スバルと汗だくエッチするだけ (凍結する人)
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スバルと汗だくエッチするだけ

夏。それは、スバルの季節。
なんて思ったから書いてみました。


「あーつーいー」

 

 スバル・ナカジマは、フローリングの上に寝転がっていた。

 初めはひんやり冷たかったその床も、今は彼女の体温で温まっている。

 耐え切れずごろごろと寝転がって場所を転々移り変えるものの、そこもまた人肌の温さが侵食していく。

 どこに行っても涼しくならないので、苛立たしげにまたごろごろ、ごろごろ転がり続ければ、その行動自体が彼女の体温を上げて、不快な暑さを増幅させていった。

 

「ねー、あーつーいーよー。ねぇってばー」

「……」

「あついあついあついぃ、あついの、ねえあついって」

 

 そんな、周りを巻き込むローリンガールとなっていた彼女から避難するため、ソファにあぐらをかいて座っている男。

 下方から聞こえる間延びした声を耳障りに感じていたが、そのストレスを目の前のテレビで誤魔化す。

 しかし、休日の昼にやっているバラエティなど、暑苦しいばかり。終いには天気予報が一日中の晴天と、日暮れ後の熱帯夜をこれでもかというほどに強調したので。

 

「じゃかあしぃ! そんなに暑いなら少しは落ち着け!」

 

 と、激発するに至った。

 唾を吐くような怒声を浴びたスバルは、当然ムカッとなって立ち上がり、スポーツブラからこぼれんばかりの胸を揺らしながら言い返した。

 

「なんだよぉ! キミん家のクーラー、壊れてるのが悪いんじゃないか! 備品の管理くらいキチンとしといてよ!」

「それが自分の部屋のクーラー、使いすぎでぶっ壊した女の言うセリフか、ええ!?」

 

 そう、本来この家を隅から隅まで冷やしてくれるはずの文明の利器は、故障して役目を果たせなくなっていたのだ。

 現在この部屋の温度は外とほぼ同じ。いや、多少なりとも風が吹くぶん、外の方が体感温度は下なのかもしれない

 

「だいたい、クーラーがなくても、扇風機位あるでしょ!?」

「そんなもの、家にはない!」

「えばることじゃないでしょ、それ……」

 

 きっぱり言い切った男に対し、スバルはどうしようもないような顔で呆れた。

 しかし困るのは、これからどうやって、夜まで時間を潰すかだ。今日は夜まで帰らないと家族に言った以上、無闇にその言葉を破るのはどうにもやるせない。

 しかも、男の元に来たことは、どうせ自宅の女性陣、ほぼ全員に察せられているのだ。むざむざ帰ってきたら、最近急に色気づいてきたナンバーズ組に、何を噂されるか分かったもんじゃない。

 

「あーあ、こんな暑い日に、クーラー無しで家に篭り、なんてさ」

「じゃあ涼みに行くか? 近くの店にでも」

「直接太陽の光なんか浴びたら溶けちゃうよ。我慢できない」

「なら文句を言うな! そんな格好でいられることを有難がれ!」

 

 言われて初めて、スバルは自分の格好を省みた。

 その姿は、日々の救助活動と訓練で鍛えられ、しかし女らしい柔らかな印象も失っていない腹筋と、同じく筋肉を持ちながら、丸っこさと適度な太さを維持している太腿を惜しげなくむき出しにした、即ち上下の下着のみの出で立ちである。

 確かに、涼しいは涼しいが、往来で外に出られる姿ではない。というか、そんなことをしたら痴女だ。

 いつからこんな姿になったのか、スバルは覚えていなかった。何時まで経ってもつかないクーラーと暑さに苛立って、勢いで脱いでしまったのだろう。

 

(あはは、こんな服装じゃたしかに、外に出たりしたらヤバイね)

 

 そう思って、流石に何か着ようと思ったその時。

 じぃぃぃ、という、熱視線を感じた。

 主に、ブラからはみ出した胸と、腹、そして太腿に。

 スバルが改めて男を見ると、先程までテレビに向けられていた二つの目が、どちらも自分の肢体に集中されている。

 

「あ、あはは……そんなに見ないでよ、ねぇ……」

 

 気恥ずかしくなってそう言ったにも関わらず、男はスバルの半裸体から目を離そうとしない。

 ごくりと唾を飲み、その端正に鍛えられた肉体美と、女性としてのふくよかな魅力を兼ね備えた身体を、ただ飽きることなく見つめていた。

 スバルの皮膚から、暑さ以外の何かによって生じた、冷たい汗が滲み出た。

 それは、まじまじとありのままを見られていることによる緊張と羞恥と――微かな興奮が、生み出す冷たい液だった。

 

「……ねぇ、君?」

「なんだ」

「その、あのさ。ね、一緒に、テレビ見よう、ね?」

「俺の部屋にあるものだ。何を自由に見ても勝手だろうが」

 

 スバルは赤面して、腿をもじもじさせながら提案したが、心ここにあらず、という感じの一言で両断された。

 

「で、でもさ、その、そんなに見つめられると、その」

「それなら服を着りゃいい。そうすれば俺の目線も、他に行くかもしれん」

 

 そういえば、最近男とはすっかり『ごぶさた』だったなと、スバルは今更ながらに思い出す。

 災害は何時起こるか分からないし、非番の時でも人手が足りずに駆り出されることだってある。

 たまの休日、男と共に外出して、肩を寄せ合いいいムードの中、いざ、という時に限って、緊急出動に潰されることなどもあった。

 その度に男は、「生命助けるのに休日も何も無いんだろ? 行ってこい」と、スバルの肩を叩くように押し出して、見送ってくれるのだが。

 心の中で、青年男性の欲求を、押し詰めるように抑えているのかも知れなかった。

 

(もしかしてそれって、結構、マズかったりするのかな?)

 

 スバルの脳内には、このぶっきらぼうながら優しい男と、ささやかながら男女の付き合いをしている身として、どうにもその義務を果たし切れていないような感覚があった。

 自分の都合でデートを中断させたのが、この獣のような目線を生み出したのなら。それを解消する責任があるのではないか?

 少なくとも、ここでスバルが服を着れば、男の眼の色も元に戻り、表面上はいつもの空気が戻って来る。

 しかしそれは、問題の先送りにしかならないのではないか。

 

「……ねぇ」

「なんだ?」

 

 スバルの中の理性が、馬鹿げたことだと警告する。

 しかし、真夏の暑さが脳をぼやけさせ、そして何より、スバルの身体にも少しずつ蓄積されていった欲求不満が、それを吹き飛ばした。

 

「……しても、いいよ?」

「ここでか?」

 

 男は顔で驚くが、しかしその腕は、スバルの身体に伸びつつあった。

 頭とそれ以外が、理性と本能で分かれているような感じだ。しかしこの暑さでは、頭の中も直ぐに陥落してしまうことだろう。

 現に、その目は獣のぎらつきを見せている。

 スバルの豊満かつ引き締まったな肉体を、自然の恵みと人の努力で培った果実を味わいたいと、欲望の唾液が口の中に満ちていた。

 

「だってさ。テレビ見たってつまんないし、外に出たくもないし」

「馬鹿、今より更に暑くなるぞ」

「いいの。熱ければ熱いほど、こういうのはいいと思う」

 

 スバルの中で、暑いと熱いとは、はっきり違っていた。

 外気の温度に釣られて生まれる不快な暑さ。パートナーとのふれあいとまぐわいから生まれる、熱さ。

 後者の方がいくらか生産的で、だからスバルは好きだった。

 男がソファから立ち上がり、更にスバルの元へ近寄る。

 スバルもそれを拒まず、男の身体へ身を預けるように、力を抜いて、前のめりになるように寄っていった。

 

「んっ……」

 

 男の手が、スバルの背中に回され、男の熱さが、皮膚を伝って焼け付いた。

 二人共、心臓がドクンと跳ねるように音を立てていて、男の胸に抱かれたスバルには、その両方が聞こえていた。

 二つの体で、少しだけずれていた鼓動は、段々一つになっていく。

 スバルの顔が上へ向き、男がそれに向き合って、唇が重なった。

 

「ん……ちゅ……じゅぅぅ……じゅるるる……」

 

 最初から舌が絡み合い、互いの口の中にたっぷり染み出していた唾液を交換する。

 待ち望んでいた瞬間。

 長い間お預けにされていて、ようやく餌にありつける犬のように、二人はがっつき、互いを求めた。

 

「ぢるるるるぅ……んくっ、んんっ……」

 

 そのまま、まるでダンスの一挙動のように、半回転して。

 男は、スバルをソファに押し倒し、スバルも拒まず、倒れこんだ。

 スバルがくたっと、ソファに体重を預けると、一旦二人の顔が離れた。

 

「ぷはっ……あぁ……はぁ、はぁ……」

 

 恋人の体温の篭った唾液が、喉を通り、二人の身体の中にそれぞれ拡散した。

 二人が二人共、自分が相手の体温に染まっている、と感じている。

 しかし、実際には、混じり合っているのだ。直接的行為を為す前から、二人の身体はまぐわいを始めているのだ。

 

「スバル……いいか?」

「うん……って、うわぁ」

 

 男が下着を脱いで、二人の下に出たモノ。

 それは、スバルが記憶しているそれよりも、遥かに大きく、固く勃起しているようだった。

 表面には血管が浮き出て、雄の臭いを漂わせていた。

 

 

「なにそれ。おっきくて、びくびくしてて、ほんとにヘンタイだ」

「い、今更言うなよ。そっちだってな、パンツ湿ってるじゃないか、ヘンタイ」

「そりゃそうだよ。そんなん、見せられちゃ、こっちだってその気に、なるじゃん」

 

 互いに、記憶よりも遥かに興奮しきっている局部を揶揄し合う。

 両手で下ろそうとしたパンティは、汗と愛液でしとどに濡れていて、肌にベタつき脱がしにくい。結局、くるくると巻きながら下ろすしか無かった。

 ホックを外して、やはりじんわり汗が染みているブラを取ると、豊満な双胸の先にあるピンクは、既にピンと張っていた、

 

「ね? お預けだったのは、私も同じだよ? だから」

「そうか。一丁、思いっきりやってやろうか」

「うん」

 

 となれば、手加減する必要もない。

 もう一度唇を合わせ、ついばむようなそれを繰り返しつつ、男の手がスバルの胸を正面から鷲掴みにした。

 

「ちゅっ、ちゅっ……ふぁん、やぁ」

 

 そのまま勢い良く揉みしだかれて、スバルはくすぐったげに声を上げた。

 

 スバルが持つセックスアピールの中で、胸はかなり大きなファクターである。

 女性のバストには二つの種類があって、乳腺が発達した乳腺質、皮下脂肪が集まった脂肪質に分けられる。

 中央に乳腺のしこりを残しつつ、柔らかい肉の塊であるスバルのそれは脂肪質だ。

 しかし、脂肪質によくあるような垂れ下がりはなく、ぴんと綺麗に、重力に逆らい張っている。

 鍛えあげられた大胸筋と、若さを漲らせた皮膚のお陰であった。

 そんな理想のおっぱいは、当然男の性を刺激して止まない。事が終わると、その両側の果実は必ず汗と涎と精液でベトベトになっているのがお約束だった。

 

「あぁん、ぁう、やぁぁん……もぉ、おっぱい触ってるだけで、いいの……?」

「んなこと言って、お前だって胸だけで一丁前に感じてるくせに」

 

 くすぐりに悶える声の中、段々と雌の鳴き声が入ってきているのを、男は聞き逃さなかった。

 スバルは頭の中ではそれを否定するものの、身体の反応が追いつかない。

 一揉みされる度、全身に弱い電流が走り、熱が高まる。くすぐったさなど通りこして、もはや立派な性感だ。

 

「でもさ。そっちが、気持ちよくないじゃん……」

「いや、なんとゆーか、な? お前の胸を揉んでるとさ」

「うん」

「幸せな気分になれる」

「はぁぁ?」

 

 男の妄言に、呆れ顔となったスバル。

 ムッとなった男は、構わず長広舌を振る。

 

「上手く、言えないんだが……なんというかさ、俺、いや、俺含む全ての男にとってさ、胸は夢なんだ」

「夢?」

「そう。女の中で、一番触っていたい所というか、そりゃあもう常に手の中へ置いておきたいような」

「ふぅん……ね、こっちは?」

 

 スバルが自分の股間に目を向けると、男はその淫靡さを避けた。

 

「そっちもいいけど、何というか、いやらしすぎる。胸が一番、丁度いいな」

「なにそれ、可笑しい」

 

 スバルは、男の稚気を笑い、男は更にムカッとなって、胸を揉むスピードと強さを上げた。

 

「あ、あぁぁ、ちょっと、強すぎだって、あ、ひぅぅぅっ」

 

 スバルは胸だけを触られているはずなのに、全身をソファの上で微かに悶えさせた。

 肌が布に擦り合う感触をも、快感の一助にしているようだ。

 恐らく、ここで股間を触れば一発だろう。しかし、男の方には、ちょっとした野望と、お返しがあった。

 

「それにな。お前が胸だけでどこまでイケるか、最後までイクのか、それを試してみたい」

「もう、馬鹿……にゃ、あぁぁぁ、あはっ、乳首、いい……」

 

 男の口が右胸の乳首付近を咥え込んだ。

 固くなった乳首を舌が弄び、唇が吸う。その強い感覚は、スバルの快感のレベルを一気に持ち上げるのに十分だった。

 

「あぁぁ、そんな、子どもみたいに、吸わないでって、あぁぁ、あひぃぃぃっ」

「ぷはっ…… ガキがこんなに、いやらしい吸い方するかよ」

 

 と言いながら、本人は子どものようなイタズラ顔を見せて、今度は左胸をしゃぶり回す。

 スバルの脳に、胸だけで得るには規格外の快感が走り、背筋が逸らされる。

 ぷるんぷるんに張った胸が、かえって男の目の前に、狙ってくださいと言わんばかりの露骨さをもって差し出された。

 

「あぁぁぁ、すごいぃ、おっぱい気持ちいいよぉ! 君におっぱい、変にされちゃうよぉっ」

 

 スバルの身体の熱は、既に燃え上がり。只舐めて揉んでいるだけの男の体温も、終端に向かい段々と上がっていった。

 手つきは更に激しくなり、スバルの胸は男の手の中で自由自在に形を変える。

 そして、一際強く、ぎゅううっ、ぐぃぃぃっ、と掴まれた、その瞬間。

 ぞわぞわ、とした感覚が、胸の先端に産まれ。

 乳腺を伝い、一気にスバルの全身へと行き渡った。

 

「あ、イク、だめ、おっぱいでイッちゃう、んぁ、あ、あああああああっ!!」

 

 ビクン、ビクンとスバルの身体が律動した。

 股間からぷしっ、と液体が吹き出して、男の足とソファを濡らした。

 数秒間に渡る絶頂が終わった後、スバルの目はトロンととろけ、頬は桃色に紅潮していた。

 

「あぁぁぁ……すごいよぉ、おっぱい、すごかったよぉ……こんなじゃ、ブラ着てても、感じ、ちゃう……」

「心配するな。布地如きにお前の胸は犯させん。犯すのは俺の指だけだ」

「ふふっ、ばかなこと言うなぁ」

「なにぃ」

 

 再び男の言葉に微笑するスバルだが、しかし、今度はスバルも、同じようなことを考えていた。

 

「でも、それちょっといいかも……私をエッチに出来るのは君だけで、エッチな私を見せるのも、君だけ……それって、いいかも」

「なんだ、お前も相当なバカじゃないか」

「うるさいぞぉ。どうせ両方おばかなんだから、ばからしく、なろ? ね、ほら……」

 

 スバルは腰をソファに載せて、足を開いた。

 顕になった陰部は、先ほどの快楽でびしょ濡れになっている。

 右腕の人差し指と中指が、その端を抑え、開帳した。

 スバルの秘奥。女が女であるための中枢器官が、男の目の前に晒された。

 

「ねぇ、こんなになってるんだよ? 私のおっぱいが、君の手で、エッチになっちゃったからだよ?」

 

 男は、もう何も考えられなかった。理性が吹き飛び、本能だけが肉体を動かしていた。

 スバルも、先ほどの行為で脳内のヒューズが二三本飛んでしまったようで、淫らな言葉を発し、男の野性を挑発する。

 

「これならもう、準備必要ないよね?」

「スバル……エロい、今のお前、すっごくエロいよ」

「でしょ? 君もさ、もっともっと、エロくなってさ、それで、私をエロくして?」

 

 望むところだ、と言わんばかりに頷いて。

 男の焼けるように熱い肉棒が、スバルの女陰に触れ、通り越し、一気に膣を蹂躙した。

 

「あ、入って、来る、あ、あ、あぁぁっ」

「くっ……!」

 

 亀頭を膣内に滑りこませた時、男がまず感じたのは、圧倒的な快楽だった。

 スバルの中って、こんなに具合、良かったっけ。

 そう思い返すのは一瞬で、後は気持ち良さが脳を支配し、腰を使って一気に根元まで挿し入れ、スバルの身体を貫いていた。

 

「あ、ひゃあああ、あ、あ、あ、あ」

 

 対するスバルは、これまでにないほどの大きさのそれを、久しぶりに中へ受け入れた衝撃からか、失神するほどの感覚を味わっていた。

 その膣内は歓喜に震えるように収縮し、男の棒を締め付ける。

 両手は男の背中に回され、がっしりとした力で組み付いた。

 やがて、男の腰が動き、ピストン運動が始まった。

 すると、スバルの身体だけでなく、意識も激しく突き飛ばされる。

 両腕で男の体にしがみつくように、必死に意識を身体へしがみつかせないと、簡単に飛んでいってしまうのだ。

 

「はぁっ、あっ、あっ、うあぁぁぁっ、あうぅっ、しゅごいぃぃぃ!」

 

 ズコズコと、不躾に、まるで杭に撃ち貫かれるようなセックス。

 スバルはもう、何もかもが破られて、後は自分の一番奥で、熱い欲望の塊を、どうにか受け入れるだけだった。

 

「あにゃっ、ふぁっ、あっあっ、奥すごいぃ、きもちいいよぉ!」

 

 男の身体に、スバルの胸が押し付けられ、クッションのように平たく押し潰されていた。

 今のスバルには、それすらも快楽に思える。身体をよじり、皮膚の感覚を全開にして。ただひたすらに、気持ち良さを追い求めた。

「いいよぉ、チンポいい、もっとして、私を、めちゃくちゃにしてぇ」

 

 スバルの喘ぎに応え、そして自分の快楽を極める為に。

 男はスバル越しに、壁へ叩きつけるような強さでその剛直を突き動かした。

 じゅぽ、じゅぽと、いやらしい粘液の音が、二人の聴覚を支配する。

 そしてまた、二人の唇が重なる。男の右手も、胸へと吸い寄せられる。

 

「んあぁぁ、あ、あ、ちゅぅっ、じゅるるっ、ぷはぁ」

 

 性交の甘い匂いに混じって漂うのは、互いが出す汗の匂い。

 二人共激しく動いているので、当然ながら汗だくにもなっているのだ。

 いつもは不快さだけを感じるその液体も、今の二人にとっては芳香剤でしか無かった。

 汗臭さが脳髄をぐらつかせ、更に本能が激しさを増していくのだ。

 

「あぁぁ、いいよぉ、もっと奥、私のオンナノコ、一杯突いて、気持ちよくして!」

 

 男の亀頭が子宮口に当たる度に、スバルはぶるっと身体を震わせて絶頂の寸前まで至る。

 しかし、最後の、決定的な一線だけは破れない。何度も気持ちよくなろうと、最後の最後に残された余白を、埋めることが出来ない。

 それは、膣内射精。

 男の熱い性の泥を、自分の子宮が受け入れるまで、スバルは真にイクことが出来ない。

 

「あぁぁ、ねぇ、まだ? せーえき欲しいよぉ、君のせーえきが欲しいよぉ」

「くぅぅぅ、スバルっ」

 

 男の方だって、スバルのにゅるにゅるした膣内に耐えかね、今直ぐにでも絶頂出来る心持ちだった。

 ただ、限界ぎりぎりまで、耐え抜くつもりだった。

 その方が、スバルも自分も、一番気持ちよくなれるのだから。

 しかし、限界は、その直ぐ後に訪れた。

 ちょうど男が腰を引く時。

 スバルが両足で男の腰を押しこみ、男の肉棒が、一気に奥まで割り入ったんのだ。

 予想外の刺激が、一気に限界をこじ開けた。

 

「ぐ、ああ、スバル、出るぞっ」

「来てぇ、君のせーえき、一杯出してぇ」

 

 男の股間で、精液を抑えこむように頑張っていた筋肉が、一斉に緩んだ。

 子宮口にピッタリ押し付けられた鈴口から、どばっと白い濁流が決壊し、子宮に向かい吐き出された。

 

「あ、あぁぁああああっ、うああああああっ!!!」

 

 スバルの膣内が、棒をギチギチと抑えこみ、尿道に残った白濁をも搾り出そうとうねった。

 男のモノがドクン、ドクンと波打ち、スバルの望みどおり、その全てを吐き出した後。

 

「ああぁ……あう……」

「スバル……」

 

 お互い、尽き果てたようにソファへと倒れ込み、結合したまま抱き合った。

 汗でドロドロになった身体を、絡ませ、溶けあわせ。

 二人は、もう何度になるかわからない、熱い口づけを交わした。

 

「ん、あく、んぅぅぅ……」

 

 そうこうしている内に、男のそれが、あっという間に硬さと熱さを蘇らせる。

 すると、今度は言葉の一つも交わすこと無しに、体勢を替えて、また淫らな運動の始まりだ。

 今度は、スバルの手にソファの背もたれを持たせて。前屈みになったのを、後ろから激しく突いていく。

 

「あっ、あっ、んあぁっ、ああああっ、いいよ、いいの、もっとしてぇっ!」

 

 結局この日は、夜ご飯どころではなく、朝帰りになってさんざん冷やかされてしまう、スバルであった。




お疲れ様でした。
これから暑さは更に増していきますが、夏バテにならないよう、日射病にも気をつけて、この夏を元気に乗り越えましょう。


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