ハイスクールD×D サイヤと奏でる悪魔の軌跡 (厄丸)
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第1話 サイヤと神と学校と

『君は死んでしまったようだ、だから次の人生は上手く生きるんだよ』

 

「ここ・・・は・・・?」

 

謎の声と共に俺は起きる、謎の声が聞こえたと思ったが気のせい・・・だっだ・・・のか?

 

目が覚めて上を見ればそこは知らない天井、周りを見れば見たこともないようなフィギュアが置いてある

 

「いや・・・マジでどこ・・・」

 

「おぉ!やっと起きたか!」

 

ドアが開きそこに立っていたのは俺と同じぐらいの身長をした青年だ、髪は茶色を少し暗くしたような色で調子が良さそうな雰囲気をしている

 

「あんた家の近くに倒れていたんだぜ?」

 

「そうなのか・・・?すまんな、起きたばっかりで頭が上手く働かないんだ・・・正直ここがどんな街なのかも分からない・・・」

 

俺の言っていることは事実だ、俺自身の記憶がない、あるのは自分の本来の名前とかけ離れた特殊な名前、そして自分がどんな人間・・・いや、種族なのかだけだ

 

「倒れていて更に記憶喪失なのか?ここは駒王町だぜ、俺の名は兵藤一誠だ、よろしくな」

 

「あぁ、俺の名は・・・あー・・・」

 

本当にこれは俺の名前であっているのか・・・?なんで野菜をカッコよくしたような名前なんだよ・・・

 

「俺の名はオルスだ、よろしく」

 

「オルス?イカした名前してるじゃないか、よろしくな」ニカッ

 

兵藤と名乗ったこの青年はいい笑顔で挨拶を返してくれる、いい顔してるなこいつ

 

「母さん!起きたよー!ほら、オルスも行こうぜ!」

 

「あぁ、おっと危ない、腕を引っ張るのは待ってくれないか?ちょっと立ちくらみが酷くてな・・・」

 

一誠君は『あ!スマン!』と言って手を引くのをやめてくれる、ありがてぇ・・・

 

「あらぁー!よく見たらかっこいい顔してるじゃないの!きっとお腹すいてるでしょ?たくさん作ったからいっぱい食べてね!」

 

一誠君の母親が作った料理・・・何故だろうか・・・自分の種族のせいかすごく腹が減った・・・!

 

「ほ、本当にお腹いっぱい食べて・・・いいんですか?」

 

「いいんだいいんだ!うちの母さんのご飯は美味いぞ~?」

 

喉を唾液がツーッと伝う、もう我慢できねぇ・・・!

 

「「いただきます!!!」」

 

まず口に含むのは野菜炒めだ、シャキシャキとした触感が食欲をそそる

 

「美味い!いつ食べても母さんのご飯は美味い!」

 

「あらあら、早く食べないと全部食べられちゃうわよ?」

 

「ガツガツムシャムシャ!!!」

 

美味い!美味すぎる!さっき食べた野菜炒め!レバニラ炒めも!ハンバーグも!どれもこれも美味すぎる!!!

 

「おおい??!!!すげぇ食いっぷりだなオルス!」

 

いふぁいふぁ(いやいや)こいふふぁふふぁすふぃる(こいつは美味すぎる)ふぁいふぉうふぁ(最高だ)!」

 

「口の中の物飲み込んでから喋れよ!」

 

そんなこんなで俺のこの世界での初めての楽しい食事は終わった、いやぁ、本当に美味すぎた・・・

 

「なぁオルス、お前はどこか行くあてはあるのか?」

 

行くあてか・・・いきなり知らないところに飛ばされていきなり気を失っている・・・そんな俺に行くあてはあるのか・・・?

 

「もしもないならさ、母さんが許可したらだけど一緒に住まないか?」

 

「お、俺がか?」

 

「あぁ、お前と一緒にいると暇しねぇからさ、それにさっきの食べっぷりももう一度見たいからさ」

 

一誠君の誘いはありがたいが・・・しかし助けてもらったし・・・うーん・・・

 

「じゃ、じゃあたまにうちに寄るってのはどうだ?それならいいだろ?な?!」

 

そもそもなぜこんなにも俺なんかにこんなに熱心になるのだろうか、それがどうも引っかかるな・・・

 

「一誠はお兄ちゃんが欲しいのよ、オルス君は多分年上よね?それに前々から『俺に兄ちゃんがいたらな~』なんて言ってるのよ~♪」

 

「ちょ!母さんそれ言わないでよ!」

 

「そうか、一誠君はお兄ちゃんが欲しいのか・・・」

 

一誠君はいい子そうだしなってもいいんだが・・・迷惑になる気がするしな・・・

 

「あ、迷惑とかは気にしなくてもいいのよ?今更子供が一人増えたって変わらないわ♪」

 

「なぁ、頼むよ・・・」

 

「うーん・・・」

 

そんな子犬みたいな目で見らたら・・・よし、決めた

 

「分かりました、そんなに言うならお言葉に甘えさせてもらいます」

 

「え?いいの?本当に・・・?」

 

「あぁ、男に二言はないよ」

 

「それならあなたの名前は兵藤オルスね!!お父さんには私から言っておくわ♪」

 

そして俺はこの日から兵藤家の家族として、一誠君のお兄ちゃんとしてこの世界に過ごすこととなった

 

「そういえばさ、()()()()の自己紹介してくれよ、まだ名前しか分かってないんだからさ」

 

「に、兄ちゃん?ま、まぁいいや」

 

俺は深呼吸をして自己紹介を始める

 

「俺は()()()()()()()()、記憶は少し飛んでて分からないが・・・名前はオルスだ、よろしくな!」



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第2話 サイヤと女子と変態と

俺の苗字に兵藤が付いてから10日がたった、俺がこの世界?に来た日はちょうど入学式の10日前だったようだ

 

「似合ってるよ一誠君」

 

「兄さんたらまったく・・・一誠でいいんだよ」

 

「アハハ・・・ごめんな、どうしても癖が抜けなくてね・・・」

 

どうしても一誠君と言うのが抜けない、まぁ、10日前は他人だったんだ、逆にここまで順応に対応出来る兵藤家の適応力が凄いのだが・・・

 

「兄さんも着ない?似合ってると思うんだけど・・・」

 

「俺も学校に行くのが少し違和感があってね、勉強についていけるかどうか分からないからね、ちょっと心配なんだよ・・・」

 

嘘は言ってない、本当についていけるかが心配なんだよな・・・

 

「それに兄さん凄い筋肉だよね、普通に鍛えてるんじゃそんな肉体にならないよ?それに戦闘民族サイヤ人ってなんなのさ」

 

「戦闘狂とでも思っておいてくれよ、俺も体を鍛えないとなんか落ち着かなくてさ、そんなこといっても一誠君も一緒に鍛えていたじゃないか」

 

「兄さんトレーニング内容がハードなんだよ・・・今でも筋肉痛で体痛いんだからさぁ・・・」

 

「あなたたちー!学校に遅刻するわよー!!!」

 

ヤバい、もうそんな時間か、正直武空術で飛んでもいいんだが問題になってしまうからな

 

「あ!母さん待ってよ!兄さん!あれ見せてよドラゴン波!こっそり上に撃ってさ♪」

 

「えぇ~?あれ疲れるんだけどなぁ・・・まぁ仕方ない、目を見開いてみてろよ?はぁああああ・・・・・・・・・・・・・・」

 

俺が目が覚めたときに気づいたのはいくつかある、それは自分がサイヤ人ということ、そしてもう1つーーー

 

「行くぜ一誠君!ドォ・・・ラァ・・・ゴォ・・・ンン・・・波ァ!!!」

 

俺が放ったのはドラゴン波、ドラグソボールのキャラクター、空孫悟(ソラマゴ・サトル)というキャラクターが放つ必殺技だ、そう、俺が気づいたもう1つのことそれはーーー

 

「兄さんすげぇよなぁ、気が使えるなんてさ」

 

「実は俺自身もどうやって使ってるか分からないんだ、ごめんな」

 

「ほらー!遅刻するわよー!」

 

「やばい!急ぐぞ一誠君ッ!!!」

 

「兄さん待ってよぉ!!!」

 

これの生活が俺が兵藤になってからずっと続いている、とても楽しい時間だ、

 

「おーいイッセーおはよう!オルスの兄さんもおはようございます!」

 

「おー!松田君に元浜君じゃないか!」

 

「急ぐぞ松田ァ!元浜ァ!このままだと遅刻待った無しだ!!!」

 

ム、初日から遅刻はマズイな・・・仕方ない

 

「3人共俺に掴まりな、飛ばすよ?」

 

「お!こりゃ速く着きそうだ!兄ちゃんお願い!」

 

「いっくぞぉ!」

 

俺は自分の全速力で駒王学園へとダッシュする、思った以上にキツイがこれも修行の一環だ

 

「ほれ、ついたぞ」

 

「よっしゃー!兄さんありがとうございます!」

 

「兄ちゃん速いなー、俺もそれぐらいの力が欲しいよ・・・」

 

一誠君や元浜君達が何か言っているが早く入らないといけないんじゃないか・・・?

 

「そうだ!こんなところでウジウジしている暇なんてないじゃないか!速く行かないと!

 

『『女子更衣室に!!!』』

 

「・・・え?」

 

そこからは酷かった、1年間で俺が一誠君を見ていた限りやったことは()()だ、いくらか注意などはしたり覗かれた被害者の部活などに謝りに行っているが一向に減る気がしない、君はそんなことして楽しいのかい・・・?

 

「一誠君!そんなことしちゃダメだって!」

 

「何言ってんだよ兄ちゃん!覗きこそ正義!男のロマンなんだ!!!」

 

「行くぞイッセー!今剣道部が女子更衣室へと入っていったらしい!」

 

「なんだって?!早く行くぞ!」

 

あぁ・・・話が通じないって思うことがこんなに疲れるなんて・・・泣

 

「大丈夫ですか…オルス先輩」

 

「あぁ、小猫ちゃんか・・・うん、大丈夫だよ、ちょっと疲れただけさ」

 

「私のおまんじゅうあげるので元気出してくださいよ」

 

疲れたときには甘いものとはよく言ったものだ、小猫ちゃんから貰ったおまんじゅうが五臓六腑に染み渡る

 

「小猫ちゃんはどうして俺なんかに構ってくれるんだい?俺は一誠君のお兄ちゃんなんだよ?もう少し警戒してもいいと思うんだけど・・・」

 

「オルス先輩には警戒しなくても大丈夫です、私は優しいの知っていますから」

 

うーん、真顔でそういわれると少し照れるなぁ・・・

 

「本当、オルス先輩は可愛いです・・・///」ボソッ

 

「え?なんか言ったかい?」

 

俺がこういうと「な、なんでもないです!」と言って走り去っていく、俺なんか気に障るようなこと言ったのかな・・・だとしたらあとで謝らないと

 

「にいちゃあああああああああん!ちょっと助けてぇええええええええええ!!!」

 

「え?ちょ!一誠君達?!何やってんの!」

 

『コラァ!変態3人組待ちなさぁい!!!』

 

一誠君達の声がした方を見ると3人が女子たちに追いかけられているのが見える、いや!マジで何やってんの?!

 

「あ!オルスさん!お願いします!なんとか言ってください!」

 

「アハハ・・・ごめんねみんな、俺が土下座何でもするから3人を許してあげてくれないかな?」

 

「え・・・?でもオルスさんは関係ないし・・・」

 

ここら辺は女子のみんなは優しいと思う、女子のみんながウンウン唸っていると入口の方から黄色い声援が聞こえてくる

 

『リアスお嬢様―!朱乃お嬢様―!』

 

『今日もお綺麗ですー!』

 

『ウオー!俺を彼氏にしてくださーい!!!』

 

『何言ってんだ!俺が彼氏にしてもらうに決まってるじゃないか!』

 

『なんだとこの野郎!!!』

 

ワーワーキャキャー!!!

 

この声援の原因はあそこにいる2人、グレモリーさんと姫島さんが登校してきたからだ、俺から見ても可愛いと思うが・・・何故だろう・・・気がおかしい・・・?

 

「・・・!」フリフリ

 

『キャー!お嬢様―!!!』

 

・・・今こっちを見て手を振ったように見えたが・・・気のせいか?

 

「あー!兄ちゃんズルい!あの二大お嬢様のリアス様に手を振ってもらえるなんて!」

 

「そ、そんなにいい事なのかい・・・?ごめんね一誠君、俺みんなの流行ってのが分からなくてさ・・・」汗

 

「あ!なら私がお教えします!いえむしろ教えさせてください!」

 

「あ!ずるいわよ!オルスさん!私がお教えいたします!」

 

あ、これ面倒くさくなる奴だ、逃げよ

 

「あ!もうこんな時間じゃないか!じゃあねみんな!俺家に帰って勉強しなきゃ!」

 

『あーん待ってー!!!』

 

本当は勉強しなくても分かるんだけど・・・やっぱり女子は苦手だ・・・汗

 

「君がオルス君ね?」

 

「え?あ、はい、なんですか?()()()()()()()

 

なんでこのタイミングで話しかけてくるんだよぉ・・・完全に帰るタイミング見失っちゃったじゃないか・・・

 

「ふむふむ・・・うん、ありがとうね、それじゃあ」

 

「え、えー・・・?あ、ありがとう・・・ございます・・・?」

 

グレモリーさんは何がしたかったのだろうか・・・しかし、この時の俺は気づいていなかった、いや、気づけなかったんだ、まさか・・・あんなことが起きるんなんて・・・!



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第3話 サイヤと紅髪と堕天使と

「~♪~♪~~~♪」

 

一誠君がやけに嬉しそうだ、話を聞いてみると俺が帰った後に女子に告白されたらしい

 

「一誠君そんなに嬉しいのかい?」

 

「そりゃ嬉しいに決まってるよ兄ちゃん!俺に彼女だぜ?!」

 

確かに嬉しそうなのは伝わるんだけど・・・

 

「ねぇねぇ、()()()()()()()()()()()()

 

「え?どういうこと?!」

 

「確か名前は・・・夕麻ちゃんだっけ?()()()()()()()()()、まるで人間の気じゃないみたいだ・・・」

 

俺が思っていることは可笑しくはない、グレモリーさんや姫島さんのように普通の人間とは違ったおかしい気、なんていえばいいんだろう・・・()()()()と表現するのが正しいのかもしれない

 

「な、なんてこと言うんだよ!酷いよ兄ちゃん!もう知らない!」

 

「あ!待ってくれよ一誠君!」

 

ま、不味い………一誠君に嫌われてしまったな・・・汗

 

「まぁ・・・気は感じ取れるから大丈夫だと思うんだけど・・・」

 

俺と一誠君が喧嘩してから数日後、松田君達に聞いてみると今日は一誠君と夕麻ちゃんデートの日らしい、俺に言ってこないってことはやっぱり嫌われているみたいだな・・・汗

 

「一誠君大丈夫かな・・・夕麻ちゃんと一緒みたいだけど・・・」

 

嫌な予感がする・・・やっぱり行こう!

 

「ねぇイッセーくん!次は私あれに乗りたいな!」

 

「うんいいよ!もうじゃんじゃん甘えちゃって!!!」

 

一誠君だいぶデレデレしてるなぁ、表情筋が緩み切ってるよ・・・

 

一誠君と夕麻ちゃんのデートを見てると本当に幸せそうだ、やっぱり俺が口を挟むのは良くなかったんだな・・・あとで一誠君に謝ろう

 

一誠君達が夜になるまでデートを見守ってると夕麻ちゃんが一誠君に告白するところのようだ、邪魔者もお兄ちゃんは帰ろう、弟の恋路を邪魔する最低な人間?じゃないからな

 

「ねぇイッセーくん・・・死んで・・・?」

 

「え・・・?ッ!!!」

 

「え?!」

 

ゆ、夕麻ちゃんと一誠君の気が消えた?!で、でも目の前にはいるし・・・いや!こんなことしてる場合じゃない!

 

「大丈夫か一誠君!」

 

「に、兄ちゃん?!だ、大丈夫だけど・・・」

 

「あら?あなたは一誠君が話していたお兄さんかしら、一誠君がいつも大切そうに話していたわよ、まぁ―――」

 

 

もう死ぬから関係ないわよね?

 

 

「逃げろ一誠君ッ!!!」

 

「え・・・?兄ちゃんは?!」

 

「逃がすと思っているのかしら?!」

 

夕麻さん、いや、夕麻が黒い翼を生やして光り輝く槍をその手に作る

 

「私の神聖な槍に貫かれるのよ!ありがたく思いなさい!!!」

 

「あいにくここで死ぬ気はないんでね!俺は最後まで抵抗する!」

 

「に、兄ちゃん!!!」

 

一誠君を弾き飛ばして夕麻と向かい合い構えを取る、見たところ戦闘経験は低そうだ

 

「死になさい!!!」

 

夕麻が光の槍を投げてくる、大した速度じゃないから避けられる

 

「こっちからも行かせてもらうよ!大切な弟をここで殺させはしない!」

 

「兄ちゃん・・・!」

 

気を纏い一気に距離を詰める、あまり女性を殴るのは避けたいところだが今は仕方がない!

 

「ふ!は!くらえ!!!」

 

パンチ、キックと怒涛のラッシュをどんどん打っていく、相手は槍のリーチが長すぎて防ぎ切れていないようだ・・・イケる!

 

「吹っ飛べッハァッ!!!」

 

「キャアアアアアアアアア!!!!!」

 

気合砲を使って一気に吹っ飛ばす、今の目的はこいつを倒すことが目的じゃない!逃げる方が先だ!

 

「一誠君逃げるぞ!」

 

「に、兄ちゃん!」

 

「逃がすものか!」

 

チッ!やっぱり追ってきた!向こうの方が若干遅いから逃げ切れる!

 

「おやおや、何でこんな下等生物に戸惑ってるのだ?」

 

な・・・いたのは1人だけじゃなかったのか・・・!

 

俺は歯をギリギリと擦り合わせるしかできない、1対1なら何とかなるけど1対2じゃ一誠君を守りきれない・・・!

 

「仕方ない、これ疲れるからあんまり使いたくないんだけど・・・!」

 

「に、兄ちゃん?!あれをやるの?!でも人に向けたら死んじゃうよ!」

 

「人間ごときの攻撃で私が死ぬとでも?いいだろう、1発だけなら避けないでいてやる」

 

これは予想外だ!見てろよ・・・俺がこの世界に来てからの最高の1撃を与えてやる!

 

「言ったな・・・避けるなよ・・・ッ?!」

 

「ッ!」ゾクッ

 

あの男は顔を強張らせるが関係ない!

 

「くらえ!フルパワードラゴン波だぁあああ!!!」

 

「ど、どうするのよドーナシーク!」

 

「チッ!今は引くしかない!!!」

 

2人の・・・堕天使かな?例えるとしたらそれがあっているだろう、何とか追い払えたな・・・

 

「兄ちゃん!ねぇ!大丈夫なの?!!!」

 

「だ、大丈夫だよ・・・本気を出して疲れただけさ・・・」ニコッ

 

その瞬間後ろに赤い光が漏れる、気は1つか・・・だけどこの気は・・・

 

「貴方達私の領土で何してるの―――え」

 

()()()()?!」

 

「やっぱりグレモリーさんだったか・・・すまないけど今は勘弁してくれないかな・・・今疲労がやばいんだ・・・頼む・・・」

 

無理やり体を動かして頭を下げる、しかし一誠君が目の前に飛び出してくる

 

「やめてくださいリアス様・・・兄ちゃんに手を出すならリアス様でも容赦はしません!」

 

「バカなことはやめるんだ・・・一誠君は取りあえず家に帰ってくれ・・・俺はグレモリーさんと話がある・・・」

 

俺が頼んだら一誠君はしぶしぶ帰ってくれる、その際にエナジードリンクを投げて渡してくれた、やっぱり優しいな一誠君は

 

「さっきの女と男と戦って確信しました、()()()()()()()()()()()()()

 

「・・・何故そう言えるのかしら?」

 

やっぱり聞いてくるよね、予想通りだ

 

「俺には相手のオーラの質を確認する力があります、そしてグレモリーさんのオーラの質は普通の人間じゃありません、もっと禍々しいものでした、しかしそれだけでは分かりませんでしたが・・・さっきの女と男のオーラはグレモリーさんに極めて近いオーラの質でした・・・一体この町で何をするつもりですか?」

 

俺は嘘は言っていない、だが本当のことも言っていない、当然だ、人間じゃない者に、しかも信用できないホイホイ話すほど俺はお人よしじゃないからね

 

「私は相当信用出来ないみたいね・・・私悲しいわぁ」

 

「それも嘘ですね?数日前、グレモリーさんは俺と1度接触している、しかもその時に俺の事を待っていました、その時は何してるか分かりませんでしたが・・・()()()()()してましたよね?」

 

俺の言葉でグレモリーさんは口ごもる、そして逃げるようにこう言った

 

「よく分かったわね・・・オルス君、明日の放課後旧校舎で待つわ、授業の終わりに私の使いを向かわせるわ、あなたの弟君も一緒にお願いね?」

 

そう言って魔法陣に入って行ってしまった、気は完全に感じ取れなくなったためにもう大丈夫だろう

 

「………はぁ・・・疲れた」汗

 

グレモリーさんの気配が消えたために体から力がスッと消える・・・さ、力が入らない体で家に帰りますか・・・

 

「オルス!大丈夫なの?!」

 

「あぁ母さん・・・大丈夫だよ・・・もう疲れたか寝かせてもらうね」

 

母さんの心配を押しぬけて部屋へと入る、部屋には一誠君がいて目に涙を浮かべている

 

「兄さん!ねぇ大丈夫??!!!」

 

「ごめんね一誠君、頭に響く・・・」

 

一誠君は本当に俺の事を心配してくれているようだ、取りあえず明日にやらないといけないことだけは伝えた

 

「俺はもう寝るよ・・・おや・・・す・・・み・・・」

 

そうして俺は死んだように眠った、夢は見ないで深い眠りが取れた証拠だろう、俺は朝早くに一誠君と起きていつも通りにトレーニングを開始した

 



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第4話 サイヤとバトルとワガママと

オルスvision start

 

 

「君がオルス先輩かな?」

 

「君がグレモリーさんが言っていた使いだね?確か名前は・・・」

 

「僕の名前は木場 祐斗と言います、こんにちはオルス先輩」

 

見た目は金髪のイケメン、俺たちがこうして話していると女子たちから黄色い声が飛んでくる

 

『木場様とオルス様よ!これは受けが木場様攻めがオルス様ね!』

 

『何言ってるの!オルス様が受けよ!』

 

『あんたこそ何言ってるの!オルス様が攻めなのは譲れないわ!!!』

 

「・・・木場君、場所を変えようか」

 

「そ、そうですね・・・」

 

俺と木場君がドン引きしながらも取りあえず旧校舎へと向かう、旧校舎に続く道を歩いていると奥から一誠君と小猫ちゃんが歩いてくる、一誠君の方には小猫ちゃんが使いとして向かっていたようだ

 

「兄ちゃんの方にはイケメンが行っていたのか・・・!」

 

弟よ、確かに木場君はイケメンだが一誠君も変態発言を控えればイケメンだろうに・・・

 

「部長、ただ今連れてまいりました」

 

「入ってちょうだい」

 

木場君がドアを躊躇無く開ける、グレモリーさん本人はどうやらシャワーを浴びているようだ・・・ん?!部室にシャワー室?!

 

「えー・・・あー・・・俺は後ろを向いてるから着替えてくれないかな?」

 

「あらあら、オルス君は部長の裸体は興味ないかしら?」

 

「今すぐ旧校舎を吹き飛ばしてもいいですか?」

 

「兄ちゃん本音が漏れてるよ・・・」汗

 

ごめんよ、つい本音漏れちゃったんだ・・・

 

「旧校舎を?さすがに冗談だよね?」

 

「大丈夫だよ木場君、冗談だから」(すっとぼけ)

 

「いや冗談じゃねぇじゃん」ボソッ

 

一誠君なんか言ったかい?そんなことを話しながらグレモリー部長は着替えて出てくる、自分で招いておいてシャワーに入っているとは教育がなってないなぁ・・・

 

「ようこそオカルト研究部へ、歓迎するわ」

 

「一誠君帰るぞ」

 

『『『え?!』』』

 

そこにいたオカルト研究部のみんなが驚いた声を出してこちらを見てくる

 

「え?!何でだよ兄ちゃん!」

 

「自分で呼んでおいてシャワー浴びてるなど教育がなってない、話す価値なし」

 

「な、なんでよ!」

 

理由を言ったのになんでとは・・・いやマジで帰っていいかな・・・

 

「あらあら、逃がすと思いまして?」

 

「本当は嫌ですが・・・逃がしませんよ先輩」

 

「僕も黙ってみてるわけにはいかないね」

 

「あ、みんなやめておいた方が・・・」

 

一誠君が3人+αを止める、まぁ・・・どうってことないんだけどね、本当は争いごと嫌いなのに・・・

 

「いいよ一誠君、ワガママ娘を庇う必要はないさ」

 

「わ、ワガママ・・・ですってぇ・・・?」

 

後ろから殺気が漏れているが関係ない、仕方ない、面倒くさいことは嫌いだから仕方ないよね・・・?

 

「………通せよ」

 

威圧に気を乗せて放つ、気合砲に近い使い方だが相手にダメージを与えるような技ではない、どちらかと言えば―――

 

『『『ッ・・・!』』』

 

こうやって相手を黙らせるのに適している、さて、帰ろうかな

 

「ね、ねぇ兄ちゃん・・・話だけでも聞こうよ、ね?」

 

「えぇー・・・まぁ・・・いいけど・・・」

 

俺は気を乗せた威圧『気合眼』を解く、オカルト研究部のみんなは鎖が外されたみたいにその場に座り込む

 

「さ、話を聞かせてもらいますよ、グレモリーさん」

 

「え、えぇ・・・」

 

話を聞いてみれば俺達を襲ったやつらは堕天使と呼ばれる者達らしい、俺が適当に着けた名前がまさかまんまだったとは・・・

 

そして堕天使達を退けた俺達は今後堕天使達に襲われる危険性がある、そして一誠君に宿っている【神器(セイクリッド・ギア)】という超能力みたいなものが宿っていて更に危険だ、だから私たちが守ってやると、簡単に言えばこんな感じらしい・・・

 

「はぁ………俺らのこと見くびってませんか?グレモリーさん」

 

「な・・・だってあなたたちは人間なのよ?!それに私達といればあんぜ―――」

 

「リアス様、いえリアスさん、やっぱりあなたは兄ちゃんの事を見くびってますよ、多分、いえ絶対ここにいる3人じゃ兄ちゃんには勝てません」

 

「どうしてそんなことが言えるんだい?人間が悪魔に―――」

 

そこまで言って小猫ちゃんが言い張る

 

「じゃあ戦ってみましょうよ、それなら分かります」

 

あの小猫ちゃんがそんなこと言うなんて・・・でもその一言でみんなやる気満々になってしまったようだ、はぁ…争い事は嫌いだと言っているのに

 

オルスvision fade-out

 

 

一誠vision start

 

そして俺と一誠君、オカルト研究部のみんながグラウンドに出る

 

「今結界を張りましたわ、ちょっとやそっとじゃ壊れませんよ?♪」

 

「そうですか、果たして結界を維持しながら俺と戦えるか見ものですね」

 

「やばい、兄ちゃんにスイッチは入ってしまった・・・」

 

兄ちゃんのスイッチ、それは兄ちゃんが自分で言っていた【戦闘民族サイヤ人】の血が関係しているだろう、本当の兄ちゃんは争いなんて好まない、だけど戦いになった時にスイッチが入る、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「さぁ、誰から俺とやる?」

 

「僕から行かせてもらおうかな、先輩のその自信満々の強さが気になるしね」

 

「そうか、まずは木場君だね、小猫ちゃんカウントを取ってもらっていいかい?3秒カウントを取って0になった瞬間が試合の始まりだよ」

 

小猫ちゃんは「分かりました」と言ってカウントを取る、俺?俺はガードしてるよ、だって兄ちゃんのトレーニングの内容には―――

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

ドヒュウウウウウウウウウン!!!!!

 

俺は気を気を腕と足に纏わせる、トレーニングで生み出した新しい気の使い方【気の鎧IN腕足(オーラメイルverアームレッグ)】だ、木場君ならこれで十分だろう

 

「オルス先輩からどうぞ」

 

「へぇ、騎士道精神ってやつかな?ならお言葉に甘えさせてもらおう、まぁ―――」

 

 

 

 

それが仇にならないといいなぁ?

 

 

 

 

バゴンッ!!!

 

聞こえた音はそれだけ、兄ちゃんが動いたと思ったら木場が朱乃さんが張った結界まで殴り飛ばされる、まぁ、兄ちゃんならやって当然かな

 

「さ、あと3人、いや2人かな?これでもまだやるかい?」

 

リアスさん含めた3人を見ると顔が青ざめている、兄ちゃんの力の鱗片が見えたのかもしれない、え?堕天使の時に使えばいいじゃないかって?その時はまだ()()()()()()()()()()、堕天使達が逃げた後、そのあとに考え付いた

 

「あらあら・・・あの時の事を見ていましたけどその技は見たことがありませんね・・・」

 

「俺は性格に似あわず()()()()()なんだ、自分が強くなるためには人を犠牲にするまでにはいかないが手段は択ばないぞ?」

 

これでみんな分かったはずだ、兄ちゃんの・・・【戦闘民族サイヤ人】の力が・・・

 

 

一誠vision fade-out

 



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第5話 サイヤとはぐれとトレーニングと

一誠vision start

 

 

「まぁ、その守ってあげるという案には乗ろう」

 

「本当?!!」

 

俺一人じゃ一誠君を守りきれない可能性もある、だからこそここのオカルト研究部に入部して守ってもらう可能性を上げてもらわねばならない

 

「だが入部するのは一誠君だけだ」

 

「え?!何でだよ兄ちゃん!!!」

 

「確かに・・・それは何でです?」

 

「簡単だよ、()()()()()()()()()()()からね、言っておくけどあれが俺の本気じゃない」

 

その言葉を聞いてオカルト研究部のみんなの顔が更に暗くなる、悪魔のポテンシャルがどのようなものか気になったが・・・対して高くはないようだな

 

「と、取りあえずイッセー!神器を出してくれないかしら?」

 

「でも俺神器の出し方なんて分からないっすよ」

 

「俺が使うドラゴン波みたいに出してみたらどうだい?やり方はトレーニングで何回か伝えているから分かると思うよ」

 

一誠君はそういってドラゴン波の構えをする、お馴染みのように『ドォ・・・ラァ・・・ゴォ・・・ンン・・・』と言って力を込める、『波ァ!』のタイミングで一誠君の左腕が光ったように見えるが・・・それは幻ではなかったようだ

 

「こ、これは・・・?」

 

「凄いです・・・!それは【神滅具】(ロンギヌス)ですよ!」

 

「ろんぎぬす・・・?」

 

「神滅具ねぇ・・・そんなに驚くってことは一誠君のこの神器とやらがどんな種類か分かりますよね?」

 

俺がそう聞くとグレモリーさんはドヤ顔で話を進めてくる

 

「イッセーの神器は【赤龍帝の籠手】(ブーステッド・ギア)!能力は10秒ごとに持ち主の力が2倍になるというものよ!その気になれば神をも殺せると言われているわ!」

 

「え、なんですかその強すぎる能力は」

 

「でもそれって体に限界が来るんじゃないかな、10L入る水槽の中に20Lの水は入らないでしょ?」

 

我ながら分かりやすい説明だと思う、だがその説明にグレモリーさんは気に入らないようだ、まぁ自分が1番じゃないと気が済まないようなタイプの人のようだし

 

 

オルスvision fade-out

 

 

一誠vision start

 

 

「と、取りあえずはあらためて自己紹介から始めましょうか・・・私はリアス・グレモリー、ここの部活、オカルト研究部の部長をやっているわ、そしてチェスの駒で言うとキングよ」

 

「私は姫島(ひめじま)朱乃(あけの)といいます、オカルト研究部の副部長をやっておりますわ♪駒はクイーンですわ」

 

「僕は木場(きば)祐斗(ゆうと)、駒はナイトだよ、よろしくね」

 

「私は塔城小猫です、駒はルーク、よろしくお願いします」

 

「ちょっと待ってくれないかな?何故わざわざチェスの駒で表す必要があるのか聞きたいんだけど・・・」

 

兄ちゃんが言うことは確かにあっている、そもそも俺チェスとか分からないんだよな・・・汗

 

「それは私達の悪魔としてのルールが関係しているわ、まぁそれはおいおい説明していく予定よ」

 

いやリアスさん、いえ部長、その言い方だと兄ちゃんが・・・チラッ

 

「・・・」ピキピキッ

 

………触らぬ神に祟りなしだ・・・汗

 

「取りあえずイッセーには―――」

 

 

 

悪魔の仕事をしてもらうわ

 

 

 

一誠vision fade-out

 

 

オルスvision start

 

 

「ふぁー・・・今の時間は・・・夜ぅ?誰だよこんな時間に目覚ましかけたやつ・・・って一誠君しかいないか・・・」

 

一誠君は・・・ね、寝てる・・・汗

 

「おーい一誠くーん、仕事があるんじゃないのー・・・?」

 

「うーん・・・おっぱいが1つ・・・おっぱいが2つ・・・」

 

・・・汗

 

「仕方ないなぁ・・・起こしてあげるか」

 

手のひらに気を薄く張って電気ショックの様にして一誠君の体に流す、実際の電気ではなく少し痺れるような気であるため目がパッチリ覚めるにはピッタリだ・・・寝ぼけてなければ

 

「ウギャアアアアアアアアアアアアアアア??!!!!」

 

「あ、ごめん、加減ミスした」

 

一誠君の体がギャグ漫画のようにプスプスと黒こげになる、いや本当にごめん、悪気はなかったんだ

 

「に、兄ちゃん・・・ありが・・・と・・・う・・・」

 

「本当に悪かったよ・・・代わりに俺も手伝うからさ、それで許してくれないかな?」

 

「許す」

 

早い、復活が異常に早い、そんなに嬉しいのか

 

そんなことを話しながら一誠君は黒い服を着て明らかに悪魔です要素を醸し出している、俺?俺は普通のジャージ、ついでにトレーニングしようと思ってね

 

「一誠君先に行っていてくれないかな、俺少し準備してから行くからさ」

 

「えー?そんなこと言ってサボるつもりじゃないだろうねー・・・?」

 

「じゃあちょっと待っててね、ちょっと空中に行ってくる、余波が来ないように出来るだけ上に行くからさ」

 

俺の一言で一誠君は察した顔をする、さて、出来るだけ上に行かないとな

 

5分ぐらいたっただろうか、雲がちょっと下にあるくらいの高さだ

 

「さて・・・始めますか・・・ッ!!!」

 

 

 

ドヒュウウウウウウウウウウウウウウウウン!!!!!

 

 

 

「今夜の修行はこの状態で走ることだ・・・!」

 

木場君との戦いで見せた【気の鎧IN腕足(オーラメイルverアームレッグ)】の全身バージョン【本気の気の鎧(オーラメイルverフルパワー)】つまり俺の今の本気の状態だ、この姿に慣れるためにもトレーニングの時はこの姿でするようにした

 

「さて、戻らないとな」

 

5分で着いた距離がものの1分で着く、この気の鎧をしてる時の速さは約5倍ってところかな

 

「兄ちゃんその姿・・・」

 

「俺は今日からこの状態で常にトレーニングをする、一誠君が頑張るなら俺も頑張らないとね!お兄ちゃんなら当然だよね?」

 

 

オルスvision fade-out

 

 

一誠vision start

 

 

「それじゃあ兄ちゃん行こう!」

 

「よし来た!ってあれ?一誠君その左腕・・・」

 

兄ちゃんが俺の腕に気づく、やっぱり気づくよな・・・

 

「兄ちゃんがその姿で限界を超えようとするならさ―――」

 

『Boost!Boost!Boost!Explosion!!!』

 

昨日試してみたけどやっぱりキツイな・・・!

 

「俺も超えないとね・・・!俺は戦闘民族サイヤ人の弟なんだからさ!」

 

俺の思っている志に兄ちゃんは驚いているような表情を浮かべる、その後すぐに安心したような表情を浮かべて真っ直ぐ前を向く

 

「そうか・・・なら急いでいかないとね!」

 

そう兄ちゃんは言って走り出す、俺達はまだまだ強くなる!!!

 

 

一誠vision fade-out

 

 

―――数日後―――

 

 

オルスvision start

 

 

「みんな聞いてください、大公から討伐依頼が届きましたわ」

 

「討伐依頼?一体何のですか?」

 

「【はぐれ悪魔】と呼ばれている者よ」

 

【はぐれ悪魔】話を聞いて分かりやすく言えばこうだろう

 

【眷属、例で例えると木場君がグレモリーさんを裏切る、もしくは殺すなどをして自分の主を失っている悪魔の事】

 

主を失った悪魔は主という縛りが無くなったために好き勝手出来る、人間を食い殺して力を付けようが物を盗もうが関係なくなってしまうということだ

 

「………血の匂いがします」

 

小猫ちゃんが血の匂いをかぎ取る、確かに周りには鉄臭い匂いが充満している、ずっと嗅いでいたら気分が悪くなってしまいそうだ

 

「イッセー、いい機会だからあなたの力を見せてくれないかしら?」

 

「お、俺っすか?」

 

一誠君が心配しそうにして俺の事を見てくる、そんなに怖いことなのかな・・・

 

「大丈夫だ一誠君、俺と一緒に毎日トレーニングしてるだろ?大丈夫だ、自分に自信をもちなよ」

 

「兄ちゃん・・・分かった!俺やってみるよ!唸れ俺の神器!」

 

『Boost!Boost!Boost!Boost!Boost!Explosion!』

 

Boostと言う言葉が5回聞こえてくる、やはり常に限界の姿でいることからBoostの回数が3回から5回に増えている、3回から5回と数は心もとないけど2の5乗、つまり自分の力の32倍だ、それだけでも強いだろう

 

「凄いわイッセー!数日だけで3回から5回に増えるなんて!」

 

「こんなの兄ちゃんとのトレーニングに比べたらまだまだっすよ」

 

一誠君は冷静に返しているが顔がにやけている、そんなに嬉しいことなのだろうか?

 

「オルス先輩とトレーニング・・・ズルい・・・」ボソッ

 

小猫ちゃんから何か聞こえてくるが空耳だろう

 

「よし一誠君、君の力をはぐれ悪魔にぶつけるんだ!くれぐれも()()を忘れちゃだめだよ?」

 

「分かってるよ兄ちゃん、()()()()()()()()()()()()()()()()()()でしょ?大丈夫、俺はそんなヘマましないよ」

 

そう言って一誠君ははぐれ悪魔がいるところへとスタスタ歩いていく、その後ろをついていくが数日前とは覇気が違う、これは期待できそうかな・・・?

 



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第6話 サイヤと神父とシスターと

一誠vision start

 

 

「おや?おやおやおや?なんだか不味そうな臭いがするなぁ・・・だが美味そうな臭いもするなぁ・・・甘いのかなぁ・・・苦いのかな・・・?」

 

随分と耳障りな声がする、周りの鉄臭い匂いと合わさって吐きそうだ。

だけど雲が晴れてきてどんどん姿が見えててきたな・・・キモチワルイ・・・

 

女性の上半身に怪物のような下半身、俺の精神をガリガリ削るには十分すぎる醜悪な姿だだといえよう、部長や朱乃さん、小猫ちゃんや木場なんかはもう見慣れているのかその悪魔をずっと見つめている

 

「はぐれ悪魔バイザー、主のもとを逃げて、己の欲望だけを満たすあなたは万死に値します、グレモリーの名においてあなたを消し飛ばしてあげるわ!」

 

「小賢しい小娘が!まずはお前から血祭りにあげてやる!その紅い髪になぁ!!!」

 

うるさい雄叫びと共にバカのように笑うバイザー、さっさと倒さないとな・・・

 

「さあイッセー、あなたの実力見せて頂戴」

 

「分かりましたよ部長」

 

「一誠君、無理はしちゃダメだからね」

 

部長と兄ちゃんの応援を受けて俺は一歩前へ出る、それを見たバイザーは俺の姿をみて腹かも分からない場所を抱えて笑う

 

「おやおや?!随分と不味そうな食事じゃないか!こんなんじゃオードブルにもなりゃしないよ!」

 

「お前が自分が勝つと勝ち誇ってる時、それは既に決着はついているのさ」

 

 

バゴンッ!!!

 

 

この前兄ちゃんが木場にやったみたく瞬時に移動してバイザーの抱えていた腹を殴る、ただ手加減してやるとどこかへ飛んじゃうからな、俺の拳を受けたバイザーは―――

 

 

()()()()()()()()()

 

 

「んがッ・・・?!」

 

「一撃目は粉砕、二撃目で完砕」

 

俺の無慈悲な二撃目が叩き込まれる、俺から撃たれた二撃目は容赦なくバイザーを粉々にし、周りを血の雨で染め上げた

 

 

一誠vision fade-out

 

 

オルスvision start

 

 

「終わりましたよ部長」

 

「え・・・えぇ・・・」

 

いや、お前誰だよ!え?!一誠君ってこんなに生き物に優しくなかったっけ?!なんで?!俺のせい?!俺のせいなの?!俺が【油断しちゃだめだよ】なんて言ったせい?!

 

「兄ちゃんどうだった?」

 

「う、うん、あえて言うなら後片付けが面倒臭くなるから血の雨降らせるのはやめてほしかったかな」汗

 

「あ」

 

俺の一言で苦笑いのオカルト研究部、そりゃそうだろうねぇ!あんなに優しい一誠君が殺すのにも迷わないし!しかも二撃で終わらせてるし!!!

 

俺の弟君が鬼畜になってしまった・・・父さんや母さんになんて言おうかなぁ・・・汗

 

そんな俺の心の声も空しく次の日になる、勿論学校ではいつものやさしくてエロい一誠君だ、やっぱり昨日のは見間違いだったのかな・・・?

 

「あれ?兄さんどうしたの?」

 

「なんでもないよ、てか覗きはやめなさい」コチンッ

 

「いて♪」

 

うーん・・・やっぱり気のせいだったのかな・・・

 

俺達兄弟は基本的には一緒に悪魔の仕事をしている、今夜も一緒に悪魔の仕事、つまり依頼人の所に行くところだ、しかし何かがおかしい、しいて言うなら・・・何か悪いことが起きそうな予感がする・・・

 

「あれ?兄ちゃん見てよ、扉があいている・・・」

 

ふーむ・・・どうやら悪い予感が的中したみたいだ、中から感じ取れた気は1つ、だが依頼人の気ではない、この気はもっと邪悪で神聖・・・矛盾してるって?俺もそれは知っているんだけど・・・

 

「取りあえず入ってみようよ、それに嫌な予感がする」

 

ふむ、やっぱり一誠君も嫌な予感は感じてるみたいだね・・・でも入ってみないことには分からないか・・・

 

「お客さーん!今夜も来ましたよー!」

 

お相手さんからの返事はない、それにバイザーからも匂った血の臭いも嗅ぐこともできる・・・廊下の突き当たりか

 

「一誠君、気を引き締めて行くよ、この気配はバイザーより強い」

 

「マジかよ・・・でも兄ちゃんが言うなら間違いないな・・・」

 

俺達はゆっくりと一番奥の廊下の部屋に一歩一歩進んでいく、歩くごとに血の臭いも俺が感じた矛盾している気も強くなってきている・・・

 

そして一番奥の廊下、この奥の部屋から濃厚な殺気を感じる、どうやら向こうは俺たちの事を殺す気のようだ、ドアは半開き、そのドアをゆっくりとあけていく

 

「これは・・・」

 

「なんて酷いことをしやがるんだ・・・!」

 

この人はこの家の人なんだろう、リビングの壁に逆十字に貼り付けられている人の死体、無残にも切り裂かれている身体からは臓器と血が溢れて辺りは血生臭い、どうやら今さっき殺されたようだね・・・

 

「そこにいる君、君がやったんだろう?殺気が漏れてバレバレだよ」

 

「おんやぁ?よく分かったじゃないですかぁ、まぁ?殺気を隠す気もありませんでしたがねぇ~」

 

部屋の影から出てきたのは少年、神父のような服に身を包み髪の色は白髪で日本人じゃないようだ

 

「君って日本人?随分と悠長に日本語を喋るじゃないか」

 

「俺ちゃんってば天才だからさぁ、3日も勉強日本の本を読んでたら簡単に覚えたんでねぇ」

 

「おいテメェ・・・なんでそんなに笑いながら話していられるんだ!お前は人を殺したんだぞ!!!」

 

()()()()

 

一誠君が激怒したが少年から返ってきた言葉は『だから?』の一言、この一言から感じられるのは自分は正義と言う表し、この少年は人を殺したのは1度じゃ2度じゃないみたいだね・・・

 

「だってこいつ悪魔を呼び出す常習犯みたいだったしぃ?それに俺悪魔祓い(エクソシスト)だからさぁ、殺すしかなくね?」

 

「お前・・・人が黙って聞いてりゃベラベラと・・・!」

 

一誠君が怒りを露わにしながら少年を睨みつける、まぁ気持ちも分からない訳じゃないけどね・・・人を殺すのは良くないことだから・・・

 

「てかさぁ、今日はもう帰ったら?今は機嫌がいいから見逃してあげるよ~、ほら、さっさと帰んな」

 

「そうか、じゃあ俺達は帰らせてもらうよ、今日の事はキッカリサッパリ忘れるね」

 

「兄ちゃん?!なんでだよ!!!」

 

俺は一誠君を連れてこの家を出ることにする、一誠君は困惑した表情でこちらを見てくる、まぁ見てなって・・・

 

「なぁあああああああんて逃がすわけねぇだろぉおおおおおおお!!!」

 

「うん、分かってたよ♪」

 

「なッ??!!!」

 

やっぱりね、だって―――

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「ほらほらどうしたの?逃がすわけないなら本気で殺しにかかるよね?」

 

「兄ちゃんはこのことが分かっていて・・・!」

 

「へぇ・・・悪魔にしてはいい感してんじゃん」

 

少年は刀身のない剣と銃を構えなおす、俺が戦おうとするが一誠君が俺の前に出てくる

 

「一誠君?」

 

 

オルスvision fade-out

 

 

一誠vision start

 

 

「兄ちゃん、俺にやらせてくれないか、このムカつく白髪野郎は1度ぶっ飛ばさないと気がすまねぇ・・・!」

 

「君が俺ちゃんとやるのぉ?いいぜぇ、んじゃ早速行かせてもらうよぉ!!!」

 

白髪野郎は刀身のない剣を強く振るった、そこから光の刃が現れて一気に俺にかかってくる、こいつ速さだけなら兄ちゃん以上じゃねぇか?!

 

「ほらほらほらぁ!もっと俺を楽しませてくれよぉ!!!」

 

「調子に・・・のんなッ!!!」

 

こんなやつに赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を使うまでもねぇ!!!

 

「仕方ねぇな・・・んじゃこいつを全て防ぎ切ってみやがれ!!!」

 

「一誠君、全て防ぎ切ったら俺の戦い方の1つを教えてあげる」

 

「え?!いいのか兄ちゃん!!!」

 

マジかよ!兄ちゃんの戦い方の1つを??!!!絶対に防いでやる!!!

 

「上ェ!下ァ!下ァ!上ェ!右ィ!左ィ!右ィ!右ィイイイ!!!」

 

「んな?!さっきまでとは全然早さがちげぇじゃねぇか!」

 

「俺の修行に今の今までついて来てるんだ、これぐらいやってもらわないと俺が困っちゃうよ」

 

そうだ!兄ちゃんの気弾を何度もかわしているんだ!絶対に負けられねぇ!!!

 

「んじゃもっと速く行くぜ!これ全部防いでみろぉ!!!」

 

「へぇ、さっきよりも早いんだね・・・いけるか・・・?」

 

まだだ!俺はまだいける!

 

「上上下下左右左右上右下左左右上下右左上下右上ェエエエ!!!」

 

「うっそだろ?!」

 

「こいつは俺も予想外だな・・・」汗

 

良し!全部防いだぞ!!!

 

「隙あり!ぶっ飛びやがれぇえええええ!!!」

 

「ガハァッ…………?!」

 

ズガンッといい音がしてあいつは壁にめり込む、壁はボロボロと崩れ落ちるが関係ねぇ!

 

「いいねぇ………いいよぉ………最高じゃないのぉおおお!!!」

 

チッ・・・こいつ本当に人間かよ・・・!

 

俺が心で舌打ちをする、あいつもファイティングポーズを取るがある人の登場でその空気は崩れる

 

「イッセーさん・・・?」

 

 

一誠vision fade-out

 

 

オルスvision start

 

 

「おんやぁ?助手のアーシアちゃんじゃないのぉ、どう?結界は張り終わったかな?

 

「は、はい、結界は終わりまし―――え・・・?」

 

「アーシア!ここから離れるんだ!!!」

 

「この子は一体・・・」

 

この子は誰だろうか?俺の知らない子だけど・・・一誠君の知り合いかな?

 

「おぉっと、アーシアちゃんには刺激が強すぎましたかねぇ………それなら悪いことしちゃったかな?でもこれからもこんな死体沢山見ることになるからねぇ、悪いけど慣れてね♪」

 

少年はアーシアと呼ばれている少女の頭を優しくなでる、アーシアは一誠君の方を見つめ、青ざめている顔からの口からは一言一言言葉が漏れる

 

「ど、どうしてイッセーさんが此処に・・・いるんですか・・・?」

 

「あれ?まさかアーシアちゃんとそこにいるイッセーとか呼ばれてるやつは恋人同士だったりすんのかなぁ♪」

 

「黙りやがれ白髪野郎、俺とアーシアは知り合いなだけだ」

 

一誠君がそれを伝えると少年は面白くなさそうな顔をして言葉を話す

 

「そうでござんすかぁ、まぁ興味ございませんがね~」

 

われ関せずと言うかのように笑う少年、その手には光の剣と銃が握られているためまだ油断はできない

 

その時、床が青白く光りだし、ドンドン魔法陣を形成していく

 

「おーっと?何事ですかい?」

 

「この魔方陣は・・・グレモリーさんか」

 

光が止まるのと同時に魔法陣からは見慣れた顔つきが揃っている

 

「助けに来たよイッセーくんって、オルス先輩もいたんですね、これなら助けに来なくてもよかったかな?」汗

 

「あらあら、これはいいタイミングでしたわね」

 

「オルス先輩助けに来ました・・・!」

 

「ごめんなさいイッセー、オルス君・・・まさか【はぐれ悪霊祓い】が現れるなんて予想外だったの……」

 

木場君は汗をかきながら、姫島さんはいつも通りニコニコしながら、小猫ちゃんは俺の顔をみて顔を赤らめている、グレモリーさんは申し訳なさそうにこちらを見ている、てか小猫ちゃん顔が赤いけど風邪ひいてるのかな・・・だとしたら今度お見舞いに行ってあげよう

 

「悪魔・・・悪魔の団体かぁ・・・!」

 

「どうした少年、顔がさっきより怖いよ?」

 

俺が茶化しながら聞くと顔を崩さずにこちらを見てくる

 

「いんやぁ・・・俺の獲物が沢山現れちゃったからさぁ・・・興奮しちゃったんだぁ・・・でも今は武器がないからなぁ・・・じゃあね!!!」

 

そう言って少年は床に煙玉を叩きつける、モクモクと立ちこんだ煙は部屋一面を真っ白に染め上げて少年は逃げる

 

「俺の名前は【フリード・セルゼン】、じゃあね悪魔のみなさん♪次に会ったときは俺が全員殺してやるよ♪」

 

「チッ逃がしたか!」

 

一誠君が顔をしかめて言葉を吐く、みんなも同じく顔をしかめているが俺があることに気づく

 

「ん?なんか近づいて来ている・・・1度感じたことある気配は・・・堕天使かな?」

 

「それは本当かしらオルス君、だとしたら不味いわね・・・仕方ないわ、1度本拠地に帰還しましょう、ジャンプの用意をお願い」

 

「分かりましたわ」

 

グレモリーさんに言われた姫島さんは呪文の準備をする、どうやら転移魔法をして逃げるようだ

 

「部長!アーシアの一緒に!」

 

「・・・無理よ、この魔方陣を通れるのは基本的には悪魔だけ、あとは魔方陣に特別に組み込まれたイッセーやオルス君だけなの」

 

一誠君は歯をギリリと音を立てて顔をしかめる、全く、俺の弟君は本当に仕方ないね

 

「一誠君俺に任せてよ、俺がアーシアちゃんを部活まで守るさ」

 

「で、でも兄ちゃん・・・!」

 

 

 

 

 

ドヒュウウウウウウウウウウウウウウウウウン!!!

 

 

 

 

 

【本気の気の鎧】(オーラメイルverフルパワー)、任せておきな、今の兄ちゃんはちょっと強いぞ?」

 

「さあイッセー!早く!」

 

「兄ちゃん・・・頼んだよ!!!」

 

「イッセーさんのお兄さん?!な、なんで私なんかの為に・・・」

 

アーシアちゃんが困惑したような顔でこちらを見つめてくる、まぁ当然と言っちゃ当然の反応だろう

 

「だってアーシアちゃん、一誠君のこと好きでしょ?」

 

「////////////////??!!?!!」

 

「反応見てバレバレだよ♪だからこそ俺が残ったんだ、ほら、俺の背中に捕まって、いきなり飛ばすよ!」

 

俺は久しぶりに舞空術を使う、アーシアちゃんは俺の気で守ってあるから大丈夫だ

 

「わ、私空を飛ぶなんて初めてです!」

 

「そうなの?じゃあ今度からは一誠君に頼んでよ、それに舌噛んじゃうから喋んない方がいいよ」

 

俺達はそんなことを話しながら部室へと飛んでいく、堕天使共も途中で気づいたようで追いかけてきたが俺の本気の武空術には追い付けてはこれなかったようだ

 



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第7話 サイヤと強化と堕天使(笑)と

オルスvision start

 

 

「オルス君……なぜあんなことしたのかしら?」

 

俺とアーシアちゃんが部室に入ってくるとグレモリーさんが俺の心配をしてくれる、そんなに危ないものだったのだろうか?

 

「兄ちゃん本当に大丈夫だったの?アーシアも堕天使になんかされてなかったか?」

 

「大丈夫大丈夫、それに心配するなら俺じゃなくてさ―――」

 

「」ピクピクッ

 

「あ、アーシア?!」

 

やっぱり大丈夫じゃなかったかぁ・・・一般人があの速度に耐えられるわけがないからね・・・ん?だったらその速度で笑ってられる一誠君とか松田君とか元浜君ってすごくない?

 

「と、取りあえずその子はソファーに寝かしてあげましょう、ね♪」

 

姫島さんの言うとおりアーシアちゃんをソファーに寝かせる、アーシアちゃんが寝ている間に俺達は先ほどの事について話し合うことにした

 

「それで?あの子はどうするつもりかしら?」

 

グレモリーさんが言っていることはアーシアちゃんの事だろう、一誠君に聞けばアーシアちゃんは教会の、しかもシスターって話じゃないか、グレモリーさん達悪魔にとっては天敵と言える存在だろうしね

 

「大丈夫です部長、この問題については俺と兄ちゃんが解決します」

 

「な、何を言っているの!ダメです、許可できません!」

 

うーん、グレモリーさんは何か勘違いをしてないかな・・・

 

「部長、忘れましたか?俺は悪魔じゃありません」

 

『『『・・・』』』

 

一誠君の言葉でみんな黙り込む、だが間違ってることは言ってはいないのも確かなんだよね・・・

 

「俺はこの部活を()()()()()()()()()()

 

「そ、そんな?!」

 

「一誠君それは流石に言いすぎだよ、でもまぁ、一誠君がこう言っているので、俺達は帰らせてもらいますね」

 

そういって俺はアーシアちゃんを起こす、ぐっすり眠っていたから起こすのは少し忍びなかったけど・・・俺達の家でゆっくり眠ってもらおう

 

「ちょ、待ちなさい!」

 

「グレモリーさん、待てと言われて待つ馬鹿はどこにもいませんよ?」

 

そういって俺達は家にゆっくりと歩みだす、歩いている最中でアーシアちゃんは一誠君の方を見ながら話をしだす、うん、俺は先に帰ろうかな

 

「俺は先に帰るよ、あとは2人で楽しみながら帰ってね♪」

 

「////////////???!!!!?!」

 

「に、兄ちゃあああああああああああああああああああああああん!!!!!」

 

俺は急いで家に帰ろ―――としたが少しやることができた

 

「おいおい、人の弟の恋路を邪魔するとは言い度胸してるじゃないか、ん?」

 

「な、何故ばれたの・・・!」

 

俺の目の前にいたのはこの前俺達を殺そうとした2人、そして新しく見た子だ

 

「君たちは懲りないねぇ・・・今度はこの前みたいにはいかないよ?」

 

「ふっふっふ・・・はっはっはっは!!!」

 

この前ドーナシークと呼ばれていた男が高笑いをする、え、いきなり笑い出して怖いんだけど

 

「何がおかしいんだい?」

 

「俺ちゃんがいるからだよぉおおおおおおおおおおお!!!」

 

「この前も言ったでしょ、気づいて―――ガハァ・・・?!」

 

腹を見ればなんと切り裂かれていた、ま、まさかさっきの俺の動きを見て覚えたっていうのか?!なんて成長速度だ・・・!

 

「やっと来たわね!」

 

「君もかぁ・・・さっき俺の弟に負けたのを忘れたかい?」

 

「俺は負けず嫌いでさぁ、さっきの弟君がいないなら代わりにお兄様のあんたが相手をしてくれよぉ!!!」

 

フリード君が俺に突進してくる、後ろからも3人の堕天使が俺を殺そうと光の槍を構えてこっちに飛んでくる

 

「4対1?そりゃないんじゃないの?」

 

 

 

 

 

ドヒュンドヒュンドヒュン!!!

 

 

 

 

 

【気の鎧IN腕足第二段階】(オーラメイルverアームレッグmark2)、さあやろうか、今の俺はちょっと強いぞ?」

 

 

オルスvision fade-out

 

 

一誠vision start

 

 

「え?兄ちゃん?」

 

「イッセーさんどうしました?」

 

アーシアが俺の顔を心配そうに見る、女の子に心配かけちゃダメだよな・・・

 

「大丈夫だよ、ただ心配なんだ・・・」

 

「心配って・・・もしかしてオルス様が?!」

 

「いや、俺が心配してるのは―――」

 

この時、俺の予感は的中してるなんて夢にも思わなかった・・・だって、俺が本当に心配してるのは・・・

 

 

()()使()()()()()()()()()

 

 

一誠vision fade-out

 

 

オルスvision start

 

 

「オラオラオラァ!!!もっと熱くなれよ!お前らの本気を俺に見せてみろぉおおおお!!!」

 

「くっ・・・コイツ化け物か?!」

 

「おいおいぃ、イッセーとか呼ばれていたガキのお兄様強すぎだろぉ・・・!」

 

「つ、強すぎるっす・・・!」

 

俺の中の血がタギる、もっと戦わせろと血が騒ぐ、これ以上騒ぐと自分で自分を抑えられなくなりそうだ・・・!

 

「サンキューなお前ら・・・お前らのおかげで俺は更に次のステップに上がれそうだ・・・!」

 

「んな?!まだ強くなんのかよ・・・!」

 

「させないっす!!!」

 

ゴスロリ服装の少女が俺を倒そうと槍を投げてくるが・・・()()()()

 

 

 

 

 

ドヒュンッ!!!!!

 

 

 

 

 

【本気の気の鎧第二段階】(オーラメイルverフルセカンド)、どうする?俺はさっきより強くなってしまったぜ?さぁ、もっと俺を楽しませろぉおおおおおお!!!!!」

 

「このままでは不味い!一時撤退だ!」

 

押さえろ俺・・・殺しちゃダメだ・・・!堕天使でも・・・殺しちゃダメだ!

 

「行ったか・・・」

 

堕天使達が去った後に残ったのは俺の体への大きな負担、そして―――

 

 

 

 

 

睡眠のための時間が失われてしまったのだった

 

 

 

 

 

オルスvision fade-out

 

 

次の日 一誠vision start

 

 

結局兄ちゃんが帰ってきたのは次の日の朝だった、兄ちゃんの服はボロボロ、顔は疲労しきってまるで死人のような顔で本気でビビった

 

「ご、ごめんね一誠君・・・俺今日学校休むよ・・・」

 

「兄ちゃん?!え?!本当に大丈夫なの?!」

 

「私の神器では疲労までは・・・」

 

アーシアの神器、それは【聖母の微笑】(トワイライト・ヒーリング)と呼ばれる傷を治す神器だ、傷を治すことが出来るが疲れを取ることができないらしい

 

「ん~・・・そしたら今日は俺だけ学校に行こうかな・・・アーシアはどうする?」

 

「私は・・・」

 

アーシアが結構悩んでいたら兄ちゃんが「一緒に行っておいで・・・」と今にも死にそうな声で言ってくれた、それを聞いたアーシアは俺と一緒に行くらしい

 

「よし!それじゃあ朝ごはんを食べて学校に行こうぜ!アーシアもちゃんと食べろよ?じゃないと学校でぶっ倒れるからな!」

 

「は、はい!」

 

母さんと父さんにはもうすでに話はつけてある、俺達はゆっくりと朝ごはんを食べて学校へと向かっていった

 

 

―――放課後―――

 

 

「よし、部室に向かおうか」

 

「はい!」

 

俺達は部室に向かう、途中で松田ァ!と元浜に殺されそうになったけど軽くいなしておいた、ほら、あいつら俺と同じで女に飢えているからさ、アーシアと一緒ってことは・・・あとは分かるよな?

 

「来ましたよ部長さん」

 

「あ……イッセー……」

 

部長達は凄く困ったような顔でこちらを見る、昨日のやり取りがあったせいかやはり居づらいのだろう

 

「イッセーくん……部活はやめたんじゃ……?」

 

「兄ちゃんが言っていただろそれは言い過ぎだって、だからこうしてまた来たんだろ?」

 

「そ、そうですわね・・・」

 

そんな表情のみんなは放っておいて昨日の出来事を話す

 

「それって大丈夫だったの?!」

 

「はい、兄ちゃんは幸い疲れただけのようで大丈夫でした、ですけど俺が心配なのは堕天使達の方なのです」

 

「?それはなんでですかイッセー先輩」

 

小猫ちゃんは何故と聞いてくる、そりゃねぇ・・・

 

「この前の兄ちゃんの力を見ただろ?あれ見ても兄ちゃんが負けると思うか?どちらかと言えば堕天使達が心配なんだが・・・」

 

「あ~・・・確かに・・・」

 

木場が頷いて堕天使達を憐れむような目をする、まぁ、兄ちゃんの攻撃をモロに喰らったのは木場だけだもんなぁ

 

「と、取りあえず!この子を本当にどうするかを決めないと、ね?」

 

この日は結局部室で堕天使達をどうするかを話し合ったあと、部長は結局教会に行くのは許してはくれなかった、だけど結局俺はその日の晩、教会に行くことにしたんだ

 



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第8話 サイヤと喧嘩と教会と

一誠vision start

 

 

「ここが教会跡地か・・・こりゃボロボロすぎて酷いな」

 

俺が来たのは町はずれにある教会跡地、アーシアに聞くとここに堕天使達がいるらしい

 

「よし、気合入れて行くか!」

 

「ちょっと待ってくれないかな?イッセーくん」

 

「私達も一緒に戦います」

 

後ろを見れば木場と小猫ちゃんの姿があった、一緒に戦うって・・・

 

「いいのか?2人がここに参加すれば部長からのお叱りは確実だぞ?」

 

「そんなの覚悟の上だよ、友達が敵の本拠地に乗り込むのに黙って見てるなんて僕には出来ない」

 

「私はオルス先輩にかっこいいとこ見せたいので、イッセー先輩、この戦いが終わったらオルス先輩とデートさせてください」

 

うーん・・・小猫ちゃんの俺の扱いがすげぇ雑なような気がするけど・・・気のせいかな?

 

後ろに木場と小猫ちゃんを付かせて奥へと進んでいく、聖堂の奥にドンドン進んでいくとこの前戦ったあいつの声が聞こえてくる

 

「侵入者3名様ご案内……っとね」

 

「フリード・セルゼン・・・やっぱりテメェもいたか」

 

気配を感じて後ろを振り返る、神父服に包まれた白髪の少年、フリード・セルゼンがそこにいた、その嬉しそう表情は再開を喜んでいるように見えるが実際は違うだろう

 

「イッセー君覚えていてくれたんだねぇ。俺ちゃん嬉しいよぉ~」

 

「取りあえずさぁ、俺はお前に用があるんじゃない、大人しくここを通してくれないか?」

 

俺はこう伝えるがフリードの顔からは好戦的な笑みが消えていない、やっぱり通してくれるわけないよな

 

「ここは僕に任せてもらおうかな、悪魔祓いの剣技が気になっていたところだよ」

 

「へぇ、そこにいる悪魔君が俺の相手をしてくれるわけ?丁度良かったよ、悪魔を殺すことが出来るんだからなぁ!!!」

 

フリードの上げられた声に反応してプレッシャーが木場にかかる、こいつ・・・昨日戦った時より強くなっているな?!

 

「結構速いな・・・木場は行けるか・・・?」

 

「木場先輩を信じてください、あの人は部長の・・・リアス・グレモリー先輩の【騎士】(ナイト)ですよ?」

 

小猫ちゃんが俺の事を信用させるようにそう言ってくる、でもまぁ、確かに俺も行けると思うけどね

 

「まずはお手並み拝見と行こうか!」

 

フリードの手元にある白銀の銃から弾が3発撃ち放たれる、それを木場は2発は避けて1発を剣で弾く、フリードも同じく襲い掛かってくるが木場は難なくフリードの剣を弾いた

 

「へぇ、これを防ぐなんて中々やるじゃん」

 

「それを喰らったら不味いからね」

 

そういって木場は反撃に移る、スピードを活かして放たれた剣技は容赦なくフリードへと襲い掛かる

 

木場は中々のスピードを出しているがフリードもそれに劣らず全て弾いている

 

「君凄いね、かなり強いよ」

 

「そういう悪魔くんもなかなかやるじゃん、でも昨日の夜に戦ったイッセーくんのお兄様の方が全然強かったね」

 

「んな?!お前兄ちゃんと戦ったのかよ!」

 

これは驚きだ、兄ちゃんと戦って五体満足、しかも一撃腹に入れたって話じゃないか

 

「オルス先輩と?だったら尚更君に負けるわけにはいかないな、出し惜しみしないで本気で行かせてもらうよ」

 

木場の声で出てきたのは黒い霧、その霧が木場の手に集まり一つの剣を創りだす、こりゃ随分と恐そうで凶悪な剣が出てきたな

 

「おいおい、悪魔くんも神器持ちぃ?」

 

【光喰剣】(ホーリー・イレイザー)、光を喰らう闇の剣だよ」

 

「相性悪すぎだろぉ!」

 

フリードは苦笑いしながらも銃弾を撃つ、しかし木場はその弾を【光喰剣】で全て喰う、光を喰い尽くす闇の剣の前ではフリードの武器は無駄に等しいだろう

 

「こりゃ武器をミスったな………ここまで相性が悪いとは思ってなかったぜ・・・!」

 

そう言ってフリードは懐から昨日見た同じような球体を取り出す

 

「ここは逃げるが勝ちだな!」

 

「逃がさない!」

 

それを見た木場はフリードに突進していく、しかし数コンマ遅かったようだ

 

フリードが床に叩きつけたのは光玉、昨日は煙玉だったが・・・もしかしてあいつ・・・いや、これは考えないようにしよう

 

「チッ・・・!」

 

「逃がしてしまいましたか・・・!」

 

「今回もまた逃げることになっちゃったけど・・・イッセー君、今度こそ殺り合おうね・・・そして騎士(ナイト)君、今回は敗けちゃったけど次は絶対に殺すかね、んじゃあね♪」

 

その声を最後にフリードの声は聞こえなくなった、あいつ執念深すぎてストーカーと間違われないかな

 

「それじゃ次行きましょう、早くしないと夜が明けてしまいます」

 

「小猫ちゃんの言うとおりだな・・・早く行ってぶちのめしてこよう!」

 

フリードとの戦闘が終わった俺達は祭壇の下に隠されていた階段を下りていた、周りを見れば1本の廊下に隣接するように扉が付いてある

 

「へぇ、これはちゃんと教会として機能してれば結構いい建物だったのかもな」

 

「ここは元々は大きな教会だったみたいだからね」

 

「そんなことより早く行きましょう、オルス先輩とデート行きたいので」

 

小猫ちゃんはそればっかりか・・・まぁ兄ちゃんはイケメンだしな、女子共が騒ぐ理由が分かる気がするよ・・・チッ

 

「さて・・・この中からは4匹の堕天使の気配がする、相手は俺達が来るのが分かっている、ここまでは分かるな?」

 

「うん、だけどそれがどうかしたのかい?」

 

ふっふっふ、実は俺は兄ちゃんにあるものを受け取ってきたのさ・・・!

 

「そこでこいつを使う、これは兄ちゃんが使うドラゴン波と同じエネルギーが詰まっている」

 

「はい」

 

『Transfer!!!』

 

うん、倍加で言うと7回ぐらいだな、つまり128倍、ドラゴン波の128倍のパワーがここにはあるわけだ

 

「2人とも離れてな・・・じゃなきゃ死ぬぜ・・・!」

 

『『ッ!!!』』

 

こいつが兄ちゃんの1撃ッ!!!

 

 

「128倍ッドラゴン波だぁあああああああああああああ!!!!!」

 

 

『『『『なにッ??!!!』』』』

 

中にいた4匹のクソガラス共は声を上げるが関係ない、俺から放たれたドラゴン波は容赦なく教会跡地を消し飛ばす、俺は度重なる倍加とドラゴン波を撃った疲れにより座り込んでしまった

 

「う、腕が痺れて・・・立てないぜ・・・」

 

「これがイッセー君とオルス先輩の力・・・ッ!」

 

「凄すぎますよ・・・!」

 

流石に4匹共消し飛んだと思うけど・・・いや、あそこの瓦礫がモゾモゾと動いているな、どうやら4匹共虫の息だが生きているようだ、チッしぶとい奴らめ

 

「テメェらまだ生きてやがったか・・・」

 

「お・・・のれ・・・!」

 

俺達が堕天使に止めを刺そうとするとある人の声が聞こえてくる、その声に俺は驚きを隠せなかった

 

「これは酷いな・・・これじゃあどっちが弱いものいじめしているか分からないじゃないか・・・」汗

 

 

一誠vision fade-out

 

 

オルスvision start

 

 

「兄ちゃん?!」

 

いや本当に酷いな・・・アーシアちゃんを連れてくるのは失敗だったのかもしれない

 

「レイナーレ様?!ドーナシーク様??!!!」

 

「あー・・・し・・・あ・・・?」

 

「何しに・・・きた・・・!」

 

「お前ら感謝しろよ、アーシアちゃんがその傷直してあげるって」

 

俺の一言で一誠君達を含めた9()()の驚きの声が聞こえる、ん?9人?

 

「あ、グレモリーさんと姫島さんいたんですね」

 

「当たり前じゃない、大切な眷属たちが危険に晒されているかもしれないのに黙っているわけないじゃない」

 

「部長・・・!」

 

木場君がキラキラしたイケメンフェイスで部長を尊敬しているような眼差しで見ている、まぁそんなオカルト研究部は置いておいて4人の治療だ

 

「アーシアちゃん終わったかい?」

 

「はい!ばっちりです!」

 

「人間ごときに・・・!」

 

4人の堕天使は忌々しそうに、そして困惑しているような目でこちらを見ている、それはどうしてと言いたそうだ

 

「いやぁ、だってのたれ死なれるって嫌じゃん?孤高の堕天使様はこんなところで死にたくないでしょ?それに言っておくけど俺は人間じゃない、サイヤ人だ、簡単に言うと宇宙人なの」

 

『『『『え・・・ッ?!』』』』

 

「逆に宇宙人に助けられたって自慢できるんじゃない?それにアーシアちゃんにお礼を言いなよ、じゃないと一生お笑いもんだよ?お礼も出来ない堕天使だって」

 

俺の言葉を聞いてギリリと歯軋りをする堕天使達、取りあえず堕天使達は逃がしてあげた

 

「オルス君!あなた勝手に何をしているの!」

 

「何って・・・堕天使達を逃がしただけですが?」

 

「オルス先輩・・・あなたが何をしたか自分で分かっているんですか?!あの堕天使達を逃がしたらまたどこかで人が死ぬかもしれないんですよ!!!」

 

小猫ちゃんと一誠君、アーシアちゃんを除いたオカルト研究部の2人が凄い形相で睨んでくる、姫島さんは相変わらずニコニコしているが殺気が雷となってバチバチと音を出している

 

「今度は3対1?まぁいいけどさぁ、いい修行になる」

 

 

 

 

 

ドヒュンッ!!!!!

 

 

 

 

 

【本気の気の鎧第二段階】(オーラメイルverフルセカンド)、さぁやるか、今の俺はちょっと強いぞ?」

 

「望むところよ!」

 

「ストップ!ストォオオオオオオオオオオオオオップ!!!」

 

一誠君が戦いを止めようと前に出てくる、出来れば邪魔しないでほしいんだけどなぁ

 

「兄ちゃん達が争う必要はないじゃん!なんで争うんだよ!」

 

「いいか一誠君、世の中にはやらないといけないことがある」

 

「イッセー、ちょっとあなたのお兄ちゃんにはお灸をすえる必要があるみたいなのよ」

 

よーしいいだろうこのワガママ娘マジでぶっ飛ばしてやる、そうだ、ついでに一誠君に俺の戦い方の1つを教えてあげよう

 

「いいか一誠君、いい機会だから俺の戦い方の1つをここで教えてあげよう、正確には技の名前だけどね、名前は【残像拳】(ざんぞうけん)という名前だよ、こいつの効果はね―――」

 

 

オルスvision fade-out

 

 

一誠vision start

 

 

兄ちゃんがそういった瞬間、()()()()()()()()()

 

「え・・・?」

 

『『『『『『えーーーーーー??!!?!!!』』』』』』

 

「さぁどうする?これは俺の分身だから俺と同じ力をもっているよ?」

 

兄ちゃんの一言で小猫ちゃんを除いたオカルト研究部は顔を強張らせる、それもそうだろう、でも兄ちゃんってば・・・()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「……いいわ、やめておきましょう、ここで無駄な争いをしても時間が勿体ないわ、逃がした堕天使達の事はまた後々考えましょう」

 

その一言でオカルト研究部は帰っていく―――小猫ちゃんを除いて

 

「うん、小猫ちゃんどうしたんだい?」

 

「オルス先輩、家に泊めてください」

 

小猫ちゃんがいつにも増して積極的で驚いたけど兄ちゃんの驚いた顔が見れたから満足だ

 

 



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第9話 サイヤと修行と焼き鳥と

オルスvision start

 

 

「・・・」

 

「・・・」

 

「・・・」

 

自分の家でここまで沈黙が辛かったことがあるだろうか、目の前には父さんと母さん、俺の隣には小猫ちゃんがいる、見るところが見ればただの修羅場だろう

 

「オルス先輩のお母様とお父様、家に泊まらせてください」

 

「うんちょっと待とうね小猫ちゃん、なんで俺の知らないところでデートする約束が出来てるのかな?てか父さんと母さんは何をそんなにニコニコしてるのかな?」

 

「お母さんは嬉しいわぁ・・・オルスがこんなに可愛らしい彼女さんを連れてきてくれるなんて・・・!」

 

母さんが目元をウルウルとさせている、結局この日は小猫ちゃんは家に泊まって一緒に学校に行った、その際に俺は学校1年生の男たちに睨まれることとなったが関係なく部室へと向かった

 

 

―――数日後―――

 

 

「一誠く~ん起きなよ~朝だよ~」

 

・・・

 

部屋の中からは何やらガタガタとかキュイーンとか音が聞こえる、しかも部屋から光が漏れている、部屋からは気が3つ感じる、1つは一誠君、2つ目はグレモリーさん、3つ目は・・・誰だ・・・?まぁ、入ってみれば分かるかな・・・

 

「一誠君入るよー」

 

ガチャっと音を立てて俺は一誠君の部屋に入る、そこで見た光景が―――

 

 

一誠君の上に()()()()()()()()()()馬乗りになっており、部屋の真ん中ではメイド姿の人がそこに立っていた

 

 

「兄ちゃん?!」

 

「あー・・・えー・・・っと・・・」

 

まぁ・・・これを見たらやることは1つだよね・・・うん

 

「失礼いたしました~」

 

「え?!ちょ!待ってよぉおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

 

俺は結局この日は自分の部屋に入って寝た、一誠君には翌朝聞いてみたらあれは幻じゃなかったらしい、う~ん、グレモリーさんは痴女なのかな?

 

「まぁ・・・それについては部室に行けば分かるんじゃない?」

 

「そ、そうだね・・・」

 

 

―――放課後―――

 

 

学校が終わって俺達兄弟は部室へと向かう、入ろうとしたら何か強い力で手が弾かれる

 

「あれ?昨日までこんなことはなかったような気がしたんだけど・・・」

 

「これって結界なのかな?でも部長がみんな入るのに結界なんて張るわけないし・・・」

 

2人でウンウン唸りながらどうやって入るか考える、考えるうちにドンドン面倒くさくなったのでこの扉をパンチで吹っ飛ばすことにした

 

「行くぜ一誠君、少し離れてないよッ!」

 

「俺も手伝うよ兄ちゃん!」

 

一誠君が【赤龍帝の籠手】を出して俺の援護をしてくれる、よっしゃ!

 

「「行くぜオラァッ!!!」」

 

 

バゴンッ!!!!!

 

 

「へ?ヌワァアアアアアア??!!!」バチーンッ!

 

俺達が吹っ飛ばした扉は中にいた嫌な気を持っている奴に的中した、見た目はホストみたいな格好している男で部室の端っこで伸びている

 

「よっしゃあ!」

 

「何が『よっしゃあ!』よ!()()()()が伸びちゃったじゃない!」

 

「らいざぁ?それってこの伸びてるホスト風の男ですか部長」

 

「いっててて・・・いきなり何するんだ―――おや?なんで人間なんかがここにいるんだ?」

 

ホスト風の男はいきなり喧嘩を売ってくる、こいつ多分沸点低いな・・・鎌かけてみるかな

 

「いやぁすいませんね、凄く弱そうにでしかも邪悪そうでしたのでねぇ・・・まぁ実際にただの扉なんかに伸びてましたしね!!!」笑

 

「弱そう・・・だと・・・?!」

 

「オルス君やめて!」

 

グレモリーさんがなんか言っているが関係ない、そこで後ろから木場君と小猫ちゃんの気を感じるようになった

 

「これは・・・フェニックスの紋章?」

 

「すいません部長、遅れました」

 

()()()()()()?あの神話に出てくるあの幻の不死鳥って言われているあのフェニックスですか?」

 

一誠君が言っているのは間違ってはいないんだろう、フェニックスなんて所詮ただの伝説、しかし伝説の堕天使やら悪魔やらがいるんだ、不思議ではないよね、でもフェニックスかぁ・・・

 

「「ぶははははは!!!」」

 

「何がおかしいんだ人間共!」

 

「いやぁ・・・そりゃ笑うよ!ねぇ兄ちゃん!」

 

「当たり前じゃん!だってそれさぁ、【()()()】でしょ?!」

 

『『『・・・は?』』』

 

俺達の笑いのツボが分からないの?!やっぱり悪魔のツボは分からないなぁ・・・

 

「や、焼き鳥・・・焼き鳥だとぉ!!!」

 

ホスト風の男は体から炎を舞い上がらせる、部室の空気がおびただしい速さで無くなっていきドンドンと熱気が辺りを包み込む

 

「おいおい、いきなりそりゃねぇだろ」

 

そう言って俺は瞬時に気を張ってみんなを守る、名前を付けるとしたら―――

 

【気の防御壁】(オーラバリア)ってところかな、んで焼き鳥君、さっさと炎を締まってくれないかな・・・ッ!」

 

「な・・・こ、この俺が・・・動けない・・・ッ!」

 

【気合眼】を使って炎を無理やり焼き鳥と共に完封する、取りあえず殴ってやろうとしたところからいきなり光が漏れる、この光は一誠君の部屋で見た光と同じ色をしていた

 

「おやめくださいませ」

 

()()()()()()?!どうしてここにいるの!」

 

グレイフィアと呼ばれた女性の気を探るととんでもない量の気があるのを感じ取ることが出来た、これは俺でも勝てないな・・・まぁ変に戦う理由もないしね

 

「それ以上おやりになるなら私がお相手いたしましょう」

 

「おっと、最強の女王と言われているあなたとやりあうのはゴメンだ、それならリアス、10日後だ、10日後に決着を付けよう、俺達悪魔の決着と言ったら・・・分かるよな?てかそこにいる2人の人間!お前らも出ろ!徹底的に潰してやる!!!」

 

「望むところよ!私たちの力を見せてあげるわ!!!」

 

そう言って焼き鳥君は帰っていく、気は感じなくなったため本当に帰ったんだろう

 

「んで?グレモリーさん、取りあえず理由を聞こうかな」

 

グレモリーさんが言うにはこうだ

 

・あの焼き鳥、ライザーは親のいいなずけ

・私はあんな奴と結婚しないで自分の好きな人と結婚したい

・でも私たちが結婚しないと悪魔のメンツが立たない

 

う~ん・・・話を聞いていてもそれって親を何とかしないと行けないんじゃ・・・

 

「兄ちゃん助けよう!」

 

「え?なんでそんなにやる気になっているの?」汗

 

なんか一誠君がすっごいやる気、てか絶対下心あるよね、鼻の下伸びてるしバレバレなんだけど?もうちょっと隠そうよ・・・

 

「まぁ俺も参加しますよ、あんなふうに馬鹿にされて黙ってるのはなんか癪ですし・・・」

 

「本当に?!ありがとう2人とも!それなら今から特訓よ!!!」

 

そう言ってグレモリーさんは何かの準備を始める、確かに『思い立ったが吉日』って言葉があるからね、なら俺達も家に帰って準備をしないと

 

俺達はその日から特訓をすることにした、特訓をするのはグレモリーさんの別荘でやるとのことだ、俺達はそこに向かうためにすぐに準備を始めたのだった

 



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第10話 サイヤと登山とfightingと

オルスvision start

 

 

「ねぇ!ちょ、2人とも行くのが早い!」

 

「道はこっちであってますよね?こんな道軽い軽い、なんならその荷物も全部持ちましょうか?俺にとってはいいトレーニングです」

 

「俺は兄ちゃんのトレーニングに毎日付き合ってますから、全然楽勝ですよ」

 

俺達は焼き鳥君が来たその日の次の日、つまり今日は山登りをしている、正確には山登りではなくグレモリーさんの別荘に行くのが今日の目的でそこでトレーニングをするらしい

 

「おぉ、ここですかね?」

 

「そ、そうよ・・・ゼェゼェ…ここが私の・・・ハァハァ・・・別荘で・・・ンッハァ・・・みんなで鍛える場所よ・・・」

 

「一誠君達早すぎるよ・・・ッ」

 

「もうちょっと・・・ゆっくり行っても・・・良かったじゃないですか・・・」

 

「・・・」←アーシアちゃん

 

みんなだらしないないぁ・・・こんなんでへばっていたら焼き鳥君に勝てないだろうに、まぁ俺にとってはいつもの修行を更に激しくすればいいだけだからね

 

「と、取りあえずはついたわ・・・ふぅ、さて、取りあえずみんな着替えましょう!私たちは2階で着替えてくるわね」

 

「分かりましたよー」

 

そう言って俺達男性陣は残った、木場も浴室の方に行って着替えを始めるようだがヒョコっと現れてこう言い放つ

 

「覗かないでね?」

 

「「覗かんわ」」

 

さて、俺達はいつもの格好で修行をするから関係ないけど・・・どうしようかな

 

「みんなを待っているのは暇だから先に俺達でトレーニングを初めてようよ!」

 

「その案いいね、んじゃ俺達は先に行こうかな」

 

俺達は外に出る、2人して簡単な準備運動を始める、俺達が簡単な準備運動をしてやることは1つだ

 

 

 

 

 

ドヒュウウウウウウウウウウウウウウン!!!

 

バシュンッ!!!!!

 

 

 

 

 

【本気の気の鎧】(オーラメイルverフルパワー)

 

【神滅具:赤龍帝の籠手】(ロンギヌス ブーステッド・ギア)

 

俺達は口角を上げて同時に言い放つ

 

「「さぁやろうか、今の俺はちょっと強いぞ?」」

 

 

 

瞬間、大気が震えた

 

 

 

オルスvision fade-out

 

 

リアス・グレモリー vision start

 

 

な、なんなの・・・あれは・・・?

 

「いいぞ一誠君ッ!この前よりずっと強いじゃないか!」

 

「兄ちゃんだって!本気を出してないくせによく言うぜッ!!!」

 

私達が着替えて外に出ようとするとテーブルに乗っていた水の入っているコップが震えているのが分かる、その瞬間いきなり衝撃波が飛んできて何事かと思って外を見てみれば・・・

 

「お、オルス君とイッセーってあんなに強かったの・・・?」

 

「しかもあれでお互い本気じゃないらしいですわ・・・」

 

私達・・・本当に追いつけるのかしら・・・心配になって来たわ・・・

 

「と、取りあえず部長、僕達も外に出ましょうよ」

 

「そうですよ、私は絶対にオルス先輩に追いつけるようになります」

 

み、みんなぁ・・・そうよね・・・部長の私がくよくよするわけにはいかないわよね!

 

「分かったわ!みんな一緒にがんばりましょう!」

 

『『『オーッ!!!』』』

 

 

リアス・グレモリーvision fade-out

 

 

オルスvision start

 

 

『Boost!』

 

「また2倍強くなったのか!いいねぇ!最高に燃えてくるよ!!!」

 

「さぁ兄ちゃん!verフルパワーだと俺の方が速いな!兄ちゃんの本気を俺に見せてよ!」

 

一誠君も言うようになったねぇ・・・なら俺だってその期待に応えようじゃないか・・・ッ!

 

 

 

 

 

ドヒュンッ!!!!!!

 

 

 

 

 

【本気の気の鎧第二段階】(オーラメイルverフルセカンド)ッ!まだまだヒートアップして行くぞ!!!」

 

「俺だって負けるもんか!!!」

 

『Boost!Boost!Boost!』

 

「そこまで!」

 

「「え・・・?」」

 

誰だよ・・・俺達の戦いの邪魔をする奴は・・・!

 

「それ以上やられると私たちが鍛えることが出来なくなるわ」

 

「た、確かに・・・ヒートアップしすぎたね・・・ちょっと抑えようかな」

 

そういって俺は【本気の気の鎧第二段階】(オーラメイルverフルセカンド)から【本気の気の鎧】(オーラメイルverフルパワー)へと出力を下げる、やっぱり本気に近い力を出すとサイヤ人の血が騒いで仕方がない、本当に抑えられなくなりそうだ

 

「よし、ならもう決まっているようなものじゃないのかな?」

 

「と言いますと?」

 

その言葉に姫島さんが問いかけてくる、だって相手が相手でもう決まっているようなものだしなぁ・・・

 

「まずはグレモリーさんと姫島さんで組手、2人とも攻撃魔法だったよね?まずは自分の魔力がどれぐらいあるかを把握しないと、木場君も小猫ちゃんもアーシアちゃんも同じ、自分の本気をまず知らないとね」

 

「確かに・・・それは言えているかもしれないね」

 

「てことでみんな俺と勝負ね」

 

『『『『『え・・・?』』』』』

 

え?なんでみんな困惑した表情でこっちを見るの?俺なんかおかしいこと言ったかな・・・

 

「兄ちゃん、兄ちゃんこそみんなとの力の差を考えようよ・・・汗」

 

「大丈夫大丈夫、勝負と言ってもみんなの得意分野だよ、木場君とならここの外を同時に走ってスピード勝負、アーシアちゃん達となら俺は気を、アーシアちゃん達は魔力を全力で高めてもらう」

 

「な、なるほど・・・」

 

「確かにそれなら私でも出来そうな気がします!」

 

そうと決まれば早速やらないとね、さて・・・いっちょ始めますか!

 

 

オルスvs木場 祐斗

 

 

「さぁやろうか木場君、本気でやらないと俺のスピードは越せないからね?」

 

「望むところですよ・・・先輩相手に手を抜くなんてもったいないです!

 

 

ready……fight!!!

 

 

ファイトの合図で一気に駆け出す、うん、なかなかのスピードだね

 

「良いスピードじゃないか、でもそれが君の本気かい?」

 

「まだ・・・まだッ!」

 

おっと、更にスピードをあげたか、俺の今の状態、【本気の気の鎧】(オーラメイルverフルパワー)についてこれるなんてね・・・手合せした時より早くなっているようだけど・・・これは相当特訓したようだね

 

「でもねぇ―――」

 

 

 

()()()()()()()()()()()()

 

 

 

「ッ??!!!」

 

俺は気を高めて【本気の気の鎧第二段階】(オーラメイルverフルセカンド)に一瞬で切り替える、結構疲れるけど一瞬で切り替えることぐらいは出来るからね。

 

「んじゃ俺は先に行かせてもらうよ、じゃあね♪」

 

ドヒュンッ!と音がして一気に木場君を追い抜く、俺がゴールした時には木場君は10秒ほど遅れて来た、でもこれぐらいならまだまだ強くなれそうだね

 

「流石オルス先輩・・・【騎士】(ナイト)の僕をあんな簡単に追い抜くなんて・・・」

 

「そうだねぇ・・・でも木場君はまだ強くなれるよ、それは俺が保証するさ♪」

 

「ッ・・・はい!」

 

さ、次は・・・グレモリーさん達かな?

 

 

WIN 兵藤オルス!

 

 

オルスvsリアス・グレモリー&姫島朱乃&アーシア・アルジェント

 

 

「よし、んじゃ始めましょうか」

 

「あらあら、オルス君はあの鎧は着ないのかしら?」

 

「確かに・・・私たちを見くびっているのかしらね?」

 

ん?どうやらお二人さんは勘違いしてるようだね・・・

 

「あれは俺がスピードや力、つまり接近戦をするときになる形態の1つなんです、気を高め合うこの勝負だとかえって邪魔になるんですよ、見くびっているわけではありません」

 

「なるほど・・・」

 

さぁ始めようかな・・・俺はゆっくりあげて最後に一気に上げる形でいこう

 

 

Ready・・・fight!!!

 

 

「ハァアアアアアアアアアアアア・・・ッ!!!」

 

「行くわよ2人とも!力を合わせてオルス君に勝つのよ!」

 

「はい!」

 

「行きますよぉ♪」

 

俺が高めたと同時に3人で魔力を高め合う、でもそれが間違いだって気づいていないようだね

 

「な、何故なの?!」

 

「ち、力が抜けますぅ・・・」

 

「あらあら・・・おかしいですわね・・・」

 

「当然、そもそも3人は魔力の性質が違うんですよ、グレモリーさんは消滅、姫島さんは雷、アーシアちゃんは回復、表面だけの融合じゃ合体は出来ません」

 

俺のアドバイスで3人は別々に、高めることに決めたようだ、でも3人に分散しても結局は俺に勝てなかった

 

「や、やっぱり負けてしまったわ・・・」

 

「悔しいです・・・」

 

「どうしたら勝てるのかしら・・・?」

 

「俺は【()()()()()】としか言ってません、もっと深いところ、つまり自分の魔力の根源ですね、元は同じ魔力なのでそこに到達出来れば俺に勝つことも出来ますよ」

 

なるほどと言って3人はそれぞれの特訓に取り掛かる、次は一誠君と小猫ちゃんかな?小猫ちゃんには俺と一誠君の試合をゆっくりでいいから読み取れるようにしてもらいたいな

 

 

WIN 兵藤オルス!

 

 

「さ、次は小猫ちゃんと一誠君だよ」

 

「やっと俺の番だ!絶対に勝つぜ!」

 

「待っていました、手取り足取りお願いします」

 

一誠君は滅茶苦茶やる気に満ちている、でも一誠君には悪いけど小猫ちゃんを鍛えるほうが先決なんだよね・・・

 

「えー?!そりゃないよ兄ちゃん!」

 

「まぁまぁ、今夜俺と一緒にやり合おうよ、そこでさっきの決着を付けようね」

 

一誠君をなだめて俺達は構えを取る、良い構えだね、これはやりがいがありそうだ

 

「それじゃあ小猫ちゃん、俺達の動きを少しでもいいから読んでみるんだ、まずは本気じゃなくてこの状態、俺は普通の、一誠君は神器を出すけどBoostは3回までの勝負で大体互角ぐらいだからね」

 

「分かりました」

 

「行くぜ兄ちゃん!」

 

こんな調子で俺達の特訓が始まった、最初の1日目はこんなもんでいいだろう、2日目はもっと激しく行く予定だけど大丈夫かな・・・

 

俺はそう思って眠りについた、起きた後に昨日の夜に一誠君がなんか吹っ切れたようだけどあとで聞いてみようかな・・・

 



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第11話 サイヤと力と暴走と

オルスvision start

 

 

「ん……朝かな……起きて鍛えよう……」

 

朝起きて布団をたたむ、一誠君は・・・あれ?いないな、もう起きて鍛えているのかな?

 

「ふぁ・・・ってここにもいない・・・まぁいいや、俺は自分も鍛えないといけないからこの時間は大切にしないとね」

 

そう言って俺は【気の鎧IN腕足第二段階】(オーラメイルverアームレッグmark2)を纏う、さて・・・

 

「この段階からどうやって進化するかだよね・・・」

 

正直なところこの段階からの進化のヴィジョンが見えない、ただやみくもに気を高めたってそれは俺自身の体から溢れるだけ、今の状態から更に気を体に纏わせるか・・・果たしてそんなことが出来るだろうか・・・

 

「まぁ、物は試しだよね・・・ッハァアアアアアアアア!!!!!」

 

本気を出して気をためる、やはり漏れるよね・・・だけど関係ない、このあふれ出る気を・・・制御(コントロール)するんだッ!

 

「ングググググゥッ!!!!」

 

痛い・・・体内で灼熱の蛇が這いずり回っているようで気持ちが悪い・・・ッマズイ・・・サイヤ人ノ・・・本能ガ・・・顔ヲ・・・!

 

『ンガァアアアアアアアアアアアア!!!!!!!』

 

ついに・・・俺の中のサイヤ人が―――

 

 

 

()()()()()()()()()

 

 

 

オルスvision fade-out

 

 

一誠vision start

 

 

『ンガァアアアアアアアアアアアア!!!!!!!』

 

「ッ?!え?!何?!何が起きてんの??!!!」

 

俺は兄ちゃん?らしき声で飛び起きる、でも兄ちゃんがこんな声を出したことなんて一度もなかったのに・・・それになんだか嫌な予感がする・・・何故だか分からない、でも俺は外に出ないといけないような気がしてならなかった、勿論【赤龍帝の籠手】を出してBosstを発動させながら

 

「え・・・?にい・・・ちゃ・・・ん・・・?」

 

俺が見た光景、それは自分の力を抑えれらなくなり、暴れ狂った兄の姿だった・・・

 

でもあれは不味い、本当に不味いだろあれは!!!

このままだと屋敷ごとみんなが消し飛ばされちまう!

 

「取りあえず・・・止まってよ兄ちゃん!」

 

『ンギャアアアアアアアアアアアアア!!!!!』

 

目は白くなり理性を失っている兄ちゃん、あれじゃまるで猿じゃないか・・・ん?()・・・?

 

俺はあることを思い出す、それは兄ちゃんが来た日、俺が兄ちゃんを見つけて家族になった日に聞かせてもらった話だ

 

 

―――回想―――

 

 

『そういえば兄ちゃんって尻尾が生えているよね、それって本物なの?』

 

『ん?ああこれね、そうなんだ、俺の意思で動くし俺の弱点でもある』

 

『やっぱり兄ちゃんにも弱点ってあるんだね』

 

『当然だよ、俺はこの尻尾を握られたら力が抜けてしまうんだ、まぁ触らせる気はないけどね』

 

 

―――回想終了―――

 

 

「そうか!尻尾だ!」

 

思い出した!尻尾を握ってしまえば俺の勝ちだ!でも兄ちゃんはいつも尻尾を服の中に締まっているからな・・・俺だけじゃ出来るかどうか・・・そもそも兄ちゃんのスピードについていけるのか・・・?

 

「どうやら困っているようだねイッセー君」

 

「え?」

 

声のした方を見ると木場がそこに立っていた、いつからそこにいたんだあいつ

 

「僕も一緒にやるよ、僕にとってもいい鍛え方になる」

 

「木場・・・全く、お前は本当にイケメンだな、イケメン過ぎて妬いちまうぜ・・・」

 

俺はため息を吐いて構える、さぁ、行くぜ・・・ッ!!!

 

「いいか木場、兄ちゃんの攻撃のほとんどは俺が受ける、その隙に兄ちゃんの後ろにある尻尾を握れ、それが兄ちゃんの弱点だ」

 

「尻尾?オルス先輩はまさか人間じゃ・・・」

 

『ンガァアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!』

 

「っと、喋っている暇はなさそうだぜ!!!」

 

兄ちゃんがこちらに向けて一気に突進してくる、いつもよりずっと速ぇ・・・!

 

「まずは一発だ!くらいやがれぇ!!!」

 

拳を兄ちゃんに向けて撃ち放つ、拳を拳で受けたが大砲のような一撃が俺を襲う、一発一発が大砲のような一撃のせいで俺の拳も痺れる

 

「んな・・・兄ちゃんは本気でもこんな力はなかったはず!」

 

「イッセー君、オルス先輩の体を見てくれ」

 

「体・・・?」

 

俺は兄ちゃんの体をマジマジと見る、一見見れば【本気の気の鎧】(オーラメイルverフルパワー)だが・・・あれ?!後ろにブースターみたいなのが付いてる?!

 

「どうやらオルス先輩は進化したみたいだね・・・」

 

「まさか理性を失ってまで進化してるなんてな!やっぱり戦闘民族サイヤ人は伊達じゃないぜ!」

 

「そういえばオルス先輩やイッセー君は()()()()()()()()って言っているけど・・・人間ではないのかい?悪魔でもそんな種族は聞いたことないし・・・」

 

まさか戦闘民族サイヤ人が分かっていないなんてな・・・取りあえず簡単な説明だけはした、それでも兄ちゃんが暴れ狂う攻略にはならないけどな・・・

 

「おま………え………は………ッ」

 

兄ちゃんの方から声が聞こえる、顔を見てみると半分は白目、半分は黒目とだいぶ器用なことになっていた

 

「お前………はぁ………戻れぇええええええええ!!!!!!」

 

兄ちゃんの自力の気合によってなんとか暴走は収まった、あの状態から自分を取り戻すなんて・・・なんて精神力の強さだ!

 

「ふぅ・・・心配かけたね2人とも」

 

「本当だよ!まったく・・・なんであんなことになったのさ?」

 

「それは僕も気になります、話してくれませんか?」

 

 

一誠vision fade-out

 

 

オルスvision start

 

 

「あれは俺自身が進化しようとしてたんだよ」

 

「そうなの?でもなんかブースターみたいなのが背中に付いていたし・・・あれは進化とは呼べないの?」

 

ブースターか、確かに滅茶苦茶早かった気もするけど・・・俺の中だとあれは進化とは呼べないかなぁ・・・

 

「名前を付けるとしたら・・・【本気の気の鎧IN推進力】(オーラメイルverプラスブースター)ってところかな、確かに速さは比べ物にならないだろうけど・・・」

 

「ま、また速さで・・・」汗

 

木場君がOh………となっているが・・・なんか申し訳ないことでもしたのかな?

 

「兄ちゃん・・・」

 

なんか一誠君がすげぇ憐れんだ目で見てくる!なんで?!俺なんかしたの?!

 

「あ……れ……?」

 

や、やばい・・・力・・・がぁ・・・

 

ここで俺の視界はシャットアウトした

 



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第12話 サイヤと涙と休憩と

オルスvision start

 

 

「んあ・・・?」

 

「あ!兄ちゃん目が覚めたんだね!」

 

一誠君が心配そうにこちらを見てくる、外を見れば天気は夜中だ

 

「一誠君、今は何時ぐらいだ?」

 

「今は21時ぐらいだね、3日も寝ていてみんな心配してたんだよ?」

 

「え」

 

み、3日?!そんなに寝てた・・・だって?!

 

「よし!今から3倍鍛える!!!」

 

「え?!ちょ、何言ってんの!寝込んでいたのにいきなり動けるわけないじゃん!」

 

「ええい離せ!俺は鍛えるんだ!離せえええ!!!」

 

「どうしたんだい!」

 

「どうしたのよ!」

 

木場君やグレモリーさん達が慌てた様子で部屋に入ってくる、不味いな、このままだと取り押さえられてしまう!

 

「集まってきてなんて厄介な!ハァアアアアアアア!!!」

 

ドヒュンッ!という音と共に俺は昨日習得した【本気の気の鎧IN推進力】(オーラメイルverプラスブースター)を纏って外に出ようとした、しかし―――

 

 

 

パァンッ!

 

 

 

「え・・・?」

 

いきなり小猫ちゃんに平手打ちをされた、叩かれたのは俺なのになぜか小猫ちゃんが涙を浮かべている

 

「何で休もうとしないんですか?!」

 

「こ、小猫ちゃん・・・?」

 

「もう休んでくださいよ!もう十分じゃないですか!そんなに自分を痛めつけて何になるんですか!そんなに痛いのが好きなんですか?!だったら私が今ここでやってあげます!」

 

「ちょ、小猫ちゃん!!!」

 

一誠君達が小猫ちゃんを止めようと駆け出すがもう遅い、その拳を喰らう俺は―――

 

 

 

()()()()()()()

 

 

 

オルスvision fade-out

 

 

小猫vision start

 

 

「え・・・?」

 

私が放った拳はオルス先輩のお腹に深々と刺さった、しかも感触としては普通の生身、オルス先輩が言っていた気の鎧、()()()()()()()()()()()()

 

「ガハ・・・ッ」

 

「兄ちゃん!!!」

 

「わ、私はそんなつもりじゃ・・・!」

 

私の目から涙がこみ上げてくる、自分が好きな人が血を吐くぐらいの力で殴ってしまった、私は目の前で自分が起こした現実を認められないでいた

 

「ははは・・・イテェ・・・なぁ・・・」

 

「先輩っ!!!」

 

「こんなに心に来る痛みは・・・初めてだなぁ・・・ハハハ・・・」

 

先輩は何でそんなに笑えるんですか・・・私が殴ったのに・・・血が吐くぐらい殴って凄く痛いはずなのに・・・ッ

 

「小猫ちゃん・・・そんなに自分を責めないで・・・?悪いのは俺なんだ・・・」

 

違う、違うのに・・・私が自分のわがままで先輩を殴って・・・

 

「いいや、これについては兄ちゃんが悪いね」

 

「イッセー?!何を言い出すの!」

 

部長の言っている事は私自身も痛いほど理解できた、なぜなら悪いのは私なの―――

 

「いや、これは俺が悪いよ」

 

 

小猫vision fade-out

 

 

オルスvision start

 

 

ふぅ、やっと普通に喋る事が出来るぐらい回復したね・・・

 

「みんなに心配かけてしまって悪かったよ、俺はもう大丈夫、今日はもうゆっくり休ませてもらうさ」

 

「まったく・・・世話のかかるお兄様だよ」

 

「せん・・・ぱい・・・?」

 

小猫ちゃんが泣きそうな顔でこちらを見てくる、確かこんな時は・・・

 

俺は小猫ちゃんの事を抱きしめた

 

「え?!お、オルス先輩?!/////////」

 

「ごめんね小猫ちゃん、どうやら君に1番心配を書けたみたいだ・・・」

 

母さんに言われた通りに抱きしめた、『女の子が泣いている時はギュッと抱きしめてあげなさい』、それが母さんが言っていたことだ

 

「本当にすまなかった、みんなにも本当に心配をかけたね、だから俺はもう休むよ、これでいいでしょ?」

 

「兄ちゃんやっと分かったようだね、まったく・・・」

 

そう言って俺はもう1度寝なおした、衰退しきっていた俺は途中で起きることもなくグッスリ寝ることが出来た、結局俺がグレモリーさんの別荘から出られたのは5日後、つまりトレーディングゲームと呼ばれるゲームが始まる当日だった

 

 

―――当日―――

 

 

当日はグレイフィアさんが準備してくれた魔法陣で移動するみたいだ、その際にグレイフェアさんが魔王様も見ていると言ってグレモリーさんが酷く驚いていた、ならあの焼き鳥君にかますしかないよね

 

「やあリアス、それとその眷属と人間、この日をどんなに待ちわびたことか・・・」

 

焼き鳥君がなんかほざいているけど関係ない、みんなは自信満々だ、絶対に負けるはずがないと思っているだろう、一誠君以外は

 

「いいかいみんな、【どんな勝負でも気を抜くな】、絶対慢心してはいけないよ」

 

「分かっているよ兄ちゃん、それで足元救われたらおしまいだもんね」

 

「そうだぜ一誠君、んじゃ宣戦布告しようか、もう言いたいことは分かるね?」

 

一誠君にそう言ったら頷いてこちらを見る

 

「「覚悟しろよ焼き鳥共が、お前らは俺らには勝てないぜ」」

 

「1度ならず何度も何度も・・・ッ!」

 

「ライザー様をバカにしたー!」

 

「そんなあなたは死んじゃうべきー!」

 

「よくも()()()()・・・!」

 

「どうやら死にたいらしいな・・・!」

 

ライザー君をバカにしたら眷属らしき女の人たちがこちらに明確な殺意を向けてきた、これはお返ししないと失礼かな・・・?

 

『覚悟しろよ・・・この前のようには優しくねぇぞ・・・ッ!!!』

 

この前顔を出したサイヤ人の本性、それを少しだが見せた、俺自身が暴走したあの日、あの日から少しずつだけど出すようにした、じゃないと俺の中のサイヤ人がまた暴れ狂ってしまうと俺が思っているからだ

 

「おっと、この濃厚な殺意の中よく立ってられるね、君の眷属たち凄いじゃないか」

 

「お、お前は・・・本当に・・・人間なのか・・・ッ!!!」

 

ライザー君が心底驚いたような表情でこちらを見てくる、人間・・・ねぇ・・・もうこれを言ったのは何回目かな・・・

 

「俺の名はオルス・・・誇り高き戦闘民族サイヤ人・・・ッ」

 

 

 

『兵藤オルスだぁああああああああああああ!!!』

 

 

 

瞬間、魔方陣が輝き始めて戦闘が始まった、手加減・・・?

 

 

 

―――()()()()()()()()()()()()―――

 

 

 

Let's Fight RatingGame VS phoenix name Raiza phoenix………

 

 

 

Start!!!

 



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第13話 サイヤとバカと眷属と

オルスvision start

 

 

「まずはライザーの【兵士】(ポーン)【撃破】(キャプチャー)しないといけないわね、相手の兵士が全員【昇格】(プロモーション)したら厄介だわ……」

 

え?きゃぷちゃあ?ぷろもおしょん?何それ、俺チェスとかしないから全くルールわかんねぇ・・・

 

「グレモリーさん随分と余裕ですね」

 

「当然よ、今回の私は湧水のように作戦が湧いてくるのよ」

 

あ~あ、慢心するなって言ったのに・・・これは従うだけ無駄か・・・?いや、今回は従おうかな・・・

 

「レーティングゲームは地形を知っていると有利に戦えるわ、祐斗、地図を」

 

木場君はグレモリーさんに言われて地図を広げる、まぁ俺達がいつも通っている学校だからね、地図ぐらい・・・ってだとしたら地図いらなくない?

 

「私たちの本陣周辺には森があるわね、これは私たちの領土だと思っていいわ、逆に新校舎はライザー達の領土、この辺ね、この辺はライザー達の領土だと考えていいでしょう」

 

「そこまで分かっているんだったら攻めてもいいんじゃないですか?相手はこっちが新校舎ルートに行くほど馬鹿だとは思っていないでしょう」

 

「そうね、だったら旧校舎寄りの体育館を【落としましょう】、ここを落としてしまえば新校舎までにルートを確保することが出来るわ」

 

グレモリーさん達の作戦は決まったようだ、まずは体育館を落とすらしい、んじゃまずは準備運動から始めようかな・・・

 

「んじゃ壊してくる!まぁ・・・1分ってところかな、すぐ戻ってくるよ」

 

「え?!お、オルス君?!」

 

俺は外に出て今日初めての気の解放【本気の気の鎧IN推進力】(オーラメイルverプラスブースター)を纏う、俺は鍛えることが出来なかった分、ずっと考えていた、つまるところはイメージトレーニングだ、俺のイメージの1つ、それは―――

 

「ふぅ・・・ド・・・ラ・・・ゴ・・・ン・・・ッ!」

 

この溢れる推進力、これを()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「波ァアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!」

 

威力は当然絶大、ただでさえ速いドラゴン波を溢れる推進力で更に重く速く強化したのだ、放たれたドラゴン波は体育館に見事にぶち当たり、体育館は粉々になってしまった

 

「はい!準備運動終了!」

 

「ちょっと!何を勝手にしているの!私の計画が無駄になっちゃうじゃない!!!」

 

グレモリーさんがぷりぷりしながら怒ってきた、さすがに準備運動で体育館破壊はやりすぎたかな?

 

『ら、ライザー・フェニックス様の【兵士】3名、【戦車】1名、戦闘不能!』

 

審判役のグレイフィアさんの声が震えている、悪魔でもないやつが体育館を1撃で壊したのだ、警戒するものいいとこだろう

 

「あぁ・・・兄ちゃんならやると思った」

 

「イッセー君は分かっていたのに止めなかったんだね・・・」汗

 

一誠君と木場君が凄い困ったような顔でこちらを見てくる、俺そんなにおかしいことでもしたかな?

 

「ま、まぁいいわ・・・体育館がオルス君に破壊されたのは予想外だったけどそれ以外は作戦通りよ!さあ行きなさい!」

 

『『『はい!』』』

 

へぇ、俺が体育館を破壊したあの1分間でもう作戦を決めたんだ、やっぱり頭脳の人って考えることが凄いよね

 

「オルス君は・・・ここで待機をお願い」

 

「俺は待機ですか?俺も一緒になって戦いたいのに・・・」

 

「お願いだからここにいて、作戦が全て無駄になっちゃう」

 

グレモリーさんが真顔でこちらを見てくる、え?そんなに俺って酷いの?

 

 

オルスvision fade-out

 

 

一誠vision start

 

 

「兄ちゃんいきなりやらかしたなぁ!!!体育館をドラゴン波でぶち壊す人間なんて見たことないわ!!!」

 

「イッセー先輩声が大きいです!でも大丈夫ですよ、私も見たことありませんから!

 

俺達がそんなことを話しているといきなり上からいきなり爆発が襲ってきた、いや爆発が襲ってくるって何?!

 

「あら、私の爆発を避けるなんて……いい反応速度してるじゃない」

 

「あの人は確か・・・【爆発王妃】(ボム・クイーン)でしたかね?」

 

小猫ちゃんがそういうとその爆発王妃と呼ばれた女性が小猫ちゃんに向けて爆発を撃ち放つ、かろうじて朱乃先輩が障壁を張ったから大丈夫なようだ

 

「私はその二つ名はセンスがなくて好きではないのですよ、やめてもらえます?」

 

「それは悪かったですわね、でもあなたのお相手は小猫ちゃんではなくこの私ですわよ?【爆発王妃】(ボム・クイーン)さん」

 

朱乃先輩がそこにすかさず煽りを入れる、相手の【女王】(クイーン)は額に漫画でよく見るような怒りマークを付けて朱乃さんを睨み返す

 

「ここは私に任せてくださいね♪イッセー君達は木場君の所に行ってください」

 

ここは朱乃さんに任せて俺達は進んだ、後ろからドゴーン!やバリバリバリィ!と音が聞こえるが気のせいだろう、いや気のせいであって、怖いから

 

『ライザー・フェニックス様の【兵士】3名、戦闘不能!』

 

グレイフィアさんのアナウンスで自分たちが木場の元へと近づいているのが分かる、このもやもやしているオーラみたいなものが気ってやつかな?木場の気配を感じる

 

「木場先輩がいるのはここら辺だと思います」

 

「そうだね……小猫ちゃん、木場が何処にいるのか知りたくないかい?」

 

俺の言葉に小猫ちゃんは首をかしげる、それもそうだろうここは体育倉庫の近く、隠れられる場所は限られるだろう、()()()()()()()

 

「後ろにいるのがバレてんぞ、木場」

 

「見つかっちゃったかぁ・・・イッセー君もオルス先輩みたいなこと出来るようになって来たよね」

 

当然だろ、俺は兄ちゃんのトレーニングに毎日付き合ってんだぜ?逆にここまで出来なければ兄ちゃんに呆れられてしまう

 

「木場先輩、今のここの現状を聞かせてもらってもいいですか?」

 

「ここを仕切っているのは【騎士】、【戦車】、【僧侶】が1人ずつだよ」

 

「つまり3人ってことか」

 

体育館のルートを潰したってことは残されているのは運動場のルート、そこを警戒するのは当然だろう、ここら辺で俺と小猫ちゃんと木場で一緒に行動するかを決めようとしたその時―――

 

「もうこそこそと腹の探り合いをするのももう飽きた!私はライザー様に仕える【騎士】カーラマイン!リアス・グレモリーの【騎士】よ!いざ尋常に剣を交えよ!!!」

 

え、なにあの子、アホ?アフォ?アッホなのかな?場所は運動場・・・装備しているのは甲冑か・・・てかこれ木場が呼ばれているんだよな?木場だってそこまでバカではないだろうし―――

 

「名乗られてしまったら隠れているわけにもいかないよね、【騎士】としても【剣士】としてもね」

 

そう言って体育倉庫の影から出て行ってしまう木場、あいつも同類か・・・

 

「こっちにもアホな奴がいたな・・・」

 

「……仕方ありません、私達も行くしかないと思います」

 

諦めた表情で立ち上がる小猫ちゃん、うん、諦めているのは仕方ないよね、まぁ剣士としては仕方ないのかな?でもこっちにまで被害を持ってくるのはやめてほしいけどな!!!

 

「僕はリアス・グレモリーの眷属、【騎士】木場祐斗」

 

「同じく【戦車】搭城小猫です」

 

「俺は・・・兵藤一誠だ」

 

正直名乗るのは得策ではないと思っていた、あっちのアホやこっちのアホに付き合う必要はないからな、カーラマインと名乗っていたあの()は嬉しそうに口を開いた

 

「リアス・グレモリーの眷属にお前たちのような戦士がいたことを嬉しく思うぞ、敵に言われて正面から来るのなんて正気の沙汰ではないからな!」

 

勘違いしないで、そんなバカなことしたのはこいつ(木場)だから、頼むからその戦闘狂(仮)みたいなのに俺達を巻き込まないで、切実に

 

「だがな・・・私はお前たちのようなバカは大好きだ!!!さあ構えよ!」

 

やっぱあちらの娘さんの方がバカだった

 

「【騎士】同士の戦い待ち望んでいたよ、個人的には素早い斬り合いを望みたいところなんだけどね」

 

お前ら戦闘狂(仮)じゃねぇな、戦闘狂だったわ

 

「強気の姿勢も嫌いじゃない!さぁ行くぞ!リアス・グレモリーの【騎士】よ!!!」

 

「こちらも行かせてもらうよ、ライザー・フェニックスの【騎士】!!!」

 

そう言った2人の剣技は見事なものだ、打ち合いを見るだけならカーラマインの方が有利だろう、しかし木場は様子見もかねてなのか余裕の表情をしている

 

「やっぱりあいつら戦闘狂だな」

 

「大丈夫ですイッセー先輩、オルス先輩の方が戦闘狂です」

 

 

 

「はっくしゅんッ!ん~・・・誰か俺の噂でもしてんのかな?」

 

 

 

兄ちゃんがクシャミをしていたような気がするが気のせいだろう、その気のせいを頭から忘れているうちにどこからか声が聞こえてくる

 

「まったく・・・頭の中まで剣、剣、剣、頭の頭の中は剣でしかないのかしら?カーラマインったら【兵士】を犠牲にするときも渋い顔をしていましたし・・・主である【王】(キング)の戦略が嫌いなのかしら?」

 

声のする方を見るとお姫様みたいなドレスを着こんだ女性がいた、確かあの子は・・・【僧侶】のレイヴェル・フェニックス、ライザーの妹だったはずだ

 

「どうやら(わたくし)の事を知っているご様子ですわね」

 

「あぁ知ってるぜ、焼き鳥の妹様だろ?」

 

「ふwwwwwwwや、焼き鳥wwwwwwww」

 

小猫ちゃんが横で吹き出した、俺にこれを言われたレイヴェルは顔を真っ赤にして怒り出す

 

「誰が焼き鳥ですか・・・誇り高きフェニックスを・・・ッ!」

 

「まぁまぁ落ち着けって、俺が焼き鳥って言ったのはお前のお兄様だよ、別に君に言ったわけじゃないさ、気を悪くしたらゴメンな」

 

そういってレイヴェルの頭をなでる、気持ちよさそうにしているが・・・この子本当にフェニックス?猫の間違いなんじゃないかな

 

そんなこんなで俺がレイヴェルと遊んでいると木場たちの戦いの空気が変わったのが感じ取れた

 

「残念だが・・・貴様の【神器】では私に勝つことは出来ない」

 

カーラマインの剣は炎を纏ってゆらゆらと燃えている、木場の方を見れば闇の剣が折れててしまっている、なるほど、これが原因か

 

「じゃあ僕も言わせてもらおうかな、様子見はここまでだよ」

 

「何を言っている、戯言は剣士として―――」

 

「凍えよ」

 

木場の低い声が辺りに響く、刀身を無くした木場の剣に何かが集まりだす、周りの気温が急激に下がっていき、その冷気は木場にも漂い始めた、集まった冷気は木場の剣を固めていき、ついにはパリィンと氷の割れるような音が響いた

 

【炎凍刀】(フレイム・デリート)、この刀の前ではどんな炎も消え失せるよ」

 

「ば、バカな?!貴様は【神器】を2つ所持すると言うのか!!!」

 

炎の剣を構え直し木場に問いただすカーラマイン、顔にあるのは焦りの表情だ

 

「言ったよね?この刀の前ではいかなる炎も消え失せるって」

 

木場の呟きの後、カーラマインの剣は徐々に凍り付いていき、次第には音を立てながら刀身が砕け散っていった、それを見たカーラマインは持ち手を捨てて腰に刺さっていた短剣を取り出し、それを天高く掲げて叫んだ

 

「我ら誇り高きフェニックス眷属は炎と風命を司る!受けよ!炎の旋風を!!!」

 

短剣を掲げたカーラマインを中心に炎の渦が巻き起こる、巨大な炎の渦は木場が作り出した【炎凍刀】(フレイム・デリート)を溶かしていくのには十分の熱量だった

 

「おいおい、木場の方は大丈夫か・・・?」

 

「心配ないと思いますよ、木場先輩は強いですから」

 

小猫ちゃんが木場の事を信用しているなら大丈夫なんだろう、だがそれを横目にレイヴェルが呆れたような顔をしている

 

「まったくカーラマインったら・・・周りの事も考えて欲しいものですわ・・・」

 

確かにこの熱量では周りの温度は急激に上がり危険だろう、悪魔である小猫ちゃんや木場はまだいい、俺人間なんだけどなぁ・・・

 

「なるほど、熱風で蒸し焼きにするつもりだね・・・だけど甘いよ」

 

もう完全に溶けてしまった持ち手を前に突出し、強い言葉を口から吐き出す

 

「止まれ熱風よ」

 

その一言で熱風が完全に止まった、いや、止まったというよりはゆっくりと木場の方に集まりだした、少し経つと熱風は全て木場の方に集まり完全に消え失せてしまった

 

【風凪刀】(リフレックション・カーム)、一度の戦闘で2本以上の魔剣を出したのは久しぶりだよ」

 

確かに刀身を見ると奇妙な形をしている、あれはもはや剣と言えるのだろうか?だが能力の方は凄いと言えよう

 

「複数の剣・・・神器の所有者から剣を奪って自分の獲物にしているタイプの神器所有者か?」

 

カーラマインの質問に木場は顔を横に振る

 

「僕は複数の【神器】を所有していないしそんな野蛮なこともしてないよ、創ったのさ」

 

「創った・・・だと?」

 

「そうだよ、僕の持っている【神器】は【魔剣創造】(ソード・バース)、僕は自分の意志で魔剣を作ることが出来るんだよ」

 

そういえば木場の神器の名前初めて聞いたな、かっこいい神器持っているじゃないか

 

木場が指を鳴らす、木場を中心にグラウンドから剣や刀が飛び出した、形も刀身も大きさも全て違うようだ、あれが全て魔剣だと思うと恐ろしいな、それに魔剣を創る、つまりは自分の思い描いた魔剣を創ることが出来るということだろう、恐ろしいわ

 

「そうか・・・貴様は魔剣か・・・奇妙なものだな、私は特殊な剣を使う剣士と争い合う運命なのかもしれんな」

 

「へぇ、僕以外にも魔剣を使う戦士がいたのかな?」

 

木場はニヤリとしながら問う、しかしカーラマインから帰ってきた答えで木場の雰囲気がガラリと変わる

 

「いや、魔剣ではない・・・()()だ」

 

「ッ!!!」

 

聖剣、その言葉を聞いて木場の顔が強張る、見た感じだと相当な恨みがあるらしい・・・おかしいな、俺ってこんなに物事を考える性格だったかな・・・うん、兄ちゃんのせいだね

 

「君、その聖剣使いについて・・・聞かせてもらおうか・・・ッ!!!」

 

木場からの殺気がヤバい、もう殺気だけで人を殺せそうなぐらいの濃厚な殺気だ、その殺気を真正面から喰らってニヤリと笑うカーラマイン、あれ喰らって笑ってられるってやっぱりこいつ戦闘狂だわ・・・

 

「ほう?あの剣士と貴様は因縁があるらしいな、だが剣士同士だ、言葉で伝えあうのも無粋と言うものだろう、剣でお互い答えようではないか!!!」

 

「そうか……なら先に謝っておくよ―――」

 

 

 

―――()()()()()()()()()()()()()()()―――

 

 

 

その言葉で本気を出す木場、殺気は更に濃くなり相手は狂ったように笑いを上げる、もうこいつらは放っておこう、付き合っているとこっちが付かれる、それよりも―――

 

「これはこれは、()()()()()()ってことか・・・」

 

見たところ【兵士】が2人、【僧侶】は1人、【騎士】が1人か、この人数を相手に俺と小猫ちゃんで捌き切れるか・・・?

 

「ねぇねぇそこの人間君」

 

「ん?どうした?」

 

「ライザー様がね、あなたの所のお姫様と一騎打ちするんですって~、ほら、あそこを見て?」

 

女の子が指をさす方を見ると確かにあの焼き鳥が飛んでいる、うわぁ・・・

 

「お兄様は優しいですわね、リアス様が可哀そうだと思って情けを与えたのかしら?このままでは私たちが勝ってしまうのは確実ですものね♪」

 

レイヴェルがお姫様のように笑う、はぁ、ため息しか出ない、俺が心配しているのはリアス部長ではないのに・・・

 

「貴方達・・・1つ忘れていませんか?」

 

『『『???』』』

 

俺の言葉で焼き鳥の眷属達は顔をしかめるしかなかった―――

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

『『『ッ??!!!!』』』

 

刹那、焼き鳥のいる場所から叫び声が聞こえたのは言うまでもない

 

 

一誠vision fade-out



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第14話 サイヤと挫折と終了と

少し時は戻りオルスvision start

 

 

「オルス君、あなたのその強さはどこからきているの?」

 

え、いきなりどうしたんだろ、そんなこと言われても鍛えているからしか言えないんだけど、え、なに、俺どうすればいいの

 

「私は・・・正直言ってうらやましいわ・・・」

 

「・・・と言うと?」

 

そこからは長かった、だがグレモリーさんの思いも聞くことが出来た、正直なことを言ってしまうと最初は興味がなかった、俺にとってはいい修行になればいいな程度に思っていたからだ

 

「結局、グレモリーさんはどうしたいんですか?」

 

「?・・・どういうこと?」

 

「あの焼き鳥、ライザー君についてどう思っているかを聞きたいんですよ」

 

やっぱり俺は人の恋路に首を突っ込む運命にあるらしい、グレモリーさんの言いたいことは分かった、確かに好きじゃない相手とは結婚もしたくないだろう

 

「分かりました、その気持ちだけ聞ければ十分です」

 

「そうなの・・・?取りあえずは聞いてくれてありがとうね」

 

グレモリーさんとの会話はこれで終わり、俺は軽く準備をする、え?体育館を壊したのが準備運動じゃないかって?それはそれ、これはこれだよ

 

「さてと、気の方は・・・」

 

一誠君達はまだ大丈夫だね、木場君は・・・なんだあれ、殺気だけで人殺せそうなぐらい殺気立っているんだけど、何あれ怖い←お前が言うな

 

「小猫ちゃんも大丈夫そうだね・・・ん?この気・・・焼き鳥君かな?」

 

「焼き鳥・・・あぁ、ライザーね」

 

焼き鳥君の気配が新校舎から更に大きく感じ取れた、これは・・・まさかここに来るつもり?おいおい、たしかチェスって王が負けたら終わりなんでしょ?そんなことしていいのかなぁ・・・

 

「俺もそろそろ暴れさせてもらいます、さっきから血が騒いで仕方がないんで」

 

「えっと・・・オルス君・・・?」

 

この時の俺は人に見せれらないような好戦的な笑みを浮かべてたと思う、仕方ないよね、それが俺に流れる血なんだから

 

「やあライザー君、さっきぶりだね」

 

「……出来ることなら俺はお前に会いたくなかったがな、兵藤オルス・・・!」

 

おや?俺の名前を憶えていてくれたんだね、これは嬉しいことだ、大変喜ばしい、でもそれってもう意味がなくな―――

 

「・・・?」

 

「ど、どうした?兵藤オルス・・・」

 

俺は今何を考えていた・・・?ライザー君を・・・殺す・・・?おかしい・・・前までの俺はこんなことを考えていないはず・・・

 

「お、おい、本当に大丈夫か?!顔色が悪いぞ?!」

 

「いや・・・気のせいか、大丈夫、さぁ構えなよ」

 

今はそんなこと関係ない、このバトルを戦い抜くだけだ・・・

 

そう思いながら俺は気を解放してライザー君を殴る、みぞおちにクリティカルヒットしたせいでライザー君が悲鳴を上げた気がするが気のせいだろう

 

 

オルスvision fade-out

 

 

一誠vision start

 

 

「さぁどうする?お前らの王様はうちの兄ちゃんにボロボロにされるだろう、俺としては女の子は殴りたくない、いや、もっといい方法があったわ」

 

『『『???』』』

 

そう言って俺は力を込める、【赤龍帝の籠手】(ブーステッド・ギア)のBoost音が辺りに響いてフェニックス側の顔が強張る、よし、いくぞ・・・ッ!!!

 

【洋服崩壊】(ドレスブレイク)ッ!!!」

 

パァンッ!!!といい音がして―――

 

 

()()()()()()()()()()()()()()

 

 

『『『え・・・!キャアアアアアアアアアアアアア??!!!!!』』』

 

「イッセー君・・・」汗

 

「……変態」

 

ハッハッハッハァ!これぞ俺の考えた女性に対しての最強攻撃!【 洋 服 崩 壊 】(ドレスブレイク)!文字はそのままだ!これは女性の服を破壊する必殺技だ!!!やり方は簡単!自分の衝撃波に倍加した力を乗せるだけだ!

 

「このッ・・・変態ッ!!!」

 

「イッセー先輩は女の敵です、寄らないでください」

 

そんなのは分かっているさ!俺は元々駒王学園のエロの権化だ!

 

そんなことを思っていたら部長たちがいる方向からエネルギー波が飛んできた、あれ?!なんで?!こんなこと出来るのは兄ちゃん以外いないはず・・・いや、まさかね・・・?

 

 

一誠vision fade-out

 

 

オルスvision start

 

 

「まったく・・・」

 

「おい兵藤オルス、いきなり変な方向にビーム?を飛ばしてどうした?」

 

「大丈夫、俺の弟君の変態力が高まった気がしただけだから」

 

「変態力?!」

 

え?変態力だよ変態力、だって1年間も見たり止めたりしてると分かるようになるんだ、うん

 

「その変態力はいい!考えたような表情をしながら無言で殴りにかかるな!」

 

音を聞けばバシュッ!ズバンッ!ドガガガガガガッ!と音が聞こえてくる、これは俺がラッシュを続けているがライザーが腕や足を駆使して防いでいる音だ、まぁそれでも2発に1回は当たってるけど

 

「ぐは……もう1度聞くが……お前本当に人間か?どう考えても人間の許容範囲量を超えている・・・」

 

「あのねぇ、何回言ったら分かるの?俺は人間じゃない、戦闘民族サイヤ人なんだ」

 

「それは何回も聞いている、そのサイヤジン?てものが分からないんだ」

 

これも何回も説明しただけどなぁ・・・まぁ簡単でいいや

 

「簡単に言うとね、()()()()()()()()()()()()()と言えばいいかな?もっと言ってしまえば瀕死になってそこから回復すると更に強くなる、強くなるのは上限知らず、これが戦闘民族サイヤ人、俺という人だよ」

 

「それを聞くと頭が痛くなってくるぜ……だからと言って負けるはないけどな!!!」

 

そう言って今度はライザー君が俺に拳や蹴りを入れてくる、俺と長々と話していたら回復したようだ、う~ん・・・その回復力厄介なんだよな・・・

 

「おいおい!こっちが攻撃し始めたら防戦一方か?!さっきの勢いはどうしたァ!!!」

 

「勘違いしないでくれるかな?防御しかしてない訳じゃない、()()()()()()()

 

「なにぃ・・・?」

 

さて……狙ったところか・・・ッここだぁ!!!

 

「な・・・んだ・・・とぉ・・・?!」

 

バシッ!っといい音がして俺の拳がライザー君の体を撃ち抜く、当たった場所は腰の部分、わき腹だ

 

「ぐふ……何かと思えば、俺はフェニックスだぞ?体に穴が開いても意味はな―――」

 

「んじゃあ自分の体、穴の開いている部分を見てみなよ」

 

「?……ッ?!!!」

 

ライザー君が自分の体を見ている、普通なら驚くこともないだろう、()()()()

 

観客席にいる魔王様やライザー君の親御さんも驚いて目を見開いている、当然だろう、だって―――

 

「あいた穴が……()()()()()()()…ッ!!!」

 

「そうだよ、俺が穴をあけたところ、そこに俺の気を流し込んで傷と神経感覚を遮断したのさ、さて問題です」

 

俺の問題にフェニックス側や魔王様、しまいにはグレモリーさんでさえ顔を真っ青にする、まぁ、ちょっと考えれば分かるもんね

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「……ッ??!!」

 

俺の方はもうバッチリだ、いつでも頭に拳をぶち込める、俺が今体に纏っているのは【本気の気の鎧IN推進力】(オーラメイルverプラスブースター)、速さに特化したこの形態に速さで勝つのは無理に等しいと思う

 

「さぁ、どうする?このままだと―――()()()()それとも死ぬって感覚を味わってみたいかい?いい経験じゃないかな、フェニックスは不死鳥なんでしょ?だったらその感覚を味わってみるのも面白いろ思うんだけど」

 

「ッ……!」

 

ライザー君は苦虫を10匹は噛み潰したような顔になる、ここまでくれば自分のプライドもズタズタだろう、いや、ここは更に追い打ちをかけてやろう

 

「んじゃ分かった、俺はグレモリーさんに言ってこのゲームを辞退するよ」

 

「は・・・?」

 

「だけどさぁ、()()()()()()、だって自分の勝てない相手に辞退してもらって勝てるんだよ?本来なら俺と一誠君は悪魔じゃないからね、参加しろと言ってきたのはそっちだよ?なのにボコボコにされて挙句の果てには『負けてあげようか?』っていうこの状況、それでグレモリーさんと結婚出来て嬉しい?」

 

「そ、そんな……」

 

まぁ、こんなものでいいだろう、俺が考え付く限りのフェニックスの戦い方の1つ、心を折る、これが成功すれば戦意を失うと言っても過言じゃないだろう

 

「んじゃ俺は辞退するよ、最後まで頑張って―――」

 

「分かった!分かったから!俺達の負けでいい!!!」

 

勝ったッ・・・!!!

 

『ライザー・フェニックス様の降参により勝者!リアス・グレモリー様!!!』

 

「え・・・勝った・・・の?」

 

「兄ちゃん色々やらかしてた気がするなぁ・・・」汗

 

「イッセー君も同じようなものだよ」汗

 

「流石ですオルス先輩///」

 

「あらあら、まさか決着が着く前に勝ってしまうなんて、でも降参・・・?」

 

みんなで話しそうとすると新たにアナウンスが流れてくる

 

『尚、兵藤オルス様は魔王様の所に来てください、大至急です』

 

ちなみにこの話し合いは適当にあしらった、魔王様に目を付けられたら面倒くさいし

 

 

オルスvision fade-out

 



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第15話 サイヤと鬼と聖剣と

オルスvision start

 

 

「これが幼稚園生の時の一誠よ!可愛いと思わない?!」

 

「おぉ・・・これは中々」

 

「あらあらぁ、可愛いと思いますよ♪」

 

「はわわ……イッセーさんの幼稚園の姿・・・」

 

「へぇ、なかなか可愛いもんじゃないの」

 

俺達は今昔の一誠君のアルバムを見ている、幼稚園の頃や小学生の時、中学生の時など様々な姿の一誠君が写真として残っている

 

「ちょ、母さん恥ずかしいよ!」

 

「そうかしら?私は可愛いと思うわよ?」

 

「私もですわぁ♪これならもっと早い時期にお会いしていればよかったですわね♪」

 

「あれ?オルス先輩はいないんですか?」

 

「俺は一誠君が中学3年生の時にここに来たのさ、だから俺の写真は少ないんだよ」

 

思えばここまででもう1年も経つのかぁ・・・この世界に来てもう1年、そもそも何で俺がこの世界に来たのかも分からない、本当に何故俺がこの世界に来たんだろう・・・

 

「そういえば俺が兄ちゃんが俺と出会ったのはこの頃だったよね、最初はビックリしたんだよ、だって兄ちゃんが家の道端で倒れていたんだ」

 

()()()()()?ということはオルス君に親はいないの?」

 

「そうなんですよね、俺に親はいない、そもそも俺は記憶がないんだ、正確には親がいないんじゃなくて()()()()()()()()()の方が正しいかな」

 

その話を聞いてみんなの顔が一瞬暗くなる、やべ、余計なこと話しちゃった、話題を変えよう

 

「でもそのおかげで俺は一誠君や今の母さん、オカルト研究部のみんなと会えたんだ、そこは記憶がなくてありがたいかな♪」

 

「兄ちゃん・・・」

 

さてさて、アルバムはこれぐらいでいいかな、てかもう辛い、マジで辛い、え?何が辛いかって?いやだってさぁ―――

 

「オルスさん、イッセー君・・・これって・・・」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「おー!懐かしいな!この子とはよく遊んでいたんだよ!確かこの子が持っていた剣は―――()()、だったかな?」

 

「せい・・・けん・・・かぁ・・・ッ!!!」

 

「まぁまぁ落ち着こうか木場君、な?一回俺と男同士で散歩に行こうじゃないか、てことでちょいと木場君と散歩に行ってくる!」

 

取りあえず家から木場君を連れだす、散歩ををしていても殺気が落ちることはない、俺しょぼくれちゃいそう

 

「木場君に1つ聞きたい事があったんだよ、いいかい?」

 

「……なんですか?」

 

「何でそんなに聖剣が憎いんだい?よければ俺に聞かせてくれないかな」

 

実際にこんなことを聞くのは野暮というものだろう、だけど聞いておかないと今後の部活動に支障が出るかもしれない

 

「……僕は部長の【騎士】です」

 

「うんうん」

 

「死にかけている所を助けてもらいました、僕はそれに対しては恩義を感じています、ですけど……僕が聖剣を恨んでいる理由はその前です……ッ……僕が死にかけていた理由、それが……聖剣が関係しているんです……ッ!!!」

 

それが聖剣に関係していると・・・人の、いや悪魔か、まぁどっちでもいいけど恨みってのは本当に厄介極まりないものだからねぇ・・・

 

「よし!分かった!木場君俺と鬼ごっこしよう!」

 

「え……?鬼……ごっこ?」

 

なんかキョトンとした顔しているけどまさか鬼ごっこを知らないのか・・・?

 

「いや、知っていますけど・・・何故鬼ごっこなんです?」

 

「だってさぁ、そんな風に体にため込んでいても体に毒なだけだよ、だったら俺と一緒に本気の鬼ごっこをして発散しよう!ね?」

 

「オルス先輩・・・」

 

そんな話を聞きながら俺達は町はずれの山に来た、ここなら中々広いし地形も悪いところといいところがあるから鬼ごっこをやるなら面白いだろう

 

「よし!ルールを説明するよ!ルールは簡単!俺が先に逃げる、時間は30分だよ、逃げ切ったら俺の勝ち、捕まえたら木場君の勝ちだ、木場君が逃げる時も同様だよ、ね?簡単でしょ?」

 

「それぐらいなら・・・」

 

「よし!なら始めようか!もしも木場君が勝ったら俺も聖剣を壊すのを手伝ってあげよう、勿論みんなにばらしもしないさ、その代わり俺が勝ったらみんなに説明するんだよ?」

 

その条件を聞いて木場君は顔をしかめる、まぁ話したくないなら仕方ないよね、でもこれは一種の賭け事と一緒だ、俺だって負けるつもりはない

 

「んじゃ行くよ~、俺はハンデとして【気の鎧】(オーラメイル)系統は使わない、俺が逃げて10秒で探しに来るんだよ?」

 

ONIGOKKO ready……FIGHT!!!!!

 

俺は一瞬でそこから消えるように()()()、走ってないし飛んでもいない、歩いただけだ、そして木の裏側に隠れた

 

 

オルスvision fade-out

 

 

木場vision start

 

 

「……よし、10秒経ったね」

 

オルス先輩を見ていて思ったこと、それは驚くほど()()()()()()()、まるでそこにいないようにも感じる、いつもは荒々しいような戦い方をする彼だけど今はまるで別人に見える……

 

「そこかッ?!」

 

結果はスカ、つまり見失ってしまった、こうも簡単に見失うなんて悪魔としては恥ずかしい、だが今度は更に驚くようなことが起きた

 

「え……?な、何で―――」

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

「見失ったと思ったら今度は気配を感じる・・・でもまだ甘いのかな?そこら辺から少しだけど気配が強く感じ取れる……」

 

僕が近づいたと思ったらいきなり影が飛び出してきた!

 

「見つけた!!!」

 

僕は急いで駆け出した

 

 

木場vision fade-out

 

 

オルスvision start

 

 

「ふっふっふ、甘い、甘いぞ木場君よ・・・ッ!」

 

木場君が追いかけて行った俺は真っ赤な偽物、いつぞやに話した【残像拳】を使ったのさ、確かにあれも俺だけど俺であって俺じゃない

 

「さて、気でも探りながら俺は昼寝でもしようかな……zzz」

 

そう思いながら気の上で爆睡していた、結局木場君は俺の事を見つけることが出来なかった

 

「いや~!よく寝た!!!」

 

「え?!いや、ちょ、え?!」

 

はっはっはっは、カリスマブレイクしてるようだが関係ない、さてさて、今度は俺が木場君を捕まえる番だね

 

「よし、んじゃ木場君逃げてね~」

 

「分かりました、僕も手加減はしませんよッ!!!」

 

そのまま木場君は走り去っていった、さて―――

 

 

 

―――()()()()()()()()()()―――

 

 

 

オルスvision fade-out

 

 

木場vision start

 

 

「よし、ここまでくれば―――」

 

「見つからないと思ったかい?」

 

ここなら大丈夫だと思った、だが結果はどうだ、開始3秒で見つかってしまった

 

「ッ!!!」

 

「お、いい足してるじゃない、この前よりもまた早くなってるし」

 

ここなら―――

 

「甘い甘い、気配が駄々漏れ」

 

ここは?!

 

「あ、ゴメンね!お先に失礼してたよ!」

 

こっちは?!

 

「ん~、市販のオレンジでも中々美味しいよね」

 

「な、なんで……ッ?!」

 

なんでだ・・・なんで僕が行くところ全部に先輩がいるんだ?!

 

どこに行っても先輩は僕の目の前に現れる、木に登っても、山のてっぺんに行っても、湖に潜ってもどこにいても先輩は僕の目の前に現れる

 

「そろそろ30分経っちゃうから捕まえさせてもらうよ」

 

そこからの先輩の行動は早かった、僕が先輩を見失ったと思ったら後ろに衝撃が走る、後ろをゆっくりロボットのように振り返ると

 

「この速さを見切れないんじゃ聖剣なんて壊せないね、その聖剣使いがどの程度の実力を持っているか知らないけどね」

 

その姿はあった、衝撃が走るまで全く気付かなかった……!

 

 

木場君vision fade-out

 

 

少し時が経ちオルスvision start

 

 

「ほらほら気を落とさないで!」

 

「は、はぁ……」

 

めっちゃクチャ落ち込んでるやん、仕方ない、んじゃこの俺が珍しいことをしてあげよう

 

「よし!んじゃ俺がラーメンを奢ってあげよう!」

 

「え・・・?」

 

「えとはなんだい、えとは」

 

「いや、ですけどオルス先輩に悪いですし……」

 

そんなこと気にしていたのかぁ、別にバイトしてるから金は持ってるのに

 

「良いから行くよ!俺美味い店知ってんだから!」

 

「え?!オルス先輩??!!!」

 

結局俺達はこの日ラーメンを食って帰った、豚骨ラーメンを食いながら木場君が泣いていたけど気のせいだろう

 



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第16話 サイヤとドッジと朝トレと

オルスvision fade-out

 

 

「んあ……朝かぁ・・・ふぁ~」

 

目が覚めて俺は布団をたたむ、時間は4時で外が暗く日が出ていなくて気温も寒い

 

「さて、今日もトレーニングしますかね」

 

俺の朝はこれだけ、あとは一誠君が一緒に来るぐらいかな、そのほかは母さんの朝ご飯を食べて学校に行く、これが俺のいつもだ

 

「一誠君は今日の調子どうだい?勉強の方は分からないところはある?」

 

「大丈夫だよ、兄ちゃんこそ体壊してない?」

 

「大丈夫大丈夫、それよりも部室に行こうよ」

 

学校が終わって部室へ向かう、あれ?この気は覚えがないなぁ・・・だれだろ、まぁ入れば分かるよね

 

「こんにちはー」

 

「うっす」

 

「あら、オルス君にイッセーじゃない」

 

中にはいつも通りのグレモリーさん達、そして見たことはある……えーっと……確か……生徒会の人たちだったようなぁ……うん、分かんない

 

「こちらは生徒会長の支取蒼那(しとりそうな)よ」

 

「初めまして支取さん、俺の名前は兵藤オルスと申します、以後お見知りおきを」

 

「丁寧にありがとうございます、先ほどリアスが説明してくれましたが私は支取蒼那と言います、よろしくお願いしますね」

 

支取さんは丁寧に挨拶をしてくれる、、その隣には男の子がいる、一誠君と同い年だろうか?凄く不機嫌そうだけど・・・

 

「どうも、俺の名前は匙元士郎、2年で会長の【兵士】(ポーン)だ」

 

「こちらこそよろしくね、俺の名前はさっき聞いたよね?」

 

「俺は兄ちゃんの弟、兵藤一誠だ」

 

俺と一誠君が自己紹介をすると匙君は握手を俺に求めてくる、え?大丈夫だよね?いきなり呪い殺されたりしないよね?

 

「よろしくお願いしますよセンパァイ……」

 

「うん、よろしくね、でも1つ聞きたいんだけど何で君は俺の手をギリギリと強く握りしめてるのかな?痛くないけどさ」

 

「いやぁなんでもないですよ、先輩も思いっきり握り返してくれてもいいんですよ?」

 

ニヤニヤしながら匙君は言う、え?本当にいいのかな、トマトみたいに潰れたりしない?

 

「んじゃ遠慮なく」

 

「んぎッ?!イデデデデデデデデ??!!!」

 

「全く・・・サジ、あなた何やっているんですか」

 

あらぁ、やっぱりこうなるよね、さりげなく気を送って直しておこう

 

「あ!ごめんね?!君の手潰れていない?!大丈夫??!!!」

 

「だ、ダイジョウブデスヨ・・・ハハハ」

 

聞く人が聞けば煽っているようにしか聞こえないだろう、しかし性質の悪いことにこのサイヤ人は言い放っていることは全て本心からの声だ、責め立てようにも出来ないだろう

 

「お、お前ら・・・本当に【兵士】か?!その力おかしいだろ?!」

 

「?君何か勘違いをしていないかい?俺達はグレモリーさんの眷属じゃないよ」

 

「はぁ?!」

 

あれ、何でこんなに驚いているんだろう

 

「ま、まぁ、取りあえず今日はこれぐらいにしておきましょう、帰りますよサジ」

 

「はい会長!!!」

 

そういって2人は新校舎へと帰って行った、今日の部活動はこれで終わりらしい、取りあえずは家に帰った

 

 

 

~数日後~

 

 

 

今日の学校は盛り上がっている、今日という日は球技大会、周りはみんな盛り上がっており意気込んでいる様子だ

 

「あれ?グレモリーさんは?」

 

「部長なら部活対抗の種目を見に行ったよ、結構楽しみにしていたようだし」

 

そんなことを一誠君と話し込んでいると向こうからグレモリーさんが向かってくる、何やあら不敵な笑みを浮かべておりその顔は悪魔と呼んでも多分大丈夫だろう、多分

 

「ふっふっふ・・・勝ったわ!この勝負勝ったわよ!!!」

 

「そんなに自信があるんですか?一体どんな種目だったんです?」

 

俺の言葉に更に口元をニヤリと上げる、そして大きな声で種目名を言った

 

「ドッジボールよ!!!」

 

うん、もう察した

 

 

 

 

少し時間がたち俺達のクラス、俺たちがやっているのはサッカーで俺のポジションはなんと【リベロ】(自由な人)、つまり何でもできる人を意味するポジだ、FW、DF、MF、GKも出来る

 

「さあみんな!気張って勝ちに行くぞコラァッ!!!」

 

『『『『『応ッ!!!』』』』』

 

俺の一声でみんなが声を上げる、さぁ、【GAME】(バトル)の始まりだ!!!

 

「いけオルス!お前の必殺シュートをかましてやれ!!!」

 

「あぁ!ハァアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

足に気を込めて一気にボールに流す!そうすることで俺の蹴りこんだボールは光を帯びる!

 

「必殺!【光り輝く気の射撃】(オーラシャインシューティング)!!!」

 

『出たぁあああああ!!!あれぞオルス選手の必殺技!どこぞの超次元サッカーの真似をしたいという理由で生み出した【光り輝く気の射撃】(オーラシャインシューティング)!!!その読み方通り光り輝くその銃のような鋭いボールは無残にも相手のゴールをエグり入ったぁああああああああ!!!』

 

その後は他の人が見ればイジめに近いだろう、俺が9割シュートを撃ちこみ18対0と俺のクラスが圧勝だった

 

「うーん、兄ちゃんやりすぎ」笑

 

「まぁまぁ、勝負はいつでも本気でやらないとね、そういえば一誠君達はいいの?部活対抗ドッジは」

 

「大丈夫だよ、そうだ!兄ちゃん俺いい事考えた!耳を貸してよ!」

 

一誠君のアイディアを聞いたけど面白そうだ!さて、先生たちにそれを出してこよ

 

 

オルスvision fade-out

 

 

一誠vision start

 

 

兄ちゃんは相変わらずやると思った、まぁ体育の授業でも【何でも屋】(ジャックオブオールトレイズ)と呼ばれるほどだ、てか誰だよこんな厨二病みたいな名前考えたやつ

 

「イッセー避けて!」

 

おっと、危ない危ない、今は生徒会のみんなとドッジボール中だ、てか匙の野郎が俺ばっか狙いやがる、嫌がらせか?てか俺もやり返してやろう、な!()()()()

 

『あぁ、そうだな相棒、こちらとしてもやられっぱなしは性に合わん』

 

そう、真夜中にトイレに行ったら心の中から声が聞こえてきてな?いきなり精神世界?に飛ばされたから色々と話していたんだ、こいつは俺の【神滅具】に宿るドラゴン、赤い竜(ウォルシュ・ドラゴン)のドライグだ!こいつとは結構気が合うんだなこれが!

 

『よし、ならば聞こえないように内側で倍加してやろう、3回でいいな?そこで一気にあの黒いのに撃ちこめ!』

 

よっし!んじゃ行くぜ匙め!

 

「喰らえ匙ィ!兄ちゃんの真似事だが必殺だ!【赤い閃光の大砲】(ウォルボートフラッシュキャノン)ッ!!!」

 

「え、ちょ、はや―――んおぉおおおおおおおおおおおおおおお??!!!」

 

俺の放ったボールは匙の体にめり込む、赤い閃光となったドッジのボールは当たった瞬間燃え尽きた

 

「ちょ、一誠君力込めすぎ!ボール燃え尽きちゃってるよ?!」

 

兄ちゃんから注意の声が飛んでくるが俺達のドッジボールは終わった、しかし何とアナウンスで驚くようなことが放送される

 

 

一誠vision fade-out

 

 

オルスvision start

 

 

「さてさて、俺も準備しようかな」

 

格好を戦闘スタイルに変えてグラウンドへ出る、そこにはドッジボールを終えたばかりのオカルト研究部と生徒会役員がそこにいた

 

「さぁ、君たち覚悟はいいかい?俺と勝負ね♪」

 

『『『はぁあああああああああああああああ??!!!!!』』』

 

オカルト研究部と生徒会役員の声がグラウンドにこだましたが関係ない、ちなみに勝負は俺の圧勝だった

 

オルスvision fade-out

 



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第17話 サイヤと飯屋と聖剣と

皆さんお久しぶりです、今回の話は短いですが次回ぐらいからまた長くする予定ですのでお楽しみください。


オルスvision start

 

 

「すいません部長……僕はやっぱり諦めきれません……ッ!!!」

 

「祐斗?!待ちなさい!祐斗ッ!!!」

 

んー・・・やっぱりこうなったかぁ、まぁウスウス気づいてはいたけどね、仕方ない、俺も行くか

 

「おーい木場くーん!どこー?!って、俺気を感じとれるじゃん」

 

マジですっかり忘れてた・・・

 

俺が気を探ってみると2つの気がぶつかりあっているのが分かる、しかし割と接戦しているようでほとんど気は減っている様子はない

 

「この気は・・・フリード君か!てかマジで木場君強くなっているじゃん、この前の鬼ごっこで強くなったのかな?」

 

そんなことを思いながら俺はそこに向かう、着いて見ればこの前の【光喰剣】(ホーリー・イレイザー)を使ってフリード君と戦っている、フリード君は余裕な表情をしているがつまらなそうに、木場君は辛そうな表情をしていて今にも崩れ落ちそうだ

 

「んぎッ・・・!」

 

「んー・・・もうやめようぜ?悪魔クン、今のお前と殺り合っても(殺し合っても)つまんないしいー、それにこの前のお兄様もいるしね?じゃあね!!!」

 

「おーフリード君どこ行くの?」

 

フリード君が逃げそうだったので俺が止めに入る、自慢のスピードに追い付かれてビックリしたのかギョッとした表情でこちらを見てくる

 

「は、え?ちょ、はああああああああああああ??!!!」

 

「まぁまぁ落ち着いて、俺と今からラーメンを食いに行こうじゃないか、さっき戦ってて腹減ったでしょ?俺もさっきまで体育祭だったんだよ」

 

「は!さっきまでお仲間の悪魔クンと殺し合っている奴とラーメン食いに行くなんて正気じゃねぇなお兄様!だが行かせてもらおうじゃないの、勿論おごりだろ?」

 

「君中々ふてぶてしいね、でもいいよー、誘っているのは俺だし、そこに突っ立ってないで木場君も行くよ!」

 

「え?!ぼ、僕もですか?!」

 

取りあえずこの前のラーメン屋に行った、木場君はこの前豚骨ラーメンを食べていたが今度は塩ラーメン、フリード君は醤油豚骨を頼んでいた

 

 

オルスvision fade-out

 

 

フリードvision start

 

 

俺は心底困惑している、この前まで敵……いや今でも敵か、そんな奴らと今ラーメンを食っているんだ、おかしいよな……?

 

「んんん!美味い!やっぱりここのラーメンは美味いなぁ!」

 

「この前は豚骨を頼んで美味しかった・・・この塩ラーメンも美味しい!!!」

 

俺はまだ手を付けていない、敵から出された怪しいラーメンだ、一応味は頼んだが・・・本当に大丈夫か?

 

「あれ?フリード君ラーメン食べないの?じゃないと俺が食っちゃうけど」

 

「食べないとは言ってない、俺ちゃんもいただくとするかね」

 

一口ズズッとすする、口の中には濃厚なスープの風味と醤油のサッパリした味が口の中に広がる・・・このラーメンメチャメチャ美味いじゃねぇか・・・!!!

 

「おー、その顔は驚いてるね?ここのラーメン美味いでしょ、俺のオススメの店なんだよね」

 

「確かに・・・これは美味いな、こんな美味い店があるならもっと早く知りたかったぜ」

 

「それで?君たちは何で戦っていたのかな?」

 

まぁ、やっぱり聞いてくるよな、正直話すのはあまりいいとは思っていない、そう思っていたら悪魔クン、剣士君が最初に話してきた

 

「僕たちはたまたま会っただけなんです、何故ここにいる?って聞いたら『聖剣』という

単語が出てきたのでその話を詳しく聞こうとしたら戦闘になりました」

 

チッ余計なことを・・・俺ちゃんとしてはあまり話してほしいことではなかったが・・・まぁこのお兄様ならいいだろう

 

「そうかぁ、結局のところはやっぱり聖剣なんだね、てかフリード君がもっているその剣が聖剣でしょ、神聖な気配が鞘から駄々漏れだよ?」

 

ッ・・・マジかよ、俺ちゃんとしてはバレていないもんだと思っていたが・・・こうなったら仕方がないか?

 

「あぁそうですぜ?俺ちゃんの仕事はこの天閃の聖剣(エクスカリバー・ラビットリィ)を完成させるのが此処にいる目的なんですわ」

 

「そんな大事なことを俺にベラベラ喋っていいのかい?俺は一応悪魔と繋がっているしそこにいる木場君も悪魔だけど?」

 

正直俺ちゃんはもうどっちでもいいと思っている、この聖剣を持ってしてもお兄様の速さには着いていける気がしないからな

 

「ふ~ん・・・まぁ、一つだけ忠告しておくよ?」

 

その瞬間、俺はイッセーのお兄様の恐ろしさを垣間見ることになった

 

「この前みたいに俺の弟に手を出してみろよ・・・死ぬだけじゃすまさねぇからな・・・ッ!」

 

「ッ・・・そろそろ帰るとするかねい、あんがとよお兄様、ラーメン美味かったぜ」

 

「俺の名はオルスだよ、次会ったときはそう呼んでくれ」

 

そういって俺はラーメン屋を去っていく・・・これは中々ハードなお仕事になりそうだな

 

 

フリードvision fade-out

 

 

木場vision start

 

 

「さて、俺達も帰ろうか!腹いっぱいになったしもう大丈夫でしょ?それにもうその雰囲気だとグレモリーさん達には話したみたいだしね、俺からはもう何も言わないよ」

 

……本当にオルス先輩には敵わないな、僕にはもったいない先輩だよ、小猫ちゃんが好きになるのも納得できる

 

「はい、少しですが吹っ切れることが出来ました、またラーメンありがとうございます」

 

「また一緒に食べに行こうね!あそこのラーメン屋は麺系統以外にもチャーハンも美味いんだ!トッピングに焼豚もつけると更に美味いよ!」

 

はしゃぐオルス先輩と一緒に部室へ帰る、みんなにも心配をかけたし僕も帰らないと

 

 

だけどこの時の僕には分からなかったんだ、数日後、更にこの殺気は増幅して僕の中に侵食してくることに・・・

 



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第18話 サイヤと飯と教会組と

オルスvision start

 

 

「ふっ・・・ふっ・・・ふっ・・・」

 

俺は朝からトレーニングをしている、今俺が体に纏っているのは【本気の気の鎧第二段階(オーラメイルverフルセカンド)】俺の【気の鎧(オーラメイル)】の最終形態の1つ前だ、残念だがプラスブースターは制御が難しくトレーニングの中にこの形態を鍛えるのも組み込まれている

 

「よし・・・次はパワーだね・・・はぁあああああああああああああああ・・・!!!」

 

気を全身に張り巡らせて筋肉を増加させる、俺の体は1.5倍ほどに大きくなり動きが極端に鈍くなる

 

「このまま更にトレーニングだ」

 

気を大きな岩石としてイメージする、パワーを一点に集中させて拳を振るう

 

「いって、まぁこんなものだな」

 

大きな岩石は一発のパンチで粉々に砕け散る、なぜか勘違いする人が多いが大きなものは割るより砕く方が難しいのだ、砕くにはその物体の隅々まで力を加えなければならない

 

「さて、そろそろ家に帰ってシャワーを浴びるかな」

 

家に帰ると一誠君達はまだ寝ていた、起こさないようにゆっくり家に入ってシャワーを浴びる

 

「ふー・・・やっぱりトレーニング終わりのシャワーは最高だね!」

 

『精を出しているな、相棒の兄よ』

 

「やあ、()()()()

 

一誠君の神器に住んでいるドラゴン、ドライグが俺に話しかけてくる

 

『しかし相棒の兄も中々にハードなトレーニングをしているな、あんなんじゃいつ体を壊してもおかしくはないぞ?』

 

「おいおい、人のトレーニングを覗くとはいい趣味してないよ?」

 

ドライグは一誠君が寝ていてどうも暇だったらしい、だけど俺自身はドライグの姿を見ていないため実際ドラゴンかどうかは分からない

 

「そろそろ母さんが起きてくる時間帯だからね、俺は一誠君達を起こしてくるからドライグももう戻りなよ、今日はなんだか疲れそうな予感がする」

 

『何言っているんだ、相棒の兄はいつも疲れているだろう』

 

このトカゲめ、まったく・・・

 

そんな会話をしながら一誠君とアーシアちゃんを起こす、二人は眠そうに眼を擦っていたが気を薄く張って意識を覚醒させる、この前一誠君が黒こげになった技だが寝ぼけてないなら失敗することは()()()()ない、()()()()

 

「あぁ……いい目覚めだ」

 

「ふぁあ……これはいいものですね」

 

「起きた?母さんがもうすぐご飯を作ってくれるから学校の準備をしようよ、ね?」

 

朝のご飯は油揚げの味噌汁に炊き込みご飯と焼き魚、平凡的と言えば平凡的だがこれが美味いんだよ

 

ご飯を食べて学校に行く、やはり元浜君と松田君が家の前にいたようで俺の体に引っ付く、一誠君は引っ付くことは分かっていたがまさかアーシアちゃんまで引っ付くとは思わなかった、いいトレーニングになるからいいんだけどね

 

「よし、学校についたからまた放課後ね」

 

「おう!またね兄ちゃん!」

 

「はい!失礼しますオルスさま!」

 

うんうん、ちゃんと行ったようだね、さて、俺も教室に向かおうかな―――

 

 

『『『キャーーーーーー!!!!!』』』

 

 

・・・うん、知ってた

 

 

~放課後~

 

 

「さあ、勝負しようではないか!」

 

「イッセー君のお兄さんごめんね?!でもこれも神の教えなの!!!!!」

 

このクソガキどもが・・・

 

「僕はこの時をどれほど待ち望んだことか!!!」

 

人の気持ちもわからないようなやつらは・・・

 

「よそ見していていいのか!!!」

 

本気で潰してやる・・・!!!

 

~回想開始~

 

 

「来ましたよグレモリーさん」

 

「来たのねオルス君、今この子達と聖剣について話していたところよ」

 

この子達と言われていた方を見ると青い髪のこと茶髪の子がソファに座っていた、そして後ろにある長いもの、この気配はフリード君が持っていたエクスカリバーに似たようなの聖なる力を感じる

 

「どうも初めまして、ゼノヴィア・クァルタというものだ」

 

「私は紫藤イリナです!初めまして!!!」

 

「これはご丁寧にどうも、兵藤オルスと申します」

 

俺が兵藤と名乗るとイリナと言っていた女の子は心底驚いたような顔をしてこちらを見てきた

 

「ええ?!兵藤?!イッセー君に兄弟はいなかったはずよ?!」

 

「俺は訳あって兵藤家にお世話になっていてね、一応は一誠君のお兄さんとなっているんだ」

 

それを聞くと紫藤ちゃんは納得したような顔をした、やっぱりこの世界の人・・・いや悪魔もか、準応力高すぎない?

 

「おや?君は()()アーシアじゃないか、まさかここにいたなんてな」

 

おっと・・・?魔女?

 

「あら本当!悪魔を助けた魔女さんは今度は悪魔の所にいるなんてね!これはお笑いものだわ!!!」

 

へぇ~・・・

 

「ッ・・・わ、私は神の教えに背いたつもりはありません!」

 

「何を言っているんだ、悪魔を治すなんて真似をしたから教会を追い出されたのだろう?」

 

青い髪の子にいろいろ言われてアーシアちゃんは涙目だ・・・そろそろ言いすぎだろ・・・

 

「あぁ、なんて可哀そうなの?!このままじゃかわいそうだから私が直接神のもとへと送ってあげるわ!!!」

 

「え・・・?」

 

 

オルスvision fade-out

 

 

一誠vision start

 

 

ドヒュウウウウウウウウウウウウウウウウウンッ!!!!!

 

 

「え?!な、何が起きたの?!」

 

「いい加減にしろよクソガキ共・・・黙ってきいてりゃ好き勝手言いやがって・・・ッ!」

 

 

~回想終了~

 

 

まぁ、こういうわけなんだ、簡単に言うとアーシアを殺されかけた兄ちゃんはブチギレた、以上、うん

 

 

 

 

 

ドヒュウウウウウウウウウウウウウウウウウンッ!!!!!

 

 

 

 

 

「【本気の気の鎧IN推進力(オーラメイルverプラスブースター)】覚悟しろよ、今の俺は優しくないぞ・・・ッ!!!」

 

兄ちゃんが現段階の最終形態になる、本気で叩き潰す気だ・・・

 

「は、速い―――ガハァッ・・・?!」

 

「なあ、紫藤・・・君はさっきアーシアちゃんに死ねと言ったよね?つまり君は自分が殺されるってことも承知で言っているということだ―――」

 

その瞬間、兄ちゃんの顔は真っ黒になり赤い目になる・・・ような錯覚が見える、あそこまでキレてる兄ちゃん見るの初めてだな・・・

 

「 自 分 が 死 ん で も 文 句 い わ ね ぇ よ な ・ ・ ・ ? 」

 

流石にやりすぎかな、そろそろ止めよう

 

「兄ちゃんそろそろ落ち着きなよ、じゃないと俺が止めに入るからね」

 

そう言うと兄ちゃんは止まる、気を取り戻したようでやっちまったと言うような顔をしていつもの冷や汗をかきながらこっちを見てくる

 

「あー・・・うん・・・ごめんね?」

 

「え、えぇ・・・」

 

結局木場も兄ちゃんの本気の殺気に当てられたようで動きをピタリと止めていた、逆にあのさっきの中動けるやつを俺は見てみたい、俺?俺はノーカンだよ、てか俺でも無理、死ぬ

 

「君たちはもう帰りなよ、じゃないと今度は本気で殺すかもしれないからさ・・・ね?」

 

その言葉で怖気づいて2人はそそくさと部室から去っていく、まぁ兄ちゃんなら仕方ない、うん、兄ちゃんなら

 

「一誠君失礼なこと考えていない?」

 

「大丈夫、俺は何も考えていないから」

 

何故ばれたし・・・

 

 

一誠vision fade-out

 

 

オルスvision start

 

 

あの日から数日が経った、あの日に決まったことはエクスカリバーの回収を手伝うらしい、また俺がいないところで勝手に決まっているし、あのワガママ小娘め・・・

 

「あれ、兄ちゃん気のせいかな・・・」

 

一誠君がいきなり俺に訪ねてくる、その方向を見ると俺自身も目を疑う光景だった

 

「「お願いします!迷える子羊に救いを!!!」」

 

「兄ちゃん、俺はあれを無視したいんだけど・・・だめ?」

 

「……まぁ………ダメかな?一応助けてあげようよ」

 

いやマジでこんなとこで何してんのこの子達・・・

 

「まったく!イリナがあんな怪しいもの買うからだろ!」

 

「何よ!ゼノヴィアこそ賛成していたじゃない!」

 

「なんだと?!私はちゃんと止めたぞ!」

 

「何よ!嘘つくつもり?!!」

 

……これは見ていて見苦しいな、本当に神様信じてんのかこの子達・・・

 

「おいイリナ、ここで何やってんだ?」

 

「あ!イッセーくん!あ・・・あなたは・・・」

 

「この前はごめんね、でももうあんなことしないから大丈夫・・・たぶん」

 

俺の最後の一言で2人の顔が青ざめたような気がするが気のせいだろう

 

ぐ~・・・

 

『『『・・・』』』

 

「あ、あはは・・・実はおなかが減ってしまってね・・・」

 

「はぁ・・・仕方ない、俺がラーメンをおごってあげるから、ついてきなよ」

 

「い、いいんですかイッセー君のお兄さん!」

 

「俺の名はオルス、覚えておいてね」

 

「「はい!」」

 

 

オルスvision fade-out

 



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第19話 サイヤと憎悪と復讐と

オルスvision start

 

 

「美味い!なんて美味いラーメンだ!!!」

 

「こんな美味しいラーメン食べたの久しぶりよ!」

 

「うんうん、気に入ってくれたようでよかった」

 

2人は一心不乱にラーメンをススル、ちょうど食べ終わったあたりで2人は話をしてくる

 

「それで、なんで私たちに接触してきたんだ?」

 

「いや、たまたま通りかかっただけだけど・・・」

 

「「え?」」

 

いや、こっちがえ?なんだけど、逆にたまたま以外になにがあるんだろうか・・・

 

「いや、単刀直入に言わせてもらう、私たちに協力してくれないか?」

 

「「え」」

 

キリッとした顔で単刀直入にとか言われても何が力貸してくれか分からないし一誠君もすごい困惑した顔してるんだけど、やっぱ狂信者の考えることは分からないな・・・

 

「私たちの目的はエクスカリバーの破壊だ」

 

「ちょ、ちょっと待って、いきなり協力しろだの破壊だの言われても全く分からないんだけど・・・」

 

「あぁ、そういえば詳しくは話してなかったわね」

 

2人から話を聞くとどうやらこの日本に堕天使が来ているらしい、それもこの前のようなザコではなく幹部クラスのモノがいるらしくそいつがエクスカリバーを集めているんだそうだ

 

「つまりそいつに集められるぐらいならいっそのこと壊してしまおうと・・・そういうことでいいんだね?」

 

「あぁ、間違ってはいない」

 

このゼノヴィアって子凄い上から目線なんだけど・・・あ、そういえば忘れていた

 

「そのエクスカリバーなんだけどさ、この前木場君もなんて言ったかな、なんかすごい早いエクスカリバーに出会ったって言ってたよ」

 

「なんですって?!」

 

「そのエクスカリバー使いとラーメンも一緒に食べたし」

 

「いや兄ちゃんそれはおかしい」

 

え?だってフリード君と戦うの結構楽しいよ?てかスピードも今の俺なら普通についていけるしなぁ・・・

 

「フリード・セルゼン、元はヴァチカン法王直属のエースエクソシストで齢13歳でエクソシストになった本物の天才、悪魔や魔獣を次々と滅していく姿は凄かったと聞くわ」

 

「だが奴は強すぎた、その身に余る力を大いに振るいすぎた奴は悪魔と繋がっていた同胞すらも手にかけたほどだからね、最初から信仰心なんてなかったんだろう、あったのは異常なまでの悪魔に対する復讐心、その異常なまでの復讐心で異端になるもの時間の問題だったんだな」

 

へぇ、あのいつも楽しそう(笑)のフリード君がそんな復讐心を持っていたなんてね、人は見かけによらないってのはこういうことを言うんだろうね

 

「しかしあのフリード・セルゼンがエクスカリバーを・・・これは厄介極まりないわね・・・」

 

それほどまでに厄介なんだねフリード君は・・・でも身に余る復讐心を外に漏らさず自分の内側に留めておくその精神力も中々凄いけどね、木場君も出来てないしそこはやっぱりフリード君の力なのかな?

 

「分かった、取り合えず俺と一誠君も手伝うよ、一誠君もいいでしょ?」

 

「当たり前だよ、俺と兄ちゃんがいれば100人力だぜ!」

 

「それは頼もしい、上のほうも悪魔の力は借りるなとは言われたがドラゴンの力は借りるなとは言っていないからな」

 

え、なんで一誠君がドライグ持てることバレてんの、教会か、意外と侮れないね・・・

 

「はい、これが俺たちの家の連絡先ね、何かあったら家に電話して」

 

「ありがとう!恩に着るわ!」

 

そういって2人はラーメン屋から出る、というか何故木場君は聖剣に対してあれ程までの殺意を抱けるのかがすごく疑問なんだけど・・・

 

「ねぇ兄ちゃん、なんで木場の奴は聖剣に対してあんなに恨んでいるんだろう・・・」

 

「やっぱり一誠君も気になるよね、よし、んじゃ木場君のとこに行くかな」

 

金を払い外にでて気をためる、木場君はどうやら外にいるみたいだから飛んで行ってもバレないね

 

「行くよ一誠君!しっかりつかまってなよ!」

 

「イエッサー!!!」

 

10分ぐらい飛んで木場くんの後ろ姿が見えてくる、いや後ろから見ても殺気マックスとかマジ笑えないんだけど

 

「きぃいいいいいいいいいいいいばくぅううううううううううううん!!!!!!!」

 

「え?!ちょ!オルス先輩?!!」

 

「まって兄ちゃん俺もぶつかるからぁああああああああああ!!!」

 

『任せろ相棒!』

 

【Boost!!!】

 

どうやらドライグが衝突の勢いを殺す力を2倍にしたようだね、ちゃんとぶつからないで着地するつもりだったのに笑

 

「お、オルス先輩危ないですよ・・・!」

 

「いやぁごめんごめん、ただちょっと驚かせようと思ってね、あとは話を聞きに来たんだよ」

 

「話・・・ですか?」

 

「うん、なんできみがそんなにも聖剣を恨んでいるか・・・っていうね」

 

その話を出すとあからさまに不機嫌になる木場君、まぁ不機嫌になるのは仕方ないよね、なんせあの木場君が殺気を駄々洩れにするぐらいの出来事なんだから

 

 

オルスvision fade-out

 

 

木場vision start

 

 

ついにこの話をリアス部長以外に話す時がきた

 

「……僕はリアス部長の騎士(ナイト)です」

 

一言一言話すたびにあの時の記憶が鮮明に蘇る

 

「もちろん騎士になったのも経緯があります」

 

僕はあの時のあいつらを・・・

 

「僕が聖剣を恨んでいる理由はリアス先輩に会う前の話になります」

 

話はあの時にさかのぼる……

 

 

 

 

 

僕は元々協会に拉致された子供だったんです、拉致された内容は【聖剣適合者探し】つまりその適合者を探すために僕たちは拷問されていました

 

人間として扱われることもなく、毎日薬や拷問などの辛く悲しい日々を迎えるだけでろくな食事もとれず、日々死んでいくものは絶えませんでした・・・

 

毎日毎日同じような拷問ばかり、みんなはいつか普通に生きれることを夢見て聖歌を歌っていました

 

ですが僕たちに待っていたのは毒殺・・・殺処分でした……!

 

【聖剣適合者なし】これだけで同胞はみんな死んでしまった・・・床で血反吐を吐きながら・・・それでも奇跡が起こることを信じて聖歌を死ぬ間際でも歌っていた・・・

 

 

 

 

 

「これでも僕に復讐をやめろっていうんですか・・・!僕は・・・僕は同胞の恨みを晴らすためにも絶対にエクスカリバーを超えなくちゃいけないんだッ!!!」

 

「木場・・・」

 

「・・・」

 

僕の話で2人は暗い顔になってしまう、でもオルス先輩の顔は暗すぎて見えない、でもなんだかその顔が僕は凄く怖く見えた

 

 

木場vision fade-out

 

 

一誠vision start

 

 

「ねぇ……木場君、その時の首謀者が今日本に来ているんだ・・・」

 

「ッ!!!・・・あの時の・・・首謀者が・・・!・・・オルス・・・先輩・・・?」

 

兄ちゃんの体に自然に力が入る、バチバチと気の逆流を起こしそうなほど大きな気の塊が兄ちゃんの中をグルグルと渦巻いている・・・?

 

「あぁ……()()()()なぁ・・・!」

 

「ッ!木場ァ!逃げるぞ!!!早く!!!」

 

瞬間、兄ちゃんのいるあたりが大きな爆発を起こす、見れば兄ちゃんに薄くだけど鎧がまとってあるのが見える

 

「ムカつく・・・本当にムカつく・・・ッ!!!」

 

「木場、今日はもう帰ろう、あの兄ちゃんに関わるとこっちが壊されかねない」

 

「う、うん・・・」

 

その日から兄ちゃんは数日間家に帰ってこなかった、兄ちゃんが帰ってきた日に真っ先に放った言葉が『新しい力を手に入れたよ一誠君・・・でも疲れたから寝るね』と言ってすぐに死んだように眠ってしまった、兄ちゃんがいなかった数日間の間のニュースをみれば至る処の戦争が謎の力によって終わったらしい、その時に謎の男を見たと目撃証言が多くあったそうだが朝昼夜と目撃があったみたいだ、兄ちゃんはここ数日で寝てなかったらしく、体はボロボロになっていた

 



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第20話 サイヤと気絶と憎しみと

一誠vision start

 

 

「ようイッセー!あれ、今日もオルス先輩はいないのか?」

 

「よう元浜、兄ちゃんは今日も休みだ、やることがあるんだとよ」

 

いや・・・正確にはそのやることが何なのか俺は知っている、兄ちゃんから出された気のトレーニングは毎日続けているから気が読めるようになった、兄ちゃんの気を探ってみると荒ぶったり落ち着いたり、いきなり爆発するように気が著しく変化している……どうやらトレーニングをしているようだが・・・いつもの兄ちゃんじゃないようにも思える

 

「今日イッセーの家に行ってもいいか?オルス先輩が心配だからな、見舞いに行こうかと思うんだけど・・・」

 

「いや、大丈夫だ松田、兄ちゃんには俺から伝えておくよ」

 

(全く・・・本当に世話の焼ける兄ちゃんだぜ・・・)

 

 

 

時は過ぎて放課後

 

 

 

「……オルス先輩はまた来ないんですか」

 

「あ、あはは・・・ごめんな小猫ちゃん・・・」

 

「リアス部長、僕は町の見回りに行ってきます」

 

木場が見回りに行くようだ、んじゃ俺もついていきますかね、兄ちゃんの気も相変わらず荒ぶったままだ、いや本当にあれ体ぶっ壊すんじゃないか・・・?

 

「俺も付いていくぜ木場」

 

「私も行きます木場先輩」

 

どうやら小猫ちゃんも付いてくるようだ、正直リアス先輩と朱乃先輩に見つからなければ大丈夫だと勝手に思っている、小猫ちゃんはそれを話すような子じゃないと思っているし大丈夫だろう

 

 

 

更に時がたち町の中

 

 

 

小猫ちゃんには今俺と兄ちゃん、木場がやっていることを話した、木場や兄ちゃんには悪いと思っているが協力者は1人でも多くいたほうがいいだろう

 

「今日もそれらしいものはないか・・・」

 

「仕方ないよ、僕からしたらこうして手伝ってくれるだけでもありがたからさ」

 

木場がIKEMENスマイルでこっちを見てくる、本来ならムカつくところだがあの話を聞いてしまった以上怒ることは出来ない

 

「ん?なんか変な気配がこっちに近づいてきてるな・・・」

 

「・・・上です!」

 

小猫ちゃんの言う通り上を見ると白髪の男が切りかかってきた、このシルエットはたしか・・・

 

「フリード・・・セルゼン・・・!」

 

「おっと~?!その声は赤龍帝のイッセー君じゃないですかぁ~!君はやっぱり悪魔に関わっているんだ・・・ッネ!!!」

 

「おっと、君の相手は僕だよ、エクスカリバー使い・・・!」

 

木場が前に出てきて剣を構える、あの剣は・・・見たことがないな

 

「この剣は闇を喰らう【光喰剣】(ホーリー・イレイザー)よりも更に強力な剣・・・【光捕刀】(ライト・プレデター)だよ、君のその聖剣喰い壊してやる・・・ッ!」

 

「いいねいいねぇ!!!今の君は殺す価値ありそうだよ騎士クンよぉおおおおおおおおお!!!」

 

フリードがいきなり突進してくる、おいおい、あいつまた早くなっているな・・・この前兄ちゃんが捕まえたって言ってたからそのせいで鍛えたのか?

 

「いいねぇ騎士クンッ!この前よりもよっぽどハキハキしてるじゃないかぁ!!!」

 

「……その割には余裕そうに見えるけどね」

 

「あ、やっぱりそう思う?あったりぃいいいいいいいいいいいい!!!」

 

俺たちの後ろでガキンッ!と音が聞こえる、勘弁してくれよ・・・()()()()()()()()()()()()・・・!

 

「おやぁ?どうやらさっきの一撃防いだみたいだね、そのライトプレデターってやつのおかげかなぁ?」

 

「ッ・・・よくわかったじゃないか、君の聖剣からあふれる速さの光をこの剣は喰ったのさ・・・まぁ、それでも威力は殺しきれなかったみたいだけどね・・・ッ!」

 

「わ、私の目には何が何だか分かりません・・・」

 

「大丈夫だ小猫ちゃん、俺もよく見えていない」

 

2人は更に自分の力を込めて自分たちが構えている剣を構えなす・・・次の一手で決まりそうだな

 

「「行くぞッ!!!」」

 

これで決まる・・・と思っていたが2人の動きが止まる、なにか・・・神聖な気か?フリードと似て非なる気を感じる

 

「そこまでだフリード、帰るぞ」

 

「チッ・・・バルパーの爺さんか」

 

「バルパー・・・ガリレイッ!!!」

 

「あなたがバルパー・ガリレイですね・・・聖剣適合者の」

 

木場の顔が今まで以上に歪む、自分たちの同胞が殺されたきっかけを作ったやつがいるんだ、それも仕方がないだろう

 

「さっさと切り上げていくぞフリード、コカビエルに報告をせねばな」

 

「あのダンナは怒らせると怖いからな・・・まぁいいや、じゃあな騎士クン!また殺りあおうぜ!」

 

「逃がさんぞバルパーッ!!!」

 

後ろからゼノヴィアが飛び出してくる、いや後ろからってことはまさかずっとつけられていた・・・?こいら・・・俺の赤龍帝の小手のことに関してもそうだけど侮れないな・・・

 

《相棒、後ろからさらに来るぞ》

 

「どうもイッセー君!でも今忙しいからごめんね!」

 

「お前もいたんかーい!」

 

「・・・」

 

木場がすっごい追いたそうにしてる・・・はぁ、なんで俺の周りには世話の焼ける人たちしかいないんだか・・・

 

「行って来いよ木場、後から俺も行くからあとで状況を教えてくれよ」

 

「ッ・・・イッセー君ありがとう、行ってくるよ」

 

「木場先輩、私も行きますので無理はしちゃダメですからね」

 

木場は笑って追いかけていく、しかし後ろから力の流れを感じる、これは確か・・・リアス部長のだったかな?

 

「聖と魔の流れがおかしいと思って来てみれば・・・一体何をやっているのかしら?あなた達・・・」

 

「おっとやべ、部長のお出ましだ・・・」

 

後ろを見ればリアス部長と朱乃さんが顔を暗くにっこりと笑ってこっちを見てくる、うーん・・・こりゃ大目玉確定だな

 

 

一誠vision fade-out

 

 

オルスvision

 

 

力の高まりを感じる……

 

「はぁあああああああああああ……ッ!!!」

 

力……

 

「あぁああああああああああ……ッ!!!!!

 

ダメだ……意識が……と……ぶ……

 

 

オルスvision fade-out

 

 

少し時が戻り一誠vision start

 

 

「エクスカリバーの破壊って……あなた達ねぇ・・・」

 

「あのですねぇ部長、俺はこの部活に入ったつもりはないですよ、それに俺がこれをしているのは木場のためであり兄ちゃんのためです」

 

「オルス君の・・・?」

 

「今の兄ちゃんは自分の体に相当な負担をかけています、それこそ何日も寝ないで意識が失うほどに、それがなんでだか分かりますか?」

 

「……分かりませんね」

 

「木場の為でありこの部活の為ですよ、兄ちゃんは普段あんなこと言ってますけど結構この部活の人たちを心配しているんですよ?特に木場の暗い気持ちをよく分かっていると思います、だからこそ今もトレーニング、いや、これはトレーニングとは言えないでしょう、これじゃあ自分の体を壊してるのと同じです……」

 

自然と目に涙が浮かんでくる・・・あぁ・・・俺はだめだな・・・

 

「俺だって……俺だって……俺だって仲間を守りたいんですよ!それができない自分が情けない!今もこうして苦しんでいる木場に何も出来てない!俺は本当にあいつの友達なんですか?!友達だったら助けてあげるのが当然なんだ!あんたたちみたいに……悪魔と堕天使の戦争に発展するからとなって何もやらずに椅子でふんぞり返っているやつらよりよっぽど立派だ!」

 

「イッセー・・・」

 

「ッ・・・俺はもう行きます、しばらく部活には絶対に顔は出しませんので放っておいてください!」

 

そういって俺は部室からでる、あれ・・・兄ちゃんの気が・・・また気絶かな?

 

「ここらへんかな・・・あーあ、やっぱり気絶してる、全く、本当に世話の焼ける兄ちゃんだ・・・」

 

 

一誠vision fade-out



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第21話 サイヤと怒髪と覚醒と

一誠vision start

 

 

最近の俺はなんかおかしいな・・・急に声を荒げるし部長たちにも酷いことを言ったし・・・本当のなんでだ・・・?

 

「イッセーさん、大丈夫ですか?」

 

「あ、あぁ、大丈夫だよアーシア」

 

アーシアにもこうして迷惑をかけてしまっているし・・・俺兄ちゃんの弟失格だな・・・?変な気配を感じる・・・これは堕天使?

 

「アーシア、ちょっとここで待っててくれ、外を見てくる」

 

「は、はい」

 

アーシアもどうやら嫌な気配を感じるらしい・・・こりゃ本当にやばそうだな

 

俺は外に出て嫌な気配が感じるほうを見る、そこには神々しくも禍々しい気配が強くなった……あそこに木場を狂わせた元凶が・・・許さねぇ・・・!

 

《あぁそうだ相棒、聖剣という元凶の鎖を断ち切ってしまえ!》

 

俺は嫌な気配がするほうに向けてBoostをしながら走っていった

 

 

 

「ここは……駒王学園?それにあれって……エクスカリバーか!」

 

《上だ相棒!》

 

ドライグに言われて上を見る、いきなり空の雲が割れて神々しい光が降り注いだ

 

「ほう・・・まさか人間にバレてしまうとはな・・・」

 

「お前が・・・コカビエル・・・!」

 

「おんやぁ?誰かと思えば赤龍帝のイッセーくんじゃないですかぁ!!!」

 

声のするほうを見ればフリードがこっちに歩いてくる

 

「赤龍帝か・・・実に興味深いが今は聖剣のほうが先だ!」

 

校庭の真ん中にはバルパーがエクスカリバーを見ながら話してくる

 

「お前が・・・お前らが木場の人生を・・・ッ!!!」

 

「木場?木場というやつは知らんが大方【聖剣適合者】探しの時の副産物のことか」

 

副産物・・・?そんなクソみたいな計画のせいで・・・!

 

「貴様ら……絶対に許さねぇ!!!」

 

《相棒!今ならあれができる!もちろん使うだろ?!》

 

「当たり前だドライグ!こいつらを倒すのには生半可な力じゃだめだ!いきなりフルパワーで行くぞッ!!!」

 

「『禁手化(バランス・ブレイク)ッ!!!!!』」

 

【Welsh Dragon Balance Breaker !!!】

 

俺を中心に赤い光があふれる、俺の体には赤くイカツイ鎧が展開されて体に張り付く

 

「《行くぞキサマラァアアアアアアア!!!!!》」

 

俺たちの戦いが今始まった

 

 

一誠vision fade-out

 

 

リアスvision start

 

 

「これは・・・堕天使の気配?」

 

私が感じ取った気配は堕天使の気配は大きく感じ取れる

 

「どうするのリアス、この気配は色々と不味いわよ・・・」

 

「えぇ、この気配はオルス君よりも強いわ・・・」

 

本当に不味いわ・・・とりあえずは行かない私たちの町が壊されてしまうわ!!!

 

「行くわよ朱乃!小猫!」

 

「はい!」

 

「分かりました!」

 

そういって私たちは学校の校舎へと向かう、今思えば私たちは行かないほうがよかったのかもしれない

 

 

リアスvision fade-out

 

 

一誠vision start

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・!」

 

「ふん、無様なものだな赤龍帝、貴様なら簡単に避けられるものを避けないのは後ろに町があるからだろう?そんなもののためにくだらん」

 

くそ、確かにこいつの言うとおりだ・・・後ろに町があってうかつに避けることができねぇ・・・!

 

「そっちばかり見ててもいいのかなイッセェエエエエエエエクゥウウウウウウウウウウン!!!」

 

「チィッ!!!」

 

フリードの剣裁きを避けながら前にいるコカビエルに集中する、コカビエルは隙あらば町に光の槍を投げようとするから俺はそれを自分の体で受けなければいけない、手を使おうとすればフリードの一撃が入ってしまう・・・これじゃジリ貧じゃねぇか・・・!

 

「イッセー!助けに来たわよ!」

 

「な?!」

 

は?なんでここに部活のみんながいるんだよ!

 

「ほう?その髪はサーゼクスの血縁関係ということか、つまり貴様を殺せば魔王は直々にでざる負えなくなってことだよなぁ!」

 

「おいコカビエル!てめぇどういうことだ!」

 

コカビエルは薄ら笑いを浮かべながら偉そうに語り始める

 

「俺は戦争がしたいんだよ!何が秩序だ!そんなものはくそくらえなんだよ!つまりそこにいる悪魔の小娘を殺せば堕天使と悪魔の戦争になるってわけだ!!!」

 

「な、なんてことを考えているの・・・!」

 

「部長逃げてください!早く!!!」

 

俺がいち早く気付いたがどうやら足がすくんで動けなくなってしまっているようだ、くそ!

 

「もう遅い!喰らえッ!!!」

 

「きゃああああああああああ!!!!!」

 

あたりにグサ・・・と音が聞こえる、しかし貫かれたのは部長ではなく・・・

 

「が……は……」

 

「え……い……せー……?」

 

『相棒ッ!!!』

 

あぁ……ついに鎧が……同じとこばかり……攻撃……さ……れ……て……

 

「イッセェエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!」

 

 

 

 

 

「一誠……君……?」

 

 

 

 

 

いし……き……が……にい……ちゃ……

 

 

一誠vision fade-out

 

 

オルスvision start

 

 

「一誠君ッ!!!!」

 

「ごめ……まち……まも……れ……」

 

「いいんだ!君はよく頑張ったよ!!!」

 

一誠君の体温が急激に下がっている・・・命が・・・一誠君の命が!!!

 

「ははは!ざまぁみろ赤龍帝よ!これで俺の邪魔をするものはいなくなった!!!」

 

まだ心臓は動いている……俺は無理やり気を流して回復力を倍増させる

 

「ドライグ……一誠君を頼んだ……ッ!」

 

『任せろ、相棒は必ず死なさん』

 

体を脱力感が包む、もう何もしたくないと思うほどに無気力感が……だけど……

 

「それにお前はなんだ?一体お前はなにもnゲブハァッ??!!!」

 

「お前は……お前だけは……ッ!!!」

 

動きたく無いのに、頭からあいつを殺せと警笛がなる。

気づけば俺はアイツの顔面を殴り飛ばし、怒号を飛ばす。

 

「絶対に許さねぇ!!!てめぇだけは必ずブッ殺してやる!!!!!!!!」

 

「下等な人間ごときが!この俺の顔を殴りやがって!貴様も赤龍帝のように殺してやる!!!」

 

は……?赤龍帝のように……だと……?

 

「あの赤龍帝は必至だったぜぇ?そこにいる無能どもが来るのが遅くて結界すら貼らないのだからなぁ!おかげで赤龍帝を殺すの本当に楽だったぜ、そいつも兄ちゃんが来ればお前らは終わりだとか言っていたが……そのお兄様も無能だなんてなぁ!!!」

 

目の前がチカチカとフラッシュバックする。

頼む、頼むよ、お願いだからこれ以上俺を怒らせないでくれ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、もう無理だ、我慢が出来ない。

体の奥底から吹き溢れる衝動に、俺は身を任せることにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ころす、殺してやる、捻り潰す、消し飛ばす、砕いてやる、殴り殺してやる。

全身全霊を持って、俺はテメェを・・・ユルサナイ

 

「オルス君……」

 

()()()、離れていろ……」

 

「え、今・・・」

 

その瞬間、俺を中心に豪風が吹き溢れる。

 

「きゃあ!!!」

 

「部長!」

 

リアスが吹き飛ばされ、朱乃が受け止める。

 

「あぁ……本当にイライラする……」

 

あたりに雷雲が立ち込め、バチバチと音を轟かせる。

まるで、世界が震えているようにーーー

 

「テメェみたいに、人の命の価値がわからないクソ野郎にも……それを嘲笑う手下にも……」

 

憎しみが止まらない、殺意が、衝動が。

アイツを殺せと俺に囁いてくる。

『我慢しなくていい、己の思うがままに力を解放しろ』

 

「そして・・・何も出来なかった無力な自分自身にも!!!!!」

 

溜まりに溜まった雷雲が落雷となって俺に落ちてくる。

俺の中で何かが切れる音がした、それが自分の堪忍袋の限界、怒りの限界、そしてーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

自分自身の壁の限界ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ッ!!!!!』

 

オルスvision fade-out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三人称vision start

 

 

その瞬間、震えていた世界が止まった。

()()が誕生したことで一瞬無音となるが数秒後に轟く音が異質さを掻き立てる。

 

「な、なんだ……なんなんだその姿は!!!」

 

金色(こんじき)に輝く頭髪に、全てを破壊すると言わんばかりに殺気の籠った瑠璃色の瞳。

 

「オルス君……その姿は……!」

 

砕けた大地が彼の圧力と殺気で浮き、砕け砂となる。

 

「おいおい……これがお兄様の本気かよ……!」

 

威圧感を放っている生命体が口を開けば、その止まった空気は動き出す。

しかし生優しいとは程遠く、むしろ今から何が起こるのかを物語るように話し出す。

 

「いい加減にしろ……貴様らはどこまで人のことを馬鹿にすれば気が済むんだ……!」

 

口から放たれた言葉、一言一言が戦意を喪失させるに充分な迫力を放っている。

 

「殺してやる」

 

曰く、他の世界では破壊の悪魔と言われていた

 

「テメェらは俺の大切なものを奪った」

 

曰く、伝説の戦士と言われていた

 

「今の俺は優しくねぇぞ、生かしてやるつもりもない」

 

故に修羅、理性を感じさせながらも獣のような荒々しい気があたりを支配する。

 

「覚悟しろ、弟のツケはテメェらの命で支払ってもらう。街に攻撃させる余裕すら持たせねえぞ、、、!!!」

 

溢れる怒りを気に変えて、バーナーのように噴き出す金色の光。

かの世界では彼をこう言う、1000年に1度の伝説の戦士ーーー

 

「俺は(スーパー)サイヤ人ッ!!!兵藤オルスだあああああ!!!!!」

 

輝くサイヤの怒髪天 超サイヤ人 兵藤オルス爆誕

 



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第22話 サイヤと涙と哀れみと

三人称vision start

 

 

「……」

 

「な、なんなんだ……お前はなんなんだァ!!!」

 

コカビエルが震えながら訴える、真っ黒な羽で自分を守るように覆いながら後ろに後退する

 

「……」

 

()()、その一瞬だけコカビエルは瞬きをする、次に目を開いた時には・・・

 

「ガハッ……?!

 

「え……?」

 

コカビエルやリアス達には瞬きに一瞬で腹に一発入れられたように見えるだろう

 

「にい……ちゃん……!」

 

しかし起きた一誠の目には一発どころではない

 

()()

 

その一瞬で計十発入れられてるように見える

 

「クソが!死ね人間!!!」

 

コカビエルが槍を作って投げようとする、しかしオルスにとっては遅すぎる

 

「おりゃあッ!!!」

 

バキンッ!と音がして槍がへし折られる、瞬間移動にも見えるそれは常人の目には消えて見えるだろう

 

「悪あがきが過ぎるぞ……コカビエル!」

 

「何故だ!!!なぜ堕天使である俺が下等な人間なんかに!!!」

 

「下等な人間を怒らせた結果がこれだ……貴様は絶対に殺す」

 

煌々と光る黄金の気を纏いながらオルスは言う、それを見て合流した木場、ゼノヴィア、イリナも目を見開いている

 

「あれがオルス先輩……?それにあの髪の色は……」

 

「あの人間には恐ろしいほどの圧力を感じる……私でも手合わせは願い下げだ」

 

「あのゼノヴィアが嫌と言うなんて……でも私でも分かるわ、あれは普通じゃない」

 

普通とじゃないと言われれば当然だろう、本気でキレているオルスは別世界では伝説の戦士と言われるほど強力な力を持っている存在なのだ、たとえリアスが滅びの力を放とうとしても放つ前にやられるだろう

 

「テメェらの茶番にはもうウンザリだ……挙句の果てには何も関係のない一誠にまで……」

 

「関係ないだと?笑わせるな!神滅具を所有している時点で死ぬことは確定しているんだよ!!!」

 

その一言で更に周りの殺気は濃くなる

 

「確定……?なら神滅具の持ち主を殺すことが出来るお前も死ぬことは確定しているな、だから殺す」

 

オルスにはその言葉は届かない、全ては時限爆弾を起動させてしまった人外が悪い、慈悲はない

 

 

三人称vision fade-out

 

 

木場vision start

 

 

僕はあの状態のオルス先輩を見たことがある、いや、正確には違うだろう。

あの合宿の時にイッセー君と一緒に感じた力を色濃く感じる、あれがオルス先輩に眠っているサイヤ人の力なのだろう……

 

「まぁ……それでもあなたのことは許さない、パルパー・ガリレイ」

 

「ヒィイイイイイイイイイ!!!」

 

パルパーはオルス先輩をみて逃げ出そうとしている、逃げ足だけは早いと思っていたけど上の方から檻のようなものが降ってきた、こんなことをできるのは僕の知っている中で1人しかいない

 

「オルス先輩……ッ!」

 

「……」

 

オルス先輩はこっちを見ない、しかしーーー

 

 

 

 

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

「オルス先輩……本当に……本当にありがとうございます……!」

 

目元に涙が浮かんできた……でも今は涙を流すときじゃない

 

「や、やめろ!私が死んだらどうなるか分かっているのか!!!」

 

「あなたが死んだら……?そんなの知ったこっちゃない、あなたは僕の復讐の相手であり同胞たちの仇だ、むしろ死んでくれたほうがいい」

 

何故だろう、先ほどまで禍々しいほどの殺意に蝕まれていたはずなのに凄く清々しい気分だ、きっとそれはオルス先輩のせいだろう、いや、オルス先輩のおかげと言った方がいいかもしれない

 

「僕は今とても感謝している、あなたにまた会わせてくれたことも、自分のことを放っておいて他人の心配ばかりしている先輩にも……そして……こんな復讐のことしか考えられない僕を拾ってくれた部長にも!!!」

 

そのためにも僕は今の僕を超えないといけない……!

 

 

木場vision fade-out

 

 

オルスvision start

 

 

……木場の近くから強大な光の力を感じる、どうやらあいつも進化をするようだが……そんなことは今の俺には関係ない

 

「これで終わりだコカビエル」

 

手のひらをコカビエルに向けて自分に溢れる気を一気に収束させる、見た目はバレーボールぐらいだが……どうやら今の俺はクリアなことを考えられるようだ、それもあそこに溢れる光のせいか・・・?

 

 

オルスvision fade-out

 

 

木場vision start

 

 

バキンッ!と音がしてオルス先輩の作った檻が壊れる。

本来なら壊れるはずがないその強固な檻が壊れたことには驚きだが今の僕にそれを理解するような判断力は追いついていない……

 

だって……だって……!

 

「これは……みんな……!?」

 

なんて温かい光なんだろう……きっと……いや、これが今の君たちなのだ、そうだろう?みんな……

 

「僕は今まで……今の今までずっと考えていたんだ!!!僕だけが生きてていいのかって……!僕よりも強く思っていた子がいた……僕よりもずっと夢を見ていた子がいた……!そんな子たちよりもずっと劣っている僕が生きてていいのかって……!!!」

 

『良いんだよ』

 

『ずっと私たちのことを思っていてくれた』

 

『今まで忘れないでいてくれた』

 

『僕たちは知ってるよ』

 

『イザイヤが誰よりも優しいってこと』

 

『私たちは知ってるよ』

 

「みんな……!」

 

みんなが笑って見てくれている

僕に力を与えてくれている

あぁ……僕はなんて幸せ者なんだ……!

 

『~♪~~♪』

 

「これは……聖歌……?」

 

僕が人間だったころみんなで歌った歌

みんなで希望を忘れないようにって口ずさんでいた歌

本来なら悪魔である僕はダメージを受けてしまう、でも今回は、今回だけは僕に今まで以上の希望と勇気を与えてくれる……!

 

『僕らは一人じゃダメだった』

 

『だけどみんながいれば大丈夫』

 

『怖くなんてない』

 

『聖剣を受け入れよう』

 

『怖くなんてない』

 

『神がいなくたって』

 

『私たちがいる、そして今は仲間がいる』

 

『僕たちの心はいつだってーーーーーー』

 

 

 

 

 

「うん――――ひとつだ」

 

みんなの光が僕の中に入ってくる。

あんなに鬱陶しかった光が今は本当に心地よく感じる。

 

 

 

 

 

「いこうみんな……僕は二度と迷わない……ッ!!!」

 

その瞬間、僕の周りは大きな光に包まれた

 

 

木場vision fade-out

 

 

オルスvision start

 

 

どうやら木場は自分の限界を超えたらしい、やっと過去の自分に別れを告げることが出来るようだ

まぁ……今の俺には関係ない

 

「これで終わりにしてやる、今までの自分の行いに後悔しながら死んでいけ」

 

「くそが……!負けるか……俺が貴様なんざに負けるかぁああああああああ!!!」

 

あのクソカラスが光の槍をこれ以上にない程の数を作り投げてくる……

 

 

 

 

()()()()()

 

 

 

 

 

「なん……だと……ッ?!」

 

「ふん、その程度か雑魚が。何が戦争を引き起こしてぇだ、人間にここまでボコボコにされちゃあ歴史に書かれている堕天使が形無しだな」

 

本当にあっけない、こんな奴に……こんな奴に一誠は……ッ!!!

 

「死ね」

 

俺はこんな奴は容赦しない、くたばりやがれ死にぞこないが

 

 

オルスvision fade-out

 



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第23話 サイヤとトカゲと混沌と

お待たせしました。
テストやらバイトやらでこちらに中々手を出せずにいました、原作をまだ見たことがないので色々おかしい部分が今回もありますがそれでも良いという方はご覧ください。
最近書いていないので文章力もかなり落ちてしまいましたが徐々に戻していこうと思います。


オルスvision start

 

 

「あ“……?」

 

「な……に……?」

 

チッどういうことだクソが……俺は確かにこいつをぶっ殺すつもりでエネルギー波をぶち込んだはずだが……なぜ生きている?

 

「悪いな、今こいつに死なれちゃ困るんでね」

 

「誰だテメェは、つーかそいつをこっちに渡せ、さもなくば貴様も殺す」

 

本当にこいつは誰なんだ、見た感じはあのクソドラゴン(赤龍帝の中にいるマダオ)をそのまま白くしたような感じだが……

 

「俺は今世代の()()()、ヴァーリだ」

 

「あ“あ”あ“?その白龍皇がそいつに何の用があるってんだ」

 

【よう、久しぶりだな赤いの、どうやら宿主は死にかけているようだが大丈夫か?】

 

『ふん、言われなくとも何とかするわ、黙っていろ白いの』

 

なんだこいつら、人が目の前にいるってのに悠長に話なんざしやがって、気にくわねぇ

 

「てめぇらドラゴンどもは人が話している最中にほかの奴と話すのか?本当にいい度胸してやがんな」

 

【いいから聞けオルス、というかその金髪を解け。そいつは二天龍の一角、この俺、赤い龍(ウェルシュドラゴン)の対をなす白いドラゴン、白い龍(バニシングドラゴン)だ】

 

「うるせえ、赤トカゲだか白へびだか何だか知らんがそいつを俺に渡せって言ってんだよ」

 

いやマジでなんなんだこいつら、いきなり現れて一誠を殺しかけたやつを連れていく……?

 

 

オルスvision fade-out

 

 

三人称vision start

 

 

バシュンッ!!!と大きな音が響き渡る

 

「いきなり何をするんだ?金髪」

 

「一人で話を進めんな、いいからさっさと―――」

 

オルスがその場から消える

 

「渡せっつってんだろうがぁッ!!!!!!」

 

その余波で学校の校庭がひび割れる、しかしそれをヴァーリーは気にせずに手をかざす

 

『Dvine!』

 

「は……?」

 

「グッ……!君は相当な力を持っているようだ、まさか俺の半分以上の力を持っているなんて」

 

Dvineの音声でオルスの超サイヤ人が解けてしまう、しかしヴァーリーの方も無事とはいかず、膝をついて血を吐いてしまうがすぐに立ち上がって去ろうとする

 

「そいつ……を……わた……せ……!!!」

 

「そいつを渡せ!ヴァーリー!」

 

「チッ……今は君たちに構っている余裕はない、じゃあな今代の赤龍帝、また会おう」

 

 

三人称視点fade-out

 

 

オルスvision start

 

 

動けよ……動けよ俺の体……超サイヤ人が解けた?だから何だ……!

俺の力は……こんなもんじゃないはずだッ……!

 

「んぎぎッ……!」

 

「な、なに?!」

 

白トカゲが驚いてるが気にしねぇ……!

俺はあいつを絶対に……

 

「戦闘民族サイヤ人を……舐めるなぁあああああッ!!!!!」

 

「俺がさっき力を半分以上奪い取ったはずなのに……一体どこからこんな力が……!!!」

 

【にやけるなヴァーリー!今はコカビエルを連れて帰るのが先だ!!!】

 

逃がすか……!

 

「兄ちゃん待って!!!」

 

「なんだ一誠」

 

「いや、だって体が……」

 

「は?」

 

一誠に言われて気づく、傷だらけでボロボロ、自分でも立っているのがやっとと言えるような状態だ。どうやらコカビエルの攻撃を受けすぎてしまったらしい、いくら超サイヤ人でも相当な無理があったようだ……

 

 

オルスvision fade-out

 

 

一誠vision start

 

 

いきなり兄ちゃんの体から血しぶきがはじける、やっぱり無理をしすぎたんだ……!

 

「じゃあな、うちの白いのが騒ぐんで帰らねばならない」

 

「こっちも今は戦いたくない、今は兄ちゃんを治すほうが先だ」

 

今はそんなことより兄ちゃんだ!アーシアは?!

 

「アーシア!兄ちゃんを治してくれ!」

 

「は、はい!でも一誠さんも相当な重症ですが……」

 

「今は俺より兄ちゃんだ!俺よりもずっと体の負担がデカい、このままだと出血多量で死んでしまう!」

 

こんなに無理をして……アーシアに治してもらったらこりゃ病院だな、でもその前に……

 

「おぉ……神よ……」泣

 

「私はこれからどうすれば……」

 

「みんな……ありがとう……!」

 

「うぅ……私のせいでイッセーが……」

 

「部長……」

 

「金色のオルス先輩も……///」

 

この混沌にあふれた空間をどうするかだな……どうしよ……もう考えるのをやめたい

 

 

 

一誠vision fade-out

 



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第24話 サイヤと皮肉と病院と

オルスvision start

 

 

「……暇だ」

 

俺は今病院のベッドの上にいる、理由は簡単。

無理しすぎて動けません、正確には動けるんだけど医者がまだ動いちゃダメだって。

 

「はぁ……学校無遅刻無欠席だったのに……」

 

「まぁまぁ、そんな憂鬱なこと言わないでよ兄ちゃん」

 

「あぁ、一誠君おはよう」

 

一誠君が病院のベッドの上から挨拶をする、あのクソ堕天使共のせいで兄弟そろって病院送りだよ。一誠君の腹にも傷跡が残ってしまいまるで腹を貫かれた後のような傷跡だ。

 

まぁ……本当に貫かれているんだけどね……

 

「もう気にしないでよ兄ちゃん、あれは仕方ないって。それにリアス部長の結界があったから気の感知が遅れたんでしょ?それに兄ちゃんだって体中から血が噴き出して俺より酷かったじゃないか」

 

「いやいや、弟を守れないなんて兄失格だよ……おかげで新しい力手に入れちゃったけどさぁ……」

 

俺が手に入れた新しい力、それが『(スーパー)サイヤ人』、穏やかな心を持ちながら激しい怒りによって目覚める伝説の戦士、その倍率は実に50倍、自分の実力が50倍になるのんだけど……

 

「なんか弱い気がする……」

 

「ん?なにが?」

 

「いや、俺がコカビエルの時になった超サイヤ人のことだよ、俺の知っている力より随分と弱い気がしてね」

 

「え?でもあのコカビエルを圧倒していたじゃないか」

 

確かに圧倒はしていた、でも、それでもだ。原作の方だとあの宇宙の帝王を圧倒出来るほどの戦闘力の上昇量を持っているはず、けれど俺が思うに半分、いや、半分以下の力も引き出せていない。いいとこ40%ってところだろう。こちらの世界だとそもそもの性質が違うのか?それともサイヤ人だけに効く力が働いているとしか考えられない……ぶっちゃけこの世界も何でもありの世界だし。

 

「ん~……でもこれから力を付けていけばいいんじゃないかな?()()()()()()()()はそんなもんじゃへこたれないでしょ?」

 

「一誠君……」

 

はぁ……ダメだな、弟に励まされてんじゃだめだ。

よし……元気出すしかないな!

 

「そうだね……よし!フンッ!!!」

 

バキッ!と音がして腕のギブスが砕け散る、それを見ていて一誠君が目を見開いている。

 

「え?!ちょ、はぁ?!!なんでそんな硬いもん壊せるのさ!」

 

「だってもうほとんど治ったようなもんだしね、それにもう先に病院の先生には話を付けているからもう今日帰れるんだよね、俺は」

 

「えー!ずるい!」

 

残念だけど俺はサイヤ人だからね、ほかの人よりもずっと怪我の治りは早いからこの体の特性を存分に利用させてもらうとするよ。

 

 

~移動中~

 

 

俺はしばらく飛んでから山に着いた、ここは俺が新しい技を生み出すためにいつも使っている格好の修行場所だ。今やろうとしているのは数日前の戦いのときに目覚めた新しい力、超サイヤ人になれるかどうかの確認と新しい形態変化。これの確認と少しのトレーニングだ。

 

「取り合えずは超サイヤ人になった時のあの感覚、それを思い出しつつそれに慣れなきゃいけない。確かあの時は……背中がゾワゾワ……なのかな?」

 

そこに一度気を集めてみるか……

 

「はぁあああああ……!」

 

背中の腰と首の間の部位、そこに気を集めて一気に開放してみる。

それで超サイヤ人に成れるなら苦労はしないんだけど……

 

「はぁ……成れちまったんだよなぁ……」

 

まさか本当に成れるとは思わなかった。しかしこの姿になると暴れたくなるのはサイヤ人の特徴が色濃く出ているからだな、やはりなれるには常に超サイヤ人をキープするしかないが……

 

「このまま行っちまったら学校で何言われるか分かったもんじゃねぇ……」

 

そう、超サイヤ人の特徴の一つはこの姿、髪の毛が金色になり目が瑠璃色になってしまうのが難点。こんな状態で学校に行ったら不良と間違われちまうだろ。

 

「取り合えず解くか……ふう、次は新しい形態だな。今の俺のモードの最大は第二段階、つまり第二形態までなんだよな……」

 

今ある形態はスピードに特化した推進力(プラスブースター)、バランスを保ったままスピードとパワーを引き上げた第二段階(フルセカンド)、この二つしかない、正確には第二段階の下もあるが今回は入れていない。

 

「でも、ぶっちゃけサイヤ人の特性発揮しちゃったからコカビエルと戦った時よりも数倍強くなったからなぁ……いや、だったらこのまま第三段階に行けるんじゃないか?それにパワーに特化した形態があってもいいと思うし」

 

試してみる価値はありそうだ、前の体だと第二段階までが身体的に限界だった。

つまり今の数倍強くなった体なら第三段階まではいけそうだ。このまま習得までいっちょやってみっか!ってな。

 

「そうと決まれば早速やるしかない」

 

 

オルスvision fade-out

 

 

一誠vision start

 

 

「はぁ……本当に兄ちゃん行っちゃったよ、でも本当に戦闘民族サイヤ人って回復力凄いんだな。悪魔である部長達よりも元気なんじゃないか?」

 

そう思いながら少し時間がたったところで病室のドアが開く、そっちを見てみれば部長達が見舞いに来てくれたようだ。

 

「あの……イッセーだいじょう……ぶ……?」

 

「あぁ、平気っすよ部長。わざわざ見舞いありがとうございます。」

 

部長達はバツが悪そうにして室内に入ってくる。どうやら自分たちが余計なことをしたせいで俺の腹に大穴空いたと思っているらしい。まぁその通りなんだけど……

 

「イッセー……本当はあなたは部活にいたくないんじゃないの……?」

 

「へ?」

 

部長が苦虫を噛み潰したような顔をして言ってくる。正直に言えば俺は抜けなくてもいいとは思ってんだけど……

 

「まぁ……確かに今回は部長達がコカビエルに突っ込んできたから俺は腹を貫かれました」

 

「……ッ!」

 

「ですが……兄ちゃんが来てくれたのも部長達のおかげです、そこは感謝してます。それに兄ちゃんも超サイヤ人という新たな力に目覚めることが出来ました。本当にありがとうございました」

 

正直に言って皮肉にしか聞こえないと思う、けど本当のことだし確かに感謝はしていることなんだ、これは嘘なんかじゃないしね。

 

「えっと……その……」

 

「もう、いいですから、今日も部活ありますよね?さすがにこの怪我じゃ部活には出ることが出来ませんのでお休みをいただいてもいいですか?」

 

「え、えぇ……ゆっくり休んで頂戴ね」

 

そういって部長と朱乃さんは病室を出ていく、残ったのは木場、小猫ちゃん、アーシアがここに残った

 

「イッセー君本当に大丈夫かい?でもイッセーくんのおかげで僕も禁手化に目覚めることが出来たんだ。本当ならここでいうことじゃないんだけど……本当にありがとう」

 

「いやいや、木場も復讐が出来てよかったじゃないか。俺もあのカラス共は本当にムカついたからな、復讐の手伝いが出来てよかったぜ。本当なら復讐に加担することじゃないけどな」

 

「イッセー先輩オルス先輩はどこですか?姿が見当たらないのですが……」

 

「小猫ちゃんはいつも通りだね、兄ちゃんなら山に修行しに行ったよ、それにもう傷口はふさがったから寝てなくても大丈夫なんだと」

 

そしたら小猫ちゃんが目に見えて落ち込んでいる、まぁ、お見舞いに来たと思えば思いの人はもう退院しましたって何気にショックデカいよね。

 

「それでしたらイッセー先輩、オルス先輩にこれを渡してください。大量のお菓子と食料です」

 

「お、おう……こんな大量の食糧よくこんなに集めることが出来たね」汗

 

「お買い得の場所を調べまくりまして買い集めました。オルス先輩は食べることが大好きだと小耳にはさんだので」

 

それでもこの食料は凄すぎるだろ……普通の人だったら軽く10日分はあるんじゃないか?

 

「オッケー、任されたよ」

 

「絶対に渡してくださいね、あとイッセー先輩も()()()()なら食べてもいいです」

 

「ハハハ……遠慮しとくよ」汗

 

こりゃ少しでも食べることはできなさそうだな笑

 

 

イッセーvision fade-out

 



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第25話 サイヤと授業とおふざけと

オルスvision fade-out

 

 

「え?ゼノヴィアさん悪魔になったの?」

 

「あぁ、信仰する神がいないんじゃいても仕方がないし……それにそれを教会に問いただしたところ何も言わなくなってしまってね」

 

「そういうことよ、ゼノヴィアには【騎士】になってもらうわ、これで私の駒は二人の剣士がいることになるわね!」

 

へー、剣士が二人いるといいことってあんのかな?いやあるか、確かゼノヴィアさんは……えっと……あれ?エクスカリバーって木場君がぶち壊していなかったっけ?

 

「心配ないよオルス、私は元々()()()()()()使いだ」

 

でゅらんだるぅ?なんだそれ、なんかなんでも治す幽霊みたいな名前してんな

 

「デュランダルはエクスカリバーに引けを取らないと言われる聖剣よ」

 

「よく知ってるな、その通りなんだがデュランダルは少々暴れ馬でね、私には手に余ってしまうんだ」

 

へー、聖剣でもいろんな種類があるんだなぁ。

俺は武器は使わないで全部拳で解決できるからいいんだけどさ。

 

「だが伝説の聖剣でも君との手合わせはあまりしたくないな」

 

「え?なんで?」

 

そんなこと言っていたら一誠君が話しかけてくる

 

「いやいや、兄ちゃんのあの姿見たら戦いたくはないしょ……それにあれいつでもなれるわけじゃないんでしょ?」

 

「いや、なれるけど……」

 

「「「「「「え?」」」」」」

 

「やってみようか?はぁあああああああああッ……!」

 

背中に力を込めて少し開放する、全力で開放をしてしまうと校舎が壊れてしまうレベルだからだ

 

「ほらな、なれただろう」

 

「え、マジで出来るようになってるし……戦闘民族サイヤ人って本当に限界なんてないのかよ」

 

「勿論だ一誠、サイヤ人に限界などないさ」

 

けどこの姿になると口調が変わっちまうからな、名前も呼び捨てになってしまうしそれが厄介な点か。

 

「どうやらその姿になると口調が変わってしまうらしいですわね」

 

「みたいですね、けどオルス先輩の優しいところは変わっていないと思いますよ」

 

嬉しいこと言ってくれるな木場は、けれど隣で赤面してる小猫はどうしたものか。

 

「強気なオルス先輩もカッコいいです」

 

「小猫ちゃん真顔で凄いこと言うね、でも兄ちゃんそれで本気じゃないんでしょ?」

 

「当たり前だ、こいつは俺の知っている本来の力の4割ほどしかない」

 

そう、結局は4割しか出せていないのだ。

多分やろうと思えば7割までなら出せるだろう、しかしそれをやって仕舞えば身体がボロボロになってしまう。

 

「取り敢えず普通の黒髪に戻ればいいんじゃないかしら?その力の側にいると身体がピリピリしてしまうのよね」

 

「あぁ、すまねぇなリアス......ふぅ、やっぱ慣れねぇなぁ、超サイヤ人」

 

だがこいつに慣れる為の方法も考えてはいる、それもおいおい試していくしかないか。

 

「そういえば5日後はプール掃除があるんだっけ?」

 

「そうよ、私達がプールの掃除をする代わりに一番はじめにプールを使っていいことになったわ!」

 

プールの掃除かぁ、俺は別に部活に入ってないからやらなくてもいいんだけど......

 

「オルス先輩もやりますよね?」

 

「オルス先輩もやりましょうよ、水を浴びるのは楽しいですしね」

 

「オルスさんとも一緒に掃除したいです!」

 

「兄ちゃんも掃除に来てくれるんでしょ?」

 

後輩たちにこう言われてしまっては行かないわけにはいかない、プール掃除は確か明後日だったはずだから明日水着でも買いに行けばいいか

 

「ねぇイッセー?明日買い物に付き合ってくれないかしら?勿論買いに行くものは......ね?」

 

「はい、いいですよ」

 

なぜか一誠君からは前のようなエロパワー?をあまり感じない。んー、もしかして何かあったのかな?なんかアーシアちゃん涙目だけどあとで慰めておくかね。

 

オルスvision fade-out

 

 

一誠vision start

 

 

「イッセー、こんなのはどうかしら?」

 

「えぇ、似合ってると思います」

 

何故か俺はオカルト研究部の部長と朱乃さんをエロく見れなくなってしまった。いや、何故か最近は女の子には興味がない、やっぱりコカビエルの一件のせいなのか?今は少しでも兄ちゃんを無理させないために鍛えたい気持ちでいっぱいだ。

 

「ねぇ、イッセー?あなたは私達の事、どう思ってるのかしら?」

 

「どう・・・とは?」

 

「あの時イッセーは言ったわよね、椅子に踏ん反り返っている貴方達とは違うって」

 

あぁ、確かに言ったな・・・正直俺自身が女の子に言うとは思わなかったので驚いた反面申し訳なく思っている

 

「・・・正直に言ってしまうなら好きではないです」

 

「ッ・・・そうよね、私達は木場をーーー「ですが」え?」

 

「嫌いでもないです、それに女の子は笑っているぐらいが丁度いいですよ、ほら、笑ってください」

 

それを言うとは部長は顔を真っ赤にしてしまう、なんかおかしいことでも言ったかな?

 

「もう・・・本当そういうところよ・・・!」

 

「あれ?部長怒ってます?ちょ、部長待ってくださいよ!」

 

この気持ちは俺にはまだ分からない、けれどそのうち分かるんだな、と俺は今の状況を軽く見てしまっていた

 

「見てなさいイッセー、私の魅力でまたメロメロにしてあげるから・・・ッ!」ボソッ

 

なんか聞こえたけど気にしないようにしよう、うん

 

 

一誠vision fade-out

 

 

 

〜次の日〜

 

 

 

「やあ悪魔くん、今日も来てくれたんだな」

 

「どうもですおじさん」

 

この人は最近俺を呼んでくれるおじさんだ、しかし内容は特別なことは何にもない、強いて言うなら一緒にゲームとか釣りに行ったりとかだ、暇なのかな?

 

「今日は新しいゲームを買ってね、もしよければと思って呼んでみたんだが・・・これ系統はイケる口か?」

 

そんなことでいいのか、報酬が豪華な分ちょっと気の引ける部分もあるが・・・

 

「いいですよ、これ系統は俺結構強いですからね」

 

「そりゃ楽しみだ、俺を楽しませてくれよ?」

 

こうして時間は過ぎていく、最初の方こそ俺が勝っていたが次第に俺が抜かれ始め時間が経てば経つほどおじさんに抜かされてしまった。

 

「いやぁ悪いね、ハマってみればこういうゲームも面白いもんだ」

 

「楽しんでいただけたようで良かったっすよ、()()使()のおじさん?」

 

俺がそれを言うとおじさん、いや、堕天使のおっさんは顔を驚かせた表情にしてこっちを見てくる

 

「・・・気づいてたのか?」

 

「そうっすねぇ、強いて言うなら初めから気づいてましたよ、そっちがいつ気づくのかちょっと気になりましたけど・・・その様子だと気づいてなかったみたいですね」

 

それを言うと顔を更にしかめてこちらを睨んでくる

 

「お前さん相当強いな?すでに禁手化(バランス・ブレイク)にも慣れるようになっているとみた」

 

「見ただけでそれだけ分かるなんてあんたも強いな、」

 

しかし要件は戦闘ではないだろう、戦闘ならば始めて会った時に俺を殺せるはずだ

 

「そうだ、今更だが俺の名前を言っておこう」

 

その名前を聞いて俺の方も顔を硬ばらせるしかなかった、その名前はあの憎きコカビエルから出た名前ーーー

 

「俺の名はアザゼル、堕天使の頭をやっているんだ、よろしくな?赤龍帝」

 

その瞬間、おっさん、いやアザゼルは12枚の漆黒の翼を広げて自己紹介を始めた

 

 

一誠vision fade-out

 

 

オルスvision start

 

 

「ってことがあったんだよ」

 

「一誠君も大概変なことに巻き込まれるよね、逆にその不幸体質どうすれば治るのかな?」

 

本当に変なことに巻き込まれるなこの子は、むしろその体質呪いとすら思ってくるよ

 

「それにしても・・・まさか堕天使達の一番上がここ悪魔の領域に立ち入ってるとはね......」

 

「まぁ俺らは気づいてましたけどね」

 

おっとぉ?一誠君余計なこと言わなくていいんだよ?ほらーもうがっつりこっち睨んできてるじゃん

 

「・・・それは本当かしら?オルス君」

 

「はぁ・・・本当ですよグレモリーさん、ですけど前みたいな嫌な気配ではなかったんで放っておいても問題はないと思いました」

 

「それを判断するのは部長の私です、オルス君が判断していいことではなーーー「俺オカルト研究部じゃないんで別に報告しなくても問題ないはずですが?」・・・そ、そうよね......ッ!」

 

うわぉ、目に見えてキレるな、こりゃワガママ娘もここまでくれば褒められたもんだ

 

「悪いねオルス君、出来ればうちの妹をあまりいじめないでもらえるかな?」

 

「あぁ、すいません、少し俺の目に余ってしまったので、それにグレモリーさんのお兄さんにそれを言われちゃ何も言えませんね」

 

この人しれっと立ってるな、俺と一誠君は気づいてたけどどうやら他の部員の人は気づいてなかったらしい

 

「お兄様?!いつの間に部室にいらっしゃったのですか!」

 

「さっきだよ、みんな気づかないからちょっと寂しかったかなぁ・・・それでも赤龍帝の子とサイヤ人の人は気づいていたらしいけどね」

 

やめてくださいグレモリーさん(兄)、ただでさえ俺は妹さんから嫌われてるんですからこれ以上なんか言われたら消されてしまいます(嘘)

 

「それに・・・オルス君の力ってやつを見てみたかったしね」

 

「まさか超サイヤ人を見られていたとは・・・でも俺の力は超サイヤ人だけじゃないですよ?新しい形態も身につけましたからね」

 

「新しい形態ですか?オルスさんいつの間に・・・」

 

それを言ったら一誠君がジト目でこっちを睨みアーシアちゃんが涙目でこっちを見てくる、んー・・・確かにあの時はかなり無理してた気がするからなぁ・・・

 

「その力、ここで是非見せてくれないかな?」

 

「そんなことしてしまったらここが壊れてしまいますよ、ただでさえ気を解放してしてしまったらここ壊れそうになりますし」

 

これは嘘じゃない、やろうと思えば気合砲だけで校舎を壊せてしまう。けどそれをやると俺の金から弁償金額引き落とされかねないし何より怖いからヤダ、解剖されそう。

 

「大丈夫、解剖なんかしないさ」

 

「しれっと心の中読むのやめてくれません?」

 

油断ならないなこの人。

 

「それに授業参観が近いだろう?妹の勉強に励む姿をこの目に是非焼き付けておきたくてね」

 

「それはいけません魔王様!魔王様が1人の悪魔の為に時間を割くなどと!」

 

「それは心配ないよ。それに父上も来るからね、父上もリアスの授業参観を楽しみにしていたよ」

 

「〜〜〜ッ!!!」

 

うわぁ、紅い髪なのに顔が真っ赤になってるからりんごみたいになってるよ・・・そんなに嫌なのかな?いや、恥ずかしいだけか。

 

私達は今宿泊施設探していてね・・・この時間ではたして空いているものだろうか・・・」

 

「だったら俺たちのうちに来ません?一誠君もそれで大丈夫でしょ?」

 

「いいんじゃない?それに父さん達もいい話し相手ができると思うし」

 

「ちょっとオルス君!それにイッセーも!相手は魔王様よ?!そんな風に言ってはーーー「構わないよ!むしろありがたい!」え、えぇ・・・」

 

こうして魔王様御一行はうちの家に泊まることとなったとさ。チャンチャン

 

 

オルスvision fade-out

 

 

「え?!チャンチャンで終わんの?!

 



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第26話 サイヤとプールと酒呑みと

一誠vision start

 

 

「いやぁ、それにしてもグレモリーさんもなかなかいけますなぁ!」

 

「そんなことないですよ!それに実に美味い酒だ!この美味さは是非お土産として持って帰りたい!」

 

伝説の魔王様とうちの両親が飲み明かしていた、どうやらウマが合うようでもう結構な時間飲んでいる。

 

「凄いな一誠君、あの魔王様うちの父さんと飲み明かしてるよ」

 

「本当だよね、うちの父さん結構酒強かったはずなのに・・・」

 

いや本当に凄いな、しかももう何本も瓶を開けてるし・・・こりゃ長くなりそうだ。

 

 

そして楽しい宴の時間も終わりそろそろ寝る時間となった、けど部長が凄い駄々をこねている

 

「お兄様、私もイッセーと寝てはダメなのですか......?」

 

「ごめんねリアス、今日は一誠君とオルス君と共に寝たいんだ、それに話したいこともあるしね」

 

兄ちゃんとも?一体何を話したいんだろうか・・・そんなことを思いながら俺と兄ちゃん、サーゼクスさんは部屋に入っていった。

 

 

一誠vision fade-out

 

 

オルスvision start

 

 

さて、何を話したいんだろうか。

ぶっちゃけ俺はさっさと寝てトレーニングがしたいのだけれど。

 

「オルス君、君は『気』というものが扱えるそうだね?といっても前にも聞いたような気がするけど」

 

「扱えますよ、あと前の話は全く聞いてませんでした、すまいせん」

 

マジで前回、焼き鳥のときかな?マジで話は聞いてなかったからなぁ、しょうがないね←

 

「それと一誠君も使えます、俺が教えていますからね」

 

「なんと......!まさか気は猫又以外でも扱えるのか・・・?」

 

「猫又が何か知りませんが人は誰しも気を持っていますよ、それを使えるようにトレーニングすれば誰でも扱えます。現に俺と一誠君は悪魔じゃないですからね」

 

それを言えばたいそう驚いていた、それもそうか、人間である一誠君が禁手化してるし人間(仮)の俺だってあの量の気を扱っているから驚くのも無理はないのかも

 

「その気は私でも扱えるかな?」

 

「出来ると思いますよ、見た感じ魔力と気は別物らしく悪魔でも普通にいけると思います、ですけどどうも扱いが難しいらしくまだ部活だと使えている人はいませんね、1人を除けば」

 

「1人?それは誰かな?」

 

「それは多分小猫ちゃんだと思います、でしょ?兄ちゃん」

 

おっとどうやらここまで気を探るのが上手くなってるとは驚きだね。けど確かに一誠君の言う通りで合ってる

 

「小猫ちゃんなら確かに扱えるでしょう、ですが自分からそれを使わまいとしていますね」

 

「......そこまで分かっていたのかい?君は物凄い洞察力を持っているようだね」

 

グレモリーさん(兄)から理由を聞けば小猫ちゃんには姉がいたそうな、しかもそれがはぐれ悪魔となり現状危険度最高ランクのSSとまでなっていると聞いた、それがあり小猫ちゃんが最初の方感情がない事も聞いてしまった。

 

「小猫ちゃんにそんなことが・・・」

 

「あぁ、悪いのはあの戦車の子の姉ではなくはぐれに至らせた王が悪い、けれど上の老人達が何を思ったのか戦車の子も殺そうとしていたんだ・・・本当に腹立たしいことではある」

 

「はぁ・・・本当に悪魔ってのはクソだな......ッ!」

 

「兄ちゃん抑えて、家壊れるしそれに悪魔全体が悪いわけじゃないよ、俺も悪魔と堕天使は嫌いだけどいい人もいる・・・と思うからさ」

 

一誠君がそこまで言うならそうなのだろう......まぁ、俺も認めたくないだけで悪魔にもいい人はいるのは知っている、目の前の魔王様とかその妹のグレモリーさんとかね

 

「そう言ってくれるとありがたい、けれど2人が悪魔と堕天使を恨んでいることも確かだ・・・だからこそ私はここにきたのさ」

 

「「?」」

 

俺と一誠君ははてなマークを頭に浮かべるしかない、俺たちの恨みがなんでグレモリーさんがここにきた理由になるのだろうか?

 

「さっきも言ったような気がするけど・・・ここ、駒王学園で3種族の特別会議を行うことに決めたんだ」

 

(うわぁ・・・なんかそれっぽいこと話してたなぁ・・・やべ、全く聞いてなかった)

 

「多分その顔は全く聞いてなかったね?まぁそれも仕方がないか・・・」

 

やべぇ、ここまでがっかりされると逆にこっちが申し訳なくなる、んー・・・今の時間は0時ちょい過ぎぐらいか・・・よし!

 

「グレモリーさん、もしよければこの話の続きは俺の行きつけの店で話しません?」

 

「行きつけの店?それは気になるところだけど・・・今はこの時間だしねぇ」

 

「いやいやサーゼクスさん、この時間だからいいんですよ、兄ちゃん俺も言っていいでしょ?」

 

「当然、それに一誠君にも大切な話らしいからね」

 

グレモリーさんは「そこまで言うなら行くしかないね」と言って俺についてきてくれた。もうここまできたら食うもんはこれしかないよな!

 

「ここは・・・ラーメン屋かい?!」

 

「そうですね、俺がいつもお世話になっているラーメン屋です、とりあえず入りましょう!」

 

中に入れば少し獣臭い匂いが漂ってくる、これがいいんだよこれが

 

「おっちゃん、俺いつものね」

 

「俺はマー油豚骨で、麺固めね」

 

「えーっと私は・・・」

 

おっと、どうやらここの頼み方に少し戸惑ってるようだ

 

「最初は味噌がいいですよ、ここの味噌は美味いですからね」

 

「なら私は味噌ラーメントッピングでメンマと海苔と煮卵で」

 

しばらく待ってるとラーメンがゴトリッと目の前に置かれる、いつ来ても美味そうな匂いだ......!

 

「さぁどうぞ、今回は俺のおごりです」

 

「え?そんな訳にもいかないよ。それに私は大人だからね、自分の分は自分で払うさ」

 

「いいですから、それに無理やり連れてきたのは俺ですからね。こればっかしは譲れません」

 

「そう・・・?ならお言葉に甘えるとするかな」

 

一誠君はもう食べ始めている、そんなに急いでたら誤嚥(ごえん)するかもしれないけど・・・あーあ言わんこっちゃない!

 

「美味い!なんて美味いラーメンなんだ!」

 

「この時間に食うからこそ最高なんですよ、それと・・・()()()()()()()()?どうせなら私は入ってきて一緒に食べましょうよ」

 

店の入り口の右側、そこに立っているらしいけどびくりと気が乱れる。どうやらバレない自信があったようだけど俺にはバレバレ・・・おっと間違えた、俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。

 

「おいでよグレイフィア、それに今回はオルス君の奢りだそうだ」

 

「ですが・・・」

 

「いいからこっちに来てくださいよ、こんないい匂い漂わせながらそこに立ってるのは辛いんじゃないですか?」

 

俺がそれを言えばぐぅ〜っとあたりに音が響く、やっぱり体は正直だね。

 

「えっと・・・ならお言葉に甘えさせていただきます///」

 

顔真っ赤でまるでりんごみたいだ・・・そんなに恥ずかしかったのね。

 

そのあとはラーメン屋で色々話した。

堕天使の総督に会ったりと言ったところだがそのほかにも学校である会議のことなどで話し込んでいた。

 

「オルスくん、イッセーくん。会議のこともそうだけどリアスのことをよろしくね」

 

「こちらこそ、俺の手の届く範囲であればみんなを守ってみせますよ」

 

そう話し合って俺らは家に帰って寝た

 

 

 

〜少し時は経ち〜

 

 

 

今日はプールの掃除の日、最初こそみんなワイワイとやっていたが次第に疲れてきたようだ

 

「んじゃあとは俺がやっておくよ」

 

「え?いいの?」

 

「平気平気、要は汚れとか藻を全部取ればいいんでしょ?みんな一生懸命にやってたからやる必要ないかなって思ったんだけど・・・まぁ多分できるよ、一誠君なら分かるかな?」

 

それを言ったらハッとした顔をしてこっちを見てくる。

 

「え?アレをやるの?この規模のやつを?それってコントロールがかなり難しくない?」

 

「大丈夫だよ、死にかけパワーアップもしてトレーニングもしてたから気のコントロールは前以上に出来るのさ」

 

「え?オルス先輩は一体何をするつもりなんだい?」

 

まずはプールの広さをよーく見る、そして汚れと壁、床の隙間に自分の気を薄く貼る、そして薄く張った気を一気に上に引き上げる!

 

「おー!凄いなオルス!」

 

「嘘・・・これ程の力のコントロールなんて一体どれほど鍛えたら......!」

 

「あらあらうふふ、オルス君はなんでも出来るんですね〜」

 

「凄いですオルスさん!力ってこんな使い方も出来るんですね!」

 

まぁざっとこんなもんか、掃除が終わればあとはやることはひとつ

 

「これならもうプールで泳げるな、みんな着替えなくていいの?」

 

「そっか!木場着替えようぜ!どっちが長く泳げるか勝負だ!」

 

「いいね、騎士の力をお見せしようじゃないか!でもイッセー君?赤龍帝の籠手を使うのは無しだからね?」

 

うんうん、みんな泳ぐのがよほど楽しみなようだ。さて、俺はここで昼寝でも・・・

 

「「オルス先輩(さん)」」

 

「ん?どうしたの小猫ちゃん、アーシアちゃん」

 

「えっとですね・・・実は・・・」

 

「泳ぎを教えて欲しいんです・・・」

 

おっと、これはちょっと予想外だぞ?

まさかこの2人が泳げないとは・・・というより何故俺に頼もうと思ったのか。

 

「最初はイッセーさんに教えてもらおうと思ったのですが・・・」

 

「ちょっと朱乃!イッセーは私のものよ!」

 

「あらあら、何を言っているのかしら?人を物扱いだなんてはしたないわねぇ・・・!」

 

「部長、朱乃さんも落ち着いてくださいよ」

 

あー・・・あれは両手に華ってやつなんだろうけど今はドンマイとしかいえないかなぁ

 

「うん、大丈夫だよ。俺は今昼寝しようと思ったしね、それに教えるのも大切なトレーニングだから」

 

こうして小猫ちゃんとアーシアちゃんの泳ぎのトレーニングが終わった、取り敢えず一通り教えて多少泳げるようになったので大きな進歩といったところだろう。

 

 

オルスvision fade-out



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第27話 サイヤとフードとギャスパーと

オルスvision start

 

 

「う、美味い・・・なんて美味さだ・・・!このハンバーガーというものは!!!」

 

「ジャンクフードはまだまだこんなもんじゃないですよグレモリーさん、ホットドッグにタコスにリブステーキ!まだまだ美味いもんはたくさんありますよ!」

 

「なんと美味しい・・・!このポテトというものはジャガイモを揚げただけのはずなのに!」

 

今俺はグレモリーさんとグレイフィアさんと町の下見に来ている。人間界の様子が見たいらしくてここを選んだけどここはいつ来てもいい場所だ、美味いもんがたくさんあるからね!

 

「オルス君がここを選んでくれて正解だ!ぜひうちにも作りたいくらいだよ!」

 

「それいいですね!人間界の美味いものを悪魔の人達に知ってもらうにはいい機会でしょう!」

 

なんか悪魔に対して凄いフレンドリーだけどほら、この人達はいい人だから関係ない。

それに一誠君がいい悪魔もいるって言ってたからね、俺はそれに賭けてみる事にした。

 

「ここにも行ってみたいのだけれど・・・オルス君案内してもらってもいいかな?」

 

「お、いい店選びますねぇ。ここは俺もよく行っている焼肉屋ですよ!」

 

いやぁグレモリーさんもいい味覚をお持ちなようで、これなら俺も店の紹介がいがあるってもんだよ。

 

「ここで食べ終わったらゲーセンでも行きますか!いえ、その前にクレープもいいかもしれませんね」

 

「ゲーセンとはゲームセンターかい?!それにクレープも気になるな・・・あー!なんて娯楽が多いんだ人間界!!!」

 

「サーゼクス様、どうやらカラオケなるものもあるらしいですよ。ここも面白そうじゃありませんか?」

 

グレイフィアさんもノリノリなご様子、冥界にはこんな娯楽がきっとないんだろうな、うん。

 

そんなこんなで俺たちは俺のオススメの町を遊びつくした、いつもならトレーニングをしているところだけど・・・まぁ、今日ぐらい休んだってバチは当たらないと思う。むしろ休まないと弟がすっごい睨んできます怖い。

 

「さて、色々遊んだところで申し訳ないと思うのだけれど・・・少しばかり運動に付き合ってくれないかな?オルス君」

 

「運動・・・ですか?」

 

なんとなく分かる気がする、俺の力が何処に向くか、そしてそれを見極める必要があるのだろう。

 

「俺がいつもトレーニングに使っている山があります、そこだったら割と騒いでも問題はないでしょう」

 

そう言って俺たちは山に行く、さてと、一体何処までを見せればいいのかな?

 

「ありがとうオルス君、運動と言っても私たちは君の本当の力を見ておきたいんだよ」

 

「問題ないです、なんならこの前戦ったカラスの時よりよっぽど強くなってますんで。吹き飛ばされないようにしっかり足に力を込めておいた方がいいですよ・・・ッ!」

 

 

オルスvision fade-out

 

 

サーゼクスvision start

 

 

オルス君には今日沢山案内してもらった、だからこそ私たちはオルス君の本当の力を見ておかなければならない・・・けれど本当に大丈夫なのだろうか?

 

「はぁあああああああああ・・・ッ!!!」

 

この前勝手に見させてもらった超サイヤ人までならいいんだ、けれどね?

 

「まだまだ・・・ッ!こっから更に・・・出力を上げていく・・・ッ!!!」

 

まさか超サイヤ人が限界じゃないとは・・・しかも見えないだけでオルス君の体の周りに気の鎧が出来ているじゃないか!こんなこと猫又でもできるとは思えない!

 

「ふぅ・・・待たせたなサーゼクスさんよぉ。これが今の俺の最大パワー、【本気の気の鎧超化】(オーラメイル verサイヤアップ)と言ったところかな?」

 

「なんというパワーだ・・・!悪魔でもなく堕天使でもない・・・天使でもなく普通の人間にここまでの力を生み出せるなんて!」

 

「これ以上は俺の身体が持たないんでな、今の俺にはこれが限界・・・っと、ふう。超サイヤ人との併用は疲れますね・・・」

 

まさかここまでとは思わなかった、これだったらコカビエルを子供扱いできるレベルと言っても過言ではないだろう!

 

「まさかここまでとは・・・私が一誠様のところへ転送した時はここまでの力は無かったはず・・・!」

 

「と言っても超サイヤ人でここまでですから、俺の気の鎧は今は第三段階まであります。超サイヤ人の状態で第二段階までなると身体中の筋肉が破裂してしまうんです」

 

「さらっととんでもないことに言ってますよね?それ絶対に軽く言っていいことじゃなさそうなんですけれど・・・」

 

しかしグレイフィアの言っていることは同然だろう、身体中の筋肉が破裂とは内臓もズタズタになってしまうということ。もしそんなことをしてしまえば彼はもう2度と戦うことができなくなってしまう・・・

 

「大丈夫です、そんなことはしませんので・・・多分」

 

「多分じゃなくて絶対にやめておくれよ・・・」

 

「とりあえず今日はもう帰りましょう、もう遅いですしね」

 

「そうだね、けれどまた泊めてもらってもいいのかい?」

 

「問題ないですよ、それに父さんや母さんもまだまだ話し足りないでしょうしね」笑

 

彼もこう言っていることだし・・・お言葉に甘えるとしよう。

 

そう思いながらオルス君達の家へと行くのだが・・・ここまでしてもらったのだから恩返しをしなくてはな。

 

 

サーゼクスvision fade-out

 

 

 

〜数日後〜

 

 

 

オルスvision start

 

 

なんか数日前ぐらいにサーゼクスさんから嫌な予感がしたけど気にしない、うん、多分平気・・・平気だよね?

 

「さて、今日は皆さんに外に出てもらいます。今日は授業参観ということですので皆さんには元気にイキイキした姿を見てもらいましょう!」

 

なんで俺の時だけこんなに体力関係のことが来るのよ、おかしくない?魔王様仕組んでない?

 

「イキイキした姿って何をするんだろうなーオルス〜」

 

「いや本当に何をするんだろうな、でもあの先生のことだから変なことしかなさそうだけどね」

 

そんなことを話しながら校庭に出る、先生は先に出ていたようで鉄棒で地獄回り(逆上がりを足をつかないでやること)をしたりピタッと動きが止まったら今度は天国回り(地獄回りの逆)をやり始めていた。

 

「先生幾ら何でもその準備運動はどうかと思いますよ」

 

「何を言っているんだオルス君ッ!元気な姿をお見せしてこその授業参観でしょう!」

 

もうやだこの人ネタ枠確定事項です。

 

そんなこんなで俺たちの授業参観は終わった、この階はグレモリーさん(妹)もいるので時たまグレモリーさん(魔王)も見える。やっぱあの人髪紅いせいかすげぇ目立ってる。

 

「さーて、んじゃ問題児でも連れてきますかね・・・」

 

そう言って俺は一誠君と合流してある子のところへ向かう、その子はグレモリーさんの眷属らしいんだけど極度のコミュ障らしいんだよね。

 

「一誠君は一回会ったんだっけ」

 

「そうだよ、ただアイツ本当にコミュ障でさぁ・・・あとアイツの能力には気をつけて、どうやら時を止める神器を持ってるよ」

 

時止める神器とか某吸血鬼さんなんですけれど・・・

 

「それと種族は人間じゃなくて半吸血鬼、ハーフヴァンパイアだね」

 

本当に吸血鬼じゃねぇか・・・

 

「入るぞー、()()()()()

 

一誠君が入ると同時に一瞬空気が重くなったような気がする、いや、重い。

 

一誠君の方を見れば普通に動いているように見えるが外を見れば雲も動いてないし人すら動いていない。なるほど、これが半吸血鬼、ギャスパー君の力か。

 

「つまりそこで動いているボクっ娘がギャスパー君か」

 

「いやぁああああああああああ!!!!!」

 

「え?!なんで兄ちゃんコイツが男だって分かったの??!!!」

 

「感」

 

んなあほな・・・という表情でこっちをみてくる。まぁ感は冗談として気の質を探れば分かることだしね。

 

「一誠君もやってみてよ、男と女じゃ気の本質が違うから、と言ってもこの動きの止まった空間をなんとかしないといけないけど」

 

「うわぁああああああああもうやだぁああああお家帰るぅううううう!!!!」

 

こりゃ相当重症だな・・・しかもしれっと時止めちゃってるし・・・

 

「なぜこんなにコミュ障になっちゃったんだろう・・・」

 

「吸血鬼の世界だとハーフっていうのは嫌悪されるんだって、しかもそれが家族でもそうらしく・・・兄ちゃん?」

 

はぁ、吸血鬼もか・・・どいつもこいつも本当にふざけてやがる・・・ッ!

 

「ちょっと吸血鬼ども滅ぼしてくる」

 

「えぇええええ?!待ってくださいお兄さん!」

 

いやだってイラっとするから潰す・・・いやいや、この考え方がよろしくないね。

 

なんか超サイヤ人になれるようになってから気性が荒くなった気がする・・・でもずっと超サイヤ人いるのはなぁ・・・

 

『いいではないかオルス、自分の強化は新たなステージに立つ一歩だ。それの方法を分かっているのに使わない手はあるまい?』

 

「ドライグにそう言われちゃなぁ〜・・・いやそれよりもまずはギャスパーくんをどうするかの方が問題だよ」

 

見た感じ世界そのものに恐怖を抱いている感じがする、これは昔相当なトラウマがあったからに違いない。

 

「ギャスパーくん、君はどうなりたい?」

 

「どう・・・って・・・?」

 

「強くなりたいのなら俺は強力しよう、神器は自分の力で働くものだとグレモリーさんが言っていたからね。肉体的にも精神的にも強くなればきっとその時間を止める神器をコントロールできるよ!それにねーーー」

 

ドンッ!と音がなって俺の体から金色のオーラが溢れる

 

「俺もまだこの力をコントロールしきれてねえ、それに口調も荒々しいものになっちまうからな。それを制御するためにも俺と一緒に強くなってくれねぇか?()()()()()

 

「僕は・・・僕は・・・!」

 

オルスvision fade-out



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