ガールズ&D (インプレッサ)
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各校の設定 車両・オリキャラ等

 


                聖グロリアーナ女学院 設定 

 

主将兼ドライバー指揮:ダージリン 調査・通信・計測班長:アッサム

 

会計・補給・作戦班長:オレンジペコ

 

               車両

 

ダージリン:筑波の走り屋「パープルシャドウ」の城島俊也に教え込まれ、聖グロリアーナ女学院の主将でワンハンドステアの使い手、後追いの相手を惑わし狂わせる「セイレーン」と呼ばれている。レコードラインを気にせず、タイヤを使い切って、スマートでベストな勝利にこだわっている。週末は、サングラスをかけ、よく海岸をオープンにして走っている。また、必ずジュースホルダーに紅茶を置いている。搭乗車輛 AP1 S2000 (メタリックブルー)

 

アッサム:聖グロリアーナ女学院の計測・通信・調査班長で、調査能力が高く、細かいところまで観察している。常にベストなラインを模索している。搭乗車輛 S14シルビア (パールホワイト)

 

オレンジペコ:メンバーのために紅茶を入れるための道具や茶葉を後部に積んでいる。また、紅茶をカップからこぼれないように走る練習を毎日行い、テクニックを習得している。搭乗車輛 EG6シビック (ミラノレッド)

 

ローズヒップ:グロリアーナ女学院のスピード狂で箱根のTOHOパイクラインでヒルクライム・ダウンヒル最速記録保持者や校内サーキットの最速記録を持っている。

ダージリンに憧れをもち、ワンハンドステアを挑戦していたが、すぐにガサツな所が出る。校内ではスピード違反の常習犯で、何度か免許を取り上げられている。

 

搭乗車輛;峠道 ランサーエボリューションⅥ(シルバー)

     スーパーGT R35

      

オリキャラ

 

シレット:茶髪のショートヘヤーの2年生で、ダージリンの専属ドライバーで送迎をしている。

通学は、インサイトに乗っているが、休日は、ロードスターでよく走り回り、深夜はよく峠を走り込んでいる。週末はよくダージリンと一緒にオープンにして、湘南海岸を走る。

 

搭乗車輛 NB8C ロードスター RS (ダークグリーン)

 

ルフナ:ダージリン直伝のワンハンドステアを教え込まれている1年生で、アクセルワークとの組み合わせがうまく、アッサムとバトルし、勝利している。

 

搭乗車輛:Z32 フェアレディーZ (シルバー)

 

            黒森峰学園

 

 

主将 西住まほ  調査・通信・計測班長:逸見 エリカ

 

 

 

西住まほ:西住流峠道の後継者の一人、知能指数と空間認識能力はずば抜けて高いドライバーである。プロのレースにも参加し、記録を更新するほどの実力の持ち主。ダウンヒル専門で、最高無敗記録を持っているが、母 しほと勝負したが、勝ったことがない。搭乗車輛AE86 スプリンタートレノ GT-APEX 2door 後期型

 

逸見 エリカ:黒森峰学園の副主将。己の感性と集中力の高さで勝負する天才肌のドライバーであるが気が短い性格で先行逃げ切りの短期決戦で勝つことが多い。まほとよく、サーキットに行って、走り込んでいる。搭乗車輛 NA1 NSX

 

     オリキャラ

 

紫藤 かなめ:黒髪のロングヘヤーの二年生で、学園では、かなりのテクニックを持っている。相手のクルマにぶつけクラッシュさせる「死神」と呼ばれ恐れられていた。まほに完敗し、まほとの約束でプッシングを封印している。

 

搭乗車輛:GT-R R32

 

霧島 浅香:全国高校自動車競技のジムカーナ部門で優勝経験があるが、ラリー部門で準優勝し、現在は、いろんな峠を走り込んでいる。

父はプロレーサーで、毎日レクチャーを受けている。

 

搭乗車輛:SW20 MR2 G-Limited

 

城 玲奈:FF車が好きな2年生で、朝のバイトで、峠を走り込んでいる。かなめとは、仲が良く、グリップ走法の練習をしている。全国高校自動車競技大会のGT部門で3位に入賞している。

搭乗車輛:DC5 インテグラ 

 

須崎 加奈:両親がいろは坂の走り屋で、幼い時から、一緒によくいろは坂に行っていた。免許取得後は、両親や父の知り合いにに鍛えられ、現在では、両親と肩を並べるほどになっている。 搭乗車輛:ランサーエボリューションⅢ(ミスファイヤリングシステム搭載)

 

         サンダース大学付属高校

 

 

ケイ:東堂塾に免許取得後から通っており、大学と東堂塾の先輩たちに八方ヶ原で鍛えられた。峠道に参加することを社長に報告し、東堂塾のデモカーと同じチューニングした車輛をプレゼントされた。搭乗車輛EK9 シビック TYPE R SPOON仕様

 

ナオミ:校内No.2の実力者。無口で優秀な腕を持つ、駆け引きに優れ、先行のポジションに立つとコーナーの立ち上がりで左足ブレーキにより突然ブレーキランプを点灯させて後続のリズムを狂わせたり、ブラインドコーナーへオーバースピードで突っ込み、相手の事故を誘うような作戦を組み上げ、逃げ切り勝ちをしている。搭乗車輛 DC2 インテグラ TYPE R(前期型・96spec)

 

アリサ:校内No.3の実力者。峠の調査、相手と峠の洞察・観察力がすごく、完璧な作戦を立てる。先行ポジションが苦手。搭乗車輛 SXE10 アルテッツァ RS200 TRD仕様

 

       アンツィオ高校

 

 

アンチョビ:愛知でその名を轟かせる女子高生ドライバーでマシン・天候に関らず、車を四輪ドリフトさせる切れ味を持っている。普段の通学では、CR-Z αで通学しているT180型 セリカ

 

ぺパロニ:豪快なテクニックで、相手を翻弄し、峠の特徴をうまく利用する。追い抜きが得意、ほとんどの試合は追い抜きで勝利している。

 

搭乗車輛:NA6CE ユーノス・ロードスター S-Special

 

カルパッチョ:しとやかで冷静な性格だが、幼い時からドライバーとしての経験を積んでおり、適応能力や判断力が高い。

 

搭乗車輛:RX-7(シングルターボ)

 

カレン:筑波の走り屋「パープルシャドウ」の星野幸造の孫娘で二年生でおじいちゃん子、祖父からGT-Rのすごさを幼い時から聞かされ、また、助手席によく乗せられていた。自分もGT-Rが好きになり、免許取得後、祖父からR34をもらい、祖父に筑波の峠で鍛えられたが、幼い時の影響か奇声をあげて運転する。また、ジュニアの大会で優勝したことがある。搭乗車輛:GT-R R34

 

 

      プラウダ高校

 

カチューシャ:身長は低いが、常に上から目線で発言し、自分より背が高い相手にはノンナに肩車してもらい上から目線を保つなど、常に相手を見下す態度を取る。身長が低いせいか、普通車の座席を前にすらしてもペダルに足が届かず、軽自動車で、ちょうどよくなるらしい? 搭乗車輛 EA11R カプチーノ

 

ノンナ:カチューシャと共に行動し彼女を多方面でフォローしている。メカニックの腕前は高く、ドライバーに合わせたチューニングを行うことができる。また、かなりのテクニックを持っており、天候や路面の状態などには左右されない。搭乗車輛 AE86 レビン

 

 

ルナ:両親が警察官で、父は機動隊に所属し、インプレッサのパトカーを駆り、椿ラインを逃走している犯人を捕まえ「警察官のラリー屋」と呼ばれ、母は、高速機動隊に所属し、特注のR35パトカーで高速道路を300キロ出して犯人を捕まえ、「超高速の女番長」と呼ばれており、両親を目標に警察官を目指している二年生。峠道を始めたときは、両親は、喜ぶものの、「血は争えんな」と両祖父母に言われていた。両親の遺伝か、後追いのポジションになる逃げ切れるものはいないほどの実力、搭乗車輛 ER34 スカイライン クーペ 25GT-TURBO

 

シャル:雪道走行が得意で、常にスピードのあるドリフトを目指している。長距離運転が得意で、北海道・西日本・東日本・本州横断をしたことがある。バトルでは、よく持久戦に持ち込み、試合時間が最長記録をたたき出すほど。搭乗車輛 CP9A ランサーエボリューションⅥ

 

ルイーナ:物静かで、清楚なお嬢様、常に無の境地を求めている。父は有名な寺の住職で、峠の自警団的役割を担う走り屋で、父の車の助手席に幼い時から乗っていた。免許習得後は、父からテクニックを学び、習得していた。搭乗車輛 フェアレディZ Z33

 

その他

 

西住しほ:峠出身の元プロで、東堂塾や高橋医院と交流があり、「伝説の女走り屋」と呼ばれている。まほやみほが免許を取るまでは、AE86を乗り回していたが、二人が免許取得後、新型のFT-86に乗っている。搭乗車輛 FT-86 GT

 

 

蝶野亜美:大洗女子学園に特別講師として招かれた陸上自衛隊富士学校富士教導団戦車教導隊の一等陸尉で、富士教導団教導隊ラリーチームのリーダーである。演習場で毎日訓練している。

搭乗車輛 インプレッサ WRX STI 5door A-Line

 

 

 

 

 

 

          

 

 



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規定・設定
各種峠道《とうげどう》規定および設定


数年後に行われる、ラリー、SUPER GT、ジムカーナ、ドリフト(D1)の世界選手権が日本で開催されることが決まり、また、日本の峠で行われている公道レースを競技化し、「峠道とうげどう」として新たに加わった。文科省は、全国の高校から大学に、「峠道とうげどう」に力を入れるように要請があったことで、大洗女子学園は必修選択科目「峠道《とうげどう》」を復活させ、成績優秀者へ特典や優遇策を約束するなど力を入れていた。




        峠道《とうげどう》の規定(全般)

 

峠コースは、北関東を中心に委員会がくじで決める。その後、委員会が峠の点検を行う

 

 ダウンヒル・ヒルクライム・混合の3つから選択。昼と夜の選択あり、

 

 整備・修理は、生徒が行う。特殊な場合・専門部位の修理・整備は、専門の人を呼ぶのは可

 

 ブーストアップは禁止(大事故を防ぐため)

 

 チューンする場合、エンジン換装禁止、最大出力を400ps未満に制限、初期からパワーを越えている物はエアリストリクター装着義務、車重は1.6t以下に設定する。

 

 体調不良・負傷は、交代を許可する。

 

 事前調査は調査員とドライバーを各一人ずつとする。

 

 服装は、ドライバースーツおよび制服、

 

 移動にかかる費用等は全額委員会が負担

 

 各役職の登録は、大会1か月前より行う。また、大会開催中、追加登録は3人までとする。

 

 レース前日に登録している車は、委員会指定の整備場にて、高精度パワー測定を必ず行わなければならない、しなかった場合は規定違反とし、不戦敗とする。なお、測定後は、燃料補給を行った後、練習等の走行は禁止する。

 

     峠道《とうげどう》規定(予選)

 

  各校、3人のドライバーを選出し、委員会へ報告

 

 試合は、二本先取、双方が決着がつくまでとする。

 

 コース練習期間は各校3日、セッティングも含める。

 

    峠道《とうげどう》規定(準決勝・決勝)

 

  コースは、3カ所の峠で行われ、3日間行われる。 

 

  各校、5人のドライバーを選出し、委員会へ

 

  試合は、3本先取、決勝は全戦行い。決着がつくまでとする。

 

  練習・調整期間は、1週間

 

  宿泊場所については、委員会が準備を行う。

 

 

            試合方式 先行後追い方式

 

   ・先行車と後行車はくじで決めてスタート

   ・先行車は後行車を十分な距離を引き離してゴールすれば勝ち

   ・後行車は先行車を追い抜いてゴールすれば勝ち

   ・途中でどれだけ引き離されてもゴールしてる時追いついてれば問題なし(先行車が抜かれてもゴールまでに抜き返せばOK)

   ・リタイア・走行不能・事故は無論負け

   ・先行車・後行車とも勝利条件を満たせなかった場合引き分け。 次戦は先行車・後行車を入れ替えてスタート

 

           峠道「とうげどう」役職一覧

 

ドライバー:レースのドライバー、体調管理はもちろんだが、セッティングに関する意見・報告を行いベストな状態にする。

 

通信:レースの状況を報告し、リーダーに報告することや、不測の事態に、委員会本部や各部に緊急連絡を入れたり、峠の安全を担う。

 

計測:プラクティスの時に、各セクションごとに立ち、タイムを計り、ドライバーやリーダーに報告する。

 

調査:試合前に、コースの下見、情報などを収集し、コースの把握や相手校のドライバーの情報収集等諜報活動も行う。

 

作戦考案:調査員のコースの情報・ドライバーの情報を基に作戦を組み立てる。

 

補給:備品等必要物品の管理、燃料運搬も担当する。

 

会計:必要経費の請求、予算の管理を行う。

 

誘導・警備:峠に集まる。観客の案内や車の誘導等を行う(各校の風紀員および生徒会が担当する)

 

整備:セッティング・修理・メンテナンスを担当する。

 

メンテナンスアドバイザー:プラクティス時に、ノートPCを持って助手席に乗り、かなり詳細な調整をPCを使って調べ、整備に報告する。

 

 

 

 

                注意事項

 

試合以外での峠遠征は、委員会に承認を求めること(地域・国交省・県の承認を得るため)

 

雨天決行だが、大雨・洪水・暴風警報・土砂災害警報・交通状況により到着が遅れが出た場合は、延期とするが、峠での土砂災害・火災が発生した場合は、コース選考を再度行う。

 

諜報活動は、許可するが、妨害・迷惑行為をした場合、反則負けとする。

 

挑発行為等が見られた場合、試合放棄とみなす。

 

           峠道《とうげどう》および自動車競技参加者特典

 

 

  峠道《とうげどう》の試合に参加したものは、「国内A級ライセンス」を付与する。また、成績優秀者または、委員会が指定する者については、「国際ライセンス」受験資格を与える。

 

 車輛の整備を担当した者は、二級自動車整備士資格の受験資格を与える。

 

 部品等の輸送を担当した者は、大型一種免許を受講資格を与える。

 

 通信を担当したものは、陸上無線技士の受講資格を与える。

 

 

なお、費用については、委員会が5割を負担する。

 

 

 

                  設定

 

大洗女子学園 主将:西住みほ 総合通信者:式部 沙織 ドライバー指揮者・作戦:角谷 杏

       経理・補給・調査責任者:小山柚子 

 

あんこうチーム ドライバー:西住みほ(国内A)・秋山優花里(国内B)

        通信班長:式部 沙織  計測班長:五十鈴 華

ドライバー兼調査:冷泉 麻子

 

 

車両 AE86 スプリンタートレノ・GT-R R32・スープラA80

 

カメさんチーム ドライバー兼作戦考案 角谷杏(国内A)・河嶋桃(国内A) 調査兼経理・補給班長:小山 柚子

 

 車両 RX-7 FC3S後期型(杏の自車)・FD3Sアンフィニ

 

アヒルさんチーム ドライバー:近藤妙子 ドライバー補欠兼補給:磯部典子

         計測・通信:河西 忍・佐々木あけび

 

 車両 ランサーエボリューションⅣ

 

カバさんチーム ドライバー補:エルヴィン(国内B) 調査:おりょう 通信・計測:カエサル

        作戦考案:・左衛門佐

 

ウサギさんチーム ドライバー補:澤 梓 補給・会計補助:丸山紗希 

         調査:大野あや 通信・計測:宇津木優季・山郷あゆみ 

 

カモさんチーム 誘導・警備員:園 みどり子・後藤モヨ子・金春 希美

 

 

レオポンさんチーム ドライバー兼整備班長:ナカジマ(国際C) 整備士:ツチヤ・スズキ・ホシノ

 

 車両 インプレッサWRX STI versionⅤ 

 

アリクイさんチーム メンテナンスアドバイザー:ねこにゃー・ももがー・ぴよたん

 

 

 

    大洗学園 自動車通学者 校則

 

 免許を取得した者は、通学での車の使用を許可をする。

 

 車の購入する生徒は、学校に書類を提出すること

 

 運転講習は、月に一回、ライセンス取得者は半年に一回行う。高速道路講習は、年に一回必ず受講すること

 

 事故、講習成績不良者は、次の講習日まで、免許を学校に預けること

 

 

 

 

 




 規定及び車輛は、意見を基に変更する予定です。

 


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バトルへ向けて
第一話 峠道《とうげどう》始めます。


峠道《とうげどう》のない、大洗女子学園に転校した西住みほは、武部 沙織・五十鈴 華と友人となり、充実した学園生活を送っていた。しかし、ある日、生徒会長 角谷 杏に必修選択科目に峠道《とうげどう》を強要されてしまう。




 目覚ましがなり、起き上がり、すぐに布団を畳んで、着替えようとしたとき気が付いた。

 

「そっか、家じゃないんだ!」

 

 みほは、朝食を済ました後、戸締りをした後、アパートの駐車場に止めてある軽自動車のセルボに乗り、通学した。

 

学校に到着すると、広い駐車場に、組と出席番号が書かれている駐車スぺースに駐車した。

 

「今日の帰りに、買い物ついでに給油しないと」

 

 

 

昼休み、西住みほは、武部 沙織と五十鈴 華に声をかけられ、食堂で一緒に昼食をとっていた。

 

 

「うわー、今週、運転テストだ。最近運転してないから、不安だー」

 

「私、最近、軽のTANTOしか乗っていないから、教習車の運転大丈夫かしら?」

 

「大丈夫と思うよ。視点が下がるし、アクセルの感覚も注意しないとね。」

 

「でも、いいよねー、みぽりんは、ライセンスあるし、」

 

「先週、講習だったけど、A判定だったよ。前の学校だったら、ライセンス所持者講習まであったから大変だったよ」

 

免許を取得した生徒は、月に一度の運転テストが行われ、構内走行や街中走行、通常駐車・縦列駐車まで行われ、成績不良者「D判定以下」は再試験まで運転停止が言い渡される。また、希望者のみで行われる高速講習も行われるのである。

 

しかし、ライセンス取得者は、講習が1か月から半年に変わるのである。

 

ちなみに、講習の判定はS・A・B・C・Dの評価があり、S:最優秀、A:優秀、B:優良、C:普通(講習受講)、D:不良(運転停止)のような判定になっている。最優秀者には、車検の半額免除やガソリン満タンなどの特典が与えられた。

 

ライセンス講習は、免許取得した生徒で希望者のみで行われ、「国内B級ライセンス」のみ、受講が可能であった。

 

 

「沙織は、何に乗っているの?」

 

「父のカローラに乗ってるよ。ATだけど」

 

「あっ…講習の教習車はMTだよ。」

 

「えっ……」

 

沙織は顔面蒼白になった。

 

みほは、二人に運転講習についての話していたが、後ろから生徒会長の角谷 杏と副会長の小山柚子と広報の河嶋 桃が近づいてきた。

 

 「君が、西住みほだね」

 

 「はい、そうですが」

 

 「今度の必修選択科目に峠道《とうげどう》を選びなさい。生徒会長命令だからね。断るとどうなるかわかっているよね」

 

「確か、この学園には、なかったはずでは、」

 

「今年から復活することになったのよね。」

 

「えっ…」

 

「よろしくねぇー」

 

 

 

みほは、その後、目が虚ろになり、保健室に行き、休んでいた。

 

放課後、生徒全員が体育館に集められた。

 

そう、新しく加わった 「峠道《とうげどう》入門」についての紹介ムービーが流れた

 

「峠道《とうげどう》

 

 峠を鮮やかに美しく走り抜けること、速く可憐なテクニックを披露すること、滑らかにドリフトをすること

 

、それらは、「峠道《とうげどう》」を学ぶ事により乙女に必須な徳目が自然に備わるのです。」

 

ドリフト音が、鳴り響き、いろんな車が、タイヤから白煙をだし、スピードが乗ったまま、後輪をスライドしながらカーブをクリアしていく、シーンが流れた。

 

 「皆さんもぜひ、、「峠道(とうげどう)」を学び、最高の運転ができる女性を目指しましょう。」

 

関東各地の峠を走る車の映像が流れ、自然豊かな景色が流れていた。

 

ムービーが終わり、沙織と華は、感動していた。生徒会が壇上に立った。

 

「実は、数年後に日本でラリー、SUPER GT、D1(ドリフト)、ジムカーナの世界選手権が、開催されることが決定し、文科省から全国の高校・大学に峠道《とうげどう》に力を入れるよう申請があったのだ」

 

「うちの学校も峠道《とうげどう》を復活させるからね。選択するといろいろ特典を付けようと思ってるだー、副会長」

 

「成績優秀者には、食堂の食券100枚、遅刻見逃し200日、通常の授業の単位が通常の3倍、与えます。」

 

「選択者は、ドライバー選考を行うが、ドライバーじゃなくても役職があるからね。役職に応じた特典もあるからね。絶対条件は、免許を持っていることだからね。無免許は、退学させるからね」

 

とてつもない宣言であった。

 

その後、希望用紙の記入が始まったが、みほは、去年の転落事故の恐怖に襲われ、結局、華道を選択した

 

「ごめんね。私…」

 

「いいのよ。無理しなくて、」

 

「無理にしてもつらいだけよ」

 

二人に励まされ、少し元気になった。

 

 その日の夜、去年の悪夢を見ていた。去年の大会、AE86 レビンで先行で逃げるインテグラを追い詰め、連続ヘヤピンでインをつき、追い抜きを図り、抜いた直後、インテグラがバンパーに接触し、バランスを崩し、ガードレールを突き破り、崖に転落した。

 

みほは、すぐに目が覚めた。

 

「あの時の…夢…」

 

 

翌日の昼休み、緊急の呼び出しがかかり、西住みほは、生徒会室に呼び出され、沙織と華と一緒に同行した。

 

「あ・れー、西住ちゃん、昨日言っていたこと、聞いていなかった?」

 

「このままでは、この学校が…」

 

「お言葉ですが、生徒会長は、横暴すぎます。」

 

「横暴も生徒会の特権よ。命令に従わなかったら、ここにいられなくしちゃうよ」

 

みほは、うつむいていた。

 

「(みんながしたいのに、私のために合わせてくれて)、」

 

みほは、覚悟を決めた。

 

「私やります。「峠道とうげどう」を」

 

翌日、峠道《とうげどう》の授業が始まり、赤レンガの建物に、18人の生徒が集まった。半数以上がライセンス取得者であった

 

「これより、峠道《とうげどう》の授業を始める」

 

赤レンガの重い鉄扉を開くと、タイヤ・バッテリー・エンジンが外され、カバーがかけられた車体がリフトに乗せられている車が1台あった。杏はカバーを外した瞬間、誇りが廻った。

 

「ゴッホゴッホ、すごい埃」

 

そこには、白と黒の車体があった。

 

「この車はいったい?」

 

「なんか古いね」

 

生徒たちがテンション落ちている中、みほは、リフトの電源を入れ、車の中が見える位置までおろした。

 

「この車、まさか、」

 

そして、車軸、車内を見て、車体に触れた。

 

「これは、前の車の同型のAE-86 スプリンタートレノ、ボディーも軸も大丈夫そう、バッテリー・タイヤ・エンジンを載せたらいけるかも」

 

みほは、ハチロクの隣に立ち、生徒たちは、驚きの声を上げた。

 

そして、ハチロクとの出会いが、西住みほのダウンヒルの最速伝説の始まりであった

 

翌日、沙織と華の講習は、無事に終えたものの、沙織は、久々のMTで、エンストを連発させC判定でMT講習受講5回を言い渡された。ちなみに華は、一時停止の位置からかなり離れたところに止めるなど「シルバー運転みたいだね」と言われしたが、B判定であった。

 




 設定

峠道(とうげどう)は、競技会に含まれており、参加者は、A級ライセンス取得可能
 
みほの通学時は、軽自動車のセルボで通学

五十鈴 華は、軽自動車のTANTOで通学

式部沙織は、時期は不明だが、CR-Z(6MT)に乗せる予定(試合には、不出場)

河嶋桃と角谷杏は、ジュニア競技会(5lapサーキットレース)に参加し、A級ライセンスを習得している



 


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第二話 車、乗ります。

 赤レンガの倉庫内での峠道の最初の授業は、なんと…

流れが早すぎるような、ま、いいか、

みほが、文太さんのあれをやっちゃいます。


赤レンガの倉庫内のハチロクの前で、生徒たちが話し合いをしていた。

 

「こんなボロボロな車で、何とかなるの」

 

「しかも1台しかないよ」

 

「この人数だったら?」

 

「この人数であれば、全部で8台必要です。」

 

1人の生徒が、言った

 

「じゃあ、車を探そうか」

 

「「「「「「ええー」」」」」」

 

みんなが驚いた。

 

「探すって、どういうこと?」

 

河嶋 桃が説明した。

 

「わが校は、何年も前に峠道《とうげどう》が廃止になっている。だが、当時、使用していた車がどこかにあるはずだ。いや、必ずある。来週、峠道《とうげどう》の教官二名がお見えになるので、残り6台見つけだすこと、後の作業は自動車部が行う。」

 

「しかし、いったいどこに」

 

「いやー、それがわからないから探すの、手ががりはない」

 

「では、捜索開始」

 

生徒たちは、テンションダウンし、捜索を開始した。

 

捜索を開始して2時間が経過し、6台の車が見つかった。

 

崖や池に転落したままの車や走行不能で放置された車など、どんどん見つかっていった。

 

一方、みほたちは、後ろからついてきていた秋山 優花里を加え、森の茂みの中を捜索していた。

 

華の勘で、進んでいくと、此処に置いて何年も放置していたランサーエボリューションⅣを見つけ、杏に報告し、授業は終えた。

 

 

 

夕方、自動車部と生徒会は、近所の自動車整備・解体業者を学園の会議室に招き、会議を行った結果、前向きどころが、相当喜んでいた。

 

「大洗女子学園のお嬢たちかい、要件ならわかっている。峠道《とうげどう》じゃろ、部品の調達なら任せてくれ、精一杯、支援したる。わしの妻の母校じゃ、応援するのは、当り前じゃ。」

 

「全国ニュースで聞いたぜ。もしかとは思ったが、よう来てくれた。わからんことがあったら、いつでも来てくれ、」

 

業者の人たちは、みんな、喜んでいた。

 

その後、業者のおじさんに、見つけた車を見てもらい、パーツを譲ってもらい。学園まで運んでもらった。

 

 

深夜、自動車部総員・業者の人と一緒に徹夜で、車体のさび落とし、修理、剛性強化、エンジンのオーバーホール、消耗部品・故障部品の交換等が行われ、赤レンガの倉庫から溶接音、たたく音が響いていた。

 

ハチロクの整備している生徒が、近くに置いてあるエンジンを見ていた。

 

「これって、レース用のエンジンでは?]

 

業者の人を呼び、見てもらった。

 

「これは驚いた。中々お目にかかれない代物だ。4A-GEのTRDグループA用レースエンジンだよ。こいつは、高回転型のエンジンだな、搭載する前に、廃止して放置されたんだな。状態がいい、だが、専用のタゴが必要だな。」

 

その後、調整をした後、ハチロクに搭載した。

 

 

翌日、杏は、自分の車RX-7(FC3S)を乗り、赤レンガの倉庫の前に止めた。また、みんなが見つけた車も整備・修理が終わり、きれいに並んでいた。

 

秋山 優花里はもうテンションがMAXになっていた。

 

「ウオーー、これは、モンスターマシンのGT-Rだ、この重厚感、たまらなーい。おっ、ランサーエボリューションⅣだ。ラリーで世界と対戦した名車だー。このいびつな形は、ロータリーのセブンだ。エンジン音がいいんだ。スープラ・ハチロク・シルエイティまで、きゃあはは。」

 

集まってきていた沙織、華は完全に引いていたが、優花里は、気が付いた。

 

「おはようございます。沙織殿、華殿」

 

「「お、おはよう」」

 

「朝からテンション高いね。」

 

「いや~、こんないい車に出会えてかなりうれしくて、それより、みほ殿は、」

 

「まだ来てないよ。あっ、これが倉庫の車か」

 

「これは、AE86 スプリンタートレノと言って、ハチロクと呼ばれている名車ですよ」

 

「へぇ~…」

 

二人は、優花里の話についていくことができなかった。

 

その後、集まった生徒を見渡すと、完全にチームができていた。そして、みほは、遅刻し、生徒会から説教を受けるのであった。

 

「今日の授業は、実際に運転してもらう。全車を交代しながら運転するように、練習走行はグラウンドにコーンがあるのでそこでするように」

 

 

桃が、言った瞬間みんなは、乗ってみたい車へ走っていった。

 

GT-R R32の周りには5人の生徒が集まっていた。

 

「ゆかりん、大丈夫なの?」

 

「大丈夫、ライセンス持っているから、クラッチふんで、エンジンキーを回すと」

 

エンジンが始動し、重厚なエンジン音が響き、アクセルを少し踏み、軽くふかした。

 

「「「「「おおぉー…」」」」」

 

近くにいた生徒は、驚いていた。

 

「乗ってみたかったのよね。沙織殿助手席に、では、行ってまわります。」

 

優花里は、沙織を助手席に乗せ、グラウンドで練習走行した。そして、ドリフトをして砂塵を巻き上げ、スタートからのパワーと加速力を見せつけていた。

 

「すごい加速、アクセルを少し踏んだだけで、シートに押し付けられるこの感覚、しかも安定している。将来絶対にGT-Rを買うよ」

 

「す…すごいわ…これ…」

 

 

優花里は、GT-Rの走りに、感動していたが、沙織は、加速力のGに驚き、呼吸が一時できなくなっていた。

 

「ふうー、サイコー、沙織殿、大丈夫…?」

 

「・・・・・」

 

沙織は、放心状態になっていた。その後、優花里とおりょうに木陰まで運ばれた。

 

ランエボには、バレー部のメンバーが集まり、スープラには、カエサルとエルヴィン・小山柚子が、シルエイティには、1年生たちが集まっていた。生徒会の杏は自分のFCを桃はFD3Sのチェックをしていた。

 

乗り回しているうちに、その日の授業が終わった。

 

翌日、西住みほは、遅刻の常習犯 冷泉 麻子と風紀委員とともに現れた。

 

「冷泉さんは、今日からこの授業に参加してください。」

 

「な…なんで、」

 

「冷泉さんは、このままだと留年します。峠道に参加したら、何とかなります。」

 

「・・・・・・」

 

麻子は授業に参加することになった。その後、沙織に支えられながら、授業を受けていた。

 

峠道の授業が始まり、杏は、みほを読んだ。

 

「西住ちゃん、運転して見せてよ」

 

華が藪から棒に言ってきた。

 

「久々だから、少し自信がないけど、ハチロクに乗っていいですか?」

 

「いいよ。みんなも見ておくように、だれか、横に乗るか?」

 

「私が、行きます。」

優花里が手を上げ、志願した。

 

その後、みほは、ハチロクの運転席に乗り、ナビに優花里が乗りシートベルトを装着した。

 

みほは、タゴメーターの位置の違いに気づいた。

 

「(タコメーターの位置、真ん中にある。えっ、12まで、まさか、あの時、近くにおいていたあのエンジン?)」

 

「西住殿の運転が見れるなんて、…」

 

みほは、少し戸惑いながらも、クラッチを踏み、エンジンを始動させた。

 

みほは、エンジン音に懐かしさを感じつつ、深呼吸をして、目の色を変え、ギアを1速に入れ、クラッチを徐々に外し、グラウンドに向け出発し、スピードを上げていった。

 

ハンドルを切って、カウンターステアをを当てつつ、サイドを使って、ドリフトをしていき、白い砂埃が廻っていた。その一方、車内では、

 

「確か、こうして」

 

「なな、何を、」

 

「見ていて、」

 

みほは、優しく囁いた後、ハンドルを離していた。

 

「な、な、な、ぬわぁぁぁ」

 

手放しドリフトを見せつけられ、優花里は、冷や汗を流し、顔面蒼白になっていた。

 

車の体制が戻り、みほは、満足していた。

 

「こんなもんかな、もう一つ!」

 

「はぁ、はぁ、…えっ、ぬわぁーーーーーーー」

 

二つのコーンを中心とした8の字ドリフトをし、優花里は、左右のGを食らっていた。

 

一方、外では、みんなは見とれていた。

 

「すごい、あれが西住さんの運転?」

 

「みぽりん、車乗ると変わるんだね…ゆかりん、死んでないかな?」

 

沙織は、唖然としていた。そして、みほの十八番、赤いコーンを中心に回転ドリフトを披露した。

 

「うわぁーーーやめてくれー」

 

車内は、優花里の絶叫が響いていた。3回転後…気絶した。

 

運転を終え、車を赤レンガの倉庫の前に止め、みほは、運転席から降りたが、優花里は、放心状態になっていた。

 

「みぽりん、何があったの?」

 

「普通に運転して、ドリフトをして、手放しドリフトと回転ドリフトしたぐらいかな」

 

「ゆかりん、ゆかりん」

 

沙織は、優花里をゆするが、反応しなかった。

 

「返事がない、ただの屍のようだ。」といった瞬間

 

「はっ、い、生きてる。」

 

優花里が、目覚めたのである。

 

「めっちゃ怖かった。絶叫マシン以上だよ、これ」

 

「あれ、冷泉さんは?」

 

沙織は、気が付くと麻子がいないことに気が付いた。

 

あたりを探していると、一台の車が、走りだしたのであった。

 

「スープラ!、誰が乗っているの?」

 

スープラを運転しているのは、なんと、冷泉麻子であった。

 

ものすごく早い速度で高回転のエンジン音を響かせがら、グラウンドに入り、ブレーキングドリフトや、スピンぎりぎりのドリフトを見せつけ、みほの十八番の回転まで、披露した。

 

その後、みほのハチロクの近くに停車した。

 

「どうやったの?」

 

「西住さんの運転を見て、前輪の角度、エンジンの音、車体の動き方を見て、ハンドル操作、アクセルワーク、加重移動を覚えて、応用で、あのドリフト、」

 

「スピンぎりぎりのドリフト…さすが、学年首位の才女」

 

みんなは、空いた口がふさがらなかった。

 

授業の最後に、みんなに通達した。

 

「今日の放課後、全員、大会議室へ集合するように」

 

「何するの?」

 

「峠道に関する役職会議だ。」

 

 




 変になったかも…


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第3話 杏 VS 桃 ロータリーバトル

大洗学園が管理していた裏の山道 通称 学園峠の整備が終わり、生徒会長の角谷 杏と生徒会広報の河嶋 桃のバトルが始まろうとしていた。


その日の放課後、生徒会は、学園の大会議室を借り、峠道のメンバーを集め、会議を始めた。

 

そう、メンバーの役職決定会議である。メンバー全員に役職についての資料を配り、会議が始まった。

 

「集まってくれたのは、ほかでもない。峠道についてだ。委員会が今度の大会に参加するドライバー・通信・計測・調査員等の登録が始まっている。役職について生徒会で、決めさせてもらった。」

 

「ドライバーには、西住みほ・秋山優花里・角谷杏・冷泉麻子・河嶋桃・近藤妙子・澤 梓で、補欠にエルヴィンに決めさせてもらいました。意見はありますか?」

 

「最初の5人は、いいけど、後の三人は、大丈夫でしょうか?」

 

「心配は、いらない、教官にみっちり、叩き込むから」

 

「搭乗車両ですが、西住さんは、AE-86 秋山さんは、R32 河嶋さんは、FD3S 冷泉さんはスープラA80、近藤さんはランエボⅣ、澤さんは、シルエイティの組み合わせになりました。」

 

「通信・計測班ですが、通信班長に式部 沙織さん、計測班長に五十鈴 華さんを選ばせて頂きましたが大丈夫でしょうか」

 

「「問題はないけど、なにするの?」でしょうか?」

 

「配った資料を読みなさい。」

 

桃は、二人に注意した。

 

「班員ですが、河西 忍・佐々木あけび・カエサル・宇津木優季・山郷あゆみのメンバーになります。」

 

「資料見たけど、備品とか大丈夫ですか?」

 

 あけびが心配そうに質問した。杏は、胸を張って言った。

 

「心配ご無用、昨日、点検・修理を終えて、生徒会室に保管してある。」

 

「調査班ですが、班長は、私、小山柚子が担当します。班員は、ドライバー兼務の冷泉 麻子におりょう・大野あやのメンバーになります。」

 

桃は、忠告をした。

 

「現地調査は、日帰りだからな。寄り道しないように」

 

あやは、悔しそうな顔をした。

 

「誘導・警備については、風紀委員に要請したら、了承してくれた。ネットゲームばっかしている連中には、学校でしているのを見逃す代わりに、メンテナンスアドバイザーをするように言ったらあっさり了承したしね。」

 

「補給・会計は、調査班長の私が班長を兼務します。補助に磯部典子、丸山紗希を選ばせてもらいました。」

 

「副会長、一応、結構な仕事の量になるから、生徒会で会計士目指している。大木彩音と購買のプロの斉藤優奈の両名にも参加してもらったからね」

 

「ありがとうございます。会長、私の発表は以上です。会長お願いします。」

 

「私からは、学園が管理していた裏の山道 通称学園峠の整備が終えたので、明日からそこで各役職の訓練を行っていくからね。また、週末、車両は貸し出すからドライバーは、どんどん練習するように、遠征するときは一言いうように、あと、教官が来週来るからね。」

 

「放課後、走りたいものは、自由に走るように、事故だけは絶対にしないように、以上」

 

会議後、みほたちは、搭乗する車に乗り、AE-86の助手席に沙織、GT-Rの助手席に華が乗り、学園峠を見に行った。そして、夕日がきれいに見える駐車場でジュースを飲んで話をしていた。」

 

「私が、通信班長…いきなりプレッシャーかかるなー」

 

「私なんて、計測ですよ。」

 

「いきなりドライバー…か」

 

「「「(それは、仕方ないと思う)」」」

 

「あまり気を落としてもいけませんよ。峠を走る。つまり、公道を走るんですから、通信や計測の役割はドライバーにとって、一戦一戦、全力を尽くすために重要なんですよ。」

 

「西住さんたちのサポートでしたら、任せてください。」

 

「みぽりんたちが全力が出せるように、わたしもがんばらないと」

 

「冷泉さんは、大丈夫ですか」

 

「問題ない、私も全力を尽くすだけ、」

 

「この音は、ロータリーサウンド…って、まさか」

 

「近いよ」

 

駐車場の入口付近まで走り、二台の車が、バトルをしていた。

 

「あの赤いFCと黒いFDは、まさか、生徒会長と河嶋さん」

 

杏と桃が、バトルをしていた。

 

1時間前 生徒会室

 

「桃ちゃん、久々にやろうか」

 

「ももちゃんって呼ぶな!、どうしたんですか、」

 

「久々に、走りたいなあと思って」

 

「学園峠のダウンヒル1本で、私が後追いでどうですか?」

 

「いいよ。じゃあ、行こうか、柚子ちゃん、カウントお願いね。」

 

「わかりました」

 

杏の赤いFCの助手席に乗せ、桃の黒いFDはFCについて行き、頂上へ向かった。

 

みほたちが休憩中に、バトルが始まった。

 

「3・2・1・GO !」

 

二台は、スタートをし、FCは好スタートを決めたが、FDとの差は、あまり開いていなかった。

 

最初のヘヤピンは、前輪を道路の境目をなぞるようにドリフトし、FDも追従するような形となり、ツインドリフトになっていた。

 

杏は、ルームミラーを見た。

 

「離れない、やるねぇ、桃ちゃん、ちょっと、本気になろうかな。」

 

杏は、立ち上がり重視の戦法に切り替えた。

 

「さすが、赤きロータリープリンセス、私も本気で行こう。」

 

中速セクションを過ぎ、S字カーブと連続ヘヤピンが続く、低速セクションに入っていった。

桃は、プレッシャーをかけ続けていたが、杏は、何も感じていなかった。

 

連続ヘヤピンをクリアし、二台ともバックファイアーを出し、長い直線に入り、アクセルを全開に踏み、ギアの変速を3・4・5速と上げていき、ゴールの手前の3連続ヘヤピンに突入した。

 

3連続ヘヤピンを終え、みほたちがいる駐車場の前を通過した。

 

入り口で見ていたみほたちは、白熱したバトルを見ていた。

 

「あの二台は、一体?」

 

「あの赤いFCは確か?」

 

「・・・・・・・・・・」

 

「「ほえーー」」

 

華と沙織は、ただ唖然とするしかなかった。

 

ギアを落とし、三連続ヘヤピンの最初のヘヤピンに入っていった。

「これは、しまった。はめられた。」

桃のFDは、タイヤの熱ダレをを起こし、外に膨らんでいた。

「・・・・・」

杏は、真剣モードに入っていた。

 

残り二つのヘヤピンで、FDは外に膨れていき、FCとの差が開き、ゴールの直線で追いつけず、杏の勝利で終わった。

 

「桃ちゃん、付き合ってくれてありがとね。」

 

「だから…どういたしまして、未だに健在ですね。「赤きロータリープリンセス」」

 

「その通り名、覚えているんだね。そっか、あの時の二着、桃ちゃんだったもんね」

 

杏と桃は、1年生の時、ジュニアのサーキットの大会で、1度勝負したことがあるのあった。

 

その一方 駐車場では、優花里が、いつの間に持っていたのかわからないが、双眼鏡でのぞいていた。

 

「「「(どこに持っていたの?)」」」

 

「あの走り、思い出したー!」

 

いきなり、大声で叫んだ。

 

「どうしたの、ゆかりん、」

 

「二年前にジュニアのサーキットの大会で、赤いFCを見ました。そのFCのドライバーは当時、生徒会長は、1年生の時、ジュニアのサーキットのレースで大差をつけて優勝したんですよ。そして、つけられた通り名は「赤きロータリープリンセス」。そのレースの二着が黒いFDに乗っていた生徒会広報の河嶋さんでした。その後、ある人にスカウトされ、峠で走るようになったんですよ。」

 

「そのある人って?」

 

「走り屋では、知らない人はいない、伝説のチーム「プロジェクトD」のリーダー高橋涼介さんですよ。」

 

「えっ・・・」

 

みほは、去年の事故で、診察を担当した医師であった。

 

「どうしたの?みぽりん」

 

「私、去年の大会の事故で、救急車で運ばれて、診察を担当した先生だ」

 

「「「えええー」」」

 

「高橋涼介さんって、医者だったの?」

 

「みんなは、驚いていた。」

 

話を、しているうちに、日が暮れ、車を、赤レンガの倉庫に片付け、下校した。

 

その一方、生徒会室では、大木彩音と斉藤優奈が峠道の委員会から大量の書類を処理していた。

 

「お、終わらないよう・・・」

 

「バイトでも、こんな量を捌いたことはないよ・・・」

 

弱音を吐いているうちに、生徒会長たちが、帰ってきた。

 

「やってる?」

 

「会長、手伝ってください。1日じゃ終わりませんよ」

 

「無理しなくていいよ。どこまでやったの?」

 

「車に関する書類と同意書は、ドライバーの印鑑のみです。重要書類は、校長の印鑑と学校印をもらうだけです。」

 

「わかった。今日は、此処までにしよう。来週は提出できるものは早めに済ましていこう。」

 

「「わかりました。」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 オリキャラ設定

 大木彩音:ポニテールがお似合いの大洗女子学園の二年生で、生徒会会計で公認会計士を目指し、商業系の資格取得に励んでいる。経験を積むため、会計関係のバイトをしており、社員顔負けの完璧な仕事ぶりで、多数の企業からオファーが来ている。生徒会長とは、よく相談する中である。免許を取得しており、よくプリウスを運転している。

 斉藤優奈:ショートヘアで、あどけなさが残る大洗女子学園の二年生で、生徒会運営の購買部の部長で、物品管理を完璧にこなし、不足したことがないのである。隣町の学校に彼氏がおり、よく送ってもらっている。免許を取得しており、さまざまな業務に対応できるようにヴァンのエブリーを運転している


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第四話訓練の日々

学園峠の整備が終え、1週間、峠道のドライバーは、ひたすら走り込んでいた。華や沙織たちが率いる通信・計測メンバーたちは、セクションポイントに立ち、計測・通過連絡等の報告等を行っていた。ドライバーとして経験が浅いメンバーもテクニックのコツをつかんでいた。

 

日が暮れ、生徒会はメンバーを集合させた。

 

「明日、峠道の教官が来られる。10時にレンガ倉庫前に集合するように」

 

その後、連絡事項を伝えた後、解散した。

 

いつもの5人は、一緒に下校していた。

 

「セクションからの連絡の取りまとめが忙しかったなー」

 

「でも、最初に比べて、こなしてきていますわよ。計測していて、メンバーのタイムが上がってきていますわ。特に冷泉さんのタイム、初めてとは思えないですわ」

 

「・・・・・・・」

 

麻子は、眠気と格闘していた。

 

「(普段以上に、疲れているものね)」

 

「わたくしも、西住殿や冷泉殿に負けないようにしないと、」

 

「ゆかりん、そういえば、カエサルが言ってたんだけど、三連ヘヤピンで、ドリフトしてない?」

 

「してませんよ。GT-Rは、アテッサETSがついているからドリフトできないんですよ。その代わりに、インにある側溝を使っています。」

 

「溝走り、いや、溝落とし」

 

「「「「えっ」」」」

 

「溝を使った走り方、私も実際に使っているテクニックなの。雪道を走るときも使っていて、タイヤを落とすタイミングと溝から出すタイミングを調整することで、「突っ込み重視」や「立ち上がり重視」など、状況に応じて使っているの。応用で、道路の段差を使うこともあるけど、使いすぎるとサスペンションが壊れる危険性があるから、気を付けないといけない。特にGT-Rは、車重が重たい分、サスペンションへの負担が大きいから気を付けないと、」

 

「切り札にしないといけませんね。」

 

「あと、これだけは気を付けてください。コースを見るときに、溝の深さを見てください。去年の大会で、深い側溝にタイヤを取られて横転して大破する事故がありましたので」

 

「「「「えっ」」」」

 

3人は、驚いていた。

 

 

翌日、峠道メンバーは、赤レンガの倉庫の前で、教官が来るのを待っていた。

 

10分後、遠くから、ロータリーサウンドとラリーカータイプのエンジン音が聞こえてきた。

 

「きたよ。教官が」

 

みんなの前にクリスタルホワイトのFC3Sとミッドナイトブルーのインプレッサが、到着した。

 

車から降り、一息ついていた。

 

 生徒会は、全員集合させた。

 

「教官よろしくお願いします。」

 

「初めまして、高橋医院の医院長でプロドライバー育成プロジェクトリーダーの高橋涼介だ。ドライブテクニックと各峠についてアドバイスを担当する。」

 

「(うわー、すごいイケメン)」

 

「(すごい惹きつかれるわ)」

 

「初めまして、陸上自衛隊出身でラリードライバーの蝶野 亜美です。通信・計測・調査を担当します。」

 

「西住、冷泉、秋山、桃ちゃんと私で実際に走るからね。各班は、配置急げ、計測チームはカメラを持って行ってよ」

 

「「「「「「了解」」」」」」

 

ドライバー以外のメンバーは学園峠に向かっていった。

 

涼介は、みほに近づいた。

 

「お久しぶりです。」

 

「もう完治して、復帰したんだな。」

 

「先生のおかげです。あの時は、ありがとうございました。」

 

涼介は、自分の車に向かっていった。

 

「ドライバー諸君、これから、タイムアタックを行うからね。」

 

「最初は、西住、準備せよ」

 

「はい!!」

 

ドライバーメンバーは、学園峠の頂上に向けて出発した。

 

「彼女たちの実力はどうなんですかね?」

 

「西住の走りは、5年前のあいつを思い出す。」

 

「あいつって、まさか、」

 

「ハチロクのダウンヒラーの藤原拓海だ。」

 

「彼の走りには、度肝を抜かれましたし、プロドライバーを唖然させる実力者ですからね」

一方、峠では、セクションにメンバー配置が終わり、通信チェックを行っていた。

 

「こちら、スタート地点、各員状況知らせ」

 

「こちらセクション1 配置よし」

 

「こちらセクション2 配置完了」

 

「こちらセクション3 配置完了」

 

 

「こちらゴール、配置完了、周辺状況異常なし」

 

「チェック完了、よし、蝶野教官、高橋教官、用意OKです。」

 

みほは、エンジンをかけ、スタートラインに車を移動させ、待機し、深呼吸をして、目をつぶり、気を落ち着かせていた。

 

「俺も後方からついていこう。彼女の走りをこの目で見たくてな」

 

涼介は、FCに乗り込み、スタートラインから離れたところで待機した。

 

「西住さん、準備はいいですか?」

 

「は・・はい!」

 

柚子の声掛けに少し驚いたのであった。

 

「タイムアタック、3秒前、2・1・・・・GO!!」

 

みほは、いいスタートを切り、最初のストレートをギアを上げていき、加速をしていった。最初のコーナーに差し掛かるとギアを3速に入れ、最内の白線のラインをなぞるようにドリフトをしていった。中速セクションのS字カーブをクリアした後、急なS字カーブと連続ヘヤピンが続く、中低速セクションに入っていった。少し離れたところで、FCを運転している涼介は、その様子を見ていた。

 

「(まだ、完全とは、いっていないが、まるで初めてあいつを見たときを思い出すな)」

 

「こちら、第一セクション通過、タイムは45秒5、区間タイムは自己ベスト0.5更新」

 

「了解、」

 

「あっ…白いFCが通過」

 

「えっ…」

 

沙織は、驚きを隠せなかった。

 

急なS字カーブに差し掛かり、ギアを2・3速を使い分けながら速度を維持させ、ゼロカウンタードリフト、慣性ドリフトをしていき、連続ヘヤピンに向かう、少し長いストレートで、スピードを上げていった。

 

「(感覚を、少しずつ、取り戻しているな)」

 

「こちら、第二セクション通過 タイム43秒2、」

 

「了解、」

 

3連続ヘヤピンの一つ目のヘヤピンに差し掛かり、目にもとまらぬ速さでギアを変え、曲がる方向の反対にステアを切り、一気に曲がる方向にステアを反転させる慣性ドリフトで、速度を保ちながら攻めていった。コーナー出口で外に膨れたが、大外にあるガードレールとの差は5センチであった。

 

「(感じが戻ってきた。)」

 

「(油断してたら、おいて行かれるな)」

 

短いストレートで体制を整え、二つ目のヘヤピンに差し掛かり、後輪をスライドさせ、最内の側溝に前輪をひっかけ、スピードを乗ったまま、攻めていった。タイミングをあわせ、コーナーの出口での立ち上がりは、初群であった。

 

3つ目のヘヤピンで、みほの十八番のフルブレーキングドリフトで攻めていき、最後のストレートで

 

スピードを上げ、ゴールし、サイドブレーキを使って、きれいなターンドリフトを決めた。

 

スタート地点に戻り、沙織と華にタイムの確認に行っていた。

 

「タイムは、どうですか?」

 

「自己ベストタイですね。」

 

「おかえり、西住ちゃん、何か、引っかかっている感じだね。」

 

「ええ、まあ…」

 

「高橋先生が、一人ひとりの走りを見て、走りに合った理論を考えているからね。」

 

「そうなんですか?」

 

「公道最速理論、私も峠を走り込んでるときに高橋先生からよく理論に基づいたアドバイスをもらっていたからね。」

 

その後、優花里、桃のヒルクライム、杏・麻子のダウンヒルを行った。

 

放課後、ドライバーメンバーは、生徒会室に呼び出され、ミーティングを行うのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





 番外編にて、走りを書いていこうと思います。

次回あたりからグロリアーナ女学院戦を入れていこうと思います。


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彼女たちの課題

 西住みほ・冷泉麻子・秋山優花里・河嶋桃・角谷杏の学園峠の走りを見た涼介は、走りの長所短所を研究し、それぞれのアドバイスを考えていた。


高橋涼介は、放課後までに、彼女たちの走りを見て、必要なアドバイスの取りまとめを行った。また、車両のセッティングについても、チェックを行い、細部についてのデータを、「プロジェクトD」時代のメカニックの松本修一に、データを送り、電話をした。

 

「松本、涼介だ。データは届いたか?」

 

「届いているよ。中々な感じだな。今度、現場で見たいのだが、」

 

「わかった。明日、空いているか?」

 

「了解、明日、大洗学園に行くから」

 

電話を切り、休憩をした。

 

「(藤原に似た天性の持ち主、西住みほ、ジュニア出身の赤きロータリープリンセス 角谷 杏、啓介に似た走りをする 河嶋桃、車両適応能力の高いR乗りの秋山 優花里 一度見ただけで実践できる一見実戦の冷泉麻子、すごいメンバーがそろっている。)」

 

思いにふけっているのであった。

 

放課後になり、ドライバーメンバーは、生徒会室に集められた。

 

生徒会室には、プロジェクターが準備され、各席に座った。

 

「これから、先ほどの君たちの走りについて、一人ひとり、アドバイスをしていこうと思う。」

 

「まず秋山と河嶋は、テクニックには問題はないが、パワーに頼る傾向がある。タイヤのダメージコントロールを重点を置いていこう。また、アクセルをべた踏みで走行しているところが多いから、アクセルワークを重点において行こう。」

 

「「わかりました。(べた踏み、ほとんど当たっている!!)」」

 

「角谷と冷泉は走り・テクニックについては問題はないが、途中集中力が切れかけていただろう。集中力は、切らした方が負けるから、持久力・メンタル面の強化を重点にして行こう。」

 

「わかりました。(すごい、見抜かれている。)」「うっ…」

 

「重点項目を中心に、走り込んでもらう。以上 解散」

 

 

その日の夜、涼介の携帯に、電話がかかってきた。

 

「久しぶりだね。城島 俊也だ。」

 

「これは、お久しぶりですね。」

 

「君が、大洗学園の峠道の先生をしている情報が聞いたからね。協力はしようと思ってね。」

 

「ありがとうございます。来週ぐらいに、遠征を考えていたところでしたのでちょうどよかったです。」

 

「了解、待っているよ」

 

電話を切り、その後、委員会への提出する書類の作成等を行い、業務を終えた。

 

翌日、彼女たちに伝えた。

 

「来週に、筑波山で合宿を行う。地元のチームが協力することになったので、報告しておく」

 

「筑波って確かここから、一時間ほどだよね。」

 

「メンバーは、ドライバーだけですか?」

 

「今回の遠征の内容は、自動車部は峠に合わせたセッティングを練習を兼ねている。俺の方で機材は揃えておく、ドライバーは、現地まで運転していってもらう。遠征日で用事がある者はいるか?」

 

「高橋先生、来週、私、両親といろは坂へ行くのですが、」

 

近藤妙子が、手を上げて言った。

 

「いろは坂か…エンペラーの須藤京一がいたな。」

 

「京一さんは、両親の知り合いで、私も幼い時に、エボⅢの助手席によく乗っていました。両親に峠道の話をしたら、行くことになって」

 

「わかった。思う存分練習してくるといい。」

 

「ありがとうございます。」

 

「エンペラーって確か、…」

 

みほは、考えていたが、優花里は、すぐに思い出した。

 

「エンペラーは、日光いろは坂を拠点とする走り屋チームですよ。メンバーのほとんどの車はランサーエボリューションでそろっているですよ。リーダーの須藤京一さんは、ドライバー育成で有名な東堂塾出身で、ランサーエボリューションⅢにミスファイヤリングを搭載しています。近藤さんの両親もそのチームメンバーですよ。」

 

 

「へえー、そうなんだ。」

 

翌日、群馬ナンバーの松本修一が運転してきたハイエースが、学校に到着した。

 

涼介は、出迎えて、車庫に連れていった。

 

「ハチロクに、R32、スープラ、エボにFC、FD…か、」

 

「驚くなよ。このハチロク、あのエンジンが搭載されている。」

 

涼介は、ハチロクのボンネットを開けた。

 

「こいつは、藤原のハチロクと同じ型のエンジン、すごいな。」

 

松本は、全車のボンネットを開け、エンジンを見たり、足回りを見ていった。

 

「仕上がりには、問題はない。あとは、細かいところだけだな」

 

「Dの時のメンバーを連れてこようか?」

 

「そうだな、チームでやることついても教えないとな」

 

「来週までには、予定を組んでみるよ」

 

今後の予定について話し合った後、食堂のコーヒーを、飲みに向かっていた。

 

「ハチロクには、西住みほという子に乗せている。」

 

「西住って、確か、黒森峰の姉妹か!」

 

「そうだ、彼女は、その妹だ。去年の決勝戦の転落事故で負傷したが、復帰している。昨日走りを見せてもらったが、まるで藤原の走りそのままだったよ。」

 

「ほかのドライバーはどうなんだ?」

 

「おととしのジュニアのレースで圧勝した赤いFCのドライバーとその二着のドライバーもいるし、適応能力の高いドライバーや見ただけでやってのけるドライバー、それに、エンペラーの教え子がいるとは思わなかったな」

 

「エンペラーの須藤京一の教え子がいるとは驚きだな」

 

「彼女たちの素質を開花させないとな」

 

「来週、機材一式持っていくようにはしておくよ。」

 

その後、松本は、学園裏の学園峠で彼女たちの走りを見て、帰っていった。

 

「今日はここまで、明日、全員会議室に集合してもらう。来週、遠征日程と筑波のコースについて説明する。以上、解散」

 

彼女たちは、車と機材を片付けた後、みほたちは、自分の車を止めてある駐車場に向かって、歩いていた。

 

「みぽりん、乗せてよ。」

 

「どうしたの?」

 

「父さん、仕事でこれなくなっちゃって」

 

「いいよ。途中、スタンドに行くけどいい?」

 

「ありがとう。みぽりん」

 

「冷泉さんは、私が送りますわ。」

 

「ありがとう…」

 

「私は、バイクなので、失礼します」

 

優花里は、駐輪場へ向かって走っていった。

 

その後、沙織はみほのセルボに、麻子は、華のタントに乗り、帰路に着いた。




 


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遠征編
模擬戦に向けて


みほたちは、さまざまな峠に行き、成長していった。

大洗ではメンバー決めをしていた夜に筑波の峠に、とある彼女が来ていた。


涼介が、彼女たちにさまざまなメニューをこなしていき、飛躍的な成長を遂げていったのであった。

 

 みほは、いろんな峠へ行き、走り屋たちといるうちに、去年のトラウマを克服し、自信を完全に取り戻していったのである。

 

 優花里は、走っていくうちに、才能が開花し、自分で、セッティングができるようになっていた。また、タイヤが消耗しないような走りを、目指していた。

 

 麻子は、さまざまな峠へ行き、地元の走り屋の技術・テクニックを習得していき、繰り返して練習をし、自分のものにしていったのである。

 

 杏と桃は、赤城で走り込み、涼介からのアドバイスやプロの啓介との走りこみで比べ物にならないほどに成長した。

 

 妙子は、親戚でエンペラーの須藤 京一のもとで、修行し、岩城清次とバトルし、敗れたものの、彼女の成長にメンバー一同驚くほどであった。

 

他のメンバーも、それぞれの役割をこなすようになっていった。

 

涼介もまた、「プロジェクトD」のメンバーを何人かを招集し、計画を練っていた。

 

大洗学園 会議室

 

 涼介は「プロジェクトD]のメンバーの松本 修一を招き、模擬レースの対戦相手を発表した。

 

「みんな聞いてくれ、模擬レースの相手が決まった。グロリアーナ女学院だ。」

 

「先生、昨年の準優勝校が相手なんですか?」

 

「初めてのバトルになる。どこまでできるかを見させてもらう。相手校のビデオが届いているから今から見てもらう」

 

会議室にあらかじめ準備していた、PCとプロジェクターの電源を入れ、カーテンを閉め、みんなはスクリーンを見ていた。

 

Z33・ランサーエボリューションⅤ・ロードスター・シビック・シルビア・S2000の順に流れていた。

 

「あれが、「ラインの魔女」と呼ばれたS2000のダージリンね。後追いは、つらいわね。」

 

「(城島さんが教え込んでいた弟子がこの子か、似た走りをするものだ。)」

 

「S2000とのバトルは、大将戦、つまり、西住、お前にかかっている。」

 

「えっ! 私が…」

 

「ちなみに向こうも、メンバーと上下を出してきた。俺が決めさせてもらった。」

 

スクリーンにメンバーを映し出した。

 

「ヒルクライム 秋山優花里:R32   ダウンヒル 冷泉麻子:スープラ 西住みほ:AE86 混合 河嶋桃:FD3S・角谷杏:FC3Sでメンバーを選出させてもらった。相手側からは、最初をヒルクライムから始めたいといってきたので先鋒は秋山先発させる。」

 

「わかりました。相手はなんですか?」

 

「ヒルクライムがルフナ:フェアレディZ   ダウンヒルは、ダージリン:S2000 アッサム:S14 混合 ローズヒップ:ランエボ オレンジペコ:シビック  補 シレット:ロードスターのメンバーだ。コースは、筑波山で来週行う予定だ。各自、明日からコースの下見を行うこと」

 

彼女たちは、返事をした後、プラクティスを開始した

 

その日の夜 

 

筑波山の休憩場所にミッドナイトブルーのS2000とメタリックイエローあのR34、そして、5台ほどの車が止まっていた。

 

そこに一台のS2000が上がってきたのであった。停車し、車から女子高生が降りたのであった

 

「お久しぶりです。おじさま」

 

「元気そうでよかったよ」

 

ダージリンが城島俊也や星野孝造が率いる「パープルシャドウ」に会いに来たのであった。

 

ダージリンは、1年生の時に、「パープルシャドウ」に所属し、鍛えられたのである。

 筑波は、自分にとっての始まりの場所であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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筑波にて ゴットハンド編

遠征 (筑波編)

 

 早朝、みほたちは、宿泊道具を持ち、学校に集まっていた。

 

 「おはよう、みぽりん 」

 

 沙織は眠そうにしていた。

 

「はいはい、みんな、おはよう、今から筑波へ向かうからね。途中、休憩するからね。高橋先生はもう向かっているからね。」

 

 杏は、みんなを取りまとめ、自動車部のメンバーは、機材を積んだハイエースを、ドライバーたちは、自分の車のエンジンをかけ、杏のFCを先頭に筑波へ向かった。

 

涼介は、筑波の走り屋「パープルシャドウ」のリーダー 城島俊也と星野幸造とともに星野幸造の建築会社の事務所で学園峠での走りを撮影した動画を見ながら、遠征での日程・練習内容を組んでいた。

 

「彼女たちの走りを君のデーターで見せてもらったけど、いい走りをしているね。このハチロクを運転している子は、藤原君に似ているね。」

 

「このR32に乗っている子は、俺が教え込もう。俺の孫と同じオーラを感じる。」

 

「アンツィオ学園のカレンね。GT部門で入賞して、お祝いでバーベキューしたな」

 

「そういえば、僕のワンハンドステアの技術を一人の高校生に教え込んだ。」

 

「ああ、確か、お嬢様みたいな娘だったな。城ちゃんのS2000同じ車に乗っていたな」

 

「それは、いったい、」

 

「その娘は、グロリアーナ女学院の生徒だったな。ま、城ちゃんの昔の走りに似ていたな」

 

その一方、みほたちは、涼介がいった集合場所の駐車場に到着した。

 

 自動車部は、機材を下して、みほたちの車の点検を行った。みほたちも一緒に行っていった。

 

点検していると、白いFCとミッドナイトブルーのS2000、ダークイエローのR34が到着した。

 

「高橋先生が到着したよ。」

 

みほたちは点検をやめ、高橋先生のところに集合した。

 

「全員、無事に到着したな。短い期間だが、筑波で練習を行っていく、講師で、地元の走り屋の「パープルシャドウ」の城島俊也さんと星野幸造さんに来てもらった」

 

 

「星野幸造だ。アクセルワークを教えてやるからよろしく」

 

「城島俊也だ。ハンドリングとラインを担当する。」

 

自己紹介を終えた後、彼女たちは、セッティングの続きをしていた。

 

「あの子が、西住みほか、藤原君と同じオーラを感じるな。」

 

「どこまで、成長するか楽しみだな。」

 

夕方になり、宿泊施設で食事をした後、夜、セッティングをしていた場所に集合していた。

 

ドライバーたちは、軽い走り込みを行い、コースの状況等を確認しながら走行していた。

 

「ここは、溝落としができそう、」

 

「ここは、少し凸凹しているから気を付けないといけませんね。」

 

「このコーナーは、サイドは使わない方かいいかも。」

 

「砂が、散乱しているから気を付けないと」

 

彼女たちは、念入りに確認していった。

 

 確認を終え、涼介は、みほに 城島俊也のS2000の後を追ってみる指示が入った。

 

スタート地点に入り、S2000の後ろに、みほのハチロクが停車していた。

 

「西住みほです。よろしくお願いします。」

 

「城島俊也だ。無理はしないようにね。」

 

挨拶が終わった後、涼介は、みほを呼び、指示をした。

 

「西住、これは、あくまで、どんな走りをするかよく見ておけ、」

 

「わかりました。」

 

涼介の指示を聞いた後、車に乗り、車載カメラを取りつけて、準備をした。

 

「5・4・3・2・1・・ゴー」

 

グオオォォーーー

 

みほのダウンヒルの後追い講習が始まった。

 

最初のロングストレートは、差がなかったが、最初の連続ヘヤピンをみほは、後輪をスライドさせながら攻めていったが、先行するS2000は、ハンドルを少し切るだけで攻めていった。三つ目のヘヤピンで、みほは、先行するS2000のラインに気が付いた。

 

「所々でラインが違う!差が開いていく」

 

S2000とハチロクの差が少しずつ開いたところで、第一セクションを通過した。

入り組んだカーブが続き、みほは、できる限りついていくようにしたが第二セクションが過ぎたところから、一台分差が開いたところで、何かに気が付いた。

 

「(コーナー入る前のギアチェンジのタイミングで若干の差が開いている…S2000の前輪の動きもカウンターステアを最小限に抑えていて、惑わされているような感じになる。この走法、確か、どこかで…」

 

その一方、みほが講習中に、優花里は、星野幸造に声を掛けられていた。

 

「君がR32のドライバーかい」

 

「はい!秋山 優花里と申します。」

 

「優花里か、よろしく、しかし、久しぶりに見たなR32、わしは、R31⇒R32⇒R33⇒R32⇒R34と乗ってきたからな。」

 

「R32を二回乗っているのですね。」

 

「ああ、R33に乗ったけど、あれはがっかりしたからな。あわてて買い戻したのさ。よし、城ちゃんの講習が終わったら、優花里は、俺の車の助手席に乗って、見学だ。」

 

「はいっ!」

 

元気よく返事をし、待ち遠しくて落ち着けなくなっている優花里であった。

 

ハチロクとS2000は、ゴール地点で、停車し、城島とみほは、休憩をしていた。

 

「しかし、驚いたな、離されずによくついてきたね。」

 

「いえ…まあ…、城島さんの走り、ワンハンドステアですか?」

 

「よく気が付いたね。その通りだ。どこで気が付いた?」

 

「ヘヤピンの時に、前輪の動きが小さかったですし、私の母もたまにしていました。」

 

「君の母は、確か、西住しほだったかな?」

 

「母を知っているのですか?」

 

「ああ、彼女は当時、君と同じ、ハチロクに乗っていたな。一度勝負したが、ハチロクのサスペンションが故障して失速したと同時に、俺の車も縁石の切れ目でパンクして、引き分けさ。」

 

「そういえば、姉さんから聞いたことがある。母さんは、二度の負けと一度引き分けているって、二度の負けは、確か、秋名山のダウンヒルでハチロクとインプレッサに負けたって言っていた。」

 

「そうか、秋名のハチロクとインプは、さすがの彼女でさえも勝つことはできなかったか、ちなみに俺も秋名の、いや、プロジェクトDのハチロクに負けたからね。」

 

みほと城島は、過去の話をした後、スタート地点の駐車場に戻っていった。戻る際中、R34とすれ違い、助手席には、優花里が乗っていた。



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