取り残された軍人と潜水艦 (菜音)
しおりを挟む

本章
とある軍人は出会い 1日目


とある島にて

 

 

「敵襲!伏せろ!!」

ヒュー、ズドーン!!

 

 

 

 

 

 

私が目を覚ますと青空が広がっていた。先程まで屋内にいたはずだが施設はめちゃくちゃに破壊されており屋根が無くなっている。周りを見渡すと廃墟が広がっていた。しかし、破壊されてから少し経っているようで私は思っていた以上に眠っていたらしい。

 

 

ここは日本国防軍の軍事施設であり、私はそこに配属されていた陸軍中尉である。

 

近年、この島の近海で油田が新たに見つかったのである。その為この島は採掘の拠点になり採掘基地などが作られ、それが多くの雇用を生みこの島の経済は発展して大型の商店も建てられたのである。

 

ところが深海棲艦と呼ばれる謎の敵が姿を見せ始めた為警備の為にこの軍事施設が置かれた訳である。

 

そしてとうとう恐れていた事が起きたのである。

中国を初めとしたアジア連合軍が敵の侵入を阻むべく戦いを挑んだが惨敗し侵入を許してしまい、深海棲艦がここにまで迫ってきたのである。なので我々陸軍が油田の作業員や島民を島から避難させるべく誘導していたのだが敵の侵攻速度は予想以上に速く、敵の空襲を受けたのである。そこからの記憶がないのでおそらくその時に気を失ったのだが‥‥、よくもまぁ無事だったな。

 

「しかし、これは不味いな‥‥。」

 

そう、どうやら私は1人置き去りを喰らったようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「陸軍の輸送船が全部出ているな。どうやら民間人の避難は間に合ったらしい。」

 

私はしばらくしてから辺りを周り始めた。

どうやら激しくやられたのは軍事施設と港だけで町には被害が無かった。その港も船は残っておらず尚且つ沈んでもいなかった。そして、これまでに死体は見なかったのでおそらく皆無事に逃げたのだろう。

 

「困ったな‥‥。」

 

死人はいなかったが他に逃げ遅れた者もいなかった。船は一隻も残っていないので島から出ることも出来ない。そうです、私はただ1人無人となった島に取り残されたてしまったのである。

 

 

 

おそらく軍事施設の地下倉庫や町などに行けば食料には困らないと思う。だけど救助が来るまで独りぼっちとは‥‥。いや、そもそもその救助が来るかどうかも怪しい所だ。人間あんまり1人が続くと精神的にくるらしいからな‥‥。あんまり覚えていないが子供の頃読んだロビンソン・クルーソーも話し相手欲しさに鳥を捕まえて言葉を覚えさせたとか。ここはインコとかオウムがいるほど南国ではないからなぁ。

 

などと考えながら海岸を歩いていると岩場の方から何かバタバタと音が聞こえてきた。何かが岩場に打ち上げられたのかそれとも何かいるのか‥‥。私は腰の拳銃を取り出し用心しながら近づいていった。

 

 

 

 

音源に大分近づいたようだ、この岩の向こうだな。

この音からすると何かいるのは間違いない、しかし魚等では無さそうだ。逃げ遅れた人間かそれとも深海棲艦がまだ彷徨いていたのかも知れない。どちらにせよそろそろ向こうにも気付かれているだろうから覚悟を決めた方が良さそうだ。

 

(よし!いくぞ!)

私は意を決して飛び出した。そして驚いた。

私の予想は一応当たっていた。よりにもよって後者だが、しかし、想定外だったのはその深海棲艦だった。

 

とにかく小さいのである。

小柄で長い黒髪、肌は白くパッとみたら貞子かと思うがあまりに幼く見えるため怖そうには見えない。小さい酸素マスクがあるが少し大きいのか使えこなせていなくて背中にも小型の通信機(トランシーバーみたいに見える)もこの子には重たそうに見える。とにかく今の状況を分かりやすくまとめると、深海棲艦と思われる子がいたがとても幼くて岩場の潮溜まりで溺れている?のである。

 

 

「(>_<")!!!」バタバタバタバタ。

 

なんか見ていて苦しくなるので助ける事にした。

 

 

 

 

 

「(^-^)♪」ニッコリ

 

とりあえず休めそうな所があったので腰を下ろしている。この子も一緒です。先程まではガタガタ震えていたが今は落ち着いたのか私にじゃれている。

この子は前に見た資料によると潜水艦クラスのカ級らしい。しかし、資料の写真とは違い今笑っているこの子はあの禍々しさが1欠片もない。とても小さな子でおそらく生まれたてなのだろう。しかし、どうやら私の言葉が少し分かるらしい。

 

あれから辺りを探索したが深海棲艦は他には何処にも見当たらずどうやらこの子だけのようだ。

 

「お前も1人か‥‥。」

奇妙なものだな、話し相手が欲しいと思ってたら人類の敵、しかも幼い女の子が出てくるとは‥‥。

しかもどうやらなつかれてしまったようだし‥‥。

この辺りの海は海流云々で潮の流れも早いしそんな中まだろくに泳げなさそうなこの子を放つのは罪悪感が強いしな‥‥。

 

「仕方ない、しばらく面倒見ようか。」

となると、この子の事はなんて呼ぼうか?

んー、そうだな‥‥。この子はカ級と呼ばれているクラスなのだろう?しかし、だから言ってカ級と呼ぶのもどうなのかな?ん?なのかな?カ級‥‥。かな。

そうだ!カナにしよう!

 

「お前の名前はカナにしよう。どうかな?」

 

「(-_-)ウ~ン、(≧∇≦)♪♪♪!」ニッコリ

 

どうやら気に入ったようだ。

 

「これからよろしくな!カナ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは民宿だったようだ。

ここなら調理場や布団もあるし水とガスも使えそうだ。

後は電気だが、電気は発電施設が使えなくなっているので後で基地の廃墟から使えそうな物を持ってこよう。

どうやらカナは先程は溺れていた訳ではなく、打ち上げられた魚状態だったようである程度の深さの水があった方がいいようだ。実はここを拠点に決めた後、近くの百貨店に行ってみたがかなり大きい水槽があった。それこそ寿司屋とかで見かけるあの水槽より大きいぐらいのサイズだ。誰が買うんだ?

 

ついでにノートとボールペンも拝借した。

カナについて観察したことや分かった事をまとめるつもりだ。まるで自由研究の観察ノートか子供の育児ノートみたいだな。

 

なんとか暗くなる前に発電機を用意できた。

今日は色々あったがようやく食事の時間だ。

気を失ってから何も食べていなかったので大分お腹がすいている。食材があるので料理できないこともないが流石に体力の限界なので今日は発電機と一緒に持ってきていた軍食のレーションで我慢する。レーションは栄養はしっかり摂れて良いのだがいかせん美味しくないのである。

 

私の食事が終わった後はカナの食事についてだった。

深海悽艦が何を食べるかなんて知らないので非常に困りました。海にいるのだから魚とかを食べるのか?いやでも駆逐艦クラスが人を補食する所が目撃されているから案外肉派かもしれない。いやでも、まだ幼いから離乳食か?そもそも食べるのか?

 

色々考えてとりあえず色々用意して食べさせてみることにした。

 

まずはお肉を軽く焼いてみたがまだ噛む力がないのか上手に食べられないようだ。次に魚をさばいて刺身にしてみたがお気に入りめなさいようだ。次にミルクを飲ませたがむせてしまった。うーん。食べないことはないが難しいらしい。あれ?何気に料理してるな私。

 

疲れたので一緒に用意していたリンゴを切って食べる事にした。うん、リンゴは甘くて美味しく。レーションの後だから余計に美味しく感じる。

 

「(・_・)」ジー

 

なんかカナが凄く見てるな。

 

「食べる?」

 

「(≧∇≦)」コクコク

 

カナの食べやすいサイズに切ってあげた。

 

「モグモグ!、(^q^)!!」

 

どうやらお気に召したようだ。

早速記録しておこう。

 

 

彼女は眠ってしまった。どうやらお腹いっぱいらしい。

こうして見ているとまるで人間の子供のようだ。とても人類を脅かす敵には見えない。とりあえず今日の事を記録しよう。脱出できるまで私自身の日誌も書こうと思う。私のサバイバル?日誌とカナの観察ノートを書き終えた私も布団を広げて眠る事にした。

 

本当に今日に色々あったな。明日から色々と忙しくてなりそうだし休むとしよう。

 

今考えたらカナの観察ノートって人類初の深海棲艦の実態調査にあるんのでは?これもし私が生きて日本に帰れて指令部に渡せたらこれは相当な手柄になるのでは?

 

 

 

などと一瞬変な事を考えながら中尉はその1日を終えるのでした。

 

 

 

 




どうもです菜音と申します。
初めましての方もそうでない方もこんにちはです!
このお話は私の現在作成中の再びあの海への外伝?みたいなものです。世界観は同じですが今のところ本編とはなんの関わり合いはないので安心?して下さい。
投稿は本編に比べると遅いと思うので期待しないで下さい。また、このお話を少しでも良くするためにアドバイスや感想を頂けると作者は非常に嬉しいです!



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

食糧を確保する 2日目

2日目

中尉とカナの生活初めての朝を迎えた。

 

私は目を覚まし時計を見ると6時だった。

どうやら軍人としての生活習慣のお陰のようだ。

せっかくいくら寝ても上官から叱られないのに、チクショウ。

 

早く起きしても直ぐに動く気になれなかったのでカナの寝顔を見ることにした。カナは1人が恐いみたいなので私と一緒に寝ていたのである。本当にこうしているとただの子供にしか見えない。小さな寝息を立てていて、とても可愛らしい。しばらくするとカナも目を覚ました。

 

「(-Ο-).。oO」ふあ~

まだ眠たそうな目をこすり大きなあくびをしながら起きる姿はまるで小動物のようで可愛らしかった。

 

「おはよう、カナ。」

私は思わず頭を撫でていた。

 

「(≧∇≦)」

この子はかなり嬉しそうだった。

 

さて、早起きして得した所で朝ごはんにしよう。今日から色々とやっておかないといけない事がある。

 

 

 

 

 

 

 

まず私がやろうと思うのは食糧の確保だった。

食糧は基地の倉庫や町のスーパーなどを当たれば手に入るのだが、軍食はレーションやレトルト食品、アルファ米などで保存がきく物ばかりだから問題無いのだが商店の生鮮食品などは保存が効かないうえに、かといって保存食だけでも量はあるが多いに越したことがないのでこれから生鮮食品などを保存できるようにしようと思う。

 

まず野菜は漬け物、ピクルス、ぬか漬けなどにして、果物はジャムやドライフルーツにしよう。

肉類は拠点の民宿にある冷凍室(かなり大きいけど何をいれていたんだ?)に入れて冷凍しておこう。こうすれば解凍すれば使えるし、長持ちしろうである。

 

魚は種類にもよるが干物などにしておこう。

牛乳は近くに自家製のチーズを出している店がありそこの設備を借りてチーズにすることにした。

それ以外の物は優先的に早めに食べる事にした。

 

それから私は黙々とこれらの作業を2日かけて行った。

本当ならもっとかかるのだがあまり時間をかけると食材がダメになるので休まずぶっつづけでおこなった。その間カナは子供用のプールを用意したので私の近くで遊んでもらっていた。まだ子供用プールでさえこの子には大きく、しばらくすると溺れてしまっていたのである。

 

「(>_<")」バサバサ バサバサ

何故水槽は大丈夫なのにプールはダメなのだろうか。

見たところまだ泳げないのか?潜水は出来ても水泳は別物らしい。とりあえず浮き輪を渡してみたら案外気に入ってくれた。

 

「(*^▽^*)」バタバタ バタバタ

 

こうして基地の軍食や保存ができるように加工した食品、缶詰などの元々保存ができる食料を民宿の食糧庫、冷凍室に集めてしまいました。うん、これだけあれば一安心である。それでもいつまでこの生活が続くかわかならいのでできるだけ保存食を温存しておきたい所である。

 

 

 

 

私は港に来ていた。目的は釣りである。

海に囲まれた島では釣りは数少ない作業員の娯楽である。なので釣具屋もあった。

 

「う~ん。釣れない‥‥。」

私はこれまで釣りをした事がないのでやり方がよくわかならい。一方、カナはプールで釣りのオモチャで遊んでいる。

 

うむ、これがサバイバルならよく芸能人が海に潜ってモリで魚を突くなどしていたが私は陸の人間である。

つまり泳げないのである。カナと同類だな。

そう思いふとプールを見てみるとカナの姿がない!

 

「どこに行った?」

私が困惑しているとカナが海からブクブクと浮上してきた。両手でなにやら魚を抱えていた。

 

あっ!この子潜れるんだった。私より上だ!

 

この日の晩御飯はカナの捕まえてくれた魚を料理していただきました。カナにはリンゴを丸ごとあげてみたら美味しそうに食べました。

 

 

4日目

 

そういえばこの民宿の名前は何だろうと思いこの民宿の業務日誌を見つけたので調べてみた。

この民宿は「海猫荘」と言うらしい。

この海猫荘には物置小屋が2つある。1つは椅子などの宿の予備の備品が置かれたいたがもうひとつは空だったので基地の廃墟から使えそうな物を集めて置くことにした。まずは修理すれば使えそうな機器から武器弾薬などとにかく必要そうな物をかき集めてきた。武器に関しては持っておいて損はないと思う。

 

武器と言えばカナも一応魚雷を持っているようだけどまだ使えないみたいだ。

 

それから民宿の裏を開拓して小さい畑を作ってみた。

これで少しは野菜を作れると良いのだが。

 

後は周りに簡単な柵を作り気休め程度の守りを固めて取り敢えず私がしておきたいかったことは一通りやってしまった。普通、漂流物だったらまずは拠点作り、食糧の定期的な確保、道具を作るなど色々しなきゃだけど別に漂流したわけではなく取り残されただけなので必要な物はある程度は揃っていた。後は畑を見たり、またに釣りに行く程度で良いので後は助けが来るのを待つだけである。はぁ、いきなり暇になった。はたして助けはくるのだろう?

 

「(´・ω・`)」ジー

カナがかまって欲しそうにしている。

そうだカナがいるからそんなに暇な訳でもないな。

むしろ癒される。

 

「じゃあ遊ぼうか?」

 

「(≧∇≦)」ニッコリ!

 

これからはカナに時間を使えるな。とりあえずは遊んでいる所をしっかり観察してこの子が何を好むのか好みを見きわけなければならない。

 

これからしばらくこの子と一緒なのだから、この子のことをもっと知らなければ!そして、この子には色々な事を教えてあげないといけないな。まるで子育てだな。

一応私は独身なのだがな。

 

 

 

 

 




どうもです。菜音です。
思ったよりこの話好評みたいですね。少し複雑な気持ちです。感想御待ちしております。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

カナの好みは? 3日目

久しぶりの投稿です!
どうも菜音です!

1-5のアルバコアさんに苦しめられています。
あぁ、カナちゃんもいずれは奴みたいに‥‥。




この生活がはじまって5日目。

 

私はカナを連れて町に来ています。

カナは私の背中で寝ています。

私に子供がいたらこんな感じだったのだろう?

 

てなことを考えてる間に目的の場所に着きました。

 

大型ショッピングモール

 

 

なんでこんな島にあるのかと言うと、前にも言ったけどこの島は新たに発見された油田の採掘拠点であり、多くの作業員やその家族、また彼らにサービスを提供する商店が移住してきました。

 

しかし、この島は本土からかなり離れている為、娯楽施設がなかったため、彼等が息抜きをする場所や彼等の子供が退屈しない、生活に必要な物がある程度買えるようにする必要があった。

 

そこで政府は大企業などと協力してこのモールを作ったのである。

 

 

いろいろ寄りたい所があるけど、

今は目的に集中しよう!

 

 

私がやって来たのはおもちゃコーナーです。

 

私の考えはこうです。

ここでカナを遊ばせてみてどんなおもちゃに手を出すかを見ることでカナの好みを探ろうという魂胆です。

 

カナは目新しい物ばかりで興味新々です。

 

カナ「( ☆∀☆)」わくわく

 

「遊んでもいいよ?」

 

 

カナはまずラジコンコーナーに行ったが通り過ぎてしまった。多分関係ないと思いたいけど、

深海棲艦は兵器だという学者もいます。

ラジコンにはヘリや戦車などがあったけど‥‥、

兵器に吊られて行ってないよな?

まぁ使い方がわからないのか興味はないみたいだけど。

 

次に向かったのは女の子のおもちゃが置いてあるコーナーです。

 

やっぱりカナも女の子なのかな?

人形とかに興味あるのかな?

 

しかし、これも通り過ぎてしまった。

 

次は何やら懐かしい物?が置かれているコーナーです。

ヨーヨーとか(最近のものって光るらしいね)コマみたいな物(◯◯ブレード)とか置いてある。

 

ここで彼女ははじめて手をつけました。

 

「ん?」

彼女が手をつけたのは、スーパーボールです。

 

あのやたら弾むやつです。

 

なるほど、人間のおもちゃは使い方がわからない、価値観がまだわからないから可愛い物にも興味がなく、あのようなシンプルなものが好きみたいだ。

 

そう言えば、あのような格好いい、可愛いなどの価値観はどのようにして身に付くのだろうか?

 

後で本屋に寄って行こう。

 

スーパーボールをお気に召されたカナはその次にウォーター系(私が勝手にそう呼んでる)のおもちゃが置いてあるコーナーにいきました。

 

様々なタイプの水鉄砲や水の中を泳ぐ小型のロボットが置かれていて、彼女の食い付きが今までで一番良かった。

 

あぁ、潜水艦の本能かな‥‥。

水遊びが一番好きなのかな?

 

とりあえずまとめておこう。

 

ええっと‥‥、シンプルなおもちゃ、水遊び‥‥っと!

 

 

とりあえず、スーパーボールと幾つかシンプルそうなおもちゃを選んで、水遊びグッズを適当に手にとってその場を後にしました。

 

帰りに本屋に寄って、育児、教育心理、道徳教育の本を探しました。

 

 

その日は1日中カナはスーパーボールに夢中でしたが、

特大サイズのスーパーボールで遊んでいる時、思っていた以上に飛んだボールが天井にぶつかって跳ね返り、

跳ね返ったのがカナの後頭部に思いっきりぶつかり、

そのあまりの痛さにカナが大泣きしてしまい、あやすのに私まで半泣きしたのはまた別の事件です。

 

 

 




皆さんは昔はどんな遊びをしていたのでしょうか?
よければ参考に教えてください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

軍人はまた出会う 4日目



どうも菜音です!
久々の投稿ですね。新しい子も来るので楽しんでください。


 

 

この生活が始まって7日目

 

 

私はふと疑問に思った。

潜水カ級は資料によると貞子のようなおぞましい姿をしているらしい。

 

一方でカナはと言うと幼いからまだわからないけどなかなか可愛らしい顔をしていると思う。

 

そうそう、カナは初めて出会った時に比べると背も伸びてきました。これは大きくなった時がどうなるのか楽しみだと思う。

 

私はまだ結婚して子供を生んだ事がないのでわからないけどカナは人間の子供に比べるとあまり世話をかけないと思う。

 

カナは基本的に静かに寝ている事が多い。

またあまり泣いたりする事がないのである。

また最近はご飯は用意してあげれば自分で食べるので基本的には遊んで欲しいときにせがんでくるぐらいです。

 

先程もカナにせがまれて一緒に遊んでいたですが遊び疲れたようで寝てしまいました。寝る子は育つかな。

 

 

 

カナが寝た所で私は海岸を見回りしています。

もしかしたら船が通りかかるかもしれないし、敵が来るかもしれないので毎日見回りは欠かしていません。

 

 

今日も一通り周り終えて拠点に戻ろうとした時に港の消波ブロックに何か見えます。

 

 

何か流れ着いたのかと思い近寄って見るとどこかで見たシチュエーションだった。

 

 

「(>o<")」ヒェー

 

まだ幼い子が流されまいと必死なブロックにしがみついていた。

 

しかし、この今日は波が荒れていてこのままだと彼女は流されてしまいそうだ。

 

「(≧◇≦)」ぷるぷる ぷるぷる

 

助けないといけない!と言う衝動に駈られて私は海に飛び込みました。

 

 

 

 

 

 

「(>_<)」がくがく がくがく

 

何とか彼女を救出したのだがまだ怖いのかがくがく震えています。それとも寒いのか?

 

私も海に飛び込んだので寒いです。

 

 

 

改めて助けた子を見てみる事にする。

 

深海棲艦の潜水艦の特徴である黒い長い髪を垂らしているが、この子はカナと違い砲のある帽子を被っている。

 

 

(確かこの子は‥‥)

 

この子は私の記憶が正しければ深海棲艦の上級潜水艦のソ級と呼ばれるクラスだろう。

 

ソ級はまだアジアでは確認されていないクラスで、大西洋では猛威を振るっているとか‥‥

 

ただでさえ対象が困難な潜水艦なのにカ級などをはるかにしのぐ雷撃と防御力を誇っていて欧米では、

 

Invisible Devil

 

と恐れられている。

はずなのだが‥‥

 

「(/△\)」しくしく

 

こんな怯えて泣いている子がそんな恐い存在に見えない。

 

「よ、よしよし‥‥、もう怖くないよ!」

 

仕方なく抱き抱えてあやす事にする。

 

「(・o・)」

突然あやされて驚いたのか、そもそも深海棲艦は子育てをするのか分からないからあやされるのは初めてなのか?初めは慌てふためいていたが少しずつ落ち着き始めた。

 

 

「(-_-).。oO」

 

気がつくと安心したのか眠ってしまっていた。

波に流されていたのもあるので疲れてたのだろう。

 

 

なぜだろうか。潜水艦の子供は泳げない法則でもあるのだろうか?

帰ったら記録をつけておこう!

 

しかし、この子はどうしよう?

もし、この法則が本当にあるのならこのまま放おっておくのは不味いと思うし、何より眠っている可愛い子をこんな荒波に放すなんてそんな酷い事は私には出来ない!

 

 

 

「仕方ない。この子の面倒も観ようかな。カナも遊び相手が出来るし。」

 

では、名前を考えるますか。

うーん、この子はソ級だからな‥‥。そうだな‥‥。

 

ん?

 

私はふと、上を見上げると蒼い空が広がっていた。

 

ソ級‥‥。空‥‥、ソラ‥‥。

 

うん!ソラにしようか!この子の目とか蒼いので丁度いいかと。

 

 

「これからよろしくね。ソラ‥‥。」

 

私は寝ている彼女を起こさないようにそっと呟くのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、拠点では、

 

いつまで経っても帰って来ないのでカナが心細くなって探していました。

 

「(゜Д゜≡゜Д゜)キョロキョロ」涙目

 

 

 

 

 

 




みんな大嫌いなソ級ちゃんです。
でも、みんなの知ってる害悪では無いので嫌いにならないでください!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

考える軍人と花? 5日目



何とか今日も投稿できた!
ちなみに最近本編が投稿出来てないのはちゃんと理由があります。


 

 

この生活が始まって12日目。

 

 

ソラを連れて帰ったあの日、拠点に戻るとカナが涙目で私の事を探していました。

 

私を見つけると嬉々して私の所に寄って来たのだが、私が抱いていたソラを見るとギョっとしてしまいました。

 

 

 

そういえば前に分隊長に聞いたことあるような‥‥

 

深海棲艦は人間よりも上限関係が明確で厳しいのかもしれないとか、下級クラスは上級クラスに逆らえないとか、だからお前たちも上官の指示はしっかり聞けとか。

 

 

なのであの時カナが驚いたのかのはソラを見たからだと思う。

 

ソ級は深海棲艦の今現在、存在が確認されている中では上級クラスであり、カナ達カ級にとっては格上なのだから本能的に畏怖したのだろう。

 

カ級は確認されてる潜水艦の中では下級だから。

カ級だけに‥‥なんてね。

 

 

 

 

では今現在。

二人の関係はと言いうと、

 

 

「(/。\)」しくしく

 

「\(^_^)」よしよし

 

 

 

一見みると、泣き虫な妹(ソラ)とそれをあやす姉(カナ)のような関係が出来ていました。

 

 

 

ソラは西洋では悪魔と呼ばれているソ級とは思えないほど怖がりでよく泣きます。

 

 

この前などは私がうっかりダンボールを落としたのですがその音で驚いてしまっていたのである。

 

 

些細な事で泣いてしまうこともしばしばあるため目が離せなかったのですが、近頃はカナがお姉ちゃんになってくれているので私も一安心です。

 

 

 

 

ここで思うのは深海棲艦にも個性があるのだということです。

 

 

 

奴等は無機質な顔で表情がないとか言われています。

実際その動きは機械的でみんな同じ顔なので感情のない機械のように見えてしまう。

 

 

しかし、この子達はどうだろうか?

 

静かで甘えん坊なカナ。

泣き虫で甘えん坊なソラ。

 

あ、どっちも甘えん坊‥‥、とにかく他の子をみたことないから何とも言えないがそれぞれ個性が存在しています。なぜこんなに違うのだろうか?

 

 

本当は個性や感情がもともとあるのか、それとも深海悽艦ではなく私と一緒にいるからなのか?

 

あるいは‥‥。

 

 

とそこまで思考をしているときにソラが寄ってきました。構って欲しいようです。

 

「ふふ、よしよし‥‥」

私はソラの頭をなでなでしました。

 

「(≧∇≦)」キャ♪

 

ソラは気持ち良さそうです。

 

 

「( ̄^ ̄)」ムー

 

一方でカナがこちらを見てふくれています。

ソラがうらやましいようです。

最近はよく、この子は嫉妬します。

 

「カナもおいで。」

 

「( ☆∀☆)」やったー!

 

あからさまに嬉しそうです。

 

 

 

 

 

「(ーωー)♪」まったり

 

「(=ω=)♪Zz」ほくほく

 

右にカナ、左にソラが私に寄り添う形で頭をなでなでしています。

 

うーん?これが本当の両手に花?

カナ相当気持ち良さそう、ソラに関しては眠り始めてます。

 

 

この子らは今人類を脅かしている深海悽艦なんだよね?

とてもそうには見えないし思えなくなっています。

 

 

 

時刻をみると1800。

もう少し撫でてあげたら晩御飯にしよう。

ちなみにカナはリンゴが好きだったが近頃は魚も好きになっています。ソラはリンゴよりミカンが好きでした。

 

 

 

 

 

 

と思っていたのですがソラが本格的に寝てしまい、カナが撫でたりないとせがむのでしばらく動く事ができませんでした。

 

 

 

 

 

 




新キャラ出した後って難しいような‥‥
感想お待ちしております。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ソラの好みは? 6日目



この話で軍人が死ぬとしたら事故死かキュン死‥‥。




 

 

この生活が始まって13日目。

 

今日はカナとソラを連れて大型商店にやって来た。

前回はここでカナの好みを探ったのだが、結果はスーパーボールでした。

 

 

今回はソラの好みを知ろうと思って連れて来たのだが。

 

 

「(∋_・∈)」ちらちら

 

カナの時は興味津々といった感じだったが、ソラの場合は初めて来る環境に怯えを感じているようで隠れるようにしているが、やはり好奇心には勝てないのか辺りをちらちら見ている。

 

 

おもちゃコーナーに着いた私は二人を下ろした。

二人も抱えるのかなり辛い‥‥

 

「二人とも遊んで来ていいよ。」

 

「( ☆∀☆)」わくわく!

 

「( ・∇・)?」

 

反応は別々だったが二人は思い思いに動き始めた。

ソラが真っ先に食い付いたのはスーパーボールだった。

 

(好きなのかな?スーパーボール?)

 

 

 

あれ?カナは?

 

そう思っていると彼女は少し大きめの箱を持ってきました。何を持ってきたのだろう?

 

 

ん?あの箱‥‥、ドッキリ!!って書いてある。

ま、まさか、カナが持ってきたのって‥‥。

 

 

「( ・◇・)?」

ソラは首を傾げながらも箱を開けようとします。

 

不味い!止めないと!!

しかし、時既に遅し‥‥。

 

 

パカッ

キャハハハハハハハ!

 

「Σ(´□`;)」ビクッ

 

あの箱はびっくり箱で驚いたソラは一目散に逃げてしまいました。

 

 

一方で持ってきたカナはと言うと、

 

 

「(・ω・)?」

 

何があったのかわかってない様子です。

 

 

 

 

 

 

「ソラー!どこ!」

私はカナと一緒にソラを探します。

この商店は広いから探すのも一苦労です。

 

 

「(・o・)」

カナが裾を引っ張ります。

 

「どうしたの?」

 

私が聞くとカナは家具コーナーを指します。

 

「あそこにソラがいるのか?」

 

「(≧∇≦)」こくこく!

 

 

 

カナに連れられて家具コーナーに行くとそこには、

 

 

 

「(///ω///)♪」もふもふ もふもふ

 

動物の形をしたクッションにもふもふしているソラがいました。

 

(か、可愛い!)

 

 

「(/▽\)♪」

私に気付いたソラが飛び付いてきます。

 

 

「お、おお、よしよし怖かったな。」

突然飛び付いてきたので驚いたが何とかキャッチに成功して癒した。

 

「(´・ω・`)」

カナは我慢しています。

一応先程の事は反省しているみたいです。

 

「それにしても、このクッションが好きなのか?」

 

私はソラがもふもふしていた亀のクッションを指差しました。

 

「(/▽\)♪」こくこく!

 

「そっか、ならいくつか持って帰ろうか。」

 

 

 

これでソラの好きな物はふかふかでもふもふした物だと判明した。

 

 

 

 

帰宅して拠点にて

 

「(///ω///)♪」もふもふ

3つのクッションに埋もれてもふもふ状態

 

 

「(・_・)」じー

羨ましそう

 

 

「(/▽\)♪」手招き

ソラがカナを誘う。

 

 

「( ̄□ ̄;)!!」いいの?!

 

「(/▽\)♪」グーサイン!

 

「(≧∇≦)!」

クッションに飛び込む。

 

 

 

「(///ω///)♪」もふもふ もふもふ

 

「(≧∇≦)♪」ふわふわ ふわふわ

 

 

「‥‥。何これ‥‥?」

 

カメラどこかに無いかな‥‥。

 

 

 

 

 

 

 

 





お気に入り登録、感想ありがとうございます!
特に感想は励みになるので有難いです!

感想お待ちしております。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

カナ、体幹する 7日目


今回は‥‥よく読んだらかわいい要素がないです!


 

 

 

この生活が始まって17日目

 

 

 

 

突然だがモデリング理論を知っているだろうか?

 

モデリング理論とはバンデューラさんが提唱したもので他者の行為や考え方を見倣うという学習形態についての理論です。

 

そういえば学ぶって辞書で引くと

「まなぶ」と「まねぶ」とでます。

 

まねぶって真似るに似ていますね。

 

 

 

何故こんな事を考えて始めたのかと言うと、

 

 

 

私は軍人であるため朝に訓練も行っていたのです。

そして、もはや訓練は習慣になっています。

 

それに復隊することも考えるとやはり体は動かしておきたいので朝練を欠かしていません。

 

 

私はいつも通り20kmのジョギングを済ませた後に体幹トレーニングをしていたのだが丁度カナが目を覚ましたのである。

 

「(・ω・)」じー

 

 

それからカナは私が体幹をしているのをじーっと見ていました。

 

それからというもの毎日のように私が体幹をしているとじーっと見るようになりました。

 

それからしばらくすると、

 

「(/≧◇≦\)」うぐぐぐ

 

 

カナが私の真似をして体幹トレーニングをやり始めました。

 

 

 

モデリング理論は四段階あり、

 

第一 注意過程

 

自分にとって魅力的な特徴を持つモデルに目を向けて、その姿や言語を注意深く観察する。

 

第二 保持過程

 

モデルの特徴を言葉や映像イメージの形で記憶し、一定期間その記憶を保持する。

 

第三 運動再生過程

 

保持されたモデルの行動パターンを実際に再生し、本物とのズレを徐々に修正していく。

 

第四 動機づけ過程

 

評価や報酬によってモチベーションが高められ、さらなるモデリング=学習が促進される。

 

 

これらにのっとると、今まで私を観察していたのは第一、第二の過程で、今まさに第三過程に突入しているのである。

 

 

「(´Д`|||)」はあはあ

 

一生懸命やっている姿は微笑ましいけど‥‥

つらそうなのは見ていて心苦しい、ああ!

私は止めるべきか!応援するべきか!

一体どうすれば!!

 

 

 

「(´Д`|||)」はあはあ はあはあ

どうやら一通りやり終えたようで息が切れ切れです。

 

そして、私を見ると何か期待しているように見つめてきます。

 

 

「(´・ω・`)」期待の眼差し

 

 

これはもしや‥‥

 

「お、おーう!よしよし!頑張ったな!えらいえらい!」

 

「(≧∇≦)」やったー

 

頭を撫でて目一杯誉める事にしました。

ああ、これは第四過程か‥‥。

 

 

私に誉められたいが為にやったのかそれとも私をモデルとして成長しただけなのかはわからないけどカナの成長を感じました。

 

 

 

 

「( ☆∀☆)」もっと撫でて!

 

あ、前者かも‥‥。

 

私はもっと撫でてあげました。

 

「(*≧∀≦*)」キャキャ!

 

あー、朝からかわいいな!

朝練の疲れも吹っ飛ぶます。

 

 

 

一方で、

 

「(-.-)Zzz・・・・」すー、すー

 

ソラはまだ寝ていました。

 

 

 

 

 

 

 





鍛えてます。
そういえば、これを書きながら1-5行ってたらカ級に追い帰えされた‥‥。

ああ、カナはこんな風にならないで!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

朝からひと騒ぎ 8日目



昨日の続きです。


 

 

 

朝練が終わったので朝食の準備をしました。

今日はカナも手伝ってくれました。

 

 

支度ができると丁度ソラが起きてきました。

 

「( ̄о ̄)。оοΟ」ふぁぁ

 

小さく欠伸して目を擦っています。

まだ覚醒していないのか少しふらふらです。

 

この子朝弱いからなぁ‥‥

 

 

「おはようソラ。」

 

「(○_○)!!」パッチリ!

 

あ、覚醒した!

 

 

「(///ω///)♪」

私が呼ぶとソラは駆け足で私に寄って来て抱きついてきます。

 

「お?お目覚めかな?ご飯できてるから食べよ?」

 

「(///ω///)」こくこく

 

 

 

このまま終われば良かったのだが、

 

「( ̄^ ̄)」ムゥー!

 

カナが怒っています。

そして、カナも抱きついてきました。

 

「お、おいカナ何やってる?」

 

 

「(/Λ\)」む!

ソラが突然抱きつく力を強めました。

 

「ソラ?痛いんですけど?!」

 

 

「(/Λ\)」むむむ!

 

「( ̄^ ̄)」うむー!

 

左側をソラが、右側をカナに抱きつかれた形で両者はにらみ合い、お互いに譲ろうとしませんでした。

 

「ふ、二人とも痛い!痛いから!」

 

軍人は知らないが、潜水艦の子供だから少し痛い程度だが、これが巡洋艦クラス、戦艦クラスになるとこの比ではなく、後に日本で作られる鎮守府では提督となったばかりの黒瀬がこの苦労を味わう事になります。

 

 

 

 

 

二人が離れてくれてようやく朝食をいただきました。

今は食後のコーヒーを楽しんでいるところです。

 

 

「あー、至福♪」

軍で朝食をゆっくり食べることなど出来ず、ましてや食後なんて‥‥

 

はぁ、幸せ‥‥。

 

それに最近は南米周辺の海域も深海棲艦に襲われているためブラジルとかからコーヒーを輸入しづらくなっているとか。その為コーヒーの値段が上がってしまっていてコーヒーを飲む機会がめっきり減ってしまっています。

 

(よくもこんな島にありましたね。)

 

 

私がコーヒーを堪能していると視線を感じました。

 

 

二人がこっちを見ています。

 

「(・ω・)」じー

 

「(/―\)」じー

 

え、ええっと?コーヒー飲みたいの?

子供にこんな苦い物をいきなりあげての大丈夫かな?

 

てか、カフェインって子供に取らせても大丈夫なのか?知らないけど‥‥、てか、深海棲艦にカフェインはいいのか?

 

等と色々考えていましたが考えがまとまらず恐る恐る聞いてみました。

 

 

「飲みたいの?」

 

 

「(≧∇≦)」コクコク!

 

「(/▽\)」コクリ!

 

うう、どうしよう?あげても良いよね?

小学生も飲んでる訳だしね?

 

 

チラリと二人を見てみる。

 

 

カナ:キラキラ目 上目遣い ちょうだい!

 

ソラ:涙目 上目遣い だ、ダメ?

 

 

 

うわぁ!ダブルですよ!

ダブルで上目遣い!(以降ダブル上目遣いと命名!)

 

しかも種類の違う上目遣い!

ダメだ!勝てない!

 

私はカップを2つ用意して二人にコーヒーを次ぎました。

 

「ど、どうぞ。」

 

「(/▽\)♪」

 

「(≧∇≦)♪」

 

二人は喜んで飲みました。

 

ごくごく‥‥

 

 

「(>□<)""」熱い!苦い!

 

「(/ο\)♪」ごくごく

 

 

カナは飲んで舌をでしています。

猫舌な上にやっぱり苦かったらしい。

しかし、ソラはというと普通に飲んでいます。

 

 

「(///ω///)♪」ふぅー

飲み上げたのか一息ついています。

そして、少し誇らしそうです。

 

「(/V\)♪」どや!

 

 

「( ̄^ ̄)」ぐぬぬ!

カナは悔しそうです。

そこで競わなくても‥‥。

 

 

 

こうして朝は終わり一日が始まりました。

 

 

 

 

 

 




次回、いよいよあの子が登場します!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

悲劇の姫 9日目



今回はシリアスです。
後、いつもより長いです。


 

 

ここは、軍人の取り残された島ではなく、大陸に近い所にある島。

 

 

この島は現在、深海棲艦に占領されています。

 

 

この島には人間で言うところの深海棲艦の研究・養成施設が存在しています。

 

 

 

アジア諸国による連合軍を打ち破り、アジアに進出した深海棲艦は順調に駒を進めて遂に日本の領海に迫った。

 

 

そこで日本の国防軍が抵抗を試みた海戦が行われた。

 

 

当初、深海棲艦側はこの戦いに負けるとは思っていなかった為駆逐艦クラスを中心とした軽装艦隊を向かわせた。しかし、予想外の事が発生した。

 

この海戦に参加していた黒瀬 凪人が艦娘のドロップを成功させ、艦隊は損害を受けて撤退。

 

アジア侵略における始めての敗北だった。

それ以降、人類側に艦娘が参戦したことにより相手を軽んじていた深海棲艦は次第に押されはじめた。

 

 

 

これに対抗するべく深海棲艦は新型艦を建造する事にした。

 

この島はその為の施設の1つである。

 

 

 

 

施設の一角にある部屋

 

 

ここにはいくつかの水槽が並べられていて中には怪しい液体に満たされていて白い髪、白い肌の小さい人型が丸まっていた。

 

 

そして、そこには研究員である少し形状の異なるチ級達が作業していた。

 

そこに1人の深海棲艦が入ってきた。

 

 

「首尾ハドウダ?」

 

彼女は集積地棲姫。この施設のボスである。

 

「ハッ!順調デゴザイマス!」

研究チ級の一体が答えた。

 

「ソウカ‥‥、潜水艦初ノ姫ハモウマモナクカ。」

 

 

この区画では潜水艦クラス初の姫級の研究を行っていた。そして、ここの水槽にいる子達こそが成長して、

人類から潜水棲姫と呼ばれる事になる深海棲艦になるのである。

 

 

「フフフ、コレラガ完成スレバ‥‥、フフフフ!」

集積地棲姫はメガネに触れながら怪しげな笑みを浮かべます。

 

 

 

丁度その時でした。

 

砲撃音が鳴り響きます。そして軽く揺れを感じます。

おそらく何処かに命中したのだろう。

 

集積地棲姫は急いで指揮所に戻ると部下に状況を確認します。

 

「何ガ起キタ?!」

 

「ニンゲンガセメテクマシタ!」

 

「馬鹿ナ!ココハ我等ノ支配圏!艦娘ドモハマダ‥‥」

 

「ソレガ、セメテキタノハフツウノカンタイデス!」

 

 

 

 

 

この基地を攻撃したのは中国をはじめとするアジア連合軍の残党艦隊である。

 

先の海戦で敗れたものの一矢報いてやろうと挑んできたのである。

 

 

連合軍司令「負けても構わん!我等アジア人海兵の意地を化け物どもに見せてやれ!!」

 

 

「ヤロメー!!資材ガ!施設ガ!燃エル!!コレイジョウヤラセルナ!!」

 

すぐさま基地の艦隊や試作深海棲艦が迎撃を初めて連合軍は成す術もなく壊滅、しかし、彼等も意地を見せた!

 

「クッソ!喰らえ!」

 

轟沈寸前のミサイル巡洋艦が苦し紛れにミサイルを発射!

 

思わぬ攻撃に対象しきれなかったミサイルの1発が潜水悽姫の養成区画に命中した。

 

 

 

ミサイルが命中した区画は損害を受けていた。

機材は壊れて炎上し、煙に包まれていた。

 

しかし、通常兵器は深海棲艦には効かないので研究員は無事だったが彼等は戦闘仕様ではないためか、衝撃で吹き飛んでいた。

 

そして、養成水槽の1つが割れてしまった。

 

中から液体が流れ出て、一緒に中の個体も出てしまった。

 

「がは!かは!、はぁ、はぁ‥‥」

 

彼女は生まれて初めて自分で呼吸をしたが、そこは炎と煙に包まれた部屋。

 

ちゃんとした生まれ方をしていたら、しっかり成長してから生まれていれば問題はありませんでした。

しかし、彼女は未成長で生まれてしまった。

そして、まだ生まれたての彼女には厳しすぎた。

 

「ウゥ!ゴホン!こほ‥‥」

 

強い熱と煙を思いっきり吸い込んでしまった彼女は喉を焼いてしまったようだ。

 

(く、苦しい?!の、喉が!)

 

彼女は痛さのあまり首を掴みながらもその場から逃げようとしました。

 

しかし、彼女の不運は続いた。

 

2発目のミサイルが隣の区画に落ちたのでした。

直接の害はありませんでした。

しかし、その爆発の衝撃波がまだ幼い彼女を襲うのだった。1度目の直撃や2度目の衝撃波で壁は崩れていて、彼女は海に放り出されてしまった。

 

 

 

(た、助けて!誰か!)

 

彼女は姫級。言葉を発することはできる。しかし、彼女は喉をやられた為声を出すことは出来ない。

 

彼女は成す術もなく波に揉まれて、海流に流されてその海域から姿を消してしまった。

 

 

 

 

「姫様、消火オワリマシタ。」

 

「ソウカ、デ、被害ハ?」

 

艦隊を全て海に沈めた後、集積地棲姫は被害の確認をしていた。

 

 

「各区画ガ少々ヤラレタグライデス、タダ‥‥、」

 

「タダ?」

 

「潜水艦ブロックノ個体ガ一体消失シマシタ。」

 

「フン、水槽カラ出テシマッタ以上、潜水悽姫ニハナレナイ‥‥、可哀想ダガ放ッテオケ!」

 

「ハイ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どれだけ流されたであろうか?

わからない。まだ生まれたばかりなのだから‥‥。

 

深海棲艦は建造される際にある程度の知性は与えられる。しかし、知識と言うものはそれから教えられるか自分で知っていくしかない。

 

 

何も分からず放り出されてしまった。

 

 

 

 

 

大分流されてきた気がする。

ここは、どこだろう?

 

どこかの島の浜辺のようです。

しかし、彼女は動けません。

 

彼女は完全に衰弱しきっています。

おそらくこの幼い深海棲艦はこのままでは死んでしまうであろう。

 

 

 

(だ、誰か‥‥た、すけ、て‥‥)

そこで彼女の意識は完全に途切れます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この生活が始まってそろそろ1ヶ月

 

 

 

私はいつも通りに見回りをしています。

カナとソラはお昼寝しています。

 

(あの二人も少し身長が大きくなったからなぁ‥‥、そろそろ泳ぎの練習でもさせるか‥‥)

 

と考えてどこで泳ぎの練習をするか海沿いを回っていると港から大分離れた所に浜辺がありました。

 

(お!浜辺だ!ここならいいかもしれない。)

 

あ!でも自分も泳げない‥‥、等と考えていると、人が倒れていました。

 

「あ、あれは!?」

 

私は急いで駆け寄りました。

 

しかし、それは人ではなくいつものパターンでした。

白くて長い髪、病的に白い肌、おそらく深海悽艦であろう。しかし、この子はよく見ると白い肌は火傷が酷くて痛々しく、髪はボサボサ、そして見るからに分かるほど衰弱しきっていた。

 

「息は‥‥ある!」

だけども弱々しい、今にも消えそうだ!

 

私は彼女を抱き抱えると急いで拠点に戻った。

 

 

 

 

 

「(-.-)Zzz・・」ごしごし

 

「( ̄O ̄)zz」ほぁぁ

 

戻ると丁度二人は目を覚ましていた。

軍人が帰ってくると寄ってきたが抱えている少女を見るとあわてふためいてひれ伏してしまった。

 

「(>‐<)~~~~~」ヒェー

 

「(>_<)」びくびく

 

 

 

とりあえず布団をしてい彼女を寝かせてあげた。

まずは体温を戻さないと!

 

次に軍施設跡から持ってきていた点滴をうつ器具を用意した。果たして、深海悽艦に効果があるか分からないけど‥‥、出来うることはしよう!

 

 

 

それからは大変だった。

彼女は一向に意識が戻らず、その間に彼女の火傷を直す事にした。薬を塗ったり、包帯を巻いたりと‥‥。

 

さらに彼女は高熱を出したので濡らしたタオルなどで汗を拭いてあげた。この手の熱は無理に冷やさない方が良い。

 

私は衛生兵ではないのであまりしてあげられることはありません。

 

後はこの子に頑張ってもらうしか‥‥

 

それにしてもこの子は一体?

おそらく今までの流れからするとこの子も潜水艦だろうけどこんな子、資料で見たことない。

 

それに二人の彼女を見たときのあの驚きよう‥‥今確認されている潜水艦クラスで最上位はソ級‥‥。

 

そのソラですらあの畏怖です。

そしてカナのソラの時以上の反応‥‥。

 

もしかして、新型!?

 

 

 

 

少女はうなされていた。

夢に出るのは燃える部屋、そして暗い海。

目覚めると突然焼かれて、そのまま何も出来ずに海に流された続け‥‥。

 

苦しい‥‥、苦しい‥‥、苦しいよ‥‥。

 

誰か、助けて!

 

 

すると少しずつ光が差し込んできます。

彼女は光に包まれながら感じ取りました。

 

 

助かった‥‥?

 

 

 

 

 

目覚めるとそこは浜辺ではなく、知らない空間です。

隣を見ると人間があぐらをかいて寝ていました。

 

 

私は本能的に距離を置こうとしました。

しかし、体が思うように動きません。

 

相手は人間‥‥、本能的機能が敵と判断します。

 

しかし、心のどこかでこの人は敵ではないと感じました。

 

なので彼女は恐る恐る人間の服の裾を引っ張っりました。

 

「う、うん?」

 

人間が目を覚ましました。

 

「お、お前!良かった!!目が覚めたのか?!」

 

どうしてこの人間は嬉しそうなのだろう?

私がどうなっても関係ないはずなのに‥‥。

 

 

「お前私の言葉が分かるか?」

 

人間が訪ねてきた。私は答えようとしたが声がでない。

まだ喉がやられているようだ。

 

「‥‥、‥‥けほん、けほん」

 

「あまり無理はするな。喉は酷い火傷でまだ当分は直らないと思うから。」

 

私は頷いた。

 

「言葉は‥‥分かるみたいだな。所で全身酷い火傷だったけど何があった?」

 

私はうつむいた。私も何が起きたのか分からないのだから‥‥

 

「ああ!声も出ないのに酷な事を聞いてごめんね?でも、よく頑張ったな。」

 

そういうと人間は私の頭に手を置くとなで始めた。

 

「!」

はじめは何をしているのか分からないかった、

だけど次第に気持ちいいと思い始めた。

 

「苦しかったな。」

 

こくこく、苦しかった‥‥

 

 

「辛かったな。」

 

こくこく、辛かった‥‥

 

 

人間のなでなでが気持ちいいのと今までの思いが爆発して、気付いたら私は人間の懐で泣いていた。

 

 

人間はずっと私を抱きしめてなで続けてくれた。

そして、一通り泣き止んだ所で尋ねてきた。

 

「お前、行くところあるか?」

 

私は首を横に振った。

 

 

「そうか!ならここにいる?」

 

私は驚いた、そして喜んだ。こんか優しい人の所ならば喜んでお受けする!

 

「(〃⌒ー⌒〃)」コクリ!

 

「そうか!ならこれからよろしく!」

 

(さて、名前は何にしようか‥‥、この子は恐らく新型だから今までのみたいな付け方できないし‥‥。)

 

そういえば、この子カナやソラと違って髪は真っ白です。全体的に白いなーこの子‥‥。

真っ白、まっしろ‥‥、うん!マシロにしよう!

 

「君の名前なんだけどマシロでもいい?」

 

人間はそう聞いてきた、私は考えた。

そういえば、私には私を示す名前がない。

このさえだ、この人に決めて貰うのも悪くない!

 

「(〃^ー^〃)」コクリ!

 

「良かった、気にってもらえた!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして軍人の元に新しい潜水艦が加わりました。

 

 

潜水悽姫になれなかったなり損ない。

 

しかし、のちに独自の発展の遂げていく彼女らの事を後にこう呼ぶ。

 

 

 

 

 

「潜水新棲姫」と‥‥。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




御待たせしました。
待望の?潜水新棲姫ちゃんです!

本当は潜水棲姫を出したかったのもあるけどね。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

仲良くなる 10日目



N-N-N様、誤字報告をしていただき誠にありがとうございます!


この作品、なんかもともとの予定と路線がかなりずれてしまいましたが、もう気にしません!

バンバンやります!




 

 

この生活が始まって35日目。

 

 

 

新しくマシロを迎えたのはいいのですが最近カナとソラが寄って来ません。

 

 

あまり理由は考えたくないけど恐らくは‥‥

 

 

「(=_=).。oO」スー、スー、スー

 

 

多分、今私の胸元で寝ているこの子だろうな‥‥。

 

 

 

 

マシロはあれ以来回復が著しくあんなに酷かった火傷もほぼ完全に治っていました。

 

軍人は知らないが、姫級は、脅威的な回復能力を備えており、一定の日数があれば治るのである。

 

 

 

 

しかし、何故か喉だけは一向に治らずまだ喋ることができていないでいる。

 

 

(まぁでも、この子もカナ達と同様で表情や仕草で考えている事が筒抜けだけどね。)

 

 

 

話を戻すと、軍人は知らないけど彼女は一応は姫級であり、深海棲艦の上位クラスな為、本能的にカナ達はマシロの事が恐くてしょうがないのである。

 

そして、そのマシロがここの所ずっと軍人の側に居るためなかなか近づくことができないのである。

 

 

 

 

「(´・ω・`)」

 

「(/。\)」

 

二人は物陰から寂しそうに様子を伺っている。

 

 

(なんとかしないとな‥‥)

 

 

 

「はぁ」

 

私は思わず溜め息をついた。

 

 

 

するとマシロは目を覚ました。

 

「(/0 ̄)оΟО」ふぁぁ

 

 

「あ、ごめん、起こした?」

 

 

 

フルフル、マシロは首を振った。

 

 

 

「なぁ、マシロ?あの二人とその‥‥仲良くしてもらっても良いかな?」

 

私は単刀直入に聞いてみることにした。

 

 

一方でマシロは考えた。

 

仲良くとは何だろう?

 

そういえば、あの二人は私に近づいてくれない。

 

 

仲良くとは何か?どうすれば仲良くなれるのか分からない。

 

私とこの人みたいな関係の事だろうか?

 

 

だったら私がこの人にしてもらった事をすれば良いのでは?あの時、私がしてもらったことは‥‥

 

 

 

マシロはカナ達の方へ歩いていった。

 

カナ達は突然やって来るので固まってしまっている。

 

 

「「( ̄□||||!!」」びっくり!

 

 

 

そして、そのまま固まっている二人の側に来ると、マシロは二人をギュッと抱きしめた。

 

 

「Σ( ̄ロ ̄lll)」ひぇ!

 

「(/□\)^^^^^」あわわわわ!

 

抱きしめられた二人は何が起きたのか分からずあたふたしている。

 

 

すると今度は抱き寄せた状態で二人の頭をなで始めた。

 

 

「(⌒―⌒)」よしよし♪

 

その顔は優しく微笑んでいました。

まるで大人の女性が子供を慰める時のような‥‥

 

 

 

はじめは恐くてガチガチだった二人も次第に彼女の優しいオーラ?に包まれたか安心し初めて、顔がほっこりし始めました。

 

 

「(///ω///)」‥‥。

 

「(///∇///)」‥‥。

 

 

あ、茹でた。(小破)

 

 

 

二人が落ちた所でマシロが戻ってきました。

 

 

 

 

あの人に言われた通りに仲良くなってきました!

あの人にしてもらった事をしたのでやり方は多分間違いはないと思うけど‥‥

 

これであの人に誉めてもらえるかな!

 

 

 

「‥‥。」

 

う、うーん?

打ち解けのかな?な、なんか殺っただけの気もしないことはないけど。

 

 

「(*⌒―⌒*)」ニコ♪

ああ、勝者の顔です。

 

そして、そのまま私の元に来ると、

 

「\(≧∇≦)/」誉めて!誉めて!

 

先程までの少し大人びた雰囲気はどこかに消え去り、そこには御褒美をせがむ幼い少女がいました。

 

 

「お、おう、頑張ったな、よしよし!」

 

 

「(≧∇≦)」きゃー♪

 

にしてもこの子らなでなで好きすぎるだろう。

このままでは私の方が依存症になりかねないです。

 

 

 

 

それからと言うと、

 

二人のマシロに対する恐怖感は取り除かれましたが、

 

「(///_///)」‥‥。

 

「(///<>///)」‥‥。

 

なんか、別の意味で畏怖し初めています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






彼女が習得したのは仲良くのやり方ではなく、殺り方。


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

朝の陣取り合戦 11日目



感想が来てるのを見るとやる気が出ますね‥‥
感想ありがとうございます!

今回は少し‥‥です。


 

 

この生活が始まって40日目。

 

 

軍人は熟睡していました。

軍人はいつも、習慣で0600前に目が覚めて、朝練をするのですが昨日は遅くまでとある作業をしていた為、今日は朝練はお休みして7時まで寝ようとしていた。

 

 

「スー、スー」

気持ち良さそうに熟睡しております。

 

 

 

 

そこにひょこっと現れたのはカナです。

 

いつも、軍人が朝練を開始する頃に目を覚まし、最後の体幹トレーニングを一緒にして最後に軍人に撫でてもらうのが他の二人には内緒の彼女の楽しみなのですが何時までしても軍人が来ないので様子を見に来たのである。

 

 

「(・ω・)」じー

 

カナは軍人が寝ているのを確認しました。

そして、考えました。

 

「(≧∇≦)!」ひらめいた!

 

 

カナはひらめきました。

軍人が寝ている布団に入って一緒に寝ていて、目を覚ましたら自分がいる、軍人はビックリする!

 

そこまで考えるとカナは軍人を起こさないように静かに足を忍ばせて近づきます。

 

 

布団にまで近づくと中に入ろうとめくってみると、

 

 

「(/。\)Zzzzz」

 

先客がいました。ソラです。

 

 

「( ̄^ ̄)」むむむむ!

 

カナはジュラシーです!

 

ソラの頬っぺたを掴むと思いっきり引っ張ります。

 

 

「Σ(/□\)!」痛い痛い!

 

ソラは目を覚ましました。

しかし、軍人を起こさない為か、音は出さなかった。

 

 

 

カナは知らないが、ソラは二度寝する時は軍人の布団に潜り込むのだ。いつもなら軍人が朝練に行くのと入れ違いになるのです。

 

しかし、今日は軍人が寝ていたが寝ぼけているソラはそれに気付かないでそのまま寝たのである。

 

 

 

「(/Λ\)」何するの!

 

「( ̄^ ̄)」あなたこそ!

 

 

二人はにらみ合います。言葉や音は飛びっておらず、

にらみ合いだけで戦っています。

 

 

二人が見えざる冷戦を繰り広げていると、

三人目の登場人物が現れました。

 

マシロです。

 

 

 

「(*⌒―⌒*)」あらあら

 

 

二人は突然の来客に驚きますがそれをマシロが口に指を当てて静止します。

 

「(―<∩>―)」しー

 

 

 

マシロはここで二人を争わせると軍人を起こしてしまうと思い二人を別の部屋に連れて行く事にしました。

 

 

仕方ないな、この二人は‥‥

そうだ!まだ軍人、起きてないから今のうちに二人ともっと仲良くなるべく交流を持とう!

 

そして、誉めてもらおう!

 

 

 

マシロは二人の手を掴むと隣の寝室に向かいました。

 

「(ー_ー)?」

 

「(/。\)?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7時

 

 

「ふぁぁぁぁ、よく寝た。うわ!マシロ!」

 

目が覚めて横を見るとマシロが座ってました。

起きるのを待っていたようです。

 

 

「おはよう、マシロ。」

 

「(*⌒―⌒*)」お辞儀♪

 

マシロは早速抱きついてきました。

 

「おお、どうしたの?朝から来るなんて?」

 

「(*⌒▽⌒*)♪」すりすり

 

 

とりあえず撫でておこうか‥‥

 

「(≧∇≦)」きゃ♪

 

 

「さてと、朝ごはんの支度するけど、手伝ってくれる?」

 

「(⌒―⌒)」こくこく!

肯定ですね。

 

「ありがとうマシロ‥‥、そう言えば他の子は?」

 

 

私が二人の事を聞くとマシロは、

 

 

まず、2本指を立てて、その次は両手を重ね合わせて顔の横につけると首を横に倒した。

 

2本‥‥、寝る‥‥、二度寝?

 

「二人は二度寝してるの?ソラはともかくカナは珍しいな‥‥。」

 

そう言うと、軍人はマシロと一緒に一階の台所にむかいました。

 

 

 

 

一方で、カナとソラはと言うと、

 

 

「(///-///)」‥‥。

 

「(///ω///)」‥‥。

 

のびていました。(中破)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朝ごはん終了

 

今は軍人のコーヒーを飲む至福の時間です。

一方で、その至福時間が終わった後、誰が一番に軍人にかまってもらうか、既に戦いがはじまっていました。

 

 

カナ:横目でチラチラ。

 

ソラ:涙目で潤む。

 

マシロ:何かを考えている。

 

 

 

「ふぅー、‥‥そろそろかな‥‥。」

 

明らかにあの一角から獲物を狙う視線を感じるな。

でも、今日は用事があるから構ってあげられないな。

 

軍人がカップをテーブルに置いたその時です。

 

一斉に飛び出したカナとソラをマシロが捕まえました。

 

 

「ごめんね、二人とも‥‥。今日は用事があるから今はお預けで。マシロ、ありがとう!」

 

「(* ̄∇ ̄)ノ」グーサイン!

 

 

軍人は食器を片付けるとすたすたと何処かに行ってしまいました。

 

「ε=( ̄。 ̄ )」ふぅ

 

 

私は貴方のお役に立てて嬉しいです!

 

 

 

「「(★▽★)」」ギラン!

 

マシロは二人に押さえつけられました。

二人は目をギラギラさせています。

 

朝から色々邪魔されているのです。それに向こうは仲良くなるためにスキンシップを望んでいるのだから‥‥

 

 

「(>_<)」ひぃ!

 

 

「(★▽★)」ふふふふ!

 

 

こしょこしょ!こしょこしょ!

 

 

「(≧∇≦)」く、くすぐったい!

 

二人によるこしょこしょ地獄です。

ソラに押さえつけられてカナにこしょこしょされています。

 

 

「(≧∇≦)」はぁはぁ‥‥も、もうやめて!

 

 

 

「(★▽★)」ダーメ!

 

声が出ないの笑い過ぎて出る荒息だけが部屋に響くのでした。

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

潜水艦をモニタリング 12日目



なんと!この作品のお気に入り数が100を越えました!
こんな作品を見てくれてありがとうございます!


記念にヘタクソですけど、絵を書いてみました!
これからも応援よろしくお願いいたします!



【挿絵表示】






 

 

カナ達がスキンシップを繰り広げているその頃、

 

 

 

軍人はとある作業をしていた。

 

 

今潜水艦達が増えてきたが自分一人では、相手仕切れないし、そもそも現状遊ぶ手段が少ないと思った。

 

 

 

彼女達も遊びたい盛りのはずです。

 

 

そこで、この民宿は部屋はまだ大量に余っているのでいくつかを彼女達が遊べるプレイルームに改造しようと考えたのだ。

 

この計画は彼女達には内緒に行われた。

 

民宿の奥の方の部屋に手を加える事にして、そこに行く通路に柵を設けた。

 

 

ばれないように部屋の改修を行い、ショッピングモールから必要な物資を運んで来る。

 

たまたま使えそうなトラックが見つかったのではかどっています。

 

 

しかし、それでも並みの作業ではありませんでした。

え?別にばれてもいいじゃん?

 

 

ドッキリみたいな方が喜ばれるはず!!

 

 

かくして、少しずつ作業が終わり、昨晩夜通し作業を行ったのは作業の最終段階だったからです。

 

 

そして、今はトラックを使ってあるものを運び込んでいました。

 

 

「これをあそこに入れれば‥‥ボールのプールの完成だ。」

 

 

そう、軍人が運んでいるのは色とりどりのプラスチックのボールです。

 

これをプレイルームに改修した部屋の1つに作ったプールに入れてボールプールを作ったのだ。

 

他にもその部屋には小型のバスケットリングとバスケットボール、バランスボールなども用意しており、あらゆるボール遊びができるのである。これをボール部屋と命名する。

 

「カナが相当好きそう。」

 

 

他にもふかふかなカーペットを下に敷き詰めて、ぬいぐるみやクッションと言ったありとあらゆるもふもふした物で部屋を埋め尽くしたもふもふ部屋。(ソラがここの主になる。)

 

トランポリンを設置した部屋。

ゲームを大量に集めてテレビも用意したゲーム部屋。(これは私の嗜好。)

 

計4つのプレイルームを作った。

 

 

ボールを流してプールが完成、その後は、各部屋にカメラを幾つか設置しました。

 

彼女達の誰がどの部屋に最初に入るかや反応をモニタリングしたいと思って大量のカメラとモニターを準備、モニタールームを設置しました。

 

べ、別に変な事は考えてません。これも記録の一環です。

 

 

 

私は通路を塞いでいた柵を撤去したのち、モニタールームに待機します。ちなみにこの部屋は内側からロックしているので入ってこられません。

 

 

 

 

 

 

 

それからしばらくして、

 

まず最初に動きがあったのはボール部屋です。

 

 

やって来たのは予想道理でカナでした。

 

 

 

「(☆◇☆)!」キラキラ

 

文字どおり目を輝かせたカナはボールのプールに潜水を開始、それから浮上して来ませんでした。

 

 

「う、うん、喜んでくれて良かった。お、次がきた!」

 

 

次に反応があったのはもふもふ部屋です。

誰が入ろうとしている様ですけど、多分ソラかな。

 

と思っていたら意外にも入って来たのはマシロでした。

辺りをキョロキョロさせ誰もいない事を確認してから入りました。

 

そして、恐る恐るもふもふの海に迫ります。

 

「そう言えばまだマシロの好みチェックをしてなかったな‥‥、よし!今度連れていこう。」

 

 

 

マシロは自分と同じぐらいのサイズの熊のぬいぐるみを掴むとそのまま抱きつき‥‥

 

「(///∇///)」もふもふ もふもふ

 

か、かわい、いや!なんでもないです

 

 

マシロの意外な一面を覗く事に成功、ちなみにこれらの映像は自動録画済み!

 

ソラの姿は一向に見えず恐らくは寝ていると判断してモニタリングを終了。

 

早速もふもふ部屋と突撃しました。

 

私が部屋に入るとマシロは大慌て、急いでぬいぐるみを離しました。そして、まるで違うとでも言いたそうに

 

「∥(>_<)∥」首をふるふる

 

顔は白い肌が真っ赤になっています。

そんなに恥ずかしい事かな?私だって子供の頃同じ事をしてましたよ?

 

 

 

「マシロ‥‥隠さなくても見てたからね?」

 

この一言が余計だった。

マシロは涙目で怒り出し、私の事をポカポカ叩いてきます。

 

「(`□T)」バカバカ~!うえーん!

 

うん、全然痛くない!

 

 

うん?あそこのもふもふの海‥‥、かなり盛上っている、しかも今動いたような?

 

私はマシロを回避してその山の所を掘って見ると、

 

 

「(///ω///)♪」もふもふデラックス!

 

 

な、なんだと?!ソラが!ソラが輝いてる!

 

 

「え?てか、何でいるの?ずっとモニタリングしてたのに?!いつの間に?!」

 

 

「(///ω///)♪」もふもふハイパーズ!

 

ぐはっ!

軍人にクリティカルヒット!

 

ソラが見えない魚雷のカットインを決めました。

 

 

 

「ε=( ̄。 ̄ )」やれやれ

仕方ないのでマシロは軍人を引っ張っていきました。

 

軍人が次に目を覚ましたのは、夕暮れだったそうです。

 

 

 

 

その頃ボール部屋では、

 

「(≧∇≦)」きゃきゃきゃ♪

 

ボールを盛大に満喫していました。

 

 

 

 

 

 

 

 






普段陰気な子の煌めきには破壊力あり!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

とある航空兵のメモ帳 1ページ



外伝の外伝ってなんかおかしいですが、今回は何となく作っていた物を書きました。

いつもの潜伏艦の話ではないのであしからずです。


 

 

かつて日本は資源の殆どを輸入に頼っていました。

しかし、近年は日本近海や離島などで石油などをはじめとする資源が発見された。

 

これにより日本は資源を自国で賄えるようになったわけだがそうも簡単な話ではありませんでした。

 

 

深海悽艦の出現により海に出る危険が増した為、どこの業者も行きたくないのである。

 

そこで政府と軍は保証金と軍の護衛をつけることにしました。これによって業者も承諾して資源の開発がスタートしました。

 

 

私のいるこの島もその内の1つです。

 

 

他にもこの様な場所はいくつかあるからもしかしたら私のように取り残された軍属の人もいるのかもしれない。

 

私のはレアケースかもしれないけど、私のように深海悽艦との共存生活をしている所もあるのかもしれない。

 

もし、そんな人がいれば無事に本土に帰れたらお互いの苦労話(ノロケ話)でもしたいものです。

 

 

 

 

陸軍中尉の日記より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――

 

 

俺は日本国防陸軍の航空隊の隊長だ。

 

 

 

俺の部隊は今激しい戦闘の真っ最中だ!

 

この島の資源採掘基地の職員や島の民間人が逃げられるまでの足止めをしろとのことだ!

 

『後ろをとられた!うわぁぁぁぁ!!』

 

「田中!!クッソが!!!」

 

既に航空隊は俺を残して全滅。

 

 

クッソ!噂道理でこっちの攻撃があまり効果がない!

 

 

 

敵は白髪で赤い目をした足が物体にはまっている女性にその女性を囲むようにして浮かんでいるボールみたいな奴らだ。

 

ヨーロッパからの報告書によると女性は姫と呼ばれる存在で今名前を考えてるとか、ボールどもは浮遊要塞と命名されたばかりの奴らだ。

 

特に奴等は姫を攻撃しようとすると片っ端から盾になろうとする紳士的な奴らだ!

 

 

こっちにとっては迷惑だがな!

 

姫はたったの一機の戦闘機には興味がないのか採掘基地を破壊するとどこかに行こうとします。

 

 

「どこに行く!俺はまだぴんぴんしてるぞ!」

 

しかし、姫はそのまま水中へと消えてしまいます。

それに続いて回りの取り巻きも消え去りましたが一体だけ浮遊要塞が残っていました。

 

その浮遊要塞は対空射撃をしてきます。

 

「おお?お前だけか、俺に認識してくれるのは!面白い!お前に人間の意地を見せてやるぜ!」

 

隊長は急降下、あえて浮遊要塞に迫ります。

 

浮遊要塞は相手が自殺をしに来たと考えた。そんな事をしたら射撃の餌食なのにと

 

 

しかし、どうしたことか?

射撃が1発も当たらない。敵はどんどん迫ってくる。

 

 

浮遊要塞はここにきて向こうの意図が分かりました。

 

 

特攻

 

 

太平洋戦争末期に追い詰められた日本軍が取った戦法

この人間も追い詰めあれたから焼きが回ったのか!

 

 

そうとわかった浮遊要塞は必死に射撃、なんとしてでも落とそうとします。

 

 

しかし、間に合わなかった。

 

 

一方で隊長は、

 

 

「現代の飛行機はな!脱出機能があるのだよ!」

 

はなから特攻して死ぬ気はありませんでした。

隊長はパラシュートで脱出しました。

 

 

 

機体は浮遊要塞に激突!

 

浮遊要塞は黒煙を上げながら島の浜辺に墜ちます。

 

 

 

パラシュートで浜辺に降りると隊長は拳銃を持って要塞に迫ります。

 

「どうだ!化け物!これが人間の意地の力だ!」

 

 

さぁーて?これからどうしたものやら。船でも探して島から出ないとな、あればいいけどなぁ。

 

「せっかくだし少しコイツを観察するか?」

 

そう思って軽く要塞を叩いた時でした。

 

 

パッカーン!

 

 

要塞が真っ二つに別れました。

 

 

 

そして、別れた中から思わぬ者が出てきました。

 

 

 

 

 

「( ̄□|||)」ガクガク ブルブル

 

まだ幼い子供だ。白い肌に赤い目をしていて、肩まである白髪に小さなツノが生えている。

 

そんな一見見ただけでも人間の子供ではない幼女が真っ青になって怯えているのだ。

 

 

えぇぇぇぇぇぇ?!

 

 

「これをどうしろと?」

 

触れようとするとビクッと怯えてしまう。

 

 

「( T△T)」しくしく

 

挙げ句の果てには泣き出してしまった。

泣きたいのは此方だ!

 

 

ええぃ!俺はまだ独身で子供を持った経験なんて無いんだぞ!

 

そういえば田中は子供がいると言ってたな‥‥

田中ー!何故死んだ!!

 

 

そう思っているとふと考えてしまった。

 

部隊の隊員がみんな死んだのは、こいつらのせいだと。

みんなこいつらに殺されたと。

 

俺は思わず拳銃を幼女に向ける。

 

 

「( ̄□||||!!」はわわわわ!

 

幼女はあわてふためく。

 

しかし、彼は撃たなかった。

 

 

「撃てるわけないだろこんなの‥‥反則だろ‥‥」

 

 

「( ゜o゜)」ポカーン

あれ?撃たないの?

 

 

「恐がらせてごめんな!もうヒドイ事はしないからな!」

 

俺はそっと彼女の頬に触れた。

 

すると彼女は俺のその手を両手で押さえつけるようにしてきた。

 

「(//∇//)」ほっこり

 

どうやら安心してくれたみたいだな。

 

 

「よいしょっと!」

俺は彼女をおんぶした。

 

「お前を始末する気にも軍に引き渡す気も全くしなし、逃がす事にするわ。俺が脱出するまでの短い付き合いだけどよろしくな!」

 

「(//∇//)」コクリ

 

 

しかし、短い付き合いではすみませんでした。

 

 

 

 

 

 

「なん、だと?船が1隻もない?!」

 

どうするんだよ?!これ、救援が来るまで待たないといけないやつじゃないか?!

 

 

「( ゜o゜)」大丈夫?

 

彼女が服を引っ張る。

 

 

「お、おう、お前か‥‥。俺はまだ帰れそうにないがお前はもう帰ってもいいぞ!見逃すって言ったし。」

 

しかし、彼女は側を離れようとしません。

 

「もしかして‥‥お前も帰れないのか?」

 

「(T△T)」コクリ

 

「泣くなって、そうか‥‥お前も帰れない口か、一緒にいるか?」

 

「(//∇//)」こくこく!

 

 

あー、短い付き合いだと思ってたけど長い付き合いになりそうな予感がしてきた。

 

幼女と二人っきりのサバイバルとかラノベかよ!

それも深海悽艦とか記録でもしといてあとで学者に話してやったら喜びそうだなオイ!

 

 

お、ちょうどポケットにメモ帳があった!

 

 

 

 

「しっかしな!浮遊要塞の中身が幼女とはな‥‥。」

 

「( ゜o゜)」キョトン 首かしげ

 

 

かわいいなオイ!

 

 

さてと、これからそんなかわいい子と一緒な訳だが、

流石に浮遊要塞とか幼女とかの呼び方はヒドイよな。

 

 

 

「お前‥‥名前とかある?」

 

「( ゜o゜)?」キョトン 首かしげ

 

あ!もしかしてコイツら名前ない?

 

 

「名前‥‥ないのか‥‥、なら俺がつけてもいいか?」

 

「(^∇^)」こくこく!

 

そうだな‥‥浮遊要塞だから‥‥

 

 

 

「ユウなんてどうだ?」

 

「(≧∇≦)」にっこり!

 

どうやらオーケーのようだな。

 

 

「お互い帰れるまでよろしくな!」

 

 

 

 

 

 

 

中尉の思ってたいた通り、ここでも深海悽艦との共生が起きていました。

 

 

 

 

 

 

 

 




この話‥‥、続くか続かないかは、みんな次第で‥‥


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

とある航空兵のメモ帳 2ページ



本当は出す気はなかったけど相談役の友人から作ってあるなら出せ!と脅されました。

続くかは皆様次第で‥‥


 

 

私ははじめ、彼が怖かった‥‥

 

 

 

 

 

私達ははじめから姫様の盾として造られました。

 

なのでありとあらゆる場面などに運用、適用できるように様々な艦種の負の念を集められて造られました。

 

そんな私達は姫様の代わりに傷を負うこと前提な為、感情はありません。

 

 

 

私は泊地棲鬼様の配下になりました。

このお方は姫様の中では私達に優しい方です。

 

 

その日は姫様に連れられてある島を攻撃します。

それが命令だから仕方ない。

 

 

人間が攻撃して来ます。

姫様の攻撃は全て庇います。

 

そもそも姫様は私達以上のバリアがあるのだから必要ないと思うけど、きれいな姫様に傷をつけるわけにいかない。

 

 

しばらくして、人間の兵器と基地は壊しました。

 

姫様は帰れると言いました。

 

しかし、まだ空に一機、まだいました。

 

 

 

「お前、後片付けを」

 

私が命じられました。

 

所詮は人、人間の爆薬や鉛玉なんて怖くないです。

 

私は対空射撃を行います。

早く帰らないと‥‥、うちの姫様は優しいけどこれが他の姫様だと壊される。

 

 

しかし、その機体に攻撃が当たりません。

全て回避されています。

それどころか向こうから迫ってきます。

 

 

それでも当たりません。

 

こんなベテランがわざわざ爆撃機でもないのに接近してくる理由はなに?

 

 

 

すると彼女を構成している負の念の記憶が甦ります。

 

 

突っ込んでくる日本機、燃える艦橋、乗員の流れる血と叫び声‥‥

 

 

特攻

 

 

 

 

 

彼女は生まれてはじめて恐怖を感じた。

 

いけない‥‥あれだけはいけない!

 

あれは喰らっていけない!

 

 

 

彼女を構成する負の艦の記憶がそう叫びます。

 

私は必死に射撃をします。

 

しかし、間に合わなかった‥‥

 

 

 

 

案の定、私は大損害を受けた。

でも、なんで?バリアは?

 

 

彼女もこの時点では人間も知らないが、深海悽艦には『特攻』が存在する。

 

 

ある攻撃はある艦のバリアを無効にして貫通する原理だが、そんなのは彼女には関係なかった。

 

 

おそらく彼女を構成しているものに特攻し沈められた艦の負の念が混じってたのだろう。

 

 

はじめて恐怖を覚えた彼女は自我が芽生えた。

 

そして、自我の目覚めた私の中に彼女が形作られた。

 

 

 

人間がこっちに来る。

 

人間が体を叩いた。

 

すると、体は真っ二つに割れてしまった。

 

 

 

なぜ?私の体は今割れた。

なら今の私は?

 

 

気付くと私は別の形をしていた。

 

まるで姫様を小さくしたような‥‥

 

 

人間が武器を向けてる。

 

 

こ、怖い!

 

 

恐怖が溢れてくる。

 

これまで無縁だった恐怖という得体のそれない感情は更なる恐怖を生み出し、それを知らない事による恐怖はまた更に恐怖を生み出し続ける。

 

 

 

怖い、怖い、怖い、怖い、怖い、怖い

 

 

 

 

 

人間がふと武器を下ろして苦しみ始める。

何故だ?

 

 

 

そして、しばらくして人間の顔に殺意が出る。

 

私は覚悟した。

 

今度こそ殺られる!

 

 

 

 

しかし、またしても裏切られた。

 

 

人間は武器をしまった。

 

 

そして、話しかけてくる。

 

 

 

「恐がらせてごめんな!もうヒドイ事はしないからな!」

 

 

そして、彼は私の頬を撫でてくる。

 

 

この体になった事ではじめて感じる感覚だ。

 

 

だけど、どこかに懐かしい感覚だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今日もお疲れ。よくやったお前達‥‥」

 

姫様は大規模な攻撃が終わると私達を誉めてくれた。

そして、何体もいるのに撫でてくれたのだ。

 

 

そうだ!あの感覚だ!

 

姫様に撫でてもらったあの感覚だ!

 

 

そう思うと途端に安心を覚えた。

 

 

それにより恐怖も薄れはじめた。

 

 

 

今日ははじめてなことばかりだ。

 

 

恐怖も安心もこの人間がはじめて与えてくれた。

 

 

気が付くと私はまた新しい感覚を覚えたらしい。

 

ならば、もはや姫様の元に帰れそうにないし、

この感覚に従ってこの人間の元に居るとしよう。

 

 

 

 

こなみにこのユウと名付けられた彼女はのちにこの感覚を好意と知る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

マシロの好みは? 13日目



筆者がいつかやりたい事。

キャラ人気投票。


 

 

この生活が始まって41日目。

 

 

私はトラックに乗っていつものショッピングモールに向かっています。何?いつも徒歩だったのにどうした?

 

流石に3人も持てません。

 

とま、独り言はここまでにして、

 

今回の目的は恒例となってきた好みチェックです。

今度はマシロの好みを知ろうと思ったが、

 

正直マシロはわかりづらい。

 

 

普段は大人しい子だ。

 

そして、気づかいができ、時々大人びて見える。

と思ったら甘えてきて子供ぽかったり‥‥

 

そして、彼女の1日を見ても、

 

カナと一緒にバスケットゴールにシュートしたり、

(カナのボールは弾かれてカナの顔面強打。マシロはスリーポイント。)

 

 

ソラと一緒にもふもふしたり、

(ソラは昼寝に入り、マシロはもふもふで輝きを強めカットインを決めにくる。)

 

 

 

なんだか二人の好みに合わせてばっかりだったが、

よくよく考えれば彼女の好みなんて知らなかったからその指向の部屋を作ってないのだ。

 

 

 

よって、今回の任務は彼女の好みを把握すること!

そして、この部屋を作るための資材を運ぶこと‥‥

 

 

「みんな、見てきていいよ!」

 

 

「(≧∇≦)♪」

 

「(/▽\)♪」

 

「(  ̄▽ ̄)♪」

 

 

 

さーて、観察開始!

 

 

 

 

 

ん?ソラが人形かな?ああ、さわるとしゃべるヤツだ。最初は驚いてたけど気に入ったみたいで抱いて遊んでる。

 

「(/▽\)♪」ふふふ!

 

 

さて、他の子は‥‥

 

おい!カナ!その手のに持っている箱は何だ。

 

まさかまたあれか!

 

ダメでしょうが!またソラを脅かす気か?この子は!

 

「カナ、それを置きなさい。」

 

 

「( ´△`)」うるうる だ、ダメなの?

 

 

ぐっ!し、しっかりしろ私!

 

「ダメ!」

 

「(´・ω・`)」しゅーん‥‥

 

カナはしぶしぶ物を手から離しました。

 

 

ふぅー、危ない危ない‥‥

 

 

さてと、本命のマシロは‥‥

 

 

あれ?いない!

 

あの子達はまだここで遊んでるから急いで探しに行かないと!

 

 

どこに行ったのだろうか‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

「‥‥‥‥。」

 

彼女を見つけました。

 

彼女は服屋にいました。

なんでまた?

 

「(//∇//)」はぁぁぁ

 

 

その時の流行りのファッションがマネキンに着せられて飾られています。

 

そう言えば、私も軍に入ってからお洒落してないなぁ‥‥。はぁぁぁ。

 

 

「マシロ!」

 

「∥∥∥( ̄□||||)∥∥∥」ふるふる

 

ち、違うからね!

 

何が違う。

 

 

「いーや、マシロも女の子だからな。服に興味あるのか?」

 

 

そもそも深海棲艦はこういった事に興味はない。

しかし、完成した潜水棲姫はお洒落意識があるそうで、本当ならソ級に似た服装になるはずがワンピースになったそうです。なのでやりそこないの彼女もその意識があるのかも知れないがこれは彼女達の知るところではない。

 

 

「(  ̄▽ ̄)」コクリ!

 

「なら色々着てみれば?」

 

 

 

「(≧∇≦)♪」やったー!

 

 

その後本人も大喜びの着せ替え人形がはじまりました。

 

 

 

 

 

その後、マシロは別の店にも寄り、その様子を見ていると、お香を欲しがりました。あ!確かにいい臭い!

 

あれ?マシロ女子力高い?!

 

 

 

私がお香に気をとられてる隙にマシロはある物をこっそりゲットしていました。

 

 

 

とりあえず数種類のお香を手に入れて、私は本屋によってまたいくつか持っていきます。

 

そうだ。次は書庫を作ろう。

 

 

 

 

帰りのトラックの中

 

 

「(-.-)Zzz・・・・」すー、すー

 

「(/△\)zzz」すやすや すやすや

 

「(-_-).。oO」うつらうつら

 

 

寝ちゃった‥‥。

 

 

疲れたのかな?

いっぱい遊んでたからな‥‥

 

 

晩御飯まで寝かしておくか。

 

この時軍人は見逃していたが、マシロが入手した物が新しい事件を巻き起こすのであった‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

 





もしやるとしたら、この話の登場人物は‥‥

中尉(軍人)、カナ、ソラ、マシロ、
集積地棲姫、研究チ級、連合軍指揮官。

隊長、ユウ、田中、泊地棲鬼

ですね。まともな選択肢が少ない‥‥



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

釣りは命がけ 14日目



UAが10000を超えてました。
これからも視聴、感想をよろしくお願いします!



【挿絵表示】



 

この生活が始まって42日目。

 

 

私は今前にマシロを助けた砂浜に来ています。

 

目的は潜水艦達の泳ぎの練習です。

 

カナは練習のかいあって比較的上手なのだが残る二人がてんで駄目なのだ。

 

 

だから今カナが先生になって水泳の特訓です。

 

 

私は岩場に折り畳み式の椅子と釣具、カナ達が溺れた時用に紐をつけた浮き輪を持ってきていた。

 

 

もし溺れたらこの浮き輪を投げて、それに掴まったところを引っ張る寸法です。

 

 

 

「(>.<)y-~」バサバサ バサバサ

 

「(  ̄▽ ̄)」いいよ いいよ!

 

ソラが顔を水につけて足を動かし、それをカナが手を引いている。

 

マシロは浅い所でまず慣れる練習からしている。

 

あ、ちょうどマシロの所に大きな波が‥‥

 

 

 

「( ̄□||||!!」

 

マシロは逃げ切れず波に飲まれて、浜に打ち上げられた。

 

「(ー_ー;)」‥‥

 

「マシロ、頭にワカメついてるよ。」

 

私が指摘するとマシロは頭に張り付いていたワカメを取り除くと思いっきりなげました。

 

そして、そのワカメがカナの顔に当たりました。

 

「!Σ(×_×)!」

 

カナは突然の事に慌てます。

そして、その際にこれまで握っていたソラの手を離してしまいました。

 

 

「(/≧◇≦\)」ゴボゴボ た、助けて!

そうなるとまだ一人で泳げないソラは溺れてしまい、沈みかけています。

 

 

私は助けに入ろうとしましたが、その前にカナがソラを救出しました。

 

 

「(/△\)\(-_-)」怖かった~ よしよし

 

 

 

あちらはまだ大丈夫そうだ。

 

なので私は釣りに専念する。今晩の晩御飯の一品にしようと思う。

 

 

 

今回使っているのは糸を浮きを使ってかなり沖の方までやる仕掛けの物を使っている。初心者の私が使える物ではないと思ったけど、沖の方が大きいの居そうだから。

 

 

 

「ふぁ~、釣れない‥‥。」

釣りはこうして魚がかかるまで待つのが醍醐味らしいけど何が楽しいのやら。

 

もう大分時間が経ったけどいまだにヒットがない。

 

なので、そろそろ引き上げようと思った時でした。

 

 

「か、かかった!重たい‥‥」

 

これはかなりの大物に違いない!

マグロかな?カツオかな?てかそんなの釣れるの?

 

何にしても大物に違いない。

私は思いっきり引き寄せるがなかなかうまくいかない。

 

それどころか、こちらが引っ張られている。

 

「ぐぬぬぬぬ!」

 

負けるか!

 

しかし、その時でした。

 

「あ!」

 

私は海に落ちました。

クソ!引っ張られてる!竿を離したけど糸が手に絡まって取れない!

 

そして、次第に糸の先、針にかかった獲物が見えました

 

「!!!」

 

なんとかかっていたのは深海悽艦だ!

 

 

駆逐艦クラスのイ級だ!最も数が確認されていて、その大きな口から、イれ歯と海兵が揶揄している。

 

 

まずい!このままだと私が喰われる!

 

私に気づいたイ級はその大きな口を開けて迫って来ます。糸で引っ張られているし、仮に取れても泳いで逃げるのは不可能。そもそも私は泳げない!

 

「かっは!ひぃ!」

 

今にも沈みそうな私にイ級は容赦なく迫る!

 

だ、ダメだ!し、死ぬ!

 

 

「うわああああ!」

私は目をつむります。

 

 

しかし、私は喰われなかった。

 

 

 

「(`□´)!」

カナが私とイ級の間に入ります。

 

魚雷発射!!

カットイン!そして、クリティカル!

 

「グガガガガ!」

 

イ級はカナの魚雷により轟沈、そのまま沈んでいった。

 

 

「た、助かった‥‥」

私は一安心しましたが、ここはまだ海です。

 

「お、溺れる!」

バサバサバサバサバサバサ

 

しかし、これもなんとかなりました。

 

カナ助けてくれました。

 

 

「( ;∀;)」無事でよかった‥‥

 

カナは泣きながら私に抱きついて来ます。

 

 

「心配かけてごめんね‥‥助けてくれてありがとう、カナ。」

私はカナを安心させるために頭を撫でてやります。

 

「(≧∇≦)」

 

 

そして、陸から私が用意した浮き輪が投げられます。

ソラとマシロです。

 

私がそれに掴まると二人は思いっきり引っ張ります。

まさか私を助けるのに使う事になるとは‥‥

 

 

「(  ̄▽ ̄)!」

 

「(/▽\)!」

 

陸に上がるとよほど心配してくれてたのか、二人は私に飛びついて来ました。

 

ま、待って!

また海に落ちちゃうから!

 

 

無事だったのがそんなに嬉しいのか二人とも顔をすりすりしてきます。

 

しかし、それを見てカナはジェラシーを起こします。

 

 

「( ̄^ ̄)」むー、助けたの私なのに!

 

すると、カナは後ろから抱きついて来て、私は潜水艦達にだんご状態になった。

 

 

「もう、釣りはこりごり‥‥。」

 

 

軍人はもう二度と釣りはしないと心に決めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

お風呂 15日目



前回の続きです。
感想御待ちしております!


 

 

釣りで散々な目にあった私達は拠点に戻るとお風呂に入る事にしました。

 

海水でべとべとだからな。

 

 

 

この私が拠点にしている海猫荘は何と温泉があるのです!なので大きな湯船がありみんな楽に浸かれるのです。

 

 

 

今私はカナの頭を洗っている。

 

「(≧∇≦)」気持ちいい!

 

 

まだ私とカナだけのころは一人分で済んでいましたが、今は三人いるため結構大変です。

 

 

特に三人は順番を競うものだから‥‥

 

 

「( ̄^ ̄)」

 

「(ー_ー)」

 

 

順番待ちの二人は湯船で不貞腐れています。

特に最後のマシロはそれはひどい不機嫌で‥‥

 

 

 

 

「カナ。流すから目瞑って。」

そう言ってカナが目を瞑ると私はシャンプーの泡をお湯で流します。

 

 

「はーい、終わったよ。次はソラだったかな?」

 

 

「(/▽\)」こくこく♪

 

 

ソラが湯船から上がりカナと入れ替わろうとします。

 

しかし、彼女が足をおいた所にはなぜか石鹸が‥‥

 

 

「あ!ソラあぶない!」

 

しかし、間に合いませんでした。

 

 

「Σ(゜Д゜)」つるん

 

ソラは足を滑らせて頭を思いっきりぶつけました。

 

 

「(≧◇≦)」うわーん!

 

ソラは泣き出しました。よく見ると頭にたんこぶが‥‥

 

 

「ソラ!大丈夫か、ほ、ほら!痛いの痛いの飛んでいけ~!」

 

私はソラを抱きかかえるとソラをあやしながら状況を確認します。

 

たんこぶは処置が良ければ早く治るから。

 

 

うん、思ったよりこぶは大きくない。

普通は人間の子供がやってたらこれぐらいでは済まない。やっぱり潜水艦とは言え深海棲艦、丈夫だな。

 

 

衝撃で脳がダメージを受けたなどは無さそうなので、普通の処置でいいはず。

 

 

「カナ、悪いけど氷のうに氷入れて持ってきて。」

 

「(  ̄▽ ̄)」こくこく!

 

カナは一足先に上がりました。

 

 

 

「ソラ、今日はもう上がろうか。」

 

「(/△\)!」がーん

 

ソラはそ、そんなとでも言いたそうな顔をしている。

 

 

たんこぶが出来ているということは、内部で出血が起きていることなので、冷やすことによって血管を収縮させることが出来るので、たんこぶが大きくなるのを防ぐことができる。しかし、逆に温めるのは血管を膨張させるので悪化させかねない。

 

なので今日はもう湯に浸からない方が良い。

 

 

しかし、それはお風呂と頭を洗ってもらう事が好きなの彼女らにとっては死刑宣告も同然でした。

 

 

「(/△\)」しょんぼり

 

 

「明日は一番に洗ってあげるから。」

 

「(/▽\)♪」やったー!

 

 

私達も風呂から上がった。

 

 

「(  ̄▽ ̄)」持ってきたよ

 

私がソラを拭いている時にカナが氷のうを持って来ました。

 

「お、ありがとうカナ。」

 

私はお礼に撫でてやります。

 

「(≧∇≦)」きゃー♪

 

 

「さてと。」

 

私はソラのたんこぶに氷のうを当てます。

 

「!Σ(×_×)」びっく!

 

痛い所に冷たい物を当てる時の痛みがソラを襲います。しかし、ソラよ。耐えてくれ。

 

 

「(/□\")」い、痛いよ~!

 

 

それからしばらくして、リビングでゆっくり冷やした後に、

 

「はい、頑張った。」

私はソラの頭に砂糖を塗りました。

 

何故砂糖を塗ったのかと言うと、砂糖には細胞の硬化を緩める効果があり、細胞が緩くなることで、血流がよくなったり、腫れが引きやすくなったりの効果があるらしい。私もこぶを作った時におばさんによくされたものだ。

 

 

従姉の家は家族みんなが医学部だからな。

 

 

「はい、頑張ったご褒美。」

私はソラにオレンジジュースをあげました。

 

「(/▽\)♪」やったー!

 

ごくごく

 

良い飲みっぷりだと思った。

 

さて、何か忘れてる気が?

 

 

 

 

 

 

一方、風呂場

 

 

 

「(χДχ)」くらくら

 

マシロは自分の順番をひたすら待っていたが、

いつまで経っても戻らないので彼女は完全にのぼせてしまいました。

 

そして、軍人はその看病に勤しむ事になるのだった。

 

 

 

 

 

 







目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

にゃんてこった! 16日目



今回はさらに前回の続きです。





 

 

私は寝ていた。

 

私は疲れたのだろうか。

先ほどからここにはいないはずの子猫の鳴き声がする。

 

 

目を開くと私をのぞきこむ顔があった。

 

 

 

「なんだ‥‥カナか‥‥。」

しかし、次の瞬間に私は驚く羽目になった。

 

 

「にゃん!」

 

‥‥‥‥にゃんだと?

 

 

待ってよ!カナって今まで喋らなかったよね!?

その最初の言葉が「にゃん」だなんて?!

 

可愛すぎだろ!!

 

 

「にゃ~ん♪」

 

「おお、カナどうした?」

 

私はまた驚いた。なんと、言葉だけでなく、カナには猫耳が生えていた。

 

「おお、おい!カナ!本当にどうした?!」

 

「にゃん?」( -_・)?

首かしげ

 

 

首かしげてのにゃんとか強すぎだろ。

ノーマルでもカナのは強力なのに‥‥

 

 

かわいいのでいつも通り、撫でる事にする。

 

いつも通りに頭を撫でろうと思ったが猫なので、頬っぺたを軽く撫でてやります。

 

 

「にゃ~♪」(≧∇≦)

気持ちいい

 

私はすかさずにあごの下をコチョコチョとかいてやります。

 

そして、そのまま首周りをカリカリして、耳の後ろをかいてあげました。

 

「(//∇//)」癒される~♪

 

カナはしっぽを大きく振らしてます。

 

 

いやいや癒されるのはこっちだけど。

完全に猫になってる。

 

てか、しっぽもあった。

 

 

 

一通りカナを満足させると彼女は寝てしまいました。

猫みたいに丸くなって。

 

 

かわいいので思わずカメラを探したが見つからないのでそろそろ真面目に考えようと思う。

 

何故カナが猫になっている?

 

 

確か今日は私がイ級に食べられそうになったり、お風呂の時にソラがたんこぶを作ったりしたが‥‥、思い当たる事がない。

 

そう言えば、ソラとマシロは?

 

 

 

私は隣の部屋に行きました。

すると、カナと同じく黒い耳を生やしたソラがいました。

 

「ソラ!無事?だったか。」

 

私がソラに近づくとソラは逃げてしまいます。

ああ、たまに聞くスキンシップを取ろうとしたら猫に逃げられるやつだ。

 

 

「ならば!」

私はある物を取りに行きます。

 

「みゃん?」( -_・)?

ソラは何事だと思います。

 

 

「ソラ~、こっちにおいでよ~」

軍人が戻って来ました。

ソラ猫も呼ばれたかと言って来るはずありませんでした。しかし、

 

 

「ほれほれ、もっふもっふの猫じゃらしだよ~」

 

「み、みゃん!」(`Δ´)

ぷるぷる ほ、欲しい!

 

ソラ猫もやはりはソラ。もふもふには勝てなかった。

 

「にゃんにゃん!」(≧∇≦)

我慢できない!

 

ソラは猫じゃらし逃げて引っ掛かりました。

 

「(///ω///)♪」

必死に猫じゃらしを追いかけます。

 

か、かわいい‥‥

 

もふもふ+猫+キラキラ

 

ソラはこれまでにない輝きを放っていた。

 

 

夜戦カットイン!発動!

 

 

「みゃ~ん♪」(///ω///)♪

 

ぐはっ!!!

中尉、大破判定

 

 

猫じゃらしをソラにあげてその場を離れる。

刺激が強すぎる‥‥

 

 

離れた先にはしっぽをパタパタ素早く振っているマシロがいました。

 

マシロは白猫ですね。

 

 

 

あのしっぽの動きからするにあれは起こってるな。

機嫌の悪い時には下手に近づいたりして怒らせたりしない方がいいな。

 

私はとりあえず機嫌の悪いマシロ猫をそっとしておいて、何故このような事が起きたのかを考える事にした。

 

 

うーん。やっぱり分からない。

 

 

しかし、私が考え事をしていると、マシロ猫が叩いてきました。

 

「痛い!」

 

「(`Δ´)」ふん!

 

先程より機嫌が悪そうです。

何が行けなかったのだろう。

 

マシロは相当怒っているのか爪を立ててきました。

 

「わ、わかった!わかった!起こらないで!なにして欲しいの?」

 

するとマシロはしっぽをピンと立てました。

 

 

猫がしっぽを立てるのは、エサが欲しい時、遊んで欲しい時、甘えたい時だったはず。

 

マシロは私に何か要求している。

あるいは期待している。そうなのね!

 

あれ?しっぽってこんなコミュニケーションの為に使うものなの?

 

 

その後、エサを用意しようとしたらまた猫パンチを食らったので、かまって欲しいと判断して、喉を撫でたりなどいろいろしていたらマシロはかなりご満悦でした。

 

 

「(//∇//)」ほぁ~ん

 

膝の上に猫を置いて撫でる。

マシロはそんなに気持ちいいのか寝ちゃってます。

 

 

 

あー、幸せ。

 

私は猫カフェなどには行ったことないけどこんな物なのだろうか。

 

よく見たらマシロの手に肉球が‥‥

 

プニプニして気持ちいい‥‥

 

 

 

しかし、そんな幸せは長続きしません。

 

 

マシロがふと目を覚ましました。

そして、しっぽをブワッと膨らませました。

 

これは、猫が猫同士で喧嘩して攻撃態勢に入った時や、驚いた時になるものです。太くすることで自分の身体を大きく見せているそうですが‥‥

 

 

隣の部屋からカナとソラが来ました。

 

彼女らのしっぽも膨らんでます。

 

あ!まさか縄張り争い?

なんで?

 

 

 

 

 

「ふにゃー!」(`Δ´)

その膝よこせー!

 

「みゃおー!」(`□´)

私が寝るの!

 

「にゃーお!」(`ヘ´)

ここは私の寝床なの!渡さない!

 

 

本人は気付いてないが、軍人の膝をめぐる争いです。

 

 

 

3匹の猫が一斉に飛びかかります。

 

互いに譲る気はないです。

 

 

しかし、その時すでにカナのジェラシーはMaxです。

 

「にゃー!!」

カナは魚雷を発射!

 

待って!こんな部屋の中でやったら深海悽艦のカナ達はともかく、私が死ぬ!

 

 

「ぎゃあああああ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ!」

 

目覚めるといつもの布団の中でした。

カナが心配そうにのぞきこんでいまして。

 

 

実は、軍人がかなりうなされてたのでしんぱいになって見に来たのだ。

 

 

 

「ゆ、夢か‥‥良かった‥‥」

 

まぁ、でも猫耳のカナ達もかわいい過ぎたな‥‥

 

 

 

 

 

実は、軍人が拠点にしている海猫荘は、海猫なのに何故かすごい猫の夢を見ることで資源開発の前から猫好きの間に知られていて、隠れた名所だったのです。

 

その事を今の軍人が知るはずはない‥‥

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

とある航空兵のメモ帳 3ページ目



お久しぶりになりました!
作者は風邪で倒れてましたが無事?に生還しました!


 

 

「腹減ったな‥‥」

 

隊長こと陸軍大尉はある問題に直面していました。

それは、食糧問題である。

 

この島は元無人島で民間人はその施設の整備などを受け持つ業者などで建物は採掘基地と軍関係の施設しかない。それらを破壊された為、助けが来るまでどうやって生き延びるかが問題となった。

 

 

 

 

「腹が減っては戦は出来ぬ、まずは食料を得なければ!ユウ、お前も腹減って‥‥」

 

隊長は後ろにいるはずのユウを見ます。

するとユウは、

 

「ボリボリ ボリボリ」

廃墟に転がっている鉄や弾薬を食べていました。

 

「ごくごく ごくごく」

そして、最後に車両用の燃料を飲んでいました。

 

 

 

「おぁぁぁい!何食べてるんだよ!」

 

「(゜.゜)?」きょとんと

 

あ、あれ?何ともないの?あれを食べて?

深海棲艦だから?そういえばアイツらは大砲とか積んでるから補給どうすんだろうと思ったけど直接食べてたのか‥‥、てことは、ユウにとってはこれが普通の食事?

 

 

彼のパイロットとしてのカンが瞬時にこういう結論に至らしめた。

 

 

しかし、鉄とかが美味しいわけがない。

いくら深海棲艦とはいえどもこんな小さな子がこんなものを口にしているのを見るのは俺には耐えられなかった。

 

「待ってろ!俺がそんな物よりも旨い物を食べさせてやる!!」

 

「( -_・)?」

 

 

 

 

 

隊長達は海に来ました。

隊長は何故かふんどし姿で片手には在り合わせで作った銛が握られています。

 

 

「(゜Д゜)」ポカーン

 

 

 

「待っていろよ!今旨い魚をとってくる!!」

 

彼は念入りに準備体操をしたのちに、

 

「行くぞー!!!海へ!ドーン!!」

 

隊長は掛け声とともに海にダイブしました。

 

 

 

ここからは隊長と海の生物達の戦いが幕開けです。

 

隊長がまず目に付けたのはカラフルな魚。

よーく狙いをつけるも‥‥、魚は銛に気付いて逃げてしまった。

 

仕方なく次に狙ったのは岩影に隠れているやつだ。

そーと近づいて銛をはなった。するとやつは銛に刺さっていた。逃げようと抵抗するものの銛は外れず、隊長はそのまま海面に上がり、

 

「捕ったどー!!」

 

と、叫び銛を高くあげました。

銛の先にはあきらめてぐったりとしたタコが墨を吐いていました。

 

 

タコを仕留めた隊長は陸に上がりました。

 

「久々の素潜りで疲れた!」

 

しかし、タコ一匹では俺はおろかユウが満足できるとは思えないな。ならばもう一度潜りに行くか。

 

 

「はぁ~」

 

しかし、それを見ていたユウはスタッと立ち上がりました。

 

 

「ユウ?どうした?」

 

ユウの回りが突然光だしました。

そして、ユウは浮遊要塞の球体を召喚していました。

そして、彼女の肩などには高角砲のような物が装備されていました。

 

ユウは近くにあった漂着ゴミの網を拾うと球体に乗ると海に出ました。

 

 

「な、なにやってるんだ?」

 

 

そして、ユウは球体の口から数機の爆撃機を発艦。

 

十分離れた所で爆撃機は爆弾を投下。

海中で爆発が生じました。その爆発で何匹かの魚が浮いて来ました。それを先程拾った網で掬い上げました。

 

 

「え、ええ?!」

 

大の男がいたいけのない少女に負けたと感じました。

 

 

たくさん魚を捕まえて来たユウは魚を入った網を隊長に渡しました。

 

そして、なぜか急にもじもじしはじめました。

 

 

「(//_//)」もじもじ

 

ユウは何を何をしたいのだろうと思ったが彼のパイロットのカンが答えを導きました。

 

これは子供が誉めて欲しい時のやつに違いないと。

 

 

「ユウ大手がらだなぁ!お疲れ!」

隊長は誉めてあげてついでに頭に手を置いた。

 

 

「(゜.゜)」‥‥。

 

はじめはユウは無反応でしたかが少し考えて、

 

「(//∇//)」にっこり

 

とても嬉しそうににっこりしました。

 

 

 

その後は、捕まえた新鮮な海の幸を火で焼いて召し上がる事にしました。

 

 

「ほれ、暑いからな。」

隊長はいい具合に焼けた魚をユウに手渡します。

 

「(゜.゜)」じー

 

ユウは食べた事がないのか魚をじっと見つめます。

そして、意を決してのか、がぶりと魚にかぶりつきます。

 

「もぐもぐ」

 

「どうだ?旨いか?」

 

ぽたり

 

 

ぽたり、ぽたり

 

 

「(T▽T)」ぽろり ぽろり

 

ユウは涙をこぼしていました。

とても幸せそうに

 

 

「ゆ、ユウ?!だ、大丈夫か?!」

 

隊長は突然の事に戸惑います。

そのあとも他の魚やタコにかぶりつく度に嬉し泣きをしてしまったので驚いた半面、喜んでもらえた事に対する嬉しさを感じる隊長だった。

 

 

 

なお、後日隊長は魚を諦めて貝などに狙いを変更したのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

sidestory1 外交官の苦難



実は考えてたけど没になった設計がかなりあったので隊長さんとは別の特別回として出させてもらいます。

感想御待ちしております!


 

 

 

まだ日本が深海棲艦との大規模な戦闘を経験する前のことです。

 

 

ヨーロッパ各国が深海棲艦と戦って苦戦している中、国土を山に囲まれ内陸に位置する永久中立国のスイスはある決断をしたのだった。

 

 

 

 

「我がスイスはこの戦争においても中立を選ぶ!」

 

 

 

 

 

スイス政府は中立を保つ事を決め、議会は秘密裏に深海棲艦に中立を容認して貰おうと接触を試みる事にした。

 

もしばれたら周辺国から袋叩きにされかねないので国民にも内緒で行う必要があった。

 

 

 

そこで外務省から外交官を特使として派遣することが決まった。

 

 

大臣「と、言うわけだ。クラウス君。お前が特使をやれ」

 

「そんなあっさり言わないでください!!だいたいどうやって奴等とコンタクトをとればよいのですか?!」

 

「安心しろ。それは別の班の仕事だ。お前は彼らが必死で見つけ出す交渉の場に我々スイスを代表して中立を勝ち取ってくるのだ!」

 

「いや?!全然安心できませんよ!!」

 

 

それと大臣‥‥タバコはやめてください。

私煙に弱いので、スモハラで訴えますよ?

 

 

「頼む。この事が明るみに出ればどのみち我らは他国によって攻められる。もはや後戻りは出来ないのだ。」

 

大臣が頭を下げた。

 

「‥‥‥‥大臣。頭をおあげください。分かりましたよ。この任務引き受けます。」

 

「おお!やってくれるか!」

 

「はい!この命に代えても祖国の為に全力を尽くします!」

 

こうなればやけくそだ。化け物どもから約定でも何でも取り付けてやる。

 

(クラウス君、チョロい。)

 

 

 

 

 

こうして特使にされたクラウスはアルプス山脈を越えてイタリアに入った。まずはイタリアに行ってそこで工作員と会えとの事だった。

 

 

 

「クラウス特使!こちらです!」

 

私はミラノのとあるホテルに招かれた。

 

「私がこの度交渉の場作りを任されている者です。」

 

「私がクラウスです。して、状況を教えてください。」

 

「はい、分かりました。」

私がそう言うと彼は地図を広げた。

 

 

「現在、深海棲艦は地中海を進功、既にシチリア、マルタ辺りまでが占領されています。そして、占領した範囲の所々に部隊を配置しています。このイタリアを本格的に攻撃している部隊がいるのはティレニア海です。」

 

「ティレニアと言えばまだ南部の方ですね。なら待ち合わせはもう少し南の街でも良かったのでは?」

 

「いえ、南部は戦闘が激しく近づけません。それにあそこの深海棲艦は活動的なので危険です。」

 

「ではどうします?」

 

「なので我々はリグリア海にいる深海棲艦にコンタクトしようと思います。」

 

「確かにそこなら近いけど‥‥大丈夫?」

 

「あそこの深海棲艦は比較的おとなしいです。なのでジェノヴァまで行ったのちに彼らにコンタクトします。」

 

 

 

 

 

こうして、リグリア海の深海棲艦に会うべくジェノヴァに向かった。

 

 

 

 

ジェノヴァ、夜の人気のない砂浜海岸

 

 

「ところで‥‥どうやって深海棲艦と連絡を取るつもり?」

 

彼らはこちらからの応答に一切応じてないはず。

 

 

「ふふふ、これを使います。」

 

彼が取り出したのはガラス瓶と手紙です。

 

 

「そ、それって‥‥」

 

小説とかで遭難した人が助けを呼ぶときに使ったり、昔外国人に届け!みたいなノリで書いて流したりするあれだ!

 

 

「ちなみに好きな人へのラブレターとしても使うとか。」

 

「な、なんですかそれ?!もっとまともな方法はないのですか?!」

 

 

「ロマンチックでよいでしょう?」

 

「国の存亡にロマンチックを出さないで!!」

 

結局、彼は瓶を流しました。

 

 

「しばらくしてからまた来てみましょう。」

 

「そうですね‥‥。」

 

大丈夫なのか?

 

 

 

 

数日後

 

 

「クラウス特使!朗報です!」

 

「何ですか?今日の晩ごはんはパスタですか?」

 

「いえ、今日は魚料理です。そうではなく深海棲艦からの返答がありました!」

 

「えぇぇ?!マジですか?!」

 

 

本当に成功しちゃったよ?!

 

 

「それで?!」

 

「明日の夜、例の砂浜です。」

 

いよいよか‥‥

深海棲艦と御対面だ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「き、緊張してきた。」

 

「特使、頑張ってください。」

 

 

 

この場にいるのは私と工作員の彼とその仲間、そしてお供として連れてきた護衛が数名。

 

 

もし向こうが交渉する気がなく襲ってきたり交渉決裂したりしたらひとたまりもない。

 

 

文字通り命懸けの交渉となりそうだ。

 

 

「き、来ました!」

護衛の人が海に指をさしました。

 

 

 

確かに向こうから人型が3人ほどこちらに向かっています。

 

いや3人の後ろにもう1人いるようだ。

 

3人のうち二人はリ級だ。

もう1人は白い髪をしていて資料では見たことない個体だ。おそらく姫と呼ばれる存在だろうか。

 

 

 

深海棲艦が到着するととてつもない緊張感がせまる。

誰も口を開けることができない。

 

 

「貴方方デスカ?文ヲクダサッタ殿方ハ?」

 

最初に口を開いたのは向こうの姫だった。

 

 

 

私は勇気をふりしぼった。

 

「は、はい!私達です。」

 

「フフ、今ドキ瓶トハ、ナカナカロマンチックナ事ヲシマシタネ。ナノデツイ気ニナッテ‥‥」

 

 

あ!ロマンチックが功をそうした。

後ろで彼がガッツポーズしてるのがわかる。

 

 

 

「立ち話も何ですしどうぞこちらに‥‥」

 

私は工作員達が用意したテーブルに招いた。

 

 

 

「フフ、明カリノ無イ月光ノ下デ、砂浜ニテーブルナンテ‥‥、ナンダカ素敵‥‥。」

 

「はははは‥‥」

 

とりあえずはお茶をお出しして寛いでもらった。

 

「デハ‥‥、コレデハ人間ニハマダキコエニクイカ?」

 

そう言うと彼女は喉の調子を整え始めた。

 

「ンン‥‥。フゥ、では、改めて。」

 

お、かなりクリアに聞こえる!

 

「私はリグリア海、コルス島泊地の旗艦、水母水姫です。以後お見知りおきを。」

 

「私はスイスから派遣された特使のクラウスと言います。こちらこそよろしくお願いします。」

 

 

「では早速本題を、ロマンチックな文を下さったのは何故かしら?」

 

「ではこちらも単刀直入に。我々スイス連邦は君達深海棲艦と中立の協定を結びたい!」

 

 

「‥‥詳しくどうぞ。」

 

まずは政府の意向やスイスについて詳しく説明した。

 

「‥‥我々スイスは永久中立国としていかなる争い事にも関与するつもりはありません。それは今回も同じです。なので、その意思をそちらに伝えるとともに出来れば確約が欲しいとのことだ。」

 

 

「ふふふ、私達は深海棲艦。私達は国家ではなく貴方方人類と争っています。国が違うからと言って対象外になるとでも?それにそんな人類の敵と約束事なんかしたらそちらの立場が危ういのでは?」

 

「そんな物百も承知です!!」

 

私は思わず大声を出してしまった。

 

 

「す、すいません‥‥」

 

「いいえ。ふふふ、面白い殿方。」

 

 

微笑む彼女に私は思わず見とれてしまった。

 

 

 

「残念ですけど私にはそこまでの権限はありません。なので、確約をして差し上げる事がそもそも不可能です。」

 

「そ、そんな‥‥」

 

「しかし、ですよ。」

彼女は続ける。

 

 

「私の部隊のみであれば御約束してもよろしくても、それに貴方方の国は山に囲まれているのでしょう?ならば私達の関与が難しいです。貴方方が国土から出ない限り安全でしょうね。」

 

「‥‥え?」

 

「そう言うことならばあの方も説得しやすいですし、私からヨーロッパ方面の総司令にそれとなく伝えて差し上げます。」

 

「おおお!」

 

「今すぐ貴方の言う中立の容認は無理ですけど、そのお二つなら御約束しますわ。」

 

 

人間側にどよめきが生まれる。そもそも無理だと思っていた交渉にこちらとしては十分過ぎる提案なのだから。

 

「願ってもない提案です。ぜひお願いしたいです。」

 

「では、そちらの条件を決めましょう。出ないとフェアではなくてよ?」

 

ちゃっかりしてる。ここからは私の外交官としての本領発揮です。

 

 

 

それから私と水母水姫は一時間以上話し続けた。

 

 

そして、会談の結果、以下の内容で約定が結ばれた。

 

 

○深海棲艦 リグリア海の部隊はスイスの領土及び保護国を攻撃しない。

 

○水姫はスイスの中立容認を上層に取り次ぐこと。

 

○スイスは国土を侵されないが国土の外の国民はその限りではない。

 

○スイスの大使館は極力狙わないがスイス側も待避すること。

 

○スイスは深海棲艦に敵対しない。

 

○スイスは定期的リグリア海に嗜好品を送ること。

 

 

 

「意外ですね。人間の嗜好品が欲しいなんて。」

 

「ふふ、姫はそれぞれ好みがあるの。ちなみに総司令はお酒が好きだからワインとかあると嬉しいかな。」

 

「わ、わかりました。」

 

「定期的とか決めたけどそちらの都合でいいから。」

 

つまりはたまにここで面会して手土産をあげるぐらいでいいのか。

 

 

「では、締約したので今日の所はお開きにしましょう。貴方はこの秘密の会談がバレないようにね。」

 

「勿論ですよ。」

 

「最後に‥‥」

 

と彼女が言うと後ろにこれまでいた4人目が姿を見せた。

 

まだ小さい、子供のようだ。

 

「この子はそちらで言う所の通信中継艦のような者です。この子をそちらに預けます。」

 

「はい!?」

 

「これからここで密会するにしても連絡手段は必要です。この子を経由すれば私と通信できますし、傍受もされません。それにこの子は締約後の架け橋的な目的もあるので貴方の言っていた大使館の様なものです。」

 

「まぁ‥‥そう言うことならば‥‥」

私はこれも向こうの条件だと飲み込み、その子をあずかった。

 

軽く会釈すると、向こうも返してくれた。

まだ少しばかりぎこちないが自然な笑顔でにっこりしていた。こっちに来るなり笑顔が可愛いな。

 

「この子、名前は?」

 

「うーん。何分既存種の改造した子だから、名前は決められてないの。決めてあげて。」

 

彼女らと挨拶を交わした後、会談は終了。

私達は痕跡を消した後、幼少を連れてスイスに戻った。

 

 

 

 

 

 

 

私は本国に戻ると結果を報告書にまとめて大臣に提出し、彼女の取り扱いについて尋ねた。

 

 

 

「クラウス君!よくやってくれた!でかしたぞ!!」

 

「所で大臣?この子はいかがしますか?それと大臣?子供がいるのでタバコはやめてください。」

 

 

さもないと今度こそスモハラで訴えますよ?

 

私の念が通じたのか大臣は吸いかけのタバコを灰皿に捨てた。

 

 

「むーう。‥‥君が面倒しなさい。」

 

「はい?!」

 

「君があずかったのだ。君が世話しなさい。」

 

この人は!?タバコの腹いせか?!

 

「しかしですよ?!この子は深海棲艦ですし、向こうの使いのようなものです。それを私なんかが‥‥。」

 

「馬鹿者。逆に特別な扱いとか保護とかしてみろ。この子は普通じゃないと教える様なものだな。それに折角人型で子供なのだ職員の養い子とかにしておいた方が安全だ。」

 

「な、なるほど?!」

 

「と言うわけだ。これからの深海棲艦との外交は秘密なのだ。誰にも知られる訳にはいかん。その子の存在もな。」

 

「はい‥‥」

私は肩を落とした。

これからは深海棲艦との会談と言う命懸けの密命だけでなく、子供の面倒も見なければならないのだ。

あまりの激務にため息も出る。

 

 

「ハハハ、そう落ち込むな。今回の成功は大きいからな。何か理由をつけて特別ボーナスをあたえるし、育児費も出してやるw」

 

大臣は大笑いだ。

(やっぱりクラウス君はチョロいな。)

 

大臣はクラウスの退室を確認すると、新しいタバコに火をつけた。

 

 

 

 

 

 

「た、ただいま‥‥」

私は久々に家に帰って来た。

といっても、とある高級マンションの一室で1人暮しだ。部屋は私1人では広い。

まぁ、今日から二人だけど。

 

彼女は部屋に入ると回りをキョロキョロ見渡した。

突然知らない所に連れてこられた猫のようだ。

 

「今日からここが君の家だよ。」

 

私はカバンを机に置き、普段着に着替えた。

 

「さてと、まずは君の呼び名を決めよう。」

 

 

さすがに呼び名がないと接しづらいし、水姫さんにも付けろといわれたからねぇ。

さてと、この子は通信中継艦とかいってたっけ。

 

中継は Relais と書くからな。

 

 

 

「ここは安易にリレなんかどうかな?」

 

彼女は首を横に振った。

 

駄目か‥‥

 

ならこの子の髪は雪のように白いから‥‥

 

「シュネーとか?」

 

彼女は考えこんだ後、瞳をキラキラさせて首を縦に振った。

 

あ、これはいいのか。

 

 

こうして1人の人間と深海棲艦の生活がはじまる事になるが彼にこれから降りかかる災難や試練はこんなものではなかった。そして、唯一の癒しがシュネーになるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

お酒はまだ早い 17日目

小説書きながら秋イベやってたらカ級の魚雷で駆逐艦が大破させられてあまりの事に驚いてたら間違えて投稿予定の小説を消しちゃった事件


【挿絵表示】



この生活が始まって45日目。

 

 

私の今の状況を説明しよう。

あぐらをかいている私の上にカナが乗り私の胸元に寄り添って寝ていて、さらに私の両サイドにも左にソラ、右にマシロが抱くようにして寝ていて私が彼女らの頭を撫でているような態勢です。

 

 

みんなぐっすりで起きる気配がない。

 

 

なぜこうなったかというと、

 

 

 

 

「お!これは。」

 

ウイスキー!

 

私は海猫荘の棚を整理しているときに偶然見つけたのだ。おそらくこの民宿の主の趣味だろう。

 

アルコールはこの島の基地に配属されてから飲んでいない。指揮官などの将校達ですら上物は飲めず安酒しか飲めないと嘆いていたそうだが、私達にとっては贅沢な悩みです。

 

しかし民間はその限りではないようだ。

 

 

「私がありがたく徴収しますね♪」

 

やったね。今晩は晩酌だ♪

ハイボールにしようかな。何か炭酸とかないかなコーラとかジンジャエールとか。

私はウイスキーのボトルをリビングのテーブルに置いたままにして何か炭酸飲料がないか探しに行きました。

 

 

 

軍人が出掛けた後、

リビングにマシロがやってきました。

 

「(゜.゜)」

テーブルに何かある。

 

丁度喉が渇いて何か飲みに来たところだった。

マシロはコップを用意してウイスキーのボトルを開けます。

 

そしてそのままコップに注ぎます。

 

「(  ̄▽ ̄)」ごくごく

 

そして、そのまま一気に飲みました。

 

「ひっく!」

マシロは少し顔が赤くなりました。

しかし、気分がいいです。

 

マシロは続いて二杯目に入りました。

 

 

 

丁度その時カナとソラがリビングにやってきました。

 

「Σ(゜Д゜)」

 

二人は少し顔が赤くてほろ酔いのマシロを見て驚きました。

 

「(//∇//)」ひっく

 

マシロは二人を見ると手招きしました。

一緒にどう?と。

 

 

カナはさすがに不味い気がしてリビングから立ち去ろうとします。

 

しかし、その時にはすでにマシロによって退路がたたれていました。

 

「(//∇//)」

通さないから~

 

「(ー_ー)!」はっ!

 

こうなったらソラと一緒に一気に突破しよう。

そう思ってソラを見るが、

 

「(///□///)」ろれろれ

 

時すでに遅し!既に飲まされて酔っぱらっていた。

 

こうなったら自分だけでも逃げよう。

カナは意を決して逃げようとしたが、

 

「(//∇//)」通さないって言ったよ

 

カナはマシロに取り押さえられます。

 

 

「(≧◇≦)」ひぇー

 

「(///ω///)♪」

ふふふ、捕まえた♪

 

 

マシロが手招きすると酔っぱらったソラがコップを持ってきます。

 

カナにはもはや恐怖しかありません。

助けは来ません。軍人はハイボールにあう炭酸探しに行って留守なのだから。

 

 

い、イヤだ、いや、いやぁぁぁぁぁ!!

 

もしカナが声が出たらこんな感じだったのではないだろうか。声にならない悲鳴をあげながらウイスキーを一気に飲まされました。

 

飲んだカナはだんだん頭がふらふらして来て意識が遠くなりました。

 

 

 

 

 

「ただいま~」

いやー、コーラは良いのが見つからなかったけどジンジャエールが大漁だよ。

 

これとウイスキーを割ったら美味しいだろうなぁ。

などと考えながら拠点に戻った軍人は異変に気付きました。潜水艦達が見当たらない。

 

それにこの匂いは‥‥

まさか!

 

 

軍人は慌ててリビングに入ると既に悲劇が起こっていました。

 

カナは完全に酔いつぶれ、ソラは大泣きして、マシロは笑っています。

 

(何、このカオスな空間。)

 

テーブルには空のボトルがありまして。

 

「やっぱり!て、まかさそのままで飲んだの?!」

 

子供にはアルコールは早いよ!?

 

 

「と、とにかく早く何とかしないと。」

 

まずはカナがはく前に袋を!

 

私はカナに水と袋をあげました。

 

それからカナを抱えて袋をカナに持たせると私は背中をさすってあげました。

 

「(×_×;)」うううっ

 

「カナよしよ~し。」

 

しばらくして、カナは大分落ち着いて、そのまま寝ちゃいました。これは明日は二日酔いだなぁ。

 

そのままカナを布団に連れて行こうとしたが、酔っ払った残り二人に絡まれて‥‥

 

 

「みんな寝ちゃいましたね。」

 

私がお酒をちゃんと管理していればこんな事には‥‥

 

 

 

これからはしっかり管理することを誓うと共に久々のアルコールを飲み損ねたことを少し悲しむのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 




筆者が思う苦労人ランキング


第3位 中尉(軍人)

この物語のメイン人物であり、3人も面倒を見ているが、端から見ればイチャイチャしている様にも見える。また実はかなりハードな事をしているがこの人のスペックが高く何でも出来ちゃうため苦労している様には見えない。


第2位 大尉(隊長)

戦闘機のパイロット。中尉に比べるとかなりハードモードでの生活を余儀なくされている。しかし、持ち前の男気でどんな困難にも立ち向かう。


第1位 クラウス

スイスの外交官。極秘の任務(ばれたらクビどころではない)、深海棲艦との会談(命懸け)、通常の職務(任務とは別にしっかりとある)、子育て(独身です)、上司からの嫌がらせ(大臣からのスモハラ、パワハラ)、休暇なし(残業手当なし)。ブラックです。




目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

狭い所は安心? 18日目


育児の事とか発達についてとかかなり勉強しました!
でも、それ以外は勉強不足でミスが多いです。

今回はしおりが90になった事を記念して試し書きで書いたユウちゃんを投稿します!※この絵は未来予想です



【挿絵表示】




 

 

この生活が始まって47日目。

 

 

 

昔こんな経験がないだろうか?

 

小さかった頃は狭い所が好きで押し入れや家具の間にできる隙間に入ったりなど、狭い所に入った事が記憶にないだろうか?

 

胎児期や出産時のことを忘れずに記憶していることがあり、これを「胎内記憶」と呼びますが、この胎内記憶が人は胎児期の記憶があり、普段は無意識の領域に収められているらしいその記憶が時折、子宮への郷愁という形で現れるという説が存在します。

それを「胎内回帰願望」と言う。

 

この胎内回帰願望と関連付けて、子宮を連想させるような狭く暗く、暖かい場所を好む傾向を説明することがあり、幼児が毛布に包まっていると安心できること、押入れや家具の隙間などで遊びたがるのは、胎内にいた頃を懐かしがっている心理ということができるそうです。

 

 

 

 

なぜこんな事を言い出したのかというと、

 

「(///ω///)♪」

 

 

カナがソファーと壁の間にできている隙間にスッポリ収まっているのだ。

 

 

 

カナはジーと動かない。

そんなに好きなのかな?カナだけに‥‥

 

 

 

‥‥それにしても、深海棲艦でも隙間は好きなのかな?人間は前に語った心理が影響して安心するから好きと思うけど、深海棲艦はどうなのだろうか?

 

カナも安心しているみたいだし、もしかして深海棲艦は胎生なのか?!

 

 

「(・・)」じー

 

動く気配がないし、このままでもいいか。

 

 

私はその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

12時

 

 

「みんな、ご飯だよ。」

 

「(/∇\)♪」わーい

 

「(≧∇≦)♪」やったー

 

昼になったので昼ごはんの支度を済ませ、潜水艦達を呼びました。マシロとソラは席に着きました。

 

「あれ、カナは?マシロ、カナは?」

 

「(((・・;)」フルフル

 

マシロは知らないようだ。

 

おかしいな、この子達の中では比較的しっかり者のカナがいつも最後に来るソラより遅いなんて。

 

 

「見てくるから少し待っててね。」

 

「(≧∇≦)」はーい!

 

「(/Д\)」えー!

 

 

私はカナを探しに行ったがすぐに見つかった。

カナはさっきの場所にいてまだ隙間にいました。

 

「(/≧◇≦\)」た、たすけて!

 

 

‥‥訂正。隙間にはまったまま抜けなくなったらしい。ソファーをずらせれば出られるけど子供にはソファーは重いのだ。

 

「じっとしててね。いくよ。」

 

私はソファーをずらし隙間を広げました。

これでカナはようやく脱出できました。

 

「(。>д<)」怖かった~

 

抜けられなかったのが、声を発声できないため助けを呼べないのがそんなに心細かったのか。助けるなりしがみついてきた。

 

「よしよし。」

 

私はいつも通り撫でる。

 

ある程度カナが落ち着いたところで私達は食卓に戻りました。二人がお腹を空かせて待っていました。

 

「(`ヘ´)」おっそーい!

 

ソラが珍しく怒っています。

 

 

「ごめんごめん、それじゃあ。」

 

私は手を合わせました。

それに合わせて潜水艦達も手を合わせます。

 

「いただきます。」

 

 

 

 

 

 

後日、

 

 

 

 

「(/≧◇≦\)」たすけて!

 

「またか。」

 

そして、狭い所の好きなの子は同じ過ちを繰り返しながら大人になるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

これまでとこれからを 19日目



かなりお久しぶりです♪

sidestorをまとめてたらいつまで経ってもまとまらないのでなら止めなさいと言われました‥‥

sidestoryはまた機会があれば短編として投稿させていただきます♪

さてと、そろそろですね。


 

 

 

この生活が始まって既に数年の時が経ちました。

 

海猫荘の自分の私室として使っている部屋で私は今これまでに撮ったカナ達との写真を眺めています。

 

彼女達の観察と成長の記録の一環として始めたこの撮影も今では枚数が重なりアルバムになり、そのアルバムも今や数冊に及びます。今ではただの観察記録としての物ではなく彼女達とのこの数年の生活を記憶する大切な宝物となっています。

 

元々観察日記や写真はいずれ日本に帰れた時の軍への手土産のつもりでしたがこの宝を渡すのはしのびないので渡す用とは別に彼女らとの思い出用を作る始末です。(こっちの方がもはやメインで量が圧倒的)

 

 

昨日撮った写真をまとめ終え、日記を書くとふと昔のアルバムに手をかける。

 

「懐かしいな‥‥」

 

『この島の最暖月の日にカナ達とやったスイカ割り』

カナが棒ではなく魚雷でやろうとしてみんなで慌てて止めた。

 

『日焼けしたマシロ』

日差しが強い日が続いていた時期、カナ達はいつも白いままなので深海棲艦は日焼けしないと思っていたらマシロが顔を真っ赤にして痛がっていた。

 

『みんなと月見』

ある夜、月がとても綺麗だったのでみんなとその日は外でご飯を食べた。

 

 

 

他にもさまざまな楽しい事、大変な事があったがひとまずそこまでにして私はアルバムを閉まった。

 

 

次に私は通信機を操作します。

 

これは既に数年間続けている日課のようなものです。

 

 

軍の施設跡から持ってきていた通信機器だがこの生活がスタートしてすぐに直したが結局使わずにいた。なんせこの島のある海域は敵の侵攻を受けここは敵の攻撃に晒されたのだ。おそらく敵にかんぜんに落ちているはずである。そんな中で救援を求めても来れる筈もなく、もしかすると敵を呼びかねない。そう思って止めていた。

 

しかしその後、一か八かやろうと決めた。

もし見方と繋がればそれでよし、もし敵が来てもカナ達を返す事ができる、自分が助かるか殺されるかはその時次第だと。だけど、結局何処とも繋がらなかった。

 

それでも諦めず今もSOSを発信し続けています。

 

「今日も反応なしか‥‥」

 

私は受話器を置いた。アンテナはしっかり機能してる。受信ができる事は確認済み、受話器も問題なし。後は受けとり手が見つけてくれるだけなのだが‥‥

 

「今戦争はどうなってるんだろう‥‥」

 

まさか日本は既に深海棲艦によって滅んでいたり‥‥

 

 

トントン

 

私がそんなネガティブな事を考えていると部屋の扉がノックされた。

 

 

「マスター入るよ~」

 

入って来たのはお盆にカップを2つのせている成長したカナだった。

 

「コーヒー淹れたから持ってきた」

 

「ありがとうカナ、でも何で2つ?」

 

「えへへ、一緒に飲もうと思って♪」

 

自然に笑うカナはやっぱりかわいいなぁ。

こんな事を素で言ってくるからねぇこの子等は‥‥

 

私は作業机から部屋の窓辺に置いたソファーに移った。

この位置にソファーを置いたのはここから見える海の眺めが気に入っているからだ。

 

私が座るとカナは私の隣にちょこんと座る。

 

カナからもらったコーヒーを飲みながらふとカナを見る。

 

(この数年で大きくなったね‥‥)

 

実は私の生活に最大の変化があった。それはカナ達が急成長したのだ。出会った時はまだ言葉も話せない幼女だったがある時、

 

「マ」

 

「うん?」

 

「マ、マ」

 

「うんん?」

 

「マ、ス、ター」

 

カナが私の事をマスターと呼んだのだった。それ以来片言ではあったけど徐々に言葉を扱えるようになり今ではほとんど人と変わらないほど流暢に話せるようになっていた。なぜマスターになったのかは知らない。

 

 

 

言葉だけでなく、片言を言おうとし始めてから彼女達の背が伸び始めた。今ではカナで例えるとあのカ級が成人女性なら中学生位にまで成長している。

 

ただカ級やソ級とはやはり違い彼女達は凄く可愛のである。別にこれはノロケとかではなく本当にあのお化けみたいな顔をしているカ級達に比べると、いや!比べ物にならないほど美少女なのである。

 

 

ここまで来ると私が昔立てた仮説がいよいよ現実味を帯びてきました。

 

「マスター?私の顔に何か付いてるの?」

 

じっとカナを見て考え事をしていたのでずっと見られていたカナが不思議になっていた。

 

「いや、何でもない。今日もカナは可愛なと思って」

 

「いやだそんな可愛なんて♪」

 

カナもそうだけどこの子達は誉めるととても喜ぶのでこっちも誉め概があると思う。だけど‥‥

 

「はふぅ♪」なでなで

 

やっぱりなでなでが一番好きのは変わらないな。

 

私はカナの頭を撫でる。昔に比べると背が伸びて頭の位置が高くなり少し撫でづらくなったが、苦はまったくない。

 

 

「マスター♪」

今度はお返しとカナが頭をすりすりしてくる。

かわいい事をしてくれますねまったく。もし結婚して娘がいたらこんな感じなのだろうか?

 

 

深海棲艦との奇妙な共生は始めこそ違和感があったが今ではまったくない。むしろ一緒にいて楽しいし落ち着く。一緒にいるのが当たり前な気さえする。こんなのを家族とでも言うのかな‥‥

 

そんな事を思っているとふとある考えが私の頭によぎる。しかし、それは決して口にしてはいけない事だ。だけど、それでも私は‥‥

 

「恐い顔してるよ?何かあるの?」

 

カナが心配そうにこちらの顔を覗き込む。

 

私は誘惑に負けてこの考えを口にした。

 

「なぁカナ‥‥。もしだよ。もしこのまま私もあなた達も居場所に帰れないとした場合だけど、もし、良かったらこのまま私と家族としてこの島で一緒に生活しない?」

 

 

これはこの数年悩んでいた事だ。

私はこれまでいつかは日本に帰りたい。この子達が深海棲艦の艦隊に戻りたいのなら帰してあげたいと思っていた。だからその為にいつか軍に出す報告書を作った。通信機器を直し電波を出し続けている。それまで生き延びる為に拠点を作り食料を確保できるようにした。

 

しかし、もう大分待った。何も動きがない。

 

そこで生まれた疑惑は、日本はもう既に無いのかもしれない。深海棲艦はたかだか潜水艦に気にも止めていなのかもしれない。私も彼女達も、もう帰る場所が無いのかもしれない。ならば‥‥

 

このまま一緒に一生ここで暮らすのもアリかもしれない。ここ数年で海猫荘も私達が住むのみ都合の良い改装を施した。食料も備蓄はたっぷりで自給自足の体制もだいぶ整ってきた。暮らそうと思えば何時までも暮らす事は可能だ。

 

だけど、もし彼女達が海に、艦隊に帰る事を望んでいるのであれば私は止める事は出来ないし止めるつもりもない。

 

「どうかな?」

 

私の問にカナしばらく黙った。

 

やはりダメなのだろうか?

 

 

「マスター!」

 

カナは立ち上がると私の前に向き直る。

 

「私、ううん。私達は初めからここが自分達の居場所だと思っているよ」

 

カナは少し微笑むと話を続けた。

 

「私達はね。マスターに助けれて育てられて愛されてきたの。だからね、きっとマスターはこの前本で見た本当の親よりも固い絆で結ばれた親子っのだと思ってるの。」

 

カナは少し下を見て悲しそうな顔をする。

 

「実はね。マスターがニホンに帰りたいと思っているの私達は知ってるの。だから私達はね。もしマスターが帰りたいと望むならその足枷になりたくないって思ったの。」

 

今度は悲しそうな顔から一変、今度は満開の笑顔だ。

 

「だからね。マスターがそう言ってくれるの、私はとってもとっても嬉しいの♪」

 

 

「カナ‥‥」

 

「だからねマスター。私達の親であり続けて?」

 

「ああ!もちろん!」

 

「やったー!マスター!」

 

「ちょ!カナ!」

 

カナはよほど嬉しいのか大ジャンプして私に飛び込んできた。私は支えきれずそのままソファーに倒れる。

 

「ふふふマスター♪ごめんなさい」

 

「絶対反省してないだろカナ‥‥」

 

私はそっとまたカナの頭を優しく撫でる。

やっぱりこの子達は尊いな。この子達と生活できるなら私はそれでだけで良い。

 

「今晩の晩御飯の時にでも、二人にも相談しようか‥‥」

 

「う~ん。多分その必要はないと思うけどね。」

 

 

ドンドンドンドン

 

ん?誰かが廊下を走っているようだ。

 

 

ばたん!

その音の主はノックもしないで扉を開けると急いで入って来た。

 

「マスター!大変なの!」

 

「こらソラ!ノックしないとダメでしょ!」

 

「ご、ごめんなさいカナお姉」しゅん

 

入って来たのはソラだ。

のんびり屋な所は昔と変わらず今もスローな生活を送っている子だ。たまに抜けている所があってみんなのお姉さん役のカナにいつも叱られているのだ。

 

だけど、のんびりさんのソラがここまで慌てるのは珍しい。

 

「ソラ急ぎのようだけどどうしたの?」

 

「そう!実はね。マシロちゃんと海岸で遊んでいたら人が、多分深海棲艦じゃあないのってマシロちゃん言ってだけど打ち上げられているの!」

 

なんだって?!

 

「分かったすぐに行く!」

 

私はソラに案内されてカナも連れて急ぎ現場に向かう。

 

 

 

 

丁度私が部屋を出た後だった。

 

 

『こちらガザザザ日本国ボヴヴヴ軍第ガザザザ応答せよ!繰り返すこちらガザザザ‥‥』

 

これまで無音を貫いていた通信機器に音声が鳴り響いたのであった。

 

 

 

 

 




いよいよこの物語もエンディングが迫ってきました。
止まっていた時が動く時、軍人達に待ち受ける運命の時とは。

次回を‥‥お楽しみ♪

感想などを切望しております!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

終わりの始まりは訪れる 20日目


この小説の略称つけるとしたら何になる?


 

 

 

 

ソラに連れらて海岸にやって来た軍人達。

 

そこにはマシロが待っていた。

 

「あ!マスター。こっち!」

 

マシロ、この子も少し大きくなりました。

元々喋れたらしいけどあの痛々しい火傷で喉をやられたせいで声を出せなかったけどそれもようやく治癒しています。ただ彼女の口から自分は姫かもしれないと言われた時は驚いたものだ。

 

おっと!今はそんな事を思い出している時ではない。

 

「その人はどこ?」

 

「あっち!」

 

マシロの指す方を見ると人型が波によって打ち上げられていた。

 

黒くて長い髪。白い肌。この建物の様な装備にこれでもかと砲を載せている彼女は‥‥

 

「ル級か‥‥」

 

ル級は深海棲艦の戦艦クラスでその絶望的な防御力と圧倒的は破壊力はこれまで多くの人類側の船を沈めてきて、その見た目の美しさと恐ろしさから『黒い殲滅者』と呼ばれている。

 

潜水艦ではなく戦艦か‥‥

 

こんな奴までもが流れ着くなんて‥‥

 

「とにかく、意識があるか確認しよう。」

 

腹をくくり軍人はル級に近づく。

その様子をカナ達は心配そうに見つめる。

 

 

「あの‥‥大丈夫です?」

 

軍人は軽く揺すってみた。

 

「ウウウッ」

 

ル級が少し呻いた。どうやら息はあるようだ。

 

「生きてる!あの!しっかりしてください!」

 

軍人は大声で呼び掛けた。すると‥‥

 

「ウウ‥‥こ、ここは?」

 

「気がつきましたかよかった‥‥」

 

ガシャン!

 

気が付いたル級は軍人に主砲を向けていた。

 

「お前は誰だ!」

 

軍人は砲を向けられながらもじっくり彼女を観察する。

 

彼女の服は所々焦げていてボロボロ。白い肌も傷や火傷が目立ち、何より自分向けている砲以外は完全に破損していた。

 

これに軍人は疑問を感じた。

一体どうしたらこんな事になるんだ?

 

彼女ル級は、報告だとミサイル攻撃や空母の艦載機による爆撃ですら傷1つ与えられなかった敵です。それが彼女の防御を突破してあろうとこか轟沈寸前にまで追い詰めるなんて一体何が‥‥

 

「おい!聞いているのか!?」

 

おっと!それどころではなかった!まずは自分の命と彼女を救わなければ!

 

「アナタは酷い怪我をしています。今すぐ治療させてください!」

 

「何を言う!人間が!」

 

ル級が砲に弾を装填したようだ。不味い!

 

「やめて!」

 

そんな中私とル級の間に話って入った者がいた。

 

カナだ!

 

「カナ何をしている!?逃げろ!」

 

「なんだお前?同族か?」

 

「お願い!マスターに治療させて!マスターを撃たないで!」

 

カナはル級に頼む。

ル級は強情で砲を構えるがカナは怯まなかった。

 

そのまま両者は向かい合い、折れたのはル級だった。

 

 

「分かったよ。同族のよしみだ。その人間に助けられよう。」

 

「ふぅ」

 

なんとかなって良かった‥‥。

とりあえずは一旦拠点まで連れて帰ってそこで傷を見よう。そして、それから彼女からいろいろ聞いて見よう。

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

拠点・海猫荘

 

 

 

「はい、終わりましたよ。」

 

とりあえず汚れを落として傷口を消毒、包帯を巻いておいた。深海棲艦に人間の手当てが役に立つがどうかはこれまでのカナ達との生活で実証済みだ。

 

「‥‥フン!」

 

ル級は私人間なんかに助けられて不服のようだけどね。

 

 

「人間、お前は変わっているな。」

 

「そうですか?」

 

「そうだ。私は貴様等の敵だぞ?その敵が弱っているのにわざわざ助けるなど‥‥」

 

「ここでは人も深海棲艦もありませんよ、それを言ったらこの子達も深海棲艦です。」

 

ル級はカナ達を見る。

 

初めて私以外の大人を見る彼女らは少し警戒しているのか部屋には入らず扉から顔を覗かせてこちらを見ている。

 

 

「そもそもそれが不思議だ。我らの潜水艦どもは警戒心が強く変わりダネが多い、それが人間なんぞにあそこまでなつくなど異常だ。」

 

そうなのか‥‥?

 

「その潜水艦が、ましてや姫と思われる者までお前を慕っているのだ。だから、お前は特別に見逃してやるしお礼も言っといてやる!」

 

そう言うとル級は姿勢を正してこちらに向き直る。

 

「あ、ありがとう‥‥手当てしてくれて‥‥」

 

普段深海棲艦は感謝する機会が少ないのかな?

不器用である。

 

いや、戦艦クラスの深海棲艦からすれば人間なんかに礼を言うのはしゃくなのだろう。頑固だなぁ。

 

いやいや、もしかするとツンデレかも‥‥

 

 

 

と、この思考は一旦置いておいて、私は今一番疑問に思っている事を口にした。

 

 

「あのル級さん。その怪我はどうしたのですか?」

 

「ル級?‥‥ああ、人間どもが決めた私らの呼称か。」

 

「気に触りますか?」

 

「いや、私別に名前とかないからそれでも構わんよ。それで何で怪我の理由とか知りたい訳?」

 

「いえ別に深い意味は無いのですが、私達の兵器では巡洋艦クラスですら傷付けるのに苦労するのにましてや戦艦にこれだけのダメージを与える手段が思いつかなくて‥‥」

 

私は素直に疑問を言った。

 

それを受けてル級は少し驚いた顔をした。

 

「お前、何言ってるの」

 

「実は深海棲艦にこの海域が襲われてからの事は何も知らなくて‥‥できればこの数年で何が起きたのか教えて貰えませんか?」

 

「敵にそんな事を聞く?」

 

ル級はもはや呆れた顔をしている。だが、ふと何かをあきらめたようで、

 

「まあ、人間一匹に教えた所で何にもならない。人間に借りを作ったままもシャクだしね。」

 

「あ、ありがとございます!」

 

「じぁまずはこの海域を制圧した後からの話ね。」

 

 

 

 

 

 

 

私はル級からここ数年の出来事を簡潔に聞かされた。

どうやら私の知らない間に世界は大きく変動していたらしいです。

 

 

 

このル級は沖ノ島海域を再占領していた艦隊の旗艦だったそうです。なぜ再占領なのか?

 

 

どうやらこの島が砲撃された後私の予想どおりで深海棲艦の艦隊の進撃を軍は食い止める事は出来ず、日本本土近海まで迫られたらしいです。

 

その後、日本国防海軍の残存艦隊と深海棲艦の前衛艦隊が激突。日本が落ちるのも時間の問題とされていたが、『艦娘』と呼ばれる深海棲艦と互角に渡り合える存在が参戦したことで前衛艦隊を撃退する事に成功する。日本は艦娘を運営する鎮守府を設立。深海棲艦と戦える力を得た日本は叡知を駆使し反攻作戦に乗りだし、次第に深海棲艦の支配圏を奪還していったそうです。

 

どうやらこの海域はおろか南方海域や西方海域も解放されていたようですが何故か私の電波はスルーされてしまったようです。

 

 

そして、勝利を納め続けた鎮守府は遂に太平洋の深海棲艦中枢泊地を攻略しこの戦争に終止符を打つ『終作戦』を決行。しかし、その作戦の失敗により人類は再び制海権を失いこの海域も深海棲艦に支配されたそうです。

 

つまり知らない間に二回も支配が変わっていたのであった。

 

 

ところが鎮守府に新任の提督が入ったことで再び勢いを取り戻して再占領された海と奪い返していて、深海棲艦は沖ノ島を奪還されたとのことです。

 

 

「そんな事が‥‥」

 

「聞いていてあれだがお前スルーされて可哀想だな」

 

敵に可哀想がられた‥‥

待てよ?

 

「沖ノ島が落ちたと言うことは‥‥またこの海域にも」

 

「来るだろうな。今度はスルーされるなよ」

 

心配された!

 

でも、今の自分には別の心配事がある。

今来られたらル級が危ない。

 

「人間が心配するな。私は長居するつもりはない。明日にはここを立たせてもらうぞ。」

 

ル級は心配なさそうだ。

 

 

しかし、問題はそれだけではない。カナ達も深海棲艦だ。もしかしたらその艦娘に見つかったら‥‥、もしそうでなくても捕まって何をされるかわからない。

 

 

艦隊はどこまで来ているのか?

ここから沖ノ島だと猶予は後どれ位あるんだ?

 

 

 

私がそう考えている時だった。

 

「マスター!」

 

 

これまで部屋には入って来なかった、と言うか今までいなかったマシロが入って来た。

 

「マシロどうたの?」

 

「マスターの部屋のあの機械からお声がする!」

 

なんだって?!

 

 

私は慌てて自分の部屋に走った。

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

「ギザザザ‥‥」

 

 

 

本当だ!外からの受信を受けてる!

 

『こちらガザザザ日本国防ガザザザ第ガザザザ』

 

日本!?間違いない!

 

私は急いで通信機器を受信を調整した。

はじめはノイズが酷かった音声も徐々に緩和されてようやく聞こえるようになった。

 

『こちら日本国防海軍第2艦隊。そちらのSOSを受信した応答せよ!』

 

くっ!なんて事だ‥‥

思っていたよりも早く友軍は来ているようだ。

 

 

 

「マスター?返事しないの?」

 

カナは不思議そうな顔をしている。

 

 

しかし、私はとうとう返答する事はなく通信は切れていた。これでしばらくは時間が稼げるはず。しかし、軍の通信機器からのSOSがあったのだ、位置も解っている。後回しにされるだけでどのみちここに捜索隊が来るだろうな。

 

 

ここに来て、これまでやってきた事が仇となるか‥‥

 

 

 

 

 

いや!

 

 

 

 

これでいい‥‥

 

おかげで決心がついた‥‥

 

軍人はそれまで抱えていた頭をあげた。その顔には決意、いや覚悟が出来ていた。

 

「マスター?」

 

「大丈夫?」

 

カナとマシロが心配そうに見上げてくる。

 

 

「大丈夫‥‥ありがとう。」

 

私は二人を撫でてあげる。

 

「きゅん♪」

 

「ふにゅ♪」

 

 

二人のなごむ顔を見ているとこちらも和むな‥‥

 

時計を見ると時刻は1700

そろそろ夕御飯の支度かな

 

 

「マシロ、ソラを呼んできてくれる?カナは先に台所行って下ごしらえしててもらっていいかな?後でいくから‥‥」

 

「うん!分かった♪」

 

「まかせてなの♪」

 

二人は元気良く部屋を出てそれぞれの頼まれ事に向かっていた。さても、今のうちに

 

 

 

カナ‥‥ごめんね。

私はカナの後ろ姿を見て思わずそう思ってしまった。

 

 

 

 

私は先程の部屋に戻りました。

 

部屋にはル級とソラがチェスをすると言うなかなかな光景が広がってました。

 

 

「ソラ、マシロが探してたよ?」

 

「マシロちゃんが?行ってくる♪ル級さんまたね」

 

ソラが退室するのを確認すると私は口を開いた。

 

 

「チェス‥‥出来るんですね。」

 

「我々にも前世の‥‥‥‥。ふん、何故かチェスの知識があるのだ」

 

今興味深い事を言っていたが、今は無視だ。

 

 

「ル級さんにお願いがあります。」

 

「なんだ?借りはさっき返したつもりだが?」

 

私はル級に土下座をした。生まれてこのかた、土下座したのは始めてだ。まさか人間ではないとはね。

 

 

「何のつもりだ‥‥」

 

「無理を承知でお願いします。どうか‥‥」

 

私はル級が聞いてくれなければ頭を上げないつもりだ。相手は深海棲艦だ。決裂して砲撃されても可笑しくない。

 

その覚悟をル級は感じ取ったのか目を瞑って考えた後、諦めて

 

「言ってみろ。聞くだけ聞いてやる。」

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

「いただきます。」

 

「「「いただきます♪」」」

 

「い、いただきます‥‥」

 

 

夕御飯の時になりました。

 

 

 

今日は島で取れたて物をふんだんに使った料理ばかりだ。

 

 

いつもは四人だが今日は一人分多く作ってます。

ル級の分だ。

 

 

「おいしい♪」

 

カナは基本的嫌いなものが無いので本当に美味しそうに食べてくれますね。

 

 

「こらソラ!トマト食べなさいよ!」

 

「うぎゃ~!!」

 

ソラはトマトが苦手なんです。

何でもあの食べたときのぐちゃが嫌いなんだとか。

 

ちなみにマシロはナスを食べません。

 

 

「人間の食べ物か‥‥」

 

「ル級さん、お口に合いますか?」

 

「食べれないことはないぞ」

 

ル級は普通に食べてくれます。

 

 

 

食事も終わり、食後にお茶を飲み始めた所で話を切り出しました。

 

 

 

「みんな!聞いてくれ。」

 

私の声でみんながこちらを向く。

 

「どうしたのマスター?」

 

マシロが聞いてくる。

その隣ではカナがわくわくしている。

 

ソラは‥‥眠たそうだねぇ。

 

 

「今から大事な話をする。」

 

 

これからの私達を決める決断を

 

 

 

 

 






実際に書いてみると長過ぎたので二つに分けました。
この次が本当の最終話です。軍人の決断の行く着く先に何がまっているのか?

感想など切実に御待ちしております!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

また会う時は約束を 最終日



軍人と潜水艦の物語もいよいよ終りの時です。
皆様この物語を見て下さり本当にありがとうございました。


 

 

 

翌日

 

 

まだ早朝だ。だが早く出るのに越した事はない。

早い方が友軍の索敵にかからない可能性が上がる。

 

 

「人間、世話になった。昨日の食事、上手かったぞ。」

 

「ル級さん。カナ達をよろしくお願いいたします。」

 

私はル級にお礼を述べる。本来、ル級はこんな頼みを聞く義理はない。

 

「気にするな。言っただろ?お前は不思議だと。だからかね。聞く気にもなった。」

 

昨日、ル級に土下座してまで頼んだ事、それは‥‥

 

 

 

「あの子等は無事に艦隊に連れていこう。」

 

カナ達を連れて逃げてもらうことだった。

 

 

私は昨日のル級との会話を思い出した。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「あの子等を連れて行って欲しい?何故だ」

 

「このまま友軍が来れば私は助かる。しかし、カナ達は‥‥あの子達は深海棲艦。何をされるかわからないだから!」

 

「それはわかる。だが本当に良いのか?アイツらはお前の事をかなり慕っている。あれが納得するとは思えないが‥‥」

 

「私は彼女達に生き延びて欲しい‥‥これは私の我が儘です!」

 

ル級が少し考える。

そして、最終確認のつもりかキツイ質問をする。

 

「おそらく、二度と会えないかもしれないぞ。それでも未練はないか?」

 

 

彼女達に二度と会えないかもしれない。それは私を苦しめ続けた最大の未練だ。もはや家族、私の半身とも言える彼女達に会えないのは体を切り裂かれるよりも苦しい。それなら一縷の望みに願いを託して彼女達の身の安全を軍に願うことも考えた。だけど‥‥

 

「先程も言った通りです。私は彼女達が生き延びてくれればそれだけで‥‥」

 

(コイツ‥‥)

 

ル級はこの人間の決意の固さを感じた。

同時に哀れにも感じてしまった。

 

艦隊に戻ればあの潜水艦達も戦線に動員される。

 

そうなれば彼女達が自分の同族を殺す事になるかもしれない。艦娘に轟沈させられるかもしれない。彼女達が戦場でその手を血に染め、その身を散らす。そのことも考えた上で一番生き残る可能性の高い方を選択したのか。

 

 

コイツの事だ。それしか選択肢が無いことに嘆いたのかもしれないな。

 

 

「それに戦争が終わればまた会えるかもしれませんし‥‥ね」

 

ル級はこれがこの軍人なりの強がりだと思った。

 

 

コイツも解っている。

 

この戦争の終り方は二つしかない。

 

人間が生き残り深海棲艦が全滅するか。

深海棲艦が人間を根絶やしにするか。

 

 

 

「この事は食事の場でみんなに言います。なのでル級もご一緒にどうですか?」

 

この人間は大変だな。

そうだなせめて‥‥

 

 

「いいだろう。それで手を打ってやる。」

 

せめてコイツが私に借りを作らない形にしてやろう。

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

最後の晩餐となったその夜

 

 

軍人はカナ達に明日ル級に付いて逃げるように伝えた。

 

 

「マスター!?どうして、みんなで一緒に暮らそうって言ってたの!」

 

カナが席を立ち上がった。

 

「カナ‥‥ごめん。それは出来なさそうだ。」

 

「そ、そんな‥‥」

 

カナが肩から崩れ落ちた。

 

 

「そんな‥‥イヤだ‥‥マスター‥‥」

 

ソラが泣いている。

 

 

「そんなやだよ!絶対にやだ!」

 

マシロは私をポカポカ叩く。やだやだを繰り返しながら叩いていた手も

 

「やだぐっすん、やだよ‥‥ぐす‥‥」

 

涙と共に徐々に弱々しくなり遂には止まり泣き崩れた。

 

みんな悲しそうな顔だ。本当なら慰めてやりたい。頭を撫でてやりたい。でも、今回だけは何もしてやれない。

 

 

 

「ル級さんとは話はついてる。明日は早いから早く寝るように‥‥」

 

私はそれだけ言うとその空間を後にした。

 

「アイツ‥‥」

 

ル級はそっとする事にした。

多分泣きたいのはアイツも同じだろう。

 

だけど、泣けないだろうな。

 

コイツらの前では絶対に‥‥

 

 

その夜、軍人の部屋ではすすり泣く声が永遠と続いたが誰の耳にも入る事はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

長い回想から戻ると私はカナ達を見た。

 

みんな目が赤い。

クマが出来ていない所を見ると寝不足ではない。

 

多分彼女達もたくさん泣いたのだろう。

 

 

「今更だがコイツら航海できるのか?」

 

「問題ない。びっしり鍛えてある。」

 

彼女達が力を使えるようになってからはその力のコントロールを(特に魚雷)出来るようにと基礎的な体力作りから戦闘訓練もしている。

 

これでも私は軍属の人間だ!

 

 

 

私は三人のもとに寄ると一人ずつ言葉を紡いだ。

 

 

「マシロ」

 

「ええ」

 

マシロは今にも泣きそうだが大人になりたい彼女は軍人の前では強くいようとびしっと強がって見せた。

 

「お前は三人の中でも一番大人な子だったな。」

 

「うん!これでも姫だもん!」

 

「そうだな。お前は少し遊びぐせがあるからどんなことでも油断せずにだぞ?」

 

「わかったよマスター」

 

 

「ソラ」

 

「うん」

 

次はソラだ。彼女は既に顔がくしゃくしゃになっている。それでも私の話を聞き逃さまいと一生懸命な目をしている。

 

「お前はいつもゆっくりのんびり屋さんだったね。それがお前の可愛い所であるけど短所でもあるな。」

 

「うぐ、気を付けるね‥‥」

 

「でもな、短所は長所でもある。急がは回れとも言う、ゆっくりな分お前は慎重な行動ができるのが長所だ。」

 

「うん、ありがとマスター」

 

 

「カナ」

 

「はい」

 

カナは目を合わせてくれない。

まだ昨日の事怒っているようだ。

 

「本当にすまなかったと思ってる。私もできればお前達と生活したい。でも‥‥」

 

「マスター」

 

カナが背伸びして私の頭に頑張って手を置く。

 

「私はね、それで怒ってるんじゃあないよ?」

 

「じゃあ‥‥」

 

「カナはね。何の相談もなしで決断された事に怒ってたんだよ」

 

カナは少し不貞腐れたふりをする。

 

 

「私、言ったよね?私達はマスターが日本に帰る時の足枷になりたくないって。」

 

「そんな!カナ達が足枷なんて!」

 

しかし、私の言葉はカナによって静止された。

 

「うん♪分かってる。マスターは私達の為に決断してくれたんだよね。だけどね。私達はね。それでもマスターに相談して欲しかった、一緒に考えてね、例えば同じ結果でも納得できる形で決めたかったの」

 

「そうだよマスター!」

 

「マシロ‥‥」

 

「マスターだけ背負う必要なんて無かったんだよ!」

 

「むしろゆっくりした方がいいね。マスターは♪」

 

「そ、ソラ!」

 

「「アハハハハ♪」」

 

思わずみんなで笑ってしまった。

 

「ははは、はぁはぁ。カナ。」

 

「な~に?マスター?」

 

「流石うちの長女だな。」

 

カナのおかげで湿っぽい別れにならずにすんだ。

 

 

「ふふ、一番付き合いが長いんだからね♪」

 

カナが胸を張ってへっえんのポーズ

 

「娘達の成長がたくましいです。」

 

「そりゃがマスターが私達の親ですから♪」

 

マシロが嬉しい事を言ってくれる。

それからも少しだけ最後の会話を楽しんでいたが、

 

これまで沈黙を保っていたル級がとうとう、

 

「そろそろ朝日が昇る。出発するぞ」

 

とうとう来ちゃいましたね。

これが私からの送る言葉です。

 

 

「3人とも、よく聞いて。」

 

3人は私の声のトーンが変わったのを見て背筋を伸ばした。

 

「お前達は私の自慢だ。これから私達は戦争で数々の試練を迎えるだろうけどお前達なら乗り越えられると信じている。」

 

皆、しんとして身じろぎもしない。

真剣に聞いてくれている。

 

「だからお前達!生き残れ!生きて生きて生き抜いて終戦まで‥‥」

 

そこで止まってしまった。

不味い、なんだか目が熱く‥‥

 

情けないな‥‥

こんな大事な時に

 

しかし、泣いているのは軍人だけではない。

マシロは泣き顔を見せたくないと顔を下を向いている。

ソラは無言で涙を流し震えている。

 

カナにいたっては顔を覆ってしまった。

 

 

私は涙を押し込める。

 

「‥‥終戦まで生き残れ。戦後になれば、また会えるチャンスがあるかもしれない。」

 

これは本当に希望的観測にすぎない。

それは願うには過酷な奇跡かもしれない。

 

 

でも、それでも‥‥願わずにいられるか!!

 

 

それにそもそも私達の出会いも奇跡なのだ。

 

奇跡はまた起こるかもしれない。

 

 

 

 

 

「また必ず会おう!」

 

「「「ま、マスター!!」」」

 

カナ達は私に向かって飛んでくる。

私を中心に輪ができた。

 

私は彼女達を思いっきり抱きしめてあげた。

彼女達は思いっきりしがみついてくる。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

「よいしょっと!」

 

カナ達は次々と海に入っていく。

 

「人間、とんでもない賭けだな。」

 

「賭け?」

 

ル級がカナ達を手助けしながら私に話しかける。

 

 

「戦後に会おうなんて。昨日話した通り、絶望的だぞ?なんせそれは人間も深海棲艦も生き残ると言うことだからな。賭けと言ってもさしつかえないぞ。」

 

「それでも‥‥私は‥‥賭けてみたいです。」

 

「ふふ、いいだろう。」

 

ル級はくるりと背を向ける。

 

「その賭け‥‥勝てるといいな‥‥」

 

 

ル級は艤装を起動した。

 

「いくぞ!」

 

ル級を先頭にとうとう発進した。

 

ところがカナだけはUターンしてきた。

 

 

「マスター!」

 

「カナ!何をしている。早く行きなさい!」

 

「マスター!昨日の約束、覚えてる?」

 

「約束?」

 

「ずっと私達の親でいてね!約束だよ!」

 

「ああ、わかったよ。約束だ。」

 

私とカナは指切りをした。

 

 

「何してるいくぞー!」

 

ル級が呼んでいる。

 

 

「カナ、元気でな。」

 

「マスター、さようなら。またね♪」

 

 

これを最後にカナは主機を動かして沖へと向かう。

 

 

私は彼女達が見えなくなるまでずっと見ていた。

その姿はどんどん小さくなり、そして水平線へと消えていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日は酷く虚無だった。

 

 

数年間、一緒だった空間に一人になってしまった。

 

にぎやかだった食卓は静か‥‥

 

朝の喧騒も、夜の雑談もなく

 

まるで世界に一人だけ取り残されたような感覚を味わった。

 

ここに来て自分は幸せ過ぎたと改めて思った。

 

あの日、もしカナに出会わなければ自分はこれまでずっとこの静寂に耐えなければならなかった。

 

 

ソラやマシロがいたから毎日が賑やかで楽しかった。

 

 

 

「静か‥‥だなぁ‥‥」

 

 

私はこの静寂が早く終わる事を願った。

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

私の願いはかなった。

 

 

カナ達が出航して4日後に日本国防海軍の偵察隊が島に上陸。私は彼らに無事発見されて船に乗せてもらった。

私が荷物を持って船に乗ると船は偵察任務を終えて日本に帰還する。

 

私は船の窓から島が離れていくのを見ていた。

 

島を眺めながら、カナ達との思い出が甦った。

 

(いつか‥‥きっと‥‥)

 

 

いつか必ずカナ達と再会する。

そのときはまたこの島に住もう。

 

今度はちゃんと土地を買って家を日曜大工で作って‥‥それかあの海猫荘を買おう!

 

 

 

 

 

 

日本に生還した私に待っていたのはなんと!

 

 

 

「雪村 美琴中尉。貴官の功績を称える!」

 

 

四階級出世でした。

 

 

なぜこうなったのかと言うと、

 

私はもともとすでに戦死扱いさせていて例の死んで二階級特進扱いされていて、そこに私が軍に提出した報告書、あのこれまでのカナ達深海棲艦との生活での観察記録と一部写真だ。

 

ちなみにほとんどの日記やアルバムは渡さなかった。

 

 

この報告書を受け取った私の元上官は興味無さそうがだこれを見た上層部と学者先生達が驚嘆し、大いに喜んでくれて、

 

「報告書の功績だ!」と言うことでさらに二階級特進

 

 

私は大佐になりました。

 

 

 

大佐になった私はまた現場復帰と思っていたが私に下された指示は後方の新しく出来た部署の上役として配属されました。

 

 

配属先の部署は例の艦娘を運営している鎮守府との連絡や連携を円滑にするためのもので何かそれらしい事をしていますが、まぁやることは艦娘とたまに喋る仕事ですね。

 

 

深海棲艦との経験があるなら艦娘ともいいのではとでも思ったのかな?

 

 

まぁ、この大出世も後方への配属もおそらくは私を指令部から遠ざけない、傷つけないための措置でしょうね。

 

 

 

私は深海棲艦との共生を経験した言わば生きた研究資料のようなもの。何かあったら困るのでだろう。

 

 

出世で給料をあげて服隊させないようにして、さらに進級を口実に後方の指令部よりの部署に配属させていつでも監視、呼び出しできるようにする。

 

 

まぁ、出世できて仕事もこれまでの現場仕事から書類や一部艦娘とのコミュニケーション(カウンセリングとか雑談とか)と楽しいから文句はないが変わりに決められた時期にカウンセリングと学者からの質問と言う名の尋問を受ける事が義務付けられた。

 

 

 

そんな中で、私は私と同じ境遇の人を見つけた。

 

 

その日たまたまカウンセリングを受けに行ったら待合室で一緒になりたまたま話した会話からお互いが生還者で深海棲艦との共生した者同士と知った。

 

 

彼は陸軍の航空隊隊長で離島の警備にあたっていたら襲撃にあい自分だけ生き残り、倒した浮遊要塞から生まれた突然変異体と生活していたらしいです。

 

 

驚いたことに他にも数名いて私が音頭を取って同じ境遇者でコミュニティを作り定期的に集まって各自の思い出を語り合った。

 

 

「それでな、ユウが魚を頬張る姿に思わずキュンとな‥‥」

 

 

「いやいや!それならうちのカナなんて始めてリンゴを食べた時の驚き顔なんか最高だったよ」

 

「なんと!それならうちの子なんて‥‥」

 

 

こんな感じで皆やっぱり自分の子が可愛いとノロケをする始末だった。

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

そんなこんなで月日は流れ、戦争は続いた。

 

深海棲艦との戦争は再び激化していた。

 

 

その後、軍の中でさまざまな事件や変動が起こり、鎮守府は閉鎖されたり、艦娘達は外部に脱出したり一部暴走した形で動かされた日本艦隊が太平洋に向かったりなど。訳のわからないほど多くの事が起きた。

 

そして、何が起きたのかは秘匿されたが噂では太平洋方面で日本艦隊と深海棲艦、鎮守府の三つ巴の最終決戦が行われたそうです。

 

 

この大戦を切っ掛けに遂に日本と太平洋深海棲艦との間で和平の交渉が始まった時は私は信じられなかった。

 

まさか私がすがっていた希望が現実になるなんて‥‥

 

もっと驚いたのは私がこの交渉ための特使団のメンバーに選ばれた事だ。

 

 

指令部からは「君しか適任がいない。」だそうだ。

 

 

 

最初の会談は小笠原諸島で行われた。

 

 

会議場は何もない無人島にテーブルやカーペットを敷いた簡易なものだ。

 

 

私をはじめとする軍属や外務省の人間などが緊張する中で迎えた深海側の特使団。

 

その護衛の一人が私を見つけると声をかけた。

 

 

「人間、生きていたか。」

 

「貴方は!あのときのル級さん!?」

 

驚いたのはまさかあの時のル級とは‥‥

 

「賭けに勝ったな‥‥」

 

「はい!」

 

それからル級と少し話した。カナ達の事を聞いたがどうやら艦隊に合流してからは知らないらしい。

 

 

 

 

 

会談は概ね順調だった。

既に鎮守府が取り付けた約定に少し修正を加える程度だ。

 

 

 

 

そして、決戦の翌年。

 

 

 

遂に日本と太平洋の深海棲艦との講和条約が締結。

 

まだ各地で小さな紛争が続いているがそれもこれから交渉に入る。

 

 

これでヨーロッパも何故かスイスが仲介になって交渉を開始、これでようやく長きに渡る戦争が終りそうです。

 

 

 

これでようやく‥‥

 

あの子達に会える!

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

それからまあ月日が流れた。

 

 

私はこれまでの交渉会談や仕事の合間のコミュニケーションで得た人脈や仲良くなった艦娘や深海棲艦を通じて情報を集めた。

 

 

カナやソラは分からないがマシロの事が分かった。

 

 

彼女は南方やヨーロッパなどで神出鬼没に現れては大暴れしていたそうです。

 

既に確認されていた潜水棲姫とか異なる姿から潜水新棲姫と呼ばれるようになり彼女の笑い声は輸送船にとっては悪夢だったとか‥‥

 

 

彼女らしいと言えば彼女らしい‥‥

 

 

 

幸いにも撃破されたと言う報告は上がってないらしいが所在不明らしい。

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

更に月日が経って、一年以上が過ぎた。

 

 

 

私は今、あの島に来ていた。

 

終戦し、その交渉に貢献した私は更に出世していた。

これまで溜まっていた休暇と使い道の無かった給料を使ってこの島に来てあの海猫荘を買い取ったのだった。

 

 

しばらく留守にしたせいかガタが来たり、中が埃まみれだったりで今掃除と修理をしているところだ。

 

 

私は夕刻になるとよくこの海岸に来る。

 

そうこの場所は昔カナと始めて会った所だ。

 

このように岩場で彼女と会ったのだ。

 

 

「カナ‥‥」

 

 

彼女は今どうしないるかな?

 

 

「そろそろ帰ろう。この時間はここでも冷えてくる。」

 

私は岩場から港の部分へと歩いて行く。

その間も私はカナ達の事を考えていた。

 

いつになれば会えるのか。

私もそろそろいい歳です。周りからもよく結婚を進められるし、前に告白されたこともあります。

 

しかし、全て断ってきました。

彼女との約束の為です。

 

 

私はあの子達の親になるのだから‥‥

 

 

これまでに既に潜水艦の残骸が多く発見されてきた。

これだけ経っても現れない。

 

流石の私も少し諦めて気味だ。

 

だからといってかな、この島に来たくなったのは。

 

ここに来れば会えるかもしれない。

 

 

そう、思ってしまったのだ‥‥

 

 

 

「うわぁ!」

 

突然後ろから突風が吹いて髪が乱れた。

 

それでなんとなく後を振り返った。

 

 

すると夕日をバックに何か影が港に這い上がって来た。

一見すると不気味だろう。

 

 

だけど、私はそれを見て駆け出した。

 

 

この距離からでも見違えるはずがない!

間違いない!

 

私を確認すると影も走り出す。

 

二つは丁度中心でぶつかり合う。

 

 

勢いで負けたのか軍人は影に倒された。

 

 

 

 

 

「マスター!♪」

 

「おおっと!」

 

 

彼女は軍人を抱き締めた。もう絶対に離さないとばかりに。

 

 

軍人はそんな彼女をいとおしく見る。

そして、数年ぶりで頭を撫でてあげた。

 

 

 

 

 

 

「ただいまです!マスター♪」

 

「お帰りなさい。カナ‥‥」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





終わっちゃいました‥‥

無事に?物語も完結しました。
それもこれも応援、閲覧してくれた皆様やアドバイスをくれた友人方などのおかげです!

本当にありがとうございました♪



【挿絵表示】



だけど、この後にまだこの作品のあとがきが書かれるので是非最後までお付き合い下さい。

そこで何かあるかもです♪


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

潜水艦の後書き

 

 

 

菜音「いーや、終わりましたね。無事に終わってホッとした気分の作者です。今回は私だけでなくもう一人、」

 

「どうも!はじめまして」

 

菜「本作に結局登場できなくて欲求不満のヨ級ちゃんです。」

 

ヨ級「こら!自己紹介ぐらいさせてよ!てか欲求不満なの分かってるなら私も出してよ!」

 

菜「だって3人ぐらいでないと上手く扱えなくて。もし出ても初代ポケモンアニメのピジョンみたいな扱いになってたよ?」

 

ヨ「例えが分かりづらいです‥‥」

 

菜「えー、今回は完結を記念してこのヨ級と潜水艦の話をしたいと思ってます。」

 

ヨ「具体的にはこの作品の作成に関わる裏話やアクシデントなどですね。」

 

「途中と最後の方でお知らせとか今後の作品展開とかもあるから♪」

 

 

 

 

 

 

「それじゃあまずは、この作品を書いたのはなんでなの?」

 

「いきなり?まぁ、いいけど。元々潜水艦は『再びあの海へ』の外伝として作りました。」

 

「一応本編の?」

 

「うん。実はWeb小説を読むのはこのサイトが初めてで、最初に読んだのが艦これの転生ものだったの。初めて二次創作と呼ばれるものに触れたから面白くて色々読んだけど、なんだかねぇ。逆に王道みたいな作品の数が少なくて残念だと感じたわけです。」

 

「この手のサイトはむしろそんな感じじゃあ?」

 

「たまに王道書く人もいて面白いと思ったんです。なので無いのなら自分で試し書き程度で書こうと思って書いたのがあれなの。」

 

「下手過ぎだね。」

 

「言わないで。それからかな、この世界観を軸にして外伝を作って見ようと思ったのは。」

 

「何でまた?」

 

「王道もだけど、艦これとかはやっぱり艦娘とかその周りで活躍する鎮守府の人とかが注目されてますよね。たまに深海棲艦が主役とかあるけど。」

 

「そりゃあ提督と艦娘あっての艦これでありますからね。」

 

「だからかな。よく戦争で噛ませ犬みたいになっている艦娘が出る前の軍人とか、あまり関わり無さそうな国とかの様子がね。」

 

「あの戦争の裏側的な感じですか?」

 

「うん、それでそのあと本編そっちのけで幾つか作品案考えてそれを外伝の形で出すことにしたんだ。」

 

「その記念すべき1号がこの作品なのね。」

 

「だけどね。いきなり問題が起きたんだ!」

 

「何があったの?」

 

「実は投稿してすぐに作品の路線変更を余儀無くされたんだ。」

 

「うん?」

 

「実はね。本当はこの作品、取り残された退役寸前の老兵がたまたま打ち上げられた潜水艦の深海棲艦を保護して水槽で飼って観察するといった感じの老人の飼育観察日記的なシュールな作風になる予定だったんだ。」

 

「本当にシュールだねぇ。誰得感が半端ないね‥‥」

 

 

「それが第1話とかの感じがなんだか可愛い子供を保護した感じになっちゃって、それが可愛いとかで評価されてしまって、しかもこの路線を望み声も上がっててそれで仕方なく幼い潜水艦の子を助けてその子達を可愛がり子育てする話になったの。」

 

「まさか三流作者の書きミスから生まれた?!」

 

「元々こんなはずじゃなかったからネタの準備もなくて私はそんな感じのアニメとか作品にあまり見たことないからすぐにきつくなってきて‥‥」

 

「あらら!」

 

「それでたまに前書きとかに出てくる友人達にキャラ相談役として相談に乗って貰ったわけです。」

 

「カナ達のキャラはその友人が?」

 

「いいえ、基本設定は全部自分で考えました。それからこれとかどうかなってわけ聞いていました。ちなみにそれによって軍人さんのキャラ設定が大幅変更されました。」

 

「そう言えば、あの人。最終話でようやく本名出たわね。」

 

「それがこの作品の自分なりの努力です!」

 

「??」

 

「えっとね?友人にも言われたけどこの軍人さんの性別皆さん何だと思いました。」

 

「うーん。普通なら男の人と思うのでは?」

 

「まぁそうなんだけど。私が下手なせいで分からないかもだけどたまに性別を匂わせるセリフとか入れてどっちか分からないようにしてました。」

 

「もしかして、それで名前だけでなく軍人についての説明を伏せることで読み手に想像してもらうとか、安い考えてではないよね?」

 

「‥‥‥‥‥‥も、もちろん!」

 

「図星ね。じゃあ何で最後の最後に名前とか出したの?」

 

 

「もう最後だから作者の設定で終わらせようと思いました。」

 

 

「ちなみに軍人さん、雪村 美琴 のキャラ設定はどんなのだったの?」

 

「基本設定と言うよりほとんど裏設定だけどね。」

 

 

雪村 美琴(軍人さん)

 

○陸軍中尉

○一人称は私

○好きなもの: 可愛いもの トレーニング

○嫌いなもの: 水泳 暇なこと

 

本編に出てくる主要登場人物の従姉妹。

その為医療にも少し知識あり。

 

基本何でも出来る人。ただし泳げない。

 

 

 

「こんな感じです。」

 

「カナ達は?」

 

「あの子達はカナ以外は後から誰を登場にするかだったから割と書きながら決めてた。」

 

「そう言えばアナタってスマホで書くよね?設定雑でしかも誤字脱字多いのもそのせい?」

 

「私は基本設定しか決めなくあとは書きながら考えてましたので結構がばがばです。」

 

「だからよく誤字報告だったり感想でダメ出し受けたりしてたのよ。」

 

「来る度にかなりダメージ食らってましたけどこうしてダメ出ししてくれるのは非常に有難いことなのでそれらも励みにして頑張ってました。」

 

 

「この作品の主旨はわかったけど一番の気を使ってたのは顔文字じゃあない?」

 

「それです!深海棲艦の子供だから喋れないのでどうやって感情や意識を分かりやすくするか私なりに考えました。文章で書くとなんか分かりにくかったり、私が下手なせいでボロが出てしまうので。」

 

「一度それについて批判受けたみたいだけど?」

 

「あのときは私もやりすぎと反省していた時なので素直に受け止めました。でもそれをすると作風が壊れるので乱用に気を付ける事にしてその反省の意識を見せるために書くことになったのがsidestoryです。」

 

「この作品、やたら他の作品も登場してたけど隊長さんの主役のメモ帳とsidestoryは別にした理由は?」

 

「メモ帳は潜水艦を作ってる時に出来た亜種みたいなのです。暇潰しに作ったのを友人に見せたらスマホを奪われて勝手に投稿されたのが事の始まりです。」

 

「そうなんだ‥‥。最終話の方にチラリと出てたけどあの人はどうやって生還したの?」

 

「うーんとね。私としては生きてましたと伝えたからいいと思うけど、もし見たい人が一人でもいるなら書くつもりだよ。」

 

「書いてよ‥‥。それじゃあsidestoryは?」

 

「これは先にも言ってた潜水艦を書く前に出てた外伝のボツ案です。丁度あの時期に潜水艦を本編の外伝集みたいにしようとも考えてたので短編向きだったものを編集してみました。」

 

「それが外交官の話かぁ。確かにスイスとかあまり取り上げられない国だからコンセプトには合ってるね。」

 

「その後もsidestoryを出そうと思ってたけど元々一つの話だったものをまとめようとしたから無能な私には厳しくてそのせいで投稿が遅れてしまったわけです。」

 

「このsidestoryはもしかしたら短編で出るかもだから期待しておきます。」

 

 

「期待しないでよ。さて!そろそろしまいに‥‥」

 

「待ってよ!まだあるから!」

 

 

 

「この作品が終わる事を表明してから感想とかで色々言ってもらったよね」

 

「本当に有難いです。あれがなかったらこんなに早く投稿しなかったと思います」

 

「最終話の感想とか本当に書いたかいがあったね」

 

「うん♪ただ"カナ達"の所が少しね‥‥」

 

「何かあるの?」

 

「‥‥いや。今はまだいいよ。」

 

 

「ふーん?ならいっか!最後に何かここで発表するとか活動報告とかで言ってたよね。」

 

「そうそう♪」

 

「中には続編とか私が出演するとか、私が主演の新作が出来るとか期待してたけど」

 

「ほとんどお前の願望じゃあ?まぁ、残念ながらお前の出番は今後もないよ。」

 

「ウエーん!お願い!お願いします!出して下さい!」

 

「何で出たいの?」

 

「だって、害悪扱いのソ級がこの小説のおかげで少し風当たりがマシになったって‥‥」

 

「それは気のせいだろ?そもそもお前の事を脅威に感じてる提督とかいないから安心しろ。」

 

「うわーん!!」

 

「話が逸れたね。では発表しますね。けど残念ながら続編の発表じゃあなくてね、この作品の原点である本編についてです。」

 

「と言うと?」

 

「あの作品、初めてのせいか出来が酷くてこのままでは気持ち悪いし、消そうにもあれは潜水艦の命でもあるからそれは出来ないのでならばリニューアルしようと言う事になりました♪」

 

「ほー!」

 

「今度はきちんと完成させて、あの世界観を元にまた新しい外伝を作りたいと思ってます。」

 

「そっか‥‥。けど潜水艦の話は終りか‥‥」

 

「そもそも潜水艦を完成することにしたのは私にほのぼのネタがないからなので‥‥。なので今度は勉強してからだったらまた何か書くかもです。」

 

「その時は私が出る事を期待します♪」

 

 

 

 

 

「うーん。」

 

「まだ何か?」

 

「実はね。最終話を書いてる時に軍人達のその後とか考えてしまってね‥‥」

 

「えー?!だったら書いてよ!」

 

「でも、これはほのぼの系じゃあないから皆さんが期待しているような物ではないよ?それに折角綺麗に終わって皆さんが思い思いの終り方をイメージしているだろうし、それを壊すことに‥‥」

 

「これ、言って良いかわからないけど。あれハッピーエンドだよね?」

 

「だからそれは読み手の想像で‥‥」

 

「ジー‥‥」

 

「分かったよ‥‥。もしほのぼのじゃあ無くてもいいと言ってくれて読みたい人がいたら書きたいと思います。」

 

 

「言ったね。」にやり

 

「いたらの話ね!!」

 

 

 

 

「そろそろ話すことも本当になくなったので閉めたいと思います。」

 

「そうだね、寂しいね‥‥(誰か私が出れるように応援して‥‥)」

 

「皆様。潜水艦をここまで読んで下さってありがとうございました♪また可愛い子達の話を書けるように努力しますのでその時は是非とも読んで下さいね!」

 

 

 

 

 

 

Fin‥‥

 

 

 

 




※実はこの会話のヨ級は友人との会話で実話です


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

エクストラ
あの日々の思い出 某日




私の小説投稿開始から一周年記念です。連載は終了しましたがエクストラ回を投稿しました。

この回は、いわゆるショートストーリーの詰め合わせのようなものなので、時間軸がバラバラなのであしからずです。



 

 

 

これはまだ、マシロが海猫荘に来る前の出来事です。

 

 

あの雨の日の晩のことです。軍人とカナ達はゲーム部屋に設けられたふかふかソファーに3人で座ってアニメ観賞をしていました。

 

 

 

「くぅ~やっぱり、○ェ○○・ゼロは何度見ても名作だなぁ!」

 

このゲーム部屋を作った際にショッピングモールからゲーム機やテレビを持ち込んだが、ついでにBlu-rayも大量に拝借した。

 

 

昨日は1日中大雨で外に出れそうにないので室内でカナ達と遊んでいたが、流石に2日目となるとカナ達も外で遊べずにつまらなさそうだ。

 

 

なので今日は我ら人間の文化や叡知、芸術の結晶とも言える日本のアニメを二人と見てもらおうと思ったのだ。

 

 

それで今は○ェ○○・ゼロを見ている訳である。

 

 

『問おう、あなたが私のマスターか?』

 

○イバーさんの登場シーンのこのセリフ、何度見ても好きですね。

 

「はぁ、カッコいいよねこのセリフ!一度でいいから言われてみたい‥‥」

 

「(゜ー゜)」‥‥。

 

 

この軍人の発言をカナはしっかり聞いていた。

 

 

後に彼女が成長して言葉を発するようになった時、軍人の事をマスター呼ぶようになったのはこの事が原因であるが、そうなることはこのときはまだ知る由もなかった。

 

 

今2話を見ているのだが、この回にはキャスターの召喚がある。

 

この場面ではキャスターは生け贄?の少年を助けてあげるのだが、

 

 

『怖がらなくてもいいんだよ、坊や』

 

これにははらはらしながら見ていたカナ達はほっとした様子だった。

 

『立てるかい?』

 

「(/。\)」ホッと‥‥

 

「(/▽\)♪」良かった♪

 

 

『さぁ坊や、あそこの扉から部屋の外に出られる。1人で行けるね?』

 

『うん』

 

少年は扉を開ける。そこには外の光が‥‥

少年が助かる希望を抱いたその瞬間に後ろからキャスターの使い魔が少年を襲う!

 

『ぎゃああああああああ!!』

 

「Σ( ̄ロ ̄lll)」ぎゃああ!

 

「(。´Д⊂)」そ、そんな‥‥

 

 

彼女達は完全に怯えてしまった。

ソラに至っては完全に泣き出してしまった。

 

 

そういえばこの反応は前にも見たことがあります。

 

前に桐音ちゃんとも一緒に見たのだが、あの時彼女はあまりの衝撃で泣き出してしまい、

 

「え、映像の暴力だ~!」

 

って言ってました。

 

 

 

うん、確かにキツいシーンだと思います。

 

 

 

 

しかし、この残酷なシーンはもはやアニメ、架空のものではない。実際に深海棲艦によってこんな死に方をしている人々もいる。

 

 

なので深海棲艦はこのキャスターのようなイメージを持たれている。

 

しかし、

 

「(´д`|||)」びくびく

 

「( TДT)」心臓が痛い‥‥

 

 

 

 

うぐっ‥‥、これが悪魔だと?天使の間違いではないのか?

世の人々が悪魔と呼んでいる深海棲艦が人の作ったアニメを見て怯えてるますよ。見ていてかわい‥‥おほん!可哀想になってきました。

 

 

「よしよし、怖かったね。」

私はカナ達を落ち着かせるべく、とりあえずなでることにした。

 

「(´;ω;`)」ふるふる(震えてる)

 

「(/。\)」落ち着いてきた

 

 

ふぅ、落ち着いてくれたようだ。この子ら好きだよねなでなで。もしかして‥‥、深海棲艦の弱点は頭なのでしょうか?というよりも私の方も依存症になりつつありますね。

 

 

 

「もう夜も遅いし、この辺で仕舞いにしようか。」

 

「(..)」こくこく

 

「(/-\)」‥‥zzz

 

 

 

 

 

□□□□□□□□

 

 

雨の音が聞こえる。激しく降り続けておりその降りつける雨粒が風によって勢いがますあの激しい音が先程から鳴り続けている。

 

一向に弱まる気配のないその雨から明日も雨であることを予想させる。

 

雷かな?遠くからゴロゴロと鳴っているのが聞こえる。

いよいよ激しくなってきたな。

 

 

「ふふ。」

 

雷で思い出した。私はこれまで雷で怖いと思ったことはないが前におばさんの家にお泊まりに行った時だ。

 

今日みたいに夜中に大雨で雷が鳴り響いた晩のことです。

 

「お、お姉ちゃん‥‥」

 

「どうしたの桐ちゃん?」

 

桐音が枕を持ってやった来た。

 

「その‥‥雷怖いから‥‥、一緒に寝てもいい?」

 

あの頃の桐音ちゃんは可愛かったな。

雷が怖くて眠れないと訴えていた時のある顔、そして、ちょうどそのタイミングで大きくなった雷音。

 

「ひぃ!」

 

涙目の我が従姉を見て可哀想になったものだ。

今にしてみればかなり可愛かったな。

 

もし日本に帰れたらこの話を桐音ちゃんにしてやろう。

 

 

 

「うん?」

 

あれ?なんか音がしたような。ギギィ ギギィって。

 

何の音だろう。あれ、なんかどんどん近づいて来てるような。

 

ギギィ ギギィ ギギィ

 

 

待って、なんか怖い!

 

 

私は恐る恐る起き上がる。すると閉めていたはずの部屋のドアが開いてる。今日は雨で月が出てない。だから部屋は真っ暗で見えづらい。

 

 

今何か影が動いた。何か‥‥いるの?

 

 

ギギィ これはもしや足音?

 

ちょうどその時だった。

 

 

ゴゴーン!!

 

 

雷が落ちた。その光で何かが見えた。

黒い‥‥髪の長い‥‥

 

しかし、それは雷に反応して大きく動いた。その姿はまるで軽くお化けを連想させてしまい私は思わず、

 

「うわわわわわ!!?」

 

叫んでしまった。

 

一方で影もほうも、

 

「Σ( ̄ロ ̄lll)」

 

かなり驚いたようで飛び上がっていた。

 

 

私は部屋の明かりをつけた。

 

 

影と音の正体はカナだった。

 

 

「(´д`|||)」がくがく がくがく

 

「か、カナ?どうしてここに?」

 

あれ、枕を持っているな。もしかして‥‥

怖いから一緒に寝たいとか?

 

「(..)」こくこく

 

えー?

 

怖い話とか聞いた晩とかに眠れなくなるとかあるけど、見たのは健全なアニメだよ?

 

どうしてこうなる?

 

 

「(´;ω;`)」うるうる

 

「はぁ、いいよ、おいで。」

 

私が言うとカナはすぐに飛び付いてきた。

 

 

「おおっと!まったく。」

 

本当は怖いのは建前で一緒に寝たいだけなんじゃ?

 

 

「ふふ、そう言えば久しぶりだね。」

 

ソラが来てからは彼女達の部屋を作ったのでそこで寝かせていた。だからカナと一緒に寝るのはソラが来る前以来だ。

 

 

「おやすみ‥‥って、もう寝てるし。」

 

「(-.-)zzz zzz」すー すー

 

その寝顔はどこか安心しきったものでした。

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

これはマシロの好みチェックをした数日後の事です。

 

 

 

マシロは辺りをキョロキョロ見渡していた。誰もいないこと、特に軍人がいないことを確認して使われてない客室に入りました。

 

 

この部屋には前に軍人にバレないようにこっそりと持ってきたあるものを隠しているのだ。

 

それは度が入っていないメガネだった。

 

あの時、店舗にあったこれを見た時になぜだか無性に懐かしく感じて気になってしまったのだ。

 

 

そのためか試しにかけてみたくて手に取ったが丁度お香に気を取られていた軍人がマシロに声をかけたのであわてて隠してしまいそのまま持ってきてしまったのだった。

 

なので今日はあの時かけられなかったメガネをかけて見ようと思ったのだ。そうすれば何故こんなにメガネに懐かしさを感じるかわかると考えたのである。

 

マシロはメガネをかけた自分を部屋の備え付けの鏡で見てみた。そこにはメガネをかけた自分がいるだけだった。特に何も感じる事はなかった。

 

 

しかし、何故か引っ掛かっていた。

 

マシロは考えた。一体このもやもやの正体はなんなのかを‥‥

 

 

 

 

ときに人間は生まれてきた時に胎内記憶を持って生まれて来ることがある。生まれてから親の胎内にいる時の中での記憶や胎外で何が起こったかぼんやりと覚えていてたまにそのエピソードを聞かせてくれる子供もいる。

 

これはもしかして可能性の話であるが、

 

 

彼女は施設の水槽の生まれであり、仮にその水槽が胎内だとする。彼女の水槽内の成長ぶりを毎日のように視察に来ていた深海棲艦がいて、彼女がメガネをかけていたとしたら‥‥

 

彼女のもやもやの正体は、ぼんやりと頭に残るメガネをかけた深海棲艦の存在がいたという胎内記憶であり、彼女はそれに引っ掛かっていた。まぁ、これはあくまでも仮説である。

 

しかし、そんな胎内記憶なんてことや、メガネの深海棲艦の存在なんて当時のマシロには知るよしもなかった。

 

 

次第に彼女の思考はメガネに対する懐かしさに対する調査からメガネそのものに移っていた。

 

 

「(///∇///)」

 

メガネをかけ方を工夫してみたり持ってきた帽子をかぶってみたりと彼女はメガネを使ったおしゃれをしてみては鏡を見て微笑んでいた。

 

 

そのまま気分が乗ってきてポーズを決めたりなんてしてると‥‥

 

 

カシャッ

 

 

 

部屋の扉、少し空いたところからソラがカメラを持っていた。それで用がすんだソラはすっときびすを返した。

 

「(///□///)」カーーー

 

み、見られた!いや撮られた!?

 

 

当時のマシロの思いはこんなのであっただろう。

顔を真っ赤にして慌ててソラを追いかけるのだった。

 

 

その後、マシロとソラの追いかけっこが始まるのだが、軍人にケンカと思われ二人とも捕まってしまいソラはカメラを没収された。もちろん、その写真は軍人の手に渡ったのは言うまでもないだろう。

 

 

 

これはかなり後の話だか、彼女は深海棲艦陣営にもどった後、自分のルーツを求めて回った時にメガネをかけた深海棲艦を手がかりにしていたそうです。

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

軍人のアルバムにはたくさんの出来事が写真で納められている。しかし、その中でもソラの写真は少ない。

 

 

それには理由がある。それは‥‥

 

 

 

「(/.\)」zzz zzz

 

彼女は寝ていることが多い。

 

 

のんびり屋さんでもふもふ好きなソラはふかふかな布団やもふもふなぬいぐるみに包まれて眠ることが何よりも好んでいた。

 

 

そのためかたまに起きるトラブルなどの時も彼女は寝ていたため関わっていなかったり、イベントの時もいなかったり等とだから写真に写ることが少ない。

 

 

そんなよく眠る彼女だがその日は誰よりも早く目が覚めた。

 

 

 

いつもなら彼女は二度寝をするところだが彼女は外の空気でも吸うことにした。

 

 

日はまであがってなくて薄暗い。少しぶるとなったが悪くかった。すると後ろから軍人がやって来た。

 

 

「あれ?ソラ?珍しいね、こんなに早く起きてるなんて。」

 

「(/▽\)♪」

 

軍人を見てソラはいつもの朝の抱擁をする。これが朝の挨拶兼軍人養分の摂取の時間です。

 

「おはようソラ♪」

 

軍人もソラの要望に答える。

寝癖を手ぐしで撫でてあげる。この子は寝癖はあるけど髪はサラサラなんだよな‥‥

 

 

 

そうこうしていると朝日が昇ってきた。

 

 

「おお、今日は一段と綺麗だな。」

 

「(/△\)」おー!

 

大量の雲の隙間隙間から太陽が見え隠れし、その光が雲の上から伸びるように見える。

 

「これは‥‥薄明光線ってやつかな?」

 

 

 

薄明光線とは、太陽が雲に隠れているとき、雲の切れ間あるいは端から光が漏れ、光線の柱が放射状に地上へ降り注いで見える現象のことであり、本来とは異なり今のように雲の上へと上空へ伸びるケースもあるそうです。

 

 

その綺麗さに普段日の出なんて見ないソラも思わず見とれています。

 

 

「(///△///)」ほぁー

 

 

「これはね、別名天使の階段とも言うんだよ。もしかしたら、今日は私の天使と一緒に見てるから出てきたのかな?」

 

軍人が少しふざけてみせる。

 

 

しかし、ソラは軍人に天使と呼ばれたことに少し心が踊っていた。

 

それからソラは軍人とコーヒーを飲みながらしばらくその光景を楽しんでいた。カナ達が起きるまでまだ時間がある。それまで軍人は一人占めだ。

 

 

朝早起きすることでソラは、綺麗な日の出を見られ、軍人に天使と呼ばれ、しばらく独占でき朝から得をするのであった。

 

この早起きによって三文の徳ならぬ早起きは三個の徳を経験したソラはそれからは少し起きるのが早くなったが‥‥

 

 

「(/。\)゜゜゜」zzz zzz

 

 

やはりそこはソラ、相変わらずスロー生活を過ごし続けます。

 

 

 

 

 

 






もしかしたら潜水艦の一周年の時にも投稿するのでこれからも潜水艦シリーズ及び本編なども応援よろしくお願いいたします!


目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

『一周年記念作品』霧島さんの勘違い




私の活動開始一周年を記念して書いた作品です。頑張って恋物語を書いたつもりです。どうか暖かい目で読んでいただければ幸いです。

潜水艦とは無関係です


 

 

 

「ふぅ♪」

 

今日の演習は終了 私達の勝利です!

 

 

「あっ!霧島さん錬度が上がりましたね!」

 

「遂に最高錬度ですね、おめでとうございます。」

 

「皆様、ありがとうございます!」

 

そうです。私の錬度がとうとうマックスになりました。

 

 

 

ここに来るまで長かったです。

毎日演習に東京急行などとレベリングの毎日でした。

 

「本当に夕張さんや空母の皆さんには助けられました。」

 

「いえいえそんな‥‥」

 

「ふふ、どういたしまして♪」

 

「所で皆さん、前から不思議だったのですが。」

 

「霧島さん、どうかしましたか?」

 

「司令はどうして私なんぞのレベリングにここまで力を入れて下さったのでしょうか?」

 

 

みんな「「えっ?!」」

 

 

「近頃は海域の攻略も順調、長門さんや大和さんもいるのに‥‥」

 

 

「き、霧島さん‥‥それはその‥‥」

 

(本気で言ってるの?)

 

(ど、どうしょう‥‥私達が言ってもいいのかな?)

 

(こ、ここは遠回りに‥‥)

 

「ほ、ほら!霧島さんここで最古参の戦艦ではないですか!」

 

 

なるほど?この鎮守府で苦楽を共にしたということでまた活躍出来るように育ててくれたと言うことですね。

 

 

「そうなのですね!では!提督のご期待にそわなければ!」

 

「あっ!霧島さん‥‥行っちゃった。」

 

「あれ、何が考え違いしてない?」

 

「霧島さん‥‥」

 

 

霧島は大きな勘違いをしつつ提督のいる執務室へと向かった。

 

 

途中に出会った皆さんにもなんだか応援されてます。

これはやはり活躍が期待されているのでしょう。

 

そう思うと霧島の足取りはさらに早くなるのだった。

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

執務室

 

 

提督「‥‥。」そわそわ そわそわ

 

演習の結果を聞いた提督はそわそわしっぱなしだった。

 

 

「もう!提督さん、落ち着いてよ!」

 

霧島の代わりに秘書艦をしている瑞鶴が咎める。

 

 

「だ、だって‥‥き、緊張してきて‥‥」

 

「情けないわよ。そんなんで大丈夫なの?」

 

「が、がんばる。」どきどき

 

 

瑞鶴の言うとおりだ!この日のためにこれを準備したのだろ。深呼吸、落ち着けよ俺!男だろ?

 

 

「おっ?噂をすれば。」

 

 

ガチャ!

 

「失礼致します!」

霧島が勢いよく入ってきた。

 

 

「頑張りなさいよ?」

瑞鶴が小声で提督にささやいた。

 

「う、うむ。」もじもじ

 

 

「報告します!演習は完了しました!」

 

「そうか、ご苦労様。さっそくだが‥‥」

 

「司令!この霧島!提督の期待にお応えしたいです!」

 

「‥‥へぇ?」

 

「司令が私にここまで力を入れて下さったのは、私に期待を寄せて下さったからでしょう?なればこのご恩は結果でお返ししたいです!」

 

「えっ?あの、霧島さん?」

 

「司令!この霧島にお任せ下さい!!」

 

「‥‥う、うん‥‥ありがとう‥‥だったらお願いしちゃおうかな?」

 

 

提督は霧島に次の海域の攻略の旗艦を任せ編成を伝えた。

 

「わかりました。きっと司令のお気持ちにお応えしてみせます!」

 

「そうか‥‥」

 

「では、行って参ります!」

 

ガッチャン!

 

 

「ううっ‥‥何で‥‥」

 

「提督さん‥‥ドンマイ‥‥」

 

瑞鶴(霧島さん、何か勘違いしてない?)

 

 

 

 

 

 

「ふふ~♪」

出撃に向かう廊下にて上機嫌の霧島さん

 

「あっ!霧島ー!」

 

「は!金剛お姉さま!」

 

「最高錬度到達おめでとうございマース!」

 

「お姉さま♪ありがとうございます!」

 

「かなりご機嫌デスネー?何か嬉しい事でもありましたか?」

 

「実はですね!」

 

 

‥‥‥‥‥‥

 

 

「う~ん、そうですカ。」

 

てっきり提督にプロポーズでもされたと思ったネー

しかし、このようだと今頃提督は泣いてマスネー

 

「はい!きっと司令は私の火力と高速艦であることの使いやすさを気に入ってくれたのです!」

 

「そんなのは主砲でもタービンでも装備でどうとでもなりマース。提督は霧島だから気に入ってのデース。」

 

「?よくわかりませんがわかりました。これから出撃なので失礼致します。」

 

スタスタスタ‥‥

 

「まったく、困った妹デスネー。」

 

霧島の後ろ姿を見ながら金剛は呟いた。

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

「はっ!」

 

 

あれ?ここは‥‥鎮守府の医務室?

私は医務室のベッドに寝かされていました。

 

どうして?

 

「あっ!霧島さん目覚めた?」

 

「瑞鶴さん‥‥」

 

ベッドの隣に置かれたイスに座っていた瑞鶴は読んでいたであろう本を閉じると立ち上がった。

 

「何があったか覚えてる?アナタ、相当無茶したらしいじゃあない。」

 

 

そうだ!思い出した。

 

私は先の戦闘で敵を撃破した。ところが敵の新手が現れた。既に前の戦闘で消耗したにも関わらず私は司令の期待に応えたい一心で功を焦ってしまって‥‥

 

 

「提督さんも少し前までいたよ。相当心配してた。」

 

 

 

司令のご期待に応えるどころか逆にご心配をかけてしまった。任せて下さいと自分から言い出してこれでは司令に合わせる顔がないですね。

 

それだけではなく、私の身勝手のせいで艦隊の皆さんまで大怪我を負ってしまった。

 

「待ってて、今提督さん呼んでくる。」

 

「瑞鶴さん待ってください。」

 

「霧島さん?」

 

医務室から出ていこうとした瑞鶴を呼び止めた。

 

「今司令にお会いするのはその‥‥」

 

「‥‥わかった。でも知らせには行かせて、心配してるのは本当だから。」

 

「わかりました。我が儘を聞いてくれてありがとうございます。」

 

「イイのイイの、それじゃあまた後で。」

 

ガチャ パタン

 

 

瑞鶴は今度ころ医務室からいなくなった。

 

 

 

その間、霧島は考えていた。

 

 

 

司令に期待されたと思って、自分は特別だと勘違いして、自分から出撃を買って出て、錬度が上がったことで調子に乗ってこの様です。

 

私は司令に呆れられるかもしれない。

 

どうして司令はこんな私を秘書艦に選んだのでしょうか?

 

 

毎日ある任務に必要な訳でもかと言って何か特別な任務に必要な訳でもない。

 

自慢の火力は大和さんや長門さんには勝てませんし、

 

限定海域の攻略も高速戦艦である強みも海外からの艦娘の参加と活躍によってアイデンティティーは奪われつつあります。

 

 

そう言えば‥‥金剛お姉さまが言ってたっけ?

 

 

『そんなのは主砲でもタービンでも装備でどうとでもなりマース。提督は霧島だから気に入ってのデース。』

 

 

あれはどういう意味なのでしょうか?

 

 

「霧島さん?」

 

「ひぃあ!?」

 

考え事をしていたら瑞鶴さんが戻ってました。

 

 

「何か考え事?」

 

「い、いえ。大丈夫です‥‥」

 

「ふーん?おっとそうだ、提督さんから伝言だよ。」

 

「司令から?」

 

「うん、とりあえず霧島さんはこれまでフルに演習とかやってたから疲れてるだろうからしばらくお休みだって。」

 

「そ、そんな!?」

 

こ、これでは汚名返上が出来ない‥‥

 

 

「だから、秘書艦も私が引き続きするから。」

 

終わった‥‥

 

私はこの時そう感じました。

 

今日の失敗で私は司令の信頼を失ったようです。

 

 

「わかりました‥‥」

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

「ただいま。」

 

「瑞鶴、霧島さんの様子は?」

 

瑞鶴が執務室に戻るなり提督は聞いてきた。

 

「ショック受けてたよ、今日のことで提督さんに見限られたって思ったんじゃない?」

 

「心外だな。たった一度の失敗で誰も責めたりしないのに。」

 

「で、これからどうするの?」

 

「うん、なんか遠回しになったけど、予定通り進めようかな?」

 

「気合い入ってるわね?」

 

「はは、じゃあないと金剛達にナニ言われるかわかったもんじゃないからな。」

 

 

 

 

 

 

それから数日後

 

 

霧島はある程度回復して医務室から自室に移っていた。

 

 

それ以降彼女は部屋に込もっていた。

霧島は布団にくるまりうずくまっていた。

 

 

 

(はぁ~)

 

 

これは事実上の謹慎に近いですね。

まあ、軍としてはあれだけの失態を犯してこの程度で済めば優しすぎるものです。

 

しかし司令に嫌われてしまった。そうなると私なんて、私なんてもう必要とされない。

 

あれ?そもそもどうして必要とされたかったのだろう?

 

 

秘書艦の仕事も下ろされてしまった。

 

今頃瑞鶴さんが引き続き司令の側で仕事をしているはずですね。そうに考えるともやもやして‥‥

 

あれ?どうして瑞鶴さんにここまで嫉妬しているのだろう?

 

 

 

あれ?あれれ?この気持ちは一体なんでしょうか?

も、もしかしてこ、これは‥‥

 

 

「司令に会いたい‥‥」

 

けれど、今さらどの面下げてお会いすれば‥‥

 

 

トントン

 

 

ノックがなった。誰だろう?金剛お姉さまでしょうか?それとも比叡お姉さま?榛名?

 

 

「いるか?入るぞ?」

 

しかし、どれも外れてやって来たのは提督でした。

 

 

「し、しししし司令!!?」

 

「霧島さん久しぶりだね。体調は?」

 

「は、はい。お休みをいただいたお陰で‥‥」

 

「そ、そうか‥‥」

 

 

ここで二人とも黙ってしまい部屋に沈黙が訪れる。

 

 

(ど、どうしましょう!ま、まさか司令の方から!しかし、一体何のために‥‥)

 

 

「霧島さん!」

 

「は、はい!」

 

「少し付き合って貰えないかな?」

 

「えっ?」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

「霧島さん、お茶飲む?」

 

「ありがとうございます。」

 

どうしてこんな事になっているのでしょうか?

 

 

 

現在、提督と霧島は私服に着替えて電車に揺らされています。

 

 

司令が私の部屋にやって来たある日のこと

 

 

 

「君が招いた失敗の罰として俺の護衛をして欲しいんだ。」

 

「護衛ですか?」

 

「そう護衛。今回のために有給を使わずにいたんだ。しかし、一応護衛は付けろと言われたから。」

 

 

と言うわけで司令と二人で司令の目的地まで行くことになりました。

 

二人っきりで小旅行ですからまるでデートみたいですが、これは罰として与えられた任務です。真面目に真面目です!

 

 

 

電車からバスを乗り継いでやってきたのは宿です。

 

ええ、あのよくある定番の旅館みたいなあれです。

 

 

「ようこそお越し下さいました。」

 

女将さんがお出迎えしてくれました。

 

 

「こちらこそ、予定がずれてすいません。」

 

「いえいえ、こちらもすぐに対応出来ず申し訳ありません。」

 

一体何の話をしているのでしょうか?

 

 

「それでそちら様はお連れ様ですか?」

 

「はい!俺の彼女です。」

 

「カノ?!!」

 

司令が私に耳打ちします。

 

 

「提督であることを伏せてお忍びで来てるのに霧島さんの事を艦娘とか護衛とか言える訳ないだろ?」

 

「あ、あああそ、そうですね?!」

 

そうですよね。私が司令の彼女なんて‥‥

 

 

あれ?どうしてこんなにショックを受けてるのでしょうか?

 

 

「あら♪お綺麗なお嬢さんで、ささこちらへどうぞ♪」

 

それから二人は部屋に通された。

 

 

 

「さて、夕食まで時間がある。その前に行きたい所があるから付いて来てくれ。」

 

「はい。」

 

 

二人は旅館の裏にある山道を歩いた。

 

ちゃんと階段は作られているが石が転がっていて後夜が近く薄暗いので視界が悪く‥‥

 

「あっ!」

 

案の定私は石につまずいてしまった。

 

「よっと!」

 

しかし、司令が手を引いてくれました。

 

「あ、ありがとうございます‥‥」

 

「おう、気にするな。」

 

そして二人はようやく上へとたどり着いた。

そこは展望台になっており、

 

 

「綺麗‥‥」

 

そこから見える夜景はとても綺麗でした。

 

 

「これが見たくてわざわざ休みを貰ったんだ。」

 

「なるほど、確かにこれは見に来る価値はありますね。」

 

「うん、見たかったんだ。霧島さん、君とね。」

 

「なるほどそうだったんですか‥‥え?」

 

「この夜景を君に見せたかったんだ。」

 

「し、司令?!こ、これは護衛の任務‥‥」

 

「そんなのは君を誘うためのものだよ。第一たった一度のミスで罰なんた与えないよ。」

 

まぁ、真面目な霧島さんのことだからそんな事を言っても罪悪感を持ち続けるだけだと思うけどね。

 

「で、ではこれまでの謹慎は?」

 

「謹慎?いや、ただ単に君には疲労が溜まってるって明石に言われたから本当に休ませたかっただけだけど?」

 

わ、私の思い違い?!

 

「まぁ、冷静で頭の切れる霧島さんがそこまでネガティブだったのもやっぱり疲労が原因だったかな?」

 

「じゃ、じゃあ私に失望してないのですか?」

 

「失望?どうして?」

 

「だ、だって、私は司令の期待に応えできなくて。」

 

「はぁ、そもそも霧島さんはどうして俺が霧島さんにここまで優遇して期待もしていると思ってるの?」

 

「そ、それは‥‥」

 

ずっと考えているが理に叶った答えが‥‥

 

 

「それはだな、霧島さんだからだよ!」

 

「はっ!」

 

霧島は再び金剛の言葉を思い出した。

 

 

『提督は霧島だから気に入ってのデース。』

 

 

 

「俺にとって霧島さんは特別な存在だからずっと隣に置いたんだ。これからもいて欲しかったんだ。」

 

 

俺にとってのはじめての戦艦、最も辛い時に一緒に笑って時に大失敗した戦友。

 

頭が良くて仕事ができて秘書艦として頼りになるのに時に鈍くて抜けている所もあって、そんな所が可愛くて。

 

 

「だからこれからも側にいて欲しいし、その為にもこれを受け取って貰いたい。」

 

司令はポケットから箱を取りだし、パカッと開いた。

 

 

中には指輪があった。

 

 

「ううっ」ぽろぽろ

 

「これがあれば霧島さんももっと強くなれる。これからも第一艦隊を任せられる。いや、それも建前だ!俺は霧島さんが好きだ!だから渡したいんだ!」

 

 

はぁはぁはぁ

 

よ、よっしゃー言い切ったぞー!!

 

 

「そ、そうだったんのですか‥‥」

 

この時、霧島の中の整理もついていた。

 

これまで霧島はいつも提督の近くにいた。近すぎたから気が付けなかった。そうこの思いの正体は‥‥

 

今までわからなかったこの感情は‥‥

 

 

「やっと、わかりました。」

 

「霧島さん?」

 

「私も司令のことをお慕いしていたのですね。」

 

「霧島さん!」

 

「ふぁい!?」かぁぁぁっ

 

提督は霧島の両手を握りしめた。

 

 

「俺の想いとこの指輪、貰ってくれるか?」

 

「わ、私も司令の事が好きです!だから、だから。」

 

深呼吸

 

「よ、喜んでお受けします♪」

 

 

 

プロポーズも無事に成功したので二人は旅館に戻った。その帰り道はずっと霧島が転げないように提督が手を握っていました。

 

 

旅館に戻ると部屋には料理が運ばれていた。

これも彼の指示らしい。

 

食事中に霧島はふと思った。

 

「あれ?司令は私に休ませたいと言ってましたけどそれにしては休みが長すぎたような?」

 

「グッ!そ、それはだな‥‥」

 

 

元々は演習が終わったらすぐに霧島をこれまでの特訓のご褒美と言うことで慰安旅行へと行くシナリオだったが霧島が出撃して大怪我をしたためそれどころではなく、動けるまで日数がかかったため予約した期日に間に合わなかった。改めて予約を取ろうとしたら数日かかってしまって‥‥

 

 

「それまで霧島さんを放置する羽目になり誠に申し訳ないです。」

 

「ロマンチックでよろしいのですが、何も夜景などの気の利いた場所での告白にこだわらなくても。」

 

「いや、それがな‥‥金剛達の要望でな‥‥」

 

 

私達の可愛い妹にプロポーズするならしっかりとしたシチュエーションでプロポーズするネー!

 

 

「お姉さま‥‥」

 

「そう言うわけです。うん♪ここの料理はうまいな。」

 

「そうですね。ここは司令が見つけたのですか?」

 

「いや、瑞鶴に勧められてな。ここなら夜景も見れると、これはアタリだな。」

 

「ええ♪司令と食べるとより一層、です♪」

 

 

二人が楽しく食べていると、

 

 

「失礼致します。お食事中にすいません。お隣でお布団を敷かせていただきます。」

 

「はい、どうぞ。」

 

 

 

その後二人は驚愕した。

 

二人の布団はぴったりと敷かれていた。

 

 

「それではごゆっくり‥‥」

 

あれ?よく見ればあの女将もしかして‥‥

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃 鎮守府では、

 

 

「What?これは本当の任務なのデスカ?!」

 

「ええ、そうよ。」

 

瑞鶴の発言に金剛は驚いていました。

 

 

「二人が行ってる旅館って実は戦線から退いた鳳翔さん達がやってる所なの。そしてこれは退役した艦娘の様子を見るという正式な任務なわけ、まぁ本人は休みをとって行ったと思ってるだろうけどね。」

 

「提督には内緒という訳デスカ?」

 

「そういうこと、だって提督さんの休みって少ないもん。」

 

瑞鶴が提督の代わりに本部に提出したのは休暇の申請ではなく、この任務の受諾である。国の直接の防衛に関わる提督がそうそう簡単に休みを貰える訳がない。

 

 

「ならその貴重な休暇は霧島さんとのこれからのデートに使って貰わないとね♪」

 

「ベリーグッドです!」

 

 

 

 

尚その夜二人はすぐに寝てしまったため特に問題は発生しなかったそうです。

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

潜水艦達とHappy birthday


今日はこの作品の投稿してから一周年です。
皆様に愛されて本編へと昇格したこの作品、連載は終わってますが事あるこどにエクストラ回を投稿させていただきますのでこれからもよろしくお願いいたします。

また、この話のその後を書いた続編「生き残った軍人と潜水艦」も連載中なので是非とも読んでみて下さい。



 

 

とある日に海猫荘の使われていない客室の一つに潜水艦達はひっそりと集まっていた。

 

「カナお姉、こんな所に集めて何かする?」

 

ソラとマシロは彼女らを呼び出した長女に理由を尋ねる。しかし、カナは伊達眼鏡でイスに座り机に両肘を立てて寄りかかり、両手を口元に持ってきている。

 

これは確か前にマスターと見たアニメであったゲンドウポーズと呼ばれるものだろう、さっそく影響を受けてるなぁ、とマシロは思った。

 

 

「二人とも席について。話はそれからよ。」

 

「ハーイ!」

 

「カナ姉さん‥‥」

 

二人が席に着くとカナは口を開いた。と言ってもゲンドウポーズのせいで口元は見えないのだが。

 

 

「二人に集まってもらったのは他でもない。」

 

「わぁ、なんか会議ってぽい!」

 

「ソラ、少し静かにね。」

 

「ご、ごめんね。」

 

「実はね。この前本を読んでたんだけど人間の風習でね、その人が生まれた日付にその人が生まれた事を祝う儀式があるらしいの。」

 

「その人の誕生を祝う日か‥‥なんだかロマンチックね。」

 

「楽しそうな儀式だねマシロちゃん。」

 

「誕生日って言うらしいよ。」

 

 

人類には、特に成人ではない者にとっては一年で最もめでたい日であり、楽しみにしている子もいるだろう。もはや馴染みのありすぎるこの行事ではあるが、深海棲艦にはこのような習慣はない。

 

「誕生日か‥‥私達っていつ生まれたのだろう‥‥」

 

マシロはふと考えてしまう。

彼女がずっと悩み続けていること、自分は何者でいつどこで生まれたのか。

 

どのようにして生まれたかしか知らない彼女の、いや生まれなんて知らなければこんな事に悩みことなんてなかっただろう。知ってしまったからこそ気になって仕方がない。

 

 

「マシロちゃん、大丈夫?」

 

マシロが考え事をはじめたため表情が固くなっていた。それを見たカナが心配になり聞いてきた。

 

「うん‥‥大丈夫だよ。それで、その誕生日がどうしたのかしら?」

 

「実はね、この前マスターの生まれた日を知っちゃったんだ。もうすぐその日だから、みんなでマスターを祝ってあげようよ。」

 

「いいアイデアだよカナお姉!」

 

「日頃の感謝を込めてだね。」

 

二人ともカナの提案に賛成だった。

 

 

「じゃあ私達でもマスターの誕生日を祝う事で決まりだね♪」

 

「わーい♪」

 

「ねぇカナ姉さん。」

 

「なにマシロちゃん?」

 

「誕生日って何するの?」

 

「え?えーっとー。」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

「ふむふむ、なるほど!」

 

カナはマスターが愛読していたマンガの誕生日の回を読んだ。

 

「これによるとね、誕生日ってプレゼントとケーキを用意するものらしいよ。あと当人に内緒に準備してびっくりさせるのが作法らしい。」

 

「必要なものはプレゼントとケーキ、あとは会場かな。」

 

マシロがカナの説明をもとにメモを書いていく。

 

 

「さてと、必要なものが分かったところで役割分担しようか。」

 

「会場は後で皆でやるとして、カナ姉さんはプレゼントをお願い。私がケーキを用意する。」

 

「え?良いのマシロちゃん?」

 

「だって、一番マスターと付き合いが長いのはカナ姉さんでしょう?なら、カナ姉さんが適任でしょ?」

 

「うん!わかった!」

 

「ねえ?私は?私は?」

 

一人余ってしまったソラ。

 

 

「ソラには大丈夫な役目があるよ。」

 

「何!何!何でもやる!」

 

「ソラちゃんは、マスターにこっちの準備がバレない様にどこかにつれ回して来て。」

 

「うん♪」

 

「はいそれじゃあ役割が決まった所で、ドッキリ作戦開始!」

 

「はーい!」

 

「ヒヒヒッ♪」

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

次の日の朝

 

作戦当日である。

 

 

「ご馳走さまでした。」

 

「「「ご馳走さまでした。」」」

 

 

いつも通り皆で朝食を食べた。

このあとは軍人と皆で食器を洗い、それから何をするのか話をするのだが‥‥

 

「マスター、今日は私が一人でやるね。」

 

「いや悪いよマシロ。」

 

「いいのいいの。たまにはゆっくりしてよ。」

 

「そう?じゃあお言葉に甘えて。」

 

「うん、じゃあしばらく台所に入らないでね。」

 

 

(よしっ!)

 

カナ達は小さくガッツポーズ。

まずは作戦の第一段階はクリアした。

 

 

「ね、ねえ?マスターは今日はなにするの?」

 

ソラマスターに尋ねた。

 

「うん?そうだねぇ‥‥。特に何も考えてない。」

 

「そう!なら砂浜の奥を探検したい!」

 

砂浜‥‥

 

あの水泳の特訓をした港から離れた場所にある所だが、実はそこから先にはマスターでさえ行ったことがなく、前にソラが好奇心から行きたいと言っていたが先送りされていたのだ。

 

 

「ダメ?」

 

「うーん、まぁいいよ。」

 

「本当に?やったー!」

 

よしっ!これで第二段階、マスターを引き離すはクリア。カナはそっとソラに耳打ちした。

 

「いい?できるだけ時間を稼ぐのよ?」

 

「うん、でもどうすれば?」

 

「‥‥たくさん楽しんで来なさい。」

 

「それならできる♪」

 

 

 

「それじゃあ行きますか。カナも行くか?」

 

「ううん、今日は別の用事が‥‥」

 

「そうか。なら留守を頼んだぞ。」

 

「うん♪任せて。」

 

 

マスターがソラを連れて出掛けていった。

マスター達が完全に見えなくなったのを確認するとカナはマシロに合図する。

 

「マシロちゃん、私も行くよ。」

 

「うん、なるべく早くね。この後部屋の飾り付けをしないとだから。」

 

「わかった!」

 

 

これで作戦の第三段階、カナはプレゼントを探しに町へと出掛けて、マシロは台所でケーキ作りを始めた。

 

 

 

「昨日は簡単に引き受けちゃったけど、多分一番大変なのはケーキだね。」

 

マシロは調理道具を出した。

続いてケーキの材料だが、これが難題だった。

 

 

 

「ケーキって卵とか牛乳とか使う食べ物らしいし、あの絵にあったケーキについてるクリームってやつ、レシピを見たけど材料がないんだよね。」

 

この島に新鮮な乳製品などはない。

 

なのでクリームはもちろん、スポンジを作るのにいる牛乳すらないのだ。

 

 

「本を読んだらクリームのないケーキはたくさんあるらしいけどね。」

 

しかし、問題は牛乳だった。

卵は昨日三人総出で探索して鳥の巣を発見して卵を頂戴していた。

 

 

「だけどね。」

 

ちゃんと調べておいたのだ。

牛乳なしで作れるケーキのレシピを!

 

 

「まずは下準備しておかないと。」

 

マシロはまずオーブンを予熱する。

 

(確かに200度くらいかな‥‥)

 

そして次に苦労して集め卵をボウルに全部入れてほぐす。

 

カチカチカチカチ

 

 

「グラニュー糖ってなに?砂糖じゃあないの?」

 

マシロは必死に探す。そして、グラニュー糖とらべるされたビンを見つける。

 

「ぱっと見は砂糖。何が違うの?」

 

深海棲艦でなくとも難しい違いを気にしつつもマシロはレシピの手順通りに進める。

 

 

「ヒヒヒッ♪ここで秘密兵器の登場!」

 

マシロが出したのは何かの白い粉。

 

「くしゅ!」

 

ふるいにかけている時にマシロがくしゃみをしてしまう。そのせいで粉が舞ってしまう。

 

「ああもう!」

 

しかし、もともと白い為、あまり目だっていなかった。

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

その頃

 

 

カナは町に着いていた。

 

 

「マシロちゃんは一人で大丈夫かな。」

 

マシロの噂をしていた。

 

 

「さてと、私も頑張らないとね。」

 

カナの目的はこの町だった場所にある店舗である。

ここでマスターへのプレゼントを探すつもりです。

 

 

「そういえばマスターって何に喜ぶのだろう?」

 

今にして思えば私達はマスターの事をそんなに知らないかもしれない。

 

 

普段のマスターは、トレーニングか私達と遊ぶか本を読んでるかのいづれかである。

 

 

なら何かトレーニングに役立つ物でも探してみようか?

 

いや、そもそも私そんなに詳しくないから何が良いのか分からない。

 

じゃあ本をあげようか?

 

ダメだ。この間ここの小さな本屋に行ったが全部駄目になってた。

 

ショッピングモールの本屋はほぼマスターの庭だから論外である。

 

 

なら他には何がある‥‥

 

思い出して私!マスターはいつも何に喜んでいるの。

 

 

‥‥‥‥‥‥あっ!

 

 

「そうだ。」

 

カナは1つだけ思い付いた。

 

決まってしまえばあとは簡単である。カナは早速それがある場所へと走った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ソラ?もう大分来たけど?」

 

「ええ?もう少し、もう少しだけ、ね?」

 

「いやー流石にもうダメだよ。」

 

軍人とソラは砂浜の奥、岩場が広がる海岸沿いを歩いていた。

 

 

いつもは来ない場所だけありなかなか新鮮であり、珍しい物もたくさん見ることができた。

 

しかし、そろそろ帰らないと日が暮れる。

 

 

これまでなんとか引き延ばして時間を稼いでいたがもう限界のようだ。

 

 

「じゃあ帰ろうか。」

 

「うん、そうだね。」

 

(二人とも上手くいったかな?)

 

 

 

 

軍人さんの予想通り、海猫荘に帰り着く頃には夕方になっていた。昼食を食べていないので二人ともお腹ペコペコだった。

 

「さーて、早く夕飯の支度するか。ソラ、二人を呼んで来て。あれ?ソラ?」

 

 

いつの間にか隣にいたソラがいない。

 

「もう中に入ったのか?」

 

 

私も中に入る。あれ?出迎えがない。

 

いつもなら聞こえる彼女らの話し声の聞こえてこない。

 

 

「静か過ぎるな‥‥」

 

何かあったのか?

 

 

私は慎重に奥へと進む。そして奥のいつもみんなといるリビングの扉を開けると‥‥

 

 

「お誕生日おめでとう♪」

 

「お誕生日おめでとう♪」

 

「お誕生日おめでとう♪」

 

なんと!?

 

 

扉を開けると三人からの拍手喝采が!

 

部屋も飾り付けされている。

 

 

「へ?」

 

 

「今日はマスターのお誕生日だよね?」

 

「うん、そうだけど‥‥」

 

「だからね。私達でマスターを驚かせようと思って。」

 

「ドッキリお誕生日会を開きました!」

 

「‥‥ウソ?!」

 

なんと!?この子達が私の為に?

人に誕生日を祝われるのなんて何年ぶりだろう。

 

 

「ほらほらマスター!早く中に!」

 

「こ、こらカナ、引っ張るな!」

 

カナに引っ張られ私はテーブルへと

 

 

「はい、マスターにバースデーケーキってやつ。」

 

「こ、これ!マシロが作ったの?!」

 

「そうよ!これでも苦労したんだから。」

 

 

見た目は普通のパンケーキ。

 

あれ?牛乳と小麦粉と卵無しにどうやって作ったの?

 

牛乳なしで作るレシピはあるにはあるけど。

 

 

「じゃあいただきます。」

 

「うん♪」

 

私はフォークでパンケーキを一口サイズにして口へと運ぶ。

 

 

パク

 

 

もぐもぐ‥‥

 

 

うん!こ、これは。

 

 

「もしかして、米粉使ったの?」

 

「あら、もうバレた。」

 

 

調理の際に、マシロが小麦粉の代わりに使ったのは米粉である。

 

 

米粉は米と同じくちゃんとした保存をすれば何年も持つ優れものである。

 

 

 

「うん、美味しい。マシロ、美味しいよ。」

 

「やったー♪」

 

マシロも大喜びだ。

 

 

「じゃあ次はこれね。」

 

続いて今度はカナがマスターに袋を渡した。

 

 

「私達から誕生日プレゼント♪」

 

「おお♪プレゼントまでとは、ありがとうカナ。」

 

「えへへ♪」

 

早速中に開けて見ると

 

「これは、写真立てか?」

 

「そうだよ。」

 

中には写真の入ってない写真立て。

 

 

するとソラがカメラを取り出しタイマーをセットした。

 

 

「ほらほらマスターが真ん中!」

 

「えっ?いきなり!?」

 

「はい、チーズ!」

 

カシャッ!

 

 

ソラがカメラで取れた写真を確認した。

 

「うん、いいと思う。これは明日写真にしてあげるからこの写真をいれてね。」

 

「そうか。ところで写真の出来映えを見たいけど‥‥」

 

「ダーメ!明日までのお楽しみ。」

 

 

カナが思い付いたのはある時のマスターの記憶

 

 

「ああ、癒させる。」カシャッカシャッ

 

マスターが私達の写真を撮る時、またアルバムを見る時の幸せそうな顔

 

 

マスターが喜んでくれるのはもしかしたら私達自身?

 

と考えたカナは写真を送る事にしてその写真を入れる物を探しに雑貨屋を巡っていた。

 

どうやら間違いではなかったようだ。

 

 

「三人とも‥‥ありがとう。」

 

 

「えへへどういたしまして♪」

 

「ドッキリ成功でこっちも嬉しいよ。」

 

 

 

 

「てことは、ソラはこの為に私を遠ざけようと?」

 

「うぐっ!」

 

「まあ、あれはあれで楽しかったし、あれをソラからのプレゼントって事にして置こうかな?」

 

「マスター!大好き♪」

 

ソラはマスターに飛び付く。

 

 

「あっこら!ソラちゃん!」

 

「今日は抜け駆けなしって決めたでしょうが!」

 

マスターに抱きつくソラを引き離そうとするカナとマシロ、結局いつもの流れになったことに思わず笑ってしまう軍人さんであった。

 

 

 

 

 

 



目次 感想へのリンク しおりを挟む


しおりを挟む

ハロウィンと軍人さん



今回は終戦前の軍人のハロウィンでのお話です。
カナ達は出てませんが軍人さんが仕事しているので見てあげて下さい。


 

 

 

ハロウィン

 

それは毎年10月31日に行われる秋のイベントの一つである。

 

元々は古代ケルト人が起源と考えられている祭であり秋の収穫を祝い、悪霊などを追い出す宗教的な意味合いのある行事であった。

 

ところが、現代では特にアメリカで形を少し変えた行事として定着し、本来の宗教的な意味合いはほとんどなくなっている。

 

子どもたちが魔女やお化けに仮装しては近くの家々を訪れて「トリックオアトリート」と言ってお菓子をもらったりするものである。

 

これについてはキリスト教からは容認から批判まで様々な見解があるそうだけど詳しくは知らない。

 

 

これをアメリカから輸入する形で受け入れた日本ではさらに独自の変化を遂げる。

 

 

もはや原型がなくなり大人から子供まで、みんながお化けや魔女、果てはアニメのキャラととにかく仮装するイベントになっている。

 

 

だからこの時期になると都市では仮装する若者達であふれ賑やかになったものです。

 

 

しかし、このハロウィン現象とも言うべきこれはある時期を境に一時期消滅した。そう、深海棲艦の出現である。

 

現れて数ヶ月で欧州を壊滅させたこの化け物の群れ。

これを受けてもまだ現実味を得なかった日本人はハロウィンをはじめとするイベントを心待ちしてたし企業もそれに向けた商戦の事ばかり考えてたのかもしれない。

 

 

けれど、深海棲艦の侵攻は早く、欧州を喰らうとそのままインド洋、アジアへと迫る。次第に日本へと押し寄せたった一年で全ての行事が消え失せた。

 

 

 

それからも長い長い戦争の中、辛うじて日本本土への攻撃はなかったもののいつ敵が来るかわかない時期が続いた。これは恐怖や不安によって心の余裕のない‥‥人々が暗い顔で過ごし日々が続いた事を意味したと、どこかの批評家が後にはしゃべってたよ。

 

そしてついに軍や鎮守府の奮戦の甲斐があり、深海棲艦を本土から遠ざけることに成功する。

 

 

次第に良くなる戦況は人々の表情を明るくし徐々にゆとりと安心を取り戻した。

 

政府の頑張りで治安は守られ、軍の犠牲によって都市自体は破壊されなかった日本である年の10月31日に再びハロウィンの仮装をする人々が現れはじめた。

 

ところが、黒瀬提督が指揮を取る初代鎮守府の作戦失敗による大敗で再び失われたのである。

 

 

私が日本に生還して一年‥‥

 

今年もハロウィンの季節になってきた。

 

 

「どうしてこんなことに‥‥」

 

私は現在、神戸で魔女の格好をしていた。

 

いや、別に遊んでいるわけではなくこれも仕事です。

 

私は艦娘達と神戸で行われている海軍×ハロウィンのイベントをしている。

 

 

何でも政府と軍が企画したものだそうだ。現在の白神提督の鎮守府の活躍で再び戦況が好転している。

 

国民に安全であることを印象付ける為にかつて自然に復活して安定の象徴ともなったハロウィンを今度は意図的に復活させようと言うものだ。

 

奪われたハロウィンを取り戻せ!

 

をキャッチコピーに政府がイベントをセッティング、軍が盛り上げるとの事だ。

 

 

大方、政府はハロウィンをきっかけに国民に各イベントの復活、国内の生産や消費の再生、軍は宣伝効果でも期待しているのだろう。

 

 

たしかに、艦娘みたいな可愛い子達が行けばイベントも盛り上がりそうだし、何よりかつて失敗した艦娘へのイメージ回復や理解を深めるのにも打ってつけかもね。

 

 

 

「まぁでも艦娘達だけだと何か問題があると不味いから同伴してくれ。」

 

と上からの命令です。

 

私、海軍じゃなくて陸軍なのに‥‥

 

「ヘイ!雪村シスター!浮かない顔してマース!せっかくのイベントですからスマイルネー♪」

 

私の隣を歩くのはドラキュラに仮装した金剛である。

 

 

金剛は私の従妹が鎮守府で仕事していて彼女が私の事を姉さんと呼ぶから姉妹だと勘違いしている。

 

 

「楽しそうだね金剛は。」

 

「ハイ!普段はこんな風に一般の人とおしゃべりするチャンスなんてありませんからネー。それに」

 

「ああの!写真とらせてください!」

 

お、仮装した女性だ。

 

「いいですヨ。twoshotでとりますカ?」

 

「はい!是非!」

 

 

私達が歩いていると来場者が金剛に握手や写真を求めて来る。何故か女性ばかり‥‥

 

 

 

「ありがとうございました♪」

 

「いえいえ、イベントをEnjoyしてくださいネー♪」

 

お礼を言って去る女性客と笑顔で応対する金剛。

 

女性はかなり嬉しそうでウキウキだった。

 

 

「こんな風に喜んでもらえて私はハッピーネー♪」

 

金剛も楽しそうだ。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

それからも金剛や比叡、熊野に鈴谷と大型艦のみんなの様子を見て回った。艦娘にちょっかいをかける不貞の輩がいるやと思ったけど‥‥

 

ちなみに比叡は海賊、熊野はキョンシー、鈴谷はゾンビである。

 

 

「金剛達は何故か女性ばかり集まってるな、熊野達は子供ばかりだったけど‥‥」

 

この様子だと彼女らには問題は無さそうだ。

 

さてさて、他の子達の所に行くか‥‥

 

 

熊野と鈴谷の下を後にして他の艦娘を探しに行く。途中艦娘に間違われて握手を乞われたりしながらその道中で私はある仮装に目を奪われた。

 

 

「まさか!」

 

今のは深海棲艦!それも潜水艦の‥‥

 

 

「カ級!?」

 

私は走って近づいたがよく見るとそれはただの仮装だった。そのカ級の人以外にも深海棲艦の仮装をしている人が多い。

 

お化けみたいと言う意味ではあながち間違いではない。それに深海棲艦の潜水艦は特に幽霊ぽいしね。

 

たまに近くを通った軽巡の子が深海棲艦の仮装の人に絡んで行く。艦娘達も深海棲艦の仮装に驚きつつも面白がっているようだ。

 

むこうでは「潜水艦だ!退散!」「あれー」

 

なんて馬鹿騒ぎしているよ。

 

 

 

「カ級か‥‥」

 

カナ達‥‥元気にしているかな?

 

 

潜水艦の仮装を見ていると無性にカナ達の事を思い出してしまう。なんでかな、カナ達とは全然似てないのに‥‥

 

 

いつか、あの子らをここに連れて来てもこれならバレないね。そのいつかが来るのかな‥‥

 

 

「本来悪霊を追い払う行事で深海棲艦の格好をするなんて、まるで深海棲艦を追い払っているみたい‥‥」

 

 

まるで私の下から彼女らが追い払われてるような気になってきた。

 

 

「いけないいけない!仕事仕事!」

 

うん、今は仕事モード!

 

さーて、他の子を探すぞ!うん?

 

 

 

「ねえ!君可愛いね!」

 

「あの‥‥困ります‥‥」

 

 

おっと!遠くで駆逐艦が男に絡まれている。

 

「君も艦娘?艦種は?」

 

「え、えーと‥‥」がくがく

 

 

 

「お兄さん艦娘について詳しくないから教えて欲しいな~。そうだそこで飲み物でも飲みながら‥‥」

 

「知りたいのなら展示コーナーか係員の方へ行かれては?」

 

「うん?」

 

駆逐艦の子を今にも連れ去りそうだった男の後ろに軍人さんが立っていた。

 

「いや、あれに書いていることじゃなくてもっと具体的に‥‥」

 

「ほーう?勉強熱心で結構ですね。なら、特別に別室にて授業をして差し上げてもいいですよ?」

 

私は軍の憲兵権限の印を見せる。

 

すると男は

 

「あ!そうだ!俺もう帰らないと‥‥失礼します‥‥」

 

男はすぐに逃げた。

 

軍人さんは無線を繋げる。

 

「こちら巡回中の雪村、今の男をマークして。もし他の子に手を出すようなら問答無用で警備に連行して。」

 

『こちら監視、了解!』

 

 

「ふう‥‥大丈夫だった?」

 

「はい、ありがとうございました雪村さん。」

 

「いいの仕事だから。1人なの?他のみんなは?」

 

「その‥‥みんなとはぐれちゃって‥‥そうしたら今の目に‥‥」

 

「そう、なら他の子と合流するまで一緒にいてあげる。」

 

「本当ですか!ありがとうございます!」

 

その子はよっぽど恐かったのか私の手を握る。

 

 

彼女は無事に姉妹達と合流できた。

 

 

 

 

その後も一部の艦娘による催し事や軍関係者の開くお店などでハロウィンイベントは1人逮捕者が出た事を除いて大成功を収めたのだった。

 

 

 

 







目次 感想へのリンク しおりを挟む




評価する
一言
0文字 ~500文字
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に
評価する際のガイドライン
に違反していないか確認して下さい。