やはり僕の執事生活は間違っていなかった (Athens)
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クリスマス・イブ僕は運命に出会う 英語で言うとディスティニー

ストックもなにもないのでこれを投稿したら書き溜めて10月頃に投下します。
こんなのを書くよという予告じみたものです。
では、どうぞ!


12月24日

 

僕の名前は綾崎ハヤテ。

両親からクリスマス・イブに1億5千万の借金をプレゼントされて、ヤクザに追われている普通の高校1年生だ。ちなみに所持金は12円。今は夜の公園で隠れている。

 

(僕みたいな人間が、てっとり早く1億5千万作るにはそれこそ強盗か身代金目的の誘拐くらい・・・ こうなりゃもう悪い人間になるか!?)

(あんな親やヤクザに追われているんだ・・・ 多少の悪事は許されて当然!! 強盗だろうが誘拐だろうが自分が助かるためなら!!)

(結局、世の中はズルい奴が勝つんだよ!! 真面目にがんばったって手に入るものなんか何もないんだ!!)

 

(幸い、いかにもお金持ちそうな美人スタイルのいいお嬢様っぽい人がいるし!! これはもう、キリストからの啓示!! そうだハヤテ!!やるんだハヤテ!! キリストの教えはきっと、「死にたくないなら悪魔になれ!!」って)

 

そう僕が決心したとき・・・

 

「ね~、ね~君可愛いね~ せっかくのクリスマス・イブに一人なんて、どうせなら俺たちとどっか楽しい所に____」

 

チャラそうな男たちが現れて、僕は慌てて飛び出した

 

「人の獲物に手を出すなぁ!!」  ドガッ!!

 

僕の拳が男たちに突き刺さる

 

「キリストの降誕記念前日にナンパなんて!! お前らどこの宗派だ!! 帰る家がある人はとっと家に帰れ!!」 ふしゃー!!(威嚇)

 

「ううっ 何すんだよ・・・」

 

「もう、行こうぜ。」

 

男たちは去って行った

 

「あ、ありがとう・・・ よくわかんないけど助かったよ。」 ニコッ

 

(綺麗だな・・・っていかんいかん。なに感謝されて笑顔に見惚れているんだ。今からこの人を誘拐してたっぷり身代金をいただくんだ!! 甘い顔なんてしてる場合じゃ____)

 

その時冷たい風が吹いて彼女が震える

 

「・・・?寒そうだね・・」

 

「ん?ああ・・ちょっとね・・・ 色々あってパーティ飛び出してきちゃったんだ。それでコートを忘れてきちゃって。」

 

(はっ!!それがどうした!!それはあれか?同情を引いているのか!?だが残念だったな!!僕の心はすでに氷のように凍てついて_____)

 

「へくちゅんっ!」

 

(・・・・・・)

 

バサッ

 

見かねた僕はつい着ていたコートを彼女にかけてしまう

 

「女の子が体を冷やすのはよくないから、着ていてください。」

 

(甘いよ!!甘いよハヤテ!!こんなんじゃ立派な犯罪者になれねーよ!!)

 

「安っぽいコートね。」

 

(なんっ!?)

 

「作りは荒いし生地は重い。サイズはちょっと大きいくらいだけど、ちょうどいいか。」

 

(これだからお金持ちは!!コートかけたの間違いだったか!?)

 

「でも、温かい。気に入ったわ。」

 

(へっ・・・?)

 

「助けてもらってばかりで悪いし、何かお礼しないとね。ん~、そうだ!お姉さんとキスとか?」

 

(なっ、いきなり何言ってるんだこの人は!)///

 

「あ、顔赤くしちゃって~ 可愛い~ うりうり~」

 

そういって彼女は僕の頬をつつく

 

「ま、さすがにキスは冗談だけど、お礼をしたいのは本当よ。何でもいいわよ、何がいい?」自販機の前へ

 

「なんでも?」

(くっ・・・さっきはなんか揶揄われたけどこれはチャンスだ。助けたお礼に身代金を要求する人質になってもらおう。まだ顔が火照ってる気がするが・・・)

 

「うん、じゃあ単刀直入に言うよ。」

 

「うん、うん」

 

「僕と・・・付き合ってくれないかな?」

 

「へ?」

 

聞こえなかったのかな?

 

「僕は・・・君が欲しいんだ(人質として)。」キメ顔

 

その時僕は気づかなかった。その微妙な言い回しが後に僕たちの関係を決定的にややこしくしたということを・・・

 

「や、やだなぁ。な、何を言ってるの急に/// イブの夜だからってそんな告白・・・あ、さっきのキスのこと本気にしちゃった?さっきのは揶揄っただけで・・・自分が何を言ってるのかわかってるの?」///

 

「わかってるさ!!だがこっちだって本気だ!!」

 

「で、でも・・・!」

 

ドンっ! 彼女は自販機を背に、そして僕は彼女の後ろにある自販機に手を付き、逃げられないようにした

 

「こんな事、冗談じゃ言わない。」

 

さらに吐息のかかる距離まで僕は詰め寄った

 

「命がけさ。一目見た瞬間から君を、君をさらうことを決めていた(人質として)。」

 

緊迫した空気が漂う

 

「わ、わかったわよ・・・その代わり色々と条件を満たしてからね。」

 

「え?あ、うん。わかったよ。(条件?何の事?)。じゃあ、ケータイは・・・今は持ってないか。なら、君の家の電話番号教えてくれる?」

 

「え、でもそれはちょっと早い気がするんだけど・・・」

 

「でも、善は急げって言うし・・・」

 

まあ、誘拐は善じゃないけどね

 

「むっ・・・それもそうね。わかったわ。えっと、番号は・・・」

 

「ありがとう!では、すぐに戻ってくるから、ちょっとここで待ってて!!」

 

「あっ、うん。わかったわ。」

 

(くくく、こうもあっさり人質を手に入れてしまうとは!我ながら恐ろしい悪だぜ!!)

 

そして僕は急いで公衆電話があるところまで走った ケータイ? そんな高価なもの僕が持ってるわけないじゃないですか

 

ポロ・・・

 

このとき僕は何かを落としたが急いでいて気づかなかった

 

「ん?これは・・・?ハヤテ・・・?」

 

 

 

 

 

公衆電話の前

 

(ようやく公衆電話を見つけた。最近減っていってるしなぁ。ケータイ持ってない僕には生きにくい世の中だ。)

 

「さーて、それでは脅迫電話でもかけて身代金でも要求するか。」トゥルルルルル トゥルルルルル

 

(くくく、泣いても笑っても、いや笑いはしないけど。とりあえずもう誰も僕を止められないぜ。)

 

ガチャ

「はい、もしもし?」

 

「あ、もしもし綾崎ですけど____」

 

(名乗ってどうする-----!!)

 

「もしもし?綾崎・・・?もしもし?」

 

ガシャンッ!

 

(終わった-----!!!僕の完璧な計画が始まる前から終わった-----!!!)

 

(結局僕には華麗な怪盗のような犯罪テクニックはなかったいうことか。)

 

(最初から所持金12円で完全犯罪なんて無理だったんだよ・・・ そもそもどうやって受け取る気だったんだよ。ケータイもなしじゃ連絡も取れないじゃん。)

 

(大体身代金が1億5千万ってまずありえないだろ!?普通、家にそんな大金あるか!?1億5千万って重さ15kgもあるんだぞ!)

 

耳を澄ませば風の隙間からジングル・ベルが聞こえる

 

(死のう)

 

そう僕が決断した時・・・

 

「そんな今にも死にそうな顔でいるのやめてくれないかしら。」

 

「ん?」

 

声がする方を振り向くとそこには中学生くらいの綺麗な女の子がいた

 

「そんな顔を見ているこちらが嫌な気分になるからすぐにやめなさい。あと私の姉さん見なかった?私に似て綺麗な人なんだけど。」

 

「むっ、いきなりなんですか。死にそうな顔をしているのもそれなりに理由があるんですよ。ちなみに君のお姉さんなんて知りませんよ。それより今まで僕に何があったか語って____」

 

「誰かーーーーー!!!」

 

ちょっと失礼な女の子に僕が今までの人生を語ろうとした時、悲鳴が聞こえた 声がする方を振り向くと

 

「ぐっ!何すんのよ!離しなさい!」

 

「うるせぇ!」

 

そこにはさっきのお姉さんが攫われようとしていた

 

「っ姉さん!?」

 

「姉さん!?」

 

「ちっ!大人しくしろ!」ドンッ!

 

「キャッ!」

 

バタン!ブロロロロロ・・・

 

というか車で攫われた

 

「っ!追いかけないと!」

 

彼女が自転車で追いかけようとしている それを見た僕は

 

(く・・・なるほど神様。これはそういう試練なのか。誘拐なんて企てた償いを今しろってことなんだな!だったらいいぜ!やってやる!!)

 

「貸してっ!」

 

彼女から奪うようにして自転車を借りた

 

「君は早く警察に電話して!」

 

「ちょっと何するのあなた! 返しなさい!急がないと姉さんがっ!」

 

「ご心配なく。僕が必ず追いついてあの人を助けて見せます。」

 

「で、でも、相手は車よ追いつけるわ____」

 

彼女は自身が自転車で追いかけようとしていたのを棚に上げてそう言った だが・・・

 

ゴッ!

 

「けがないって・・・え?」

 

僕は自転車を猛スピードを出していく 車より早い速度で

 

説明しましょう。僕の両親はクズだ。お金は全部ギャンブルで使い果たし1円も返ってこない。そんな両親のもとで育った僕は幼いころから生活をするためにバイトしていた。そのおかげで体力はついたしさらに様々な技術を身に着けているのです。

 

(そして一番最近していたバイトは自転車便!そんな僕が車程度に遅れをとるわけがない!)

 

「見えた!」

 

彼女を攫った車はすぐに発見できた

 

ゴッ!

 

僕はさらにスピードを上げ そして自転車で跳んだ

 

「なにぃ!?」

 

誘拐犯が叫ぶ

 

ガッ!ズザザザ!キッ!

 

僕は車の頭上を跳んで少し前で止まった

 

「おい、この悪党ども!! 大人しくその人をかえ____」

 

ドガッ!

 

そして撥ねられた

 

「あ、兄貴!」

 

「っせぇ!いきなり前に出てきた奴が悪いんだよ!!」

 

誘拐犯がまた叫ぶ

 

「ちょっと、あんた達!よくもハヤテ君を!」

 

綺麗な人も叫ぶ というか何で僕の名前を・・・?

 

(あ、これは死んだな。やっぱ誘拐とかしようとしたのがマズかったのかな?そうだよな、これは罰だよな。ま、じゃあしょうがないやどうせやり残したことも・・・)

 

生きるのを諦めた時、両親の顔が浮かんできた 何か言っている

 

(ハヤテの生命保険のおかげで借金が返せたな!)

 

(これでまた、思う存分博打が打てるわね~)

 

僕は思い出した 両親のクズっぷりを

 

(やり残したことあるなぁ!あいつらにお金を渡してやるもんか!)

 

クルクルクル ダンッ!

 

僕は数回空中で回り 車のボンネットの上に降り立った

 

「あ~、悪いんだけど。その人を僕に返してくれる?」

 

僕は血塗れの手でフロントガラスに手をつけて言ったふ

 

「「は、はい」」

 

 

 

_____________________________________

 

 

 

 

しばらくすると警察もやってきた

 

そして、綺麗な人が僕のところに向かってきた

 

「ねぇ!その傷・・・!!」

 

「あ・・・ 良かった無事だった?」

 

「う、うん私はね。」

 

「あなたが無事で本当によかった。」

 

「また、お礼しなきゃだね。」

 

「だったら・・・今度は僕の・・・新しい仕事でも見つけて・・・」ふらっ

 

(あれ、おかしいな。意識が・・・)

 

「え!ちょ、ちょっと!」

 

僕の意識はそこで途絶えた

 

 

_____________________________________

 

 

 

 

 

陽乃side

 

「え!ちょ、ちょっと!」

 

私は慌てて彼に駆け寄った

 

「陽乃お嬢様」

 

「っ!都築。びっくりさせないでよ。まあちょうどいいわ。この人の応急手当を頼んだわよ。あと、私のケータイを。」

 

「わかりました。」

 

「うん、よろしくね。私はケータイで応援呼ぶから」プルルル

 

「もしもし、私。至急医療班を手配して。場所はわかるわよね、1分以内よ。」

 

私は強く言いつけた

 

「陽乃お嬢様。応急手当は終わりました。とりあえず見た目ほどひどいケガではないようです。」

 

「それはよかったわ。ありがとう。」

 

「ところで先程から気になっていたのですが。そのみすぼらしいコートはいったい?」

 

「ん?まあ、確かに安物だけど。せっかく命の恩人がくれたコートよ。大事に着ないと罰があたるわ。」

 

「では、そのコートは彼の・・・?」

 

「ん?まあそうよ。」

 

私はそっとコートを撫でる

 

(そうよ。命の恩人のコートだからよ。彼のだからとかじゃないわよ。)

 

私は自分に言い聞かせるようにそう呟いた

 

「おい、君たち!そのケガ人はこちらに運ぶから少しどいておいてくれ!」

 

どうやら救急隊員もきていたようね でも、あいにくだけどその必要はないわよ

 

「必要ないわ。もう、間に合っているわ。」

 

バラバラバラバラ そこにヘリコプターがやってきた 雪ノ下家の家紋が入ったヘリコプターが

 

「そういえば、私の専属の執事まだ正式に決まっていなかったわね、都築。」

 

「そうでございますね。まさか彼を?」

 

「そうよ私の専属の執事にするわ」

 

「なりません。そのようなどこの誰とも知らぬものを・・・」

 

「何?私に文句でもあるの?」

 

「いえ、そういうわけでは・・・」

 

「ならいいじゃない。それに気を失う前にあんなこと言ってたんだし、ちょうどいいでしょ。」

 

「あんなこと?」

 

(だったら・・・今度は僕の・・・新しい仕事でも見つけて・・・)

 

「ふふっ、何でもないわ。さ、帰りましょ。」

 

「?わかりました。」

 

都築は不思議そうにこちらを見ていたが気にしないでいた

 

「それにしても陽乃お嬢様。こんなことがあったのにずいぶんとご機嫌ですね。」

 

「ん?そう?」

 

「ええ、大変楽しそうな昔の陽乃お嬢様のお顔です。」

 

どうやら私は相当嬉しいようだ うっかり自分がいつも着けてる仮面が外れるくらいには

 

(私は自分思ってる以上に彼に会えたことが嬉しいと思ってるんだ。ふふっ、これからの人生は楽しくなりそうね。)

 

そして私はヘリコプターに乗って家に帰った

 

¥156.804.000_

 

そう書かれた借用書を手にして____

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうも、お楽しみいただけましたか?お楽しみいただけたら幸いです。
私は読み返してみると何か変な感じがしました(笑)本当はこんなことは言ってはいけないと思いますが・・・
さて、次はハヤテが目を覚ましてからのお話です。前書き通りに10月になるかと思われます。では、これにて失礼します。

誤字・脱字・誤用があれば是非お知らせください。
辛口批評は甘んじて受けますが悪口のみは傷つくのでおかしい点等々はご指摘ください。悪い点、改善点もです。
趣味程度で書いているので叩かれても頑張ります。


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状況説明 美人なメイドさんはいなかったけど女神がいた

書き溜め全然できてねぇ…


???

「んっ?ここは・・・?」

 

気づいたら僕は何も無い所にいた

 

「もういいのかい?」

「え?」

 

振り返るとそこにはサンタさんがいた

 

(え?何でサンタさん?)

(お前の人生、もうそれでいいのかい?)

(や、やだなぁ。サンタさんってば、まるで僕が死んだみたいに・・・)

(死んだよ)

(・・・・・・え?)

(親に1憶5千万の借金を押し付けられ、その返済を迫る悪徳金融系ヤクザに命を狙われたお前は、思い余って手近な女性を誘拐しようとするが失敗。罪滅ぼしとばかり誘拐犯から女性を救うが車にはね飛ばされお前は死んだ。)

(そ、そうですか。でも、だったらもういいかな。どうせ悲しんでくれる家族もいないし、帰る家もきっとないから・・・)

(誘拐未遂犯の分際で、悲劇のヒーロー気取りか?)

(はうっ!!)

(たとえ未遂とはいえお前のやったことは十分罪に問える。犯罪だということを、その残念な頭は認識しているのか?)ゴゴゴッ

(スミマセン、スミマセン、ゴメンナサイ。もう警察のお世話になるようなことはしませんから。どうか許してください・・・許して・・・)

「ゆる・・・ん?」

 

光が差した

 

「ここは・・・?」

 

目を開けてみるとそこは豪華な部屋だった。シャンデリアに高そうなツボ、豪華なカーテン。今しがた僕が座っているベッドなんてフワフワで天蓋付きだ。

 

「もしかして、本当に天国?しかしこの豪華さぶっちゃけありえねーだろ?てことはやはりここは天国!もしくは臨死体験中の俺の夢!うむ、たぶん、いやきっとそうに違いない!貧しかった俺の生前の潜在意識が作り上げた空間に違いない!ありがとう、サンタさん満喫させてもらいます♪」

 

 

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陽乃side

 

「まぁ命に別状はありませんよ。しかし何かあれば呼んでください。」

「わかったわ。ありがと。」

 

そう言ってハヤテを診てくれたお医者さんは帰っていった

 

「それで?陽乃お嬢様。どういう経緯があったんですか?」

「ん?何が?」

「あの男性との経緯ですよ。自転車で車に追いついたり、轢かれても無事だったり。並大抵の人物ではない気がするのですが?」

「さぁ?体のことは知らないわ。剣とかでできてるんじゃない?それで、経緯だけど・・・」

 

私は今までことを都築に話した

 

「お嬢様、まさか出会ってすぐの人の告白を信用でもしたのですか?」

「まさか。確かに条件付きでみたいなことは口走っちゃったけど、今考えると本当に告白だったのかは怪しいところだし。」

 

落ち着いて考えてみたら出会っていきなりあんな熱烈な告白を普通の人ならしない 

 

(まったく、何であんなことを言ったのか。自分でも不思議だわ。)

 

「では、何故彼を執事になどと。」

「さっき文句はないって言ったよね、しつこいよ。それに命がけで私を助けたのは本当でしょ。」

 

そう、告白云々は置いておいても彼は私のことを助けてくれたのだ それだけでも信用はできる

 

「だからと言ってあのような大金彼のために使うなど・・・」

「二度も言わせないでよね。それにあれくらい大したことないわ」

「むう・・・仕方ありません。では、私が彼の指導役を務めさせていただきます。」

「うん、ありがとう。立派な執事に育ててあげてね。頼むわ、都築。私はもう遅いし寝るわ。」

「おやすみなさいませ、お嬢様。」

 

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ハヤテside

「おおっ!これは!」

 

しばらくこの(おそらく)夢の空間をさまよっていると大きなお風呂があるところに出た

 

「さすが僕の夢。見事な大浴場だな。」

 

僕は服を脱ぎお風呂に入る

 

「しかし、いくら夢とはいえこのお屋敷はすごすぎだな。さっきの部屋もここまでの廊下も、まさに目のくらむ豪華さだなぁ。はーそれにしてもここが天国なら死ぬのも悪くないな。まぁ、一人きりっていうのは少し寂しいけど・・・ それにしてもいろんなことがあったなぁ。」

 

そして、僕は今までの人生を振り替えりつつお風呂にしばらく浸かってから上がった

 

「ふぅ、さて十分温まったし、そろそろ部屋に戻るか。」

 

そして僕は来た道をたどって部屋に戻るために大浴場から出ていった

 

(あとはもう寝るだけか。さてどっちだったかな。)

 

「あれ?もう起きてて大丈夫なの?」

「え?何で君が?」

 

廊下で声がした方を振り返ると僕が助けた綺麗な人がいた

 

「え?何であなたがここにいるんですか?ここは僕の夢じゃないんですか?」

(いや、さっき一人は寂しいとか言ったからから出てきたのかな?)

 

僕はさっき自分が言った言葉を思い出して一人納得しようとしていた・・・が

 

「夢?何言ってるの?ここは私の家だよ。」

「え?あなたの家?」

「そうよ、私の家。ただしくは実家の別荘を私が使っているだけなんだけどね。それにしてもケガはもう大丈夫なの?結構血を流していたんだけど。それに見たところお風呂入ってたみたいだけど、大丈夫?傷口開いてないの?」

 

(あれ?どういうことだ?ここは僕の夢じゃなくて彼女の家だって?ていうことはここは現実の世界?それにケガ?そういえば今何ともないから気にしてなかったけどここが現実なら僕は車に轢かれて・・・)

「ゴフッ!」

 

開いた

 

「ちょ、ちょっと!大丈夫!?しっかりして!とにかく人を呼んでくるから!」

 

 

__________________________________________________

 

 

 

 

???

(ああ、今度こそ死んだな・・・いやこれは死ぬ前に神様が見せてくれた夢なのかな?今度こそ目を開けばそこに天使が・・・)

 

「あ、起きた?」

 

女神がいた

 

(って違う、違う。確かに女神みたいに綺麗だけどこの人は人間だ。僕が誘拐しようとしていた人だ。てことは僕は生きている?)

 

「いやぁ、驚いたよ。昨日の夜部屋に戻って寝ようとしたらハヤテ君が廊下でうろうろしてるし、声掛けたら血は吹くし。」

「そうか、じゃあやっぱりあれは僕の夢じゃなかったんだ。」

 

どうやら僕は死んだと思っていたら実は生きていたらしい 車に轢かれて無事だったのか

 

「ご迷惑をおかけしました。あの改めてここは?今はいつなんですか?それに何で僕の名前・・・?」

「いやいや、気にしなくて大丈夫だよ。それで、ここは私の家で今は12月25日の午前10時17分。あと君の名前なんだけど・・・」

 

現状の把握をするため僕は彼女に質問し、そして彼女は一枚の紙を僕に見せた それは・・・

 

「借用書?」

 

それは僕の両親が僕に押し付けた借用書だった

 

「そう、これをあなたが公園で落としたのを拾ってね。そこに名前が書いてあったのをみたんだ。それにしても約1憶5千万の借金なんてどうやったら負うのか。」

「なるほど。ありがとうございました。治療もしてくださったようで。」

 

僕は自分の名前が知られている理由を聞き納得した だけど一つだけ言っておく事がある

 

「それと、一応その1憶5千万の借金は元は僕の借金じゃないんですよ。」

「え?そうなの?不幸そうな顔しているから不幸に不幸が重なって借金なんてすることになったのかとばかり。」

「不幸そうな顔で悪かったですね!まぁ、不幸に不幸が重なってというのはあながち間違いでもないんですけど。実は・・・」

 

僕は今までの人生と両親のクズっぷりとそして何故借金を背負う羽目になったのかを説明した

 

「ということがあったんです。」

「へー、そんなことが。よく今まで生きていられたね。」

(それに比べてらうちはまだマシってことなのかな)ボソッ

 

最後に彼女は何か言ったようだったが僕には聞き取ることができなかった

 

「あーそれにしてもこれからどうしよう。生きているから借金は返さないといけないけど仕事はないしなぁ。こうなりゃ無くても大丈夫な臓器でも売って少しでも借金減らすか・・・」

「ふ・ふ・ふ、お困りのようだね。よかったら私が仕事を斡旋してあげようか?」

「いえ、そんな。助けてもらった上に仕事の斡旋だなんて。それに公園であんなことを・・・」

「そうそう、公園で思い出したけどその時条件付きでって言ったの覚えてる?」

「え?そういえばそんなことを言っていたような。何の条件なんですか?」

「それはもちろん、私との今後についての条件よ。」

「今後?」

「ええ。私が欲しいんでしょ?」

 

(確かに言ったけどそれは人質としてだし・・・)

 

「それで、条件にも繋がる仕事があるのよ。だから、あなたは私からの仕事の斡旋を受けなさい。」

「あのだから、仕事の斡旋は・・・。それに公園でのことは・・・」

「拒否権はないわよ。それにこれをよく見なさい。」

 

断ろうとした僕に彼女はもう一度借用書を見せてきた 借用書のある一点を指しながら

 

「雪ノ下陽乃?でもここは確かヤクザの組の名前が…」

 

そう、彼女が指した借用書の貸主のところには僕の知らない人の名前が書いてあった

 

「あの、この雪ノ下陽乃がどうしたんですか?それに拒否権がないって?」

「ん」

 

僕が不思議に思っていると彼女は自分に指を指した そして僕は気づいた

 

「ま、まさか・・・」

「そういう事。まだ名乗ってなかったわね。私の名前は雪ノ下陽乃。高校1年生よ。よろしくね♪」

「あ、はいよろしくお願いします。僕は綾崎ハヤテと申します。高校1年生です。じゃなくて!どうしてあなたの名前がそこに書かれてあるんですか!?」

「それはもちろん今あなたは私に借金している状態なのよ。」

「いや、だからどうして!?」

 

僕は現状が理解できなくてつい叫んでしまう

 

「少しは落ち着きなさいってば。そうね、まず私が貸主になっている理由だけど。私がヤクザにあなたの代わりに借金を返したの。昨日の夜あなたを追っていたからあの公園のそばですぐにヤクザは見つかったわ。で、そこで返したの、1億5千万、現金一括で。」

「んな!?」

 

僕は驚いた 借金を返してもらったことじゃなくて現金一括のところで

 

(どんだけこの人は金持ちなんだ!?)

 

「でも、ヤクザへの借金がなくなっても君の借金がなくなるわけじゃない。」

「ええ、まあ。」

 

それはそうだ そんなことで僕の借金が減るわけじゃない

 

「そこで仕事の斡旋に繋がるの。仕事の斡旋はしてあげるから、私に借金を返しなさい。利子なしでいいわよ。」

「そういう事だったんですか。ありがとうございます。それなら僕に断る理由はありません。」

「納得してもらったならよかったわ。それで仕事のなんだけど・・・」

「はい!」

 

僕の声に気合が入る あたりまえだ、仕事の斡旋をしてもってそれに借金を無利子で返済できるんだから

 

「私の専属執事になってもらいたいの。」

「専属執事ですか。なんでまた執事なんですか?」

「それはね、雪ノ下家は一人一人専属執事がいるの。みんな16歳になったら自分の専属執事を選ばないといけないんだけど、私はまだ決めてなくてね、そこで君を専属執事にすることにしたの。」

「なるほど、わかりました。その大役是非受けさせていただきます!」

「うん!ありがとう!でも、その前に執事が何をするかとか必要な技能を身につけてもらうわ。都築。」

 

彼女はそう言ってそばにいた男性に声をかけた あれいつからいたんだ?

 

「この人は都築。私の専属執事がいない間私の執事をしていた人よ。彼にいろいろと教えもらいなさい。」

「都築と申します。これからよろしくお願いいたします。」

「こちらこそよろしくお願いします。」

(なんだか話が進むにつれていなくなりそうな人だな。影薄そうだし。)

「・・・?何か?」

「いえ、何も。」

「じゃあ、都築あとはよろしくね。」

「かしこまりました。」

「期限は新学期が始まるまでよ。ハヤテ、私の専属執事にふさわしい執事になるのよ。じゃないと・・・ね♪」ニコ

「は、はい!!」

(笑顔なのに目が笑ってない・・・ ふさわしい執事にならなければ殺す、そんな目だ・・・)

 

 

 

こうして僕の新たな生活が始まったのです! 笑顔の脅迫とともに・・・

そういえば条件って何だったんだろう?

 

 




陽乃さんにマスク・ザ・マネーをしてもらうわけにはいかずやや強引ながらハヤテの執事採用と借金についてはこのような形にいたしました
さて、次回で話全体のプロローグ的なものは終わります
お楽しみ下さい 書き溜めしないと!

公園での告白?について
ハヤテ「告白?一体なんの事ですか?」

陽乃「半信半疑ってとこかな。さすがに初めて会った人の急な告白は全面的には信用できないわよ。金髪ツインテのチビッ子お嬢様様じゃあるまいし。」

と、両者の認識はこんな感じ

最後に
誤字・脱字・誤用があれば是非お知らせください。
辛口批評は甘んじて受けますが悪口のみは傷つくのでおかしい点等々はご指摘ください。悪い点、改善点もです。


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ゼロから始める執事生活 ~学校も始まります!~

どこで切ればいいのかわからなくて長くなってしまった
あ、fgoやってるんですけどマーリン100回ちょっと回したのに我がカルデアには来ませんでした…


雪ノ下陽乃の家

 

都築side

 

 

「では早速始めさせていただきます。」

「はい!よろしくお願いします!」

 

彼に執事服を着させ早速始めます

 

「仕事の内容としては基本的にはお嬢様の身の回りのお世話とこの屋敷の管理です」

「はい!」

「まずは年末ですし片っ端からお掃除ですね。奥の部屋からお願いします。用具はあの部屋です。」

「わかりました。頑張ります!やるぞー!」ダダダ・・・

 

彼はそういって走っていきました 先日お嬢様が拾われてきた彼 新学期までには使えるようにとのお嬢様からのご命令でしたが本当になれるのか少々不安です ですがお嬢様が気に入った方 必ずこの私が立派な執事に育てて見せます!

 

 

 

 

一時間後・・・

 

「あの都築さん!一部屋掃除が終わったので見てくれませんか!とりあえず手順を確認してもらいたくて!」

「手順ですか?わかりました。」

 

初めての割には随分と早いそう思いました この屋敷は部屋の数は少なくとも一つ一つの部屋が大きく時間がかかると思ったからです とりあえず彼についていきます 

 

ガチャ

 

キラキラ ピカピカ

 

「えっ?」

 

私は驚きました 部屋はとても輝いていて装飾品や細かいところまで丁寧に掃除がされてあったのです

 

「ふむ?この取っ手は?」

「はい!そちらの取っ手は銀製だったのでシルバーダスターを使って磨きました。」

「む?」

「こちらの銅像は真鍮ブラシで汚れを取った後、薄い中性洗剤で洗浄、水気を取ってワックスで仕上げました。カーペットは・・・」

 

私は再び驚きました 普通ならあまり知られていない掃除のやり方を知っていて、的確だったのです これは思いもよらない拾い者だったようです

 

「____ってあの僕何かマズイことを?」

「いえ、素直に驚いているのです。よくご存じですね。」

「いやぁ~、9歳のころから年齢偽って清掃のバイトをして親の酒代稼いでいましたから~。掃除は得意なんですよ。」

「そうなのですか・・・」

 

言葉の端々に笑えない苦労がにじむ少年です

 

「では、その調子でお願いします。」

「はい!」

 

ある意味お嬢様の人を見る目は確かだったようです

 

 

そして、一通り執事の仕事をやらせても問題なく遂行できることがわかりました ということで早速お嬢様への報告をしないといけませんね

 

 

 

陽乃の部屋

 

コンコン

 

「都築です。」

「ハヤテです。」

「入っていいわよ。」

 

部屋に入るとお嬢様は宿題をされていました 早いうちに終わらせようとしているようです

 

「で、どうかした?何かあったの?」

「いえ、彼ならもうお嬢様の執事をやらせても問題ないと判断いたしました。」

「え?もう?随分と早いわね。まあ、都築がいうなら大丈夫なんでしょうけど。とりあえずお疲れ様、ハヤテ。」

「ありがとうございます!」

「じゃあ、都築から引き継ぎを終わらしたらまた後で私の部屋に来なさい。」

「わかりました。」

「都築もありがとう。実家での仕事もあるのに私の執事をしばらくしてもらって。」

「いえいえ。では、ハヤテ君に引き継ぎを済ませ次第、本邸へ行きます。」

 

そうして私はハヤテ君に全ての引継ぎを済ませたあと私は本邸へと向かったのです

 

(ハヤテ君、頑張ってください。お嬢様の相手は大変ですよ。)

 

この先の二人の未来を想像しながら 

 

 

 

 

 

 

ハヤテside

 

陽乃の部屋

 

都築さんから引き継ぎを済ませた僕はさっき言われたように陽乃さん いや、陽乃お嬢様のもとへと向かった

 

コンコン

 

「失礼します。」

「どうぞー。うん、執事服ちゃんと似合ってるよ。」

「ありがとうございます。それで何の御用でしょうか?陽乃お嬢様。」

「うーん、同い年の男の子にお嬢様呼ばわりは何か変な感じするしお嬢様はいらないわよ。」

「わかりました。では、陽乃様、とお呼びします。」

「うん。それで用なんだけど今ハヤテは高校に通ってるの?」

「一応潮見高校に通っていることになっています。」

 

そう、一応これでも僕は高校生だ 学費は自分で払ってるけど

 

「そう、なら私が通っている高校に移りなさい。」

「え?」

「私の執事なんだからあたりまえでしょ。」

 

いきなりのことで僕は驚いた しかしもう僕は陽乃様の執事なんだから僕はそれを受け入れました

 

「わかりました。それで、陽乃様はどこの高校に通っているのですか?」

「総武高校よ。学費はうちから出すから気にしないで大丈夫よ。」

「総武高校ですか?」

 

少し驚いた 確かに有名な進学校だが僕はもっと全国のお嬢様、お坊ちゃまが通うような学校に通っていると思ったからだ

 

「何よ?そんなに意外かしら。まあ、中学までは高貴な(笑)人が集まる学校に行ってたんだけど高校からは変えたのよ。ずっと同じ環境で過ごしていても何も成長しないからね。」

「なるほど。そういうことですか。ですが、僕が受かりますか?高校での成績は真ん中くらいをふらふらしてたのですが・・・」

「勉強は私が教えるわ。冬休みの宿題も終わってるしね。それに高校には主席合格しているし、成績もトップを維持しているわ。そんな私が教えるのよ必ず合格させるわ。」

「それは安心です。頑張ります!」

「じゃあ、今から始めるわよ。」

「はい!」

 

そうして僕の本格的な執事生活と勉強生活が始まりました

 

 

 

 

 

 

そして何やかんやで総武高校に通うことが決まった 前の高校に総武高校に転入すること伝えに行ったら親のせいで実はもう退学になっていたり、そこでクラスメイトに出会って話をしたり、女の子から告白されたりラッキースケベがあったりしたけどそこは何やかんやで済まします

 

 

新学期初日

 

ハヤテside

 

僕は制服に袖を通し準備を整えた

 

「陽乃様、準備できましたか?」

「ええ、じゃあ行きましょうか。」

 

今日から僕は総武高校に通います 屋敷から総武高校までは徒歩で20分くらいで行くことができます 通学路には多くのお店があるので帰りは寄り道をしてもいいかもしれません 

 

「ハヤテは私との高校生活楽しみにしてる?」

「ええ、もちろん。」

「そう、それは良かった。あ、可愛い娘がいても手だしちゃダメよ♪」

「わ、わかっていますよ!手なんか出しません!」

 

そんな他愛のない話をしているうちに到着しました

 

ジロジロ ヒソヒソ

 

到着するとすぐに周りの人がこちらを見てきます 一体何なのだろう

 

「ああ、きっとハヤテのことが気になるのよ。ほら、私可愛いじゃない。それで結構モテルし告白もされることも多いんだ。全部フったけど。そんな私がいきなり見知らぬ男子と登校してるんだもの、みんな気になるわよ。」

「なるほど。男子の憧れの的である人気の女生徒と今僕は二人きりで通っている状態なんですね。・・・転入早々男子に刺されませんか、僕?」

「じゃあ、私は教室行くわね。無事を祈ってるわ。昼休みは私の教室にお弁当持って来てちょうだい。頑張ってね♪」

「ええ!?スルーですか!というかやっぱり刺されるんですか!!嫌ですよ!ちょ、陽乃様ー!」

 

そして、陽乃様は自分の教室に向かうのでした

 

(僕の新たな学生生活が大分不安だー!)

「はあ、仕方ないか。とりあえず職員室に行って先生に挨拶に行こう。」

 

 

 

職員室

 

コンコン

 

「失礼します。今日から総武高校に通うことになっている綾崎ハヤテですけど。」

「ああ、君が綾崎ハヤテか。ようこそ総武高校へ。」

 

白衣を着た綺麗な女性の先生が挨拶をしてくれました

 

「私が君の担任になる平塚静だ。よろしく。」

「綾崎ハヤテです。よろしくお願いします。」

「クラスは1-Fだ。もうそろそろHRも始まる着いてきたまえ。」

 

彼女は僕の担任である平塚先生に着いて行く どうやら平塚先生は綺麗なだけでなく随分とカッコいい先生のようだ

 

 

 

1-F

 

「先に私が入って説明するから呼ばれたら入ってきてくれ。」

「わかりました。」

 

平塚先生は教室に入っていった

 

(ああ~緊張するな。みんないい人だといいんだけど。)ドキドキ

 

「今日からこのクラスに新しい生徒が来る。みんな仲良くしてやれよ。」

「転校生なの平塚先生!?男!?女!?」

「男子だ。」

「はーい、その男の子はカッコいいですか?」

「それは、お楽しみだな。では入ってきてくれ。」

 

ガラガラ

 

「あ、どうもー。」

 

「なぁあれって今日雪ノ下さんと一緒に登校してた・・・」

「ああ、確かにそうだ。」

「え?何それ俺知らないんだけど。詳しく教えて。」

「ああ、実は・・・」

 

ヒソヒソ

 

(早速噂になってるー!!陽乃様と登校したことがこんなにも早く噂になるとは・・・)

 

「では自己紹介をしてもらう。」

 

(とりあえず今は印象が悪くならないようにすることだ!そして、陽乃様の傍にいてもおかしくないような雰囲気を少しでも出して乗り越えるしか...ない!!)

 

「初めまして。ただいま平塚先生からご紹介に預かりました、綾崎ハヤテです。」キラキラスマイル

 

小さい時から大人の中で働いてきたからこういう営業スマイルは得意なんです!

 

「僕自身はあまり勉強が得意な方ではありませんがみなさんと一緒に学んでいけたらいいと思います。ですからどうぞ、よろしくお願いします。」ニコッ

 

パチパチパチパチ

 

「じゃあ、少しばかり質問する時間をもうける。何かあるか?」

「はーい、あの・・・」

「そうですねー・・・」

 

僕はいくつかの質問に対して答えた後いよいよ男子からある質問がとんできた

 

「雪ノ下さんとはどういう関係なんですか!?朝一緒に登校してましたよね!?」

 

(やっぱり、来たー!とうとうこの質問が飛んできましたか。ぼかしつつも真実を織り交ぜた答えじゃないと陽乃様が同じ質問されたときに矛盾が生じるかもしれないから、ここは上手いこと返さないと。考えろ考えるんだ綾崎ハヤテ!)

 

そして僕はひらめきました

 

「陽乃様とは・・・ただならぬ関係です!」

 

(決まった!これなら陽乃様も合わせられるし〈多分〉、大金を貸してる側と借りてる側というただならぬ関係というのも間違っていない!まさにパーフェクト!今年一番のファインプレーです!今年まだ始まったばかりだけど!)

 

 

シーン

 

 

(あれ?なんかミスった?)

 

どうやら今年一番のファインプレーではなかったようです 悔しいです! と思っていたのですが・・・

 

ドッ!

 

「なあ、一体どういうことだよ!説明してくれよ!なんだよただならぬ関係って!」

「俺に聞くなよ!俺だって聞きてぇわ!」

「っていうか今陽乃様って言ったぞあいつ!俺ら男子はみんな名字でしか呼んだことないのに!それに様って!」

「キャー!陽乃様がついに男子の毒牙にー!」

「陽乃様が汚されたー!」

 

阿鼻叫喚とはまさにこのこと どうやら大分間違えたようです 

 

「お前まさかあいつと・・・」

 

そして平塚先生からも驚愕の声が

 

「ちっ!リア充爆発しろ!もういい質問の時間は終わりだ!みんな授業の準備を始めておけよ。ではな!」

 

そう言って平塚先生は教室から出ていきました

 

「そう言えば僕の席は一体どこに・・・?」

 

騒然としたクラスの中一人取り残された僕はどうしたらいいのかわからず一人取り残されていた

 

こうして僕のクラスメイトとのファーストコンタクトはどうやら失敗したようでした 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休み

 

ハヤテside

 

「はあ・・・」

 

あの後僕の周りには人は来ず男子からは目の敵にされ女子からは警戒の目で見られるばかり、誰からも話しかけてきませんでした

 

(それでも誰か一人くらい話かけて来る思ってたけど誰も来ないしなあ・・・)

 

残念に思いつつも今朝陽乃様に言われた通りに僕は今陽乃様の教室に向かっている

 

(確かJ組だったよな・・・)

 

陽乃様は僕とは違い国際教養科というところに所属している 女子の比率が多くやはり頭の良い人やお嬢様っぽい人もいるクラスと聞いている

 

「あ、ここだ。」

 

ガラガラガラ

 

「陽乃様、いらっしゃい・・ます・・・か?」

 

ギロッ

 

「ひっ」

 

そこには鬼のような形相でこちらを睨んでいる陽乃様がいらっしゃいました

 

「ハヤテ、よく来たわね。こっちにいらっしゃい。」ニコッ

「は、はい...」

 

陽乃様はものすごい笑顔で僕を呼んだ

 

(笑顔なのに怖い・・・)

 

「あの、お弁当を持ってきました。」

「ありがとう。じゃあ、ちょっと着いてきて。」

 

そう言われ僕は戦々恐々としながら陽乃様の後に着いて行く

 

やがて到着したのはテニスコートが見える、風が少し寒い所にでた

 

「さあ、私が少しばかり怒っている理由を当ててみなさい。」

 

(少し?)

 

嘘だ! 絶対少しじゃない!?

 

「そ、それは・・・僕が自己紹介の時に言った陽乃様とのことでしょうか・・・」

「そうよ。具体的に何がいけなかったかわかるかしら。」

「そ、それは・・・」

 

正直僕にはわからなかった あのときはあれが一番だと思っていてから

 

「わからないの?まったく、ただならぬ関係なんて言ったら恋人同士とかそういう風に思われるでしょ。クラスメイトからの追及から逃げるの大変だったんだから。」マア、コイビトカンケイガイヤトカジャナインダケド(ボソッ

 

言われて僕はようやく自分がしでかしたことに気づいた 陽乃様と恋人関係だなんて陽乃様にとんでもなく失礼だ クラスメイトの誤解を解くのも大変だっただろう

 

「申し訳ございません。綾崎ハヤテ、執事失格です・・・」

「まあ、過ぎたことだしもういいわ。許してあげるわ。」

「は、はい!ありがとうございます!陽乃様!」

「それでこれからの事なんだけどクラスメイトにはハヤテはうちでアルバイトしてることにしたから。雪ノ下家が経営してる会社はいくつかあるし、そこのね。これならハヤテがうちで働いていることもあってるし、みんなもうちがいろんな会社やってるのは知っているから納得するでしょ。それに雇用主と従業員だから私の事を様付けしても問題ないから学校でも陽乃様って呼んで大丈夫よ。まあ、別に執事ってことを言ったらいけないわけでもないんだけどね。多分みんなにはそのうち言うと思うわ。」

「さすが陽乃様です。ありがとうございます。」

「まったく、お礼はもういいわよ。じゃあ、ちょっと寒いけどここでお弁当食べましょうか。ハヤテの作るご飯はおいしいから楽しみにしてるわ。」

「はい!今日も腕によりをかけて作ってきました!」

 

そして、僕たちは二人でお弁当を食べて教室に戻りました 

 

「そういえば、何で誰も僕に何も言わなかったんだろう?」

「ん?どうしたの?」

「いえ、陽乃様と恋人関係にあると思われているのに何でみんな何も言わなかったんだろうと思いまして。」

「ああ、きっとそれは私のものに手を出したらどうなるかみんなわかっているからよ。」

「え?」

「ふふっ♪」

 

本格的に陽乃様を怒らせたらマジでヤバイ、そう思いながら・・・

 

 

 

 

 

 

1-F

 

僕は教室に戻り陽乃様とのことを改めて言おうとしたがどうやらすでに陽乃様のクラスメイトが僕がただのアルバイトであるということを広めていたらしくみんなからようやく転入生らしい扱いを受けた そのうちの何人かの人と連絡先を交換(ケータイは冬休みの間に買った)することができたのであった

 

(いやー、誤解が解かれていてよかった。いくつか連絡先もらったし、本当に陽乃様には感謝しないと。)

 

そして、新学期初日なので特に本格的な授業もなく午後は落ち着いた時間をすごしました そして、HRが終わると

 

「なあ、綾崎。これからお前の歓迎会やりたいんだけど放課後空いてるか?まあ、歓迎会って言ってもカラオケでパーッとするだけなんだけどな。」

 

彼の名前は相沢 伊茶弥(あいざわ いさや)僕の前の席で教室に戻ってから一番最初に話しかけてくれた人だ

 

「ええっと、ちょっと放課後は____」

 

ピロリン

 

執事としての仕事があるため断ろとしたらケータイが鳴った メッセージを送ってきたのは陽乃様だった

 

「あ、ちょっと待ってください。」

 

メッセージにはこう書いてあった

 

『クラスメイトから歓迎会に誘われているなら行ってきなさい。ここで行かなきゃノリの悪い人だと思われて今後友だちできないわよ。今日は少し執事の仕事はお休みしていいから。ただし、早く帰ってくるように!』

 

(陽乃様...)

 

陽乃様の気遣いに僕は泣きそうになった

 

(せっかく陽乃様が気を使ってくださったんだ、歓迎会に行こう!)

 

「歓迎会参加させていただきます!ですが早めに切り上げてもらってもいいですか?」

「そうか!歓迎会きてくれるか!早めに切り上げるのは別にいいぞ、なんか用事でもあるのか?」

「ええ、まあ少し。」

「ま、誰にだって言いにくいことの一つや二つあるだろ。じゃあ、時間も少ないしとっとと行くか。」

 

 

 

そうして僕の歓迎会は何やかんやで大盛り上がり しっかりとクラスに馴染むことができたのでした

 

 

 

 

 

 

 

屋敷

 

午後8時

 

高校生としては若干遅いようなそうでもないような時間に僕は帰宅しました

 

「ただいま帰りましたー」

「おかえりー。ご飯にする?お風呂にする?それともわ・た・し?」

 

するとそこにはエプロンを着て、おたまを持った陽乃様がいました

 

「何をなさってるんですか?陽乃様?」

 

僕は戸惑いながらも陽乃様にそう言った

 

「何って、見てわからない?新妻よ。」

「いや、だから何で新妻してるんですか!?」

 

というか自分で言っといて新妻してるってなんだ!?

 

「今日はハヤテ少し遅いから私がいろいろやっておこうと思って。それで晩御飯も作ったし、お風呂も沸かしといたのよ。」

「お風呂はともかく料理は大丈夫なんですか!?ケガはしていませんか!?」

「ふ、ふ、ふ、私の女子力を侮ってはいけないわよ、ハヤテ。見せてあげるわ、私の料理を!」

 

そういってダイニングに向かった陽乃様を追いかけて部屋に入った僕は驚きました

 

「すごいでしょ。私だってこれくらいできるんだから。」

 

そこには美味しそうな和食の数々があったのです

 

「まあ、ハヤテには少しばかり負けるかもしれないけど私の自信作よ!ちょっとこの肉じゃが食べてみなさい。はい、あーん・・・」

 

さしだされた肉じゃがを食べると僕はあまりの美味しさに驚きました

 

(しっかり味もついているし、お肉も柔らかくておいしい!てっきりこういうのは苦手なものだとばかり思っていたけど。)

 

「今日から学校生活も始まったし、改めて執事になれたことへのお祝いもかねて作ったのよ。どう?おいしいでしょ?」

「はい!とっても美味しいです!てっきりこういう方面には疎いのかと思っていたのでかなり驚きました。」

「ま、女の子だしね。お料理くらいできないと将来困るしね。ハヤテもお料理が得意なお嫁さん欲しいでしょ?」

「?まあそうですね。僕だけに限らず男性はみんなそうだと思いますよ。」

「うん、まあハヤテ個人の意見を聞きたかったんだけど、いいでしょう。さ、着替えてご飯にしましょ。」

「はい!陽乃様の手作り料理しっかりと味わいます!」

 

そして僕は陽乃様と一緒に晩御飯を食べ、仕事を片付けた後お風呂に入り陽乃様に勉強を教えていただきました

 

「じゃあ、この辺までにしておきましょうか。お疲れ様、ハヤテ。」

「今日もありがとうございます、陽乃様。」

「それじゃあ、私はもう寝るわ。お休みなさい、ハヤテ。」

「お休みなさいませ、陽乃様。」

 

そして僕は机の上を片付け、明日の準備と寝る準備をしベッドの布団の中にもぐりこんだのでした

 

 

 

こうして僕の新たな学生生活初日は幕を閉じたのです

 

 

 

 

 




続きを書かないといけないのに書いてない件 ごめんなさい 来週投稿出来ればいいんだけど…
さて、次話ですが時間は進み2年生になってからのお話です 1年の3学期とか春休みイベントが思いつかなかったのです 作者の高校生時代はずっと部活で参考にもならないし…

最後に
誤字・脱字・誤用があれば是非お知らせください。
辛口批評は甘んじて受けますが悪口のみは傷つくのでおかしい点等々はご指摘ください。悪い点、改善点もです。


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桜ノ下宣言

今回は短いです


4月

 

ハヤテside

 

月日は少し経ち今日から僕は高校2年生になります

前回はまだ1年生の3学期が始まったばかりな気がしますが、月日が経つのは早いですね

3学期は特にイベントもありませんでしたが親しい友人と呼べる人ができました

春休みは僕は執事のお仕事、陽乃様は実家の用事などをしていました 陽乃様は実家の用事が終わって帰ってくるといつも機嫌が悪いので宥めるのが大変でした…

そんな普通の日常を過ごしていました 得に金髪美人の吸血鬼を助けたり、眼鏡の巨乳委員長と仲良くなったりはしませんでした

 

さて、今日は新学年が始まって少し経って休日です ですがただ今僕は朝の公園に来ております

なぜかと言うと今は4月だからです そう、4月と言えばお花見です なので今僕は陽乃様のために朝から場所取りに来たのです

 

_______________

 

「おまたせ~」

「いえ、準備が今ちょうど終わったところなのでちょうどいいタイミングです」

 

僕がお花見の準備を終えたところに陽乃様がやってきました

 

「へー、結構いい場所取れてるじゃない」

「はい、僕たち二人だけの場所さえ取れればよかったのでいい場所が取れました」

 

やはり皆さんいい場所を取るために早めに来ていた方も多くおられましたが基本は団体客が多く大人数で座れてかつ桜が綺麗に見えるところは少ないようで僕は比較的早く場所取りを終えることができました

 

「では、早速お弁当を食べましょうか」

「うん、食べる。まだお昼には早いけど今朝は朝ごはん少なめにしてもらったからお腹空いてきちゃった」

 

僕はお弁当の蓋を開けてシートの上に並べていきます

 

「わー やっぱりハヤテのご飯はいつ見てもおいしそうだね」

「そう言ってもらえると執事冥利につきます」

 

そこには色とりどりのおかずが並んでいました

 

「基本的には摘みやすいものとおにぎりをメインにしました。卵焼きとアスパラベーコン巻きが今日の力作です!」

「じゃあ、卵焼きから食べようかしら」

 

そう言って陽乃様は綺麗な焼き色のついた卵焼きを食べました

 

「う~ん!おいしい!やっぱりハヤテが作る卵焼きはおいしい!ハヤテも早く食べなよ、おいしいよ」

「ありがとうございます!では、僕もいただきますね」

「じゃあ、はい。あ~ん」

「いや、自分で食べられますって」///

「照れちゃって可愛い♪ほら、あ~ん」

「ですから!?いや、あの」///

「もーノリ悪いなあ。ほらほら早く口を開けなさい」

 

そう言って陽乃様は揶揄かっている様な笑みで僕に卵焼きを差し出してきます

陽乃様にあ~んされるのは嬉しいですけどさすがの僕も恥ずかしいです 陽乃様からされるならなおさらです

 

「早くしないと無理やりぶち込むわよ」

「はい!食べます!」

「よろしい。はい、あ~ん」

「あ~ん。うん、おいしいです!我ながら上出来です!」

「ふふ~ん。そうでしょ」

 

何故か陽乃様が自慢げにしています 僕は恥ずかしくて味がいまいちわかりませんでした

 

「じゃあ、今度は食べさせて」

「わかりました」

「お?今度は潔いわね」

「最終的に食べさせるんですから、無駄な抵抗はやめます」

「わかってるじゃん♪じゃあ、あ~ん」

「はい、あ~ん」

「うん。やっぱりおいしい!」ニコッ

 

(やっぱり陽乃様って可愛いなー)

 

笑顔の陽乃様はとても魅力的でつい見惚れてしまいます

そして二人の時間は過ぎていくのでした

 

 

__________

 

 

「ふ~、お腹いっぱい。ごちそうさまでした」

「お粗末様です」

「休憩~」

 

そう言いながら僕の膝の上に頭を乗せ寝転がるのでした

 

「お、今度は照れないの?」

「さすがに少し慣れました」

「なんだ、つまんないの。これが倦怠期ってやつかしら」

「違うと思います・・・」

 

そんな会話をしながらダラダラとしていると陽乃様の顔が急に真面目なものになりました

 

「私ね、生徒会長になろうと思うの」

「どうしたのですか?陽乃様はあまりそういう面倒な立場には着かないと思っていました」

「まあ、少しね。実家の方針ってやつかな。今後雪ノ下を継ぐなら上に立つ事も経験しておくべきだと思って。それに大学の推薦も貰えるかもしれないし」

「最後のが一番本音っぽい気がしますが・・・でも、陽乃様なら当選確実でしょう」

「確かに生徒会長にはなれるでしょうね。ほかにやりたいって人がいても私なら負けないと思う。でもね、それでみんなが私を支持してくれるかどうかわからないわ」

「?それはどういう・・・」

「当代の生徒会長は知ってる?」

「それはもちろんです。桂ヒナギクさんですよね」

 

容姿端麗、文武両道、完璧超人じゃなくて少し天然な部分もあって親しみやすい人だ

 

「そうよ。3年生からはもちろん2年生、1年生からも人気の高くて私も尊敬しているわ。私はそんな人の次に生徒会長になろうとしているの。そうなると必然的に私は比べられてしまうわ」

 

入学したての1年生からも人気があるとは驚きました 

 

「それは仕方のないことなのでは?陽乃様も負けないように頑張るしかありませんよ」

「もちろん、生徒会長になったら負けないように頑張るわよ。でもその前段階の選挙よ」

「まさか選挙で負けるかもしれないと?」

「いや、さっきも言ったけど生徒会長にはなれると思う。でも、それが私以外やらないからとかもう一人の立候補者と比べたら私の方がマシだからっていうんじゃダメなの。私だからやって欲しい、そんな風に思われて初めて生徒会長になれると思うの。現にヒナギク先輩がそうだったようにね。」

「それは立派な志ですね」

「そのためにも特に3年生から認められるようにならないといけないわ。ヒナギク先輩の凄さを一番間近で見てきた人たちだしね。そして、ヒナギク先輩にも安心して私に任せられると思わせたい!」

「はい」

 

陽乃様の声に段々と熱がこもる

 

「そのためにもまずは次の文化祭よ!文化祭実行委員長になって今までの総武高校の文化祭で一番の盛り上がりだったって言わせてやるわ!」

「はい!僕も精一杯お手伝いさせていただきます!」

「うん!ありがとう!」

 

陽乃様に今まで助けていただいた恩返しができる、そんな思いもあり僕はこの人を支えるために頑張ろうと思った

 

「みんなが認める生徒会長になるぞー!おー!」

「おー!」

 

桜の木の下で宣言をするのでした

 

 

 

 

 

 

「あ、ハヤテ」

「なんですか?」

「私の手伝いはいいけどハヤテも頑張ってね」

「何をですか?」

「生徒会副会長選挙」

「へ?」

「私の執事でしょ?なら、生徒会も手伝ってくれないと♪」

「そ、それならわざわざ副会長にならなくてもいつでもお手伝いしますよ・・・」

「生徒会への一般生徒の介入はあまり良くないわ。だから、生徒会に入っていつでも私のサポートが出来るようにするためにも、ね♪」

「・・・」

 

今更ながら陽乃様がどういった人なのか思い出したのでした

 

 

 

 

__________

 

 

「そろそろ起きてください」

「ん~もう少し・・・」

「これ以上はお体を冷やしてしまいますよ」

「ならその時はハヤテが温めてー」

「何言ってるんですか。風邪引きますから早く起きて下さい」

 

あの後眠くなった陽乃様は僕の膝で寝てしまいました 陽乃様の寝顔はとても可愛かったです

 

「あー、ハヤテが変なこと考えてるー。私の寝顔でも思い出してるんでしょー」

「んな!?」

 

なぜかバレた

 

「顔が緩んでたよ」

「本当ですか!」

 

僕は慌てて顔に手を当てる

 

「う・そ♪」

「~っ」///

 

また揶揄われました この手のことにはまだまだ慣れることができそうにありません

 

「ふふっ♪じゃあ、目も覚めたことだし帰ろっか」

「はい・・・」

 

少し疲れながらもテキパキと片づけをしてしまいます

 

「では、行きましょうか」

「うん」

 

二人で公園を後にしようとした時でした

 

「あー!ハヤテ君!こんなところでどうしたの!?」

 

大きな声をかけられて振り返りました

 

「ハヤテ君もお花見なのかな?」

 

そこには西沢さんと僕の昔のクラスメイトたちがいました

 

「それに隣の綺麗な人は一体・・・?」

「ねえハヤテ。私にもこの娘が誰なのか教えてもらえる?」

 

そして陽乃様からは先程とは打って変わった凍えるような声がかけられます

 

どうやら僕はまだ今日を終わらせてもらえないようです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ヒナギクさんが名前だけ登場。今後も少しだけ出てきます。
そして、西沢さんが登場です。 つまり次回はやや修羅場。 

最後に
誤字・脱字・誤用があれば是非お知らせください。
辛口批評は甘んじて受けますが悪口のみは傷つくのでおかしい点等々はご指摘ください。悪い点、改善点も受け付けています。


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僕のお嬢様と元クラスメイトが修羅場すぎる~桜大戦編~

修羅場・・・
修羅場?


ハヤテside

 

早速ですが今僕は二人の女性に挟まれて両手に花状態です ははっ、羨ましいですか?

 

「それに隣の綺麗な人は一体・・・?」

「ねえハヤテ。私にもこの娘が誰なのか教えてもらえる?」

 

ゴゴゴゴゴゴゴ

 

ダレカタスケテー!

 

(圧がすごい!?陽乃様からの圧がぱないの!ってレベルでぱないです!?)錯乱

 

何故かわからないけど陽乃様から謎のプレッシャーによって僕の冷や汗が止まりません!

 

(落ち着け、まずは二人にしっかりと紹介しないと。何事もまずは自己紹介からって言いますしね!)

 

はーっ ふーっ

 

僕は呼吸を整え

 

(行きます!)

 

「陽乃様、彼女は西沢歩さんと言って僕のクラスメイトだった人です。あと後ろの方々もそうです」

「ふーん」ジロッ

「「ひっ!」」

 

陽乃様が西沢さんにがん飛ばしてます 西沢さんもビビってます 怖いです ガクブル

 

「に、西沢さん。この方は雪ノ下陽乃様と言って僕のご主人様です」

「へー・・・はあっ!?ご主人様!?どういう意味なの!?まさかハヤテ君そういう趣味・・・」

「ち、違いますよ!実はですね・・・」

 

僕はクリスマス・イヴから今までの事を説明します

 

「それで、今ハヤテ君は執事をしているからあの人がご主人様ってことだったんだ」

「そういうことです」

 

無事僕が従者プレイが好きなドM野郎ではないことを説明できました 

ついでに近況報告もしました

しかし、僕は失念していましたこの場にはもう一人いることを・・・

 

「そろそろ、終わったかしらハヤテ」

 

底冷えするような声が聞こえてきます

 

「私を放っておいて、女の子とイチャイチャして」

「い、いや、イチャイチャは・・・」

「ん?」

「いえ、何でもありません!ごめんなさい!」

「で、彼女は何なの?」

「え?先ほども言ったとおり西沢歩さんと言って」

「そうじゃない。その、歩ちゃんは、ハヤテと、どういう、関係なの?」ニコッ

 

笑顔が怖い!

 

「た、ただの元クラスメイトです」

「本当に?」

「は、はい」

「ふーん。で、ハヤテはこう言ってるけど、歩ちゃん的にはどうなのかな?」

「クラスメイトですけど・・・」

「けど?」

「一応、告白した人とフッた人、です」

 

爆弾が投げ込まれた

 

「へー、それで、どっちがどっち?」

「私が告白した人です」

「なるほど、なるほど。それなのにハヤテはただの元クラスメイトだったって言うのね」

 

陽乃様が僕を見ます っていうか睨んできます

 

「告白してきた人をただのクラスメイト呼ばわりはひどいんじゃないかな?」

「うぐっ、申し訳ございません・・・」

 

確かにそれはあまりに薄情だったかもしれません

 

「で、それはいつの出来事で、どういった経緯なの?」

「実は・・・」

 

さて、ここでようやく読者の方々にもわかるようにご説明いたします

実は僕冬休みに転校の手続きをするために前の高校に行った時に偶然クラスメイトに出会って女の子に告白されました(3話参照) 

その時の女の子が何を隠そうこの西沢さんだったのです

 

「ということがあったんです」

「なるほどね。ハヤテ、今日の勉強の課題倍ね」

「何で!?」

 

理不尽です

 

「さて、改めてこんにちは。私は雪ノ下陽乃。ハヤテのご主人様よ」

「こ、こんにちは。西沢歩です。よろしくお願いします」

「うん、よろしくね」

 

僕が今夜の課題の量を想像していたらいつの間にか二人は仲良く挨拶を済ましていました

 

「ふふっ」

「あ、あはは・・・」

 

何でしょうこの空気・・・

 

「そう、"私のハヤテ"が前の学校でも随分とお世話になったようね」

「い、いえ、そんな・・・」

「で、ハヤテは前の学校でどんな感じだったの?やっぱりモテてたの?」

「え、えっとそうですね・・・」

「ふーん、やっぱりそうなんだ。ハヤテはカッコいいもんねー」

 

全然仲良くなかったー!?ていうか西沢さんめっちゃ気圧されてる!美人オーラに圧倒されてるー!

西沢さんの顔が強張ってますよ!僕には見えます!

西沢さんの後ろの普通のハムスターと陽乃様の後ろにいる九つの狐の尻尾を持つ和風美人が!ていうかその和風美人陽乃様と同じ顔してるし!

 

「あ、あの陽乃様、そこまでにしてあげて欲しいというか、もう西沢さんのライフが0というか・・・」

 

まだ、いろいろ何か話していますが止めに入ります

西沢さんが泣きそうです ていうか目の端にキラリとしたものがあります・・・

 

「ハヤテがそこまでいうなら仕方ないなー」

「ありがとうございます」

「じゃあ、ハヤテにも後でゆっっっくり話を聞かせてもらうから」

「・・・あい」

 

この後のことを考えたら返事が翼の生えた猫みたいになってしまいました

 

「じゃあ、帰ろうか。またね、歩ちゃん」

「それでは西沢さんまた今度」

 

僕は気持ち急ぎ気味でこの場を二人で退散しようとしました

しかし・・・

 

「・・・せんから・・・」

「ん?」

「絶対に負けませんから!」

 

何とあの陽乃様に西沢さんが食って掛かりました 

 

「へぇ・・・」

 

陽乃様が目を細めて西沢さんを睨みます

 

「っ!?そ、そんな風に見てきてもこ、怖くありません!」

 

しかし、西沢さんも負けていません

 

「ふーん、歩ちゃんの思いは本物なんだ。それなら・・・」

 

そして、突然陽乃様が僕の腕を抱え込みました

 

「ちょ、陽乃様!?」

 

さすがに恥ずかしいです!? あとなんか柔らかい!?

 

「もう、とっくにハヤテは私のものだから。絶対にあげないし、手放しもしない」

「あの、陽乃様、う、腕をっ!?」

「それでも、なお挑むのなら

 

 

潰すよ

 

 

・・・覚悟しなさい」

 

「は、陽乃様?」

 

今まで聞いたことのない声が陽乃様から出てきました

 

「さて、本当に行こうか♪」

「は、はい・・・」

 

この日僕は陽乃様の心の奥底を見たような気分でした

 

(あと、そろそろ腕を離して欲しいです・・・)

 

 

 

 

__________

 

 

 

 

歩side

 

今日は仲のいい友達とお花見に来た、西沢歩です! どこにでもいる普通の女子高生です!

友達からは「西沢の個性って普通が個性だよな」って言われるくらいです 普通でもいいじゃない!

そしてお花見も終わり、帰ろうとした時なんとハヤテ君に会ったのです!

 

(あれから、全然会えなかったけどようやく会えた!)

 

「あー!ハヤテ君!こんなところでどうしたの!?」

 

私はあの時の告白を思い出すと少し悲しくなるし、ハヤテ君も気にすると思っていつもより元気な声を掛けます

しかし、気づいてしまったのです ハヤテ君の隣にいる美人さんがいることに

 

「それに隣の綺麗な人は一体・・・?」

(やっぱり彼女さんなのかな?なのかな!?)

 

けれどもどうやら違うようでした なんでも途方に暮れたハヤテ君を助けて執事として雇っている人らしいです

近況報告も少しするとハヤテ君は雪ノ下さんに呼ばれた 

 

(何を話してるのかな?)

 

そして話は私とハヤテ君のことへと変わりました

 

(やっぱりハヤテ君にとって私はただのクラスメイトなんだね)

 

「ふーん。で、ハヤテはこう言ってるけど、歩ちゃん的にはどうなのかな?」

 

いきなり雪ノ下?さんが私に話を振ってきた

 

「クラスメイトですけど・・・」

「けど?」

「一応、告白した人とフッた人、です」

 

そう答えると

 

「私が告白した人です」

「なるほど、なるほど。それなのにハヤテはただの元クラスメイトだったって言うのね」

「告白してきた人をただのクラスメイト呼ばわりはひどいんじゃないかな?」

「うぐっ、申し訳ございません・・・」

 

ハヤテ君のの説明に不満らしく、ハヤテ君に説教を始めました

 

(いい人なのかな?)

 

「さて、改めてこんにちは。私は雪ノ下陽乃。ハヤテのご主人様よ」

「こ、こんにちは。西沢歩です。よろしくお願いします」

「うん、よろしくね」

 

お互いに自己紹介をし改めて思いました

 

(この人やっぱり綺麗だなー。こんな人がハヤテ君のご主人様か)

 

悔しいけど敵いそうにありません

 

(それに執事とご主人様ということは二人は同じ屋根の下で暮らしているということ。羨ましいなあ)

 

そして、何とか勝てそうなところを探してみるけど

 

(ない!私が平凡なのもあるけど、何かこう、格が違う!)

 

「ふふっ」

「あ、あはは・・・」

 

思わず苦笑いが出た

 

「そう、"私のハヤテ"が前の学校でも随分とお世話になったようね」

 

わ、私の!? もう、そこまでの関係!?

 

「い、いえ、そんな・・・」

「で、ハヤテは前の学校でどんな感じだったの?やっぱりモテてたの?」

「え、えっとそうですね・・・」

「ふーん、やっぱりそうなんだ。ハヤテはカッコいいもんねー」

 

(な、なんだろう?少し怖い感じがする)

 

「ほかには何かないの?ハヤテとの思い出?学祭もあったんでしょ?」

「そ、そうですね。あ、でも、ハヤテ君いつも忙しそうだったから学祭の日は、1日中バイトでお金稼げる!、って言って学祭来なかったんですよ」

「そうなんだ。やっぱりハヤテっていっぱい大変なことがあったんだね」

「どうやらそうみたいです」

「へー、それで普段もあまり学校に来れてなかったんだね」

「最低限は来るって感じでした。放課後も遊ぶ暇もなくて・・・」

「つまり、ハヤテとの接点はあまり多くなかった、と」

「は、はい。寂しかったですけど、仕方なくて・・・」

「話す機会も多くなかったんだね」

「そうですね・・・」

 

何か少し雪ノ下さんの雰囲気が変わりました

そして、言われたのです

 

 

「じゃあ、何でハヤテのことが好きなの?」

 

 

「へ?」

 

 

「その気持ちは、本物?」

 

何を言ってるんだろこの人は? だって私がハヤテ君が好きなのは

 

何でだっけ?

 

頭が混乱してくる 泣きそうになる

 

「あ、あの陽乃様、そこまでにしてあげて欲しいというか、もう西沢さんのライフが0というか・・・」

 

ハヤテ君の声が聞こえた

 

「ハヤテがそこまでいうなら仕方ないなー」

「ありがとうございます」

「じゃあ、ハヤテにも後でゆっっっくり話を聞かせてもらうから」

 

私はほっとした してしまった これじゃあ

 

(これじゃあ、まるでハヤテ君のことが本当は好きでもないって言ってるようなものだよ・・・)

 

泣きそうになる でも、私は何に対して泣いているんだろう

ひどいことを言われたから? それとも 本当のことを言われたのを誤魔化すために? 

わからなくなる

 

「じゃあ、帰ろうか。またね、歩ちゃん」

「それでは西沢さんまた今度」

 

二人が帰ろうとする これからも二人は仲良くしていくのだと思う 二人だけの思い出を作っていくのだろう

でも、それは何か

 

嫌だ

 

そう思った 思えた

 

(そうだ。確かにハヤテ君との接点は少なかった。でも、それが本当は好きじゃなかった理由にはならない)

 

この世には一目惚れって言うのがあるくらいだ 

 

(だから、私はハヤテ君のことが好きだ。一緒にいた時間が少なかったとしても、私はハヤテ君のことが大好きだ)

 

だから、言う

 

「・・・せんから・・・」

「ん?」

 

言ってやる!

 

「絶対に負けませんから!」

 

「へぇ・・・」

 

雪ノ下さんが睨んでくる 負けてたまるか

 

「っ!?そ、そんな風に見てきてもこ、怖くありません!」

「ふーん、歩ちゃんの思いは本物なんだ。それなら・・・」

 

そして、雪ノ下さんがハヤテ君の腕を抱え込んだ

 

「もう、とっくにハヤテは私のものだから。絶対にあげないし、手放しもしない」

「あの、陽乃様、う、腕をっ!?」

 

あの胸が憎い どうしても比べてしまう

 

(やっぱり男の子は胸なのかな!なのかな!)

 

「それでも、なお挑むのなら

 

 

潰すよ

 

 

・・・覚悟しなさい」

 

「は、陽乃様?」

 

ゾっとした 足が震える 胸の事なんて吹っ飛んでしまった 

 

「さて、本当に行こうか♪」

「は、はい・・・」

 

気づいたらもう二人は行ってしまった

 

(絶対に負けないんだから!)

 

「打倒雪ノ下陽乃!」

 

明日からもっと女を磨いてやる!

 

そう決意した

 

 

 

 

「いや、無理じゃないか?」

「そこ!今まで空気だったのに余計な事言わない!」

 

クラスメイトなら応援しなさいよ!

 

 

 

__________

 

 

 

 

陽乃の家(夜)

 

陽乃side

 

帰った後、ハヤテへの尋問・・・もといハヤテの昔話も聞いた後はいつも通り過ごしていた

そして、毎晩恒例の勉強会もお昼に言った通り課題を倍にして出した

今はそれも無事に終わらせたのを見届けたところだ

 

「はい、お疲れ様」

「もう、当分字は見たくないです・・・」

「反省したようで何より」

「いや、反省も何もこれはただの嫌がらせじゃあ・・・」

「何か言った?」

「いえ!何も!」

 

どうやらこの罰の意味が理解できていないようだ まあ、許そう

 

「じゃあ、寝るわね。ハヤテも早く寝なさいよ。お休み」

「はい、お休みなさいませ陽乃様」

 

そして私は自室に戻って明日の準備を済ませる さすがにこれくらいは自分でやるし乙女にはいろいろ持っていくものもあるのだ

 

(それにしても今日は少しらしくなかったな・・・)

 

そうだ いくらなんでも初対面の女の子にあそこまではいつもならやらない

 

(それなのに今日はどうして)

 

理由はなんとなく想像はつく でも、あまり認めたくない

 

(ちょっと私の知らないハヤテを知っている女の子がハヤテと話していたのが気に食わなかったなんて)

 

ようは妬いていたのだ この雪ノ下陽乃

 

(う~)///

 

自分でもわかるくらいに顔が赤い それでも

 

取られるかもしれない

 

そう、思ってしまった

昔から自分のものを取られるのが嫌いで、取ろうとしてきたら潰した

でも何か違う

 

(もっと大切な何かを取られると思った・・・)

 

よくは、わからない

それに最後にあんなことも言われた 今までになかったことだ

何となく不安になる 顔が見たくなる

気づけば私は部屋を出て、ハヤテの部屋に向かった

 

 

 

 

__________

 

 

 

ハヤテside

 

コンコン

 

「はーい」

 

突然のノックに少し驚いた

でもすぐに扉を開ける そこには陽乃様がいた

 

(まあ、この家には僕と陽乃様しかいないから当たり前なんだけど)

 

「ちょっといいかな?」

「はい、どうしました?」

(珍しいな)

 

確かに何度か勉強会が終わった後で部屋に来ることはあった でも・・・

 

(何か今回はおとなしいな。何というかしおらしい?)

 

本当にこんな陽乃様は珍しい というか見た事がない

 

「ハヤテはどこにも行かないよね?」

「へ?」

 

唐突すぎて意味がわからなかった

 

「だ、だから!ハヤテは私の側にいてくれるんだよね?」

「?それはもちろん。借金もありますし」

「じゃあ、借金が今すぐ無くなったらどっか行っちゃうの?」

 

本当にどうしたんだろうか まるで子どもみたいだ

 

「ねえ、ハヤテ、どうなの?」

「そうですね、借金が無くなれば僕は自由の身です」

「じゃあ、やっぱり・・・」

「しかしですね、僕が自由の身になっても僕は陽乃様の執事をしていますよ。もちろん、陽乃様がいいとおっしゃってくださるならですけど」

 

借金が無くなって、はい今までありがとうございましたお元気で、なんて薄情なことはしないし多分陽乃様が思ってる以上に僕は陽乃様に感謝している それに

 

(僕自身はこの人に一生付いて行くつもりしてるしね)

 

陽乃様あっての僕の人生 なら付いて行くのは当たり前だし付いて行きたいと思っている だから

 

「僕は陽乃様の側にずっといますよ」

「ハ、ハヤテ・・・」

「だから、安心して下さい。どこにも行きませんよ」

「うん!」

「はい、ですからどうかゆっくりとお休み下さい。どうせなら一緒に寝ますか?ベッドも二人が寝るくらいなら問題ありませんし」

 

僕は冗談で言ってみた

 

「うん」

「え?」

 

まさかの返答だった

 

「何よ。私にだってたまには人恋しい時もあるのよ」

「ですが、年頃の男女が同じベッドで寝るというのは・・・」

「ハヤテが始めに言ったんでしょ。何?手を出すの?」

「滅相もございません!」

「その、言い方傷付くなー。私、そこまで魅力ない?」

「いえ!決してそういうことでは!?」

「ふふっ、冗談よ」

「なっ!?驚かさないで下さいよ」

「?一緒に寝るのは本気よ。じゃあ、枕とか持ってくるね」

「本当に一緒に寝るんですか!?」

 

陽乃様は部屋を出ていかれました

 

「本当に寝るのか・・・」///

 

顔が赤いのがわかる

 

(寝れるかな?)

 

そして、今夜は二人で寝ることになったのです

 

寝付けないと思いましたが今日の疲れもあったのか二人で話していると陽乃様は安心したかのような安らかに眠ってしまいました そんな顔に釣られて僕も寝ることができました

 

(お休みなさいませ、陽乃様)

 

 

 

 

 

余談ですが次の日はお互い顔を見れなかったり会話がぎこちなかったです

 

((う~恥ずかしい。目を合わせられない))///

 

 

 




ふう、何とか書けた
ちゃんと修羅場になってたかな?
次は・・・ 何だろ?まあ、学校での話になると思います
あと桜大戦編とか書いてるけどシリーズ化する気はありません
どうでもいいけどfgoの英霊剣豪七番勝負終わらせた感想が武蔵ちゃんが可愛い(語彙力
石は村正ピックアップまで貯めるぜ!

最後に
誤字・脱字・誤用があれば是非お知らせください。
辛口批評は甘んじて受けますが悪口のみは傷つくのでおかしい点等々はご指摘ください。悪い点、改善点も受け付けています。


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ハヤテ・ザ・ビギニング

活動報告で投稿できないとか言って投稿する奴
ハヤテの過去編です


陽乃の家 リビング

 

ハヤテside

 

「雨だねー」

「雨ですねー」

 

外を見ると大粒の雨が降っていました 

今は梅雨 空模様があまり良くない日が続いています

洗濯物が乾きにくくて大変な季節です

 

「ハヤテー、何か面白い話でもしてよ」

「いきなりそんな無茶ぶり言わないでくださいよ」

「だって雨で外には出られないし、雪乃ちゃんで遊べないし」

「雪乃様"と"じゃないんですね・・・」

 

実は陽乃様は休みの日はたまに実家に戻られるのですがどうやらそこで雪乃様にちょっかいをかけているようです

僕も着いて行きますがいつもは都築さんに陽乃様や家のことの報告と僕がきちんとやれているのかをテストしています

 

「あまりちょっかいをかけすぎると雪乃様に嫌われますよ。僕の方に"姉さんを何とかしてください"って連絡してくるくらいですから相当ですよ。普段はあんなに気が強い雪乃様が僕に連絡するなんてよっぽどですよ」

 

以前陽乃様から逃げてきた雪乃様にお会いした時連絡先を交換したのです そういえば一度もご両親に会ったことはないんですよね

 

「へー、あの雪乃ちゃんがハヤテに頼るなんてねー。手を出したらさすがの私も泣くわよ」

「泣くんですか・・・」

「ええ、そりゃあもう、わんわん泣くわ。ハヤテのある事、ない事、ない事叫びながら泣くわ。」

「やめてください!!っていうかない事の方が多いじゃないですか!!それに、言われたって手は出しませんよ」

 

僕を社会的に殺すつもりですか!? この人はやると言ったらやる人だ もちろん手はださないけど

 

「それは何?雪乃ちゃんには手を出すほど魅力がないと?」

「そういう事じゃありませんよ!!」

「なら何よ?」

「いつも陽乃様っていう綺麗な人といるんですよ!耐性も付きます!それに陽乃様の妹じゃないですか!」

「なら、私の妹じゃなかったら手を出すの?」

「中学生相手にそんなことしませんよ!それに・・・」

「それに?」

「今の僕には女の子と付き合う資格なんてないんです」

 

そう、僕には今女の子と付き合うなんて事はできないんです だって・・・

 

「それはまた、どうして?」

「だって僕には・・・」

「僕には?」

「女の子を養う甲斐性がないから・・・」

「・・・」

「・・・」

「えっと、何の話?ていうかいつの時代の話なの?」

「ぼ、僕はマジメな話をしているんです!!」

 

そう、僕は何もふざけたりしている訳ではありません

 

「男が女の子とちゃんとお付き合いしたいなら、一生面倒をみる甲斐性を持てって前の彼女に言われたんです!!」

「まあ、確かにハヤテは今私に面倒を見てもらってるものね。それにこの先も私が・・・」

「?」

 

陽乃様がなぜか急に止まった 

 

ガタガタガタガタ プルプルプルプル

 

そして、震えだした

 

「・・・」

「・・・?」

「ハヤテ・・・」

「はい?」

「彼女いたの?」

「ええ」

 

ガタッ!

 

そして陽乃様が立ち上がりました 

 

ガシッ!

 

最後に僕の肩を持って・・・

 

「その娘の名前は!?っていうかいつの話よ!?容姿は?!年の差は?!どれくらい付き合っていたの?!告白はどっちから?!」

「ちょ、落ち着いて、そ、そんなゆ、揺らさないでく、ください。あ、あとく、首が・・・」

 

ぐわん、ぐわん揺らし始めました

 

締まってます!締まってますよ!

 

「いいから!早く答えなさい!!」ブンッ

「ぐはっ!?」

 

華麗な一本背負いが僕を襲いました そのまま陽乃様が僕の上に乗ってきます

 

「で?」ニコッ

 

最後にキメの笑顔

 

(これは先日西沢さんと会った時以上の圧をこの笑顔から感じる!)

 

「えー初めに言っておきますけど、これは幼稚園の頃の話ですよ?」

「ええ、それで?」

「・・・。名前はアテネって言います。金髪の可愛い娘でしたよ。年は同じくらいだと思います。2か月くらいです。告白は一応僕から・・・」

「へー、何で分かれたの?」

「僕が彼女を怒らせてしまったんです。最後は喧嘩別れになってしまってそれ以降は会ったことはありません」

「いつも女の子にはとっても優しいハヤテが珍しい」

 

声に少し棘を感じます

 

「理由に関してはあまり言いたくはありません。僕の親に関わることですし、陽乃様も嫌な気分になりますよ」

「あのハヤテを売った?」

「ええ、僕の親がどんな人だったのかは以前話した通りです。それでもですか?」

「それでもいいわ、教えなさい」

「・・・わかりました。とりあえず一度きちんと座ってから話しましょう。さすがにこのままは恥ずかしいです」///

 

ニヤッ

 

陽乃様の目がこちらを揶揄う様な目をしています

 

「へー、ハヤテはこの状況の何が恥ずかしいのかな?」

「ちょ、あの陽乃様!?」

 

陽乃様が体を倒してきて僕に密着してきます

 

(や、柔らかい!)///

 

「ねーハヤテー、教えなさいよー」

「あ、あのだから」///

 

やばいやばいやばい 

 

「ふー」

「なあああああああ!?」ゾワゾワ

 

とどめとばかりに陽乃様が耳に息を吹きかけてきました

 

「はあ、はあ、はあ、あ、あの陽乃様も、もう・・・」ウルウル

「あはは!涙目になって可愛いー。そんな顔するともっといじめたくなるじゃない」

「~~~ッ!?」///

「もお、そんなに怯えなくてもいいのに。冗談だから安心しなさい」

 

(あの声と目は冗談なんかじゃない!)

 

「さて、続きはまたあとで・・・」

「続き!?」

「話の続きよ。お腹減ったからとりあえずお昼ご飯を食べてからにしましょう」

 

(よ、よかった~)

 

「んしょっと。じゃあ、一旦部屋に戻るからお昼ご飯できたら呼んでねー」

 

そう言って陽乃様は僕の上から退いて部屋に戻っていきました

 

(は~陽乃様のいたずら好きには困ったな。まだ心臓がバクバク言ってるよ)

 

「とりあえず、落ち着いたらご飯作るか」

 

そのあとは火照った体を冷やし、僕はお昼ご飯を作り始めるのでした

 

 

 

 

 

陽乃side 

 

(さっきハヤテの上に乗ってたらお尻に・・・)///

 

 

 

 

 

___________

 

 

 

 

ハヤテside

 

「じゃあ、話の続きを聞かせてね」

「はい、わかりました」

 

お昼ご飯を食べ終わり、片付けも済ませた僕は陽乃様に先程の話の続きを話始めるのでした

 

「では、まず出会いから。あの日は・・・

 

 

 

 

 

回想

 

その日幼稚園で給食費の盗難事件があったんです

みんなで探したんですけど、全然見つからなくて誰が盗ったのかという話になったんです

そして、その矛先は僕でした どうやらみんな親から僕の親が悪い人だっていうのは知っていたんです

ヒドイ話かもしれませんが、当時の僕にとっては珍しくもありませんでした

それでも僕はその時はまだ親のことを信じていたんです

 

「どうしたんだい、ハヤテ君?」

「父さん・・・」

「幼稚園で何かあったのかい?」

「今日、幼稚園でみんなの給食費がなくなったんだ。それで、みんな僕が犯人だって・・・。でも、僕じゃないって言っても誰も信じてくれなくて・・・」グスッ

「そんなことがあったんだね。父さんは信じるよ、ハヤテは盗ってないって」

「本当?」

「ああ、本当さ。ハヤテ君は盗ってない!!」

「父さん!」

「だって盗ったのは、父さんだ♥」

「え?」

 

さすがの陽乃様も驚きましたか? 本当なんですよ

この世には本当にヒドイ話があると思いました

 

「うわあああああああああああああああ!!!!!!」

 

家は貧しくて親がドロボーで友達はいなくて大人は信じてくれない

全力でその場から逃げ出して、あてもなく走り続けました

あの時は死んでも構わないって思ってましたから

 

ええ、今は陽乃様がいますし、死んでもいいなんて言いませんよ

 

どれだけ走ったのか、僕はどこかの花園に倒れていたんです

そう、そこで出会ったんですよ 彼女に

 

「大丈夫?」

「誰?」

「男の子がいつまでも泣いていてはダメよ」

 

差し伸べられた手は温かくて

 

「あなた、名前は?」

「え?綾崎ハヤテ」

「ふーん、なかなかいい名前じゃない」

「えっと、君は?」

「アテネ。天王州アテネ」

「アテネ?」

「そう。この星で、最も偉大な女神の名前よ」

 

それが僕たちの出会いでした

 

「この星で、最も偉大な女神の名前?」

「そう、それがアテネ。私の名前ですわ。」

「けど、名前が女神の名前なんて変わってるね」

「ええ、私も気に入っていましてよ」

「・・・・。え、いや変わっているって言って」

「まさに、この世界に唯一無二の私にふさわしい名前ですわ。そう思いません?」

「え、あ、うん、そうだね・・・」

「それで、どしてここに来たのかしら?」

「いや、気づいたらここに・・・」

「・・・そう。まあ、着いてきなさい。案内してあげるわ。私の城に」

 

そこで僕は目の前のお城に気が付いたんです

 

 

 

 

 

お城

 

「すごいね、こんな大きなお城に住んでるなんて。君、もしかしてお姫様なの?」

「まあ、そのようなものよ」

「僕だったら2LDK失神ものだよ」

「どんだけ夢のない子なの。だいたいその程度なら親がまともならいくらでも住めるでしょ?」

「ッ!・・・」

「どうかなさいまして?」

「へ?あ、いや・・・」

 

実はこの時家に帰る気も生きる気もなかったんですよね

それをカンのいい彼女はそれをすぐ見抜いたんだと思います

 

「ああ、そういえばこの城も人手不足でしたわね」

「え?」

「なのでもし都合が良ければなんですが」

「はい?」

「あなた、私の執事をやってくれません?」

「執事?」

 

とまあ、そこで僕の執事生活が始まったんですよ

今思うとこの経験が活かされて今の執事業が出来ているんですよね

戦闘能力もここで磨かれたのでいつでも陽乃様をお守りできますよ

 

そこで生活して、僕たちは自然と惹かれ合いました

基本二人でずっといましたから ええ、寝る時もお風呂も

・・・そんな怖い顔しないでください 子供の頃の話ですよ

 

でも、やっぱり最後は親が恋しくなったんですよね

あんな親でも僕が必死になって説得すればまともになれると思っていたんですよ

そして、お城を出て行こうとしてその時に彼女から指輪を貰ったんですよ

 

「いつか、この指輪を嵌められる大人になりましょうね」

 

そして、僕はそのお城から出ていったんですよ

まあ、ご存知のように親は変わらなかったんですけど

しかも、説得した日いつの間にか貰った指輪を売られてしまったんですよ

それに気づいたのですがもう手遅れでどこに売られたかもわからなくなってしまい、お城に行って謝ろうと思ってその事を彼女に伝えたら泣いて怒られました

それ以降何度も謝りに行っても許してもらえず、お城もある日突然無くなって彼女はどこかに行ってしまったんですよ それからもう、ずっと会えないままです・・・

 

 

回想終了

 

 

「と、こんな感じですかね」

「・・・とりあえずハヤテの親はなんとしても見つけ出して牢屋にぶち込むべきね」

「あはは・・・」

「それにしてもそんな親なのによく性格が歪まなかったわね」

「それは兄さんがいたからですよ」

「お兄さん?」

「ええ、ヒーローやってたんですよ」

「?日曜の朝にやってる?」

「いえ、違いますよ。まあ、人助けが趣味の人だったんですよ。まあ、その兄もいつの間にかいなくなったんですけどね。でも、兄さんの事ですしきっとどこかで誰かを助けていますよ」

「そう・・・ハヤテは今もそのアテネちゃんやお兄さんに会いたいと思ってるの」

「そうですね、会って謝りたいですね。兄さんは別に構いませんが」

「そっか・・・」

 

あれから10年 今君は何をしていますか?

 

(あーたん・・・)

 

 

 

 

 

 

 

陽乃side

 

(会いたい・・・か)

 

ハヤテの昔の恋人の天王洲アテネ

雪ノ下家が力を入れればおそらくすぐに見つけられるかもしれない

しかし

 

(今はもうなんとも思っていなさそうだけど、あんまり会わせたくないな・・・)

 

万が一、二人がよりを戻したら自分はどうなるのだろうか

そんなことをつい考えてしまう

 

(でも、ハヤテは私の傍にいるって言ってくれた。大丈夫、ずっと一緒にいてくれる)

 

そうだ、ハヤテはそう言った ならハヤテを信じよう

でも、少し不安だ 仕方ない こればっかりは仕方ない

だからいつか、そのうち、多分、探してあげよう

 

(それにしても天皇州か。どっかで聞いたことあったような・・・?)

 

 

 

 

???

 

???side

 

「さて、夏休み明けにでも総武高校に行こうかしら」

「モグモグモグモグ」

「一応学校の理事長なわけだし、ちょうど文化祭や体育祭もあるし」

「モグモグモグモグ」

「・・・。ハンバーガーずっと食べてないで返事しなさい!!」ゲシッ

「っ!ハンバーガーが!」

「そんなのいつでも買ってあげるから今から夏休み以降の予定の調整してちょうだい。総武高校に顔出すから」

「ハンバーガー買ってくれるの!?」

「ええ、だから予定を・・・」

「やったー!ハンバーガーだー!」

「少しはハンバーガー以外の話も聞きなさい!」ゲシッ

「痛い!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




何とか書いたよ 書くことなくて過去編書いちゃったよ
一応ロイヤル・ガーデンとか王玉の話は出てきません
ややこしくなるし長くなるので

最後に
誤字・脱字・誤用があれば是非お知らせください。
辛口批評は甘んじて受けますが悪口のみは傷つくのでおかしい点等々はご指摘ください。悪い点、改善点も受け付けています。




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長期休暇中が誕生日の人って友達に祝われないよね

プレゼン準備、プレゼン、試験、風邪・・・



7月7日 

 

千葉の某ショッピングモール

 

ハヤテside

 

本日は千葉の某ショッピングモールに訪れています

理由はもちろん陽乃様の誕生日プレゼントを購入しに来たのです!

本当はもっと早く準備をしておかなければならなかったんですけど、執事業でいろいろ忙しく、そうこうしているうちに当日に・・・

幸い、プレゼントの目星はつけています

ちなみに陽乃様は御実家で開催されている誕生日パーティーに行っています

何故か朝から陽乃様はこちらをチラチラと見ていました プレゼントを期待していたのでしょうか

申し訳ございません もっと早く準備しておければよかったです

パーティにはそれなりに有名な方たちも来られるようで、私も同行したかったのですが執事になってまだ日が浅いという事で都築さんから止められました その代わり今日は都築さんが陽乃様の執事をなさっています

 

「さて、早くプレゼントを買って陽乃様の誕生日パーティーの準備をしますか」

 

御実家のパーティーには負けるかもしれませんが陽乃様を祝いたい気持ちは負けないつもりです!

必ずや陽乃様が喜ぶパーティーを開催させてみせます!

 

「お、あれも買っていきますか」

 

 

 

__________

 

 

 

 

陽乃side

 

「はあ・・・」

「どうかされましたか?陽乃さん?」

「いえ、少し疲れただけで・・・」

「それは大変だ。よろしければ、僕が休憩室まで付き添いましょうか?」

「いや、僕が」

「いえ、せっかくの誕生日パーティーですので」

 

というか貴方たちのせいで疲れているんですけど

 

7月7日、七夕でもある今日は私の誕生日だ

そして、毎年恒例の雪ノ下陽乃へお近づきパーティーでもある

まだまだ小さな男の子から40代目前のおじさんまで私に近づいて、あわよくば、と考えている人ばかりだ

それだけ雪ノ下の家は魅力的なのだろう あとおじさんたちの視線が気持ち悪い

昔お母さんに身内だけのパーティーにして欲しいと言っても話を聞かずに私のためだと言ってきた

あの人は昔から自分が正しいと思ったことはみんなが正しいと思っていると考えている人だ

その時から何を言っても無駄なことに気づいた

 

(はあー、家に戻ってハヤテに会いたい。都築が余計なこと言うから・・・)

 

ハヤテならもう立派な執事なのに・・・

 

(そういえば、クリスマスイヴもこんなパーティーが嫌で抜けて出したんだよね。おかげでハヤテに会えたし)

 

そう考えるとサンタさんのプレゼントがハヤテだったのかもしれない 

 

(今頃何してるかな?ハヤテは私にプレゼントくれるのかな)

 

日に日にハヤテのことを考える時間が多くなっている気がする

 

(会いたいな・・・)

 

「あの、陽乃さん?」

「あ、すみません。なんでしたっけ」

 

いけない、ハヤテのことで頭がいっぱいだった

 

「いえ、それよりもやはり具合が悪いのでは?我慢しないで休憩室に・・・」

 

そう言いながら男は私の手を取ろうとする 

というか貴方は誰?さっきまでいなかったでしょ

 

「はーい、ストップ!女の子に気軽に触れたらあかんで!」

「咲夜ちゃん!」

「こっからは女の子同士の話やから男共はどっか行き。あんまりしつこいと嫌われるで」

 

咲夜ちゃんが言うと私の周りから咲夜ちゃん以外いなくなった

 

「まずは誕生日おめでとう!陽姉さん!」

「ありがとう!」

 

彼女は愛沢咲夜 雪乃ちゃんの数少ない友達の一人で弟、妹が多くお姉ちゃん気質な女の子だ

 

「せっかくの陽姉さんの誕生日やから祝いに来たで!雪乃の顔も見たかったしな」

「そうなんだ!あれ?伊澄ちゃんは一緒じゃないの?」

「途中まで一緒やったんやけど、急にいなくなってな」

「また迷子?」

「そうなんや。さっき電話したら北海道いるんやって」

「相変わらずだね・・・」

 

今話題に上がってるのは鷺ノ宮伊澄 同じく雪乃ちゃんの数少ない友達の一人 ただいつも迷子になる不思議ちゃんだ

 

「それにしても珍しいな。陽姉さんが男共に囲まれてスキ見せるなんて」

「ちょっとね・・・」

「噂の執事のことでも考えてたん?」

「そ、そんなことっ!」///

「あら、あの陽姉さんがここまで動揺するなんて。これは一度くらい会ってみたいもんや。今日はおらんの?」

「動揺してないし、いないわよ!っていうかどこでハヤテのことを」

「あーそれ?雪乃から聞いたねん。なんかいつも陽姉さんから助けてくれる優しい陽姉さんの執事がいるって」

「雪乃ちゃん・・・」

 

そんなに姉妹のスキンシップが嫌なのか

 

「陽姉さんの弱点を知ってる人は多い方がええからって」

「雪乃ちゃん!?」

 

ちょっと腹黒い

今日ならいるだろうと思い慌てて雪乃ちゃんを探そうとする

 

「ちなみに雪乃は陽姉さんの誕生日プレゼントを都築さんに渡してどっか行ったで」

「・・・」

 

次会ったら構い倒してやる

 

 

__________

 

 

「では本日の陽乃の誕生日パーティはこれまでとします。わざわざ陽乃のために多くの方にお集まりいただきありがとうございました」

 

私はお母さんの隣でお辞儀する

これでパーティも終わりだ

 

あれからは咲夜ちゃんや他の女の子とか大分遅れてやってきた伊澄ちゃんと話しながら過ごせた

おかげで男たちは近づいて来なかった

 

(さてと、早く家に戻ろ)

 

「陽乃」

「お母さん」

「少し話があります。あとで部屋に来なさい。なに、すぐに終わる話です」

「はい」

 

まだ、ハヤテには会えなさそうだ

 

 

 

 

___________

 

 

 

 

ハヤテside

 

「さて、そろそろ陽乃様も帰ってくるかな?」

 

部屋の準備もとうに済み、料理も冷めないように準備してあります

そして、玄関に向かう

 

「ただいまー」

 

何となく声に元気がありませんが予想通り帰って来られた

 

「おかえりなさいませ、陽乃様」

「うん、お出迎えあり、が、とう?」

 

これはどうやら成功のようですね

 

「その格好どうしたの?」

「どうです?似合いますか?」

 

今僕は平安時代の人が着ていたような着物を着ている

 

「七夕だからなのかこんな服まで売ってたんですよ。少し現代風ですが、なかなかいいものですよ」

 

そう、ショッピングモールで見かけたのはこの服だったのです

ただ、パーティを開くのも面白味がなかったので、買ってみたのです

 

「うん、なかなか似合ってるよ。カッコいい!」

「あはは、カッコいいって言われると少し気恥ずかしいですね」///

「でもなんでまた?」

「それはまた後で。まずは着いてきてください」

 

陽乃様をダイニングまで連れて行きます

 

「では、どうぞお入りください」

「うん」

 

ガチャッ

 

「わぁ・・・」

 

どうやら、喜んでもらえたようです

 

「これ、ハヤテが準備してくれの?」

「はい、そうです」

 

ダイニングは僕の手によりあまり派手すぎないように飾り付けをしてあり、テーブルにはビーフシチューなど洋食の料理が並べられてあります

 

「僕からの誕生日プレゼントです。そして、今日は七夕でもあります、なのでこの服を着てあるのです」

「なるほどね」

「はい。そして、この服は男女セットなので陽乃様の分も用意してあります。お召しになりますか?」

「うん、着たい!」

「ではこれを」

「ありがとう」

「着付けのお手伝いは必要ですか?」

「大丈夫だよ。それじゃあ、着てくるね」

 

そして待つこと数分

 

「じゃーん、どう?似合う?」

「・・・」

「どうしたの?」

「あ、いえ、少し見惚れていました」///

 

薄いピンクの着物を着ている陽乃様 なんとなく織姫さまっぽい気もする

 

「ふふっ、そこまで似合ってるってことね」

「はい、とてもお綺麗ですよ」

「ありがとう」ニコッ

 

ハニカんだ陽乃様はとても綺麗で可愛らしかった

そして、お互い何故か目を離せないでいた

 

・・・・・・・・・・

 

「「はっ!」」

 

「で、ではどうぞお座りください」///

「う、うん」///

 

何ともいえない空気が流れてしまった///

気を取り直す・・・ よし!

 

「改めて、17歳のお誕生日おめでとうございます!」

「ありがと!」

「今日はいつもより時間をかけることもできたので、いつも以上においしい料理ができました。僕の自信作です!満足していただけると幸いです」

「うん、期待してるよ!」

「はい!ではまずはこちらの・・・」

 

 

 

__________

 

 

 

 

「ふー、おいしかった」

「満足していただけてなによりです」

 

二人きりでの夕食はいつもより雰囲気が違いましたが料理は満足いただけたようです

 

「陽乃様、少しよろしいですか?」

「なに?」

「実は・・・」

 

僕は用意していた短冊とペンを取り出します

 

「今日は七夕でもあります。ですので、願い事を書いてみませんか?」

「願い事、ね・・・」

「陽乃様?」

 

何だか少し様子がおかしいですね・・・

 

「ううん、何でもないわ。それで書くのは良いけどどこに飾るの?うちに笹はないわよ」

「笹は小さいですけど今日買ってきたものがあります。庭にありますので書いたら行きましょう」

「そう。それにしても願い事ねー。ハヤテは何にするの?」

「僕ですか?そうですね僕はやはり借金を返しきることですかね」

 

借金執事なんて言われたくないし、綺麗な身のまま陽乃様に仕えたい

 

「そっか。借金を返したらどうするの?」

「そうですねー。多分ずっと陽乃様の執事を続けていると思います。迷惑かも知れませんが死ぬまで一緒にいますよ」

「一生?」

「はい。陽乃様がいなくなってしまうその時まで、僕が一生守り続けて見せます」

「絶対?」

「はい、絶対にです」

「何があっても?」

「もちろん」

「私が世界の敵になっても?」

「それは敵になる前に止めます。ていうか世界の敵になってもなんてどこかの曲にでも影響されたんですか?」

 

ありがちな歌詞です そういえば何をやって世界の敵になったんでしょうね どこぞの皇帝にでもなったんでしょうか

 

「ちょっとね」

「そうですか。まあ、なにはともあれ僕は陽乃様の味方ですし、陽乃様のために行動しますよ」

「そう・・・」

「ええ、そうです」

「なら、ずっと一緒にいてね」

「はい」 

 

最期までお仕えいたします、陽乃様

 

「じゃ、短冊に願い事書いて吊るしに行きましょうか」

「はい」

 

そして僕たちは短冊に願いを書き笹に吊るしました

 

「そういえば、陽乃様はなんて書いたんですか?」

「それは乙女の秘密。なので、ハヤテは短冊は見ないように」

「わかりました、陽乃様」

 

僕には言わせておいて自分では言わないあたり陽乃様らしい 間違っても見ないようにしないと 

見たら何されるかわかったものじゃない

 

(あっ、そういえばまだ)

 

僕はポケットの中身の物を思い出した

 

「陽乃様」

「どうしたの?」

「どうぞ、開けてみてください。僕からの本日最後の誕生日プレゼントです」

 

陽乃様に渡したケースには・・・

 

「わあ、可愛いネックレスだ」

 

シルバーのハートを二つ繋げたネックレスが入ってあります

 

「つけてもらっていい?」

「もちろん」

 

僕は後ろにまわり陽乃様にネックレスをつける

 

「どうかな?」

「はい、とてもお似合いですよ」

「ありがと!」

「実はそのネックレスはお守りみたいなものなんです」

「そうなの?」

「ええ、僕もいつも陽乃様の傍にいるわけではございません。ですので代わりにということです」

「これがハヤテの代わりか」

 

そう言って陽乃様はネックレスを眺めていました

 

「そうです。特に僕を“置いて”ご実家に行くときに」

「っ!?」

「何かご両親と会わせられない事情でもあるんでしょう」

「それ、は・・・」

 

そう、未だに陽乃様のご両親には会ったことがない ご実家にたまに同行した時だっていつも留守だ

 

「いえ、それは構いません。陽乃様なりの理由があるのでしょう。ですが、ご実家から戻られた時はいつも陽乃様は疲れておられます」

「そう、隠せてなかったんだ」

「ええ、バレバレです。なのでせめてものお力添えということで、このネックレスです」

 

僕は行けない でも何か力になることをしたっかった

 

「つまり、この二つのハートは」

「はい、いつでも心は共にあり、繋がっている、ということです」

「いつも、か。ありがとう、ハヤテ。大事にするし、実家行くときは必ず付けていくわ」

「はい、是非そうしてください」

 

よかった 少しは陽乃様の力になれたようだ

 

「さて、これにて綾崎ハヤテの陽乃様への誕生日パーティは終了です。ご満足いただけましたか?」

「もちろん!今までで最高の誕生日だったよ」

 

本日の誕生日パーティは無事、成功に終わりました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

__________

 

 

おまけ

 

陽乃side

 

「ハヤテ、ポッキーゲームしよ!もちろん負けたら罰ゲーム!」

 

言ってポッキーを加え ポッキーを上下に揺らす

今日は11月11日 ポッキーの日だ

だからポッキーゲームでハヤテを揶揄うことにした

ハヤテはいつも反応が面白くて可愛いからつい揶揄ってしまう

今日もきっと顔を赤くして慌てるだろう

 

「ええ、いいですよ」

 

あれ? 反応がいつもと違う

 

「では、いきますね」

 

サクッ

 

え?

 

サクッ、サクッ

 

ハヤテは何でもないような顔をして食べ進めてくる

 

(やば!私も食べないと)

 

私も慌てて食べ進める

 

サクッ、サクッ

サクッ、サクッ

 

(ハヤテの顔が段々近くなっていく。あ、ハヤテって結構まつげ長いなあ。目も綺麗だし)

 

何だかポーっとしてきた

 

(あれ?そういえばこれってどっちかが止めないとぶつかるんじゃ・・・)

 

考えてるうちにもうハヤテはすぐそこだ

 

(あ、ヤバイ、もうぶつかる。これじゃこのままキ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チュン、チュン

 

「・・・」

 

(私はなんて夢を・・・)///

 

これが私が17歳になって初めて見た夢になった

 

 

 

 




すいません 間が開いてしまいました ハヤテの誕生日に投下したかった・・・
全てはプレゼンのせいです 
誕生日編だからもうすこし凝ることができれば・・・筆者の力不足orz
二人のイチャイチャ誕生日パーティは各自で妄想してください
次は何とか来週に投下したいです

最後に
誤字・脱字・誤用があれば是非お知らせください。
辛口批評は甘んじて受けますが悪口のみは傷つくのでおかしい点等々はご指摘ください。悪い点、改善点も受け付けています。


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