遊撃の殺戮者 (昨日のおにぎり)
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プロローグ

プロローグは大したストーリーじゃないです。
てか、漫画まんまのっけた感じ。お話一話から。


プロローグ

 

845年

 

 その日 人類は思い出した

 ヤツらに支配されていたいた恐怖を・・・

 鳥籠の中に囚われていた屈辱を・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハアッ、ハアッ、ハアッ

 

(家に当たってるわけがない)

 

 タッ タッ タッ タッ

 

(とっくに逃げたに決まってる・・・)

 

(あの角を曲がれば、・・・・・・)

 

 ハアッ、ハアッ、ハアッ

 

(いつもの家が、・・・)

 

(いつもの・・・)

 

「ーーー・・・クソッ!」

 

「母さん!!」

 

 ガラガラ

 

「母さん・・・?」

 

「ーーーエレンかい?」

 

「ミカサ!そっちを持て! この柱をどかすぞ!」

 

「行くぞ!せーの!!」

 

 ウオオオオオオオ

 

 ズシン ズシン

 

「ーー!?」

 

「・・・・・・」

 

 ズシン ズシン

 

「ミカサ! 急げ!」

 

「わかってる」

 

「急ぐんだ!」

 

「・・・きょ・・・巨人が・・・・入ってきたんだろ?」

「エレン!! ミカサを連れて逃げなさい!! 早く!!」

 

「逃げたいよオレも!!早く出てくれよ! 早く!一緒に逃げよう!!」

 

「母さんの足は瓦礫に潰されて、ここから出られたとしても歩けない・・・・。わかるだろ?」

 

「オレが担いで走るよ!」

 

「・・・・!」

 

「どうしていつも母さんの言うこと聞かないの!最期くらい言うこときいてよ! ミカサ!」

 

「ヤダ・・・イヤダ・・・」

 

「・・・・・・!!」

 

 ズシン ズシン

 

 ズシン

 

 ズシン

 

「来た! 二人とも逃げて!!」

 

「急げミカサ!」

 

「うん・・・・」

 

(このままじゃ・・・、三人とも・・・)

 

「!!ハンネスさん!」

 

「待って!戦ってはだめ!!」

 

「・・・・・・・!?」

 

「このまま、二人を連れて・・・・・・、逃げて!」

 

「見くびってもらっちゃ困るぜカルラ! 俺はこの巨人をぶっ殺して、きっちり三人とも助ける! 恩人の家族を助けてこれでようやく恩返しも・・・」

 

「ハンネスさん! お願い!」

 

「!・・・・」

 

(俺の恩返しを押し通して賭けにでるか、カルラの最期になるかもしれない願いを聴くか・・・)

 

 ハンネスは後者を選んだ。

 

「やめろおおおおおぉぉぉぉ!!」

 

 女の巨人の手がカルラに伸びてきて、瓦礫をかきわける。

 そして、その手がカルラを握ろうとしたとき、・・・・・

 

 

バガアアアアアアァァァァァァァァァァァン!!

 

 

 

 

 

 

 

 巨人の腹から爆発が起きた。

 

 その爆風は少し離れていたハンネスたちをも巻き込み、吹き飛ばすほどのものだった。

 

 人類の怒りを体現化したようなその爆発は巨人を飲み込み、巨人の上半身を吹っ飛ばし再起不能にさせた。

 

 

 

「母さん!!」

 

 エレンはハンネスの拘束から抜け出し、一目散に母親の元へと駆けだした。

 

「母さん?」

 

「うぅーーー」

 

「母さん!」

 

 カルラはまだ上にあった瓦礫によって爆風からのがれ、生きていた。

 

「今の爆発はなんだったんだ?」

 

「ハンネスさん!早く!」

 

 全員で瓦礫をどかし、カルラを引き上げ、早くそこから去ろうとしたとき、

 

「ハンネスさん! あそこに人が!」

 

「ありゃ巨人がくって吐いた死体だ。みるもんじゃねぇ。」

 

「そうじゃなくて!」

 

 エレンが指差すものはたしかに巨人が爆発したときに、その腸から爆散した死体だった。

 しかし、そのてっぺんに一つ、あきらかに他の死体より形が綺麗で、とても死体には見えないものだった。

 

 とはいえ、巨人の腸にはいっていた人の体だ。

 生きているわけがないと、周囲に気を配りつつハンネスがその鼻に手をあてがうと、

 生きていた。

 

 呼吸をしていたのだ。

 

「よし! エレン!お前はお前の母さんを運べ!ミカサ!お前お手伝え! 俺はこの人を運ぶ!」

 

 ハンネスはある程度長い期間、駐屯兵団に属していたこともあり、指示能力がないわけではなかった。

 

「その人、生きているの!?」

 

「あぁ。だが今はそんなことを話している場合じゃない!急げ、エレン!ミカサ!」

 

「わかった!」

 

「・・・・・・・!」

 

 エレンたちは、なんとか門の内側にまで辿り着いた。

 

「駆逐してやる・・・!」

 

 エレンがみた巨人の吐瀉物。死体の山。

 エレンは人たちを食らい、それを意味もなく吐き捨てていく巨人たちが許せなかった。

 

「駆逐してやる・・・!一匹残らず・・・!」

 

 

 

 

 

運んできたこの若い男性が運命を大きく変えていく・・・否、揺さぶっていくことをエレンたちはまだ知らない。

 

 

 

 

 

****

 

 

「うっしゃ、また勝ったぜ。」

 

「お前、強いなぁ。」

 

「何連勝目だよそれ。」

 

 ポケモンサンムーンが発売されたこともあり、俺はレートに勝利するため、せっせとバトルツリーでのBP集めに勤しんでいた。

 

「でもお前、講義中はやめとけよ。この前教授にバレそうだったじゃん。」

 

「だぁいじょぉぶだぁって。バレやしねーよぉ」

 

 我が名はポケ厨!さぁ、今日も家に帰ってから、厳選に勤しむとしますかぁ~。

 

 

ーーーーー

 

「あれ?おっかしーなぁー。ここのボックスに6Vメタモンいれといたはずなんだけどなぁ。」

 

 どこのボックスを探しても、見つからない。

 もちろん預かりやも調べた。しかし、いない。

 

「くそったりゃあああああ!何時間かかって野生厳選したとおもってんだ!このボケナスが!こんのクソッタレ!」

 

 バキンッ

 

「あ・・・」

 

 勢い余って3DSを床に叩きつけてしまった。

 

「や、やべぇ。」

 

 急いで損傷を確認。

 上画面、よし。

 下画面、よし。

 ボタン、よし。

 ソフト、よs・・・・・

 

「ば、バトルチームが・・・・いない!」

 

「ああああああああぁぁっぁぁぁーーーーーー」

 

 廃人にとって、バトルチームがいなくなることは、死と同じことだ。

 UBを何度も捕まえ、厳選し、1パーセント以下の代物を手にいれたときのあの爽快感。

 逆に、何度も繰り返し、屑ばかりしかでてこないときの絶望感。

 

 あれをやりなおせというのだ。

 

 まさに死である。

 

「 あああああああああああぁぁぁ」

 

 俺は発狂し、頭を強く壁に打ちつけた。

 

 

 おれの 目の前が 真っ白に なった ・・・・

 

 

 

ーーーーーーーー

 

 

 暑い、とにかく暑い。

 いや、これは違う。

 熱い。

 なにがって、体全体が高温のお湯につけこまれているかのように熱い。

 

 死ぬ。しんじゃう。

 

 少しだけ意識を取り戻し、うっすらと目を開けてみると、、、

 

「あわわわわわああああぁぁぁぁ。」

 

 自分はお湯の中に浮いていた。

 

 周りにあるのは、バラバラになった人間の体。

 手、手、足、足、顔、頭

 

 恐怖で歯はガチガチと震える。

 

 あぁ、クソ、いやな記憶が思い出される・・・

 クソ!いつまで俺についてまわるんだ!

 もう、やめてくれ!

 

「あぁ、ハハッ、こんなときに『大爆発』がつかえたら、楽だろうに・・・・ん?」

 

 体がほんのりと赤く光りだし、徐々にその赤みを増していく。

 

「ん?この予備動作・・・。どっかでみたことある気がする・・・・・・・・、あッ。」

 

 

ドゴオオオオオオオオォォォォォォッォォォン

 

 

 

 自分の体から衝撃波が飛び出し、力が抜ける。

 

 自分を閉じ込めていた壁のようなものが爆散し、明るい外が見える。

 

 意識をまた手放す前、見たものは、いい年をくったようなおっさんと、女性を担ぎあげる二人の子供の姿だった・・・・ 

 

 



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第一話 俺の状況・・・頭おかしい!!!

第一話

 

 

 ここは誰?私はどこ?

 

 この文章はあながち間違っていないと思う。

 ここという場所はなんという場所で、今自分自身がどこにいるのかわからなくなったときに用いるのだ。

 

 ・・・こんなことをいっている俺は多分相当頭がやられてしまったのだろう。

 

 

 結構長い間眠っていた気がする。

 一日か二日だ。

 

 しかし、起きてみるとどうだろう。

 

 飯を運んできた背中に翼のマークのある服を着ている女性からは何故か奇異の目で見られる。

 

 ベットの上でゴロゴロしていると、俺の寝ている部屋の前を通りかかった人から、『あれが噂の小さな巨人か』とわけのわからないことを言われる。

 

 部屋に突然やってきたやけにテンションの高い眼鏡をかけた女性は、起き上がった俺の背中をバンバン叩き、『いやぁ、非常に興味深いよ!君は!』とマッドなサイエンティスト的なことを言われた。

 

 背中超痛い。

 

 

 とりあえず、その人しかまともに話を出来るような感じではなかったので、ここのことをきいてみた。

 

「ここかい?ここはトロスト区だよ。ウォール・マリアは陥落したよ。」

 

 女性は少しトーンのさがった口調でいう。

 

「あなたは誰で?」

 

「ん?あぁ、忘れていたよ! 私の名前はハンジ・ゾエ。分隊長を勤める者で、巨人の研究の第一人者ともいわれているね!」

 

 どうやら、そのウォールなんちゃらの話から遠ざかると、テンションは復活するらしい。

 ハハッ!とか言ってる。

 

「あの、トロスト区なんて場所聞いたことないんですけど・・・。あと巨人って・・・。」

 

 トロスト区なんて場所、俺は知らない。しかも巨人なんてしらない。野球か?

 しかも、分隊長とかなんだ・・・ まるで軍隊じゃないか・・・。

 

「え?巨人を知らないのかい!? 君は何にもしらないのか!?」

 

「そんなこといわれましても・・・」

 

 まるで話が噛みあっていない気がする。

 まるでその巨人の存在を知っていることが当然であるかのように聞こえる。

 

 俺は本当に頭がおかしくなったのだろうか。

 

「あの、すいません。なんだか記憶が曖昧なので、その巨人とやらを見せてもらうことは出来ないのでしょうか?」

 

「記憶が曖昧・・・。そか、相当な衝撃だったらしいもんなあれは。・・・」

 

 ・・・なんかブツブツいいだしたこの人。

 

「う~ん、巨人。見せるような個体いたかなぁ~・・・。お、そこの君!実験用の巨人はまだのこっていたかな!」

 

「・・・ハンジ分隊長。分隊長が昨日散々に扱っていた個体が一つ残っていますが・・・。」

 

「お! そう言えばそうだったね!ありがとう助かったよ!」

 

 ハンジがなんだかやけに黒い顔でこちらを向いた。

 

「さぁ。君の能力をみせてもらおうか!」

 

 怖いです黒いオーラがでてます。怖いですハンジさん。

 ムフッ とか言ってた。

 

 

*****

 

 

 

「これが巨人だよ!なにか思い出したかな?」

 

「いえ・・・。全く・・・。」

 

 目の前には確かに人の形をした生物がいた。

 しかし、巨人症とかそういうものの類ではないことが一目でわかるほどでかく、大きさは10mほどであった。

 

 ていうか、こいつを見てどこか興奮した様子でいるハンジさんは本当に頭がおかしいと思う。

 やっぱりムフッ って言ってる。

 

「な、なんなんすか、こいつ。」

 

「君がこういう奴らのお腹のなかに入っていたんだよ。」

 

「ひぇ!?」

 

「いやぁ、よく死ななかったね君は!巨人に食べられると、意味もなく吐きだされてしまうんだよ!」

 

 俺がこの前いた、あの熱い空間は巨人の消化器官だったのか!?

 ていうか、なんで俺はいきなりそんなところにいるの?

 おかしくね?

 

 俺、壁に頭を強く打ちつけただけなんですけど・・・。

 

「あの、ここ日本ですよね・・・?」

 

「ニホン?なんだい、そこは?」

 

 もう無理。

 

「・・・・・はぁ?あんた日本もしらねぇのか!ここ日本だろうが!ていうかなんだこのキモい生き物!ふざけんなやくそったりゃあ!」

 

「あっ、ちょ、ちょ、なにやってんの!?」

 

「うおおおおりゃあああああああ!!!!」

 

 そうだこれは夢なんだ。

 夢だからこんなところにいるし、こんな頭のおかしい生物だっているんだ。

 夢だから例えあいつを蹴飛ばしても痛くないし、死んでも目が覚めるだけだ。

 

「あぎゃあああああぁぁ!?」

 

 巨人さんに近づくとその1メートルあろうかという手で掴まれ、当然であるかのように骨が一本か二本、ポキッと爽快な音をたてて折れた。

 

「・・・てぇなぁ!ゴラァッ!」」

 

 何故か痛みはあまり感じなかったのでとりあえずにぎられた拳をなぐった。

 

 すると、どうだろう。殴ろうと意識した瞬間、拳が鋼みたいに銀色になって、高速で動き、巨人の手がベコベコと等しくへこんだ。

 

 ・・・・どこかでみたことがある気がする。

 

 いやいやいや、そんなわけない。

 まさか『バレットパンチ』であるわけがない。

 

 頭のおかしい考え事をしていると、巨人の拳に力が入らなくなったようで、俺は地面に落ちた。

 

 もちろん3mぐらいの高さから。

 

「ああああああ!!いてぇ!!!」

 

 ・・・いや。そんなわけないよな。まさか『自己再生』とかできるわk。

 

 

 

 

 で☆き☆た☆!!

 

 

 

 

 

 

「うなあああああ!!!なんだこれ!なにがどうなってやがる!」

 

 俺の体から、『自己再生」特有の紫色のチラチラした光がでてきて、30秒ほどして傷がなおった。

 

 ・・・これは理解する他ないらしい。

 どうやら俺は巨人の世界に来てしまったようで、そして何故かポケモンの技が使えるということだ。

 

 

「・・・すいません。ここのことをもっと詳しく教えて下さい。」

 

 

 もうなんだか知らん。

 

 俺はきっとこの世界で生きていく他ないのだから。

 

 




うみみゃあ!がつかえたらいいのにね・・・
(マップ全域攻撃、神の攻撃)


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第二話 蝶

更新遅れてごめんちゃい。


「100年の平和の代償は惨劇によって支払われた。当時の危機意識では突然の『超大型巨人』の出現に対応できるはずもなかった・・・」

 

 そう。超大型巨人。

 

 俺がこの世界に来た時に『壁』を壊した巨人。

 

 壊された穴から巨人がなだれ込み、人類は先端の壁『ウォール・マリア』を放棄した。

 

「今この瞬間にもあの『超大型巨人』が出現したとしても不思議ではない。」

 

 巨人という肉の塊は行動原理が不明で、ただ人類を殺戮するために行動しているとも言われる。

 というか、巨人を殺したとき白い煙?湯気?がでていたので、そもそも肉の塊であるかも怪しいとは思っているが。

 

「その時こそ諸君はその職務として『生産者』に代わり、自らの命をささげて巨人という脅威に立ち向かっていくのだ!」

 

 兵。 

 戦争の中で、壊滅的な被害を受けない限り代用が利く唯一のもの。

 

「心臓を捧げよ!」

 

「「「「「ハッ!!!」」」」」

 

 食料、武器、馬、ほとんどすべてが代用が利かない。壁の中は狭く、生産の限界もあるだろう。

 

「諸君らは本日『訓練兵』を卒業する。その中で最も成績の良かった上位10名を発表する。呼ばれたものは前へ。」

 

 選ばれた10名でさえ、生きられるのかどうかわからない世界だと言うのに・・・。

 

 

 

*****

 

 

「いーよなお前らは10番以内に入れてよ!どーせ憲兵団にはいるんだろ?」

 

 この一言がきっかけで内地がどうだいう言い争いが始まる。

 

 ジャン・キルシュタインは言う。

 

「内地での安全で快適な暮らしがオレたちを待ってからだろうが!!」

 

「内地が快適だとか言ったな・・・。この街も5年前まで内地だったんだぞ。」

 

 しかし、そこで口をはさむのがエレン・イェーガー。

 

 二人の仲は犬猿の仲ということは、今日卒業した元訓練兵たちにも有名なことであり喧嘩するのは毎日のこと。

 

「勝てないと思うから諦める?なぁ・・・。諦めていいことあるのか?希望を捨てて現実逃避するのがいいのか?」

 

 五年前の惨劇は人々の希望を打ち砕き、内地を前線に変え、多くの兵を葬った。

 

「勝てないと思うから諦める?お前は戦術の発達を放棄してまで巨人の餌になりたいのか?・・・冗談だろ?」

 

 しかし、巨人に対する敗北の原因は無知だ。人類は巨人の情報をあまり持っていない。

 4年前の奪還作戦は失敗に終わったものの、巨人に対する知を手に入れた。

 

「俺には夢がある・・・。巨人を駆逐して、狭い壁内の世界から出たら・・・。母さんと外の世界を探検するんだ。」

 

 ・・・。

 

「何言ってんだお前?めでたい頭してんのはお前の方じゃないねぇか。見ろよ!誰もお前に賛成なんか死ねぇよ。」

 

 確かに今この状況で、巨人を絶滅させ、外の世界を探検するなど夢のまた夢にも等しい。

 

「・・・わかったから・・・・・・。さっさと行けよ内地に!お前みたいな敗北主義者がいたら前線の士気にかかわんだよ!」

 

「もちろんそのつもりだがお前こそ行きてぇんだろ壁の外に?さっさと行けよお前の大好きな巨人たちが待ってるぜ!」

 

 フハハ。断言しよう。

 3秒後、互いの拳が同時発射され、互いの頬に着弾しているに違いない。

 

「・・・・・・めんどくせぇ。」

 

「へっ」

 

 バキッ

 

 ほらきた、そらきた、ほれみろ、それみろ。

 

 楽しい出し物が始まったぞ。フハハ

 

 やはり、エレンの対人格闘成績はトップだったことはある。

 エレンの拳はジャンの顎先をきれいに打ち抜いている。

 

「フッ!」

 

「うぉぉぉぉぉぉ!ジャン!右のストレイトぉー!エレンは腕でガードォしたぁ!おぉっと!ここでエレンのキックがジャンの脇腹に決まったあああああ!」

 

「副教官。」

 

「ジャンの左ストレイトォ!エレンかわして鳩尾にパアアアアァァァンチ!これにはジャンたまらない!」

 

「マキト副教官。」

 

「きたああああ!エレンのアッパアアアアアア「マキト副教官。」ァァ・・・・ん?なんだ?」

 

「一人でめちゃくちゃ盛り上がってないではやくあの二人を止めて下さい。」

 

「いやです。」

 

「止めて下さい」

 

「いやです。」

 

「止めて下さい。」

 

「・・・・・・ッシャアアアアおらあああああぁぁ」

 

 見ればミカサがエレンを止めるためにエレンを肩に担いでいる。

 

「「いや・・・ミカサについでだったけ?」」

 

 ・・・チッ。被ったなライナー。

 おい馬鹿、なにがそんなにおもしろいんだ。牛乳また噴きそうになるんじゃねえ。

 あ・・・。すまん、ご愁傷様アルミン。

 

「よかったなエレン!またそうやってミカサにおんぶに抱っこだ!」

 

「お前もだジャン・キルシュタイン」

 

「ゲッ、副教官!?」

 

 おもしろそうなのでエレンとおんなじ体制になるように担いでみた。

 

「「「「「ブッハッハッハッハッハッハッハ」」」」」

 

「お、おろしてください副教官!」

 

「いやです。」

 

「ふくきょうかあああああぁぁん」

 

 受けがいいので満足だ。

 

「やったー!また副教官に言うこと聞かせた!」

 

 ・・・あいつめ。明日訓練厳しくなるように頼むからな・・・、いや、あの教官顔怖いしやめよう・・・。

 

*****

 

 ドサッっとジャンを地面におろす。

 

「イテッ」

 

「おい、腹の調子はどうだ。」

 

 さっきめっちゃくちゃ思いっきり殴られてたし。

 ボゴッっていってたぞ。

 

「ああ・・・、まぁ、大丈夫です。」

 

「そうか。」

 

 ジャンが段差の下に足を延ばして座りなおしたので、俺もその隣に座る。

 上官の前でなんて態度だと普通の人からは言われるのかもしれないが、俺はそんなに高いご身分の人間じゃないので許している。

 

 ・・・そのせいで激甘副教官だとか口から砂糖の副教官とかわけわからんあだ名がついたけどな!

 

 暗くなった空にたくさんの星が浮かんでいる。

 日本じゃこうもいかない。明るいからな。

 

「なぁ、知ってるか?」

 

「何がですか。」

 

「蝶々っているだろ。」

 

「はい。」

 

 なんだろう。急にこんな話をしたくなった。

 人類が巨人に勝てないとかそんな可能性の話を聞いたからかな。

 

「蝶々ってな、幼虫が成虫になるまでどんくらいの数が鳥とかに食われて死ぬと思う?」

 

「さあ、半分くらいですか?」

 

「99パーセント」

 

「は?」

 

「ほとんどの幼虫が大人になるまでに死ぬ。ある意味すごいよな。」

 

「・・・俺たちはその幼虫たちってことですか?・・・立派な兵士になれる前に死ぬと?」

 

 ジャンが怪訝な顔をして聞いてくる。

 

「別にそういうわけじゃないぞ。お前らはそんな99パーセントも死ぬような虫けらじゃない。」

 

「じゃあ俺たちはなんなんでしょうね。」

 

「さぁ。そんなこと俺が知ったこっちゃない。」

 

「はぁ・・・。」

 

「ただな、俺はお前らのの中にはたくさんの卵が産みつけられてると思うんだ。」

 

「気持ち悪いですね。」

 

「・・・ひでぇな。・・・まぁ、なんだ、お前らにはたくさんの可能性があるってこったよ。」

 

 ジャンに気持ち悪いといわれてなんか恥ずかしくなってきた。

 自分のことそんな高い身分じゃないとか言っといて、なに言ってんだ俺。

 

「・・・。」

 

「んじゃおやすみ~。」

 

「はい。」

 

 ああ、寝るかぁ・・・。

 宿舎のベット硬いんだよな・・・。どうにかならねぇかな・・・。

 

 

 

 

 ジャンはいつまでも、不思議なことをいう自分の副教官の背中を見つめていた。

 




コメに行ったら飛行機飛ばなくなるってなんなんだ・・・。
急いで書いたから短いし文章変だよごめんちゃい。

マキトは主人公の名前でおじゃる。


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第三話 再来

信じられないくらい遅い更新速度。


「おいまたかよまヂでふざけんじゃねえよなんなんだよあれまたかよ報告すんの俺なんだぞなんでほぼ毎日のようにあの怖い顔の前に立って同じような報告しなきゃいけねえんだよ毎朝毎朝報告です!っていってんの俺なんだぞまじでやめろよ最初の方信じてもらえなくてめっちゃ怖い顔で睨まれたんだぞちょっとちびったわあぁまた憂鬱な時間が始まるまぁ最近ははぁまたかっていってなんにも言われなくなったけどな!」

 

「お前、大丈夫か?目がいいからって変なもん見えてんじゃないだろうな?毎朝そうやってぶつぶつなんか言ってるぞ。」

「怖い顔は最近なれたけどそんな変なものを見るような視線はやめて下さい。心が折れてしまいます。」

「なんだそれ。」

 

 監視係の憂鬱な時間が始まる・・・。

 

 

*****

 

「はぁ・・・!?調査兵団にするって?」

 

 おっ、なんか会話が聞こえますね。おもしろそうだからちょっと隠れていよう。

 

「お前の昨日の演説が利いたんだよ。」

「えっ。」

 

 演説ってあれ演説扱いだったのか。

 俺はただの喧嘩の前ぶりだと思ってたけど。喧嘩の前って頭に血が上って正直な心が出るもんな。

 

「イ・・・イヤ俺は、アレだ!ジャンだ!ジャンと一緒の兵団に入りたくないだけだ!」

「調査兵団に入る説明になっていないぞ・・・」

「う、うるせぇ!自分で決めてたんだよ!」

 

 やるじゃんエレン。荒れた演説で人の心を動かすなんて。

 54枚のカードの名前の大統領になれるぞ。・・・この世界で通じない冗談が悲しい!

 

「そぅ照れるなよ。やるべきことは分かっていても自分ひとりじゃ踏ん切りがつかないこともあるさ。それにお前だけじゃ・・・。」

「あのぅ皆さん。上官の食料庫からお肉取ってきました・・・」

 

 ・・・ほぅ。

 

「「「!!!」」」

「サシャお前独房にぶち込まれたいのか・・・。」

 

 時々思うけど、サシャって心がすごいよね。あの怖い教官の前でも芋を平気な顔して食ってたって話だ。しかもあろうことか、半分差し出したらしい。・・・ちっちゃい方。

 

「おい静かにしろ。最近よく出るって噂だぞ・・・。」

「出るってなにが!?お化け!?なにエレン君お化けが見えるの!?」

「うるせえよコニー!副教官だよ!マキノ副教官!あの人毎日のように壁の端に指引っかけて訓練してんの!今もすぐそばで聞いてるかも知れないぞ・・・。」

 

 あたりだぜ。エレン。

 ていうか、そんなにばれるものなのね。ごめんね!監視係さん!俺って今のところ訓令兵付きだから毎日あの怖い顔に報告しなきゃいけないね!ハハッ!ま、マジゴメン。

 さていつ飛び出そうか。

 

「えぇ・・・おいエレン、トーマス。サシャなんとか壁に埋めて逃げようぜ・・・。」

「なに言ってんだ、人間の力で壁にそんな簡単に穴が開くかよ・・・」

 

 だんだん指が疲れてきた。そろそろあがろう。

 

「よぉ諸君。」

「「ファッ!」」

「ゲェェ!」

「・・・なぁ。俺ってそんなに存在がきもかったりするの?顔見ていきなりゲェェ!はちょっとショックなんだけど・・・。」

 

 服を嗅いでみるけど臭くない・・・と、思う。うんきっと臭くない。

 

「い、いやいやいやそんなわけないじゃあないですかぁ、アハハ。」

 

 コニーが必死に手もみしながら言ってくる。

 おい、それはまるで恰好が駄目商人だぞ。

 

「おい、エレン、トーマス何故必死にサシャを隠そうとする。」

「えっ!え、あ、いやなんでもないですよアハハ。」

 

 反応が一緒で面白い。

 いや、もうわかってるからいいんだけどね。

 

「あー、いいぞ、言わないでおいてやるから。それより食おうぜそれ。」

「いいんですかぁ!!」

 

 サシャの俺を見る目がまるで聖人を見ているかのようだ。

 

「え?いやだって、ばれたってお前らが責任取るだけだし。さすがにお前ら肉食ったの誰かにばれても俺の名前出したりしないだろ。」

「・・・。」

 

 俺を見る目が濁った。

 

「・・・ウォール・マリアを奪還する前祝いに頂こうってことですか。」

「いいんじゃね、言い訳はそんな理由で。」

「い、言い訳・・・。」

 

 トーマス君の目も濁った。

 

「・・・・。」

「ぐぅ、俺もその肉食う!」

「わ、わたしも食べるから取っといてよ!」

「よっしゃあぁ。その息だぜ、さっさと作業終わらせろー。空いた時間に食っちまおうぜ!」

 

 ふふ、肉効果は絶大だな。

 感謝しろ。今日の朝、サシャが食料庫の前で涎垂らしてたから見張り寝さしといたんだぞ。

 

「・・・・・・・。」

 

 エレンが突っ立っている。

 仲間の変化になにか思うことがあるのだろう。ほっとくか。

 

 

*****

 

エレン視点 

 

 

(3分の1の領土と、2割の人口を失ってようやく人類は尊厳を取り戻しつつある。)

 

(勝てるーーー)

 

(人類の反撃はこれからだーーーー)

 

 

 

「熱っ!?な、なにがーーーー?」

 

 な!?なんだこの熱風は?吹き飛ばされてみんなが落ちていく・・・。

 

「みんな!立体軌道に移れ!」

 

 コニー、ミーナ、トーマス、サシャ・・・

 

「おい、サムエル!」

 

 まずい、あのままだとサムエルが・・・。

 

「サシャ!?」

 

 サシャが飛び出し、サムエルの足にアンカーを引っかけた。

 

「サムエル!動いちゃだめですよ!」

「良かった・・・。」

 

 ビキビキビキビキ

 ドオオオオオオォォォォォォォ

 

 壁に穴が開いたーーーー?

 

 エレンの頭にあの日のことが思い出される。

 巨人を駆逐すると誓ったあの日。

 鳥籠の中で飼われる人類。

 人類を殺戮する巨人。

 巨人に殺戮される人類ーーー。

 

「一匹残らず・・・。駆逐してやる・・・。一匹・・・残らず!!」

「まただ・・・また巨人が壁に入ってくる・・・。ちくしょう、やっぱり人類は巨人に・・・」

「サシャ!サムエルを任せた!」

「おい!馬鹿!何する気だ!」

 

 副教官の声が聞こえる。でも・・・これは・・・、

 

「固定砲整備四班!戦闘用意!」

「んなっ!?」

「目標!目の前!超大型巨人!これはチャンスだ!絶対逃すな!」

「馬鹿!死ぬ気か!」

「壁を壊せるのはこいつだけです!こいつさえ仕留めれば__」

 

 _____人類は勝利への一歩を踏み出せる

 

「よう。五年ぶりだな・・・」

 

 超大型巨人が腕をふるってくる。

 いや、鈍い!いけるか!?

 

「戻ってこい!クソッ!」

 

 いまならいける!いまなら___

 

「ゴフッ・・・何、何するんですか副教官!今なら奴を!」

「少しは周りを見ろアホが!」

 

 空中で突進してきて、俺を抱えた副教官が言う。

 周り?あぁ、砲台が壊されてるな。

 

「あれに当たったらどうすんだ!死ぬぞ!」

 

 そう聞いてぞっとした。砲台に使われている金属がバラバラになって吹っ飛んでいる。当れば・・・重傷は間違いないだろう。

 

「熱っ?」

「熱風?」

 

 急に視界が曇り、熱風が吹き荒れた。当然制御を失う副教官の立体軌道装置。

 

「・・・は!?なんだよ!今壊れるとかクソッ!」

「え?」

 

 自分たちを叩き落とそうとしているのだろう。迫ってくる奴の腕。

 

「副教官!離してください!俺が運びます!」

「馬鹿が。お前が二人も運べるわけねぇだろ。」

 

 副教官はすでに諦めたかのような顔で・・・・・。

 

「エレン。俺が帰って来なかったら、死んだ扱いしろ・・・。これからの作戦に支障が出る。」

「ふ、副教官?」

「エレン。死に急ぐなよ。」

 

 

 ______これが副教官に言われた最後の言葉だった。

 

 

 

 「『なげつける』」

 

 俺は壁の内側に向かって吹っ飛んだ。立体軌道装置ではなく、巨人の手によってでもなく、副教官自らの手で。

 

 そして、俺はみた。

 副教官が超大型巨人の手で殴られ血を吐きながら、壁の外に向かって吹っ飛んでいくのを・・・。

 

 そして、俺を命がけで助けた、副教官の何かをやり遂げたかのような顔を・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 




一か月に一回は必ず投稿するよ!
頑張れ!不定期更新のタグ!


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第四話 託された?

1か月以内に投稿できました。
フハハハ。


「は?」

 

 副教官に投げ飛ばされた俺は壁の上部に落ちた。

 そして、未だに何が起こったのか理解できずにいた。

 

「え?」

 

 自分は一体何をした?_超大型巨人を殺そうとした。

 そして、飛び出した。誰からの許可も取らず。そこに自分の上官はいたのに。

 助けを求めることも出来たかもしれないのに。

 

 自分のせいで、副教官は死んだ。死んだところは見ていないが、落ちた衝撃もあるだろう。仮に生きていてもそこから帰還するのは絶望的だろう。

 自分の命を賭けた戦闘。しかし、代償は他人の命。

 

「おい!エレン!」

 

 わけが、わけがわからない。

 

「エレン!」

 

 自分を庇った?じゃあ、自分が出ていなかったら?副教官は死ななかった?

 

「ハッ!」

 

 コニーが心配そうな顔で俺の肩をゆすっている。

 

「呆けてる場合か!今ははやく巨人をなんとかしないと・・・。」

「ト、トーマス・・・。その、副教官は・・・」

 

 きっと生きているはず。だって副教官なのだから。

 訓練中は適当な所に座ってぼんやりとし、夕食のときにはイベントを盛り上げ、なにかミスをしたときには、「とりあえず教官に見つからないところで話そう。」と少し焦った顔で真っ先に言う人。

 副教官という立場ではなく、俺たちの目線で話をしてくれる人。

 

 きっと、副教官としてはいい人ではなかっただろう。でも、俺たちにとっては・・・とても、とても頼れる人、というか・・・そんな感じの人だった・・・。

 

「・・・。」

「グ・・・、クソォッ!」

「エレン、副教官を失った気持ちはわかる・・・、わかるが、今はそれどころじゃない。悲しむのは後だ。今は・・・」

 

 エレンにトーマスの声は聞こえない。

 信頼する人を失った、怒り。悲しみ。

 巨人がいなければ、巨人がいなければ・・・・・・

 

「奴らを・・・駆逐する・・・!絶対に!」

 

 壁は壊されている。こうしている間にも巨人は壁から入ろうとしていた。

 

「オイ・・・。もう壁は壊されちまったんだ!早くふさがないとまた巨人が壁から入ってくるぞ!」

「何をしているんだ訓練兵!」

 

 立体軌道装置を装備した兵士がやってくる。

 

「超大型巨人出現時の作戦はすでに開始している!ただちにお前らの持ち場につけ!そしてヤツと接触した者がいれば本部に報告しろ!」

「副教官が・・・。」

「そんなことは後だ!今は作戦に集中しろ!」

「そんなこと?!仲間が一人死んでるんだぞ!そんなこととはなんだ!」

「巨人が壁から入ってくる!一人の兵士の死より、大勢の市民の命を考えろ!早くしろ!」

「くそっ!」

 

 そんなことはわかってる!でも、副教官は・・・。

 

「よぉーし。久しぶりにいきますかぁ~。」

「「「「は?」」」」

「んん?な、なに?」

 

 ま、マキト、副、教官?

 

*****

 

 いや、久しぶりに死ぬかと思った。つっても3回ぐらいしかないけどな!

 

 1回目、車にひかれそうになる。

  いや、あれは轢かれてたな。うん。完全に吹っ飛んでた。骨折れたし。

 

 2回目、巨人に突っ込む。

  こりゃこの世界に来てからの話だ。能力手にいれたことに一時期興奮して、自傷系の技をつかって勢いよく頭から巨人に突っ込みました。

  いやまぁ、無事貫通したんだけどさ!いやじゃん!体内で巨人の骨バキバキいわせながら貫通するんだぜ!?

 

 3回目、炎系の技を使う。

  巨人の貫通できることがわかって、『フレアドライブ』を使いました。はい。巨人は死にました。

  俺の服も昇天しました・・・。1ヶ月間くらい俺付きの女性兵士に口きいてもらえなくなりました・・・

 

「ふ、副教官!なんで!?」

「『みがわり』、な。」

「え・・・?」

 

 まぁ、その反応だわな。『みがわり』とかこの世界で誰がやるんだよ。

 

「まぁ、いいじゃん。はやくいかねぇと、また壁がやばいぞ。」

「え・・・。あ、ハイ。」

「ホラ!はやくはやく。さっさとせんかい!」

 

 にしてもさっきのは少しヤバかったな。『みがわり』だす余裕があったからいいが・・・。

 HP4分の1削れるとかいつぶりだ?

 

*****

 

「アルミン!大丈夫か!」

「だっ、大丈夫だこんなのすぐ治まる!」

 

 アルミンが錯乱している。

 混乱じゃなくてよかったな。・・・笑い事じゃないけど。

 

「ししかし・・・まずいぞ現状ではまだ縦8Mの穴をすぐに塞ぐ技術はない!塞いで栓をするって言ってたあの岩だって・・・結局掘り返すことさえできなかった!」

「アルミン。落ちつけよ。」

「こんな落ち付いてられない!現状を分かっていってるんですか!」

 

 わかってるさ。だから言ってるのに。

 

「穴を塞げない時点でこの街は放棄される・・・ウォール・ローゼが突破されるのも時間の問題・・・そもそも、巨人がその気になれば・・・人類なんていつでも滅ぼすことが出来るんだ!」

「アルミン!落ちつけ!!」

「ッ!!」

 

 アルミンって興奮するとこうなるのか。要注意だな。

 ・・・少しでも守れるといいが。

 

「アルミン。現状をわかってるなら早くそのガスボンベをしめろよ。街を放棄するなら俺たちの仕事はなんだ。住民の避難を一刻も早く完了させることじゃないのか?」

「は、はい。」

「わかるなら、はやく。俺副教官が巨人のエサにしちゃうぞ!」

「えぇ・・・」

「まぁ、安心しろよ。お前らは俺が守ってやる。」

「くさいですね。」

「なんで!?」

 

*****

 

「それでは訓練どうりに各班ごと通路に分かれ・・・・・・・・」

 

 前衛が駐屯兵団。

 中衛が訓練兵団。

 後衛が精鋭の駐屯兵団だそうで。

 

 普通前衛は精鋭班が行くべきじゃないの?あ、でも住民を守るなら後衛なのか・・・?どっちがいいんじゃこれ。

 

 ふと見るとミカサがエレンに近寄っている。

 表情からするに、愛の告白じゃなさそうだな。つまらん。

 

「戦闘が混乱したら私のところに来て。」

「は!?」

 

 はい?

 敵前逃亡は死刑らしいぞ。

 

「何言ってんだ?オレとお前は別々の班だろ!?」

「混乱した状況下では筋書き通りにいかない。私はあなたを守る!」

「お前さっきから何を・・・」

 

 ミカサがエレンを守るのはいいんだけれども。

 普通、男女逆じゃね?向こうのバカップル見てみろよ。

 

「ハンナ、君は僕が守るから。」

「フランツ・・・。うぅ・・・。」

 

 俺はあれが正しい姿だと思う。

 

「ミカサ訓練兵!!お前は特別に後衛部隊だ。ついてこい!!」

「・・・!!私の腕では足手まといになります!」

「!?お前の判断を聞いているのではない。避難が遅れている今、住民の近くには多くの精鋭が必要だ。」

「し・・・しかし!」

 

 そっか。デスヨネ。住民の周りには精鋭必要ですよね。

 壁に覆われてても街はそれなりに広いんだから、すべての巨人を抑えきれるとは思わない。

 

「オイ!いいかげんにしろミカサ。」

 

 ゴツッとエレンがミカサに頭をぶつける。

 目を覚まさせる目的なんだろうが・・・痛そう・・・。俺はHPどんくらい削れるかな・・・。

 

「人類滅亡の危機だぞ!!なにテメェの勝手な都合を押しつけてんだ!!」

「・・・・・・・・・。」

 

 ミカサが申し訳なさそうな顔するのはエレンにだけだな。

 さすが家族。

 

「悪かった・・・。私は冷静じゃなかった・・・。でもどうか、死なないで・・・」

「死なねぇだろ。そいつは。」

「・・・」

 

 エレンとミカサが不思議そうな顔をしている。

 

「だって、ねぇ。あんだけ、夕飯のときに演説かましてたやつが、初陣で死ぬとかまず無いな。死んだらマヌケすぎる。」

「・・・。それでも私は・・・。」

「わぁかった。安心しろ。副教官直々に守ってやる。」

「ッ・・・。」

「安心して、お前が死ぬんじゃねぇぞ。わかったか?」

 

 口を結んで、頷くミカサの表情は、さっきよりもいいような気がした。

 

 出来る限り守ってやろう。

 

 

 

 

 

 




駄文だけど、頑張りますよ。


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