白猫 -常夏!熱帯夜に震える魂- (RASN_Pixiv1本になります)
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白猫 -常夏!熱帯夜に震える魂-

※この話は白猫常夏!夏れ!サマー!の続きにあたる物です、前作を見てると多分もっと楽しめるかと思います。(多分)


 

「はぁー、楽しかったわねー。」

 

「はい、音だけでも充分に楽しめましたよ。」

 

「うん!みんなと花火を咲かせて楽しかったよ!」

 

天使の祭壇に続いている道からは飛行島の冒険家達が浴衣姿で下りてきた。

 

「そんじゃ、さっさと帰るか暑くてかなわねぇぜ。」

 

「そうだな浴衣も中々良かったしなこのままでも良くね?」

 

「そうさね涼しいし…それにサワワやクローとかはそっちの方が動きやすくない?」

 

「…浴衣も中々良いのですが…流石にスースーとしてて…風を起こすときには少し…」

 

「おいらもスースーしてて舞台には上がりにくいな…」

 

「私もね、というよりあの服は一族の正装だし…取りに行かないと…」

 

冒険家達はサマーソウルに教えられていた小屋へとたどり着きその戸を開いた。

 

「そんじゃ男子は着替えを持ったら外で着替えてよねー?」

 

「覗いたりしたら承知しないわよ!」

 

「分かってる、分かってる。」

 

「にしても暗いな…窓ひとつも無いのかよ…」

 

「…そんじゃァ俺様の剣で…」

 

「エドガルドの旦那…それ前にやりかけた事でしかも今俺達は武器すら無いんだぜ?」

 

「そうですね…でも何も無くないですか?」

 

実際彼達のいる小屋には何も無くて、渋々と外に出た。

 

「ここじゃないのかしら?」

 

「うぅん、この辺りにはこれぐらいしか小屋がないからここだと思うけども…」

 

「どうしよう、この格好でみんなの前に帰るのは…」

 

「シショー!小屋の中を模索したらこんなものを見つけたでござる!」

 

最後に出てきたフランの手には小さくたたまれていた紙があった。

 

「何?開けてみたら?」

 

「開けてみるでござる…」

 

フランの元に冒険家達が集まり、フランは紙を開いた。そこには小さな紙の中に豪快で細やかに書かれた筆文字が並んでいた。

 

「えーっと…『服は私がモアイ像前に置いといた!取り返したいならごつごつ山のモアイ像まで肝試しついでに取りに来い! by 君達の熱く燃える夏 サマーソウルより』…ですって…?」

 

フランの頭に乗って紙の中の文章をキャトラは読み上げたが、キャトラは呆れ顔になっていた。

 

「…どうすんの?みんな?」

 

「行きたいけど…また彼処に行くのは…」

 

「そうよね…私も勘弁するわ。」

 

「面白そー!行こ行こ!」

 

「私も行くー!」

 

「なっ!?エっ…エシリアが行くんなら私も…!」

 

「面白そうですね、私も行きましょう。リュート君も行きますよね?」

 

「なっ…何で!?」

 

「わっ…私は無関係の為帰らせて頂く…!」

 

「待てよ!ウマルス!俺が行くならお前も来いよ!」

 

「なっ…!?私は無関係と言ったし…この身一つでも帰れるぞ!?」

 

「諦めろウマルス、状況的に逃げられねぇぞ?」

 

「ぐぬぬぬ…」

 

「まぁ俺もついていってやるから勘弁しろ。」

 

「カスミ!面白そうですから行きましょう?!」

 

「う…?そうね…あの服は大切なものだしね…」

 

「コリンねーね、RASNにーにも行くの?」

 

「あたしは…まあ面白そうだから行こうかねぇ?RASNも行くっしょ?」

 

「…!(コクッ!)」

 

「うーん…にーにとねーねが行くならコヨミも行く!」

 

「キャンキャン!」

 

「私は…少しお祭りと海で疲れて…」

 

「リアム…勿論…」

 

「あぁ…射的の決着はこいつで決めてやる!」

 

「セッシャは行くでござるよ!」

 

「ふむ…面白そうな遊戯だ…妾も行くぞ!」

 

「私は遠慮しておきますわ。」

 

「行ってみましょう!」

 

「…肝試し…風神修行の一環と思えば…そう思えば…!」

 

「おっ…おいらは…えっ…遠慮しとくぜ…」

 

「ケッ!下らねェ…パスだな。」

 

こうしてごつごつ山に行くことになったのはRASN・ハーティ・タビィ・コジロー・ウマルス・リュート・コヨミ・コリン・カスミ・フローリア・サワワ・フラン・カモメ・キャロ・リアム・ザック・エシリア・インヘルミナの18人となった。

 

「あれ?まだ続きがあるみたい…?」

 

「何々…?『P.S あと行く人が決まったら二手に別れて進んでほしい、裏手の箱のくじで二手に別れるはずだからしてから行って下さい。』…何か丁寧な文面ね…」

 

「相変わらず粗い筆文字だけどね。おーいRASN取りに行って…」

 

「シショー!取ってきたでござる!」

 

「早っ!?」

 

キャトラがRASNの方へと首を向けながら取りに行かせようと言い放ちかけた時、フランはフッと姿を消すとまた小屋の方から走ってきたのであった。

 

「相変わらずの早業ですね。」

 

「えへへ…誉めると恥ずかしいでござる…」

 

「はいはい、さっさと組分けしましょーね?」

 

「…!」

 

RASNは箱を持つと肝試しに行くメンバーの前に立ってくじを引かせた。

 

そして結果としてRASN・コヨミ・コリン・カスミ・フローリア・サワワ・フラン・カモメ・キャロの組と

 

リアム・ザック・ハーティ・タビィ・コジロー・ウマルス・リュート・エシリア・インヘルミナの組に分かれた。

 

「…何か…意図的に組まれたような気がするわ…」

 

「いいじゃないですか?私はカスミと組めて嬉しく思いますが?」

 

「…何か企んでる?」

 

「いいえ何も?」

 

「やったー!にーにとねーねと一緒だー!」

 

「おやおや…そう喜ぶと私も嬉しいねぇ…ね?RASN?」

 

「…(コクッ)」

 

「全力で頑張りましょう!」

 

「はっ…!はいっ…!風神見習いですが頑張ります!」

 

「シショーと一緒でござる!セシボーンでござる!」

 

「ふっ…エシリア…直接決着はつかなそうだけど…先についた方が…!」

 

「わぁい!ユリウマバエと一緒だー!」

 

「のわ!?私の名前に掠りもしてない気がするのだが…」

 

「気にしない気にしないー!進めー!」

 

「私は人を乗せて歩くのは…ひっ…ヒヒーン!?」

 

「…無視された…!」

 

「リアムぅ…これで逃げれないよな?」

 

「ケッ!それを言うならザック!お前のビビり姿が見れるんだから嬉しいねぇ!」

 

「んだと!?」

 

「おやおや…向こうではRASNは楽園か…羨ましいねー」

 

「リュート君怖かったらお姉さんに抱きついてもいいのよ?」

 

「ふんっ…こんなの…平気だよ…」

 

「ふむ…妾の配下としては心もとないが…遊戯なのだからこれで良いだろう…」

 

「よーし!やったったんぞー!」

 

そしてアイリス・キャトラ・エドガルド・クロー・ディーネ・ソフィを残してごつごつ山へ続く森へと入って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

-ピレント島 森-

 

肝試しへと向かっている冒険家達の前には二手に分かれる看板があった。

 

「んー?何々…?右は恐怖の館…左は戦慄の川岸…ここが分岐点か…」

 

「どっちにするか…」

 

「ど…どちらも怖そうですね…?」

 

皆は迷い検討した上でリアムらは右へ、RASN達は左へと進んだ。

 

 

 

 

 

 

-左ルート 戦慄の川岸-

 

「にーに…怖いよぉ…」

 

「RASNさん…灯りは大丈夫ですか?」

 

「…!」

 

RASN達一行は灯りのルーン入りの提灯を持っているRASNを先頭にし、すぐ下は川が流れている崖を歩いていた。なお提灯には荒々しく『夏魂!』と書かれている。

 

「うう…ねぇ…何か後ろから変な気配したんだけど…」

 

「きっ…気のせいでござるよ…!きっと…そうでござるって!」

 

「そっ…そうですよ!水辺は色々出るって聞きますけど…」

 

「あわわ!?カモメ殿!そんなプレザントリーな事は止してでござるぅ!」

 

「わっ…私だって怖いんですよー!?」

 

「ふひひ…こんなに暗いと悪戯しがいがありそうだねぇ…?」

 

「コリン…コヨミちゃんが怖がってるのに余計な事はしない。」

 

「ふふ…そういうカスミだって手が震えてますがね?」

 

「なっ…何を言ってるの!?わっ…私は今まで色んなまがごとを祓ってきたんだから…こっ…怖くなんか…!」

 

\ボチャン!/

 

「わわっ!?」

「きゃあ!?」

「ふぇ!?」

「キャーッ!?」

「…!?」

 

突然下の川に何かが落ちた音がすると一行は声を上げて驚いた、そしてそのなかでカスミが一番大声でしかも灯りを持ってたRASNに真っ先に寄り添った。

 

「なっ…何なの…!?」

 

「多分…岩か何かが川に落ちたのでは…?」

 

「いつもゴロゴロと転がってくる丸岩は音もなく何処かに行くからね…」

 

「ムッ…カスミ殿?何故にシショーに絡み付いているのでござるか…?」

 

「………………、えっ…?……あぁ…ごっ…ごめん…!」

 

カスミはオドオドとしながらRASNから離れた。

 

「あらあら…RASNさん…随分カスミから頼られてますね?」

 

「…!(ニコッ)」

 

「ふっ…フローリア…!茶化さないでよ…って、何であんたは笑ってんのよ!?」

 

「でもお祭りの時よりは少し控えめですね…?」

 

「フローリアねーね?控えめって何が?」

 

「あらあら…それはね…」

 

にわかに狼狽しているカスミをよそにコヨミは疑いも知らないような眼でフローリアに質問していて、フローリアはそれに笑顔で答えようとしていた。

 

「わっー!わっー!わっ…私フローリアと一緒に少し先に行くから!」

 

「あららら?」

 

カスミはあられもない声をあげてフローリアの腕を掴むと、ダッシュで進行方向先の暗闇の中へと消えた。

 

「ねぇにーに、カスミねーねと何かあったの?」

 

「…!……!」

 

「へー、にーにってばカスミねーねからアイスを食べさせて貰ったんだってー。いいなーコヨミも食べたかったなー」

 

「そっ…そんなことよりはぐれたら不味いですよ!追いかけましょうよ!」

 

 

 

 

 

 

 

-右ルート 恐怖の館-

 

「…正にそれらしい館だな…」

 

「あぁ…蔓も巻いてるし、ボロボロ…正にお化け屋敷だな…」

 

リアム達は分かれ道から道なりに進んでたどり着いたのは、いかにも出そうな感じの館であった。

 

「んー?こんなとこに大きな家ってあったけなー?」

 

「ん?タビィってここの出身だろ?」

 

「そうだけど…こんなとこにこんな館なかったよ…」

 

「族長さんから貰った地図を参照しても該当できる家屋はないみたいですね…」

 

「ってことは…あのサマーソウルってのが建てたのか…」

 

「うむむ…この禍々しい感覚…かつて私が…」

 

「あーユウリマバエちゃんまた嘘言ってるー!」

 

「俗説だ…それより私はウマルスだ!ユリウマバエとかユウリマバエとかではない!」

 

「ふむ…要はこの館を制圧すればよいのだろう?なら火を放ちその混乱に乗じて…」

 

「女王さん…俺達はここを通り抜けるだけなんだけどな…」

 

「ともかく早いとこ入ろうぜ!」

 

やけやたらに張り切るリアムを先頭に館の扉を開き中へと入った。

 

「にしても暗いな…何も見えねえ…」

 

室内は月の光が入らなく、完璧なまでに闇が広がっていた。

 

「んー?あっちも面白そー!」

 

「おおっと!?こんなかでマジではぐれたら洒落になんねぇぞ?!」

 

「はーい…!」

 

「灯りとかどうにかなんねぇのか?」

 

「ランタンとか松明とか持ってこなかったからな…」

 

「ふむ…準備が悪いな…」

 

「なに威張ってんだ?ウマルス、そんな暇あったら何とかできる策を考えろよ。」

 

皆が暗闇の中悩んでいるとペカッーと辺りが明るくなり始めた。

 

「なっ…!?何だ!?」

 

「眩し…くはないけど誰だ?」

 

「はい、私ですが?」

 

みんなが声の方を見るとそこにはハーティがおり、光っていたのであった。

 

「光って…やがる…!?」

 

「わっー!すごいすごいー!隠し芸だー!」

 

「いいえ、あまりにも暗いので私の機能の一つでもある自動発光システムが作用したので。」

 

「でも何かポワポワと光っていて何か怪しくないか?」

 

「では集中照明でよろしいでしょうか?こうビーっと。」

 

ハーティは耳元の何かを少し捻ると、体から発していた光が消えて代わりに眼からビームのように光が飛び出したのであった。

 

「わぁ!ビームだビーム!」

 

「取りあえず辺りを照らしておきますね。」

 

ハーティは眼からビームのような光を放ちつつ辺りを照らした、そうすると彼等のいるところは大広間で部屋の隅々に甲冑や鎧が飾られていた。

 

「何だ、鎧っていてもどれもボロボロじゃねえか…」

 

「おっ!ここら辺は売れそうかな…?」

 

「私用のは…無いのか。」

 

「何ぞ、どの甲冑も本国の物に比べれば貧相なものばかり…ん?」

 

飾られていた甲冑を見て回っていたインヘルミナはある甲冑の前で急に止まり、その他の冒険家達もその甲冑の前へと集まった。

ちなみにその甲冑は着たら息もできなそうなほどどっしりとした甲冑であった。

 

「どうしたんだい女王様?この甲冑がお気に召されましたか?」

 

「否…皆のもの少し静かにできるか…?」

 

インヘルミナがそう囁くと皆は口を閉ざした、そうすると室内には静かな風の音だけとなった。

 

「……。」

 

「………。」

 

「…へっきちっ!」

 

「…へきちっ!」

 

途中ウズウズとしていたタビィやエシリアが足をパタパタとして埃をたてて、その埃でくしゃみをしてしまった。そしてそのくしゃみは彼らが見ていた甲冑に当たった。

 

「ひぇ……?!」

 

そしてその甲冑はブルりと震えたのだ。

 

「……。」

 

「…どうすんよ…?」

 

「…とりあえずここから離れよ…」

 

「わぁぁい!動いたー!」

 

「それっ!スポッと!」

 

「何やんってんだお前らー!?」

 

エシリアとタビィはキャッキャと目の前の怪しい甲冑にベタベタと触れて、タビィは甲冑の兜を脱がした。すると鎧の中から青い髪と眼で謎の触角のようなものと、耳から後頭部をカバーするような物を付けた肌色が薄めな女性の顔が現れた。

 

「人…!?」

 

「何でこん中にいるんだよ!?」

 

「ひっ…!?ごっ…ごめんなさい…!?でっ…でも皆さん…!」

 

「ん…?」

 

すると青色の女性は何処からともなく槍のようで針のような物を取り出して上に掲げた。

 

「みっ…見ないでくださいー!!?」

 

「えっ…?ってうわっ!?」

 

すると掲げているものから雷が発射され室内なのに落雷が起きた。

 

「何しやがる!?のわっ!?」

 

「わぁい!楽しー!」

 

「200回ぐらい避けたったんぞー!」

 

「妾の盾となれ!」

 

「何しやが…ほべー!?」

 

「まて!私は雷は…あがっー!?」

 

だがリアムやザックらは必死に回避したり、面白そうに避けて数を数えているエシリアやタビィやウマルスとコジローを盾にして凌いでいるインヘルミナ等冒険家達は各々対応していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

-左ルート 戦慄の川岸-

 

「あっ!カスミねーね!フローリアねーね!探したんだよ!」

 

「どうしたでござるか…そんなにパニックって?」

 

カスミとフローリア以外の左ルートの冒険家達は無事にカスミ達と合流できたが、二人は何故か息を荒げてやって来たのであった。

 

「たっ…大変なの…!真っ直ぐ進んだ先の湖みたいな所で人が…!?」

 

「ハァ…ハァ…!…はい!人が溺れていました…!RASNさん!?」

 

「…!」

 

RASNはカスミとフローリアの間を駆けて抜けていった。

 

「わわっ!?まっ…待ってよにーに!」

 

「キャン!キャン!」

 

「わわっ!?あぁ!?二人とも待っててば!?」

 

コヨミやタローやその他の女性陣もRASNの持つ提灯の灯りを頼りに走って行き、湖へとたどり着いた。

 

「RASNさん?!」

 

たどり着いたらRASNは既にびしょ濡れであり、傍らにはやたらヒラヒラが付いた薄着で若干な茶髪めいた髪を結んでいる女性がぬべーっと横たわっていた。

 

「だっ…大丈夫なの!?」

 

「…!」

 

「えっと…こういうときは…巻物…巻物…!あっ!服と一緒に置いてました…!」

 

「サワワ殿、巻物はこれでござるか?」

 

困惑しているサワワの側のフランは何処からともなくサワワの所持品である風神の巻物を手渡してきた。

 

「えっ?…はい!でもなんでフランさんが…!?」

 

「いやー今しがた困っていた姿を見てすっとんで取りに行ったでござるよー」

 

「…そんならついでにみんなの着替え取って来てくれれば万事解決じゃ…?」

 

「…い…いやー結構あそこは往復で足早く走っているのは…」

 

「…んーだったら仕方ないですね…」

 

フランが額に汗を垂らして皆に説明してる中サワワは巻物を開いていた。

 

「あっ…!ありました!えっと…人が溺れてしまったときは…心肺蘇生を行うべきと書いてあります!方法は…」

 

「…!」

 

するとRASNはサワワの言う人工呼吸の方法よりも早く溺れていた女性を仰向けにして顎を上げて気道を確保していた。

 

「なんか…手慣れてる?」

 

「RASN船長は海育ちみたいですから…」

 

「すごい…私が読み上げる速度よりも速い…!?」

 

そしてRASNは女性の胸を数十回押して口元に耳をすまして、表情をキッ!と固めるとRASNは女性の口元に顔と言うより口を近づけ人工呼吸しようとしていた。

 

「だめっー!?」

「オーララっ!?」

「駄目ですっー!?」

 

だがカスミ及びにフランとカモメがRASNを湖に突き飛ばした。

 

「わわっ!?にっ…にーに!?」

 

「なっ…!何なの唐突に!?RASNは人助けしてる最中じゃない!?」

 

コヨミとサワワは突き飛ばされたRASNを心配し、驚いたキャロは突き飛ばした三人を睨み付けた。

 

「い…いや…わっ…私は…!?」

 

「せっ…セッシャはリフレーチィ的に体が…!?」

 

「私も…反射的に…!?」

 

三人は何故か顔を赤らめて立ちつくしていた。

 

「おやおや…?カスミ…鼓動が速いですよ?」

 

「そっ…それは…!?」

 

カスミはフローリアによって更に顔が赤くなった。

 

「そっ…そんなことより早く人命救助よ!人命救助!」

 

「あっ!はいっ!…巻物には…『もし口対口の人工呼吸がためらわれる場合は、更に胸骨の圧迫をすること』と書いてあります!」

 

「そうと決まれば…!カモメ殿!ダコールしてくれでござる!」

 

「分かりました!」

 

RASNはコリンとコヨミによって陸へとあげられた。そしてカモメが自慢の怪力を駆使した心臓マッサージを行い息を吹き返した。

 

「プハァ!?……あれ?ウチなんで倒れてんの?」

 

「よかった…!何とか息を吹き返しました…!」

 

「ほんとホッとしたわ…!」

 

目をさました女性は身体中をグリグリとまさぐるように動かしながら立ち上がった。

 

「んーっと…?まずはウチはレンファ、そんであなたたちは?何でウチを囲っているの?」

 

そしてRASN達はそれぞれ自己紹介をしてどうしてこうなったのかを話していた。

 

「なるほど…と言うことは舞の練習で疲れていて足を滑らせザバーンってことね…」

 

「ところでレンファねーね?舞ってどんなのなの?見せて!見せて!」

 

「キャウン!キャンキャン!」

 

そしてコヨミとタローはレンファの服を少し引っ張りながらレンファにお願いしていた。

 

「わわっ!?あんまり引っ張ると脱げちゃうわよ!?」

 

「にしても派手…というか破廉恥な格好ね…」

 

「お?貴女も着てみる…?」

 

「…ッ!?結構よ!」

 

カスミもレンファに質問したが、返しで顔を赤くされたのであった。

 

「んー…でも私の舞いは」

 

そう言うとレンファは服に引っ付くコヨミとタローを引き離し、湖を提灯の灯りを背に舞い始めた。

 

「は~!よいこらさっさ~よいさっさ~♪明日は明日の鐘が鳴る~♪」

 

「わぁ…綺麗な舞ね…」

 

「こうなると私も踊りたくなるねぇ?」

 

「ふふ…その綺麗さは音だけでも綺麗に想像できますね…」

 

それを座り見ている冒険家達は賛美の声を上げていたが、レンファが踊り始めて約五秒後…突然レンファはフラりとよろけ始めた。

 

「え…!?」

 

「…!」

 

そしてRASNがバッと立ち上がると倒れるレンファの背後に回り込んで受けとめた。

 

「だっ…大丈夫ですか!?」

 

「あー…大丈夫、大丈夫。いつもこの浄蓮の舞をやるとこうなるから…」

 

「いや…でもさ…短くないかい?五秒位しか踊ってないように見えるけど…」

 

「いやーあれやれるのは五秒が限界だから…」

 

「むー…何とソリターな…」

 

「いや…あの舞いは何か特別なものを感じたわ…」

 

「おやおや…お客さんはお目が高いねー。この浄蓮の舞は邪気を清める儀式でね…これやると暫く動けなくなっちゃうから…」

 

レンファは目の前にいるRASNを見るとぐるりと体を上手く使いRASNの背後に回り込んだ。

 

「だから暫くは無防備だから…こうさせてもらうねー」

 

そう言うとレンファはRASNにおぶってもらわれるように背中にのっかかった。

 

「…!?」

 

「はぁ…貴方の背中落ち着くわ…暫く…ふぁあ…」

 

そしてレンファはRASNの背中ですやすやと寝始めた。

 

「…寝ちゃった…」

 

「むぅ…いいなーコヨミもにーにの背中に乗りたい…」

 

「…うらやま…」

 

「おやおや?カスミも羨ましいと?」

 

「なっ…!?何言ってるの!?」

 

そうしてRASNの背中にレンファが乗せられたままモアイ像へと一行は進んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

-右ルート 恐怖の館-

 

「けほけほ…!あーまだビリビリする…」

 

「すみません!すみません!」

 

「…気にすんなよユイ、俺やリアムのこの程度…」

 

「きゃっ!?見ないでください!?」

 

先程雷を落とした青髪の女性と共にリアム達は前に進んでいた、だが青髪の女性はかなり際どい格好でリアム達は半数は黒こげになって、アフロヘアーな感じの人もいた。

 

「にしても…確か高性能アンドロイドなんだろ?出口は分からないのか?」

 

「ヒャッ!?そんな頭で聞かないで…!恥ずかしいです…!?」

 

「…ねー、このやり取り飽きたー!」

 

「ごめんなさい…!でも…恥ずかしいんです!?」

 

青髪の女性はユイというアンドロイドであり、高性能であるものの恥の感情が増幅させられてしまう難点を持っているのである。

 

「…ユイはあれだし…ハーティは前しか照らせないしな…」

 

「むぅ…リュートちゃん、そう言うのはめっだぞ?」

 

「何か感情がこもってないんだよな…」

 

「何か?」

 

「何でもねーよ…」

 

そうしてる間に彼らはある部屋へとたどり着き、バラバラに分かれて部屋の中の捜索を始めた。

 

「…部屋…また変なのはいないよな…」

 

「でもそれはそれで面白いけどね!」

 

「でもよ、変なのがあっても勝手には…」

 

「わぁ…スイッチだ!えーい!」

 

リアムの注意が行き届く前にエシリアは壁にこれ見よがしに付いているスイッチを押してしまっていた。

 

「って!?言いきる前に押しやがった!?」

 

すると部屋が震えはじめて、入ってきた扉が閉ざされたのであった。

 

「なにしてんの!?」

 

「出入口が塞がれて脱出できないか…」

 

「ちきしょう!これじゃ不味い…いやこれじゃ帰れもできねぇじゃねか!?」

 

「おや…?ウマルスが見当たりませんね…?」

 

突然の出来事にその場にいないウマルス以外は驚いていたが、その最中部屋内の壁がぐぐっと回りはじめてそこには何かがいた。

 

「ハーティよどこか脆いところはないか?」

 

「…すみません光を出してる間はそう言うのは使えなくて…ユイはできませんか?」

 

「ひぇっ!?私が…!い…嫌です!恥ずかしいです!?」

 

「…駄目だこりゃ…正に八方塞がりかよ…」

 

「だが諦めるには早いのでアール。」

 

「そうだな…ってザック…こんな時に変なキャラ付けすんなよ…」

 

「ん?俺が何か言ったか?」

 

「え…それじゃ…さっきの声は…」

 

「それは私の声なのでアール!」

 

「「…でっ!?出たー!?」」

 

リアムとザックの視線の先にはツギハギまみれのウサギのようなぬいぐるみが頭を抱えていた。

 

「ん!魔物であるか!?ならこのぬいぐる騎士の出番でアール!」

 

「喋る…ぬいぐるみ…!?」

 

「ノン!ぬいぐる騎士でアール!!…っとおや?ユイ殿であるな?」

 

「あっ…!リスリーさん!?何でこんなところに!?」

 

「おや?ユイ殿もサマーソウル殿に頼まれ…のわっ!?」

 

リスリーと呼ばれるぬいぐるみは後ろから接近していたエシリアとタビィが押し倒してしまっていた。

 

「わぁぁ!喋るぬいぐるみだぁ!面白いー!」

 

「わぁお!?とってもふかふかだぞー!?」

 

「何するでアールか!?痛たた!?目は止めてほしいのでアール!?」

 

そして二人は倒れたリスリーの体をまさぐり色々な部位を触れていった。

 

「…流石は純粋少女…いや…天然か?」

 

「そのようなことを議論するときではないぞコジローよ、この物は最初からあったか?」

 

「ん?そういやこんな人形は無かったような…」

 

「人形ではない!ぬいぐる騎士で…!のわー!?」

 

「探せばなんとかなるってか!やってやるぜっ!」

 

そうしてリスリーで遊ぶタビィとエシリアとこそこそと見るユイ以外は部屋のなかをくまなく探して隠し通路を見つけたのであった。

 

「これで館ともおさらばか…」

 

「怖いっていうか…バタバタしてたけどな…」

 

「お土産♪お土産♪」

 

「我輩はプライズではないのでアール!?」

 

そして一行は館を背にして先に進んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

-ごつごつ山 モアイ像-

 

「ようやく全員集合か…」

 

「うぅ…人がいっぱいで…恥ずかしいよぉ…」

 

「のわっー!?こっ…!仔犬が我輩の耳をー!?」

 

「んー?何か流れで付いていったけど…賑やかだねー?」

 

ごつごつ山のモアイ像前には少しボロボロなリアム組の冒険家達と汗まみれのRASN組の冒険家達がいた。

 

「にしてもRASN…汗ベタじゃねぇかよ…何かあったのか?」

 

「…!…っ…!」

 

「……えっーと…あのレンファって人を助けた後は突然巨大山蟹が出たけど、コヨミの雪ダルマを当てたらビクンビクンと痙攣しながらやられモーションを繰り返していた…?」

 

「…!(コクコク!)」

 

「…へー…でもよ…俺達の方は途中色々な色なドラゴンが森の中にいて訳もわからずとりあえずボロぬいぐるみと馬を盾にドラゴンを撒いたが…マッドネスジャガーに羽生やした獣に遭遇して地獄を見たぜ…」

 

そしてRASNとリアムがモアイ像の側で話し合って(?)いる最中、そのモアイ像の頭にはあの男が…!

 

「お前らー!!遅いじゃないかーっ!!!」

 

あの男とはサマーソウルであった、いつも通りのブーメランパンツと虹色サングラスと小麦色の肌を持って暑いポージングでこちらに叫び呼んでいた。

 

「なっ…なんなのあれ…!?奇抜すぎよ…!」

 

「わっ…!…ああ…!」

 

冒険家達がモアイ像の頭に顔を見上げてる中レンファは初めて見るサマーソウルに驚いていて、ユイは目を丸めて口をあわつかせていた。

 

「はっ…恥ずかしい…!いやっ…!?破廉恥ー!!!」

 

「ごはぁっ!?」

 

ユイは槍を取り出すとサマーソウル目掛けてビームを発射し、サマーソウルは直撃を受けて地面へとへばりついた。

 

「……?!」

 

「…フッ…少年よ…!心配無用だ…!即死回避だっ!」

 

「ひぇぇ…!?蘇るなんて…恥ずかしい…!」

 

サマーソウルに駆け寄ったRASNであるが、サマーソウルはマッチョポーズと共に立ち上がってモアイ像を登った。

 

「さて!諸君ら!よくぞ私の肝試しを突発できた!おめでとう!おめでとう!うぉぉぉ!」

 

「泣いて喜ぶのは結構だけど…早いとこ私達の服とかを返して!」

 

「うむ…だが安心しろ!服は既に飛行島に置いてきた!」

 

「…おいっ!?それじゃ肝試しの意味が…!」

 

「馬鹿野郎っ!!肝試しだぞ!肝試しは夏がシーズン!…否!夏限定のイベントだぞ!!!」

 

「何だよその無茶苦茶!?」

 

「無茶苦茶も茶々くちゃもないっ!…あっ…そういや最後にやりたいことがあったんだよな…」

 

「…ふん…どうせそれをやらねば何かをしても逃がさぬ気であろう?」

 

「…まぁそうだけどね…それで!私から贈る夏を食らえー!!」

 

サマーソウルがそう叫びながらポイッと馬鹿でかいスイカを冒険家達へと投げつけた。

 

「わぁ!大きいスイカだ!」

 

「キャンキャン!」

 

「美味しそうー!」

 

「えっと…スイカは塩をかけると美味しいって巻物に書いてますね…」

 

「でっけーな…!カブリーがいたらヤバかったな…!」

 

「でかい…あのドラゴンといい勝負だな…!」

 

各々様々な反応をそのスイカへとぶつけている冒険家達ではあるが、そのスイカ自体がプルプルと震えて立ち上がったのであった。

 

「ス…スイカって…生き物なんですか!?巻物…!巻物…!?」

 

「なっ…何よ!?スイカに足っ!?って!?エシリア行っちゃ駄目!?」

 

「えっー!?面白そうなのにー?!」

 

「ふむ…近頃のスイカというもは足も生えるか…?」

 

スイカに足が生えたことに驚く冒険家は少なくは無いが、そのスイカを面白がったり興味深く見るものや特に興味も持たない者がいたりした。

 

「ハハハッ!新鮮的でいいぞ!私からのプレゼントは喜んでいただけたかな!?」

 

「…うーん…私は前が見えないのでよくは分かりませんが…カスミ、どんな感じですか?」

 

フローリアが隣にいるカスミに問いかけたが、そのカスミは目をしかめて臨戦態勢になっていた。

 

「…ッ!」

 

「…?どうしたんですかカスミ?」

 

「みんな下がって!あのスイカに…まがごとが憑いてるわ!」

 

「何を言うか!私のスイカだぞ!このスイカはみんなで分けあって食べてもらおうと思っていたのにっ!」

 

サマーソウルは泣き叫びながらモアイ像から飛び降りてスイカを庇うようにカスミの前に立ち塞がった。

 

「どいて!まがごとは…!」

 

「やめろぉ!このスイカは…!みんなで食べるんだ!私の作った塩で食べてもらいたいんだぁぁぁ!!!」

 

サマーソウルがそう叫ぶとスイカに手も生えはじめて、サマーソウルを掬い上げた。

 

「おぉっ!?私が丹精込めて育てたソウルスイカよ!私の思いに答えてくれたのか!?」

 

「……!」

 

「ぐほあっー!?」

 

だがソウルスイカは手の上のサマーソウルを弾き、サマーソウルは星となった。

 

「くっ…まがごとは祓い去るっ!祓いたまえっー!」

 

カスミは凛と両手を巨大ソウルスイカに向けて突きつけるとビームを発射した。

 

「ぶもー!」

 

だがそれを食らったソウルスイカはビームをキンキンと音を立てて弾き雄叫びをあげた。

 

「効いてない!?」

 

「スイカッー!」

 

巨大スイカはピピョーンと冒険家達へと飛びかかってきた。

 

「こうなったらヤケだ!くたばれー!」

 

「このヤロ!ぶっ飛びやがれ!」

 

「ボナペティでござる!」

 

冒険家達は飛びかかるスイカに向けて星たぬきを丸めたボールやら空っぽの財布や洋ナシとかウマルスやタコパスや錨などを投げつけたものの、全く効果は無いみたいであった。

 

「ウォーターメロォォン!」

 

「あぶねえ!?てかコイツ…鳴き声ぐらい統一しろって…!」

 

「ンゴッ!?」

 

「そうよ!てか何なのよアンタは!?」

 

「…ワッ…ワレハ…スーパーソウルスイカ…デアル…キサマラ…ユルスマジ! 」

 

「わぁっ!喋った!」

 

「喋る野菜ですか…あの人のお話にあったことのようですね。」

 

「呑気に言ってないで!逃げるわよフローリア!?」

 

スイカはゴロゴロと転がりながら冒険家達へと迫り、彼らは脇目も振らずにごつごつ山を下山して雪崩れ込むように飛行島へと入りピレント島を後にした。なおその後巨大ソウルスイカはどこかの川だか湖でどんぶらこしていき、生活をしている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-飛行島-

 

「はぁ…ひどい目にあったな…」

 

「そうか…俺達がいなかった夏の間にそんなことがあったのか…」

 

「クライヴは…ダンテと一緒にバルラに帰省してたんだろ?」

 

「あぁ、だが戻ったら何だか状況がリセットされていたようで…偽ダンテとか暴走兵士の軍団とかと戦ったな…まぁ…余裕に殴り倒したが…」

 

「殴んのかよ…まぁ俺様の得物は釘バットだから人の事は言えないわけだが…」

 

飛行島には帰省等の様々な理由で飛行島から離れていた冒険家が帰ってきていた。

 

「それにしても…どうしてラピュセルはRASNさんや小さい子にしか心を開かないんでしょうか…分かりません…」

 

「…!」

 

「わぁーい!」

 

「…!」

 

竜の国の王家の王女でドラグナーでもあるエクセリアはラピュセルとRASNとコヨミとタローが遊んでいるのを見ていた。

 

「…我慢できません!ラピュセルぅ~!」

 

しかしエクセリアは我慢ならずでラピュセル達の方に向かった。

 

「あぁん♪ラピュセル!よしよしよしよし!」

 

「…!」

 

「エクセリアねーね!コヨミもなでなでするのー!」

 

「キャンキャン!」

 

「…クルルル…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして飛行島のとある林には惜しくも?☆3以下の神気解放の上位に入れなかったヨシオが黄昏ていた。

 

「俺…ずっと飛行島いたのに…祭りに誘われず…コムギにも無視された…」

 

「こんなんじゃ…俺の存在は新しく入ったパインアップルに負けず劣らずになっちまう…!」

 

なお個人的に新しく入った☆3のクロスセイバーの二人で二人ともアレだ。でもカグラはリーダースキルがマラソン向きで、パインはレンファいるからいらない子状態で…

 

「どうすりゃいいんだー!」

 

「なら夏れ!少年よ!」

 

「のわっ!?化け物!?」

 

ヨシオが叫ぶと飛行島の地面からサマーソウルが顔を生やした。

 

「化け物などではない!私は試練の調停者もとい暑き夏の天使…!サマーソウルなんだよぉ!」

 

「よくわかんないけど埋め直すか…」

 

ヨシオは聞く耳持たずといった感じで、サマーソウルの頭に手を置いて沈めはじめた。

 

「あーれ…じゃない!」

 

「うぉ!?」

 

頭がすっぽりと隠れたときにサマーソウルはボバァッと土を撒き散らして、その肌を陽にさらした。

 

「…!?」

 

ヨシオはその様子を見て絶句し、サマーソウルはヨシオの体をジロジロと見たり触ったりしていた。

 

「ふむ…なるほど…いいものは持ってるはずだがそれを出し切れて無い感がだだ漏れだな…」

 

「え!?俺ってほんとはやっぱすげえのか?!」

 

「…フッ…実際誰もがダイヤの原石で磨きをあげれば誰もが輝けるんだぜ?」

 

「でもスキルも微妙で…ステータス的にも到底…」

 

「馬鹿野郎っ!!」

 

「ふべっ!?」

 

ヨシオはサマーソウルのラリアットで吹き飛ばされた。

 

「痛い…」

 

「はじめから弱気になるな!そんなんでは夏の男にはなれない!なれるとしたら冬か秋の男だぁ!」

 

「いや、夏よか冬のほうが…」

 

「馬鹿野郎ぉ!」

 

今度はソバットでヨシオは吹き飛んだ。

 

「うぐ…」

 

「そんなんでは強くはなれない…夏にはなれない!ならば…その底根を叩き直してやる!」

 

「まっ…待って!俺の合意は…」

 

「是非もなしだ!夏るぞ!少年よ!」

 

「わっー!?」

 

…そして暫くサマーソウルとヨシオの姿は誰も見なくなったとか…



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