ラブライブ!サンシャイン!! ~奇跡の輝き~ (リペア)
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プロローグ

みなさん、どうも初めまして!リペアと申します!「もしもAqoursメンバーの幼馴染が居たら」と言うのから書き始めました。

どうかよろしくお願いします。


主人公、東藤亜樹人はAqoursと過ごした最高の夏「Aqours 2nd Love Live! HAPPY PARTY TRAIN TOUR」の埼玉公演を終え、ライブでの余韻を噛み締めつつ東京にある自宅へ戻った。

 

ーーーーー

 

「はぁ、Aqours 1stで発表され、名古屋から始まったツアーもついに終わってしまったか・・・。」

 

オレは人生で初めて参戦し、全力を持って参戦したツアーの終わりに一抹の寂しさを感じつつも確かな満足感や感動を感じていた。

 

「ツアーは終わっちゃったけど3rdツアーも発表されて、来週からは2期も始まるから楽しみだ!」

 

そう、ツアーの殆どに参戦し最後の埼玉公演2日目では来年初夏から開催される3rdツアーの事に関しても2期同様に期待を膨らませていた。

 

「来年、3rdツアーを全通するためにもまた明日から頑張らないとな・・・!」

 

オレはこの夏、Aqours初のツアーと言うことで会場となる3都市を回っていたが不思議と疲れはなく、新たに目標も出来たところで気合いを入れ直す。

 

「とは言えそろそろ眠くなってきたし、寝ないと。ふわぁ・・・。」

 

そう言いつつ、大きな欠伸をすると寝るための準備に入ろうとしたところであるものが目に入った。

 

「やべっ、忘れないようにこれも片付けておかないと・・・。」

 

そう、目に入ったものとはこの夏の2ヶ月間共に駆け抜けた仲間・相棒人も言うべきブレードやグッズたち、これはオレのなかで思いでと共にかけがえの無いものになっていた。

 

「みんな、来年もよろしく頼むぜ・・・。」

 

オレはひとつひとつに感謝するようにグッズの手入れを行う。

 

Tシャツは網に入れて洗濯機へ、アームバンドは消臭剤を掛けて乾燥。ブレードの電池は一通り抜いてブレードバッグの中へ。

 

「よし、こんな所かな。っと、もういい時間だしそろそろ寝ないと明日がまずい・・・。」

 

オレはスマホを手に取り、明日のバイトの時間を確認すると音楽プレイヤーの曲からリラックス出来る音楽を選択し、再生させて布団に入り、電気を消す。

 

「明日は幸いにも日曜日。今回のお礼と次のために、神田明神でお参りしてこようかな・・・。」

 

その内、次第に瞼も重くなり目を閉じると深い眠りへと落ちていった。

 

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

 

どれくらい経った頃だろうか、オレの意識は暖かいところに浮いている様な感覚がしてきた。

 

 

 

あれ、オレって寝ていたはずなのに、ここはどこだ・・・?

 

 

 

オレは必死に今の状況を整理しようと頭を働かせようとしたところで、不意に頭の中に声が響く。

 

 

 

『たす・・・て、ラ・・・ライ・・・!』

 

 

 

 

それは、アニメでよく聞き慣れた声だった。

 

「この、声は・・・」

 

夢の中なのか、はっきりしない意識のまま声のする方向へ手を伸ばす。次の瞬間、大きな衝撃が体を襲った。

 

「いってぇ、何が起きたんだ・・・。って、え?」

 

朝になったのか、目を覚ますとどうやら寝ている内に動いてしまい床に落ちてしまったようだったが、部屋の中は自分の部屋の様ではあったが違和感があった。まず、自宅では床の上のマットレスの上に布団を敷いてあるものでベッドではなく、住んでいるのも大学進学と共に1人暮らしを始めて都内の1Rマンションに住んでいたためあまり広いとは言えなかったが、ここはそこよりも広くどちらかと言えば実家の部屋に似ていた。

 

「ここはどこなんだ?・・・って、寒っ!?」

 

雰囲気や状況が変わっているにも関わらず、変に落ち着いていた自分にも驚いていると、何故か寒さに襲われた。慌てて枕元に置いた筈のスマホを点け、日付を確認する。

 

「え?嘘だろ・・・」

 

日付を確認すると、【4月】と信じられないことが表示されていた。ツアーが終わったのが9月末であり、まだまだ残暑が厳しかった事を考えるとこの寒さは信じられなかった。

 

起きたてで未だはっきりしない頭の中を巡らせて考えていると、部屋が2階なのか誰かが階段を上って来る音がしてきた。階段を上がりきったのか、廊下を歩いているらしい。その足音もオレの部屋らしき場所の前で止まった。

 

「?」

 

なぜか疑問に感じていると、次の瞬間、勢いよくドアが開かれた。

 

???「おっはヨーソロー!起っきろ~!朝だぞ~!」

 

オレは目の前で信じられない光景が広がり、スマホを落としてしまった。




最後まで読んでくださり、本当にありがとうございます。作品をさらに理解し、今後とも良い作品を書いていこうと思うので応援よろしくお願いします!


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主人公の人物設定

ここではこの作品、奇跡の輝きの主人公「東藤亜樹人」の設定を書いていきます!


東藤 亜樹人

 

大学1年生。身長は178㎝。A型。

 

東京都内にある大学へ通っているが、ライブ後に帰宅して就寝したのちにラブライブ!サンシャイン!!の世界に跳ばされてしまう。

 

主人公がラブライブ!サンシャイン!!とAqoursを知ったのは、とある雑誌を読んでいたことがきっかけで、Aqoursの推しは高海千歌と小原鞠莉。

 

好きな曲はHAPPY PARTY TRAINとMIRAI TICKET。

性格は優しく面倒見のいいタイプ。そのため、千歌や曜、鞠莉に振り回されている。

成績は良い方で梨子よりは下であるが、機転を利かせる事が上手。何かあると、その度に色々とフォローに回る。

好きな動物はネコであり、中でもマンチカンやスコティッシュフォールドが大好きであり、部屋にはネコ関係の本や写真集がいくつか置いてある。

趣味は模型製作。こちらの世界に来てからは、駅前の商店街にある模型屋さんへ頻繁に行っている様子。

 

こちらの世界では、曜の家の隣に昔引っ越してきて以来、親同士が仲良くなりお隣さんで家族ぐるみで仲が良いと言うことになっている。

跳ばされた際にいくつか設定が変えられており、浦の星は合併の他に共学化の方針も出されており主人公は共学化に際してのテストケースとして編入することになる。浦の星編入前は沼津の高校へ通っていたが、2年生へ進級する直前に浦の星の新理事長から依頼を受ける。

 

制服は共学化にあたり新たに男子生徒用のを作ることになったため、試作品として2つのパターンがあり、1週間毎交互にそれぞれのパターンの制服を着ている。

 

Aqoursメンバーの中で幼馴染みは千歌、曜、ダイヤ、果南、鞠莉、ルビィ。

千歌、曜、鞠莉に振り回され、ダイヤや果南に助けてもらうこともしばしば。千歌と曜は、幼馴染みということもあり仲が良い。果南とは千歌や曜と遊んでいるうちに知り合う。ルビィに関しては、父親以外に関われる唯一の男性となっている。鞠莉にも色々と振り回されることがあるが、それは小学校の時のとある出来事がきっかけで以来、信用しているからだそう。

 

 

実は、元の世界では幼少期を沼津で過ごしている。小学校入学前に親の転勤の関係で、愛知県へ引っ越している。高校卒業後、本人いわく「イベントやライブに参戦したい」との理由で大学を都内に決め上京、バイトもしている。跳ばされる前、大学へ行っていたときの休みの日はゲームセンターへ行ってアケフェスをプレイするのが日課であった。

 



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出会いは突然に

今回から、お話を動かしていきます。基本はアニメに沿って進めていきますが、たまに特別編の投稿も考えておりますのでよろしくお願いします!


「え、うっそ・・・。どうして・・・?」

 

突然勢いよく開かれたドア、そこに立っていたのは思いもよらない人物だった。

 

曜「どうしてって、亜樹人を起こしに来たんだよ!」

 

その姿を見間違うはずもない。アニメで何度も見た姿であり、推しである千歌の幼馴染みの渡辺曜。その姿を見たとき、オレの意識は一気に覚醒して眠気などどこかへ行ってしまった。が、突然の事にオレは動けずに色々と考え込んでしまう。

 

(なんで、ここに曜がいる!?それにしても、ここはどこなんだ!?)

 

と、オレが右手を寝起きでボサボサの頭に当てて考えていると、さっきよりも曜の声がすぐ近くで聞こえた。

 

曜「おーい、どうしたの?」

 

「うおっ!?」ビクッ

 

何かを心配したのか、曜がオレの顔を覗きこむ様に近づいていた。突然の事にオレは驚き、後ろに飛び退いた。

 

曜「うわっ!?ちょっ、どうしたの、いきなり」

 

「だって、いきなりオレの部屋に来るし一体何がどうなってるの?」

 

曜「何がって、亜樹人のお母さんに頼まれて起こしに来てるんだよ。と言うか、昔からなのにどうして?」

 

「昔から!?」

 

曜「うん、そうだよ。だって、昔からの幼馴染みだし♪」

 

どうやら曜はオレと幼馴染みで、昔からオレの母さんに頼まれてオレを起こしに来ているようだったが、なぜ曜がオレの部屋に慣れた様子で来ているのかが未だに理解出来ていなかった。しかも、ちょっと嬉しそうにしているし、その笑顔がまた可愛い。

 

「・・・って、そうじゃない!なんで、アニメの中の曜がオレの目の前に!?」

 

事実、今までアニメの中でしか見たことの無かった人が目の前にいる。オレはそれだけで軽くパニクっていたが、ふと外を見ると見覚えのある家が建っていた。

 

「もしかして、まさか・・・!」

 

考えるよりも先に体が動いた。ここに曜が居て、窓の向こうには見覚えのある建物、これを確認せずにはいられなかったオレはそう思い、部屋の窓際まで行き戸を開けるとベランダに立ち外を見た所、オレの家と思われる建物の隣には曜の住んでいる家があった。

 

曜「だ、大丈夫?なんかとんでもない感じに寝ぼけてるみたいだけど、アニメの中とかって何の話?」

 

「あぁ、大丈夫・・・。ところで、曜はどうしてオレの所に?まだ朝も時間が早いのに。」

 

曜「さっき言ったでしょ、昔から起こしに来てるって。それに、今度から浦の星に一緒に通うんだから遅刻されたら困るからね!」

 

「い、一緒に通う!?浦の星に!?だって、あそこって・・・」

 

 浦の星女学院。曜を含め、Aqoursのみんなが通っている学校だ。名前からでも分かる通り、浦の星は女子高であり、男である亜樹人が通える所ではない。

 その時、開けられたままになっている部屋の入り口にダンボールが置かれているのが目に入った。

 

「ん?なぁ、曜。あのダンボールはどうしたの?」

 

オレは気になり、曜に聞いてみる。もしかして、この話の流れからするとまさか・・・。

 

曜「あぁ、あれ?亜樹人の制服だよ。亜樹人のお母さんから『今朝と言うか、さっき届いてね。あの子起きないから、持っていってあげてちょうだい!』って言われて持ってきたの。」

 

「オレの制服!?どこの!?」

 

曜「ちょっと大丈夫?一旦落ち着こうよ。」

 

「あ、ごめん・・・」

 

曜に促され、数回深呼吸をする。・・・うん、少し落ち着いたかな。

 

「ふぅ・・・、でも、オレの制服って一体どうして・・・。」

 

曜「だからさっきも言ったよ?一緒に通うって。」

 

「一緒に通うって言ったって、浦の星は女子高じゃ・・・」

 

そう、一番の問題はそこだ。なぜ、オレが通える事になっているのか訳が分からないよ。さっきは目の前にいきなり曜来たことで聞くのを忘れていたけど、これだけは聞かないといけない気がする。

 

曜「あれ?聞いて無かったっけ?浦の星って新年度から共学化になるって。」

 

「共学化・・・」

 

浦の星女学院の共学化。曜の口から出た一言は、オレ自身も知らないことだった。さっき外を見たときも、聖地巡礼をしたときはお店だったのが今は曜の住んでいる家になっている。と言うことは、何かが原因でラブライブ!サンシャイン!!の世界に来てしまい、オレと言う異分子が混ざってしまったことで元々あった『こちらの世界』に影響が出た。浦の星女学院の共学化と言うのも、そのせいだろう。結論は出たが、すぐに何かをしようとしても出来ることはない。

 

曜「だから、始まる前に制服を確認しておこうと思って!」

 

「もしかして、曜はそのために来たとか・・・?」

 

曜「もちろんであります!」

 

いきなりのことで色々と考えが追い付かないオレを余所に心なしか、曜の表情は嬉しそうであった。それもそのはず、曜はコスプレなど衣装が好きであり、まぁ、今は考えても仕方がない、オレは廊下に置かれていたダンボールを持つと部屋の中に運び入れた。

 

箱に貼られている伝票を見ると、1つは『夏用制服』もうひとつは『冬用制服』と書かれていた。冬用から開けてみると白のブレザーとワイシャツとグレーのズボン、夏用には白のワイシャツと夏用ズボンが入っており、あとは2年生カラーである赤のネクタイが入っていた。

 

曜「おぉ~!これが新しい制服!結構カッコいいね!」

 

「そうだな、まさか白のブレザーだとは思わなかった。」

 

ふたりで盛り上がってると下から誰か登ってくる音がした。この感じは母さんだろう。

 

「ふふ、早速やってるわね!どう?新しい制服は」

 

やはり母さんだった。母さんは締まりかけで少し空いていたドアから顔を覗かせている。

 

「思ってたよりも結構良いので驚いてるよ。あ、そうだ母さん、少し聞きたい事があるんだけど」

 

「ん?なにかしら?」

 

「制服と言い、いつの間にこんなことになってたの?」

 

ようやくこの事が聞けて安心していると、母さんは少し申し訳なさそうに切り出した。

 

「ごめんね、お母さんが編入手続きしちゃった⭐」

 

「マジかよ・・・」

 

昔からある意味自由な母さんに振り回されてきた事もあって、ある程度予想はしていたがそれでも予想の斜め上を行っていた。こう言うことって、身内が出来るものなのか?等考えていると、母さんはさらに続ける。

 

「ほら、亜樹人って今の高校でも知り合いが少なくて寂しいって言ってたから、丁度浦の星が共学化されるって聞いてあそこなら曜ちゃんはもちろん、千歌ちゃんもいるから安心だと思ったのよ。今でもたまに寝坊するでしょ?」

 

いきなりではあったが、母さんなりにオレの事を考えての事だったのか。確かに、寝坊すると遅刻に繋がってしまうから非常にまずかったりする。となると、曜がこれからはオレを起こしに来るとかそう言うことが・・・?

 

「確かにそうだけど・・・」

 

「なら良いじゃない。曜ちゃん、悪いんだけどこれからは亜樹人を起こしに来てくれないかしら?」

 

曜「分かりました!頑張るであります!」

 

ホントに決まっちゃったよ・・・。それにしても、これからオレはどうなるんだ?この世界でうまくやっていけるのか?など色々な考えを巡らせながら、届いた制服の片付けをしていくのだった。




プロローグや主人公の設定など読んで頂き、ありがとうございます!

鞠莉「ねぇ、それにしてもワタシはいつ出してくれるのよ?」

で、出ますよ!もう少し先になっちゃいますが・・・

鞠莉「なら良かった。楽しみね♪」

早く出てきて貰えるように善処します・・・!

鞠莉「よろしくね♪」



と言う事で、今回は曜がメンバーの中では出てきましたが、これからはアニメに沿って書いていくので順々に登場する予定ですので、お楽しみに!


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桜咲く出会い

千歌「ねぇ、なんでこんなに遅れたの!?」

リペア「あのですね、リアルでの生活が忙しくてですね・・・」

果南「本当は?」

リペア「スクフェスイベント楽しかったです。無事二人とも3枚取り出来ました!」

ダイヤ「なんと言う事ですの!ぶっぶ~ですわ!そんな事で、続きを待っててくださる方に申し訳ないとは思えませんの!?早く皆さんに謝ってください!」

リペア「は、はい!え~、みなさん本当にすいませんでした!」

と、言うことで色々あって遅くなってしまい本当にすいませんでした・・・。



亜樹人「ついにこの日が・・・」

 

あれから数日後、浦の星への編入の日がやって来た。今日は転校初日と言うことで最初から遅刻するのは不味いので、こうして早く起きていた。

 

亜樹人「さて、着替えなきゃな・・・」

 

そう思い立ち、服を脱いでいると誰かが階段を上ってきた。まさか・・・

 

曜「おっはよー!起きてる?・・・って、きゃあああ!」

 

そう、そのまさか。前に母さんからオレを起こすようにお願いされていた曜が、オレの部屋に突撃してきたのだった。

 

亜樹人「よ、曜!?」

 

叫び声で振り返ると、制服姿の曜が顔を真っ赤に両手で顔を覆っていた。

 

亜樹人「ちょ、早くドアを閉めて!早く!」

 

オレが曜に言うと、曜は慌てて部屋の外に出てドアを勢いよく閉めた。

 

~~~~~~~~~~

 

亜樹人「お、お待たせ」

 

着替えて部屋の外に出ると、曜が居ないようだった。1階に行っているのか?

 

そう思いつつ、初登校の準備を終えて1階に降りると曜が母さんと一緒に朝ごはんを作っていた。

 

母さん「いやぁ、曜ちゃん朝から悪いわねぇ~。あの子を起こしてくれるだけじゃなくて、朝ごはんの準備まで・・・」

 

曜「大丈夫ですよ!私、家でもたまにやってますから!」

 

曜は母さんと楽しそうに談笑しているようだった。

 

亜樹人「おはよう~」

 

オレは、さっきの事をなるべく気にしないように平静を装って席に着こうとした。そしたら、母さんが衝撃的な事を言い出した。

 

母さん「そう言えばさっき、曜ちゃんの大きな声がしたけど何があったの?亜樹人、もしかしてあなた曜ちゃんを」

 

亜樹人「べ、別に変な事はしてないよ!?な、曜!?」

 

曜「う、うん!私が亜樹人の着替え中に部屋に入っちゃっただけですから!」

 

やはり、さっきの事は母さんに聞こえてたようで、ふたりして急に説明したから変に慌ててしまった。

 

曜「あ、亜樹人!私は千歌ちゃんとやる事があるから先に行くね!」

 

曜は素早く朝食を食べ終えると、学校へ行くと言い家を早々と後にした。

 

母さん「亜樹人、あんた本当は曜ちゃんなにかしたんじゃ・・・」

 

まずい、さっき変に慌ててしまったことで母さんが怪しんでいる。

 

亜樹人「本当に何も無いって!」

 

母さん「そう、なら良いけど早くしないと遅れるわよ?」

 

母さんに言われて時計を確認すると、出ようと思っていた時間ギリギリだった。オレはトーストを食べ終わると、浦の星指定のスクールバッグを持って家を出た。

 

浦の星は沼津の中でも内浦と言う地区にあり、沼津駅近くにあるオレの家からは駅前でバスに乗らなければならない。

 

バス停に着くとバスは来ていないようで、曜がまだバスを待っている。

 

亜樹人「曜!」

 

曜「あ、亜樹人」

 

オレは曜に声を掛けたが、オレの顔を見るなり顔を背けてしまった。心なしか、顔が赤かったような気がする。

 

曜「その、さっきは着替えてる時にごめんね」

 

やはり、着替えの事を気にしてたか。鍵をしておけばよかったな・・・。

 

亜樹人「オレの方こそごめん。あんなことになっちゃって。」

 

オレがそう言うと、曜は顔を上げてこちらに笑顔を向けてきた。

 

曜「良いよ。私は気にしてないから。ほら、そんなに暗い顔してちゃみんなに笑われちゃうよ?」

 

曜とそんなやり取りをしていたら、バスがやって来た。オレと曜は浦の星前のバス停まで毎日これで通うことになる。

 

オレと曜が乗り込んだ後にもう一人、黒く長い髪の娘で右側にお団子がある人が乗ってきた。制服は同じなので、浦の星の生徒なのだろう。だが、リボンの色が違う。

 

曜に聞いてみると曜たち2年生は赤、今乗ってきた子が着けている黄色は1年生らしい。

 

そうして話をしている間に、バスはとある旅館の前に止まった。看板を見てみると『十千万旅館』と書いてあった。

 

亜樹人「(十千万って事は、もしかして・・・)」

 

???「あ!曜ちゃんおはよう!」

 

予感的中、元気よくバスに乗り込んできたのは、あの高海千歌だった。

 

千歌「亜樹人くんもおはよう!」

 

そう言うと、千歌は曜の反対側、オレを挟む様な位置に腰を下ろし、こちらに笑顔を向けてきた。おぉ、まさか千歌の笑顔をこんな間近で見られるとは、なんたる僥倖!

 

千歌「ねぇ、曜ちゃん。昨日言ってたけど、今日はどうしていつもより少し早めなの?」

 

曜「それはねほら、亜樹人くんって今日から特別編入で来るから一応職員室までの案内は必要でしょ?だからね。」

 

千歌「あ~なるほど。って、編入生って亜樹人くんの事だったの!?

 

千歌はとても驚いた様子であった。前に曜や母さんに聞いた話では、編入してくるオレの事は直前まで対外秘だったようで千歌が知らなかったのはそのためみたいだ。

 

亜樹人「まぁ、そんな感じだからこれからよろしくな。」

 

それにしても、千歌とまで知り合いな感じがするし一対どうなっているんだ?

 

~~~~~~~~~~

 

バスの中で色々と話しているうちに、バスは降りる場所である『浦の星女学院前』に到着した。

 

降りると、劇中で何度か目にしたあの坂が目に入る。

 

千歌「よし、着いた!そう言えば、亜樹人くんは道分かる?」

 

そうだった、劇中で何度か見たことはあったけど実際にどう行ったら良いか全然分からんな・・・。

 

亜樹人「いや、実は全く分からない・・・。学校に着いたらひとまずは職員室に来いとは言われてるんだけど。」

 

曜「だったら千歌ちゃんと私で職員室まで連れていってあげるよ。それなら大丈夫じゃない?」

 

オレが少し申し訳なさそうにしていると、曜から提案があった。

 

亜樹人「本当に良いの?曜は千歌とやることがあるって言ってたけど大丈夫?」

 

曜「うん!やると言っても、今日の始業式の後だから今は大丈夫だよ!ね、千歌ちゃん!」

 

千歌「そうだよ!だから、亜樹人くんは安心してくれても大丈夫なのだ!」

 

そう言うと、千歌と曜はオレの前を歩き出し、浦の星へと向かった。

 

~~~~~~~~~~

 

浦の星に着くと、千歌と曜に案内してもらい迷うことなく職員室へ行くことができた。ふたりはなにやらやることがあるとの事で、足早に教室へ行ってしまった。

 

亜樹人「ここが職員室か。失礼します。」

 

軽くノックしてドアを開けると、先生が1人こちらまでやって来た。

 

???「どうしたの?まぁ、とりあえずこっちにどうぞ。」

 

対応してくれた先生は、黒髪のストレートでスタイルも良く黒のスーツを着ていた。

 

亜樹人「今日からこちらでお世話になる試験編入生の東藤 亜樹人と言います。よろしくお願いします。」

 

先生「あぁ、あなたが今日来るって言ってた人ね、私は笹原って言います。担任はあなたが編入する2年生のクラス。試験生と言っても、男の子はあなたが1人だけだから何でも相談に乗りますよ。」

 

亜樹人「はい、ありがとうございます。」

 

良かった。確かに、浦の星は女子高だからオレ1人だけ男って言うのは改めて考えると心細いものがあるからな。

 

笹原先生「じゃあ、東藤君。教室へ行く前に1回理事長室へ行ってもらう事になってるの。」

 

亜樹人「理事長室?」

 

笹原先生「そう、今回の編入に関する通知も理事長から行ってるはずだから、挨拶にね。」

 

笹原先生はそう言うと、席を立ち理事長室までオレを案内してくれた。

 

~~~~~~~~~~

 

笹原先生「ここが理事長室。私は職員室に戻りますけど、終わったらまた私の所にお願いします。戻って来次第、今度は教室へ行くので、また後で。」

 

その後、先生は職員室へ戻って行った。

 

それにしても、理事長ってまさか・・・。まぁ、とりあえず入ってみないことには。

 

そう思い、理事長室の扉をノックする。中には理事長が居るようで、返事が帰ってきた。

 

亜樹人「失礼します。」

 

???「亜樹人~!」

 

オレが部屋に入った途端、1人の女の子がオレに抱き着いてきた。

 

そう、この人こそ浦の星の理事長にして元の世界でのオレの推し『小原鞠莉』だったのだ。

 

鞠莉「待ってたわ、亜樹人。」

 

鞠莉はオレから離れると、理事長の椅子へ座り直した。

 

亜樹人「ま、待ってた!?それに、試験編入って一対どういう事ですか!?」

 

鞠莉「不安なのは分かるけど、落ち着いて。前にあなた宛に送った通知にもある通り、今現在の浦の星は廃校の危機にあるの。今まで通りに受験生を募集できれば今のままで運営していくことになるんだけど、そうでなければ来年から良くて共学、でもこのままなら廃校は濃厚なの。だから、今年試験生としてあなたを迎えて様子を見ようって事にしたの。」

 

そんなことがあったのか。ん?でも、元の世界では浦の星は夏休み後に廃校が決まるとあったはず。もしかしたら、オレが来たことで色々変わっているのか?

 

鞠莉の話を聞きながらそんなの事を考えていると、鞠莉がオレの顔を覗きこむ。

 

鞠莉「どうしたの?何か分からない事でもあった?」

 

亜樹人「い、いや大丈夫。」

 

鞠莉「そう、でも安心してね。私は理事長である前に、亜樹人の幼馴染みなんだから何でも言ってね。相談に乗るわ?」

 

亜樹人「本当に?ありがとう、助かる・・・」

 

オレは慌ててアピールをする。突然とは言え、鞠莉程の綺麗な顔が近くへ来てしまうとどうあっても慌ててしまう。でも、千歌や曜に引き続き、鞠莉まで幼馴染みとは・・・。

 

鞠莉「なら良かった!じゃあ、私はこのあと授業があるから教室に行くわね!」

 

鞠莉は変わらず笑顔でそう言うと、オレの手を取り廊下まで出た。

 

まさか、推しに手を引いてもらうなんて思わないな・・・。でも、鞠莉の手、柔らかかったな・・・。

 

などと考えていると鞠莉が少々悪い顔をしている。

 

鞠莉「あら?もしかして、亜樹人ったら。」

 

まずい、変に詮索されないうちに職員室に戻らないと。

 

亜樹人「じゃあ鞠莉、オレ先生に職員室に来るように言われてるから、じゃあ!」

 

危ない危ない。これでバレなかったかな?気になるけど、とりあえず職員室に行くしかないな。

 

~~~~~~~~~~

 

オレは職員室に戻ると、先生が待っていてくれた。少し中を見渡すが先程より他の先生が少ない。授業開始の時間が近いからそれぞれの教室へ行ったのだろうか。

 

先生に行ってきた事を伝えると、いよいよこの1年間過ごす事になる2年生の教室へ行くことになった。




リ「ふぅ、ようやく書き終わった。」

ダイヤ「あら、ずいぶんと余裕そうですわね~?」

いつの間に、ダイヤが後ろにいた。ヤバい、笑顔だけど笑ってない。

ダイヤ「昨年11月から更新が無くなったと思えば、何をしてたんですの!」

ヤバい、非常にヤバい。ダイヤさん激おこだよ。

リ「あのですね。色々ありまして。」

ダイヤ「前に早く書くとおっしゃっていたではありませんの?」

そうなんですがね、色々あったんですよ。二期観てたり、色々遠征とか・・・

ダイヤ「でもまぁ、今回は書き上げてくれましたしこのくらいにしますわ。」

うぅ、助かった。

次は、時系列がおかしくなりますが番外編を書く予定です!


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