魔装機神 Girl of Reincarnation (久保サカナ)
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プロローグ

人生初の小説
どうかよろしくお願いします


「脈、心拍数共に低下。おそらくもって今夜が峠でしょう…」

「そんなぁ、おじいちゃん死んじゃやだよう!」

 

「100歳まで生きてやるってつい最近まで言ってたじゃない!」

 

 

 

うん、いきなり臨終間際ですまない。

私の名前はランドール・ゼノサキス。今年ピチピチの95歳になるちょっと剣術に長けたじじいだ。

実は家族の誰にも言っていない秘密がある。それは異世界からの転生者だということだ。ここはラ・ギアスという地球の中の次元がずれた場所にあるある地底世界、ボールの内側のように広がる世界だ。あと精霊や超能力者がいる。実にファンタジーだ。生まれ変わったと気づいた時は大いに驚いた。どこのバイストン・ウェルかと思った。妖精は居なかった残念!

 

私はラングラン共和国という国で軍人の息子に転生し幼じみたちと剣術を学び平和に過ごしていたが、突如隣国が侵略。幼じみの一人が拐われてしまったので助けに行こうと旅に出た所から私達の冒険は始まった。

 

隣国との戦争でもいっぱいいっぱいなのに関わらずなんかヤバげな破壊神を信仰するカルトな連中が戦乱の陰で暗躍しまくり、邪神が復活してしまった。邪神の名前はヴォルクルス、この脅威に対し風の精霊サイフィスの加護を受け辛くも勝利した。ここまで聞き覚えがある言葉が並んでやっと思い出した。

 

ここはスーパーロボット大戦の魔装機神の世界だったんだ(驚愕)

 

魔装機神の主人公マサキ・アンドーは物語の中でランドールを名乗っていたはずだ。つまりゲーム本編の遥か昔に転生したらしい。

 

(生でサイバスターとか見たかったなー、サイフィスなら会ったし交信できたりするけど)

 

生身で精霊憑依《ポゼッション》したしな!まさに烈風疾風サイバスター!ロボットなんて無い時代だけど!

 

そうこう考えている内にどんどん意識が遠くなってきた、周囲の声も聞こえなくなりやがて何も…

 

(………ル、………ランドール!)

 

いや微かだが自分を呼ぶ声が聞こえる。身体は軽く心は遠くなっていく中でいつか聞いたあの声が。

 

(聞こえますかランドール・ゼノサキス)

 

ああ、聞こえてるよサイフィス。

 

(ランドール、貴方はここで終わるべきではない。貴方は遣り残したことがある)

 

遣り残したこと?

 

(遥か未来、再び戦乱の世が来る。風に愛された貴方にふさわしい戦場が、貴方が救わなければいけないたくさんの人が、世界が!)

 

どういう事だと問う声もやがて風の音に掻き消されていく。

 

(私はいつも貴方の側に居ます、貴方を見守っています。忘れないでランドール、いやマサキ・アンドー)

 

そうして後に"剣神"と謳われたランドール・ゼノサキスは生涯を終えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




どうでしたか
もっと精進できるよう頑張っていきたいです


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マサキ目覚める

続きました、UAお気に入りしてくださった方ありがとうございます
文才が欲しいです、細かい描写が苦手です


◯月×日

前世も前々世も日記なんてつけたことは無いが今日という日を忘れないために日記を書いた。

 

今日は俺の15歳の誕生日を祝うために両親と妹で街に出かけた帰りのことだった、テロが起きたのは。

 

瓦礫に埋もれた父と母、どんなに声をかけて揺さぶっても起きない妹。俺一人だけが生き残ってしまった。

 

家族を失った悲しみよりもテロリストに対する怒りよりもやって来た軍の人間とゲシュペンストに避難させられながら俺は自分の身に何が起きたかを知った。

 

俺は再び転生してしまったということを。ランドール・ゼノサキスからマサキ・アンドーになったということを。

 

まるで堰が切れたかのように一気に記憶と知識が溢れ俺は気を失ってしまった。ただその中で一番解せないことがある、マサキは俺の知る限り男だったはずだ。

 

しかし今の俺の名前は漢字で安藤真咲、つまるところ女だ。どうやら俺は異世界転生と同時にTSしてしまったらしい。嘘だと言ってよバーニィ。

 

股間がスースーするし胸が揉むと柔らかい、どうしよう。

 

 

 

 

◯月@日

この世界はどうやらスーパーロボット大戦OGの世界ようだ、ゲシュペンストもそうだが隕石も落ちてる。

 

マジンガーやゲッターは見れないのが残念だがかわりにアルトアイゼンやソウルゲインが見れるOG世界だ。

 

一番はやっぱりサイバスターだけど他のロボットも結構好きだ。リュウセイ程じゃあないがロボットはロマンだと思う。

 

今の俺は親戚をたらい回しにされながら生活している。原作ではマサキは15歳の時に ラ・ギアスに召喚されていたからもう少しのはずだ。

 

ヤベェすごく楽しみ。地上の生活が悪い訳ではないがラ・ギアスは魂のふるさとだ。

 

召喚といえばくだらないことだが召喚される時風呂やトイレ入ってる時だったら大惨事じゃね?その辺どうなってるんだろうか。

 

女になった事についてはそういう平行世界もあるよね、と納得した。多分因果律の番人とかその辺詳しそうだ、まぁ性別が変わろうと俺は俺!で生きて行こうと思う。女しか味わえないこととか探してみたい。

 

 

 

「ふぅ…、そろそろ寝るか」

そう言ってペンを置くと机に向かったままうん、と伸びをする。

そのまま立ち上がり布団に寝転がる。

そうしているとどんどん意識はこれから起きるはずの事に向けられる。

(最期の時サイフィスは言った。また戦乱に巻き込まれると)

 

自分の記憶でもこれから地上でもラ・ギアスでも戦乱の世と化すことを思い出した。地上は侵略者に、地底は内乱と邪教徒に荒らされ、やがて滅亡に瀕するということだ。

そして対抗する為に鋼の勇者達が立ち上がり、戦いが始まることを。

 

(覚悟はとっくに出来ている、過去も未来も現在の俺が守る)

なんで転生したのかはわからない、しかしきっとそれはランドール、マサキ・アンドーに生まれ変わった自分の使命だから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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ラ・ギアスへ

超難産でした。
実は魔装機神はⅡまでしかプレイしてません、プロットも考えてません
それでもスパロボと魔装機神の良さを皆に届けたいと思って書いてます
そんな作品でも読んでくれてありがとうございます





(…サキ、…マサキ)

聞きおぼえのある声がしたと思ったら見覚えの無い部屋に居た。

ヨーロッパのような重厚な石作りの建物だとわかる、見たことのない巨大な機械もあった。

 

( この感じ!わかるぞ、ラ・ギアスだ!)

 

久しい魂の故郷に還って来た歓喜に身体がぶるりと震える、この喜びを今にも叫び出したいほどだった。

 

空気…風の匂いから違う、今にも精霊達の囁きが聞こえてくるようだ。

 

「あら、また召喚された人がいたのね」

マサキが悦に浸っている所に声をかけてくる人物がいた、白いスーツを纏った豊かな金髪を持つ美女だった。

 

「私の名前はテュッティ、テュッティ・ノールバックよ。貴方は?」

 

「安藤真咲…いや、マサキ・アンドーだ」

 

「マサキ…ね、ようこそラ・ギアスへ。ここは地球の中にある地底世界よ。ほら、窓から外を見てみてボールの内側みたいでしょ」

 

(原作通りだな砂糖の死神、17歳教徒さんよ。とりあえず話を合わせておくか)「な、なんだってー(棒)」

 

「…貴方全然驚いて無いでしょう」

 

「いや、ジオンがガンダムファイトでケリつけようとして来た時位は驚いた、というか日本人にとって剣と魔法の異世界に召喚されたり転生したりするのは安直な展開だからな、もうハーメルンとかなろうとか異世界転生ものばかりだぜ 」

 

俺もそーだけどなーというのは内心に留めておく。

 

「(ガンダムファイト?ハーメルン?)まぁいいわ、これから案内するからついて来て…」

 

とその時、テュッティの懐からコール音が響いた、取り出すと何やらやりとりをし始める、すると

 

「ごめんなさい、案内は後でね、貴方はここで 待ってて」と言うなり外に駆け出してしまった。

 

マサキにしてみれば「出るなよ、絶対出るなよ」というフリである、もう久々のラ・ギアスでウキウキが隠せないマサキはスキル方向音痴:EXでありながら知らない場所に出るという暴挙に出てしまった。

 

外からのテロらしき騒音を聞きつつマサキは格納庫をどっこかなーどっこかなーと探していると、その辺にいた兵士に話しかける。

 

「おい、魔装機操者なんだが格納庫まで案内してくれねぇか?」

 

「はい!こちらです、敵の数が多くて苦戦していた所で」

 

案内された先にあったのは青いボディと翼を持ち鋭角的な印象を持つ陽炎の魔装機ジャオームだった。

(おお!サイバスター程じゃあねぇけどこうして見るとカッケェな) 「ハッチとシャッター開けてくれ!このまま出るぞ!」

 

わかりました!、という兵士の声をよそにコックピットに乗りこんだマサキは3度目の人生初となる魔装機の操縦に取り掛かるのだった。

 

(原作通りなら座って両脇にある玉に手を乗せれば…わかるぞ!操縦法が頭に流れこんで来た!いけるぞ!)

 

地上のパイロット達からは「チートだ!」と罵られても仕方ないような方法で操縦法を体得したマサキは開かれたシャッターから戦場に向け飛び立つのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




方向音痴:EX
・迷っても引き返さない
・近道をすぐしたがる
・道を聞いても、方向ぐらいしか頭に入れない
・番地や地図よりも、直感を信じる
・距離感覚がおかしい
・来た道は、二回曲がると忘れてる
・迷っても何か楽しそう


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戦場、久しく

お気に入り10件突破&UA1000突破ありがとうございます
これからも精進していきますのでよろしくお願いします
またまた超難産でした、戦闘描写難しい…

ここのマサキは前前世➕ランドールの前世➕マサキの現在で実年齢は100オーバーです、精神年齢もかなりのものです








「ジャオーム 出るぞ!」

 

格納庫から外に飛び立つと街中に魔装機とテロリストのものらしき機体が見えた。

 

「誰だ!ジャオームに乗っているのは」

と声をあげるのはまだディンフォースに乗っているヤンロン、何気に魔装機神以外に乗ってるヤンロンってなんだか新鮮だな。

 

「マサキ!?安全な場所に待ってて言ったじゃない!」

 

とファルクに乗っているテュッティ、心配してくれる所悪いがあのまま彼処にいても操者だと思われてたと思うぜ。

 

「 悪りぃな、 待ってるのは性に合わねぇんだ。助太刀させてもらうぜ!」

 

と叫ぶなりディスカッターを鞘から抜き放ちテロリストの機体を一閃、返す刀でもう一機も撃墜、見ていた操者達から感嘆の声があがる程見事な太刀筋だった。

 

(長いこと実戦から遠のいていたがやれるな、テロリスト位なら楽勝だ!)

更にスラスターを噴かせて敵へ向かって行くと、どうやらテロリスト達は撤退の構えを見せている。

 

( そういやこいつら原作通りなら金で雇われてたんだったな。)

 

その後、結局テロリスト共を深追いするよりも人命救助や建物の消火、瓦礫の撤等などの復興に重点を置くことになった。

 

魔装機操者達も治安局に集められ俺という新入りもいることだし…と自己紹介と現在の状況確認という流れになった。

 

「僕はホワン・ヤンロン、中国人だ」

 

「私はシモーヌ・キュリアン、フランス人よ」

「マサキ・アンドー、日本人だ。なんというか国際色豊かなメンバーだな」

 

「魔装機操者は世界中から集められているからね」

そう言いながら現れたのは黄緑髪に高貴な印象を持つ人物だった。マサキはその姿に何処となく見覚えを感じたと同時に、何とも言えない危うさを感じた。

 

「 私はフェイルロード・ グラン ・ ビルセイア、このラングラン王国第一王子にして治安局次長を務める者だ」

(ビルセイア…ゲインやフェリーヌの子孫ってことか、通りで既視感が有るはずだぜ)

 

「だが固苦しいのは嫌いでね、フェイルで構わないよ」

 

そういうとマサキの方に向き直り、

 

「マサキ、初めての実戦でありながら見事な戦いだった。その腕を見込んで頼みがある。しばらく我々に協力してもらえないだろうか」

 

マサキにとって願ってもない話である。ラ・ギアスを守ることが使命とするマサキにとっては渡りに舟であった。

 

「あぁ、いいぜ。やってやらぁ」

 

「あら、マサキそんなに簡単に決めちゃっていいの?拒否することも地上に帰る事もできるのよ」

 

「別に地上に帰っても1人だしな、家族もいねぇし丁度いいぜ」

 

「 そう…貴方も独りなのね… 」

悲しげな顔をするテュッティにマサキは内心

(ルビッカの奴か…見つけ次第始末しておかねぇと…、リカルドは殺させねぇぜ)

 

と物騒なことを考えていた。そうしているとテュッティは話を変えるように

 

「じゃあ、寝泊まりする所が必要ね、ゼオルートさんに話を通して置くわ」

「 ゼオルート?」

 

「 王宮の武術指南をしている方よ、あなたのことも見てくれると思うわ」

 

そうしてマサキは久々の実戦を終えたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 



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マサキ日記その1

今回は日記形式で進めていきます





✖️月◯日

今日ラ・ギアスに召喚された、やったぜ。

 

そこからは怒涛の展開で数十年振りの実戦をする羽目になったが、正直テロリストだったので楽勝、肩透かしだ。

 

ただテロリスト共を逃がしちまった。次は確実に葬るしかねぇな。テロリストは絶許だ。

 

そこからは他の操者やフェイル殿下に会った。俺としてはフェイル殿下を死なせたくはないが本人はどうするつもりなのか…今の段階ではまだどうしょうもねぇな。

 

俺にできることといったら戦うこと位だ…書いてて悲しくなってきたぞ。シュウだけでも厄介チート野郎なのにこの後ラングラン王都どころかラ・ギアス全土が壊滅、戦争に内乱にテロの上、ロリババァやら巨人族やら…ほんとラ・ギアスの未来は真っ暗だぜ。

 

だけど前世の最期にサイフィスの言っていたことはこの事の筈だ、俺が戦い未来を守るんだ、磔も主人公降板も邪念エンジン搭載も御断りだぜ。

 

それから俺はラ・ギアスでの下宿先としてゼオルートのおっさんの家に住むことになった、この時おっさんにプレシアを紹介された訳だが

 

"尊い"

 

この一言に尽きるな、「お姉ちゃん」呼びされた時なんかあまりの尊みに15年振りに昇天する所だったぜ。あと下めっちゃ見えそうだからスパッツとか履いて欲しい。お姉ちゃん心配だぜ。

 

だからこそプレシアを悲しませはしない、おっさんも死なせはしない、俺はランドールの名とサイフィスに誓う。

 

✖️月 △日

 

今日もテロリスト共を相手にすることになった、確かラ・ギアスの人間の精神が成熟しているのは巨人に支配されていた時の名残りなんだよな、つまりテロリストメンタルは巨人の支配から抜け出しているわけで…いややめよう、テロリストは絶許だぜ。

 

テロリストを倒すと魔神官ことルオゾールが現れた。

自称『闇の貴族』なワカメ頭だが乗っている咒霊機は厄介だった。テュッティに遠距離からの援護を受けつつディスカッターで斬り込んで何とか倒せたぜ。でも、去り際にデモンゴーレム呼び出していきやがった。ワカメはホントにしつこいぜ。

 

ここで駆け付けてくれたのがグランヴェールに選ばれたヤンロンとテュッティに惚れているというだけでデスノボリが立っている男、リカルドだ。 こいつは俺もどうにかしたい、もう目の前で誰かがしんで悲しむのは嫌なんだ。

 

それからは魔装機神のパワーで残党狩りもパパッと終わったぜ。魔装機神…これだけのパワーなら周辺国がビビっちまうのもわかる気がする、だがラセツとゼツてめーらはダメだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




毎回1000字越えがやっとです


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魔装機神ガッデス

お気に入り20件突破ありがとうございます
拙い文章ですが精進していきます




帰還後俺達はルオゾールが現れたことについての報告会になった。

 

「そうか、ルオゾールが動いていたか。公安のチェックを、もっと厳しくする必要があるな」と切り出したのはフェイル殿下だった。

 

「ルオゾールの目的は、一体何なのでしょう?」とテュッティ、そうだよな1番気になる所だもんな。

 

「普通に考えれば、破壊神ヴォルクルスの復活だろうが……」

どうみても頭おかしいやつの戯言にしか聞こえないだろうが、前世で戦ったからなぁ。しんどいから2度はゴメンだ。

 

「そのためには、ラ・ギアス全土を覆う結界を破壊しなきゃいけないものね」

と、話に混ざってきたのは紫の髪と瞳をもつ活発的な少女だった。

 

「セニア? いつからここに?」

 

「少し前からいたわよ。兄さん、話に夢中で気づかなかったんでしょ」

 

「私の妹で、セニアと言う。情報局と設計局の見習いだ」

 

「ああ、宜しくなセニア」

 

「よろしく。あなたの事は聞いてるわ、マサキ。兄さん、私も聞いてていいでしょ?」

 

「……まあ、いいだろう。情報局の人間としての意見を聞かせてくれ」

 

「そうね、ルオゾールの咒霊機、ナグツァートは確かに強力だけど、ラングランの結界を破壊するのは無理よ、それができるのは魔装機神ぐらいのものね。第一ヴォルクルスなんて、実在してるかどうかすら不明なんだから」

 

悲しいかなバッチリ存在してるんだよなー、今なら調和神と創造神もついてくる!なんてお得なんでしょー()

 

「この際ヴォルクルスが実在するかどうかは関係ないな。問題なのはルオゾールがそれを信じている事だ」

 

「そして、その考えに基づいて、破壊活動を行っている現実……それに対して手をうつのが第一ですね」

「そういう事だ。だが、口で言うほどやさしくはない。なにしろ、ヴォルクルス復活の方法など、我々には見当がつかんのだ」

 

そこは安直に生贄なんだがなぁ、確か絶望とか無念や希望が必要だった気がする。ワカメやハゲでもよかった辺りアバウトだよな。

 

「警備体制を厳重にするしか、方法はないのよね」

 

「何でぇ、結局そこに戻っちまうのか」

 

奴らのアジトを追えないか?、と聞いたが「今の所無理そうね」と返された。

 

「まあ、こっちでもヴォルクルスに関しては調べるだけは調べてみるわ。何かわかるかもしれないし」

 

「そうだな。今の所、それしか方法はあるまい。では、解散、あぁテュッティは明日の魔装機神との契約の件があるから残ってくれ」

「 はい、わかりました」と答えるテュッティをあとに解散した俺はとりあえず帰宅することにした。

 

 

 

「 お帰りなさい、おねぇちゃん!」

 

「 おや、お帰りなさいマサキ」

 

家に帰るとプレシアとおっさんの声が響く。この暖かさを無くしたくはない。俺はプレシアの作る夕食の手伝いをしながら改めてそう思った。

 

「 そういえばマサキ、明日は水の魔装機神のお披露目の日でしたね」

 

必死に嫌いな野菜を俺の皿に寄せようとしながら、おっさんはふと言った。俺はというと自分の皿をディフェンスしつつ、ああそうだなと答えた。

 

「 お父さんは観にいかないの?」

 

プレシアはおっさんの皿に野菜を追加しつつ尋ねる。おっさんは諦めて食べることにしたようだ…最初からそうしろよ。

 

「 明日は要所の警備が入ってしまいましてね〜」

 

「じゃあプレシア俺とテュッティの応援に来るか?」

 

「いいの⁉︎」

 

わーいと声を挙げて喜ぶプレシアを見つつ俺は明日に思いを馳せるのだった。

 

(あ…ヤベヴォルクルス教団の襲撃あるじゃねぇか。まぁ、目の届く範囲内に居た方が安全ということで)

 

自分の中のガバガバになりつつある原作知識を辿りながら。

 

 

 

 

 

 

そして、翌日。

 

天気は快晴、王都の祭祀場には魔装機神の姿を一目観ようと多くの観客が詰め掛けていた。

 

水の精霊ガッドと契約した魔装機神ガッデス、燃えるようなグランヴェールや重厚なザムジードとはまた違った姿だ。

 

「見てあの優美なライン!美しい姿!天才芸術家ジーン・ラアス・ラッカーのデザインはいい仕事してるわぁ〜、それに…」

 

(魔装機に)情熱のプリンセスの大興奮トークを聞き流しつつ俺はいつでも出撃できる心構えでいた。

 

国王の詔に合わせてガッデスに語りかけるテュッティ、するとガッデスもテュッティの呼びかけに応えて光り始めた。

 

「契約は無事成功ってとこか」

 

観客も歓声に包まれる、しかしそれを遮るように警報が鳴った。

 

「咒霊機だとルオゾールの奴か!」

 

「何ということだ…奴め結界を破壊するのではなくすり抜けてくるとは!」

 

歓声から悲鳴に変わった場にルオゾールの慇懃な声が響く。

 

「まずはお祝いを述べさせてもらいましょう、それでテュッティ殿には相手をして頂きましょうかな」

 

「 陛下、早くお逃げください!ここは私が!」

 

テュッティの声を受け魔装機操者は己の魔装機に、国王やフェイル殿下は避難指示のために場はにわかに慌ただしくなった。

 

「 マサキおねぇちゃん!」

 

「 へっ心配すんなよプレシア、すぐにあのワカメ野郎を叩き出してやるからよ」

 

「さあ、いきなりの実戦だけど、頼んだわよ、ガッデス」

 

 

 

 

咒霊機ナグツァートと接敵したのはやはり場に出て居たガッデスだった。咒霊機と魔装機神の力が拮抗、競り勝ったのは咒霊機の方であった。

 

「 おや、魔装機神の力はこの程度ですかな?」

 

「 くっ… 接近戦は不利ね」

 

だがその状況を覆す一撃はマサキがもたらした、ザインの援護射撃に合わせてジャオームの一閃がナグツァートを斬り裂いた。

 

「 俺達の事も忘れてもらっちゃ困るぜ!」

 

「くっ子癪な」

 

その隙を見逃すテュッティではない、精霊ガッドと共鳴しガッデスの力を引き出した今必殺の一撃を放つ…!

 

「 ハイドロプレッシャー!!!」

 

唸る水流の一撃はナグツァートのジャオームにつけられた装甲の傷を確かに貫いた。

 

「むうお見事です。さすがはラングラン王国の誇る魔装機、そのパワーとくと拝見させていただきました、ではまた、お目にかかりましょうぞ」

 

と言い残しルオゾールは逃亡していった。治安局の人間が後を追っているが無駄足に終わりそうだ。

 

国王とフェイル殿下は何やら難しい話をしていたが、結局魔装機操者を労うと慌ただしく去っていった。俺はというと避難していたプレシアと合流し家路を急ぐのだった。

 

「 今日はおねぇちゃんカッコよかったよ!」

 

「おう、サンキューな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はかつてない位頑張りました。
次回はサイバスター出したいです。


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楽しいピクニックの筈だったのに…

投稿が遅れて申し訳ありません

マサキが好きです、でもクォヴレーはもーーーと好きです。


今日は大天使プレシアとピクニックに行く約束の日だ。

ゼオルートのおっさんの貴重な休みが取れたからだ。

聞いた所、今までは約束してもおっさんの都合で守れない事がしばしばあったそうだ。

 

それで今日に至るわけだ、プレシアもすごく楽しみにしていてガイドブックを買って読んだり、お弁当の中身を何にするか悩んでいたり、「明日は晴れますように」とてるてる坊主を作ったりと大忙しだった。

俺の妹マジ天使、こりゃ何が何でも願いを叶えてやる、と俺なりにおっさんの仕事を陰ながら手伝ったりもした。

 

おっさんもおっさんなりに今回はとスケジュールを調整したようだ。

そうして今日いよいよ家族3人でピクニックに向かうのだ。

 

天気は快晴、プレシアの笑顔も輝いている。絶好のピクニック日和だ。

 

「 おねぇちゃん!早く早く!」

 

「すみませんねえ、マサキ、プレシアが駄々を捏ねたみたいで」

 

「俺達は家族だろ気にすんなよ、けど、何だってピクニックに行くのに、魔装機に乗って行くんだ?」

 

「魔装機があると何だって便利だからですねえ、あとルオゾールがいつまた襲撃してくるかもしれません、彼は魔装機操者を狙ってますからね、用心にこしたことはありません」

 

「その割に俺に追っぱらわれてるけどなあのワカメ野郎、でも魔装機を私用で使うなんてよく許可が降りたもんだ、この前俺が勝手に使おうとしたらこっぴどく怒られたぜ、魔装機ごと失踪でもするつもりか方向オンチってな」

 

正直今でも微妙に納得行かない、流石の俺でもそこまで酷い方向オンチじゃあない筈だ…多分

 

後の鋼龍戦隊と呼ばれる者達が聞いたら「ハハッ、ナイスジョークw」と確実に言われるだろう、どうやったら探し人を探しに地球を三週するというのか。本人があまり自覚していないのが酷さに拍車をかけている。

 

「 お父さんとおねぇちゃんじゃ信頼が段違いだもん、当然でしょ」

 

「ちぇ、ま、そりゃそうだけどよ」

 

そうこう話している内に目的地に着いたようだ、王都からそこそこ近く景色の評判のいいスポットだった。平日のせいか人も見当たらない。

 

「さあて、この辺りでいいでしょう。見晴らしもよさそうだし」

 

「うわー、きれー!」

 

大喜びするプレシアはマジで天使だった、これだけで今日来てよかったと思う。

 

 

「はい、おねぇちゃんお弁当だよ」

そう言ってプレシアはバスケットを渡してくる。おいおい、着いたばっかりだぜ。

 

「おいおい、まだ着いたばかりだぜ。いくらなんでも早すぎらあ」 

 

 「まあまあ、せっかくプレシアが一生懸命作ってくれたんです、ありがたくいただきましょう」

 

 「……ま、そういうなら、いただいとくか」

 

 「たくさん作ったから、まだまだあるよ」

 

 出てきたのは色とりどりの食材がふんだんに使われた豪華な弁当だった。流石は本番前に練習していただけのことはある。

 

 「いただきます。……ん!? あ、あわわ、これは……」

 

 「? どうした、おっさん?」

 

 「マサキ、これ、差し上げます」

 

 そう言って自分が一口食べた弁当をよこしてきた。

 

 「いらねえよ、食べかけをよこすなよ」

 

 「お父さん、アスパラガスも食べなきゃダメよ。栄養あるんだから」

 

 おっさんはどうやらピーマンだけでなくアスパラガスも嫌いらしい。

 

 「い、いえ、その……あ、そうそう、もうお腹がいっぱいなんですよ」

 

 「ウソ。まだ一口しか食べてないじゃない」

 

 「プレシアの思いやりで、胸がいっぱいなんです」

 

 「おだてたってダメよ! 食べなさい」

 

 「そうだぜ、プレシアが折角作ってくれた弁当だ。残さず食うのが筋ってもんじゃねぇか」

 

 「トホホ……」

 

 諦めて弁当を食べだすおっさん、その背中には哀愁が漂っている。

 

 そうやってのんびりピクニックを楽しんでいるとおっさんが手合わせしようと提案してきた。

 

 「そうだ、マサキ、どうですか? 食後に軽く、訓練などを」

 

 俺にも願ってもない話だ、了承の意を示すとお互いに魔装機に乗り構える。

 

 「それじゃ、早速始めましょう。プレシア、危ないからさがっていなさい」

 

 「あ、お父さん、アスパラガス、残してるよ!! もう」

 

 最後までしまらないおっさんである。

 

 

 

 

 その後はとても楽しい手合わせだったといっておく。

 剣皇の名に恥じない動きでこちらを落とさんとしてくるおっさんに対しランドールとしての自分が前世を合わせてもあったかどうかない位に昂るのを感じた。これだけの使い手は果たして前世にもいただろうか。

 

 剣戟

 

 剣戟

 

 剣戟

 

 そして剣戟の果てに俺の剣はおっさんの持つ剣を弾き飛ばし勝利を収めたのだった。

 

 「これは、これは、……いやあ、スゴイですねぇ、マサキ。まさかこれほどとは思いませんでしたよ」

 

 「まあな」

 

 「……ウソみたい……」

 

 「いやあ、これならもう、私が教える事なんて……」

 

 その時、魔装機に反応があった、どうやら誰かが近づいて来てるらしい。

 

 「誰だ?」

 

 「おや、ファングではありませんか。どうして此処に?」

 

 現れたのはス○カウターのようなものを付けた俺と同じ位の年の少年だった。

 

 「はっルオゾールの目撃情報があった為哨戒にあたっていました、ご無事で何よりです師範」

 

 あのワカメどうやら命拾いしたらしいな。

 

 「紹介しますよマサキ、彼はファング。近衛騎士団のメンバーで、私の教え子です」

 

 「へえ、おっさんの弟子か。ま、よろしく頼むぜ」

 

 帰ってきたのは敵意と嫉妬に満ちた眼差しだった。お前のことが気にくわないとその表情が語っている。

 

 「まあまあ、マサキ。ファングはちょっと無骨なんで、マサキが可愛いので照れてるんですよ」

 

 「……そうは思えねえけどな……」

 

 

 「ファングは、ラ・ギアスの人間にしてはめずらしく、高いプラーナを持っているんですよ。ですから、こうして魔装機の試験操者を務めているわけです。いやあ、私の弟子とはいえ、私などよりよっぽど才能がありますよ」

 

 と我が子の事のように語るおっさん、やけに嬉しそうだ。それだけファングの事を気に入っているんだろう。

 

 「師範、それは違います。師範こそ、それだけの腕があるのですから、魔装機の操者になるべきです」

 

 俺もそう思う。プラーナ以前におっさんには剣技という最大の武器があるからな。

 

 「私なんかより、マサキ達の方が高いプラーナを持っていますからね。おまかせした方がいいです」

 

 「師範!! なぜそのような事を!! ラ・ギアスの事は、我々ラ・ギアスの人間が解決すべきです!!地上人など、頼る必要はありません!!」

 

 おっとここに来て地上人差別か、どうやら相当の地上人嫌いのようにみえる。

 

 「しかしねぇ、ファング……」

 

 「大体地上人がそれほどあてになるものでしょうか? あのルビッカがいい例です! 彼らを信用するなど……」

 

 「よしなさい、ファング!!」

 

 流石のおっさんも今の発言は見逃せなかったらしい、憤りがはっきり見てとれる。

 

 「マサキ達は地上人ですが、真剣に私達のために戦ってくれているのですよ。その彼らに対して、今の言葉は言い過ぎです。謝りなさい」

 

 「……任務は完了しました。失礼します」

 

 そう言うなりファングは去って行った。尊敬する師範の言葉でも納得できないことは納得できないのだろう。

 

 

 「あ、待ちなさい、ファング!!、すみません、マサキ。彼はちょっとプライドが高すぎるのです」

 

 「……まあ、気持ちはわからないでもないけどな」

 

 ランドールだったころの俺ならきっと同じ事を思っただろう。自国の危機を他人任せにしようとする精神は絶対に許せなかったに違いない。そう考えるとファングのことは嫌いになれないのだ。まぁ、後の彼はセニアのお茶くみにジョブチェンジする姿を知っているからかもしれないがw

 

 「彼のような考えを持っている人は、他にもいます。けど、みんながみんな、そうじゃないという事は覚えておいてください」

 

 「わかってるぜ」

 

 「お兄ちゃん、私、いつまでもお兄ちゃんの味方だからね」

 

 「ありがとう、プレシア」

 

 俺の妹が天使すぎてまぶしい。何が何でも守らないと(使命感)

 

 「ところで、どうしましょうか? まだ日没まで時間がありますし」

 

 「もうちょっと遊んでこうよ、お兄ちゃん」

 

 「いや、戻ろう。なんか、気になる、わりいなプレシア。なんか妙に王都の事が気にかかるんだ。気のせいならいいんだが……」

 

 

 

 

 そうして王都に戻った俺たちを迎えたのは最後の魔装機神サイバスターがヴォルクルス教団に奪われたという報せだった…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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