仮面ライダーファントム (ノリさん)
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Ep.1 その名は Phantom

全てはとある天才に降りかかった不幸から始まった・・・・・

そして長き年月を経て、始まった謎の組織NSHによる圧倒的な力を振るっての侵攻に人類はなす術なく滅びるかと思われた・・・・・・


しかし、そこに立ち向かい戦う一人の男の姿があった・・・・・



――――――これは復讐と贖罪の物語。決して正義であるとは限らない


むかしむかし・・・・と言っても二十五年前の事だけれど。

 

この世に人類史において後にも先にも彼を超える天才は現れないと言われるほどの天才がこの世に、日本と言う国に誕生しました。

 

彼は特別裕福な家庭に生まれたわけではなかったものの、学びたい事を学ぶための場所へ応援していかせてくれるような優しい家庭に生まれました。

 

彼は小学三年生でありながらミレニアム懸賞問題の全ての答えを導き出すほどの天才であったものの、飛び級のないこの国では通常の小学生と一緒のクラスで勉強していました。本人はつまらない事はなかったと言っていますが、実のところは本人以外分かりません。しかし、彼は純粋に貪欲に様々な手段を使ってあらゆる知識を自分で学んでいきました。

 

彼の父は優しく、また母もやさしく、妹も兄の優秀さに卑屈になる事もなく兄思いであり、彼自身も人付き合いが上手く、周りからも可愛がられ、良い環境学び成長しました。その間でも彼は小・中・高・大学校で様々な分野の勉学に励ました。知識を習得する、新たな見識を広める、それがたまらなく楽しいからと彼は言っていました。

その間にも彼は学ぶだけでなく医療から科学的実験や生物学的点から様々な功績を二十歳にして得ました。彼はただ自分の知識や才能が役に立つのならとますます研究などに励みます。周りは彼を純粋に応援しました。まるで自分たちの誇り後でも言わんばかりに。

 

しかし、彼の優秀さを巡っての大人達は違いました。

 

何としても彼を手に入れようとする大人がいました。

個人だけではありません。大企業だけでなく、国そのものが彼を得ようとしました。

平和な世界であっても水面下では彼をめぐっての争いがありました。

 

金、地位、権力。あらゆる手段を使って彼を勧誘し始めました。

 

彼は素晴らしき家族、楽しくいてくれる友人、可愛がってくれる町の人たち。自分にこれ以上望むものはないと言うほど恵まれた環境だと思っていました。

 

なので彼はそれらを望まず、彼の親も子が望んでいないならと彼自身の生活に影響を与えないように様々な手段を使って何とかかわし続けていました。彼自身も勧誘の話を聞き、そのうえで誠意をもってお断りの対応していました。

 

しかし、彼が大学4年生の卒業時に悲劇が起こりました。

 

彼を手に入れたがっていたとある国がしびれを切らして実力行使に出ました。

欲しい国と現在所属している国が衝突する事態になりました。それは戦争そのものでした。

 

彼は親の懸命な対応のおかげで何とか生き残りその場を逃れる事が出来ました。

彼だけは親に導かれるまま特別なシェルターに匿われたからです。

 

彼をめぐっての戦闘一つの国が手を出したことにより他の国も参戦し、激化し規模は大きなものとなり、終わるまでに一週間かかったそうです。

 

一週間後彼が外に出た時見えた景色は焼け野原でした。

今まで生きていた環境が一瞬にして何もかもを壊してしまいました。

 

彼は後悔したのでしょう。

自分の望みが、この幸せな環境でしたい事をして生きたいと言うたった一つの願いを頑なに通していたせいで、多くの人の生活が失われたと。生活だけじゃなく多くの命が失われたと。

 

そして彼は人間に絶望しました。

自分も含めて愚かだと。どうしてこの人間はこんなにも愚かで低いレベルのままなのかと。

 

これもあくまで他者からの想像です。本当のところどうだったのかは分かりません。

 

彼に残っていたのは、彼自身の研究や研究成果や知識だけでした。

 

その日から彼の姿は表舞台からは完全に消えました。

 

え?なぜそこまで細かく話せるのかって?

それは私が----だからよ

 

このお話には続きがあるのよ?

知りたい?それじゃあ、教えてあげるわね。だけどこれからずっとこの事を誰にも言ってはいけないわよ?

約束できる?そう・・・・・約束できるいい子にはお話してあげるわ。

 

誰もが知っているような天才でありながら、誰もが知らない所へ消えた天才。

そしてその天才は、自分の生活を、ささやかでありながら彼にとっての大切な願いで会った物を奪った人類に復讐する事を誓いました・・・・

 

 

********

 

 

「あ~、もう‼またお祈りメールなの‼」

 

自分の1人暮らしの部屋にいる私、佐藤カレンは現在神野市で就活真っただ中の大学4年生である。

現在就活9連敗中。

 

成績とか素行とかそんなに悪くないはずなんだけどなぁ

 

四月と言うのに就活が全く上手くいっていない。

 

名前からわかるかもしれないが私は日本人の母とアメリカ人の父の血を引くハーフだ。

父親は私の母に私を生ませてから縁を切った事にしたらしい。

詳しく聞いたことはないけど、私の父はアメリカではトップクラスに位置する人間らしく、私の母とは浮気の関係だったようだ。正直今でも養育費は来たりするらしいから私は特に気にしたことはない

 

 

「よし‼また次に向けて頑張ろう‼新しく履歴書を書きなおそう‼」

 

と思った物の履歴書の用紙は切らしてしまっていたので、コンビニで買ってくることにしよう

いい気分転換にもなるよね

それにまだ年度が始まったばかりの始まりの季節だしいい出会いがあるかも!・・・・・なんてね

馬鹿な事言ってないで次に向けて頑張らないとこのままだと就職できなくなっちゃう‼

 

 

~~~コンビニからの帰宅途中~~~

 

 

久しぶりにこの道に通ったな~。大学に行くようになってから遠回りになるから通ってなかったらね

こんな所に大きいバイクが置いてある。こんなバイク見た事ないな~

 

そうそう、ここの公園桜が綺麗なんだよね~。昔はよくここでお花見してたな~

そうそう満開の桜、かなり太めの幹、根元で仰向けに倒れている青ね・・・・・・・・ん?

 

なんだかおかしいな~?もう一回確認しよう

 

青い空、満開の桜、かなり太めに幹、根元に倒れている青年・・・・・・。

見なかったことにしよう。そう、せめて後で匿名で通報して保護してもらう事にしよう

 

さて、就活頑張らないとな~

 

「最近の女は倒れている人間すら放置するのか。最近の子供は冷たいとは聞いてはいたがまさかここまでとはな」

「ひっ‼」

「なんだ、俺が死んでいるとでも思ったのか?失礼な女だ」

 

普通驚きもするでしょ、ぶっ倒れてる人間がいきなり心を読んだかのように話しかけて来たんだから

 

男の全体を改めて見ると相当汚い

濃い緑のロングコートに黒いシャツにジーパンで、そこそこの大きさのリュックが一つ。

おまけに髭と髪の毛は延ばしっぱなしでぼさぼさのぐしゃぐしゃ。

めちゃくちゃ怪しい・・・・

 

「それは御免なさい。単純に驚き過ぎて対応が遅くなっただけなの」

「それも嘘だな。驚いた後に冷静にその場を去ろうとしていただろう。もし対応が遅れていただけなら驚いた後に声をかけるなり電話に手を掛けるなりするはずだろう」

「そんな事ないと思うけど・・・」

「しかも、おまけに言い訳までするときた。質が悪いな」

「なんで初対面の人にそこまで言われるんですかぁ‼」

 

ちょっとお祈りメールで凹んで気分転換もかねて外に出たのに、どうして家に出る前より落ち込むような事になっているの?

 

「まぁ、いいや。とりあえずこの町に来たのは初めてなんだここらで安くて美味くて、出来たら多い量の食事をとれる場所は知らないか?」

「そんな都合のいい店・・・・あ、不乱軒って言う個人経営の中華料理屋さんならあてはまるかも・・・」

「それはどこにある?」

「そこの右を曲がってしばらくっまっすぐ行ったらあるけど・・・・」

「そうか、ありがとう。気が向いたら行ってみみよう」

「ちょちょっと!お金あるんですか?」

「あぁ、この格好だからか。お嬢ちゃんが今回俺から学ぶべきことは人を見かけで判断して勝手なイメージで話をしてはいけないって所だな。残念ながら金は余るほど持っている、じゃあな」

「あ、あの・・・・」

 

行っちゃったよ・・・・

もう何なんだろう。正直思った事をそのまま見透かされしなめられたから本当に焦った

うぅ、ちょっと反省しよう。

 

それはそれで置・い・と・い・て

何だか不乱軒の話をしたらなんだかあそこののチャーハンが食べたくなってきた。

外でたついでだし今から行くことにしよう

 

 

*********

 

 

~不乱軒 店前~

 

う~ん、もう店の近くに来ただけでいい匂い

 

『大将、このチャーハンめちゃくちゃ美味いよ』

『兄ちゃんも良い食いっぷりじゃないか‼こっちが嬉しくなるぜ‼』

『いや、大将の作る料理が美味過ぎるだけだ。あ、チャーハンと餃子と酢豚と春巻きください。あと胡麻団子も』

『兄ちゃん、すでにチャーハン大盛りとラーメン食ってるけど食えんのかい?』

『俺は食事は絶対残さないし、大将の美味い料理を残すなんてとんでもない‼かけら一つ残さないくらいしっかり食えるぜ』

『嬉しい事言ってくれるじゃねぇか。良し分かった‼腕によりをかけて作ってやるぜ‼』

『いよっ、大将男前‼』

 

 

・・・・・・何と言うかおっちゃんがああなのはいつもの事として、今日は随分ノリのいい人がお客だったんだな。

って頼み過ぎでしょ!ここのご飯はおっちゃんが学生のためにって普通でも結構多いくらいなのに‼

怖いもの見たさと言うかちょっと見てみたいな

どんな人なんだろう?

 

 

ガラガラガラ

 

「いらっしゃい‼ってカレンちゃんか。どうした、また落ちたか?」

「合ってるけどそれは言わないで欲しいな~・・・・・って貴方はさっきの⁉」

「なんだ?知り合いか?」

「いや、知らないな」

「ちょっと‼」

「知らないのかい?」

「ほんとに覚えがないんだが・・・・・どこかで会いました?」

「さっき‼公園で‼ここの事教えた!」

「文明人ならもっと知的に話したほうがいい。親がせっかく見た目良く生んでくれたんだからなおさらな」

「それはどうも‼」

「で、カレンちゃんはいつものかい?」

「うん、おっちゃんお願い‼あと胡麻団子も‼」

「あいよ」

 

はぁ、何でこんなことになったんだろう?

何か悪い事でも起こるのかな?

 

 

「さっきからこっち見てますけどなんですか?」

「いや、なんでもない」

「何でもない訳ないじゃないですか、言ってください」

「いいのか?」

「今更遠慮されても変に気になるだけだから」

「そうか、それじゃあ遠慮なく。・・・・食い過ぎじゃね?」

「貴方に言われたくはない!」

「俺はいいんだよ。一週間ぶりくらいのまともなご飯なんだから」

「なにそれ?」

「まぁ、いろいろあるって事だ」

 

何それ・・・・・この人何なの怪しすぎる!

人を殺してたりとかしないよね⁉

 

『続いて速報です。先日から活発化していたテロ組織NSHと名乗る集団による日本各地での破壊活動が行われていましたが謎のスーツの男によって鎮静化された模様です。政府はいまだこのスーツの男の件に関しての情報は公開してはいませんが、「我々は引き続き警戒態勢を敷いて国民の生活を守る所存だ。国民の皆様にもご協力をお願いします」との事です』

 

二年前位に急に表れたテロ集団 Next Stage Human。それぞれの頭文字をとってNSH。

彼らの目的は不明であったが世界各国の主要な施設などの破壊工作などを行い、いくつかの国をつぶしたこともある集団。

彼らの特徴はこの時代にふさわしくない程の最新の技術によって作られたスーツを着込んで戦闘を行う点だ。

基本的なスーツは人とほぼ変わらないような大きさでありながらパトカーなどを投げ飛ばすほどのパワー。

もちろん銃弾はは基本的に通さない。通すものもなくはないが、それは銃身が限定されるし一発のコストも恐ろしく高いらしい。それでなお致命傷に至らないそうだ。

そしてスーツの腕のの場所には超小型の銃があり、それを乱射する事により多少の遠距離の戦闘も単体でこなせるようだ。

 

そしてさらに猛威を振るっている理由として装備の柔軟さが挙げられる。

小型でありながら高威力なハンドガンのようなものから、現在の各国の装備では実現できない程の超長距離狙撃を行える銃。戦車すらも切り裂くくらいの切れ味を出す大剣型の装備などなど。

 

そして機動性は落ちている事はなく、むしろ加速機能でもあるのかパトカー程度なら並列して走れるそうだ。

1つのスーツが来ただけでひとつの戦場を支配するほどのオバースペック。

 

そしてそれらスーツの顔には一様に角が生えており、恐ろしさから人々はいつの間にか機械に身を包んだ鬼をまとめて「機鬼」と呼ぶようになった。顔の角の数が多いほど組織における地位は上のようだ。現在四本まで確認されている。

 

と話が少しそれたが、そんなに高性能なスーツは普通の人間じゃ彼らのようには使いこなせないとされている。

彼らは何か特殊な事をしているのだろうと言うのだが、それが何かまでは分かっていないのが世界の現状だ。

しかし最近は海外の方の活動はなくなったようだ。

 

そこに絡んでくるのが、謎のスーツの男だ。

彼はNSHとほぼ同時期に現れ、事件を起こした者たちを次々と撃破している。

情報もなく、何もかもが不明。しかし「機鬼」を唯一倒せる存在として前から巷を騒がせている。そして基本的に夜や夕方など人目につかない、そして人が外を出歩かないような時に戦いを始める。なのでこのスーツの男は基本的にはっきりとした姿を見せた事はない。見れたら幸せになれるとかいうふざけた都市伝説になるくらいにないのだ。

 

もともとNSHは海外での活動が以前はメインだったようなのだが彼が現れてことごとく撃破されているため最近になってめっきり海外での活動のニュースはなくなった。

確実に彼の活躍によりNSHの勢力は削がれているのだ。

 

え?何でここまで詳しいのかって?それは今の社会調べようと思ったことは大体なんでも調べられるからね

娯楽誌とかネットとかで見ればよく取り上げられているから大体の事はわかるのよ

 

しかし、この大体の事は一般人でも調べられるような情報化社会においても不明な存在。

しかしネット界隈では、その姿はかつて存在していた人類のために戦っていた戦士になぞらえていつしか「仮面ライダー」と呼ばれていた。

 

 

「幸いうちの方には何にもないが、こうなったらいつどうなってもおかしくはないよなぁ」

「ちょっと、おっちゃん怖くなるような事言わないでよ‼」

「こっちの方ではないのか?」

「幸いまだないんだよ」

「それはラッキーだな」

「本当になぁ、被害にあってしまった人たちには悪いけどな」

「そうだよね~。敵を倒してくれるのはありがたいけど大体被害少しでも出ちゃってからだったりするからね。そこんとこはスーツの男に一部批判的な声もあるみたいだし」

「そうか・・・・・・。ところでここら辺で大きな廃工場はないか?」

「確か山の方に言ったらいっこなかったっけ?」

「あ~、最近廃工場になった神野製鉄のか。あそこなんで廃工場になったんだろうなぁ」

「儲かってたらしいし、不思議だよね~」

「神野製鉄ね。なるほど・・・・」

「よしっ‼はい、兄ちゃんの分お待ち‼」

「お、待ってました‼さぁ食うぞ‼」

 

やっぱりこの人何かおかしいよ‼(食べる量も含め)

 

 

 

*********

 

 

あの後、不乱軒から去っていった男は本当にかけら一つも残さない位に食べていった。

なんかもう見てるだけでお腹いっぱいだったな~

 

でもすっかりおっちゃん気に入っちゃって名前とか聞いてたなぁ

ヒカゲさんか・・・・。今度会ったら文句の1つでも言ってやろう‼

 

で、話は変わって昼間に話した神野製鉄の事がなんだか気になり、車で来てしまった・・・

怖いのとか嫌いだから大学とかでも肝試しとか全く行かなかったのに何でこんな事しているんだろう

 

ってなんか電気ついてる⁉えぇぇぇぇぇここ廃工場だよね⁉

 

えっと・・・見てしまった以上は注意した方が良いのかな

行きたくないけどもうしょうがないよね~~~~

 

 

~神野工場 一階入り口~

 

 

カツカツカツカツ

 

 

正直自分の靴の反響している音だけで怖い、そして廃墟らしく物が散乱している。

もう帰ろうかな・・・・。でもそれはそれで気になるし余計怖いような・・・・・・

もう少しで電気ついてたところだから・・・・・・

 

 

 

 

何でこんな所に機鬼がいるの⁉

この町じゃ今まで破壊活動どころか目撃情報すらなかったのに・・・・・

に、逃げないと・・・・・そして早く警察に言わないと・・・・・・・

 

人間慌てた時にこそ致命的なミスを起こすもので・・・・。

 

 

カランカランカラン

 

足元の缶ゴミ蹴っちゃった・・・・い、急いで逃げないと捕まったらお終いだ

 

 

そう思い駆け出そうとした途端。目の前には機鬼がいたーーーーー‼

 

 

「もがもがもがっもっが」

 

機鬼に捕まえられ口をふさがれた今もう殺されるとしか思えない・・・・・

ごめんなさい、許して何でもしますから神様仏様なんでも良いから助けてください‼

 

 

パリーン‼

 

 

正直何が起こったのかわからないけど、それでも今までネットでしか見た事ないけどその姿を見た時に助かると思って自然と涙がこぼれていた

 

「さて、後片付けを始めようか」

 

 

 

*********

 

 

俺は中華料理屋で食事をした後、さっそく言っていた神野製鉄の廃工場を監視できる木の上にに乗ってスコープで覗いていた。

何でここに居るのかと言うと、以前倒した敵の1人がこの町で大きなことをやる計画があると言っていたからだ。

そして今までの計画のパターンだと設備の整った誰も使っていない所を使う可能性が多い。

 

基本的にゲリラ戦をしてくる奴らだったからな

最近はもう人員をかなりの数倒したからか前より無茶な作戦はなくなったように感じるが油断はできない

 

「あぁ、昼飯美味かったなぁこれ終わったらまた行くか」

 

おの店は超大当たりだった、特にチャーハン

最近はパラパラ派が主流なのかは知らんが、俺はしっとりした感じのチャーハンが好きなんだ

その点あそこのは味も素晴らしいし、絶妙なしっとり感。具材も卵、ネギ、チャーシューとシンプルながら最高の組み合わせだったな

 

「あぁ、また食いたくなってきた」

 

いかんいかん集中して見てないと見逃すかもしれん

長時間の可能性も考えられたからコンビニでパンとか飲み物とかお菓子とかはちゃんと用意した

予想が当たってくれるといいんだがな・・・・・・・・

 

 

~ 8時間後 ~

 

「ねむっ、さむっ」

 

日本の春って意外と寒かったんだな

ちょっと何とかしないと・・・・っては車?こんな時間に?

 

倍率上げてみるか・・・・・・・・ってさっきの女か?まさかあの娘がアイツらの関係者?

いや違うな・・・足震えてるし肝試しか?ってなんで中に?

ん?いつの間にか電気がついてるな・・・・・一般人が入ったことは考えられない・・・・・・

嫌な予感がするな・・・・・・

 

俺はすぐさまベルトを巻き認証用のパネルに指を置く。

さて、やりますか

俺の使命、何としても果たさないといけない物、それを果たしに

 

ロックが外れ、ベルトのトリガーを引く。

 

「変っ・・・身‼」

 

ベルトのコアが低く唸り、スーツが展開される。

そして俺の視界が赤く染まる。

 

そして次には木から跳躍し目標のもとに向かって跳んだ

 

この状態ならこの距離なら一回の跳躍で届く!

 

パリーン‼

 

あぁ、泣いちゃって。まぁ、そりゃ死ぬんじゃないかと思ったら普通の人間だったら泣くよな

まぁ、そこはどうでもいい

俺はあくまで俺の使命のために戦うだけだ、今までもこれからも

 

「さて、後片付けを始めようか」

 

「お前か・・・・よくも我々の邪魔ばかりしてくれるな」

「お互い様。今度こそは有益を情報を寄越せよ」

「ここでお前は終わる‼」

「刀を使うタイプか・・・・・」

 

左、右、突き、払い、面、小手、足払い・・・・・

 

避けながらもしっかり考える事は忘れない。

 

厄介だな。このタイプは確実に普通に関節とかスーツが弱くならざるを得ない所に的確に狙って切りかかってくる

おまけにスーツで強化されてるのも相まって不規則な動きもするから読みにくい

しかも接近武器を装備した中ではかなり素早い攻撃を可能にするタイプで、最初の時は特に苦戦したタイプでだ

 

「貰った‼」

 

やっぱりな、振り上げて来たか

 

「その言葉をそのままお返しするぜ‼」

 

刀のタイプは素早い攻撃を行える分、決め手になるような技を出す時は多少大振りになってしまう

その隙に懐に入り直接攻撃するもよし、手首部分を破壊して武器を奪うもよしでこっちのしたいように出来る

 

かつては苦戦したとはいえ実戦の数が違う

今となってはどうと言う事はない

 

思考通り、手首を破壊し武器を奪う。

 

「なっ、俺の刀が⁉」

「ふぅ、なかなか良い剣筋だったぜ。まぁ、俺の実戦経験には遠く及ばなかったけどなっ‼」

「がふっ、がっ!ぶぁっ!」

「とりあえずお前の知っているっ今後の計画の事を吐けっ。吐かないならっそのまま終わらせるっ」

「がぁぁっ、わかった。話す話すから・・・」

「じゃあ話せ、ただし時間はないから直ちに話せ。それが出来てないようならその瞬間に終わらす」

「わ、わかった・・・。この町に来たのは組織のトップからこの町に来るよう世界中の構成員に通達があったからだ‼・・・・わかった話すから!拳を振り上げないでくれ‼それで俺が聞いたのだと海外での活動は中止し、まずは日本を拠点とするべく活動を開始するって言われたからだ‼」

「なぜこの町にお前たちが集まっている!」

「そんなの俺のような下級構成員に聞いたって知るわけないだろ!とにかく来いって言われたんだ‼」

「そうか・・・・。もう他にはないのか?」

「ない、・・ただここには計画に必要な何かがあるって噂で聞いたぐらいだ‼」

「そうか。協力感謝するっ‼」

「がぁぁぁ‼」

 

パリーン

 

力を込めて殴って外に放り出した

情報は引き出せたし、ここらが引き時だな

俺も外に出て・・・・っと

 

「よっと・・・・。協力は感謝する。そしてお前はここで処分する」

「やめてくれ・・・・・・、まだ死にたくない」

「それはお前たちが殺した人間も言ってきた言葉だろう?お前たちはその後何をした?答えはそれだ」

「いやだ、命令だったから仕方がなかった・・・・俺だって殺されたくないから仕方がなく・・・な?また許されるだろ?」

「お前の言い分を俺の立場で言い換えるなら、仕事で人を殺すのが許されるなら、俺の使命も結果的には人類の救う事になる事だから許される」

「いやだ!本当に死にたくない‼・・・っ何なんだよぉ!お前はいったい何なんだよぉ!」

 

「俺か・・・・・・・

 

 

     俺の名はPhantom。お前たちを殺す幻影であり、お前たちが最も恐れる亡霊だ」

 

 

俺はスーツの頭だけ外して前髪を上げて顔を見せる。

 

 

「よぉ、復讐しに来たぞ」

「あ、あ、あぁぁぁぁぁぁっぁっぁぁぁぁぁっぁっぁぁっぁっぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ‼」

 

 

再び頭をつけ、ベルトのトリガーを引く。

そうする事により、エネルギーが足に集中し紅いオーラを纏いながら一撃必殺の技となる。

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁl‼」

「がぁぁぁぁぁ!」

 

蹴りを受けた奴は爆散した。

必殺の蹴り。これを受けて死ななかった敵はいない。

 

 

「・・・・ふぅ、お片付け終わりっと」

 

はぁ、今回は一般人が入ってきたから少し焦ったな・・・・・・

まぁ、そこまでする必要はないが一応確認しておこう

 

「おい、そこの一般人‼無事か⁉」

 

 

**********

 

 

何かとんでもない物を見せられたような気がする・・・・

けれど、本当に現実のものだったのかと思えるくらい実感がない

 

戦いを見ていてももう目で追えない、暗さもあったから当たり前だけど

そして私の前で尋問してその後外に出してに殺した

外に出てからの会話は聞えなかったけど、頭のメットを取って顔を見せてからの機鬼の様子が異常だった

何があったんだろうか?

 

 

見た目も動画で見た事あるけど本物だった。

黒がベースのスーツに顔や体に赤いラインが入った赤色の目をした片方にだけ角のようなものが横向きに出ている。手先と足先はシルバーで、ボディも部分も一部シルバーの鎧のような物がある。

そして夜間は目と赤い体のラインが発行しているのも同じ。そして目の前で機鬼を倒した。

 

振り返ってこっちに来ているのは動画で何度も見た「仮面ライダー」と言われる人。

 

正直声はがっつり加工してるからわからないけど何だろう?知っている気がする

 

「おいって、意識あるなら返事してくれ」

「あ、あぁ、すいません‼助けて頂いてありがとうございました‼」

「いや、お礼とかはいい。俺の目的のついでで結果的に助ける事になっただけだしな」

「それでも言わせてください!命を救っていただいてありがとうございました‼」

「・・・・・・はい、どーも。そろそろ俺は行くわ」

「あの・・・・・一つだけ聞いても良いですか?」

「・・・・・手短にな?」

「あの・・・・なんで協力して戦意喪失してる人を殺すことをしたんですか?」

「・・・・・俺がしているのは復讐だ。人助けじゃない」

「え?復讐って・・・・・」

 

ウゥゥゥウゥゥゥ~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「警察が来たか・・・・俺は行かないといけない。じゃあな、もう危険な事に首を突っ込むなよ」

 

ドルルルルルルルルルルルルル‼

 

そうしていつの間にか来ていたバイクに乗って去っていきました・・・

彼のしている事は復讐?決して人の為じゃない?じゃあ彼は私たちの思っている仮面ライダーじゃない?

 

 

今夜だけで数々の謎が私の中で生まれました

そしてこの夜から町の平和が終わったんだと、無意識ながらに感じました

 




〈次回予告〉


本格的に始動しようとする、NSH

それを阻止せんと調査を開始するヒカゲ

そしてカレンは生で仮面ライダーを見たという事で取材陣に追われまくり⁉

そして仮面ライダーがついに白日の下に晒される!

「貴方はいったい何のために戦ってるの?」
「前も言ったが、俺は人の為にに戦っているんじゃない。俺は俺の使命であり復讐である事の為にに戦っているだけだ。俺には・・・・それしかない」

次回 仮面ライダーファントム Ep.2 復讐を誓った日  

「俺はあの日から復讐すると誓った‼」


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