Shachiku und Panzer (神田猫)
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年度初め

 戦車道––––古くから乙女の嗜みとして存在している武道であり、礼節ある、淑やかで慎ましく、凛々しい婦女子の育成を目的とした武術とされる。

 日本では西住流と島田流が二大流派となっており、高校戦車道連盟は西住家元が、大学戦車道連盟は島田家元がそれぞれの理事長を務めている。

 これは、そんな戦車道を影から支える日本戦車道連盟の職員の話である。

 

 

 

 

 

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 

 

 

 

「では、今年度の第一回定例会の方を始めさせていただきます。進行は私、日本戦車道連盟の天城哲平が務めさせていただきます。まず––––」

 

 日本戦車道連盟の会議室では、高校・大学の戦車道大会についての会議が例年通り開かれている。

 出席者は本連盟理事長の児玉七郎、高校戦車道連盟理事長の西住流本家師範––––西住しほ、大学戦車道連盟理事長の島田流家元––––島田千代、陸上自衛隊の蝶野亜美1等陸尉をはじめとする連盟の重鎮たち、そして文部科学省学園艦教育局長の辻廉太。

 

「今年度の戦車道を履修科目として実施している高校に対する補助金支給につきまして。高校戦車道連盟理事長からお願いします」

「はい。本年度支給対象となる学校は黒森峰女学園、プラウダ高校、聖グロリアーナ女学院、サンダース大付属、アンツィオ高校、知波単学園、継続高校、BC自由学園、マジノ女学院、ボンプル高校、ベルウォール学園、西呉王子グローナ学園、ギルバート高校、楯無高校、竪琴高校、苫小牧メイプル学園、ケバブハイスクール、大洗女子学園の18校で確定しました。各校への支給額については資料に記載された通りです」

 

 ハキハキと高校を読み上げた西住流家元。スーツ姿で凛々しい、堂々とした振る舞いはまさに『西住流』そのものと言える人である。

 

「支給額は各校の実績と近年の維持費などを考慮しています。以上です」

「では、次に大学の戦車道学部への補助金支給について。大学戦車道連盟理事長からお願いします」

「承知しました」

 

 聖グロリアーナのような優雅さを放つ島田流家元。世界中にある道場を束ねる島田流家元は西住流家元に引け劣らない存在感を放っている。

 

「お手元の資料の通り各校に通達しました。こちらの判断基準は戦車道学部の規模となっております。以上です」

「高校、大学双方の戦車道連盟の補助金支給について何かありますでしょうか? ––––無いようでしたら次に移ります。文科省より辻局長お願いします」

 

 文部科学省の役人、辻。メガネをかけ七三分けの『THE 官僚』と言える風貌をしている。

 この男は文科省の方針に基づく学園艦の統廃合政策を強力に推し進めており、横暴な手段を用いることもある。その強行姿勢に批判の声も強い他、学園艦廃艦業者との癒着などの噂も流れている。

 

「文部科学省から特にありません。次に進めてください」

「分かりました。最後に陸上自衛隊より蝶野亜美1尉お願いします」

 

 最後は陸上自衛隊の蝶野亜美1等陸尉。学生時代には単騎で敵戦車15輌抜きや12時間に渡る激闘の一騎打ちなどの伝説を残した名戦車乗りである。

 

「陸上自衛隊からは富士総合火力演習についての連絡です。今年度も全国から参加を募って戦車道のアピールを行いたいと考えています。連盟からの通達をよろしくお願いします。以上です」

 

 この後は各連盟の理事などから今年度の予定や行動などについての話し合いが行われた。

 今年度最初の定例会は例年通りの流れで進み、問題もなく最後の報告まで終わる。

 

「他、連絡ありますでしょうか––––では本日の定例会はこれで終了です。ありがとうございました」

 

 全員会釈を交わし会議室を後にする。ヘリで来たもの、戦車で来たもの、空挺で来たもの、多種多様な方法で連盟に赴くのは戦車道関係者ならではなのかもしれない。

 会議が終わり、出席者が皆連盟の建物を後にした後、会議室には2人の男が残っていた。

 和服に身を包んだ中年男性が日本戦車道連盟の理事長、児玉七郎。そしてもう一方のスーツを来た若い男性が連盟の職員、天城哲平。重圧から解放された開放感から椅子に伸びていた。

 

「あの重圧は半端じゃないですね、理事長」

「かれこれ十数年ちかく参加しているが、あれは慣れだ。慣れ以外であれを克服するのは男には無理」

 

 扇子で顔を仰ぎ脂汗を手ぬぐいで拭う理事長と、コップに入った冷や水をグッと飲み干す天城。

 

「西住流の正月では覇気で気絶するものが後を絶たないと言う噂を耳にしますが、今回の定例会で確信しました。あれは本当ですね」

「初めて正月の会合に訪れた隊長や新人記者なんかは家元に会うより先に西住の医者に会うとまで言われるからな」

「会合は男子禁制なので私たちは大丈夫ですけどね」

 

 西住流では毎年正月に各流派の師範や師範代、筆頭選手などを集めた会合が開かれる。西住流本家と西住流北条家、西住流細川家、西住流伊達家の本家に次ぐ3大流派、そのトップの集まる会合は西住流の公式行事の中でも特に格式の高いものになっている。そのため、西住流を学んでいるものでもなかなか入ることが出来ず、学んでいない男性が当日に敷居をまたぐことは許されない。

 しかし、男性は年一の大イベントに便乗し新年会と称した酒飲み会を行なっている。

 

「いや。最近は男性記者が会合の取材に行ってるみたいだから、我々が連盟代表で参加する日はそう遠くないかもしれない」

「理事長は行かれるかもしれないですが、自分のような平職員は実家で休んでますよ」

「哲平もそのうち筆頭役員になるから休みがなくなるぞ」

 

 もちろん戦車道連盟にも正月休みは存在する。普通の企業と同じように仕事納めがあり仕事始めがある。

 理事長だろうが事務長だろうが平職員だろうが平等な休みがあるものなのだが、その時期は新年なので戦車道関連のイベントが数多く催される。理事長に至っては大晦日から三が日まで予定がびっしり入っており、基本的に家にはいないと聞いている。

 

「筆頭役員は拒否します。でも、大晦日の戦車道大紅白戦、新年の会合。どちらも理事長がいないなんて許されませんからね」

「理事長選に出るときも聞いてはいたが、やってみるとキツい。久々に実家に帰ったら5kgくらい体重落ちてたからな」

「正月は普通、増えるものなんですけどね……」

 

 去年の年末からの激務続きを思い返す2人。天城は三が日だけ休めたものの、理事長はテレビをつければどこかのチャンネルのLIVEに出演していた。

 戦車道連盟の仕事は主に各戦車道連盟の管理、戦車の認可など多岐にわたりかなり多忙を極めている。

 

「そういえば、サンダース大付属から来た『カール自走臼砲』はどうするんですか?」

「それについては担当委員も頭を抱えているようだ。オープントップを戦車として良いのか、現在のルールを壊さないのかなどの問題があるようでな」

「あれが認可されれば戦術は大きく変わりますよ。特にサンダースは高火力による優勢火力ドクトリンをより強固なものにするでしょうし、1発で包囲戦術を破壊できますもの」

「今のままいけば認可しないだろう。仕事も増やしたくないだろうし」

「ああ、1両認可されれば1週間は泊まり込みですもの……」

 

 2人とも大きなため息をつく。

 新たに認可される車両が出ると、導入の申請や意見書などの書類の他、コーティングの試作など安全面の点で大量の仕事が湧いてくる。そのため、連盟の職員は北へ南へ奔走するので1週間は自宅へ帰ることは出来ない。それはどちらも経験している。

 

「あれは地獄でしたよ。日本各地の学校を回って業者を回って書類作業をこなして」

「委員もあんまり認可したくないだろうな。連盟職員みんなから白い目で見られるから」

「しっかり認可しないと戦車道をやってる方々から白い目で見られるんですけどね」

 

 現在、日本戦車道連盟に認可申請されている車両は2種。ドイツのカール自走臼砲とアメリカのM18駆逐戦車。どちらも戦車道に導入すれば戦術が180度変わるかもしれない戦車である。

 特に1945年の6月に試作された90mm砲搭載試験型スーパーヘルキャットは現代技術だと走行距離も最高速も伸びるためチート級の戦車となる。しかも、危ない。

 

「明日から履修調査が始まって連盟にはいないんですけど、今年行く学校が学校で気が重いです」

「なんだ、哲平。履修調査の調査員だっけ?」

「はい。担当が回って来まして」

 

 履修調査とは全国に18校ある戦車道を履修科目にしている学園艦に乗艦し、どのような練習を行いどのくらいの戦車を所有しているかなどを調査する戦車道連盟の大切な仕事の一つ。4〜5人の職員に担当が回ってきて調査を行う。

 

「どこ行くの?」

「黒森峰、サンダース大付属、聖グロリアーナ女学院、大洗女子、プラウダ高校です」

「重いね」

「重いです」

 

 西住流本家の黒森峰を始め、超巨大で調査に複数日かかるサンダース大付属、紅茶紅茶うるさい聖グロリアーナ、何があるかわからない大洗女子、前年度全国優勝校で極寒のプラウダ高校。どれも調査には非常に重い学校ばかり。

 

「しかも、今年から各学校で一日教官制度とかいう意味不明なものも導入されたので1週間では帰ってこれないです」

「ああ、帰って来たら一杯やろう。奢るよ」

「ありがとうございます。では、準備がありますのでお先に失礼します」

 

 パソコンをシャットダウンし、カバンに入れる天城。手際よくプロジェクターを片付け、会釈をして部屋を後にする。

 

「あーあ、行きたくねぇな!」

 

 連盟の敷地を出ると同時に心の叫びを口にして大きな伸びをする。

 明日は聖グロリアーナ女学院。ダージリン率いる強豪校である。




 大洗出身なのに艦こればっかり書いてるなぁ……よし、ガルパン書こ!

 こんにちは、神田猫です。(二度目のPN変更)
 2018.1.13。加筆修正させていただきました。


※この作品は『ガールズ&パンツァー』の二次創作作品です。原作の設定も多く取り入れていますが、オリジナルの設定も多くございます。くれぐれも設定を鵜呑みにされませんようご注意ください。オリジナルの設定は、この作品のみ有効です。


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聖グロリアーナ編①

 聖グロリアーナは主に関東周辺を航行する学園。在学生は神奈川県横浜市出身者が多い。

 入学には優秀な学業成績のみならず、スポーツ、芸術、ボランティアなどの活動に打ち込んでいなくてはならない。そのため、戦車道の名門校に数えられる強豪校でありその他競技でも優秀な成績を収めている。

 イギリス、正式名称『グレードブリテン及び北部アイルランド連合王国』の学校と連携しており英国の作法や格式を重視する傾向にあり、日本随一の『お嬢様学校』。

 さらに、イギリスの良い点だけでなく悪い点もコピーされており、典型的なものと言えば授業中であろうが校外活動中であろうが紅茶を嗜み、ニシンのパイや国民食のフィッシュ&チップスがよく食べられている。

 戦車道の成績は準優勝、優勝経験はない。西住流本家のお膝元––––黒森峰、日本最大級の学園規模を誇る––––サンダース大付属、昨年の戦車道大会決勝で絶対王者の黒森峰を破り10連覇を阻止した––––プラウダと並び、全国高校戦車道四強校に数えられる。長い伝統を持ち、強固な装甲が特徴のイギリス戦車を用いや高い連携力を生かしす浸透強襲戦術を得意としている。さらに、試合中での紅茶を嗜み、一滴たりとも零さない、高い技術練度も併せ持つ。

 生徒の中でも優秀な成績を収め、幹部クラス・幹部候補生には紅茶やハーブティーなどにちなんだニックネームを名乗ることになる。特に、優秀な成績を収めた生徒に送られるダージリンは他の幹部生から一線を画すほどの信用と憧れの的となっている。

 一方、OG会の影響により試合で使用する戦車はやや他の強豪校に劣っており”チャーチル”、”マチルダ”、”クルセイダー”がほとんど。一応”クロムウェル”、”カヴェナンター”も所有しているがあまり試合では使われない。

 

「ようこそお越しくださいました。隊長のダージリンです」

 

 当代ダージリン。学業成績はトップ、戦車道の隊長としては守りの名手と言われている。戦車道の腕も確かであるが、操縦に関しては非常に荒く整備部から運転禁止令を出されたと聞いている。

 

「初めまして。日本戦車道連盟の天城と申します」

「こちらアッサムとオレンジペコ。私の乗車するチャーチルの砲手と装填手を務めております」

 

 大きな黒いリボンをつけた身長の高い生徒がアッサム。諜報に長けたデータ主義者。ダージリン側近中の側近で、情報処理学部第六課による情報の他、自らも潜入調査を行う情報収集活動を得意としている。

 おっとりとした印象の身長の小さい生徒がオレンジペコ。一年生ながらニックネームを名乗り、ダージリンの側近中の側近となった幹部生。今年度入学したため高校での実戦経験はないものの、驚異的な装填速度を誇ると聞いている。

 ダージリンに紹介されると2人は揃ってお辞儀をする。

 

「天城様の噂は聞いておりますわ。元海上自衛隊2等海尉、戦車道連盟の新筆頭役員の候補、男性ではあるものの戦車道にも精通し全盛期の蝶野1尉を超える練度の持ち主だとか。さらに、喋れる言語は6ヶ国語、趣味の将棋はアマチュア5段、TOEIC満点––––」

 

 アッサムはペラペラと情報を話し始める。さすが日本のMI6と呼ばれる聖グロの情報六課に太いパイプを持つ生徒なだけはある。

 

「ははは、よくご存知で」

「ダージリンと面会の予定のある方は誰1人漏れなく素性を調べておりますので」

「アッサム、その辺の話は後で良いんじゃないかしら?」

「し、失礼しました。ティータイムの用意をしてありますので、どうぞこちらへ」

 

 ダージリンに注意され慌てるアッサム。一方のオレンジペコはずっとモジモジと恥ずかしそうに体を揺すらせ黙り込んでいる。

 アッサムの案内に従って入った部屋はさながら英国の宮殿の一室のような造りをしていた。

 ティーカップにオレンジペコが紅茶を注ぎ、状況報告が始まった。

 

「予め連絡いただいた戦車道で使用する戦車5種、強襲戦車競技(タンカスロン)で使用している”テトラーク”、”ハリー・ホプキンス”の2種を連盟に報告しました。後は、車種の登録番号の照合を行えば戦車の今年度分登録は完了となります」

「かしこまりました。後ほど、整備部まで案内いたします」

「それと、昨年度に使用した砲弾を確認します。こちらは試合統計で使用します」

 

 履修調査で行うのは大きく、戦車登録・使用弾数調査・会計調査の3つ。履修調査で戦車を登録するのは、使用状況を細かく検査出来るようにだ。登録しなくても使用可能だが、登録しておけば補助金が増える可能性があるので多くの学校で登録が行われる。

 現状把握している点、把握できていない点、情報の使用についてなどの説明を済ませる。

 

「全過程の状況は承知しました。戦車道の一日教官制度……と言う制度があると聞いたのですが、こちらはどのように」

「それは各校の戦車道部にお任せしています。紅白戦、技術指導、戦術指導など大抵の指導は行えます」

「そう、ですね……では、紅白戦をお願いしてもよろしいでしょうか?」

 

 紅白戦は、言わずと知れた練習試合の形式だ。紅組と白組の2組に分かれ練習試合を行うスタンダードな形式。

 戦車道は歩兵のない完全な戦車戦なので、練度と数、車両の性能の3点が主に試合を左右する。戦術も3点に大きく左右されるので主に重要視されるべきは練度・数・性能だ。

 

「では、ルールは戦車道連盟公式戦規約に準ずる。自分は1輌、戦車道部からは10輌選抜ということで行いましょう」

「1輌? 1人で全ての作業をこなすのですか?」

「はい。とは言っても、自分用に改造してありますので十分1人でも可能です」

 

 戦車道は女性の嗜みとされてきたので、男性の経験者は非常に少ない。だが、そんな男性アウェーな状態でも真摯に戦車道に打ち込んできた人間の多くは圧倒的な才能や技量を持つものが多い。

 天城は戦車道の公式戦に出たことはないものの、指揮官としても、車長としても、乗員としても高い練度を誇りドイツ代表の絶対エース・ヴィットマンと車両が同じなら互角に渡り合うと言われる。海上自衛隊出身だが、学生時代は戦車道を学んでおり陸上自衛隊の機甲科からスカウトがかかるほどの腕前を持つ。

 

「車種は良く乗っておられるティーガー戦車を?」

「いえ、今回は本気で行きたいのでセンチュリオンを使用させていただきます」

「「えっ……」」

 

 ダージリンとアッサムは衝撃を受けた。

 戦車道で使用される戦車の中で最強クラスの性能を誇り、尚且つ稀少性の高いセンチュリオン。多くのマニアや研究機関が喉から手が出るほど欲しがっているが、開発国のイギリスがあまり外に排出しないため英国籍以外の人間が個人で所有することはほとんどない。ただし、英国にパイプを持つ島田家は例外。

 

「センチュリオンを個人所有されているのですか?」

「はい。A41センチュリオンを1輌。改造してありますので純正とは言い難いですが」

「そんな話は……これは情報科のチェックミス……」

 

 アッサムはPCを出し、ブツブツと独り言を言いながら考え込んでしまった。

 情報主義者にとって調べ漏らしほど痛いものはないだろう。まあ、簡単に分かるような場所に戦車は置かないものであるが。

 

「そうですか。では私ダージリン。全力をもって戦わせていただきます。オレンジペコ、戦車の準備を」

「は、はい!」

 

 素早く気持ちを切り替えるダージリン。やはり、日本屈指の高校生指揮官は伊達ではない。

 オレンジペコは一礼し、部屋を出る。

 

「オレンジペコが気になりますか?」

 

 部屋から出るオレンジペコを目で追っていた天城にダージリンが問いかける。

 

「ずっと萎縮していましたので、少々」

「彼女は入試の成績はトップ、戦車道でも好成績を収め、幹部候補生となりました。ですが、まだ環境に対応できていないようなのです」

「自信がない、ように見えますね。周りに憧れの先輩がいるというのは後輩にとってプレッシャーや不安の種になりますから」

「一応私たちもなるべく負担をかけないように気を配っています、でも1年生の幹部候補生は彼女だけですし……近々1人増える予定ではあるのですが」

「その負担はかなり大きいと考えています」

 

 天城はオレンジペコの心理状況を少なからず理解できた。

 海上自衛隊で憧れの護衛艦に配属された天城は、今までは憧れでしかなかった環境に急に身を置き、遠い存在だと思っていた先輩自衛官と過ごす日々を送っていた。乗艦前はワクワクしていたものの、いざ環境に身を置くと萎縮してしまい、自分の学んできた技術や知識への自信が自然と薄れていってしまったことがある。

 

「聖グロの内部に口出しするつもりはありませんが……放置はできません」

 

 経験上それを解決するには、自分の技術、知識が必要とされているということを自覚することが必要だ。だが、今の聖グロでそれが出来るとは言い切れない。なら、自分が完全ではなくともチャンスを作るべきだと天城は思った。

 

「一つ、私に考えがあります」

 

 天城の発言にダージリンとアッサムが食いつく。

 

「「どんなですか!」」

「それはですね––––––––」




 あけましておめでとうございます。そして、長らくの間更新しないで申し訳ありませんでした。神田猫です。
 まず始めにご報告を。諸事情あって処女作を削除せざるおえない状況になってしまいました。昨年の年末に削除いたしました。

 そして、10月22日から2ヶ月以上更新できず、改めて申し訳ありませんでした。その時期から私、体調(というかメンタル)を崩しておりまして、しばらく創作活動のできる状態にありませんでした。治療の甲斐あって少しずつ回復してきていますが、未だ安定したとは言い難い状態なので不定期更新は続きます。

 最後に、最初の一話目から10人以上の方にお気に入り登録をいただけたこと感謝申し上げます。これからもよろしくお願いいたします。


※この作品は『ガールズ&パンツァー』の二次創作作品です。原作の設定も多く取り入れていますが、オリジナルの設定も多くございます。くれぐれも設定を鵜呑みにされませんようご注意ください。オリジナルの設定は、この作品のみ有効です。


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