ウルトラマンティガ シンデレラギャラクシー (ヴェルミナティー)
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第1話 再会からのスタート その1

はじめましてヴェルミナティーです
はじめての小説投稿ですので
至らぬところだらけだと思いますが
どうぞよろしくお願いします


「6年ぶりか」

 

僕、円 明人(マドカ アキト)はふと空を見上げながら呟いた 。

医師である両親と共に小学生の頃この国を離れてからそれだけの時間が流れたと思うと感慨深い。

 

「街並みもずいぶん...いや、ここには初めて来たんだった。」

 

ここは東京新宿ちなみに僕は鳥取出身...うん、ここには初めて来たね。

なんてやってる場合じゃない、もうすぐ彼女との約束の時間だ。

 

「6年ぶり、本当に久しぶりだ。」

 

僕は昨日送られて来た写真を思い出しスマホを取り出す。

そこに写っているのはあの頃と変わらない、いや。もっと素敵な笑顔を浮かべる少女だった。

「髪型は相変わらずのサイドテールか。」

そこだけはやっぱり変わらないと思ったところで。

「おーい!アキくーん!!」

僕を呼ぶ声が聞こえた。

彼女の仕事の都合からかメガネをかけてシンプルな服に身を包み、でもトレードマークのサイドテールは変わらずに。

「久しぶり、響子。」

僕はその日、幼馴染の少女【五十嵐 響子】と再会した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

同時刻 新宿 とあるビルの地下駐車場

 

「本当にこんな金を?」

2人の男が話し合っている。

1人はやや目つきの悪い壮年の男、もう1人は...

 

「えぇ、もちろんですよ前田さん。()()は私にとって重要なものですから」

 

黒いスーツ、そして真っ白な髪が印象的な年若い青年だ。

 

「へっ、チョロいもんだったよ、研究所の連中も全く警戒してないんだからな。」

 

前田、と呼ばれた男が得意げに話す。

 

彼は自分の勤める研究所からとある()()を盗んできたのだ。

 

「なんに使うかしらねぇけど、そいつはサンプル以上の価値はねぇーぜ。」

 

「お気になさらず、それに()()だけでは確かに大したことは出来ませんからね。」

 

青年は飄々と答える。

 

「まぁ、なんにせよ俺は金さえ貰えればそれでいいさ。」

 

そう言うと前田は自分の車に戻ろうとした...ところで。

 

「あぁ、前田さん。」

 

青年が前田を呼び止める。

 

「なんだよ?」

 

訝しげに振りいた、その目に映ったのは...銃のような物を手にする青年の姿だった。

 

「なっ」

 

思わずたじろぐ前田、しかし青年は何事もなさげに喋り出す。

 

「ギャンブルはほどほどに、リスクを負い、リターンを手にする。確かに魅力的です。でもリスクを見誤ればきっと後悔します...そう、今みたいに。」

 

謎のカプセルのような、弾丸のような物を手にした銃に装填する青年。

 

『ゴモラ』

 

銃から機械音が流れる。

 

青年はニコリと微笑みながら、先ほどの取引で手にした容器を放り投げ。

 

それを前田ごと撃ち抜いた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「えへへ〜」

 

「嬉しそうだね、響子。」

 

再会した僕たちは並びながら街を散策している。

 

先ほどから響子が嬉しそうだ。

 

「そんなの当然だよ!」

 

響子が力強く答えた。

 

「6年ぶりなんだよ、こうやってまた一緒にいられるなんて、それとも、アキくんは嬉しくない?」

 

途端にシュンとしてしまう響子

 

「そんな訳ないよ、僕だってその...本当に嬉しかった」

 

僕も慌ててそう言った。

もちろんこれは本心だ、嬉しくない訳ない。

 

「へへっ、よかったー」

 

すぐに笑顔を取り戻す響子、うわっ可愛い!

思わず動揺してしまったな。

なるほどこれが。

 

「でも驚いたよ、響子がアイドルになったって聞いた時は。」

 

そう彼女はアイドルなのだ。

この日本で、いや世界でも一大ブームを巻き起こしている、ジャパニーズアイドルである。

 

「夢が叶ったんだね、改めておめでとう。」

 

「あっ...うん、ありがとうアキくん。覚えててくれたんだ。」

 

はにかむ響子に僕も笑顔を浮かべる。

 

幼い頃に2人で話した将来の夢、響子はアイドル。そして僕はと言うと...

 

「アキくんはヒーローになる、だっけ?」

 

「うっ、覚えてたんだ...」

 

そう僕のその時の夢はヒーローになること。

子供っぽいけど実際子供だったからなぁ。

 

「当たり前だよ。アキくんが覚えてて私が忘れる訳ないよ。」

 

そういうものかな。

 

「でっ、アキくんの夢は叶ったかな?」

 

少し悪戯っぽく聞いてくる響子。

 

「いやいや、子供の頃のことだよ?」

 

「私はアイドルになりましたよー」

 

うーんそう言われると...

 

「あはは、ごめんなさい。少しからかっちゃった」

 

やっぱり変わらないな。

 

普段はとても優しくていい子なのに、こう言う悪戯っぽいところをたまに見せる。僕は年も一個上なのによくからかわれた。

 

「ほらっ行こうアキくん!」

 

笑顔で僕の手を引いてくる響子。

僕も笑顔を浮かべ付いて行った。

 

あの()()()がヒーローと呼べるかはわからない。

でも僕は、こうして笑顔を見せる君を、絶対に守りたい。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「はっ」

 

地下駐車場にて目を覚ましたのは先ほどあの青年に撃たれたはずの男、前田。

 

「なんだ、なんだってんだ。」

 

自分の体に異常がないかを慌てて確認する。

 

「ゆめ...か...?」

 

しかし金はある。

 

ともかくそれだけは持って急いで自分の車に乗り込み急いで発進する。

 

「なんだったんだ、アイツ?胡散臭そうな奴だとは思ってたけどよ。」

 

しばらく車を走らせ呟く前田。

 

「まぁいいさ、どうせ今後あうことなんてっ!?」

 

突然体の内側から発せられる痛み、操作を失った車は信号停車中の前の車に激突。

「うっ、あああ」

 

体がどうにかなりそうな感覚に飲み込まれる。

 

「おい、アンタ大丈夫か?」

 

事故を目撃した通行人の1人が前田に駆け寄る。

 

「たっ、すけ...」

 

その瞬間彼の命はこの世界から消えた...

 

そしてその場には全く別の()()()が生まれた。

 

「ふふふ」

 

前田の死と()()()の誕生をビルの屋上から眺めるのはあの青年。

「ありがとうございます前田さん。あの生物だけでなく、ご自分の命まで提供して頂いて。」

 

邪悪な笑顔を浮かべる青年。

 

「さぁ、UE計画オンステージです。」

 

 

 

「ギャオオオオオオオン」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ギャオオオオオオオン」

 

辺り一面に響く恐ろしい轟音。

 

「なっ、なんですか!?」

 

「鳴き声っ!?」

 

明らかに普通じゃない音。

 

あたりを見回す僕はそれを見つけた。

 

「怪...獣...」

 

ビルの合間から見えたその巨大な影。

常識や単純な生物学を軽く無視した存在そのものがぶっ飛んだ存在。

それが怪獣。

 

「うそ...」

 

響子が呆然と呟く。

 

「ギャオオオオオオオン」

 

再び怪獣が鳴き声をあげる。

 

次の瞬間、

 

「きゃあああああああ」

 

誰かが悲鳴をあげた瞬間一斉に逃げ惑う人々。

 

すぐに僕も我に返る。

 

「響子、響子っ!今すぐ逃げるぞ!」

 

未だに呆然としていた響子に声をかける。

 

うんと答えながらも動揺して体が動かない響子。

 

当たり前だ、怪獣を目にしてこうならない方がおかしい、

だけど。

 

「しっかりしろっ!まず走る、そして逃げる!今やるべきことはそれだけだ!」

 

「うっ、うん!」

 

僕は響子の手を取って走り出す。

 

あの()()()を使うのは響子の安全を確保してからだ。

僕は怪獣に背を向け走り出した。

 

 

 

 



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第1話 再会からのスタート その2

第2話です
本作には何人かのアイドルが特捜チームGUTSやTPCの職員として参加しています
それにしても小説書くのって大変だと実感しました


『ウイングコマンドよりウイング各機。東京新宿に怪獣出現、破壊活動を行いながら進撃中。市民の避難が完了するまでの時間が必要だ。直ちに迎撃に迎え。また出現した怪獣は1998年アメリカに出現した怪獣、【ゴモラ】と類似した点があることから仮称として、【ゴモラⅡ】と呼称する。』

 

「ウイング1了解。似てるかしら?」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

東京 新宿

 

僕と響子は今全力で走ってる。

先程から後ろでは爆発や悲鳴。

そして怪獣の鳴き声が鳴り響いている。

 

「アキくんっ」

 

今はなんとしてでも逃げないと。

あの怪獣腕からミサイル、頭からビームまで撃ちまくってる。

本当に滅茶苦茶だ!

 

「アキくんっ」

 

とにかく安全なところ、でもどこが...

 

「アキくんっ!!」

「あっ、響子?」

 

さっきから呼び掛けてくれてたのだろう。ただでさえ走ってるのに大声を出したのもあって息切れしている。

 

それでも僕に伝えてきたのは...

 

「TPCの多目的シェルター。あそこなら...」

 

「そんなものがあるのっ!?」

 

地球平和連合TPC、戦争がなくなった現代で世界各国が力を合わせて未知なる脅威ー怪獣や宇宙人などーから人々を守る組織だ。

 

「前に、プロデューサーさんが教えてくれて、もしもの時はそこに行きなさいって。」

 

なるほど、ありがとう響子のプロデューサーさん。

心の中で感謝し、響子に教えてもらったシェルターに向かうことにした。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

同時刻 東京上空

 

「へっくしゅん」

「ちょっとー」

 

新宿に急行するTPCの特捜チームGUTS。

 

その主力戦闘機ガッツウイング1号3機のうちの1機、コールサインウイング1のパイロットたち。

 

「風邪でもひいた?それとも誰かキミの噂でもしてるのかな?」

「すいません、でも僕の噂って」

「例えばキミの担当アイドルとか」

 

軽い口調で話す女性、彼女がこの機体の機長にして特捜チームGUTSの副隊長だ。

 

「いやぁ、それはないですよ。」

 

彼女に応答する真面目そうな若い青年はそう言いつつ少し嬉しそうだ。

 

「まぁ、それもそうね」

 

思わずガクッとする青年。

 

「そんなぁ、自分で言ったのに」

『お二人ともぉ〜、そろそろ戦闘空域ですよ〜』

 

そんな時、2人のもとに僚機、コールサインウイング2よりのんびりした女性からの通信が入る。

 

「了解よ、ウイング2」

 

そう答えるとと共に先程までとは一転。

 

「ウイング1よりウイング各機、敵怪獣【ゴモラⅡ】は頭部からの光線やミサイル状の物体を用いて周囲の破壊を繰り返している。接近には充分注意しなさい」

 

『ウイング3、了解』

『ウイング2、了解、光線を回避するならこうせんと〜、うふふ』

 

「こらっ、ウイング2」

 

ダジャレは彼女の趣味だ

 

「ハァ、みんな緊張はとけた?OKいくわよ!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

シェルターに向かって走り続ける僕たちの上を何かが通り過ぎていく。

 

「あれは...」

「ガッツウイング!」

 

駆けつけたガッツウイングが怪獣に攻撃を開始する。

3機とも僕たちとは反対側に飛んでいく。

どうやら怪獣を引きつけようとしているみたいだ。

 

「ギャオオオオオオオン」

 

怪獣もすぐにガッツウイングに注目する。

 

「アキくん、もうすぐだよっ」

 

響子に言われてハッとする。

目の前にはたくさんの人が集まっていた。

 

「よし。やっと着いたか」

 

僕は響子と共に人々の流れにのる。

 

「よかった。これでひとあんしん...きゃっ」

「響子っ」

 

見ると響子が人混みにさらわれていく。

 

とはいえあれならシェルターの中に入れるだろう。

 

「あとで必ず追いかけるからっ。先に行って!」

「うん!わかったー!」

 

なんとか答えてくれた響子にひと安心し。

 

「よし」

 

僕はシェルターと逆方向に駆け出した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『ウイング3、被弾しましたっ』

「ちぃ」

 

思わず舌打ちするGUTS副隊長。

【ゴモラⅡ】は予想をはるかに超える攻撃力、そして頑強さを持っていた。

 

「こんなことならガッツウイング2号があれば」

 

思わず青年隊員も愚痴る。

 

「ないものねだりは出来ないわっ」

 

あとで絶対配備をしてもらおう、とは思っているが...

 

「ギャアアアアアアン」

 

【ゴモラⅡ】が鳴き声と共に放った光線がウイング1に迫る。

 

「しまっ、キャア」

 

軌道がデタラメすぎる攻撃を回避しきれず被弾するウイング1。

 

「こちらウイング1、被弾したっ、不時着する」

 

「あらあら、少しマズイですね」

 

いつもおっとりしているウイング2の女性パイロットも流石に動揺する。

 

「ですが、ここで引くわけにはいきませんよ」

 

そう言うと凄まじい軌道で【ゴモラⅡ】に接近するウイング2。

 

ビーム機銃ニードルと対獣ミサイルヒートを的確に顔面に直撃させる

しかし...

 

「効果なしですか」

 

【ゴモラⅡ】は少しも怯まず攻撃を再開する。

 

なんとか回避するウイング2。

 

しかし流石に限界がきそうな...その時!

 

「えっ?」

 

その眩い光は現れた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

響子と離れた僕は人のいなくなった道路にやってきた。

空で戦うガッツウイングがすでに1機だけになっている。

 

「くっ」

 

僕が早くあの()()()を使っていれば。

いや、そんな場合じゃない。

僕は鞄の中からあるモノを取り出す。

これを手にした時から決めたんだ。

 

「ヒーロー、か」

 

そんな大層なものかはわからない。

でも僕はこの()()()で...

 

手にしたモノを空に掲げ僕は叫ぶ。

「ティガぁー!!」

 

みんなを護るって!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

眩い光が街を包み込む。

思わずたじろぐ【ゴモラⅡ】。

ウイング2や避難している人々も眩しさのあまり目を閉じる。

そして光がおさまった、そこには、

 

「あれは」

 

誰かが呟く。

 

「巨人」

 

ウイング2も呟く

 

「光の巨人...」

 

シェルター内のモニターを見た響子も。

 

「ジュア!」

 

そこにいたのは。

紫、赤、銀、3つの色を持つ。

巨大な光の巨人だった。

 

「ギャオオオオオオオン」

 

突然現れた光の巨人に闘争心をむき出しにする【ゴモラⅡ】は、その体中の武器を光の巨人に向かって放つ。

 

光の巨人に降り注ぐ攻撃

そして大爆発

 

「ギャオオオオオオオン」

 

勝ち誇るように雄叫びをあげる【ゴモラⅡ】

 

しかし、煙が晴れたそこに居たのは...

 

「ジュアッ」

 

無傷の光の巨人だった。

動揺する【ゴモラⅡ】に向け駆け出す光の巨人。

 

顔面に放たれた拳が、胴体にめり込む蹴りが、ガッツウイングの攻撃に身動ぎ1つしなかった【ゴモラⅡ】を追い込む。

 

そして

 

「ジュアッ!」

 

光の巨人は両腕を腰に、そこから前に突き出しクロスさせ、そして大きく横に広げる。

 

「綺麗...」

 

まるで舞うような一連の流れに、思わず呟く響子。

 

「デュアッ!」

 

L字に組まれた腕から凄まじい光線が放たれる。

そしてそれは...

 

「ギィィィィヤァァァァァア!!!」

 

【ゴモラⅡ】に炸裂!

その体を一撃で大爆発させたのだった!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

ゆっくりと頷く光の巨人。

胸のカラータイマーが点滅を始めている。

 

「シュワッチ!」

 

掛け声と共に空へ飛んでいく光の巨人に人々は唖然としそして。

 

「やっ、やったー!」

 

大歓声が巻き起こる。

 

抱き合って喜びを分かち合う人、泣きじゃくるひと。

様々な人々の合間をくぐって、響子は明人を探していた。

 

「アキくーん!アキくーん!」

 

とそこに。

 

「おーい!」

 

明人が走ってくる。

駆け出した響子は明人に飛び掛る。

 

「わっ、響子!?」

「すぐに追いかけるって、心配したんだよ!」

 

ほとんど半べその響子を抱き止める明人。

 

「ごめん、人が多くてね」

 

なんとか響子をなだめ終えたのはそれから30分後くらいになった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ねぇアキくんはあの巨人さん、見た?」

 

僕にそうたずねる響子。

 

「えっ、あぁ、うん」

 

僕は一応そう答える。

 

「凄かったよね、こう、どかーん!びしゅーん!って」

「なにそれ?」

 

可愛らしい表現にクスリと笑ってしまった。

 

「もぉー、これくらい凄いってことですっ!」

 

ぷくっと膨れる響子は、でもすぐに笑った。

さてと、

 

「行こう、響子」

「うん!」

 

6年ぶりの再会はとんでもない日になってしまった。

沢山の人々が悲しい目にあった。

全てを護ることがどれだけ難しいかは知っていたはずだ、それでも僕は...

 

「ほらっ、いくよアキくん」

 

今は彼女の笑顔を守れたことを心にとめよう

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ティガの地」

「はい?」

 

ここはTPC極東本部司令基地【ダイブハンガー】

 

「あの巨人が始めて目撃されたモンゴルの土地の名前ですよ」

 

そう語るのは白衣を着てメガネをかけた明らかに子供なーというか本当に14歳なー少女だ

 

「ティガとは?」

 

歴戦の勇士のような−実際に自衛隊、国連軍と防衛に携わってきた大ベテラン−顔付きの【島村 礼二】GUTS隊長が少女に尋ねる。

 

「インドネシア語で数字の3を意味する言葉だが、ここがそう呼ばれていたのは相当昔からのようだから、別の意味の言葉だろうな」

 

「ならあの巨人さんは、ウルトラマンティガですね」

 

そこに入ってきたのは先程までとはの戦闘にウイング2として参加していた女性パイロット。

 

「楓さん、なんですそれは?」

 

突っ込む少女に、

 

「名前ですよ、ウルトラマンまでは出てたんですけど。ウルトラマンティガって語呂も良いとおも()()ませんか?」

 

ニッコリ微笑む女性こと【高垣 楓】隊員

 

「まぁ呼び名はいずれ必要になる」

 

島村隊長の言葉もあり、

 

「ウルトラマンティガか...まぁいいだろう」

 

少女【池袋 晶葉】技術主任が折れる形であの光の巨人の呼称が。

【ウルトラマンティガ】に決定するのだった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「フフっ」

 

とある建物の誰もいない一室

 

あの怪獣を生み出した謎の青年が夜のニュースを見て怪しげに笑っている。

 

「UE計画、人体の変質実験は成功ですね」

 

青年にとってあれほどの事件は実験にしか過ぎないのだ。

 

「おっともうこんな時間ですね」

 

というと青年はニュース番組の画面を操作して。

 

「さぁこれから楽しくなりますよ」

 

おもむろにアイドルのライブ映像を再生したのだった

 

 

 

 




最後のやつは決してふざけた訳ではありません


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第2話 クラスメイトもアイドル? その1

前回の前書きに第2話と書いてしまいましたが
今回から第2話です
ごめんなさい、見捨てないでくだ「お前は謹慎だ」
・・・


都内某所 346プロ

 

「あっ、響子ちゃん」

「おはようございます。早苗さん」

 

エレベーターを待っていた響子に声をかけたのは事務所の先輩アイドル【片桐 早苗】だ。

 

「災難だったわね。2週間前、新宿にいたってあなたのプロデューサーくんから聞いたわ。怪我とか本当にしてないのよね?」

「はいっ、大丈夫です!ご心配おかけしました」

 

笑顔で答える響子に早苗も微笑む。

そこにエレベーターが到着、2人も乗り込みそれぞれの行き先のボタンを響子が押す。

 

「ありがと。ところで響子ちゃん」

「はい?」

 

早苗が何かを尋ねてくる。

その顔は少しニヤリとしている。

 

「その日新宿にいたのは、憧れの幼馴染とのデートだって聞いたけど?」

「デデデっ、デートってアキくんとはそんなっ!」

「へぇ、アキくんねぇ」

 

慌て過ぎて墓穴を掘ったことに気づいた響子は顔を真っ赤にする。

そこまでからかってから早苗は、

 

「あははっ、ごめんごめん」

 

からからと笑い出した。

 

「うー、早苗さん...」

「もぅ、そんな顔しなさんなって」

 

流石は元婦警。()()の扱いは手馴れたものだ。

 

「でも私、仮にもアイドルですし...」

 

そう言って俯く響子に早苗は。

 

「確かにね、でもね響子ちゃん。人生は一度っきりなのよ。後悔したまま終わるより今を精一杯、全力で生きることが大切だと思はない?」

「今を精一杯...」

 

思わず反芻する響子。

そこでエレベーターが早苗の目的地に着いた。

 

「まっ、バレなきゃいいのよバレなきゃ。それじゃあね」

 

そう言ってエレベーターを降りる早苗。

 

「ちょっ、早苗さんがそんなこと言っていいんですか!?」

あははー、と笑って立ち去る早苗に突っ込む響子。

 

「はぁ」

 

1人っきりになったエレベーターでため息をもらす。

 

「そういえば、アキくんは今日からあたらしい学校かぁ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

都内 とある公立高校2年1組教室前

 

「えー、今日は転校生を紹介します」

 

教室内から先生の声が聞こえる、ざわつくクラスの声も。

うん、何度も経験していること。

伊達に世界中の国々を転々とした訳じゃ無い。

 

「では、入って来てください」

 

先生に促され教室内に入る。

 

落ち着けおちつけもちつけ、違う。

 

黒板の前に立ち、そこに名前を書く。

そして、

 

「円 明人です。両親の都合で6年間海外を転々としていました。趣味は読書と映画観賞です。本日よりよろしくお願いします」

 

ありきたりと言われればそれまでだがシンプルな自己紹介をする。

新しいクラスメイト達も拍手で迎えてくれた、よかったぁ。

 

「えー、では円君は新城くんの後ろの席に」

「はい」

 

そして先生に指示された教室の一番奥、窓際の席に向かう。

 

「よろしくな、円」

 

前の席の新城くんが声をかけてくれた。

 

「よろしく」

 

僕も笑顔で返した

 

「では、授業を...あー多田さん?」

 

教卓で授業開始を宣言しようとした先生が1人の生徒の名を出す。

そして僕と反対の一番奥の席に座る、というか寝てる1人の女子生徒に近づく。

「多田さん、起きなさい」

「えへへ、みくちゃんもうすこしー」

 

クラス中で小さな笑いが起こる。

すると多田さん?が目を覚まし。

 

「ふぁー、お母さん?」

 

流石に僕も吹いた。

クラスメイトは大爆笑だ。

失言に気づいたのか顔を真っ赤にする多田さんに先生は。

 

「多田、私はみくちゃんでもお母さんでもありませんよ?」

「あわわ、すいません!」

 

謝る多田さんに口々に声をかけるクラスメイト達。

でもそこに嫌味はない。

 

「面白いクラスだろ?」

 

新城くんがこっちに声をかける。

 

「確かにね」

 

いいクラスに来れたようだ。

 

 

 

 

「それにしてもこんな時期に転校ってなぁ」

 

授業の合間の休憩時間。

何人かのクラスメイトに囲まれた僕に新城くんが声をかける。

 

「ほんまやなぁ、もう5月の後半やで」

 

新城くんの言葉に同意する、えぇーと?

 

「あぁごめんな、ウチは堀井 和美(ホリイ カズミ)。よろしゅうな円くん」

 

堀井さんか。

 

「よろしくね、堀井さん」

「おっと、俺も名乗ってなかったな。俺は新城 真(シンジョウ マコト)

改めてよろしくなっ、円」

「こちらこそ」

 

早速クラスメイト2人の名前を知れた!

 

「んで、もうリーナ、いつまで拗ねてんの〜?」

 

堀井さんが声をかけたのは先ほどの、

 

「うぅー、だってぇ〜」

 

そう言いつつこっちにくる女子生徒、確か、

 

「えっと、多田さんだっけ」

「あぁ、うん。多田 李衣菜だよ、よろしくね。えーと」

「円くん、円 明人くん」

 

堀井さんがフォローする。

 

「あぁごめんね、円くん」

「ううん、気にしないで多田さん」

 

僕がそこまでいうと今度は新城くんが。

 

「円、多田はこんなんでも実はアイドルなんだぜ」

 

と言った。

 

「アイドル?」

 

えぇ、マジで?

 

「もぉ、新城くん。これでもって何さ」

 

多田さんが文句を言う。

 

「それに私はただのアイドルじゃないよ。ロックなアイドルなんだから!」

 

ロック?岩?あぁ

 

「ロックってジャンル?クイーンとかボン・ジョヴィとか?」

 

そう言うと何故かみんな俯いてる、いや笑いを噛み殺してる?

 

「あれ?違った?」

 

慌てる僕に新城くんが笑いをこらえながら首を横に振る。

そして多田さんの方を指差す。

 

で、その多田さんは、

 

「え、あ、う、ん、うん」

 

すごく目が泳いでた。

 

「あの、多田さん?僕何か間違ってた?」

 

すると今度は堀井さんが。

 

「やっ、やめ、たげて円くん。リーナはっ、ふふふ」

 

すんごく笑いをこらえながらそう言ってきた。

で、やっと多田さんが。

 

「もっ、もちろん知ってるよ?知ってるからね!

ヴィクトリアとかっ!」

 

クラスが再び爆笑に包まれた。

 

 

後から教えてもらったが、

多田さん自身は真面目にロックなアイドルを目指しているらしいけど。

元の性格が真面目過ぎて色々()()()なのだそうだ。

まぁそこが愛される理由らしいけどね。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『へぇ、李衣菜さんとおんなじクラスになったんだ』

 

その日の夜、僕は自室で響子からかかってきた電話に応答している。

 

「うん、やっぱり知ってるんだ」

『何度かお話したことがあってね。李衣菜さんってお料理も得意なんだよ』

 

ますますロックから遠ざかってるな。

 

「それに、多田さんだけじゃなくて、クラスメイトもみんな良い人たちでね」

『ふふっ、よかったね、アキくん』

 

電話の向こうの響子が嬉しそうに笑う。

 

「そっちはどう?」

『今日はレッスンだよ、ダンスレッスン。大変だったけど私も卯月ちゃんと美穂ちゃんのおかげで頑張れたんだ』

「卯月さんと美穂さん?」

 

僕が尋ねる。

 

「うん、島村 卯月ちゃんと小日向 美穂ちゃん。2人とも歳上だけどとっても優しくて可愛いんだよ』

 

そっか、

 

「良い友達なんだね」

 

『うん!アキくんも沢山お友達が出来るといいね』

 

響子の言うとおり、これから卒業まであの高校の一員なんだから、友達が多いな越したことはない。単純に楽しいしね。

 

『あっ、もうこんな時間』

 

電話の向こうの響子が言う。

確かに30分くらい話してたみたいだ。

 

『それじゃあまたね、アキくん』

「うん。またね響子」

 

電話を切ると僕は背伸びをしてテレビをつける。

夜の報道番組で光の巨人特集をやっていた。

まぁつまり僕の特集ってことで、そう思うと恥ずかしいな。

僕はふと机の上に置いた()()に目をやる。

事情を知る人たち−僕の両親など−から【スパークレンス】と呼ばれるようになったそれに。

 

「光の巨人...か...」

 

光の巨人、ティガについて意見を交わすアナウンサーとコメンテーター。

街の人のインタビューも肯定的な意見、否定的な意見、結果はばらばらだ。

 

「...」

 

僕はチャンネルを適当にいじる、やってたのはバラエティ番組。

 

『闇に飲まれよ!』

 

やけに物騒なことを言う女の子が映っていた。

周りはうけてるし本人も悪意が無さそうなのでそう言うキャラなのかもしれない。

 

その番組をつけながら僕は明日の用意を始める。

 

ティガになったことも、怪獣と戦ったことも後悔は無い。

それにいつもいつもあんな事が起こるわけでも無いんだ。

変に悩むより僕は僕の日常を大切にしよう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

都内某所 ビルの屋上

 

「えぇ、素晴らしかったですよ。お二人共」

 

電話の向こうの相手にそう言うのは2週間前、あの事件の発端となった白髪の青年だ。

 

「それでは、また明日。おやすみなさい」

 

電話を切る青年。

その顔には笑顔が浮かんでいる。

 

「えぇ、素晴らしかったですとも」

 

ゾッとするくらい邪悪な笑顔が...

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「人為的?」

 

コンパクト情報端末【GUTSCOM】からの通信に答えるのは片桐 早苗。

 

『あぁ、それがラボの見解だ』

 

通信からは深妙な男の声が聞こえる。

 

「あれだけのことをどうして...まさかテロ?」

 

早苗の声はいつもより冷静に、しかし怒りを隠しきれない様子だ。

 

『まだそこまではわからない、とにかく一度ダイブハンガーに』

「ふぅ、了解です。隊長」

 

自分を落ち着けて応答する早苗。

そのまま通信を切り歩き出そうとしたところで。

 

「あら、早苗ちゃん。いま上がり?」

 

同期の友人【川島 端樹】に声をかけられた。

 

「えぇ、そのはずだったけどね」

 

そう答える早苗に。

 

「なるほど...大変ね」

 

と何かを察する様に言う端樹。

 

「それじゃあまたね」

 

立ち去ろうとする早苗だったがその背を、

 

「早苗ちゃん」

 

端樹が呼び止める。

 

そして振り向いた早苗に一言。

 

「みんなの世界をよろしくね」

 

微笑みを浮かべ、今度こそ立ち去る早苗。

その後ろ姿は強い覚悟を秘めた背中だ。

 

彼女【片桐 早苗】は元婦警のアイドルである。

しかしそれは表の顔、特捜チームGUTSの現役副隊長。

それが彼女のもう1つの顔である。

 

「もう誰も、失うもんか」

 

誰にも聞こえない小さな声で早苗は呟いた。

 

 

 

 




現状、早苗さんと楓さん、晶葉ちゃんが防衛チームです


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第2話 クラスメイトもアイドル? その2

第2話その2です。

更新に時間がかかり申し訳ありません!


「マジかよ、明人。あの事件に巻き込まれたって」

 

この学校に転校してきて1週間が経った。

いま僕は真たちに、なんで転校が遅れたのかを話してる。

あっ、ちなみに新城くんとは名前で呼び合うようになりました。

 

「あれって、なんで出てきたのかとか、未だにわかんないんでしょ?」

「らしいなぁ、ほんまにいきなりやったもん」

 

多田さんと堀井さんが口々に漏らす。

たしかに、あの怪獣の出現は本当に唐突で、TPCからも出現理由等の発表は行われていない。

近くにいた僕から見ても鳴き声と思われる轟音が響いたと思ったらいきなり現れた様にしか見えなかった。

少なくとも、地面の下や空から降ってきた訳でも無いだろう。

 

「まぁ、元々転校手続きがトラブった挙句あの事件に巻き込まれたからね。本当に中途半端な時期の転校になったんだよ」

「そっか、大変だったね...あっ!」

 

ん?どうしたんだろ、多田さん?

 

「じゃーさ、じゃーさ!あれは見たの?あのっ」

「あー、光の巨人やろ?」

 

うっ、聞かれるとは思ってたけど...

 

「あいつか!スゲーよな!怪獣を1発でドカーンとさ!」

 

真が興奮気味に語る、なんか照れるなぁ。

 

「子供っぽいなぁ」

 

堀井さんがズバリと言う。

 

「なんだよ。実際凄かっただろ?」

「うんうん!あれこそロックだよね!」

 

多田さん...

 

「で、実際どうやったん?」

 

うっ、うーん

 

「やっ、でも、僕もシェルターのモニターで見てただけだからなぁ...」

 

としか答えられないよ...

まさか僕が変身したんだよ、なんて言ったら、

まぁ、信じてはもらえないだろうけど

 

「ふーん、ホンマに?」

 

ゔぇ?

 

「なにか」

「隠してないか?」

 

あれ?あれれ?

 

「なっ、なにも、隠して、ないよ?」

「「「ふーん?」」」

 

バレてる?バレてるの?

 

「円くん」

 

ひっ、多田さんが顔をグッと近付けてくる。

 

「もしかして...」

 

あ、あああ

 

「見てないでしょ」

 

へっ?

 

「あー!やっぱり!実は見てないんだ!」

 

多田さん...いや、これはチャンス!

 

「そうなんだよ!逃げるのに必死でね!後からテレビで見たんだよ!」

 

誤魔化せた、かな?

 

「なーんだ」

「ごめんな、円くん。そりゃあそうやんなぁ〜」

 

やったぜ!ありがとう、多田さん!

なんて会話を交わしてました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「ハァ...」

 

ダイブハンガー内の休憩室にて、一人小さな溜息を漏らす早苗。

その理由は、1週間前の緊急招集時に視たとある映像にあった。

 

「普通、ありえないわよね」

「あれ?副隊長」

 

そんな彼女に声をかけたのは、

 

「あら、高雄くん」

 

GUTSの部下にして、ウイング1のバディ【高雄 悠里(タカオ ユウリ)】隊員だ。

 

「溜息の理由はやっぱりあれですか?」

「うん。あれはねぇ。」

あれ、とは二人を含めたGUTS隊員達が観た映像。

 

それは今から数えて3週間前、【ゴモラⅡ】出現地点の街頭防犯カメラの映像だった。

信号停車中の車に後ろからもう一台の車が追突する、それだけならば嫌なものだが普通の交通事故の映像だ。しかし、

 

「人が怪獣になるなんて...」

 

そう、事故を起こした方の車の運転手が一瞬にして黒い()()()になり、そのまま車を突き破りそして...

 

「普通はありえませんね。」

 

ポツリと高雄が漏らす。

二人ともプロだ。常識外れのありえない怪獣の生態にもある程度は詳しくいい。

しかし、怪獣の出現はだいたいが地下からだったり、海からだったり、あるいは空から降ってきたりと、何処かからやって来るのが普通であった。

 

「それも、厄介なのは...。」

 

怪獣に変貌した男の身元も判明している。

都内の生物学研究所の研究員。ギャンブル依存症で、金に困っていたらしい。

さらにその勤め先の研究所から事件の前日あるの微生物の生体サンプルが盗まれていたこともわかっている。

 

事件当日、無断欠勤していたことも。

 

「お金目当てが妥当ですけど。」

「だとしたら怪獣化の説明がつかない。」

 

盗まれたサンプルの微生物は、古い地層から見つかったものらしい。

しかし、特になにか特別な訳でもなく、とりあえず珍しいモノとして保管されていたのだ。

間違えても、取り扱いによっては怪獣化するなどという物騒なものでは無い。

 

「と言うことは...」

 

勿論、別の要因があるかもしれない。

しかし今一番可能性があるのは池袋技術主任こと晶葉が出した仮説。

何者かがそのサンプルに手を加えて、男を怪獣化させたのでは無いかと言うものだった。

 

「どんな手を加えたってのよー!!」

「うーん?」

 

頭を抱える二人。

その仮説が正しければ、一番厄介なのはその条件だ。

もし、簡単な手段ならば。もし、何も知らない人がターゲットにされたら...

 

「だぁー!ぐちぐち悩んでても埒があかないわ!!」

 

ついに切れた早苗が叫ぶ。

 

「ちょっと身体動かしてくる!付き合いなさいな!高雄くん!」

「うぇ!?」

 

レッツゴー!と早苗に引き摺られていく高雄隊員。

他の職員たちも見慣れたGUTSの日常である。

 

「たすけてぇぇぇぇ」

 

無論、誰も助けない。

 

 

 

「体を動かすのはストレス発散にいい()()()。うふふ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「実験、ですか?」

 

何処かの一室

 

「あぁ、例の光の巨人、ですね。」

 

白髪の青年が電話に向かって何者かと連絡を取っている。

 

「わかりました。このカプセル単体で、ですね。」

 

彼の手には謎のカプセルが。

 

「奴には私も興味がありますからね。」

 

再び悪意が牙を剥かんとしていた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

翌日

 

「えー、今日の授業は怪獣の歴史についてです」

 

担任の先生がそう言った瞬間、クラスは大きく騒ついた。

 

「えぇー、怪獣?」

「いきなりなんでー?」

「てか、数学関係ないよー?」

 

うん、先生の担当は数学の筈だけど...

と先生に口を開く。

 

「えー、静かにー。僕は歴史の免許が取りたかったけど倍率高くてダメだったんですよ。ですが皆さん、つい最近新宿で怪獣災害が発生したばかりでしょう?

怪獣について知っていれば正しい対応も取れるかもしれません。」

 

カモって(笑)でも先生の言う通り、何も知らないより少しでも知識があった方が良いかもしれない。

 

そう考えていたら先生が3枚の大判印刷の写真を黒板に貼っていく。

 

「えー、この三体の怪獣は、近年出現した怪獣です。右から1998年、イギリスに出現した怪獣【C.O.V(コッヴ)】、2002年ロシアに出現した【ラゴラス】。そして9年前に新潟に出現した【ゴメス】。つまり日本に怪獣が出現するのは9年ぶりをなります」

 

みんなが静かになり、写真に注目している。もちろん僕もだ。

3枚の写真に写っているのは、まさしく怪獣としか言い表せない生き物達だった。

 

とくに...

 

「えー、この三体の怪獣は、どれも甚大な被害を出しましたが、とくに被害が大きかったのはイギリスに出現した怪獣【コッヴ】によるものです。」

 

先生の指差した怪獣、コッヴか...なんというか、本当に生き物か?

ゴツゴツした外見、両手?は鎌のようになっていて、武器としてならともかく手としては全然使えそうに無い。

 

まるで、兵器みたいだ。

 

「えー、この【コッヴ】の撃破のために当時のイギリス軍だけで無く、国連軍

つまり現行のTPCの前身組織も相当の戦力を投入。出現から一週間後、ようやく撃破出来ました。」

 

「一週間...」

 

誰かが呟いた。

一週間、そんなに長い間、あの怪獣が暴れまわった。

以前の新宿の怪獣は一日も暴れていなかった、それにもかかわらず、あれだけの被害を出したんだ。

 

なら、一週間もの間、暴れまわった【コッヴ】がどんな被害を出したか...

 

想像するだけで恐ろしい。

 

みんなも絶句している。

 

「えー。このように、怪獣災害は極めて恐ろしいものです。だからこそ、これら過去の記録から、色んな事を学んで下さい。」

 

相変わらず落ち着いた口調で、しかし真剣な先生の言葉にみんなが反応しようとした...

 

 

その瞬間

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギュアアアアアアアアアアーーー」

 

 

 

 

再び怪獣が出現した。

 

 

そして、その姿は...

 

 

「コッヴ...?」

 

 

 

 

 




次回
VSコッヴ


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クラスメイトもアイドル? その3

お久しぶりです。
投稿にだいぶ時間がかかってしまいました。



()()()

 

怪獣出現の報を聞き、緊急出動したガッツウィングの機内。

その機体の機長にして副隊長の早苗は、簡易ブリーフィングにて報告された今回出現した怪獣の名前を復唱しようとしたが...

 

「姐さん、C.O.V(コッヴ)です。」

 

早苗の言い間違いを訂正したのは厳つい声の、しかし丁寧な口調のGUTS隊員【宮本 涼介】隊員だ。

 

「こっぶ」

 

「・・・ぶっ」

 

「あ?」

 

微妙にアクセントを間違える早苗、そしてそれを笑ってしまい彼女に睨まれてしまったのは早苗のバディ、年若い温和そうな青年【高雄 悠里】隊員だ。

 

「ひっ!?ごめんなさい!!」

 

慌てて謝る高雄隊員。

宮本隊員を始め、通信中の隊員達がくすりと笑う。

 

『みんな、もういいか?』

 

通信越しの島村隊長の冷静な声に全員が集中する。

GUTSの隊員達は出撃直後、現場到達まで軽口を叩き合う、しかし決してふざけてるわけではない。

それこそ命懸けかつ、誰かの命を守るため、全力を尽くすための緊張をほぐす為の手段なのだ。

だからこそ隊長も変に止めたりしないし、隊員達も切り替えをしっかり行う。

 

「ウィング1、了解。さぁみんな?行くわよ!」

 

『了解!』

 

 

 

 

GUTS出撃の数分前

 

「キュァァァァァァァァ」

 

 

「コッヴ...?」

 

僕はまたしても突如出現した怪獣と黒板に貼られた写真を見比べる。

間違いない、あれは...

 

「かっ、怪獣だぁぁぁぁぁぁ!」

 

誰かが大声で叫んだ。

その声をキッカケにクラスは大混乱に陥った。

みんなが冷静さを失い一目散に逃げ出す。

先生も慌てて制しようとするが、ダメだ。

 

「明人!俺たちも逃げるぞ!」

 

真が声を掛けてくる。

 

「あっ、うん!」

 

僕もそう応えるけど...

 

「キュァァァァァァァァ」

 

再び聞こえる怪獣の声、そして爆発音。

窓の外では怪獣による破壊活動が開始されていた。

 

「新城くん!円くん!」

 

「早よ!急いで!」

 

多田さんと堀井さんが教室のドアの近くから僕たちに呼びかける。

僕達も教室を出ようとするけど、

 

「うわっ」

 

学校全体がパニックに陥っていた。

逃げ惑う生徒達、避難だけで怪我人が出そうだ。

 

「とにかく行こう!」

 

真が先導する形で僕達も進む、が...

 

「わっ!」

 

後ろから来た生徒にぶつかられ僕は転んでしまった。

 

「円くん!?」

 

まずい、いやこれはチャンスだ。

 

「先に行って!後で必ず追いつくから!」

 

真たちは躊躇いながらも、

 

「絶対だぞ!」

 

と先に行ってくれた。

 

「よし」

 

騙した事になるけど、そうも言ってられない。僕は避難する生徒達の波に飲まれながらも、なんとか階段まで到達。そして屋上目掛けて走り出した。

 

 

 

 

「イタイのイタイの飛んでいけ〜」

 

「ミサイル発射をそう表現する人初めて見ました...」

 

機動力を生かした攻撃を仕掛けるガッツウィング1号の機内にて、やけに呑気なセリフを言うのはエースパイロット【高垣 楓】そしてそのバディ、眼鏡をかけた知的な印象な【田中 淳士】隊員だ。

 

今回の作戦に投入された新型機、そして避難未完了区域に注意を向かせないために機動性に優れたガッツウィング1号を駆る二人が先制攻撃を仕掛け、囮となる寸法だ。

 

 

「キュアアア!!」

 

 

「っ!来ます!」

 

「おっと!」

 

空から攻撃を仕掛けてくるガッツウィングが鬱陶しく思ったのか頭部から光弾を放ってくるコッヴ。

作戦の第一段階は成功だ。

 

そして、早苗達が駆る新型【ガッツウィング2号】も攻撃準備を行っていた。

 

ガッツウィング2号は機動力に勝るガッツウィング1号に対し、火力に優れた機体だ。機体前部に搭載されたハイパーレールガンから放たれる【デキサスビーム】はシュミレーションでの推定破壊力にて怪獣を一撃で殲滅可能との結果が出ているが...

 

「...うまくいってよね」

 

早苗はふとそんな事を呟く。

シュミレーションのデータと違い、生き物は常に予想を超えた行動を起こす。ましてや命が関わったなら尚更だ。

相手はただでさえ常識はずれの怪獣。

不安は拭いきれない。

 

すると、

 

「大丈夫ですよ。副隊長。」

 

顔に不安が出てしまったのだろう。

それを察した高雄隊員は笑顔で早苗にそう声をかける。

 

「...えぇ。それもそうよね。」

 

早苗も笑いかえす。

 

「やってみないとわかんないわよね!」

 

ちょうどコッヴがこちらに背を向けている。チャンスは今だ!

 

「ハイパーレールガン展開、エネルギーチャージ」

 

「了解。エネルギーチャージ」

 

宮本隊員の操作で機体前方部分が割れる形になり起動するハイパーレールガン。

エネルギーチャージ完了までは、もう少し。

 

「ウィング2、もう少し耐えて!」

 

『ウィング2、了解で...あらっと!」

 

次々放たれる光弾を巧みな操縦技術で回避する楓。

 

「エネルギーチャージ、99...100%!いけます姐さん!」

 

「了解!機体、射撃体勢よし!発射準備完了!高雄くん、トリガー任せるわよ!」

 

「了解!」

 

ロックオンサイトにコッヴを捉える高雄隊員。

そこで...

 

「キュオォォォ」

 

野生の勘かガッツウィング2号の方を向くコッヴ。

 

だが!

 

「チィッ、止めるわけいかないでしょ!デキサスビーム、発射!!」

 

「発射!」

 

高雄がトリガーを引くと同時に放たれる黄色い閃光は一直線にコッヴの胴体に向かって進んでいく。

確かな危機を感じたのだろう。咄嗟に両腕を盾にしたが...

 

「「ぶち抜けぇぇぇぇぇぇぇ」」

 

防ぐことは叶わない。

デキサスビームの一撃はコッヴの両腕を粉砕し、その胴体をぶち抜いた!

 

 

 

 

 

「あっ!」

 

生徒の波を潜り抜け屋上に、たどり着いた僕の目に映ったのらはGUTSの戦闘機?によって腹部を撃ち抜かれるコッヴの姿だった。

特徴的だった鎌の様な両腕をぶらりと下げそのまま倒れるコッヴ。

 

「終わった、の?」

 

呟きながら、僕自身も力なく崩れる。

 

「「「わぁぁぁぁぁぁ!!!」」」

 

下から歓声が聞こえる。僕もみんなと合流しないと。

 

「よかったぁ」

 

・・・なんて、言わなきゃ良かった。

 

 

「キュァァァァァァァァぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

「うそーん」

 

復活、した?

 

 

 

コッヴ復活の少し前

 

「たかだか旧人類がなかなかやりますねぇ」

 

白髪の青年はビルの屋上にて薄い笑みを浮かべながら倒れ伏せるコッヴを見届ける。

 

「もっとも、あくまで想定内ですが」

 

青年は懐からカプセルを、取り出し銃型の装置に装填する。

 

『超コッヴ』

 

「さぁ、超コッヴ。アンコールですよ!」

 

電子音声が怪獣名をコールする中、青年はコッヴに銃型装置を向けトリガーを引いた。

 

 

 

 

「キュァァァァァァァァぁぁぁぁぁ!!!」

 

「そんな!」

 

「嘘だろ...!?」

 

ガッツウィング2号の機内でもコッヴの復活に対しての動揺が広がる。

さらに...

 

『ウィング1、聞こえますか!早苗さん!』

 

早苗達の元に届く通信。

 

「晶葉ちゃん!どうしたの!?」

 

通信の主はTPCの特別技術顧問【池袋 晶葉】だ。

 

『奴め、復活しただけじゃない!エネルギー反応が上昇している!』

 

晶葉の指摘から早苗はもう一度コッヴに目をやる。

 

砕かれたはずの両腕はより大型となり、頭部の角も大型化。細部も異なっている。そして怒り狂ったかの様に光弾を乱射、被害を拡大させていく。

 

「何よ、あれ...」

 

『言うならば...超コッヴ』

 

晶葉がつけた名は奇しくも正式名称だった。

 

「サ◯ヤ人じゃないんですよ!」

 

「なんでも(スーパー)つけるなよな!どうします、姐さん!」

 

早苗の答えは一つだ。

 

「攻撃再開よ!ウィング2も、いけるわね!!」

 

『もちろんイケイケで()()ますよ』

 

ウィング2、楓達も賛成だ。

 

「隊長!」

 

島村隊長に最終確認をする早苗。

勿論返答は、

 

『了解した。増援も要請している、奴をなんとしても食い止めろ!

 

ただし、絶対死ぬな!』

 

決まっていた。

 

「了解!総員攻撃...」

 

開始、と続けようとしたところで...

 

「副隊長、あれを!」

 

高雄隊員が指差す先には眩い輝きが。

 

「あれは...」

 

光が人型を形作り、そして現れる光の巨人

 

『ウルトラマン...ティガ』

 

通信越しに楓は呟いた。

 

 

 

 

「デュワ!」

 

超コッヴに向き合う光の巨人、あらためティガがファイティングポーズをとる。

 

「キュァァァァァァァァ」

 

超コッヴは突然現れたティガに対して光弾を撃ち放つ。

 

「デヤ!」

 

光のバリアを張って光弾を受け止めたティガは全弾を受けきると同時にバリアを解除して突っ込む。

そして超コッヴに左右の拳を叩きつける。

 

「キュオォォォン」

 

あまり効いていないのか、少し怯むだけの相手にティガはさらに蹴りを叩き込む。

 

「キュァァァァァ」

 

流石に効いたか、追撃を加えようとするティガだが、

 

「キュォォォォォ!」

 

逆に迎撃戦と左腕を振り下ろす超コッヴ、ティガは冷静に回避するが...

 

「グッ!」

 

絶やさず右腕を振るいティガにぶつける超コッヴ。そのパワーに思わずふっ飛ばされるティガ。

 

さらに倒れたティガに超コッヴは光弾を乱射。

ティガは爆炎に包まれてしまう。

 

それを見届けた超コッヴは再び街に目をやりそして、

 

こちらを見ている学生達を見つけた。

 

「キュァァァァァァァァ」

 

学校に前進する超コッヴ。

二機のガッツウィングがその前進を阻もうと攻撃を加えるが効果は薄い。

 

 

 

「あれ、近づいて来てない?」

 

こちらに前進してくる超コッヴに気付いた李衣菜が漏らす。

 

「近づいとる、ね...」

 

和美も続ける。

 

「...逃げろぉー!!」

 

怪獣と戦う巨人と言う光景を見ていた学生達が真の叫びで一斉に逃げ出す。

 

怪獣災害は少なくともこの日本で遭遇することが長らくなかったのだ。

ここにいる生徒や教師達だって怪獣災害の経験者はまずいない。

 

余りに非現実的なことに釘付けになってしまったのだ。

 

そんな中。

 

「あっ!」

 

逃げていた李衣菜が急に逆走する。

 

「多田!?」「リーナ!?」

 

慌てて彼女を追いかける真と和美。

 

李衣菜が向かった先には混乱の折に怪我をして倒れた女子生徒がいた。

 

男手の真が抱えて逃げようとしたその時。

 

「...あっ」

 

誰が漏らしたか、あるいは全員か。

超コッヴがこちらにの数発の光弾を放った。

 

迫り来る死に伏せることしか出来ない4人。

何発かは校舎に、そして1発は...

 

 

 

「・・・あれ?」

 

顔を上げる李衣菜の目に映ったのは。

 

 

「デュア」

 

 

自分たちを庇うように膝をついた銀と紫色の巨人だった。

 

 

 

(間に合った。)

 

ティガの中の明人が呟く。

 

学校への攻撃を察したティガは咄嗟に空戦、スピード形態。

【ティガ スカイタイプ】にタイプチェンジし、超コッヴの攻撃の前に躍り出たのだ。

 

 

「助けて...くれた...?」

 

 

ティガはそのまま李衣菜達の方を見て軽く頷くと、

 

「デュア!」

 

超コッヴに向き合った。すでにカラータイマーは鳴っている、だからどうした!

 

「キュァァァァァ」

 

ティガに向けて光弾を乱射する超コッヴ。

その攻撃をティガは手刀や蹴りで次々と砕きながら前進する。

 

そして、

 

「デュアァ!」

 

超コッヴの前でジャンプすると、飛び回し蹴りを炸裂させる。

 

「キュォォォォ...」

 

大きくよろめく超コッヴ、しかし倒れはせずに腕を振るいティガを吹き飛ばそうとする。

バク転で回避するティガだが、距離が開いてしまった。

 

「キュォォアァァァ!!」

 

再び頭部から光弾を放とうとする超コッヴ、だが。

 

 

「させません!」

「ありったけ、撃ち込めぇぇぇぇ!!!」

 

 

二機のガッツウィングが超コッヴの頭部に全力攻撃。

攻撃阻止に成功した!

 

「デュア!」

 

腕をクロスさせ、マルチタイプにチェンジしたティガはそして、

 

「ハァァァ...デュワァァァァァァ!!」

 

エネルギーチャージからの必殺技【ゼペリオン光線】を炸裂させた!

 

その閃光は超コッヴの体に直撃し、

 

「キュォォォォォ...」

 

大爆発させたのだった。

 

 

 

 

「ウルトラマン...」

 

ティガの周りを旋回するガッツウィング2号。

その機内で早苗は呟く。

すると...

 

 

「・・・」

 

 

言葉は発しないがコクリとガッツウィングに対し頷いたティガはそして、

 

 

「シュワ!!」

 

 

空へと飛び去っていった。

 

「ありがとう、なのかしらね?」

 

早苗は小さな笑みを浮かべた。

 

 

 

 

「円くーん!」

 

「明人ー!!」

 

「どこやぁー!」

 

李衣菜達ははぐれたままだった、明人を探していた。

校舎は破壊されてしまっている、もしかしたらと言う不安が3人を襲うが...

 

「おーい!おーい!」

 

「あっ!円くん!!」

 

手を振りながらみんなの元に駆け寄る明人に3人もまた、笑顔で向かうのだった。

 

 

 

 

 

その日の夜、TPCより公式発表があった。

それは謎の光の巨人を今後【ウルトラマンティガ】と呼称、油断はできないが少なくとも敵対的な存在ではないと言う発表だった。

 

 

「ウルトラマン...ティガ...」

 

明人は、人々がくれたその名を噛みしめるのだった。

 

 

 



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