転生ハーレム男の娘 (蜜柑好き)
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転生ハーレム男の娘

本当は昨日ほとんど完成していたんですが、親戚の集まる中お酒を飲みながら書いた話でそのまま投稿を忘れていました。

今日見たらあまりの酷さに投稿しないのも考えたんですが勿体無いので一応投稿します。

アンチ・ヘイト色が強過ぎるので批判が多そうだったら消す予定でいます


俺は自分の容姿が嫌いだ。

お世辞にもかっこいいとは言えない顔立ち。

むしろ女の子にはひかれる事の方が多かった。

その上太った体。

髪は頑固な天然パーマで1時間鏡の前に立とうともぼさぼさのまま。

こんな俺に彼女なんてできるわけも無く、最後に女の子と話したのも思い出せない。

多分笑顔を引きつらせたレジのお姉さんが最後だと思う。

 

勿論俺だって頑張った。

体を動かせば少なくとも体系だけは引き締まると思って始めたジム通い。

しかし体系は変わらず脂肪がそのまま筋肉になっただけ。

むしろ体重は増えてしまう始末。

 

運動がダメなら勉強しようと思った。

流石に東大なんて無茶は言わないけど一流大学を悪くない成績で卒業。

皆が遊んでる時間をすべて勉強に費やして得た結果。

俺は喜んだ。

この成績ならそれなりの企業に就職出来るだろう。

後は頑張ってお金を稼ぐだけだ。

もう、愛なんていらない。

お金によって来る様な女の子でも構わない。

 

と思ったんだが、現実は甘くなかった。

一流企業はイメージが大事だとかで面接に髪ぼさぼさのまま来るようなやつは要らないと言われた。

正直誰よりも筆記は上だったはず。

討論だって一番目立っていたように思う。

でも、俺を取ってくれる企業は無かった。

妥協して二流三流企業を狙ったが結果は同じ。

 

今じゃあ親の遺産を食い潰して引きこもり。

将来に夢も希望も無い。

最近やっている事と言えばネットで小説を読みふけるだけ。

何の生産性も無い。

 

もう生きているのに疲れた俺は最後に馬鹿をやってみようと転生トラックとやらに賭けてみることにした。

どうせ捨てる命だ。

もし運よく転生できたらめっけもの。

失敗しても別にこの世からおさらばするだけで問題は無い。

 

ほら、もうすぐ俺の前にトラックがやってくる。

後は一歩踏み出すだけだ。

これで楽になれる……

 

 

 

 

「すまんかった。今回のことはわしのミスじゃ」

 

俺の目の前におじいさんが土下座をして謝っている。

やった成功だ。

これで今までのつらい現実とおさらばして新しい生活が始まる。

内心小躍りしそうな喜びを隠し俺は目の前のおじいさんに不機嫌そうな顔で対応する。

 

「ミスですか。あなたは一体どのようなミスをなされたのですか?」

 

「ああ、君達地球の人類はわしら神が管理しているんだが人手不足でな。どうしたって完璧に調整しきることは出来ないのじゃ。今回はそのしわ寄せが君に集まったことになる」

 

ふむ、人手不足ですか。

神様が一体何柱おられるのか知りませんが地球人類60億を管理するには足りないのでしょうね。

ですが、先ほどから気になっているのですが、天使様達は比較的手が空いておられるように見受けられるのが気になりますね。

 

「ええと、神様方が人手不足なのはわかりました。私へのミスというのも納得は出来ませんがうなずける話でしょう」

 

「そう言ってくれると助かる。君には迷惑をかけてきたというのになんと優しいのじゃ。特別に君は生き返ってみんか? 今なら三つ特典をつけて好きな世界で生き返れるように取り計らってやるぞ」

 

「何を言っておられるのですか? 俺を転生なんてさせたらただでさえ人手不足の神様方のお仕事が増えてしまわれるじゃないですか。そんなことになったらまた俺のような人が生まれてしまいます。まずは先に現在わかっている問題を解決するのが先です」

 

正直俺は何を言っているのだろうか?

ほかの人のことなど同でもいいじゃないか。

素直に転生しておけば何も問題は無いはずなのに。

 

「まず、神様方が多忙だというのはわかりました。ですが、天使様方は比較的手が空いておられるように見受けられるのですが」

 

「ふむ、そのなのじゃ。やつらは神の見習いという立場での。わしらの仕事を見学してそれを勉強しておるのじゃが……わしらの忙しさを見ておるからの。神になるのを拒もうとああして手を抜く始末じゃ。一応仕事もやっておる以上文句も言えんしな。天界の大きな問題になっておる」

 

「それでは……中略……というのはどうでしょう」

 

「おお、それは盲点だったわい。よし、そういう風に取り計らおう。これでもう君のようなものを生み出すこともなくなるだろう。本当に君には何を言っていいのか」

 

「そんな、気にしないで下さい。俺は俺に出来ることをしただけなんですから」

 

「おお、なんと謙虚な。よしそこの天使お前が天界改革案初の案件を処理するのじゃ。この者の願いを何でも好きなだけかなえてやれ」

 

「はいわかりました」

 

なんか遠回りしてしまった気がするがこれで俺は転生できるんだ。

今度こそ俺の望む人生を……

神様の苦労も知ってしまったし望みは最初に提示された3つにしようかな。

あまり多く言い過ぎても大変ですしね。

 

「それではお願いします。まず最初の願いは俺の容姿を絶世の美女の物にして下さい。勿論俺の性別は男のまま」

 

正直男の容姿の美醜っていうのがよくわからない。

少なくとも自分とは違うんだろうことはわかるけどどんな格好にすればもてるのかわからない。

それならまだ絶世の美女になって男の娘になってみるのもいいかな?

なんて思ったのだ。

 

「はいわかりました。あなたの容姿を絶世の美女に設定します」

 

「ありがとうございます。それでは次のお願いなのですが、前世で涙を飲んだ分次の人生では美女と縁があるようにしてください」

 

「はい、それくらいお安い御用です」

 

「それではこれが最後の願いです。健康でかっこいい父と健康で美人な母が欲しいです。普通の家庭でいいですが幸せな家庭で成長したいです」

 

前世は両親は物心つくころにはいなかったからな。

俺にたくさんの遺産を残してくれたし、俺を愛してくれていたのは知っている。

だから、健康な体で長生きしてもらいたいのだ。

 

まあ、外見については前世のコンプレックスからかこだわりが有るけど正直お金とかには拘りも無いしな。

そんな物よりも幸せに過ごしたい。

 

「はい、全て了解しました。しかし、本当にこれだけでいいのですか? まだまだ可能ですけど」

 

「ええ、構いません。正直これでも望みすぎだと思いますし」

 

「そうですか、それでは了解しました。それではよい来世を」

 

「ええ、ありがとうございました。神様にも俺が感謝していたとお伝えください」

 

その瞬間俺の意識はブラックアウトした。

 

 

 

 

 

次に目が覚めた時俺は世界は光に包まれていると思った。

まだぼやけてよく見えない目の向こうに両親がいる。

前世では記憶が無いから彼らがいるというだけで満足だった。

俺は今度こそ幸せな人生をおくれる。

このときの俺の心の中は期待でいっぱいだった。

 

 

 

2年たち違和感があった。

父は文句なしに格好がいい。

だが、母の顔がどこかで見覚えのあるような……

いや、あれはただ太っているだけだ。

きっと細かった頃はさぞかし美人だったんだろう。

うん、多分、きっと。

 

それから数年の時が過ぎた。

俺は小学校に入学を控えていた。

しかし、俺が希望していたような生活は縁が無い。

正直俺の外見は前世の時となんら変わっていない。

友達達は皆タイプこそ違え男前だ。

俺が好きになる子達は皆そいつらのことを見ている。

俺によってくるのは前世を思い出させるような不細工な女の子ばかりだ。

性格のいい子が多いし友達としては問題が無いんだけど。

正直付き合うかと聞かれれば前世を思い出させる外見は選べないと思う。

まあ、小学生の恋愛なんておままごとみたいな物だしな。

うん、きっと問題なんて無いはずだ。

 

中学校になった時、周囲が恋だの何だの色めきだすころには俺は全ての自体を悟っていた。

そう、天使様も神様も俺の願いを全て適えてくれた。

それは間違いが無い。

ただ俺に薔薇色の生活はやってこない。

いや、別の意味での薔薇色の生活なら送れそうだが……

その原因を流石にもう悟っていた。

 

俺は確かに天使様にこう言った。

 

「俺の容姿を絶世の美女の物にして下さい」

 

ただし俺の容姿は前世のまま何も変わっていない。

ただ、願いを適えてくれたのは間違いないこと。

そう、天使様はこう解釈したのだ。

 

「俺の容姿を(その世界の)絶世の美女の物にして下さい」

 

言い換えれば。

俺のコンプレックスの源であるこの醜い容姿がこの世界だと世界最高の美女と認識されるのだ。

前世の感覚を引きずった俺以外には……

 

おかげで俺のその後の願いも全てが少しずつ変わってくる。

 

俺は美女と縁がある→俺は自分のコンプレックスを思出ださせる外見の女性に好かれる。

ただし、俺の認識での美女とは完全に縁が無い。

俺を見てると自分の醜い容姿を嫌でも自覚させられるから私の前に立たないでとまで言われた。

 

パンを加えて交差点でぶつかるのは、俺のコンプレックスを思い出させる女性。

幼馴染も、義理の妹も、教師も、先輩も、慕ってくれる後輩も……全て全て俺が受け入れることの出来ない外見。

 

俺の好きな女性は皆俺の友人達が好きで容赦なく振られていく。

俺はそんな女性達と仲良くなりたくて優しくすると不細工にも優しくすると評判は上がる。

上がるがその優しくした女性には惨めにしないでと距離を置かれた。

 

俺はその俺の好きな女性を振った友人にも告白されたことがあるからな。

勿論考えられないが。

今でも男達は俺のファン倶楽部を作っているという話。

そう、そいつらは俺の好きな女性達に好かれているにもかかわらずだ。

 

俺は自分を好いていてくれるのはわかるが受け入れることが出来ない女性達に囲まれて生活を送る。

当然男達の注目の的だ。

そして、俺の好きな女性達は皆俺を目指して不摂生な生活を送り醜い体系を作っていく。

この不摂生な生活こそが前の俺の世界での女性達のダイエット感覚なのだ。

 

やがて俺には鈍感ハーレム女王様というあだ名がついた。

美しい女性達をはべらせながら誰も選ばない。

その癖自分自身が美の頂点に立つ女王なのだそうだ。

 

いや、俺は鈍感じゃないから、

好意は気がついてる。

ただ受け入れることが出来ないだけ。

 

というか、正直俺達の周りは汗臭い。

不健康な体系の集団だ。

物凄く汗臭い。

だが、これがこの世界では好まれる匂いだという。

 

 

 

ああ、もうどうにでもしてくれ。

 

誰かこの俺の日記を読んでる誰かに忠告する。

 

「転生とかほんきでやめとけ!!」




おさけこわいですわー


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