神様がくれた余計なチャンスを使ってみた。 (日呂)
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プロローグ

やる気は安定しません。


 

 

 

「ん、ありゃ…?」

 

 

 

 

気付けば白と黒の二色が何処までも平行線を描く世界に居た。

テンプレだ。驚くほどに。だが普通単色だろう。

でも、まさかこんな状況に自分が陥るとは…その現実にまた驚いてしまう。

だが、気はしっかり持とう。こんな時は深呼吸…すぅー、はぁー…はてさて。

 

 

 

「ふむ……と、なると…次は」

 

「私が出て来る流れになるのかな?」

 

「おおう…えぇ、それ自分から言うのかよ。この流れだと神様な存在な人よ」

 

 

 

 

あ、まだ名乗ってないのに。と言いながらも苦笑するどこか疲れた雰囲気の中年男。

 

俺はそれに対してこんなの分かり切った流れじゃねーかと呆れながら言いその中年男を見やる。

 

そんな俺に神様と呼ばれた中年男は、苦笑いの表情を崩さぬまま俺の目を真っ直ぐ見据えて、ゆっくりと話し出した。

 

 

 

 

「うん……まぁ、確かに僕は君の言う神に属する存在だね」

 

 

 

 

まぁ、中間管理職みたいな位置だと思ってよ。

 

そう付け加えた笑みは本当に疲れていて、こちらが同情したくなるほどだ。まぁ俺には関係ないけど。

 

 

 

 

「で、その神様がただのヒューマンな俺に何の用?

 

明日も仕事なんだよ俺。朝から早いんだけど?」

 

 

 

 

俺は所謂自動車の整備士。メカニックと言われる職についていたりする。

 

明日はお得意様の車の車検なのだ。しかも一人で3台。上客というやつだ。

 

 

 

 

「ん、すまないがそれはキャンセルになった。大体予想出来てると思うけど、君は先ほど仕事帰りに事故で亡くなった」

 

「おいおいおいおい……ったく、ようやく社会に慣れ出した社会人3年目の若者の未来を台無しにしてくれた神様には言葉が尽きないがねぇ…。

 

 人をそうほいほい殺すもんじゃねぇよ?」

 

 

 

 

あまり受け入れたくない神様の言葉に軽く目眩を感じ額を抑えた俺は、呆気なく終わった自分の人生に小さくため息を漏らす。

 

そんな俺の態度に疑問を感じたのか、神様は首を傾げて尋ねてくる。

 

 

 

 

「何だか、やけにシラけてるね?」

 

「ん?ああ、まぁ確かにな…楽しい人生であったし、未練が無いと言えば嘘になるが…まだ何処か夢だと思ってるのかね」

 

「ああ、そうだね。普通に考えれば無理もないね」

 

 

 

 

根本的な原因である目の前の神に人間の常識に同意されても、返す言葉が俺には無かった。が、先ほどから気になる事を今の内に聞いておく事にする。

 

 

 

 

「なぁ、神様よ。この流れでいけば俺は転生する流れだと思われる訳だ…。しかも俺の趣味的に言うとエヴァかリリなのかなぁ…なんても思ったりしてる。

俺としては大人しく輪廻の輪を所望するが、神様の回答としてはどうかな」

 

「ん、まぁ正解だね。うん、僕の説明を省いてくれた君にはあとで特典を付けてあげるよ」

 

 

 

いらんがな、とは言っても無駄だろうからその言葉は飲み込んだ。

にしても、無駄に特典をゲットした訳だが、本当に転生が正解だとは…。

 

だがそうなると語り尽くされ、テンプレしかなくなった、更には二次創作で改変され尽くされた事のある世界に行くわけだ。

 

手垢だらけってレベルじゃない。むしろどっちの世界も今となっては手垢で構成されてるみたいなもんだ。

 

旨味が全く無い気もするが…。まぁ行けるなら行ってみたいとも感じていた世界である。こんなチャンス、奇跡と言って良い。

 

なんせ二次元。俺の嫁と謳い続けたあの子に会えるチャンスなのだから。

 

 

 

 

「だが断る」

 

「却下。その選択肢は無いんだ、ごめんね」

 

「ですよねー」

 

 

 

 

呆気なく棄却される辞退。

 

何故あそこまで持ち上げていたチャンスを断るかって?

 

当たり前だろ、二次元に行った所で本当に嫁になってもらえるはずがない。

 

ましてや他の二次創作のようにメインストーリーに絡めるかも分かったもんじゃない。

 

絡めたとして死亡フラグしかない。

 

そして当然だが死にたくもない。

 

デメリットが大き過ぎる。

 

これならあっさり輪廻の輪にでもぶち込まれた方がマシだ。

 

 

 

 

「あのさ、仮に行くとしてだよ?あんたは実際俺を送り込んで何がしたいんだよ。一度は完結した物語。しかも改変された世界は数しれず。

無闇にバグを組み込んでまで「これが、今の神の仕事だからさ」は?」

 

 

 

 

俺の言葉を遮り、神様は苦笑を深めた。

 

 

 

 

「今の人の世は安定して居る。本来なら歓迎されるべき事である。が、観測する側からするとあまりに変化が無さ過ぎたんだ」

 

「は、だからあえてトラブルを巻き起こすって?本末転倒じゃねーか。保守管理する側が不具合作ってりゃ世話ねーぞ」

 

「確かに、だがそれが中間管理職の悲しい所でね。上の指示は絶対なんだよ」

 

 

 

 

だから、さっきから申し訳無さそうなわけね。

 

納得した俺は、神様を同情しながら腹を決めた。

 

 

 

 

「なら、リリカルなのはだ。あの世界なら、変化出しやすくて世界を揺るがせやすいだろ」

 

「理解が早くて助かる。能力に関して、要望はあるかい?」

 

「まぁ、まずニコポなでポは要らんよ。外見も今のままで構わない。能力は魔力SS程度、スキルやなんかは特に指定はないが…

そうだな…無機物に関してだけで構わない、創造するスキルと、扱う技術と知識をくれ。無限の剣製の対象無制限の発展版…ってとこかな?」

 

「それだけでいいの?こっちの都合で死なせて転生までさせるんだ。もっと無茶なお願いも聞けるよ?」

 

「ならそっちで適当に詰め込んどいてくれ。特にあっちでやりたい事があるわけでもないしな。介入しろっていうならやる。俺のスタンスはその程度だ」

 

「ふむ、分かったよ。こっちとしても物足りなさがあるから、適当に見繕っておくよ」

 

 

 

 

俺の能力に関して軽くメモをしていた神様が、ああそう言えば、と視線を上げて俺を見る。

 

 

 

 

「無機物創造能力の理由を聞いても?」

 

「なに、趣味の車をより弄るのに便利かとね?」

 

「生まれるところからだから、18年はそっち方面には使えないよ?」

 

「いーんだよ、好きなことはコツコツと。それが俺の信条だ」

 

俺が軽く茶化しながら言うと、神様は暫し悩む様子を見せたあと、軽く紙にペンを走らせた。

 

「分かった、今言われたモノはしっかり付与されるよう手配するよ。

あ、さっき言った特典だけど、転生先でもし死ぬことがあった場合一度だけ生き返る事が出来るようにしておくから」

 

「また要らんもんを……」

 

俺の呟きに、そう言わないでよと苦笑を返しながら神様はノートを閉じた。

 

「他のスキルについては、後々僕のほうから付け足しておくから、その時を楽しみにしててね」

 

「特に楽しみでもねーよ、もうそんなことで喜べる歳でもないんでね」

 

「はは、君ぐらいでここに来た人間で狂喜してる輩もいたけどね……」

 

「……」

 

それはあれだ、たぶん自宅警備員の方だったんだろ。…まさかこれから行くところにいないよな?

 

「ごめん、居るんだ」

 

「ふざけんなよ!?確実に絡まれるフラグじゃねーか!!あとさらっと心読みやがって!!」

 

キレる俺に神様は曖昧な笑いしか返さなかった。あーめんどくせぇ…。

そんなこんなしていたらいよいよ転生のお時間らしい。俺の身体が透けてきていた。

 

神様は相も変わらぬ苦笑の中に申し訳なさを滲ませる、そんな神様に俺は笑った。

 

「あんま悩むとハゲるぜ神様」

 

「はは、癖なモノでね」

 

「心配すんな、何とかなるわな」

 

その俺の言葉に神様は苦笑ではない小さな笑みを浮かべ頭を下げると、小さく呟いた。

 

 

 

 

「貴方の行く先に幸多からんことを」

 

「こりゃ幸先いいな、神様自ら祝福の言葉を貰えるなんて。無神論者も捨てたもんじゃないらしい」

 

笑う俺の言葉に、神様はもう一度苦笑を浮かべた。

そこで俺の意識は闇に落ちた。

 

「正直、彼以前に送った者たちは厄介な者しか居ない…中には真面に思える者も居はしたが……」

 

転生を済まし、一人残った神である彼の呟きを残し、その世界も闇へと落ちた。

 

 

 

 




まあ先はまたいつか。


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壱話

そこそこに。繋がりは無暗に求めも拒みもしない主義


 

 

転生には、無事成功したらしい。

今の俺は9歳。周囲には背伸びしてるマセた子ども程度の認識をされている。

名前は荒垣カズマ。

スクライドの主人公と名が同一というのが、何気にお気に入りだ。

新たな俺の両親は今まで中々子供を授かれなかったらしく、こんな気味の悪い俺でも心から愛してくれている。

まぁ、最近は溺愛と言ってもいい程甘やかされている。

なんせ工作ができる作業場が欲しいなぁ、なんてことをポロッと言ったら冷暖房、キッチントイレ(風呂無し)完備の約10畳ほどの物を作ってくれるほどに。

あれには流石に引いた。まさか冗談で言った物が2日後には俺が使える形で渡されたのだから。

 

 

 

 

まぁ、それは今はいい。

俺は今、9歳では絶対に分からないであろう機械部品をチマチマと組み上げて居る。

何かと聞かれれば、俺の前世の仕事でもあった車の構成部品であるのだが、今のご時世珍しいキャブレターを弄っていた。

何故キャブレターかと言われれば、触る機会があまり無かったから、今の暇な時を使って堪能しておこう、ってだけの理由である。

 

「ふぃ~、やっと組み上げられたな…精度高過ぎだろまったく…」

 

自分が生み出したパーツだから、適当なもんだと思っていたが、中々に出て来るものは精密に出来ていた。

 

 

俺の能力。無機物なら大小問わずどんな物でも創り出せる能力。

初めは精度に関してはfateの士郎よろしく自分の努力次第だろうと思っていたのだが、いざ創り出してみると驚愕の精度であった。

なんせ1/1000ミリ単位の誤差すらなかったのだから。

それから様々な物を創り出してみて至った結論としては、俺が創りたい物を想像する

すると、実在であれ空想であれ該当する物が世界にあればそれを完璧な形で俺の手元に創り出す。というチートもいい所の能力であった。

ただ難点もあった。空想のものはその情報が世界に該当する物であっても寸法などの明確なものがなければ俺自身で設定しなければならないこと。

また俺のイメージのみに頼り創り出すものは俺の脳に過負荷を与え容易に創れない。オリジナルのナイフ程度なら創れる。

だが、実在しないパソコンのマザーボードなど情報量が多すぎて脳が焼き切れ造れないのである。

 

まぁ、その辺は今後の研究次第だろう。

俺はとりあえずキャブレターを作業台に置き、手に付いた油を洗い流し外に出た。

 

「もう昼か…腹減ったなぁ。今日の昼は何だろ」

 

まるで中年のようだが、気にしたら負けだ。決して精神年齢が30を超えてるなんて考えてはならないのだ。

そんな事を頭の隅に追いやりながら、俺は家の庭にある自分の作業場から家に入る。

 

「母さーん、お昼はなーにー」

「あ、カズくーん。今呼ぼうと思った所だったの。

 今日のお昼はチャーハンですよ?」

「おお、何この無駄にハイクオリティなチャーハン…旨そう」

「ふふ、沢山あるからいっぱい食べてね!」

 

そう言われたら食べるしかあるまいて。

俺は会話もそこそこに飯をかき込み出す。

そんな俺を嬉しそうに見る目の前の女性。

隠す意味も無く俺の母だ。名前は荒垣麻衣。

パッと見る限り中学生で通るロリな外見なのだが、息子の俺が見てメチャクチャ可愛い。

もう30を折り返したとは思えないのだ。

 

「何か失礼なこと言われた気がするなー」

「き、気のせいだよ…もぐもぐ」

 

あ、あぶない…母さん鋭すぎだろjk

あまりこの事については今後考えるのは止そう…。

まぁ、いまだに行きつけの映画館では俺の同伴時に子供料金で支払いをしているのを見て戦慄したものであるが。

そしてみゆきちボイス。正直反則である。

 

「で、今日も車の部品作ってたの?あの量見てるとそのうち車出来上がりそうな気がするよ?」

「うん、まぁね。やろうと思えば。でも形にする気は今のところ無いんだ。仕組みとか組み立てながら見るのが楽しいだけだから」

 

それに作ってもまだ乗れないし。長いよなぁ…あと9年、バイクは7年だけど…どっちみち長い。

そう零す俺に母はプッと吹き出した。その反応に俺はムッとしてしまうが、そんな俺の仏頂面に動じるでもなく母は笑い続ける。

軽く呼吸困難になっている母を放置し、俺はチャーハンの残りを一気に食べ、水を一気飲みする。

コップをテーブルに置いた時には母の笑いもだいぶ落ち着いていた。

 

「ご馳走様。美味しかったよ」

 

「あーん、カズくん怒らないでよー」

 

母さんが何か言ってるけど無視。別に怒ってるわけじゃありません。本当です。だからさ?抱き着くな!やめろ!!さり気にクンクンすんな!!!

抱き着いてくる母さんを引き剥がし、食べ終えた食器をキッチンの流しへ持っていく。

暫くの食休みを取った俺は、軽くシャワーを浴び、お出掛け用の服に着替えてリビングに戻る。

 

「じゃあ、母さん。ちょっと出掛けてくる」

「あら?どこか行くの?」

「うん、月村の家にね。頼まれてた物が出来たから、届けようかなって。連絡もしてあるし」

「そう、忍ちゃんとすずかちゃんによろしくね?」

「うん、じゃあいってきます」

「はい、行ったらっしゃい。車や怪我には気を付けるのよ??」

「はーい」

 

母さんの見送りに返事を返しつつ、俺は靴を履いて外へ出た。

今日は春の温かい日差しが眩しい晴れ、まだまだ肌寒い日も多いが、今日は出掛けるには最適な陽気。それに加えて日曜日。

抜群の外出日和につい鼻歌でも歌ってしまいそうだ。

家から月村の屋敷までは普通の9歳児で歩いて大体1時間。

だがまぁ、無駄にトレーニングをしてる俺なら半分ってところだろう。

とはいえ、急ぐ用事でもないのでゆっくり行っても問題はない。

春の陽気を満喫しながら散策がてら歩いていると目の前に見覚えのあるツインテールの女の子を見つけた。

歩く度にぴょこぴょこと揺れる特徴的なツインテールは一目で誰か判断出来た。

 

「おーい、なーのはー」

 

なのはと呼ばれた女の子は、ふぇ?と首を傾げながら振り向く。

その向けた視線の先に俺の姿を捉えると、その表情はこの春の陽気のようにいっきに華やいだものへと変化する。

そして、とてて、とあまり運動が出来るようには見えない走りで駆け寄って来るのは、俺のクラスメイトの高町なのは。

 

「カズマ君、珍しいね?お休みは大体お家に居るのに」

「ああ、月村の頼まれ物を届けにな。それに、こんな良い陽気に引きこもってばっかなのも体に悪い気がしてな」

「引きこもりがよく言うの」

「ああン?なんだとう?ツインテール?ぐぞこら」

「お、女の子の命をぞんざいに扱うのはよくないと思うな!!」

 

そう言ってふざけあいじゃれ合いながら暫し2人で街を歩く。ふとそんな街の風景や、空を眺める。

晴れ渡る空と街を彩る桜の淡い色独特のコントラストを醸し出していた。

急に黙った俺になのはは首を傾げる。

 

「どーしたの?」

「ん?いや…桜がね。もう春なんだなぁ、って思ってさ」

「ああ、もう満開だもんね。あ、今度またお花見しようよ!」

 

去年に続いて!そう嬉しそうに言ってくるなのは。

確かに花見はいいものだ。春にやるイベントの中でも上位に入るものではある。

だが、なのはは忘れてるわけではあるまい。去年の惨劇を。

 

「良いね。今週祝日あったし、そこでやるか。でも今年は去年の二の舞はごめんだぜ?」

「う、にゃはは、た、確かにあれはもう嫌なの…」

 

なのはもしっかり覚えている、あの死屍累々の惨劇の花見とも言える去年の花見。

元を辿ればカズマが悪い気もするのだが、一番の被害者もカズマだったためなのはは何も言えなかった。

 

 

しばらく歩いていると、丁度なのはの家とすずかの家に行く分かれ道に出た。

 

「と、さて、あまりゆっくりしていると約束の時間に遅れるな…。作ったもんも早く試してもらいたいし」

「あ、そういえば今度は何を作ったの?」

「何、大したもんじゃないさ。ちょっと市販のじゃサイズやら作動までのラグが気に入らない言われてな。

 ハンドメイドのオリジナルアクチュエータをいくつか作ってみたんだよ」

「この前は確かセンサー系作ってたよね…カズマ君万能すぎるの…」

「んなことはない、まだ処理装置やらには手を出せてないしな。まだまだだよ」

「そこまで行ったらもう人間じゃないの…」

「おいおい酷くないかそれ」

 

人間やめてる認定はさすがに回避したいが、なのはは作らない限りしないから大丈夫だよと言う。

大丈夫とは言うが、将来的に車の制御系まだハンドメイドするつもりだからどっちみち認定はされるな…。

素で引いているなのはの気持ちはよく分かる。

なんせ自分で出来てしまっている事に引いているぐらいだ。

試しに、と目当ての物の該当があるか探す。世に出ていなくとも個人で誰かが作った物ならば複製が可能なのだ。

俺はそれを改良、もしくはヒントに一からパーツを創りながら物を生み出している。

 

「まぁ、こんなもんでも役に立つなら良いんじゃないか?俺個人だと造って満足しちまうからな」

「そうだね…絶対にあの中の幾つかは特許取れるのありそうな気がするし」

「興味無いな」

 

だよね。そんな言葉と共になのはは苦笑とも呆れとも取れない表情を浮かべた。

 

「そうだ、なんなら一緒に来るか?むしろすずかなら喜びそうなきもするが」

「んー、ごめんね。今日はお店のお手伝いなの。今も足りなくなった調味料とかの買い出しの帰りだから」

 

そう言ってなのはは手元の買い物袋を掲げて見せる。

たまの休みを家の手伝いとは、恐れ入る。

 

「そうか、そいつは仕方ないな。じゃあ今週の花見、みんなでやろうな」

「うん!前のお花見はちょっと失敗だったし、今度こそ絶対に楽しいのをやろうなのっ!」

 

前の花見…確かに酷かったもんなぁ。

誰が盛ったか知らんが子供にまで酒飲ませて誰にも手が付けられなくなったからな。

あの時は後処理が大変だった…。

 

「?どーかしたのカズマ君?」

「いや、気にしなくていいよ…。次はちゃんとやろうな…はは」

「う、うん…」

 

そのあと、なのはと別れ、おれは少し急ぎ気味にすずかの家へと急いだ。

 

 

 

 




主人公は普通にちょっと機械系が出来過ぎる男の子やってます。
なかなか大人げないのでクラスメイトの男子とのドッチボールやらサッカーでも勝ちに行きます。身体能力も神様からもらってたりするので勝ちまくり。キタナイさすが主人公キタナイ。

高町、月村、バニングスとは中々に良好な仲を築いています。


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