一般人の自称おっさん、アイドル助けたら生活が変わった? (Aりーす)
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会社辞めたけどアイドル助けました

何故か色々大変な事があった。とりあえず説明しないとな。

 

初めまして…とかまぁ堅苦しいのは無しにしようと思う。いや、挨拶に堅苦しいも何も無いと思う訳だが。

 

俺は普通に働いているサラリーマンだ。…いや、元だ。取り柄は少しパソコンが上手いとか、交渉が上手かったり…まぁ小さな、ほんと小さな誇れる所だと思う。別にイケメンでも無いし、金を持ってたりするわけでも無い。スポーツ万能だとか頭が良いとかでも無い。唯一誇れる所がないわけではない。

 

だから社会の荒波に揉まれ、厳しい判断を受けたばかりなのだ。…まだ三十路前なんだがなぁ、目立った働きをしてないとこういうもんか。…まぁ仕方ないと言えば仕方ないのだろう。なんて、大人びた事を言うとまた切られたりするのかもなぁ。

 

とりあえず働き場所を探さないとな…とは思っていた。だがそれなりに俺も失意に飲まれていたのだろう。だからなぜか迷い込んでいた。知らない倉庫に。

 

そしてそこには、誘拐とやらの現場を見てしまったのだ。…これが俺の人生最大の不幸と言わんばかりだよ、ほんと。

 

「おい、折角金になる材料捕まえたんだ。俺は電話をする。てめぇらはまだ手は出すなよ?折角のアイドル様なんだからなぁ」

 

「ひひっ、うぃーっす!」

 

「んんーっ!」

 

「ひひひ、暴れんなって!どーせ後で良くしてやるからよ!」

 

「今はやんなっつってんだろ!今から346プロとやらに電話するんだからなぁ!」

 

…んな展開は望んでないなぁおじさん。…んー、しかしどうするか。このまま行った所で人質に取られちゃ叶わないし…

 

というか『アイドル』って言ったか?…346って確かアイドル事務所だよなぁ。相当な数を要する事務所って聞いたなぁ。プロデューサーがいる事務所を見た事がある。テレビでだけど。アイドルも美少女ばかりだった記憶がある。

 

…別に俺はアイドルオタクって訳じゃないし、にわかのレベルにも達してはいないだろう。名前も知らない訳だしな。…まぁ、助けるとしよう。リストラされたばかりの八つ当たりも、うん。そっちは言っちゃダメだったかな?

 

 

 

「失礼しまーす、よっと」

 

ひとまず名前は知らないが、起きてる子の周りにいた2人を蹴り飛ばす。周りがざわめく。…ま、それなりに喧嘩が強いってのが自慢なんだ。やめろ、不良じゃねぇぞ?

 

「な、なんだてめぇ!?」

 

「ヒーロー気取りか!?何のつもりだ!!」

 

「若いんだから人生棒に振るような真似するなよー…人に変なのやるとか、リストラじゃすまねぇぞー?」

 

「あぁ!?黙れおっさん!さっさといなく、なれやっ!!」

 

少年が…いや、年が分からないが年下そうだから少年と言ってるだけだが。鉄パイプを持って殴りかかってくる。ひとまず俺はそれを素手で掴む。

 

「おーおー、あぶねーな。ガキが振り回して良いもんじゃねぇぞ?…あ、大人でもダメか」

 

まぁ最悪捕まっても良いか。一文無しだし。暴行罪とかでなっても仕方ねぇや。人生甘くないのは分かったしなー、嫌になる程。悪いが少年の鳩尾に蹴りを入れる。

 

「…あー、ほれほれ、さっさとやめるならやめてくれ。おじさん手加減出来ないんだ。ブタ箱行きになる前に帰ってくれるなら許してやるからさ」

 

「ふざけんな!!!ぶっつぶす!!!」

 

リーダーっぽい男は電話をしないで戻ってきたようだ。…若気の至りって奴は怖いねぇ。俺もその一員だからなぁ、間違って欲しいはないねぇ…

とは言え、向かってくるなら落とさせてもらおう。

 

 

 

 

 

…あ、終わってました。てか数分くらいで終わってた。…さて、少女を助けようかな。…あーあー、怯えちゃってる、いや、俺にだよねそうだよね…おじさん凹む…

 

「通りかかりのおじさんだから、まぁ気にしないでね。テープ、取るよ」

 

口に付いてたガムテープを剥がす。少し痛そうだったが我慢我慢。…ていうか、やっぱり美少女だねぇ。

 

「…ありがとう、ございます……」

 

「礼は良いよ。というより…えーと、アイドルなんだっけ?心配してる人とかいるでしょ?戻ったら…って戻れるかな?」

 

「…大丈夫、だと思います……」

 

「んー、なら良かった。…っと、服が大変だな。悪いね、おじさんのスーツだけど我慢してくれ」

 

とりあえず破れてる部分を隠すように、スーツの上を彼女に渡す。加齢臭とか大丈夫かなぁ…?

 

「……あの、貴方は…」

 

「ん?…あー、相沢(あいさわ)蓮二(れんじ)って言うんだ。…ま、会う事はないと思うから覚えなくて良いけどさ」

 

「……覚えます……私、鷺沢文香と申します。……本当に、ありがとうございました……」

 

「ん、あ、スーツは返さなくても良いからな?捨ててもらって構わない。着ることはないと思うしな」

 

「……え…?どういう……」

 

「ま、俺の事は良いだろ?今度は巻き込まれないようになー?」

 

年下の子を撫でてしまう。手が勝手に動いちまうのはなんでだろうなぁ、やばいな通報されちゃうかもなぁ…イケメンならされないのかもな?

 

「…あ、あの……」

 

「悪い…それじゃあな。今度は悪い奴にもおじさんにも絡まれないようにしてくれー」

 

俺はさっさと立ち去る事にした。多分だけど彼女…鷺沢文香…だったかな?その子のプロデューサーだったり、同期のアイドルとかが来てもおかしくない。

 

…そして俺が警察に連れ込まれてもおかしくないという訳だな。…あー、久しぶりにあの子に会えば笑えそうー…またはあの子に会うかなー…

 

…あ、リストラされたって言われたらなんて言われるかな…毒舌吐かれたりしそうだなぁ、おじさんメンタル壊れちゃいそ…

 

よくわからない人助け…いや、アイドル助けをした1日だった。リストラされたけど。

でも、ここから俺の毎日が変わるとは、この時の俺には想像もしてなかったのだった。

 

 




初めまして、Aりーすと申します!アイドルマスターに関してとてもにわかですが、ゆったり緩めのラブコメ作品にしたいと思います。ヒロインとかは特に決めてる訳じゃなく、結構ヒロインも緩めなので、誰がオススメみたいなのあったら教えてくれると嬉しいです!


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助けた後日、普通に再会しました

 

職を追われて三千里…なんで歩き回っちゃいないけど、おじさん怒涛のニート生活3日目ですよー!

…言ってて悲しみが深くなるな、おじさんって呼ばれる歳だって事も、仕事がない事も刺さって来ちゃうね…いやぁ、辛い辛い、どれくらいって生活費とかね。今は生きていけるけどねぇ…餓死は嫌だなぁ。

 

まぁ今日は働く場所探しも兼ねて外に出ようと思うんだ。あの…鷺沢って子を助けてから外に出てない…と言っても助けてから1日経っただけだけどねぇ…

 

「んー…さて、パジャマからは解放されるね、スーツからも解放されたけど」

 

なんて言うか、スーツを着なくていい日々ってのも悪くはないよねぇ。休みなんてあってない様な物だったし、有給とか使った記憶がないね。ま、仕事効率悪かったし。

 

あ、着替えシーンとか必要無いでしょ?誰がおじさんの半裸を見て喜ぶんだい?…あ、なんか思い当たる節がなくはないけど、あの子は気のせいだし例外だし…

 

もう見慣れたアパートの一室を出る。こんな時間に出るのも久しぶりって感じだ。このアパートも家賃が安いし職場から近いから選んだけど…思入れ深いなぁ、こっちに来てからずっとここ暮らしだし…

 

「…ふふっ、こんな風に思い出すなんて、走馬灯か何かかなぁ?まぁ、死ぬほど弱ってはいないけど」

 

不思議と、そこまで悪い気はしないのだ。生活が苦しくなるのは事実だし、いつか餓死を迎えたっておかしくはない。

 

ただ、今くらいは余韻に浸らせて欲しい。自由な1日とか、誰かを助けた後の外の空気とか。…なんて、似合わないねぇ。

 

俺はポケットにあるタバコを取り出す。体に悪いのは分かってるから、1日1本までと決めている。…あぁ、昨日は吸って無かったかな?

 

「この機会だし…タバコを止めるのもアリ、かな?…ま、ライターが切れたら止めよう。買うお金もないし」

 

生憎、ライターは買い換えたばかりだった。…決意が鈍っちゃうね、歳を取ると大人ぶっちゃうから人前では止める、なんて言うけどさ。もう見栄張る相手もいないってのも悪くはないねぇ…ま、逃避してるだけかなぁ?

 

近場のコンビニに行く。それだけの道のりだったが、不思議と独り言は多くなる。不思議と思う所が増えてくる。決して、働いていた頃の方が良かったなんてものは思っていない。

 

今の時代、仕事を辞める若者も多いさ。ゆとり、なんて呼ばれてるけど…なら大人が教えないでどうするのかな?いつも甘いなんて言われてたけど…見捨てる方がよっぽどさ。

 

歳を取ってからじゃ、出来るものも出来なくなる。なら、若者は今を楽しんで欲しいからねぇ。新人の子らは上手くやれてるかなぁ?…やっぱり、それなりに引きずってるみたいだ。タバコの煙が、久しぶりに煙たく感じたのか…少し目が潤む。

 

未練がましい男ってのは嫌われるのにねぇ。…結果自分は卑しい人間だったのかね、なんて思いながらもうコンビニの目の前に着く。…おや、この時間だと客がそれなりにいるんだ。いつも夜中だから知らなかった…はは、失礼かな?

 

 

 

 

「いらっしゃいませー」

 

いつも通り、入店すれば言われる言葉。何気ない言葉だが…自分に向けられてるものと思うと何か変わったりしない?…あ、おじさん臭いかな、こういうの。

 

手頃な価格の弁当を取り、飲み物のスペースへ行く。…どうやら少し話している人らがいるようだ。本のスペースの前にいる。…変わった家族みたいだね、あれ。いや、男の人はいないから…姉妹?とかかな。

 

お、新発売。目が惹かれるね、これにしよう。新発売ってのはどうしてこうも気になるのか、意外に話が広がりそうな議題だったりして。

 

「……あ、れ……?」

 

「どうしたんです?文香さんが本から目を離すなんて…ボクは初めて見ましたよ?」

 

「……すこし…」

 

「…変なことしちゃダメですよ?またあんな事になったら大変ですからね!また怒られちゃいますよ!?」

 

「…うっ……それは…」

 

「可愛いボクの言う事なんですから!間違いが存在するわけないじゃないですか!文香さんだってカワイイボクの事をしっかり見て、そして言葉を聞くべきです!」

 

…中々キャラが立っていらっしゃるようで。自分と話してないのに、とても印象深いねぇ。…あれ?どこか聞き覚えのある名前があったような…?

 

「……でも…その……」

 

ついつい、そっちの方を見てしまう。まぁコンビニ内でこんなに声出されて見ない方が変かな…するとそこには、見慣れた訳ではないけど、見覚えのある顔と雰囲気を携えた少女がいた。

 

「……あ…」

 

そして、しっかりと目が合う。神様ってのは偶然が大好きなのかなぁ…目が合った少女は見間違えようのない、俺が助けた少女。

 

「……相沢、さん……ですよね…?」

 

「…会わないと思ってたのに、こんな風に会えるとは思わなかったよ。…元気そうだね」

 

「……はい…」

 

「ぇ???ど、ど、どういうことなんですかこれ?可愛いボクが置いてけぼり?」

 

…名前も知らない子は慌てふためいているようだ。おそらく知り合い…もしくはアイドルだったりするのかもしれない。うーん、知らないってのは失礼だったりするよねぇ…

 

「……あの…少し、お時間ありますか…?…話したい、事があるんです……幸子さんも…一緒に…」

 

「ボクだって聞きたいことは山程ありますよ!ボクを持ってしても理解できないですからね!」

 

「…ここで断る事は出来ないね。別にこっちは構わないけど、そっちは大丈夫なのかい?見知らぬ男だよ、特にそちらの子からしてみれば」

 

「そうですけどー…聞かないといけないじゃないですか!カワイイボクが聞きたいって言ってるんですから、何も気にする事はないです!」

 

「……だそうです。…近くの、ファミレス行きましょう……」

 

アイドルとファミレス…ファンの人からすれば羨ましいってレベルじゃないのかなぁ?…もう1人は名前も知らないけど、とりあえずはついていく事にした。

 

 

 

 

 

入店したら若干怪訝な目で見られたのは仕方ない。だって2人とも美少女なのに、一緒にいるのは職なしのおじさんだからねぇ…かなり奥の方の席に行くようだ。…あ、お金ないんだけど…まぁ払うくらいなら良いかぁ。

 

2人は同じ側の席につく。俺はもう片方の席に座る。まるで入社の時の面接みたいだねぇ…懐かしい。

 

「……相沢さん……ほんとに、ありがとう…ございました…」

 

「別にわざわざ言わなくても良いよ?気まぐれなんだから…というより、そっちの子に説明してあげて?」

 

とにかく聞きたくて仕方ない顔をしてたからね。…どれくらいかな、中学生とかそれくらいかな?少し小さめな気もするけど…

 

鷺沢さんは早めに説明をしてる。…目まぐるしく表情が変わっていってるね、あっちの子。まるで芸人みたい。

 

「……すみません…少し…」

 

話し終えた所で席を外した鷺沢さん。…んー、察さない方が良かったのかな?というより初対面同士を置いていかないで欲しいのも本音かな。

 

「…あの、相沢さんでしたよね?」

 

「ん、相沢蓮二。別に堅苦しくする必要はないよ?」

 

「そうはいきませんよ!文香さんを助けて下さったんです!何かあったら、ほ、本当に心配で…ほ、本当にありがとうございます!」

 

「…良い子だねぇ。良いよ、お礼とか。そういうの求めて助けた訳でもないし、さ?」

 

「でも、そういう訳には…!」

 

「んー…じゃあ、名前教えてくれるかな?君もアイドルだったりするんでしょ?」

 

「はい、ボクも文香さんと同じアイドルです!カワイイ、が付くのがデフォルトですからね!」

 

「恥ずかしい話、アイドルとか知らなくてね。…ま、ナンパみたいだけど君の事教えてくれたら。それがお礼って事でどうかな?」

 

ま、おじさんナンパする勇気もないし、ナンパ成功なんてしないけどねぇ。

 

「そ、それくらいで良いんですか?ボクだって少しくらい何か出来ますよ?」

 

「可愛いんでしょ?その子の事知れるくらいで良いよ。…まぁ、おじさんなんかに教えたくないなら話は違うけどね?」

 

歳を考えてキザな事は言わないとねぇ…言ってて恥ずかしくなってきたよ、おじさんに似合わなすぎて恥ずかしい。

 

「…ふふん!そんな事、カワイイボクが言う訳ないじゃないですか!ボクは輿水幸子です!カワイイボクを知れたんですから、これからもっとアイドルのボク、そしてボク自身を見てくださいね!」

 

「…ふふ、忘れないよう肝に命じさせてもらうよ。カワイイ子として、まぁ忘れないと思うけどね」

 

どうやら、また俺は変わったアイドルと知り合ったらしい。…うん、帰ったら少しくらい見てみようかな、なんて事を思いながら、テーブルの上にある水を飲み始めた。目の前でカワイイ宣言をした、カワイイアイドルさんを眺めながら。

 

 

 



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カワイイ子と助けた子とファミレスなう、的な

ファミレスなう…なんて呟くアプリすら入れてないのが俺なんだよなぁ…うん、どうでも良いよね。俺です。現在ファミレスです。

 

助けた子、鷺沢ちゃんと輿水ちゃんと話した。普通にそれくらいしか内容が無いのである。…まぁそれでもすごい事だけど。

 

あれからすぐ鷺沢ちゃんは戻ってきた。輿水ちゃんの様子を見て少しびっくりしてた。うん、そうだろうね。だって…

 

「ふふん♪カワイイボクの事を知らないなんて後悔しますよ、絶対に!」

 

「んー…でも元々知らなかったから後悔も何も無いというか…」

 

「こ、後悔しますからね!?あ、後から泣いたって簡単には教えませんよ!?」

 

普通に話してるからね、2人で。元々話しやすいタイプなのか、普通に意気投合できた。結構歳離れてるんだけどねぇ、面白い子ってどれだけ話しても飽きない感じがあるっていうか…

 

「むー!…あ、お帰りなさい文香さん!聞いてくださいよ!お兄さんがボクを知らない、というより知ろうとしてくれないんです!カワイイボクの事を!」

 

「…あの……よ、よく、分からないというか…」

 

「あー…まぁ気にしないでよ。お礼とか…うん、なんかそんな感じかな?」

 

「ふふん♪まぁボクとお兄さんの秘密ですよ!」

 

「ひみつ…むぅ……」

 

どこか納得していないようだが、とりあえず鷺沢ちゃんは席に座った。…並ぶとやっぱりどっちも美少女だよなぁ。

 

「そう言えば、さ。アイドルって言ってたけど、どういう事してるの?俺ほとんどアイドル知らなくてさ」

 

「それなりにボクも人気だと思ったんですけど…本当に知らないんですねぇ…まぁ知ってもらうだけですけどね♪」

 

「ライブとか写真撮影とか……そういう感じです……」

 

「へぇ…会社くらいなら聞いた事はあったけどねぇ…」

 

「お兄さんは何してたりするんです?」

 

うっ…とても言いづらい事を言われた…

 

「……そう言えば……あの時……」

 

「…言いづらいけどねぇ、鷺沢ちゃん助けた時は色々あってね…ま、隠さずに言うと会社を辞めさせられてね…フラフラしてたらってだけなんだよね」

 

「……そう、なんですか……」

 

「…き、聞いちゃ…ダメでしたよね…」

 

「はは、良いよ。もう終わった事だし、引きずっても仕方ないからねぇ。…とは言え生活とか色々…っと、若い子らにこんな話は合わないね」

 

どこか神妙そうな顔してるし、女の子にそういう顔させる男子ってどう思う?って聞いたら有罪判決が出るよね。ほぼ確実に。

 

「まぁ、また頑張るだけだし…その時は応援してくれると嬉しいな。俺も君らを応援するし」

 

「…ふふん、任せてください!カワイイボクがお兄さんを応援し続けてあげますよ!」

 

「……私も同じ、です。…応援、してくれたら……私も、嬉しいです…」

 

…底無しってほどに優しい子達だ。こんな子らに苦い人生ってのは似合わないよねぇ。まぁ、俺がアイドルの姿のこの2人を知らないから、そう言えるだけ。

きっと、輝いてるだろうしね。おじさんも頑張る気になれる…なんて、青春みたいに言うけどその頃には戻れないねぇ…

 

 

 

 

「ありがと。…2人はこれから何かあったりしないの?」

 

「…私は…何もないです……」

 

「ボクは明日が早いってだけです!今日はないですよ!」

 

「そっか。でも休みって事だよねぇ、休みなのにおじさんなんかと一緒にいるのは残念じゃない?」

 

「……私は…そう思いません……相沢さんと…居て…嫌とか思いません…」

 

「嫌なんて思う事はないですよ!お兄さんと話すのも楽しいですしね!簡単に帰すと思わないでくださいね?」

 

「…おじさんに優しくしてほしいねぇ。…まぁ、君達が飽きるまでは付き合うよ。アイドルといれるなんて、早々ない事だからね」

 

「…優しく、ですか…?こういうことです……?」

 

…なんで俺は鷺沢ちゃんに撫でられているんだろうか?しかもわざわざ隣に座ってきて…おじさんのメンタルはゼロになるよ?

 

「…こ、こういう事ではなくて…というより近くない?」

 

「…?…別に、普通じゃないですか…?」

 

「…文香さん、そういう所は鈍いんです。いつもはすごい鋭いというか…でもおっとりマイペースという感じなんですよね…」

 

「…不用心と言うのかな、そういうのって…」

 

年頃の女子が三十路手前のおっさんに近づくとか…お父さんという歳でもないのにねぇ…まぁ気にしないようにはするけど。

 

「…あの時、撫でてくれたじゃないですか…なら、普通ですよ…?」

 

「それを言われると痛いというか…実際ほぼ無意識だったしね。…そ、そろそろやめてくれるかな?」

 

「……まだ、全然良いんですよ?」

 

「文香さん!?ボクを置いてけぼりにするパターンはいらないんですよ!?お兄さんもです!」

 

「…?幸子さんも…撫でられたいんですか…?」

 

「なんか違いますよねぇ!?そういう置いてけぼりじゃなくて!…な、なんか言い表しづらいんですけど!」

 

「…とりあえずストップだよ鷺沢ちゃん。輿水ちゃんが構って欲しそうだからね」

 

ちょっと意地悪だけど…対象を変えようかなって思っちゃったんだよね。というより歳下に撫でられるのは少し恥ずかしいし…

 

「そうですか……じゃあ…」

 

輿水ちゃんは抵抗しながらも普通に撫でられている。なんだかんだ合ってる感じはするよねぇ…まぁアイドルの彼女らを知らないと…おじさんが知るって歳考えろって言われそうだね?

 

 

 

 

この後も談笑しながらファミレスで時間を過ごした。…ちなみに昨日ご飯食べてないことがバレて食べさせられました。歳下に奢られる歳上とか…ヒモ?

 

だって仕方ない、あの2人急に目つき変わったし。事情があるとは言え奢られるのは…って言ってたけど強制的でした。…女子の笑顔って怖いんだねぇ…おじさん初めて知ったや。

 

初めて?うん、そりゃ彼女とか出来たことないし。灰色の時代に生まれてそのまま育ったしねぇ。

 

「…今日は…ありがとうございました……ワガママで…着いてきてもらって…」

 

「別に気にしなくていいよ。奢られちゃったしねぇ…むしろ感謝するのはこっちだし…」

 

「お兄さんが気にしなくていいんです!大人しく奢られて下さい!何たってカワイイボクの言うことなんですからねぇ!」

 

「…カワイイ子がおじさんに奢られて下さい、なんて言うのはフィクションでも早々ないのにねぇ、まぁ野垂れ死ぬのは嫌だけど」

 

「…助けてもらったのに……そんなのは嫌です。…後、これからも……会ったり…できます…?」

 

「アイドル…というより年頃の女子がそういう事言っていいものなのかい?おじさんはそう思わないんだけど…」

 

「ウチの事務所、男子とかと居ても特に何も言いませんよ?恋愛とかも自由らしいですしね!…まぁ無縁なんですけど」

 

「俺も恋愛は無縁だけどねぇ…まぁ頻繁には無理だけど連絡くらいなら良いよ?」

 

恋愛公認するアイドル事務所ってのも存在するんだねぇ…まぁ自由を縛るってのも良くはないけど。

 

「…じゃあ…交換しましょう?」

 

「ボクとも交換して下さい!お兄さんと連絡したりしたいですし!」

 

「ん、まぁ面白い反応はできないかもしれないけど…はい」

 

 

 

 

 

この日、会社を辞めたことにより大量に人が消えたLINEに、たった2人だが新しい名前が追加された。

 

その後、2人とは別れた。2時間程度だったが、かなり濃い時間だったと思う。入社したてを思い出すくらい濃い時間だったねぇ…

 

見慣れた普通のアパートに着く。部屋に入り、着替えようとする。瞬間、俺のスマホが震える。

 

着信は『Fumifumi』『Sathi♡』という名前が2つ。…これなら間違いようがないねぇ。あの2人だってすぐに分かる。…まぁ、俺に送って来る人なんてそうそう居ないけど。

 

…不思議と笑みが溢れる。ほんの少しだけ過ごしただけの子らの顔や声、性格、姿が鮮明に映る。文字を見るだけで、笑顔になっていくのがわかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Fumifumi:本日はありがとうございました。…また、楽しくいれたら良いですね。いつか、お互いが暇な時に会いましょう。後、ご飯は食べて下さい。食べてなかったら…分かってますよね?

 

Sathi♡:今日はありがとうございました!ボクのLINEの着信を見て、いつでもカワイイボクのことを思い出して下さい!見なくても思い出してくれても構いませんよ!いつだってカワイイボクは心の中に居ますからね!ふふん♪

 

…これからは少し、返事の返し方とか学んでみたいねぇ…柄にもないかな?

 

 

 




まだ2話しか投稿していないのにお気に入り100件いっててびっくりです…Σ\(\´ω`)ウソォ!? ありがとうございます〜!



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声や姿は無くても話すことは出来る(幽霊ではない)

 

 

鷺沢文香、輿水幸子の2人とファミレスで話をしてから早くも1週間は経っている。時は早いなぁ…なんて。

あれから俺はかなり久しぶりにゆっくりとテレビを見た。もちろんアイドル観賞…観賞?うん、まぁ見ることにしたのだ。

 

テレビ越しだが、アイドルというのはあんなにも輝いているんだな…なんて思ってしまった。ステージに立つ誰もが輝いていた。あれがアイドルって奴なのか、という事を知らされた。

 

もちろんあの2人もステージに立っていた。…恥ずかしい限りだが、正直に言えば見惚れてしまった。歳を考えろって話だよねぇ…

 

まぁあれ以来は会っていない。…というより1週間しか経ってないのにまた会ったらビックリだけどねぇ…

今は2人ともLINEでよく話している。グループという奴で話している。…使った事なかったから存在自体知らない三十路手前がいるらしい。俺だ。

 

…まぁ今もこうしながら会話は始まってる。というより毎朝グループにLINEを送ってくれてるんだよな、あの2人。1週間経ったらまるで日課のようにスマホを見てしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

グループ『ファミレス組』

 

 

 

Fumifumi:おはようございます。

 

REN:おはよう、毎朝早いんだね

 

Fumifumi:今日は写真撮影なんです。…あまり笑うのは得意じゃないんですが…

 

REN:え?テレビの時笑ってたの見たけど?

 

Fumifumi:いつのですか?

 

REN:昨日のテレビ。輿水ちゃんも出てたよ?M-1並みの芸人レベルの働きをしてて面白かった。VTRの時には鷺沢ちゃん笑ってたし。

 

Fumifumi:…面白かったですし…ちゃんと見てくださいって言ったのは私達ですけど…はっきり言われると恥ずかしいというか…

 

REN:普通にアイドルにハマっちゃったからね、おじさん。…と言っても知ってるの一部だけどねー。

 

Fumifumi:…ちなみに誰を推してる、みたいなのってあるんですか?

 

REN:それ答えづらくない…?今話してる相手現役アイドルだよ?あと1人も…まだお眠り中かな?

 

Sathi♡:おーきーてーまーすー!カワイイボクが寝てる間に会話がスタートするなんて酷いじゃないですか!

 

Fumifumi:だって…寝てますし…?

 

REN:まだ小さいのに夜も起きようとするから…

 

Sathi♡:誰が胸も身長も小さいんですか!ボクはカワイイからいいんですよ!

 

REN:別に胸が小さいとか言ってないんだけどねぇ…

 

Fumifumi:流石幸子さん…芸人アイドルの頂点ですね…

 

Sathi♡:芸人アイドル!?カワイイアイドルの間違いじゃないですかね文香さん!?

 

Fumifumi:もしかしたら…芸人の中でも頂点かもしれません。

 

Sathi♡:アイドルですらなくなりましたよねぇ!?

 

REN:まぁ身体張り芸人としてブレイクしたからねぇ、おじさんも嬉しいってもんさ

 

Sathi♡:体張る事に関してはお兄さん関係してませんよね!?ブレイクも芸人さんが使う言葉に近くないですか!?

 

Fumifumi:何言ってるんですか!相沢さんは私達をプロデュースしてくださったじゃないですか!

 

Sathi♡:絶対世界観が違いますよね!?ボクだけ違う世界にいるんですか!?

 

REN:我が真名を忘れたというのか!?

 

Sathi♡:それ最早人が変わってますからぁ!!蘭子さん混じってますから!!!

 

REN:テレビで見たから真似してみた。なんか、あの子凄いね。色々と…知り合いに似てる感がある。

 

Sathi♡:知り合いに似た感じの人ってどういう…?

 

REN:なんて言うか、独特の感性を持って話してる子。

 

Fumifumi:何でしたっけ…中2秒みたいでしたっけ?

 

Fumifumi:誤字です、厨二病です…

 

Sathi♡:文香さんLINEの誤字率高いですよね…毎日話すとそこが分かるっていうか…

 

REN:予測変換だっけ?それが勝手に変換して気付かずって良くあるよね。前輿水ちゃんに送った時も俺誤字したし…

 

Sathi♡:今日は何やったの?が今日は何殺ったの?ってきた瞬間人が変わったのかと思いましたよ…

 

REN:俺普通に気づかなかったしね…

 

Fumifumi:…私は悪くないです、悪い子はスマホです。

 

REN:最近の若い子は他のせいにするから!…なーんて言われるよー?

 

Fumifumi:最近のおじさんは!っていいますもん、そう言われたら…

 

Sathi♡:文香さん、お兄さん限定の返しですよねそれ。お兄さん以外男の人と話す機会ないじゃないですか…ましてや自分からなんて

 

REN:撮影の時もあまり喋らなそうなイメージが湧いてきた

 

Sathi♡:正解です、お兄さん1ポイント!カメラの人とすらあまり話さないですからね!

 

Fumifumi:そ、それでも撮影はできます!私はわるくないです( *`ω´)

 

Sathi♡:顔文字出てきましたね。でも文香さん心配になるくらいですからね、本読んでる時は特に

 

REN:あぁ、趣味は読書って言ってたっけ?

 

Sathi♡:読書してる時は話しても反応しませんからね…ちなみにこんな感じです

 

Sathi♡:【読書中の鷺沢文香の写真with猫耳】

 

Fumifumi:何か付いてませんか???

 

REN:コスプレの趣味は隠してるとか?

 

Fumifumi:ちがいます!

 

Sathi♡:ボクが来た時こうでしたから撮りました。誰がやったかは知らないですもん!

 

Fumifumi:許しません、少しお話があります。

 

REN:オハナシって奴だね…輿水ちゃんはカワイイ良い子だったよ…

 

Sathi♡:ボクまだ生きてますよぉ!?

 

Fumifumi:私、今幸子さんの部屋の前にいるの

 

Sathi♡:メリーさん方式!?本当に来てませんよねぇ!?

 

 

 

 

 

 

あ、返事が途切れた。本当に行った可能性もあるのかなぁ…?…ひとまず写真は保存させてもらおうかな…

別に犯罪じゃない。…き、気のせいだよ。貰ったから大丈夫。

 

……あれ、今日って確か土曜日だっけ…?…あ、やば…!?

 

LINEであの子の名前を探す。見事に通知が来ていた。内容は「閉め出し…どういうこと…?」って最後に来てる。2分前に。…あ、30分前から来てる!?しかも2分ごとくらいに来てるぞ!?

 

まずいまずい!!!すっかり忘れてた!!!急いで俺は部屋のドアの鍵を開ける。瞬間、ドアが開く。開いたその先にいたのは、見慣れた少女。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…どういう事なんだい、パパ。ボク1人を別世界に取り残すなんて…」

 

「…悪かった。…だからパパはやめてくれ…まだそこまでの歳じゃないと信じたいんだけどねぇ…」

 

「…ぼ、ボクを嫌いになったと言うのかい…?」

 

「そうじゃないって…ほら、上がって?」

 

「……うん…」

 

俺をパパと呼び、涙目で俺に引っ付くこの子もアイドル。鷺沢ちゃんや輿水ちゃんに会う前から知ってたアイドルの1人であり、先程LINEで言ってた厨二病の知り合い。

 

別に親がいないとか、そう言うわけではないが…上京するにあたって俺が少しの間面倒を見ていたのだ。今は寮生活だから1ヶ月に一回会う程度になったが…すごい懐かれパパと呼ばれるようになってしまった。

 

そして今日が1ヶ月に一回の日だったのだが…鍵を開け忘れていた。…好かれるのは嬉しいんだけどねぇ…年頃の子のはずなんだけど。

 

「…撫でて」

 

「…甘え癖、直してって言ったのにねぇ…」

 

そう言いながら撫でてしまっている俺も、甘いんだろうなぁ…目の前で俺なんかに撫でられて嬉しそうにしている…

 

「飛鳥、そろそろ親離れ…親じゃないけどさ…しないといけないんじゃ…」

 

「やだ。パパはパパ、父さんは父さん。離れる必要性はない」

 

「…せめておじさんに抱きつくのはやめたほうがいいと思うんだけど」

 

「ご飯、作らないよ。父さんにパパが虐めてきたって言う」

 

「…なぜ脅されてるのかなぁ…まぁ、いつものことだけどね」

 

目を細めながら抱きつく力を強くしてきた『二宮飛鳥』という子には、どうやっても敵わないんだろう。これまでも、これからも、ずっと。

 

 

 




結構最近デレステを始めたにわかです。一ヶ月くらいしかやってません。なんで好きな曲だったり好きな子の曲のmasterのレベルは27とかなんだろうか(´・ω・)個人的にクールの子を好きになりやすい気がする。にわかってだけかもしれないけど…
2周年宝くじって当たる確率どれくらいなんですかね?全部9等とかあり得そうで怖い。


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甘えん坊の娘(仮)が嫉妬したり慌てたり

ここで少し二宮飛鳥という少女について説明しようと思う。関係としては親同士が同じ企業で働いているのだ。で、俺の方が歳上だから小さい頃は世話をした事もあった。

 

そして俺は離れたが…上京するという事になったらしく俺の家でしばらく面倒を見ていた。…と言っても金銭面での世話だ。飛鳥に飯を作ってもらっていた時はヒモ、という言葉がよぎった。

 

まぁ年頃…三十路手前になってからよく年頃って言葉を使い始めてるなぁ…歳は取りたくないってよく聞いたけど、こういう事なんだよねぇ…

 

アイドルになるのは知ってたがどこに所属する、とかは聞いたことはなくそのままだった。…が、最近知ったが鷺沢ちゃん達と同じだった。テレビに出てた。たしか…神崎蘭子って子と一緒に。

 

俗にいう厨二病という奴なのだろう。だが俺の前ではあまりそういう発言はしない。何故かと聞いたら「ちゃんと言葉にしないと甘えさせてくれない」と言ってた。…恥ずかしかった。

 

ちなみに飛鳥には仕事を辞めた事を言っている。しばらくご飯を作り置きしてくれるらしい。…通い妻みたいだな、とぼそっと言うと「別にボクはそれでも良いよ?」と言われた。お断りした。

 

あれから時間は結構経った。その間も鷺沢ちゃんと輿水ちゃんとのLINEは途切れ途切れだが返事はしている。2人とも仕事らしい。

 

「パパ、お風呂入っても良い?」

 

「着替えとかは…あるわな。…布団は流石に別な」

 

「お断りするよ。ボクはパパと一緒の布団で寝るからね」

 

「…俺の話を少しくらい聞いてくれって。…せめて隣り合わせの布団にしてくれ。それなら何も言わない」

 

「…………妥協、しよう。……苦渋の決断だけどね…」

 

「普通なら喜んでもおかしくないけどな…離れる方が普通なんだが…?」

 

おじさんと寝る事を進んでやろうとするんだよねぇ…いったい何処に良い要素があるのかなぁ…?

 

「ボクは普通とは離れた存在だからね。…でも、嫉妬とかはする」

 

そう言って飛鳥は風呂に入った。…一年前は一緒に入ろう、と誘われた時よりかはまだ離れている…気がする。その代わり来る頻度は多くなったりしてた。

 

飛鳥曰く、成分を補給しないとやっていけないらしい。…だが恥じらいはあるらしく、流石に風呂はやめたようだ。間違いがあれば大変だからな…

っと、またLINEがかなりの頻度で鳴り出した。2人とも仕事は終わったっぽいな。…それも分かるって凄い話だよなぁ。

 

 

 

 

 

 

Fumifumi:お仕事完了致しました。本日もお勤めご苦労様でした。

 

REN:お疲れ様。俺は何もしてないけどねぇ…

 

Sathi♡:お兄さんはカワイイボクの相手をするっていう、重大な仕事がありますからねぇ!!

 

Fumifumi:今日は蘭子さんに不思議な事を聞かれました。我が同胞が近頃、同胞の眷属のサイオンを欲している…って言ってました…

 

Sathi♡:同胞…ってことは飛鳥さんですよね?眷属ってのは…なんでしょう?

 

REN:あ、それ俺だと思う。現時点で飛鳥が家にいるし

 

Fumifumi:え?

 

Sathi♡:は?

 

Sathi♡:ちょ、え、な、何言ってるんですか?お兄さん。夢だったりしませんかそれ!

 

REN:夢じゃない…てか朝LINEで言ったろ?神崎ちゃんに似てる知り合い、それが飛鳥なんだよ

 

Fumifumi:……どういうことです…?

 

REN:鷺沢ちゃんとかと会うより前に飛鳥は知り合ってた。偶に家に来たりする。今日はその日だった、現状です。

 

Sathi♡:…びっくりですよ、それでアイドルを知らないってことが

 

REN:ブラック企業に勤めてた俺に、アイドルを見る暇すらなかったんだよねぇ…今は完全にファンだけど。

 

Fumifumi:そう、なんですか……ずるいです…

 

REN:え、なにが?ずるい要素あったの?

 

Sathi♡:名前ですよ!な、ま、え!!飛鳥さんだけ飛鳥って呼んでるじゃないですかぁ!LINEまで交換して沢山話してるのにボクらはまだ苗字ですもん!

 

Fumifumi:そうです…

 

REN:俺ってこう、女子と話す機会無いからさ…下の名前で呼んで良いかわからないんだよねぇ…呼んで良いなら呼ぶけど。…少し恥ずかしい気持ちはあるけどね

 

Sathi♡:カワイイボクの名前は呼んで欲しいんです!ボクは名前で呼んでください!

 

Fumifumi:…私も、距離感を掴むのは苦手ですが…下で呼ばれるのは…嫌じゃないです、蓮二さんには…呼ばれても大丈夫…です…

 

REN:…そっちから呼ぶのズルいなぁ…分かったよ。文香ちゃん、幸子ちゃん。…呼び捨ては流石に勘弁してね、飛鳥は1年とかそういうレベルじゃないほど世話してたからさ

 

Sathi♡:そこまで強要しませんよぉ!…でも飛鳥さんって寮生活じゃないですか?

 

REN:アイドルになるときにしばらく世話してた。寮に入るまで、かな?そこからは1ヶ月とかそれくらいの頻度だったね

 

Fumifumi:そうなんですか…今はどうしてるんですか?

 

REN:飛鳥は風呂入ってる。…わざわざボロアパートで入らなくても良いとは思うんだけどねぇ…

 

Sathi♡:ちなみに呼び方とかは普通とは違うんじゃないですか?

 

REN:非常に不本意なんだけど、パパと呼ばれている

 

Sathi♡:ぱぱ…?お兄さんはおじさんだったんですねぇ!

 

REN:やめて!俺はまだ三十路手前だから!お兄さん呼び地味に嬉しいんだから!

 

Fumifumi:……あ、そう言えば飛鳥さん。誰かに会いたいって言ってた気がします。蓮二さんだったんですね…

 

Sathi♡:お兄さん呼び嬉しいんですか(にやにや)…おにーさん♡

 

REN:♡がついた!?くっ…つい本音が…

 

Fumifumi:蓮二…おにいさん…

 

REN:なんか一気に体操のおにいさんみたいになった。文香ちゃんはなんか、俺をおにいさんって呼ぶの合わないねぇ…

 

Fumifumi:…蓮二お父さん

 

REN:ぐはっ!!!?

 

Sathi♡:最早NGワードみたいになってますね…安心してください!カワイイボクはずっとお兄さんって呼びますから!

 

 

 

 

 

 

「………ぱぱ…さっきボクが言ったこと、忘れた?」

 

いつの間にか俺の後ろからスマホを覗き込んでいる飛鳥がいた。…どこか怒っているような雰囲気を醸し出している。

 

「…正座」

 

すぐさま正座しました。大人の威厳?そんなの数年前から捨てたよ、帰らぬ者となったんだ。プライド?働けばそんなのなくなるよ。

 

「…これ、文香さんや幸子だよね?なんでLINEをしてるの?何かあったんでしょ?」

 

こういう時は隠すと逆効果だ。何故か怒るとき、飛鳥は俺の嘘を一瞬で見破るからな…分かりやすいらしい。ひとまず洗いざらい話すことにした。

 

「リストラされた日に文香ちゃんが不良…うん、不良に絡まれてて。助けてから幸子ちゃんと知り合ったって感じ」

 

「…嘘、ついてないね」

 

「つく必要ないしねぇ…飛鳥の事も話してるんだけど」

 

俺のスマホの履歴を見て、しばらくすると飛鳥は顔を真っ赤にしていた。今まで見た事ないくらい顔を真っ赤にしてる。甘える時もクールなんだけどな、この子。

 

「ぼ、ぼ、ぼ…っ、ぼ、ボクはパパの事言ったことないのに!?き、きかれて…!?」

 

「神崎ちゃん、だっけ?テレビで一緒に出てたの。その子から聞いたって文香ちゃん言ってたよ?」

 

「…い、言ってない…!!…成分が、たりな…っ!?……うぁぁ…!?」

 

なんか悶えてる、はっきり言って可愛い。幸子ちゃん並みにカワイイ。

 

「こ、こ、この子らがっ、き、聞き違えただけだから!!ぼ、ぼくは、言ってないからねっ!!」

 

「え、文香ちゃんも誰かに会いたいって言ってたの聞いたらしいけど、本人から」

 

「ぅぁぁぁぁぁ…!!!ぅぅぅぅぅ!!」

 

ゴロゴロ顔を真っ赤にしながら転がってる。そのまま俺が寝る予定だった方の布団に隠れ始めてしまった。

 

「も、も、もう寝るからっ!!おやすみっ!」

 

「そこ俺のなんだけど…」

 

「し、し、しらないっ!!パパの布団はボクのと同じだからっ!!!」

 

「…別に気にしないなら良いけどさぁ。…おやすみ、飛鳥」

 

「……おや、すみ…」

 

帰ってきたときは頭を撫でながら寝させるのが基本になった。…だから文香ちゃんとか撫でちゃったんだよな…飛鳥が原因というか要因というか。

 

「……パパ、アイドルの事、結構知ったの?」

 

「まぁ、な。飛鳥がステージに立ってる姿もちゃんと見た。…これからはファンとしても応援できそうだよ」

 

「……そう…じゃあ、ちゃんと応援してね。…後、基本は認めるから…文香さんとか幸子なら、さ…」

 

「認める……?認めるって何を…?」

 

「……何でもないよ、気づかないなら気づかないままでいれば良い。……今度こそおやすみ」

 

そのまましばらく撫で続けていると、可愛らしい寝息が聞こえ始めてきた。その間もLINEは鳴っていた。…まだ少し撫でておくか。返事はしたいけど…飛鳥がここまで甘えてくるのも久しぶりだし、な。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(彼女とか、結婚とか……ボクが認めない限りはさせないからね?パパには幸せになって、欲しい…し)

 

そんなことを心の中で少女が思っていた事に、一般人が気づくよしもなかった。

 

 

 

 




デレステのmasterの27とか28はフルコンできないの多いのに、master+の28とかはフルコンできるのは何故だろう(´・ω・)?


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カワイイ子のワガママは聞かないとダメですよ?

朝、起きたら飛鳥はいなくなってた。まぁいつもの事だ。普通に学校も通ってる女の子だし、アイドルとしての仕事もある。朝はかなり早いらしい。

 

…だが、しっかりとご飯を作っていくあたりが将来いいお嫁さんになりそうだなぁって思う。本人に言ったら顔真っ赤にしそうだけどねぇ

 

…ん?手紙がある。なになに…『おはよう。ボクは今日も仕事があるから先に出るよ。パパも頑張って。…後、文香さんや幸子には家の場所を教えておくから。ボクがいない時にご飯を食べてない、とかあったら正座とかじゃ済まなくなるからね』だと。

 

あ、ごめんなさいもう遅いや…すでに飯抜き生活やってしまってる。…あれ?これって結構詰みだったりする?

ちなみにとりあえずだけどバイト始める事になりました。おっさんのバイト姿とか悲しすぎ…ひもじい生活になるぜっ!

 

ちなみにバイトだが配達業だ。結構給料が高くて電話したらすぐ受かった。どうやら配達先は問題児が多い…というより話が通じなかったり家にいない時が多かったり…

 

というよりアレだ。どうやら346プロの事務所に運んだり女子寮に運んだりとするのが多いらしい。受かってから知った。会う可能性も無くはないらしい。

 

今日は珍しくLINEが鳴らない。多分朝が早いか本当に2人とも休みで疲れ果ててるかのどちらかだとは思う。文香ちゃんは見た感じ体力がありそうには見えなかったしね。

 

「…うわ、すごい家庭的な朝食。料理スキルまた上げたなぁ飛鳥は」

 

決して俺が料理ができないと言うわけではないが…作るのが面倒になって弁当を買ったりしてたのだ。見事に飛鳥にバレた。

 

…あ、今日は新聞が来る日だ。てか来てるよな多分。部屋から出てポストに向かおうとする為、部屋の扉を開ける。

 

「おはようございます、お兄さん♪」

 

とりあえず高速で閉めて鍵をかけた。どうやら俺は疲れているらしい。幸子ちゃんの幻覚と幻聴が…あれ、LINEが

 

Sathi♡:開けないと大声で有る事無い事、カワイイボクが叫んじゃいますよー?

 

社会的地位が殺されてしまうっ!?高速で閉めた鍵を開ける。すると頬を膨らませた幸子ちゃんが見えてきた。

 

「カワイイボクがせっかく来たのに!この対応はないじゃないですかぁ!!」

 

「…いや、なんでいるか分からなくなったからさ。少し自分を顧みてた」

 

「飛鳥さんは手紙を書いたって言ってましたよ?教えてもらいましたし来たんです!カワイイボクがねっ♪」

 

そう言いながら新聞を手渡して来る。…いつか飛鳥みたいに俺の周りについて把握されそうだ。文香ちゃんが来ることもあるかもだし…いや、それは自意識過剰ってやつだよきっと。

 

「教えるとは書いてあったけどねぇ…書いた当日来るとは思ってなかったんだよねぇ…」

 

「いいじゃないですか!飛鳥さんの次にカワイイボクが見れたんですからね!」

 

「…そう思えば良いか、な?とりあえず上がる?何もないけど」

 

「はい!あ、お昼過ぎには帰らせていただきますので!」

 

「ふーん、お仕事?」

 

「お友達と出掛けるんです!」

 

「良いことだね、今のうちに楽しんでおかなきゃ損だよ?仕事詰めすぎたら可愛さ半減なんてものじゃ済まないかもよ?」

 

「ボクの可愛さはとどまることを知らないんですよ♪」

 

自信があってよろしいことで。…まぁ、こういう子をスカウト出来るって言うんだからすごい会社だよねぇ。

 

 

 

 

 

とりあえず幸子ちゃんを家に上げ、今は一緒に飛鳥が作った料理を食べながらテレビを見つつ談笑している。さっき聞いたが文香ちゃんも来る予定だったそうだ。

 

すると突然家の用事が入ったらしく今日は来れない、とLINEで言ってたらしい。…まぁそこまで面倒みなくても良いんだけどねぇ…年下にどれだけ甘やかされてるんだろうね、おじさんは

 

「…あ、そうそう幸子ちゃん。俺来週…と言っても明日からかな。あんまりLINE返せないかも」

 

「…え???ど、どういう事ですか!?」

 

なんですぐ詰め寄ってくるんだい君達は、アイドルの自覚と年頃の美少女の自覚を持とうよ、ね?心の中でしか言えないからヘタレなんだよねぇ…

 

「俺ね、バイトする事になったんだ。週に…3回か4回程度だけどね。ほら、ずっと働かないままは流石にね…」

 

「あ、あぁ、そういう事ですか…てっきり何か出来たりとかしたのかと…」

 

「できた?何が?」

 

「いやっ!な、何でもないですよ?…どんなバイトなんですか?」

 

「配達業。荷物運びとかどこかに荷物届けたりとかそういう感じ。…まぁ、それなりにお金も良いから」

 

「そうなんですね…そう言えばウチの事務所にたまに配達の人来ますね。事務所の直属みたいなもので、アイドル個人にも運んだりしてるらしいですけど」

 

「へぇ…幸子ちゃんはしてもらったことはないの?」

 

「まだないですね…でも配達の人ってすぐ辞めるらしいんですよね。言葉が分からないとか、冷たいとか…」

 

「年頃の女子が相手だからねぇ…厳しい子は厳しく言うだろうし」

 

「でも事務所の直属みたいなものなのでたまにですけど、寮の掃除をしてるのを見た事もありますね!大変そうだなぁって思ってました…」

 

まぁ多分それ、これから俺がやる事なんだろうけどねぇ…意外に仕事内容がわかってしまった。多分仕事の種類が多いから給金も高いんだろうなぁ…

あとは辞める人が多いってのもかな?女子の子が来たりすればアイドルに引き抜かれてもおかしくはないよねぇ…

 

 

 

 

「…ん、ご馳走様でした。飛鳥さんすごい料理上手いんですね!」

 

「わざわざ覚えたらしくてね…頭が上がらないよねぇ」

 

「ふふん♪それでは皿洗いはボクがしますね!お兄さんはゆっくりしててください!」

 

「…流石にそれくらいは出来るよ?いくらおじさんだからって…」

 

「カワイイボクが、やってあげるんですからっ!早々ない事なんですから受け取ってください♪」

 

「…どうも敵いそうにないねぇ…わかったよ、それじゃあ頼んでも良いかな?」

 

「はいっ♪」

 

幸子ちゃんは台所に立ち皿洗いを始めた。…ひと回り近く離れた子に皿洗いさせるって、大人って何だろうねぇ。

やってくれるのに不満がある訳ではないよ?そんな傲慢な男になりたくはないし。

 

「んーっ…もう少しで届きそうなんですけどねぇ…」

 

とりあえず目をそらす事にした。あの子気づいてない、自分がスカートだって忘れてる。見えかけてるから。

 

「お兄さん、少し手伝ってくれませんか?届かなくて」

 

「別に良いけど…皿を入れればいいの?」

 

「いえ、肩車でボクを上に運んでください!」

 

「いや、普通に俺がやるからさ、自分の格好をちゃんと見てから言ってね」

 

幸子ちゃんは言われて初めて気づいたようだ。昨日の飛鳥程ではないけど顔を赤くしている。

 

「…おにいさんはえっちですね」

 

「やめてくれ…それを引き受けないだけ良い…とは言い難いけどさ。えっちはやめてほしいなぁ」

 

幸子ちゃんの隣に立ち上の棚に皿を入れる。その間も顔を赤くした幸子ちゃんに、何とも言えない目線で見られている。

 

「…むー…」

 

「…悪かったって。見てたら土下座ものだけどさ…これで許してくれって」

 

幸子ちゃんの頭を撫でる。すごい撫でやすい位置に頭があった。…すごいサラサラの髪だよな、女子ってみんなそうなのかな?飛鳥もそうだし…

 

「…し、仕方ないですね!許してあげます!」

 

「…ふふ、ありがと」

 

皿を全部片付け終わった俺と幸子ちゃんは、またテレビの所に座り直した。…が、幸子ちゃんはさっきまでと座る場所を変えていた。

 

「…なんで俺の膝の上に座るんだい?」

 

「全部許したとは言ってませんからね!しばらくはこうして撫でてもらいますよっ♪拒否権は無しです!」

 

…まるで猫みたいに座り込んで来たねぇ…飛鳥もこうして来るときはあるけど、幸子ちゃんにもされるとは…

 

「…ほんと、撫でるの上手いですね。文香さんも言ってました」

 

「それは…喜びたいような、撫でる機会は別にそこまでないから喜んで良いものか…」

 

「飛鳥さんや文香さんは撫でてるじゃないですか?まぁ、ボクも撫でてもらいますけどね!」

 

「…まぁ、時間が来るまでね?」

 

時間が来るまでは、撫でる事を続けないといけないようだ。カワイイ子のワガママってのは、聞くのもやるのも大変なんだねぇ…

 

 

 




(欲しいSSRが)当たらない?なら出るまで回せば良いじゃない!そんな甘い世の中ではないんですよね、今のご時世とか確率って(´・ω・)



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バイトとはアイドルにもっと近づく仕事だったとさ

今日はバイト当日である。しかしはっきり言って予想外の説明ばかりを受けた。

 

配達業と言っても様々な場所へ運ぶものだと思っていた。だがどうやら俺は本当に346の事務所の直属として働くらしい。

 

荷物を運ぶと思っていたが違った。正確には『アイドルを運ぶ仕事』が主な仕事だった、と言うしかないと思う。

 

どうやら俺は見事に勘違いをしていたらしい。普通に電話をしたのも346プロそのものに電話をしたのだと思う。

 

内容としては流石にプロデューサー1人で二桁を簡単に越す面々を全て送り届けたりするのは無理になってきたそうだ。

なのでサポート要員を募集したらしい。で、俺が電話したのはそこ。実際配達する仕事の方は別の電話番号だった。…本当に歳、取ったなぁ…

 

まぁプロデューサーの代わりにアイドルを仕事現場に運んだり、女子寮の掃除をしたりアイドルと親交を深める…いや、親交を深めるのは別に構わないって言われただけなんですけどねぇ

 

だから週に数回なのに給料が多いんだな…アイドルを運ぶとか一緒に数時間いるだけでも、結構メンタル来そうだし。あ、女子といるからって意味でね?

 

ちなみにそれを説明してくれたのは千川ちひろっていう事務員さんだった。普通にアイドルとしてやっていけそうな顔立ちしてたけどねぇ…

 

たまに事務仕事もやってもらうかもしれません、とも言ってた。まぁ残業代とかも出るらしい。そう考えると結構良い案件だと思った。

 

アイドルとの関係もそれなりに大事らしいし、もし泊まりになったら場所は提供してくれると言う。なら仕事をする他ないだろう?

 

現在は資料を見ながら千川さんに仕事を教えてもらっている所だ。スケジュールだったり仕事内容の確認だったり…まぁ危なそうな仕事だったりと。

 

「蓮二さん、仕事出来てますよね?でも履歴を見る限り…」

 

「あぁ、リストラ受けたんですよ。…ま、ゆとりとか言って新入社員をいびる人ばかりでしてねぇ。なので仕事教えてたりしたら、使えない奴と判断されたってだけです」

 

「…酷いですね、そういうの」

 

「ははっ、ありがとうございます。まぁ今はこっちが仕事なんで、初日ですけど」

 

「ふふっ、そうですね。あ、ちなみにここにプロデューサーが来る事ってないんですよ」

 

「え?それでどうやって…」

 

「仕事がかなりありまして…しかもスカウトまで兼任してるので、自分の家で仕事したり、街歩いたり現場行ったり…そればかりなんでここに帰って来る事はないんですよね…」

 

「へぇ…それでアイドルとかと親交とかできるんですか?」

 

「まぁ、同性ですから積もる話もあるらしいですしねぇ。話し合う子は合いますし」

 

まさかのだった、ここのプロデューサーって女なんだねぇ…てっきり男を想像してたんだけど。

 

「へぇ…って事は俺以外男はいないって事になりますよね?」

 

「社長を除けば、ですけどね。年が離れた子と話すときもあるでしょうけど…」

 

「…まぁそこは考えておきます。おじさんに過度な期待はしないでくださいねぇ?」

 

「自分でおじさんって言うんですね?まだ30も行ってないじゃないですか、蓮二さん」

 

「歳下から見ればおじさんですよ、おじさん。…まぁ最近よくアイドルと関わってますけど」

 

「最近…ですか?」

 

「あはは…自分でも言うのは何なんですけど、一切アイドルとか知らなかったんですよ、最近ようやく知ったというか…」

 

「だからアイドルのことを言っても無関心だったんですねー…」

 

「今は知ってる…と言っても一部ですけどね。後はテレビで見た程度の知識ですし。顔と名前が一致する方が少ないですよ、きっと」

 

「まぁそこは覚えていってくださいね?人気が出始めてる子達だっていますし」

 

「善処します。…おじさんの記憶力がどこまで持つかはわかりませんけどねぇ…」

 

 

 

 

 

あれから時間が経った。どうやらもう少しでアイドルが数人来るらしい。…1人くらい知り合いがいたらなんて思うけどねぇ…そんな簡単ではないんだよねぇ。

 

「にゃ〜はっはっ!た〜だいま〜!」

 

「ただいま…あら、その方は…?」

 

「……えっ…」

 

扉を勢いよく開けてきた子、その後ろからついて来るさっきの子より年上っぽい子、そして見事に知り合いの順で入ってきた。…あれ、さっきのって俗に言うフラグ?

 

「お帰りなさい!紹介しますね、事務員兼バイトとして本日から働いてもらう、相沢蓮二さんです!」

 

「……蓮二さん…どうして、ここに…?」

 

「…いや、たった今、千川さんが言った通りなんだけどねぇ。ここで働く事になった…うん、それくらいかねぇ」

 

「…そう、なんですか…なんで黙っていたんです…?」

 

「え、幸子ちゃんには言ってたんだけどねぇ。ここら辺で働くってことだけは。…まぁ事務所の中で働くとは思ってなかったけど」

 

「……私に教えてくれないなんて……意地悪です…」

 

「…幸子ちゃんと言い人聞きの悪い事はやめてくれー…」

 

文香ちゃんとはさらっと話してるけど、周りの人(3人)は唖然としてる。驚きを隠せていないようだ。

 

「れ、蓮二さん…こ、これは…?」

 

「さっき言ったじゃないですか…最近関わってるって」

 

「文香ちゃんが男と…?」

 

「むっ!これは大事件の匂いっ!」

 

「…まぁ色々あったんですよね……」

 

「そうとしか言いようがないから困るんだよねぇ…えっとですね」

 

ひとまず説明をした。…と言ってもアイドルであろう2人は半信半疑って感じを隠せてなかったけども。うん、俺も助けたとは言えここまで知り合うとは思ってなかったからねぇ…

 

 

 

「はぁ〜…文香ちゃんを助けたのが蓮二さんだったんですか…世間は狭いですねー…」

 

「はぁ〜、なんか不思議だね〜、キミ」

 

「…よく言われるようになったよ、不思議とか色々」

 

「ふふっ、でも悪い人ではなさそうですし…ね、文香ちゃん」

 

「…はい……」

 

ここでいいえって答えられたら全て台無しだったよなぁ…うん、そこは別にどうでも良い事だよねぇ…

 

「あ、そう言えばお二人の紹介がまだでしたね…こちらが一ノ瀬志希ちゃん、こちらは高垣楓さんです」

 

「あたしが一ノ瀬志希!志希ちゃんって呼んでいーよ♪」

 

「高垣楓と申します。よろしくお願いしますね?」

 

「さっきも紹介はされたけど…相沢蓮二、今日から事務所だったり…まぁアイドルとそれなりに距離を近づけないといけないただのおじさんだから、そこまでよろしくしなくてもいいよ?」

 

「蓮二くんね♪…んー、今までと全然違う感じ~」

 

「違う…?それは性別的な意味で?」

 

「ううん、匂い、スメル」

 

………………俺はなんて返すのが正解なんだろうか…?え、おじさん特有のアレ??華麗臭もとい加齢臭?……自覚したくなかったなぁ…………

 

「志希ちゃんはヒトの匂いを嗅ぐのが好きなんですよ。匂いフェチと言い換えても変わりないですが」

 

「…はたしてその違う匂いというのは良いのか悪いのか…」

 

「良い匂いって言われれば興味を持たれてますね、良い匂いの枠組みとかはわからないんですけどね…」

 

「んー…何でだろ?全然わからないぞー?」

 

どうやら悩みまくっているようで…

 

「どういう匂いなんでしょうか………?………蓮二さん……」

 

「いや、確実に嗅ごうとしてるよね?認めるわけないからね?」

 

「………え………?」

 

いや、なんでそんな意外そうな顔してるの?普通に嗅がせないよ?完全に辱めだよねそれ、もしくはおじさんを社会的に抹殺しようとしてるよね?

 

「ふ、文香ちゃん…鈍いというか世間知らずというか…」

 

「…警戒心が0に近いってことかもしれないですけど…」

 

「……蓮二さんに…警戒心なんて………持ってませんよ…?」

 

「うれしいような、素直に受け取ったら受け取ったで問題があるような…」

 

「文香ちゃんを手玉に取ってるんですねぇ」

 

「高垣さんまで人聞きの悪いことを言わないで下さいよ…犯罪歴とか存在してないんですから…」

 

「ふふっ、あと私は楓で結構ですよ?」

 

「…まぁ呼ぶよう善処はします」

 

「んー、蓮二クン!嗅がせて!!」

 

「いや、志希ちゃん、堂々と宣言されてもだめだからね?」

 

「なら勝手に嗅がせてもらうもんね!!文香ちゃん!そっち抑えて!!」

 

「……はい…!」

 

「二人がかり!?ちょっ、見てないで助けてくださいよ!!」

 

「でも…楽しそうですし??」

 

「見てるこっちも楽しいですから…傍観で♪」

 

この職場にろくな人はいないのか!?という気持ちを抱いたまま、今日のバイトは終わった。たった一日で会社に勤めた数年間の疲労並みにつかれた……

 

最後には四人に押さえつけられましたよ、そのことのことは何も語らない方向で……ただ一つ言うなら志希ちゃんにはより一層興味を持たれた、とだけ。文香ちゃんはずっと笑ってたよ、小悪魔ぁ…高垣さんと千川さんはとても楽しそうにしてました まる

 

………飛鳥や幸子ちゃんにばれる日も近いと考えると、疲れが……………寝よ………

 

 

 

 

 

 

ブーッ……

 

 

 

Fumifumi:お仕事お疲れ様でした。もう、寝ていらっしゃいますか?……良い匂いでしたよ。とても

 

 

 

 

朝目を覚ましたおじさんが、このLINEをみてまた羞恥に襲われるのは、また別の話。

 

 




楓さんのこいかぜのフルコンができないの巻

秘密のトワレ?知らない子ですね(目逸らし)

なんで推しとか好きな子だったり好きな感じの曲のmasterのレベルは27とかなのだろうか(´・ω・)ふみふみは優しかったね…




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アイドルは輝く、昨日も今日も明日も

 

あの日以来、まぁ色々…と言えるほど何かあった訳ではない。文香ちゃんのLINEは俺の記憶から抹消した。既読無視したら次の日に仕事に行ったら詰め寄られた。最近詰め寄られすぎじゃない?女子としての自覚が足りないねぇ…

 

文香ちゃんは本当にこう、男女の関係とやらを知らないと言っても良いレベルだった。おかしいもん、年頃の女子がおじさんに向かって「…じゃあ、私の匂いを嗅ぎますか…?今は、汗かいてませんし…」って言ったんだよ?

 

あ、飛鳥は別ね。普通に飛鳥や幸子ちゃんにも志希ちゃんとの初絡みのことは伝わったらしく、幸子ちゃんには「やっぱりえっちですね…!」って言われた。

 

飛鳥?あの子はクールぶってたけど言ってる事がクールじゃなかったよ。「パパ、嗅ぎたいなら言ってくれれば良いんだよ。こんなに近くにいるのに、さ」だって。娘だとしてもおかしいよねぇ…

 

後は志希ちゃんと楓ちゃんと連絡先を交換した。まぁLINEだけどね。志希ちゃんって天才らしいんだよね。本人から聞いた。なんだっけ…カタカナの何かを言ってた気がするんだけどねぇ、忘れたや

 

後は実験みたいな、薬を作ったりもするらしい。…風邪薬を頼んだら1時間匂い嗅がせてくれたらね♪と、陽気に言われた。うん、無理だよね。

 

楓ちゃんとは一度だけだが飲みに行った。見た目に反してダジャレが好きらしい。ただ酒癖が悪いとかそういうのは無さそうだった。

 

ほら、売れ残りとかのレッテルは嫌じゃない?…まぁおじさんに心配されなくても相手なんてすぐ見つかりそうだけどねぇ…

 

今は事務仕事ではない仕事をしている。…と言ってもアイドルの送り迎えなんだが、何故か一緒に来てくれと言われた。なんでや!…っと、エセ関西弁が

 

「…なんで俺を連れて行くんだい、志希ちゃん」

 

「んにゃ?えーっと…何だっけ?忘れちゃった!」

 

「…理由があるかすらも不明なんだねぇ、おじさんの体力がなくなっちゃうよ…」

 

「蓮二クンは体力あるでしょ?匂いがそう言ってる!」

 

そう言いながら俺のそばに近寄り匂いを嗅ぐ志希ちゃん。…仕事の合間だけは好きにさせる事でどうにか約束をした。…決して合間が多い気がするのは気のせい、だと信じたい。

 

癖になる匂い…らしいが、決して俺にそれは感じ取れない。天才と凡人の違いなのかねぇ…?

 

「…というか今日の仕事は撮影じゃなかった?ライブとかなら見ても良いけどねぇ…」

 

「撮影だからこそっ、だよ?」

 

忘れてたの嘘だってわかったよ、たった今。…ここ数日でアイドルの子の性格とかはわかりやすいものなんだなって思った。と言っても知り合ったのはほんの数人だしね。

 

文香ちゃんに幸子ちゃん、飛鳥に志希ちゃん、楓ちゃんの5人だからね。…ここまで全員歳下のアイドルなんだよねぇ…この中で最年長の楓ちゃんでも俺の三つ下だしねぇ。

 

他のアイドルの子らと会うのはよっぽどの事がない限りは無い。時間帯が合うのは志希ちゃんと文香ちゃん、楓ちゃんの3人だ。幸子ちゃんや飛鳥は偶に合うが…3人に比べたら少ない方だと思う。

 

というより事務仕事自体が仕事って訳じゃないし、送り迎えをしたりするのは話せる人が良い、という感じであの5人と会う機会が多いってだけだと思う。

 

…まぁ忙しい時期もあるみたいだし、その時は他の子とも絡むかもねぇ…

 

「着いたよっ♪ちゃんと見ててね?志希ちゃんのスーパーな姿っ!」

 

…どうやら本当に俺に見せる為だけだったらしい。おじさんをわざわざ連れ出さんでも…なんて無粋な気持ちはない。アイドルの笑顔を見て、無粋な気持ちは抱かないようにしてるんだよねぇ…

 

アイドルとして、か…眩しいね。人を笑顔にできるってのは良いもんだ。入社したては…そういう気持ちで一杯だったかねぇ?

 

…昔は昔、今はこっちに集中しないとね。アイドルとしての輝き、見せてくれるならちゃんと見ないとね。歳下に怒られるのは怖いからね?

 

 

 

 

 

 

 

撮影は無事終わった。予定した時間よりかなり早く終わった。…というより撮影してた方々からマネージャーだと思われてた。ただの運転手です。

 

今は着替えに行ってるらしい。ひとまず飲み物を買っておいたが…女子の着替えはいつ終わるかわからないからねぇ…久しぶりに吸おうかな?

 

ポケットからタバコを取り出し、吸う。…アイドルがいる時には吸えないし消さないとダメだからねぇ…最近じゃ家でも吸わないようにしてる。幸子ちゃんや文香ちゃんが来るし、ね…

 

…あ、しまった。志希ちゃんってタバコの匂いとか敏感そう…若い子には匂いだけでもきついかねぇ…さっさと消しておこう。

 

「………じーっ…」

 

……ん、結構美味いな。初めて買ったが結構いけるコーヒーだ。そういえば話は変わるが、俺別に餓死の心配はなさそうだ。

 

うん、普通に今まで金をそこまで使った記憶がなくて、預金通帳見たら普通にあった。しかもどうやら退職金が振り込まれていた。俺の心配と文香ちゃんらにおごらせてしまったことが…

 

ちゃんとその分は返さないとねぇ…もう30までカウントダウンも出来そうなくらいだし。それまでには返そうかな?

 

「……………………………じー……」

 

…不思議と視線を感じるが…俺は何にも見られてはいないから無視しよう。決してどこからどう見てもアイドルに見える子に視線を送られてるなんて事ないから。良いね?

 

「…………おにーさーん?」

 

俺は何も見えてないし聞こえない。きっと見える人にしか見えない奴とか、そういうの。ちなみにおじさん怖いのは無理です。

 

「…おにーさん、いたいけな少女が呼んでるよー?」

 

…ん?なんかこういう風に話しかけられた事が昔にも…?

 

「……こっちみろー、こっちこっちー、おにーさーん」

 

うん、流石に無視できなかったよ。声を出している少女の方を向く。…思ったより近い気がした。普通に友達同士くらいの距離感…だとは思う。

大人になると友達と遊ぶ、なんて言葉を使える日が少なくなるからねぇ…

 

「…んー…やっぱりそう、だよねー?」

 

「…ジロジロ見られても俺にはよく分からないんだけどね…」

 

「おにーさん、あたしと会った事あるよね?京都で、さ」

 

「…京都?…まぁ仕事で行った事はあるけど…いつくらいの話かな?」

 

「んー…そこまで時間は経ってないよ?3年前くらい?」

 

「…3年前って言うと…あー、社員旅行の時かなぁ。その時に話したりしたの?」

 

「んーん。でもはっきり覚えてるよん、旅館での話なんだけどねー」

 

旅館…泊まった記憶はある。確かあの時はセクハラ上司がバカな事しようとしてた記憶しかないけど。…というより後輩や旅館で働いてる人、俺たち以外の客にもセクハラしようとしてたな…

 

酔っ払ってたとは言え、限度と節度を保ってほしいもんだと思ったね。…周りも上司の機嫌取りをしてたからねぇ、俺が止めたんだよなぁ。…それ以来社員旅行には誘われんくなったけど。

 

上司の機嫌は大事だろうけど、それで何でセクハラされる女子を見てなきゃいけないのか、なーんて思ってたんだろうねぇ。…ま、やったことに後悔は一つもないけど。

 

さて、目の前のこの子…銀髪のショートヘア、目が少し吊り目って感じかなぁ。そして京都……あっ。

 

「あー、思い出した。旅館の事はその時も特に覚えてはないけど…和菓子屋にいた子?」

 

「せいかーい♪おにーさん、覚えててくれたんやね!」

 

あの時も似たような感じで話しかけられたよねぇ…何となくだけど特徴的だったし、覚えてるもんだね。

 

「あの時わざわざ礼を言ってくれた子だったからねぇ…まぁ旅館で助けた記憶は一切ないよ?少し酒も入ってたし」

 

「全然大丈夫だよん♪あ、あたし、塩見周子。シューコって呼んでいいよ?」

 

「相沢蓮二…まぁ呼び方は何でもいいよ」

 

「じゃあ蓮さんで。さっき志希ちゃんといたやんか?かなり近かったように見えたけど」

 

「んっ…見てたのか。…まぁ約束とかそういうのだよ。ここにいるって事は…って、あぁ、そう言えば志希ちゃんの後は周子ちゃんだったっけ?」

 

「せいかい!ゆっくりゴロゴロしてるつもりだったんだけどー、追い出されちゃって現在アイドル活動中、かな?」

 

「典型的な…んんっ、まぁいいや。志希ちゃんとは仲が良いの?」

 

「そうやね〜、結構気が合ってよく話すよ。たまに遊んだりもするし!」

 

「まぁ気が合いそうな感じはするよ。…自由奔放そうな所とか」

 

「むー、蓮さんひどいー!…もっと話してたいけどー、あたしも撮影だからね〜…」

 

「…まぁ志希ちゃん次第だけど、俺はアイドルの送り迎えしてるからさ。終わるまで待ってても良いよ?」

 

「志希ちゃんはさんせーい!!」

 

…え、いつの間にいたの?気配消してたの?普通に俺の後ろにいるんだけど…ホラー的な?

 

「んー…じゃあお言葉に甘えて〜。先に帰ったりしないでよー?」

 

「流石にそこまで酷い人じゃないよ…ま、頑張ってね?」

 

早足で周子ちゃんは撮影場所へ向かった。…にしても、再会とかってあるもんなんだねぇ。別にそこまで話したりしたわけではないけど。

 

「…蓮二クーン、あたしの姿見てた?」

 

「見てたよ。楽しそうだったね」

 

「えへへ…で、今は仕事の合間だよね♪」

 

「………周子ちゃんの撮影が終わるまで、ね。それ以降は今日はダメ」

 

「りょーかい!!」

 

他人から見ると俺が絶対責められるからねぇ…楽しそうなら良い、と割り切りたいけどやってることがやってる事だし…

 

…まぁ、好奇心旺盛って事でどうにか思っとこうかなぁ?…なんか偉そうだね、俺。完全に言う事聞いてるだけの男なのに…

 

 

 

 

その後、戻ってきた周子ちゃんにかなり驚かれました。匂い嗅ぐのは分かるけど(分かるんだね)それにしても近いらしい。知ってた。

 

周子ちゃんともLINE交換しました。送り迎えして、今日のお勤めは終了!…今日だけで何回嗅がれたか、なんて数えたら変態みたくなるからやめておこう、っと。

 

 

 




デレステのフレンドなってくれる方とかいませんかね(´・ω・)最近始めたばかりで弱いですけど、後無課金ですけど…なってくれる方は466880702まで…またはID送ってくれたりすれば…コメント付きで申請してくれたら上限にならない限り承認させていただきます。なってくれたら…嬉しいなぁって…ちなみに夏周子を使ってます。

今日で投稿し始めてから10日目です、評価を見たり感想を見ながら一喜一憂してます。閲覧してくださっている方、本当にありがとうございます!


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アイドルからの信頼が高いのは嬉しい事だよね

今日はプライベート、というか休み。まぁ家でゆっくりしようかなって思ったわけなんです。

 

現在外に居ます。何でだろうねぇ…と聞かれたら答えてあげるが世の情け…んんっ、懐かしき少年の頃の記憶が蘇ってきた。今も放送してるけど。

 

「……どうしました…?」

 

「ん、懐かしいことを思い出しただけだよ、文香ちゃん」

 

会話を聞いてくれれば分かるだろうけど、今は文香ちゃんと一緒に外にいる。休みが重なってたのを知った文香ちゃんが誘ってくれたのだ。第三者から見れば親子なのかな、と思うと少し複雑…

 

彼氏と思われたら文香ちゃんに失礼だからねぇ、若い子が誰を好きになるとかに口を出すつもりはないけど、今の時代は年の差婚とかいうのもあるしねぇ…まぁそんな相手もいないんだけれども。

 

「…で、文香ちゃん、欲しいのは?」

 

「…あ、はい…見つかりました…」

 

今日買いに来たのは本だ。しかも最近アイドルの仕事が忙しく、買いに来る時間があまりなかったそうだ。まぁ要は荷物持ちって事かな?

 

「…あれ、思ったより少ないね?」

 

「……はい…今日は、これくらいでいいかな、と…」

 

「また買いにくるの?それなら今買っても…ほら、俺持つし」

 

「…大丈夫です。……今日は、せっかくの休みですから……それに…」

 

「それに?」

 

「……い、いえっ…な、なんでもありませんっ……お会計、行ってきます…!」

 

?顔が赤いように見えた気がするんだけど…やけに急ぎ足で会計の所まで行ったし…

 

ここにくる間、色んな本の話をされた。あまり本は読まないけど、かなり分かりやすい説明だった。聞き込んじゃったし、文香ちゃん楽しそうだったしねぇ…

 

仕事とかで会う時間がない子もいるしね。…あ、よく会うというか今まで会ったことがあってそれ以降もよく会うメンバーに、周子ちゃんが追加された。初めて会った時は水着の撮影だったらしい。

 

というか帰りも普通に露出が高い上に、何故か助手席に座られていた。隣を迂闊に見れなかったよ…

 

露骨に見るの避けてる、とばれてその後志希ちゃん並みに引っ付かれたけどね。ちなみに周子ちゃんともLINEを交換した。というか毎日アイドルとLINEしてる気がするや

 

頻度は少なくなったとは言え、文香ちゃんと幸子ちゃんとのLINEグループはずっと続いてるしね。俺が飛鳥は除いたとして、一番最初に知ったアイドルの子らだし…

 

「…お待たせしました……」

 

「お疲れ様…ってのもまた変な気はするねぇ。…これからどうするんだい?」

 

本の量は少ないけど、本ってのは重いからねぇ…とりあえず文香ちゃんが持ってる袋を持つ。それくらいの気配りはできるよ、おじさんでも

 

「あっ……ありがとう、ございます…」

 

「気にしないで?ほら、ここでもアイドルのサポートって事で」

 

「…ふふっ、はい。……えっと、ですね……」

 

若干言い淀んでいるようだ。…別に言いづらいことはないと思うんだけどねぇ…あ、女子の内情とか、服とかについては聞かれても答えられないけど。

 

「……その…少し、お時間を…いただけませんか…?」

 

「…今もこうしているんだから、別に聞く必要ないよ?せっかくの休み、なんだからねぇ、文香ちゃんが満足するまで付き合うさ。良いかな?」

 

「…は、はいっ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

現在は公園のベンチに座っている。あ、文香ちゃんがね?俺は今自販機で飲み物を買ってる。文香ちゃんの分も買おうとしてるんだけど…何が飲みたいのか分からないや。

 

…というより公園広いねぇ、ここら辺の公園とか来たことなかったから知らなかったや。自販機までが遠く感じるなんて…

 

とりあえず一回戻ることにした。……あ、すごい、ダメな景色が見えた。

 

「ねぇねぇ、君1人?」

 

「暇なら俺らと遊ばない?」

 

…夏の海、とかなら分かるけどさぁ…どうして白昼堂々とナンパを公園でするのかなぁ?自信があるのか、頭が弱いのか…あ、これは失礼になるね。

 

「……1人では…ないので…」

 

「えー!?どう見たってひとりじゃん!」

 

「……1人でも…遊びません、し……」

 

「かーっ!ガード固いねぇ!」

 

そりゃね、君らがナンパしようとしてる子は現役アイドルだからね。固くなかったらダメでしょ。

 

「つか、こんな所に1人で居させるとかさぁ、そいつってどーなん?俺らの方が数倍良いと思うよー?」

 

「……!!…………さ、い……」

 

「んー?小さくて聞こえなかったよー?彼氏への不満とか?」

 

「あははっ!良いね、ぶちまけちゃえば良いじゃんか!」

 

「…………ないで、ください……」

 

いや、彼氏じゃないってば。…まぁ1人でいさせた俺が悪いからねぇ…急がなきゃ。文香ちゃん、なんか雰囲気が違うし。まぁ不満なら不満で受け止めるけどねぇ…

 

そう思ってた俺の耳に聞こえてきたのは、思ってた事とは全く違う言葉だった。

 

 

 

 

「……何も知らないのに…蓮二さんを馬鹿にしないでください…!!」

 

「……は?」

 

「……貴方達がどんなに偉くても…蓮二さんを知らない人なんかに…!馬鹿に、されたくなんてない、です…!!」

 

……ほんと、良い子だよ。もし俺があと10年生まれるのが遅かったら告白してたりしたかもね、振られてるけど。…そんな冗談言ってる場合じゃないや。

 

「このッ…言ってくれんじゃん!!」

 

「優しくしてやってんのによッ!!」

 

文香ちゃんに手を上げようとしている方の男の手を後ろから掴む。…思ってるより力が入ってるらしい。掴んでる男がすごい痛そうにしてる。

 

「…蓮二、さん…!」

 

「なんだよテメェ!!」

 

「手を上げようとしたから止めたんだよ。女子に手を上げようとする奴らに、ナンパなんてできないと思うけどねぇ」

 

「この…ッ…!」

 

「…頭に血を登らせんな。若いのに暴力なんて振るったら…あー、説教じみるからやめよう」

 

「何が言いてえんだよッ!!」

 

「……俺はあまり頭が良くなくてな。はっきり言わせてもらうぞ?

 

 

 

 

 

 

「………調子に乗んな、クソガキ」

 

自分でも想像しないほど、低い声が出た。…俺らしくないな、会社だと話して解決、なんてのばかりだったのに…ま、この子は大切だからね。文香ちゃん以外も、みんな。

 

「勝手なガキの言い分に、女子を巻き込むんじゃねぇよ。別に俺は、彼氏とかでも何でもないが…良い気分がするわけねぇだろ?」

 

「……っ…!」

 

「とっとと帰れ。ナンパをどこでしようが何も言わねぇ…だが、手を上げようとするんじゃねぇよ。男としても、人としてもダメになるだけだろうが」

 

「……うっせぇよ、おっさんが説教垂れんな」

 

「どーせいつかはおっさんになるんだ。年上の言う事は聞いとけ」

 

悪態をつきながら2人は公園から出て行った。…やれやれ、俺らしくないけど…ま、手を上げられなくて良かったや。

 

「…大丈夫?文香ちゃん。…ごめんね、怖い思いさせて」

 

「…大丈夫、です……信じて、ましたから…」

 

「…嬉しいね。そう言ってくれるなんて、さ」

 

「……私も、つい…蓮二さんが…馬鹿にされて…」

 

「…まぁ、良いよ。わざわざ気にしなくても良いしね。…あ、彼氏って所だけは引っかかったかな?彼氏とか、そういうのじゃないし」

 

10歳くらいは離れてるし。…飛鳥はそれ以上離れてるけどね。完全に彼氏とか言われたら終わりだよねぇ…法律で裁かれちゃう。

 

楓さんとかは近いけど…女子の年齢について詳しく言及するもんじゃないよねぇ。…まぁ話す時に普通にみんな教えてくれたけどね。周子ちゃんは冗談で彼氏募集してまーす、なんて言ってたけど。アイドルが平然と言う事ではないよねぇ…

 

志希ちゃんは普通に蓮二クン募集中♪と言い、飛鳥にはパパ以外いないよ?とはっきり言われた。信頼されてるのは嬉しいんだけど…君ら2人はどこか危ないよ。実験されそうだし、本当に養われそうだし。

 

「…………むぅ……」

 

…あれ?なんで文香ちゃんはどこか不機嫌なんだろうか?何か怒らせるようなことでも言った?

 

「………蓮二さんにとって……私って、どんな存在なんですか……?」

 

「…いきなり変な事聞くねぇ…大切な子だよ。文香ちゃんが変わらない限りは、ずっとそうだと思うよ?」

 

「………そ、そう、ですか…」

 

…若干引かれちゃったかなぁ?また顔赤くしちゃってるし…怒って顔赤くしてるって事なのかねぇ…

 

「あ、みんなもだけどね。幸子ちゃんも楓ちゃんも志希ちゃんも周子ちゃんもちひろさんも、みんな」

 

「…………そうですか……」

 

あれ、目に見えて不機嫌になったような気がするぞ???

 

「………行きましょう…蓮二さん」

 

「…なんか怒ってないかい?」

 

「……気のせいですっ…!……今は、それで我慢します…」

 

「……?何か言った?」

 

「…なんでもないですっ…!」

 

この後、しばらくは機嫌取りの時間になった事は言うまでもない事だろう。

 

 

 




誰か!誰か作者にパッションで良さげな子を教えてください!キュートとクールしかいない!これから出る予定の子もクールとキュートしかいない!パッションがいなくなる!!_:(´ཀ`」 ∠):
あと、くれる方はお手数ですがメッセージでください…感想だと運営対応されちゃうみたいです…

最近デレステは速度9になりました。どうでもいい報告ですね


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飲み過ぎたって良いじゃない、人だもの

 

 

どうしてこうなったのかな、と言えば仕事の途中で眠気に勝てなかった事だろう。今日は意外に忙しく、さらに家で寝付けなかったのもあり、とても眠かった。

 

職務怠慢になっちゃうねぇ…まぁ少しだけ寝させてもらおうと思い、椅子に座ったまま机に突っ伏すようにして寝たのだ。…途中で起こされソファには移動した。

 

なのだが…今の体勢がおかしいのだ。まず起きた瞬間に感触がおかしかった。ソファで寝てる感じではないのだ。いつも枕がある場所が。

 

見上げるとそこには、最近ようやく見慣れてきた楓ちゃんの顔があったのだ。……どういうことだろうか?

 

「あら、起きました?」

 

「たった今。…これはどういう状況なんですか?」

 

「膝枕ですよ?ソファに移動するように言ったのは私なんです。ただ若干寝付けてなかったようなので、私がこうしちゃいました」

 

「…こうしちゃいましたって…アイドルのする事ではない気もするんだけどねぇ…」

 

「そうですか?良いじゃないですか、私と蓮二さんしかいませんよ?」

 

そう言いながら頭を撫でてくる。…歳下とは思えないなぁ、こういう時は。飲んでる時とダジャレを言う時は飛鳥くらいの精神年齢に…

 

「…何か考えてませんか?」

 

「…女子は鋭いんですよねぇ…」

 

「……むー、教えてくれないんですか?」

 

「怒られちゃうかもしれないんでねぇ…今度、また飲みに行きましょ?それで勘弁してください」

 

「…仕方ないですね。それじゃあ送り届けもよろしくお願いしますね?」

 

「そんなに飲むんですか…ていうか楓ちゃんの家知らないんだけど…」

 

「蓮二さんの家で良いですよ?文香ちゃんや幸子ちゃん、飛鳥ちゃんは蓮二さんの家知ってますけど、私とかは知らないじゃないですかー」

 

「…そんな知ろうとしなくても良いとは思うんですけどねぇ…周子ちゃんと志希ちゃんは家教えたら当日には来そうな気がします」

 

「正解だと思いますよ。…ちゃんと教えてくださいね?約束ですよ」

 

「…約束って言葉じゃあ、断れませんね。…そろそろ起きたいんですけど、良いですかね?」

 

「…ふふ、どうしましょうか?」

 

「…そこ断る必要ないじゃないですか…」

 

「少し意地悪しても良いかなぁって思いまして。抵抗も出来ないですよねー、この体勢じゃ」

 

「…時たまSになるよねぇ、楓ちゃん。…酔ってた時とは大違い」

 

「あっ、あの時のことは忘れてくださいっ!!」

 

一気に顔を赤くしちゃった。…楓ちゃんはどうやら酔っても記憶があるタイプらしい。確かあれは…うん、飲みに行くのが2回目の時かな?というより2回しか行ってないけど。

 

結構楓ちゃんは誰かと飲みに行くのが久しぶりだったらしい。あの時は結構飲んでて、酔い潰れてたし。

 

とりあえず家も知らなかったから事務所に連れて来て介抱してたんだよね。そしたら楓ちゃんが猫になった。

 

言ってる事は分からないだろうけど、なんかいきなり「にゃん♪」って言いながら飛びかかってきたから、そう言うしかない。

 

首筋と耳を舐めようとしてきたから全力で止めた。…まぁすぐ寝てくれたから良いんだけどねぇ…

 

そのあと置いて行くわけにもいかず…ついでに手を掴まれてて帰れなかったし。事務所で一泊した。

 

そしたらその時の記憶が見事にあるらしく、起きたら顔を真っ赤にしてた楓ちゃんがいた。

 

「お、思い出してますよね!?絶対に!」

 

「…忘れられないからねぇ、猫耳つける仕事でもやってみたら?」

 

「うぅ〜…!」

 

とにかく俺と目を合わせないように小さくなってる。うん、可愛い。こう見ると完全に歳下だよねぇ…とりあえず膝枕の体勢から出る。…意外に汗かいてるや、これはひどい。

 

 

 

 

「ごめんねぇ、楓ちゃん。膝枕してもらって」

 

ひとまず頭を撫でる。手を繋いでる間、たまにこうして撫でてた。その感触もなぜか記憶にあるらしい。

 

「……私が悪いんですもん…今度、ちゃんと飲みに連れて行ってくださいね?」

 

「…ふふっ、了解」

 

「家もですよ、じゃなかったら辱められたって言いふらしますから…」

 

「…それはやめてほしいねぇ…」

 

一応持ってきていたタオルを持ち、汗を拭こうとする。うわ、体も汗かいてるなぁ…

 

「!?れ、れ、蓮二さん!?」

 

「…ん?どうしたの?……あ」

 

楓ちゃんがいるのに普通に上を脱ごうとしてしまった。…家にいる感覚だったなぁ、それに仕事してる間はみんなとここまで話したりはしないし…

 

「あはは、ごめんねぇ。少しそっち向いててもらえるかな?見たくもないだろうし、さ」

 

「……べつに……い、いえ、何でもないですよ」

 

楓ちゃんは別の方を向いてくれた。汗をかいたままってのはねぇ…風邪引くかもしれないし。仕事は休めないよねぇ…学生ならまだしも、1日休めば一気に変わるからねぇ、社会とかって。

 

さっき楓ちゃん、なにか言いかけてた気もするけど…そういうのは聞く方が野暮かなぁ?反抗期の娘とかに何かしら聞こうとするからもっと嫌われたりするのかなぁ?…分からないけど。

 

結婚もしてないし…あ、娘っぽいのはいるか。…反抗期とか来るのかな、飛鳥って。20になってもあのままな気がしなくもないから…

 

若干後ろから視線を感じる。…んー、まぁそりゃ気になるよねぇ…さっさと終わらせないと、見たくないだろうしねぇ…

 

…よし、終わり……ってあれ?…気のせいかな…?

 

「ふー…あ、楓ちゃん、もう良いよ」

 

「…あ、はい」

 

少し反応が薄い?…うーん、こういう時に察しが悪いってのは嫌だねぇ…

 

「じゃあー、周子ちゃんもそろそろ入っても良いー?」

 

「っ!?しゅ、周子ちゃん…」

 

「…あ、誰かいた気はしたんだけどねぇ…気のせいじゃなかったんだ」

 

「膝枕してる時からいたんだけどねー…ほら、なんていうかー、邪魔しちゃダメ?みたいなー?」

 

「邪魔?何を…?」

 

「な、何も言わなくて良いですからね!」

 

「…にひひっ、周子ちゃんは口が固いから安心してよ♪蓮さーん、あたしにもお家教えてよー!」

 

「…周子ちゃん、話聞いてたならさっきのも聞いてたんじゃない?」

 

「だから言ってるんじゃーん!周子ちゃんのことを何だと思ってるのー!」

 

ぽこぽこ殴ってくる。痛くはないけどねぇ…

 

「志希ちゃんと一緒に突撃してきそうじゃんか…LINEで話してるしさ、別に良いんじゃない?」

 

「他の人には教えてるのに……むー…」

 

「うっ…それを言われると…」

 

「ずーるーいー!あたしだけ仲間はずれ!」

 

「…じゃあ私が家の場所聞いたら、周子ちゃんに教えてあげましょうか?」

 

「…そうなるよねぇ…逃げ道を無くさないで欲しいなぁ…教えるくらいなら良いよ、ただほら、節度は考えてね」

 

「それくらいわかってるよん♪週5くらいで良いんでしょ!」

 

「ダメだよ!?」

 

「周子ちゃんだけに週5…ですか」

 

「楓ちゃんはいつも通りだね…うん、どうしようもない状況になりつつあるからさ、一旦落ち着こ?」

 

「はーい!」

 

「ふふっ…そうですね、蓮二さんを弄るのはこれくらいにしましょうか」

 

「…完全にまだ根に持ってるじゃないですか…」

 

ひとまず楓ちゃんと周子ちゃんは落ち着いてくれた。多分あの時断ってたら周子ちゃんが飛びかかって来そうだったもんねぇ…

 

こう、酔った時の楓ちゃんが猫なら、周子ちゃんはキツネって感じだよねぇ…いつか化かされそうだねぇ…

 

「さて、そろそろ仕事…」

 

「えー!?もうちょっとだけ話そ?」

 

「…仕事がまだあるんだよねぇ、それ終わってからじゃダメ?」

 

「ええやんかー、前もそう言ってかなりかかった事あったやん、飛鳥ちゃんと幸子ちゃんに怒られてたやんかー」

 

「そう言えばそうでしたね…仕事に集中してましたし…」

 

「知ってるんだねぇ……分かったよ、まぁ、1時間くらいね?」

 

「はーい!」

 

とりあえず、またソファーに座りなおす。そして座り直した俺の隣に周子ちゃんは座った。

 

「…なんで隣に座るの?…いや、別に良いんだけど、近くない?」

 

「良いでしょ?楓さんも隣に座ったし」

 

「ふふっ、まぁ私が膝枕してたんですから。その代わりですよ?」

 

「…ちゃんと求めてくるあたり、しっかりというかちゃっかりというか…周子ちゃん、もっと近づかなくて良いから」

 

「はーい…」

 

「うふふっ」

 

「楓ちゃんは腕に抱きついてこないでいいからねぇ…お話しないよ?」

 

「けちんぼー、蓮さんのけちー」

 

「蓮二さんの甲斐性なしー」

 

「なんか違くない?……手のかかる子供が2人いるような気分だよ…」

 

「子供だから甘えても許されるんですよ?」

 

…子供と女子には敵わない、特に口とかじゃ勝てる気がしないよねぇ…まぁいいや、手のかかる子供の世話は慣れてるし、飛鳥で。

 

…ま、この子らは笑顔だし。これくらいで笑ってくれるなら安い…かな?

 

 

 

 




SSRをください、ふみふみか楓さんかアーニャか志希ちゃんかフレデリカか幸子か奏をください。欲張りセット並みにください。当たらない世の中って辛いなぁ(´・ω・)
デレステでのたくさんの同僚申請、コメントありがとうございます!!!ただ全ての同僚申請を返すことはできないので…今は30人ほどの申請を承認し、残りは一旦保留させていただいております。まだレベルも低いので…まだ枠は空けていますので、申請は自由にお願いします。枠がさらに空き次第、承認しようと思っています。よろしくお願いします!
承認待ちリスト上限になってます(´・ω・)拒否は悪いので…溜まる一方ですね…



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カワイイ子と厨二病のこらぼれーしょんっ!

今日の12時投稿した奴にTwitterの垢を載せたんですが、うまく稼働していないのと諸事情でTwitter自体をろくに使えそうにない気がしました。前話の前書きは消しました。Twitterは消させていただきます。予想外や(´・ω・)本当に申し訳ありません!!
デレステ同僚を承認させていただいた皆さん、これからよろしくお願いします!
少し追加したい所があったので再投稿させていただきました、詳しくは後書きをご覧ください


 

今日もご飯がうまい。どうも、普通の事を幸せに感じる事が出来たら幸せだと思う、おっさんです。

 

自分にとっての普通は、誰かにとっての普通じゃない…なんて悲しいもんだよねぇ…逆に、相手に自分の普通を押し付けるのだって嫌なもんさ。

 

自分にとっての幸せが他人からすれば幸せじゃないもんだよねぇ、素直に誰かの幸せを喜べる人なんて、そこら辺にいるもんじゃない。

 

俺が他人の幸せ全てを喜べるか、そう聞かれたらYESとは答えられないだろう。俺が誰しも好きってわけじゃないし、嫌いだって思う人もいる。後輩をいびるだけの上司とかね、あくまで例だけど

 

…まぁなんでこんな事を思ってるのかと言うと、どうやら上司が…あ、元上司が離婚したらしい。仕事が手付かずになってるらしいけどねぇ…

 

だから秘密で手伝いに入った。上司の為とか、会社の為なんて思っちゃいないけどねぇ…立派に育ってくれる後輩が頼ってくれてるなら、ここまで嬉しいことはないよねえ。

 

だから今日は仕事を休ませてもらったのだ。ちひろさんには事情を説明して許してもらえた。何だったかな、エナドリ…スタドリ?…んー、どっちかを買えばいいらしい。

 

今日は一応幸子ちゃんと飛鳥の仕事に付き合う予定だったけどねぇ…まぁ埋め合わせをしようと思ってLINEは入れてる。多分そろそろ来ると思う。

 

…今思ったけど仕事の埋め合わせって何だろ?別に遊ぶ訳でもないのにねぇ…そう言えば後輩からは優しすぎて心配になる、なーんて言われた事あったなぁ…そんな優しい人間ではないと思ってるんだけど。

 

 

 

「ただいま」

 

「お邪魔します!」

 

「おかえり、かな?それともお疲れ様?」

 

「どっちでも良いよ。別にボクをお嫁さんだと思っておかえり、と言ってくれても構わないよ」

 

「流石にその歳のお嫁を迎える気はないんだよねぇ…」

 

「お兄さんは贅沢ですね!」

 

「うん、贅沢とかじゃなくてね…」

 

幸子ちゃんと飛鳥が家に帰って来る。…帰ってくる、であってるのかどうかは分からないけど。2人とも女子寮の筈だし。

 

「幸子ちゃんと飛鳥は今日どんな感じだった?仕事の概要は知ってるんだけど、内容は一切知らなくてねぇ…」

 

「ボクは主にレッスンだったよ、今日は蘭子とだったからね、いつもよりカタチが理解できたよ」

 

「…その子の送り迎えとかになったら、言葉の理解をしないといけないんだろうねぇ…熊本弁って聞いたけど」

 

「あれはボクとは違った、でもカタチは同じ言葉さ」

 

「ボクはまだ全部分かってないです…こう、分かるところもあるんですけどねぇ…」

 

「まぁ、テレビで見る限りはあれが素とは思わないけど…意味が分かっても意思疎通ができるのかどうか…」

 

「それは大丈夫だと思いますよ?蘭子さんと話す事は誰でも出来ますから。ただ翻訳が必要ってだけで…」

 

「パパなら分かるよ、ボクと同じ波長なんだからね」

 

同じ波長って何だろ…厨二病になった覚えはないんだけどねぇ…冒頭のあれが厨二病感が無くもないから恐ろしいよね

 

「俺はそっちの世界に入り込んだ覚えはないんだけどねぇ…幸子ちゃんは?」

 

「今日は番組の撮影です!いつも通り、カワイイボクを可愛く伝えられましたよ!」

 

「ふふ、いつも通りなら大丈夫そうだね。そう言えばそろそろライブも近いらしいね」

 

「はい!カワイイボクをさらに世の中に広める機会ですからね!お兄さんも見ててください!」

 

「そのつもりだよ。最近はひとまず曲を知ることから始めようと思ってるんだよねぇ…アイドルの子らの曲を知ってて損は一つもないからさ」

 

まぁソロの曲だけどね…流石に人が増えると全部が全部は把握できないんだよねぇ…誰がどの曲に参加してる、とか分からなくなっちゃう。

 

「ちなみに、パパはどんな曲が好きなんだい?」

 

「好きって言ってもねぇ、俺まだちょっとしか聞いてないんだよねぇ…というか俺が知り合ってる面々のしかまだ聴いてないし」

 

「知り合ってるって言うと…ボク達2人と文香さん、楓さん、志希さんと周子さんですか?」

 

「だね。曲名は覚えたけど歌詞までは覚えられないからねぇ…仕事も覚えないといけないし、さ」

 

「別にそこまで求めてないよ。パパが知ってくれるなら何でも良いさ」

 

「ま、まだ仕事で長く付き合うんだし…ゆっくりと覚えていくよ。…後は飛鳥みたいに呼び捨てできるように、かな?楓ちゃんとか周子ちゃんとかは呼び捨てでも良いって言ってくれるんだけどねぇ…」

 

「ボクも呼び捨てで良いんですよ?」

 

「ボクの時も呼び捨てになるまでかなり時間をかけたよ…気がついたらもとに戻ってるんだからね」

 

「そして頭撫でて誤魔化してたな…あの時ほどじゃないとは言え、恥ずかしさはあるんだよねぇ…こう、年取ってる癖に純情とか言われちゃうし」

 

「お兄さんが純情…なんか分かる気がします」

 

「正直、心配になるレベルでね。何やかんやで色々引き受けちゃうし、今日もそうなんでしょ?」

 

「…内容は言ってないってのに、ほんと敵いませんよ」

 

後輩よりさらに年下の子にも心配って言われちゃったよ…そんなに純情って言葉が合ってるのかねぇ?手を繋ぐくらいですら恥ずかしいと思うのは普通だよ、きっと、多分、おそらく

 

 

 

 

 

 

しばらくすると、幸子ちゃんが少し話題性の違う話を振ってきた。

 

「…あ、そう言えば飛鳥さんとお兄さんって喧嘩とかした事あるんですか?した事とかなさそうに見えるんですけど…」

 

…おー、なんかピンポイントで聞いてくるねぇ。

 

「あるよ?飛鳥からしたら思い出したくない事らしいけどね」

 

「……あの時はまだボクも幼かったんだ、それだけだよ」

 

飛鳥は目を逸らしながらそう言う。あまり良いことではないからね。…まぁ喧嘩と言うには、少し違う気もするけど

 

「今も幼いんだけどねぇ…まぁ喧嘩って言っても一回きりさ。それからだよ、飛鳥が今の感じ…あ、厨二病の方じゃなくて、俺によく接してくれるようになったのは」

 

「へぇ…反抗期とか、そういうのですか?」

 

「上京してからかな?ホームシックとか、そんなのかな?少し帰りたいって思う時期があったらしくてねぇ…その時俺がたまたま仕事が長続きしちゃってね」

 

「…その時はどうしようもなく不安だったんだ。孤独があまりにも強く、近く感じた」

 

「あー…飛鳥さんにもそういう時があったんですねぇ…」

 

「な、なに?…そういうのがあって悪い?」

 

「そんなこと言ってませんよー!ほら、飛鳥さんってどこか大人びてる感じがするんですよねぇ…」

 

「それは厨二病で大人っぽく見せてるだけかな、俺からしたら。…ま、その時帰ったらかなり参ってたみたいでさ、泣いてたんだよね」

 

「…置いていかれた、とかそんな事しか考えられなかったのさ。だからとにかく、泣いてたけど怒ってたよ」

 

「…で、俺もその時疲れててさ。相談とか乗ろうと思いつつ、次の日も仕事でさ…そこまで重く受け止めてなかったんだよねぇ…いつもはそんな感じじゃなかったし」

 

あの時は大変だった。…今思えば疲れてたとは言え、1人にずっとさせてたのに冷たい反応だったと思う。それが引き金だったんだろうねぇ…

 

「…その後、ボクは家から出たのさ。所詮、家出ってやつ。行くあてもないのに、馬鹿なことをしてたよ、ほんと」

 

「じゃあお兄さんは…」

 

「うん、次の日に事の重大さが分かってね。会議とかほっぽり出して飛鳥を探したんだよねぇ…おかげで次の日筋肉痛まみれ」

 

「……あの時は嬉しかった。それからだよ、パパって呼ぶようになったのも」

 

「ま、そこも話はあるんだけど…そこを言ったら飛鳥は怒っちゃうからね」

 

「幸子でも聞こうとしたなら、全力で記憶から抹消するから」

 

「こ、怖いですね、それ…でも、そういうのを聞くのはダメな気がしますからね!でも、飛鳥さんの一面を知れた気がします」

 

「…恥ずかしいね、こんな昔の話をされるなんて」

 

「…そこまで昔ではないけどねぇ…」

 

…パパって呼ばれるのさ想定外だったけどねぇ…あの時は仕事をほっぽり出して正解だと思ったよ。親父にも飛鳥のお父さんにも顔は合わせられなくなるし、何より飛鳥が傷ついてたんだから、ねぇ…

 

「…良いさ、あれがなかったらボクはきっとアイドルじゃなかったし、パパでもなかったんだ。そうなるより、ずっと幸せだよ」

 

…そういう飛鳥の顔は、年頃の笑顔を浮かべていた。…こうだから俺は飛鳥に甘くしちゃうんだろうな…

 

「ふふっ、なんか知れてよかったです♪…そろそろ時間ですよね?」

 

「そうだね。そろそろボクらは帰るよ。ちゃんとご飯食べてね、あと今日は夜更かし禁止、良い?」

 

「ちゃんと目のクマを治してくださいね!寝不足の顔じゃ、カワイイボクといれませんよ?」

 

……なーんでバレてるのかねぇ。分かりやすい顔してるのかなぁ?

 

「…了解ですよ。それじゃあね、2人もちゃんと休んでよ?」

 

「当たり前だよ。じゃあねパパ」

 

「さよならです、お兄さん!」

 

2人が見えなくなるまで、ドアを開けたまま手を振り続けた。2人も俺に手を振り返しながら、女子寮の方へ歩いて行った。…まぁ、歩いて10分もかからないからここに来れるんだけどねぇ…

 

……今日はタバコもやめておこうかな、2人どころかみんなに怒られそうだし。…ふふっ、ダメな大人だねぇ、ほんと。

 

 




お気に入り1000件突破しました!ありがとうございます!!!UAも30000を超え、ルーキー日間ランキングにも時たま顔を出したりしてまして、すごい嬉しいです!!!これからも作者と当作品をよろしくお願いします!!!
びっくりです、今日の朝さらっと普通の日間ランキング見たらいました。ルーキーなのに週間にも載ったりしてました。本当にありがとうございます!!!ごめんなさい、推しや出して欲しい子がいたり、教えてくれる方はメッセージで送ってきてください、運対されちゃいました…お手数ですが、感想欄を見て自分のリクエストが運対されてる方で、作者に教えてくれる心優しい方はメッセージでもう一度送って頂けませんでしょうか?本当に申し訳ありません!


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似た者同士は惹かれ合うものかもしれない

 

今日は仕事、いつもの送り迎えだ。最近休みを謳歌したり仕事を理由があった

とは言え、サボタージュした訳だから…まぁちゃんと仕事しないとな。

 

今日は志希ちゃんと周子ちゃんの送り迎えだ。LINEでは話してるが実際会うのは…1週間ぶりくらいか?なんか電話でも話すから分からなくなるなぁ…

 

どうやら今日は3人でのレッスンらしい。志希ちゃんと周子ちゃんは知ってるがもう1人は知らない。…あ、会ったことがないって意味でね?名前くらいは知ってるよ?確か名前はー…

 

「蓮二クーン?ぼーっとしてるけどー?」

 

「…あ、ごめんごめん。もう乗った?」

 

「周子ちゃんも乗ってまーす」

 

「りょうかーい。んじゃ行くよー」

 

とりあえず運転運転。事故を起こしたらやばいよ、捕まるとかそれ以前の問題になっちゃうからねぇ…

 

「蓮さんー、今日は私達の撮影見るのー?」

 

「あー…どうしようかねぇ…今日って確か2人以外の子もいるんでしょ?その子からしたら部外者だからねぇ…」

 

「んー…気にしないと思うけど♪」

 

「それは志希ちゃんから見て、でしょ?…今日はゆっくりしとくよ」

 

「むー…じゃあ仕事前に嗅がせてよー!」

 

「そうだそうだー!」

 

「周子ちゃんはしないでしょ…その子次第だけど、まぁ終わって送ってほしいかどうかは聞いててね?どこかは知らないけど」

 

「あ、場所は同じだよー?ちゃんと聞いてくるから安心してねん♪」

 

「ん、今日も仕事頑張ってねぇ。飲み物何かいる?」

 

「周子ちゃんはいらないー」

 

「志希にゃんも大丈夫だにゃー!」

 

「了解、っと…じゃあ行ってらっしゃい。仕事終わったら連絡入れといてねぇ、此処にいるけどさ」

 

「はーい!次は仕事見ててってよん♪」

 

「2人で仕事の時には特にね♪行ってきまーす!」

 

元気一杯に飛び出して行ったねぇ…まぁ楽しめる仕事ってのは1番だよねぇ…やり甲斐があるのと楽しめる、これだけで仕事の効率は上がるってもんさ。

 

嫌いなら辞めちゃう、そういう世の中だし…っと、タバコ吸おうかな…って無いじゃん。んー…コンビニに買いに行こうかねぇ…

 

なんて言うか、自販のタバコは買いたくないんだよねぇ…なんでかは分からないけど、買うならコンビニのタバコを買ってる、って感じかなぁ?

 

…車はいっか、鍵かけてここで。歩いて行こうっと、体がたるんじゃいけないしねぇ…ま、太りにくいんだけどさ。これ言ったら楓ちゃんに怒られた。

 

女子はやっぱり気にするものだよねぇ…何とは言わないけどさ。見た目に変化が出ない程度ならいい、なんて思うのはダメなんだろうねぇ、きっと。

 

…とりあえずコンビニ、コンビニっと…

 

 

 

 

 

意外に歩いて10分くらいしたところにしかなかったや。…でもまだ終わったっていう連絡は来てないしねぇ…というかコンビニで普通にゆっくりしてたや。

 

さっきLINEが来てやばいと思ったけど、どうやら今は休憩時間らしい。2人で仲良くしてる所の自撮り写真…って言うのかな?それが来た。

 

とりあえず車に戻って来た…はいいんだけど…なんか車の周りをうろついてる子がいるや。…白昼堂々泥棒、とかじゃなさそうだし…

 

「ど、どうしよ…車の下行っちゃったし…でも撮影あるもんなー…」

 

「…そこで何してるの?」

 

「うわっ!?いつのまに…おじさん誰?」

 

「…いや、そこの車の持ち主だよ。なんか落としたの?」

 

「シュシュ!落としたら風でふーっ!って車の下に行っちゃってさー…」

 

「…あー、あれか。…タイヤも当たらなそうだし、動かすよ。少し離れてて?」

 

…んー、どっかで見たことがある気がするんだよねぇ、あの子。メガネ…いや、伊達メガネかな?それをかけてるから何処と無く違う気もするんだけど…んーもやもやする。

 

とりあえず車を動かす。細心の注意を払わないとね…壊れたら大変だよ、女の子のもの壊したら大変ってはっきり分かるよねぇ…

 

「わー!取れたー!これ撮影に使うからー、危なかったー!ありがとー♪」

 

「別に動かしただけだし大丈夫だよ。どこか壊れてたりは?」

 

「してないよっ♪…あっ!やばっ、時間ないや…アタシ行くね!本当にありがとー♪」

 

…なかなか騒がしい子というか…どこか周子ちゃんとか志希ちゃん辺りと似てる雰囲気を感じるなぁ。…そういえば撮影って言ってた気も…?

 

んー、まぁいいか?そこまで気にすることでも無いだろうし…ていうか普通に美少女って言われるレベルだったよなぁ…見た目外国人っぽかったし…

 

てか、外国人だったらコミュニケーション取れないじゃん。俺英語しか話せないって。…あー、タバコまだ吸ってなくてよかった。車から離れて吸うか…いや、どうせ撮影もう少しだろうし良いか。思ったより時間かかったしねぇ…

 

とりあえず車に乗り込んでスマホを取り出し、イヤホンで音楽を聴く。最近スマホに曲を入れたんだ。『青の一番星』と『秘密のトワレ』と『Tulip』、この3つを取り敢えず聴く。

 

ほら、今日の仕事は周子ちゃんと志希ちゃんだからね。どうせなら聴かないと…仕事の時の待ち時間曲を聴く時間にしても良いかもねぇ。良さそうだ。

 

楓ちゃんの曲…『こいかぜ』だったかな?それも良い曲だよねぇ…酔った時の行動とかを知らなかったらすごい完璧な大人って感じだったよ。何だっけ、みゅーじっくびでお?それとかだと。

 

飛鳥は飛鳥らしかったし、文香ちゃんは読書が好きだったからねぇ…結構文香ちゃんにぴったりって感じだった。幸子ちゃんはそれ以上にぴったりだったよ、いつもカワイイって言ってるからね…聞かない日の方が少なくなってる可能性もあるねぇ…

 

 

 

 

 

…あ、LINE来た。…どうやらもう1人の子も来るみたいだ。事務所が同じって事は…時間が合わなかったり日にちがあまり合ってなかったんだろうねぇ…

 

まぁ、その子がこんなおじさんと知り合いたいとか思うのかって言われたら、何ともいえないから複雑だよね。

 

…あ、もう来た。そういえば忘れてたけどさ、周子ちゃんと志希ちゃんと撮影する子の名前くらいは知ってるって話してたよね?

 

えっとね、確か名前は宮本フレデリカって子だったかな?金髪の、ハーフの子で19歳くらいだった気がする。…プロフィールまでは覚える余裕はないからねぇ、記憶力もそこまであるわけじゃないし…

 

…ん?なんかさっき会った子と条件がぴったりなんだけど……あ、周子ちゃんたち来た……あ。

 

「…あれっ?さっきの人だ!」

 

「…本当にそうだったんだねぇ…あ、お疲れ様」

 

「…え、どういう事?フレちゃん蓮さんと知り合いだったの!?」

 

「蓮二クンも説明してっ?」

 

「知り合い…というかさっき少し会っただけなんだけど」

 

「さっきシューコちゃんとも話してたでしょ?シュシュ取ってくれるのに手伝ってくれたの♪」

 

「…なーんとなく、そんな気がしてたんよね…」

 

「改めて、さっきはありがとね♪宮本フレデリカだよっ、シューコちゃんやシキちゃんと一緒のアイドルやってるから、よろしくっ♪気軽にフレちゃんって呼んだりしていーよ?」

 

「名前くらいは知ってるけど…顔までは覚えてなくてねぇ…相沢蓮二、周子ちゃんとかの送り迎えしてる…まぁ仕事してるだけのただのおじさんだよ。…後フレちゃん呼びは出来ないかな」

 

「えー…?ぶー…あっ、乗せてくれるんだよね?助手席に行っても良ーい?」

 

「…俺は別に良いけど」

 

「やったー♪それじゃ、よろしくね♪」

 

…普通に助手席に来たけど…やっぱりなんていうか、周子ちゃんらと同じ雰囲気を感じるなぁ…ただ2人よりもっと自由人な気がしてならないけど…

 

「…むー、フレちゃんが助手席取ったー…」

 

「仕方ないなぁ…あ、蓮二クン!今日のは?」

 

「いや、したじゃん。…後、フレデリカちゃんいるからさ、せめて帰って…って帰る場所も同じか」

 

「ま、まさかっ!?」

 

「うん、今日はもうおしまいって事で」

 

「あう〜…じゃあ今嗅いどこっ♪」

 

この子普通に匂い嗅いできたんだけど。ここ外だよ?恋愛は制限されてないとは言え、この光景で捕まるの俺だよ?多分っていうか9割は俺のせいにされちゃう。

 

「…良いもーん、いつか突撃するから♪」

 

「あー!アタシを除け者にしないでよー!!」

 

「フレちゃんは良いやんかー、蓮さんの隣に座れるなんて早々ないもーん!羨ましい羨ましいっ…なーんて♪」

 

「むぅ…じゃあじゃあ!アタシもレンジくんと仲良くする!」

 

「フレちゃんが欲張りだー!」

 

「欲張りで良いもんねっ♪フンフンフフーンフンフフー、フレデリカー♪」

 

…なんか本当に自由な3人組だねぇ……この子らが揃ったら管理するとか不可能になりそうで怖い…そこが魅力ってやつなのかなぁ?

 

「…ほら、さっさと乗って?ここでずっと立ちっぱなしは嫌でしょ?」

 

「「「はーい!」」」

 

…小学生の遠足の付き添いとか保護者とか先生の気分だよ。目の前にいる子らは小学生じゃないんだけどねぇ…また、聴かなきゃいけない子が1人出来た、かな?

 

…ま、ゆっくり覚えていこ。…えーっと、曲は…?これかな?…また待ち時間にでも聴こうっと。『き・ま・ぐ・れ☆Cafe au lait!』ダウンロード、っと…

 

 

 




フレデリカむーずーいー…自由すぎてキャラが掴め切れてなーいー…でも好き!
タイプオールとかで好きな曲って言われたらTulipになります、キュートだとカワイイ曲とか、元からメルヘン感溢れてるけどデビューしてる曲とか、クールはたくさんありすぎです(´・ω・)パッションは一等賞を応援してくれたり、DOKIDOKIなリズムだったりが好きです。


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楽しければ良いものってあるよね

 

 

最近思う事がある。アイドルの子ら…うん、知り合ってる子らからの友好度っていうか好感度が高くないかなって思ってきたんだ。

 

文香ちゃんは…まぁ好意的に接してくれる理由は無いわけではないとは思うんだけど…あ、ついでに飛鳥も別ね。飛鳥とは接してる歴が違うからねぇ…

 

志希ちゃんや周子ちゃん、楓ちゃんや幸子ちゃん辺りが最近スキンシップが…あ、最初の2人は元々スキンシップが多めだったんだけどさ。

 

ソファーで座った状態でうたた寝してたら楓ちゃんは毎回膝枕してくれてるし、幸子ちゃんは一緒に隣で寝てるし…

 

そしてもう1人、本当最近知り合ったフレデリカちゃん。自由人な性格に外国人…いや、ハーフだったかな。まぁ外国人との血が混ざってるからなのかは分からないけど…スキンシップが激しい。

 

…まぁ嬉しく無いわけではない。好意的に接されてるってのは分かる。俺は鈍感ではないし…まぁみんなlikeの感情を向けてくれてるんだろうなぁって思うと、うん、すごい嬉しい。

 

というより最近の若い子って歳が離れてても、普通に接してくれるんだねぇ…なんかテレビとかだとよく見るんだよね、お父さんと話をしない娘とかさ。

 

まぁそれが普通、とは言いたくはないよねぇ。嫌われて嬉しい人なんてフィクションくらいにしかいないと思うし。…結婚どころか彼女もいない独身男性が何を言ってるんだろうね…

 

 

 

 

「……どうしましたか…?何か、考え事ですか…?」

 

「もしかして悩み事だったりするんですか?ボクや文香さんが聞いてあげますよ?」

 

「んー…悩み事って訳じゃないよ。ただねぇ、ほら、意外にここの仕事上手くやれてるなぁって。少なくとも嫌われてるようには感じないし…」

 

「当たり前ですよね!お兄さんを嫌ってる人なんていませんよ!」

 

「うん、そこは分かってはいるんだけど…なんかさ、スキンシップ激しくない?文香ちゃんも幸子ちゃんもだけど」

 

「…そう、ですか…?」

 

「別に普通だと思いますけど…?」

 

「このそこまで広くないソファーに、わざわざ俺を挟むように座ってる時点でなんか普通には思えないんだけど…」

 

だいたいソファーに座れば隣に誰かが座る。暇だなって思ったら大体LINEで話す…あ、これは別に良いことか。

 

「…普通ですよ…?蓮二さんが…今まで…こういうことをしてなかった、だけだと……」

 

「…まぁ確かに、今まで女子との絡みなんて無かったけどねぇ…」

 

「そうですよ!それにカワイイボクや文香さん、他の方にたくさん接されて嬉しく無いんです…?」

 

「…そこ言われたらねぇ、嬉しくない訳ないじゃないか。今だって両手に花、とか言う奴だし、みんな可愛いし」

 

「……さ、さらっと言うんですね…」

 

「…ん?何が?別に可愛いことは悪いことじゃないと思うけど…」

 

「…無意識、ですね……」

 

「まぁだから、嬉しくない訳ではないんだけど…近すぎてアイドルの活動に支障が出たりしないかってのが心配なんだよねぇ…」

 

好意は受け取って損なんて1つもない…と思うし。ただこの子らはアイドルだし、スキャンダルとか簡単に起こる時代でもある訳だしねぇ…

 

「…別に気にしませんよ。……それで、仲良くなれない方が、いやです…」

 

「…嬉しいねぇ、そう言ってくれるならさ。…折角可愛いんだし、俺だって仲良くしたいねぇ」

 

「今より、ですか?お兄さん」

 

「俺さ、あまり自分から近寄ったりはしないんだよね。昔は近寄った事があったんだけどねぇ…色恋沙汰に興味はあったしね」

 

「…今は、ないんですか…?」

 

「ない、って言ったら嘘になるよ。てか、恋とかそういうのではないけど、君らみたいに可愛い子らと一緒にいるなら尚更さ。ほら、一応戸籍上男だし?」

 

「…ふふっ、蓮二さん、らしいですね……」

 

「お兄さんって…肝心な所でダメになっちゃうタイプじゃないですかー?ちょっと恥ずかしがってるあたりとか!」

 

「は、恥ずかしいって思うのバレてんの…!?」

 

「顔、赤いですよ…?…可愛らしいです…」

 

「……そういう事言わんでくれ、本当に恥ずかしくなるからさ…スキンシップだってアイドルとか、体裁とかよりも恥ずかしいんだって…おじさん恥ずかしいのダメだからさ…」

 

「む、話すときはちゃんと目を見て話してください!真っ赤なお顔を見せてください!」

 

「…幸子ちゃんは意地悪だよ、俺拗ねちゃうよ」

 

「ふふふっ、拗ねたら慰めてあげます!ボクの可愛さでね♪」

 

「…じゃあ私も…慰めてあげますから。…意地悪しても良いですか…?」

 

「おじさんをからかうのはやめてくれー…本当、最近小悪魔って言葉が似合うようになってきたよね」

 

「気づかないお兄さんも悪いと思いますよ?だって、スキンシップ沢山されないと、好意的に接されてるってわからない…っていうか避けてるじゃないですかー」

 

「…なんでそんなに俺のことを分かってるんだか…」

 

「私も、幸子さんも…他の皆さんも知ってますよ…」

 

…俺より俺の事を知ってそうだねぇ…飛鳥並みになってそうだよ、本当。

 

「…ま、それでも俺からスキンシップはできないからねぇ。…でも、スキンシップにどうのこうのは言うのをやめるよ。あ、限度が過ぎない限りね?」

 

「…ふふん!お兄さんらしいですね!でも、そこが良いから沢山接されてるんですよね!」

 

「……だから、これからもよろしくお願いしますね。…スキンシップは、していきますけど…」

 

「文香ちゃん、見た目に反してスキンシップ気付かないうちにしてるもんねぇ…」

 

「…だって、他の方はしてますし……私も見習おうかと…」

 

「見習う所を間違えてる気しかしないねぇ…少しくらい俺からも歩み寄ってみるよ、仕事とかじゃなくて、もっと仲良くできるように、ね?」

 

「…望む所です!まぁ、お兄さんは攻められたらすぐ負けちゃいますけどね♪」

 

「…厳しいねぇ、もっと優しくしてくれたって良いんだよ?」

 

「…優しいですよ、私達……ふふっ…」

 

…スキンシップに何も言わないって言ったけどさぁ、言った瞬間により距離が近づくとは思ってなかったよ…まぁ、ちひろさんに感謝しないとねぇ…

 

ちひろさんに言われたからねぇ、蓮二さん最近みんなと少し距離置いてません?って。…スキンシップを避けてたつもりだったけど、そう言われたら痛い。

 

…それに、アイドル以前に女の子を傷つけるなんて馬鹿かクズのやる事さ。…あー、キザなこと言った、似合わないっての。

 

「蓮二さん…?」

 

「…何も言わないとは言ったけど限度を考えてね、近い近い、顔が近いから」

 

「えー!?まだまだですよ♪他の人はもっと近いでしょ?」

 

「…うん、そこは否定できない。何一つ否定はできないね…」

 

「それに、顔をずっと赤くしたくないでしょー?ほら、ボク達で練習しましょっ?ぎゅっ!って」

 

「い、いや、流石にそれは…」

 

「……練習ですから。…気にしなくても良いんです、よ…?」

 

「…そう、いうものなのかな…?」

 

「そういうものですよ!……お兄さんちょろいですね…」

 

「え?何か言った?」

 

「何も言ってませんよ♪ほら、ボク達2人ともですからねっ!ちゃんとやるまで解放してあげませんから!」

 

「スキンシップの…練習です……」

 

…恐ろしく恥ずかしい。ここまで俺ってヘタレなのかって思うくらい、心臓もばくばくしてる。

 

「…はぁ…後で訴えたりとかやめてねー?」

 

「…ふふっ、冗談でもしませんよ…」

 

まずは文香ちゃんを抱きしめる。…すごい良い匂いがする、自分からだと、より距離が近く感じてしまう。…目の前にいる子はアイドルなんだけどねぇ…それを抱きしめるって仕事でも無いよ…

 

10秒もせず離れ、早く終わって欲しい一心で幸子ちゃんも抱きしめる。文香ちゃんより小さいから、優しく飛鳥と同じように抱きしめる。…やっぱり良い匂いがするし、やわ…んんっ、これ以上は変態になっちゃうねぇ…

 

「…こ、これで勘弁してね。流石に俺にこれ以上は無理だからっ……」

 

顔が赤いのが分かる。それを見て幸子ちゃんや文香ちゃんはおかしそうに笑う。2人とも顔を赤くしながら、だけど。

 

「ふふっ、今日は満足しました♪でも、今度は自分でボク達のスキンシップとかに答えてくださいねっ!…次はー、もっと大変なことになっちゃいますよ♪」

 

「…楽しそうにいわないでくれ…俺は精神的疲労がやばいからさ…」

 

「ふふふっ……」

 

…距離を無意識のうちに置く、それが少しみんなを不安にさせていたのもちひろさんから聞いた。嫌われてる、とか思ったと相談されてもいたらしい。

 

だから、その反動なのかもしれない。いつも以上に距離が近いのは。…まぁ、悪いのは俺だしねぇ…それに、ここまでlikeの感情を向けられてるのに、それを無下にしたく無いし。

 

…仕事、楽しく感じてきたね…まぁもっと楽しく感じてきた。だから、もっと楽しくしてたい、そう、心から思った。

 

 

 

 

 




次回から少しパッション回!なんか出すの意識しないとクールだらけの作品になったりしそうだから…(´・ω・)ついでに主人公のおじさんのプロフィール(少し)を…

相沢(あいさわ)蓮二(れんじ)29歳 今年で30歳
誕生日 11月25日 血液型 O型 身長 179cm 体重 69kg

まぁこんな感じですかね?アイマスの小説がどの方のでもランキングに入ってるの見ると嬉しくなります(*´ω`)もっと広まって欲しいですね(にわかが言うな)


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ぼっち暮らしのキノコッティ

宝くじは別に当たりはなかったですが、Sレア以上確定チケットで椎名法子ちゃんを引きました。初キュートSSRでした。ポン・デ・リング美味しいですよね。
パッション回、リクエストも多かったですし、タイトルで大体察しつくと思いますがあの子です。


おはようございます、こんにちは、こんばんは…と、まぁ挨拶から始めたけどすでに事務所で仕事中です。珍しく今日はちひろさんが外に出ている。さらにアイドルの子らも長い仕事で事務所には来ない。

 

まぁ送って行った子もいるけどね。…あ、そう言えばプロデューサーを初めて見たよ。ほんと一瞬だったけどねぇ…

 

今は誰もいないししばらくは誰も帰って来ない。仕事中に音楽を聴く、普通はダメだけど…まぁ誰もいないなら別に良いよねぇ?外には漏れないようにするし。

 

とりあえず順番に聞こうと思う。今はまだ会ったことがないアイドルの子らの曲も聴き始めた。なんか、すごいハマっちゃったんだよねぇ…曲を聴くの。

 

後は番組とかよく見るようになったよ。たまに感想を求められたりするようになったし、見てなかったら目に見えて不機嫌になっちゃうんだよね、みんな。

 

すごい最近聞いてるので、ソロ曲じゃないのがあるんだよね。まぁ知ってる子が出てるからって聴いたんだけど…『Tulip』って曲、すごい好きなんだよねぇ…

 

後は…少し方向性は違うんだけど『毒茸伝説』を聴くようになったかな。女の子なのにあんな感じに歌えるって凄いよねぇ…見た目もインパクト強かったし。

 

と言うことで毒茸伝説流してっと…これ人が多い所で流したらすごい見られそうだねぇ…最初の所で驚いたからね、初めて聴いた時は。

 

「……、!」

 

「……ん?」

 

気のせいかな…なんか机が揺れたような…んー、怪奇現象とかはごめんだけどねぇ…ま、良っか。

 

「…あー、仕事捗りそう。…そういう曲じゃないか」

 

「……、」

 

…なんか人がいる気配を感じる…なんて超人的なことは出来ないんだけどさ。音がするんだよねぇ、こう、人の呼吸音みたいな音とか。

 

「…えーっと…?…キノコ祭りって何だよ。しかも誰か1人選出確定枠じゃん…えぇ…俺の知り合いにそんなキノコ好きはいないんだけど…」

 

酒のつまみとしてなら好きそうな方はいるけれども。それ以外の子の好き嫌いは知らないからねぇ…

 

「…キノコが好きって公言してるアイドルとかいるのかぁ…?」

 

調べないと…って俺が独断で決めるわけにもいかんけどさぁ…でもこれちひろさんに代わりにやってくださいって言われたし…

 

「……フヒ…い、いるぞ…」

 

「…え、いるの?」

 

「…私、親友はキノコだからな…フヒヒ…」

 

「親友がキノコって…はぁ、そんな子がいるんだねぇ…」

 

……あれ?俺は一体誰と話してるんだ?この事務所には俺以外いないはずなんだけど…?

 

「…え、今更なんだけど…誰?いつからいたの?」

 

そう訊くと、モソモソとゆっくり、向かいの机の下から女の子が出てきた。銀髪で、服に大きくキノコの絵が描かれている。

 

「…フヒヒ…さ、最初から…いた…」

 

「…え、俺が来る前からってこと?」

 

目の前の少女は静かに頷いた。…全然気づかなかったし、なんで机の下なんかに…

 

「…ち、ちひろさんに言われた…こ、ここにいれば、キノコがあるって…仕事も…」

 

「ちひろさんに?…って事はアイドルだよねぇ…?俺もアイドル知ってからそこまで期間が経ったわけではないけど…見た気がしないんだよねぇ…」

 

「フヒヒ……き、気づかないのか…い、良いけど……でも、知ってる…」

 

「知ってる?…俺が思い出せないだけかな…」

 

ちょうどこの時、一曲目が終わった。とりあえず音楽はストップする。……あれ、なんか…思い当たるよう、な…?

 

「…それ…わ、私の曲だから…フヒヒ…」

 

「…………え???」

 

「…フヒ…私…星輝子…。毒茸伝説は…私の…」

 

言葉が出なかった。…確かに面影があるといえばあるし、むしろそう言われればしっくり来る。目の辺りが違う程度で、それ以外は確かに当てはまる…けども…

 

「……マジか…普通に聴いてたんだけどねぇ…だからちょこちょこ反応してたの?」

 

「…うん……キノコの世話、机の下でしてて…聞こえたからびっくりした……」

 

「だから机の下にいたのか…あぁ、ちひろさんって事はそういう事だったのか…」

 

確かに、キノコが好きってのはタイトルからしても分かるし。この仕事にぴったり…というかこの子以外にいないしねぇ…

 

「フヒヒ…その仕事、やるから…」

 

「…了解。…ていうかちひろさんが言ったとはいえ、俺が入ってきた時に少しくらい動揺しても良いと思うんだけどねぇ…なんて言うか、そういうタイプに見えるし…」

 

「…ちひろさんは言ってたし…独り言で、曲を好きって……う、嬉しかった…フヒヒ…」

 

「聞かれてた…まぁ当たり前か。最初聞いたときはびっくりしたけどねぇ…歌ってる子が元々こういう感じの子って知った今の方がびっくりしてるよ」

 

「…たしか…相沢蓮二さん…だよね…?」

 

「ん、合ってるよ。…あー、まぁ仕事で送り迎えするかもしれないからよろしく」

 

「フヒヒ…よ、よろしく……」

 

…なかなかギャップの差がすごい子だなぁ…まぁアイドルってそういう子も多いけどねぇ…俺が見てたのはこう、ヒャッハーーー!みたいに叫んでる姿だけだったからねぇ…キノコを親友と呼んで机の下で世話したりしてるとは微塵も思わなかったしねぇ…

 

 

 

 

 

 

とりあえず輝子ちゃん…あ、呼び方は許可してもらったよ?仕事は輝子ちゃんに任せた。キノコって聞いただけで目が輝いてたからねぇ…

 

「…フヒヒ…キノコー、キノコー、ボッチノコー、ホシショウコー」

 

「机の下に潜りながらすごい歌を歌うね…」

 

「…ぼっちだからな…親友はいるから、問題ないが…」

 

「キノコが親友だもんねぇ…所でそろそろ俺の机の下に潜らずに、さっきの場所に戻る気は無い?」

 

「…こ、こっちの方が…私の…キノコが喜ぶ…育ちやすいんだ…」

 

「…すごい気になるんだけどねぇ…まぁ、キノコが喜んでるってなら別に良いや」

 

「…蓮二さんは…キノコすき…?」

 

「好きだね、普通に美味しいし…少し前まではキノコ狩りにも出かけたことあったしねぇ…」

 

「フヒヒ…私は…外に出たくないから……すごい…」

 

「陽の光が嫌いなのは輝子ちゃんな気もするんだけどねぇ…」

 

「フヒヒ…リア充と…キノコが嫌いな奴は…敵…」

 

「リア充もなんだねぇ…なんと言うか、輝子ちゃんらしく感じるよ」

 

「…蓮二さんも、会ったばかりなのに…蓮二さんらしい…わ、私との、話し方とか…」

 

…手のかかる子と比べたらあまりに優しすぎるくらいなんだよねぇ…飛鳥とか飛鳥とか、二宮飛鳥とか…あれ、1人しかいない?ワガママの度合いがねぇ…

 

小さい頃なんて特にそういうもんだからねぇ…欲しいものがなかったら泣いちゃうし、好きなものがなければ泣く。仕方ないんだけどね。

 

「ま、相手と話を合わせたりするのはそれなりに得意だからねぇ…ただ年取ってるだけじゃないし」

 

「…キノコ好きに…悪い人はいない…」

 

「…だからって俺の机の下で完全にキノコ栽培の準備を始めなくても…鉢まで完璧じゃんか…」

 

「フヒヒ…キノコ好きが近くに集まれば…喜ぶ…」

 

「親友が?」

 

「正解…」

 

…そういえば調べたら結構ヒットした。キノコ好きとかは特に。後は…噂レベルだったけど、実際はあそこまでじゃないらしいとか。実は根暗っぽいとか。うん、正解だけどさ。

 

後はなんか、ストレス溜まったりすると発散する為に叫ぶとか。ちひろさん情報だから多分確か。

 

…てかアホ毛まであるんだねぇ、キノコに夢中でぴょこぴょこしてるのがすごい気になる。思わず手が伸び、頭を撫でてしまう。

 

「わひゃっ…?…れ、蓮二さん…どうした…?」

 

「…あ、ごめん…なんか目の前でぴょこぴょこしてるアホ毛があって気になったから…」

 

「…撫でられたの初めて…フヒヒ…わ、悪くはない…」

 

「悪くはない、か。そう言われるなら良かったよ…いきなり撫でるなんて不審者とかそういうレベルだからねぇ…」

 

「…そう、悪くはない…でも、優しい手つき…だった……」

 

「…少し慣れてるからねぇ…俺は叫んでもおかしくはないと思ってたんだけど」

 

「…す、ストレスとか感じないし…き、緊張もしてない、から…」

 

「…まぁそういうのはライブに取っておくってのも良いと思うよ、おじさんは。俺、普通に好きだしさ」

 

「フヒヒ…なら、仕方ない…キノコ好きの蓮二さんの為に…取って、おく…」

 

「ははっ、ありがとねぇ」

 

思わずまた撫でてしまう。見事に手が伸びやすい位置に頭があるんだよねぇ…

 

「……フヒヒ…」

 

…今日はまたインパクトのある子と知り合った日だった。もしかしたら机の下をちゃんと見とかないといけない日が来るかもしれないねぇ…気づかず倒したら…叫び出しそうだしねぇ。見てみたい気持ちもあるけど…ふふ、なーんてね。

 

 




(タイトル名を)カッとなって決めた、反省も後悔もしていない!パッション回って思ったけど、そろそろ歳近い子出そうかな…多分しゅがはになるかなぁ?2周年アニバーサリーで出てくれたし(*´ω`)
輝子ちゃん可愛くないですか(´・ω・)?そう言えばUAとかお気に入りとか総合評価とか伸びてるんですけど、それはどうでもいいからみんな好きな子の愛を叫んでくれ、輝子ちゃん並みに。メッセージとかで叫んでくれても…
今回の新イベの曲、マスプラのラスサビで途切れるんですよね…


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心から始まる甘々砂糖

 

 

今日も仕事頑張っていきましょー、なーんて言ってるけどすでに一個仕事をしてきた所です。

 

フレちゃんこと宮本フレデリカちゃんの送り迎えしてました。あ、俺がフレちゃんって呼んでるわけじゃないからねぇ?

 

まぁ呼んでみてよ!とは言われるけど…それはさすがに高レベルすぎるよねぇ…

 

まぁとりあえず、仕事を一つ終わらせ…迎えはあるけども一旦終わり、事務所に戻る。確か事務所には楓ちゃんと…さらっと輝子ちゃんもいたかな?後はちひろさんも。

 

2人とも今日はオフ…らしいが、輝子ちゃんはキノコの世話、楓ちゃんは午後から仕事ですでに事務所に来てた。プロ意識って奴かねぇ…

 

とは言え俺も今日はそこまで仕事はない。実際フレデリカちゃんの送り迎えと多少の事務作業をすれば何もない。

 

楓ちゃんに飲みに誘われたけど…んー、どうしようかねぇ、明日別に休みではないからやんわり断ってはおいたけど…

 

…あれ?事務所に誰か知らない人がいる…気がする。なんか知らない声…いや、どっかで聞いたことある声ではあるんだけどねぇ…

 

「飲みにいきませんか?」

 

「はぁとを誘ってるの?いいぞ☆」

 

「あ、私も良いですか?今日は早めに上がれるんですよ〜」

 

「全然大丈夫ですよ〜、心さんも今日は早めですか?」

 

「はぁとって呼べ☆今日は午後から暇だぞ〜」

 

「後は蓮二さんだけですかねぇ…?」

 

「ですね〜、さっき誘ったらやんわり断られちゃいました…」

 

「れん、じ…?…まさか…いや、そんな訳ないか…」

 

「心さん?どうしましたか?」

 

「だからはぁとだって言ってるだろ☆知り合いに名前が似てたってだけだぞ」

 

……見た目にいろいろ変化はあるとは言え、完全にアレじゃん。俺の知り合いとかそういうレベルじゃないぞ、多分。

 

「あ、お帰りなさい蓮二さん」

 

「………ふぇ……?」

 

「まさかこんな所で会うとか、思ってもなかったんだがねぇ…」

 

「なっ、な、な、なっ…!?」

 

「よぉ、心。お前の高校の卒業式以来か?あんま変わってねぇと思ってたが…意外に変わってんな」

 

「れ、れ、れ…蓮先輩…!?」

 

「……え?つ、ついていけてないんですけど…」

 

「今は…はぁとか?ま、あの時から呼び方は特に言われてないけどねぇ、俺には」

 

「…べ、別に先輩に強要する気はないですよっ」

 

「…そうかい。あ、こいつ…佐藤心は俺が高校の時に知り合ったんですよ。一応アイドルになったってことくらいは知ってたけどねぇ…」

 

「…つ、つまり高校の先輩後輩同士って事ですか?」

 

「いや、俺がOBって事で高校に行った時に初めて会ったんですよ。心が高1の時には俺は卒業してましたし…」

 

「まさか蓮先輩が…アイドルの事務所にいるなんて思いませんよっ」

 

「…口調が違うじゃないですか、口調が」

 

「先輩には色々助けてもらったんだぞ☆…な、なんか失礼じゃん」

 

「別に俺は気にしないがねぇ…ま、話しやすい方でいいぞ。久しぶりに後輩に会うなんて思ってなかったからねぇ…」

 

高校の時…あの時も自分をはぁとって言ってたって訳じゃなかった。しばらく俺がOBとして顔出してる時期があった一応生徒会の手伝いしてた時期もあったしな。高2の時だけだが…

 

その時偶々会ったのが佐藤心。実際それまでいなかったレベルの後輩の知り合いってことになるんだろう。意外に話があったとかではなく、本当によく出会ったから話したというだけなのだが。

 

てか名前だけ見ると俺は心(こころ)かと思っていたのだ。だから話し始めた時も名前を呼ぶなんてことはしなかったが、心の中ではずっと佐藤心(こころ)だと思ってた。

 

今は心(しん)と呼んではいるが…呼び始めた時も正直何回か間違えたしねぇ…あの時から記憶力はなかった説が…

 

 

 

 

 

 

「…フヒヒ……つ、ついていけなかったぞ…」

 

「…まぁねぇ、さっきまで飲みの話とかしてたしねぇ。まだ未成年には早いって」

 

「…そ、それでわざわざこっちに来た…のか…?」

 

「ほら、あそこ完全に大人の話モードだからねぇ。しかも女子同士の大人ってのはまた話が違うもんさ」

 

「…そ、そういうもんか…?」

 

「そうなんだぞ☆ちゃんとはぁとも大人だからな☆」

 

「うふふ…心さんは誰か呼んだりしないんですか?暇な人とか知ってません?」

 

「何回言えば分かるんだ☆ナナ先輩に聞いてみる…?」

 

「あ、良いですねー。それだと小さな居酒屋にしないといけませんね〜」

 

「アイドル年齢上17のはずなんだけどねぇ…飲みに連れて行っていいのか…」

 

「蓮二さん、偉い人は言いました。バレなきゃ犯罪じゃないと」

 

「楓ちゃん、それ偉い人の言葉じゃないからねぇ?…まぁ17ではないはずなんだけど、体裁的な問題とか」

 

「でも菜々さんって偶に飲みに行きますよ?大体どなたか同伴ですけど」

 

「メルヘンでも誤魔化せないものはあると思うんだけどねぇ…」

 

「フヒヒ……ば、ばれなきゃ……」

 

「机の下をキノコ栽培場にしてるのはバレてるから…あ、今日は飲みは遠慮しておきます」

 

「えー…蓮先輩行かないんですかぁ…」

 

「お金が…って訳じゃないけどねぇ、今日はやめておこうかなって。猫になられても…ふふっ」

 

「も、もうっ!私でも怒りますよ!」

 

「フヒヒ……わ、私も見たぞ…」

 

「ふぇっ!?ど、どういう事ですか輝子ちゃん!!」

 

「ゆ、揺らさないでー……」

 

「あの時昼から飲んでましたしねぇ…8時くらいにここに帰って来ましたし。そしたら輝子ちゃんと幸子ちゃんがいましたよ。幸子ちゃんはすれ違いで帰りましたけどねぇ…」

 

あの時さらっと「羨ましいです!今度はカワイイボクをお姫様抱っこしてくださいね!」って言われたのは割愛しておく。

 

「……輝子ちゃんの記憶を抹消しましょう…」

 

「…ば、ばいおれんすだぞ……」

 

「…輝子ちゃんもまぁ、あったしねぇ、色々」

 

「…フヒヒ…急に、抱きつかれたからな……びっくりとかじゃ、すまなかったぞ……」

 

「飲む量、自重しましょうかねぇ…」

 

楓ちゃんは顔を隠すように手で覆いながらボソッとこぼす。簡単に量は減らせないんだよねぇ、お酒とかは。タバコとかもやめるのは大変だしねぇ…

 

「やめておいた方がいいぞ☆絶対反動が来るからな、経験談だぞ☆」

 

「…私も我慢しようと思ったらつい開けたりしてるんですよねぇ…」

 

「…フヒヒ……キノコの世話と、同じか……」

 

「なんだろ、肯定も否定もしきれない感じは…まぁ飲まない方が良いとは思うけどねぇ…仕事が大変になればってのはあると思いますけど…」

 

最近話しながらなんだけど、輝子ちゃんは俺の机の下にいるからなんだけど、飛鳥を超えるんじゃないかってくらい撫でてる気がする。手がちょうど良い場所にあるし、アホ毛が偶に手をくすぐるんだよねぇ…

 

今も撫でながら話してるし。輝子ちゃんも輝子ちゃんで撫でてなかったら違和感感じるらしいし…おかしいな、キノコの話とかしてたらいつの間にかよくやるようになっちゃった。

 

「…ま、飲みすぎないようにね?楓ちゃんはこれから仕事ですよね?送りはいります?」

 

「今日は近いので大丈夫ですよ?それにフレデリカちゃんの迎えもそろそろでしょう?」

 

「まぁそうなんですけどねぇ…そう言う事なら大丈夫ですかね。…んじゃ、そろそろ行きます。楓ちゃんは仕事頑張ってねぇ、ちひろさんもだけど」

 

「ふふっ、了解しました」

 

「蓮二さんにお仕事残してあげましょうか〜?」

 

「笑顔で怖い事言わないでください…輝子ちゃんは…まぁ帰って来てからもいるか。…ま、お前も頑張れよ、応援してるからな、心(こころ)」

 

「…!…はぁとか心(しん)って言ってる…なんか懐かしいですね、このやり取り」

 

「ははっ、久しぶりだからな。ま、お硬くなるなよ?いつまで経ってもお前は俺の後輩なんだからなー?」

 

「…ふふっ、なら見てろよ☆最後まではぁとの事を、な☆」

 

「ははっ、それでこそ佐藤心だよ。それじゃ行ってきまーす」

 

事務所から出て、フレデリカちゃんを迎えに行くために車を出す。…懐かしい顔に会うってのはここまで嬉しい事なんだねぇ…キャラは別にして、だけど。

 

車を出す瞬間、スマホが震える。しばらく来なかった奴からのLINEだ。…ったく、どうしようもない後輩だよねぇ…

 

 

 

 

 

 

 

 

Heart☆:今度は飲みに行きましょうね?2人だけでもいいんだぞ☆

 

 

 

 




オリジナル感満載ですね…シュガハは恒常と2周年アニバーサリーと2人持ってます。なんか、こういうガチの先輩の前とかだとシュガハにはならなそうなイメージが何となくあったからこうなりました。でも可愛いよね(*´ω`)


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LINEって便利な物を知ってる?

 

フンフンフフーン♪フンフフー♪フレデリカー♪キノコーキノコーボッチノコーホシショウコー♪が頭の中でリフレインするおじさんです。

 

なんか気づいたら頭の中に刷り込まれてんだよねぇ…完全に洗脳のそれと同じに感じてきたよ…

 

今日は仕事無しです。だけどどうやら暇を持て余してる…んだろうけど、みんなからLINEがよく来る日だよねぇ…ていうか今日は志希ちゃんと周子ちゃん、飛鳥以外からは全員来てるねぇ…文香ちゃんはそこまで長く話してないけどね…確か今日はCDの店頭に行くみたいな仕事だった気がする。

 

そう言えばなんだけど、文香ちゃんと出会った時かな?あの誘拐されかけてた時の後の話を初めてしたんだよね。文香ちゃんガチ説教とかそんなレベルじゃなかったらしいよ。

 

何だったかな、しばらくは必ず誰かと行動。帰るのも門限付き、本当は撮影とかもしばらく休ませたかったらしい。ちひろさんが教えてくれた、実際に言ってたのはプロデューサーさんらしいけど。

 

だからファミレスの時も幸子ちゃんがいたのは頷ける。…まぁわざわざ1人にしちゃあかんでしょ。

 

ただ凄いことを聞いたんだけどね、ウチのプロデューサーって恐ろしいほど金持ちなんだって。どれくらいってまぁ、うん億とかそんなレベルでもないほど。

 

どうやらプロデューサー始める前に事業で成功してるらしい。若くして、天才って奴なのかねぇ?で、もう二度とアイドルらに怖い思いはさせないって言ってたらしい。

 

監視とかではないらしいけど、次そんな目に遭う子が出る前に対処できるようになってるらしい。文香ちゃんがナンパされてる時も、俺がもう少し遅かったか、文香ちゃんが言い返さなかったら普通にサヨナラー、とかだったらしい。

 

さよならー、はちょっと、うん、隠してはいるけどそういう事だよ。過保護かもしれないけどねぇ、若い子は危機感ってのを覚えてない子が多いからね。…それで何で俺に対するスキンシップはやめさせないんだろ?

 

あ、話戻そっか。いつもならLINEが来るのは2人くらいなんだけどねぇ…あとはグループかな?幸子ちゃんと文香ちゃんとのグループ、志希ちゃんと周子ちゃん、フレデリカちゃんとのグループ、幸子ちゃんと輝子ちゃんと楓ちゃんのグループとか?

 

飛鳥は確か…神崎蘭子ちゃんだったかな?その子とのグループで会話してるのを見た事があるねぇ…心はLINEではほとんど話さない。話すときは大体電話が来てそのまま会ってたりしてたからねぇ…働き始めて一年目とかそれくらいまでだけど…

 

心と再会した後のあのLINEは結構珍しいからなぁ…

 

その中でも会話が長い子らとのLINEを少し見せてみようかなって思う。まずはフレデリカちゃん。

 

 

 

 

 

 

 

fu_re♪:おはよー♪今日も元気にフレデリカー♪

 

REN:おはよ、最近フンフンフフーン♪フンフフー♪フレデリカー♪が頭の中に流れるんだけど…

 

fu_re♪:良いことじゃん♪それがフレちゃんの洗脳だという事に気付かなかったのだ!

 

REN:ナ、ナンダッテー!フレデリカちゃんに洗脳されたら明日が怖いよ…

 

fu_re♪:どういう事ー!!フレちゃんを何だと思ってるんだー!

 

REN:口を開けば自由人、的な

 

fu_re♪:自由で何が悪いのだっ!!あ、レンジくんは今日お仕事なし?

 

REN:今日は休み。プライベートにも用事なし

 

fu_re♪:うーん、アタシが今日プライベート無ければ誘ったのになー(´・ω・)

 

REN:別に誘わなくても良いんだけどねぇ…車の中でどれだけ振り回されてるか…

 

fu_re:別にいーじゃーん!レンジくん優しいし、楽しい人だから♪

 

REN:まぁ嬉しいけどねぇ…俺が知り合った中だと付き合い短いほうだと思うんだけど…

 

fu_re♪:付き合うなんて照れるな~///レンジくんったら仕方ないなぁ~

 

REN:うん、それは十年前ならよかったけどさ…そして意味合いが全然違うよ…

 

fu_re♪:知ってるよ♪じゃあアタシがもう少し歳が近かったら付き合ってくれたの?

 

REN:…その答えづらい質問はやめてほしいねぇ…そりゃ好かれてるなら嬉しいけど…

 

fu_re♪:え~!ちゃんと答えてほしいなっ♪

 

REN:…別にさ、ほんとにここで告白とかされるなら付き合うよ、そっちがいいならって話だけど…なんで俺こんなことLINEで言ってるんだろ……

 

fu_re♪:にひひっ♪フレちゃん感激!今度会ったらキスしてあげよっか!

 

REN:やめなさい…てかさ、俺が車で寝てた時にしようとしてたって聞いたんだけど、周子ちゃんから

 

fu_re♪:どーだろうねー??でも最近スキンシップに対応し始めてるよね?十回に一回くらいはハグゆるしてくれるよね♪

 

REN:フレデリカちゃんのスキンシップの近さが尋常じゃないんだよね…休憩のとき毎回車に来るよね、俺がいるときだけ。

 

fu_re♪:だってシューコちゃんとシキちゃんがいないと暇だし…レンジくんは言わなくてもいてくれるもん♪

 

REN:事務所に誰もいないってだけだよ

 

fu_re♪:ロン!じゃなくてダウト!事務所に人がいるときあったの知ってるもんね!!

 

REN:…そこは見逃してほしかったかなぁ…

 

fu_re♪:ダーメ♪

 

REN:フレデリカちゃんが優しくないのでふて寝します…

 

fu_re♪:家行くね!みんな連れて!

 

REN:自由人に自由が奪われてしまう…

 

fu_re♪:フレちゃんの前に自由の壁など無意味っ!ふははーっ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…と、まぁおじさんをからかう内容ばかりです。自由人って言葉があまりにも似合い過ぎてるよねぇ…フレデリカちゃんって。

 

後は幸子ちゃんと輝子ちゃん、楓ちゃんとのグループだねぇ…幸子ちゃんと輝子ちゃんは仲が良いらしいんだけど、幸子ちゃんがいない時の事務所って楓ちゃんと輝子ちゃんがセットでいるんだよねぇ…

 

多分アイドルとしての系統が違う…いや、だいたい違うんだけど、色々違うから休みの日は被るし、仕事の時もどっちも別の仕事、とかのパターンが多い気がする。

 

だから何だろ、保護者と子供みたいな雰囲気だと思うね。そんな感じにしか見えなくなって来るから、最近。2人も仲良くなってるっぽいし。輝子ちゃんLINEだと結構話すからね、さらに話してるよ。

 

 

 

 

 

 

グループ名『キノコ輝子観察隊』

 

Sathi♡:おはよーございまーす♪

 

KAEDE:おはよう、幸子ちゃん。今日も可愛いわね

 

Sathi:ふふん♪そうでしょうそうでしょう!文面だけで可愛さが伝わるようになりましたか!

 

KINOK:幸子ちゃんはいつも通り、だね

 

REN:いつも通りを通り越してるレベルだね、おはよ

 

Sathi♡:お兄さんおはようですっ♪

 

KAEDE:おはようございます、蓮二さん

 

KINOK:おはよう、蓮二さん。今日らお仕事無しだよね?

 

Sathi♡:今日ら、になってますよ…確実に寝ぼけてますよね、輝子ちゃん

 

KINOK:きっ、きのせいだぞ!

 

KAEDE:履歴は残るんですよね、ちゃんとみんな見てますから安心してね?

 

KINOK:何一つ安心できる点がないっ…

 

REN:寝起きは誤字しやすいからねぇ…文字もちゃんと打てない時あるし

 

Sathi♡:なのに朝から話すのってやめられないんですよね!

 

REN:初期の頃は文香ちゃんと幸子ちゃんだけだったんだけどねぇ…今はグループも増えたしLINEで繋がった人も増えたしで…なんかよく開いてる

 

KAEDE:me too (*´ω`)ゝ ハイ

 

KINOK:楓さんの顔文字可愛いよね…

 

KAEDE:もう輝子ちゃんは鳥でも逃げられないカゴに入りました、虜になりました、トリだけに

 

REN:分かりづらくないですか、それ。朝からそっちは爆進中なんですね…

 

Sathi♡:LINEの会話を遡ってたら気づくのもありましたからね…

 

KAEDE:反応してくれないのは寂しいです、ぐすん。慰めてください蓮二さん!

 

REN:何でそこだけ名指し!?

 

Sathi♡:じゃあカワイイボクも慰めてください!

 

REN:謎のノリに走るのはやめようか???幸子ちゃん別に傷つく事ないじゃん

 

Sathi♡:蓮二さんにえっちなことされました!!

 

KINOK:ぎるてぃ

 

KAEDE:被告人を有罪とする。無期懲役

 

REN:そういう時の結束力高すぎませんか…しかも冤罪確定…

 

Sathi♡:セクハラです!はれんちです!

 

KINOK:蓮二さん、あうとー、たいきっくー

 

REN:ホウセイ、マイ、フレンド…いや、されないからね。宇宙人との親交深めてないから

 

KAEDE:じゃあ私達3人からのタイキックと言う事で?

 

REN:タイキック前提と幸子ちゃんにえっちな事した前提の話やめてください…犯罪者になりたくないです!

 

KAEDE:通報しました

 

REN:何もしてなくない!?

 

KAEDE:冗談です、2割。

 

Sathi♡:8割吹き飛びましたね…

 

KINOK:本気の度合いが高いぞー…

 

KAEDE:蓮二さんは私を酔わせてから…

 

REN:リアルに作り話作るのやめよ???俺が社会的に殺されるから

 

KINOK:キノコのエサにしてやるぞー

 

REN:エサとは…

 

Sathi♡:土に埋められたりするんでしょうか…お兄さんが地底人に…?

 

REN:ついに実在しなくなるんだねぇ…早い人生だった…

 

KAEDE:戻ってきてくださーい、まだそっちに行くのは早すぎますよー

 

 

 

 

 

 

 

…まぁ今日のはこんな感じだねぇ。普通に会話してる感じあるけど、相手はみんなアイドルって考えると普通じゃないよねぇ…

 

まぁ楽しいし、これからも続けていこうと思う。また何かあったらLINE話をしてもいいかもねぇ?

 

じゃあ、今回はここまでっ。…ふふ、よくわからないこと言っちゃったね、ごめんね?

 

 

 




ほんとはチャット形式にしてみたかった。IDの再現が大変な気がしたんだ(´・ω・)
誰か作者に無償で有償石をくれませんか(´・ω・)???


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暴走和菓子特急カワイイ行き

 

 

さて、状況を整理してみようかな。まず今日は普通に仕事。事務仕事だが、珍しい事にちひろさんは遠くに出かけたらしい。仕事の為らしいけど、仕事熱心だねぇ…

 

つまり今日は俺がやってる訳だ。まぁちひろさんが結構やってたしねぇ…別に休んでくれても構わないんだけど。

 

で、今日は幸子ちゃんと周子ちゃんが事務所にいた。他の子は休みだったり県外への仕事だったり…若いのに県外とか大変だよねぇ、出張を思い出すよ。…あ、左遷はなしでおねがいしますー

 

まぁ話したり仕事したり話したり話したり話したり…あれ、話してばかりだ。職務怠慢かぁ?…話す事も仕事に加えられそうになってた時は驚いたけどねぇ…

 

そしたら周子ちゃんが志希ちゃんから貰ったらしい、飴を取り出した。俺は飲み物を買いに少し外に出て、残りの2人は飴を舐め始めてた。…ここが間違いだったのかなぁって思ってる。

 

志希ちゃんの時点で気をつけてた方が良かったのかねぇ…おじさん現在困り果ててるからさ。どういうことかと言うと…そろそろ現実逃避はやめないとねぇ…

 

「おにーさん!!はやくしてくださいよぉ!!いつもちゅーしてくれるじゃないですかぁ!!!」

 

「………ふにゃぁ……蓮さん〜……」

 

酔っ払いに絡まれてます。…多分だけどあれだね、ウイスキーボンボンと同じなんだとは思う。舐めてみたけど俺は特に何もならなかったし。

 

…お酒に弱いとウイスキーボンボンでも酔う子って本当にいるのか?なんて思ってたんだけどねぇ…ここに2人もいるとは思ってなかったよ、うん。

 

周子ちゃんにあげた人が志希ちゃんってのも…多分関係してるよねぇ…そしてこの2人多分飲めるようになったら酒癖悪くなりそう…

 

「…おにーさーん、きいてます??はやくちゅーしましょーっ?」

 

「うん、したこと無いからね?しないからね」

 

「なんでれすか!いつもはたくさんしてくれるじゃないでしゅか!!」

 

「した事ないよ!?夢の中だとしてもアウトだからね!?」

 

「…れんさん、わたしとはー…?」

 

「しないから、いつまで膝を占領してるつもりなの?」

 

「…ねごこちいいもん……んふふ…」

 

何だろう、幸子ちゃんはキス魔…みたくなってる。周子ちゃんは楓ちゃんと似てる気がする。猫だもん、ちょこちょこ猫だもん。

 

「おにーしゃん!!ぼくともはなしてくだひゃい!!ちゅー!!」

 

「呂律回らなくなってるから、落ち着いて…うん、少しずつ力、入れるの、やめっ!?」

 

「しゃせてくれにゃいのがわるいんれす!!」

 

周子ちゃんが膝で寝始めてるレベルで動かないから俺も身動きが取れない。そして幸子ちゃんさっきからキスしようと迫ってくる。手で抑えてはいるけどさっ!

 

こんなカワイイ子のファースト(多分)キスが俺なのはまずいから!!!パパならまだしも!!

 

「むぅー!むーむー!!」

 

「言語を失ってまでっ、来なくていいからっ!」

 

「むー!……にゃぁ……」

 

………あれ……???

 

「……すぅ……すぅ……」

 

…本当に酒飲んでるレベルじゃんか…突然寝るって…てか周子ちゃんも寝てるし!?…とりあえず倒れこんで来た幸子ちゃんを俺の隣に置く。…手は自由なだけまだ良かったと言うべきか…

 

…ん、スマホが鳴った。…周子ちゃんがいてポケットから出しづらい!てか飛鳥以外に膝枕した事なかったしねぇ…

 

SIKInyan:そろそろ飴舐めて効果が切れた頃かにゃん??

 

すいませんこの人です。警察に突き出した方が良いんじゃないですか?…うん、冗談は置いといて。

 

REN:そうだけどさ、どういうことか説明してくれないかな……

 

SIKInyan:あれは改良したウイスキーボンボン!舐めたらたちまち酔った時と同じになるよ!

 

REN:…俺別に何もなかったけど?

 

SIKInyan:強い人には効かない!後、酔ったらその後すぐ寝ちゃう効果付き!

 

REN:それで助かったというべきか…うん、とりあえず志希ちゃんしばらくは、ね?

 

SIKInyan:え?え?え???蓮二クン!!どういうこと!?

 

これだけでどんなことされるって想像付く時点ですごいよねぇ…変なことじゃないよ?いつもの匂い嗅ぎしばらく禁止の略みたいなもんだから。…匂い嗅ぐこと自体変だって思っちゃいけない。

 

REN:いや、こう…なんかスルーするだけって嫌だなって思ったから、かな?

 

SIKInyan:にゃんでー!!?

 

REN:まぁと言うことで、ね?じゃあお仕事頑張ってね!

 

スマホをポケットに入れ直す。すごい通知が来てる気がするけど無視です。…ほら、志希ちゃん言葉で言っても伝わってくれないからねぇ…

 

…ひとまず幸子ちゃんと周子ちゃんを寝かそうか。……あ、だめだこれ動けない。周子ちゃんしっかり服掴んでる。それに俺の左手が幸子ちゃんの手で掴まれてた。…なぜ気づかない、手を繋ぐことが増えてきたからかねぇ…?

 

 

 

 

 

 

「……んん…?」

 

「…んにゃ?…あれ、私…寝てたん?」

 

「うん、おはよう。…とりあえず体を起こしてくれるかな?状況説明はするから」

 

「……あれれ?なんで蓮さんの膝枕で寝てるの?」

 

「ボクも手を繋いで…アレ???」

 

よく分からない顔しているが、とりあえず離れてくれた。…1時間くらいこのままなの意外に辛かった…ソファーとは言え、1時間座りっぱなしは歳をとった体にはキツイ…

 

とりあえず状況を説明した。周子ちゃんは納得〜って陽気に言ってるが幸子ちゃんは顔真っ赤にしてる。…俺もスキンシップに慣れ始めてなかったら今も顔真っ赤だと思う。あ、ごめんなさい今も顔赤いです。2人は普通にまたソファーに座り直した俺の隣に座ってるし

 

…おじさんの赤面とか誰が見たいんだろうねぇ。どこの層に必要とされてるんだって話だよね、必要とされてないよ。

 

「はぁ〜…してやられた、みたいな感じ〜」

 

「は、恥ずかし過ぎますよ…!何ですかちゅーって…!こう、表現の仕方がカワイイのが!なんか!ボクはカワイイですけどぉ!!」

 

「すごい矛盾してるね…多分お酒飲んだらこうなったりしそうだよねぇ…」

 

「ボクお酒飲まないですからぁ!お兄さんとは言え…さ、流石にボクが恥ずかしくっ…」

 

「周子ちゃんも熱いよー…意識がなかった分、なんか恥ずかしいよ…」

 

「俺だって恥ずかしいよ…堂々とちゅーとか膝枕の体勢で転がってきたりしたんだからねぇ…」

 

「あぅぅ……お、お兄さんだけ恥ずかしい姿見るなんてひどいです!」

 

「そうだそうだ!蓮さんも見せろー!」

 

「いや見せないよ!?こ、こっちだって恥ずかしい訳じゃなかったんだからねぇ…」

 

「(お兄さん顔真っ赤だ)」

 

「(蓮さんの赤面久しぶりに見た)」

 

「…いや、顔をまじまじと見るのはやめてくれないかなぁ…?」

 

「お兄さん顔真っ赤ですからね!」

 

「…自分でもわかるよ…ていうかキスとかかなり危なかったんだからねぇ?周子ちゃんは速攻で突撃してきたし…突撃の時はいつもの事かと思ってたけど」

 

「むぅ…お兄さん、キスされるの嫌ですか?」

 

「……そういう訳ではない…いや、した事ないからね、まず」

 

「えっ!?」

 

「何で驚くの?俺今まで誰かと付き合うとか一切なかったからね?ないのが当たり前でしょ?」

 

「…周子ちゃんそれはあまり聞いた事なかったや…それ本当なの?」

 

「本当も本当。…だから嬉しくない訳じゃないんだけどねぇ、ほら、歳とか色々ある訳だし」

 

「はぁー…あ、ごめん。志希ちゃんから電話だ…ちょっと出てくるね!」

 

周子ちゃんは志希ちゃんから電話が来たらしい。…多分俺のスマホが反応しないからだろうけどねぇ…

 

「ボクは別に気にしませんよ?」

 

…なんか幸子ちゃんいつもと全然雰囲気…というかいつもより色んなこと聞いてくるような…?

 

「…気にしないなら別に良いって訳じゃないけどねぇ…ほら、相手は選びたいじゃんか、女子なら特に。俺が選ぶって訳でもないんだけど…」

 

「じゃあ、ボクが本当にしたいのがお兄さん。って言ったらどうします?」

 

小悪魔のような、それでいて可愛らしい笑顔で俺の側に近寄ってくる。

 

「……嬉しいけど困るねぇ…どう答えていいかもだけど」

 

「ふふっ、その答えは女の子的には駄目ですよ?罰ゲームです♪」

 

さらに近寄ってきた幸子ちゃんは、俺の頬と耳元のすぐ側まで口を近づけてきた。

 

「…すると思いました?」

 

「……心臓に悪いよ、それ…」

 

「ふふん♪さっきの答えをちゃんと言ってくれたらしてあげますよ♪」

 

「…なら言わないように気をつけようかな?」

 

「お兄さんらしいですね♪」

 

……ドキドキした。心風に言うなら動悸じゃないぞ☆って感じ。……カワイイ小悪魔ってのはすごいんだねぇ…

 

そう実感しながら、戻ってきた周子ちゃんに「距離近くない?私も〜」と言われ逃げ場を失うおじさんになってしまった。

 

 

 

 



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おはよう、不法侵入ですか?

 

朝起きるとそこには知らない人がいた。…うん、正確には知ってるんだけどさ、ここにいるはずはないんだよね。家の場所は教えてるけどなんで入れてるのかっていう難題が。

 

…というよりなんでこの子らは俺の上に乗ってるんだ???女子とは言え2人は重…んんっ、殺意の波動を感じた。

 

「…おはよう、不法侵入ですか?」

 

「ひどーい!志希ちゃんを犯罪者扱いなんて!」

 

「いや、君もだからねフレデリカちゃん」

 

「えっ!?」

 

「いや、そんな反応されてもさ。…とりあえずどいてくれるかな?」

 

「いやだにゃ〜」

 

「い、やっ♪」

 

「…そこで断られる理由が全く思いつかないんだけどねぇ…じゃあなんでここにいるの?」

 

「周子ちゃんは言いました。蓮二クンにキスしたって!じゃあ私もしないとって思った訳なのだ!」

 

「全てにおいておかしいよ!?嘘だし本当だとしても理由がおかしい!」

 

「フレちゃんも同じ理由っ♪レンジくん覚悟しろ!」

 

「まずは話を整理してからにしてくれないかねぇ…どうやって入ったか…は大体察し付くけど…」

 

文香ちゃん、幸子ちゃん、飛鳥、楓ちゃんの4人には合鍵を渡してる。理由として前半3人は偶に料理を作りに来るからだ。楓ちゃんは飲みです、当たり前だよねぇ…

 

最近は心に家を教えた。結構多忙らしいが合間を縫って一回来てくれたことがある。頭を撫でてやった。やっぱり後輩ってのは良いもんだよねぇ…

 

多分この子らのうちの誰かに借りたのが筋だとは思う。多分借りれなくても志希ちゃんならピッキングくらいできそうだけどね…してたら怖いよ、私生活がなくなっちゃう。

 

「むー…蓮二クン!今の状況は分かってるの?」

 

「状況?上に乗っかられてる、不法侵入ではない…訳ではないんだけど」

 

「そっちじゃなくて!2対1って事だよ♪ついでに来た理由を思い出してね!」

 

来た理由?…うん、全部嘘なんだけど周子ちゃんがキスをしたと、俺に。そして何故か分からないけど2人は俺にキスをしに来たと。…うん、分からん。

 

「…分からないのすごいね…むしろ尊敬レベルだよ…」

 

「蓮二クン…」

 

「???」

 

なんか残念そうな目で見られてるのが納得できないんだけどねぇ…どういう事なの?俺以外なら分かるの?

 

「この状況でキスしに来たって言ってるんだよ?さらに言えばレンジくんは動けない状態!」

 

「…いやいや、キスしに来たって冗談でしょ?」

 

「…にひひっ、忘れてなーい?私達は悪戯好きなんだよ?」

 

「……いや、あの、若干迫ってくるのをやめてもらって良いかな?」

 

完全に2人の目が獲物を狙う獣と同じなんだけど…いや、寝起きだけど流石に止めるくらいの判断力はあるよ。とりあえず2人のほっぺたを手で引っ張る。

 

「むにー…うん、流石にダメだからねぇ」

 

「むにゅ…レンジくんひどーい!ほっぺた千切れたらどうするの!」

 

「柔らかいから千切れないんじゃないかな」

 

「理由になってないよ…蓮二クンのケチー、くらえっ!」

 

「ひゃっ!?」

 

志希ちゃんに耳元で息を吹きかけられ、恐ろしい声が出た。…今の声が俺の口から出たとは思えないんだけど……

 

「弱いんだね、耳…にひひっ、良いこと知っちゃった♪」

 

「…さすがにこれは恥ずかしいからやめてほしいんだけどねぇ…所で今日は何をしに来たの?」

 

「モーニングコール!今日レンジくんお呼ばれされてたでしょ?」

 

………あっ、わすれ…そうだった…いつも休みだから忘れてたけど…今日は事務所に行かないといけない日だった……!

 

「……本気で忘れてた…」

 

「LINEしても反応ないから2人で起こしに来たのだ!」

 

「一応まだ1時間前だからね!ドッキリのつもりだったのだ!」

 

「…ごめんねぇ、ありがと」

 

2人の頭を撫でる。いつも以上に撫でる頻度が多くなってる気がする。…この2人は会った瞬間に突撃してくるから撫でることがある。…抱きつかれる方が多いけども。

 

「…んひゃっ…!?」

 

「…どうしたの?」

 

「い、いや、何でもないよっ♪」

 

「…なんか変な感じだねぇ…あ、ごめん、着替えるから一旦外に出てくれるかな?流石に着替えられないからねぇ…」

 

「は、裸になるって事かにゃ?」

 

「…まぁそれに近いよねぇ…出来ればシャワーも浴びたいけどそんな時間ないし…」

 

「しゃわ……」

 

…なんか2人の顔がリンゴみたいになってる…?まぁおじさんの半裸とか全裸とか見たら人生終わるレベル…とまではいかないかもだけど悲鳴が上がるよ。

 

「そろそろ出て行ってくれるかな…?ほら、半裸を見せるわけにもいかないし…」

 

「………」

 

「…おーい?」

 

なんか反応がない。ただの屍のようだって流れちゃうかもしれない。もちろん生きてるけどねぇ…

 

「……はっ!?ご、ごめん!そ、外出るね!!!」

 

「……蓮二クンの……んにゃっ!?そ、そんな…」

 

…2人とも呪文みたいに小さく言葉をなんか言ってた気がしたんだけど…大丈夫かねぇ?普通にほとんど聞こえなかったんだけど…

 

なんか俺が着替えようとするとみんなに遭遇する確率高いんだよねぇ…文香ちゃんと幸子ちゃんには半裸見られたし。…いや、俺はそこまで気にしないけどねぇ。

 

楓ちゃんの時から気をつけてはいるんだけど…家では気を付けようがないからねぇ…俺に気配感知とかは相変わらずないからさ。

 

昔とかってなんかの能力とか憧れてた時期もあったなぁ…厨ニ病になりかけてた時もある。飛鳥に言ったらすごい聞かれそうだから誰にも言わないけどねぇ…

 

今と昔じゃ憧れるものは違うだろうからねぇ…今はアニメだって鮮明に映るし、映画やドラマだけじゃなくいろんな物を見て、それに憧れて…夢見れる時代ってのは良いもんだ。

 

うん、遅刻するからやめようこれは。とりあえず着替えて…っと

 

 

 

 

ひとまず着替え終わり、2人と一緒に仕事場へ行く。そう言えば車について言ってなかったと思うから言っておこうかなって思った。

 

俺が仕事で使ってるのは俺の車では無く、仕事用で置かれている車だ。俺の車は走れるし別にボロいわけではないが…アイドルを載せるとかには向いてない。

 

そこまで大きくもないしね。事務所へは車で行く。道を覚えるために1人で走りに行ったこともある。…後々それに誰かが同伴するようになった。なぜか県外まで行った時もあった。

 

「ん〜…蓮二クンの匂いがいっぱい!たまんないっ!!!」

 

「…なんかそれ恥ずかしいんだけど…他人が聞いたら変態だよそれ」

 

「私が好きだからいいの!…でも蓮二クン本人の匂いを嗅ぐ方が好きだよっ♪」

 

「そ、それは褒め言葉として受け取って…うん、おこうかねぇ…」

 

「アタシもレンジくんの匂いはいい匂いだと思うよっ♪抱きつき心地いいしっ!」

 

「まるで人形みたいな言い草になっちゃいそうだねぇ、それ」

 

「んふふっ、だってかっこいいし可愛いし?」

 

「かっこいいは嬉しいんだけどねぇ…おじさんに可愛いは似合わないと思うんだよねぇ…」

 

「さっきのひゃっ!って声も可愛かったよ?」

 

「うっ……そ、それは忘れて欲しいことなんだけど…」

 

「私達が忘れるわけないよねっ♪録音してればよかった〜!」

 

「それはやめようねぇ、事務所にいられなくなるから」

 

あの声が二度と俺から出ないことを祈るしかない。…多分この2人から広まる気がするけどねぇ…幸子ちゃんも少しいたずらっぽいの増えてきた感じあるし…

 

輝子ちゃんはなんだろ、常に癒しって感じなんだよね。文香ちゃんは無意識でいたずらじみたことしてくるから…タチが悪いとは言わないけど反応できないんだよね。

 

「はい、到着。2人とも降りてねー。志希ちゃんは寝っ転がって匂い嗅ぐのやめようか」

 

「えー…じゃあ蓮二クンの嗅ぐー!!」

 

「おわっ!?…危ないよ?後ろに飛びついてくるなんて」

 

「えー…ずーるーい!フレちゃんはー!?」

 

「…手で我慢してくれないかなぁ?…ほら、お、俺から繋ぐし…」

 

「……ふふっ♪恥ずかしがってるの??」

 

後ろに志希ちゃんを抱え、右手にはフレデリカちゃんの手がある。…なんだろ、まるで幼稚園くらいの子供2人といるパパみたいな構図だね。

 

…まぁ今日は2人に起こしてもらったし。…迫られて若干、悪くないなんて思っちゃったのは秘密。おじさんの心の中だけの秘密。いいね?

 

 

 

 

 

 

 




幸子ちゃんのギャグ的小説を書こうと思った。幸子ちゃんがカワイイって言ってるなら、一緒にアイドルやってる子達からもカワイイって思われて、百合的に迫られても良いんじゃないかなって。短編になるけど。…誰得やねん(´・ω・)


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娘(仮)ちゃんは甘えたい

 

 

今日は珍しく早く起きた。…あ、仕事の日じゃなくて休みの日にね?遅刻とかした訳ではないから…うん、あの時は助かったとしか言いようがないね。

 

今日は娘(仮)…文香ちゃんらがそう言ってたらしいんだけど、飛鳥が来る日だ。事務所でも会える時は会えるが…飛鳥は人の目を気にするからな、家以外だけは。

 

家にいる時は誰がいてもいつもの飛鳥だ。誰とでも仲良くできるタイプではないだろうし、甘えるというのが下手な女の子…って印象を持たれやすい。他の子も思ってた時はあったらしい。

 

俺がいる時の飛鳥との変わりようが驚くレベルですらないらしい。どれだけ事務所じゃキャラ作ってたんだろうねぇ…

 

「おはよう。…あれ、起き、てる?」

 

「珍しく、ね。おはよ、飛鳥」

 

「…やり直し。パパはボクが起こすのがいつもなんだから、寝てなきゃダメじゃないか」

 

「寝起きだからもう一回寝るのは無理だって…」

 

「なんで?ボクの楽しみの一つなんだからやってくれても良いじゃないか」

 

「それが楽しみって悲しすぎるでしょ……」

 

「…むぅ…仕方ない。今回は我慢しよう、ボクも大人に近づいているからね」

 

「中学生が何言ってんだって話になるよねぇ…成長期来ないんじゃない?」

 

「ボ、ボクにはまだ余地があるからね!せめて…せめてあれくらいは…!」

 

…多分考えてるのは神崎蘭子ちゃんなんだろうなぁ…中学生とは思えないプロポーションしてたし。…14歳のそういう姿を見るってロリコン扱いされるのかな?いや、それならジャニーズとかの若い子を見たらショタコンになるのと同じだよねぇ…分からないや。

 

飛鳥は普通の中学生並みだとは思う…身長は少し低めな気はするけどね。…いつかは俺の肩くらいの身長になったりするのかなぁ?

 

「…なんか変なことを考えられてる気がするけど……?」

 

「飛鳥の未来を考えてだけだから…」

 

「パパがボクとも結婚するか付き合うか同じ墓に入るか、その三択から未来を選ばせてあげるよ」

 

「実質一択みたいなもんじゃ…」

 

「あぁ、ごめん。結婚なんて確定してた未来に過ぎなかったね…未来の子供の事かな?」

 

「結婚できる年齢が近づいてる未成年女子が言う事じゃないよねぇ…あとぶっ飛び過ぎ」

 

「ボク的には男の子も女の子も欲しいんだ、それなりに大きめの家で4人で住んで…」

 

「未来予想図は良いんだけど暴走しすぎだから、久しぶりかもしれないけどさぁ…」

 

「むぅ…いつもならもう少し慌ててくれるんだけどね。みんなと会ってスキンシップを許してくれるようになった反面、弄りに対応してくるよね、パパ」

 

「…車の中で大体同じようなネタ言われたしね。運転中に話す事じゃないってのに…ハンドル軽く切り間違えそうになったし」

 

「…とりあえず朝ごはん、作ろうか。今日はたくさん話し相手になってもらうからね?」

 

「よろしく。…まぁ眠くならない限りな」

 

「じゃあ今日一日中になるね。ボクが居て、簡単に寝かすなんて思わないで欲しいな」

 

「…手厳しいねぇ…」

 

「ふふっ、じゃあ少し待っててね」

 

飛鳥は朝食を作る為にキッチンに立つ。もう見慣れてしまった光景だが…年下のアイドルに料理を作らせてる三十路間近って…もう少し俺も料理の練習しようかなぁ…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、パパ。今度ボクや他の子らと遊びに行かない?」

 

「…遊びに?プライベートでってこと?」

 

「その通り。あ、バレないような場所だから安心してよ。人もそんないない場所だから」

 

「まぁその為なら休みは合うだろうし…別に良いよ。ちなみにどこ?」

 

「えっと…海だね」

 

「……やっぱりさっきのは撤回ということで」

 

「もう録音済みだからね。仕事で海に行くことはあっても、泳ぐことは出来なかったからね…仕事が先だし」

 

「まぁそうだろうけどねぇ…メンバーは?」

 

「全員が休みを合わせるのは無理だからね…ボクと幸子、周子さんと楓さんだね。他の人達は休みがどうしても合わなくて…多分合う頃には時期が時期になると思う」

 

「…まぁ多くても車に乗れきれないから移動が大変になるんだけど…」

 

「だから埋め合わせはしたいんだけど…」

 

「…まぁそこはね、どうにかなると思うよ。俺に対するスキンシップが倍くらいになるぐらい」

 

「倍で済めば良いけどね…まぁパパなら大丈夫でしょ?」

 

「…人の寝てる写真が広まってる時は大丈夫じゃないと思ったけどねぇ…フレデリカちゃんや志希ちゃんはスキンシップのレベルじゃないし」

 

「そうだね…ちなみにパパは水着はあるの?」

 

「…恥ずかしいが俺は泳ぎが上手くないから泳ぎはしないが…持ってはいる。後輩らに誘われて行った事はあるしな」

 

「そういえばあったね。あの時は裏切られたと思ったんだからね」

 

「飛鳥が来るの忘れてたからな…海に向かってから連絡し忘れたの気づいたし」

 

「今回はそんなことにはならないよね?…まぁなったらみんなでここに攻め込みにくるけど」

 

「…3分あれば占領されそうで怖いよ」

 

3分もかからない可能性もあるけどね…カップラーメンより早いよ、狭いから仕方ない。…攻め込むって城じゃないんだから。

 

ちなみに忘れてた日は次の日有給を取って、飛鳥と一緒にいた。また飛鳥が出て行ったりしたら大変とか、そういうレベルじゃなかったし。

 

後輩らに説明したら「大丈夫ですよ!むしろ先輩は有休溜まりすぎです!」と爽やかに言われた。…うん、使った覚えほとんどないや。

 

…良い後輩だった。…あ、なんか後輩死んだみたいだけど死んでないよ?ちゃんとご存命だし、俺が育てた2人は付き合い始めたらしい。可愛い後輩同士で付き合う…なんか泣きそうになったよね、無関係なのに。

 

いつか結婚式の招待状とか来るかなぁ?来たら絶対行くし、全力で祝う。…祝うに全力とかはないかな?

 

「パパ、今日は一緒に寝て良い?良いんだね分かった」

 

「何も返事してないよ!?」

 

「パパの思う事なんて手に取るように分かる。ボクを誰だと思っているんだい?」

 

「絶対分かってないから…はぁ……今日だけね」

 

「……え?」

 

「…え?何かおかしい事言った?」

 

「…い、いや、てっきりダメかと…」

 

「…まぁ本当ならダメって言いたいけど、文香ちゃんらが聞いてたって言ってたよ」

 

「それ以上はいけない。あの日の再来がボクには手に取るように分かるよ」

 

無意識のうちなのかな…文香ちゃんらは飛鳥の…なんていうのかな、甘えたいオーラが分かるようになって来たらしい。…俺には何もわからないんだけど???

 

「…飛鳥が嫌なら別に良いよ?」

 

「嫌じゃない。…ふふっ、言ってみるもんだねっ」

 

…ついでに言うなら、そんな笑顔が見られるなら安いもんだよね。…てかむしろ添い寝とか、そんな程度で笑顔が見られるって…むしろ俺が金を払うレベルだ。

 

…楽しそうにしてるから、いっか。海も楽しみだし…飛鳥とかはしゃぎそう、あと周子ちゃんも。…楓ちゃん飲まないかな?飲みそうだけど…幸子ちゃんは周子ちゃんに遊ばれる姿が見える。

 

…なんだかんだ、俺も楽しみなんだなぁって思った。

 

 




少し期間が空きました…申し訳ないです。
UA100000、お気に入り登録2000超えました(@>ω<)ノ★゛本当にありがとうございます!最近PaniPaniにハマってて…気づいたら5時間ぶっ続けでやってました。


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海とアイドルとおじさんと

 

 

 

 今一体どこにいるのか、と言われれば海と返すしかない。しかもプールではなく海。近くには海の家まであるし、かなりいい場所だと思う。

 

「お兄さん!海ですよ海っ!」

 

「うん、言わなくて分かるけど……すごいはしゃいでるね」

 

「当たり前です!海に来たらカワイイボクがより一層可愛くなるんですから!」

 

「服のまま海に突撃したらダメだよ?着替えに行こうか。パパ、他の子もいるから覗いちゃダメだよ?」

 

「まるでいつも俺が覗いてるみたいな言い方はやめて欲しいんだけどねぇ……行ってらっしゃい」

 

 幸子ちゃんに飛鳥、周子ちゃんに楓ちゃんの4人は更衣室の方へ向かった。とりあえず俺はパラソルとシートの準備をしておく。前も言ったけど俺は海の中には行かないし。

 

 まぁせめてビーチバレーでもするならやるけどね。砂浜でやるなら大丈夫、後は浅瀬とかなら。深い所は泳げる自信がない。というより学校での水泳以来しっかり泳いだって記憶がないや。

 

 目ならいつでも泳ぐんだけどねぇ……ポーカーフェイスが向いてない証拠。ただしどれだけ平静を保っても飛鳥にはバレる。飛鳥風に言うならこれが運命の輪で定められた理。

 

 と言うよりほんとに人がいないね。結構いい場所な気はするんだけど……偶にある穴場って奴かな?砂浜とかにゴミが落ちてるわけでもないし、下調べしたけど事件とかが起きてるわけでもなさそう。

 

 近くの民宿になら幽霊的な噂はあるけど。幸子ちゃんや飛鳥は幽霊が苦手そうだから言わないでおく。それに泊まりに来たわけじゃないし……

 

「パパ、お待たせ」

 

「意外に早いな…………」

 

「……む、無言はやめてほしいんだけど」

 

 飛鳥の水着は黒いフリフリがついた水着だった。流石に娘的な存在とは言え、水着姿は見るのも恥ずかしく感じてしまう。

 

「蓮さーん、お待たせー!」

 

「……あの、その状態で抱きつかないでくれるかな?」

 

「ん?なんで〜?」

 

「自分の格好と性別を5回くらい見直して来た方が良いよ……」

 

 周子ちゃんの水着は白と水色の縞々模様の水着だった。色白な方だとは思ってたけど、水着だとより一層色白なのが分かる。今までほとんど日焼けしてこなかった感じだ。

 

「蓮さんが食い入るように見てくるー♪」

 

「これだけ近かったら見ざるを得ないでしょ……楓ちゃんと幸子ちゃんは?」

 

「もう来てますよ!海に突撃準備完了ですっ!」

 

 幸子ちゃんは実にらしい、って感じのピンクの水着。楓さんは意外にも真っ白な水着だった。楓さんが黒とかを着そうなイメージだったんだけどねぇ……イメージ思うだけなら変態じゃないよね?

 

「ふふっ、どうですか?私達の水着は」

 

「……まぁ眼福かなぁ。撮影の時でも水着とかは見た事なかったし、実物を見るのは初めてだからね。しかもプライベートだし」

 

「パパにしては素直に言ったね?」

 

「いや、素直に言わなくても伝わるでしょ。目のやり場に困るっちゃ困るけど……まぁ楽しんできてね。しばらくは俺ここにいるし」

 

「流石お兄さんですね!パパが溢れてます!」

 

「そうやね〜♪じゃあせっかくだから楽しんでくるねん♪」

 

「私は少し蓮二さんを手伝いますよ。1人じゃ大変でしょう?この中では蓮二さんと同じ年に近いんですから、保護者側ですし」

 

「……ならお願いします、1人だと時間かかりそうですし」

 

「パパ、行ってくるね」

 

 飛鳥と幸子ちゃん、周子ちゃんは海に入っていった。水を掛け合いながら仲睦まじく遊んでいる。……ほんとに保護者の気持ちだねぇ、そんな歳になった自覚がどんどん増えていくよ。

 

 楓ちゃんもわざわざ手伝わなくても良かったんだけどねぇ……まぁアイドルがいきなり日焼けして撮影し始めたりしたら、ファンの人達は何があったんだ?って思いそうだよね。

 

 わざわざ芸能人みたいに1人ずつTwitte○とかやってる訳ではないだろうし……これはプライベートだからね。写真なんて載せようものなら簡単に場所は特定されそうだし。

 

 今のご時世は情報社会だからね。写真がほんの少し背景が写ってれば簡単に分かる人もいるだろうし、過激な人なら本気で調べ回る事もあるでしょ。アイドルをどうにかする、なんて考えの人もいるだろうし。

 

「蓮二さん、蓮二さんは泳がないんですか?」

 

「俺はあまり泳げないんですよね……さっき楓ちゃんが言ってた通り、保護者にでも徹しようかと」

 

「むぅ……私も子供の1人ですよ?」

 

「そ、そう言う反応しづらいのはやめてほしいんですけど。子供っぽい気はしますけど」

 

「む!それは私が幼児体型だと言ってるんですか?」

 

「体型のこと言ってません、そんなデリカシーないつもりはないからねぇ……」

 

「本当ですか?……あ、私に日焼け止め塗ってくれませんか?」

 

「……俺が?」

 

「はい、さっき更衣室で背中を塗り忘れてしまったんです。駄目、ですか?」

 

「……背中だけなら良いですよ。朝に飛鳥に日焼け止め塗りましたし……」

 

「……ぶー……」

 

 なんで楓ちゃんは不機嫌になったんだろ?とりあえず心を無心にしながら楓ちゃんの背中に日焼け止めを塗っていった。ちょこちょこからかわれたけど……なんとかぬれたから良かった。

 

 

 

 

 

 

 

 現在、海の家で食事中です。幸子ちゃんや飛鳥らもかなり遊びつくしたらしく結構眠そうだ。周子ちゃんはまだまだ元気そうだけど。

 

「これ食べ終わったら帰ろっか。飛鳥とか眠そうだし」

 

「そうやね〜、まぁまだたくさん遊べるけど、お眠がやってきてるもんね〜♪」

 

「そういう周子ちゃんは元気が有り余ってそうですね?」

 

「ふふん、折角蓮さんと来れたんだからねっ♪眠さに負けたりはしないよん♪」

 

「ちなみに明日の仕事は?」

 

「うっ……やめてよー、それ考えたら急に眠気がやってきちゃうじゃーん!」

 

「ははっ、あ、荷物は俺が片付けるからさ、そっちの小さな荷物の運び込みはお願いしても良いかな?」

 

「了解です。ほら、飛鳥ちゃん帰りますよ?歩けますか?」

 

「……んー、あるけ、る」

 

 荷物を片付け始める。何時間くらいいただろうか?まぁ日が暮れる前には帰らないと、明日の仕事がある子らもいる訳だし。多分俺も明日は相当疲れる気がする。

 

 何故か?見事に明日はフレデリカちゃんの迎えをするからだ。いつもの体力が数倍減らされてゲームオーバーしそうだもんねぇ……今日は早く寝ないと。

 

 運転中に寝るなんて事はしないからね?そしたら事故にしかならないから。しかも同乗者がいるからやばい。

 

「全員乗った?」

 

「乗ったよーん♪お眠り中のお姫様2人もちゃんと乗せましたっ!」

 

「起きてる姫2名も乗ってますよ?」

 

「ん、それじゃ帰ろっか」

 

「しゅっぱつしんこー!」

 

「おー!」

 

 楓ちゃんも周子ちゃんもテンション結構高いねぇ……まぁプライベートで海にくる事も少なかったのかな?アイドルとして人気が出れば休みは反比例して減るからねぇ……

 

 まぁいい息抜きになれば良いなと思いながら、寝ないように運転を続ける俺も……かなりテンションが上がってるのは分かる。

 

「蓮さーん、また来年も来ようねー♪今度はみんなで、さっ!」

 

「そうだね。まぁその頃にそんな休みがあれば、だけど」

 

「うぅっ、嬉しいような悲しいようなっ!」

 

「ふふっ、私も誘ってくださいね?」

 

「いや、仲間はずれにはしませんから」

 

 はやくも来年の事を話しながら、いつもの街へ戻っていった。

 

 

 

 

 




お久しぶりです。ついに昨日ミリシタ始めました。まだ始めたばかりですが、同僚になってくれる方を募集中です(゚ー゚*)
iD→GMR7JFVJ です。ちなみにSSRが4枚当たりました。すごい(小並)イベントの曲のフルコンは簡単でした。


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