ZOIDS materials (SIーZUー)
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第1話 ツイてない男と無表情が印象の少女の出会い
惑星Zi
ゾイドと呼ばれる金属生命体と人間が共存している世界。
少し前まで戦争があり、戦後の復興作業でまだまだ人々は忙しなくしているが戦争の爪痕はあまり見られなくなった。今ではそれこそ平和な世界になっており人々は平和を謳歌していた。
…そんな平和な世界で
「なんだってこんなにツイてないんだよー!!」
盗賊のゾイドに囲まれた蒼い機体に乗る俺は叫んでいた。…いや本当ツイてないって
ーーー遡ること3日前ーーー
旅の途中で立ち寄った街で「あーそろそろ金稼がないとヤバいなー」などと考えながら街にある酒場に立ち寄り何か稼ぎの良い依頼はなんかないかと(大抵こういう場所には戦時の名残りなのか掲示板に傭兵などに向けた依頼などが貼り出せれている)昼飯を食べなから探し、上手い事いい額の依頼を見つけ依頼を受理した。
内容に関しては街周辺にいるスリーパーゾイドを退治して欲しいという依頼だった。何でも街への輸送などをしていると襲われ非常に困っていたらしい。
翌日しっかり依頼をこなし無事報酬も貰い「よっしゃー!これでひもじい思いはしなくて済むぞ!今日は酒だ!」と酒場で居合わせた別のゾイド乗りや傭兵などと酒場に居た人達と酒ベロンベロンになるまで飲んでた。
…思えばこの時調子に乗って飲み過ぎなければ不運な自体は避けられたのに。
この時ゾイド乗り達との酒盛りでは「この中で誰が最強か」という事で盛り上がっており、「俺が最強だ」「いや、この俺が」「てめぇ俺らのボスに勝てると思ってんのか!?」などと騒いでおり当然その中に俺も居り、なら明日街の外れで誰が最強かゾイド戦だ!となりそのまま全員酒場で寝て一夜過ごした。(酒場の店主はよくこういうことがあるのか特に気にせず裏に引っ込んで「朝は自分達で起きろよ~」などと言っていた)…ここまでは良かった。
そして翌日二日酔いで痛む頭を抑えながら自分のゾイドを止めてある場所に行き自分のゾイドに乗って指定された場所に向かい、そこでゾイド数機による乱戦開始。
その間ずっと頭を揺さぶられ二日酔いのせいで吐きそうになるがなんとか堪え勝ち抜き見事あの酒場での最強は自分という事になった。
しかしそれだけでは終わらなかった。…本当はそのまま終わって昼寝しに街に帰りたかったが。
何やら最初にリタイアした男(実はこの男盗賊)が自分が負けたことに逆ギレし自分の部下を呼んでいた様でわんさかとモルガとレブラプターやコマンドウルフが来た。それも既に俺しか立っていない状況である。
最初は撃退しようとしたが4機程倒した所で弾切れを起こした。実弾以外にビーム兵器もあるがエネルギーもかなり消耗していた。
ゾイドは体を休めることでその驚異的な生命力を持って傷を癒し、エネルギーも回復させられるが、戦闘中ではそれもできない。このまま長引けばエネルギーが尽きるだろう。故に
逃げた。
それはもう見事な逃げっぷりでさっきまで最強などとほざいていた男の姿などそこには既に無かった。
…が、またしても不運は重なる。
今度は別ルートから来ていた盗賊が正面から来て見事挟み撃ち。そしてふとコクピットのしたに落ちていた自分の財布が目に入り拾い上げると妙に軽い。見てみれば有り金全て無くなっており(恐らく酒場で寝ている間にパクられた)、二重でピンチという現実が突如自分に降り掛かってきた。
そして冒頭へと至る訳である。
さてさてこのピンチをどうやって切り抜けるか。個人的には前と後ろから挟み撃ちをくらってるなら横に逃げたいのだがここは逃げている内に入り込んだ街からかなり離れた渓谷であり、あいにくと横になど逃げられない。
ならば正面突破か?…できなくはないが袋叩きにあうためできれば避けたい。
あれ?八方塞がりじゃん。やっべえ。
頭を抱えて呻くがそんな事しても何も変わらず徐々に前と後ろから近ずいて来ているため時間ももう無い。
もう正面突破するしかないかと腹括ったその時。
左上から後ろのゾイド達に向かって射撃が入り盗賊は止まった。
何事かと射撃の発生源を見たら丘の上に赤い竜が居た。
「…ジェノブレイカー…だと?」
珍しい機体を見て呆然としていると通信が入り1人の少女が映った。
髪は栗色のショートカットで瞳は蒼く、その表情は無表情でどこか冷たい印象の少女だった。
「どうやらお困りのようですね。差し出がましいですが手を貸しましょうか?」
「お?マジ?じゃあ手を貸してくれ。あいにくと今は猫の手も借りたいくらい困っててね」
「そうですか。では私は後方の方を相手します。」
「OKOK。じゃあ宜しくな」
そう言って俺らは前と後ろ二手に別れた。
「じゃあ行くぜ、ブレードライガー!!」
俺は自分の愛機であるブレードライガーを前へトップスピードで走らせ正面にいるレブラプターを代名詞であるレーザーブレードで切り抜き、他のレブラプターからの射撃を軽く躱し今度はソイツに飛びかかりレーザーファングで首元に噛みつき無理矢理装甲諸共内部の動力路を噛みちぎった。
そしてまたそこに今度はモルガがガトリング砲を浴びせてくる。
「遅い遅い」
そんな物最初から来るのが分かっていたので掠りもせず躱し、またソイツに飛びかかる。
あとはそれの繰り返しでかわして噛み付いてかわして爪で殴り飛ばしてかわして切る。そうしているうちにさっきまで居た盗賊はほとんど減り残りは慌てて逃げていった。立っているのはブレードライガーのみ。
後方にいた盗賊達の方はどうなったか見てみたらそこは地獄絵図になっていた。
無残に破壊され尽くしたゾイドの残骸が散らばっておりその中心には先ほどのジェノブレイカーのみ。
「ヒュー。コイツはおっかねぇな」
「第一声にそれは失礼ではと思いますが?」
「いや、これ見たら普通そう思うわ」
「そうでしょうか?ですがそんな事よりまず言うべきことがあるのでは無いでしょうか?」
「まぁ確かにそうだな。ありがとう。助かったわ」
「いえ、さほど苦労はしませんでしたのでお気になさらず」
何はともあれ窮地を脱出できたのは良かった。
「では私はこれで失礼します」
そう言って少女が通信を切ろうとした瞬間。
ぐぅ~
そんな情けない音が俺の腹から鳴った。
「…」
「…」
お互いに一言も発さない静寂が数秒続いた。
そしておもむろに少女は通信を切ろうとし、
「待て待て!頼む!無言で通信切ろうとしないでくれ!そしてできれば何か恵んでくれねぇか!?実は今無一文なんだよ俺!」
先ほど無一文であることが判明した男には背に腹は変えられなかった。
「…仕方ありません。では私に付いてきてください。そこで食事を用意しましょう。」
少女は呆れながらも手を差し伸べた。
「…あぁ!助かる!…そうだまだ自己紹介してなかったな。俺はアレックス。アレックス・ギフトだ」
「…シュテル・スタークスと申します」
これが俺と彼女の出会いだった。
9月18日修正
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第2話 シュテルの家族
しばらくは前書きでキャラ紹介して行こうと思います。
アレックス・ギフト
性別:男
年齢:21
容姿:少し褐色気味の肌で身長173cmの細マッチョ。髪は白髪でシンプルに短く切りそろえられた髪型。瞳の色は黒。顔は少し厳つく彫りが深く無精髭を生やしている。
服装:白のシャツの上から黒のレザージャケット。黒のカーゴパンツに黒のミリタリーブーツ
搭乗機:ブレードライガー
楽天的で基本的にはだらしない。スケベ。正義感は強く知人が本気で困っていれば躊躇わず助ける男気がある。が、逆に別に本気困ってなければ寧ろ弄りに行く。酒、タバコが大好き。ギャンブルは1度痛い目をみてやめたためしない。自分探しの旅をしている。
「いやー美味かった美味かった!本当助かったよ!」
今俺はシュテルの家族と昼食を共にしている。
なぜシュテルの家族もかというと、あの後シュテルの案内に着いて行った先にはなんとホバーカーゴがありそこにシュテルは住んでいるという。
なんでもシュテルも家族と一緒にある目的の為に旅をしているらしい。
そしてその家族構成というのも珍しい物で
「いやー、本当美味かったよ。ディアーチェ。アンタプロの料理人かい?」
「たわけ。我を誰と思っている。これぐらい当然だ。そこいらの塵芥の料理と一緒にするでない!」
まず俺に料理をご馳走してくれたこの偉そうな口調の少女。ディアーチェと言い、この一家のリーダーらしい。髪は銀髪のショートカットで先の方が黒く、瞳は翡翠色である。
プライドが高いのか自分の事を「我」と呼び人の事を「塵芥」や「下郎」と呼んでおり、会って数時間程でしかないが中々将来が心配である。具体的に言うと中二的な物が大人になっても続くとか。
「まぁ、確かにそこいらの高級なだけの料理なんかとは比べ物にはならない位美味しかった」
そんな高い所で食ったことないけどな。
「もごもごそうだぞー!王様の料理は世界1なんだぞー!もごもごどうだスゴイだろえっへん!」
「レヴィ!物を口に入れたまま喋るでないと言っておるだろうが!」
「えへへごめんなさーい」
そしてこちらの食べながら喋っていた元気っ子がレヴィ。元気を体で体現したかのような娘でとても活発である。見た目は水色の髪でツインテール。ピンクっぽい紫の瞳。そして1番目がいく特徴がありそれは…
「いやー僕もうお腹一杯だよー」
「…何故此奴はこんなにも食べて我よりも細くて胸がでかいのだ…」
そう。15歳にしては明らかに他の同世代の女子より大きい豊かなお胸さんである。
いやーびっくりしたね俺は。会って早々に「お前誰だー!?泥棒だな僕が退治してやる!」と飛びかかられた訳だがその拍子に揺れたお胸さんに気を取られ(空腹で思考が回らなかったんだ。決しておっぱいに気を取られただけではない!)押し倒されてしまいその拍子に俺の胸にお胸さんが押し付けられた訳だがそれだけで生きててよかったと思えるくらい素晴らしいお胸さんだった。(その後シュテルによって誤解は解かれた。)
「まぁまぁディアーチェ。胸なんか人の魅力を形成する物の1部でしかないんだ。あんま気にすんな。それにその年頃なんだまだ未来はあるぞ…多分」
「う、うるさい!誰もレヴィの胸が羨ましいなど思っておらぬわ!それと最後の一言は余計だ!」
「ハ、ハワワワ…ディ、ディアーチェ、お、落ち着いてください~…」
「う…す、すまぬなユーリ驚かせてしまって」
そして3人目のこの娘がユーリ。シュテル達とは一つ年下でこの家族では末っ子ポジションの女の子。金髪のふわふわした長い髪の娘で小柄な娘で瞳は金色。
人見知りな娘の様で会った瞬間悲鳴を上げられ「俺そんな顔厳ついかな…?」と自信を無くしそうになった。(因みにこの悲鳴が原因でレヴィは泥棒と勘違いした模様)
まだ俺の事は怖い様で、泥棒ではないと分かってはくれたが今も俺から1番離れた席に座っている。
「皆さん。一応お客の前何ですから騒ぎすぎるのもどうかと思いますが」
「あーあんま俺の事は気にしなくていいぞ。飯食わせてもらってる身だし堅苦しいのは苦手なんだ」
「そうですか」
そういうもんだと返し食後のコーヒーに舌鼓を打っていると
「まぁいい。とりあえず全員食べ終わった様だし皿は下げさせて貰うぞ」
そう言ってディアーチェが皿を下げ始めた。
「では私も」
「おっと。俺も手伝うわ。食わせてもらったし」
「構わぬ。客に皿を洗わせるなど王の品格が下がるわ!」
えぇ…そういもんかね?こっちとしては逆に気が引けるが
「ディアーチェの言う通りです。あなたはお客なのですからゆっくりしていて下さい」
「ん~。じゃあお言葉に甘えて」
はい。と言ってシュテルはディアーチェの後を追って皿をキッチンに運び始めた。その姿を見つつコーヒーを飲んでいると
「ねぇアレックス!暇だったら一緒にゲームして遊ばない?すっごく面白いよ!」
そう言ってレヴィが後ろから抱き着いてきた。残念な事に背もたれがあるせいでお胸様の感触は味わえないがよく初見の男相手にここまでできる物だと思うんだが俺だけか?
「お!ゲームか。何のゲームだ?」
「ス〇ブラ」
リビングの方を見ればモニターの画面はス〇ブラのタイトル画面になっておりユーリもソファーに座ってスタンバってた。
どうせ暇だしこの機会にユーリも慣れるかもしれんし付き合ってやるか。
「いいぞ。じゃあやるか。」
「OK!じゃあリビング行こっ!」
「はいはい。言っとくけど手加減しねぇからなー」
「へっへーんボクは最強だからね!ボクが圧勝してやる!」
そんな軽口を叩きあいながらコーヒーを持ってリビングに行った。
さぁて一丁やってやるか
ーーーーー
気付けばかなりかなりの時間やり込んでいたらしい。12:30頃に始めたが時計を見れば6時を回っていた。
それというのもかなり白熱していたのが原因でレヴィが緑の格好の剣士、俺は燃える拳を放つマッチョ。そしてユーリは意外にもあの憎たらしい茶色いゴリラを使っていた。初めはバラバラに乱戦状態だったが俺が1人勝ちし、またステージを変えて同じキャラでやったがまた俺の1人勝ちになった。(実は昔このゲームは結構やり込んでいた)
レヴィ達は「また負けたー!なんでー!?」と悔しがりそんなレヴィに俺が「フッ。それは経験の差さ!」なんて言ったら「なんだとー!?」と怒り始めた。
しばらくギャンギャン騒いでたがふとニヤリと笑い初めユーリとヒソヒソ話し始めた。そして再び俺のほうを向き「次はギタギタにしてやる!」と言い始め別のステージでまた対戦を始めた。
…もうお察しだろう。2人がかりで俺に集中攻撃し始めたのである。
それはもう酷くボコボコにされ、レヴィとユーリは二人してハイタッチして大喜び。わざわざこっちの方を向いて「ざまあみろー!」と言ってくるのだ。
そこで俺の中で何かスイッチが入り今度はお互いの攻撃を誘導して互いにダメージを与えさせつつボコボコにし煽ってやった。
この頃になるとユーリも俺に慣れたのかブーブー文句を言い始め、洗い物の終わったシュテル達も参戦し白熱した戦いが続いた。
そして先ほど全員目が疲れ休憩するかと時計を見たら6時を回っていたのである。楽しい時間はいつだって時間が早く感じる。
「もうこんな時間か。では夕食を作るか」
おもむろにディアーチェが席を立ちキッチンに向かった。それを見て俺は帰る支度を始めた。
その様子を見たシュテルが「帰るのですか」と聞いてきた。流石に夕食まで世話になるのは迷惑だろうと思い今朝まで居た街に戻ることを伝えたがそれを聞いたシュテルは「夕食も頂いて行ってはどうでしょうか?」と言ってきた。
「流石に迷惑だろ。戻って適当な店で食うから気にすんなって」
「無一文なのにですか?」
「うっ!」
痛い所を突かれた。実際無一文だから困っていたわけでこんな状況にあるわけだし当たり前と言えば当たり前だ。まぁ、また酒場で依頼を探して明日の朝1に依頼こなせばどうにかなるかとおもっていたし夜食位食べなくても大丈夫だろうとも考えてるわけだが。
その会話を聞いていたのかディアーチェがキッチンから顔を出し、「なら食っていけ」と一言言ってきた。
「いや、でも…」
「「「「…」」」」
気付けば全員から無言で睨まれていた。
これは断れんな。
「分かった。じゃあ頼む」
そう言った瞬間レヴィとユーリは大喜びし、ディアーチェはフンと鼻を鳴らしてキッチンに顔を引っ込めた。
今日はツイてないと思ってたがそんな事は無かったな。
この状況を見て俺は1人思った。
ーーーーー
「貴様そう言えば旅をしておると言っておったな」
食事を終えて茶を飲んだいたら唐突にディアーチェがそんなことを言い始めた。
「あぁ。そう言ったがそれがどうかしたのか?」
ゾイド乗りの大半は自分の実力を伸ばそうとしたりトレジャーハンターなどをしているため旅をしている。シュテル達も何か目的があって旅をしていると言っていたし別に珍しい話ではない。
「なに。単純に気になってな。」
「そういば聞いていませんでしたね」
「ボクも気になる気になるー!」
「わ、私も聞きたいです!」
全員俺の旅の目的が気になるみたいだ。
けど別大した目的じゃないんだよな。
「別に大した目的じゃねぇぞ?」
「構わん」
まぁ、別に話せない事じゃないし言えば何か情報が手に入るかもしれないしな
「まぁ、簡単に言えば自分探しだよ」
「自分探し…ですか?」
皆なんで?みたいな顔してるな
「物心ついた頃には両親はいなくてな。村長に育てられていたんだが出自が全く分からなくてな。村長に聞いても分からなくて15の時に親父が乗ってたって言うブレードライガーに乗って村を飛び出したんだよ」
「あーあの格納庫に居たブレードライガーだね!すっごくカッコイイ!」
レヴィが興奮し始めそれに苦笑しているとシュテルが「なるほど。旅の理由はわかりました。それで自分探しの結果はどうだったのですか?」と聞いてきた。
「それがちっとも。親父が昔共和国軍に所属していたってことを知り合いにライガーを調べてもらってわかった程度。それ以外は全部データは厳重にロックされてるし、いろんな街に行ったが情報が少なすぎて何も得られるずじまいだよ。」
そうですか。とシュテルは言って黙り込んでしまった。
「あ、あの。共和国に所属していたのでしたら軍の人に聞いてみてデータベースを調べて貰えばいいのでは無いですか?」
「あーそれはダメなんだよなぁ」
ユーリの提案にハハハっと苦笑してしまう。
「まぁ、昔軍のお偉いさんにやらかしちまってな。それ以来その人に目をつけられててな。迂闊に共和国軍の奴に関われないんだよ」
「一体何をやらかしたんですか」
「…まぁ、ちょっと物資を拝借しようと忍び込んでそれが見つかってな。その時に間違ってそのお偉いさんを気絶させたんだよ」
ハッハッハと笑って誤魔化すが何とも言えないことをやっていてレヴィ以外は呆れてため息を付いていた。(レヴィはおもしろそーなんて言っていたが)
…別にわざとじゃないんだぞ。焦って力加減ミスって思いっきり床に叩きつけてしまっただけなんだ。
「…まぁ、よい。とりあえず貴様の目的はわかった。」
「そうかい。それで話はもう終わりで良いのか」
「…いや。貴様の目的を聞いた上で聞こうと思っていてな。ここからが我としては本題だ」
そう言いながらディアーチェは真剣な顔になった。
一体何の話なんだろうか。そう期待して待っているとディアーチェは口を開いた。
「我らと一緒に来ないか?」
1話当たりの長さの基準が分からないので書けるだけ書いてキリのいいところで切っていくスタイルにしようかと思ってますけどそんな感じ大丈夫でしょうかね?
コメントで感想やアドバイス待ってます。基本的に作者はメンタル弱いので批評は無しでお願いします。
では、ありがとうございました!
9月18日に前書きに服装について追加しました。
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第3話 勧誘と旅の目的
シュテル・スタークス
性別:女
年齢:15
容姿:栗色のショートカット、蒼い瞳の少女。基本的に原作の容姿だが違う点として15歳の設定な為原作より身長は高く158cm。スタイルは同年代の女子ではかなり良い。胸はディアーチェより大きくレヴィ未満。
服装:戦闘時は原作のバリアジャケットと同じ。普段着はいろいろあるがよく着るのはなのはinnocentのゆるふわ普段着。
搭乗機:ジェノブレイカー(愛称:ルシフェリオン)
無表情が印象の少女。アレックスと最初に会った人。家族で構成されている「紫天の旅団」に所属。旅団ではディアーチェと共に家事などをしながら皆のサポートなどしたりする。基本何でも卒なくこなす天才肌でゾイドの操縦の腕前も旅団では1番上手い。しかし弱点として冷静なようでいて熱くなりやすく、少し戦闘狂気味。そして若干天然が入っている。
「は?」
「だから我らと来ないかと聞いておる」
いや、いきなり来ぬか?と言われてもねぇ…
「とりあえずいろいろ聞きたいことがあるんだがいいか?」
「構わん」
「んじゃ何でその提案を俺に?」
「まぁ、貴様が一緒におる事で我らにもメリットがあるからな」
「メリット?」
うむ。とディアーチェは腕を組んで頷いた
「まず一つ目に力仕事を任せられるというのがある。我らは全員女故にどうしても力仕事などに限界があるのだ。」
なるほどな。確かにコイツら以外に一緒に住んでいる様子もないし、そうなると男は居ないのも分かる。力仕事に限界があるのも確かだ。
「そして第二に我らは全員未成年故な。見たところ貴様は成人のようだし、我ら未成年が入れない場所もしくは購入できないものを任せられる。」
それも納得である。酒場などによっては確かに未成年でも入れる場所もあるから今までは何とか依頼や情報を探して行けただろうが逆も然り。未成年の立ち入りを禁じている酒場もあり、そういう所には決まって貴重な情報や危険だが報酬の額が良い依頼もある。
ゾイドの武器なども未成年だと舐められて仕入れる事が出来ないこともあるのだ。大人がいるのといないでは確かに行動できる幅はかなり変わってくる。
「そして最後にこれが1番重要でな」
「ほう」
1番重要な事ね…
「貴様が我らの信頼に値する男だからだ」
「 」
…マジか。
予想外な事で少し唖然となる
「今までも大人の男が必要だとは感じていてな。何度か勧誘を考えたこともあったがどいつも下心が見え見えでな。信頼に値しなかったが貴様は違う。下心なんかとは別に我らと向き合っておると感じたのだ。」
「いやいや俺はそんな大層なもんじゃねぇぞ!基本自分が楽しければそれで良い人間だぞ」
事実それが問題で揉めたことは今までたくさんある。
「それは人間としては当然だ。それとは別に我らを見てくれていたというのが大事なのだ。ユーリがこの短時間で貴様に気を許しているのが何よりの証拠だ」
「そうですよ!アレックスなら私は一緒にいて欲しいです!」
そうディアーチェとユーリが言ってくる。
「…まぁ、とりあえず勧誘した理由はわかった。けどまだ聞きたい理由があるからとりあえずいいか?」
「あぁ、構わん」
そしてもう一つ気になっていたことを聞いた
「じゃあお前らの旅してる理由ってなんだ?」
これが俺は気になっていた。
シュテルも目的のために旅をしていると言っていた。それが分からない以上は行動を共にはできない。
「む?シュテル。貴様言ってなかったのか?」
「あぁそういえば言ってませんでしたね」
ディアーチェとシュテルがそうぼやく。
どうやら目的を話した前提で勧誘していたようだ。
「ならば教えるのが道理よな」
「勿体ぶらずに教えてくれよ」
「フッそう急かすな。我らの目的はな…」
ディアーチェは不敵な笑みを浮かべ
「我らが国を作りその名を世界に轟かす事だ!!」
予想の斜め上な事を言いやがったのである。
ーーーーー
「 」
「ふっふっふ。どうやら驚いて声も出ない様だな」
「因みに王様が王様でユーリが盟友でボクとシュテるんが幹部なんだ!」
「貴様も我らと一緒に来るのであるならば幹部の座に付けてやっても「下らね」…………今貴様何と言った?」
「下らねぇって言ったんだよ」
全員が呆然としている中ディアーチェは俺を睨み
「下らないとは我らが国を作るという事がか?」
「それ以外に何があるんだよ。」
「貴様…ッ!」
あぁ…イライラする
「国を作るなんて現実味のない夢なんざ捨てとけ。そんなモン戦争の終わったこの御時世じゃ時代遅れだ。痛い目に会う前に諦め」
パァンッ!!
とけ。と言葉は続かなかった。
ビンタだ。だがそれは俺の目の前に座っているディアーチェからではない。
俺の隣りに座っているシュテルからだった。
シュテルは無表情だがそれでもその目には静かに怒りの炎が灯っているのが分かる。
「…失礼しました。しかし王を。私達の夢を侮辱されるのは許せません。」
その声は静かだが怒りで少し震えている。
俺のもう片方の隣りに座るレヴィはアワアワと慌て、ディアーチェでさえ唖然としている。ユーリなんか既に泣きそうになっている。
それほどシュテルが怒るのは珍しい事なのだろう
「…そうかい。俺なりの忠告だったんだがな」
嘘だ。そう心の中で自分に毒づく。そしてそんな自分に余計にイライラする。
「この話は無しだ。俺はそんな目的に付き合ってやる気にはなれねぇ。あばよ」
そう言って静かに立ち上がり部屋を出ていく。
「…どうぞ。さよなら」
部屋を出ていく間際にそう聞こえた。
ーーーーー
部屋には重い空気が残った。先ほどまで聞こえていたゾイドの足音は既に聞こえなくなっていた。
「…すみません王。熱くなりすぎてしまいました」
「…いや気にするな。お前が言わなかったらきっと我が言っていただろう。結果は変わらぬ」
「…わかりました」
「疲れたであろう。今日はもう寝よう。」
全員返事は無かったがそれを肯定と捉えディアーチェは席立ち自室へ向かっていった。
各々もそれに続き自分逹の部屋へ向かい今日を終えようとしていた。
爆撃と揺れが来るまでは
かなり短い上に急展開(苦笑)
一応次話は今回短い為早く上がる予定です。
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第4話 葛藤と決断
ブレードライガー
搭乗者:アレックス・ギフト
愛称:???
アレックスが搭乗する機体。元はアレックスの父の機体でアレックスの親を知るための手がかり。記録データを閲覧しようにも厳重なプロテクトが掛けられており元々共和国軍に所属していたこと以外は未だに一切のデータを見ることが出来ていない。基本的に大人しく長年生きているからかおじいちゃんのような性格でレヴィからはおじいちゃんライガーなどと呼ばれることもある。実際性格が硬いのか「前のマスターから貰った名前以外は受けつない。しかしお前はまだ未熟でマスターには相応しくない」とアレックスをコックピットには乗せるものの新しい愛称を受け付けず名前も教えないとモニターに文字を表示して拒否している。それでも戦闘になればスイッチが切り替わりアレックスの操縦を素直に受け付け操縦に対して素早い反応を示す。
4話
ここは今朝までアレックスがいた街「パーラ」の外にある荒野。
あの後アレックスはパーラに戻り、金も無いため今日は街の外にライガーを隠して野宿することにした。今はライガーの足元でタバコをただ吸って夜空を眺めていた。
宙を紫煙がぷかぷかと浮かび、まるで夜空に天の川が浮かんでいるように見える。それを見ていても未だにアレックスの心は荒んでいた。寧ろ時間が経つにつれて余計にイライラしている。
原因は分かっている。
『我らが国を作りその名を世界に轟かす事だ!!』
分かっている。あれはただの八つ当たりだった。しかし俺にとってもあの夢はただのの他人の夢では無かったのだ。
ずっと昔、旅の途中で気の合う奴と出会った。そいつは明るくてまっすぐでバカだった。だからこそ気が合ったんだと今でも思う。
そいつは「俺の夢は俺の国を作って俺が王様になる事だ。そんで平和な国にするんだ。おめぇ暇なら俺を手伝え。ついでにお前の自分探しを手伝ってやるからよ!」と言って俺の返事も聞かずにいろんな所に連れ回した。
いろいろあった。2人でバカやっていろんな奴に追い回されたり、困ってる人をあのバカが俺を巻き込んで助けに行ったり、一緒に笑ったりした。
あのときは本当に楽しかった。
そう。楽しかったのだ。
もうアイツはいない。
俺のせいでアイツはいなくなった。
あれ以来夜寝ているとたまに夢を見る。アイツが俺に「お前がいなければ」「お前のせいで俺の夢は叶えられなくなった」と言ってくる夢だ。いつしか俺にとってアイツの夢は鎖のように自分を縛る呪いになっていた。
だからディアーチェの夢を聞いた瞬間俺はアイツを、あの悪夢を思い出し感情的になってしまった。
自分でも分かっているのだ。これはただの自分の逆ギレ。トラウマに過剰反応してしまっているだけだと。頭では分かっている。だが心はそれとは別だったのだ。
今さら反省しても遅い。こうやって飛び出してきた以上もう戻れないだろう。すべては自業自得。それが更に自分を苛立たせる。
「…ちっ。胸糞悪ぃ」
タバコを踏みつけ火を消し立ち上がる。
「とりあえず仕事でも探しに行くか…」
そう言ってパーラに向けて足を進める
ーーーーー
場所は変わってパーラの東にある渓谷「デルマ渓谷」にてディアーチェ達は
「ええい!こやつらしつこいぞ!ユーリどうにか振り切れぬのか!?」
「これでも精一杯やってます!」
「野郎共ォ!一切手加減するな!撃ちまくれぇ!!」
「ヒャッハー!ぶっ殺してやるぜぇ!!」
盗賊から襲撃を受けていた
各々が寝るために自室に戻ろうとした瞬間爆撃と衝撃がシュテル達を襲いそれからは絶え間ない攻撃が続き、現在ホバーカーゴで逃走している
「ちぃ…、せめて出撃さえできればこんな塵芥共など…」
本来ディアーチェ達の実力であれば盗賊如きには遅れを取らずに倒せるが、出撃できないでいた。
というのもホバーカーゴから出撃する方法はカタパルトから出撃するか前部ドックから出撃するか、もしくは側面のハッチを開き投下するかの三つの方法がある。しかし弾幕が厚すぎてカタパルトから出撃しようものなら出撃する瞬間にカタパルトを狙われて蜂の巣にされるの目に見えている。前方ドックに至ってはゾイドが搭載されていない為論外。側面のハッチもここは渓谷であるため幅が狭く開けない。
これらが原因で未だに誰も出撃できず反撃もできないでいた。
「王様どうしよう!このままじゃホバーカーゴがやられちゃうよ!」
「ええい!うるさい黙っておれ!そんなことは我にも分かっておるわ!」
「だってだって〜!」
「今解決策を考えておる!大人しくしておれ!」
う〜…わかった〜…とレヴィはしょんぼりとうなだれた。それを見てディアーチェは悪いことをしたと思いつつも思考していく。
だが中々いい策は生まれずに焦り始めていた。
「あーもう本当にどうにかならぬのかぁぁぁ!?シュテル!貴様いい策は思いつかぬのか!?……………………シュテル?」
「あれ?そういえばシュテるんさっきからどこにもいなくない?」
あやつこんな時にどこに…
そう疑問が思い浮かんだ瞬間目の前のモニターに通信が開かれ
「私なら今ルシフェリオンのコックピットにいますよ」
今しがた話題に出た人物の顔が映し出された
ーーーーー
アレックスはパーラの中央にある大通りを歩いていた。この大通りの先に今朝までいた酒場があり、仕事を探すためにそこを目指して歩いている。
依頼内容はどんなものが良いか考えながら歩いており、今の所割の良い仕事であれば良いが1番は明日できて報酬がすぐ手に入るものだろうとまとまってきていた。
…と言っても明日仕事があるとは限らないためそこは運次第だろうとため息をつく。最悪明日は野生動物を狩りに行ってどうにかするしかない。幸い拳銃とナイフはあるので何とかなる。
明日のことをつらつらと考えながら歩いているアレックスの耳にそれが聞こえたのは偶然だった
「おい聞いたか?東のデルマ渓谷でアーネル盗賊団がホバーカーゴを襲ってるらしいって話」
思わず足を止め振り返る
ーーーーー
「シュテル!?何故貴様がそこにおるのだ!!」
「何故?とはおかしな事を聞きますねディアーチェ。出撃するからに決まっているからでしょう。」
何を当たり前のことを聞いているんだとばかりの表情でシュテルは答え、その答えにディアーチェは唖然となる
「何をふざけたことを言っておるのだ!出撃できぬから困っているのではないか!こんな集中砲火の中出れば出た瞬間に蜂の巣ではないか!」
「大丈夫ですよ。ルシフェリオンの装甲でしたらあの程度雨と大差ありません。それにどの道このまま出なくても蜂の巣になることには変わりありませんよ」
「ぐっ…」
シュテルの言ってる事ももっともだ。このまま出なくても攻撃が止む訳では無い。このままではジリ貧だ。
だがだからといってこんな状況で出す訳には…
「…はぁ。分かりました。どうしても出せないというのであれば仕方ありませんがハッチ事撃ち抜いて出撃します。」
「なっ!?」
唐突に無表情で何とも恐ろしいことを言い切った。これにはディアーチェも更に焦り始め口をパクパクとさせていた。
何かを言おうとするが何も言葉が出ずそのまま静寂が過ぎるだけだったが唐突に肩を叩かれ、そちらを向くとレヴィがいた。そして
「王様。シュテるんの好きにさせてあげたら?」
更に爆弾を投下したのだった。
「はぁ!?貴様自分が何を言ってるのか分かってるのか!?」
「分かってるさ。けどシュテるんの言ってることも間違ってないよ。このままじゃジリ貧だし、それだったら無理やりにでも出た方が絶対いいよ!それに王様だってだって知ってるでしょ?シュテるんはこうなったら絶対に譲らないって」
そうレヴィはニッコリと笑いながら自分の意見を言う。
…こうもまっすぐ言われてはもう後は腹を括るしかない。
「…はぁ。仕方あるまい。ユーリ、出撃の準備だ。」
「了解です!」
「感謝します。ディアーチェ」
モニター越しに丁寧に頭を下げ礼を言う。それを見てディアーチェはフンと鼻を鳴らし
「礼など要らぬ。それよりも出撃するからには何とかして足止めしてみせよ。後から我らも出撃して援護に向かう。それまで持ち堪えて見せよ」
それに対しシュテルは不敵に笑い
「その必要ほありませんよ。全て私が焼き払って見せます」
そう宣言した
ーーーーー
「さぁ。あそこまで見栄を切ったんです。足止めの1つや2つ、完璧にこなしてみせましょう」
シュテルは自分の愛機の中でそう独りごちる。
今回の襲撃。自分とアレックスが原因であることにシュテルは薄々気づいていた。昼間の戦闘の際数機が逃げていくのをシュテルは確認していた。その時はわざわざ追いかける必要もないだろうと敢えて見逃したがまさかこんな所でそれが帰ってくるとは思わなかった。
今思えば報復の可能性は容易に考えついた筈だ。故に今回は自分のミスだろう。
だが今さらそんなことを考えたところで状況は変わらない。なら切り替えて今は敵を殲滅することを考えるべきだ。
ユーリから出撃準備ができたことを聞き意識を切り替える。
「では行きますよ。ルシフェリオン」
ルシフェリオンはそれに嬉しそうに答える。まるでもう暴れるのを抑えられないとばかりに
ハッチが開き外の光景が見える。視界の全てが弾幕で埋まり、金属音があちこちから響く。
それに対する恐怖なく、シュテルは力強く操縦桿を握り込み
「シュテル・スタークス。ルシフェリオン出ます」
弾幕の嵐に飛び込んだ。
瞬間けたたましい騒音と衝撃が機体を襲う。数秒の浮遊の後に着地する。弾幕がホバーカーゴからこちらに集中し始めさらに騒音と衝撃は大きくなる。それらを全て無視し、目の前の集団に突っ込む。
1番前にいたへルディガンナーを踏み抜き、そのままエクスブレイカーで近くにいたコマンドウルフとレブラプターの頭を切り落とす。すぐに近くにいたレブラプターをハイパーキラークローで引き寄せ、再びエクスブレイカーで首を挟み切る。
「さぁ、私が相手をして差し上げます。精々もがき苦しんで消えなさい」
赤い魔装竜は天に吠え破壊の嵐へとその身を変えた
ーーーーー
「あぁ?アーネル盗賊団だって?別に珍しいことでもないだろ。あいつらはデルマ渓谷を中心に活動してるんだしよく聞く話じゃないか」
「それがよ、なんか今回は盗みじゃなくて報復らしいんだよ。どうやら昼間にたった2機のゾイド乗りに返り討ちにあってなそれの報復だとよ」
「報復だぁ〜?あのアーネル盗賊団がか?あそこのボスは相当なゾイド乗りらしくてここいらじゃ恐れられてるのにか?それに規模もかなり大きい盗賊だぞ。たった2機に負けるとか冗談だろ」
「それがマジらしくてよ。幹部の1人が負けて増援を呼んだら返り討ちにあったんだとよ。それで部下に追跡させたらホバーカーゴに乗り込んだのを見たらしくてよ。今夜盗賊団総出で奇襲をかけるんだってさ」
…間違いなくその盗賊団は昼間の盗賊達のことだろう。そして襲われてるのもシュテル達だろう。
俺は助けにに行くべきなのか?
アレックスは足を止め考えていた。聞いてしまった以上放っておく訳にもいかない。それに半分程は自分が原因だ。行くべきなのだろう。
…だがそれとは別に自分にはその資格は無いとも考えていた。あんな事を言ったんだ。今さらどの面を下げて会えば良いという話だ。
しかし、助けに行くべきだと思う自分もいる。
葛藤が募り思考を鈍らせ、時間が長く感じる。
どうする?どうすべきだ?どうしたい?
ぐるぐると頭が揺れる様な錯覚がアレックスに襲い掛かり始めた
『なんだよお前らしくねぇ。んなモンやりたいようにやればいいじゃねぇか。無い頭を使ってんじゃねぇ』
いきなり小馬鹿にするような懐かしい声が聞こえた
…ような気がした
顔を上げ辺りを見回しても誰もいない。
やはり錯覚だったのだろう。
だが、今はそれでよかった。
「…ハッ、無い頭は余計だ。けど確かにらしくねぇよな。」
暗かった顔は今は見えず、寧ろ笑っていた。
簡単な話だ。どうするべきだとか資格だとか関係無い。やりたいことをやればいいんだ。今思えば本当にしょうもない事だ。
それにやりたいことが増えた。それを伝えるためにも俺はやりたいことをやる。
来た道を全速力で駆け戻りブレードライガーが隠してある場所に向かった
ーーーーー
「よしここまで来れば出撃出来るだろう。ユーリ出撃の準備を頼む」
「了解です!」
ディアーチェ達は現在先ほどの所から少し離れた場所に居た。
数分前から弾幕が収まり、何とか安全圏に入れたことが確認でき、シュテルの援護に向かおうと出撃の準備をしていた。
「待っておれよシュテル。今行くぞ」
「僕にかかればあんなヤツら一瞬で片付けられるから期待しててよ王様!」
「…フッ。期待しておるぞレヴィ」
「任せといてよ!」
お互いに軽口を叩き合いながらブリッジを出ていこうとした瞬間
「待ってください!ハッチが開きません!これでは出撃できないです!」
「何だと!?いったいどういう事だ!」
「多分先ほどシュテルが出撃したときにハッチにダメージを受けてシステムに異常が発生したんだと思います!このままだとハッチを開けません!」
突然の緊急事態に思わず舌打ちしてしまう。
このままでは増援に行けない
「開閉システムの修理だ!今はそれ以外に手段が無い。急げ!」
シュテルよ、間に合ってくれよ…
ディアーチェはそう思わずにいれなかった
ーーーーー
「流石に不味いですね…」
現在シュテルは追い込まれていた。
あの後暫くは特に何も苦労せず徐々に敵の頭数を減らしていた。しかし暫くすると崖の上から増援が来て、挟み撃ちのように前後に挟み込まれ集中砲火を受けていた。前後から来る弾幕に身動きが取れなくなり今はフリーラウンドシールドを展開しながら何とか耐えている状況になっている。
しかしいつまでもこうしておく訳にはいかない。このままではいずれ機体に限界が来る。どうにかしてここを突破しなければならない
「ふん。ジェノブレイカーが出てきた時には少し焦ったが増援が間に合えば大したことは無かったな。いくら強力なゾイドでも挟み撃ちにしてこれ程の弾幕を展開すれば手も足も出まい」
一方でレッドホーンに乗るアーネル盗賊団のボス。アーネルは不敵に笑いながらジェノブレイカーが蹂躙されるのを見ている。
「くっくっく。これであのゾイドは俺のものだ。あんな強力なゾイドが手に入ればもう怖いもの知らずだ。それもこれもスポンサー様からの支援のお陰だな!アッハッハッハッハ!!」
アーネルは自分がジェノブレイカーに乗ることを想像して高笑いを上げている
「さて、そろそろ終わりにしてホバーカーゴの方も追いかけるとするか。…やれ」
アーネルは部下に通信を入れ指示する。すると集団よりもさらに後方いるモルガ達のミサイルポッドが開き上空に放たれる。
ミサイルはぐんぐんと上に昇っていきそして一斉にシュテル目掛けて降下していく。それにシュテルは気づいた。しかし気づけても今は動けずこのままでは直撃することを悟った。そして直撃すれば恐らくルシフェリオンは戦闘不能になることにも気づいた。
敗北を悟り衝撃に備え目を閉じ体勢を低くする。
そして数秒後に周囲で爆発の音が響くのを確認し、その衝撃に備える
…しかし衝撃は自分に響くことはなくいったいどういう事なのかと徐々に瞼を開ける。そして目の前にいるはずのない機体の背を確認し
「よぉ。謝罪ついでに助けに来たぜ」
言葉を失った
ついにゾイドforにライトニングサイクスが追加されましたね!最高ですよ!
走れ、走れコマンドウルフ…
俺と一緒に走れぇぇえ!!
追記修正しました。誤字の数がヤバい…注意せねば…
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5話 真夜中の戦い。そして新たな1歩
機体:ジェノブレイカー
搭乗者:シュテル・スタークス
シュテルが搭乗する機体。性格は凶暴だがシュテルをマスターと認めており、シュテルには忠実。寧ろわんこのように懐いておりマスターを超えて母親と見ている部分がある。
「見つけた」
パーラを出てアレックスはすぐにブレードライガーに乗り込みデルマ渓谷に向けて全速で走らせ片っ端から探し回った。
戦闘音が聞こえその方向に向かうと程なくしてシュテルのジェノブレイカーを発見した。
しかし、どうにも敵の数が多すぎてシュテルは追い詰められてるようであり攻撃に移れないでいるようだった。
そこへ集団から離れた所にいるモルガ達からミサイルが一斉に放たれジェノブレイカーに殺到しようとしていた。
「間に合え!!」
アレックスはライガーを最速で走らせ崖を下っていく。蒼い一迅の風となり一気に崖を中腹まで駆け下りその勢いのままミサイルの射線上に躍り込む。
着地と同時にEシールドを展開。
瞬間、断続的に自分の前で何度も衝撃と爆音と閃光が走る。
すぐにそれらは収まり煙が晴れるとそこには無傷のブレードライガーと防御姿勢のままのジェノブレイカー。
間一髪…ってか
内心冷や汗をかきつつシュテルへと通信を開き
「よぉ。謝罪ついでに助けに来たぜ」
とりあえずあいさつしといた
ーーーーー
有り得ない人が目の前に突然現れシュテルはただただ呆然としていた。
来る筈がない。来る可能性すら頭には無く想定外の展開。あまりのことにシュテルは普段では絶対しないような呆けた表情となる。
「意外だな。そういう顔もするんだなシュテル」
アレックスに指摘され我に返る。いつもの無表情へと戻しアレックスに問いかける
「…なぜあなたがここに?」
「お前らを助けに。」
「いえ。そういうことではなく…」
「それだけじゃ不十分か?まぁ、確かにそれ以外もあるが…とりあえず邪魔な奴らを倒してからにしないか?」
言われて今の状況を思い出す。まだ戦闘は終わっていない。そして意識を切り替える。
「挟み込まれているのは厄介だ。二手に別れて撃破するか?」
「いえ。私は流石にこれ以上動くのは厳しいです。…が、切り札を切れば突破できます。」
「切り札?」
「えぇ。ですがそれを使うにはどうしても溜めが必要です」
その溜めがある故に今まで使えなかったがアレックスがいる今なら溜めに入ることもできる
「つまり時間稼ぎをしろってことか?」
「えぇ。その通りです。準備が終了したらすぐに合図を送ります。すぐに逃げてください」
「了解。任せとけ!」
アレックスは時間稼ぎすることを快諾するとすぐに戦闘に入るそれと同時にシュテルもルシフェリオンを上昇させ、集団を飛び越える。
盗賊達はすぐに上のルシフェリオンをうち落とそうとする。
「お前等の相手は俺だ」
すぐさまアレックスはパルスレーザーガンを撃ち牽制する。盗賊達がそれに一瞬怯んだ隙に前に駆け出す。
後ろの盗賊達もすぐに攻撃を再開する。それを跳躍することで回避し、そのまま前にいた集団の中に乱入する。
着地時にモルガ1機を踏みつけ装甲の厚いモルガの頭部を全体重をかけて踏み潰し、そのまま近くにいたレブラプターに飛びかかる。
「お前等の相手はこの俺だ。来い!」
ーーーーー
盗賊達からある程度距離を取ったシュテルは今己が持つ切札を切ろうとしていた
「さぁルシフェリオン。全てを焼き尽くしましょう」
そうシュテルがルシフェリオンに声をかける。それに対してルシフェリオンはその瞳を赤く輝かせ、嬉しそうに雄叫びを上げた。
そして地面に脚部のアンカーを下ろし、その場に自分を固定させ、身体全体を真っ直ぐに伸ばし放熱フィンを開く。と、同時に頭部のレーザーチャージングブレードが展開され、赤く輝いていた瞳は青色と変え、自身を砲身へと変えていく。そして背部の荷電粒子コンバーターが起動し自身に荷電粒子をかき集める。
「アレックス。準備が出来ました。すぐに逃げてください」
「了解した!」
すぐにブレードライガーが集団から離れ崖を高速で駆け上がっていくことを確認し、アレックスが射線上から離れたことをシュテルは確認した
「疾れ明星」
ルシフェリオンの口部に内蔵された砲身に荷電粒子が収束される。
「全てを焼き消す焔と変われ!」
圧縮された荷電粒子が眩い光を放ち
「ルシフェリオン・ブレイカァァァ!!」
破滅の閃光を解き放った
荷電粒子砲はその射線上にあった全てを飲み込み、それに巻き込まれたゾイドのその尽くが一瞬にして燃え尽き、塵すら残さず世界から消え去った。
「…すげぇ。これが噂の荷電粒子砲か」
荷電粒子砲は戦時、帝国軍のエース機に搭載されていた究極の破壊兵器。あまりに強力過ぎるために搭載できるゾイドも限られ、今では荷電粒子砲を搭載したゾイドを見ることすら珍しい。
それが今目の前で破壊の嵐を生み出したのだ。
「噂には聞いていたがこれ程とはな。恐ろしいものだな」
さて、と目線をその破壊の痕が残る地面より少し先に移し運良く荷電粒子砲の射線上から逃れることのできたレッドホーンを視界にいれる
「アンタの味方はいなくなったようだがまだ続けるか?」
ーーーーー
なんだよ今の。
アーネルは今目の前に広がる光景が信じられなかった。ブレードライガーが崖を駆け上がるのを見て直感的に回避しなければと思い、がむしゃらに崖の方に機体を進めた瞬間、後ろの方に光が走った。気付いたときには凄まじい熱量の光の奔流が過ぎ去り部下達を飲み込んだのだ。光が収まるとさっきまでそこにいた部下達の姿は無く、光が地面を抉った痕のみ広がっていた。
あれだけいた部下達がたった一瞬でいなくなり、その事実を受け止められないでいた。
だって25機はまだいたはずなのにそれが一瞬で消えるなど信じられるわけが無い。
アーネルはあまりのことにコックピットで恐怖に震える
「アンタの仲間はいなくなったようだがまだ続けるか?」
声の方向に視線を向けるとブレードライガーがこちらを見下ろしいつでも飛びかかれる体勢になっている。
「あ…あ…く、来るな…」
怖い。怖い怖い怖い!
体を恐怖が支配しうまく動かせない。このままでは殺される。
勿論アレックスは命まで取るつもりもなく降伏すれば見逃すつもりだった。だがアーネルは違う。奪うか奪われる。生きるか死ぬ。そういう世界で生きていたアーネルには命を助けてもらえるという可能性は頭の中には無かった。自分なら降伏しても殺すし殺さなくても死んだ方がマシと思えるほどに痛みつける。
だから恐怖し、生きるためにどうするか考える。
どうする?…考えろ考えろ考えろ考えろ!
そして生きるための策を見つけ
一目散に後ろを向いて逃げる
「…ふぅ、逃げたか。まぁ、それが妥当だよな」
これ以上戦闘する必要が無くなったことで安堵する
しかし
「すぐに追いかけてください!」
シュテルからの通信で体をビクつかせる。見ればモニターに映るシュテルの顔には焦りが見える
「今逃げていった方向にはディアーチェ達がいます!人質にするつもりです!」
そしてその理由を理解した
思わず舌打ちをし、すぐに逃げた方を見る
「分かった!すぐに奴を追いかける!シュテル。お前はどうする?」
「…機体が既に限界です。先に行ってください。後で追いかけます」
「…分かった。けど後で回収しに来るからここで待っとけ」
それだけ言ってライガーを逃げていった方へ走らせる。すぐにその姿は見えなくなり足音が遠ざかっていく。
「後はお願いします。アレックス」
シュテルはそう言って体の力を抜き楽にする。今回ばかりは本当にダメかと思ったがアレックスのお陰でなんとか今自分は生きている。その事に胸の中でアレックスに感謝しつつコックピットのコンソールを撫で、自分の相棒を労う
「お疲れ様でしたルシフェリオン」
ーーーーー
アーネルは走る。
生き残るためにアーネルが取った選択肢は人質を取って逃げること。ちょうどいいことに奴らには味方のホバーカーゴがいる。中にいる人間を人質に取れれば安全に逃げれる。
そして前方に先ほどのホバーカーゴが見えた。幸運な事に動いておらず誰かが出撃する様子も見られない。
「くっ…クハハハハ!ラッキーだぜ!俺は生き残れるぞ!ハハハハハ!」
一方でディアーチェ達もこちらに接近するレッドホーンに気づく。
「なに!?1機こっちに来るぞ!ユーリまだなのか!?」
「も、もう少しなんです!けどもう間に合いません!」
ドォォン!
「な!?」
「うわっと!?」
「きゃ!」
レッドホーンからの攻撃でが衝撃がホバーカーゴを揺らし、ディアーチェ達もバランスを崩す
見ればレッドホーンはすぐ近くまですでに詰めている
ダメか、もう間に合わん
ディアーチェは内心諦め目を閉じる
「ちょっと待ったぁぁあ!!」
そして数時間ぶりの声を耳にする
「え?アレックス!?」
「な!?貴様何故ここに!?」
「後で説明する!」
「ひっ!もう追いついたのか!?」
「ディアーチェ達を人質にしようとしやがったんだ。覚悟しやがれ!」
ブレードを展開しフットペダルを更に踏み込みブースターも吹かしさらに加速させ一気にレッドホーンとの距離詰める
「く、来るなァァァ!!」
「行っけぇぇぇぇえ!!」
そしてレッドホーンの横を切り抜ける
後ろには上下真っ二つにされたレッドホーンが倒れ込む。
「なんでだよ…あんなにゾイドを渡されたのにこんなことって…話が違ぇじゃねぇかよ…」
数秒後大きな音を響かせ爆発する。
「ふぅ。やっと終わったか」
ーーーーー
「ふむ。あのブレードライガー。中々やりますね」
ホバーカーゴから遠く離れた崖の上にその男はいた。黒い髪をオールバックにしワックスで固め眼鏡を掛け、白いスーツを着込んでいる。この男は双眼鏡で戦闘をずっと観察していたのだ。
「まぁ、私があれだけのゾイドを提供して上げたとはいえ所詮は盗賊。烏合の衆でしかないということでしょう。にしてもブレードライガーにジェノブレイカー。大戦で活躍したエース機。そのようなゾイドを見つけられるとは幸運ですね。」
男は満足げに笑いながらブレードライガーとホバーカーゴを観察する
「特に素晴らしいのがあのジェノブレイカーの方。あの数を相手に怖気づくことも無く戦い、長時間も耐え抜く。機体だけでなくパイロットも素晴らしい。まだ多少荒削りな部分も見られますがいずれあのパイロットも我らの元にお招きしたい所ですね」
男は踵を返し後ろに待機させているゾイド、グリフォンに乗り込む
「いずれまた会うでしょう。では」
ーーーーー
「ーで?何故貴様が居るのだ?」
アレックスは今床に正座させられディアーチェから思いっきり睨まれていた。
あの後すぐにディアーチェ達にシュテルが動けないことを伝え回収に向かい(カタパルトはどうにか移動中に修復が間に合った)ホバーカーゴにジェノブレイカーを格納し、状況の説明のためにシュテルに案内してもらいつつ再びホバーカーゴに入り込んだ。
ブリッジに着くなりディアーチェから腹パンを喰らい(思いの外体重が乗ったいい一撃だった)無理矢理正座させられ今に至る。
他の面子も睨みこそしていないが無言でこちらを見つめており針のむしろのような気分を味わう。
「あーまぁあれだ。助けに来たのと少しばかり謝罪がしたかったというか…」
「謝罪だと?我らの夢をバカにしたことか?ならばよくもまぁノコノコとここまで来れたものよなぁ?んん?」
「うっ!…悪かったと思ってるよ…だからこうして謝りに来たわけだし」
「…はぁ。まぁいいだろう。実際今回は助けられた訳だし話ぐらいは聞いてやるのが筋であろう。で?謝罪を申してみよ」
そう言って促す。そして全てを話した。
「俺にとってお前達の夢は特別だったんだ。昔あるバカも同じ夢を抱えててな。オレもソイツとつるんで一緒にソイツの夢を追いかけてたんだ。けどオレのせいでソイツは死んでな。お前達の夢を聞いてアイツが死んだときのことを思い出しちまったんだ。自分の不甲斐なさを思い出してついカッとなっちまってあんなことを言ったんだ。」
誰も言葉を発さずに黙っている。ただただ無言で続きを促す
「あの後パーラに戻ったんだがまったく苛立ちが収まらなかった。そんな時にお前達が襲撃されてるって聞いてな。正直助けに行くか迷ったよ。だってあんなことを言ったあとだ、気まずいしな。けどそれと同時に行かなければとも思ったんだ。そんな感じでうだうだ悩んでたらふとあのバカに『お前らしくない』って言われた気がしてな。勿論アイツがいる訳じゃなかったがなんとなく確かにって思ってな。自分の気持ちも整理できた気がしたんだよ。お前達に謝りたいって。ついカッとなってあんなこと言っちまった。お前達の夢は決してバカバカしくないって謝りたかったんだ。それを伝えるために助けに行こうって思ったんだよ」
そう言ってアレックスは姿勢を正しディアーチェ達の正面に向き直る。
「すまなかった」
そして手を床につき頭下げる。いわゆる土下座をして謝罪の意を示す。
「…もうよい。お前の本心も聞けたし理由も分かった。だったらこれ以上責めるわけにはいかぬわ」
「…ありがとう」
「何故貴様が礼を言う必要があるのだ馬鹿者が。寧ろ助けられたこちらが言うべきことではないか」
「それでもだよ」
そう言ってお互いに笑い合う。険しい雰囲気は既に無くレヴィ達もそれに安堵する。
「あんまり難しいことは分からなかったけどとりあえず仲直りできたみたいで良かった〜!」
「本当に良かったです!」
「まぁ、ディアーチェのことです。助けてもらった時点で既に許していたのでしょう?」
「な!?そ、そそそんな訳あるこ馬鹿者!」
「王様って案外ちょろいもんねー」
「ちょろくなどないわレヴィ!我はそんな軽くなどないわ!」
「えーほんとにござるか〜?」
「貴様さっきまでの反省はどこに行った!そしてその言い方と顔やめろ!無性にムカつく!」
「まーたまたご冗談を」
「ユーリ!?貴様もなのか!?」
既に場は和みいつの間にかディアーチェを弄り倒す遊びに発展し始めディアーチェはツッコミで忙しくなる。
「まぁ、ディアーチェを弄る遊びはほどほどにして」
「我で!遊ぶな!」
「真面目な話で少しお願いがあるんだがいいか?」
真面目な話と言われ渋々とディアーチェは押し黙る
「勝手な話だとは分かってるけど俺もお前達の仲間に入れてくれないか?」
「…本気か?貴様にとって我らの夢は辛いことを思い出してしまうのだろう?それでもいいのか?」
「気持ちに整理がついたって言っただろ。いつまでも過去のトラウマに縛られてるのは俺らしくないし、新たな1歩を踏み出そうと思ってな。それに人手があった方が俺も手掛かりを手に入れられるかもしれないし俺にとっても悪い話じゃないからな。だからこの通りだ!頼む!」
手を合わし頭を下げ頼み込む。
「…元々は我から言い出した事だ無下にする理由もない。ならば歓迎するほかあるまい」
ガバッと顔を上げディアーチェを見ると仕方ないと言いたげな表情で微笑んでいる。
「いよっしゃあ!!ありがとな!じゃあこれからもよろしく!」
「フッ、歓迎しよう」
「良かったですねディアーチェ。アレックス」
「やったー!よくわかんないけどアレックスもこれからは一緒に旅するんだよね?ボク楽しみだなー!」
「わ、私も嬉しいです!これからもよろしくお願いします!」
「おう!よろしくな!」
こうしてアレックスはディアーチェ達と共に旅することとが決まった
「であるなばこれは言っておかなければな」
ディアーチェが口を開く
「ようこそ紫天の旅団へ。我らは貴様を歓迎する」
遅くなりましたね…(汗)
構想はできてたんですが中々文章にするのが難しく遅くなってしまいました。リアルもイベントの準備や課題などで忙しかったのもあるのでご了承ください。
え?お前ZOIDSforとFGOガッツリやってただろ本当に忙しかったかって?
…ハロウィンイベントの素材は美味しいですね!あとVS楽しーい!!
…大分遊んでました。許してくださいなんでも(ry
次話まだ構想すら考えてないためまた遅くなりますが楽しみにしててください(だから投稿を早くしろと(ry)
そろそろ他の面子のゾイド出したい
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