流星のロックマンinデジタルモンスター (爆走ボンバー人間)
しおりを挟む

デジタル世界 二人の音楽者 

久しぶりにアニメとゲームをしたら書いてみたくなりました。

やはりスバミソは王道である


真っ暗な洞窟の中を進んでいく二つの影があった。その二人はローブで体を包み込んでいるため、身体的特徴はよくわからなかった。片方は背丈が高校生ぐらいで背中に黒いヴァイオリンケースを背負っていた。

そしてもう片方は背丈は高くはないが、後ろのローブから紅い尻尾がはみ出ていた。

 

「いいのか、本当に?」

 

青年は隣を歩いている相棒にそう尋ねる

 

「前にも言ったじゃねえか。俺はお前についていくって決めたんだ」

 

その問いにさも当然のように返されるが青年はもう一度問う

 

「だけど、これは俺のわがままみたいなもんだ。お前が俺に合わせる必要はないんだぞ?」

 

「俺は別にお前に合わせてるわけじゃねえよ」

 

その答えに青年は?を浮かべる

 

「お前と一緒にいた方が面白い事が起こる、それに俺がお前と一緒にいたいからついていくだけだ。

だから、そんな細かい事は気にすんな!」

 

そう答えて青年の背中を叩く。叩かれた青年は叩かれた痛みで少し苦々しい顔を浮かべるが、

すぐに笑みを浮かべ「ありがとな」と短く礼を言って相棒の頭を撫でる。撫でられた相棒は「オウ!」と

力強く答える。

 

「それに俺は俺の目的があるんだ!」

 

「目的?何だ、それ?」

 

「俺の目的はな、この俺の熱いロックをこの世界だけじゃなくて、お前がいた世界にも広げて、俺のロックを聴いた奴を感動させたいんだよ!ちょうどお前が俺にしてくれたみたいにな!」

 

「俺、そんな大したことはしてないぞ?」

 

嬉しそうに語る相棒に青年は頬を掻いて苦笑する

 

そんな青年に相棒は「謙遜すんなよ!」と笑う。

 

「俺はお前の音楽を初めて聞いたとき、最高に痺れたんだぜ!!ただ耳に聴こえるだけじゃなくて、心に直接訴えかけてくるような音楽で、俺はあの音楽に心底惚れたんだ!いつか、俺もお前のような音を出した言ってな!」

 

そう自分の事のように嬉しそうに俺の音楽を褒めてくれる相棒のその笑顔に、青年は記憶の中に残っている

自分の大切な少女の顔を思い浮かべた。姿も顔も、性格も全てが隣にいる相棒とは全く異なるが、それでも

青年の音楽を聴いて喜んでくれるその姿に、音楽を心から愛しているその心に、面影が重なるのだ。

 

今、その少女がどうしているかと思うと、青年の胸に小さく鋭い痛みが走る

 

「思い出してたのか、妹の事…?」

 

相棒が不意にそんな事を聞いてくる。恐らく顔に出てしまっていたのだろう。

 

「ああ。俺がこの世界に来たのは事故みたいなものでどうしようもない事だけど、これだけ長い間、母さんと一緒に残して行ったと思うと、どうしてもやるせない気持ちになっちまうんだ。母さんもあまり体の調子が良くなかったのに、もし今、母さんもいなくなってたらあいつは一人ぼっちになっちまう。そんな事を

否が応でも考えちまうんだ。もしそうなってたら、俺は……そばに居られなかった自分にすげえ腹が立つんだ…」

 

そう語りながら青年の顔はどんどん苦渋の表情になっていく。それを見た相棒は…

 

 

 

 

「何だよ、なら簡単な事じゃねえか」

 

「何がだよ…」

 

相棒のその言い様に少し癪に障り少し乱暴に聞く。

 

「別にむずかしい事でもねえじゃねえか。だったら早く帰って妹に謝るんだよ。許してもらうまで、土下座しでもな!そんで、今度からはずっといるって約束すりゃあいいんだよ!勝手にいなくならないって!そばにいるって!そんで最後にお前の音楽を聞かせてやれ!男だったらそれぐらい出来んだろ!」

 

「…!…はは、そうだよな。すまん、どこか弱気になってた。そうだ!男ならそれぐらいやってのけてやる!それでもダメなら切腹でも何でもしてやる!」

 

「おお!その息だぜ!」

 

切腹したら元も子ないのだが、二人とも気が乗っているためそこら辺は突っ込まなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのまま暫く歩き続けると、洞窟に光が差し込み、開けた場所に出る

 

そこは辺り一面が水晶で出来た空間になっており、地面や壁のあちこちから水晶の塊が突き出しており、

天井には一際大きな水晶の塊があり、そこから光があふれておりこの空間を照らしていた。

 

幻想的で美しいという表現がよく似合うその光景に二人は少しの間、心を奪われていたが、尋常じゃない

気配を感じ気を引き締める

 

警戒しながら洞窟の奥の方へと進むと巨人でも通れそうなほどの巨大な門があり、その門の前に門番の様に

立つ存在がいた

 

黒い体の上に中国風の鎧を身にまとっており腰には二振りの剣、金色の角を持っている下半身は四足、上半身はミノタウロスのような出で立ちをした存在だった。

 

その牛型の半獣半人は奥からやってきた青年たちを確認すると、立ちはだかるように前に出て問いを投げる

 

 

 

「我が名はヴァジラモン!デジタルワールドを守護する四聖獣デジモンが一体、『シェンウーモン』様の配下であり十二神(デーヴァ)の一柱なり!デジモンと人間の来訪者よ!何故この地に来た!」

 

高らかに番人のごとく問いかけるヴァジラモンに対し、青年は答える

 

「俺がここに来たのは、この先にあるって言われてるデジタルゲートをくぐって、このデジタルワールドから元の世界に変えるためだ!」

 

「俺も同じだ!もっとも、俺はこいつについてきただけだけどよ」

 

そう答える青年たちにヴァジラモンは、青年たちの顔をその真紅の眼で見る。真偽を定めるように暫く青年たちを見た後、おもむろに口を開く

 

「うむ、どうやら嘘偽りを述べてはいないようだな」

 

「そうか、ならここを通して「それはならん!」…どうしてだ?」

 

「私はシェンウーモン様にこの地を守護するように仰せつかっておる。この先にあるデジタルゲートを

如何なるものも通さぬために」

 

「何だよ、別にいいじゃねえか!ちょっとぐらい!こいつはどうしても元の世界に帰らなきゃならない理由があるんだ!なぁ、通してくれよ!」

 

「ならん!どんな事情を抱えてるにしても、特例は認められん」

 

「この堅物野郎!」と青年の相棒は叫ぶが、それを全く無視するヴァジラモン

 

「どうしても通してくれないのか?」

 

「無論だ。どうしてもこの先へ行くというのなら…」

 

そこまで言ってヴァジラモンは腰の二振りの剣、宝剣(パオチェン)を引き抜き突きつける

 

「この私を倒してから通るがよい!」

 

「へっ!上等じゃねえか!分かりやすくていいぜ!だったらテメエをぶった押して堂々と通らせてもらうぜ!」

 

「そうだな、それにこいつなら加減抜きで戦えそうだしな」

 

青年とその相棒はニッ、と笑いながらローブを脱ぎ捨てその姿が露わになる

 

オレンジのカーディガンに白のシャツ、黒のカーゴパンツ、赤のスニーカーを履いており胸元には音符の

模様が象られた銀のシンプルなロケットが首からさげているワインレッドの髪の青年と

 

赤を主体に胸と手足の先が白く、頭部にはヘッドホンと特徴的なⅤ字型の頭の小龍

 

「よかろう、ならば尋常に勝負といこうではないか!」

 

「あ~、すまん。その前に一ついいか?」

 

「何だ人の子よ?」

 

「戦う前に、一曲聞いてもらえないか?」

 

そう言い、青年は背中のヴァイオリンケースからヴァイオリンを取り出す

 

「それは構わんが、何故闘いの前にそのような事を行う?」

 

「別に、ただこの戦いは誰か関係のないやつが巻き込まれるような戦いじゃないし、お前がただ単にいい奴に思ったから、戦う前に俺の音楽を聞かせてやりたいなと思ったからだ」

 

そのバカ正直な答えに、ヴァジラモンは先程までの威厳に満ちた顔から少し唖然とし、笑いを上げる

 

「ハハハハハハ!中々面白い事を言うな人の子よ!そのような事を何の曇りもなく言う奴など見た事がない!!よかろう、私もそなたの音楽とやらが聴きたくなってみた」

 

「それはよかった。じゃあ、心ゆくまで聞いてくれ」

 

そう言い、青年はヴァイオリンを構え弾く

 

♪♪♪~♪♪、♪~♪♪♪~♪♪♪~………

 

青年の弾く音楽はこの水晶の洞窟に響き渡り、この幻想的な光景ととてもミスマッチする透き通るように

清らかな音色だった。その音色に彼の相棒はもちろんの事、ヴァジラモンもいつの間にか聴き入ってしまっていた

 

~♪♪、~♪♪♪

 

演奏が終わり、青年は短く息を吐いてヴァイオリンをおろす

 

「どうだ、俺の演奏は?」

 

「うむ、私はあまり音楽には詳しくなく、この耳に聴く事も僅かながらにしかなかったものだが…

お主の演奏は心が透き通るかのように綺麗なものであった。とても気に入った!」

 

「おっ、よくわかってんじゃねえかお前!こいつの演奏は何度聴いても惚れぼれしちまう程のもんだぜ!」

 

「気に入ってくれたなら、弾いた回があったってもんだ」

 

「演奏も終わったことだし、そろそろ始めるか!」

 

「その前に人の子よ、お主の名を聴いてもよいか?お主に興味がわいた」

 

「うん?ああ、そう言えばまだ名乗ってなかったな!

 

俺の名前は光陽。 響 光陽(ひなた)だ。宜しくな、ヴァジラモン」

 

「なら俺も名乗っておくぜ!俺はシャウトモン!このデジタルワールドに俺の熱いロック魂を広めるのが、

俺の目的だ!」

 

「響 光陽にシャウトモンか…ならば私も今一度名乗ろう!我が名はヴァジラモン!『シェンウーモン』様の配下であり十二神(デーヴァ)の一柱なり!光陽、そしてシャウトモンよ!全力で掛ってくるがよい!」

 

「ああ、元からそのつもりだ!」

 

「そうこなくっちゃな!ヴァジラモン、お前にも俺のこのロックを聞かせてやるぜ!」

 

光陽は腰から、オレンジの電子端末『デジヴァイス』を、シャウトモンは掌から彼の愛用している武器でもありロッド状のマイクを構え、ヴァジラモンに挑む

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは、この物語の序章に過ぎない

 

 

光陽とシャウトモンはこれから起こるであろう出来ごとをまだ何も知らない

 

 

これから先、彼らは現実でもデジタルでもない世界

 

 

電脳世界で青い流星と会合する事を彼らに知る由はなかった

 

 

 

 

 




ヴァイオリンの曲は仮面ライダーキバの音也のエチュードをご想像ください


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

スバミソ 過去と今の思い

はいお久しぶり、もしくは初めましての読者の方々!
天然パーマ同盟でございます!
本来ならもう少し早く登校するはずでしたが用事とか、書き直しを繰り返していたら
遅くなってしまいました(;一_一)
今回はタイトルでわかると思いますがスバミソです。
でも自分はリアルでは彼女いない歴=年齢なので上手くかけてるか分かりません(T_T)/~~~
何かおかしい所やアドバイスが有ればお願いします!


休日、コダマタウンにあるごくごく普通の家に一人の少年が眠っていた。

 

『おい、おいスバル!起きろよスバル!』

 

すると、少年しかいないはずの部屋にどこからか声が聞こえ、スバルと呼ばれる少年を起こそうとする。

 

「う~ん、後五分……」

 

だがスバルはそんなテンプレなセリフを言ってすぐに惰眠を貪ろうとする

 

『いい加減に起きねぇと遅刻するぞ!』

 

「何言ってるの、ロック。今日は学校は休みだよ…」

 

ロックと呼んだ存在にそう返してスバルは今度こそ安眠につこうとする

 

『今日はあのオンナと出かける約束だろうが!もう知らねぇぞ!』

 

「…うん?約束?」

 

約束という言葉に何か頭の中で引っかかり、まだ頭がはっきりしないまま考え、直後一気に頭の中が覚醒し

顔が青ざめ、近くの時計を確認する

 

 

 

9時50分

 

約束の時間は10時

 

 

 

スバルはさらに顔を青くし、次の瞬間

 

「遅刻だ------!!!??」

 

大声を上げ、布団から跳びあがる

 

「完全に寝坊した!?もう!!何で母さんもロックも起こしてくれなかったのさ!?」

 

「俺は何度も起こしたぞ。それを無視して寝てたお前が悪いんだろ?それにオフクロは朝から出かけたぞ』

 

スバルは理不尽な怒りをぶつけながら寝巻から普段着に着替える。それに対し、

バングル型携帯端末、「トランサー」の蓋がひとりでに開き中の液晶画面に映った青い獣のような姿をした

電波体-AM星人、「ウォーロック」が努めて静かに言い返す

 

「あ、そうだった。母さん、今日は町内会の人たちと出かけるって言ってた。

…って、そんなことよりヤバいよ!!このままじゃ遅刻だ!?」

 

『自業自得だな。諦めて、素直に怒られるんだな』

 

「うぅ……ッ!そうだ!ウェーブロードを使えばギリギリ間に合うかも!」

 

『おいスバル、こんなことで電波変換するつもりか?」

 

「いいから、やるよロック!」

 

「あーあー、分かったよ。久しぶりの電波変換だ。ちゃんとやれよ』

 

「わかってるよ。それじゃ…」

 

スバルは最先端電子端末、「スターキャリアー」を上に掲げ、告げる

 

 

 

「電波変換!星河スバル、オン・エア!」

 

 

叫ぶと同時に青のスターキャリアーから飛び出したウォーロックがスバルの体を包み込み、一つの姿へと変身する

 

二人の融合が終わるとそこには、青いスーツとヘルメットに紅いバイザー、そしてウォーロックの頭部と化した左手になっていたスバル…否、FM星人達の侵略、そして超古代文明ムー大陸の世界征服を退け地球を救った青いヒーロー、「ロックマン」だった

 

電波体と化したロックマンはそのまま家の天井をすり抜け、ウェーブロードに乗り、目的地へと急ぐ

 

 

 

時間がないぞ、ロックマン!

 

 

間にあうのか、ロックマン!

 

 

約束の命運は君にかかっている!

 

 

 

『カッコよく言ってるみたいだが、ただ遅刻しそうなだけじゃねぇか!」

 

「うるさいよ、ロック!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コダマタウンからバスで数十分程で到着する街、「ドリームアイランド」

元はごみ処分場であったが、今ではごみ集積場の他に自然に恵まれた公園がある海に面した街である

 

ドリーム公園の入り口の前に一人の少女が佇んでいる。

ワインレッドの髪にピンクに小動物らしさを感じさせる丸い耳付きパーカーに赤と黄色のボーダー、黄色のショートパンツというボーイッシュな服を来ている一方で色合いとその少女の雰囲気から、正に一輪の花ともいえる可愛らしさがあった。背中には黄色のギターを背負っており、首にはハート型のロケットペンダントを身に着けていた。

 

少女は木柱に背中を預けているだけだが、その容姿も相まってそれだけで絵になっていた。少女は近くにある時計を見ては、そわそわと落ち着きがない様子だった

 

『ミソラ、少しは落ち着いたら?さっきからそわそわしすぎよ』

 

「だ、だってハープ!ただ待ってるだけだと緊張してくるんだもん!」

 

ミソラと呼ばれた少女の腰に着けている赤と黄スターキャリアーの液晶画面に映った水色の

ハープのような姿をした琴座のFM星人、「ハープ」はミソラに落ち着くように言うが、ミソラは少し頬が

紅潮した顔で言葉を返す

 

ハープはかつて、地球を滅ぼそうとしたFM星人達の戦士の一人であり、最初はミソラの事を利用しようとしていたが今は、ミソラの事が気に入りFM星を裏切り共に行動をしているのだ。

ミソラ-本名は響 ミソラ。その容姿と音楽の才能から最近まで大ブレイクしていた大人気ミュージシャンだったが、ハープと起こしたとある事件をきっかけに引退ライブを開き、一時的に芸能界から身を引いたのである。そんな彼女に引退のきっかけと勇気を与え、彼女に新たな一歩を歩かせた者こそ、今ミソラが

待っている人なのだ。

 

『もう!そんな弱気でどうするの!もっと自信を持ちなさい!』

 

「分かってるんだけど、やっぱりちょっと不安になっちゃうよ…」

 

そう言ってミソラは後ろ手に持つバスケットをちらりと見る

 

『大丈夫よ、この日のために練習してきたし出来だってよかったじゃない。それにスバル君なら絶対に

喜ぶはずよ』

 

「そ、そうかな?」

 

『そうよ!男の子なら女の子からもらった物は嬉しいに決まってるんだから!だから自身持って!』

 

「うん、ハープ!私頑張ってみるよ!」

 

『ポロロン♪その意気よ!そのまま告白まで持っていきなさい!」

 

「うん!……って、えええええええええええ!?な、ななな何言ってるのハープ!?」

 

流されるままに頷いていたミソラは、自分がとんでもない事を口走ったことに気づき顔を真っ赤に染め上げる

 

「わ、私はただ久しぶりにスバル君と遊びたいなと思っただけで別にそんなつもりで誘ったわけじゃ………

べ、別にスバル君が嫌いなわけじゃないけど、やっぱりもっと順序があると言うか何というか…」

 

『ミソラ、落ち着きなさい。貴方、今自分で肯定してるようなものよ』

 

「ふえ?……ッ!//////」

 

さらに墓穴を掘っていた事にミソラは顔をリンゴのように紅くし、俯いて黙ってしまった

 

そんなミソラの様子にハープは(ミソラ、可愛い♪)と若干Sになりかけていた

 

何とか顔の熱を抑えようとするがそこに追い打ちをかけるような事が起こる

 

「おーい、ミソラちゃ~ん!」

 

「え?あ、す、スバル君!?」

 

まだ顔の熱が下がる前に街人であったスバルがやってきたのに対し、ミソラは少し声がどもってしまう

 

「ご、ごめん。遅れちゃって…」

 

「う、ううん!全然大丈夫だよ!」

 

息を切らしながら謝るスバルにミソラは大丈夫だと言う

 

「あれ?ミソラちゃん、顔が赤いけどどうかしたの?」

 

「ッ!!?え、あ、な、何でもないよ!気にしないで!」

 

顔が紅い事を指摘され、ハープの言葉が頭の中で再生されさらに顔を真っ赤にする

 

「本当に大丈夫?もしかして熱があるんじゃ…」

 

「だ、大丈夫だって!ほ、ほら!そんな事よりも早く行こうよスバル君!私待ちきれなくなっちゃった!」

 

「え?ちょ、ちょっとミソラちゃん!」

 

ミソラは顔が赤いのを誤魔化すために半ば強引にスバルの手をつかみ、公園に入っていく

 

「(ミ、ミソラちゃんの手…すべすべしてて、柔らかい)」

 

思春期入りたての男として異性に対しスバルはそんな感想を抱き、我に返ると顔を赤くさせてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

最初こそぎこちなかった二人だが、時間がたつにつれて気が紛れてきた二人は、公園の遊具で目一遊んだ

 

「ふぅ~、疲れた。外でこんなに遊んだのは久しぶりだよ」

 

「私も。こんなに遊んだのは久しぶり」

 

『おいおい、情けねぇな。こんなんで疲れてるようじゃ、バトルなんて出来やしねぇぞ』

 

「別にいいじゃんかロック。それに僕、戦いが好きってわけじゃないからね」

 

『そうよ。だからガサツって言われるのよ、ウォーロックは』

 

『んだと、ハープ!』

 

「もう、落ち着きなよロック」

 

「ハープも。ロック君をあまりからかったらダメだよ」

 

ウォーロックはケッ、と悪態をついてそっぽを向き、ハープはホホホ、と楽しそうに笑っており、

そんな二人にスバルとミソラは苦笑した時、

 

 

キュゥゥゥ~~~

 

 

「フフッ、そろそろお昼だし、ご飯にしようか?」

 

「う、うん。そうだね///」

 

お腹が鳴った事にミソラは顔を赤くし、スバルの提案に賛成する

 

「それじゃあ、どこかお昼食べれる所に行こう、ミソラちゃん」

 

「あ、待って!スバル君!」「ん?どうしたの、ミソラちゃん?」

 

「あの、えっとね、その……」

 

ミソラは頬を紅潮させて、もじもじしており、意を決して手に持っていた包みを前に出す

 

「お、お弁当作ってきたの!よかったら、食べてくれる、スバル君…」

 

「え…ミソラちゃんの手作り弁当を、僕に?」

 

「ダメ…かな?」

 

「う、ううん!そんなことないよ!すごくうれしいよミソラちゃん!」

 

美少女、涙目、上目づかい、というトリプルコンボが決まり、スバルは頬を紅潮させながら首を縦に振る

 

「本当!?ありがとうスバル君!待っててね、すぐ準備するから!」

 

ミソラは嬉しそうにピンクの包みを解き、お弁当を開く

 

「どう、かな?」

 

「わぁ~!すごく美味しそうだよミソラちゃん!」

 

弁当は三段に分かれており、一段と二段はおかずが豊富なおかずが詰められており。三段目にはご飯がよそられていた

 

おかずは種類が豊富なのはスバルの好みを知らなかった為、出来るだけ種類を多く入れておいたのだ

 

目を輝かせるスバルにミソラは嬉しさを感じるが、それと同時に心の中で不安も積もっていた。

 

「(見た目は良いのに、何度練習しても微妙な味になるんだよね…やっぱり、渡すべきじゃなかったかな)」

 

昨日ミソラはハープにも手伝ってもらい、料理を練習したのだが見た目は良くても中身は微妙…

不味くはないが、美味しいか、と聞かれればなんとも言えない味なのである

 

「それじゃあ、頂きます!」

 

「え、あ、うん!どうぞスバル君!」

 

だが、そんなミソラの心中の不安をスバルが知る筈もなく、弁当を食べようとする

最初に一口をどれにしようか、と箸を空中で動かし、スバルの眼に卵焼き(・・・)が映り箸で摘んで口の中に入れる

 

「ど、どう?美味しい、スバル君?」

 

不安そうに尋ねるミソラに対して、スバルは何度か口の中で租借し、食べ終える

 

「うん!すごく美味しいよ、ミソラちゃん!料理上手なんだね!」

 

「ほ、ほんと!よかったぁ~!」

 

どうやら、卵焼きは及第点を超えていたようだった。ミソラにとっては、卵焼きだけはあの人(・・・)から教わった唯一の物だったため、これがダメだったらもう駄目だと思っていた

 

そのあとも、ミソラが作ってきた弁当を二人で食べた。スバルは食べる料理一つ一つに「美味しい」と言っていたが、卵焼きを食べたときに比べると少し笑顔が作ったような感じだったため直ぐにミソラは嘘だと

分かった。それでも、嘘が下手なスバルが嘘をついてでもミソラの料理を美味しいと、嫌な顔一つせずに

食べるスバルの優しさにミソラは嬉しく思った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごちそうさまでした。ありがとうミソラちゃん、凄く美味しかったよ!」

 

「フフ、喜んでくれてよかった。そんなに気に入ってくれたの?」

 

「そりゃそうだよ!だってミソラちゃんが作ってきてくれたんだもん!」

 

「あ、ありがとう…」

 

スバルがそう言うと、ミソラは顔を紅くして俯かせる。それをスバルは不思議に思うが、先程の自分の発言を思い出し、スバルも顔を赤くさせる。あれでは、ミソラの事を特別だと言ってるようなものではないか。

 

またも気まずい空気になってしまい、二人は互いの顔を直視できぬまま公園の外へと歩いていた

 

「「…………」」

 

どちらも上手く話を切り出せず、どうしようと思っていると二人がたどり着いたのは公園の入り口でなく

海が見える花畑だった。

 

どうやら恥ずかしさのあまり逆方向に進んでいたらしい

 

「うわぁ…綺麗……」

 

先程までの恥ずかしさは目の前の自然の光景によって消えていた

 

色とりどりの花が咲きほこる花畑は風が吹くと花弁が舞い、その向こうには太陽の光によって煌めく海が

あった。

 

陸と海の自然による美しい光景だった

 

「すごく綺麗だね、スバル君」

 

「うん、僕も前にツカサ君とここに来た時、初めて見て感動したんだ」

 

「ツカサ君って、確か……」

 

「うん。僕のクラスメイトで、ジェミニと電波変換した子の事だよ」

 

今よりも少し前。スバルがルナたちに学校に連れて行かれた時、知り合った少年だ

 

「廊下で会った時に声をかけられてね、すごく気があって仲良くなったんだ」

 

スバルは父親を失い、ツカサは親に捨てられた。そんな二人はどこか共感しとりわけ仲が良くなった。

だが、スバルは知らなかったのだ。ツカサが抱えている闇を。ツカサは親に捨てられた事で多重人格である

「ヒカル」が生まれた。さらに、地球を侵略しに来た雷神「ジェミニ」により「アンドロメダ」の力を使えば、自分たちを捨てた親に復習する事が出来ると言われた。ツカサは自分を捨てた両親に復習するために

スバルとの友情を捨て、敵対し、「アンドロメダのカギ」を奪おうと襲ってきたのだ

 

「僕はブラザーになろうとしてたツカサ君に裏切られて、父さんがいなくなった時と同じぐらい悲しくて、

もう誰も信用できなかったんだ」

 

学校に行き、ミソラとルナとブラザーになったことで積極的に他人と関わり心を開きかけていたスバルにとってツカサの裏切りは想像を絶するものだった。これがもし、他人と関わりを持っていなかった頃だったら

ここまで悲しくはならなかったのだろう。

 

「僕はまた自分の世界という殻に閉じこもって、関わってくる人がとても煩わしく感じてたんだ。傷つくぐらいなら一人の方がいいって…」

 

そう語るスバルに対し、ミソラはただ黙って聞いていた

 

「でもそれは間違ってるって、気づいたんだ。僕はもう一人じゃないって…ウォーロックがそれに気づかせてくれた。僕を危険から遠ざけて、一人で戦おうとしてくれた。そのおかげでこんな僕にも頼れる存在が、

支えてくれる存在がいるって分かったんだ」

 

そう語るスバルにスターキャリアーの中にいるウォーロックは何も答えず、顔を逸らしていた。僅かに見える彼の頬は赤みを帯びていた

 

『ポロロン♪照れちゃって可愛いわねウォーロック♪』

 

『ウオッ!?ハープ!テメエいつの間に!てか、別に照れてねえ!!』

 

『そんなに否定しなくてもいいじゃない、フフフ』

 

ウォーロックは例のごとくハープにからかわれそれに憤慨する

 

「それにミソラちゃんのおかげでもあるんだ」

 

「え、私?でも、私何もしてあげられてないよ?いつもスバル君に助けられてばかりで…」

 

「そんなことないよ。ミソラちゃんは僕を助けてくれたよ。あの時だってブラザーを切った僕を見捨てないで、最後まで信じてくれてもう一度ブラザーを結んでくれた。それがすごく嬉しくて僕は勇気をもらったんだ」

 

「だからありがとう、ミソラちゃん」

 

「…うん!どういたしまして!」

 

二人は互いに微笑みあい同時に風が舞い花弁は二人を祝福するかのように舞いあがっていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがでしたか?
本来ならもう少し書こうと思ったのですが文字数が6000という初めての長さに一回
区切らせてもらいました。でも、区切りがちょっと不自然な感じがちょっとするのと
オリ主が全く出ていないので遺憾があります((+_+))
後、タイトルのドリームはただ場所が流ロク1のドリームアイランドだからなので
深い意味はありません
それでは、次回をお楽しみに!(^◇^)


目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 ~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。