生死を賭ける戦いから麻雀の世界に転生しました。 (銅英雄)
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設定
総武高校麻雀部のキャラ設定


この設定は全国大会準決勝が終わった後のものになります。つまらないものですが、興味のある方はどぞ。


大宮鈴音 CV 南條愛乃

 

総武高校3年生

 

容姿 肩まで伸ばした黒髪に紫色の瞳。常に優しそうな雰囲気を出している母性の塊(未来談)。

 

性格 冷静でおっとりとしている(内心は動揺しやすくて本人は隠しているつもりらしいが未来にはバレバレ)。

 

身長 165㎝

 

体重 48㎏

 

B84W51H80

 

好きなもの 総武高校のみんな、ヨーグルト、機械を弄ること。

 

嫌いなもの 大切な人を馬鹿にしたり貶したりする人、蒟蒻。

 

趣味 機械弄り、読書、アニメ鑑賞。

 

能力1 転生の加護……ある人物によって与えられたもの。これにより他家の能力の影響を受けない。有効牌を引きやすい。

 

能力2 逆転の一手LV5……オーラスのときに順位が1位じゃないとき手牌が良くなる(LV5なのでオーラス時の配牌が役満を作りやすいものになる)。

 

能力3 スロースターター……最初の何局かは配牌が5シャンテンになり手の進みがかなり遅くなる(対戦相手によってその局数が違う。この能力が発動しているときは能力1の『有効牌を引きやすい』が打ち消される)。

 

決勝戦までこれたことについての感想等 対戦相手がみんな1年生だけどみんな手強いので遅れをとらないようにしたい。目指すは優勝!あとスロースターターを治したい。

 

 

響未来 CV 井口佑香

 

総武高校3年生

 

容姿 肩まで伸ばした黒髪に緑色の瞳でツリ目。クールな印象がある。

 

性格 冷静沈着でドS(主に鈴音に対して)。

 

身長 163㎝

 

体重 42㎏

 

B82W46H78

 

好きなもの 総武高校のみんな(特に鈴音)、珈琲、アイス、ラーメン、インスタント食品(主にカップラーメン)。

 

嫌いなもの ヌルヌルしたもの、TPOを弁えない人間。

 

趣味 料理、アニメ鑑賞、読書、ラーメンの食べ歩き。

 

能力1 転生の加護……ある人物によって与えられたもの。これにより他家の能力の影響を受けない。有効牌を引きやすい。

 

能力2 危険牌察知LV5……他家の当たり牌やテンパイ気配を察知できる(LV5なのでほぼ全ての当たり牌やテンパイ気配を察知可能)。

 

能力3 テンパイ気配遮断……テンパイしたとき上がり手が3翻以下のとき他家にテンパイ気配を悟られない。

 

決勝戦までこれたことについての感想等 泣いても笑っても最後の団体戦なので悔いを残さないようにしたい。目指すは優勝!

 

 

佐野美咲 CV 新田恵海

 

総武高校3年生

 

容姿 茶髪のサイドポニーに水色の瞳。一緒にいると元気をもらった気分になる。

 

性格 優しくて如何にもな元気印で喜怒哀楽が激しい。場の空気によって雰囲気を変える。

 

身長157㎝

 

体重 41㎏

 

B83W48H81

 

好きなもの 総武高校のみんな、チョコレート、中学の頃に仲良くなった剣由輝子ちゃん。

 

嫌いなもの 人を見下したりする人、茸類。

 

趣味 料理(メインはお菓子作り)、スポーツ観戦(テレビで見る方が好き)、ツーリング(ここ2、3年は忙しくてできていない)。

 

能力1 怒涛の火力……配牌が満貫以上になりやすい。

 

能力2 危険牌察知LV4……他家の当たり牌やテンパイ気配を察知できる(LV4なので2翻以上の手牌を察知できる)。

 

能力3 整えられた配牌……配牌からテンパイになりやすい(他の人よりより天和、地和になる確率が高くなる)。

 

決勝戦までこれたことについての感想等 このメンバーで最高の結果を残したい!目指すは優勝!

 

 

妹尾杏子 CV 内田彩

 

総武高校1年生

 

容姿 肩より少し下まで伸ばした黒髪に黄色の瞳。普段はコンタクトを着けて、家では眼鏡をかけている。小動物みたいな感じで守ってあげたくなる雰囲気。

 

性格 人見知りが激しくてとても臆病(最近では臆病なところを顔に出さないようにしている。総武高校麻雀部のメンバーに限り気を許している)。

 

身長 156㎝

 

体重 43㎏

 

B86W49H80

 

好きなもの 総武高校のみんな(特に鈴音と未来)、苺、ヨーグルト。

 

嫌いなもの 牛蒡、埃っぽい場所や煙たい場所。

 

趣味 買い物、読書。

 

能力1 牌の偏りIN一九字牌……一九字牌が来やすくなったり配牌に一九字牌が多い状態になる。

 

能力2 危険牌察知LV3……他家の当たり牌やテンパイ気配が察知できる(LV3の場合は3翻以上の手牌を察知できる)。

 

能力3 狙い撃ち……テンパイしたときに特定の相手に狙いを定めて自分の当たり牌をその相手が引きやすくなる。

 

決勝戦までこれたことについての感想等 大好きな先輩達のために最善を尽くす。目指すは優勝!

 

 

綾瀬綾香 CV 三森すずこ

 

総武高校1年生

 

容姿 背中まで伸ばした金髪に碧眼。透き通って綺麗な金髪にまるでお人形のようだとよくいわれる。

 

性格 明るい性格で人懐っこい。

 

身長156㎝

 

体重44㎏

 

B84W50H80

 

好きなもの 総武高校のみんな、和食全般、スポーツドリンク。

 

嫌いなもの 軽薄な人、生の魚。

 

趣味 カラオケ(メインはヒトカラ)、アニメ鑑賞、聖地巡礼、秋葉原廻り、ゲーム(ネトゲが多い)、ネット麻雀。

 

能力1 安定の速度と火力……毎回の配牌が2シャンテンスタートになりやすい。毎回のツモ牌が3翻以上の上がりに繋がりやすい。

 

能力2 感覚派デジタル……感覚派デジタルの麻雀を打つ。

 

能力3 攻めの姿勢……攻撃メインの麻雀を打つ(それにより振り込む確率がかなり高い)。

 

決勝戦までこれたことについての感想等 2回戦よりも準決勝、準決勝よりも決勝と緊張が止まらないけど精一杯頑張る。目指すは優勝!決勝では守りを何とかしたい。

 

 

指宿伊吹 CV 豊嶋真千子

 

総武高校教員

 

容姿 腰まで伸ばした緑色のポニーテールに藍色の瞳。のんびりとした印象がある。

 

性格 マイペースだけどしっかりしている(部員談)。

 

身長138㎝

 

体重36㎏

 

B71W43H73

 

好きなもの 総武高校のみんな、MAXコーヒー、じゃがバター。

 

嫌いなもの 空気を読まない人、煙草の臭い。

 

趣味 アニメ鑑賞、聖地巡礼、ゲーム(主にネトゲ)、ドライブ、カラオケ、ネットサーフィン、買い物。

 

決勝戦までこれたことについての感想等 顧問として殆ど何もしてないのにいいのだろうかと思っているが、部員がしっかりとしすぎていて自分の出番がなく見守るしかないことに複雑な感情を抱いている。目指すは優勝!

 




以上、設定でしたん。


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解説的なやつ
解説?副音声?のようなそんな感じのもの


作者がやってみたかったことが満載のものです。興味のない方はスルーの方向でオナシャス。

あとこれはモノローグがなく、台詞ばかりなのとメタ発言が多発しておりますのでご注意を……。


鈴音「はい。というわけで、この小説の解説みたいなことをしていきます。私は総武高校3年生の大宮鈴音といいます。よろしくお願いします。なお『そういうのは本編の後書きとか活動報告でやれよ』という批判は受け流します。『ムーディ勝山』さんの如く右から左に受け流します」

 

未来「そのネタがわかる人は果たして何人いるのかしら……。同じく総武高校3年生の響未来よ。よろしく」

 

鈴音「この2人でこの小説について副音声みたく解説していくよ」

 

未来「……何故私達がこんなことをしなくてはならないのかしら?」

 

鈴音「作者がやりたかったからだそうだよ」

 

未来「……まぁいいわ。こんなくだらないことはさっさと終わらせて帰りましょう」

 

鈴音「くだらないとか言わないの。じゃあまずはこの小説についての説明だね。この作品は作者が書いていた『気が付いたら女サイヤ人に転生していた件』という『ドラゴンボール』という作品が原作の二次創作から続いたものだよ。『咲-saki-』が原作の二次創作でタイトルは『生死を賭ける戦いから麻雀の世界に転生しました』」

 

未来「何故『ドラゴンボール』から『咲-saki-』というなんの関係もない、ジャンルも真逆といっても過言ではない作品へと続いたのかを解説すると、かなり前に作者がドラゴンボールの小説を書いていた時にこのオリ主を別の世界で活躍させたいという願望がそうさせたというわけよ」

 

鈴音「詳しくは銅英雄先生の活動報告を見てね」

 

未来「肝心なところを省かないでちょうだい……」

 

鈴音「言うことはまだまだあるからね。だからカット。次は当作品の登場人物の紹介だけど……」

 

未来「その前に『気が付いたら女サイヤ人に転生していた件』のことも軽く解説した方がいいんじゃないかしら?」

 

鈴音「そうだね。『気が付いたら女サイヤ人に転生していた件』は私こと大宮鈴音がタイトルの如く気が付いたらサイヤ人に転生して四苦八苦する小説だよ」

 

未来「その割にはチートの限りを尽くしていたみたいだけれど?」

 

鈴音「未来には言われたくないなぁ……。物語終盤には未来も出てくるよ。ぶっちゃけ私よりもかなり強いです」

 

未来「育ってきた環境がものを言っているのでしょうね」

 

鈴音「そしてその小説は1度完結して、『気が付いたら女サイヤ人に転生していた件~超始めました~』という続編に続いているよ」

 

未来「まぁ現状半年以上凍結してしまっているけれど」

 

鈴音「そこは作者のモチベーションの問題や作者がリアルで忙しかったりするからね。それに書いている小説は他にもあるわけだし……」

 

未来「今作者が書いている小説は9種類ね。中には私達が関連している作品も多々あるわ」

 

鈴音「気になる人は銅英雄先生の作品を見てみてね」

 

未来「露骨なステマね……」

 

鈴音「じゃあ登場人物の紹介だね。まずはこの作品の主人公の大宮鈴音ちゃんだよ」

 

未来「自分でちゃん付けは引くわね……」

 

鈴音「引くな!」

 

未来「それは別の人の持ちネタでしょう……。鈴音の説明を軽くすると、この作品と作者が書いている『ドラゴンボール』の作品の主人公で誑しよ」

 

鈴音「誰が誑しか!?そんなラノベ主人公みたいなことしないよ!」バンバン!

 

未来「してるわよ。なんならこの作品の『総武の巻②』を読み返してきなさい」

 

鈴音「『総武の巻②』って確か歓迎会をした話だよね?後輩との親睦を深めただけでそれ以上のことはしてないはずだけど……」

 

未来「……鈍感ね」

 

鈴音「……?今なんて?」

 

未来「土管と言ったのよ。しれっとラノベ主人公をしないでちょうだい」

 

鈴音「解せぬ……。まぁいいや。次は未来の紹介だね。響未来は鈴音の親友ポジで登場する人物だよ」

 

未来「……私としてはそれ以上の関係でもいいのだけれど」ボソッ

 

鈴音「……?」

 

未来「なんでもないわ」

 

鈴音「そう?未来の性格は冷静沈着でクールな佇まいが様になると設定には書いてあったけど、もっと詳しく解説すると……」

 

未来「もっと詳しくって何を言うつもりかしら?」

 

鈴音「う~ん、元ネタとか?」

 

未来「人をお笑い芸人みたいに言わないで」

 

鈴音「だって他に適切な表現がないんだもん。響未来というキャラは『戦姫絶唱シンフォギア』に出てくるキャラの『立花響』の響と『小日向未来』の未来から文字って響未来となりました。ちなみに名前の読み方は(みらい)だからね」

 

未来「『気が付いたら女サイヤ人に転生していた件』で私を登場させた時の作者は『戦姫絶唱シンフォギア』にドハマりしていたそうよ。容姿に関してもその『小日向未来』をツリ目にしただけだとか」

 

鈴音「作者が設定したイメージCVも『井口裕香』さんだしね。声優繋がりで未来の容姿や性格の設定を付け足すと、その『小日向未来』ちゃんと『ノーゲーム・ノーライフ』に登場する『クラミー・ツェル』ちゃんを足して2で割ったような感じだって」

 

未来「……作者はきっと『井口裕香』さんが大好きなんでしょうね」

 

鈴音「ちなみに私のイメージCVは『南條愛乃』さんだよ。これを考えている時の作者は『戦姫絶唱シンフォギア』に影響されてそうなったそうです。私の容姿については……銅英雄先生の作品を読んでください」

 

未来「投げ槍ね。そして『戦姫絶唱シンフォギア』好きすぎでしょう作者……」アキレ

 

鈴音「推しキャラも『小日向未来』ちゃんと『月読調』ちゃんらしいからね」

 

未来「……早く次にいきましょう」

 

鈴音「次に紹介するのは佐野美咲。私達と同じ学年で、如何にもな元気印で、優しくて、喜怒哀楽が激しいキャラだよ」

 

未来「美咲は確か他の小説にも出ていたわよね?」

 

鈴音「うん、『情報好きな少女の青春はまちがっている』という作者が3つ目に書いた『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』というラノベが原作の二次創作だね」

 

未来「3つ目……?作者の小説を振り返ってみると1番古いのはこの小説みたいだけれど……」

 

鈴音「前の2つは作者が不可能と感じたのと、パクリが目立つから削除したんだって」

 

未来「何をやっているのよ……」アキレ

 

鈴音「なお『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』の舞台になっているのが私達の通っている総武高校です」

 

未来「というよりは私達が通っている学校が『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』の舞台になっている総武高校と説明するのが適切ね」

 

鈴音「ちなみに『情報好きな少女の青春はまちがっている』の主人公の剣由輝子ちゃんはこの小説にも出ているらしいよ。私は会ったことないけど」

 

未来「私は会ったことあるわよ」

 

鈴音「本当に?いつか私も会ってみたいね」

 

未来「『情報好きな少女の青春はまちがっている』の話を読んでいる限りだと、今後も貴女が彼女に会うことはないわね」

 

鈴音「馬鹿な!」

 

未来「剣由輝子について説明すると、容姿は有珠山高校に所属している真屋由暉子と瓜二つだそうよ」

 

鈴音「由輝子だとか由暉子だとかややこしいことこの上ないね」

 

未来「イメージCVは『植田佳奈』さんみたいね」

 

鈴音「『咲-saki-』の主人公と被ってるじゃん……」

 

未来「そういった意味でも彼女と宮永咲が今後絡むことはなさそうね」

 

鈴音「……美咲の容姿は『ラブライブ!』の高坂穂乃果』と瓜二つでで、イメージCVは『新田恵海』さんだよ」

 

未来「それは最早『高坂穂乃果』さんではないのかしら?」

 

鈴音「そんな美咲が主人公になる作品が近いうちに公開されるそうです」

 

未来「まぁそれは少し見てみたいかもしれないわね。あの子も色々ありそうだし」

 

鈴音「話の内容としては『情報好きな少女の青春はまちがっている』の別ルート……所謂美咲がヒロインのストーリーになるらしいよ」

 

未来「美咲があの主人公とどんな出会いをするのかが見所になりそうね」

 

鈴音「まぁ公開日は未定だけどね」

 

未来「……作者は色々と大丈夫かしら?」

 

鈴音「じゃあ次は綾香の紹介を……」

 

未来「その前に1つ捕捉すると『情報好きな少女の青春はまちがっている』は当作品の数年後の時系列となっているということを言っておくわ」

 

鈴音「あっ、そうだった。……それでもう1つ思い出したことがあるんだけど」

 

未来「何かしら?」

 

鈴音「未来の紹介の時に言うのを忘れてたんだけど、未来は作者が書いている『気が付いたら女サイヤ人に転生していた件スピンオフ! ~神々に育てられた少女の異世界生活』という作品で主人公をしているよ」

 

未来「……その作品も半年以上も間が空いているのだけれど」

 

鈴音「戦闘ものや競技ものは執筆が難しいというのが作者の本音らしい。だからこの小説も番外編続きなんだろうね」

 

未来「なら書かなければいいんじゃないかしら?」

 

鈴音「作者が書きたいから書いてるんだよ。休止期間が長い作品についてはこの場で作者の代わりに謝罪します」ペッコリン

 

未来「それで読者は納得するのかしら……」

 

鈴音「じゃあ綾香の紹介に移るよ。綾瀬綾香。私達の2つ下の後輩で、明るくて人懐っこい子だよ」

 

未来「容姿のイメージは『ラブライブ!』に出てくる『綾瀬亜里沙』さんで、イメージCVは『三森すずこ』さんよ」

 

鈴音「何故『佐倉綾音』さんじゃないのか……」

 

未来「作者が美咲でそのままは不味いと判断したのではないかしら?知らないけれど」

 

鈴音「ちなみに綾香の名前の由来なんだけど、元々『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』でオリジナルヒロインとして登場予定だったそうだよ。あの作品のヒロインは苗字と名前で繰り返しになるような名前になっているからね」

 

未来「確かに綾香綾香で繰り返しになっているわね」

 

鈴音「ちなみにそれはボツになりました」

 

未来「可哀想に……」

 

鈴音「まぁ綾香も何れ自分が主人公の作品がきっと出てくるよ」

 

未来「……そうなればいいわね」

 

鈴音「そんな綾香は国語が学年3位で、数学が学年最下位な極端な子です」

 

未来「何故急に成績の話なのかしら……?しかも何処かで聞いたことのある設定ね……」

 

鈴音「気のせいだよ。じゃあ最後に杏子の紹介だね」

 

未来「妹尾杏子。綾香の同級生で、人見知りが激しく臆病という感じね」

 

鈴音「そうなの?なんか最近本編の杏子を見ているとそうは見えないんだけど……」

 

未来「私が直々にスパルタで色々と鍛え上げたからよ」

 

鈴音「なんてこったい……」

 

未来「そんな杏子だけれど、杏子も作者が書いた他の小説に出ているみたいね」

 

鈴音「ああ、『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』が原作の二次創作の『ネトゲをしていたはずの後輩が異世界召喚されて尊敬する先輩の元へ帰るために魔王として頑張る話』だね」

 

未来「随分と長いタイトルね……」

 

鈴音「杏子の容姿は初登場時はイメージすると『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』の『雪ノ下雪乃』ちゃんに眼鏡をかけた感じだったけど、後に『物語シリーズ』の『羽川翼』ちゃんの髪を切った直後みたいな感じになったね。ちなみに今のこの小説ではそこから少し髪を伸ばしているみたい」

 

未来「この小説で1番髪型が変わっているのは杏子なのではないかしら?」

 

鈴音「そうだね。『ネトゲをしていたはずの後輩が異世界召喚されて尊敬する先輩の元へ帰るために魔王として頑張る話』でも髪型が変わっているよ。詳しくは銅英雄先生の作品を読んでみよう!」

 

未来「また露骨なステマを……」

 

鈴音「じゃあ今回はここまで。次回からはこの作品の内容についてちょっとずつ説明していくよ」

 

未来「……次回もあるのかしら?」

 

鈴音「私達だけだと代わり映えしないので、次回は違うコンビで解説するよ。今回のお相手は何か良いことあったらいいね。大宮鈴音と」

 

未来「響未来がお送りしたわ。……本当に次回もやるのかしら?ステマが多かったし、批判コメントで荒らされないように願うばかりね」

 

鈴音「バイバ~イ」




……という作者の自己満足でした。

イメージとしてはアニメ物語シリーズの副音声みたいな感じです。


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解説?副音声?のようなそんな感じのもの 1本場

作者の願望が出てしまったのです……。

ではどうぞ!興味ない方はスルーの方向でオナシャス。


未来「この企画は『生死を賭ける戦いから麻雀の世界に転生しました。』についての解説のようなことを副音声みたいな感じで話すものだそうです。私は総武高校3年生の響未来です。それでは私は帰らせていただきますさようなら」

 

綾香「いやいやいやいや!何を帰ろうとしてるんですか未来先輩!」

 

未来「……私はこんなくだらないことをしている暇はないのよ」

 

綾香「鈴音先輩から未来先輩が帰らないように見張っていてほしいって言われた意味が漸くわかりましたよ……。あっ、自己紹介が遅れました。私は総武高校1年生の綾瀬綾香といいます。今回はこの2人で解説の方を進めていきます!」

 

未来「はぁ……。それでなんでまた私がここに呼ばれたのかしら?」

 

綾香「その理由を話す前にこの企画の元ネタ的なことを説明しておきますとね……」

 

未来「元ネタ?」

 

綾香「この企画は作者がアニメ『物語シリーズ』の副音声を聞いていて思い付いたとのことです」

 

未来「相変わらず作者は影響されやすいわね……」

 

綾香「そして私達にはキャラ付けがされています」

 

未来「『物語シリーズ』の副音声のキャラに私達を当てはめたってことかしら?」

 

綾香「はい、それで未来先輩は『羽川翼』ちゃんの役割に作者が任命しました」

 

未来「……作者とは話をしなければならないわね」

 

綾香「ちなみに私は『八九寺真宵』ちゃんの役割だそうです!」

 

未来「妥当な人選な気がするわね。どうせなら他も聞いてみようかしら?」

 

綾香「とは言っても他に4人しかいませんので、このキャラとこのキャラを足して2で割ったみたいな感じになりますが……。ではまずは美咲先輩から!」

 

未来「美咲のイメージはなんとなく予測できそうね」

 

綾香「美咲先輩は『ファイヤーシスターズ』の2人からピーキーさをなくした感じですね」

 

未来「まぁ無難かしら」

 

綾香「次は伊吹先生です!」

 

未来「あの人もこの企画に出るのね……」

 

綾香「伊吹先生は『斧乃木余接』ちゃんの立ち位置ですね」

 

未来「それも無難といえば無難なのかしら。あの人の場合は『忍野扇』とかも当てはまりそうだけれど」

 

綾香「あっ、それはどうやら杏子のポジションだそうですよ」

 

未来「……意外な人選ね。1番縁遠そうな感じだけれど」

 

綾香「私も鈴音先輩から聞いた時はビックリしましたよ……。しかも『忍野メメ』さん寄りの『忍野扇』ちゃんだそうです」

 

未来「益々意外ね……。理由は何かしら?」

 

綾香「なんでもこの企画での杏子は『ネトゲをしていたはずの後輩が異世界召喚されて尊敬する先輩の元へ帰るために魔王として頑張る話』での『アンズ』としての人格で登場することがあるそうです。私としてはこの小説内の杏子の方がいいんですけど……」

 

未来「……あの杏子ね。主人公よりもチートの限りを尽くしていたわね」

 

綾香「まぁ流石に時系列によってはこの小説内の杏子で出てくるとは思いますけど……」

 

未来「……というか綾香はその話とか知っていてはいけないのではないのかしら?」

 

綾香「それなら大丈夫です!この企画内では……つまり本家でいうところの『副音声時空』では全て知っていても問題なしって鈴音先輩が言ってましたので」

 

未来「……だとしたら綾香は私達の正体とかも知っているということよね?」

 

綾香「……その辺りはノーコメントということで。流石に先輩達の経緯についての解説は他の人がやってくれると思いますよ」

 

未来「本当かしら……。ちなみに鈴音の立ち位置は?予測はできているけれど」

 

綾香「『阿良々木暦』くんです」

 

未来「……わかってはいたけれど、納得できないわ」

 

綾香「ではでは本題に入っていきましょう!」

 

未来「……確か本編についての解説だったかしら?」

 

綾香「……の予定だったんですけど、前回で解説し忘れていたことがあるのでその解説ですね」

 

未来「何を解説するのかしら?」

 

綾香「杏子のイメージCVと伊吹先生の紹介です。作者がこの企画に目を通した友人に文句を言われていたそうですから、今回でやってしまって次回かその次辺りに本編の解説をしていこうとのことです!」

 

未来「……そういえばなかったわね。そしてやはり次回もこの企画をやるのね」

 

綾香「ということで杏子イメージCVは『内田彩』さんです!」

 

未来「美咲と杏子と綾香で『ラブライブ!』の2年生3人が見事に集結しているわね」

 

綾香「そうですね。美咲先輩がスクールアイドルをやると決めてから私と杏子を巻き込んで……」

 

未来「美咲と杏子に関しては割とはまっているけれど、綾香の場合は違和感バリバリね。貴女の場合は『シャロ』の方でしょう」

 

綾香「そんなことありませんよ!私だって『園田海未』ちゃんみたいにできますよ!」バンバン!

 

未来「まぁ声質というか声優は同じ『三森すずこ』さんだから真似くらいはできるでしょう」

 

綾香「……『貴女は最低ですっ!』」パァンッ!

 

未来「…………」ヒリヒリ

 

綾香「はっ……。つい役に」

 

未来「綾香」

 

綾香「な、なんでしょうか……?」

 

未来「これが終わったらお話をしましょう?」ニッコリ

 

綾香「………………はい」

 

未来「では伊吹先生の紹介に入りましょうか」

 

綾香「……指宿伊吹先生はマイペースではあるけどしっかりしているといった性格ですね」

 

未来「容姿のイメージは『らき☆すた』の『泉こなた』の髪色を緑にして、それをポニーテールにした感じね。イメージCVは『豊嶋真千子』さんよ。最初は『平野綾』さんにしようか迷ったらしいわ」

 

綾香「なんでも作者がその時は『ワールドトリガー』にはまっていたそうですよ」

 

未来「……私はこれ以上突っ込まないわよ」

 

綾香「それに美咲先輩の設定を決めるときみたいになったら駄目だと作者は思っていたらしいです。さて、私達の設定はとりあえず以上ですね」

 

未来「こうして私達は誕生したのね」

 

綾香「では今回はここまでです」

 

未来「次回があるとして……。そのキャストは決まっているのかしら?」

 

綾香「次回は私達のプロフィールについて解説をしていこうとのことですね。その時のコンビは……作者の気分で決まります」

 

未来「…………グダグダね」

 

綾香「ということで今回のお相手は何か良いことあったらいいです!綾瀬綾香と!」

 

未来「響未来でお送りしたわ。……さて、今からお話の時間ね」ニッコリ

 

綾香「…………私、生きて帰れますかね?バイバイですよー」




書いてしまった……。

次回もあるよ!作者の思い付きで書いていくよ!もちろん本編も他の小説も忘れてないよ!


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解説?副音声?のようなそんな感じのもの 2本場

興味のない方はスルーの方向でオナシャス。


美咲「美咲だぜー!」

 

杏子「杏子だよー!」

 

美咲&杏子「2人合わせて『Prinetmpsシスターズ』!!」

 

杏子「……あの、乗っておいてなんですが、語呂が悪くないですか?」

 

美咲「駄目かな?私と杏子ちゃんの中の人の役柄から考えて抜粋したコンビ名なんだけど」

 

杏子「メタいです美咲先輩。それに正式に言うと作者が設定した私達のイメージCVです」

 

美咲「それにしても杏子ちゃんも大分私達と打ち解けたよね。先輩としては嬉しい限りだよ!」

 

杏子「……先輩達には感謝してますから。それに鈴音先輩と未来師匠とは濃厚な関係を築いてます」

 

美咲「相変わらず杏子ちゃんは2人を溺愛してるよね。私からしても鈴音ちゃんと未来ちゃんは恩人であり、親友だよ!」

 

杏子「その関係も羨ましいですね。私は年下ですから、いつまでも先輩と後輩という枠組みになります」

 

美咲「それはそれでいい関係だと思うけどね」

 

杏子「それよりそろそろ本筋に入りましょう」

 

美咲「そうだね。この企画は『生死を賭ける戦いから麻雀の世界に転生しました。』についての解説のようなことを副音声みたいな感じで話すものです。私は総武高校3年生の佐野美咲です!」

 

杏子「私は総武高校1年生の妹尾杏子です」

 

美咲「今回はこの2人で解説していくよ!」

 

杏子「それで今回は何を話していくんですか?」

 

美咲「前回の予告通り私達のプロフィールについての解説だね」

 

杏子「でも鈴音先輩や未来師匠の細かいあれこれって私達が知っててもいいんですか?」

 

美咲「この企画内での私達は本家でいうところの副音声時空みたいだから、何を知っても問題ないみたいだけど、流石に触れちゃいけないところはスルーするよ。その辺りのことは鈴音ちゃんとか未来ちゃんの仕事だからね」

 

杏子「成程……」

 

美咲「主に解説するのは性格、好き嫌い、趣味、能力についてだね」

 

杏子「鈴音先輩のスリーサイズを知るチャンスというわけですね……!」ゴクリ

 

美咲「期待しているところ悪いけど、そこはプロフィールの所を見てね」

 

杏子「残念です……。後でチェックしておきましょう」

 

美咲「ではまず名前が挙がった鈴音ちゃん!性格は冷静でおっとりしている感じだね。未来ちゃん曰く結構動揺しやすいみたいだけど」

 

杏子「鈴音先輩のことをお見通しなのは幼馴染みだからというわけですか……。羨ましいです!」

 

美咲「あの2人には2人だけの絆みたいなのを感じるよね。私も2人とそういった関係になりたいな」

 

杏子「ライバルがここにも……」ボソッ

 

美咲「杏子ちゃん?」

 

杏子「なんでもありません。次にいきましょう」

 

美咲「う、うん……。鈴音ちゃんが好きなもの(こと)は総武高校のみんなとヨーグルト、それに機械を弄ることだね」

 

杏子「総武高校のみんなに関しては私達全員に共通することでは?」

 

美咲「省かれているけど、もちろん麻雀部のことだからね!」

 

杏子「ヨーグルトは私も好きな飲み物ですね。描写にはなかったですけど、私と鈴音先輩はよく飲むヨーグルトを部活前に愛飲してます」

 

美咲「うちの学校の自販機って結構色々な飲み物があるよね。特に変わっているのはMAXコーヒーとドクターペッパーと野菜生活100いちごヨーグルトミックスの3つだよね」

 

杏子「1番最後の飲み物は私も気になって1度飲んでみたんですが、ちょっと合わなかったです……。嫌いというわけではないんですが……」

 

美咲「あの3つは好き嫌いが別れるからね。後に紹介する伊吹先生もMAXコーヒーが好きみたい」

 

杏子「MAXコーヒーがあるのは千葉だけらしいですね」

 

美咲「そうだね。じゃあ次は鈴音ちゃんの嫌いなもの(こと)に移るよ!」

 

杏子「大切な人を馬鹿にしたり貶したりする人……」

 

美咲「優しいよね鈴音ちゃん。こういう人が将来大物になるんだよね」

 

杏子「そうですね。でもそれは美咲先輩も同じですよね?」

 

美咲「うん、やっぱり友達が馬鹿にされたり貶されたりされるのはやっぱり嫌だもん!」

 

杏子「あとは蒟蒻ですか……」

 

美咲「特に意外にも思わないけど、私からしたら蒟蒻だって美味しいよ」

 

杏子「でも人間食べ物の好き嫌いはそれぞれだと思うんですよ。余り話すと後で話すことがなくなるので今は言いませんが……」

 

美咲「じゃあ次は鈴音ちゃんの趣味!」

 

杏子「読書、アニメ鑑賞、機械弄りとありますね」

 

美咲「鈴音ちゃんって普段どんな本を読んでるんだろう?」

 

杏子「同じ読書家として気になります……!」

 

美咲「これも余り話しすぎると後半話すことがなくなっちゃうから次にいこう!」

 

杏子「こんな感じでいいんですかね……?」

 

美咲「アニメ鑑賞!最近私もアニメをよく見るようになったよ!」

 

杏子「私も今期のアニメをチェックするくらいには見るようになりました。美咲先輩は今期何を見てるんですか?」

 

美咲「今期のアニメは個人的に結構豊作だと思うんだよね。まずは『とある魔術の禁書目録Ⅲ』に『転生したらスライムだった件』、『ソードアートオンライン アリシゼーション』、『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』、『火ノ丸相撲』は毎週録画してるよ!」

 

杏子「殆どがライトノベルが原作のアニメですね」

 

美咲「最終回が終わったら原作を買うつもりだよ。今から楽しみ♪」

 

杏子「お金持ちが羨ましい……」

 

美咲「そして機械弄り!」

 

杏子「鈴音先輩にとっては趣味のつもりらしいですけど、未来師匠はそれがプロに匹敵するって言ってましたよね」

 

美咲「『総武の巻④』でも壊れた雀卓をあっさりと治していたしね。鈴音ちゃんって何者なんだろうね?」

 

杏子「そこは『過去の巻』で明らかになるかもしれませんね」

 

美咲「そこも楽しみだね!果たして鈴音ちゃんにどんな過去があったのか……」

 

杏子「あとは能力(オカルト)でしょうか……」

 

美咲「これについては余り私達が関与していいものじゃないからざっくり説明するね」

 

杏子「まぁ美咲先輩は個人戦に出ますからね」

 

美咲「というわけでざっくりと説明すると鈴音ちゃんの能力は支配系の能力の影響を受けなくて、ピンチになると逆転手の作りやすくて、スロースターターだよ!」

 

杏子「本当にざっくりですね……。鈴音先輩はスロースターターを克服したいって言ってましたが、どうなるんですかね?」

 

美咲「そこは決勝戦の大将戦をお楽しみに!」

 

杏子「本編80話の時点で決勝戦の先鋒戦なので、少なく見積もってもあと20話はかかりそうですね……」

 

美咲「多分先鋒戦と大将戦以外はそこまで長くないと思うんだよね」

 

杏子「……何故か納得してしまいました」

 

美咲「次は未来ちゃんの紹介だね!」

 

杏子「未来師匠の性格は冷静沈着でドSとなってます」

 

美咲「随分過激だね……。しかも鈴音ちゃんに対しては特にそうなってるみたい」

 

杏子「幼馴染みだからこその態度といった感じですね」

 

美咲「未来ちゃんも素直じゃないからね」

 

杏子「それで済ませていいんでしょうか……?」

 

美咲「そんな未来ちゃんの好きなものは総武高校のみんな……はみんなに共通するから割愛するとして……」

 

杏子「残りの私達のプロフィールのそれも省略しちゃいましょう」

 

美咲「珈琲、アイス、ラーメン、インスタント食品(主にカップラーメンという風になってるよ!」

 

杏子「後半2つは意外ですよね。特に最後のは……」

 

美咲「そうだね。未来ちゃんの場合は逆にそれらを問題視してそう……」

 

杏子「私の知らない師匠がこのプロフィールでわかるようになるというのは素晴らしいですね!」

 

美咲「嫌いなものはヌルヌルしたものとTPOを弁えない人間ってなってるよ」

 

杏子「TPOを弁えない人間というのはある意味誰もが共通しそうな感じですね」

 

美咲「うん、私も家柄そういった人達は結構見るよ。それでああはなりたくないとも思うんだよね」

 

杏子「師匠の趣味は料理、アニメ鑑賞、読書、ラーメンの食べ歩きとなってます」

 

美咲「これまた最後のが意外だね……」

 

杏子「アニメ鑑賞は私達と一緒で鈴音先輩の影響ですかね?」

 

美咲「『過去の巻②』でそれっぽい印象はあるよね」

 

杏子「師匠の能力は支配系統の能力影響を受けなくて、他家のテンパイ気配と危険牌を察知できて、3翻以下の点数でテンパイすると他家にテンパイ気配が察知できないといった感じですね」

 

美咲「最後のやつは反則級だよね。2番目のやつは個人差あるけど、未来ちゃんは特に敏感だし羨ましい……」

 

杏子「美咲先輩も別のベクトルで反則級なのでは……?」

 

美咲「次は順番的に私なんだけど、自分で紹介するのはなんとなく恥ずかしいから杏子ちゃんお願い!」

 

杏子「はい。……美咲先輩の性格は優しくて、如何にもな元気印で、喜怒哀楽が激しいとのことです。そしてこれらを場の雰囲気によって変えるとなってます」

 

美咲「それも家柄の影響かもしれないね。よく名家の人が羨ましいって声を聞くけど、名家の人間は名家の人間なりに苦労してるんだよね」

 

杏子「多分1番良いのはお金持ちの名家ではなくただお金持ちな人かもしれません」

 

美咲「名家の人間だとなにかとプレッシャーがあるからね……」

 

杏子「そんな美咲先輩が好きなものは総武高校の以下略とチョコレート、そして中学時代に仲良くなった剣由輝子ちゃんとなっています」

 

美咲「由輝子ちゃんの説明は鈴音ちゃん達がしてるから割愛するとして……」

 

杏子「でも由輝子ちゃんの性格とかは説明されていなかったので、その辺りも知りたいです。『情報好きな少女の青春はまちがっている』を見る限りだと鈴音先輩以外はみんな会っているみたいですけど、私はこの時点ではまだわかりませんので……」

 

美咲「わかった!由輝子ちゃんはおとなしくて、ポーカーフェイスが得意で、観察眼が優れているよ!観察眼の良さに関しては未来ちゃんに匹敵するかも……」

 

杏子「その子も色々すごいですね……」

 

美咲「あと由輝子ちゃんもMAXコーヒーが大好きなんだよ。本人曰く『人生は苦いことばかりですので、珈琲くらいは甘過ぎるくらいで丁度いいんです』だって」

 

杏子「……なんか何処かで聞いたことがあるような格言ですね」

 

美咲「まぁ由輝子ちゃんはかなりの甘党だからね。MAXコーヒーも必ず1日に3本は飲んでるらしいよ」

 

杏子「聞くだけで胸焼けしそうなので、次に進みますね。美咲先輩の嫌いなものは人を見下したりする人、茸類です」

 

美咲「前者はこれも家柄よく見るんだけど、見る度に嫌な気分になるんだよね……」

 

杏子「あの美咲先輩が言うんですからよっぽどなんですね……」

 

美咲「茸類に関しては食感がちょっと……。これは鈴音ちゃんの蒟蒻が苦手なのともしかしたら似たような理由になるかもね」

 

杏子「趣味は料理(お菓子作りがメイン)、スポーツ観戦(テレビ観戦)、ツーリング(多忙のため2年以上はしていない)です」

 

美咲「我ながら()の多い趣味だね……。なんとか改善した方がいいかも」

 

杏子「美咲先輩の能力は配牌時点でテンパイになりやすく、しかもそれが満貫以上の打点になりやすく、未来師匠程じゃなくてもテンパイ気配や危険牌を察知できるとなっています。……やっぱり美咲先輩も人のことを言えないですよね」

 

美咲「むー。それこそ杏子ちゃんだって人のことを言えないはずだもん……」

 

杏子「私の場合は先輩方のおかげで強くなれたと思っていますから」

 

美咲「杏子ちゃんを師事したのは主に未来ちゃんと鈴音ちゃんだね。私は余り人に教えるのは不向きだから……。ごめんね?先輩らしいことをできなくて……」

 

杏子「美咲先輩からも色々と教えてもらいましたよ?」

 

美咲「ありがとう。その気持ちだけでも嬉しいよ……」

 

杏子「……実際に美咲先輩の打ち筋は参考になるものが多いんですよね」ボソッ

 

美咲「じゃあ次は綾香ちゃんの紹介だよ!」

 

杏子「綾香ちゃんの性格は人懐っこくて明るいです。この辺は美咲先輩と似ている部分ですね」

 

美咲「そうかな?」

 

杏子「好きなものは総武高校の以下略と和食全般とスポーツドリンクで嫌いなものは軽薄な人と生の魚です」

 

美咲「好きなものが和食全般なのに嫌いなものに生の魚ってそこはかとなく矛盾しているような……」

 

杏子「きっとお刺身以外の和食全般が好きってことなんでしょうね」

 

美咲「綾香ちゃんの趣味はカラオケ(ヒトカラが多い)、アニメ鑑賞、聖地巡礼、秋葉原廻り、ゲーム(特にネットゲーム)、ネット麻雀となっているよ!」

 

杏子「綾香ちゃんはかなり多趣味なんですよね……。もしかしたら麻雀部の中で1番かもしれません」

 

美咲「私ももっと趣味を増やした方がいいのかなぁ?」

 

杏子「私と美咲先輩の場合はアニメ鑑賞がプラスされるくらいですね。逆に趣味が1番少ないのは多分私だと思います」

 

美咲「綾香ちゃんの能力は感覚派デジタルで、攻めの姿勢で、配牌が2シャンテンスタートになりやすくて、しかも上がりが3翻以上になりやすいよ」

 

杏子「綾香ちゃんには申し訳ないけど、聞いていると完全に美咲先輩の下位互換になりますね」

 

美咲「き、きっと綾香ちゃんは将来私の上位互換になるんだよ(震え声)」

 

杏子「まぁ綾香ちゃんは美咲先輩に憧れて総武に入ったみたいですからしょうがないのかもしれません」

 

美咲「そうなんだ?初耳かも……」

 

杏子「詳しくは『過去の巻④』を見ればわかると思います」

 

美咲「後で見てみよっと。あの時は綾香ちゃんが暈し気味に話したせいで夜眠れなかったし……」

 

杏子「では美咲先輩、私の紹介をお願いします」

 

美咲「うん、杏子ちゃんの性格は人見知りが激しくてとても臆病(最近はその臆病なところは見せないようにしてて、総武高校のみんなに限り気を許している)だよ!」

 

杏子「総武高校のみんなとはいってももちろん麻雀部のメンバーのみです」

 

美咲「好きなものは総武高校の以下略(特に鈴音ちゃんと未来ちゃん)と苺とヨーグルトだよ!」

 

杏子「ヨーグルトに関しては先程少し説明しましたね」

 

美咲「杏子ちゃんは苺だと何が好きなの?」

 

杏子「苺は全部好きですが、1番はあまおうですかね」

 

美咲「あまおうも美味しいよね!私は苺だととちおとめかな?」

 

杏子「フルーチェの苺味に一時期はまっていたことがありました」

 

美咲「そうなんだ……。嫌いなものは牛蒡、埃っぽい場所や煙たい場所ってなってるよ。杏子ちゃんは牛蒡嫌いなのって食感が理由?」

 

杏子「牛蒡は食べると土っぽい感じがしていたので、それが苦手と言いますか……」

 

美咲「あの感じが苦手って人も結構いそうだね。逆にそれが良いって人もいそうだけど」

 

杏子「私からしたらその人達が理解できません……」

 

美咲「杏子ちゃんの趣味は買い物と読書。……本当に少ないね」

 

杏子「先輩達に出会わなければ私はずっと本の虫だったかもしれません……」

 

美咲「杏子ちゃんが麻雀を部活にするようになってよかったのかもね!そんな杏子ちゃんの能力は一九字牌がきやすくて、テンパイ気配と危険牌が察知できて、狙い撃ちができるよ!」

 

杏子「狙い撃ちは決勝戦で初めて公開しますね」

 

美咲「これは未来ちゃんとの特訓の賜物だね!この能力で国士無双とかされたらとんでもないかも……」

 

杏子「もしかしたら本編でするかもしれません」

 

美咲「そうなった場合は一気にトップに近付くよ!楽しみ♪」

 

杏子「では最後に伊吹先生の紹介ですね」

 

美咲「伊吹先生はマイペースだけど、とてもしっかりしてるよ!」

 

杏子「伊吹先生も生徒にしっかりしているって言われたくないでしょうね……」

 

美咲「伊吹先生は背が低いからその割にはってことかもしれないね」

 

杏子「それもまた失礼な話ですよね……」

 

美咲「伊吹先生の好きなものは総武高校の以下略とMAXコーヒー、じゃがバターだよ!」

 

杏子「じゃがバターというのがニッチな感じがします」

 

美咲「伊吹先生はじゃがバターを自作してるくらい好きらしいよ。前に鈴音ちゃんと未来ちゃんと一緒に食べたことがあるけど、とても美味しかったなぁ……」

 

杏子「それって何時の話ですか?」

 

美咲「私達が2年生の時だから杏子ちゃんと綾香ちゃんは知らないんだね。伊吹先生も何時か2人に食べさせたいって言ってたよ!」

 

杏子「ではその時を楽しみにしています」

 

美咲「嫌いなものは空気を読まない人と煙草の臭いだね」

 

杏子「前者の方はやっぱり似たり寄ったりになってしまいますね」

 

美咲「そういった意味でも私達の絆は固く固く結ばれているんだね!」

 

杏子「伊吹先生の趣味はアニメ鑑賞、聖地巡礼、ゲーム(特にネットゲーム)、ドライブ、カラオケ、ネットサーフィン、買い物です。綾香ちゃんと同じくらいかそれよりも多いですね……」

 

美咲「ちなみに綾香ちゃんと同じネットゲームをしているらしいよ」

 

杏子「これは綾香ちゃんと伊吹先生だけのコミュニティという感じですね」

 

美咲「何時かみんなも巻き込みたいって伊吹先生は思ってるって前に未来ちゃんから聞いたことがあるから杏子ちゃんも覚悟した方がいいかもね」

 

杏子「……覚えておきます」

 

美咲「伊吹先生の能力……に関してはまだ公開されてないよ」

 

杏子「公開される時があるんですか?」

 

美咲「作者が近い内に阿知賀編を執筆するらしいからもしかしたらその時に公開されるかも……」

 

杏子「それもまた未定……なんでしょうか……?」

 

美咲「作者も色々やりたいことがあるからってことみたいだけど、どうなんだろうね」

 

杏子「……ということは今回はこんな感じで終わりですかね?」

 

美咲「そうだね。次回から少しずつ本編や番外編に触れていくよ」

 

杏子「本編か番外編かは誰が解説するかによりそうですね」

 

美咲「ではお相手は何も良いことなくても最高!佐野美咲と!」

 

杏子「妹尾杏子でした」

 

美咲「バイバイ!!」




この企画はいけるところまでいきます。


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解説?副音声?のようなそんな感じのもの 3本場

興味のない方はスルーの方向でオナシャス。


未来「別にこの企画に参加するのが嫌だとか帰りたいとかではないんですよ。ここまで来たなら終わるまでは解説の仕事をちゃんとするつもりでいます。ただ部員のみんなはまだ1回なのに対して私はもう3回目ということなんですよ。つまり何が言いたいのかといいますと回数のバランスを保とうということです」

 

伊吹「はいはい、とりあえず愚痴るのはそのあたりにしておこうか。もう始まってるからね」

 

未来「……そうですね」

 

伊吹「この企画は『生死を賭ける戦いから麻雀の世界に転生しました。』についての解説のようなことを副音声みたいな感じで話すものです。私は総武高校の教員をやっています指宿伊吹です」

 

未来「総武高校3年生の響未来です」

 

伊吹「今回はこの2人で解説していくよ~。今回から本編についての解説になるけど、内容が内容だから流石に私がMCを勤めるのはどうかと思うから未来にお願いしていい?」

 

未来「わかりました。今回解説していくのはプロローグと第1話の解説になります」

 

伊吹「ん、了解~」

 

未来「まずはプロローグで私と鈴音が此処に来たところなんですが……」

 

伊吹「ほうほう、2人はこのようにして此処に来たわけだね。それにしてもみんなの麻雀がテニプリの麻雀バージョンとは言い得て妙だよね」

 

未来「否定はしないんですね」

 

伊吹「まぁ私も色々と見てきたからね~」

 

未来「その経験で得たものでが私達の正体を見破ったといった感じなのですか?」

 

伊吹「さてね~。そこについてはもう少し本編が進んでからにしようか。こういった2人の解説は私達以外にできるのは鈴音だけだと思うからね」

 

未来「……そもそも今回はかなり大切な解説なのだから鈴音本人がキチッと解説に来るべきだと思うのですが」

 

伊吹「あっ、話が戻っちゃった。その話はこの企画が終わってから聞いてあげるから、今は解説の方に集中しようか~」

 

未来「……はい」

 

伊吹「というか鈴音は総武に来てから麻雀を始めたんだね」

 

未来「正確に言うと高校の入学式の2日前になります」

 

伊吹「成程~。未来は何時から麻雀やってるの?」

 

未来「中学に上がる前くらいに携帯の広告で麻雀のサイトを見たのが切欠ですね」

 

伊吹「未来はネトマが始まりだったんだね~。どのサイトでやっているの?」

 

未来「『のどっち』もやっているネトマです」

 

伊吹「あれだね。あのサイトが多分1番人気があるサイトなんだろうね」

 

未来「プロローグの解説はこんなものですが、他に何か気になることとかありますか?」

 

伊吹「『あの御方』とやらが用意した家やお金の額とか気になる~」

 

未来「家は普通の一軒家ですね。お金に関しては第1話の方に書かれています」

 

伊吹「了解~。それじゃあ一旦CM入りまーす」

 

未来「入りません。このまま第1話の解説をします」

 

伊吹「言ってみただけだよ~」

 

未来「1話についてですけど……」

 

伊吹「さっき言ったお金について」

 

未来「今丁度通帳を持ってきていますので見ますか?」

 

伊吹「なんで持っているのかは知らないけど是非~」

 

未来「どうぞ」

 

伊吹「…………」

 

未来「…………」

 

伊吹「……返すね」

 

未来「はい」

 

伊吹「買い物のシーンとかあったけど、何を買ったのかな?」

 

未来「主に生活用品ですね。お金に余裕があったので、性能が良い物を選んで買いました」

 

伊吹「ここら辺だとあのお店だよね?だったら個人的に全自動卵割り機が良い感じの雰囲気を醸し出していると思うよ」

 

未来「……鈴音と同じセンスですね」

 

伊吹「うむ、鈴音も私と同じ何かを感じたんだろうね。もちろん全自動卵割り機は買ったんだよね?」

 

未来「いえ、買っていません。というか何故買わなければいけないんですか」

 

伊吹「まぁ冗談はさておき流石に始めたばかりの鈴音は負け続きだったんだね」

 

未来「そうですね」

 

伊吹「それが3年生になるとあんな化物に……」

 

未来「化物って……まぁ否定はしませんが」

 

伊吹「そんな鈴音がリアルでもネトマでもボコボコにされてるのは新鮮に感じるよ」

 

未来「2年まではある程度私達が勝ってきたんですが、3年生になるとやはりブーストがかかっているから勝ちが難しくなってます」

 

伊吹「未来と美咲も同じくブーストがかかっているはずなんだけど、鈴音のブーストは半端じゃなかったね。今じゃ部にいる全員が鈴音に勝てないわけだ」

 

未来「ですね。ということで今回はここまでになります」

 

伊吹「今回は短いね。まぁそれでも本編と文字数が余り変わんないけど……」

 

未来「では今回のお相手は何か良いことあったらなんなの?響未来と」

 

伊吹「何か良いことあったらピース。指宿伊吹だったよ」

 

未来「また会うことがあったらその時ね」

 

伊吹「バイバ~イ」




これで総武のキャラは一通り出したか……。未来だけ3回目を終えたわけですが。


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解説?副音声?のようなそんな感じのもの 4本場

興味のない方はスルーの方向でオナシャス。


綾香「貴方のハートを撃ち抜くぞ?ラブアローシュート!バァン!!綾瀬綾香です!」

 

美咲「貴方の想いをリターンエース!ファイトだよっ!!佐野美咲です!」

 

綾香「……っていうかこの入りでいいんですかね?」

 

美咲「いいと思うよ。……この企画は『生死を賭ける戦いから麻雀の世界に転生しました。』についての解説のようなことを副音声みたいな感じで話すものです。私は総武高校3年生の佐野美咲です!」

 

綾香「総武高校1年生の綾瀬綾香です!」

 

美咲「今回はこの2人で解説していくね!」

 

綾香「それで今回は本編の2話の解説でしたっけ?」

 

美咲「そうだね」

 

綾香「2話って美咲先輩が初登場する回ということですが……」

 

美咲「どうしたの綾香ちゃん?」

 

綾香「……美咲先輩って本当に友達100人いるんですか?」

 

美咲「本当に友達って呼べるのは麻雀部のみんなと由輝子ちゃんくらいかも……」

 

綾香「えっ?そうなんですか!?意外ですね……」

 

美咲「……まぁO・TO・MO・DA・TI☆を含んでもいいんなら100人以上はいるけどね」ボソッ

 

綾香「あれ?なんか美咲先輩から黒い何かが……。その由輝子ちゃんって私まだ会ったことないんですけど、確か『情報好きな少女の青春はまちがっている』では私は会ったことがあることになっているんですよね?」

 

美咲「そうみたいだね。あっちの本編でも綾香ちゃん登場したし、何れ未来ちゃんの時みたく番外編で出会いのところをやるのかもしれないね」

 

綾香「多分『佐野の巻』でやりそうですけど、その辺りは作者次第ってことですか……」

 

美咲「多分ね。……ところで『情報好きな少女の青春はまちがっている』といえば」

 

綾香「いえば?」

 

美咲「……私がヒロインの話は何時になったらできるのかな?かな?」

 

綾香「あー……」

 

美咲「作者の話だとこの小説が始まる前から企画されてたみたいなんだけど、もう2年以上経ってるんだよ?いくらなんでもかかりすぎじゃない?ねぇ?」

 

綾香「み、美咲先輩、落ち着いてください!作者曰く美咲先輩がヒロインの話についての構想はこの小説とも関係あるんですよ」

 

美咲「この小説にも関係が……?」

 

綾香「ですです。本来ならこの小説に美咲先輩が登場することはなかったんですが、この小説に美咲先輩の名前が挙がった瞬間に鈴音先輩、未来先輩に後に登場する私と杏子を友人枠としてその美咲先輩ヒロインの話を出そうと考えたみたいです」

 

美咲「でも『情報好きな少女の青春はまちがっている』では鈴音ちゃんと未来ちゃんと杏子ちゃんは……」

 

綾香「だから美咲先輩ヒロインの話では強引に捩じ込むつもりだと思います。真相はまだ不明ですけど……」

 

美咲「そっか……。あっちの情報では鈴音ちゃん達にもう2度と会えない感じだったから、そうなってくれると嬉しいな♪」

 

綾香「それに作者によりますとプロットはもう完成してるらしいですから、あとはストーリーをどういう風に組み込むかですね」

 

美咲「由輝子ちゃんと同い年の主人公……具体的な名前は避けといた方がいいよね。この小説では多分出てこないし……。その主人公が高校生だと私は大学生な訳だから、メインヒロインといえども出番は少なそう……」

 

綾香「それが年上年下のネックですもんね……」

 

美咲「プロットってどんな感じになってるの?」

 

綾香「作者は2つ考えていて、1つは向こうの原作に合わせるのともう1つは主人公と由輝子ちゃんが麻雀部で活躍する案が出てますね」

 

美咲「2つ目に関しては向こうの原作と大きくかけ離れてるね」

 

綾香「2つ目の√だと私の出番がかなり早まりそうですね」

 

美咲「由輝子ちゃん達が1年生の年は綾香ちゃんが3年生だもんね。杏子ちゃんも出てくるかもって感じかな?」

 

綾香「その可能性はありそうです」

 

美咲「……なんにせよ気長に待つしかないよね」

 

綾香「ですね……ってかなり脱線してしまいましたね。本編の解説に戻りましょう」

 

美咲「そうだね。職員室で鈴音ちゃんと未来ちゃんは麻雀部を設立しようとしてるシーン!」

 

綾香「というか総武高校に麻雀部なかったんですね……」

 

美咲「総武高校が進学校じゃなかったらあったかもしれないっていう話を聞いたことがあるよ。大体公立にありそうなイメージだし」

 

綾香「※あくまでもイメージです。実際のところはわかりません」

 

美咲「部室に着いて鈴音ちゃんが新入生が入部するかチェックする係で、未来ちゃんが雀卓とパソコンを持ってくる係みたい」

 

綾香「っていうことは部室にある雀卓とかパソコンって未来先輩が1人で持ってきたってことですか!?」

 

美咲「……みたいだね。未来ちゃんって凄く力持ちなんだね」

 

綾香「いやいや、それで済ませたら駄目でしょう!台車を使うにしろ雀卓って凄い重さですよ!?高校生女子が1人で運べる物じゃないですって!!」

 

美咲「そこは……ほら、未来ちゃんの裏事情ってやつだよ」

 

綾香「ああ……。なんか納得しました。というか納得しなきゃ色々な方面から消されそうですよ……」

 

美咲「そして私と鈴音ちゃんが対面するよ!」

 

綾香「美咲先輩がA組で鈴音先輩がC組なんですね」

 

美咲「ちなみに未来ちゃんもC組だよ!」

 

綾香「未来先輩が鈴音先輩にクラス別れたらボッチになりそうみたいなこと言ってましたけど、鈴音先輩って決してコミュ力が低い訳じゃないですよね?」

 

美咲「そうだね。何度かクラスに遊びに行ったことがあるけど、鈴音ちゃんにもグループができてたし」

 

美咲(でも多分上部だけの関係っぽいんだよね。それこそ中学に私がやっていたような……いや、寧ろそれよりも歪な……)

 

綾香「美咲先輩?」

 

美咲「……あっ、ごめんね。何の話だったかな?」

 

綾香「クラスの話ですよ。……とはいえこれ以上は只の雑談になりそうなので次にいきましょう」

 

美咲「未来ちゃんが雀卓を持ってきたらいよいよ実戦だね。リアルで打つのは本当に久し振りだったよ」

 

綾香「小学生の頃からネトマなんでしたっけ?」

 

美咲「そうそう。綾香ちゃんは麻雀経験どれくらいなの?」

 

綾香「私もネトマが多かったですね。小学生の頃はそこそこ大きなクラブチームに入ってたんですけど」

 

美咲「そうなんだ。クラブでの戦績はどんな感じ?」

 

綾香「ふふん!自慢するつもりはありませんが、上位3人にはいたんですよ!」フンス

 

美咲「全中でも原村さんに次いで2位だったもんね」

 

綾香「ぐふっ!それは私の古傷が……」

 

美咲「あっ、ごめん。そんなつもりは……」

 

綾香「んんっ……!未来先輩も戻ってきていよいよ3麻開始って感じですね」

 

美咲「今回はここまでかな?」

 

綾香「う~ん、3話の解説もしたかったですけど、前半の雑談が長引いたので今すると中途半端になりそうですね……」

 

美咲「じゃあ3話の解説は次回だね!」

 

綾香「それでは今回はこれで〆ますね。何か良いことあったらいいです!綾瀬綾香と!」

 

美咲「佐野美咲だったよ!」

 

綾香「それではまた次回でお会いしましょう!!」

 

美咲「バイバイ!」




さよなら三角!次は多分番外編かな?かな?


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~原作前~
プロローグ 龍球の世界からまた別の世界へと……


ある世界から転生した主人公鈴音とその友人である未来が麻雀LIFEをenjoyする様をお楽しみください。


私、大宮鈴音(おおみやすずね)は今いる異世界からまた別の世界に行くことになりました。

 

その世界へと私と友人である響未来(ひびきみらい)が連れてってくれるんだけど……。

 

未来「あなたが次に行く世界は……」

 

どんな世界が待ってるのかな?ここで手に入れた力を次の世界でも生かせるようにしないとね。

 

未来「咲の世界よ」

 

成程、咲か。………………………バトル要素なくね?

 

未来「強いて挙げるなら競技=バトルって感じかしら」

 

鈴音「私の心を読まないでほしいんだけど……」

 

未来「あなた結構表情に出るわよ」

 

oh……マジっすか。ポーカーフェイスには自信があったんだけどなぁ……。まぁそれはさておき。

 

鈴音「ということは高校に行くってことになるんだけどどこの高校なの?」

 

私の地元は咲目線だとだと東東京にあたるわけだからそれをふまえて考えると臨海か或いは無難に主人公がいる清澄か阿知賀になるわけだけど……。

 

未来「それは着いてからのお楽しみ♪あなたが考えてるところかもしれないしまた別のところかもしれないわ」

 

鈴音「なにそれ……。未来は知ってるんだよね?」

 

未来「一応ね。まぁサプライズってことにしておきましょう」

 

さいですか……。

 

未来「咲の世界は麻雀ならぬマージャソだからもしかしたらこの世界で手に入れた力が役に立つかもしれないわね」

 

そういえば咲はテニプリでいうテニヌみたいな感じの麻雀だから今の私は異能があるってことになるのかな?っていうか……。

 

鈴音「私麻雀のルールうろ覚えなんだけど……。役とかほとんど知らないんだけど……」

 

具体的には役満とタンヤオしか知らないまであるよ!

 

未来「私は一通り覚えているから向こうに着いたら私がゆっくり教えるわ」

 

それはありがたい……!持つべきものは良き友だね!THANK YOU未っ来。

 

未来「何か余計なことを考えてないかしら?」

 

鈴音「気のせいだよ」

 

うん、気のせい気のせい!!

 

未来「さて……そろそろ準備が終わるけどそっちの準備は大丈夫?主に心の準備とか……」

 

鈴音「特にないよ」

 

未来「そう……。じゃあ行きましょ」

 

鈴音「わかった」

 

未来が出現させたと思われる異世界のゲートっぽいのに私達は入り、そしてゲートは閉じた。

 

 

~某所~

 

なんか……ドラえもんでいうタイムマシンで移動しているみたいな感じの場所だな……。

 

未来「ここをしばらく歩くと到着するわ」

 

鈴音「どれくらいで着くの?」

 

未来「大体10分くらいかしらね。……多分だけれど」

 

鈴音「……何で多分なの?」

 

未来「しょうがないじゃない。私だってこれを利用するのは初めてなのだから」

 

まぁ普通は利用しないけど……。

 

未来「向こうに着いたらこれからどうするかを考えるわよ」

 

鈴音「そうだね。そういえば住居とかは大丈夫なの?」

 

全く視野に入れてなかったけど大丈夫だよね?

 

未来「あの御方が用意してくれているし金銭面も大丈夫って言ってたわ。だからそこで作戦会議……という表現は大袈裟だけれど具体的なプランを決めなくてはならないわ」

 

流石全王?様!ぱないっす!!

 

などと喋っていると1つの光が見えてきた。

 

鈴音「もしかしてあの向こうが……」

 

未来「そうよ。あそこを出るといよいよ咲の世界に突入するわ」

 

なんだか緊張してきたな……。向こうで何が待っているのかは……。なんだかワクワクしてきた!!

 

未来「準備はいい?」

 

鈴音「問題ないよ」

 

未来「じゃあ行きましょう。咲の世界へと……」

 

さぁ!新しい生活の始まりだ!!

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

次回はいつになるかわかりませんが応援よろしくお願いします。


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第1話 咲の舞台へこんにちは。まさかまさかの現在地

今回もよろしくです。


未来「着いたわ」

 

ここが咲の世界……。まぁ麻雀するだけだから特に変わったことはないか。それにしても……。

 

鈴音「桜が綺麗だね」

 

未来「今は3月の末ね。どうやらお花見シーズンみたいよ」

 

鈴音「そうなんだ。……ということは入学式もまだなんだね」

 

未来「ええ、では早速住居に向かうわよ。あの御方が用意してくれている場所はここからそう遠くないわ」

 

鈴音「了解。……ところでお金とか大丈夫なの?」

 

未来「それについては心配ないわ。ほら」

 

そう言って未来は私に通帳を渡してきた。どれどれ……これはマジなのかな?0の数が多すぎるような……。

 

鈴音「えっと……これ本当に全部使えるの?0の数が半端じゃないんだけど」

 

未来「間違いないわ。これで金銭面はクリアね。入学の手続きは既に済ませているから入学式までは色々物を揃えるわよ」

 

どうやら間違いないらしい。すごいな……。こんな金額桃鉄でしか見たことないよ。それはさておき……。

 

鈴音「そういえばここはどこなの?私達が通う学校はどこになるの?」

 

未来「ここは千葉県で私達が通うのは総武高校よ。私達の家から徒歩で10分とかからないわ」

 

まさかの千葉県とは……。それにしても総武?なんかで聞いたことあるような……なんだっけ?まぁいいや。

 

鈴音「ところで今は咲の原作からどれくらい前?」

 

未来「咲の原作から2年前よ。つまり原作でいうと私達は3年生ということになるわね」

 

ということは所謂宮永照世代に私達は当てはまるわけだね。

 

未来「他に聞きたいことはないかしら?」

 

鈴音「今のところはないかな」

 

未来「そう……。着いたわ。ここが今日から私達が住む家よ」

 

未来に案内されて着いたのは見たところ普通の一軒家である。ちなみに未来曰くあの御方がローン諸々の問題も全てこっちでやっているそうだからその辺りの心配はいらないようだ。

 

未来「さて、とりあえず麻雀卓は最新の全自動式があるからこれで2人打ちをしましょうか」

 

鈴音「わかったよ」

 

私はとにかく役を覚えないとね。

 

それから入学式までの間に家で麻雀を打っては未来にコテンパンにされる私がそこにいることになるのだが今の私はまだ知るよしもなかった。

 

 

 

翌日以降はとにかく生活用品をとにかく買い漁った。特に料理に関しては未来が包丁やフライパンなどの素材に拘りを持っていてそれを購入した。

 

途中全自動卵割り機なるものを見つけて買おうと思ったけど未来に全力で止められた。解せぬ……!

 

それらはとてつもない値段だったのだが昨日見た通帳の金額を見る限り全然問題ない辺り私も特に値段等は気にしなくなった。……というか気にしたら負けなどの気がする。

 

そしてその他は私と未来でマイパソコンをそれぞれ購入し、ネトマとかの設定も済ませた。ちなみにあののどっちもよく利用するネトマである。これでも未来のIDを見つけてリアルの恨みだと挑んではやはり私はボコボコにされていた。未来麻雀強すぎワロエナイ。

 

 

 

そして時は入学式まで進む…………。

 




今回はここまでです。

次回は入学式と新たなる仲間が……?


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第2話 入学式!そして新たなる出会い。出会った子はコミュ力の塊でした

今回もよろしくです。


入学式当日、講堂での校長先生の長い長い話とその後教室でのSHRが終わり、私達は今職員室に向かっている。

 

鈴音「同じクラスでよかったよ」

 

未来「そうね。鈴音がボッチにならなくてよかったわ」

 

この子辛辣じゃないかしら?私こう見えてもコミュ力には少しばかり自信があっとよ?……他所の方言入っちゃったよ。

 

未来「まぁそれは置いといて職員室に着いたわ。私が先生に聞いてくるからここで少し待ってて」

 

鈴音「わかったよ」

 

未来「失礼します」

 

ノックをして未来が職員室に入っていった。

 

 

 

~そして~

 

未来「お待たせ」

 

鈴音「どうだったの?」

 

未来「どうやらこの学校には麻雀部はないみたいね。だから同好会からのスタートよ」

 

鈴音「部になるにはあと何人必要なの?」

 

未来「私達を除いてあと2人……つまり4人から部になるわ。それと顧問の先生もなってくれる人がいたからその問題もクリアね。今日は来れないみたいだけれど」

 

顧問まで見つけたというのか。未来……恐ろしい子!!

 

未来「……何くだらないことを考えてるのよ。特別棟の2階を部室として使わせて貰えるようになったから早く行くわよ」

 

鈴音「了解」

 

 

~そして~

 

鈴音「えっと……」

 

未来「ここよ」

 

私が辺りを見渡してると未来が部室になる場所を示してくれた。早速鍵を開けて入ってみた。

 

鈴音「結構広いね」

 

未来「そうね。では私は部活用の雀卓とかパソコンを持ってくるわ」

 

鈴音「部活用の……?いつの間にそんなの買ったの?」

 

未来「私達の雀卓とかを買ったときに一緒に買っておいたのよ。じゃないと二度手間になるでしょう」

 

確かに……。というか前いた世界の力を引き継いでこの世界に来たけどやっぱり未来も同じようだ。雀卓やパソコンとかかなり重いからね。

 

鈴音「私も行こうか?」

 

未来「1人で充分よ。鈴音には入部希望の生徒が入ってきたときの対応をお願いするわ」

 

まぁ部室を空けるわけにはいかないから当然の判断といえるだろう。

 

鈴音「わかった。じゃあお願い」

 

未来「ええ、行ってくるわ」

 

鈴音「いってらっしゃい」

 

未来は雀卓とパソコンを取りに家に帰った。その間に私は物が置けるようにここを掃除しておいた。

 

 

~そして~

 

コンコン

 

?誰かお客さんのようだ。顧問の先生は明日以降になるって未来が言ってたし誰だろう……?

 

???「失礼します!!」

 

入ってきたのは茶髪で左サイドをポニーにしていてその見た目はとても元気いっぱいという印象をもつ生徒だった。

 

鈴音「入部希望ですか?」

 

???「はい!1年A組の佐野美咲(さのみさき)です!よろしくお願いします!!」

 

同じ1年のようだ。何故か彼女の見た目が2年の生徒に見えてしまったから意外である。

 

鈴音「私は1年C組の大宮鈴音、よろしくね」

 

美咲「うん!よろしくね鈴音ちゃん!!」

 

いきなり名前呼び……だと……!?この子コミュ力の塊か?リアルに友達100人いる感じのリア充だったりするのん?

 

鈴音「こちらこそよろしくね美咲」

 

とりあえずこちらも名前呼びで返す。コミュ力にはこう見えて自信があるでやんす!……変な語尾がついちゃったよ。まぁそれはさておき……。

 

鈴音「美咲は麻雀の経験とかはあるの?」

 

美咲「ルールは一通りわかるけどあんまり打ってないんだよね……。殆どネトマかも。小学生のときからずっと打ってるんだ!」

 

小学生から……間違いなく私よりも強いね。

 

鈴音「そうなんだ。今もう1人の部員が雀卓とかを持っていくためにここを外しているからそれまでは何もできないけど美咲は大丈夫?」

 

美咲「うん!私、鈴音ちゃんともっとお話したい!!」

 

何この子?超絶いい子なんですけど。前の世界で出会った子といい勝負ができそうなんですけど。そういえば今頃向こうは元気にやってるだろうか……。

 

 

 

ガラガラ

 

未来「戻ったわ。そちらは新入部員かしら?」

 

鈴音「うん、同じ1年の……」

 

美咲「佐野美咲だよ!よろしく!!」

 

未来「響未来よ。これからよろしくね美咲」

 

美咲「うん!未来ちゃん!!」

 

当然のように未来も名前呼び……。やはりこの2人コミュ力が尋常じゃないな……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

次回は3麻ですがいよいよ麻雀シーンです。他の小説のように一萬などを表現できず漢字表記なので見にくいですがご了承ください。


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第3話 それぞれの実力は如何に?初めての部活動。とは言っても私は既に未来にボコボコにされている

今回もよろしくです。


私達3人は雀卓とパソコンを設置していよいよ麻雀を打つ時間となった。

 

未来「3人だけれどとりあえず打ちましょうか。美咲はルールとか大丈夫?」

 

美咲「リアルで打つのはかなり久しぶりだけどネットではかなり打ってるからそのあたりは問題ないよ!」

 

未来「そう、では始めましょうか」

 

鈴音「そうだね」

 

 

~東1局 ドラ 九索~

 

親は未来で私はラス親か……。とりあえずさっさと流す方向でいこう。

 

未来「」タンッ

 

美咲「」スッ タンッ

 

鈴音「」スッ タンッ

 

麻雀するときのこの静かな感じは私の好きな空間なんだよね。

 

 

~6巡目~

 

未来「リーチ」タンッ

 

親リー……。まだ6巡目なのに早いな。

 

美咲「通らば追っかけだよ!リーチ!!」タンッ

 

こっちもかよ!いくら3麻だからってこの早さはどうなの!?私まだ2シャンテンにも達してないのに!とりあえず安牌を切るか……。

 

鈴音「」タンッ

 

未来「」スッ タンッ

 

未来の方は1発じゃない……。とりあえず美咲の1発を消しておこうか。

 

鈴音「ポン」カッ

 

私は未来が切った発を鳴いた。現物現物っと……。

 

鈴音「」タンッ

 

未来「」タンッ

 

美咲「」タンッ

 

よし、やっといい形になってきた。

 

鈴音「」タンッ

 

未来「」タンッ

 

よしよし。このまま私もテンパイまで突っ走ってやる!

 

美咲「ツモ!」バラッ

 

……とはならなかった。やっぱりそんなに世の中甘くないか。

 

美咲「リーチ、ツモ、清一、ドラ1。さらに裏1で倍満…3麻だから6000、10000だね!!」

 

いきなりデカイな……。もしもあと1つ裏ドラが乗ってたら3倍満だし……。

 

未来「次、いくわよ」

 

 

 

 

~東2局 ドラ 三筒~

 

美咲「リーチ!」タンッ

 

早ぇーよホセ!ダブリーじゃねーか!!

 

鈴音「」スッ タンッ

 

幸いにも安牌……というか現物があったため私はそれを切った。

 

未来「」スッ タンッ

 

鳴ける牌じゃない……。私は3麻の場合鳴いてなんぼを心掛けている。もちろん門前でいい手なら鳴かずにいくけどね。

 

美咲「ツモ!!」バラッ

 

だから早いってばよ!しかも1発だし!!

 

美咲「ダブリー、1発、ツモ、ドラドラ!9000オール!!」

 

今度は跳満……。美咲は高い火力を売りとしているようだ。先鋒向きだね。

 

美咲「一本場!!」スッ

 

 

~東2局1本場 ドラ 西~

 

美咲「」タンッ

 

流石に連続でダブリーはないか……。今回はかなりいい手だしこのまま進めてみようかな。

 

鈴音「」スッ タンッ

 

未来「」スッ タンッ

 

美咲「ポン!」カッ

 

未来が切った東を美咲が鳴く。ダブ東確定か……。

 

美咲「」タンッ

 

 

 

~8巡目~

 

よし、できた。ツモったら四暗刻だ!念のためリーチしておこう。

 

鈴音「リーチ」タンッ

 

未来「……」

 

美咲「おおっ!?」

 

未来の表情を険しくなり、美咲は何かに驚いているような顔になった。……コレ(四暗刻)、もしかしてバレてたりする?未来がリーチしたときも美咲はあんな顔しなかったし未来は言わずもかな。2人には何が見えてるんだろうか。

 

 

~12巡目~

 

未来「」スッ タンッ

 

美咲「」スッ タンッ

 

流石に出ないな……。直撃させれば未来を飛ばすことができるけど……。

 

鈴音「ツモ」

 

まぁツモったからよしとしよう。

 

未来「四暗刻……!」

 

美咲「すごい……!」

 

鈴音「12100、20100。さあ、どんどんいこうか」

 

 

~そして~

 

今回の半荘は役満をあがれたこともあり私の勝ちで終わった。ちなみに未来は最下位。あれから奮闘していたけど東場での失点が大きかったみたいだ。

 

未来があそこまで削られたのは何気に初めてなんじゃないだろうか?知らんけど……。

 

そして何回も繰り返し打っていたら既に下校時間になっていたので私達は帰ることにした。

 

美咲「鈴音ちゃん!未来ちゃんもとても強かったよ!私とても楽しかった!!」

 

鈴音「ありがとう。美咲こそかなり強いよね」

 

未来「そうね。これなら個人戦でもいいところまでいけるんじゃないかしら」

 

美咲の麻雀は高火力で攻めているが、降りるときはしっかりと降りている感じで攻めと守りを両立していた。これは2年後すごいことになるかもしれない……。

 

美咲「えへへ……。そういえば2人は今回のインハイはどうするの?」

 

未来「期間までに5人揃えば団体戦にはエントリーするけれど今年の個人戦はパスね」

 

鈴音「私もパスかな。今は実力を高める時期だと思うしね」

 

美咲「そっか……」

 

鈴音「美咲は出ないの?」

 

美咲「う~ん……私も今回は出ないかな。2人の言うことも一理あるし、出るときは3人一緒がいいしね!」

 

この子本当にいい子すぎるよね。こんな子は今どきいないと思うの。

 

美咲「じゃあ私はこっちだから!」

 

未来「また明日ね」

 

鈴音「バイバイ」

 

美咲「うん!未来ちゃんも鈴音ちゃんもまた明日!バイバイ!!」

 

元気よく美咲は走っていった。

 

 

~翌日~

 

未来が顧問の先生を連れてきた。……んだけど。

 

???「えっと……」

 

何やら見た目小学生な女性がそこにいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

なんて下手くそな麻雀描写だってばよ!……すみません、見にくい書き方で……。ですがこれからもこんな風に書きますのでご了承ください。

次回は顧問の先生も入れて4人打ちになるかな?もしかしたら会話パートだけかもですが……。


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第4話 小萌……ではなく顧問の先生が仲間になった!

今回もよろしくです。


この見た目小学生な女性は指宿伊吹(いぶすきいぶき)というらしい。身長……140もないよね?

 

こちらから挨拶をしようとしたところを指宿先生が口を開いた。

 

伊吹「この麻雀部の顧問をすることになりました指宿伊吹といいます。よろしくお願いします」ペコッ

 

挨拶が手慣れてる感じがする。やはり人は見た目では判断できないね。とにかく私達も挨拶しなきゃ。

 

鈴音「大宮鈴音です。よろしくお願いします」

 

美咲「佐野美咲です。よろしくお願いいたします」ペコッ

 

なんだろう……。美咲の挨拶が何処かの御令嬢っぽい。もしかしていいとこのお嬢様?

 

未来「響未来です。顧問を引き受けてくださりありがとうございます」

 

そして最後に未来が指宿先生に挨拶をする。

 

伊吹「気にしなくていいよ。麻雀は高校以来余りやってないけどそれでもよければ監督も兼任しようと思うんだけど……」

 

先程とは違い砕けた口調で指宿先生が言う。こちらとしてはありがたいんだけど。

 

鈴音「いいんですか?」

 

伊吹「まぁ学校側からすると外部から人を呼びたくないんじゃないかな?詳しくは知らないけど」

 

なんか学校の闇が垣間見えた気がする……。

 

伊吹「そんなわけで顧問として。監督として、これからもよろしく」

 

未来「こちらこそよろしくお願いします」

 

私達を代表して未来が挨拶をした。

 

伊吹「この部の部長は響さんだったりする?私を連れてきたのも響さんだし……」

 

そういえば決めてなかったな……。どうするかな?

 

鈴音「どうする?」

 

未来「私はどちらでも構わないわ。それとも美咲がやってみる?」

 

美咲「う~ん、私は部長って柄じゃないかも……。2人のどちらかでお願い」

 

未来「では鈴音にお願いするわ」

 

鈴音「私が?」

 

未来「私は部費とかの計算する会計をするから」

 

成程……部長との兼任は少ししんどいかも……。こういう金銭とかの管理は私よりも未来が適任だしね。実際家での家計簿も未来がつけてるし。

 

鈴音「わかったよ」

 

伊吹「大宮さんが部長でいい?」

 

鈴音「はい」

 

伊吹「じゃあこれからもよろしく……と言いたいんだけど」

 

鈴音「どうしたんですか?」

 

伊吹「進学校の教師だからなのか結構仕事が忙しくて余り部活には顔を出せないかも……。監督を兼任すると言ったそばからゴメンね」

 

マジか……。

 

伊吹「でも大会とかには必ず行くようにするから!……ってそれは当たり前かな?」

 

まぁそれだけでもまだマシかな?清澄や有珠山なんかは顧問の先生っぽいのが見当たらないけどそのあたりはどうなってるんだろう……。

 

鈴音「いえ、ありがとうございます」

 

伊吹「そして申し訳ないけど今日も今日とて死事に追われてるから職員室に戻らなきゃいけないんだ」

 

なんか仕事の字が違ったような……。気のせいかな?

 

伊吹「下校時刻までには必ず顔を出すから~」

 

と言って指宿先生はそそくさと職員室に走っていった。なんか忙しいな……。あれ?戻ってきたぞ?

 

伊吹「そうそう、私のことは伊吹でいいよ。これから仲間になるから名字だとよそよそしいと思うしね」

 

まぁごもっともな意見かな?

 

鈴音「わかりました。これからもよろしくお願いします伊吹先生」

 

伊吹「じゃあね~」タタタッ

 

今度こそ伊吹先生は職員室に走っていった。

 

顧問の先生もできたしこれからがますます楽しみになってきたね!

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

次回は一気に時が飛びます!


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第5話 突然の練習試合。相手はあの……!?

中途半端にこんにちわ。明日の分を投稿しました。では今回もよろしくです。


伊吹先生が顧問になって約1ヶ月が経った。今日も今日とて先生がいなく、私達3人で3麻を打っていた。

 

美咲「ツモ!12000オール!!」

 

鈴音「親倍か……」

 

未来「相変わらずの高火力ね」

 

私と未来は点棒を美咲に渡す。

 

美咲「えっへん!じゃあどんどんいくよ!!」

 

と、続けようとしたところに伊吹先生がドアを開いた。

 

伊吹「やっほー。今日はお知らせがあるよ」

 

お知らせ?なんだろう……。

 

未来「どうかしたんですか?」

 

伊吹「次の連休に練習試合をすることになったよ」

 

美咲「本当ですか!?」

 

練習試合……私達の実力を示すにはいい機会だけど。

 

鈴音「どことやるんですか?」

 

伊吹「千里山」

 

千里山?なんでそんな強豪の高校と?

 

未来「よく向こうが引き受けましたね」

 

伊吹「向こうの監督とは少し縁があってね。それに」

 

それに……?

 

伊吹「向こうもこっちと一緒で3人しか鈴音達と試合をしないそうだよ。向こうの監督がその3人をこっちに連れてくるんだって」

 

未来「成程……」

 

3人というとあの3人だろうね。未来もどこか納得しているが美咲はこれについてどう思ってるのかな?

 

美咲「3人しか会わせてもらえないんだ……。でもこっちも3人だけだししょうがないよね」

 

伊吹「3人共問題ないようだね。じゃあ向こうに連絡しておくから」

 

そう言って伊吹先生は職員室に戻っていった。

 

美咲「練習試合楽しみだね!」

 

鈴音「そうだね」

 

美咲「私、今日は用事があるから帰るね!」

 

未来「そう、お疲れ様」

 

鈴音「また明日ね」

 

美咲「うん!」

 

そう言って美咲は帰っていった。

 

未来「私達も帰りましょうか」

 

鈴音「そうだね」

 

 

 

 

~そして~

 

自宅に着いた私達は早速練習試合についてのミーティングをしていた。

 

鈴音「伊吹先生が言っていた千里山の3人って……」

 

未来「十中八九あの3人でしょうね」

 

だよねぇ……。まさかこんなに早く原作のキャラと会うことになろうとは……。

 

未来「まぁどんな相手だろうと私達は私達なりに麻雀をするだけよ」

 

鈴音「だね」

 

実際楽しみで仕方がない。私達の実力が大坂の強豪……といっても3人しかいないけどまぁあの3人2年後のレギュラーだから私達がレギュラー相手にどこまで通用するか……。

 

 

 

 

千里山side

 

伊吹『じゃあ当日はこっちに来てもらう形でいいですかね?雅枝さん』

 

雅枝「ああ、ではそれでお願いします」

 

ある電話でのやり取りをしていたのは千里山麻雀部の監督である愛宕雅枝(あたごまさえ)。

 

雅枝「ま、これもあいつらの地力を上げるいい機会やろうな。……にしてもまさかあの伊吹が監督をする麻雀部と試合とはなぁ……」

 

……と呟いていたのは本人しか知らない話。

 

 

千里山sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

時が飛びますと言ったもののたいして飛びませんでした……。ついふと話を思い付いたものですから……。

では次回でお会いしませう。多分明後日になるかと。


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第6話 練習試合!総武高校VS千里山高校①

今回もよろしくです。


5月初旬の連休……。世間でいうところのゴールデンウィークというやつだ。今日から3日間千里山の生徒と麻雀を打つことになった。

 

雅枝「千里山高校麻雀部の監督をやっとる愛宕雅枝や。今日から3日間よろしく」

 

鈴音「よろしくお願いします」

 

伊吹「じゃあ私と雅枝さんはちょっと話をしてくるから自己紹介を済ませたら早速打っててね」

 

と伊吹先生が愛宕監督を連れて部室から出ていった。

 

未来「……とりあえず自己紹介をしましょうか。総武高校麻雀部部員、1年の響未来よ。よろしく」

 

美咲「同じく総武高校麻雀部部員、1年の佐野美咲です!よろしくね!!」

 

未来と美咲が自己紹介を済ませる。この2人は他校の生徒相手だというのになんてコミュ力の高さだ……。羨ましい。……っと、私も自己紹介しないと!

 

鈴音「総武高校麻雀部部長、1年の大宮鈴音です。よろしくお願いするよ」

 

私達はそれぞれ名乗り終えると次は向こうの番になる。予想通り、あの3人だった。

 

セーラ「じゃあオレから!千里山高校麻雀部部員で1年の江口(えぐち)セーラや。よろしくな!」

 

竜華「同じく千里山高校麻雀部部員、1年の清水谷竜華(しみずだにりゅうか)です。よろしくお願いします」

 

怜「同じく千里山高校麻雀部部員で1年の園城寺怜(おんじょうじとき)や。よろしゅうな」

 

鈴音「今日は遠路はるばる大坂からありがとう。大坂の強豪である千里山の部員と麻雀を打てることを嬉しく思う」

 

セーラ「オレらまだ2軍やで?」

 

鈴音「それでも2年後……いや、もっと早い段階でレギュラーを取れるかもしれないだろう?君達からそんな雰囲気を感じるよ」

 

竜華「ほんまに?」

 

怜「セーラや竜華はともかく私じゃ無理やろ」

 

鈴音「そうかな?もしかしたらエースになってるかもしれないよ?」

 

2年後のインハイ……いや、確かその前の春期の大会で怜は先鋒になってたはずだけど……。

 

怜「ホンマかいな……」

 

鈴音「まぁ努力次第ってことだよ。さて、じゃあ早速始めようか。誰が打つかだけど……」

 

美咲「はい!私打ちたい!!」

 

セーラ「オレも打ちたい!!」

 

早いよ……!この2人は案外気が合うかもね……。

 

鈴音「公平にくじで決めるよ。この6本の割り箸の中に印が入ってないのが2本あるからそれを引いた人が見学。それで半荘打って順位の低かった2人が交代でいくよ」

 

怜「随分用意ええな」

 

この練習試合が決まった日から予め用意しておいたからね。

 

竜華「でもそれやったらずっと勝ち残った2人が連続して打つことになるんちゃう?」

 

竜華から指摘がくる。もちろんそのあたりもちゃんと考えてる。

 

鈴音「まぁ経験を積みたければ勝つしかないって分かりやすいルールだよ。それに昼休憩をはさむと思うから休憩が終わったらまたくじを引いていくっていう感じにしようかと考えてる」

 

セーラ「細かいことはいいやん!さっさとくじ引こうや!」

 

鈴音「はいはい。じゃあ1人ずつ引いていって」

 

そしてくじの結果……。

 

セーラ「よっしゃ!張り切っていくで!!」

 

美咲「私だって負けないよ!!」

 

未来「この2人は元気ね」

 

竜華「あはは……」

 

未来、美咲、竜華、セーラに決まった。前者2人はすごく燃えてるね。やる気があるのはいいことだ。

 

怜「なんや見学か……」

 

鈴音「まぁ半荘が終わったら打てるんだしいいんじゃないかな」

 

そして練習試合が始まる……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

サブタイの割に麻雀描写がないって言う……。次回ももしかしたら麻雀描写ないかもしれなひ。


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第7話 練習試合!総武高校VS千里山高校②

今回もよろしくです。


未来達が麻雀を打っている姿を見ていると怜がこちらに話しかけてきた。

 

怜「なぁ、さっきの続きなんやけど……」

 

鈴音「さっきの?」

 

怜「私がエースになってるかもっちゅう」

 

ああ、その話か……。

 

鈴音「あくまで可能性の話だけどね」

 

怜「どうにもそんな感じせんのやけど……。しかも私病弱やし」

 

鈴音「それ関係ある?」

 

怜「何を言っとんねん。麻雀っちゅうのは精神が磨り減るもんなんやで。だから体力はもちろん心も削られてばったりと倒れてしまうんや」

 

鈴音「そういうものかな……?そういえば怜はいつから麻雀を始めたの?」

 

怜「一応小さい頃からやってはいたんやけど本格的にやり始めたんは小学校高学年からやな」

 

鈴音「そうなんだ。もしかして竜華かセーラのどちらかに誘われたり?」

 

怜「竜華と小学校で同じクラスになってから竜華ん家で3麻したのがきっかけや」

 

ふむ、怜と竜華は所謂幼馴染みというやつか……。私と未来みたいな関係なのかな?

 

怜「それでな、竜華のおかげで麻雀が楽しいって思えたんよ」

 

鈴音「竜華と仲がいいんだね」

 

怜「まぁな。……でも最初の方はそうでもなかったんやで?」

 

鈴音「そうなの?」

 

意外……。原作でもSSでもいつも百合百合してるイメージだったから余計に意外。

 

怜「あのときは友達ごっこってよう言っとった」

 

想像できないな……。でも案外そういう経緯を持ってして本物の親友という関係になれるのかもしれない。怜と竜華の場合は麻雀で繋がった関係ということだろう。

 

怜「それでも今は竜華のことを親友やと思ってる」

 

鈴音「そっか……」

 

怜「そっからセーラとも出会って千里山に入学して今に至るってわけや。鈴音の方はどうなん?」

 

鈴音「私?私はゲームとかネットとかでしかやってなくて細かいルールを覚えたのは実はつい最近なんだよね」

 

怜「そうなんや。ふふん、じゃあ私の方が麻雀の先輩やな」ドヤ

 

うわぁ……なんてドヤ顔。

 

鈴音「でも麻雀は運の要素が大きいからね。素人がプロに勝つことも珍しくない」

 

怜「せやな。私もたまに竜華やセーラに勝つことがあるからな」

 

鈴音「でしょ?まぁつまりそういうことだよ」

 

でも実際今の私はどれくらいまで成長したのだろうか?

 

未来「ロン。8000よ」

 

美咲「ああっ!捲られた!!」

 

未来「これで半荘終了ね」

 

セーラ「危ねーっ!なんとか2位や」

 

竜華「未来は随分強いなぁ……。同じ1年とは思えへんわ」

 

未来「僅差だけれどね」

 

向こうからそんな声が聞こえた。どうやら半荘が終わったようだ。そんなに長いこと怜と話してたっけ?

 

竜華「怜~。負けてもうた~!」ヨヨヨ

 

怜「よしよし」

 

美咲「鈴音ちゃ~ん!最後に捲られたよ~!」ヨヨヨ

 

鈴音「ドンマイ」

 

私と怜が美咲と竜華をそれぞれ慰めていた。……なんだこの光景。

 

鈴音「怜、次は私達の番だよ」

 

怜「ま、なんとか頑張ろかな」

 

セーラ「怜~!早く打とうや!!」

 

未来「鈴音、ボコボコにしてあげるわ」

 

さて、ゲーム(麻雀)を始めよう……!

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

次回こそ麻雀描写(下手くそ)を……!


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第8話 練習試合!総武高校VS千里山高校③

今回もよろしくです。


私、未来、怜、セーラで場決めを行った結果……。

 

 

怜 東

 

セーラ 南

 

未来 西

 

鈴音 北

 

 

となった。ラス親か……。まぁとにかく頑張るぞい!

 

 

 

~東1局 ドラ 白~

 

さて、牌の方は……よし!2シャンテンでいい感じ!

 

怜「」タンッ

 

セーラ「」スッ タンッ

 

怜とセーラがそれぞれ牌を切る。そして未来のツモ番になった。

 

未来「ツモよ」

 

…………はい?

 

未来「地和で8000、16000ね」

 

セーラ「マジか!?スゲー!地和とか久々に見たわ!」

 

怜「親っかぶりとかキツいわぁ……」

 

鈴音「私に至ってはまだ1回も牌取ってないんだけど」

 

改めて未来の手を見るとチートイツになっていた。

 

未来「本来ならダブリーかけてプレッシャーを与える予定だったけれど思わぬ収穫だったわ」

 

未来 25000+32000=57000

 

セーラ 25000-8000=17000

 

鈴音 25000-8000=17000

 

怜 25000-16000=9000

 

 

 

 

~東2局 ドラ 9萬~

 

気を取り直そう。あれはただの事故にすぎない。

 

セーラ「」スッ タンッ

 

未来「」スッ タンッ

 

流石に2回連続で動くことはないか……。

 

鈴音「」スッ タンッ

 

怜「」スッ タンッ

 

このまま平和に手を進めていけるかな?

 

 

 

~9巡目~

 

怜「リーチ」タンッ

 

むっ!怜が動いたか。でもこの時点ではまだ予知は使えないはず……。

 

セーラ「リーチ!」タンッ

 

おっと、こっちもか……。

 

未来「リーチ」タンッ

 

いや、待って?同巡で3件リーチとか私に対する嫌がらせか何か?さっき思ったことがフラグだっていうの?勘弁してよ。手が手だけに降り辛いんだけど……。とりあえず現物を……。

 

鈴音「」タンッ

 

怜「……」

 

セーラ「……」

 

未来「……」

 

よかった……。3人ともスルーで。このままかわしていくことにしよう。

 

 

~そして~

 

セーラ「テンパイ」

 

未来「テンパイ」

 

鈴音「ノーテン」

 

怜「テンパイ」

 

結局降りました。というかよくかわせたな私……。

 

未来 57000

 

セーラ 17000

 

鈴音 17000-3000=14000

 

怜 9000

 

 

 

~東3局 ドラ 6筒~

 

未来「リーチ」タンッ

 

ダブリー!?随分調子がいいな未来……。

 

鈴音「」スッ タンッ

 

怜「」 スッ タンッ

 

セーラ「」スッ タンッ

 

未来「」スッ タンッ

 

ほっ、1発じゃなかったか。

 

 

~11巡目~

 

未来「」スッ タンッ

 

怜「ロン。1300」

 

未来から怜が出上がり、安手で親を流した。ナイスです!

 

未来 57000-1300=55700

 

セーラ 17000

 

怜 9000+5300=14300

 

鈴音 14000

 

 

~東4局 ドラ 西~

 

配牌は悪くない。さっきので私は最下位に転落してしまったからこの親番で連荘しておきたいね。

 

 

~8巡目~

 

鈴音「リーチ」タンッ

 

よし⁉なんとかリーチできた。これはできれば未来に直撃させたいな……。

 

怜「」スッ タンッ

 

セーラ「」スッ タンッ

 

未来「」スッ タンッ

 

まぁ誰も落とさないよね。でも……。

 

鈴音「ツモ」

 

ツモれたからよしとしよう。しかも1発。

 

鈴音「リーチ、1発、ツモ、タンヤオ、ピンフ、イーペーコー、ドラ1……6000オール」

 

セーラ「やるな~」

 

怜「またラス転落か……」

 

未来 55700-6000=49700

 

鈴音 14000+18000=32000

 

セーラ 17000-6000=11000

 

怜 14300-6000=8300

 

 

よし!一気に2位まで浮上した!この調子でどんどんいこう!!

 

 

~そして~

 

怜「ロン。3200は3500や」

 

未来「これで南入ね」

 

怜に未来が差し込み、あっさりと私の連荘が流されました。何他校の生徒に差し込みしてんだよぅ……。自分で上がれよ畜生……。

 

未来 55700-3500=52200

 

鈴音 32000

 

怜 8300+3500=11800

 

セーラ 11000

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

次回で千里山との練習試合は終わりかな?


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第9話 練習試合!総武高校VS千里山高校④

今回もよろしくです。


~南1局 ドラ 2筒~

 

~10巡目~

 

セーラ「ツモ!1300、2600!!」

 

10巡目にしてセーラがツモ上がりをした。

 

 

 

未来 52200-1300=50900

 

鈴音 32000-1300=30700

 

セーラ 11000+5200=16200

 

怜 11800-2600=9200

 

 

~南2局 ドラ 中~

 

 

~6巡目~

 

怜「リーチ」タンッ

 

未来「速いわね」

 

セーラ「やるな、怜」

 

怜がリーチをかける。そして……。

 

怜「ツモ」

 

1発……もしかして能力が目覚めた?まさかね……。

 

怜「6000、12000」

 

しかも高ぇ……。3倍満かよ。2位捲られたし。

 

未来 50900-6000=44900

 

怜 9200+24000=33200

 

鈴音 30700-6000=24700

 

セーラ 16200-12000=4200

 

 

 

~南3局 ドラ 3索~

 

セーラ「リーチ!」タンッ

 

またセーラか……。南場は千里山が強い。

 

セーラ「ツモ!」

 

そしてさも当然のように1発でツモる。やはり彼女も化物の1人かもね。宮永照とかが異端の実力な持ち主だとすればセーラは常識の実力を持っているのかもしれない。

 

……いずれ私もそこに到達してやる……!

 

セーラ「4000、8000!」

 

 

 

未来 44900-8000=36900

 

怜 33200-4000=29200

 

鈴音 24700-4000=20700

 

セーラ 4200+16000=20200

 

 

~南4局 ドラ 8萬~

 

鈴音「…………」

 

なんかすごい配牌になった。これは役満を作れと神が言っている。作らなきゃ!

 

未来(鈴音からかなりの手を感じるわね。それも直撃ならば私をも飛ばすことのできる役満の手を……)

 

さて、いくよ!

 

 

~そして~

 

鈴音「ツモ」

 

セーラ「これは……!」

 

未来「大三元ね」

 

怜「門前で作るってエグいな……」

 

鈴音「16000オール」

 

やったぜ!逆転トップだ。

 

鈴音 20700+48000=68700

 

未来 36900-16000=20900

 

怜 29200-16000=13200

 

セーラ 20200-16000=4200

 

 

未来「これで2回目終了ね」

 

セーラ「くっそー!最下位や!!」

 

怜「完敗やわ」

 

ふっふっふっ、最後に笑うのは私だったのだ!

 

美咲「2人共すごい!私も負けてられないよ!!」

 

竜華「うちも負けられへんな!」

 

セーラ「オレもオレも!!」

 

怜「私も精一杯頑張らせてもらうわ」

 

未来「なんで上から目線なのよ……」

 

それから幾度も半荘を続けて今日の練習が終了した。

 

 

~そして~

 

雅枝「ほんならまた機会があればよろしくな」

 

伊吹「いえいえ、こちらこそ」

 

監督同士で握手を交わしている。身長の差があるためなんか別の構図に見えてしまうから不思議だ……。

 

ちなみに私達はそれぞれ連絡先を交換した。

 

セーラ「またな!!」

 

美咲「みんなもね!」

 

竜華「今度は大阪にも遊びに来てや!」

 

未来「ええ、機会があれば是非」

 

怜「ほなな~」

 

鈴音「怜も体には気を付けてね」

 

千里山のみんなは帰っていった。そういえば伊吹先生と愛宕監督は何処に行っていたのだろうか……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

次回こそ時間が大幅に飛ぶかも……。


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第10話 インターハイ個人戦!彼女はどこまで通じるか……。ちなみに主人公は出ません

今回もよろしくです。


千里山との練習試合から早くも1年以上が過ぎた。

 

6月の県予選、新入部員が1人も入ってこなかったために今年も団体戦は出れず、私と未来は今年も出場を辞退したけど、美咲は今の自分がどこまで通用するかを試してみたいそうだ。

 

まぁ1年も待ったもんね。美咲は結構我慢したよ。試合に出る美咲を応援しつつ、私と未来は来年のために美咲が対戦する相手の牌符をチェックしたりしている。

 

それで……。

 

アナウンサー『試合終了!総武高校、佐野選手!ぶっちぎりの1位で全国への切符を手に入れました!!』

 

なんか全体的にレベルが低いような……。これなら1年前のセーラ達の方が全然強かったし。

 

まぁ実際打ってないからなんとなくの予測にすぎないけど。

 

……っていうか私達と同じ学年で誰か強い人県内にいなかったっけ?まだ出てないのかな?

 

美咲「ただいま!」

 

未来「おかえり。ぶっちぎりだったわね」

 

伊吹「まぁ今年の千葉県は全体的にレベルが低いからね~。去年と一昨年の3年はすごかったらしいんだけど」

 

じゃあ去年出たらよかったかな……。

 

 

~そして~

 

8月のある日、今日はインハイ個人戦の決勝戦である。なんと上位4人の中に美咲が残っているのだ!!後の3人は誰かって?原作通りだ。察せ。

 

 

そして美咲は荒川憩、辻垣内智葉を上回りなんと2位にランクインしたのだった。

 

美咲「宮永さん強かったよ~。他の2人も強かったけど彼女はまた違った強さを持ってたから楽しかった!」

 

嬉しそうに美咲は私達に報告する。

 

未来「お疲れ様」

 

美咲「2人も出ればよかったのに……」

 

鈴音「私達は来年出るよ」

 

美咲「私も来年は宮永さんを上回れるように頑張らないと!」

 

フンス!とやる気を出している美咲。実際のところ美咲と宮永照には大きな差などない。

 

宮永照も美咲というダークホースにとても驚いていた。臨海の辻垣内も何故去年は出なかったんだと疑問だったんだそうだ。

 

未来「私達も来年はあそこに……」

 

鈴音「そうだね。個人も団体も……」

 

勝つのは総武高校だ……!

 

 

 

伊吹side

 

???「ゴメンね。待った?」

 

伊吹「待ってないよ。健夜さん」

 

私はある場所でプロ麻雀選手である小鍛治健夜(こかじすこや)さんと話をしていた。

 

健夜「今回は伊吹ちゃんのところから1人出てたんだよね?」

 

伊吹「そうだね~。美咲本人は宮永照に届かなかったことに対してとても悔しそうだったよ」

 

健夜「宮永さんとも僅差だったんだよね。どっちが勝ってもおかしくなかったもん」

 

健夜さんもそう思ってるようだ。でも……。

 

伊吹「私としては来年に期待かな~?」

 

健夜「来年……?」

 

伊吹「そう、来年は美咲と同じ学年の子が2人出るからね」

 

健夜「……その2人は強いの?」

 

伊吹「そうだね~少なくとも美咲や宮永照よりは確実に強いね~」

 

私が見た感じだと今すぐプロに入ってもある程度は通用するレベルだと思うしね♪

 

健夜「宮永さんも佐野さんも既に高校生のレベルを遥かに越えているけれどそれをさらに上回っているっていうの……?」

 

健夜さんはすごく真剣な表情で言っていた。

 

伊吹「本人達は否定していたけどね。……それに来年は美咲も含めた3人は3年生なる。この意味が健夜さんならわかるよね?」

 

健夜「3年生にかかるという基礎雀力や運が上がる所謂ブーストのようなものだね」

 

伊吹「それが加算された3人……特に美咲以外の2人はもしかするとあなた達トッププロに届きうる……」

 

これは去年の千里山との試合で私が直に感じたものだ。

 

健夜「そんなにすごいんだ……。その名前、聞かせてくれるかな?」

 

伊吹「もちろん。大宮鈴音と響未来……この2人は私が見た高校生雀士では間違いなく1、2を争うよ」

 

私がそう言うと健夜さんはゴクリと息を呑んだ。

 

 




今回はここまでです。

次回から時系列的に原作INします。


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~原作開始~インターハイ団体戦全国2回戦まで~
第11話 期待の!?新入部員登場!総武高校麻雀部始動開始。


今回から原作に入ります。では、今回もよろしくです。


私達は3年生になった。未来曰く咲の原作の年らしい。そして今年が最初で最後の団体戦チャンスである。……にも関わらず新入部員が入ってこない。

 

美咲「新入部員入ってこないね……」

 

未来「そうね」

 

鈴音「あと2人入ってこないと団体戦には出られないしできれば入ってきてほしいよね」

 

美咲「こうなったら生徒会長権限で新入部員を……!」

 

読者のみんなは何のことかわからないと思うので説明すると去年の生徒会の選挙で美咲は生徒会長、未来は副会長、私は書記と会計と庶務をやることに決まった。

 

……数ヶ月前のことだけど私は未だに納得してないよ?なんで私だけ役職が3つもあるのさ!?

 

ちなみに伊吹先生が私達を強く推して生徒会に入れたようだ。つまり新入部員がいない今この麻雀部は生徒会執行部と同じなのだ。

 

未来「職権乱用はやめなさい」

 

美咲「わかってるけど……」

 

鈴音「まぁとりあえず打とうよ。伊吹先生がいないから3麻になるけど……」

 

というやりとりをしていると……。

 

コンコン

 

ノックが聞こえた。もしかして新入部員かな?

 

鈴音「どうぞ」

 

???「失礼します!」

 

???「し、失礼します……」

 

入ってきたのは2人の女生徒だった。1人は美咲のように元気いっぱいな印象がある金髪碧眼の子で、もう1人は対照的でどこかおどおどしている様子の黒髪ロングで眼鏡をかけた子だった。……そして2人共デカイな。何がとは言わないけど。

 

美咲「もしかして入部希望かな!?」

 

???「はい!1年の綾瀬綾香(あやせあやか)と言います!隣の子は妹尾杏子(せのおあんず)です!」

 

杏子「よ、よろしくお願いします……」

 

綾瀬って確か……。

 

未来「綾瀬さんは確か去年の全中で2位になってたわよね?」

 

綾香「はい!……でも原村さんに稼ぎ負けたんですよね……。できればリベンジしたいものです!!」

 

成程……これはすごい1年が入ってきたな。

 

美咲「そっちの杏子ちゃんは麻雀の経験はあるの?」

 

杏子「えっと……ルールは知っているんですが部活としてやるのは高校が初めてなんです……」

 

つまり初心者ってことか……。

 

鈴音「もう1度確認するけど2人共入部希望ってことでいいんだよね?」

 

綾香「はい!入部を希望します!!」

 

杏子「わ、私もお願いします!」

 

美咲「これでこの部も5人になったし部活に昇格だね!部費も増えるし、新しい子とも打てるし、これから楽しみだね!!」

 

鈴音「とりあえず今日はこれで終わりにしよう。伊吹先生に部に昇格したからその手続きもしないといけないしね」

 

未来「2人共、明日からよろしくね」

 

美咲「いっぱい麻雀打とうね!!」

 

綾香「はい!」

 

杏子「は、はい!」

 

私達の部活は同好会から部活になった。明日からの活動も色々考えなきゃね!

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。


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第12話 新入部員歓迎麻雀①

今回もよろしくです。


~翌日~

 

部活の時間になったので私達は部室に行くともう既に2人は先に来ていた。

 

綾香「お疲れ様です!」

 

杏子「お、お疲れ様です……!」

 

未来「2人共速いわね」

 

綾香「はい!先輩方と麻雀を打つのが楽しみでしたので部室までダッシュで来ました!!」

 

すごいやる気だな……。いいことだ。

 

鈴音「じゃあ早速打とうか。1年の2人は卓についといて。今日は1年生メインで打ってもらうからね」

 

綾香「はい!」

 

杏子「あ、ありがとうございます!」

 

どこか緊張しているな杏子は……。今日を機会に打ち解けられるといいんだけど。

 

鈴音「私達はジャンケンで誰がつくか決めようか。それで順位が低かった方が見学の人と交代ってことにしよう」

 

未来「構わないわ」

 

美咲「私もいいよ!」

 

ジャンケンの結果、私が見学に回った。

 

~東1局 ドラ 8筒~

 

さて、最初は綾瀬さんのところから見てみよう。

 

~5巡目~

 

綾香「リーチ!」タンッ

 

速攻でテンパイ。しかも無駄なツモが一切なかった。

 

杏子「」タンッ

 

ふむ、どうやら妹尾さんは降りるようだ。初心者のわりにはしっかりと降りれてるね。防御は問題なしと見える。実はゲームでやってたのかな?ルールは知ってるって言ってたし。

 

~そして~

 

綾香「ツモ!2000、4000!!」

 

リーチをかけて3巡以内にツモ上がりをした。

 

鈴音「幸先いいね」

 

綾香「ありがとうございます!でもみんな堅いんですよね……。先輩方はもちろん杏子も振り込んでくれないし」

 

杏子「ご、ゴメンね綾香ちゃん……」

 

綾香「いや、謝らなくてもいいけど」

 

でも妹尾さんは降りるのが早すぎる……。捨て牌を見る限りずっと綾瀬さんの現物やスジばかりを切ってるように見える。それとも妹尾さんには何かあるのだろうか?

 

鈴音「ねえ、綾瀬さん」

 

綾香「綾香でいいですよ。鈴音先輩」

 

鈴音「じゃあ綾香って呼ばせてもらうね」

 

杏子「わ、私も杏子でいいです……!」

 

鈴音「ありがとう。それで……綾香は杏子と麻雀を打ったことがあるのかな?」

 

綾香「ありますよ。……とは言っても片手で数えきれるくらいしか打ったことないですけど……」

 

鈴音「そうなんだ……」

 

綾香「ですが……」

 

鈴音「どうしたの?」

 

綾香「……いえ、それは見てもらった方が早いと思います」

 

?一体何があるのだろう?

 

~そして~

 

未来「ツモ。3000、6000」

 

東2局は未来が跳ね満をツモる。

 

綾香「私の予想が正しければそろそろ杏子がとんでもないものを見せるかもしれませんよ」

 

鈴音「とんでもないもの?」

 

綾香「はい。この局は杏子の方を見てください。それで多分わかると思いますよ」

 

~東3局 ドラ 1索~

 

綾香に言われて私は杏子の方を見に行った。

 

鈴音(え……!?)

 

私は目を疑った。顔に出ないようにするのがとても大変だった。だってこんな手牌見て驚かない人はいないでしょ!

 

 

~4巡目~

 

杏子「カン!」

 

4巡目に杏子が発を暗カンをする。あれ?これってもしかして……。

 

杏子「ツモ……!」ゴッ

 

綾香「予想はしてたけど……」

 

美咲「えっ?何が……?」

 

未来「こちらからしたら余りいい予感はしないわね」

 

杏子「大三元で8000、16000です……!」

 

美咲「嘘……嶺上開花……!?」

 

未来「これは驚きね……」

 

美咲も未来も驚愕の表情だ。ずっと見ていた私も驚きを隠せない。

 

綾香「杏子は比率的には半荘に1回くらいは役満の手牌になることがあるんですよね」

 

いや、私達が驚いたのはそこじゃない……こともないけど実際に驚いたのは大三元テンパイまで一切の無駄がなかった上に三元牌以外は一九字牌しかなかったのだ。それに加えて暗カンをして、白を引き、嶺上開花で大三元を上がったことにこそ私達は驚いていた。

 

……あと暗カンから嶺上開花までの杏子はどこぞの魔王に見えた。嶺上開花をしたときは特にそう見えた。この子実は宮永の姓だったりしない?従姉妹が長野県民とかじゃないよね?

 

鈴音「杏子、なんで発を引いたときに切らずに暗カンしたのかな?」

 

杏子「えっと……王牌に白があるような気がしたのでもしかしたらって思って思いきってやってみました」

 

未来「そして嶺上開花で大三元を引いたってわけね」

 

要するに感覚であの嶺上開花をやってのけたってことだろう。その上に守りもしっかりとできて……いや、あれももしかしたら一九字牌を引いていたから結果的に降りていたように見えたのかもしれない。

 

東1局でも杏子の捨て牌に一九字牌はなかったしね。本当に初心者とは思えないすごさである。もちろん綾香も……。これは今年のインターハイは荒れるんじゃないかな?

 

 




今回はここまでです。


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第13話 新入部員歓迎麻雀②

今回もよろしくです。


~東4局 ドラ 南~

 

先程のこともあり私は杏子の方を見ると今度は国士無双2シャンテンだった。役満上がった後の親でまた役満コースとか悪夢でしょ……。

 

杏子「…………」

 

悩んでいるところを見ると杏子は九種九牌をするか迷っているのだろう。割と突っ走ってもいい場面だけどリードを大切にしたいのなら九種九牌をするべきだと思う。杏子はどうするのかな?

 

杏子「」タンッ

 

どうやら国士無双を目指すようだ。

 

~3巡目~

 

杏子「リーチ……!」タンッ

 

……もう私は言葉を失うレベルだった。無駄ツモなしの上に国士無双13面待ちとかもうふざけてるとしか言いようがない。捨て牌見てもまだ予測できないし、振り込んでもしょうがないよこれは……。

 

~8巡目~

 

杏子「」タンッ

 

美咲「ロン!2600!!」

 

杏子「は、はい!」

 

8巡目に杏子が美咲の面タンに振り込んだ。というか3人共よくかわせたね……。

 

未来「これで南入ね」

 

 

~南1局 ドラ 6索~

 

未来「リーチ」タンッ

 

親である未来がダブルリーチをかける。これは中々プレッシャーになるけど1年の2人はどうする?

 

綾香「」スッ タンッ

 

美咲「」スッ タンッ

 

杏子「」スッ タンッ

 

綾香は未来の出した現物を出して、杏子は綾香に合わせて牌を切った。

 

 

~そして~

 

杏子「ツ、ツモ……!」

 

未来のダブルリーチをかわしつつ杏子がツモ上がりをする。

 

綾香「ま、また役満だったりしないよね……?」

 

東3局のこともあってか綾香は役満を警戒する。半荘にそんなポンポンと役満が出たらたまったものじゃないよね。……連続で出かけたけど。

 

杏子「対和、三暗刻、混老頭、ドラドラで4000、8000です……」

 

今度は倍満か……。しかもダマでここまでの手を作っていた。この子、実は部活でやってないってだけで相当麻雀をやってるんじゃないのだろうか……。

 

 

~そして~

 

美咲「ツモ!1600、3200!!」

 

南2局は美咲がツモ上がりをすることで終わり、南3局も綾香が2飜をツモ上がりをしてオーラス、再び杏子の親番である。

 

~南4局 ドラ 8索~

 

杏子「リーチです……!」タンッ

 

ダブルリーチ……しかも親であの化物配牌を見たあとだから周りのピリッとした空気がマジで半端じゃない。

 

未来「」タンッ

 

綾香「チーです!」カシャッ タンッ

 

未来が切った6萬を綾香がチーする。そして綾香も現物を切る。1番経験の少ない(多分)杏子に対して連携をとらなきゃいけないってとんでもないことだよね。

 

美咲「ポン!」カシャッ タンッ

 

そして綾香が切った7筒を美咲がポンする。まさかの3対1だった……。

 

 

 

~そして~

 

美咲「」タンッ

 

綾香「ロン!1000点です!!」

 

美咲が綾香に差し込みこれで半荘は終了。今回は役満と倍満を上がった杏子が勝利した。……というか最後の局に至っては3人がかりで杏子を止めていただけだった。まぁこういった連携も大事だけどね。

 

 

それからも今日1日ずっと打ち続けた。伊吹先生抜きで4人で麻雀を打つのが久しぶりだったからとても充実した気分だった。

 

 

~そして~

 

杏子「…………」

 

今私は杏子と2人で帰り道を歩いている。他の3人は先に帰っていた。

 

鈴音「……で、話とは何かな?」

 

杏子「あ、あの!私に麻雀を教えてくれませんか!?」

 

鈴音「…………なんで私に?」

 

教えるなら未来の方が適任だと思うし、美咲は去年に成績を残してる。でも私はあの2人と比べて何もないと思うけど……。

 

杏子「鈴音先輩に教えてもらいたいって思ったんです!今日麻雀を打っていたときも鈴音先輩に見てもらっていたときにとても安心した気分になったんです!だから鈴音先輩に……」

 

これは杏子の感覚がそうさせたのかな……?もしかしたら私が杏子と似たものがあるのかもしれない。

 

だとすると杏子に指導することで私も何か学べるのかも……。

 

鈴音「私でよかったら喜んで。これからもよろしくね杏子」

 

杏子「はいっ!!」

 

こうして私は後輩との距離を縮められたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

次回は……どうするかな?オーダー発表までいくかどうか……。


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第14話 大宮鈴音の長野麻雀旅行①

オーダー発表の前に少し小話を……。

では今回もよろしくです。


5月初旬、世間でいうところのゴールデンウィークなる連休てある。

 

そんな中私こと大宮鈴音は1人で長野に来ております。何故こうなったのかは昨日に遡る。

 

 

 

~昨日~

 

鈴音「ゲホッ……!ゴホッ……!」

 

未来「風邪ね」

 

鈴音「馬鹿な……!あの世界で体を鍛えたのに何故こんな目に……!」

 

未来「ちゃんと体調管理をしないからでしょ。いくら鍛えてもそういった油断がその体たらくに繋がるのよ」

 

ぐうの音も出ない正論に私は何も言えなかった。

 

未来「ま、今回の練習試合は諦めることね。まぁお土産くらいは買ってきてあげるわ」

 

鈴音「奈良に行くんだよね……?それだったら高鴨土産店のお土産をお願い」

 

未来「はいはい。今日はゆっくりしてなさい」

 

今日は休んでよう……。

 

鈴音「あっ、もし体調が良くなったら明日は私も合流してもいいよね?」

 

未来「ちゃんと風邪を治してからなら……いえ」

 

鈴音「未来?」

 

未来「鈴音には別のところに行ってもらうわ」

 

別のところに……?どこに行けばいいのさ!?

 

鈴音「どこに行けば……?」

 

未来「長野よ」

 

長野……?ということは……。

 

未来「清澄に……と言いたいところだけれど雀荘の方に行ってもらうわ。そこで運が良かったら清澄の1年生と打てるかもしれないから」

 

鈴音「わかったよ」

 

未来「もしも打てたらしっかりと目に焼き付けておきなさい」

 

 

 

~そして現在~

 

……ということがあったのだ。ふぇぇ……緊張してきたよう。……とりあえず雀荘に行こう。お土産とかはその後でいいか。

 

さて、今何時かな……あれ?メールが来てる。伊吹先生に美咲、綾香、杏子からだ。

 

伊吹『昨日は残念だったね。それで今日は長野の雀荘に行くんだって?確か《rooftop》だったっけ……そこの雀荘はたまに藤田プロが麻雀を打ちにくるらしいからもしかしたら藤田プロと遭遇するかもね。もしそうなったら精一杯鈴音の実力を示してきてね』

 

そういえば原作でも藤田プロ来てたな……。カツ丼食べに……。次は美咲からのを見てみよう。

 

美咲『具合はどう?長野にいるんだよね。病み上がりだと思うし余り無茶しないでね?ファイトだよっ!』

 

……この子はどこのスクールアイドルだよ。9人の女神のリーダーだったりするの?生徒会長だし。次は綾香。

 

綾香『鈴音先輩!風邪が治ってよかったです!私達は奈良で頑張ってきますので長野で頑張ってください!連休明けにはお互いどんなことがあったか話し合いませんか?長野の雀荘の話を聞きたいです!!』

 

今日は雀荘で私がどれだけ打てるかということを綾香への土産話になるといいな。最後は杏子だね。

 

杏子『先輩!お体の具合はいかがでしょうか?先輩の身に何かあったら私……もう生きていけません!!無事に治ってなによりです!先輩が長野にいることを未来先輩に聞きました。鈴音先輩のいるところに私ありということで私も行こうとしたんですけど止められました……。連休明けにまた先輩に会えると想うと胸の高鳴りが抑えられません!!私、先輩のためにも頑張ります!!応援してくださいね?私も先輩を応援しています!』

 

……私杏子にフラグ建てるようなことしたっけな?なんかとある科学の先輩と後輩みたいになろうとしてるんだけど。私はノーマルよ?

 

まぁ応援は受け取ろう。いざ!rooftopに出陣!!

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。


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第15話 大宮鈴音の長野麻雀旅行②

今回もよろしくです。


~rooftop~

 

???「いらっしゃい」

 

私が店に入ると女性の声が聞こえた。その方向を見ると清澄の次鋒の染谷(そめや)まこがこちらに来た。

 

鈴音「1人なんだけど……」

 

さて、誰かいるのかな?私としては2人いれば儲けものなんだけど……。

 

まこ「かしこまりました。新規お一人様ご案内します。咲!和!優希!頼むわ!!」

 

!!……まさか3人も釣れるとは完全に嬉しい誤算である。

 

優希「片岡優希(かたおかゆうき)だじぇ!よろしくなお姉さん!!」

 

和「原村和(はらむらのどか)です。よろしくお願いします」ペコッ

 

咲「み、宮永咲(みやながさき)です!よろしくお願いします!」

 

3人が自己紹介をする。原村さんの紹介の仕方を見ると美咲のようにどこかの御令嬢のようだ。……やはり美咲や彼女もいいとこのお嬢様なんだろうな。

 

鈴音「大宮鈴音だよ。よろしくね」

 

まこ「染谷まこじゃ。このrooftopの店員をやっとる。……で大宮さん、彼女達はアルバイトなんじゃ」

 

そのあたりはうろ覚えだけど片岡さんってここでバイトしてたっけ……?

 

あと宮永さんの顔色が悪いように見えるけど大丈夫なのかな?私は気になって宮永さんに歩み寄る。

 

鈴音「大丈夫宮永さん?顔色が良くないけど……」

 

咲「だ、大丈夫です!」

 

鈴音「……そう?ならいいけど」

 

まぁ本人が大丈夫って言ってるから大丈夫…なのかな?

 

和「宮永さん、無理はしないでください」

 

優希「辛かったら休むんだじぇ!」

 

咲「大丈夫だよ。ゴメンね2人共」

 

チームメイトにまで心配されてるよ宮永さん……。

 

……というか宮永さんは私を見てからこうなったんだよね?私に何か感じたとか?

 

 

~少し前 咲side~

 

咲「あ、ありがとうございました……!」

 

客「ありがとね咲ちゃん」

 

とお客様が帰り、ふぅと息をついた瞬間だった。

 

咲「っ!?」ゾクッ

 

な、何!?この悪寒は……?カツ丼さんと同じ…いや、それ以上!?

 

和「宮永さん?」

 

優希「咲ちゃん?どうしたんだじょ?」

 

咲「ううん、なんでもない……」

 

和「そうですか……」

 

優希「おかしな咲ちゃんだじぇ!」

 

咲「あはは……」

 

2人は気付いてないの!?一体誰が……。と私は顔をあげて染谷先輩の方を見ると。優しそうな顔をした女の人が先輩と話していた。

 

まこ「咲!和!優希!頼むわ!!」

 

こ、この人と打つの!?なんだか怖いよ……!

 

優希ちゃんと原村さんが自己紹介をしているのを見て私も続けて自己紹介をする。

 

咲「み、宮永咲です!よろしくお願いします!」

 

鈴音「大宮鈴音だよ。よろしくね」

 

この人……大宮さんからは見た感じ優しそうなのにどうしてこんなに怖いの……?

 

鈴音「大丈夫宮永さん?顔色が良くないけど……」

 

大宮さんが近付いてくる。近くなればなるほど怖いよぅ……!

 

咲「だ、大丈夫です!」

 

私はなんでもない風を装って大宮さんに告げる。

 

鈴音「……そう?ならいいけど」

 

心配そうに大宮さんが言う。……こんなんじゃいけないよね。しっかりとこの人と麻雀を打たなきゃ!

 

 

咲sideout

 

 

 

……そういえば未来から聞いたことがあるな。魔物と呼ばれる人達は同じ魔物に出会うと反応はどうあれその気配を敏感に察知するって。

 

だとすると宮永さんは私のことを魔物(どうるい)と判断したってこと?……まぁ前いた世界が世界だからしょうがないとは思うけど……なんか傷付く。

 

まこ「ご注文はどうします?」

 

鈴音「アイスコーヒーを砂糖とミルクありでお願い」

 

まこ「レイコーありありですね?かしこまりました」

 

そう言って染谷さんは歩いていった。……この人広島出身なんだよね?広島でもアイスコーヒーのことをレイコーって言うっけ?

 

 

 

 




今回はここまでです。

次回はVS清澄1年生トリオになります。


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第16話 大宮鈴音の長野麻雀旅行③

今回もよろしくです。


優希「じゃあ早速始めるじぇ!!」

 

片岡さんの指揮のもとに本日最初の半荘が始まる。

 

場決めの結果、親は片岡さんで宮永さん、原村さんと続き、私はラス親だった。……私最近ラス親多い気がするような。

 

 

 

~東1局 ドラ 2索~

 

とりあえず3人の力がどのようなものか南入するまでは様子見かな。

 

優希「親!リーチ!いっくじぇー!!」

 

3巡目、片岡さんによる親リーが発生した。この早さが東場ずっと起こるとすれば彼女も間違いなく向こう側の一員となりうるだろう。そして……。

 

優希「ドーン!ツモーッ!!」

 

さも当然の様に一発でツモる。

 

優希「親ッパネだじぇ!6000オール!!」

 

 

優希 25000+18000=43000

 

咲 25000-6000=19000

 

和 25000-6000=19000

 

鈴音 25000-6000=19000

 

 

 

~東1局1本場 ドラ 3筒~

 

鈴音「」タンッ

 

優希「ポン!」カシャッ

 

私の切った中を片岡さんがポンする。もしかしてもう張ってる?

 

~そして~

 

優希「ツモ!4100オール!!」

 

再び片岡さんが親の満貫をツモる。そろそろ止めないとしんどいかな……?

 

優希 43000+12300=55300

 

咲 19000-4100=14900

 

和 19000-4100=14900

 

鈴音 19000-4100=14900

 

 

~東1局2本場 ドラ 発~

 

和「ロン。6400は7000です」

 

優希「じょー!?そりゃないじぇのどちゃん……」

 

と思った矢先に原村さんが片岡さんにチートイ、ドラドラをぶつける。

 

片岡さんよ、30000点も私達からとっておいてその台詞はいかがなものか……。

 

優希 55300-7000=48300

 

和 14900+7000=21900

 

咲 14900

 

鈴音 14900

 

 

~東2局 ドラ 6索~

 

優希「親は流れたけど、どんどん行くじょ!リーチ!」

 

流石に勢いまでは落ちないか……。

 

和「」タンッ

 

鈴音「チー」カシャッ タンッ

 

原村さんが切った6萬を私はチーする。

 

~そして~

 

鈴音「ツモ。300、500」

 

タンヤオのみとはいえ上がりは上がり。これをきっかけに片岡さんが失速するといいんだけど……。

 

優希(その手で鳴いたのか?このお姉さん、もしかして初心者か?なら京太郎のようにカモにしてやるじぇ!)

 

和(大宮さんは初心者ですかね?でも牌の扱いに手慣れてる気がします)

 

咲(この人……!もしかして……)

 

さっき私が上がった手はアニメで染谷さんがエイスリンウィッシュアートを止めるために上がったのと同じやり方を使った。

 

目的はさっきもいった通り片岡さんの勢いを殺すための上がりである。

 

優希 48300-1300(リーチ棒込み)=47000

 

和 21900-300=21600

 

鈴音 14900+2100=17000

 

咲 14900-500=14400

 

 

~東3局 ドラ 1萬~

 

咲「ノーテン」

 

鈴音「ノーテン」

 

優希「ノーテンだじぇ……」

 

和「テンパイ」

 

東3局は流局で終わった。片岡さんもノーテンみたいだし思惑通り失速気味かな……?

 

優希 48000-1000=46000

 

和 21600+3000=24600

 

鈴音 17000-1000=16000

 

咲 14400-1000=13400

 

 

~東4局 ドラ 西~

 

あれ?宮永さんとドラが西の組み合わせとか嫌な予感しかしないんだけど。

 

鈴音「」タンッ

 

咲「カン!」カシャッ

 

あ、これあかんやつや。

 

咲「もう一個カン!」カシャッ

 

そして恐らく今の王牌から引いたであろう西を暗カンする。これ、下手したら私飛ぶくない?

 

咲「ツモ!嶺上開花!三暗刻ドラ4で大宮さんの16000責任払いです!!」

 

大宮さんうっかり。点数が0になったよ!……っていうかそれは違う人の芸風だろうが!

 

しかも心なしか宮永さんが『うぬらに生路なし』言ってるように感じる。原村さんと片岡さんは向こうの身内だから生路がないのは私だけなんだけどね。

 

優希「出た!咲ちゃんの嶺上開花!相手は死ぬ!!」

 

和「そんなオカルトありえません」

 

現在進行形で私死にかけなんだけどね……。あと一回カンされてたら飛んでたよ私……。

 

さて、南入したしこの仕打ちはたっぷりと返さしてもらおう。

 

優希 46000

 

咲 13400+16000=29400

 

和 24600

 

鈴音 16000-16000=0




今回はここまでです。

次回は鈴音の逆転劇の始まりです!


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第17話 大宮鈴音の長野麻雀旅行④

今回もよろしくです。


~南1局 ドラ 3筒~

 

さて、とりあえず上がらないことには始まらないな。最低でも12000点は回復しておきたい。

 

 

~そして~

 

よし、なんとかテンパイできた。しかもかなりドラを抱えた状態で!!つまり今の私はドラゴンロード!玄ちゃーの力を借りている(嘘)!!

 

優希「」タンッ

 

鈴音「ロン」

 

優希「じょ!?」

 

鈴音「タンヤオドラ7で16000だよ」

 

優希「しかもデカイじぇ!!」

 

和(ドラ7……まるで誰かを思い出すような光景ですね。よくできた偶然です)

 

咲(南入してからまた大宮さんが怖くなったよ……!どうなってるの……?)

 

さっき宮永さんから取られた点数をトップの君からもらうぜ!

 

優希 46000-16000=30000

 

咲 29400

 

和 24600

 

鈴音 0+16000=16000

 

 

~南2局 ドラ 9萬~

 

~4巡目~

 

和「リーチ」タンッ

 

原村さんのリーチか……。絵に書いたようなデジタル麻雀の使い手でうちの後輩に勝ったという原村さん。その捨て牌を見る限り……。

 

咲「」タンッ

 

さて、宮永さんが切った牌からも推測してみよう。……これなら!

 

鈴音「」タンッ

 

和「……」

 

よし、かわした!このままこの局は凌がせてもらおう。

 

和(信じられません……!無スジのど真ん中をよく平然と切れますね。そんな大胆なこと、私には出来ません)

 

~そして~

 

咲「ノーテン」

 

和「テンパイ」

 

鈴音「ノーテン」

 

優希「ノーテンだじぇ」

 

和(私の当たり牌を押さえている……。それでいてあのような投牌……ありえません!)

 

咲(やっぱりこの人は強い……!もしかしたらお姉ちゃん以上かも……)

 

優希 30000-1000=29000

 

咲 29400-1000=28400

 

和 24600+3000=27600

 

鈴音 16000-1000=15000

 

 

~南3局 ドラ 8索~

 

咲「カン!」カシャッ

 

6巡目に宮永さんがポンしていた1筒を加カンする。また宮永さんによる嶺上開花劇場の始まりかな?

 

咲「もう一個カン!!」カシャッ

 

まぁ今度は加カンだから私だけがダメージを負わずに済むか……。

 

咲「もう一個カン!!!」

 

……まさか四槓子とか言わないよね?

 

咲「嶺上ツモ……!、清一、三暗刻、三槓子、トイトイで6000、12000!」

 

和「相変わらず凄まじいですね……」

 

優希「捲られちゃったじょ……」

 

うお……ドラが1つでもあったら役満だったのか。

 

咲 29400+24000=53400

 

優希 29000-6000=23000

 

和 24600-12000=12600

 

鈴音 16000-6000=10000

 

 

~南4局 ドラ 3萬~

 

つい最近気が付いたことだけど私はオーラスになると配牌が役満級になるみたいだ。そして今回は国士無双である。

 

~そして~

 

あと1枚で完成……つまりテンパイだ。威嚇のためにもここはリーチするべきかな?

 

鈴音「リーチ」タンッ

 

私の手元にないのは西だ。西待ちの国士無双ということになる。まぁ誰が持ってるかは大体予想できるけどね。

 

 

~そして~

 

咲「カン!」カシャッ

 

優希「また嶺上開花かじょ!?」

 

和「……どうやらこれで終局のようですね。今回は宮永さんの勝ちみたいです」

 

半ば諦めたように原村さんがそう言う。そうだね。これで上がったら宮永さんの勝ちで終局だね。まぁ……。

 

咲「嶺上開……」

 

……暗カンしたのが西じゃなければね。

 

鈴音「その嶺上開花は成立しないよ」

 

咲「え……?」

 

鈴音「ロン。槍槓だよ」

 

和「暗カンに対しての槍槓……まさか」

 

鈴音「国士無双で48000。これで終局だね」

 

咲「そ、そんな……」

 

優希「あ、ありえないじぇ……!」

 

まこ「こりゃあビックリじゃ……!」

 

まぁ私も成立するとは思わなかったけどね。予測してたとはいえ宮永さんが西をカンする保証はなかったから私が振り込むか流局するかのどちらかである可能性は高かっただろうね。というか染谷さんいたんだ……。

 

鈴音 10000+48000=58000

 

優希 23000

 

和 12600

 

咲 53400-48000=5400

 

 

なんとか勝てたか……。とはいえ確実に勝利を拾っていかないとこの先彼女達と打つことになったとき安心できないね。

 

鈴音「さあ、どんどん打とうか」

 

私のこの台詞に3人はどこか怯えていた。失礼だな…。

 

 

~そして~

 

鈴音「ツモ。3000、6000。これで終局だね」

 

あれから3回半荘をして私は3回ともトップをとることができた。うん、絶好調!

 

時計を見るといい時間になっていた。そろそろ部活のみんなにお土産でも買って……いや、それは明日に回すとして今日泊まる所でも探そうかな?

 

まこ「お、大宮さん!」

 

今日は帰ろうと思ったところに染谷さんが声をかけてきた。

 

鈴音「どうしたの染谷さん?」

 

まこ「……明日もここに来ることってできますか?」

 

明日か……。お土産を早めに買ったとして……うん、問題ないかな。

 

鈴音「朝は少し用事があるのでお昼からなら大丈夫だと思うよ」

 

まこ「じゃあ是非明日も来てください!サービスしますんで!!」

 

いやいや、そこまでしなくても……。それに彼女達と打つことによって自身のレベルアップに繋がるし、こちらとしては断る理由はない。

 

鈴音「うん、明日もここに来させてもらおうかな」

 

明日もここに来ることになった。またあの3人と打つのかな?今日のようにはいかないだろうし、私も今日の経験を生かして明日の麻雀も頑張ろう!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

次回は清澄の先輩達と咲の3人が鈴音と打ちます。誰のことかわかりますよね?まぁ会話だけかもですが……。


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第18話 大宮鈴音の長野麻雀旅行⑤

今回もよろしくです。


午前中にみんなの分の長野土産を買い終えた私は再び《rooftop》に入店した。

 

まこ「いらっしゃい、大宮さん!待っとりました!」

 

鈴音「あはは……」

 

染谷さんの対応に私は苦笑いをする。なんでこんなに歓迎されているのか……。

 

???「あなたが大宮さんね?」

 

鈴音「あ、どうも」

 

私の前に現れたのは清澄の部長さんである竹井久(たけいひさ)さんである。他の3人もいるし清澄麻雀部全員集合じゃん!

 

久「まこから聞いたわよ?昨日は後輩達がお世話になったようね」

 

なにその言い方?私今からお礼参りでもされるの?まぁ宮永さん達3人に勝ったから間違いではないかもだろうけど……。

 

鈴音「3人共とても手強かったから私もギリギリだったけどね」

 

特に1番最初の半荘はヒヤッとした。点棒0になるし、国士無双できなきゃ最下位だったしね。

 

久「それで今日は私とまこ、咲の3人があなたのお相手をするわ」

 

マジで!?昨日と今日で清澄の部員5人全員と相手できるとは……。これは未来達にいい報告ができそうだ!

 

優希「私も打ちたいじょ……」

 

和「私達は仕事にいきますよゆーき」

 

片岡さんは原村さんに引き摺られていった。この2人は今日も仕事なのか……。将来社畜になりそうだね。主に原村さんが……。

 

久「それじゃ、早速始めましょ!」

 

竹井さんが指揮をとって半荘が始まる……!

 

~東1局 ドラ 9索~

 

起家になったの久しぶりな気がする。そしてラス親は竹井さん。……なんだか波乱の予感がプンプンするよ。

 

しかし私は起家に余り向かないような気がするんだよね。私はスロースターターだからなのか序盤の配牌が良くない。

 

咲「リーチ」タンッ

 

考えてる内に宮永さんがリーチをかける。

 

久「追っかけよ咲。リーチ!」タンッ

 

同巡に竹井さんがリーチをかける。もう2人で振り込みあっちゃえよ……。

 

 

~そして~

 

鈴音「ノーテン」

 

まこ「ノーテン」

 

咲「テンパイ」

 

久「テンパイ」

 

流局しちゃったよ。早い巡目でリーチしてたくせになんで流れるのか……。あ、私が2人の当たり牌を押さえているからか。

 

久(私と咲のリーチを難なくかわした……。彼女は防御寄りなのかしら?まこから聞いた話だと最後は国士無双で逆転したみたいだけど……)

 

竹井さんからなにやら熱い視線を感じる。私に惚れたのかな?な~んちゃって!ブゥ~!!

 

咲 25000+1500=26500

 

久 25000+1500=26500

 

鈴音 25000-1500=23500

 

まこ 25000-1500=23500

 

 

~奈良~

 

杏子(今、鈴音先輩が他の女性のことを考えていたような気が…。浮気はいけませんよ?先輩は私だけの……)

 

綾香「どうしたの杏子?」

 

杏子「ううん、なんでもないよ綾香ちゃん」

 

 

 

~再び長野~

 

あ、あれ?今なんか寒気が……気のせい?

 

 




今回はここまでです。

次回はさらにカオスな戦いに……?


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第19話 大宮鈴音の長野麻雀旅行⑥

今回もよろしくです。


~東2局流れ1本場 ドラ 5筒~

 

まこ「ふっふっふっ……この局は攻めさせてもらおうかの!リーチ!!」タンッ

 

5巡目に染谷さんが親リーをかける。……なんか私と一緒に打つ人みんなテンパイ早くない?気のせい?

 

久「あら、早いわねまこ」

 

まこ「わしじゃって負けてられんけぇ」

 

咲「」タンッ

 

久「チー!」カシャッ タンッ

 

宮永さんが切った3索を竹井さんがチーをする。私は普通に降りさせてもらおう。

 

 

~そして~

 

まこ「ツモ!6100オールじゃ!!」

 

そのまま染谷さんが親ッパネをツモる。原作やアニメを見る限りの染谷さんって無難に安手で場を流すイメージが私の中であるからなんか新鮮だ。

 

まこ 23500+20300=43800

 

咲 26500-6100=20400

 

久 26500-6100=20400

 

鈴音 23500-6100=17400

 

 

~東2局2本場 ドラ 白~

 

久「リーチ!」タンッ

 

今度は竹井さんか……。みんな攻めるね。

 

さて、今私が引いた4萬は普通なら通ると思うけど、竹井さんには悪待ちという能力?がある。そしてこの4萬はとても危険牌だと!私の勘が!!轟き叫ぶ!!!だったら……。

 

鈴音「」タンッ

 

この巡目は竹井さんがさっき切った3筒を切らせてもらうよ。

 

 

 

~そして~

 

久「ツモ!4200、8200!!」

 

まこ「やるのぉ……!」

 

倍満か……生きるって辛いなぁ……。

 

 

 

久 20400+16600=37000

 

まこ 43800-8200=35600

 

咲 20400-4200=16200

 

鈴音 17400-4200=13200

 

 

~東3局 ドラ 北~

 

咲「カン!……ツモ!嶺上開花!4000オールです」

 

この局は宮永さんの嶺上開花による親満が炸裂。これで焼き鳥は私だけか……。

 

 

久 37000-4000=33000

 

まこ 35600-4000=31600

 

咲 16200+12000=28200

 

鈴音 13200-4000=9200

 

 

 

~東3局1本場 ドラ 2索~

 

久「ロンよ咲。2600は2900」

 

咲「は、はい……!」

 

竹井さんが面タンを宮永さんにぶつける。これも本来なら私に当てるつもりだったのだろうか……?

 

久 33000+2900=35900

 

まこ 31600

 

咲 28200-2900=25300

 

鈴音 9200

 

 

~東4局 ドラ 8索~

 

おっ、ようやく配牌が良くなった気がする。この局は攻められそうかな?

 

咲「」タンッ

 

鈴音「ポン」カシャッ タンッ

 

私は宮永さんが切った白をポンする。よし、これで1シャンテンだ……!

 

 

~そして~

 

テンパったけどこれはまだ大きくなりそうな気がする。なのでこの2索は一端お別れということで!

 

 

~そして~

 

来た……4枚目の8索!ここは……。

 

鈴音「カン」カシャッ

 

暗カンしておこう。しなくてもいい気がするけど……。さて、何が来るかな……おや?

 

鈴音「ツモ」

 

咲「!!」

 

久「あら、嶺上開花かしら?」

 

鈴音「みたいだね」

 

まぁできるとは思わなかったけどね。……ところで私が嶺上開花したときに宮永さんがなにやら反応していたけど何か思うところがあったのかな?

 

鈴音「4000、8000」

 

でもこれで3位浮上だ。それにみんなとの点差は少ない状態で南入……面白くなってきた!

 

久 35900-8000=27900

 

まこ 31600-4000=27600

 

鈴音 9200+16000=25200

 

咲 25300-4000=21300

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

次回で長野麻雀旅行編は終わりかな?


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第20話 大宮鈴音の長野麻雀旅行⑦

今回もよろしくです。


~南1局 ドラ 3萬~

 

さて、南場の親番なんだけど……。

 

咲「カン!……ツモ。2000、4000です」

 

宮永の嶺上開花によって私の親はあっさりと流された。また最下位に転落かぁ……。

 

 

咲 21300+8000=29300

 

久 27900-2000=25900

 

まこ 27600-2000=25600

 

鈴音 25200-4000=21200

 

 

 

~南2局 ドラ 8萬~

 

咲「ロンです。5200」

 

久「やるわね咲」

 

咲「ありがとうございます……!」

 

宮永さんが竹井さんに5200の手をぶつける。それによって私は3位に浮上した。そしてなんで宮永さんはこちらを睨むように見ているのかな?わからない……。

 

 

咲 29300+5200=34500

 

まこ 25600

 

鈴音 21200

 

久 25900-5200=20700

 

 

 

~南3局 ドラ9筒~

 

まこ「ツモ!」

 

今度は染谷さんがツモる。もう次がオーラスか。なんだか進みが早い気がするんだけど……。

 

まこ「2000、3900じゃ!」

 

久「あらら……これは不味いかしら?」

 

いや、あんたラス親だからまだまだチャンスがあるでしょ?

 

 

まこ 25600+7900=35500

 

咲 34500-3900=30600

 

鈴音 21200-2000=19200

 

久 20700-2000=18700

 

 

~南4局 ドラ 6索~

 

久「リーチ!」タンッ

 

竹井さんの親リーか……。点数次第では今回は竹井さんの勝ちかな?でも……。

 

鈴音「ポン」カシャッ

 

せめて1発を消すくらいはしておこう。これがきっかけで上がられても1本場で続行するかもしれないしね。

 

 

~そして~

 

久「ツモ!」

 

竹井さんが2巡後にツモる。ゲーム続行なるか……?

 

久「4000オールよ!さあ1本場に移行するわ」

 

ふぅ……なんとか続行になったか。あのポンがなかったら跳ね満になってたからよかったよ。

 

まこ 35500-4000=31500

 

久 18700+12000=30700

 

咲 30600-4000=26600

 

鈴音 19200-4000=15200

 

 

~南4局1本場 ドラ 南~

 

おっ、初手から南が3枚ある。これで跳ね満確定!でもまだまだ手を伸ばしていこう。

 

 

~そして~

 

よし、4枚目の南も引いたしビックリするくらい綺麗な手ができた!!これであとは私のツモ順を待つだけ!

 

咲「」タンッ

 

それにしても竹井さんの捨て牌に一九字牌がない……?国士無双を作ろうとしてるのは察しているけどこれってもしかして……だとすると南を暗カンしなくて正解だったかも。

 

鈴音「カン」カシャッ

 

私は先程引いた2筒を暗カンする。引いたのは4枚目の

5筒なので……。

 

鈴音「もう一度カン」カシャッ

 

再び暗カンして引いたのは私の上がり牌である8筒。普段なら調子に乗って南を暗カンするところだけど私の予想が正しければ恐らく竹井さんに国士無双を槍槓していたと思うしここで打ち止めだね。

 

鈴音「ツモ。嶺上開花、門前ツモ、混一色、対々、連風牌、ドラ4……8100、16100」

 

咲「か、数え役満……!?」

 

まこ「こりゃすさまじいのぅ……!」

 

久「やられたわ……」

 

よし!これで私の勝ちだ!!

 

 

鈴音 15200+32300=48500

 

まこ 31500-8100=23400

 

咲 26600-8100=18500

 

久 30700-16100=14600

 

 

~そして~

 

鈴音「ツモ。300、500。……これで終局だね」

 

これで昨日に引き続き7連勝!本当に絶好調だぜ!!

 

久「参ったわ。完敗」

 

鈴音「今回もギリギリだったけどね……。勝ててよかったよ」

 

特にこの半荘のオーラスはみんなすごく高い手ができてたような気がしたから未来直伝の『安手速攻流し』を使わせてもらった次第である。

 

鈴音「さて、私はそろそろ帰るね」

 

久「あら、もう帰るの?」

 

鈴音「まぁ他県住まいだからね。それに明日からは学校もあるし」

 

久「そうね。次は全国の舞台で会いましょう?総武高校の大宮鈴音さん」

 

oh!バレてーら……。まぁ竹井さんなら気付いているかもとは思っていたけど本当に気付かれてるとは……。

 

鈴音「……やっぱり竹井さんにはお見通しだったみたいだね」

 

まこ「大宮さんは麻雀部員だったんか!?」

 

鈴音「言ってなくてゴメンね。この2日間は気分転換の観光で来ただけだしね」

 

まぁ本当は未来に言われて清澄の部員のデータを取れたらいいかな?とは思っていたけど。

 

咲「部長、総武高校って?」

 

久「私も詳しくは知らないけど、去年の個人戦で2位だった佐野美咲さんがいる高校なのよ。大宮さんは出てなかったみたいだけどね……」

 

よく見てるな……。あれ?竹井さんって去年東京に来てたっけ?

 

鈴音「あれは惜しかったよ。1位の宮永照とも僅差だったからね」

 

咲「お姉ちゃんを知ってるんですか?」

 

いやいや、知らない人の方が少ないでしょうに……。

 

鈴音「私は話してないけど、美咲……チームメイトが去年お世話になったから普通の人よりは知ってるんじゃないかな。……今年は私も彼女の相手をしたいところだね」

 

そして宮永照に勝ってみせる……!もちろんチームメイトであるみんなにもね。

 

鈴音「それじゃあ私はそろそろ行くね。また全国で」

 

そう言って私は《rooftop》をあとにした。……それにしても竹井さんの情報網半端じゃなかったな。

 

 

 

清澄side

 

久「いや~今日は完敗だったわね」

 

まこ「そうじゃな。昨日に続いて7連敗じゃあ」

 

久「最初の半荘も槍樌国士無双を大宮さんにぶつける予定だったんだけどね~」

 

まこ「わりゃそんなことしようとしとったんか!?」

 

久「それも失敗に終わったけどね。彼女も気付いていたみたいだし」

 

優希「それにしてもあのお姉さん強すぎだじぇ……。昨日からずっとトップだったし」

 

久「あれが全国でもトップクラス……いえ、その中でもプロに近い領域の打ち手の実力ということよ」

 

和「でも大宮さんは去年の個人戦に出てなかったみたいですが……」

 

久「何か事情があったんじゃない?」

 

まこ「部長みたいに団体戦にこだわっとったりしてな」

 

久「あははっ!そうかもね」

 

咲「…………」

 

久「咲?どうしたの?」

 

咲「私、今日の大宮さんに手も足も出せませんでした……」

 

久「そうね。でもそれは咲だけじゃなくて私達もそれは同じよ」

 

和「そうですね……」

 

まこ「全国で優勝するなら大宮さんがいる総武高校を倒さんといけんしな」

 

久「でも私はやってみせるわよ。みんなならそれがきっとできる」

 

和「部長……」

 

久(それに大宮さんはまだ何か隠してる……。今のままでは彼女の背中を追うこともできない……か)

 

優希「どうしたんだじぇ部長?」

 

久「なんでもないわ。さあ、県大会にむけて頑張るわよ!目指せ全国制覇!!」

 

咲&和&優希&まこ『はいっ!!』

 

 

鈴音が帰ったあとで清澄ではこんなやりとりがあったそうな。

 

 

清澄sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

次回はオーダー発表になるかな?多分……。


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第21話 団体戦に向けて。まずはオーダー発表から

今回もよろしくです。


ゴールデンウィークが終わり、月曜日。5月病の気分が抜けない最中、授業後に部室に向かうと背後から声が聞こえた。

 

杏子「鈴音先輩!おはようございます!!」ダキッ

 

鈴音「杏子……おはよう」

 

杏子が突然抱き着いてきた。いつの間にこの子はこんなに変わったのだろうか……。それにしても。

 

鈴音「髪切ったんだ。それに眼鏡やめてコンタクトにしたんだね」

 

杏子のあの長髪をセミロングくらいまでになっていた。

 

杏子「はい!変わった私を先輩にも見ていただきたくて!!」

 

綾香「鈴音先輩、よく気が付きましたね。私も最初誰だかわからなかったですよ……」

 

すぐ後ろから綾香も来る。

 

鈴音「そうかな?私はすぐにわかったよ」

 

例え姿を変えることができても気配までは変えられないと思うしね。だから私はすぐに杏子だとわかったのかもしれない。

 

杏子「流石先輩です!!」

 

目を輝かせながら杏子は言う。そろそろ離れてくれると嬉しいな。部室で待ってる未来に何を言われるかわかったものじゃない。

 

鈴音「今日は団体戦のオーダーを発表するよ。伊吹先生とも話し合って決めたから心して聞いてね」

 

杏子「はいっ!!」

 

綾香「オーダー発表ですか……緊張しますね」

 

鈴音「うちは5人しかいないから誰かが外れるなんてことはないから大丈夫だよ。綾香は去年どこについてたの?」

 

綾香が去年まで通っていた中学についてある程度は調べたけど念のために本人にも確認する。

 

綾香「去年は先鋒でした」

 

鈴音「エースだったの?」

 

綾香「一応そう呼ばれるポジションにはいましたけど、ちゃんと役割を果たせたかどうかわからなかったんですよね。チームは全国に行けませんでしたから私があのときもっと稼いでいれば……とか考えてしまうんですよ。まぁ個人戦にその悔しさとかを全部ぶつけましたけど」

 

それで全中2位だったのか……大したものだね。

 

綾香「でも先輩達にとっては最後のチャンスになるんですよね?」

 

鈴音「最後ではあるけど最初のチャンスでもある。私達なりに精一杯頑張るだけだよ」

 

綾香「そう……ですね」

 

鈴音「さ、部室に着いたよ。今日も張り切って部活をしよう」

 

綾香&杏子『はいっ!!』

 

 

~そして~

 

鈴音「今日はオーダー発表をするからいつもより早めに終わるよ」

 

美咲「いよいよだね。ワクワクするよ!」

 

綾香「私はドキドキします……」

 

杏子「私も……」

 

未来「どこのポジションに入っても精一杯やるだけよ」

 

私と同じこと言ってるな未来は……。

 

鈴音「じゃあ発表するよ」

 

私が言うとみんなはゴクリと息を呑む。

 

鈴音「まずは先鋒」

 

オーダーを考えるに至ってこの先鋒が1番悩んだ。なにせエースと呼ばれて尚且つ宮永照、辻垣内智葉といった去年の個人戦で暴れた人達と戦うポジションだ。そこに誰をぶつけるか……私の答えは。

 

鈴音「妹尾杏子!」

 

杏子「わ、私ですか!?」

 

鈴音「経験が少ないからきついとは思うけど、私は杏子ならいけると確信してる。だから斬り込み隊長は任せたよ」

 

杏子「は、はい!!」

 

鈴音「次は次鋒」

 

先鋒に杏子を置いた時点でこの次鋒はすぐに決まった。もしも先鋒である杏子が失敗したときに安定してフォローができる……そんな人は1人しかいないと私は思ってる。

 

鈴音「響未来!」

 

未来「まぁ面子を考えると妥当ね」

 

鈴音「頼んだよ未来」

 

未来「任せて」

 

鈴音「中堅」

 

この中堅は一件次鋒や副将と同じような役割を担ってる感じはするけど、姫松みたいに中堅がエースポジションだったりするところもきっと出てくる。そんなところと当たったときのことを考えてこの結果に至った。

 

鈴音「佐野美咲!」

 

美咲「中堅か~」

 

鈴音「色々考えたけどうちの中で最も稼げる美咲をよく生かせると思ったところが中堅だった。まぁ先鋒に杏子を置いたときにはもう決まってたけどね。それに姫松なんかはそこにエースを添えてくるからそうなったときに1番戦えるのは美咲だと私は判断した。お願いね」

 

美咲「もちろん!頑張るよ!!

 

鈴音「副将」

 

副将は清澄にいる原村さんがいるポジションだ。そこに当てるのは最初から決まっている。

 

鈴音「綾瀬綾香!」

 

綾香「はい!」

 

鈴音「綾香の去年の話とかを聞いて参考にさせてもらった結果、副将に置くことにした。私の調べによると清澄にいる原村さんもこの副将に入るらしい」

 

綾香「原村さんが……?」

 

鈴音「うん、だからリベンジも兼ねて頑張ってね。そして……私の背中を預けたよ」

 

綾香「はい!任せてください!!」

 

鈴音「それで大将は私、大宮鈴音が務めさせてもらう」

 

本当は1年のどちらかに任せようと思ったけど、様々な考えが渦巻いた結果、こうなったのである。

 

鈴音「みんな、県大会まであと1ヶ月もない。目指すは全国制覇だよ。頑張ろう!」

 

『おーーーっ!!!!』

 

オーダー発表が終わり、県大会に向けて私達はさらなるやる気に満ちていた。

 

 




今回はここまでです。

次回は……どうするかな?


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第22話 大会へのカウントダウン。そして総武高校麻雀部員の事情

今回もよろしくです。


オーダー発表から数日が過ぎたある日のこと。

 

美咲「今日も用事があるから帰るね」

 

綾香「…………」

 

鈴音「オッケー。明日は来れそう?」

 

美咲「状況によると思う。大事な時期なのにゴメンね?」

 

未来「問題ないわ。そっちも大変ね」

 

綾香「…………」

 

美咲「じゃあね!」タタタッ

 

ドタドタと美咲は走って帰っていった。この時期は大変のようだ。

 

綾香「あの……」

 

鈴音「どうしたの綾香?」

 

綾香「美咲先輩って何をしているんですか?大会まで時間がないのに」

 

鈴音「う~ん……詳しくはわからないけど家の仕事って言ってたよ」

 

未来「彼女、毎年この時期になると仕事が多くて大変って言ってたわ」

 

美咲の家でやってる仕事は佐野グループというこち亀でいうと中川家みたいな感じの超絶金持ちなところでいくつもの会社を所有しているのだとか。

 

ちなみに美咲の仕事は株式会社がメインのようだ。高校生なのによくやるよ……全く。

 

綾香「家の……?」

 

鈴音「去年は私達も手伝ったんだよね」

 

未来「あれは大変だったわ……」

 

本当に大変だった。体力に自信がある私達でもそう思うくらいだからね。それを一昨年は美咲1人でやったというのだから美咲はとんでもない人物である。

 

杏子「あの……今年は美咲先輩を手伝うんですか?」

 

鈴音「そうだね……今日の美咲の様子を見る限りだとそろそろ手伝わないといけないかもね」

 

未来「では今年は去年よりも早く手伝って大会までの残り期間に美咲がなるべく麻雀を打てるようにしましょうか」

 

確かに……去年は美咲の個人戦ギリギリまで仕事を溜め込んでたからね。素人の私達に泣き付くくらいまで美咲は追い込まれていたし、今年は余裕を持ってほしい。

 

鈴音「うん、私はそれでいいと思うよ。2人はどうするの?」

 

綾香「私で役に立てるかわかりませんが、それでも美咲先輩ってお手伝いをしたいです!」

 

杏子「私も同じです……!」

 

鈴音「決まりだね。明日から美咲の手伝いにしよう」

 

 

 

 

~翌日~

 

鈴音「……というわけで私達4人も手伝うよ」

 

美咲「……ゴメンね。みんなを巻き込んじゃって」

 

申し訳なさそうに美咲は言う。

 

未来「気にしないで。私達は美咲のために頑張るわ」

 

美咲「ありがとう!でももう少しで終わりそうなの!」

 

綾香「それなら尚更手伝って美咲先輩の負担を減らしませんと!」

 

杏子「そして麻雀に専念してください……!」

 

鈴音「2人の言う通りだよ。もう少しだからこそみんなで力を合わせよう」

 

美咲「本当にありがとう!じゃあ綾香ちゃんと杏子ちゃんは私の家に行くのは初めてだし案内するから着いてきて!!」

 

綾香&杏子「はい!!」

 

後輩達も美咲の手伝いにやる気のようだ。

 

鈴音「そうそう、美咲の家なんだけど……」

 

杏子「どうかしたんですか……?」

 

未来「きっとビックリすると思うから心の準備をしておきなさい」

 

綾香「へ……?」

 

 

~そして~

 

美咲「着いたよ!ここが私の家だよ!!」

 

杏子「す、すごいですね……!」

 

綾香「ね、ねぇ杏子!私ここにいてもいいのかな?場違い感が半端じゃないんだけど……!」

 

杏子「だ、大丈夫だよ……多分」

 

未来「綾香の反応は去年のあなたと殆ど同じね」

 

鈴音「いやいや、あれが普通の反応だからね?未来の反応の方がおかしいからね?」

 

~去年~

 

美咲『ここが私の家だよ!』

 

鈴音『…………』

 

未来『すごく大きいわね』

 

鈴音『ねぇ未来、私達はここにいてもいいの?なんか場違いな気がしてならないんだけど……』

 

未来『そんなことを言ってる場合ではないでしょう?さっさと終わらせるわよ』

 

鈴音『……そうだね』

 

~現在~

 

あそこまでの豪邸は初めて見るはずなのになんで未来はあんなに余裕があったのだろうか……?

 

しかも未来今もはたまに美咲の家に遊びに行っているみたいだし……。

 

~そして~

 

美咲「未来ちゃんはこの書類仕事をお願いしてもいいかな?」

 

未来「了解。去年と内容は変わらないのよね?」

 

美咲「そうだよ!ありがとう!!鈴音ちゃんはこっちの決算表にサインを!」

 

鈴音「美咲の名前で問題ないよね?」

 

美咲「うん!助かるよ!!綾香ちゃんと杏子ちゃんはこの判子で鈴音ちゃんが書き終わった決算表に押してねそれのチェックをしてね!!」

 

綾香「は、はい!杏子、チェックの方をお願い!!」

 

杏子「う、うん!!」

 

バタバタした佐野グループのお仕事は5人で力を合わせて終わらせた。去年に比べるとスムーズに進んで何よりだよ。

 

~去年~

 

美咲『ゴメンね。早速この書類に判子を押してもらえるかな?』

 

鈴音『え、えっと……ここであってる?』

 

美咲『ううん、こっち!』

 

未来『ねぇ、この決算表の名前は美咲の名前でいいのかしら……?』

 

美咲『そうだよ!ありがとう!!』

 

~現在~

 

あのときは本当に慌ただしかったなぁ……。でもその経験のおかげで今は作業が速くできるようになった。

 

~そして~

 

美咲「みんな本当にゴメンね。そしてありがとう!!」

 

鈴音「今年は早く終わってよかったね」

 

美咲「このお礼は麻雀で返すよ!」

 

鈴音「期待してるよ」

 

美咲「任せて!!」

 

綾香(美咲先輩って何者ですか……?)

 

未来(佐野グループっていう世界的に有名な企業の御令嬢よ。大学を卒業したら社長になるらしいわ)

 

綾香(とんでもないですね……)

 

 

こうして美咲の家の問題も解決できたしこれで安心してインハイに挑めるよ!

 

 

県大会まであと10日!!

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

今回のこの話は何がなんたか作者もよくわからなくなってきたのです……。でも書きたいから書いた……ただそれだけ!!

次回は県大会……はもしかしたらダイジェストで全国にいくかもしれません!


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第23話 時は進み……いざ!東京へ!!

今回もよろしくです。


鈴音「…………」

 

未来「あら、どうしたの鈴音?」

 

鈴音「いや、もうすぐ全国大会が始まるんだなぁって」

 

綾香「まさかの結果でしたもんね……」

 

鈴音「そうだね。まさか……中堅で団体戦が終わるとは思わなかったよ」

 

中堅戦で美咲が他校を飛ばして私達総武高校は全国出場を決めた。

 

美咲「えへへ……張り切りすぎちゃった!」

 

あらやだ、可愛い笑顔!でもそんなんじゃ誤魔化されませんぞ!!

 

鈴音「私はまだいいよ?でも1年の綾香はなるべくたくさん打たなきゃいけないのに、1回戦から決勝まで全部中堅で相手を飛ばして終わらせるんだもの」

 

未来「私はそこまで相手の点数を削ってはいないのだけれど」

 

確かに未来は他校の高い手を感じたらすぐさま安手を作りそのまま流すか、相手の安手に差し込むか、相手の当たり牌を抱えて流局するかのどれかをしてたからね。

 

鈴音「まぁ全部美咲が暴れに暴れまくってたのが原因だね」

 

美咲「うっ……!」

 

鈴音「言ってごらん?1回戦、2回戦、準決勝に決勝と美咲はどれくらい稼いだの?」

 

美咲「えっと……1回戦が……で、2回戦と準決勝が確か……くらい稼いで、決勝はさらに張り切ったから…」

 

ブツブツと美咲が計算している。特に決勝なんかは対戦相手全員泣いてたよ?別の意味で。先鋒の杏子も美咲程ではないにしてもかなり稼いだ。それでも決勝はそんなに収支は良くなかった。まぁつまりは……。

 

美咲「ぜ、全部で500000点くらい……かな?」

 

と言っている美咲がいた。決勝に至っては3校全部飛ばしたもんね。

 

鈴音「それで……何か私達に言うことは?」

 

美咲「す、すみませんでした!!」

 

いかにも土下座をするような勢いで美咲は謝罪した。

 

鈴音「次からは気を付けてね。対戦相手にトラウマを植え付けないように」

 

美咲「そ、そんなことしてないよ!」

 

鈴音「いやいや、決勝校の中堅3人全員『ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……』って言ってたらしいんだけど……」

 

彼女達がこれを原因に麻雀を止めないか心配で気が気じゃないよ全く……。

 

美咲「ええっ!?その子達に謝らないと!!」

 

綾香「美咲先輩、それはとどめを刺してますから……」

 

未来「まぁなんにせよ全国への切符を手にしたのは間違いないわ。それに他の高校も副将と大将……特に鈴音のデータは今年の個人戦の分しかないからこちらとしてはいいことよ」

 

そうなんだけどさぁ……まぁいいや。

 

個人戦は美咲が1位で未来が2位、私が3位で私達3年組が個人戦全国出場を総取ったのだ。この順位の理由については出場基準がトーナメントというわけではなく点数の収支によるもので団体戦と同じ調子で美咲が暴れまくってた結果、1位と2位に圧倒的な差がついたのである。

 

ちなみに綾香は5位で杏子は9位という好成績を収めた。千葉のレベルがこのままだと来年はワンツーフィニィッシュも期待できそうだね。

 

美咲はまだ土下座スタイル中だ。

 

鈴音「まぁこの話は終わりにするよ。美咲も元に戻って話を聞いて」

 

私の声に美咲は土下座スタイルを解き、椅子に座り全員が話を聞く体勢になったところで私は話を始める。

 

鈴音「東京に出発するまであと1週間。それまでの間は部活は休みとするよ」

 

綾香「休み……ですか?」

 

未来「まぁ理由は主に私達3人にあるのよね」

 

杏子「先輩方は生徒会でしたもんね……」

 

綾香「あっ……」

 

鈴音「杏子の言う通り私達3人の生徒会活動が主な原因ではあるけど、東京に行くための準備期間でもある。身体をしっかりと休めて東京に行くことがこの1週間の総武高校麻雀部の活動とするよ」

 

私がそう言うとみんなは納得したような様子だった。

 

鈴音「じゃあ今日は解散。1週間後の午前10時に千葉駅に全員集合ね」

 

鈴音以外『はいっ!』

 

私達は東京に行くための準備をそれぞれ終わらせた。

 

 

 

~1週間後~

 

伊吹「みんな揃ってるね?じゃあいざ!東京へ出発!」

 

伊吹以外『はいっ!!』

 

次は東京か……。どんな人達と打てるかな?楽しみ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

次回は抽選のところになります。


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第24話 開会式と抽選。総武高校はどこと戦うことになるのか……

今回もよろしくです。


~東京~

 

伊吹「さて、とりあえずホテルに向かうよ。着いたら明日までは自由行動とする」

 

伊吹先生の指揮の元に私達はホテルに向かう。

 

 

~そして~

 

伊吹「3部屋とってあるから2人に別れてね~」

 

杏子「鈴音先輩!私と同じ部屋にしましょう!!」

 

早い。早いよ杏子ちゃん……。

 

未来「あら、鈴音と同じ部屋は私なのだけれど」

 

対抗心?を燃やす未来。やめて!私のために争わないでよ!!

 

伊吹「……部屋割りはくじで決めるよ」

 

鈴音「苦労かけてすみません……」

 

伊吹「モテる女は辛いね~?」

 

鈴音「いやいや、私に百合でもなければレズでもないですからね?」

 

くじの結果は未来と杏子、美咲と綾香、私と伊吹先生となった。

 

未来「……まぁいいわ。ライバルではあるけれどよろしくね」

 

杏子「未来先輩には絶対に負けません……!」

 

……麻雀のライバルだよね?

 

綾香「よろしくお願いします!美咲先輩!!」

 

美咲「うん!こちらこそよろしくね!!」

 

こっちは平和でいいなぁ……。

 

伊吹「私は部屋を空けることが多いと思うから実質鈴音の1人部屋だね」

 

鈴音「……そんなに忙しいんですか?」

 

伊吹「主に人に会うっていう用事があるからね。まぁ流石に君達が打ってるときは離れないけど」

 

まぁそりゃそうか……。そんな感じで部屋割り騒動?は幕を閉じた。

 

 

 

~そして~

 

部屋に入り私はなんとなく黄昏ていた。

 

伊吹「もしかして不安だったり?」

 

鈴音「不安……なんですかね?団体戦は私は1度も打てていませんから大将としての役割がキチンと果たせるかな……とか考えてしまったり……」

 

伊吹「なるようにしかならないんじゃないかな。鈴音は鈴音の麻雀を打てばいいんだよ」

 

鈴音「私の……」

 

伊吹「そうそう。……私はちょっと人と会ってくるからね。明日にはちゃんと戻ってくるから」

 

鈴音「それは普通のことでしょう?」

 

伊吹「手厳しいね~」

 

そう言いながら伊吹先生は去っていった。

 

……私は私の麻雀を打てばいい……か

 

 

~翌日~

 

抽選の時間なんだけど……。

 

伊吹「よし、ジャンケンで誰が引くか決めといて」

 

未来「……こういうのは普通部長が引くのではないのですか?」

 

伊吹「去年まではそうだったみたいだけど、今年からは引きたい人が引いてもいいってさ」

 

麻雀協会に何があったんだろう……?

 

鈴音「だったら美咲に引いてもらおうかな」

 

美咲「私が……?」

 

鈴音「うん、団体戦のMVPに引いてほしいからね」

 

美咲「わ、わかったよ……」

 

流石に今のが皮肉だってことが伝わったようだ。

 

司会『総武高校……42番です!』

 

抽選で美咲が引いた番号は42番のようだ。

 

未来「42番……第4ブロックね」

 

鈴音「確か臨海がいるブロックだよね?」

 

未来「ええ、2回戦で当たることになるわ」

 

綾香「臨海って去年の個人戦で4位だった辻垣内智葉がいるところですよね?」

 

鈴音「それだけじゃなく毎年海外からの留学生が活躍するところだね。去年までは全員外国人だったらしいよ」

 

杏子「でも今年はその辻垣内さんが先鋒にいましたよね?」

 

鈴音「大会のルールで先鋒は日本人じゃないと駄目だそうだよ。杏子の相手だから頑張ってね」

 

杏子「はい……!先輩の期待に答えてみせます!」

 

等と話していると美咲がこちらに戻ってきた。

 

美咲「戻ったよ!」

 

伊吹「開会式が終わったらホテルに帰るよ」

 

開会式が終わり、私達はホテルに帰った。

 

 

~ホテル~

 

伊吹先生は戻るなり人と会うと言ってどこかへと行ってしまった。……どこに行ったんだろう?

 

竜華『開会式の抽選、引いたん美咲ちゃんやんな?どうやって決めたん?』

 

鈴音「団体戦のMVPだからね。それに個人戦も1位だしそれなら美咲が……って」

 

私は千里山の部長である竜華と電話で話していた。

 

竜華『……美咲ちゃん凄かったなぁ。あれ見てセーラも負けてられへんって言ってたし』

 

そういえばセーラも中堅だったね。去年の個人戦でも美咲とセーラはいい勝負をしていたのを覚えているよ。

 

竜華『そんなことより今年は鈴音ちゃんと未来ちゃんも出てくるんやな』

 

鈴音「そうだね」

 

竜華『個人1位~3位総取りとかすごいやん!』

 

鈴音「そうかな?」

 

竜華『そんな総武高校が出てくるんやから他もうかうかしてられへんわ。うちらもやけど』

 

鈴音「順当に勝ち続けたら千里山とは決勝で当たるね」

 

竜華『まぁうちらは準決で白糸台と当たるけどな』

 

鈴音「2校は決勝に行けるし、足下を掬われない限りは大丈夫だと思うけど……」

 

竜華『そうやな……』

 

あっ、でも阿知賀が同じブロックにいるんだっけ?

 

竜華『セーラとかは決勝で総武と戦う気満々みたいやけど』

 

恐らく電話の向こうで竜華は苦笑いをしているだろう。

 

鈴音「まぁお互い頑張ろう」

 

竜華『うん!』

 

鈴音「じゃあね」

 

私は竜華との通話を終わらせてホテルのベッドに倒れこんだ。

 

それにしても今日は開会式の緊張で疲れた……。

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

原作を色々改変しました。ちなみに原作通りだと千葉県代表は1回戦で宮守に負けます。そのポジションは本来42番である八桝に請け負ってもらいました。


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第25話 2回戦全日の総武高校部員達。1回戦はキングクリムゾン?

今回もよろしくです。


1回戦、私達のブロックは中堅戦が今終わったところで美咲が戻ってきた。

 

美咲「戻ったよ!」

 

鈴音「お疲れ様。今日は対戦校を飛ばさなかったんだね?」

 

美咲「もう!それはやめてよ!!」

 

頬を膨らませて美咲は言う。なんか可愛い……。

 

美咲「ところで何を見てたの?」

 

未来「私達の上のブロックの試合よ」

 

ちなみに私達が見てたのは清澄のところである。

 

綾香「清澄の竹井さんすごいですね。もうこれで5連荘ですよ」

 

しかも既に1校飛び寸前だしね。

 

杏子「あっ……」

 

アナウンサー『決まった!清澄の竹井選手、怒涛の6連荘で副将に回すことなく1回戦を突破しました!!』

 

一応原作通りの展開なんだけどこれは……。

 

未来「私達……というより美咲がやったことを意趣返しというわけね」

 

鈴音「確かに。彼女も中堅だから準決勝には美咲と当たるね」

 

美咲「これは私も負けてられないよ!」ゴッ

 

何故か闘志を燃やす美咲。竹井さんの麻雀を見て火がついたようだ。

 

鈴音「そのやる気と熱気は2回戦にぶつけてね」

 

美咲「もちろんだよ!!」

 

アナウンス『間もなく副将戦が始まります。選手は会場に向かってください』

 

綾香「それでは行ってきます!」

 

杏子「綾香ちゃん、頑張って……!」

 

未来「なんなら副将で終わらせても構わないわよ」

 

おい馬鹿やめろ!フラグを建てるんじゃない!!

 

綾香「はい!!」

 

はい!!じゃねぇよ!すごいいい返事だったけども!

 

 

その後綾香は他校を飛ばして1回戦は幕を閉じた。また私の出番なかったよ……。

 

 

 

~翌日~

 

今日は試合がない日だ。伊吹先生もどこかに行っちゃったしとりあえずテレビを見よう。

 

 

アナウンサー『先鋒戦終了!園城寺選手、他校との点差を大きく開けました』

 

丁度先鋒戦が終わったところか……。結果は怜の無双で原作以上に稼いでいた。千里山が2回戦落ちする心配はないかな?

 

pull…pull…。

 

ん?電話か…誰からだろう……?この番号は確か……。

 

 

~そして~

 

鈴音「そっちも東京にいるんだ」

 

私が今電話しているのは千葉の個人戦でお世話になった霜崎絃(しもざきいと)。県予選が終わった後に交流を深めてたまに遊ぶようになったのだ。ちなみに個人戦4位である。

 

絃『鈴音さん達の応援と……あと荒川さんに呼ばれていまして』

 

そういえば原作でも荒川さん達といたような……。

 

鈴音「態々ありがとう」

 

絃『よろしければこの後会えませんか?』

 

暇していたから丁度いいかも。

 

鈴音「今日は試合がないから別に構わないけど」

 

絃『それでは会場前でお待ちしていますね』

 

鈴音「了解」

 

私は通話を終了して部屋を出た。

 

 

 

 

~そして~

 

鈴音「ごめん、待ったかな?」

 

絃「いえ、問題ありませんよ」

 

なんか男女がデートでするやりとりみたいになってるような気がする……。

 

鈴音「それで……どこ行く?」

 

絃「特に決まってはいませんね」

 

鈴音「じゃあ適当に歩こうか」

 

絃「はい……」

 

 

~そして~

 

絃「気が付いたら外はもう暗いですね……」

 

鈴音「それほどまでに夢中で遊んでたってことかな?いい気分転換になったよ。ありがとう絃」

 

絃「いえ、鈴音さんにお礼を言われるようなことはしてませんよ」

 

鈴音「そんなことないよ。これで明日の試合も頑張れそうだ」

 

絃「2回戦は出番があるといいですね」

 

痛いところをついてくるねこの子は……。と絃と談笑しながら歩いていると……。

 

鈴音「ん……?」

 

絃「どうかしました?」

 

あそこにいるのって伊吹先生?阿知賀の監督である赤土さんと宮守の監督をしている熊倉さんも一緒だ。そういえば伊吹先生が今日は監督会議があるって言ってたな。何を話しているのかな?

 

ドンッ!!

 

???「す、すみませんっ!!」

 

考え事をしていたらどうやら誰かとぶつかったようだ。……ってこの人達は阿知賀の人達だ。

 

鈴音「いや、こっちが余所見してたのがいけなかったんだ。申し訳ない。確か阿知賀の松実玄(まつみくろ)さんであってるよね?」

 

玄「は、はい!あなたは……」

 

鈴音「千葉県代表総武高校の大宮鈴音。互いに勝ち進めば決勝で当たるよ」

 

穏乃「総武高校……?どこかで……」

 

憧「アンタ忘れたの?5月に練習試合したところでしょうが……」

 

穏乃「そ、そうだ!」

 

鈴音「まぁそのとき私は別行動だったからしょうがないよ。それより松実さんは何やら浮かない顔をしていたけどそれはさっき向こうを歩いていた赤土さん達と何か関係があったりする?」

 

灼「どうしてそれを……」

 

鈴音「どういうわけかうちの顧問も一緒にいたようでね。何を話しているのかを確かめようとしたところに君達と出くわしたってことだよ」

 

宥「そうだったんだ……」

 

絃「鈴音さん?その人達は……」

 

鈴音「彼女達は奈良県代表阿知賀女子の人達だよ」

 

絃「そうなんですね。私は霜崎絃と言います」

 

鈴音「それで……何かあったの?」

 

憧「えっと……」

 

新子さんが事情を話す。……というか敵である私に話してもいい内容じゃないような……。

 

鈴音「成程、強くなりたい……か」

 

それは日々私も思っていることである。むしろそう思わない人の方が少ないと思う。

 

鈴音「悪いけど私では力になれそうもないね」

 

穏乃「そう……ですか」

 

鈴音「でもそこにいる絃ならできると思うよ」

 

玄「えっ?」

 

松実玄さんを始めに絃を含めたみんなが私に注目する。

 

絃「私……ですか?」

 

鈴音「絃は団体戦に出てないし、個人戦で4位という戦績を残している。それに比べ阿知賀のみんなは個人戦に出てないから個人戦の代表者と麻雀を打つことができるってわけだよ」

 

憧「そっか……そうだよ!」

 

灼「確かに……それなら……!」

 

玄「私達……」

 

穏乃「強くなれるかも!!」

 

宥「うん……」

 

絃「何やら状況がいまいち飲み込めませんが、私はどうすればいいのでしょう……?」

 

おいてけぼりになっている絃に私は言う。

 

鈴音「絃は彼女達と麻雀を打ってほしいんだ。これなら絃も彼女達も強くなれる」

 

絃「……鈴音さんが言うならそうですね。わかりました。明日でよければ荒川さんに連絡してみます」

 

穏乃「ありがとうございます!!」

 

鈴音「それじゃあ私は帰るよ。明日も試合があるし」

 

絃「はい。お疲れ様でした」

 

鈴音「阿知賀のみんなも頑張ってね」

 

と言い残し私はホテルへと帰っていった。

 

私……敵に塩を送っているけど問題ないよね……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

次回はいよいよ2回戦!?


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第26話 全国大会2回戦①

今回もよろしくです。


今日は2回戦。第4シード校である臨海と南北海道代表の有珠山に北神奈川代表の東白楽との対局。どこの高校もかなり手強い。今日こそ大将の私まで……回って来るよね?それはひとまず置いといて……。

 

綾香「杏子、そろそろ行かないと」

 

杏子「うん……!」

 

美咲「頑張ってね!!」

 

未来「精一杯やるのよ」

 

伊吹「力を出しきれ!」

 

杏子「はい……」

 

鈴音「1回戦よりも手強い相手だけど自分を信じて打てば大丈夫。頑張って」

 

杏子「はい……!」

 

どこか緊張しながら会場へと向かった。1回戦より緊張してるような……。

 

テレビをつけると私達の試合する会場が映し出された。

 

 

恒子『さあ、間もなく全国大会2回戦第4試合が始まります!ベスト8に進める2校は果たしてどこか!?』シュバッ

 

健夜『変な音が入るから妙な動きはしないようにね…』

 

私達のブロックの2回戦の実況は福与恒子(ふくよこうこ)さんと小鍛治健夜さんの2人のようだ。このコンビは芸人としてもやっていけそうだね。

 

恒子『先鋒戦の選手を紹介するかも!』

 

健夜『絶対にしてね!?』

 

恒子『まずは北神奈川代表の東白楽!先鋒は横溝沙耶(よこみぞさや)!2年ながらもエースへと昇格するほどの実力を持っています!!』

 

確か横溝さんは去年の個人戦で18位という戦績を残している。彼女も杏子にとってはいい相手になりそうだ。

 

恒子『お次は南北海道代表の有珠山高校です!先鋒は本内成香(もとうちなるか)!小動物系の可愛い女の子です!!』

 

健夜『一体なんの紹介をしてるの!?……有珠山高校は初出場ですが、1回戦をしっかりと突破しています。この2回戦の戦いにも期待ですね。本内さんはこの2回戦でどのような麻雀を打つのでしょうか』

 

本内さんは麻雀の経験は確か今年からだったはず……。杏子も今年から本格的に始めたから本内さんも油断できないね。……福与アナウンサーのコメントについてはスルーの方向で。

 

恒子『そして千葉県代表の総武高校!こちらも初出場です!先鋒は妹尾杏子!こちらも小動物系の可愛い女の子です!しかも彼女は胸が大きい!!』

 

健夜『だからなんの紹介をしてるの!?次ふざけたら追い出すよ?……総武高校も初出場ですが1回戦は副将で試合を終わらせており、さらに県大会ではすべての試合を中堅で終わらせているところです。もしかしたら優勝候補に食い込んで来るかもしれませんね。妹尾さんにも期待です』

 

小鍛治プロは私達の試合をよく見てるなぁ……。過大評価な気がするけど……。

 

恒子『最後は東東京代表で第4シードの臨海女子!!先鋒は辻垣内智葉(つじがいとさとは)!!昨年の個人戦4位という実力を持っています!!』

 

辻垣内さんの実力は本物……。美咲が攻めに特化してなかったら順位は変わっていただろう。杏子がどこまで彼女に通用するかな?

 

恒子『さあ!先鋒戦開始!!』

 

頑張れ!杏子!!




今回はここまでです。

次回!先鋒戦が加速する……!

東白楽の選手の名前はあくまでオリジナルです。あと4人考えないと……。


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第27話 全国大会2回戦②

今回もよろしくです。


臨海 100000

 

総武 100000

 

有珠山 100000

 

東白楽 100000

 

 

 

杏子side

 

2回戦……1回戦よりも強い高校であることは間違いない。しかも……。

 

智葉「…………」

 

個人戦4位の辻垣内智葉さん。美咲先輩とかなり激しい戦いをしていた人だ。対面しただけで強いことがわかるけど……鈴音先輩やみんなのために負けるわけにはいかない!!

 

~東1局 ドラ 6索~

 

沙耶「リーチ……」タンッ

 

4巡目のリーチ……去年の個人戦でも横溝さんは速度を売りとしていたって鈴音先輩が言ってた。とりあえず現物を合わせ打ちで様子を見なきゃ……!

 

杏子「」タンッ

 

恒子『妹尾選手、横溝選手のリーチに合わせ打ち!!』

 

健夜『総武高校の選手は防御に長けている人ばかりでそれは妹尾選手も例外ではありません。横溝選手の攻撃を見事にかわしています』

 

~そして~

 

沙耶「ツモ……。2000、4000……」

 

1発……しかも捨て牌を見る限り一切の無駄がない。やはり強いのは臨海だけじゃないってことだよね……!

 

 

~東2局 ドラ 2萬~

 

成香「」タンッ

 

智葉「ロン」

 

成香「は、はい!」

 

本内さんが辻垣内に振り込む。もしかして本内さんは麻雀の経験が浅かったりするのかな?今のは結構不用意な振り込みだった気がするけど……まぁ私も人のことは言えないけどね。

 

智葉「5200」

 

~東3局 ドラ 南~

 

智葉「ツモ。1300、2600」

 

また辻垣内さん……。このままだとこの人の独壇場になっちゃう……!

 

~東4局 ドラ 1萬~

 

よし、今回はなんとか攻められそう……!

 

沙耶「」タンッ

 

杏子「ポン……!」カシャッ タンッ

 

横溝さんが切った9筒をポンする。ここは私の得意分野を!!

 

 

~そして~

 

杏子「ツモ!3000、6000です……!」

 

上手く対和を上がることができた!この調子で油断しないようにいこう……!

 

恒子『東4局!妹尾選手が跳ね満をツモ上がり!!』

 

健夜『妹尾選手は対和や混老頭などを得意としてるようですね。彼女はこれまでも一九字牌を多くを取り込んでいます』

 

 

~南1局 ドラ 発~

 

杏子「ツモ!4000、8000です!!」

 

恒子『またも妹尾杏子!今度は倍満だぁーーーっ!!』

 

智葉(やはり只者ではないようだな。総武高校の妹尾杏子、大したものだが……これ以上暴れさせるわけにはいかないな……!)

 

 

~南2局 ドラ 4筒~

 

この親もいい手牌だけど……。

 

智葉「…………」

 

恐らくこの局は上がれないと思う……!辻垣内さんに止められると本能で察知してしまった。

 

 

~そして~

 

杏子(……親だけど降りてしまおう)

 

私は親番にも関わらず降りることにした。攻めると辻垣内さんに斬られるような気がしたから……!

 

杏子「」タンッ

 

智葉(そのまま攻めるようなら斬りにいっていたが……防御が様になってるな。確か妹尾は千葉の個人戦で9位の戦績だったか……。佐野美咲といい総武高校は監督が欲しがりそうな人材が揃っていそうだ)

 

 

~そして~

 

杏子「ノーテンです」

 

成香「テンパイ」

 

沙耶「テンパイ……」

 

智葉「ノーテン」

 

辻垣内さんはノーテン……?でもさっきの感覚は気のせいとは思えないけど……。

 

 

杏子sideout

 

 

 

恒子『なんと妹尾選手!親番に勢いを落とす!!』

 

健夜『随分と慎重ですね。このまま攻め続けると思いきや何かを察知したかのような降りっぷりです』

 

杏子の親だが早い段階で降りてしまった。

 

美咲「杏子ちゃんもしかして……」

 

綾香「美咲先輩、何か知ってるんですか?」

 

美咲「うん……」

 

未来「今は杏子を信じましょ」

 

鈴音「そうだね。戻ってきたときに美咲が杏子に伝えたらいいよ」

 

美咲「……そうだね!」

 

 

~そして~

 

成香「ツ、ツモ……1100、2100です……!」

 

智葉「ツモ、2000、3900」

 

南場の残り2局は本内さんと辻垣内さんのツモ上がりによって終わり……。

 

恒子『前半戦終了!辻垣内選手と妹尾選手の殴り合いかと言わんばかりの展開でした!!後半はどうなるのでしょうか!?』

 

後半戦こそ杏子の踏ん張りどころだね。前半戦はやけにおとなしかった辻垣内さんが恐らく暴れ始めるだろうから……。

 

総武 120100

 

臨海 100700 

 

東白楽 95800 

 

有珠山 83400

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

ちなみに前半戦の親番は臨海、総武、東白楽、有珠山の順番でした。


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第28話 全国大会2回戦③

今回もよろしくです。


杏子side

 

後半戦……辻垣内さんに要注意と美咲先輩に言われ私は卓についた。

 

智葉「ツモ。3000、6000」

 

辻垣内さんは東1局に跳ね満をツモ上がりし……。

 

智葉「ロン。7700」

 

東2局に横溝さんから7700を上がる。後半になって急に攻め始めた。次は辻垣内の親番……なんとか止めないと……!

 

 

~そして~

 

智葉「ツモ。3200オール」

 

 

智葉「ロン。12300」

 

成香「は、はい……!」

 

ダメ……止まらない!

 

 

~東3局2本場 ドラ 3索~

 

辻垣内さんの連荘をなんとか止める……!

 

 

~8巡目~

 

私と周りの捨て牌で辻垣内の連荘を止めるには……ここかな……?

 

杏子「」タンッ

 

成香「ポ、ポン……!」カシャッ タンッ

 

私が切った7索を本内さんがポンする。ならこの局は本内さんにお願いしようかな……?

 

杏子「」タンッ

 

成香「ポン!」カシャッ

 

続けて私の切った中をポンする。本内さんの手は恐らく……!

 

杏子「」タンッ

 

成香「ロ、ロン!8600です!」

 

杏子「はい」

 

これは必要経費だよね……?

 

智葉(止められたか……。やはりこの1年は侮れないな)

 

~そして~

 

 

智葉「ツモ。1600、3200」

 

 

これで東場は終わり……。辻垣内さんにやられっぱなしだから一矢報いたいところなんだけど……。

 

 

~南1局 ドラ 8筒~

 

成香「」タンッ

 

杏子「ポン……!」カシャッ タンッ

 

私はなんとか対和を作ろうと頑張るけど……。

 

沙耶「ツモ……。3000、6000……」

 

上手くできない……!横溝さんもやっぱり強敵みたいだし、本内さんも警戒しないといけない。

 

 

~そして~

 

沙耶「ツモ……。2000、4000……」

 

南2局は横溝さんが満貫を上がり……。

 

沙耶「ツモ……。4000、8000……」

 

南3局、またも横溝さんが倍満をツモする。私は2人の攻撃を凌ぐのが精一杯……。

 

それにしても後半になって横溝さんの調子が良くなってる。鈴音先輩が自分と同じスロースターターって言ってたけどこれがそうなのかな?でも前半戦は最初に上がっていたから情報が変わったのかな!

 

智葉「ロン。16000」

 

恒子『先鋒戦終了!後半は臨海の辻垣内選手が暴れましたが東白楽の横溝選手も負けていない!他の2校もまだまだ挽回のチャンスはあります!!』

 

辻垣内さんが本内さんから倍満を上がるのと同時に先鋒戦が終わり、後半戦の私は焼き鳥という先輩達に顔向けできない結果に終わってしまった……。

 

 

杏子sideout

 

 

臨海 151700 

 

東白楽 114700

 

総武 88700

 

有珠山 44900 

 

 

杏子は1年ながらも頑張ったと思う。辻垣内さんや横溝さん相手に……そして辻垣内さんの連荘をよく止めた。だから私は……。

 

未来「行ってくるわね」

 

綾香「もう行くんですか?」

 

未来「ええ、少し……ね」

 

鈴音「未来」

 

未来「わかってるわ」

 

鈴音「そう……じゃあ任せるよ」

 

杏子のことは未来にお願いしよう。あの2人はどこか似ているところがあるからね。

 

 

未来side

 

私は会場に歩いている。杏子は……いたわ。壁にもたれかかっているようね。責任を感じてるのかしら?

 

杏子「…………」

 

未来「お疲れ様」

 

杏子「未来先輩……すみませんでした。点数を減らしてしまって……後半は1度も……」

 

未来「あなたはよくやったわ。……後は任せなさい」

 

杏子「はい……!」

 

実際に彼女は頑張ったと思うわ。あの辻垣内智葉に対して奮闘した。これを経験としてこれから……主に決勝で当たる宮永照を相手に役に立ててほしいところね。

 

さて、私は私の仕事をしましょうか。……臨海を引き摺り落とすという仕事を……ね。

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

後半戦の親番は総武、有珠山、臨海、東白楽の順番でした。先鋒戦終了なので総武高校の切り込み隊長(作者が勝手にそう呼んでる)である妹尾杏子のプロフィールと能力?を紹介しておきます。


妹尾杏子

総武高校1年 身長156CM B84W49H80

好きなもの(食べ物含む)総武高校のみんな(特に鈴音)、苺、ヨーグルト

苦手なもの(食べ物含む)牛蒡、埃っぽい所や煙たい所

能力1 牌の偏り……特定の牌が来やすくなったり、最初の配牌が特定の牌が多い状態になる(杏子の場合は一九字牌)。

能力2 危険牌察知LV2……他家の当たり牌やテンパイ気配が察知できる(LV2の場合は満貫以上の手に限る)。

以上になります。

次回は次鋒戦になりますがハオの漢字が変換で出ないというピンチに陥りました。読み方を調べてそれを打っても変換できない……。どうしよう……。


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第29話 全国大会2回戦④

今回もよろしくです。


臨海 151700

 

東白楽 114700

 

総武 88700

 

有珠山 44900

 

 

次鋒戦が始まろうとしていたときに杏子が戻ってきた。

 

杏子「ただいま戻りました……」

 

綾香「おかえり、杏子」

 

美咲「お疲れ様!頑張ったね!!」

 

杏子「あ、あの……」

 

鈴音「杏子は何か反省するべきことがあるんだよね?ならその反省を次に活かせばいい。過ぎたことを気にするなって言うのも無理な話だけど、とりあえず今は未来を応援しよう」

 

杏子「はい……!」

 

まだ表情が暗い杏子だけど私の言ったことを理解してテレビの方に集中した。

 

 

未来side

 

恒子『さあ次鋒戦開始です!!』

 

~東1局 ドラ 2索~

 

さて、とりあえずしばらく様子見ね。臨海のハオホェイユーはもちろんのこと有珠山の桧森誓子や東白楽の五十嵐早苗も侮れない。……大体3局あれば十分かしら?

 

ハオ「和、ツモ。300、500」

 

早いわね。まだ6巡目よ?

 

早苗(なに……あれは……?)

 

誓子(やけに不可解な捨て牌のような……)

 

他の2人はまだ気が付いてないようね。あれは中国麻雀であった役で確か一色三歩だったかしら。

 

 

~そして~

 

早苗「」タンッ

 

ハオ「和、ロン。3900」

 

早苗「はい……」

 

 

ハオ「和、ツモ。1000、2000」

 

東2局、東3局と連続して彼女が上がった。桧森さんと五十嵐さんの打ち方も概ね把握したし、そろそろ動こうかしら。次は臨海の親だしね。

 

 

~東4局 ドラ 8索~

 

早苗「」タンッ

 

未来「ポン」カシャッ タンッ

 

ハオ「」スッ タンッ

 

未来「ロン」

 

ハオ「!!」

 

未来「5200」

 

まずは1つ……どんどんいくわよ。

 

~そして~

 

未来「ツモ。1300、2600」

 

未来「ツモ、500、1000」

 

未来「ツモ。2000オール」

 

恒子『響未来、これで4連続和了!!』

 

健夜『打点は低いものの速度がありますね。臨海のハオ選手も彼女に追い付けていません』

 

 

 

~南3局1本場 ドラ 白~

 

でも流石に堅いわね。捨て牌がほとんど現物だもの。臨海を集中狙いにしようとしたけれど、これは少々難しいかしら。

 

未来「テンパイ」

 

ハオ「ノーテン」

 

誓子「テンパイ」

 

早苗「ノーテン」

 

でもまぁなんとか親は続行できそうね。チームのためにもまずは上がることを優先しましょう。

 

 

~南3局2本場 ドラ 4萬~

 

誓子「」タンッ

 

早苗「チー!」カシャッ タンッ

 

五十嵐さんからテンパイ気配……まぁだからといって止まるわけではないのだけれど。

 

未来「リーチ」タンッ

 

恒子『響選手の親リー!勢いは止まらないのか!?』

 

ハオ「」タンッ

 

未来「ロン、1発よ。18600」

 

ハオ「はい……!」

 

これは思わぬ収穫ね。この調子でどんどん狙っていこうかしら。

 

 

~南3局3本場 ドラ 2筒~

 

桧森さんが1シャンテンね。この局私は上がれそうにないしここは彼女を使わせてもらおうかしら。

 

ハオ「」タンッ

 

未来「チー」カシャッ タンッ

 

誓子「リーチ」タンッ

 

未来「ポン」カシャッ タンッ

 

一応私もこれでテンパイ……。ハオホェイユーはどう出るかしら?

 

ハオ「」タンッ

 

誓子「ロ、ロン!8600!!」

 

臨海の点数も削れたしまぁよしとしようかしら。やはり桧森さんも3年生なだけあって強いわね。

 

 

~そして~

 

未来「ツモ。1600、3200」

 

恒子『前半戦終了!東4局から総武高校響未来による一方的な試合となっています!!一気に1位に浮上しました!!!

 

健夜『それに対して臨海のハオ選手が東3局から上がれていませんね。これに対して彼女はどう思っているのでしょうか』

 

恒子『有珠山と東白楽の巻き返しにも期待したいところです!!』

 

総武 131300

 

臨海 119800

 

東白楽 102100

 

有珠山 46800

 

 

成果は上々……後半戦は臨海からもう少し削っておきたいわね。

 

 

未来sideout

 

 

綾香「す、すごいですね未来先輩……!あの臨海を相手にして圧倒的な……」

 

美咲「今回の未来ちゃん……いつもよりも攻撃的だね」

 

鈴音「未来にも何か思うところがあるんじゃないかな」

 

クールな性格の未来だけど案外熱いところもあるんだよね。あとドS。恐らく臨海に狙いを定めて点数を絞り取ろうとしてるねあれは。まぁ……御愁傷様です。

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

ハオの名前表記何ですが『ハオホェイユー』と片仮名で書かせてもらいました。見にくいかもしれませんがひらにご容赦!!……はい、すみませんでした……。

ちなみに前半戦の親は有珠山、東白楽、総武、臨海の順番でした。

次回、未来がさらに暴れだす!?


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第30話 全国大会2回戦⑤

今回もよろしくです。


未来side

 

さて、後半戦も頑張りましょう。

 

ハオ「…………」

 

ハオホェイユーの雰囲気も前半とは違うみたい。これは彼女の本気も見られそうね。

 

恒子『さあ!後半戦スタートです!!』

 

後半は私がラス親ね。点数稼ぎのチャンスかしら。まぁ油断しないようにいきましょうか。

 

ハオ「和、ツモ。2000、4000」

 

早速ね。……私も様子見するのはもうやめにするわ。

 

~東2局 ドラ 7萬~

 

早苗「リーチ!」タンッ

 

親のダブルリーチ……なんとかこれを臨海へ当ててくれないかしら。

 

ハオ「」タンッ

 

早苗「…………」

 

まぁそんな上手くはいかないわよね……。とりあえず私も合わせ打ちしておきましょう。

 

未来「」タンッ

 

早苗「…………」

 

このままかわしつつ攻めましょうか。

 

~8巡目~

 

早苗「」タンッ

 

未来「ロン。6400」

 

リーチ棒もゲットね。この調子でいきましょう。

 

 

~そして~

 

未来「ロン。1000」

 

未来「ツモ。4000オール」

 

未来「ロン。11900」

 

未来「ツモ。8200オール」

 

恒子『響未来が止まらない!これで5連続和了です!』

 

健夜『点数はバラバラですがとにかく速いですね。この速度は高校生随一かもしれません』

 

後続の負担を軽くするためにどんどん上がっていくわよ。

 

 

~東4局3本場 ドラ 東~

 

未来「リーチ」タンッ

 

恒子『響未来、ダメ押しのダブルリーチ!!』

 

さて、このダブルリーチに他家はどうするのかしら?

 

誓子「」スッ タンッ

 

早苗「」スッ タンッ

 

ハオ「」スッ タンッ

 

流石に1発では落ちないようね。でも……。

 

未来「ツモ」

 

今日の私は止まらないわよ……!

 

未来「12300オール」

 

恒子『6連続!6連続和了!!しかも3倍満だぁーーーー!!!これは昨年のインターハイチャンピオンである宮永照に匹敵するかもしれません!!!!』

 

健夜『今日の響選手の勢いはすごいですね。もしかしたらこのまま東4局が終わらないかもしれません。他家は3人で協力してでも彼女を止めたいところです』

 

健夜(伊吹ちゃんが言ってた響未来さん……まさかここまですさまじいとはね。これは確かにプロより強いというのも大袈裟じゃないかも。大将の大宮さんもこれくらいすごいのかな?)

 

 

~東4局4本場 ドラ 5筒~

 

このままずっと東4局を続けたいところだけれど他家がそうはさせないでしょうね。1度クールダウンにしましょう。

 

未来「ノーテン」

 

誓子「テンパイ」

 

早苗「テンパイ」

 

ハオ「テンパイ」

 

恒子『響未来、連荘ストップ!本場数を引き継いで南入です!!』

 

健夜『しかし他家の当たり牌をしっかりと抑えています。響選手はこれまでの戦績を見る限り攻めることより守りを得意としているようです』

 

恒子『それであの連荘なのでしょうか!?』

 

健夜『少なくとも大会中はここまでの勢いを見せてはいません。ですがもしかしたらこれが彼女のスタイルなのかもしれませんね』

 

とりあえず南入ね。親が来るまでは守りつつ臨海の点数を削りましょう。

 

それにしても全員テンパイとはね……。責めてリーチ棒を出してほしかったわ。

 

 

~南1局 流れ5本場 ドラ 9索~

 

誓子「」タンッ

 

未来「ポン」カシャッ タンッ

 

桧森さんから場風である南をポンする。この局は無難に安く手を仕上げるわ。

 

 

~そして~

 

早苗「」タンッ

 

未来「ロン。2500」

 

五十嵐さんからノミ手を上がる。ハオホェイユーがおとなしい気がするけれど上がれないのなら都合がいいわ。

 

 

~そして~

 

ハオ「和、ツモ。1600、3200」

 

ハオ「和、ツモ。500オール」

 

ハオ「和、ツモ。1100オール」

 

ハオ「和、ツモ。2200オール」

 

……かなり調子づいてるわね。今までの失速した勢いを取り戻すつもりかしら?

 

 

~南3局3本場 ドラ 発~

 

このあたりで止めておきたいけれど……私の手牌では無理そうね。捨て牌を見る限り1番上がりに近いのは桧森さんね。しかも割と大きいわ。臨海が振り込まないかしら。

 

誓子「ツモ!4300、8300!!」

 

倍満……まぁ貯金はまだまだあるし、次のオーラスでできるだけ稼ぎましょうか。

 

 

~南4局 ドラ 1筒~

 

オーラスでこの手牌……鈴音じゃないけれどこれは国士無双を作れと言ってるようなものよね。

 

 

~4巡目~

 

……国士無双をテンパったわ。親だけれどとりあえずダマでいきましょう。

 

未来「」タンッ

 

早苗「ポン!」カシャッ タンッ

 

五十嵐さんの副露……。早く次鋒戦を終わらせたいようね。

 

誓子「ポン!」カシャッ タンッ

 

桧森さんも同じように鳴く。どうやら私はかなり警戒されてるようね。私とハオホェイユーのツモ順を見事に飛ばしてるわ。

 

 

~9巡目~

 

有珠山と東白楽の連携によってツモ順を飛ばされ、やっと来たツモ順で引く牌はヤバめのものばかり……。余り長引くのもよくないし降りようかしら……?

 

ハオ「」タンッ

 

さて……あら。

 

未来「ツモ」

 

どうやら神様は私にまだまだ頑張れと言ってるようね。

 

未来「16000オール」

 

恒子『な、なんと!国士無双炸裂!!』

 

健夜『これは他家にはかなりきついものになりますね』

 

未来「」スッ

 

恒子『そしてラス親続行!どこまで走り続けるのでしょうか!?』

 

まぁこんなものね。あとは美咲が暴れて2回戦終了かしら?

 

 

~そして~

 

ハオ「和、ツモ。3100、6100」

 

恒子『次鋒戦終了!なんと響未来、この後半戦だけで120000点以上稼いでいます!!しかもその内の1度は役満です!!』

 

健夜『響選手は最早高校生のレベルを遥かに越えていますね。彼女がプロ入りするとプロ全体が荒れるのではないでしょうか。これからにも期待です』

 

未来「お疲れ様」

 

未来(久しぶりに暴れたわ。鈴音が馬鹿やらない限りは準決勝進出は確実ね)

 

ハオ「お疲れ様でした……」

 

ハオ(まさに圧巻……という感じですね。準決勝に上がれるとして彼女の相手が私に務まるでしょうか?)

 

誓子「あ、ありがとうございました……」

 

誓子(点棒が10000とちょっとだけ……これうちが飛ばないかしら……?)

 

早苗「……ありがとうございました」

 

早苗(私だけ焼き鳥の上に個人戦の持ち点みたくなってる……)

 

恒子『他の3校は総武高校を上回ることができるでしょうか!?お昼休みを挟んだ後に中堅戦になります!!』

 

 

 

総武 255700

 

臨海 109100

 

東白楽 24400

 

有珠山 10800

 

 

 

さて、控え室に戻りましょう。

 

 

未来sideout

 

 

 

 

 

次鋒戦終了……。未来暴れすぎじゃない?辻垣内さんもビックリの暴れようだよ?このままだとまた私の番が来なくなるよ!有珠山と東白楽には頑張ってもらわないといけない!!

 

未来「戻ったわ」

 

綾香「お疲れ様です!すごいですね!もう有珠山と東白楽が虫の息ですよ!!」

 

鈴音「やりすぎだよ未来……。これじゃあまた私の出番無くなるじゃん」

 

未来「私もまさかあそこまで上がれるとは思わなかったわ」

 

鈴音「……まぁいいや。とりあえずお昼にしようか」

 

中堅戦の前の腹ごしらえしよう。……私の出番……あるよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

作者も引くくらいの未来無双でした……。結果2校が死にかけるという……。ちなみに後半戦の親は有珠山、東白楽、臨海、総武の順番でした。

未来のプロフィールと能力?を挙げます。



響未来


総武高校3年 身長163CM B82W46H78

好きなもの 総武高校のみんな(特に鈴音)、珈琲、アイス

嫌いなもの ヌルヌルしたもの、TPOを弁えない人間

能力1 転生の加護……ある人物によって与えられたもの。これにより他家の能力の影響を受けない(早い話そげぶ)。有効牌を引きやすい(例外あり)。

能力2 危険牌察知LV5……他家の当たり牌やテンパイ気配が察知できる(LV5なのでほぼ全ての当たり牌、テンパイ気配が察知可能)。


以上になります。能力は追加される可能性があります。


次回はお昼休みの回になります。




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第31話 全国大会2回戦⑥

今回は麻雀を打ちません。所謂休憩回です。では今回もよろしくです。


昼休み、みんなとごはんを食べていると飲み物がないことに気が付いた私は飲み物を買いにいくことにした。

 

智葉「大宮じゃないか」

 

廊下を歩いていると辻垣内さんに声をかけられた。何の用だろう……?

 

鈴音「辻垣内さん、どうしたの?」

 

智葉「少し話をしたい。時間はあるか?」

 

辻垣内さんに話をしようと言われた。大将戦までは時間もあるし……。

 

鈴音「いいよ」

 

智葉「そうか。助かる」

 

未来達に控え室に戻るのが遅れることを携帯できる伝えてっと……。

 

 

~そして~

 

智葉「まさか響未来があそこまで強いとはな……。全くの想定外だった。あれほどの実力を持っていながら何故去年も一昨年も大会に出なかったんだ?これはおまえにも言えることだが」

 

未来の暴れっぷりを見て辻垣内さんが私に聞く。まぁ当然の疑問だね。

 

鈴音「未来の方は詳しく知らないけど、私は実力を底上げするために個人戦出場を辞退したんだ。団体戦は人数不足で出られなかったけどね」

 

智葉「人数不足?」

 

鈴音「うん、今年になって後輩が2人入ることで団体戦に出ることができた。そして今年は去年と一昨年で磨きあげた実力がどこまで通用するか試してみたいというのもあって個人戦にも出場したんだ」

 

智葉「おまえのところにも色々と事情があるんだな。本音を言えば先鋒戦で佐野美咲と戦えることを期待したんだがな。去年の個人戦での仮を返したかったし」

 

鈴音「まぁ美咲は去年自分がどこまで通用するか確かめたいって言ってたからね。その結果は辻垣内さんも知っての通り2位だった」

 

あれは本当に惜しかった。宮永照とは僅差だったしね。

 

鈴音「そんなわけで美咲と戦うなら個人戦になるね。美咲は中堅だし」

 

智葉「そうなるな。だが私は先鋒である妹尾杏子もかなりの実力だと思っているが……あいつは個人戦に出ないみたいだな」

 

鈴音「杏子の実力を買ってくれてありがとう。個人戦は私達総武高校の3年が1位~3位を総取りしたからね。杏子は9位だったよ」

 

杏子は県予選よりも確実に強くなってる。もちろん私達もだけど。

 

智葉「そういえば大宮も個人戦に出るんだったな。響未来のこともあるし、おまえからも強者の匂いがするし、今年のインターハイは総武高校を中心に荒れるな」

 

まさか辻垣内さんも相手の気を感じることができるの?私達と同じあの世界の出身だったりして……。それはないか。

 

鈴音「まぁ私達も優勝以外はあり得ないというつもりで試合に挑んでるからね」

 

智葉「それは私達も同じことだ」

 

まぁそれはどこの高校にも言えることだよね。

 

智葉「私はそろそろ戻る。話してくれてありがとう」

 

鈴音「いいよ、気にしないで」

 

辻垣内さんが戻ろうとしたので私は何かを思い出すように彼女に言う。

 

鈴音「そうそう、いいことを教えてあげるよ」

 

智葉「なんだ?」

 

足を止めた辻垣内さんに私は耳打ちをする。

 

智葉「なっ……!?」

 

鈴音「ふふっ、じゃあ私は行くね」

 

私は控え室の方に歩いていく。辻垣内さんは何やら呆然としているようだ。

 

 

智葉side

 

私は大宮鈴音の言ったことが頭から離れなかった。

 

鈴音『未来の実力はまだまだあんなものじゃないよ。もしかしたら宮永照をも凌駕するかもね』

 

確かにあの次鋒戦は響未来のワンサイドゲームだった。寧ろよくうちがあの程度の失点ですんだものだとも私は思っている。それはハオが後半にある程度上がっていたからだが……。

 

それなのにあれをさらに上回るだと……?なんにせよ個人戦で当たらないことにはわからない……か。

 

智葉「この大会が益々楽しみになってきたな」

 

私は誰にも聞こえない声でそう呟いた。

 

 

智葉sideout

 

 




今回はここまでです。

次回、中堅戦で美咲は……。


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第32話 全国大会2回戦⑦

今回もよろしくです。


恒子『間もなく中堅戦が始まります!選手のみなさんは会場に集まりください!!』

 

美咲「………………」

 

いつも騒がしい美咲がやけにおとなしい。そういえば次鋒戦の途中から静かだったけど……。

 

鈴音「美咲?」

 

美咲「………………」

 

聞こえてないのかな?それとも無視されてる?何それ悲しい……。

 

鈴音「おーい……」

 

美咲「あっ……ゴメンね鈴音ちゃん」

 

鈴音「いや、別にいいんだけど……どうしたの?」

 

美咲「うん……なんかね、もう少しなんだよ」

 

鈴音「……何が?」

 

美咲「もう少しで何かコツみたいなのを掴めそうなんだ。だからずっと考えてたんだよ。それを掴むことができたら今より強くなる……そんな気がして」

 

コツ……?何かわからないけど……。

 

鈴音「そっか……この中堅戦で掴めるといいね」

 

美咲「うん……!じゃあ行ってくるね!」

 

そう言って美咲は会場へと歩いていった。

 

鈴音「……今のを聞いて未来はどう思う?」

 

未来「美咲は恐らくだけれど覚醒するのではないかしら?」

 

鈴音「覚醒……?」

 

未来「今ある力が強化される……そのような感じね」

 

もしかしたら美咲の特徴である高火力がさらに進化したりして……だとしたら個人戦での1番の敵になるかもしれないね。

 

綾香「それって美咲先輩がもっと強くなるってことですよね?」

 

未来「まぁそうなるわね」

 

綾香「すごいなぁ……。これは私達も負けてられないよ杏子!!」

 

杏子「うん……!」

 

鈴音「元気になったみたいだね杏子」

 

杏子「はい……ご心配をおかけしてすみませんでした」

 

鈴音「気にしないで。人間元気と真面目が1番だから」

 

 

例えば美咲みたいな人間が将来大物になったりするのだろう。……というか美咲は現時点でものすごい大物になってるけど。色々な意味で……。杏子もそのあたりはわかってるようで小さく頷いてる。

 

鈴音「それがわかればいいんだよ。さあ試合を見るよ」

 

杏子「はい!」

 

うん、完全に調子が戻ったみたい。……それにしても大将まで回ってくるよね?

 

恒子『中堅戦スタートです!!』

 

とりあえず美咲が有珠山か東白楽を飛ばさないことを信じよう。

 

~少し前~

 

 

美咲side

 

全国大会が始まる前から私は何か掴めそうな……そんな感覚があった。

 

もしも『それ』を掴むことができるなら去年よりも確実に強くなってるであろう宮永さんを追い抜くことができるかもしれない……。そして未来ちゃんや鈴音ちゃんと肩を並べることができるかもしれない……!

 

1回戦で『それ』が手の届くところまで来た。『それ』を手にするためにも……鈴音ちゃんにバトンを回すためにもこの中堅戦は……。

 

明華「…………」

 

恒子『中堅戦スタートです!!』

 

この風神と呼ばれる彼女から有珠山と東白楽を守りながら頑張るよ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

次回、美咲は有珠山と東白楽を守りながら明華に攻撃を……?


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第33話 全国大会2回戦⑧

今回もよろしくです。


美咲side

 

総武 255700

 

臨海 109100

 

東白楽 24400

 

有珠山 10800

 

とりあえず前半は守りに入りつつ有珠山と東白楽に点をあげたいところだね。じゃないと飛んじゃって鈴音ちゃんに怒られるよ……。

 

美咲「」タンッ

 

揺杏「ロン!8000!!」

 

私は有珠山の岩館揺杏(いわだてゆあん)ちゃんに満貫を差し込む。まずは1つ……!

 

 

~そして~

 

揺杏「ロン!12000!!」

 

揺杏「ロン!18000!!」

 

続けざまに岩館さんに跳ね満を差し込む。有珠山は一旦終わって次は東白楽の土方美結(ひじかたみゆ)ちゃんに……!

 

~そして~

 

美結「ロン。5500」

 

美結「ロン。8000」

 

美結「ロン。11600」

 

恒子『どうした佐野美咲!?有珠山と東白楽から連打を喰らいまくっているーーー!!』

 

健夜『これは振り込みというよりは差し込みですね。現に臨海は今のところ1度も上がれていません。佐野選手にどういう意図があるのでしょうか』

 

こちらには有珠山よりも低めの点を差し込む。南入したし、そろそろ私も動こうかな?

 

 

~南2局1本場 ドラ 6筒~

 

美結「」タンッ

 

美咲「ポン!」カシャッ タンッ

 

明華「」タンッ

 

美咲「ロン!8300!!」

 

私は臨海から点を取っていこう!

 

 

~そして~

 

美咲「ロン!6400!!」

 

美咲「ロン!16000!!」

 

よし!なんとか続けて臨海から取ることができたよ!!後半は飛びそうにならない限りは私も有珠山と東白楽を守らなくてもいいかな?

 

恒子『前半戦終了!臨海の雀明華が焼き鳥という事態を誰が予測したか!後半戦に意地を見せることができるでしょうか!?』

 

健夜『佐野選手はこの前半戦に有珠山と東白楽の点数を回復させていたようですが、後半戦も同じように動くとは思えませんね』

 

恒子『何故その2校の点数を回復させたのでしょうか?』

 

健夜『細かい理由までは知りませんが恐らく大将までバトンを回そうとしているのでしょう。これまでの総武は団体戦の間1度も大将まで回っていません。あとはこの前半戦は1度もツモ上がりをしていませんから』

 

恒子『成程……!大将の大宮鈴音の力をみんなに見せつけてドヤ顔をするためですね!!』

 

健夜『誰もそこまで言ってないよ!!』

 

よし!後半戦は攻めるよ!!

 

 

総武 223300

 

臨海 78400

 

東白楽 49500

 

有珠山 48800

 

 

美咲sideout

 

流石!美咲はやればできる子だって信じてたよ!!30000点以上失点してるけどこんなの必要経費だよ!

 

美咲「ただいま!!」

 

未来「随分と2校に点を恵んだのね」

 

そんな言い方しないの。その通りだけど……。実際なめられてると思っていても可笑しくないからね。

 

美咲「うん……。これくらいあげないと風神相手にはもたないと思ったから……」

 

綾香「もしかしたらこの前半戦でどっちかが飛ぶかもしれませんでしたからね」

 

美咲「でも後半戦は暴れるよ!!」

 

鈴音「私まで回ってさえ来たらこの際なんでもいいよ」

 

本当にそろそろ私だって団体戦で打ちたいんだよ!

 

美咲「じゃあそろそろ行くね!!」

 

鈴音「程々にね」

 

美咲「うん!」

 

中堅戦が始まる前の美咲はいなくなり、元の元気な美咲に戻ったようだ。……そういえばコツのことを聞くのを忘れてたな……。

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

次回、後半戦に美咲は前半に失点した点を取り戻せるか!?

ちなみに前半戦の親番は東白楽、総武、有珠山、臨海の順番でした。


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第34話 全国大会2回戦⑨

今回もよろしくです。


美咲side

 

恒子『後半戦スタート!!』

 

さあ……いくよ!!

 

美咲「ツモ!2000、4000!!」

 

恒子『後半戦東1局に早速佐野美咲!満貫をツモる!!』

 

よし!この調子でどんどんいこう!!

 

 

~そして~

 

美結「」タンッ

 

明華「ロン」

 

やっぱり動いてきたね……!風神……雀明華ちゃん。

 

明華「5200です」

 

美結「はい……!」

 

でも私はもう庇わないよ。鈴音ちゃんには悪いけど、振り込む方が悪いんだから……!でも……。

 

明華「ツモ。3000、6000です」

 

明華「ロン。12000です」

 

揺杏「うっげ……!」

 

このままあの子が暴れ続けるのも良くないね。絶対に止める!!

 

美咲「ツモ!1400、2700!!」

 

美咲「ツモ!2000、3900!!」

 

美咲「ロン!7700!!」

 

美咲「ツモ!8000オール!!」

 

明華「ロン。2900です」

 

恒子『佐野美咲!前半の失速を取り戻す勢いでどんどんと上がっていきます!!止まりません!!」

 

健夜『臨海の雀明華選手も負けじと上がっていますが、佐野選手の方が上手ですね。彼女は今回のインターハイで稼いだ得点は全選手の中で1番多いです。それは上がりの数もありますが、やはり打点が高いことが1番の理由でしょう』

 

揺杏「……ツモ!1000、2000!」

 

恒子『中堅戦終了!!この中堅戦も総武と臨海の殴り合いでした!有珠山と東白楽はこの戦いに巻き込まれないようにするので精一杯なのか!?』

 

健夜『副将、大将で是非とも2校の意地を見せてほしいところですね』

 

総武 268500

 

臨海 88600

 

東白楽 22400

 

有珠山 20500

 

美咲sideout

 

 

中堅戦が終わった後の点数を見ると始まる前と余り変わってないような……。でも有珠山は何気に+収支だったし、それでいて臨海の点数を削っている。美咲は美咲なりに頑張った結果がこれなのだ。

 

美咲「帰ったよ!!」

 

鈴音「お疲れ様。頑張ったね」

 

美咲「ありがとう!」

 

綾香「でも有珠山と東白楽が……」

 

杏子「このまま変わらず飛びそうな点数……」

 

未来「1回戦とほとんど変わらないじゃない」

 

その点数の元凶が何を言うか!まぁ過ぎてしまったことはしょうがないけど……。

 

杏子「次は綾香ちゃんだね!頑張ってね!!」

 

綾香「うん!私なりに精一杯打つよ!」

 

鈴音「綾香」

 

綾香「はい?」

 

鈴音「絶ッッッッッ対に私に回してね?間違えても1回戦のように他校を飛ばさないでね?」

 

未来「これは振りね」

 

美咲「間違いなく振りだよ綾香ちゃん!」

 

おい馬鹿!やめろ!!

 

鈴音「振りなんかじゃ絶対ないから。本当に私に回すように……!」

 

綾香「は、はい……」

 

このときの私の顔はまるで般若のようだと現場を見ていた杏子が言っていた。

 

 




今回はここまでです。

この中堅戦は短くいかせてもらいました。技量不足で申し訳ない……!後半戦の親番は有珠山、東白楽、総武、臨海の順番でした。


では中堅戦終了ということで佐野美咲ちゃんのブロフィール&能力?の紹介です。


佐野美咲


総武高校3年 身長154CM B83W48H81

好きなもの 総武高校のみんな、チョコレート、中学の頃に仲良くなった剣由輝子ちゃん

苦手なもの 人を見下したりする人、茸類

能力1 怒涛の火力……配牌が満貫以上になりやすい

能力2 危険牌察知LV3……他家の当たり牌やテンパイ気配を察知できる(LV3の場合は3翻以上の手牌を察知できる)。

以上になります!

次回は副将戦になります。……多分。


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第35話 全国大会2回戦⑩

今回もよろしくです。


綾香side

 

副将戦……私の出番になった。今回の私の仕事は大将の鈴音先輩に回すこと……!私は鈴音先輩がさっき言ってたことを思い出す。

 

鈴音『何がなんでも私に回してね。そのためなら点をどれだけ減らしても構わないよ。もちろんこっちの点数が0を下回らなかったらだけど……それに関しては心配ないよね?有珠山と東白楽が飛びそうだからそれに気を付けて打ってくれたら何の問題もないからね』

 

どれだけ点数を減らしても構わないって言ってたから今回の私は準決勝に向けて『見』に徹しようかな?

 

私が会場に着くと有珠山の真屋由暉子(まやゆきこ)さんが先に会場にいた。私が入ってきたすぐ後に残りの2人も会場についたみたい。臨海のメガンダヴァンさんと東白楽の桃山早月(ももやまさつき)さん。

 

この試合はダヴァンさん以外は1年生という副将戦にしては珍しい構図になっている。他の3校はどんな思いでオーダーを決めてるんだろ……?

 

恒子『それでは副将戦開始です!!』

 

総武 268500

 

臨海 88600

 

東白楽 22400

 

有珠山 20500

 

 

~東1局 ドラ 発~

 

 

今の点数がこんな状況だから臨海はともかく他の2校は迂闊には攻められないはず……

 

ダヴァン「リーチデス」タンッ

 

……って思ったそばから臨海がリーチしたね。

 

そういえばダヴァンさんはテンパイすると相手がテンパイしているかどうかわかるって鈴音先輩と未来先輩が言ってたっけ……。なんでも他家がテンパイしたとわかった瞬間にその人に決闘を挑むんだとか。だったら……!

 

綾香「リーチ!」タンッ

 

その決闘とやらがどんなものかじっくりと見させてもらいますよ……!

 

ダヴァン(ホゥ……やはり挑んできまスカ。なら決闘(デュエル)デス!)

 

ダヴァン「」タンッ

 

綾香「」タンッ

 

ダヴァン「」タンッ

 

綾香「」タンッ

 

ダヴァン「」タンッ

 

綾香「」タンッ

 

ダヴァン「」タンッ

 

成程、こんな感じなんだ……。まさに決闘だね。しかも西部劇の早撃ちみたい……!

 

綾香「」タンッ

 

ダヴァン「ロン!12000デス!!」

 

綾香「はい」

 

点数にはかなりの余裕があるから跳ね満くらいならくれてあげますよ。……代償としてあなたのデータをもらいますけどね。

 

 

~東2局 ドラ 1索~

 

由暉子「」タンッ

 

ダヴァン「ポン!」カシャッ タンッ

 

親番だからかダヴァンさんが積極的になってる。私としては真屋さんと桃山さんにも頑張ってほしいところなんだけど……。

 

早月「」タンッ

 

ダヴァン「ロン!2000!!」

 

早月「……はい」

 

あちゃー……桃山さんが振り込んじゃったか……。でも安い手でよかった。親倍だったら飛んでるところだったよ。

 

 

~東2局1本場 ドラ 3萬~

 

綾香「」タンッ

 

由暉子「ポン!」カシャッ タンッ

 

真屋さんが私の切った中でポンする。早いところダヴァンさんの親を真屋さんに終わらせてもらおう!

 

綾香「」タンッ

 

早月「ロン。6700です」

 

綾香「はい」

 

あっ、桃山さんもテンパイしてたんだ。……全然気が付かなかった……。これで東場のダヴァンさんの親は終わりだけどあの決闘っぽいのだけじゃないような気がするからもう少し見る必要があるね。それに桃山さんは全中で打ったことがあるからまだいいけど真屋さんの方は余りよくわかってないんだよね……。

 

私はどちらかというと感覚派だから牌符を見て判断するよりもこうして実際に打った方が相手のことがわかるんだよね。

 

 

~そして~

 

早月「ツモ。1000、2000」

 

早月「ロン。5200」

 

早月「ロン。5800」

 

おぉ……刻む刻む。ちなみに出上がりは全て私が放出したものです。

 

恒子『東白楽の桃山早月、ここにきて勢いが出ました!』

 

健夜『桃山選手は昨年のインターミドルで6位という成績を残しています。彼女は細かく点数を稼ぐことを得意としていますが……』

 

健夜(桃山さんの出上がりが綾瀬さんからばかり……っていうのがちょっと妙だね)

 

 

それにしても桃山さんも全中のときとはくらべものにならないね。やっぱり今回は『見』に専念しようかな。

 

綾香「」タンッ

 

由暉子「ロン。4200です」

 

綾香「はい」

 

……実は1番実力が気になるのは真屋さんなんだよね。この半荘で少しでも情報が多くほしいところだね。

 

~そして~

 

由暉子「ツモ。1300、2600です」

 

ダヴァン「ロン。5200デス」

 

次で前半戦オーラスだけど今のところ私点数減らしてばかりなんだよね。点が減らなかったのって東2局だけだし……。だから流石に……。

 

綾香「ツモ!3000、6000です!!」

 

最後くらいは上がらないとね!

 

恒子『前半戦終了です!この前半は総武以外の3校が点数を取り戻した感じです!!』

 

健夜『逆に綾瀬選手は余り積極的に上がりにいかなかったようですね。後半戦で巻き返すのでしょうか』

 

 

総武 238100

 

臨海 101200

 

東白楽 37800

 

有珠山 22900

 

 

う~ん……有珠山の点数がちょっと少ないかなぁ……。子の3倍満か親の倍満の直撃で飛んじゃうし……。まぁそのあたりは後半戦になったら考えようっと!

 

 

 

綾香sideout

 

 

 

どうやら綾香は完全に見ることに専念したようだ。

 

美咲「綾香ちゃんの1人沈み……前にもこんなことあったよね?」

 

未来「そうね。確かあのときは……」

 

鈴音「私達3人と打ったときだったね」

 

あのときの綾香は私達の実力を見極めようとしてたばかりに美咲の手痛い1発を受けて飛んじゃったんだよね。

 

杏子「今回の綾香ちゃんはあのときのそれですね」

 

鈴音「まぁ多分準決勝のためだろうね。点数に余裕があるから問題ないでしょ」

 

伊吹「それが綾香の良いところでもあって悪いところでもあるんだよね~」

 

今伊吹先生が言ったように綾香は相手の実力を知ろうとするけどそのときの綾香は防御が薄くなるのだ。

 

だからあのときバレバレの美咲の役満に振り込むという悲惨な結果だったわけだけど……今回はそんな心配する必要なしだね。

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

前半戦の親番は東白楽、臨海、総武、有珠山の順番でした。


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第36話 全国大会2回戦⑪

今回もよろしくです。


綾香side

 

さて、後半戦も頑張るぞい……っと。

 

ダヴァン「リーチ!」タンッ

 

おっと、またダヴァンさん……2人は降りてるっぽいし私が攻めようかな?親だし。

 

綾香「リーチ!」タンッ

 

さて、今度はどっちが勝つかな……?

 

 

~そして~

 

綾香「テンパイ!」

 

早月「ノーテンです」

 

由暉子「テンパイです」

 

ダヴァン「テンパイ」

 

今回は引き分け……というかいつの間に真屋さんが張ってたのか……。ダヴァンさんばかりにアンテナを張りすぎたかな?

 

まぁとにかく私の親番続行!!

 

 

~東1局1本場 ドラ 中~

 

綾香「リーチ!」タンッ

 

親だから押せ押せモードの綾香ちゃんだよ!!可能な限り攻めるよ!

 

ダヴァン(綾瀬との勝負は楽しいデスネ……。この局も追いかけてみまショウ……!)

 

ダヴァン「ポン!」カシャッ タンッ

 

ダヴァンさんがポンをすることによって雰囲気が変わった。張ったのかな?

 

 

~そして~

 

綾香「テンパイ!」

 

早月「テンパイです」

 

由暉子「ノーテン」

 

ダヴァン「テンパイ」

 

また流局……前の局もそうだけどよく流れたなぁ……。

 

 

~東1局2本場 ドラ 8筒~

 

綾香「ポン!」カシャッ タンッ

 

ダヴァン「リーチ!」タンッ

 

ダヴァンさんさっきから張るの早すぎ……!私今回まだ2シャンテンなのに……。

 

~そして~

 

綾香「ノーテン」

 

早月「ノーテンです」

 

由暉子「ノーテン」

 

ダヴァン「テンパイ」

 

恒子『これで3回連続で流局です!!』

 

健夜『この局は降りたみたいですが綾瀬選手は早い段階でリーチをしていてその上で見事に他家の当たり牌を避けています』

 

流石に今回は降りたよ。それにしてもリーチ棒が4本もあるし……。これ上がれたらかなり大きいんじゃないかな?

 

~東2局流れ3本場 ドラ4索~

 

由暉子(場にリーチ棒が4本……。できれば親番に使いたかったのですが……)

 

由暉子「あの、左手を使ってもいいですか?」

 

早月&ダヴァン「はい」

 

遂に真屋さんが仕掛けてきた……!まぁ絶好のタイミングだもんね。

 

真屋さんが左手を使うことによって配牌やツモ牌が良くなる……これが本当の『左手の法則』ってやつだね!

 

綾香「はい」

 

牌符で見てはいるけどやっぱり実際に見た方が経験になるよね。

 

 

~そして~

 

由暉子「ツモ!6300、12300です!!」

 

恒子『遂に静寂が真屋由暉子の3倍満によって終わりました!!』

 

健夜『有珠山にとってはかなり大きい一撃ですね。そして東白楽が苦しい展開になってきました』

 

3倍満……こりゃ東白楽はかなりきついんじゃない?

 

 

~そして~

 

ダヴァン「」タンッ

 

由暉子「ロン!12000です!」

 

由暉子「ツモ!6100オールです!!」

 

早月「ロン。8600です」

 

早月「ロン。8000です」

 

ダヴァン「ツモ。1000、2000デス」

 

由暉子「ツモ。2000、3900です」

 

早苗「ツモ。3000、6000です」

 

 

……またも気が付いたらオーラス。なんか前半戦と同じ……いや、それよりも酷いかも。でもこれで準決勝に向けてのデータ収集はOKだね!後半戦もラストは私が終わらせますよっと……!

 

綾香「ツモ!4000、8000です!!」

 

恒子『副将戦終了です!有珠山の真屋由暉子!この後半戦はノリにノリまくって一気に2位まで浮上しました!!圧倒的な1人浮きです!なんと稼いだ点数は69700点!!』

 

健夜『この副将戦の真屋選手は脅威的でしたね。これは有珠山の準決勝進出も見えてきたのではないのでしょうか。これに臨海と東白楽がどう出るのかが勝負の鍵となるでしょう』

 

……色々と予想外の展開だけど、私は私の仕事をしましたからあとは大将で鈴音先輩の力を他校に見せつけてやってください!!

 

 

総武 225100

 

有珠山 92600

 

臨海 62800

 

東白楽 19500

 

 

綾香sideout

 

 

 

よし!よし!!よーし!!!やっと……やっと私の番が回ってきたよ!この瞬間をどれだけ待ちわびたか!!

 

美咲「鈴音ちゃん、嬉しそうだね!」

 

未来「まぁやっと回ってきた大将戦なのだからしょうがないんじゃないかしら」

 

杏子「鈴音先輩!頑張ってください!!」

 

鈴音「うん、頑張って大将戦を楽しむことにするよ」

 

東白楽が飛びそうだけど、後半戦オーラスまで楽しんでやる!!

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

後半戦の親番は総武、東白楽、有珠山、臨海の順番でした。とてつもなく有珠山……というより由暉子贔屓ですが、気にしないで頂けると幸いです。……まぁ無理か。

では副将戦終了ということで綾瀬綾香のプロフィール&能力?の紹介なのです。


綾瀬綾香


総武高校1年 身長156CM B84W50H80

好きなもの 総武高校のみんな、和食全般、スポーツドリンク

嫌いなもの 軽薄な人、生の魚

能力1 安定の速度と火力……毎回の配牌が2シャンテンスタートになりやすい。毎回のツモ牌が3飜以上の上がりに繋がりやすい。

能力2 感覚派デジタル……感覚派のデジタル麻雀を打つ(早い話のどっちのようなもの)。

以上になります。……のどっちって感覚派デジタルだったっけ?……まぁいいさね!


次回はいよいよ大将戦!このときを待ちに待ってた鈴音は……。




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第37話 全国大会2回戦⑫

今回もよろしくです。


やっと団体戦で麻雀が打てることに対して私は気分が高揚していた。

 

いや、本当に楽しみだよ!今の点数が点数なので余り自由に打てないけど……。今の私にできる大将の役割は現順位の維持くらいかな?

 

会場に着くと臨海のネリーヴィルサラーゼが先に座っていた。

 

鈴音「よろしくね」

 

対戦相手なのだし軽く挨拶くらいはしておこう。

 

ネリー「……まさかうちがここまで削られるとは思ってもみなかったよ」

 

ヴィルサラーゼさんはそう言う。まぁシード校の臨海にとっては予想外の展開なんだろうね。私まだ何もしてないけど……。

 

鈴音「人生生きている限り何が起こるかわからないからね。起こる出来事全ての中で自分の思い通りになることの方が少ないんだよ」

 

ネリー「ネリーは勝たなきゃいけないの。だから……邪魔をするな……!」

 

おぉ……怖い怖い……。怒気を思いっきりこっちにぶつけてきたよ。でも勝たなきゃいけないのは誰だって同じ……。

 

鈴音「勝たなきゃいけないのは誰でも一緒だよ。気持ちの大小はあれどね」

 

ネリー「…………」

 

鈴音「そんなに準決勝に行きたきゃ有珠山を捲りつつ東白楽を飛ばせばいい。……できるものならね」

 

ネリー「っ!!」

 

私は静かな闘志をヴィルサラーゼさんにぶつけ返す。ヴィルサラーゼさんはそれに気が付いたのか体を後ろに下げた。

 

???「おっ、やる気だね2人共」

 

会場に来たのは有珠山の獅子原爽(ししはらさわや)さんだった。よく見ると後ろに東白楽の一堂紫(いちどうゆかり)さんも一緒だった。

 

鈴音「まぁ私にとってはこれが初めての団体戦なんだ。やる気に満ちあふれても不思議じゃないよね」

 

爽「そういえば大宮さんの牌符は個人戦のやつしかなかったね」

 

鈴音「そんなわけでオーラスまで楽しみたいものだよ」

 

紫「……うちはそんな余裕ないんだけど」

 

爽「それはドンマイとしか言いようがないな!」

 

紫「あなた自分達が2位へ食い込んだからって……」

 

何やら獅子原さんと一堂さんが険悪な雰囲気だよ?誰のせいだろうね?

 

ネリー「ねぇ!早く始めようよ!」

 

ヴィルサラーゼさんがそう言う。まぁ流石に雑談が過ぎたかな……?

 

~そして~

 

恒子『さあ!大将戦の始まりです!!』

 

さあ……麻雀(ゲーム)を始めよう……!

 

総武 225100

 

有珠山 92600

 

臨海 62800

 

東白楽 19500

 

 

~東1局 ドラ 6筒~

 

……とは言ってもしばらくは様子見なんだけどね……。このスロースターターみたいなの治らないかなぁ……。

 

 

~10巡目~

 

ようやくいい形になってきたよ……。一応上がれば跳ね満は確定だね。

 

紫「」タンッ

 

ネリー「ロン。5200」

 

紫「……はい」

 

一堂さんがヴィルサラーゼさんに振り込んでしまった。このままだと東白楽が飛んじゃってオーラスまで楽しめない……。

 

それに綾香じゃないけど準決勝のためにもある程度情報がほしいから一堂さんがハコになると不味いんだよなぁ……。

 

 




今回はここまでです。

次回、大将戦の行方は……?


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第38話 全国大会2回戦⑬

今回もよろしくです。


~東2局 ドラ 3萬~

 

紫「リーチ」タンッ

 

一堂さんが4巡目にリーチをかける。10000台しかないのによくリーチできるもんだね。私は多分できないよ。メンタル的な意味で……。

 

~そして~

 

紫「ツモ!4000、8000!!」

 

それから一堂さんは5巡以内に倍満を上がる。やるなぁ……。

 

 

~そして~

 

紫「ロン!8000!!」

 

紫「ツモ!6000オール!!」

 

紫「ツモ!3300オール!!」

 

紫「ロン!24600!!」

 

恒子『一堂紫!これで5連続和了!!10000点台の点数だったのが一気に2位まで浮上しました!!』

 

健夜『この2回戦は誰かが連続で上がることが多いですね。各高校の点数の動きが激しいです』

 

一堂さんが勢い出してきたか……。私はまだまだ余裕がある……というより中々配牌が良くならないんだよね。

 

だから誰かに上がってほしいところなんだけど……。

 

紫「ツモ!4300オール!!」

 

まだ上がるか……というか決して安くない点数ばっかりなんだけど……。そろそろ止めないとヴィルサラーゼさんと獅子原さんは不味いんじゃない?

 

 

~東4局4本場 ドラ 7索~

 

う~ん……まだ配牌が良くならない……。少なくとも今の私じゃ一堂さんを止めることができないね。だから……。

 

鈴音「」タンッ

 

ネリー「ポン」カシャッ タンッ

 

他家に上がってもらいましょう!

 

 

~そして~

 

ネリー「ツモ。2400、4300」

 

ヴィルサラーゼさんが上がる。やっと南入か……。そろそろ私も上がりたいな。

 

 

~そして~

 

紫「ツモ!3000、6000!!」

 

ネリー「ツモ。2000、4000」

 

爽「ツモ!1300、2600!」

 

はい!あっという間にオーラスです!そんな中で私は未だに配牌が良くならないしおまけに焼き鳥。……これヤバイかもしれない。色々な意味で……。

 

爽「ロン!3900!」

 

あっ……前半戦終わった……。流石に焼き鳥は落ち込むよ……。

 

恒子『前半戦終了です!!最下位だった東白楽が怒涛の連続和了で一気に原点まで点数が回復しました!!2位だった有珠山は最下位に転落、総武と臨海は変わらず1位と3位となっております!!!後半戦はどうなるのでしょうか!?』

 

健夜『総武以外の3校は次鋒戦以降での点数が大きく変化しています。最後の最後まで展開が予測できません』

 

健夜(それに今のところ大宮さんにこれといった変化が見られない……。実力を隠しているのかそれとも……)

 

 

総武 195800

 

東白楽 109400

 

臨海 52700

 

有珠山 42100

 

 

未来side

 

これであと半荘1回で2回戦が終わる。それにしても……。

 

綾香「うち以外の順位の動きが激しいですね」

 

未来「そうね」

 

私には鈴音が3校で遊んでるようにしか見えないわ。もちろん彼女は真剣に打ってるんでしょうけれど。

 

杏子「どこが上がってきますかね?流石にここからうちが3位に転落するなんてことはないと思いますけど…」

 

まぁ鈴音もそのあたりはきっちりとしているし途中で3位に落ちることはあっても3位で終わってうちが敗退するなんてことはしないでしょう。

 

美咲「私は有珠山に上がってきてほしいな!副将の真屋由暉子ちゃんが友達にそっくりなんだよ!!」

 

未来「それって……この間美咲の家に来たときにいたあの中学生かしら?」

 

美咲「うん!名前も由輝子(ゆきこ)ちゃんっていうんだよ!!私が中学生のときに知り合ったんだ!!」

 

その子ってそのとき小学生よね……?美咲の人脈がいまいち把握できないわね。

 

綾香「でも無難に臨海じゃないですかね?あそこの総合力は計り知れないですし……」

 

杏子「東白楽も有り得るかも……」

 

大将の実力ではパッと見た感じ拮抗してるように見えるけれど……それでもやっぱりネリーヴィルサラーゼがあの3人の中では群を抜いてるわね。それに獅子原爽もまだ本領を発揮していない……。

 

それに比べて一堂紫はほとんど全力を出しきっている。恐らく東白楽が準決勝に上がってくることはないわね。

 

まぁ何にせよ……。

 

未来(鈴音なら次の対戦相手を操作することも造作もないことなんでしょうね。大宮鈴音の力はこんな高校生の大会では全力を出しきれないのだから……)

 

などと私は思いながら会場で突っ伏してる鈴音を見ていた。

 

 

未来sideout

 

 

 




今回はここまでです。

親番は総武、臨海、有珠山、東白楽の順番でした。

次回、大将戦はさらにカオスな展開に……!?


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第39話 全国大会2回戦⑭

今回もよろしくです。


恒子『間もなく後半戦開始になります!!』

 

ふと顔を上げると他の3人がこちらに向かってきた。もう休憩終わりか……。

 

 

恒子『後半戦スタート!!!!』

 

さて、頑張ろうかね……?

 

 

~東1局 ドラ 中~

 

おっ……!やっといい感じの配牌になった!対戦相手によって何か違うのかな?とりあえず……。

 

鈴音「リーチ」タンッ

 

3巡目、私は早速リーチをかける。1番飛びそうだった東白楽も原点まで点数が回復してるし遠慮はいらないよね……!

 

紫「」タンッ

 

鈴音「ロン」

 

紫(くっ……!ここで……)

 

爽(大宮さんが……)

 

ネリー(動き始めた……!)

 

鈴音「12000」

 

紫「はい……」

 

 

~そして~

 

鈴音「ツモ。500、1000」

 

鈴音「ロン。5800」

 

鈴音「ツモ。2100オール」

 

恒子『大宮鈴音!前半戦の焼き鳥が嘘のような連続和了です!!』

 

健夜『彼女はどうやらスロースターターのみたいですね。千葉の個人戦でも前半は上がれていないことが多いとのことです』

 

鈴音「ツモ。700オール」

 

鈴音「ロン。12500」

 

この勢いで前半戦の-分を取り戻さないとね。

 

鈴音「テンパイ」

 

爽「ノーテン」

 

紫「……ノーテン」

 

ネリー「ノーテン」

 

恒子『大宮鈴音の親番、東3局が終わらない!最早彼女を止めることはできないのか!?』

 

鈴音「ロン。25500」

 

紫「っ!!……はい」

 

 

~東3局6本場 ドラ 1萬~

 

爽(不味いな……大宮さんが止まらない……!できることなら最低でも準決勝まではとっておきたかったけど)

 

……ん?獅子原さんの気配が変わった……?

 

爽(やるしかない……!とりあえずこれを大宮さんに当てて連荘を終わらせる!)

 

な、なんか雲がこっちに来た!?ええい!しっしっ!!

 

爽(!?雲が押し戻された……?大宮さんにはこういうのは全く聞かないってのか?出鱈目もいいところだ……)

 

ふぅ……なんとか獅子原さんに雲を返してあげたよ。まさか私に呪いをかけようとするとはね。

 

鈴音(未来曰く私と未来は他の支配等の妨害系統の能力の影響を受けないらしい。まぁ要するに普通に麻雀しろよ!ってことだよね)←ブーメラン発言

 

爽(……しょうがない!だったら一堂さんに……!)

 

今度は一堂さんのところにさっきと違う雲がいった。何をするつもりかな?

 

爽「ロン!9800!」

 

爽「ロン!18000!」

 

……今獅子原さんが一堂さんに仕込んでいるのは恐らく一堂さんにとっては不要牌でそれが獅子原さんの上がりに繋がる牌なのだろう。下手したらあれが私のところに来てたのか……怖っ!

 

紫(今度は獅子原爽!?しかも私ばかりにピンポイントに……準決勝進出のためかしら?だとしたら何故ヴィルサラーゼを狙わない……?)

 

一堂さんが獅子原さんを睨んでる……。まぁ何が言いたいのかは予想つくけど。

 

ネリー「ツモ。3100、6100」

 

ヴィルサラーゼさんが上がったことによって南入した。あと4局で2回戦も終わりか……。

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

次回、2回戦終結……!


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第40話 全国大会2回戦⑮

今回もよろしくです。


~南1局 ドラ 9筒~

 

点数もすっかり+収支になったし、あとは相手にすると厄介そうなところを蹴落としたいところだね。

 

でもどこも手強い打ち手ばかり……。私としては後輩の成長を第1に考えたいのでそのために一緒に準決勝へと駒を進めるところは……あそこだね。

 

鈴音「ロン。5200」

 

紫「……はい」

 

紫(っ……!最後の親番が……!)

 

さて、残りの局も頑張ろう。総武高校優勝のためにね。

 

 

~そして~

 

鈴音「ロン。3900」

 

爽(これは……ヤバイな)

 

鈴音「ロン。12000」

 

ネリー(くっ!)

 

鈴音「ツモ。600オール」

 

紫(誰も大宮鈴音を……)

 

『止めることはできないのか……!?』

 

~南3局2本場 ドラ 中~

 

鈴音「ノーテン」

 

爽「テンパイ」

 

紫「テンパイ」

 

ネリー「テンパイ」

 

爽(止まった……?)

 

ネリー(けどこれは……!)

 

紫(終局のためにわざとストップをかけた……?何のために?私達なんか飛ばす価値もないって言うの!?)

 

個人戦ならともかく流石に団体戦で誰かを飛ばそうとなんてしないよ。私はチームメイトみたいに誰かにトラウマを与えたくないからね。みんなで楽しく麻雀をしましょう!

 

~そして~

 

鈴音「ツモ。2300、4200」

 

 

総武 293700

 

有珠山 48700

 

臨海 40500

 

東白楽 17100

 

 

恒子『2回戦終了!!準決勝に駒を進めたのは総武高校と有珠山高校です!!!なんと臨海女子が敗退という誰がこの展開を予測したのでしょうか!?』

 

健夜『次鋒戦からは常に総武のペースでゲームが進んでいましたね。準決勝でもこの調子で戦うのでしょうか?今後の展開も楽しみです』

 

……終わってみるとこれはうちが圧倒的過ぎる。なんで300000点近くも点数があるんだよ。いや、100%未来が暴れまくってたせいだと思うけど……うちの収支をちょっと計算してみよう。

 

 

杏子 前後半合計-11300

 

未来 前後半合計+167000

 

美咲 前後半合計+12800

 

綾香 前後半合計-43400

 

鈴音 前後半合計+68600

 

 

 

……うん、100%未来のせいだね。私も原因の1割くらいはあるかもしれないけど間違いなく未来のせいだ。そうだ。そうに違いない。

 

ネリー「大宮!」

 

この結果を未来のせいだと思い込んでいるとヴィルサラーゼさんが話しかけてきた。

 

鈴音「どうしたの?」

 

ネリー「……今回はネリーの負け。でも次はこうはいかないから」

 

そう言ってヴィルサラーゼさんは早足で歩いていった。……次があるんだろうか?確か留学生は個人戦に出られなかったような気がするし……。だとすると次っていつになるの?

 

紫「この団体戦は完敗ね。でも個人戦ではこうはいかないわよ」

 

今度は一堂さんが絡んできた。そういえば彼女も個人戦に出るんだっけ?

 

鈴音「うん、私も負けるつもりはないよ」

 

紫「……まぁ優勝目指して頑張ることね。優勝までは近いようで遠いわよ」

 

一堂さんはコツコツと歩いていった。……何だか一堂さんはハイヒールとか似合いそうだぁ。

 

爽「いや~まさかうちが勝ち残るとはね」

 

獅子原さんまで話しかけてきた。私なんかモテ期が来ちゃってる!?……同性にしかモテないってなんか悲しい気がする。

 

爽「準決勝もよろしくね」

 

鈴音「こちらこそよろしく。呪いはほどほどにした方がいいよ」

 

爽「……これは手厳しいね。まぁ善処するよ」

 

獅子原さんはそそくさと去っていった。……私も控え室に戻るか。

 

 

~そして~

 

鈴音「戻ったよ」

 

美咲「おかえり!!」

 

伊吹「お疲れ~」

 

杏子「鈴音先輩!お疲れ様です!!」

 

綾香「お疲れ様です!!」

 

未来「初めての団体戦はどうだったかしら?」

 

初めての団体戦……とりあえずオーラスまで打つことができたけど……。

 

鈴音「もうちょっと拮抗した戦いがしたいかな?」

 

それが私の感想である。だって回ってきた時点で2位と100000点以上差があったんだもん!!

 

伊吹「準決勝は明後日だから明日はお休みだからそれぞれで自由に過ごしてね~」

 

『はいっ!!』

 

さて、明日はどうしようかな……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

臨海にはここでフェードアウトしてもらいました。ファンの方々には申し訳ない……。

後半戦の親番は東白楽、臨海、総武、有珠山の順番でした。


では最後に大将の鈴音のプロフィールと能力?を載せましょう!



大宮鈴音

総武高校3年生

身長165CM B84W51H80

好きなもの 総武高校のみんな、ヨーグルト、機械を弄ること

嫌いなもの 大切な人を馬鹿にしたり貶したりする人、蒟蒻


能力1 転生の加護……ある人物によって与えられたもの。これにより他家の能力の影響を受けない。有効牌を引きやすい。

能力2 逆転の一手LV5……オーラスのとき順位が1位じゃないとき良い手牌になる(LV5のためオーラス時の配牌が役満を作りやすいものになる)。

能力3 スロースターター……最初の何局かは配牌が5シャンテンになり、手の進みがかなり遅い(対戦相手によって局数が違う)。


以上になります!

次回からは準決勝前日の話を何話か書きます。


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第41話 準決勝前の休息①

今回もよろしくです。


んん~……朝か……。昨日は久々に半荘2回打ったからかな?何だか疲れがとれていない気がする。

 

伊吹「おはよう鈴音」

 

鈴音「おはようございます、伊吹先生」

 

伊吹先生に朝の挨拶をする。その伊吹先生はどこかに出掛けるような格好をしていた。

 

伊吹「私は早速出掛けるからね~」

 

鈴音「どこに行くんですか?」

 

伊吹「ちょっと人と会うんだよ」

 

……いつも誰と会ってるんだろう?一昨日に見かけた阿知賀の赤土監督……は今日は阿知賀の試合があるから違うとして……じゃあ宮守の熊倉監督かな?

 

伊吹「じゃあね~」

 

私が考えてる間に伊吹先生はまるで急いでるように走っていった。……本当に誰と会うのだろうか?

 

まぁそれは置いといて今日はどうしようかな……?竜華達の応援に会場に行こうかな?どうせなら未来達を誘ってみよう。

 

 

 

~そして~

 

……全員断られた。それぞれがそれぞれの予定があったみたい。

 

未来と杏子は何やら秘密?の特訓をするらしい。なんでも杏子が2回戦の失態を挽回するためのものだそうだ。

 

2回戦の杏子はかなり健闘したと思うんだけどなぁ…。昨日の杏子の表情を見る限り何か思うところがあったんだろう。

 

美咲と綾香は親睦を深めるのも兼ねて2人で遊びに行くそうだ。

 

まぁ美咲は特定の誰かと2人きりになることが余りないからこれも良い機会だと思う。

 

……1人で行こう。べ、別に寂しくなんてないんだからねっ!!

 

 

~そして~

 

DQN1「君、可愛いね~」

 

DQN2「これから俺達と遊びに行かない?」

 

DQN3「帰りは送っていってやるから。いつ帰れるかはわからないけどな!」

 

『ギャハハハハッ!!』

 

……なんか絡まれた。今時こんな典型的なナンパ……しかも如何にもDQNな見た目の人っているんだな……。

 

前の世界で鍛えた私ならば軽く腹パンしてこの場を去りたいところだけど、こちらとしては揉め事は避けたいので……。

 

鈴音「すみません、用事があるので失礼します」

 

大宮鈴音は逃げたした!これが妥当な判断だよね。

 

DQN2「まあまあ、そう言わずにさぁ!」

 

DQN1「マジで楽しいから」

 

DQN3「君にとってもいい思い出になるよ」

 

しかし回り込まれてしまった!……参ったなぁ。どうするか……。

 

???「すみません、この人俺の彼女なんですよ」

 

困っているところに金髪の男性がこっちに助け船を出してくれた。確かこの人は……。

 

DQN3「ちっ!彼氏がいんのか……。おい、行くぞおまえら!」

 

DQN1「へ、へい!」

 

DQN2「了解っす!」

 

そう言ってDQN達は去っていった。流石に彼氏つきだと諦めるようだ。……物分かりのいい人達で良かった。大会中に揉め事は避けたかったしね。

 

鈴音「ありがとう、助かったよ」

 

???「いえいえ、当然のことですよ!」

 

鈴音「それでも今時こういった勇気ある行動できる人はそういないよ」

 

???「そ、そうですかね?」

 

鈴音「うん、ありがとう。清澄高校の須賀京太郎君」

 

私が須賀君の名前は言うと彼はすごく驚いていた。まぁ当然の反応なのかな?

 

京太郎「ど、どうして俺の名前を……?」

 

これも当然の質問になるよね。私は一応原作やアニメで知ってるけど……。

 

鈴音「インハイで戦う相手だからね。ある程度は調べているよ。確か君は個人戦に出ていたよね?それに清澄の人達には5月にお世話になったからね。そういえば自己紹介がまだだったね。千葉県代表総武高校の大宮鈴音だよ。よろしく」

 

京太郎「よ、よろしくお願いします。それにしても選手だったんですね……。もしかしてこれから会場に行くんですか?」

 

鈴音「うん、友人の応援にね。それで道中に先程の人達に絡まれていたから君が来てくれて本当に助かったよ」

 

京太郎「ほ、本当に大したことはしてませんって!!」

 

このまま須賀君と雑談してもいいけど流石にこれ以上はやめておこう。彼にも予定があるかもだし……。

 

鈴音「そろそろ私は行くよ。これ、私の電話番号。東京滞在中は麻雀の相手になるし、今みたいにちょっとした話もできるから暇だったらかけてよ」

 

京太郎「わ、わかりました。じゃあこれは俺の電話番号です」

 

私は須賀君と電話番号の交換をした。この世界に来て初めて男子と番号交換したぜ!これでリア充に1歩近付いたよ!やったね!!

 

鈴音「じゃあね。今日は本当にありがとう」

 

改めて須賀君にお礼を言って私は会場へと向かった。

 

 

 

~そして~

 

席に行く前にお菓子でも買おうと思って売店に来たんだけど……。

 

咲「お、お姉ちゃん!」

 

照「…………」

 

…………なんかさっきよりも大変な状況に遭遇した気がする。

 

 

どうしてこうなった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

宮永姉妹の再会?が原作よりも早いようです。


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第42話 準決勝前の休息②

今回はここまでです。


一難去ってまた一難とはこのことをいうんだね……。

 

咲「お、お姉ちゃん!」

 

照「…………」

 

お菓子でも買おうかと思って売店に来たらこの状況である。……どうしたものかな?

 

とりあえずこの場から離れよう。大宮鈴音はクールに去るぜ!!

 

咲&照「大宮さん?」

 

しかしこちらに気が付いてしまった!……あるよね。普段仲が良くない人達がどうでもいいこと、或いは共通の敵を見つけたときに急に意見が一致したり、手を組んで共闘しようとすることって……。

 

照「……咲、大宮さんとは知り合いなの?」

 

咲「う、うん……5月に麻雀を打ったの」

 

照「そう……彼女は強かったでしょ」

 

咲「うん、手も足も出なかったよ……。お姉ちゃんは大宮さんのことを知ってるの?」

 

照「一応ね。去年会場に来たときにすれ違ったくらいなんだけど……」

 

しかも呼び止めといて私はおいてけぼりですか?お菓子買って会場の席に向かいたいんだけど……。君達仲違いしてなかったっけ?

 

鈴音「あの……何か用があるんだよね?」

 

咲「あ、すみません!大宮さんを見かけたから声をかけたんです!」

 

そこまで仲良くなった覚えはないような……。しかもいい印象を持たれた覚えもないし……。

 

照「それに大宮さん率いる総武高校はシードの臨海を破ったところだから話をしてみたかった」

 

鈴音「そ、そうなんだ……」

 

宮永照ってこんな性格だったっけ?

 

鈴音「あ、そうだ。私会場で試合を見たいんだけど、今先鋒戦が終わったところ?」

 

照「……うん、千里山の園城寺さんが倒れてしまってその騒ぎの影響で次鋒戦までまだ少し時間があるから売店でお菓子でも買おうかと思ったんだけど……」

 

咲「そこで私がお姉ちゃんを見つけたんです」

 

怜……倒れちゃったんだ……。今からでもお見舞い行こうかな……?いや、でも……。

 

咲「お姉ちゃん!」

 

照「……何?」

 

咲「私はあのことを謝りたくてそれでお姉ちゃんに会いに来たの」

 

照「そう……」

 

あっ、話がそっちに戻った。

 

咲「それで……お姉ちゃんと話したくて……!」

 

照「……それだけなら行くね。私には……」

 

鈴音「ちょっといいかな?宮永さん」

 

咲「なんですか……?」

 

照「何……?」

 

……今のは私が悪いな。だって彼女達は姉妹なんだから呼び名ははっきりとしなくっちゃ。

 

鈴音「宮永さん……は2人いるから姉の方の……照って呼ばせてもらうよ。私のことも鈴音でいいから。……それでなんで妹と話さないの?」

 

照「……鈴音には関係ない」

 

鈴音「そうだね。私には関係ない。さっきも2人がこっちに気付かなかったら見て見ぬふりのつもりだった。でも咲の照に謝りたい、話がしたいという想いを聞いてしまった以上は私も決して無関係じゃなくなったんだよ」

 

咲「鈴音さん……」

 

照「…………」

 

鈴音「照が咲のことをどう思ってるのかは知らないけど咲の話だけでも聞いてあげてほしいんだ」

 

照「…………わかった」

 

ふぅ……。とりあえず話だけは聞いてくれるようだ。

 

鈴音「咲、私にできるのはここまで……と言っても私の勝手なお節介だけど、あとは咲が照と一対一で話し合いをするんだよ」

 

咲「鈴音さん……ありがとうございます!」

 

鈴音「その言葉は照との仲を修復してから聞くよ」

 

咲「はいっ……!」

 

鈴音「じゃあ私は行くよ」

 

そう言って私はこの場を離れた。次会うときには宮永姉妹が和解してるといいなぁ……。

 

 

 

……お菓子は外のコンビニで買うことにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。


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第43話 準決勝前の休息③

今回もよろしくです。


準決勝すごかったなぁ……色々な意味で。

 

白糸台に至っては先鋒で照が稼いだであろう点数が次鋒から大将にかけて全てなくなってしまったんだから……。

 

まぁそれに関しては後続が悪いというわけではない。阿知賀、千里山、新道寺の気迫、負けたくないという気持ちが強かったのだ。大将戦こそがまさしくそうだ。

 

どこが勝っても可笑しくはなかった。その結果、阿知賀が1位、白糸台が2位だったのだ。誰もが予想していなかった展開……2回戦でいうなら臨海の敗退もそうなのだろう。

 

さて、そろそろ帰るかな。ん?あれは……。

 

竜華「鈴音?」

 

鈴音「竜華……そっちも今帰るとこ?」

 

竜華「うん……でもその前に怜のところに行こかな思って……」

 

鈴音「……倒れたんだって?ゴメンね、お見舞いに行けなくて」

 

竜華「そんな謝ることじゃ……じゃあ今から一緒に行かへん?」

 

鈴音「……いいの?時間とか大丈夫なの?」

 

竜華「もちろん!まだ面会の時間もあるし、怜も鈴音が来てくれたら喜ぶで!!」

 

そんなに……?じゃあお言葉に甘えようかな?お見舞いに行こうとは考えてたし。

 

鈴音「なら行かせてもらおうかな」

 

竜華「そうと決まれば走るで!!」

 

さっきまで落ち込んでた竜華はすっかり笑顔が戻ったようだ。

 

鈴音「ふふ、もうすっかり元気になったみたいだね」

 

竜華「えっ……?」

 

鈴音「さっきまですごく落ち込んでるように見えたからね。友達として心配だったんだ」

 

竜華「……決勝に行けんかったからかな。悲しくて悲しくてしょうがなかったんや……。でも鈴音と話しとったら元気出てきたかもしれへんな」

 

何それすごい。でもまぁ……。

 

鈴音「竜華は落ち込んでるよりそうやって笑っている方がいいよ。やっぱり竜華は笑顔が1番だね。案外アイドルとか向いてたりしてね」

 

冗談っぽく言ってみる。それにどこかのアイドルプロデューサーもアイドルのスカウト基準は笑顔だって言ってたしね。

 

竜華「そ、そんなことないよ……///」カァァァ

 

おや?何やら顔が赤いよ?私何か変なこと言ったかな?

 

竜華「は、早く行こっ!///」

 

鈴音「そうだね。面会の時間とかあるしね」

 

竜華(そんなこと言われたん初めてや……///)

 

鈴音「竜華?」

 

竜華「さ!走るで!!」

 

鈴音「それさっきも聞いたよ?」

 

竜華「そ、そうやっけ?」

 

変な竜華……。まぁ元気そうで何よりだね。

 

 

 

~そして~

 

竜華「怜ー!」

 

怜「竜華は元気いいなぁ……。なんか良いことでもあったん?」

 

君はどこの専門家なの?私服がアロハシャツなの?

 

鈴音「怜、久しぶり」

 

怜「鈴音……せやな、直接顔見るんは2年ぶりやな」

 

鈴音「住んでる所が違うし仕方がないよ。それより具合はどう?」

 

怜「大分元気戻ってきたで。竜華と鈴音の顔見たからかな?」

 

鈴音「なんか竜華も似たようなことを言っていたような気が……」

 

竜華「き、気のせいやろ?」

 

なら何故目をそらす?

 

竜華「ま、まぁええやん!私も直接話すん2年ぶりやし色々話そ!!」

 

露骨に話を逸らされたような……まぁいいか。

 

怜「そういえば美咲がお見舞いに来てくれたで」

 

鈴音「美咲が?」

 

怜「大将戦が始まる少し前……丁度1回竜華が出た後に綾瀬ちゃんと一緒に来てたんよ」

 

そういえば綾香と一緒に遊びに行ってたっけ?

 

怜「綾瀬ちゃん可愛かったなぁ……。透き通った金髪でまるでお姫様みたいやったわ」

 

鈴音「そうかもね。私達にとっても可愛い後輩だよ」

 

それから私達は面会終了時間まで色々話した。

 

途中でセーラや愛宕監督、二条さんに船久保さんも来てさらに賑やかになった。

 

そのときにセーラが私の顔を見るなり個人戦では負けないと大きな声で言って看護師さんと愛宕監督にうるさいと怒られた。まぁドンマイなんだよ。

 

 

 




今回はここまでです。


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第44話 準決勝前の休息④

今回もよろしくです。


竜華達と別れてホテルに戻ろうと歩いていたら……。

 

美咲「あっ!鈴音ちゃん!!」

 

綾香「鈴音先輩もホテルに戻るところですか?」

 

美咲と綾香に会った。この2人はお見舞いの後はどこに行ってたんだろう……?

 

鈴音「そうだね。2人も?」

 

綾香「はい、もう時間も時間ですし……」

 

ふと携帯を見ると時刻は21時を過ぎていた。

 

美咲「じゃあ一緒に行こう!!」

 

元気よく美咲が先頭を歩き、私と綾香が後ろを歩く。

 

 

~そして~

 

綾香「鈴音先輩は今日どこに行ってたんですか?」

 

鈴音「私は会場でAブロック準決勝の試合を観てたよ。決勝であたる高校がどこかをこの目で見ておきたかったんだ」

 

綾香「確か決勝に行くのは阿知賀と白糸台でしたね。千里山が負けるとは予想外でしたよ……」

 

鈴音「それほど阿知賀のレベルは高い……ということだろうね。……そういえば2人は怜のお見舞いに行ったんだっけ?」

 

美咲「うん……セーラちゃんから怜ちゃんが倒れたって携帯に連絡が来てね……それに気が付いたのは大分後だったんだけど……」

 

怜のお見舞いの話になると美咲もこっちに来て話に入ってくる。

 

綾香「私達買い物に勤しんでましたからね……」

 

ふむ、確かに買い物の袋を両手に抱えて持っているね。

 

美咲「それで怜ちゃんのお見舞いの品を買ってから病室に行ったんだよ」

 

綾香「清水谷さんに病室の場所を教えてもらって……美咲先輩1人で行って私が帰るのも違うと思って私もお見舞いに付き添ったんです」

 

怜のお見舞いの話を続けているとホテルに着いた。

 

早速中に入ろうとすると……。

 

智葉「大宮?それに佐野に綾瀬も……」

 

辻垣内さん達臨海がいた。ヴィルサラーゼさん以外全員いるし……。

 

鈴音「こんばんは、辻垣内さん。それに他の3人も」

 

美咲「こんばんは!!」

 

綾香「ど、どうもです……」

 

辻垣内さん以外の香港、フランス、アメリカ、そしてこの場にいないヴィルサラーゼさんはサカルトヴェロだっけ?国際色豊かな臨海の面子に綾香はどこか緊張していた。

 

智葉「おまえ達は今からホテルに戻るところか?」

 

鈴音「うん、どうやら臨海と同じホテルのようだね」

 

智葉「みたいだな。どうだ、少し話さないか?」

 

辻垣内さんが話をしようと私達を誘う。

 

鈴音「私はいいけど……美咲と綾香はどうする?」

 

美咲「うん、私もいいよ!」

 

綾香「私も大丈夫です」

 

智葉「すまないな」

 

私達は部屋に戻る前に辻垣内さん達と話すことにした。

 

 

~そして~

 

智葉「まさかうちが2回戦負けとはな……世の中何が起こるかわからないものだ」

 

綾香「上の試合では永水女子も負けていましたし、Bブロックは大荒れですね……」

 

ハオ「それに準決勝では千里山も負けてシード校はもう白糸台だけになってしまいましたし……」

 

明華「今回のインターハイ自体が大荒れでしょう」

 

ダヴァン「そしてその中心にいるのが総武高校デス!」

 

鈴音「中心……そんなに大袈裟なものかな?」

 

智葉「大袈裟でもないだろう」

 

ハオ「そうですね。あの次鋒戦が間違いなくきっかけになっています」

 

それに関してはうちの未来が申し訳ない……。

 

智葉「響未来もそうだが、佐野も今大会ではずっと+収支だろう?」

 

鈴音「まぁ美咲に関しては県大会で暴れすぎた感はあるよね」

 

美咲「うっ……!」

 

ダヴァン「それに綾瀬も大失点と言われてマスガ、ずっと相手を観察してマシタシネ」

 

綾香「あぁ……やっぱりバレますよね?」

 

智葉「まぁあれは流石に露骨過ぎたと思うぞ」

 

綾香「ですよね……。もっと頑張らないと」

 

なんていう国際交流をしているともうすぐ22時になろうとしていた。

 

鈴音「そろそろ私達は帰るよ」

 

智葉「ああ、引き止めてすまなかったな」

 

美咲「じゃあね、辻垣内さん!」

 

智葉「佐野も大宮も個人戦でまた会おう」

 

鈴音「そうだね」

 

ダヴァン「ファイトデス!!」

 

美咲「ありがとう!!」

 

ハオ「御武運を」

 

綾香「うん、頑張るよ!」

 

明華「是非優勝してください」

 

鈴音「もちろんそのつもりだよ。相手は手強いけどね」

 

智葉「なに、おまえ達ならできるさ」

 

鈴音「ありがとう。ヴィルサラーゼさんによろしく言っておいて」

 

智葉「了解だ。ネリーに伝えておく」

 

私達は臨海の人達に改めて挨拶をして部屋に戻った。

 

さて、明日は準決勝か……。相手は一緒に勝ち進んできた有珠山に姫松……そして清澄。

 

間違いなく1番手強いのは清澄だろう。それぞれの対策もしっかりと考えておかないとね。

 

 

 

 




今回はここまでです。


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阿知賀編 EpisodeofsideーA
プロローグ① もう1度廻り会うために……。


お待たせしました。阿知賀編です!考えた結果総武の準決勝前に無理矢理捩じ込みました!

このプロローグは台本形式ではありませんので、御了承ください。

またこの話を読むにあたって私が書いた『気が付いたら女サイヤ人に転生していた件』を呼んでおかないとわからないことだらけだと思うので、読んでおくことを推奨します(露骨な作品アピール)。

では今回もよろしくです。


あの人は行ってしまった……。あの人はまた戻ってくる、遊びに行くよと言ってくれたけど……。

 

会いたい……会いたいよ。

 

『会いたい?……に』

 

そう思っていると、頭に声が響いた。この声は確か……。あの人に修行をつけていた……全王様?

 

『厳密には僕は全王とは違うけどね~』

 

どういうことだろう……。そんなことはどうでもいいや。それよりも……!

 

「……本当?本当にあの人に会えるんですか!?」

 

『会えるよ~。君達の強い願いを聞いたからね~。でも……』

 

全王様……とは違うらしいからわたしは『天の声』と呼ぶことにして『天の声』さんがさっきまでの喋り方を止めて、真剣な声色になった。

 

『そのために今いる世界を捨てる覚悟はある……?』

 

「えっ……?」

 

『君達のいる世界とは違う世界に君達の会いたい人はいる。そこに行くってことは2度と戻ってこれないかもしれないよ?そうなった場合は君の築いてきた家庭や仲間を棄てることになる。それでも……会いたい?』

 

「っ!」

 

思わず言葉が詰まってしまった。あの人のことは大切だけど、だからといってわたしの愛した夫や、競いあった仲間達を棄ててしまってまで本当に良いのだろうか……?

 

わたしが悩んでいると今まで隣で黙っていた私の娘が口を開いた。

 

「……私は、それでも構いません。本当はお父さんやお世話になった人達を切り棄てたくない……。でも!あの人に会いたい!!それくらい私の中ではあの人の存在が大きくなっていますから!!だから……会いたいですっ!」

 

9歳とは思えないくらい大人びていた娘が泣き叫びながらあの人への想いを告げる。

 

……駄目だな。娘がここまでの覚悟を持って言ったのに、何時までもウジウジと。わたしだって……!

 

「わたしも会いたい!夫や仲間は棄てたくないけど、あの人だって大切だから!!」

 

『……うん、良い覚悟だね』

 

わたし達の覚悟を聞いていた『天の声』さんは言った。

 

『いいよ。君達が会いたがっていた人に会わせてあげる。もちろんさっき言ったリスクは負わせないよ。何せ彼女にとっても君達は大切なんだからね!』

 

「あ、ありがとうございます!」

 

「ありがとうございます!」

 

会える……!あの人に会うことができるんだ!

 

『天の声』さんはまたのんびりとした感じの口調に戻った。

 

『さて、じゃあ早速……っとその前に君達が会いたがっている人が今どんな世界にいるかを軽く教えるね~』

 

「「はい!」」

 

『まず彼女がいる世界は君達が今いるような戦いの世界とは無縁だね~』

 

「そ、そうなんですか……?」

 

てっきり更なる強さを求めて戦いに明け暮れているのかと思ってた……。

 

『……まぁ競技という意味では戦いの世界と言ってもいいのかもしれないけどね~。それで……』

 

それからあの人が今いる世界について色々聞いた。内容を挙げ出すとキリがないので、1つだけ言うと……。

 

麻雀が盛んな世界ということ。

 

『じゃあ君達をその世界へと送り込むね~』

 

「「お願いします!」」

 

いよいよあの人と御対面!……なんてき仰々しい言い方になってしまったね!

 

そう考えていると『天の声』さんはバツが悪そうな顔をしていた。何かあったのかな?

 

『……ゴメン。どうやら君達をその世界に送ることに失敗しちゃったみたい~』

 

……えっ?どういうこと?




今回はここまでです。

プロローグの間……というより咲の世界sideになるまでは台本形式じゃありません。

今日は本編の方も挙げてますので、そっちも見てってくださぇ!


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~インターハイ団体戦全国準決勝~
第45話 全国大会準決勝①


今回もよろしくです。


今日はいよいよ準決勝……。2回戦とはまた違った緊張感があるよね。

 

伊吹「団体戦も残すはあと2日!結果はどうあれ全力を出していこう!!」

 

『はいっ!!』

 

とはいえもちろん目指すのは優勝だけどね。

 

伊吹「じゃあ選手入場があるから会場に行こうか」

 

杏子「あれ?2回戦では紹介だけで私達が入場することはありませんでしたよね……?」

 

確かに……。準決勝からなのかな?

 

伊吹「ベスト8に入ったからじゃないかな?知らないけど」

 

鈴音「まぁそのあたりが理由ですよね」

 

伊吹「さっ!早く行くよ!!」

 

2度目の促しで私達は会場へと歩いていった。

 

 

~そして~

 

みさき『今日は準決勝第2試合!決勝進出の残り2つの椅子を賭けての戦いです。実況は私、村吉(むらよし)みさきが、解説は野依理沙(のよりりさ)プロがお送りします。野依プロ、本日の見所はどのあたりでしょう?……野依プロ?』

 

理沙『全部』

 

みさき『……そういう社交辞令というか綺麗事じゃなくてですね……ポイントが知りたいんですが』

 

理沙『…………制服』

 

みさき『……はい、ありがとうございました。それでは出場校の紹介に入ります』

 

 

みさき『今回の試合は4校の内の3校が初出場の高校がです。まずは南大阪代表、姫松高校!関西の強豪で準決勝にはほぼ常連でこの準決勝で唯一のインハイ出場の経験がある高校です』

 

 

 

みさき『続いて長野代表、清澄高校!インターミドルチャンピオンの原村和を擁する初出場校の1つ目で昨年大暴れした龍門渕高校を破っての全国出場して準決勝進出まで来ました!1回戦、2回戦ともにトップで通過しております!!』

 

 

 

みさき『続いて2つ目の初出場校の南北海道代表、有珠山高校!1回戦ではトップ通過をしたものの2回戦はシード高校の臨海を追い抜き2位で準決勝に出場しています!!』

 

 

 

みさき『そして3つ目の初出場!そして一気に優勝候補だと騒がれております千葉県代表、総武高校!!県大会は全て中堅で、1回戦は副将で他校を飛ばしています!そして2回戦では2位との点差が約250000と驚愕の打点を叩き出しています』

 

 

鈴音「杏子、頑張ってね」

 

杏子「……はい!」

 

未来「昨日の特訓の成果をこの準決勝と明日の決勝で見せてきなさい」

 

杏子「師匠に教わったことをこの2日で出し切ります!!」

 

気が早いなぁ……。もう決勝のことを話してるよ。そして昨日2人に何があったの?

 

みさき『さあ、いよいよそのときがやってきました!各校の先鋒選手が会場へと向かい、まもなく先鋒戦が始まります』

 

優希「よろしくだじぇ!」

 

漫「よろしくお願いします」

 

成香「よ、よろしくお願いします」

 

杏子「よろしくお願いします……!」

 

みさき『先鋒戦開始!』

 

さて、この手強い相手に杏子はどう戦うのだろう。

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

次回からはしばらく準決勝戦はお休みして番外編を書こうと思います!!


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第46話 全国大会準決勝②

久々に本編を投下なのです。では今回もよろしくです。


杏子side

 

清澄 100000

 

姫松 100000

 

総武 100000

 

有珠山 100000

 

 

~東1局 ドラ 3筒 親 片岡優希~

 

杏子(起家は片岡さんか……)

 

私は試合前のミーティングの出来事を思い出す。

 

 

~回想~

 

鈴音『清澄の片岡さんは東初の起家を担当する確率がかなり高いよ』

 

美咲『偶然ってことはないの?』

 

鈴音『そう思って統計を取った結果、ほとんどが起家でスタートしているからこれに関しては彼女の能力なのかもしれないね』

 

綾香『能力……総武に来るまではそんなこと信じられなかったですね』

 

杏子『綾香ちゃんにも能力があるって鈴音先輩から聞いたときはどこか悟ってしまったよね』

 

綾香『う~ん……オカルト否定派だったのになぁ……』

 

鈴音『話を戻すよ。……さらに片岡さんは個人戦の歴代ハイスコアを初日の東場に叩き出した』

 

綾香『本当ですか!?それって美咲先輩よりも稼いでいるってことですよね?』

 

美咲『私も記録を見たときはビックリしたよ……』

 

未来『但しそれは初日……しかも東場のみの話よ』

 

綾香『それでもすごいですよ……』

 

鈴音『まぁ要するに彼女も常識の向こう側にいるってことだね』

 

 

~現在~

 

杏子(その上に速度と火力がある……というのが2回戦までの牌符を見て私が思ったこと)タンッ

 

優希「ポン!」カシャッ タンッ

 

杏子(鳴いてきた……?鳴くのは余りしなくて基本的には門前でよくリーチをするって話たったけど、それが偶然この局にしている?それともこれは鈴音先輩が予測していたと言っていたことかも……何れにしても油断は禁物)

 

成香「」タンッ

 

優希「ロン!5800!!」

 

成香「はい……」

 

杏子(鳴きも入れて速度を上げて来ている……というのが鈴音先輩が予測していたらしい。決勝ではドラを大量に抱える使い手がいるからそれに備えてるのかも)

 

優希「まずは1本場だじぇ!」

 

清澄 100000+5800=105800

 

有珠山 100000-5800=94200

 

 

~東1局1本場 ドラ 2萬~

 

成香「」タンッ

 

優希「チー」カシャッ タンッ

 

杏子(また鳴いてきた。これはやっぱり鈴音先輩の予測通りのようだね)

 

漫(2回戦とスタイルがちゃうやんか……。どうやって対応すればええねん……!)

 

優希「ツモ。1100オール」

 

清澄 105800+3300=109100

 

姫松 100000-1100=98900

 

総武 100000-1100=98900

 

有珠山 94200-1100=93100

 

 

優希「ここに山を築く。今度こそ……誰にも賽は振らせない……!」

 

漫(また大暴れするつもりなん……!?)

 

成香(サイコロを振らせない……?意味がよくわかりませんが気を付けないといけませんね……!)

 

杏子(すごい自信……。もしも本当に誰にもサイコロを振らせずにこの先鋒戦の東1局だけで終わらせる力があるならうちの先輩達よりも遥かに強い。……ハッタリだとは思うけど、一応片岡さんが言っていた展開も視野に入れておこう。鈴音先輩や未来師匠も物事は常に最悪を想定しておいた方がいいって言ってたしね)

 

だからしばらくは様子見でいこう。

 

 

 

 




今回はここまでです。キリがいいので……。これからは本編を投稿したり番外編を入れてみたりします。

次回、続く先鋒戦東1局……片岡優希の連荘に対して杏子はどう動くのか……?


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第47話 全国大会準決勝③

本編の最新話には☆をつけることにしました。なおこの印は午後には消す予定です。では今回もよろしくです。


杏子side

 

清澄 109100

 

姫松 98900

 

総武 98900

 

有珠山 93100

 

~東1局2本場 ドラ 白~

 

成香「」 タンッ

 

優希「チー!」カシャッ タンッ

 

とりあえず仕掛けてみよう。

 

杏子「ポン」カシャッ タンッ

 

優希(東場の私にスピード勝負とはいい度胸だじぇ)

 

杏子(様子見の段階だけど、止められるならそれに越したことはない)

 

成香(妹尾さんも動き出しました……。怖いですけど、私だって引くわけにはいきません……!)タンッ

 

優希「チ……」

 

杏子「ポン」カシャッ

 

優希「!!」

 

杏子「」タンッ

 

優希(ポンした1萬を切っただと……?何故カンにしなかったんだじぇ?)

 

杏子(今の手牌ではカンをするべきじゃなかったからポンにしてあと1枚の1萬を切ることにした……。これは1萬はもう河に残っていないということを示すためのもの)

 

優希(……1萬はもうない。2萬と3萬が余ってしまうじぇ)

 

杏子(張った……!1萬をチーしようとしたということは恐らく今の片岡さんは2萬と3萬が余っているはず。私のこの待ちがその2牌だからそれを出せば片岡さんの親が終わるけど……)

 

優希「」タンッ

 

杏子(流石に誘いには乗らない……か)

 

~そして~

 

優希「テンパイ」

 

漫「ノーテン」

 

杏子「テンパイ」

 

成香「テンパイ」

 

みさき『流局です!清澄高校の片岡選手、最後まで2萬と3萬のペンチャンを手放しませんでした』

 

理沙『正解!』

 

優希(2萬と3萬で待っていたのか……。あのときの切られるような感じがしたのは気のせいじゃなかったじょ……)

 

杏子(あれから形を崩すことはなかった……。重なるのを待っていたのかな?辻垣内さんの真似をしようとしたけど上手くいかなかったな……)

 

清澄 109100+1000=110100

 

総武 98900+1000=99900

 

姫松 98900-1000=97900

 

有珠山 93100+1000=92100

 

 

~そして~

 

優希「テンパイ」

 

漫「ノーテン」

 

杏子「ノーテン」

 

成香「テンパイ」

 

 

清澄 110100+1000=111100

 

総武 99900-1000=98900

 

姫松 97900-1000=96900

 

有珠山 92100+1000=93100

 

 

優希「テンパイ」

 

漫「ノーテン」

 

杏子「ノーテン」

 

成香「テンパイ」

 

 

清澄 111100+1000=112100

 

総武 98900-1000=97900

 

姫松 96900-1000=95900

 

有珠山 93100+1000=94100

 

 

みさき『またも流局!どこの高校も余り点数が大きく動きません』

 

理沙『接戦!』

 

 

杏子(これで3回連続で流局……。誰も片岡さんを止められていない。敵は彼女だけじゃないからもう少し様子見を続けたかったけどそろそろ攻めにいこうかな…?)

 

優希(切られるような感覚が総武の奴から感じたじょ。けどこの2局はノーテン……気のせいだったのか?)

 

これで東1局も5本場……。早く連荘を終わらせなきゃ……!

 

 

 

杏子sideout

 

 

 

綾香「流局が続きますね……」

 

未来「そうね」

 

鈴音「ねえ未来、昨日杏子と何をしていたの?」

 

未来「昨日は杏子と一緒に先鋒で当たる選手の牌符を見てその選手の対策。あとは2回戦までの杏子がどのようにして打っていたかを思い出しながら私と打っていたのよ」

 

鈴音「……それだけ?」

 

未来「それだけよ。まぁ数多く打ったけれど」

 

本当にそれだけなのかなぁ……。杏子が未来のことを師匠と呼んでいたから他にも何かあると思うんだけど…。

 

美咲「そろそろ杏子ちゃんが動きそうだよ!」

 

美咲がそう言うのでテレビの方を見ると何かを決めたような表情をした杏子が映った。恐らくこの局で長かった東1局が終わるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

次回、長かった東1局に終止符が打たれる……。止めるのは誰だ!?


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第48話 全国大会準決勝④

今回もよろしくです。


杏子side

 

清澄 112100

 

総武 97900

 

姫松 95900

 

有珠山 94100

 

 

~東1局5本場 ドラ 1萬~

 

この配牌だとそこまで高くはならないけど片岡さんの連荘を止めることならできそう……!

 

 

~そして~

 

優希「リーチ!」タンッ

 

 

清澄 112100-1000=111100

 

 

漫(今度はリーチ!?2回戦よりも攻撃パターン多いやん……)

 

成香(このまま片岡さんを止められないのでしょうか……?)

 

杏子(この局は鳴かなかった……?割と早い巡目だから欲が出たのかな?だったら……!)

 

杏子「ポン」カシャッ タンッ

 

漫(妹尾さんが鳴いて仕掛けた!?)

 

成香(1発消しでしょうか……?)タンッ

 

杏子「ロン」

 

成香「!?」

 

杏子「2000の5本場は……3500です」

 

成香「は、はい……」

 

漫(まさか同巡で張ってたんか……?)

 

優希(うぐぐ……!まさか鳴かなかっただけで流されるなんて……。東場の私にも負けていないスピードだと……?)

 

杏子(とりあえず片岡さんの連荘は終了……。これで勢いはかなり落ちたはず)

 

 

総武 97900+3500+1000=102400

 

有珠山 94100-3500=90600

 

 

 

~東2局 ドラ 8索 親 上重漫~

 

優希(連荘は止められたけどまだ流れはこっちにあるじぇ!)

 

漫「」タンッ

 

優希「ロン!3900だじぇ!!」

 

漫「はい……」

 

杏子(……とはいえまだ流れは片岡さんにある。南入するまではこの調子かも)

 

 

清澄 111100+3900=115000

 

姫松 95900-3900=92000

 

 

~そして~

 

優希「ツモ!1000、2000!!」

 

東3局は片岡さんがツモ上がりをした。今回は徹底して速度を優先するみたい。

 

 

清澄 115000+4000=119000

 

総武 102400-2000=100400

 

姫松 92000-1000=91000

 

有珠山 90600-1000=89600

 

 

 

~東4局 ドラ 4筒 親 本内成香~

 

 

~8巡目~

 

杏子(……?9の牌が来なくなった。私は一九字牌が来やすくなる能力って前に鈴音先輩が言っていた……にも関わらずその内の9の牌が来ていないということは)

 

漫「…………」

 

杏子(上重さんが持っている可能性が高い……)

 

 

~回想~

 

鈴音『姫松の上重さんは対戦相手によってムラがあるみたいだね』

 

美咲『ムラ……?』

 

綾香『それってどういうことですか?』

 

鈴音『詳しくはわからないけどノッてるときは7、8、9……まぁ要するに上の牌が固まって来ることがあるんだって』

 

杏子『上の牌……ですか?』

 

鈴音『牌符を見る限りはそんな感じだけど実際は手を広げるまではわかってないんだけど……杏子の能力ならわかるかもね』

 

杏子『私の能力……』

 

鈴音『杏子は一九字牌が来やすいからその内の9の牌が来なくなったらそれは上重さんが牌の偏りを見せているってことだね。姫松の人達はこれを爆発と呼んでいるらしいよ』

 

 

 

~現在~

 

 

漫「ツモ!3000、6000!」

 

杏子(上の牌による三色……。これがその『爆発』ってことなんだ……)

 

優希(くっ……東場が終わってしまったじぇ……!」

 

成香(私だけ焼き鳥……不味いです!)

 

 

清澄 119000-3000=116000

 

姫松 91000+12000=103000

 

総武 100400-3000=97400

 

有珠山 89600-6000=83600

 

 

これで南入……。ここからが頑張りどころだね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

次回、杏子は漫の爆発に対してどう立ち向かう!?


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第49話 全国大会準決勝⑤

今回もよろしくです。


杏子side

 

 

清澄 116000

 

姫松 103000

 

総武 97400

 

有珠山 83600

 

 

~南1局 ドラ 1索 親 片岡優希~

 

片岡さんに続いて上重さんも動き始めた……。とりあえず今は決勝進出のためにできることをやっていこう。

 

優希(南場はとにかく守りを優先するじょ……)

 

成香(とにかく1つ上がらないと……!)

 

漫(手がいい感じに進む……。末原先輩が言ってた爆発のときが来たってことやな)

 

 

~そして~

 

漫(できた!ツモり四暗!!)

 

漫「リーチ!」タンッ

 

漫(これはとにかく上がりたい!!)

 

杏子(!?……上重さんからとてつもない手を感じる。この局はとにかく流さないと!)タンッ

 

成香(いい手ができました!でも振り込みが怖いからダマでいきます!)タンッ

 

杏子(本内さんからもかなりの手を感じる……。とにかくここは……!)

 

杏子「ポン」カシャッ タンッ

 

優希(姫松の上重が動き始めた……でも南場の私は例え親でも無理に動きはしないじぇ!)タンッ

 

杏子(理想なのは片岡さんか上重さんが本内さんに振り込むか、このまま流局すること……。だとしたら今の私にできることはとにかく現物を落とすこと)

 

漫(……流石に1発はないか)タンッ

 

杏子(だからこの局は降りることに徹底する……!)タンッ

 

成香(これじゃありません……。早く上がりたいです……)タンッ

 

~そして~

 

漫(あー!中々来ぇへん!!)タンッ

 

成香「ロ、ロンです!!」

 

漫(しまった!)

 

成香「24000です!」

 

漫(しかも高っ!こんなんじゃまたデコに油性やん……)

 

成香(焼き鳥脱出でしかも3倍満……素敵です!)

 

杏子(ふぅ……これで上重さんがおとなしくなったらいいんだけど……)

 

 

姫松 103000-24000=79000

 

有珠山 83600+24000=107600

 

 

~南2局 ドラ 6筒 親 上重漫~

 

漫(あかん!今ので最下位に転落してしもた!この親でなんとか取り戻さんと!!)

 

杏子(上重さんがさっきのでものすごく焦ってる……。師匠が言うには人は動揺すると隙が生じるらしい。だから……)

 

漫「」タンッ

 

杏子「ロン」

 

杏子(こういう風に不用意に振り込むことがある……)

 

漫「!!」

 

杏子「8000です」

 

漫「……はい」

 

 

総武 97400+8000=105400

 

姫松 79000-8000=71000

 

 

~南3局 ドラ 4萬 親 妹尾杏子~

 

漫(……今ので目ぇ覚めた。あの3倍満は事故にすぎんのに動揺して妹尾さんに振り込んでもた。にも関わらず手は乗ってきてる。だから……)

 

漫「リーチ!」タンッ

 

漫(配牌から張ってる状態でダマにするわけにはいかへん!!)

 

杏子(……また上重さんから大きい手を感じる。さっきのがトリガーになったのかな?)タンッ

 

成香(安牌がありません……)タンッ

 

漫「ロン!」

 

杏子(1発……!)

 

漫「16000です!!」

 

成香「は、はい……」

 

 

有珠山 107600-16000=91600

 

姫松 71000+16000=87000

 

 

~そして~

 

漫「ツモ!4000、8000です!!」

 

 

清澄 116000-4000=112000

 

姫松 87000+16000=103000

 

総武 105400-4000=101400

 

有珠山 91600-8000=83600

 

 

みさき『前半戦終了!トップは清澄高校。東場の連続和了が効いています。姫松の上重選手は最後の2局に倍満を上がることで失点を無くしプラスに持っていきました。総武高校の妹尾選手は要所で上がりこちらもプラス収支です。有珠山高校本内成香は唯一のマイナスですが、3倍満を上がったことが効いており、3校との点差はそこまで大きなものではありません!展開はどうなっていくのでしょうか!』

 

理沙『拮抗!』

 

杏子(後半戦で相手がどう出るか……。私は決勝に備えて片岡さんと上重さんをよく見ておきたい。本内さんは2回戦である程度実力はわかっているけどさっきみたいなのがあるかもしれないから油断できないかも……)

 

鈴音先輩と未来師匠が情報は多ければ多いほど有利になるって言ってたし頑張ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。


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第50話 全国大会準決勝⑥

今回もよろしくです。


杏子side

 

 

清澄 112000

 

姫松 103000

 

総武 101400

 

有珠山 83600

 

 

 

みさき『さあ、後半戦スタートです!』

 

 

~東1局 ドラ 中 親 片岡優希~

 

杏子(起家はやっぱり片岡さん……。上重さんの爆発もあるなかどう出るのかな?)

 

優希「リーチだじぇ!」タンッ

 

 

清澄 112000-1000=111000

 

 

 

 

杏子(ダブルリーチ……!)

 

成香(怖いです……!)タンッ

 

漫(調子ええなぁ……。安牌ないやん)タンッ

 

杏子「チー」カシャッ タンッ

 

杏子(片岡さんの1発を消しつつ手を進める。連荘されたらたまったものじゃないから絶対に流す……!)

 

 

~6巡目~

 

優希(……中々来ないじょ。それに総武の奴の鳴きはなんだか嫌な感じがするから早く上がりたいじぇ!)タンッ

 

杏子「ロン」

 

優希「じょ!?」

 

杏子「3900」

 

杏子(幸先よし。リーチ棒も手に入ったし、この調子でいこう)

 

 

清澄 111000-3900=107100

 

総武 101400+3900+1000=106300

 

 

~そして~

 

杏子「ロン。5200です」

 

成香「は、はい……」

 

 

 

総武 106300+5200=111500

 

有珠山 83600-5200=78400

 

 

 

杏子「ツモ、500、1000です」

 

 

総武 111500+2000=113500

 

清澄 107100-500=106600

 

姫松 103000-1000=102000

 

有珠山 78400-500=77900

 

 

 

優希「ツモ!1000、2000!!」

 

 

 

総武 113500-2000=111500

 

清澄 106600+4000=110600

 

姫松 102000-1000=101000

 

有珠山 77900-1000=76900

 

 

杏子(連荘できなかった……。やはり東場の片岡さんは先輩達に匹敵するくらい強い……!)

 

優希(総武には負けられないじぇ!)

 

漫(折角爆発でいい手が入ってるのに清澄と総武のスピードに追い付けへん!)

 

成香(3倍満を上がったのに点数の出費が多すぎます!)

 

漫(とにかく……!)

 

成香(残りの4局は……!)

 

優希(1つでも多く……!)

 

杏子(誰よりも早く……!)

 

『上がる……!』

 

 

~そして~

 

 

総武 119700

 

姫松 113500

 

清澄 104000

 

有珠山 62800

 

 

みさき『先鋒戦終了!トップは総武高校です!2位の姫松、3位の清澄との点差は大きくなく満貫直撃で引っくり返ります。最下位の有珠山は離されてはいますが、まだまだ逆転のチャンスがあります!次鋒でどのような展開が見られるか!』

 

理沙『目が離せない!』

 

杏子(なんとかトップで終わった……。あとは先輩達と綾香ちゃんに任せよう)

 

 

杏子sideout

 

先鋒戦が終わり総武はトップで次に繋がった。

 

杏子「ただいま戻りました」

 

綾香「おかえり!やったね杏子!トップだよ!!」

 

杏子「みんなのおかげだよ……」

 

未来「あれは使わなかったのね」

 

あれってなんだろう?

 

杏子「はい、まだまだ未完成ですから……。でも決勝までには仕上げます」

 

鈴音「あれって?」

 

私は気になって未来に聞いてみた。

 

未来「それは決勝になってからのお楽しみよ」

 

『間もなく次鋒戦が始まります。選手は会場へと向かってください』

 

未来「さて、行ってくるわね」

 

美咲「未来ちゃん、頑張って!」

 

杏子「師匠、頑張ってください!!」

 

未来「ええ」

 

鈴音「余りやりすぎないようにね」

 

未来「心配いらないわ。杏子がトップで終わらせたのだから今回は流しで終わらせるつもりよ。……それに2回戦のことがあるから3校にはかなり警戒されているでしょうし」

 

そう言いながら未来は会場へと歩いていった。まぁ未来なら心配ないと思うけど……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

次回は次鋒戦……の前に部員日和を挟むかな……?また来年なのです!


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第51話 全国大会準決勝⑦

今回もよろしくです。


未来side

 

会場に着くと他の3人が既に待ち受けていた。

 

由子「よろしくなのよー」

 

由子(響さんの爆発は要注意なのよー)

 

誓子「よろしくお願いします」

 

誓子(2回戦みたいに響さんが暴れなきゃいいけど…)

 

まこ「よろしゅう」

 

まこ(まぁやれるだけやるかの)

 

未来(やはり警戒されてるわね。仕方のないことだけれど)

 

未来「よろしく」

 

みさき『次鋒戦開始です!!』

 

 

 

総武 119700

 

姫松 113500

 

清澄 104000

 

有珠山 62800

 

 

 

~東1局 ドラ 7萬 親 染谷まこ~

 

まこ(起家か……。優希じゃないけどタコス力……なんて勢い付けばいいんじゃが……)

 

誓子(響さんに警戒しながら上がりに行こう……!)

 

未来(……まぁいつも通り打っていきましょう)

 

 

~そして~

 

 

誓子「」タンッ

 

未来「ロン」

 

誓子(しまった……!)

 

未来「3900」

 

誓子「……はい」

 

未来(まずは1つ……)

 

 

総武 119700+3900=123600

 

有珠山 62800-3900=58900

 

 

~東2局 ドラ 3索 親 桧森誓子~

 

誓子(この親で頑張って稼がないと……!)

 

 

~8巡目~

 

誓子(できた!倍満の手!!あとはとにかく上がるだけ……お願いします!!!)

 

誓子「リーチ!」タンッ

 

有珠山 58900-1000=57900

 

まこ(親リーか……)

 

由子(連荘は防ぎたいのよー)

 

未来(…………)

 

 

 

~そして~

 

誓子(わわっ……。感謝します!)

 

誓子「ツモ!リーチ、ツモ、タンヤオ、ピンフ、イーペーコー、三色、ドラ3……」

 

まこ(親倍……!)

 

未来(いえ、これは……)

 

誓子「さらに裏が3で……16000オール!!」

 

未来(数え役満……!)

 

由子(まさかの展開なのよー……)

 

まこ(これは相当キツいことになったのう……)

 

みさき『有珠山の桧森選手、数え役満を上がることで一気に原点まで点数が回復し、2位まで浮上しました!』

 

 

総武 123600-16000=107600

 

有珠山 57900+1000+48000=106900

 

姫松 113500-16000=97500

 

清澄 104000-16000=88000

 

 

 

~東2局1本場 ドラ 発~

 

未来(さっきので染谷さんが動揺してるわね。もしかして『見えてない』のかしら?)

 

まこ(ラス転落……それならまだしも河が見えん……。このままじゃ……)タンッ

 

未来「ロン」

 

まこ「!!」

 

未来「5500」

 

未来(『見えてない』彼女は私からしたらただの的ね。狙い打ちしようかしら?)

 

 

総武 107600+5500=113100

 

清澄 88000-5500=82500

 

 

~そして~

 

由子「ツモ。1300、2600よー」

 

 

総武 113100-2600=110500

 

有珠山 106900-1300=105600

 

姫松 97500+5200=102700

 

清澄 82500-1300=81200

 

 

未来「ツモ。2000、3900よ」

 

 

総武 110500+7900=118400

 

有珠山 105600-2000=103600

 

姫松 102700-3900=98800

 

清澄 81200-2000=79200

 

 

まこ(これで南入か……。参った……上がれる気が全然せん。……いや、弱気はいけん……!落ち着いて、普段通りでいいんじゃ!普段通り打って、上がれたら上がるっちゅうことにしよう)

 

未来(染谷さんの雰囲気が変わった……。ここからは清澄のターンかしら)

 

何にせよ気を付けないといけないわね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。


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第52話 全国大会準決勝⑧

今回もよろしくです。


未来side

 

 

総武 118400

 

有珠山 103600

 

姫松 98800

 

清澄 79200

 

 

~南1局 ドラ 中 親 染谷まこ~

 

 

まこ(気合入れ直した……!とにかくわしにできることをやっていくんじゃ!)

 

未来「ツモ。3000、6000よ」

 

まこ(……言うたそばからこれじゃ。しかも跳ね満)

 

 

総武 118400+12000=130400

 

有珠山 103600-3000=100600

 

姫松 98800-3000=95800

 

清澄 79200-6000=73200

 

 

~南2局 ドラ 4萬 親 桧森誓子~

 

まこ(今度こそ上がっちゃる!)

 

誓子「」タンッ

 

まこ「ロン!」

 

誓子「うぇっ!?」

 

まこ「8000!」

 

誓子「……はい」

 

まこ(とりあえず1つじゃの……。とことん食らいついちゃるけぇ!)

 

 

~そして~

 

まこ「ツモ!2000、4000!」

 

 

総武 136000-4000=132000

 

姫松 112500-2000=110500

 

有珠山 84500-2000=82500

 

清澄 67000+8000=75000

 

 

みさき『次鋒戦終了!1位、2位は変わらず有珠山と清澄の順位が入れ替わりました。ですが勝負はどうなるかまだまだわかりません。この後はお昼休みを挟み中堅戦になります!』

 

まこ(最下位からは抜け出せんかったか……。有珠山の役満が痛すぎたの)

 

由子(マイナスで終わってしまったけど、この面子でよく頑張ったのよー……)

 

誓子(2位の背中はまだ遠いけど区間トップ!やっぱりあの数え役満が効いたよね!)

 

未来(+12300……まぁこんなものかしら。あとは後続に託しましょう)

 

何せ次は美咲の番ですもの。

 

 

未来sideout

 

 

 

次鋒戦が終了し、未来が戻ってきた。

 

未来「戻ったわ」

 

杏子「師匠、お疲れ様です!」

 

鈴音「お疲れ。よく+収支で終わらせれたね」

 

綾香「有珠山はあの数え役満がありましたからね……。桧森さんは3年生ってことは『例のあれ』が原因ですかね?」

 

未来「まぁ十中八九そうでしょうね。それに有珠山は副将と大将を要注意しなくちゃいけないわ」

 

鈴音「どちらも大きい一撃があるからね」

 

綾香「鈴音先輩はともかく私は結構キツいかもです…」

 

まぁ綾香の対戦相手は2回戦で暴れた真屋さんともう1人……インターミドルチャンピオンの原村和がいるからね。

 

未来「このお昼休みが終われば次は中堅戦ね。美咲、調子はどうかしら?」

 

美咲「……うん、すごく充実してる。誰が相手でも負けるつもりはないよ。少し早いけど行ってくる」

 

そう言って美咲は会場へと向かった。

 

鈴音「私、御手洗いに行ってくる」

 

未来「ええ、行ってらっしゃい」

 

さて……と。

 

 

~そして~

 

鈴音「美咲」

 

美咲「鈴音ちゃん、どうしたの?」

 

鈴音「ちょっと御手洗いにね。……掴めたの?」

 

美咲「……うん、掴めた。この中堅戦でそれを見せるつもりだよ。だから……」

 

鈴音「だから?」

 

美咲「ーーーーーーーーーー」

 

鈴音「……そっか、もしそうなっても気にしないよ。思いっきり打ってきて」

 

美咲「うん!頑張るよ!!」

 

元気よく美咲は返事をした。………私も御手洗いに行こう。

 

 

~そして~

 

鈴音「ふぅ……」

 

未来「美咲と何を話していたのかしら?」

 

鈴音「ちょっと意気込みみたいな感じのことをね。……美咲は掴めたって言ってたよ」

 

未来「……ということはこの中堅戦でどこか飛ぶ可能性が高いわね」

 

鈴音「どうかな?この準決勝まできた相手だ。有珠山の岩舘さんだって2回戦では美咲相手に戦績は+だった。それに姫松の愛宕洋榎さんに清澄の竹井さん……。今日はこの2人もいるからそう上手くはいかないと思うよ」

 

とはいえあの時の……。

 

美咲『もしどこか飛ばしてしまったらごめんね……』

 

この台詞を聞いたときは少し寒気がした。中堅戦で試合が終わるのは県大会でもあったことなのに今日の美咲はその時とはくらべものにならない。まぁ……これはつまりあれだ。

 

…………私の出番来るかなぁ。

 

 

 

 




今回はここまでです。


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第53話 全国大会準決勝⑨

今回もよろしくです。


美咲side

 

 

総武 132000

 

姫松 110500

 

有珠山 82500

 

清澄 75000

 

 

美咲(私が掴んだもの……それを今日、そして明日に出しきるよ……!)

 

みさき『中堅戦開始です!』

 

 

~東1局 ドラ2筒 親 佐野美咲~

 

美咲(配牌もいい感じ……)タンッ

 

久(佐野美咲さん……。総武高校の稼ぎ額で県大会を全て彼女で終わらせている。その上……)タンッ

 

洋榎(個人戦2位ときたもんや。……去年の借りを返させてもらうで)タンッ

 

揺杏(2回戦では佐野のおねーさんに点数恵んでもらったけど今回は同じようにはいかないよなー……。まぁ頑張るしかないか……!)タンッ

 

 

~そして~

 

洋榎「ツモ!2000、3900や!」

 

美咲(4巡目……やっぱりそう簡単にはいかないね…!)

 

 

総武 132000-3900=128100

 

姫松 110500+7900=118400

 

有珠山 82500-2000=80500

 

清澄 75000-2000=73000

 

 

~東2局 ドラ 4索 親 竹井久~

 

美咲「リーチ!」タンッ

 

 

総武 128100-1000=127100

 

 

洋榎(ダブリーか……)

 

久(彼女……やっぱり2回戦までとは雰囲気が違うわね。気を付けていきましょう)

 

揺杏(安牌ねーし……。ヤバいかな……)タンッ

 

美咲「ロン!24000!!」

 

久(1発……!)

 

洋榎(しかも3倍満か……)

 

揺杏(げっろ……。こりゃマジでヤベー……)

 

 

総武 127100+24000+1000=152100

 

有珠山 80500-24000=56500

 

 

~東3局 ドラ9筒 親 愛宕洋榎~

 

美咲「ツモ」

 

洋榎(は……!?)

 

久(嘘でしょ……!?)

 

揺杏(地和……マジかよ……)

 

美咲「8000、16000……!」ゴッ

 

洋榎(……これは予想外やな)

 

久(まずいわね……。早く彼女を止めなきゃ……!)

 

 

総武 152100+32000=184100

 

姫松 118400-16000=102400

 

清澄 73000-8000=65000

 

有珠山 56500-8000=48500

 

 

~東4局 ドラ 南 親 岩舘揺杏~

 

美咲「リーチ!」タンッ

 

 

総武 184100-1000=183100

 

 

 

 

揺杏(またダブリーかよ……!)

 

洋榎(早く止めんとな……!)

 

久(このまま佐野さんのペースになり続けるのはよくないしね……!)

 

 

~そして~

 

美咲「」タンッ

 

久「ロン!7700!!」

 

美咲「……はい」

 

洋榎(なんとか止まったか……)

 

揺杏(でも次は……)

 

久(佐野さんの親番ね……)

 

 

総武 183100-7700=175400

 

清澄 65000+7700+1000=73700

 

 

~南1局 ドラ 西 親 佐野美咲~

 

美咲(今日は今までで1番調子がいい……。これが鈴音ちゃんと未来ちゃんが言ってた『ゾーン』ってやつなのかな?さっき止められたのにまだ牌が押していけ、上がっていけって言ってる。だから……)

 

美咲「リーチ!」タンッ

 

美咲(この局も全力で上がりにいくよ!!)

 

 

 

総武 175400-1000=174400

 

 

 

 

みさき『総武高校佐野選手、これで3度目のダブルリーチです!誰か彼女を止めることができるでしょうか!?それともこのまま彼女が上がり続けるのか!?』

 

理沙『乗ってる!』

 

久(彼女……勢いが死なないわね……)

 

洋榎(これは3人で共闘せんとあかんか……?)

 

揺杏(とにかく佐野のおねーさんを全力で止める必要があるな……)

 

 

~そして~

 

揺杏「」タンッ

 

久「ポン!」カシャッ タンッ

 

美咲(ここで鳴いてきた……?私のツモ順を飛ばすためかな?それともテンパイのための鳴き……?)

 

洋榎「」タンッ

 

久「ロン!3900よ」

 

洋榎「ほーい」

 

美咲(親番が流された……。じゃああの鳴きはテンパイのためのものだったんだ)

 

 

姫松 102400-3900=98500

 

清澄 73700+3900+1000=78600

 

 

 

~そして~

 

洋榎「ツモ!1600、3200や!」

 

 

総武 174400-1600=172800

 

姫松 98500+6400=104900

 

清澄 78600-3200=75400

 

有珠山 48500-1600=46900

 

 

久「ツモ!3000、6000!!」

 

 

総武 172800-3000=169800

 

姫松 104900-6000=98900

 

清澄 75400+12000=87400

 

有珠山 46900-3000=43900

 

 

久「ツモ!1000、2000!!」

 

 

総武 169800-1000=168800

 

姫松 98900-1000=97900

 

清澄 87400+4000=91400

 

有珠山 43900-2000=41900

 

 

みさき『前半戦終了!トップは変わらず総武高校!後半失速していきましたが、前半の3倍満と役満が効いています。姫松は点数こそマイナスですが、2位をキープ!清澄は佐野選手の上がりに負けずプラスで終わらせています!有珠山はかなり点数が削られましたが、まだまだどうなるかわかりません!後半戦、各校はどのような麻雀を見せてくれるのでしょうか!?』

 

 

美咲(南入してから上がれなくなった……。やっぱり相手がそれほど強いってことだよね。後半戦はせっかく掴んだ『アレ』を試してみようかな……?)

 

とにかく後半戦も頑張ろう!

 

 

 

美咲sideout

 

 

綾香「美咲先輩、随分稼ぎましたね……。美咲先輩が掴んだって言ってたのと関係あるんですか?」

 

未来「いえ、あれはただのゾーンね」

 

綾香「ゾーン……?不動○星の偽者ですか?」

 

未来「確かにそれはゾーンだけれど、そのゾーンではないわ。ゾーン違いよ」

 

鈴音「……3年生がインハイで大きな活躍を見せることが毎年あるって話は前にしたよね?」

 

綾香「はい……。じゃあ美咲先輩のあの高火力はそのゾーンによるものなんですか?」

 

鈴音「そうなるかな。綾香と杏子も3年生になったらわかるかもね」

 

杏子「かも……?ゾーンに入れない可能性もあるってことですか?」

 

未来「そうね。でも2人ならそんな心配はしてないわ」

 

まぁ杏子と綾香の潜在能力なら確実にゾーンに目覚めるだろうね。

 

 

それにしても……美咲は今回どこまで本気を出していくのだろうか……?中堅戦始まる前にも思ったけど、私の出番あるといいなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。


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第54話 全国大会準決勝⑩

今回もよろしくです。


美咲side

 

 

総武 168800

 

姫松 97900

 

清澄 91400

 

有珠山 41900

 

 

みさき『さあ、後半戦スタートです』

 

美咲(今度はラス親……。決勝に進むためにも……そしてさらなる高みに辿り着き鈴音ちゃん達に追い付くためにも頑張るよ!!)

 

 

~東1局 ドラ 4筒 親 愛宕洋榎~

 

洋榎「出鼻挫きのダブルリーチや!」タンッ

 

 

姫松 97900-1000=96900

 

 

美咲(後半戦は守りを優先して、親が来たら連荘を目指すようにしようかな……?)

 

揺杏「」タンッ

 

久「」タンッ

 

美咲(2人はとりあえず現物を落とし、それに合わせ打ちみたい……。ここはひとまず私も合わせ打ちしよう)タンッ

 

 

~そして~

 

洋榎「」タンッ

 

久「ロン。5200よ」

 

洋榎「まぁ……しゃーないか。ほい」

 

 

清澄 91400+5200+1000=97600

 

姫松 96900-5200=91700

 

 

 

~東2局 ドラ 3索 親 岩舘揺杏~

 

揺杏(ここまで焼き鳥……。この親でなんとか稼ぎたいね)

 

 

~9巡目~

 

揺杏(よし、張った!そこまで高くないけど、親だから上がっておきたい!)

 

揺杏「リーチっと……」タンッ

 

 

有珠山 41900-1000=40900

 

 

美咲(親リー……。この手だと攻めを残しつつ降りることができるね。可能だったら上がりにいこう!)

 

~そして~

 

揺杏(来ないね~。どうなってんのやら)タンッ

 

美咲「ロン!」

 

揺杏(げっ……!)

 

美咲「3900!」

 

美咲(よし!リーチ棒もゲットだよ!!)

 

 

総武 168800+3900+1000=173700

 

有珠山 40900-3900=37000

 

 

 

~東3局 ドラ 西 親 竹井久~

 

久「」タンッ

 

洋榎「ロン!6400!」

 

久「はい」

 

久(う~ん……佐野さんの親が来るまでにできるだけ稼ぎたかったのにこの失点は痛いわね……)

 

 

姫松 91700+6400=98100

 

清澄 97600-6400=91200

 

 

 

~東4局 ドラ 7萬 親 佐野美咲~

 

美咲(親になると同時に手牌も乗ってきた……!この手は大事に育てたいね。ダブルリーチをかけられるけど、まだ高くなりそうだからリーチはしないよ!)

 

美咲「」タンッ

 

みさき『総武高校佐野選手、ダブルリーチ取らず!これは何を狙っているのでしょうか!?』

 

理沙『手を育ててる!』

 

みさき『それはまだまだ手が伸びる……ということでしょうか?』

 

理沙『そう!』

 

 

~そして~

 

みさき『これは……佐野選手、なんと四暗刻単騎をテンパイしました!ダブルリーチを取らなかった結果が大きく出ています!!』

 

理沙『正解!』

 

美咲(できた……!四暗刻単騎!有珠山にぶつけたら飛んじゃうからこのままダマで上がりに行く!)タンッ

 

久「ポン!」カシャッ タンッ

 

美咲(鳴かれた……。上がりに行きたかったけど、多分竹井さんに持っていかれたかな?)

 

久「ツモ!1000、2000!!」

 

 

総武 173700-2000=171700

 

姫松 98100-1000=97100

 

清澄 91200+4000=95200

 

有珠山 37000-1000=36000

 

 

美咲(う~ん……ダブルリーチにしていたら上がれていたのかな?……いや、自分で決めたことだからこれでよかったんだよね)

 

美咲「ちょっとごめんね……?」

 

私は山にある牌を確認した。

 

美咲(あのポンがなかったら四暗刻単騎をツモ上がりできたんだ……。すごいなぁ竹井さん……。私も負けてられないよ!)

 

残りの4局も私は全力で麻雀を打つよ!

 

 

美咲sideout

 

 

綾香「惜っしい~!あのポンがなかったら美咲先輩がすったん上がってたのに!!」

 

未来「これに関しては竹井さんの方が上手のようね」

 

鈴音「竹井さんは強いよ。多分全国の高校生選手の中でもトップクラスだと思う」

 

実際に打ったことがあるからなおさらその実力がわかるし、あのときよりも強くなってるだろう。

 

 

あと4局……美咲がどこまで稼ぐのかな……?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。


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第55話 全国大会準決勝⑪

今回もよろしくです。


美咲side

 

 

総武 171700

 

姫松 97100

 

清澄 95200

 

有珠山 36000

 

 

~南1局 ドラ 6筒 親 愛宕洋榎~

 

美咲(今回もいい感じの配牌……。上がれたらいいけど……)

 

久「ツモ!2000、4000!」

 

美咲(周りがそれをさせてくれない……。無理に攻めようとすると振り込んじゃうし、親じゃないし役満でもない限り基本的には降りかな……?)

 

 

総武 171700-2000=169700

 

清澄 95200+8000=103200

 

姫松 97100-4000=93100

 

有珠山 36000-2000=34000

 

 

~南2局 ドラ 北 親 岩舘揺杏~

 

揺杏(最後の親だし……いい加減上がりたいのになぁ~)

 

洋榎「ツモ!2000、3900や!」

 

揺杏(こりゃもう上がるのは無理かな~……ヘコむわマジで……)

 

 

総武 169700-2000=167700

 

清澄 103200-2000=101200

 

姫松 93100+7900=101000

 

有珠山 34000-3900=30100

 

 

~そして~

 

美咲「ツモ!1300、2600!」

 

美咲(うん、親前に勢いついたかな?)

 

 

総武 167700+5200=172900

 

姫松 101000-1300=99700

 

清澄 101200-2600=98600

 

有珠山 30100-1300=28800

 

 

久(ついに来た……!)

 

揺杏(南ラスの……)

 

洋榎(佐野美咲の親番……)

 

~南4局 ドラ 南 親 佐野美咲~

 

美咲(よし、配牌からテンパイ!親だしどんどんいくよ!)

 

美咲「リーチ!」タンッ

 

 

総武 172900-1000=171900

 

 

みさき『佐野選手、ラスカルに駄目押しのダブルリーチです!』

 

揺杏(安牌ないし勘弁してほしいなぁ……)タンッ

 

美咲「ロン!」

 

揺杏(うっお……)

 

美咲「ダブルリーチ、1発、ドラ4……18000!」

 

 

総武 171900+18000+1000=190900

 

有珠山 28800-18000=10800

 

 

美咲「1本場!」

 

~南4局1本場 ドラ 4筒~

 

美咲「リーチ!」タンッ

 

久(またダブリー!?)

 

洋榎(やってんなぁ……)

 

揺杏(これ……飛ぶんじゃね?)

 

 

総武 190900-1000=189900

 

 

美咲「ツモ!6100オール!!」

 

 

総武 189900+18300+1000=209200

 

姫松 99700-6100=93600

 

清澄 98600-6100=92500

 

有珠山 10800-6100=4700

 

 

美咲「2本場!!」

 

 

~南4局2本場 ドラ 2索~

 

美咲「」タンッ

 

久(流石に3回連続はないか……。それだけでも一安心よね)

 

美咲(う~ん……連荘を続けたかったんだけど、ここまでになりそうかな?一応上がりを目指すけど……)

 

 

~そして~

 

洋榎「」タンッ

 

揺杏「ロン!1000の2本場は1600!!」

 

美咲(流されちゃった……。私もまだまだかも……)

 

 

姫松 93600-1600=92000

 

有珠山 4700+1600=6300

 

 

みさき『中堅戦終了!総武高校の佐野美咲、2位以下との点差をさらに広げ、点数も200000点を突発しました。清澄高校は最下位から2位へと浮上です。姫松高校の愛宕洋榎は収支こそはマイナスでしたが、要所で上がり2位との点差を僅か500と接戦です!有珠山はかなり沈んでしまいました。振込みは3回だけですが、ツモ上がりによって削られ続けました!』

 

 

総武 209200

 

清澄 92500

 

姫松 92000

 

有珠山 6300

 

 

 

美咲sideout

 

 

 

中堅戦が終わり、美咲が戻ってきた。

 

美咲「戻ったよ!」

 

鈴音「お疲れ」

 

未来「今回も稼いだわね」

 

美咲「そうかな?」

 

綾香「いやいや、普通はあの面子で70000点以上も稼げませんから……」

 

確かに……あの面子であれほど稼いでいるんだから最早高校生最強だといっても過言じゃないんじゃ……。

 

杏子「綾香ちゃん、そろそろ……」

 

綾香「そうだね。行かなくちゃ!」

 

美咲「頑張ってね!」

 

未来「点数はあるから綾香がしたいように打てばいいわ」

 

綾香「まぁもしヤバくなったら有珠山を飛ばしにいきますよ」

 

鈴音「強要はしないけど、私にも回してほしいなぁ」

 

綾香「それは状況次第ですけどね」

 

鈴音「それでいいよ」

 

きっと綾香なら私にバトンを回してくれるはず…はず。

 

綾香「……なんか鈴音先輩からプレッシャーが」

 

鈴音「気のせいだよ」

 

綾香「まぁとにかく行ってきます!」タタタッ

 

私にできることは綾香を信じることだけ。もし回って来なかったら……私の枕がちょっと濡れるだけだから。

 

 

 




今回はここまでです。

副将戦に入る前に部員日和をあげます。


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第56話 全国大会準決勝⑫

今回もよろしくです。


綾香side

 

会場に向かう途中に有珠山の真屋さんと遭遇した。

 

由暉子「こんにちは、綾瀬さん」

 

綾香「どもども。今日もよろしくね」

 

由暉子「はい、こちらこそ……と言いたいところですが今そんな余裕はありません」

 

綾香「まぁ美咲先輩がたくさん稼いだからね」

 

由暉子「でもあと6回リーチが打てる……それだけでもありがたいですね」

 

綾香(すごいメンタルだなぁ……。私が真屋さんの立場だったら多分実力が発揮できずにトビになりそうだよ)

 

そして真屋さんは身長が伊吹先生と同じくらいなのになんでおもちが大きいのかな……?原村さんといい世の中不公平だよね。

 

そういえば伊吹先生が真屋さんと原村さんを始め、巨乳の人達を親の敵を見るような目で見てたなぁ……。私もある方なはずなのに……。

 

 

~そして~

 

和「……………」

 

綾香(全中が終わってから原村さんと再戦するために私はずっとネトマを繰り返しひたすらデジタルを磨いていた……。けど総武に入って先輩達と打ち、杏子とも打ちでそのデジタルが全く通用しなかった。鈴音先輩が私にオカルトがあると言ってくれたその日から私のオカルト強化のための特訓を鈴音先輩を始めとするみんなが手伝ってくれた。……2回戦はひたすら『見ていた』けど、この準決勝と明日の決勝では全力でいかせてもらう!そして原村さんに勝って全中のリベンジを果たす!!)

 

和「…………」スッ

 

由暉子「…………」スッ

 

和「あっ……」ポヨン

 

由暉子「あっ……ごめんなさ……」ギュウ

 

スポッ

 

絹恵「はっ!」バシィッ

 

……何これ?場決めの最中に原村さんが持ってるエロペ……間違えたエトペンの人形が原村さんと真屋さんのおもちとおもちに挟まり、それが空中に飛んで姫松の愛宕絹恵(あたごきぬえ)さんがキャッチした。

 

もう1度問おう。何これ……?

 

綾香(しかも3人とも私よりもおもち大きいし!2回戦は真屋さんだけだったけど、今日はおもち祭りか何かですか!?本当に神様って不公平だよね……。色々な意味で疎外感が……)

 

『よろしくお願いします!』

 

……まぁいいや。とりあえず今は目の前の副将戦に集中しよう……。

 

みさき『副将戦スタートです』

 

 

 

総武 209200

 

清澄 92500

 

姫松 92000

 

有珠山 6300

 

 

~東1局 ドラ 3筒 親 綾瀬綾香~

 

綾香(起家……私としてはラス親の方がいいんだよね。まぁ別にいいけど)

 

和「リーチ」タンッ

 

 

清澄 92500-1000=91500

 

 

 

綾香(おっと、まだ3巡目なのに早いね。流石といったところか……。それにしても……)

 

絹恵(有珠山を飛ばすつもりか!?)

 

綾香(まぁそれで有珠山が飛ぶと清澄は決勝に行けるからデジタル的にもノータイムかもね。でも……)

 

綾香「リーチ!」タンッ

 

綾香(私のリーチをかわすことができるかな?)

 

 

総武 209200-1000=208200

 

 

絹恵(綾瀬が追いかけた!これほんまに有珠山飛ばしにいってるんじゃ……)

 

綾香(仮にこれで有珠山が飛んでしまったらそれまでの話なんだよね)

 

和「」タンッ

 

綾香「ロン!12000です!」

 

和「はい」

 

 

総武 208200+12000+2000=222200

 

清澄 91500-12000=79500

 

 

綾香(それにしても……リー棒含めて13000のダメージにも関わらず顔色1つ変えないってすごい精神だなぁ……)

 

とにかく私の親は継続。この調子でいこう!

 

 




今回はここまでです。


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第57話 全国大会準決勝⑬

今回もよろしくです。


綾香side

 

 

総武 222200

 

姫松 92000

 

清澄 79500

 

有珠山 6300

 

 

~東1局1本場 ドラ 8筒~

 

和(振り込んでしまいましたか……。まぁそういうときもあります)

 

絹恵(原村が振り込んだことによって2位浮上……。有珠山を飛ばしに行くべきなんやろか……)

 

由暉子(姫松が2位になったことで今度は姫松がこっちを飛ばしに来るのかな……?)

 

綾香(さてさて、他の3人はどう出るかな?愛宕さんは有珠山を飛ばしに行きそうなものだけど……)

 

綾香「リーチ!」タンッ

 

綾香(この局は手牌が乗ってきてるから攻めないとね!)

 

 

総武 222200-1000=221200

 

 

絹恵(ダブリー!?)

 

由暉子(これじゃあ迂闊に攻められない……!)

 

綾香(このダブリーで有珠山は攻め辛くなるはず……。とはいえダブリーのみだけどね)

 

 

~そして~

 

綾香(……みんな堅いね。もう10巡目なのに現物しか落とさないなんて……。でも……)

 

綾香「ツモ!3300オールです!!」

 

綾香(自分で引けたからモーマンタイ!)

 

 

総武 221200+9900+1000=232100

 

姫松 92000-3300=88700

 

清澄 79500-3300=76200

 

有珠山 6300-3300=3000

 

 

綾香(2本場行ってみよ~♪)

 

 

~東1局2本場 ドラ 中~

 

由暉子(このままだと飛んでしまう……。もう左手使っちゃおうかな?……いや、まだ頑張れるはず……!)

 

絹恵(綾瀬が止まらんなぁ……。どうせなら姫松が2位の内に有珠山を飛ばしてほしいわ)

 

和(…………)

 

綾香(上がれる限りどんどんいこう!)

 

 

~そして~

 

綾香「テンパイ!」

 

和「ノーテン」

 

由暉子「テンパイ」

 

絹恵「ノーテン」

 

みさき『綾瀬選手、親番継続です!』

 

 

 

 

総武 232100+1500=233600

 

姫松 88700-1500=87200

 

清澄 76200-1500=74700

 

有珠山 3000+1500=4500

 

 

 

綾香(3本場♪)

 

 

~東1局3本場 ドラ 6索~

 

綾香(さて、このままどこか飛ぶまで連荘できたらいいんだけどねぇ……)タンッ

 

和「ロン。12900)

 

綾香(まぁ……ですよね~……)

 

 

総武 233600-12900=220700

 

清澄 74700+12900=87600

 

 

 

 

絹恵(また3位転落……。早く有珠山飛ばすべきやろか?点差もそんなにないし、そうしよかな……?)

 

和(このまま有珠山を飛ばしにいくのもありですね)

 

由暉子(清澄と姫松の点差が僅か400……。こちらを飛ばしにきてもおかしくない……)

 

綾香(有珠山はちょっときついかもねこれは……)

 

まぁでも私は私の麻雀を打つだけだけどね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。


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第58話 全国大会準決勝⑭

今回もよろしくです。


綾香side

 

 

総武 220700

 

清澄 87600

 

姫松 87200

 

有珠山 4500

 

 

 

~東2局 ドラ2萬 親 原村和~

 

綾香(有珠山を飛ばそうと清澄と姫松は動いてきても可笑しくない。このまま有珠山が飛んだら鈴音先輩に怒られそうな気がするなぁ……。それに私も最後までゲームを楽しみたいタイプの人間だから後半戦オーラスまで続けたい……)

 

由暉子(飛ばないように精一杯打とう……!)

 

和「リーチ」タンッ

 

 

清澄 87600-1000=86600

 

 

絹恵(親リー……!)

 

由暉子(振れば間違いなく飛んでしまいます……!)

 

綾香「ポン!」カシャッ タンッ

 

綾香(とりあえず1発消し……っと)

 

由暉子「チー!」カシャッ タンッ

 

綾香(おっと、真屋さんも動いてきた)

 

 

~そして~

 

由暉子「ツモ!1000、2000!!」

 

綾香(おお…)

 

由暉子(とりあえず一安心……)

 

 

総武 220700-1000=219700

 

姫松 87200+1000=86200

 

清澄 86600-2000=84600

 

有珠山 4500+4000+1000=9500

 

 

 

~東3局 ドラ 4索 親 真屋由暉子~

 

由暉子(親番……前半戦は様子を見よう。だけど全力で上がりにいく……!)

 

綾香「リーチ!」タンッ

 

 

総武 219700-1000=218700

 

 

 

由暉子(またダブルリーチ!?)

 

綾香(まだダブリーのみだけど、裏次第で有珠山は飛んじゃうかもね♪)

 

 

~そして~

 

絹恵(案牌なくなった……。これ通るか?)タンッ

 

綾香「ロン!8000です!!」

 

絹恵「はい……」

 

絹恵(これでまた3位転落か……)

 

由暉子(親が……)

 

 

総武 218700+8000+1000=227700

 

姫松 86200-8000=78200

 

 

 

~そして~

 

和「」タンッ

 

綾香「ロン!5200です!!」

 

和「はい」

 

 

総武 227700+5200=232900

 

清澄 84600-5200=79400

 

 

綾香「」タンッ

 

和「ロン。6400」

 

綾香(チートイドラドラでしかも真屋さんの山越し。流石原村さん)

 

 

総武 232900-6400=226500

 

清澄 79400+6400=85800

 

 

絹恵「ツモ!2000、3900!!」

 

絹恵(やっと上がれたわ……。しかも2位浮上!)

 

 

総武 226500-2000=224500

 

姫松 78200+7900=86100

 

清澄 85800-3900=81900

 

有珠山 9500-2000=7500

 

 

綾香「ツモ!1300、2600です!!」

 

 

総武 224500+5200=229700

 

姫松 86100-1300=84800

 

清澄 81900-1300=80600

 

有珠山 7500-2600=4900

 

 

由暉子「ツモ。500、1000」

 

 

総武 229700-500=229200

 

姫松 84800-1000=83800

 

清澄 80600-500=80100

 

有珠山 4900+2000=6900

 

 

みさき『前半戦終了!総武高校綾瀬選手、+20000と好成績を残しました。有珠山高校も僅か600ですが+で終わっています。清澄と姫松は-で終わってしまい、清澄は1つ順位を落としています。後半戦はどうなるのでしょうか!?』

 

理沙『まだまだどうなるかわからない!!』

 

みさき『そうですね』

 

絹恵(2位にはなれたけど、収支はマイナス……。後半戦で巻き返さな!)

 

由暉子(何とか飛ばずに耐えれた……)

 

和(後半戦もいつも通り打ちましょう)

 

綾香(思ったより稼げたなぁ……。今のところは区間1位だけど、真屋さんの一撃がまだ出てない以上油断はできないね)

 

控え室には戻らずこのまま試合再開まで休んでおこう。

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。


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第59話 全国大会準決勝⑮

今回は会話パートのみなのです!では今回もよろしくです。


綾香side

 

後半戦はどんな展開になるのかな?真屋さんの一撃に『のどっち』というネトマ最強プレイヤーと同じ打ち方をしている原村さん、もちろん愛宕さんも油断できないんだけど……。

 

和「控え室に戻ったりはしないんですか?」

 

原村さんが真屋さんに話しかけてきた。この2人、結構共通点あると思うんだよね。例えばおもちとか。

 

由暉子「お邪魔でしたか」

 

和「いえ、そういうことではなく」

 

この2人の場合はおもちが邪魔だと思うの。愛宕さんだって空気読んで戻っていったでしょ?つまりはおもちを萎ませて出直してこいってことなんだよね。

 

由暉子「何か指示があるときは此方に来ますので……」

 

和「うちと同じですね」

 

ちなみにうちは個々の自由にしている。だって私の番になる頃には必ず1位になるんだよね。それも2位以下に差をつけて。

 

あの臨海が相手ですら次鋒戦が終わるとうちがトップになるからね。美咲先輩もすごいんだけど、それ以上に未来先輩、そして鈴音先輩のすごさといったら……去年のインハイチャンピオンである宮永照さんが可愛く見えるくらいなんじゃないかと思ってしまう。……いや宮永さんの実力は牌符での推測にすぎないんだけどね。

 

由暉子「……それ、エトペンですよね?」

 

和「えっ……はい」

 

由暉子「子供の頃にその絵本をよく読みました」

 

和「私もです!」

 

原村さんと真屋さんはいつの間にかエロペ……じゃなくてエトペンの話で盛り上がってるし……本当に2人は仲良くなれるんじゃないかな?

 

和「……綾瀬さん」

 

綾香「ほぇ?」

 

まさか話をふられるとは思わなかったから気の抜けた返事をしてしまった。

 

和「綾瀬さんとは全中以来ですね」

 

綾香(今さらその話なんだ……まぁいいけど)

 

綾香「そだね。あのときは負けたけど、今回は負けないよ」

 

和「私だって負けません。それに……あのときだって勝ったとは思っていませんから」

 

綾香「……そうなんだ」

 

綾香(意外だなぁ……。原村さんってそんなこと思うんだ)

 

由暉子「おふたりは去年のインターミドルに出場していたんですね」

 

和「はい」

 

綾香「まぁ一応ね。そう言う真屋さんはいなかったよね?」

 

由暉子「はい。一応麻雀をやってはいましたが、部活としてやりはじめたのは今年からです」

 

綾香(成程……杏子と同じような感じかな?)

 

綾香「でも勿体ないよね。真屋さんのオカルトは間違いなく全中で通用するのに……」

 

由暉子「そう……でしょうか」

 

和「オカルトなんてありえません」

 

綾香(……そういえば原村さんはオカルト否定派だったっけ?でも清澄は2回戦で永水女子と打っていたよね。あそこのレギュラーは5人の内の3人はとんでもないオカルトを持っているって先輩が言ってたし……。しかも原村さんの相手はその内の1人で悪石島の巫女さんである薄墨初美だったよね……?)

 

綾香「原村さんの2回戦の相手は確か永水の薄墨さんだったよね?北家で大四喜、小四喜を上がることが多いから警戒が必要だって先輩達が言ってたしね」

 

和「それは偶然です。そういうことだってあります」

 

綾香「……まぁいいや」

 

綾香(頑なにオカルトを認めないなぁ……。私にもこんな時期があったっけ?自分にオカルトがあるって知ってからはオカルトを受け入れたけどね。でも原村さん自身にもオカルトが宿っていることに本人は気付いているのかな?集中すると顔が発熱したように赤くなって麻雀を打っていて、それは宛らネトマの『のどっち』を取り込んで麻雀をしている……というのが鈴音先輩の持論らしい。実際『のどっち』とネトマを打っている私がそれを目の当たりにして、事実その通りだった。……本当鈴音先輩はどうやってそんな細かい情報を集めてるのかな?)

 

等と考えているともうすぐ後半戦が始まる時間になっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。


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第60話 全国大会準決勝⑯

今回もよろしくです。


綾香side

 

みさき『後半戦スタートです』

 

 

総武 229200

 

姫松 83800

 

清澄 80100

 

有珠山 6900

 

 

 

~東1局 ドラ 2筒 親 真屋由暉子~

 

由暉子(早速親番……。点数を稼ぐチャンス……!)

 

綾香(さてさて、後半戦は守りを優先しようかな?それとも前半戦と同じで押せ押せで攻めようかな?……とりあえず配牌で判断しよっと♪)

 

和(後半戦もいつも通り打ちましょう)

 

絹恵(またラス親か……。前半はほとんど上がれんかったし、気ぃ引き締めて行かな……!)

 

 

~そして~

 

和「リーチ」タンッ

 

 

清澄 80100-1000=79100

 

 

絹恵(また原村か……)

 

由暉子(親なのに攻め辛い……)

 

綾香(『のどっち』モードになると投牌がほぼノータイムになるから別の意味でも警戒しないとね)

 

和「ツモ。2000、4000」

 

絹恵(1発……!しかもまた3位に落ちた……)

 

由暉子(点数が3000点を切ってしまった……。これは本格的に不味いかも……)

 

 

総武 229200-2000=227200

 

清澄 79100+8000+1000=88100

 

姫松 83800-2000=81800

 

有珠山 6900-4000=2900

 

 

 

~東2局 ドラ 中 親 綾瀬綾香~

 

綾香(親番親番!稼ぎ時!そしてこの手牌……本当に有珠山が飛ぶかもね♪)

 

綾香「リーチ!」タンッ

 

 

総武 227200-1000=226200

 

 

 

 

みさき『綾瀬選手、親番にダブルリーチ!』

 

絹恵(何回ダブリーするつもりなん!?)

 

由暉子(これは振り込んでしまったら間違いなく飛んでしまう……!)

 

和(中々の偶然ですね……)

 

 

~そして~

 

由暉子「ツモ。300、500」

 

綾香(あちゃ~……上がられちゃった。点数の割には粘るなぁ……真屋さん)

 

 

総武 226200-500=225700

 

清澄 88100-300=87800

 

姫松 81800-300=81500

 

有珠山 2900+1100+1000=5000

 

 

~東3局 ドラ 5索 親 原村和~

 

和「」タンッ

 

綾香「ロン!5200です!!」

 

和「はい」

 

 

総武 225700+5200=230900

 

清澄 87800-5200=82600

 

 

~東4局 ドラ 西 親 愛宕絹恵~

 

綾香「」タンッ

 

和「ロン。3900」

 

綾香「はい」

 

由暉子(またこの2人の殴り合い……)

 

綾香(う~ん……防御をもう少し何とかした方がいいかなぁ……)

 

 

総武 230900-3900=227000

 

清澄 82600+3900=86500

 

 

~南1局 ドラ 東 親 真屋由暉子~

 

由暉子(副将戦の75%が終わったのに中々点数が回復しない……。ずっと綾瀬さんと原村さんに上がり続けられている)

 

綾香(そろそろ真屋さんの一撃が出る頃かな……?)

 

 

~そして~

 

由暉子(この手……チートイツなら上がりにいける。そのためには……!)

 

由暉子「左手を使ってもよろしいでしょうか」

 

絹恵「はい」

 

和(左手……?)

 

和「は、はい……」

 

綾香「はい」

 

綾香(やっぱり仕掛けてきた……!)

 

由暉子「リーチ」タンッ

 

 

有珠山 5000-1000=4000

 

 

綾香(親リー……でもこの手牌なら私も追いかけようかな)

 

綾香「リーチ!」タンッ

 

絹恵(総武が追いかけた!?)

 

 

総武 227000-1000=226000

 

 

由暉子(綾瀬さんの追っかけ……。点数的にはリーチするべきじゃなかったかもしれない……!)

 

綾香(さて、どっちが早く上がれるかな?勝負だよ真屋さん!)

 

 

~そして~

 

綾香(引けない……)タンッ

 

和「」タンッ

 

絹恵「」タンッ

 

由暉子(半荘2回もやれば何処かで必ずチャンスが来る。そして1日に1度は光り輝くツモが来る!……そは荒野に水湧き出で砂漠に川流るべければなり!!)

 

由暉子「ツモ!リーチ、ツモ、チートイツ、ドラ3、さらに裏2……8000オール!!」

 

絹恵(裏ドラ……!)

 

綾香(彼女が去年の全中にいたら彼女に負けていたかもね)

 

 

総武 226000-8000=218000

 

清澄 86500-8000=78500

 

姫松 81500-8000=73500

 

有珠山 4000+24000+2000=30000

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。


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第61話 全国大会準決勝⑰

今回もよろしくです。


綾香side

 

 

総武 218000

 

清澄 78500

 

姫松 73500

 

有珠山 30000

 

 

~南1局1本場 ドラ 中~

 

由暉子(さっきの倍満を上がったおかげか手牌が乗ってきている……。ドラである中が2つあるからあと1つでインスタント満貫になるけど……)

 

綾香「」タンッ

 

由暉子(綾瀬さんがいる以上それは難しいかもしれない)

 

 

~そして~

 

由暉子(できた……!ダマで満貫確定、リーチすれば裏次第で倍満まで持っていける……!)

 

由暉子「リーチです!」タンッ

 

 

有珠山 30000-1000=29000

 

 

絹恵(有珠山……まだ一撃があるんか!?)

 

綾香(あれは下手したら倍満くらいになりそうだね)

 

和「リーチ」タンッ

 

 

清澄 78500-1000=77500

 

 

綾香(原村さんの追っかけ……。私もこれに便乗して攻めよ!だけどここは敢えてダマで……)タンッ

 

和「」タンッ

 

絹恵(私も張った……!リーチかければ倍満までいくけどここはダマで行く!)タンッ

 

綾香(愛宕さんの表情……もしかして張った?だとすると全員テンパイってことに……。なんだか面白くなってきた!)

 

 

~そして~

 

絹恵「ツモ!3100、6100!!」

 

綾香(これは……色々な意味で予想外だなぁ……)

 

 

総武 218000-3100=214900

 

姫松 73500+12300+2000=87800

 

清澄 77500-3100=74400

 

有珠山 29000-6100=22900

 

 

絹恵(うん、清澄も捲って2位になったし、リーチ棒ももらったしいい感じ!この調子で頑張ろ!!)

 

~南2局 ドラ 8萬 親 綾瀬綾香~

 

由暉子(配牌が9種10牌……。これは国士無双を狙いにいくべき……?)

 

綾香(親番ですよ!親番!!できれば連荘したいところだよね!!)タンッ

 

由暉子(10種……!駄目元で狙ってみよう!)タンッ

 

綾香(張った!さあ、攻めましょう!)

 

綾香「リーチ!」タンッ

 

 

総武 214900-1000=213900

 

 

絹恵(綾瀬がリーチした……?親番とはいえ有珠山の国士が怖ないんか!?)

 

綾香(有珠山の捨て牌が国士っぽいけどまだテンパイ気配はないしいけるでしょ。うん、大丈夫だ。問題ない)

 

 

~そして~

 

由暉子(できた……!国士無双テンパイ!)タンッ

 

綾香(!?……今のヤバめな感じ、もしかして真屋さん国士テンパった?いけるよね?かわせるよね?とりあえずツモ牌を取ろう……)パシッ

 

1索「(・∀・)ノ」

 

綾香(あかん……。ええい!ままよ!!)タンッ

 

由暉子「ロ、ロン!国士無双で32000です!!」

 

由暉子(ま、まさか綾瀬さんから上がれるとは……。役満の余韻が、熱がおさまりません……!)ドキドキ

 

綾香(キョウモイイテンキダナー……)

 

 

総武 213900-32000=181900

 

有珠山 22900+32000+1000=55900

 

 

~南3局 ドラ 1筒 親 原村和~

 

綾香(………………)

 

由暉子(綾瀬さん……雰囲気が変わった……?)

 

絹恵(なんや……?役満振り込んでから綾瀬の様子が可笑しい……?気を付けな!)

 

綾香(………………………………はっ!?役満を振り込んだショックでトリップしてた!……もうさっきのことは忘れて切り替えよう!残りの2局は誰にも上がらせない!!)ゴッ

 

絹恵「」タンッ

 

綾香「ロン!12000です!!」

 

絹恵(しまった……!)

 

 

総武 181900+12000=193900

 

姫松 87800-12000=75800

 

 

綾香「ツモ!4000、8000です!!」

 

 

総武 193900+16000=209900

 

清澄 74400-4000=70400

 

姫松 75800-8000=67800

 

有珠山 55900-4000=51900

 

 

みさき『副将戦終了!有珠山高校が一気に勝ち抜け圏内まで駆け上がりました!清澄と姫松は反対にかなり点数が削られてしまいました。そしてトップの総武高校は役満を振り込みましたが、収支は僅かにプラスとなっています』

 

理沙『3校接戦!』

 

綾香(はぁ……なんとか+収支で終わらせられた……。この準決勝で自分の実力不足を痛感してしまったな。決勝までにもっと強くなりたいな)

 

ああもう!なんもかんもおもちが悪い!!

 

 

 

綾香sideout

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。


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第62話 全国大会準決勝⑱

今回もよろしくです。


綾香「も、戻りましたー……」

 

鈴音「お疲れ」

 

副将戦が終わり、戻ってきた綾香はどこか足取りが重かった。まぁ役満振っちゃったしね。まぁ私が言えることは一言二言……。

 

鈴音「役満振り込むなんてらしくなかったね。どうしたの?」

 

綾香「うっ……!そうですよね……。あの局は親番だし攻めようと思ってしまって有珠山の河を意識してなかったんです……」

 

鈴音「幸い点数には余裕があったし、収支は+だったからそれが救いかな?」

 

綾香「はい……残りの局は点数を回復させようとがむしゃらに打ってました」

 

美咲「国士振り込んだときの綾香ちゃん、覇気が抜け落ちていくような感じだったのがテレビからでも伝わったよ」

 

綾香「あれは……ほら、現実逃避してたんですよ!国士無双とはいえ役満振り込んだのは初めてなんですから!」

 

いや、なんで現実逃避するんだよ……。気持ちはわかるけどさ。

 

未来「鈴音、そろそろ行った方がいいんじゃないかしら」

 

おっと、もうそんな時間か……。

 

鈴音「ありがとう。じゃあ行ってくるね」

 

 

 

~そして~

 

会場へと歩いていると咲と遭遇した。

 

咲「こんにちは、鈴音さん」

 

鈴音「こんにちは」

 

咲「鈴音さん、ありがとうございます。おかげでお姉ちゃんと仲直りできました」

 

鈴音「私は何もしてないよ。咲と照が勝手に仲直りしただけ」

 

実際何もしてないんだよなぁ……。余計なおせっかいをしただけで……。

 

鈴音「まぁでもよかったよ。これで麻雀の方に集中できるじゃん」

 

咲「はい……!この大将戦も鈴音には負けません。GWのリベンジを果たしてみせます!」

 

鈴音「ふふ、私だって負けるつもりはないよ」

 

咲の瞳に闘志が宿る。あのときはギリギリの勝利だったからなぁ……。

 

もちろん私もGWよりも強くなっているはずだけど、咲も間違いなく強くなっているしなぁ……。龍門渕の天江衣を倒すほどの実力を持ってるし勝てるかなぁ……。スロースターターなのが治ればワンチャンあるかも。

 

それに相手は咲だけじゃない。2回戦で一緒に打った獅子原さんに姫松の末原さんがいる。獅子原さんは能力が私に及ばないからまだいいとして、末原さんはどんな相手でも常に最悪を想定して麻雀を打っているから対策を立てるのも早いし、状況を把握して臨機応変に対応するところもすごいと思う。

 

前に未来が自分の理想に1番近いのが末原さんだって話を聞いたことがある。あの未来が危惧している相手だ……もしかしたら今回はトップクラスのヤバさかもしれない……!点差があってよかったよ。もし接戦だったら総武高校は姫松に負けていただろうね。

 

 

さて……いよいよ試合開始だ。点数には余裕があるし、今回はスロースターターの克服ができるように頑張りたいなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。


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第63話 全国大会準決勝⑲

今回もよろしくです。


みさき『さあ、大将戦スタートです!」

 

 

総武 209900

 

清澄 70400

 

姫松 67800

 

有珠山 51900

 

 

~東1局 ドラ 3筒 親 大宮鈴音~

 

鈴音(起家かぁ……私スロースターターだからラス親の方がよかったよ……)タンッ

 

恭子(大宮鈴音はスロースターターって話やからまだ仕掛けてこんはず……。今のうちに2位に上がってその上で清澄と有珠山に差をつけな……!)

 

咲(2位とはいえまだ安心できない……。2回戦で1番手強かった末原さんに今回は鈴音さんもいる……。とにかく頑張ろう……!)

 

 

~そして~

 

恭子「ツモ。1000、2000!」

 

鈴音(速いな……。この速度は私の天敵かもしれない)

 

 

総武 209900-2000=207900

 

姫松 67800+4000=71800

 

清澄 70400-1000=69400

 

有珠山 51900-1000=50900

 

 

~東2局 ドラ 4索 親 末原恭子~

 

恭子(親……攻め時や!)

 

爽(う~ん……末原さんに追い付ける気がしないな。大宮さんには効かないからなるべく雲は使いたくなかったけど……やるしかないな!)ボッ

 

咲「」ビクッ

 

恭子(宮永咲が誰かに怯えた反応をするときはその相手に要注意や。そしてその視線は獅子原爽にいってる)

 

鈴音(この局は獅子原さんが動くかな?何やら雲を出していたみたいだし……。まぁ2回戦で一堂さんに使っていたやつはないみたいだけど)

 

 

~そして~

 

鈴音(捨て牌が2段目になるけど未だに字牌がないな……。もしかして獅子原さんが抱えてる?)

 

恭子(ということは……いや、ようさん打てば河に字牌がないなんて個とはざらにある……。とはいえ警戒せなあかんな)

 

鈴音(多分今回獅子原さんは字一色、大三元、大四善、小四善のどれかを張ってくるだろうね)タンッ

 

恭子「ポン!」カシャッ タンッ

 

恭子(私が親のときに役満なんてツモられたらたまったもんやない……。速攻や!!)

 

爽(末原さんがこれで2フーロか……。このままだと速度で負けちゃうな)

 

 

~そして~

 

爽(張った!しかも大三元!!でも念には念を……2位の末原さんに呪いをかける……!)ズズズ

 

鈴音(うわ……なんか黒いのが出てきた……)

 

爽(寿命の支配者(パコロカムイ)!!)ズズズズ

 

爽「」タンッ

 

恭子(獅子原がついに字牌を余らせよった……。でも手牌が全部字牌になってるとしても張ってるとは限らへんし、今引いた8筒を切っても振り込まへんはず……。いや、もっと最悪を警戒した方がええ。2回戦で宮守の姉帯や永水の岩戸を相手にして学んだことや!親で手が狭いけど、ここは降りる!)タンッ

 

~そして~

 

恭子(なんやこれ……5筒が4枚に8筒が3枚!?これはもう獅子原になんかやられとるとしか思えへん!)

 

恭子「カン!」カシャッ

 

恭子(今度は4枚目の8筒か!いい加減にせえよ!!)

 

恭子「もう1個カンや!!」カシャッ タンッ

 

爽(取り込まれたか……素直すぎたね。ってこりゃラッキー!東と6筒の2つで張った!まだいける!!)タンッ

 

恭子(手出しの7筒か……。今ツモってきたのは6筒で手元に残ってるのは4筒……どっちや……?ここは素直に4の方!!)タンッ

 

爽「…………」

 

恭子(通った……!)

 

爽(まだだ……!次に末原さんに東がいくか私が東をツモる!)

 

咲「カン!」カシャッ

 

恭子(宮永!?)

 

鈴音(何やら末原さんと獅子原さんでやりあっていたみたいだけど、この局は咲に持っていかれたようだね)

 

咲「ツモ、嶺上開花!2000、4000です!」ゴッ

 

爽(カンドラに残り2枚の東……つまりあの時点でかわされきってたのか……!)

 

 

総武 207900-2000=205900

 

清澄 69400+8000=77400

 

姫松 71800-4000=67800

 

有珠山 50900-2000=48900

 

 

 

 

 




今回はここまでです。


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第64話 全国大会準決勝⑳

今回もよろしくです。


総武 205900

 

清澄 77400

 

姫松 67800

 

有珠山 48900

 

 

 

 

爽「」タンッ

 

恭子「ロン。12000」

 

爽「うっ……はい」

 

 

姫松 67800+12000=79800

 

有珠山 48900-12000=36900

 

 

 

~東4局 ドラ 3萬 親 獅子原爽~

 

爽(親番……白いの!)ボボッ

 

咲「」ピクッ

 

恭子(今の宮永の反応……やっぱ獅子原は親のときに仕掛けてくるか)

 

爽(よし、いい感じ!)

 

 

 

~そして~

 

爽(張った!確実に上がるためにダマでいくか……?いや、それじゃあダメだ!)

 

爽「リーチ!」タンッ

 

 

有珠山 36900-1000=35900

 

爽(この早い段階でメンチンだとは思われないはず…。振り込み待ってるよ)

 

恭子(宮永のあの反応を見たあとに親リーは多分普通やないな。こちとら4シャンテン……かわしていくしかあらへん……)

 

 

~そして~

 

咲「」タンッ

 

爽(……出ない。みんな固いな……。でも雲のおかげでここに牌が来てくれるんだよね)

 

爽「ツモ!8000オール!!」

 

 

総武 205900-8000=197900

 

姫松 79800-8000=71800

 

清澄 77400-8000=69400

 

有珠山 35900+24000+1000=60900

 

 

爽「続けて1本場!!」

 

~東4局1本場 ドラ2索~

 

爽(来い、アッコロとホヤウ!!)ズズズ

 

咲「ひっ……!」

 

恭子「えっ」

 

恭子(宮永のあの怯えよう……さらにヤバイんか!?)

 

鈴音(獅子原さんの横になんか出てきた。あれは蛸ともう1匹は蛇?それにしては翼が生えてるし……。そういえば獅子原さんは呪術使いだって未来が言ってたっけ。ということはあの蛸と蛇っぽいのがその呪術に関係しているってことかな?)

 

爽(さて、何も考えずに神頼みするだけで勝てる相手じゃない。タイミングが重要だな!)

 

 

~そして~

 

爽(いくか…!ホヤウ……!!)ザザッ

 

咲「!!」

 

咲(なんだろうこれ……。今の獅子原さんが卓にいるとプラマイゼロとかできそうな気がしない)

 

爽(ホヤウは相手を潰すことはできないけど、支配から守ることはできる。まぁ大宮さんには効いてないみたいだけどね……。ここは確実にいく!アッコロ!!)ズズ

 

 

~そして~

 

爽「カン!」カシャッ

 

咲「」ピクッ

 

鈴音(どうでもいいけど、咲は他家のカンに対して過剰に反応するところがあるよね)

 

爽「リーチ!」タンッ

 

 

有珠山 60900-1000=59900

 

 

爽(気がついてるかい?不要牌が萬子ばかりで河が赤く染まっていること)

 

鈴音(咲と末原さんの河に萬子が出始めた……。あの蛸が何かしているのは間違いないね)

 

爽(大宮さんはともかく他の2人もすごいな。不要なはずの萬子を抱えて降りてる。でもリーチはしておきたいね。何故ならアッコロの怖いところは……!)

 

爽「ツモ!」

 

恭子(親っパネ!?)

 

爽(河だけじゃなく山も赤く染まる!!)

 

鈴音(うーわ……)

 

爽「リーヅモ、メンホン、中、ドラ7……16100オール!!」

 

 

総武 197900-16100=181800

 

有珠山 59900+48300+1000=109200

 

姫松 71800-16100=55700

 

清澄 69400-16100=53300

 

 

みさき『数え役満です!』

 

理沙『逆転!』

 

みさき『有珠山高校、3位に大差をつけて2位へ上昇しました!!』

 

2位と3位の差は53500か……。姫松と清澄がどう出てくるかな?

 

 

 

 

 




今回はここまでです。


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第65話 全国大会準決勝21

今回もよろしくです。


総武 181800

 

有珠山 109200

 

姫松 55700

 

清澄 53300

 

 

~東4局2本場 ドラ 7筒~

 

爽(よし、2位になった!麻雀だと表向きは偶然で済むからいいな)

 

恭子(偶然やないやろな……。たった2局で70000点以上稼いどいて偶然では済まん!絶対なんかやっとるわ。でもまぁそんな理不尽には慣れとるけどな……。だから……!)

 

爽「」タンッ

 

恭子「ロン。4500……!」

 

爽「はい……」

 

 

有珠山 109200-4500=104700

 

姫松 55700+4500=60200

 

 

 

 

爽(危な……雲を使ってたら無駄になってたとこだった……。使いどころが難しくてタイミングを見てたのが幸いしたな。残りの親番に温存できた……ともいえる。前向きに考えていこう!)

 

 

~南1局 ドラ1索 親 大宮鈴音~

 

恭子「ポン!」カシャッ タンッ

 

爽(また早仕掛けか……!)

 

鈴音(早いなぁ……。比べて私は未だに3シャンテンだし……)

 

恭子「ツモ。1000、2000」

 

 

総武 181800-2000=179800

 

有珠山 104700-1000=103700

 

姫松 60200+4000=64200

 

清澄 53300-1000=52300

 

 

~南2局 ドラ 白 親 末原恭子~

 

恭子(何かが理由で他家……っていっても大宮は今の段階ではまだ動かんからともかくとして宮永の動きが鈍い……。なら引き続き攻めるだけや!)

 

恭子「ポン!」カシャッ タンッ

 

鈴音(鳴くとさらに速度があるね。上家としては鳴かれないようにしたいけど……下手に意識すると振り込むだろうから余り気にしないようにしよう)

 

咲(これ、通るかな……)タンッ

 

恭子「それや。ロン!5800!!」

 

 

姫松 64200+5800=70000

 

清澄 52300-5800=46500

 

 

咲(もうできたんだ……)

 

爽(ヤバいな……これ)

 

鈴音(北単騎で狙い撃ち……。私じゃ無理かな。流石、未来が目指す打ち方をする末原さんだね)

 

 

 

~そして~

 

恭子「ツモ!4100オールや!!」

 

 

総武 179800-4100=175700

 

有珠山 103700-4100=99600

 

姫松 70000+12300=82300

 

清澄 46500-4100=42400

 

 

~南2局2本場 ドラ 4索~

 

恭子(2本場……!)

 

爽(参ったな……。チャンスがないままホヤウが帰ってしまった)

 

咲(あっ……晴れた)

 

鈴音(あの蛇っぽいのが消えた……。ここから咲も上がり始めるかな……?)

 

恭子(宮永の表情がゆるんだ……。気ぃ引き締めていかな……!)

 

 

~そして~

 

咲「ツモ!1800、3400です!」

 

 

総武 175700-1800=173900

 

有珠山 99600-1800=97800

 

姫松 82300-3400=78900

 

清澄 42400+7000=49400

 

 

~南3局 ドラ 2萬 親 宮永咲~

 

恭子(流石に止められるか……。まぁさっきの4連続はついてただけで今回はクズ手やったのにご苦労なこっちゃ。そんで私の運が毎局続かんのと同じで毎局私の速度を追い付けるわけやない!)

 

恭子「ツモ!2000、3900!!」

 

 

総武 173900-2000=171900

 

有珠山 97800-2000=95800

 

姫松 78900+7900=86800

 

清澄 49400-3900=45500

 

 

咲(うわ……)

 

爽(ホヤウがいないのに誰も止められないのか)

 

鈴音(ふむ、前半戦は末原さんを止められそうにないかな……?)

 

 

~そして~

 

爽「」タンッ

 

恭子「ロン。3900」

 

爽「はい……」

 

 

有珠山 95800-3900=91900

 

姫松 86800+3900=90700

 

 

 

爽(雲を使うタイミングが来る前に末原さんに和了られてしまう……。こりゃ後半辛そうかな)

 

みさき『前半戦終了!有珠山高校、最下位から一気に2位へと上がり点数も+40000と前半戦区間トップです!姫松は有珠山に削られた3校の中で唯一プラスの結果を残しました!』

 

鈴音(また前半戦は焼き鳥か……)

 

まっ、切り替えて後半戦頑張ればいいか。

 

 

 

 




今回はここまでです。


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第66話 全国大会準決勝22

明日の分をはやめに出しました。では今回もよろしくです。


前半戦が終わると私は控え室へと戻ってきた。

 

鈴音「一旦戻ってきたよ」

 

美咲「お疲れ様!」

 

未来「今日も前半戦は焼き鳥ね」

 

うるさいよ!事実だから何も言えないけど……。

 

鈴音「末原さんと相性が悪くてやりにくいかも……」

 

未来「まぁ彼女は私の理想に1番近い打ち方をしているから鈴音はキツいわね」

 

杏子「先輩……大丈夫ですか?」

 

心配そうに杏子が言う。……前いた世界でもそうだったけど、私ってそんなに心配されやすいかな?

 

鈴音「心配ないよ。やりにくいだけであって、決して勝てない相手……というわけじゃないからね」

 

オカルト込みの実力だと末原さんはあの面子の中で1番劣る。逆に地力だけだと3人の中では群を抜いてるだろう。

 

未来「あら、言うようになったわね。通算で私に負け越しているくせに」

 

鈴音「それはあくまで通算の話だよ。最近は未来に勝てるようになったからね」

 

3年生になってからは未だに負けなしだからね!長野に行ったときもずっとトップだったし。

 

未来「……まぁ油断していると足元を掬われるってことよ」

 

鈴音「心配してくれてありがとう。それは私自身が1番わかっているよ」

 

去年とか『勝ったゲロ!』とか心の中で思っていたら未来に振り込み、美咲に振り込み、伊吹先生に役満を振り込みと3連チャンで一気に飛んでしまったのも今となってはいい思い出だ。

 

鈴音「さて、少し早いけど行ってくるよ」

 

綾香&杏子「頑張ってください!」

 

鈴音「うん」

 

美咲「ファイトだよっ!」

 

鈴音「それ言葉変えただけで同じ意味だよね?……まぁ気持ちはありがたく受けとるけど」

 

未来「あなたがプラスで戻ってきたらうちは全員+収支になるから頑張りなさい」

 

鈴音「未来さんや、同じ言葉をカモフラージュにプレッシャーを与えるのはやめたまえ」

 

現時点で30000点以上削られているのに、プラスで帰ってこいとか普通無理だからね?まぁ頑張るけど!

 

私はみんなからのエール?をもらって会場へ戻った。

 

 

 

未来side

 

鈴音が行ってから私達は大将戦について話していた。

 

綾香「決勝はどこが勝ち上がりますかね?流石にここからうちが3位になるとは思えませんけど……」

 

美咲「前半戦だけを見ると姫松が2位抜けしそうだね。未来ちゃんはどう思う?」

 

未来「そうね……どこが勝っても可笑しくはないと思うわ」

 

綾香「それって清澄も勝ち残る……ってことですか?点数的に望み薄ですよ?」

 

未来「あそこは逆境に強いタイプのチームよ。Aブロックでいうところの阿知賀女子ね」

 

杏子「阿知賀は千里山と白糸台を追い抜いて1位抜けで決勝に行きましたね……」

 

未来「そういった意味でもどこが勝っても可笑しくないということよ」

 

未来(実際鈴音が敵に回したくない相手を敗退へと蹴落とすでしょうね。だとすると姫松は敗退確定かしら?)

 

まぁ結果がどうなるかは鈴音次第ね。

 

 

 




今回はここまでです。次回は明後日になります。


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第67話 全国大会準決勝23

今回もよろしくです。


みさき『後半戦スタート』

 

 

総武 171900

 

有珠山 91900

 

姫松 90700

 

清澄 45500

 

 

~東1局 ドラ 2索 親 大宮鈴音~

 

鈴音(ま・た・起・家・か!これじゃあ+収支で終わりにくくなっちゃうじゃん!!+で終わらなかったら未来に何をさせるかわかったもんじゃないよ……)タンッ

 

恭子(大宮がラス親じゃなくてよかったわ。2回戦の牌符を見ての推測やけど、大宮はこのインハイで1番ヤバい……。前半戦焼き鳥やったからといって安心できひん!この後半戦も大宮には要注意や!)タンッ

 

爽(大宮さんには雲が効かないし、雲を使うタイミングを見ようとすると末原さんに早上がりされる……。これ詰んでね?)タンッ

 

咲(ラス親……最下位だからありがたいかも)タンッ

 

 

~そして~

 

爽「」タンッ

 

恭子「ロン。3900」

 

爽「はい」

 

爽(早い……)

 

 

姫松 90700+3900=94600

 

有珠山 91900-3900=88000

 

 

~東2局 ドラ 3筒 親 末原恭子~

 

咲「カン!」カシャッ

 

恭子(大宮のことを中心に意識してたけど、宮永の対策もしっかりやってきた。にもかかわらず宮永はその上をいく。これは面倒なことになってきた……!)

 

咲「ツモ!嶺上開花!2000、4000です!!」

 

 

総武 171900-2000=169900

 

姫松 94600-4000=90600

 

有珠山 88000-2000=86000

 

清澄 45500+8000=53500

 

 

~そして~

 

爽「」タンッ

 

咲「ロン!5200です!」

 

爽「っ!はい」

 

爽(今度は宮永さんか……)

 

 

有珠山 86000-5200=80800

 

清澄 53500+5200=58700

 

 

咲「ツモ!3200オールです!!」

 

鈴音(調子づいてるなぁ……)

 

 

総武 169900-3200=166700

 

姫松 90600-3200=87400

 

有珠山 80800-3200=77600

 

清澄 58700+9600=68300

 

 

咲「ツモ!6100オールです!!」

 

 

総武 166700-6100=160600

 

清澄 68300+18300=86600

 

姫松 87400-6100=81300

 

有珠山 77600-6100=71500

 

 

恭子(2位捲られた……!これはいよいよ不味い!)

 

 

~東4局2本場 ドラ 発~

 

恭子(とりあえず2位を取り返さな!)

 

爽(そこまで点差が開いてないのが救いだな)

 

咲(この調子で2位をキープする!)

 

鈴音(もう東場も終わりか……。未だに私焼き鳥なんだよね……。相変わらず手が悪いけど、なんとか上がれないものかね?)

 

 

~そして~

 

咲「」タンッ

 

鈴音「ロン」

 

咲「!!」

 

鈴音「1600」

 

咲「はい……」

 

鈴音(とりあえず1つ……。ふははは!これで焼き鳥回避だぁ!!)

 

 

総武 160600+1600=162200

 

清澄 86600-1600=85000

 

 

恭子(この流れで大宮が親……連荘は絶対させへん!)

 

鈴音(親番だし連荘したいなぁ……)

 

 

そして大将戦は南入する……!

 

 

 

 




今回はここまでです。


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第68話 全国大会準決勝24

今回もよろしくです。


総武 162200

 

清澄 85000

 

姫松 81300

 

有珠山 71500

 

 

~南1局 ドラ 6索 親 大宮鈴音~

 

鈴音(まだ手が悪い……。もうそろそろだと思ったんだけどなぁ)

 

恭子(この局が終わるまでは大宮から警戒を怠ったらあかん!)

 

咲(鈴音さんの親番……。さっき上がられたとき、前に鈴音さんと打ったときよりも恐かったよ……。今の鈴音さんに上がられたら不味い…。この局は全力で流しにいく!!)ゴッ

 

鈴音(なんか咲から敵意を剥き出しにされてるんだけど……)

 

 

~そして~

 

恭子(よし、安い手やけど張った…!早く上がりにいかな!)タンッ

 

爽(この南1局だけはさっさと終わらせたいな……)タンッ

 

咲(末原さんが2フーロ……。ここは差し込むべきなのかな……?)タンッ

 

鈴音「ツモ」

 

恭子(っ!大宮も張ってたんか……!)

 

鈴音「500オール」

 

爽(安くて助かったけど……)

 

咲(鈴音さんの親番続行……!)

 

 

総武 162200+1500=163700

 

清澄 85000-500=84500

 

姫松 81300-500=80800

 

有珠山 71500-500=71000

 

 

 

~そして~

 

爽「」タンッ

 

鈴音「ロン。2300」

 

爽「はい……」

 

 

総武 163700+2300=166000

 

有珠山 71000-2300=68700

 

 

鈴音「ツモ。700オール」

 

 

総武 166000+2100=168100

 

清澄 84500-700=83800

 

姫松 80800-700=80100

 

有珠山 68700-700=68000

 

 

鈴音「ツモ。800オール」

 

 

総武 168100+2400=170500

 

清澄 83800-800=83000

 

姫松 80100-800=79300

 

有珠山 68000-800=67200

 

 

~南1局4本場 ドラ 6筒~

 

恭子(あかん……大宮が止まらん!)

 

咲(うう……鈴音さんに全く隙がないよ……)

 

爽(これはヤバいな……。でも妙だな?低い点数ばかりだ。2回戦ではもっと高い手を上がっていたような)

 

鈴音(手は進むようになったけど……まだ手が悪い!2回戦だったらもう良い手が入っていたのに……。まぁ安い手で上がることでなんとか誤魔化しているけどね。そして今回も……!)

 

鈴音「ツモ。1400オール」

 

鈴音(配牌が5、6シャンテンスタートで、さらに安い手にしか仕上がれないけどこうして上がれる。というか何故か3翻以上にならない……)

 

 

総武 170500+4200=174700

 

清澄 83000-1400=81600

 

姫松 79300-1400=77900

 

有珠山 67200-1400=65800

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。


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第69話 全国大会準決勝25

今回もよろしくです。


総武 174700

 

清澄 81600

 

姫松 77900

 

有珠山 65800

 

 

~南1局5本場 ドラ4索~

 

鈴音(ふむ、ようやく満貫以上に仕上がりそうな配牌になったよ。ドラが初手から3つ……これは是非とも上がりたいね)

 

恭子(東ラスからずっと大宮が上がってこれで6連続和了……。今のところ安い手ばっかりやけど、いつ大きいのが出るかわからん。そうなる前に私達の誰かが上がらな!)

 

 

 

~そして~

 

鈴音(できた……上がれば倍満。これは上がりたい!)

 

鈴音「リーチ」タンッ

 

 

総武 174700-1000=173700

 

 

爽(う~ん……雲を使ってでも凌ぎたいところだけど、タイミングが掴めない……)タンッ

 

鈴音「ロン。25500」

 

爽「う……はい」

 

爽(ついに大きいのが出てしまった……。これは点数的にも不味いかもな……)

 

 

総武 173700+25500+1000=200200

 

有珠山 65800-25500=40300

 

 

鈴音(さあ、6本場いこうか。早く止めなきゃ誰かが飛んじゃうよ?)

 

~南1局6本場 ドラ 8筒~

 

鈴音(ふっふっふっ……配牌テンパイ!ダブリー待ったなし!!)

 

鈴音「リーチ」タンッ

 

 

総武 200200-1000=199200

 

 

恭子(ダブリー!?普通に麻雀させてーな……)

 

爽(こうなったらやるしかない……。フリカムイ!)バッ

 

鈴音(また獅子原さんからなんか出てきた……。今度は鳥……?)

 

爽(これで大宮さんに対抗する……!)

 

 

 

~そして~

 

爽(よし、これでテンパイ!あとは上がるだけだ!!)

 

鈴音(獅子原さんからテンパイ気配か……。リーチ棒出してしまった以上はどうしようもないね。振り込まないことを祈ろう……)

 

 

~そして~

 

爽「ツモ!3600、6600!!」

 

爽(……!)

 

恭子(大宮の連荘は止まったけど、このままじゃヤバいことも確か。どうにかせな……!)

 

咲(残り3局……。絶対に決勝に上がる!)

 

鈴音(上がられたか……。まぁ振り込んでないだけマシかな?)

 

 

総武 199200-6600=192600

 

清澄 81600-3600=78000

 

姫松 77900-3600=74300

 

有珠山 40300+13800+1000=55100

 

 

~南2局 ドラ 発 親 末原恭子~

 

鈴音(親番終わっちゃったなぁ……。まぁ配牌は良いから上がればとりあえず+で終わるけど)

 

 

 

~そして~

 

咲「」タンッ

 

鈴音(言ったそばから出たね。しかも咲から……)

 

鈴音「ロン。12000」

 

咲「っ!……はい」

 

 

総武 192600+12000=204600

 

清澄 78000-12000=66000

 

 

鈴音「ツモ。4000、8000」

 

 

総武 204600+16000=220600

 

姫松 74300-4000=70300

 

清澄 66000-4000=62000

 

有珠山 55100-8000=47100

 

 

鈴音(いよいよオーラス……。清澄が敗退するかもしれないという予想外の状況だけど、咲の事だから虎視眈々と逆転手を作ってそうだね。しかも咲の親だし)

 

なんにせよここは凌いで+収支で終わりたい……。

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。


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第70話 全国大会準決勝26

今回もよろしくです。


総武 220600

 

姫松 70300

 

清澄 62000

 

有珠山 47100

 

 

~南4局 ドラ 3萬 親 宮永咲~

 

恭子(このまま2位を死守!……なんか2回戦でもこんなことがあった気がするわ)

 

咲(親番だからまずは上がること……!それで2位なったら和了止めで決勝進出だよ!)

 

爽(姫松に倍満をぶつければうちが2位になれる…!)

 

鈴音(姫松は2位を死守、有珠山は姫松に倍満直撃、清澄は親番だから上がること、そしてそれで2位に食い込むことを考えてるね……。今回も私の手は良形だから上がりにいくよ……!)

 

 

~そして~

 

爽「」タンッ

 

咲「ロン」

 

鈴音(咲に先を越された……!)

 

爽(しまった……。これは終わっちゃったか……?)

 

咲「……7700です」

 

恭子(これは……!)

 

鈴音(どうやらラス親続行のようだね)

 

爽(要求値が役満直撃になってしまった……。まぁその代わり誰に当てても2位になるけど)

 

 

清澄 62000+7700=69700

 

有珠山 47100-7700=39400

 

 

~南4局1本場 ドラ 7筒~

 

鈴音(おお……!ものすごく良い手だ!最後にこれを上がって試合終了にしたい!!)

 

爽(まだフリカムイは残っている……!この配牌から狙えるのは清老頭か……難しいけど、やるしかない!)

 

恭子(凌ぐだけやのに……それがとても遠く感じる)

 

 

~そして~

 

鈴音(できた!ダマで3倍満の手!!リーチをかければ数え役満までいくけど……トップだし、点差あるし、ここはダマにしておこう……!)

 

爽(う~ん……欲張ると手が進まない……。やっぱりそんなに簡単じゃなかったか……)

 

 

~そして~

 

恭子(張った……!安い手やけどこれでようやく終わりや!!)タンッ

 

鈴音(……まさかそこから出るとはね)

 

鈴音「ロン」

 

恭子(嘘……やろ……?凌ぐだけやのに……!)

 

鈴音(一瞬の気の緩みが死に繋がる……。これは麻雀に限ったことじゃなくて全てのゲームに共通することだよ)

 

鈴音「タンヤオ、ピンフ、イーペーコー、清一、ドラドラ……24300」

 

 

総武 220600+24300=244900

 

姫松 70300-24300=46000

 

 

みさき『じ、準決勝第2試合終了です!総武高校、先鋒から大将まで全員+収支、そして圧倒的点差で決勝へ進出です!』

 

 

総武 244900

 

清澄 69700

 

姫松 46000

 

有珠山 39400

 

 

鈴音「ありがとうございました」ペコッ

 

私はとりあえず礼を言って控え室へと向かった。3人共何故か震えてるっぽいけど、気にしないようにしよう。私は美咲のようにトラウマを植え付けていないはず……だよね?

 

 

 




今回はここまでです。


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~インターハイ団体戦全国決勝~
第71話 決勝前


今回もよろしくです。


鈴音「ただいま」

 

美咲「お帰り鈴音ちゃん!」

 

綾香&杏子「お疲れ様です!」

 

未来「無事+収支だったようね」チッ

 

あれ?今未来ちゃん舌打ちしなかった?まぁいいか…。

 

鈴音「あの面子で我ながらよく稼げたと思うよ」

 

未来「あなた、末原さんと相性悪いものね」

 

鈴音「そうだね。しかも末原さんは個人戦にも出場してるから再戦までにどうにかしないとね……」

 

主に私のスロースターター的なやつをね!

 

鈴音「さて、明日に備えて軽くミーティングしておこう。今日は伊吹先生が用事で戻るのが遅くなるから私達だけですすめるよ」

 

綾香「明日の決勝についてですか?」

 

鈴音「そうだね。といっても細かい対策とかは先鋒と中堅と副将だけでいいかな」

 

次鋒は未来が勝手になんとかするだろうし、大将は私の管轄だから、私だけが気を付ければいいしね。

 

まぁ私の相手のうちの1人か2人は個人戦に出るだろうけど、未来も美咲も個人戦ではライバルだから情報を与えないのだ!

 

鈴音「じゃあまずは先鋒戦の相手について」

 

杏子「私の相手ですね……!」

 

鈴音「準決勝で打った片岡さん……については杏子の方が知ってるかもね。一緒に打ってて何か思ったことはある?」

 

杏子「牌符を視るかぎりは門前でどんどん上がっていく打点重視でしたが、この準決勝では鳴きを入れて速度重視でした。これらを踏まえて片岡さんは決勝の対策をしていたと思います」

 

鈴音「成程ね……」

 

決勝の相手は阿知賀と白糸台だから片岡さんは照の対策と同時に阿知賀のドラゴンロードと呼ばれている松実玄の対策もしているだろう。

 

鈴音「決勝でも片岡さんは要注意だね。東場の片岡さんは速度が全国の高校生でもトップクラスだと思うから」

 

杏子「はい……!」

 

鈴音「次は阿知賀の松実さん。彼女はドラを支配するオカルトがある。それはわかってる?」

 

杏子「牌符を見た感じで薄々わかってはいましたが、オカルト持ちだったんですね……」

 

鈴音「うん、幸い杏子は一九字牌が多く入るから混老頭や対々とかで打点が作れるから、あとは速度だね。そして白糸台の……」

 

杏子「宮永照さん……ですね」

 

鈴音「彼女については去年対戦した美咲が1番知ってるかな」

 

美咲「でもそれは去年の話だけど……」

 

鈴音「それでいいよ。美咲がわかることを教えてほしいんだ」

 

美咲「わかった。牌符でもわかる通り宮永さんは1番最初の局は上がらないよ」

 

綾香「あ、上がらないんですか?」

 

美咲「うん、その1局で相手を観察、分析をしてそれ以降に連続で上がり始めるんだよ。しかもかなり早い」

 

杏子「そのためにも速度がいるってことですね……」

 

美咲「あとは照魔鏡のようなものだといわれるオカルトを持っていることだね」

 

綾香「しょう……まきょう……?」

 

未来「照らす魔の鏡と書いて照魔鏡よ」

 

今聞くと如何にも中二染みた名前だよね。本人がいってるわけじゃないけど……。

 

杏子「鏡……って書くくらいですからそれで相手を視るってことですか……?」

 

美咲「うん、それで相手の打ち方を予測できているんだって。私もそれで対策されて負けちゃったんだ……」

 

とはいってもあのときの美咲と照の点差はあってないようなものだったしどっちが勝っても可笑しくなかった。

 

美咲「私が言えるのはこのくらいかな?去年よりも間違いなく宮永さんは強くなってるから注意してね!」

 

杏子「はい……!」

 

 

それからもミーティングは続き、ついに決勝戦を迎える……。

 

軽くって言ったのにガッツリミーティングしてしまったなぁ……。

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

しばらく本編は投稿を停止します。決勝戦を書くのは原作で決勝の描写がコミック化したときですね。

更新も部員日和を不定期になります。申し訳ありません。


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第72話 起床と衝撃の真実

半年以上もお待たせしてすみません。私は本編に帰ってきたぞーっ!!……というわけで短いですが本編をあげます。

あとがきの長ったらしい謝罪……になっているかは微妙ですが、そちらの方も読んでいただけると幸いです。

では今回もよろしくです。


新しい朝が来た。希望の朝が。

 

なんてことは置いといてついに決勝戦……。泣いても笑ってもこれで団体戦は今日で幕を閉じるんだ。精一杯やっていきたいね……!

 

伊吹「おっはよー鈴音。今日は気合が入ってるねぇ」

 

鈴音「おはようございます伊吹先生。そうですかね?自分ではよくわかりませんが……」

 

なんだか伊吹先生を見るのも随分久し振りに思う。昨日も一緒の部屋で寝たはずなんだけどなぁ……。

 

伊吹「昨日までとは全然違うね。いや、本当に別人みたいだよ。2回戦の未来以上に暴れてしまうようなそんな気がね」

 

鈴音「確かに2回戦の未来はヤバかったですが、それ以上ですか?」

 

2回戦の未来の収支は確か167000点のプラス収支だけどあれより上をいくって?それもうインハイが荒れるとかそういうレベルじゃないんだけど……。

 

伊吹「うん、私が顧問兼コーチになって2年以上……。教え子の雰囲気くらいはわかってるつもりだよ」

 

鈴音「そういうものですかね?」

 

伊吹「そっ。例えば鈴音と未来がこの世界とは別の世界から来た異世界人だってこともね」

 

は?今この人何て言った?私と未来が異世界から来たことを知っていたって?

 

鈴音「……何故わかったんですか?」

 

伊吹「惚けないんだねぇ。そういうところはポイント高いよ。……確信に至ったのは去年のインハイの時だね」

 

去年のインハイからって……1年も前からわかってたってこと!?

 

いや、そこはどうでもいい(よくないけど)。確信に至ったのはって伊吹先生は言ってたからもっと前から怪しいとは思っていたということだから……!

 

鈴音「伊吹先生はいつから私と未来が異世界から来たという疑惑があったんですか?」

 

伊吹「初めて会ったあの日からだよ。確かに美咲もかなりの大物であることは感じていたけど、君と未来は底が知れない……いや、知れなさすぎる。だからもしかしたらと思ったわけさ」

 

鈴音「ですが去年は私も未来もインハイには出ていませんよね?なのにどうしてそこでわかったんですか?」

 

伊吹「出ていなかったからこそかな?まるで今年のこの瞬間のために帳尻を合わせていたんじゃないかと。そして今年のインハイが何かを中心に大荒れすることをわかっていたから今年のインハイに全てをかけていた。それを知っていたかのように君も未来も行動してるように私は感じたからだよ。まぁ私の推測にすぎないから鈴音が『それは違うよ!』と某論破少年みたいに言われたら私の頭がキチガイみたいと思われてそこまでだけどね」

 

伊吹先生の推測は殆ど正解である。私と未来は今年の、所謂原作のインハイに出て何かしらの成果をあげることこそがこの世界に来た理由で前の世界と同じく最強を目指すこと(まぁ前の世界では何より全王に勝てないんだけど……)こそが転生している証明になるんじゃないかと最近の私は思ってしまっているのだ。

 

鈴音「…………」

 

伊吹「その沈黙は正解と思っていいのかな?」ポチッ

 

クスクスと笑いながら伊吹先生はテレビをつける。その様は見た目とは違ってどこか大人な雰囲気を纏っていた。

 

139の身長の人間とは思えない程の色気というかなんというか……。とりあえずテレビの方を見てみよう。

 

えり『さあ、まもなく5位決定戦が始まります』

 

テレビでは針生(はりう)アナウンサーとその隣にいる三尋木(みひろぎ)プロが5位決定戦の実況と解説をしていた。

 

伊吹「おっ、5決かぁ~。何処が勝つかね~?」

 

テレビを見る伊吹先生の様子はいつものマイペースな伊吹先生だった。

 

伊吹「あっ、そうそう」

 

鈴音「どうしたんですか?」

 

伊吹「この団体戦が終わったら個人戦の前にサプライズがあるからね」

 

鈴音「サプライズ……ですか?」

 

伊吹「うん、インターハイ団体戦に出場している全52高校や個人戦に出場している選手を巻き込んだ超大掛かりな計画を考えていてね。それはきっと鈴音にとっても楽しいものになると思うよ。このために私はこのインハイの間に色々な人に会ってたと言っても過言じゃないね」

 

ちょくちょくいなくなってる伊吹先生にそんな理由があったとは……。というかサプライズを言ってしまってはサプライズにならないのでは?いや、敢えて言ったのかもしれないと思ってしまうな今の伊吹先生を見ていると……。

 

伊吹「まぁ今は決勝戦を楽しみなよ」

 

鈴音「はい……」

 

……このままだと色々気になって試合に集中できないからまた瞑想でもして気合を入れよう。

 

伊吹「♪」

 

楽しそうにテレビを見ている伊吹先生の隣で私はそう思った。




今回はここまでです。

咲が好きな友人から『返さなくていいから』と言われてヤングガンガンなるものを押し付けてきたので、これからはちょくちょく本編の投稿もすると思います。

とりあえずこの話はヤングガンガンなるものを押し付けられる前から決勝戦開始までのものを唯一ストックとして残していたものです。これを2、3話くらいに小分けして投稿する予定ですので、まだヤングガンガンなるものに頼らなくても大丈夫なはずです……多分。

あと小説情報を少し変更しました。まずはタグの追加ですね。ポケモンの巻なんてものをやっているのでポケモンのタグをつけさせてもらいました。これからもあげると思いますので……。

次に評価する際に必要なコメントの一言欄をなしにしました。これによって『評価しようにも一言書くのが面倒くさいからやってない』という方にも是非とも評価してほしいと思いそうさせていただきました。何故一言欄に文字を設けたのかと言いますとその評価をしてくださった方々がどのような思いでその評価をしたのかを知りたかったからです。

できれば感想と共に評価の方をつけてほしいなという甘ったれた思考を持ってしまっている作者こと銅英雄でした。

それでは最後に改めて半年以上も本編を待たせてしまって本当にすみませんでした!


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第73話 顔合わせとまたもや衝撃の真実と決勝戦開始

今回もよろしくです。


5位決定戦の進行も気になるところだけど、そろそろ会場入りの時間である。

 

伊吹「鈴音、そろそろ行くよ」

 

鈴音「…………はい」

 

伊吹先生から伝えられた衝撃の真実が未だに動揺して忘れられないが、瞑想することである程度は落ち着いた。

 

でもまさかまだ衝撃の真実が待っていることを今の私は知るよしもなかった。

 

 

 

~そして~

 

恒子『さあ、泣いても笑ってもこれが最後の決勝戦!間もなく勝ち残った4校の入場ですが、小鍛治プロはどこが優勝すると思われますか?』

 

健夜『そうですね……。歴史だけを見れば白糸台が順当ですが、それを追う3校の執念は半端なものではありません』

 

恒子『ほほう、と言いますと?』

 

健夜『越えるべき準決勝の壁を越えた阿知賀女子、初出場ながら決勝まで残るという快挙を成し得た清澄高校、そして同じく初出場ながらもインターハイ史上の伝説になろうとしている総武高校とそれぞれがすごい気迫でこの決勝戦に挑むわけになります。どこが優勝なんてこの時点では、ましてや決勝戦が始まってすらない段階で優勝予想なんてできません』

 

恒子『つまり予想が外れるのが怖いということです!』

 

健夜『そんなこと言ってないよ!』

 

恒子『おっと、そうこうしている間に各高校選手達の入場です!まずは準決勝Aブロック2位!準決勝ではまさかの2位抜け!この決勝戦で優勝して王者の威厳を保ち続けることができるか?西東京代表白糸台高校!!』

 

恒子『続けて準決勝Bブロック2位!初出場で決勝戦まで来ました!このまま優勝まで進みたい!そんな思いを胸に秘めます!長野代表清澄高校!!』

 

恒子『そして後の2校は準決勝を1位で抜けた実力者達です!準決勝Aブロック1位!準決勝では王者を破るというダークホースを見せました!この決勝戦でもそのダークホースっぷりを発揮できるか?奈良代表阿知賀女子学院!!』

 

恒子『最後に準決勝Bブロック1位!2回戦ではあの臨海女子に大差をつけて、そして準決勝ではこれまた大差をつけております!更に地方大会から大量に点差をつけて最早留まることを知らないまさに負け知らず!決勝戦でも圧倒的な実力差を見せつけるのか?千葉代表総武高校!!』

 

やばいな。プレッシャーがやばい。なんせ……。

 

照「………」

 

菫「………」

 

尭深「………」

 

誠子「………」

 

淡「………」

 

白糸台高校を始めとする他の3校が対面にいるんだよ?

 

5位決定戦でもこれをやったらしいけど、決勝と5決だと雰囲気全然違うと思うの。

 

玄「………」

 

憧「………」

 

ん……?なんだか松実玄さんと新子さんから視線を感じるな。何故だろう?

 

……まぁいいや。みんな整列しているし、私も並んで挨拶しよう。

 

『よろしくお願いします!!』

 

恒子『間もなく先鋒戦が始まります!選手以外は控え室へとお戻りください!』

 

鈴音(これが団体戦最後の試合……。先頭は任せたよ杏子!)

 

そう思い私は控え室へと戻っていった。

 

 

 

~そして~

 

未来「そう、伊吹先生がね……」

 

控え室に戻る前に私は未来に朝の出来事を話した。そして阿知賀の2人から感じる視線についても。

 

伊吹先生が私達の正体を知っていたことについて未来はなんとなく予想していたそうだ。この子恐ろしいわ本当に……。

 

未来「視線の理由は貴女ならすぐにわかるのではないかしら?」

 

鈴音「どういうこと?」

 

マジでわけわかめ。

 

未来「……ヒントをあげるわ。ヒントその1、その2人の声よ」

 

鈴音「声?」

 

ヒントもらっても全然わからん。というか余計にわからなくなった。

 

未来「ヒントその2、あの御方から連絡があったのだけれど、私達がこの世界に転生した少し後に私達が前いた世界から2人がある人物に憑依したわ。所謂憑依転生というやつね。その人物に憑依する条件は声質が一致することよ」

 

鈴音「ちょっ、ちょっと待って!その憑依転生した2人ってもしかして……」

 

もしかしなくてもあの子達だよね?私がドラゴンボールの世界にいたときに仲良くしてた妹分とその子供だよね?確かにあの2人と声そっくりだけど!

 

あの時の熱い視線はそういうことだったの!?

 

未来「流石に答えがわかったようね。私は先に控え室へと戻るわ。鈴音も頭を整理させてから戻ることね」

 

そう言って未来は控え室へと歩いていった。

 

鈴音(まさかあの2人がこの世界に来てるっていうの?私達が転生してきたと同時にってことはあの夜に会ったときは既に2人は『あの2人』に入れ替わっていたということ?だとすると松実玄さんはあの子で、新子さんは私の親友の……)

 

恒子『決勝戦スタートです!!』

 

いや、考えるのは後にしてとりあえず今は決勝戦に集中しよう!




今回はここまでです。

玄と憧に憑依転生した2人とは?ヒントは私が書いていた『気が付いたら女サイヤ人に転生していた件』にあります。気になる方はそちらの方も読んでねという作者のアピールです。

こんなことしてドラゴンボールに興味のない人がこの作品を読まなくなったらどうしようとか後悔しかけていますが、元々この展開は始めから頭に入れていたのでここから先の一部の話は私が書いていた『気が付いたら女サイヤ人に転生していた件』を読んでおくと名前を聞いてこいつ誰だ?とはならないはず……。まぁ読まなくても大した影響はありませんがね。

では次回に続きます。


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第74話 全国大会決勝戦!先鋒戦①

今回もよろしくです。


杏子side

 

恒子『決勝戦スタートです!!』

 

ふぅ……遂に決勝戦という舞台まで来た……!白糸台の宮永さんはもちろん、松実さん、そして準決勝で戦った片岡さんもこの決勝戦に相応しい最高のコンディションで挑んで来ているはず。

 

照「よろしく……」

 

 

白糸台 100000

 

 

玄「よろしくお願いします……!」

 

 

阿知賀 100000

 

 

優希「よろしくだじぇ……」

 

 

清澄 100000

 

 

3人から感じる気迫はとんでもないものだ……。絶対王者の宮永さんに準決勝とは違う髪型の片岡さん。あの髪型は新道寺の花田さんに類似している。

 

そして松実玄さん。彼女からは鈴音先輩や未来師匠と同じ雰囲気を感じる……!1番警戒しなくちゃいけないのは宮永さんじゃなくて彼女なのかもしれない。

 

杏子「よろしくお願いします……」

 

 

総武 100000

 

 

 

なんにせよ負けられない……!

 

 

 

~東1局 ドラ 8萬 親 片岡優希~

 

 

杏子(起親はやはり片岡さん……。この局は上がっておきたい。宮永さんは東1局では上がらないし、片岡さんの勢いも削げるし、何より東2局は私の親。だから和了ってはずみをつける……!)

 

優希「リーチ!」タンッ

 

杏子(いきなりダブルリーチ!?)

 

 

清澄 100000-1000=99000

 

 

杏子(でもこれってミーティングで鈴音先輩が言っていた通りなのかも……)

 

~回想~

 

鈴音『清澄の片岡さん。彼女の東1局を振り返ってみると面白いことがわかったよ』

 

杏子『面白いことですか……?』

 

鈴音『うん、彼女は全国大会の2回戦では3巡目にリーチをしてた。更に準決勝では2巡目にポンをしてテンパイを取っていた……』

 

綾香『……それがどうしたんですか?』

 

鈴音『これは私の予想に過ぎないけど、片岡さんは決勝戦の東1局では高確率でダブルリーチをしてくる』

 

美咲『それってどういうこと鈴音ちゃん?』

 

鈴音『つまり2回戦よりも準決勝、準決勝よりも決勝ということで彼女にどんどん速度がついてきているということ。それに加えてこの決勝戦では更に火力も乗せてくるって感じかな。所謂決勝戦にむけてのカウントダウンってことだよ』

 

未来『だとしたらその次の東1局は天和かしら?』

 

綾香『ま、まっさかー……』

 

鈴音『……まぁその可能性は0じゃないからそれをどう食い止めるかは杏子次第になるかな?』

 

杏子『私次第……わかりました』

 

 

 

~現在~

 

杏子(ダブリーにはびっくりしたけど、これも鈴音先輩の想定内。幸い私は片岡さんの捨て牌を持っているため合わせ打ちができる)タンッ

 

照「」タンッ

 

玄「」タンッ

 

優希「ん……ツモ!6000オールッ!!」

 

恒子『まずは清澄高校の片岡優希!ダブリーからの跳ね満ツモだぁーっ!!』

 

1発……!流石片岡さん。

 

 

清澄 99000+18000+1000=118000

 

総武 100000-6000=94000

 

白糸台 100000-6000=94000

 

阿知賀 100000-6000=94000

 

 

ゾワッ……!

 

杏子(!?……今の感じは美咲先輩が言っていた宮永さんの照魔鏡?本当にこれで相手を観察、分析してるんだ……)

 

照「っ!」

 

杏子(宮永さんが片岡さんを視て顔を強張らせた……?片岡さんがどういう風に視えていたんだろう?)

 

気になるけど、集中しなきゃ!ここからは宮永さんが連続和了する可能性が高いんだから……!

 

 

~東1局 1本場 ドラ 発 親 片岡優希~

 

 

優希「……捨てる牌がない」

 

杏子(えっ……?)

 

優希「ツモ!16100オール……!!」ゴッ!

 

恒子『な、なんと片岡優希の天和が炸裂ーーーっ!!』

 

っ!……まさかここまで調子の波と速度を合わせてきているなんて。これは……。

 

 

清澄 118000+48300=166300

 

総武 94000-16100=77900

 

白糸台 94000-16100=77900

 

阿知賀 94000-16100=77900

 

 

 

 

 

~控え室~

 

綾香「て、天和!?」

 

美咲「これはすごいね……!」

 

綾香「未来先輩が余計なフラグを建てるからですよ!」

 

未来「私のせいにしないでほしいわね……。それで?鈴音はこの展開も予想していたのかしら?」

 

鈴音「……いや、流石に予想外だよ。ミーティングの時には可能性が0じゃないとは言ったけど、まさか実際に天和を和了るとは……。このインターハイでかなりの数の役満が出ているけど、天和は今までのインターハイではなかったからね。それを決勝戦の舞台で片岡さんがやってのけた。不謹慎ではあるけどこの展開は……」

 

 

 

 

杏子&鈴音「「俄然面白くなってきた……!」」

 

 

~会場~

 

杏子(和了りを止めれてないのに、何処かワクワクしている私がいる……。片岡さん、宮永さん、そして松実さん……)

 

個人戦に出ない私からすればこの先鋒戦がこのインターハイ最後の麻雀になる……!

 

今の私はこの3人ともっと熱い麻雀がしたい!

 

だから……楽しむんだ!この先鋒戦を!!




今回はここまでです。これからはヤングガンガンの発売日(正確に言えば咲が連載している刊)に合わせて本編を投稿していくと思います。とはいえ先鋒戦だけ書ければ後は作者の妄想で残りを書き上げるだけなのですが。

つまり次鋒戦以降でこのキャラがこういう活躍をしたとしても『へー』という一言で流します。まぁそれに合わせて訂正くらいはしますよ?多分。

じかいよこく!

勢いの止まらない優希!杏子はどうするのか……?

次回もお楽しみに!



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第75話 全国大会決勝戦!先鋒戦②

この作品も通算100話目になりました!では今回もよろしくです。


杏子side

 

~東1局2本場 ドラ 4索 親 片岡優希~

 

優希「リーチ!」タンッ

 

 

清澄 166300-1000=165300

 

 

杏子(またダブリー……)タンッ

 

照「」タンッ

 

玄「」タンッ

 

杏子「!!……ポン」カシャッ

 

私は松実さんが切った中をポンする。

 

杏子(これで1発はなくなった……)タンッ

 

照「」チャッ

 

恒子『なんと!妹尾選手のポンがなければまたもや片岡選手の1発ツモでした!!』

 

健夜『これは妹尾選手のファインプレーですね。もっとも今の片岡選手をそれで止められるかと言えば話は別ですが……』

 

恒子『それはどういうことでしょうか!?』

 

健夜『今の片岡選手の調子は間違いなく最高潮だと思われます。生半可な鳴きは下手をすれば片岡選手の後押しをするということになります。この鳴きも恐らくは1発を消すためだけに行ったものでしょう』

 

照「」タンッ

 

玄「」タンッ

 

杏子(2人からはテンパイしているようには感じられない。もちろん私も……)

 

優希「ツモ!2800オール!!」

 

恒子『結局ツモってきたー!!』

 

 

清澄 165300+8400+1000=174700

 

総武 77900-2800=75100

 

白糸台 77900-2800=75100

 

阿知賀 77900-2800=75100

 

 

~東1局3本場 ドラ 7筒 親 片岡優希~

 

優希「…………」タンッ

 

杏子(ダブリーじゃない。だとすると次に警戒するのは……!)タンッ

 

照「」タンッ

 

玄(ダブルリーチじゃないんだ……)タンッ

 

優希「チー」カシャッ

 

松実さんの切った1索をチーした片岡さんは次に宮永さんの切った南をポンする。

 

杏子(やはり鳴きによる速攻……!今の片岡さんの手牌は混一色?それとも……)

 

優希「ツモ!800オール!!」

 

杏子(一通……。鳴いてるおかげかそれだけだから安くすんだ)

 

 

清澄 174700+2400=177100

 

総武 75100-800=74300

 

白糸台 75100-800=74300

 

阿知賀 75100-800=74300

 

 

~控え室~

 

綾香「そういえば鈴音先輩は私達が阿知賀と練習試合をしている間に片岡さんと打ったことがあるんですよね?」

 

鈴音「そうだね」

 

綾香「その時の片岡さんはどんな感じだったんですか?」

 

鈴音「う~ん、東場の片岡さんはとにかく押せ押せのスタイルで麻雀してたね。今みたいに鳴きを混ぜながら打ってなかったよ」

 

美咲「個人戦の時もガンガンリーチとかしてたね」

 

鈴音「このインターハイでも2回戦までは鳴きを見せなかったけど、私達と戦った準決勝からはその鳴きを見せ始めた……」

 

未来「恐らく清澄の部長の入れ知恵でしょうね。ギリギリまで戦術を温存していたのでしょう」

 

綾香「うわぁ……なんかいやらしいですね」

 

鈴音「かもね。でも戦いに勝つためには当然ともいえることだよ」

 

 

~会場~

 

~東1局4本場 ドラ 3索 親 片岡優希~

 

照(片岡さんの勢いが衰えない……。さっきの局は妹尾さんが鳴いたけど、それでも片岡さんは止まらずに和了った)

 

優希「」タンッ

 

照(ダブルリーチじゃない。けど早く手を打たないといけない……松実さん?)

 

玄「」モヤモヤ

 

杏子(松実さんから妙な雰囲気を感じる……?)

 

照(妹尾さんも気付いた……。でも松実さんから発している霧は見えてないみたい)

 

玄(そろそろ止めないと不味いよね……。配牌も悪くないし、阿知賀のみんなのためにも、そして私の中にいる『この子』のためにもこの局は和了ってみせる!)

 

照(松実さんも気になるけど、今は片岡さんを止めないと……)タンッ

 

杏子「ポン」カシャッ 

 

優希(インハイチャンプと総武の……小細工しないと私を止められないのか……?)

 

杏子「」タンッ

 

照「」タンッ

 

玄「」タンッ

 

優希「」タンッ

 

杏子「チー」カシャッ タンッ

 

優希(追い付かれたか……それとも追い抜かれた?)

 

照(張った……仕掛ける)タンッ

 

優希「ポン」カシャッ タンッ

 

杏子(今の西ポン……恐らく片岡さんもテンパイ……!)

 

宮永さんも松実さんも張っているだろうし、全員テンパイで勝負……!

 

照(ここで和了れない……。なら妹尾さんに差し込む……いや、駄目だ)タンッ

 

玄「ツモ!」

 

杏子(松実さん……!)

 

玄「タンヤオ、ツモ、ドラ7……4400、8400です!!」

 

玄(よし、なんとか清澄の連荘を止めたよ!この調子で上がりを目指そう!!)

 

杏子(あの上がり牌……私と同じ待ちだったとは……)

 

倍満で大きい出費だけど、とりあえずは片岡さんを止めたと考えればプラスかな……?

 

 

清澄 177100-8400=168700

 

阿知賀 74300+17200=91500

 

総武 74300-4400=69900

 

白糸台 74300-4400=69900

 

 

 

杏子sideout

 

 

~控え室~

 

綾香「ド、ドラ7!?練習試合の時も思いましたが、改めて見るととんでもないですね……」

 

鈴音「彼女はずっとこのスタイルで麻雀を打ってるみたいだから、彼女にとってはこれが当たり前なんだろうね」

 

美咲「ツモってきた牌も全部ドラだったもんね。いいなぁ……。私もあんな風にドラをたくさん並べて『ドラ爆!』みたいな感じで高得点出したい!」

 

いやいや、美咲はそんなことしなくても高得点叩き出せるじゃん……。

 

未来「片岡さん連荘は止まったけれど、悪い流れは継続ね」

 

鈴音「そうだね。でもここがチャンスでもある。だからペースを掴みたいところだね」

 

鈴音(それに照だってまだ本領を発揮してないし、松実さんには『あの子』が憑いてる……。このままだと下手をすれば杏子が焼き鳥になってしまうかもしれない……!)

 

それでも杏子を信じることだけが今の私達にできることなんだ!




今回はここまでです。

じかいよこく!

玄によって優希の連荘は止まったが、杏子は自分の流れを掴めないまま……。次回、他家のさらなる力が発揮される中杏子は……?



次回の本編更新は10月の末日以降になると思います。ヤングガンガンで2ヶ月も咲が休載するからです。

その間に番外編をあげるかもしれません。では!


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第76話 全国大会決勝戦!先鋒戦③

本編投稿。お待たせしました!では今回もよろしくです。


杏子side

 

 

~東2局 ドラ 8萬 親 妹尾杏子~

 

東1局は松実さんが倍満をツモ和了りすることで片岡さんの連荘を止めることができた。だけど点差が大きい上に松実さん以外はドラによる打点上昇が望めないから現状はかなり絶望的だ。

 

杏子(未来師匠との特訓で身に付けた『あれ』を使って少しでも点差を縮めるのが無難だけど、そのためには狙いをつけないと……)タンッ

 

優希「ロン」

 

杏子(……っ!まさか2巡目でもう張っていたなんて)

 

優希「2600……!」

 

 

 

清澄 168700+2600=171300

 

総武 69900-2600=67300

 

 

 

 

杏子sideout

 

 

 

 

~控え室~

 

長い長い東1局が終わり、ようやく迎えた東2局で杏子が片岡さんに振り込んでしまった。

 

綾香「あちゃ~。振り込んじゃったよ!」

 

美咲「これでうちが最下位だね……。こんなの初めてじゃない?」

 

鈴音「確かに今までうちが最下位に落ちるなんてなかったと思うからね。……でもこのまま終わってしまうほどうちは、杏子は甘くないよ。だよね未来?」

 

県大会ではずっと1位で美咲が他校を飛ばし続けてたし、この全国大会でも2回戦で杏子が少し落ち込んでいたけど、後続で圧倒的点差をつけて駒を進めたからね。

 

未来「ええ、杏子には2回戦が終わった翌日からずっと私がスパルタで色々と叩き込んだわ」

 

綾香「み、未来先輩のスパルタですか!?それはまたヤバそうな……」

 

実際に未来のスパルタはマジでキツい。私も入学する前に麻雀のルールをバッチリ覚えるべく未来に色々教えてもらったけど、軽くトラウマになったものである。

 

美咲と初めて麻雀を打った日も牌を握る度に手がプルプルしてたからね本当に。

 

なので未来のスパルタを受けて尚且つ未来を師匠と崇めている杏子を私は密かに尊敬しているのだ。

 

未来「綾香も受けてみる?」

 

綾香「え、遠慮しておきます……」

 

鈴音「……話を戻すと杏子はまだそのスパルタで得た片鱗を見せていないということでいいのかな?」

 

未来「そうね。けれど片岡さんの連荘が終わったからあとはそのチャンスを伺っているといったところかしら」

 

鈴音「ならもう心配ないかもね。それに……」

 

鈴音(麻雀は本来4人でやるものだからね。それさえわかっていれば片岡さんを止めることはそう難しくない)

 

私が長野で清澄の人達と麻雀した時は私1人で打っていた。それは私以外が全員味方だったから。

 

でも大会中は自分以外は全員敵であり、場合によっては誰かと味方になって共闘したりできるから。

 

鈴音(未来と特訓した杏子ならもうその答えに気付いているだろうね)

 

そう考えながら私はテレビで頑張ってる杏子を見守る。

 

未来「それにしてもさっきの振り込みは無用心だわ。杏子が戻ってきたらまた特訓ね」

 

鈴音「……程々にしてあげてね」

 

そもそも2巡目で張っていて、それをダマで通してるなんて普通はわからないからね?

 

 

 

 

杏子side

 

 

~東3局 ドラ 白 親 宮永照~

 

 

優希「リーチ!」タンッ

 

 

清澄 171300-1000=170300

 

 

杏子(また片岡さん……。やっぱり東場が終わらないと彼女の勢いを落とすのは難しいかな?)タンッ

 

照「ポン」カシャッ タンッ

 

杏子(宮永さんの鳴きによって片岡さんの1発が消えた。これで1翻分の打点が無くなったけど、今日の片岡さんはそれでも和了りそうだからまだ油断はできない)

 

 

~そして~

 

杏子「」タンッ

 

玄「」スッ

 

照「……ポン」

 

玄「」ピクッ

 

……?また宮永さんの鳴き……。もしかして宮永さんは自分の親番を犠牲にしてでも東場を終わらせようとしてる?

 

杏子(そういえば師匠や先輩達も麻雀は4人でやるものだって言ってたっけ……。それを理解して麻雀をやっているから先輩達や去年の個人戦で1位だった宮永さんは強いんだ。そして今日のために強さを最大まで高めた片岡さんと松実さんもそう……!こんな人達と最高の舞台で戦える。今はそれを楽しみながらこの4人で麻雀を打とう……!)

 

照「」タンッ

 

杏子「ロン。タンヤオのみ。……1000点です」

 

この1000点は宮永さんのおかげで和了れたものだけど、私自身の力で宮永さんに直撃させてみせる……!

 

 

 

総武 67300+1000+1000=69300

 

白糸台 69900-1000=68900

 

 

 

宮永さんの差し込みとはいえなんとか3位になった。東場はあと1局……。頑張らなきゃ!




今回はここまでです。

じかいよこく!

宮永照の差し込みによって焼き鳥を回避した杏子。未来の教えで得たものを発揮するべくタイミングを伺う杏子だが……?



予定より早くあげれてよかった……。では次回もよろしくお願いします!本編の前に番外編あげるかも?


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第77話 全国大会決勝戦!先鋒戦④

なんとか先に本編あげれた~。まぁ次の番外編で何を書くか考えているわけですが……。

では今回もよろしくです。


杏子side

 

 

~東4局 ドラ 3萬 親 松実玄~

 

片岡さんの連荘もそうだけど、この局は松実さんが親だから松実さんにも警戒しないといけない。

 

杏子(一九字牌はちゃんと来てる……。松実さんがドラを集めて打点を集めるなら、私はこの力で打点を集めて麻雀をする……!?)ゾクッ

 

今の感じは……。

 

玄「………」

 

杏子(松実さんからテンパイ気配……。しかも跳ね満以上は確定っぽい。それに……!)

 

優希「………」

 

照「………」

 

杏子(他の2人もテンパイ……。でも私だって張った。上がれば2位に食い込める。これで勝負……!)

 

 

~そして~

 

玄「ツモ!6000オール!!」

 

杏子(ドラ6……!)

 

この局は松実さんに和了られたけど、この局に関しては誰が和了っても可笑しくはなかった。だから和了ってはずみをつけたかったのに……!

 

 

清澄 170300-6000=164300

 

阿知賀 91500+18000=109500

 

総武 69300-6000=63300

 

白糸台 68900-6000=62900

 

 

 

杏子sideout

 

 

 

 

~控え室~

 

綾香「また松実さんによるドラ爆のツモ!?しかも今度はドラ6って……」

 

鈴音「これで1位との点差は60000点か……」

 

美咲「随分離されたよね……。でもそれくらい私が取り返すよ!」

 

未来「美咲ならそれが現実になりそうだから頼もしい限りね」

 

いや、未来も人のこと言えないよ?2回戦でいくら稼いでたかわかっていての発言だったらかなり嫌味ったらしいよ?

 

綾香「やっぱり決勝戦は一筋縄ではいきませんね。これまでとは逆に突き放されてます」

 

鈴音「まぁ突き放してる主な原因はそこの2人だけどね……」

 

綾香「ああ……」

 

原因1の美咲とその2の未来を見ながらそう思った私なのだった。

 

美咲「あれ?杏子ちゃんの表情が変わった……?」

 

鈴音「表情?」

 

美咲「うん、何かを決意したような表情だったよ」

 

未来「決意……。どうやら遂に仕掛けるようね」

 

鈴音「もしかして前に言ってた『あれ』とやらのこと?」

 

未来「ええ、本来ならもう少し後の方がよかったのだけれどね。宮永照の本気を見てから仕掛けるのが絶好のタイミングだと個人的にベストよ」

 

そういえば照にはさらなる奥の手的なやつがあるんだっけ?確か『ギギギ』とかなんとか。だったら確かにそれを見てからの方がよかったかも。

 

鈴音「……状況が状況だからしょうがないのかもね」

 

未来「ちなみに私が宮永照の立場なら奥の手は個人戦の決勝までとっておくわ」

 

鈴音(まぁ未来の性格ならそうしそうな気がする……)

 

未来「何か失礼なことを考えていないかしら?」

 

気のせいだよ未来ちゃん。

 

……さて、杏子は何を見せてくれるのかな?

 

 

 

杏子side

 

 

片岡さんの次は松実さん……。それに宮永さんもまだ実力を隠している。

 

杏子(本当は後半戦までとっておこうと考えていたけど、そんなことは思ってはいられないみたい。……使おう。未来師匠との特訓によって得たものを)

 

そう決意したと同時に師匠との特訓を思い出す。

 

 

 

~回想~

 

未来『強くなりたい?』

 

杏子『はい……。2回戦で自分の無力さを痛感しました。なのでもっと強く……なりたいです!』

 

未来『そう……。なら杏子の適性を鑑みて強化プランを考えてみるわ』

 

杏子『い、いいんですか……?』

 

未来『ええ、とりあえず少し待っていなさい』スタスタ

 

 

 

~そして~

 

未来『お待たせ』ドサッ

 

杏子『そ、それは……?』

 

未来『杏子と同じ団体戦で先鋒を努めた選手達の牌譜よ。まずはこれらを全て覚えなさい』

 

杏子『こ、これを全部ですか……』

 

未来『不可能かしら?』

 

杏子『……いえ、やります。やってみせます!』

 

未来『ふふ、それができたら声をかけて。私は他にもやることがあるから』

 

杏子《やってやる……!》

 

 

 

 

~現在~

 

他にも様々な特訓を受けて未来先輩を師匠と呼ぶようになった。内容こそはとんでもないものばかりだったけど、かなり強くなったと実感した。

 

そして私がこれから見せるのは相手を狙い打つこと。まずはそこから。そしてそれが上手くいったら次のステップへと……。

 

杏子(でもそのためには狙い撃つのを成功させなきゃ。狙いを定めて……仕掛ける!)

 

私が狙うのは……あの人だ!

 




今回はここまでです。


じかいよこく!

いよいよ真価を発揮する杏子。60000点の差を覆すことができるのか!?



それにしても今回のヤンガンの扉絵の吉田さんは滅茶苦茶可愛かったのです。なんか最近脇役というかモブキャラの女の子が可愛く見える現象に陥っているのです。まぁ小林立先生や他のキャラデザを考えている人のセンスがいいのもあるのでしょうが……。

では次回もよろしくなのです~。


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第78話 全国大会決勝戦!先鋒戦⑤

今回もよろしくです。


杏子side

 

 

~東4局一本場 ドラ 5索 親 松実玄~

 

杏子(この先鋒戦で私ができること……。トップで終わること?現状の点差だと私じゃ難しい。なら……!)

 

あの人に狙いをつける……!それをするにあたって私は昨日してきたことを思い出す……。

 

 

 

~回想~

 

杏子《師匠とたくさん打って自分を強くしよう……!》

 

杏子『師匠、おはようございます。今日も打ってもらって……何を見てるんですか?』

 

師匠に挨拶して、決勝戦に向けて少しでもたくさん打ってもらおうと思い話しかけると師匠はタブレットを見ていた。

 

未来『おはよう。気になるなら杏子も見るかしら?』

 

杏子『師匠がいいなら是非……!』

 

許可をもらってタブレットの方に目を向けると1人の選手がアップで写っていた。

 

杏子『この人は確か白糸台の……』

 

未来『弘瀬菫(ひろせすみれ)。私が次鋒戦で当たる相手よ』

 

杏子『じゃあ師匠は対戦相手の研究をしていたんですか?』

 

未来『まぁそんなところね。それで彼女の癖を見ていたという訳よ』

 

杏子『癖……ですか?』

 

未来『そう。今も再生されているから杏子も見ておきなさい』

 

杏子『はい……』

 

弘瀬さんの去年の大会の映像みたいだけど……。あれ?

 

杏子『さっき弘瀬さんの右手が数ミリ後ろに動きませんでしたか?』

 

未来『驚いた……。よく見ているのね。今杏子が言っていたように弘瀬さんは癖で右手を動かし、その直後に視線が僅かに対戦相手の方向を向くの。そしてその視線の先に……』

 

杏子『対戦相手がいてその人に狙いをつける……というわけですね』

 

未来『そういうことよ。……では打っていきましょうか』

 

杏子『はい……』

 

この日も師匠と特訓との銘打ってたくさん打ったんだ……。

 

 

~そして~

 

杏子《張った……!純全三色の良形。……そうだ、さっきの映像の弘瀬さんみたいにやってみよう。確か右手を数ミリ動かして……》ススッ

 

未来《……?何か仕掛けるつもりね》

 

杏子《そして視線を相手にぶつける……!》キッ

 

未来《……成程、そういうことね。面白いじゃない。受けて立つわ》クスッ

 

師匠は私の意図に気付いた上で私の思惑に乗っているみたい。師匠にはかわされるだろうけど絶対に和了ってみせる……!

 

 

 

~そして~

 

未来《2巡前から同じ牌を引いてくるわね……。まさかとは思うけれど、これが杏子の当たり牌だとでもいうのかしら?だとするならば……!》

 

杏子《私の待ち牌は1つだけ……。弘瀬さんのやり方通りに相手が振り込むとして、もしも私の当たり牌が師匠に渡っているのなら全部取り込まれてるかも……》

 

だとしたらこの局は和了れないってことになるかもしれない。

 

 

~そして~

 

杏子『テンパイです』

 

未来『ノーテンよ』

 

杏子『……師匠、手牌を見せてもらっていいですか?』

 

未来『いいわよ』

 

私はどうしても気になって師匠の手牌を確認した。

 

杏子『これは……。もしかして私が張った巡目から抱えていたんですか?』

 

未来『ええ、もしかしたらこの牌が杏子の当たり牌だと思って抱えていたのだけれど、まさか本当にこれで待っていたとはね。……もしかしたらこのスキルをものにできるのかもしれないわね』

 

杏子『本当ですか!?』

 

未来『杏子次第になるけれど、やってみる?』

 

杏子『はい!やらせてください!!』

 

未来『ならまずは視線に気を付けましょう。下手をすればその局限りのものになりかねないから』

 

それから私は師匠と狙い撃ちをできるようになるための特訓をした。

 

 

 

 

~現在~

 

杏子(偶然なのかはわからないけど、その時と同じ手の1シャンテン……)

 

照「リーチ」タンッ

 

 

白糸台 62900-1000=61900

 

 

杏子(宮永さんのリーチ。これはチャンス……!)

 

これで宮永さんに狙いをつけられる。

 

 

~そして~

 

杏子(張った。リーチをすれば1発を狙えるけど、鈴音先輩がまだリーチ棒を見せる時じゃないって言ってた。だからダマで仕掛ける!)タンッ

 

照(このツモ牌から嫌な予感がする……。リーチをしたのは失敗だったかも)タンッ

 

杏子「ロン。8300です」

 

照(これは妹尾さんの当たり牌だったか……。でもこの振り込みには何か既視感があった。少し確かめる必要があるかも。それに……)

 

杏子「……これで南入ですね」

 

照(妹尾さんから菫の影が見えた……。妹尾さんのデータを改めて調べておこうかな)

 

私は宮永さんを含む3人に対して挑発まじりにそう告げた。

 

 

総武 63300+8300+1000=72600

 

白糸台 61900-8300=53600

 

 

杏子(私がやるべきことは先輩達が出場する個人戦のために同じく個人戦に出場する宮永さんの本気を引き出すこと。だからこれで宮永さんを狙い続ける……!)

 

そしてこの先鋒戦で宮永さんの打ち筋を引き出してみせる……!

 

だから宮永さん、先輩達のために私に本気を見せてくださいね……?

 

 

 

杏子sideout

 

 

 

 

 

 

 

綾香「…………」

 

鈴音「どうしたの綾香?」

 

綾香「……いえ、杏子ってあんな表情するんだなって思いまして」

 

杏子の表情……?ああ、未来がよくする挑発まじりの表情だね。未来もこんなところまで教えなくてもいいのに。未来みたいな人間は1人で十分だよ。

 

未来「……何か余計なことを考えてないかしら?」ジトッ

 

鈴音「なんでもないよ」

 

その内杏子まで未来みたいな性格になったりして……。

 

まぁそんなことないか。




今回はここまでです。

じかいよこく!

宮永照を狙い撃った杏子。彼女の猛攻は続くのか!?そしてそれに対して宮永照は……?


では次回もよろしくなのです。


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第79話 全国大会決勝戦!先鋒戦⑥

今回もよろしくです。


杏子side

 

 

~南1局 ドラ 2筒 親 片岡優希~

 

優希「」タンッ

 

杏子(南場にもなると流石の片岡さんも速度は落ちる。私の配牌もいい感じだし、このまま和了りを……!?)

 

これは……!

 

 

 

 

杏子sideout

 

 

 

 

 

 

 

綾香「杏子がドラを引いた!?」

 

美咲「妙だね。松実さんは河にドラを出さない限り他家にドラが渡ることはなかったはずなのに……」

 

未来「5月の練習試合の時とは違うということでしょうね」

 

私はその練習試合にはいなかったけど、その練習試合とは違う力をこの決勝戦まで温存していたということになる。大したもんだね全く。そしてそれには『あの子』も絡んでいると見てもいいだろう。でも……。

 

鈴音「実力を温存しているのは杏子も同じことだけどね」

 

綾香「どういうことですか?」

 

鈴音「この大会の杏子の牌譜を見たらすぐにわかるよ」

 

美咲「えっと……。杏子ちゃんの牌符は……っと。成程、確かに杏子ちゃんはまだ全てを見せてないね」

 

綾香「あっ、リーチ棒をこの大会で1度も出してない!」

 

そう、杏子はリーチをすることが殆どない。最後にリーチ棒を出したのは入部して丁度1週間後くらいだから、約4ヶ月もの間リーチをしてないことになる。

 

というのも私が杏子にそうさせており、ギリギリまで隠しておくために普段からリーチをしないように心掛けさせていたのだ。

 

未来「そういえば私と2人で特訓した時も杏子はリーチをしていなかったわね。まぁ杏子の打ち筋はリーチをしなくてもいいものだから余り疑問には感じなかったけれど、全てはこの決勝戦のためだったのね」

 

鈴音「そのリーチを決勝戦ではタイミングを見計らって解禁するように杏子には伝えておいたよ。まぁ個人的には後半戦の南場がベストだけど、その辺りは杏子次第かな」

 

とはいえ現状はかなり劣勢だから、もしかしたら後半戦に入るまでに杏子はリーチをするかもしれないけどね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

杏子side

 

 

杏子(ドラである2筒が手に来た……。この先鋒戦で松実さんはドラを切っていない。にも関わらずドラが私の手元に来るってことは松実さんはドラのコントロールができるということ。この決勝戦までこの戦法を隠していたことになる……。私もまだこの大会でリーチ棒を見せていないからお互い様だけど……)

 

だとしたらこの局は松実さんの方を警戒しつつ、降り気味に打とう。

 

 

 

 

~そして~

 

玄「リーチ!」タンッ

 

 

阿知賀 109500-1000=108500

 

 

杏子(松実さんのリーチ……。この局の松実さんは人が変わったような感じがする。1シャンテンだけど、攻めにいけば振り込んでしまいそうだから様子見でいこう)

 

狙い撃ちは現状宮永さん以外にするつもりはないしね。

 

 

 

~そして~

 

玄「ツモ!リーチ、ツモ、ドラ3。2000、4000です!」

 

優希(ドラ3……?)

 

照(松実さんにしては打点が低い……。ドラを切った形跡もないし、妙だ……)

 

 

清澄 164300-4000=160300

 

阿知賀 108500+8000+1000=117500

 

総武 72600-2000=70600

 

白糸台 53600-2000=51600

 

 

 

杏子(2人の反応を見るにドラは私の所にしか来なかったみたい。それも最初のツモ牌以降はドラを引かなかった。この局は松実さんにドラをコントロールされていた……?)

 

だとするとやはり1番の難敵は松実さんってことになる。宮永さんの本気を引き出さないといけないというのに……。

 

とにかく早いところ対策をたてないと……!




今回はここまでです。

じかいよこく!

松実玄の思わぬ麻雀に翻弄される杏子。そして宮永照がついに動き出す……?

では次回もよろしくですよ~。


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第80話 全国大会決勝戦!先鋒戦⑦

年内最後の本編になります。では今回もよろしくです。


杏子side

 

~南2局 ドラ 4索 親 妹尾杏子~

 

杏子(親番。配牌は悪くないけど……)

 

照「…………」

 

杏子(……ここまでおとなしい宮永さんがそろそろ上がり始める可能性が高い。私のやるべきことは宮永さんの全力を引き出すこと……。去年美咲先輩が届かなかったあの時よりも更に上があるってミーティングで鈴音先輩と師匠が言っていた)

 

私は手を進めつつ、ミーティングを振り返る。

 

 

~回想~

 

鈴音『宮永照は連続和了と照魔鏡の他に少なくともあと1つは何か能力を隠しているよ』

 

杏子『あと1つですか……?』

 

鈴音『その能力は去年美咲と戦った時には使われなかった。その理由として推察できるのはその能力の使い所が難しい、若しくは能力が未完成だったかと思われるね』

 

綾香『まぁ完成してたら去年の美咲先輩の時に使ってそうですもんね』

 

杏子『それでその能力とは……?』

 

鈴音『私も詳しくはわからない。その片鱗が見える合図としてはなんというか……『ギギギ』っていう扉を開く音かな?そんな感じの感覚があると思うからね』

 

未来『恐らく宮永照は連続和了と並行してそれを使うと思うから十分に気を付けなさい』

 

杏子『はい……!』

 

 

~現在~

 

杏子(ヒントは『ギギギ』という扉を開く音みたいなもの……。それが聞こえた時こそ宮永さんの全力だと思っていいのかな?)

 

照「ツモ。300、500」

 

恒子『宮永照のツモ!ここから連続和了が始まってしまうのか!?』

 

健夜『これまでおとなしかったのが少し気になりますね。宮永選手を相手に他家がどう動いてくるかも楽しみです』

 

杏子(遂に宮永さんが和了した……。ここからはもっと慎重にいかなきゃ)

 

 

清澄 160300-300=160000

 

阿知賀 117500-300=117200

 

総武 70600-500=70100

 

白糸台 51600+1100=52700

 

 

 

~南3局 ドラ 7筒 親 宮永照~

 

杏子(宮永さんの親番。ここから刻まれると厄介だから早めに流してしまいたいけど……)

 

照「ツモ。700オール」

 

杏子(速い……!)

 

 

清澄 160000-700=159300

 

阿知賀 117200-700=116500

 

総武 70100-700=69400

 

白糸台 52700+2100=54800

 

 

 

 

~そして~

 

照「ツモ。1100オール」

 

 

清澄 159300-1100=158200

 

阿知賀 116500-1100=115400

 

総武 69400-1100=68300

 

白糸台 54800+3300=58100

 

 

 

照「ツモ。1500オール」

 

 

清澄 158200-1500=156700

 

阿知賀 115400-1500=113900

 

総武 68300-1500=66800

 

白糸台 58100+4500=62600

 

 

照「ツモ。1900オール」

 

 

清澄 156700-1900=154800

 

阿知賀 113900-1900=112000

 

白糸台 62600+5700=68300

 

総武 66800-1900=64900

 

 

杏子(これで最下位に転落。でも何か妙……。南2局の和了からこの南3局3本場までずっとツモ和了り。さっきの上がりは松実さんから直撃だと点数が増えないから特に違和感を持たなかったけど、それでも何か感じる。宮永さんから何かをしようとしているということを……)

 

もしかしてミーティングで言われたことがこの場で起ころうとしている……?

 

 

~南3局4本場 ドラ 4萬 親 宮永照~

 

 

杏子「」タンッ

 

照「ポン」カシャッ タンッ

 

杏子(今度は鳴きを挟んできた……?)

 

 

~そして~

 

玄「」タンッ

 

照「ポン」カシャッ タンッ

 

杏子(2萬に続けて7索もポン……。手牌は対々?)

 

 

~そして~

 

優希(これ、通るか……?)タンッ

 

照「…………」

 

優希(通った……)

 

杏子(今片岡さんが切った8筒が当たり牌だと思ったけど、そうじゃないのかな……?)タンッ

 

照「ツモ」

 

杏子(これで6連続ぞ……え?)

 

照「3000オール」

 

 

清澄 154800-3000=151800

 

阿知賀 112000-3000=109000

 

白糸台 68300+9000=77300

 

総武 64900-3000=61900

 

 

杏子(宮永さんの上がり牌は8筒。だとしたら今の見逃しは一体……)

 

どういうことだろう……?そう考えていたら……。

 

 

ギ…ギギ……!

 

 

!?……これが例の。だったらこれが宮永さんの本気になるのかな?

 

なんにせよこの連続和了を止めないと……!

 

 

 

杏子sideout

 

 

 

 

 

綾香「……今の見逃し、なんか不自然じゃないですか?」

 

美咲「そうだね。前の局なら点数の関係上松実さんの出和了りを無視しても宮永さんの連続和了による点数上昇がなくなるからともかく、片岡さんから出和了りしても点数は上昇してるから、問答無用でトップの片岡さんから直撃はほしいはず……。なのにあの見逃しはどういうことなんだろう?」

 

未来「過去の牌譜を見る限りだと宮永照の点数上昇パターンは至ってシンプルなものだったけれど……」

 

鈴音「これまでとは違うパターンを見せてきた。これはつまり彼女もこの打ち方を決勝戦まで温存していたということなんだろうね」

 

綾香「決勝戦は温存していた力を見せたり、速度やドラを調整してたりとそんなのばっかりですね……」

 

鈴音「まぁ今まで通りだと通用は難しいと判断したんだろうね」

 

あとは杏子がリーチ棒を見せてないだけだけど、どこまで温存できるかな?




今回はここまでです。

じかいよこく!

遂に宮永照が実力の片鱗を見せる。それに対して杏子はどう出るか……!

ではまた来年ですね~。


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第81話 全国大会決勝戦!先鋒戦⑧

今回もよろしくです。


杏子side

 

~南3局5本場 ドラ 中 親 宮永照~

 

 

照「ツモ。3700オール」

 

恒子『な、7連続和了です!勢いが止まらない!ついに本領発揮したインターハイチャンピオン!このまま誰にも和了らせないつもりなのか!?宮永照!!』

 

健夜『7連続……。これはもう止まらないかもしれませんね』

 

恒子『そ、それは何故でしょうか!?』

 

健夜『準決勝では千里山女子の園城寺選手の未来を視るかのような力と、新道寺女子の花田選手の状況をよく見た連携に加えて阿知賀女子の松実選手の覚悟の一打で止めましたが、決勝戦ではそれがありません。なので連携に限っては未来が見えるような力でもない限りは厳しいでしょうね』

 

恒子『そんな恐ろしい選手を白糸台以外の3校は止めることができるのか!?』

 

健夜(この局面……。伊吹ちゃんの所の佐野さんや響さん、そして大宮さんならどう食い止めるかな?去年の個人戦では三箇牧の荒川さんが宮永さんの連続和了を上手く阻止して、臨海女子の辻垣内さん、そして総武の佐野さんがその後の連続和了を食い止めた……。果たして今年の個人戦、そしてこの決勝戦の後で行われる『催し物』でこれ以上の戦いが見られるんだよね。今から楽しみだよ)

 

 

清澄 151800-3700=148100

 

阿知賀 109000-3700=105300

 

白糸台 77300+11100=88400

 

総武 61900-3700=58200

 

 

杏子(点数が半分近くに……。狙いを絞る暇すらくれないなんて。準決勝で園城寺さんと花田さんみたいな連携がとれれば宮永さんの連荘を止められるけど……)

 

優希「…………」

 

玄「…………」

 

杏子(打ち筋を見る限りのこの2人と上手く連携ができるという確信が持てない以上は……いや、南1局のように松実さんが不意に宮永さんの所にドラを潜り込ませれば或いは……!)

 

連荘が阻止できるかもしれない。とにかく頑張らなきゃ!

 

 

 

杏子sideout

 

 

 

 

 

綾香「うっわ……。これで7連続和了。今年のルールに八連荘がなくてよかったですよ……」

 

美咲「宮永さんはこの連続和了で点数を稼いでいくスタイルの打ち筋だから、止められないとこのまま誰か飛んじゃうかもね……」

 

綾香「でも去年の個人戦の牌譜を見る限りだと、宮永さんの連続和了は3、4回くらいでしたよね?あれって美咲先輩達が食い止めたってことですか?」

 

美咲「確かに止めたのは私だけど、あれは荒川さんの能力のおかげだし、その後も辻垣内さんと荒川さんと協力もあって多くは連荘されなかったよ」

 

鈴音「解説にもあったように準決勝では千里山と新道寺のコンビ打ちのおかげで親番での和了は2、3回で多くて6回連続和了ですんだわけだけど……」

 

未来「この決勝戦ではその手の打ち手がいない上に、我の強い打ち筋の片岡さんに松実玄さん……。杏子は準決勝のような連携を考えているかもだけれど、あの2人が同卓だと厳しいわね」

 

鈴音「まぁ杏子が連携をやろうとしていることにあの2人が気付けばもしかしたら……」

 

松実玄さんに憑いている『あの子』なら杏子の行動に気付いてもいいはずだけどね。

 

伊吹「ちょっといいかな~?」

 

鈴音「伊吹先生?」

 

居たことをすっかり忘れてたぜ!

 

美咲「どうしたんですか?」

 

伊吹「うん、私は宮永姉妹の母親とはちょっとした知り合いでね、その人から聞いた話だと8回目の和了りを許したら9回目の和了りは阻止できないって言ってたよ」

 

今しれっととんでもないこと言ったよこの人……。

 

和了り云々もそうだけど、あの宮永姉妹の母親と知り合いって……。この人本当に何者なの!?

 

伊吹「しかもそれも彼女が小学生の頃の話だから今どうなっているか……」

 

照『ツモ。4600オール』

 

綾香「……あの、南3局6本場でその8回目を和了っちゃったんですけど、その9回目の和了ってまさか九蓮宝燈だったりしないですよね?9だけに……」

 

伊吹「さー、どうなんだろうね?私も詳しいことは聞いてないしね~」

 

もしも綾香が言ってることが真実だったらうちがとてつもなく不味いことになるんだけど……。

 

うん、杏子なら大丈夫でしょ。

 

 

清澄 148100-4600=143500

 

白糸台 88400+13800=102200

 

阿知賀 105300-4600=100700

 

総武 58200-4600=53600




今回はここまでです。

じかいよこく!

8連続で和了する宮永照……。彼女の勢いは最早止められないのか!?今、3校の連携が始まる……?


今年もこの作品をよろしくおなしゃーす!


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第82話 全国大会決勝戦!先鋒戦⑨

今回もよろしくです。


杏子side

 

 

~南3局7本場 ドラ 7筒 親 宮永照~

 

 

杏子(私の1人沈み……。けど想定していなかったわけじゃない。個人戦に出る先輩方のために宮永さんの全力を引き出している……。でも私には自分の思いに秘めたもう1つの理由がある……!そのためにもっと宮永さんの麻雀を観察する!)

 

照「」タンッ

 

優希「ポン」カシャッ タンッ

 

玄(トバされた……。1巡遅れるけど、間に合うかな???ちゃんはどう思う?)

 

???(厳しいですね。このままだと宮永さんに和了られると思います。準決勝までは玄さんだけに任せましたけど、この決勝は私の戦いでもあります)

 

玄(大宮さん……。???ちゃんの師匠のような存在だよね。うん、大宮さんにも???ちゃんの打ち様を見てもらおう!)

 

???(玄さん……)

 

玄(……でももう少しだけ、この前半戦だけ私だけで打ってもいいかな?)

 

???(それは玄さんが決めることですよ。さっきは打ちたいみたいな気持ちを前に出しましたけど、私が打つのは個人戦の時です)

 

玄(ありがと。……後半戦は一緒に戦おうね!)

 

???(はいっ!)

 

松実さんの雰囲気が変わった……?とはいえこの7本場は恐らく止まらない。

 

照「…………」

 

もしもツモ上がりじゃないと制約をクリアできないというのなら……!

 

杏子(私はこの投牌で勝負する!)タンッ

 

照「っ!……ロン」

 

杏子(振ってしまった……。でもこれで反撃の糸口を掴んだ!)

 

照「50100」

 

杏子(九蓮宝燈……。役満を振り込んでしまったことで、点数が一気4桁まで落ちたけど、ここからは私のターン……。これで勝った気になっているっていうなら、そんな幻想を壊す!!)ゴッ

 

 

白糸台 102200+50100=152300

 

総武 53600-50100=3500

 

 

杏子sideout

 

 

 

 

 

恒子『宮永照の九蓮宝燈が妹尾杏子に炸裂ーっ!準決勝まで快進撃を続けていた総武高校が一気にトビ寸前だーーっ!!』

 

伊吹「いや~、まさか綾香の言う通り本当に九蓮宝燈を上がるとはね~」

 

美咲「しかも杏子ちゃんが振り込んじゃってうちはもうトビ間近……」

 

綾香「……正直私も盛大にフラグ建てちゃったかな~とは思いました」

 

杏子が役満を振ってしまったことで我が総武高校は残り点数3500と虫の息である。

 

でも今の振り込みには違和感を感じたような……。

 

未来「今の振り込みはわざとね」

 

綾香「わ、わざと振り込んだんですか!?」

 

鈴音「成程、それが違和感の正体だったんだね」

 

伊吹「ほほぅ?杏子は何か意図があって振り込んだと?」

 

鈴音「前の局までの宮永照はずっとツモ和了りに対して今回は杏子自らが振り込みにいった……。もしかしたらこれで宮永照の連続和了が崩れるかもしれないということです」

 

伊吹「ふ~ん……」

 

鈴音(でも恐らくそれだけじゃない……。杏子は他にも何か企んでる)

 

未来なら何か知ってそうだから後で聞いてみよう。




今回はここまでです。

じかいよこく!

連携を取ろうにも宮永照の九蓮宝燈に振り込んでしまった杏子……。ぶっちぎりの最下位という状況にも関わらず闘志を眼に宿した杏子が反撃を始める……?




次回から少しずつオリジナルに持っていけそうです。とはいえまだまだ原作順書になるわけですが……。


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第83話 全国大会決勝戦!先鋒戦⑩

今回もよろしくです。


杏子side

 

~南3局8本場 ドラ 9筒 親 宮永照~

 

 

私が宮永さんに振り込むことで何かしらの突破口は掴んだ……。けど恐らく宮永さんの手牌は役満手で仕上がってくるはずだからこの局の和了はなんとしても阻止しなきゃ!

 

杏子(それに今回のこの配牌では和了りに行くのはきつい。ならここは……!)タンッ

 

優希「ポンだじぇ!」カシャッ タンッ

 

杏子(片岡さんが食い付いた。だったら次は……!)タンッ

 

玄「ポン!」カシャッ タンッ

 

杏子(この局は2人を利用する。清澄はともかく阿知賀は私から出和了りする場合だと点差を考えると役満でも無理。それに片岡さんも鳴いたということは今は宮永さんのこの連荘を止めることを第1としている。なら私もそれを目指そう)

 

まぁ和了れるならそれに越したことはないんだけどね。

 

 

 

~そして~

 

杏子(おや?なんか和了れそうな配牌になってきた。点数自体は高くないけど、反撃の狼煙を上げるには丁度良いかも)

 

この局は見送ろうと思っていただけにラッキーだね。これでテンパイだ。

 

照「」タンッ

 

玄「」タンッ

 

優希「」タンッ

 

3人から特にアクションなし。そして私はこの牌で……。

 

杏子「ツモ」

 

和了ることができた。これで反撃開始だよ!

 

杏子「2800、4700です」

 

恒子『宮永照の連荘にストップをかけたのは総武高校の妹尾杏子

だーーっ!!』

 

 

白糸台 152300-4700=147600

 

清澄 143500-2800=140700

 

阿知賀 100700-2800=97900

 

総武 3500+10300=13800

 

 

~南4局 ドラ 北 親 松実玄~

 

杏子(今回の配牌は良い感じ。このまま和了りに向かう!)

 

玄(なんとか宮永さんの連荘を止めることができたけど、今度は妹尾さんから嫌な感じがするよ……)

 

???(前半オーラスですが、和了れそうですか?)

 

玄(妹尾さんを止めることができればって感じだけど……)

 

???(それは厳しそうってことですね……)

 

玄(うん、後半戦からは力を貸してもらってもいいかな?)

 

???(玄さんがいいなら私はそれに従うまでですよ)

 

玄(ありがとう!)

 

……何か松実さんが仕掛けそうな気配を感じたけど、この局は絶対に和了ってみせる!

 

杏子「ツモ!4000、8000です!」

 

 

白糸台 147600-4000=143600

 

清澄 140700-4000=136700

 

阿知賀 97900-8000=89900

 

総武 13800+16000=29800

 

 

恒子『前半戦終了ーっ!トップは白糸台高校!役満を含めて9連続の和了りを見せました!後半戦でもこの勢いは続くのか!?2位は清澄高校です!こちらも役満を和了っており、白糸台との点差は10000もありません!続く阿知賀女子は役満のダメージを受けつつも要所で高得点を和了り、失点は僅か10100点!最下位の総武高校は最後に連続で和了ったものの、70000点以上の大打撃!後半戦では点数を回復したいところです!!』

 

健夜『総武高校は最後の2局でなんとか息を吹き返したといった感じですね。もちろん総武高校がこのまま終わるということはありませんでしょうからこれからの反撃が楽しみです』

 

後半戦では前半戦の失点を帳消しにできるように頑張りたいところだけど……。いや、それは後半戦になってから考えよう。

 

 

杏子sideout

 

 

 

 

前半戦が終わり、我が総武高校はぶっちぎりの最下位である。杏子が最後の2局で反撃開始といった感じだったので、後半戦は期待できるかな?松実さんに宿ってる『あの子』がどういった感じで後半戦動くのかが気になるところではあるが……。

 

綾香「な、なんとかトバずに済みましたね……。杏子なら大丈夫だとわかっていてもヒヤヒヤしました」

 

美咲「でもこれからが反撃開始って感じだし、後半戦は杏子ちゃんのターンだよ!」

 

美咲の言う通りになればいいんだけど……っと。

 

未来「あら、何処か行くのかしら?」

 

鈴音「うん、ちょっとね」スタスタ

 

どうやら私は行かねばならない。『あの2人』に会いに……!

 

 

~そして~

 

さて、会場付近に来たけど……。

 

???「思っていたより来るのが早かったですね。会えて嬉しいです」

 

声が聞こえたので、その声に私は返答する。

 

鈴音「うん、私も会えるのはもう暫く先だと思っていたんだけどね。あの子……もとい君のお母さんは?」

 

???「もうすぐ来ると思いますよ」

 

鈴音「それにしてもよく私だってわかったね。髪も少し伸ばしていたのに」

 

???「わかりますよ。雰囲気こそ変わっても、気の質で貴女がベルさんだって」

 

鈴音「逆に私はすぐには気付けなかったよ。それらしい気も感じなかったしね」

 

未来に言われるまで全くわからなかったもんね。

 

???「それに関しては仕方がありませんよ。今の私は玄さんの姿でお母さんは憧さんの姿ですし、気は本人達の気そのものですからね」

 

だからわからなかったのか……。

 

鈴音「なんにせよ久し振りだね……。ラム」

 

ラム「はい、お久し振りです!」

 

???「ベル!」

 

ラムと話しているともう1人が来たようだ。

 

鈴音「久し振り、ロータス」

 

ロータス「うん、久し振り!会いたかったよ!!」

 

私がドラゴンボールの世界にてお世話になったロータスとラムとの再会である。

 

まぁ端から見たら私が松実さんと新子さんと会話しているようにしか見えないけどね。




今回はここまでです。後半は蛇足もいいところなのだよ。まぁ当初から書く予定だったのだが……。


じかいよこく!

前半戦が終了して大差をつけられた総武高校。後半戦で3校を巻き返せるか……?



次回は閑話として鈴音がかつての仲間と会話回です。本編の続きは暫く先になると思います。


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第84話 ハーフタイム!かつての仲間達との談笑。

今回もよろしくです。


決勝戦先鋒戦の休憩時間。私は新子さんの姿をした中身はかつての仲間のロータス、松実玄さんの姿をした中身はロータスの娘であるラムと再び合間見えた。

 

とはいっても前に会った時は他の阿知賀の人達もいたし、私の方は彼女達をロータスやラムとは認識していなかったわけだが……。

 

ロータス「ベル~!」ギュッ

 

ラム「…………」クイッ

 

ロータスは私に抱き付いて、ラムは私の制服の袖は掴んでいる。端から見ると百合百合しているように見えるような光景。もし未来がこの光景を見たら私五体満足で帰られるかな?

 

鈴音「……それで?2人はどうやって此処に来たのかな?」

 

ロータス「ベルに会いたい逢いたいと思っていたら、天の声を聞いてね……」

 

鈴音「天の声……?」

 

多分その天の声の正体は未来が言うあの御方という全王に化けていた人物……というよりは神様かな?この世界ではまた別の人物に化けているらしいけど。

 

ロータス「天の声の人?がベルに会わせてあげるって言ってくれたんだ!」

 

ラム「それで私達もベルさんのいる世界に行こうと思ったんですが、そのままの私達では行くことが出来ないと言われました」

 

ふむふむ。

 

ロータス「行けない原因は私達の声にあったみたいで、今私達が借りてる憧と玄の身体に憑依することが条件でベルのいる世界に行くことが出来ると改めて言われたんだ」

 

ほうほう。

 

ラム「最初はとても悩みました。他人の身体を借りてまで……なんて思ったりもしました」

 

そりゃいきなり他の人の身体に乗り移ればなんて言われても困るだけだよね。

 

ロータス「……でもわたし達は今此処にいる。ベルに会いたい一心で此処まで来たんだよ!」

 

ロータス……。

 

ラム「勿論これまで色々ありましたが、今では玄さんに憧さんを始めとする阿知賀の皆さんも私達を受け入れてくれました。これもベルさんのおかげだと私は思っています」

 

ラム……。

 

鈴音「……私は2人を置いていったようなものなんだよ?なのに、なのにこんな私に会いに来てくれたの?」

 

ラム「ベルさんにはベルさんの事情があったんですよね?5月にベルさんの友人の未来さんに聞きました」

 

ロータス「始めは未来さんのことをベルを誑かす存在だって思ったよ……」

 

未来がこの2人に私の事情を話してくれたんだね。でもなんで今まで教えてくれなかったんだろう……?とりあえずロータスのさっきの発言はスルーの方向で。

 

ロータス「でもベルにとっては大切な存在なんだよね?」

 

鈴音「うん、未来だけじゃない。総武高校麻雀部のメンバーは全員私にとって大切な仲間だよ。これに関してはかつてのロータスやラムと一緒かもね」

 

ラム「……なんだか妬けますね」

 

ロータス「だね……」

 

そうこう話しているとそろそろ休憩時間が終わる時間となっていた。

 

ロータス「じゃあわたしはそろそろ行くね!」

 

ラム「私は会場に行って、残りの半荘も頑張ります。ベルさん達には負けませんよ。勝つのは私達阿知賀です!」

 

鈴音「此方こそ負けないよ。優勝するのは私達総武高校だからね」

 

 

その言葉を最後に2人は元の新子さんと松実玄さんに戻った。

 

鈴音(絶対に負けられないね。この大会は……!)

 

私は立ち去る2人を見ながらそう思った。




今回はここまでです。さらば平成!これで何時でも阿知賀編を書く準備が出来た!あとは何時書くかは未定ですが、大まかなプロットはある程度固まっておりますゆえ、次の投稿はその時になりますかね。


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第85話 総武高校控室では……。

今回もよろしくです。


未来side

 

鈴音が出て暫く経ったタイミングで杏子が戻ってきた。

 

杏子「一旦戻りました」

 

美咲「おかえり杏子ちゃん!」

 

綾香「もー、役満振った時はヒヤッとしたよ!」

 

杏子「ごめんね綾香ちゃん……」

 

未来「それで?杏子は何か解答を得たのかしら?」

 

杏子「確証はありませんけど、恐らく宮永さんについてはなんとか対策を練られそうですが……」

 

未来「では他に何か問題が?」

 

杏子「松実さんの奥底に眠っている力みたいなものを感じました。それが何かわからない以上は後半戦に主導権を握るのは難しいかもしれません」

 

……この子はもうそれに気付いたのね。鈴音ですら気付くのに時間がかかったのに対してたった半荘の1回で気付くなんて……。まぁ具体的な正体まではわかっていないみたいだけれど、やはりこの子は天才ね。

 

未来(……だとしたら何れ杏子は私と鈴音の正体にも気付くのかもしれないわね)

 

杏子「師匠……?」

 

未来「なんでもないわ。それよりも後半戦はどうするのかしら?」

 

杏子「はい、後半戦は宮永さんへの対策を実行しつつ、攻めようかと思います。松実さんに対しては1度見ないとどういった力なのか判断できませんから、見てからまた策を練ることにします」

 

未来「まぁなんにせよ杏子に任せるわ。自分のベストを尽くすのよ」

 

杏子「はいっ……!」

 

美咲「そういえば鈴音ちゃんって何処に行ったのかな?」

 

綾香「御手洗いに行ったって感じじゃなさそうでしたし……」

 

杏子「……鈴音先輩は行かなきゃならない所に行ったんだと思います」

 

美咲と綾香は鈴音の所在に疑問を覚えていた。けれど杏子がそこに食い付かないのは珍しいわね。それどころか今の発言で何かを悟った感じすら伺えるわ。

 

綾香「鈴音先輩が行かなきゃいけない所って……?」

 

杏子「多分だけど、決勝の……白糸台か阿知賀のどっちかに昔馴染みの人達がいるのかも……」

 

……この子察しが良すぎるんじゃないかしら?先程天才と評したけれど、これは私と鈴音がいる『此方側』の領域に足を踏み入れてると言ってもいいわね。

 

美咲「あっ、もうすぐ休憩時間が終わるよ!」

 

杏子「……もうそんな時間ですか」

 

綾香「後半戦も頑張ってね杏子!」

 

杏子「うん、私なりに精一杯打つよ」

 

未来「点数さえ残れば後は私達がいるから、杏子の思うように打ってきなさい」

 

杏子「ありがとうございます師匠。……では行ってきます!」

 

そう言って杏子は会場へと向かった。

 

入部当時の臆病な杏子はもういない。今では頼もしい後輩ね。

 

未来(もしも彼女が個人戦に出場していたならきっと鈴音と美咲に次ぐ強力なライバルになっていたわね。いえ、そもそも個人戦に出場していたら私が師事することもなかったのかしら?何れにしても杏子がここまで強くなることは先鋒になった時点で必然だったということね)

 

そんな杏子ならきっとこの先鋒戦を更に荒らしていくでしょうね。

 

 

未来sideout




今回はここまでです。


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第86話 全国大会決勝戦!先鋒戦⑪

今回もよろしくです。


杏子side

 

恒子『決勝戦先鋒、いよいよ後半戦スタートです!!』

 

後半戦が始まった……。今のうちの点数状況からとにもかくにも和了らないことには始まらない。

 

~東1局 ドラ 6筒 親 片岡優希~

 

親は案の定片岡さんだった。そしてラス親は宮永さん……。

 

杏子(宮永さんの対策に松実さんの隠し玉を暴く必要があるから、これ以上の失点は避けたい……。そのためにも……いや、ちょっと待って?前半戦で片岡さんが天和で和了した時の配牌とミーティングで聞いた話を照らし合わせるとこの東1局ってもしかして……)

 

優希「……うん、今日は運が良い日みたいだじぇ」

 

照「!?」

 

玄「!?」

 

優希「ツモ!16000オール!!」

 

杏子(やはり天和……!)

 

恒子『なんとまたもや片岡優希の天和が炸裂ーっ!麻雀における最強最速の手役が!33万分の1の奇跡が!!この後半戦で再び片岡優希によって生み出されましたーっ!!!』

 

健夜『最早今の片岡さんのスピード、運はトッププロクラスと言っても差し支えないでしょう。それでも1日2回の天和はどのプロでも普通はあり得ませんので、私自身も驚きです』

 

 

清澄 136700+48000=184700

 

白糸台 143600-16000=127600

 

阿知賀 89900-16000=73900

 

総武 29800-16000=13800

 

 

 

杏子sideout

 

 

 

いやはや、とんでもない光景を目の当たりにしてるよね私達。

 

綾香「か、片岡さんがまた天和を和了りましたね……」

 

未来「東場限定で彼女は綾香や美咲の上を行っているでしょう。これまでの片岡さんの牌譜と今まで以上のスピードが2回目の天和を生み出したと考えるのが妥当かしらね」

 

綾香「いやいや、普通に言ってますけど常識的にあり得ませんよこんなの!」

 

美咲「……でも杏子ちゃんならきっとこの状況を覆せるよ!」

 

鈴音「そうだね。2回目の天和を見ても動揺するどころか、それすらも想定内にしてる……。杏子の表情からはそのような感じがするよ」

 

まぁこの状況を覆してもらわなきゃ下手すると次の局で杏子が飛んでしまうかもしれないけど……。

 

綾香「でも3位とは60100点差で、トップとは170900点差ですか……。控えめに言って絶望的じゃないですか?」

 

未来「今までは私達が今の清澄の点数状況の立場だったものね」

 

美咲「私達だって阿知賀や清澄みたいに逆境に強いってことを3校に見せなきゃね……!」

 

鈴音「美咲の言うとおりだね。それに杏子ならそれをきっと実現してくれるよ」

 

なんたって妹尾杏子は私達を越えるかもしれない天才なんだから……!




今回はここまでです。


じかいよこく!

後半戦開幕に再び天和を和了する片岡優希。更にリードを広げる片岡に宮永照、松実玄、そして妹尾杏子は……?


ではまた次回でお会いしませう。


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第87話 全国大会決勝戦!先鋒戦⑫

本編と阿知賀編の2本立てでーす。では今回もよろしくです。


杏子side

 

 

~東1局1本場 ドラ 3萬 親 片岡優希~

 

優希「リーチだじぇ!」タンッ

 

 

清澄 184700-1000=183700

 

 

玄(天和の次はダブルリーチ……。幸い安牌はあるからそれを切ってから考えよう)

 

玄「」タンッ

 

杏子(ダブルリーチ……。でも天和じゃなかったから、まだ干渉できる。問題は……)

 

私の配牌。この形は片岡さんみたくダブルリーチができる状況で、しかもドラがないにも関わらず、かなりの点数が望める。リーチをかければ倍満までは持っていけて、ダマで攻めても跳ね満は確実の良形。

 

杏子(今の点数が13800でリーチをかけて-1000、そこから和了ればダブリー、面前混一色、小三元、発、中の合計9翻で1本場で16300。ツモ和了で4300、8300……。リーチをかけなければ7翻の跳ね満。1巡待ってからリーチをかければ倍満にはなるけど、この局面はどうするべきか……)

 

私が今までリーチ棒を出さなかった意味を考えろ……!この決勝戦においては対戦相手の全てを晒してもらわなきゃいけない。それが私にできること!

 

片岡さんはともかく、宮永さんと松実さんは個人戦にも出てくるんだ……!美咲先輩の、未来師匠の、そして鈴音先輩のために、大好きな先輩達のためにも!!

 

杏子「通らば追っかけです……。リーチ!」タンッ

 

後半戦になった今、私はもう出し惜しみしない。全力で3人に立ち向かう!

 

 

総武 13800-1000=12800

 

 

恒子『な、なんと妹尾杏子!公式戦初のリーチ!しかもダブルリーチだぁーーーっ!!』

 

健夜『配牌から張っていて、尚且つダブルリーチをかければドラなしでも倍満に化ける点数になります。妹尾選手の本来の打ち方は一九字牌を多く取り入れてリーチ棒を出さずに打ち回すスタイルです。今まではリーチ棒を出さなくてもかなりの高打点を叩き出していましたが、この決勝戦ではドラを大量に抱えて麻雀を打つ松実選手がいます』

 

恒子『成程……。ドラによる打点を見込めない阿知賀以外の3校はリーチ棒で少しでも稼ぎたいってことですね!?それがダブリーなら尚更!』

 

健夜『そうですね……。スタイルを曲げてでも点数を少しでも稼ごうという姿勢を今の妹尾選手から感じられます。今までリーチ棒を温存していたという可能性もありますが……』

 

恒子『しかし片岡優希の1発で総武高校は飛んでしまう可能性も出てきました!この局を勝ち取るのは親っパネ以上を和了すれば総武高校を撃沈して優勝をかっさらっていく清澄か!追っかけリーチからの和了を狙う総武か!!はたまた阿知賀か白糸台がかっさらっていくのか!?目が離せません!!』

 

杏子(狙撃……!狙いを片岡さんに定める!)

 

これに失敗すれば、うちは飛んでしまうかもしれない。でも成功させてみせる!

 

優希「」タンッ

 

杏子(来た……!)

 

杏子「ロン……!」

 

優希「!?」

 

杏子「16300です……!」

 

私は全力でこの先鋒戦に挑む。負けるもんか……!

 

 

 

清澄 183700-16300=167400

 

総武 12800+16300+2000=31100

 

 

 

玄(な、なんか妹尾さんが急に鋭くなったよ……)

 

ラム(GWで見た時はオドオドしていた印象でしたが、今の彼女は1人の戦士って感じがしますね)

 

玄(でも東1局は無事に終わったね。次は親番!ラムちゃん、力を貸して!)

 

ラム(もちろんですよ!私達は2人で1つです!!)

 

杏子(次は松実さんの親番。松実さんの奥底に眠る物をきっと解放してくる筈。見せてもらいますよ……!)

 

先輩達なら1度見たらきっと対策をしてくれる筈だからね。




今回はここまでです。


じかいよこく!

遂にリーチ棒を出した杏子。そして東2局に異端とも言える力を見せる松実玄……。先鋒戦は更なる混沌へと……。


では次回もよろしくでーす。阿知賀編の方もおなしゃーす!


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第88話 全国大会決勝戦!先鋒戦⑬

今回もよろしくです。


杏子side

 

 

~東2局 ドラ 東 親 松実玄~

 

 

玄(親番……。頑張るよ!)

 

ラム(さっきの和了で流れは妹尾さんに来ています……。用心してください)

 

玄(うん……!)タンッ

 

杏子「リーチ!」タンッ

 

ラム(ダブルリーチ……!)

 

 

総武 31100-1000=30100

 

 

杏子(この局も配牌から張ってたからダブリーをかけた。最下位でドラが来ないことを考えると有難い……)

 

とにかくこれを和了に繋げる……!

 

 

~そして~

 

杏子(これは4枚目の……。確か白糸台の大星さんはダブリーの後に角で引いた牌は4枚目の牌だった。そしてこの状況はその時に類似している。だとしたら……!)

 

ここでカンしたらカン裏が乗るかも……!やる価値はある!

 

杏子「カン!」カシャッ

 

照(このタイミングでカン?まさか……)

 

王牌は……よし!私の和了牌!

 

杏子「ツモ……!」

 

優希(り、嶺上開花!?)

 

杏子「ダブリー、嶺上開花、門前ツモ……」スッ

 

私は裏ドラを捲る。

 

玄(そ、そんな……)

 

優希(阿知賀がいるのにドラ!?しかもカン裏モロ乗りだと!?これじゃまるで……)

 

照(淡の能力……)

 

杏子「更に裏ドラ4で4000、8000です!」

 

照(そういえば東4局の一本場で私は妹尾さんに振り込んだ。思えばその時の妹尾さんは何処か菫の影みたいな物が見えた。そして今のツモには淡の……いや、それだけじゃなくて微かに咲の影も見えた……。どういうこと?)

 

 

清澄 167400-4000=163400

 

白糸台 127600-4000=123600

 

阿知賀 73900-8000=65900

 

総武 30100+16000+1000=47100

 

 

杏子sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

美咲「おお!杏子ちゃんがドラを乗せたよ!?」

 

綾香「というかリーチかけといて暗カンする胆力にびっくりですよ……。松実さんがいるのに、よく裏ドラが乗りましたよね」

 

杏子がツモ和了りした時にというかその前の過程に突っ込み所があるんだけど……。

 

鈴音「ねぇ未来、今の局の杏子ってもしかして……」

 

未来「ええ、間違いなく白糸台の大星淡のダブルリーチと角の牌で暗カンすることによってカン裏をモロ乗せさせる能力よ。弘瀬菫の狙撃といい、牌譜や映像を見るだけでそれらの能力を自分の物にできる吸収力……。もしかしたらそれこそが杏子の能力なのかもしれないわね」

 

つまり杏子の能力は能力のコピーってこと?しかも聞く限りだと高遠原中学の夢乃さんの完全上位互換だし……。

 

鈴音「っていうか杏子は大星さんの牌譜や映像も見てたんだ」

 

未来「大星淡の……というよりはこの決勝戦の対戦相手、そして個人戦に出る選手の牌譜と映像に目を通していたわね。だからもしかしたら他にもコピーしている能力があるのかもしれないわ」

 

ふんふむ、えっ?それってチートじゃない?

 

未来「杏子は私や貴女と同じ領域に足を踏み入れているということよ」

 

杏子は転生なしでここまでのチートっぷりってことなんだろうね。

 

ならもしも私や未来のように転生して他の世界に行くことになったらとんでもない化物が生まれるということになる。恐ろしいな……。




今回はここまでです。


じかいよこく!

杏子の快進撃が始まり他家を、そして宮永照をも凌駕し始める……!

ではまた次回ですよ~。


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第89話 全国大会決勝戦!先鋒戦⑭

今回もよろしくです。


杏子side

 

 

~東3局 ドラ 発 親 妹尾杏子~

 

 

3位である阿知賀の射程圏内に入った。そして迎えた親番。配牌もダブリーこそはできないものの、跳ね満クラスには持っていけそう……!

 

杏子「」タンッ

 

玄(さ、流石に3連続でダブルリーチじゃなかったよ……。ラムちゃん、この局に仕掛けた方がいいのかな?)

 

ラム(失敗した時のリスクが大きいので、私はもう少し様子を見るべきだと思います)

 

玄(今は妹尾さんの親番だもんね。でもこのままだと最下位になっちゃうよ……)

 

杏子「ツモ!6000オールです!!」

 

ラム(……今ので本当に最下位になっちゃいましたね)

 

玄(ううっ……)

 

 

清澄 163400-6000=157400

 

白糸台 123600-6000=117600

 

総武 47100+18000=65100

 

阿知賀 65900-6000=59900

 

 

よし!これで3位に浮上……!続けて1本場!!

 

 

~東3局1本場 ドラ 4筒 親 妹尾杏子~

 

 

杏子(牌譜の確認やミーティングをした時に気になることが幾つかあった。この局はそれを試してみよう……!)タンッ

 

照(妹尾さん……。今まで戦ってきた相手で1番警戒がいるかもしれない。前の局ではなかったけど、彼女から出ている様々な人影が気になるから照魔鏡で正体を見極める必要があるかも)タンッ

 

優希(総武の奴、準決勝にはなかったことが盛り沢山だじぇ。リー棒のことは部長の予想通りだったけど、さっきのあれが本当にコピーならマホ以上の練度だじょ……)

 

杏子「リーチ」タンッ

 

 

総武 65100-1000=64100

 

 

玄(またリーチ!?)

 

ラム(ですがこれは好機です。玄さん、仕掛けましょう!)

 

玄(うん……!)ブアッ

 

照(松実さんから霧が……。これは高鴨穏乃のものかもと思ったけど、勘違いしてた。これは松実さん固有のものだった)

 

杏子(松実さんの雰囲気が変わった……。それにうっすらと霧のようなものが……!)

 

でもリーチ棒を出してしまった以上は連荘を目指す!

 

 

~そして~

 

松実さんからテンパイ気配……。さっきのリーチはまだ早かったかも。でもそれを含めて試す……!?

 

杏子(これは……赤5筒!?さっきの霧みたいなものが私にこの牌を掴ませたってのこと……?だとするとこれは……)タンッ

 

照「!?」

 

優希「!?」

 

玄「ロン!」

 

杏子(やはり松実さんの和了り牌……!)

 

玄「タンヤオ、ピンフ、ドラ6……。16300です!」ゴッ

 

 

阿知賀 59900+16300+1000=77200

 

総武 64100-16300=47800

 

 

今のでさっき和了った点数を殆んど出費してしまった。しかも最下位に……。でも……!

 

杏子(今こそ好機……!イメージしろ。他家を観察、分析して全てを見透す鏡を!)カッ

 

 

ズズズズズ……!

 

 

照「!?」

 

照(これはまさか……。有り得ない。妹尾さんは私の照魔鏡までコピーしたっていうの?)

 

よし、上手くできた。宮永さん、片岡さん、松実さんの情報が頭に……!?

 

杏子「かはっ!げほっ!げほっ!」

 

玄「だ、大丈夫!?」

 

杏子「は、はい。なんとか……」

 

頭痛と吐き気が一気に襲ってきた。それほどこの照魔鏡は私の脳に負担をかけるもの……。宮永さんはそんなものを使いこなしているんだ……。

 

さておき松実さんの中に10歳くらいの女の子がいたのが見えたけど、さっきの、そして前半戦の南1局で私に掴ませたドラと何か関係があるのかな?

 

次は宮永さんの親番だし、早いところ掴まなきゃ……!




今回はここまでです。


じかいよこく!

宮永照の使っていた照魔鏡を得た杏子。それを利用して宮永照の親番に立ち向かう……!


では次回もよろしくなのです。


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第90話 全国大会決勝戦!先鋒戦⑮

今回もよろしくです。


杏子side

 

 

~東4局 ドラ 2索 親 宮永照~

 

 

松実さんの中にいた女の子……。もしもその子が私達にドラを送り込むプレイをしてくるならば……。いや、まだ断定するのは早い。

 

杏子(照魔鏡で見て私の出した考察の通り結果になるならこの局に私は大きく失点することになる……。でもやらなくちゃ。宮永さんと松実さんは個人戦に出るから。個人戦に出る先輩達のためにも!)

 

杏子「リーチ!」タンッ

 

 

総武 47800-1000=46800

 

 

優希(またダブリー!?)

 

照(妹尾さん……。何かを狙ってる?)

 

玄(この局も仕掛けるの?)

 

ラム(配牌も良いですし、仕掛けましょう。この手なら上手くいけば数え役満まで持っていけます)

 

杏子(……!今だ、照魔鏡!)カッ

 

対象を松実さんに……!

 

 

ズズズ……!

 

 

杏子「はぁっ……!はぁっ……!ゴホッ!ゲホッ!」

 

玄(さっきもそうだったけど、大丈夫なのかな?妹尾さん……)

 

ラム(心配なのはわかりますが、今は試合に集中ですよ)

 

玄(うん、わかってる……。ラムちゃん、お願い!)

 

ラム(はい……。はぁっ!)カッ

 

……!?今のはもしかして……。もう1度照魔鏡で!

 

杏子(照……魔鏡!)カッ

 

ぐっ……!キツイ。頭が痛い……。吐き気がする……。目が回る……。宮永さんは多分ずっとこの繰り返しに耐えてたんだろう。

 

照(妹尾さん、まさか照魔鏡をこのタイミングで使った……?)

 

宮永さんが此方を見てる。もう既に宮永さんには私が照魔鏡を使ってることに気付いてるかもしれない。けど今の私はもう止まらない、止められない。

 

杏子(見えた……。女の子から力のようなものが発動した瞬間が!この力でドラを他家に送っているなら恐らく数局以内に私にドラが来るはず……!)

 

そして私は松実さんに振り込むことになる。でもそれでいい……。

 

 

~そして~

 

杏子(ドラ……。来たということは松実さんは前の巡目で張っている。そしてこのドラが……)タンッ

 

玄「ロン!」

 

杏子(松実さんの当たり牌……!)

 

玄「32000です!」

 

 

阿知賀 77200+32000+1000=110200

 

総武 46800-32000=14800

 

数え役満……。予想してたとはいえまさか2度も役満を振り込むことになるなんてね。でも……。

 

杏子(宮永さんの親を上手くかわすことができたし突破口が見えた。勝負は私の親前の南2局……)

 

次の南1局はそのための準備期間……!

 

 

杏子sideout

 

 

 

 

長く感じた先鋒戦もあと4局。その中でも会場の人達が注目してるのが宮永照の親番。東場は杏子によってその親番を終わらせた訳だけど……。

 

綾香「ま、また杏子が役満を振り込んじゃったんですけど、本当に大丈夫なんですよね!?」

 

美咲「大丈夫だよ綾香ちゃん。今の杏子ちゃんはこのインターハイに参加している選手の中でもトップクラスの実力が宿ってるよ。少なくとも私よりは強い。妬けちゃうなぁ……」

 

綾香「み、美咲先輩よりもって……。本当に私の立場がなくなりつつあるなぁ……」

 

未来「…………」

 

杏子が照魔鏡を使い始めてから様子が可笑しい……。未来も険しい顔をしているしなんか嫌な予感がする。

 

そう思った私は会場に向かって歩き出した。

 

美咲「何処に行くの鈴音ちゃん?」

 

鈴音「ちょっとね……」

 

未来「鈴音」

 

鈴音「未来……」

 

未来「頼んだわよ」

 

鈴音「……わかってるよ」

 

杏子……。決して無理だけはしないでね?君は私にとって大切な後輩なんだから!




今回はここまでです。


じかいよこく!

杏子が身体を張りながらも照魔鏡を使用。残りの4局で杏子は命を燃やす……!

ではまた次回。


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第91話 全国大会決勝戦!先鋒戦⑯

超久し振りに本編!今回もよろしくです。


杏子side

 

 

~南1局 ドラ 7筒 親 片岡優希~

 

優希「」タンッ

 

玄「」タンッ

 

杏子(南場になると片岡さんの動きはおとなしい……。そうなると宮永さんと松実さんに気を付けつつ、ある事を試す。勿論片岡さんへの警戒も怠らない)

 

和了する事が出来たらそれに越したことはない。でもこの局は私のやりたいことをやらせてもらう!

 

 

~そして~

 

杏子(出来た……!)

 

杏子「ツモ。300、500です」

 

優希(ここでゴミツモ……?)

 

ラム(これは何か狙いがありますね。気を付けてください玄さん)

 

玄(う、うん……!)

 

照(妹尾さんは私の照魔鏡をもコピーした。そして今のツモ和了は私の連続和了を模している……?)

 

 

清澄 157400-500=156900

 

白糸台 117600-300=117300

 

阿知賀 110200-300=109900

 

総武 14800+1100=15900

 

 

杏子(この調子で宮永さんの連続和了をコピー……いや、私の好きなゲームで言うところの……!)

 

杏子「ドゥームチェンジ、宮永照」ボソッ

 

照「!?」

 

宮永さんには聞かれてたみたい。ちょっと恥ずかしいかも。……南2局は続けて試すことがあるからそれを実践する……!

 

 

~南2局 ドラ 発 親 松実玄~

 

杏子(宮永さんの能力コピーを続けつつ、別の能力を発動させる。この配牌ならあの能力を……!)

 

玄「リーチだよ!」タンッ

 

 

阿知賀 109900-1000=108900

 

 

優希(今度は阿知賀がダブルリーチだと!?このままでは不味いじょ……)

 

照(松実さん、息付いてる。でもこの卓で1番危険なのはやっぱり妹尾さん……!)

 

杏子(好機……!丁度今来た牌で私も張ったから……)

 

杏子「ドゥームチェンジ、姉帯豊音」ボソッ

 

姉帯さんの能力の1つに先負……先んずれば負けるという相手がリーチした時に追っかけリーチをする事でその相手が振り込む仕組みになっているけど……。

 

杏子(敢えてリーチをせずに追いかける。上手くいくか不安だけど、やらなければ勝つことなんて不可能だから……!)

 

照(まただ。ドゥームチェンジ?それが妹尾さんのコピー能力の正体……?だとすると次巡に……)

 

玄(う~ん、1発じゃなかった……)タンッ

 

杏子「ロン」

 

玄(嘘っ!?妹尾さん何時の間に張ってたの!?)

 

ラム(さっきのリーチは少し不用意だったでしょうか……?この局は妹尾さんが1枚上手でしたね)

 

玄(ううっ!最後の親番が……)

 

杏子「2600です」

 

よし、この調子で取り戻そう。

 

 

阿知賀 108900-2600=106300

 

総武 15900+2600+1000=19500

 

 

照(今の妹尾さんからは私の影と宮守の姉帯さんの影が同時に出現した……。妹尾さんは2つ以上の能力を同時にコピー出来るっていうこと?)

 

杏子(上手く出来た……!でも身体の消耗が半端じゃない)

 

でもこれくらいしなくちゃこの人達には勝てない。次は私の親番だから少しでも多く和了って点数を回復しなくちゃ!




今回はここまでです。

じかいよこく!

遂に迎えた南3局!杏子は親番で更に能力を使い暴れ続ける……!



年内までにあと1回本編を挙げたい作者です……。ではまた次回なのですよ!


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☆第92話 全国大会決勝戦!先鋒戦⑰

約4ヶ月ぶりの本編投稿……。今回もよろしくです。


杏子side

 

 

~南3局 ドラ 8筒 親 妹尾杏子~

 

杏子(親番……。ただ和了るだけじゃなくて繋ぎたい。次の1本場に、そして私の次に打つ師匠に。それならこの局は……!)

 

杏子「ドゥームチェンジ、白水哩&鶴田姫子」ボソッ

 

照「!!」

 

照(今度は白水さんと鶴田さん……?だとしたらこの局は妹尾さんの和了りを阻止しないと……!)

 

杏子(この配牌から目指せるのは4翻?いや……)パタンッ

 

玄(牌を伏せた……?)

 

優希(なんだ?何をするつもりだ……?)

 

杏子(リザベーション……!5翻!!)カッ

 

4翻じゃ足りない。5翻で和了ってみせる……!

 

 

~控え室~

 

未来「……っ!」ピクッ

 

綾香「未来先輩……?」

 

美咲「未来ちゃん……?」

 

伊吹「どうかした?」

 

未来「いえ……」

 

未来(今のは白水哩の……。だとしたらこの局で杏子が和了ったら……)

 

綾香「あっ、杏子の配牌かなり良形ですよ!」

 

美咲「和了れば満貫にはなりそうだね。でもなんか杏子ちゃんらしくない配牌だけど……」

 

伊吹「上手く和了れるかな~」

 

未来(この局は任せたわよ。杏子……!)

 

 

~会場~

 

杏子「リーチ!」タンッ

 

 

総武 19500-1000=18500

 

 

優希(親リー……!)

 

ラム(速いですね。この局は干渉が間に合いません)

 

玄(まだ3巡目だもんね……。でも……!)タンッ

 

照「ポン」カシャッ タンッ

 

杏子(1発消し。でも……!)

 

杏子「ツモ!4000オールです!!」

 

照(リーチ、ツモ、タンヤオ、ピンフ、イーペーコー……。もしかして5翻縛りで和了った?これが本当に白水さんの能力だとしたら次鋒戦の南3局は響さんが10翻を……?)

 

杏子「1本場……!」

 

 

清澄 156900-4000=152900

 

白糸台 117300-4000=113300

 

阿知賀 106300-4000=102300

 

総武 18500+12000+1000=31500

 

 

~南3局1本場 ドラ6索 親 妹尾杏子~

 

杏子(リザベーションは恐らくもう宮永さんには通じない……。それなら次は……!)

 

杏子「……左手を使っても良いですか?」

 

優希「お、おう……」

 

優希(なんだ……?)

 

玄「は、はい……」

 

玄(これって確か有珠山の真屋さんがやっていたような……)

 

照「はい……」

 

照(まさか次は……)

 

杏子「ドゥームチェンジ、真屋由暉子」ボソッ

 

照(有珠山の真屋由暉子の左手麻雀……!)

 

 

~控え室~

 

美咲「あれ?杏子ちゃんが左手で麻雀打ってる」

 

綾香「あれって真屋さんの……」

 

伊吹「杏子は打ちにくくないのかな?」

 

綾香「それは大丈夫だと思いますよ。杏子は両利きですから打ち手を変える分には問題ありません」

 

未来(杏子……)

 

綾香「杏子も左手に打ち変えたら真屋さんみたいに和了れるのかなぁ……?」

 

美咲「それは杏子ちゃん次第だと思うよ」

 

 

~会場~

 

杏子「リーチ!」タンッ

 

 

総武 31500-1000=30500

 

 

 

玄(もう何度目のダブルリーチなの……?)

 

優希(総武の奴、勢いあるな……)

 

照(前の局では白水さんと鶴田さん、この局では真屋さん……。それに加えてどちらも私の影を映し出している。彼女は何処まで……!)

 

杏子「ツモ……!」

 

優希&玄(1発……!?)

 

照(ダブリー、1発、ツモ、混老頭、対々、役牌……)

 

杏子「……!」カッ

 

玄(裏ドラが……!)

 

優希(更に2枚乗った……!?)

 

杏子「12100オールです……!」

 

 

清澄 152900-12100=140800

 

白糸台 113300-12100=101200

 

阿知賀 102300-12100=90200

 

総武 30500+36300+1000=67800

 

 

杏子「2本場……!!」

 

まだまだ……!このままトップまで突っ走る!例えこの身が朽ち果てようとも……!

 

 

杏子sideout

 

 

鈴音「……!」

 

会場前まで辿り着いた。携帯で中継を見ると南3局の1本場で杏子が三倍満を和了ったところだった。

 

鈴音(御願い……。これ以上無理はしないで。このままだと杏子は……!)

 

何処かで見てるんでしょ……?神様、杏子に無理をさせないでよ。彼女は私の大切な後輩だから……!




今回はここまでです。

じかいよこく!

宮永照の能力を中心に様々な能力をコピーをし続けた杏子は心身に限界が……?

あと2、3回くらいで先鋒戦も終わりになる……かな?


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~番外編 部員日和~
総武の巻①


番外編、所謂咲日和のようなものです。では今回もよろしくです。


これは2年生の頃の話……。美咲の個人戦が終わり、来年に向けて練習をしようと新たに決意をしたある日のこと……。

 

伊吹「君達には生徒会に入ってもらいます!」

 

部室で3麻を打っていると伊吹先生が来るなり突然そう言ってきた。

 

美咲「生徒会……ですか?」

 

伊吹「そうそう、生徒会の選挙がもうすぐあるんだけど誰も入ってくれなくてね~」

 

未来「事情はわかりましたが……それで何故私達なのでしょうか?」

 

伊吹「それは君達のハイスペックな能力を買ってるからね!」

 

そんなに私達ハイスペックかなぁ……。美咲は家がすごく名家だからともかく。

 

鈴音「誰が生徒会長をすればいいんですか?」

 

伊吹「う~ん……私が見た感じだと3人の内の誰がやっても総武高校をいい学校にしてくれると思うんだよね。そこで!君達に話し合ってもらって誰が会長をやるか、誰が副会長をやるか、誰が書記と会計と庶務をやるかを決めてほしいんだ」

 

ん……?最後可笑しくなかった?

 

鈴音「……何で書記、会計、庶務が3つ纏まってるんですか?」

 

伊吹「君達の能力がそれほどすごいということだよ!もちろん会長と副会長もその手伝い……もといサポートをしてもらうけどね!」

 

それを差し引いても書記、会計、庶務の3つに当たるとヤバイことになりそう……。これはよく話し合わないといけないな……!

 

伊吹「じゃあ私は仕事があるから決まったら職員室に来て報告頂戴!!」

 

そう言って伊吹先生は去っていった。

 

未来「とりあえず決めましょうか」

 

鈴音「そうだね。どうやって決めようか……」

 

美咲「……私、生徒会長をやってみようと思うんだ!」

 

鈴音「美咲……」

 

美咲「これからのために絶対に必要なことだと思うからね……」

 

確かに美咲は佐野グループのトップを将来継ぐことになっているから生徒会長みたいな組織のトップを勤めることはいい経験になるかもしれない。

 

鈴音「わかった。じゃあ生徒会長はよろしくね美咲」

 

美咲「うん!任せてよ!!」

 

これで生徒会長は決まった。あとは……。

 

鈴音「ねぇ未来」

 

未来「何かしら?」

 

目の前にいる未来に上手いことを言って3つの役職に就かせ……就いてもらおう。

 

鈴音「私はさ……いつも未来に助けられているんだ」

 

未来「……そんなことはないわ。私だって鈴音と出会わなければ今の私はここにいなかった……。鈴音に会うまでは毎日がつまらなかった……。愚図で弱虫で泣き虫だった私をあなたが変えてくれたのよ」

 

鈴音「未来……」

 

未来「そんな鈴音だからこそ……どんなに難しいことでも乗り越えられる……私はそう信じてるわ」

 

鈴音「そう……かな……?」

 

未来「ええ、だから私が副会長になるわ」

 

鈴音「それは意味がわからない。なんでそうなるの?」

 

危なっ!その場の雰囲気で丸め込まれるところだった。

 

未来「」チッ

 

そして今この子舌打ちしたんだけど!

 

未来「じゃあお互い後悔しないようにジャンケンで決めましょうか。それなら問題ないでしょ」

 

鈴音「いや、そんな簡単に決めていいことじゃないでしょ……」

 

未来「へぇ……?自信がないのかしら?」

 

鈴音「……言ったね?後悔しても知らないよ?」

 

このときの私は未来の安い挑発に乗っていたせいでか忘れていたんだ。

 

未来「しないわ。じゃあいきましょうか……!」

 

私が……。

 

鈴音「ジャン……!」

 

未来「ケン……!」

 

ものすごくジャンケンが弱いことを……。

 

 

~そして~

 

伊吹「じゃあ生徒会長は美咲、副会長は未来、そしてあとの3つは鈴音……ということでいいね?」

 

未来「はい、それでお願いします」

 

伊吹「ゴメンね。頼んだよ」

 

美咲「はい!必ずやいい学校にしていきます!!」

 

伊吹「いい返事だね。書類は受け取ったし、今日はこれで解散!明日から美咲達の引退までの間は麻雀部の部室を生徒会室に当てるからそこで生徒会の仕事をしてね」

 

美咲「はい!!」

 

未来「わかりました」

 

…………あれ~?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

しばらくはこのようにグダグダと咲日和のような……というより咲日和として番外編を書きます。


キャラ紹介

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の2年生で麻雀部部長。生徒会選挙の時期までジャンケンが弱いことを忘れていた。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の2年生で麻雀部副部長。話術に関しては総武高校随一?で鈴音を上手く丸め込む。

佐野美咲……総武高校の2年生で麻雀部部員。家がものすごくお金持ちで天真爛漫な元気な子。将来のために生徒会長になる。

指宿伊吹……総武高校の教員で麻雀部顧問。仕事が忙しすぎて仕事を死事と呼んでいる社畜。身長が小さいことがコンプレックス?で最近中学生に間違われたが、本人はまだマシになったと悟っている。


次回は清澄の巻に鈴音をぶちこんで書こうかな……?


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清澄の巻①

鈴音が清澄にいたら……というifも兼ねています。この番外編ではサブタイにある高校に鈴音や話によっては未来も一緒に在学しています。オーダーはどうするんだよとかいう細かいことは気にしない方向でいきます。では今回もよろしくです。


部活をしていると久が優希に何やら頼んでいた。

 

久「ちょっと校外のコンビニまでおつかいを頼んでもいいかしら?」

 

優希「合点だじぇ!!」

 

相変わらず優希は元気いいなぁ……。それにしてもおつかいか……。何か無くなってたっけ?

 

久「ホワイトボードに書くためのペンと牛乳……あとついでにのど飴もお願い」

 

優希「あいあいさー!」

 

何故に牛乳とのど飴……?

 

久「レシートももらってきてね」

 

鈴音「それなら領収書も一緒にもらっておいたいいんじゃない?その方が部費もおりるかもしれないし」

 

まぁ牛乳とのど飴は部費で許されるか微妙なところだけど……。

 

久「それもそうね……優希、領収書もお願い。おつりで好きなものを買ってきていいから」

 

優希「ラジャーだじぇ!!」

 

久「覚えた?」

 

何気に優希を小馬鹿にした発言だけど流石にそれくらいは……。

 

優希「おつりで好きなもの買ってきていい!」

 

覚えられていないようだ……。嘘でしょ?

 

久「咲と和もついていって」

 

和「はい」

 

咲「わかりました」

 

どうやら咲と和も行くことになったようだ。まぁあれだと不安だしね。あっ、外のコンビニといえば……。

 

鈴音「私もついていくよ」

 

久「そう?悪いわね」

 

鈴音「外のコンビニなら丁度買いたいものもあるしそのついでにね。咲、和、優希、行こうか」

 

私は3人を連れてコンビニへと向かった。

 

 

~部室~

 

未来side

 

久が優希に頼んだおつかいに咲、和、そして鈴音も一緒にコンビニまで行ったけれど……。

 

未来「鈴音達はコンビニに行ったけれどそこの売店じゃいけなかったのかしら?」

 

久「そういえばそうね……なんでコンビニにしたのかしら?」

 

未来「あなたね……」

 

私は呆れながら久の方を見る。

 

まこ「あいつら……おまえさんがなんか企んどりゃせんかと思っとるぞ……」

 

久「それは心外よ!……でもそうだとしたら何もしないのもなんだか申し訳ないわ」

 

未来「新しい発想ね……」

 

久「……よし!」

 

まこ「おっ、なんかするんか?」

 

久「ドアに黒板消しを仕掛けてみたわ」

 

古……漫画や映画でもそんなのないでしょ……。

 

まこ「そんなんで納得するんか……?」

 

久「何もないよりかはマシよ。これであとは帰りを待つだけ」

 

未来「そうね……」

 

京太郎「遅くなりましたー」

 

未来「今日まだ部室に来ていない京太郎が来ることを忘れてなければ……たけれど」

 

久「あっ……」

 

京太郎「あ……」

 

久は京太郎がまだ来ていないことを忘れていたせいで仕掛けた黒板消しが虚しくポロリと落ちてしまった。……本当に虚しいわね。

 

 

~そして~

 

京太郎「そういうことでしたか…。なんかすいません空気が読めてませんでした」

 

未来「気にすることはないわ。京太郎がまだ来ていなかったことを忘れていた久が悪いもの」

 

久「うっ……!そ、そうだ須賀くん、自販機でジュース買ってきてあげて。帰ってきたらみんなにあげるの」

 

京太郎「わかりました」

 

そう言って京太郎は自販機に向かった。……というか何故ついでに鈴音達に頼まなかったのかしら?

 

久「さて、もう1度考えてみましょう!」

 

無理して何か企む必要はないんじゃないかしら……?

 

久「黒板消しはこのドアにはむいてないわね……。だったら!」

 

まこ「今度はなんじゃ……?」

 

久「くす玉よ!このドアが開いたら割れる仕掛けになってるわ」

 

自信満々に久はそう言うけれど……その様子だとさっきと同じミスをしていることに気が付いているのかしら?

 

まこ「余り変わらんような……」

 

未来「そうね。それと……」

 

京太郎「ジュース買ってきましたー」

 

未来「そのくす玉を設置するのは京太郎が戻ってきてからの方がよかったわね」

 

久「あっ……」

 

京太郎「あ……」

 

……やれやれね。

 

 

未来sideout

 

 

 

咲「でもどうしてコンビニまで行くんだろ?売店じゃ駄目だったのかな?」

 

鈴音「まぁ売店より品揃えはあるしいいんじゃない?」

 

優希「きっと部長のことだから何か企んでるに違いないじぇ!」

 

和「そうなんですか?」

 

優希「だからゆっくり行って準備する時間をやろう!」

 

って優希は言ってるけど案外売店でもいいことに気が付いてないかも……。あの場には未来もいたし何らかの指摘はあってもいいと思うけど……。

 

優希「のんびり行くためにジャンケンでいくじぇ!」

 

鈴音「ジャンケンで……ってことはグ○コでもするのかな?」

 

まさか高校生でグリ○をすることになるとは……。

 

優希「そう!しかも私のオリジナルだじぇ!!出さないと負けよ、ジャンケンポン!」

 

和「○リコ……って何かの遊びですか?」

 

鈴音「知らないの?」

 

和「はい、教えてもらってもいいですか?」

 

咲「うん、まずはジャンケンをして……」

 

優希「……」

 

咲&和「あっ……」

 

鈴音「ゴメンね優希」

 

優希はグーを出しているが私と咲は和にルール説明をしていたのでジャンケンをしていなかった。

 

優希「出さないと負けって言ったからグーを出した私の勝ちだじょ!!」

 

まぁ出していなかった私達が悪いね

 

優希「グレートおいしくちからもまんてんまぼろしのタコス!」

 

どんだけグーすごいんだよ……。20歩くらい歩いたよね?

 

優希「さあ、次だ!」

 

まだやるの?私は優希のこと見えるけど……。

 

咲「ジャンケン……」

 

優希「見えねえ!」

 

まぁ他の3人は見えないだろうね……。

 

鈴音「とりあえずジャンケンは終わりにするよ!」

 

優希「しょうがないじぇ……」

 

私は優希に終わりだと伝えた。

 

 

~そして~

 

咲「あれ?道ってこっちじゃなかったっけ?」

 

確かに……。その方向だと少し遠いところのコンビニになっちゃうけど……。

 

優希「もう1個遠くのコンビニに行くじぇ!!」

 

和「そっちには何があるんですか?」

 

優希「フフフ!むこうのコンビニにはなく、こっちのコンビニにはある……それは『タ』から始まって『ス』で終わるものだじぇ!」

 

『タ』から始まって『ス』で終わるものって優希からしたらもう答えを言っているようなものだよね。……っていうかコンビニで売ってるのか……。今度買ってみようかな?

 

咲「タンス?」

 

鈴音「咲、普通に考えてタンスはコンビニに売ってないよ」

 

売ってないよね?

 

 

~そして~

 

優希「着いたじぇ~!」

 

やっと着いた……。さっさと買い物を済ませてしまおう!

 

咲「ペンって何色買えばいいんだろ?」

 

優希「黒だと思うじぇ!」

 

鈴音「そうだね。他の色はまだ大丈夫だと思うよ」

 

咲「ありがとうございます。牛乳はどのくらいの大きさにする?」

 

優希「1リットルなら間違いない!」

 

鈴音「久に確認すればよかったね……」

 

和「のど飴はレモン味と焼肉味のどちらが……」

 

優希「究極の2択!!」

 

咲「迷うとこ!?」

 

鈴音「焼肉味は罰ゲーム用に買うのはありだけど、今回はレモン味にしておいてね」

 

というかなんでコンビニにそんなの売ってるの?

 

 

~そして~

 

優希「ミッションコンプリートだじぇ!!」

 

鈴音「お疲れ様」

 

優希「早速買ってきたタコスを食べるじょ!……んぐんぐ、タコスうま~!!」

 

もう食べてるし……。

 

和「あんまり暑いのでアイスを買いました」

 

鈴音「そうだね……。私もアイス買ったよ。」

 

最近暑くなったよね……。こんなに暑いと冷たいものを食べたくなるよね。

 

咲「はんぶんこできるやつだ。私のアイスもはんぶんこできるよ」

 

和「じゃあ半分ずつにしましょう」

 

優希「じょ!?わ、私のも!私のもはんぶんこできますから!!」

 

咲と和がアイスを半分ずつ分けようとすると優希がタコスを半分にしようとしていた。確かにできるけども…。

 

鈴音「はいはい、私のアイスもできるから半分食べていいよ」

 

優希「ありがとうだじぇ!鈴音先輩!!」

 

そう言って優希は私のアイスを頬張った。タコス食べたばっかりなのによく食べれるな……。

 

 

~そして~

 

咲「ちょっと遅くなったね……」

 

もうこんな時間か……。少しのんびり行きすぎたかな?

 

優希「じゃあ帰りはダッシュだじぇ!」

 

鈴音「えらく極端な……」

 

優希「きっと素敵なサプライズが待ってるじぇ~!!」

 

鈴音「だったらいいね」

 

 

~そして~

 

咲「部長達待ちくたびれてないかな?」

 

鈴音「まぁ怒ってはないと思うけど……」

 

和「ただいま戻りました」

 

和がドア開けると何かが落ちてきた。これは……黒板消し?

 

久「お帰り……。あの……何もないと見せかけて何かあると思っているかもしれないけど……この通り何もありませんでした。……ごめんなさい!」

 

鈴音「いや、謝るようなことじゃ……」

 

優希「それはそれでビックリだじぇ!!」

 

久「優しい!」

 

未来「そうかしら……?」

 

きっと優希にとっては何もないことがサプライズになったのかもしれないね。

 

鈴音「あっ、そうそう、未来が前に頼んでいたものを買っておいたよ」

 

未来「そういえば頼んでいたわね。ありがとう」

 

京太郎「何を買ったんですか?」

 

鈴音「ちょっとね……」

 

久「さあ、時間も時間だし今日は解散よ!また明日も頑張りましょう!!」

 

『はい!!』

 

久の号令で部活が終わった。今日もなんだか疲れた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

咲日和の清澄の巻①に鈴音と未来を入れてみた感じにしています。

キャラ紹介

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。清澄高校の3年生で麻雀部副部長。今回は長野県民で部長じゃないもよう。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。清澄高校の3年生で麻雀部部員。今回は平部員として部長である久のサポートを鈴音と一緒にする。

宮永咲……原作の主人公。清澄高校の1年生で麻雀部部員。コンビニにタンスが売ってると思っていた。後に魔王と呼ばれる子。

原村和……清澄高校の1年生で麻雀部部員。実は奈良に住んでいたことがあり、そこで知り合ったK・Mさん曰く素晴らしいものをおもちらしい。同じ部の部長に焼肉味ののど飴を買っていこうとする天然(畜生)さん。

片岡優希……清澄高校の1年生で麻雀部部員。タコスが大好きだけど仲間外れは寂しいからタコスをはんぶんこしようとする健気な子。

染谷まこ……清澄高校の2年生で麻雀部部員。家が『rooftop』という雀荘をやっている。その雀荘はカツ丼が美味しいことで有名らしい。キングクリムゾンの使い手という噂がある。

竹井久……清澄高校の3年生で麻雀部部長。悪待ちが得意だけどサプライズを考えるのは苦手?で敢えて何もないという名のサプライズをする。黒板消し?知らない子ですね。

須賀京太郎……清澄高校の1年生で麻雀部部員。麻雀部の黒一点で雑用メイン。実は宮永さんとは中学が一緒。SSではとても優遇されているキャラ。潜在能力は咲の世界で1番あるらしい。


次回は阿知賀かな……?


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阿知賀の巻①

今回もよろしくです。


~某月某日~

 

穏乃「合宿だ!地獄の鬼特訓だ!!」

 

鈴音「穏乃は相変わらず元気いいなぁ……。何かいいことでもあったの?」

 

高鴨穏乃(たかかもしずの)。いつも元気いっぱいの女の子でいつもジャージを着ている。そんな彼女は今日はいつもに増して元気である。

 

憧「テンション高いわね……。もう少し抑えたら?」

 

穏乃「動きなら抑えてるよ。」

 

鈴音「……動き?」

 

穏乃「はい!見てみますか?」

 

そう言って穏乃はジャージを少し捲って手首を見せてきた。するとリストバンド?が巻いてあった。

 

鈴音「1㎏って……何のために?」

 

穏乃「これすごいんですよ!手を振る度に数がカウントされるんです!!」

 

憧「……それがどうしたの?」

 

穏乃「合宿中にどれだけ麻雀打ったかわかる!!」

 

ビシッ!と腕を振りながら穏乃は言う。っていうか…。

 

鈴音「今ので1回カウントされてるんじゃ……」

 

穏乃「ああっ!しまった!!」

 

憧「何やってんのよ……」

 

灼「私物の持参は最低限って言ったのに……重い……」

 

呆れながら灼が穏乃のリストバンドを取り上げていた。他にも穏乃の私物はプロテインやダンベルなどがあった。……これ、麻雀の合宿だよね?

 

ふと宥の方を見ると炬燵のセットを持ってきていた。

 

灼「まさか私物では……?」

 

宥「コンセントどこに挿そうかな……?」

 

相変わらず宥は宥だった。どうやって炬燵持ってきたんだよ……。

 

灼「鈴音さん、このままじゃ駄目です。ここで生活していくための当番を決めましょう」

 

自由奔放なみんな……というより穏乃と宥を見て灼が私に提案してくる。

 

鈴音「少し大袈裟な気もするけど、確かにそうした方がいいかもね」

 

穏乃「おおっ!なんか合宿っぽいですね!!」

 

灼「役割は全部で……7つだから……」

 

今しれっと赤土先生を含めたね……。

 

晴絵「私も含まれるんだ……」

 

鈴音「大人として何か見本になるような意見がほしいです」

 

晴絵「まぁいいけど」

 

穏乃「7つもあったら1つくらい意味がない役割が出てきそうだね」

 

憧「あー……なんかありそう」

 

穏乃「まずはおやつを管理する係からね」

 

玄「1つ目から意味ないね……」

 

こんな調子だとまともな意見なんて出るのかなぁ……。

 

憧「でもどうやって決める?」

 

玄「ちょっとした会議だね!」

 

というわけで役割分担のための会議が始まった。

 

鈴音「じゃあどんな役割がある?」

 

進行は部長である私が勤める。

 

穏乃「はい!!」

 

鈴音「穏乃、言ってみて」

 

穏乃「チーしますか?って言って回る係!!」

 

憧「大喜利!?」

 

あーでもない、こーでもないと意見を言い合いながら会議は進んで?いった。

 

 

 

~そして~

 

穏乃「色々片付いたところで!麻雀だーっ!!」

 

灼(片付いたんですか……?)

 

鈴音(穏乃はそう思ってるしそういうことにしておこう。なんだか疲れたし……)

 

灼(すみません……)

 

鈴音(謝ることじゃないよ)

 

穏乃「これから始まる地獄の……」

 

憧「まだ言ってるし……」

 

晴絵「どのへんが地獄なの?」

 

穏乃「え~と……氷の雀卓とか?」

 

晴絵「それじゃあ涼しいだけでしょ……」

 

赤土先生はそう言うけど約1名にとっては地獄なんだよね……。

 

宥「こ、氷の……!?さ、寒い……」ブルブル

 

鈴音「宥が死ぬかもしれないからそれは駄目」

 

晴絵「あー……おっ、もうこんな時間か。そろそろお昼にしよう。特別に私が作るから楽しみにしててね!」

 

憧「何作ってくれるの?バーニャカウダ?カポナータ?ラタトゥイユ?」

 

晴絵「何故最初に思い付いたのがそれらなのか……」

 

鈴音「しかも全部イタリア料理だし……」

 

晴絵「しょうがないからヒントをあげよう!ヒントは……」

 

玄「だから荷物の中にカレールーがあったんですね!」

 

晴絵「玄……なんで言っちゃうの?」

 

玄「えっ、えっ?」

 

赤土先生が玄を責めているけど玄は悪くないんだよね。

 

 

~そして~

 

赤土先生が作ったカレーを食べたんだけど……。

 

憧「このカレー……」

 

穏乃「うん……」

 

晴絵「カレーが美味しくなかったってことが私の頃の合宿で1番の思い出だからね!」

 

赤土先生がそう言うけどカレーを不味く作る方が難しいでしょ……。何を入れたらこんな味になるんだろ……。

 

晴絵「だからみんなにもそんな思い出を作ってほしいんだ」

 

憧「もしかしてわざとこんな味に……?」

 

鈴音「寧ろわざとじゃないとこの味は出せないよ」

 

晴絵「う~ん……麻雀部代々に伝わるレシピで作ったんだけどなぁ……」

 

鈴音「100%それが原因ですね……」

 

呆れているとシャカシャカと音が聞こえるので音の方を見ると穏乃がプロテインを作っていた。

 

穏乃「あっ……」スポッ

 

鈴音「え?」

 

プロテインを作っている最中にすっぽぬけてカレーが入っている鍋にぶちこまれた。

 

憧「あっ……」

 

晴絵「ああ……」

 

穏乃「あちゃ~……どうしますこれ?」

 

鈴音「……捨てるわけにもいかないしね。とりあえず食べてみよう」

 

私はそう言いながらプロテインカレーを食べてみた。こ、これは……!?

 

鈴音「美味しくなってる……」

 

憧「嘘っ!?」

 

晴絵「本当に!?」

 

憧と赤土先生も食べてみると美味しかったようで阿知賀女子麻雀部の合宿カレーのレシピにプロテインが追加された。……来年以降がどうなるのやら。

 

 

~そして~

 

穏乃「う~ん……打った打った!」

 

晴絵「もうこんな時間か!早くしないとお風呂がしまってしまう!!」

 

憧「急がなきゃ!!」

 

穏乃「そうだね!!」

 

穏乃の方を見るとアヒルの玩具や水鉄砲などがあった。お風呂の時間が残り少ないのに何をする気なの?

 

 

~そして~

 

憧「ふぅ……無事に入れてよかった~」

 

鈴音「そうだね。次からはもう少し余裕を持って入りたいね」

 

玄「穏乃ちゃん、髪濡れてるよ」

 

穏乃「お、ありがとうございます」

 

玄「憧ちゃん、髪が絡まってる」

 

憧「わ、ありがと~」

 

玄が穏乃と憧に髪を拭いてあげたり、髪を整えたりしている。家が旅館なのかそういうことによく目がいくようだ。

 

玄「灼ちゃんは……」

 

灼にも同じように何かしようとしていたが灼自身はきっちりとしていた。

 

玄「えっと……」

 

灼「……明日何かお願いする」

 

……灼は優しいなぁ。

 

 

~そして~

 

憧「あっ、流れ星だ!」

 

鈴音「久しぶりに見たね」

 

こういったところだと案外よく見えるのかも。

 

玄「何かお願い事しよう!」

 

憧「星をあてにするっていうのも……」

 

玄「叶わなくても別に問題ないお願いならいいかも」

 

鈴音「ささやかなお願いってやつだね」

 

憧「よーし……!」

 

玄「……でも今言ったことが流れ星に聞こえてたら心象悪いかも……」

 

鈴音「考えすぎだよ……」

 

穏乃「願い事は自力で叶えればいいんですよ!だから流れ星に願うのは今後の夢を叶えるっていう宣言です!」

 

鈴音「おっ、良いこと言うね」

 

玄「穏乃ちゃん格好いい!!」

 

鈴音「じゃあ言ってみて」

 

穏乃「ピザを切らずに食べてみたい!!」

 

憧「かっこわる……」

 

さっきまで格好よかったのに急にみみっちくなった。しかも行儀悪いという……。

 

晴絵「そろそろ寝なよー!」

 

玄「まだ話し足りないかも……」

 

憧「まだ明日もあるよ」

 

鈴音「そうだね。早く寝よう」

 

玄「はーい」

 

穏乃「あっ、でも今日のうちに話したいことがあるんですよ!」

 

鈴音「なにかな……?」

 

穏乃「実はですね…寝る前に天井の四隅を見ると……」

 

玄「何?」

 

憧「うん」

 

穏乃「怖い夢を見るんだって」

 

憧「ちょっ!?」

 

まさかの怪談だった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

キャラ紹介

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。阿知賀女子学院の3年生で麻雀部部長。今回は奈良県民で部長として阿知賀の個性派集団を纏める。『鷺森レーン』でアルバイトをしている。

高鴨穏乃……原作阿知賀編の主人公。阿知賀女子学院の1年生で麻雀部部員。ジャージ大好きで麻雀の合宿なのにダンベルやらプロテインやらを持ってきて目的を履き違える。

新子憧……阿知賀女子学院の1年生で麻雀部部員。基本的に部の突っ込み役で家では巫女さんをやっている。

松実玄……阿知賀女子学院の2年生で麻雀部部員。おもち大好きで『松実旅館』という旅館の娘。姉である宥も含めてみんなのお世話が好き。でもたまに宥や鈴音に甘えている。

松実宥……阿知賀女子学院の3年生で麻雀部部員。暖かいのが大好きで夏でも厚着をしてマフラーを手放せない『松実旅館』という旅館の娘。そろそろ体質をなんとかしたいと思い同じ学年で同じクラスの鈴音に話そうかと悩んでいる。

鷺森灼……阿知賀女子学院の2年生で麻雀部部員。3年生の鈴音がいることによって部長ではない。実家が『鷺森レーン』というボーリング場で祖母と2人で切り盛りしている。たまに鈴音がアルバイトに来ていてそこから鈴音と仲良くなった。

赤土晴絵……阿知賀女子学院の麻雀部顧問。阿知賀のレジェンドと呼ばれており生徒からは尊敬?されている。学生時代の合宿で不味かったカレーを教え子に食べさせる。合宿後は合宿カレーのレシピに新しくプロテインを追加して試作をしているらしい。


次回はどこにしようかな……?


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白糸台の巻①

今回もよろしくです。


これは私がチーム虎姫の部室に……というより菫に用事があっているときにあった出来事である。

 

淡「女子会しよう!!」

 

菫「しない」

 

淡「えっ……」

 

……何?この流れるようなやりとりは?

 

淡「……余りにも素早い判断で理解が遅れた」

 

菫「すまん、唐突な誘いを唐突に断っただけだ」

 

何気に酷いね……。

 

淡「じゃあ改めて女子会しよう!!」

 

菫「しない」

 

淡「えっ……」

 

数秒前と同じやりとりなんだけど……。あっ、淡が落ち込んだ。

 

菫「すまんすまん、断る流れだと思ったから」

 

鈴音「どうするの?淡落ち込んじゃったよ?」

 

菫「するか」

 

鈴音「女子会を?」

 

菫「ああ」

 

案外菫もノリがいいなぁ……。まぁ今日は2軍の練習ないからいいけど。

 

淡「じゃあ照達呼んでくるね!!」

 

女子会をするということになった瞬間に淡は照達を呼びにいった。……というかここ女子校だから余り意味を持たないような……。

 

 

~そして~

 

菫「とは言ってもここには女子しかいないぞ」

 

淡「だったらより女子度を上げるために男子っぽいものを取り除こう!」

 

とは言っても男子っぽいもの……ねぇ……?

 

照「男子っぽいものって……?」

 

淡「……黒い鞄は男子っぽいからアウト!!」

 

鈴音「小学生みたい……」

 

逆に女子っぽい鞄ってどんなの?ピンクいやつとか?

 

 

~そして~

 

淡「きっと女の子同士で好きなことをしたらそれが女子会なんだよ!」

 

それはなんか違うような……。

 

菫「好きなことか……」

 

好きなことが何かということでまずは誠子から意見が出た。

 

誠子「釣り」

 

淡「アウトドア!」

 

鈴音「それが女子会といえるかと聞かれると微妙なラインだね……」

 

そもそも女子って釣りが苦手な人が多いって何かで聞いたことがあるけど……。などと考えていると今度は尭深から意見が出る。

 

尭深「収穫……」

 

淡「漠然としすぎてる!」

 

鈴音「具体的に何を収穫するんだろう……」

 

収穫と聞くと私は畑仕事を真っ先に思い浮かべる。……なんか女子会とは遠くなってるような。すると照が意見を出す。

 

照「麻雀」

 

淡「いつもの!!」

 

鈴音「最早普通に部活だよね……」

 

それだと女子会が終わっちゃうよ……。

 

淡「鈴音は何か意見ないの?」

 

おっと……こっちに振ってきたか……。

 

鈴音「私も詳しくはわからないけどガールズトーク……女子ならではの話とかすればいいんじゃないかな?」

 

淡「いいじゃん!みんなでお菓子でも食べながらガールズトークしよう!!」

 

思いの外淡には好評だった……。気に入ってくれたのなら何より。

 

照「何か話すことある……?」

 

誠子「話題ならたくさんあると思いますよ」

 

淡「そうそう!この機会に話したいこととかあるでしょ?」

 

菫「この機会にか……この間の練習試合の反省とか」

 

淡「それミーティングじゃん……」

 

鈴音「部活になっちゃうね……」

 

淡「もう!麻雀の話はいつでもできるでしょ!?」

 

菫「そうか……なら来週は模試があるが……」

 

もうそんな時期か……。今回の模試はそれなりに自信があるよ。

 

淡「はっ!勉強会の流れを察知!みんな私の後ろに隠れて!!」

 

勉強会が嫌なのか淡がその話題が出た瞬間に私と菫以外を淡の後ろに隠れさせた。

 

菫「何故」

 

照「つい」

 

よく見ると尭深と誠子まで隠れてるし……。

 

照「とにかくお菓子がないと始まらない……」

 

淡「ジャンケンで負けた人が行くことにしよう!」

 

菫「嘘でも自分が行くとは言わないんだな……」

 

鈴音「私が行くよ」

 

菫「鈴音が行こうとしてるぞ淡。汚名返上のチャンスじゃないか?」

 

淡「ダッシュでな!!」

 

躊躇いねぇなこの1年生……。

 

鈴音「それで……何を買ってくればいい?」

 

照「あの新発売のやつの……」

 

淡「1つ先のコンビニにしか売ってなくて……」

 

鈴音「ふんふむ」

 

照「すごく伸びる……外からではわからないけど……」

 

淡「丸いやつで緑色じゃなくて……」

 

鈴音「うん……?ごめん、よくわからない」

 

淡「もう自分達で行く!行こう照!!」

 

照「うん」

 

伝わらなかった私に淡と照は痺れをきらして自分達で行くことにしたようだ。

 

鈴音「……これって理解しきれなかった私が悪いのかな?」

 

菫「安心しろ。私も全くわからなかった」

 

だよねぇ……。

 

 

 

~そして~

 

淡「ただいま」

 

菫「お帰り」

 

鈴音「結構買ってきたね。何を買ったの?」

 

照「キャラメルとチョコレートと……」

 

淡「電池!」

 

照「飴と……」

 

淡「電池!!」

 

照「お煎餅とクッキーと……」

 

淡「電池!!!」

 

……なんでちょいちょい電池なの?

 

 

~そして~

 

淡「お菓子を買いにいくときにパーティーゲームを考えたよ!」

 

尭深「パーティーゲーム……?」

 

誠子「一体どんなゲームなんだ?」

 

鈴音「ちょっと気になるね」

 

淡「ふふん、このお菓子達をカロリーの高い順番に並べるゲームだよ!」

 

誠子「地味だな……」

 

淡「そして正解者にはカロリーの高いものから順番にプレゼント!!」

 

誠子「地味に嫌だな!」

 

鈴音「ご褒美なのか罰なのかわからないね……」

 

カロリー高いのだと満腹感があるだろうけど太るかもしれないって考えるとね……。まぁ私はそのあたりの計算も怠らないけど。……おや?

 

鈴音「このチョコレートは麻雀の牌のパッケージになってるね」

 

誠子「あっ、本当ですね」

 

照「そう思って買ってきた」ドンッ

 

鈴音「まさかの箱買い……」

 

チ○ルチョコを箱買いする人初めて見たよ……。

 

誠子「でもこれだけあれば麻雀ができそうですね」

 

鈴音「ふふ、そうだね」

 

でもまぁ……。

 

照「!?」

 

既に照が食べてしまってるけどね。

 

鈴音「気にしないで食べなよ。チョコだから冷蔵しないと溶けるし」

 

照「……うん」

 

 

~そして~

 

誠子「結構甘いものが多いな……」

 

鈴音「塩気があるものがほしくなるね」

 

誠子「そうですね」

 

淡「あるよ!」

 

私と誠子が塩分がほしいという話をしていると淡が煎餅を渡してきた。

 

誠子「プロ麻雀煎餅だ」

 

鈴音「ふむ、プロ麻雀煎餅か……」

 

誠子「もしかして苦手でしたか?」

 

鈴音「いや、そうじゃないよ。このプロ麻雀煎餅にはちょっとした言い伝えがあってね」

 

私はそう言いながら煎餅のパッケージを開ける。

 

誠子「言い伝えですか?」

 

菫「どんな噂なんだ?」

 

その噂が気になるのか菫まで食い付いてきた。

 

鈴音「これは長野県の方であったことなんだけど……そこに住んでいるS・Bさんが箱買いしたプロ麻雀煎餅の中のカードの内9割が藤田プロで占めていたらしいよ」

 

菫「なんだそれ……?」

 

鈴音「余りにも藤田プロが当たりすぎたからクレームの電話をかけたんだけど……」

 

誠子「電話をかけたんですね……」

 

鈴音「カードの封入率はあくまで全部一定の確立だって言われたらしいよ」

 

菫「それは要するに……」

 

鈴音「うん、そのSさんの運が悪いだけなんだって」

 

誠子「悲惨な話ですね……」

 

本当にね……。私も似たような経験あるからその気持ちはよくわかるよ。……流石に電話はしないけど。

 

 

~そして~

 

お菓子を食べていると菫が話題を振ってきた。

 

菫「そういえば模試の……」

 

淡「わーっ!!」

 

菫「勉強は……」

 

淡「あーっ!!」

 

菫「大丈夫……」

 

淡「ぴーっ!!」

 

どんだけ勉強の話が嫌なんだよ……。

 

尭深「勉強しなくていいんですか……?」

 

あっ、尭深が言った。

 

淡「ぎゃーっ!まさかのノーマーク!!」

 

照「阻止される前に勉強しろっていうゲーム?」

 

淡「違う違う!!」

 

鈴音「逆なんじゃない?」

 

淡「そういう問題じゃないの!!」

 

ふむ……ちょっと遊んでみるか。

 

鈴音「べんきょ……」

 

淡「あーっ!!」

 

照「べんき……」

 

淡「にゃーっ!!」

 

鈴音「べん……」

 

淡「のーっ!!」

 

照「べ……」

 

淡「ひーっ!!」

 

何これ面白い。

 

 

その後も勉強という言葉に淡は過剰に反応していたが、来週には模試があるので虎姫のみんなで勉強会をしたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

キャラ紹介

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。白糸台高校の3年生で麻雀部部員。今回は西の東京都民。訳ありで2軍にいるけど実力は照や淡にも負けていない寧ろそれ以上かもしれない。その訳については明かされることがあるのか……。菫に用事があってチーム虎姫の部室に来ていたが、流れで女子会に参加することになった。

宮永照……白糸台高校の3年生で麻雀部部員。昨年のインターハイ個人戦で優勝している。お菓子のことになると若干キャラが壊れる。長野に妹がいて、高校生麻雀の界隈では魔王姉妹と恐れられているらしい。鈴音とは本のことやお菓子のことで話が弾む。

弘世菫……白糸台高校の3年生で麻雀部部長。高校生麻雀の界隈ではシャープシューターと呼ばれている。実はプリキュアが大好きなんじゃないかという噂が一部で流れているらしい。鈴音とは同じクラス。

渋谷尭深……白糸台高校の2年生で麻雀部部員。お茶が大好きなハーベスト系女子。なんでも収穫するのが好き。鈴音のことを尊敬している。

亦野誠子……白糸台高校の2年生で麻雀部部員。釣りが趣味のボーイッシュ系女子。鈴音の代わりに自分が虎姫の一員になっていることにまだ納得していない。鈴音のことを尊敬している。

大星淡……白糸台高校の1年生で麻雀部部員。今回の女子会の発端。勉強が大嫌いで必死に話をそらそうとしたが結局勉強会に捕まりチーム虎姫の地獄の勉強会に参加することに……。それにより模試の順位が一桁になる。鈴音のことを尊敬している。


次は千里山かな……?


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千里山の巻①

今回もよろしくです。


鈴音「海外旅行?」

 

部室で竜華がいきなりそう口にした。

 

竜華「そうそう、高校生やと安く行けるんやって」

 

怜「今海外はちょっと……」

 

未来「責めてもう少し落ち着いた時期に行くべきよね」

 

浩子「今はやることがいっぱいありますからね」

 

そう、浩子の言う通りもうすぐ夏の予選が近いのだ。未来が言うように責めて私達の卒業旅行とかで海外に行こうとかにするべきかも。私達3年生が高校生の料金で行けるかは疑問だけど……。

 

竜華「ほな宇宙旅行で我慢しとくわ」

 

セーラ「えらいグレード上がったな」

 

鈴音「どうやって行くつもり?」

 

竜華「簡単や!雀卓は宇宙やからな!ほな部活始めるで!!」

 

セーラ「意外と小規模やった……」

 

未来「それなら毎日が宇宙旅行よね……」

 

まぁ雀卓は四角い宇宙って言うくらいだからね……。

 

怜「別に旅行やなくても高校生は大人に比べて色々安いやろ」

 

浩子「映画とかですか?」

 

鈴音「あとはカラオケとかね」

 

竜華「そう考えると高校生って得やなぁ……」

 

未来「そのかわりお小遣いも大人の給料(しかも安月給)に比べると安いけれどね」

 

………………。

 

怜「……生きるんて辛いなぁ」

 

セーラ「若くして心理に到達したな」

 

本当、世の中って世知辛いよね……。

 

セーラ「高校生やから安くされてもオレは容赦せえへんで!」

 

鈴音「と言うと?」

 

セーラ「なんでも元取ったる!!」

 

怜「あんまり誉められたことやないなぁ」

 

セーラ「カラオケは1番で止めてたくさん歌ったる!」

 

鈴音「それ、逆に損してない?」

 

未来「普通に楽しみなさいよ……」

 

セーラ「映画は始まる前の広告からガン見や!!」

 

怜「えぇ客や……」

 

未来「それでいざ始まったとなったらうっかり寝てしまうパターンね」

 

怜「不憫や……」

 

まぁ必ずしもセーラがそうだと決まったわけじゃないしね……。

 

 

 

~そして~

 

セーラ「なんかみんなでしたいなぁ。なんか……おっ、それってグルメ本?なんか食べるん?」

 

泉「見ますか?」

 

セーラ「ふんふむ……この店とかええやん!ここ行こ」

 

泉「それ北海道の本ですよ」

 

セーラ「通っ」

 

未来「よく確認しないからよ……」

 

泉「大阪の本もありますよ。何か食べに行くんですか?」

 

鈴音「どうやらそんな流れのようだね」

 

セーラ「ええやん!一緒に行こうや!!」

 

泉「何を食べに行くんです?スイーツとかですか?」

 

竜華「ええなぁスイーツ!」

 

怜「せやな……スイーツ……あっ、ここのうどん屋とかは?」

 

竜華「カレー屋もあるで」

 

泉「あの……スイーツの話ですよね?」

 

鈴音「スイーツ……スイーツってなんだ……」

 

未来「振り向かないことよ」

 

浩子「なんですかそれ……?じゃあ各自で探して気になる店見つけたら言ってください」

 

『はーい』

 

どうやらこのメンバーで外食することになったようだ。

 

 

 

~そして~

 

怜「あっ、ここ気になる」

 

未来「でもここだと駅からは遠いわね」

 

怜「あー……流石にこの距離を歩くんはちょっと……」

 

セーラ「いざとなったらオレがおぶったるわ」

 

怜「ほな」

 

竜華「お言葉に」

 

浩子「甘えて」

 

未来「おぶらせて」

 

鈴音「もらおうかな」

 

セーラ「1人だけや……」

 

泉「何ですか?その統率力……」

 

いや、だってそういう流れだったし……。

 

 

~そして~

 

浩子「大通りの方に結構店がありますよ」

 

未来「ならその辺りにしましょう」

 

怜「あそこの横断歩道長すぎてよく途中で信号が赤になるから焦るわ」

 

竜華「わかるわ~」

 

鈴音「あるあるだよね」

 

怜「もうちょっと急ぎたいけど……どうすればいいんやろ?」

 

竜華「う~ん……」

 

鈴音「歩く速度を上げてみる……とか?」

 

怜「でもそんな簡単には上げられへんし……。いっそのことクラウチングスタートで行くか……」

 

竜華「そんなレベルなん……?」

 

陸上部だったら癖でやりそうかもね……。

 

セーラ「やっぱ歩くペース上げた方がええやろ」

 

怜「でもなぁ……」

 

竜華「あんまり急ぐと疲れる?」

 

怜「それもあるけど……あの黒いところ踏んでしまいそうで……」

 

未来「そういうのを気にするからよ。小学生じゃないんだから……」

 

確かに小学生の頃はよく男子がやってたなぁ……。横断歩道の白いところ以外はマグマでできてるんだとかよくあった。

 

 

~そして~

 

竜華「ソファ席あるとこがええんちゃう?」

 

セーラ「なんで?」

 

竜華「だって怜が……」

 

怜「?……流石に食事中は横にはならへんで」

 

鈴音「多分食後の話じゃない?ほら、休憩するでしょ?」

 

怜「それはあるなぁ……」

 

泉「あっ、このステーキ屋はソファ席がありますよ」

 

セーラ「ステーキ屋か」

 

怜「でも食べた後にすぐ横になったら牛になるしなぁ……」

 

鈴音「まぁそういうよね」

 

怜「共食いになるな……」フッ

 

未来「何くだらないことを言ってるのよ……」

 

別に上手くもなんともないしね……。

 

 

 

~そして~

 

セーラ「中々纏まらへんなぁ……」

 

泉「もうすぐ休憩時間終わりますよ」

 

鈴音「もうそんな時間か……部活しないとね」

 

セーラ「けどなんでこんなグルメ本なんか持っとったん?」

 

泉「昨日話し合って纏まらなかったからです」

 

鈴音「そういえば昨日もこんな会話してたっけ……」

 

セーラ「なんか怖いな……」

 

竜華「さっ、切り替えて部活や!」

 

浩子「待ってください」

 

休憩時間がもうすぐ終わるので部活再開の準備をしようとすると浩子がストップをかける。

 

浩子「これ、いつまで経っても決まらんパターンですよ」

 

未来「そうね、明日になってもこの話題になっても可笑しくないわ」

 

鈴音「……だとすると覚えている今のうちに決めておいた方がいいのかな?」

 

浩子「そうですね。というわけで部活後に居残り会議しますんで」

 

竜華「は~い」

 

などと話していると……。

 

後輩1「先輩達すごい熱心に……!」

 

後輩2「何の会議やろ……」

 

泉「いやいや……」

 

……なんか後輩達に誤解されたような。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

キャラ紹介

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。千里山女子高校の3年生で麻雀部副部長。今回は北の大阪府民だけど関西弁は使わない。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。千里山女子高校の3年生で麻雀部部員。千里山では浩子と一緒に他校の研究や分析が主な仕事。

園城寺怜……最近原作で新しく出たスピンオフの主人公。千里山女子高校の3年生で麻雀部部員。病弱系女子で変にチャレンジしては床とご対面することもしばしば。

清水谷竜華……千里山女子高校の3年生で麻雀部部長。いつも怜のお世話をしている。将来老後まで怜と一緒に生活していそう。

江口セーラ……千里山女子高校の3年生で麻雀部部員。見た目男子だけど立派な乙女。スカートが苦手だと本人は言っているが、プライベートではフリフリの服とかを着ている。前に未来にそれを目撃されて頭が上がらない状態に……。

船久保浩子……千里山女子高校の2年生で麻雀部部員。研究と分析が大好きでよく未来と一緒に行動している。顧問である愛宕雅枝と親戚。

二条泉……千里山女子高校の1年生で麻雀部部員。自称高1最強系女子で今回の話題の原因を作った戦犯。この話題が解決するまで3時間はかかった。

次回はどこにするか……。


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有珠山の巻①

今回もよろしくです。


未来と一緒に部室へ向かっていると部室の前に爽と揺杏が部室の前に立っていた。

 

鈴音「何をしてるの?」

 

揺杏「通せんぼっす」

 

鈴音「なんで?」

 

爽「業者待ちなんだよ。備品を注文してるんだ」

 

未来「成程……業者の人達にここに届けてもらうために部室の前に立っていたのね」

 

それだけで通せんぼされる理由がいまいちわからないけど……。

 

鈴音「もうみんな来てるの?」

 

爽「あとは誓子だけだな」

 

未来「とりあえず部室に入りましょう」

 

鈴音「そうだね」

 

 

~そして~

 

鈴音「ところで何が届くの?」

 

爽「何だと思う?」

 

鈴音「知らないから聞いているんだけど……。未来は知ってる?」

 

未来「ホワイトボードだったと思うわよ。誓子から聞いているから間違いはないと思うけれど」

 

爽「なんで言っちゃうの?」

 

未来「逆になんで言ったら駄目なのかしら?」

 

何この質問の連続は……。

 

誓子「みんな揃ってるわね」

 

未来と爽のやりとりを見ていたら誓子が部室にきた。

 

誓子「爽か未来から聞いてると思うけど、もうすぐ新しいホワイトボードが届くの」

 

成香「今未来先輩から聞きました……」

 

由暉子「なんで爽先輩はもっと早く教えてくれないんですか?」

 

爽「あれ?なんか私攻められてるんだけど」

 

未来「ちゃんと伝達しないからよ」

 

報告、連絡、相談は基本だよね。今でも、これからも。

 

鈴音「じゃあこの古くなったホワイトボードとはもうすぐお別れだね」

 

揺杏「つまり最後に思いっきり落書きしろと!!」

 

誓子「言ってないわよ」

 

まぁ揺杏の気持ちはわからなくはないけど……。

 

 

~そして~

 

結局新しいホワイトボードが届くまで今あるホワイトボードに落書きすることになった。

 

揺杏「ユキ描いてみた!」

 

成香「可愛いですっ」

 

鈴音「へぇ、上手いもんだね」

 

由暉子「ありがとうございます」

 

爽「じゃあこのユキをパワーアップさせよう!」

 

パワーアップって……。一体何を描くつもりなの?

 

爽「歌って踊れるアイドルだ!」カキカキ

 

誓子「アイドルとしてパワーアップなのね」

 

爽が由暉子の左手側にマイクを、頭上にスポットライトを描いた。確かにアイドルっぽい。

 

由暉子「さらにパワーアップさせてみました」カキカキ

 

爽「片手でバーベルを!?」

 

由暉子が右手側にバーベルを描いた。筋肉系アイドルかな?なんか何処かで聞いたことがあるような……。

 

由暉子「パワーアップですよね?」

 

爽「パワーアップだな!でもアイドルは甘くないぞ!バーベルで鍛えたユキの前に……象に乗ったはやりんが!!」カキカキ

 

なんで象?というか……。

 

未来「この象はとても弱そうよね」

 

由暉子「鍛えた私なら勝てそうです」

 

爽「画力は気にするな……」

 

鈴音「象も揺杏に描いてもらった方が良かったんじゃないかな?」

 

爽「言うな!」

 

自覚はあったのか……。

 

 

~そして~

 

業者の人「失礼します。ホワイトボードはこちらですか?」

 

誓子「あ、はーい」

 

業者の人「古いホワイトボードは運び出しますね」

 

誓子「ありがとうございますー」

 

……落書きって消したっけ?と私は思い爽の方を見てみると……。

 

爽「あっ、落書き消してない!」

 

どうやら消してなかったようだ。まぁ別に見られて困るものじゃないから問題ないけど……。

 

爽「あの古いホワイトボードはどうするんだ?捨てるのか?」

 

未来「倉庫にしまうんじゃないかしら?」

 

爽「よし、急いで消しに……」

 

成香「新品のホワイトボードピカピカです!」

 

爽「なにっ!?早速試し書きしよう!!」

 

未来(今刹那で忘れたわね……)

 

爽「よし!!」

 

由暉子「何がいいんですか?」

 

新品になったホワイトボードにはデカデカと『獅子原参上!!』と書かれていた。他に何か書くことはなかったんだろうか?

 

誓子「じゃあ消すわね」

 

爽「10秒ももたなかったか……しょうがない、普通にホワイトボードとして仕事をしてもらおう!今まで書いていたものを書くぞ!!……何を書いてたっけ?」

 

未来「落書きでしょ」ハァ

 

未来溜め息を吐いた。まぁほとんど落書きしかしてなかったからね……。

 

誓子「当面は各自でメモとして使うといいわ」

 

鈴音「まぁそれが妥当だよね」

 

揺杏「やりぃ~。じゃあ早速……」

 

成程「何を書くんですか?」

 

揺杏「今日の宿題のメモを……!」

 

由暉子「部室に書いても意味がありませんよね」

 

揺杏「これを写真にとっておけばいいんだよ」

 

誓子「その宿題が出たときにすればよかったのに……」

 

確かに……。

 

揺杏「でもなんか物足りないな……」

 

由暉子「メモに足りるも足りないもないのでは?」

 

揺杏「ユキ、ちょっとボードの前に立ってみて?」

 

由暉子「こうですか?」

 

揺杏「これに……」カキカキ

 

由暉子「揺杏先輩はなんて書いているんですか?鈴音先輩」

 

鈴音「……明日は小テストだよーんって書いてあるね」

 

由暉子「だよーん?」

 

揺杏「や~ちょっとした悪戯心ってやつっすよ」

 

 

……今さらなんだけどホワイトボードよりも先に調子の悪い雀卓を修理した方がよかったんじゃ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

キャラ紹介

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。有珠山高校の3年生で麻雀部副部長。今回は南の北海道民。ホワイトボードは実は落書きのためにあるんじゃないかと不安に思っている。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。有珠山高校の3年生で麻雀部部員。誓子と一緒に部の突っ込み役をしている苦労人の内の1人。でもそんな日常も悪くないと思っている自分がいるのも確か。

獅子原爽……有珠山高校の3年生で麻雀部部員。ちょっと小学生っぽい言動をする呪術師。得意な呪術は神威。打倒瑞原はやりを目標に由暉子をアイドルにしようとしている。

桧森誓子……有珠山高校の3年生で麻雀部部長。未来と一緒に部の突っ込み役をしている苦労人でその負担は未来よりも大きい。未来と有珠山麻雀部のこれからについてよく相談している。

岩舘揺杏……有珠山高校の2年生で麻雀部部員。裁縫が得意で由暉子の衣装をよく造っている。打倒瑞原はやりを心情に爽と一緒に由暉子をアイドルにするために日々由暉子の衣装のデザインを画策中。たまに鈴音にも手伝ってもらっている。

本内成香……有珠山高校の2年生で麻雀部部員。小動物みたいで色々な人に可愛いがられて由暉子と2人で有珠山のマスコットと化している。

真屋由暉子……有珠山高校の1年生で麻雀部部員。ロリで巨乳で左利きで若干中二病で元眼鏡っ子という萌え要素を持っている。鈴音のことを尊敬していてよく一緒に遊びに行っている。

多分次は臨海……だと思う。


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臨海の巻①

今回もよろしくです。


部室に入るとハオとネリーが何やら立ち尽くしていた。

 

鈴音「2人ともどうしたの?」

 

ハオ「スズネでしたか……。何やら怪しい箱が複数あってどうしようかと思っていたところです」

 

ネリー「開けてみようよ!」パカッ

 

ハオ「勝手に開けるのは不味いのでは?」

 

ネリーが怪しい箱(ハオ曰く)を開けると入っていたのは素麺だった。お中元かな?

 

ネリー「……お線香?」

 

ハオ「素麺では?」

 

白い線香とか新しいな……。

 

智葉「見・た・な……?」

 

ハオ「ひっ……」

 

智葉が私達の後ろに立つなりいきなり呟いた。怖っ!

 

鈴音「智葉、これは智葉の?」

 

智葉「ああ、お中元をもらったのだが……1人では片付けられなくてな。お裾分けだ」

 

ネリー「もらってもいいの?」

 

智葉「いいぞ」

 

ふむ、そういうことならありがたくいただこう。智葉さんあざーす!!

 

鈴音「それじゃあありがたくいただくよ」

 

智葉「そうしてくれ」

 

ネリー「じゃあ早速換金を……!」

 

智葉「おい」

 

ネリーは相変わらずだね……。というかお中元って換金できるの?

 

ダヴァン「サトハ~これ重いデス……!」

 

未来「大丈夫?代わろうかしら?」

 

段ボールを持ってプルプルしているダヴァンと逆に涼しい顔をしながらダヴァンの心配をしている未来がいた。……いないと思っていたら智葉の手伝いをしていたのか。

 

ダヴァン「というかなんでミライはそんなに軽々と持ってイルンデスカ……?」

 

未来「鍛えているからよ」

 

ダヴァンの疑問に未来はしれっと返答する。まぁそういうしかないもんなぁ……。『異世界から留学しました』とか言って誰が信じるのか……。

 

智葉「何が入ってたっけ……。飲料か?」

 

鈴音「覚えてないの?」

 

智葉「数が多くてな……。全部は把握できないんだ」

 

まぁ未来が運んでいるのも含めて10はあるけどまだまだありそうだもんね……。

 

明華「手伝いましょうか?」ヒョコッ

 

ダヴァン「もう……すぐ……ソコ……」

 

明華「よいしょ……」

 

智葉「……余り支えになってないな」

 

まぁあれじゃあかえって邪魔かもね……。

 

 

 

 

~そして~

 

明華「これは……洗剤ですね」

 

ダヴァンが持っていた段ボールには洗剤が入っていた。

 

智葉「その洗剤は今家で使っていていい匂いがするから持ってきた。私のオススメだ」

 

ほう……智葉オススメの洗剤か……。いただこう!

 

明華「へぇ、じゃあおひとついただきますね」

 

ハオ「私もいただきます」

 

鈴音「私ももらうよ。ありがとう」

 

ネリー「みんな同じ匂いになるね?」

 

ダヴァン「変な一体感!!」

 

未来「言い方ってものがあるでしょ……」

 

ネリーの言い方だと生々しくなっちゃうよね……。

 

未来「こっちのはお茶に清涼飲料ね」

 

未来が持ってきたのは飲み物か……定番?の物も入っているんだね。こっちはまんべんなくもらっておこう……。

 

 

~そして~

 

ハオ「残りは大体食べ物ですね」

 

ダヴァン「コレハ……!!」

 

鈴音「ご当地カップ麺だね」

 

ダヴァン「ひとつ食べてもいいでスカ!?」

 

未来「私も食べていいかしら?」

 

智葉「構わないぞ」

 

ハオ「お湯を汲んできます」

 

未来とダヴァンがカップ麺を食べたいと言ってハオがポットを取りにいった。

 

智葉「しかし未来がカップ麺を食べるとは……」

 

明華「なんか想像できませんね」

 

鈴音「未来はカップ麺大好きだからね」

 

イメージの問題でプロフィールには載せないけど……。

 

ダヴァン「…………」クルクル

 

ダヴァン(毎度のことなガラ作り方を探すのが一苦労でスネ……)

 

ネリー「回すと美味しくなるの?」

 

ダヴァン「そうではナク」

 

智葉「たくさん食べているのにわからないのか?」

 

ダヴァンが作り方を探していると智葉が口をはさむ。

 

ダヴァン「ひとつひとつ違うんデス」

 

鈴音「物によって作り方が変わるからね」

 

私も元の世界にいた頃未来にくどく、しつこく言われたものだ。3年くらい前のことなのに今でも鮮明に覚えているよ……。

 

 

~そして~

 

ダヴァン「これは……きなこ餅でスカ?」

 

智葉「武将の名前とかついてたりするやつだな」

 

鈴音「そんなのがあるんだ」

 

ダヴァン「どうやって食べるんでスカ?」

 

智葉「これはこうやって黒蜜をかけて……」

 

智葉が食べ方を説明しながらダヴァンと一緒にきなこ餅を食べると急にむせ始めた。

 

智葉「……こんな感じだ」

 

ハオ「むせるところまでが作法なんですか?」

 

未来「そんなわけないでしょ……」

 

智葉にも尊厳があるんだ。察せ……。

 

 

~そして~

 

鈴音「これは……珍味セット……?」

 

明華「何が入ってるんですか?」

 

智葉「イクラのビン詰め……」

 

明華「わあ……」

 

鈴音「そういえば好きなんだっけ?」

 

明華「はい、プチプチしたのが大好きです!」

 

じゃあこれは明華向けのお中元だね。

 

智葉「プチプチしてないのもあるが……」

 

明華「数の子……好きです」

 

鈴音「これは……カラスミだね」

 

明華「普通に好きですね」

 

智葉「キャラメル」

 

明華「好……この流れで出てくるって何味ですか?」

 

鈴音「何々……昆布味だって」

 

未来「しれっと爆弾を渡してきたわね……」

 

ハオ「……とりあえず食べてみますね」パクッ

 

おお……勇者だなぁ……。

 

明華「……どうですか?」

 

ハオ「意外といけますね。昆布キャラメル」

 

鈴音「う~ん……食べられないことはない……かな?」

 

智葉「こ、これは……!」

 

ハオ「サトハ……?」

 

智葉「美味しい……!」

 

どうやら智葉には美味しいらしい。

 

智葉「なんというか……深い……味わいが……!」

 

ハオ「そんなにですか……?」

 

明華「これ、もらっていきますね」

 

智葉「ああ……だがこの……キャラメル」

 

明華「欲しいんですか?どうぞどうぞ」

 

智葉が昆布キャラメルにはまってしまったようだ。

 

ダヴァン「こんなにいいものをもらってしまっテハ何かお返ししないといけまセン!」

 

智葉「気にするな。こっちも腐らせるより嬉しい」

 

未来「これで数日は困らないわ」

 

未来の方を見ると何やらホクホクした表情でご当地カップ麺をたくさん持っていた。ダヴァンと上手く分け合ったみたいでダヴァンも満足しているようだ。

 

 

後日ダヴァンが智葉にお礼としてカップ麺を段ボールで渡していた。……ドンマイ智葉。

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

キャラ紹介

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。臨海女子高校の3年生で麻雀部部員。今回は元の世界の近くにあるところにきた。臨海風にいうと異世界からの留学生。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生(臨海風にいうと留学)してきた。臨海女子高校の3年生で麻雀部部員。実はカップ麺……というかジャンクフードが大好きでダヴァンにカップ焼きそばを布教した人間。

辻垣内智葉……臨海女子高校の3年生で麻雀部部長。最近昆布キャラメルにはまっている。日本人なので留学していない。

メガンダヴァン……臨海女子高校の3年生で麻雀部部員。アメリカからの留学生で無類のカップ麺好きで最近未来によってカップ焼きそばにも目覚めた。休日には未来とよくラーメンの食べ歩きに行っている。

雀明華……臨海女子高校の2年生で麻雀部部員。フランスからの留学生でプチプチしたものが好き。趣味は日傘を集めること。

ハオホェイユー……臨海女子高校の1年生で麻雀部部員。香港からの留学生で最近個性がみんなに奪われがち。

ネリーヴィルサラーゼ……臨海女子高校の1年生で麻雀部部員。サカルトヴェロからの留学生でお金大好き。鈴音の紹介でアルバイトを始める。


次回もお楽しみに!


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総武の巻②

今回もよろしくです。


美咲「歓迎会をしよう!!」

 

鈴音「開口1番にどうしたの美咲?」

 

綾香と杏子が麻雀部に入部して数日が過ぎたある日、美咲がいきなりそう口にした。

 

未来「歓迎会って綾香と杏子のよね……?」

 

美咲「うん!折角だから一緒に遊びに行きたいなと思って!!」

 

鈴音「麻雀部だし麻雀じゃ駄目なの?」

 

そうすれば自分達の強化にも繋がるし……。

 

美咲「それだと息がつまるかもしれないし、やっぱりそのための息抜きも必要だと思ってね」

 

未来「私は構わないわよ。こういうのもいいんじゃないかしら」

 

まぁたまにはいいかな……?

 

美咲「鈴音ちゃん……お願い……」

 

何故か美咲が目を潤ませて上目遣いで此方を見ている。何この子可愛いお持ち帰りしたい。

 

鈴音「そんな泣きそうにしなくても……まぁ親睦を深めるには一緒に遊びにいくのが1番って言うし……うん、私も賛成」

 

美咲「やったぁ!じゃあどこに行く?」

 

未来「それは2人が来てからでいいんじゃないかしら?」

 

鈴音「そうだね。2人が何をしたいかにもよるし」

 

というわけで私達は綾香と杏子を待つことにした。

 

 

~そして~

 

杏子「歓迎会……ですか……?」

 

美咲「うん!私達……もっと杏子ちゃんと綾香ちゃんと仲良くしたくって……だからそのためにね!」

 

綾香「麻雀じゃ駄目なんですか?」

 

流石昨年の全中2位。同じことを考えていたか……。

 

鈴音「まぁたまには他のことをして頭を休めないとね」

 

綾香「そういうことでしたか……。私達のためにありがとうございます!私も先輩達との親睦を深めたいです!!」

 

綾香は本当にいい子だなぁ……。美咲とは違うベクトルでいい子だよ……。

 

杏子「わ、私も……綾香ちゃんがいいなら……賛成です」

 

ふむ、杏子の方は何処か私達に怯えている感じがする。

 

麻雀を打っていたときは私が見ていると安心できるって言ってたけど、それは私と一緒にいるときではなくあくまで麻雀に限ったことだからこれを機にもう少し距離が縮まるといいけど……。

 

 

~そして~

 

それぞれの意見を聞いた結果カラオケに行くことになった。予約は綾香がしてくれたようだ。カラオケとなった瞬間に即座に予約を取る電話をしたらしい。

 

綾香「あっ、ここですここです!」

 

私達は綾香がよく行ってるらしい店についた。なんでも家がこの近くで週に1度は行っていると言っていた。

 

美咲「楽しみだね!」

 

未来「そうね。私はカラオケ自体が久しぶりだから楽しみだわ」

 

鈴音「今日は楽しんでいこう」

 

綾香が入室の手続きをして私達は部屋に入った。

 

 

 

~そして~

 

美咲「じゃあ早速歌おう!!」

 

綾香「ちょっと待ってください!その前に……!」ピッピッ

 

歌う前に準備があるらしく綾香がその準備をしている間、未来と美咲が話しているので私は杏子に話しかける。

 

鈴音「杏子はカラオケにはよく行くの?」

 

杏子「は、はい……綾香ちゃんとたまに行くくらいですけど」

 

鈴音「そうなんだ。私は長いこと行ってないからなぁ……。どんなジャンルの曲を歌うの?」

 

杏子「最近歌ったのは美空ひ○りさんの曲を……」

 

鈴音「渋いな……」

 

しかも何時の曲だったっけ?まぁ私も80年代の曲を歌うことはあるけど……。

 

綾香「お待たせしました!」

 

話をしていると綾香の準備が終わったらしい。

 

美咲「何してたの?」

 

綾香「カラオケといえば採点……なので勝負しましょう!!」

 

未来「点数が高いほうが勝ち……ということね」

 

綾香「はい!負けた人は罰ゲームです!!」

 

えっ……何それ恐い。

 

美咲「面白そう!どんな罰にするの?」

 

綾香「それは点数がトップの人に決めてもらいます!では早速順番を決めましょう!!」

 

どうやら勝負をする流れになってしまった……。だってみんなやる気満々なのに私1人だけが反対しても意味がないもの。

 

 

~そして~

 

歌う順番は杏子、未来、美咲、綾香、私の順番になった。

 

杏子「い、いきます!中森○菜のスローモーションです……!」

 

成程、杏子は曲名を言って歌うタイプなのか……。しかもこれも結構古い曲だよね?

 

 

~そして~

 

杏子「あ、ありがとうございました」

 

やばい……無茶苦茶上手かった。なんかこう……感動しちゃった。

 

『93』

 

しかも初っぱなから90点越えるとかヤバい。私カラオケで90点狙える曲とか片手で数えるくらいしかないんだけど……。

 

 

~そして~

 

『93』

 

『92』

 

『90』

 

『91』

 

……なんで揃いも揃って90点以上とれるんだよ。コイツら歌上手すぎでしょ。私罰ゲーム不可避なんだけど。

 

綾香「ふぅ……何とか最下位は回避しました。言い出しっぺが罰ゲームって何だか恥ずかしいですからね」

 

しかも綾香は言い出しっぺの法則を回避できる人間らしい。ちなみに私は法則にどっぷりとはまります。

 

美咲「最後は鈴音ちゃんだね!」

 

未来「罰ゲームを回避することができるかしら?」

 

ふっ、甘いね未来。

 

鈴音「私の本気を見せるときがきたようだね……」

 

元の世界でヒトカラマイスターと自称している私の本気を……底力を見せてやるぜ!!

 

 

~そして~

 

『89』

 

現実は非常だった……。ヒトカラマイスター(笑)だったよ……。

 

未来「鈴音が罰ゲームを受けるみたいね」

 

美咲「内容を決めるのは杏子ちゃんだね!どんなことをお願いするのかな?」

 

綾香「罰ゲームですから命令って言った方が適切な気もしますけどね」

 

鈴音「……私の負け。潔くお願いを聞くよ。何をすればいい?」

 

杏子「あ、あの……!」

 

 

 

 

~そして~

 

鈴音「こんなことでよかったの?」

 

杏子「は、はい……鈴音先輩と親睦を深めたかったので……」

 

杏子が私に言ってきたのは家の近くまで杏子を送ることだった。ちなみに他の3人は先に帰った。

 

鈴音「しかし杏子の歌は綺麗だったよ。歌手とか向いてるんじゃないかな」

 

杏子「ふぇ……?///」

 

鈴音「うん、そうだ。杏子さえよかったら今度は2人でカラオケに行かない?」

 

本来はヒトカラマイスター(自称)である私だけど杏子と一緒に歌うことで歌唱力向上に繋がるかもしれない。まぁ別に歌手を目指しているわけじゃないけど。

 

杏子「ふぁぁ……///」

 

鈴音「杏子……?大丈夫?」

 

杏子「な、なんれもないれしゅ……///」

 

鈴音「呂律回ってないけど本当に大丈夫?」

 

杏子「は、はい……!」

 

しかも顔が真っ赤だし……。

 

杏子「あ……ここまでで大丈夫です。今日はありがとうございました」

 

鈴音「うん、また部活でね」

 

杏子「はい……!」

 

杏子は返事をして帰っていった。これで少しは杏子との距離を縮められてるといいなぁ……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。総武の巻は他とは違って咲日和要素がない……。話のベースがないからやっぱり難しいなぁ……。

キャラ紹介

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。カラオケの得意ジャンルはアニメソング。自称ヒトカラマイスター。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。カラオケでは井口○香の曲やキャラクターソングが持ち歌。

佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。いいとこのお嬢様だけど庶民(美咲はそう思っていない)と遊ぶことが令嬢のパーティよりも好き。カラオケはかなり大好きでいつか鈴音や未来と行ってみたかったらしいけど家の仕事が忙しく、余り自由に遊べなかった。現在は未来がたまに遊びにくる。

綾瀬綾香……総武高校の1年生で麻雀部部員。金髪碧眼だけど地毛でカラコンも特にしていない日本人。実はアニメとかが好きでこの前秋葉原に遊びに行ったときにロシア語で話しかけられたことがある。カラオケは週一で行っている。

妹尾杏子……総武高校の1年生で麻雀部部員。麻雀部に入るまでは綾香以外の人とは余り会話をしなかったが今回の親睦で特に鈴音との距離がグッと縮まった。鈴音を見ると顔が熱くなったり胸がドキドキしている。好きな歌手は美空ひ○りと桑田○祐。


次回もお楽しみに!


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佐野の巻①

今回もよろしくです。


美咲side

 

今回は私、佐野美咲の視点で物語が始まるよ!!

 

美咲「あっ、未来ちゃんいらっしゃい!」

 

未来「遊びに来たわよ」

 

とある休日に未来ちゃんが遊びに来てくれました!去年に私のお手伝いをしてから未来ちゃんは時々遊びに来てくれるんだ!!未来ちゃんはいつも鈴音ちゃんと一緒にいるからこうして別行動しているのは新鮮だよね!

 

美咲「今日は何をして遊ぶ?」

 

未来「美咲に任せるわ」

 

未来ちゃんはいつも私の意見を尊重してくれるけど、今日は特に何も考えてなかったからどうしようかな……?

 

ピンポーン

 

美咲「ちょっと出てくるね!」

 

未来「ええ、行ってらっしゃい」

 

 

~そして~

 

 

誰だろう……?今日は来客の予定とかはなかったと思うけど……。

 

???「美咲さん、こんにちは」

 

美咲「由輝子ちゃん!どうしたの?」

 

この子は剣由輝子(つるぎゆきこ)ちゃん。5年前に知り合って仲良くなった総武中学2年生でとっても可愛いんだ!!

 

由輝子「美咲さんと遊びに来ました」

 

美咲「そうなんだ!今麻雀部の友達が来てるけどそれでもいいかな?」

 

未来ちゃんと会うのは初めてだし、由輝子ちゃんは初対面の人にはとても警戒するから確認をとっておかないとね。

 

由輝子「……前に美咲さんが話していた人達ですね。その人さえよかったら私もご一緒してもいいでしょうか?」

 

う~ん……未来ちゃんなら大丈夫だよね!

 

美咲「いいよ!私の部屋で待ってるから早速行こう!」

 

由輝子「はい」

 

 

~そして~

 

未来「…………」

 

由輝子「…………」

 

あれ?何だかとても気まずいよ?2人共出方を伺ってるみたいだけど……。ここは私が紹介した方がいいよね!

 

美咲「由輝子ちゃん、こちら同じ麻雀部の部員で私の友達の響未来ちゃんだよ!」

 

未来「響未来よ。よろしく」

 

美咲「未来ちゃん、こっちの子が私の友達で総武中学に通っている剣由輝子ちゃん!」

 

由輝子「……剣由輝子といいます。よろしくお願いします」ペコッ

 

未来「………………」

 

由輝子「……何でしょうか?」

 

未来「いえ、誰かに似ているような気がしただけよ。気に障ったならごめんなさい」

 

由輝子「気にしないでください」

 

う~ん……気まずい。あっ、そういえば!

 

美咲「まだお茶出してなかったね!すぐに持ってくるよ!!」

 

とりあえずこの気まずい空気から脱出するよ!ごめんね2人共!!

 

 

 

~そして~

 

飲み物選んだら遅くなっちゃった!2人はどうしてるかな?

 

美咲「お待たせ!ごめんね遅くなって」

 

由輝子「未来さんの体験談はとても充実してますね」

 

未来「そうかしら?由輝子も中々色濃い人生を過ごしているみたいね」

 

……あれ?

 

美咲「随分仲良くなったね2人共」

 

由輝子「未来さんとは思いの外意気投合しています」

 

未来「私と由輝子は性格的に似ているところがあるからその気持ちがわかったりするのよね」

 

美咲「そうなんだ!2人が仲良くなって私も嬉しいよ!!」

 

『仲良きことは美しきかな』ってやつだよね!!

 

 

 

~そして~

 

由輝子「もうこんな時間ですか……。私はそろそろ帰りますね」

 

未来「私も帰るわ」

 

美咲「そうなんだ。じゃあ送っていくよ!」

 

未来「由輝子の家はこの辺りかしら?」

 

由輝子「そうですね……ここから歩いて15分くらいですね」

 

未来「なら私が送っていくわ。美咲は家のことで疲れているでしょうからゆっくりと休むべきよ」

 

未来ちゃんは優しいなぁ……。確かにここ数日は仕事の方が忙しくて久しぶりのお休みだけどこうして友達と遊ぶことで大分癒された。なのに未来ちゃんはゆっくり休めって言ってくれた。だったらその言葉に甘えるべきだよね!

 

美咲「ならそうさせてもらおうかな?2人共夜道に気を付けてね!!」

 

未来「物騒なことを言うわね……。まぁ変質者が来ても由輝子を守りつつ撃退しておくわ」

 

由輝子「頼もしいですね……。ありがとうございます」

 

そうして2人は帰っていった。未来ちゃんと由輝子ちゃんが仲良くなって自分のことのように嬉しいな!

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。完全オリジナルの話を書くのはとても難しいという教訓を得た。

キャラ紹介

佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。今回の主人公。将来佐野グループのトップに立つ人間。人脈は広く、年上年下関係なしに誰とも仲良くなれるコミュ力を持つ。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。美咲の家には2週間に1度遊びに来ている。

剣由輝子……総武中学の2年生。美咲のことを尊敬していて情報収集が趣味。未来のことを始めは警戒していたが波長が合って仲良くなった。

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。主人公にも関わらず今回は名前しか出てきていない。


次回もお楽しみに!


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過去の巻①

今回もよろしくです。


未来side

 

5月上旬のある休日、私達麻雀部は奈良に練習試合に行くのだけれど……。

 

伊吹「鈴音が風邪を引いてしまって今回の練習試合には参加できなくなったよ」

 

鈴音が風邪を引いてしまったのよね……。

 

杏子「そんな……鈴音先輩……」

 

綾香「杏子!?大丈夫!?」

 

そしてそれを聞いて杏子がこの世の終わりみたいな顔をしているわね。………いつの間に鈴音は杏子にフラグを建てたのかしら?

 

美咲「鈴音ちゃん……大丈夫かな?」

 

未来「まぁそこまで酷くはないけれど大事をとって今回の練習試合は不参加ということにしたわ」

 

そのかわり鈴音には長野に行ってもらって清澄高校の選手データをとってもらうけれど。

 

伊吹「まぁそんなわけで全員揃ったからみんな電車に乗るよ~」

 

私達は電車に乗って奈良へと向かった。そして移動中に綾香が口を開いた。

 

綾香「そういえば鈴音先輩と未来先輩はいつも一緒にいるイメージですけど先輩達が仲良くなったきっかけってどんな感じですか?」

 

未来「藪から棒にどうしたのかしら?」

 

美咲「あっ、私も気になる!」

 

杏子「わ、私も気になります……!」

 

伊吹「ほほぅ……?私も気になるねぃ」

 

これはもしかして鈴音との出会いを話さなくてははいけない流れにあるのかしら……?3人はもちろん伊吹先生までもが気になるオーラを出しているみたい。

 

未来「……それで私と鈴音の出会いを話せばいいんですか?」

 

伊吹「そうだね~」

 

綾香「話してくれるんですか!?」

 

未来「……まぁ少し恥ずかしいけれど話したくないわけではないわ」

 

私はそう言うとみんなは話を聞く体勢に入った。

 

未来「そうね……初めて会ったのは小学5年生の時だったわ」

 

私達の世界でいうと5年前になるかしら。

 

~回想~

 

当事の私は周りに苛められていたわ。もう学校に行くのが嫌になるくらいにね。

 

未来(小)『なんで……なんで私がこんな目に遭わなきゃいけないの……?私が何をしたっていうの……?』グスッ

 

~現在~

 

綾香「……未来先輩今と全然違いますね」

 

伊吹「ギャップが半端ないね~」

 

あの頃の私は黒歴史そのものだわ。

 

未来「……続けるわよ」

 

~回想~

 

そんなときに通りかかったのが鈴音だったわ。

 

鈴音(小)『どうしたの?確か響未来さん……だったよね?』

 

未来(小)『あなた……誰?あなたも私を苛めるの?』

 

鈴音(小)『違う違う。私は隣のクラスの大宮鈴音、よろしくね』

 

未来(小)『……よろしく』

 

鈴音(小)『それにしても苛めか……』

 

未来(小)『私もうこんなの嫌だよ……助けてよ……!』

 

あの頃の私は泣き虫で弱虫で苛めによって心が折れていたわ。先生に言っても苛めなんかないの一点張りだったし……。こういった問題って教師は役に立たないことが多いのよね……。

 

鈴音(小)『私は助けないよ』

 

未来(小)『え……?なんでそんなことを言うの?助けてよ。私を助けてよ……!』

 

鈴音(小)『何度言っても私は助けない。響さんが1人で勝手に助かるだけだよ』

 

そのときは何を言っているかわからなかったわ。思えばあの頃から鈴音はアニメネタを使っていたわね。

 

未来(小)『それってどういう……』

 

鈴音(小)『まぁそのうちわかるよ』スタスタ

 

私は何が何だかわからないままでその日は家に帰ったわ。

 

 

~現在~

 

美咲「鈴音ちゃんは小学5年生の頃から鈴音ちゃんだったんだね……」

 

杏子「流石鈴音先輩です……!」

 

綾香「それでその苛めはどうなったんですか?」

 

未来「その翌日に事件が起こったわ」

 

 

~回想~

 

私が学校に着くと私を苛めていた人達が全員大泣きしてその横に鈴音が仁王立ちしていたわ。

 

鈴音(小)『これに懲りたら苛めなんてくだらないことはやめることだね』スタスタ

 

泣いている人達に何が合ったのかは知らないけれど私はお礼を言うために鈴音の後を追ったわ。

 

未来(小)『あの!助けてくれて……苛めから救ってくれてありがとう!!』

 

鈴音(小)『私は助けていないよ。響さんが勝手に助かった。それだけだよ』

 

そのときの鈴音は私にとってのヒーローだったわ。それがきっかけで私達は一緒に遊ぶようになったわ。

 

 

~現在~

 

綾香「ほえ~……なんていうか……鈴音先輩ってすごいですね」

 

杏子「流石鈴音先輩です!」

 

美咲「それで高校まで一緒だったの?」

 

未来「いえ、鈴音の方が親の都合で転校することになったのよ」

 

 

~回想~

 

未来(小)『鈴音ちゃん……行っちゃやだよ……。私を1人にしないでよ……!』

 

鈴音(小)『こればっかりはどうにもできそうにないかな。……ゴメンね』

 

未来(小)『鈴音ちゃんがいなかったら私……』

 

鈴音(小)『ふむ……』

 

鈴音は一瞬何かを考えて頭に着けていたリボンを外して私に渡してきたわ。

 

鈴音(小)『これは私と一緒に遊んだ思い出の品としてあげる。きっと未来に似合うよ』

 

未来(小)『ありがとう……ずっと大事にするね!!』

 

 

 

 

~現在~

 

未来「それで一時鈴音とは離れることになったのよ」

 

綾香「いつも着けているリボンは鈴音先輩からもらったんですね」

 

未来「ええ、今でも私の宝物よ」

 

杏子「鈴音先輩からのプレゼント…羨ましいです……」

 

何やら杏子が羨ましがっているけれどあげないわよ?

 

未来「それで中学で鈴音と再会して今に至る……というわけよ」

 

美咲「いい話だね!」

 

昔話をしていたらいつの間にか奈良駅に着いているわね。

 

伊吹「さあみんな、行こう。目指すは阿知賀女子学院だよ~」

 

『はいっ』

 

さて、鈴音の分まで阿知賀との練習試合を頑張ろうかしら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。過去の巻①と書いたけど②があるかは未定です。

キャラ紹介

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。小学5年生の頃に苛められていたことを黒歴史としている。

佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。家が漫画のようなお金持ちだけどお金持ち特有の嫌味ったらしさがないいい子。

綾瀬綾香……総武高校の1年生で麻雀部部員。去年のインターミドルで準優勝しているが総武高校麻雀部の面子に比べると霞む。

妹尾杏子……総武高校の1年生で麻雀部部員。鈴音に恋する乙女。未来がいつも着けているリボンが鈴音からのプレゼントと知って自分も鈴音から何かを欲す。

指宿伊吹……総武高校の教員で麻雀部顧問。身長が小さいのがコンプレックス?でつい最近母校の中学の制服を着て中学に遊びに行って在校生のふりをする。伊吹が卒業生であることはその中学の校長先生以外誰も気が付かない。

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。風邪を引いてしまったせいで主人公にも関わらず回想でしか出番がない。

次回もお楽しみに!


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湯町の巻①

あけましておめでとうございます。今年は文章の出来が良くなればいいな……と思います。では今回もよろしくです。


鈴音です。この世界に来てから千葉で麻雀したり、番外編をやってきましたがこれは予想外としか言いようがありません。何故ならここは咲の世界の中でも……。

 

???「鈴音ちゃーん、早く行こうよー!」

 

……『シノハユ』の世界なのだから。

 

鈴音「今行くよ……慕」

 

慕「閑無ちゃんが家で待ちぼうけくらってるから急ごう!」

 

鈴音「そうだね」

 

色々とありえない現象だけど番外編だから関係ないよね?

 

 

~そして~

 

慕「閑無ちゃん、来たよ~」

 

鈴音「お待たせ」

 

閑無「おう、適当に座ってろよ」

 

慕「ところで何を見てるの?」

 

閑無「手紙。まだ中身は見てねーけど」

 

玲奈「ラブレター」

 

慕「えっ!?」

 

鈴音「あの閑無にラブレター……?」

 

閑無「そりゃどういう意味だよ鈴音!?……玲奈も適当言うなよ」

 

玲奈「ごめんごめん」

 

鈴音「申し訳ない」

 

慕「ラブレター交換会……?」

 

閑無「なんか複雑な会だな……」

 

小学生なのにドロッとしてるよね……。なんか昼ドラでありそうな展開だよ。……最近の昼ドラ余り知らないけど。

 

鈴音「もしかして今から出しに行くの?」

 

玲奈「いや、これは届いたやつなんだ」

 

慕「読まないの?」

 

玲奈「杏果待ちだね」

 

鈴音「……ということは閑無と玲奈と杏果が出した手紙ってこと?」

 

玲奈「そうなんだけど……そうなるのかな?」

 

玲奈に手紙の内容を聞こうとすると杏果が遅れてきた。

 

杏果「ごめん、遅れた」

 

閑無「遅いぞ~」

 

杏果「もう手紙読んだ?」

 

閑無「まだ。匂い嗅いでた」

 

……なんで?

 

閑無「まろやかな香りだった……」

 

杏果「普通の紙の匂いでしょ……」

 

ちなみに紙の種類によっては匂いが全然違うらしい。

 

鈴音「……でさっきの続きなんだけど」

 

玲奈「ああ、そうだった。……これは自分からの手紙なんだよ」

 

慕「自分からの?」

 

杏果「うん、小学校に上がる前の頃に出したんだ。何かの企画だったんだけど……何だったか忘れちゃった」

 

閑無「それでうちにも届いたから一緒に見ることにしたんだよ」

 

慕「へぇ!なんだかワクワクするね」

 

閑無「……コイツらより字が下手だったらヘコむな」

 

杏果「…………」

 

玲奈「…………」

 

鈴音「思いの外ハラハラしてたね……」

 

心なしか閑無達の間に火花が散っているように見える。

 

閑無「じゃあ早速開封だ!」

 

杏果「よーし」

 

まぁ楽しそうでなによりだね。

 

閑無「慕と鈴音も見せてやるよ」

 

慕「いいの?」

 

鈴音「じゃあ見せてもらおうかな」

 

どんなことが書いてあるか少し興味があるし……。

 

 

~そして~

 

杏果「うわ……全然書いた覚えないや。普通の挨拶……だよね?」

 

杏果の手紙?にはこんにちは元気ですか?みたいな内容が書かれていたらしい。小さい頃の奴だから覚えがないのは無理ないけどね。

 

玲奈「本当に自分が書いたのかわからん……」

 

鈴音「まぁそれはしょうがないんじゃないかな」

 

閑無「ヤバイ……私は昔から賢かった」

 

慕「閑無ちゃんのはなんて書いていたの?」

 

閑無「聞いて驚け!かけ算をしている!!」

 

鈴音「手紙じゃないじゃん……」

 

私は呆れながら閑無に手紙を見せてもらった。

 

閑無「でもこれかけ算じゃないな……」

 

鈴音「足し算になってるね」

 

玲奈「私のは……なんだろう」

 

鈴音「玲奈のは書きたいものを書いてる感じに見えるけど……」

 

玲奈「多分好きな絵と書ける言葉を書いただけ……?」

 

内容はバッタ、ヤカンと書かれていた。……この頃の玲奈はきっとバッタとヤカンが好きだったのだろう。細かいことは気にしない方向でいこう。

 

杏果「辛うじて手紙として成立している私の勝ちだね」

 

閑無「くっ……」

 

慕(えっ……これってそういう勝負だったの?)

 

鈴音(というか勝負だったのかな?)

 

字の善し悪しは競っていたっぽいけど……。

 

 

~そして~

 

閑無「けどこのくらいの年で未来の自分に手紙を送ってもあんまりピンとこねー」

 

まぁこういうのは子供の頃の自分が大人の自分に向けて送る……という方がしっくりきそうだしね。

 

慕「でも楽しそうだね!」

 

杏果「まぁ仕込んだ手間分くらいは楽しめたかな」

 

閑無「よし、また書くか!」

 

玲奈「いいね!」

 

慕「私もやりたい!」

 

閑無「今ならかけ算もできるしな!」

 

鈴音「手紙書くんじゃないの?」

 

杏果「そのはずだけど……。鈴音もやらない?」

 

鈴音「う~ん……私はやめとくよ」

 

私の場合はややこしくなりそうだし……。

 

 

 

~そして~

 

閑無「できた!」

 

慕「なんか質問ばかりになっちゃったよ……」

 

玲奈「こっちは近況報告みたいなのになった」

 

杏果「封した?」

 

閑無「したぜ!」

 

杏果「じゃあ私が預かるから10年後に……あれ?」

 

鈴音「どうしたの杏果?」

 

杏果「封筒に名前書いてない……」

 

閑無「いきなりどれが誰のかわからなくなったな……」

 

何やってんだか……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

キャラ紹介

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。湯町小学校の6年生。今回は島根県民で何故か小学生に……。色々とややこしくなっているので後に情報収集した結果、慕よりも早く閑無達と関わっているということがわかった。閑無達とは小学3年生からの付き合いらしい。

白築慕……シノハユの主人公。湯町小学校の6年生。マザーにコンプレックスを抱いている系の女の子。ちなみにおじさんにもコンプレックスを抱いているかも……。鈴音とはたまに料理の話で盛り上がる。鳥さん大好き。

石飛閑無……湯町小学校の6年生。レボリューション系の女の子。ガキ大将みたいな存在だけど何故か鈴音には頭が上がらない。

稲村杏果……湯町小学校の6年生。しっかりとした女の子。閑無によく突っ込んでいて最早名コンビ。旅館の子。地元の中学生や高校生よりも大人びて見える鈴音を尊敬している。

本常玲奈……湯町小学校の6年生。閑無の子分的ポジションの女の子。最近スイミングを始める。将来は水泳選手になる……かもしれない。


次回もお楽しみに!


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清澄の巻②

今回もよろしくです。


久「ふっふっふっ……」

 

鈴音「どうしたの久?えらくご機嫌だけど……」

 

久「なんと知り合いからケーキバイキングのタダ券をもらっちゃいました!」

 

後輩達『わーっ』

 

ケーキバイキングと聞くと何だかテンション上がるよね。特に女子はケーキとか大好きだし。

 

久「ただし1枚足りません」

 

後輩達『わ……』

 

未来「1人行けなくなるってなっただけでものすごくテンション下がったわね……」

 

久「冗談よ。ちゃんと7枚もらってきたから」

 

いや、それって……。

 

京太郎「」

 

未来「結局1枚足りないじゃない……」

 

久「あ……」

 

京太郎が固まってるのは多分条件反射なんだろうね。

 

鈴音「どうする?誰か1人行けなくなるけど……」

 

京太郎「大丈夫ですよ。女子の殿堂ケーキバイキングに同行する度胸はありませんから……」

 

久「あら、そういうものなのかしら?」

 

人によるんじゃないかな?多分だけど……。

 

優希「それならお土産を持ってくるじぇ」

 

和「バイキングのケーキは持ち帰れませんよ」

 

優希「なら仕方ない……。諦めろ」

 

京太郎「別に期待してないから……」

 

優希「その言葉……私への挑戦だな……?期待しておくんだじぇ」

 

京太郎「気にするなって意味だから!」

 

ということで京太郎を除く7人でケーキバイキングに行くことになった。

 

 

~そして~

 

優希「着いたじぇ!」

 

久「思ったより豪勢ね……」

 

未来「ケーキのビュッフェだから当然だと思うわ」

 

久「その言い方……格好いいわ!」

 

未来「……そうかしら?」

 

鈴音「まぁお洒落な感じはするけどね」

 

バイキングって言うよりビュッフェって言った方が何となく最先端を行ってるイメージがあるよね。

 

 

~そして~

 

咲「1つ1つ小さくカットされてるんだ」

 

和「色々なものを食べられるようにしてくださってるんですね」

 

鈴音「こういうお店だからこそこの大きさなのかもね」

 

久「でも見栄えを考えて並べようと思うと結構難しいわね……。まこはこういうの得意じゃない?」

 

未来「何を根拠にしての発言なのかしら……」

 

まこ「そもそもいっぺんに取らん方がええじゃろうが」

 

久「想像以上に得意だわ……」

 

まこ「何のことじゃ……」

 

一体何が得意なのやら……。

 

 

~そして~

 

優希「ジャーン!自分でセットを作ったじぇ!!」

 

鈴音「セット?」

 

未来「タルトにスフレに珈琲ね」

 

優希「そう!つまり『タ』ルト、『コ』ーヒー、『ス』フレでタ・コ・スってわけだじぇ!!」

 

鈴音「ああ……成程ね」

 

優希「納得するより笑ってほしかったじぇ……」

 

鈴音「なんかごめん……」

 

未来「笑うところがないから無理よ」

 

辛辣っすね未来さん……。

 

 

~そして~

 

和「遅くなりました」

 

鈴音「何かあったの?」

 

和「はい、実は取材を受けていまして……」

 

優希「私のことも取材してやってもよかったんだけどな!」

 

和「余りお時間がなかったようで……」

 

久「なら私が変わりに取材するわ」

 

未来「それで優希が納得するのかしら……」

 

久「まあまあ……。片岡選手、成功の秘訣はズバリなんですか?」

 

優希「発酵バター!!」

 

未来「麻雀の話よね?」

 

優希の中では多分ケーキバイキングの話が混ざってたんだろうね……。

 

 

~そして~

 

優希「デザートにカレーだ!!」

 

未来「……気のせいかしら。今おかしな単語が聞こえたのだけれど……」

 

鈴音「さっきカレーのバイキングを見つけたらしいよ」

 

咲「ケーキバイキングなのにカレーもあるんですね」

 

鈴音「ケーキだけだとマンネリ化するんじゃないかな?他にもパスタとかもあるよ」

 

優希「バランスだな!ケーキを食べたらカレーを食べて」

 

鈴音「カレーを食べたらケーキを食べるの?」

 

優希「カレーを食べたら……カレーを食べる!!」

 

最終地点がカレーなのか……。

 

 

~そして~

 

咲「ごちそうさまでした」

 

まこ「いやー食べたの……」

 

鈴音「ケーキバイキングなんて余り行かないから余計にね……」

 

未来「ところで京太郎へのお土産はどうするのかしら?」

 

優希「あっ……忘れ……ん?」

 

突如優希が和の手元に視線を向ける。

 

優希「これだ!!」

 

ああ……。まぁ他にないかな?

 

 

~翌日~

 

優希「楽しかったじぇ!!」

 

京太郎「それは何より」

 

優希「これはお土産だ。ケーキバイキングのタダ券」

 

京太郎「……だから女子の殿堂に同行するつもりはないって」

 

優希「孤独に耐えるのも修行だ」

 

京太郎「えっ……俺1人で行くの?」

 

鈴音「まぁ1人でも楽しめると思うよ」

 

京太郎「そんなもんですかね……」

 

 

 

後日みんなで行きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

キャラ紹介

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。清澄高校の3年生で麻雀部副部長。1人バイキングはもちろん、1人焼き肉なども平気な猛者。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。清澄高校の3年生で麻雀部部員。今日も辛辣に、バッサリと突っ込みが冴え渡る。

宮永咲……原作の主人公。清澄高校の1年生で麻雀部部員。後に魔王と呼ばれる子。ビュッフェと上手く言えない。

原村和……清澄高校の1年生で麻雀部部員。ケーキバイキングでカレーを食べられなかったのがショックだったらしく後日行ったケーキバイキングで最初からカレーにパスタとバイキングを満喫する。

片岡優希……清澄高校の1年生で麻雀部部員。タルト、コーヒー、スフレでタコスセットを作る。成功の秘訣は発酵バター。

染谷まこ……清澄高校の2年生で麻雀部部員。実は広島出身で長野にいる今も方言をバリバリ喋る。眼鏡を外せばキングクリ……本気の証。

竹井久……清澄高校の3年生で麻雀部部長。悪待ちが得意だけど人数分のタダ券はもらえない。ちゃんと8枚もらっていれば全員で行けたのにね。

須賀京太郎……清澄高校の1年生で麻雀部部員。麻雀部の黒一点で雑用メイン。原作では女子が5人揃わなかったら女装させられていたかもしれないらしい。


次回もお楽しみに!


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阿知賀の巻②

今回もよろしくです。


穏乃と一緒に部室に向かう途中、憧と合流したのだが何やら深刻な表情をしていた。

 

穏乃「赤土先生が空き教室で不思議な読書をしてた?」

 

憧「なんか心配になるんだけど……」

 

鈴音「あの人が無意味なことをするとは思えないけどね」

 

穏乃「とりあえず赤土先生のところへ行きましょう!」

 

鈴音「そうだね」

 

私達は赤土先生がいる空き教室へと向かい、先生に事情を聞いた。

 

晴絵「違う違う。これは本じゃなくてアルバム!」

 

憧「なんでくるくる回してたの?」

 

晴絵「使いやすいかどうかを見てたんだ」

 

鈴音「……ということはそれ新品ってことですか?」

 

晴絵「そうそう」

 

憧「なんだ……。晴絵の卒アルだったら面白かったのに」

 

晴絵「それだと私が面白くないな……」

 

鈴音「学生時代何かしたんですか……?」

 

晴絵「あの頃はやんちゃしてたからね……。まぁ若気の至りって奴だよ」

 

そういうことは年をとれば黒歴史になるって言ってたな……私の親友が。

 

玄「赤土先生、お待たせしま……しま?」

 

私達が話していると玄が何かを持って入ってきた。しましま?

 

玄「穏乃ちゃんと憧ちゃんに鈴音さんも」

 

穏乃「玄さん」

 

鈴音「何か持ってるみたいだけども何を持ってきたの?」

 

玄「みんなの写真を持ってきたんです」

 

憧「えっ……まさか県大会参加するのに写真審査があるの?ぬかった……」

 

鈴音「そんなわけないでしょ……」

 

玄「?」

 

玄にいたっては何の話かわかってないみたいだし……。

 

憧「しず、制服の写真撮ってもらわないと!」

 

穏乃「えっ!」

 

鈴音「おーい、話を聞いてるかい?証明写真でも撮るつもり?」

 

 

~そして~

 

晴絵「昔のみんなの写真でアルバムを作ろうと思って玄に写真を持ってきてもらったんだ」

 

穏乃「成程!玄さん写真をいっぱい撮ってますからね!」

 

玄「えへへ……。今までの写真プリントしてきたよ!」

 

鈴音「すごい数だね」

 

晴絵「全くだ。これじゃあこのアルバムには荷が重い」

 

鈴音「全部使わなくてもいいのでは?」

 

たくさんある写真の中でみんなが選んだものをアルバムにのせることになった。

 

 

~そして~

 

晴絵「これ、飾り付けの道具ね」

 

憧「やるやる!」

 

鈴音「憧はそういうの好きだよね」

 

憧「はい!マスキングテープいっぱい使おっと!!」

 

なんだか嬉しそうだね憧。楽しそうで何よりだよ。

 

憧「早速1ページできた!」

 

鈴音「これは兎だね。上手いもんだ」

 

晴絵「けど写真使ってないな……」

 

まぁ本来は写真をそのアルバムに入れようって話だからね……。

 

 

~そして~

 

憧「今年度に入ってから急に写真増えたね」

 

鈴音「まぁ私や灼がみんなの輪に入ったのは今年度からだしね」

 

ちなみに私が吉野に引っ越してきたのは高2の中頃である。この世界に転生したときはまだ奈良にはいなかったんだよね。←※阿知賀の巻の設定です。

 

玄「みんなにデジカメもらって嬉しかったからかな」

 

鈴音「玄の誕生日のときだね」

 

憧「あー」

 

確かその日玄は嬉しさの余りたくさん写真を撮ってたね。

 

玄「嬉しさのあまりにたくさん写真撮ったんだけど、使いにくい写真が多くて……」

 

鈴音「まぁそういった写真ってあるよね」

 

私もそんな写真を撮ったことがあったっけ……。

 

 

~そして~

 

玄「この穏乃ちゃん面白い」

 

鈴音「すごくジャンプしてるね」

 

憧「それ採用!!」

 

晴絵「なんだかしずの写真ばかりチョイスしてるねみんな」

 

鈴音「確かに多いですね」

 

穏乃「えっ!もしかしてスターの素質ですか!?」

 

鈴音「う~ん……どっちかと言うと……」

 

憧「おもしろ動物の素質かな?」

 

穏乃「酷い!」

 

まぁ否定しきれない……。済まぬ。

 

ビュオッ!!

 

憧「わっ!風が……」

 

穏乃「写真が廊下に飛んでっちゃった……」

 

鈴音「今廊下に飛んでいった写真は確か……」

 

確か灼の顔写真だったような……。

 

ガララッ!!

 

灼「いきなり自分の顔写真が目の前に飛んでくるってすごいホラーなんだけど」

 

わーお、それは確かにホラーかもしんない。サーセン。マジでサーセン……。

 

憧「ドッキリ大成功……」

 

灼「狙ってやってたら怒るよ……」

 

鈴音「灼……ごめん」

 

灼「いえ、鈴音さんのせいじゃないです……」

 

玄「そうだ!灼ちゃんも空いてるところに写真貼る?」

 

灼「……じゃあ」

 

灼が写真を貼ったところは赤土先生の顔写真の隣だった。右のページ空いてたのに……。

 

 

~そして~

 

宥「わぁ……素敵なアルバム」

 

まだ来ていなかった宥が来てこれで麻雀部が全員揃った。

 

宥「でも玄ちゃんの写真が少ないかも……」

 

憧「そうなんだよねー」

 

鈴音「まぁ玄が私達の写真を撮ってるからね」

 

そう、私達の写真は玄が撮っているから必然的に玄が写っている写真は少ないのである。ちなみに玄が写っているのは赤土先生が撮っている。

 

晴絵「まだページ余ってるし、私が撮った玄の写真から選んでくれる?」

 

宥「わぁ~……」

 

玄「なんだか照れるね」

 

私達が選んだ玄の写真は宥がマスキングテープでマフラーを装備させたものになった。……なんで?

 

 

~そして~

 

晴絵「最後に集合写真みたいな感じで撮るよー!鈴音を中心に寄って寄ってー」

 

えっ……私が中心……?

 

晴絵「鈴音が部長だからね」

 

鈴音「はあ……」

 

晴絵「小さい写真になるからギリギリまで寄ってね」

 

えっ……ちょっ……まっ……。

 

この後私は5人によって揉みくちゃにされた。

 

 

~そして~

 

晴絵「アルバム完成!」

 

玄「わー!」

 

鈴音「けほっ……」

 

灼「大丈夫ですか……?」

 

そう思うなら止めてほしかったんだよ……。

 

 

アルバムの名前は『みんなの色々アルバム』になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

キャラ紹介

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。阿知賀女子学院の3年生で麻雀部部長。阿知賀に転校してきたのは高2で、麻雀をしようと麻雀部まで行ったものの部員が1人もいなくて困っていたときに玄と出会った。毎週月曜日に部室を掃除している。

高鴨穏乃……原作阿知賀編の主人公。阿知賀女子学院の1年生で麻雀部部員。ジャージ大好き。おもしろ動物は素質を持っている?

新子憧……阿知賀女子学院の1年生で麻雀部部員。洒落乙な今時女子高生。小学生の頃は誰かに似ていたそうです。

松実玄……阿知賀女子学院の2年生で麻雀部部員。鈴音が麻雀部に入部した日が木曜日だったのでクラブのときに決めていた掃除当番に来たら鈴音と出会う。入部希望の鈴音が来たときに漸く部員が増えたと号泣した。

松実宥……阿知賀女子学院の3年生で麻雀部部員。寒がりでマフラー装備ナウな人。写真でもみんなにマフラーを着ける。

鷺森灼……阿知賀女子学院の2年生で麻雀部副部長。赤土先生大好きな人。私服のセンスが壊滅的(自分は最高のセンスだと思っている)で鈴音と憧によって後日私服が増えることになる。

赤土晴絵……阿知賀女子学院の麻雀部顧問。学生時代はとてもやんちゃだったらしい。何をしていたのやら……。


次回もお楽しみに!


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総武の巻③

※この話には様々な作品の台詞やネタが多めに含まれています。では今回もよろしくです。


未来side

 

これは県大会が始まる前のある日の出来事よ。

 

綾香「あっ、未来先輩」

 

杏子「こ、こんにちは……」

 

部室に向かう途中で綾香と杏子に会った。

 

未来「こんにちは。2人もこれから部室に向かうところかしら?」

 

綾香「はい!未来先輩は鈴音先輩と一緒じゃないんですか?」

 

未来「鈴音は掃除当番で遅れるらしいわ」

 

綾香「じゃあ美咲先輩は?」

 

未来「クラスが違うからわからないけれど、先に部室に行っているのではないかしら。あの子、部活をいつも楽しみにしているみたいだから」

 

本当、美咲は楽しそうよね。なんだか羨ましいわ。

 

綾香「なら早く行かないとですね!」

 

未来「そうね」

 

私達が話しながら部室へと向かうと杏子が立ち止まった。

 

杏子「あれ……?部室の前にいるのって伊吹先生じゃありませんか……?」

 

綾香「本当だ。何してるんだろ……?」

 

2人が見ている方向を見てみると伊吹先生が唸りながら部室の前でうろうろしていた。……何をしているのかしら?

 

未来「伊吹先生、何をしているのでしょうか?」

 

伊吹「あっ、未来……。それに綾香と杏子も……。ちょうどよかった」

 

……何故かしら?非常に嫌な予感がするのだけれど。

 

伊吹「実はちょっとやらかしちゃってさぁ……」

 

綾香「な、何をしたんですか……?」

 

伊吹「それは……中に入ればわかると思う……」

 

未来「……それはわかりましたが、美咲が部室の中にいるのでは?」

 

伊吹「……その美咲がね?」

 

杏子「美咲先輩に何かあったんですか……?」

 

伊吹「うん……まぁ……ね」

 

歯切れを悪くしながら伊吹先生は言う。一体部室で何が起こっているのかしら?

 

伊吹「部室に入ればわかるけど……。必ず戸惑うと思うよ」

 

……本当に何が起こってるの?美咲に何があったの?

 

伊吹「まぁとにかくドアを開けるね」

 

部室のドアを伊吹先生が開けるとそこには……。

 

美咲「Zzz…Zzz…」

 

部室のソファで美咲が寝ていたわ。……何故か小学生くらいの大きさになって。

 

未来「伊吹先生、これはどういうことですか……?」

 

伊吹「せ、説明するから!その怖いオーラを出すのはやめて!」

 

私達は何故美咲がこうなったのかを伊吹先生に問い詰めた。

 

それにしても県大会前に面倒なことになったわね……。

 

 

未来sideout

 

 

 

掃除当番で遅くなっちゃったぜ!

 

一応未来には先に部活を始めるように言っておいたからもう打ち始めているはず……。

 

鈴音「遅れてごめ……」

 

私の言葉はそこで詰まった。ドアを開けたその先には小さくなったと思われる美咲が綾香と杏子を振り回していて、そのすぐそばにグロッキーになってる未来がそこにいたからだ。

 

鈴音「……私、お腹痛くなったからお手洗いに……」

 

ここは戦略的撤退しかありえない。元いた世界ではヤケモンマスター見習いの私からしたら当然の選択ですなww

 

未来「待ちなさい……!」ガシッ

 

しかし未来に阻まれた。

 

鈴音「HA☆NA☆SE!こんな面倒くさい状況に私を巻き込まないで!!」

 

未来「あなた部長でしょう?なら部員のピンチに対して助けに入るべきだと思うのだけれど」

 

鈴音「いやいや、私お腹痛いから!なんなら胃もキリキリするから!!」

 

杏子「すごい……。あの先輩達があそこまで取り乱すなんて……!」

 

綾香「いやいや、このカオスな雰囲気に対して平常心保ってられる方がどうかしてるからね」

 

とりあえず未来からこの状況について説明してもらった。聞いた話だと……。

 

 

① 伊吹先生の友人が若返りの薬を作る。

 

② その薬がコーラのペットボトルに入っている。

 

③ そのペットボトルが若返りの薬だと証明するためにその友人の教え子(その友人は教師らしい)で赤いツノ帽子をかぶった少年に飲ませた結果その少年が幼稚園くらいまで若返る。

 

④ それを見た伊吹先生はこれは危ないものだとその友人に注意して処分するために先生が持って返る。

 

⑤ 伊吹先生が部室で一休みしてから職員室へ仕事に戻るがうっかりそのペットボトルを部室に置いてきてしまう(何故部室に置いたのか……)。

 

⑥ 一足先に部室に着いた美咲がものすごく喉がかわいていたのか部室にあった薬を躊躇いなく飲んでしまう。

 

⑦ 伊吹先生が部室に薬を置いてきてしまったことに気付き慌てて部室に戻るが時既にお寿司で幼稚園~小学1年生くらいまで縮んでしまった。

 

⑧ 作った人曰く薬の効果は90分らしいので美咲が元に戻るまで未来達が面倒を見ていた。

 

 

……ということらしい。

 

鈴音「それで……後どれくらいで美咲は戻るの?」

 

未来「……75分よ」

 

これはいよいよ面倒くさいことになってきたなぁ……。

 

美咲(小)「あっ、あたらしいお姉ちゃんだ!いっしょにあそぼ!!」

 

……まぁとりあえず美咲に付き合いますかね。

 

鈴音「いいよ。何して遊ぶ?」

 

美咲(小)「おままごと!!」

 

鈴音「……美咲ちゃんは年は幾つ?」

 

美咲(小)「ななさい!」

 

鈴音「ならもうおままごとやることはないんじゃない?」

 

美咲(小)「ふふん、みさきがするのはリアルおままごとだよ!ふつーのおままごととはちがうんだ!」

 

……なんだろう。ものすごく地雷臭半端ないんだけど。

 

 

それから美咲が元に戻るまでリアルおままごととやらに付き合わされた。未来達もこれに付き合っていたそうだ。

 

 

 

……とっても疲れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




今回はここまでです。

キャラ紹介

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。美咲(小)のおままごとでは稼ぎの少ない女芸人役。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。美咲(小)のおままごとでは美咲(小)の家政婦役。

綾瀬綾香……総武高校の1年生で麻雀部部員。美咲(小)のおままごとではペットの鶴の役。何故ペットで鶴を飼っているのかは不明。

妹尾杏子……総武高校の1年生で麻雀部部員。美咲(小)のおままごとでは美咲(小)の執事役。何故か女執事。

佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。今回の騒動の被害者。喉のかわきが抑えられたらこのような被害に遭わなかったのに……。リアルおままごとは小学生3年生まで家族としていた。

指宿伊吹……総武高校の教員で麻雀部顧問。友人が作った薬によって生徒を巻き込み反省している。実は薬を使おうとしていた。



今さらですが、本編に繋がっているのは総武の巻と佐野の巻、過去の巻(総武)にまだあげてませんが、大人の巻です。では次回もお楽しみに!


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過去の巻②

今回もよろしくです。


5月某日のある日の出来事である。私は今日も部活を頑張るぞい……と思った矢先……。

 

未来「鈴音、今日は用事があるから私は部活を休ませてもらうわ」

 

未来が部活を休むと言い始めた。いや、休むのは別に構わないんだけど……。

 

鈴音「用事って?」

 

その用事とやらが気になって未来に尋ねてみる。

 

未来「ちょっとした私用よ。これからのことを考えると早めにしておいた方がいいの」

 

真剣な表情で未来は言う。……深入り、詮索はしない方がよさそうだね。

 

鈴音「……まぁ深くは聞かないよ」

 

未来「そうしてもらえると助かるわ」

 

鈴音「みんなには私の方から言っとくね」

 

未来「ええ、お願い」

 

 

~そして~

 

鈴音「……ということで今日未来は部活を休むことになったよ」

 

美咲「未来ちゃんが休むって珍しいね」

 

杏子「そうですね……」

 

美咲と杏子が揃って口にする。

 

鈴音「まぁ未来はとても真面目だからね」

 

綾香「確かにそんな印象はありますね」

 

鈴音「一時期は学校に行くのも憂鬱だって言っていたのにその割には皆勤賞なんだから大したものだよ」

 

本当に未来はクソ真面目っていうか……。

 

杏子「それって未来先輩が小学校の頃に苛められていたって話ですか……?」

 

鈴音「そうそう、そんなことも……ってなんで杏子がそれを?」

 

もしかして私無意識の内に余計なことを後輩に言っちゃった……?やばい!これが未来にバレたら私の関節が曲がってはいけない方向に曲げられてしまう!!

 

美咲「この前奈良へ練習試合に行ったときに未来ちゃんが話してくれたよ!」

 

鈴音「え……?本当に?」

 

綾香「はい、その話を聞いたときは未来先輩にそんなことが……って思いましたよ」

 

杏子「鈴音先輩が苛めをパッタリと止ませてくれたって言ってましたよ」

 

マジか……。どうやら美咲や綾香にもその話が耳に入っているようだ。この前の練習試合ってことは伊吹先生も聞いてるっぽいね。……未来もよくそんな話をしたなぁ。本人にとっては黒歴史でしょうに。

 

綾香「未来先輩にとっての鈴音先輩はまるでヒーローみたいな感じだって言ってましたよ」

 

まぁ当時は小5だったからね……。本当に今でもそう思っているのなら日課のように私を弄るのはやめてほしい。

 

鈴音「未来はどこまで話したの?」

 

美咲「確か中学で未来ちゃんと鈴音ちゃんが再会して今も一緒にいるって感じだったよ!」

 

ふむ……。

 

鈴音「じゃあその続きを話そうかな」

 

綾香「続きがあるんですか?」

 

鈴音「うん、美咲によると中学のときの話はしていないみたいだしね」

 

美咲「中学のときに何かあったの?」

 

鈴音「……まぁ有り体に言うと中学の頃に私は苛めを受けていたんだよね」

 

あれは確か中学に上がってすぐのことだったんだよねぇ……。

 

綾香「ええっ!?」

 

杏子「誰ですかその不届き者共は?鈴音先輩に危害を加えるなんて……!許せません!私が直々に裁きを下します……!」

 

なんか杏子が超絶物騒なんだけど……。彼女に何があったの?

 

鈴音「もう済んだことだから落ち着いてね。……それにその人達は既に制裁を受けているから」

 

美咲「そうなの……?」

 

鈴音「まぁとりあえず続きを話すね」

 

回想入りまーす。

 

 

 

~回想~

 

鈴音(中)(ふむ……机には落書き、教科書には虫の死骸、そして私の靴はゴミによるハーレムときたもんだ。よくもまぁこんなことができるね全く……。とりあえずこれらを写真に撮って証拠にしておこうかな。まだ中学になって日も浅いから犯人の特定もできるしこれらを校長先生のところに突き出せば犯人達の残りの中学生活も終わりだね)

 

今日のところは写真に撮るだけにしておいて明日から行動しようかな……と思ったその時。

 

???『何やらお困りのようね』

 

鈴音(中)『!?……誰かな?』

 

???『貴女にもらったこのリボンを見せたらわかるかしら?』

 

そのリボンにその声は……ま、まさか!?

 

鈴音(中)『未来……だよね?久しぶり』

 

小学生の頃に苛められていたのを私が助けてそこから友達になった響未来だった。

 

未来(中)『ええ、久しぶり。1年半ぶりね』

 

1年半前に私が親の都合で引っ越して別れたんだけどまさか同じ中学だったとはね……。

 

鈴音(中)『背も伸びてるし、雰囲気と性格が最早別人だったから一瞬わからなかったよ……』

 

未来(中)『あの頃の弱気で泣き虫で愚図だった私は封印したわ。貴女と別れてから私は強くなろうと頑張ったもの』

 

 

 

~現在~

 

綾香「未来先輩のあのクールな印象というか雰囲気みたいな感じは中学の頃からだったんですね……」

 

鈴音「正確に言えば私と離れてから再会までの1年半ってことになるけどね」

 

私から言わせれば中1でかなり大人な女性になっていた未来に当時は驚きを隠せなかったけど……。

 

美咲「それでそれで?それからどうなったの!?」

 

鈴音「食い付きぶりがすごいね……」

 

美咲はこの手の話が好物なのかな?……まぁ話すけどさ。回想入りまーす。

 

 

~回想~

 

未来(中)『話を戻すわよ。鈴音、貴女苛められてるのではないかしら?』

 

鈴音(中)『……うん、そうだね。でも誰が主犯なのかは心当たりがあるし、証拠も揃っているからあとはそれらを校長先生に渡せばそれで終わりだよ』

 

未来(中)『あら、なら私の力は必要なさそうね。今度は私が鈴音を守るつもりだったのだけれど……』

 

小学生の頃の借りを返すといった感じの発言だね……。なら……!

 

鈴音(中)『……じゃあ力を貸してもらおうかな。私が制裁を与える必要がないならそれにこしたことはないしね』

 

未来(中)『そう、でも私は助けるのではなく力を貸すだけよ』

 

鈴音(中)『さっき守るって言ったじゃん……。その台詞から察するに未来はあのアニメを見たんだね?』

 

未来(中)『偶然ね。内容を見たとき途中からグロテスクなシーンとかあったから見るのをやめようかと思ったけれど、あのキャラのあの台詞が貴女の強さの秘訣だと知って最後まで見させてもらったわ』

 

鈴音(中)『まぁあのアニメは私のイチオシだからね』

 

未来(中)『凡そ小学生が見るものじゃないわよ……。今度私が強くなった切欠のアニメを貴女に見せるわ』

 

鈴音(中)『それは楽しみだね』

 

未来(中)『……言っておくけれど貴女が普段見ているような深夜アニメではないわよ?』

 

鈴音(中)『それは残念。でも未来のイチオシでしょ?ならきっといいものに違いないよ』

 

 

 

~現在~

 

綾香「……途中からアニメ談義になってません?」

 

鈴音「自覚はあるよ」

 

あの頃は未来が私と同じアニメオタクの道に入り始めて同士ができてちょっと嬉しかったからね。つい話が盛り上がってしまったよ。

 

杏子「鈴音先輩のイチオシのアニメってなんですか?」

 

私のイチオシアニメに興味があるのか杏子がそれが何か聞いてきた。

 

鈴音「そうだね……私のお気に入りの『あの台詞』があるやつでいいんだよね」

 

杏子「はい、どんなものか見てみたいです!」

 

美咲「私も見てみようかな?鈴音ちゃんのイチオシ!」

 

杏子に続いて美咲まで……。これは布教のチャンスではないかな?ならば教えてしんぜよう!!

 

綾香「先輩達の回想にあった『あの台詞』……あのアニメですか?」

 

鈴音「綾香は知ってるんだ」

 

綾香「はい、ネットサーフィン序でに見ましたよ。私も『あの台詞』は好きかもです」

 

鈴音「ふーん……じゃあ美咲と杏子は暇があったら『物語シリーズ』ってアニメで調べて見てね。多少『アレ』な表現があるかもだけど慣れたらどうってことはないよ」

 

あのアニメはとても面白かった……。まぁ私は副音声の方が好きだけどね。

 

美咲「うん、見てみるね!」

 

杏子「はい、見てみます!」

 

鈴音「……話が大きく脱線してしまったけど未来は私が小学生の頃にやった方法で私を苛めていた人達に制裁を与えたってわけ」

 

美咲「同じやり方で今度は未来ちゃんが鈴音ちゃんを助けたんだね!」

 

鈴音「未来は私が1人で勝手に助かっただけだと言ってたけどね」

 

本当に私と同じじゃないかと当時の私は苦笑してたよ。

 

綾香「あれ?ということは鈴音先輩を苛めていたのって小学生の頃に未来先輩を苛めていた人達なんですか?」

 

鈴音「そうだね。……まぁ私はその人達のことをすっかり忘れてたけど」

 

これは後から未来から聞いた話なんだよね。だから中学入りたてでいきなり苛めなんてものが起こったのかもしれない。

 

そしてその人達に私は例の写真を見せて脅……交渉して3年間私と未来のパシ……ジュースとかよく買ってきてもらったのも今となってはいい思い出だね。

 

……ちなみにあくまで『本人達の意志』だよ?本当だよ?

 

放送部員『間もなく完全下校時刻となります。生徒のみなさんは速やかに下校しましょう』

 

鈴音「おっと……じゃあ今日は解散。また明日ね」

 

美咲「うん!」

 

綾香&杏子「はいっ!」

 

今日の部活は私と未来の昔話を話すだけで終わっちゃったな……。まぁ未来も来れなかったしいいか……と思いながら私は昔を思い出す。

 

 

未来のイチオシがドラゴンボールで無印からGTまで見たのが2年前の話だ。

 

それから私と未来は元いた世界から『あの世界』へと転生して、そこで四苦八苦して、『この世界』に未来と共に来たんだよね。

 

そして美咲や伊吹先生、綾香と杏子に出会って今がある。

 

何時までもこうしてみんなと笑いあえる日々が続けばいいんだけど……。

 

 

 

 




今回はここまでです。途中からアニメの巻になってるような気がしてならない……。

キャラ紹介

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。今回は未来が話した昔話の続きを部員達に話す。好きなアニメは『物語シリーズ』と『戦姫絶唱シンフォギア』で始めて見た深夜アニメは『涼宮ハルヒの憂鬱』。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。小学生の頃鈴音に助けてもらい別れてから強くなろうと決意した。強くなるヒント探した結果がドラゴンボールというアニメでこんな風になれたらいいなと思って格闘技を始める。好きなアニメは『ドラゴンボール』で始めて見た深夜アニメは『とある魔術の禁書目録』。

佐野美咲……総武高校3年生で麻雀部部員。鈴音のイチオシである物語シリーズを見て内容に衝撃を受けたが見ている内に慣れてしまい深夜アニメにハマってしまう。鈴音によるアニメの布教者1号。好きなアニメは『ラブライブ!』で始めて見た深夜アニメ(鈴音のイチオシを除く)は『ひだまりスケッチ』。

綾瀬綾香……総武高校1年生で麻雀部部員。アニメが好きで気分転換で録画しているアニメやネットで調べたアニメを見ることがある。部員達の中で突っ込みとボケをどちらもそつなくこなす両刀使い。好きなアニメは『銀魂』で始めて見た深夜アニメは『ひぐらしのなく頃に』。

妹尾杏子……総武高校1年生で麻雀部部員。ある日から鈴音のことを好き(もちろんLOVE)になった。鈴音が過去に苛められていると知ってその連中を末代まで怨む(既に解決済でも変わらず今も怨んでいる)。鈴音によるアニメの布教者2号で鈴音の勧めるアニメは必ずチェックしている。最近は自分がもっと麻雀で強くなるために『闘牌シリーズ』を見ている。好きなアニメは『桜trick』で始めて見た深夜アニメ(鈴音のイチオシを除く)は『黒子のバスケ』。

指宿伊吹……総武高校の教員で麻雀部顧問。教員という名の社畜のせいで今回は名前のみの登場。好きなアニメは『らき☆すた』で始めて見た深夜アニメは『シティーハンター』。


次回は何時になるのかな……?


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怪談の巻①

今回はパロネタです。ふと思い付いて書きました。ではよろしくです。


ある休日のこと。私と美咲は綾香の家に遊びにきている。とはいえ特に何かしているわけではなく、ただ駄弁っているだけである。

 

鈴音「この間買い物に行ったんだけどさ……」

 

美咲「うん」

 

綾香「藪からスティックにどうしたんですか?」

 

鈴音「ただの雑談だよ。……それで5000円分の買い物をしてお会計のときに私は10000円札を渡したんだ。……店員の人が『ただいま5000円札を切らしておりまして……』と申し訳なさそうにお釣りを返そうとしたんだ。すると返ってきた5000円は野口英世、夏目漱石、伊藤博文の1000円札が1枚ずつと2000円札だったんだよ」

 

何気なく話したつもりだったのだが美咲と綾香が互いに抱き合っていた。どうしたのかな?

 

綾香「きゅ、急に怖い話をしないでくださいよ!」

 

美咲「そうだよ!やめてよ!!」

 

鈴音「怖いかな?この話」

 

まぁ確かに夏目漱石の1000円札はあっても伊藤博文の1000円札なんてもうないだろうし、普通2000円札をお釣りで渡さないだろうからある意味怖い話なのかもしれないね。

 

綾香「……私が体験したのはですね」

 

鈴音「いや、怖い話を続ける必要はないよ?」

 

でも綾香は話す気満々のようだ。……まぁこれだけ聞いて他の話題に変えよう。

 

綾香「私に姉がいることって話しましたっけ?」

 

鈴音「初耳だね」

 

美咲「うん、初耳」

 

綾香「今も部屋にいますよ」

 

そういえばそういった話題がなかったもんね私達。もう少し親睦会みたいなのをするべきなのかな?

 

美咲「お姉さんいくつなの?」

 

綾香「先輩達の3つ上ですよ」

 

ということは私達の入れ替わりで卒業していったのか。

 

綾香「……話を戻します。私が中学の頃なんですけど食事中にお姉ちゃんと喧嘩をしてしまいましてお姉ちゃんがお箸で私の左肘を刺してきたんですよ」

 

……なんでそんなことになったの?って突っ込みはしない方がいいのかな?

 

綾香「それで私は数秒の間血が流れて痛みに悶えてたんですが、突然左肘が曲がらなくなったんです」

 

ん?これって怖い話っていうより……。

 

綾香「それで左肘縫っちゃいました」テヘッ

 

服の袖をまくって左肘の針の縫ったあとを見せてきた。

 

美咲「わーーーっ!痛い!痛いよ綾香ちゃん!!」

 

鈴音「それ怖い話じゃなくて痛い話じゃん!」

 

綾香「あのときはやばかったんですよ?点滴までしてもらって、しかもその間何故か鼻血が止まりませんでしたし医者の手術ミスのせいで2度も入院するはめに……」

 

鈴音「わかった。わかったからこの話はこれで……」

 

美咲「……私の怖い話はね」

 

鈴音「まだやるの?もういいから他の話題にしようよ」

 

美咲「この間中学の友達とお泊まり会をしたんだけど」

 

話し始めちゃったよ……。本当にこれでラストだからね!!

 

美咲「パジャマパーティーも兼ねて可愛いパジャマとかきて食べたり飲んだりしたんだ。あ、もちろんお酒じゃないよ?」

 

そりゃ未成年だしね……。

 

美咲「友達の1人が青い顔して吐きそうになってたからお風呂場まで介抱したんだけど……。その子の吐瀉物の中に百足がいたんだ……」

 

えっ……?

 

美咲「百足って人を恐れないから寝ているときに入っちゃうんだろうね。じゃあまた鈴音ちゃんの番だね」

 

じゃあもしかしたら今も私達の中に百足が……?

 

鈴音「ちょ、ちょっと御手洗いに行ってくるよ。綾香、場所を教えて?」

 

綾香「わ、私も行きます。なので一緒に行きましょう!」

 

よく見たら綾香も青ざめた顔をしていた。まぁ確かに怖いからね。というわけで……!

 

鈴音「急いで身体の中の百足を葬ろう!」

 

綾香「はい!」

 

私達は急ぎ足でトイレに向かったんだけど……。

 

???「おぼろろろろろ……!」

 

誰かが先に吐いていた。

 

綾香「お、お姉ちゃん!?」

 

鈴音「こ、この人が綾香の……。話を聞いていたのかな?」

 

綾香「なんでもいいです!私達も続きましょう!!」

 

鈴音「そうだね」

 

私達は綾香の姉に便乗して嘔吐した。少女の嘔吐シーンなんて誰が見るんだよ……。

 

美咲「今更作り話って言いづらい空気になってる……」

 

このとき美咲が何か呟いていたのだが私達はそれを気にする様子はなかった。

 




今回はここまでです。

キャラ紹介

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。転生生活で初めて吐く。今回自分がした話を改めて考えるとちょっと怖いかもという結論に至った。

佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。突然の怪談にビビりながらも即興で怖い話を思い付く。後に未来と杏子と一緒に怪談をすることになる。

綾瀬綾香……総武高校の1年生で麻雀部部員。今回の話でもっと自分を知ってもらおうとさりげなく自分の過去を先輩に話す。ちなみに左肘は13針縫った。

綾香の姉……千葉国立大学の3回生。名前はまだ未定。再登場するかも未定。また登場することがあったら名前くらいは決まっているかも。



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怪談の巻②

懲りずにパロネタ……というわけで今回もよろしくです。


未来side

 

とある平日。私と美咲と綾香で3麻を打っている。鈴音は掃除で遅れるらしいし、杏子はお手洗いに行ってるわ。

 

本来なら杏子が帰ってくるのを待つのだけれど美咲と綾香が待ちきれないと言っていたので先に打っているわけよ。

 

未来「」タンッ

 

美咲「」タンッ

 

綾香「」タンッ

 

この静かな空気も嫌いではないけれど折角だから何か話しましょうか。

 

未来「……今日の朝に顔を洗っていたのだけれど」

 

美咲「どうしたの?」

 

未来「ただの雑談よ」

 

綾香「あれ?なんだかデジャブなんですけど……」

 

未来「続けるわね。朝に顔を洗っていたら眉毛に白い塵がついていたの。私はそれを勢いよく抜いたわ。するとそれは3㎝まで伸びた白い眉毛だったのよ」

 

私が話終えると綾香が震えていた。寒いのかしら?

 

綾香「きゅ、急に怖い話をしないでくださいよ!!」

 

怖いかしら?この話……。

 

美咲「いや、別に怖くはないんじゃ……」

 

綾香「美咲先輩、前回最高に恐ろしい話をしたからって天狗になってますね……?次は私が勝ちますよ!」

 

そういえばこの間鈴音が綾香の家に遊びに行っていて帰ってきたら顔を青ざめていたわね。美咲が何か話したのかしら?

 

というかいつのまにか怪談の流れになっているわね……。

 

未来「ならその当事者である鈴音とお手洗いに行っている杏子も交えて5人で話しましょうか」

 

綾香「まずは私からいきますよ!……私も洗顔していたときの話なんですけど結構勢いよく洗っていたんです。するとサクッ……と爪が皮膚を刺した感じの音が頭の中でしました……」

 

それって大丈夫なのかしら?皮膚が弱い人は余り勢いよく洗うと肌を傷めるって聞いたことがあるわよ?

 

綾香「すると頬からポタリポタリと赤黒い血が流れました。しかし2、3秒経つとピタッと血が止まったんですよ……。それから血も痛みもなくてその後何も起こることはありませんでした……」

 

皮膚が弱いとたまにあることらしいわね。私や鈴音はそんな心配はないけれど。

 

美咲「でも大事にならなくてよかったね!」

 

綾香「はい、あのときは焦りましたよ……」

 

まぁ下手すると病院に行かなくてはならないからそうならなくてよかったわ。

 

美咲「次は私だね!えっと……」

 

先程綾香が言っていたけれど美咲は即興で怖い話を考えるのが得意らしいわね。今度杏子との親睦を深めるのも兼ねて怪談も悪くないわね。夏も近いし。

 

美咲「あっ、そういえば怖い話じゃないんだけど鈴音ちゃんのことで思い出したことがあるんだ!」

 

鈴音の……?なにかしら?

 

美咲「この間外をブラブラしてたんだけど、その時鈴音ちゃんを偶然見かけたから声をかけようと思って鈴音ちゃんに近付いてみると男の人と一緒だったんだよ!」

 

綾香「えっ!?」

 

未来「…………」

 

鈴音が?男と?私を差し置いて?

 

美咲「その相手が金髪で高身長のイケメンだったんだ!とっても親しげな感じだったよ!腕も組んでたし。それで気になってあとをついていったんだ。すると……」

 

綾香「どうなったんですか……?」

 

どうなったのかしら?場合によっては起訴することになるわよ……!

 

美咲「……やっぱり言えない!鈴音ちゃんにとっても知られたくないことだと思うし彼氏とのことを詮索されたくないと思うからね!」

 

ということは鈴音はその男としっぽりとやることをヤっているというのかしら?これは有罪ね!

 

綾香「気になる!気になりますよ!!」

 

未来「とにかく鈴音を問い詰めましょう。もうすぐ来ると思うから待ち伏せするわよ」

 

綾香「はい!」

 

私は綾香と一緒に事の真相を鈴音に問い詰めることにしたわ。

 

 

未来sideout

 

 

 

さて、掃除も終わったし早く部室に向かおっと。もうすぐ県予選だから張り切っていかないとね!

 

部室に着くと何故か杏子が佇んでいた。

 

杏子「鈴音先輩……」

 

鈴音「杏子、部室に入らないの?」

 

杏子「嘘ですよね?嘘なんですよね?鈴音先輩に男なんて……ありえませんよね?鈴音先輩には私がいるじゃないですか」

 

えっ?なにこれ?なんか杏子の目のハイライトがないんだけど。何があったの?

 

等と思っていたら部室のドアが開く。

 

綾香「杏子!?」

 

未来「どうやら私達の話を聞いていたようね……。ちょうどいいわ。3人で鈴音を問い詰めましょう……?」

 

綾香「はい!」

 

本当にどうなってるの!?未来の目のハイライトも無くなってるし、綾香は目を輝かせながら此方を見てるし!

 

鈴音「何がなんだかよくわからないけど……ここは戦略的撤退!!」ダッ

 

何故か危機感を感じた私は走った。それはもうメロスのように走った。

 

未来「待ちなさい……!」ダッ

 

杏子「どういうことか説明してください!」ダッ

 

綾香「私も気になるので是非話してほしいです!」ダッ

 

ちょっ!?なんで3人共追ってくるの!?とにかく命の危機を感じるから逃げなきゃ!

 

美咲「今更作り話って言いづらい空気になってる……。というか未来ちゃんなら真っ先に気付きそうだと思ったんだけどな……」

 

私が追いかけられているなか美咲がそう呟いていたのだが誰もそれを知ることはなかった。

 

 




今回はここまでです。

キャラ紹介

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。今回はただの被害者。身に覚えのない疑惑で死にかけた。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。鈴音に彼氏疑惑で周りが見えなくなる。後にそれが作り話だと気付くのに3日かかった。

佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。今回は怖い話ではなくささやかなガールズトーク(作り話)のつもりで話したことが2人の部員がヤンデレになりかけることを彼女は気付いていない。

綾瀬綾香……総武高校の1年生で麻雀部部員。美咲の作り話に興味津々で鈴音に真相を聞こうとする。だって女の子だから。

妹尾杏子……総武高校の1年生で麻雀部部員。鈴音に彼氏ができたんじゃないかと思いその男を殺して鈴音を監禁しようとまで考えてしまうが鈴音の幸せを第1に考えているので思いとどまった。


はい、またもや『男子高校生の日常』から持ってきました。ある程度オリジナルを入れてるつもりなんですがね……。


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RPGの巻①

何を書いてるのかわからない。暑さで頭がやられてしまったかもしれません……。

では今回もよろしくです。


目が覚めると辺りに広がっているのはファンタジーな一面でした……。

 

 

………………じゃないよ!どうなってるの!?まだ咲の世界でやり残したことが沢山あるのに、もう別の世界なの!?

 

現状を知るために周りを見渡す。するとこんな声が聞こえた。

 

「早く酒場に行こうぜ!」

 

「ああ、一刻も速く魔王を倒さないと!」

 

……えっ?何これドラクエ3?とりあえずあの人達についていってみよう。

 

 

 

~そして~

 

酒場に着いたのはいいんだけど……。まるでルイーダの酒場みたい。やっぱこれドラクエ3じゃないの?

 

???「見つけたわ」

 

中に入ろうか迷っていると声をかけられた。あれ?この声は……。

 

未来「どうやら貴女もここに来ていたみたいね」

 

鈴音「未来!よかった……」ギュッ

 

私は感極まって未来に抱き付いた。よかった……。このまま誰にも会えないかと思ったよ!

 

未来「美咲達も来ているわ。この酒場の中で待ってるように私が指示を出してるの。みんな鈴音を待っているわよ」ナデナデ

 

私の頭を撫でながら未来は言う。美咲達も来ているってどういうこと?

 

未来「何故私達がこの世界にいるかはわからないわ。あの御方にとってもこれはイレギュラーな事態みたいよ」

 

鈴音「イレギュラー……。ということはこの世界で魔王を倒さないと帰れないという感じなのかな?」

 

未来「恐らくね。ただ幸い私達は前いた世界の身体能力がそのまま反映されているから然程時間はかからないと思うわ」

 

鈴音「前いた世界……ってことはドラゴンボールの世界の強さはそのままこのファンタジーな世界で活かせるんだね?」

 

未来「ただし超サイヤ人みたいな変身は使えないわ。気功波とかならこの世界でいうところの職業によっては使えるかもしれないみたいだけれど確証は持てないわね……」

 

ふんふむ、つまり魔法使いとかならワンチャン気功波が打てるかもしれないし、僧侶なら最初からベホマ覚えてたり、ベホマズンとかも使えるかもしれないということだね。

 

というかやっぱりドラクエ3じゃないか。

 

未来「さて、そろそろ中に入るわよ。美咲達が待ってるわ」

 

鈴音「うん、そうだね」

 

私と未来はルイーダの酒場(仮)に入った。

 

 

~そして~

 

酒場に入ると数十人の人間がいてその中には美咲達もいた。

 

美咲「鈴音ちゃん!よかった……無事だったんだね!!」

 

鈴音「まぁね。美咲達も無事でなによりだよ」

 

杏子「また鈴音先輩に会えて嬉しいです!」ダキッ

 

鈴音「うん、私も杏子に会えて嬉しいよ」ヨシヨシ

 

勢いよく抱き付いてきた杏子を受け止めて頭を撫でる。先輩として可愛い後輩を慰める包容力がないとね!

 

何故か未来がジト目でこっちを見ているけど気にしない。

 

綾香「でもなんで私達はこの世界に飛ばされたんですかね……?」

 

美咲「う~ん……恐らくだけど、誰かが私達を呼んで何かを成し遂げてほしいんじゃないのかな?」

 

綾香の疑問に美咲が答える。さっき未来と話していたことを照らし合わせると美咲の考えた通り私達に『打倒魔王!!』的なことをしてほしいのではないのだろうか?

 

酒場のNPC(以下NPC)「ここにいるみなさんにはこの世界を滅ぼさんとする魔王を倒してもらうために職業に就いてもらいます!」

 

なんかその言い方だと私達が就職するみたいなんだけど。まさか中卒で就職することになろうとは……。前いた世界では40過ぎてもフリーターだったのに。

 

NPC「それでは5人ずつ並んでくださーい!」

 

未来「とりあえず並びましょ」

 

鈴音「そうだね」

 

私達は5人で固まり最後列に並んだ。

 

 

~そして~

 

NPC「就職おめでとうございます!それでは頑張って魔王を倒してきてください!!」

 

「よっしゃ頑張るぜ!」

 

「待ってろよ魔王!!」

 

私達の前の人達は戦士、武道家、魔法使い、盗賊、僧侶とバランスの取れたパーティーだった……んだけど。

 

未来「妙ね……」

 

鈴音「うん、これまで数十人もいたにも関わらず勇者が1人もいない」

 

杏子「あとは私達だけなんですよね……?」

 

美咲「ぽ、ポジティブに考えよ?もしかしたら私達の誰かが勇者になるかもしれないじゃん!」

 

綾香「そ、そうですよ!きっと私達の中に勇者がいますって!!」

 

だといいんだけどね……。

 

NPC「それでは次の方どうぞ!!」

 

やっと私達の番だね。

 

NPC「あら?随分と可愛いお嬢さん方ですね!ではこちらへどうぞ~!!」

 

NPCに連れられ私達は職業を決めるであろう一室に入った。

 

 

 

~そして~

 

NPC「それではみなさんの職業はランダムで決定しまーす!!」

 

杏子「えっ……!?」

 

綾香「ら、ランダムですか!?」

 

未来「成程……。何故これまで勇者が1人もいなかったのか合点がいったわ」

 

美咲「でもちょっと楽しみかも!」

 

鈴音「そうだね。一体どんな職業になるのやら……」

 

私と未来は前の世界ではトップクラスの力を身に付けているから、武道家とか盗賊でもかなりの戦力になるだろう。

 

NPC「それではみなさんの職業は……!」

 

 

 

~そして~

 

こうして私達はNPCによって無事に職業チェンジできたんだけど……。

 

杏子「この服……なんだかすごくヒラヒラしてますね。しかもろ、露出が多いです……///」

 

 

妹尾杏子 職業 踊り子

 

 

綾香「こ、この杖でなんとか魔法が使えたりしませんせんかね……?」

 

 

綾瀬綾香 職業 手品師

 

 

美咲「ば、バニーガール……///」

 

 

佐野美咲 職業 遊び人

 

 

未来「これはマイク……?歌って戦えということかしら?」

 

 

響未来 職業 歌手

 

 

となってるんだけど……。

 

鈴音「……?私の服装何も変化がないんですけど……」

 

NPC「貴女の職業はフリーターです♪」

 

鈴音「…………」

 

 

大宮鈴音 職業 フリーター

 

 

勇者がいないどころかまともな職業が1人もいないんだけど(しかも自分はフリーター)……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この世界はもうおしまいだ……。

 




今回はここまでです。

キャラ紹介

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。職業はフリーター。人類最強のフリーター。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。職業は歌手。歌って踊れるし、歌って戦える。

佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。職業は遊び人。バニーガールに恥ずかしがりながらも、慣れるとちょっぴりテンションUP。

綾瀬綾香……総武高校の1年生で麻雀部部員。職業は手品師。マジシャンだと気持ち強そう。

妹尾杏子……総武高校の1年生で麻雀部部員。職業は踊り子。鈴音のために磨き続けた魅力で敵を惑わす?鈴音へのアピールがより積極的になる。














ドラクエ3の影響で書いてしまった……。(多分)続かないよ?


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総武の巻④

今回もよろしくです。


綾香side

 

こんにちは、今回の語り部は綾瀬綾香ですよ。よろしくです!

 

この番外編の語り部は基本鈴音先輩だったり、未来先輩だったり、話によっては美咲先輩だったりですが、今回は私の視点で総武高校麻雀部の日常を御送りします!

 

……とは言ってももうすぐ県予選なんですけど。

 

杏子「綾香ちゃん……?ボーッとしてどうしたの?」

 

綾香「ごめんごめん。じゃあ部活へ行こう!」

 

私の大親友である妹尾杏子(最近は鈴音先輩に持っていかれているけど……)が心配そうにこちらを見ているので早く部活に行かないとね。よし、今日も頑張るぞ!

 

 

~そして~

 

……と思っていたんだけど。

 

綾香「雀卓が壊れた……?」

 

美咲「うん……電源は入るんだけど、牌を入れた途端急に動かなくなっちゃったんだ……」

 

このショボンとしている人が佐野美咲先輩。

 

美咲先輩はこの学校の生徒会長であり、去年の個人戦で全国2位の強さを誇っており、しかもお金持ち(これは最近知ったけど)!私の憧れです!

 

なんせ美咲先輩がきっかけで総武を受けると決めたと言っても過言じゃないからね!

 

まぁギリギリの合格だったけど……。

 

杏子「でも雀卓は1台しかないですよね……?」

 

綾香「じゃあ練習ができないってことですか!?」

 

未来「そうなるわね。でもおかしいわね……。これは最新式の雀卓なのよ?こんな早い段階で寿命とは思えないのだけれど……」

 

こちらの清楚な佇まいをしている人は響未来先輩。

 

この学校の生徒会副会長でクールで優しいんだけど、時たまSっ気が感じられるんだよね……。特に鈴音先輩に対しては。

 

それに男女問わずかなりの人気があってファンクラブがあるんだよね。まぁ美咲先輩やこの後に紹介する鈴音先輩にもファンクラブがあるけど、未来先輩の場合は何か別の物に見える気がする……。

 

未来「とりあえず鈴音を待ちましょう」

 

綾香「鈴音先輩ですか……?業者に頼んで治してもらった方がいいんじゃ……」

 

未来「この手のことは鈴音の得意分野よ。本人は趣味だといっていたけれど技術はプロに匹敵するものよ」

 

えっ?プロに匹敵!?

 

綾香「それってどういう……」

 

鈴音「あれ?練習しないでどうしたの?」

 

未来先輩が言っていた意味を聞こうとすると鈴音先輩が部室に来た。

 

大宮鈴音先輩。

 

この部活の部長でおっとりとして優しい性格でファンクラブの間では女神と呼ばれているとのことらしい。

 

しかも歴代初であろう生徒会で書記、会計、庶務の3つを兼任しているウルトラハイスペック?な人であと杏子が心酔してるっぽい。

 

でも一緒に部活をしてわかったけど、鈴音先輩はとても面白い人でしかも私と同じオタクの部類(当事は聞いててとても信じられなかった)なのです!

 

今でもたまにアニメ談義をすることがあるんだけど、鈴音先輩はとても聞き上手なんだよね。

 

ちなみに未来先輩と幼馴染みらしい。

 

美咲「あっ、鈴音ちゃん」

 

杏子「実は雀卓が壊れてしまって……」

 

綾香「これから業者の人を呼ぼうかと思ったんですけど……」

 

鈴音「業者?別に呼ばなくてもいいし修理代が勿体無いよ。自分で直せば無料だしね。どれどれ……」

 

業者を呼ぶのが勿体無いと言った鈴音先輩が雀卓を軽く分解して故障の原因を確認していた。そういえば未来先輩がプロ並の技術があるって言っていたけど……。

 

鈴音「……これは牌が詰まっただけだね。それでベルコンが少しおかしくなっているんだよ」

 

未来「治りそうかしら?」

 

鈴音「うん、調整込みで1時間もあれば治るよ」

 

えっ、すごっ!この人すごっ!!

 

鈴音「とりあえず雀卓は私が治しておくから今日のところは練習休みにしておこう。1時間あれば大丈夫だけど、念には念を入れて確認しておきたいからね」

 

未来「じゃあ今日のところは帰りましょうか。鈴音、任せたわよ」

 

鈴音「うん」

 

この翌日、故障した雀卓はなんの問題もなく作動していた。

 

また先輩のすごいところを知った私こと綾瀬綾香でした……。




今回はここまでです。

キャラ紹介

綾瀬綾香……総武高校の1年生で麻雀部部員。今回の語り部。今回は鈴音の新たな一面を見て開いた口が塞がらない状態になる。美咲を尊敬しているがファンクラブには入っていない。後に彼女のファンクラブができることになる。

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。今回は趣味の1つである機械弄りが役に立つ。ファンクラブが存在しており、会員からは女神と呼ばれている。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。ファンクラブが存在しており、会員からは女王と呼ばれている。実は鈴音のファンクラブの会長であり、もちろん鈴音はこのことを知らない。

佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。ファンクラブが存在しており、会員からは天使と呼ばれている。なお鈴音達にも天使と呼ばれている。

妹尾杏子……総武高校の1年生で麻雀部部員。実は鈴音のファンクラブに所属しており、もちろん鈴音はこのことを知らない。後に彼女のファンクラブができることになる。



紹介文がファンクラブのことばかりになってしまった……。ちなみにそれぞれファンクラブの存在は知っているという認識にごさいまする。

では次回でお会いしましょ~。


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過去の巻③

今回は杏子ちゃんが主役?の話ですよ。杏子が如何にして鈴音に好意を持つようになったのか……。

では今回もよろしくです。


杏子side

 

今回の語り部は妹尾杏子が御送りします。

 

読者のみなさんには鈴音先輩の魅力をたっぷりと紹介したいのですが、それをしてしまうと読者のみなさんが私のライバルになりかねないので断念します。

 

でも今日の私はテンションハイです!何故なら……。

 

鈴音「今日は3人共休みか……。伊吹先生も忙しいみたいだし」

 

杏子「綾香ちゃんは歯医者が行かないといけない言ってましたし……」

 

鈴音「未来は用事、美咲は家の仕事で休みだから今日は私と杏子の2人きりってわけだ」

 

そう!今日は鈴音先輩と2人きり、2人きりなのです!大事なことなので2回言いましたよ!

 

2人きりといえば……。

 

杏子「なんだかあの時のことを思い出しますね」

 

鈴音「あれか……」

 

杏子「……?どうしました?」

 

鈴音「あの時は杏子が危険に晒されたから余りいい気分じゃないんだよねぇ……」

 

鈴音(それにうっかり超サイヤ人になっちゃったしね)

 

杏子「確かに怖かったですが、それ以上に鈴音先輩が助けてくれて嬉しかったです」

 

鈴音「そう?ならいいんだけど……。改めてごめんね。もしも私がもう少し遅かったと思うと……」

 

杏子「そんな!鈴音先輩は悪くありませんよ!!」

 

読者のみなさんには私が鈴音先輩を本当に1人の女性として好きになった出来事をお話します。

 

あれは私と綾香ちゃんの歓迎会が終わって2週間が過ぎたある日のことでした……。

 

 

 

 

 

~回想~

 

杏子『あ、あの……鈴音先輩!』

 

鈴音『ん?どうしたの杏子』

 

杏子『ちょっと相談したいことが……』

 

鈴音『……それはここでは言えないこと?』

 

杏子『……はい』

 

鈴音『そっか、わかったよ』

 

杏子『ありがとうございます……』

 

あの時の鈴音先輩は私が相談事を持ちかけた時点ですぐにデリケートな問題だと察していました。こういうところも杏子的にポイント高いですよ!

 

鈴音『……それで相談って?』

 

杏子『……実は1週間前から視線を感じるんです』

 

鈴音『……もしかしてストーカー?』

 

杏子『わかりません……。私が意識しすぎなのかもしれませんので』

 

思えばあの時はなんでわからなかったんだろう?

 

いや、私が気のせいだと無理矢理思い込んでいたからだよね……。

 

鈴音『ご両親には相談したの?』

 

杏子『いえ……。親には心配かけたくないので……』

 

鈴音『成程……。警察も証拠がなければ動くこともないしね。わかった。とりあえず私の方で杏子の家の近所で色々と聞いてみるよ。昨日から女子高生が拐われてるってニュースになってるしね』

 

杏子『ありがとうございます……!』

 

鈴音先輩に頼んだことで私は安心してしまったんだ。だからあんなに早く事件が起きるとは微塵も思わなかったんだ……。

 

 

~そして~

 

杏子《また視線を感じる……。気のせい……だよね?》

 

気のせいと思いつつ怯えながら歩いていると後ろから誰かに捕まれて布を口に当てられる。

 

杏子『!?』

 

抵抗しようとしたけど、何か薬を仕込んであるみたいで私は眠気が来て目を閉じてしまった……。

 

 

~そして~

 

杏子『う……ん……』

 

目が覚めると何処かの廃工場だった。

 

杏子『!?んーっ!んーっ!』

 

私は口をガムテープで塞がれており、手はロープで吊るされていた。

 

しかもそれだけじゃなく私と同じ状況の女性が数人いた。みんな私と同い年くらいだろうか……。そう思っていると話し声が聞こえた。

 

男A『しかしどいつもいい女だよな!特に最後に拐って来た奴』

 

最後……私のことだ。

 

男B『昨日からずっと我慢してたが、今日この女達をヤれるんだよな』

 

男C『感謝しろよ?態々俺が見繕ってきたんだから。それに最後の奴は1週間前から目をつけてたんだぞ』

 

3人の男達を始めとしてかなりの数の集団だった。まさかこれって……。それに最後の男の台詞……私を拐ったのは、そして1週間感じた視線の正体はあの人だったんだ……。

 

鈴音『昨日から女子高生が拐われてるってニュースになってるしね』

 

杏子《鈴音先輩が言ってた……。じゃあこの人達が女子高生を拐っていた人達……!》

 

男A『じゃあ早速始めようぜ!』

 

男B『ああ、外に見張りも配置したしな!』

 

男C『よーし!』

 

男達はぞろぞろと私達に近付いて身体を触ろうとしていた。

 

杏子《そんな……。誰か助けて……!鈴音先輩!》

 

 

 

ガシャーン!!

 

男A『なんだ!?』

 

鈴音『どーもー、通りすがりのJKでーす』

 

大きな音がして入ってきたのは鈴音先輩だった。この時はどうしてここに!?と思ったよ。

 

男C『どうやって入ってきた!?入口には10人の見張りがいたはずだぞ!!』

 

鈴音『それなら外で伸びてるよ』

 

鈴音先輩って強いんだなってこの時知ったんだよね。

 

鈴音『……それで君達は何をしようとしていたのかな?』

 

男B『はっ、何をしようと俺達の勝手だろ?』

 

鈴音『いやいや、状況から察するに君達はニュースになってる人拐いだよね?だったら立派な犯罪じゃん』

 

男A『うるせぇ!てめぇもこいつらと同じようにヤり捨ててやるよ!!』

 

男の1人が鈴音先輩に向かってくる。

 

鈴音『はっ!』バキッ

 

男A『がっ!』

 

それに対して鈴音先輩は男の顎を殴る。

 

鈴音『首謀者は今伸びてる1人を含めて君達3人だね?』

 

男B『そ、それがどうした!?』

 

鈴音『そっかそっか。……決めたよ。君と君は生きるのを後悔するレベルで痛め付けてあげる』ゴッ

 

そう言った鈴音先輩は一瞬笑顔になったかと思えば急に冷徹な表情になり、そこからは怒気を感じられる。あの優しい鈴音先輩が彼処まで怒っているなんて……。

 

鈴音『今日の私は……怒るよ?』

 

男C『こっちは50人いるんだ!おい、やれ!!』

 

それからの鈴音先輩はまるでごくせんに出てくる女教師みたいに……いや、それ以上だろうか?相手の反撃を一切許すことなく全て一撃で相手を気絶させていた。

 

そして2人の男が残った……。

 

男C『ば、馬鹿な……50人いたんだぞ!?』

 

鈴音『さて、あとは君達だけだね?どっちが私の可愛い後輩を拐ったのかは知らないけど……覚悟してね』

 

男B『ひっ……!うわぁーっ!』

 

男の1人が逃げようとしているけど、今の鈴音先輩からは逃げられるはずもなく……。

 

鈴音『逃げられると思ってるの?そう思っているなら本当に甘いなぁ』

 

背後に回った鈴音先輩が関節を決めて男の1人が叫び声をあげながら気絶した。残った男は震えながら失禁しており、涙目。

 

男C『あ……ああ……』ガクガク

 

鈴音『何漏らしてるの?汚いなぁ……。もしかしてそうすれば見逃してもらえると思ってる?そんなわけないじゃん』

 

薬の効果がまだ残っているのかまた瞼が重くなってきて、薄れていく意識の中に見える鈴音先輩は心なしか髪が金色に見えた……。

 

 

~そして~

 

杏子『う……』

 

鈴音『杏子?よかった……。気が付いたんだ』

 

目が覚めると私は鈴音先輩の背中に乗っていた。所謂おんぶの状態。

 

杏子『先……輩……?』

 

鈴音『ごめんね。私が杏子の傍にいればこんなことにはならなかったのに……』

 

杏子『そんなことないですよ……。それにニュースになっている人拐いを退治することができたんですから……』

 

鈴音『あの人達は警察に突き出したよ。よくもまぁあんな集団で強姦なんてしようとするよね。もしも私がもう少し遅かったと思うとぞっとするよ……。杏子が酷い目に遭ってたらと……』

 

俯いた表情になる鈴音先輩。先輩は何も悪くないのにどうしてそんなに罪悪感出してるんですか?

 

鈴音《怒りのあまりに超サイヤ人になっちゃったけど、杏子に見られてないよね?あの連中には記憶消去を未来に頼んだからいいとして……。それに今後もこういったことがないとは言い切れないし、そういったことが原因で超サイヤ人の力が暴走することはないと思うけど、今のままでも誰かを守れるようになりたい。だから……》

 

俯いたまま何かを決意した表情になって鈴音先輩は顔を上げて……。

 

鈴音『だから杏子は私が守るからね』

 

杏子『!!』

 

その一言で私の心は撃ち抜かれた。例えるならそれはキューピッドが私の心に矢を放ち、私の心に刺さった感じ。

 

杏子『はい、よろしくお願いします。……私の王子様』

 

鈴音『うん?なんか言った?』

 

杏子『いえ、なんでもありません』

 

この日から私は鈴音先輩を同姓でありながらも恋愛対象として見ることになりました……。

 

 

 

 

 

~現在~

 

思うとあの日があったから私は鈴音先輩を好きになることができたから感謝……っていうのも不謹慎かな?

 

杏子「鈴音先輩、今日は先輩の個人レッスンを受けたいです!!」

 

鈴音「おっ、やる気だね?」

 

杏子「はい!私も綾香ちゃんや先輩達に追い付きたいです!!」

 

鈴音「その意気やよし!じゃあ始めようか」

 

杏子「はい!お願いします!!」

 

ともあれ今はこの時間を楽しもう。何時か来るであろう先輩達のお別れの時まで……。

 

 

それにしてもあの時鈴音先輩の髪が金色に見えたのはなんだったんだろう……?

 




今回はここまでです。

キャラ紹介

妹尾杏子……総武高校の1年生で麻雀部部員。今回の語り部で鈴音を恋愛的な意味で好きになるきっかけを語る。この過去話によって更に男性に対して警戒心がはね上がる。

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。杏子が拐われ強姦されそうになった場面を見て穏やかな心を持ちながら激しい怒りによって目覚める戦士になってしまう。だがそれでも手加減はしており、殺生には至っていない。







そろそろ本編書きたい……。ええい!18巻の発売はまだなのか!!

というわけで18巻の発売まではこうして番外編でお茶濁し。本編を楽しみにしてくださっている皆様には申し訳なく思います。

……18巻で決勝の描写あるよね?



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ポケモンの巻①

何を書いてるんだ私は……。暑さで頭が可笑しくなったのかもしれないことによって生まれたお話その2になります。

では今回もよろしくです。


綾香side

 

総武高校1年生で麻雀部部員の綾瀬綾香です!なんとこの小説の番外編にて私sideのお話が作られることになりました!

 

このお話は作者が血迷って書いてしまったものなので『そんなの見たくないから早く本編を書けよ!』という方々はブラウザバックを推奨します!

 

では早速この番外編がどういうものかというと……。

 

綾香「おい、デュエル(ポケモンバトル)しろよ」

 

鈴音「唐突だね……。しかも口調がデュエリストになってる」

 

未来「何が綾香をそうさせたのかしら……?」

 

美咲「綾香ちゃん大丈夫?」

 

杏子「病院に行った方がいいんじゃ……?」

 

ということなのです!杏子と美咲先輩がなんか冷たいというか酷い気がしますが、話が進まないのでスルーの方向でいきます。

 

どうして私がキャラ崩壊を起こしてしまったのかは今日の朝に遡ります……。

 

 

~回想~

 

綾香『あれ……?なんだろこれは……眼鏡?』

 

朝起きると机の上に眼鏡が置かれていた。

 

綾香『杏子の忘れ物……?でも杏子は最近コンタクトだし……。そもそも昨日はこんなのなかったよね?』

 

気になって調べてみると眼鏡が置いてあった所に紙があった。私は気になって読んでみた。何々……?

 

綾香『この眼鏡はポケモンユーザーの対戦レートの数値を見るものです。ユーザーのレートの数値が1500を越えるとそのユーザーの頭上に数値が浮かびます。なお眼鏡をかけている本人のレートを見るときは鏡の前に立つと見ることができます』

 

成程……。確かに最近私ポケモンに嵌まってるけど、いきなりこんなの見せられてもねぇ……。それに最近はレンタルバトルの方をやってるから長らくレート対戦に潜れてないんだよね……。

 

とりあえず本物か確かめるために鏡がある洗面所へと向かった。

 

綾香『私のレートは……っと。1615……。まぁ最近やってないしこんなものかな?とりあえず学校に行く前に1回だけ潜ってみよう』

 

それで本物だったら今日はこれをかけて新なポケモンユーザーを見つけよう!

 

……先輩達もポケモンやってるといいなぁ。

 

 

~そして~

 

綾香『すごい……。これ本物だ……!』

 

久々のレート対戦で辛勝だったけど、勝ってレートが上がったのを確認して私は再び眼鏡をかけて鏡へと向かった。

 

鏡越しの私のレートはちゃんとゲーム通りのレートになっていた。

 

本物だとわかった私は支度を済ませて早足で学校へと向かった。

 

……ちなみにお姉ちゃんのレートは1800でした。

 

 

 

~そして~

 

綾香『おっはよー杏子!』

 

杏子『綾香ちゃん、おはよう』

 

妹尾杏子。私の大親友で、同じ麻雀部部員。杏子には最近少し落ち着いたのでポケモンを勧めてやってもらっている。

 

あっ、今更ですがこの番外編の時系列は夏の大会が終わって2学期になっています!

 

団体戦で何処が優勝して、個人戦がどうなったのかはこの番外編では明かしません。ネタバレになるので。

 

杏子『今日も1日頑張ろうね』

 

綾香『もちろん!!』

 

あぁ~、今日も杏子は可愛いなぁ……。大会が終わった途端急にファンクラブができるのも納得だよ。会うたびに女子としての魅力が上がっているもんね。今も鼻歌歌ってるし。

 

※綾香は自分のファンクラブができているのに気付いていません。

 

ん?何か変な電波を受信したような……。まぁいいか。

 

それはさておきそんな杏子にはレート数値が浮かび上がるのかな?3値とかは一応教えたけど、教えただけなんだよね。どれどれ……?

 

杏子『♪』1745

 

……ふぁっ!?せ、1745!?いつの間にそんなレートを身に付けたのこの子は!?私ですら1620なのに!!

 

とりあえず眼鏡を外して杏子に最近ポケモンやってるか聞いておこう……。

 

綾香『ね、ねぇ杏子』

 

杏子『ん?どうしたの?』

 

綾香『さ、最近ポケモンやってるの?』

 

杏子『ポケモン?やってるよ。綾香ちゃんに3値について聞いてからちょっとネットで調べてね。……最初の方は勝てないからアドバイスをもらおうと思ったけど、綾香ちゃんは夏休みの宿題をやるのに忙しいと思って未来師匠や鈴音先輩に相談したんだ。それで……』

 

 

~そして~

 

杏子『……ということで今はレート……多分1700の真ん中辺りかな?くらいまではいってるよ。……綾香ちゃん?』

 

綾香『……うん、成程』

 

5分にも渡る杏子の演説で現状がわかった。

 

……確かに私は夏休みの宿題に追い込まれていたけどさぁ!なんで私と宿題を一緒にやって……じゃなくてなんで私に相談してくれないのさ!?勧めた本人なんだから相談してくれたらちゃんとアドバイスくらいするよ!!

 

綾香《でもまぁ鈴音先輩と未来先輩もポケモンをやっていることがわかった。しかもかなりの猛者と見た。あとは美咲先輩か……。流れからしてやってるんだろうけど》

 

とにかく続きは部室に向かってからにしよっと。

 

 

 

~そして~

 

部室に着いた私と杏子はいつも通り入室した。

 

綾香『おっはよーございます!!』

 

杏子『おはようございます……!』

 

鈴音『おはよう2人共。早いね』

 

杏子『鈴音先輩、おはようございます!』ダキッ

 

鈴音『おっと……。今日も杏子は元気だね』

 

杏子と鈴音先輩のやりとりも今となってはすっかり恒例になってるよね。

 

綾香《さて、鈴音先輩のレートは如何程なものか……。杏子があれだけあるんだから鈴音先輩の場合はそれよりもずっと上のはず……!》

 

私は2人に見つからないように例の眼鏡をかけて鈴音先輩の方を見た。

 

鈴音『まだ未来も美咲も来てないからそれまではゆっくりしてていいよ』1987

 

綾香《……っべー。マジで……っべーわこれ。まさかこれ程までとは……》

 

鈴音先輩の驚愕な数値を見て放心しかけている私にさらに追い討ちが来た。

 

美咲『やっほー!』1888

 

未来『もうみんな揃っているようね』2112

 

綾香『…………』

 

やっぱり美咲先輩もポケモンを持ってた。それがわかった私はそっと眼鏡を外して鞄にしまった。そして……。

 

綾香『ぐはっ!!』バタンッ

 

鈴音『綾香!?』

 

杏子『綾香ちゃん!?』

 

美咲『えっ?綾香ちゃんに何があったの?』

 

未来『……とりあえず綾香を安静にさせましょう』

 

私は目の前が真っ暗になったような感じがして意識をブラックアウトした。

 

 

 

 

~現在~

 

鈴音「起きていきなりの発言……。頭の打ち所が悪かったのかな?」

 

未来「……というか私と美咲がいない間に何があったのよ」

 

杏子「わかりません……。でも朝に綾香ちゃんがポケモンの話をしてたような……」

 

鈴音「多分十中八九それが原因なんだろうけど……」

 

未来「それだけだと綾香が可笑しくなった原因とは思えないわね」

 

美咲「でも綾香ちゃんとポケモンバトルをして綾香ちゃんが元に戻るんだったらやった方がいいんじゃないかな?」

 

鈴音「……だね」

 

綾香「目と目があったらポケモンバトル!それがポケモントレーナーの決まりですよ!!」

 

未来「これは最早何かに憑かれてると行った方がいいのかしら……?」

 

先輩達が何か言ってる(未来先輩に至っては頭を抱えてる)けど、今の私は1人のポケモントレーナー!みんながトレーナーならば挑まないわけにはいかない!!

 

鈴音「ねぇ綾香。今は私達ポケモンを持ってきてないから明日でもいいかな?」

 

美咲「明日は休日だし私の家でやろうよ!ポケモンバトルをするってことなら色々準備するよ!!」

 

綾香「!!……はい、それでお願いします」

 

鈴音「決まったみたいだね。じゃあ明日は美咲の家でポケモンバトルをするってことでいいかな?」

 

美咲「もちろん!!」

 

未来「私も構わないわよ」

 

杏子「私も大丈夫です……」

 

綾香「わかりました!!」

 

こうして私達は明日美咲先輩の家でポケモンバトルをすることに決まった。

 

色々な困難が私を待っているだろうけど、これは綾瀬綾香のポケモンマスターになるための試練なのだから!

 

 

 

 

……ところで美咲先輩の準備ってなんだろう?




今回はここまでです。

キャラ紹介

綾瀬綾香……総武高校の1年生で麻雀部部員。この番外編の主人公(笑)。1つの眼鏡がきっかけで様々なポケモンバトルをする(その結果様々な黒歴史を作る)ことになる。育成したポケモンは無難にメジャーなポケモン。最近はレンタルバトルに嵌まっている。

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。育成したポケモンは火力重視のポケモンが6割で、残りの4割はメジャーなのもいれば変態構築のポケモンもいる。なんちゃって役割論者。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。育成したポケモンはメジャーなポケモンが中心だけど、あらゆるポケモンに環境によって自分にとっての最善の育成や持ち物、技構築している。所謂超ガチ勢。

佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。育成したポケモンは7割が相手の意表をついた技構成や持ち物のポケモンで、2割が可愛いポケモン。残りの1割は変化型のポケモンを育成している。最近は可愛いポケモンで勝率を上げている。

妹尾杏子……総武高校の1年生で麻雀部部員。育成したポケモンは始めたばかりなので基本はメジャーなポケモン。最近は受けループに使うポケモンを育成中。







綾香が言っているように作者は血迷っているようです。現在進行形で血迷っているのでもしかしたら続くかもしれません。


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ポケモンの巻②

続いてしまった……。麻雀要素が皆無なので苦手な方はブラウザバック推奨なのだ。

では今回もよろしくです。


綾香side

 

さてさて、今日は絶好のポケモン日和!私は美咲先輩の家の前に立っています!……相変わらずの豪邸でちょっと萎縮しています。

 

インターホンを鳴らしていざ、出陣!と思った矢先にドアが開く。

 

美咲「あっ、綾香ちゃん!待ってたよ!」

 

綾香「美咲先輩、おはようございます!」

 

美咲「もうみんな来てるよ。さあ、入って入って!」

 

どうやらもうみんな揃っているようだ。さて、今日も眼鏡を持ってきてるし、早速かけて敵の戦闘力を計ってみますか……。

 

美咲「みんな、綾香ちゃん来たよ!」1906

 

昨日の今日でレートが上がっていました……。くっ!私なんてまだ1700にも届いてないというのに!!

 

そう思いながら私は眼鏡越しにみんなと交流する。

 

鈴音「おはよう綾香」2018

 

杏子「綾香ちゃん、今日は楽しもうね!」1768

 

未来「綾香に何があったかは知らないけれど、今日は楽しみましょう」2150

 

みんな1日で結構レートが上がってるなぁ……。特に未来先輩と鈴音先輩なんて上げるの大変だと思うんだけど。そう思っていると鈴音先輩が話しかけてきた。

 

鈴音「そういえば昨日もその眼鏡をかけていたね。イメチェン的な感じ?」

 

綾香「あっ、はい。まぁ伊達眼鏡みたいな感じですね。一応家ではPC用の眼鏡をかけていますから……」

 

主にネットを徘徊するときとかに。まぁこの眼鏡もそういったものだと私は勝手に思ってる。

 

頭上に浮かぶ数字を見ては一喜一憂してしまうけど……。

 

鈴音「ふーん……。まぁいいや。じゃあ早速始めようか。美咲」

 

美咲「うん!じゃあみんなは私に着いてきて!」

 

鈴音先輩が美咲先輩に指示を仰ぐと美咲先輩がある場所へと誘導した。

 

 

~そして~

 

着いたのはこの豪邸の中の一室だろうか?その部屋の前へと私達は案内されていた。

 

綾香「ここは……?」

 

鈴音「なんでも美咲が今日のために準備したんだって」

 

美咲「可愛い後輩のためだからね!ちょっと張り切ったよ!!」

 

未来「それで……具体的にはどういった部屋なのかしら?準備は鈴音と美咲に任せっきりだったから綾香はもちろん、私や杏子も詳しくは知らないのよね」

 

どうやら未来先輩もこの部屋のことは詳しく知らないみたいだ。

 

美咲「じゃあ説明するね!みんな入って!」

 

部屋に入ってみると中は映画館のような感じだった。スクリーンの下には硝子張りの舞台みたいな感じの物があって、椅子が2つ対立する形で置かれていて大きなテーブルとDSを固定する台みたいなのがある。

 

等と思っていたら美咲先輩が硝子張りの舞台に立っていた。いつの間にか鈴音先輩もいなくなってるし……。

 

美咲「まずはこのスクリーンの説明からだね!このスクリーンはこれから行うポケモンバトルが写されるよ。そのためにはこの機械にDSを設置します……」カチャカチャ

 

美咲先輩が説明しながらDSを機械に設置して画面を着ける。するとよく見慣れたポケモン(もちろんウルトラサンムーン)のオープニング映像だった。

 

美咲「これでスクリーンにはすっかり見慣れた画面が写ってるね?この機械にDSを固定することでゲームの映像が写し出されるようになります。そしてこの機械を造ってくれたのは鈴音ちゃんです!」

 

鈴音「どうも」

 

いないと思っていた鈴音先輩が美咲先輩の横に立つ。もうこの人それでお金が稼げるんじゃないかな……?

 

美咲「鈴音ちゃんにはさらに別の機械も造ってもらってます!」

 

美咲先輩がそう言うと鈴音先輩はタブレットみたいなものを取り出した。

 

鈴音「これはポケモンの通信対戦においてプレイヤーの視点を変えるためのものだよ。例えば私と美咲が対戦してるとして、美咲側の視点と私側の視点をボタン操作で交代で見ることができるんだ」

 

美咲「今日はこれでみんなの対戦を見るよ!!」

 

鈴音先輩は簡単そうに言っているけど、実際これはとんでもないことだよね?テレビで一躍有名人になれるレベルのものだよね?

 

綾香「鈴音先輩はこれを一晩でやってのけたんですか?」

 

未来「どうやらそのようね。まぁ美咲が物を提供してそれを鈴音が造るという2人にとっては簡単な作業のような感じでしょうね」

 

いやいや、これを一晩でやってのけるとか最早人じゃないですよね?人の形をしたナニカですよね?

 

美咲「それではいよいよポケモンバトルの開始となります。みなさん、死力を尽くして頑張りましょう!!」

 

美咲先輩の説明(最早プレゼンと言っても過言ではない)が終わり、私達は例のタブレットを配られた。

 

さあ、私のポケモンバトルを始めるよ!




今回はここまでです。

キャラ紹介

綾瀬綾香……総武高校の1年生で麻雀部部員。この番外編の主人公(笑)。昨晩もレートに潜って戦った結果2勝2敗で微妙な感じ。

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。綾香のために一晩で今回の企画に必要なありとあらゆる機械を造る。彼女は最早転生関係なしに化物。昨晩でレート2000の大台に乗る。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。昨晩もレートに潜って勝ち続ける。ここ数十試合負けなし。彼女も別の意味で転生関係なしに化物。

佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。綾香のために鈴音と一緒に今回の企画を立ち上げる。鈴音が造る機械に必要な部品は彼女が大急ぎで買い集める。金持ちはなんでもあり。昨晩は最近トレンドの可愛いポケモンでレートに潜り、5勝1敗と好成績。

妹尾杏子……総武高校の1年生で麻雀部部員。昨晩のレート戦は勝ったり負けたり。ちょっと深読みしがちで負けの大半はそれのせい。







暑くて暑くて頭が煮えたぎりそうです……。みなさんはどう夏をお過ごしでしょうか?

作者はバイトして、ポケモンして、アニメを見て、カードゲームの日々です。

……関係ない話をすみません。ポケモンの巻③に続きます。まぁ次回がこの話になるかは定かではありませんが。


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ポケモンの巻③

まさかの3話目というね……。しかもこの作品の中で1番文字数多いというこの……なんというか……ね?

では今回もよろしくです。


綾香side

 

美咲「まずはみんなに配ったタブレットの使い方を覚えてもらうために私と鈴音ちゃんが対戦します。よろしくね鈴音ちゃん!」

 

鈴音「こちらこそ」

 

私が中心としてくれるポケモンバトルの前にもらったタブレット等の説明も兼ねて鈴音先輩と美咲先輩がポケモンバトルをするみたい。所謂チュートリアルというやつだね。

 

美咲「ポケモン選出画面になりましたが、タブレットを操作してもらうと私のポケモンの様子や鈴音ちゃんのポケモンの様子を確認できます」

 

鈴音「これはポケモンの持ち物や技構成を確認できるようになるわけだよ。ネタバレが嫌だと言う人は見ないことを推奨するよ」

 

ふむ、本来なら見ないつもりだったけどタブレットの使い方を覚えるためにもここは見ておこうかな?

 

それに2人共私の対戦で同じポケモンを使うとは限らないからね。

 

美咲「では選出ターイム!!」

 

鈴音「ギャラリーがいるとなんか緊張するね……」

 

美咲先輩の掛け声によって2人のポケモンが6体ずつタブレットに公開される。

 

まずは美咲先輩のポケモンから見ていこう。どれどれ……。

 

 

ロコン(K) フシギダネ

 

フシギソウ コラッタ

 

ピカチュウ コイル

 

 

……えっ?なにこれ?

 

杏子「美咲先輩のパーティ進化前のポケモンばかりですね……」

 

未来「あのパーティは美咲が最近よく使っている可愛いポケモン(美咲談)だそうよ」

 

綾香「こ、これでレート戦に潜ってるってことですか!?」

 

未来「本気のパーティではないとはいえかなり実績を上げているらしいわ。昨日もあれに近いパーティで5勝1敗だと言っていたわよ」

 

なにそれ怖い。あのポケモン達にどんな秘密が!?と思い美咲先輩が使用するポケモンの持ち物を見てみる。

 

ロコンがスカーフ、フシギダネが珠、フシギソウが輝石、コラッタが襷、ピカチュウが電気玉、コイルが眼鏡だった。

 

それに対して鈴音先輩のパーティは……。

 

 

カプ・ブルル ドラミドロ

 

ゲンガー ハピナス

 

ゾロアーク ギャラドス

 

 

 

ゾロアークが珍しいくらいで特に変わったところのない所謂厨パというやつかな?

 

持ち物はブルルが鉢巻(当然拘り)、ドラミドロが眼鏡、ゲンガーとギャラドスがメガ石、ゾロアークが襷、ハピナスが残飯だった。

 

綾香「これは美咲先輩厳しくないですか?特にハピナスとゲンガーが……」

 

これだと下手したらゲンガーでに3タテされても可笑しくないよね?私だったらそうなる自信があるよ!

 

未来「美咲側はハピナスの対策としてコラッタを出したいところでしょうね。鈴音がそれを読んでゲンガーを出すといったところかしら」

 

杏子「あとはギャラドスに対してコイルが出てきそうですね……」

 

美咲(う~ん……ハピナスが結構キツいなぁ。リオルを連れてきたらよかったよ……。あとは全体的にギャラドスの通りがいいし、それにゲンガーも……。あれ?もしかしてこのパーティってゲンガーで詰んでる?)

 

鈴音(ふむ、美咲のパーティは進化前のポケモン中心でしかも左上側の3体は所謂晴れパとして使われる感じか……)

 

美咲(ハピナス対策にコラッタと、ギャラドスはコイルに任せて……いや、それだとゲンガーが厳しい……。ここは……!)

 

鈴音(コイル以外に有利に戦えるギャラドスを出すべきかな?あとは向こうに妖精がいないしドラミドロも出せそうだね。コラッタが出てくる可能性があるしゲンガーも出したいところだけど……。まぁ良くも悪くも美咲次第かな?)

 

杏子「随分悩んでるね……」

 

綾香「鈴音先輩はすぐに決められると思ったんだけどなぁ……」

 

未来「一見鈴音が有利に見えるけれど、美咲のパーティもあれでそこそこ実績を上げているし何があるかわからないと思っているといったところでしょうね」

 

すごいなぁ……。私が鈴音先輩の方だったら即座に決めてしまうかも。

 

杏子「あっ、対戦が始まります!」

 

おっと。とりあえず美咲先輩の動きが気になるし、タブレットを美咲先輩の方が見えるように操作してっと……。

 

『スズネはゲンガーを繰り出した。』

 

『いけっ!コイル!!』

 

鈴音先輩はゲンガーで美咲先輩はコイル……。ゲンガーがどんな型か気になるところだね。

 

杏子「これがレアコイルやジバコイルならタイプ的に美咲先輩が有利と言えると思いますが……」

 

未来「この1ターン目でお互いがどうするかによってはその時点で勝敗が決まるかもしれないわね」

 

綾香「ど、どういうことですか……?」

 

未来「美咲のコイルがあのゲンガーに対して打点があるかわからないし、ゲンガーがもしかしたらゾロアークに似せるために気合玉を覚えている可能性もあるわ。さらに言えばあのゲンガーがゾロアークに化けている可能性もあるから少なくとも美咲はかなり慎重に動かなければいけないはずよ」

 

確かに……。恐らくコイルの特性は頑丈だろうからどんな攻撃も1発は耐えるけど、あのゲンガーが鬼火や毒々を持っている(まぁコイルには毒々が効かないし、ゲンガーが毒々を持っているなんて多分ないだろうから恐らく鬼火だろう)可能性を考えると美咲先輩側はコイルの頑丈を温存しておきたいからコイルを下げるかもってことかな?

 

鈴音(ここは安定でこれだね)

 

美咲(一応このコイルはゲンガーに対して打点はなくないけど、あのゲンガーがもしもゾロアークだったら負けはほぼ決まるし、鬼火を撒かれるとやっぱり負けがほぼ決まってしまうからここは……!)

 

『戻れ!コイル!!』

 

美咲先輩がコイルを下げた。だとすると出てくるのは……。

 

『いけっ!ロコン!!』

 

『ひざしが強くなった』

 

『相手のゲンガーのおにび!』

 

『ロコンに効果はないようだ……』

 

おおっ、美咲先輩の読み勝ちだ!

 

美咲(よしっ!なんとか無償でロコンを着地させられたよ!)

 

鈴音(う~ん、読まれたか……。日照り発動しちゃってるけど、これオバヒや大文字で落ちないよね?このゲンガーは一応Dにも振ってるし大丈夫だよね?)

 

杏子「上手くロコンで鬼火をかわしましたね」

 

未来「あそこで鬼火を許すと美咲にとっては厳しかったたけれど、これならまだわからないわね」

 

綾香「これ本当にチュートリアルですよね?ものすごくガチなんですけど……」

 

チュートリアルなのにすごくガチ対戦で興奮してる少女がいた。……っていうか私だった。

 

鈴音(ここでゲンガー落ちると困るし、ここは交代かな……?)

 

美咲(交代を読んで行動したいけど、このロコンは鈴音ちゃんの控えに対して一貫性のある技がないし……。もう1回コイルを出し直そうかな?)

 

『スズネはゲンガーを引っ込めた』

 

『スズネはドラミドロを繰り出した』

 

『戻れ!ロコン!!』

 

『いけっ!コイル!!』

 

美咲先輩のこれは交代読みの交代なのかな?

 

未来「鈴音側はゲンガーがメガ枠だからギャラドスの選出はほぼない……。だからオバヒか大文字でゲンガーが落ちないようドラミドロに交代したといったところね」

 

杏子「ゾロアークがいるならこのゲンガーに化けているでしょうし、確実にゾロアークで受けにいくと思いますから鈴音先輩がゾロアークを選出していることも多分ありませんね」

 

綾香「だとすると鈴音先輩の3体目はブルルということですか?」

 

未来「それでほぼ確定でしょうね。まぁその裏をかくという可能性も捨てきれないけれど」

 

確かに未来先輩の言う通りあえてメガ枠の2匹を出して片方を進化させないという選択肢もあるから……と言ってもロコンのオバヒをギャラドスで受けに来るはずだからやっぱりギャラドスは選出してないよね?

 

鈴音(このままドラミドロで突っ張ってもいいけど、ドラミドロの技はどれも外れる可能性があるものばかり……。それにあのコイルの特性は恐らく頑丈だから1度外してしまうと完全に向こうのペースになってしまう)

 

美咲(コイルの特性は頑丈だからどんな攻撃も1発は耐える……。ここはゲンガーにも通るあの技を……!)

 

鈴音(ここでの私の選択は……!)

 

『相手のドラミドロのりゅうせいぐん!』

 

『効果はいまひとつのようだ……』

 

『相手のドラミドロの特功ががくっとさがった』

 

『コイルは攻撃をこらえた!』

 

『コイルのめざめるパワー!』

 

『効果は抜群だ!』

 

『急所に当たった!』

 

『相手のドラミドロはたおれた!』

 

鈴音(急所……だと……!?流石に想定外かな。まさかドラミドロが落ちるとは……)

 

美咲(これは有効急所だね!助かったよ……)

 

うわー……すごい火力だなあのコイル。眼鏡装備で急所とはいえドラミドロを1発で落とすなんて……。

 

『スズネはカプ・ブルルを繰り出した』

 

『足元に草がおいしげった』

 

ここでブルル!?まぁコイルよりかは速いと思うけど……。

 

未来「ここで鈴音は3体目を見せてきたわね。これが美咲にとってどう響くか……」

 

杏子「美咲先輩の3体目が気になるところですね」

 

美咲(流石にコイルじゃこれ以上は受けきれないかな。とりあえずめざパ打っとこ)

 

鈴音(ここでコイルを下げるメリットはないから切ってくるはず……。ブルルの火力だったら何が出てきてもウッドホーンでもいけるよね』

 

『相手のカプ・ブルルのウッドホーン!』

 

『効果はいまひとつのようだ……』

 

『コイルはたおれた!』

 

美咲(まだ晴れが2ターン残っているからブルルはロコンで押しきるよ!)

 

『いけっ!ロコン!!』

 

美咲先輩は再びロコンか……。

 

未来「ここが第2のターニングポイントね」

 

綾香「今度は鈴音先輩にとっての重要な選択肢ですね」

 

杏子「でも鈴音先輩に選択肢はないような……」

 

鈴音(ここでブルルを失うとキツいなぁ……。というか負け確?かといってゲンガーを捨てるわけにはいかないから突っ張るしかないんだけどね)

 

美咲(晴れでのオーバーヒートだよ!これならゲンガーに下げられても大丈夫だしね!眼鏡じゃないから最大火力じゃないけど、乱数で落ちるはず……!)

 

『ロコンのオーバーヒート!』

 

鈴音(先手を取られたってことはやっぱりスカーフだよね……)

 

『効果は抜群だ!』

 

『急所に当たった!』

 

『相手のカプ・ブルルはたおれた!』

 

鈴音(しかもまた急所だし……。美咲の3体目がわからない以上敗色濃厚かな?)

 

美咲(今回はよく急所に当たるなぁ……。でもそのおかげで勝てそうだよ!)

 

綾香「美咲先輩すごいですね……。また急所ですよ」

 

未来「しかも両方有効急所なだけに太刀が悪いわね……」

 

その後鈴音先輩はゲンガーでロコンを倒したものの、フシギダネの葉緑素による素早さ上昇に加えて晴れ下によって2段階パワーが上がる成長で上手くゲンガーを倒した。

 

鈴音「あそこで鬼火を外してなければなぁ……」

 

未来「残念だったわね」

 

美咲「今回は運がよかったよ!」

 

杏子「まさかフシギダネのめざパがエスパータイプだったとは思いませんでした……」

 

綾香「普通に氷タイプだと思いましたよ……」

 

あのフシギダネが最後に放っためざパはなんとエスパータイプだった。これにはみんなが驚いたよ……。

 

美咲「このフシギダネが覚えてる技が草タイプと毒タイプだったからこれだと毒タイプ……というよりはゲンガーに厳しいかなって思ってね。厳選する時にめざパをガルド対策にもなるゴーストタイプにするか、鋼タイプや炎タイプにも刺さる地面タイプにするか晴れを活かせる炎タイプにするかで迷ったんだけど……」

 

鈴音「エスパーにしたことで今回はそれがうまく嵌まったわけだね」

 

美咲「うん!今回だとドラミドロにも刺さるしよかったよ!!……まぁ地面タイプでも刺さるんだけど」

 

今回の美咲先輩の対戦を見てわかったことはマイナーな進化前でも決して油断してはいけないということだね。

 

私との対戦で出てくるかは定かではないけど、負けないように頑張らなくては!!




今回はここまでです。

キャラ紹介

綾瀬綾香……総武高校の1年生で麻雀部部員。この番外編の主人公(笑)。今回のチュートリアルでどんなポケモンでも決して油断してはいけないという教訓を得る。好きなポケモンはリザードン。理由は格好いいから。

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。今回のチュートリアルで選出したのは高い火力のポケモン3体にゾロアークとゾロアークを誤魔化すことができるポケモンで固めた。好きなポケモンはイーブイ。理由はあらゆる可能性を秘めているから。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。この番外編における役割は主に解説役。好きなポケモンはニドクイン。理由は初めてポケモンをやった時からずっと使っていて愛着が湧いてるから。

佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。今回のチュートリアルで可愛いパーティの一部を紹介した。プレイヤースキルで特性スナイパー?好きなポケモンはケンタロス。理由は初めてポケモンをやったときにかなり強くてとても印象に残っているからだけど、可愛いという気持ちの方が強かったから。

妹尾杏子……総武高校の1年生で麻雀部部員。チュートリアルでの美咲の強さに戦慄する。好きなポケモンはピカチュウ。理由はピカチュウのメスが可愛くて気に入っている(なおニックネームはスズネとつけている)から。














暑くて死にそうじゃ~……。では次回でお会いしませう。



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過去の巻④

今回は綾香の過去編になります!では今回もよろしくです。


綾香side

 

綾瀬綾香です!今日は先輩達が生徒会の仕事があるために部活が休みなのですが、昨日部室に忘れ物をしてしまったのでそれを取りに足を運びます!

 

部室に向かう途中にふとあることが私の頭に過った。

 

綾香(そういえばあの日からあと2ヶ月程でもう1年経つことになるんだよね。時が進むのは早いや……)

 

私が総武高校に行こうと、一時期は麻雀を辞めそうになるくらいに無気力だった私が辞めることなく麻雀を続けようと決意したあの日から……!

 

 

~回想~

 

アナウンサー『インターミドル個人戦決勝決着!戦いを制したのは高遠原中学の原村和選手です!!海浜総合中学の綾瀬選手は惜しくも2位でした』

 

綾香(中)《負けた……。全力を出したのに、完敗……》

 

小学校の頃からずっと麻雀一筋で頑張ってきて、中学になって1年生から部内トップを取って、去年の全中でも団体戦は惜しくも全国を逃したけど、個人戦は優勝できた……。

 

今年も個人戦は優勝できると……そう思っていたのに私と対面した原村和さんを相手に完敗だった。

 

和(中)『ありがとうございました』ペコッ

 

綾香(中)『あ、ありがとうございました……』

 

それから家に帰るまでの間は何も頭に入らなかった。

 

 

 

~そして~

 

杏子(中)『あ、綾香ちゃん……』

 

綾香(中)『ごめん……。暫く1人にして』

 

折角杏子が私の落ち込みようを見て心配していたけど私はそれを無下にしてしまった。

 

それほど私は悔しくて哀しかった。

 

 

それから数日が過ぎても私は何をするにも無気力でお姉ちゃんにも心配され、気を遣われてしまっている。

 

気分が晴れない私はテレビをつけて何か面白い番組がないかを探していると1つのチャンネルに目がいった。

 

インタビュアー『インターハイ個人戦も無事に終了しました!』

 

綾香(中)《そういえばインターハイも今日が最終日だったっけ……》

 

すっかり忘れてた。自分のことでいっぱいいっぱいだったから……。

 

インタビュアー『私がインタビューしますのは個人戦で惜しくも2位で終わった総武高校の佐野美咲選手です!今の気持ちをどうぞ!!』

 

美咲『えっ?わ、私!?』

 

佐野美咲さん。千葉の個人戦では圧倒的な点差で全国への切符を手にした高火力の選手だ……。私もこの人みたいに高火力で上がれたらいいなと思ったこともあったっけ。

 

そんなすごい人でも2位止まりで1位の人は確か宮永照さん。去年のインハイ個人戦でも全国優勝してたね。

 

美咲『そうですね……。1位に届かなかったのはとても悔しく思います』

 

綾香(中)《佐野さんでも1位に届かないのに……。私なんて井の中の蛙だったんだね。自惚れてたよ。去年……いや、今年の全中まで優勝すると確信してたし、その自信あったけどそれは全て私の勘違いだった。同じ2位でも佐野さんと私じゃ月と鼈で大違い……》

 

美咲『ですが来年は優勝を目指して頑張ります!個人戦でも、団体戦でも!!』

 

綾香(中)《すごいなぁこの人……。私なら心が折れてるよ。……というか現在進行形で折れてるんだっけ》

 

高校でもこんな思いするのかな?ならいっそのこと麻雀なんて辞めようかな……?

 

インタビュアー『ありがとうございます!では最後に貴方の強さの秘訣はズバリなんでしょうか!?』

 

美咲『強さ……。私自身はまだまだです。ですが私がここまで来れたのは互いを成長させてくれるライバルに同じ部活の仲間……。そして麻雀を心から楽しむ気持ちです!!』

 

綾香(中)《麻雀を……心から楽しむ気持ち……?》

 

もしかして私に足りなかったのはそれなのかな?

 

綾香(中)《そうだ……。そうだよ!落ち込んでる暇はない!前を向いて進むんだ!そして……佐野さんが言っていたように私も麻雀を楽しむんだ!!》

 

そう思った私はテレビを切って炎天下にも関わらず外へと走っていった。

 

 

~そして~

 

杏子(中)『そ、総武高校に受験するの?』

 

綾香(中)『うん、でも今の私じゃ合格できない。だから勉強教えて!』

 

杏子(中)『う、うん……』

 

総武高校の偏差値は70以上……。本来なら近場で私でも合格できそうな海浜総合に受験する予定だったけど、私は佐野さんと同じ総武高校で麻雀をしたい!楽しみたい!!

 

だから……私は麻雀を辞めない!諦めない!

 

 

 

……杏子には心配かけちゃったし、後でキチンとお詫びしないとね。

 

 

 

 

~現在~

 

綾香(やっぱりあの時麻雀を辞めなくてよかった。おかげで今は最高に楽しい!今年は個人戦で全国に行くことができなかったけど、それでも楽しかった!今もあの時の美咲先輩が言ってた『麻雀を楽しむ気持ち』を忘れずに毎日頑張ってるからね!)

 

それに団体戦では全国に行けたしね!……まぁ私地区予選では1回も出番がなかったけど。

 

部室に入ると鈴音先輩と未来先輩が生徒会の仕事に励んでいた。

 

綾香「こんにちはー!」

 

鈴音「あれ?綾香?」

 

未来「今日は部活は休みよ?」

 

綾香「ちょっと忘れ物を……。それで部室に寄ったんです」

 

鈴音「そうなんだ」

 

綾香「すいません、ちょっと失礼します……」

 

そう言って私は忘れ物を探す。え~と、何処にあったっけ……。あった!これがないと困るもんね。

 

帰る前に美咲先輩にも挨拶しよっと。確か奥にもう1つ書き物をするスペースがあったような……。

 

~そして~

 

美咲「ふへ~……」

 

奥へ行くと美咲先輩がぐったりしていた。最近暑くなってるし、熱中症とかじゃないよね?

 

私に気付くと美咲先輩は起き上がり声をかけてくる。

 

美咲「あっ、綾香ちゃん!どうしたの?今日は部活休みだよ?」

 

綾香「それはわかってるんですけど、ちょっと忘れ物しちゃって取りに来たんです」

 

美咲「そうなんだ。忘れ物は見つかった?」

 

綾香「はい!」

 

美咲先輩はぐったりしていたけど、すぐに持ち直して仕事に取りかかった。邪魔にならないようにさっさと帰ろっと。でもその前に……。

 

綾香「美咲先輩、あの時はありがとうございました!」

 

美咲「あの時……?ってどの時?」

 

綾香「気にしないでください!私がそう思っているだけですので!!」

 

そう言って私は駆け足で帰っていった。

 

綾香「ちょっと綾香ちゃん!?あの時ってどの時!?気になるよ~!!」

 

後ろで美咲先輩が何か言っていたけど、それを気にすることなく私は走った。




今回はここまでです。

キャラ紹介

綾瀬綾香……総武高校の1年生で麻雀部部員。今回の語り部で自分の過去を振り返る。中学の頃は一時期麻雀を辞めようと思ったが、美咲のインタビューに影響されて麻雀を続けることになった。この気持ちが後に彼女がプロになった時に大きく成長させる。

妹尾杏子……総武高校の1年生で麻雀部部員。綾香と同じ中学で友人。綾香が総武高校に行くために一緒に勉強する。その影響で本来近場の海浜総合に行くつもりだったが、綾香と同じ総武高校に行くことになった。総武高校で運命の出会いをすることをまだ彼女は知らない。

佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。綾香が過去に無気力になった時にインタビューで綾香の手を差し伸べる。但し本人はその事を知らず、綾香にお礼を言われるがなんのことか分からず、気になってその日の夜は眠れない。

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。今回は生徒会の仕事のために出てきたチョイ役。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。今回は鈴音と共にチョイ役。

原村和……清澄高校の1年生で麻雀部部員。今回は綾香の過去で1位を取っただけ。そのために出てきたチョイ役。








当作品を読んでくださりありがとうございます。この作品ですが、そう遠くない内に阿知賀編を書くことにしました。まぁそのためにはもう少しだけ本編を進める必要がありますが……。

主役は憧と玄(というよりは2人に憑依転生したあのキャラ達ですが……)になります!

それで今考えてるのは当作品で書くか別個で書くかなんですがどうしようかな……?




それでは次回もよろしくです!


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総武の巻⑤

今回もよろしくです。


時は7月の某日。6月にあった県大会を無事に突破(私と綾香は出番がなかったけど)し、8月にある全国大会に向けて調整をしようとしたその時に問題は起こった。それは……。

 

鈴音「全国大会まであと1ヶ月を切りました。全国に向けて調整をしなければなりません」

 

綾香「…………」

 

鈴音「8月になれば全国で県大会を勝ち抜いてきた強豪の高校達と麻雀で戦います」

 

綾香「…………」

 

鈴音「自惚れるつもりはないけど、私達なら全国優勝だって現実にできる。私はそう思ってます」

 

綾香「…………」

 

鈴音「まぁ?唯一懸念があるとすれば当日に誰かが盛大に寝坊してしまって全国で不戦敗なんて無様な結果になってしまうことだけど、前日に美咲の家に伊吹先生も含めて泊まります。それによりもしも誰かが寝過ごしてしまっても私も未来も朝は強い方だし、美咲も毎朝5時には目が覚めるらしいからその心配もありません」

 

綾香「…………」

 

鈴音「そういえば7月の頭に期末テストあったっけ?とは思ったけど、ここは進学校だし、普段からキチンと授業を聞いていれば赤点なんて普通は取ることはないからテストもなんの心配もない……。そう思っていた時期が私にもありました」

 

綾香「…………」ダラダラ

 

鈴音「これ等を踏まえて綾瀬さん、私が何を言いたいかわかりますね……?」ニッコリ

 

綾香「す、すみませんでした!」ドゲザッ!

 

鈴音「ん?綾瀬さんは『な・に・に』ついて謝ってるんですか?」

 

綾香「あ、赤点を取ってすみませんでした!!」ドゲザッ!

 

我が麻雀部の部員の綾香が期末テストで赤点を取ってしまったことである。

 

未来「しかしこれはまさかの事態ね……」

 

杏子「綾香ちゃんは本来海浜総合に進学する予定でしたから……。ここもかなりギリギリの合格みたいでしたし」

 

美咲「そ、それでどの教科が赤点だったの?」

 

綾香「え、えっと……。数学と理科です……」

 

おい、麻雀部。なんでよりによって数学で赤点取ってるの?

 

杏子「で、でも綾香ちゃんは国語の成績は学年3位なんですよ!他にも英語と歴史はかなり高得点ですし……」

 

未来「典型的な文系タイプね……」

 

鈴音「……それで綾香は麻雀ではあんなにデジタルに打ち回してるのになんで数学で赤点だったの?」

 

綾香「麻雀と数学は別物です!!」

 

胸を張って言うことじゃないよね?あれ?麻雀やってたら数学はある程度できると思っているのは私だけ?

 

杏子「ち、ちなみに先輩達はどうだったんですか?」

 

未来「問題ないわ」←学年1位

 

美咲「私も」←学年2位

 

鈴音「……まぁ未来や美咲程ではないけど、私も問題ないよ」

 

ちなみに私は毎回学年30位前後だ。総武高校は1学年300人くらいはいるから私も頭良い方だよね?2人がすごいだけで……。

 

鈴音「とにかく3日後の再テストで赤点を取らないように勉強すること!もしも赤点だったら綾香だけ千葉でお留守番だからね♪」

 

綾香「そ、それだけは絶対に嫌です!」

 

鈴音「ならしっかりと勉強することだね。まぁもしも綾香がお留守番になってしまったとしてもお土産として優勝と東京バナナを持って帰ってくるから」

 

綾香「そ、そんなことにならないように頑張ります!」

 

鈴音「まぁ私達も勉強を見てあげるから一緒に頑張ろう」

 

美咲「頑張ろうね綾香ちゃん!」

 

綾香「は、はい!」

 

未来「再テストの期間までに学年一桁の成績になれるようになるくらいに扱いてあげるわ」

 

綾香「え……?別にそこまでしなくても……」

 

杏子「綾香ちゃん、ファイトだよっ!」

 

綾香「それ美咲先輩の持ちネタ!いや、正確に言えば『ラブライブ!』の穂乃果ちゃんのネタだけど……」

 

うんうん、また麻雀部の結束力が高まったね。まぁ誰かが赤点を取るなんてことは2度とごめんだけど……。

 

3日後の再テストで綾香は無事に赤点を回避して寂しくお留守番ENDは免れた。




今回はここまでです。

キャラ紹介

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。今回の期末テストの順位は29位。全300位中の29位なので学力はかなりのもののはずだが、未来と美咲に比べると普通に感じてしまう。部長として赤点を取る子は許しません。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。今回の期末テストの順位は1位。入学以来1位と2位しか取っていない天才1号。

佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。今回の期末テストの順位は2位。こちらも入学以来1位と2位しか取っていない。テストの度に未来と勝負をしている天才2号。

綾瀬綾香……総武高校の1年生で麻雀部部員。今回の期末テストの順位は……お察し。とはいえ国語は学年3位で歴史と英語も学年上位なのでそこまでのお馬鹿さんではない……はず。頭の回転や理解は早い方のヤマ張りタイプ。

妹尾杏子……総武高校の1年生で麻雀部部員。今回の期末テストの順位は11位。未来と美咲に比べれば目立たない順位だが、綾香の苦手な数学と理科は学年トップ。天才3号の兆しあり。


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総武の巻⑥

今回もよろしくです。


ゴールデンウィークも今日で終わり、明日からまた学校である。

 

私はリビングでゴロゴロしながらゴールデンウィークを振り返る。

 

鈴音(風邪を引いて、長野で麻雀して、お土産をあげたりもらったり……)

 

休みが足りない……!いや、県大会まで1ヶ月もないし練習していかなきゃいけないからそんなことを言ってられないか。

 

鈴音(そういえばそろそろオーダーを決めておかないといけないね。綾香と杏子が入部して1ヶ月……。私達の実力に当てはまるポジションだけを見ると……)

 

 

先鋒 佐野美咲

 

次鋒 妹尾杏子

 

中堅 響未来

 

副将 大宮鈴音

 

大将 綾瀬綾香

 

 

鈴音(こうなる。だけど綾香の原村さんにリベンジをしたいという思いには応えたい。確か原作だと原村さんは副将だったはずだから……)

 

 

副将 大宮鈴音→綾瀬綾香

 

 

鈴音(とりあえず副将はこれでいい。次に決めるのはやっぱり先鋒だけど、原作によると宮永照と辻垣内智葉がいるから去年2人と戦った美咲をぶつけるべき?永水女子も神代小蒔が先鋒だったと思うし、先鋒といえばエースや高火力の選手を添えるポジションだから……いや待てよ?清澄高校は1年生の片岡さんに先鋒を任せてた。それは彼女が先鋒向きの打ち方や火力を持っているからなのかもしれないけど、1年生の内から強豪校のエースにぶつけることで大きな経験を積ませるためだとしたら……。だったらこれからの麻雀部のために……!)

 

 

先鋒 佐野美咲→妹尾杏子

 

 

鈴音(先鋒が1年生だから若干の不安要素は残る。だから次鋒ではもしものためのアフターケアで私達3年生が少しでも点数を取り戻すこと。私達の中でそういった役割がぴったりなのは……)

 

 

次鋒 妹尾杏子→響未来

 

 

鈴音(やっぱり未来が適任だよね。それで本来先鋒にぶつける予定だった美咲は千里山や姫松のことを考えて……)

 

 

中堅 響未来→佐野美咲

 

 

鈴音(中堅に置いて残った大将に……)

 

 

大将 綾瀬綾香→大宮鈴音

 

 

鈴音(……なんか考え方だけ見たら完全に消去法で決めたお飾り大将みたいになってるけど、私一応この作品の主人公だしいいよね?主人公は大将でどっしりと構えても問題ないよね?)

 

そう考えていると……。

 

未来「あら、リビングで何を悩んでいるのかしら?」

 

鈴音「未来……」

 

我が友人の未来がやってきた。家では眼鏡をかけているみたいだ。

 

読者の皆がお忘れかもしれないので改めて説明すると私と未来は一緒に暮らしています。

 

この世界に来たときに未来があの御方とやらに言われてこの家を用意してもらい、生活費諸々のお金もたんまりもらい、裕福な暮らしをしております。お金だけなら美咲のところよりあるんじゃないかな?知らんけど。

 

未来「この紙は……成程、大会のオーダーを決めていたのね」

 

鈴音「うん、そろそろ決めておいた方が良いと思ってね。未来はこれを見てどう思う?」

 

未来「いいんじゃないかしら?左側は私達の適性だけを見て考えたものだと思うけれど、右側はこれからのことを考えた素晴らしいものだと思うわ」

 

そう言われるとなんか照れるね……。

 

鈴音「綾香が原村さんにリベンジしたいという思いを応えたいっていう気持ちを組み込んでそこから他のポジションを当てはめたものなんだけど……」

 

未来「そうね、綾香に関してはそれでいいわ。次は先鋒だけれど、これは本来ならば私達3年生の誰か……特に去年宮永照や辻垣内智葉と戦った美咲が適任よ。けれど麻雀部の未来を考えて2年生が1人もいないウチとしては1年生にエース格と渡り合えるようになっておかなくてはならないから、綾香が副将にいる以上先鋒に杏子をぶつけるという提案は理にかなってる。杏子も火力はかなりのものだしね」

 

やっぱり未来も似たようなことを考えていたんだね。

 

未来「それで次鋒は先鋒を務めた杏子がもしも落ち込んでいたらそこをカバーするという役割ね」

 

鈴音「これに関しては未来が適任だと思ってるんだけど……」

 

未来「まぁ私の打ち方は先鋒や大将のそれとは違うものだから私もそう思っているもの。鈴音や美咲には向いていないわ」

 

しれっと毒舌吐くのは止めてちょーだい!まぁ私も同じこと思っていたから未来を次鋒にしたんだけど!

 

未来「中堅に関しても姫松は中堅にエースを置くのを伝統としているし、千里山は原作によると去年エースだったセーラを中堅に置いているみたいだから、そこにウチの稼ぎ頭になると思う美咲を入れるのも先鋒に杏子を置いた時点で決定でしょうね」

 

鈴音「うん、それで大将なんだけど……」

 

未来「何も問題はないわよ?それがどうかしたの?」

 

鈴音「……先鋒~副将を決めて最後に大将を決めていたから私が消去法で決めた捨て大将になってないか不安なんだよね」

 

未来「そんなことで悩んでいたのね……。私の意見を言わせてもらうと大将は鈴音しかありえないわ」

 

鈴音「未来……?」

 

未来「私だけじゃないわ。美咲も、杏子も、綾香も、伊吹先生もきっと同じことを思っているはずよ。『総武高校麻雀部の大将は大宮鈴音以外ありえない』と。だから自信を持ちなさい」

 

皆がそんなことを思っていたとは……。やばい、顔が熱い!にやけてしまう!とにかくこの感情を未来に悟られないようにしないと……!

 

鈴音「……ありがとう」

 

未来(それに鈴音はこの世界で誰よりも麻雀が強い。高校生の中ではもちろん、この世界の雀士の中の誰よりも……。もしも私達が不甲斐ない様を晒しても鈴音ならそれを余裕で覆す。だから安心して大将を任せられるもの)

 

鈴音「未来?何か言った?」

 

未来「……なんでもないわ。とにかくオーダーはそれでOKよ。明日発表するつもり?」

 

鈴音「そのつもりだよ」

 

未来「そう、その紙は見なかったことにしておくわ。オーダー発表を楽しみにしてるわね」

 

そう言って未来は自室へと戻った。……私も部屋に戻ってよっと。




今回はここまでです。

キャラ紹介

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。オーダーを決める際に皆のことを考えている内に自分に自信がなくなっていたが、未来によって自信を取り戻す。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。今回は鈴音を励ます流石親友ポジだという役割。翌日のオーダー発表も見なかったことにするという気遣いも見せる。家では眼鏡。

では次回もよろしくお願いします。


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総武の巻⑦

今回もよろしくです。


綾香side

 

綾瀬綾香です……。何時もの元気はどうしたのかって?私は暑いのが苦手なので夏は元気が無くなるんですよ。

 

今回はそんな夏の暑い暑いお話です。

 

それは7月某日のある日の出来事でした……。

 

綾香「暑い……。死ぬ……」

 

綾香(でも学校行かなきゃだしなぁ……。本来ならテスト休みで部活だけのはずなのに……)

 

私こと綾瀬綾香は期末テストで赤点を取ってしまったので、学校が休みにも関わらずに再テストを受けなくてはいけない。

 

綾香(とりあえず再テストが終わったら冷房が効いてる部室でのんびりとしたい……)

 

冷房が効いてて涼しい部室で過ごせるとこの時の私はそう思ってました。

 

 

~そして~

 

無事に再テストもクリアしたので、早速涼むために部室のドアを開けたんだけど……。

 

綾香「こんにち……うはぁっ!暑っ!!」

 

綾香(何これ?なんでこんなに暑いの?なんでエアコンがついてないの?)

 

鈴音「おや?綾香、再テストお疲れ様……」

 

私を迎えてくれたのは鈴音先輩なのだが、すごく汗をかいていた。

 

綾香「あっはい。……あの、エアコンつけないんですか?」

 

鈴音「……私が汗だくになってる時点で察してくれると助かるな」

 

部室に入った途端の熱気である程度予想してた。けどそれは私の思い違いで、クーラーをつけ忘れていただけであってほしい……。

 

綾香「……余りにも認めたくない現実に目をそらしたいですけど、もしかしてクーラー壊れてるんですか?」

 

鈴音「うん……。直そうとしたんだけど、かなり古いエアコンだからか御臨終なんだよね」

 

綾香「なん……だと?」

 

私の冷房効いた部室で寛ぐ計画が……。

 

鈴音「だから今未来と美咲が新しいエアコンを買いに行ってるよ。綾香と杏子には休みの連絡を入れたはずだけど……」

 

鈴音先輩がそう言っていたので、携帯を見ると部活用のLINEで確かに今日は臨時で休みだと連絡が来ていた。

 

綾香「すいません、見てなかったです……。でも先輩達はどうして部室に……?」

 

鈴音「新しいエアコンを買って部室に取り付けるっていう理由もあるけど、生徒会の仕事を片付ける必要があるからね。全国大会前に夏休みの分を全部終わらせようと思ったからだよ」

 

鈴音先輩は山積みになっている書類を指差しながらそう言う。

 

綾香「うわ……。これ全部夏休みの分の書類ですか?」

 

鈴音「まぁ今から少しずつやれば全国大会前には終わるようにしているから問題ないよ」

 

相変わらず鈴音先輩はすごいなぁ……。私には到底できないよ。

 

綾香「それにしても暑いですね……」

 

鈴音「そうだね……。私夏は嫌いだから早く終わってほしいよ」

 

綾香「わかります……。私も夏は嫌いです……」

 

冬も苦手といえば苦手だけど、厚着すれば寒いのはなんとかなるけど、夏はいくら薄着しても暑いから嫌なんだよね。

 

ここ数日は余りの暑さで寝るとき全裸で寝たくらいだからね!エアコン?私の部屋には小型の扇風機しかないよ!!

 

鈴音「ちなみに今日の最高気温は35度らしいよ」

 

綾香「……今7月ですよね?」

 

鈴音「そうだね」

 

綾香「つまりこれからどんどん暑くなるんですよね?」

 

鈴音「恐らくそうだと思うよ」

 

綾香「…………」

 

お父さん、お母さん、先立つ不幸をお許しください。綾香は夏の暑さで倒れてしまいます。

 

翌日、エアコンは新しくなり、快適な部活動を過ごしております。

 

綾香「ところで伊吹先生は?」

 

鈴音「死事だって」

 

先輩の一言で伊吹先生が大変なのを察してしまった私だった。




今回はここまでです。

キャラ紹介

綾瀬綾香……総武高校の1年生で麻雀部部員。今回の語り部。今年の夏は冷房が効いてるリビングでダラダラ。ネットゲームもパソコンが暑くなるのでNG。年々暑くなっている夏の季節に対して夏なんて無くなってしまえと思う毎日。

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。今回はエアコンを直そうとするが、寿命には勝てなかったみたい。今年の夏は冷房の効いてる自室で活動。極力外には出たくない。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。名前のみの出演その1。今年の夏はラーメン廻り。暑い夏こそと激辛ラーメンに挑戦。完食後はジムで身体を動かす。

佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。名前のみの出演その2。今年の夏は家の仕事で全国を廻る。インハイが終わった後の夏休みは中々部活に参加できずションボリ。夏休み明けは全国様々のお土産を鈴音達に配る。

妹尾杏子……総武高校の1年生で麻雀部部員。名前のみの出演その3。今年の夏は特訓の夏。麻雀はもちろん、護身術のために身体を鍛える。そのために鈴音や未来にお願いしてたまに見てもらう。暑い夏の日にも鈴音に抱きつくのを忘れない。

指宿伊吹……総武高校の教員で麻雀部顧問。名前のみの出演その4。今年の夏は死事尽くし。減らないと嘆きながらせっせと取り組む。帰宅後はオレンジジュースで一杯。お酒は飲めない。



では次回もよろしくなのだ。


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過去の巻⑤

今回は美咲のお話ですね。この話の時系列はポケモンの巻よりも更に後の話です。では今回もよろしくです。


美咲side

 

佐野美咲だよ!なんか久し振りに私sideのお話な気がするよ。よろしくね!

 

それで今日は未来ちゃんが家に遊びに来てるよ!

 

美咲「それでね……?」

 

未来「ふふっ……」

 

談笑していると未来ちゃんが微笑む。どうしたのかな?

 

美咲「どうしたの未来ちゃん?」

 

未来「いえ、美咲は良い顔をするようになったわね」

 

美咲「良い顔?」

 

未来「初めて会った時の貴女は私と鈴音を品定めするような感じだったもの」

 

美咲「うっ……!」

 

だってあの頃は殆どの人達が敵に見えたんだもん!

 

それに部活ができるのは高校が最後だったし……。

 

美咲(未来ちゃんと鈴音ちゃんのおかげかもね。私が誰にでも敵対姿勢を見せなくなったのは……)

 

実際に小学生の頃に起こった出来事から2人と出会うまでの私はとっても窮屈な人生だったよ……。

 

 

~回想~

 

私こと佐野美咲は小さい頃から家のために色々頑張ってきた。

 

お母さんとお父さんの言い付けもキチンと守っていたし、それが嫌だとは感じなくて寧ろそれらが楽しくて仕方がなかった。今の私と同じ。

 

しかし小学校高学年に上がった頃に私の人生は悪い方に変わった。

 

私は客観的に見たらかなり可愛いものらしく、男子からかなりの告白をされて、その影響で女子に嫉妬されて、物を隠されたり、教科書に落書きされたりという所謂苛めを受けていた。

 

だけどその頃はずっと我慢をしていた。中学に上がってからもその人達と同じ中学だったので苛めは継続した。

 

中学2年に上がり暫く経ったある日に1人の女の子に出会った。

 

由輝子(小)『……剣由輝子です』

 

その子……由輝子ちゃんにも色々あったんだけど、その話はまた別の所で話すね。

 

由輝子ちゃんは私にとっては癒しだった。それは今でもそうだけど、苛めを受けている中で由輝子ちゃんと接することで次第に私は苛めを気にしなくなった。

 

そして再び事は起こった。小学生の頃に私を苛めていた子達が中学でも私を苛めることを日課のようにしていて私に絡んできた日のこと。

 

女子A『おい佐野!おまえ最近調子に乗ってるな?』

 

女子B『なんとか言えよ!』

 

美咲(中)『……』

 

私は細やかな抵抗として小さく彼女達を睨んだ。

 

女子A『ちっ、つまんねぇ』

 

女子C『コイツ最近小学生とつるんでるみたいっすよ。それでなんかこいてるんじゃないっすかね』

 

美咲(中)『っ!』

 

彼女達の内の1人が私が由輝子ちゃんと遊んでいることを指摘した。

 

女子B『なんだそりゃ?』

 

女子A『丁度いい。ソイツも佐野と一緒にボコるぞ』

 

……今なんて言ったの?由輝子ちゃんに危害を加える?私の大切な友達に?

 

美咲(中)『……せない』

 

女子A『あん?なんか言ったか?』

 

由輝子ちゃんが彼女達によって被害を受ける……。そう思っていた次の瞬間に私の体は勝手に動いていた。

 

 

~そして~

 

女子C『うぅ……!』ボロッ

 

女子B『あぐ……!』ボロッ

 

女子A『あぁぁ……!』ボロッ

 

美咲(中)『…………』

 

この時は私の何かが切れて3人をボロボロになるまで暴力を振るっていて制服には彼女達から出た血がついていた。

 

美咲(中)《あ……れ……?私は何を?なんで3人に暴力を振るったの?これを私が?……な~んだ。我慢することなんてなかったんだ》

 

この日を境に私は家族と由輝子ちゃん以外の人達をみんな敵だと認識するようになった。

 

それからの私は中学で1番となり学校全体を支配した。私に逆らう人達には暴力や話術で、必要ならば家の力を駆使してでも潰して支配下に置いた。本来ならこんなことには佐野グループの名前を使わなかったのに……。この時の私は本当にどうかしてたんだね。

 

高校に上がっても私のやることは変わらない。学校を支配して、私に逆らう人間を0にすること。

 

そう考えていた私の人生は2度目の変化を遂げた。

 

私は小学校の頃から麻雀をすることがあった。苛めが起こってからはネットでしかできなかった麻雀を高校の部活でできる……。そう思うと少し楽しみだった。

 

でもまだ油断はできない。まずは麻雀部の人間の支配から始めて、そこから私が頂点に君臨する世界を築いていこう。麻雀はそれからでもできるからね。

 

美咲『1年A組の佐野美咲です!よろしくお願いします!!』

 

最初は印象良く、元気に自己紹介。私が持つ仮面の1つである『笑顔』で手懐け安いように踏み込む。

 

鈴音『私は1年C組の大宮鈴音、よろしくね』

 

大宮鈴音ちゃん。見たところ優しそうな人だけど、こういう人に限って腹の中は黒いことを考えている、何か裏があると見てもいいね。とりあえず彼女の友好度を上げていこう。

 

美咲『うん!よろしくね鈴音ちゃん!!』

 

鈴音『こちらこそよろしくね美咲』

 

とりあえず第1段階は完璧だね!鈴音ちゃんの話だとあと1人部員がいるみたいだからその子とも話してみないと……!

 

 

 

~そして~

 

もう1人の部員である響未来ちゃんとも自己紹介を済ませて3麻を打つことになった。

 

殆どネトマだけど、社交場でもそれなりに打ってきているので、その辺の麻雀部員なら軽く一捻りだと思っていた。だけど……。

 

鈴音『ツモ』

 

完璧な四暗刻だった。だから私は思わず……。

 

美咲『すごい……!』

 

私は目的を忘れて麻雀を楽しんでいた。

 

美咲《……って駄目!私はこの総武高校を支配するんだ!それまでは楽しんでいる場合じゃないよ!!》

 

未来『…………』

 

この時に未来ちゃんが此方を見ていたことに気が付かなかった。

 

 

 

 

 

~そして~

 

あれから数日後。顧問の先生も来て麻雀同好会が完全に始動したある日のこと。鈴音ちゃんと伊吹先生が先に帰って未来ちゃんと2人きり。

 

未来『ねぇ美咲』

 

美咲『なにかな?』

 

未来『私達を品定めするような感じで接しているみたいだけれど、私達は貴女の思い通りになるほど甘くないわよ?』

 

っ!?気付かれた?私がこの学校でしようとしていることに……。

 

美咲『……なんのことかな?』

 

未来『……ふぅん、惚けるのね。まぁいいわ。鈴音も貴女の腹の内を察しているから』

 

美咲《……これはもう完全に気付かれてるね。しかも未来ちゃんだけじゃなくて鈴音ちゃんにまで……。つまり私はこの高校で支配者になれなかったってことだね。私はただ大切なものを守りたかっただけなのに……》

 

これじゃあ中学時代に逆戻りだよ。未来ちゃんや鈴音ちゃんも彼女達と同じように私を虐げるんだ……。

 

未来『まぁ私達は貴女がどうしようと此方に被害が及ばないなら関係ないわ。美咲のやりたいようにやればいいじゃない』

 

美咲『えっ……?』

 

未来『貴女にも何らかの事情があるみたいだから、貴女の行動を止めるつもりはないわ。鈴音も恐らく同じことを考えている筈よ』

 

未来ちゃんの一言で私は自分がこれまでやってきたことは如何に愚かだったのだろうかと気が付いた。

 

美咲《敵わないな……。麻雀だけじゃなくて、それ以外でも。……私も未来ちゃんと鈴音ちゃんに並びたい!》

 

そう思った私はこれまでやってきた支配するというやり方を止めて、前までの私のやり方に戻った。

 

違うところといえば私の大切なものを脅かす存在からどんなことをしてでも守るという決意と共に敵ではなく仲間を作っていこうと決めたのだ。

 

そして2人と対等になるために頑張るよ!!

 

 

 

 

~現在~

 

美咲(今思えばあの時の私はドス黒い何かに侵食されているような……そんな感覚だったな。それが無くなったのも未来ちゃんとその時は直接話してないけど鈴音ちゃんのおかげだよね!)

 

未来「美咲?」

 

美咲「……ちょっと一昨年のことを思い出しちゃって」

 

未来「一昨年の……?ああ、美咲が厨二病思想を患っていた時のことね」

 

美咲「うっ!それは忘れてよ~!」

 

もしもあの時未来ちゃんに、そして鈴音ちゃんに出会わなかったらと思うとゾッとするよ……。

 

美咲(そういえば未来ちゃんは小学校の時は内気な感じだったらしいけど、鈴音ちゃんはその時点では既に今の鈴音ちゃんの性格と殆ど変わらないよね。何時から鈴音ちゃんはあんな感じだったのかな?)

 

そう考えながら未来ちゃんと遊んで過ごした。

 

 

 

 

 

 

美咲sideout

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴音「それで美咲の様子はどうだった?」

 

美咲の家に遊びに行っていたという未来が帰ってきたので、美咲がどうしてるのかを訪ねてみた。

 

未来「問題ない筈よ。一昨年のあの日を境に彼女からはもう野心を感じないもの」

 

鈴音「それはなにより」

 

美咲は天使のように優しくて聖人と言っても過言じゃないけど、初めて会った時の笑顔は何処か造られた感じだったんだよね。

 

それを確かめるために未来にお願いして美咲の内心を探ってもらったんだよね。

 

未来は前にいた世界で悪心を読むことができるようになったらしい。相手に少しでも悪いことを考えていた場合にその悪い心を視抜くものみたい。全く転生様々というワケだ。

 

未来「……貴女今碌でもないことを考えているでしょう」ジトッ

 

鈴音「……なんのことやら」

 

手厳しい……。やっぱり邪念は捨てるべきだよね。

 

未来「ところで鈴音に聞きたいことがあるのだけれど」

 

鈴音「ん?」

 

未来「これは私だけじゃなくて麻雀部のみんなが気になっていることよ」

 

鈴音「私何か隠してたっけ?」

 

特に隠し事はしてない筈だけど……。そもそも未来にそういったことはできないし。

 

未来「貴女の……『大宮鈴音という人格』は何時から完成したのかしら?」

 

鈴音「…………」

 

成程……。そういう質問ね。

 

まぁ初めて未来に会った時から私はこんな感じだったから気になったのだろう。それに未来が過去をみんなに話したからみんなも気になっているみたい。

 

鈴音「……悪いけど、いくら未来でもそれは答えられないね。気になるなら前いた世界で得たその能力で『私の心』を視てみれば?」スタスタ

 

未来「待ちなさい!」

 

後ろで未来が何か言っていたけど、『私』に関しては誰にも踏み込ませるわけにはいかない。

 

 

まぁ読者のみなさんにはまた何れ……ね♪




今回はここまでです。

キャラ紹介

佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。今回の語り部で過去を振り返る。現在は天使と呼ばれているが、中学2年のある日から高校1年の春までの期間に堕天使となる。期間中はもしかしたら厨二病を患っていたかもしれないとそれを思い出してはベッドで悶える。また当時は荒れていたのでやっぱり黒歴史。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。鈴音に頼まれて美咲の監視をしていた。1番付き合いの長い鈴音の人格が気になったのか鈴音に問いかけるも本人は何も答えない。鈴音が1人で何かを抱え込んでいるのかと考えている。前いた世界で人の悪心を読み取ることがてきるようになる。

剣由輝子……総武中学の2年生。今でこそ美咲のことを尊敬しているが、初対面の時は警戒していた。美咲が家族のように接している。作者が書いている某作品の主人公だが今回は一瞬だけ出てきたチョイ役。

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。洞察力なら未来をも越えており、初めて美咲と会った時に何か違和感を感じて未来に監視を頼む。主人公なのに何処か謎があり、小学生から今の人格が出来上がっている。鈴音の過去でそれが明らかになるかもしれない。



美咲の過去ですが最後は鈴音sideでしたね。過去の巻もいよいよ大詰めというわけです。あと2話くらいで過去の巻は終わりを迎えます。


ではまた次回でお会いしましょ~。


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大人の巻①

今回もよろしくです。


伊吹side

 

やっほー。指宿伊吹だよ。今私は健夜さんこと小鍛治健夜プロと一緒に某所の駅前にいるよー。

 

ぶらりと彷徨いていたら偶然健夜さんと出会ったんだよね。

 

健夜「立ち話もなんだし何か食べに行こっか」

 

伊吹「だね~。そこのファミレスでいい?」

 

健夜「うん、いいよ」

 

 

~そして~

 

伊吹「今日はこーこさんとは一緒じゃないの?」

 

健夜「そうだね。恒子ちゃんは今日アナウンサーのお仕事があるから。そういう伊吹ちゃんは今日はオフ?」

 

伊吹「はい。なので適当にぶらぶらしてたら健夜さんに会った感じかな」

 

健夜「相変わらず伊吹ちゃんはフットワーク軽いよね。確か今総武高校で教師をやっているのにここ東京だし……」

 

伊吹「親が転勤族っていうのもあって私も色々な所に行くの好きなんだよね~。1番長くいたのも高校の3年間だし」

 

健夜「高校時代も総武高校だったっけ?」

 

伊吹「そうそう。……そこで教師してるのもその名残かも」

 

多分だけど……。

 

健夜「総武高校といえば……。麻雀部の方はどうなの?」

 

伊吹「順調だね~。有望な新入部員が2人入って5人になりましたし、今年は団体戦も狙うよ~」

 

健夜「今の3年生と合わせて総武高校麻雀部は伊吹ちゃんからどんな感じ?」

 

伊吹「私の見立てが正しければ最低でも決勝戦進出、最高で優勝かな」

 

健夜「……随分大きく出たね」

 

伊吹「彼女達ならそれができるよ。少なくとも私はそう確信してる」

 

健夜「シード校とか以外でも強い所もあるのに……」

 

伊吹「そうだね。私が見た感じでシード校以外で強そうな所は長野の龍門渕……は去年も出てたか。清澄や鶴賀とかは全国に来る可能性があるし、奈良だったら赤土さんが監督してる阿知賀とかは確実だろうね」

 

健夜「赤土さんってもしかして……」

 

伊吹「そ、10年前にあなたに一撃かましたあの赤土晴絵さん。こないだのGWでその阿知賀と練習試合したしね。……鈴音抜きだけど」

 

確か風邪を引いたって未来が言ってたね。鈴音からしたら災難だけど、こっちからしたら鈴音の実力を知られずにすんだと思ってるよ。

 

健夜「鈴音って前に伊吹ちゃんが言っていた大宮鈴音さん?」

 

伊吹「うん。……正直あれはヤバイよ。特に3年生になってからは負けなしだし、健夜さんでももしかしたら勝てないかもね」

 

未来もそうだけど、鈴音は実力の底が見えなさすぎる。去年宮永照と接戦した美咲が可愛く見えるレベルだよ。

 

健夜「……そんなにすごいなら1度彼女の全力を見てみたいね」

 

伊吹「とはいえ鈴音の本気を見れることなんてないからね。部内でも未来と美咲と私が入った卓で漸く少し本気出すって感じかな……」

 

健夜「だとしたらどうしたら大宮さんの本気を見られるんだろう……?」

 

伊吹「それについてはあてがないわけでもないけど……」

 

健夜「あるんだ……。聞いてもいい?」

 

伊吹「実は……」

 

 

 

 

~そして~

 

健夜「……そんなことができるの?」

 

伊吹「時間と人手があれば不可能じゃないよ。もちろん健夜さんの協力も必須だけど」

 

健夜「……いいよ。私個人としてもそれには興味あるから」

 

伊吹「決まりですね~。今年のインハイは忙しくなりそうだ」

 

健夜「なんだか楽しみになってきたね」

 

こりゃ完全に鈴音に興味もったね。去年から情報を与えてたけど、まさかここまでとはね~。

 

まぁ鈴音には頑張れと心の中で応援しておこう。

 

健夜「ところで伊吹ちゃんはプロになる気はないの?」

 

伊吹「ないかな~。今の私は麻雀で本気になれる気がしないから」

 

健夜「そっか……」

 

伊吹「たまに打つくらいがいいよ。本来なら麻雀部の顧問すらする予定はなかったし」

 

私からすれば未来も別の意味でヤバいからね。何も言ってないのに私を一目見ただけで麻雀経験者だと言われたからね。

 

いや、あれは『見る』じゃなくて『視る』と表現した方が正確かな。

 

なんにせよ鈴音と未来は敵に回したくないよね。

 

 

 

伊吹sideout

 

 

 

 

鈴音「くしゅんっ!」

 

未来「風邪かしら?」

 

鈴音「いやいや、治ったばかりなのにぶり返したら洒落にならないよ。ここから県大会まで時間ないのに……」

 

そもそもそのせいで私だけ奈良に行けなかったんだからね!

 

未来「だとしたら噂されてるのかしら。……案外その正体がトッププロの小鍛治健夜だったりしてね」クスッ

 

鈴音「なんでそんな具体的なの?……まぁそうだとしたら私の実力を認めてくれてるってことだけど、私まだ公式戦で麻雀打ってないからそれはないと思うよ」

 

まぁもしかしたら伊吹先生から伝わっているかもしれないけど……まさかね?




今回はここまでです。

キャラ紹介

指宿伊吹……総武高校の教員で麻雀部顧問。身長が中学から伸びず、大学を出てもそのままの身長に「うわ、私の成長期終わるの早すぎ!」とぼやく。転勤族の両親に影響されて日本全国を廻るのが好きで、そのおかげで様々な人と縁がある。この作品で1番謎に秘めた人物かもしれない身長139センチの女。

小鍛治健夜……プロの麻雀選手。知る人ぞ知る健やかじゃない?アラフ……げふんげふんの人。相方がいないときは基本健やか。

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。限界を知らない麻雀センスを秘めていると言われて(本人はそんなに強くないと思っている)おり、彼女の知らない内にトッププロに目をつけられている。だが今回はチョイ役。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。鈴音程ではないが彼女もまたトッププロに目をつけられていて、伊吹にもヤバい奴認定されている。だが今回はチョイ役。


では次回もよろしくなのです。


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旅行の巻①

久し振りの……というか今年最初の番外編。では今回もよろしくです。


美咲side

 

佐野美咲だよ!今日は3年生3人でGW後半に遊びに行くことになってるんだよ!本当は綾香ちゃんと杏子ちゃんも一緒だったらよかっただけど、2人共用事があるみたいなんだよね……。

 

未来「今年はどうするのかしら?」

 

鈴音「去年もそうだったけど、この行き当たりばったりな感じが私達のプチ旅行だよね」

 

鈴音ちゃんが言ったように去年もGW後半に急遽決まったんだよね。GW分の家の仕事はGW前には基本的に全部終わらせちゃってるから、一昨年の千里山との練習試合も、去年の旅行も、そして今年の阿知賀との練習試合も思いっきり楽しめたよ!

 

それから長期休暇のシーズンは時間を作って3人で旅行に行くんだよ。

 

未来「確か去年のGWに行ったのは長野だったわよね?」

 

鈴音「うん、龍門渕邸で麻雀したよね」

 

美咲「そうだね。衣ちゃん達強かったなぁ……」

 

龍門渕高校のレギュラー5人と打てて良い経験になったよね。特に鈴音ちゃんは凄かったよ!

 

その時の回想をお届けするよ!未来ちゃんが!!

 

 

 

美咲sideout

 

 

 

 

 

~回想~

 

未来side

 

なんで私が話さなければならないのかしら……。まぁいいわ。今から話すのは去年私達が龍門渕で麻雀した時の話よ。

 

私達が部室で練習しているときにそれは始まったわ。

 

美咲「3人で遊びに行こうよ!!」

 

鈴音「藪からスティックにどうしたの?」

 

美咲「私達ってあんまり3人で遊ぶことって殆どないと思ったんだよね。GWも明日含めてもあと3日あるし、旅行に行きたいなって!」

 

確かに私達3人で遊んだことって余りないわよね。強いて言うなら3人で麻雀してるくらいでしょうし。

 

それに今年は他校と練習試合をしてないし、羽を伸ばすのもありかもしれないわね。

 

未来「それで何処に行くのかしら?」

 

鈴音「おや?乗り気だね未来」

 

未来「たまにはいいのではないかしら。こういった思い出作りも大事だと思うわよ」

 

鈴音「……そうだね」

 

私と鈴音は卒業した後にこの場所からいなくなっているかもしれないけれど、なんの思い出もないのも味気ないからこれくらいはね。

 

鈴音「で?何処に行くんだっけ?」

 

美咲「それはこれから決めるよ!」ゴソゴソ

 

そう言いながら美咲が鞄から取り出したのは……。

 

鈴音「日本地図……?」

 

美咲「うん、これを壁に貼り付けてっと……」

 

未来「……ここからの展開を予想できる私は可笑しいのかしら」

 

鈴音「大丈夫だよ。私もなんとなく察したから……」

 

やっぱり鈴音もこの後の展開がわかるわよね……。美咲はというとやはりというか何処から出したのかダーツを構えていた。

 

美咲「そしてこのダーツを投げて……」

 

鈴音「そのダーツが刺さった所に遊びに行こうというわけだね」

 

美咲「えっ?なんでわかったの!?もしかして鈴音ちゃんエスパー!?」

 

鈴音「……その発言は美咲なりのボケとして受け取っておくよ」

 

こんな発言をしてる子とテストで学年1、2位を争っているのよね。私は……。というかダーツ未経験者がそれをやると私達の旅行先が水面になってしまうわよ?

 

美咲「という訳で……。えいっ!」ヒュッ

 

鈴音「おっ、とりあえず日本地図の範囲内には刺さったね」

 

美咲が投げたダーツの刺さった先は……。

 

未来「長野県ね」

 

美咲「じゃあ次はこれを使うよ!」

 

鈴音「これは……長野県の地図を印刷した紙?」

 

未来「日本地図とは別に用意していたのね」

 

美咲「全都道府県分あるよ!」

 

態々用意したのね。用意周到すぎるでしょう……。

 

美咲「えいっ!」ヒュッ

 

鈴音「またまた地図範囲内……。もしかして美咲ってダーツの経験者だったり?」

 

美咲「一応ね。お父さんが趣味でやってて、その影響で私もたまにやるんだよ!」

 

鈴音「へぇ……」

 

美咲の意外な特技を見たわね。なんとなくだけれど、ダーツって金持ちの道楽をイメージしてしまうからそれほど意外でもないのかしら?

 

ちなみにこの時点では美咲の家が名家だということは私は知っていて、鈴音は知らないわ。この小説に本編の『第22話』の回想……つまりこの回想から約1ヶ月後に鈴音は初めて美咲の家柄を知ることになるということよ。

 

美咲「ダーツが刺さったのは……っと。ここは……!」

 

鈴音「どうしたの?行ったことある場所だった?」

 

美咲「うん、ダーツが刺さった場所は毎年夏休み頃に家族で行ってる場所なの。そこにある龍門渕っていう家の人達と毎年色々話すんだよ」

 

未来「今その名前を出したってことは……私達の旅行先はその龍門渕って場所でいいのかしら?」

 

美咲「……そうだね。今から向こうに遊びに行けるか聞いてみるよ!」

 

そう言って美咲は電話をかけるために外へ出た。

 

鈴音「……ねえ未来、龍門渕ってあの龍門渕でいいんだよね?」

 

未来「ええ、恐らくね」

 

鈴音「ということはあの5人と麻雀を打つことになるのかぁ……」

 

未来「良い経験になるんじゃないかしら。自分の実力を底上げするチャンスだわ」

 

鈴音「それもそうだね」

 

そもそも最初の予定としては私達が3年生になってから原作キャラと関わるつもりだったけれど、それだけに1年の時に怜、竜華、セーラの3人と出会ったのは予想外だったもの。

 

美咲「おまたせ!透華ちゃんも是非遊びに来てほしいって!!」

 

透華……。龍門渕透華(りゅうもんぶちとうか)のことね。美咲のは家は龍門渕と家族ぐるみの繋がりがあるようね。

 

鈴音「決まりだね。じゃあ明日の朝9時に学校前に集合ってことでいいかな?」

 

美咲「意義なし!」

 

未来「問題ないわ」

 

こうして私達は龍門渕へと赴くことになったわ。

 

 

 

~そして~

 

とりあえず龍門渕邸までの道程は割愛よ。美咲の案内の元に私達は龍門渕邸に着いた。

 

美咲「着いたよ!」

 

鈴音(う~む、アニメとかで龍門渕家の凄さはわかっていたつもりだけど、生で見るとやっぱり凄い……)

 

鈴音は龍門渕邸を見て冷や汗をかいているみたいだけれど、美咲の家もこれくらいの大きさなのよね。まだ美咲の家に行ったことのない鈴音が美咲の家に行くとどんなリアクションを取るのかしらね。

 

美咲がインターホンを鳴らすと、執事と思われる男性と金髪の女性が出てきた。龍門渕透華とハギヨシさんね。

 

透華「ようこそ、龍門渕家へ!美咲さん」

 

美咲「透華ちゃん、久し振り!」

 

透華「美咲さんのお友達も。精一杯おもてなしさせていただきますわ。ハギヨシ!」パチンッ

 

ハギヨシ「畏まりました。皆様、此方へどうぞ」

 

鈴音「あ、ありがとうございます……」

 

未来「ありがとうございます」

 

鈴音の方は顔から緊張の色が見えるわね。前いた世界では豪邸に赴く経験がなかったのかしら?

 

 

~そして~

 

ハギヨシさんに案内された客室にて私達は寛いでいる。

 

鈴音「いやー、執事とか生で見るのは初めてだからつい萎縮しちゃったよ」

 

……そういうことね。図太い鈴音が珍しいと思ったのよね。

 

鈴音「……ねえ未来、今なんか失礼なことを考えなかった?」

 

未来「気のせいよ」シレッ

 

透華「おまたせしました!それでは今から何をしましょうか!?」

 

龍門渕透華の質問に対して間髪入れずに美咲が答える。

 

美咲「麻雀!麻雀しようよ!!」

 

透華「麻雀……ですか?」

 

美咲「うん、こう見えても私達麻雀部なんだ!透華ちゃんも確か麻雀やってたよね?丁度ここに自動卓もあるし打とうよ!」

 

透華「美咲さん達は麻雀部でしたのね……。でしたら私の方からゲストを呼びますので、その方と私が交代で入って打ってもらいます」

 

美咲「ゲスト?」

 

透華「今から呼びに行ってきますわ」スタスタ

 

そう言って龍門渕透華は客室を出た。

 

鈴音(未来、ゲストってもしかして……)

 

未来(麻雀においてのゲスト……。十中八九あの子達でしょうね)

 

龍門渕高校の大将の天江衣(あまえころも)に加えて龍門渕高校麻雀部の面子といったところかしら。

 

 

~そして~

 

やはり龍門渕高校の面子が来たわね。天江衣はいないみたいだけれど……。

 

透華「……本来ならあと1人呼ぶ予定でしたが、まぁいいでしょう。おまたせしました。それでは自己紹介タイムですわ!!」

 

私達と龍門渕高校の面子の自己紹介は割愛。これは本編ではないのだから。

 

それから私達は交代で麻雀を打ち続け、気が付けば夜になっていた。

 

美咲「う~ん、打った打った!」

 

一「皆強いですね……」

 

智紀「まるで歯が立たない……」

 

鈴音「いやいや、私達に明確な差なんてないと思うよ。勝負は時の運だし、誰が勝っても可笑しくなかったしね」

 

純「いや、俺にはわかるね。まだ3人共全力じゃねえってことがよ」

 

美咲「純ちゃんってそんなことがわかるの?」

 

純「ああ、特に大宮さん。あんたは別格だぜ」

 

鈴音「そうかな?私からすれば未来の方が強いと思うけど……」

 

未来「いえ、彼女の言ってることは正しいわよ」

 

実際私も段々鈴音に勝てなくなっている訳だし。本当に自信が失くなってくるわね。

 

透華「……お出ましですわね」

 

???「トーカ、この者達は……?」

 

透華「佐野美咲さん、響未来さん、大宮鈴音さん。総武高校麻雀部にして、貴女と渡り合えるかもしれない方々ですわ。……衣」

 

衣「ほう……?」

 

遂に来たわね。

 

衣「衣は天江衣だ……」

 

天江衣が名乗りの途中にも関わらず刹那といえる動きをした美咲が天江衣に抱き付いていた。

 

美咲「可愛いーっ!」ギュッ

 

衣「わっ!なんだおまえは!?はーなーせー!!」ジタバタ

 

……美咲は天江衣と面識がなかったのかしら。まぁあったらこんなことにはならないわよね。

 

鈴音「美咲、彼女を離してあげて」

 

衣「はーなーせー!!」ジタバタ

 

美咲「はぅぅ……。お持ち帰りー!!」

 

未来「それ違う人のネタじゃない……」

 

話が進まないので、強引に美咲を天江衣から引き剥がした。

 

 

 

 

~そして~

 

次の面子は私達3人と天江衣で打つことになったわ。

 

美咲「よろしくね、衣ちゃん!」

 

衣「ふん……」

 

未来「この2人大丈夫かしら?色々な意味で……」

 

鈴音「あはは……」

 

この麻雀の行方をダイジェストで少しずつ見せていくわ。

 

 

~そして~

 

美咲「ツモ!2000、4000!!」

 

鈴音「ふむ、相変わらず速いね」

 

未来「これでまた美咲がトップね」

 

高火力と速さが美咲の持ち味ね。2年時点の美咲がどこまで通用するか……。とても興味深いわね。

 

さて、これで第1ラウンド終了ね。そして……。

 

衣「……無聊を託つ。総武高校の3人は衣と渡り合えるかもしれないと聞いてウキウキしてたけど……」

 

鈴音「うん……?」

 

美咲「衣ちゃん……?」

 

衣「乏しいな、闕望した。そろそろ御戸開きといこうか」ゴッ

 

ここから第2ラウンド開始よ。

 

鈴音「御戸開きねぇ……」クスッ

 

衣「何が可笑しい?」

 

鈴音「いや、なんでもないよ。ねえ未来」

 

未来「何かしら?」

 

鈴音「今夜は確か満月だったよね?」

 

未来「そうね。綺麗な満月よ」

 

5月だけれど、月見がしたくなるような満月。そして……。

 

鈴音「天江さん、半荘1回にも満たない麻雀で私達を見定めたつもり?ならまだ早いよ。まだ……」

 

一(なに!?大宮さんから感じるこれは……?)

 

純(こりゃもしかすると……)

 

智紀(衣と同等の存在になりうるかも……)

 

鈴音「まだこの麻雀は始まったばかりなんだから……」

 

大宮鈴音も満月の夜に力を発揮する人間なのだから……!

 

未来(はぁ……。こうなるとこの2人と打っている私達が2人の巻き添えをくらう形になるわね。でも……)

 

美咲「鈴音ちゃんも衣ちゃんもいよいよ本気を出すって感じだね!私も負けないよ!!」ゴッ

 

未来(美咲も鈴音と同じで強者に出会い、そして戦うことで力を発揮するタイプなのよね。被害者は私1人だけかしら……)

 

……更にここから白熱した麻雀が繰り広げられるのだけれど、割愛よ。これも作者が未熟なせいね。

 

 

 

~そして~

 

鈴音「さて、これでこの半荘は終わりだね」

 

美咲「あーっ!もうちょっとだったのに!!」

 

未来「今回は鈴音の勝ちね」

 

結果は鈴音がトップで、2位が私、そして天江衣、美咲の順番で全員僅差だった。

 

一「こ、衣が……」

 

智紀「負けた……」

 

透華「し、信じられませんわ……」

 

純「でもこれ現実だよな……」

 

龍門渕高校の面々は唖然とした表情で、そして天江衣は……。

 

衣「もう1回!もう1回だ!!」

 

まるで駄々っ子のようになっていた。身長も相まって本当の子供じゃない……。

 

鈴音「勿論。まだまだ夜は長いんだから」

 

美咲「私も打つーっ!未来ちゃんも一緒に打とうよ!!」

 

はぁ……。やはり1番の被害者は私ね……。

 

 

 

 

 

未来sideout

 

 

 

 

 

~現在~

 

美咲「振り返ると良い思い出だよね!」

 

未来「そうね。鈴音に至っては賭け狂っていたものね。見ていて思わず笑ってしまったわ」

 

失礼な。私はあんなに顔芸かましてないよ!

 

鈴音「話を戻そうよ。今年のGWに何処に行くかでしょ」

 

美咲「そうだね!じゃあこのダーツで……!」

 

未来「貴女も好きね……」

 

この旅行の巻は私達麻雀部が色々な場所に行き、色々な出会いをもたらす。そんな話である。




今回はここまでです。

キャラ紹介

佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。今回の語り部その1。趣味という程ではないが、ダーツを嗜んでいる。テレビで見たダーツの旅に憧れている伏がある。この旅行の巻での行き先は全部ダーツで決める。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。今回の語り部その2。鈴音と衣、そして美咲の麻雀に巻き込まれつつも2位で終局。彼女もまた魔物と呼ばれる人物である。

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。今回の語り部その3。前いた世界では満月によって変身する力を持っていた。この世界では変身せずに力だけが増加するというご都合を発揮する。要は主人公補正。あと賭けグルイ。

天江衣……龍門渕高校の1年生(回想内)で麻雀部部員。今回のゲスト。初対面で美咲に抱き付かれ、鈴音と未来には1度も麻雀で勝てないという悲劇が起きる。だがそのおかげで彼女は原作よりも強くなる。

龍門渕透華……龍門渕高校の1年生(回想内)で麻雀部部長。今回のゲスト。龍門渕家は佐野家と深い繋がりがあり、年に1度両家で様々な話し合いが行われているらしい。彼女も原作より強くなり、冷えると美咲でも苦戦する。



他の龍門渕高校の方々の紹介は諸事情によりカットします。あと衣の口調難しすぎっしょ……。

鈴音の満月での力増加については本編で解説します。

ではまた次回でお会いしましょー!


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総武の巻⑧

令和一発目はやっぱり作者お気に入りのこの作品!では今回もよろしくです。


綾香side

 

春……それは出会いと別れの季節。それは恋愛にも関係があり、告白の成就や失恋もその出会いや別れにもなることだろう。

 

今回御送りするのは人が恋人を作るために告白する……。そんな状況を偶然見てしまったお話です。

 

綾香(今週が終わったらいよいよGWかぁ……。長期連休は学生にとってラッキーだよね!)

 

私、綾瀬綾香は早くGWにならないかなとスキップしていると体育館裏に誰かがいることがわかった。

 

綾香(咄嗟に隠れちゃった……。あのまま通り過ぎればよかったのになんで隠れたんだろう……)

 

そう思いながら目をやると男女が2人という状況に私は1つの仮説を立てた。

 

綾香(まさか告白!?現場を生で見れるなんて……っていうか女子の方って鈴音先輩じゃん!)

 

鈴音先輩はおっとりしていて優しい感じがするし、男女問わず人気があることは聞いてたけど、告白する場面を見ることになるとは……。

 

綾香(相手の男子もかなりイケメンの部類に入るし、これはもしかしたらカップル成立とかあるんじゃないの!?うわ……。だとするとすごい現場見ちゃったかも!)

 

私は興奮気味になりつつも、鈴音先輩と男女A(仮名)のやり取りをこっそりと見ていた。

 

鈴音「この下駄箱に入ってた手紙の差出人は君でいいのかな?」

 

男子A「はっ、はい!」

 

綾香(鈴音先輩に敬語ってことはあのイケメンは1年生か2年生ってことなのかな……)

 

まぁ告白する側ってどうしても敬語になったりするから、そのケースの可能性もあると思うけど……。それにしても鈴音先輩も下駄箱にラブレターなんてすごい経験してるなぁ……。

 

男子A「すっ、好きです!一目見た時から大宮先輩に心を奪われました!!」

 

鈴音「…………」

 

綾香(いったーっ!しかもかなり大胆な告白!)

 

鈴音先輩も目を見開いて驚いてるし……。まさかこんなド直球に告白なんて予想できないよね。

 

男子A「へっ、返事を聞かせてもらってもいいですか……?」

 

綾香(返事……。鈴音先輩はどう出る!?)

 

鈴音「……気持ちは嬉しいよ」

 

男子A「あ、ありがとうございます!」

 

綾香(いや、気持ちはってことは断られる流れだよ男子!それわかってる!?)

 

大体『気持ちは嬉しい』なんて肯定のように見せかけた否定の言葉なんだからね?

 

鈴音「でもごめん。私は部活が忙しいし、3年生だから引退したら受験も控えてる……。だから君に時間を作ることは出来ないかな」

 

綾香(案の定振られてるし……。まぁ鈴音先輩って高嶺の花ってイメージだし、もしも鈴音先輩と恋人になれたら周りに自慢できそうだよね)

 

男子A「そう……ですか……」

 

鈴音「本当にごめんね……」スタスタ

 

申し訳なさそうに鈴音先輩はその場を去った。私も教室に戻ろっと。

 

 

~そして~

 

昨日はすごい場面を見ちゃったなぁ……。体育館裏は告白場所として有名スポットだし告白する人もいるとは思ってたけど、その現場を見ることになるとは思ってなかったよ。

 

綾香(確か昨日のこの時間帯に……ってまたもや男女の組み合わせ!?しかも女子の方は未来先輩ときた!)

 

未来先輩も鈴音先輩と同じく男女間でかなりの人気があってクールな印象がある。この男子B(仮名)はこういったクール系女子が好きなのかな?そう思い昨日と同じく咄嗟に隠れて様子を見た。

 

未来「手紙の差出人は貴方でいいのかしら?」

 

男子B「はい、手紙を読んでくれてありがとうございます!」

 

綾香(今度は爽やかな感じの印象持つ感じ。スポーツとか得意そう……)

 

男子B「響先輩が好きです!付き合ってください!!」

 

未来「ごめんなさい」

 

綾香(いった!そして速っ!まさかの秒殺!?)

 

男子B「り、理由を聞いてもいいですか……?」

 

未来「私には好きな人がいるの。だからその告白には答えられないわ」

 

男子B「そうですか……」

 

綾香(未来先輩って好きな人がいたんだ!?そっちの方が驚きだよ!)

 

まぁ告白を断る手段としてのブラフの可能性もあるけど、もし本当にいたらその人ってどんな人だろ……。

 

未来「このことは他言無用よ。覚えておきなさい」

 

男子B「はい、今日は来ていただいてありがとうございました!」

 

そう言って2人は去っていった。というか未来先輩あんなにキツく言ってるのに、相手もメンタル強いなぁ……。

 

 

~そして~

 

綾香(昨日と一昨日で体育館裏で見ちゃったからかなり彼処が通りにくくなっちゃったな……)

 

そんな訳で今日は屋上で昼食タイム!いつもは杏子とクラスの子と食べてるけど、趣向を変えて1人飯だぜ!

 

そう思っていたら男女が屋上に入ってきた。このパターンってもしかして……。

 

美咲「まさか君が屋上で話があるって呼び出されるとは思わなかったな。それで話って何かな?」

 

綾香(やっぱり。しかも今度は美咲先輩という……)

 

まぁ美咲先輩も鈴音先輩と未来先輩と並ぶ美人だし、美咲先輩の場合はその明るくて優しい性格で堕ちてしまった男子生徒も多数いると思う。

 

見たところ美咲先輩の知り合いっぽいし、あの男子C(仮名)さんはクラスメイトなのかな?

 

男子C「その、さ……」

 

美咲「?」

 

男子C先輩は高身長で筋肉質な感じ。運動部でブイブイ言わせてそうだね。

 

男子C「俺、佐野のことが好きなんだ!」

 

美咲「えっ……?」

 

綾香(この人も直球!?この学校の男子って皆直球しか投げないのかな……?)

 

まぁ変化球で攻められるよりは個人的にいいけどさ。

 

男子C「そ、それで返事を聞かせてくれないか……?」

 

美咲「…………」

 

告白されるとは思ってなかったといった感じの美咲先輩は少し考えて答えを出した。

 

美咲「……ごめん。その返事はNOかな」

 

男子C「……理由を頼む」

 

美咲「私、今は生徒会や麻雀部のことで忙しいんだ。君も運動部の部長だからわかるよね?」

 

男子C「……ああ」

 

美咲「それに私達は部活を引退したら受験も待っているし、そんな状態で付き合っても上手くいかないと思うんだ……」

 

男子C「そうか……。話を聞いてくれてありがとな。麻雀部、頑張れよ!」

 

美咲「……うん、君もサッカー部で頑張ってね!ファイトだよっ!」

 

男子C先輩に激励を送って美咲先輩は屋上から出ていった。昼休みが終わるまで男子C先輩は男泣きをしていた。出ていき辛かった。

 

 

 

~そして~

 

今日も屋上なう!杏子が昼休みに用事があるって言ってたから、またもやぼっち飯……。べ、別に悲しくないし!

 

綾香(はぁ……。さっさと食べて教室に戻ろ。……うん?)

 

やはりというか男女が入ってきた。このパターン綾香知ってるよ?またまた告白シーンでしょ?

 

綾香(そういえば屋上も告白のスポットだってことを忘れてたよ……。そして杏子の用事ってこれのことだったの?)

 

女子の方は恒例といってもいいくらいの麻雀部の部員。しかも私の親友の杏子だった。

 

杏子「あ、あの……。話ってなんでしょうか……?」

 

綾香(杏子は人見知りなんだよね。特に男性に対しては酷いものだから、あの人を男子D(仮名)さんの告白(決め付け)に上手く答えられるかな……?)

 

不安になりながら私は親友の告白シーンを隠れて見ている。

 

男子D「まずは来てくれてありがとう。妹尾さん」

 

杏子「は、はい……」

 

男子Dさんはなんだかインテリなイメージがあり、いいとこの育ちな感じ。

 

男子D「……僕は妹尾さんことが好きなんだ!」

 

杏子「えっ、えっ……?」

 

綾香(インテリさんだから変化球で攻めると思いきや御約束レベルのド直球!杏子はこれにどう答える……?というかちゃんと答えを出せるかな……?)

 

杏子「そ、その……。ご、ごめんなさい!」

 

男子D「そっか……。差し支えなければ理由が知りたいんだけど」

 

杏子「わ、私は好きな人がいます。だ、だからそのこ、告白には答えられません……!」

 

若干オドオドしながらだったけど、それでいて強い決意で杏子は断りの返事を出した。

 

男子D「……悔しいけど、妹尾さんのことは諦めるよ。好きな人に振り向いてもらえるといいね」スタスタ

 

杏子「は、はいっ!ありがとうございます!」

 

男子Dさんは少し悔しそうに、それでいてどこかスッキリしたような表情で屋上を出た。杏子も応援してくれて安堵の表情で返事をした。

 

綾香(杏子……。成長したね。中学時代は何時も私にくっついているだけだったのに。これも先輩達の影響なんだね……)

 

私は染々しながらお弁当を食べて屋上を後にした。

 

 

 

~そして~

 

後日談……というか今回のオチ。

 

翌日、流れからして次に告白されるのは私なんじゃないかと警戒していたけど、特にそんな事はなかった。

 

綾香(誰かに告白してほしいとは思わないけど、私だけ仲間外れになった感じがするから複雑……)

 

またここ数日の告白騒動で麻雀部内にて約3名によって修羅場が起こる訳だけど、どうなったのかは読者の皆様で想像してください。

 

春……。それは最も恋愛イベントが多い季節。青春という言葉は青い春と書く。

 

もしも青春=恋愛という方程式が成り立つのならやはり恋愛関係のイベントは春が1番多いのだろう。

 

そう思った私が4月下旬に見たのは告白した男子生徒だけじゃなくて、同じ麻雀部の人々の青春の1ページだったのかもしれない。




今回はここまでです。

キャラ紹介

綾瀬綾香……総武高校の1年生で麻雀部部員。今回の語り部で、麻雀部員内で唯一告白されなかった子。告白願望があるわけではないが、仲間外れになった気分で気持ちは複雑。

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。今回彼女に告白したのはイケメンな1年生の男子生徒。校庭を歩いているところを見かけて一目惚れしたらしい。受験を控えてるという理由で告白を断ったが、少しもったいなかったかなと思っていたり。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。今回彼女に告白したのは爽やかな感じの2年生の男子生徒。以前に助けてもらったことがあるらしく、そこから恋に繋がった。好きな人がいるという理由で断ったが実は……。鈴音、美咲と比べて彼女は女子からもよく告白されている。

佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。今回彼女に告白したのは3年生の男子生徒。実は3年間同じクラスであり、席もずっと隣という運命的な感じだけど、美咲本人は大して気にしていない様子。告白の後でも雑談くらいならする仲にはなっている。

妹尾杏子……総武高校の1年生で麻雀部部員。今回彼女に告白したのは2年生の男子生徒。学年2位の成績で尚且つスポーツも万能という隙のないインテリ。告白した理由としては『守りたい』の一言だけど、杏子にとっては鈴音以外にそういった関係になることを望んでいない。そんな事を知らない男子生徒は杏子の恋が成就するように応援しており、後に杏子のファンクラブの副会長に上り詰める。



春って恋愛の季節だよね!今回の番外編は作者の実体験をちょっと脚色したお話でした。


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過去の巻⑥

今回もよろしくです。


以前未来に『大宮鈴音という人格は何時から完成した』のかを聞かれたことがある。

 

その時にも言ったけど、私に関しては誰にも踏み込ませない。例え付き合いが1番長い未来でも……。

 

とはいえ読者の皆さんにはお話しておこう。私こと大宮鈴音がどのようにして『今の大宮鈴音』になったのかを……。

 

まずは誰もが気になったであろう女子高生らしからぬ機械弄りという私の趣味について。

 

 

~回想~

 

切欠は人間誰しも1度は思ったことがある感想や思い、欲望からだった。

 

今となっては知らない人はいないと言ってもいいだろうアニメ『ドラえもん』。当時4歳だった私はそのアニメで数々の便利な秘密道具を見て両親にこう言った。

 

鈴音(幼)『わたしもドラえもんがほしい!』

 

そう我が儘を言った私に両親はドラえもんの縫いぐるみを買ってきてくれた。普通の子供ならこれで満足し喜ぶだろう。けど大宮鈴音はこの頃から既に普通じゃなかったのか両親にこう否定した。

 

鈴音(幼)『ちがうよ!わたしがほしいのはべんりなどーぐをだしてくれるドラえもんそのものだよ!!』

 

この言葉で両親は苦笑いをしながらやんわりと否定し続けた。このやり取りが約1年間続き、5歳になった私は1人呟いた。

 

鈴音(幼)『こうなったらわたしがドラえもんをつくるんだ……』

 

この5歳からは考えられない(まぁある意味5歳児らしいのかもしれない)ような発想から徐々に『大宮鈴音』を作り始めたのだろう。

 

私は今こそは転生して未来と同居しているが、大宮家は小さい機械工場である。具体的に何かを造っている訳じゃなく、様々な物を製作してそこそこ有名になっていたとかなんとか。自分家のことなのにうろ覚えすぎるな……。転生生活が長いからかな?

 

 

~現在~

 

……といった感じでそれからは転生するまでの私は学業等の片手間で何かしらの機械を弄くってはキテレツ君みたいに発明品を造っていたね。秋頃に部員の皆とポケモン対戦する時もタブレットみたいな物も造ったっけ。

 

未来や綾香からはそれでお金稼げるんじゃないか、それを仕事にすればいいんじゃないかと言われてたけど、私にとってはあくまで趣味なんだよねぇ……。ちなみにドラえもんを造る野望はまだ密かに私の心に宿っています。

 

あとはそうだなぁ……。私の世界が変わった切欠であるアニメについて少し語っていくとしようか。

 

 

~回想~

 

小学4年生になった私は両親から自分の部屋を貰った。5歳の頃から家では何かと機械を触ることが多かったので、自由にそれをする部屋が必要だろうとのこと。

 

部屋にはテレビもあるし、エアコンやなんとパソコンと冷蔵庫もあった。これ等の豪華な電化製品達に関しては日頃頑張っている御褒美だけど、もしも壊したら自己責任ということだそうだ。

 

テレビからは様々な知識が得られるので、とにかく色々な番組を見た。アニメ、ニュース、バラエティー番組、洋画等々……。夜寝付けずにテレビをつけたときに偶々やっていた『涼宮ハルヒの憂鬱』というアニメをついつい見入ってしまって、新聞を見ては毎回録画したのは今でも覚えている。

 

録画してある『涼宮ハルヒの憂鬱』の最終回を見終わって何か面白い番組がないかとネットで探している内に私は出会った。

 

『化物語』。後の『物語シリーズ』となるアニメに……。

 

凡そ小学生にはまだ早い過激なシーンも多々あったけど、私は気にすることなくゆっくり時間をかけて見続けた。そして『化物語』を全話見て私はあるキャラクターの言葉に感慨を受けた。

 

 

『人は1人で勝手に助かるだけだよ』

 

 

この台詞に心打たれて私はこのキャラが全アニメの中で1番好きなキャラになった。他にも色々な言葉があったけど中でもこの台詞が1番好きだった。

 

転生する前の私は特に喧嘩が強いわけでもなく、特別運動ができるわけでもないけどこの台詞が私の原動力となってクラスの男子に喧嘩を売られた時(何故売られたかは全くわからない)もボロボロではあったものの、その男子に喧嘩で勝った。これが私の初喧嘩である。

 

その男子の仇討ちのために私に喧嘩を吹っ掛けた男子に対しても私は……。

 

鈴音(小)『◯◯君は元気良いなぁ。何か良いことでもあったのかい?』

 

等と煽ってはその男子がキレて殴りかかってきたけど、今度は反撃されることなく喧嘩に勝ってしまった。今思えば初喧嘩の時の経験値がその喧嘩の勝利に繋がっていたんだろう。

 

 

~現在~

 

といった感じで小学4年生の私はそこそこ?御転婆な少女だった。バトル物のアニメを見ては自分が戦う妄想をしてしまうよくある厨二病のような感じだったのだろう。それでも自分よりも体格のある男子に勝てたのは奇跡だと思ったけどね。




今回はここまでです。

キャラ紹介

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。今回の語り部で未来にも明かしてない自分の過去を読者限定で赤裸々に話す。つい最近見直した『電波教師』という漫画にある『どこでもドア製造論』を見て物理の勉強をよくするようになった。

鈴音の過去編は3話くらいを予定しております。

ではまた次回で会いましょう!


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ポケモンの巻④

ちなみに今回の話はポケモンの巻①~③とは繋がってません。では今回もよろしくです。


綾香side

 

綾瀬綾香です。ポケモンの新作まであと2週間を切りました。もう毎日が楽しみになってきます!そんな中で……。

 

未来「はぁ……」

 

先輩の1人がクソでか溜め息を吐いていました。

 

杏子「し、師匠?ど、どうしたんですか……?」

 

鈴音「なんか自分の推しポケモンが新作にいないんだって」

 

綾香「なんだ……。そんな事で……」

 

大したことなくて良かったよ……。もっと大事かと思ったからね。そんな事を考えていたら未来先輩に詰め寄られた。

 

未来「そんな事ですって……?」

 

綾香「えっ……?」

 

鈴音「あ~あ、地雷踏んじゃったね」

 

綾香「じ、地雷ってなんですか……?」

 

未来「貴女達3人はいいわよね。推しポケモンが新作に登場が確定してるもの。私なんか初代の頃から愛用してるのにも関わらず新作では参戦できないかもしれないのよ?仮にできたとしても最初の数ヶ月は封印されてるのよ?これからは何を楽しみにポケモンをやればいいのかしら……」

 

未来先輩が私の両肩を掴んで目を虚ろにしてブツブツと呟きだした。いや怖すぎますよ。聞いてるこっちが辛いですよ!

 

杏子(師匠に何かあったんですか?)

 

鈴音(さっきも言ったけど、推しポケモンが新作にいないんだって。それに私も自分の推しポケモンが登場確定してるからって今の綾香みたいに絡まれたんだよね……)

 

杏子(師匠の推しポケモンって確かニドクインでしたよね……?)

 

鈴音(うん、初代からずっと使ってただけあって新作に出てこないのが堪えたみたい)

 

杏子(それは辛いですね……。私はそこまでポケモンをプレイしていないからもしも師匠の立場になったとしても然程辛くないかもですけど)

 

鈴音(私もそうだけど、未来もどの世代のソフトもじっくりやってたからねぇ……)

 

何やら鈴音先輩と杏子が内緒話してる……。そんな事しないで早く助けて!そう思っていると救世主の美咲先輩が来てくれた。

 

美咲「あれ?なんか空気が暗いよ?どうしたの?」

 

未来「美咲……。私の味方は貴女だけよ!」

 

美咲「えっ?えっ?どうしたの未来ちゃん!?」

 

綾香「えっとですね……」

 

私は未来先輩に絡まれた内容を美咲先輩に伝えた。

 

美咲「その気持ちよくわかるよ……。でも未来ちゃんの推しはその子だけじゃないよね?」

 

未来「……そうね」

 

美咲「私も1番の推しが新作に出そうにない事に対してはすっごく嘆いたよ?でも現実はこんな風に辛いことの連続だから……。私達も前に進まなきゃいけないんだよ!」

 

未来「そう……よね。……どうかしてたわ。ありがとう美咲。そしてごめんなさい、鈴音に綾香」

 

鈴音「気にしてないよ。それにまだ諦めるのは早いと思う」

 

綾香「鈴音先輩の言う通りですよ!例年通りに旧作のポケモンだってきっと使えるようになります!!」

 

未来「そうね。私は絶対に諦めないわ。最後まで願い続けてきっとあの子が帰ってくる事を信じる……!」

 

やれやれ、やっと何時もの未来先輩になってくれました……。ありがとう美咲先輩。やっぱり美咲先輩は私の憧れです!

 

というポケモンの最新作が発売される前の総武高校麻雀の会話でした。




今回はここまでです。

キャラ紹介

綾瀬綾香……総武高校の1年生で麻雀部部員。好きなポケモンタイプは炎。燃える感じが格好良いという男の子理由。彼女がやってきたポケモンでも最初の御三家は全て炎タイプ。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。好きなポケモンタイプは毒。毒々、守る、身代わりといったインキャ戦法大好き。レートでも3試合に1回は毒戦法で戦う。

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。好きなポケモンタイプは鋼。2世代のポケモンをやった時に初めて出た鋼ポケモンの耐性に一目惚れ。イーブイの進化先に鋼タイプが来ないか密かに期待中。

妹尾杏子……総武高校の1年生で麻雀部部員。好きなポケモンタイプはフェアリー。最近はピカチュウのそっくりさんであるミミッキュやデデンネの育成に嵌まり中。ニックネームは麻雀部部員の仲間達。

佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。好きなポケモンタイプは飛行。Z技を使う度に空も飛べる筈と口ずさむ。新作でカモネギが進化すると聞いてちょっぴりハッピー。







作者も剣盾楽しみです!


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ポケモンの巻⑤

本編はもうちと待ってくれぃ……!まぁ誰も読んでないだろうけどね。という訳で今回もよろしくです。


綾香side

 

綾瀬綾香です!明日はいよいよポケモン最新作の発売日!楽しみです!!けど……。

 

綾香「ヴァァァァァッ!また負けたぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

美咲「えっと……。綾香ちゃん大丈夫?」

 

只今美咲先輩にボッコボコのボコにされてます……。いやね?通常レートの対戦とかならわかるよ?伝説幻の対戦とかでもわかるよ?その2つは育て方次第なんだもん。圧敗してもしょうがないよ?でもね……。

 

綾香「なんで指降りバトルで惨敗しなくちゃいけないんですかぁぁぁぁぁっ!?」

 

美咲「お、落ち着いて……」

 

そもそも指降りって育て方の違いは多少あるかもだけど、基本運じゃん!勝つどころかHPゲージを黄色まで減らせず負けるってどういう事!?唯一HPを赤ゲージまで減らせた試合も……。

 

 

~回想~

 

綾香『よし、勝てる……。勝てるよ!』

 

美咲「う~ん、これは流石にキツいかなぁ……』

 

綾香『私のHPは満タン!かたや美咲先輩のポケモンはHP目測数ミリ!!これで……最後ですっ!』

 

ゆびっこのゆびをふる攻撃!

 

指を振ったらだいばくはつが出た!

 

綾香『ゑ?』

 

美咲『ゑ?』

 

 

~現在~

 

あの時だって美咲先輩が使ってたポケモンがジュペッタじゃなかったら勝ってたのに!

 

美咲「鈴音ちゃんと未来ちゃんが予備校、杏子ちゃんが私用で部活に来れないから綾香ちゃんと遊んでたけど……。まさかこんな結果になるなんて誰が予想してたんだろうね?」

 

綾香「それは此方の台詞ですよ!……というか美咲先輩は大学受験は大丈夫なんですか?」

 

今もポケモンやってるし。いや、誘ったのは私なんだけどね?

 

美咲「あれ?言ってなかったっけ?私もう受験終わってるよ」

 

綾香「ええっ!?一体何時……?」

 

美咲「私が通う大学って試験が夏にあるんだよね。あっ、インハイ前ね?それで私だけ一足速く受験終了だよ!」

 

綾香「というか美咲先輩が鈴音先輩と未来先輩と違う大学っていうのに衝撃を受けたんですが……」

 

他にもインハイのクソ忙しい時期に麻雀と勉強を両立……あっ、美咲先輩学年1位と2位しか取ったことないんだった。じゃあいいや。

 

美咲「あの2人には2人の道があるからね……。それに通う大学は違っても一緒に遊べるから気にしてないよ!」

 

ほぇぇ……。美咲先輩大人だなぁ。やっぱり憧れだなぁ。

 

美咲「さっ、この話は終わりにして続きやろうよ!」

 

綾香「はいっ!今度こそ勝ちますよ!!」

 

受験云々はまだ先の話だし、今はポケモンを楽しもう!明日には新作が出るしね。

 

ちなみにこの後20戦くらい指降りバトルをやったけど、1度も勝てませんでした……。




今回はここまでです。

キャラ紹介

綾瀬綾香……総武高校の1年生で麻雀部部員。性格は腕白。ミントを利用してすばやさが上がりやすくなる。

佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。性格は無邪気。ミントは使わずそのままの自分で行く。

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。性格はおっとり。ミントを利用してこうげきを高める。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。性格は冷静。ミントによって慎重よりに。

妹尾杏子……総武高校の1年生で麻雀部部員。性格は臆病。そんな自分でも攻撃的だと主張してミントを使用。結果寂しがりになる。


ポケモン剣盾早くやりてぇですよ!


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生徒会の巻①

今回もよろしくです。


生徒会……。それは学校内で優秀な人材を集めて作られた組織。そこの生徒達は日々学校をより良くしようと活動している。

 

そしてそれは総武高校も例外ではない……!

 

美咲「じゃあ会議始めるよ~!」

 

生徒会長佐野美咲……。

 

未来「今回挙がっている議題は5つね」

 

生徒会副会長響未来……。

 

鈴音「とりあえず順番に挙げていこうか」

 

生徒会書記兼会計兼庶務大宮鈴音……。

 

伊吹「…………」

 

生徒会顧問指宿伊吹……。

 

以上が生徒会のメンバーである。

 

鈴音「まずは食堂から。食器返却口に食器と一緒に紙パック、空き缶、ペットボトルやビン等を一緒に出す人達がいて困っているらしいよ」

 

美咲「う~ん……。専用の塵箱をそれぞれ新しく設置しておいた方が良いよね?」

 

未来「次の議題は広報紙が読み辛いからなんとかしてほしいそうよ」

 

美咲「レイアウト書いて作り直そっか……。次は?」

 

鈴音「職員室からで、両面コピー厳守なのに守らない教師が多いって」

 

美咲「そんなの知らないよ……。私達が先生達に注意すれば良いの?……他は?」

 

未来「野球部からね。東側の金網が破れていて、野犬が入り込んで来ると出ているわ」

 

美咲「……それは業者の仕事だよね?」

 

鈴音「最後の議題はパソコンを買い換えたので、ネットワーク設定してほしいって」

 

美咲「それも私達の仕事じゃないような……」

 

鈴音「……海浜総合高校から」

 

美咲「しかも他校なのぉ!?」

 

このような感じで総武高校生徒会は頼られています。その評判は知る人ぞ知る名物生徒会となっています。

 

美咲「……まぁ良いや。なんか御腹空いちゃった。この会議終わったら何か食べに行こうよ」

 

鈴音「何を食べに行く?私は近くのサイゼが良いかな」

 

美咲「……私は和食の気分かなぁ。未来ちゃんは?」

 

未来「今日はなりたけでギタギタを食べたいわね」

 

鈴音「バラバラじゃん……」

 

こうしてたまに一緒に食べに行く御飯でも悩みは尽きません。それが総武高校の生徒会です。

 

伊吹「そういえば駅前に焼肉屋が新しく出来たらしいよ~。評判もそこそこ良いみたい」

 

美咲「そうなんですか?」

 

鈴音「じゃあ中間択でそこに行く?」

 

未来「和食と中華とイタリアンの中間が焼肉屋ってどうなのかしら……。けれどこのままだと平行線になりそうだし、そうしましょうか」

 

美咲「じゃあ決まり!漸く1つ決まったよ~!」

 

鈴音「……いや、議題の方は何1つ決まってないよね?」

 

美咲「……そうだった。じゃあそれぞれの問題の解決方法を改めて議論していこうか!」

 

こんな感じで今日も生徒会は活動しています!




今回はここまでです。

キャラ紹介

佐野美咲……総武高校の2年生で麻雀部部員。生徒会長。好きな和食は刺身。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の2年生で麻雀部副部長。生徒会副会長。好きなラーメンは味噌。

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の2年生で麻雀部部長。生徒会書記兼会計兼庶務。好きなサイゼのメニューは辛味チキン。

指宿伊吹……総武高校の教員で麻雀部顧問。生徒会の責任者の教師でもある。最近の本編、番外編で影が薄くなりがち。


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夢の巻①

今回もよろしくです。


綾香side

 

道を歩いていると財布を拾ってしまった。持ち主の確認の為に中身を確認した。

 

綾香(わっ!何これ!?滅茶苦茶御金入ってる!)

 

これだけあれば暫くは御金に困らないよ……!でも交番に届けた方が良いよね……?

 

そう考えていると突然上空から何か降りてきた。

 

天使「交番に届けようよ!持ち主が困っているかもしれないし……」

 

綾香「えっ?美咲先輩!?こんな所で何やってるんですか!?しかもその格好……クオリティ高っ!」

 

本物の天使にしか見えないよ……。何処で売ってるのそのコスプレ?

 

天使美咲「美咲じゃないよ。天使だよ!とにかく!早く交番に届けようよ!その人にとって大切な物が入っているんだから!」

 

確かに免許証とかクレカとか入っているし、届けた方が良いよね?

 

そう思っているとまた上空から何か降りてきた。

 

悪魔「そんなの財布の中に入っている御金だけを取れば良いのよ。或いはその財布の柄とかが気に入ったのならまるごと持っていっても良いけれど……」

 

綾香「今度は未来先輩!?此方もコスプレのクオリティ高っ!」

 

此方も悪魔にしか見えない……。なんならどっちも私が言い値で買い取りたい位だよ。

 

悪魔未来「未来じゃないわ。悪魔よ。それよりも中には結構な額が入っているのだし、そもそも落とした時点で所用者の実権を失っているのよ?身分証の類いを燃やしてしまって、残った御金だけを貴女の物にすれば良いわ」

 

この悪魔其処らの悪魔よりも悪魔なんだけど!?いや、私其処らの悪魔の悪どさを知らないけどね……。

 

綾香(しかし利にかなってる。流石未来先輩……。犯罪度は増して酷くなっているような気がするけど)

 

未来先輩の悪魔的呟きが魅力的過ぎて一瞬そうしようと思ったけど、やっぱり交番に届けた方が良いよね?でもでも財布に入っている御金は魅力的だし……。ああもうどうしよう!?

 

横山「私は横山……。とりあえずその財布を一旦私に預けてみてはどうかな?」

 

綾香「こ、今度は鈴音先輩!?」

 

横山「鈴音じゃなくて横山だよ」

 

綾香「大宮ですらない!しかも鈴音先輩だけ総武の制服だし。一旦預け……ってなんで!?あっ、もしかして鈴音先輩が交番に届けてくれるって事ですか?」

 

横山「届けないよ。でもとりあえず一旦私に預けると良いよ」

 

綾香「嫌ですよ!絶対そのままパクるじゃないですか!」

 

と、とにかく1度整理しよう……。

 

綾香「えっと……。美咲先輩の主張は?」

 

天使美咲「天使だよ!交番に届けなきゃ駄目だよ!善行を働けばそれがきっと自分に良い方に返ってくるよ!」

 

綾香「未来先輩は……?」

 

悪魔未来「悪魔よ。財布の中身を取れば良いのよ。それが貴女にとっての最適解よ」

 

綾香「……鈴音先輩は?」

 

横山「横山だよ。とりあえず一旦私に預けてみてはどうかな?」

 

天使&悪魔&横山「さぁ!どうする!?」

 

綾香「いやなんで!?絶対鈴音先輩の主張いらないでしょ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

綾香「……っていう夢を見たんです」

 

鈴音「えー……」

 

未来「……とりあえず綾香が私達の事をどう思っているかわかったわ」

 

美咲「あはは……」

 

な、なんか未来先輩が怖い!鈴音先輩も目が死んでる!?

 

皆も見る夢には気を付けよう!




今回はここまでです。

キャラ紹介

綾瀬綾香……総武高校の1年生で麻雀部部員。財布を拾う夢を見て、脳内に天使美咲、悪魔未来、鈴音横山を出現させる。

佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。天使。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。悪魔。

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。横山。


本編は先鋒戦ラストの展開で現在煮詰まりなう。これもコロナのせい……!


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ポケモンの巻⑥

今回もよろしくです。


綾香side

 

綾瀬綾香です。Wi-Fiが繋がっている部室でポケモンをやっていると……。

 

 

バタンッ!

 

 

???「突然ですが、質問です!」

 

未来「……本当に突然ね」

 

鈴音「どうしたの?」

 

???「もしかして今部活中ですか?」

 

美咲「ううん、息抜きがてらに皆でポケモンやってるよ。ところで……」

 

???「おおっと佐野さん!私の事はとりあえずモブ子と呼んでください!!」

 

いきなり入ってきた3年生……もといモブ子先輩は私達に質問があるようで……。

 

モブ子「今空前のポケモンブームだと伺っております。特にこの麻雀部はガチ勢の集まりだと耳にしました!」

 

た、確かに。剣盾が発売して早半年(作中の番外編では一部を除いてサザエさん時空の為違和感が生じると思いますが御了承ください))以上……。その中でも未来先輩は常に順位一桁だし、鈴音先輩と美咲先輩も二桁前半をキープしてるし、杏子もこないだのシーズンは二桁に滑り込んだし……。

 

私?未だに150位が最高ですが何か?

 

鈴音「とりあえず質問に答えていけば良いのかな?」

 

モブ子「はい。私が幾つか質問しますので、嘘偽りなく答えてください!」

 

未来「はぁ……。わかったわ」

 

美咲「あはは……」

 

そんなこんなで質問が始まった……。

 

モブ子「初めてやったポケモンのソフトは何ですか?」

 

美咲「赤バージョンだよ!」

 

未来「青ね」

 

鈴音「確か緑だったかな?」

 

杏子「ウルトラムーンです……」

 

綾香「プラチナバージョンです」

 

モブ子「ふむふむ……」

 

杏子は最近始めたばっかりだからともかく、先輩達皆初代からやってたんだ……。しかも3人共違うバージョンだし。仲良いなぁ……。

 

モブ子「では大宮さん、響さん、佐野さんに質問です。先程やっていたソフトのハードは?」

 

鈴音「勿論GBCだよ」

 

未来「当然GBCよ」

 

美咲「私もGBCだよ!本体はSPだけど……」

 

この3人マジでポケモンやってるんだなぁ……。私も一応DLCで初代も金銀もやってきたし、リメイクされたという話から3世代目のポケモンもやったけど、先輩達は別格に感じる……。

 

モブ子「綾瀬さんと妹尾さんに質問です。剣盾含めて全てのシリーズのポケモンをプレイした事はありますか?」

 

杏子「は、はい!先輩達に勧めてもらってリメイクではありますが、全ての世代をプレイしました」

 

綾瀬「私も一応やってきました……」

 

モブ子「ほうほう……」

 

さっきからモブ子先輩は何をメモしてるんだろう……?

 

モブ子「では次の質問です。それぞれの世代のポケモンを初めてプレイした時のパートナーをタイプで答えてください」

 

鈴音「草、炎、水、草、炎、炎、水、炎だね」

 

未来「炎、草、水、水、水、水、炎、炎よ」

 

美咲「水、水、水、炎、草、草、草、炎だよ!」

 

杏子「え、えっと……。草、炎、炎、水、草、水、水、炎です」

 

綾香「え~っと……。全部炎ですかね?」

 

あれ?私ってば炎タイプ好きすぎない?皆満遍なく選んでいるのに。皆も驚いて私を見てるし……。そして8世代はやっぱりエースバーン一択だよね。隠れ特性強いし、前情報でも凄い人気だったし……。

 

モブ子「成程成程……。では綾瀬さんに質問です」

 

えっ?私!?

 

モブ子「綾瀬さんは御三家に全て炎タイプを選んでいますが、その切欠はなんでしょうか?」

 

まぁそういう質問がきますよね……。DLCでやったソフトと剣盾、USUM以外では直感的に炎タイプを選んだんだけど、もしかして私は……。

 

綾香「炎タイプ……もっと言えば赤やオレンジ系統の色とか火が好きだったからだと思います」

 

多分これが答えだよね?

 

モブ子「良い話が聞けましたね……。次に大宮さん、響さん、佐野さんに質問です。3人は3世代目のポケモンを初プレイした時に水タイプの御三家を選んでいますが、それに対する弊害があったりはしましたか?」

 

鈴音「そうだね……。やっぱり橋の下のジュプトルに幾度も詰まされた事かな?」

 

未来「……私もよ。御蔭で当時は圧倒的レベル差でライバルに挑む事になったわ」

 

美咲「私もだよ。草4倍弱点は辛かったよねぇ……。それ以外の弱点はないとはいえ」

 

そ、そんなにキツかったんだ……。今度美咲先輩に旧作を借りてやってみようかな?

 

モブ子「次は全員に質問です。旧作限定の2世代目を初めてやった中で1番キツかった事はズバリなんでしょうか?」

 

ああ……。この質問か。これはもしかしたら皆答えは一緒かも。

 

鈴音「……まぁアカネのミルタンクかな?」

 

未来「……同じね」

 

美咲「私も。やっぱり1度は通る道なんだよね……」

 

杏子「わ、私もです。格闘タイプを連れてくれば有利とは限りませんね……」

 

綾香「私も同じです……」

 

やっぱりそうだよね……。あの見た目で素早いわ、踏みつけの火力高いわ、それで怯むわ、霊タイプのポケモン捕まえても転がられるわ、追い詰めたと思ったらミルク飲まれるわで本当に辛かったよ。リメイク版でも特性は肝っ玉だったらしいし、本当に隙を感じないよね。

 

モブ子「では対策を知った今ではどのような対処をするでしょうか?」

 

鈴音「レベル差で押すかな?特にリメイク版は育ちやすいし」

 

未来「搦め手を使うわね」

 

美咲「最終手段としては通信進化したゴローニャで攻めるかな?攻撃技を全部半減で受けてくれるし、レベルが勝ってるなら難なく勝てると思うし」

 

杏子「薬を駆使して持久戦……でしょうか?」

 

綾香「レベル差で攻めます!」

 

鈴音先輩と意見が同じだったか……。杏子の意見は財力次第だけど、目処はあるのかな?あと未来先輩の搦め手が気になる……。

 

モブ子「ふんふむ……。それでは最後の質問です。それぞれの世代の中でも1番楽しかったストーリーを教えてください」

 

ストーリーが1番楽しかった世代……なんだろう?USUMと剣盾ではストーリーを楽しむ余裕はなかったし……。

 

鈴音「私は2世代かな?内容が沢山あったし」

 

未来「初代かしらね。ロケット団の陰謀を次々と阻止するのは中々面白かったわ」

 

美咲「私は3世代だよ!特にエメラルドでグラードンとカイオーガの争いをレックウザが止めるシーンは熱かったね!リメイク版のエピソードΔもあれはあれで面白かったよ!」

 

杏子「私は5世代の……BW2の方でしょうか。ライバルの人情には思うところがありました」

 

綾香「私はやっぱり第4世代ですね。ストーリーの質も良かったですが、やっぱり私が初めてプレイしたポケモンというのもあって思い入れがあります」

 

色んな意見があるなぁ……。今度それぞれの世代のストーリーを改めてプレイしてみるのも良いかもね。

 

モブ子「……うん!ありがとうございます!色々と参考になりました!」

 

鈴音「えっと……。何の参考にするのかな?」

 

モブ子「禁則事項です。それではアデュー!」

 

軽快にモブ子先輩は去って行った。なんというか……。

 

未来「……嵐の様な人だったわね」

 

本当それな!




今回はここまでです。

キャラ紹介

綾瀬綾香……総武高校の1年生で麻雀部部員。好きな御三家のタイプは炎。最近料理がマイブーム。料理は火力だぜ!

大宮鈴音……ある世界から転生してきた主人公。総武高校の3年生で麻雀部部長。好きな御三家のタイプは水。暑くなってきた最近では水浴びをしたいという心境の現れが出ている。

響未来……鈴音と一緒にある世界から転生してきた。総武高校の3年生で麻雀部副部長。好きな御三家のタイプは水。秘伝要因としては便利だと思っている。使えるものは使っていく主義。

佐野美咲……総武高校の3年生で麻雀部部員。好きな御三家のタイプは草。草木や花に癒されたくなる年頃。最近観葉植物を育て始めた。

妹尾杏子……総武高校の1年生で麻雀部部員。好きな御三家のタイプは炎。曰く恋愛は燃える気持ちが大切らしい。何処で得た知識なのかは秘密。

モブ子……総武高校の3年生。好きな御三家のタイプは草。なんか草が生えそうになるという理由らしい。

もう少しで本編が書き上がる筈……。それまで待ってくれると有難いです。


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