早苗「身長190cm、髪は黒の筋肉モリモリマッチョマンのP見なかった?」 (メイトリックス大佐)
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早苗「身長190cm、髪は黒の筋肉モリモリマッチョマンのP見なかった?」
「ふぅ……」
彼女がおそらくいるだろう部屋の前で深呼吸をする。今回の仕事は彼女の性格と最近の傾向から考えて取ってきたものだ。人と触れ合うことが苦手な少女に、偶像であり崇拝の対象ともなる「アイドル」という職はかなりの負担をかける。自分の担当の一人は毎回、仕事を持ってくると目に涙を浮かべながら逃走することもある。彼女の限界と可能性をうまくバランスを取りながら、道を切り開くことが自分の「プロデューサー」という仕事に課された役割だと自負している。
もう一回深呼吸をして、すさまじい勢いでドアを強く開けていつもの言葉を言うのだ。
「森久保ォ!仕事取って来たぞォ!」
こうやって、自分の担当の一人である森久保乃々への仕事の紹介が始まるのだ。
☆ ☆ ☆
部屋に入って見回すが森久保の姿は見えない……。もともとがリスのような少女なのでこのように姿を隠されると見つけるのに苦労していたが、最近ますますその技能の向上を感じる。もはや一般の人では見つけることが出来ないと感じてしまうほどの上達レベルである。
始めて会った時に気配を消す基本を教えたのがミスだったなあと若干の後悔をするが、終わったことは仕方がないし、彼女の成長(?)というものを感じることも担当プロデューサーとして喜ぶべきなのかもしれないがこのままでは困る。
道具に頼るのは、怪物と戦った男の言葉に頼るのは自分でも情けないと思うが時間というものも有限であり、いつものようにスマホに入っている音源を仕方なく再生する。
『いたぞォ、いたぞおおおおぉぉぉぉぉぉ!出て来いクソッタレエエ!』
スマホから野太い男の声と銃声が鳴り響くと同時に、ゴンと自分の使っている机から音がする。
「この手に限る」
「なにドヤ顔で言ってんの!うるさいわよ!このバカ!」
森久保を見つけたと思ったら、背中にすさまじい衝撃が走り、振り向くと別の担当アイドルが腕を組みながら怒っていた。
しかし、怒りながらも若干顔色が悪いように感じたので体調が悪いのか聞いてみる。プロデューサーとして、彼女たちの人生を良きものとするために、シンデレラがお城へたどり着くための魔法使いとして、担当アイドルの体調の変化には気を付けなければならない。
「巡査ァ!気分はどんなだ?」
「若干、頭痛と吐き気があるわね。でも、仕事には影響はないわ。運動でもして確かめてみる?」
「いや、結構。遠慮させてもらう。その様子だと二日酔いか?あまり飲み過ぎるのはよくないとあれほど……」
「あー、ごめんなさい。瑞樹ちゃんや楓ちゃんと昨日飲んだのが楽しくて飲みすぎちゃったわ」
「親友ってのはいいものだよなあ。楽しいのはいいことだ。ストレスもたまりやすいから発散も大事なことだ。だけどな、もうお前もみんなに憧れられるアイドルでありプロなんだからそこらへんはもう少し自重してくれ、片桐」
「ごめんなさい。あたしも今後は気を付けます……って騙されないわよ!」
チッ、ごまかされなかったか。このパターンだと長引きそうだと思い体調が気になりつつもごまかそうと思ったがうまくはいかなかったようだ。
「容疑者は男性、身長190cm、髪は黒、ドンパチ映画好きの筋肉モリモリマッチョマンのバカが暴れてるから手に負えません。早苗さんよろしくお願いしますってちひろちゃんに言われた気持ちが分かる?」
「それはすまなかった。でもな、森久保が隠れる技術が上がりすぎて風下でもたまに分からない時があるからこれは致し方ない犠牲だ」
「そうはいってもやり方ってもんがあるでしょう?乃々ちゃんだってびっくりするでしょう?びっくりして腰なんてやったら……なんて若いから無いわね」
自分で言ったことでダメージを受けているのは、担当アイドルの元警察官でアイドルという異色の経歴の「片桐早苗」である。28歳という年齢でありながら、10歳は若いと言われるほどの童顔と小柄でありながら凄まじいプロポ-ションを持ち、面倒見のいい性格が受け親しまれているアイドルである。
「騒音ってのは警察でも最近通報が多いくらいの事案だったんだから気をつけなさい。それにもう巡査なんて新米だったのはだいぶ前の話だし、もう警察だって辞めてるのよ?いつの話してるのよ……って聞いてるプロデューサー?」
「あぁ、聞いてる聞いてる。すまなかった片桐もうしない」
「そういいながらまたするんでしょ?この前も言ったわね」
「仕方ない。マック軍曹は
「言葉を目標にするならともかく使うってどんな表現なのよ!」
「あ、あの……もりくぼ、見つかったので待ってたんですけど……。夫婦喧嘩を見せつけられるなんてむーりぃー……」
「誰が夫婦よ!って乃々ちゃん出てきたの!」
「ひうっ!もりくぼが安全に静かに暮らせる森はないんですか……そうですか……」
隠れていた机の下から、森久保が出てきたことで、片桐の説教が中断される。
でかした森久保!よくやった!やるくぼ!
「あ、あの。お仕事の話でもりくぼの森を破壊しにきたんじゃないですか?もうソロステージなんて当分したくないんですけど……一人なんてむーりぃー……」
人付き合いが苦手で人と眼も合わせられず最初の頃は逃げ出し、隠れ困らせていた乃々が涙目ながらも内容を聞こうとする姿は成長の一言では言い表せないほどの躍進であり、その一端に関われているのかと言うことが出来るならこの職こそが天職と言えたのだろう。感動しつつも内容は伝えてやらなければいけない。
「森久保、今回の仕事の内容は……」
「な、内容は……?」
「絵本の帯の感想だ!将来絵本作家になりたいとこの前のソロステージで言ってたことが出版社に勤めてるファンの方の耳に届いたらしくてな、サンプルが届くから読んだ感想を帯に載せたいそうだ」
「ほんとうですか?本当なら嬉しいんですけど……」
「良かったじゃない!乃々ちゃん!」
絵本好きの乃々にとってこの仕事は最高の結果だったようだ。目に見えて嬉しがっているのが分かる。この仕事はこの前のソロステージを頑張った乃々が引き寄せたものであり、それを元にした営業がうまくいった結果である。戸惑いながらも笑顔が漏れている姿が見れたことが苦労したことを忘れさせた。この笑顔のために自分たちは働いているのだ。しかし、そんな森久保に告げなければいけないことがあるのが辛い。
「仕事は受けてくれるみたいでよかったぞ。ところでな、森久保。今回の仕事だが、絵本を買ってくれたファンとの一対一の握手会も一緒に開催されることになった。よろしくな!」
「どうして、プロデューサーさんは上げて落とすんですかぁぁぁ~~~~!一対一なんてむりくぼなんですけどぉぉぉぉ~~~」
「ま、待て!乃々!アイツまた足早くなったな!輿水のところのPがコモドドラゴンと戦わせるとか言ってたから乃々もそっち系の仕事取ったら可能性が広がるかな?」
逃げる森久保を追う自分、このような風景はよく見られ、
「廊下は走らない!」
怒られるのもまた日常なのである。
オリ主
男性、身長190cm、髪は黒、ドンパチ映画好きの筋肉モリモリマッチョマン。アイドルの笑顔をファンに届け、自分はそれを生み出すことを天職と思っている。過去に色々あったのかもしれない。
担当
その一 森久保乃々
目線を合わせないネガティブアイドル。しかし、だんだんと成長したまに目線を合わせてくれるようになった。
その二 片桐早苗
トランジスタグラマーなお姉さん。Pとは付き合いが長いように見えるがその理由はあまり語られてない。運動会の騎馬戦のカードは筆者には娘の運動会で頑張るお母さんに見えたのはないしょ。
続くのかは謎……
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晴「あんたターミネーターだろ?」
感想や評価、お気に入りに入れてくださった方ありがとうございます。続きどうするか考えていて気づいたら二話目が書き終わっていました。新しいアイドルが今回は登場します。(タイトルでバレバレですけど……)
誤字脱字、変な表現があったら報告してくださると嬉しいです。
営業から戻って、スケジュール帳を確認する。午前の仕事は終わって、午後は次の仕事の打ち合わせと夜には時間もあるし次の企画書でも書いておこうと思う。
今日は自分の担当がそれぞれオフやレッスンのため会うことは無いだろう。アイドルの顔を見ないというのも珍しい気がするがこんな日もあるだろうと思う。若干の寂しさも感じるがそのような負の気持ちは忘れなければいけない。自分がパッションを忘れては人々に笑顔を届けるアイドルに不安を与えシンデレラを支える魔法使いにはなれないのだから……。
「I'm back 戻ったぞ!」
「ハァ?」
ドアをいつものように開けて入ると、誰もいないはずの部屋になぜか女の子がいた……。
☆ ☆ ☆
「申し訳ありません、プロデューサーさん。いっしょに待つ予定だったんですが書類を忘れてたので取りに行ってました」
「ただのカカシですな」
「やれやれ……私を怒らせるな。私を怒らせると怖いぞ。本当だ」
困っているとすぐにCPのアシスタントだが、自分の部署のアシスタントも兼任しているちひろさんがやってきた。基本は優しい人だがこのように怒らせると緑の悪魔となるのだ。失礼、
「結城晴。身長140cm、小学6年生で趣味はサッカーと……これがプロフィールですか?」
「はい。この前、346プロへの
「えぇ。うちの森久保がその枠で入って来ましたからね」
『
「私は、この推薦枠っていうのが余り好きではないんですけどね」
「えぇ。それには同意します。以前のシンデレラプロジェクトの欠員もその影響があると言われてますからね」
森久保のように、様々な人と出会いを経験してシンデレラへとなっていくアイドルは確かに存在する。だが、
「チッ…なんでオレがアイドルなんかに…。言っとくけど、オヤジが勝手に応募しただけだから。オレはアイドルなんかになる気はねぇからな。……おい、何ジロジロ見てんだ。ったく、めんどくせーなー」
このように、本人の意思を無視した推薦があることもまた事実なのだ。
「大体、この筋肉ダルマがプロデューサー?ターミネーターって言われたほうが納得できるぜ?」
「それには同意します。声がデカい!ドアは壊す!私は叱られる!森久保を探すのを手伝えなんて突然メチャクチャは言い出す!かと思ったら担当アイドルと夫婦喧嘩に巻き込んで大勢砂糖を吐くような死人は出す!あんた人間なの!?お次はまた推薦枠のプロデューサーときたわ!アイドルには気を使えるし成長させれるから破天荒でも助けたわ!そうしたら私まで巻き添えの身よ!一体何でなのか教えて頂戴!」
「ダメだ」
「駄目ぇ?そんなぁ!もうやだぁ!今日は厄日だわ」
結城の言葉に同意し発狂する緑の悪魔。
「親父さんが勝手にしたのか、そりゃ災難だったな」
「男ばっかの家族だから娘のオレがかわいくて仕方ないとか言ってたよ。家族が男ばっかだからこんな口調なんだ。文句あるかよ?」
「いや、全然。うちもなぁ、男ばっかでドンパチ映画ばっか見てたから分かるぞ。親父さんの気持ちも分からんでもないがな、経験的に」
「へー、珍しいな。みんな女らしくしろとか言うのに。オレがここに来させられた理由もアイドルになれば女の子らしくなってくれるかもって理由だぜ」
この子もある意味複雑みたいだな……。家族の気持ちも分からんでもないが、森久保も似たような感じだったから本人の意思というものの尊重も気にしてほしいのが本音だ。だが、自分はプロデューサーであり、シンデレラのために行動する魔法使いなのだ。そのために聞かなけれなばならない。
「結城、アイドルは嫌いか?」
この言葉に対する答えで彼女の方針が決まる……
「……別に嫌いじゃねーよ。でもアイドルってよく知らねーけど、カワイイ女の子ばっかじゃん。ただオレはヒラヒラした服やきゃぴきゃぴしたやつなんてあんましたくねーだけだ」
その答えは気に入った。アイドルになるかどうかの回答は最後にしてやる。
「結城の気持ちはよくわかった。ならばこれから打ち合わせに行くからついてこい」
「ハァ!?なんでそんなことになるんだよ!」
結城が予想通りの回答をしてくれたことに満足しながら身だしなみを整える。
「どちらに向かわれるんですか?」
ちひろの答えに対して笑いながらこう答える
「765プロだ!」
オリ主 情報②
行動と言動は滅茶苦茶なことも多いが、基本アイドルのことを考えなるべく適した仕事ができるように心がけている。
千川ちひろ
鬼と悪魔が土下座で逃げ出す、Pを搾取する魔神……。
というのは冗談で、オリ主の部門の面倒もさせられている苦労人。ゲームと違って、ボケと理不尽に対応するために、体力とツッコミ(攻コスト)のために逆にスタドリ・エナドリ飲みまくってるお方。
結城晴
オレっ娘。デレラジでまりえってぃがイタズラされたいアイドルで挙げたが同意する。U149で志希がアイドルのカッコよさを示し、シンデレラを目指すのは予想外でびっくりした。
世界線はアニメに近いものと思っていただければと思います。(のちに変わるかもしれませんが)
次回は765プロが登場。(そのためクロスオーバータグ追加しました)
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亜美真美「「不死身のコンビ!真美(亜美)たちはかすり傷一つ負ってなかった」」
「それで、なんでオレが765プロの打ち合わせに行かなきゃなんねーんだ?めんどくせーな」
「ヒラヒラした服やきゃぴきゃぴしたやつが嫌いと結城は言ったな?なぜそう思う?」
社用車で765プロへ向かう間、結城のアイドルのイメージがなぜそのようなものになっているのかを聞いておく。ここが一番重要なのだ。
「オレは男ばっかの家族で育ったって言っただろ?オレ、昔からサッカーが好きでさ。いっつも兄貴やその友達とよくやってたんだ。で、小学生になったらスカート履かなきゃダメでさ、そしたらみんなの反応が変わった。いままで誘ったらしてくれてたのにケガさせたらとかそういやお前女だったなとか言ってしてくれなくなった。そーいうのもあってあんまり好きじゃねーんだ」
「そうか、そりゃあ好きじゃなくなるなぁ。じゃあなんでアイドルは嫌なんだ?」
「オレはカワイイよりかっこいいやつになりたいんだ。アイドルってテレビとかで見るけどそんな恰好で踊ったり歌うんだろ?兄貴が見てる雑誌とかにも水着とかで出てるしよ~。あんなのカッコイイとはオレは思わねえ」
結城の言い分は分かる。だが、こいつは自分の価値に気づいてないだろうことがその言動から読み取れた。男家族の影響で男口調で恰好は男っぽく趣味も男子のようではある。しかし、その顔は整っており身長が小さく可愛らしさを持ち合わせている少女なのだ。このしゃべり方だと男子と話が合うであろうことが簡単に予想でき、気軽に話しかけてくれる美少女ってことでそのアニキの友達ってのも年頃を迎えた時にそんなやつがいたら遠慮してしまったんだろうことが予想できた。
「ところでこのデッカイ袋中身はこれなんだ?」
「知らないほうがいい……。というかお前に会わせたいやつへの土産だ。向こうも忙しくて渡せなかったんだ」
車に乗るときに乗せた例の物が結城は気になるらしいが、中身は内緒にしておく。これが結城に会わせたいアイツに与える影響とそこからどうなるかという反応が少し楽しみである。
そうやって会話しながら765プロへの道は過ぎて行った。
☆
「お、緊張してんのか?」
「し、してねーよ」
765プロのオンボロビルの階段を上って、いざドアの前に立つと声と気配がする……。こういった時は、
「邪魔するよ」
「「ふぎゃっ」」
勢いよくと言いたいところだが、今回は軽めにドアを開けてから声をかけると案の定イタズラ双子が何か仕掛けようとしていたようだ。
「静かに素早く……と教えたはずだが二人とも?悪だくみしてたのが気配から分かったぞ」
「ひどいよ→ゴリラの兄ちゃん。真美たちは不死身のコンビ!」
「そうだよ→ゴリラの兄ちゃん。亜美たちは来やがれぇ!水鉄砲が待ってるぜって準備してたのに!」
自分のことをゴリラの兄ちゃんと呼ぶ、この双子は双海真美・双海亜美で一時期は片方がもう片方に成りすましてアイドルをするというほど似たアイドルだ。けっしてどこぞのデコボコ双子と比べてはいけない。
「軍曹か社長はいるか?」
「りっちゃんはあずさお姉ちゃんのドラマの打ち合わせでいないって。社長ならいるよ→」
「おやおや~。ゴリラの兄ちゃんの後ろにいる子はどなたですかな~。もしや兄ちゃんのこれですかな~」
いつもなら追加で何か仕掛けてくるのだが、結城の存在に気づいたのだろう。ここぞとばかりに小指を立てながらいじってくる。
「違うぞツインズ。うちの新人候補の結城晴だ。仲良くしてやってくれ。音無さんはいるか?差し入れにお菓子持って来たんだが」
「気がききますな~。ぴよちゃんはあそこで仕事してるよ~。お菓子ありがとね。真美たちはこちらの新人くんにげいの→かいの厳しさを教えてあげましょうかな」
「え?オレ?な、なに言ってんだ。オレはまだやるって……」
「なんとなんとオレッ娘ですか!これはこれはゴリラの兄ちゃんの趣味が分かってきましたぞ真美さんや。探偵亜美真美の出番のようですな~」
うわああああああああああああああっと
「あら?346のプロデューサーさん。お久しぶりです」
「お久しぶりです、音無さん。これ差し入れです」
「ありがとうございます」
この美人で、ホクロが似合う事務員さんが765の事務を担当している音無小鳥さんである。たまに765のライブやショーで歌っているという事務員にしておくにはもったいない方なのだ。
「前にもいいましたがうちのアイドルにどうです?」
「もう!ほかの事務所に来てスカウトですか?私はこの765プロのアイドルのアイドルを支えてあげたいんです。毎回言いますね」
「いやっ私は一度お会いしたら美人で才能のある女性は忘れません。音無さんほど才能ある方だとつい……高木社長の言葉を借りるならティンとくる」
「アハハハハありがとうございます……ところでCPのプロデューサーさんはお元気ですか?」
「えぇ、あいつも元気にしてます。この前も少し
「
音無さんはこのように美人なのだが、妄想癖が激しいようでたまにトリップする。初めて妄想癖でトリップする女性を見た時はヤクでも本当にやってんのかと思ったが後に、うちにも妄想大好き少女アイドルが入ってきてこういう人もいるのかとまた世界が広がった……。
「あ、あの~音無さんそろそろよろしいですか?」
「そこでうちのPさんが帰国したからってその二人に……ってあら?ゴ、ゴメンナサイ!社長なら社長室にいらっしゃいますよ!」
後ろからダメ、ダメよ小鳥~~~~とか聞こえるが、知らない方がいいわということで無視して社長室のドアをノックすると入りたまえという返事がなされたのでようやく打ち合わせに入れるようだ……。
☆
「……以上のような内容で765さんとの合同という形でこの企画をしたいと思いますがよろしいでしょうか、高木社長?」
「あぁ、かまわんよ。目を通したが予算、人員、安全面といったコストや人の部分も良くできている。……ところで双海くんたちが楽しそうにしている様子が聞こえるが彼女が来る前に話していた候補かね?」
「了承ありがとうございます。はい、うちの新人候補で推薦枠の結城晴です」
「君がスカウトしたのではなく回されたということはそういうことかね?話せる範囲でいいから話してみなさい、協力できるようなことがあれば協力しよう」
このアイドル思いの『アフガニスタンを思い出す』みたいなことを言いそうな声の人物が弱小プロであった765プロを世に広げ一流のアイドルと呼べるようにした社長・高木順二朗氏である。アイドルのことを常に思っており、個性を伸ばすその方針は自分が学ぶことも多くあり尊敬する社長の一人である。
「……っというわけです」
「ふむ、それで彼女の仕事をみせてやりたい。出来るなら歌い踊る姿を新人くんに見せてやりたいと言ったわけか。いや、中々に複雑な問題だ。小学生に年上のましてや思春期の心情を理解するのは難しく、親御さんの気持ちは理解しにくいだろうね。理想の自分とは理を想うと書くように周囲との関係性や要因で達成することが難しいものだ」
「……高木社長のおっしゃるとおりです。結城の言いたいことは分かります。アイドルとは事実そのような部分が多い。しかし、彼女は望まないのかもしれませんが、私は……結城晴にアイドルの才能を感じました。高木社長のお言葉をお借りするならティンときたです。私は彼女の可能性を伸ばしてやりたい。いや、あえていうなら結城晴という原石を磨きその価値を世間に知ってもらいたいという宝石職人みたいな自分の感情もあることは否定は出来ませんが」
「ははっ!その気持ちが分からないわけではないよ。私も若いころにプロデューサーをしていた際、似た経験がある」
「そう言っていただけるとは幸いです」
「うむ、そういうことならそっちの方の手続きは私がしておこう。いや実はね、君の条件にあう仕事が今日の夜、テレビ局であってね。最初からそうしてあげようと思っていたわけなんだ。君と彼女も知らないわけではないし帰りの送迎も含めてやってくれるというなら現在、うちのプロデュサーくんが研修でアメリカに行っていない現在、そういった行動は人材が足りていないわが社にはありがたい話でもあるんだ」
「本当ですか!?ありがとうございます!この御恩は必ず何らかの形でお返しさせていただきます」
「いやいや、かまわんよ!だが、最後に一つ言わせてくれ。君たちはプロデューサー、アイドルを導くものだ。君が期待するのはいい、しかしその期待をアイドルに押し付けてはいけないよ?彼女たちは強い!だがその反面弱さも抱えているのだ。そこを良く見極めて君のプロデューサーとしての信念を貫いてほしい。年寄りの小言かもしれんがね、先達として後悔をしたことがあるものとして、後輩に送れる言葉だよ」
「……ありがとうございます!そのお言葉を肝に命じ心がけます」
☆
打ち合わせが終わって出てみると、そこではオレの持ってきた差し入れを食べながらゲームをしている結城と双海姉妹がいた。いや、仲がよくなったようでよかったよかった。
「あれ?終わったのか?じゃこれで終わりだろ?ま、なんだかんだいって楽しかったよ」
「ん?何言ってんだ?俺は打ち合わせに行くぞとは言ったがこれで終わりとは言ってない」
「ハァ!?どこ行くんだよこれから!」
「テレビ局だ!お前に会わせたいやつがいる!いやむしろ、これが今日の本命だ!」
「おやおや~?ゴリラの兄ちゃんは真美たちが本命とは言わないのですかな?」
「真美さん真美さん、これは一大事ですぞ。亜美たちを置いて晴ぴょんに会わせたい本命は誰なんでしょうな~」
にやにやしているツインズに対してこう返した
「菊池真のライブ収録だ!」
ちなみにこれは時間軸で言うなら、ムビマスが終わってしばらくした後でぐらいで考えてます。
人物情報
双海真美・亜美
双子アイドル。元気いっぱい。中の人の演技もあってモノマネがコミュで来られると頭を悩ます二人。
音無小鳥
765プロ事務員。歌唱力は高く色々と過去にありそう。高木社長と黒井社長の確執もこれにいろいろと絡んでいるよう。現在、過去話がコミックREXにて「朝焼けは黄金色 THE IDOLM@STER」で連載中。社長たちの素顔も描かれておりおすすめです(ダイマ)
高木順二朗
765プロ社長。茶目っ気があり親しみやすい社長。今作では社長として大人としての先輩として書かせていただきました。CVは大塚芳忠さん。プレデターではポンチョ、ラストスタンドでは悪役と幅広い演技をされる名声優さんです。コマンドー30周年版では敵のアリアス大統領を演じられています。持ってないなら密林でも見てこいカルロ(ダイマ2)
次回はおそらく晴のスカウトが終わる予定です。(更新時期は未定)
とりあえずそろそろ短編から連載に変えた方がいいんですかね?どれくらいで連載にすればいいんだろう……。
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