魔法少女みかん☆マギカ (たけぎつね)
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魔女増加

ハーメルンでは初投稿。
他サイトでも投稿してるんで更新遅れます。
ご了承下さい。


私はみかん。中学2年生。

「おはよう、みかん!」

「あ、おはよー、きるとちゃん」

「うわ、そのくまどうしたの?」

「最近魔女が多くて、宿題がなかなかねー」

「わかるー!突然増えたよね……」

 

この町は、そこまで大きくない。

 

都市と田舎の中間くらいの発展レベル。

 

そんなこの町には、最近魔女が多く出現している。

 

理由は分からないけど……。

 

「おはよう、みかん、きると」

 

「う、うわぁっ!?きゅ、きゅうべえ?」

 

「突然すぎっしょ」

 

「ちょっと伝えたい事があってね。最近の魔女の動きの話なんだ」

 

「?多い、ってこと?」

 

「まぁ、そんなところさ」

 

きゅうべえはひょっこりと現れて、きるとちゃんの肩に乗る。

 

勿論、他の人──魔法少女じゃない人には見えてない。

 

怪しまれると嫌なので、ここからはテレパシーで話すことにする。

 

『それがどうかしたの?』

私は聞く。

 

『実はね、一番魔女が増えたのはこの町なんだけど、他の地域も魔女が増えてきているんだ』

 

『この町だけじゃなかったの!?』

どういうことなんだろう。

 

『ま、でも君達は魔女の正体を知っているだろう?』

 

『じゃあ、つまり、元凶がいるってことなん?』

きるとちゃんが言う。

 

『そういうことになるね』

 

あっさり肯定するんだ、きゅうべえ。

 

元凶、となるとやっぱりそれは人だよね?

 

人ってことは、魔法少女なのかな……?

 

『きゅうべえ、何か知ってるわよね?早く教えてくれないかしら?』

 

『何か、とは具体的にどういうことなんだい?』

 

『元凶のことよ』

 

わわ、なんか話に付いていけないんだけど……。

 

『僕がもし、元凶のことを知っていたとしても、プライバシー保護のために他言はしないから、無駄だよ』

 

『じゃぁ、何のために来たのよ』

きゅうべえを問いつめるきるとちゃん。

目を細めて、睨み付けている。

 

『それはね、君達に手伝って欲しいからさ』

 

『『は?』』

きるとちゃんと私が同時に言う。

 

え、ちょ、どゆこと?

 

『え、それって、魔女化を手伝えってことなの?』

 

『そうだよ』

 

『どうする、きるとちゃん』

『どうしよ、みかん』

 

二人で顔を見合わせる。

 

『皆にお願いしてるんだ。ま、事実を知っている子だけだけどね。また明日聞きにくるよ。いい報告を待ってる』

そう言い残して、きゅうべえは去っていった。

 

まぁ、考える人のほうが珍しいかな。

普通は速攻断るのに、私達は断りはしなかった。

 

グリーフシードが稼げるから、というのも理由の一つ。最近倒した魔女は百発百中でグリーフシードを落としていく。

 

お陰で大助かりなんだ。

 

他人なんてどうでもいいもの。

 

私達は私達だけで充分だもの。

 

──さぁ、授業が始まる。



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魔女増加 その2

魔法少女は魔女と戦う。
学生はテストと戦う。。。
───魔法少女っていつ勉強してるの?

夜の魔女退治→親に不審がられる
昼の魔女退治(平日 )→学校あるしなぁ



「えー、皆さん。ニュースでも見たと思いますが、先日、学校を休んだ日から行方不明になっているすみれさんはまだ見つかっていません。何か知っている事があれば教えてください。───終わります」

 

「起立ー礼ーありがとうございましたー」

 

「すみれちゃん、どこ行っちゃったんだろう……」

 

私は、きるとちゃんの席に行って言った。

 

「やっぱり魔女かなぁ」

 

「さぁー。魔法少女ってのもあり得るんじゃないかしら」

 

「まぁでも、普通に事件に巻き込まれたのが一番可能性は高いと思うけれどね」

 

「きるとちゃん、巻き込まれた時点で普通じゃないんじゃ……」

 

「私達の知ったこっちゃないわ」

 

「確かにそーだね。──あ、先生来た」

 

そして私は席に着く。

一時間目は数学だっけか。

 

「やだなぁ、数学」

 

そう呟き、教科書を開く。

 

礼をした後、ノートをとってはいたものの、授業内容は全然入ってこなかった。

 

魔女が活性化・増加している。

 

この町はどうなってしまったのか。

原因をさっと挙げてみる。

 

・魔女を増やして欲しいと誰かが願った

→頭おかしい人か、魔法少女の仕組みを知っている者

 

・魔法少女が増えた

→この町に素質を持った人が多い

 

・多くの人に影響を及ぼす事件があり、絶望した

→人数に限りがあるし、そこまでの大事件ならテレビでもやっているはず

 

どれも当てはまりそうにない。

 

上二つならまだあり得なくもない…………かな(?)

 

恨みでも持ってる人ならやりそうだしなぁ、魔女化。

 

魔法少女が増えた、っていうのは方法があるのか?

単に素質を持った人が多いだけ、という可能性は低いはずだ。

 

なぜ、なぜ、なぜ…………。

 

きゅうべえは、知っていても言わない。

 

原因を知ったところでどうこうできる訳でもないのだけれど。

 

むしろ、魔女が増えて好都合だし。

グリーフシードの確率も百発百中になって、貯金ならず貯グリーフシードが出来るくらい。

 

私ときるとちゃんの強さだったら一日に二三体は倒せる。

今までは魔女自体が少なくて何日かに一回程度。

かなりギリギリだった。

 

それがこんなに増えたんだから少しは感謝しないと。

 

なんて考えているうちに授業は終了。

 

そしてあっという間に六時間目も終了。

 

「みかん、帰ろう」

「ちょい待ち……………行こっか」

 

私はリュックを背負う。

 

部活には入っていないため、そのまま帰れる。

この中学は、良い成績をとってから先生に相談すれば、部活を帰宅部にしてくれる。

 

なんて好都合な学校なんだ!

 

昇降口を出てから、体育館の裏へ。

人の気配がないのを確認する。

 

私は足に魔力を込める。

きるとちゃんと目を見合せて、思い切り踏み切る。

 

大きく、飛ぶ。

 

透明化しながら飛び、誰かが目撃しないようにする。

 

住宅の屋根を飛び移り、数分で自宅へ。

 

走って自分の部屋に行き、鞄を置く。

 

そして、いつもの集合場所に行き、きるとちゃんと合流する。

 

「急いでみかん!あの路地から反応が!」

「分かった!」

 

私達はソウルジェムの光に包まれる。

可愛らしい服に変身する。

「さぁ、今日も魔女狩りだ!」

「うん、行こう!きるとちゃん!」



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魔女増加 その3

なろうの方でオリジナル小説投稿してます
良ければそちらもどうぞ↓

『remember』
竹狐寒北
https://ncode.syosetu.com/n5597ea/


『アハハハハハハハ!キャハハハハハ!』

 

大きな声が、うめき声が、響く。

絶望を帯びた、絶望の塊から。

 

私達は現在、魔女結界の中にいる。

 

きるとちゃんは双剣を使っていて、素早い。

近距離戦闘が得意である。ただし、小さい敵は狙いずらいので不向きだ。

 

私はマシンガン。銃系は全般使える。とはいえ、構造をある程度把握していないと、使えない。

銃を具現化する能力。弾切れはない。

 

近距離も遠距離もできるんです!!

 

『ギギギギギギ』

ドアを開く。

あっという間に魔女のお出まし。

私はマシンガンを二つ召喚し、片手で一つずつ持ち、ぶっぱなす。

 

数分後。

 

「ふぅっ」

「終わったぁ~!」

 

退治完了。ま、いつも通りの早さかな。

 

 

結界が歪み始め、街の景色に戻る。

「よっ、と」

きるとちゃんがグリーフシードを拾いあげる。それを制服のポケットにしまうと、

「じゃ、次いってみましょう」

と言った。

「だね!」

と私は笑顔で頷き返した。

 

とはいえ、ソウルジェムで魔力の反応を確かめるのは地道。ひたすら練り歩かなければならない。

私は道中、きるとちゃんと『あの話』をすることにした。

 

「ねぇ、きるとちゃん」

「何?」

「きゅうべえが言ってた、魔女の話、どうする?」

「みかんはどうしたいの?」

「私はきるとちゃんについてくよ」

「違うわ、みかん自身の意思を聞いているの」

「私、は……」

 

魔女化を、助ける?

それはつまり、人を、少女を、殺すようなもの。

さらに、その人を利用して、さらに多くの人を殺すということ。

 

世界を、壊すということ。

 

なんだ、素晴らしいじゃない。

 

「私は魔女化に協力しても別にいいと思うよ。復讐できるかもしれないしね。ただ、具体的に何をするのかは分からないけど……」

 

「私もそのつもりよ。復讐してやるわ、あいつらに、この世界に」

 

「今ここで、聞いてもいいかい?明日まで待ってあげてもいいけど」

私達の足元に、いつの間にかきゅうべえが現れていた。

私は、きるとちゃんに目を向ける。

同時に頷く。

「うん、いいよ。私達はあなたに協力する。でも、具体的に何をすれば良いのか教えてくれないかな?そもそも、きゅうべえにはできない事だから、人間にお願いしてるんでしょ?」

 

「そういうことになるね」

 

「君達は、どちらを選ぶ?魔女を大量に狩り、グリーフシードを無くすか、魔法少女を魔女にさせるか」

「私はもちろん、後者を選ぶわ。現実的に考えても、グリーフシードを無くすなんて無理だわ」

「私も、後者かな」

「僕も、最初の案は否定すべきだと考えているよ。君たちの負担も多いだろうし、なにより───復讐が果たせないだろう?」

「じゃぁ、なぜ聞いたのよ」

「最初の案を選んだら、こちらから断ろうと思っていたんだ。考えが甘いだろう?途中で投げ出されては、こちらもたまったもんではないしね」

 

「それで、私達は何をすればいいの?」

 

「魔法少女狩り、とでも言おうかな」

 

「魔法少女狩り?」

「魔法少女同士が戦い、魔力を消耗させる。魔法少女があまりに強ければ、精神的に追い詰めてもいいよ。言ってくれれば、情報は集めるからね。他にもどんな手段を使っても構わない。魔法少女を、狩るんだ」

「他に、協力者はいるの?」

「明日にならないとまだ分からないね。確かこの町に一人やるって言ってくれた子がいたくらい、かな」

「さすがに少ないわね……まぁいいわ。とりあえず、私達はあなたを手助けする、ということ。利害は一致しているわ──あ、ソウルジェムが」

私達のソウルジェムが強く輝き始めた。

「じゃあ僕はここで失礼するよ」

そう言い残してきゅうべえは消えた。

 

魔力の反応をたどっていくと、ある場所にたどり着いた。

 

「ここは──ショッピングモール?」

「そうみたいね。こんなところに魔女がいたら、さぞ人が影響を受けるでしょうね」

「まぁ、倒さずにしておけば世界は勝手に壊れていくかもしれないわね」

「でも、他の魔法少女に倒されて、グリーフシードを取られるのはやだし、倒そうよ」

「それもそうね」

 

そう言って、結界の中へ。

 

「待って!」

 

きるとちゃんではない、誰かの声が聞こえた。

 

「誰?」

私は振り返って聞いた。

「私は南 すみれ」

そこには、魔法少女の服装(?)をした同い年くらいの少女が立っていた。

 

あれ、何処かで……?

 

──あ。

 

「すみれ……って、うちの学校の!?行方不明の!?」

「あなた達の制服をみるからにそうみたいでふ。あなた達も魔法少女なんですか?」

「そうよ。私達は魔法少女。で、あなたは?魔法少女の服装だけれど倒そうとしていないようだけど?」

 

「──あの、あなた達は魔女を倒しに来たんですか?」

「そりゃそうだよ。それが使命じゃないの、魔法少女って」

「そう…ですよね……。じゃあ、戦うしかないんですね」

「どういう意味なのか、詳しく教えてくれるかしら?」

 

 

 

「私は────この魔女を………守りたいんです」

 



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すみれちゃん

かなり放置してました。すいません
あー、もうすぐテストやぁ(*゚▽゚)


「私は───この魔女を………守りたいんです」

 

彼女──すみれは、そう言った。

三つ編みを肩からおろす金髪の彼女はそう言った。

 

「あの、それってどういう?」

私は首を傾げ、尋ねる。

 

「私は、この世界が嫌いだから!魔女が増えればいい!『あの子』を殺す世界なんて滅べばいい!だから──」

 

もしかしてこの子──。

私はきるとちゃんと顔を見合わせる。頷き返し、すみれちゃんの方を見る。

「きゅうべえに、聞いたかなぁ?魔法少女狩りのこと」

「───!」

すみれちゃんは目を見開き、あからさまな反応をする。

「もしかして、魔法少女狩りをする二人って──」

「私達よ」

「でもでも、あなた達は魔女を倒そうとしたじゃないですか!」

「グリーフシードを他の魔法少女に取られたら困るもの。それに、普通不審がるでしょう?」

「は、はぁ……」

「ところで、すみれちゃんはグリーフシード、どうしてるの?」

「………使ったこと、ない、です…」

「「──え?」」

使ったことが、ない?そんなの、死んじゃうんじゃ…。

 

すみれちゃんが行方不明になったのは数日前。

「行方不明になったときに契約したの?」

「はい」

「何を願いに魔法少女になったのか、教えてくれるかしら?それ次第では、一緒に行動することも考えるわ」

「私の願いは───あの子ともう一度だけでも会うことでした」

「あの子って誰か教えてくれるかな?」

 

「『あの子』は、私の憧れでした」

 

すみれちゃんは瞳を閉じて、───一応魔女に警戒しながら──願いを語り始める。

 

 

 

『あの子』は優しくて、格好良い私の友達でした。

 

私は『あの子』の影に隠れていつも生活していました。

小学校五年間はずっとクラスが同じで、毎日が楽しくて、幸せでした。

 

『あの子』は魔法少女になりました。

私はそのとき、素質がなく、見えませんでした。

 

ある日、きゅうべえがやって来て、この世の少女には皆素質があるよと言いました。

その日から魔女や魔法少女が見えるようになりました。

 

私は、魔法少女になりたかったのですが、なかなか願いが決まりませんでした。今週の土曜日までには決めようと思っていたんです。

 

明日までには、と思っていた金曜日。

 

『あの子』は死にました。

 

先生から大いに期待されていた彼女は、クラスの皆にウザがられるようになったそうでした。

そして、友達も離れていき、孤立してしまったらしいです。いじめに近いことが起こっていたんです。

私は気づくことが出来なかったんです。

 

自殺でした。飛び降りの。

 

私は、契約しました。『あの子』に何をしてあげられるかわからなかったけれど。

相談を聞いたりしてあげられなかった、せめてもの罪滅ぼしかもしれませんが。

 

「『あの子』に──、紗理奈に会いたい!」

 

 

「で、会えたの?」

「分かりません…。でも、きっといつか会えると思って。次会ったときに、『もうあなたをいじめる奴等はいない』って言ってあげたいんです」

「そっか……。」

「すみれさん?はっきり言ってもいいかしら?」

「?はい?」

「あなた、私が思うに偽善者ね。あの子のためと言いながら、自分を守ってる感じがするもの。まあでも、偽善者じゃなくても、復讐心があるならいいわ。強ければ、協力してあげる」

「は、はぁ……」

「みかん、戦ってくれる?グリーフシードは余ってるし。すみれさんは魔法少女になったばかりだから、きっと戦闘にも慣れていないだろうし、遠距離のみかんの方が適役だと思うのだけれど」

「うん。いいよー。んじゃ、すみれちゃん準備はいいかな?」

 

「はっ、はいっ!」




おりこマギカみてません
お金ほしい


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