魔法少女と記憶の管理人 (四月一日 桜)
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いつもの日常そして始まる非日常

こんにちは!四月一日桜(わたぬきさくら)という者です。
初投稿のため至らぬ点もあると思いますが、最後まで読んでいただけるとうれしいです。
では、どうぞ。


やあみんな。コンニチハ☆。俺は衛宮幸人。小学5年生だ。

早速だが、俺は今最大の敵と戦っている。どのくらい強いかといえばS○Oのラスボスくらいだ。

それぐらいの強敵と俺は戦っている。

 

それがなんなのか、それは………

 

 

「ユキ〜早く起きないと遅刻するよー」

 

 

そう。朝だ。俺は朝がとても弱いため、この時間が一番憂鬱なのだ。

 

ちなみにユキとは俺のあだ名だ。はいそこ、女っぽいって言わない。気にしているんだぞこっちは。

 

まぁとにかくだ。早く起きないと怒られてしまう。俺は重い体をなんとか起き上がらせる。

 

そして、

 

 

「おはよう、イリヤ。」

 

 

自分を起こしてくれた少女に挨拶をする。

 

イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。

 

俺の一応姉だ。何故一応なのかというと、彼女はあまり頼りにならないのだ。

 

勉強も料理もイマイチで、とてもドジっ子で唯一得意なのは短距離走。

 

どちらかといえば姉よりも妹のように思えるが本人が頑なに姉だと主張するので一応姉ということになっている。

 

「うん、おはようユキ。やっと起きたよ…。」

 

「……え?そんな寝てた?」

 

「うん。ずっと起きてって言っても全然起きないんだもん。」

 

「あースマン。迷惑かけたみたいで。」

 

「ううん。そんなことないよ。むしろ、弟を起こすのはお姉ちゃんの役目だからね♪」

 

 

とまぁこんな感じでとても明るく優しい子なのでクラスでも人気者だ。

 

 

「…と、早く支度しないと本当に遅刻しちゃうよ?」

 

「そうだな。じゃあ俺は着替えるからイリヤは先に降りていてくれ。」

 

「うん。わかったよ。早く降りてきてね。」

 

「ああ。」

 

 

そうしてイリヤは部屋から出て行った。

 

…さ、とっとと着替えるか。

 

 

〜少年着替え中〜

 

 

「…よし、降りるか。」

 

 

着替えを終えた俺は部屋から出てリビングへ向かう。

 

リビングに入るとそこにはイリヤ以外に2人の女性がいた

 

 

「あら、ユキト。おはようございます。」

 

「ん、おはようユキ。」

 

 

セラとリズ。この家のメイドだ。…えっ?なんでメイドがいるかって?………気にするな!!

 

 

「おはよう、セラ、リズ……ってあれ?兄さんは?」

 

「ああ、シロウならもう学校にいきましたよ。まったく、ユキトも1人で起きられるようにしなさい。」

 

「あはは。努力するよ…」

 

「本当ですか?」

 

「セラ、いちいちうるさい。」

 

「リーゼット!だいたいあなたはいつもいつも………」

 

「相変わらずだなぁ。」

 

「うん。そうだね…」

 

 

とりあえず、俺は苦笑いをしながら同じく苦笑いをしているイリヤの目の前にすわる。」

 

「…あ、ユキ!」

 

「ん、どうした?」

 

「えとね、ユキはこのままでいいよ!弟の面倒をみるのはお姉ちゃんの役目だもん!!!」

 

「お、おう。」

 

身を乗り出してそう言うイリヤに思わず引いてしまう。

 

イリヤ、大丈夫かなぁ?このままじゃあ結婚できなさそう。

 

ま、そんなことよりご飯を食べよう。

 

 

〜少年少女朝食中〜

 

 

さて、あの後、朝食を済ませ、イリヤと2人で登校した。今は一時間目だ

丁度いいのでここでもう少し俺のことを説明しよう。っえ?そんなことどうでもいい?………だまr

 

まぁ気を取り直して、改めて俺は衛宮幸人。一見ただの小学生だが、実は、俺には前世の記憶があるのだ。

 

何言っているんだと思うだろうが、事実だ。

前世の俺は東雲雪刀(しののめ ゆきと)という名前で半人半妖だった。

 

これまた何を言っているんだと思うだろうがこれもまた事実だ。

 

確かに俺は妖としての力をつかったことがある。

 

実際どんな力だったかは追々話すとして、次はなんで俺に前世の記憶があるのかだ。

 

これは仮定だが、前世の俺はある呪いがかけられていた。

 

そもそも、東雲家は代々妖の力に目覚めると共に自身に呪いがかけられる。

 

俺の場合は、【一度記憶したことを忘れることができない】という呪いである。

 

恐らくだが、この呪いの影響で記憶が残っているのだと思う。

 

しかし、それだと一つおかしいことがある。それは、俺が衛宮家に招かれる前の記憶がないことだ。

 

気付いていると思うが、俺はイリヤと、また、兄さんとも血が繋がっていない。

 

所謂養子というものだ。

 

もしも俺の仮定が正しいならば、養子になる前の記憶もあるはずだが、それがない。

 

だがまぁ周りの人はみんな優しいので特に聞いしていないが。

 

 

…………それに、大体の原因はわかっているし。

 

 

っと、もう今話すことはないな。というわけで、カットォォォォ!!

 

 

〜少年たち授業中〜

 

 

やぁみんな久しぶり(^-^)/幸人だよ☆

 

ようやく放課後だ。イリヤはというと『今日DVDが届くんだ〜♪』と言って1人かえってしまった。

 

じゃあお前は何してるかって?用事だ(キリッ)

 

まぁ人に会いに行くだけだ。

 

ってわけでやってきたのはある路地裏でひっそりと〈open〉という看板を立てている店。……怪しいところじゃナイヨ。

 

店内に入ると、コーヒーの香りが漂っている。

 

そして、カウンターにいる女性に声をかける。

 

 

「よう、来たぞ、《神様》」

 

「あら、もう来たの、いらっしゃい。」

 

そう、彼女こそ恐らく俺をこの世界に送った神様である。

 

 

こうして物語は動きだす。

 

 

 

少年が記憶を取り戻した時、その先にあるものは希望か絶望か。

 

それを知るものは誰もいない。




どうでしたか?
誤字報告、意見等ありましたら、是非どうぞ
では、また次回お会いしましょう。
この作品を読んでいただきありがとうございました。


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そして世界は回り出す

どうもこんにちは桜です。
2話目を書こうとサイトを開いたらお気に入り登録が7件でした。誠にありがとうございます。
皆様の期待に応えられるよう頑張りますので、よろしくお願いします。
幸人「……それはいいけど、なんで俺ここいんの?」
ああ、君は前半登場しないからね、ここに呼んだんだ。
幸人「ダニィッ!!嘘だッッ!!!!」
嘘じゃないよほんとだよ☆では、どうぞ〜
幸人「えっちょ……マジかよ」


どうもみなさんこんにちは。昨日魔法少女になったイリヤスフィールことイリヤです。

何言っているんだコイツは?と思うかもしれませんが事実です。

 

そう、それは昨日のこと。マジカルブシドームサシを1クール見てお風呂に入っていたとき、窓から突然カレイドルビーこと通称ルビーという喋るステッキがやってきて、

 

 

〔そこのあなた!魔法少女になってみませんか。〕

 

 

あまりにも胡散臭かったため、断ろうとしたけど、

 

 

〔楽しいですよ、魔法少女!空を飛んだり、ビームで敵を倒したり、“恋の魔法でラブラブになったり”!〕

 

その言葉に、思わず反応してしまった。

 

 

“ 恋の魔法でラブラブ”

 

 

突然だけど、私には好きな人がいる。

 

その人の名前は衛宮幸人。私の弟だ。………えっ?知ってた?ウソー!!

 

ま、まあ気を取り直して普通なら弟とは結婚できないが、私とユキは血が繋がっていない。

 

つまり私たちは結婚が出来る!!

 

というわけでルビーに半ば無理やりに契約させられ、魔法少女になりました。

 

その後に、ルビーの前のマスターさんの凛さんが現れて、事情の説明と凛さん達の目的であるクラスカードというカードの回収をすることになったのです。

 

そして今日の放課後に話はもどります。

 

今は学校が終わった後、せっかく魔法少女になったからには楽しまないと、と思い魔法を練習するために帰ろうとしているところです。

 

本当はユキと一緒に帰りたかったけど、用事があるようなので1人でかえります。ユキの用事ってなんだろ?……っは!まさか、女の人に会いにいっているんじゃ………

 

……よし、あとでたっぷりきかないと。ふふ♪覚悟してね、ユキ?

 

まぁそれは置いておいて早く帰ろう。

 

そう思って自分の下駄箱を開けると何かが入っていた。

 

 

「あれ?なんだろこれ?」

 

 

取り出してみると、それは手紙だった。

 

………なぜに?

 

 

〔おおっ!これはもしやあれですね!〕

 

「あれって………はっ!まさか!?」

 

〔そのまさかですよぉ!このシチュエーション、きっとこれはラブなあれに違いありません!ささ、イリヤさん、早く中身を。〕

 

「おおお、落ち着いてルビー。まだそうと決まったわけじゃ……」

 

 

こういうのって断るべきだよね!私はユキ一筋だもん!!

 

………あれ?これがもしユキだったら………

 

まぁさすがにないよね。そう思い中身をみると、

 

『今夜0時に高等部の校庭まで来るべし。こなかったらこr………迎えに行きます』

 

 

それはラブレターなんかじゃなくて脅迫状だった。

 

私はそれをそっとランドセルに仕舞う。

 

 

〔帰りましょうか、イリヤさん。〕

 

「………うん、そうだね。」

 

 

そして、何事もなかったかのように帰った。

 

〜少女帰宅中〜

 

 

あの後、家に帰ってから夜になるまで家にいて、今はすでに集合場所に来ている。

 

 

「ちゃんと来たわね。早速だけど、イリヤ、準備はいい?」

 

「あの凛さん。カードはどこにあるんですか?」

 

「こっちの世界にカードはないわ。ルビー。」

 

〔はいはーい〕

 

 

わかっている、とばかりに返事をすると、ルビーは準備に取り掛かった。

 

すると、魔法陣が出現した

 

そのことに私は驚いていたが、気にせずルビーは詠唱をはじめた。

 

〔半径2メートルで反射路形成。鏡界回廊、一部反転します!!〕

 

 

ルビーが詠唱をすると、それに応えるかのように魔法陣は光を増していく。

 

 

「な、何をするの?」

 

「『カードのある世界』に飛ぶのよ。」

 

 

私の疑問に凛さんがそう答えるとそのまま説明するように続ける。

 

 

「無限に連なる合わせ鏡。この世界を、その像の一つとした場合、それは鏡面その物の世界」

 

 

そう凛さんが言った瞬間、私たちがいる世界は「反転」した。

 

それと同時に、風景が一変したことに私は驚いた。

 

私たちがいるのは高等部の校舎なんだろうけど、なんだか、この空間そのものの雰囲気すべてが普通じゃなかった。

 

 

「説明はあとッ くるわよ!!」

 

 

不意に凛さんがそう言った

 

すると、校庭の中心から黒い煙のようなものが吹き出した。

 

 

「え、え、なんなのあれ!?」

 

 

私が驚いている間に黒い煙はだんだんと女の人の姿になり、目を隠して、目隠しの中央に大きな目が一つぎょろりとついている。

 

そしてそのまま女性は鎖のついた杭でこちらに攻撃してきた。

 

 

「イリヤ、避けなさい!!」

 

 

凛さんがそう言うが、すでに杭が迫っていた。

 

私は咄嗟に次に来るであろう攻撃を恐れて目を閉じてしまった。

 

しかし、

 

 

「………東雲流居合術其の壱(しののめりゅう いあいじゅつ そのいち)、孤月ッ!!」

 

 

私に攻撃はこなくて、代わりに聞こえたのは、男の人の声と金属音だった。

 

恐る恐る目を開けるとそこには、

 

 

「…よぉ。大丈夫かい?お嬢さん?」

 

 

全身を黒いコートで覆った男の人だった。

 

 

幸人 side

 

やぁみんな。久しぶり、主人公の筈なのに今頃登場、幸人だよ☆

 

さあみんなは今疑問に思っているだろう。なぜお前がここにいるのか。

 

それは、昨日の放課後に遡る。

 

だがまずは、謎の女性《神様》についてだ。

 

彼女はその名の通り神様だ。

 

そして恐らく、俺をこの世界に送ったものだ。

 

なぜそんな曖昧なのかといえば、前に説明した通り俺にはこの世界に来るまでの記憶がない。

 

神様曰く、この世界に送る際に不具合が生じたらしい。

 

記憶がない今、この情報しか頼るものがないため、神様が俺を何らかの理由でこの世界に送ったのだと判断している。

 

では次にここにいる理由だ。

 

それは、神様曰くクラスカードというものを回収するのを手伝っていくと記憶が戻ってくるかもしれないらしい。

 

不安のある情報だが使えそうなものはとことん使って行くべきだ。

 

だから俺はここにいる。

 

今日イリヤと帰れなかったのはその準備をしていたからだ。

 

具体的な内容は、俺の武器である刀の手入れと記憶の一部開放だ。

 

実は、俺は昔、英霊として聖杯戦争というものに参加していたらしい。

 

今回はそのときの記憶のほんの一部を開放したのだ。

 

………あれ?俺にかけられた呪いってなんだっけ?

 

まあとにかく、そう言ったことがあり、俺はここにいる。

 

じゃあ、始めるか。

 

俺と敵の女性は睨み合っている

 

まずは女性のほうから仕掛けてくる。

 

先ほどのように杭で攻撃してくる。

 

俺もそれに対応して、

 

「東雲流 居合術 其の壱、孤月ッ!!」

 

 

さっきと同じ技を使う。

 

 

“東雲流”

 

東雲家に代々伝わる様々な武術に対応した流派。

 

俺はその中で居合術ともう一つ抜刀術を主に使う。

 

孤月は居合術の中でも基本中の基本。

 

弧を描くように刀を抜いて攻撃を弾く。

 

また、攻撃を弾くだけでなく、攻撃にも使える。

 

俺は一気に間合いを詰め、

 

もう一度孤月を放つ。

 

さすが英霊である彼女もこれには対応できなかったみたいで、

 

「ッ!!!」

 

 

女性の左腕を斬り落とした。

 

このように孤月は流れるように腕やらを斬り落とすことができる。

 

先ほどの一撃で彼女はかなり怒っているようだ。

 

宝具を放とうとしている。

 

さすがにそれは面倒なので、終わらせよう。

 

「さあ、これで終幕だ」

 

 

そう言って俺は再び間合いをつめ、

 

「東雲流 居合術 其の壱、………」

 

孤月を放とうとするが、

 

 

「………………クラスカード『ランサー』、限定展開《インクルード》」

 

 

ふと後ろからそんな声が聞こえた。

 

だが、ここで中断はできない。

 

俺はそのまま刀を抜いた。

 

「孤月ッ!!!」「刺し穿つ…………死棘の槍《ゲイ…………ボルク》!!!」

首は刀によって斬り落とされ、心臓は槍によって貫かれてしまった女性はその形を失いカードとなった。

 

 

動き出した歯車は止まらない。たとえ物語にイレギュラーが紛れ込んでいたとしても。

 

結末が変わったとしても、時は進み続ける。さあ、もがき、あがき、生きるのだ。

 

自分の望む最高のENDのために。この歪んでしまった物語の主人公《アクター》として、演じきるのだ。




どうでしたか。ほぼ衝動で書いているため、雑なところもありますが、大目にみてくださいw
幸人「マジで最初出番なかった…………」
まあまあ、次はしっかり出番あるから。
幸人「頼むぞ。」
了解。というわけで、誤字報告、感想等ありましたら是非是非お願いします。
幸人「また、この作品が気に入っていただけたらお気に入り登録もよろしくお願いします。
ではでは、ここまでこの作品をよんでいただき、
幸人、桜「ありがとうございました。」
幸人「また次回お会いしましょう」
幸人、桜「さようなら〜〜」


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非日常の中の日常

どうも、桜です。
今回無駄がとても多いですが、どうぞ。


やぁみんな。最初から出番が貰えて喜んでいる幸人だ。

 

まあそんなことは置いておい、今はさっき英霊に攻撃をした少女を見ていた。

 

 

「クラスカード《ライダー》回収完了。」

 

彼女はそう言うとカードを手に取りこちらを見つめてくる

 

ちなみに、俺は顔がわからないように狐のお面を着けている

 

 

「………あなた、誰?」

 

「うーん、しがない元英霊ってとこかな?」

「?」

 

「じゃあ次はこちらから質問するけど………」

 

 

君は誰?と聞こうとしたが、

 

 

「オ〜ホッホッホッ〜〜!!」

 

不意に、そんな笑い声が聞こえた。

 

「このバカ笑いは…………」

 

 

どうやら、ツインテールの女性は誰なのか知っているようだ。

 

 

「無様ですわね〜。敵に恐れをなしてただ見ているだけとは、とんだ道化ですわね、遠坂凛!!」

 

「ルヴィア!……てか、あんた生きていたんだ。」

 

「ふん、当然ですわ、美遊、ご苦労様、まずは一枚いただきましたわ。」

 

「やかましい!不意打ちの癖にいい気になるんじゃないわよ!!」

 

 

みたところ、仲が悪いみたいだ、喧嘩を始めた。

 

 

〔やれやれー成長しませんね、この人たちは、〕

 

 

イリヤが持っていたステッキがそう言うと、世界が崩れ始めた。

 

「え、今度は何?」

 

〔カードを回収したので鏡面界が閉じようとしているんですね。とりあえず帰りましょうか。〕

 

「うん。」

 

〔ほら〜そこのおふたりさん、帰りますよ〜〕

 

 

しかし、ヒートアップしているせいか聞こえていないようだ。

 

 

「………サファイア。」

 

〔はい、マスター〕

〔半径6メートルで反射路形成。通常世界へ帰還します。〕

 

 

サファイアと呼ばれたステッキがそう詠唱すると魔方陣が輝き出し、

 

俺たちは元の世界に戻った。

 

 

「…………じゃあ、とりあえずあんたのことを教えてもらおうかしら」

 

「何故だ?」

 

「何故だ?じゃないわよ!!いきなり現れたと思ったら英霊と互角に戦ってるし。」

 

「それは本当ですの?遠坂凛?」

 

「ええ。あんたたちが来なかったらコイツが倒してたわよ。」

 

「そんな事が…………あなた、名前は?」

 

 

あ、やばい。名前考えてなかった。まあ東雲流使ったから前世の名前でいっか。

 

 

「俺の名前は東雲 幸人。元英霊だ。」

 

「「えっ?ユキト?」」

 

 

案の定イリヤが驚いている。何故かもう1人の娘も。

 

 

「ふーん…ってちょっと待ちなさい。『元』英霊ってどういうことよ?」

 

「どういうことって、そのままの通り英霊の生まれ変わりだが?」

 

「そんな当然みたいに言うんじゃないわよ。で?あんたの目的は?」

 

「それは話せないかな、まあそちらに協力はするつもりだ。」

 

さすがに記憶の事は話せないからな……

 

 

「っとそういえば。」

 

 

まだ記憶が戻っていないことに気付き黒髪の少女の方を向く。

 

 

「…な、なに?」

 

「さっきのカード貸してくれないか?」

 

「どうして?」

 

「ちょっとね。大丈夫、君たちに害はないよ。」

 

「………わかった。はい。」

 

「ありがと………ッ!!」

 

お礼を言いながら受け取ろうとした時、何かが流れ込んできた。

 

それは記憶。俺が英霊として聖杯戦争に参加していた時の一部。

 

その時も、俺は彼女、《ライダー》と戦っていた。

 

…………………………そうだ。

 

俺のマスターは○○ ○○だ。

 

 

「大丈夫?」

 

「ああ、問題ない。心配してくれてありがとう。」

 

 

そう言い、俺はカードを彼女に渡した。

 

 

「じゃあ、俺はこれで。」

 

そして帰ろうとした時、

 

 

「ちょ、ちょっと待ってください!」

 

「ん?」

 

 

イリヤに声をかけられる。

 

「あ、あのっ、さっきは助けてくれてありがとうございました。」

 

「ああそれね。いいよ、俺がやりたくてやったわけだし。」

 

 

そう言って俺は次こそこの場を去った。

 

 

〜少年帰宅中〜

 

朝、今日もイリヤに起こされ学校に。

 

 

「ふぁ〜〜〜あ」

 

「眠そうだな、イリヤ。」

 

「うん、昨日は少し夜更かししちゃって。」

 

「あんまし夜更かしするとセラに怒られるぞ」

 

「う〜それはやだなぁ。」

 

 

まあそう簡単に終わらないだろうしな。

 

 

「…あ、そうだ!ねぇユキ……」

 

「ん?どうした?」

 

 

不意にイリヤが俺を呼ぶ。心なしか目のハイライトが消えている。

 

……あれ、俺なんかしたっけ?

 

 

「昨日の用事って何だったの?」

 

「何って人に会いに行っていただけだけど。」

 

「その人って女の人?」

 

「ああ、そうだが?」

 

 

…………あれれぇ?おかしいなぁ。イリヤの周りが黒くなっているぞ〜

 

「その人の名前は?どこに住んでいるの?その人との関係は?」

 

「おいおい。そんな連続で聞くなよ。それにその人のことはあんまり知らないんだ。」

 

「本当に?じゃあなんで?」

 

「言い方が悪かったな。実はその人の経営しているカフェに行っていたんだ。」

 

「………なぁんだ〜心配して損したよ〜。そうだよね、ユキは私が大好きだもんね♪」

 

「……まあ確かにイリヤのことは(家族として)好きだな。」

 

「ふぇ!?」

 

 

なんかイリヤが固まってる。顔も赤くなっている。

 

 

「どうした、イリヤ?」

 

「〜〜〜〜ッ、な、なんでもないよ!さ、行こ!」

 

「お、おい!」

 

 

イリヤが急に俺の手を掴んで走り出す。そうしてそのまま俺たちは学校に行った。

 

〜少年少女登校中〜

 

 

無事?学校に着いた俺たちはそれぞれの席に着いた。

 

イリヤはいつものメンバーで話しをしているが、ちらちらとこっちを見てくる。

 

ちなみに俺の席はイリヤの斜め前だ。

 

もしかして、さっきのこと気にしてるのか?

 

俺がイリヤのことが(家族として)好きなのが、そんなにもおかしいのか?

 

え?お前鈍感だなって?………なんでや。

 

なんてことを考えていると、担任の藤村先生が教室に入ってきた。

 

先生の話によると転入生が来るらしい。

 

へぇ転入生か。随分と中途半端な時期にきたな。

 

「じゃあ、入ってきて!」

 

「…ん?」

 

先生がそう言い、入ってきたのは、

 

 

「美遊・エーデルフェルトです。」

 

 

昨日現れた少女美遊だった。

 

なるほど。だからこの時期なのか。

 

 

「美遊ちゃんはイリヤの後ろの席ね!」

 

「はい。」

 

先生の言葉に返事をすると美遊は突然のことに驚いているイリヤを無視して進もうとする。

 

が、しかし、美遊は俺の前で止まった。

 

 

「ん?何かあったか?」

 

「あなた…名前は?」

 

あれ?もしかしてバレた?

 

まあここで嘘はつけないし多分バレてないだろうし。

 

 

「俺は衛宮 幸人だ。よろしく、えと美遊さんでいいかな?」

 

「衛宮 幸人!?………本当に?」

 

俺の回答に目を見開く美遊。

 

まさか、俺のことを知っているのか?

 

「あ、ああ。そうだけど。」

 

「そ、そう。わかった。」

 

そして、美遊はそのまま自分の席に着いた。

あまりの出来事にイリヤ含めクラスメイト全員が目を白黒させている。

 

「じゃ、じゃあ、早速1時間目を始めよう!」

 

先生の言葉でやっとみんなが動き出す。

 

そうして始まる授業。

 

なにやら後ろから視線を感じるが、今は授業に集中しよう。

 

 

〜少年少女授業中〜

 

 

なんやかんやあって今は4時間目だ。

 

え?3時間目まではどうだった、て?………すごく、驚きました。

 

1時間目は特になにもなかったが、2時間目の算数の授業。

 

美遊が問題を解くように言われると、美遊は高校レベルの解き方を行った。

 

3時間目は図工の授業で人物画を描いた。

 

俺はとりあえずイリヤを描いたが、(この時イリヤは勝ち誇ったような顔をしていた。)

 

美遊は、なんでも、キュビズムというものを使い、ピカソのような絵を描いていた。

 

とまあそんなわけで4時間目は家庭科。

 

調理実習でハンバーグを作ることになった。

 

俺は料理が好きなので、朝から楽しみだった。

 

材料を見るにハンバーグ以外に作れそうなのでがんばろう。

 

そう思い料理をしていると、美遊の周りに人だかりが出来ていた。

 

俺も行ってみると、そこにはハンバーグはもちろんレストランに出てきそうな料理たちだった。

 

一目みて負けたと思った。

 

すると、美遊は俺の方にやってきて、

 

 

「………食べて。」

 

 

俺にハンバーグを食べさせてくれた。はい、あ〜んで。

 

もう一度言う、はい、あ〜んでだ。まさか、君たちのような非リアよりも早く体験するとは………

 

 

「どう?」

 

 

美遊が感想を求めてきた。ここは素直に行こう。

 

 

「ああ。すごく美味しいかったよ。レストランででてきてもおかしくないくらいだ」

 

「……そう。」

 

 

相変わらず美遊は無表情だが嬉しそうだ。

 

 

「そうだ、よかったら俺のハンバーグを食べてくれないか。美遊さんよりかはできは悪いけど。」

 

「うん、食べる。」

 

「了解。じゃあ………」

 

 

美遊が返事をするのを確認したら、そのまま

 

「えっ?」

 

「はい、あ〜ん。」

 

美遊に食べさせた。

 

突然のことで美遊も無表情を崩しほんのりと頬を赤らめながら食べた。

 

 

「どうだ?」

 

「う、うん。幸人のも美味しい。」

 

「そうか、よかった。あと、俺のことはユキでいいよ。みんなそう呼んでるし。」

 

「そう?なら私のことも美遊でいい。」

 

「わかった。改めてよろしく、美遊。」

 

「………うん、よろしく、ユキ。」

 

美遊が照れくさそうにして俺の名を呼ぶ。

 

「ふふっ」

 

その仕草に思わず微笑んでしまう」

 

「どうしたの?」

 

「ああいや、ただ、美遊が照れくさそうにしたときの顔はすごくかわいいなって。」

 

「っな!」「にゃっ!!」

 

 

俺の言葉に美遊とイリヤが反応する。

 

美遊はほんのりと赤かった頬が真っ赤になる。

 

その後、藤村先生(独身)が怒鳴ってこの場はさらにヒートアップしましたとさ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

そして放課後、俺は、背中を丸めて歩くイリヤと一緒に帰っていた。

 

実は5時間目の短距離走でイリヤは美遊と走ったのだが結果はイリヤが負けてしまった。

 

今まで、イリヤは足の速さで負けたことがなかった。そのため、このことがショックみたいだ。

 

 

「そんな落ち込むなよ。」

 

「だってぇ〜〜」

 

 

………これは重症だな、

 

仕方ない、そう思い、

 

 

「ふぇっ?」

 

イリヤの頭を撫でた。

 

 

「イリヤはイリヤ、美遊は美遊なんだから、イリヤすごく頑張ってるよ。」

 

「……もう、弟のくせに生意気なんだから。」

 

 

イリヤは頬を赤らめながらも嬉しそうだった。

 

 

「よし、帰ろう!ユキ!!」

 

「っておい。」

 

 

イリヤはそう言うと腕を絡めてくる。

 

朝も恥ずかしかったけど、これはもっと恥ずかしい。

 

俺も自然と顔が赤くなる。

 

そうして帰ろうとした時、

 

プルルルル、プルルルル

 

俺の携帯電話がなる。

 

何事かと思い電話を繋げると、

 

 

『今夜のことで話があります。今からこちらに来てください。」

 

 

それだけ言われ、すぐに切られる。

 

 

「誰からだったの?」

 

「ちょっとな。悪いけど、今から行くところがあるんだ。」

 

 

そう言い、俺は絡められた腕を解きそのまま走り出す。

 

後ろからイリヤが何か言っているが、構わず走る。

 

 

 

 




どうでしたか?
次回はまた戦闘シーン。
幸人の技名考えないと。
では、また次回お会いしましょうさよなら。


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妖は負けの味を思い出す

こんにちは、桜です。
二度のテストを乗り越え、少し楽になりました。
今回、幸人のチートが一つ登場します。
では、どうぞ。


やあみんな。幸人だ☆

 

今は《神様》に呼ばれてカフェ『Memory』にきている。

 

『Memory』

 

 

《神様》が経営しているカフェだ。

 

路地裏に店を構えているため、ここを利用する人は限られている。

 

まあ、こちらとしては都合がいいが。

 

店内に入った俺はマスターである《神様》にカフェオレを注文し、席に着く。

 

どうやら、他に客はいないようだ。

 

 

「さあ、打ち合わせをしましょう。」

 

「ああ。そうだな。」

 

 

恐らく俺がカフェオレを注文すると予想していたのだろう。

 

すぐにカフェオレを用意して神様がくる。

 

 

「まずは今日の場所だけど……」

 

 

そう言って神様は地図を広げる。

 

どうやら今回は橋の近くのようだ。時間も昨日と同じらしい。

 

 

「………で?それ以外にも話があるんだろう?」

 

「さすが、よくわかったわね、ちょっと待ってなさい………」

 

 

神様はカウンターに戻ると何かを取り出す。

 

 

「んなっ!」

 

 

俺はそれを知っている。見間違うはずない。

 

黒を基調とし、ところどころに桜が描かれている鞘に収まったその刀。

 

それは、

 

「“妖刀『結月』”〈ようとうゆずき〉」

 

「ええ、そうよ。」

 

 

俺の、前世での愛刀だ。

 

東雲の人間は力に目覚めると呪いがかかるのと、儀式が行われるのだ。

 

儀式では、自分が気に入った得物に自らの妖力を込め自分だけの武器にするのだ。

 

これがあれば、自分の力を最大限引き出せる。

 

 

「しかし、よく準備できたな。」

 

「ええ、なんとかね。」

 

 

結月を抜刀し、そう呟く。

 

 

「要件はこれだけか?」

 

「ええ、そうね。」

 

「そうか。わざわざ用意してくれてありがとう。」

 

 

そう言って俺は店を後にする。

 

さ、帰るか。

 

 

〜少年帰宅中〜

 

 

なんだかんだあって今は午後0時。

 

すでに全員揃っている。

 

 

「……で?なんであんたがここにいるの?」

 

「言っただろう。俺もこれに参加すると。」

 

 

怪しそうに聞く遠坂凛にそう答える。

 

 

「そ。でも、参加するからには、こっちの言うことをしっかり聞いてもらうわよ。」

 

「ああ。理解している。元サーヴァントとして全力を尽くそう。」

 

 

そうして、俺たちは鏡面界へ向かった。

 

着いてみると、たくさんの魔方陣のようなものが俺たちを取り囲むようにして出迎えていた。

 

目の前には、英霊であろう女がいた。

 

露出度の高い服を着て、ローブをかぶっていて、不敵な笑みを浮かべていた。

 

 

「ッ!全員くるぞ!!」

 

 

俺がそう言うと同時に魔方陣から集中砲火を受ける。

 

イリヤと美遊がすぐに魔術障壁を展開するが、突破されるらしい。

 

仕方ない、俺は結月を抜刀し地面に突き刺す。

 

 

「え、ちょ、あんた、何する気よ!」

 

 

遠坂凛がそんなことを言っているが無視だ。

 

 

「東雲流妖術、時流遅延ッ!!」

 

 

俺がそう叫ぶと、足元に魔方陣が形成され、俺たちを光が取り囲む。

 

時流遅延。

 

これは、座標を固定し、その部分の重力を緩める技だ。

 

これにより、相殺はできないものの、攻撃の速度を極端に遅くすることができる。

 

しかし、結月を突き刺しているため、得物がない。だからもう一手。

 

「………生成。」

 

 

そう呟き俺は俺の記憶の中からもう一本結月を取り出す。

 

生成。

 

俺の呪いを逆手にとって生み出したものだ。

 

これは、俺が記憶したものを取り出すというものだ。

 

記憶から取り出すため、少ない魔力で本物に限りなく近いレプリカを生み出せる。

 

レプリカの結月を握りしめ、俺は飛び上がり、時流遅延により抑えている攻撃を消していく。

 

その時に、美遊が相手に攻撃を仕掛けたが、どうやら届いていないようだ。

 

 

「撤退準備をッ!」

 

 

このままではマズイと思い、撤退を促す。

 

美遊とイリヤもそれに応じ撤退の準備をする。

 

そして、俺たちは元の世界へ戻った。

 

 

〔いやぁ見事なまでに完敗でしたね〕

 

「………だな。」

 

ルビーの言葉に答える。

 

 

「どういうことですの!!カレイドの魔法少女は無敵なのではなくて?」

 

 

ルヴィアがサファイアに詰め寄っている。

 

あ、ルビーから目潰しされた。

 

ルビー曰く今回の相手とは相性が悪いらしい。

 

〔あれは恐らく失われた神話の時代の魔術と思われます。〕

 

「あの魔力反射平面も問題だわ。あれがある限りこっちの攻撃が届かない。」

 

「攻撃陣も反射平面も座標固定型のようですので、魔方陣の上まで飛んでいければ戦えると思いますが。」

 

「と言っても、そんな簡単なものなのか?」

 

「いいえ、練習もなしにいきなり飛ぶなんて……」

 

「ああ、そっかぁ。飛んじゃえばよかったんだね。」

 

 

あれ、あたかも飛べるようなこと言ってるな。

 

そう思いイリヤの方を向くと、

 

 

「は?」

 

 

飛んでいた。

 

「ちょ、なんでいきなり飛べているのよ!」

 

〔強固なイメージがなければ浮くことすら難しいのに、いったいどうして……〕

 

そんなになのか。

 

しかし、ならなんでいイリヤは。

 

 

「どうしてと言われても、魔法少女って飛ぶものでしょ?」

 

 

「「な、なんて頼もしい思い込み!!」」

 

「…じゃあ試しに聞くけど、雪刀、あんたは?」

 

「なぜそこで俺に振るんだ………ふむ。」

 

 

記憶の中から使えそうなものを探す。

 

そして、手頃なものを見つけてそれを取り出すためにイメージする。

 

イメージするのは鳥の羽。

 

それが、背中につくのをイメージして実行する。

 

「…………生成。」

 

 

そう呟くと背中に違和感が生まれる。

 

見てみると、無事羽が生えていた。

 

 

「わぁ、きれい。」

 

 

イリヤがそう呟く。

背中から生えた羽は月夜に照らされ銀色に輝いていた。

 

 

「さ、ここからだな。」

 

 

羽に意識を向け、動かす。すると、ぎこちないが、一応飛ぶことができた。

 

 

「本当になんでもありね、あんた。」

「褒め言葉として受け取っておこう。」

 

 

しかし、上手くいくとは正直思ってなかった。

 

 

「クッ、負けられませんわよ美遊、貴方も今すぐ飛んでみなさい!」

 

対抗心を燃やしてかルヴィアが美遊に命令する。

 

だが、美遊からは、

 

「人は……飛べません!!」

 

 

夢のない言葉だった。

 

 

「な、なんて夢のない子!!」

 

 

全くその通りだ。

 

 

「そんな考えだから飛べないのですわ。来なさい、つぎまでに飛べるように特訓ですわ!!」

 

 

そう言って強引に美遊を引きずっていった。

 

 

「不安しかないな……では、俺も帰るぞ。」

 

「ええ。また同じ時間に来てちょうだい。」

 

 

羽をしまい、遠坂凛にそう言って帰る。

 

明日は、特訓かな。

しかし、久しぶりだな、負けたのは。

 

「明日は、勝たせてもらうぞ、《キャスター》」

 




………先生、ネーミングセンスがほしいです!!!
というわけで如何でしたか?
「時流遅延」については、ノーコメントで。
これ以外思いつかなかったんです。(T ^ T)
もし、こんな名前の方が、などの意見がありましたら、
是非、コメントお願いします。(コメ稼ぎ乙)
では、また次回お会いしましょう。
それでは、さようなら。


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狐、兄になる

どうも、最近劣等生の二次小説にはまっている桜です。
近々、この作品とクロスオーバーさせたものを、投稿しようかなとおもっています。
まあ、今考えている内容だと、かなりのネタバレを含むので、
早くて無印編かツヴァイが終わった後あたりだと思います。
あ、あと今回はかなり短いですが、どうぞ。


ある所に妖の一族が住んでいた。

 

その妖は人に悪戯をするものの、人の悩みをいくつも解決しており、人との交流が絶えなかった。

 

そんな妖の一族に2人の子供がいた 。

 

1人は雪刀といい、黒髪を肩まで伸ばし、整った顔に黒く輝く目で、狐のお面をずらしてつけていた。

 

他人がみると女のようだが、彼は男である。

 

もう1人は、雫といい、こちらも黒髪を腰まで伸ばして、青く透きとおった目をしていた。

 

2人は、親の片方が人間の半人半妖で、生まれた時からずっと一緒だった。

 

血の繋がりはないが、2人の様子から、姉妹だとよく言われていた。

 

そんな2人が朝起きてから夕方家に帰るまで、ずっと一緒だったのは、雫が雪刀のことを異性として好きだったからだ。

 

肝心の雪刀は雫の好意には気づいてはいなかったが、大切な存在だとは思っていた。

 

そして、2人は幸せな日々を送っていた。

 

 

 

 

---------あの日までは。

 

 

 

 

やあ、みんな、幸人だ☆

 

いやぁ昨日は散々だったな。

 

まあ、終わったことを色々というのはやめて、

 

 

「歌を歌いましょ〜〜〜!!

 

 

俺は今、カラオケに来ている。

 

……え?訓練はどうしたって?ハッハッハーーもう終わっているのだよワトソン君

 

まあ実際は夢の中でってことだがな。

 

俺の呪いを使えば、こんなことだってできる。

 

というわけで、ストレス解消のためにカラオケにいる次第だ。

 

まあ、歌ってる曲の説明なんてメンドイしキ○グクリ○ゾンッッッ!!

 

 

〜少年熱唱中〜

 

さあ、今家に帰っているところだ。

 

そういやイリヤたちは何してるんだろ。

 

イリヤはともかく美遊が心配だな。

 

 

「……美遊…か。」

 

 

突然現れた少女。

 

俺の記憶にはいなかった少女。

 

だが、俺の名前を聞いた時の反応、

 

まるで俺のことを知っているようなものだった。

 

……もしかしたら、俺がこの世界に来る前のことを知っているのかもしれない。

 

 

「………ま、そんなわけないか。」

 

 

そもそも、人の身で異世界に行くなんて不可能だ。

 

それこそ、“聖杯の力を使う以外で”。

 

なんてことを考えているうちに我が家に着く。

 

「ただいま〜」

 

 

そう言って家に入ると、リビングで大きな音がした。

 

何かあったのかもしれない、そう思い俺は急いでリビングに向かった。

 

 

「大丈夫かッッ!」

 

 

そう言って思い切りドアを開けると、

 

美遊が額を押さえてうずくまっていた。

 

さらにそこにはもちろんイリヤやまさかのルビーとサファイアもいた。

 

 

「なぁにこれ……?」

 

 

一応正体は隠しているため、一般人らしい反応をしておく。

 

 

「え、えええとね、ユキ、これはーそのー」

 

「ユ、ユキお兄ちゃん、これはその、」

 

 

イリヤと美遊がそれぞれ説明をしようとしている。

 

………ん?待てよ、

 

「今、美遊俺のこと、お兄ちゃんって………」

 

「あ、いや、これはちがうの、今のは間違えて、」

 

「あー落ち着け、落ち着いて一つずつ説明してくれ。」

 

 

〜少女説明中〜

 

 

あの後イリヤ達を落ち着けて説明をしてもらう。

 

まあ、知ってることだけど。

 

 

「……うん、あらかた理解したよ。」

 

「………えーと、ユキ?このことはセラには……」

 

「ん?…ああ、言わないよ、正直危険なことはしてほしくないけど、手伝うってきめたんだろう?」

 

イリヤの心配そうな質問にそう答える。

 

 

「さて、それは置いておいて、美遊?」

 

「ッ!」

 

 

美遊を呼ぶと肩を震わせて反応する。

 

先ほどのやり取りでの羞恥のせいか顔が赤い。

 

 

「俺をお兄ちゃんって呼んだことだけど、何かあった?」

 

「え、えと、それは、ユキが私の兄に似ていたから。」

 

俺の質問にそう答える。嘘は言っていないようだ。

 

 

「……あの、ユキ?」

 

「ん、どうした?」

 

 

美遊が何かを決心したかのように聞いてくる。それは、

 

 

「ユキのこと、さっきみたいに、ユキお兄ちゃんって呼んでいい?」

 

「「……………はい?(ふぇ?)」」

 

とても衝撃的な一言だった。

 

 

 




どうでしたでしょうか。
かなり薄い内容でしたが、まあ、
次を書く時の私に期待でもしましょうかねぇ。(遠い目)
今は学校の方で文化祭の準備があるので、投稿がまた遅れます。
こんな素人が書いたつまらない作品ですが、待っていただけると、幸いです。
では、さようなら。


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銃は正義。異論は認めない

どうも、桜です。
昨日と同様、時間の合間でつくりました。
では、どうぞ。


「ユキのこと、さっきみたいに、ユキお兄ちゃんって呼んでいい?」

 

 

………What do you meen?

 

ドウシテコウナッタ。

 

…おっと、やあ、みんな、幸人だ。

 

さて、どうしよう。

 

 

「えっと、つまり、美遊はそのお兄さんの代わりになって欲しいと?」

 

「いや、違う。」

 

 

え、じゃあなんで…………

 

 

「……は、もしや!!」

 

 

「美遊とイリヤって付き合ってるのか!?」

 

「「違う、そうじゃないッッ!!!」」

 

 

お、おう。

 

 

「ユキにはただ私のお兄ちゃんになって欲しいの。」

 

 

ふむ。どうしたものか。

 

普通なら断るべきだろうが、ここは……

 

 

「そういうことなら良いよ。」

 

 

受け入れておこう。

 

 

「……そう。じゃあユキお兄ちゃんって呼ばせてもらう。」

 

俺の返答をきいた美遊はどことなく嬉しそうだった。

 

 

「じゃあ、俺は部屋に戻るよ、ゆっくりしていってね、美遊。」

 

 

そう言って俺は準備のために部屋へと戻った。

 

 

 

イリヤスフィールside

 

 

マズイマズイ。

 

美遊さんとユキの距離がさらに近くなった。

 

このままじゃあ本当にユキが美遊さんの物になってしまう。

 

とりあえず美遊さんがユキのことをどう思っているのかをきかないと。

 

 

「あのー美遊さん?」

 

「……なに?イリヤスフィール。」

 

「美遊さんってユキのことどう思っているの?」

 

「好き。誰にも渡さない。」

 

 

私の質問に美遊さんは迷わずそう答える。

 

まあそうだよね。何気にユキってモテるしなぁ。(本人は気づいていない。)

 

 

「そっかー。……あ、そうだ。ねぇ美遊さん。」

 

「なに?」

「イリヤスフィールって長いでしょ。だからみんなみたいにイリヤって呼んで欲しいなって。私たち友達でしょ?」

 

「ッ!……………わかった。私のことも美遊でいい。」

 

 

私の提案に目を見開きながらも、美遊は同意してくれる。

 

 

「じゃあ、また今夜。」

 

 

そう言って美遊は帰って行った。

 

 

「また今夜っかー。前よりかはよくなったのかなぁ?」

 

 

 

幸人side

 

「さて、始めますか。」

 

 

部屋に戻った俺はすぐに机に向かって作業を始める。

 

今回から、銃を使おうと思ってその用意をしているのだ。

 

俺が使うのはFN Five-seveN(FN ファイブセブン)だ。

 

これは、ベルギーのFN社が製造したもので、5.7mm弾を使う自動拳銃だ。

 

高い初速で発射されるため貫通力が高いのが特徴である。

 

前回戦ったキャスターは魔方陣によって攻撃していた。

 

だから、その魔方陣を破壊するためにこれを使うんだ。

 

と言っても銃弾を作るだけだが。

 

とりあえず魔力を込めた銃弾を120発、俺の妖術を埋め込んだものを60発ずつ作る。

 

足りなくなったら生成すればいいしな。

 

というわけで、ここから夜までキ○トカット!!

 

 

〜少年制作中〜

 

 

さあ、夜だ。

まずは俺の装備を確認しよう。

 

いつも通りの黒いコートに狐のお面。

 

腰には結月を提げている。

 

さらに、太ももに付けてあるホルスターにファイブセブンを二丁、

 

そして、懐には結界を張るための札を入れている。

今回は、前回の失敗を考慮して少し離れた場所からジャンプする。

 

作戦は、はじめに、俺が囮になって相手の気をひく。

 

その隙にイリヤと美遊が上に行きとどめを刺すというものだ。

 

早速俺はキャスターの気をひくために魔方陣をファイブセブンで破壊していく。

 

そこからすぐにイリヤ達が飛ぶ。

 

ふと、美遊の方を見てみる。

 

どうやら、イリヤのように飛ぶのではなく、

 

魔力で足場を作り、跳んでいるようだ。

 

そんなこんなで、イリヤ達はキャスターの上をとった。

 

そして……

 

 

「クラスカード《ランサー》限定展開(インクルード)………」

 

 

美遊が限定展開を行う。キャスターもそれに気づくがもう遅い。

 

 

「ゲイ………ボル」

 

 

捉えた、はずだった。

 

 

「なッ!!」

 

 

しかしそこには、キャスターはいなかった。

 

どうやら、瞬間移動したようだ。

 

 

「く、美遊!!!」

 

 

すかさず俺は美遊の方へ飛ぶ。

 

すると美遊の後ろから攻撃がくる。

 

俺はホルスターからファイブセブンを一丁抜き、照準を合わせて

 

 

「東雲流妖術、黒薔薇ッ!!」

 

 

その声とともに黒い銃弾を放った。

 

黒薔薇

 

これは、聖杯戦争の際、ある英霊の盾から模索してアレンジしたものだ。

 

盾としてはもちろん、花弁で対象を包み込み、破壊するなんてこともできる。

 

そして、俺はもう一度黒薔薇を今度はキャスターへ放つ。

 

対処できないと悟ったのか、キャスターは瞬間移動をしようとする。

 

しかし、

 

「ッッッ!!!」

 

 

あらかじめ張っておいた結界に阻まれ瞬間移動ができない。

 

 

「さあ、これで終幕だ。チリひとつ残さず消えうせろ!!」

 

 

こうして、キャスターはカードへと姿を変えた。

 

 

「大丈夫だったか?美遊。」

 

「は、はい。ありがとうございました。雪刀さん。」

 

 

うん、怪我は無さそうだ。

 

 

「おーーい2人とも〜」

 

 

すると、イリヤがこちらへ来た。

 

 

「お疲れ様ー」

 

「ああ。イリヤもお疲れ様。」

 

 

そうして、お互いをねぎらっていると、

 

 

ドオォォォォォォォォォォン!!!!!!!!!!

 

 

急に大きな音が鳴り響いた。

 

 

「あっちの方は…………」

 

「確か、凛さん達がいた場所だよね?」

 

「嫌な予感がする。急ぐぞ、ふたりとも!!」

 

そう言ってあのふたりの元に行くと、

 

 

「な、……これは…」

 

「嘘……………………」

 

血だらけの2人と1人の騎士がいた。

 

その騎士は黒い甲冑を纏っており禍々しい剣を持っている。

 

だが、その騎士には見覚えがある。

 

かつて同じマスターのサーヴァントとしてともに戦った……

 

 

「セイ…バーなのか。」

 

 

セイバーことアーサー王だった。

 

それがわかった途端俺の中で何かが切れた。

 

 

「…………二人とも、下がっていろ。」

 

「なんで!!凛さん達を助けないと!!!」

 

「落ち着け。まだふたりは生きている。だろ、ルビー。」

 

〔はい、おふたりの生存反応が確認できています。〕

 

「というわけだ。ふたりはあっちの救出を頼む。俺は……」

 

 

 

「あいつを、助けてやるんだ(ころしてやるんだ)。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうでしたか?
次回は、多分幸人が覚醒します。
ではまたいつ投稿できるか分かりませんが、
とりあえず、さようなら。


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狐は王と踊る

みなさ〜〜んこんにちは〜〜〜。
え?誰だお前は?だって?……地獄からの使者、スパイダーm
まあ、冗談は置いといて、桜です。
やっと文化祭が終わりました。
しかし、今月はテストが3回……
ですが、また少しずつとうこうしていきたいとおもいます。
では、どうぞ。


「…………」

 

「…………」

 

 

静寂の中、ふたりの剣士が対峙している。

 

片方は黒い甲冑を身にまとっている女性。

 

彼女は『アーサー王伝説』で有名なアーサー王ことセイバー。

 

もう片方は甲冑では無くコートを着て狐の面をした少年。

 

言わずもがな、幸人である。

 

 

「………雪刀さん…」

 

 

そして離れた場所にはイリヤ達。

 

凛とルヴィアはいまだ目を覚ましていない。

 

それぞれの息遣い以外は何も聞こえない中、幸人は激しい怒りにつつまれていた。

 

彼は、セイバーを知っている。

 

彼女はこのようなことをする人でないと知っている。

 

(おそらく、黒化英雄となっているのが原因か……)

 

そう、彼の知っているセイバーと違う点は黒化英霊であること。

 

また、幸人はクラスカードが聖杯戦争の為に創られたと仮説を立てた。

 

もしもこれが真実であるのなら、セイバーは、大人達の勝手な都合で壊されているということになる。

 

そう考えただけでも腹がたつ。

 

しかし、そうこうしているうちに、時間はすすんでいく。

 

「…………ッ!」

 

まず静寂を破ったのはセイバー。

 

思い切り踏み込み幸人へと攻撃を仕掛ける。

 

幸人もそれに対応し、本物の結月でなくあらかじめ生成した結月で防ぐ。

 

「グッ!!」

 

セイバーの攻撃を受け止めると同時に、体の節々が軋む。

 

幸人も彼女と同じセイバーであるが、ネームバリューに違いがありすぎる。

 

英霊の強さはその知名度が関係する。

 

知名度の高いアーサー王に比べ幸人は名も知られていない英霊。

 

力量の差は歴然だった。

 

しかし、幸人も負けていられない。

 

自分が倒れればイリヤ達に被害が及ぶ。

 

それだけは嫌だと精一杯の力を込めて押し返す。

 

「っシッ!」

 

 

そのまま返す刀で追撃を加える。

 

セイバーは一瞬仰け反るも直ぐに体を戻し、幸人の攻撃を受け止めようとする。

 

しかし、

 

 

「ッッッ!」

 

剣と刀はその刀身をぶつけることは無く、結月が剣をすり抜けセイバーに直撃する。

 

セイバーに攻撃が直撃した後、幸人は後退する。

 

東雲流妖術、刀身霊体化

 

その名の通り、自らの得物の刀身のみを霊体化させるもの。

 

しかし、これを行うためには幸人によって生成された刀剣類のみが対象となる。

 

その後も、幸人とセイバーは攻防一体の戦いを繰り広げる。

 

そこには誰も干渉できないほどだ。

 

ふと、セイバーが剣を高く掲げ、宝具を展開しようとする。

 

すると、幸人は生成した結月を消し本物の愛刀に手をかけ今ある最大限の魔力を込める。

 

 

約束されし勝利の剣(エクスカリバー)!!!!」

 

 

そして、宝具がセイバーから放たれる。

 

 

「……我が仰ぐは満開の桜………」

 

 

黒い光が迫る中、幸人は居合の構えのまま、そう呟き、

 

「咲かせ、奥義、千本桜!!!!」

 

結月を抜刀した。

 

すると、セイバーの宝具が結月に吸収され、結月の刀身が淡いピンク色になる

 

奥義、千本桜

 

これが東雲雪刀の最大の技である。

 

ありとあらゆるエネルギーを吸収し刀身に蓄える。

 

これは、生命エネルギーでも宝具であっても吸収してしまうのだ。

 

そして幸人はそのままセイバーの懐へ潜り込み、

 

 

「はぁぁぁぁあッッッ!」

 

 

切り上げる。

 

 

「………セイバー、次は貴女にとって最高の人生になる事をねがう。」

 

 

セイバーの体が崩れていくのを見ながらそう呟く。

 

すると、

 

 

「お見事です。黒。私も、貴方が救われる事を祈っています。」

 

 

確かに、そんな優しくも儚げな声が聞こえたのだ。

 

 

-------------------------------------------------------------------------------------

 

 

やあ御機嫌よう、セイバーがいなくなって萎えている幸人だ。

 

「はぁ、またセイバーに会いたいなぁ〜。」

 

さて、何て事をつぶやいている俺は何をしているでしょう?」

 

正解は……………

 

 

「39,7度、酷い熱ですね。」

 

 

熱で休んでマーース。

 

いやぁまさか、魔力切れになるとは思ってなかったなー。

 

 

「兎に角、安静にしておいてくださいね。」

 

 

セラはそう言うと、部屋から出て行った。

 

さぁどうしよう。

まあ、寝るか。

 

 

〜少年睡眠中〜

 

美遊side

 

私は今、ユキお兄ちゃんが熱と聞いたので看病をしにきた。

 

兄の看病は妹の役目。しかも、お兄ちゃんに近づくこともできる。

 

それに、聞きたいことがある。

 

深夜の戦いの時、雪刀さんは魔力を大きく消耗していた。

 

魔力切れを起こすと、それが体調不良で表れると聞いた。

 

それに重なるようにユキお兄ちゃんの体調不良。

 

前々から気になっていたが、雪刀さんはユキお兄ちゃんなのかもしれない。

 

 

「…………お邪魔します。」

 

 

家の人に許可をもらいお兄ちゃんの部屋に。

 

部屋は綺麗に整えられており、なぜだか桜のいい匂いがする。

 

どうやら、ベッドからのようだ。

 

覗いてみると、案の定ユキお兄ちゃんが眠っていた。

 

「どう、サファイア?」

 

 

ユキお兄ちゃんの容体を確認する。

 

 

〈はい、やはり見たところ、魔力切れによる体調不良のようです。〉

 

 

つまり、雪刀さんである可能性が高まった。

 

 

「それにしても………」

 

 

ふと、ユキお兄ちゃんの顔を見る。

 

整った顔立ちに濡れたような黒髪。

 

寝ている無防備な様子を見て、つい女の子のようだと思ってしまう。

 

今はもういないお兄ちゃんもすごく女の子っぽい見た目だった。

 

 

「ッッ」

 

 

そう思うと、急に胸が締め付けられる。

 

私を守る為に死んでしまったお兄ちゃん。

 

どうしてもユキお兄ちゃんと重ねてしまう。

 

私の、大好きなお兄ちゃん。

 

違うとわかっていても、恋しくなってしまう。

 

気付くと私はユキお兄ちゃんの上に乗っかっていた。

 

いけないとわかっていても、抑えきれない、我慢できない。

 

………そして…………

 

 

「ん」

 

 

私はユキお兄ちゃん(愛する人)と唇を重ねていた。

 

 




どうでしたか?
……深夜テンションって恐ろしいですね…………
では、特に話すこともないと思うので、アデュー。


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狐の決意

どうも、桜です。
今回は幸人の宝具が登場!
相変わらずのナンセンスな文ですが、どうぞ。


「僕はね…正義の味方になりたかったんだ。」

 

 

男はそういった。

 

 

「なれなかったのか?」

 

 

赤髪の少年、士郎が問う。

 

隣にいる黒髪の少年、幸人も首を傾げ、疑問を抱いている。

 

 

「うん。正義の味方は期間限定で大人になったらもうなれないんだ。」

 

 

男、切嗣はそう答える。

 

 

「もっと早くから気付いていればよかった……」

 

 

そう語る彼から後悔のような感情が伝わる。

 

 

「じゃあ、俺が爺さんの夢、叶えてやるよ。」

 

 

士郎が、

 

 

「うん、俺も、兄さんと一緒に父さんの夢、叶えるよ。」

 

 

幸人が、それぞれ元気一杯に答える。

 

 

「そうか、叶えてくれるか。」

 

 

切嗣は二人の言葉を聞くと安心したように、

 

 

「それなら、お願いしようかな。」

 

 

と言い、眼を閉じた。

 

 

 

〜数年後〜

 

 

 

あれからしばらくして、二人に妹ができた。

 

しかし、彼女は……だった。

 

二人はそんな彼女を大人達から守ろうと必死になった。

 

そして…………

 

 

「おい…ユキ、やめろ!」

 

 

士郎が目の前にいる(幸人)を制止しようとする。

 

このままでは、死んでしまう。

 

そんな確信が彼の中にあったのだ。

 

 

「ごめんね、兄さん。約束、果たせないみたいだ。」

 

 

幸人は振り返り士郎を見てそう告げる。

 

 

「俺には正義の味方になる権利なんて無かったんだ。」

 

 

その様子はいつか見た切嗣のよう。

 

 

「あとは…任せたよ、兄さん。」

 

 

幸人はそこで区切り、さらに後ろにいる妹の方を向く。

 

 

「……海に三人で行こうってやくそくしたけど、俺は一緒にはいけない。」

 

「ユキお兄ちゃん………」

 

 

妹は今にも泣きそうなのを堪え、幸人を止めようとする。しかし、

 

 

「どうか、俺のことは忘れてくれ、()()。」

 

 

それだけ言うと、幸人は前を向き、目の前の女を睨む。

 

 

「もういいのか?」

 

「ああ、もう心残りはない。全てお前にぶつける。」

 

 

そう言うと、幸人は詠唱を始める。

 

 

「……聴け。我は記憶の管理人………」

 

 

詠唱を始めると、目の前の女も攻撃を開始する。

 

 

「……我が記すは希望の道標………」

 

迫り来る攻撃に怯みもせず、幸人は詠唱を続ける。

 

 

「……我が詠うは絶望の讃美歌………」

 

 

攻撃を受けても何食わぬ顔で詠唱も終盤に。

 

 

「……今ここに、その全てを開示しよう………」

 

 

そして、ゆっくりかつ堂々とその真名を呼ぶ。

 

 

「……開け、記憶の図書館、

……………………………!!!」

 

 

瞬間、世界が切り替わった。

 

 

--------------------------------------------------------------------

 

 

「………で、これは一体どういうことだ?」

 

 

長い夢から覚めた俺は、今の状況に困惑する。

 

なぜかって?そりゃあ……

 

 

「すぅ………すぅ……」

 

 

美遊が添い寝をしているからだッ!!

 

……いやいや、なんで添い寝?しかもなんでメイド服?

 

一人考え込んでいると、

 

 

「ん、ん〜〜」

 

 

美遊が起きた。

 

目があう。

 

 

「おはよう」

 

「おはよう、ユキお兄ちゃん。」

 

 

とりあえず、挨拶する。

 

 

「それで、どうして添い寝を?」

 

 

俺が問うと、

 

 

「添い寝は、妹の役目。」

 

 

きっぱりと答えた。

 

 

〜少女説明中〜

 

 

どうやら、看病に来ていたら、思わず一緒に寝てしまったという。

 

なるほどわからん。

 

 

「それよりも、聞きたいことがある。」

 

 

聞きました?そんなことって言いましたよこの子。

 

 

「なんだ?」

 

 

とりあえず、対応する。

 

 

「お兄ちゃんは、東雲雪刀さん?」

 

 

oh………

 

 

「どうしてそれを………」

 

 

何故ばれた?…いや魔力切れのことか。

 

 

「昨日、その人が魔力切れになってお兄ちゃんも丁度体調を崩したから。」

 

「まあ、そりゃあそうか。ああそうだ。俺が東雲雪刀だ。」

 

 

とりあえず、同意する。

 

 

「まだ聞きたいことがあるけど、まず……」

 

「今日の夜中は来ないで。」

 

 

………え?

 

 

「な、なんで?」

 

 

何故ダメなんだ?

 

 

「また魔力切れで倒れられたら困るから。」

 

「……………ぁ」

 

 

そうか。そうだよな。

 

 

「……ああ、わかった。じゃあ美遊は気をつけて。」

 

「俺のことはきにしなくていいから。」

 

「っつ!」

 

 

美遊が肩を震わせる。

 

 

「分かってたよ。俺みたいな出来損ないはいらないって」

 

「いや、ちが、」

 

「いいよ、ホントのことだし。」

 

 

そうだ。こんなのが居なくても美遊達だけでなんとかなる。

 

 

「とりあえず、そろそろ帰った方がいいんじゃないか?準備なり色々あるだろ?」

 

「…………ぁ」

 

 

だからここは拒絶をする。

 

俺のことなんて忘れたようにしてくれればいい。

 

どうせ、俺なんてその程度だ。

 

 

「じゃあな、美遊。また」

 

「…………うん」

 

 

そう言うと美遊は暗い影を落とし部屋から出て行った。

 

 

「やっぱり俺じゃあ兄さんのかわりなんてできないな。」

 

 

さっきの夢、あれは本当のことだろう。

 

つまり、美遊の言っていた兄とは、正真正銘俺のことだ。

 

 

「ま、死人がああだこうだ言うひつようはないな。」

 

 

寝よう。

 

 

 

〜翌日〜

 

 

 

朝、起きる。体調は万全だ。

 

準備をして学校へ向かう。

 

 

「…ぁ」

 

「……」

 

 

途中、美遊に会った。

「あ、えと、その」

 

何を話そうか、迷っているみたいだ。

 

俺は美遊に近付き、頭を撫でる。

 

 

「何かあったのか?美遊?」

 

 

俺が聞くと美遊はうなづいた。

 

どうやら、イリヤが暴走してしまい、これ以上イリヤを危険に晒さないようにときつい言葉をかけたらしい。

 

 

「そうか、辛かったな………」

 

「うん………」

 

 

そうだろう自分を友達だと言ってくれたイリヤを跳ね除けてしまったからな。

 

でも、

 

 

「……え?」

 

「でも、俺がいる。俺がそばにいる。だから、安心してくれ。」

 

 

美遊を抱きしめる。

 

俺に兄さんのかわりなんてできない。

 

でも、俺という存在として寄り添うことならできるはずだ。

 

 

「絶対に君をひとりにはさせない。」

 

 

美遊にとって大切な人ができるまで俺はそばにいる。絶対に。

 

 

 

 

 

夜、いつもの時間に集まる。

 

 

「今日は来たわね。」

 

「ああ、昨日は済まない。一通りのことは聞いている。」

 

 

遠坂凛も完全に回復しているようだ。

 

そして、俺たちは鏡面界へと向かった。

 

「狭いな…」

 

「ええ、カード集めも終わりが近い証拠よ。」

 

 

俺の呟きに遠坂凛が答える。

 

 

〔皆さん、来ますッ!〕

 

 

サファイアの一言に、一同の緊張が高まる。

 

そして現れたのは、

 

 

「■■■■■■!!!」

 

 

全身が真っ黒に染め上げられた、大男だった。

 

 

「っ、三人とも、直ぐに離脱を!!」

 

 

幸人は叫ぶ。

 

あれは人が戦って勝てるような存在ではない。

 

本能が言っている、あれと戦ってはダメだ、と。

 

 

「そうは言っても、あんたはどうすんのよ!!!!」

 

「そうですわ!!」

 

 

二人の言い分はもっともだ。しかし、

 

 

「自惚れるなよ、人間。貴様らなど、あれとまともに戦えるわけがない。」

 

「!!!」

 

 

最大限の殺気を込めて告げる。

 

 

「わ、分かったわ。」

 

 

幸人に気圧され、撤退を開始する。

 

 

(よし……じゃあ、)

 

 

三人が撤退したと思い、戦闘準備を開始しようとする幸人。

 

しかし、

 

 

「ユキお兄ちゃん!!」

 

 

美遊が幸人の元へ走ってきた。

 

 

「な!お前も撤退を!!」

 

「いやだ!!」

 

 

なんとか、撤退を促す幸人だが、美遊はそれを拒否する。

 

 

「お兄ちゃんはそばにいるって言った!だから、私もお兄ちゃんのそばにいる!!今度は、ひとりになんてさせない!!!」

 

 

今度は、という言葉に引っ掛かりがあるが、今はそれどころではない。

 

 

「分かった。一緒に戦おう。」

 

「うん!」

 

 

改めて、戦闘準備を開始する。

 

 

(バーサーカーの真名はヘラクレス。宝具は十二の試練(ゴッドハンド)か……)

 

 

「美遊、最大火力で畳み掛けるぞ!!」

 

 

バーサーカーの分析を済ませ、指示を出す。

 

美遊もそれを受け、攻撃を行うが、

 

 

「なっ!」

 

 

効いていない。無傷だ。

 

〔おそらく、一定ランクに達していない攻撃を無力化するのが敵の宝具かと。〕

 

「クソッ、美遊少し時間を稼いでくれ!!」

 

 

美遊にそう言うと、幸人は詠唱を始める。

 

 

「……聴け。我は記憶の管理人………

 

……我が記すは希望の道標………

 

……我が詠うは絶望の讃美歌………

 

……今ここに、その全てを開示しよう………

 

……開け、記憶の図書館、」

 

 

そして、幸人は叫ぶ。

 

 

「不滅の記憶を記す図書館《ライブラリーズ マーキング インモータル メモリーズ》ッッッ!!」

 

 

 



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妹と騎士王と管理人と

今回は短めですが、どうぞ。


「ここは………」

 

幸人の詠唱が終わり、美遊は景色の変化に戸惑っていた。

歪んでいた空は一面を白で塗りつぶされている。

地面も黒一色で所々に人の亡骸があり、『生』と『死』を表しているよう。

そして、至る所に規則的に本棚が天高くそびえ立っていた。

 

〔これは…固有結界……でしょうか〕

 

「そう、此処は、俺が創り出した世界だ。」

 

 

その声に反応し、美遊が振り返ると、

 

 

「っ、ユキお兄ちゃん!?」

 

 

大きな振り子時計の上に座り、此方を見ていた幸人だ。

 

 

「ようこそ、“俺の世界”へ。」

 

 

美遊たちを歓迎すると、時計から降りて、美遊の元に向かう幸人。

 

 

「ここは、本当にユキお兄ちゃんの固有結界?」

 

 

美遊は幸人に疑問を投げかけた。

 

 

「ああ、そうだが、どうしてだ?」

 

「見覚えがある。この世界に。」

 

 

そう、美遊は見たことがあるのだ。この世界を。

ここは、美遊が自分の兄を失った場所とひどく酷似していた。

 

 

「なるほどな…そういや、見せたことあったっけ」

 

「え?まさか………」

 

「ま、気にしても仕方がない。やるべき事をやろう。」

 

 

そこで話を区切ると、幸人は前方を睨む。

 

 

「■■■■■……………」

 

 

そこには、バーサーカーの姿が。

 

 

「美遊、セイバーのクラスカードを使うんだ。」

 

「分かった。」

 

 

幸人の指示に従い、美遊はカードを取り出した。

 

 

「ユキお兄ちゃん、サファイア。これからの事は、誰にも言わないで。」

 

「ああ、了解。」

 

〔お二人共、来ます!!!〕

 

「■■■■■!!!」

 

 

バーサーカーが迫る得物を振りかぶるが、

 

 

「ッ■■■!?」

 

 

突如現れた鎖によって縛られてしまう。

 

 

「天の鎖…言い忘れたが、この世界じゃ俺は宝具も生成できるぜ?」

 

 

これが幸人の固有結界の力。

ここでは、完全でないにしろ、彼が記憶したものであれば、宝具でさえも生成できる。

バーサーカーが動けないのを確認し、美遊は詠唱を行う。

 

 

「…告げる!

誓いをここに!

我は常世総ての善となるもの!

我は常世総ての闇を敷くもの!

汝、三大の言霊を纏う七天!

抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!!!」

 

 

詠唱が終盤へ。

 

 

「…夢幻召喚(インストール)!!!」

 

 

詠唱が終わり、美遊は光に包まれた。

 

 

「ここで全部終わらせる!」

 

 

次に現れたのは青い衣装と鎧を着て、聖剣エクスカリバーを持つ美遊だった。

 

 

「それが、本来の使い方か。」

 

「行こう、ユキお兄ちゃん」

 

「ああいや、ちょっと待ってくれ。」

 

 

美遊が突っ込もうとした時、それを幸人が止める。

 

 

「どうしたの?」

 

 

美遊は小首を傾げる。

 

 

「実は前にあれと戦っててね、その時の経験から、ちょっと頭数が足りないと思って」

 

 

そう言って幸人は何処からか本を取り出す。

 

 

「……我は求める、我が記憶に記されし英霊の力を………

……我が呼ぶは数多の戦いを共に乗り越えた戦友………

……呼びかけに答えたまえ、アルトリアッッッ!!!!!!」

 

幸人がそう詠うと空気が変わる。

そして、二人の目の前に、光が集まり、人の姿を形成する。

 

 

「…問おう、貴方が私のマスターか?」

 

 

姿を現したのは、今の美遊と同じ様な姿をした、セイバー(本物)だった。

 

 

「ああ、そうだな、セイバー。」

 

「え、く、黒!?何故貴方が……」

 

 

困惑するセイバーに説明を行う。

 

 

「なるほど、そういうことならお任せを。」

 

「協力感謝する。」

 

「いえ、お気になさらず、それに、他でもない貴方の頼みですから……///」

 

「……………」

 

戦場とは思えないほどのんびりとした様子である。

 

 

「まあこの世界の維持もあと10分ほどが限界なんだな…取り敢えず、始めるぞ!」

 

「はい!!」「うん!!」

 

 

そして、改めて戦いの火蓋が切って落とされたのだった。

 

 

 

 




どうでしたか?
しばらくは、短い物を沢山投稿する事になると思いますが、これからもよろしくお願いします。
では、さようなら。


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劇場の幕が降ろされる

こんにちは、桜です。
今回でバーサーカー戦終了です。
あっさりとしていますが、どうぞ。


「やぁぁあ!!!」

 

セイバーがバーサーカーと正面から戦っている。

 

バーサーカーの背面には美遊が、セイバーの後方には幸人がそれぞれ構えている。

 

 

「はぁあ!!」

 

 

美遊も後ろから攻撃を加える。しかし、

 

 

「っ!」

 

その攻撃はバーサーカーへは届かず、弾かれてしまう。

 

十二の試練(ゴッドハンド)

 

大英雄、ヘラクレスの生前に成し遂げた偉業を宝具としたもので、その能力は三つ。

 

一つ目は、特定ランク以下の攻撃の無力化。

 

二つ目は、自動蘇生と蘇生魔術の重ねがけ。ヘラクレスは代替生命を11個ストックしているため、十二回殺さねばならない。

 

そして三つ目は、一度受けたダメージへの耐性付与。

 

これらの能力を持っている彼を倒すのは、難しいだろう。

 

実際、あれから5分が経過したが、未だ削った命は四つである。

 

宝具は使っていないが、セイバーと美遊の攻撃はほとんど無力化されるだろう。

 

「避けろ!」

 

 

幸人が二人に叫ぶと、ファイブセブンの銃口をバーサーカーへ向ける。

 

 

「東雲流妖術、黒薔薇!」

 

 

打ち出された弾丸が、バーサーカーへ迫る。

 

 

「■■■■!!」

 

 

もちろん、バーサーカーは弾丸を砕くが、

 

 

「■■■■!?」

 

 

その瞬間、花弁が展開し、バーサーカーの左半身を包み、消し去る。

 

 

「これで五つ目……」

 

 

しかし、すぐさまバーサーカーは蘇生し、ターゲットを幸人へと向ける。

 

 

「■■■■ーーー!!」

 

 

その巨体に似合わぬ速度で幸人へ近づき、攻撃をする。

 

 

「東雲流居合術其の二、影縫い!!」

 

 

幸人はファイブセブンをしまうと、結月を握り、術を行う。

 

すると、バーサーカーの攻撃は空を切り、幸人はバーサーカーの背後に回り込み、斬りこむ。

 

 

「■■■■ー!?」

 

 

刀身を、妖力にて強化されているため、バーサーカーの肉を削ぎ落とし、命を奪う。

 

 

「「はぁぁぁあ!!!」」

 

 

バーサーカーへ致命的なダメージが入り、セイバーと美遊もここぞとばかりに攻撃するが、

 

 

「■■■■!!!」

 

「「「ッく!!」」」

 

 

バーサーカーの蘇生が、二人の追撃よりも早く終わり、幸人もろとも薙ぎ払う。

 

 

「あと2分か………やるしかないな。」

 

 

体制を立て直し、再び妖力を込めて走る。

 

 

「我が仰ぐは満開の桜、咲かせ、奥義、千本桜!!!!」

 

 

セイバー戦にて使用した千本桜を使い、一つ命を奪い、後方に下がる。

 

千本桜は生命エネルギーも吸収できるため、今の結月にはバーサーカーの命が丸々一個ある状態だ。

 

 

「東雲流抜刀術、其の四、千変万化!!!」

 

 

バーサーカーの懐に潜り込むと、幸人は、結月でバーサーカーを切り刻む。

 

これで、今まで削った命は全部で八つ。あと四つだ。

 

しかし、10分経ってしまい、幸人の世界が崩壊してしまう。

 

三人とも、消耗が激しく、これ以上の戦闘は難しい。

 

 

「■■■■!!!」

 

 

そんな三人に慈悲を与えるような思考は、バーサーカーにはない。

 

蘇生を終えると、襲いかかってくる。

 

 

「まずいっ!」

 

 

二人を守るように、幸人はバーサーカーに立ち向かおうとするが、動けない。

 

バーサーカーは三人の目の前で得物を振りかぶるが、

 

 

「■■■■!?」

 

 

突然の後ろからの攻撃を喰らい、動きがとまってしまう。

 

 

「やった……効いたよ、凛さん、ルヴィアさん!!!」

 

 

イリヤだ。イリヤがバーサーカーへ攻撃を行ったのだ。

 

イリヤは美遊の方へ行くと、何かを伝えている。

 

 

「セイバー…手を。」

 

「どうかしましたか、黒?」

 

 

その隙に、幸人はセイバーの手を握り、自分の残った魔力を全て送る。

 

 

「二人の手助けをしてくれ。」

 

「……分かりました。」

 

 

返事をすると、セイバーは二人の方へ歩く。

 

いつの間にか、イリヤも、夢幻召喚(インストール)をしている。

 

そして、

 

 

約束された勝利の剣(エクスカリバー)ッッッ!!!!」

 

 

三人の聖剣から放たれた光は、一つに束ねられ、バーサーカーの体を貫く。

 

 

「■■■■……」

 

 

今の攻撃で命が尽き、バーサーカーは、その身を崩し、カードへと変化した。




どうでしたか?
次回は、無印編最終話ですね。
では、さようなら。


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終わりと始まり

どうも、桜です。
一応無印編最終話です。どうぞ。


「………そう。終わったのね。ご苦労様。」

 

 

次の日の昼休み、俺は電話で神様に報告をしている。

 

 

「それで、貴方はどうするの?」

 

 

不意に、神様が聞いてくる。

 

 

「もう少し、この世界にいるよ。まだやる事がたんまりあるし。」

 

「そう、わかったわ。それじゃ」

 

神様はそう言うと、通話を切る。

 

この世界で俺がこれからすべき事は恐らく三つ。

 

一つは聖杯戦争の事は全て思い出したが、この世界に来るまでの事をいまだおぼえていない。

 

なので、それを思い出す事。

 

もう一つは、

 

 

「良かったのですか、ユキ?」

 

 

俺の隣にいるアルトリアの事だ。

 

因みに、もう真名を隠す必要もないため、お互い名前で呼び合っている。

 

どうやら、俺が呼び出した結果、契約をしてしまい、この世に残っているらしい。

 

神様曰く、俺の中にある何かが原因だそうだ。

 

なので彼女のこれからを考える必要がある。

 

 

「良かったって、何がだ?」

 

 

アルトリアに聞き返す。

 

 

「いえ、以前貴方が人間を嫌っていると聞いたので、このままここを去るのではとおもったのですが……」

 

 

なるほど。よく覚えているなそんな事。

 

 

「それは少し語弊があるぞ、アルトリア。」

 

「俺が嫌いなのは、私利私欲にまみれた、君達のようなサーヴァントを物としか捉えられない輩だ。」

 

 

俺がそう言うと、アルトリアは少し表情を暗くする。

 

 

「それは分かりましたが、“君達のような”という事は、貴方は入っていないのですか?」

 

 

どうやら、俺は物扱いでいいというのが気に食わないようだ。

 

 

「もちろん。俺なんかは物扱いで良いんだ。」

 

「それに、シロウに大事にして貰っただけで、もう十分だ。」

 

「ですが!それでは貴方は救われな……」

 

「いや、救われているよ。」

 

 

アルトリアの言葉を遮り、手を伸ばして、今の身長差では頭に届かないので、頬を撫でる。

 

 

「君がそう思ってくれているだけで俺は救われているよ、ありがとう。」

 

 

そう言うと、アルトリアは顔を真っ赤にして、

 

 

「そ、そうですか…ですが、もう少し自分を大切にしてください。」

 

「はは、善処するよ。」

 

 

そこで会話を止め、アルトリアは霊体化をする。

 

俺も、教室に戻り、扉を開けると、

 

 

「…は?どうしてあなたと仲良くしなくちゃいけないの?」

 

 

そこでは、美遊がクラスメイトの龍子に対して、そう言っていた。

 

何があったし。

 

これにはみんなフリーズしてしまう。無論、俺もだ。

 

 

「私の友達は……………」

 

 

美遊は俺を見つけると、イリヤの手を引き、此方へやってくる。

 

まだフリーズしてしまって動けない。

 

そのままされるがままに手を何故か恋人繋ぎで繋いできて、

 

 

「イリヤとユキお兄ちゃんだけ。」

 

 

堂々と宣言した。

 

 

「あなた達には関係ないでしょう?もう二人に近づかないで。」

 

 

おいおい、そりゃ友達の定義を履き違えてるぞ、妹よ。

 

そんなん言ったら龍子が泣く…………あ、泣いた。

 

周りもざわめき出して、イリヤもあたふたとしている。

 

今日はいつに無く賑やかだなぁ……(遠い目)

 

しかし、友達、か。

 

あの時は雫しかいなかった俺の友達。

 

でも、今は美遊が、みんながいる。

 

アルトリア、やっぱり俺は救われているよ………

 

遠くで見守ってくれている彼女に伝わらないと思うが、心の中でつぶやく。

 

そして、美遊の頭を開いている手で優しく撫で、

 

 

「全く、美遊は相変わらず(・・・・・)甘えん坊だなぁ。」

 

 

心から笑顔で美遊()に言った。

 

 

 

……因みにこの後、俺の言葉を聞いたイリヤが何故か暴走したり、アルトリアがずっと不貞腐れていた。

 

……………何か気に触るような事言ったのかなぁ?

 

 

 

 

---------------------------------------------------------------------------

 

 

???side

 

 

「ここに、雪がいるのかぁ。」

 

 

冬木市に着いた私は、そう呟き、雪刀(私の想い人)の姿を思い浮かべ、

 

 

「待っててね、雪♪」

 

 

少し微笑んで、歩き出した。

 




どうでしたか?
次からはツヴァイ編ですが、基本的にオリジナルストーリーをここでは進めます。
では、さようなら。


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幼馴染み襲来

こんにちは、桜です。
期間が少し開きましたが、相変わらずの低クオリティ。
それでもよければ、どうぞ。


「あ、あのさ……雫」

 

川の流れる音だけが聞こえる山の中で、雪刀は幼馴染みの名前を呼ぶ。

 

「?どうしたの、雪?」

 

不安そうな雪刀の声に疑問を抱き、雫は雪刀の顔を覗き込む。

 

「今日の儀式、成功するかなって…………」

 

そう、彼は今は亡き母、雪乃の代わりに巫女として生活をしている。

そして、今日は雪刀にとって初めての儀式。

不安になるのは当然だ。

 

「ふふ、大丈夫よ、雪。絶対に成功する。だから頑張って」

 

雫は雪刀を抱き寄せ、落ち着ける。

 

「う、うん!頑張るよ、雫!」

 

それにより安心したのか、雪刀は笑顔になる。

 

「此処にいたのか、雪」

「……兄様、やっと見つけた」

 

すると、後ろから低い男性の声と少女の声がする。

 

「あ…お父様、雪花」

 

銀髪を肩まで伸ばし、金色の瞳をした彼は、東雲刀輝。雪刀の父親だ。

同じく銀髪を腰まで伸ばしている金色の瞳をした彼女は、雪花。雪刀の妹だ。

黒髪に黒い目の雪刀と全く違う容姿だが、三人は血の繋がった家族である。

 

「そろそろ時間だ、行くぞ。」

「はい、お父様。じゃあまた後で雫」

 

刀輝に返事をし、雫に手を振る雪刀。

雫はそれを見ているだけだった。

 

 

(……ああ、私は此処で間違った………)

 

 

(此処で止めていたら、彼が苦しむ事はなかった)

 

 

(彼が壊れる事はなかった)

 

 

(だけど…………過去はもう変えられない)

 

 

(………だから、今度は間違えない)

 

 

(必ず見つけ出して、その手を掴むから……)

 

 

(それまで、待ってて………雪)

 

 

 

……………現実(ユメ)が終わる。

 

 

 

 

------------------------------------------------

 

 

 

 

「転入生?」

 

教室に入るや否や、叫んだ龍子の声に扇子を仰ぎ、首を傾げる。

 

「この間、美遊が来たのに、珍しいね」

 

と、俺の右腕にしがみついているイリヤが言った。

 

「大丈夫。ユキお兄ちゃんとイリヤは私が守る」

 

と、俺の左腕にしがみついている美遊が言った。

 

「……二人とも、そろそろ離れない?」

 

「「やだ」」

 

さいですか………

しかし、転入生か、面倒ごとにならない事を祈ろう。

それから暫くして、先生がやってきて、転入生を紹介すると言った。

 

「じゃあ、早速だけど、入ってきて!!!」

 

先生が転入生を呼ぶと、教室のドアが開く。

そして………

 

「東雲 雫です。よろしくお願いします。」

 

その転校生は、俺の幼馴染み雫だった。

………え?なんで?何故此処に?しかも苗字東雲じゃ無いよね?

とにかくパニックだった。

 

「それじゃあ席は……」

「先生」

 

そんな俺を置いて話が進んでいく。

しかし、それを雫が止めて、

 

「彼の隣に座りたいんですけど、いいですか?」

 

更なる爆弾発言をしやがった。

 

「え、いいけど、幸人君も大丈夫?」

 

おいおい、どうすんの?絶対正体バレてるよ。

 

「あれ、幸人君?」

 

ある意味予想できてたけど、いきなり過ぎるだろぉぉ!

 

だけど此処は、他人のフリをするしか………

 

「大丈夫?」

 

瞬間、思考が止まった。

気付くと、雫が俺の目の前にいて、その白い指で俺の頬を撫でていた。

 

「あ、あ、あ………」

 

声が出ない。人前でこんな事をされているんだ。きっと顔も赤いだろう。

 

「……先生、彼は気分が悪いようなので、保健室に連れて行きますね。

 

そして、半ば無理やりに連れて行かれたところで、記憶が途切れた。

 

 

--------------------------------------------

 

 

「ん、ん〜」

 

目が覚めると、其処は、保健室のベッドだった。

 

「目が覚めた?」

 

更に言えば、服をはだけさせた雫が添い寝をしていた。

 

「!!」

 

身の危険を感じ、ベッドから出ようとしたが、両手両足を縛られていて、動けない。

 

「ふふ♪その顔、良いわね、もっと見せて…………」

 

そう言って近づく雫。目が怖い。

 

「や、誰か助け………」

 

「「ストッーープ!!!」」

 

そこに、イリヤと美遊が入ってきて、一時的だが、助かった。

 

 

 

 




どうでしたか?
突然現れた幼馴染み雫ですが、最後でわかる通り、変態です。
次回は、実妹登場の予感!?
一体どんな性格なのか?(まだあまり決まっていない)
では、さようなら。


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