拝啓神様へ、なんでそれを間違えたのん? (神様の嫌いな豆)
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DragonQuestⅢ《そして伝説へ……?》
わたくし、アラタと申します。
どうやら俺は転生者というやつらしく、前世の記憶が存在します。しかも神様転生というやつっぽいです。
朧げな記憶には、何やら認識できない存在がいて、その方が転生する記念に何か能力をやるといってきて、俺は勇者の能力が使えるようになりたいと言いました。イメージとしてはゼルダの伝説のリンクの様に。
その結果、ドラゴンクエストⅥの勇者の能力が不完全な状態で一緒についてきました。
なぜわかるかって?そりゃアストロンが最初から使えるのってⅥの勇者くらいだったからだよ。しかも一部にしか効果を発揮できないという悲しみよ。
そして、どうやら俺が転生した世界はドラゴンクエストの世界の様で魔法としてホイミとかあった。
そんな世界で現在四歳の俺はオルテガというこの国随一の勇者に鍛えてもらっている最中で、アストロンが使えることが発覚。
必死こいてリンクの真似ができないかと試行錯誤をしていた時に偶然にも使えました。この世界では魔術書で契約を結ばないと魔法は使えない筈で、俺が未知の魔法を使った事にオルテガは大いに驚き、そしてこれは秘密にしろと厳命されました。
しかし一部だけ硬化させるのは案外使いにくい。なにせその間精密な動きができなくなる。
なので手刀の状態で硬化し、それで相手と打ち合うという方法を取ってみたら、案外使えた。と思いたい。なにせオルテガさん相手に効果があったとかそんなのわからないし。
でもとりあえず、手札として持っておこう。重さに振り回されない様にしないとね。
……なんか、リンクから少しずつ離れていってる様な気がする。だが、諦めるつもりはない。目指せ、時の勇者!
○○○
オルテガには使命があった。魔王バラモスを倒し、世界に平和をもたらすという使命が。
妻が身重なのでその間は旅には出れないが、その代わりに自身の後継者となる子を育てていた。
その子の名はアラタ。アリアハン王の妾の子である。その妾とはオルテガの親戚で、王城に仕えていたメイドの一人だった人物だ。
そして、王の正妻からあまり良く思われていない人物でもある。
子をなした彼女は王城を去り、城下町でひっそりと暮らす様になった。王はそれを妻にバレぬ様に突き止め、人知れず支援をしていた。
オルテガは、王からの頼み、そして他ならぬ親族のために、彼女への支援を届ける役目を担っていた。
そんな時だ。剣を教えて欲しいとその子に頼まれたのは。
最初は断った。妾の子とはいえ王の子には変わりないのだし、なにせ相手はまだ三歳という幼子。しかし必死の懇願と、それを聞いた王の頼みでその子に基本を叩き込むことになった。
彼に天賦の才はなく、言ってしまえば凡才と言えるさいのうだが、様々な物を使い、食らいついてきた。その中で最も様になっていたのは、利き手で片手剣を持ち、盾をもう片方で持つ最もポピュラーな型だった。
奇抜なステップでオルテガに肉薄する彼に、何かを感じたオルテガは、取り敢えず果敢に攻めてくるアラタを手刀で吹き飛ばしながら、彼に全力で戦い方を教えることにした。
のちにアラタはこう言った。「教えてもらう人を間違ったかも……」と。
続くんじゃよ
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