永遠の操縦者と天才クリエイター (金宮 来人)
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00 永遠との出会い

最新作でアップします!
いやぁ、前のと比べたら絶対稚拙だと思いますし、全然いい話ではないと思いますから、期待はしないでください。
では、本編へどうぞ。


俺は掴まっている。姉である織斑千冬が、IS世界大会で有る《モンド・グロッソ》に出場していてその決勝戦への出場を止める為の人質という事で俺は連れ去られた。

そして、俺の隣にはもう一人少年が掴まっている。丁度俺が捕まる時に一緒にいた少年。

こんな状況だと言うのに普通にしている。怖がっている風もないし、何故こんな状況を受け入れる事が出来ると言うのか・・。

「くそっ、あの女!!警告を無視して出場しやがった!!」

「作戦は失敗・・か。ならばこの子供に用はない。」

そう言って男たちは俺に向かって近付いてきた。その手に黒く光る銃を握って。

「ねぇ・・。」

そこに、その場の雰囲気をまるで無視した空気を読まない声がした。

「君が織斑一夏?」

今まで一緒に居たのに知らなかったのかよ・・。つかそれどころじゃないっつうのに・・。

「あぁ、そうだよ!!だからなんだって・・」

「そうか・・君だったのか・・。」

そう言って彼は縛られているはずのロープを手から外した。

「なに!?あのガキは縛っていたんじゃ・・」

「ちゃんと縛って居たぜ!!」

そう言われた少年は俺に向かって黒いグリップと何かをはめ込む部分のついたナイフを投げて俺の手のナイフを切った。

「さて・・そう言う事なら・・これが運命だ。これこそが運命だったんだ。今、この場で会う事になるとは・・面白い運命だね。」

そう言って手に白い何かを持つ。そして、紅い差し込み口が有る部分を俺の腰につける。それはベルトのバックルになりそこに何かを指す形になっている。片方しかないそれをつけられて俺も男どもも呆然としている。一体これは・・

「此処で君は死ぬ運命ではない。それは決まった。」

《エターナル》

USBメモリに似た何かのボタンを押して俺に渡す。その時に音声が流れた。

「さぁ・・運命は変えられた・・・足掻きもがき・・その先に進め!」

「よ、良くは分からないけど・・何かこのメモリからは感じる物が有る・・」

俺は覚悟を決めた。きっとこうするはずだ。

「行くぜ・・」

《エターナル》

ボタンを押してソレをベルトの差し込み口に差し込む。そして音が鳴りだしベルトのバックルが光る。

「・・変身!」

ベルトのバックルを横に倒す。

《エターナル!!》

その音声とその後音楽が鳴る。それと共に俺の体に白い鎧の様な物が纏われていく。

「おめでとう・・織斑一夏・・いや・・『仮面ライダーエターナル』。」

「う・・・うおぉぉおおおおお!?」

白い体に赤い炎の模様、そして黄色の無限の形をした複眼の戦士が誕生した。

「『エターナル』・・正義のライダーになれなかった哀れなその運命を変えようじゃないか!!」

そう言った少年は下がり安全な位置まで戻る。

「はぁ!!」

銃を持つ男の一人に飛びかかったエターナルはその手を弾いて銃を落とし、蹴りをくらわせる。男は壁に叩きつけられて気を失った。

「がはぁ!?」

「な、ん・・なんだよコイツはぁ!?」

近くにいた男は銃を撃つがまったくエターナルには効かず、逆に注意をひいてしまったようだ。即座に無効化されて次々と倒されていく・・。

「何をもたもたして・・なんたテメェ!?」

そこに女が入ってきてこの状況に驚いているようだ。

「クソ!?まぁいい!失敗したんだったら処分するつもりだったし、かまわねぇか。気色悪いテメェはしねぇ!!」

女はISを展開してエターナルに攻撃して来た。手をクロスして受けるが後ろに吹き飛ばされる。

「クッ!?」

自重が違うのが原因か力の差か・・エターナルは殴り負けた。転がった先で立ちあがる。

「どうせISには勝てないんだから!さっさと死にやがれ!!」

「があぁぁあああ!!俺は、負けない!こんな所で負けるかあぁぁぁあ!!」

地面に足を埋め込んで反対の手で殴り返す。

《ガシャアァァ》

ISの腕が壊れた。エターナルはその赤い模様が光り出し燃える。そして、紅い炎は蒼に変わり、体の後ろにローブがまかれる。

「エターナル・・ブルーフレア・・。完成した、適合した、正式に認めた!エターナルが君の心に答えた!!完全に!素晴らしい!そうだよ、それが見たかったんだ!!君を認めようエターナル!織斑一夏!!仮面ライダーエターナル!!」

少年が狂ったように狂喜乱舞している。

「あ、ISを壊すだと!?こ、こんな化け物を相手にできるか!?」

女はISを解除し逃げだした。そして、エターナルは変身を解きメモリを抜く。すると気が抜けたのか彼は倒れる。少年は彼を抱きとめて狂喜の笑顔を浮かべていた。

 

「君が選ぶ正義と、永遠を見届ける・・これこそがボクの使命だ。」

そう言った彼はベルトとメモリを回収して姿を消した。

 

その後、織斑千冬によって保護された織斑一夏はもう一人いたと証言したがその形跡はなく、政府が織斑千冬の優勝をさせる為に伝えてなかった事が分かり、担当官は織斑千冬によって制裁を受け、世界中にその事実が公表された。日本政府は何処までが関与していたかという事を突きとめられ議員の一部が隠ぺいを行おうとしたが、何処からか篠ノ之束名義での情報及び、謎の《クリエイター》という名義からの証拠も揃って拡散され、議員及び政府内閣は責任を取る事となった。これを機に織斑千冬は選手生命を終えると宣言し、日本政府に対する評価は更に酷い事となった。更に探す際にも日本政府は手を出さず、ドイツの会場警備の軍人が事件を受けて捜索に出た事もさらされ、世界中からのバッシングを受ける事になる。逆にドイツ軍人は他国で有ろうと人命を優先する善き軍人であると言う事で称賛されるが、過去のナチス時代の事を持ち出されて微妙な立場となった。しかし、当時に責任者となっていた軍司令から、

『確かに我々の国は過去に忌まわしき歴史を持っている。ソレを忘れることなどはない。しかし、今前線に立ち、人を助けんとしている若者、歴戦の勇者たちを悪く言われることは非常に遺憾である。彼らは人の命を救わんと必死に捜索をしたのだ。もしかして爆弾が有るかもしれない、人質に何かあってはならないと言う使命を胸に抱き、過酷な訓練に耐えている彼ら、彼女等を侮辱するのなら、同じ事を出来てから言いたまえ。』

という言葉が世界各国に発信され、先ずゴミどもは一斉に黙る事に。

その矢先、ドイツ東部の山中で兵器実験施設としていた施設が事故により爆発した。検証の結果、ネズミなどによってワイヤーが切れた事による漏電が火薬庫で起きた為だそうだ。

実際は裏で暗躍する一人の少年と、天災な兎がいたのだが、それはまぁ割愛しよう。

 

時は進み、織斑一夏は高校受験で間違ってISを動かしてしまう。そう、これも彼が初めから言っていた運命の歯車の一部だ。彼から言えば予定通り。周り出した歯車は時を進めて先へと進んでいく。時間などは巻き戻す事などはできない。そう言わんばかりに・・。

 

「楽しくなってきた・・心が躍る・・。」

エターナルメモリとロストドライバーを持ち、椅子に座る彼は彼との再会を夢見てその時を待つ。

その腰にある黄緑とピンクのベルト。

そして、目の前に広がる沢山のベルトに差し込む何かを前にして・・。

「終焉の時は・・もうすぐか・・?いや、逆に始まりの時だな・・。さぁ、ゲームを始めようじゃないか。」

『ゲーム・スタート・・』

物語は始まる。

『レッツゲーム・ムッチャゲーム・メッチャゲーム・ワッツユアネーム?アイ アム ア仮面ライダー・・』

コレは新たな時代の創世。幕開け。クロニクル。

『仮面ライダークロニクル』・・開幕。

 




とまぁ、こんな感じで仮面ライダーを絡ませて行きます。
何故ISネタしか書かないかって?
ソレはもちろん、そう言う風に頭がシナリオを考えられないからです。
では、また次回。


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01 再会のクリエイター

おはライダー!

別にお払いと言う訳ではありませんが。
まるで仮面ライダーゴーストみたいに感じますね。
今回はエターナル等に変身はしません。
が、オリ主人公の名前が明らかになります。
さて、彼の名前はなんでしょうか?
では、本編へどうぞ。


「世界初、男性IS操縦者となりました。織斑一夏です。元は藍越高校へ進学予定でしたが事情からこちらに来ました。よろしくお願いします。」

アレから俺は普通に過ごしていた。攫われた時の男どもは皆が変な物にやられたと言っていたらしいがまったくそれが無かった事、ISの反応が有ったことから仲間同士でもめた結果だろうと結論付けられていた。そして、俺は中学も卒業し今は何故か女性しか動かせないはずのISを動かしてしまって此処、生徒の99%が女子のIS学園に通う事となったのだ。そして自己紹介が済み俺は座る。

「お前にしては随分とまともな自己紹介だな。」

そう声をかけられる・・。まぁ、アレから弱い自分が嫌いで剣じゃなくて体を鍛えた俺は喧嘩で素手なら千冬姉に近づく事も出来るぐらいになっていたが・・後ろを取られた状態で攻撃は避けれない。下手な事は言えないな。

「奇抜な事は言わない方がいいと思いましてね・・えっと、先生?」

「織斑先生と呼べ。慣れないだろうがな・・。」

「はぁ・・。」

「返事は「はい」だ。」

そう言ってでこをぺしっと叩かれる。

「も、もしかして・・」

「織斑千冬様!?」

そう言われて振りかえり教卓に立ち、

「私がこのクラスの担任、織斑千冬だ。疑問や聞きたい事は聞け。答えるかは内容によっては分からんがな。分からない事は恥じゃない。恥と思って隠す事こそ恥と思え。この私の言葉が分からない奴は直々に指導してやる。」

「「「「きゃぁぁぁ!!」」」」

クラス中が黄色い声で埋まった。その後躾けてとか声が聞こえたがまぁ、昔からそう言う輩はいたしもう知らん。

「静かにしろ。」

そう言うと教室が鎮まる。すげぇ・・。もう躾けてあるんじゃねぇの?

「後は、遅れて到着した奴がいる。事情が事情なために、今からの転入だ。」

「初日に転入生って・・」

「おかしいよね?」

そう女子が話しているが俺はもう気にしない事にした。そもそも俺が動かした時点でおかしいのだから。

「入って来い。」

『では入室します・・。』

ん?・・今の声は・・。

《カシュゥ・・》

ドアが開きそこに居たのはズボンを履いた生徒。

「初めまして皆さん。フランスのデュノア社から企業代表として来ました、《パラド・クリ・エイタ》と言います。日系のクウォーターです。ISを動かしてしまい、騒ぎにならないように機密で来ました。今頃、世界に放送されています。事実上は第二の男性操縦者という事になります。よろしくおねがいしますね。」

そう言って頭を下げるその少年。いや、パラド・クリ・エイタ・・コイツはどう見たって・・

「パラド‥お前は・・もしかして・・」

「ふふふ・・久しぶりと言っておこうか。織斑君。」

歩いて来て肩を叩きながら握手をする。やっぱり、あの時の少年だ。言おうとした時、

「シー。あの時のボクの正体は秘密だよ。」

口元で人差し指を立ててそう小声で行った。俺は頷きながら・・

「あの時は助かったよ。」

「まさか、ドイツのIS会場でのぶつかりあいからこんな事になるなんてね。あの時、道を教えたのは有っていたかい?あの時は日本語もつたなくてすまなかったね。」

「い、いや・・何とかなったよ。」

「どうした、織斑?知り合いなのか?」

「あー・・その・・」

「ふふ、言いづらいよね。彼が第二回モンドグロッソの時にボクもそこにいまして、会場の入口に行きたいのだけど決まったゲートからしか入れなかったのは覚えてますか?」

「あぁ、関係者はAゲートからしか入れなかったな。」

「その時彼は、Hゲートの近くで迷っていまして、ボクが年が近いからという事と、祖父から聞いていたから親よりも日本語を話せると言う事で話を聞いたのですよ。で、チケットはAゲートからしか入れないと言う事でその位置を教えて、見送ったんです。両親ともデュノア社の研究職なので、ボクもISが見たかったので最後までついて行かなかったのですけどね。コレがいきさつです。」

「い、言うなよな・・。海外って初めてで緊張してたんだよ。」

「確か・・あの時はボディーガードがいなかったのか?」

「用事が有るとか、担当官に呼ばれたとかで居なかったけど?」

コレは事実だ。なんか電話を取って走って去って言ったからな。実際置き去りになったのはマジの話だ。そん時は何とかいろんな人に聞いてたどり着いたんだが・・良く即興で作るな。

「そうか・・あの担当官め・・。」

まだ根に持っているようで。

「まぁ、よろしくお願いします。ボクはパラドと呼んでくれて問題ないよ。」

「おう、俺も一夏でいい。あの時は本当にありがとうな。」

言葉の裏に色々と含ませた二人での挨拶になったが、まぁいい。それよりも気になる事が有った。あの時の、心を通わせるような感覚のアレ・・それが気になった。

「エターナルは?」

「あるよ。大丈夫。君に渡すつもりだ。しっかりと管理してくれよ。放課後、部屋に戻ったらだ。」

「分かった。」

拳をぶつけ会い、お互いに席につく。

 

 

授業は難しい所もあったがそこは逐一聞く事で答えてもらい何とか初心者的な部分は理解できるようになってきた。もともと機械やロボット工学にも興味を持っていたのが幸をそうしたみたいだ。それでも分からない場合は山田先生や織斑先生に放課後に聞く事で補充、という事になった。元々素人なのだから分からない事は多くて当然と言う事と、一応先に渡された参考書は読んだが予備知識が無ければ分からないと言う事もはっきり伝えたのでそこも納得をされたらしい。そもそも、ISに関わって来させないようにしていたのが織斑先生だと言うと「こんな事になる予定などはなかったから・・一度危険にさらしてしまったからには関わってほしくはなかった。」という苦い表情の言葉を貰い、空気が悪くなってしまった。その後は部屋の鍵を渡してもらい自室に行く事に。なんでも政府が二人目もいる事で襲われる確率が上がったとか言って急遽予定を変更したらしい。織斑先生から携帯の充電器と着替え、数冊の本(気晴らし用の小説)とお気に入りのインスタント珈琲を受け取った。急な事でここくらいしか用意できなかったから今度休みに護衛付きで帰って必要な物を持って来いとの事だ。寧ろ十分でもあるが、確かに服はもう少しあった方がいいかもしれないので分かりましたと答え、部屋に行く事に。

着いた部屋は『1027』。ノックして中に声をかける。

「同室になったものだ。開けても良いか?」

『あぁ、良いよ。一夏君。』

「・・ん?あぁ・・。」

声を聞いてはいるとパラドがいた。

「やぁ。やっぱり君だね。男同士にするのが普通だものね。」

「確かにこれで女子なら頭おかしいと思うわ。んで、ベットは?」

「どちらでも構わないよ。」

「んじゃ、俺は窓側で。」

「ボクが廊下側だね。おっけー。」

そう言ってパラドは荷物を開き、こっちに投げてくる。

「おっと。コレは・・?」

「君の御所望の物だ。さぁ、手に取ると良い。」

そう言われて小さなバックからベルトとメモリを出して持つ。

「あぁ・・久しぶりだな。」

手に持つメモリから何か流れてくる懐かしさに目を細める。するとパラドが端末らしき物を渡してくる。

「コレは他のメモリが入っている端末。ISの技術応用で出来た物だよ。これにベルトとメモリを収めておくと何処でもすぐに取り出せる。学内でも持っておけるよ。」

「おぉ!コレは良いな。ありがとう。」

「いや、ボクも同じ物を持っていてね。」

そう言って見せたパラドの端末は赤と青。俺のは白と薄い青だった。

「エターナルをモチーフに作ったけど・・色は気に入らなかったら言って。作り直すからさ。」

「なんて事を言うんだよ。俺とコイツの繋ぐ物がこれじゃないなんて逆に嫌だね。」

「ふふっ、わかったよ・・じゃぁ、エターナルとロストドライバーは任せる。君にそのメモリを使ってもらって成長させてほしいからね。」

「成長?」

「適合するという事で言うならメモリにも意志が有る。コレはISにも言える事だ。結局は君達・・いや、ボクもだけど人間の意志や使用者に掛って居るのさ。」

「なるほど・・分かった。他のメモリも変身するのに使えるのか?」

「試してみると良いけど、おそらく今のところエターナルだけじゃないかな?他は癖が強かったり、いろいろとあるからね。特にエターナルは高位のメモリだから、それ以下のメモリを装備するのを嫌がるんじゃないかな?」

「へぇ・・。」

「エターナルの姿になった時、気がつかなかったろうけどEを横にして、王冠を現して居るのさ。」

「ほぉ・・それは知らなかったな。」

「つまり君はメモリの王様に選ばれたも同然さ。自身を持ってエターナルと付き合ってくれ。」

「分かったぜ。サンキュー、パラド。」

そう言って端末を操作する方法を教えてもらいベルトとメモリは俺の端末に収まった。

「そういや、企業代表って言ってたよな?専用機ってやつ、持っているのか?」

「有るけど・・まだ秘密だね。御披露目はもっと派手にしなくちゃ。あぁ、想像しただけで心が躍るよ。」

「はは・・俺も専用機ってやつもらえるのかな?」

「おそらくは。ボクも男だからって言う理由から専用機が用意されたからね。見つかったのは君のすぐあとだったんだけど、専用機が用意されるまで待ってから発表という事になったからね。今日までかかったという訳さ。もしかしたらもっと遅くなった可能性もあったけどなんとかね。」

そう言って手のひらを上に向けて肩をすくめた、所謂呆れたポーズ。

「なるほどな。じゃあ、俺も専用機を楽しみにしとくか。」

そう言って部屋着に着替えてベットに横になる。

 

「嫌なこと言うけど・・専用機を持つ事になるとそれに関する大量の法律等がついてくるからね。勉強する事がものすごく増える。覚悟しとくと良いよ。くくく・・」

そう言ってパラドの眼は死んだような眼をしていた。つぅかもっと勉強とかマジ勘弁してくれ・・。

 

 




はい、『心が躍る』で有名なパラドでした。
と言っても、彼にはガシャットを多数使わせるオリ主なので、ガシャットギアデュアルだけではありません。
どんな姿になるかはお楽しみです。
ではまた次回。


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02 登場の白き翼

今回、一夏の専用機が登場します。
まぁ、皆さま知っての通りの白式ですが。
仮面ライダーが絡み、どう言う風になるのか・・。
では、本編へどうぞ。


翌日、同じクラスに篠ノ之箒がいたらしく、朝から付きまとわれた。俺としては嫌いな奴で、なんだかんだいって急に怒って暴力をふるってくる情緒不安定な奴だ。食事を一緒にすると言われたのでパラドと一緒に取ると言ったらキレて竹刀を振りまわしてきた。すぐに寮長である千冬姉に取り押さえられ事情を聞かれた。その後全面的に篠ノ之が悪いという事で反省文を言い渡されて朝食抜きになって居た。正直いい気味だと思った俺は悪くないと思う。その後ロングホームルームでクラス代表を決めるという事が有った。

「織斑君がいいと思います。」

「私は企業代表なとこでエイタ君で。」

クラス内はその二つの意見に分かれる。

「辞退は・・・」

「認めない。というより、この場合は基本的に多数決だろう。」

その織斑先生の一言により俺は撃沈しそうになったが・・

「パラドなら企業代表だから、専用機が有ってもおかしくない!だからパラドがいいと思うぞ!」

そう、パラドをスケープゴートにしようと考えた。

「いや、織斑。お前にも専用機が政府から支給される事になっている。その事で甲乙はつかないぞ?」

「マッジッカアアァァァ!?」

パラドが言っていたがこんなに早く手が回っているとは思っていなかった。ふと見ると、隠れてお腹を押さえて笑っているパラドがいた。おのれー・・。

「冗談じゃありませんわ!!」

《バン》と机をたたく音がする。振り向くと金髪の女子が立っていた。縦巻きロールって本当にいたんだー。

「イギリス国家代表候補のわたくしに誰も票を入れないなんておかしいですわ!」

そう言ってバンバンと机をたたく。

「イギリス淑女にしてこの学年主席のわたくしを差し置いて、男をこのクラスの代表にしようなんて皆さん頭がおかしいんじゃありません事!?しかも片方は愚かしい黄色いサルにもう片方は、言葉も発せずに我関せずと呆けている第三世代機も制作で来ていない御ボケさん企業代表じゃありませんか。それならわたくしが成るのが道理ではありませんか!?」

そう言ってまくしたてる。なら自分から手をあげればいいのに。

「あー・・イギリス代表候補?今の発言はうちの会社敵に回したとして良いの?」

「ふん、大したことない男を敵に回した所で何が・・」

「じゃぁ、今からフランスに連絡するわ。《イギリスのラファール全機回収して契約打ち切り、更には今後のレンタル、部品の流通等もやめる。》と。」

「な、何を・・」

「だって、企業代表の俺をけなしてウチの機体を馬鹿にしたじゃん。ならそれ相応の対応するまでだ。うちだって企業で自社製品に誇りを持っている。第三世代機はまだでも《その足掛かりが出来ていない》とは言っていないし、俺の専用機は第三世兵装使用代試作機だ。そこも知らずによく口が回るな淑女様よぉ?しかも日本もこけ下ろしてたよな。俺の四分の一は日本つったの忘れたか?あぁ?心が震えるよ。怒りでいきり立つ。」

そう言ってパラドはイラつきを見せた。

「パラド落ちつけ。」

「エイタ、一度座れ。オルコット、自身の発言が代表候補生としての発言という事を自覚してないようだな?」

「お、織斑先生!?何故貴女までがそうも語気を荒げて・・」

「私も黄色いサルとこけ下ろされたのでな。この出席簿を投げないようにするには、本当に苦労した。いやぁ、怒りで投げて生徒に怪我をさせる所だったからなぁ。」

そこで自分の発言に気がついたのかオルコットが顔を青ざめさせる。

「け、決闘ですわ!!」

急にこちらを指さしそう叫ぶ。何故に?

「いや、何故決闘?唯の自爆発言をこっちに向けるなよ。」

「うるさいですわ!!専用機を持つ者同士、実力で決めましょう!!」

「「話聞いてなかったのかもしれんが、俺達《ボク達》やるなんて言ってないんだけど。」」

声を合わせてそう言うとオルコットはその場で地団太を踏み、

「良いから決闘なさい!ぼこぼこにしてやらないと気が済みませんわ!!」

指を指しながらこっちに宣言する。

「うーわー、素人相手にボコボコにするとか言う代表候補生とか、マジ引くわ。」

「素人相手に胸を貸すとか言う事も出来ないとか、心狭いな。どこが淑女なのか分からんな。」

そう言うとクラスの女子達も頷いたり、小さな声で隣と話したりしている。共通しているのは日本人も他国の人もオルコットに向ける視線は冷たい事だ。

そして呆れたように織斑先生がため息を盛大につきながら、

「わかったわかった。織斑、エイタには悪いが一週間後にオルコットとクラス代表を決める戦いをしてもらう。一応、一番勝率の多いものを勝者とし、そいつがクラス代表決定権を持つ。それで良いな。」

「はい!それで良いですわ。」

「まぁ、しょうがないですね。ボクもそれでいいですよ。」

「ここまできたら腹くくるか。分かりました。」

ため息をつきながら俺達は答える。

「言っておきますがもし、貴方達が負ければ奴隷ですわ!」

「オルコット・・いい加減にせんか!!」

織斑先生の出席簿が思いっきりオルコットの頭を殴った。

「奴隷制度などイギリスの負の時代の産物だろうが!!人権を無視した発言を教師の前でするとはいい度胸だ!!貴様は今から別室で生徒指導だ!山田先生、後はお願いします。基本的にクラスの他の委員を決めるのが残っているので。オルコット!立て!ついて来い!!」

「ひ、ひぃ・・ご、ごめんなさ・・」

「良いから来いと言っている!!」

頭を掴まれ引きずられながら教室から去る二人。女尊男卑派の女子もいる様でその様を見てどうこうどうしようか小声で話しているのが聞こえて来た。織斑先生が男子生徒相手にあそこまで擁護して怒ると思っていなかったとか。基本男なんて使いっパシリにすればいいんじゃないかとか聞こえるが・・まぁ、俺ははっきり言うがな。嫌な事は嫌だと。パラドはどうするか分からないが・・きっと大丈夫だと思う。

そして、クラスの保健委員やその他の委員が決まってこの授業は終わった。オルコットは放課後まで帰って来なかった。

 

数日後の放課後に時間が出来た。それ以外は一夏君の勉強や教師からの頼まれごと、学園にあるラファールのメンテの手伝いをしていた。

「ふーんふーん。」

と鼻歌を歌いつつ整備室に入る。

「心が躍るねぇ・・コイツの活躍が早くも来るとは・・」

そう言って持っているのはボタンのついた紫のゲームソフトの様な物。そして、ボタンのついた紫の【何か】。

「この世界で生まれて、開発を続けて早十年。やっと、表舞台にボクの功績を出せるよ。」

そう言ってその紫の物をなでる。そして目の前のハンガーに専用機を展開しそこに整備用の端末をつないでメンテナンスをする。動かす分には問題なし。稼働率は低いが、《アレ》との適合率は高い。まぁ、そう作った専用機だ。

「じゃぁ、出番までもう少し作っておこうかね次の・・」

 

「《ガシャット》を。」

 

開いたケースには八個のさまざまなソレが入っている。紺色、水色、黄色、竜のついた物、黄緑、そして、黄色いでっぱりのついた紫、同じ物のついた青と赤い物。

「さぁ、先に進めないとな。」

黒と黄緑色のソレを持って専用の差し込み口に挿しそこで専用端末を二台操作しながら更に機体のメンテナンスも進める。器用を通り越して異常とも言える光景だ。

 

そして、ソレを見ている生徒が一人いた。一年四組、クラス代表にして日本国家代表候補生、対暗部用暗部の家系に生まれて姉に無能の烙印を押された妹《更識簪》。彼女もまたある種の天才であるが故、彼の行動に興味を引いてしまう。

(一体・・彼は何者で・・何をしているんだろう?)

端末に繋がる黄緑と黒の物、それからその横にあるボタンのついた緑と銀色の何かも気になっていた。

だが、それよりも自分にはしなくてはいけない事が有る事に気が付き、そちらへと考えを戻す。

(それよりも・・打鉄二式を完成させないと・・)

無能呼ばわりした姉を見返す為に。周りを見返す為にも、完成を急がせる事にした。

 

そうして一週間。勉強とパラドの指導に従った訓練をこなし気がつけばそんなにも時間はたっていた。途中に篠ノ之が剣道剣道とうるさかったが、剣道はやめた事、それよりもやるべき事が有った事を告げると逆上し木刀で殴りかかって来た。何とか避けたが、クラスで問題となりクラス代表戦以降まで篠ノ之は自室謹慎を命じられた。俺はパラドが言うように片手で剣を振る練習とナイフ、格闘術の練習をした。銃は一応ハンドガン程度は練習したが、ライフルなどはしていない。因みに全部生身でした。訓練機が借りれなかったせいだ。しょうがない。そして、いま、俺の専用機が届くのを待っている。

「まだでしょうか?」

「そろそろのはずだ。」

そう言って織斑先生は腕を組んだままこっちを見てくれない。ため息をついていると、

「来ました来ました!織斑君の専用機です!」

ハッチが開き山田先生が走って入って来る。その後ろから来たのは灰色がかった白い機体。

「コレが専用機、白式です!!」

「俺の・・専用機・・。」

ソレを触ると同時に何かが繋がったような気がした。

そして、それに反応するようにパラドに言われ持っていた端末が鳴りだす。

「な、何だ!?」

端末は白式と通信をはじめ、そのまま接続状態になった。

俺はそれに確信を感じて、端末を持ったまま白式に乗る。そして、それが白式に一緒に組み込まれて、目の前にその端末の画面が開かれる。

「・・《エターナル》、《ロストドライバー》・・。」

そう言うとソレが出て来て腰に装備された。大きさはISに合わせたサイズに変化している。

スロットにメモリを指し込み、構える。

 

「・・行くぜ・・白式、エターナル・・変身!!」

 

 




はい、次回に持ち越しデース。
すいません。仕方ないのです。
文字数的にも、この所がキリが良かったのです。
では、また次回。


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03 真の白き羽ばたき

前回から御待ちの方、お待たせしました。
今回、知っている人なら知っているような展開になります。
私、この展開大好きです。
では、本編へどうぞ。


「変身!!」

《カチッ・・・・・》

「・・・あれ?」

《カッチ・・カッチ・・》

ロストドライバーを倒しても何も反応の無いエターナル。

「・・何をしている?」

「いや・・その・・」

明らかに千冬姉の呆れた顔になっている。いつもの織斑先生な凛とした雰囲気はまったくない。

「そもそも今のお前の機体は一次移行もしていない状態なのだから、旨く動けなくてもおかしい所はない。・・だが・・」

そう言った後頭を抱えて、

「アリーナの使用時間はそう長くはない。初心者に酷な話だが、戦闘中に初期設定をこなしてくれ。」

「はい?」

「・・すいません織斑君。もう時間です。カタパルトに立ってください。」

「・・・はいぃぃ!?」

マジで!?そんな状態で戦えと!?

「そうだ、織斑。エイタから伝言が有った。」

「な、なんですか?」

こっちはもう一杯一杯だよ!コレ以上、何だ!?

「『オルコットはボクが叩きのめすから、先に一夏君から戦わせてください。一夏君も、僕との訓練を忘れなければ負ける事はないはずだ。まぁ、最悪いい勝負で惜敗なら許す。惨敗なら・・分かってるな?』・・だそうだ。」

「怖い怖い・・明らかに口調が崩れてるのが怖い。」

しょうがない、負けるわけにはいかなくなった。せめて惜敗、良くて勝利だ。

「では行きます。」

そう言ってカタパルトから飛び出す。その後はイメージして空を飛ぶ。風に乗る飛行機や取りをイメージして行くと思った通りに動ける。入学時は歩行しかしてないので、本格的な飛行はコレが初めてだが、上手く行く物だ。

「来ましたのね。遅かったので逃げだしたかと思いましたわ。」

「それは遅刻したこいつの制作元に言え。俺はお前が来る前からアリーナには居た。準備運動もしたし、体は温まっている。」

俺はそう言いながら拳を構える。

「武器も構えずに偉そうに・・男風情が・・。」

そう言うと銃を構えて俺に向けて銃口を向ける。

『ロックされてます』

ロックオンアラームが鳴る。知ってるよ。

「今なら土下座すれば許して差し上げても・・」

戦闘開始前のカウントが現れる。5・・4・・

「断る。なぜなら今俺は戦うために此処にいる。お前に謝る気などはない。」

「・・そうですか。なら・・」

戦闘開始のブザーが鳴る。

「お別れですわ!!」

「お前がな!」

俺は銃口から撃たれる位置を想定して体を捻りながら避ける。パラドとの訓練で会得した事で、銃口が向いている位置を把握すれば避けるのはたやすい。動体視力は良い方で反射神経も鍛えた。撃たれる際にその方向に居なければ撃たれる事はない!

「避けた!?まぐれですわ!!」

そう言いながら連射してくるが俺はステップ、縦回転、横捻り、など三軸を動かして避ける。

「な、何故初心者の貴方が‥そこまで避けれるんですの!?」

「さぁ・・武器は・・片手用ブレード。コレだけか・・。」

仕方ない、俺はブレードを展開して右手に握る。

「近接武器・・何処まで私をこけにして・・!?」

「いや・・こうするんだよ!!」

「な!?きゃぁ!?」

その剣を俺は全力をかけて投げる。オルコットの銃に刺さりスパークを起こす。

「今の俺の武器はこの体で十分だよ!」

驚いているオルコットに飛び蹴りをくらわす。

「くぅ・・しかし、お互いにSEが削れるだけ・・」

「それは同じ部位ならな。お前は俺よりも露出部位が多い。その分・・はぁ!!」

拳で腹を殴ると俺は『3』に対してオルコットは『25』減る。

「絶対防御。ソレを知って居ればこういう戦いもできるという事だ!」

「っく・・そうはいきませんわ!!男相手にコレは使いたくなかったですが・・ブルーティアーズ!」

そう言うとスカートアーマー部分が離れて攻撃してくる。

「くっそ、遠隔装備なんてあったか・・。」

「そもそも、この機体は第3世代機。その装備こそ、《ブルーティアーズ》。イギリスの誇る第3世代兵装、貴方の様なおんぼろと一緒にされたくはありませんわ!」

「オンボロ・・だと・・?」

初めて到着した時の触った時、触れた瞬間に繋がった感覚を思い出す。

「誰が・・《誰がオンボロだ!?》」

『ファーストシフト・・完了。』

「今こそ行ける・・分かる。・・・行くぞ、白式、エターナル。」

《エターナル》

「・・変身!」

『ファーストシフト・・ライダーシステム・・イグニッション』

『エターナル!!』

ロストドライバーを倒すとともに灰色がかった白は雪の様な真っ白に。更に投げたはずの剣は雪片ニ型という剣になり、装備に更に『エターナルエッジ』が増えている。

首には赤いマフラーの様な物が巻かれ、両腕、両足の装甲は打撃攻撃に特化し、腕に赤い炎が燃えるようなマークが光る。そして、頭の上には両耳を覆うように黄色のイヤーカブスに、紅いヘッドマウント部分。そして、横にしたEの両端を長くした形のアンテナがつく。

「ふぁ、ファーストシフト・・貴方初期設定で戦ってましたの!?」

「そうだよ。そして、今からは俺の時間だ。さぁ、地獄を楽しみな!」

端末からイメージするとエターナルエッジにそのメモリが装備される。

《メタル!マキシマムドライブ》

スロットの黒いボタンを押すとマキシマムドライブが発動し、エターナルエッジが伸びて雪片と同じ長さになる。

俺は、背部のスラスターを吹かして浮いているだけのビットに攻撃をした。二本の剣で2機を撃墜する。

「わ、わたくしのブルーティアーズを・・!?よくも・・」

「次、行くぜ!」

《トリガー》

エターナルエッジの指をかける根元に引き金が生まれて、ソレを引くと先から剣の形をしたエネルギー光刃が打ち出される。それでまた一つ。

「最後!」

《ルナ!マキシマムドライブ!》

俺が4人に増える。

「な・・分身!?ニンジャですの!?」

「「「「さぁ、これで最後だ。」」」」

ビットを壊しそのまま4人で囲む。

「かかりましたわね!まだビットは残っていましてよ!!この距離なら4人だろうと・・」

《ヒート!マキシマムドライブ》

《ドカァン!》

爆発が起こる。ミサイルを至近距離で撃たれたのだ。腰の筒状は残って居たビットだった。

しかし、爆発の煙から腕の炎が燃え盛る状態で俺が現れる。

「な、なぜ・・アレは一番威力が有りましてよ!?」

「燃え盛る俺の炎は、あの程度の火力じゃ足りねぇよ・・。」

そして、逆手にエターナルエッジを右手に、雪片ニ型を左手に持ち、もう一度マキシマムドライブを起動する。

《ヒート!マキシマムドライブ!》

「・・白式、零落白夜発動!」

スラスターを全開にして突っ込む。そして雪片ニ型が半分で別れて中から光るエネルギー上の剣が現れる。それで切りながら反対のエターナルエッジで切りあげて通り過ぎる。

『ブー』

そう音が成る。そして結果は・・

『両者同時でSEが切れたためドローです。』

「・・やっぱマキシマムドライブ多用はエネルギー使うな。仕方ない。」

途中で気がついたが、もし他に兵装が有れば対抗手段はもうなかった。仕留めるには一か八かだったので一気に仕留めようと思った結果がこれだ。焦り過ぎた。ピットに戻ると、

「・・初心者にしては良く頑張った。あの身のこなしには正直驚いた。」

「ありがとう、・・ございます。」

千冬姉の雰囲気が有ったのでため口になりそうになったがどうにか繋いだ。まぁ、次はパラド対オルコットらしい。聞いたらビットの換えはあるから修理でき次第始めるそうだ。あのパラドが、何処までやるか・・考えるだけで正直ゾッとする。

控室に行く途中でパラドが歩いてきた。

「ドローなら、まぁ、許してあげる。でも、鍛錬は欠かさず行くよ。」

「そこは望む所だ!」

そう言うと俺の肩を叩いて去って行った。その手に紫色の何かを持って。俺と一緒の端末持っているって言ってたし、ロストドライバーみたいなものかな?

 

 




はい、殆どエターナルのゲームでの技シーンから選抜しました。
エターナルが好きな人ならおそらくは分かると思います。
と言うよりは、仮面ライダーの中でも、エターナルって抜群にかっこいいですよね?
では、また次回。


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04 コレがボクの相棒さ

どうも。私です。
という言葉を兄のDSから聞きすぎて耳に残るようになりました。
一緒にモンスターを狩るゲームで、○DSを起動するたびに聞いてて、
毒された様な気がしました。
さて、皆さまはゲームはどうですか?
私は過去にやった仮面ライダーカブトのゲームがとてもしたいです。
前、たまたま見つけたらプレミア価格付いててびっくりしました。
コーカサスの声が中田譲二さんで渋くて良いんですよね。
まぁ、仮面ライダー談義はこの位で。
では、本編へどうぞ。


アリーナ内で立っている。腕を組み、眼を瞑り唯、オルコットの来る時間を待つ。

そして、カタパルトの動く音がしてボクは眼を開く。

「・・待たせましたわね。」

「遅刻だな。淑女が聞いてあきれるぜ。優雅さのかけらもない。」

「貴方‥口調が・・」

「今のボクは心が震えている。コレは『怒り』だ。ソレを晴らさせてもらう・・君とのこの勝負でね。」

「ふん、減らず口を・・見るからに機体は第二世代の普通のラファール・リヴァイブ。大した機体ではないですわ。」

「・・そうだな、コレだけでは唯のラファールだ。だが、誰が第三世代兵装が無いと云った?」

「まさか後付けで・・」

「コイツはそのテストタイプ、プロトタイプだから第二世代型なだけで中身は第三世代だよ!コレがボクの相棒だ・・行くぞ!」

俺は腰に紫のパーツバグルドライバーをつける。

「またベルト・・」

「変身。」

『バグルアップ・・マイティジャンプ、マイティキック、マイティアクションX!』

紫のライダー・・ゲンムを装備した、《ラファール・タイプ『バグルゲンム』》となった。

「ノーコンティニューで、クリアしてやるぜ!!」

 

「アレがパラドの機体・・ラファールに仮面ライダーを組み合わせた第三世代機か・・。」

俺は控室のモニターを見てパラドの戦いぶりを見る。

「エターナルと同じように格闘攻撃に強化、その上まだ隠し玉が有るんだろうな。」

さぁ、俺に見せてくれその強さを・・。

さぁ、先ずは・・

《ガッチューン・・チュッドーン》

バグルドライバーを外してバグヴァイザーとしての武器として使用する。

「最初から全力ですわ!!」

オルコットが腰のビットを飛ばしてくるが・・

「その位、読んでいる。」

その為のバグヴァイザーだ。ガンモードで構えてボタンを押して銃を撃つ。その数4。

「な!?すぐにブルーティアーズが落とされましたの!?」

「見え見えなんだよ。そんな手はなぁ!!」

《ガッチューン・・ギュッイーン》

反対方向につけ直し一気に近づく。ライフルで撃ってくるがボクはソレをかわし、そのライフルにチェーンソーになっているバグヴァイザーを使って攻撃する。

「ふん!」

《ギャリギャリギャリ》と音がして火花が飛び、ライフルを真っ二つに切り落とす。

「ぶ、武器が・・しかしミサイルが・・」

「させると思ったか!?スペシャル!これでとどめだ!!」

《ギュイーィィン・・ドキューン》

スペシャル攻撃をしてボクは地面に降りる。

「きゃあぁぁぁぁあ!?」

まともな攻撃もできずにオルコットは地面に落ちた。

『ブー・・SE切れによりブルーティアーズ戦闘不能。パラド・クリ・エイタの勝利。』

「・・ふむ。・・すぅ・・はぁ・・イージーゲームだった。」

《ガッシューン》

そう言ってボクは変身と展開を解く。

「コレはまだ序の口だ。」

そう言ってボクはオルコットの出て来たピットに向かった。オルコットは気絶したらしく、担架で運ばれていった。

 

さて、ピットで準備して跳び出す。ボクの機体はまったく攻撃を受けていないので出力用のエネルギーを回復させてアリーナにて待つ。

そこに白が舞い降りる。

「パラド・・師匠として鍛えてくれたお前に・・挑戦するぜ!」

「来い、一夏君。君の才能をもっと見極めさせてくれ!」

お互いにベルトを展開。一夏君はロストドライバー。そしてボクは・・

「さっきと違う?」

「『ゲーマドライバー』・・。さっきよりもある意味君向けな機体だ。さぁ・・」

黄緑とマゼンタの様な色のベルトをつけた。

「やろうか。」

《エターナル》

「始めよう。」

《マイティアクションX》

「「変身!!」」

『エターナル!』

『ガッシャット!レッツゲーム、ムッチャゲーム、メッチャゲーム、ワッツユァネーム?アイアム仮面ライダー。レベルアーップ!マイティジャンプ、マイティキック、マイティアクションX!!』

「さぁ、行くぜ!」

俺は両手に剣とナイフを構えて、それに対してパラドは、

「じゃぁ、もっと面白くして見せよう。心が躍る様に。」

《タドルクエスト》

「変身グレード3。」

《ガッチャーン、レベルアップ!マイティジャンプ・マイティキック・マイティアクションX!アガッチャ、タドルクエスト!》

「『ラファール・ゲンム・ブレイブ』・・術式レベル3。」

ドライバーのもう片方に空色の同じ物を挿してさらに変身。剣を取り出す。水色に近い装甲が増えイメージ的にも甲冑の様な見た目だ。

『試合開始』《ビー》

お互いに一気に近づき剣でつばぜり合いになる。ナイフを振ろうとも考えたんだろうが、こちらの剣が大きく片手剣とナイフをクロスさせて受け止めているので精いっぱいのようだ。

「っくそ、力強い!?」

「はぁ!」

そこに蹴りを入れて吹き飛ばす。

「ぐはぁ!?くぅ・・やりやがったな!」《ヒート!》

メモリの力でナイフと拳に炎をともして殴ってきたり切ってきたりする。ボクはソレをがシャコンソードで受ける。が、

《メタル!》

メモリを代えた重い堅い、拳を一発、腹に拳を受ける。

《ドゴン》

「くぅ!?」

「さっきのお返しだ!」

「やるね・・じゃぁ、まだまだ行くよ!」

お互いに剣と格闘の応酬を繰り返す。SEはどんどん減っていく。

「はぁはぁ・・」

「ぐ・・うぅ・・はぁ・・」

ダメージ的には一夏君の方が受けているようだ。鍛えてきた機関が違うが、天性の才能か、はたまたエターナルとの相性か・・彼は強くなっている。戦闘を繰り返すほどに・・足りないのは経験か・・。

「これで決めてやる。」

《キメワザ・・マイティ、クリティカル・ストライク!》

「こっちも行くぜ!」

《ヒート!マキシマムドライブ》

「はぁぁぁ・・はあ!!」

「ふぅぅぅ・・セイヤぁ!!」

お互いの必殺技がぶつかり合い、蹴りがクロスした後、立ち上がったのは・・

『白式、SEエンプティ。よって勝者、パラド・クリ・エイタ。』

「なかなかだった。ハードには遠いが、ノーマルレベルくらいは行けるんじゃないかな?」

機体を解除し、そう言ったボクに対し、

「お前は師匠で俺のライバルだ!次こそは勝つ!!」

輝く目でボクを見上げた。機体を収めて倒れたままの彼をボクは手を引いて立ち上がらせる。

「お互い切磋琢磨し、鍛え続けよう。」

「あぁ、よろしくな。」

そして、がっちりと握手をした。

 

閑話休題

これを機に、《一夏×パラド》の派閥と《パラド×一夏》の派閥が誕生した。女尊男卑派の生徒は強さを目にして手を出す事をやめたらしい。代表候補生に勝利するほどの相手をしたくないというのが一致した意見らしい。

 

「クラス代表はセシリア・オルコットさんになりました。」

「「「「え?」」」」

一番眼を丸くしていたのはオルコットだった。

「な、何故わたくしが!?負けましたし、素人相手にドローだったのですのよ?!」

それに答える男子二人。

「あーすまないが・・俺は前の事で機体のデータ取りを個人的にもとる事が増えたんだ。当初の機体にない物を取り付けた事による研究と稼働効率の上昇が認められるため、今後の第三世代型の研究になるらしい。」

「そして、企業代表のボクは仕事が有る。全ての勝負に勝ったボクが勝者。つまりは決める権利を持っていたのはボクだ。ならば、そこの・・自信満々だった自己推薦者にお願いするわけだ。」

そう言って指を挿し、宣言した。

「という事でオルコットさんがこのクラス代表です。お願いしますね。」

「私がこき使ってやるから、ありがたく思えよ小娘。・・さて、授業を始めよう。教科書を出せ。」

そう言って織斑先生が授業を開始した。山田先生はその授業の進め方を聞きながらメモしていた。

 




今度から、毎回初めに仮面ライダーについて話そうかと思っています。
友人と話しだすとのどが痛くなるまで語りつくしてしまうので、
此処でも発散させてもらえるとうれしいなぁとか言っちゃったり。

さて、ではまた次回。


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05 疾走の黒と白

今回オリジナルガシャットが出ます。
パラドなのにゲンムとか・・って思っている人もいますが、
レベル50とかいきなり出ても面白くないじゃないですか。
やっぱりじわじわとレベルアップするのが醍醐味じゃないですか?

では、本編行きましょう。


とある日・・というかクラス代表が決まった放課後だが、決定パーティーがささやかながらに開かれた。呼ばれたボク達は揃って食堂の一部でジュースにお茶、お菓子や軽食を飲み食いしている。本当は部屋でしたい事が有ったのだが、オルコットに押し付けた以上その責任はあると思い一応、出席しているだけだ。少し離れた所でサンドイッチをつまんでいる一夏君がいた。

「女子に囲まれて嬉しそうだな?一夏。」

「あ?そんな余裕あるわけねぇよ。つか、あまり近づいてこないでもらえる?篠ノ之さん。織斑先生にも注意されたよな?」

「うるさい!一夏は私の言う事を聞けばいいし!私も貴様の言う事を聞く気などない!聞いたところによると剣道をやめたそうだな!?そんな軟弱な奴の言う事など聞かん!」

「はぁ!?じゃぁ、もう関わるなよ!迷惑だ!」

段々と篠ノ之との会話がヒートアップしてきている。周りも気が付きだしたようだ。少しずつ離れ始めた。ボクは何かあった時様に構えておく。

「な!?私はお前の幼馴染だぞ!?」

「俺からしたら昔の知り合いで、今は迷惑な人間だよ!小学生のころも同じように女子と話すだけで暴力振って来たよな!?本当に迷惑なんだ!お前の事なんか大っ嫌いだよ!」

「なぁ!?い、一夏ァァァ!!」

「きゃぁああ!?」

そう言われてとうとう篠ノ之がキレて木刀を持ち出した。だからどこに持っているんだよ!?周りの女子が離れたタイミングで、ボクは手に持っていたグラスの中身を篠ノ之の顔に向けてぶちまける。

「わぷっ!?」

炭酸で割っているジンジャーエール・・というか・・本格的なしょうがのしほり汁の【ジンジャーエール】が有ったので炭酸とライム、サイダーを混ぜて飲んでいたのだ。つまりその中身を目に向けてかけたのだから・・

「眼が・・眼が痛いイイィィいい!?」

木刀を落としその場でしゃがんで目を押さえる。それは痛かろう・・刺激が強い物が目の弱い粘膜を刺激しまくるんだから。

「な、何が有った!?」

女子の声と篠ノ之が叫んだ声を聞いて慌てて織斑先生が来た。

「あー、口論になった一夏君と篠ノ之がヒートアップして、昔から嫌いだったと一夏君が篠ノ之に言ったらキレて木刀を振りまわし始めました。それを見かねて手に持っていた飲み物を顔にかけて止めました。」

「・・・それであの叫び声か?」

「コレ、しょうがのしぼり汁の方の【ジンジャーエール】です。目に入れば・・」

「こたえるなぁ・・想像だけで痛いな・・。分かった。篠ノ之、木刀は没収だ。反省文と自室謹慎など甘いようだし、私と一緒に監視してくらせ。寮長室への異動を命ずる。明日からの貴様は朝から寝る時まで私の監視下だ。あの兎の妹だからという事で甘くするつもりなど毛頭ないから覚悟しろよ?」

目を押さえた篠ノ之は保健室で処置されその後、拘束されて寮長室で暮らす事となった。ほぼ自由時間はない。自業自得だ。

その騒ぎのせいですっかり冷めたのでパーティーはお開きとなった。残っていた分でもう一度同じ物を作って飲んでいたら、一夏君がソレを分けてほしいというので飲ませた。盛大にむせていたので、大いに笑わせてもらった。

 

部屋に帰り一夏君は「色々あって疲れた。先にシャワーを浴びる。」と浴室に入っていった。ボクは仕事の続きを始める。新たなガシャット開発。それこそが今の急務だ。パソコンや端末とつながっているガシャットは既存のガッシャットを越える速度を求める為の新作ガシャットだ。

青いガッシャットにはまだ名前がついていない。しかし、コンセプトと元となるデータはもうすでにあるのでましだが、ソレの変換が難しい。どこまで体に負荷を与えないように調整するか・・そう言えば一夏君のメモリの中にひとつ面白い物が有ったはずだ。アレを借りるとしよう。それなら負荷の割合は分かるはずだ。それなら・・。ボクは大本となるデータを形作っていく。そして、一夏君がシャワーから出て来たとともにとあるメモリを借りてそのメモリを端末にセット。情報からの体の負荷を計算してデータを打ち込む。一夏君のメモリの方も完全品じゃないので少し調整を加える事になった。完成品ではあるので使えるがいくらかデータを改変して白式にも使えるようにしておいた。デュノア社の本当のブレインであるボクからすれば他愛ない事ではある。ソレを仕上げているうちに朝になった。一夏君は初めは興味を持っていたが飽きてすぐに寝た。貫徹をして迎えた朝、六時四十五分・・、

「完成した!!」

「うわ!?え?、出来た?出来たの?」

「これでコイツは完成だ!!」

声をあげた事で一夏君が跳ね起きた。感徹で少しテンションがおかしいが仕方ない。ラベルとタイトルをつけて完成したガシャットをケースに収める。後片付けしたら・・もう教室に行く時間だった。

パンをかじりつつ廊下を走る。すると・・

《ドン》

「うわぁ?」

「きゃぁ!?」

ぶつかってしまった。とりあえず謝りつつ起こす。

「すいません、ちょっと急いでて・・。」

「いったいわね。気をつけなさいよ・・。まぁ、私も考え事してたから悪かったわ。」

そう言って立ち上がる。ツインテールと勝気な印象の表情が印象的な少女だ。

「あ、行く所が有るからじゃぁね。」

「・・おぉ、ボクも行かなくては・・。」

・・・《ときめきクライシス》を発動した覚えはないが・・まぁいいか。

 

そして、教室で一夏君とさっきの少女が話していた。

「あ、パラド。遅かったな。」

「片付けと昨日シャワーを浴びてなかったからね。準備してたら食事をとる暇もなくてパンを咥えて走って来たよ。」

「遅刻遅刻ーって?そして少女とぶつかるんだな?」

「何をベタな‥と言いたいんだけど・・」

「ん?何かあったのか?まさか運命の出会いを!?」

「君はよくそんな事を知ってるね?本当にぶつかったんだが、相手はそこの少女だよ。」

「アンタ、此処のクラスだったの?アタシは凰鈴音。皆からは鈴って呼んで貰ってるわ。一夏とは小学四年からの付き合いよ。」

「パラド・クリ・エイタ。フランスデュノア社企業代表で、日本人混ざりのクォーターだ。よろしく鈴。」

「じゃぁ、パラドって呼ぶわね。」

そう言ってお互いに改めて握手をした。明るい性格なので仲良くなれそうだ。

「あぁ、そろそろ時間だ。教室に入ろう。」

ボクは遅れそうで来たんだから時間はぎりぎりだろう。そう思って言うと、

「分かった。鈴、昼でも食べながら話そう。」

「そうね。あ、パラドも一緒にどう?」

「ご一緒させてもらえるなら。・・でも良いのかい?昔の話しとかしたいんじゃ?」

「良いよ。下手に一人で女子といると噂立てられるしな。」

「あぁ、そう言う・・分かった。」

そう言って教室に入る。背後で、

「別にそんな噂なら、嫌じゃないんだけどね。」

と小さく聞こえた。ははーん、コレは一夏君に脈ありか。仲良くなれたら協力するのも手かもね。いや、ソレを期に仲良くするか?どちらにしろ面白くなりそうだ。

 

そして、授業中に初めて居眠りをしてしまい、織斑先生から痛くてありがたい指導を受けてしまった。一応理由を言ったら納得はしてくれたが、自重するように言われた。まぁ、後悔も反省もしないけどね。だって、ガシャットが完成する瞬間が一番心が躍るんだもの。こればかりは仕方ない。

 

昼になって鈴と一夏君と共に食事をした。相鎚だけ打って殆ど昔話を聞いているだけだったが楽しそうな二人を見ているだけで十分話は面白かった。そして、放課後に完成したガシャットとメモリーの性能を試す訓練をする分に鈴が参加する事になった。クラス代表戦前に少し動かしておきたいらしい。

「さぁ、一夏君・・新しいメモリは持ったかい?」

「あぁ、コレ・・トリガーメモリに似てるけど違うんだな。」

「特殊メモリーだからね。じゃぁ、ボクは先に変身するよ。グレード2!」

《ガッシャット!マイティジャンプ、マイティキック、マイティアクションX!》

そして、ゲンムレベル2でゲーマドライバーを一度閉じる。

「じゃぁ、俺もドライバーに・・」

一夏君がボタンを押す。すると・・

《トライアル!》

「なんか早そうなメモリーだな。まぁいいか、トライアル!」

「ボクもグレード4!」

《トライアル!》

《ガシャット!ソニック・アドベンチャー!》

「「変身!!」」

一夏君のロストドライバーからは速度メーターの様な物が現れソレを吹かす様に針が動き真ん中で《T》の文字を描き止まると白式の装甲が背部に回りスラスターを増設。更に装甲が羽に変化されて高機動用の機体へと変わる。

ボクの機体はゲンムの黒紫の両肩に青い棘がつき脚部の先が赤く染まる。装甲も比較的後ろにずれて羽のようになる。元々ラファールはスラスターが大きい。ソレの色が変わり棘に見えるので、ハリネズミの様な印象になる。

《マイティジャンプ、マイティキックマイティアクションX!ア、ガッチャ、ぶっとばーせー!ゴールを目指すー!最速のー青き音速―!》

【音楽イメージはSE●Aの古いプライズゲームのゲームプレイ時の音楽】

《ラファール・ゲンム・ソニック》速度特化型の機体で射撃は一切できない。あるのは体当たりと打撃格闘のみ。≪トライアル≫も一応ナイフは使えるが、雪片を振るようには出来ていないので基本的に打撃格闘とエターナルエッジだけだ。だが、これにヒートが混ざるだけで恐ろしいのだが・・あまりメモリの相性が良くないらしくコレはならない事が判明している。トリガーは撃てるがメタルは重くなるので相性最悪。ルナは結構面白い事になる。分身高速移動などが出来る。それなんてニンジャ?

「それじゃ、・・一夏君。一っ走り付き合えよ。」

「俺について来れるのか?絶望がお前の目指すゴールだぜ。」

そうお互いに言って構える。

「「さぁ・・振り切るぜ!!」」

その声と共に走り出し、お互いにアリーナの外周を走り、飛び、たまに攻撃し合う。

後から鈴に聞くと、傍から見てたら凄い速度で動く青黒と白っぽい青の何かが衝撃起こして移動しているのは分かったけど、それ以外は見えなかったらしい。

お互いにエターナルエッジとがシャコンブレイカ―で攻撃し合っていたんだがな。

 

因みに速度で関節部を酷使しすぎたため、白式、ラファール、共にオーバーホールとなった。素晴らしいデータは取れたとお褒めは頂いたが、やり過ぎだとも叱られもしたし、愚痴も言われた。

だが、新しいガシャットの開発は『引かぬ、媚びぬ、省みぬ!』の精神で行きます。

 




しかし、ダークライダー系はかっこいいですよね。
ビルドのダークライダー二人はもうドハマリです。
武器も良い。あぁ、ダークライダー万歳!!

と言う所で次回。
ではまた見てらいだー。


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06 面倒な日々

最近急に気候が変化して大変ですね。
書く事も少なくなってきたので、
このまま本編へどうぞ。


結局鈴をほっといて訓練になったボク達は翌日早朝・・

「か、体が・・」

「ぐっ、早さについて行けてなかったか・・。鍛え直しかな・・?」

「コレはきついぞ?トライアルは諸刃の剣として覚えておこう・・。」

「こっちもソニックは当分使いたくないね。まだ僕らには・・足りない物が多すぎる。」

「それは?」

「情熱思想気品優雅さ勤勉さ!そして何よりも・・」

「「早さが足りない!!」」

二人で言って笑いだす。知っていたのかあのアニメネタ。あぁ、フランスは結構アニメとかマンガとかは言って来てるし、そう言うフェスみたいな物はあるからね。ガシャット作成にはそういう知識も必要なんだよね。教室に向かいつつ歩いて話す。

「まぁ、成功例の一つではあるからね、会社からはこれで文句は言われないだろうし。」

「企業代表って大変なんだな。」

「上からせっつかれ、下から泣き付かれ、挙句の果てに出来た物が期待されていた以下なら《この程度だったか。残念だ。》なんて言われるんだからね。一回内容も知らずに、見た目で判断した操縦者をその装備でフルボッコにしてやったよ。それ以来は下手な装備の感想は控えられて精査してくれるようになったけど。」

あの時はイラついたな―。まぁ、良い思い出だよね。見返す為に頑張るようになったんだし。

「という事で・・」

一度足を止める。

「そこの陰から話を盗み聞きしてる人、誰ですか?」

「そこで聞いてるのは誰だ?」

人差し指を立てて言うと一夏君も同じように有る一点の方向を見て同じ内容を言った。

「・・ばれてたのかしら?」

「俺からしたら、足音には気をつけていたけど衣類の擦れる音・・あぁ、壁とか柱にな。それが聞こえてついてきたからおかしいと思っていた。」

「ボクは息使い。普通にそこに居るんならまだしも、明らかに息を殺して居るのは変だからね。」

「そんな事で気がつかれたの?・・これでも、一応そう言う方面の専門家なんだけどね。」

「「俺達《ボク達》仮面ライダーには常識はあまり通用しない。」」

「仮面ライダー?」

「一夏君のエターナルやボクのゲンムの事ですよ。あぁ、そのタイの色からして二年生。しかもその顔は確か・・生徒会長、更識・・た・・た、縦板に水?」

「暖簾に腕押し?焼け石に水・・」

「「糠に釘!」」

「更識楯無よ!!なんでことわざ合戦になっているのかしら?」

「ぬか漬け作る時は糠どこに釘入れとくとなすとかの色合いが良くなるんだぜ?浅漬けやしばづけなんか、液体のつける分は林檎とかがいい。」

「へぇ、今度和食に挑戦してみよう。漬物って食べた事無いんだよね。」

「一緒に行ってやるよ。駄目ならお前の食えるもんと交換してやるから安心だろ?」

「それなら鈴も呼ぼうね。楽しく食事しよう。」

「おぉ、それがいいな。」

そう言って歩きだしたボク達の肩を掴んで止める生徒会長。

「何事もなかったかのように先に進まないでちょうだい。お姉さん傷つくわ。」

そう言って体をくねらせるようにする。

「「・・・。」」

「つ、冷たい!?視線が冷たくて痛いわよ二人とも!?」

「だって・・なぁ・・。」

「急に品を作って・・正直引きます。」

「ぐはっ!?」

更識先輩は胸を押さえて上を仰ぐ。

「それに話隠れて盗み聞きしてばれたら、こっちの話を聞けって・・」

「迷惑だよね。」

「ぐふぅ!?」

今度は同じように抑えつつ下に向いて俯く。

「そして、最後に知らない仲なのに、親しそうに話してくる。」

「空気が読めてない感じがするよね。」

「がっはぁ!?」

とうとう膝をついてうなだれたのでボクと一夏君はさっさと教室に向かった。

 

放課後に整備室に行く。オーバーホールした時は深夜までかかったから驚いたけど、もう一応は元よりも良くなったからコレはこれでよかったのだろう。

そう思い、ガシャットの整備とラファールの調整に行く。部屋で作るのは公式に仕える分。そして、隠れて作るこっちは・・会社にも伏せておく奥の手だ。まぁ、バグヴァイザーもどうしようか悩んだんだけどね。武器として有用と判断したから表に出した。

そして・・コレは最高傑作になるはずだ。

「世界を・・ボクの思い通りにしたい・・。」

黄緑と黒の【ソレ】を持ってそう呟くボク。そして、その願いを叶えるため・・、

「次のガシャットを開発しなければね。」

次に手にしたのは白と黒のガシャット。コレは後数人分、データが有れば使えるが・・それは機会が無いと使えないので保留。条件もなかなか難しい。

だからコレは端末に納めて、また黄緑と黒のガシャットを持つ。

「これの完成も・・しばらく後だな。」

端末に挿してキーボードを打ちながらデータ構成をしていく。まだまだ先は長いがこれさえできれば歴史は変わる。そう、ボクが変えるんだ。

『新たな時代を創造する』その為のガシャット。そしてソレを一番最高機能を引き出す為のベルト。ソレを完成させる事が・・それが出来れば・・。

「・・・頑張ろう。」

又もやそれを見ているのが更識簪。前のクラス代表決定戦を見て、その姿に実はこっそり憧れている一人である。『仮面ライダーゲンム』であるパラド・クリ・エイタ。そして、自身の打鉄二式の開発凍結に追い込んだはずの男、《仮面ライダーエターナル》、織斑一夏。複雑な感情を持っているが彼らの姿に憧れる事はしょうがない。自分が憧れる正義の味方、特撮のヒーローの様な姿をしているのだから。

(悔しいけど・・憧れてしまうのはしょうがない・・。でも、代わりにこの子が・・)

複雑な心境のまま開発を続ける。パラド・クリ・エイタのような頭の良さが自分にあればこの子ももっと早く開発できるのに・・織斑一夏のような特別性が有ればこの子の研究が止まる事もなかったのに・・そう思わずにはいられない。

姉の言葉が思い出される。

『貴女は無能のままでいなさい。』

(私は無能なんかじゃない!!ソレを証明してみせる。この子《打鉄二式》を作り上げることで!!)

思い直したように開発を進める。大まかな所は出来て来た。しかし肝心の第三世代兵装がまだ行き詰っている。だが、諦める気はない。だって彼女が憧れる物こそ、

(私が成る者は、負ける事を許されない、諦めない、正義の味方《ヒーロー》なんだから。)

そういや、忘れていたな。日本に誰か良い代表候補生とかいないかな?

前に作った、後付けインストール兵装《パッケージ》。日本のある物をモチーフにして作ったソレはあまりにも強力な為、信用のおける人にしか預けたくはない。しかし、聞いたところによると一夏君の白式は後付け部位《イコライザ》が無いそうで、初期設定時に一緒にあった端末しか受け付けなかったそうだ。その中にいれようにもそこまで小さな第三世代兵装はないし、有っても唯のナイフくらいちいさな物しか無理だ。メモリならばまだ端末の中の容量が有るから大丈夫だが・・。

「さて、どうしたものか・・。」

コレはまた信用のおける相手を学園内に探すのが無難だろう。学園内なら噂などで人となりが分かるし。

「後は・・ラファールの改造案・・新型武器、ガシャットの利用兵装の開発、仕事が山積みだ。・・もう休みたい・・。」

泣きそうになりながら、ガシャット開発を進める。切りの良い所で今の開発を中断し、会社の仕事へ戻る事にした。

部屋に戻って、ガシャットを専用の保管庫に入れる。開発途中の物は端末には入らないから専用の金庫を作った。ボク意外には開けられない。

 

自分の居場所を作って置くにも、後の事を考えるにも選択肢は多い方がいいかな。

 




誤字脱字、感想、評価お待ちしております。
それでは次回。
また見てらいだー。


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07クラス代表戦で予想外

最近胃が痛く戻したりしています。
皆さんは季節の変わり目はご注意ください。
それにしても急に寒くなり過ぎです。

では本編へ、どうぞ。


学年別クラス代表戦。各学年のクラス代表がトーナメント形式でISを使用しお互いの力量を比べ会う学園行事。今日はその当日だ。

ウチのクラスからは自薦(笑)のセシリア・オルコットが出る事になっている。まぁ、実力ははっきり言えば上の方だし準決勝か決勝戦くらいはするだろう。

情報では一年生のクラス代表で専用機持ちは二人、四組と一組。二組に鈴が入ったが、クラス代表は決定していたし本人もやる気が無かった為に交代は無し。それよりも男性操縦者のデータを取るように言われたと愚痴を言って来た。本人に言う事じゃないと思う。

そう理由からの二人だけだ。しかし、四組の生徒は一夏君の機体のせいで製作が凍結になったとかで正式に専用機持ちとは言えない。・・まぁ、そのデータを流用して更に強い機体に仕上げようと云うのが日本政府の考えなんだろうけど、果たしてそこまで説明する事に頭が言っているのか・・。甚だ疑問に思うよ。

・・その子のIS、開発して前のパッケージを与える事も思案に入れておこう。

上手く行けば日本のイメージを保ちつつ、強力なパッケージかもしれない。それならもう二つも考えていた案のパッケージを作成しても良い。打鉄用のイメージだから使う事無かったけど、ラファールだけじゃなくてこっちにも貢献しておくか。ラファールではイメージにも兵装バランス的にも悪いからな。

今は会場のアリーナに居る。隣には一夏君が座っていて、周りを良く話す女子が囲んでいる。女尊男卑派は離れているので目に見えて分かる関係図式だ。

「んじゃ、ソレ作りに行くか。」

そう言ってボクはアリーナから出ようとした。すると振動と共に警報が鳴り、アリーナと客席を塞ぐように隔壁が現れる。一瞬目の前のドアがロックされたが、何故か次の瞬間にはロックが外れてオープン状態になった。

「・・?」

一体今のは・・それよりも今の振動と隔壁が降りた理由の方だ。

「織斑先生、緊急事態ですか?!」

ボクよりも早く一夏君が連絡をしながらドアの前にくる。ドアを開けて皆を外に誘導しながらボクに先頭に行けと促す。ボクは走って外に繋がる最短ルートを確認。途中の防火扉等は降りてない事を確認して外に出る。

「こちらパラド。防火扉等は降りていないのでアリーナからの脱出は可能・・!?」

急にロックオンアラームが鳴りボクは緊急展開。その場から空中へと飛ぶ。そこには発砲した後らしきIS。腕部が大きく、そこにいくつものパイプが背中からつながっている。

「・・いきなり攻撃とは穏やかじゃない・・?」

通信が帰って来ない。一夏君からも何も聞こえない。更に言えば目の前の機体からノイズが発せられている。

「ジャミングか・・。ならば、敵と見なし・・破壊する。」

【マイティアクションX!ガシャット!レッツゲーム、ムッチャゲーム、メッチャゲーム、ワッツユアネーム?アイアム仮面ライダー!】

アリーナに被害を出さないようにコイツよりも高高度で戦う方がいいだろう。なら、

【ジェットコンバット!】

「第三戦術・・!」

【マイティジャンプ、マイティキック、マイティアクションX!アガッチャ、ジェットジェット イン ザ スカイ!ジェットコンバーット!!】

ボクは《ゲンムジェットコンバットレベル3》で相手する事にした。ジェットガトリングで撃ちながらも空中をスラスターとジェットコンバットのブースターで加速。こちらの攻撃を当てつつ相手の攻撃は空へと逃がす。アリーナの方をちらりと見ると似たような機体がいてそれに何故か一夏君がIS状態のエターナルで戦いを挑んでいた。相手が攻撃しているがエネルギー武器だからどうやら一夏君が零落白夜で切って、無効化しつつ他の専用機持ちが生徒を逃がす為に行動しているようだ。

「なら・・こっちも応援に行きたいね!?」

≪ガガガガ≫

太陽を背にして急降下しながら片手のガトリングを連射。反対の手でジェットコンバットガシャットをキメワザホルダーに入れる。

【キメワザ!ジェット!クリティカルストライク!】

ブースターとスラスター全開で急加速して体を回転させつつエネルギーを込めた蹴りを放つ。

「セイヤアァァ!!」

「・・!?」

ソレは相手の胸部分に当たり、ボクはそのまま体を突き抜けてアリーナに飛び込む事になる。その落下途中で

「な・・絶対防御が無いのか!?」

驚いたが周りには血肉はなく、オイルとパーツが散らばっていた。機械・・無人機だと!?なら、・・・こんな事を考えたのはあの人か。流石天災、僕を始末しつつ、一夏君が目立つように仕向けようとしたわけだ。だからあの時一回ロックをかけても、外して外におびき出したのか。

アリーナにはシールドが無くそのまま降りる事に成功。そしてバラバラになった無人機が落下してがっしゃんと音を立てた。

「な!?どういう・・何が・・あぁ、パラドか。さっきから通信してたんだから答えろよ!」

「一夏くん、そいつもボクが倒したこいつもジャミングしているんだ。通信妨害で連絡できなかった。だから・・」

『一夏ァァァ!!』

放送用のスピーカーから声が聞こえる。見るとそこには篠ノ之箒が。

『その程度の敵、男なら倒して見せろ!!』

こっちがエネルギー兵器を使う相手に何も考えてないわけじゃない。下手をすると充填中だったエネルギーが暴発して何処に飛ぶか分からないから、退避を先にしていたというのが分かっていないのか!?あの馬鹿!!もし、あそこに逃げ遅れた奴がいたら・・。

「くそぉ!?あの馬鹿が叫んだせいであっちに方向が向いた!」

一夏君が叫ぶ。見ると既にエネルギーは充填完了しているようで発射状態だ。一夏君がスラスターを吹かして近付くが遅い。ボクの位置は対角線上で一番遠く、間に合わない。

ガシャットを入れ替える暇も、メモリを代える時間もなかった。

そして、

≪ズキュウゥゥゥン≫≪ドガァァン≫

発射されてしまった。極太のビームは放送室を越えてその向こうの空まで続いた。そこにいたであろう人の命を奪って。

「・・貴様ァァァ!!」

そう叫んでエネルギーが無い状態の腕を零落白夜で一太刀。返す様に体を捻りつつエターナルエッジで腕の関節を切り逆の腕も落とす。そのまま。蹴りつつ、腰のマキシマムホルダーにヒートメモリを挿しこみマキシマムドライブを起動。

【ヒート・マキシマムドライブ】

マキシマムドライブを起動した後、一瞬だが蹴る直前に青い炎が上がる。アレは‥。

「はあぁぁぁ・・ハァアァァァッ!!」

ソレをくらい機体は後ろによろめきつつ数歩下がり、スパークし始める。

「さぁ、地獄を楽しみな。」

親指を下に向けてそう言葉を発すると、敵ISは爆発を起こす。その際にやはりパーツとオイルが巻かれたので無人機だったようだ。

「・・くそ、俺が・・守れなかった・・。」

放送室にはまだ避難中の放送委員がいたらしく、篠ノ之が外から開けた後、退避する暇はなかったらしい。つまり数人は死んだ事になる。ボクは手に白と黒のガシャットを持つ。

「・・最終手段だ。行くよ一夏君。」

「何を・・パラド?」

ボクがしかめっ面をしているのを気がついたらしく、それでも放送室後についてくる。そこは人が焦げたにおいと熱を持っていた。数人は熱で死んだらしくまさしく黒焦げ状態。マイク付近にある一体が篠ノ之、そのほかに黒焦げが一体、普通だが、うつぶせで頭から血を流しているのが一体、一部は綺麗なままだが皮膚が焼けただれているのが三体。計六体の遺体が有った。

「うぐっ・・これを・・どうするつもりだ?」

「・・・。」

ボクはガシャットを見せる。そこにはまだ何も書かれていない。

「これには死に対してのデータを蓄積させている。完成させるには後六体の死のデータ必要となる。そして・・丁度六体。」

「た、助けれるのか?」

「助かるんじゃない。ボクは・・死の情報を捻じ曲げるだけだ。一部には火傷の痕が残るが・・生き返らせる。外道な手だけど、コレは今回限りしか使えない手だ。」

そう言って一番近くの遺体からガシャットを当ててボタンを押す。

≪キュイン≫

機動音がして段々と皮膚が元に戻る。焼けていた髪も戻り腕の一部に火傷の小さな痕が残るだけとなった。そして、呼吸を始めて胸が上下し始める。

「黒焦げの方は一夏君は見ない方がいい。彼女を見てて。異常があったら教えて。」

そう言ってそのまま三人蘇生させる。一人はまったく焼けていなかった。つまりは・・撲殺。つい舌打ちをしつつ、アリーナ側に向けて歩く。

彼が目を反らしたのを見て黒焦げの遺体に当てて起動。黒焦げの皮膚組織が再生される前に筋組織が丸見えで一瞬、生皮をはがしたような見た目となる。そして、皮膚が再生され服が無い彼女に制服の上着をかける。最後、篠ノ之を一瞬蘇生させるのをためらう。この惨状を作り出し、一人を撲殺している彼女にはふさわしい最後なのではないかと思った。しかし、それでも、・・・罪を償わせる必要が有ると認識し同じようにガシャットを当ててボタンを押した。そして、彼女は生き返った。

 

「何故私が拘束されているのです千冬さん!?」

「貴様・・いくらアイツの妹は言え、人を一人撲殺しかけたのだ!!許せるか!?許すわけ無かろうが!!人を殺す所だったのだぞ!?その自覚が無い危険人物を許すはずがないだろうが!!貴様は、唯の犯罪者だ!!篠ノ之束の妹?旧知のお世話になった家族?知るか!!そんなに死にたいなら私が殺してやろう!!」

拘束衣に身を包まれた篠ノ之箒がわめくがすぐに織斑先生によって沈黙させられる。

「わ、私はあんな相手に手間取っている一夏の応援を・・」

「逆に時間稼ぎをしていたにすぎない!!貴様が要らない事をしなければ、けが人もなく無事に終わるはずだった!」

そう言いながら篠ノ之が拘束されているまま殴られ受け身も取れず、管制室の床に転がる。

「レベル3の独房に連れて行け!・・昔のよしみで面倒は私が見る。」

「分かりました。・・立ちなさい・・。」

「立て。来い!」

二人の教師に腕を持たれて連れていかれていく篠ノ之。

「そ、そんな・・千冬さん!?千冬さん!!・・くそ、放せ!!私は篠ノ之束の妹だぞおオォォぉ…」

ドアが閉まった後、織斑先生は頭を抱えて席に座る。

「・・パラド・クリ・エイタ、織斑一夏。学園長、生徒会長が呼んでいる。私と共に学園長室に来てくれ。他の教師たちは各代表候補生および退避時の先導していた物に状況を聞いておいてください。また今回の件は、緘口令を敷きます。各自行動開始をお願いします。」

そう言って織斑先生は顔をあげる。まだ青い顔のままだがしょうがない。色々とあり過ぎた。

 

 

 




色々とヒロインについて考察されている方も居る様ですが・・、
まぁ、私は過去作から見ても貧乳派らしいです。
と言う事で貧乳組はかなり優遇と言う事で。

まぁ、ヒロインの一人はかなりの魔改造されてますが。
では、また見てらいだー。


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08 完成のデンジャラス

タイトル通りの話です。
特に進展もありませんが、重要な御話と言う事です。
では本編へ、どうぞ。


クラス代表戦は中止となり、ボク達はアリーナから移動する事となる。行先は学園長室。ボク達がここに呼ばれた理由は分かっている。

「端的に言いましょう。死人がよみがえった。生き返ったというのは本当ですか?」

学園長、轡木十蔵がそう言う。

「はい。ボクのガシャットの力で。しかし、コレ以上はできません。すでにガシャットは完成しました。いや、完成自体はしていませんが、データは集まってしまいました。」

つまり、内部データを整理し直し、集まったデータをもとに機能を完成させればそれでこのガシャットは完成する。

「ガシャットですか・・。君が開発したという第三世代兵装、その機能は学園とIS委員会に提出はされていますが・・それは《ガシャットというメモリ媒体に入っているデータを機体に反映させ、特殊装備を呼び出す第二世代兵装の簡易パッケージ機能》コレは、真実ですか?」

「・・・ある種の真実です。」

「ある種・・というと?」

ボクは一夏君を見て話すか迷う。一夏君は頷いてボクの意見を押してくれるようだ。

「・・≪仮面ライダーシステム≫。ガシャットはその一部の物に他なりません。」

「どう言うことですか?」

「ボクは、予知夢を見る事が出来ます。おそらくの域を出ませんがどちらかと言えば異世界、平行世界の情報かもしれません。」

そう言うと、織斑先生と生徒会長は目を丸くして席を立つ。が、学園長がソレを手で制する。

「・・それが真実だと仮定しましょう。続けてください。」

「そこで見た情報、ソレを頭に残っているデータと共言反映させて作った物、それが異世界のヒーロー仮面ライダーのベルトとそれに付属するものです。一夏君・・。」

「おう、・・コレがロストドライバー、そして、メモリのエターナル。」

「これらは異世界の仮面ライダーが使っていた物をボクが再現したものです。そして、一夏君のメモリ、エターナルにはISコアのように意志が有ります。」

「・・意志ですか?」

「エターナルは、初めてボクと一夏君と会ったドイツの時。第二回モンド・グロッソで誘拐された時、一緒にいたボクが一度渡しました。その時にISを破壊し撤退させたのは一夏君とエターナルです。彼はエターナルに選ばれました。それからボクはメモリと一緒に自身のガシャットとベルトを作成、もしメモリと同じように意志のあるISにも選ばれたらそう思い改造を施しました。ISと対決するときにも使えるように強化し、そして・・彼自身が悪に進まないように一時的にボクが持って置き、また彼と会う機会が有ればその時に本当に彼に渡すつもりで。エターナルはその時が来るのを待っていました。ボクはその感情らしきものが流れてくるのを感じ、再会を確信していたと思います。そして、彼に渡したエターナル。やはり、彼と適合しISを使用時にも適合してくれました。まぁ、本音を言うと実はまだ本来の力は出ていないのですがね。」

「本来の力?」

「本音を言うと、ISを使わない状態の仮面ライダー状態のエターナルを装備した一夏君の方が強い。」

「ISよりも強いですと・・!?」

愕然とした表情の学園長。そりゃそうか。

「ISエターナル状態の腕が赤いでしょう?アレはまだ完全に燃焼していないレッドフレア。そして、仮面ライダーエターナルの一夏君は青く燃える完全に適合したブルーフレア。その証拠に一回に一度のメモリしか使えませんし、適合も六種類。ヒート、メタル、トリガー、ルナ、トライアル、そしてエターナル。ブルーフレアなら27種類のメモリを一度に使用できます。」

「そ、それはすごい・・。」

「まぁ、体に負担がかかるのでまだ彼には早いですが。」

「最悪の状態で使う・・だな。俺も使いたくはない。」

トライアルの事を思い出したのだろう。一つでアレが更に26個つくのだ。絶対に体が耐えられるはずがない。

「まぁ、それよりも今はボクの方。ゲンムについて続けます。同じく仮面ライダーゲンム。同じようにガシャットで強化し、IS同等、いえ、それ以上の力を出せます。しかし、これには適性が要ります。ボクもまた、一度死にかけているのです。それからよみがえった時にこの才能を得て、予知夢を見るようになり、そして、ゲンムになる為の資格を得ました。おそらくですが、一度小さいころ一夏君も死ぬような眼にあっているのだと思います。それがエターナル、ゲンムの資格の一つです。後はメモリやガシャットの意志が受け入れるかどうかですが。」

「・・・俺は、四歳以前の記憶が無い。聞いたら昔、溺れて死にかけたらしい。両親はその際に流されて二次災害に・・。家族は千冬姉だけになったと・・。」

そう言って織斑先生の方を見る。

「・・家族で海に行った時、引き波と離岸流に流された一夏は途中で高波に襲われて浮き輪から放り出されて溺れて、・・気がついた両親が泳いで行ったが二人とも離岸流で沖に・・。ライフセーバーが助けてくれたのは一夏だけで、・・後の二人は見つからず遺体もない墓が残っただけだ。葬儀も一夏が危険な状態だったため家族葬にして篠ノ之一家と近所の人くらいだ。一夏はあまり喋る相手もいなかった為、両親と仲の良い保護者同士もいなかったようだ。」

そう辛そうに話す織斑先生。そして、ボクはソレを聞きつつ、ガシャット用とは別の、収納端末からガシャット制作用の機械と端末類を出す。メモリ用もガシャット用もそもそもからIS技術利用だ。そしてそれに白と黒のガシャットをつなぐ。

「今からここで完成させます。・・このガシャットを。」

そう言ってボクはガシャットをスロットに挿し、キーボードを打ってデータを並べ替え、必要なデータを起動してそれに組み込んでいく。そして、他の人には分からないデータを打ち込みながら真剣な顔つきで見る全員の前で最後のデータを打ち込み、エンターキーを押した。

≪デンジャラス・ゾンビ≫

そう、画面にデータが並んだ最後に書いてある。

それからガシャットを抜いて機械から出て来たシールを張る。

「完成・・です。」

すでにほぼできていたこのガシャットを完成させた。させてしまった‥。それは幾つもの死の上に積み重なる本来ならば禁忌のガシャットだ。だが、ボクは完成させてしまった。それほどに死を目にしてきたからだ。女尊男卑のこの世界で・・惨い死を。女尊男卑派に両親を目の前で殺される子供を・・。逆に泣きわめく子供を目の前で奪われた父親を・・。ソレをよみがえらせてデータを蓄積して来た。

「完成してしまうほどの・・死を積み重ねたこのガシャットは・・死人の魂をもてあそぶような機能が有ります。」

ボクはバグルドライバーを取り出し、ガシャットのボタン押す。

【デンジャラス・ゾンビ!ガシャット!】

ガシャットを差し込む。

「・・変身!!」【バグルアップ!!】

そして、横のボタンを押しこむ。

【デーンジャデンジャー・ジェノサイド!!デス・ザ・クライシス・デンジャラスゾンビ!ウォー・・】

ゲンム・【デンジャラスゾンビ】レベルXとなる。

白と黒、髑髏をイメージした骨の様な物が付き出たその姿に全員が凍りつく。

「コレがゲンム・デンジャラスゾンビ。地面からゾンビの様な影を作り出し相手を殺す事が出来る最悪のガシャット。死者を冒涜する力です。女尊男卑によって非業の死を遂げた男性達等の怒りが聞こえてくる・・。アイツ等を殺そうと・・この恨みを晴らさせてくれと・・。」

そう言いながらボクは耐えきれなくなり変身を解く。

「はぁ・はぁ・・。」

耳から怨嗟の声が離れない気がする。それでも、ボクは前を向く。

「コレがボク達の真実です。しかし、ボク達はこの力を悪用しない。そう誓います。」

そう言うと不安そうに顔を見合わせる。そして一夏君が一歩前に出る。

「俺にはエターナルから声が聞こえる。違う世界で悪用された過去が有る。でも、そうじゃなく正義の味方として戦いたかったと。だから、俺もこの力を悪用する気などない。だが、もし・・もしもそうなれば、・・千冬姉。アンタが俺を殺してくれ。」

「わ、私が・・?」

「そうならないけどな。もし、・・『もしもそうなった時は』だ・・。酷な事を言っているけど、憧れるアンタに最後はお願いしたいんだよ。」

「・・・わかった。」

お互いに苦笑いしながら。いや、織斑先生は苦渋の顔を無理に笑わせている顔で、そう告げ会う。

 

そして、今ある情報を告げたボク達は解放され、委員会にどう報告すべきか話し合うそうだ。おそらくは悪いように扱われないと確信している。彼らからすれば、最後の手段になりかねるからだ。IS委員会にも見放されるような事態が起きた時、最後の手段としてボク達は使われる。おそらく人を殺す手段として。

しかし、それも学園の人を守るための時だ。その為ならあの怨嗟の声にも耳を傾けよう。

そう覚悟してボクはガシャットを見つめて収めた。

 

 




そんな機能は無いと思いの方も居るでしょうが、私はコレが後の重要なカギとなるので、改める気は一切ありません。
オリジナルの能力と認識してください。

では、次回もまた見てらいだー。


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08.5 灰色のゴールデンウィーク

私はあまりゴールデンウィークと言う物に出かける事はありません。
あって、親戚の墓参りくらいと買い物です。
遠出すると大変ですから。

では、本編へ、どうぞ。


世間はゴールデンウィークという大型連休。多くの生徒は家に帰ったり、帰国したりしているそのさなか・・ボクは開発を進めていた。新型ガシャットの開発はまだまだ足りていないからだ。同室の一夏君も今日は家に帰って荷物をまとめてくるらしい。軽く掃除もするから遅くなると言っていたので、いつもは隠すガシャットも部屋の中で開発を進める。

「あぁ、・・自由に部屋で出来る環境は素敵だなぁ。フランスのデュノア社内の事を思い浮かべるよ・・。」

誰もいない部屋で呟くボクは傍から見れば頭がおかしくなったと思われるかもしれないが・・正直、デンジャラス・ゾンビガシャットを使用した後から悪夢を見たりと体調が少しすぐれないから、気分だけでも落ち着かせるために口に出しているのだ。

「まぁ、誰に聞かれるでもないけど・・。」

そう言いながらカタカタとキーボードを打ち続ける。

「・・うーん、行き詰ったな・・。」

データがない為に途中で止まったガシャットはいったん置いといて、別なガシャットに取りかかる事にした。これは、特殊ガシャットで、自分の変身では使う物じゃない。まぁ、後に使う事が有るだろう。そう思って作ってきたガシャットでソレは、時間を見つけては作成を続けていた物だ。まぁ、ボクはソレを使う事はない事を祈っているのだが。

うーん・・。そろそろ部屋から出るか。

食事もとらずに夕方近くになって来たのに気がついたボクは生徒の少ない学園へと向かう事にした。部活動もしているようで、グランドでは走っている生徒達も見える。

「ボクも体を動かしとくかね?」

「じゃぁ、お姉さんと一緒にどう?」

つぶやいた一人ごとに返事が返ってきた。振り返ると壁にもたれかかる更識生徒会長が居た。

「さっきまで書類仕事で気が付いたらこんな時間でやっと終わって、これから食事じゃ変な時間にお腹が減りそうなのよ。一応昼も軽く取ったけど、思いっきり動かして減らしておこうかと思ってね?一緒にどう?君の力も見ておきたいし。一応、男子生徒は必要ないかもしれないけど護衛対象なのよね。・・生徒会長は最強だから。」

そう言って扇子を開くとそこには最強の二文字。

「へぇ、そうだったんですか・・一夏には勝てますが・・貴女にはどうかな?」

「あら、自信がないのかしら?」

「まぁ、素人ではありますからね。その筋の本業にはかなわないかと。」

「・・知ってるのね。」

あたりまえだ。自信がどこに行くのかを調べる際にはキッチリと知っておくのが基本だ。だが、まぁ、秘密情報までも握る必要はないのだが・・。そこは後に取引に使おう。

「一応、信用に足る人が上に居るかは調べます。その上でガシャットとメモリー、ライダーの秘密は喋る事にしました。信用はしてるんですよ?」

言葉にはしないが、はっきりと認識を言っておく。

「信頼はしてないと・・。」

「時間が足りませんねー。機会がないのですから、まぁ、ガシャット開発がなければ生徒会の仕事の手伝いもしたし、織斑先生たちの仕事の手伝いもしたんですがねぇ・・。ボクは会社の重要なファクターな物で・・。サボれないのが苦しいのですよ。まぁ、完成した時に得られる快感は確かにすばらしく心が躍る物ですが。」

「完全に社畜ね。まぁ、一緒に体でも動かしましょう。柔道場に行かない?」

「畳でしたよね・・。憧れてたんですよ。いきましょう。」

ボクは和な雰囲気の空間にちょっと憧れていた。剣道場も行こうかと思ったけど、場所を聞いたらあの篠ノ之箒が所属していると聞いて、行くのはやめたが。

そして、柔道場に来た。更識先輩は柔道着に着替え、ボクはそのままの服を脱いで、上着だけ柔道着にしただけだ。お互いに軽く筋を伸ばしたりして準備運動はすませる。

「ズボンは良いのかしら?」

「コレは逆に動きやすいものですからね。上着は・・ハンデです。掴みやすいでしょ?」

「・・舐めてると、痛い目を見る・・わよ!!」

そう言って離れたとこから一歩でボクの内側に入り込み、上着を持って投げる。が・・

「よっとぉ!」

その手を持って、そのままの勢いで投げ返す。

「きゃぁ!?痛っ!?」

「さて一本・・でしたよね。」

腰をさすりながら、立ち上がる先輩。

「あたた・・いきなりやるわね。」

「いや、カウンターは得意ですから。・・知り合いから突撃『チャージ』を喰らう事が有ったので、ソレの為に反射神経は上がりましたよ。」

明後日の方を見上げて言うボクに、先輩は少し憐れみの目で見つめた。

「苦労・・してるのね。」

「まぁ、・・色々と立場が有りますから。」

「そうね・・・後・・は!」

またもや強襲してくるが、伸ばした拳は跳ねのけて胴に手刀を当てる。

「甘いです。意識をそらそうとしていますが、足がじっくりと回っているのは気がついています。そこは、体をまわして・・こうですよ!!!」

少し離れるように見せかけながら、軸足をつく瞬間に回してつけて、そのまま体を捻ってハイキック。側頭部ぎりぎりでとめたので、髪がふわりと動く。

「・・暗部より暗部してるわよ。」

「御褒め頂きありがとうございます。これも、一応デュノア社の格闘訓練から身につけた体術を改良したものです。」

「恐ろしいわ、デュノア社。」

「まぁ、色々とあるのですよ・・ふふふ・・」

「怖いわね、デュノア社。」

青ざめた先輩に怪しげな笑いで応じる。

「さて、そろそろいい時間ですし・・」

そう言った途端に掴みかかってきた先輩。さっきとは明らかに動きが違う・・コレは・・

「システマ・・ですか。」

「そうね、コレはどうかしら?」

かろうじて避けてかいくぐったが、続けざまに攻撃が来る。ボクはソレを避けながら片足をあげて、正眼の構えになる。

「刀はないのに・・どう言う事かしら?」

「くれば分かりますよ。まぁ、その時には貴女は八つ裂きになっているかもしれませんが。」

「恐ろしい事言うじゃない・・でも、風呂敷を広げすぎね。大口叩きすぎは小さく見えるわよ!」

そう言いながら来た攻撃を腕で流し、掴みを払い、足も動きで避けて足払いも飛び上がり、すぐさま逆の足をつく。そして、蹴りが来たらその足に合わせて足を出して後ろに飛び、下がったかと思いきやすぐさま前進して、攻撃すると見せかけて行きすぎる。

「な・・くっ、あれ!?」

疑問を持って後ろを向いた所で、真に攻撃を仕掛ける。足払いから腹部への蹴り。そのまま空中ではたき落して、下った頭を膝で打ち上げる。上がった頭で胴がまた空いたので、そこに全身での鉄山功『半身を使っての全体重と衝撃を乗せた体当たり』を当てて、壁まで吹き飛ばす。

「がっふっ!?」

「はぁ・・タイ斜流と中国拳法、ムエタイを独自に混ぜた自己流ですが・・効くでしょう?」

「か、完敗ね・・あたた。コレはちょっとやりすぎじゃないかしら?」

「大人げなく、ムキになって本気を出した先輩への仕返しです。殺気が混じってましたよ?少しムキになったからって、本来の仕事の勘を出されたら、ボクもそれ相応に対応する。覚えましたか?勉強になりましたね。」

「ねぇ、貴方が生徒会長しない?」

「言ったように仕事が有りますので。デュノア社がつぶれないように開発してくれるなら代わりをしますが?」

「わかりましたすいませんわたしがわるかったですから。」

そう言ってジャパニーズ土下座をした。何だろう、ボクが怖かったのかな?

「いま、本気の殺戮者の様な気配だったわよ。修羅?とかそんな感じ。」

「はぁ・・そんなつもりはなかったですが・・まぁ、いいや。先輩、負けたんで夕食おごってくださいよ。」

「そんな・・こんなにダメージ与えて、女の子をキズものにしたんだから責任取ってパラドくんがおごってくれるんじゃないの?」

「学園中に貴女が対暗部用暗部で、日本政府の使いである事をばらしますよ?」

「やめて!?分かったわ!!そんなに高いのじゃなきゃおごりましょう。しょうがないわね。」

「普通に、今日はラーメンで。いつも鈴が食べてるの見て食べてみたくなったから。」

「それくらいならお安い御用ね。本当に安いわ、デザートとかは?」

「じゃあ、杏仁豆腐付きで。」

「おっけーよ。じゃ、一緒に食べましょうか。」

「はーい。」

お互いに着替えて柔道場を片付けて後にした。

その後、食事を済ませていると、生徒会長とボクが付き合っているのかと聞いてくる生徒が居たが、速攻で否定した。だって、フランスからなんか怖い気配がしたし。

先輩はなんか複雑そうな顔をしていた。なんでだろう?

 




閑話と言う事で0.5が付いております。
後からできたのでこうなりました。
先に09話とかが書き上がって後から「そういや・・」と言った感じの乗りで書いた物なのでこんな内容です。一応かなりのフラグが立ってますが。

では、次回。またみてらいだー。


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09 転入生のあの子は・・

今回転入して来ます生徒、・・危険です。
デンジャラスゾンビよりもある意味危険。
私的には何故こうなったと言わざるを得ない。

そんな今回の本編へ、どうぞ。


結局、やはり僕たちのライダーシステムについては御咎め無しだった。

黙っておく事をくぎ刺された位だ。そういや重要な事が有った。伝えとこうか。

「まぁ、ソレは良いとして・・ソニックガシャットは調べてみたらレベル15だった。」

「オイ待て。あん時、【グレード4】って言っていたよな?レベル4くらいじゃないのかよ!?それと一緒の位だったトライアルもそんくらい上位ランクじゃないか?行き成りんな物使わせたのかよ?!」

「いやぁ・・適性なかったらミンチだってさ。」

「笑ってごまかすな!?」

襟首持ってゆすられる。ボクは乾いた笑いしか出ず、周りは引いてしまった。

「まぁ、いいか。一応とっておきが出来たと思っておこう。」

「そうだねぇ。ボクもソニックはもうちょっと鍛えるまで遠慮だね。」

そう言って二人して肩をすくめる。

「さて、なんか今日は転入生が来るって聞いたが・・」

「あぁ、ボク知ってるよ。それはボクの関係者で・・」

そこまで言うと織斑先生が教室に入ってきた。

「席につけ。時間になる。」

「・・まぁ、後で紹介するよ。」

「お、おう・・。」

そう言って一夏君も席につく。

「今日は転入生のお知らせが有ります。それも二人です。」

「「「えええぇぇぇ!?」」」

そう皆が叫び、一夏君がボクの方を見る。首を振って人差し指を立て肩をすくめる動作。

(いや、ボク一人しか知らない)と伝える。頷くので何とか伝わったようだ。

「先ずは・・デュノア。」

「はい。初めまして、シャルロット・デュノアと言います。このクラスのパラド・クリ・エイタ君と一緒の企業デュノア社に居まして、彼は企業代表、私は国家代表候補生としてここに来ています。慣れない地で至らない事もありますがよろしくお願いしますね。専用機は持っていますがラファールの改造型なのであまり過度な期待はしないでください。」

そう言って頭を下げるシャルロット。おいコラ、何を知り合いという事をアピールしてんだよ。まぁ、そう言う所が昔からチャッカリしてるんだが・・。

「もう一人、ラウラさんお願いします。」

「・・。」

「ラウラ、自己紹介しろ。」「はっ!」

山田先生の言葉には全く耳をかさず、織斑先生が言うと急にはっきりと態度を代えた。

コレは織斑千冬=ブリュンヒルデで信者タイプか?

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ。ドイツ代表候補生でドイツ軍少佐をしている。専用機はドイツ聖第三世代機【シュバルツェア・レーゲン】だ。」

「まぁ、昔よりはよかろう。ましな自己紹介と言える。」

「はっ、ありがとうございます。」

そう言って敬礼をする。

「ここでは私は教官では無くて教師だ。敬礼はいらん。織斑先生と呼び、口調ももう少し崩してかまわん。」

「はぁ・・わかりました。では、織斑先生・・織斑一夏という生徒はどこに?」

「・・その眼の前に居る男だ。」

そう、一夏君はクラスの一番前の席で真ん中だから目の前に居た。

「そうか・・貴様が‥」

そう言って手を構える。何かする気か?

「すまなかったな。我がドイツ軍が会場警備をしていたにもかかわらず、誘拐犯が出てしまうとは。現軍部の上司が指揮をしていたのだが、その中佐にに変わり、謝らせてもらう。」

「待て待てラウラ!!あの話は緘口令が敷いてある!こんな所で話すな!?」

「え?そうだったのですか?中佐からは会ったらすぐに謝るようにと言われていたので・・。」

「まったく・・あー。此処に居る皆に言う、この件は聞かなかった事に。国同士のヤバい事だから首突っ込むな。いいな?」

「「「はい!!」」」

今、クラス中が一体化した。シャルロットも苦笑いしながらもはいと返事をしていた分、仲良くやって行けるだろう。

 

「で、一夏君。さっき言ったように紹介しとく。彼女が次期デュノア社社長候補、または社長夫人候補となっているシャルロット・デュノア。ボクと同い年なのは分かっているだろうけど、遠い親せき筋に当たってね、ボクも縁故採用みたいな物さ。彼女には御世話になってて、面倒見がいいから勉強等も教わったよ。企業代表も国家代表候補も同じような専用機持ちの規定が有るからね。シャルロット、こちらは織斑一夏君。例のエターナルの持ち主だ。彼とはいい関係を築いて居てね、仲良くしてほしい。」

「織斑一夏だ。パラドとはマブダチなレベルでよろしくしてもらっている。何かこの学園の事で知りたい事や困った事が有れば言ってくれ。助けになる。」

「ありがとう。私はシャルロット・デュノア。まぁ、あんな風に紹介されたけど普通の生徒として接してくれると嬉しいな。一応、パラドとは親公認の婚約者だよ。」

「「「「・・・・・。」」」」

クラス内の空気が凍った。

「こ、婚約者?」

一夏君が恐る恐るといった感じでボクを指さす。

「まぁ、こんなのですが。一応ね。彼女にボク以外に結婚したいほど好きな相手が出来たらそれも無くなるけど。無理強いする気もないし、ボクなんかよりもいい男なんていると思うから。」

「男は星の数ほどいても君ほどの男はいないんじゃないかな?っていつも言ってるんだけどね。」

「そんな事無いっていつも言っているんだけどね。」

お互いに譲れない何かが有る。ほら目の前にボクよりもいい男がいるじゃん。Q.E.D!

以上証明終了!

「あはは・・お前ってすごいんだな。」

「まぁ、デュノア社の経営陣に口出しするくらいはできる役職だしね。実質、開発担当はボクみたいなものだし。でも、大したもんじゃないよ。」

「傾いたデュノア社の経営を立て直して、汚職役員あぶり出した凄腕のクリエイターが何か言ってるよ。敵にすると怖いよ?何処からか裏金の使いこみの証拠見つけて来て追い詰められるからね。アレは怖かった。じりじりと壁際に追い込んで最終的に自白させていくんだもの。」

「こえぇ・・。」

「そんな経営も出来て開発もできるし、書類仕事等もできる有能な職員を唯の一職員で終わらせていいと思う?絶対ここまで有能だと引く手数多だ。でも、彼は私という婚約者がいると言って断っている。どれだけ待遇が良くても首を縦に振らないんだ。そこまでされちゃ私も覚悟決めるってもんだよ。」

「えー・・君の好きなようにしていいんだけどなぁ。ボクも好き勝手出来るからここに居るだけで勝手な言い訳にさせてもらってるだけだし。」

「ごめん、平行線論だし周りがバカップルみたいなもの見せられて、やさぐれ始めてるからストップ。」

そう一夏君に言われた。周りを見ると・・

「美少女に美少年の婚約者・・終わった・・。」

「地味に彼狙いの私にはきつい・・結構な好みで狙ってたのに・・。」

「コレが地獄か・・。」

Orzな状態の女子が多数。えぇ・・なんでこうなってるのか分からない。

「まぁ、いいか。そう言う事で、別に取って食おうとかじゃないから仲良くしてあげてよ【鈴】。」

そう言いながら一夏君の後ろで息をひそめて耳を傾けていた鈴に声をかける。

「!?ば、ばれてたの!?」

「ボクの位置からだと完全に入室時から見えてるし。」

「あ、そ、そうね・・。」

ちょっとがっくりしてる。驚かそうとか思ってたのかな?

「それで、彼女がフランス代表候補生ね。アタシは中国代表候補生の凰鈴音。一応、出逢ってそう時間はたってないけどパラドの友人よ。二組の生徒よ。クラス代表はしてないけど、良くこのクラスとは合同授業になるからよろしくね。」

「うん、パラドの友達なら信用できるね。私はシャルロット・デュノア。よろしく。・・パラドを狙うなら敵だけど・・。」

「い、いや違うわよ‥安心しなさい。それにアタシは・・」そう言いながらちらりと見たのは一夏君の方。あぁ、そう言う‥。

「なるほど・・。うん、仲良くしようね。・・もし協力してくれるならそっちにも協力するよ?私はパラドが欲しい。貴方は彼が欲しい。なら、協力するのがいいと私は思うんだけど。」

「そ、そうね。分かったわ。だからこの手を放してくれない?結構痛いんだけど・・?」

「あぁ、ごめんね。いや、仲良くなれそうな子がいて私はラッキーだよ。うん。」

傍に居る一夏君は分からないのか首をかしげてるけど・・いや目の前でされてる行為に気がつこうよ。コレ明らかに外堀埋めに来てるから。

シャルロットは見ないうちにしたたかになっちゃって・・。多分母親の影響だな。愛人だった位置から本妻の座を奪い取った事はある。まぁ、それに協力した僕が言える事じゃないけどさ。だって当人同士は愛し合ってるのに、お金に物言わせて邪魔しに来て婚約までされてるの見たら腹立つじゃん。シャルロットは生まれて居て認知しているのに、親の関係から結婚できなくて結構時間がたってきて、親の問題が解消したら横からかすめ取るように結婚の話にまで持っていこうとするんだもの。しかも女尊男卑のそれが上司になるとかマジ嫌だし。という理由から協力の元、女尊男卑の相手は色々と悪事に手を染めていたから、告発して無事に婚約解消の上檻の中。逆にシャルロットの母親はしっかりと結婚。そして、シャルロットと共にボクを追い詰めるに至ると。・・自分から詰みに行ってるな。いや、ボク自身があの会社に居たいがための行動だったんだからしょうがない。しょうがないが、・・やっぱりなんかなぁ・・。

「パラドは誰にも渡さないから。」

「あー・・どんだけ依存してんのよあんた。」

 




デンジャラス・シャルロットでした。
怖いよ。病んデレ系はマジ怖い。
扱い間違うとすぐ『ピチューン』ですから。
まぁ、無事を祈りつつ、次回へ。
またみてらいだー。


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10 黒兎はさみしんぼ

黒兎嬢ちゃんを保護してあげます。
優しく対応すればあっちも警戒を解くはず!?
なんて心配している方も大丈夫。今回を読めば安心します。

では、本編へどうぞ。


昼になり鈴が昼食に迎えに来た。ボクは一夏と一緒にシャルロットを誘い、廊下に出ようとする。が、そこで気がつく。クラス内にどうしようか悩むように下を向いている生徒がいる事に。ボクはその生徒に声をかける。

「ラウラ・ボーデヴィッヒさん・・でよかったよね?」

「あ、あぁ。確かお前はパラド・・パラド・クリ・エイタだったな。」

「そうそう。まぁ、声をかけたのは御昼はどうするのかなって・・。」

「その・・恥ずかしい話し、どうすればいいかよく分からなくてな。軍の時は初めに教わるし教官がいる。しかし転入生というか・・そもそも学生などという期間が無かった私はどうすればいいか普通という物が分からないんだ。」

「うわぉ、重い話しだった。まぁ、軽く言うけど、友達になろうよ。そして、聞きたい事が有れば聞いてくれれば良い。友達を増やして疑問が有ればそれを聞いて、それが普通ってもんだよ。だから今はお昼を食べに行く為に、お嬢さん御手をどうぞ。」

「・・軽い男だな。だが、ありがたい。色々と知ることが必要だから、教えてくれ。」

「うん。先ずは・・あまりボクに女性として触れない事を進めるよ。廊下に居るシャルロットが怖いからさ。」

後ろから寒気がするほどの何かが漂って来ている。振り向けない。

「そ、そのようだな・・。えっと、デュノア!別に男として取るつもりはないから安心しろ!友達として色々と学生生活を教えてくれるという事らしいから。」

そう言うと寒気の元は引いて行った。

「・・・初日から困った物だな。」

「うん、前はこんなんじゃなかったはずなんだけどなぁ・・。」

離れていたうちに何かあったのか・・。怖くて聞けないけど。

廊下に出て合流する。ラウラと呼んでくれと言って来たので皆からも名前呼びが定着した。「コレで皆も友達だよ。名前呼びは友達の基本だしね。」と言うと嬉しそうにしていた。

彼女は軍人だからこそ上下関係はあっても友達という物が分からなかったらしい。お互いに好きな食べ物を買って座り話しながら食べる。これも彼女からすると初めての事らしい。報告を受ける事はあっても普通な事を話しながら食事をする事はなかったと。

学校に来た感想としては、辛辣だが「ISに対しての認識が甘い物が多い。」と言っていた。「操作一つ間違えると人を殺してしまうかもしれない危険物を操作しているという認識が欠如している。そこの認識が甘すぎる。火薬を扱って煙草を吸う様な物だ。」

そこら辺は憤慨だと言っている彼女はその事を分かっている事を誇りに思っているらしい。織斑先生が教官をしていた頃にもそう言う所はしっかりと教えられたと言っていたし、

「あー・・俺もそれ、経験あるわ。昔の事だけど・・」

一夏君も昔に日本刀を持たされて、【コレが人の命を奪う重みだ。怖いか?恐怖することが大事だ。それが無い物にソレを扱う資格はない。】と言われたとか。小学生時代に。凄い事だけど、子供に言う事じゃないよ。もうちょっと高校生の今頃とか中学三年生ごろにしようよ。命云々に対して早すぎると思うよ。

「まぁ、その分人を大事に思う気持ちが強くていじめとかが許せなくなったんだけどな。それが有ったから鈴を助けれたんじゃないかな?」

「そっか、・・なら良いんじゃないかな。その気持ちは大事だね。」

「そうだな。・・エターナルを持って更に強くなった気もしたしな。」

そう言いながら笑う一夏君。ボクもつられて苦笑い。ふと気がついたらしく、一夏君が近付いて内緒話をしてくる。

「そういや、シャルロットの機体はガシャットは使うのか?」

「アレは最終的には独立システムになる予定の物で、そのガシャットは完成してないんだ。凄く難解な物で時間がかかる。それにシャルロットの機体は別の物さ。」「・・ライダーシステムは?」

「無いよ。」

「そうか。・・ならいい。」

そう小声で話すボク達をシャルロット以外の周りの生徒は怪訝そうに見ていた。内容を軽く話すと納得したのか、シャルロットは自慢げに指を立てて話しだす。

「そもそも、私の機体はラファールの第三世代機で【ラファール・アンジュ】って言うんだ。パラドの作ったシステムで三種類の形態が有るの。」

「へぇ・・強いのか?」

「下手な相手には負ける気はしないね。パラドへの思いも込めて動かしてるから。」

「・・勝ったら呪われそうで戦いたくないな。」

そう言って一夏君はお手上げポーズを取った。

「ふふふ・・冗談だよ。でも、本当にただじゃ負けない自信はあるよ。」

「そっか。なら、また時間が有る時に模擬戦でもしようぜ。」

「うん。パラドの作った機体に君はどこまでついて来られるかな?もしかすると一っ走り行く事になるよ?」

「いや、もう走るのは勘弁してくれ。」

「んぅ??」「・・?どうしたのだ?」

二人は首をかしげる・・が、

「あー・・トライアルとソニックの件ね。」

納得したように鈴が頷く。そうだね、アレはもう勘弁だね。

「前に高速戦闘用の装備を使ったら体が悲鳴をあげてな・・今まだ鍛えてる途中だからな。もう少しは鍛えないと負荷に耐えられない。」

「同じく、ソニックはもう少し先じゃないと無理。」

「また新規開発したの!?しかも無茶なの作ったんだね!?まったく。そう言うのは危ないからやめなさいって言ってるのに。」

「いや、作った後でレベルが高いの知ったから・・」

「一体どれくらいのレベル?」「えっと・・15。」「馬鹿じゃない!?最新データ見たけど、今まだ一ケタ台だよ!?行き成り二桁使えば体壊れるよ!?」

「うん、言われなくても思い知ったし。もうやらない。痛い目あって思い知った。ボクはのど元過ぎても熱さ忘れないから大丈夫。」

「・・何それ?」

「日本のことわざ。熱いもの飲み込んで苦しい思いしたのに、喉を過ぎたら忘れてまた同じような事を繰り返す事。愚かな行為を繰り返し行う事だね。」

「そう願うよ。」

「なるほどなぁ・・こういう会話が【普通の学生】というものか。」

ラウラがそう言って一緒に話に入ってきた。

「こう・・胸のあたりが温かくなるというか・・コレがい心地がいいという物なのだなと実感したぞ。」

そう言いながらほっとしたような表情のラウラ。

「・・それは良かった。もっと、楽しんで学生生活を満喫してくれ。時には喧嘩したり、馬鹿言い合ったりして笑い合ったり、そう言う物が青春だというしな。」

「そうだね、ボクもここに来て初日なのにもうなじめているし。ラウラもできるよ。一緒に仲良くやって行こう。」

「あぁ、ありがとう。一夏、シャルロット。それに鈴、パラド。」

和やかな食事の時間になった。これからは特に仲の良いメンバーとしてこの五人が行動を共にすることが多くなるだろう。

 

「なぁ、ラウラってこう・・妹って感じしないか?」

放課後の訓練を終えて部屋に戻るといきなり一夏君が話題を振って来た。今日は初日だからという事でシャルロットとラウラは一緒にはいなかったし、鈴は部活動をしているらしい。実家が中華料理店だったから、料理部らしい。

「ん?・・まぁ、年下の子って感じだね。言動は少し大人びているのに思考が幼いというか・・まぁ、慣れてない状況に置かれて不安なのもあるさ。大丈夫、シャルロットが同室らしいから上手く行くよ。彼女は面倒見がいいんだから。」

「そうか、なら良いんだ。こう、ラウラを見てると保護欲というか・・父性というか・・なんかしてあげたいという感じが有るんだよな。」

「君に妹がいたりしたら甘やかしそうで怖いよ。もし、妹に好きな人が出来たら、【お前が本当に妹にふさわしいかどうか、試させてもらおう。】みたいに立ちはだかる感じで。」

「そこまではないと思いたいが・・もしラウラの弱気な状態が普通な妹ならそうなるだろうな。まぁ、俺と千冬姉の妹な時点で強気な正確だろうが。」

「それは否定できないね。特に織斑先生の血が強かったら一夏君が尻に敷かれそうだ。」

「まぁ・・否定はできないかもな。でも、俺って趣味が家事みたいなもんだし、妹も料理が出来ない物にしたくはないな。千冬姉とそこは似ないように祈ろう。」

「・・聞いちゃいけない事聞いた気がするけど、織斑先生、料理できないんだ・・。」

「・・・・・。黙っておけ。オレが殺される。」

「ふふ、明日の昼おごりね。」

「くっそ、足元見やがって・・。いいよ。高いものなしな。普通の物で頼む。」

「そこまで高い物は口に合わないから大丈夫。フォアグラとかキャビアとかトリュフとかあぁ云う高い珍味使う物とか口に合わないし。高くても千円くらいさ。」

「なら良いや・・。」

そう言ってお互いにこの話を終える。ボクはガシャットとラファールの開発案作りに。一夏君は筋トレと柔軟の後シャワーを浴びに。

お互いに会話はないけどこの自然な空気は居心地がいい。なんて言うかなぁ‥出会って関わった期間は短いけど、親友と過ごす時間みたいな?そんな自然な空気が落ちつく。

そして、新たなガシャットも完成した。ソレは・・金色に輝く竜の頭が付いたガシャット。

「ドラゴナイトハンターZ。」

 

因みに今回は体調を管理しないとシャルロットに怒られるから徹夜はしてない。怒らせると正座で二時間ぐらい説教されるから。

 




話は出てるけど、あまり変身する機会がないなぁ。
変身したらしたで大変な事ばかりだけどさ。
そんな内部情報はどうでもいいとして、【トランスチームガン】を手に入れました。待機音すっげーかっけーの。でも、音声種類が少なくてがっかり。コブラとバット、フルボトル以外には音声がないしライフルモードにする以外には何処押しても認識しないし。
こう、何と言うか・・ブレイクガンナーくらいには面白さが欲しかったかな。
と言う事で次回もまたみてらいだー。


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11 コレがボク達の成果だ

ハロウィンに昔作っていた包帯とくぎを合わせた物を見て、
(はしゃいでいた時もあったもんだ)
としみじみ思ってしまった自分はもうおじさんなのでしょうか?

では本編へどうぞ。

・・加齢臭はしないはずだ・・・。


デュノア社。世界第三位のシェアを誇るラファール・リヴァイブの開発販売会社。その会社の経営は元社長婚約者でもあるジネット・フィール元副社長によって裏金が使われていた結果だった。自身の思う通りに金を使い、それがばれそうになる事で更に金をつぎ込み発覚した事をもみ消した。火の車だった理由は他にもその部下にも原因はあるのだが一番はその女だった。だから、全てを白日の下にさらし、処分した。誰も手を貸さないようにまで追い詰めて、最終的には一生塀の外に出れないほどの罪をあばいた。ソレをやってのけたのが・・

「うむぅ・・今日はなんか眠い・・。」

このボクなんだよね。今日はなんか悪夢見た。昔の事。ドイツ【・・・】での・・あの実験施設の事。一夏に連れられ食堂にくるとシャルロットがいた。一夏君が、ボクの分の朝食を自分のと一緒に持ってきてくれてソレをもそもそと食べ始める。

「夜更かししたの?」

「・・シャルロットが怒るから、夜更かしはしてない。」

「私が怒るからじゃなくて、健康でいてほしいからでしょう!もう。」

「まぁ、そういや明け方になんかうなされてたし・・それが原因で熟睡出来てないんじゃないか?」

「うなされてた・・・?」

その言葉に一番に反応したのはシャルロット。口元に手を持って行ってボクの眼を見つめる。その奥にある何かを見透かす様に。・・怖い。

「もしかして・・報告にあった・・デンジャラスゾンビの影響?」

「・・・あぁ、悪夢を見るのもその時からかも・・。」

「悪夢見てんじゃん!?言ってよ!!何か対応考えるのに!?」

「いやぁ・・はは。」

だって、コレはボクがしてきた事の報いだし・・しょうがないんだ。

「全部背負いこまないで・・私にもお父さんにも分けて良いんだからね?」

「うん、善処します。」

「分かってなーい!!ソレは考えだけはしておくっていう、政治家がよく使う逃げ方だって教わったんだからね。」

「っち、ジャールさんもいらない事を・・。」

「パラドー!?」

「分かったってば。そう怒らないでよシャルロット。」

「もう。」

そう言いながら自分の食器に残っていた分を食べる。そして、片付けて僕の横に座った。

「はいはい、パラドも早く食べる。時間無くなるよ?」

「うぃ・・。」

「あぁもう、ハイ口あけて。噛んで。良く噛んで。飲み込んで。次も入れるよ?はい。」

「あーむ。・・むぐむぐ・・んぐ。」

「はい飲み物。後これが最後だからこれも食べて。」

「・・いやだ。トマトは嫌い。」

「食べなさい。好き嫌いしないの。」

「嫌だトマトがこっちを見てる。」

「トマトに目はありません。いいから食べるの。」

「うぅ~、分かった。むぐ・・うん、あまり好きくない。」

「食べれるのにどうしてそうも嫌がるのか分からないよ。」

「食べれないけど好きじゃないのは・・イナゴのつくだ煮を食べろと言われるのと同義だと思えば良いよ。」

「・・・。考えただけで鳥肌が立つからやめて。」

「シャルロットは相変わらず虫が駄目だね。」

「触るんならまだしも口に入れたくはないんだけど・・。」

「そうだね。ボクはまだ無理だけどいずれは平気になるかもね。日本人の血もあるし。」

そう言うと隣から席を立つ音が。黙って一夏君が食事を済ませたらしい。

「そろそろ行かないとヤバいぜ?あと・・日本人の血は関係なくイナゴのつくだ煮は好き嫌いが多いぞ?栄養価は高いが・・そもそも最近の若い奴等はつくだ煮をあまり食べないしな。」

「そうなんだ。」

「へー・・じゃない!ほら、パラドも片付けて。行くよ!」

「はーい。」

食事を済ませて会話をしたら少しは頭が動くようになってきた。これならまぁ、大丈夫だな。・・もう、織斑先生の【ありがたい注意】(出席簿)は受けたくない。

 

放課後になりボクと一夏、シャルロットはアリーナに来ていた。

「さて、シャルロットの機体の稼働データを取ろうか。」

「うん、お願いするね。行くよ、【ラファール・アンジュ】・・基本フォーム」

展開、起動した見た目は唯のラファールだ。内部は第三世代相当の機能にまで上がっているが、基本武器等はあまり変わらない。そのまま空を飛んで動きをデータに取り、それから降りてくる。

「ん。基本フォームは異常なし。じゃぁ、【轟力天使】いこうか。」

「分かったよ。≪モード ラクェル≫。」

機体色が全体的に黒ずみところどころに小さな赤い部分が出来る。コレは小さい物ではあるがスラスターで、各部が上手い事起動するようになっている。そして、腕が肥大化し脚部もとがった部分が増える。背部スラスターは広がり紅い羽のようになる。

「何と言うか・・まがまがしいな。」

一夏君の言うとうり天使というにはまがまがしい見た目だが・・

「まぁ、そこは戦えば分かるよ。えっと、あぁ、ちょうどいい。りーん!今、時間いいかい?」

丁度アリーナの端で剣の素振りをしていた鈴に声をかける。こっちに来てシャルロットの機体を見たとたんに眉をひそめた。

「前に言ってた機体ね・・。いや、確か天使って名前付いてたと思うけどまがまがしすぎない?」

「コレはモードの一つさ。ちょっと質問でさ、確か鈴の機体は力が強い機体だったよね?」

「近接格闘メインの中距離も撃てるって言う機体だしね。基本は近接だから出力は高いわよ?」

「ならちょっと力比べしてほしいんだけど。ゲンムとエターナルは力よりもスピードとテクニック派なんだよね。で、一番良いのはパワータイプなんだけど・・」

「なるほど。なら私ね。んじゃ・・今度何かおごりなさい。それで協力してあげるわ。」

「おっけー。んじゃ、両者手を持ちあって構えて・・押し合い・・始め!」

そう言うと初めは鈴がちょっと優勢に前に出た。が、ソレをゆっくりと出力を上げるようにしてシャルロットが押し返し始める。焦った鈴は更に出力をあげて押し返すと、一気にシャルが押し返されるが、またじりじりとゆっくり押し返し始める。ソレを見て気がつく。データも併せて見ると・・

「シャルロット~。わざとデ-タとり用に出力絞らなくて良いよ。一気にどこまで出るかやってみて。鈴は衝撃に注意して。」

「分かった、3カウントでいくよ。」

「え?えぇ?!まだ上が有るの!?」

「1・2・の3!!」

そうカウントした途端に鈴の機体は吹き飛ばされるように後ろに下がっていく。そのまま壁まで行って壁に背中をつけられた。アリーナの3分の1より端だから壁は近いがそれでも一気に形勢逆転過ぎる。驚いた顔の鈴。満足げな顔のシャルロットが対照的だ。

「さて、轟力はもう良し。データおっけーだ。あー・・攻速天使は今はなし。もっと人が少ない時にしよう。特に此処じゃ狭い。光輪天使は・・もっと派手に決めたいから今回のデータ取りは無しで。アレはもっと喧伝したい。デュノア社の力を見せる宣伝要素になるしね。」

「そっかー、もうちょっと見せたかったけど、開発主任がそう言うならしょうがないね。じゃ、今回はラクェルの恐ろしさを感じた鈴に話を聞いて終わろうか。」

「マジふざけんじゃないわよ。こちらとパワータイプで来てんのに、あっという間に押し負けたんじゃ、立つ瀬ないわよ。」

「そうか・・うん。良い報告できそうで何より。各国にもデュノア社の脅威を広げれば、それだけラファールの宣伝もできるしね。アレをダウンさせたものが第3世代機の量産プランの一つさ。後二つもグレードダウンさせたものがそれぞれ目的に応じた機体としての量産プランだし。シャルロットほど器用に使いこなせるパイロットはいないだろうから、彼女がテストパイロットに選ばれたんだ。」

「えへへー。パラドの作る機体を一番うまく仕えるのは私なんだ!ってね。社長に直訴して使う事になったの。」

「その社長から、【あの時のシャルロットは怖かった。目がマジで】って愚痴貰ったけどね。」

「あ、お父さんひどいなぁ・・。パラドに愚痴言わなくてもさぁ・・。」

「しょうがないだろう。さて、一夏君。ボク達も鍛えようか・・。格闘なら鈴も一緒にどう?シャルも轟力なしでだけど、格闘訓練だ・・ボクが鍛えてあげよう。」

そう言ってボクは機体を展開、ガシャットを手に持つ。

「おっしゃ!パラド!鈴!シャルロット!いっちょ俺とぶつかりあおうか!」

一夏君も白式を展開しメモリを手に構える。

「アンタ達を相手にしてみたかったのよね・・。いいわ、ぶっ飛ばしてあげる。」

「あはは・・ボクは格闘寄りじゃないけど・・それでも鍛えなくちゃいけないからね。」

鈴とシャルロットも構えてそれぞれ対角線上に同じくらいの距離を取る。

「完成したばかりのガシャット・・使うなら今だね。」

《マイティアクションX》《ドラゴナイトハンターZ》

「が、ガシャット2本差しか!?」

「行くぞ、変身!グレード5!」

《ガシャット!マイティジャンプ、マイティキック、マイティアクションX!アガッチャ、ド・ド・ドラゴ・ナナナ・ナイート・ドラ・ドラ・ドラゴナイトハンターZ!!》

「やかましい上に長い!?」

「その上、見た目が微妙!?」

「その見た目でレベルは5なの!?厳つ過ぎない!?」

3人からの評価はかなり悪いようだ。だが、私は謝らない。

「まぁ、俺も・・『エターナル!』変身!!」《エターナル!!》

ISエターナルに変身した一夏君。

「じゃぁ、行くよ。」

「はじめるぜ、エターナル!」

「アンタらまとめてボッコボコにしてやるわ!」

「二人に格闘じゃ勝てそうに無いけど、せめて鈴といい勝負くらいはして見せる!!」

4人がバトルロワイヤル状態で格闘を開始。3分の1くらいの範囲で格闘戦を始めた4人を観客もアリーナで訓練中だった他の生徒も見始める。ソレを全員が吸収したいと思うほどの動きだったからだ。

パラドは腕に着いた剣とかそう言う物を駆使して3人に詰め寄ってかかり、一夏はエターナルエッジを逆手に逆には雪片ニ型を持って鈴とパラドの攻撃を受け流し、時には隙を見つけて切りかかる。鈴は両手に青龍刀を出してソレを逆手に構えて切ったり、手首の関節をまわす様にして受け流しながら斬りかかったりとパワータイプなのにテクニカルな攻撃を繰り出す。しかし、パラドの力強さと一夏の隙を見つける目にうまく攻めきれない。しかもたまに全員に微力ながらもシャルロットが攻撃してダメージを与える。二人を一遍に相手するとシャルロットから、シャルロットを相手にすると一夏からという風に攻撃を受ける。シャルロットも軽くはない運動を強いられている。この中で一番格闘が弱いのはシャルロットだ。ソレは本人が分かっている。が、それでも天性の才能が有る一夏と違い、自分には過去に積み上げて来た実績が有ると自負している。それ故に一番くらってはいけないパラドの攻撃はかわす事に専念し、鈴の攻撃はフェイントを入れて避けて、一夏の攻撃はエッジの軽い物は受けても雪片の重い斬撃はかわす事で何とかついて行った。

「うぅ・・もうエネルギーが‥。」

一番に離脱したのは鈴。パワータイプだけに避けるよりも受けていたのがダメージが大きかったようだ。しかし・・

「も・・もう、ついて行けない・・はぁはぁ・・。」

体力的な面でシャルロットも続いて離脱。当然ながら二人よりも格闘メインじゃないシャルロットは体力が続かない。

「あははははは・・」

「くくっ、くははは!!」

お互いに二人で笑いながらも腕を足を動かして格闘を続けている二人は異常に見える。そして、どう見ても重そうな装備を同じくらいの速度で動かすパラドの力量、両手の武器を巧みに動かし時には体を回転させながらふるうという動きを見せる一夏の技巧、それぞれに驚いている。

この二人は今年の新入生でなお且つ、ISに触れて半年もたっていないのかと・・。

実際はゲンム自体は開発していたパラドだし、エターナルを以前に装備した分から鍛えていた一夏だからこその努力の差なのだが。

 

「せいやぁあ!!」

「はぁぁぁ!!」

勝負はつかず時間になって二人はお互いを褒め称えたが、周りはあっけにとられて、一部の人間は引いていた事をここに記しておこう。

 




ドラゴナイトハンターの正規ガシャットは最後にそれぞれのライダーの名前を言うそうですが・・高くて手が出ません。
自分の言っていた中古ショップで8000円位で売ってありました。
値段を見ても訳が分かりません。
二千円くらいじゃなかったでしたっけ?
今は落ち着きましたが、ガシャットギアデュアルもオークションで二万を超えていました。
ビルドに乗り換え始めた人がいる様で何とか値段は落ち着き始めた様ですが・・。ほんと、何が高くなるか分からないですね。
では、また見てらいだー。


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12 個人トーナメント・・じゃない!?

今回はあの人が暴走します。
そして、伝説の契約人が・・
『ボクと契約して、新しい機体の装備者になってよ。』
的な・・。
黒い人に撃ち抜かれそう・・あ、黒い人はパラドか。

では、本編へどうぞ。


「あー・・待って。こっち来ないで。お願いだから、話を聞いて?」

「ね?そう、少しでいいの。うん、少しで。だからね、・・待った。ストップ。」

「ストップって・・ねぇ、止まって。止まってよ、止まってったら!?」

「分かった、話は分かるよ。うん、だけどね・・」

「み、・・・」

 

 

「みぎゃあああぁぁぁぁああ!?」

「個人別トーナメントの変更?」

シャルロットから急に振られた話題に驚く。まったくの初耳だったからだ。

「そう。前に事件が起きた事で、タッグトーナメントに変更されるらしいよ?」

「あー・・あれか・・。確かに色々とあったからね。」

死人が何人も出たり、篠ノ之箒による撲殺事件が隠ぺいされる結末になったり、結局は反省文と自室謹慎ですむ事になった事で一夏がブチ切れそうになった事は記憶に新しい。

そして、デンジャラス・ゾンビガシャットの完成とそれによる僕の悪夢の始まり。シャルロットとラウラの転入に、新規ガシャットの開発・ラファールの改造案の制作。

「うん、色々とあり過ぎてもうかなり過去の事のようだ。」

「そこまでひどい生活してたの?」

「あー、いや、そうじゃなくて・・インパクトの強い事が多かったというかね。」

「なるほど・・昔から面倒事に巻き込まれやすい体質だったからね。一夏に会ったのもその体質が原因なんでしょ?」彼女は一応昔の事とか、ライダーに関する事は知っている。まぁ、こんな男でも彼女の婚約者ではあるからね。一応は隠し事が多すぎるってのは・・ねぇ。

何が原因でライダーの時に命を落とすか分からないわけだし。そこら辺は知っておいてほしかったというか・・。まぁ、そんな感じだね。

「まぁ、面倒事なのはそうだけど・・必要な事でもあった。エターナルによって導かれた必然だったのかもしれないよ。」

「そっか、エターナルが呼んだんだったら・・そうかもしれないかもね。」

納得してくれた所で話を戻して・・タッグマッチか。なら普通はシャルロットに頼むべきなのだろうけど・・。

「で、タッグの事なんだけどね?」

「あぁ・・今考えてた。そうだな・・」

「一緒に」「タッグは組まない」「・・・え?」

「シャルロットと組む事は無しにしようと思って・・まって、怖いから。顔が怖いから・・別に嫌いになったとかそういうのじゃないから・・」

そう言いつつボクは席を立ち後ろに下がる。じりじりとゆっくり進んでくるシャルロットが怖い。まるで幽霊のように・・いや、ゾンビのようにずるずると近付いてくる。それが怖くて後ろに下がる。

「あー・・待って。こっち来ないで。お願いだから、話を聞いて?」

そう言うがシャルロットは止まってくれない。

「ね?そう、少しでいいの。うん、少しで。だからね、・・待った。ストップ。」

今度はゆっくりと顔をあげて、・・目に光りが無い様な顔で笑う。怖い。

「ストップって・・ねぇ、止まって。止まってよ、止まってったら!?」

カタカタというように笑うような表情で近付いてくるシャルロット。きっと、どうして組んでくれないのか?とか考えてるんだろうし、別の子が好きになったの?とか考えてるのもその眼を見れば分かる。

「分かった、話は分かるよ。うん、だけどね・・」

ボクはとうとう壁にまで追い詰められた。そして、【ドン】と顔の横に手がつかれ僕が壁どん状態にされる。

「み、・・・」

そして、服をめくり脇腹を思いっきりつねられた。しかも、ねじりながら。

「みぎゃあああぁぁぁぁああ!?」

あまりの痛みにボクは絶叫した。

 

「うぐぐぐ・・」

「で?どうして組んでくれないのさ?」

手をはたくようにパンパンと打って、腰に手を当ててボクを見下ろす。

ボクは痛みで脇腹を押えて悶える芋虫の様な状態で床に転がっている。酷い。

「こ、今回は普通にはない絶好の機会だからさ、ラファール・アンジュの機能の公開をしようかとね・・。」

「そう思ってたよ?だからこそ・・」

「その際にはそれ相応の相手が必要だ。そこにボクが当てはまると思う。そうじゃないと一夏君には悪いがボク達の独断場だ。他に勝ち目のない状態になる。まだ僕も一夏君に負けるほど本気は出して無いくらいだ。しかし、そこにボクとシャルがぶつかり、その機体の強さを見せつける事によって、更に世界にデュノア社の機体を喧伝できる。まさに、ボクと君が戦い強さを見せつける事でのデュノアの力を世界に知らしめることが出来る素晴らしい場なんだよ。ソレを君とボクが組む事によって、ただ、デュノアの機体ってすごいねで終わらせるには実に惜しい。素晴らしい功績を見せつけてこその価値だ。それこそが勝ちだ!」

「おーい、パラド・・会社の宣伝モードに入ってきてるよ。」

「おぉっと・・ごめんごめん。まぁ、そう言う訳で、組むよりも更に得る物が有る。ただ勝つよりも価値が有る。どうかな?」

「はぁ、・・分かった。パラドの言う通りだ。こういう所では凄く頭が回るから凄いと思うのに、どうしていつもは天然な所が有るのかなぁ?」

「それがボクだ。とでも言っておこうか。」

ふんぞり返ると、シャルロットが近付いてきて頬をつねる。

「・・・・。」

「ひはいひはい。はひふふの?≪いたいいたい。なにするの?≫」

「わかった。じゃぁ、誰と組むと良いと思う?」

「ラウラなんかいいんじゃないかな?」

ラファール・アンジュはモードチェンジで攻撃が変わる。通常で中から遠距離。轟力と光輪は近距離から至近距離。および、中距離も可。攻速はそれ自体が距離を選ばないが超至近距離と言っても良いか。今回は使える事はないだろうが。ならば、データ上全距離可能な《シュバルツェア・レーゲン》と組むのが一番だろう。

「そうだね。ならそうしよう。」

「そういや使うガシャットはレベルどのくらい?」

「・・ひみつにしておこう。今回は特殊だ。」

「わかった。楽しみにしておくね。じゃぁ、早速ラウラにペア申請お願いしてくるよ。」

「うん。ボクも相手探しておくよ。」

一夏君とはライダー同士として。シャルとも闘うなら鈴・・いや、鈴も近接格闘寄りだな。それなら・・誰かいないかな?よくよく考えるとボク、名前呼びの友達少ないじゃん!?誘える相手なんかいるの!?そう愕然とする。・・・まぁ頭切り替えよう。ボクはガシャットを作る事にした。

 

整備室でいつも通りに隠す方のガシャットを作っている。あぁ、もう少ししたらこのガシャットも完成するし、専用ベルトも完成する。・・ボクの野望もまた一歩前進するわけだ。そう思っていると、

《ガシャン》

後ろから物音がした。誰かいると思っていなかった僕は瞬時にガシャコンマグナムを構えて振り向く。

「!?」

「な、ご、ごめ・・ひぃ!?」

振り向いた先には眼鏡をかけた人がいた。あれ、生徒会長・・じゃないな。似てるけど違う。タイの色も同学年の物だ。

「そ、その・・ごめんなさい。データ覗き見しちゃって・・。」

「ん?・・あぁ、このマグナム構えたのは誰かいると思ってなくて瞬時に構えちゃっただけだよ。こっちもごめん。驚かせたね。ボクは一組のパラド・クリ・エイタ。デュノア社の企業代表だ。君は?」

「日本代表候補生、一年四組、クラス代表の・・更識簪・・です。」

「へぇ・・ん?日本代表候補生・・それじゃ、白式のデータを流用される予定の機体の・・」

「待って、データ流用ってどう言う事!?私に機体は無期限凍結されたはずだけど!?」

「・・・うわぁ、本当に政府は伝えてないのかぁ・・。」

前に考えた駄目な方な答えがビンゴ―。はぁ、マジで駄目駄目だな。政府の役員。

「聞いたところによると、一夏君の白式のデータから第三世代のいい所を選んで日本代表候補生の機体になる第三世代機の能力向上にするとか聞いたんだけどね。」

「わたし・・そんな話、知らない。」

「やっぱり、そうなんじゃないかと思ったんだよね。あのデータ取りの役員の言い様じゃ伝えてないんじゃないかなーって思ったんだけど、相手が分からないから伝えられなくて・・。知ってたら教えたんだけどね・・えっと更識さん。」

「簪でいい。私はいま、更識と言われるのが好きじゃないの・・。」

「一応聞いておくけど、生徒会長と血縁者?」

「認めたくないけど・・姉妹。」

「へぇ、まぁ、名前呼びで良いなら・・良いなら・・・名前呼びで友達と認識しても良いかな?」

ボクはある事に気がつく。そうだよ、此処に来た理由はパートナー探しの考える為だ。それなら・・

「べ、別に良いよ。実は前から貴方の機体の・・ライダーシステムって気になってて話して見たかったの。」

「やった。というかマジで?いやぁ、あのシステムに目が行くっていうのは良いね。ますます興味深い。という事で、相談が有ります。いや、商談が有ります。」

「・・商談?」

結構あるけど使い道のない切り札の一つを使う事にする。ソレは・・

 

「君の機体を完成させよう。ソレにライダーシステムに変わる物を組み込んであげる。代わりの条件はその機体でボクと一緒にタッグトーナメントに出場してくれないかな?」

 




はい、契約を求めた相手は簪ちゃんです。
つまりは、強化フラグです!!
皆さん待ちに待った簪ちゃんのパワーアップです!
あと、ラファールはとんでも改造です。
昔見た機体をどうしても出したくて・・てへ。

では、次回もまた見てらいだー。


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13 新たな友達とIS実習

最近急に寒くなったのでこたつをしました。
早速ペットが中でひと眠り。
まだ、電源入れてませんよー(笑)

幸せそうな顔を見つつ、投稿。
では本編どうぞ。


翌日の昼食時に円型のボックス席を取って皆で座る。

「という事でボクはこの、四組の更識簪さんと組む事になりました。」

「よ、よろしく。更識簪です。簪って名前で呼んでください。」

いつものメンバーに新たに紹介する。友達が増えたよ、やったね。

「織斑一夏だ。・・話はパラドに聞いた。俺のせいで君の機体が凍結されたと。データ取りのためとはいえ、謝る。迷惑をかけてすまない。」

「・・いい。話は詳しく聞いた。貴方は何も知らなかったし、今も努力をしてデータを取ってくれている。いずれは日本の第三世代機のデータの元になるのだから、私がしなくちゃいけない仕事を貴方が変わりにやってくれている様な物。そして、ライダーシステムを使っているからいつも努力して鍛えている事も聞いた。才能に胡坐をかく人じゃないなら、任せられるし、こうして謝ってくれた。許す。」

「ありがとう。俺の事は一夏と呼んでくれていい。俺も簪と呼ぶな?」

「いいよ。よろしく一夏。」

二人は握手をして笑い合う。そして、そのまま一夏の手を掴んで簪は一夏に近づく。

「所でエターナルの事なんだけど・・!」

「お、おう!聞きたい事が有るなら答えるぜ!」

「じゃ、じゃぁ・・」

二人が話し始めてボク等はカヤの外になった。というか・・

「まだアタシら、自己紹介もしてないのに・・。」

「まったくだな。しかし、一夏が詰め寄られてるが良いのか鈴?」

「アレは恋する物じゃなくて、かっこいい物とかも出るとかそういうのに憧れる目よ。芸能人にインタビューしている記者みたいなものね。アタシも中国で経験が有るわ。」

そう言いながら呆れたように溜息をつく鈴。落ちついて珈琲を飲んで居るラウラ。そして、

「それじゃ、別に何もやましい事はないんだね?」

ボクを詰問するシャルロット。また目が怖いよ。

「無い。彼女はその、特撮とかアニメとかそういう方が好きでライダーシステムがかっこいいらしいんだ。それで憧れて今の一夏のようにボクも質問攻めにあった。アレ、止めないと三十分以上続くよ?」

「まぁ、やましい事無いならいっか。それじゃ一度アレ、止めようか。」

そう言いながらシャルロットが簪と一夏君の間に入る。そして数言話して、向き直る。

「ごめんなさい。気になる事が有るとそっちに頭が向いちゃう性格で・・」

「まぁ、いいんじゃない?日本人同士、専用機のデータやり取りは重要だしね。それじゃ自己紹介の続きと行きましょうか。アタシは二組の凰鈴音。中国代表候補生で専用機が《甲龍》。同じ代表候補生同士よろしくね。」

「私はドイツ軍少佐でドイツ代表候補生のラウラ・ボーデヴィッヒだ。一組でパラド達に色々と教わっている。小さいころから軍に居たから常識が抜けているのでな。隊の副長が漫画やアニメ等が好きで日本びいきだから、その影響で日本語も得意だ。だが、さっき言った通り常識は抜けているのでもし何かあれば教えてほしい。専用機は《シュバルツェア・レーゲン》。これからよろしく頼む。」

「私はフランス代表候補生のシャルロット・デュノア。パラドの婚約者で次期デュノア社社長夫人候補だよ。専用機はパラドの設計した機体で《ラファール・アンジュ》。よろしくね?簪。」

「言ったようにデュノア社、企業代表パラド・クリ・エイタ。専門は開発と改造。整備関連も得意だから相談してくれ。」

そう言うと頭を下げながら簪がぼそりとつぶやいた。

「・・友達がいっぺんに増えた。嬉しい。」

その言葉が聞こえた皆は嬉しそうに、満足そうにほほ笑む。

「さて、簪の紹介も済んだし、友達にもなった。それじゃ結局誰と組む事になったかそれぞれ教えてくれる?と言っても聞くまでもないね。」

だってそれぞれのペア同士で隣り合って座ってるし。

「私はやっぱりラウラと組んだよ。」

「私達は結構普段から仲良く過ごしているからな。チームを組むなら相性はばっちりだ。」

胸を張ってラウラはシャルロットを自慢する。なんか姉を自慢する妹みたい。

「俺は鈴と組むことにしたよ。やっぱり気心知れた仲なら楽だしな。」

「ま、まぁね。昔から知ってるあたしの方が合わせるならいいんじゃないかなとね。」

そう言いながらも《気心知ってる》発言で顔が赤くなったのは見逃さなかった。

「後、シャルロットからも助言が有ったんだよな。俺みたいなワンマンな機体を扱うんならそれに対して合わせてもう一人をひきつける事の出来る力量且つ、それなりに合わせられる相手じゃないと難しいんじゃないかって。」

「そうそう。私もね、エターナルを扱う一夏に、ゲンムのパラドは普段からワンマンアーミー的な感じがしてるから、それにちなんだ相手がいいと思うんだよね。って相談したの。そしたらやっぱり一夏と組むなら鈴がいいんじゃないかって。ね?鈴。」

「え、まぁ、そうね。」

おーい、前に密談してた内容がバレバレだぞ?

「ふーん。シャルロットと鈴は仲良いし、まぁ、シャルロットの言う事も分かるからな。」

「此処に分かっていない奴いたよ・・。」

つい小声で呟き顔を押さえた。見ると簪とラウラも首を振ってるし。初見の簪にまで分かるというのに一夏君ときたら・・。

「そういや言いたい事が有るんだが‥いいか?パラド。」

「ボク?いいけど・・真剣な表情で改まって何?」

「・・今まで聞かなかったんだが・・なんで俺だけ《君》付けで、他の女子は呼び捨てなんだ?」

「・・・・え?」

言われて気がつく。そういやいつも相手が名前で呼んでくれって言ったから、いや、鈴は愛称かもしれないけど・・それでも確かに・・。

「という事で、俺も呼び捨てな?」

肩に手を置きながらいい笑顔で言う一夏君。

「そうだね分かったよ。それじゃ・・い、一夏。」

ちょっと慣れなくてどもってしまった。

「なんで鈴とかラウラの時は普通なのに、俺の時に言いづらそうにどもるの!?」

「ま、まさかライバルは一夏!?」

「ふむ・・コレが修羅場というものか簪?」

「いや・・違うと思いたいけど・・」

「ふしゃー!一夏に対してアンタどう言う目で見てるのよ!?」

皆が騒ぎ始めるけどち、違う。そうじゃない。

「違うんだよぅ!!君付けで慣れてるから違和感あるだけで・・そもそも、長い事君付けだったのをいきなり呼び捨てにするのって以外に癖が抜けなくて難しいの!!」

「あぁ・・成れた言い方を変えると難しいか。俺も今からデュノアさんとかボーデヴィッヒさんって言いづらいもんな。」

「そう。慣れていたからその分意識しないと、また普通に君付けで呼びそうになるからね。今日からは意識して呼び方を改めるよ。慣れるまで少しかかるだろうけど、そこは勘弁してね。・・一夏。」

「仕方ないな。それで勘弁してやるよ。それじゃ、そろそろ皆食べ終わったし片付けて行こうぜ。今日はこの後実習だから俺とパラドは先に移動な。」

「うん、行こうか・・一夏。」

「おう、じゃ御先。」

丁度端に座ってたボク達は先に席を立ち食器を返してそのまま食堂を出た。目指すはアリーナの更衣室だ。食堂前から一夏と二手に分かれてボクはパルクールの要領で壁を登り、越えて全店しながら勢いを殺しながら着地。そのまま今度は渡り廊下の屋根の上を走って飛んで二階の天避け屋根の上に。階段の踊り場部分と同じ高さの位置にある屋根を蹴って飛んで、壁を蹴りながら着地。壁に勢いを逃がしたので走って加速した勢いは消えて落下する勢いのみなので全然平気。それからまた走りアリーナの更衣室に入ると一夏が先に居た。

「ちょっと遅かったようだな。」

「通ろうとした先に再要注意人物がいたから少し遠周り。」

「あぁ、黛先輩か。しかたねぇな。」

そう。ボク達は実習を始めてからという物、何かしらの理由かは知らないが女子生徒に追われている。集団でだ。意味が分からないが、目が怖いので逃げ始めてそのまま継続している。初めは二階から雨どいを伝って下りたりしたが、二人よりも分散したほうが逃げやすい事が分かって今ではそうして逃げるのが普通に成っている。

「さて、行くか。」

「そうだね。」

一夏は着替えるのに手間取るようでボクよりも早く来ていたのに同じくらいになった。まぁ、理由は分かるんだけどね。専用スーツを着るのに手間取るのは分かるんだ。ボクは自身で調節した分だから実はいつも下に着てるし、最終的にはISの機能応用で変換して着替えれるんだけど。まぁ、今はそれほどものぐさなわけじゃないし。間に合わずそこら辺で着替える必要が有ればそれも使う事にするか。

「しかし、いつも早いよな。なんかコツあんのか?」

「へ、あぁ。ボクはいつでもライダーになれるように下に着てるんだよ。自分で作った物だから下着代わりにもなるよう設計してるし。君のは日本製の機体に合わせた物だから、ボクが手を出す事はあまりね。」

「そっか、それはしょうがないな。我慢するか。」

そう言いながらもアリーナのグラウンドにつくと皆はまだまばらだった。

空いた時間で体をほぐす柔軟運動をして、各筋肉と関節をほぐす。持っている端末からグローブと足のパッドを出して一夏に投げる。そして自分もつける。

「さって、・・準備運動と行こうか。一夏?」

「あぁ・・かかって来いよ、パラド。」

ボクと一夏はお互いに構えて軽くスパーリングを始める。《パン、パン、バシン!パパン!》と音がしながらお互いに殴り合い時には蹴る。グローブも足のパッドも柔らかいのでそこまで痛くはないが、やはり勢いよく叩きつけるので皮膚が赤くなる。まるい赤いあとが結構出来た所で汗をかき始めていた事に気がつく。まずい、一夏がスイッチ入ってる・・。目に力が入って結構マジに成って来た。ちらりと時計を見ると十分前。時間だ。

「タイムアップ!」

その一言で間近まで来たストレートが止まる。

「あ、すまん。結構マジ入ってたな。」

「まぁ、ね。ほら、体中真っ赤。」

こっちは手加減してたのと準備運動レベルって言うのに・・まったく。

「すまんすまん。悪かったって。放課後なんかおごるからよ。」

「わかった、じゃぁ、・・珈琲とティラミスセットね。」

「おっけー。それなら問題ねぇ。」

お互いに拳を突き合わせて終わる。そしてグローブとパッドを回収して変換する。タオルを出してお互いに汗を拭いてから、授業を受ける。

今日は二組との合同授業で、訓練機の操縦実習だそうだ。専用機をリーダーとして訓練機に一人づつ乗っての訓練。戦闘等はないのでゲンムとエターナルは使わず普通にラファールと白式で対応する事に。専用機持ちの前に並べと言われて、ボクと一夏君の前に女子が集まろうとした・・が、それと同時にシャルロットが空に向かってライフルを撃った。

「皆・・真面目に授業を受けようね?」

そう言ったシャルロットの目からは光りが見えなかったように思う。

「「「「はい!」」」」

全員がちゃきちゃきと動いて出席番号順にそれぞれの専用機持ちの前にならんだ。実習内容は装着と歩行訓練。各班で打鉄とラファールから一機を選びそれに乗っての実習だ。スラスターが有りPICが有る状態のISでは歩行自体はそこまで重要ではないが、機体がこけた際や細かな動きの重要なファクターとなるので、これを抜かす事は出来ない。もし抜かすと倒れた状態から起きるのに手間取る事になりかねないのだ。起き上がるのにも手を使い、足を使う。それが基本動作という物だ。個人的にはその動作においては打鉄の方がいいかもしれないと思う。剣を振うのが元になって設計してある分、重心が低く、歩行する際には安定する。ラファールはどちらかというと飛行や高速移動重視の面でスラスターが多く重心が高い。結局その実習は問題も起きず無事に終わる。

 

コレは余談だが、既に自室謹慎を解かれている篠ノ之もこの授業に参加していた。ラウラの前には篠ノ之が居たので何か問題を起こさないかとはらはらしたが、別段会話もなく、お互いが無視をする様な状態で実習を終えた。

 




出て来て膝の上でまるくなるうちの猫。
オスでデカイから重い。
一時間もしたら足がしびれて来る。
でも幸せそうな寝顔は甘やかしてしまう。
ライダー系の道具を鳴らすとうるさそうに逃げて兄の膝へ。
兄も猫にでれでれ。
幸せなひと時です。
それではまた見てらいだー。


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14 これこそがボクの才能の一部

今回は簪ちゃん超絶強化のフラグ回です。
そして、シャルロットが変態になって行く・・何故だ?
では、本編へどうぞ。


放課後、ボクは簪と一緒に整備室で打鉄二式を改造していた。製作じゃなく改造なのは、そもそも打鉄二式は基本は出来て居て、武装が出来ていないのとデータが足りていないのが原因で出せなかっただけからだ。だから、一夏君からデータを譲り受けて打鉄二式に当てはめて一番最適なデータに変更。じゃないと明らかに簪の体に負担がかかり過ぎる。基本フレームの改造からしないと機体その物が空中分解する位だ。それでちゃきちゃき改造する事になったが、問題が発生した。それは・・

「私じゃライダーシステムの戦士になれないの!?」

「い、いや・・その・・ライダーシステムは負荷が大きいから女の子にソレを渡すのはちょっと・・」

「憧れてたのに!?」

仮面ライダーの事を聞いてきたのだ。彼女もボクと一夏のライダーシステムについて調べていたらしく・・姉を脅して教えてもらったとか。脅迫内容は聞いて居りません、はい。

なので、異世界の知識という事を彼女は知っている。その上で、仮面ライダーになりたかったらしい。普通の女の子じゃない発想だよね。

「ライダーじゃない別の装備で我慢してくれませんか?同じようなかっこいいのつけますので。ね?それで妥協してもらえません?」

「・・データ見せてもらってから。」

「はい、こちらです。」

明らかにボクが立場で下です。あれ?彼女の機体を作る事をボクメインでやるからボクって上の立場じゃないの?そう思っても言葉に出せない凄味が今の彼女にある。

改造に差し掛かってからは問題なかったのが、最終的な兵装プランでもめる事になったのだ。だけど、普通に変身できる仮面ライダーじゃなくて、ISのライダーシステムの事だけど、ソレを使うなら仮面ライダーになる資格が有るという事。システムの元の物に選ばれる素質が必要になる。更に言えば彼女にはライダーになって戦えるほどの体力はないように思える。だからこそ・・これを使う。

「・・なるほどね。確かにこれは私達日本人にしか使えないプランだね。」

「でしょう。」

そう、この改造プランは例の異世界知識の中の一つ。日本人の方が合っている物だ。

「理由は分かった。それなら・・と言いたいけど憧れてたんだよなぁ‥。ライダー・・。」

「ごめんなさい。代わりにこれもつけます。これこそがボクの才能の一端で、英知の結晶の一つ。」

そう言って渡したのはパッケージプラン。後付け大型装備のパッケージだ。これも日本人じゃないといけない。まだある考えはドイツ製の機体だから、ラウラに頼む予定だけど。

「・・・コレ、マジ?」

「真面目ですが・・何か?」

「・・馬鹿じゃねーの?」

「いつもの口調を崩すほどの酷い罵倒!?」

何がそんな事を言わせたんだ!?はい。ボクの渡したプランです。アレー?そんなに悪いかな?

「これを真面目に考えてる時点で頭ぶっ飛んでるよ。」

「そうじゃないとライダーシステムとか作りませんが?」

「そうだったね。真面目にぶっ飛んだ存在だったね。」

あれー?何か簪の中でボクの株が暴落してる?

「別に馬鹿にしてるんじゃないの。傍で聞いていた存在とかけ離れてぶっ飛んでる事に呆れてるの。」

「そっかー・・結局、呆れられてるんじゃないか!」

「それは当然。コレはぶっ飛び過ぎだもの。」

「あれー?そこまで言われるほどのものな感じじゃなく設計したのに、この言われようは心外だな。」

「だから貴方は頭がおかしいの。」

「平行線だ。うん。この会話やめよう。」

それはおいておこう。ボクは普通、うんそうだ。

「それで、そのパッケージ付けるならどう?製作費自体は日本政府に負担させるけど。色々ともってる情報で脅すから。それにデータ自体も結局は売る形にして権利は更識家に。主には日本代表候補生の簪がもつ事になる。どうかな?」

「これなら十分。でも・・ここまでなんでしてくれるの?知り合ったばかりなのに・・。貴方にはかわいい婚約者もいるから、女の子目当てじゃないのも分かる。じゃぁ、目的は?」

その問いにははっきりと答えれるし納得させてあげれるな。

「それこそ、自己満足のため。自分のこの考えを使いたいがため、勿体ない知識を広めて自慢したいがため、自身の考えを作って形にしたいがため、そして、・・友達を救うため。」

「・・なるほど、シャルロットが自慢するわけだ。」

呆れたように眼を伏せてため息をつかれる。

「自慢されたの?」

「食事の後でね。移動しながら貴方の凄さとか色々と。結局はすごいんだよで終わるから途中で飽きたけど。」

首を振って更に呆れたと言わんばかりの行動。いかん、これじゃフランス勢は変人と思われる?!

「デュノア社関連は変人が多いと認識することにした。」

「更に局地的だった!?」

変態企業扱いは酷い。・・・でもないか。うん。シャルも変人的だし。被害者のボクなら言っても良いと思う。

「さて続きしようかね。そのプラン使うなら絶対今のままのフレームじゃ持たないだろうからね。」

「そうだね。絶対無理というか・・私自身がひき肉になる自信すらあるよ。」

「そうならない様に完成させよう。大会まであまり時間はないから。」

「分かった‥私の持つフルスペックでデータ解析と構成はする。機体は任せる、相棒。」

「おっけ、任せろ相棒。」

そう言ってお互いに拳同士を突き合わせて軽くこつんとぶつけて作業に入る。

絶対完成させてやるぜ。天才クリエイターの力を使って。今の彼女の最強を引き出す機体をな!!

 

「ぷしゅー・・・。」

部屋に戻るとボクはつぶれてベットに伸びた。

「あはは、たれパラドだ。シャルロットに送ってやろ。」

そう言って携帯で写真を取って送信したらしい。怒る気力もないのでそのままにしておいたら、

《ダンダンダン》

『一夏、その【たれパラド】抱かせて!!』

ドアを強く叩く音と共に何かすごい宣言された。

「ちょ、ま、待てシャルロット。発言がヤバい!」

『そんなこといいから、早く開けないとマスターキーを使うよ!!』

「マスターキーってシャルロットが持てるもんか?」

知らないのか一夏・・。まぁ、そう言う知識はないだろう普通な世界に生きていたもんな。

「マスターキーってのは、基本的に銃の下についていたりする場合もあるショットガンの事。この場合は鍵穴をぶち抜いて壊して入るからどのドアも開くことから、マスターキーと言われてる。」

「マジかよ!?早まるな!?」

つぶれたまま、そう答えると一夏は慌ててドアを開く。シャルロットは部屋に入って後ろ手にドアを閉める。そのままこっちに来るが、その手にはマジでショットガンを握っていた。やたらとごつい形状、ポンプアップ式のグリップ・・スパス・・か?

「銃はやめろ!?ってマジで出してるし!?IS装備じゃないとこにガチさが垣間見えるぞ!?なんでそんなもんもってんだよ!?」

「え?そりゃ、パラドに手を出すような奴がいた場合はこうするから。」

そう言いながら一夏の頭に銃口を突き当てる。

「勘弁してくれー!!」

両手をあげてホールドアップ。しかしにこりと笑うシャルロット。

「大丈夫、コレ、弾はスラグ弾とか普通の弾じゃないから。」

「それなら・・。」

そう言うがもっとヤバいものな気がする。

「バードショットシェルが入ってるだけ。」

にっこり笑って安全装置をかけたままで、トリガーに指をかける。

「散弾銃の弾だね。広範囲に鉄の弾を撒き散らす。貫通力自体は低いけど体内に何発もの小さな粒の弾が残るよ。」

「至近距離で撃ったらミンチじゃないか!?」

そう言うとショットガンを下げるシャルロット。ボクが持っている端末と同じ物にソレを収める。

「あはは。私のは歩く武器庫だから気をつけてね。さて、たれパラドは・・」

「好きにすると良いよ。今日のボクは抵抗する気力もない・・。」

「やった。じゃぁ、えい!!!」

ベットに一緒に乗ってきてボクを後ろから抱き締める。そして背中にぐりぐりと鼻を押し付けてそのまま呼吸をする。

『すーはーすーはー』

まだシャワー浴びてないからオイルとか汗臭いだろうに・・。「その汗臭さがいいんじゃないか。もう。」

「変態発言禁止。さらりと心読むのも禁止。」

「じゃ、もうちょっと堪能する。」

そう言ってまた同じようにする。それを見て一夏が引いていた。彼女の変態さはこんなもんじゃないけどね。だからこそ婚約者なボクを放そうとしないほど、依存の域まで来ちゃったんだろうけど。後悔はないよ?可愛いし、多少な事に目をつむれば言う事はないから。その多少が酷いかもしれないけど。

 

 

唯‥彼女が後悔する時が来なければと願っているだけだよ。うん。

ボクがやろうとする事は苦難を越えたいばらの道を突き進む行為。それに彼女を巻き込むのはいささか良心がなぁ・・。

 




昔、小学校に上がる前にやたら人の事を匂いたがる女子が居ましたね。
外で遊んで走ったりした後、やたらと掴まってくんくんと匂われました。
先生に『汗臭いからやめなさい』と言われて、園児が真顔で、
「それが良いんだけど?」と言っていたのは子供心に衝撃を受けました。
好きな匂いはプールの塩素の匂いだそうです。
そんな記憶を思い出した。あの子、今なら匂いフェチって事だったんだろうと分かりますが・・おそらく理解はできませんね。

では、次回もまた見てらいだー。


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15 トーナメント表、発表・・の前に

広島で最近フードフェスタと言うのをやりました。しかし、この季節は天気が悪くなりやすく、前後は晴れているのに何故か開催時に雨ばかり。
土の会場はぬかるむし傘が避けなければいけないしで、翌日は筋肉痛でした。
でも、各地の料理、おいしかったです。
次はラーメンスタジアムか・・。
太るな・・。

では、本編へどうぞ。


ボクは今簪の機体の開発を進めている。この打鉄二式を完成させなければトーナメントに参加すら危ういのだ。トーナメントの説明が今日の朝に全校集会という事で行動で有ったんだけど、その際に生徒会長からのとんでも発表が有った。

「今回のトーナメントの件、二年三年は去年と変わりません。しかし、一年生には特別性のルールを設けました。それが・・」

そう言って手を前に出すと後ろのスクリーンに棒だけが書かれたトーナメント表が出る。が、その枠が明らかにおかしい。右側に大量の参加枠。そして左側が異様に少ない。

「今回の一年生には専用機持ちが非常に多く、その国家代表候補生が勝ち進む事が可能性として大きい。その事について職員からも議論が出ました。専用機持ちの生徒と戦わせることで訓練機の子に勝つのが当然という事で他の生徒を優遇するわけにはいかない。しかし、だからと言って参加するなという訳にもいかない。だからこそ、一年生のトーナメントは第一ブロックと第二ブロックに分けました。第一ブロックは専用機同士、または専用機持ちが居るペアのブロック。第二ブロックが専用機が無い訓練機のみのブロック。そして、それぞれのブロックで優勝者を決めてその優勝者同士の腕前を披露する事が今回のトーナメントです。最終優勝者には、学園から食堂で使えるデザートフリーパス一月分を賞品とします。各ブロック優勝者には食堂のメニューのどれにも使える食券を10枚ずつが賞品です。皆さん、この機会に専用機が居るからという事で負ける気じゃなくて、訓練機でも戦える。その中で努力をしてきたという結果を見せてもらいたい。そう私は考えています。負け犬精神じゃなくて、もし勝てなくても強者に喰らい付き、食いちぎるほどの強さをここで見せる時です。では、皆さんの努力と勝利を応援します。」

「以上で、生徒会からの緊急発表を終わります。各ペアは申請した時の機体で参加するように。もし、そうでなければ辞退という結果と見なしますので。コレは自身の機体の整備不良を起こさない為、日頃からの整備をしているかと言う点を見る為の処置です。では、解散してください。」

そう言われてボクは焦った。いや、ボク達は焦ったと言った方がいい。まだ完成していないのだ、簪の打鉄二式は。

 

そして、今回は徹夜の許可を経て整備室にこもり数日間、授業とシャワー、トイレの時間以外は食事も開発をしながら取るようにして不眠不休で開発データの制作に取り組んでいる。まぁ、八割方出来ている・・機体の方は。出来ていないのは武器データと《例のアレ》特殊兵装システムだ。コレが出来なければいけないのだが・・機体のデータと干渉する部分が多くそこを変更しつつデータを打ち進める。

そして、今日も朝を迎える。もうそろそろ三日目だ。簪も二日目の夕方までは持ったが狂は寝落ちしていた。そして、

「あ、はは・・あははははははは!!」

朝の六時になりボクが、大声で笑い出した。

「え?・・出来た?出来たの!?」

そう言ってボクが打っていた参考資料の積み重なった机から跳ね起きる簪。

「駄目だ―!!」

頭を抱えてそう叫ぶボク。

「あ“あぁぁぁー!!」

机にあった紙をはたき落とす。

「もうあと二日だよ!?本当にそのシステムは完成するの!?」

「黙れぇ!!がっふぅ・・」

自身で叫んで頭痛で頭を抱える。熱暴走を起こしているようだ。そこにあった冷える・ピタを貼って頭を冷やす。

「あぅぅ・・はぁ。叫んでごめん。もう少しなんだよ・・でも、はっきり言うと打鉄二式の稼働データが無いからそれにデータが合わせきれない。このままじゃ簪に大きな負荷がかかる。」

「それはどのくらいの物なの?」

「PICを切った状態で歩行訓練かな?」

「・・最悪動かなければ?PIC操作を起動した状態での空中停滞とか。」

「それならまだ‥そうか・・歩行や飛行じゃなく、地上からのホバー移動型を見越して、対空支援型仕様を考えればいいのか!?それなら今回には間にあうし、また後日データを集めてから空中仕様に切り替えれば!!いける!簪天才!!」

「いや、まぁ、この言葉でいけるのならいいんだけど・・。テンション大丈夫?」

「貫徹三日目ならまだ持つ。あぁ、もう時間が無いか。すまないけど、今日は授業を休んで機体開発にかかりつく。君の意見から最終形が見えた。」

「そう・・じゃぁ、一夏にでも言っておく。私は食事に行く。後は‥任せた。」

二人で拳を突きつけ合いお互いの行動に移る。

ボクはそのまま開発してキーボードをたたき続ける。完成までの道は見えたのだから。彼女の機体・・絶対君を完成させてみせる。社内でも言われてきた《天才クリエイター》の二つ名に誓って。

 

「やはりボクは天才だー!!あははははは!!」

「パラドが壊れとる。」

「パラドー・・そろそろ帰ってきてー・・。」

「パラド、嬉しいのは分かるけどテーブルの上に立つのは危ない。」

「過労死するんじゃないだろうかと思っていたが、その前に狂ったか。」

「ラウラは酷い事言わないの。パラド、落ちつきなさい。完成したのは分かったから説明を・・」

皆がボクの様子を放課後になったからと見に来た。だが、今さっき完成したばかりのボクからすればそんな事よりも・・。

「簪以外の敵な君達に言える事などはないさ!!さっさと帰りたまえ!!ボクはこの機体の最終調整を簪と共に行うんだ!そうすれば最終的な完成だ!またボクの才能が、夢の一つが完成となったんだから!!わかったら、さっさと出て行きたまえ!」

そう言って出口に指を向ける。

「あー・・キャラが戻ってからじゃないと話もできないな。分かった、出て行くから・・今夜は帰って来いよ。」

「簪、こんなの相手に数日間一緒って大変だったわね。」

「強敵を相手にしたいからな。秘密というなら期待しておこう。期待を裏切るなよ?」

「・・簪、今日は部屋にパラドを帰らせてね。そろそろ寝させたいから。」

そう言ってそれぞれが簪の肩を叩きながら外に出て行く。一夏、鈴、ラウラ、シャルロット・・彼女たちほどの強敵に情報を与えてたまるか。

「さて。あはぁ・・最終調整だよ、簪ぃ・・。」

「気持ちは分かる。けど落ち着いてほしい。まるで女子生徒を前にした変態に見えるから。」

「今のボクはその状態と言って他ならないさ。変態と言われようと、この完成を待つ気などはない!!さぁ、ボクの事は気にせず開発を続けよう!」

キーボードの前に座ったボクが手を叩き急かすと、簪は呆れたようにでも頑張りを褒めるように敬礼して、ハンガーに向かって歩いて行き機体に体を預ける。そして、打鉄二式は彼女を包み始める。そこでデータを取りつつ、彼女のデータを記録しているメモリを使用してパーソナルデータを登録して行く。身長体重胸囲胴囲などの身体的データは見ないようにしてメモリからコピー、それ以外を打ちこみながらもファーストシフトにまで移行させる。そして、それが終わった状態で今彼女の前の展開投影モニターに、初期移行の認証ボタンが出ている。

「・・いくよ。」

震える様にそのボタンを押した。すると機体色が水色に変わり所々が濃い青色になる。

「打鉄二式・・完成。・・例のデータもパーソナルデータと干渉なし・・ん?」

データを見ているとその兵装が予定値よりも高く‥今も上昇している?まさか・・

「簪、これを!」

そう言ってボクは例の兵装を入れた端末を投げて渡す。彼女はソレを持ち、あらかじめ用意されていたスロットに挿しこむ。すると・・

「な・・なんだコレは・・適合率の上昇値が・・ほぼ完全適合だと!?ありえない・・まさか!?彼女を機体と兵装が選んだ!?この選択を!?・・くく、ボクを以てしても理解の外な事象か・・。まったく・・これだから開発は・・『心が躍る』。」

完成した機体が完成系から・・完了形体まで移行する。基本装備にもいくらか兵装が増えた。彼女もびっくりしているようで、勝手に機体が形を代えたのだ。彼女の為に自信を作り変えたと言っても良い。そのような事が起きたのだから。

ボクや一夏を選んだライダーシステムのように彼女を《あの》兵装が選んだのだ。

打鉄二式は完成した。いや、此処に完了した。兵装とパッケージを以って。

 

「所で、この《大型パッケージ》は今回の大会じゃ使えないよね?」

「アリーナごと吹き飛ばすつもり!?下手するとこの学園、半壊するよ!?そのパッケージは絶対アリーナのシールドバリアを突き破るからね!?」

危険物を渡しちゃったかもしれない。簪も地味にテンションがおかしいようだった。

 




エグゼイドの名シーン&迷シーンを取りこみました。
パラドなのにクロトじゃねーかと言う突っ込みは、ゲンム使っている話からスルーで。
ドライブスルーをスル―して、駐車場に入って店員に『テイクオフで』と言う罰ゲームを考えた大学グループが居るらしい。
2ちゃんでおばちゃんがレジで「テイクオフで。」と言っていたのを笑ったとかで考えたとか。
友人の大学の話だそうですが、そもそも、ドライブスルーが近くに無くて没になったとか。呑気な田舎の話です。
因みに私はモス派です。でも、生のトマトは嫌い。それなのにモスバーガーなら食べれるようになる不思議。
サラダのプチトマト?・・トマトが見てる。ヤダ。嫌い。

と言う事で次回もまた見てらいだー。



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16 タッグトーナメント 前編

こちらのタッグトーナメントは三部に分けてあります。
前、中、後編で構成してあります。

さっそくでは、本編へどうぞ。


そして、トーナメント開催の日になった。今回は対策を取ってメタ装備などを準備しないように、それぞれの実力を見る事が目的という事で当日になってトーナメント表が発表された。ソレを待って、控室に居ると・・モニターに驚く。

「一回戦から一夏と鈴相手だね。」

「ラウラとシャルロットは二回戦だね。」

「・・一回戦を勝ち抜く事は決定してるんだね。」

「あんなクソライミーに負ける機体じゃない事は分かる。パラドが関係した機体が普通な機体に負けるとは思えないからね。」

「褒め言葉として受け取っておこう。」

そう言いながら考える。まぁ、組み合わせでどうするかは決まっていたんだけどね。

「簪、此処はシャルロット相手まであの兵装は温存したほうがいい。」

「そう。それなら作戦は?」

「先ずは鈴をボクが。一夏を簪が引きつけて分断。その後僕が鈴を速攻でやっつけて一夏をボクが相手する。簪は援護という作戦で行こう。」

「分かった。でも、なるべく早くして。ライダー相手に兵装無は結構きついから。」

「大丈夫、遠距離武器が《トリガー》一択しか無い一夏はミサイルでも打っておけばいいから。一気に《山嵐》を撒くんじゃなくて小出しで時間を稼いでくれればいい。そうすれば一瞬でケリつけて行くから。」

「わかった、信じる。」

そう言う事でボク達はアリーナのピットに向かう。そこで、ラファールゲンムと打鉄二式を起動してアリーナに飛び出す。向こうもエターナルと甲龍が出てくる。

「パラド、今日こそは白黒はっきりつけよう。まぁ、見るからに俺が白、お前が黒なのは知っているがな!」

「ふふ・・君が負けるビジョンがボクには見えているけどね。さぁ、始めようか、誰が君に訓練をつけていたのか再認識させてあげるよ!」

そう言うと試合開始のブザーが鳴った。≪ビー≫

開始直後に一夏が剣で突っ込んでくる。ナイフは構えていない。

「先手・・」

「甘い!!」

簪が山嵐の一部を打つ。それによって一夏はミサイルに追われて最初の位置から離れて行く。それでボクはそのうちに鈴に接近する。そのままの勢いを込めた蹴りをくらわす。

「一夏!?‥はっ!?いつの間に・・ぐへっ!」

「さぁ、君をさっさと落とす事にするよ鈴。」

そう言ってボクはガシャットを取りだす。

『タドルクエスト!』

「グレード3」

『ガッチャーン!レベルアーップ!マイティジャンプ、マイティキック、マイティアクションX!アガッチャ、タドルクエーースト!!』

ゲンム・タドルになって装備のガシャコンソードで切りつけて行く。どうにか剣を受けるが、ゲンムのパワーに押されて鈴は防戦一方だった。鈴は青龍刀を二本にして剣を相手し始める。ボクはそこにガシャコンブレイカ―をソードモードで出して同じように二刀流で相手する。そして、一本の剣を弾いた。

「っち、なめんじゃないわよ!!」

アンロックユニットの龍砲を構えて撃ってくるが、ガシャコンブレイカ―をハンマーモードに戻してその衝撃を叩き潰して相殺する。

「で、でたらめな・・」

「さぁ、君はここでゲームオーバーだ。」

《ガッシューン・ガシャット!!タドルクリティカルフィニッシュ!!》

剣にタドルガシャットを挿して必殺技を起動する。諦めたように鈴が・・

「まったくライダーシステムって奴はぁ・・」

そう言いながら鈴はボクの剣に切られてSEが無くなる。すぐさま移動して、その勢いのまま一夏の後ろから剣を振り下ろす。

「っぐぁ!?もう鈴が落とされたか!?」

「君より長くやってるライダーなめんな。」

「くそ・・二対一とは・・分が悪いとか言う状態じゃないぜ・・。」

「・・ふふふ・・ははは・・」

《ガッシューン》

ボクはプロトマイティとタドルを抜いてゲンムを解く。

「・・?どうしたパラド・・。」

「君相手にはコレを披露してみようとね・・。今まで隠してきた事を教えてあげる。そもそもガシャットは《プロト型》と《正規型》が存在し、正規型が体に負担が少ないように作られているんだ。実際、【マイティアクションX】は普通に存在するが・・それでもプロトを使っていたのは単に強いだけじゃなく体を負荷にならす為なんだよ。グレード2と言っていてもレベルはもっと上だったんだ。そして・・今、ボクはボクにできる最大のレベルを解放する。」

そう言って紫色の太い本体に黄色の突起がついたガシャットを取りだす。

《タドルファンタジー・・レッツゴーイング、キングオブファンタジー》

黄色い突起をまわすように90度動かすとそう音声が成りボクの機体の後ろに空中投影された画面が出る。そして、ボクはガシャットを挿す。そしてハンドルを開く。

「変身・・グレードレベル・・術式50!!」

《デュアルガシャット!!ガッチャーン!デュアルアップ!!タドルメグルRPG!タドルファンタジー!!》

騎士が剣を持っているその絵に包まれたボクは姿がまがまがしい色の騎士に変わる。

「レベル・・50だと・・?」

「ま、また知らないかっこいいのが・・!」一夏は戦慄して、簪は真逆な反応でに感動している。

「さぁ、始めようか・・ボク達の物語を!!」

ボクがシャコンソードを構えて突っ込むと、やっと気を取り戻したのかすぐに雪片とナイフを構える。が、

「甘い!!その程度ぉ!!」

二つをクロスさせるように構えたその上から押しきるように叩きつける。

《ガガギン!》と音がしてその力に一夏が顔をしかめる。

「つ、つえぇ!?マジでコレは・・」

「そんな口を開く暇などないわぁ!!」

すぐさまマントを翻しながら横に斬る。胴に思いっきり斬りつけ、ダメージが入る。

「ぐおぉぉ!?」

そこで一旦離れたので、ボクはマントを手で払い風になびかせる。

「・・さぁ、君の本気はその程度か?」

「負けるか・・負けてたまるかよ!!せめて、俺も強くなった事を証明させてやるぜ!!」

そう言ってナイフにヒートメモリを出した。体術とナイフで来るようだ。ならば、

「そう・・、簪。」

「ファイア!」

春雷をチャージしていた簪がすぐにソレを撃つ。メモリを挿していた途中の一夏はもろに食らってSEが一気に減った。

「ぐっは!?しまった・・パラドが印象強くて忘れてた。」

「ふふ・・じゃぁ、簪は下がってもらおうか。甘ければいっきに負ける状況・・気張れよ一夏!!」

「・・くそ!!行くしかねぇ!!」

そう言ってお互いにアリーナの中央でぶつかる。ボクの剣を一夏はナイフで受け流しながら炎の蹴りを放ってくるがボクが身をかわしてマントで視線を塞ぎ、そこに逆にけりを決める。

「ごふっ・・。」

「まだまだ甘い!気合で体勢を立て直さなきゃサンドバックだ!」

そのまま殴り、剣で切ろうとするとまたナイフでかわす。一番ダメージが有るのには気をつけているようだ。

「やられたまんまでいられるか!!」

蹴りをくらわす様にまた体を捻る・・が、そのまま回転してナイフで切って来る。かわすとそこに蹴りが入って、少しよろける。

「そうだ、それでいい。」

また、殴りに掛って来たが今度はソレを剣の方の手で払い、顔面に拳を叩きこむ。

「フェイントと本命の分け方が甘いんだよ!」

そのまま今度は逆袈裟に切って、下がる。

「うぅ・・くっそぉ・・マジ強ぇ・・」

「さて、終わらせようか。簪も暇してるようだし・・。」

「それは無い。ライダー同士の戦いは見てて燃える!」

「あ、そう・・。」

やっぱりこういうのが好きなのか。まぁ、終わらせるんだけど。

「じゃぁ、行くよ・・。」

ハンドルをいったん閉じる。そしてハンドルを開く。

《ガッチョーン・・ガッチャーン!決め技!!》

そう流れてボクは剣を構える。

《タドル・クリティカル・スラッシュ!!》

ソレを発動すると剣に黒っぽい炎が集まり、ボクはソレを振って剣から放つ。

「ま、まじかよ・・」

そう言って一夏はその技をくらい、SEが0になる。終了の合図が鳴り《ぶー》ボク達が勝者と表示される。

《ビクトリー!!》

最後にそう音声がベルトから流れる。ピットに戻りボクは変身を解く。

「・・ふぅ・・。」

「あんなの隠していたのは酷い・・。」

「ふふ、秘密が多い男はかっこいいって聞いたからね。ミステリアスなのを目指して見るよ。」

「いや、シャルロットが居る貴方はそれ以上はやめた方がいい。きっと、後ろから刺される事になるから。」

「・・うん、やめとこう。」

怖くなったボクはやめる事にした。

 




デュアルガシャット系は全く持ってないので音声系はちょっと自信が無いです。
サイトから調べて持って来てはいますが、あまりにもおかしかったら言って下さいね。

では、次回中編へ続く。


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17 タッグトーナメント 中編

多くは語るまい。
只一つ。
セシリアぼっこなので気をつけてください。

では、本編へどうぞ。


オルコットは二組のクラス代表と組んだようだけど、専用機持ちじゃない上にタッグもいまいちだったため、シャルロットに瞬殺されていた。アンジュの力じゃなく、基本装備で。ラウラは後方から適当にレールガンを撃っていただけだ。

後から聞くと、『一時期、オルコットがパラド達を馬鹿にした事が有ると聞いたシャルロットが、静かにキレて「アンジュは使わない。代わりに素の力でボコボコにしてくる♪」っと言って突っ込んで言った。やる事が無くなり、一応の援護をしていたが、全兵装を壊した後で地面にたたき落として、装甲の無い腹部に銃口を押し付けたマシンガンを一発づつ撃つ光景は狂気としか言いようがなかった。あんなシャルロットは相手したくない。するなら命をかけなければなるまい。』とラウラが語っていた。実質二人相手に無双状態でSEも減った値は三分の一以下だった。

 

「さて、二回戦・・キバっていかなきゃな。」

「・・イントネーションがちょっとおかしい?」

「そう?まぁいいか。んじゃ、構えようか。」

ボク達はお互いに機体を纏いボクは、ゲンムになってピットから出る。

「聞いたよパラド。体に負荷をかけるガシャットをわざと使ってたって。」

そうやってシャルから言われる。まぁ、予想はしてたが。

「それはしょうがない。初めはプロトしかなかった上に正規の【マイティアクションX】には適性が無かったんだもの。だからこそ・・これもゲンムを通さないと使えない。」

『バンバンシューティング!!』

「グレード3」

『ガシャット!レベルアーップ!マイティジャンプ、マイティキック、マイティアクションX、アガッチャ、ガガンガンガガン、イエィ、ババンバンババン、バーンバーンシューティング!!』

ガシャコンマグナムを手に取り、ゲンム・スナイプを展開する。

「さぁ、ボクとシャルロット、そして・・簪の機体の紹介だよ!先ずはシャルロットから見せてくれ!!」

「分かったよ。すぅ・・はぁ・・。フランスが誇るデュノア社の最高傑作にして、天才クリエイターパラドが手掛けた機体、ラファール・アンジュ。機能解放!!」

そう言って、光臨したのは天使の羽をもち、頭上に天使の輪を持つ光りの騎士の天使。

「光輪天使・ファギェル!!その光を以て敵を天へと召さん!!」

そう宣言し、羽を広げて剣を振りあげる。それに会場が歓声をあげる。

「・・じゃあ、次は君達の番だよ。」

「あぁ、簪。此処は一緒に行くよ。」

そう言いながらガシャットを抜く。『ガッシューン・・』

「分かった。・・専用装備展開・・」

「第50戦術・・」

『バンバンシミュレイション!アユゥレディ、フォウバトルシップ!!』

「ほ、本当にレベル50なんて大丈夫なの?」

「出来るさ・・今のボクになら・・。」

簪は手を前に出し体を斜めに横立ち気味に。ボクはガシャットの黄色い部分をまわして差し込む。そして、レバーを開く。

「打鉄二式・艦体戦装備!金剛!!」

「変身!!」

『デュアルガシャット!ガッチャーン!デュアルアップ!スクランブルだ!出撃!発進!バンバンシミュレイショーン!!』

ボク達はそれぞれ戦艦をイメージした装備を機体につける。

打鉄二式の背後には戦艦をイメージした船の様な物の艦橋、そして、左右に突き出した大型の砲門が。ボクの機体には船を逆さにして腕につけた様な形のパーツと各部に砲門、そして頭に海兵をイメージする帽子がついた。

「金剛型一番艦、金剛!全て撃ち抜くデース!」

「バンバン撃ちまくって・・沈めてやるぜ!!」

二人で戦艦装備を使ったのは、合わせやすいからと、シャルロット相手なら撃ちあいの方が派手になると踏んだからだ。どうせ、光輪天使で来るから、それなら撃って削ってやればいいとな。ボクだって考えてはいるんだよ。そもそも、轟力天使より、こっちの方が見栄えがいいからどうせ披露するならこれにすると思ったからね。それなら、こっちも圧倒的火力で押せばいいだけだ。

お互いに準備が済むと、試合開始のブザーが鳴る。コレで勝った方が専用機持ちの勝者だ。

「おらおらおら!!」

「撃ちまくるデス!!」

「させるか!!派手な登場なのに、コレ以上好き勝手させないぞ!!」

二人で砲撃を打ちまくると、ラウラが前に出て来てその砲撃をAICでとめる。だが、それも分かっていた。そこに・・簪が横やりを入れた。

「来ると思っていたよ。ソレの装備は情報が入っているからね。だから・・」

背中に丸いアンロック部位が出来る。ソレを自身の上にあげてそれに手を向ける。

「アンロック・アルペジオ『タカオ』!」

その二つの球体はお互いにスパークし始めてその真ん中に異常なエネルギー帯域を発生させる。

「一番出力は絞ったよ・・喰らえ!そして・・・沈めぇ!!!」

「がぁぁぁぁああ!?」

超重力砲が撃たれ、それによってラウラは壁まで吹き飛ばされる。

「ま、まだ負けてはいない‥」

見るとかろうじてSEが残っているが、機体の前面は溶解し、装備も全壊している。シャルロットもファギュルを解除すれば武器を渡せるが、攻撃を切り裂き、羽で弾き飛ばすのが精いっぱいだ。

「まったく、パラドは!!とんだ新機体紹介になったじゃないか!?」

「ははは!天才とは総じておかしい物さ!!おらぁ!!」

砲撃を打ちながら近付いて行き、蹴りをくらわせる。

「きゃぁ!?け、蹴り!?この砲撃戦の中で近づくとか馬鹿じゃないの!?」

「馬鹿となんとやらは紙一重って言うからな!!」

「隠すほう逆!!うああぁぁ!?」

話しながら後退すると簪が援護してくれる。

ボクはラウラを捕まえてそのままシャルロットまで投げつける。

「な、なに?うわあぁぁ!?」

「ラウラ!?きゃあ!?」

ぶつかったと同時に簪が一斉射撃を構えた。ボクもここらで決めるようにするか。

『ガッシューン!決め技!バンバンクリティカルファイア!!』

「いくぜ、うぉぉおおお!!」

「全砲門、ふぁいあー!!」

二人の一斉射撃が相手の二人を襲う。

「きゃああああ!!」

「うおおおぉぉおお!?」

吹き飛ばされ、ラウラは気絶。SEも完全に無くなり、ダメージレベルも大変な状況に。まぁ、後で直すのはボクだけどね。アフターケアも欠かしません。キリッ!

シャルロットはギリギリまだSEが残っていた。ラウラが前で壁になり、羽と剣でいくらかは切り落としたりして防いだらしい。

「うぅ・・新機体なのにもうボロボロ・・」

「じゃ、最後にまた新装備でも・・見せようか。」

『ガッチョーン、ガッシューン・・』

そして、ボクは手にガシャットを取りだす。

「さぁ、レジェンドの装備だ!締めにはふさわしいだろう!!!」

『ゼビウス!!』『マイティアクションX』

「変身!」

『レベルアーップ!マイティジャンプ、マイティキック、マイティアクションX!アガッチャ!ガンガン撃墜だ!ガストノッチガストノッチ!バンバンハイスコア!ゼ・ビ・ウ・ス!』

ボクはゼビウスガシャットを使い、出したガトリング砲をシャルロットの方に向ける。

「いきなり‥決めるぜ!」『ガッシューン・・ガッチャーン!決め技・・』

ゼビウスガシャットを抜いてキメワザホルダーに差し込む。そしてボタンを押す。

『ゼビウス!クリティカルフィニッシュ!!』

効果音と共に懐かしのシューティング音で攻撃のガトリングなどが発射されて全弾がシャルロットに当たる。

「きゃあああぁぁぁぁ!?」

それでSEが無くなり、勝者が決まったブザーが鳴る。

「ハイスコア・・99999990点・・パーフェクトゲームだ。」

 

後からしこたまデュノア社とシャルロットに怒られました。

たんこぶを作って正座しながら、通信モニターとシャルロットに説教されているボクを皆は笑いながら遠巻きに見ていたそうな。自業自得と言われたのは府に落ちないけど・・まぁ、やり過ぎた感はあるかな。

でも、引かぬ。媚びぬ。顧みぬ。の精神で、やってきたので反省はしても後悔はしません。コレがまた新たなガシャットの開発の礎になるんだから、後悔していたら新しい発想は生まれないもの。

天才とは、経験をしてからこそ更に発展した上を目指せる物だ。知らずに作っても、それが実際に仕えないという事例は多々ある。知るには経験が必要だ。そこから言うと戦闘経験を積ませたからというだけでここまで強くなる一夏は、やはり天才の一種だと思う。ボクなんかは小さなころからコツコツと体を鍛えて、やっと、出来たプロトガシャットは負荷が大きく、また鍛える羽目になったんだから。エターナルも負荷が大きいのによく初めから大丈夫だったよね。・・あ、気絶したか。仕方ないんだからいいや。

 

 




基本的に聖帝的な考えのパラドくんは自重をしません。
足をナイフで刺されれば少しは自重するかな?
一夏くーん、エターナルエッジ持ってきてー・・。
あ、ターバンを巻いた少年じゃないと駄目か?
しょうがない。諦めてシェイクでも与えておこう。

それではまだ次回、後編へ続く。


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18 タッグトーナメント 後編

今回は一夏とパラドの強化回です。
さて、どうなるか・・。
何が起きるのか・・。
あ、箒ぼっこ回でもあるので。

では、本編へどうぞ。


専用機部門で優勝したボク達は一度表彰される。そして、同じように訓練機部門で優勝した人も少々されその後、二つのチームで競い最優勝者が決定されるのだが・・出来レースと思う。どれくらい力の差が訓練機と専用機であるかを見せる様なものだ。

更に言うならそれがもし専用機を与えられていない国家代表候補ならば、その成績いかんによっては専用機獲得のチャンスになりえるが・・

「ッチ。よりによって貴様か。何故一夏が此処にいないのだ?」

「僕より弱いからだよ、篠ノ之箒。そして、君もここで負ける。」

決勝の為にゲンムを起動していたボクはそう言いながらも構える。

「貴様ごときがここまで来れるはずもないし、篠ノ乃流の一夏が簡単に負けるはずもない。どうせ卑怯な手でも使ったのだろうな!!」

「ふーん、貴女の目は節穴なのね。ペアを組まされた女子がかわいそうだね。」

そう言う簪、目が座っているのは自分が侮辱されたとかじゃない気がする。まぁ、気分は分かるけどさ。そっくりそのまま返してあげたい言葉だよね。

「まぁ、一夏が居ないのはいいとして、さっきのセリフは挑発?なら、本気でいいのかな?」

「貴様程度に負けるわけがないだろう!!私が勝てばその機体を貰う!!私は篠ノ之束の妹だ!IS一機くらいは自由に出来る権利はあるだろうからな!!」

そう言って俺の機体を指す。無理無理お前にゃ負担かかり過ぎで死ぬぞ?そう思いながらあえて口を歪ませて嘲笑する。

「やれるもんならやって見せれば?君程度がボクに勝てるならばねぇ!!」

『ガシャットギア、デュアル!』

青いデュアルガシャットを取り出してベルトとゲンムを収める。ラファールは普通の状態だ。右腰に小さな黒いスロット付きのベルトが巻いてあるだけの大きなベルトではない。

「遊んであげるよ、文字通りに。・・心が躍る。」

青いデュアルガシャットの黄色い突起を横にひねる。

『パーフェクトパズル!ワッツ ザ ネクストステージ?』

「さぁ・・君にも見せてやろう・・パラド・クリ・エイタの真の作品の一つ!大変身!」

『デュアルアップ!ゲット・ザ・グローリー・イン・ザ・チェイン!パーフェクトパズル!』

青い髪の目つきの鋭い仮面ライダーになる。機体色も蒼くなり、所々に金色があしらわれている。機体もシャープな装甲に変わっている。そして、変身後はガシャットは黒いスロットに収まっている。

「・・パーフェクトパズル・・レベル50。」

そう言いながら篠ノ之に指を挿す。

「パーフェクトにクリアしてやる。」

そして、簪も艦体兵装を起動。兵装は扶桑。大きな砲門が目立つ。

「さぁ、こちらの準備は整った。そっちはどうかな?イージーチャレンジャー?」

「なめるな!!貴様なぞ、この剣で十分だ!」

そう言って準備完了になりカウントがされる。そして、カウントが0になった時にすぐさまボクは篠ノ之を、簪はペアの1組の生徒、相川清香を叩きに行く。組んだ理由はペアを組まなかった同士のくじだそうだ。

ボクは振って来る剣を軽く避けながら、甘い振りを弾いたりして隙を作り攻撃を繰り返す。あえて弱パンチをくらわしてイライラを募らせる。

「くそぉ!?避けるな!それでも男か!?」

「ボクサーは男じゃないのか?ムエタイ選手は?テコンドーは?空手は?柔道は?剣を使う事に固執する君は実に愚かしい。まるで子供が駄々をこねているようで見苦しくて気持ちが悪いよ。それだから一夏にも嫌われるんだ。」

「い、一夏が嫌いと言ったと?!・・う、嘘を言うな!!私は幼馴染だぞ!?」

「昔からの知り合い程度で、一々癇癪を起して面倒と言っていたな。それなら幼馴染であろうと知り合いであろうと、嫌気がさすと言うのも理解できるけどね。」

そう言うと大ぶりで地面にまで剣を振り下ろす。ソレを避けて足で踏む。

「くっ!?い、一夏がそう言うはずがない!どうせ私をかく乱しようとする卑怯な手だろ!?この卑怯者!!」

「・・信じないなら勝手にすればいいさ。考える時間をあげただけだし・・。簪そっちはどう?」

「・・あ、話は終わった?もうこっちはとっくに終わらせれるけど。」

「・・報告はすぐしてくれて良いよ。そう言う事なら、・・一度後ろに下がるからこっちに援護射撃。」

「了解。」

その言葉とともに飛んできた砲撃で追撃を避けさせる。四門あるうちの二つをこっちに向けて撃ち続けるので篠ノ之は動けない。

下ったボクは端末からとある物を取りだす。コレがアイテムメダルだ。ソレを詰めたケースを開きパーフェクトパズルの機能を使う。宙に浮いたアイテムを並べ替えるように動かして連結させたアイテムはボクに降り注ぐ。

『マッスル化』『高速化』『高速化』

「じゃぁ、決めようか。」

抜いたガシャットの黄色い部分を一度戻してまた捻る。

『キメ・ワザ!デュアルガシャット!』

そして、高速で相川さんの機体に近づく。

『パーフェクト・クリティカルコンボ!!』

「はぁぁ・・セイヤぁ!!」

脚部が光りそこに集中されたエネルギーが纏われて、更に高速の勢いと共にボクは蹴りを放つ。

「き、きゃあぁぁぁ!?」

一度蹴り、ソレを追い越して反対の足で更に蹴る。それによって相川さんはアリーナの壁に叩きつけられる。

「・・さて、次だ・・心が・・滾る!!」

『ノックアウト・ファイター!』

またガシャットを抜いて捻りを戻し今度は逆にひねる。

『ザ、ストロンゲストフィスト!ラウンドワン!ロケット&ファイア!』

「大変身!」

『デュアルアップ!エクスプロージョン・ヒット!ノックアウト・ファイター!!』

肩のパーツが拳に付き、ナックルとなって機体色が赤に変わる。頭部もさっきまで青だった分が炎が燃えるように逆立ち赤に染まる。

「ノックアウト・ファイター・・レベル50」

拳同士をぶつけ会う。『ガシィン』と音がしてその強さがうかがい知れる。

「さぁ、僕の心をたぎらせた事、後悔する事だね!」

高速化とマッスル化の消えていない今、また高速で近づき、後ろから殴る。背中を殴られて慌てて振り向くが、それに合わせて反対を周りもう一度殴る。今度は動かず、慌てて振り向いた所、腹部を殴る。

「がっ!?クソ!?後ろ・・いな、がぁ!?また後ろだと!?きさ、がっふぅ!?」

ただのサンドバックだ。面白くなくなってきたので、決める事にする。

「さぁ、フィナーレだ。」

スロットから抜いたそれの黄色い突起部分を戻しもう一度捻る。

『キメ・ワザ!デュアルガシャット!ノックアウト・クリティカルスマッシュ!』

「ハァ!!」

「ぐぅ、・・ぐはあぁぁぁああああ!?」

まだ腹に効いているのか俯いてこっちを睨む篠ノ之の顎を左手で殴る。上にはじけ飛んだ篠ノ之はPIC操作がうまくいかず重力に従って落ちてくる。そして、ボクの反対の右拳に炎が燃えるように纏いつく。

「はあぁぁぁあああ!!」

「ぐああああああ!?」

落ちて来た篠ノ之をそのままストレートで殴る。マッスル化の影響もあってダメージは一発で残りのSEを0にした。

『K.O.!』

その音声と共にボクはガシャットを抜いた。捻りを戻して変身も解く。

「・・ガシャットは良かったけど・・あまり心が躍る戦いじゃなかったね。」

そう言ってピットに戻ろうとした。すると会場がざわめく。

「あぁ・・ああああああ!?」

篠ノ之がSE0のはずなのに立ち上がり叫び出したのだ。

機体からはスパークし、色が黒くなって装甲が形を代えて行く。そして、段々となって行くその形は・・

「織斑・・先生?」

「VTシステムだ!?でもなんで・・」

簪とボクが驚きながら距離を取って構えていると声が後ろから聞こえて来た。

「どうなってるのパラド!?

驚いた様に横に来たのはシャルロットとラウラ。ピットまで来ていたらしい。逆側には一夏も降りて来た。皆機体にはライダーシステムによって、SEは減ってもダメージはそうないはずだ。だがエネルギーは?・・補給する時間はあったか・・。見ると周りの観客席は緊急事態という事で閉じている。隔壁内からは非常事態で生徒達が避難する声が聞こえる。なら・・大丈夫か・・。

「聞いた事が有る・・モンドグロッソの優勝者のデータを使って操縦者を強制的に強化するシステム。」

「千冬姉の真似をするシステム・・許せねぇ」

そこに放送が入る。

『ザ・・ザザ・・』『さぁ、役者はそろったわ!そこの目障りな男を始末しなさい!』

校内では女尊男卑で有名なドイツ出身の教師、【アルマ・エーベンバッハ】だ。

昔に施設は破壊した(・・・・)のに・・データは残っていたか・・。

「・・実験で操縦者になった物のほとんどは・・精神に異常をきたすか、身体的にも破壊されて死亡するか・・どちらにしろ無事じゃ済まない。」

「なら、・・早く倒すしかねぇ・・。」

そう一夏が言うのでボクは肩を掴む。

「一夏・・彼女は君の嫌いな篠ノ之箒だよ?それでも・・助けるの?」

「誰がとか、何をとかじゃない!!俺は人を守るんだ!!」

「・・・分かったよ覚悟を決める。アレは攻撃さえしなければ時期に完全にエネルギー切れで止まるだろう。生命力というエネルギーまで奪って。ソレを止めたいなら・・力を貸そう。今なら、無理も無茶も承知でいける。行くかい?一夏!?」

言いながらゲーマドライバーを構えて付ける。

「あぁ、・・こんな事をした奴に地獄を見せてやるぜ!」

「なら・・ボクも本気を出す。無理でも無茶でもしてあげる。友としてね。」

ボクはガシャットギアデュアルを構える。

「あぁ。付き合ってくれよ・・パラド!!」

ロストドライバーを構えて装備してメモリを構える一夏。

『エターナル!』

「今のボクなら限界も超えられる。心が躍る・・これまでに無くね。」

『デュアルガシャット!ザ・ストロンゲストフィスト!ワッツ・ザ・ネクストステージ?』

「変身!!」

『エターナル!!』

「マックス・大変身!!」

『マザルアップ!紅い拳強さ、青いパズル連鎖、赤と青の交差!パーフェクトノックアーウト!!』

一夏はエターナルになり・・その後腕が燃え始めて、炎が青く変わる。そして体中にスロットが装備され、最後に黒いローブが装備される。思いを完全にまで熱するその青い炎の姿は、ISライダー 『エターナル・ブルーフレイム』。

「エターナルが‥答えてくれた・・。」

自身のその姿を見てぎゅっと手を握る。そして、顔をあげて構える。

「お前のゴールは地獄だ!まだ苦しみながらも生きる為の生き地獄だがな!誰が死なすかよ!ここでは俺が決める!」

「ボクも居るよ一夏。」

紅と青の混ざりあう姿に驚くシャルロットを押さえて、一夏の隣に立つ。その手には銃と斧が反対についている武器を構えて。

「お前‥パラド・・だよな?」

「パーフェクトパズル、ノックアウトファイター・・二つの力が今一つになった。コレが今できる最強の姿。その名も・・パーフェクトノックアウト!仮面ライダーパラドクス。レベル・・99!」

その言葉にシャルロットが驚いて止めにくる。

「レベル99!?無茶だよ!?体が壊れちゃう。」

「大丈夫だ・・。今のボクなら出来る。」

 

二人で前に立ち、構える。ボクはパラブレイガンを、一夏はエターナルエッジと雪片ニ型を。

そして一度武器を片手に持ち替えて手をたたき合う。

「さぁ、一夏・・超協力プレイで・・」

「あぁ、クリアしてやるぜ!!」

 

 




超協力プレイ時はパラドとエグゼイドのタッチシーンをイメージしていただけるとかっこよく見えるかと。
私はパラドはやはり大好きですね。
仮面ライダーパラドクス!さいっこう!!
エターナルも最高だし、この作品は私の夢と希望がつまってますよね!!

さて、次回はVTS攻略クエストです。
次回もまた見てらいだー。


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19 VTS攻略超協力プレイ

はい、正直協力しなくても圧倒的な気がしてます。
でも、まぁ、二人とも力を為したいのが主かもしれないですよね。
真剣なのにそう言う風に見えてしまうのは、神聖視し過ぎなのかな?

では、本編へどうぞ。


二人で攻めるのは圧倒的だった。

「はぁ・・はああ!!」

ゾーンを使ってかく乱しつつ近づいた一夏がエターナルエッジと雪片ニ型で攻撃をして、ボクが斧と銃が一緒になった専用武器、【パラブレイガン】で援護しつつ、時には位置を変わり、ボクが斧で切りつけると一夏がトリガーで撃ち抜く。

「はぁ!」

「せえぇぇい!」

時間をかけられないから一気に攻める事に。一夏が雪片ニ型を使ってVTシステムの真ん中に縦に切り下ろしをかける。その時に同じように斬りかかって押しつぶそうとしたその剣をマッスル化のアイテムを使って斧でとめる。

「今だ!一夏!」

「おう、零落白夜発動!!」

人を切らないように表面を切り裂き中に手を突っ込む。そして、一瞬の間、止まってそれからその手に篠ノ之を掴みだして引っ張りだした。ソレを期に明らかに動きが悪くなったVTシステムをボクが仕留めるように構える。一夏は後ろに下がってシャルロットに篠ノ之を渡している。そして戻って来ながらエターナルエッジにエターナルメモリを入れ、マキシマムドライブを起動。

『エターナルマキシマムドライブ!』

目の前のVTシステムがスパークを起こし動かなくなる。そして、腰のスロットにつけかえてまたマキシマムスロットのボタンを押す。足にエネルギーがたまって行くのが見える。

「行くぜ・・合わせろパラド!」

『エターナル!マキシマムドライブ!』

「やれやれ‥行くよ一夏!」

『ガッチョーン・ウラワザ!ガッチャーン!!パーフェクトノックアウトクリティカルボンバー!!』

ボクも技を使う為に一度ドライバーのハンドルを閉じて開く。

そして、ボクは空中に飛び上がる。

「はぁぁぁ・・せやああぁぁぁぁ!!」

「あああ!!せいやああああ!!」

ダブルでキックが上からと横からくらいVTシステムは爆発する。

一瞬で突き抜ける際に抜きとった一夏の手にあるISコアを残して、あとかたもなく爆発した。

 

「さぁ、地獄を楽しみな!」

「心が躍った、滾るバトルはこれだからたまらない。」

 

 

そして、ボク達は・・

「あががが・・」

「・・・・。」

一夏は頭を押さえ、ボクは床に沈んで無言で気絶と覚醒の狭間にいた。

「貴様等は・・・一体どこまで無理をして迷惑をかける気だ!?」

「そうだよ!私達がどれだけ心配したか分かってるの!?特にパラド!!いきなりレベル99とか使わないでよ・・。本当に驚いたんだから・・。」

「・・・ごめん、その無茶が今少し来てる。体中が痛い。」

「保健室に!保険係!救護班でも良いから早く!!」

「落ち付けデュノア・・と言いたいがエイタは保健室に行き検査を。織斑も一応だが検査をする。まったく、・・こっちの気がおかしくなるかと思ったぞ。仮にもシステムではあるが昔の私だ。どこまで強いか分からなかったんだぞ?」

「・・ソレは分かってた。勝手な判断は反省します。でも、中にいる人が時間をかければかけるほど死にかけて行くと聞いていてもたっても居られなくなった。コレは反省も後悔もしない。」

「相手がお前の嫌いな篠ノ之でもか?」

「そんな事は関係ない!俺は《人を守るために力を得た。》コレはライダーになった時に決めた俺の生き方だから!」

「・・まったく・・。」

そう言いながらも少し嬉しそうな織斑先生をシャルロットにせっかく着替えた制服の上着を脱がされながら横にされているボクは見ていた。

教師は放送室にいたらしくスピーカーをジャックして放送していたらしい。更に他にも協力者がいてボク達に通信が来なかったのもそれが原因だとか。合計三人の女尊男卑の教師が捕まったらしい。

今回の事件の原因はその三人がこれに乗じてボクと一夏を『男は邪魔だ』と言う事で消そうと画策した事が原因らしい。元々かなり女尊男卑が強く、ISを神聖視してこの学園の教師になったような存在だから、近付かないように別の学年の担任になってもらっていたが、此処まで間接的な強硬手段に出るとは思っていなかったと後から説明された。そもそも、決勝に上がれば誰でもよかったが、篠ノ之博士の妹でありながらISをろくに動かせない篠ノ之箒に対しても苛立ちが有ったのでVTSの被害者に選んだと言われて少し同情してしまったのはしょうがないと思う。

篠ノ之は今だに意識は戻らず居るが、命自体は別条がないと。但し、ボク達の攻撃をくらった分の打ち身と、VTSの影響から少々のリハビリは必要そうらしい。

ま、今回はある種の被害者だし、しょうがないんじゃないかな?

 

「さて、どう言う事かな?私に黙ってレベル99なんて作ってたのは・・」

「え?別に黙ってレベル99じゃないよ?そもそもアレはレベル50が二つあるガシャットだし。」

「それがどうして思いっきり飛んで99になるの!?」

「それがねぇ、システムの組み合わせが良すぎてソレ単体じゃなくて、二つの特性が重なる能力が出来ちゃったんだよね。コレが『マザルアップ!』。元々単体でも『デュアルアップ!』の効果で50ながらにそれ以上の能力が出る時が有ったからね。」

そもそも『ガシャットギアデュアル』は今までにないジャンル、パズルと格闘をメインにしたのにそれがなんでこんな事になったのか・・まぁ、単体で使うとなかなかに良いんだがデュアルで使うと負荷が大きすぎるのでまた少し鍛えてからだな。

「ソニックの時もそうなったって聞いたけど?」

「アレは単に、速度に耐えれなかったのと、普段と違う筋肉を使うからそっちの筋を痛めちゃったんだよ。あんな事になるとはボクも一夏も思ってなかったからねぇ。あっはっは。」

「反省しなさい!!」

「はい・・。」

シャルロットにベットに横になりながらも説教される僕を、少しはかわいそうだと思ってくれますか?自業自得?そうですか・・。

「だが後悔はしないよ。そうじゃないと速攻で決められずに、おそらく篠ノ之は命を失っていたし、一夏も自身の力を暴走させたかもしれない。彼は人を守るためにその力を手に入れた。それが守れないならなんで強くなったのかと迷う事になる。彼はまだ根っこがしっかりしてない不安定なんだよね。僕みたいに『大切な人を守りたい』って言う範囲の事ならできるしそれ以外ならしょうがないで済ませれる。でも、一夏はまだ自信の大切な人と夏の範囲じゃなくて、助けれる人なら助けたいと言う危ない状態だ。それには自身で気がついてほしいけど・・それでも、彼は優しいから難しいと思うし、口で言っても聞いてもらえない。」

「そう・・だね。一夏は少し危ういかな。でも・・ソレを見捨てれないんでしょ?」

「そうだね。彼も『大切な友達』のくくりに入ってるからね。しょうがないさ。」

笑ってそう言うと少しシャルロットの目が真剣になった。

「じゃ、私は大切な何なのかな?」

「え“・・あーうん・・今は大切な・・婚約者候補だよ。うん。」

「そう・・私はパラドを逃がすつもりはないから・・覚悟を決めてね。なるべく早くに。」

「あーー・・。うんソウダネ。」

目がマジなシャルロットは怖い。

「最近、パラドの周りに可愛い女の子が多すぎるんだよね。心配しちゃうこっちの身にもなってよ。」

「それは言われてもなぁ・・そもそも、此処普通は女子高的なとこなんだよ?そこに男子二人。どうやったって囲まれるのは必至でしょう。」

「それでも!!仲良くしてる女子が多いじゃない。鈴とかラウラとか、簪や生徒会長の人もいるって聞いたよ?」

「アレは・・鈴はその一夏にほの字だから応援のためで、ラウラは・・妹みたいななつきようにね。簪はライダーシステムに憧れるその・・特撮系とか好きな子だし、会長は仕事的な方面だよ。全員に対して人としての好意はあっても、女性としての好意はないよ?」

「なら私は?」

「うっ・・・あぁ、眠くなってきたから寝るよ。シャルロットも部屋に戻って。うん。」

そう言いながらボクは布団を頭からかぶる。

「・・わかった。じゃぁ、戻るよ。」

そう言って部屋からシャルロットが出て行く。ボクは布団の中で呟いた。

「・・最終的に残れればね、やぶさかじゃないんだけど・・。こればかりはその時じゃないとね。」

あのシステムを作った物を発表して、ボクが無事に居られるなら、世界が受け入れるならボクは堂々と君と結ばれよう。拒否されるならボクは・・。

 

「・・君の元から消える事になるだろうね。」

 




色々と隠して居るパラド。
察しながらもソレを追求しないシャルロット。
強さと共いに色々と成長して行く一夏。
パラドと協力して強化フラグがとんでもない事になっている簪。
パラドに関わるととんでもないね。

では次回もまた見てらいだー。


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20 休みと準備の買い物

実は私、泳ぐのはそこそこいけますが、海水が苦手です。
目に入ると目が痛くて開けられないくらいに苦手です。
だから基本的には海水浴には行きません。
家族も金づちとハンマーとアンヴィルなので・・。
市の運営する室内プールで自分が泳ぐくらいしかありませんね。
釣りは好きなので、海に行くなら釣りがしたいです。

では、私的にもあまりに縁が無い水着選び回ですが、
本編へどうぞ。

あ、簪強化回でもあります。


「ねぇ、パラド?私にはこっちとこっちどっちの水着が良いかな?」

「私も。どっちがいいと思う?」

「えーっと・・自分が良いと思う方が・・」

「パラドが良いと思う方を着たいの!!」

「そう。だからどっち?」

「えぇー!?」

ボクはついに叫び声をあげる事になった。

 

こうなった原因は今朝、二人が誘いに来た事から始まる。

・・正確には四人だが。

「おはよう、パラド。今日はいい天気だから一緒に出かけよう。」

「パラド、おはよう。では早速、買い物に出よう。」

いきなり二人に誘われた。そして、同じ部屋の一夏にも鈴とラウラが買い物に誘いに来ていた。ラウラは鈴が誘ったらしい。どうやら普通の服がないらしく、鈴と一緒に選んでほしいとか。織斑先生に私服のセンスが良いと言って、どこで買うのか聞いたら一夏が合わせて買ってくれたのだと答えられたらしい。実際、買い物に出る時間があまりなく、忙しかった織斑先生はたまの休みに家に帰るだけで買い物に出ることなどは少ないらしい。一夏から、普段の織斑先生の事を聞いた話だ。お互いに家族の話になって、ボクの親はデュノア社のボクの下で働いてくれているという話で、「家族関係おかしくね?」と言われた。

仕方がないのだけどね。ボクが開発担当になるほど才能が有ったから。実力主義なのがデュノア社なのだから。経営力が有る分でシャルロットも副社長候補まですでに行っているよ?後は大きな契約が取れるようになるまでというのと、国家代表候補生なせいで色々とややこしいのが有るんだって。そこまでは聞いてない。面倒だったから。

まぁ、そう言う事で一夏はラウラの服を選ぶ為に、ボクはシャルロットと簪の水着を選ぶ為に買い物に出る事に。丁度臨海学校の時に必要な物が有ったので大型ショッピングモール、【レゾナンス】まで行く事になった。

 

そして、水着売り場に行くと例のごとく詰め寄られる事になったのである。

「シャルロットは・・そのオレンジと黒のストライプがついている方かな・・。ブロンドの髪が有る分蛍光色が映える気がする。簪は・・肌が白いし水色のワンピースの方かな。黒いのはなんか暗そうに見えるよ。」

「「わかった。」言う通りにする。」

そう言って二人は片方を戻すとレジに歩いて行った。ボクは自身の水着を選ぶ。

「・・そういや、水着なんて着た事無かったか。」

海には訓練で着衣泳をしたり、寒中稽古として服を着たまま泳いで、その後雪の中を走る過酷な訓練をした事が有るだけだな。

「それからすると、ボクは・・あまり実りのある人生ではなかったのかな?」

いや・・遊ぶ時間が有れば開発することが楽しかったんだ。あの夢・・異世界の情報収集も合ってこんな風になったけど・・、

「悲観するほど不幸じゃない・・むしろ幸せだってね。」

家族も存命していて仲が悪いわけじゃないし、可愛い婚約者も居る。会社でも自分は認められて楽しい友達も居る。コレが不幸だっていうなら、そいつはボクがぶん殴って見せるよ。

「この、騎士の様なマークいいな。これにしよう。」

選んだソレと水着用のパーカーを買って皆と合流する。

「あれ?パラドも水着買ったの!?」

「それなら選んであげたのに・・」

「それくらい自分で選ぶよ。奇抜じゃない分だしね。」

更に話しながら必要にしていた物を買うように店に入る。

日焼け止めとサングラス、ビーチサンダルとクーラーボックスを買って収納用の端末に収めた。

「それって、すごく便利だね。」

「ん?この端末?デュノア社製。・・というかボクオリジナル。ISの機能応用で量子変換とデータ保持能力が合って、銃で撃たれても壊れない耐ショック性の特殊端末だよ。」

「コレ、パラドが作ったの!?しかも。ISの応用ってまるでISコア作れるようなもんじゃない!?」

鈴が驚いてその端末をつつく。ラウラも「ほぅ・・。」と言いながらつつく。いや、つついても何も無いよ。

「うーん、それは無理だね。コア自体は動くエネルギーが違う。コレは唯の電力。SEを使うと壊れてしまうからね。それ用のシステムはまた別で難解なんだよ・・。出来ても『ISみたいな物』で劣化品のまがい物さ。それこそ、ボクは博士と話してコアの中の意志などについて話して見たいけど・・おそらく勝手に色々と応用しているボクは嫌われているだろうけどね。」

「ソレはどうだろうな‥。」

急に会話に入ってきたのは一夏だった。

「ソレはどう言う意味?」

「あぁ・・俺の知ってる束さんなら自分と同じくらいの天才という物を知らないからさ、そう言う同等に肩を並べる存在をどう思うか分からないなってさ。もしかしたら認めないかもしれないし、逆に話して見たいとも思っているかもしれない、あるいはどっちがより天才かなんて競いたいと思っているかもしれないしな。」

「へぇ・・。」

「なんか聞いた話だと、まともに取り合おうとしない人物って聞いたんだけど?」

「ソレはあの人から言って凡人という括りだからだよ。あの人から言うとそこら辺の石ころの価値しかないと言ってたからな。・・まぁ、正確には難が有るが、もし話して見る事が出来れば意外と話が合うかもしれないぞ?」

「そぅ・・。」

ボクは口元に手を当てて少し考え事をする。

もし、・・もしも篠ノ之博士にあったとしたらどう言う事になるかの予想を立てると・・・。

「パラド?どうしたの?」

「あ、いや・・もし会ったりしたらなんて話そうかなってさ。」

「そうか、やっぱり頭が良いとそう言う話す内容は多そうだもんな。」

「そうそう、色々と難しい事を話すから傍から聞いてたら知恵熱出しちゃうかもよ?」

「うわ!?俺のいないとこで話してくれよ?」

「ははは・・。」

そう、笑いながら買い物を続けた。ラウラの服は一番初めに買ったらしく、その次に鈴とラウラの水着、その後に一夏の買う物は買って、最後に皆でファミレスによってご飯を食べた。

 

部屋に戻る途中でボクは整備室に行く事にした。

「ちょっと今日出ていた時に考えついた事が有るから・・。あ、簪・・ちょっと打鉄二式貸してもらえる?明日には返すから。」

「・・何をするの?」

「ひみつ・・。君が喜ぶ事ではあるよ。少し改良さ。」

「・・分かった。変な事はしないでね?」

「おっけー。大丈夫、このボクが改良すると言うんだから、期待しといていいよ。」

「じゃぁ、お願いする。」

受け取った打鉄二式を持って整備室で改良のためのシステムを組み、ソレを組み込むまで一晩過ごす事になった。

朝に、軽く眠って目を覚ましたボクは新しい能力を説明するためにアリーナに簪を呼んだ。

「じゃぁ、返す。そして、普通に打鉄二式を呼びだしてもらえる?」

「うん、分かった。」

そう言って打鉄二式を展開してもらう。

「じゃぁ、端末のシステムに『ベルトシステム』という項目が有るでしょ?ソレを起動して?」

「ベルト・・ライダーシステム!?」

「ライダーじゃないけどその応用。先ずは起動してもらえば分かる。」

「分かった‥ベルトシステム。」

ソレを起動するとそこにはベルトが出て来ていてバックルの位置には・・

「・・羅針盤?」

「そう。そして、ベルトに一緒にある横のスロット。そこにはカードが入っているの。開いて見て。」

「確かに・・扶桑、高雄、日向、島風、赤城・・」「まぁ、色々とあるけど・・まぁ、先ずは基本システムに行こうか。羅針盤をまわして下に向いている針を上に向けて?」

「うん・・。こうかな?」

『ターンアップ!』

音声が流れて、目の前に青いゲートの様な物が現れる。ソレが迫ってきて自分を過ぎると基本フォームの艦体システム『金剛』が展開される。

「基本フォームは《金剛》。それじゃ次だ、高攻撃力のフォーム、扶桑のカードを取ってバックルの上からスロットにさせるから逆さに入れて?」

「逆さに・・、入れた。」

『フォームチェンジング・・』

音声と共に待機音が鳴る。

「そしたら今度は同じ方向に羅針盤をまわして針を下に向けて。」

「こう・・だね。」

『フォームチェンジ!ふ・ふ・ふ・扶桑!!』

音声とともにゲートがまた自身の体を通って姿が変わる。前は無かったスカートアーマー部分が増えて紅い袴の様な形の部分がついた。更に砲身も大きくなっている。

「なんか・・強化されてる?」

「基本フォームから他のフォームに色々と特徴をつけたんだよ。コレでライダーシステムと似た変身が簪もできるようになったわけだよ。」

「・・!?そう言う事!!確かにコレは嬉しい。一回、やりなおさせてもらっていい?」

「え?良いけど・・」

そう言うとベルトを反転させてカードを取り出して、ベルトシステムを解除する。あれ?解除の仕方教えてないのに・・?

「それじゃ‥ベルトシステム・・起動。」

そう言って手を開くようにして構えると、腰にベルトが装備される。

その後左手を腰に当て右手を開いて顔の前で構える。

「・・変身!」

『ターンアップ!』

ソレを弾き落とす様にして羅針盤を落として、ゲートを開き、そこに自身が飛びこむようにして変身した。

「・・貴方の運命は私が決める。」

そう言って決めポーズをしている簪になんて言葉をかければいいのか分からなかった。

「これは・・素晴らしい改良。しかも、【フォームチェンジ】でそれぞれの特性が有るから使い方も悪くない。何より、私も変身できた・・本当に素晴らしい改良。」

「そこが重要なのね・・まぁ、気に入ってくれたなら何よりだよ。良かった。」

「やっぱり、パラドは素晴らしい逸材。・・シャルロットから奪いたくなるほどに。」

「やめて、何故か知らないうちにフランスと日本が戦争にまで発展しそうだから・・。デュノア社と更識が手を組んでくれたら、改造はもっとできるからね。」

「そう、なら・・今後もよろしく。所でこの腕のスロットは?」

「あぁ・・ソレはパッケージ用スロットだよ。今回使わなかったあれを使う為の。

「なるほどね。ありがとう。良い物を貰った。」

そう言ってアリーナを出て行った。まったく、嬉しそうな顔で言うんだから。頑張ったかいがあるよ。ホント。

 

 

「・・私にも、あのような機体が有れば・・一夏は・・。」

 




ははは、某動画にて感化されました。
仮面ライダープラスの艦コレ。
ベストマッチ!て感じですよね!!
あまり気に入らない人がいる?確かにソレは私の責任だ。

【だが、私は謝らない。】

と言う事で、強化した簪さんは更にパラドを、
『ロック・オン!』で『ソイヤ!』しようと狙ってます。
シャルロットがどうなるのかが見ものですね。
では次回もまた見てらいだー。


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21 臨海学校パート1

私、こういう学園行事で海行った時って、おっきなオールを手で持って船を漕がされた覚えしかないんですよね。寒くて泳げる季節でもないし。
しんどかったし、手も腕も疲れました。
その癖何の意味が有るのか分からないし・・。
専門学校の時は同じような施設で乗馬体験とかをしたのでそっちの方が楽しかったです。

今では懐かしい思い出。歳を取ったなぁと実感しております。
では、本編へどうぞ。


IS学園の一年メンバーはバスに揺られて指定の旅館へと向かっていた。

一年生の年間行事、臨海学校。広い地域に出て学園内じゃ味わえない事をするという行事・・だが、人工島なんだし浜辺作って専用施設つくればいいよなと思ったボクは変なのだろうか。そっちの方が下手な費用かけずに済むのに。・・まぁいいか。

 

あ、ボクはバスに揺られてないよ。だって自前のバイクが有るから。

「ふんふーん。」

因みにシャルロットも後ろに乗ってる。ボクはフランスで国際免許を取ったし。特別に許可出たからね。

そう言う事でバイクで二人乗りしてバスの後ろを走っていた。そして、途中でナビをシャルロットが起動。狭い道を通ればバスより早くつけるのを見つけた。ボクはバスの後部でこっちを見ている生徒に手を振る。驚いた顔をしているうちにナビが記したその通りにバスが通れない道を通って旅館へ到着。

バイクが入ってきた事で慌てたのか女将さんらしき人が来た。

「今日は貸し切りでして・・」

「あぁ、ジャケットで分かりませんね。よっと。」

バイクから降りてヘルメットを外しジャケットを脱ぐ。

「IS学園一年一組、パラド・クリ・エイタです。」

「同じく、シャルロット・デュノアです。」

「まぁ、IS学園の生徒さんでしたか。でもなぜバイクで?」

「あぁ、これもISの兵装訓練の一部に使う物です。バイクで移動しながらもISを起動した時に、使える兵装として作った新型兵装。通常時はバイクとして使えるかどうかのテスト走行です。許可も得てますから。・・それでバスが通れない悪路を通って更に試してきたら先についたと言う訳です。」

「はぁ・・この自動二輪がISの・・」

まぁ、ボクが作ったガシャットを使う兵装・・兼面白い機能付きだけどね。

「という事でコレは変換っと。」

付けていた爆走バイクガシャットを抜くと『ガッシューン』と音がしてバイクがたたみ込まれるようにして、カバンの形になる。外にスロットがついているがその時は一つだ。バイク時には二つあるのも特徴だが。

「まぁ!?それはすごい発明ですね。」

「でしょう?デュノア社の新規開発製品で、出張先でも自動二輪の免許が有れば自由に取り出せるし、駐車場がなくてもすぐに畳んで持ち運べばスペースもとらない。素晴らしい発明でしょう。・・今はまだバッテリーや走行距離の調整中ですが。そっちは本社での仕事。ボクはこうやって試作品の完成品の乗り心地を試す仕事。ほら、一応すでに臨海学校の授業内容をこなしています。・・と、バスも来たようですね。彼女らの事、ボク達の事よろしくお願いしますね。」

「はい、ご丁寧にありがとうございます。では、こちらでお待ちください。」

そう言ってロビーに招待された。

 

バスが到着してぞろぞろと生徒が並んではいって来る。中には先にロビーでくつろいでいるこっちを見てびっくりするのもちらほらしている。

「確かに途中からバスから離れるかもしれないと聞いていたが、信号等の事だと思っていたぞ。流石にあのような行動は慎め。」

出席簿を肩に担ぐように構えた織斑先生がこっちにくる。

「それは互いの理解の違いでしょう?確かにボクは言いましたよ?【実験のためバイクで行きますが、途中『検証等』の為に少し離れる事もあると思います。】と言ったはずです。」

「検証というのがスピードの出力やブレーキやその他メカニカルな所の検査のために停車するなどの事かと思ったんだ。」

ため息をつく様に息を吐き、呆れた様な声で言う。

「だから互いの理解の違い、解釈の違いという事です。ちゃんと着いていたので問題はないでしょう?」

「はぁ・・あまり面倒をかけてくれるな。クラスが一時騒然としたんだぞ?」

今度は完全にため息をつかれた。その後ろから一夏が来る。

「俺はシャルロットに言われて愛の逃避行とかそういうのかと思った。」

「一夏?君は私をどう思っているのかな?」

シャルロットが後ろから肩を力強く掴む。

「え“?・・あーっと、そのー・・あ!そう、パラドの強い味方なお嫁さん!」

「な!?も、もう・・一夏ったら・・。まだ結婚もしてないのに・・。」

やだやだ。とか言いながらくねくねしてシャルロットが悶えている。

「ほら、さっきも言ったじゃないか。愛の逃避行って。その年で結婚できる国に行くとか。」

「そ、その手が・・パラド、今度海外旅行行こう?」

「今の流れで誰が行くんだよ。ボクはまだちゃんと自立して完全に就職を決めてから、親元を離れて一人暮らしを経験して、その後にちゃんと家を買える金を揃えてから結婚する。そこまでしないと、きっと落ち着かないから。親がどうだの家がどうだのって絶対、両親から色々と言われるから。しかもきっと帰ったら孫がどうだって言ってくるんだ。面倒くさいったらないよ。まったく。」

「・・パラドが荒れてる。」

簪からなんか冷たい一言が飛んできた。というか、よく見たらそれぞれ解散で部屋に行くようになっていて、いつものメンバーが周りにいた。

「パラドがなんか問題起こしたと聞いて、笑いに来てやったわ。」

「どうやら、面白い事になっているそうだな。」

「聞いたらパラドの両親が早く孫の顔が見たいって言ってるらしいぞ?」

一夏がばらした。ソレを言うと少し周りの女子が顔を赤くした。

「そ、それは・・ちょっと早いんじゃない?」

「そうだな、まだ学生のうちは早いだろう。」

「・・一夏・・後で覚えておいてね。」

「嫌だよ。」

そこまで話をして気がつく、途中からシャルロットが喋らなくなった事に。

「シャルロット?」

「ぱ、パラド!そこまで本気で真剣に考えてくれていて私はとっても嬉しいよ!!」

「あ、そう・・。うん、まぁ・・。」

ただ、結婚するならの希望を言っただけなのに、シャルロットの中では完全に決定事項らしい。まぁ、・・結婚するならシャルロットだろうけどさ。・・もっといい男がいると思うんだけどなぁ。一夏は鈴が居るからしょうがないとしてと・・。

 

エターナルの整備をする為にベルトを預かり整備。しかし、エターナルに異常はなし。寧ろ良くISになじんで来たという感じだ。

ボクのベルトも一緒に整備。ガシャットも並べて整備する。と言ってもバグがないか見るだけだし・・。問題なし。

部屋に一時的な整備空間を作った物を端末に収める。

移動型ラボ端末、名付けるなら・・移動式機構研究施設、【名前は未だ無い】・・かな?

そして、一夏にベルト端末を返しておく。その間海に行けばいいと言ったんだけど、少しバスの中で酔ったらしい。車酔いは酷くないらしいが・・いつもより狭い閉鎖空間で印象付けようとした女子が香水をつけて居て・・それが混ざってものすごい事になっていたらしい。女子達はなれているらしいが、普段香水をつける事がほとんどない織斑先生や、香水よりも汗の匂いが似合いそうな元気っこの鈴などの近くにいたら嗅ぎ慣れない匂いな訳で・・それが混ざった匂い・・というか臭いでダウン。バスから降りた瞬間は景色が揺らぐ様に見えたらしい。ご愁傷さま。

あぁ、因みにボクはなれてるよ?母さんは香水付けるし、シャルロットのお母さんも良く会社の関係から近くに居るからそういう香水の類をつけるのは知ってるし。

・・欧州はそういう文化が根強く残ってるしね。まぁ、二人とも適度だから良いけど・・前に会った女尊男卑の会社経営女社長はヤバかった。臭いと言っていいほど振りかけてるんだから。匂い自体は良いんだけど、かけ過ぎなんだよね。瓶丸ごと浴びたんじゃないかってくらいにするから、部屋の窓を開けた位だし。

結局、社長に暴言を吐いたために会社から叩き出す事になったけど。そもそも、向こうから来て置いて失礼すぎたんだよなぁ、あの婆。技術主任のボクを見て、

『子供が責任者じゃ、この会社もお終いですわね?あぁ、社長も小汚い男でしたわね。ねぇ、副社長さん?もっといい男紹介するから、わたくしと手を組みません事?』

とか言った瞬間にシャルロットがこめかみにコルトパイソンを、シャルロットのお母さんがデザートイーグルを眉間に突き付けていたし。

『『このまま引き金引いてやろうか?この豚が。』』

声が重なった時には、あぁ、親子だなぁ。と感心したものだ。

その後、悲鳴が『ぷぎぃ!?』だったからマジで豚みたいだったけど。

そして、結局叩き出した後で事前に調べていた情報をリーク。悪どい方法で商売をした事と犯罪によって金をもうけている事、裏金や政治家への賄賂の情報を全部ぶちまけてやった。各社に情報が回る頃には逮捕に至り、繋がっていた政治家も芋づる式に逮捕。結果でフランス国内の膿を出す事になったので、政府からお礼と共に文句も言われたけど、しょうがないよね。

 

 

 




パラドの過去を書くたびにシャルロットがとんでもない様になっているのは気のせいかな?
きっと気のせいだよね?
さて、臨海学校と言えばISでの大イベント。
何事もなく終われるのか?
パート1と書いている時点で終われるわけがないww
さて、パート幾つまで行くでしょうね?

では、次回もまた見てらいだー。


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22 臨海学校パート2

今回はあの掃除道具が少しやらかしますが・・そこまで問題は起きません。
そして、私のお気に入りのあのライダーが登場。

それでは本編へどうぞ。


それから通された部屋で一夏が回復するまで待って、二人で着替えて海に行った。

その途中。目の前に女子が一人道を塞いで立っていた。

「・・篠ノ之・・か。また・・!?」

「・・どう言うつもりかな?」

イチカの先を塞ぐように手を広げて声をかける。黙って篠ノ之はこちらに木刀を向けている。その先は一夏じゃなくてボク・・その顔に切っ先を向けるようにして構えていた。

「貴様が・・一夏をたぶらかした。だから一夏は剣を棄てた・・そう言う事だろう?」

「一夏は剣を使っているし、ボクが何をたぶらかすと言うんだ?そもそも、君は何が目的でここで待ち構えていた?」

「うるさい!!私は・・私に使える力が欲しいだけだ!!貴様が持っているその機体をよこせ!!」

「君にこの機体は使えるかと聞かれれば、イエスと答えよう。だが・・ベルトシステムとガシャットが使えるかと言われればノーだ。理由は分かるかな?」

「知るか!?どうせ貴様しか使えないようにしてあるとか言うんだろうが・・それも含めて私によこせと言っている。」

「ふーん、そう・・なら・・。」

ボクは端末から一つのベルトとガシャットを取り出して、ソレを投げ渡した。

「な!?パラド!?」

その行動に一夏が驚く。受け取った篠ノ之も驚いて木刀を落としていた。

「君にその力が有るのなら・・見せてみてよ。ボクは君に可能性は感じない。なぜなら力という物を理解していないから。そこに・・なんの意志も感じないからね。ソレは量産型ガシャット。ベルトは専用という訳じゃないけど、ちゃんと使用できるものだ。君が変身して戦えると言うなら君を認めよう。だが・・それが無理ならボク達に関わるな。良いかな?コレは引けない賭け事だ。君はその勇気が有るか?」

「ば、馬鹿にするな!!私は中学時代は剣道で全国大会優勝者だ!その私がこの程度!!」

『ガチャン』と音を立ててバグルドライバーツヴァイのベルトをはめる。そして、ガシャットを構える。

『ドレミファビート!』

女の子のボイスでそれが再生される。

「・・行くぞ!!」

『ガシャット!【バグルアップ!】ド・ド・ドレミファソラシド、OK!ドレミファビート!』

そんな音声と共に女性型のライダーに変身した。

『ふ、ふふ・・私にかかれば・・このてい・・ぐぅ!?』

苦しみだして、その場で崩れ落ち、どうにか四肢を使って立とうともがいているが、まるで生まれたての小鹿のように力が入らず四肢が滑ってどうやっても立てないようだ。

「・・あー・・やっぱ拒否られてるね。力だけを求めた結果だよ。そこに何の意志もないなら、ガシャットは答えてくれない。ISも一緒。本当に使うなら相棒として認めなくちゃ。」

そう言いながらボクは地面に這いつくばった篠ノ之からガシャットを抜いてベルトを回収する。

『ガッシューン』

そんな音声と共に変身が解けた篠ノのは汗だくでその場で息を吐いている。

「こ、・・こんな物を・・私に嫌がらせのつもりか?」

「正規品だよ。相性が悪くてボクが使えないだけ。コレは女性にしか使えない物だし・・。」

そう言いながらガシャットを投げてまわす。その後端末に収める。そして、黒と緑のガシャットを取り出した。

「ボクなら・・こうなるよ。」

『仮面ライダークロニクル』

ガシャットのボタンを押すとそう音声が流れて、背後に時計が現れる。その時計は十一時五十九分を指していた。そして、Aボタンを押すと待機音が鳴り始める。

「変・・身!!」

バグルドライバーツヴァイのボタンを押しこむと、背後の時計が十二時を挿す。そして、終焉の時を告げる鐘が鳴る。

『ガッチャーン!バグルアップ!天を掴め仮面ライダー!刻めクロニクル!今こそ時は極まれり!!』

その音声と共に時計が割れて現れた光りがボクの上から全身を通り過ぎて、緑色のライダーに変身する。

「ぱ・・パラド・・なんだよな!?」

「その姿・・まがまがしい・・しかし、恐ろしい強さを秘めているようにも見える。」

『ふん。君の様な存在はボク的には絶版にしたいくらいだ。力におごり、欲におぼれ、己が意志を持たず、只したいがままに行動を起こし、問題を起こす存在は許しがたい。』

そう言いながら一歩で空へ飛んで、背後に回り込む。

「な!?早い!!?」

『貴様が遅いのだよ。ライダーとしてならコレはさっきのガシャットよりも格段に上だ。能力を使えばボクが作ったガシャットの中でも最強だろう。』

『ガッシューン・・』

そう言って変身を解く。そしてベルトもガシャットも収める。

「さて、君はどれだけ求めようと、どれだけの力を得ようと、ボクと一夏の機体に並び付くほどの力は・・」

そこまで言って、顔を近づけて目をはっきりと見ながら宣言する。

「無ぁい。まったくの論外だ。簪の十分の一にも満たない・・。確かに、君自身の強さはあるのだろう。専用機で鍛え直して・・己が意志を、一体『何のために強くなるのか』を見直したまえ。それでなければ、もしも手に入れた力が見合っていない時・・」

後ろに下がり海に向けて歩いていたが振り返り指を挿してはっきりと宣言する。

「君自身はおそらく己を見失い破滅する。それが嫌なら心しておけ。君自身の強くなりたい理由はなんだ?君はどうして強く成らなければならないんだ?ボクは大事な人を守るため。一夏は強くなければ生き残れなかったし、その上で人を助けたいがため。守りたいがため。・・ならば君の目的は、意志とは、存在価値とは・・それが確固たるものでなければ君自身の欲におぼれるだけだ。・・もしそうなった時、死ぬのなら勝手に死ぬが良いさ。周りに迷惑をかけないようにな。ボクもそうだし一夏だってそう。力におぼれた時その身を滅ぼすと知りながらも、それでもこの力を使う事を求めた。」

海に向かい歩き出し、手を振る。

「死ぬなら勝手に死んでくれ、お互いにな。」

 

「一夏‥。」

「篠ノ之、お前は何のためにパラドに力を求めた?」

「私は!!お前の隣に立って居たいと!!」

「それは無理だ。お前とは目指す物が違う。」

首を振って俺はソレを否定する。

「し、しかし・・お前の隣にはあのパラド・クリ・エイタや、デュノア、凰や更識、ボーデヴィッヒが立っている!私だけ何故だ!?何が違う!?どう違うんだ!?」

そう言いながら俺に縋るように俺の海水浴用のシャツを掴む。

「お前の意志は・・何処にあるか。ソレを考えろ。俺は今のお前は嫌いだ。自分の思う通りに行かなければ暴力をふるい言う事を聞かせようとする。ソレをなぜ一緒に居てもらえると思う?

簪は姉に追いつく為に。ラウラは強さの意味を知って自身を知るために。鈴は俺が強くなっているからこそ、俺を守って一緒に共にいようという未来のために。パラドは大切な人を守るために。シャルロットはそんなパラドを支えて共に要る為に。

それぞれ、想いは違えども、目指す先はあるんだ。お前は俺の隣に居たいと言ったな。それじゃ駄目なんだ。」

「何故それじゃいけないんだ!?私とデュノアの違いはなんだ!?一緒じゃないか?!」

「違うんだよ。俺達はいつでも進み続ける。お前は立って居たいと言ったが、俺も進み続けているんだ。隣に立ってもすぐに置いて行く。そうじゃなくて、自分の考えを持て。立ってどうするんだ?置いて行かないでくれとすがったって俺達はソレを振り切って進み続ける。何故か判るか?」

「なぜ・・私を置いていくと・・何故なんだ、一夏!?」

叫ぶようにそう言う篠ノ之に、俺は答える。己が得た答えを。

「俺達はいつまでも生きているから。進み続けなければいけないんだ。過去を見て止まってしまうのは死んだ時くらいだ。俺達は生きて‥歩き続ける限り目標に向かって行くんだ。もし、簪は姉が大変な目に会ったら更に強くなろうと力になろうとするだろう。ラウラは自分が悩んでいても相談する事を知った。俺達も居るし、部下も居る。アイツはもう一人じゃない。そして、パラドは自身を守る周りの人達と好きな人を守るために、そんなパラドと居たいがためにシャルロットも努力してパラドと一緒に人を守りたいがため。そして俺は、昔誘拐された時に思ったから。もう弱い自分は嫌だと。千冬姉にも迷惑はかけたくない。そして、そんな俺と一緒に笑いあってきた仲間を見てそんな皆を守って行きたいと。力がなくて危険な目に会った俺は、今は力を得る事が出来た。その力を使って力がない人を守ってやりたいと。そう考えて覚悟した。パラドやシャルロットから言うと甘い考えだろうけれど・・俺は自身が傷つこうと構わない。エターナルとそう誓いあって、今の力を得た。そんな皆が居る中、お前は何がしたい?何を求めてその力が欲しい?ちゃんと考えたのか?」

自分自身の考えを言って篠ノ之の肩を掴む。するとさっきまで叫んで八つ当たりしているだけの様な瞳が不安に変わった。

「わ・・わたしは・・一夏と居たいと・・」

「それに追いつく為には、何が必要なんだ?俺は進み続ける。それに追いついて来られるほどの想いが、今のお前にあるのか?俺にはそうは思えない。力を持つには覚悟がいる。たとえ傷つこうと痛かろうと泣きそうになろうと、それを振り払ってでも進む為の意志が必要だ。俺はパラドと一緒に居て、前の戦闘を超えて今の境地に至った。だから、考えろ。その答えはきっとお前の中にある。ソレを見つけた時こそ、お前は力を得る覚悟が出来た時だ。だから・・箒(・)。しっかりと悩め。何がしたいか、どうしたいか、何故なのか。ソレをしっかりと悩まなければお前は進む事が出来ない。はっきり言うと今のお前は小学生の時のまま、我が儘にふるまって癇癪を起こすガキにしか見えない。そうじゃない、今のお前を俺に見せる事が出来たら・・きっとお前は俺に近づける。ついて来られるほどの何かを得た時なんだ。頼むから・・ソレを分かってくれ。」

そう言って肩を叩いて俺は海に向かう。

篠ノ之はその場から動かなかった。が、逆にソレは何かを考えてくれている事だと思い、そのままにする事にした。

 

その時はこれで良いと思っていた。

 

あんな事になると思わずに。

 

 




はい、お気に入りのライダー、【仮面ライダーポッピー!】・・じゃない!!

『仮面ライダークロノス』デス。私は昔から時計が好きで、曾祖父の遺品の懐中時計に、祖父の遺品の腕時計を貰いました。父の持っている機械巻き式時計もかなり気になってます。
そんなこんなで時間関係のクロノスには大変興味がわきました。
登場シーンも時計を背後にしているのが素晴らしぃ!!
そう思いつつ見てましたね。
さて、まだ臨海学校パートは続きます。

次回もまた見てらいだー。


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23 臨海学校パート3

そろそろ簪が本格的に動き始めます。
どう動くかって?
ソレは本編でのお楽しみ。

では本編へどうぞ。


ボクは砂浜にたどり着くとそこには、

「やっと来た。遅いよパラド。ほらおニューだよどう?」

そう言ってシャルロットがポーズを決めた。正直すっごくに会っていて可愛いがその胸やらを強調するようなポーズはやめてほしい。鼻血とかいろいろと大変な事になりそうだ。

「あれ?一夏は一緒じゃないの?」

「あぁ、・・まぁ途中で色々あってね・・。後から来るってさ。」

「そう・・ま、鈴達には言っておけばいいか。」

会話をしながらそこに端末からパラソル、敷物、椅子、飲み物の入ったクーラーボックスを置いて準備をする。後は端末にロックをかけて待機状態のラファールに入れておく。

ボクのラファールの待機状態はレザー性のリストバンドなのでぬれても問題は無い。それから出した物を並べて敷物が飛ばないように固定する。

「そうだね。・・よいしょ。・・それじゃ泳ごうかな。」

パーカーは水泳用だから大丈夫だ。そのまま着て入ろうとする。

「あれ?着て行くの?脱がないの?」

「パラドの上半身がどうなってるのか気になったのに・・。」

「え?コレは水泳用のラッシュガードタイプだから・・ってうおぉ!?か、簪か・・。びっくりした。シャルロットしかいないと思ってたよ。」

「良い日差しよけの場所を見つけたから。代わりに荷物番しておくから行ってらっしゃい。」

「チャッカリしてるな簪は。・・ボックス内の飲み物は飲んでいいよ。」

「わかった。ありがとう。」

そう言いながら早速ボックス内を物色して一本飲み物を取り出す。

「・・醤油ボトル?」

「それ、某メーカーが出したオレンジジュース。見た目がどう見ても醤油ボトルって言う分で面白かった分。他にも炭酸コーヒーや練乳入りの甘ったるいコーヒー、某ゲームの回復薬に、某会社の色とりどりの面白炭酸各種もあるよ。」

「ネタに走りすぎだと思うこのラインナップ‥。あ、意外にオレンジジュースは普通。見た目がアレなのに・・。」

「傍から見たら簪がしょうゆをがぶ飲みしてるように見えるね。」

シャルロットが言うと簪が何か考えて・・飲みかけをボクに渡してきた。

「・・え?」

「傍から見てみたいから。」

「い、いや・・それなら他のこのジュースを渡してくれれば飲むよ。」

「これ一本しか見えなかった。」

「あ・・いや、簪が口付けてるからね?飲むわけにはいかないよ。」

「・・っち。チキンヤロー・・。」

「簪から聞こえちゃいけない様な罵倒が聞こえた気がするよ!?」

「どうしたの簪!?やさぐれたの!?」

「・・外に居るとこんなもん。部屋の中が一番落ち着くから・・。こっちじゃ特撮もアニメも見れないから心落ちつく時間ないし・・。」

「「あー・・・。」」

納得してボクとシャルロットは声が揃ってしまった。そして、ボクはそこでひらめく。

「それじゃ、まぁ、そろそろ海言って泳いで来るから・・簪は荷物番お願いね。」

「そうだね、行こう、パラド。簪お願いだよー。」

そう言って二人で海に歩き始める。

「わかったー。・・・あー・・・あっつい。」

そして、二人で海に入って泳ぐ。

 

「・・あ、逃げられたのか・・っち。」

 

「簪があそこまで黒くなってきてるって・・臨海学校ってすごいね・・。」

「たぶん・・簪もパラドの優しさに甘えてるんだよ・・。だけど・・私が居るのを忘れないでね?パ・ラ・ド?」

「心得ています。・・って言うかそれだから逃げたんだけどね。ボクにはシャルロットが居るのにそう言う気は無いさ。」

「そう・・ならいいよ。うん、そう言ってくれてうれしいよパラド。」

「そうか・・まぁ、今は日本の海を楽しもうか。」

「そうだね。」

そして僕とシャルロットは泳いで楽しんだ。

 

あぁ・・気分悪。

俺は途中で木陰にしゃがみこんで頭を押さえる。

「こんな状態になるなんて思ってなかったからな・・。気分重くて日差しがきっついぜ。」

篠ノ之にしっかりと考える機会を与えた。これであの性格が少しでも前を向いてくれる事を切に願う。というか・・、

「おれって、昔のこと考えるとひっでえよな。」

篠ノ之も鈴も俺の事を・・好意を持ってくれていると思う。篠ノ之は曲がっているが・・それでも昔は強い俺に憧れていたという事だろうからな。

「・・今の俺には少し速度が足りない・・というかアイツは止まって後ろばっか見てるからな。前見て進む覚悟と勇気を持たなきゃ、強くなんかなれないっての。」

自分にも言い聞かせてきた言葉だ。

「過去を変えれない。それなら未来を変えるために今を行動する。守れなかった人がいたなら、悔やんで止まるよりも、ソレを糧に足に力を入れて、地面という名の過去を踏みしめて更に強くなって前に進む。未来へと・・。それが出来なくちゃいまを生きていけれないから、人は進むしかない。束さんも分かってくれないかな?ISの使い道が間違った事を後悔するよりも、それをまた元に戻す為の道しるべを作るとか・・そう言うのを考えてくれればいいのに。たとえば・・IS学園に宇宙開発用の学科作るとか・・。」

そう言いながら悪くない気がした。おそらく講師にはパラドが入るだろう。そうなればパラドが宇宙という決まっていない未開の未来を作り、俺は地球で生きている人たちの未来を守る。

そんな未来ならいいかもな。

 

少しは頭がましになった俺は海に向かって歩く。泳げば少しはましになるだろう。

 

ボクはシャルロットと一緒に泳いで戻ると一夏がちょうど簪の所へ来た所だった。

「一夏、遅かったね。」

「あぁ、ちょっと途中で忘れものに気がついてな。よく考えたら飲み物はパラドが持ってるんだからいいやとまた途中で引き返してきたんだ。無駄な時間食っちまったよ。」

「まったく、一夏ったら抜けてるんだね。私はパラドの元に引きこもる事は初めっから決定してたから大丈夫。」

シャルロットに一夏が答えていたらそう言う風に簪が横から答える。ちょっと、君はもう少し大人しかったんじゃなかったっけ?自重が無くなってきたな。

「簪?パラドは私の婚約者だよ?」

「それが何?私は唯パラドの好意に甘えているだけだよ?・・それに、パラドの婚約者であって、まだ結婚しているわけじゃないんだよね?奥さん面?早くない?」

何か二人の間に黒いオーラみたいなものが見える気がする。あれ?どうしてこんな事に?

「・・パラド、気をつけろよ?」

「一夏でさえ分かるんだよね。困った事になったよ。あはは・・どちらも有力者で怖いな。」

「最終的には正室と側室的な物になったりしてな。」

「マジで勘弁して。ボクの胃が持たない。」

日常的にこんな光景だけは本当に勘弁だ。

「さて、と。俺は少し泳ぐか。」

そう言いながら念入りに準備運動をする一夏。ボクも飲み物を取り出して一気飲み。

ペットボトルを飲み干してごみの袋に入れる。

「・・ぷはぁ。」

「お見事。」

「すっごいね・・。」

「冷たいもん一気飲みすると体に悪いぜ?」

簪とシャルロットは驚くように言うが一夏はどこか・・

「おばさん臭いというかおばあさん臭いというか・・説教臭い老人みたいだよ?一夏。」

「ひっでぇ・・。」

そのやり取りに二人は笑った。そう言う会話をしていると後ろから走って来る音がして瞬時にボクと一夏は構える。そして、砂を踏みきって飛ぶ音がした瞬間には二人とも動いていた。

「いっちかー・・・・ああぁぁぁああ!?」

ソレは鈴で、一夏の背中に飛びつこうとしていたらしいが、ボクと鍛えていた一夏はその音でボクと一緒に動きすでにその場には居なかった。

ボクはシャルロットと簪を守るように立ち、一夏はそこから横へ動いて迎撃できる体制になっていた。結果、誰もいない砂地へと鈴はダイブ。しかも顔から。

「ぶむぅ!?」

「「「「・・・・・。」」」」

四人でどうしようかという雰囲気になってしまう。特に避けてしまった一夏はすっごい声をかけづらそうにしている。

「ぶっはぁ!!良いから早く助けだしなさいよ!?何皆で見降ろしてんのよ!?」

「い、いや・・どう声をかけて良いか分からなくてなぁ・・。音に驚いてとっさに避けたんだが、まさか顔からダイブするとは思ってなくてな・・その・・すまんかった?」

「謝るなら謝りなさいよ!なんで疑問形なのよ!?・・まぁ、最近のアンタ見てたら気にしてしまうのも分かるけどさ。」

「分かった鈴。悪かった。」

「お相子で良いわよ。それより一夏、海にいかない?一緒に泳ぎましょうよ!」

「あぁ、いいぜ!それよりもお前もここで準備運動しておけよ。つったりしたらシャレにならないからな。」

「分かってるわよ。っふ!っふ!」

一夏は準備運動する鈴を満足そうに・・いや、どこか少し違う表情が見える気が・・?

「い~ち~か~?」

そんな風にシャルロットが声をかける。びくっとしながら一夏が振り返る。

簪とシャルロットが顔を合わせてにやりと笑いながら声を合わせて小声になり耳元で言った。

 

「「一夏のむっつりすけべ。」」

 

「ご、誤解だあああああ!!?」

そんな叫びが砂浜に響いた。

その後はボク達は簪と新しい水着を見せに来たラウラを連れて疲れるまで泳いだ。

 




最近思う事は、嫌いじゃないのにラウラの扱いが軽くなってきた事かな。
セシリアと箒はアンチなのでどうでも良いが、ラウラは好きなキャラなのにボコボコにされたり、吹き飛ばされたり、最後にちょろっと出てきただけだったり。
なんでだろ?

まぁ、そんな事もありながらも次回もまた見てらいだー。


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24 臨海学校パート4

長くなってますが、まだ一日目の話だけなんですよね。
これから問題が起きるというのに水着回が長すぎた。
あぁ、別に作者は水着を見てどうとかあまり思いません。
似合って居ればいいと思います。
実際あまり美人だから鼻の下を伸ばすとかよくわからなくて・・。
美的センスはありますし、性的な反応もしますが、よくテレビである、【背中にオイル塗って下さい。】的な企画で何故嬉しそうにするのかあまり分からないんですよね。・・どこか壊れてるのかな?

まぁ、そんな事よりも本編へどうぞ。


一日目はそれから夕食をとって風呂に入る。そして、少し今日の事を一夏と話をして普通に寝た。

 

二日目には各企業の試作兵装が届いていてソレを試す日だ。

ボクの場合はデュノア社。一夏と簪の場合は倉持技研、だが・・一夏の機体には装備が付けられないそうだ。

「何故なんだ?エイタのライダーシステムは付けれたし、更に武器も増えたのではなかったのか?」

「ソレは‥ボクの作った端末のせいですね。初期装備時点で一緒に持って乗り込んだ時は先ず変身・・いや、ベルトシステムの展開は出来ても機動すらできなかった。それが、後に初期移行でシステムの認識が出来ました。それにより端末に認証してあるシステム内の武装やメモリが使えます。」

「しかし、前に一夏がさらに武装が増えて使うメモリが増えたと言っただろう?」

「ソレは、また別問題です。元々メモリは入っていた物と足した物が有りますが、それには普通の武装では容量が足りません。初めは変身してエターナルレッドフレイムでしたが次には一夏が強くなりたいという想いと、怒りによってシステムが一夏君の感情に反応しその心の熱さを感じ取ったエターナルは進化。レッドフレイムからブルーフレイムに燃え上がりました。蒼い炎は赤よりも高温で全てを燃やす。彼の強さの元はコレです。『感情と意志の強さ』、コレが彼をさらなる高みへと連れて行きます。」

「・・これ以上は強くなれないという事か?」

「それは彼とIS次第・・と言ったところでしょうかね。おそらくボクは篠ノ之博士からは嫌われているでしょう。一夏が篠ノ之箒を否定して自分の道を歩き始めるきっかけになったのはきっとボクだ。そして、ISを好きに改造してライダーシステムをつけている。本当のISから外れた物を作った。ならばそれは彼女からすれば自分の娘を貶める、汚される行為に等しいかもしれない。しかし、ボクは自身の道を突き進むつもりです。たとえ、彼女と道が違えようと、・・この目的だけは絶対に。」

それまでにこやかだったボクははっきりと真顔で睨みつけるように織斑先生に話す。

それに少し恐怖したように顔をこわばらせながら一歩下がる。

「それは・・本気か?」

「もしも、・・世界に喧嘩を売る事になろうと、ボクはこの考えを変える事はありません。その時はシャルロット達と道を違える事になるかもしれませんが・・。」

ボクはガシャットを取り出す。

その目的にかかる為の準備はすでに完了している。

そして、数が必要だったソレは既に目的数に達するという状態だ。

・・残り時間はあまりに短い。ボクが思う楽しい時間も・・おそらくはもう少しだけなのだろう。

そうこうしているうちに山田先生が走ってきて緊急事態を告げた。

そして二人で何か端末を見ながら話していた。そして、一層眉間にしわを寄せて睨みつけるように端末に目を落とし、目頭を押さえる。

「緊急事態発生により、今からの一切の予定は中止とする。すぐに元に片づけて一般生徒は部屋に戻れ。専用機持ちの各代表候補生は来い!」

そう言われてボク達は部屋に集められた。

 

「今から三十分前、アメリカ・イスラエル共同開発のIS、《シルバリオ・ゴスペル》が起動実験中に暴走し、日本へ向けて高速移動を開始した。実験でもしもの為につけていた緊急用の遠距離操作を受け付けず、すぐに追撃を行ったが攻撃に反応して迎撃モードに移行し反撃をくらい作戦は失敗。操縦者は一命をとりとめたが、軍用ISとしてのリミッターが完全に外れていた為、絶対防御が発動するほどのダメージを負っていたISはコアを残して大破。コレにより、日本へと迎撃命令がIS委員会から降りた。そして、今一番近いのが我々という事で、最悪、時間さえ稼げば日本代表や自衛隊の応援が来るが、それには日本政府高官の許可が必要で時間がかかるらしい。」

そう言いながら説明する織斑先生の顔は苦渋に満ちていた。苦虫を口いっぱいにかみつぶしたような顔で説明される。まぁ、・・自身の生徒を命の危険が有る戦場に送りだすのだからしょうがないだろう・・。

「それにより迎撃作戦をIS学園が行うという事で、お前らには集まってもらっている。もしもこの作戦から降りたいというなら止めはしないし、逆に作戦に参加することを推奨はしない。命の保証もできない。」

「・・各国の政府に許可を求めなくてもよろしいのですか?」

そう言ってオルコットは手をあげて質問する。

「コレはIS委員会からの命令であり、IS学園内に置いて各国の政治的介入をする事は出来ないという学園内の校則が有る。此処でもそれは通用するという事だ。学園長から命の危険が有ることから、この作戦に参加する場合は自主的に参加する意志が有る者のみと言われている。政府の意向を考えて参加しない事も自由だ。」

「・・分かりましたわ。」

そう言いながらも一歩下がるようにしたオルコットは、おそらく参加しない事を考えているのだろう。

「ボクからも質問です。」

「何だエイタ?」

「あそこの部屋の隅に居る人【・・・・・・・・】は誰ですか?更に入口の前で聞き耳を立てている人物は?」

そう言われて一夏は入り口に行きそこを開ける。織斑先生は即座に近くの出席簿を部屋の隅に向けて投げた。

「うわぁ!?」「ぎゃん!?」

入口からは篠ノ之箒が。部屋の隅には兎の耳をつけた女性が現れた。手に持った機械が壊れていたのはおそらくステルスであろうと推測できる。

「何をしている篠ノ之。貴様は部屋に待機のはずだ。命令違反を何度繰り返す気だ?更に何の用だ束?お前がここに来るなど聞いていない!」

「ちーちゃん、やっほー。そりゃ聞いてないよね?私もこの事態を聞いて駆けつけたんだから予定がいなのさ、あっはっはー。そして、箒ちゃんは私が呼んだのさ。専用機持ちにさせるために。そして、この面倒な事態を早期収拾させるためにね。」

「何だと?!」

全員が驚いているが・・ボクは予想はしていた。力を求めている篠ノ之の事を姉の篠ノ之博士が知ればこうなると分かっていた。

「あと、目障りな屑を始末しに来たんだ・・よ!!」

そう言いながらボクに向けてISの装備らしき刃物を飛ばしてきた。ボクはソレをあえて避けずにすぐにバグルドライバーを展開。ベルトにガシャットを装着して変身をした。

『ガシャット!バグルアップ!デーンジャ・デーンジャー!ジェノサイド!ジェノシスクライシス、デンジャラス・ゾンビ!Woo!!』

音声が成りながらもボクはそのまま攻撃を受ける。

『ガシャン!!』「ぐぅっ!!」

そのうめき声に全員が驚いていた。

「「「「「パラド!?」」」」」

「何故避けませんでしたの!?」

「・・一体何のつもりかな?屑如きが・・。私を試したのかな?」

「・・ふふ、違いますよ。一度教えて差し上げようと思いまして・・ねぇ!!」

そう言いながらボクは博士の頭を掴む。

「な!?屑の癖に!?・・何をする!!?」

「姉さんに何をするつもりだ!?」

そう非難するのは篠ノ之姉妹だけだ。ボクは耳と頭に手を添えて、眼を合わせる。

博士の眼には白黒のボクの変身したゲンム・デンジャラスゾンビゲーマーの姿が映っている。

「さぁ、聞いてください。貴女の犯した罪によって、死んでいった怨嗟の声を。さぁ見てください、その最後の瞬間を。さぁ、感じてください、恐怖を絶望をそして、死を!」

そう言って頭の中にボクを通してISによって死んでしまった人たちの恨み声や苦しみが聞こえ始める。ソレを博士の頭の中に送り耳に伝える。

「うわぁ!?なにこれ・・聴こえて来た・・見える・・や、やめろ!やめろぉ!!私に近づくな!!あがあぁぁ!?・・また違う場所?・・相手は・・女・・妻だって!?がぁぁぁ!?うぐっ・・また違う場面・・娘・・が!?ナイフ・・がはぁ!?・・ソレはお前の弟だろ!?容赦なく首を!?・・父親も・・あ、あぁぁ・・ああああ“あ”あ“!?」

頭の中に浮かぶ映像も声もボクには見える聞こえる感じる。そのつらさを押し隠して絶え間なく伝え続ける。

「やめろぉ、はなせぇ!!もう、聞きたくない!!見たくないぃ!!」

「・・うるさい。コレは貴女の罪だ。貴女が犯した罪のなれの果てだ。いきつけばこうなる。天才と自称するなら、それくらいは分かるはずだった。凡人の考える事は分からないと言って、知る事を諦めて、逃げだして、知らんふりをして、何も聞く気が無いと眼を塞いだ結果、それがこれだ!!本当に天才ならば考えたはずだ!!自身の起こす事柄の影響を!どうなるかの結末も!!ソレを知らぬ、存ぜぬと放置した結果がこれだ!!世界中からの怨嗟の声をもっと伝えてやろうか!?これでも日本の局地的な結果に過ぎない。それでもまだ、人の死が足りないというのか!?篠ノ之束!!!!」

そう言いながらボクは博士を投げだして変身を解く。頭から流れる汗と止めどなくあふれる血涙、食いしばり過ぎた為に口から洩れた血、そして、怨嗟の声を聞き続けておかしくなった耳からも血が出る。

「ぱ、パラド・・大丈夫なの?」

肩で息するようにしていたボクにシャルロットがそっと手を貸してくれた。ボクはその場に座り込む。

「エイタ‥無茶をするな。・・・そして、分かったら篠ノ之。部屋に戻れ。コレが最後だ。次は気絶させて縛り付けても部屋に放置する。」

「・・わかり・・ました。」

そう言って部屋に戻りながらもボクを睨んだ。そこまでして専用機が欲しかったか・・。

「そして、束。貴様は拘束する。と言いたいが、面倒を起こす前に消えろ。見なかった事にする。どうせ捕まえても面倒な事になるのは見えている。・・こちらは知らなかった事とする。」

そう言いながら部屋の隅にまた伏せている博士を見捨てるようにいって、作戦を続行させるように続けた。

「さて、邪魔が入ったが・・作戦内容を決めるぞ。」

ボクを見ながら織斑先生は言った。

「大丈夫です。少し経てば治ります。そう言う風に鍛えてますから。」

「・・・そうか。」

それだけ言って、眉間を押さえながら下を向き。顔をあげた時には迷いは見えなかった。

 

 




デンジャラス・ゾンビガシャットの副作用。自分にも精神的なダメージが半端ないんですよ。この世界の死人の怨嗟はかなり粘っこい様な恨みですからね。聞いている方も、聞かせる方にもダメージが半端ない。
そして、いまだに何も理解していない掃除道具。
もう、ぶっ飛ばして星にでもしてやろうか。

さて、次回もまた見てらいだー。


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25 銀の福音迎撃作戦1

最近めっきり寒くなりましたね。
先日、私は熱を出して体調を崩してましたので皆さんもお気をつけて。

では、本編へどうぞ。


「とりあえず、ボクと一夏が先行して一撃ぶっ飛ばして戦力を整えて、もう一度、総攻撃でどうでしょう?」

「二人が先行?なら私もいくよ。」

ボクがそう言うとシャルロットがそう言ってついてくると言いだした。

「いや、シャルロットには重要な役を頼みたい。」

「え?重要な役?なになに?」

頼られてると嬉しくなる性格なのでそう言う所では大いに助かる。

「ラファール・アンジュの攻速天使の見せどころだよ。三人を運んでくれるようにしてほしい。ラウラ、鈴、簪は後衛で来てほしいんだ。前衛のボク達はトライアルとソニックで突っ込むよ。簪は途中で降りて超遠距離からのあのパックを使ってほしい。鈴とラウラはシャルロットと一緒に来て鈴がボクと変わって前衛に入り、ラウラとボク、シャルロットが後方からの攻撃。一夏はメモリを自由に付けかえながら攻撃の手を緩めないように。簪の一撃は大きいダメージを与えれるはずだから、簪への攻撃命令が出たら全員はいったん退避する事。指示はボクが出す。・・異論は無いかな?」

「大丈夫だ!問題ない。」

「フラグ立ててんじゃないわよ!まったく。・・いいわ、しっかりとした指示系統は任せるわ。ヘマするんじゃないわよ?」

「パラドが居るなら負ける気はしないね。」

「パラドが指示するなら絶対はずさない。レーダーロックと情報は常時送ってほしい。」

「ソレは確かに必要だな‥でも、俺は動き続ける予定だからな・・ラウラにスポッターを頼みたい。できるか?」

「問題ないな。寧ろ遠距離で観測するなら丁度今回使うパックの【パンツァー・カノーネ】のレーダーをそっちに送信する。観測はかなり性能が良いからおそらくはそれでいけるだろう。」

「ならそれで行こう。・・各自の配置と役目はそれで良いね?」

そこまで確認して皆が頷き合った所に・・

「あ、あのー・・わたくしはどうすれば?」

「「「は?」」」「・・貴様は自分が何を言っているのか分かっているのか?」「・・・。」

ボク、鈴、シャルロットが声を合わせて疑問を飛ばし、ラウラが問い詰めるように聞き返す。簪はあえて目を反らして居るし、一夏は無視して自分の装備を確認の為にメモリ端末を出している。

「わたくし、そこまで変な事を言いましたか!?」

「更に疑問で返すとは・・本当に分かっていないようだな。・・まったく度し難い愚かな発言だと分かっていないようだ。」

そう言ってラウラが指を挿しつつ、睨みつける。

「貴様は一度質問をした後、政府の許可がなくても良いかと聞いていたのは分かる。命令されないと自分の責任になりかねないからな。しかし、一歩下がり参加する事を表明する事を避けたのは明らかだ。しかも、我々が作戦を立てるというのに、普段から関係が少ない自分がすぐに組み込まれると何故思った?自分から来ないと今回の送られてきたパッケージや機体特性を活かした話し合いが出来ない事は明確だ。それなのに話に入って来ずに終わった後から一応参加を表明しましたが、拒否されたというような安易な考えで声をかけられたのなら迷惑極まりない。と言いたいのだ。」

「そ、そんなこと・・」

「ならばなぜ声をかけない?何故一歩下がった?何故せめて自分の政府に確認を取ろうともしない?責任をとる気もないからだろう?ならば邪魔をするな!時間の無駄だ!黙っていろ!」

そう言ってラウラが手を振った。その言葉にオルコットは俯き、その場で座った。

「・・オルコットは何かあった時の補充要員としておく。撤退時や救助の際の要因だ。危険は少ないだろう。準備しておけ。」

「織斑先生・・わかりました・・。」

そう言われたオルコットはパッケージのインストールを始めた。

ボクは作戦を開始する時刻を告げて、それぞれが準備に言ったのを見送る。

「・・すまないな。」

「いえ・・良い機会だなと。」

「何が良い機会なんだ?」

「ふふふ・・ソレは秘密です。」

そう告げるとボクはそのまま作戦開始時の砂浜に歩いて向かう。

 

さざ波が聞こえるそこで空を見上げる。蒼い空がそこにあった。

「世界よ・・もうすぐ審判の時だ。」

そして時間が過ぎ、開始時間五分前になる。

ゲームドライバーを構えて構えるのは【プロトマイティガシャット】と【ソニック・アドベンチャー】両手に構え二本差しをするように構えて目を閉じてその時を待つ。

「・・パラド・・。」

「一夏か・・。準備は良いんだね。」

「もちろん。行けるぜ。」

《トライアル!》

メモリを押して音声を聞かせる。

「あぁ・・なら、後のメンバーさえ・・」

「もう揃っているわよ。」

横目でちらりと見ると鈴のほかに三人も到着している。

「なら・・作戦開始まで後二分。一分は気を鎮めるのに使え。」

「・・パラド・・。気負うなよ。」

「そんな事はないさ・・。ただ・・いや、なんでもない。」

苦笑するように眼を閉じて少し笑う。

「さて、時間だ。全員装備、準備開始!・・構えろ一夏!」

《マイティ・アクションX》

《ソニック・アドベンチャー》

「あぁ・・ぶっちぎりで走りきってやるよ!」

《トライアル!》

「「変身!!」」

ボクは二本のガシャットを挿してゲームドライバーのハンドルを開く。

《マイティジャンプ、マイティキック、マイティアクションX!ア、ガッチャ、ぶっとばーせー!ゴールを目指すー!最速のー青き音速―!》

《トライアル!》

ロストドライバーに挿された《トライアルメモリ》からスリーカウントの音と共に一夏が蒼い装甲をつける。更にその後に足に青い炎が燃え上がる。

そして、後ろを見ると全員が機体を展開する所だった。鈴とラウラは普通に機体を展開。

「・・ベルトシステム・・ロック。・・変身!」

《ターンアップ!》

簪はベルトの羅針盤を反回転させて艦体システムを起動。更にすぐさまカードを取り出す。その手には大戦艦【大和】のカード。そして反対にして持ち構える。そして【大和】を挿しこむ。

『フォームチェンジング・・』

音声と共に待機音が鳴る。

「艦体兵装・・大戦艦《大和》・・超・変身!!」

そう言って羅針盤を反回転させる。

『フォームチェンジ!ヤ・ヤ・ヤ・大和!!』

更に兵装を変えてごつい装備になった簪がそこにいた。大型の艤装を背負い構える簪にラウラと鈴は眼を剥いていた。

「じゃぁ・・先ずは・・」

シャルロットはそう言って普通にラファールを起動する。そして、砂浜に足をついて祈るように構える。

「最速の天使よ、今、この世で我が身に宿りて、その力を顕現させよ!攻速天使『ラディエル』!!」

そう言って空に飛び上がると天使の輪の様な物が頭の上に現れ、赤く光を反射する装甲に覆われて行く。鋭い頭とラファールよりも細い脚、鋭い剣状の腕、そして光りを反射する純白の翼を展開する。普通よりも二倍は大きいその機体に皆は驚いている。

「なんと・・神々しい。」

「天使の名はだてじゃないわね・・。」

そして脚部に三人を運ぶためのアンカーとロック部分を展開して三人はそこに自分を固定する。

「作戦開始時間十秒前・・」

全員が構える。

「5・4・3・2・1・・作戦開始!!」

ボクと一夏は海へと飛び出す。飛行しながらも海を蹴り走る一夏とボクは水柱を後ろにあげて高速で目標地点に向けて一直線に進む。

「「最速で最短で!一直線に!!」」

そう言って二人でかけて行く。

 

「最速過ぎでしょう・・。」

呆れるように鈴がつぶやいた。

「じゃぁ、行くから・・舌噛まないでね。」

そう言って脚部を縮めて更にラディエルに密着する。やはり大きいな。

言われた私(ラウラ)は覚悟して構える。

「ラディエル・・高速モードで行きます!」

そう言った瞬間に一瞬ブラックアウト仕掛けた。

(な、何と言う加速!?初速から気を失いかけないぞ!?)

コレ以上に速度を出して居た二人は一体どれくらい体に負荷がかかっているのか、考えただけでも気が遠のきそうだ。見ると鈴と簪は気を失っているのか少し力が抜けていた。

すぐに二人をつついて気を取り戻させる。

「「は!!」」

『しっかりしろ。作戦は開始したばかりだぞ?』

『いやいや、いきなりアレはきついわよ!』

『死んだかと思った。もう絶叫系マシンは怖くもない。』

そう言った簪に全員が頷いていた。

 




だるい、寒い、眠いで最近布団からなかなか出れません。
家は西日本でも山の方で標高が高めだから寒くなるのも早いんですよね。
こたつでぬくぬくしながらかたかたとパソコンを打ってます。

次の投稿の話がまとまらない・・妄想尽きてきた・・。

ミリオンアーサー・・面白い。

では、次回もまた見てらいだー。


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26 銀の福音迎撃作戦2

語るべきことはあまりないので、一言だけ。
石焼き芋はやはりトロトロの蜜状態がうまい。
ホクホクよりもこっち派です。

では、本編へどうぞ。


ボクと一夏は最速で最短で一直線に突っ込んでいく。

「ちょっと、遅いんじゃないのか?パラド!!」

「こっちはウォーミングアップだよ、今からが・・トップギアだ!」

「「いっくぜ!!」」

更に加速、一夏は足の青い炎が更に燃え上がり、背中のスラスターも蒼い炎で速度を上げる。ボクも更に加速をしてジャンプ、空中で特殊モーションの回転装甲を展開。

『ソニック・クリティカルストライク!!』

「なっ!?パラドが青いボールに!?」

『特殊装甲でスピンモードだ!いっけぇええええ!!』

《ギュインギュインギュイン・・ギュァァァァァァ!!》

とてつもない速度で音を立てて回転してそのまま海の上を転がりさっきよりも高い水柱をあげて走る。波で上に飛んでまた水面に着地するようにして走り続ける。

「負けるものかぁぁぁ!!」

そう叫びながら速度を速めた一夏が横に並ぶ。

そして、レーダーに反応が出た瞬間にはすでに目前であった。

「じゃぁ、喰らいやがれ!」

「合わせて行くよ!」

『決め技!ソニック・クリティカルフィニッシュ!!』

『エターナル!マキシマムドライブ!』

ボクは決め技スロットに入れてフィニッシュの蹴りを構える。

一夏もエターナルをマキシマムスロットに入れてマキシマムストライク蹴りを構える。

「はぁぁぁ!「せいやぁぁぁぁあああ!!」」

ボクは左足を、一夏は右足を構えて蹴りをブチ込んだ。

『?!☆○■×――!!』

謎の音声を叫ぶようにして壊れた装甲を空中に撒き散らしながら、弧を描く。

「なっ!?一夏!!アレを!」

そう言ったボクの指さす先には人間の女性の腹部らしき部分のISスーツが見えた。

更にボクにはある物が見える。一夏にはその存在は分からないはずだ。

「マジか!?あんな速度で蹴り入れちまったぞ!?」

「操縦者のデータなどなかった上に、遠隔操縦と聞いたからAIなどでのシステムでもできたのかと思ったが・・最悪切り捨てるつもりだったか外道!死亡した時はボク達に責任を負わせるつもりだ!ボクはまだ後ろ盾が有るが、一夏は織斑先生と日本政府だけじゃ後ろ盾が小さい。そこを使うつもりか・・外道が考えそうな手だが、ソレをボクが許すと思われた訳だ!」

舐められたものだ。ボクは即座にガシャットを取り外す。そして、変身を解く。

「なんでだ、パラド!?ここで変身を解いたら・・」

「甘いんだよ!中身を守るべきなら・・剥がせばいい!!」

『マイティアクションX!ガシャット!レッツゲーム、メッチャゲーム、ムッチャゲーム、ワッツユアネーム?アイアム ア カメンライダー!!』

ゲンムレベル1を装備する。

「よ、弱そう!!」

「うるさいよ、一夏!さて、喰らえ!」

『マイティ・クリティカルストライク!』

すでにダメージが有るならいけるはずだ。そう思って決め技で蹴る。

「更にダメージを入れちゃ・・はぁ!?」

シルバリオ・ゴスペルから一人の女性が分離して跳び出してくる。

『ガッチャーン・レベルアーップ!マイティジャンプ・マイティキック・マイティアクションX!』

ゲンムレベル2になり受け止める。

「ふふん、ダメージが一定以上の場合、強制的に操縦者をはがす能力が有るのさ。今回のような場合にはね。」

「今回の様な‥場合?」

「さぁ、コレが暴走の原因だ。あはは・・ボクでも今回はヤバいね。」

そう言って指さす先には空中で止まったゴスペル。

「ぐ・・ググゥ・・Guuu・・・」

背中のあたりから羽が黒く染まり出して、その黒は装甲を染めて行く。

「危なかった・・彼女が完全に感染していたら、手の施しようがなかったかもしれない。シルバリオ・ゴスペルが抵抗してくれていたようだ。そして、・・今彼女が居なくなったゴスペルはその抵抗を諦めたようだ。・・すまない・・。」

眼を伏せると同時に、その姿は禍々しい体となり、目が赤く光る。

「シャルロット、コンディションレッド。感染元はシルバリオ・ゴスペル。感染種類は・・【ゲムデウスウィルス】・・最悪だ。」

『・・げ、ゲムデウスだって!?』

「あのまがまがしいのは何かしっているのか?俺には分からないんだが・・。」

「・・平行世界の諸悪の最高点。言わばラスボスだよ。アイツを倒さなければ世界がヤバい。」

「そんな・・そんなのが・・来るか!?」

話している間に完全に機体の制御を奪ったらしきゲムデウスがこちらへと攻撃をしてきた。羽を伸ばし、速度をあげて手に持っている剣と楯を持って接近戦をされる。

「くそっ!」

《メタル!マキシマムドライブ》

一夏はエタ―ナルエッジを構えてメタルメモリのマキシマムドライブでエッジの刃を伸ばすとソレで斬り合う。

ボクはギリギリテャンバラを挿してグレードを上げる。

《マイティジャンプ・マイティキック・マイティアクションX ア ガッチャ ギリギリ・ギリギリ・チャンバラ!!》

「ガシャコンスパロー!はぁ、せぃや!」

二つに分けて鎌のモードにして、両手に持ったそれで攻撃を繰り返す。

そして、そこに三人がたどり着く。と同時に、

『避けて!!第一射・・撃てぇえええ!!』

そう簪からの通信が入り、一夏が避けた所に高攻撃力の特大砲撃が撃ち込まれた。

「な、何よアレ!?」

「私のパッケージよりも強力だと!?」

鈴とラウラが驚いていたが、シャルロットは通信画面を開き、ボクを呆れた顔で見ている。

『アレ。あの馬鹿な威力はパラドの作品でしょ?』

「そうだよ。攻撃支援型パッケージ、と言う名目で水平線以降への超遠距離からの攻撃も可能な大型戦艦型砲撃パッケージ、その名も『超大戦艦、最終兵器大和』!!」

 

見えない距離に居る敵に向けて海上に足場が展開され、脚部が杭を打つように固定されて、背後に支える砲撃用の支柱が立ち、砲撃の威力により下がる事がない様にされている。

高威力故に連射は利かないが、最悪、三段射撃の砲撃も共に射撃できる。威力は落ちるが、あの敵には十分威力はあるだろう。

「まったく、・・周りの空気が振動した様だよ。凄い威力だね、さすがパラド。」

廃莢した後で、装填。更に冷却装置が周った後で止まったら、目の前に射撃用意の文字が出る。

「・・いくよ・・第二射・・!!」

せめて、此処からの援護は当てる。

皆の役に立てるんだ。私は、足手まといじゃないし・・姉の言う通りにしてなんかやらない。私は無能なんかじゃ・・

「無いんだあぁぁぁあああ!!」

撃つとまた足場ごと大きな波が上がり、とてつもない衝撃と音が自分の体を襲う。装甲が増えているのでましだが、コレが増えて居なかったら絶対上半身がもげている事だろう。

そう思いながらまた廃莢をして、それから冷却を始める。

自分も頭を冷やした方がいいだろう。

 

とてつもない射撃をくらったゲムデウス・ゴスペルに対してボクはガシャットを入れ替える。

「・・変身・・グレード・・100!!」

『タドルレガシー!ガッシャット! レベルアーップ!マイティジャンプ・マイティキック・マイティアクションX アガッチャ 辿りついた歴史 神々のレガシー!』

『パラドのレベルが・・100!?え?マックスは99までじゃ・・!?』

シャルロットが驚いているが・・

「限界を超えた意志のみで使えるガシャット・・それでも、まだ本当の最終兵器は出して居ないからね。・・ハァ!!」

ボクはゲンム・タドルレガシーで攻撃を仕掛ける。レガシーでガシャコンソードを振るとさっきよりも強い攻撃がHITする。

「嫌な予感が止まらないからさっさと終わらそう!ラウラと簪は射撃を!シャルロットは鈴と共にボクと交代で攻撃を続けて!一夏は一旦休憩で息を整えて。正念場は此処からだ!いくよ!」

「分かった。」

『了解!』

『分かったよ、パラド。』

「アンタはもっとアタシ達に任せて構えて居ればいいのよ!」

そう言った後で一夏だけは返事が来ない。

「・・パラド、お前は何か隠してるんだな?」

「・・どうせ、この作戦がうまくいかなかったり、不測の事態になれば自ずと答えは現れるよ。だから今はしたがって。」

「・・わかった。一旦下がり休憩に入る。」

そう言ってラウラの後ろで少し息を整えていた。

ボクはその間に最終調整の為のシステムを組む。

ガシャットを取り出して戦場で何をしてるのかと怒られそうだが、コレは最終兵器であり、本当の隠し玉だ。さっきの攻撃で得たゲムデウスウィルスを解析して抗体をプログラミングして行く。ソレを解析できた端からガシャットに入れて行く。

 

「願わくば、これを使いませんように・・。」

その二つ差し用のガシャットを見てボクはそう言うしかなかった。

 

 




こたつを出してから他の部屋にもこたつを敷いて、それぞれの部屋でこたつに入っているとうちの猫が、
「何処に行ったら一番良いのかな?」
と言わんばかりに膝に入っては吟味して、一番居心地のいい所を選んでいろんな所で寝ています。しかし、何故か母の膝だけには入らず、
「なんで?可愛いのを膝に乗せたいのになんで来ないの?!」
と嘆いています。しかし、パソコンで物書いている時に膝に入られると重いし邪魔なんですがね。
そんなうちの平和な日常です。

では、次回もまた見てらいだー。


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27 真の恐怖【ゲムデウスウィルス】

今回は多くは語るまい。
只一言・・タイトル通りだ。

では、本編へどうぞ。


ボクはガシャットを最終調整を完了した。

ソレを収めてガシャットを引き抜く。そして、変身を解く。

『な、パラド!?また変身を解いてどうするつもりだ!?ぐぅ・・コイツ強い!』

ゲムデウス・ゴスペルに押される一夏と鈴。ラウラと簪が射撃をして、高速で攻撃して居るシャルロットが居てもなかなかと倒せない。決定打がないのだ。

「ごめん、でも・・これしかないんだ。」

そう言いながらボクはまた別のベルトを展開する。

『バグルドライバーツヴァイ』

ベルトを展開して手に持ち、ソレをベルトのバックルに装着する。

『ガッチャーン』

そしてガシャットを持つ。

『仮面ライダークロニクル!』

ソレのボタンを押すと夕刻を過ぎ、暗くなり始めた空に時計が浮かぶ。

その時計は11時59分を指していた。

そして、バックルのAボタンを押して待機状態にする。

「・・今こそ・・審判の刻(とき)。」

手を放し落ちるガシャットは空中でボクの手が動く通りに向きを変えてベルトに刺さる。

『ガシャット!』

ガシャットがベルトに刺さると共に時計の針が進み、0時を指す。

「・・変・・身。」

『バグルアップ!天を掴めライダー!・・刻めクロニクル!今こそ刻(とき)は極まれり!!』

変身したのは【仮面ライダークロノス】。

ボクはすぐさまとびかかるようにして近付き、蹴りをくらわせる。

「・・パラド・・それが・・お前が使う最強なのか?」

「・・。」

ボクはこの姿になると性格が変わるのであまり口は開きたくない。

ガシャットの力が強力で、ボクがボクで無くなるからだ。

そして・・ある意味でこのガシャットは危険だからだ。

その能力と性能はゲームドライバーでは使用できない。だからこそのこのベルトだ。

「・・ゲムデウスウィルス・・貴様は絶版だ。この世から消し去るまで。」

「・・パラド?」

ボクは即座に体勢を立て直しこちらに攻撃を向けて来たゴスペルを見て、ベルトのABボタンを同時押しする。

『ポーズ・・』

その音声と共に時計の止まる音がして世界は停止した。

ボクはそのままゆっくりと近づき、バックルを外してグリップにつけ直す。

『ガッチューン・・ガッチャーン!』

そして、チェーンソーで切り刻み、Aボタンを押して待機音の後Bボタンを押す。

『決め技 クリティカル・サクリファイス!』

大型ねエネルギー体で出来たチェーンソーの刃が斬りかかる。そして逆に向けてグリップにつけ直す。

『ガッチューン・・ガッチャーン!』

銃で攻撃を何度もくらわし、Bボタンを押してAボタンを押す。

『決め技、クリティカル・ジャッジメーント!』

高エネルギーの攻撃をくらわす。そしてまた元の位置に戻る。

「・・・時を刻め。」

『リスタート!』

また同じようにABボタンを同時押しすると世界は動きだす。

『☆○■♪★▼――!?』

ゲムデウス・ゴスペルはとんでもない攻撃の嵐に合い、一気にSEが減ったようだ。そして、驚いている所にボクは近づき、ベルトのBボタンを押す。待機音がしてAボタンを押すと音声が流れる。

『決め技・・クリティカル・クルセイド!!』

「・・終焉を迎えろ。・・はぁ!!」

足元の時計の針のように背中を向けていたボクが体を反転させて上段蹴りをくらわす。

「――――――!?」

『終焉の・・一撃!』

ゴスペルはSEが完全に無くなったようで海へと落ちる。

「い・・一体何が?」

「・・時を止めてその間にボクが攻撃。最後に最高出力の蹴りで始末した。全ては天刻の裁きと、地刻の贄だ。」

「意味が分かんねぇ・・つまりはお前が時間を止めてその間に攻撃をくらわせて最後に動きだしてから倒したと?」

「全ての刻は今、この一瞬でさえもボクの管理下だ・・。」

「・・お前・・。」

「軽蔑してくれてかまわない。そうでもしないと勝てな・・感染が進行し過ぎていたか・・。もう・・最後の手段しか・・ないのか・・?」

そうボクが言うのは落ちて行ったはずの位置から高出力エネルギーを検知したからである。

『まさか・・二次移行!?』

「このタイミングでか!?」

「くっそ!」

そう言っていた瞬間には、下から高出力のエネルギーが何方向にも飛んで来た。

『ポーズ・・』

そのエネルギーの当たりそうな位置から皆を動かし、時間を再開させる。

『リスタート・・』

戻った時の中で敵の攻撃を皆が無事に避けていた事で安心したと、気を抜いたボクの目の前に急に赤いエネルギー波が襲って来た。

そこでボクの意識は消えた・・。

 

私達が目を放した一瞬だった。

『パラド!?パラド!?返事をして!!パラドォ!?』

シャルロットが痛いほどに叫ぶがパラドは見えない。一瞬のうちに攻撃が飛んで来てそのエネルギーに巻き込まれたのだ。そして水から上がってきたのは・・

「で、・・デカイ・・。」

「なんて大きさだ!?」

「巨大化とは・・どこまで進化するつもりだ!?」

『ラスボスの最終形態・・てこと?』

シャルロットはまだパラドが居た位置を探しているが、反応はロスト。消えてしまっている。

そこに攻撃が飛んできた。

「危ない!!シャルロット!!」

そう言いながら一夏がシャルロットの楯になるようにして、背中のローブを広げた。

「ぐああぁぁ!?」

爆発が起きて、一夏も海へと落ちて行く。途中で鈴が抱えて捕まえたが、意識はなく、所々に火傷の痕が有ることから、絶対防御を抜いてダメージが有ったことは間違いない様だ。

「・・作戦失敗。しかも未知の存在で判断をできる物が居ない。一時撤退します。」

『・・エイタはどうした?モニターから消えたが・・。』

「・・パラドは・・消えました。敵の攻撃によって・・。一夏もダメージを喰らい」

『・・・・。分かった遅滞戦闘に移行。更識は援護して敵が近付かないようにしろ。』

『はい・・。』

『デュノア、撤退命令だ。三人を運べ。高速離脱しろ。これは・・命令だ。』

『ぱら・・ど・・・・。わかり・・ました。』

また脚部にアンカー等を出して俺と鈴を先に固定。更に反対向きでラウラを固定し、射撃を始める。更に簪からの援護射撃により私達はその海域から脱出した。

気絶した一人を担ぎ・・海に没した一人を除いて・・。

 

「・・真の終焉を迎える・・か。」

 

私達は旅館に無事戻る。でかくなったせいか、それともそう言う機能がないのか、海の中をゆっくりと進むだけのゲムデウスをモニターに映しつつ、私達はどうすればいいのか悩んでいた。

「敵はISとは違う未知の存在だ・・。パラドが言っていたのはゲムデウスウィルス。察することからウィルス系統なのは分かるが・・シャルロットはどうだ?」

「駄目‥。パラドが居ない事を認めたくなくて逃避してる。話を聞く事も出来ない・・。」

「・・いたしかたない・・か。織斑先生、今作戦は敵ISの排除だったはず。それが変わった今、作戦の続行は不可能です。」

「あぁ、私もそれについて話をしたら検討するとだけだった。IS委員会はISを容易く落とす存在を認めたくないのであろう。だから‥今回の件は今だ継続と言う事になっている。しかし、SEを補充し装備を整えても被害が増える一方の現在は手を出す方が危険だ。故に、一時的に監視をつける状態で作戦会議と敵存在の能力把握に努める。その間は装備者は休憩をして休んでおけ。また収集をかける。」

「分かりました。それぞれ休憩を取れ。自身の機体の整備と調整、武装の補充などは怠らないように。行動しろ。」

そう言うとまずは簪がシャルロットを抱えて部屋を後にした。そして、鈴も一夏が寝かされている部屋に行く許可を貰って退室。私はエネルギー補給と弾薬補給だけなのでソレは担当官に任せて織斑先生と作戦会議をする。

「・・エイタはどうして落ちた?」

「敵の大型腕部から出た高エネルギーのレーザーらしき攻撃にて・・。次の瞬間には姿が無くなっていました。」

「・・誰も落ちた瞬間を見て居ないという事か?」

「・・まさか。織斑先生はパラドが生きていると?」

「その攻撃の特性がもしも取り込むことだったりしたら、奴の中に取り込まれている可能性もあるという事だけだ。もしかすると高エネルギーで一瞬で蒸発した可能性もあるが、予想がつかない状況ならすべての事を考えるのが指揮官の役目だ。」

「なるほど‥。しかし、同じような攻撃で一夏は落ちました。やはり攻撃エネルギーとしか認識が出来ません。」

「・・そうか。」

そう言って背中を向けてモニターを見る。

「コイツが私の生徒を奪ったというなら容赦するつもりはないな。次の出撃は私が後方からの援護と指揮を取る。機体は唯の打鉄だが、後方支援くらいはする。遠距離パッケージ『撃鉄』をインストールしておくので、更識妹と共に後方からの支援と式に徹する。前線は頼む。」

「・・はっ!了解いたしました。」

「一時離れる。何かあれば連絡してくれ。」

そう言って織斑先生は部屋を出て行った。残されたのはモニターを監視している山田先生と私だけだ。

「・・コレは一体何なのでしょうね?」

「分からないですが・・とんでもない敵で、倒すべき相手です。」

そうはっきりと述べると、

「そうですね・・でも、勝てるのでしょうか?」

とつぶやいた。しかしそれに対しては、

「勝てる勝てないではなく・・勝つのみ。パラドが私達を助けたように、私達もこの学園の生徒や国の人間を助ける。それしか許されません。」

誰にでもなく、許されない事になるのだ。

敵は強大で私達は比べれば脆弱だ。だが、負ける事は許されないのだ。

 

 

 




消えたパラドに強化した【銀の福音ゲムデウスウィルス体】。
この作品の織斑先生は【撃鉄】は使えます。普通に山田先生も射撃タイプなので使えますが、山田先生を出さない理由は指揮能力の差を考えてです。

それでは、次回もまた見てらいだー。


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28 白き夢と永遠の意志

今回はあまり話は進みません。
『エターナル』の深層へ行きますが、メモリの意志はあの人がイメージになっています。

では、本編へどうぞ。


俺は夢を見ている。はっきりとそう言える。

『千冬姉・・これ・・重い・・・。』

『覚えておけ。コレが命を奪う物の重たさと言う物だ。』

コレは昔の記憶だから。俺の目の前には小さなころの俺と学生服を着た千冬姉が立っていた。

「・・今も命の重たさを軽く見たことなんかないぜ。」

そう言うと今度は場面が変わる。

『アタシが・・もし、また会った時に料理がうまく成っていたら・・毎日酢豚を食べてくれる?』

『酢豚が毎日はちょっと困るけど・・料理を作ってくれるってんならうれしいかもな。でも、また会えるかは分からないんだぞ?そん時、約束覚えてんのか分かんねぇよ。』

『いいわ。その答えで今は十分。じゃ、またね(・・・)。』

『・・あぁ、またな。』

コレは空港での別れる時のシーンか。俺としてはまた会う事になるとは思っていなかったけど・・こうして会っちまったんだし・・俺の中にも色々と感情が変わってきたからな・・。

「これもパラドと出会ったからか?」

また場面は変わる。時間は戻り、俺が誘拐された時だ。

『織斑一夏!仮面ライダーエターナル!!』

パラドがそう言いながら興奮しているのを見ながらも、俺はエターナルローブをなびかせ、手と足に青い炎が燃えている姿で立っていた。

「この時からの俺は変わってきたんだな。相棒とあってから。」

そう呟くと今度は視界に光が満ちて白一色になった。

 

そして、気がつくと目の前には黒い衣装を着た男が立っていた。

「お前は?」

「俺は大道克己。昔は人だったが、死体になって仮面ライダーとなり、今はエターナルの意志と言われる存在だな。・・お前が今の俺の持ち主である織斑一夏だな?」

「お前がエターナルの意志・・か。確かに俺は織斑一夏だ。しかし、俺はお前の持ち主とは思っていないぜ?」

「何?俺を使い回して居るのはお前だろう?」

俺は首を振る。

「使っているのは確かだ。しかし、俺は俺の機体とお前は相棒だと思っている。」

「あい・・ぼう?」

克己が呆然とした顔になる。

「あぁ、俺に力を貸してくれて、足りない物を補ってくれる。想いはあっても力が足りない時、お前たちは俺を強くしてくれて来た。助けたい、守りたいと思う時にはいつもな。」

「しかし今のお前は怪我で死にかけ・・とは言わなくてもかなりの重症だ。」

「ソレは俺が死ぬかもしれないのをお前達が守ってくれたからだろう?ローブと機体がなければ俺はすぐに死んでいたんだ。つまりは、お前たちのおかげだ。だから、ありがとう。」

そう告げると克己は顔を押さえて下を向き、

「くく・・ははは・・あははははっはっはっは!!」

大笑いし始めた。

「俺を道具にしか思って無い奴ならこのままと思ったが、気に入った。俺はお前に全てを託そう。・・お前はどうする?白式?」

そう言われると今度は世界が変わった。

 

目の前には蒼い海と青い空、砂浜が広がっている。

「貴方は何のために力を欲しますか?」

「当然、守りたい物が有るから。守りたい人たちがいるから。大切な人がいるから。」

「・・貴方は私達ISを相棒と呼んでくれるのですか?」

「当然だ。克己にも言ったが、俺からすればどちらもかけてはいけない俺の力を支えてくれる存在だ。意志だけじゃ駄目だ。力が必要だ。守るためには言葉や暴力じゃなく、目に見えてなお且つ届かせる想いとソレを戯言じゃなくて証明するための力が必要だ。過分な力は必要じゃない。守りたい人たちがいるから俺は戦う。俺はその為に今戦っている。」

「・・私達を相棒と呼んでくれるなら、手をつないでくれますか?」

「当然。こっちから頼みたい。」

そう言って俺は手を出す。すると・・

「もう片方も伸ばしてください。」

そう言われた。俺は両手を伸ばす。握手するように構えると、世界は半分に割れた。永遠に続く白の世界と海のある世界が俺を中心にして半分に割れる。

「俺もお前と繋ごう。」

「私達も貴方と共に・・未来へ行きましょう。」

克己と白い少女が片手ずつ手を持つ。

「俺は・・お前達と共に未来を進む。俺の意志は永遠と白い意志と共に。」

そう言ったら俺の意識は覚醒する。

 

眼を開いた俺は、すぐさま体を確認する。まったく傷が無くなっていた。火傷も、攻撃によって飛んで来た破片が刺さったとこもない。

そして、俺はすぐさま作戦室に戻る。

「な!?い、一夏・・寝ておかないと怪我・・おい!怪我はどうした!?」

「直ったよ。ログを見たらISの操縦者自己保護機能と修復機能が働いたらしい。そして、白式とエターナルが俺に協力してくれるからな。・・今はどうなっている?」

「さっき、鈴が休憩の為に寝ると言って顔を出した位だ。後は簪はシャルロットにかかりつけだ。シャルロットはかなりまいっているようだ。」

「・・織斑先生は?」

「打鉄に遠距離狙撃パッケージをつけて指揮をしてくれるそうだ。今は準備をしているはずだ。」

「じゃぁ、お前も休め。」

「いや、今織斑先生の次に指示をできるのは私だけだ。休むことはできない。」

「この部屋で良いから少し仮眠してろ。何かあればすぐに教える。」

「・・・わかった。頼む。」

俺がそう言って毛布を持って渡すとすぐにくるまるようにして部屋に隅で壁にもたれかかるように眼を閉じた。俺はラウラがさっきまでいた山田先生の隣に座る。

「・・織斑君、本当に大丈夫なのですか?」

「今の俺ははっきりといろんな物を感じれます。貴女の恐怖や心配も。大丈夫です。問題なく直りました。鈴のとこに行くと起こしてしまうから、もう少し後か作戦実行時まで置いておきますので。」

「・・頼れる男の子になった感じがしますね。」

「それは・・おそらくエターナルの影響が少しあります。俺はISとメモリの意志と触れたので。」

「へ・・ソレは凄い事じゃ‥。」

「でしょうが、今の俺にはどうでもいいことです。・・ゲムデウス・・攻略法が分かればすぐにでも・・。」

モニターに映る巨大な敵を俺は睨む。

明確な方法がなく、休憩に指定した時間は過ぎて作戦メンバーが集まった。

鈴とシャルロットは驚いていたが、

「大丈夫、怪我は全て治った。エターナルと白式のおかげで大丈夫だ。もしかしたらパラドは空中に撃ちあげられていたとかかもしれない。アイツはくたばってなんかいないと思うぜ。俺の予感だがな。」

そう言うと、シャルロットが顔つきを変えた。

「それは・・気休めじゃなく?」

「アイツがこれくらいでくたばるなら俺はもう死んでるよ。アイツはまだ死んでいない。エターナルが繋がっている感じがする。他の仮面ライダーはアイツだけだからな。」

そう言うと意を決したように二つのガシャットを取りだした。

「もしもの時に使えって言われていた。なら、使うのは今だと思う。」

そのガシャットを構えていた。

「織斑、作戦に参加できるんだな?」

「むしろ外されたら一人ででも行くぜ?」

「ふっ・・、なら覚悟を決めろ!今回の作戦で奴を叩く!絶対に旅館には近づけるな。」

「「「「「了解!!」」」」」

そして、浜辺で俺達は準備をする。

千冬姉は打鉄にパッケージをつけた物で、後のメンバーは変わらない。

「一夏も機体を出しなさいよ。」

俺以外が変わらないと言うだけだが。

「白式・・雪羅。」

雪を現す白が増えた機体を出す。

「せ・・セカンドシフト!?」

「そんな・・は!そう言えば一夏はコアの意志と話したと・・。」

「そして、もう一人の相棒。」

『エターナル』

ボタンを押してベルトを展開するとロストドライバーでだったはずのベルトが変わっていた。スロットが両側にでき、片方のそれにはすでにメモリが刺さっていた。それは『W』の文字が書かれた白いメモリだった。

「【ダブルドライバー】・・か。」

エターナルに意識を送り聞くとそう返された。

「なら、行かせてもらうぜ。相棒達!!・・変身!!」

『【ホワイト!】【エターナル!】』

俺は新フォーム『仮面ライダーエターナル・ホワイト』となる。白き装甲に無限を現す【∞】の形の黄色い複眼、ボディには二つの勝利【Victory】を重ねた『W』の文字。

頭には王冠を現す様な【E】を横にしたアンテナ。そして、手足には悪しき敵を燃やすほどの青い炎が燃えている様についている。

「永遠の白・・俺は悪意を持ってこの力は絶対に使う事はない。黒に染まる事はないという俺の意志を現した新の姿だ!!」

そう言うと鈴は赤くなって俺の顔を見ていた。

「っふ。鈴、俺と一緒に合わせて攻撃を頼むぞ?」

「あ、う、うん。ま、任せなさい!!」

どもりながらも胸を張って言ってくれたので俺は柔らかく笑って見せる。さらに鈴は赤くなった。

「さて、いちゃいちゃするなら作戦後にしてくれ。甘ったるくてかなわない。」

「すみませんね、織斑先生。貴女と一緒に戦える事、初めてですが心に刻みますよ。」

「・・口だけは達者だな。本当に一夏か?」

「コアの意識達とあった事で少し影響が出ているが・・俺はちゃんと俺だよ。」

「そうか・・よし、織斑は前戦で凰とタッグで動け。中距離からボーデヴィッヒとデュノアが援護。デュノアは姿を変えて援護もしてくれ。私と更識は遠距離からの攻撃に徹する事で隙をつくる。敵に隙が出来たら一斉にダメージを与えるぞ!」

「はい!」

「作戦開始!!」

 

そして、俺達はゲムデウス攻略作戦を実行した。

途中でシャルロットが何かコンテナを持っている事に気がついたが、おそらく攻撃用の装備だと思いほっておいた。この後出て来たソレは予想できないものだとは思わなかったが。

 




二つのガシャットはある物を使います。
すでにフラグは出しました。
片方はオリジナルガシャットです。

では、次回もまた見てらいだー。


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29 最後の矛盾

えっと、今回は話の内容を書いておきますか。
「パラド、死す。デュエルスタンバイ!!」

では、本編へどうぞ。


遠距離から攻撃を始めた千冬姉と簪。それに合わせてラウラとシャルロットが射撃をした。

そして俺と鈴が近距離で攻撃を始める。

接近戦を行っている俺達。進化した俺のISは前よりも負荷が極端に少ない。

『メタル!マキシマムドライブ』

体を鋼鉄化させて攻撃して、更に

『ヒート!マキシマムドライブ』

ヒートで爆炎をあげながら殴り蹴り上げる。ウザくなったのか大きな腕を振って来るが、

『ゾーン!マキシマムドライブ』

ゾーンで一瞬で瞬間移動して顔の前に出てそこから顔の目に向けてエターナルエッジを刺す。

『トリガー!マキシマムドライブ』

そのままエネルギー射撃をした分は効いたらしく、大きく体勢を崩す。

『よくやった織斑!!』

すると俺に向けて攻撃でエネルギー波を向けて来た。砲撃と弾になったエネルギー弾が俺に向けて撃たれる。

「一夏下がって!」

「まだまだだぁ!!鈴が下がれ!!」

『アクセル!マキシマムドライブ!』

速度をあげて急上昇をして、その攻撃を避ける。

『ウェザー!マキシマムドライブ』

『アイスエイジ!マキシマムドライブ』

ゲムデウスの上だけ天気を変えて嵐にして、氷河期のメモリで氷を作り海を凍らせて足を止める。さらに吹雪で氷の棘がゲムデウスに刺さる。

「はああああ!!」

『バード!マキシマムドライブ』

『ナスカ!マキシマムドライブ』

『ジョーカー!マキシマムドライブ』

『ユニコーン!マキシマムドライブ』

高速で下降しながら切り札で身体強化し、ユニコーンのエネルギー体で腕の一か所を貫く。

『――――――!!!』

効いているのか叫び声の様な物をあげた。

『やった!!』『一夏凄い!!』『織斑よくやった!しかし無茶はするなよ!!』

皆が喜ぶが・・ラウラはまだ見ているようだ。

「効いてはいるようだが・・しかし・・」

そう言うと腕が修復されていきまた元に戻った。

「な!?あれだけのマキシマムドライブでも駄目なのか!?」

『これでは攻撃しても意味が有るのか・・』

そう言って俺達は慌てた。これでは結局意味がないのではないかと。しかし・・そこへ通信が入る。

『足止めごくろうさん。決定打はボクに任せておけ。』

そう言って海の氷を割って出て来たのは・・

『パラド!?』

赤と青の仮面ライダー・・パラドクス・パーフェクトノックアウトの姿だった。

 

「生きていたのか!?」

「あぁ・・ずっとこの瞬間を待っていた。足が止まって、少しでも弱まる瞬間を・・な!」

そう言ってパラドはガシャットを抜いて新しいガシャットを挿してアームを開く。

『ドクターマイティXX!!』

そう音声が流れるとパラドはゲムデウスの胴体へと向けて走り出す。俺はそれに向けて振り下ろされる腕を攻撃して方向を変える。止まる気配はなくパラドはゲムデウスの胴体に向けて拳を構えた。反対の手には斧と銃が合体した武器を持って、小さな弾幕を撃ち落としたり払ったりして突っ込んでいく。俺は大型の攻撃が有る腕だけをどかす様にして動くとそこに黄色い何かが横切る。

ソレはロボットだった。

『行って!爆走バイクトランスフォーム・コンボイ!パラドを助けて!!』

『爆走バイク』と新作ガシャット『トランスフォーマー・コンボイ』ガシャットを組み合わせたロボットらしい。バイクにある機能って言うのがそれだったらしい。攻撃を撃ち落として行く。

そして、ゲムデウスの懐まで言ったパラドは振りかぶっていた腕をそのままゲムデウスの中心にめり込ませる。

『せいやぁぁぁあああ!!』

ソレを喰らったゲムデウスは効いていないのか別に変化はなく攻撃して来た。

「パラド何をしてんだ!?効いてないみたいだぞ!?」

『・・さて、起動するにあたって君達に言う事が有る。先ず、ボクは死にかけた事が有ると言ったな・・あれは嘘だ。』

「今どうでも良い事だろそれは!?」

そう叫ぶがパラドは続けた。

『ボクは・・いやボクの本体は【死んでいる】のさ。そして・・ガシャットの中に自分の意識をつくり体として生きて来た。しかし・・それも終わりだ。ボクは言わばデータ体。コンピュータウィルス体で体を作って居た様なものだ。ソレを書き変えてゲムデウスウィルスに抗体を注入する。リプロミングして書き変えて弱体化させる。君達がとどめを刺してくれ。ボクはコイツもろとも消滅する。』

「は?お、お前が消えるってことか!?」

『全てを君達に託す事許してほしい。それじゃ。』

『ドクターマイティXXクリティカルストライク!!』

『はあぁぁぁぁああ!!』

パラドが光り出し、周りにきらきらとした物が舞うと同時に、ゲムデウスが苦しみ出す。

『――gぅ――ガァ!?』

『今だ!!やれ!一夏!!簪!鈴!シャルロット!ラウラ!織斑先生!!』

「く・・そおおおおお!!」

『アクセル・バード・サイクロン・ダミー・ファング・ジーン・ヒート・アイスエイジ・ジョーカー・キー・ルナ・メタル・ナスカ・オーシャン・パペティアー・クイーン・ロケット・スカル・トリガー・ユニコーン・バイオレンス・ウェザー・エクストリーム・イエスタデイ・ゾーン!マキシマムドライブ!!』

「喰らいやがれ!今までとはメモリの数が違うんだよぉ!」

『エターナルマキシマムドライブ!!』

「エターナル・エッジ・・雪片ニ型・・ダブルスラッシュ!!」

長くなった剣状のエターナルエッジに緑色のエネルギーと、雪片ニ型の零落白夜でゲムデウスの巨体を切り裂いた。そこに追い打ちで大型の砲撃と多数の砲撃、連発して威力の高い射撃が続き、残った大きな欠片を光輪天使となったシャルロットと鈴が刻み、その中心から出て来たシルバリオ・ゴスペルのコアをパラドが更に包み込んでウィルスを消して行く。それが終わった時、コアはどす黒い様な汚れた色だったのがきれいな銀色をしていた。

そしてソレを持って近くの小さな岩礁の上に立つ。皆揃って作戦成功を確認した。

「終わったな。んじゃ、帰ろうか。」

そう言った俺に対して、まだ輝いたままのパラドが首を振る。

『・・いや、皆で帰ってくれ。ボクはもう消えるから。』

「終わったんだよ!?パラドが消えることなんて・・」

『・・無理だよ。ほら・・。ボクが仮面ライダーになると決めた時から決まっていた事かもしれないんだ。他の世界の仮面ライダーパラドクスも同じ事をした。きっと、ゲムデウスもその因果が持ってきてしまったんだと思う。なら、ボク自身の手で決着をつける。ソレは決めていた事だ。』

見せられた足はもう消えていた。残っているのは手と体の上部だけで、腹部もほぼ消えかけていた。【ガシャン】とゲームドライバーが地面に落ちた。

空へと上がるようにきらきらとパラドを構成しているかけらみたいなものが消えて行く。

「嫌だよ!一緒に居てよ!一人にしないでよパラド!!」

『もう、君にはたくさんの友達がいる。ボクだけじゃなくて・・大勢の仲間がね。』

そう言って消えかけの手をシャルロットの頭に載せた。

『大丈夫。きっとまた会えるから。』

そう言って笑うとともに手も顔も光の欠片になって空に消えた。

「パラド!?・・パラド・・パラド!!」

呼んでもあたりを見てもパラドはいなかった。

「パラド・クリ・エイタ・・人類を救うためのその献身に敬意を表して・・敬礼!」

そうラウラが言って敬礼を海に向かってした。軍人らしいラウラの行動だが、今までと違ってその顔には涙が流れていた。初めて見た気がした。

「一夏‥アタシは・・アタシ達はアイツに助けられて此処にいるのよね?」

「じゃないとあのゲムデウスには勝てなかった。アイツしか対処法を知らなかったのだからな。天才の束さんでも無理だろう。存在を認めないと言ってISで攻撃していたと思う。そしたら、ウィルスと言っていたことから最悪コアを取りこんでもっと悪化したかもしれない。最善の方法だったんだと思う。」

「そう・・感謝しなくちゃいけないわね。でも、一人で生贄みたいな真似は許すもんですか!!シャルロットを泣かせて!また会った時はぶん殴ってやるわ!」

「・・またって言ったもんな。また会える。そんな気がするよ。」

そう言って俺はガシャットが刺さったままのゲームドライバーを拾う。

「今は預かって置くから、さっさと取りに来いよ。」

そう言って俺達は空を見た。

「・・では、帰還する。辺りの以上は観測されなかった。コアは私が責任を持って帰る。もし、束が奪いに来ても、全力で潰して見せる。安心しろ。」

そう言って千冬姉を先頭にして帰還した。

 

 




前書きは悪乗りです。
ここから二転三転とありますので。(ニヤリ)

では、次回もまた見てらいだー。


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30 臨海学校の終了と驚愕の真実

とある作品からセリフを取ってきていいたい事は、
「今明かされる驚愕の真じ~Ⅱ(ツー)!!ジャジャジャジャ~ン♪」
的なセリフを入れて茶化そうかと思いましたがやめました。
明らかに空気よまな過ぎだし。

では、本編へどうぞ。



千冬姉と皆と共に帰還して浜にまで来ると、山田先生が待っていた。

「作戦成功、ご苦労様でした。」

「全員無事とは言えないのが残念だ。」

そう千冬姉が言うと山田先生が凄い微妙な顔をして手をあげた。

「・・あのー・・」

「何だ山田先生?私は今から親族等に連絡をしなければいけないんだが・・」

「その・・みなさん・・来てもらえますか?」

そう言いながら凄い何とも言えない表情をした山田先生に全員が首をかしげながらも、ついて行く事に。そこは、旅館のロビー。別に問題が起きているようにも見えないのだが・・。

「あの・・あそこをご覧ください。」

そう言って山田先生が指を指したのはロビーから外を見る事の出来る椅子。

そこには一人の生徒が座っていた。

「あ、お帰り。」

そこにいたのは男子生徒。と言うか、パラドだった。

「・・・あれ?・・」

「「「「「「は?」」」」」」

千冬姉まで口を開いて呆然としている。

「まてまてまて、・・ちょっと待て。どう言う事だ?エイタは私達と共に作戦に出ていたはずだ。そして、初期でおとされて、そのあと、ゲムデウスウィルスを消す為に犠牲となり、更に目の前で消えた。そこまでは確かだよな?」

「はい、そうです。そのはずです。・・織斑先生がおかしいんじゃないです。と言うより私も頭がおかしくなってきました・・。」

「パラド・・ぱらど・・パラドオオオォォオオオ!!」

「パラドォォ!!」

シャルロットと簪が突撃して立ちあがっていたパラドを押し倒した。

「あれ?アタシ夢見てるのかしら?」

「間違いなくあれはパラドだ。大丈夫、鈴は起きてる。」

どうして俺達の目の前で消えたはずのパラドがここに居るのか。シャルロット達にはどうでも良いらしいが、俺達は納得できない。

こめかみに血管が浮き始めた千冬姉は考えるよりも、イラつきが出て来たらしく、手を鳴らしながら近付きパラドを掴み上げた。

押し倒していた二人は転がり落ちた。

「パラド・クリ・エイタ・・どう言う事か説明をしてもらおうか?」

「しますよ。ちゃんとね。作戦室まで行きましょう。」

にっこりと笑ってパラドは千冬姉の掴んでいる手から逃げた。

そして、集まった作戦室で作戦に参加したメンバーは揃ってパラドを見ていた。

「足もちゃんとある。」と鈴が言っていた瞬間は少しかわいい発想だと思ってしまったのは秘密だ。

「さて、先ずは此処にいるボクは確かに消えた事を説明しておきます。コレは確かに皆の前から消えました。その際に言ったボクが死んでいることから説明する必要が有ります。少し長くなりますがよろしいですね?」

「全部話せ。」

千冬姉が頷いてそう言うとパラドは話し始めた。

パラド・クリ・エイタ。その存在は初めは違っていた。パラドはそのままだが、そのほかの性が違っていたのだ。生まれた当時は【パラドクス・クロニクル】。

ドイツの実験施設で生まれた実験体だった。しかし、ある日、夢と言うフィルターを通して、彼は世界の壁を越えてしまい、平行世界や他の世界に存在する仮面ライダーを見つけてしまう。更に記憶したその技術を自分なりに改造する事が出来るような頭脳が有った。コレはそれに特化した状態で作られた存在だったからだ。そして、彼はベルトをつくり何度も夢を超えて世界を超えた。そして、他にも存在する仮面ライダーを見て、その目に留まったのが仮面ライダーエターナルだった。それに適合する存在を探したいと思っていた時に、その施設は亡国機業に襲われた。そこで一度死んだ。しかし、死ぬ前にガシャットに彼は自身のデータを入れていた。そして、死んだ後で一度ガシャットから自分を構成し直した。その後死んだふりをする事で亡国機業から逃れる事が出来た。理由は、そのときすでにプロトタイプのデンジャラスゾンビガシャットが有ったからだ。一度使ったら壊れたが、ソレを使い亡国機業から逃れて、そこにあった遺体から死のデータを取った。しかし、時間がたっていたその遺体は甦ることはなく、只死のデータを取るだけだった。そして、フランスに隠れて逃げ込んだ彼を後の父である、ジェイン・クリ・エイタが見つけて夫婦に子供が生まれていなかったことから子供として育てることを決めた。その時から彼の名前はパラド・クリ・エイタとなった。その名の通りに、クリエイターとしての力は素晴らしい物が有り、父が勤めているデュノア社にも関わる事になる。その際にシャルロットと両親を助けて、シャルロットはパラドを気に入り、婚約者として親も認めた。

しかし、その前に死んでいる彼は自身が人間ではないとは言いだせなかった。だからこそ、【一応】と言い続けて、誰か変わりが居ればその人がなった方がいいと。自分は【人でなし】だからと。そう思い続けて来た。

そして、ゲムデウス戦でウィルスを弱める為に自身を抗体にリプログラミングして、内部からゲムデウスを破壊して行った。それに合わせて外からも破壊してもらい、完全にウィルスを駆除する事が完了。しかし、そこまで構成していた体をばらしたために元に戻す事は出来なくなった。覚悟していたことだったからまったく怖くはなかった。もしも、蘇るシステムが失敗して居れば完全に消えるだけだから。そう思って、成功する確率は半々だったそのシステム、コンティニューシステムは成功して発動し、彼の残りライフは98となった。つまりはそれほど死なないと死にきれない体になったという事だ。

「コンティニューだと!?そのシステム元は?大事に保管しなければ!!」

「教えません。それに、手放す気もありませんから。」

実際には手放せないとも言う。だってそれは、・・ねぇ?

「さて、世界中にガシャットを広げる企画でも進めるかぁ・・。」

「はぁ!?ソレをしてどうなる・・。」

「今回の騒ぎで、出来上がったんですよ。『仮面ライダークロニクル』マスターガシャットの重要部分が。これを使い、量産ガシャットを使うと・・男性がISに乗れるようになります。」

「な・・なに?」

「まぁ、ランクは低いでしょうが、世界中の男尊女卑を消す為の第一歩。コレを発表するのがボクの目的です。止めますか?白騎士さん?」

「「「「!?」」」」

「ど・・何処まで知って‥」

「コアの最深部まで行きました。全て・・と言いましょうか?コアを量産もできますが、そこまでするつもりはありません。しかし、男尊女卑を消す為と、ISを宇宙へ向ける為の行動は起こしても良いでしょう?」

「う、宇宙だと!?」

「何と仮面ライダーにはですね・・宇宙に行けるライダーも居るのです!そのライダーの情報をガシャットに入れて機体に認識させると、宇宙にまでいけるISが生まれるのです。装備さえ量産すれば、量産機が、ガシャットを使うだけで、宇宙開発へ!これこそがボクが最終的に求めた答え、ISライダー宇宙進出計画です!」

「・・壮大過ぎて・・言葉も出ないよ。」

頭を振る織斑先生にボクはにっこりと笑う。

「これには最終的に篠ノ之博士も噛んで頂くので、仲介よろしくお願いします。」

「頭が痛い!想像だけで頭が痛い!!二日酔いなど目でもないほどに頭が痛い!」

そう叫んでいた。が、もう、実は一つのプロジェクトは起動している。

「先行して、プロトタイプ量産型『爆走バイクガシャット』と『トランスフォーム・コンボイ』、スロット付きバイクを生産しています。無人機で変形するビークルシリーズとして、宇宙空間で動かせるかの実験用ですが。」

「早すぎる!もう少し余裕を持って動け!」

「嫌です。邪魔されそうなので。それじゃ、部屋に戻りますね。」

「あ、パラド待って。私も一緒に行く。そうそう、婚約者の解消はないからね。」

「私も一緒にいく。更識家から正式にパラドの婚約者になる事の許可が出たから、両親と話をさせてもらいたい。」

「えええ!?シャルロットも簪ももう少し考えませんか!?人間じゃないんだよ!?ボクは!」

「「関係無し!!」」

「そんな!?」

「「良いから、行くよ」行こう」

二人に引っ張られて連れて行かれる。

「ちょっと待ってくれ!!さっきの話から聞くに私とパラドは兄弟ではないのか!?そこの所詳しく聞かせてもらうぞ!パラド・クリ・エイタ!!いや、兄さん!!」

「早すぎる!聞いても無いうちから兄と呼ぶのは早いって、ラウラ!!」

やっぱりにぎやかなのは変わらないようで少し嬉しくなった。

「あはは・・。」

 

ボクの居場所はここ何だと実感できた。

 




はい。実はクロエ達と同じような出生で、拾われた存在でした。
そもそも、実際にここまでのとしてこんな事できる頭を持つ、少年がぞろぞろいたら大変ですしね。
篠ノ之博士と言う存在が居るから作られたパラドはあまり表沙汰にはなってませんが、相当な天才ですからね。

と言う秘密暴露会でした。

では、次回もまた見てらいだー。


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31 仮面ライダークロニクル ライダー対ライダー

今回、物語はクライマックスです。
実は普通の話は今回で最後となります。
残りはアフター。
さて、どのような内容かは・・

本編へどうぞ。

あ、エグゼイドのCD持ってる方はクロノスのテーマソング『JUSTICE』をかけながらどうぞ。


学園に返ってきた俺達にパラドが近付いてきた。

「さて、一夏。真剣な話が有る。」

「改まってなんだよ?今言わなくちゃいけない事なのか?」

「うん。今から許可はとるけど、明日。ボクと戦ってほしい。」

真剣にそう言うからには何かが有るのだろうと察した。

「その理由は聞いても良いんだろうな?」

「これから織斑先生、生徒会長、学園長を呼んで一緒に話をしようと思っている。」

「・・わかった。真剣な話みたいだからな。部屋に荷物を置いてすぐに行こう。」

「ありがと。」

そして俺は荷物を置いて一息つく間もなく学園長室に向かう。

そして、皆が揃っているそこで、パラドがとんでもない話を始めた。

 

「これから話すのはボク達人類の未来を大きく変える問題です。」

「一体何をするつもりなのかね?クリ・エイタ君。」

「学園長、ボクと一夏が仮面ライダーである事はご存じの通り。そしてその力はISにも匹敵する。」

以前の話を思い出すように話す。

「確かに。しかしそれが何か・・」

「ボクはISを宇宙進出に持っていきたい為に、量産型ガシャットを開発し成功しました。これで、改良した方のアップデート版なら男性でもISに乗れます。」

臨海学校の作戦室内で話した内容を発表する。

「ソレはすごい!!すぐにソレを発表して・・」

勢いよく席を立ちあがる様に学園長は反応するが、

「学園長!ソレは不味い事になります!!これで男尊女卑の勢力がここを襲いかねなくなる!!危険です!世界がまた荒れる事になる!!」

ソレを生徒会長の楯無が止める。リスクが高すぎるのだ。

「パラド・・お前はソレをどうするつもりだ?俺はそれが聞きたい。」

一夏はそれをボクに聞いてきた。

「・・流石一夏だね。ボクはこれをかけて一夏と勝負をしたい。仮面ライダーとして。」

「何故か・・聞いていいか、エイタ?」

織斑先生が腕を組んで立っているボクを見上げて睨むように言った。

「織斑先生には分かりませんか?ボクは世界をかき回す事を望み、イチカは平穏を望む。ボク達の望みは分かれているのです。世界をかき回してもアップデート版を出そうと考えたボクと、ソレをさせたら世界中が混乱して暴動が起きるかもしれない。ソレを止めたい一夏。だからこそお互いの意志をぶつけ合い、見極めたいのですよ。」

前回篠ノ之博士を見たからこその意見だ。

「言ってしまえばお前の一存で決まる事だろう?何故戦う必要がある?」

「・・信じたいのです。人間の可能性を。でも、信じ切れない自分も居る。だから、ソレを一夏と共に見極める。世界に全てを託すか、人類を信じるか。」

天秤が傾く方向が決められないなら傾けてもらうしかない。

「・・それでアリーナ内で戦うという訳か?」

「ボクが勝てば世界中にアップデートしたガシャットをばらまき、世界中で男性操縦者を量産します。世界中で混乱が起きるでしょうが、それが今の世界にとって男女平等の為の早道だからです。」

それに対して一夏が人差し指を指してボクを見て来る

「俺が勝てばそのアップデートはしない。それでどうするつもりだ?お前の事だ。腹案もあるんだろう?」

「見透かされてるね。その通り。量産型ガシャットといろんなライダーベルトの制作方法を世界中に教えてISを宇宙へ上げるための下準備とする。これも多くの犠牲者が出るだろうけど、ISを取りあうというとてつもない世界の混乱は避けられる。ただし、ISの有用性は兵器から宇宙開発への方向性にちゃんと向かせて世界中を誘導しないとISとライダーの間で戦争が起きてさらに激しい事になる。どちらにもリスクが有るんだ。だからこそ、これについては自分じゃ決めきれなかった。」

肩をすくめて言う。

「お前も人間らしい葛藤が有ったんだな。」

呆れた様な表情の一夏も肩をすくめる。

「ボクはすでにバグスターだけどね。さて、どうする?ボクと戦ってくれるかい?」

ボクがそう言うと一夏は歩いてボクの正面に立つ。

「俺は・・世界中の人を信じる。お前を倒して、世界中のライダーを導いて正義を貫く!」

「ボクは世界中にガシャットをばらまき男尊女卑をどうやってでも早期終息させる。」

お互いに拳を突く合わせる。正面から眼を睨みつけ合う。

「「勝負だ。」」

世界を決める勝負が今始まる。

 

『これより仮面ライダー同士の戦いを始める。両者、入場。』

その織斑先生の司会でボクと一夏はお互いにISスーツで入る。別にその格好に大した理由は無いけど、お互いその方が格好が付くからね。

「それじゃあ、一夏・・」

「あぁ、始めようか。」

「ボク達の・・」

「俺達の・・・」

『終わりの無いクロニクルを!!』

一夏はダブルドライバーを構える。

「ライダーでも、白式が俺に力を与えてくれるからな。行くぜ、相棒達。」

それに対してボクは緑と銀色のベルト、【バグヴァイザーツヴァイ】をつける。

「それでも、勝つのはボクだ。」

そう言って構える。

「じゃぁ・・行くぜ!」

『エターナル!』『ホワイト!』

二つのメモリをダブルドライバーに差し込む。待機音がして手を添えて構える。

 

「ここでボクは、このぬるま湯のような時間に終焉を決める。」

『仮面ライダークロニクル・・ガッチャーン!』

右手で持って正面に構えたガシャット横のボタンを押すと音声が流れる。ガシャットから手を放すと空へ浮かび、それは手の示すように動いてベルトに刺さる。背後に時計が現れる。

そして、待機音がする中、ゆっくりと左手をベルトに添える。

 

「変身!!」

『エターナル!』『ホワイト!』

 

「変・・身!!」

『バグルアップ!天を掴め仮面ライダー!刻めクロニクル!今こそ時は極まれり!!』

 

白く輝き永遠を示す王冠のアンテナのE型部分にWの文字が重なり、真の王冠のように光り輝いていた。更に、黒いローブは白いマントとなりまさに王者の風格を現していた。

更に手足のファイアパターンは蒼く燃え盛るように輝き、無限を現す複眼は黄金に輝き威圧感を出していた。

 

対して緑と黒に染まったライダーは時を操るまさにラスボスの風格でたたずむ。

悠然と構えるその顔は全てを見下すような悪の王者の様だ。

腕を組み、黒いその眼で全てを見据えて自分の物としようとする威圧感が有る。

 

『仮面ライダー・・エターナルホワイト!』

『仮面ライダークロノス。』

 

【お互いに準備は良いな?】

『おっけーだ。』

『無論・・。』

そう二人が言った事で引き返せない所まで来た。すでに此処にいる人は緊張の面持ちで見つめている。

『では・・始め!!』

火蓋は切って下ろされた。

一番最初に飛び出したのは一夏。エターナルエッジを逆手に構えて切り刻む様に腕を上下左右に縦横無尽に動かす。が、パラドはソレを体を反らす程度で避け、当たりそうな動きは手で払う。

「ここまで力量が違うか!?」

「焦り過ぎているだけだ。まだ、始まったばかりだぞ・・ふん!」

腹に掌底をくらわせる。その衝撃だけで一夏は一気に10m以上放される。

「確かに先ずは小手先の勝負だろうが『ポーズ』・・細かすぎる。」

言っている途中で腰に手を当てる様にして構えたと思えば、急に背後に移動していた事で驚く。

(前に見たただ飛んだだけじゃない!?明らかに瞬間移動している速度だった!)

俺は後ろに向かいエターナルエッジを振い、距離を一度とる。

『メタル!マキシマムドライブ!』

エターナルエッジが伸びて普通の剣の長さになり、更に雪片ニ型を出してソレを振う。

「手数で押せばどうにかなるとでも思われては・・困るな。『ポーズ』・・そのような単純思考にした覚えは・・無ぁい!!」

また気が付かないうちに背後に回られて蹴りを喰らった。しかし、メタルのお陰でダメージはあまりくらって無い。

「今度はこちらから行くか・・。」

『ガッチョーン・・ガッチャーン』

バグヴァイザーツヴァイをハンドルに付けかえてソレを手に持って武器とする。

「ふん。せいやぁ!!」

銃の方を前にしてヴァイザーを持っていない手で殴り、浮いた体に容赦なくエネルギー弾を撃ち込む。

「ぐあぁぁぁ!?」

「この程度でボクに勝てると・・勝つなどと吠えるとはなぁ・・」

『ガッチョーン・・ガッチャーン!』

今度はチェーンソーを前にして付けかえて殴りかかる。

「くぅ!?」

ソレを避けて後ろに下がる一夏。だが、

「その程度で避けた気になるなぁ!!」

『ギュイーーン!!』

腕を振りあげる様にするとエネルギーで出来た大型の丸鋸の様な様な物が飛んで来て、一夏を切りダメージを与える。そして、そのままパラドはヴァイザーをベルトにつけ直す。

『ガッチューン・・ガッチャーン』

『ポーズ』

そして、いつの間にかに反対側に現れて蹴りを構えていた。地面に時計が緑色に光り、分針が回し蹴りの足と共に動く。そして、それが一夏に当たり一夏は更にくらって吹き飛ぶ。

『クリティカル・クルセイド!』

「があぁぁぁ!?・・がふぁ!?」

『ポーズ』

「ふぐぅ?!

そして、気が付くとパラドは一夏の首を掴んでいた。

「ボクに勝つ気は本当に有るなら・・殺す気で本気になってみろぉ!!遠慮してんじゃない!躊躇してんじゃない!今!この瞬間!!君は世界の運命を背負っている!!ボク一人の命など考えずに殺す気で戦いに来い!!」

そう言って投げ飛ばす。地面に転がった一夏は地面を一度つかむように土を握りこむ。

「そうだよな・・お前を倒さなくちゃいけないんだ・・遠慮してる余裕なんて俺には無かったな!目が覚めたぜ!」

『アクセル!マキシマムドライブ!』

クラウチングスタートの要領で急加速してエターナルエッジで切りこむ。ソレをチェーンソーで受けるがそこに二振り目の雪片が胴を切り裂く。

「ぐぅ!」

「まだだ!」

『ユニコーン!マキシマムドライブ!』

膝からユニコーンの様なエネルギー体が出てそれでひざ蹴りを喰らい、パラドの体は空中に浮く。

「ぐはぁ!!」

『バード!マキシマムドライブ!』『ナスカ!マキシマムドライブ!』『サイクロン!マキシマムドライブ!』

一気に三個のスロットを叩きマキシマムドライブを繰り返して空中で連続攻撃を高速で繰り返す。まるで二つの剣が羽のように何度も通るたびに空中で攻撃を繰り返しくらい続ける。

「があ!?ぐはぁ!?ぐあぁぁぁぁぁああ!がぁ!?」

そして地面にたたき落とされる。

「がふぅ!!・・ここまでやるとはね・・しかし・・」

そう言って手を伸ばした時、

『アクセル!マキシマムドライブ!!』

加速した一夏はその手を蹴って弾く。

「さっきからその腰のベルト・・そこにあるボタンを押す事で瞬間移動しているんだろ?」

「・・素晴らしい観察眼だ。見破られるとは思っていなかったよ。」

ソレを聞いて驚く。ベルトの力で瞬間移動していた!?それに何故一夏は気が付いたのか・・。

「さっきから瞬間移動をしているのは、ベルトに手を伸ばした時。つまりは、手に武器として持っている時には使えない機能・・そうだろ?」

「・・素晴らしいね。ここまではっきりと見破られると悔しさを超えて、むしろすがすがしささえも感じるな。」

体をはたく様にして立ち上がる。そして、ガシャットを抜く。

『ガッシューン・・』

「仮面ライダークロニクルガシャットは強力なんだが・・力に頼るとこうなるか・・おめでとう。仮面ライダークロノスの攻略は成功だ。ポーズ機能を止められれば単純な力では強化した君に勝てそうにはないからね。」

「これで終わりか・・。」

「いや・・最期は・・やっぱりね・・。」

そう言って変身を解きベルトをつけかえる。ソレはゲームドライバー。

「やっぱり・・ボク自身の力で戦わないと終われないよね!!」

『デュアルガシャット!ザ・ストロンゲストフィスト!ワッツ・ザ・ネクストステージ?』「マックス・大変身!!」

『マザルアップ!紅い拳強さ、青いパズル連鎖、赤と青の交差!パーフェクトノックアーウト!!』

そうしてなったのは赤と青の戦士。

「仮面ライダーパラドクス・・レベル99。そして・・この姿なら使えるんだよね。クロノスよりも強力に!」

そう言って何かメダルの様な物を取り出す。アレは確か、エナジーアイテムと言った物のはず。ソレを一枚自分に投げる。

『回復』

言葉の通りに見るからに痛みを押さえていた感じの格好のパラドがしっかりと立っている状態となる。そして、もう一枚自分に投げた。

『分身』

それによってパラドが二人に別れる。

「これならノックアウトファイターのボクと・・」

「パーフェクトパズルのボクが自由に動けるんだよね。」

あんなにも強い相手が二人に別れるとは何という凶悪な技だ。

「そして・・アイテムはこう使えるんだ。」

青いパラドがそのアイテムを操り空中で自由に動かして一夏にぶつけた。

『混乱』

「うぐぁ!?」

そう音声が鳴ると一夏がくらくらと酔った様な動きを見せる。周りにも明らかに紫色に光りその状態が目に見えるようになっている。

「さて、今のうちに準備しておこうか。」

そう言ってパラドは一人に戻りアイテムを自由に使いたいようにばら撒く。

「っく・・これくらいなら・・はぁ!!」

『ホワイト!マキシマムドライブ!』

白式から得た力で白く塗りつぶして消したようだ。一夏の状態は戻った様だが周りが整った分、分が悪くなっている。

「さぁ、始めようかね。最後だよ!」

「あぁ。いっくぜ!!」

パラドは手にパラブレイガンを持ち、一夏はエターナルエッジを持つ。

『高速化!鋼鉄化!マッスル化!』

『アクセル!マキシマムドライブ!メタル!マキシマムドライブ!ジョーカー!マキシマムドライブ!!』

お互いにアイテムとメモリの力を使い武器を振う。

「はあああああ!!」

「うおおおおお!!」

斧と剣が何度も打ちあい、火花を飛ばす。

「まだ・・まだだ!!」

『高速化!高速化!高速化!』

『トライアル!マキシマムドライブ!』

さらに激しく加速してお互いに武器を振い合い、更には殴り、蹴り合う。

「がぁぁぁぁぁああああ!!」

「ぐううううううううう!!」

お互いが譲らず、既にガードする事も捨てて、唯只、殴り、蹴り、武器を振りあい、ダメージが蓄積するようになってきた。

「頑張れ・・頑張れ一夏!!」

声をあげて織斑千冬としての応援をした。

「頑張れる・・応援が有る限り・・俺は『永遠』に!!」

「『矛盾』を抱えてもボクは進み続ける義務が有るんだぁ!!」

そう言ってお互いの武器を振り抜き交差してすれ違う。

「ぐぅ・・。」

片膝をついたのはエターナルだった。

それでもまだ闘志は消えて無いのか剣をついて立ち上がろうとしている。

そして・・パラドは・・

「・・かはぁ・・。」

倒れた。

ごろりと仰向けになるとその胸にあるライフゲージは〇になっていた。

「負けた、負けたよ。まったく・・。師匠として君を鍛えて来たボクを超えるのが早いよ。」

笑いながら変身が解けてその場に生身のパラドが転がる。

「じゃぁ・・俺が勝ったんだな?」

「そうだね。君に世界の命運がかかっている。仮面ライダーを正しく導く為の使命が。迷うな。逃げるな。ボクに勝ったからにはすでに許されない。」

そう言って手を伸ばすと体が赤と青に輝いて光の粒になり始める。

「・・俺はこの力を手に入れた時から、正しく使うことしか考えて無いからな。ソレを伝えて行くだけだ。間違っているなら正して行く。お前みたいに戦ってでもな。」

「そう・・だね。聞きわけが悪いなら殴ってでもとめる様に。」

お互いに笑いあって拳をぶつけあった。

「少しの間・・休むよ。ボクは・・疲れた。」

「しばらくに時間は俺に任せておけ。でも、帰って来いよ。待ってる。」

「りょう・・かい。」

そう言って赤と青の光りは空に消えて行った。

その場にブザーが鳴り響く。勝者、織斑一夏と。

 

 

三日後。

教室に紫色の土管が現れた。全員が驚いてソレを見ていると、その中からファンファーレみたいなものが流れる。そして、

「とう!!」

そう声をあげて中から何か・・いや誰かが飛び出した。

「いやぁ・・久々の休暇は素晴らしく休めたよ。」

ソレは生き生きとしたパラド・クリ・エイタだった。

「コンティニューシステム・・残り97!」

まだまだ完全には死ぬ事はなさそうだ。

「それじゃ、今日からは世界中にライダーシステムを広げる第二の天災になるから。学園も大変になるけどよろしくね!」

頭はとんでもない事になっているようだが。教室から出て行こうとする所ではたと気が付いた様に止まる。

「それじゃ、行ってきます。・・の前に・・皆、一夏、シャルロット、・・ただいま。」

ライダーの伝説は今から始まるのだから。

 

 

 

 




これにて普通の話は最終回を迎えました。
残りはアフターのみです。
どんな話になるかは・・

最期をお楽しみに。
では、また見てらいだー。


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アフター 五年後の未来

今回は主人公視点ではなく、第三者視点で。
物語の語り部はわたくしが担当させていただきます。

では、本編へ・・善き終焉を。



結婚式場。

今日は二組の挙式が同時で行われている。

と言うよりも共同結婚式だ。

神父が名前を呼ぶ。

「新郎。パラド・クリ・エイタ。」

「はい。」

新郎の男が前に出る。

白いタキシードに包まれたその男は学生時代よりも苦労した様な顔つきになり、それでも幸せそうな顔だった。

「新婦・・シャルロット・デュノア、更識簪。」

「はい。」「・・はい。」

二人の新婦が一歩前に出る。

そして名前を呼ばれた通りの順番に指輪を交換し、新郎は二つの指輪が一つに組み合わさった特別な指輪をつけた。

まるでXのように組み合わさった指輪の中央には紫の宝石が輝いていた。

 

誓いのキスは口ではなく、二人の新婦が両頬にするという異例の形を取り、代わりに名前を呼ばれた順に口にキスを返すという形を取る。

コレはお互いを平等に愛するという表れと言う事だった。

そして、協会の出口まで歩く。代わりにそこにいた二人の男女が前に来る。

もうひと組の新郎新婦だ。

「新郎、織斑一夏。」

「はい。」

「新婦、凰鈴音。」

「はい。」

呼ばれた二人は幸せそうに笑い合い一歩前に出て白い指輪の交換をして普通通りのやり取りをして、出口まで歩く。

新郎二人が顔を見合わせて出口を開く。

コレはお互いに自分の道は自分達で切り開くという表れだそうだ。

外にいたのは学友や少し遠縁の親族一同に関係者。そして後ろからは親族が一緒に集まり祝福してくれる。

「おめでとぉ!!」

「やったな、一夏!!」

「よくぞお嬢様をものにしたな、パラド!!」

「私達も親族一同とともにお仕えいたします!若どの!」

皆がこの先を応援して、祝福してくれる。

「ありがとう皆!!ただ、【若】はやめてくれないかな?」

パラドは苦笑いで手を振る。二人も少し苦笑しているが、幸せそうなのは変わらない。

「あはは、パラドはやっぱり締まらないな。」

「そうね。アタシ達は普通に一般家庭だから問題ないわよ。ねぇ?お・ね・え・さん?」

「ぐぅ・・鈴に義理姉と呼ばれるとはな‥。まだしばらくは叔母さんと呼ばれたくはないからな?」

「それは・・天のみぞ知るってやつよね。いつできるのかしらね?」

「やめろ!こんな所で言う事じゃない!」

一夏がそう言って抑えるが、鈴と千冬はお互いに何となく楽しそうである。

この後は披露宴が有るが、それも共同でするので会場はものすごく広い場所だ。

教会の横にある披露宴会場は特別に広い会場を用意してある。政府も合同と言う事で資金を出している。

そこに皆が移動してお色直しをした二組が入場。

そして、料理が運ばれてきて披露宴が開始した。

昔の話をする両親や友人。出会ってからの経緯を話す親族一同。そして、昔のビデオを流しなつかしんでいる。

そこに、いきなりのハッキングが有った。

『はろはろー、世界のアイドル束さんだよ!いっくんが結婚と言う事でお祝いメッセージだよ。箒ちゃんを選ばなかったのは残念だけど、ちーちゃんも認めるならお祝いしとこうと思ってね。それと、パラド・クリ・エイタ・・君に言っておくことが有る。』

「・・なんでしょう?」

『一応言っておくが君の発明は確かにすばらしい。『私の夢を叶えてくれた』と言う点では悔しいが認める。でも、まだ私は君に負けたとは思ってないから!』

「ソレはもちろん。今の私は一介の研究者ではなく、立場が有る身なのでそこについては負けて居るし、差が開いているでしょう。しかし、それでも・・貴方が世界を幸せにする発明をしてくれるからこそ私もこうして幸せを掴む事が出来た。だから、逆に一言、言わせていただきたい。ありがとうございます。」

『・・まったく。悔しい顔でもしてくれればいいのにさ。まぁ、いいや。君もいっくんの親友として認めているし、幸せになりやがれ今畜生!!』

「ぶっきらぼうでもその言葉、とてもうれしく思います。ありがとうございます。」

『ふん!そこの娘共も!しっかり旦那の首捕まえておけよ!!そして幸せになりやがれ!私が認めたそいつらを不幸にしたら、すぐさまぶっ飛ばしに行くからな!覚悟してろ!!』

「覚悟は必要ないわね。アタシは、旦那さまとも義姉さまとも仲良くやって行けるから。」

「私達も大丈夫ね。国をあげて祝福してくれた私は今、素晴らしく幸せだから。」

「そうだね。パラドはそんな私達が幸せでいる事が幸せと言ってくれた。だからこそ、私達もパラドも幸せになれるんだから。だから篠ノ之博士、私達からも言わせてください。」

「「貴女がISを作ってくれたおかげで私達は幸せになりました。ありがとうございます。」」

「アタシも一夏ともう一度会えたのはISのおかげだから、ありがとうございました。」

『・・作った事をこうもはっきりと礼を言われた事はなかった。うん。ソレは良かったよ。君等も幸せになりな!んじゃね!ばいびー!!』

そう言って通信は切れた。しかし新郎新婦全員が笑顔で礼をしていた。

それからつつがなく式は進み、最後の挨拶まで進む。

そして、そこへ一人の男が慌てて入って来た。

「若!!バグスターウィルスに感染した怪人が現れて、被害が出ています!!このようなめでたい日に申し訳ありません!!俺たちじゃ手に負えなくて・・」

「はぁ・・仕方ないな。シャルロット、簪。俺は行って来る。すまない、鈴・・一夏を借りるよ。」

「はぁ、仕方ないわね・・と言いたいけど、一緒に行くわ!アタシも手に入れたのよ!」

「パラド、私とシャルロットも国から支給された。この場はこのまま解散にして行こう!」

「そうだよ。私達が結婚したのはこうして苦しむ人を救う為なんだから。」

そう言って新郎だけではなく新婦も立ち上がる。

「はぁ、もう皆行ってらっしゃいな。私が収めておくわ。」

「ありがとうお姉ちゃん!」

そう言って出て来たのは水色のドレスの更識楯無だった。いや、更識もパラドの参加に入った為、頭首代理と言う事で名前は元に戻り『刀奈』と名乗った。楯無は名前に合わないのでパラドの名前はそのままだが、楯無の役職はそのまま受け継いだのだ。

「わかった。義姉さん、頼んだよ!」

そう言って新郎新婦、全員が飛び出す。

服を着替えて軽装にしてさっきの男に先導されるように屋上へ。

そこに準備してあったヘリに乗り込み、そのまま上空へ。そして、見えた先にはビル街の一角で広いあたりで人が倒れていた。

「あれは・・『グラファイト』・・しかも赤いという事は【グレングラファイト】と言う事か。おそらく想定されるレベルは99だろう。ISを否定する男が取り込まれたようだ。しかし、そのまま取り込まれてしまって、もうはがす事はできそうにない。倒すしかない。」

「レベル99!?マジで!?」

鈴が叫び、一夏は構える。ベルト、ダブルドライバーが装備される。

「上等。この世界の平和は俺が居る限り、永遠だぜ!」

『エターナル』『ホワイト』

一夏が構えた横で鈴が真ん中が丸く大きなベルトを装備して手に黒い車を構える。車を腕の差し込み口に差し込む。そして、ベルトのつまみを捻った。

「そう・・なら、アタシも付いて行くわよ。何処までも駆け抜ける為にね!」

『スタート!ユア・エンジン!!』

反対にシャルロットが立つ。腰のベルトではなく右手にでっぱりのあるアームベルトをつけている。そこに、金色の機械的なコーカサスオオカブトが斜めにつく。

「なら私も、頑張らなきゃね。」

その横に簪が立ち、腕に緑色の機械をつけている。緑色の目の様な物を手に持ち、横の突起を押す。

『ステンバーイ』

「その為に手に入れたこの力。束博士の夢の為に作ったISを認めない世界はもう必要ない。戦いは私達が止めて見せる。」

そう言いながら腕の機械の横の突起を押した。その後、捻ってまわすと機械は立方形の上部に突起がついた状態になる。

『イエッサー!ローディング・・』

そして、最後にパラドが立ちあがる。ガッシャトギアデュアルをベルトに挿す。

『デュアルガシャット!ザ・ストロンゲストフィスト!ワッツ・ザ・ネクストステージ?』「世界の平和の為に立ちあがれ、仮面ライダーたちよ!!行くぞ!!」

ヘリから五人が飛び出す。そして全員が構える。

一夏はダブルドライバーを開き、鈴はシフトカーを倒す。

シャルロットはコーカサスオオカブトを捻ってまっすぐにつける。

簪は上部のリキッドドロッパーを押してエネルギーを眼魂に送る。

パラドはベルトのハンドルを開く。

「「「「変身!!」」」」「MAX大変身!

『エターナル!』『ホワイト!』

『ドライブ!タイプ!NEXT!!』

『ヘンシン!チェンジ!ビートル!』

『テンガン!ネクロム!メガウルオウド!』

『マザルアップ!紅い拳強さ、青いパズル連鎖、赤と青の交差!パーフェクトノックアーウト!!』

白き永遠のライダー『エターナルホワイト』。

黒き車を纏う未来の力のライダー『ドライブ・タイプNEXT』

黄金の最強のライダー『仮面ライダーコーカサス』

友情に目覚めた魔眼のライダー『仮面ライダーネクロム』

そして、人同士をつなぎ合わせた『人にしてデータ体』、『ISの天敵にしてISを宇宙に送り出した功労者』『人にして人にあらず。人を愛するバグスター』『世界最強の矛盾』・・『仮面ライダーパラドクス』

全員が着地して構えると周りが変化し始める。

そして、倒れていた人たちがウィルスに感染して顔がゲームの敵キャラのようになった。更に中には変化してバグスターに変化しているのも居る。

『ラブリカ』『ソルティ』『アランブラ』『リボル』『モータス』『ガットン』『バーニア』『カイデン』と多くのボスタイプバグスターが生まれた。

更に雑魚敵も多く流石に数が多く、時間がかかってきた。

雑魚でも、元は人間なのでまだこの人達は分離できる。そう言う事で気絶程度に抑えながら攻撃していたが、なかなかきりがない。時間がかかり体力を消耗して行くばかり。

更にバグスターになって間もない人ならまだ助ける事が出来るかもしれないのだ。そちらも殺すわけにいかず、どうにか分離できないかと考えるが、この数をパラド一人でしかもレベル1にさげて攻撃するのは難しい。更に目の前には強敵が待っている。

このままグレングラファイトにかかれば苦戦するのは眼に見えていた。

 

だが、そこに後ろから他の足音がする。

振り向くと、五人のライダーを援護するように式場に来ていた他のメンバーも来た。

「お前らだけにかっこつけさせないぜ!」

「俺達も、戦うんだ」

「皆の世界を守るため、」

「私達も強くなると誓ったから。」

そこに列を割るようにゲームドライバーをつけたラウラが歩いて来て、先頭に立つ。

「国から支給されたベルトを持って、皆を守る。皆も平和を守ってくれ!行くぞ皆!」

【仮面ライダークロニクル】

『ガシャット』

ラウラはドライバーにクロニクルガシャットをはめる。他の全員は目の前で構える。

『変身!!』

『ガッチャーン!エンター・ザ・ゲーム!ライディング・ジ・エンド!レベルアップ!ライダークロニクル!!』

ドライバーのハンドルを開きラウラがクロノスに変身した。更に、

【・・ゲームスタート・・エンター・ザ・ゲーム!ライディング・ジ・エンド!】

ガシャットを押して全員が量産型クロニクルガシャットで変身した。

 

「面白い事になっているじゃないか!!あぁ?」

 

急にそこへ声が響く。全員が声のする方向へ顔を向けると・・、ビルの上に二人の影が。

「貴女達は亡国機業の『スコール』!?それに、【オータム】!?」

「えぇ。どうも、初めましてかしら?」

「オレ達も、新しく開発したんでな!一緒に試させてもらおうじゃないかって事で来たんだよ!戦力が増えるにこしたことはないだろう?」

そう言って二人は小さなボトルを取り出す。

『カシャカシャカシャ』

と音を立ててソレを上下に振り、二人は拳銃サイズの武器らしき物に取りつける。

『バット!』『コブラ!』

「「蒸血(じょうけつ)。」」

銃のトリガーを引くとその姿は黒い煙の様な物に覆われる。

『バット!』『コブラ!』

『『ミストマッチ!!』』

『バット・・・バッ・バット・・・』

『コブラ・・・コッ・コブラ・・・』

『『ファイアー!!』』

その体から光が火花のような物が上がり煙を散らした後、その姿は配管をつけた黒いライダーと、赤い管をつけた血のような赤いライダーになっていた。

『私はナイトローグ。』『オレ様はブラッド・スタークだ。』

二人が降り立ちバルブのついた剣と、銃剣のついたライフルを持つ。

『じゃあ、やりましょうか。これでもライダーの端くれとして先ずは、意志を見せる時かと思って馳せ参じたのよ?』

『これからはお前の作った世界が動いて行くのが、どうなるか楽しみでもあるのだがな!』

多くの仲間と共に立ち上がる意志を持ち、地球を仮面ライダーが守り、宇宙の未来をISが作る。それがヒトの出した答えだ。

今も世界のどこかで仮面ライダーは闘っている。彼らのように。

「皆!力を貸してくれ!!行くぞ!」

『応!!』

全員が駆けだす。そして、今日も平和は守られるのだ。

仮面ライダーとISの物語はコレで終わるが・・未来は続いて行く。

コレ以上は【私】が語るべきではない。

未来を託したこの世界を見届けるだけにしよう。

 

彼らの物語はここで一旦の終幕だ。

だが、今もどこかで彼等は戦い続けている。

平和と笑顔と幸せの為に・・。

 




これにて[永遠の操縦者と天才クリエイター]は終わりとなります。
皆さま、長い間ありがとうございました。

因みに最後に出ていない箒は普通にどこかで暮らしています。
問題を起こされたくないので呼ばれてはいませんがね。
こっそり弾や数馬などは呼ばれてますけど、名前は出ていません。
[語り部に徹している私]がソレを言うべきではないと思ったからです。
では、最後に。

またどこかで会いましょう。

その時まで。

時は有限、されど、想いは繋がれて永遠ですからね。


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天才クリエイター&永遠の戦士 アナザーワールドウォー アナザ-ライディング
VRーX アナザ―ライディング 01


友人に借りた映画DVDと持っているガシャット、そして某動画サイトから妄想が膨らみ、『どぶちゃっ』と弾けたので、書いて見ました。
シンフォギアのほうは難産中です。

それでは、ネクストゲーム・・スタート。


ISを宇宙に上げてそのあとには結婚式も挙げた。

あれから数年。俺は今湾岸線をバイクで走っている。

新しくとった免許と仕事で稼いで買った新車のバイクだ。パラドのバイクも思ったがアレは如何せん見た目が俺には合わない。黄色の派手なバイクよりもカウルのあるスポーツマシンタイプが欲しかったので、ブルーメタリックのハヤブサを買った。音がなかなか良い。

パラドも新しく車の免許を持っている。車は普通だそうで。ナンバーはお気に入りの数字をとるのに苦労したそうだ。でも一番のお気に入りは自転車だそうだ。ガシャットも自転車を使っていたのを見たことがあるし。

そして、今はパラドの会社に呼ばれたので移動しているのだ。

パラドはライダーシステム関係で独立した会社の社長となった。

IS学園の近い位置に合って、実験施設も多く充実した設備が有り、女尊男卑の思想は排除された会社で、デュノア社と更識家の後ろ盾があるので更に成長しつつあるらしい。

「しっかし、パラドが俺に頼みごととはなかなか珍しいな。」

大体は自分で完成させるのに俺に頼み事が有るから会社に今すぐ来てくれ。なんて初めてなんじゃないか?

そう思いながらパラドの新しい会社、【クリエイト・コーポレーション】の前で停車する。

ガードマンに伝えて身分証代わりに、パラドのくれている端末を見せると、

「お待ちしておりました。社長がお待ちです。バイクはこちらでお預かりしますので、失礼ですがお急ぎで社長室へと向かっていただけますか?先ほどから・・まだ来ないのかと催促の電話が鳴り続けておりますので・・」

「はい。頑張ってください。」

俺はガードマンにそう言う事しかできなかった。

それから社内に入り、待っていた社員が先導して社長室へと誘導してくれる。

・・が、如何せん早歩きだ。小走りになって居る時が有るくらいだ。

それから部屋の前で両手を掴まれた。

「・・心して挑んで下さい。頑張ってください。挫けないで、諦めないで、最後まで気を緩めないでください。」

「何故そこまで言われなきゃいけないのか、怖くて聞けれねぇよ。」

あまりの発言に年上の社員でも突っ込みを入れてしまった。

「では、お気をつけて。」

そう言って社長室の前から走って消えて行く社員。おいこら置いて行くのかよ。社長室目で入れて挨拶するんじゃないのかよ?明らかに逃げただろアイツ。

「はぁ・・意を決して行くか。」

俺はノックを三回してドアを開く。

「呼ばれ他から急いで来たが・・」

「ヴァハハハハハハハ!!」

「帰るわ。」

「待てぇーい!!神たるこの頭脳を持って作ったシステムの被験者に逃げられてたまるか!!」

「俺で実験するのかよ!?自分ですればいいんじゃないのかよ!?」

「・・ふぅ・・これは一夏の話から生まれて物なんだ。だから一夏に試してもらわなければ意味が無い。」

急にテンションが落ちたパラドがまともに話す気になった様なので会話をする事に。

「俺の話?何かあったか?」

首をかしげると、腕を組んで頷く。社長室の革張りの椅子から立ち上がり、来客用の椅子へと座りなおして手で対面を示す。

「まぁ、座りたまえ。・・昨日、夢で自分に良く似た自分が大勢出てきたと話していただろ?でも、それぞれが見た目が違ってた気がすると言った。」

「あぁ、その話か・・・。でも、夢の話だぜ?」

「それがもしも平行世界論の可能性だったら・・そう考えた。そして、もしかしたら・・・つまりは【IF】のライダーが存在するかもしれない。それで、その平行世界に干渉できる因子を持つかもしれない君に協力を要請したんだ。」

「・・よくわからんがあの夢が実は夢じゃなくて、平行世界の俺に会ったという実話だったらの話だろ?確定事項が少なすぎる。」

「だからこそ、実現出来たら可能性を見る事が出来る装置を作る道になる。未来予知に近いシステムが出来れば事故による死亡数が激減し、ISに組み込むことで宇宙空間と言う未知の状態でも、事故を未然に防げるかもしれない。今だISの事故は減っていないからね。」

手を広げながら上を見上げる様にして眼を瞑り何かを考えているパラド。

「あぁ、そう言う事なら世界中に人々に役立つな。わかった、協力しよう。」

「あぁ、ありがとう。君ならそう言うと思っていたよ。実験はすぐに始めれるから。」

「お前・・。俺が断ったらどうするつもりだったんだよ?」

「一服盛って、鈴に強制的に納得させる。」

しれっと真顔で言うパラド。殴りてぇ。

「卑怯だとか言う前に、友人を何だと思っている。」

「今回に至っては実験材料。他に代えが無い分貴重だけど。」

「後で覚えてろ。シャルロットと簪に言いつけるからな。」

「彼女達が怖くて、実験をやめることなどできない!!自重など遠の昔に捨てた。」

「自重は捨てるもんじゃない!拾って来い!!」

そんな言い合いそしながら実験に関する資料を読む事に。

 

「ふーん。コレが[試作型IF世界体験装置・VR-X]・・か。」

大型のベッドの様な物にいくつものコードをつないだ状態のヘッドマウントディスプレイが渡された。

「今回は本当にIFの世界を体験できるかのテストだからね。さぁ、そのVRモニターをヘッドマウントにつけて、更にベルトを装備してそこにプラグを繋いでくれ。」

「べルトにもか?」

「いざ、何かあった時に変身できなくては自分を守れないかもしれないからな。」

「なるほど・・。でも、片方のスロットに挿す状態なのか・・。これじゃエターナルにしか変身できないぞ?」

「君のエターナルなら十分さ。エターナルエッジもベルトに連動して反応するからメモリを使用することは問題ないから。」

「分かった。なら・・位置は、こんなもんだな・・電源起動。」

「よし、では、実験を開始する。ミッション・スタート!!」

そう言うとパラドが装置を起動したようで、俺の意識はすいこまれる様に意識が落ちて行った。

 

 

▼[ゲーム・スタート]

俺はきらきら青く光るトンネルの様な世界を飛ぶように高速で移動していた。

ISで細い空間を高速移動するとこんな感じだろうと思いながらも・・急に光りが変わって出口の様な所で光に包まれた。

 

そして、俺はデジタル模様が有る空間に立っていた。

周りを見渡していると、

「おや?こんな所へ珍しいね。」

女の子の声がして振りかえると、

「やっはろー。」

そう言いながら手を振る、赤と白の服に金髪の少女が立っていた。それよりも印象が・・

【で・・デカイ・・】

何と言うか篠ノ之箒と同じくらいに・・いやもしかしたらそれ以上かもしれない特大サイズ・・。アレは絶対肩がこるだろうと予想した。

「は、初めまして・・所で珍しいって?」

「此処は世界の狭間でいろんな可能性の重なりあった世界なんだよ?君はそこにいるんじゃなくて入り込んで来たでしょ?時々だけど居るんだよ。それでまぁ、色々と話した事もあるわけだ。」

「なるほど・・あー。これで俺が異世界に対しての因子を持っている可能性が実証されたと・・。」

「んー?よくわかんないけど・・君から不思議な力が感じられるんだよねぇ?君・・特別な人間なの?」

「夢の中で良世界の自分と会ったことが有る・・ただの夢だと思ったら、友人の科学者が事実だった可能性の実証実験を行いたいという事で此処に来たんだ。」

「むっずかしい話だなぁ。そんなの良くわかんないや。それよりも・・君、そのベルトをつけてるって事はライダーだね?」

「え!?」

「私もそうなんだよねー。いっちょ、御手合わせでライダーバトルとしゃれこもうじゃないか。私は自身の専用道具が有るからさ!」

そう言って取り出したのは・・・黄緑色とマゼンタのベルト。

「ゲームドライバー・・だと!?」

「ん?へぇ・・知ってるんだぁ。でも、ガシャットは知らないだろうけどね。この世界で作られた専用ガシャットだからね。

そう言って手を横にして構える。そこには白と紺色のガシャットが握られていた。

「さて・・それじゃ・・始めようか。」

そう言ってガシャットを目の前に構えた少女。

 

「そうそう・・私の名前・・『弦巻マキ』だよ。君は?」

「俺は織斑一夏。俺も・・正義の仮面ライダーだ!!」

そう言ってメモリとロストドライバーを構えた。

 

今ここから異世界のライダーとのバトルが始まろうとしていた。

 

 




記憶に残らないと言ったな?あれは嘘だ。
と言うか無意識上の分で夢としての認識になるようにしていたのに、それをパラドは並行世界論と推測したのがきっかけです。だってパラド自体が夢でライダー見てたからこの世界にライダーがあるわけだし。
でも、自身は見るしかできないのに、一夏はそこに行ったという事で実験が始まったという事です、はい。

ちなみに弦巻マキを出したのは、
『私の趣味だ。いいだろう?』
という感じです。
まぁ、映画を見て閃いたんですけどね。
では、また次回。

しーゆー、ねくすと・すてーじ!


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VR-X アナザ―ライディング 02

今回はあの子や、その子達や、更にあの子達まで出て来ちゃいます!
誰かって?
それは読んでのお楽しみ!

ではねくすとすてーじ。すたーと!


お互いにベルトと変身道具を構えて見合う。

「・・所で・・変身する前に聞いていいかな?」

「あ?まぁ、・・いいけど。」

ガシャットを見ながら・・

「コレ、見たことあるの?」

「え?あぁ。俺の親友の作った分だが。それと同じベルトに色々と使ってたぞ。」

「ふーん・・そう言う事ならこれもそっちの元の世界が有るんだろうね。私に適合したという事で私が使う事になったから疑問持った事無かったけど、よく考えたらなんで私が変身することになったのか疑問を持った事が無かったなってさ。」

そう言いながらガシャットを持って頭をポリポリとかいている。

「い、いや俺に言われても・・。」

流石にどうすればいいのか分かるかよ。

「ま、いいや。」

「良いのかよ!?」

聞いといて即座に疑問投げ捨てやがった!?マイペースすぎる!!パラドに近い所を感じるぜ。

「だって、一応これって自分専用に変換されてるんだよ?拾った時に使い方が頭に流れて来たんだけどさ・・変身後の姿が絶対自分じゃ無理って思ったらガシャットが変換されて今のコレになったの。」

「無理?何かあったのか?」

ライダーとして変身して何か無理な事ってあるか?

「だって明らかに胸が入らないし。押しつぶされて苦しくて戦いどころじゃなくなるもん。」

「・・・・。」

俺にソレを言ってコイツは何がしたいんだ・・同意できるわけがないし、反応もできねぇ・・反応したら明らかに胸を見てた事になるし・・どうしよう・・助けてくれ、鈴。

【スケベ一夏!馬に蹴られろ!!】

想像ですら怒られた!?そんなことは一切ありません!冤罪だ!!

「まぁ、そう言う事で・・いっちょ戦ってみますかね。・・ん?・・どったの?」

「いきなり切り変えれねぇよ!!もう少し周りのペースに合わせろ!!」

一応そう言いながらも頭を切り替える。

「んじゃ、行くか!」『エターナル』

メモリのボタンを押してロストドライバーのスロットに差し込み、構える。

「変身!!」『エターナル!!』

音声と共に白き【永遠】の王者の仮面ライダーとなる。

「さぁ、地獄を楽しみな!」

手を出してエターナルローブを弾きながらそう告げる。

「かっこいいね。その白さ、悪くない。でも・・」

【HURRICANE NINJA~KUNOITI~】

そう書かれたガシャットを構える。そしてボタンを押す。

『ハリケーンニンジャ!!』

和風の音楽が流れて画面が背後に現れる。

「ふふふ・・いっくよー!」

『ガシャット!ガッチャーン!レベルアーップ!!』

ガシャットを指したと同時にハンドルを開く。

『マキマキ竜巻!ハリケーン・ニンジャ―!!・・くの一!!』

その姿は女性型の忍者・・くの一のライダーだった。頭の上で髪を束ねている様な格好で体つきは明らかに女性。額に当て物が有るが、よくテレビでみるくの一をモチーフにした様な形状だ。

「ふふーん!私専用のライダー・・【仮面ライダー・加藤】だよ!」

・・風魔じゃなくて?加藤・・誰だよ?

「モチーフは飛び加藤こと軒猿の加藤。女性説もあるし、色々となぞ起き忍者だからね。ふふん、色っぽいだろ?」

「あ、俺。妻いるんで。そう言うの要らないっす。」

「真面目に返すなー!!しかも真顔で!」

「どちらも仮面ライダーなんだから顔も減ったくれもないだろ。」

「分かるよ!明らかに声のトーンとか。仕草とか。これでもボイスロイドって声の仕事してるんだからね!それくらい声からでも読めるよ!!」

「マジか・・。」

というか、ぐっだぐだな状態から戦うの?俺帰りたくなってきたんだけど。

「もう怒った!!いっくよー!!忍法分身!」

そう言いながら三人に分かれた加藤はこちらに二刀流で掛って来た。更に短刀を逆手持ちした二人の忍者(分身と言いつつ全く違う見た目だが)が攻撃を仕掛けてきた。

「おぉ!?行き成りは卑怯だろ!?」

「忍者は卑怯も汚い手も使う物だよ!」

そう言って攻撃を続ける加藤に俺はエターナルエッジを取り出して、攻撃を受けつつメモリを挿しこむ。

『ルナ!マキシマムドライブ』

俺は四人に分身してそれぞれが攻撃を始める。

「アイエェエエエエ!?ニンジャ!?ナンテニンジャ!?」

「お前が言うのかよ!?忍者の癖に!?」

「私よりも忍術使って卑怯だぞ!!」

「うるせぇ!!もう黙ってろ!!」

加藤に俺は二人掛かりで攻撃を仕掛ける。流石に二刀流と言えども辛い様で攻撃を喰らい始めた。

「痛い痛い!!女の子相手に卑怯だぞ!?」

「うるせぇ!!お前が戦おうって言いだした癖に何言ってやがる!?あぁ、もう面倒くせぇ!!」

「こうなればもう、自棄(やけ)だ!!決めるしかない!」『ガッシューン』

『ガッチャーン!キメ技!マキマキ!ハリケーンクリティカルストライク!!』

決め技ホルダーにガシャットを入れてボタンを押してキメ技を発動した。風をまとってくるくると回転しながら蹴りを放ってきた。というか分身の中から本体を狙ってきたこいつの勘はすごいな。

「うぃきゃんびーあー!とーぉぉるねぇぇ~いど!!」

「確かに回ってるけども・・。」

エターナルエッジからルナを抜いて、腰のマキシマムスロットにサイクロンを指す。

「回転の風には風で返すぜ!!」

『サイクロン!マキシマムドライブ!』

俺も風を纏い回転した風を足に集中させて蹴りを放つ。

「きゃぁ!?」「うおぁ!?」

お互いのキメ技がぶつかり相殺されて地面に落ちる。

「あーも~!!こうなりゃもう一回数で押すよ!!行けぇ!!」

分身が二人来たので俺はすぐさまエターナルエッジにメタルを挿す。

『メタル!マキシマムドライブ!』

メタルを起動した途端に分身二人がこちらに向かって来て、三人からの攻撃を受けるがびくともしない。

「き、効いてない!?」

「ふっ・・ふん!!」

腕を振って攻撃を振り払ってから、分身の一人を殴ると吹き飛んでジラジラと電気が走る様にして消えた。

「くっ、此処まで強いとは・・」

「俺は・・俺の強さは・・友の為にある・・。こんなもんじゃねぇ!!こんな程度で測れてたまるかよ!!行くぜ、相棒『エターナル』!」

そう言うと腕の青い炎が更に燃え上がる。

「そ、そんな・・」

「『エターナル』!!決めるぞ!」

『エターナル!マキシマムドライブ!』

腰のマキシマムスロットに入れてボタンを押してマキシマムドライブを起動して、蹴りを放つ。

「あ、れ!?動きが!?にぶ・・」

「はぁぁぁあああ!せいやぁ!!」

蹴りを放つと加藤の腹部へと当たりそのまま転げて音声が流れて胸のライフゲージが消えると変身が解ける。

「きゃああああ!?・・げふっ!?」

「俺の勝ちだ!」

そう言うと降参とばかりに弦巻が手をあげて地面に座る。俺はソレを見て変身を解く。

「あたたた・・降参だよ。参ったね。ここまで強いとは・・私も強いと自負してたんだけどまだまだかぁ・・。」

「俺とは背負ってるもんが違うんじゃねぇか?俺は人々を守る正義の味方の看板を背負って、自分の正義を貫く覚悟を決めたからな。」

「あははは・・ソレは負けるわけだ。ねぇ?【ゆかりん】?」

そう急に知らない人の名前らしき物を言うと・・

 

「そうですね。私からすればなかなか面白い存在だと思いますよ?」

 

と上から声が聞こえてきた。そちらを見ると白衣を着た女性が立っていた。

「ふっ・・!」

高い位置から飛んで俺達の近くに降りる。

「初めまして、異世界のライダーさん。私は【結月ゆかり】といいます。私も仮面ライダーをさせていただいていますので以後よろしく。」

そう言って握手を求める様に左手を出された。

「あぁ、俺は織斑一夏。よろしく・・!?」

急に相手の右手に嫌な予感がして握手をしようとした左手を下げる。よく考えたら左手での握手って失礼にあたるんじゃなかったか?

「・・驚きました。先制で成分を得ようとしましたが・・気がつかれるとは・・。警戒されないようにしたはずですが?」

「勘・・だな。俺の友人にも実験好きがいるが、そいつの壊れた時の様な眼に一瞬なった。目は口ほどに物を言うってな。」

そう言うと右手に隠していた小さなボトルを見せる。

「はぁ・・それなら貴方と戦い、勝ってからその成分を頂きます。」

「連戦は勘弁しろ。それに、俺の相棒は渡すわけにはいかない!」

俺はそう言ってどうにかして逃げる準備をする。

 

「なら、ウチらも混ぜてもらおうか。」

「ウチらって・・私もなのお姉ちゃん?」

 

今度はまた別の方向から声が二人分聞こえてきた。

「また、あなた達ですか。・・[琴葉姉妹]。」

「せやなー。またウチらや。」

「だよねー。ゆかりさんは実験と称して迷惑をかけるからこうなるんだよ。こっちも一緒に居たいわけじゃないんだよ?」

どうやらこのゆかりと呼ばれている人物はよくこういう事をするらしい。更にこの二人・・琴葉姉妹と呼ばれてたのはソレを仲裁してくれる気が有るようだ。

「まぁ、ウチは自分がしたい事をするだけやけど?今回はゆかりさんの邪魔するのがおもしろそうや思ったし。そこのお兄さんには少し話がしたいと思ったから、助けた方が話しやすいやん?」

「迷惑をかけるゆかりさんを止める私達の苦労を分かってください。特にお姉ちゃんを止めたい私はつらいんですからね。」

そう言う青い方の妹は苦労人見たいだ。

「織斑君、この二人は琴葉姉妹って言って、姉の方が紅い髪の茜ちゃん。青い髪が妹の葵ちゃんだよ。二人とも面白い子だしいい子たちだからね。ゆかりんほど、はっちゃけてないから安心していいよ。」

「ソレを聞いて心底安心した。・・ん?」

「・・だ・・・-!!

そう言っていると背後から何か聞こえてきた。遠い所からだんだん近づいてきているようだが聞きとれない

「・・んだ。ず・・ぁ-!!」

「な、なんだ?何か来た?」

その方向を見ると猛スピードで白い何かとその上に乗った緑の物が突っ込んできていた。

「なんだあれ!?」

「ずんだ!ずんだぁー↑ずんだーぁぁぁ↓!!」

意味が分からないんだが!?【ずんだ】って言いながら叫ぶ物体が飛んできた!?

「あー東北姉妹だね?上の緑が仮面ライダーゴーストの[東北ずん子]でしたのがきりたんぽ型のロケットを装備している[東北きりたん]だね。」

ま・・まさにchaos!!

 

と言うか濃い色に濃い色を混ぜると黒に近くなると習わなかったのかと言いたい状況だ。

俺はむしょうに帰りたくなってきた。

 

 




はい、今回出現したのは『ボイスロイドシリーズ』から出しました。
某動画サイトで実況見るの好きでねぇ。
「あ、名前からネタ思い付いた。」
的な部分で一気に書き始めるようになりました。
それもこれも、仮面ライダーが魅力的なのが悪い。いや、悪くは無い!!
むしろそれがイイ!!

と言うところでこの状況、どうなるのか。
待て、次回。
しーゆー、ねくすと・すてーじ!


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VR-X アナザ―ライディング 03

前回増えたキャラクターとライダーの組み合わせは、
『私の趣味だ。いいだろう?』
『こうなってしまったのは私の責任だ。だが私は謝らない。』
と言う感じです。
まぁ、ダークライダー系ばっかり出しているので、正義系を出してもいいかなっという、単純な発想ですが。

と言う事で、ねくすと・すてーじ!すたーと!


「ずん、ずんだ!ずんだぁー↑ずん。ずんだーぁぁぁ↓。」

「日本語でおk。」

 

「はじめまして、東北ずん子と申します。こちらは妹のきりたんです。」

「非常に真面目な挨拶を仰られていた。」

「基本的にずんだキチじゃなきゃ、ずんちゃんは普通だよ?」

東北姉妹とのあいさつだったらしい。正直喧嘩売られているんだと思うようなテンションだったけど。

「まぁ、えっと。俺は異世界の仮面ライダーで『エターナル』をしている織斑一夏といいます。友人の実験装置によって今ここに来ていますが。」

「へぇ・・実験ですか?」

隣に紫の既知外さんが来た!?

「うわぁ!?」

「そう驚かないで下さいよ。挨拶も済ませたじゃないですか。」

「それでいきなり色々とやられそうになったこっちからすれば、警戒するのは当たり前かと思いますが!?」

「それはそれ、これはこれ。貴方のいう友人さんも実験が好きなのですか?」

眼がギラギラと輝いている。怖い。

「えー、うん、まぁ。会社の社長なんだけど自身でライダーのシステムを開発したりしていて、ここにいる中じゃ、そこの琴葉姉妹のゼクターと弦巻さんのガシャットは見たことがある。少し形が違うけど東北ずん子さんの眼魂(アイコン)も似たものはあったよ?」

「ほほう・・じゃぁ、私のビルドはなかったと!?やはり私は天才だ!!」

そう言って手を広げ、色々とない胸を張って自慢げにしている。が、俺は一つ思い出した。

「それ事態じゃないけど、裏組織が似たものを作ってたけど。」

「がっでむ!!」

地団太を踏みながら悔しそうにしているゆかり。これ、俺のほうに来なきゃいいんだけど。

「まぁいいです。私のビルド自体がなかったのなら良しとしましょう。なんたって、私は天才!ですからね。」

そう言って(絶壁と言っていいほどの)胸を張る。

「殺気から喧嘩を売られている気がするんですけど?気のせいでしょうか?」

「気のせいじゃない?」

巨乳を前にキレた時の鈴のような目でこっちを見るのですぐさま訂正しておいた。

「ならいいんですが。・・それよりもです、一度でいいので成分は取らないのでバトルをさせてください。一度でいいんです。できることなら何でもしますから。」

「ん?」「なんでもって言った?」

「ずんだキチときりたんぽキチとデカチチ女は黙ってろ。」

「私何も言ってないよ!?しかも言ったの、片方は茜ちゃんだよ!?」

「茜は私の派閥に近いので。」

「中間や!!まだ大きくなるんや!これからの成長次第や!!」

「私たちはこれから成長はしませんがね・・。わたしは諦めました。」

「ゆかりさんの目が雲っとる・・。こらアカンわ。」

それからは普通に説得して話を戻すのに苦労した。

「・・ということで、バトルはいいぜ。ただしお互いに失うものは無し。成分は取ってないけどメモリは頂くとか言われたら困るしな。いつ向こうの世界に帰るのか分からないから、そっちのボトルを預かるのもなしだ。」

「わかりました。純粋な力比べと行きましょうか。」

「それでいいぜ。っと、言いたいところだが少し休ませてくれ。色々と疲れた。」

バトルをしたり、急に何人ものライダーが増えたりとあったから頭を整理したい。

「わかりましたそれでは・・一度マキさんの家で休みましょう。いいですか?」

「変なことしないならいいよ。あぁ、一夏君は来て全然かまわないから。」

フレンドリーな感じに招待された家はごく普通の一軒家。おかしなところは何もないが。

「う~ん、この家の外見・・見たことあるんだよなぁ?どこだ?」

記憶の中を探りながら中に入る。庭、玄関、そしてリビングとキッチンを見て気がついた。

「この家、俺ん家じゃねぇか!?」

内装は微妙に違うが、間取りやら広さはそのまま俺の家だった。

「へぇー。一夏君の世界じゃ家(うち)が、一夏君の家と一緒なんだ。不思議だねぇ。もしかしてそういう因果があって、初めに私の近くに現れたのかもしれないね?」

「確かに。家は一緒だし、友人と一緒タイプの変身道具、それと一緒の仮面ライダー。そんな因果が俺を、いくつもある世界の中からこの世界に呼んだのかもしれないな。」

そう言うと、

「ロマンチック!でも私たちは別れる運命!あぁ、なんて悲劇。」

「勝手に私の気持ちにならないでくれるかな葵ちゃん?しかもそんなこと思ってないし。一夏君はいい子だけど・・私、年上好きなの。」

「つまりはおやじフリークということです。」

「言葉を選んでくれないかなぁ?!ゆかりん!!年上好きと言ってほしいの!」

「でも性別にこだわりは無い。」←茜

「性格さえよければ女性でも?」←ずん子

「ここにいるみんなは年下か同い年くらいだから大丈夫だね。」←葵

「安心しました。貞操の危機かと。」←きりたん

「有るから!めちゃくちゃこだわりとかあるから!!ロマンスグレーなおじ様がいいの!!好みのタイプとかあるから勝手なこと言わないでみんな!?」

お茶を飲んでいるとみんなが笑いながら騒いでいる。そうか、向こうの騒ぎと似てるんだな。そう思うと無性に寂しくなった。鈴たちのところに帰りたくなった。

「さて、さっさと済ますとするか。いつ帰ることになるか分からないからな。休憩もしたし、・・本気でいくぞ?」

「ふふふ、天才である私に勝てるというその、ふざけた幻想をぶち壊して上げますよ。」

お互いに立ちあがり玄関から出て空地へと向かう。廃工場の取り壊し待ちが多い地区まで来て変身する。もちろん全員が付いてきていたが。

それじゃ・・始めようか。そう思いベルトを構えると・・、

 

「ちょっと待ったぁ!!」

 

そこへ男の(・・)声が急に響いた。

「この声は・・パラドか!?でもどこから?」

そう言っていたら急に地面に紫色の土管が表れてそこには、

【パラド専用】と書いてあった。そしてファンファーレのような音楽が鳴ると、

「とぅっ!!」

と中からパラドが表れた。ってここは確かVRの世界の中じゃ!?

「ど、どうやってパラドがここに!?」

「決まっている!実験によって君のねているVR-Xに端末をつないで自分を簡易ベットに寝かせてきたのだ。君の残した経緯をたどることでここまで追いかけてこれたというわけだ。これこそ天才であるボクがなせる技!!もはやボクは神と言ってもいいね!」

「落ち着きなさい。」

そう言って頭を叩いた。

「痛い。」

落ち着いたようなので話を聞くことに。

「それで待てというのは?」

「これ以上、君にこの空間でのバトルは許可できない。緊急事態だからボクがここに来たんだ。」

「緊急事態?何かあったのか?」

それからは長くなり難しい説明があったので簡易的に説明しなおすと、

「君の脳内に負荷がかかり、君がこの世界で戦いダメージを追うごとに脳にもダメージがかかっている。この世界でゲームオーバーになると、脳が死んでしまう可能性があるということだ。だから、これ以上は戦わせることはできない。」

「な、なるほど・・。んじゃ、どうすんだ?このまま帰るのか?」

「そういうことになるな。異世界論は実現できたし、実験自体は成功なんだ。これ以上のリスクは必要ない。」

そう言って俺の目の前にガシャットを見せる。

「これは『マイティクリエイターVR―X』ガシャット。この世界では自由に物を作ることも可能だ。帰る際はもとからボクが迎えに来る予定だったからな。ここに出口を作るから、帰るとしよう。」

 

そこまで話していたら横から結月ゆかりさんが話に入ってきた。

「貴方が天才と聞いて、話・・いえ、相談があります。」

「何かな?話は聞いていたからね?成分はあげないよ?」

 

「いえ、違います。」

ゆかりさんは首を振り、目を伏せた後、意を決したようにパラドに向き直る。

「私を、いいえ。私たちをこの世界から出すことは可能ですか?」

 




波乱の展開。
ゆかりんの言葉によってどうなるのか。
ここからの展開は怒涛の展開が待っています。
まぁ、ぶっちゃけ解決しますが。
そこまでの展開はなかなか難しかったですよ。
実は東北きりたんあまり知らないのに書いたという。
人数ほしかったので。
でも、東北いた子は本当に何も知らないので書けなかった。
後悔はしていない。反省はしている。
そんなこんなで、待て次回。
しーゆー、ねくすと・すてーじ!


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VR-X アナザ―ライディング 04

前回、ゆかりんによって頼まれたお願い。
「私たちをこの世界から出すことは可能でしょうか?」
それによって新たな歯車は回りだす。
揺れ動く振り子。
刻む秒針。
それが止まった世界から彼女たちを救いだせるのか。

ねくすと・すてーじ!すたーと!


「私を、いいえ。私たちをこの世界から出すことは可能でしょうか?」

「「・・は?」」

二人で声を揃えてしまった。

「先ほど言った通り、この世界は・・ボイスロイドの世界。外の世界とは違い可能性の一つに過ぎず、時間経過の概念はありません。茜ちゃんが成長と言っていましたが、そもそもから、成長する概念がないのです。ただ無限に近い時間の中を私たちは生まれたままの姿で過ごすだけ。幸運にも仮面ライダーという異物が入ったので一時的には変わりました。ですが、あなたが作った装置のおかげで外の世界があることがわかりました。我々は内包された世界で生きていたのですから、外を知りませんでした。しかし、そこの織斑一夏さんと話し、そして世界のことを改めて知ると、この世界ははったりでしかありません。外の世界を私は見てみたい。成長はしなくてもいい。それでも私はここから出たいのです。」

そう言うと全員が下をむいていた。言葉には出さなくても、同じ思いはあるということだ。

「できるけど?」

「軽い!?結構思い話しだったけど、そんなにあっさりできるの!?」

「これは面白い事にね、君たちが、ライダーだからできることなのさ。幸運だね。」

「それはどういう・・」

白いガシャットを取り出す。

「これは何も入っていないガシャット。まず、これを用意して君たちのデータを採取する。そして、君たち事態はもとの世界に筺体を用意してそこにデータ隊として住んでもらう。もちろん、そこから体を用意していい心を持った『バグスター』として存在してもらうわけだ。実はすでにその実験はできていて、助手の明日奈くんはバグスターの『ポッピーピポパポ』なんだ。今は人間の姿をしているが彼女もガシャットから生まれたバグスターで、同じように君たちもバグスターとして存在すれば問題はない。食べて、寝て、と人間と同じように過ごすことができる。」

そう告げたらゆかりさんはその場に座り込んだ。

「私なんかが足元にも及ばないほどの天才ですね。貴方こそ真の天才です。」

「そうだなぁ、パラド神(しん)と呼んでもいいぞ?」

「調子に乗るな。」

「痛い。」

軽く頭を叩く。

「さて、そうと決まればみんなのデータを取ろう。まずはガシャット同士の相性がいい弦巻さんからね。次に結月さん。それから琴葉姉妹、東北姉妹と順番に行くよ。」

「わかったよー。・・どうすればいいの?」

「あぁ、ガシャットを自分に向けて当ててボタンを押してくれればマスターデータは入る。そこから後はボクがするよ。覚悟を決めてから・・」

「えい。」

マキはいきなり自分に充ててボタンを押した。一瞬体がジラジラと揺れるようになった後、元に戻る。

「これで、いいの?」

「い、勢いよくて大変結構。それじゃそのガシャットを貸して。次の結月さんのはこれね。ほかのみんなのもあるから一人一つ持って置いて。」

そう言って数個のガシャットを積み上げる。

そして全員がガシャットを自分に当ててボタンを押した。

それからはパラドが端末らしき装置につなげて高速でタイピングしている。懐かしいな。IS学園時代もこうだった。変わってなくて小さく笑った。

それからは全員で話をして外の世界でしたいことを聞いたり話したりした。

「私は外の世界で音楽がしたい。こう、ギターをかき鳴らしてさぁ、『ぎゅんぎゅーん』って感じで。」

「音楽活動か。面白そうでいいな。」

弦巻マキ、音楽系のバグスター。

「私は実験とかがしたいですね。後は開発研究、だけではなくて体を動かしたりしてみたいのもあります。私の趣味にはスケートボードもありますから。」

「面白そうだな。パラドの下で実験開発はできそうだし、就職はできるな。」

結月ゆかり、スポーツ系バグスター。

「ウチはまぁ、ゆかりさんのお手伝いもええなぁ。それに趣味としては料理も作りたいわ。」

「料理か。なら、俺は金貯めたら食事処作ろうと思っているからそんときは協力してくれるか?妻と二人と思ってたけど、手伝いがいると楽だし。」

「それええな。はよ金貯めて店作ろうや。んで、ウチと葵が看板娘や。」

「うちの妻が一番の看板娘だ。そこは譲れん。」

琴葉茜、料理系バグスター。

「お姉ちゃんから目を離すと怖いのでそうなったら私も一緒にお願いします。」

「これは目標に大きく前進だな。頑張る励みになるぜ。」

琴葉葵、サポート系バグスター。

「それなら私はずんだ農園を。」

「結構です。というか、枝豆や大豆作ったりする農家はどうだ?それなら、豆腐や豆乳、枝豆や色々と先が見えるが?」

「うーん、それもいいかもしれないですね。自家製の大豆や枝豆でずんだの素晴らしさを広げましょうか。」

「それでもいいかもな。」

東北ずん子、農業系バグスター。

「わたすは、お姉ちゃんほど上手くはいかねぇけど、コメ作りからきりたんぽ屋さんとか作りたいかも。」

「うーん、コメ作りはいいがきりたんぽ屋さんか・・。需要が少ないから難しいな。なべもの屋さんとかならいいんだが。まずはコメ作りで次にきりたんぽ鍋をメインにした料理店だったらどう?」

「ひ、一人じゃ無理。あ、織斑さんの店で扱ってもらえればいいんじゃないかと思い付いたんだけど?」

「あぁ、季節限定できりたんぽ鍋か。・・いいかもしれんな。基本的には姉妹で農家。ずん子さんの手伝いで豆腐なんかを作って、季節の時にはきりたんぽって言うのが理想だな。」

「あとは、おむすびの代わりに焼ききりたんぽを作ったりして、食べながら歩ける軽食なんてのも考えてるんだけど・・。」

「んータレが下に落ちそうなのが難点だな。そこらへんの改良によっては売れるかもしれない。やってみてもいいんじゃないかな?」

「はい。がんばってみるです。」

東北きりたん、農業系バグスター。

 

話している間にパラドが端末に情報を打ち込み終わったらしい。

「それじゃ、一度帰って筺体の用意をしてくるから、もう少し待っててくれ。一夏もこの世界の目印のためにもう少しだけ我慢してくれるか?」

「当然だ。俺が仲良くなったんだしのちの夢のためにもこの子たちにも協力してもらうんだからな。」

「わかった。それじゃ一度帰る。」

そう言って『マイティクリエイターVR-X』を自分の前を四角く動かすと扉が生まれた。

「じゃ、また後で。」

そう言ってパラドはこの世界から一度消えた。それからみんなでまたマキの家に行って話をする。

話の内容は俺がライダーとして行ってきたことや、外の世界の常識、ISと言う物の存在とその認識が変わったことなど、向こうの世界の常識などを話していった

そして、料理の腕を見せるために俺がその場で料理を始めて全員にふるまうことに。

「わぁ、これ美味しい!」

「ふむ、なかなかの味ですね。イケます。」

「ええやん。これなら店も十分いけるで。」

「そうだね。これはおいしいですよ一夏さん。」

「ずんだがないのは悲しいですが、十分この料理はおいしいと思います。」

「きりたんぽ鍋が何故か有るのがうれしいけど・・、出汁が利いてておいしいね。」

それぞれが自分の好きな料理を食べて満足してくれたようだ。しかし意外にみんなよく食べる。一升炊きのご飯がなくなった。食材は好きに使っていいとマキから言われたので使ったが、ほとんど空になった。まぁ、外の世界に出るなら必要はなくなるだろうが・・。そもそも時間の経過がないからここじゃ腐らないそうだ。ただし、気分的な問題や冷たいほうがおいしいものがあるから冷蔵庫は必要らしい。

食材を入れて混ぜた入れ物を冷凍庫に入れると、冷えたという結果が残りすぐさまアイスクリームができたことには驚いた。まるでゲームの世界だ。『工程は飛ばして結果が残る』みたいな。

 

そうしているとパラドが返ってきたようで、部屋の隅に土管が表れてファンファーレが鳴る。

「とぅ!!」

「それはもういいから!!」

そう言いながら突っ込み入れて叩いてしまうのは仕方ないと思う。

「さて、準備は整った。今度はこのガシャット先ほどのデータを入れたガシャットをそれぞれの色に分けた。赤と黄色と白のガシャットは弦巻さんの。紫とピンクは結月さんの。赤黒が茜さんで、青白が葵さん。緑と黄緑のが、ずん子さんで、白と黒がきりたんさんのだ。それぞれがさっきと同じようにしたら最終段階として自分そのものがそれに入り、外の世界に用意した筺体へそれを挿すことによって、君たちはバグスター体として存在できるようになる。緊張するだろうが、覚悟が決まったら・・」

「えい。」

「はい。」

「うりゃ。」

「それ。」

「ずんだ!」

「はい。」

全員がすぐさまガシャットを押しあててボタンを押した。

全員のガシャットが光り、宙に浮いている。

「・・・一人変なのがいなかった?」

「ずん子さんだけはぶれないな。」

俺は苦笑いしてしまった。そして全員のガシャットをパラドが回収してさっきと同じくドアを作りそこを抜けていく。光の中を抜けると、

「む・・帰ってきたのか?」

目の前が真っ暗で視界に何か機械的なものがふさいでいるのが手探りで分かった。それをはずして横を見ると、ストレッチャーみたいなものと取り外した後のVR装置が置いてあり、部屋の隅の個室的なところでパラドがガシャットを並べて差し込んでいた。

「ふははは、異世界から存在を連れてきて新たな生命体を作り上げる。これこそ神なる所業!アイ、アム、ゴォォォオオオオオッドォォォォオ!!」

そう叫びながらすごい速さでキーボードを操作して、高く指を上げる。

「これで、完成だ!みんな、出ておいで!!」

そう言いながらキーを叩くと、まわりに六体の光が生まれた。

「やっはろー、弦巻マキだよ!」

「どうも、結月ゆかりです。」

「せやなー、琴葉茜ですぅ。」

「だよねー、琴葉葵です。」

「ずんだぁぁぁあ↑!ずん!ずんだ!!東北ずん子です!」

「ど、どうも・・東北きりたんです。」

全員が表れて自己紹介してくれた。

俺とパラドはお互いを見て笑い、そこにいる全員に手を広げてこう言った。

 

「「ようこそ、時間の概念のある、俺たちの(ボクたちの)世界へ。」」

 

これから色々と忙しくなりそうだ。 

 

 




まぁ、クロト神の代わりになった神的存在ですから簡単にこなしちゃいますね。そもそもバグスターの生み方を一番熟知してますし。
しかし、そう考えると移動の仕方は楽ですよね。バグスターって消えたりできますし。
バグスターなのにライダー。パラドのセリフで合った、
『人間にしか使えない、ゲーマドライバーを使ってな。』
って台詞がうやむやになっておりますな。
もはや普通に人間以外がベルトを使いまくると言う状態に(笑)
人間のライダー < バグスターのライダー  状態。
[より多い]
まぁ、これからどうなるかは待て次回。
しーゆー、ねくすと・すてーじ!


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VR-X アナザ―ライディング 05

作者はゆかりんが好きで、某無双ゲームで自分でキャラメイクで作って遊ぶくらいです。マキもずん子も琴葉姉妹も作りました。ですが、きりたんは武器に悩み作り悩んでいましたが、最近作成に成功して、さっそくオリジナル配置で並べて修羅で開始。
『ぐあぁぁ!?』
きりたんに三乙される。兵力無し。復活できない。
「今まで作ってなかった恨みなの!?」
という状況に(笑)
さて、今回から世界の環境が変わり、色々と変わります。
そんな彼女たちの日常をお楽しみください。
ねくすと・すてーじ!すたーと!




無事に全員が表れてそれぞれお互いを見て笑い合っている。

「君たちはこの研究所に所属を作っておくから、それからそれぞれの行きたい先に行ってほしい。まずはボクは仕事と実験データをまとめてすぐに戸籍を作り上げるから。しばらくは寮生活をしてくれる?十分に部屋はあるから一人一つでもいいけど・・まぁ、まずは気がしれている中で部屋を一緒に住んでも大丈夫だから。担当に言っておくから部屋は準備できたら呼びに来るよ。」

それまでは自由に過ごしていいからと言われても・・俺はどうしろと?

「とりあえず、マキさんと私は一人の部屋で構わないでしょう。琴葉姉妹と東北姉妹はお互いが落ち着くまで同室のほうがいいかと思いますね。」

一番落ち着いている状態の結月さんが説明に入る。というか普通の状態だとめちゃくちゃしっかりしてるよこの人。

「ゆかりんは、はっちゃけないとまともなんだからいつもそうしてほしいんだけどねー。」

「それは無理です。実験が私を私でなくするので。」

あ、やっぱりそうなのね。

「それでは・・ドライバーはどうしたらいいのでしょうか?」

「え?あ、そう言えば私たちのベルトってどうなってるんだろ?」

全員がライダーのベルトの心配をし始める。

「大丈夫だろ。あいつのことだからデータは取っているし、それをもとに完成させて持ち運び用に簡易版の端末をくれるさ。俺のドライバーもこいつに普段入れてるからな。メモリも多すぎて、さすがに箱で持ち運びはできないからな。」

そう言いながら俺は自身の端末を出す。そこからダブルドライバーを取り出す。

「む?おかしいですねぇ?貴方のドライバーは片方しかスロットがなかったんじゃ?」

「あれはただのライダーの姿で、こっちのメモリはISでもあるんだ。ISライダーとしても展開できるがな。・・もとは片口のロストドライバーだったが、俺の思いに相棒(メモリとIS)たちが答えてくれた結果だ。こっちの俺はあの比じゃなく強いぜ?」

そう言ってドライバーを片づける。端末も納めて、

「さて、時間もあることだ。ここにあるインスタントの飲み物でも入れてやるよ。コーヒー、紅茶、緑茶、ジュースと準備されているが何がいい?」

「では、紅茶を。」「あ、私コーヒー。」

「ウチはジュースがええな。」「私もジュースを。」

「りょ、緑茶を頂けますか。」

 

「私はずんだ汁で。」

「「「「「無い(ねぇ)よ!!」」」」」

 

それから全員に飲み物を渡していたらドアが開く。

「どうも、担当になりました『シャルロット・クリ・エイタ』と申します。」

「ブーー!!」

俺は飲んでいたコーヒーを噴いた。

「あ、一夏。汚いなぁ、もう。」

「すまんすまん、あまりに驚いたからな。そっか、シャルか。こいつらの事よろしく頼むぜ。」

「このプロジェクトには一夏の名前も記載されているから、君も度々呼ばれることを覚悟しておいてね。今日はもういいってさ。お疲れさまでした。プロジェクト完了時に給料が払われますので、また呼び出しのご連絡や契約等をいたします。・・とまぁ、堅苦しいのはこれくらいで、鈴にもよろしく言っておいてね。」

「あぁ、分かった。今度連れてくるよ。」

「簪も近いうちにこっちに来るらしいからさ。一緒に話そうね?」

「おう!じゃ、みんなこれから頑張ってくれ。おそらく検査とかがあるだろうし、また呼ばれたときに会おうぜ。」

そう言って全員とあいさつして俺は帰路に就いた。

それからは鈴に今日あったことを話すと・・怒られた。危険な事をするなだって。それはパラドに言えって言ったら今度怒鳴りに行くそうだ。まったく、俺の妻は過保護で心配性なもんで。

 

それから数日後、連絡があってパラドの元へ行くことに。鈴は用事があって一緒に行けない事に悔しがっていた。

「それで、今日はどうして呼ばれたんだ?」

「君の異世界データとライダーシステムを連結させて、確実にするためだ。彼女たちのライダーとしての因子は一度バグスターとなったために薄れている。そこへもとの世界の因子をつなげてライダーたることを確固たるものとして固定し、それをもとにベルトの負荷を抑える。バグスターにベルトを着けさせるのはさすがに負荷があるからね。あぁ、ボクは問題ないよ?もとから仮面ライダーだからね。因子的にはボクが仮面ライダーを、君が異世界の因子を持ってくる形だ。すでにただのライダーの因子はある。これにい世界の因子を結び付けてデータとして彼女たちに固定するんだ。」

「全くわからん。とりあえず、俺が何をするかだけ言え。」

首を振って言っていることの半分も理解してないことをアピール。ため息をついてしょうがない奴と言わんばかりの表情に殴りたくなった。

「とりあえず、VR-Xで寝ればいいさ。今度は別世界に行かないから安心して。ただ横になって因子取り出すだけだからすぐに済む。」

「初めっから長ったらしい話言わずにそう言ってくれれば早いんだがな。」

そう言いながらヘッドマウントをつけて横になる。

「じゃ、行くよ?」

少し目の前がピカピカと光ったと思うと体にびりっと一瞬、静電気みたいなものが走る。

「おぅあ!?」

「ん、因子は採取できた。これと筺体にあるデータをつないで固定すれば・・ほら、これでみんなのベルトが使えるようになった。」

そう言うと全員の元に空中からベルトが表れる。

「帰ってきた!私のガシャット!」

「私の実験はまだまだ続けられそうで安心です。」

「よう帰ってきたなぁ相棒。」

「お迎えごくろうだよ、ガタックセクター。」

「やっぱり正宗さんがいなくちゃ、ずんだトークは盛り上がりませんね!」

「スイッチ・・これで宇宙とつながれて安心。」

全員がベルトや変身道具を持って喜んでいる。

「やれやれ、なかなか骨が折れる実験だったね。」

「まぁ、収穫は多かったし、何より俺たちの仲間が増えたんだ。一層世界を守れるぜ?」

「一夏はそればっかり。・・ま、お互い頑張ろう。あぁ、口座に振り込んでおいたから今回の仕事料。いやぁ、なかなかに充実した実験だった。これからも一層の励みになるよ。」

「それなら手伝った甲斐があるぜ。まぁ、こんなに面倒なのは今回だけにしといてくれるか?」

「まぁ、そうだね。今回くらいだと・・思いたいな。」

遠い目をするので突っ込みを入れる。

「お前がそう言うんじゃフラグみたいで怖いぜ!?」

「しょうがない、そういう体質なのは一夏だし。」

「俺のせいかよ!?」

そう言っていると琴葉茜が近くに来た。

「そうや、敷地内でこんなもん拾ったんやけど・・ライダーの感じがするんや。」

そう言われて持ったものは錠前のようなものに果物が描かれた手のひらサイズのもの。

「ロック・・シード・・だと!?」

それを見て手に取り震えるパラド。

「ど、どうした?」

「一夏、これはまずいことになったかもしれない。君の異世界に関わる因子と僕のライダー因子を結び付けた事から他の世界のライダーのものが漂流して流れついたみたいだ。」

「へぇ、これがほかのライダーのねぇ?」

「つまり、他の世界の敵や怪物さえもこの世界に来る可能性があると言う事だよ!?」

俺はその言葉に手に持っていたロックシードを落としそうになる。

「それって、まずくないか?」

「とんでもないかもしれない。実験でここまで大きな作用があるとは思っていなかった。小さな実験程度だけど、世界を結び付けるには十分の因子だったのかもしれない。」

「・・そうなりゃ、俺たちライダーが力を合わせて世界を守る。みんなも増えたんだ。一緒に戦ってもらおう。」

「わかった僕からも事情を話して協力を・・」

「聞いていましたよ?」

そう言うのは結月さん。

「私たちをこの世界に連れてきてくれたのがそもそもの原因。ならば、この世界を守るのも私たちの使命です。仮面ライダーは助け合いですからね。」

「ぎゅんぎゅーん!行っちゃうよ!」

「そや。ウチらが力を合わせれば怖いもんなんかないで。」

「私たち姉妹の事、舐めてませんか?これでもタッグでは最強ですよ?」

「この世界の英雄さんと友達になってもっと世界を守ります!ずんだを広めるためにも命燃やしますよぉ!!」

「銀河だって守って見せる。それが私の使命だから。私の手の届く範囲は守って見せます。ライダーの皆さんとも友達になりたいので。」

そう言ってみんながベルトを見せて構える。

「わかった。わが社の総力を挙げてバックアップしよう。鈴に声をかけておいてくれ。簪とラウラにはこちらから連絡を入れる。」

「あぁ、みんな。俺たちに力を貸してくれ。」

「「「「「はい。」」」」」「ずんだ!!」

緑がぶれない。ある種不安になった。

 

 




作者は別にずん子は嫌いじゃないです。でも、実はずんだが嫌いです。
枝豆は好きです。お餅は大好きです。
それなのに、ずんだ餅は嫌いなのです。
逆にきりたんぽは大好きです。
なべで出汁を利かせておいしくいただきます。

ずん子の扱いは他の動画を見て勉強した結果なので、ずんだが、好きか嫌いは関係ありませんが。

ではまた次回。
しーゆー、ねくすと・すてーじ!


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VR-X アナザ―ライディング 06 ラストエンディング

今回がこの章のラストとなっております。
短い?
そりゃ映画一本分の妄想ですからね。
長く続かないですよ。
そもそも、私はシンフォギアの方を書きたいと言うのに、続きにい状態が浮かばない状況で苦しんでいるのです。
そのストレス発散をこちらにぶつけただけなので短いのです。
映画での妄想を書き連ねて満足できたので、また他の創作に取り掛かれそうです。
では、らすと・すてーじ!すたーと!


さて、ホンじゃ本気でも出そうか。

「あれから一年、本当に怪人が来るなんて思わんかったけど。目の前に現れたんやから仕方ないよな?恨みはないけど、平和を乱すなら許すわけにはいかへんのや。」

そう言ってゼクターを呼ぼうと思ったけど、ちょうど一年前に拾ったものを思い出した。ウチが持っておいていいと渡されたそれを使う事にするか。目の前にはその敵である『インベス』と呼ばれる敵らしいからな。

「ほな、行くで!」

ウチは錠前のついた果物の見た目の装備を取り出す。

刀のついたようなベルト『戦国ドライバー』を片手にしてそれを腰につけるとベルトが装着される。

「二回目やけど、戦い方は熟知しとる。」

『オレンジ!』

片手に錠前を開くと音声が流れる。それを付けるところに装備して、上の錠前を挿して固定する。上空にチャックのようなものが表れてそれが開いて中から巨大なオレンジが出てくる。

『ロック・オン!』

「はぁ!・・変身!!」

待機音が流れて横の刀のような部分『カッティング・ブレード』を上から押すとオレンジの錠前の真ん中から開く。

『ソイヤ!オレンジアームズ!』

音声とともに頭上からそれが下りてきて中でライダーの仮面が装備されて果物が開いて鎧となる。

『花道!オン・ステージ!!』

装備された鎧とともにオレンジのくし切りにしたような剣『橙丸』を持つ。

『ここからはウチらのステージや!!』

剣を構えて敵に斬りかかる。

今も他のみんなもそれぞれ敵に立ちむかっとるころやろう。ウチもはよこいつたおさなあかんしな。切って切って、殴って切って、もうひとつの『無双セイバー』をつなげて更に斬りつける。

『ほなソロソロとどめや!』

カッティングブレードを抑えると音声が鳴る。

『ソイヤ!オレンジ・スカッシュ!!』

『ハァァァァアアア!セイハァァアアアアア!!』

蹴りを放ち敵インベスを撃破した。そしてベルトのロックシートを戻して取り外す。

『ロック・オフ・・』

みんなは大丈夫やろうか。

私は自身のベルトの元世界の敵、『スマッシュ』と言われる存在と対峙しています。

ベルト、『ビルドドライバー』を取り出して腰にセットします。

「さて、私もライダーなので・・」

『カシャカシャカシャ』

二つのフルボトルを振りながら相手を睨む。

「世界の敵は許せそうにはありませんね。実験を始めましょう。」

『カシュッ』

ボトルのふたをひねり構える。ベルトに逆さに差し込む。

『ラビット』『ボード』『ベストマッチ!!』

そしてハンドルを回すとボトルが上下に振られて中の成分が試験官のような管を通りライダーのアーマーを作ります。完全に形ができると音声が鳴ります。

『アー、ユー、レディ!?』

「ビルドアップ!」

前後にできたアーマーが装着されて、二色のライダーの形をとります。これこそがビルドの形。『作る・形成する』の『ビルド』ですから。そして変身音とともに音声が鳴ります。

『揺れないムーンサルト!ラビット・ボード!イエェイ!』

「いつ聴いても、ムカつきますよね。この音声。」

とりあえず、半分は紫のスケートボードと半分がピンクのウサギで目の部分が形作られています。

ただし、装備で使うときにはなぜか白地に赤丸と言うスケートボードが出てくるのはなぜでしょうか?同じ色じゃないのが訳が分からないのですけどね。

「さて、行きますか。」

スマッシュに蹴りやパンチと攻撃を与えていくが、相手が自身の攻撃で針を伸ばしてきたので不用意に殴れなくなりました。しかもそれを飛ばしてきます。

『ぐぁあ!』

「くっ、危ないですね!?」

こちらも武器を出すべきなようなので、ドリルセイバーを使おうかとも思いましたが、一番手堅い武器を出すようにしましょうか。そしてそのまま決めてしまいましょう。そう思い、ボトルを入れ替える。

『パイロット』『ロケット』『ベストマッチ!!』

ハンドルを回してフォームチェンジをします。

『アー、ユー、レディ!?』

「ビルドアップ。」

『高速回転の棺桶作り!パイロット・ロケット!イエェイ!!』

「さて、やはりこれが面白いですよね。ビルドらしいですし。」

目の前に枠とロケットエンジンとタイヤを組み立ててそれを相手に向けて突っ込ませる。

『ぐぁ!?がぁぁぁあ!?』

さすがに結構ダメージがあったようで、吹き飛ばされた後でよたよたと起き上がる。

「では、勝利の方程式は決まりました。」

ベルトのハンドルを回して力をためる。

『~♪レディ・・ゴー!!ボルテックフィニッシュ!!』

「うぃーきゃん、びーあーあぁぁぁ!!とーぉぉおるねぇぇえええど!!」

ロケットで回転しながら高速の蹴りを放つ。

『ごあぁぁぁぁ!!』

蹴りをくらい吹き飛んでいくスマッシュ。私はそのまま地面で急ブレーキをかける。

「実験完了・・です。」

変身を解き、スマッシュから成分を抜くと怪人から人間の形になります。この成分は『ネヴュラガス』と言われるものらしく、私にもそれに対する抗体があるそうです。それがビルドの装備者の条件らしいので。スマッシュにされていたこの女性は・・緑の髪をツインテールにして、・・どこかで見覚えがあるような?まぁ、パラドさんに応援を呼んでどうにかしてもらいましょう。

「さて、他の方は大丈夫でしょうかね?」

 

「茜お姉ちゃん、一人で大丈夫なんだろうか?」

そう言って私は後ろから来た怪人を見ます。このミイラみたいな怪人はほっておくと人間に害を与えて強くなる進化を遂げる『ヤミー』と言われる存在らしいです。それが三体。

「それじゃ、ガタック・・は、連日使ったしお疲れだろうね。私もそろそろ別のベルトも使ってみたかったんだ。」

腰に青白いベルトを付ける。そして携帯電話の形をしたものを手に持つ。

『ピロ・ピロ・ピロ♪』

携帯を開き、3・1・5とエンターを押して閉じると認証して待機音がする。

『スタンデンバック!』

「変身」

ベルトにさして横に倒すとはまりこんで音が鳴る。

『コンプリート!』

そして私は『仮面ライダーサイガ』となる。え?オーズじゃないのかって?むしろオーガにしようかとも思いましたが、青と白と言えば私にぴったりじゃないですか。それに、私なら空を飛ぶのも嫌いじゃないので。

『トンファーエッジモード』で1体目を切りつけて、そのままベルトからメモリを抜きエッジに装備して攻撃して1体目を倒します。

それからジェットパックをトンファーエッジに装備して『ブースターライフルモード』で二体目を攻撃します。ここでもメモリを装備してエネルギーを込めて発射。二体目のヤミーを撃破。

「最後は天のベルトとも言われるサイガの力、とくとご覧にいれましょう。」

はそう言って腰にグリップのついたジェットパック『フライングアタッカー』を出して空を飛ぶ。当然ヤミーは飛んでこられませんから、すぐさま置いてきぼりになります。そしてそのまま勢いを付けてベルトのボタンを押し、『エクシードチャージ』と音声が鳴って、足にエネルギーが行きわたった時に蹴りを放ち、三体目のヤミーを倒します。

それから、ベルトを解除してそこら辺にある少量の銀色のセルメダルを回収してパラドさんに連絡します。さて、他のみんなはどうでしょうか?お姉ちゃんは調子に乗ってる気がしますけどね。

 

わ、私は東北きりたんです!フォーゼで宇宙目指してます!えとえと、仮面ライダーとお友達になりたいとも思っていますが、それでも、まずはみんなの協力のために頑張りたいと思います!

『仮面ライダーは助け合い』らしいので。

私は目の前に『ゾディアツ』と言われる、フォーゼの敵を前にしています。

それじゃ、行きましょう。私のするべきは敵を倒す事ですので。

「行きますよ。」

腰にベルトを装備して四つ並んだ赤いスイッチをONにする。真ん中にあるモニターに各部位の準備ができた事が表示されて、カウントが開始される。合わせて腰のレバーを握る。

『3・2・1・・』

「変身」

カウントに合わせてレバーを動かすとベルトからエネルギーが出て光り、それが終わると白と黒のボディのロケットモチーフの仮面ライダー『フォーゼ』に変身していた。

「宇宙来たー!!」

キメ台詞なので恥ずかしくても叫ぶ。これ鉄則。

「さて、私の友達の平和を乱す怪人は倒します。」

ゾディアツとは星座を模した敵ですが私は星座がよく分かりませんので、とりあえず敵を倒すようにスイッチを挿します。

「いきなりですが、エレキスイッチ。」

『エレキ』

スイッチを挿して押すと、黄色い姿に変わり手には電気の流れるスタンロッドを持っています。それで敵を殴り、次は一つのスイッチを二つに分けて両端にさします。

『マグネット』

両肩に大型の砲台が装備されてそれで攻撃をします。かなりダメージを与えれたようなので私はスイッチをロケットスイッチに変えて、足にドリルスイッチを付けます。

「これでいきますよぉ!!」

ロケットで敵を殴りつけて空高く舞い上がり途中で放して空中に落とします。

そこから大きく弧を描いて加速を付けてロケットを構えながらドリルを回し蹴りを放ちます。

「ロケットドリルキック!!」

それによって敵に当たり倒しました。その敵は普通の人の形に戻り、そばにスイッチが落ちます。これを押したせいでゾディアツになるのは知っていますので、回収しておきます。しかし、この相手は髪をサイドポニーにして黄色のような色。どうにも見た事があるような気がするのですが?

パラドさんに回収を頼みましょう。

連絡を入れる事にしました。

お姉ちゃんは大丈夫でしょうか?

 

なんか私の扱いがひどい気がします。

そこまで頭がおかしいわけじゃないと思うんですけど、オチ担当にされている気がします。

ただのずんだが大好きな少女です。おかしなところはありません。

「好きな飲み物はなんだ?」

「ずんだラムネ。」

「好きな食べ物は?」

「ずんだ餅。」

「一度死んだ理由は?」

「ずんだ餅をのどに詰まらせてあわててずんだラムネを口に入れたための窒息死。」

「十分オチ担当だぜ?ずん子。」

「正宗さんにまで言われました!?」

私のゴーストアイコンの正宗さんにまでオチ担当と言われました。そんなこと言う正宗さんは活躍の場は無しです。ずん子怒りましたから。

「今日は、別のベルトで行かせてもらいます。正宗さんは放り投げます。」

「ひでぇ。だが、その酔狂なとこは伊達じゃないな。」

「言ってろ、です。」

私は手に指輪をはめます。

「今日の相棒はあなたではありませんので引っこんでいてください。」

眼魔が相手なのでゴーストが正しいのですがそこをあえて別のライダーで行かせてもらいます。そして手のひらの形をした指輪を腰にかざします。

『ドライバーオン!』

手のひらのような模様をしたベルトが出てきました。

赤い宝石のような指輪を付ける。

「さて、ショータイムです。」

指輪にある部分を下に降ろすように『カチッ』と音を立てます。

腰にある手のひらのような部分を一度左右の部分で反対側に回して待機状態にします。

『シャバデュビ、タッチ、ヘンシン~♪』

そこに反対の手にはめた指輪をかざす。

「変身」

『フレイム!プリーズ!ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!!』

自分に魔法陣のようなものが迫り、それから出た火に包まれて消えた時には赤い宝石の魔法使いと言われる仮面ライダーになっています。

「希望の魔法使い。仮面ライダー、『ウィザード』。さっそく行きましょう。」

背中に魔法陣を展開してそこから武器を取り出して攻撃を仕掛ける。

銃で撃ちながら近づき、剣にして切り裂く。更に連続で切りながら一度下がり、指輪を交換します。そして、腰のハンドオーサーを逆にして、指輪をかざします。

『ルパッチ、マジック、タッチゴー・・コピー、プリーズ』

剣をもう一つ出してそれで更に斬り刻む。

『ぐぁぁぁぁあ!?』

「それじゃ、フィナーレです。」

指輪を付け替えてハンドオーサーを逆に倒しもう一度戻します。

『ルパッチ、マジック、タッチゴー!チョーイイネ!キックストライク!サイコー!!』

一度、側転で加速を付けて、倒立して前転しながら飛んでそのまま錐揉みしながら空中から蹴りを入れる。

「はぁぁぁぁぁ・・トアァァァァ!!」

足に火を纏って蹴りを入れた眼魔は倒れて爆発を起こした。

それを見て背中を向けて力を抜く。

「ふぃぃぃ~。」

そのあとで変身を解く。正宗眼魂さんが飛んでくる。

「普通だったな。またずんだを絡めたネタで『オーズ』とか来るかと思ったけどな。」

「あれは欲望が強くないとだめですからねぇ。私そこまでよくは強くないですよ?」

「え?」

「え?」

・・・。

それじゃ、後は最後の新しいライダーさんが頑張ってくれるでしょうね。

そう思って空を見上げる。そこにはそのライダーを思わせる白い雲があった。

 

俺は目の前にいる異世界からの新たな存在、ロイミュードと対峙している。ちなみに後ろには鈴も一緒だ。何故かは相手が三体いるからだ。

「敵なら早くやっつけないの?」

「いや、まずは話してからだ。」

鈴にはそう言って手を出さないようにしておく。

「まずは話し合おう。お前たちの一番上である『ハート』とは話が付いているんだ。俺の仲間のパラドとともに話して、人間と共存していこうと話したんだ。もとはロボットであるロイミュードはISと共に人間と一緒に共存できる道がある。だから・・!」

【それは俺には関係ない。俺たちが生まれた後でまとめてくれたハートに恩はあるが、俺たちは人間が嫌いだ。だから俺たち過激派はハートとは袂を分かつ。そう決めたんだ!邪魔するな!】

「そうか・・。なら、仮面ライダーとして、お前たちを止めるまでだ。コアは倒した後でハートに預ける。だから、鈴。一緒に手を貸してくれ!」

「ふん!やっぱりあたしがいなきゃダメみたいね。」

「あぁ、俺はお前がいなくちゃダメな男だ。共に支えてくれ。そして、俺の新たな仲間とともにな!」

「新たな仲間?」

そう言うと、バイクが急に飛び込んでくる。それを避けるとロイミュードの一隊がバイクに当たり吹っ飛んだ。そして何事もなかったかのように、バイクを止めたそいつがヘルメットをとる。長い髪が表れる。

「そうだ。新たな異世界から来た、私の事だ。」

その存在は、黒っぽいズボンにグレーのシャツ、そして、紫のネクタイ。

「はじめまして。異世界で仮面ライダーをした事がある、『弱音ハク』だ。」

「来るとパラドから聞いていたが、ハート達と共に急に飛ばされてきたんだってな。よろしく頼むぜ?」

「分かっている。仮面ライダーとして、仲間となる事、誇りに思う。」

そう言って俺とハクは同じベルトを付ける。

「な、なんでロストドライバーじゃないの?」

「こいつらには相手の動きを阻害する重力子波みたいなものが放てるらしいんだ。それから守るにはこいつかドライブしかダメらしいんだ。だから、鈴にも手を貸してもらうぜ?」

「そういうことね。いいわよ、ひとっ走り付き合いなさい!」

『スタートユアエンジン!』

ドライブドライバーを取り出してイグニッションキーを回す。

俺たちも構える事にする。腰にある、『マッハドライバー炎』を開く。待機音がする。

『マッハドライバー!』

鈴はシフトカーをスロットにさして構えると待機音が鳴る。

『タイプネクスト アーユーレディドライブ・・』

俺たちも『シグナルバイク』をスロットにさして腕を構える。そしてリンがシフトレバーを起こすと同時に俺たちもスロットを入れる。

「「「変身」」」

『ドライブ!タイプ!ネクスト!!』

『ライダーァァアア!マッハァ!!』

『ライダーァァ!チェイサー!!』

鈴は黒いドライブ『タイプネクスト』に変身して、俺は白い鎧にマフラーを付けた仮面ライダーマッハ、ハクは紫にメタリックグレーのチェイサーに変身した。

「ひとっ走り付き合いなさい!」

「追走、撲滅、いずれも~!マッハァ!」

「狙った獲物は逃がさない。正義のために、追い付き倒す!」

三人がポーズを決めて変身を完了する。

「へぇ。二人ともかっこいいわね。」

「俺はやっぱ白が似合うしな。ハクも似合ってるぜ?」

「私は正義をなせればそれでいい。それよりも行くぞ二人とも!」

そう言ってチェイサーがその手に武器の斧を持って走り出した。

「ちょっ、待てよぉ!?まぁ、いいか。俺も、最速で行くぜぇ!!」

手にゼンリンシューターと言うバイク型の武器を持って撃ちながら敵に突っ込む。

「もう二人して先走って!!あたしが一番速く走れることを証明してあげるわ!!」

ハンドルに見が付いた武器を取り出して速度上げて突っ込んで行き、切って抜けた後でハンドルを回して自身を中心に回転してまた切るという連続切りを繰り返した。

俺は前輪部分で殴ったり、回転させている状態で当てると切るような攻撃になるのを利用しながら、至近距離で撃ったりとエターナルと変わらないような戦い方をする。

「んじゃ、まずはこれからだ!」

敵が銃を構えたのを見て。ゼンリンシューターを構えてベルトのシグナルバイクを抜いて別のシグナルバイクを挿しこみスロットを下げると同時にベルトのボタンを押して、ゼンリンシューターを打つ。

【くらえぇ!!】

『シグナルコウカーン!ト・マーレ!』

そしてそれをゼンリンシューターで撃つと空中に標識の『止まれ』が表示されて、目の前に攻撃がすべて空中で停止する。

【何ぃ!?】

「んじゃ、早いとここっちは決めますかね。」

『シグナルバイク!ライダー!マッハァ!』

もとの白いものに戻して、ゼンリンシューターはとりあえず納めておく。そして、一度スロットを挙げてボタンを押す。

『必殺!フルスロットル!マッハ!!』

俺は加速して突っ込んでいき、飛んで体制を変えて空中からそのまま蹴りを放つ。

「はぁぁぁ!そりゃあぁぁぁぁぁあ!!」

【ぐあぁぁぁぁ!?】

その蹴りは見事にロイミュードに当たり、そのまま爆発した。そしてコアのナンバーが空中に浮いたのを見て、用意してあった専用端末に吸収する。

「ふぅ・・。それじゃ。」

『ガシューン・・オツカーレ』

シグナルバイクを抜いて変身を解く。すでに二人とも必殺技に入っていたからだ。先に動いたのはチェイサーだった。

『マッテローヨ・・イッテイーヨ!!』

「はぁぁぁ!ていやぁあああ!!」

【ぎゃぁぁぁああ!?】

ぼこぼこにされて、足を引きずっている状況で、逃げようとしていたら巨大な斧で真っ二つにされたのは、敵ながら少しかわいそうになった。

すぐさまハクも変身を解いてコアを吸収する。

最後はドライブの鈴だ。

『ヒッサーツ!フルスロットル!ネクスト!!』

「ふぅぅぅ!ぁぁぁあああ!はぁぁぁぁあああ!!」

高速移動からの蹴りを放ちさらにネクストトライドロンと言う専用のAIを積んだ車が来て高速で円を描くように走り、それを台にして何度も蹴りあげる。

【ぐぎゃ!?あぎゃ!?うっぎゃあぁぁぁぁぁ!?】

悲鳴を上げて爆発したロイミュードのコアを俺がすかさず回収。

「はぁ、疲れたわね。」

そう言って鈴も変身を解く。

「私は先に帰ってパラドへと報告を上げておく。二人はゆっくりと二人乗りで帰ってくると良い。」

そう言ってハクはバイクでさっそうと帰って行った。俺は少し照れたように頬をかいて、

「一緒に帰るか?後ろに乗れよ。」

「・・そうね。」

俺のバイクで帰る事にした。トライ度論は先にピットにオートで帰還しているので徒歩か俺のバイクしかない。ゆっくりと安全運転でパラドの元に帰ることにした。

 

―エンディング―

「さて、これからも世界中をまたにかけて怪人が出没するだろう。更識家からはロシア、デュノアからはフランス、ラウラからドイツとイギリス、各地でいろいろと出没しているが、基本的に一番多いのは日本だ。だからこそ、我々がしっかりと対応していくようにしなければならない。政府と条件を話してこちらは特殊公務員扱いになった。各自は連絡があった場合には出動できるようにしてくれ。」

『はい。』「わかった。」

「では、ここに仮面ライダーをメインとした防衛省直属の機関、『クリエイトライド』を設立を宣言する。みな、これからも市民を守れ!平和を守れ!」

『応!!』

 

「まったく、ライダーって言うのも人間もすごいものだ。だからこそ理解し甲斐があるのかもしれないな。」

「ハート様の言う通りだと。人間は面白い。特に私は愛情と言う物を知りたいと思います。パラドさん、一夏さん。この二人は実に興味深い対象です。」

「メディック!一言だけ注意を入れておきますが、人間の言葉には、『人の恋路を邪魔するものは、馬に蹴られてしまう』と言う物があるらしいですよ。何事も首を突っ込むのはほどほどに。でないとハート様に迷惑がかかりますからね?」

「ブレン!それくらいは私も分かっておりますわ。」

「二人ともそれくらいにしておけ。それにあの二人は俺の友だ。協力していくんだから迷惑はかけるなよ?」

「「はい!ハート様!!」」

 

違う生まれで、違う存在でも、言葉を交わし、心を交わすことで、敵にも仲間にもなる。それは人も同じだ。だが、この世界には正義を愛する者たちが大勢存在する。

それだけは確かなのかもしれない。

 

 

 




おーるくりあー!!
おめでとうございます。
実績解除はありません。
とあるゲームのように、梯子の上り下りを下からのぞいても、実績解除にはなりませんのであしからず。

このライダーの世界はきっと前よりもつらく険しい道があります。
でも、信じる仲間が増えました。会話でわかりあえる。
そんな敵も存在してほしいという願いからのシナリオでした。
ライダーは助け合いでしょ。の精神で行きたいです。

これにて続編は終了です。
それではまた別の作品でお会いしましょう。
また会える日を楽しみにしております。
しーゆー!!

こんぐらっち・れーしょん!!


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