ラブライブ!サンシャイン!!~9人の輝きの向こう側~ (にっしんぬ)
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Step.0 プロローグ
昔の思い出はこれからの日常に


書きたくなっちゃった。
ヒロインは決まってますが言いません(笑)
当ててみてください
3年生の誰かとは行っておきます

というかあらすじ考えるの難しい…


 

懐かしい思い出が夢に出てきた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君たちは誰?」

 

 

 

 

 

思えばこの時がきっかけだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ピギィ!だから止めましょうと」

「どうするのー?」

「えっと、えっとハグ!」

「ハグ?」

「うん、ハグしよっ?」

「いいよ!」

「望?ご飯よー?あら?あなたたちは確か

黒澤さんと小原さんのところの?」

「ピギッ!は、はい!」

「お、お邪魔してまーす」

「松浦果南っていいます!」

「あら、えらいわね、でも今度はちゃんと

玄関から入ってほしいかな?」

「「「ごめんなさい…」」」

 

 

 

 

 

ここじゃよくあることだと思った

 

 

 

 

 

「お母さん」

「どうしたの?」

「ご飯食べたら、一緒に遊んできてもいい?」

「いいわよ、暗くなる前に帰ってきなさいね」

「やった!ねぇ?ご飯食べ終わるまで待ってて!」

 

 

 

 

その時はすごい勢いでかきこんだのを覚えている

 

 

 

 

そこで目を覚ました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んっ…」

「あら、望。ゆっくり寝れた?」

「うん、後どれくらいで着く?」

「んー、後1時間ぐらいかな」

「分かった」

 

 

後1時間ぐらいなら寝るのももったいない

携帯でアプリでもやってよう、と思ったとき

 

 

「夢でも見たの?」

「へ?夢?」

「そうよ、あなた寝言でハグ?なんて言ってたわよ」

 

寝言にまで現れたのか

 

「うん、昔のことをちょっと」

「昔というと果南ちゃんたち?」

「うん。初めて会ったときのことがね」

「また会えるといいわね」

「すぐにでも会えるでしょ、いつも通り」

 

 

 

 

そう言い残してまた眠くなってきたので寝た

目を覚ましたらもう幾度となく見た母の実家であった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お父さんとお話ししてるから望は外に出てなさい」

なーんて言われて追い出されたので

適当にほっつき歩いてる。東京と違って

ここは景色が綺麗だ。夜になると星も綺麗に見える。

なんて思ってたら

 

 

 

 

「のぞ……む?望!?」

「果南?」

「うん!わぁ久しぶりだ!鞠莉とダイヤに

連絡しなきゃ!あっ!ねぇ?」

 

 

ねぇ、といいつつ両腕を大にして広げている

例の合図なのであろうが、中学3年生

それなりに気を使うわけであって…

 

 

 

「果南?駄目だよ。そうやって誰彼構わず

ハグしようとするのは。鞠莉やダイヤならまだしも

一応、男の子なんだから俺は」

「むぅ…昔はあんなにやってくれたくせにー」

「昔は昔、今は今。人は成長するの」

「…ヘタレ」

「うるせぇ!」

 

 

 

なんて言い合っていると

 

 

 

「果南さんではありませんか

こんなところで何をしているのです?

それに隣にいる方は…もしかして?」

「うん!望だよ!」

「久しぶり、ダイヤ。相変わらずのお堅い話し方だね」

「望さん!?あなたって人は!久しぶりだというのに!」

「わーかった、ごめんごめん。黒澤家の跡取りだもんな」

 

 

ダイヤもダイヤで相変わらずでよかった

 

 

「ところで望さん。例のアレは手に入りまして?」

「例のアレ?あー、アレね。もちろん!」

「っっっっっっ!!!観賞会ですわよ!」

「よしきた!この後!?」

「この後はまだ習い事があるので夕方以降ですわね」

「じゃあ夕方ダイヤの家行くね!ところで果南?鞠莉は?」

 

ここまで来れば今日のうちに鞠莉にも会いたい

 

 

「2人が話してる間に連絡しておいたよ

もうすぐ来るんじゃないかな?」

といった矢先、いかにも高級そうな車が

俺たちの側に停まり、後部座席のドアが勢いよく開く

 

 

 

「ノゾムーー!!!会いたかったわーー!」

「よっこいしょ、久しぶり鞠莉」

 

 

勢いよく抱きついた、果南に

 

 

「なんで私は果南にHugしてるのかしら?」

「それはこっちが聞きたいよ、鞠莉」

「いや普通に考えて俺が避けたからでしょ」

「よくまぁあの距離からの

あのスピードを避けれますわね」

 

 

 

なんて言いつつ全員揃った。揃ったところで

 

 

 

「あ、そうだ。俺、みんなに言わないといけないことが」

 

 

 

どうしたの?何かあったの?と言わんばかりに

3人とも首をかしげる

最初に口を開いたのは鞠莉だ

 

 

「あら、もしかして毎年summerじゃなくて

こっちに完全にお引っ越しトカ?」

 

 

 

 

 

相変わらずの勘の鋭さである。

 

 

 

 

「うん、まぁそういうこと。色々あって

夏休み明けてからこっちの学校に通うよ」

「やった!じゃあ毎日ノゾムに会えるのね?」

「その前に鞠莉さんあなた宿題は終わりましたの?」

「そうだぞ、宿題終わってない悪い子には

毎日会ってあげないぞー」

「ははっ、残念だね鞠莉」

「そういう果南こそどうなのよー!?」

「え?私はー、ほらー、あれだし?」

 

 

 

一体どれだ。悪い予感しかしない

 

 

 

「ダイヤ」

「仕方ありませんわね…」

「「2人とも」」

 

 

 

俺とダイヤの声になにかを察したのか

鞠莉と果南の顔がひきつってる。

 

 

 

 

 

 

「「夕方から宿題するぞ!(しますわよ!)」」

 

 

 

内浦の町に2人の悲鳴が響いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ俺が果南、ダイヤが鞠莉を見るってことで」

「ノゾムー!なんでマリーを見てくれないのー!?」

「俺がみるとすぐふざけるだろ?ダイヤが見たほうが

効率がいいの。そんなに俺と遊びたかったら

宿題終わらせてくださーい!」

「むぅ、こうなったら意地でもダイヤの目を掻い潜って…」

「鞠莉さん、あなたは宿題を終わらせることを考えなさい」

 

 

 

全く放っておくとなにしでかすか分からないからな…

さて、こっちはこっちで問題だから早くしないと

 

 

 

「さて、じゃあ果南。最初に質問するよ?」

「えっと、な、なにかなーん?なんて。」

「夏休みもおよそ半分終わってます」

「はい」

「なのに残ってるというより1つも手を付けてないのは

どういうことかなーん!?」

 

 

残ってるとか言うレベルではない量が

机に敷き詰められていた

 

 

 

「ひぃぃぃぃ!ごめんなさいぃぃぃぃ」

「時間は……あったよね?」

「あ、ありました…」

「はぁ…まったく、今日で半分は終わらせるぞ」

「え?この量の半分を今日で?」

「果南、体力には自信あるだろ?

大丈夫大丈夫、俺もいるんだし終わる終わる!」

 

 

 

 

 

 

 

部屋に果南の悲鳴がこだました

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もうダメ、無理ぃ~」

「はいはい、あとちょっとだから。」

「終わったらハg…」

「ハグはしないけどホットケーキ作ってあげるから」

「むぅ…頑張る」

 

 

 

何故か俺のホットケーキは評判がいい

果南だけじゃなくて、鞠莉とダイヤにも

 

 

「果南だけずるぃ~!マリーもノゾムの

so deliciousなホットケーキ食べたいわ!」

「分かった分かった、鞠莉にも、それにダイヤにも

作ってあげるから頑張ろうな」

「やった!」

「ありがとうございますですわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よしっ、これで完成っと!」

 

 

やはり我ながらいい出来である

 

 

 

「ん~、やっぱいい匂いだね」

「ほい、蜂蜜とバターとチョコソース」

「「「やった!」」」

 

 

 

 

 

みんな美味しそうに頬張る。

ダイヤに2人を任せて沼津のほうまで

材料買いに出てってよかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「ごちそうさまー(ですわ)」」」

「ほい、おそまつさまでした。そろそろお開きにしよっか」

「そうですわね、もう夜も遅いですし」

「ところでダイヤ」

「なんですの?」

「観賞会、いつにする?」

「明日の夕方でもいいですわよ。

お昼は生憎、習い事がありますので」

「わかった、じゃあ夕方までに果南と鞠莉の

宿題を片付けて夕方そっち行くね」

「分かりました、家の者に伝えておきますわ」

 

 

 

 

 

 

 

よし、じゃあ帰りますか

これから毎年夏だけだったことが

日常になると思うと、少し…ワクワクするかな




衝 動 っ て 怖 い
こういうの書きたいな、こういう話がいいなー
こういう設定にしようかなーと考えてたら
いつの間にか指が動いてました
前書きでも言ったように3年生の
誰かとくっつきます。誰かは決まってますが
今は言いません(笑)

今ブームのラブライブ!サンシャイン!!の
二次なだけあって楽しさ半分、怖さ半分。
読者の方を楽しめるものが書けるのかと
ビクビクしております。
が基本的には自分が書きたいように書いてるだけなので
悪しからず。


ではでは、次回もよろしければまた


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日常はいつもの喧騒のように

指がサクサク進むぅ
後書きに高嶺くんのプロフィール載せます
あと、アニメが始まるまでは
わりと時間はサクサク進みます


「終わったぁぁぁ」

「お疲れ果南、ホットケーキ出来てるよ」

「やった!」

 

 

 

 

 

 

夏休みも最終日、やっと果南の宿題を

終わらせることが出来た。

 

 

 

 

「んー、やっぱ望のホットケーキはおいしいね!」

「ホットケーキだけ誉められても嬉しくないんだけど…」

「じゃあ明日はわかめ一杯のお味噌汁ね!」

「作るのかよ!?いや、いいけどさ!」

 

 

 

毎年そうだったのだが果南はよく

俺の作るご飯を食べたがる。作る身からすれば

大変喜ばしいことではある

 

 

 

「あっ!明日といえば!」

「どうした?」

「望、明日からどこの学校に通うの?」

「一緒の学校」

「…へ?」

 

 

 

 

 

一瞬沈黙が走る

 

 

 

 

 

「だから、同じ学校。果南と、ダイヤと鞠莉と」

「本当!?じゃあ毎日学校でも会えるんだね!やった!」

「あ、ダイヤと鞠莉には内緒な。驚かせてやりた…ってうぉっ」

 

 

 

 

不意打ちで果南にハグしにくるが

間一髪のところで避ける。危ない危ない

 

 

 

 

「ちぇっ、避けられたかぁ」

「予測は可能だったよ、昔からそうだもんな。」

「ヘタr「ヘタレ言うな」」

 

 

 

油断も隙もありゃしない

 

 

「そっかぁ、鞠莉とダイヤ驚くだろうなぁ」

「だろうね。あ、皿片付ける」

「ありがと、もう日が降りてきてるしお開きにする?」

「そうだな、果南の明日の準備確認して

問題なければ帰ろうかな」

「ちょっと、私ってそんなに信用ないのー?」

「宿題を最終日で一気にやろうとしてた人に

信用なんてありませーん」

「ちぇっ、分かりましたよーだ」

 

 

 

 

 

そうやって明日の準備を行う

宿題全部詰めた、その他必要なもの詰めた、よし確認完了

 

 

 

 

 

「よし、じゃあまた明日な」

「うん、また明日ね」

 

 

 

 

そう言って別れる。

明日のダイヤと鞠莉の驚く顔が楽しみだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「転校生?」」

「そ、転校生」

「めずらしいですわね、この時期に転校生だなんて」

「男の子?女の子?」

「男の子らしいよ、私もさっき職員室通ったときに

軽く聞こえたぐらいだから詳しくは分かんないけどね」

「もしかしたらノゾムが転校してきてsurprise!かもしれないわね」

「あはは、だとしたら嬉しいね」

 

 

 

 

キーンコーンカーンコーン

 

 

 

 

 

 

 

 

「よーし、席についてー。さっそくだけど今日から

転校生がやって来る。仲良くしてやってね

よし、じゃあ入ってきて!」

 

 

 

 

 

 

 

 

1人は顔がひきつってて、1人は満面の笑みを浮かべてて

1人は、その2人を見て、してやったりと

もちろん俺もしてやったりの顔だが。

 

 

 

 

 

 

 

 

「東京から引っ越してきました、高嶺望です

短い間ですがよろしくお願いします!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「果南さん、あなた知ってましたの?」

「うん、知ってた。昨日宿題見て貰ったときにね」

「まったく、あなたという人は…」

「いやー、俺が入ってきた時のダイヤの顔!

自己紹介の場じゃなければ写真撮ってたぜ」

「望さんまで、あなたという人はぁぁぁ!!」

「まぁまぁダイヤ落ち着いて、せっかくの硬度が0よ?」

「鞠莉さんまで…くやしくないんですの!?

というか硬度0とはなんですか!?」

「んー、くやしいけどノゾムが来てくれて

happyな気持ちの方が強いかな?ダイヤはhappyじゃないの?」

「そ、それは…嬉しい…ですけど。」

 

 

 

 

 

 

 

 

こうやって毎年会ってきたけど

会うたびに嬉しい気持ちになるのは俺もだ

 

 

 

 

 

「まっ、なにはともあれよろしくな!」

「「よろしくね」」

「…よろしくですわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

季節は進んで秋も終わりかけ、冬に

なろうとしてる時期

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「寒い…」

「おはよう望、どうしたのその格好?」

「おはよう果南、いや…寒い」

「寒いって、そんなに?」

「東京も寒いけど内浦も十分寒い、というか

俺がただの寒がりなのもある」

「あー、なるほど」

 

 

 

 

内浦の冬?も十分寒い。いままで夏にしかいなかったから

結構予想外である。そんなこんなで果南と話してたら…

 

 

 

 

 

「Good Morning ノゾム、果南。

あら、ノゾムどうしたのその格好

まるでロシアにでも、住んでそうな格好ね?」

「おはよう、鞠莉。ロシアの人は

もっと暖かそうな格好してると思うよ」

 

 

 

 

 

ちなみにカイロを背中に貼ってある

 

 

 

 

「おはようございますですわ、みなさん」

「「「おはよう(Good Morning)ダイヤ」」」

「望さん、あなた今のうちからその格好で

真冬をどう過ごすつもりですの」

「もっと着込む、カイロ増やす」

「それ以上着る気ですの!?」

「着るよ!寒いの嫌だもん!」

「もん!じゃありませんわ!」

 

 

 

 

 

寒いのはほんとに嫌だ

 

 

 

 

 

「あーあ、始まったよ夫婦喧嘩」

「「誰が夫婦だ(ですか!)!」」

「誰がどう見ても夫婦だよ、2人とも」

 

 

 

 

 

 

俺とダイヤは些細なことで言い合いになる

大体の始まりはダイヤから始まる。

この前は「糖分の取りすぎですわ!」から

始まったっけな。あまりにもの多さに

果南と鞠莉からは夫婦喧嘩と名付けられて

日常茶飯事のようになってる。ただ…

 

 

 

 

 

 

 

 

「まったくあなたという人は…

そんなに寒いのならしかたありませんわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

長いこと続けてるが必ずダイヤから折れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほんと、ダイヤはノゾムに弱いわねぇ」

「うんうん、毎日見てるけど望から折れたことないよね」

「確かに、俺が折れたことはないな。なんでだ、ダイヤ?」

「べ、別になんでもありませんわ!」

 

 

 

 

 

 

顔を赤くしてそっぽ向くダイヤ

 

 

 

 

「どうしたダイヤ?風邪か?季節の変わり目は

風邪引きやすいから気を付けろよ?

あれだったら1枚服貸そうか?」

「い、要りませんわ!まったくあなたという人は…」

 

 

 

 

 

 

なんだ要らないのか。

そういえば冬といえば…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「鍋をしよう!」

「あら、ノゾム。藪から棒ね。」

「冬といえば鍋!うん!鍋しよう、そうしよう」

「いいね、うちに道具は置いてあるからしよう!」

「あら、果南も乗り気だね。じゃあ材料は

マリーが調達するわっ!」

「いや、鞠莉それだけは止めてくれ…」

「What's!?なんでよノゾムー!?」

「当たり前じゃないですか鞠莉さん!

あなたが食材を選ぶと単価が高くなるのですわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、鞠莉に食材を任せるとおよそ一般人では

手の付けられないような高価すぎる物を持ってくるのだ

しかも本人曰く、「え?普通じゃないの?」らしい

 

 

 

 

 

 

 

 

「ダイヤの言う通りだ、鞠莉。食材は

みんなで買い出しに行こう。そのほうが楽しいだろ?」

「むぅ…ノゾムが言うなら仕方ないわね。」

「よし、じゃあ今週の休みにやるか!」

「じゃあいつも通りうちでやる?」

「そうだな、いつも通り果南の家だな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~その日の週末、とあるスーパーにて~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「だから!鍋に入れる肉といえば鶏だろ!?」

「ぶっぶーですわ!鍋といえば牛!鶏肉なんて邪道の邪道!」

「「また始まったよ…」」

 

 

 

 

 

 

いや、鍋といえば鶏でしょう、ね?

 

 

 

 

 

「なんで鶏の良さがわからないかな!?名前だけじゃなくて

頭ん中まで硬度10かよ!?」

「頭の中まで硬度10とはどういう意味ですか!?望さんこそ

牛の良さを分かってないのではなくて!?」

「「こうなったら…」」

「果南!」

「鞠莉さん!」

「「どっち!(ですか!)」」

 

 

 

 

 

 

 

こうなったら2人に聞くしかない

 

 

 

 

 

 

「はははー、私は魚かな」

「マリーはラム肉かなぁ」

「「この2人に聞いたのが間違いだった(でしたわ)」」

「仕方ありませんわ、鶏にしましょうか」

「この際だから両方入れたらいいんじゃないかな」

「お、果南それいいね。せっかくなんだしみんなで楽しめるようにしなきゃな」

「まったく2人とも、学校じゃないんだからほどほどにね」

「「すみません…」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

果南のおかげで鶏牛論争は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「いっただきまーす!」」」」

 

 

 

ちょうどいい感じに煮えてきた。

 

 

 

 

「んー、うまい!やっぱ冬は鍋だね!」

「正確にはまだ冬ではありませんが」

「まぁまぁ2人とも、あんまり夫婦喧嘩してると冷めちゃうよ」

「「だから夫婦じゃない!(ですわ!)」」

「ほんと、2人とも息がピッタリね」

 

 

 

 

 

合わせたくて合わせてるわけじゃないんだがな

 

 

 

 

 

 

「そういえば、3人とも高校はどうするんだ?」

「3人とも浦の星女学院に通う予定ですわ」

「望は…やっぱり沼津のほう?」

「まぁそうなるね。さすがに女子高には入れないでしょ」

「ノゾムがいいのなら小原家の権限を使って共学に…」

「しないの、鞠莉。気持ちはうれしいけど会えなくなるわけじゃないんだからさ」

「むぅ…Good Ideaだと思ったのにー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一生会えなくなるわけじゃない、このひと時が

過ごせれば、それで問題ないのだ。

 

 

 

 

 

 

「よし、しんみりした話は終わり!〆の雑炊つくるぞ!」

「なんですって?鍋の〆はうどんが定番でしょう!?」

「はいはい、両方すればいいよ。先にうどんね」

 

 

 

 

いつものが始まる前に果南が止める

鞠莉は物足らなさそうな顔をしている

 

 

 

「「仕方ない(ですわね)」」

 

 

 

 

 

 

 

あぁ、お願いだからずっと続いてほしい。この日常が




書いてて思った。
ダイヤさんと言い合いさせるの超楽しい。
さて、望君の簡単なプロフィールです




名前:高嶺 望(タカミネ ノゾム)
身長(中3当時):171cm
体重(中3当時):59kg
好きな食べ物:甘いもの・肉(特に鶏)
嫌いな食べ物:茄子
趣味:読書・バスケット・ダイヤいじり

面白いものが大好きで「面白そう」と思ったものには
何でも手を出す好奇心旺盛
ダイヤと同じくμ'sの大ファンでことり推し


では次回も何卒お願いします


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聖なる祈りは瞬く間に

やっと書けた


「やはりこたつは暖かい…」

 

 

 

 

 

 

冬といえば炬燵にみかん、せっかくの冬休み

炬燵で堕落せずどう過ごす、少し寝ようかな

と思ってたその時

 

 

 

 

prrrr…

 

 

 

 

果南からだ、どうしたんだろ?

 

 

 

 

 

「もしもし、果南?どうした?」

「あ、望!おでかけしよっ!」

「断る、寒い」

 

 

 

プツッ…

よし、これで俺の炬燵ライフは守られ…

 

 

 

 

 

 

ピーンポーン!

まったく、誰だこんな昼間に

 

 

 

「勧誘なら間に合って…「お邪魔しまーす!」

って果南!?」

 

 

閉める前に玄関に入られた!?

くそっ!これでは逃げ場が!

 

 

 

 

「普通に電話するだけじゃ切られると思ってね

先に対策しておいてよかったよ。さて、望?」

 

 

 

どうやら拒否権はないらしい

 

 

 

「お出かけ、しよっ?」

「…はい」

 

 

 

 

 

どうやら俺は、松浦果南という女に弱いらしい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「寒い」

「もー、望ったらさっきから寒いしか

言ってないじゃない」

「事実なんだから仕方ない、というか…」

「んー?どうしたのかなん?」

「なんで2人なの?」

 

 

 

 

 

そう、2人なのである。

いつもならダイヤと鞠莉もいるのだが

何故か今日は2人なのである。

 

 

 

 

「まっ、たまにはいいじゃない!と言いつつ

もうすぐクリスマスじゃん?だから鞠莉とダイヤに

クリスマスプレゼントを買おうと思ってね」

「俺を連れてくるってことは俺へのはないのかな?」

 

 

 

 

 

ほんとになかったらショックだが…

 

 

 

 

「いや、望のもちゃんと用意するよ。ただ…」

「ただ…?」

「望のだしギリギリでもいいかなって!」

「俺の扱い雑ー!?ひどくない!?

いや、まぁいいんだけどさ、用意してくれるだけ嬉しいよ」

「そっか、まぁ楽しみにしておいて。」

「おう、そうだな。てことはクリスマスパーティ?は

やるんだ。」

「うん、毎年3人でね。でも今回からは望も参加だよ?」

 

 

 

 

てことは3人分のプレゼントが必要ってことか…

 

 

 

 

「果南は何か欲しいもの、ある?」

「ふぇっ?な、なに突然?」

「いや、下手に買うより欲しいもの聞いて

買ったほうが確実かなって」

「あー、なるほどね。望が選んだものならなんでもいいよ」

「と言われてもなー…」

「ダイヤと鞠莉もきっとそうだよ、望からなら

きっとなんでも喜ぶよ」

「そっか、じゃあ当日までに考えておくよ」

 

 

 

 

 

 

 

こうして日は過ぎ、時は流れ

 

 

 

 

 

 

「「「「メリークリスマス!(ですわ!)」」」」

 

 

 

 

 

 

 

場所はホテルオハラの最上階の一室

鞠莉から迎えに行くからねと連絡が来たので

まさかとは思ったが…

 

 

 

 

「というか地味にこのホテル入ったの初めてだ」

「まぁchildのときは外で遊ぶことが多かったからね」

さすが小原グループである。噂には聞いていたが

 

 

 

ちなみにプレゼントは果南からマグカップ、ダイヤから

明らかに高そうなボールペン、鞠莉からは

ホテルオハラの印が入ったお椀を貰った

 

 

 

 

 

「さて、後は望さんだけですわね」

「ノゾムからはどんなwonderfulなプレゼントが

貰えるのかしらっ!?」

「俺からはこれかな」

 

 

 

 

 

差し出したのは3通の手紙

 

 

 

 

 

「手紙…を出すような行事でもないけどさ

それでも3人には感謝の気持ちを伝えなきゃって」

「手紙…にしてはやけに膨らんでますわね」

「あー、それは中にね」

「あら、シュシュね。しかも3人とも色違い!」

「うん、3人に合いそうな色をそれぞれ選んできた

あ!手紙は俺がいないときに読んでね!恥ずかしいから!」

 

 

 

 

果南には緑、ダイヤには赤、鞠莉には緑

それぞれ3人に合いそうな色を選んだ

 

 

 

 

「Wonderful!!大事に使うわ!ノゾム!」

「えぇ、大事にさせていただきますわ」

 

 

鞠莉とダイヤにお礼を言われてる中

 

 

 

「果南?どうした?もしかして気に入らなかった?」

「あら、果南ったらわがままねっ」

 

 

何故か黙ってる果南を鞠莉が冗談ぎみに茶化してたら…

 

 

 

 

 

「いや、その…嬉しくてどうコメントしたらいいのか

分からなくなって…」

「あら、そうだったの?でも果南、そういう時は

ありがとうだけでいいのよ?さっきの果南の言葉のせいで

ノゾムったら嬉しくて顔赤くしてうつむいてるんだから!」

 

 

 

 

 

 

 

嬉しくて言葉がでないなんて

そんなこと言われたら嬉しいに決まってる

 

 

「そうなの?望?」

「待って、こっち見ないで」

「あら、ノゾムったら意外とshyなのね!」

「だー、いいからケーキ食べるぞ!頑張って作ったから!」

「そうですわね、頂くことにしましょう

あまりからかってても、かわいそうですし」

「じゃ、じゃあいただこう!いただきます!」

 

 

 

初めての4人のクリスマスパーティーは

成功?に終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「望ー?果南ちゃんが迎えにきたわよー!」

「わー!?ちょっと待っててもらって!」

「まったく…ごめんね果南ちゃん」

「いえいえ、私も少し早く来ちゃったですし」

「ふぅ…お待たせ果南」

「まったくあんた女の子待たせるのはダメよ」

「分かってるって…じゃあ母さん行ってきます」

「うん、言ってらっしゃい。果南ちゃん望をよろしくね」

「はい!行こっ望!」

 

 

 

もうすぐ年が明ける。

4人で初詣だ

 

 

「鞠莉とダイヤは現地だっけ?」

「うん、日付が変わるまでには間に合うって言ってたよ」

「そっか、なら大丈夫か」

「それでさ、望。何か言うことない?」

 

果南が少し顔を赤らめてこちらをみている

 

「んー…あけましておめでとうはまだ早いし、今年もお世話になりました?」

「望に期待した私が馬鹿だったよ…」

 

なんて言いながら他愛ない会話をしてると

 

「果南さんに望さん待ちくたびれましたわよ」

「もう2人ともtoo lateよ!」

 

ダイヤと鞠莉はもう来てたみたいだ

 

「望さん、果南さんになにかしまして?」

「ん?なんで?」

「なんでって…果南さんがふてくされてるのに気づかなかったんですの?」

「え?そうなの?全然気づかなかった」

 

全く気づかなかった。返事はいつもよりそっけない感じはしたが

 

「はぁ…まったくあなたという人は。まぁいいですわ早く並びますわよ」

 

ダイヤの一声によって果南も鞠莉も移動を開始する

なんだか腑に落ちない

 

 

 

 

「まだ並ぶの…」

「あらノゾムもう疲れちゃったの?マリーが癒してあげようか?」

「けっこーです」

「ノゾムったらひどーい!」

「鞠莉さん!あんまり騒がないでくださりますか。周りの方に迷惑ですわよ」

「むぅーダイヤの硬度10!」

「んーまっ!あなたという人は!」

「ほらほらダイヤ、騒がないの」

 

鞠莉に続いてダイヤまで騒ぎかけたところを果南が止める

 

「ねぇ望、もう少し?」

「ん?あと1分ぐらいかな」

「あと1分!?早くカウントダウンの準備しなきゃ!」

「いやさすがに早すぎるだろ…」

 

きっと近づいたら周りの人も数え始めるから

そこに合わせればいい。

 

「あと30秒、今年もやり残したことはないか?」

「例えあったとしても30秒じゃどうにもなりませんわ」

「確かに。…ありがとう、3人とも」

 

果南、ダイヤ、鞠莉は笑顔で返す。なにを今更っていう顔だろうか

なんて思ってたら周辺でカウントダウンが始まる

 

5・4・3・2・1…

 

「「「「あけましておめでとうございます」」」」

「今年もよろしくね、果南、ダイヤ、鞠莉」

「こちらこそよろしく、望」

「こちらこそですわ、望さん」

「ノゾムこそよろしくね!」

 

新年1発目の挨拶を終えるころには

賽銭箱のところにたどり着いた

 

「望は何をお願いするの?」

 

ふいに果南に尋ねられる。と言ってもすでに決まってるのだが

 

「家族の無病息災と、果南、ダイヤ、鞠莉とずっと仲良くいられますようにって」

「ふふっ、望らしいね」

「なんだよ、俺らしいって」

「なんでもないっ!」

 

果南、ダイヤ、鞠莉は内浦でできた最初の友達

大事にしたいのは普通である

 

「でも高校からは別だもんね」

「果南は心配性だな、別に一生会えなくなるわけじゃないんだから

放課後でも休日でも会えばいい。また4人でさ」

「そうだね、望の言う通りだね」

「そういうこと。ダイヤと鞠莉のことちゃんと見ててね

何しでかすかわかんないからさ」

「ふふっ、そうだね」

 

 

 

きっと4人で集まればまたいつも通りの日常がある

ちょっとだけ少なくなるだけ、今はただそう思いたい




Happy Party Train Tour 埼玉公演お疲れさまでした
ほんとはツアー終わってから上げたかった
LV勢でしたがもう熱が半端なかったですね
デュオトリオ曲がセトリに入ってきたときはテンション上がりました
黒澤姉妹が顔を近づけてるところでそりゃもう嬉しい悲鳴ですよ
じもあいダンスもかわいかったですし。
3rdこそ現地参戦したいですね。
あと、2期始まりましたね。OPですでに泣きかけました
1週間のやる気、活力。頑張りましょう
ではではまた次回、高校入学後まで飛びます(予定)


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結成・元祖浦の星スクールアイドル

果南、鞠莉、ダイヤが浦の星女学院に入学し

望が沼津の高校に入学してしばらくがたった

 

 

 

 

「School Idol??」

「えぇ、スクールアイドルですわ」

「ほら、浦女って今廃校の噂が流れてるじゃん?

何か出来ないかって話してて、それなら

スクールアイドル始めよう!って話になったの」

 

 

 

 

スクールアイドル

5年前のラブライブ開催をきっかけに

広がった学校でアイドル活動をするというもの

初代優勝グループはA-Rise

第2回優勝グループは今や伝説のスクールアイドルと

呼ばれているμ'sである

 

 

「Umm...マリーにはキラキラで可愛らしい

アイドルなんて似合わないわ。もっと

パンクでロックな方が私には合ってるもの」

「えー、鞠莉は可愛いしスタイルいいし絶対

人気出ると思うよ!やろうよ!」

「Sorry.他をあたってくれないかしら?」

「まったくあなたという人は…果南さん」

「よしきたっ!鞠莉?OKっていうまで…こうだ!」

 

 

ダイヤの合図と共に果南が鞠莉にハグをする

 

「ちょっ!果南!?Stop!分かったから!

分かったから離してー!」

「決まりですわね、後は望さんに連絡するだけですわね」

「ノゾム?ノゾムも歌って踊るの?」

「いや、望にはマネージャーをやってもらおうと思って」

「Nice Ideaね!」

「では私から望さんに伝えておきますわ」

 

 

 

ここに浦の星女学院にスクールアイドルが結成された

 

 

 

 

 

 

 

「スクールアイドルを3人で始めるから

俺にはマネージャー的なものをやって欲しいと」

「えぇ、そうですわ。詳しい人は多いに限りますから」

 

 

その日の放課後、ダイヤと共に沼津駅近くの

カフェに来ていた

 

「いいんだけど、マネージャーって何をするんだ?」

「よくある学校の部活のマネージャーがやることと変わりありませんわ、ただ…」

「ただ…?」

「えぇ、ここからは私個人のお願いなのですが」

 

ダイヤはなにやら渋ったような顔をする

 

「今さら渋った顔すんなよ、俺とダイヤと…

果南と鞠莉の仲だろ?出来ることなら

なんでも手伝うよ」

「そうですね分かりました実は…」

「実は…?」

「作詞のお手伝いと作曲をお願いしたいのです」

「作詞はともかく作曲かー」

「えぇ、果南さんに海辺でギターを披露したと

伺ってのことですので」

 

 

……はい?

 

「待って、ダイヤ。それは誰から聞いたんだ?」

「果南さん本人からですが?なんとも嬉しそうな顔で

自慢してましたわよ。とてもお上手だと」

「はぁー、まじか。わかった引き受けよう」

「感謝いたしますわ、作詞のメインは果南さんが

作曲は望さんがメインで鞠莉さんが

お手伝いしますわ、そして衣装は私が担当いたします」

「私がって1人で大丈夫なのか?」

「えぇ、妹が手伝ってくれるそうなので」

 

妹…確かルビィちゃん、だったっけ

会ったことはまだないが

 

 

「まぁそれならいいが」

 

 

作詞作曲衣装担当は決まり振り付けは

全員で考えることになった

後は肝心の…

 

「OK、それでいこうところで」

「なんでしょう?」

「グループ名は決まってるのか?」

 

 

沈黙が続く、いやまさか

 

 

「決まってない訳、ないよな?」

「そ、そうですわね。そ、そんなこと…」

「明日放課後全員集合。緊急会議だ。

アイドル始めるにあたってグループ名

考えてないなんて言語道断だぞ…」

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「はい、では今から緊急会議を始める

議題は…分かってるよな?」

「ちょっとダイヤ!なんでノゾムはこんなにAngryなの!?」

「そこ!私語は慎むように!まったく

スクールアイドルを始めるのは賛成だけど

大前提としてグループ名が決まってないなんて言語道断

もちろん、曲や詞だって大事だし振り付けも

いかに可愛く魅せるか重要にもなる。ただな

そもそもお客さんが最初に見るのはなんだ?名前だ。

初対面の人を見るときは必ずその人の容姿を見るだろ?

それと同じで初めてのアイドルを見かけたときは必ず名前から見るんだ…」

 

 

 

「ねぇダイヤ」

「いくら果南さんといえどもあぁなった

望さんを止められる人はいませんわ」

「というわけで、決まるまで帰れないと思えよ?」

「「「ひぃぃぃーーー」」」

 

 

 

 

~1時間後~

 

「お前ら…ちゃんと考える気はあるのか?」

 

出た案はスリーマーメイドだったり

浦女隊だったり、果たしてこれで見てくれるのか

 

 

「まったく…少し休憩しよっか」

 

といいながらテレビをつける

やっていたのは水族館の番組

 

「水族館…Aquarium…アクア…」

「Aquaがどうしたの?ノゾム?」

「グループ名だよ、Aquaだと何か弱いから…」

 

といいながら紙にペンを走らせる

 

 

「Aqoursなんてどうだ?」

「Aqours、いい響きですわね」

「うん、すっごくいいと思う!」

「Wonderful Nameね!」

 

 

Aqours、きっと3人にはぴったりな名前だろう

 

「よし、じゃあAqoursで決定。本格的な練習は

来週から始めよう、それでいい?」

「「「はーい!」」」

 

 

 

 

 

 

 

その日の週末、沼津の喫茶店にて

 

 

 

 

 

「うーん、うーん」

「そんなに頭抱えてまで考えることか?」

「だって!作詞なんてやったことないし!

全然思い付かないよー…というか」

「ん?」

「望は作曲しなくていいの?」

「詞がないと曲も作れないだろ?ってこれ

昨日も言ったよな…。だから、手伝って!って

言ったの、果南だしな」

 

 

詞のイメージもない以上下手に曲なんて

作ろうものなら詞と曲のイメージが合致しなくなる

 

 

「最初から言葉を考えるから駄目じゃないの?」

「え?どういうこと?歌詞ってそう考えるんじゃないの?」

「それで思い付けば簡単だよ、そりゃ。

でも出来ないのなら、イメージから考えればいい」

「イメージ?」

「そう、イメージ。3人でどういう歌を歌いたいのか

何を伝えたいのか、大雑把でいいから考えるんだよ

単語でもなんでもいい、出たイメージを全部書き出してみたら?」

 

 

下手に考えるよりは近道になるかもしれない

 

 

「俺たちは始めたばかりでまだ未熟なんだからさ

未熟なりに頑張ろう」

「…未熟?未熟、そうか!」

 

なにか思い付いたらしい

こういう閃きは果南特有のものかな?

 

「なにか、思い付いた?」

「うん!明日、ダイヤと鞠莉にも話してみる!」

「OK、出来たらメールでもいいから送って

曲作り、始めるから」

「わかった!ありがとう、望!」

「どういたしまして。じゃあ頑張ってね」

 

 

詞のイメージも決まったところで

店を出て帰路につく。明日からは

体力作りの練習で早朝から集合である

 

 

浦の星女学院スクールアイドル、Aqours始動




当初、ダイヤが作詞、鞠莉が作曲
果南が振り付け担当にしようとしたんですが
2期の2話でまさかの果南が作詞
ダイヤが衣装担当ということで
さすがにここはずらしちゃいけないということで
振り付けは全員で考えるということで
上手いこと望くん差し込みました、焦った。
元祖Aqours始動です
では、次もよろしければ


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目指せ東京!

お待たせしました


「鞠莉の様子が変?」

「そう、鞠莉のこと呼んでも返事が遅れたり

練習にも身が入ってなさそうっていうか」

 

果南曰く、授業中も部室でも上の空だという

 

「朝練で見てる限りはそうでもなさそうだったけどな。なにか聞いたのか?」

「うん、聞いたんだけど答えてくれなくて

ダイヤにも頼んだんだけど駄目だって…」

 

 

Aqoursとしての曲『未熟DREAMER』を発表して以来

新進気鋭のスクールアイドルとしてPVの再生数も伸び、次の曲はどうしようかと考えてる最中での出来事である

 

「果南とダイヤが聞いてもダメだから

俺が聞いてみて、ってことね。他になにか

変わったことってある?」

「んー、最近先生達と話すことが多かったかな?

お昼休みはいつも職員室に行ってるかも」

「なるほどね、わかった聞いてみる」

「ありがとう望」

 

 

◆◇

 

 

「よっこいしょっと」

「珍しいわね、ノゾムがここにくるなんて」

「そうか?先月来た気がするよ」

「果南の頻度が多かっただけだわ」

 

ホテルオハラの裏にあるほんの小さな岬

果南はよく鞠莉に会うために使ってて

真正面から堂々とは入れないため

海を泳いできてる

 

 

「で、What's wrong ノゾム?まさか何の用もなしに

マリーに会いにきてくれた、訳じゃないでしょう?」

「察しがいいようで。じゃあ単刀直入に言うね」

 

 

答えて欲しいと諭すように、そして核心を突くように

 

 

「鞠莉、果南たちになにか隠し事してるでしょ」

「What?そんな、マリーが果南たちにSecretだなんて」

「俺にも言えないこと?」

 

 

鞠莉が暗い顔になる

 

 

「ノゾムになら話してもいいかな」

 

口を開いて話し始める

 

 

「私ね、留学に誘われてるの。ほら、私って意外と

成績優秀だし。だから言ってみないかって。

でも、断ってるわ。今は留学よりも果南やダイヤ

もちろんノゾムと、School Idolをやってたほうが楽しいもの」

 

留学、最低1年下手すれば果南たちが卒業するまで

帰ってこないだろう

 

「でも断ってるんなら隠さなくてもいいんじゃないか?

留学誘われてたけど断っちゃった、てへぺろって

言えば済む話じゃないか」

「ところがそうもいかないのよ。Teacherたち、しつこくてね」

 

 

悩んでいるのはそこだったのか

 

 

「そっか。俺に出来ること少ないと思うけど

何かあったらいつでも」

「えぇ、そうするわ。とりあえずは…」

「果南とダイヤには話が終わるまで内緒、だろ?」

「of course、お願いね」

「かしこまったよ、じゃっおやすみ」

「ノゾムも、おやすみ」

 

 

 

 

 

◆◇

 

「(鞠莉のことは時間が解決してくれるとして次の曲だよなー)」

 

 

 

自宅にて次の曲について迷走していた

すると、歌詞を打ち込むために起動していた

PCにメールが来ていた

 

 

 

「………ぴぎゃぁああああああああああああああ!!!!!!!」

「うるさいわよ!望!」

 

声に反応したのか母さんが勢いよくやって来た

 

「…きょ…よ」

「なに?どうしたの?」

 

嬉しさのあまり舌が回ってなかったらしい

 

 

「東京だよ!東京のスクールアイドルの

イベントにAqoursが呼ばれたんだよ!」

「Aqoursって果南ちゃんたちがやってる?」

「そう!くぅー!明日みんなに伝えないと!」

 

 

みんなの驚く顔が目に浮かぶ、楽しみだ

 

 

 

 

◆次の日の朝練◇

 

「どうしたの、望?練習前に話って」

「練習の時間を使うってことは

So importantな話ってことなのね」

「あぁ、実は東京スクールアイドルワールドに招た…」

「なぁぁぁぁんですってぇぇぇぇぇ!?!?」

「ダイヤ、そんなに驚くことなの?」

「何を言ってるんですの、果南さん!

東京スクールアイドルワールドとは!」

「はい、ダイヤ静かに。俺が説明するよ」

 

 

ダイヤが話すと長くなりそうなので

とりあえず落ち着かせる

 

 

「東京スクールアイドルワールド、全国各地の

スクールアイドルが東京に集結してライブをするんだ

で、観客に審査してもらってランキングがつくんだ

要するに模擬的なラブライブみたいなもんだよ」

「えぇ!ですので日本各地のスクールアイドルが

目の前で見れるってことですわ!」

 

 

 

みんなの答えは決まってるだろうけど念のため

 

 

 

「参加、するんだろ?」

「「「もちろん(ですわ)!」」」

「よしっ!じゃあ東京スクールアイドルワールド

に向けて曲作りと振り付け、やるぞ!」

 

 

 

 

 

この決意がやがて亀裂を生むことも知らずに…

 

 

 

 

 

 

「ところで開催はいつですの?」

「ん?だいたい1か月後かな」

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

「んー」

「どうした、果南?」

「いい言葉が思い付かない!」

 

 

 

 

いつものように果南と喫茶店で

歌詞の案を考えていた

 

 

 

「無理に考えすぎなくてもいいよ、向こうからは

未熟DREAMERでお願いしたいとは来てるしね

まぁ先のことを考えるのはいいけどね」

 

 

正直、未熟DREAMERでもいい気もするが

 

 

「鞠莉からはアップテンポな曲がいいって

言ってるんだよねー。ダイヤはお二人に

お任せしますわ、だなんて考える身にも

なってよーって感じ」

「アップテンポな曲になると振り付けも

激しくなるから色々考慮しないとなー」

 

 

 

 

アップテンポな曲になるほど

振り付けが激しくなる。みんなの体力を考慮して

前回はスローな曲調にしたが

 

 

 

 

「まぁアップテンポな曲の振り付けの候補は

あるし、出来ないことはないが…」

「ないが…?」

「やるとしたら他の誰でもない、果南だよ」

「げっ、まぁ望の要望なら応えないとね!

で、どんな動きなの?」

 

 

 

 

と言われたので動画サイトを開き

その動きの動画を見せる

 

 

「うわぁ難しそう、でも出来たらすごいね!」

「難しいから怪我もしやすい、

やるかやらないかは果南に任せるよ」

「やる!」

「即答かよ!」

「だって出来たら格好いいじゃんー」

 

 

 

こうなった果南は止められない

 

 

「わかった、でも絶対無理はしないこと

無理だと感じたらマネージャー権限で止めるからな」

「はいはーい」

「じゃあ今日はこの辺で、もうすぐ連絡船の時間でしょ?」

「あー!そうだった!じゃあまたね!」

「おう!またな!」

 

 

 

 

 

 

 

崩壊まで後……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東京スクールアイドルワールドの開催まで

1週間が切ったところ

 

 

 

 

 

 

「お昼だー!」

「まったく果南さんったら大声だして

はしたないですわよ」

「いいじゃんいいじゃん!ね?鞠莉?…あれ?」

「鞠莉さんなら終わるのと同時に教室から

出ていきましたわよ。」

「そっかー、探してくる!」

「あっ!果南さんお待ちなさい!…まったく」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まったく鞠莉ったらどこ行ったんだろう…

あっ、鞠莉…と先生?何話してるんだろ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「留…学?」

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

「1 2 3 4 5 6 7 8…果南!少し遅れてる!」

「ご、ごめん!」

 

 

 

 

昨日から果南の様子がおかしい。

考え事?上の空というか…

 

 

 

「果南、少し休もう。」

「え?だ、大丈夫だよ!ほら体力が取り柄だしね!」

「体力が取り柄の果南さんが遅れるなんて

そうそうないでしょうが、きっとどこかで

疲れが出てるのでしょう。望さんの言う通り

少し休んだほうがよろしいのでは?」

「う、ううん、大丈夫!だから!」

 

 

やはり様子がおかしい。無理してるような

 

 

 

 

「…今日の練習は終わり。果南、話があるから

少し付き合って」

「え、あ、うん…」

 

 

 

 

練習を終わらせ、果南の家の前に

ふたりで腰を下ろしていた

 

 

 

「で、何か悩み事か?」

「…やだなぁ、望ったら私が悩み事に

縁があると思う?」

「あるから聞いてるんだろうが…」

 

 

 

 

 

 

考えたように、振り絞るように

言葉足らずで、不器用だけれども

 

 

 

 

「もし、もし私たち4人が離ればなれに

なっちゃったらどうする?」




空いてる期間に色々ありましたね
サンシャイン2期の後半は
泣きっぱなしでした(今さら)

また気ままにマイペースに更新していきます


カルデアの平和を守ったり色々してたら開きました


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未熟なわたしたち

今さらながらに言っておきますが
独自解釈強めです
ラブライブ!サンシャイン!!を
100人が見ていれば100通りの解釈があります
その中のひとつとして頭空っぽにして読んでください


「4人が離ればなれになっちゃったらどうする?」

 

 

 

 

 

その言葉に戸惑ってしまった

恐らく鞠莉の留学の話であろう

そうであるとしたらどこで聞いた?

誰から聞いた?気になることばかりだが

 

 

 

 

 

「急にどうした?」

 

 

 

知らない振りをして問いかける

気づかれてはダメだ、まだ鞠莉のことと

決まったわけではない

 

 

 

 

 

 

「鞠莉が、留学に行っちゃうかもしれないの」

 

 

 

不安が的中してしまった

 

 

「鞠莉が言ってたの?」

「ううん、でも職員室で鞠莉と先生が

話してるのをたまたま聞いちゃって…」

 

 

なるほど、鞠莉が自分から喋るわけはないし

どこかでたまたま聞いてしまったってところだろう

一時的でも構わないから、果南を安心させないといけない

 

 

 

「その話は最後まで聞いたの?」

「え?いや途中で教室に戻っちゃったから

最後までは聞いてないけど…」

「てことはまだ鞠莉が留学に行くなんて

決まった訳じゃないだろ?もしかしたら

行かないって行ってるかもしれないし

そもそも俺たちを置いて鞠莉が1人で留学なんて

行くと思うか?」

「…行かないと思いたい」

「まぁ、まずは鞠莉を信じよう。信じられない仲じゃないだろ?俺よりも長くいるんだからさ」

「うん、わかった。ありがとう望」

「お安いご用よ、じゃあ俺は帰るね」

 

 

 

 

 

 

~その日の夜~

 

 

prrrr…

 

 

 

「Ciao!ノゾム!どうしたの?急に電話だなんて」

「ん、あぁ果南のことでね」

「気づいちゃった?」

「廊下で聞いちゃったらしいよ、昼に鞠莉を探してるときに」

 

 

 

俺はさっきあった出来事をそのまま鞠莉に話した

 

 

「ところでこれは俺も気になるんだが…」

「どうしたの?マリーになんでも言ってみーなさーい!」

 

 

気になってることをそのまま。

変に隠すほうがおかしくなる。

 

 

「鞠莉は留学、行くのか?」

「行かないよ?」

「即答かよ!!」

 

 

 

あまりにも予想外に素早く返事が

返ってきたのでさすがに驚いた。

 

 

「今はSchool Idolやってたほうが楽しいからね」

「そうか、ならいいんだけどさ」

「ノゾムは私に留学、行って欲しい?」

 

 

 

急に真面目なトーンで聞かれるもんだから…

 

 

「んー、鞠莉が行きたいって思うなら応援する

行かないのなら全力でAqoursをサポートする

俺に出来るのはそれぐらいだよ」

「そう…ありがとう、ノゾム。

もう遅いから寝ましょうか、また明日練習でね」

「おう、おやすみ。また明日」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

 

 

 

「1 2 3 4 5 6 7 8…鞠莉ちょっと遅れてる!」

「Sorry!」

「ダイヤ、今のところもっと腕を伸ばして!」

「はい!」

「果南、ステップ追い付いてないよ!」

「ごめん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい、10分休憩ね。この休憩が終わったら

見せ場のアクロバットとフォーメーション確認ね

果南、いけそうか?」

「もっちろん!任せといて」

 

 

 

東京スクールアイドルワールドに向けての

フォーメーションの確認

メインは果南、ふたりは後ろだがふたりもふたりで

難易度の高い技をやる

 

 

 

「よし、休憩終わり!一通り通しでやって

そのまま入ろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

果南の悩みをちゃんと解決していれば

あいつは弱さを見せない子だから

ちゃんとそこに気づいていれば

 

 

 

 

 

 

 

「いくぞー!」

 

 

 

 

 

 

 

ちょっとしたことに気づいてあげれば

 

 

 

 

 

 

 

「……果南!?前!!」

「えっ?うわっ!?」

「鞠莉!危ない!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あぁ、なんて自分は未熟なんだろう

いや、まだ高校生なんだからそりゃ

未熟なんだろうけど

不安定な感情な中、大技なんてすれば

どうなるかなんて予測はついたはずだ

 

 

 

 

 

 

ドサッ!!

 

 

 

 

「果南!鞠莉!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マネージャー失格かな?

 

 

 

 

 

 

 

「っっっ…」

「鞠莉?鞠莉!私…」

「Don't worryよ、果南これくらいなんとも…」

「ないわけないだろ、鞠莉に突っ込んでった

果南を避けようと立ち上がったらそのままぶつかって

…足首捻っただろ、結構強めに」

 

 

 

 

避けようと立ち上がったのがまずかったのだろう

勢いのまま果南を受け止めてしまって

そのままバランスを崩した拍子に捻ったんだろう

 

 

 

 

「ダイヤ、応急手当用の箱から湿布と包帯

あとテーピングね」

「ぴぎっ!は、はいっ!」

「ノゾムも大袈裟ね!これくらい平気…っっっ!!」

「無理をするな、ありがとうダイヤ。」

 

 

 

 

 

 

いつ誰かが怪我をしてもいいように

練習しておいてよかった、まさかこんな

大事になったところで使うとは思わなかったが

いや、怪我をさせた時点でマネージャー失格か

 

 

 

「手慣れてますわね、望さん」

「うん、こういうこともあろうとね。

応急処置だけだけど、必ず病院に行くこと、いいね鞠莉」

「むぅ…ノゾムの言うことなら仕方ないかな」

 

 

 

 

 

専門の知識は持ってないので出来るのは

応急処置までだ。それ以降は専門の人に

任せるべきだろう

 

 

 

 

「…練習したけど東京スクールアイドルワールドは

諦めよう、怪我したアイドルが人前に出るもんではない」

「ダメよ!ノゾム!これぐらい本番までには

治してみせるわ!」

「…駄目だ、マネージャーとして許可できない」

「そんな!ここまできて!?」

 

 

 

 

 

怪我したアイドルが、ましてやスクールアイドルが

人前に出ようものならアイドルとしてのみんなの

評判だけではなく学校そのもののイメージを

悪く見られてしまう可能性が大きいだろう

そうなったら廃校を阻止するために活動してる

Aqoursは特に、廃校を促進させる流れになりかねない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いえ、やりましょう」

「ダイヤ?」

 

 

 

 

黙りだった空気を壊したのは意外にもダイヤだった

 

 

 

 

「せっかくここまで来たんですもの。鞠莉さんも

治ると仰ってますし、鞠莉さんを信じましょう」

「信じる言ったってこの怪我は…」

「鞠莉さんは私が診ますわ、望さんは果南さんを」

 

 

 

鞠莉を診てて気づかなかったが

果南がいない

 

 

 

 

「…任せていいか?」

「えぇ、これでも将来は黒澤家の跡取り

これぐらいできて当然ですわ、それよりも

恐らく果南さんのほうが…」

 

 

 

 

恐らく鞠莉を怪我させたプレッシャーに

耐えられなくなったんだろう

 

 

 

 

「わかった、任せた!」

「了解しましたわ、そちらこそ

果南さんのこと任せましたわよ」

「おう!」

 

 

 

 

 

 

 

そういって走り出す

そんなに時間が経ってないから

そこまで遠くにいってないはずだ

 

 

 

 

 

 

「果南!」

「望?」

「はぁ…はぁ…ったく、急にいなくなるから心配したぞ」

「だって、私、鞠莉のこと…」

「鞠莉ならダイヤが見てくれてる、鞠莉も

大丈夫だって言ってる、だから戻ろう?」

「うん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

「ところで果南」

「なに?」

「もしかして鞠莉の留学を応援するべきじゃないか

って思ってたりする?」

「っっ!?!?どうして分かったの」

「何年一緒にいると思ってんだ…」

 

 

 

 

恐らく留学の話を聞いてしまったときからだろう

スクールアイドルに誘ったのは自分たち

鞠莉には鞠莉の将来があるから

それを邪魔してはいけないのでは、と

考えてしまってるのだろう

 

 

 

 

 

「ちなみに鞠莉に行くのか行かないのか

聞いたら、行かないってよ」

「えっ!?」

「ほら、ふたりが待ってるぞ!」

「え、ちょっと!望?」

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「未熟DREAMERででるぞ」

「「「えっ!?」」」

 

 

あれだけ参加する言ってたのに

この反応には驚いた

 

 

「参加、するんだろ?未熟DREAMERなら

ゆっくりだし、鞠莉の足の負担も少ないだろうし」

「そうですわね、参加するならそれが妥当ですわね」

「All right!!それならマリーもいけそうだわ!」

 

 

ダイヤも鞠莉も賛同してくれる

あとは果南だけだが…

 

 

「私は…うん、それでいいかな」

 

 

「…よし、じゃあ振りの確認な

鞠莉は見学、頭のなかででもいいから復習してて」

 

 

 

未熟DREAMERの振りを確認して

迎えた東京スクールアイドルワールド当日…




そうそう3rd Love Live Tour WONDERFUL STORIES
埼玉公演 Day1と福岡公演 Day2現地参戦しました
ついでに4th Day1当選したので現地参戦です


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決意と想いとこれから

急に創作意欲がわいてくるんだもん


結論から言うと歌えなかった、いや歌わなかった

鞠莉も怪我をしていたし留学のこともある

こんなところで鞠莉の将来を台無しにしたくない

そんな想いで、私は歌わなかった

もちろん鞠莉やダイヤ、もちろん望にも

そんなこと言えないから

観客の波に呑まれて、緊張して歌えなかった

と伝えてある。

傷つくのは私1人で十分

 

 

 

 

 

 

 

「果南さん!?聞いてますの!?」

「えっ、ダイヤ?えーっとなんだっけ?」

「まったく…これからの活動をどうするかですわ

鞠莉さんの怪我が完治してからという話を

してたところですのに」

「Yes!Doctorに診せたら、無理しなければ

3日で治るっていう話デース!」

 

 

 

 

これからの活動…でも鞠莉には

 

 

 

「スクールアイドルは終わりにしよう」

「なにを仰ってますの、果南さん!」

「だって!だって…あの会場で歌えなかったんだよ?

練習だってたくさんしてきた、でも歌えなかった

これから先続くとは思わない」

 

 

 

うまく、ごまかせてるだろうか

 

 

 

「果南、それ本気で言ってる?」

「本気じゃなければこんなこと言わない」

 

 

 

なんでこんなこと言ってしまったんだろう

そんなつもりなかったのに

 

「果南のわからず屋!」

「あっ!ちょっと鞠莉さん!?」

 

 

私の言葉に嫌気が差したのか鞠莉が教室から出ていく

 

「果南さんあなた…」

「鞠莉の将来のためだから…」

「やはり、歌えなかったのではなく

歌わなかったのですね、鞠莉さんのために」

「!?!?」

 

 

誰にも言ってないはず、どこで知ったの?

望にも言ってないはずなのに

 

 

「どうやって知ったのか?って顔してますわね

その顔をするってことは図星ですわね

何年一緒にいると思ってるんです。

果南さんの態度や発言から、あなたの

考えてることは予測可能ですわ。

それで、望さんはこのことは?」

「…言ってない」

「望さんに相談なさい、そして果南さんが

どうしたいか決めればいいでしょう」

 

 

 

 

望に…なんて言われるかな

 

 

 

 

◆◇◆◇

 

 

「鞠莉の将来のために歌わなかった、と」

「うん、鞠莉の将来のためにも

スクールアイドルはやめた方がいいって3人で話してた」

 

 

 

 

 

 

ダイヤから『果南さんがそちらに行くと思うので

話を聞いてあげてください』って

連絡が来たものの、相当拗らせてるな

 

 

「望はどうしたい?」

「どうしたい?って言われてもな…

俺は初めから、AqoursをやるならAqoursを応援する

もし他にみんながやりたいことができたときは

そっちを応援するって決めてるからな」

 

 

俺の言葉に果南が黙りこむ

 

「私はどうしたらいいと思う?」

「知らん」

「即答!?ちょっとは考えてよ…」

 

 

知らないものは知らない

これは俺が入ることではなく…

 

 

「自分で考えて、3人で話し合って決めて

それで出た答えなら俺は文句言わないよ」

「…わかった。考えてみる」

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇

 

 

 

 

「どうしたの果南?改まって話って」

「うん、この間のことなんだけれど…」

「この間ってSchool Idolは続けないって話?」

「そう…」

 

 

 

沈黙が続く

言わなきゃ、言わなきゃってなるほど言葉がでない。

 

 

「…やっぱりスクールアイドルは辞めよう」

「果南…」

「果南さん、あなた…」

「それが果南の答えなのね、わかった

School Idol Aqoursはこれで解散なのね」

「そう…だね。じゃあ私帰るね」

「ちょっと果南さん!?」

 

 

逃げるようにして帰る

ダイヤから呼び止められたような気がしたけど

気にしない、すぐにでもこの場から

離れたかったから

 

 

 

 

「果南のわからず屋…」

「ちょっと!鞠莉さんまで!」

 

 

 

 

◆◇◆◇

 

 

 

「で、結局辞める話になってダイヤを置いて

二人が帰っちゃうもんだから結論は出てないと」

「そうですわね…すみません、いきなり電話してしまって」

 

 

 

3人で話し合ったそうでその後、

ダイヤから、連絡が来た

真っ先に果南か鞠莉から来ると思ってたが

 

 

「ダイヤはどうしたいんだ?」

「私…ですか」

「ダイヤがしたいことを応援するよ」

「と、言われましても…」

 

 

 

普段のお堅い顔がさらに堅くなってるような気がする

そこまで難しいことではないとおもうが

 

 

「まぁまたみんなで話しなよ」

「そう…ですわね。ありがとうございます。」

 

 

 

 

そう言って電話を切る

電話で気づかなかったが鞠莉から

メッセージが届いていた

それに返信するやいなや電話がかかってきた

 

 

 

 

「もしもし?すまん、ダイヤと電話してた」

「ダイヤと…そう、Sorry、いきなり電話しちゃって」

「構わんよ、で…決まったのか?」

「えぇ、私…」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

「果南とダイヤには言わなくていいのか?」

「そうね、言ったところでAqoursの解散は

変わらないでしょうし、School Idolをやらない

浦の星に居たって、意味がないから」

 

 

 

小原家兼ホテルオハラの屋上

ここからヘリで東京まで行って空港で

搭乗手続きをするらしい、なんて贅沢な

 

 

「ところでノゾム?」

「どうした?」

「なんでマリーが今日出発するの知ってるのかしら?」

「はっはー、高嶺家の情報網をなめんな!」

「ノゾムの家系ってそんなだったかしら…」

 

 

もちろん冗談であるがとある筋からは

ちゃんと入手してある、もちろん正攻法で

 

 

「まぁいいわ、果南とダイヤにはノゾムから

伝えておいて欲しいな」

「ほい、任された。着いたら手紙の一つぐらい

送ってくれよ、後お土産!」

「お土産は送らないけど手紙は送るわ」

「まぁ手紙だけで十分だよ」

 

 

 

鞠莉が黒服の人と話ししてる

そろそろ出発の時間かな

 

 

「それじゃあノゾム」

「おう、またな!」

「またな!ってノゾムらしいわね」

「今生の別れって訳じゃないんだし

またどっかで会えるだろ」

「そっか…」

 

 

 

しょげた顔しながらこっちに近づいてくる

そして顔を耳に近づけてきて…

 

 

「ノゾムのそんなところが---」

 

チュッ

 

 

頬にキスされた

いや、外国では当たり前の挨拶か

いやでも…

 

 

「鞠莉、最後なんて言った?」

「ふふっ、 It's a secret!また会ったときに

聞かせてあげるわ」

「そうか」

 

 

そう言いながら鞠莉はヘリに乗り込んでいく

乗り込む時の鞠莉の顔は

 

 

 

 

まるで夕焼けのように赤くてそして

まるで女神がいるかのように

とても美しかったのはここだけの話




ちょっと短いですが
この後2話ぐらい間挟んで
1期に入ります
つたない文章ですが何卒


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Step 0.5 残された想い
堅い想いはダイヤモンドのように


短めです


「ただいまー」

「お帰り、望。帰ってきて早々だけど

おつかい、頼まれてくれない?」

「んー、いいけどなにすればいいの?」

 

 

 

鞠莉が留学に行って時が経ち

俺たちは2年生に進級して、しばらくが経った

 

 

 

「ちょっとこれを黒澤さんのところまで

持っていって欲しいの、頼める?」

「黒澤…うん、わかった」

 

 

 

この沼津、内浦で黒澤という名字は

ひとつしかない。

そして、その黒澤さんちの長女

つまりダイヤとは、とある理由で喧嘩中である

 

 

「まだダイヤちゃんと仲直りしてないの?

いい加減、早く仲直りしなさい」

「…分かってるよ、とりあえず行ってくる」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆

 

「仲直り…って言ってもなー。

向こうが話す気がないんじゃ、どうしようも…」

 

 

と考えてるうちに黒澤家にたどり着く

 

 

 

 

 

ピンポーン

 

 

 

 

「はーい!」

「あ、高嶺です」

「はいはい!ルビィ!ちょっと手が話せないから

お願いしていいかしら!」

「あ、はーい」

 

 

 

 

しばらく待ってるとドアが開く

「ピギッ!ど、どうも…」

「こんにちはルビィちゃん、はいこれうちから」

「あ、ありがとうございます」

 

 

玄関先まで来てくれたのは

ダイヤの妹であるルビィちゃん

極度の人見知りで初めて会ったときは

目の前で急に大泣きされるものだから

ダイヤが鬼のような形相で駆け寄ってきて

こっぴどく叱られたのを覚えている

だが、慣れもあって今はこうして

普通?に話すことが出来ている…と思いたい

 

 

「あ、あの…」

「ん?どうした?」

 

 

ドアから覗きこむように話しかけられる

まだまだ普通に話せるようになるのは

時間がかかるようだ

 

 

「お母さんがよかったら上がって…だそうです」

「あー、気持ちは嬉しいけど…」

 

 

そう、気持ちは嬉しいがダイヤのことがある

うっかり鉢合わせしようものなら…と思うと

 

 

 

「お姉ちゃんは稽古中でしばらくは

帰ってこないので、その…」

「その…?」

「望さんと、スクールアイドルの話したくて

お姉ちゃんがスクールアイドルのこと

嫌いになってから話せる人がほとんどいなくて」

 

 

<ダイヤがスクールアイドルを嫌いになった>

これがダイヤと俺が仲違いをしてる原因である

 

 

 

 

「そうか、じゃあ話そう!」

「は、はいっ!」

 

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆

 

 

 

「スクールアイドルといえば、やっぱ

μ'sだよなー」

「そうですねー、やっぱルビィは花陽ちゃんですね」

「俺はやっぱ、ことりちゃんだな」

 

 

 

2人でμ'sが特集されてる雑誌を広げる

スクールアイドルの話になるとこうやって

ちゃんと話が出来るようになる

同じ趣味を持つってすごくいいことだと思う

 

 

 

「やっぱことりちゃんと花陽ちゃんと言えば…」

「こんなところでなにをしてますの」

 

 

 

聞き覚えのある声

しかし、明らかに怒気の籠った声

 

 

「お、お姉ちゃん…」

「よう、ダイヤ。稽古は終わりか?」

「あなたには関係のないことですわ

なぜ、あなたが私の家で、スクールアイドルの

話をしてらっしゃるのですか」

「ダイヤには関係ないだろ?おつかいついでだよ

どっかの頭の硬度が10みたいな誰かさんが

なんの理由も言わずに今まで好きだった

スクールアイドルを嫌いになるから

ルビィちゃんの話し相手になってるんだよ」

 

 

 

 

 

そうダイヤは特に理由も言わず突然

スクールアイドルを嫌いになったのだ

理由は身内であるルビィちゃんも知らないらしい

しかし<スクールアイドルを嫌いになった>

ぐらいで喧嘩なんて起きるわけもない

原因はその先で…

 

 

 

 

「その様子じゃ、またルビィちゃんに

スクールアイドル嫌いを押し付けてるんだろ

前にも言ったけど、止めろって言ったよな」

「望さんには関係のないことですわ!」

 

 

 

そう、その<スクールアイドル嫌い>を

他人に押し付けてるのである

前回も同じようにルビィちゃんと話してた際

同じような話をし、それが原因で

ダイヤと喧嘩し、今の状態に至るわけだが

 

 

「あ、あのっ!」

 

 

2人の喧騒をルビィちゃんが止める

人見知りだけど、名門生まれなだけあって

芯はしっかりしてる。

 

 

 

「けっ、喧嘩はよくないです

お姉ちゃんも望さんも、ルビィの好きな

スクールアイドルのことで喧嘩しないでください!」

 

 

 

ごもっともである

 

 

 

「ごめんね、ルビィちゃん。

今日は帰るわ、また今度話そう」

「もう来ないでいただきたいのですが」

「そりゃ無理でしょ、おつかいは断れないし」

「あなたに会うと、私の決意が鈍るのですわ!」

「だったらなおさら無理だな。俺には俺の意地がある」

 

 

 

 

そんな薄っぺらい決意なんて捨ててしまえばいい

だがこうなったダイヤは名は体を表すかのように

ダイヤモンドのように堅い

 

 

 

 

「とりあえず、今日は帰るわ

また今度ね、ルビィちゃん」

「あっ、はい…」

 

 

 

 

 

こればっかりはどうしようもないんだ

ごめんね、ルビィちゃん

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

別に押し付けてるわけではありませんわ

別に私の前でスクールアイドルの話題を

あげなければ大して問題はありませんわ

ただ…

 

 

 

 

「他にどうすればいいのかわからないんですの」

 

 

 

 

涙が溢れそうになる

ですがこれは私が決めたこと

泣くのはいけませんわ

 

 

「お姉ちゃん?」

「ルビィ…」

 

 

いけませんわ、こんなみっともない姿

見せるわけには…

 

 

「出ていきなさい」

「ピギッ!ご、ごめんなさい」

 

 

 

 

ごめんなさい、ルビィにまで

つらい想いをさせてしまって

…そういう意味では望さんが言うように

押し付けてるというのはあながち

間違っては無いのかもしれませんわね…




内浦に残された者の想い ダイヤ編です
タイトルちょっと悩みましたね
それに伴って、今まで書いたやつの
タイトルを修正しました


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揺らぐ想いは波のように

お ま た せ(待った人いるのかな)


案の定、鞠莉は留学に行ってしまった

行くのを勧めといてこんないいかたはおかしいかもしれないが

望は鞠莉が出発する日に会いに行ったらしい

私とダイヤは、ヘリ越しでライトを照らして

 

 

 

 

 

「鞠莉…」

 

 

 

今さら文句を言っても仕方ない

私が決めたことなんだから

鞠莉の留学を応援するのは

 

 

 

 

「辛気くさい顔してんな、似合わねーぞ」

「ってぇ!望!?なんでここに!?」

 

 

実家のダイビングショップの手伝いが

一段落ついて、少し休憩をしてたところに

噂をすればなんとやらで、望が来ていた

 

 

 

 

「ほい、これうちのじーちゃんから」

「あー、いつもありがとうね」

 

 

 

望の家からいつもお裾分けをもらってる

広い土地を持ってて、色々栽培してるらしい

小原家や黒澤家の名門とまではいかないものの

高嶺家も割といいほうの家系である

鞠莉の留学の出発日をどこかで拾ったなど

まだまだ不思議な家系ではあるが

 

 

 

「ところで望、潜ってくなら準備するけど?」

「ん、あぁ、久々に潜るか、頼む」

「はいよ」

 

 

 

望が潜るなら私も潜ろうかな

と思って2人分の準備をしてると

 

 

 

 

「果南ちゃーーーん!!」

 

 

 

 

 

聞き覚えのある声が聞こえてきた

 

 

 

「どうしたの、千歌?」

「あ、果南ちゃん、まだお手伝い

終わってないの?あ、後これうちから!」

 

 

今日はよく物をもらう

 

 

「いつものみかんね、ありがとう

一段落ついたんだけど、友達が

潜りたいっていうからさ、それの準備中」

「友達??」

 

 

 

あー、紹介してなかったか

話す機会もなかったし、仕方ないか

 

 

 

 

「ついでだから紹介しとくね

高嶺望、私のもう1人の幼なじみだよ

望、この子は高海千歌、私の幼なじみだよ」

「よろしく、千歌ちゃん」

「よろしくお願いします!高嶺さん!」

 

 

 

◆◇◆◇

 

 

 

「ふぅ…久々に潜ったけどやっぱいいね」

 

 

 

10分ぐらいすると望が海から上がってくる

昔から潜ってるおかげか望のダイビングスキルは

誰かに教えることができるぐらいには上手い

 

 

「お疲れ、シャワーうちの使っていいから」

「お、助かるわ」

「タオルはいつものところねー」

「はいよー」

 

 

そう言って中に入っていく

 

 

「ねぇねぇ果南ちゃん果南ちゃん」

 

 

 

最初の頃はひょろっとしてた感じなのに

年が経つにつれてがっちりしてきたなー

 

 

 

 

「ねぇ、果南ちゃん?」

 

 

 

 

 

最初は二人で潜ってたのにいつのまにか

一人で潜りはじめて、なんだか寂しいなー

 

 

 

「って私はお母さんか!!」

「果南ちゃん!?」

「わぁぁぁ!千歌!?いたの!?」

「いたの!?じゃないよー、3回は呼んだよ?」

「ごめんごめん!なんだっけ」

「んーもういいよー!それより果南ちゃん?」

「どうしたの?」

「もしかして、高嶺さんのこと好きなの?」

 

 

 

 

 

 

………はい?

え?私が?望を?いや、そりゃ好きか嫌いか

で言われればそりゃ好きだけど

それはあくまで幼馴染みとしてであって

別にそんな恋愛感情とかはなくてって

なに考えてるんだ私は

 

 

 

 

「ちょっと果南ちゃん落ち着いて落ち着いて!」

「も、もう!千歌!冗談でもそんなこと

言わないの!望は幼馴染みなんだから!」

「でも、果南ちゃんの今の顔、図星なんじゃ」

「ちーかーーー!?!?!?」

「俺がどうしたってー?」

 

 

 

シャワーから帰ってきた望が

それはもう鬼のような形相で寄ってくる

 

 

 

「え!えっと!その!ほら!

ガールズトーク!だよ!ねっ、千歌!?」

「は!はい!せっかくなんで!ほら!」

「ただのガールズトークで果南が慌てるかよ

んじゃ、俺は帰るわ、ありがとう」

「あっ、うん、またね」

 

 

 

 

もう少し話がしたい

という言葉を噛み締める

鞠莉が留学に行ってしまってから

少し、冷たくなった気がする

 

 

 

「果南ちゃーん?」

「どうしたの、千歌」

「寂しそうだよ、もっとお話ししたい!って顔してる」

「うっ…き、気のせいだよ!ほら、連絡船の時間!」

「あー!!もー!次は絶対聞かせてもらうからね!」

 

 

 

 

慌てたように千歌が帰っていく

ごめんね、千歌。これは私の問題だから

 

 

 

 

 

◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

鞠莉が留学に行ってしまって

スクールアイドルをやらなくなってから

時間が有り余ってしまった

もっぱら家業のダイビングショップの手伝いか

日課の早朝ランニングぐらいである

ランニングの時に寄る神社で踊ってみたりするが

なにか物足りない

 

 

 

 

「(あの頃が短いようで長くて

鞠莉がいて、ダイヤがいて

そして、望がいて…)」

 

 

 

あの頃に戻れるならどれだけ嬉しいだろう

 

 

 

「望はどう思ってるんだろう」

 

 

今からでも鞠莉を呼び戻そうか

でも、どうやって

仮に呼び戻したところで今まで通りに出来るのだろうか

 

 

「望に聞いても、分からないか」

 

 

 

鞠莉を留学に行かせるのが正解だったのか

一緒にスクールアイドルを続けるのが正解だったのか

今さらに揺らいだ思いは波のように

行ったり来たり




切り方が中途半端?
い つ も 通 り
次、本編の予定でしたがもう1話あげます
ダイヤと果南ときたら、、、?


あ、4th live両日現地参戦しますので
行かれるかたは一緒に楽しみましょう


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望んだ願いは高くて遠く

高嶺(たかみね)
高嶺(たかね)

高嶺の花
憧れるだけで自分には程遠い物の例え


初めて会ったときのことは鮮明に覚えている

それが長い付き合いになって

スクールアイドル始めて、マネージャーになって

そんなこと誰が予想ついただろうか

 

 

 

 

「それが1人は喧嘩で距離置いて

もう1人はまさかの休学で連絡しづらい

そしてもう1人はもはや日本にいない…」

 

 

 

いや、果南とはたまに会うのだが

正直どう接したらいいのか分からない

冷たくなった、なんて思われてないだろうか

 

 

 

 

 

 

「(いままでマネージャーやってた時間が

すっぽり空いてしまったから、

なにしてたらいいのか分からないや)」

 

 

 

マネージャーを辞めてからのことなんて

なにも考えてなかった

学校にいてもこうやって

ぼけーっとしてるだけだし

 

 

 

 

「高嶺くん」

 

そんなこんなで思い出に耽ってると

クラスメイトの女の子に話しかけられた

彼女もスクールアイドルが好きで

Aqoursを応援してくれていた

 

 

「どうした?」

「あ、うん、ほら来月ラブライブの決勝大会

高嶺くんがよかったら一緒に行かないかなって」

 

 

そういえばそんな時期か

Aqoursが解散してからそんなこと

考えてなかった

Aqoursとして活動してたら

きっと他のスクールアイドルの研究だ!

と、かこつけてみんなで行ってたのだろうが

 

 

「悪い、別の人誘ってくれ」

 

 

 

今は、そういう気分ではない

 

 

 

「そっか、急にごめんね」

「いや、こちらこそすまん」

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

いつもだったらいつもの砂浜で3人が練習して

俺が茶々いれつつみんなのサポートをして…

こういう寒い時期でもみんなで体を動かしていれば

寒さなんてなんてことなかった

 

 

 

「よっ…よっと」

 

 

 

ロンダートからのバク転

果南が一生懸命練習してた技

 

 

 

「決まってるところ見たかったな」

 

 

 

いつも練習していた砂場で

そんな思い出に耽っていると…

 

 

 

「高嶺さん?高嶺さーん!!」

「千歌ちゃん?」

「はい!千歌です!」

 

 

 

確か、果南の幼なじみ?らしいが

果南からはそんな話は聞いたことなかった

 

 

「こんなところで何を…」

「今のすごかったですね!ぐるんって!」

 

 

こんなに話を聞かない子だったのか

 

 

「あ、そうだ!せっかくなんでうち寄ってきます?」

「…うち?」

「あ、すぐそこの十千万旅館!

うち旅館やってるんですよ!寒いですし」

 

 

と言われながら腕を引っ張られる

こんなに強引な子だったのか

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かぽーん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこか懐かしさを感じさせる風景

冬のおかげか日の入りが早くなり

星が見えはじめてる

さて、母さんには何と連絡しようか

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…冷えきった身体がぽかぽか温まる、

いや、何で俺は呑気に温泉に浸かってるんだ!!!」

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

「あ、お湯加減どうでした?」

「とっても良かったよ、じゃあ帰るね」

「待ってください!待ってください!」

「なんだなんだ…」

「ちょうどお話ししたかったんです!果南ちゃんのこと!」

「果南のこと?」

「はい!ずっと話したかったんですけど

最近、果南ちゃんの家で見かけなかったので」

 

 

 

 

 

果南のこと…?

何が聞きたいのだ、スクールアイドルのこと?

果南が休学してること?いや、それについては

さすがに知ってるはずだ。

 

 

 

「果南の、何が聞きたいのかな?」

「あ、聞きたいのは果南ちゃんについてではなくて」

「…どういうこと??」

「えーっと、なんというんですかね…

高嶺さんが果南ちゃんのことどう思ってるか、です!」

 

 

 

 

 

 

…はい?

 

 

 

「と、モウシマスト?」

「あれ、高嶺さん大丈夫ですか?」

「と、申しますと?」

 

 

 

危ない危ない、あまりにも突然だったから

すこし、飛びかけていた

 

 

 

 

「そのまんまですよ!高嶺さんが果南ちゃんのこと

どう思ってるかです!」

「どう思ってるか…って言われてもな」

 

 

 

正直、どう思ってるかって言われても

幼なじみで、内浦に来てからの

最初の友達、としか言いようがない

 

 

 

「幼なじみ、としか言いようがないよ」

 

 

適当に濁しておこう、濁すといっても

ほんとのことしか言ってないが

 

 

「そう、ですかー…」

 

 

 

んー、なにかおかしいなー。と言わんばかりに

探偵の真似事か、顎に手を添えて考え事をしてる

 

 

 

「どうかしたか?そんなに考えて」

「あ、えーっとですね。高嶺さん、果南ちゃんのこと

好きじゃないのかなーって」

 

 

 

 

俺が果南のことを…?

 

 

 

「それはどういう…」

「もちろん恋愛的な意味でですよ!」

 

 

 

遮るように聞き終わる前に千歌ちゃんは答える

 

 

 

 

俺が、果南のことを恋愛的な意味で好きかって?

いやいやいや、10年ぐらい一緒にいるが

そんなことは微塵も…いやまったくないって

訳ではないが、そりゃ可愛いとは思ったことはあるし

だからといって果南のことをそういう風に

思ってるなんて決めつけるのは…

 

 

 

 

 

「高嶺さん?高嶺さーん?」

「とっ、とりあえず!俺と!果南は!

ただの!幼なじみ!だから!

じゃあ!帰る!温泉ありがとう!」

 

 

 

いてもたってもいられなくなって

飛び出すように帰る

 

 

 

「あちゃー…これは無自覚か」

 

 

 

 

去り際に喋った千歌ちゃんの言葉など

聴こえるはずもなく

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

「散々な目に遭った…」

 

 

 

 

 

急いで、全速力で走って帰って来て

自室に籠り、机に突っ伏している

まさか、あんなこと聞かれるなんて

思ってもみなかった。

 

 

 

「俺が果南のことを…」

 

 

 

そりゃスクールアイドルのマネージャーやってたときも

果南とふたりでどこかに出掛けることはあった

でもそんなこと意識したこともない

 

 

「スクールアイドルが続いていれば

なにかしら気付けてたのかな」

 

 

 

スクールアイドルが続いていれば

だなんて今さら言ったところで

ダイヤはもうスクールアイドルは嫌い

鞠莉は日本にいない

果南は家の手伝いで忙しい

 

 

「3人と繋いでたのがスクールアイドルだけ

だったとしたら、なんだか寂しいな」

 

 

だったら他のスクールアイドルの

マネージャーをやればいい、なければ作ればいい

と思われるかもしれないが

果南や鞠莉、ダイヤがいない

スクールアイドルのマネージャーなんて考えられない

あの3人だからこそマネージャーを

始めたようなものなのだ

 

 

「そういえば、千歌ちゃんの部屋に

μ'sのポスターがあったな」

 

 

確か、来年度から高校2年生だっけか

もしかしたらスクールアイドルを目指すのか

そのマネージャーをしていれば、、、

なんて幻想も浮かんでしまう

 

 

 

「もう一度()()()()

μ'sのような輝きを目指せたら…」

 

 

 

 

 

3人だけでなく9人で、いや10人で

μ'sにも勝るとも劣らない輝きを

掴むのはもうしばらくの話




Aqours 4th lovelive ~Sailing to the SUNSHINE~ in 東京ドーム
2日間現地で参戦してきました
もうね、泣きました

さて、ダイヤさんと果南ちゃんと来て
最後は望くんです

十千万旅館でのくだりは完全にノリです
無自覚望くんを書きたかっただけです

次回から一期突入です


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Step.1 輝きを目指して
あの日見た大きな輝き


あけましたおめでとうございました
望くんをどう組み込もうと考えるの苦労しました


あの日見つけた大きな輝き

普通な私にとって、とても衝撃的で

私と同じくらいの、同じような女の子が

あんなにキラキラ輝いていて

私も同じように輝きたい!って

そう思った。だから…

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「スクールアイドル部でーーーーす!!!

この春から出来た、スクールアイドル部でーーーす!!」

 

 

 

 

 

 

スクールアイドル部を結成することにしました!

あ、遅くなりました、私の名前は高海千歌!

この春、浦の星女学院で高校2年生になりました!

東京で見つけたあの輝き、あの輝きを目指すため

スクールアイドル部を結成したのですが…

 

 

 

 

 

「千歌ちゃん、こっちも駄目だった…」

「うぅ…なぜだ」

 

 

 

 

全く人が集まりません!

あ、この子は曜ちゃん!同級生で幼なじみ!

曜ちゃんほんとは水泳部なんだけど

勧誘だけ手伝ってもらってます!

はっ!向こうに美女がいる!!!

 

 

 

 

「すみません!」

 

 

茶色い髪のスタイルのいい子に

赤髪のツインテールの女の子!

 

 

 

「スクールアイドル!始めませんか!?」

「ずらっ?」

「…ずら?」

「あっ!いえ!」

「大丈夫!悪いようにはしないから!」

 

 

思わず言っちゃった!みたいに

口をふさいじゃう茶色い髪の子

可愛いのになぁ

…赤髪の子がチラシをじーっと見つめてる

 

 

「あっ、あの!ライブとか…するんですか?」

 

 

 

 

茶色い髪の子に隠れて話す

 

 

「ライブは…まだこれから!

あっもしかして興味あったりする?大歓迎だよ!」

 

 

と、がしっと手を握る

あれ?なんか顔青ざめてない?

 

 

 

 

 

「ピギャァァァァァァァァァァァ!!!!!!」

 

 

 

突然大声で叫ばれる、なんなのだ…

 

 

「ルビィちゃんは極度の人見知りずら」

 

 

そういうことか!

そんなことを思ってると木の上から突然人が!!

追撃でさらに鞄が頭に…

 

 

 

 

「ちょ…色々大丈夫?」

 

 

木の上から落っこちたし涙目だし

保健室連れていったほうがいいのかな?

と思ったら

 

 

 

「フッフッフ…フフフ」

 

 

 

え、突然笑いだした?

 

 

 

「ここはもしかして地上?」

「ひぇっ!大丈夫じゃ…ない?」

「ということは、あなたたちは下劣で

下等な人間ということですか?」

「うわっ!?」

 

 

 

うん、だよね曜ちゃんそれがまともな反応だと思う

 

 

「それより足大丈夫?」

 

足が心配なのでちょっと触ってみる

 

「うっ、痛いわけないでしょ

この体は単なる器なのですから」

 

 

 

あー、足より頭の方が問題だ

 

 

 

「ヨハネにとってこの姿はあくまで仮の姿

おっと!名前を言ってしまいましたか」

 

 

えーっと、頭のお医者さんって近くにあったかな…

 

 

 

「善子ちゃん?」

 

茶色い髪の子が中二病の女の子に話しかける

善子ちゃんって言うんだ

 

 

「やっぱり善子ちゃんだ!花丸だよ!

幼稚園以来だね!」

 

 

茶色い髪の子は花丸ちゃんっていうのか

 

 

 

 

あっ、なんかじゃんけんしたら

善子ちゃんが逃げていった

それにつられて花丸ちゃんとルビィちゃんも

行っちゃった…

 

 

 

 

「後でスカウトに行こう!」

 

 

 

 

あの子達は人気出るぞー!

 

 

 

 

「このチラシを配ってたのはあなたたちですの?」

 

 

振り替えると黒い髪の美人さんが!

 

 

「この浦の星女学院にいつスクールアイドル部なるものが

出来たんですの?」

「あなたも1年生?」

 

 

ここにいるってことはそうだよね!

って曜ちゃんどうしたの?

 

 

「違うよ千歌ちゃん、その人新入生じゃなくて

3年生、しかも…」

 

 

曜ちゃんに耳打ちされる。

 

 

「…生徒会長??」

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

あの後生徒会長にこってり絞られました…

どうすればいいんでしょうか

 

 

 

 

「千歌ちゃん??」

「あっ!高嶺さん!もう学校終わったんですか?」

 

 

 

学校帰りの高嶺さんに会った

高嶺さんなんとかしてくれないかな…

 

 

「千歌ちゃんこの人は??」

「あ、曜ちゃんは会ったことなかったか

高嶺望さん!果南ちゃんの幼馴染みだって!

あ、高嶺さん、この子は渡辺曜ちゃん!

千歌の幼なじみです!」

「渡辺曜であります!」

「望です、よろしく曜ちゃん。

で、千歌ちゃん何してたんだ?」

 

 

 

あ、悩んでるところ見られたかな

 

 

「スクールアイドル、始めようと思って

勧誘してたんですけど、人が集まらなくて…

どうしようかっていうのを曜ちゃんと相談してたんです」

「…スクールアイドルか」

「そうなんです!でも生徒会長が…」

「浦の星、生徒会長…ダイヤか」

 

 

 

生徒会長のこと知ってそうなら

何とかしてくれるかもしれない

 

 

「生徒会長のこと知ってるなら

話してもらうことってできますか?」

「…すまん、無理だな」

「どうしてですか?」

「ごめんよ、曜ちゃん。確かにダイヤのことは知ってる

果南と一緒にいたからね、でも今はちょっと事情があってね」

「そうですか…」

「仕方ないよ、曜ちゃん。こうなったら

また生徒会長を説得しに行こう!」

 

 

 

自分達でやるしかないんだ!

 

 

 

「ありがとうございます!高嶺さん!」

「おう、頑張ってね」

 

 

 

よーし!頑張るぞー!

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

千歌ちゃんたちと別れて数分後

 

 

 

「やっぱそうなるよなー…」

 

 

予想通り、千歌ちゃんはスクールアイドルを始めるみたいだ

一緒にいた曜ちゃんって子もやるのだろうか

 

 

 

「しっかし、ダイヤが生徒会長か。

これは骨が折れるぞ、千歌ちゃん」

 

 

 

なんたって自称スクールアイドル嫌いの

あの硬度10だ、ちょっとやそっとじゃ

揺らがないだろう

 

 

 

 

pipipi~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「メール?一体誰から…

はぁぁああああああああ!?!?!?!?!?」




あらためましてあけましておめでとうございます
映画見てきました
もちろんネタバレの言及はしませんが
1つ言えるのは開始5分で泣きました、はい
今年も稚拙な文章ではありますが
マイペースに更新していきますので
よろしくお願いします


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海の音色は切なく、キラキラと

タイトル考えるセンスが欲しい


「日曜日?まぁ暇だけど…」

「よかったー!じゃあ果南ちゃんの所に

集合でお願いします!それでは!」

 

 

 

 

プツッ…

 

 

 

 

「なんとも急な話だな…」

 

 

 

浦の星に転校生が来たらしいその子が海の音を聴きたい

とのことでダイビングに誘ったらしい

なら、一緒にどうかと千歌ちゃんから

お誘いを受けたのだが…

 

 

 

「とりあえず果南に連絡しておくか…」

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

「もう!高嶺さん遅いですよ!」

「ごめんって、千歌ちゃん。であの子が転校生?」

「はい!おーい梨子ちゃーん!」

 

 

 

なるほど、梨子ちゃんと言うのか

 

 

「梨子ちゃん紹介するね、こちら高嶺望さん!

望さん、この子が桜内梨子ちゃん、なんと!

音ノ木坂からの転校生です!」

「音ノ木坂、μ'sの」

「さっ、桜内梨子です、μ's?については

よくわからなくて、すみません。」

「高嶺望です。気にしなくていいよ、よろしくね」

「じゃあ早速行こうか!ってあれ?

高嶺さんは潜らないんですか?」

 

 

 

 

みんながウェットスーツに着替えてる中

俺は私服のままである。

 

 

「ははっ、俺は今回はいいよ。3人で潜ってきな

船には乗ってるからさ、なにかあったら果南が

すぐに助けてくれるだろ」

「ちょっと望、そうやってすぐ私に押し付ける」

「すまんすまん、じゃあ行こっか」

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

「どう?聞こえた?」

「残念だけど…」

「イメージかー、難しいもんね」

「簡単じゃないわ、景色は真っ暗だし」

「真っ暗?」

「真っ暗…そっか分かった!もう一回行こう!」

 

 

 

そう言って3人は再び潜りだす

数分、沈黙が続いたがそれを破ったのは

果南だった

 

 

 

「マネージャーの話してないんだ」

 

 

遠巻きに千歌ちゃんたちのマネージャーを

やらないの?と聞いているんだろう

 

 

「話してないよ、話したところで…だろ」

 

 

 

千歌ちゃんたちのマネージャーはやるつもりはない

 

 

「果南だって、かつてスクールアイドルやってたって

言ってないんだろ?それと一緒だよ」

「それは…そうだけど。」

 

 

 

曇り空から太陽の光が射してきた

それと同時に3人が海面にあがってきた

海面に反射した光もあってか3人の笑顔は

とても輝いていた。それはまるで…

 

 

「あの時みたいだな」

「どうしたの望?」

「いや、なんでもない」

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

あれから当初作曲だけを手伝う予定だった梨子ちゃんは

正式に千歌ちゃんたちとスクールアイドルを

始めることになったらしい。

と、ここまではいいのだが…

 

 

 

 

 

 

「急に呼び出して何の用だ…鞠莉?」

「あら、ノゾムったら2年ぶりの再会なのにSo Coolね」

 

 

 

そう、何故か鞠莉に呼び出されたのである

 

 

「そりゃ2年会ってなかった友人に不意に会った

とかならそりゃテンションも上がるだろうけど

帰ってくるって報告があった上にこんな夜に

呼び出されても困るだけなんだが…」

 

 

 

時刻は20時を回ったところである

 

 

 

「それはSorry、でもこの時間じゃないと

私も理事長の仕事で忙しいから」

 

 

 

 

さらに驚くことに鞠莉は理事長になったのである

しかも、浦女の。それを知ったダイヤの顔を

想像するのは容易い、だがそれより…

 

 

 

「で、用件は?」

「んっもうっ!つれないわね!

分かったわ、単刀直入に言うわ」

 

 

 

 

真剣な眼差しで伝える

 

 

 

 

「浦女のSchool Idolのマネジャーをやって欲しいの」

「断る」

「What!? ていうか、即答?」

 

 

鞠莉のことだから浦女でスクールアイドルが

結成されたことを嗅ぎ付けて戻ってきたところもあるのだろう

まだ始めたばかりで、ライブもしてない

言ってしまえば素人の集まり、しかし

廃校を阻止するために外せない、【賭け】のようなものだ

鞠莉も2年前はスクールアイドル。μ'sが音ノ木坂で起こした

偉業は知っている

だからこそ、慎重にいきたいところなのだろう

 

 

 

 

 

「俺はスクールアイドルのマネージャーはやらない

浦女が廃校になろうがなかろうが、俺には関係のない話だ

関係のないものを手伝う道理はない」

「ノゾム…!!あなた…」

「用はそれだけか?なければ帰る」

「ちょっ…Wait!!」

 

 

 

鞠莉に背を向け歩き出す

 

 

 

「───────」

 

 

 

 

聞こえてるかどうか分からないような声で呟く

 

 

「ちょっと!ノゾム!!」

 

 

誰もいない展望台で声が響く

 

 

「あれだけ冷たくしておいて、最後に何を呟いたか

聞き取れなかったけど!どうしてそんなに悲しそうな

顔をしていたの?ノゾム?」

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

 

目覚めは最悪だった

昨日のこともあるがなによりも…

 

 

 

 

「浦の星女学院スクールアイドルAqoursです!」

「ちょっと待って千歌ちゃん!まだ公認になった訳じゃないから」

「あ、そうだ!浦の星女学院非公式スクールアイドルAqoursです!」

 

 

 

Aqours…

 

 

「なんで、その名前を」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ!たっかみねさーん!」

「げっ…」

「あぁっ!げっ…てなんですか!」

 

 

 

 

それはそうだ。今日この日、絶対に会いたくなかった

人物に会ってしまったのだから

 

 

「よりによってなんで今日なんだよ…」

「へっ?なんか言いました?」

 

 

 

高海千歌、現浦の星女学院スクールアイドル

Aqoursの発起人。数刻前まで町内放送を使って

ライブの宣伝をしていた張本人である。

 

 

「あっ!町内放送聞きました!?

今週の日曜日、浦女でライブやるんで来て下さい!」

 

 

 

ここで会ったのが運の尽き、というのか

ならば外に出なければよかったのだが

色々と用があって出なきゃいけなかった

会ってしまえばこうなることは予想がついてたので

会わないように気を付けていたのだが

 

 

 

 

 

「その顔は来なきゃみかんの刑だぞーって顔だな」

「はい!体育館でやるんですけど

満員にしないと公認にならないので、一人でも

多くの人に来て欲しいんです!」

 

 

町内放送を使ったんだ人が来ないことはないと思うが

というか気になってたがみかんの刑ってなんだ

 

 

「行けたら行くよ」

「行けたら、じゃなくて絶対!ですからね!」

 

 

 

 

 

そう言って千歌ちゃんは帰っていく

 

 

 

 

「行くしか、ないよなぁ…」

 

 

 

昨日の鞠莉からの話もあってか

少し憂鬱である

 

 

 

 

「変装、していくか…」




AZALEAファンミ広島公演
CYaRon!ファンミ沼津公演
最終決戦東京公演 2日目 昼の部
行ってました
AZALEA優勝おめでとうございます

5thは Day2の現地が決まりました
Day1どうしようか、スタリラ祭行くの有りだと思ってま…


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初めの一歩は大好きな気持ちで

長め


「早く着いた…」

 

 

 

千歌ちゃんたちAqoursがライブを行う当日

あいにくの雨にもかかわらず早く着いてしまった

 

 

 

「(変装してるから大丈夫だとしても、男が女子高にいるって

気が引けるよな。ライブのためのはいえ)」

 

 

 

まだ時間はあるしどうしようかと思っていた矢先

 

 

 

「あら?あなた」

「ん?…!!!」

 

 

 

まさかの鞠莉と鉢合わせしてしまった

 

 

 

「あっ、えっと、ライブ、観に来たんですけど

早く、着きすぎちゃって。」

 

 

 

しどろもどろか!とこころの中で唱える

バレるわけにはいかない。特に鞠莉には

 

 

 

 

「シャイニー!チカっちたちのライブを観に来てくれたのね

very thank youデース!!」

 

 

 

バレてない、大丈夫そうだ

 

 

 

「ところであなたは?」

「oh,私は小原鞠莉、この学校の生徒兼理事長よ

せっかくだからこの学校を案内してあげる

ついてきて」

「えっ、ちょっ…!」

 

 

言われるがままに腕を引かれる

3階から始まり、2階、1階と案内され

なぜか理事長室に連れていかれた

 

 

 

 

「いい、学校でしょ?」

「そう…ですね。」

 

 

 

バレないように、と考えていると

返事がありきたりになってしまう

 

 

 

「でもね、廃校になるの?」

「え?」

「ううん、That's wrong.廃校にはさせない」

「と、言うと?」

「チカっちたち、ライブするでしょ?

スクールアイドルってしってる?」

「まぁ知識程度には」

「チカっちたちは、鍵なの。μ'sのように

School Idolで廃校を阻止する。でもね、足りないの」

「足りない?」

「そう、3人じゃきっと足りないμ'sのように9人

いや、もう1人、10人でなら、きっと」

 

 

あぁ、本気なんだ、本気で内浦が好きで

本気で学校が大好きで、本気でスクールアイドルが好きで

だから、帰ってきたんだ、救おうと

そういう、目をしている。

その内の1人がきっと自分なのだろうと自覚はしている

でも…

 

 

 

「出来ると、いいですね」

 

 

その想いにはきっと答えられない

 

 

「ありがとう、Sorry!こんな話に付き合わせてしまって

もうすぐ始まると思うから体育館へLet's go!!よ!

マリーはまだここで仕事が残ってるから後でいくわね」

「いえ、こちらこそ案内ありがとうございました」

 

 

 

そう残して会場である体育館へ向かう

 

 

 

「マリーの気持ち少しは届いたかな、ねぇノゾム?」

 

 

 

せつなげに呟かれた言葉は聞こえるはずもなく

雨の音にかき消されていった

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

「(まだ時間はあるけど雨、強くなってきたな)」

 

 

まだ時間はあるが雨が強くなり、雷も鳴り始めてる

 

 

「(停電とか起こらなきゃいいけど…予備電源とか

あるのか、この学校?)」

 

 

 

ちょっとずつだが人が集まり始めている

ほとんどが同じ制服、浦の星の生徒だが

中には自分のように変装してる人も…

 

 

「(いや、あれはどう見ても変装どころか不審者だろ…)」

 

 

サングラスにマスクはあきらかに不審者の二大オプションだろう

なんの話をしてるのか分からないが

と、そんなことを思ってると開始のブザーが鳴り

ステージの幕が上がる、まだ少し時間はあったはずだが…

 

 

「(俺が勘違いしただけなのか?いや、それより)」

 

 

 

幕が上がったステージの真ん中には

千歌ちゃんをセンターとし梨子ちゃん、曜ちゃんが並んでいたが

 

 

「なんでそんな悲しそうな顔をしてるんだ…」

 

 

スクールアイドルだけならず、世の中のアイドルは

人を笑顔にするのが仕事、故にステージに立つ以上

笑顔でいることが鉄則

少しでも悲しい表情を見せようものなら

それは観客に伝わってしまい、ステージは成り立たない

それにこの人数では…

 

 

「駄目だな、これは」

 

 

 

そう思い帰ろうとしたとき

 

 

 

「─────────」

 

 

 

さっきまでの顔が嘘だと思うくらい

キラリとした笑顔が生まれていた

 

 

「(歌うのか…)」

 

 

体育館にメロディーが、3人の歌声が響く

 

 

「(きっと素人目から見たらすごい、となるんだろうが

所々振り付けがずれてる、つらそうな顔が見える。でも…)」

 

 

 

振り付けがずれていようが、所々つらそうに見えようが

根本は変わってないように思える

 

 

「楽し、そうだな…」

 

 

そう、楽しそうに歌って、踊っている

精一杯、輝こうとしている

そう思いながら、曲もラストに差し掛かろうとしてたとき

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガタンッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(なっ…ここに来て停電!?)」

 

 

 

周りはざわめき始めている、想定外のトラブルだったんだろう

ステージを見ると、千歌ちゃんがまた悲しそうな顔をしていた

それでも声を振り絞って、歌おうと、輝こうとしていた

 

 

 

 

 

「(くそっ…!!!)」

 

 

 

 

 

浦の星が廃校になろうが関係ない

内浦でスクールアイドルが始まろうが関係ない

さらに悪いことを言うと千歌ちゃんたちが

許せなかった。仕方ないと言えば仕方ないのだが

なにも知らないでAqoursという名前を使っていることに

なにも知らないで内浦でスクールアイドルを始めていることに

 

いつからだろう、純粋に好きなものを楽しめなくなったのは

スクールアイドルが好きだった2年前はあの頃の気持ちは

果南、鞠莉、ダイヤのAqoursのマネージャーを

やってた頃の気持ちは

 

 

そんなことを考えるより前に

 

「(ダイヤか鞠莉…どこだ?)」

 

足はすでに動いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

「1人で来たのが間違いでしたわ、やはり

誰か一緒に連れて…いや、私は生徒会長1人でだって…」

 

 

普通の学校なら予備電源のバッテリーは

すぐ使えるような場所においてあるのだが

浦の星に関してはすこし離れたところに置いてある

そして、なにより

 

 

「重い、ですわ…」

 

 

重いのである

 

 

 

「望さん…」

 

 

やってくるはずのない人の名を呟く。

きっと届かない、もう何ヵ月連絡を取ってないだろう

口を利いてないだろう。

距離が遠くなるほどの時間は、経ったはず

 

 

「ぶっぶーですわね、こんなところで弱音など

スクールアイドルはもう私には関係有りませんが

浦の星の威厳をかけて、どんな形でも

成功だけはさせなければ」

 

 

力を振り絞りバッテリーを持ち上げようとしたとき

 

 

 

 

 

「ダイヤ!!!」

「えっ…?」

 

 

あり得ない、いるはずない、来るはずない

これはきっと夢なのか

 

 

「はぁっ…はあっ…俺が持つ。場所、教えろ」

「どうして望さんがここに!!」

「話は後!!成功、させるんだろ?」

「あなたという人は本当に…」

 

 

夢でなかった。

正義のヒーローみたいに困ったことがあると

いつも助けてくれた。なんでもお見通しだと

言わんばかりの目で助けてくれた

 

 

 

「…っ!!こっちですわ!急ぎますので

ちゃんと付いてこないと、ぶっぶーですわ!」

「おう!任せとけ!」

 

 

 

考えるのは後、まずはこのライブを成功させなければ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まったくあなたという人は…」

 

 

 

予備電源で電気がつくと瞬く間に

「じゃあ!続き見てくる!」と言い出し走り去っていった

 

 

「いつになっても変わりませんわね」

 

 

いつになっても好きなものには一直線だった

昔も今もそこは変わっていなかった

 

 

 

「体育館が騒がしいですわね、まさかあの後…?」

 

 

そう思い体育館へ向かうと、そこには

たくさんの人で溢れていた

 

 

◆◇◆◇

 

 

「これは…」

「急いで最前列で見ようと思ったら席取られてたよ。

内浦の、いや、それだけじゃなくて沼津のほうからも」

「そうですか」

 

 

 

曲が終わり会場は拍手で包まれた

 

 

「さて、あなたのそのバレバレな変装に関しては

後で聞かせていただくとして…」

「えっ…」

「えっ…じゃありませんわ!果南さんでも分かりますわよ!」

 

 

 

えー…マスクにサングラスよりかは怪しまれないし

いけるかと思ったのに

 

 

 

「私はあの子達に言いたいことがありますので

…一緒に来ますか?」

「いや、俺は帰る。俺からはあの子達に言えることはないよ」

 

 

そう()()()()()()()()言えることなんてない

そんな()()もない

 

 

 

「そうですか、お気をつけて」

「おう、ダイヤもな」

 

 

 

 

互いに別れ体育館の外へ、雨は降り続いていたが

ライブが始まる前よりかは弱くなっていた

 

 

 

「来てたんだ、望」

「果南…あっ」

「あっ…て、それで変装してるつもりだったんだ」

 

 

 

ダイヤの言うとおりであった

鞠莉にはバレてないことを祈るばかりである

 

 

「で、どうするの。マネージャーの話、千歌たちにするの?」

「…しないよ」

「…そっか」

 

 

 

あのライブを見て、許さない。という気持ちは

どこかに消えた。きっとあのときの3人の

Aqoursを、果南とダイヤと鞠莉のAqoursと

今の千歌ちゃん、梨子ちゃん、曜ちゃんのAqoursの

面影が被ったのだろう

最初は、スクールアイドルが好きという気持ちで始めた

最初の1歩なんて、そんなものだ。

 

 

 

「応援はする、でもマネージャーはしない」

 

 

今のままでは純粋に好きでいることが出来ない

少なくとも今のままでは…




iPodでAqoursの曲をシャッフル再生してると
「あ、Britghtest Melodyだ」ってなった途端
軽快な和太鼓のリズムが聞こえてきて
「いや、音頭かーい」ってなります
前奏の開始1秒間が似すぎてません?
編曲した人が一緒だからなんですかね

予備電源のくだりは作ってます
なんかオレンジっぽいのがあったなーっていう
曖昧な記憶で書きました


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素直な気持ちで奏でるメロディー

ルビまるのふたりはこそっと裏で加入させます(ネタバレ


「で、あのライブのとき変装してた理由ですが」

「鞠莉に会いたくなかっただけだよ」

 

 

 

ライブ以降少しずつダイヤとまた話すようになった

ルビィちゃんの前ではまだスクールアイドルが

嫌いということになってるが

 

 

 

「どうしてまた会いたくないと?」

「…マネージャーをやってくれってさ」

「鞠莉さんったらまた唐突に…」

「呼び出されたのも夜だったしな…」

 

 

 

あの夜、鞠莉と話したこと、ライブのとき

変装してたが鞠莉と会って話したこと

それだけじゃなくて今まで話せなかったこと

全部、話した。今までの溝を埋めるように

 

 

 

「あの雑な変装は鞠莉さんにはバレてるとして

千歌さんたちとは果南さん繋がりですか」

「そう、ダイビングショップに行ったときにたまたま。

って、鞠莉にもバレてるのか…」

「よくあの変装でバレないと思いましたわね」

 

 

 

変装の技術磨くか

と、つまらないことを考えていたら

ダイヤの口から思いがけないことが出てきた

 

 

 

「しないのですか?マネージャー?」

「…しないよ」

 

 

今さらである

 

 

「そうですか…(あなたの場合、()()()というよりは

()()()()、に近いのでしょうね…)」

「じゃあこっちも質問な」

「はい?」

「はい?じゃない、ダイヤばっかり質問じゃ不公平だろ」

 

 

 

 

ここ30分ぐらいダイヤからの質問攻めだったのである

さすがにこれでは不公平である

 

 

 

「あまり答えにくい質問はぶっぶーですわよ」

「大丈夫大丈夫。俺が聞きたいのは1つだけだからさ」

 

 

 

あのライブ以降、感じてたことを告げる

 

 

 

 

「…ルビィちゃん、スクールアイドル部に入りたい

って言ったらどうするんだ?」

「私のことではないのですね」

 

 

そう、兼ねてから気になってたルビィちゃん

俺が黒澤家に顔を出さなくなってから

スクールアイドルについて話す相手がいなくなったのでは

そして、きっとあのライブを見に来てたであろう

ライブに感じたことを考えれば、きっと

スクールアイドル部に入りたいと思うのは間違いなくあるだろう

 

 

 

 

「…わかりませんわ。今でも私の前では

スクールアイドルの話はしませんし

もし、言われたとしても私には止める

権限なんてありませんわ」

「そっか、まぁ断固拒否とか言わないだけ

ましだったかな」

 

 

 

ダイヤもきっとあのライブを見て思うことはあったのだろう

 

 

 

「まぁ母さんの用事でまた寄ることがあるかもしれないし

その時は多目にみてくれ」

「ところで今まで来なかったのは?」

「全部断ってた」

「はぁ、あなたという人は…」

「仕方ないだろ…っと、もうこんな時間か」

 

 

 

時間はすでに夕方の18時を回っていた

お互い学校帰りであったためそこまで

話す時間はなかったが

 

 

 

「…ルビィちゃんのこと、ちゃんと向き合えよ」

「分かってますわ。って代金は!?」

「いいよ、俺持ちで。

こんなんで埋めれたつもりはないけどな」

「まったくあなたはいつもいつも…」

「昔から変わらない、ってか?」

「…そうですわね」

 

 

 

たかだか1年2年で、人はそう変わらない

確かに変わるところもあるけれど

根本は変わらない

 

 

「じゃっ、気を付けて帰れよ」

「そこは送ってくよ、ではないのですね」

「そんな乙女じゃないだろ、ダイヤ」

「んまーっ!!失礼ですわよ!相変わらず

口が悪いですこと!」

「そりゃお互い様だっつーの!」

 

 

 

 

なんて言い合いをしてたら

いつの間にかダイヤを送り届けてたのは

ここだけの話

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆

 

 

「久々に弾く、かな」

 

 

久々に取り出したのは昔いつも使っていた

アコースティックギター。2年前に始めて

しばらく触ってなかったが久々に弾こうと思ったのは

やはりあのライブが大きいのだろう

 

 

 

「弦とか大丈夫かな」

 

 

 

と、調整していると

 

 

 

「高嶺さーん!!」

「千歌ちゃん?」

 

 

そういえばこの辺は十千万旅館の近くか

近くといっても少し離れたところを選んだつもりだが

 

 

「制服じゃないってことは練習終わり?」

「はい!ライブもうまくいったのでさらに

歌とダンスに磨きをかけようと!

あ!見に来てくれましたよね??」

「あぁ、見たよ。曲、よかったよ」

 

 

 

あえて、歌とダンスには触れない

 

 

「ほんとですか!?歌詞、千歌が作詞したんですよ!

作曲は梨子ちゃんで衣装は曜ちゃん!

振り付けはみんなで考えたんです!」

 

 

 

スクールアイドルの話になるとこうも

楽しそうな顔をするのか

まるでダイヤのようである

 

 

「そうか、それはすごいな」

「あ、でもやっぱ3人で認められたとはいえ

メンバーを増やしたいんですよね…

目指すはμ'sのように9人!」

「ははっ…頑張れ。ところで誘うあてはあるのか?」

「はい!ルビィちゃんと花丸ちゃんなんですけど

あ、ルビィちゃんは生徒会長の妹で

花丸ちゃんはルビィちゃんのお友だちなんです」

 

 

 

 

ルビィちゃんを誘う

果たしてダイヤはどう思うであろうか

 

 

「そう。花丸ちゃんって子は知らないけど

ルビィちゃんは顔馴染みだからさ、もし

やりたい!ってなったらよろしくな」

「はい!あ、そういえば気になってたんですけど」

「ん?」

「高嶺さん、ギター引けるんですね!」

 

 

 

そこに今反応するのか

果南にしか聴かせたことないから

出来ればそのまま帰って欲しかったところであるが

 

 

「わー、すごいすごい!」

 

 

 

まるで今ここで何か弾いてくださいと

言わんばかりに目がキラキラしている

 

 

 

「なにか弾こうか?」

 

 

ここでなにもしないのはかえって

ねだられるだけなので諦めることにする

 

 

 

「ほんとですか!じゃあ…これなんですけど」

 

 

と言って携帯の画面を見せてきた

その画面にはμ'sの『ユメノトビラ』であった

 

 

 

「ユメノトビラ、ね。アコギじゃ雰囲気

ちょっと変わるけどそこはご愛敬で」

 

 

 

そう言い調弦を終えたギターを構え

歌詞を口ずさむ

μ'sがA-Riseと合同ライブでUTXの屋上で歌った曲

夢へと駆け上がる9人の女神の曲

聴くと前向きになれる曲の1つである

 

 

 

「ふぅ…どうだったかな?…千歌ちゃん?」

 

 

弾き終え、千歌ちゃんのほうを見ると

ポカンと口を開けて見つめられていた

 

 

「千歌ちゃん?おーい」

「はっ!す、すごかったです!

というよりμ's知ってるんですね!」

「あぁ、まぁちょっとね、初めて弾くって訳でもなかったし」

「そうですか…って!もうこんな時間!

志満ねぇに怒られる!高嶺さん!ありがとうございました!」

「おー、またなー」

 

 

 

そう言い慌てて帰っていく

μ'sを知ってることにつっこまれそうだったが

時間が味方をしてくれた

ここで話せば鞠莉のときと同じように

マネージャーやってください!って誘われる可能性だってあった

 

 

 

 

「それだけは避けないとな」




フラグが立った音がした?
大丈夫です、代わりに1人回収することもなく
ポキッと折ってもらってるので
(文章中には出してませんが)


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向き合うのは自分自身の気持ち

ヨハネ語が難しい


「そっか、スクールアイドル部入ったんだね」

「はい!お姉ちゃんには節度を持ってやるのであれは

なにも言いませんわって」

 

 

久しぶりに黒澤家でルビィちゃんと

スクールアイドルについて話していた

なんでも千歌ちゃんに誘われ

友人の花丸ちゃんと一緒に加入したらしい

 

 

「そっか、ライブやるなら見に行くから」

「ほんとですか!楽しみにしててくださいね!」

「分かった、楽しみにしてる」

 

 

 

根っからスクールアイドル好きはダイヤと変わらない

ダイヤと違って、こんなに笑顔が眩しいが

 

 

 

「さて、そろそろダイヤが来そうだから帰るね」

「あ、そうですね。そういえば高嶺さん」

「ん?」

「あ、いえ、なんでも、ないです…」

 

 

なにかを訴えるような目をしていたが

何を言おうとしていたのだろうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ルビィはどうでしたか?」

「どうでしたかって言われてもいつも通りだったよ」

 

 

帰り際の玄関でダイヤに声をかけられる

稽古終わりなのだろうか着物を着ていて

黒髪も相まって、まさしく大和撫子という感じだ

 

 

 

「というかこんなところで油売ってていいのか?」

「そうですわね。ルビィに見られもしたら

なんと思われるか…」

「ほんとダイヤは相変わらず硬度10だな」

「誰が硬度10ですか!鞠莉さんみたいなこと

言わないでくれますか!」

「わりぃわりぃ、じゃあ帰るわ」

「まったく…何はともあれ、ルビィのことは

お世話かけますわ。」

 

 

相変わらず硬度10…なんて言ったら怒られるか

相変わらず律儀なようで

 

 

「いいよ、気にしなくて。俺も嫌じゃないから。」

「本当にすみませんわ。では、お気を付けて」

「おう、またな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

 

「さて、用事があるから駅のほうまで来たものの…」

 

 

 

すぐに済む用事であったため時間を持て余していた

 

 

 

「どうすっかなー…っと、ん??」

 

 

ふと周りを見ると、マスクにサングラスに特徴的なお団子

知らない人から見たら明らかな不審者なのだが

 

 

「確かライブに来てた…よな?」

 

 

 

あの日、浦の星で行われたライブに来てた気がする

あの時は確か人もまだ少なかったためよく覚えている

…怪しすぎて、だが

 

 

 

 

「ねぇ?」

「はい!?!?!?」

 

声をかけたらすごく驚かれた。

いや、脅かすつもりはなかったのだが

 

 

「いや、すまん。そんなつもりじゃ…」

「貴方、私の姿が見えるのね?」

「…はい?」

「クックック…この堕天使ヨハネの姿が見える

ということは貴方も私のリトルデーモン!」

「…………はぁ?」

 

 

いきなり何を言い出すんだ

ライブの感想を聞きたかっただけなのに

俺は話しかける相手を間違えたのか…

 

 

 

「すみません、話しかける相手を間違えました」

「ちょっと待ちなさいよ!!」

 

 

さっさと帰った方が身のためだと思い

バス停のほうへ向かったのだが引き留められた

 

 

「アノ、ナンデショウ?」

「どうして片言なのよ!貴方、浦の星で

へんてこな変装していた人でしょ」

 

 

へんてこって…

 

 

「確かに浦の星にはいたけど、へんてこは

思いっきりブーメラン刺さってるぞ」

「ブーメランって何よ!この堕天使ヨハネの

華麗なる変装に文句があるわけ!?」

 

 

 

駄目だ、埒があかない

 

 

 

「ライブの感想、聞きたいんだ。」

「ライブってあの時の?」

「それ以外になにがあるんだ?」

「フッ、まぁいいわ。この堕天使ヨハネが…」

「善子ちゃん?」

「げっ、その声は!ずら丸!」

 

 

なるほどなるほど善子ちゃんというのか

っと、あれ?

 

 

「こんちにはルビィちゃん。お出かけ?」

「あ、高嶺さん、こんにちは。

花丸ちゃんの用事のついでに

本屋さんに寄ろうとしてたんです」

 

 

なるほど、この子が話に聞いてた花丸ちゃんか

 

 

「高嶺望です、よろしくね花丸ちゃん」

「国木田花丸ずら、ルビィちゃんがいつも

お世話になってるずら!」

「…ずら?」

 

 

 

ずら?ってなんだ、方言…なのか?

 

 

 

「はっ!おら、またずらって言ってしまったずらぁ…」

「…おら?」

 

 

というよりまたずらって言った?

 

 

「はっ!えっと…」

「あー、気にしなくていいよ。話しやすいのなら

そのままでいいし。というより立ち話もなんだし

どっか座ろう?」

 

 

 

そう言い、駅近くのコンビニのイートインに腰を掛ける

ルビィちゃんからは話を聞いていたので

花丸ちゃん、善子ちゃんから各々、あの時の

ライブについて感想をそして自分の感想も伝えあった

 

 

「あ、そういえば善子ちゃん忘れてたずら

これ、今週の授業のノートずら」

「だからヨハネよ!ていうかここで渡さないでよ!」

 

 

…今週?

 

 

「善子ちゃん、学校行ってないのか?」

「あっ、えっと…行ってないというか、そのー…」

「善子ちゃん、最初の自己紹介で盛大にスベっちゃって

それから学校に来なくて…

花丸ちゃんと善子ちゃん、幼馴染みだからこうして

授業のノートとか配布物とか届けに行ってるんです」

 

 

 

 

いったい何をすれば自己紹介でスベるんだと思ったら

そういえばその堕天使ヨハネがなんたらかんたらか…

 

 

 

「気にしなくていいと思うけどな」

「え?」

「別にいいじゃないか、設定だろうが事実だろうが

それは善子ちゃんの個性だろ?周りがとやかく

言うものでもないし、言う権利なんてないよ。

だから、学校にはちゃんと行こう。なにかあったら

花丸ちゃんとルビィちゃんが助けてくれるさ。」

「…け、検討しておくわ。」

 

 

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇◆

 

 

 

 

 

ルビィちゃんによるとその後ちゃんと学校には

行ったらしい。堕天使設定が出そうなときは

花丸ちゃんに止めてもらうことにしたそうだ

 

 

 

 

 

 

「で、また呼び出しておいて何の用だ。鞠莉」

「つれないわね、ノゾムったら。用がなくちゃ

呼んじゃいけないの?」

「ロクなことじゃ呼び出さないだろ」

「分かってるくせに」

 

 

 

 

間違いなくマネージャーの件である

 

 

 

「いつまで()()()()()()()()()

「…っ!!」

「図星ね。ねぇノゾム」

「鞠莉には…関係ないだろ」

「ちょっとノゾム!」

 

 

 

一刻も早くこの場から立ち去りたいがために

エレベーターに駆け込む

誰もいない展望台で声だけがただ響いていた

 

 

 

 

 

 

「(あー、なにやってんだもう…。

()()()()()なんて思われても仕方ないか…)」

 

 

 

鞠莉の言葉が脳内をぐるぐる回っている

 

 

「止めよう、考えてても仕方ない」

 

 

エレベーターを降り、帰ろうとした時

 

 

 

 

 

「あー!高嶺さん!その子止めてください!!!」

「は、え?」

 

 

 

 

急いで自分の横を走り去ろうとする子を

つい反射で腕をつかんでしまう

 

 

「ちょっと!離しなさいよ!…って」

「あれ、善子ちゃん?」

「だから…ヨハネ…よ」

「高嶺さん、ありがとうございます!」

「って、千歌ちゃん?え、どういう状況?」

「勧誘です!」

 

 

 

 

そんな風には見えないが…

千歌ちゃんが言うならそうなんだろう

 

 

 

 

「俺から言えることはそんなにないけど」

「え?」

()()()()にはなるなよ、後悔するから」

「え、ちょっとどういうことよ!」

「なーに、2年長く生きてる先輩からのアドバイスだよ」

 

 

 

 

 

千歌ちゃんによると善子ちゃんも

Aqoursに加入することになったらしい

堕天使設定もそのままでルビィちゃん曰く

ものすごく生き生きしてるとのことである




五等分の花嫁を見ました
三玖がめちゃくちゃ可愛かったです

かぐや様は告らせたいを見ました
周りの友人が傑作というだけありました


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