ATK3000
「彦孔雀の効果で私はクリスタルウィングとピリカを手札に戻す!そして2体でダイレクトアタック!!!」
真由美 LP4400→0
******************
「今日は真由美ちゃんが家族の仲間入りを果たした事を祝して、豪華に作ったわ!勿論、日々チマチマと作ってきた野菜で稼いだお金を使ってるので家計簿はノーダメージ。真由美ちゃんも遠慮せずどんどん食べなさい!」
「は……はい」
「じゃあ、かんぱーい!」
ワイングラスに注いだ三流ワインを手に義母さんが夕飯開始の宣言をした。今日は私の家族入りを祝してのご馳走。手元には良い感じの味付けがされたサメステーキが置かれ、洋風なのかと思いきや中央にはサメの煮こごりや南蛮漬け・少しだけフカヒレが入ったスープなど全く統一感が無い食卓だが…まぁ、美味しいので良しとしよう。因みにこれだけ揃ってお値段なんと5000円!サメの単価が約2000円である事が大きいだろう。
「これだけサメを食べてたらお肌綺麗になりますね」
「でしょ〜♪」
サメステーキを食べながら、家族の仲間入りを果たせたんだという実感を持てた。これから先も大変だろうけど、この家族のためなら頑張れる……そう思いながら、私は諸星家の食卓を味わった。
真由美「うーん……ドラグニティは一度再考しないと…」
翔太「彼氏なのに最近全然喋れてない訴訟」
真由美「まぁまぁ、これから先に積極的に絡めばいいと思うわよ」
翔太「ありがとう、まぁ……母さんが迷惑かけるけどよろしく頼むよ」
真由美「うん!」
翔太「……さて、例によってデッキ紹介をお願い」
真由美「いいわよ。これが私のデッキよ」
デッキ総枚数(40)
モンスター(21)
●レッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴン×1
●亡龍の戦慄─デストルドー×1
●ドラグニティアームズ─ミスティル×2
●ドラグニティ─ドゥクス×3
●ドラグニティ─セナート×2
●ガスタの神裔 ピリカ×2
●ドラグニティ─ファランクス×3
●ドラグニティ─クーゼ×3
●ガスタ・グリフ×3
●ドラグニティ─ブランディストック×1
魔法カード(15)
●竜の渓谷×3
●オレイカルコスの結界×1
●盆回し×1
●ドラグニティの神槍×3
●調和の宝札×3
●死者蘇生×1
●ハーピィの羽根帚×1
●地獄の暴走召喚×2
罠カード(4)
●苦紋様の土像×3
●神の宣告×1
エクストラデッキ(15)
●ドラグニティナイト─アスカロン×1
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×1
●クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン×1
●ドラグニティナイト─バルーチャ×2
●ドラグニティナイト─ガジャルグ×1
●ドラグニティナイト─ヴァジュランダ×3
●ヴァレルソード・ドラゴン×1
●スリーバーストショット・ドラゴン×1
●ツイン・トライアングル・ドラゴン×1
●天球の聖刻印×2
●グレートフライ×1
翔太「なんか……ストレートな構築だね」
真由美「そう?今回は結構捻ったのよ?例えば……デッキのレダメを早期展開するために天球の聖刻印を採用したり、墓地へ落としたバルーチャをツイン・トライアングルで釣り上げたりと採用には色々気を遣ったわ」
翔太「苦紋様の土像の採用理由は?」
薫「あ、それ私も気になったわ」
真由美「苦紋様の土像は装備状態のドラグニティが場に出ても破壊効果が起動するの。だから、土像が場にある時にバルーチャを呼び出せれば最大4枚まで破壊出来るわ」
薫「なるほどねー…」
真由美「今回のデュエルは完全に相手が悪かったです。展開してひたすら殴るデッキと展開を妨害して壁を増やしつつバウンスで一気に盤面を潰すデッキとでは相性が悪過ぎました」
薫「はぁ……そんな気は無かったんだけどね〜」
翔太「母さんのデッキはちょっとねぇ……勝てないよアレには」
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心残りと解放と……
「暇ね〜……」
いつものように喫茶店のアルバイトをしていた私だったが、全くと言っていいほどお客さんが来なかった。仕方ないので新しい料理を残った素材で研究していた時、店に1人のお客さんがやって来た。髪は琥珀色のショートヘア、胸には私によく似た大きさのデカメロンをぶら下げ、スポーティな軽装を纏った女の子……私はその子に見覚えがあった。
「(……アカン)」
「やっと見つけた…………お姉ちゃん」
実の妹と感動(怒り)の再会を果たした。
******************
「他のお客さんが来るまでしっかり話しなさい」
コーヒーが置かれ、私は妹の正面の席に座った。絶縁状を叩きつけて出て行った後、唯一残された妹…「玲花」は恐らく両親の期待を一身に背負って生きてきたのだろう。私が辛いからと逃げ出した事を怨んでいるのも無理はない。
「高校生活はどうなの?」
「……聞いてどうするの?」
「いや……何にもないけど、会話ってそんな所から始めるでしょ普通」
先程からピリピリとした空気が私にプレッシャーを与えている。一瞬怯んだが、それでも物怖じせずに私は続けた。
「私は確かに逃げたわ。ダメだった時に諦めずに立ち上がれなかった……」
「…別に逃げた事に怒ってないよ」
「……」
「まぁ、お姉ちゃんはバカだから無理だろうな〜とは思ってたけど」
「うっ…」
そういうのを怒るって言うんだよ!?心の中でツッコミを入れつつ、私は怒りを抑え込んだ。元はといえば優秀な妹に比較されて私への当たりが強くなったのもあると思うんですけど!
「寧ろボクの方が聞きたいよ。お姉ちゃん、今何してんの?バイトして…どうせ何もしないままカードゲームに逃げて彼氏も無くダラダラ生きてるんでしょ?」
「……カードゲームは私の生命線です〜。それにもう婚約者もいます〜」
「ウソ、こんなヲタクで性格も暗い喪女に彼氏なんて出来ないと思うんだけど」
「お昼食べに来たよ真由美さ〜ん……あれ?誰この子?」
救世主キター!このタイミングで翔太君が来てくれた。しかも遊斗君とセバスティアンさんまで来ている。これで勝つる!
「紹介するわ。婚約者の翔太君よ」
「ど、どうも」
「…………ショタを侍らすとか変t」
「合法ショタだバカヤロー!」
本当に来た婚約者に妹の声色が変わった。しかもチラチラと翔太君の顔を見ている。気に入ったのかそれとも……?
「……なんだこの子?」
「すみません、私の妹です」
「妹さん!?マジかよ紹介して!古霊さん似の美人じゃねーか!」
遊斗君が早速食い付き、セバスティアンさんがタイミングよく出した椅子に座って妹にナンパを仕掛けていた。凄まじい勢いに流石の妹もタジタジになっていた。結局のところ、立場の弱い相手に粋がってただけみたいね……なんか可哀想。
「オレと付き合わねぇか?オレなら君を幸せに出来るぜ」
「……え、遠慮します」
「じゃあ、友達からスタートだな。名前なんて言うの?」
「ぼ、ボクの名前は玲花ですけど……」
「ボクっ娘!?珍しいねぇ〜、ん?よく見ると結構体引き締まってるじゃん!スポーツとかやってんの?」
矢継ぎ早に質問され、とうとう涙目で私に助けを求め始めた。やれやれとわざとらしくポーズした私は遊斗君に顔を向けると、遊斗君がウインクして離れてくれた。事情を察して彼なりのやり方で助けてくれたらしい。感謝しないと。
「この人達、誰なの?」
「まー…カードゲームで知り合った友人ってとこかな?」
「……っ」
顔を少し歪める妹に私は薄々何かを感じ始めていた。もしかして、優秀な玲花でもあの両親は容赦なく過剰な要求をしたのかもしれない。
「───るい」
「?」
「ずるいずるいずるいずるい!!!お姉ちゃんは勝手だ!勉強が出来ないからって家から簡単に出て私に全部押し付けといて自分はのうのうと彼氏作って遊び呆けて友達もいる?ボクは毎日勉強漬けで友達もいなくなったしショッピングに誘われても行けない!分かる?お姉ちゃんにボクの苦しみが分かる?……なんとか言ってよ!!!」
ついに泣き出してしまった玲花……でも、貴女は人の事言えないよ?
「……まぁ、言い返すようだけど。貴女にそれを言う権利は無いわ」
「!」
「私が苦しい時に、一度として助けてくれた?私を庇ったり…私に勉強教えたり…そうやって助けてくれたんなら私は責められて当然よ?恩を仇で返した愚かな女になってしまうもの」
「……」
「でも、貴女は私が苦しい時に何をしてた?両親と一緒に私を詰ったでしょ?勉強を聞きに行っても『バカに何度教えようと分からない』と言って拒んで毎日友達と遊びに行ってたよね?……あの家に居場所を失った原因の一端が自分にもあるっていうの分かってる?」
「っ……」
「言いたい事はそれだけ?」
私も悪い女だわ……立場が変わっただけで強気になる辺りは私も妹と同類って事ね。
「……っ」
「もしホントにズルイって思うんならあんな家出て行けば?」
「そんな軽く……!」
「はっきり言うけど、あの家に居たって貴女はやりたい事何も出来なくてただ苦しいだけの生活しか送れないわ。本当にズルイって思うなら私みたいに自活しなさい……まぁ、私は不器用でバカだから働く場所も無くて最終的にマスターの世話になってるけど、玲花ならもっと上手く立ち回れると思うんだけど」
あんな実家、息苦しいだけで何の得もない。頭が良い=いい生活が出来ると勘違いしたバカ親が自分が頭悪い癖に無駄に高い目標を立てて子供に対して虐待まがいの教育をする……普通に考えてイカれている。
「……」
「もっと色んな世界を見てみなさい。自分のやりたい事……実はまだ見つかってないんじゃない?」
「お姉ちゃんは?」
「私?私は……見つからなかったけど、こうして大好きなカードゲームに囲まれて、翔太君と家族一緒にワイワイ騒ぎながら楽しい時間を過ごさせてもらっているわ。もちろん、あんまりお金も貯まらないし一時はボロマンションに暮らしてたくらい生活も厳しかったけど…」
「……そっか」
勢いを無くした玲花は、コーヒーを飲み干すと持っていたカバンを手に席を立った。
「お姉ちゃん……あの時、ごめんなさい」
「…私もあの時逃げたのは悪かったわ」
トボトボと出て行く背中を眺めて、私も席を立った。
「せっかくだし、家でご飯食べて帰りなさい。ご飯…………どうせあの家の事だから貧相なんでしょ?」
******************
「ただいま〜」
「ただいま帰りました〜」
「お、お邪魔します……」
「お帰り〜♪ご飯にする?お風呂にする?それとも──って、見ない顔ね?」
「私の妹です。1日だけ泊めていただけないでしょうか?」
「いいわよ。ご飯作り過ぎちゃったからちょうどよかったわ。ただ…布団が足りないから私は陽介さんと一緒の布団ね♪」
「(父さん……、夜中年中発情期の母さんと一緒の布団で大丈夫かなぁ)」
いつものようにテンションメーターが振り切れてる義母さんに招かれ、私はブーツを脱いで並べた。
「おばあちゃんの形見…まだ使ってたんだ」
「なんだかんだでね。さ、あがって」
「「いただきまーす!」」
「い、いただきます」
今日のメニューはご飯・筑前煮・味噌汁・例のごとく鰐大根が用意されていた。作り過ぎたのは果たして筑前煮なのか鰐大根なのか……
「美味しいです!このお肉は何を──」
「サメよ」
「サメですか!なるほど…………サメ!?」
ほらやっぱり同じ反応した。
「サメは栄養価が高いしちゃんと味付けしたら臭みも無いわ。それに鮮度が高ければ刺身でも臭くないの」
「…………初めて知りました。サメは体内にアンモニアを貯めているので臭くてフカヒレにしか使われないんだと勘違いしてました…」
「勉強もあんまり役に立たないでしょ?」
「……そうだね、お姉ちゃん」
ここでようやく、玲花が笑顔になってくれた。
「遠慮せずもっと食べなさい!調子に乗って鍋2個分作っちゃったんだから!」
「いや、どうすればそうなるんだ」
義父さんのツッコミは誰にも聞かれぬまま消えていった……。
「真由美、僕は違う場所で寝るよ」
「気は遣わないでください。その……お姉ちゃんと彼氏さんの話、もっと聞きたいし」
布団を並べて翔太君を真ん中に挟むようにして布団に入った私と玲花は改めて互いに顔を向けた。喫茶店で言いたい事を言って気が晴れたのか、トゲが抜けている。
「それにしても見ないうちに胸デカくなったわね〜…私に負けず劣らずのサイズじゃない?」
「そういう遺伝なのかも」
しょうもない話を皮切りに私と翔太君は玲花から質問攻めにされた。馴れ初めの話…今の生活の話…互いにどう思っているのか等、それに私達は笑顔で答えた。途中、玲花が疲れて眠ってしまい、私も明日は仕事が無いので翔太君とデュエルしようと決め、翔太君に抱きつくようにして眠った。
******************
『お世話になりました』
荷物を抱えた玲花は、私が起きる間も無くさっさと起きてこの書き置きを残して出て行った。寂しい気もするが、止める権利も無いので私は書き置きを捨てた。
「おはよ〜、あれ?玲花さんは?」
「帰ったわ」
「……そっか」
今日は休日。翔太君とのデュエルを楽しみにしながら私は台所へ向かった……。
古霊 玲花
年齢:18歳
性別:女
身長:170cm
体重:60kg
3サイズ:96・56・87
血液型:A型
星座:射手座
髪色:琥珀
髪型:ショートヘア
職業:学生
服装:ビキニ(トップ)+Gジャン・ホットパンツ・スニーカー
スポーティな雰囲気を持つ女子高生。姉が家出したせいで両親から厳しい仕打ちを受けて姉を恨んでいたが、今回和解した。中学時代にバレーボールをしていた経験から体は引き締まっている。また、ボクっ娘で本来の性格は活発だが親の仕打ちの影響で陰キャラに片足突っ込んでいる。
因みに遊斗曰く、「見た目こそ古霊さんそっくりだけど、中身に惹かれない」らしい。
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諸星一家対抗デュエル【風VS風】
陽介「我が業火に焼かれて滅びるがいい!」(CV.速○奨)
薫「あの……陽介さん?そのデッキは風属性なんだけど」(CV.井○喜○子)
陽介「///」
薫「///」
優里香「はいはいお熱いお熱い」(CV.佐○綾音)
って感じで脳内再生していただければ嬉しいです。翔太は?脳内イメージで補完して、どうぞ。
あの…真由美です。早速ですが、修羅場です。
「父さんはなんで分からないの!?」
「……今の生活でも充分足りているだろう」
「まぁまぁ、落ち着いてよ優里香。飴舐める?」
「お兄ちゃんはいつまでも子供扱いしないでったら!母さんもさりげなく頭撫でないの!」
「ちぇっ、バレテーラ」
このセリフでは何が起きているのか分からないと思うので説明しよう!実は、優里香ちゃんの友達が中古車を譲ってくれると言ってくれたそうで、早速家まで運んでもらったところ義父さんが怒ったという経緯だ。義母さんの腰が完治した時に起きた事もあり、義母さんが興奮してまたやらかすのではないかと内心ハラハラしつつも介入する事も出来ず傍観に徹していた。
「ちゃんと車検は通っているのか?車の為の車道整備もされていないし、そもそも定期メンテナンスやガソリンに必要な経費は誰が出すんだ?」
「うっ……で、でも!真由美さんが居るし!車があれば色々出来るよ!」
「少なくとも俺は車が無くても問題無い。薫はどうだ?」
「うーん…あったら便利だけど〜…要らないわね。必要だとしても増え過ぎた野菜を売りに行く時ぐらいよね…」
「じゃあ要るじゃん!ウチの家庭菜園は規模大きいし!」
「そうは言っても大根とか人参は大体使い切れる分だけだし、売るのは基本ユリ根だからね〜…」
「……」
これは無理ね。車を必要と言えるほどの正当な理由が見当たらない。が、優里香ちゃんは何を思ったのかイライラと歩き回った末に二階に上がると……あるものを持ってきた。
「ならデュエルよ母さん!私が勝ったらせめて前向きに検討して!」
勉強はいいのかよ、というツッコミは堪えて私は優里香ちゃんの思わぬ行動に驚いた。勝った場合の提案がショボいのは土俵に引き込む事が目的なのか…それとも?
「いいわよ。じゃあ私が勝ったら今止まってる車を返してもらいましょう」
なんか平和的(?)に解決しそうね。ただ、なんで家族揃ってデッキを出しているのかしら!?
「陽介さん、無理しなくても私1人で片付けるわよ?」
「なっ!?」
強気な発言ね。でも、今までの対戦を見ればその言葉が嘘ではない事はよく分かる。
「その心配は要らない。俺も薫の為に勉強を重ねたんだ。足は引っ張らないつもりだ」
「陽介さん……///」
でも、今度は義父さんが本格的にデュエルするらしい。その様子、勉強になるかもしれないので私も見守る事にした。卓袱台の上にカードを並べ、諸星一家はデュエルを開始したのだった。
薫&陽介 LP8000
翔太&優里香 LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!」」
義母さんと優里香、勝ったのは義母さんだった。
「私の先攻!……私のデュエルの恐ろしさを見せてあげるわ。『霊魂鳥─巫鶴』を召喚!」
霊魂鳥─巫鶴 星4 ATK1500
「さらにフィールド魔法『霞の谷の神風』と永続魔法カード『霊魂の拠所』を発動!スピリットモンスターの攻撃力は500アップ!」
霊魂鳥─巫鶴 ATK1500→2000
「カードを2枚伏せてターンエンド。この瞬間、巫鶴は手札に戻り2枚のカードが起動!神風の効果で私は『烈風の結界像』を特殊召喚」
烈風の結界像 星4 DEF1000
「さらにデッキから『霊魂鳥神─彦孔雀』を手札に加えるわ」
鮮やかな展開だ。損失を即座にリカバリーする戦術で義母さんがリードを取っている。
「お兄ちゃん、私に譲って」
「いいよ」
「私のターン、ドロー!永続魔法『魂吸収』を発動!カードが除外される度に私はライフを500回復する!『霊獣使いの長老』を召喚!」
霊獣使いの長老 星2 ATK200
「このカードが召喚に成功したターン、自分は通常召喚に加えて1度だけ、メインフェイズに霊獣モンスター1体を召喚できる!続けて『精霊獣ラムペンタ』を召喚!」
精霊獣ラムペンタ 星4 ATK1600
「ラムペンタの効果発動!1ターンに1度、自分メインフェイズにエクストラデッキから霊獣モンスター1体を除外し、そのモンスターと同じ種族の霊獣モンスター1体をデッキから墓地へ送る!『聖霊獣騎カンナホーク』を除外し『精霊獣カンナホーク』を墓地へ…」
翔太&優里香 LP8000→8500
「さらに!自分フィールドの霊獣使いと精霊獣を除外してこのカードは融合召喚できる!『聖霊獣騎カンナホーク』!」
聖霊獣騎カンナホーク 星6 ATK1400
翔太&優里香 LP8500→9500
「カンナホークの効果発動!1ターンに1度、除外されている自分の霊獣カード2枚を対象としてそのカードを墓地へ戻し、デッキから霊獣カード1枚を手札に加える!私は除外されている聖霊獣騎カンナホークともう1枚を対象にするが、その効果にチェーンしてカンナホークのもう1つの効果を発動!このカードを持ち主のエクストラデッキに戻し、除外されている自分の霊獣使いモンスター1体と精霊獣モンスター1体を対象としてそのモンスターを守備表示で特殊召喚する!長老とラムペンタを特殊召喚!」
霊獣使いの長老 星2 DEF1000
精霊獣ラムペンタ 星4 DEF400
「このカードのリンク素材は霊獣2体!長老とラムペンタを素材に『聖霊獣騎キムンファルコス』をリンク召喚!」
聖霊獣騎キムンファルコス LINK-2 ATK1800 リンクマーカー【左下・右下】
「キムンファルコスは自分の墓地から霊獣カード1枚を除外して手札から霊獣モンスター1体を召喚できる!精霊獣カンナホークを除外して『霊獣使いウェン』を召喚!」
霊獣使いウェン 星3 ATK1500
翔太&優里香 LP9500→10000
「ウェンが召喚に成功した時、除外されている自分の霊獣モンスター1体を対象としてそのモンスターを特殊召喚する!『精霊獣カンナホーク』を特殊召喚!」
精霊獣カンナホーク 星4 ATK1400
「カンナホークの効果発動!1ターンに1度、自分メインフェイズにデッキから霊獣カード1枚を除外する。発動後2回目の自分スタンバイフェイズに、この効果で除外したカードを手札に加える!私は『精霊獣ガイアペライオ』を除外!」
翔太&優里香 LP10000→10500
「霊獣使いウェンとカンナホークを除外し、『聖霊獣騎アペライオ』をキムンファルコスのリンク先に融合召喚!キムンファルコスのリンク先の霊獣モンスターの攻撃力は800アップする!」
聖霊獣騎アペライオ 星6 ATK2600→3400
翔太&優里香 LP10500→11500
「バトル!キムンファルコスで烈風の結界像を攻撃!」
「甘いわね。こういう時は伏せカードを警戒しなさい!罠カード発動『砂塵のバリア─ダストフォース』!相手モンスターの攻撃時に相手の攻撃表示モンスター全てを手札に戻す!」効果違いますダストフォースのままなら裏守備にエアフォースがバウンスになります
「なっ!?」
思わぬ伏兵ね。墓地の霊獣も除外されている霊獣も既に1度特殊召喚してしまった。分離は不可能だ。
「そんな……」
「まだまだ二流ね。さ、かかってきなさい」
「っ……カードを1枚伏せてターンエンド」
次はいよいよ義父さんのデュエルだ。どんなデッキになったんだろう?
「俺のターン、ドロー!『妖仙獣 鎌壱太刀』を召喚!」
まさか……【妖仙獣】!?
妖仙獣 鎌壱太刀 星4 ATK1600
「このカードが召喚に成功した場合に発動できる。手札から鎌壱太刀以外の妖仙獣モンスター1体を召喚する!『妖仙獣 鎌弐太刀』を召喚!」
妖仙獣 鎌弐太刀 星4 ATK1800
「このカードが召喚に成功した場合に発動できる。手札から鎌弐太刀以外の妖仙獣モンスター1体を召喚する!『妖仙獣 鎌参太刀』を召喚!」
妖仙獣 鎌参太刀 星4 ATK1500
「このカードが召喚に成功した場合に発動できる。手札から鎌弐太刀以外の妖仙獣モンスター1体を召喚する!烈風の結界像をリリースして『妖仙獣 凶旋嵐』をアドバンス召喚!」
妖仙獣 凶旋嵐 星6 ATK2000
「嘘……!?」
「このカードが召喚に成功した場合、デッキからこのカード以外の妖仙獣を1体特殊召喚できる!『妖仙獣 閻魔巳裂』を特殊召喚!」
妖仙獣 閻魔巳裂 星6 ATK2300
【妖仙獣】だなんて珍しい。いや……義母さんのデッキコンセプトに似せたデッキを構築したのかもしれない。どこまでも仲のいい夫婦…是非見習いたい。
「鎌壱太刀の効果発動!このカードがフィールドに表側表示で存在する限り1度だけ、自分フィールドにこのカード以外の妖仙獣モンスターが存在する場合に相手フィールドの表側表示のカード1枚を対象として持ち主の手札に戻す。魂吸収を手札に戻す」
因みにチラッと見えたが伏せカードは『霊獣の連契』。完全に手玉に取られてしまってるわね。
「バトル!鎌壱太刀でダイレクトアタック!」
「ライフで受ける……!」
翔太&優里香 LP11500→9900
「鎌参太刀の効果発動!このカード以外の自分の妖仙獣モンスターが相手に戦闘ダメージを与えた時に発動できる。デッキから鎌参太刀以外の妖仙獣カード1枚を手札に加える!『妖仙獣の神颪』を手札に!鎌弐太刀・鎌参太刀・閻魔巳裂・凶旋嵐もダイレクトアタックだ!」
翔太&優里香 LP9900→8100→6600→4300→2300
あっという間に翔太君達のライフが奪われていく。この圧倒的な戦略こそが妖仙獣の恐ろしさ。
「メインフェイズ2。レベル6の閻魔巳裂・凶旋嵐をオーバーレイ!エクシーズ召喚!『フォトン・ストリーク・バウンサー』!」
フォトン・ストリーク・バウンサー RUNK6 ATK2700
「カードを1枚伏せ、ターンエンド。エンドフェイズにフィールドに居る鎌壱太刀・鎌弐太刀・鎌参太刀は全て手札に戻る。だがこの瞬間、神風の効果が起動しデッキから『妖仙獣 木魅』を特殊召喚!」
妖仙獣 木魅 星1 DEF0
妖仙獣ヤバッ!手札消費こそ凄まじいが、かなりのバックが戻ってくる。あっという間に盤面有利を取ってしまった。
「お兄ちゃん、ごめん」
「気にすんな。僕のターン、ドロー!」
【スピードロイド】では、効果無効効果&バーン付きの攻撃力2700のフォトン・ストリーク・バウンサーを叩き潰すのは難しい。でも、翔太君には何か策があるように見えた。
「『SR ベイゴマックス』は自分フィールドにモンスターが存在しない時に手札から特殊召喚できる!」
SR ベイゴマックス 星3 ATK1200
「ベイゴマックスが召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキからスピードロイド1枚手札に加える!」
「フォトン・ストリーク・バウンサーの効果発動!1ターンに1度、エクシーズ素材を1つ取り除き、フィールドで発動する効果モンスターの効果を無効にし1000ポイントのダメージを与える!」
義父さん!マストカウンターを見極めないと!まだ通常召喚権も消費してないのに今使っちゃダメでしょ!
翔太&優里香 LP2300→1300
「まだ諦めないぞ!このカードは自分フィールドに風属性モンスターが存在する時に手札から特殊召喚できる!『SR タケトンボーグ』を特殊召喚!」
SR タケトンボーグ 星3 ATK600
「さらに、タケトンボーグの効果発動!このカードをリリースする事でデッキからスピードロイドチューナー1体を特殊召喚する!『SR赤目のダイス』を特殊召喚!」
SR 赤目のダイス 星1 ATK100 チューナー
「赤目のダイスの効果でこのカード以外のスピードロイド1体のレベルを1〜6に変更する!ベイゴマックスのレベルを4に!」
SR ベイゴマックス 星3→4
「レベル4となったベイゴマックスにレベル1の赤目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!『HSR チャンバライダー』!」
HSRチャンバライダー 星5 ATK2000
「バトル!チャンバライダーで木魅を攻撃!この瞬間、チャンバライダーの効果発動!このカードが戦闘を行うダメージステップ開始時にの攻撃力を200アップする!」
HSRチャンバライダー ATK2000→2200
「チャンバライダーは2回攻撃が出来る!続けてフォトン・ストリーク・バウンサーに攻撃!この瞬間、チャンバライダーの攻撃力上昇効果にチェーンして手札から速攻魔法『リミッター解除』を発動!自分フィールドの機械族モンスター1体の攻撃力を倍にする!そしてチェーンを処理」
HSRチャンバライダー ATK2200→4400→4600
薫&陽介 LP8000→6900
さらにモンスターを全滅させた。ここまでの手腕はさすが翔太君といったところ。
「メインフェイズ2、チューナーモンスター『SR 三つ目のダイス』を召喚」
SR 三つ目のダイス 星3 ATK300 チューナー
「レベル5のチャンバライダーにレベル3の三つ目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000
「カードを1枚伏せてターンエンド」
「すまん、薫」
「いいの、後は全部私に任せなさい」
さて、翔太君の全身全霊の抵抗によってリードを得た事で展開が分からなくなってきた。これはいい試合ね!墓地の三つ目のダイスのおかげで攻撃を1度守れる。儀式召喚されてもクリスタルウィングで妨害出来るし!
「私のターン、ドロー!……」
義母さんの表情が変わった。何か…仕掛けてくる!
「儀式魔法『霊魂の降神』を発動!彦孔雀を素材に『霊魂鳥神─姫孔雀』を儀式召喚!」
霊魂鳥神─姫孔雀 星8 ATK2500→3000
「姫孔雀の効果発動!このカードが儀式召喚に成功した場合、相手の魔法・罠カードを3枚までデッキに戻す!」
「そうはさせない!クリスタルウィングの効果を忘れたの?母さん」
「えぇ、だから陽介さんが託したこのカードを使う!カウンター罠『神の通告』!ライフを1500払い、その効果を無効にし破壊する!」
薫&陽介 LP6900→5400
「ッ!」
「さらに、姫孔雀の効果で私は伏せカードを2枚デッキに戻す!」
あ…終わった。
「その後、デッキからレベル4以下のスピリットモンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する!『天岩戸』を特殊召喚!」
天岩戸 星4 ATK1900→2400
「これでもう打つ手は無いわ!姫孔雀でダイレクトアタック!」
「……ごめん!勝てなかった!」
翔太&優里香 LP1300→0
因みに最後の手札は『SR メンコート』。それと三つ目のダイスを使おうにも天岩戸で効果が起動出来ない為、詰みとなった形だ。両者の健闘をたたえ、私は拍手を送った。
********************
「あー…あほくさ」
優里香ちゃんは不貞腐れて寝っ転がってしまった。レッカーが確定したので悔しいのはよく分かる。が、負けは負けだ。
「優里香」
「何?お父さん」
「家の図面をコピーして来い」
「なんで?」
「いいから」
と、義父さんが筆と硯を取り出して優里香ちゃんに設計図を持って来させた。不審がりながらも言われた通りに図面をコピーして見せると…義父さんは図面を睨みながらも筆を動かした。
「ここだな」
義父さんが丸を描いて指定したのは納屋だった。確か見るからにボロ小屋な場所だったっけ?
「ここに新しい物を置くだろうから中の物を移動してくれ」
「えっ?」
意外な言葉に全員の視線が義父さんに集まった。
「いいか?俺が怒ったのは信用できない車を持ってきたからだ。事故があった時に怪しい車ではどうも言い訳出来ないだろう?」
「って事は……」
「今週の土曜日を暇にしておくから中古車市に行くぞ。勿論、車は返しておけ。それに、俺も薫もお金は出さないから3人でよく相談して使え」
「お父さん大好き!!!」
確かに義父さんは『禁止』とは一言も言ってないし、あっても俺は乗らないとしか言っていない。まぁ、これでいい感じに終われたわね。
「真由美さんも来て欲しい。恐らくは君が一番運転する事になるだろうからな」
「は、はい!」
その1ヶ月後、諸星家に小豆色の中型車が一台追加された。
薫「も〜陽介さんったら色々おっちょこちょいなんだから♪」
陽介「ははは、まだまだ下手な部分は多いが少しずつ馴れていくさ」
薫「ところで、どんなデッキを組んだの?見てみたいなぁ〜…なんて」
陽介「いいだろう。俺が作ったのはこれだ」
デッキ総枚数(40)
モンスター(22)
●魔妖仙獣 大刃禍×2
●妖仙獣 凶旋嵐×2
●妖仙獣 閻魔巳裂×1
●妖仙獣 左鎌神柱×3
●妖仙獣 右鎌神柱×3
●妖仙獣 鎌壱太刀×3
●妖仙獣 鎌弐太刀×3
●妖仙獣 鎌参太刀×3
●妖仙獣 木魅×2
魔法カード(11)
●霞の谷の神風×1
●テラ・フォーミング×1
●妖仙獣の神颪×3
●炎舞─「天璣」×2
●命削りの宝札×2
●ハーピィの羽根帚×1
罠カード(8)
●妖仙獣の秘技×3
●神の宣告×1
●神の通告×2
●波紋のバリア─ウェーブ・フォース×2
●EXデッキ(5)
●フォトン・ストリーク・バウンサー×1
●鳥銃士カステル×1
●サモン・ソーサレス×1
●グレート・フライ×2
●リンクリボー×1
陽介「妖仙獣でメタビートし続けていざとなればリンクやエクシーズで切り抜けるデッキだ。金は割けなかったからEXデッキこそ貧弱だが、自信はあるぞ」
薫「実際に私のサポートを出来てたから構築力と展開力などの才能はあるみたいね」
陽介「まぁな。最近は妖仙獣の神颪という強力なサポートカードも来ているからな。隙あらば大刃禍をペンデュラム召喚出来るのは大きい。そして、神風の効果でリクルートした木魅はリンクリボーの素材にし、1度墓地へ落とせば次のターンにリクルートした際にリンクリボーに変換できるのは大きい。墓地にいれば妖仙獣のアドバンス召還の補助も出来る。実に理にかなったコンボだと思うんだがな」
薫「ただ、面白いデッキではあるわね。私と同じ中堅デッキだけどいざという時に制圧力は他の一流デッキを越える…そんな感じで」
陽介「今後は上手く煮詰めていいデッキにしようと思う。手伝ってくれるね?」
薫「えぇ!私に任せなさい!」
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いい●●●●の日(生存報告込み)【竜崎式恐竜シンクロ】
「真由美さ〜ん!」
「わっ!?どうしたの翔太君!?」
朝早起きして散歩していると突然翔太君が胸に飛び込んできた。驚く私に翔太君はショタみたいな笑みを浮かべた。いや、実際幼い顔立ちなんだけどさ。
「今日は何の日か知ってる?」
「え?」
「いいおっぱいの日だよ」
「……あー」
納得。でも翔太君ならおっぱい揉まれても気持ちいいから許せる。
「じゃあ揉み放題を賭けてデュエルしてみる?」
「えっ?」
───
「というわけでデュエルしましょう!」
「なんか強引に繋げられた気分」
ムスッとする翔太君を他所に私はデッキをセット。デュエルの用意を終えた。
「じゃあ始めるわよ!」
「…えぇいヤケクソだ!」
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
翔太 LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!!」」
「僕の勝ちだ!先攻はもらった!『SR バンブー・ホース』を召喚!」
SR バンブー・ホース 星4 ATK1100
「このカードが召喚に成功した場合、手札のレベル4以下のスピードロイド1体を特殊召喚出来る!『SR 三つ目のダイス』を特殊召喚!」
SR 三つ目のダイス 星3 ATK300 チューナー
「さらに自分フィールドに風属性モンスターが2体以上存在するので『WW-スノウ・ベル』を特殊召喚!」
WW-スノウ・ベル 星1 DEF100 チューナー
「レベル4のバンブー・ホースにレベル3の三つ目のダイスをチューニング!シンクロ召喚!『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 星7 ATK2500
「続けてレベル7のクリアウィングにレベル1のスノウ・ベルをチューニング!シンクロ召喚!『クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン 星8 ATK3000
「僕はこれでターンエンド!」
「効果破壊耐性付きのクリスタルウィングなんて真っ正面から叩き潰してあげる!ドロー!相手フィールドの方がモンスターが多い場合に手札の『ダイナレスラー・パンクラトプス』は特殊召喚出来る!」
ダイナレスラー・パンクラトプス 星7 ATK2600
「今回は恐竜デッキ!?」
「さらに手札の『幻層のミセラサウルス』を墓地へ送り効果発動!このターンの恐竜族はメインフェイズ中相手の効果を受けない!さらにミセラサウルスの墓地効果発動!このカードを含む恐竜族モンスターを任意の数だけ除外して除外したモンスターの数と同じレベルの恐竜族モンスター1体をデッキから特殊召喚する。ただし、この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに破壊される!ミセラサウルスを除外して『ジュラック・アウロ」を特殊召喚!」
ジュラック・アウロ 星1 DEF200 チューナー
「レベル7のパンクラトプスにレベル1のジュラック・アウロをチューニング!《王者の鼓動、今ここに列をなす。天地鳴動の力を見るがいい!!!》シンクロ召喚!我が魂、『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000
「さらに通常召喚、『レッド・リゾネーター』!」
レッド・リゾネーター 星2 ATK600 チューナー
「レッド・リゾネーターの効果は使わせない!クリスタルウィングの効果発動!1ターンに1度、このカード以外のモンスターの効果が発動した時にその発動を無効にし破壊!この効果でモンスターを破壊した場合、このカードの攻撃力はターン終了時まで、破壊したモンスターの攻撃力分アップする!」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→3600
「ふーん……(ニヤリ)」
「え?」
「魔法カード『究極進化薬』を発動!自分の手札・墓地から、恐竜族モンスターと恐竜族以外のモンスターを1体ずつ除外して手札またはデッキからレベル7以上の恐竜族モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する!レッド・リゾネーターとジュラック・アウロを除外して『究極伝導恐獣』を特殊召喚!」
究極伝導恐獣 星10 ATK3500
「ゲッ!?」
「まだまだ行くわよ!究極伝導恐獣の効果発動!1ターンに1度、自分・相手のメインフェイズに自分の手札・フィールドのモンスター1体を選んで破壊し、相手フィールドの表側表示モンスターを全て裏側守備表示にする!」
「クリスタルウィングが〜……」
クリスタルウィング・シンクロ・ドラゴン ATK3000→DEF2500(裏側)
「さらに、今破壊した『ベビケラサウルス』の効果発動!カード効果により破壊され墓地へ送られた場合、デッキからレベル4以下の恐竜族モンスター1体を特殊召喚する!『魂喰いオヴィラプター』を特殊召喚!」
魂喰いオヴィラプター 星4 ATK1800
「オヴィラプターが召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキから恐竜族モンスター1体を手札に加えるか墓地へ送る。私はデッキから2体目の『究極伝導恐獣』を手札に加える。このカードは墓地の恐竜族モンスターを2体除外して特殊召喚出来る。ベビケラサウルスとパンクラトプスを除外して特殊召喚!」
究極伝導恐獣 星10 ATK3500
「そして、バトル!レッド・デーモンズで伏せモンスターを攻撃!《アブソリュート・パワー・フォース》!!!」
「やられた……」
「そして、オヴィラプターと究極伝導恐獣でダイレクトアタック!」
「1ターンキルは酷いよ真由美さん……」
翔太 LP8000→6200→2700→0
******************
「ふぅ……スッキリした〜」
「久しぶりの更新だもんね」
「メタいよ翔太君……まぁ、作者さんも仕事が忙しくて全然時間が無いみたいなの。ゆっくり更新を待ちましょ♪」
「8割くらい書いた書き溜めがあるみたいだから更新は近いんだってさ」
「ところで翔太君!おっぱい触りたがってたみたいだけど…」
「えっ?」
真由美「せっかくだしデッキ公開もするわね。今回はこんな感じになりました!」
総デッキ枚数(40)
モンスター(20)
●究極伝導恐獣×2
●オーバーテクス・ゴアトルス×1
●ダイナレスラー・パンクラトプス×3
●ジャイアント・レックス×1
●魂喰いオヴィラプター×1
●幻層のミセラサウルス×3
●ダイナレスラー・システゴ×1
●ベビケラサウルス×1
●プチラノドン×2
●レッド・リゾネーター×3
●ジュラック・アウロ×2
●ミラー・リゾネーター×1
魔法カード(14)
●ワールド・ダイナ・レスリング×1
●ロストワールド×3
●テラ・フォーミング×1
●おろかな副葬×1
●死者蘇生×1
●貪欲な壺×1
●究極進化薬×3
●時空超越×1
●化石調査×2
罠カード(6)
●生存境界×1
●神の宣告×1
●リビングデッドの呼び声×2
●御前試合×2
EXデッキ(15)
●琰魔竜レッド・デーモン・ベリアル×1
●琰魔竜レッド・デーモン・アビス×2
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×3
●レッド・ライジング・ドラゴン×3
●リンクリボー×1
●水晶機巧─ハリファイバー×1
●トロイメア・ケルベロス×1
●トロイメア・フェニックス×1
●トポロジック・トゥリスバエナ×1
●ヴァレルソード・ドラゴン×1
真由美「今回はダイナソー竜崎風にドラゴンと恐竜の混合を意識して組んでみたわ。レッド・デーモンズを活用するべくモンスターを守備表示にさせる為に究極伝導恐獣を入れたり、厄介なモンスターを散らす為のダイナレスラーなどのカードを採用したわ。恐竜族との相性が意外といいのでおススメするわ」
翔太「確かに、今回はリンクモンスターが無かったし…メインデッキのモンスターだけでほぼ制圧できるのはいいですね」
真由美「では、またお会いしましょう!いいおっぱいの日に間に合ってよかった〜」
翔太「まだ引っ張るんだそのネタ」
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究極なる竜【ドラゴンリンク】
「遂に出来た……!」
苦節3ヶ月……遂に私の望むデッキが完成した。シュミレーションでも充分な戦績を収められた。後は実戦だ。
思えば長かった…マスターが倒れてから私が店長代理として毎日働き、慣れない仕入れ先の農家との取引とか味を落とさないようにマスターに教えてもらった通りの淹れ方でコーヒーを入れる等、仕事を覚える事に精一杯でカードに触る余裕も無かったがようやくマスターが復帰した為、デッキ作りに手をつける事が出来た。
今回、マスターの奥さんが『ゆっくり休め』とまとまった有給休暇を用意してくれたのだ。遂に完成したデッキで早く戦ってみたい……逸る気持ちをなんとか抑えて私は翔太君の部屋に入った。
「翔太君!久しぶりにデュエルしようよ!」
「僕……デュエリストとしての真由美さんを久しぶりに見た気がするよ」
翔太君はというと新たに改修したデッキを手に待っていた。久しぶりの休暇にウッキウキの私は有り余った給料の一部で買ったテーブルを展開。さらにデュエルマットを広げ、デッキをセットした。
「幾ら稼いだんだよ真由美さん……」
「10万以上」
「Wow」
思わず遊斗君の真似をしてしまった翔太君も使い込んだデュエルマットを広げ、自分のデッキをセットした。久しぶりの空気に私も翔太君も闘志を燃やしていた。
「じゃあ…始めよっか♪」
「行くよ真由美さん!」
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
翔太 LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!!!」」
先攻ゲット!幸先が良い!
「私の先攻!」
手札にはなかなか強力なモンスターが揃っている。まずは強固な盤面を展開するとしよう。
「魔法カード『竜の霊廟』を発動!デッキからドラゴン族モンスター1体を墓地へ送るわ。送ったカードが通常モンスターの場合はさらにドラゴン族モンスター1体を墓地へ送る!私はデッキから『ギャラクシー・サーペント』を墓地へ送る。このカードは通常モンスターの為、追加で1枚墓地へ送る!」
「次に墓地へ送るのは『星杯の守護竜』…さらに、通常召喚。『聖刻竜ドラゴンヌート』!」
聖刻竜ドラゴンヌート 星4 ATK1700
「さらに手札から『守護竜プロミネシス』を墓地へ送り効果発動!手札・フィールドのこのカードを墓地へ送り、自分フィールドのドラゴン族モンスター1体を対象としてそのモンスターの攻撃力・守備力を相手ターン終了時まで500ポイントアップする!」
聖刻竜ドラゴンヌート ATK1700→2200
そして、ドラゴンヌートの効果も起動する!
「ドラゴンヌートの効果発動!このカードが効果対象になった時、手札・デッキ・墓地からドラゴン族通常モンスター1体を攻守0にして特殊召喚する!私はデッキからチューナーモンスター『ギャラクシー・サーペント』を特殊召喚!」
ギャラクシー・サーペント 星2 DEF0 チューナー
「このカードの召喚条件はドラゴン族モンスター2体!ドラゴンヌートとギャラクシー・サーペントでリンク召喚!『天球の聖刻印』!」
天球の聖刻印 LINK-2 ATK0 リンクマーカー【左下・右下】
「さらに、プロミネシスが墓地に存在し、ドラゴン族通常モンスターが私の墓地へ送られた場合、このカードは墓地から特殊召喚出来る!ただし、この効果で特殊召喚されたプロミネシスはフィールドから離れる場合に除外される」
守護竜プロミネシス 星1 ATK500
「このカードの召喚条件はレベル4以下のドラゴン族モンスター1体!プロミネシスで『守護竜ピスティ』を天球の聖刻印の左側のリンク先にリンク召喚!」
守護竜ピスティ LINK-1 ATK1000 リンクマーカー【右】
「さらに墓地の『星杯の守護竜』の効果発動!墓地のこのカードを除外し、自分の墓地の通常モンスター1体を対象としてそのモンスターをリンクモンスターのリンク先となる自分フィールドに守備表示で特殊召喚する!天球の聖刻印のリンク先にギャラクシー・サーペントを特殊召喚!」
ギャラクシー・サーペント 星2 DEF0 チューナー
「このカードの召喚条件はレベル4以下のドラゴン族モンスター1体!プロミネシスで『守護竜エルピィ』をリンク召喚!」
守護竜ピスティ LINK-1 ATK1000 リンクマーカー【左】
遂に完成した…!ドラゴンを呼び出す異界のゲートが!!!
「守護竜エルピィの効果発動!1ターンに1度、2体以上のリンクモンスターのリンク先となる自分フィールドに、手札・デッキからドラゴン族モンスター1体を特殊召喚する!」
「なっ……!?ズルくないそれ!?」
「結構難しいのよ?『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』を特殊召喚!」
レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン 星10 ATK2800
「レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンの効果発動!1ターンに1度、手札または墓地からドラゴン族モンスター1体を特殊召喚するわ。手札から『魔晶龍ジルドラス』を特殊召喚!」
魔晶龍ジルドラス 星6 ATK2200
「このカードの召喚条件はドラゴン族モンスター2体!レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンと天球の聖刻印をリンク素材に『守護竜アガーペイン』をリンク召喚!」
守護竜アガーペイン LINK-2 ATK1500 リンクマーカー【上・下】
「アガーペインの効果発動!2体以上のリンクモンスターのリンク先となるエクストラモンスターゾーンまたは自分フィールドに、エクストラデッキからドラゴン族モンスター1体を特殊召喚する!」
「!?」
「『ヴァレルロード・ドラゴン』を特殊召喚!」
ヴァレルロード・ドラゴン LINK-4 ATK3000 リンクマーカー【左・左下・右・右下】
「本格的にズルくない?」
「このカードの召喚条件はドラゴン族モンスター2体!アガーペインとエルピィをリンク素材に『天球の聖刻印』をリンク召喚!」
天球の聖刻印 LINK-2 ATK0 リンクマーカー【左下・右下】
「さらに永続魔法『星遺物の守護竜』を発動!発動コストとして墓地のレベル4以下のドラゴン族モンスター1体を特殊召喚するわ!チューナーモンスター…ギャラクシー・サーペントを特殊召喚!」
ギャラクシー・サーペント 星2 DEF0 チューナー
「レベル6のジルドラスにレベル2のギャラクシー・サーペントをチューニング!《雄々しき竜よ。その獰猛なる牙を今、銃弾に変え撃ち抜け!》シンクロ召喚!天球の聖刻印のリンク先にいでよ!『ヴァレルロード・
ヴァレルロード・S・ドラゴン 星8 ATK3000
「このカードがシンクロ召喚に成功した場合、墓地のリンクモンスターを装備、その攻撃力の半分をこのカードの攻撃力に加え、そのリンクマーカーの数だけヴァレルカウンターを置く!アガーペインを装備!」
ヴァレルロード・S・ドラゴン ATK3000→3750 リンクマーカー2
「永続魔法『星遺物の守護竜』は1ターンに1度、自分フィールドのドラゴン族モンスター1体の位置を変更出来る!ヴァレルロード・S・ドラゴンを右端に移動する!そして、ピスティの効果発動!自分の墓地のモンスター及び除外されている自分のモンスターの中から、ドラゴン族モンスター1体を対象としてそのモンスターを、2体以上のリンクモンスターのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する!天球の聖刻印とヴァレルロードのリンク先に蘇れ!『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』!」
レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン 星10 ATK3000
「カードを1枚伏せてターンエンド。さぁ、この陣形…崩せるものなら崩してみせなさい!!!」
「真由美さんらしいパワーデッキか……面白い!」
翔太君にターンが回る。一体どんな手を使ってくるのかしら?
「僕のターン、ドロー!僕だって今までよりも遥かに強くなったんだ!そんな盤面…ひっくり返してやる!」
「来いッ……!」
「速攻魔法カード『超融合』を発動!手札を1枚捨て、自分・相手フィールドから融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する!!!」
「!?」
やられた……ッ、超融合に対してカードは使えない……!
「僕は真由美さんの場のヴァレルロード・ドラゴンとヴァレルロード・S・ドラゴンを素材に融合召喚!来い!『スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン』!」
スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン 星8 ATK2800
「スターヴ・ヴェノムの効果発動!このカードが融合召喚に成功した場合に発動できる。相手フィールドの特殊召喚されたモンスター1体を選び、その攻撃力分だけこのカードの攻撃力をターン終了時までアップする!選択するのはレッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴン!」
「こんなにあっさり突破されるなんて……ッ!天球の聖刻印の効果発動!相手ターンに1度、このカードがエクストラモンスターゾーンに存在する場合、自分の手札・フィールドのモンスター1体をリリースする事でフィールドの表側表示のカード1枚を選んで持ち主の手札に戻す!天球の聖刻印をリリースしスターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンをエクストラデッキに戻す!」
「流石に止めてくるか」
「このカードがリリースされた場合、手札・デッキからドラゴン族モンスター1体を攻守を0にして特殊召喚する!デッキから『ライトパルサー・ドラゴン』を特殊召喚!」
ライトパルサー・ドラゴン 星6 DEF1500→0
「ならば、自分フィールドにモンスターが存在しない場合このカードは手札から特殊召喚出来る!『SR ベイゴマックス』を特殊召喚!」
SR ベイゴマックス 星3 ATK1200
「このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキからスピードロイドモンスター1体を手札に加える!『SRタケトンボーグ』を手札に加え、自身の効果で特殊召喚!」
SRタケトンボーグ 星3 ATK600
「レベル3モンスターのベイゴマックスとタケトンボーグでエクシーズ召喚!『彼岸の旅人ダンテ』!」
彼岸の旅人ダンテ ランク3 ATK1000 ORU2
「ダンテの効果発動!オーバーレイユニットを1つ使い、デッキの上から3枚までを墓地へ送り、送った枚数×500ポイントを攻撃力に加算する!僕は3枚を墓地へ送る!」
彼岸の旅人ダンテ ATK1000→2500 ORU2→1
「今墓地へ送られたダンディライオンの効果発動!墓地へ送られた場合、自分フィールドに綿毛トークンを2体特殊召喚する!」
綿毛トークン 星1 DEF0
綿毛トークン 星1 DEF0
「さらに、墓地の『SR電々大公』の効果発動!除外する事で手札または墓地からスピードロイドチューナーを1体特殊召喚出来る!墓地から『SR三つ目のダイス』を特殊召喚!」
SR 三つ目のダイス 星3 ATK300 チューナー
「このカードの召喚条件はモンスター2体以上!ダンテ、三つ目のダイス、綿毛トークン2体をリンク素材に『ファイアウォール・ドラゴン』をリンク召喚!」
ファイアウォール・ドラゴン LINK-4 ATK2500 リンクマーカー【上・左・下・右】
「そして、僕はまだ通常召喚権を使っていない。ファイアウォールのリンク先にチューナーモンスター『デブリ・ドラゴン』を召喚!」
デブリ・ドラゴン 星4 ATK1000 チューナー
「このカードが召喚に成功した時、墓地の攻撃力500以下のモンスター1体を効果を無効にして特殊召喚する!ダンディライオンを特殊召喚!」
ダンディライオン 星3 DEF300
「レベル3のダンディライオンにレベル4のデブリ・ドラゴンをチューニング!シンクロ召喚!『クリアウィング・シンクロ・ドラゴン』!」
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 星7 ATK2500
「ダンディライオンの効果発動!綿毛トークン2体を特殊召喚!」
綿毛トークン 星1 DEF0
綿毛トークン 星1 DEF0
「墓地の『置換融合』の効果発動!このカードを除外し、墓地の融合モンスター1体をエクストラデッキに戻す事でデッキからカードを1枚ドローする……よし!さらに永続魔法『超栄養太陽』を発動!自分フィールドの植物族モンスター1体をリリースする事でそのモンスターのレベル+3以下のレベルを持つ植物族モンスター1体をデッキから特殊召喚出来る!綿毛トークンをリリースし、そのレベル以下…つまり4以下のモンスターを特殊召喚!『捕食植物オフリス・スコーピオ』を特殊召喚!」
捕食植物オフリス・スコーピオ 星3 ATK1200
「オフリス・スコーピオの効果発動!このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、手札からモンスター1体を墓地へ送ってデッキからオフリス・スコーピオ以外の捕食植物モンスター1体を特殊召喚する!『捕食植物ダーリング・コブラ』を特殊召喚!」
捕食植物ダーリング・コブラ 星3 ATK1000
「ダーリング・コブラが捕食植物の効果で特殊召喚に成功した場合、デッキから融合またはフュージョンと名のついた魔法カードを1枚手札に加える!……このカードの召喚条件は名前の異なるモンスター2体!クリアウィングと綿毛トークンをリンク素材に『トロイメア・フェニックス』をリンク召喚!」
トロイメア・フェニックス LINK-2 ATK1900 リンクマーカー【上・右】
「トロイメア・フェニックスの効果発動!このカードがリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨て、相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象としてそのカードを破壊する!」
「そうはさせない!罠カード発動!『バーストブレス』!自分フィールドのドラゴン族モンスター1体をリリースし、その攻撃力以下のモンスターを全て破壊する!レダメをリリースし、攻撃力2800以下のモンスター…つまりフィールドの全てのモンスターを破壊する!」
「っ……!」
「バーストブレスの効果を処理……!ライトパルサーがフィールドから墓地へ送られた時、墓地のレベル5以上の闇属性ドラゴン族モンスター1体を特殊召喚出来る!『レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン』を特殊召喚!」
レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン 星10 ATK2800
「しまった……カードを使い過ぎた…!これよりリカバリーを開始する!墓地の『幻影騎士団サイレントブーツ』の効果発動!このカードを除外する事でデッキからファントム魔法・罠カードを1枚手札に加える!『幻影騎士団ミストクロウズ』を手札に加え、カードを1枚伏せてターンエンド」
「じゃあ私のターンね?ドロー!レダメの効果発動!1ターンに1度、手札か墓地からドラゴン族モンスター1体を特殊召喚出来る!墓地より蘇れ!『ヴァレルロード・ドラゴン』!エクストラモンスターゾーンの横に配置するわ!」
ヴァレルロード・ドラゴン LINK-4 ATK3000 リンクマーカー【左・左下・右・右下】
「魔法カード『貪欲な壺』を発動!」
●ヴァレルロード・S・ドラゴン
●守護竜アガーペイン
●天球の聖刻印
●ギャラクシー・サーペント
●聖刻竜ドラゴンヌート
「この5枚をデッキに戻しカードを2枚ドローする!『聖刻竜ドラゴンヌート』を召喚!」
聖刻竜ドラゴンヌート 星4 ATK1700
「永続魔法『星遺物の守護竜』の効果発動!1ターンに1度、自分フィールドのドラゴン族モンスター1体を対象に配置を変更する。ドラゴンヌートを対象に右端に変更!対象になった事でドラゴンヌートの効果発動!1ターンに1度、効果対象になった事で発動する!私はデッキから『ギャラクシー・サーペント』を攻守0にして特殊召喚!」
ギャラクシー・サーペント 星2 DEF0 チューナー
「このカードの召喚条件はドラゴン族モンスター2体!ギャラクシー・サーペントとドラゴンヌートをリンク素材に現れろ!『守護竜アガーペイン』!!!」
守護竜アガーペイン LINK-2 ATK1500 リンクマーカー【上・下】
「アガーペインの効果発動!1ターンに1度、2体以上のリンクモンスターのリンク先となるエクストラモンスターゾーンまたは自分フィールドに、エクストラデッキからドラゴン族モンスター1体を特殊召喚する!いでよ!『琰魔竜レッドデーモン・アビス』!」
琰魔竜レッドデーモン・アビス 星9 ATK3200
「バトル!アガーペインでダイレクトアタック!」
「通す!」
翔太 LP8000→6500
「続けて!レダメのダイレクトアタック!」
「罠カード『幻影騎士団ミストクロウズ』を発動!除外されている自分の幻影騎士団モンスター1体を手札に加える!サイレントブーツを手札に戻す」
翔太 LP6500→3700
「そして、アビスでダイレクトアタック!」
「このタイミングでミストクロウズの墓地効果を発動し、チェーンして三つ目のダイスの効果を起動する!三つ目のダイスの効果でアビスの攻撃は無効となり、ミストクロウズの効果を処理。自分の墓地のレベル4以下の幻影騎士団モンスター1体を対象としてそのモンスターを特殊召喚し、このカードはそのモンスターと同じ元々のレベルを持つ通常モンスターとしてモンスターゾーンに特殊召喚する!ただし、この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される!ダンテの効果で落としていた『幻影騎士団フラジャイルアーマー』を特殊召喚!」
幻影騎士団フラジャイルアーマー 星4 DEF2000
幻影騎士団ミストクロウズ 星?→4 DEF0
「……連撃は耐え切った。まだチャンスはある」
翔太君…前よりもデッキが複雑化してる。厄介になりそうね。
「カードを1枚伏せてターンエンド」
「僕のターン、ドロー!」
こちらの場には1ターンに1度カード効果を無効にするアビスと対象にならず1ターンに1度モンスターのステータスを下げるヴァレルロードとレダメが居る。それでも、翔太君はまだ伏せカード1枚を使っていない事が私の中で焦りを生んでいた。
「魔法カード『ソウル・チャージ』を発動!バトルフェイズを破棄する代わりに墓地のモンスターを任意の枚数特殊召喚し、その数×1000ポイントのライフを失う」
「ソウルチャージは無効にしないわ。全力でかかって来なさい!」
翔太君のライフは3700。よって最大3体のモンスターが蘇生できる。
「蘇れ!『ファイアウォール・ドラゴン』!『ダンディライオン』!『SRベイゴマックス』!」
翔太 LP3700→700
ファイアウォール・ドラゴン LINK-4 ATK2500 リンクマーカー【上・左・下・右】
ダンディライオン 星3 ATK300
SRベイゴマックス 星3 ATK300
「ベイゴマックスの効果発動!このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキからスピードロイドモンスター1体を手札に加える!僕は『SR三つ目のダイス』を手札に!レベル4のミストクロウズとフラジャイルアーマーで『ダークリベリオン・エクシーズ・ドラゴン』をエクシーズ召喚!これで3体目も制覇だ!」
「翔太君……バトルフェイズできないわよ…」
「あ、やべっ」
ダークリベリオン・エクシーズ・ドラゴン ランク4 ATK2500 ORU2
「…まぁいっか!このカードの召喚条件はカード名の異なるモンスター2体!ミストクロウズとフラジャイルアーマーをリンク素材に『トロイメア・ゴブリン』をリンク召喚!」
トロイメア・ゴブリン LINK-2 ATK1300 リンクマーカー【左・右】
「ゴブリンの効果にチェーンしてファイアウォールの効果発動!リンク先のモンスターが墓地へ送られた場合、手札からモンスター1体を特殊召喚出来る!『幻影騎士団サイレントブーツ』を特殊召喚!」
幻影騎士団サイレントブーツ 星3 DEF1200
「チェーンを処理…ゴブリンがリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨てる事で自分は通常召喚に加えて1度だけ、このターンのメインフェイズにこのカードのリンク先となる自分フィールドに手札からモンスター1体を召喚できる!この効果の発動時にこのカードが相互リンク状態だった場合、自分はデッキから1枚ドローできる!……僕も魔法カード『貪欲な壺』を発動!」
●SRベイゴマックス
●トロイメア・フェニックス
●彼岸の旅人ダンテ
●捕食植物オフリス・スコーピオ
●捕食植物ダーリング・コブラ
「この5枚をデッキに戻し、2枚ドロー!よし…このカードの召喚条件はレベル3モンスター2体!ベイゴマックスとダンディライオンで『彼岸の黒天使ケルビーニ』をエクストラモンスターゾーンにリンク召喚!」
彼岸の黒天使ケルビーニ LINK-2 ATK500 リンクマーカー《左下・右下】
「ダンディライオンの効果発動!綿毛トークンを2体特殊召喚!」
綿毛トークン 星1 DEF0
綿毛トークン 星1 DEF0
「まだまだ!ケルビーニの効果発動!デッキからレベル3モンスター1体を墓地へ送りフィールドの彼岸モンスター1体を対象としてそのモンスターの攻撃力・守備力をターン終了時まで、墓地へ送ったモンスターのそれぞれの数値分アップする!デッキから幻影騎士団ダスティローブを墓地へ送り、その攻守をケルビーニに継承する!」
彼岸の黒天使ケルビーニ ATK500→1300
「このカードの召喚条件はカード名の異なるモンスター2体!綿毛トークンとサイレントブーツをリンク素材に『トロイメア・フェニックス』をリンク召喚!」
トロイメア・フェニックス LINK-2 ATK1900 リンクマーカー【上・右】
「トロイメア・フェニックスの効果発動!このカードがリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨て、相手フィールドの魔法・罠カード1枚を対象としてそのカードを破壊する!」
「ッ!」
「よし、『火竜の火炎弾』か!危ない危な──」
「……この瞬間、ジルドラスの効果発動」
「───やべっ!忘れてた!!!」
「このカードが手札・墓地に存在し、自分フィールドの魔法・罠カードが相手の効果でフィールドから離れ、墓地へ送られた場合または除外された場合にこのカードを特殊召喚する!」
魔晶竜ジルドラス 星6 ATK2200
「その後、自分の墓地のカード及び除外されている自分のカードの中から、魔法・罠カード1枚を選んで自分の魔法&罠ゾーンにセットできる。ただし、この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。火竜の火炎弾をセット」
火竜の火炎弾は自分フィールドにドラゴン族モンスターが存在する時に相手フィールドの守備力800以下のモンスターを破壊するか相手に800ポイントのダメージを与えるカード。本来ならばアビスの攻撃が通った時にこのカードでトドメを刺す気だったんだけど……ソウルチャージを使ってくれて感謝ね。
「しまった……深追いし過ぎた!」
「さ、次はどうする?」
「っ……、作戦変更。ファイアウォールの効果発動!表側表示のこのカードは1度だけ、相互リンクしているモンスターの数だけフィールドまたは墓地のモンスターを対象として手札に戻す!現在リンクしているモンスターは2体!よって僕はアビスとレダメを手札に戻す!」
「!」
「このカードの召喚条件はカード名の異なるモンスター2体以上!そしてケルビーニは2体分のリンク素材として扱える!ケルビーニと綿毛トークンをリンク素材に『トロイメア・ユニコーン』をリンク召喚!」
トロイメア・ユニコーン LINK-3 ATK2200 リンクマーカー【左・下・右】
「ユニコーンの効果発動!このカードがリンク召喚に成功した場合、
手札を1枚捨て、フィールドのカード1枚を対象としてそのカードを持ち主のデッキに戻す。この効果の発動時にこのカードが相互リンク状態だった場合、さらに自分はデッキから1枚ドローできる!火竜の火炎弾はデッキに行ってもらう!」
「流石に止めてくるか」
「通常召喚、『クレーンクレーン』!」
クレーンクレーン 星3 ATK300
「このカードが召喚に成功した時、自分の墓地のレベル3モンスター1体を対象としてそのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される!『幻影騎士団サイレントブーツ』を特殊召喚!」
幻影騎士団サイレントブーツ 星3 DEF1200
「このカードの召喚条件はカード名の異なるモンスター2体!サイレントブーツとクレーンクレーンで『トロイメア・ケルベロス』をリンク召喚!」
トロイメア・ケルベロス LINK-2 ATK1600 リンクマーカー【上・左】
「このカードがリンク召喚に成功した場合、手札を1枚捨て、相手のメインモンスターゾーンの特殊召喚されたモンスター1体を対象としてそのモンスターを破壊する!ジルドラスを破壊!」
「……ッ!」
「この効果の発動時にこのカードが相互リンク状態だった場合、さらに自分はデッキから1枚ドローできる。フィールド魔法『星遺物へ誘う悪夢』を発動!相互リンク状態のモンスターの戦闘によって発生する戦闘ダメージを0にする!これで僕のフィールドのモンスターは戦闘・効果では破壊されない!さらに墓地のサイレントブーツの効果発動!このカードを除外する事でデッキからファントム魔法・罠カードを1枚手札に加える。『幻影騎士団ミストクロウズ』を手札に加え、カードを1枚伏せてターンエンド!」
なるほど、まさに鉄壁の布陣という訳ね。まぁ、ヴァレルロードのコントロール奪取効果で歯抜けにしてやれば簡単に崩れる脆い布陣だ。ただ、伏せカードも気になるところだけど……
「ま、ドローしてから考えるかな……ドロー!」
来た……、まずは伏せカードをチェック──
「永続罠『強制終了』を発動!自分フィールドのカードを1枚リリースする事でバトルフェイズを強制終了させる!」
するまでも無かったわね。じゃ……決着を付けましょうか。
「じゃあ、このターンで終わらせるわね」
「え?」
「自分フィールドのヴァレルロードを除外し、手札からレッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンを特殊召喚!」
レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン 星10 ATK2800
「レダメは1ターンに1度、手札または墓地のドラゴン族モンスター1体を特殊召喚する!」
「今更何を──」
「私が手札から特殊召喚するのは……『破滅竜ガンドラX』!」
「!!!」
破滅竜ガンドラX 星8 ATK0
「このカードが手札からの召喚・特殊召喚に成功した時、このカード以外のフィールドのモンスターを全て破壊し、破壊したモンスターの内、攻撃力が一番高いモンスターの攻撃力分のダメージを相手に与え、この効果で相手に与えたダメージと同じ数値になる!翔太君のモンスターは破壊出来ないけど、レダメは破壊出来る!2800ポイントのダメージを食らいなさい!!!」
翔太 LP700→0
*********************
「いやぁ〜、思ってた以上に苦戦したわ。完成はまだ程遠いわねぇ」
「ソウルチャージを無効にしなかったのは舐めプですよ真由美さん」
「舐めプじゃないわ。全力で行く〜みたいな話をしてたから見てみたかったのよ」
「それにしても強過ぎですよ…全然ライフを削れなかった」
互いに全力でぶつかったからか急に疲れが来てしまった。
「明日は用事あるの?」
「お店に置く新しい古本の購入が午前中にやろうと思ってるからそっちをやったら暇になるわね」
「分かった。確か駐車場があったよね?」
「うん、せっかくだし終わったらそのままドライブでもする?」
という事で私の久しぶりのデュエル生活がスタートした。
デッキ総枚数(40)
モンスター(24)
●レッドアイズ・ダークネス・メタルドラゴン×1
●混源龍レヴィオニア×1
●闇黒の魔王ディアボロス×1
●破滅竜ガンドラX×1
●真紅眼の黒竜×1
●亡龍の戦慄─デストルドー×1
●嵐征竜テンペスト×1
●魔晶龍ジルドラス×1
●ライトパルサー・ドラゴン×1
●星辰のパラディオン×1
●エクリプス・ワイバーン×1
●霊廟の守護者×1
●鉄騎龍ティアマトン×1
●聖刻竜ドラゴンヌート×2
●BF-隠れ蓑のスチーム×1
●ギャラクシー・サーペント×2
●守護竜プロミネシス×3
●星杯の守護竜×2
●伝説の黒石×1
魔法カード(12)
●竜の渓谷×1
●守護竜の結界×1
●星遺物の守護竜×3
●召集の聖刻印×2
●ワン・フォー・ワン×1
●竜の霊廟×2
●貪欲な壺×1
●火竜の火炎弾×1
罠カード(4)
●バースト・ブレス×1
●神の宣告×1
●守護竜の核醒×2
EXデッキ(15)
●琰魔竜レッド・デーモン・アビス×1
●レッド・デーモンズ・ドラゴン×1
●ヴァレルロード・S・ドラゴン×1
●No.95ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴン×1
●No.107銀河眼の時空竜×1
●ヴァレルソード・ドラゴン×1
●ヴァレルロード・ドラゴン×1
●スリーバースト・ショット・ドラゴン×1
●ツイン・トライアングル・ドラゴン×1
●天球の聖刻印×2
●守護竜アガーペイン×1
●守護竜ピスティ×1
●守護竜エルピィ×1
●リンクリボー×1
真由美「今回はレッドデーモンズの他、やりたい事をいっぱい詰め込んだコンセプトです。ドラゴンヌートデッキを中心に様々なサポートカードを駆使して展開してひたすらドラゴンのパワーで叩き潰す脳筋デッキです」
翔太「ドラゴンヌートをサポートするカードが結構入っているんだね」
真由美「プロミネシスの手札効果や星遺物の守護竜の効果で対象にする事が出来ますね。また、リンク素材を増やしやすくする為の工夫も施しています。星杯の守護竜の墓地効果、星遺物の守護竜の効果、ワン・フォー・ワン…色々動かせる仕組みになっています」
翔太「結構考えられているんだね」
真由美「代償として守護竜リンクモンスターでの展開が前提とした構築なのでこれを止められると厳しいかな」
翔太「なるほど……色々柔軟に動けるから構築を弄ってみるのもいいかもしれないね」
真由美「私のデッキはサンプルですので色々弄ってみる事がオススメですね!みなさんも理想のドラゴンデッキを組んでみてください!」
翔太「では、また次回〜!」
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デートorデュエル(前編)【カオス代行】
「その本いいわね。カートに入れて」
カートを押しながら私は翔太君と隣町の古本市場で買い物をしていた。約30cm差のカップルは他人から見れば親子にしか見えない。
「あ……あの時のねーちゃん!」
「ん?」
と、翔太君以外の声が聞こえ、振り返ると……過去に1度会った人を見つけた。覚えているなんて私の記憶力もなかなかね。
「市之瀬君!?久しぶりじゃない!」
「え?知ってるのこの子?」
「あー…最近会った子なのよ。元気にしてた?」
「うん、おかげさまで何とかね!」
そういえばさっきスルーしたけど、このお店…カードも売ってたのね。なるほど、市之瀬君の籠を見る限りここがカードの供給源という訳か……。
「せっかくなんだけど俺、ねーちゃんに勝つ為に新しくデッキを考えたんだ。早速戦ってみたいんだけどいいかな?」
「……翔太君、ドライブは少しずれ込むけどいい?」
「大丈夫だよ、このお店にデュエルスペースあったからそこでやってみよう!」
早速、私達は買い物を済ませてデュエルスペースに移動した。ジュラルミンケースから必要枚のカードを抜き出した私は市之瀬君の準備を待った。
「俺とねーちゃんは一勝一敗!このデュエルで決着を付ける!」
「すごい意気込みね。いいわ、かかってきなさい!」
デッキをセットして私は市之瀬君とのデュエルを開始した。
「「デュエル!!!」」
真由美 LP8000
市之瀬 LP8000
「先攻!」
「後攻!」
「「じゃんけんぽん!」」
私が後攻ね……了解!楽しみね……
「ならば遠慮なく行かせてもらう!『創造の代行者ヴィーナス』を召喚!」
創造の代行者ヴィーナス 星3 ATK1600
「ヴィーナスはライフを500払う事でデッキから『神聖なる球体』を特殊召喚出来る。ライフを1500払い、3体を呼び出す!」
市之瀬 LP8000→6500
神聖なる球体 星2 ATK500
神聖なる球体 星2 ATK500
神聖なる球体 星2 ATK500
「さらにレベル4以下のモンスターの特殊召喚に成功した為、『TG ワーウルフ』を特殊召喚!」
TG ワーウルフ 星3 ATK1200
「このカードの召喚条件はこのカードの召喚条件はモンスター2体!球体2体をリンク素材に『プロキシー・ドラゴン』をリンク召喚!」
プロキシー・ドラゴン LINK-2 ATK1400 リンクマーカー【左・右】
「もういっちょ!このカードの召喚条件はカード名の異なるモンスター2体以上!球体、ワーウルフ、ヴィーナス、プロキシー・ドラゴンをリンク素材にいでよ!『鎖龍蛇─スカルデット』!」
鎖龍蛇─スカルデット LINK-4 ATK2800 リンクマーカー【上・左下・下・右下】
「スカルデットの効果発動!このカードがリンク召喚に成功した時、デッキから4枚ドローし、その後手札を3枚選んで好きな順番でデッキの下に戻す!さらにスカルデットは1ターンに1度、手札からモンスター1体を特殊召喚出来る!『サイバース・シンクロン』を特殊召喚!スカルデットのリンク先のモンスターは全て攻守が300アップする!」
サイバース・シンクロン 星1 ATK100→400 チューナー
「さらにこのカードは自分フィールドにチューナーモンスターが存在する場合に手札から特殊召喚出来る!『奇術王ムーン・スター』を特殊召喚!」
奇術王ムーン・スター 星3 ATK900→1200
「ムーン・スターの効果発動!このターン、自分フィールドまたは墓地のモンスターのレベルと同じになる!サイバース・シンクロンのレベルと同じにする!」
奇術王ムーン・スター 星3→4
さらにサイバース・シンクロンは自分フィールドのレベル4以下のモンスター1体を選択してそのモンスターのレベルをターン終了時まで、その元々のレベル分だけ上げる。ムーン・スターを対象にレベルを3上げる!」
奇術王ムーン・スター 星4→7
「レベル7となったムーン・スターにレベル1となったサイバース・シンクロンをチューニング!シンクロ召喚!リンク先へ来い!『ヴァレルロード・S・ドラゴン』!!!」
ヴァレルロード・S・ドラゴン 星8 ATK3000→3700
「ヴァレルロード・S・ドラゴンがシンクロ召喚に成功した場合、墓地のリンクモンスターを装備してその攻撃力の半分アップし、そのリンクマーカーの数だけヴァレルカウンターを置く!リンク2のプロキシー・ドラゴンを装備!」
ヴァレルロード・S・ドラゴン ATK3700→4000 ヴァレルカウンター2
「ヴァレルカウンターがある限り、1ターンに1度カード効果を無効にして破壊出来る。俺はこれでターンエンド!」
「(サイバース・シンクロンの墓地効果によりエクストラデッキのモンスターは1度だけ耐性を得る…おまけにヴァレルロード・S・ドラゴンは1ターンに1度のカード効果無効効果を有している……か)」
かなり厄介な盤面だ……が、
「だからこそ突破のし甲斐がある!私のターン、ドロー!」
いいカード!まずは初手でビビらせる。
「チューナーモンスター『レッド・リゾネーター』を召喚!」
レッド・リゾネーター 星2 ATK600 チューナー
「このカードの召喚に成功した場合、手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚出来る!『転生炎獣ガゼル』を特殊召喚!」
転生炎獣ガゼル 星3 ATK1500
「ガゼルが召喚・特殊召喚に成功した場合、デッキからガゼル以外のサラマングレイトモンスター1体を墓地へ送る。転生炎獣フォウルを墓地へ……レベル3のガゼルにレベル2のレッド・リゾネーターをチューニング!シンクロ召喚!来い『アクセル・シンクロン』!」
アクセル・シンクロン 星5 DEF2100 チューナー
「アクセル・シンクロンの効果発動!デッキからシンクロンモンスター1体を墓地へ送り、そのレベル分このカードのレベルを上げ下げする!」
「その効果は使わせない!ヴァレルロード・S・ドラゴンの効果発動!ヴァレルカウンターを1つ使い、その発動を無効にする!」
「ちぇー、コストを払っただけか〜(棒読み)」
「!……ダメだ!市之瀬君!それは罠だ!」
「えっ?」
ヴァレルロード・S・ドラゴン ヴァレルカウンター2→1
「魔法カード『真炎の爆発』!墓地の守備力200の炎属性モンスターを任意の数だけ特殊召喚する!」
●転生炎獣フォウル
●レッド・リゾネーター
「レッド・リゾネーターの効果発動!このカードが特殊召喚に成功した場合、フィールドのモンスター1体の攻撃力分ライフを回復する!ヴァレルロード・S・ドラゴンを対象としてその攻撃力4000を回復する!」
真由美 LP8000→12000
「ッ……!」
「まだ行くわよ!永続魔法『転生炎獣の意志』を発動!自分メインフェイズに自分の手札・墓地からサラマングレイトモンスター1体を選んで特殊召喚する!墓地よりガゼルを特殊召喚!」
転生炎獣ガゼル 星3 ATK1500
「このカードの召喚条件はチューナーを含むモンスター2体!レッド・リゾネーターとフォウルをリンク素材に…『水晶機巧─ハリファイバー』をリンク召喚!」
水晶機巧─ハリファイバー LINK-2 ATK1500 リンクマーカー【左下・右下】
「ハリファイバーの効果発動!このカードがリンク召喚に成功した場合、デッキからレベル3以下のチューナーモンスター1体を特殊召喚する!デッキから『サイバース・シンクロン』を特殊召喚!」
サイバース・シンクロン 星1 DEF100 チューナー
「レベル3のガゼルにレベル5のアクセル・シンクロンをチューニング!シンクロ召喚!我が魂、『レッド・デーモンズ・ドラゴン』!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン 星8 ATK3000
「レベル8のレッド・デーモンズ・ドラゴンにレベル1のサイバース・シンクロンをチューニング!シンクロ召喚!『琰魔竜レッド・デーモン・アビス』!!!」
琰魔竜レッド・デーモン・アビス 星9 ATK3200
「魔法カード『死者蘇生』を発動し、『転生炎獣フォウル』を特殊召喚!」
転生炎獣フォウル 星4 ATK1800
「魔法カード『フュージョン・オブ・ファイア』を発動!自分の手札及び自分・相手フィールドからサラマングレイト融合モンスターカードによって決められた融合素材を使って融合召喚を行う!」
「!?」
「私のフォウルと市之瀬君のスカルデットを融合!融合召喚!『転生炎獣ヴァイオレットキマイラ』!」
転生炎獣ヴァイオレットキマイラ 星8 ATK2800
ヴァレルロード・S・ドラゴン ATK4000→3700
「ヴァイオレットキマイラの効果発動!このカードが融合召喚に成功した場合、このカードの攻撃力はターン終了時まで、素材としたモンスターの元々の攻撃力を合計した数値の半分アップする!」
転生炎獣ヴァイオレットキマイラ ATK2800→4200
「バトル!ヴァイオレットキマイラでヴァレルロード・S・ドラゴンを攻撃!このカードが元々の攻撃力と異なる攻撃力を持つモンスターと戦闘を行うダメージ計算時に1度、このカードの攻撃力はそのダメージ計算時のみ倍になる!」
転生炎獣ヴァイオレットキマイラ ATK4200→8400
「攻撃力8400!?」
市之瀬 LP6500→1800
「これで終わりよ!アビスでダイレクトアタック!」
「ッ……手札の『バトルフェーダー』の効果発動!相手モンスターの直接攻撃時にこのカードを攻撃表示で特殊召喚する事でバトルフェイズを強制終了させる!」
バトルフェーダー 星1 ATK0
「避けられたかー…私はこれでターンエンド」
転生炎獣ヴァイオレットキマイラ ATK4200→2800
「くっ…俺のターン、ドロー!」
手札とフィールドとを交互に見た市之瀬君が動き出した。
「俺は墓地のヴィーナスとワーウルフを除外して『カオス・ソルジャー─開闢の使者』を特殊召喚!」
カオス・ソルジャー ─開闢の使者 星8 ATK3000
「開闢の効果発動!1ターンに1度、このカードの攻撃宣言を破棄して相手モンスター1体を除外する!バイオレット・キマイラを除外!」
「それは止めさせてもらう!アビスの効果発動!1ターンに1度、フィールドのカード1枚の効果を無効にする!」
「……かかった!」
「!?」
「このカードは自分フィールドのモンスター1体を手札に戻して特殊召喚出来る!開闢を手札に戻して『A・ジェネクス バードマン』を特殊召喚!」
A・ジェネクス バードマン 星3 ATK1400 チューナー
「さらに墓地のプロキシー・ドラゴンとムーン・スターを除外し『カオス・ソルジャー─開闢の使者』を特殊召喚!」
カオス・ソルジャー─開闢の使者 星8 ATK3000
「ッ……ならハリファイバーの効果発動!このカードを除外する事でエクストラデッキからシンクロチューナー1体を特殊召喚出来る!『シューティング・ライザー・ドラゴン』を特殊召喚!」
シューティング・ライザー・ドラゴン 星7 DEF1700 チューナー
「ライザー・ドラゴンの効果発動!このカードがシンクロ召喚に成功した場合、フィールドのこのカードより低いレベルを持つモンスター1体をデッキから墓地へ送り、そのモンスターのレベル分だけこのカードのレベルを下げる。ただしこのターン、自分は墓地へ送ったそのモンスター及びその同名モンスターのモンスター効果を発動できない……私はデッキから『サルベージェント・ドライバー』を墓地へ送り、レベルを6下げる!」
シューティング・ライザー・ドラゴン 星7→1
「開闢の効果発動!1ターンに1度、このカードの攻撃宣言を破棄する代わりにモンスター1体を除外する!アビスを除外」
「そうはさせない!ライザー・ドラゴンの効果発動!相手メインフェイズにこのカードを含む自分フィールドのモンスターを素材にシンクロ召喚が行える!レベル9の琰魔竜レッド・デーモン・アビスにレベル1となったシューティング・ライザー・ドラゴンをチューニング!泰山鳴動!山を裂き地の炎と共にその身を曝せ!シンクロ召喚!『琰魔竜レッド・デーモン・ベリアル』!!!」
琰魔竜レッド・デーモン・ベリアル 星10 DEF3000
「自分フィールドにカオス・ソルジャー ─開闢の使者が存在する事で魔法カード『原初の種』を発動!除外されているモンスター2体を手札に戻す。ワーウルフとムーン・スターを手札に戻す。さらに自分フィールドにチューナーがいる事でムーン・スターを特殊召喚!」
奇術王ムーン・スター 星3 ATK900
「さらにレベル4以下のモンスターが特殊召喚された事で手札から『TGワーウルフ』を特殊召喚!」
TGワーウルフ 星3 ATK1200
「このカードの召喚条件はカード名の異なるモンスター3体!開闢の使者、ワーウルフ、ムーン・スターをリンク素材に『混沌の戦士カオス・ソルジャー』をリンク召喚!」
混沌の戦士カオス・ソルジャー LINK-3 ATK3000 リンクマーカー【上・左下・右下】
「レベル7以上のモンスターをリンク素材にした事でこのカードはカード効果の対象にならず効果破壊されない!さらに、このカードの召喚条件はカード名の異なるモンスター2体!バトルフェーダーとバードマンをリンク素材に『トロイメア・フェニックス』をリンク召喚!」
トロイメア・フェニックス LINK-2 ATK1900 リンクマーカー【上・右】
「フェニックスの効果発動!リンク召喚に成功した場合、手札1枚をコストに魔法・罠カードを1枚破壊する!転生炎獣の意志を破壊!」
「ッ!」
「さらに相互リンクしているなら追加で1枚ドローできる!……よし、バトル!混沌の戦士カオス・ソルジャーでヴァイオレットキマイラを攻撃!」
「やられた……!」
真由美 LP12000→11800
「混沌の戦士カオス・ソルジャーの効果発動!戦闘で相手モンスターを破壊した場合、3つの効果から1つを発動出来る!俺はフィールドのカードを1枚を除外する!ベリアルを除外!」
こんなにあっさり盤面を崩されるとは思わなかったわ……!
「そして、フェニックスでダイレクトアタック!」
「通すしかない…!」
真由美 LP11800→9900
「俺はこれでターンエンド。さぁ!俺のエース、カオス・ソルジャー…倒せるものなら倒してみろ!」
厄介な盤面ね……どちらも戦闘では破壊されず、実質完全耐性持ちのカオス・ソルジャーがフィールドに陣取っている。攻略は難しい。
「ドロー!」
違う、このカードじゃない……
「……私はこれでターンエンド」
「さっきまでの威勢はどこへ行った!ドロー!さらに畳み掛ける!手札の『ジェスター・コンフィ』は攻撃表示で特殊召喚出来る!」
ジェスター・コンフィ 星1 ATK0
「このカードの召喚条件はレベル1モンスター1体!コンフィをリンク素材に『リンクリボー』をリンク召喚!」
リンクリボー LINK-1 ATK300 リンクマーカー【下】
「バトル!リンクリボーでダイレクトアタック!」
真由美 LP9900→9600
「続けてフェニックスでダイレクト!」
真由美 LP9600→7700
「そして、混沌の戦士カオス・ソルジャーでダイレクトアタック!」
真由美 LP7700→4700
「俺はこれでターンエンド!」
……次のドローで全てが決まる。カード達よ…私に力を!
「ドロー!」
……揃った。勝利のピース!
「魔法カード『ブラック・ホール』を発動!フィールドのモンスターを全て破壊する!」
「混沌の戦士カオス・ソルジャーは効果では破壊されない!」
だが、本命は墓地へ落ちた!
「速攻魔法『転生炎獣の炎陣』を発動!デッキから転生炎獣モンスター1体を手札に加える!『転生炎獣スピニー』を手札に加え、召喚!」
転生炎獣スピニー 星3 ATK1000
「このカードの召喚条件は通常召喚された攻撃力1000以下のモンスター1体!スピニーをリンク素材にリンク召喚!『転生炎獣ベイルリンクス』!!!」
転生炎獣ベイルリンクス LINK-1 ATK500 リンクマーカー【下】
「デッキには転生炎獣の聖域が無いので手札に加える効果は使わない。さらに墓地のスピニーの効果発動!自分フィールドに転生炎獣モンスターが存在する場合、このカードを墓地から特殊召喚出来る!」
転生炎獣スピニー 星3 ATK1000
「このカードの召喚条件は炎属性を含むモンスター2体!ベイルリンクスとスピニーをリンク素材に『灼熱の火霊使いヒータ』をリンク召喚!」
灼熱の火霊使いヒータ LINK-2 ATK1850 リンクマーカー【左下・右下】
「ヒータ…そうか!最初からそれを狙って……!」
「ヒータの効果発動!相手の墓地の炎属性モンスター1体を対象としてそのモンスターをこのカードのリンク先となる自分フィールドに特殊召喚する!トロイメア・フェニックスを私のフィールドに!」
トロイメア・フェニックス LINK-2 ATK1900 リンクマーカー【上・右】
「このカードの召喚条件は効果モンスター2体以上!そして、ヒータとフェニックスはいずれも2体分のリンク素材としても扱える!2体分扱いにしたヒータとフェニックスをリンク素材に『トポロジック・ボマー・ドラゴン』をリンク召喚!!!」
トポロジック・ボマー・ドラゴン LINK-4 ATK3000 リンクマーカー【上・左下・下・右下】
「でも、トポロジック・ボマー・ドラゴンがバーン効果を発動するには場に残らないと──あ」
「残らなくても発動するけどせっかくのフィニッシュ、エースを場には残したい……そんな私の墓地にはサイバース・シンクロンが眠っている!バトル!トポロジック・ボマー・ドラゴンで混沌の戦士カオス・ソルジャーを攻撃!!!《終極のマリシャス・コード》!」
「「この瞬間、墓地のサイバース・シンクロンの効果発動!このカードを墓地から除外する事で1度だけ破壊からエクストラモンスターゾーンのモンスターを守る!!!」」
相討ちだが、互いの意地が互いのエースを場に残した。そして……
「バトルは成立した!このカードが相手モンスターを攻撃したダメージ計算後にその相手モンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える!《エイミングブラスト》!」
「ま、負けたー!!!」
市之瀬 LP1800→0
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「くっそー!あと一歩だったのに!」
「この状況を作るのにはどうしても相手フィールドに炎属性リンク2モンスターが出てきて、それを除去する手段が無きゃどうしようもなかったのよ。トロイメア・フェニックスが来た時点でずっと除去札を待っていたの」
「リードできたつもりが逆に利用してくるとは…俺もまだ頑張らなきゃいけないな」
今回は手札事故やらかした事が課題ね。もう少しデッキを切り詰めないと。
「ところで、ベイルリンクスなら自身を除外して転生炎獣の意志でもヴァイオレットキマイラでも残せたんじゃないの?」
「サンドバッグになるのが怖かったのよ。意志を守って壁出してもそれを殴られてカオス・ソルジャーの効果で除外されたら元も子もないし」
「あー…」
「そもそも!市之瀬君のデッキ構築能力が未知数だったし、私も安易に動けなかった……それが理由かしら」
それにしても、勝てたのは奇跡だった。引けなければ負けという状況で1番引きたいカードを引けた事は奇跡としか……
「また…またデュエルしても良いかな?」
「えぇ、楽しみにしてるわ」
「実はドラゴン族デッキとかも組んでるんだ。今度アドバイスとかしてくれよ!」
「勿論、まっかせなさい!」
握手を交わし、私は用事を済ませた。さぁ、後は遊ぶだけよ!
市之瀬「くそー!紙一重だったんだけどなぁ」
真由美「でもカオス・ソルジャーを使った怒涛の攻撃はキツかったわ…」
市之瀬「本当に!?カオス・ソルジャーは俺のお気に入りなんだ。ドラゴン族も好きなんだけどねぇ…」
真由美「じゃあ、今回のデッキを紹介してくれる?」
市之瀬「うん、今回はリンク召喚も意識したんだ」
デッキ総枚数(46)
モンスター(32)
●カオス・ソルジャー─開闢の使者×2
●マスター・ヒュペリオン×1
●サイバードラゴン×3
●オネスト×2
●サイバース・ガジェット×1
●幻銃士×1
●ジュラゲド×1
●創造の代行者ヴィーナス×3
●TGワーウルフ×1
●ジャンク・シンクロン×1
●A・ジェネクス・バードマン×1
●奇術王ムーン・スター×2
●神聖なる球体×3
●増殖するG×2
●メタモルポット×1
●神秘の代行者アース×3
●バトルフェーダー×1
●ジェスター・コンフィ×2
●サイバース・シンクロン×1
魔法カード(11)
●貪欲な壺×3
●強欲で貪欲な壺×2
●二重召喚×2
●原初の種×1
●精神操作×1
●ハーピィの羽根箒×1
●死者蘇生×1
罠カード(3)
●和睦の使者×2
●王魂調和×1
エクストラデッキ(15)
●キメラテック・メガフリート・ドラゴン×1
●アームズ・エイド×1
●サイバース・クアンタム・ドラゴン×1
●ヴァレルロード・S・ドラゴン×1
●リンクリボー×1
●リンク・スパイダー×1
●トロイメア・フェニックス×1
●プロキシー・ドラゴン×1
●混沌の戦士カオス・ソルジャー×1
●パワーコード・トーカー×1
●トロイメア・ユニコーン×1
●トロイメア・グリフォン×1
●鎖龍蛇-スカルデット×1
●ヴァレルロード・ドラゴン×1
●ヴァレルソード・ドラゴン×1
市之瀬「前回のデッキを伸ばす方針で強力なカード達で攻め立てるデッキに直したんだ。モンスターを展開しつつのパワーカードでの攻めが売りだよ」
真由美「王道のカオスデッキね、実際強力過ぎて負ける寸前だったわ」
市之瀬「今回のデッキはヴァレルロード・S・ドラゴンを場に出しつつ強力なカードで叩き潰す…ムーン・スターを使いやすくする為に闇属性チューナーも採用しているんだ」
真由美「開闢を使った怒涛の攻めから展開封じまで……かなり完成度が上がってるじゃない」
市之瀬「いや、まだねーちゃんに勝ってない!次は絶対に勝つんだ!」
真由美「待ってるわ。楽しみにしてる」
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