BanG Dream! ~平凡な少年と彼女たちの物語~ (なすこん)
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1.平凡な少年と朝

みなさんはじめまして !
この度、初めて小説を書かせていただく、なすこんと申します!
まだまだ至らない所ばかりですが、是非よろしくお願いします。
それでは、第1話どうぞ!


 ──夢を見た──

 その夢にはステージに立っている5人の少女と歓声をあげる観客、そして自分がいる。

 

「ここは一体?」

 

 そう思っていると、ギターを持った少女が高らかに。

 

「今日は私たちのライブに来てくれてありがとう!!」

 

 観客はどっと歓声をあげる、しかし俺はあの5人が誰なのかを知らないのでついていくことができない。そんなこと知らないと言わんばかりにライブは続いていく、始めは乗り気じゃなかったがだんだんとリズムに乗っていていた。

 

「今日は本当にありがとうございました!」

 

 気がつけばすでにライブは終わり最後の挨拶をしている所だった。

 

「そういえば何というグループなのだろう?」

 

 そんなことを考えていると、彼女たちは最後に。

 

「私たち──―」

 

 グループ名を言いかけたところで意識が覚醒していく、ああ、グループ名くらい聞かせてくれたっていいだろ。なんてケチを付けながら完全に目を覚ました。

 この夢が後の俺の生活に大きく関わっていくなんて知る由もなく。

 

 ────────────────────

 

「隼人ー起きなさーい!」

 

 1階から母の声が聞こえてくる、まったく朝からそんな騒がんでも―

 

「何時だと思ってるのー!」

 

 ん? 何時ってまだ7時半じゃ?…ってもう8時かよ!入学式そうそう遅刻はまずいだろ!俺は急いで学校にいく準備を始める。

 こんな現在進行形で遅刻しそうな俺の名前は佐藤隼人(さとうはやと)。この春から高校生になるピチピチの15歳だ!趣味はゲームで特に音ゲーが最近のイチオシだな!特技はと聞かれるとこれが反応に困る、なんせ俺は中学生のころからずっとお前名前から何まで平凡だなwwwとずっと言われていたからである。名前は俺どうしようもないだろ、無理だろなんてよく思っていたな、まあそれ以外はマジで平凡だから言い返せなかったがね。

 ちなみに、俺の通う高校は花咲川学園という去年まで女子校だった所だ。なんでそんな所にいくのかって? それは女の子がいっぱ…ゲフンゲフン。もちろん家から近いからだよ、ホントだよ。まあ友人からの誘いもあったからでもあるんだけどね。

 まあ、自己紹介はこれまでにして俺は手早く準備を済ませリビングに行くと母が朝食の準備を終えたところだった。

 

「まったく、入学式の日から寝坊するなんて大したもんね。ただでさえ女の子の方が多いんだからアンタ浮いちゃうわよ」

 

 母はそう言いながら朝食を俺の前に運んだ、なるほど今日はパンか。

 

「それを分かっててなんでもっと早く起こしてくれないのかね」

 

 文句を言いながらトーストを口に突っ込む。うん、うまいな。やっぱり朝はパンだなCMでもよく言ってるし。急いで朝食を平らげ家をでる準備をして玄関にむかう。

 

「それじゃ行ってきます」

 

「ええ、行ってらっしゃい」

 

 母の見送りをうけ家を出た。まあ、これから3年間気楽に過ごしますかと思いながら急いで学校に向かった。

 

「そう言えば、隼人にアンタとその友達以外男が入学しないって伝えるの忘れたわ」

 

 息子がででいったドアの前でそんなことを呟いているのを隼人はまだ知らない。

 

 




いかがでしたか?
まだまだ始めたばかりで、文も多く書けないので、見応えが足りないかとおもいますが、短時間で読んでいただけたとは思います。
ぜひ、ご指摘や感想お待ちしております!
ではでは~


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2.平凡な少年と変態な少年と先輩

皆さんどうも、なすこんです
今日は夏休み最終日ですね!どうでしたか夏休みは?かく言う自分も学生なので存分に満喫しましたw
それでは、余談はこのくらいにして、第2話どうぞ!


 何とか遅刻せず学校に到着できた俺はクラス分けが張り出されている掲示板をみて唖然とした。

 

「なんで男が俺とアイツしかいないんだぁぁぁ!」

 

 ついつい叫んでしまったが無理もない、これは夢か?確かにココは今年から共学になった所ではあるが流石にこれは少なすぎはしないか、少なくても10人はいると思ってたのにな。これじゃあいくら何でも肩身が狭すぎやしませんかね、まあ少なくともアイツと同じクラスなだけマシか。

 

「とりあえずクラスに向いますかね」

 

 そう呟きながらトボトボと歩いていった。

 

 

 

 

 ────────────────────

 

 クラスに入るとやはりと言ってか見渡す限りの女子だった、そんな中でアイツは俺が席につくと同時に話しかけてきた。

 

「よう、遅かったな隼人、初日から遅刻ギリギリとはやるねーw」

 

 笑いながら話しかけてくるコイツは俺の中学からの友達であり、ここに入るのを誘ってきた小山蓮(こやまれん)である。性格はまあ元女子高に進んで入ろうとするくらいだ察してやってくれ。

 

「うるせー、お前こそこの状況どう思ってんだよ」

 

「そうだなー、確かに男はお前と俺の2人だけしかいない。だがこれはある意味チャンスだろ」

 

「チャンス?一体なんのだよ」

 

「決まってんだろ!これだけの女の子がいるんだ、これはつまりハーレムの作り放題じゃないかよ!」

 

「あー、聞いた俺が馬鹿だったよ」

 

 そんなくだらない話をしていると先生が入ってきた。うん、先生もキレイだな。

 

「みなさん、おはようございます。色々話すこともありますがまずは入学式ですので、移動をお願いします」

 

 先生が手早く挨拶を済ませると、俺たちは体育館に移動を始めた。

 

 

 

 

 ────────────────────

 

 入学式を終えた俺は、連と話しながら教室に戻っていた。

 

「あー入学式眠かったな」

 

「そうか?俺は女子がいっぱいで嬉しすぎて眠くなんか無かったぜ」

 

「お前はブレないな、蓮」

 

「何言ってんだ隼人、男なんだから女子に興味があって当然だろ!それともあれか?お前はソッチなのか?」

 

「そんな訳ないだろ!俺はノーマルだわ!」

 

「まあ、お前は平凡だしな」

 

「…いいだろ別に」

 

 コイツ、俺が気にしていることをいいやがって、ほんとにいつから蓮はこんな女好きになってしまたんだろうな。まあ俺も女子が嫌いな訳では無いけど。中1の時は俺のことをさん付けで呼ぶくらいだった奴が、たった3年でここまでなるもんなのかね。

 

「そんな落ち込むなよ、ほらそんな時こそ可愛い女子でも見てテンションあげようぜ!そうだな……あの人とかどうだ?」

 

 そう言って蓮が指さしたのが、ちょっとクセのある黒髪ロングの美少女と言ってもいいほどの女子だった。つか、あれ1年生ではないよな?そう思っているとその女子生徒は俺達の視線に気づいたらしく、俺たちに話しかけてきた。

 

「私に何か用かな?もしかして見惚れたとか?」

 

 ま─マズイぞなんて答えればいいんだ?ここはとりあえずごまかして。

 

「い、いやそうではな「はい!そうです!!」っておい蓮!」

 

 コイツ何堂々と答えてんだよ、初めて会う人に見とれてましたってそれじゃまるで変態じゃねーかよ!

 

「ふふっ、なかなかおもしろいね噂の1年生くんたち」

 

 あれ?意外と大丈夫そうだな、それより噂のってどうゆうことなんだ?

 

「もしかしてイケメンが入学してきたと「お前に聞いねー」はい、すみません」

 

 ちょっと強めに蓮を止める、ややこしくなっても面倒だしな。

 

「共学になった花咲川に男子が2人だけ入学したってすごい話題になってるんだよ」

 

 マジか…でもまあ、元々女子高だった所に男子が入学してくればいやでも気になるか。まあ、直ぐに収まってくれるだろ。収まってくれないと、学校に居づらいしな。

 

「あ!そう言えば自己紹介がまだだったわね。私は3年の牛込ゆりよ、よろしくね」

 

「俺は佐藤隼人です。で、こっちは小山蓮です。こちらこそよろしくお願いします。牛込先輩」

 

「佐藤君に小山君ね。うん、覚えておくね!それじゃそろそろHR始まるみたいだし、そろそろ失礼するね」

 

 そう言って牛込先輩は自分の教室に戻っていった。まさか初日からあんなキレイな先輩と知り合いになるってなんかすごくないか!どうやら蓮も同じことを思っていたらしく。

 

「おいおい!いきなり美人と仲良くなったぞ!」

 

 なんて言ってくるまでだ、実際俺もテンション上がってるしな、だが、先輩の言っていたとおりもうすぐHRが始まるので、俺達も急いで戻らないとな。

 

「気持ちは分かるがとりあえず教室もどるぞー」

 

「隼人も、もっと喜んでもいいと思うんだけどな、まぁとりあえず戻らないと遅れるし急ぐか!」

 

 そう言って、俺たちは急いで教室にもどった。




皆さんどうでしたか?
まさかのバンドリキャラ初参戦はゆりさんです
良ければ感想やご指摘等お待ちしております。
ではでは~


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3.平凡な少年と自己紹介

皆さん久しぶりです。
自分の書きたいときに書くという感じで書いてたらこんなざまです笑
ですが、そんな作品に目を通してもいいと言う人はゆっくりしていってください!


 教室に戻り一通り先生が話し終えた後、あの時間がやってきた。

 

「順番に自己紹介しましょうか」

 

 そう、新学期の定番自己紹介だ。特にアピールできることのない俺は毎年話すことがなく困っているのだ。

 

「皆さんもう高校生ですから、自己PRであることを意識してください」

 

 さらに大変なことを言われてしまったな...PRか平凡な俺には難しいな。こういう時、蓮の奴みたいな性格ならすらすら出るんだろうなー。なんて考えてるうちにどうやら自己紹介が始まるようだ。

 

「では、牛込さん」

 

「は、はい! えっと…牛込りみです。あの…よろしくおねがいします…」

 

 あたふたしながら言うと牛込さんは静かに、座ってしまった。やっぱり自己紹介は大変だよな、あれ<牛込>って、たしかゆり先輩も牛込だったよな。もしかしたら姉妹だったりするのかな?

 

「では、つぎは小山君」

 

 何! もう蓮のとこまできたのかよ、次なのに全然考えてないぞ。とりあえずこいつのを参考にするしかない!

 

「初めまして! 小山蓮です! 男はそこの佐藤と俺の2人だけですが、俺は女子とも仲良くなりたいと思ってます。というか女子と仲良くなりたいです! よろしくお願いします」

 

 おいおい、これはどうなんだよ。あれ? 案外ウケてるぞ、蓮の奴、流石につかみがうまいな。まあ中学の時からコミュ力は高かったからなー。あれで性格がもう少しましならもっとモテただろうに…でもまずいな、俺にはこんな自己紹介は無理だぞ。仕方ない、ここは無難に名前と簡単に挨拶だけして終わらせよう。

 

「初めまして、佐藤隼人です。よく平凡と言われるほど普通です。よろしくお願いします」

 

 何とか噛まずには言えたな、でも自分のことを平凡っていうのは、それはそれで悲しいな。

 

 それからも様々な生徒が各々自己紹介をしていき、次は独特の髪形をした子の番だ。あれは猫耳なのかな?

 

「では、戸山さん」

 

「はい! 皆さんこんにちは戸山香澄15歳です」

 

 周りから笑いが起きる。まあここにいるのは大体15歳だろうからな。

 

 それから戸山さんは、ここに入った理由や妹がここに通っていることを楽しそうに話していった。一通り自分のことを話し終えた後に。

 

「私、小さい頃に星の鼓動を聞いたことがあって。キラキラドキドキってそういうのを見つけたいです!」

 

 周りが静かになり、戸山さんもあれ? といった感じに首を傾げてしまった。しかし、すぐに周りから星の鼓動って? など聞かれたので戸山さんも安心したようだ。俺も星の鼓動が何なのかはわからないけど、何か夢中になれることを探そうとしているのはすごいと思った。

 

 

 

 _______

 

 自己紹介も終わり放課後、俺と蓮は帰りながら今日のことを話していた。

 

「うーん、やっぱ自己紹介は苦手だなー」

 

「そうか?俺は自分のこと知ってもらえていいと思うんだけどな」

 

「そう思う奴の方が少ないと思うぞ蓮」

 

 蓮のように進んで話かけるような性格でない俺はどうにもこういう事が苦手だ。そういえば、蓮と同じくらい印象に残っているあの子の…戸山さんの自己紹介もなかなかすごかったな。キラキラドキドキとか星の鼓動とか言ってることはめちゃくちゃかもしれないけど、それを本気で探しているんだということは伝わってきてすごいと思った。俺には本気でやりたいこととかないからな。

 

「何考え込んでるんだよ隼人?」

 

「ん、なんでもないよ」

 

「そっか、ならいいんだけど。じゃあ俺はこの辺で、またな!」

 

「おう、また明日な」

 

 そう言うと俺たちはそれぞれの帰り道に別れた。明日は確か部活動見学があるとか言ってたっけな。特にやりたいこともないし、しかも女子しかいないしやりずらそうだから入る気は無いから適当に流すか。

 

 そんなことを考えながら1人河原道を歩くのだった。

 



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4.平凡な少年とネコミミ少女

どうも、なすこんです!
何とか前回から1週間で投稿できました。まあ見てくれる方はあまりいないと思いますがぜひゆっくりしていってください!

ガルパ1周年おめでとう!


 次の日俺は1人で部活動見学を回っていた。なんでも部活は強制ではないらしく特に入るつもりのない俺としては関係ないかとも思っていたが、とりあえず見学だけはしてみることにした。

 

「にしても結構部が多いな」

 

「それは、中等部とも併合してやっているからじゃないかな?」

 

「なるほど…って誰かと思ったら牛込先輩じゃないですか!」

 

 俺の独り言に言葉を返したのは牛込先輩だった。

 

「たまたま1人で歩いてるのを見かけてね、ところで佐藤君は何か部活に入るつもりなの?」

 

「いや、特に入るつもりはないんですけど、見学くらいはしようかなと」

 

「そっか、やっぱり男の子1人だとやりづらいよね。あれ?でも小山君はどうしたの?」

 

「あぁーアイツはなんか用事があるとか言ってすぐ帰りましたよ」

 

 そうなんだよな、なんかアイツ学校終わったらすぐに帰っちまったんだよな、俺としては運動してる女の子が合法的見れるうひょーなんて言うと思っていたから意外だったな。

 

「そうなんだね、じゃあ私も部活があるからそろそろ行くね。またね!」

 

 そう言うと牛込先輩は足早に行ってしまった。さて、俺も続きを回りますか。

 

 

 

 ────

 

 あれから色々と回ってみたがなかなか凄かった。運動部はもちろん、文化部も活気があって見ていて意外と楽しかった。当たりを見渡すともう空がオレンジになっていた。

 

「さて、そろそろ帰るか」

 

 帰る準備をしていると教室に1人の生徒が入ってきた。あの特徴的な髪型は戸山さんだ。

 

「あれー?佐藤君…だよね?佐藤君も部活動見学してたの?」

 

「そうだよ、戸山さんも?」

 

「うん!どれも楽しそうで気づいたらこんな時間になってたよ〜」

 

「確かに見てて楽しかったな」

 

「だよねだよね!佐藤君は部活何か入るの?」

 

「いや、俺はただ見学して回ってただけだよ戸山さんは何か入るの?」

 

「うーん、まだ悩んでるんだー」

 

「そっか、まあじっくり考えればいいんじゃないかな」

 

 そう言ってふと時計に目をやると時刻は既に18時を回っていた、そろそろいい時間だし帰るかなと思い帰り支度を終わらせる。

 

「じゃあ俺はそろそろ帰るよ、戸山さんはどうするの?」

 

「私ももう帰るよ、ねぇ…良かったら一緒に帰らない?」

 

「俺はいいけど、方向は大丈夫か?」

 

「私は電車通学だから駅の方だよ」

 

「なら大丈夫だな、じゃあ帰るか」

 

「うん!」

 

 戸山さんが帰り支度を終わらせるのを待ってから俺たちは教室をあとにした。あれ?よく考えてみると俺今女子と2人で帰ろうとしてんのか、なんかそう思ったら急に緊張してきたな。まあ何にもないだろうし、できないだろうけど。

 

 

 ────

 

 戸山さんとの帰り道は意外と楽しいものだった。と言うのも彼女はどんな話題にも楽しそうに食いついてくれるため、話題を振るのが苦手な俺もなんとかなったからだ。しかし、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうもので、もう駅と俺の家への分かれ道の所まで来てしまった。

 

「じゃあ俺はこっちだから」

 

「うん!また明日ね!」

 

 軽く別れを交わし俺が交差点を渡ろうとした時、戸山さんが不思議そうな声を出した。

 

「あれ?なんだろうこれ?」

 

「どうかしたの?」

 

 俺が駆け寄ったところで戸山さんがポールを指さす。あれは星のシールか?結構前に貼られたものっぽいな。

 

「あっちにも貼ってあるよ」

 

 戸山さんはその近くにあった石の壁に駆け寄った。そしてさらにどんどんと進んでいってしまう。

 

「ちょっと戸山さんどこ行くの!」

 

 俺も慌てて声をかける。すると戸山さんは楽しそうに目を輝かせていた。可愛いな…じゃなくて戸山さんはこのままこのシールを辿っていくつもりなのかなと考えているとその予感は当たっていた。

 

「ねぇ!このシールを追いかけてみない?」

 

「でも、時間とか大丈夫なの?」

 

「平気平気!それにねこの星のシールを辿っていけば何かキラキラドキドキすることが待ってる気がするんだ!」

 

 戸山さんは楽しそうにそれでいて真剣に俺にそう言った。そんなふうに言われたら断れないな。

 

「わかったよ。ひとりじゃ心配だし俺も行くよ」

 

「ありがとう!じゃあ早速しゅぱーつ」

 

 

 

 ────

 

 星のシールは電柱やブロック塀など様々なところに貼ってあった。それを辿っていくとある場所にたどり着いた。

 

「ここで最後だな」

 

「うん。ここなんだろう?」

 

「うーん…蔵みたいだけど」

 

「はいってみよ!」

 

「ちょっと不法侵入はまず──ってもう入ってるし!」

 

 戸山さんは中に入り蔵を開けて中を覗いていた。俺の話も聞いてくれよ。どうやら戸山さんは中でなにか見つけたらしく俺を呼んでいる。

 

「あれなんだろ?」

 

「あれはなにかのケースみたいだな」

 

 それはなにかのケースということはわかるが何が入っているかは見ただけではよく分からないな。でも戸山さんはあれが気になるらしい多分大きな星のシールが貼ってあるからだろう。

 

 そして俺たちがケースに夢中になっていることで背後に誰かがいることに気づいていなかった。

 

「両手を上げろ!!」

 

「「はっ、はい!」」

 

 そして後ろを振り向くと金髪ツインテールの女の子が立っていた。




最後まで読んでいただきありがとうございます。
次回もなるべく早く投稿で着るように頑張ります!
良かったらお気に入りだけでもしていただけると嬉しいです。
ではまた次回もよろしくお願いします!


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5.平凡な少年たちとライブ

皆さんこんにちは!なすこんです。
まだまだ拙い文章ですが良かったらゆっくりしていってください!


「両手を上げろ」

 

 そう言われ反射的に手を上げる。

 そこには可愛らしい金髪ツインテールの子がハサミのようなものを持って立っていた。

 

「い、いや俺たちは泥棒とかじゃ『名前!』佐藤隼人です!」

 

「そっちは?」

 

「戸山香澄です!」

 

「それ本名?偽名使ってるなら…とめるよ」

 

「とめる?お泊まり?」

 

「ちがーう!」

 

「戸山さんボケてる場合じゃないよ」

 

 このままじゃ今日帰る場所が家じゃなくて別の場所になりかねない。何とかして誤解を解かないと。

 

「簡単に見つかるなんてとんだ素人だな、初犯?」

 

「だから俺たちは泥棒なんかじゃないんですって」

 

「そうそう私たちはシールを辿ってきただけで」

 

「シール?何言ってんの…って良く見たらその制服うちの生徒かよ」

 

 ん?うちの生徒ってもしかしてこの子も花咲川の生徒なのか?

 

「あなたも花咲川の生徒なの?私1年生!あなたは?歳近いよね?」

 

 戸山さんが今度は逆に質問攻めにしていく。

 初対面の人にましてや泥棒かもと疑っている人にそんなにグイグイ行けるなんてすげーな。

 

「あーもう!ここは質屋で入口はあっち!この蔵にあるのはゴミみたいなものだから用がないなら帰って!」

 

 女の子も勘弁したのか態様が投げやりになってきた。

 そりゃそうだあんなに迫られたら困るよな。でもおかげで何とか警察のご厄介にはならなくて済みそうだ。

 

「ゴミって…じゃああれは?」

 

 戸山さんは俺たちがさっきまで見ていたあのケースを言っているのだろう。

 確かにあれは何か価値のあるようなもののような気がする。

 

「質流れのなんかでしょ」

 

「見てみてもいい?」

 

「俺も見てみたいな」

 

「はぁ…わかったよ」

 

 俺たちは蔵に入りそのケースを開けると中には特徴的な形のギターが入っていた。

 

「さわってみてもいい?」

 

「少しだけだからな」

 

 戸山さんはギターを受け取り弦を弾くと少しだけ音がでた。音小さと俺は思ったけど本人はすごく楽しそうだ。

 

「はい終わり!」

 

 女の子は戸山さんからギターを取り上げようとする。

 

「えー!もう少しだけ!」

 

「そんなに弾きたいならライブハウスとかいけばいいじゃん」

 

「わかった!」

 

 戸山さんはギターを持ったまま飛び出して行った。

 まてまてまて!それじゃホントの泥棒になっちまう!

 

「戸山さん待ってくれー!」

 

「おい、お前らやっぱ泥棒じゃねーかよ!」

 

「違うよ!とにかく今は戸山さんを追いかけないと」

 

 俺たちは戸山さんを追いかけ蔵をあとにした。

 戸山さん行動が急すぎるよ…

 

 

 

 ────

 

 何とか戸山さんに追いついた俺と女の子は今ライブハウスに向かっている。

 

「まったく私がいなかったらホントに泥棒だったよ!」

 

「俺もマジで焦ったよ」

 

「ごめんごめん」

 

「はぁ…しかもなんで私が道調べないといけないんだよ」

 

「ありがとう!」

 

 戸山さんは笑顔で答えるが女の子はため息をついていた。

 

「っとここみたいだな」

 

 女の子は近くの建物をみる。

 [SPACE]っていうライブハウスみたいだな。

 入口に並ぶと他のお客さんから視線を感じる。どうやら戸山さんがギターを持っているのが原因か。

 

「次の方どうぞー」

 

「あの、ギター弾きたいんですけど」

 

「ええっと…」

 

「うちは練習スタジオじゃないよ」

 

「あ、オーナー!」

 

 店員さんが困っていると後からおばあちゃんが代わりに答えた。どうやらこの人がここの店のオーナーさんらしい。

 

「演奏できるのはオーディションに合格した奴だけだよ」

 

「そうですか…」

 

「ほら、弾けないって帰ろう」

 

「ライブみてくかい?」

 

「やめようよ頭とか振るんだよ」

 

「見る前から決めつけるんじゃないよ」

 

「む、なら確かめてやる。いくら?」

 

「高校生かい?」

 

「違いますー」

 

「1200円」

 

 オーナーと女の子の言い争いがヒートアップしている。ってかホントのこと言った方がいいでしょ…

 

「あの、高校生なんですけど大丈夫ですか?」

 

「俺も同じです」

 

「600円」

 

「ええ!?」

 

 女の子は驚いているがまあそうだろうと思ったよ。

 

 

「こんなとこがガールズバンドの聖地?」

 

 どうやら女の子はここのことを調べているらしい。

 

「2人とも行こ!」

 

 俺たちはライブステージに入る。

 中にはかなりのお客さんがいて正直驚いた。さすが聖地と呼ばれるだけあるな。

 

 少しすると周りの照明が消えた。どうやらもう始まるみたいだな。

 ステージのみに光があてられ袖から4人の女の子達が出てきた。

 ってかあの中のひとりって牛込先輩じゃねーか!

 俺が驚いているのに対し戸山さんはすごい楽しそうだ。

 

「Glitter*Green?」

 

「そういう名前なんだ!」

 

「SPACE!遊ぶ準備は出来てますか?」

 

「イエーイ!!」

 

「うぉ!すごい盛り上がりだな」

 

 俺は観客の人達の盛り上がりっぷりに圧倒されてしまう。

 

「OK!じゃあ最後まで楽しんでいってねー」

 

 演奏がはじまると観客はさらに盛り上がる。

 ライブが初めての俺も盛り上がるのにそう時間はかからず、なりより彼女たちの演奏に見入ってしまっていた。

 ふと隣をみると戸山さんはもちろん乗り気では無かった女の子もすごい楽しそうだ。

 

「これだ…これだ!」

 

 どうやら戸山さんは何かキラキラドキドキできることが見つかったらしいな。

 それと同時に俺もキラキラドキドキするものというのが少しわかった気がする瞬間でもあった。

 

 




なんとかアニメ1話部分を終わらせることが出来ました。
なかなかテンポが悪いかも知れませんが何とかテンポを上げて進めていけるように頑張りたいと思います!
また次回もよろしくお願いします!


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6.平凡な少年と始まり

皆さんこんにちは!なすこんです!
今回は普段以上に短いですがぜひゆっくりしていってください!


 ライブが盛り上がる中、戸山さんは女の子をバンドに誘っていた。さすが戸山さん行動が早いな。

 でもやっぱり断られていて女の子は戸山さんからギターを取ってライブハウスを出ていこうとしていた。

 

「きゃあ!」

 

「っと、すみません」

 

「市ヶ谷さん?」

 

 市ヶ谷さん?この子は市ヶ谷という名前だったのか。市ヶ谷さんはそそくさと出ていってしまう。戸山さんはすぐに追いかけていってしまった。

 俺もぶつかった子にもう少しちゃんと謝罪して追いかけよう。

 

「すみません俺の知り合いが」

 

「大丈夫ですよ…あれ?もしかして佐藤君?」

 

「なんで俺の名前を…ってもしかして牛込さん?」

 

「うんお姉ちゃんのライブを見に来てて」

 

「やっぱり先輩は牛込さんのお姉さんだったのか」

 

「え?お姉ちゃんのこと知ってるの?」

 

「まあ少しだけね」

 

 まさかこんなところで牛込さんと会うとはな。おっと俺も早く2人を追いかけないと

 

「ごめん急いでたんだった。またね!」

 

 受付の人に軽く会釈し入口を出ると、そこにはキョロキョロしてる戸山さんがいた。

 

「あれ?市ヶ谷さんを追いかけたんじゃないの?」

 

「そうなんだけど暗くて見失っちゃって」

 

「そうだったのか、とりあえずもう遅いから今日は帰ろう」

 

 戸山さんは少し残念そうだがしょうがない。

 それにあの女の子…市ヶ谷さんも学校で会えるだろう。

 

「とりあえず駅までは送るよ」

 

「え?いいの?」

 

「さすがにこんな暗い中女の子は1人は危ないでしょ」

 

「ありがとう!」

 

 駅までの道のりで戸山さんが今日思ったことなど色々話してくれた。

 

「私バンドを組んであのステージでライブがしたい!そうすればキラキラドキドキできる気がするんだ!」

 

「そっか、それで市ヶ谷さんを誘っていたのか」

 

「一緒に出来れば楽しいと思うんだ!」

 

「なるほどな」

 

「佐藤君も一緒にバンドやろ!」

 

「え?俺が入ったらガールズバンドじゃなくなるぞ」

 

「あ、そっか…」

 

「まあでも、手伝いくらいなら俺にも出来るかも」

 

 こんな言い方だけど初めから手伝うつもりただったしな。

 

「ホント!やったぁ!」

 

「ちょ!戸山さん抱きつかないで!」

 

「だって嬉しくて」

 

 戸山さんが抱きついてくる。

 やばいやばいから!なにか当たってるが気にしちゃダメだ。

 

「と、とりあえず離れてくれ」

 

「香澄」

 

「え?」

 

「香澄って呼んでくれたらはなしてあげる」

 

「はぁ…わかったよ香澄」

 

 女の子を下の名前で呼ぶなんて初めてだから少し緊張するな。

 でも嬉しそうだしいいか。

 

 

 そんなやり取りをしているともう駅についていた。

 

「じゃあまた明日な」

 

「今日はありがと!」

 

「いいよ、俺も楽しかったし」

 

「うん!またね隼人君!」

 

 そういって戸山さんは駅に入っていった。

 まさか名前で呼んでくるなんてちょっとびっくりした。

 

「明日からも楽しくなりそうだな」

 

 そう呟きながら帰る俺は自然と笑みがこぼれていた。

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!
今回は2話はほぼオリジナルの展開になりました。
香澄が主人公の下の名前を君付けか呼び捨てで悩みました笑
次回はアニメ2話を終わらせる予定ですので、よろしくお願いします!


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7.平凡な少年たちとツンデレ少女

皆さんこんにちは!なすこんです。
今回はアニメ2話のお話となっています。
ぜひゆっくりしていってください!


 次の日の朝、俺が教室に入ると香澄が駆け寄ってきた。

 

「市ヶ谷さんに逃げられたー」

 

「どういうことだ?」

 

 香澄は今日の朝のことを話してくれた。

 どうやら朝から市ヶ谷さんの家に突撃した挙句ご飯まで食べてきたらしい。そりゃ昨日あったばかりの人が朝家にいたら驚くし完全に香澄が悪いだろ…

 

「とりあえず昼休みに市ヶ谷さんのクラスに行ってみよう」

 

「うん!」

 

 

 そして昼休みになり、2人で教室を出ようとした時にあいつに声をかけられた。

 

「おまえらいつの間に仲良くなったんだよ」

 

「ん?なんだ蓮か」

 

「やっほー小山君」

 

「おっす戸山さん。で、どういうことなんだよ隼人」

 

「ん、昨日な…」

 

 俺は昨日あったことを蓮に話した。

 そもそも蓮が早く帰らなければこんなこと起こんなかったんだよな。

 

「なるほどな、それでお前が戸山さんのバンドの手伝いをするってわけか」

 

「まぁそういうことだな」

 

「もしかして小山君も手伝ってくれるの?」

 

「さすがに普段からは手伝うのは無理だけどライブとかする時くらいならいいぜ」

 

「ホント!ありがとうー!」

 

「いいって。てか市ヶ谷さんに会いに行くつもりなら急いだ方がいいかもな」

 

「なんでだ?」

 

「市ヶ谷さん早退することが多いらしいんだよ」

 

「マジか!なら急いだ方がいいな。サンキュー蓮!」

 

「ありがと小山君!いこ隼人君!」

 

「あ、おい待てよ香澄!」

 

 俺は香澄を追いかけて教室を出る。

 

「しっかし隼人君に香澄か、あいつも隅に置けないな」

 

 そう呟かれていることも知らずに。

 

 

 市ヶ谷さんのクラスに行くと蓮の言うとうり既に市ヶ谷さんは早退してしまっていた。

 俺たちは放課後市ヶ谷さんの家に行ってみることにした。

 

「またここに来るなんてな」

 

「とりあえず蔵の方に行ってみよ!」

 

 蔵に行くとそこには予想通り市ヶ谷さんがいた。

 

「市ヶ谷さん」

 

「なんだお前達か、どうしているんだよ」

 

「早退したって聞いて」

 

「別に、今日はいなくてもいい日だし」

 

「どういうことだ?」

 

「毎日行かなくても単位は取れる」

 

 なるほどな、市ヶ谷さんは無駄なことはしないということか。

 でも香澄は少し気になるらしい。

 

「でも、楽しくなくない?友達とかとご飯食べたりとかできないし」

 

「何それ?自慢?」

 

 市ヶ谷さんの癇に少し障ったらしい。

 気持ちはわかる。俺だって友達が多い訳では無いしな。

 

 ふと蔵に目をやるとそこには昨日のギターケースがあった。

 香澄も気づいたらしく触れようとすると市ヶ谷さんがそれを遮る。

 

「商品に触らないでくださーい」

 

「「商品?」」

 

 すると市ヶ谷さんはスマホの画面を見せてくれた。

 どうやらオークションの画面のようだ。

 

「えーと、1.10.100…さっ30万!!」

 

「まだ上がる、私にとってゴミでもほかの人にはそれだけの価値があるってこと」

 

「そんな…」

 

 香澄は残念そうにしてギターケースを見つめていた。

 正直俺もこんなに価値のあるものだとは思わなかった。

 

「そういえば蔵で何やってたんだ?」

 

「みりゃ分かるだろ、片付けてんだよ」

 

 そう言いながら荷物を運び出していた。

 見るからに大変そうだ。

 

「良かったら手伝おうか?」

 

 その日から俺たち3人の蔵の片付けが始まった。

 

 

 

 ──────

 それから香澄と俺は放課後蔵に通った。

 香澄の方は登下校も一緒みたいだ。

 初めは掃除するだけだったが、だんだんとキターも見せてくれるようになっていた。それに市ヶ谷さんは香澄の扱いも上手くなっていた。

 意外と相性がいいのかもな。

 

 

 

「よし、これで全部片付いたかな」

 

「はーマジつかれた」

 

「じゃあギターを…」

 

「まて!…よし」

 

「わーい!」

 

 香澄がギターケースの持ち手を持ち上げた時だった。

 持ち手が外れそのままギターごと落ち、弦が切れたりしてしまった。

 香澄はその場に座り込んで泣き出してしまった。

 

「香澄大丈夫か!」

 

「ごめん、ごめん」

 

「戸山さん…戸山香澄!」

 

 市ヶ谷さんの声に香澄がハッとする。

 

「行くよ」

 

 そう言った市ヶ谷さんのスマホには楽器屋までの地図が映っていた。

 ここは俺の出番だな。

 

「市ヶ谷さんスマホ借りるよ」

 

 俺は楽器屋までの道のりを確認する。

 よし、そこまでは遠くないな。

 

「ギターは俺が持つから2人は濡れないようにしてくれ」

 

「でもそれじゃお前が」

 

「気にすんな、力仕事は男の俺に任せてくれ」

 

 俺たち3人は降りしきる雨の中楽器屋に向かった。

 

 

 

 ────

 楽器屋[江戸川楽器店]についた俺たちはギターを預け、修理が終わるのを待っていた。

 

「ごめん…」

 

「いいって、それよりほんとにケガとか大丈夫?」

 

「うん」

 

「お、修理終わったみたいだな」

 

 赤い星のギターを店員の人が持ってくる

 

「どうでしたか?」

 

「うん、バッチリ!」

 

「ありがとうございます!ホントに良かった…」

 

 香澄が誰よりもホッとしていた。

 それを見て市ヶ谷さんが何かを決心したように見えた。

 

 

 江戸川楽器店からの帰り道香澄は大事そうにギターを抱えていた。

 

「そんなに大事なら持って帰れば」

 

「え!いいの!?」

 

「おいおい市ヶ谷さん本気か?」

 

「大切にする?」

 

「うん!」

 

 こうしてギターは香澄が貰うことになった。

 市ヶ谷さん優しすぎるだろ。

 

 蔵につくと市ヶ谷さんのおばあちゃんが鍵を市ヶ谷さんに渡していた。

 元々蔵を片付けていたのは掃除すれば蔵を自由に使ってもいいと言われていたかららしいしな。

 

「なぁ2人ともちょっと付いてきてくれない?」

 

 市ヶ谷さんは俺と香澄を蔵の地下に連れていった。

 蔵の地下は結構広い部屋でアンプなど音楽に関係しそうなものが置いてあった。

 

「うわぁー!すごいね!」

 

「ああまさか蔵にこんなとこがあったなんて」

 

「これギターに挿してみて」

 

 市ヶ谷さんはアンプのコードを香澄に渡す。それを繋ぎ香澄がギターを鳴らすと前とは違い体に響くような音が鳴った。

 

「すごいすごい!」

 

「なんかズシンってきたな」

 

「うんうん!」

 

「…香澄!隼人!」

 

「「ん?」」

 

「ここで練習すれば?」

 

「いいの!?」

 

「ただし、一緒にお昼ご飯…」

 

「有咲!」

 

 香澄は市ヶ谷さんに抱きついていた。

 市ヶ谷さんもはなそうとしているけど嫌そうではないな。

 ん?ってか俺も昼一緒に食べるのか?

 

「な、なあ俺も一緒に食べるのか?」

 

「私はそういうつもりで言ったんだけど…イヤか?」

 

 市ヶ谷さんは少し悲しそうに俺を見つめる

 う、そんな目で俺を見ないでくれ。

 

「わかったよ市ヶ谷さん」

 

「有咲でいい、私も隼人って呼んだろ?」

 

「はいよ、有咲。これでいいか?」

 

「う、うん」

 

「あれー?有咲照れてる?」

 

「て、照れてねー!!」

 

 有咲が真っ赤になって怒ってるのをみて笑う俺たち。

 これからも楽しくなりそうだ。

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!
りみりんの話を削っていたりと違う点もありますがどうだったでしょうか?
次回はアニメ第3話部分になります。あの伝説のライブですね笑
それではまた!


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8.平凡な少年たちと即席ライブ

みなさんこんにちはなすこんです!
ついに学校が始まりました。僕ももう高3です笑
今回はアニメ第3話部分になります。
ぜひゆっくりしていってください!


 朝、俺が普段通り登校してくると校門のところで生徒会の人達に捕まっている奴がいた。まったく朝から何事だよ。

 俺には関係ないことかと思って通ろうとすると誰かから声をかけられる。

 

「おい」

 

「なんだよ…って有咲じゃん」

 

「あのやべーやつどうにかしてくれよ。私にはムリだ!」

 

 有咲に言われて初めて捕まっている奴が俺の知り合いなことに気づく。

 …香澄のやつなにしたんだよ。

 俺は生徒会の人に何があったかを聞くと、どうやら香澄はギターをケースに入れずにそのまま持ってきていたらしい。

 

「放課後生徒会室まで取りに来て」

 

 そう言うと生徒会の人達はギターを預かって行ってしまった。

 それにいつの間にか有咲もいなくなってるし。

 

「はぁ、ギター大丈夫かな…」

 

「大丈夫だと思うよ七菜ちゃ─生徒会長なら」

 

「あ!りみりん!」

 

 香澄に抱きつかれた牛込さんは苦しそうだ。

 それに何かを言いたげな感じだな。

 

「あ、あのね香澄ちゃん。私バンドできない」

 

 どうやら香澄は他にも何かやらかしていたらしいな。

 

 

 

 ────

 時間は進んで昼休み、俺は中庭に向かいながら朝香澄から聞いた話を考えていた。

 香澄によると牛込さんをバンドに誘ったのは昨日の昼有咲の教室に行ったあとでその時はOKを貰ったらしいが、夜香澄がSPACEであった時に断られてしまったらしい。

 大方香澄が無理やり誘っていたのかもしれないな。

 

 中庭には既に香澄、有咲、そして同じクラスの山吹さんがいた。

 

「香澄が言ってたもう1人って佐藤君だったんだ」

 

「うん、よろしくね山吹さん」

 

「もしかして佐藤君は市ヶ谷さんの契約ってやつ?」

 

「まぁ、そんなとこかな」

 

 俺は有咲を見るが当の有咲はしらんぷりってやつだな。

 香澄がそんな有咲に話しかける。

 

「ねぇりみりんバンドできないってなんでだろう」

 

「知らねぇよ自分で考えろよ」

 

「えー有咲も考えてよ、玉子焼きあげるから」

 

「こ、これがおかず交換」

 

 そんな有咲をみて俺と山吹さんは笑ってしまう。

 

「な、なんだよ/////」

 

「悪いつい可愛いくて」

 

「か、可愛くねぇー!」

 

 やっぱり有咲をからかうのは面白いな。

 

 

 

 ────

 放課後になり俺と香澄は生徒会室にギターを取りに行く。

 なんで俺も行かなきゃなんだよ…

 

「はい、今度からはケースに入れてきてね」

 

「よかったー」

 

 香澄はギターを抱きしめる。

 

「もしかしてバンドやってるの?」

 

「はいバンドはまだですけど、ライブしたいです!」

 

 そうだその為にも牛込さんと話さないとな。

 

 

 

 ────

 次の日の朝。

 山吹さんから牛込さんがよく山吹さん家のパン屋に買いに来ることを聞いた俺たちはパン屋の前で待ち構えていた。

 ってか山吹さん家パン屋だったのか。

 少ししてパン屋から牛込さんが出てくる。

 

「確保ー!」

 

「えぇー」

 

 有咲の指示で香澄が牛込さんを捕まえる。

 

「じゃ、お疲れ〜」

 

「有咲学校いかないの?」

 

「疲れたから帰る」

 

 有咲はそう言って行ってしまった。

 有咲のことも気になるがとりあえず今は牛込さんだ。

 

「私りみりんとバンドやりたい」

 

「……」

 

「もしかして、親とかに何か言われたりした?」

 

「違うの。ごめん、ごめん」

 

 牛込さんは泣き出してしまう。

 無理もない。誘い続けてくれる香澄のことを自分が困らせてしまっているというんだから。

 

 牛込さんはそのまま走って行ってしまう。

 追いかけようする香澄を俺は止める。今追いかけても逆効果になると思ったからだ。

 

「落ち着いたか?香澄」

 

「うん、ありがと!」

 

「香澄は牛込さんとバンドやりたいんだろ」

 

「でもりみりん泣いちゃってた。そんなにやりたくないのかな…」

 

「俺はそんなことないと思うぞ」

 

「え?」

 

「だって牛込さん1度もやりたくないなんて言ってないだろ?だからもう1回だけ話してみたらどうだ?」

 

「わかった!もう1回話してみる!」

 

 

 その日の放課後俺が帰っていると公園で話している2人を見かけた。

 きっと香澄なら牛込さんが1歩を踏み出すための力になるはずだよな。

 

 

 

 ────

 週末。今日は香澄たちとSPACEに行く約束をしている。

 香澄と俺は有咲の家に向かっているところだ。

 まだ集合時間よりだいぶ早いんだけどな…

 

「隼人君この前はありがとね!おかげでりみりんとちゃんと話せたんだ」

 

「そっか、なら良かったよ」

 

 

 家につき有咲を呼ぶと案の定不満そうな顔で出てきた。

 

「まだ昼だぞ」

 

「早めに行って色々見ようと思って」

 

「はぁ…準備してくるから待ってろ」

 

 有咲の準備を待ち俺たちはSPACEへと向かった。

 

 

 

 ────

 SPACEに着いた俺たちはライブが始まるまで適当に時間を潰していると、あっという間にライブの時間になっていた。

 

「イェーイ!」

 

「はいはい分かったから」

 

「そういう有咲も楽しんでるだろ」

 

「べ、別にそんなことないし…ん?なんかおかしくないか?」

 

 有咲に言われて俺も異変に気付く。

 次のバンドはGlitter*Greenのはずなのになんでその次のバンドがステージにいるんだ?

 それに端の方で出演者らしい人達が慌てて動いてるし。

 

「何かあったのか?」

 

「とりあえず行ってみよう」

 

 香澄の提案により俺たちは楽屋へと向かった。

 

 

 

 ────

 楽屋につくとそこには牛込さんの姿もあった。

 

「りみりん!」

 

「何かあったのか?」

 

「実は…」

 

 牛込さんの話によると台風の影響で電車が止まり遅れているという。

 3年生は修学旅行に行ってるはずだからその影響をモロに食らっているのか。

 

 不安そうな顔をしている牛込さんにほかの出演者も声を掛ける。

 とはいえ時間を稼ぐにしても限りがあるはずだ。何とかそれまでに間に合ってくれれば…

 

 しかしそんな願いも虚しく最後のバントの演奏が終わってしまう。

 それと同時にオーナーもほかのバンドに片付けるように指示する。

 

 何とかならないのかと考えていると香澄がこの場にいないことに気づく。

 まさかと思いステージを見るとそこには足を震わせながら立っている香澄の姿があった。

 

 

「こ、こんにちは戸山香澄です」

 

 香澄はそのままキラキラ星を歌い出した。

 俺たちはその姿をステージ袖から見ている。

 

「香澄!何してんだよ」

 

「有咲!」

 

「はぁ?カスタネットって、ちょ!」

 

 香澄は有咲にカスタネットを持たされてステージに引っ張り出し2人で歌っている。

 

「香澄ちゃん、有咲ちゃん…」

 

 牛込さんは隣でベースを持ちながら2人を見ている。

 なら俺に出来ることはひとつだ。

 

「りみ!がんばれ!」

 

「うん!」

 

 りみは頷いて2人の元へ向かう。

 2人は驚いているが、りみがベースを引き始めるとそれに合わせて香澄は歌を有咲はカスタネットを叩く。

 演奏が終わると同時に後から足音が聞こえる。

 

「お待たせー!」

 

 後ろを振り向くとGlitter*Greenの4人がいた。

 すぐ4人はステージに出て準備をする。

 そのままグリグリと香澄たちでキラキラ星を演奏した。

 みんなすごい楽しそうでよかった。

 

 

 

 ────

「ライブしちゃったよ!」

 

「マジで恥ずかしかったんだからな!」

 

「はぁ、見てるだけでもハラハラしたよ」

 

「でも楽しかった!」

 

「まったく牛込さんがいなかったらマジでヤバかっただろ」

 

「ううん、私も香澄ちゃんたちを見て私も頑張ろうと思って、隼人くんも応援してくれてありがと!」

 

「いいって」

 

「私も香澄ちゃんたちとバンドやりたい!」

 

「やったー!りみりん!」

 

 りみも1歩踏み出すことが出来てよかった。

 これで3人。バンドぽくなってきたな。

 

「よーし、次は文化祭だ!」

 

「「「えぇー!」」」

 

 香澄には誰かに相談するってことを覚えてほしいな…

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!
次回はアニメ第4話部分になります。
では次回もよろしくお願いします!


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9.ネコミミとツンデレの契約違反

皆さんお久しぶりです!
約半年ぶりの投稿ですが今回はアニメ4話部分になります
タイトルから平凡なくなってしまった笑


 りみがバンドに加わってから俺は香澄たちとの通学時間に合わせて学校に行くことにした。

 順路的に香澄、有咲、りみという感じに合流していく。

 

「りみりんー!」

 

「きゃ!香澄ちゃんおはよう。有咲ちゃんと隼人君も」

 

「おはよう」

 

「あ、香澄ちゃんそれ」

 

 りみは香澄の持っているギターケースに気付く。

 

「うん!リィちゃん先輩に取り寄せてもらって買ったんだ」

 

「変形だもんねランダムスター、ぴったし?」

 

「バッチリだよ!」

 

「でもこれで毎日有咲の家にギター置いてかなくてよくなるな」

 

「え」

 

 俺の何気ない答えに有咲が反応する。

 

「大丈夫だよ?毎日行くし」

 

「く、くんなー!!」

 

 今日もいつも通りだなー。

 

 

 

 ────

 教室につくと香澄はクラスメイトにギターをきかせる。

 ちなみに弾いているのはキラキラ星だ。

 

「どう?」

 

「これだけ?」

 

「星までいっちゃう?」

 

 香澄がノリノリになっていると教室にギター?を持った子が教室に入ってくる。

 確か花園さんだったよな。

 

「あ!花園さんそれ」

 

「……」

 

「へぇー花園さんもギター弾くのか」

 

「それ」

 

「これはねランダムスターっていうんだよ」

 

「…変態だ」

 

「え?」

 

 香澄が首をかしげて固まってしまう。

 でもいきなり変態なんて何でだろうな?

 

 

 

 ────

 昼休み、香澄は今朝のことを気にしていた。

 

「ねえ、私って変態なのかな?」

 

「じゃね」

 有咲が即答する。

 

「変ではあるかな」

 山吹さんも同様だ。

 

「え、えっと…」

 りみは答えに困ってしまう。

 

「やっぱりそうなんだー」

 

 香澄が泣き出してしまう。りみがフォローしようとしてるけどあまりフォローになってない。

 ここは俺が何とかするか。

 

「香澄は変じゃないから大丈夫だよ」

 

「隼人君ー!」

 

「ぐぁ!香澄苦しい」

 

 急に抱きつかれるといろんな意味で心臓に悪いからやめて欲しい。

 

「そういうのがダメなんだろ」

 

「そう言う有咲の方が変だよ!」

 

「どういうことだ?」

 

「だってこの前有咲、トネガワ可愛いねー。お水あげるねーって言ってたもん」

 

「マジかよ」

 

「へぇー」

 

 俺と山吹さんは有咲を見ると有咲は顔を真っ赤にして反論する。

 

「いってねぇ!」

 

「言った!」

 

「そういう言い方はしてねえ」

 

 認めるんかいと思っていたのはここだけの話だ。

 

 

 

 ─────

 昼休みが終わり今は家庭科の授業だ。

 俺苦手なんだよな。

 

「香澄それ何作ってんだ?すげぇデカいけど」

 

「ギターのケースのケースだよ」

 

 見たところまだまだ終わりそうにないな。

 人の心配してないで俺も急がないと。

 

「ふぅ、なんとか終わった」

 

「じゃあそこまで」

 

「え」

 

「居残りは戸山さんと花園さんね」

 

 花園さんも香澄と同じものを作っていた。

 2人とも終わらせる気あるのかよ。

 

 

「え、じゃあ香澄来ないのか」

 

「家庭科の居残りがあってね」

 

「あれいつ終わるんだか」

 

「ふーん」

 

 

 

 ──香澄side──

 私は今家庭科の居残りをしている。

 作業が一段落したところでギターケースが目に入る

 

「ふぅ、ちょっとだけならいいよね」

 

 私はケースからランダムスターを取り出し弾き出す。

 

「それ」

 

「ん?うぁー!」

 

 急に花園さんに声をかけられてびっくりした私は椅子から落ちてしまう。

 

「何?虫でもいた?」

 

「えぇ!虫!?」

 

「どこどこ」

 

 

 花園さんが恐る恐る椅子をどかすとそこには私のピックが落ちていた。

 

「ピック」

 

「よかったー」

 

「戸山さん虫苦手?飛ぶのとか」

 

「飛ぶの!?ヤダー!」

 

 そんな話をしていると教室に先生が入ってくる。

 

「戸山さん、花園さん」

 

「「あ」」

 

 すぐに作業に戻って今度はちゃんとギターに触るのをガマンしていると今度は花園さんがギターを取り出していた。

 それを見て私もガマンできずギターを取り出して花園さんのところに行く。

 

「おお!…変態だ」

 

「変態じゃないよ!」

 

「ランダムスター持ってる人はそうだって」

 

「そうなんだ…って変態じゃないよ!」

 

 でもなんで変態って呼ばれたのか分かってよかった。

 

 

 

 ────

 あれから香澄は花園さんと意気投合したらしく、ギターを教えて貰っているらしい。

 

「てか家庭科進んでんのか?」

 

「進んでるよ、少しずつだけど」

 

「さては、終わらせる気ないなー」

 

「そんなことないよー。おたえすごいんだよギターもすっごく上手いし」

 

「SPACEでバイトしてるよね」

 

「「え」」

 

 りみの一言に俺と香澄は驚いてしまう。

 なんで結構行ってて気づかなかったんだろ。

 

 

 

 ──香澄side──

「バレた」

 

「バイト毎日なの?」

 

「本当は毎日行きたいけどオーナーが学業優先だって」

 

「オーナー厳しい?」

 

「厳しいけどすごい、尊敬してる」

 

「そっかー」

 

 おたえほんとにSPACE好きなんだなー

 

「香澄これ」

 

「アンプ?可愛いー!」

 

「香澄も使うかなって」

 

 それからおたえと私は練習した。

 

 

 

 ────

「それでねおたえがアンプ持ってきてくれてね」

 

「そうなのかー」

 

 香澄が楽しそうに話す反面、有咲は明らかに不機嫌だ

 無理もないか一緒に練習するって約束もあったし

 りみも有咲を見て明らかに困っている

 

「あ!おたえー!」

 

「香澄ちゃん!?」

 

 香澄が花園さんを見つけて行ってしまう。それと同時に有咲も立ち上がって行ってしまった

 さすがにそろそろヤバいよな

 

「あれ?有咲帰るの?」

 

「それが?」

 

 有咲はそれだけ言うと帰ってしまった。

 

「りみ、放課後香澄の様子見てくるから有咲こと頼む」

 

「うん」

 

 有咲ももっと素直になればなー

 

 

 

 ────

 放課後、家庭科室に向かうと香澄が家庭科室から飛び出してきた。

 

「香澄!?どこ行くんだよ」

 

「有咲の家、私謝らなきゃ」

 

「そっか、俺もあとから行くよ」

 

 そのまま香澄は走って行ってしまった。

 なんだ、いらない心配だったかな。

 

「あれ?何してるの?」

 

「うお!なんだ花園さんか」

 

「たえでいいよ」

 

「わかったよ、たえ。俺の事も隼人でいいよ」

 

「うん、隼人行くんでしょ?有咲の家」

 

「そうだけど」

 

「うん、なら早く行こ」

 

 そう言うとたえは俺の腕を引っ張って走り出す。

 そしてそのまま有咲の家まで引っ張られていくのだった。

 

 

 

 ──香澄side──

 有咲の家についた私は蔵に向う。

 

「有咲開けて、私何かした?何かしてたなら謝るから!」

 

「契約違反、蔵で練習するって言ったのにこない、昼一緒に食べるって言ったのにどっか行く!」

 

 そう言って有咲はまた蔵の鍵を閉めてしまう。

 そうだよね、悪いのは私だもん。

 しかし、有咲はまた蔵を開けてくれた。

 

「……ペナルティー、明日昼デザート奢―」

 

「有咲ー!!」

 

「うわー!抱きつくなー」

 

 

 

 ────

 

「あ、香澄ちゃん!」

 

「りみりん、遅れてごめん。あれこれは?」

 

 蔵の中には見たことないキーボードが置いてあった。

 もしかして有咲が買ったのかな。

 

「有咲ちゃん、トネガワ売ったんだって」

 

「え!あの葉っぱ売れるの?」

 

「トネガワなめんなよー!」

 

 有咲はキーボードを引いてみせてくれた。

 

「おおーすごいすごい!!」

 

「だろ!音も変わる!」

 

「すごい!!」

 

「ずいぶん楽しそうだな」

 

「「「あ、隼人(君)!」」」

 

「香澄大丈夫そうだな」

 

「うん!」

 

「そっか。そうだ有咲のお婆ちゃんがご飯だってよ」

 

 蔵から出ていく中私は隼人君に近づく。

 

「わざわざ家庭科室まで見に来てくれてありがとね!」

 

「気にすんなって、有咲と仲直り出来てて良かったよ」

 

「うん!」

 

 

 

 ────

「てか、マジで文化祭出るのかよ」

 

「マジだよ有咲!」

 

「香澄もう申請書貰ってたよな」

 

 部屋を覗くとそこにはたえがいた

 普通に飯食ってるし

 

「なんでいんの?」

 

「俺と一緒に来たんだよ。着いたらいなくなってたけど」

 

 たえは有咲の方を向く

 

「……良かったね」

 

「良くねー!」

 

「私も食べる!」

 

「あー!もー!香澄が2人いる!!」

 

「有咲ちゃん落ち着いて!」

 

 そんなカオスの中俺たちはご飯を食べて解散した

 その日の夜香澄からメッセージが送られてきた

 

「おたえをドキドキさせるよー!」

 

「は?」

 

 どうやらまた何か起きるような気がしてならなかった

 




久しぶりの投稿でした。
これからも途切れ途切れになるかもしれませんが、良かったら楽しみにしていてくださると嬉しいです!
ではではー


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10.平凡な少年とドキドキ大作戦?

みなさん新年あけましておめでとうございます!それと投稿遅すぎてごめんなさい。
今年はもっとできるように頑張るつもりですので楽しみにしてくださる方がいると嬉しいです!
それでは本編の方どうぞ!


「どうゆうことだ?」

 

 突然謎発言をした香澄にわけを聞く

 

「実はね─」

 

 香澄の話によればたえと帰っているときにSPACEでライブをしたいと話した所無理と言われたらしい。実際にSPACEで働き見てきたからこその発言なのだろう。

 そしてSPACEでライブをしたければたえを震わせる必要があると。

 

「なるほどな。てかSPACEでライブしたいなんて聞いてないぞ」

 

「そ、それは。あはは…」

 

「まったく、それでどうすんだ?」

 

「もちろんおたえを震わせてみせるよ!」

 

「だろうな、時間も遅いし詳しい話は明日みんなでするか」

 

「うん!おやすみ!」

 

「おう、おやすみ」

 

 香澄とのやり取りを終えた俺は、たえを震わせる方法を考えてみることにした。

 

「やっぱあれしかないか」

 

 ひとつしか思いつかなかったが、きっと大丈夫だろうと思いながら眠りについた。

 

 

 

 ────

 次の日の昼休み俺たちはいつも通り中庭で昼飯を食べている。

 そしてたえのことについて話し合うはずなのだが。

 

「なんでたえがいんだよ」

 

「うーん…重要参考人?」

 

「おたえドキドキ大作戦のね!」

 

 たえの謎の説明に香澄が合わせてくる

 

「ドキドキ大作戦?」

 

「てか、なんでドキドキさせるんだよオーディションに関係ないだろ」

 

「そうだけど…SPACEは甘くないよ?」

 

 有咲の言ってることも分かる。でもたえにもなにか思うとこがあるのだろう。

 

「でもドキドキさせるってどうすればいいの?」

 

「りみりん、そんなの決まってるよ!ライブをするんだよ!」

 

「まぁ、そうなるよな」

 

 こうして香澄たちの初ライブが決まったのだった。

 ちなみに有咲の蔵でやるということでクライブと名付けられるのだった。

 

 

 

 ────

 放課後、日番である俺は先生から頼まれた資料を運んでいた。

 ちなみに香澄たちはライブの打ち合わせをするために蔵に行くそうだ。俺も早く終わらせて向かうとするか。

 

「あれ?佐藤君じゃない」

 

「ん、牛込先輩じゃないですかどうしたんですか?」

 

「偶然見かけたから、日番の仕事かな?」

 

「そうですよ、先輩は?」

 

「私はこれから部活、水泳部のね」

 

「そういえば、先輩バンドやりながら部活もしてましたっけ。凄いっすね」

 

 ぼーっと職員室に向かっていると牛込先輩に声をかけられた。

 しかし水泳部かー、先輩の水着姿……ゲフンゲフン危ないこういうのは蓮の領分だからな、やましいことなんて考えてないよホントだよ。

 

「好きでやってることだから、そうだバンドといえばそっちはどうなの?りみも楽しそうにしてるから気になるなー」

 

「まぁ、楽しいですけど大変ですね。実は今度も─」

 

 俺は折角なので牛込先輩に今度のライブのことについて相談をすることにした。

 特に俺が気にしていることは誰が曲を用意するかなのだがどうだろうか。

 

「なるほどねー、それならりみに聞いてみるといいんじゃないかな」

 

「りみにですか?」

 

「うん、前に2人で曲を作ったことがあってね、その時の曲はりみも音源持ってると思うから」

 

「なるほどー、ありがとうございます!」

 

「ううん、あ!でも、相談にのったし、お願い聞いてもらおうかなー」

 

「お願いですか?俺に出来ることなら」

 

「ホント?それならこれから私のことも名前で呼んでくれると嬉しいな!」

 

「わかりました。ゆり先輩…でいいですか?」

 

「うん、ありがとう!じゃあ私はそろそろ行くね、バンド頑張ってね隼人君!」

 

 そう言ってゆり先輩は行ってしまった。

 なんだかんだゆり先輩にはお世話になってるなと感じながら、俺も職員室に向かうのだった。

 あれ?俺って名前で呼ばれてたっけ?

 

 

 

 ────

 職員室に資料を届け終えた俺は直ぐに蔵に向かった。

 

「よっと、やってるな」

 

「あ!隼人君!」

 

「ライブの打ち合わせどんな感じ?」

 

「まぁ、内容はともかく曲をどうするかって感じだな」

 

 やっぱりそうだったか。

 てか有咲もなんだかんだ言ってちゃんとやってることに少し驚いたな。

 

「曲ならりみ、作ったことあるんだろ?」

 

「え?なんで知ってるの?」

 

「実はさっきゆり先輩にライブのことを相談したんだ。その時に聞いたんだよ」

 

「え!りみりん曲作れるの!」

 

「そ、そんな大した曲じゃないけど…聞いてみる?」

 

 そう言ってりみは携帯を取り出す。

 タイトルは「私の心はチョココロネ」か、さすがにチョココロネ好きすぎではりみさんや。

 

「昔、お姉ちゃんと作った曲なんだけど、あんまり難しくないかなって……」

 

「すごいよ、りみりん!聴かせて!」

 

「私も聴いていいか?」

 

「うん、じゃあこれ」

 

 りみはイヤホンを2人に渡した。

 あれ?これじゃ俺聴けなくね?

 

「「………」」

 

 二人とも曲に聴き入っている。

 俺も早く聴きたいなと思っていると曲を聴き終えたようだ。

 

「かわいい!すっごくかわいいよ!」

 

「うん、まぁ悪くないじゃん」

 

「よかった〜、じゃあ楽器用意してくるね」

 

「りみりんありがとう!よーし、明日から練習がんばろー!」

 

 ということで今日は解散になった。

 ちなみにその後ちゃんと曲を聴かせてもらったのだが、りみらしい、いい曲だなと思った。

 

 

 

 ────

 次の日、早速練習に取り掛かろうとしたのだが……

 

「りみりん、この楽譜どう読むの?コードがあるけどよくわかんなくって」

 

「えっと、TAB譜の方が良かったかな?」

 

「TAB譜?」

 

「押さえる弦とフレットが書いてある楽譜なんだ。例えばこれなら─」

 

 香澄はりみに聞きっぱなしだが大丈夫だろうか?

 てか俺も手伝う身としてちょっとは勉強しないとな、正直音楽の知識なんて皆無だし。

 

「あれじゃ時間かかりそうだな」

 

「有咲は大丈夫なのか?」

 

「まぁ、これくらいならなんとかな」

 

「おお、さすが経験者」

 

「えっとこれは、あれ?」

 

 どうやらりみもお手上げになってきたらしい。

 やはり、ギターとベースじゃ勝手が違うのだろうか。

 

「ホントに大丈夫か香澄」

 

「ごめん有咲ー、まだコードよく覚えてなくて」

 

「だれかギターに詳しい人いればなー」

 

「それだよ!隼人君!」

 

 俺の何気ない一言に香澄が反応する。

 誰かそんな人がいるのかという考えを他所に香澄がその詳しい人をよんだらしい。

 誰が来るんだろうな…

 

 

 

 ────

 少しすると誰かが蔵に入ってきた。

 

「こんにちはー」

 

「おたえ、来てくれてありがと」

 

「ちょっと待った!教えてもらう相手おかしくね?」

 

「たえを納得させるんだったよな?いいのか?」

 

「だっておたえしか頼れないし」

 

「私は別に気にしないよ」

 

 来てくれたのがたえということに驚いたが本人がいいと言ってるしいいのだろう。…いいのか?

 

「有咲アンプ借りるね」

 

「あ、ああ…」

 

 確認をとり、たえがギターをアンプに繋ぐ。たえがギターを弾く所見るのは初めてだから楽しみだな。

 

「……」

 

 めちゃくちゃ上手いやん。正直、香澄のギターばかり聴いてきたからか余計にすごく感じてしまう。

 みんなもそう思ったのか、たえの演奏に聴き入っていた。

 

「こんな感じかな」

 

「スゲーな花園さん!」

 

「うん!おたえちゃん凄い」

 

「ああ、正直びっくりだよ」

 

「やっぱおたえの演奏凄いな〜!私も頑張んなくちゃ」

 

 たえの演奏に刺激を受けたのか、香澄もさらにやる気が出たようだ。

 そうだったらたえに来てもらって良かったのかなと思うと同時に、面白いクライブになりそうだなと思う俺だった。

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!
さてアニメの2期も始まりますがまだまだ小説は1期の内容が続きますよー
次回もよろしくお願いします!


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11.平凡な少年たちとクライブ

皆さんこんにちは!
皆さんはどんなお正月でしたか?
私はこれが投稿されている頃は24時間バンドリTVを見ていると思います笑
皆さんもぜひ見てみてください
それでは本編の方どうぞ!


 あれからの練習にもほぼ毎回たえが参加してくれたこともあり、香澄たちはみるみると上達していった。

 そして何故か、たえを満足させるライブだったはずが、たえも一緒に演奏をするということになっていた。もうわかんねえなこれ。

 さらにりみのお姉ちゃんを呼びたいと言う発言から、香澄の妹さん、有咲のおばあちゃん、山吹さんとついでに蓮も見に来ることになった。

 そして今日、ついにクライブ当日を迎えたのだが。

 

「こんな早く起きるなんて」

 

 俺が演奏するのではないが謎の緊張で早起きした俺はとりあえず散歩しているところだ。

 

「隼人何してるの?」

 

「おぉ!なんだたえか早いな」

 

「私いつも走ってるから」

 

 たえスゲーな、俺だったら毎日この時間に起きるのは無理そうだ。

 

「少し話さない?」

 

 そう言ってたえは近くの公園を指さした。

 暇だしいっか。

 公園のベンチに座るとたえから話し始めた。

 

「私ね、ずっと1人でギター弾いてたの。だからみんなでライブするのが楽しみなんだ」

 

「そうだったのか。だったら今日は頼むぞ!香澄だけじゃギター心配だからな」

 

「ふふ、なにそれ。でも私も最後まで頑張るつもり」

 

 俺の言葉にたえも笑って返してくれた。

 

「そっか、なら安心だな」

 

 そう言って俺はベンチから立ち上がる。

 

「そろそろ帰るか。本番に遅れちゃ意味ないし」

 

「うん。それじゃあまた後でね」

 

 たえはそのまま公園を後にした。

 俺たちは、いや香澄たちはたえを震わせることが出来るのか。いや今更悩むことはないか。

 俺はそんなことを考えながらゆっくり家に戻るのだった。

 

 

 

 ────

 家に戻り準備を済ませた俺は蓮と一緒に蔵に向かっていた。

 

「いやーついに戸山さんたちのライブかー、楽しみだな!」

 

「まぁ、みんな頑張ってたからな。音が出て喜んでた頃とは違うぜ」

 

「そっか、期待してるぜ。しかし、市ヶ谷さん家ってすげーんだな家に蔵があるなんてさ」

 

「俺も初めて見た時はマジで驚いたよ」

 

 そんな会話をしていると有咲の家に着いていた。

 門の前にはちょうど着いた所らしい香澄と女の子がいた。

 

「あ!隼人君と小山君やっほー!」

 

「おっす、戸山さんその子は?」

 

「妹のあっちゃんだよ!」

 

「もうお姉ちゃんそれじゃわかんないでしょ…妹の戸山明日香です。いつも姉がお世話になってます」

 

「よろしくね明日香ちゃん。ぜひ楽しんでいってね」

 

「はい、楽しみにしてます」

 

 明日香ちゃんは礼儀正しいな、正直どっちがお姉ちゃんかわかんないな。

 

 そんなやり取りをしているとぞくぞくと人が集まってきた。

 中でもたえが彼と言っていたのがウサギだったことには驚かされてしまった。

 そしていよいよ観客5人プラス1匹のクライブが始まろうとしていた。

 

 

 

 ────

 一通りの準備を終わらせ香澄が挨拶をする。

 

「こんにちは、戸山香澄です!クライブに来てくれてありがとうございます!」

 

 拍手に迎えられながら香澄はさらに言葉を続ける。

 

「今日は皆さんをドキドキさせます!して下さったら嬉しいです!それでは聞いてください!私の心はチョココロネ!」

 

 その言葉と共に演奏が始まる。

 俺は打ち込みのドラムを流すだけの簡単なお仕事だ。

 

 初めは硬かったみんなの顔が、だんだんと笑顔に変わって来るのを見て俺は安心した。特にりみと有咲は練習から表情硬かったからなー。

 それにたえもすごく楽しそうに演奏していてきっとドキドキしてくれたよな。

 

「やった!最後までできた!」

 

「マジでヤバかった!ほんとヤバかったって!」

 

「でも、楽しかった!」

 

「見てる方はヒヤヒヤしたよ。でもいいライブだったと思うぞ」

 

「ありがとう!隼人君!おたえはどうだった?ドキドキした?」

 

「技術はまだまだだけど気持ちは伝わってきた。バンドと音楽に本気でむきあってるって…だからかな。みんなすごく輝いてた。震えちゃうくらい」

 

「おたえ〜!おたえもキラキラしてたよ!」

 

「香澄…私もみんなともっとキラキラしたい!私もバンドやりたい!」

 

「もちろんだよ、おたえ〜!」

 

 香澄がたえに抱きつくとたえがりみと有咲を巻き込んで倒れ込んでしまった。でも楽しそうだしいっか。

 

「…これってどういう勝負なんですか?」

 

 誰もが思うであろうことを言った明日香ちゃんに山吹さんと蓮が答える。

 

「あはは、私もよくわかんない。けど決着ついたんじゃないかな?」

 

「多分そうなんだろ。なぁ隼人?」

 

「まあ、目的は果たしたかな」

 

 そう、結果的にいえばおたえドキドキ大作戦は大成功だし、バンドには心強い仲間が増えたし文句なしだ。

 

「よーし次は5人で文化祭頑張ろうね!」

 

「…ライブどうするんだ?」

 

 文化祭のことをすっかり忘れていた俺は香澄の発言に反応してしまった。

 

 文化祭まであとわずか─

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!
沙綾が若干出番少ないですが、次回以降は登場しますのでもう少々お待ちください。
それではまた次回もお願いします!


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12. 平凡な少年たちと文化祭 ①

本当にお久しぶりです。
久しぶりに執筆をしたので見ずらい部分とかあるかもしれないですが、是非ゆっくりしていってください!





 文化祭

 それは学生なら誰もが楽しみな行事のひとつだ。

 もちろんそんな楽しそうなものにあいつが興味を持たないわけがなく。

 

「この度、文化祭実行委員になった戸山香澄です!」

 

「大丈夫かな…」

 

「声に出てるぞ隼人…」

 

 いかん、つい心の声が漏れてしまっていたらしい。だって心配じゃん。楽しくはなりそうだけど。

 

「もう!二人とも聞こえてるよー!」

 

 香澄はプンプンと怒っているがそんなことは気にしない俺であった。

 

 

 

 

 

 ────

 昼休み、いつものメンバーでお昼を食べいると話題は文化祭のことになっていた。

 

「はあ?香澄が実行委員!?大丈夫か?」

 

「有咲もそう言うのー?大丈夫だよー!副委員はさーやだし」

 

「なんだ、それなら安心だな」

 

「ええ!さーやと私で反応違う!」

 

「有咲ちゃん、クラスのみんなと同じ反応してる…」

 

 香澄が悲しそうにうなだれる。

 みんなを引っ張る力はあるとは思うんだけどなんか心配になるんだよな。だからこそ山吹さんが副委員としていいブレーキになってくれると思うし、いい人選だよなぁ。

 

「そういえばA組はなにやるんだ?」

 

「うちのクラスは喫茶店だよ。うちのお店のパンを出すことになったんだ。牛込さんの後押しでね」

 

「沙綾ちゃんちのパン美味しいから〜」

 

 りみの言う通り味はお墨付きだしな。てかパンが出るまでとんでもないものばっか候補になってたからな。

 なんだよ激辛ピザって半端ないってたえさんよ。

 

「ね、みんなちょっといい?」

 

「どうしたのおたえちゃん?」

 

「みんなに聞いて欲しい曲があって」

 

 そう言ってたえはギターを引き始める。

 それは短いフレーズだが特別ななにかを感じる曲だった。

 

「どうかな?」

 

「すごいすごい!なんの曲?」

 

「朝、お風呂で思いついたの」

 

「え!たえが作ったのかよ!」

 

 本気で驚いた。まさか曲までつくれるなんてな。

 

「花園さん曲も作れるのか」

 

「そうだ!それ文化祭でやろうよ!」

 

 香澄も何かを感じたのか、そのような提案をしてきた。確かにこの曲が完成したら何か起こるのではと俺も感じてしまっていた。

 

「でも、まだワンフレーズしかないよ?」

 

「私も手伝うから!作詞とか」

 

「絶対香澄語になるじゃん!」

 

 香澄語か、キラキラドキドキでバーンとかか。流石に歌詞にそんなこと入れなないだろ…入れないよな?

 ライブっていえば確か伝えないといけないことがあったような。

 

「バンド名も決めないとね」

 

「りみそれだ!」

 

「え!な、なに?」

 

 りみに食い気味に反応してしまったが、それほど重大なことなのだ。

 

「実は、生徒会長からバンド名これでいいの?って聞かれてさ。なんの事だろって思ったらさ」

 

 俺は1枚の紙をみんなの前に出す。

 それは文化祭有志の申請書のコピーなのだが問題はそのバンド名だ。

 

「えっとなになに…バンド名キラキラドキドキズってなんだこれー!」

 

「そうなるよな。で、これだとバンド名も考えないとだろ?」

 

「えー!何がダメなの?」

 

「ダメに決まってんだろうが何考えてんだよー!」

 

「りみりんとおたえはそんなことないよね!」

 

「あはは…」

 

「これはないかな」

 

「そんなぁー」

 

 香澄はまた悲しそうにうなだれる。

 誰がその名前でOKすると思ったんだよ。しかも知らなかったらそのままだったんだよな。そんなバンド名の奴らの手伝いって嫌すぎるだろ。

 

「やることいっぱいだなー」

 

「……」

 

「あれ?沙綾ちゃんどうしたの?」

 

「ううん、大丈夫。それよりライブ頑張ってね」

 

 そう言って山吹さんはいつものように笑顔を浮かべる。

 そんな山吹さんの笑顔はいつもと違い、どこか寂しそうだと感じた俺だった。

 

 

 

 ────

 次の日、俺は廊下で有咲と山吹さんという珍しい組み合わせを見つけた。二人でノート持って何してるんだ?

 

「なにしてんだ?」

 

「あ、佐藤くん。実はね市ヶ谷さんがバンド名考えてたみたいでね見せてもらってたの」

 

「へ〜有咲がね〜」

 

「いいだろ!キラキラなんとかとか、ドキドキなんとかになったら困るし」

 

 有咲は顔を赤くしながら反抗してくる。まぁ香澄に任せると本当にそうなりかねないからな。でもしっかり考えてくるのはバンドのこと結構考えてるんだなとも思う。

 

「まぁ、まだ微妙なのしかないけど…」

 

「そんなことないって。これなんかいいんじゃない?ポッピンって、可愛いと思うけど」

 

 そう言って山吹さんはノートを指さす。ポッピンか、確かに楽しそうなイメージだな。少なくとも香澄が提出していたものよりは全然いいことだけは確かだ。

 

「確かにいいかもな」

 

「えっ、マジか…!」

 

「うん、ポップコーンみたいで楽しい」

 

「うわぁ!いつの間に!」

 

 たえが突然会話に入ってくる。まじでいつからいたんだ。

 

「あー!みんなで何してたのー?」

 

「香澄ちゃんと買い出し行ってきたよ〜」

 

 続けて香澄とりみも加わる。買い出しってなんのだろうと考えていると山吹さんがちょうど答えてくれた。

 

「放課後うちに集まって、喫茶店で使うエプロンを作るんだ。良かったら2人も来ない?」

 

「そういうことか。でもごめん!俺今日親から買い物頼まれててさ」

 

 こういう時に限って滅多に頼まれない買い物をお願いされるなんてついてないな。

 

「それはしょうがないね。市ヶ谷さんは?」

 

「まぁ、別にいいけど」

 

 そんな風には言っているがちょっと顔赤いぞ有咲よ。

 

「じゃあ市ヶ谷さんは参加だね」

 

 そういうことで放課後は山吹さんの家で文化祭準備が決まった。参加出来ないの残念だけど女子同士の方がやりやすいのかもしれないなと思う俺であった。

 

 

 

 __香澄side__

 放課後、私たちはさーやの家に集まって喫茶店で使うエプロンやパンの試食などをした。やっぱりさーやのうちのパンは美味しい!そうしているうちに夜になったのでみんなは帰るということになった。私はさーやの家で新曲の歌詞作りをするから泊まることになってるんだ!

 

「寝てたら叩き起していいからね、山吹さん」

 

「ええ!有咲ひどい!」

 

「心配なら泊まればいいのに」

 

「泊まりとか、そんないきなり言われても…」

 

 そう言っている有咲の顔は赤くなっていた。照れてるのかな?

 

「どうしたの有咲?」

 

「なんでもねー!私はそんな軽い女じゃないんだよ!じゃあな!」

 

 そう言って有咲はプンプンしながら行ってしまった。お泊まりってそんな変かな?

 

「あ、待って有咲ちゃん」

 

「じゃあ、私達も行くね。曲、完成したら送るから」

 

「うん、バイバイ!りみりん!おたえ!」

 

 3人を見送ったあと。私達はさーやの部屋で歌詞作りを始めた。絶対キラキラドキドキするのを作るぞー!

 

 




最後まで見てくださりありがとうございます!
これからちょこちょこ投稿していくので是非また見に来ていただけると嬉しいです!


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13.平凡な少年たちと文化祭②

読みに来てくれてありがとうございます!
是非ゆっくりしていってください!


 香澄side

 

 キラキラドキドキするものを作るぞ!と気合いを入れたのはいいけど歌詞作りはなかなか上手くいかなった。全然いいものが思いつかなくてうなだれてしまう。

 

「うう、難しいー」

 

「あはは、ちょっと休憩しようか」

 

「うん!ねえ、ベランダから星みてもいい?星を見たらなにか思い浮かぶかも!」

 

 そう言って2人でベランダに出た。そこには空一面に星が広がっていた。私は昔見たあのキラキラドキドキした星空を思い出していた。

 

「どう?いけそう?」

 

「うん、名曲の予感だよ」

 

 特に根拠があるわけではなかったが、私はそう確信していた。それはきっとみんながいて、みんなと演奏すれば絶対に楽しいと感じていたからだ。

 

「…あのね、ずっと考えてたんだけど、さーやも一緒に歌わない?」

 

「え…?」

 

「バンドに入るとかじゃなくてもいいから、さーやと一緒に歌いたい!」

 

 私は自分の思いをさーやに打ち明けた。だって絶対一緒に歌えればキラキラドキドキ出来ると思うし、さーやにも感じて欲しいと思ったからだ。

 

「…そうだね。文化祭はわかんないけど、でも…」

 

「いつか、いつかね」

 

 そう言っているさーやは普段では見たことないような少し寂しいような笑顔を浮かべていた。

 

「そういえば、バンド名はどうなったの?」

 

「それはね…」

 

 

 

 ____

 数日後の昼休み。俺たちは文化祭のために作っていたバンドのチラシ貼りをしていた。文化祭のためだけにしてはかなりの力作だと思う。イラストはりみが頑張ってくれたし、その他もみんなでアイデアを出し合いながら作り上げた。ちなみに言うと俺はこの手のものの才能は皆無なので印刷を担当した。まぁ適材適所ということにしておこう。そんなことをしていると山吹さんがちょうど通りかかった。

 

「さーや!見てみて、私たちのバンドのチラシ作ったんだー!」

 

「すごいね!それにこのバンド名『Poppin'Party』って市ヶ谷さんが考えたんでしょ?」

 

「山吹さんがいいって言ってたから、提案しただけだし」

 

 そうPoppin'Partyというバンド名は有咲が考えた。俺は香澄たちにピッタリの名前だと思うしかなり気に入っている。実際香澄なんか有咲に抱きつきながら喜んでたしな。

 

「それと…メンバーのとこ見て」

 

 チラシのメンバーの所には、香澄、有咲、りみ、たえと山吹さんの名前もあった。俺の名前も入れようとしていたが断っといた。みんなになんでと聞かれたが、俺はあくまで裏方だからということで納得してもらった。

 

「え…私の名前?」

 

「ごめんね、勝手に入れちゃまずいだろって言ったんだけど香澄が入れるって聞かなくて」

 

「だってさーやもメンバーだもん!」

 

「…!」

 

「よし、チラシ貼り頑張らなきゃ!」

 

 そう言って香澄たちは次の場所にチラシを貼りに向かった。俺も後を追うかと行こうとした時だった。チラシを見ている山吹さんに1人の女子生徒が話しかけてきた。

 

「沙綾」

 

「ナツ…」

 

「久しぶり…って言っても学校一緒だけどね」

 

 2人が知り合いだというのは何となくわかったが、それにしては少しよそよそしい感じがした。

 

「そのチラシ、沙綾バンドやるの?」

 

「え?」

 

「よかった。やる気になっ…」

 

「やらない!」

 

「「!」」

 

 山吹さんの言葉にナツと呼ばれている女子生徒と俺は驚いてしまった。山吹さんのこんなはっきりとした拒絶を聞いたのは初めてだったからだ。

 

「友達が勝手に書いちゃって…ごめん」

 

 そう言って山吹さんはすごい申し訳なさそうに行ってしまった。

 残っていた俺はどうしようと考えているとナツさんから話しかけてきた。

 

「変なとこ見せちゃってごめんね。私、B組の海野夏希。よろしくね」

 

「全然大丈夫だよ。あ、俺はA組の佐藤隼人っていいます」

 

 軽く自己紹介をした所で休み時間が終わるチャイムが鳴った。俺たちはヤバいとなってそのまま急いで互いの教室に帰った。それにしてもあの時の山吹さんはなんだったんだろう。それが気になってその後の授業に集中できなくて先生に怒られたのはまた別の話。

 

 

 

 ____

 その日の放課後、どうしても気になっていた俺はやまぶきベーカリーに行ってみることにした。ちなみに香澄たちは江戸川楽器店に新しいギターの弦を見に行くらしい。一緒に行こうと誘われたので、みんなでやまぶきベーカリーに行くことも考えたがあまり知られたくないことかもしれないので1人で行くことにした。

 

「いらっしゃいませ!あれ、佐藤くん1人?珍しいね」

 

「こんにちは、なんか食べたくなっちゃって」

 

 中に入るといつも通り山吹さんさんがレジをしていた。すぐにお昼のことを聞くのも悪いなと思いとりあえずパンを2個ほど選びレジに持っていった。

 

「これでおねがい」

 

「うん。…ねぇ、もしかしてだけど買いに来たのって今日のお昼のこと聞きに来たとか?」

 

「…山吹さんってエスパーかなにか?」

 

「学校でも様子変だったし、今もなんかこっちを凄い気にしてたからなんとなくね」

 

 普通にバレてた。俺ってそんなに行動とかに出やすかったんだな。そういえば蓮にもよくお前は顔に出やすいって言われてたなぁ。

 

「ごめん、どうしても気になっちゃって。話したくなかったら全然いいんだけど」

 

「そういう訳じゃないんだけど…どうして気になるの?」

 

「お昼のこともそうだけど、普段からバンドの話になるとなんか寂しそうな感じになってる事があるなって思って」

 

「そうだったんだ…私も結構顔に出やすいのかな」

 

 そう言って山吹さんは苦笑いする。結構自分じゃ分かりずらいんだろうな。

 

「それで嫌な思いとかしてたら悪いし、それで山吹さんがみんなと変な感じになって欲しくないしさ」

 

 お節介かもだけど、せっかく仲良くなったのにそれでギクシャクして欲しくないしな。

 

「佐藤君って優しいんだね」

 

「そうかな?ただ、友達同士仲良くしてほしいだけだよ」

 

 そう考えるようになったのは香澄たちと出会ったからかもしれないな。恥ずかしくて言えないけど。

 

「そんな優しい佐藤君には、特別に話してあげる。大した話じゃないけどね」

 

 山吹さんはそう言って微笑む。何だか山吹さんに信用して貰えた気がして少し嬉しかった。

 

「ありがとう!でも、店だと迷惑になっちゃうよね?」

 

「だったら近くにある公園にしよっか。私は、親にお店代わってもらったら行くから先に行っててもらっていい?」

 

「了解、じゃあまた後で」

 

 そう言って俺はパンの代金を払ってお店を出た。山吹さんの過去か…本人は大した事ではないと言っていたがどうなんだろう。バンドが関わっていることだけは何となく分かるが、そんな彼女が香澄たちを見てどう思ってるんだろうか。そんなことが気になってしまう俺であった。

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございました!
良かったら感想や意見などをいただけると嬉しいです!
ではまた!


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14.山吹少女の過去

今回も見に来てくれてありがとうございます。
お知らせなのですが、今までの話を見返して見やすいように調整をしました。
ぜひ過去の話も読んでいただけると嬉しいです。
それではゆっくりしていってください!



 公園に着き、ベンチに座っているとすぐに山吹さんがやって来た。

 

「おまたせ、場所変えてもらっちゃってごめんね」

 

「全然大丈夫だよ、頼んだのはこっちなんだし」

 

 山吹さんはありがとうと言ってベンチに座る。普段だったら女の子と2人でベンチに座って話すなんて緊張してしまうのかもしれないな。そんな風に考えていると山吹さんは早速話し始めた。

 

「私ね、中学の頃、ナツ…昼間の子ね、その子たちとバンドやってたんだ」

 

 まさか、実際やってたなんてな。そんなこと聞いたら香澄が黙ってなさそうだな。でも話していないことを考えると、ただのいい思い出という訳では無いのだろう。

 

「そうだったんだ、じゃあ、そのバンド内で何かいざこざがあったとか?」

 

「そんなことないよ!みんなすごく仲良かったし、私もすごく楽しかった」

 

 そう話す山吹さんの様子からすごく充実していたということが伝わってくる。では何故、山吹さんはバンドを続けていないのだろうか?

 

「みんなでたくさん練習もして、初ライブも商店街のイベントの中でやることが決まってたの、…まぁ私は参加出来なかったんだけどね」

 

「参加出来なかったって、何かあったの?」

 

「私の母さん体が弱くてね、それでも当日家族みんなで見に行くって言ってくれてたんだ。でもライブの直前に倒れちゃって、それでみんなが早く行ってあげてって」

 

 親が倒れてしまってたと言われたら、誰だってそうするはずだ。でも、山吹さんからすれば自分のせいでライブがめちゃくちゃになってしまったと思ってしまう気持ちもわかる。

 

「じゃあそれがきっかけでバンドを?」

 

「それもあるけど、それよりも耐えられなかったのは、みんなに迷惑かけちゃってたことかな」

 

「迷惑?」

 

「そう、母さんが倒れてからは家のこととかで、なかなかバンドの練習に参加できなくってね。そんな私のために練習時間を遅くしたりとか、私のためにできることをって色々なことをしてくれた…でもそれが私にとって辛かったんだ」

 

「みんなが私のためにって色々なことをしようとしてくれる。そんな中で、私だけがのうのうとやりたいことをするなんてこと出来ない」

 

「それに、母さんも私が言わないとなんでも1人でやろうとしちゃうから怖いんだ、また、倒れたらって」

 

「だから、私はバンドを抜けたの。私がいない方がみんなもバンドに集中できるから」

 

 これを聞いて俺はなんて言うべきか分からなかった。そんなことない、自分の事も考えてと言うことは簡単だ。でも、そんな言葉はむしろ山吹さんの意志を踏みにじってしまうような気がしたからだ。

 嫌だからやめたのでは無い、やめることがみんなにとってもいいからなんて辛すぎるだろ。

 

「これが私の話はおわり。大したことじゃないでしょ?」

 

「そんなことない、すごく大切な話だったと思う」

 

「そうかな…でも、そう思ってくれてありがとう」

 

「こっちこそ、話してくれてありがとう」

 

 この会話を最後に山吹さんはお店の手伝いがあるからとお店に戻っていった。

 俺がしばらくベンチでどうしたもんかなと考え込んでいると、香澄からメッセージが届いた。どうやら俺が山吹さんから話を聞いていたのと同じく、たまたま江戸川楽器店で会った海野さんやグリグリの二十騎先輩から山吹さんがバンドをやっていたということを聞いたらしい。しかも山吹さんはバンドのみんなに何も話してくれなかったと。それで明日の放課後に実際にみんなで聞きに行こうと思うとのことだ。

 俺は山吹さんから聞いた事を話そうとも考えたが本人から聞いて話し合う方がいいと考えた俺は、ちゃんと話し合えるといいなとだけ返信した。この話を聞いたら香澄はどうするのだろう、そんなことを考えながら俺は家へと帰るのであった。

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!
気に入って頂けたら、感想などいただけると嬉しいです!
では、また!


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15.ぶつかり合う思い

 

 次の日。文化祭前日ということもありクラスでは最後の準備を行っていた。

 もちろん実行委員の香澄と山吹さんが主になってやっていくのだがちょっと香澄がよそよそしい感じになっていた。まぁ昨日のことがあるしなと思いながらも無事、準備は終わった。

 そんなこんなで放課後になり、俺は今やまぶきベーカリーの近くにいる。何となく心配で来てしまった。別に隠れるつもりは無いが、コソコソしすぎて動き的にかなり怪しい気がする。通報とかされないよな?

 

「2人とも中に入っちゃったね」

 

「そうだな…ってうぁ!」

 

 びっくりして振り返ると、たえと有咲とりみがいた。

 

「なにやってんだよお前、すげー怪しかったぞ」

 

「いや、昨日香澄からメッセージがきて、気になってな。お前らは?」

 

「元々、みんなで行こうって言ってたんだけど香澄のやつ先行っちまったんだよ」

 

「香澄ちゃんと沙綾ちゃん大丈夫かな…」

 

 りみが少し不安そうな顔をする。俺も不安ではないといえば嘘になってしまう。山吹さんから話を聞いたからこそ、香澄とぶつかってしまうのではないかと。

 

「とりあえず私達も中入らない?」

 

「そうだな、隼人も来るだろ?」

 

「ああ、気になるしな」

 

 そうして俺たちはやまぶきベーカリーの中に向かった。

 中に入ると、山吹さんのお父さんが家の中に通してくれた。みんなは文化祭準備で来たことあるみたいだが俺は家の方に入るのは初めてなのでちょっと緊張してしまう。

 リビングには山吹さんの兄弟の純くんと紗南ちゃんがいた。2人とはみんなで来た時に結構絡まれるので割と仲がよかったりする。

 俺たちは2人と遊びながらとりあえず話が終わるまで待つことにした。 何事もなく終わってくれるといいんだけどな。

 

 

 _香澄side_

 

 私は今、さーやの部屋でバンドをやっていたことについて話を聞いていた。

 なんでやめちゃったのかを聞いた私はそれでも一緒にバンドがしたいこと、家の事も手伝うし、時間が合わないなら昼休みに練習しようと言った。それでもさーやは出来ないと、私がいても迷惑になるだけだからと断られてしまった。

 

「なんでダメなの?もしかして、バンドのこと嫌いになっちゃったの?」

 

「そんなわけないじゃん!!」

 

 その言葉に私は驚いてしまう。そこからさーやの思いの全てが私にぶつけられた。

 

「香澄にはわかんないよ!私、みんなに迷惑かけてまで出来ない!」

 

「ナツ達も香澄と同じこと言ってくれた!私の事心配して、私が大変なら手伝うって!練習時間も変えるって!」

 

「みんな、自分のことより私のことばっか!それで楽しいの?私だけが楽しんでいいの?いいわけないじゃん!」

 

「私の代わりに誰かが損して…だからやめたのに…今更出来るわけないよ…」

 

 いつの間にかさーやは涙を流していた。さーやの気持ちもわかるよ。でも、なんでそんな大事なこと1人で決めちゃうの?私もそれが悲しくて涙が流れてしまう。

 

「できるよ…」

 

「できない!」

 

「できる!なんでもひとりで決めちゃうのずるい!ずるいずるい!」

 

「一緒に考えさせてよ…」

 

「…」

 

 全てを吐き出した私たちは、涙を流しながら何も話すことが出来なかった。

 少しすると、さーなんが泣きながら部屋に来た。喧嘩はダメと。私はすぐに涙を拭ってなんでもないよと頭を撫でてあげた。少し冷静になった私たちはリビングへと向かった。

 

 

 

 __

 

 沙南ちゃんが2人を心配して部屋に向かってからすぐに2人と一緒に戻ってきた。2人とも涙を流したのか目が赤くなっていた。

 

「おつかれ」

 

「えっ、なんでみんないるの?」

 

「香澄が行こうって言ってたのに先に行っちゃったんだろ。つーか、下まで声聞こえてたぞ」

 

「純くん、びっくりしてお店に逃げちゃった…」

 

 有咲とりみに言われて香澄も申し訳なさそうになる。まさかそこまで聞こえていたとは思ってなかったんだろう。

 

「…じゃあ、そろそろ帰るか」

 

「えっ、で、でも…」

 

「こんな状態じゃ、話なんてできないでしょ」

 

 りみが少し驚いているが、2人のことを見てそう判断したんだろう。こういう時に冷静に物事を見れるのは有咲のいい所なんだよな。

 

「まあ、私はどうでもいいけど…新しいメンバーが入るなら、知らない人より山吹さんの方が楽かな」

 

「私も!沙綾ちゃんと出来たら、すっごく嬉しい!」

 

「…スマホに曲のデータ送った。聞いてみて」

 

「無理だよ…」

 

「待ってる。待ってるから!」

 

 有咲、りみ、たえ、香澄。それぞれが山吹さんに言葉をかけて家を後にした。

 俺も家を出ようとした所で山吹さんに声をかけられる。

 

「私ってずるいのかな…」

 

「どうだろう。ただ、みんなの思いとか自分自身のことよく考えてみて欲しいかな」

 

「もし、それでバンドやりたいってなったら俺も全力でサポートするからさ。てかそれが役目みたいなとこだし」

 

 俺はそれだけ答えて家を後にした。その後、蔵に向かった俺たちは明日の流れなどを確認した。その間、香澄は涙を流しながら必死にあるものを書いていた。これが必要になってくれるといいんだけどな。

最後の確認なども終わって俺は蔵を後にした。香澄たちは有咲の家に止まるらしい。泊まっていけばいいのにと香澄に言われたが流石に俺がもたない。てかドキドキしすぎて寝れん。

 みんながそれぞれの思いを持ちながら、いよいよ文化祭を迎えるのであった。

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございました!
感想、指摘等いただけると嬉しいです。
ではまた!


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16.平凡な少年たちと文化祭③

今回も見に来て頂きありがとうございます!
今回はアニメ8話の前半部分になります。
それではどうぞ!


 

 文化祭当日。俺は今、全速力で自転車を漕いでいる。普段徒歩の俺が何故かって?今、絶賛遅刻しそうだからだ。昨日は小学生の遠足前並に寝付けなかったせいでガッツリやってしまった。こんなことだったら泊まっていった方が良かったかもしれない。

 

「急げ、俺ー!」

 

 そんなふうに叫びながら、俺は自転車を漕ぎ続けるのであった。

 

 

 __

 

 ギリギリ間に合った俺は息を切らしながら教室に駆け込む。教室では喫茶店はの準備が着々と進んでいた。俺が入ってきたのに気づいた蓮が話しかけてくる。

 

「文化祭当日に随分余裕だな隼人」

 

「悪かったって、…あれ?山吹さんは?」

 

 クラスを見渡すと山吹さんの姿がないことに気づく。どうしたんだろう?

 

「ああ、それがさっきちょうどパンが届いて、その時聞いたんだけどさ」

 

「今朝、山吹さんのお母さんが体調崩したらしくてな。病気とかじゃないらしんだけど、山吹さんは病院に行くお母さんの付き添いで今日は来れないらしい」

 

「そうだったのか…その事みんなは?」

 

「知ってるよ、特に戸山さんがそれ聞いて張り切っててな、今もめっちゃ頑張ってるぞ」

 

 一番悲しいのはもしかしたら、香澄かもしれないのにすごいな。きっと山吹さんの分までって張り切ってるんだろう。それはクラスのみんなも一緒のはずだ。だったら俺も頑張らない訳には行かないよな。

 

「よし、それなら頑張らないとな!」

 

「だな、隼人は遅刻しそうだった分までよろしくな」

 

「…ほんとごめんて」

 

 それだけ言って俺も準備に入った。こうして高校初めての文化祭は波乱の幕開けになるのであった。

 

 

 __

 

 うちのクラスの喫茶店は比較的好調でかなりのお客さんが足を運んでくれていた。やまぶきベーカリーのパンとラテアートが特に好評だ。それで俺は今りみとたえとラテアートの方を担当しているのだが。

 

「全然上手くいかん」

 

「隼人それ怪物?」

 

「…パンダです」

 

 なんで俺はこの役を選んでしまったんだろう。完全に足でまといになってしまっている気がしてすごい申し訳ない。

 

「あはは、ラテアート難しいよね」

 

「そういうりみは、上手いじゃん」

 

「うん、すごくかわいい」

 

 りみの作ったものは少し崩れてしまっているが動物と分かるものだった。これが向き不向きなんだろうなー

 

「わぁ〜、写真撮らないで〜」

 

「文化祭の思い出は残さないと。せっかくお父さんからカメラ借りてきたし」

 

 そう言ってたえは次の被写体を探す。どうやら香澄に目がとまったらしい。しかし、レンズに映る香澄は少し元気がなさそうな感じだ。

 

「…」

 

「沙綾のこと?」

 

「ちょっと気になっちゃって」

 

「朝、家行ってきたんだろ?」

 

「その時にも会えなかったから…」

 

 そう言って香澄は更に元気がなくなってしまう。山吹さんのこと特に気にしているのは香澄だろうしな。

 

「沙綾ちゃんなら、きっと大丈夫だよ」

 

「そうそう、それに香澄がそんなんじゃ、山吹さんも心配しちゃうだろ」

 

 俺とりみがそんなふうに言うと、香澄も元気を取り戻したようだ。そして何かを思いついたかのようにスマホを取りだした。何するつもりなんだろう?

 少し悩んでいたようだが、すぐに誰かに電話をかけるのだった。

 

 

 

 _沙綾side_

 

 母さんがまた倒れそうになってしまった。

 私はすぐに病院で診てもらうように言って、一緒に病院へと来ている。純も沙南も心配そうにしている。診察の結果、特に問題はないとの事で私も一安心した。念の為検査をするということで私は今それが終わるのを待っていた。

 そこでふとスマホを見ると、2件の不在着信とメッセージがあることに気づく。それはどちらも香澄からのものだった。なんだろうと思い私はそのメッセージを再生した。

 

「沙綾?香澄です。お母さん大丈夫?じゅんじゅんとさーなん泣いてない?沙綾…大丈夫?」

 

「喫茶店はね、大成功!パンお持ち帰りする人も沢山だよ!」

 

 良かった、喫茶店の方は成功しているみたいで。でも香澄たちには迷惑かけちゃったな。そんなふうに思っていると、通話口から他のクラスメイトの声が聞こえてきた。どんどんと声は増えていき大きくなって行ったので急いで外に出ると、ちょうどそのタイミングで1つ目のメッセージが終わってしまった。

 そして2つ目のメッセージが流れ始めた。

 

「もしもし、こっちは楽しい!すごく、すごく…すっごく!」

 

「だから、ライブも頑張るね!さーやに届くくらい頑張るから!」

 

 そう言ってくれた香澄に私は、感情が込み上げてきてしまった。あんなに突き放してしまったのにそれでも私に届くくらい頑張るだなんて。

 

「それから歌詞、さーやの家に届けたよ。さーやとみんなで作った曲!良かったら読んでね」

 

 そこで2件目のメッセージが終わった。私は、朝から読むことが出来ていなかったその手紙を取り出す。そこには確かに曲名と歌詞が書かれていた。

「STAR BEAT!〜ホシノコドウ〜」素敵なタイトルだと思う。

 

「……」

 

 歌詞に込められた思いや、香澄たちの思い。所々涙で滲んでしまっている文字などがわかってしまったからだろうか。歌詞を最後まで読んだ私は込み上げていた感情が爆発してしまった。

 

「香澄…私も、私だってバンドしたいよ…」

 

 私は今まで我慢してきた思いを抑えることが出来なかった。その時、後ろから優しい声が聞こえてきた。

 

「沙綾」

 

 その声に振り返ると、母さんと純、沙南がいた。

 

「行って」

 

 母さんのその言葉に私は首を横に振る。そんな私に母さんはさらに話を続ける。

 

「沙綾は優しいね。お母さんにもみんなにもすごく優しい。その優しさをもっと自分にも向けてあげて」

 

 そう言って母さんは私の頭を優しく撫でくれる。それでも私の意思は変わらない。

 

「できないよ…」

 

「沙綾ならできる。だってひとりじゃないでしょ?」

 

 ひとりじゃない。確かにそうかもしれない、それでも…

 そんな時純と沙南が私の手を握ってくる。その手はすごく暖かくて、確かに私がひとりではないということがはっきりとわかった気がした。

 

「私ってダメだね」

 

 何もわかってなかったんだと今ようやく気づくことができた。

 

「いってらっしゃい」

 

 3人が私を送り出してくれる。私も気持ちは固まっていた。

 

「いってきます」

 

 私は走り出した。こんなに自分に素直になったのはいつ以来だろうか。

 病院を出た所で私は、ある人に呼び止められた。

 

「山吹さん!」

 

 そこには自転車にまたがって息を上げている佐藤君がいるのだった。

 

 




今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!
感想やお気に入りなどしていただけると嬉しいです。
それではまた!



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17.Poppin'Party

見に来ていただきありがとうございます!
今回がアニメ8話後半部分になります。
それではどうぞ!



 病院で山吹さんと会う少し前。

 いよいよ文化祭ライブの時間が迫ってきた俺は、香澄達と体育館袖にいる。

 

「いよいよだね!」

 

「うぅ、めっちゃ緊張する〜」

 

 ウキウキの香澄に対してガチガチのりみだが、普通がその反応だと思う。

 

「りみ、そういう時は人食べるんだよ」

 

「たえ、それ人っていう字を食べるんだよ」

 

 緊張してるりみになんてこと吹き込んでるんだ。でもそれで緊張ほぐれたみたいだしそれでいいんかな。てか、有咲が全然話に入ってこないけどどうしたんだ?

 

「あんなに人が沢山…やばいって」

 

「有咲、緊張してるの?」

 

「当たり前だろ!」

 

 香澄の疑問に、結構食い気味に答える有咲。ほんとにやばいんだろうな。よし、ここは俺がフォローするか。

 

「大丈夫だって、この日のためにたくさん練習してきただろ?」

 

「そうだけどさ…」

 

「それに有咲がしっかりしてないとバントが成り立たないだろ」

 

「香澄とたえが突っ走って、りみがみんなの間を上手く取り持つ。それで有咲がなんやかんやまとめる。それがお前たちなんだからさ」

 

 もし、そこに山吹さんが入ったらどうなっていたんだろう。そんな風にも考えてしまっていた。

 あれ?てかなんでみんな何も反応してくれないんだ?

 

「隼人、結構私たちのことしっかり見てるんだな」

 

「一応手伝いしてるしな。そんな大したことじゃないって」

 

「でもでも、それだけ私たちのこと気にしてくれてるんでしょ!私はすっごく嬉しいな!」

 

 改めて言われると少し照れてしまう。俺はそんな恥ずかしさを紛らわすために話を続ける。

 

「とにかくそういうことだから。しっかりな有咲」

 

「わかった。やれるだけやってみるよ」

 

 何とか有咲も落ち着いてきたみたいだ。これで普段通りに出来ると思う。

 

「よーし!私もさーやに届くくらい頑張るぞー!」

 

 香澄の言葉に他の3人もしっかりと頷く。そんな3人を見て俺も決心がついた。

 

「じゃあ、俺も客席に行くな」

 

「うん!ちゃんと見ててね!」

 

 そうして俺は体育館を後にした。向かうのは客席ではなく病院だ。今から俺がするのは無意味なことかもしれないし迷惑かもしれない。それでも俺は5人での演奏を見たいと思ってしまったから。

 

「じゃあ、行きますか!」

 

 俺は病院へ向かって自転車を漕ぎはじめた。

 

 

 

 __

 

 病院に着いて少したった頃、やっぱり来ないよなと思っていると山吹さんが走って飛び出してきた。

 

「山吹さん!」

 

「佐藤君!?どうして?」

 

「とりあえず後ろ乗って!」

 

 俺は自転車の後ろに乗るように言う。2人乗りなんてしたことないけどどうにかなるだろう。戸惑っている山吹さんを後ろに乗せて俺は自転車を漕ぎはじめた。

 

「どうしてここに?」

 

「もしかしたら、ライブに来てくれるかもしれないと思ったからかな」

 

 俺は息を上げながら答える。漕ぎながら話すのすげーきついな。

 

「絶対じゃないのに?」

 

 山吹さんからもっともなことを言われる。

 

「それでも来てくれたでしょ?」

 

 実際は来てくれるかは結構微妙だとは思っていた。もし来なくてもその時はその時だ。動かなきゃ始まらないってのは香澄を見て学んだからな。

 

「それに言ったでしょ。全力でサポートするって」

 

 そう言ったからには絶対に間に合わせたい。それが今、俺にできることだから。

 

「ありがとう佐藤君。…ほんとに私はひとりじゃないんだね」

 

「何か言った?」

 

「なんでもないよ。それじゃあ学校までよろしくね!」

 

「了解!ちゃんとつかまっててね!」

 

 山吹さんからそう言われたことがすごく嬉しかった。誰かに素直に頼ってくれるようになった気がしたからだ。俺はありったけの力を振り絞って学校まで向かうのだった。

 

 

 

 __

 

 何とか学校にたどり着いた俺はヘロヘロになりながらも体育館に向かっていた。自転車を止めるために山吹さんには先に行ってもらっている。こんなことなら普段から自転車登校しとけばよかった。

 

「はぁ、はぁ、山吹さんは?」

 

 辺りを見渡すと、山吹さんは体育館前で海野さん達と話していた。そういえば海野さんたちのバンドも文化祭ライブに出ていたな。

 細かい話の内容までは分からなかったが最後にドラムのスティックを渡して山吹さんを送り出していた。伝えたいことはお互いに伝えられたのだろうと俺は感じていた。そして俺が山吹さんの後を追って通り過ぎる際にある言葉をかけられた。

 

「沙綾のことよろしくね!」

 

 俺はそれにしっかりと頷き、その場を後にした。

 

 

 

 __

 

 山吹さんは体育館の扉の前で立ち止まっていた。

 

「不安?」

 

「少しね。みんながどう思うのか心配で」

 

 確かにいきなり来てどう反応されるのか怖いと思うのは当然だと思う。でも今回に限ればそんなことはないと断言出来る。それだけみんなの山吹さんへの思いは強いのだから。だからこそ俺はこの言葉をかける。

 

「大丈夫だよ、みんな山吹さんを待ってる。だから思いっきりライブを楽しんできて!」

 

 今の山吹さんにはそれが出来るはずだから。

 

「うん!楽しんでくるね!」

 

 そうして山吹さん体育館の扉を開ける。香澄達はいきなり現れた山吹さんに驚いていたが、すぐに香澄が山吹さんに手を差し伸べ山吹さんをステージへと上げた。

 山吹さんが準備をしている間に観客席に移動した俺はある人達に声をかけられた。

 

「お疲れ様」

 

 その声に反応するとそこにはゆりさんを始めとしたグリグリの皆さんがいた。

 

「俺はここまで送っただけですよ」

 

 実際にその通りだしな。でもギリギリ間に合ったみたいで本当に良かった。

 

「そうなの?それだったら、白馬の王子様だ」

 

「やめてくださいよ。そんな大層なもんじゃないです」

 

 てか俺が白馬の王子様じゃ山吹さんに失礼だし。あれなんか自分で言っててなんか悲しいな。

 そんなふうにからかってきたゆりさんだが、でもと話を続けた。

 

「2人が入ってくる前のMCで香澄ちゃん言ってたよ。次の曲はみんなで作った曲で、今は居ないけどいつか一緒に歌えるって信じてるって」

 

「だから、隼人君は香澄ちゃん達の思いを叶えたんじゃないかな」

 

 そう言われて俺がしたことにも少しは意味があったように思えた。

 

「それだったら、良かったです」

 

 そんなやり取りをしていると準備が終わったようでそれぞれが位置につく。

 

「お待たせしました!それでは聞いてください…「STAR BEAT〜ホシノコドウ〜」」

 

 こうして5人の初ライブが始まった。

 

 

 

 __

 

 演奏が終わり、各々がやりきった顔をしていた。初めの方は山吹さんがスティックを落としかけたり演奏に精一杯感じだったが、サビに入る頃にはみんなが今までで一番楽しそうな顔で演奏をしていた。俺はそれが見れただけで充分すぎるくらいだった。

 

「香澄メンバー紹介!」

 

「あ!そうだった」

 

 有咲に言われて香澄はメンバー紹介を始める。

 

「青いギターのおたえ!」

 

 たえは軽くギターを鳴らす。

 

「ベースりみりん!」

 

 りみは軽くお辞儀をする。

 

「あっちが有咲!」

 

「キーボードつけろ!」

 

 有咲がツッコム。

 

「そして、ドラムさーや」

 

 山吹さんもお辞儀をする。その目には涙を浮かべていた。

 

「ランダムスターの戸山香澄です!」

 

 香澄ははじけるような笑顔を見せる。

 

「私たち5人で」

 

「「「「「Poppin'Partyです!」」」」」

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございます!
次回はもし文化祭が2日間だったらという感じでオリジナルな感じになると思います。
お気に入り、感想などもいただけると嬉しいです。
それではまた次回!


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