東方銃憶録 (MICRA)
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滅びし街の記憶
ラクーン事件


初投稿です、駄文ですが生暖かい目で見守って下さい。
誤字、脱字の指摘もよろしくお願いします!


自己紹介をしよう、俺は弥生。

最近変な噂が多いラクーンシティに向かっている、

森深くに不思議な生物が居たり、行方不明者が多かったり

オカルトじみた話が多い。

それにしてもハイウェイなのに前を走っているジープ以外 走っている車がいない、

そこまで田舎では無い筈なのに…。

しかもそのジープ凄い飛ばしている、急ぎの用事なのだろう。

 

ハイウェイから降りると先を走っていたジープが止まり、

中から警官の制服を着た青年が出て来た、どうやら前で人が倒れているらしい。

少しするとやはり手招きされた、手伝えと言う事だろう。

しかし、すぐに青年の顔は青くなった

 

?「伏せろ‼︎」

 

ファッ⁉︎ いきなり発砲して来ましたよあの警官。

だが俺の後ろから複数の呻き声が聞こえて来た、ん?と思

って後ろを見ると…

死体が歩いていた、それも大量に。

 

?「逃げるぞ‼︎」

 

警官の青年に手を引っ張っられてやっと意識が戻って来た。

 

……

 

?「危ないところだったな」

 

あれから逃げて一時間、大通りに出た

 

弥『あれはなんなんだ?』

?「わからない、まだ配属初日なんだ。俺はレオン、レオン S ケネディ、 お前は?」

弥『俺か?、俺は弥生』

レ「そうか、よろしく、弥生」

弥『こちらこそよろしく』

 

どうやら青年はレオンと言う名前らしい

 

レ「しかし、これはまずい状況だな」

弥『あれはゾンビか何かか?』

レ「だとしたら厄介だな」

弥『あぁ』

 

ドアの方から物音がした、まさかなぁ…

 

レ「誰だ!」

 

すかさずレオンが銃を構える

 

?「 撃たないで‼︎」

レ「伏せろ!」

 

女性の後ろにいたゾンビを的確にレオンが撃つ

 

?「避けて‼︎」

ナイフ投げの要領でレオンの背後のゾンビを倒す

こいつら妖怪なの?

 

レ「STARS…特殊部隊なのか?」

ナイフの刃に入った刻印を見てレオンが問う

 

?「兄がね」

レ「君の名前は?」

?「クレア レッドフィールドよ」

レ「なぜラクーンに?」

ク「消えた兄を探しにだけど」

 

俺忘れられてね?

 

ク「そこの貴方は?」

 

忘れられてなかったわ

 

弥『俺は弥生、よろしく』

ク 「貴方武器は?」

弥 『無いですけど?』

ク 「何で?」

弥 『普通持ってこないですよ、まして日本人ですし。』

 

普通持ってこないよねぇ

 

ク 「どうするのよ?」

弥 『大丈夫、適当にそこら辺の死体から貰うから』

レ 「なら、そのC96で良いんじゃないか?

死体が持っていた銃をレオンが拾い、俺に渡して来る。

何だこの形

 

弥 『不思議な形だな』

レ 「それはライフルをベースにしてるからな、だから弾は上から入れるんだよ」

とりあえず、弾は入ってるみたい

弥 『分かった』

 

……

 

レ 「それはそうと、早く進まないと脱出もクソも無いぞ」

弥 『あそこにパトカーがあるな、あれで逃げようぜ』

ク 「だけどキーはどうするの?」

レ 「バイザーに挟んであるか、ワイパーに挟んであるんじゃ無いか?」

弥 『正解、よく分かったな』

 

レオンがセルを回しエンジンをかけた

 

レ 「大体ここに置いてあるからな」

 

スキール音と共に発進 危ねぇ

 

レ 「とりあえず警察署に向かおう、生存者がいるかもしれない」

 

……

 

屋根から物音と呻き声、まさかな。

 

弥 『二人共!窓!』

レ 「掴まれ!」

 

レオンが車体を左右に揺らす、しかしゾンビは落ちず

パトカーは左右の壁にぶつかって横転してしまった

 

レ 「クソッ…」

弥 『いててて‥』

ク 「貴方雑過ぎない‥?」

 

タンクに引火してもおかしく無いぐらい燃えている

あれ、これやばくね?

 

レ 「早く逃げるぞ!」

弥 『マズい!』

ク 「早く言いなさいよ!」

 

逃げた所で、さっき乗って居たパトカーは爆発してしまった。

 

ク 「危ないわね‥」

 

一難去ってまた一難、今度はゾンビの大群がこちらに来た

 

ク 「少しは休ませてよ」

レ 「あぁ、まったくだ」

弥 『本当にな』

 

………

……

 

ゾンビを撃ちながら警察署まで来た

 

レ 「やっとここまで来たな」

弥 『疲れたな』

ク 「意外と広いのね、町も警察署も」

弥 『博物館みたいだしな…ん?』

 

重傷の警官が倒れて居た

 

レ 「大丈夫か⁉︎」

 

酷い傷だった、多分助からないと思うが

もちろん口には出さない

 

レ 「マービン…あんたの名前か?」

マ 「ああ‥お前はレオンか‥?」

レ 「ああ、そうだ」

マ 「悪いな‥お前の歓迎会は出来そうに無い‥」

 

そう言ってマービンは微笑んだ。

 

マ 「俺のことはいい…他の生存者を探してくれ‥」

レ 「でも…。」

マ 「さあ行け!お前らなら間に合う‥」

レ 「必ず戻って来るからな!」

 

そうして俺たちは部屋を出た

 

………

……

 

弥 『あそこのパソコンが使えそうだな』

レ 「ここにカードを差し込んで…出来た!」

 

近くで鍵が開いた

 

弥 『どこから行くよ?』

レ 「一番手前から順々にかな」

 

レオンがドアノブを捻ると、ドアは軋みながら開いた

 

弥 『窓口?』

レ 「多分」

ク 「何故?」

レ 「わからん」

 

部屋の隅にコンテナが有った

 

弥 『これ使えるかなぁ?』

レ 「持ちきれない荷物でも置いとけばいいんじゃ無いか?」

弥 『そうだな』

 

またドアを開ける

 

レ 「またかよ!」

 

レオンは悪態をつきながらも的確にヘッドショットを決める

 

弥 『よくそんなに当たるよな!』

 

俺は胴体に当てるのでやっと

 

ク 「貴方が下手なだけよ!」

 

辛辣な言葉を吐きながらクレアもヘッドショットを決めていく

 

弥 『失礼な!』

 

そうしてるうちにゾンビは全滅した

 

………

……

 

廊下を進んで角を曲がった

 

弥 『ん…!』

 

異様な死体があった、首から上が無いのだ

それも刃物で切られたような傷では無く、力でねじ切られたような跡があった。

 

レ 「何だこれは‥」

ク 「………」

 

何かが滴るような音がした、上を見ると、

異形な者が居た、舌が長く人から皮を剥がしたような外見で、

天井に張り付いていたのだ

そして、落ちてきた

 

レ 「逃げろクレア‼︎」

 

俺はクレアを突き飛ばした、直ぐに右半身に痛みを感じ意識を失った

最後に聞いたのは、クレアとレオンの叫び声だった




設定が二転三転してしまったので、なんか良く分からなくなってます。
アドバイス頂戴…。

2018年11月13日
主人公の名前を変更しました


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幻想郷より
幻想入り


だいぶ遅れてしまいましたが、完成いたしました!
誤字、脱字の指摘よろしくお願い致します!



目が覚めると見知らぬ森にいた。

ここはどこだろうか…。

まぁとりあえず生きている、それどころか怪我も治っている。

手元のC96もまだ弾が残っているようだ、これで安心

警察署の近くには森は無かったはずなのに俺は森にいる。

…!?

何故?

よく考えたらずっと聞こえていた呻き声や悲鳴は聞こえなくなっている。

近くの鳥や虫の声がよく聞こえ、

近くに湖でもあるのかせせらぎの音が聞こえる

取り敢えず…、歩くかな。

 

……

 

特に何も無く進んで行くと、前に小さな女の子が居た。

金髪で黒いワンピースの少女が浮いていた。

…どゆこと⁉︎

少女はワイヤーとか紐とかで吊るされているわけでは無く

フワフワ浮いていた。

俺が驚いて見ているとこちらにフワフワやってきた

 

? 「貴方は食べても良い人間?」

 

…何という質問、ダメと言って聞くかなぁ

 

弥 『ダメですよ?』

? 「何でよ?」

 

何で?俺が死にたくないから

 

弥 『まだ死にたくないんですよ』

? 「腕一本でも良いのよ?」

弥 『嫌です』

? 「もう、わかったわよ、で貴方名前は?」

弥 『弥生と言います』

? 「へぇ、私はルーミア、妖怪よ」

 

なるほど〜、ってなるかよ!妖怪?何じゃそりゃ⁉︎

 

弥 『そ、そうなんですか。で妖怪ってどういうことです?』

ル 「そのままの意味よ、分かるでしょ?」

弥 『すいません、来たばっかりでして、良く分かりませんの』

ル 「あぁ、外来人なのね、説明してあげましょう。ここは幻想郷。

忘れ去られたものが来る所よ?」

 

…Oh No なんという事だ、俺忘れられちゃったの?マジ?

 

弥 『本当ですか?』

ル 「本当よ?」

 

とりあえず俺は、ルーミアについて行くことにした。

 

………

……

 

しばらくルーミアについて行くと、大きな鳥居と階段が見えた、やべぇ…高けぇ…

息切れしながら登っていると、ルーミアが話し掛けてきた。

 

ル 「情けないわねぇ、これぐらいで息切らすなんて」

弥 『仕方ないでしょ、外界ではこんな急な階段なかなかないもん』

ル 「へぇ〜、貧弱ねぇ」

弥 『外はそんなもんですよ』

ル 「あ、そろそろ着くわよ?気をつけてね、ここの巫女気難しいから」

弥 『ほぉ、面倒くさいねぇ』

? 「めんどくさくて悪かったわねぇ?」

ル 「あら、見つかっちゃった」

 

階段の上に少女がいた、巫女服のような服を着ているが、

俗に言うオフショルダーのようになっていた

頭には大きなリボンをつけ、お祓い棒を肩に当てながらこちらを見ている、

眉間に皺を寄せながら…

 

弥 『何で眉間に皺寄ってんの…』

ル 「聞かれてたんじゃない…?」

? 「そこコソコソしない!」

弥 『すんません』

? 「はぁ…で、あんた誰?」

弥 『私ですか?私は弥生です、よろしく』

? 「へぇ、私は霊夢よ、博麗霊夢、それであんた、外来人?」

弥 『そうらしいですねぇ、良く分からないですけど』

霊 「それで、あなた帰りたいの?」

弥 『…そうでも無いんですよねぇ』

霊 「じゃあ何で来たのよ⁉︎」

弥 『連れて来られたので』

霊 「はぁ…所で何で帰りたくないの?」

弥 『まぁここが気に入ったのが一つ』

霊 「あとは?」

弥 『外に洒落にならない怪物たちが居るのが一つ』

霊 「ほぅ…どんな?」

弥 『生ける屍と、下の長い怪物とか、色々』

霊 「そんなのここにも居るわよ?」

 

マジかよ、面倒な

 

弥 『だけど引っ掻かれたり噛まれただけで感染しないですよね?』

霊 「確かにそこまでのはまだ居ないわね」

? 「よう霊夢〜!、そいつは誰だぜ〜?」

 

後ろから金髪の魔法使いみたいな服を着た少女が来た、元気そうな子ね

 

霊 「あら魔理沙、また来たのね」

魔 「またって何だよ、邪魔みたいな言い方しやがって、で、お前誰だぜ?」

弥 『私ですかな?弥生って名前です』

魔 「ほう、私は魔理沙だぜ!」

霊 「立ち話もなんだから、中に入りましょ」

 

霊夢から神社に入って良いと言われたので皆上がらせてもらった、初めてかも

 

……

 

中は思いの外質素で、ちゃぶ台、タンスなどの必要最低限しかなく、シンプル

そこに4人ちゃぶ台を囲んでお茶を飲んでいる、なんだこの絵面。

 

魔 「で、弥生が持ってるそれは何だ?」

弥 『ん?これか?拳銃だよ』

魔 「どう使うんだ?」

弥 『専用の弾丸を入れて、ボルトを引いて、引き金を引くと弾が出る』

魔 「どのくらいの威力なんだ?」

弥 『人を殺すのには十分なくらい、弾によって変わるぜ?』

 

何と無く表情をニヤッさせて見たら、魔理沙と霊夢が青ざめていた。どした?

 

弥 『どしたの?青ざめちゃって』

魔 「いや怖えぇよ!そりゃ青ざめるわ!」

霊 「右に同じよ!」

 

ちなみに、ルーミアはニヤニヤしています

 

弥 『まぁ怪物には力不足が否めないけど』

霊 「じゃあそんなに速く無いの?」

弥 『いや、弾が小さいんだよ』

 

薬室から一発取り出すと霊夢の方に転がした

霊夢と魔理沙はそれを拾うと、興味深そうに見ている、珍しいからね

 

魔 「こんな小さいのがそんな速く飛ぶのか?」

弥 『見せるのが一番いいんだろうけど、的が無いと分かんないかも知れないね』

霊 「外の木にでも当てれば良いんじゃ無い?ご神木は駄目だけど」

弥 『耳塞いでおいた方がいいぞー』

 

魔理沙以外が耳を塞いだのを確認して、引き金を引いた

耳を劈く破裂音と共に弾丸が発射され、放たれた弾は木にめり込み止まった

 

魔 「何も聞こえないぜ?」

霊 「あのバカは放っておきましょう」

弥 『で、どう思う?』

霊 「確かに妖怪には力不足ね、あれじゃ怯むだけ」

弥 『やっぱりかぁ…』

 

……

 

その後神社に戻った

 

弥 『俺どこに泊まろう?』

魔 「ウチはどうだ?」

霊 「あんたの家は瘴気とガラクタの温床でしょ」

弥 『…ウチみたい』

魔 「ならウチに来るんだぜ!」

 

俺は手を引かれて神社から連れ出された、霊夢とルーミアは俺に手を振っていた

有無を言わせず俺を箒に乗せると、楽しそうに浮かび上がった

箒ってこんな早く飛ぶんだなぁと感心していると、森に着いた。

 

魔 「お前は瘴気大丈夫なんだな」

弥 『その様で』

魔 「それはそうと、これがウチ、霧雨魔法店だ!」

弥 『ほほう…、良いじゃないの』

魔 「ささ、入った入った!」

 

中に入ると、さっきの台詞を撤回したくなった。




主人公はオネェじゃありませんよ


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見知らぬ物

考えるままに書きました、そしたらこうなった


魔理沙の家に入ると、知らない物に溢れていた

しかし通り道と思われる空間はあり、そこには物が無かった

気になる物を手に取ると、それはナイフだった、

Alles fur Deutschlanbと書いてある

 

弥 『魔理沙、これくれない?』

魔 「どれだ〜いいぜ〜」

弥 『ありがと、貰いますね〜』

魔 「じゃあここで今日は寝てくれ」

 

なかなか綺麗な布団が丁寧に敷かれていた、育ちが良いのかね

 

弥 『ありがとなー』

魔 「寝てる間に襲ったりするなよ?」

弥 『分かってるよ、やらねぇし』

魔 「じゃ、おやすみ〜」

弥 『おやすみ〜』

 

俺は疲れていたらしく、直ぐに眠りに落ちていた。

 

………

……

 

? 「…ねぇ、聞こえる?」

 

懐かしい声が聞こえた、聞き覚えは無いが何故か心地の良い声だった

 

弥 『誰だ?』

? 「私は蛇、貴方の命の代わりよ」

弥 『やっぱり彼処で死んでいたんだな』

蛇 「そうよ、で変わりが私」

弥 『ほう、じゃ貴女がいなければ死んじゃう訳ね』

蛇 「そう、その代わり貴方に能力が追加されたわ《作る能力》がね」

弥 『何でも作れるわけ?』

蛇 「そうよ、何でもね、だから私ほぼ仕事なくなるわね、貴方が蓬莱の薬を作れば」

弥 『それは要望?』

蛇 「そうよ、楽したいからね、あと私に名前つけてくれない?」

弥 『うん…うん?』

弥 『最初は分かるけど名前を付けろと?』

蛇 「そうよ、名前」

弥 『分かった…、考えとくわ』

蛇 「よろしく、起きる時間らしいわよ」

 

そして俺は目が覚めた、蛇は女性みたいね

 

……

 

魔 「弥生〜起きる時間だぜ〜」

弥 『うい、おはよう』

魔 「おはようだぜ〜」

弥 『そういえば蓬莱の薬って何だ?』

魔 「あぁ、不老不死の薬って奴だ、何でも月の都とやらで作られたらしいぞ」

魔 「で、それがどうした?」

弥 『なに、気になっただけさ』

魔 「ふーん、そうか、じゃ朝飯にしようぜ?」

弥 『分かった、今日は何だ?」

魔 「きのこ鍋だぜ!」

弥 『良いねぇ、美味しそうだ』

魔 「じゃあ食べようぜ」

弥 『いただきます』

 

魔理沙は料理は得意のようだ、普通に美味しかった

 

……

 

魔 「これからどうすんだ?」

弥 『どうしましょうね?』

魔 「まあとりあえず住む場所が見つかるまでいて良いぜ」

弥 『ありがたいね』

魔 「で、今日どうすんだ?」

弥 『なんか良いところないかなって見て回ろうかな』

魔 「じゃあ私が案内してやるぜ!」

弥 『じゃあ頼みます』

魔 「よし!、早く準備しろよ、早く行こうぜ!」

 

この子元気だね、すぐやる気になる。

 

……

 

魔 「ここは人里だぜ〜」

 

箒に乗って少しすると村の様なものが見えた、しかも近年では無く、江戸に近い

 

弥 『駄目だ、ここには住めない』

魔 「私も同感だ、ここはつまらない」

魔 「あとは、紅魔館ぐらいか?」

弥 『どんな所なのさ?』

魔 「吸血鬼と、魔女と、悪魔がいる紅い館』

弥 『凄く怪しいです』

魔 「だけど気になるだろ?」

弥 『もちろん』

魔 「じゃあ飛ばすぜ〜!」

 

……

 

少し飛んで行くと目に悪い色をした館があった

 

弥 『あれが紅魔館か?』

魔 「ん?、そうだ」

弥 『ますます怪しい、なんか寝てるし』

魔 「あぁ、あいつは何時もこうだ」

弥 『門番なのに?』

魔 「そう」

弥 『駄目じゃん』

 

他愛もない話をしながら館の前に降り立った

 

弥 『ごめんください』

? 「…ん?、誰ですか?」

弥 『あ、私は弥生と言います』

? 「私は紅美鈴です!、この事は咲夜さんには秘密に…」

? 「誰に秘密にしろって?」

紅 「ひっ、さ、咲夜さん…」

咲 「初めまして、私はこの館のメイド、十六夜咲夜です」

弥 『初めまして、弥生です』

咲 「お嬢様がお呼びです、こちらへどうぞ」

弥 『魔理沙〜、行って来るね〜」

魔 「おっおい」

 

館の門はそこで閉ざされた

 

……

 

咲 「武器は一度預けて頂けますか?」

弥 『あ、はい』

 

モーゼルと短剣を預ける、デリンジャーはブーツの中に入っているが、まぁ良いだろう

 

咲 「ブーツの中のもよろしいですか?」

弥 『ありゃ、バレちゃいましたか』

咲 「メイドですから」

 

この人メイドを完璧超人だと思ってるのかしら

仕方がないのでデリンジャーも預ける、残念

 

咲 「それでは、こちらです」

 

中に入ると王座のような椅子があり、そこに少女が座っていた、とりあえずそこまで歩いて行き、

王座の下で立膝をし、自己紹介する

 

弥 『私、弥生と申します、差し支え無ければ貴女様の御名前をお聞きしたい』

? 「あら、礼儀はわきまえてる様ね、私はレミリア スカーレットよ」

弥 『ご用件は何でしょうか?』

レ 「単刀直入に言うわ、ここに住みなさい」

弥 『何故でしょうか、執事にでも私をお使いになるのですか?』

レ 「いいえ?、客人としてよ」

弥 『1日考えさせていただきませんでしょうか?』

レ 「良いわよ、それじゃ下がって良いわ」

弥 『私は魔理沙の家に居ます、明日来なければそこまで来て頂いてよろしいですか?』

レ 「良いわよ」

弥 『それでは失礼します』

 

そうして俺は部屋を後にした、あの人を惹きつける何かがあるね。

 

……

 

武器の一通りを返してもらった後、咲夜さんに別れを告げ、魔理沙と共に帰った

 

魔 「大丈夫だったか?」

弥 『なんか奥に凄い人いた』

魔 「レミリアの事か?」

弥 『そう、その人』

魔 「あいつカリスマ性があるからな」

弥 『へぇ、それでさ、なんか紅魔館に住めって言われた』

魔 「マジか!」

弥 『アリだと俺は思うの、どう思う?』

魔 「確かにアリだな、あそこ金あるし」

弥 『ただまだ魔理沙のところを離れるのは名残惜しいのよ』

魔 「良くそんな台詞真顔で言えるな…」

弥 『??』

魔 「まぁなんだ、たまにウチに来てくれよ、人手が必要なんだ」

弥 『分かった、善処する』

 

家に入ると今日もキノコ鍋だった、ちょっと飽きた

 

……

 

魔理沙の見えないところで蛇に言われた蓬莱の薬とやらを飲んで見た、特に変化もなく良く判らなかった

少しすると時空が裂け、中から女性が出て来た

 

? 「貴方が弥生かしら?」

弥 『そうですが、貴女は?』

? 「八雲紫、貴方は何者なの?」

弥 『人だった者です』

紫 「と、言うと?」

弥 『どうやら一回死んでいるようで』

紫 「蓬莱人?」

弥 『そうでもあります』

紫 「…はぁ、私は幻想郷の管理人の様な仕事をしているわ、困ったら言って?」

弥 『分かりました、どう貴女を呼べばいいですか?』

紫 「名前を呼んでくれたら行くわよ」

弥 『それでは早速』

紫 「何かしら?」

弥 『紅魔館に住めと言われました』

紫 「本当?」

弥 『はい』

紫 「なかなか無い事よ、レミリアが他人に住む場所を提供するのは」

弥 『じゃあお言葉甘える事にします』

紫 「気を付けてね、あそこには気の触れた子が居るわ」

弥 『何とかなると思います、それではおやすみなさい』

紫 「おやすみなさい、頑張ってね」

 

……

 

魔 「誰と話してたんだ?」

弥 『八雲紫って言う人」

魔 「あいつか…」

弥 『どうした?、なんか嫌な思い出でも?』

魔 「いや、あいつ胡散臭いよなって」

弥 『そう?裂け目から出て来る時はそう思ったけど』

魔 「まぁいいや、おやすみ」

弥 『おやすみ〜』

 

またもすぐに眠りに落ちた、疲れてるのかな

……

 

蛇 「あらー、また来たのー」

弥 『名前考えて来たぞー』

蛇 「どんな感じ?」

弥 『コレットなんてどう?』

蛇 「うーん、コレットねぇ、気に入ったわ、今日から私はコレットよ」

弥 『喜んでくれて良かったよ』

コ 「大切にするわね」

 

嬉しそうな彼女は可愛かった、彼女にするならこう言う子が良いね




誤字脱字の指摘よろしくです

2018年、3月22日少々内容変更、後の設定に響く為です、すいませんね


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紅魔館1日目

また、思うがままに書きました
誤字脱字の指摘よろしくです


昨日考えておくと言ってしまったので、

迎えが来るまで魔理沙に幻想郷を案内してもらう事にした

 

魔 「ここは無縁塚だ、私や霊夢と一緒のとき以外は来ちゃダメだぜ」

弥 『何故?』

魔 「ここはいろんな意味で危ない、妖怪は凶暴で獣のようだし、結界の外に弾き出される事もあるからな」

弥 『危険なのね、来るときは貴女を呼ぶわ』

魔 「任せろ!」

 

ふと奥を見ると、薄い青に光る大きな物があった、あれは…車か?

 

弥 『少し奥に行って良いか?』

魔 「ん?、良いぜ」

 

見覚えのある形をした車があった

 

弥 『やっぱりだ…』

魔 「何だ?これ」

弥 『俺の車だ』

魔 「へぇ、動くのか?これ」

弥 『多分な』

 

幸い鍵はまだ持っていたので、車内に入り、セルを回す、

すると心地良い振動とエンジン音が辺りに響いた

 

魔 「お、動いたな、だけどスピードはどうなんだ?」

弥 『100キロは軽いな』

魔 「なかなかじゃ無いか」

弥 『紫、来て下さい』

 

空間に亀裂が入り、スキマが空いた

 

紫 「何かしら?、あら、車?」

弥 『これは私のなんです、空を飛べないのでこれを移動手段にしてよろしいですか?』

紫 「良いんじゃ無いかしら?」

弥 『それだけです』

紫 「じゃ、ごゆっくり」

 

そうして紫はスキマの中に消えた

 

弥 『…ガソリンは能力で賄うかな…。』

魔 「お前能力あるのかよ⁉︎、どんなのだ?」

弥 『作る能力みたい』

魔 「凄いなそれ」

 

ついでに車が壊れないように能力で自己再生機能をつけた、これで安心だろう

 

魔 「じゃあそれに乗って帰ろうぜ」

弥 『そうしよう』

 

ギアを1に入れ、霧雨魔法店に帰った

 

……

 

魔理沙宅に帰ると、玄関先にレミリアと咲夜が居た、

咲夜は礼儀正しく頭を下げ、レミリアはニヤニヤしていた、俺もニコニコしておく

 

レ 「遅かったわね、どこ行っていたのかしら?」

弥 『少し無縁塚に行って来ました』

レ 「なんか欲しいものは有ったかしら?」

弥 『愛車が見つかりました』

レ 「じゃあ乗せてって頂ける?」

弥 『分かりました』

 

エンジンをかけ直すと、持病のバックファイアが出てしまった

 

レ 「何⁉︎、どうしたの⁉︎」

弥 『すいません、まだ本調子でないようで…』

レ 「あぁ、そうなのね…」

弥 『後部座席か助手席、どちらが良いですか?』

レ 「折角だし、助手席にするわね」

弥 『それでは、お乗り下さい』

 

左ドアを開けつつそう言うと、レミリアはお淑やかに乗り込んだ

 

弥 『咲夜さんは後部座席で良いですか?』

咲 「はい、大丈夫です」

椅子を倒して後ろに乗り込んで頂く、3ドアだと乗り辛いかな

 

……

 

少し走っていると赤い館が見えて来た、あれがこれから俺の家になるのか…趣味悪

 

レ 「貴方今趣味悪とか思って無い?」

弥 『いいえ?、滅相もございません』

レ 「そう、なら良いわ」

 

危ねぇ、バレるところだったぜ

大きな門が開くと、噴水と植込みがありそこを突っ切る様に石畳があった

石畳走れば良いよね

 

レ 「ここで停めてくれる?」

弥 『あ、はい』

レ 「ここが今日から貴方の家になる、紅魔館よ」

 

車から降りながら芝居っぽくレミリアはそう言った

 

レ 「夕食の時に紹介するから咲夜に部屋を案内してもらいなさい」

弥 『了解です』

レ 「また後でね」

 

レミリアはそうして自分の部屋に戻って行った

 

咲 「それでは弥生さん、こちらに」

弥 『はーい』

 

少し歩くと廊下の突き当たりがあり、端から二番目の部屋に案内された

 

咲 「家具は自由にお使い下さい、私物を置くのも良いですね」

弥 『この部屋は自由にして良いんですね?』

咲 「そういう事です」

咲 「それでは失礼します、用件が有りましたらお呼びください」

弥 『分かりました』

 

ふぅ…やっと寝れる、ここの住人と会う前に寝ておきたいからね

俺はまた眠りに落ちた

 

……

 

弥 『おっす、コレット』

コ 「今日は貴方よく寝るわね」

弥 『なんか疲れたんよ』

コ 「お疲れ様」

弥 『で、どう思う?』

コ 「怪しいよね、いきなり初対面の人間に家に来いなんて」

弥 『俺もそう思うんだよ、なんか裏がありそうだ』

コ 「あら、もう時間らしいわよ」

弥 『じゃあ、適当に行ってくる』

 

……

 

弥 『…あぁ、咲夜さんでしたか』

咲 「お嬢様がお呼びです、早く起きて下さい」

 

咲夜と共に食堂に行くと、大人数が集まっていた

 

レ 「彼が今日から紅魔館に住むことになった弥生よ、それじゃ弥生、自己紹介して」

魔 『今日からここに住むことになった、弥生です、以後お見知り置きを』

? 「ふーん、パチュリーよ」

? 「小悪魔です、こあって呼んで下さい!」

紅 「この前はどうもです、紅美鈴です!」

レ 「あと妹のフランが居るわ、あまり外に出て来ないの」

弥 『それでは部屋に戻って良いですか?、準備が有りますので』

レ 「あら、食べないの?」

弥 『食欲が無いので』

レ 「そ、そうなの」

弥 『それでは、用があれば呼んで下さいね』

 

俺はそう言い残し、食堂を後にした

 

……

 

妹はどんな人なんだろうか、引き篭もっているらしい、自分に似た香りを感じる

しかし、なかなか大変なことになった、馴染むのは大変そうだ

そんな俺は今机を精製している、コレット曰く時間がかかってしまうらしい

数分すると出来上がった、西洋風のインテリアに合う物にした

位置を何処にするか考えているとレミリアが入って来た

 

レ 「ねぇ、何してるの?」

弥 『机の位置をどこにしようかなって』

レ 「そこが良いんじゃない?」

 

部屋の隅に指差しながらレミリアは提案してくれた、良いじゃん

 

弥 『良いですね、そうしましょう』

弥 『で、要件は?』

レ 「そうそう、図書館に一緒に行きましょう?」

弥 『良いですけど、どうしてです?』

レ 「良いから着いて来なさい!」

 

強引に俺の手を取ると、レミリアはグイグイ引っ張って行った、図書館どこ?

 

……

 

しばらく歩くと大きな扉に着いた、この館広いな

 

レ 「パチェ、入るわよ〜」

 

そうレミリアが言うと、扉が独りでに開いた、凄いなこれ

 

小 「こんばんは〜、弥生さん♪」

弥 『こ、こんばんは』

小 「ささ、こちらへ」

弥 『は、はい』

 

そのまま付いていくとパチュリーの居る所まで案内された

 

パ 「どうしたのかしら?」

弥 『連れて来られました』

パ 「もう、レミィ〜、なんで連れて来たの?」

レ 「貴女達合いそうだからよ」

 

俺が苦笑いしていると、パチュリーが話しかけてくれた

 

パ 「貴方魔法に興味あるかしら?」

弥 『ありますね、外には無いので』

パ 「じゃあ気になる事があったら私に言いなさい、教えてあげるわ」

弥 『ありがたいです』

弥 『それでは部屋に…』

小 「それじゃ弥生さん、私とお話ししましょう!」

弥 『え?、あ、はい』

 

そうして俺は半ば強引に連れて行かれた、もうやだ寝たい




寒い季節ですねぇ、炬燵が恋しいです


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紅魔館2日目

今回伏線あります〜
誤字脱字の指摘よろしくです!


小悪魔に連れて行かれたのは、本棚の一角だった

そこには《魔導大全》や《グリモアール》など魔導書が置いてある

 

小 「この中から気になる本を選んで下さい♪」

弥 『ん、じゃあこれで』

 

俺が選んだのは《闇魔法入門》という本だった

 

小 「お目が高いですねぇ、流石です♪」

小 「それじゃパチュリー様の所に行きましょう!」

 

また手を引っ張られてパチュリーの所に連れて行かれた、本日二度目です

 

パ 「貴方、これをやるの?」

弥 『出出しで難しい方が後々楽かなって』

パ 「はぁ…、まあ良いわ、闇魔法は影や暗闇を操ることが…」

 

突然横の扉が爆発して中からレミリアに似た金髪の子が出て来た、

その子がニヤリとした後、俺の視界は暗転した

 

………

……

 

コ 「貴方殺されちゃったのね」

弥 『二度目だな』

コ 「復活まで時間が掛かるわよ」

弥 『やっぱり?、どれぐらいよ』

コ 「15分ぐらい?」

弥 『意外と早いな、服とか身に着けてた物は?』

コ 「安心なさい、大丈夫よ」

弥 『で、どんな感じで死んだよ?』

コ 「頭が飛んだわ」

弥 『派手に逝ったな』

コ 「あ、それと肉は再利用したりするけど血は無理よ、だから辺りは血の海ね」

弥 『ご迷惑ですねぇ全く』

コ 「あ、出来たみたいよ、行ってらっしゃい」

弥 『はーい』

 

……

 

グジュグジュと言った嫌な音と共に肉体が構成されて行った、あれ?、出来たんじゃなかった?

目玉が出来た頃、周りの視線は驚きであった

 

パ 「貴方今、死んだわよね…⁉︎」

弥 『残念ながら死んでしまいました』

パ 「じゃあ何故そこにいるの…」

弥 『私蓬莱人なんで生き返るんです』

パ 「そういう大切な事は先に言いなさい、心臓に悪いわ」

 

パチュリーは溜息をつきながら呆れたようにそう言った

 

弥 『気を付けます』

レ 「え?え?、どういう事?」

パ 「薬にの効果で死なないって事よ」

レ 「あぁ、そういう事ね、ってなるかーッ‼︎」

 

レミリアがわきゃわきゃしていると、さっきの彼女が居た

 

? 「あれ?、壊したのに何でそこに居るの?」

レ 「フラン、貴女彼程言ったのに…」

フ 「貴方は誰なの?」

弥 『弥生と申します』

フ 「私を怖がらないなんて、なかなか肝が据わってるのね」

弥 『もう一度目死んでますしね』

フ 「気に入ったわ!、私フランよ!」

 

後ろのレミリアの目が死んでますよ

 

レ 「フラン…?、人の話を聞きなさい…?」

 

ギギギとフランが首を回すと紅い槍の様な物を持ったレミリアが笑みを浮かべていた、ヤバいぜこりゃ

 

フ 「逃げるよ弥生!」

 

またも手を引かれ連れて行かれる俺、今度は何処に行くんでしょう?

 

……

 

連れて来られたのは地下室だった、所々に赤黒いシミが付いているが、それ以外は年頃の少女の部屋だった

 

フ 「ここが私の部屋なの、そこらじゅうにシミがあるでしょ?、それが壊しちゃった人の数だよ」

フ 「本当は壊したくなかったの、だけど遊んでいるうちに…」

 

そのままフランは泣き出してしまった、心優しい子なのね

少しして落ち着いて来たらしく泣き止んだ、丁度外の部屋からレミリアが入って来た

 

レ 「聞いたわよ、貴女も反省はしてるのね」

レ 「今回の事は無かった事にしてあげる、ただ図書館の掃除はするのよ」

フ 「了解しました‼︎」

レ 「弥生もよ?」

弥 『え?、私もですか?』

レ 「そうよ、貴方の肉体だった物でしょう?」

レ 「それに見なさいよ、パチュリーの目、ジト目どころの騒ぎじゃ無いわよ」

パ 「何かしらレミィ…?」

レ 「なんでも無いわよ?」

 

俺はモップを作っておく、三本あれば良いかな、あとバケツ

 

弥 『さて、フラン始めましょうか』

フ 「そうしましょう」

 

そのあとテンションが上がって図書館全域を掃除したのはまた別のお話

 

……

 

部屋に戻って転がっているうちに寝てしまったようだ、体が痛ぇ

調子に乗って図書館全域を掃除したのは間違いだったと思う、もう気力がない、次いでに体力もない

このまま寝てしまいたい所だが、平和な時間は長く続かない

一時間くらいボーっとしていたら、窓の外に灰色の服で、白い顔の少女がいた、最早ホラーだよ

しかも俺の部屋の窓を叩いていると来た、これは開けてあげるべきかな?

 

弥 『えーと、どうされましたか?』

? 「えー、ここは何処でありますか?」

弥 『ん?、もう一回よろしいですか?』

? 「あ、ここは何処でありますか?」

弥 『ちょっと待っていてもらって良いですか?』

? 「了解であります」

 

さてはてどうした物か、取り敢えず中に入れれば良いかな

 

弥 『咲夜さーん、来て下さーい』

咲 「どうされましたか?」

弥 『窓の外の子をこの部屋に連れて来て下さい』

咲 「確と承りました」

 

しばらくして、咲夜と外にいた子が来た

 

? 「ここはどこなんでありますか⁉︎」

弥 『幻想郷です』

? 「どういう所でありますか?」

弥 『化け物いっぱい』

弥 『貴方の名前は?』

? 「あ、失礼、自分陸軍揚陸艦、あきつ丸であります!」

 

この子何言ってるの?、俺には理解不能

 

弥 『私は弥生、人間だった者です』

あ 「どういう事であります?」

弥 『今は蓬莱人になって、死なない体になってます』

あ 「良く分からないでありますなぁ」

弥 『私も分からないです』

あ 「行く当てが無いので泊まらせて欲しいであります」

弥 『ちょっと待って下さい、確認してきます』

あ 「分かったであります」

 

取り敢えずレミリアに確認を取りに行く、俺の独断はまずいからね

 

弥 『レミリアー、いますかー』

 

返事がない、取り敢えず入ってみる

 

弥 『あ、すみません』

 

慌てて閉めたのには理由がある、そりゃ下着姿の奴がいたら閉めるし

 

レ 「もう良いわよ…」

 

レミリアが出て来た、ちゃんと服着て

 

レ 「何の用かしら?」

弥 『空き部屋ってあります?』

レ 「無いわねぇ、誰か居るの?」

弥 『あきつ丸って子が』

レ 「貴方と相部屋で良いんじゃない?」

弥 『マジで言ってんの⁉︎』

レ 「ちょっと、タメ口になってるわよ」

 

あ、やべ、ビックリしてタメ口になっちゃったわ

 

弥 『すんません』

レ 「だけど貴方、その方が良いわよ」

弥 『まぁ、慣れて来たらそうしますね』

レ 「じゃ、そういう事よ、頑張ってね」

 

有無を言わせずレミリアは部屋に戻ってしまった、先が思いやられる

 

……

 

部屋に戻るとあきつ丸は寝てしまっていた、疲れたのでしょう

幸いソファで寝てるので、毛布を掛けるだけで済んだ、後でセクハラとか言われたら敵わん

少し作業していると、あきつ丸が起きた様で、机を覗き込んできた

 

あ 「何をしてるんでありますか?」

弥 『銃の整備を少し』

あ 「モ式大型拳銃でありますなぁ、しかも9mm弾仕様」

弥 『よくお分かりですねぇ』

あ 「それでは自分も十四式の整備をするであります」

 

こうしてモノトーンの二人が並んで作業をすると言うシュールな絵面になったのだった

 

……

 

作業も終わり、何かを忘れている事に気付いた、相部屋という事だ

日本陸軍とはいえ、女性であるから、ハードルが高いと思う、取り敢えず聞いておこう

 

弥 『えーと、あきつ丸さん?』

あ 「なんでありますか?」

弥 『残念ながら部屋を用意できませんでした』

あ 「残念でありますなぁ」

弥 『なので、相部屋になってしまいます』

あ 「はい、それで?」

弥 『いや、それでも大丈夫かなぁって』

あ 「気にならないでありますよ」

弥 『なら良いです』

 

これは俺が男として見られていないって事ですねわかります

この後、あきつ丸と談笑してから、眠りについた

……

 

弥 『またまたこんにちは』

コ 「貴方、意外とすぐに馴染んだわね」

弥 『まぁ、レミリアのおかげじゃん?』

コ 「レミリアには感謝しなきゃね」

弥 『そうだねぇ』

 

なんか、外界より平和な気がする




なんか後半雑になった気がする
後弥生の車はインパルマーチ《k11》ですよん


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人里より

誤字脱字の報告よろしくです


なんとなく人里に行きたいと思った、それは甘味が欲しいからだ、それも和菓子

多分咲夜に頼めば買って来てくれるだろう、だけどなんかこう釈然としない

 

レ 「だから人里に行きたいの?」

弥 『そうなんですよ』

レ 「良いけど、気をつけなさいよ?」

弥 『わっかりました〜』

レ 「あと、誰かと一緒に行きなさい」

弥 『じゃあ、あきつ丸辺りと行きますね』

レ 「そうしなさい、じゃあ行ってらっしゃい」

弥 『行って来ますね!』

 

……

 

あきつ丸を誘って人里に来た、建物は明治より古い時代の建て方で、アスファルトも無い

しかし活気はあるし、所々現代の技術が垣間見える所もあり、独特の雰囲気が有る

 

あ 「何処に行くのでありますか?」

弥 『甘味処とか本屋とか、あとは適当に』

あ 「決まってないんでありますな」

弥 『そういう事ですねぇ』

? 「ちょっと、そこの君!」

 

はいはい無視無視、あんな呼び方する奴大体面倒くさいからね

しかし、肩に手を置かれたら流石に無視は出来ない

 

弥 『何でしょうか?』

? 「悪いのだが、子供を探してくれないか?、生徒の数人が逃げてしまって…」

あ 「了解であります!、帝国陸軍の誇りに掛けて探し出すでありますよ!」

弥 『もう…、で、貴女の名前は?』

? 「上白沢慧音だ、寺子屋に居るから見つけたら連れて来てくれ、子供の名はチルノだ」

弥 『分かりました、外見の特徴は?』

慧 「青いワンピースで青い髪、あと他には、大妖精、リグル、あとルーミアだ、

多分一緒に遊んでいるから見つけたら連れて来てくれ」

弥 『分かりました、探して見ます』

慧 「よろしく頼むぞ!」

 

……

 

こう考えると、出歩く事に面倒ごとに巻き込まれる気がする、まぁ探すんですけど

ルーミアが居るらしいので、湖付近に来て見た、上手く行けばここにいるはずだ

 

ル 「あ!、弥生〜」

弥 『おっす、お久しぶり』

? 「あんた誰?、今なら子分にしてやっても良いぞ!」

弥 『遠慮しておきますね』

? 「あたいはチルノ!、あんたの親分よ!」

 

人の話を聞かないのね、了解です

 

弥 『慧音さんが心配しているようですよ、帰る帰らないは勝手ですが、帰った方が身の為ですね』

チ 「やなこった!、授業つまんないし!」

 

そのチルノの背後には慧音が居た、あぁ、終わったな

 

弥 『ところでチルノさん、背後に気付いて居ますか?』

チ 「何も居るわけ…、あ」

 

目の光が無い慧音がチルノの頭を鷲掴みにしてどこかに消えた、御愁傷様です

しばらくして、頭にたんこぶを携えたチルノと慧音が帰って来た、なんだあれ頭ぐらいあるぞ

 

慧 「迷惑かけてしまったな、ありがとう」

弥 『いえいえ、主に頑張ったのはあきつ丸ですから』

あ 「え、まぁ少しは頑張ったでありますが…」

慧 「何か困った事があれば言ってくれ、出来る限りの事をするから」

弥 『分かりました、早速ですが甘味処はどこですか?』

慧 「あぁ、人里の大通りにあるぞ」

弥 『ありがとうございます、それでは』

 

そうして俺はその場を離れた、チルノとルーミアが何かを言っていたが、よく分からなかった

 

……

 

大通りをだいぶ歩くと、甘味処の看板が見えた、大通りの端から端まで歩いた気がする

 

あ 「疲れたでありますなぁ、何を頼むんでありますか?」

弥 『俺はみたらし団子を頼むよ』

あ 「自分もそうするであります」

弥 『みたらし団子2人分お願いします』

店 「はいよ!」

 

少しして団子が届いた、美味しそうな香りだ

 

あ 「おいしいでありますよ!」

弥 『そうだな、作りたてだからかなぁ』

あ 「そうでありますなぁ、次はどこに行くでありますか?」

弥 『本屋さんにでも』

あ 「良い案でありますな」

弥 『食べ終わったら向かいますかね』

あ 「了解であります!」

 

食べ終わって少ししてから、俺たちは甘味処を出た

 

……

 

甘味処の主人に聞いた話だと、本屋は無いが貸本屋があるらしい、本が読めればそれで良いや

鈴奈庵というらしいが…、有った、だいぶ遠かった

中々古い書籍や妖怪に関する本が多いようだ、流石幻想郷

 

? 「何をお探しですか?」

弥 『妖怪についての本を少々』

? 「ほほう、それなら知り合いに書いている人が居ますよ、紹介しましょうか?」

弥 『是非!、そういえば貴女は?』

? 「あ、申し遅れました、私本居小鈴って言います」

弥 『小鈴さんですね、私は弥生と言います』

小 「あ、弥生さんですね、妖怪の本の著者は、稗田阿求っていう人です、今度言っておきますね」

弥 『よろしくお願いします』

 

そうして俺たちは店を出た、あきつ丸は本を借りた様だ

 

弥 『何を借りたんだ?』

あ 「秘密でありますよ」

弥 『秘密ですかぁ』

あ 「そうでありますよ」

弥 『次どこに行きます?』

 

あきつ丸にそう問うと、にこやかに笑いながら

 

あ 「適当に決めて欲しいでありますよ」

 

と言った、キュンとするよね

 

弥 『紫〜、出て来て下さいな』

 

そうするとスキまが開き、紫が顔を出した、それ貞子みたいだな

 

紫 「なんか失礼な事考えてない?」

弥 『考えてないと思いますよ』

紫 「そこは断言しなさいよ…」

紫 「で、何の用?、私は冬眠の時期なんだけど」

 

熊なのかしら、冬眠って

 

弥 『ここら辺で綺麗な所ってありますかね?』

紫 「向日葵の畑なんてどうかしら?、住んでいる奴が中々危険だけど、花を傷付けなければ問題無いわ」

弥 『ほほう、どこら辺にあるんですか?』

紫 「あそこ、ちょっと遠いけどね」

弥 『じゃあ行って見ますね』

紫 「行ってらっしゃい〜」

 

こうして俺たちは向日葵の畑を目指して歩き始めた、車持って来れば良かった

 

……

 

特に道中何も無く、普通に歩いて来れた、しかし不穏な空気が少ししている

銃に弾は入っている事を確認してから向日葵の畑には行った、そこには向日葵が咲き誇って居た

今冬だよね?、そして背後からは不穏な気配がしている、何かいるようだ

 

あ 「…背後に気配を感じるであります」

弥 『あぁ、俺もそう思うんだよ…』

 

あきつ丸と話していると、背後にいた気配が前に来た、緑の髪に日傘を差した女性だが

何とも言えない殺気を感じる、まだ悪い事してないですよ?

 

? 「貴方達は何をしに来たのかしら?」

弥 『観光の様な物です』

? 「誰に言われて来たの?」

弥 『八雲紫です』

? 「それは本当かしら?」

弥 『えぇ、ここで嘘を吐いても良い事無いので』

? 「信用出来ないわね、まぁそこのお花を傷付けなければ良いわ」

弥 『分かりました』

? 「傷付けたら殺すわよ、それじゃ」

 

そうして彼女は家に入って行った、怖ぇな

隣を見るとあきつ丸は青くなっていた、ただえさえ白いのに

 

弥 『おーい?、大丈夫か?』

あ 「え?、あ、大丈夫でありますよ」

弥 『なら良いけど』

あ 「にしても、綺麗でありますなぁ」

弥 『そうだねぇ』

 

そうして少し見てから早々に退散した、紅魔館に帰ると咲夜とレミリアが出迎えてくれて居た




最近強引な気がする


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紅魔館での生活

少し遅れてしまいました、誤字脱字報告よろしくです


フ 「弥生〜、起きてる〜?」

 

その日はその一言から始まった、なんか重い

眼を開けるとフランは身体の上に乗っていた、それはどうかと思う

 

弥 『今起きましたよ、退いてくれます?』

フ 「あ、ごめん」

 

フランが退いたので起き上がると、グッスリと寝ているあきつ丸が見えた、あいつ軍人だったよな?

 

あ 「…もう…食べられないでありますよぉ……」

 

寝ぼけてると来たか、もう良いや、今日は置いていこう

 

フ 「お姉様から車っていうのがあるって聞いたんだけど…、乗せてくれない?」

弥 『良いですけど、他の人に言ってきましたか?』

フ 「お姉様に言ってきたわ!」

弥 『なら良いですよ、行きましょうか』

フ 「うん!」

 

こうして車が置いてある所まで向かった、最近夜型になって来たな

 

……

 

車に乗り込みエンジンを掛けると、闇夜に咆哮が轟いた、フジツボ製は伊達じゃ無い

 

フ 「へぇ〜、意外とうるさい物なのね」

弥 『そうなんですよね、どこに行きます?』

フ 「魔理沙の家なんてどうかな?」

弥 『良いんじゃないですか、そこにしましょう』

 

そう目的地が決まった、ギアを1に入れ、走り出そうとした時、咲夜に窓を叩かれた

 

咲 「どこに行くのですか?」

弥 『まさか…許可が?』

咲 「出ておりません」

弥 『どっちのですか?』

咲 「妹様です」

弥 『…なんてこった』

弥 『どうしましょう』

咲 「お嬢様の許可を取って来て下さい」

 

フランに向かって目配せすると、低いトーンでこう言われた

 

フ 「弥生、分かってるよね?」

 

目に光がありませんよフランさん、どう転んでも怒られるなこれ、よし出掛けよう

 

弥 『咲夜さん、適当に言い訳しておいて下さい』

咲 「え?、ちょっと待って下さい?、行くんですか?」

弥 『八方ふさがりなんで』

咲 「はぁ…、分かりました、どうなっても知りませんよ」

弥 『分かりました〜』

 

そうして車を発進させた、泣けるぜ

 

……

 

少し走っていくと、妖精達に止められた、チルノとかかな

 

チ 「やい!、そこの妖怪!、ここはあたい達の敷地だぞ!」

 

なんかよく分からない事を言っている、パッシングしとこ

 

チ 「い…威嚇しても無駄だぞ、お前なんか一瞬で凍らせられるんだからな!」

 

おぉ、うろたえてる、もう一押しかな、そう思いエンジンを吹かす

 

大 「やめとこうよ…、だいぶ怒ってるよ…」

チ 「そうかなぁ…」

 

その時、後ろから破裂音がした、またいつもの持病だろう

音に驚いたのか、妖精達は逃げていった

通れるようになったのでそのまま走り去った

 

……

 

魔理沙の家に着くと、フランはすぐに車の外に出た、なんか悲しい

サイドを引いて外に出ると、家から魔理沙が出て来た、寝癖が酷いのでさっきまで寝て居たのだろう

 

フ 「魔〜理沙〜!、久しぶり〜」

魔 「おぉ、久しぶりだな、お前らどうしたんだ」

弥 『遊びに来たかったんだってさ』

魔 「夜中に来るなよ…」

弥 『悪りぃ、仕方なくてな」

魔 「ったく、中に入るか?」

弥 『おお、頼む』

 

中に入ると、前来た時より酷くなっていた、凄いなこれ

 

魔 「適当に座ってくれ」

弥 『どこ座って良いの?』

魔 「まぁ、そこら辺だな」

 

取り敢えず周りに有る物を退かしながら座った、居心地は良いけど

フランは魔理沙の隣に陣取っていた、俺はその向かい側

 

魔 「何をやるんだ?、生憎カードゲームの類はないぜ?」

弥 『俺も持って来てないわ、フランはどうですか?』

フ 「無いなぁ、どうしよう?」

 

しばらく沈黙が続いた、やがて魔理沙が口を開いた

 

魔 「…神社にでも行くか?、夜起こされると霊夢不機嫌になるけど」

弥 『そうだな、車で行くか?』

魔 「たまにはそういうのも悪く無いな」

弥 『じゃあ行きますか』

フ 「はーい」

 

そうして俺達は車に乗り込んだ、今日は良くMARCHが働くわ

 

……

 

霊 「で、うちに来たのね?、真夜中の睡眠中に」

弥 『誠に申し訳ありません…』

魔 「悪かったぜ…」

フ 「ごめんなさい…」

 

流れで神社に行ったらこっ酷く怒られた、まぁ迷惑よね

霊夢の背後には般若が見える、こりゃキレてますな

 

霊 「大体ねぇ、こんな真夜中に活動してるんじゃないわよ、迷惑でしょ?」

 

こんな調子でお説教が一時間は続いた、みんなの目から生気が無くなるのには時間はさほど掛からなかった

 

霊 「で、何しに来たのよ?」

弥 『遊びに来たのよ?』

霊 「帰れ」

魔 「来たばっかりじゃんかよ〜」

霊 「来なくて良いのよ!」

 

このままだと追い返されてしまいそうだ、仕方ない、伝家の宝刀を出そう

 

弥 『あーあ、酒盛でもしようと思ったのに』

 

その一言で、霊夢の表情が変わった、目がキラキラしてますねぇ

 

霊 「おつまみと酒は持って来たの?」

弥 『トランクの中に』

霊 「よくやった!」

 

手のひら返しどころの騒ぎじゃない、魔理沙とフランが冷たい目で見てますよ

こうして小さな酒盛が始まった

 

……

 

霊 「弥生ぃ〜、あんたが誘ったんだから構いなさいよぉ〜」

 

霊夢は酒に酔うと面倒な事がよく分かった、魔理沙とフランは楽しそうに飲み交わしているのに

 

霊 「聞いてるのかしらぁ?」

弥 『聞いてないよ』

霊 「聞いてるじゃないの、構いなさいよぅ」

弥 『はいはい、分かりました、構ってあげますよ』

霊 「じゃあ、お酒注いで!、あとイカ取ってきて」

 

これはパシリじゃ無いかな?、まぁいっか

愛車のトランクを開けて漁る、何処入れたっけ

 

弥 『さて、イカはこの辺に…って、紫、居るんでしょう?』

紫 「あら、バレたかしら?」

弥 『貴女も酒盛に混ざります?』

紫 「いいえ、結構よ、それより話しておきたい事があるの、いいかしら?」

弥 『何ですかね、そちらら会いに来るなんて』

紫 「近々、異変が起きるのよ、その時に呼ぶかも知れないって事を伝えに来ただから、じゃあね」

 

なんか意味不明な事を言って紫はスキマに消えた

その後酒盛りは朝まで続いた

 

……

 

紅魔館に帰ると、玄関先でレミリアが出待ちしていた、怒っていらしい

 

レ 「貴方達、どういうつもりかしら?」

弥 『気分転換ですね』

レ 「次は無いわよ、弥生」

弥 『了解です』

レ 「貴女もよ、フラン」

フ 「はーい」

 

そうしてレミリアは踵を返して帰って行った、今度はお土産買ってこよう




なんかちょっと陳腐になっちゃったなぁ


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向日葵畑からのお誘い

難産でした、誤字脱字報告よろしくです!


ある日、俺宛に手紙が来た、差出人は風見幽香らしい

あの向日葵畑に来いという内容だった、憂鬱だ

こういう日に限って特に予定も無く、行くしか無い状態になってしまった

あきつ丸やフラン、咲夜も予定があるらしく同伴してくれなかった

仕方がないのでレミリアに外出を告げ、愛車で向かった

向日葵畑に着くと、前に会った緑髮の女性が居た、こちらに殺気を向けながら…、車だからか?

敷地内に乗り入れるとさらに殺気が強くなったが、俺に気付いたのかすぐに消えた

 

? 「良く来たわね、歓迎するわ」

? 「私が風見幽香、貴方は?」

弥 『弥生って名前です、ゆうかりんって呼んで良いですか?』

幽 「殺されたく無かったらやめておく事ね」

 

物凄い殺気を出しながらそう言った、やめとこう

 

弥 『で、何故私は呼ばれたんですか?』

幽 「少し話してみたかったのよ、ところで貴方、花は好き?」

弥 『人並みといった感じですね』

幽 「名前は分からないけど綺麗だなと思う程度って事かしら?」

弥 『まぁそんな感じですね』

弥 『ただ、何故この季節に向日葵が咲いているのかは疑問ですけど』

幽 「それはねぇ、こういう事よ」

 

突如、足元に花が巻きついて来た、足が折れる程では無いがきつく巻き付いて動けなくされてしまった

 

幽 「私は花を操ることが出来るの、貴方なんてすぐに殺せるのよ?」

 

少し締まりがきつくなった、花ってこんな使い方出来るのね

 

弥 『それは怖い、分かったので離して頂きたいです』

幽 「…まぁ良いわ、離してあげる、だけど私を怒らせたら、分かってるわね?」

 

手で合図すると、花は足元からスルスルと離れて行った

 

弥 『そんな命知らずな事しませんよ』

幽 「そう、なら良いわ、家に入りましょう?、お茶出すわ」

弥 『はーい』

 

こうして不思議なお茶会が始まった、色々質問するとしよう

 

……

 

幽 「ちょっと、聞いてるかしら?」

弥 『ん?、あぁすいません、ボーっとしてました』

幽 「…もう、もう一回説明するわよ」

弥 『はい、お願いします』

 

どういう流れが、今花の植え方を教わっている、お茶会はどこへ?

 

幽 「と、思ったけど客が来たようね、ついて来なさい」

 

玄関先に出ると、あきつ丸が居た、用事が終わったのか?

 

あ 「あれ?、弥生殿、用事はどうなったんでありますか?」

弥 『これが用事です』

あ 「あぁ、それなら言ってくれれば…、自分もでありますぞ」

弥 『一緒に来ればよかったな』

あ 「でありますなぁ」

幽 「話は終わったかしら?、中に入りましょう、風邪引くわよ」

あ 「了解であります、行きましょう」

 

あきつ丸に手を引かれ、また家の中に入った

 

……

 

結局最後まで花の手入れをして終わった、夕方なので帰るとしよう

 

弥 『それでは帰るとしますか』

あ 「そうするでありますな」

幽 「あら、泊まって行かないの?」

弥 『誰にも言っていないのでね』

幽 「じゃあ…」

 

幽香はしばらく考える様なそぶりをした

 

幽 「じゃあ、週一でここに来なさい」

あ 「え?」

 

最早俺は声すら出て居ない、何、週一で?

 

弥 『何故週一で?』

幽 「最近変な噂が流行っちゃったの、そのせいで妖精とかが手伝ってくれないのよ」

弥 『拒否権は?』

幽 「勿論無いわよ」

 

凄い笑顔で言われた、泣けるぜ

 

弥 『分かりました、週一ですね』

幽 「約束よ、破ったら…、分かるわよね?」

 

最早脅しである、気に入られてしまったようだ

 

弥 『じゃ、帰りますね』

幽 「また来なさいね」

 

そうして今日は帰る事が出来た、また来る事になるだろうけど

 

……

 

無事紅魔館に帰ってくると、フランが出迎えしてくれていた

 

フ 「おかえり〜」

弥 『ただいまです』

フ 「どこ行って来たの?」

弥 『向日葵畑に行って来ました、綺麗でしたよ』

フ 「へぇ〜、今度連れてってよ」

弥 『そうですねぇ、今度行きましょうか』

フ 「本当?、約束よ!」

弥 『えぇ、約束です』

フ 「あとさ、敬語じゃなくていいんだよ?、執事じゃ無いんだし」

弥 『じゃあそうする事にするよ、これで良いか?』

フ 「その方がいいね、柔らかくなった」

弥 『じゃ、部屋に戻るとするよ、疲れたし』

フ 「寒いからちゃんと布団掛けてね、風邪引いちゃうから」

弥 『分かった、貴女もね』

 

そうして俺達は部屋に戻った、もう春が訪れても良い時期なんだけどな

 

……

 

部屋に戻ると直ぐにベッドに潜り込み、早々に寝た

だから今は白の部屋(って呼ぶ事にした)にいる、正面にコレットが居るのだが、ムスッとしている

 

弥 『えーと、何故怒ってらっしゃるのです?』

コ 「怒ってないわよ!」

 

怒ってるじゃねーか、なんかしたっけな

 

コ 「最近全くここに来ないじゃない!」

弥 『来方が分からない、呼ばれてないんじゃ無いかと』

コ 「呼ぶに決まってるじゃない!」

弥 『あらー、妬ましいんですかぁ?」

 

少し小馬鹿にしてみたら、思いっきり殴られた、変な匂いする…

 

弥 『そんな怒らないでくれ、冗談だ』

コ 「まったく…、それはそうと話があるのよ」

弥 『ほほう、やきもちだけじゃなかったんだな』

コ 「あんた、いい加減にしなさい?」

 

またコレットは拳を振り上げている、笑顔で

 

弥 『で、話って?』

 

少しオロオロしながら聞くと、コレットは拳を下ろしてくれた、セーフ

 

コ 「貴方死んだあといつも能力で体を作るじゃない、あれ意味無いわよ」

弥 『意味が全く分からない』

コ 「だから、蓬莱の薬が勝手に体作ってくれるのよ」

弥 『服とかも?』

コ 「そのようね、なぜだか分からないけど」

弥 『へぇ、便利だねぇ』

 

そうしてコレットと談笑しながら、今日は終わった




風邪引いちゃった


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幻想郷 〜 春雪異変
春雪異変.前編


遅れてすいません、誤字脱字の報告よろしくお願いします!


咲夜が神社に向かうらしい、なんでも異変解決を命令された様だ

折角なので俺も向かう事にする、ここに来て初めてのイベントだ、楽しみ

朝から慌ただしく準備をしていると、あきつ丸が起きてしまった

 

あ 「…どこかに行くのでありますか?」

弥 『異変解決とやらを見に行こうかなって』

あ 「その割に重装備でありますな』

 

確かにC96や短剣、デリンジャーを持って行くつもりでいる、なんか危なそうなんだもの

 

あ 「自分も付いて行くでありますよ」

弥 『心強いね、寒いから準備して来てくれるか?』

あ 「了解であります!」

 

直ぐにパタパタとあきつ丸は準備を始めた、俺も始めますかね

あきつ丸は十四式を準備して来た、よく似合う

こちらもロングコートを着て準備終了した、あきつ丸はマントを纏っている

 

あ 「準備完了でありますな?」

弥 『あぁ、行くとするか』

 

そうして目的地である神社に出発した、車で向かう事にしよう

 

………

……

 

神社に着くと、もう霊夢達は出発するところだった、少し遠くから話しかけられる

 

魔 「お前達も行くのか⁉︎」

弥 『そのつもりだ!』

魔 「私達は白玉楼に向かう!、早く来いよな!」

弥 「分かった!、ありがと!」

 

魔理沙は大きく手を振って行ってしまった、白玉楼ってどこ?

 

あ 「白玉楼って何処でありますか?」

弥 『知らない、聞いたことないな』

あ 「どうするでありましょうか」

弥 『まぁ、最悪紫さんにお願いしよう』

あ 「そうするでありますね、じゃあ今日も適当に動くんでありますな」

弥 『ま、そういう事だね』

 

そうして俺たちは車に乗り込んだ、

少し走って行くと防寒着に身を包んだ少女がいた、しかし雰囲気は寒々しく雪女を彷彿とさせる

 

? 「ふふ、くろまく〜」

 

何かを喋りながらふわふわと浮いて居た、スルーに限るな

直ぐ脇の小道に乗り入れようとした時だった

 

? 「そこの妖怪さん?、ちょっとお待ちなさい」

 

そう言いながらこちらに近づいてくる、敵意は感じ無いが…、車から降りた方が良いのか?

 

? 「貴方見ない顔ね、どこから来たの?」

 

側から見たら車に話し掛けている少女である、絵面がシュールだな

 

あ 「降りた方が良いのでありましょうか?」

弥 『分かんないわ、どうするよ』

? 「あら、中に人影があるわね」

 

バレたようだ、降りるかな

 

あ 「バレたみたいでありますよ」

弥 『仕方ない、寒いけど降りるとしますか』

 

エンジンを止めサイドを引く、ドアを開けると厳しい冷気が車内に入って来た

 

弥 『こんにちは、初めまして』

? 「あら、こんにちは、貴方は誰?」

弥 『弥生です、こちらはあきつ丸です』

? 「へぇ、私はレティ•ホワイトロックよ、貴方達は冬を終わらせに来たの?」

弥 『いいえ?、野次馬に来ただけです、スペルカードもまだありませんし』

レ 「本当に野次馬に来ただけなのね…、襲う気無くしたわ、行っていいわよ」

 

そうしてまた車に乗り込み、その場を去った、レティとはまた会う事になりそうだ

 

……

 

森の中に進んで行くと、ボロボロの廃屋があり、そこの前で猫の様な少女が居た

エンジン音が遠くから聞こえて居たのか、こちらに威嚇している

 

? 「ここは私達の領域だ!、今すぐ立ち去れ!」

 

まさに猫の様に威嚇してくる、そこまでの事はまだしてないんだけど

ドアを開けると思い切りそこに弾幕をぶち込んで来た、腕だと思ったのだろうか

 

? 「もう一度言う!、今すぐ立ち去れ!」

 

仕方ない、引き返すとしますか、ギアをDに入れ加速し、猫娘を支点としサイドターンする

猫娘は咳き込んで居たが知ったことじゃない、白玉楼はどこにあるんだろうか

 

あ 「これは紫さん呼んだ方がいいんじゃ…」

弥 『そうだな、どこにあるかわかんないし』

紫 「呼んだかしら?、さっきはウチのがごめんなさい」

弥 『さっきの猫娘は知り合いなんですか?』

紫 「えぇ、うちの式の式よ」

あ 「またややこしいでありますな」

弥 『そうそう、白玉楼ってどこですか?』

紫 「あら?、貴方も異変解決に?」

弥 『いいえ?、ただの野次馬です』

紫 「…そう、白玉楼は空の上よ、連れて行きましょうか?」

弥 『頼みます、車じゃ行けないので』

紫 「ホント不便よねぇ、鋼鉄の鳥でも作ったらどう?」

弥 『俺空を飛ぶの苦手なんです、そもそも重力に逆らうのが間違いですよ…』

あ 「自分もそう思うであります…」

紫 「情けないわねぇ、それじゃ行くわよ」

 

そうして車ごと隙間に落とされた、最近雑な気がする

 

……

 

落とされた先は橋の上だった、ミシミシと木が悲鳴を上げている、早々に退くべきだろう

ギアをDに入れてゆっくりと滑り出す、橋には多大なダメージが入っただろう

ふと上を見ると、魔理沙と銀髪の子が弾幕ごっこをしていた、すげぇ綺麗

よく見ると霊夢と着物の人も戦っている、こりゃ凄いな

 

紫 「綺麗でしょう?、これなら妖怪との力の差も出難いし、人間が異変を解決しやすくなるの」

弥 『理に適っているって事ですか、よく出来たルールですね』

紫 「そう!、ルールを破れば手痛い報復が待ってるしね」

 

弾幕ごっこの話をしている時の紫はイキイキとしていた、余程好きなのだろう

 

弥 『それじゃ、もっと近くに行きましょうか』

 

桜の木がそびえ立つ庭の隅に車を停めた、しばらくは弾幕をあきつ丸と眺めることにする




インフルになった、流石にキツイですね


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春雪異変.後編

勢いで書きました、誤字脱字報告よろしくです


上で行われている攻防を見ていると、近くの桜が蠢き始めた

幻想郷の桜ってこんな感じなのかと間抜けな事を考えていると、紫に叩かれ霊夢に怒鳴られた

 

霊 「何ボサッとしてるのよ、死ぬわよ!」

紫 「あの西行妖は死を誘う力があるの、封印した筈なのに…」

弥 『まぁ何と物騒な、あきつ丸避難させて来ますね』

 

鉛弾を数発打ち込んでから魔法障壁を展開する、魔理沙が色々言ってるが知ったことじゃない

あきつ丸を車に乗せ、窓から西行妖に向かいワンマガジン分打ち込む、全くビクともしない

早々に西行妖の力の届かないところまで離れ、車ごと置いていく

 

あ 「行くんでありますか?、なら自分も!」

弥 『今回は相性が悪いから駄目、車番でもしといてくれ』

あ 「で、でも…」

弥 『車が無いと帰れないから、よろしくな』

 

そうして俺は走って西行妖まで行った、あきつ丸は敬礼していた

 

……

 

西行妖に向かうと全く何も変わっていなかった、封印を邪魔されている様だ

 

魔 「全然体力削れねぇ、バケモンだなこれ!」

 

魔理沙達は攻撃は入るものの、全く衰えを見せない西行妖に翻弄されているところだった

 

霊 「そりゃそうでしょ、大妖怪レベルなんだから!」

魔 「おい弥生、何で戻って来た⁉︎」

弥 『少し案があるんだ!』

霊 「どんなのよ、変なのじゃ無いでしょうね!」

 

実は変なのである、実戦初の「対妖怪弾」創る能力の賜物だが…、取り敢えずクリップで装填する

徐に腰に着いてるストックをC96に付け、狙いを真ん中に定め引き金を絞る、効けっ!

いつもより少し強い反動と共に発射された弾丸は幹の真ん中に命中した

それと同時に西行妖は叫び声の様なものを上げ、少し衰弱した様だ

 

魔 「すげーなおい!、少し効いてるぜ、そのまま頼む!」

弥 『了解だ!』

 

そのままの体勢で4、5発撃ち込んだが、流石にそのままにはしてくれない様だ

西行妖は此方にターゲットを変え、弾幕を撃ち込んできた、しかし霊夢はそれを見逃しはしなかった

 

霊 「霊符.夢想封印‼︎」

 

それにより結界が現れ、西行妖は封印された、異変の終了だった

 

……

 

車に戻るとあきつ丸が抱き付いてきた、そこまで心配だったの?

 

弥 『無事帰って来たよ、車番ご苦労様』

あ 「…良かった、良かったでありますぅ」

 

そう言って人のシャツをぐしょぐしょにしてくれた、そんなに心配だったの?

 

弥 『今日の所は戻ろうか、これ以上は迷惑だろうし』

あ 「うぐっ…、そうでありますな」

 

最早あきつ丸に陸軍としての威厳は無く、泣きまくった跡まみれになっていた

しかしそう簡単には返して貰えない様だ、車の前に銀髪の子と、浴衣の女性が現れた

 

? 「貴方達〜?、出てきて貰えないかしら?」

 

車から降りると周りには咲夜や霊夢、魔理沙もいた、ついでに紫も、皆聞きたい事があるようだ

 

? 「白玉楼まで案内致します、付いて来て下さい」

 

銀髪の少女について行き、本堂まで案内される、帰るのは先になりそうだ

 

……

 

皆お茶を飲み和んでいると、魔理沙が口を開いた

 

魔 「そういえばお前、魔法使えたんだな、それにあの攻撃ってどうしたんだ?」

弥 『魔法はパチュリーに教えて貰ったんだ、攻撃は…長くなるから後で』

霊 「そっちが気になるのよ、勿体ぶらないで教えなさい」

弥 『え?、みんなそっち目当て?』

 

銀髪の子と浴衣の人以外が頷いた、そんなに気になるなら教えてあげましょう

 

弥 『答えは簡単、弾丸を変えたの』

魔 「どんなのにだ?」

弥 『対妖怪9mm弾に』

 

皆が納得した様だ、なーんかつまんない

 

紫 「それどの位の威力があるの?」

弥 『炸裂薬1.5倍、弾頭部に妖怪に効きやすい金属に変えただけだよ』

紫 「で、威力は?」

弥 『分かんない、実戦投入初めてなんだ』

霊 「ちょっと、それってもしかして?」

弥 『効かない可能性がありました』

霊 「何でそんな物ここで使ったのよ!」

弥 『効いたから良いじゃん』

霊 「…っもう、危なっかしいわね」

 

そんな他愛もない話をしていると、浴衣の女の人が話し掛けてきた

 

? 「所で貴方の名前は〜?」

弥 『あ、弥生です、でこっちがあきつ丸』

あ 「よろしくでありますぞ」

? 「へぇ〜、私は西行寺幽々子、でこの子が魂魄妖夢よ〜」

妖 「以後お見知りおきを」

 

そうして他愛話は永く続いた、幽々子さんめっちゃ食うな

 

………

……

 

紅魔館に帰ってくると、直ぐにフランに戯れ付かれた、いつも全力だから体が悲鳴上げてるけどね

 

フ 「今日のお出掛けどうだった?、楽しかった?」

弥 『どっちかと言うと綺麗だったよ、初めて弾幕ごっこ見たしね』

フ 「良かったね!、私は今日寂しかったけど…」

弥 『今度また遊ぼうな、その時は一日中遊ぼう』

フ 「本当?、約束だよ!」

弥 『あぁ、約束だ』

 

そうして俺達は部屋に戻った、寝る気満々だったがあきつ丸に話し掛けられた

 

あ 「弥生殿、お話があるであります」

弥 『ありゃ、何ですかねあきつ丸さん』

あ 「今日一緒に寝て頂きたいのであります!」

弥 『添い寝って事ですよね?』

あ 「そういう事であります、弥生殿はいつも話が早くて好きであります」

弥 『そりゃ嬉しいね、じゃあ早く寝てしまおう、今日は疲れたでしょう?』

あ 「そうするでありますな、ささ、ベッドに入って、子守唄でも歌いますか?」

弥 『大丈夫、多分すぐ寝てしまうから、じゃあお休みなさい』

あ 「お休みなさい、また明日でありますよ」

 

そうして同じベッドで寝る事になった、背中に柔らかい物が当たってますよ、これは寝れなさそうだ

 

……

 

結局寝てしまった俺は精神の部屋に来ている、そしてまたコレットは拗ねている

 

弥 『こんにちは〜、来ましたよ〜』

コ 「貴方、外ではお楽しみだったわねぇ?、私にだって見えるのよ?」

弥 『ごめん、何を見たんだい?』

弥 『まさか、また構って貰えないと危惧してよく分からんことを…』

 

最早殴る準備は万端の様で、肩を回しながらこちらに笑顔で近付いてくる

 

弥 『はいごめんなさい、何でもするから許して』

コ 「貴方は人を馬鹿にし過ぎよ…」

弥 『それが無ければ私じゃないでしょ?』

コ 「それもそうね」

弥 『で、私ゃなんで呼ばれたんでしょうか』

コ 「特に理由は無いわよ?、話したかっただけ?」

弥 『そうっすか、まあ良いけど』

 

またもや他愛無い話をしてその日は終わった、明日は宴会だ

 




身体痛くなってきた


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宴会

誤字脱字報告よろしくお願いします!


夢を見ていた、幼い頃に仲の良かった友人との夢だ、しかし名前がスッポリと抜けていた

あいつは元気しているだろうか?、まぁ俺には知る由も無いだろう

昨日の名残であきつ丸は背中にくっ付いたままだった、悪いが起きて貰う事にする

 

弥 『あきつ丸?、起きてくれるかな』

あ 「…もうそんな時間でありますか?」

弥 『今日は宴会があるから早めに出ないと夜間に合わないよ』

あ 「面倒でありますな、アリス殿でありましたか?」

弥 『魔理沙に聞いた話だと、挨拶に行かなきゃね』

あ 「さて、起きるでありますか」

 

そうしてあきつ丸は起きて着替えに行ってしまった、俺も着替えるかな

初めて会う相手なので取り敢えずスーツで行ってみる、堅苦しいね、やめた

 

あ 「いつも通りでありますな」

弥 『だな、代わり映えはしない』

あ 「まぁ無難でありますな」

弥 『じゃあ行きますか、夜までに神社に行かないといけないし』

 

そう言いながら俺達は車に乗り込んだ、セルを回すといつもの様にけたたましい咆哮を上げた

そのままギアをDに入れ発進する、砂煙を上げながら目的地を目指しMARCHは走り出した

 

……

 

凹凸の激しい道にエアロを擦りながらラリーカーの如く走り抜ける

魔法の森に入った辺りで道が細くなり、あまり飛ばせなくなってきた

 

あ 「…あの、飛ばし過ぎじゃありませんか?」

弥 『いつもこんな感じだけど?、飛ばし過ぎかなぁ』

あ 「これで飛ばし過ぎじゃ無ければ何が飛ばした事になるんでありますか?」

弥 『俺の地元にはゴロゴロ居たよ?、この位』

あ 「どんな場所なんでありますかそこ…」

 

そんな会話をしている間に、洋館着いた、ここがアリスなる人物の家らしい

扉を叩くと中から金髪でお人形の様な少女が出て来た

 

? 「貴方が弥生ね?、私はアリス、アリス.マーガトロイドよ」

ア 「さ、入って入って」

 

部屋に招き入れられると、周りはお人形に囲まれていた、あきつ丸は目を輝かせているが、俺は怖い

 

あ 「すっごいでありますなぁ」

ア 「あら貴女、人形はお好き?」

あ 「大好きであります!」

ア 「そう、貴女とは話が合いそうね」

弥 『んで、私達はなぜ呼ばれたのでしょう?』

ア 「ちょっと前から噂になってたのよ貴方、だから気になったの」

それはそうとさっきから人の短剣を引き出そうしている人形がいる、何がしたいのこの子

ア 「ちょっと上海、何してるの?」

上 「シャンハーイ!」

ア 「それはそうと弥生、今日夜乗せてってくれる?」

 

魔理沙の奴、何かを吹き込んだな

……

 

あきつ丸とアリスの談笑を聞き流しながら、閃光手榴弾を生成している、単に考えるだけで作れるのだが

 

あ 「目がおかしくなってるでありますよ」

弥 『どゆこと?』

あ 「紅い光が揺れる様で、その後それが黒目一杯に広がる感じであります」

弥 『凄いなそれ』

ア 「貴方の目よそれ」

 

懐中時計を取り出し時間を見るともうマズい時間になっていた、こりゃマズい

 

弥 『それじゃ出発する時間ですね、行きましょうか』

ア 「わかったわ、どこに乗れば良いの?」

弥 『取り敢えず後部座席で良いですか?』

 

アリスは後部座席に潜り込む様に乗り込んだ、あきつ丸はいつもの様に助手席に

エンジンを掛けDに入れる、アクセルを開けると滑る様に走り出した

峠の様な旧道をしばらく走っていると後ろから断続的に悲鳴が聞こえた

 

弥 『アリスさん〜、大丈夫ですか?』

ア 「あ、えぇ、ここまで激しい物とは…」

 

下回りやエアロパーツを路面に擦り付けながら、神社を目指しに進んで行く、こんな道あったんだ

ブレーキを踏み前重心にしつつハンドルを切る、小刻みにサイドを引きながら

すると車体は横に流れ、きつい右を抜けて行く

久しぶりに派手に滑らせたからか、感覚が掴めていない

隣にいたあきつ丸は蒼白とした表情でアリスは最早意識がない

 

あ 「弥生殿…、心臓に悪いので2度とやらないでいただきたい」

弥 『ごめん、次からは言うから』

弥 『あ、着きましたよ』

 

そんな事をしているうちに博麗神社の前まで来た、神社はもうどんちゃん騒ぎだが

 

魔 「よう弥生、来たのか!」

弥 『呼ばれたら来るだろ、にしても人が多いな』

魔 「あぁ、お前の所の吸血鬼達も来てるからな」

 

そう言われ遠くを見るとレミリア達といるフランが手を振っていた、こっちに来いという事か?

 

弥 『魔理沙、行ってくるわ、あきつ丸、その辺の酒とか飯とか食べて良いってさ』

あ 「本当でありますか弥生殿‼︎」

弥 『ホントホント、それじゃあね』

 

フランの近くに行くとすぐに抱き付いてきた、酔っているのかな

 

フ 「弥生ぃ〜、最近全然構ってくれないじゃん?、今日は付き合ってもらうよぉ」

 

こりゃ本当に酔ってるな、仕方ない、付き合ってあげよう

 

弥 『わかったよ、まだ呑む?、ワインとか持ってくるけど』

フ 「良いよぉ、咲夜に持って来させるから、それより膝に乗せて?」

 

取り敢えず酒を用意して台に座る、すかさずフランは膝の上に乗った

猫の様に擦り寄ってくる様は非常に愛らしい、さながら猫だな

 

フ 「やっぱり居心地がいいねぇ、ずっとこうしていたいな」

弥 『他の人にそんな事言うなよ?、勘違いされるよ』

フ 「弥生だからこんなこと言ってるんだよぉ?、勘違いなんてしないでしょ?」

弥 『そうだな、まぁ今日はこのままいれば良いよ』

 

そうして俺は初めての宴会に出た、こんな感じなら幸せで良いな




相方の小説も宜しくです


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宴会の後始末

勢いで書いたので読み辛いかもです
誤字脱字報告よろしくです


前日の宴会は大盛り上がりだった、幽々子があり得ない量の食事をしていたり、妖夢が潰れていたり

現在は幽々子達も帰り、他の奴らも酔い潰れている、嗜む程度にセーブしてて良かった

フランは膝の上で眠ってしまい、あきつ丸も肩に寄りかかっている

これじゃ動くに動けない、つまりは霊夢の手伝いをする事も出来ない、ごめん霊夢

 

霊 「何で誰も手伝わないのよ!、そして弥生、狸寝入りはバレてるわよ」

弥 『ありゃりゃ、バレちゃったか』

霊 「まぁ、あんたはその二人が起きてから手伝ってもらうから良いけど」

弥 『分かった、起きてからね』

 

しばらくの間俺は動けそうになさそうだ、MARCHの下回り見たいのに

 

……

 

しばらくしてフランが起き、レミリア達と帰って行った、一緒に帰れば良かった

あきつ丸は依然として起きない、規則的な呼吸音が耳元で響いている、うるさい

そしていくら軽いとはいえ人1人分肩に寄りかかっていればキツくなってくる

 

弥 『あきつ丸、辛くなって来たから退いてくれない…?』

あ 「…ん?、あぁごめんなさい、寝てしまっていましたか」

弥 『霊夢から言われたんだけど、片付け手伝えってさ』

あ 「また面倒な話であります」

弥 『文句言ってると鬼巫女が来るよ』

 

その瞬間後ろから殺気を感じた、ギギギと首を回すと後ろに笑顔の霊夢が居た

 

霊 「誰が鬼巫女だって…?」

弥 『滅相もございません、だからその振り上げたお祓い棒下ろして』

霊 「…まぁいいわ、そこら辺の酒瓶を集めて頂戴」

弥 『分かった、あきつ丸も手伝って』

あ 「了解であります」

 

そこら辺に落ちた酒瓶を拾い集めながら…って多いな!、100本は軽くあるぞこれ

 

弥 『霊夢…、いつもこうなのか?』

霊 「そうよ、嫌になるでしょ?」

弥 『お察しするよ…』

 

今度から出来るだけ手伝ってあげよう

それから机やら皿やらを片付け、今は洗い場で3人で皿を洗っている、あきつ丸皿拭いてるだけじゃん

 

弥 『にしても皿多いな、何枚あるんだよ…』

あ 「数えるのは100枚ぐらいからやめたでありますよ…」

霊 「ほんと嫌になるでしょ…」

 

皿を洗い過ぎて手がふやけてきた、寒い日の皿洗いは最悪だ

しばらく洗いまくったが全然減らない、主に幽々子のせいだな

 

霊 「本当無くならないわね、一回休みましょう、もう手が限界よ…」

弥 『右に同じ』

あ 「同じであります」

 

少しも減らない皿に嫌気がさし、取り敢えず一休みする事にした

居間に行き卓袱台を囲むと、霊夢がお茶を持って来た

 

霊 「悪いわね、お茶ぐらいしか出せないわ」

弥 『別に良いよ、見返りを求めた訳じゃないから』

霊 「あんた達だけよ、手伝ってくれるの」

あ 「他の人たちがおかしいだけであります」

弥 『魔理沙とか紅魔館から本盗んで行くもんな』

霊 「あいつ何してるのよ…」

 

他愛無い話をしながら一休みしていた、皿洗いが憂鬱だぁ

 

……

 

皿洗いが終わり紅魔館に帰って来た、何枚あったんだよ皿

何となく物置を漁るとライフル銃が出て来た、使えるのかこれ

レミリアに確認を取ると、拾って来たものらしい、好きに使えとの事なので好きに使わせてもらう

いつもの様に机で作業しているとあきつ丸が覗き込んで来た、顔近い

 

あ 「これは確か…、モーゼルkar98kでありますな、狙撃眼鏡が付いてるから狙撃用でありますよ」

弥 『へぇ、良く知ってるな』

あ 「日本陸軍でありますから!」

あ 「だけど狙撃眼鏡が社外品でありますな、見易いであります」

弥 『純正だとどうなってるの?』

あ 「銃の真ん中あたりに付いていて、見辛いんでありますよ」

弥 『へぇ、でこれ撃てると思う?』

あ 「弾はあるんでありますか?」

弥 『ここに』

あ 「じゃあ外に行くでありますよ」

 

そうして俺は手を引かれ外に連れて行かれた、最近こんな事多くね?

外に行くと直ぐに的が用意された、仕事が早い

クリップで装弾し、ボルトを操作すると滑りが悪い事が気になった、古いんだな

引き金をを少し無理に引くと弾は発射された、しかし標準も狂っており明後日に飛んで行った

 

あ 「これはひどいでありますな、手入れしないとダメであります」

弥 『流石にそのまま使えないか…、部屋に戻ろう』

 

部屋に戻り机の上で分解する、あらゆる所に砂や泥が入り、グリスも乾いていた

 

あ 「よくこれで撃てたでありますな」

弥 『見てよこれ、スコープ曇っちゃってる』

あ 「自分が狙撃眼鏡をやるので、本体をお願いするであります」

弥 『分かった』

 

こうしてまたモノトーンの二人が並んで作業しているシュールな絵面になった、前にもあったよな

 

………

……

 

メンテナンスが終わり、すっかり綺麗になったkar98k、スコープもマウントされ撃てるようになった

 

あ 「自分が調整したいでありますが…、よろしいですか?」

弥 『任せるよ、俺分かんないし』

あ 「任されたであります!」

 

満面の笑みで走って行ってしまった、MARCHの修理に行こっと

ジャッキアップをしてウマを噛ませる、下回りを見るとダメージが凄い、あそこで擦りまくったからか

良く見るとアンダーカバーが外れていた、どこで落とした?、マフラーに穴も開いていた

自動修復能力を付与しているが、しばらくは休ませてあげよう

ウマを外しジャッキを下げ、エンジンを掛け屋根のある所に停める

ボンネットに腰掛け空を見ると鋼鉄の鳥が飛んでいった、ここは幻想郷だったよな?

 




次回ぐらいからコラボです、疲れるね


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プレリュード

今回はいつもよりグダグダです、お気を付けて
誤字脱字報告よろしくです


鋼鉄の鳥はそのまま紅魔館を過ぎ去った、しかしこれはどこかに結界の綻びがあるのか

はたまたゲートの様な出入り口が出来てしまったのか、どちらかは分からない

しばらくすると、腰掛けていたMARCHのエンジンが掛かった、誰も乗っていないのだが…

しかし俺は幻想郷で色んな物を見て来た、今更驚く訳…、あるよ!、意味わかんねぇよ!

冷静に考えれば配線の誤作動、もしくは付喪神か?

そんな事を考えていると運転席側のドアが開いた、乗れって事かな

運転席に乗り込むと、エンジンが停止した、自分の車ながら良く分からない

取り敢えず乗ってくれって事なのか?、さらにグローブボックスがいきなり開いた

中には手紙の様な紙切れが入っていた、幻想入りした時に間違えて車に入り込み

出られなくなったと言う悪魔からの手紙だった、何とお間抜けな

まぁこちらに危害は加えないらしいから何ら問題無い、運転の主導権は俺にあるとのこと

呼んでくれればすぐにでも迎えに来てくれるおまけ付きだ、何と便利な事でしょう

名をミアというらしい、って事は女性か、最近女の人に囲まれてますね、大半人外だけど

 

弥 『って事は貴女は車を動かせるのかな?』

 

するとまたエンジンが掛かった、動かせるってことか

 

……

 

部屋に戻るとあきつ丸が帰って来ていた、誇らしげにモーゼルを右手に持っていた

 

あ 「調整終わったであります!、で誰がこれ使うんでありますか⁈」

弥 『俺ライフル使った事ないし、咲夜さん辺りが良いんじゃないかな』

あ 「あぁ、確かに似合いそうでありますな」

弥 『呼びに行くか…、って居るし』

 

そんな話をしているとあきつ丸の後ろに咲夜が現れた、それ心臓に悪い

 

咲 「お呼びになりましたか?」

弥 『このライフル使って見てよ、暇な時で良いから』

咲 「はぁ、よく分かりませんが分かりました」

 

そして咲夜はライフルを持って消えた、あれどうなってんの?

 

弥 『にしてもあきつ丸、お前は頼りになるな』

あ 「褒めても何も出ないでありますよぉ」

弥 『その笑顔が見れて俺は十分だよ」

あ 「キザな台詞でありますな」

あ 「まぁ弥生殿なら似合うでありますが」

弥 『恥ずかしいから2度と言わない』

 

そんな話をしていると早速銃声が轟いた、咲夜さんノリノリだな

何回か撃ったあと、咲夜さんは戻って来た、目をキラキラさせながら

 

咲 「これ良いですね、貰って良いですか?」

弥 『気に入ったんですね、どうぞお使い下さい』

咲 「ありがとうございます、大切に使わせていただきます」

弥 『弾が必要なら言って下さいね』

咲 「分かりました、失礼します」

 

咲夜はお辞儀をするとまた消えてしまった、今度能力について聞いてみよ

 

……

 

あ 「そういえばK11って何馬力なんでありますか?」

弥 『純正で1300ccなら101馬力、1000ccなら60馬力しかない』

あ 「それって軽自動車レベルでありますぞ!?」

 

あきつ丸は驚いた素振りをしながらそう言った、確かに非力だもんな

 

弥 『だからSR20エンジンに積み替えたよ、おかげ様で150馬力まで上がった』

あ 「だからあれ程速いんでありますな」

弥 『まぁ他にも手を加えてるけど、またの機会に』

弥 『それにしても、何でいきなり?』

あ 「外にいた時欲しかった車があるのであります」

弥 『何が欲しかったんだ?』

あ 「MARCH turboであります」

弥 『なかなか渋いな…』

あ 「あれ格好良いでありますよなぁ」

弥 『8ビート走法の時代のか…、格好良かったな』

あ 「まぁ、85馬力しかないんでありますが」

弥 『それで俺のMARCHの馬力を聞いたって訳か』

あ 「そう言う事であります、にしても、外が騒がしいでありますな」

弥 『あっちは…、湖方面だな、見に行く?』

あ 「行くであります!」

弥 『んじゃ、行ってみよう』

 

……

 

湖に出ると妖精に遊ばれている異形の者が居た

水死体の様に白い体に巨大な球を括りつけた様な者だ

隣を見るとあきつ丸は困惑と敵対心の混ざった味わい深い顔をしていた

取り敢えず助けてやろう、妖精ってどうやって追い払うんだ?

 

弥 『あきつ丸…、MARCH乗って来て、あいつ引き摺って紅魔館まで連れてくから』

あ 「何を言っているんでありますか?、あいつは敵でありますぞ?」

弥 『え、そうなのか?、それじゃ鹵獲ってことにすれば良い』

あ 「後悔しても知らないであります、あいつはヤバイでありますよ」

 

あきつ丸に鍵を投げ渡すと吐き捨てる様にそう言った、そこまでマズい相手には見えないが

近づいて行くと妖精はすぐに逃げて行き、その相手だけになった

敵対心は無く衰弱した様子で、顔は見えないが所々に傷があった、これを殺すほど冷酷になれないな

取り敢えず台車を作りそれに乗せようとする、しかし重たい、人間が持ち上げられる重さじゃない

何かを伝えたい素振りを見せたが、話せないようで諦めていた、台車に乗らねぇ

しばらく格闘していたが諦め、あきつ丸が来るのを待つ事にした

少しするとエンジン音が響きMARCHが到着した、あきつ丸はムスッっとしている

 

あ 「本当に知らないでありますぞ…って何故台車に乗せないんでありますか?」

弥 『想像以上に重たかった、手伝ってくれ』

あ 「深海棲艦とはいえ失礼でありますぞ」

弥 『じゃあ持ち上げてみ、素晴らしいくらい重たいから』

 

するとあきつ丸はあいつを持ち上げようとして…、唸っていた

 

あ 「ぬぉぉぉぉ…、無理であります!」

弥 『仕方ない、転がそう、それで載せれば良い』

 

大玉ころがしの如く、ゴロゴロと専用の台車に乗せ、ワイヤーで縛る

 

弥 『やっと上手く行った、大変だったな』

あ 「そうでありますな、後ろのフックに繋げれば良いんでありますか?」

弥 『そう、牽引用の輪っかね』

 

あきつ丸は手際良くワイヤーを繋げると、助手席に乗り込んだ

運転席に座りDに入れ、アクセルを開ける、すると前輪が空転しながら発進した

 

あ 「…あれは深海棲艦と言って、我々艦娘の敵、と言うか人類の敵であります」

弥 『ほう、マズい物拾っちまったかな?』

弥 『だけど勝手に殺したら問題になるだろ、ここ幻想郷だし、下手な事出来ないな』

あ 「確かに、だけどこちら側に仇を成したら…」

弥 『その時は殺してやればいい』

あ 「まぁ、そうでありますな、それよりどうやって館に入れるつもりで?」

弥 『フランとか咲夜、美鈴に手伝ってもらおう』

あ 「どうやったら深海棲艦って治るのでありましょう…?」

弥 『分からない、咲夜さんに頼めば良いんじゃないかな?』

 

そんな話をしていたら紅魔館に着いた、ここから中に入れるの面倒くさい

 

……

 

深海棲艦、ワ級と言うらしい、咲夜に頼んで医務室で手当てをして貰っている

ワ級は喋れるようだが、今は衰弱して何も話してくれない、まだ敵だと思っているのかも知れない

しばらく脇に居てやったが何も喋らない、まぁ仕方がないだろう、こちらにはあきつ丸が居るし

 

あ 「奴は何か喋ったでありますか?」

弥 『いいや?、全然話してくれないよ』

あ 「まぁ、あちらからしたら敵地でありますからね」

弥 『しばらく治るまでは咲夜に任せよう、咲夜なら大丈夫だろう』

あ 「仕方ないでありますな…、部屋に戻りましょう、弥生殿」

弥 『俺は物置きを見に…』

あ 「戻りましょう、や・よ・い・殿?」

弥 『はい…』

 

その後長ったらしいお説教をくらったのはまた別のお話




コラボは次回に持ち越しです


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日常の中の非日常

またグダっちゃった、お気を付けて、多分当分グダリます
誤字脱字の報告よろしくです


あきつ丸の耳の痛い説教が終わり、一息ついた所にパチュリーが来た

 

パ 「侵入者がトラップにかかったわ、見に行きましょう」

弥 『私達よりレミリアさん達の方が見に行くべきでは?』

パ 「もう行ってるのよ、ささ、ついて来て」

 

パチュリーに着いて行くと地下室に着いた、扉の隣にレミリアが目を瞑って腕を組んでいた

 

レ 「…弥生、気を付けろ、奴は何を考えているか分からない」

弥 『分かりました、あきつ丸、ここで待っていて』

あ 「了解であります、必ず戻って来て下さい」

 

そうして俺は重い扉を開けた、中は黴臭く蝋燭の灯りで薄暗い、牢屋を見ると所々に血が付いている

重苦しい雰囲気の室内を進んでいくと、牢屋の一角に飛行服を着た同世代の男が居た

足があらぬ方向に曲がっているが、表情は貼り付けた様な薄ら笑いだった

寒気のする気味の悪い表情だった、まるで痛みを感じていない様な

近くには不恰好なハンドガンが落ちており、すぐにでも届く位置にあった

腰のモーゼルに手を掛けつつ話しかけてみる、最悪撃ち殺せば良いな

弥 『あの、貴方は?』

? 「ここは…どこですか?」

弥 『紅魔館の牢屋です、私は弥生、人間だった者です』

? 「?、俺は如月空です、日本海軍の提督やってます」

 

昔知り合いにそんな名前の奴が居たな、ここまで痛い奴じゃなかったが

 

弥 『まぁ、あとは咲夜さんに聞いて下さい、それじゃ』

空 「え?、ちょっ、待っ」

 

ツカツカと俺は黴臭い牢屋から出た、もうここに用は無い

 

……

 

MARCHの下に潜りながらあきつ丸に聞いてみる、タイロッドが曲がってるんだけど…

 

弥 『なぁ、如月空提督って知ってるか?』

あ 「知らないであります、そもそもクソ海軍の事など…、興味無いでありますよ」

弥 『じゃああいつどうすりゃ良いんだ、紫にでもどうにかしてもらうか』

 

するとあきつ丸の隣に裂け目が出来、中から紫が出て来た

 

紫 「呼んだかしら?、後何をしてるの?」

弥 『流石に話が早いですね、車の様子を見てました』

 

そう言いながら俺はMARCHから這い出て、ウマを外しジャッキを下げた

ミアはやりたい事が分かってるのかボンネットのロックを外してくれた、気の利く車だな

 

弥 『迷い込んだ人間が居るんです、どうやって外に返せば良いのかなって』

 

ボンネットを開けるとエンジンがかかった、特にこっちには問題無さそうだ

 

紫 「あぁ、前飛行機で入って来ちゃった人達ね、すぐにでも返すつもりよ」

弥 『ついでに外の世界からMARCH用のタイロッド買って来て下さい』

 

別に勝手に治るし、俺も能力で作れるんだけど、にしても何故曲がった?

 

紫 「自分でいけば良いじゃない」

弥 『幻想郷から出れないでしょ』

紫 「仕方ないわね、自由に行き来出来る扉作ってあげるわよ」

弥 『そんな事して大丈夫なんですか?』

紫 「以外と抜け道があるものよ、世界って」

 

そう言って紫はスキマに消えて行った、抜け道ってどんなのなんでしょうね

 

……

 

しばらくの間暇していると、咲夜が客人を連れて来た、人の形をした可愛らしいなにかだ

妖精と言うらしいが、幻想郷の妖精とは種類が違うのか?

 

? 「ここに空って名前の人来てませんか?」

 

咲夜に目配せすると、言って良い頷かれたので質問に答えた

 

弥 『いますよ、今は地下の牢屋です』

? 「あの人、何かしたんですか?」

咲 「この館に不法侵入、これだけで充分ですよね」

? 「おっしゃる通りです、うちの提督がすみません」

咲 「次は無いと思って下さい、2度も許す程甘くはありませんよ」

 

咲夜はにっこりと微笑みながらそう言った、セリフと表情が合ってない

 

? 「分かりました、きつ〜く言っておきます」

 

咲夜について行き、牢獄の提督の元に案内する、未だに奴の足の向きは変わっていない

銃は取り上げられたのか無くなっていた、薄ら笑いは変わっていない

 

? 「提督!、迷惑掛けてないで帰りますよ」

空 「え、俺への心配は?、足の骨折れてるんだけど」

? 「知らないですよ、勝手に出撃して怪我しても」

空 「マジか…、酷くねぇ?」

弥 『茶番は他所でやって下さい』

? 「あ、すいません、それはそうと、どうやって帰れば良いんですか?」

弥 『紫っていう人が貴方達に接触する筈です、その人について行って下さい』

? 「分かりました、うちの提督が迷惑掛けてすいません」

? 「ほんの気持ちですが、うちの鎮守府の電話番号です」

 

妖精と言われた人から紙が渡された、ウチ電話あったっけな

 

? 「それでは、ご迷惑をおかけしました」

 

そうして提督は連れて行かれた、凄い雑に扱われてんな

 

……

 

咲夜から銃が渡された、例の提督が持っていたものだ、咲夜さん返し忘れたのかよ

あきつ丸に聞くとこれは九四式拳銃と言うもので、第二次世界大戦時連合軍側に

スーサイド・ナンブと言われたらしい、俗に言う自殺拳銃ってやつか

 

あ 「それで、どこで手に入れたんでありますか?」

弥 『あぁ、例の提督が忘れてったらしい、今度返しに行くかな』

あ 「そこまでしてやる必要は無いと思うでありますよ」

弥 『ついでにって話さ、外に行くゲートも作ってくれるらしいし』

あ 「そういう事でありますが、その時はお供するでありますよ」

弥 『よろしく頼むよ、日本は変わってそうだしね』

あ 「住みづらくなりましたよ、深海棲艦のせいで」

弥 『それは大変そうだ、まぁお買い物するぶんには攻撃されんだろう』

あ 「陸地に居る分には安全でありますよ、余程の事が無い限り」

弥 『その時点で不安だわ、また何かに巻き込まれるかもな…』

あ 「なんかあったんでありますか?」

弥 『然るべき時に話すよ、思い出したくも無いんだ』

 

ラクーン事件、とでも言うのかな、俺にはトラウまだ

 

あ 「分かったであります、にしても、全く手入れされてないでありますな、この九四式」

弥 『分解の跡はあるんだけどなぁ』

あ 「やはり海軍、低俗であります」

弥 『まぁ、そう言ってやるな、恐らく使わないんだろう』

あ 「整備してやらないと九四式が不憫であります」

 

そうしてあきつ丸は手際よく九四式を分解していく、最早プロの域だな

まだ新しい様で埃などは溜まっていなかった、これなら油吹くだけで良さそうだ

 

あ 「数回しか撃って無いであります、状態は良いでありますな」

弥 『へぇ、よく分かるな』

あ 「陸軍たる者、この程度分からなければ話にならないであります」

 

しばらくは九四式をいじっていた、あきつ丸ならなんでも出来そうだ




相方の方も読んであげて下さいね 《艦これ刀憶録》


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敵が味方か?

遅れてすいません、誤字脱字の報告よろしくです


ワ級が回復したらしい、良い事だ、もう館内を歩き回っているらしい

あきつ丸は椅子に深く座り足を組んでいる、目付きも鋭く陸軍人って感じがする、けど見えますよ

そう言う俺も足を組み頬杖をついている、二人で何してるんですかね

 

あ 「3つ話があります」

弥 『どうぞお話になって?』

あ 「まず1つ、ワ級が襲って来たらどうするおつもりで?」

弥 『専用の弾丸を作ってみたので、それを撃ち込んでみるよ』

あ 「それで駄目だったら?」

弥 『紫にスキマで処理してもらう、外界に送ってしまう寸法さ』

あ 「結局人任せなんでありますな」

あ 「2つ目、幽香殿の元にはいつ行くんでありますか?、そろそろ怒られるでありますよ」

弥 『暇が出来たら行こうと思っている、いつになるかね』

あ 「3つ目、暇であります、遊びに行くでありますよ」

弥 『同意、せっかくだから妖怪の山とやらに行こう、その後に幽香さんの家に』

あ 「そうするでありますな、さて、準備するであります」

 

よし、ぼちぼち俺も準備するとしますかね、今日はいつも通りジャケットで良いか

咲夜に出掛ける旨を伝え、車で出発した、妖怪の山ってどう行けば良いんだ?

 

……

 

取り敢えず山に着いたが、麓に水辺が有り、なかなかにのどかである

その近くには緑の帽子にリュックを背負った少女が居る、キュウリを冷やしてますね

こちらに気づいた様で近付いて来た、取り敢えず逃げますかね

シフトをRに入れ、アクセルを踏み込む、するとバックギア特有の情けない音を出しながら走り出した

するといきなり彼女は焦ったように大声で話し始めた

 

? 「待ってくれそこの人間!、危害を加えるつもりじゃないんだ!」

 

あら、中に俺らがいるのがバレてる、珍しいタイプだな

隣のあきつ丸は、相手を睨みながら口を開いた

 

あ 「…なんか言ってるでありますよ?」

弥 『どうするよ、止まってみる?』

あ 「物は試しでありますな、止まってみましょう」

 

ブレーキをかけ停車すると、彼女はボンネットに思い切りぶつかった

 

? 「イテテ…、盟友、出来ればこれから出て来てくれないか?」

 

MARCHのボンネットを叩きながら彼女はそういった

 

あ 「なんか腹立つでありますな」

弥 『そう?、まぁ出てやりますか』

 

ドアを開け車から降りると、彼女は少し身構えていた、なんでよ

 

弥 『…ミア、少し下がってて』

 

小声でそう言うと、バックでそのまま走って行った

 

? 「…あれ、勝手に走るのか」

弥 『悪魔が取り憑いているんです、科学的な物じゃ無いですよ』

? 「なるほど、そう言う手もあったか、私は河城にとり、盟友は?」

弥 『弥生って名前です、こちらはあきつ丸』

 

あきつ丸はなぜかにとりに敵意剥き出しだった、何が気に入らないのかね

 

に 「ここは妖怪の山、トップには天狗が立っている、奴らは排他的だ…、入らない方が身の為だぞ」

弥 『仕方ないですね…、忠告ありがとうございます、今日の所は帰りますよ』

 

踵を返し車の方に向かおうとした時、にとりに呼び止められた

 

に 「出来ればまた来てくれ、話が合いそうだ」

弥 『そうですね、また会いましょう』

 

そのまま車に乗り山を出た、案外上手く行かないものだな

 

……

 

近くまで来たから人里の貸本屋で銃火器の本を借り、早々に人里から出て幽香の家に向かう

幽香の家に着くと家の外で幽香が待っていた、満面の笑みで、怒ってらっしゃる…

 

幽 「しばらくぶりね、どう言うつもりなのかしら?」

弥 『すいません、異変とか忙しくて』

あ 「右に同じであります、ごめんなさい」

幽 「次は無いと思いなさい、痛い目に遭いたくなければ」

 

そう言って幽香は家に入って行った、俺らもついて行きましょう

中に入ると至る所に植木鉢が置いてあり、本当に花が好きなのだと分かる

しばらくすると紅茶が出された、紅魔館の紅茶と違い少し濃く出されているらしい、ちょっと渋い

お茶菓子はチョコチップクッキーだった、こっちの世界にもあるんだ

 

弥 『こっちにもあるんですね、チョコチップクッキー』

幽 「あぁ、私が作ったのよ、美味しいかしら?」

弥 『えぇ、外で食べた物より』

幽 「それは良かった、作った甲斐があるわ」

 

そんな調子でその日はお茶会をしていた、たまに行くのも悪くないな

 

……

 

紅魔館に帰って少ししてから、俺と入れ替わる様にあきつ丸は風呂に入りに行った、暇だ

借りて来た本に載っていたストライカー12なる散弾銃を精製してみた、後で撃ってみよう

そのあと暇な俺はクーガーFやらデザートイーグルなどを精製していた、本当便利だなこの能力

そんな調子で暇を潰していると、扉がノックされた、扉を開けるとそこには色の白い少女がいた

蝋のように白い肌に光を放つ目をした少女だ、ワ級か?

 

? 「オマエガ弥生カ?、私ハワ級、マァ知ッテルダロウガ」

弥 『ほう、如何にも俺が弥生だ、何の用だ?』

ワ 「ナンテコトハ無イ、礼ヲ言イニ来ダケダ、感謝スル」

 

そう言ってワ級は深々と頭を下げた、下手な人間より礼儀正しいな、やっぱ軍人か

 

弥 『何、当然のことをしたまでさ、早く立ち去った方がいい、あきつ丸が来る前にな』

ワ 「分カッタ、恩ニキル」

 

そうしてワ級は足早に帰っていった、すると入れ替わる様にあきつ丸が風呂から上がってきた

頭から湯気が出てる以外はいつものあきつ丸だった、ずっとその服なんだ

 

弥 『風呂上がりでもその服なんだな…、あきつ丸』

あ 「肌着以外持って来て無かったんであります…」

弥 『他の奴らに借りてくれば良いじゃんか、咲夜さんとかさ』

あ 「……‼︎、その手がありましたか、行って来るであります!」

 

そうしてあきつ丸は走って行った、あの子馬鹿なのかしら

 

弥 『先寝てよ…』

 

俺の独り言は空虚へと消え去った、今日は精神の部屋に入れるかな

 

……

 

精神の部屋は広いらしい、今日は端っこに出てしまった、遠くからコレットが走って来るのが見えるな

目の前に来た頃には完全に息が上がっていた

 

弥 『はい吸って〜、吸って〜、もう一回吸って〜、頑張って吸って〜』

コ 「殺す気かぁ⁉︎、なんでずっと吸ってるのよ!」

弥 『チッ』

コ 「ねぇ何?、今の舌打ち何?、殴るわよ?」

弥 『はいはい悪うございました』

 

適当な返答をしていたら、思い切り殴られた、最近酷くないか?

 

コ 「まず、私がどれだけ寂しい思いしていたか分かる?」

弥 『まぁ、それについては悪いとは思ってる、ごめんな』

コ 「その上、私は凄く気を使ってるのよ?、例えば貴方が起きてる時に話し掛けなかったり」

 

コレットは少し泣きそうになっていた、そこまでとは思わなかったな

 

弥 『悪かったって、泣かないでくれ、な?』

コ 「泣いてないわよ!」

 

その頃にはもう涙は頬を伝っていた、あれ?、俺らお別れじゃないよ?

しばらくして落ち着いたのかいつものニヤニヤした表情に戻っていた、なんなんだか

 

弥 『そうそう、俺が起きてる時にも話しかけて良いからな、元々独り言を良く言うからな』

コ 「本当⁉︎、なら遠慮なく」

 

そのままずっと話をしていた、意外な一面が見えましたね




こんな感じで良いんですかねぇ?


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異変の始まりと酒呑み妖怪

誤字脱字報告よろしくです、後今回グダった


人里周辺で赤い化け物が現れたらしい、瞳は光を放ち、血に染まった様な赤だそうだ

 

霊 「あんたは何か知らないの?」

弥 『生憎、まぁ面白そうだから付いて行くよ」

 

ウチのMARCHに似た吠え方をするらしい、つまりは車って事だ

 

霊 「そう、じゃあ準備してきなさい」

弥 『了解、すぐ戻って来る』

 

……

 

部屋に戻り準備をしていると、あきつ丸に話し掛けられた

 

あ 「どこかに行くんでありますか?」

弥 『あぁ、人里に行って来るよ』

あ 「自分も行きたいであります!」

弥 『うーん…、今日は無理かなぁ…』

 

するとあきつ丸はあからさまに残念そうな表情をした

 

あ 「何故でありますか?」

弥 『今日は妖怪退治なんだ、死なれちゃ困る』

あ 「自分じゃ…、力不足なんでありますか?」

 

少し眼を潤ませて寂しそうに聞いてきた、そりゃずるいんじゃないかな

 

弥 『……、分かった、俺の負けだ、連れて行こう、だけど無理はしない様に』

あ 「本当でありますか!、了解であります」

弥 『後これ渡しとく、弾こっちに変えときな』

あ 「分かりましたが、なんか特別な物なんでありますか?」

弥 『俺が前使ってた対妖怪弾だよ、普通の弾じゃ奴ら倒せないし』

 

そんな話をしている間に準備が終わった、あきつ丸は既に終らせていたらしい、付いて来る気満々じゃん…

 

弥 『それじゃ出動しますかね』

あ 「了解であります!」

 

しばらくして俺達は出発した、外に出ると霊夢は不機嫌になっていた

 

……

 

人里の周りを車で回っているが、赤い妖怪は中々見つからない

 

霊 「やっぱりデマだったのかしらね」

弥 『そうかもねぇ、で、何で車に貴女が乗ってるんです?』

霊 「楽する事に越した事はないでしょ?」

弥 『はぁ…、そうだね』

 

助手席の霊夢は窓枠に肘をついてそう言った、飛べよ

 

……

 

しばらく人里付近を周っていたが対象は現れなかった

日が暮れて来た頃霊夢が口を開いた、凄い眠そうですね、私もです

 

霊 「今日の所は撤収しましょう、夜で妖怪も凶暴になって来た頃だし」

霊 「それに、この頃宴会が多いのよ、ついでと言ってはなんだけど付いて来てくれない?」

弥 『ほうほう、良いね、俺も丁度酒が呑みたい頃だったんだ』

霊 「決まりね、あきつ丸は?」

あ 「弥生殿居る処に自分あり、であります」

弥 『つまりは来るって事だ』

霊 「それじゃ神社に向かいましょう、着くまでは警戒を怠らないように」

 

そう言った霊夢は早々に寝てしまった、言い出しっぺなのに…

 

……

 

神社に着くとツンとしたアルコールの匂いがした、もう酔いそうだ

人がいつもより多く中にはもう酔い潰れている者も居た、いつもより酷くないか?

 

霊 「もう何日もこの様子よ、途中で後片付け諦めたわ」

弥 『お察しします』

霊 「それじゃあ行きましょうか」

 

霊夢は溜息をつきながら車から出て行った、俺達も行くかな

シートを倒しあきつ丸を出す、それにしても3ドアって不便だなぁ

 

あ 「にしても人が多いでありますなぁ」

弥 『そうだな、ここまで多いと気持ち悪い』

あ 「まぁ、否定はしないであります」

 

酔っ払いの中にはレミリアやフランもいた、出来上がってますね

面倒臭い奴らに見つからない様に神社の縁側に座った、これで落ち着いて呑めるな

 

あ 「さぁ、今日は呑むでありますぞぉ!」

あ 「弥生殿もであります、拒否権は無いでありますよ?」

弥 『言われなくても、もちろん付き合うよ』

あ 「良かったです、ささ、お猪口を出して下さい?」

 

猪口を出すとあきつ丸は酒を注いでくれた、気が効くね

 

弥 『徳利を貸して、俺も注ぐとしよう』

 

あきつ丸に注いでやるとそれを一気に飲み干した、これは本当に呑む気ですね

 

あ 「弥生殿、全然呑んでないでありますな、酔えないでありますぞ?」

弥 『俺はゆっくり呑みたいのよ、元々あんまり酔わないし』

あ 「自分もでありますよ、勝負するでありますか?」

弥 『面白い、負けないからな』

 

そこからあきつ丸と俺の呑み比べが始まった、つくづく何をしてるんだ俺は

 

……

 

あ 「まらぁ呑めるてありますよぉ〜」

弥 『待て待てもうやめとけって』

 

もうそこら中に俺達が呑んだ一升瓶が散乱していた、あきつ丸は酔いが回っているがまだ呑む気のようだ

にしても人間の頃より呑めるようになっている、死んだからか蓬莱人だからかは分からない

 

あ 「まだまだぁ…、クゥ……」

弥 『ちょっとあきつ丸?、寝ちまったか…』

 

隣に一升瓶片手に寝てしまったあきつ丸がいる状態だ、なんじゃこりゃ

 

弥 『まぁ好きに呑むとするか…、で貴女誰?』

? 「ありゃりゃ、ばれちゃった?」

? 「私は伊吹萃香、見ての通り鬼さね」

 

萃香の言う通り大きな角が頭に生えている、古い木みたいな感じだな

 

弥 『純粋な鬼も居るんですねぇ、私は弥生、しがない蓬莱人です』

萃 「へぇ、んでその腰に着けてるのはなんだい?」

弥 『飛び道具の一種ですよ、多分貴女には効かないかと』

萃 「そりゃなんでだい?」

弥 『今装填しているのが妖怪弾なんですよ、桁違いに強い鬼には効かないかなって』

萃 「やってみなきゃ分からないよ?」

弥 『何より今私はお酒を楽しんでいるんで、人様に攻撃する気は無いです』

萃 「変な奴だねぇ、まぁ私も攻撃しに来たわけじゃ無いから良いんだけどさ」

そうして萃香はあきつ丸とは反対側に座った、鬼と話すことになろうとはな

弥 『ここに人を集めているのは貴女ですか?』

萃 「そう、面白い巫女がいるって話を聞いてね、だけど思いの外鈍感みたいだけど」

弥 『まぁ確かに私でも分かるぐらいですからね』

萃 「そうだよねぇ、他にも金髪の魔女二人と銀髪のメイドと剣士が気付いたぐらいだし」

萃 「と言うかあの巫女以外気付いてるよ、あれで巫女が勤まるのかねぇ」

弥 『まぁ、確かに不安ですよね』

萃 「まったくだ、にしてもあんた面白いね、気に入ったよ」

弥 『お気に召した様で何よりです』

萃 「まぁ私はこの辺で失礼するよ、また明日会おうね」

 

そう言って萃香は霧になって消えた、俺一言も明日来るって言ってないけど…

その後あきつ丸が寝ている隣で俺も転がる事にした、これで寝ちまったら体痛くなるな




次回赤いフューリーが出ます


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デトロイトの悪魔

誤字脱字報告よろしくです!


あ 「うぅ…頭痛いであります」

弥 『だからやめとけって言ったのに…』

 

紅魔館の自室にてあきつ丸か起きた、昨日の影響で二日酔いになった様だ

 

弥 『ほい、水飲んどきな』

あ 「申し訳無いであります」

 

あきつ丸は体を半分起こしながら水を飲んだ、幻想郷には薬局無いからなぁ

 

弥 『俺は夜また宴会に行くけど…、あきつ丸留守番してる?』

あ 「…いえ、行くでありますよ」

弥 『お、おう、分かった、時間になったら起こすわ』

あ 「お願いであります…」

 

そう言ってあきつ丸は眠りに落ちた、さてと、出掛けるかな

昨日の妖怪の噂が気になる、なんか引っかかるんだよなぁ

 

……

 

武装を固めて車の元に行くと、何故やら萃香が居た、不法侵入ですよ貴女

 

萃 「どこかに行くのかい?」

弥 『えぇ、人里で噂の妖怪を探しに』

萃 「へぇ、私も付いて行こうかねぇ」

萃 「ちょっと、露骨に嫌な顔しないでよ」

弥 『まぁ良いですよ、車に乗って下さい』

 

そう言ってMARCHの方に指を指すと、萃香は車の近くまで行って唸っていた

そして何を思ったかルーフの上に乗った、もうこのまま行こうかな

俺が運転席に乗り込むと慌てた様にルーフから飛び降り、恥ずかしそうに助手席に着いた

 

弥 『………、フッ』

萃 「笑わないでよ、誰にだって間違いはあるじゃん」

 

そうして萃香は瓢箪の酒を呑んでいた、さすが鬼ですね

セルを回すとエンジンが目覚め辺りに咆哮が響いた、外ではこんなうるさくなかったんだけどな

 

萃 「中々喧しい物なんだねぇ、車ってのはこんな物なの?」

弥 『これでも静かな方ですよ、それはそうと異変は?』

萃 「そっちもやってるから安心して良いよ」

弥 『異変の首謀者が隣に居るだけで安心出来無いですよ』

萃 「ハハッ、違いない」

萃 「にしても相方のあの子は?」

弥 『二日酔いで家で寝てます』

萃 「まだまだだねぇ、あの程度でそれじゃ」

弥 『鬼の貴女に勝てる人は中々居ないと思いますよ』

萃 「それもそうだねぇ、酒要るかい?」

弥 『今は遠慮しときます、後で貰いますね』

萃 「そう、欲しければ言って」

 

……

 

しばらく走っていると後ろから別のV8サウンドが近付いて来た、奴だ

赤のボディカラーの丸目四灯で昼間なのにハイビームで煽って来る

O/DをONにしアクセルを床まで踏み込む、すると奴は一瞬離れまた張り付いた

そして在ろう事かバンパーを突いて来た、奴は完全に敵意を剥き出しにしている

少しバランスを崩し車体を揺らす様に立て直し、きつい右コーナーを抜けた

コーナーを脱出する頃には奴は少し離れていた、しかしすぐに取り返されるだろう

奴は外に聴こえる程大きな音で音楽を掛けていた、…Paint It Black、を

あいつ元の持ち主が死んだのか?、だからって八つ当たりされても困るぜ

 

萃 「私がボコろうか?」

弥 『いえ、そろそろ巻くので』

 

ハンドルをきり魔法の森に車体を跳ねさせながら入り込んだ

こちらはコンパクトな日本車、ましてその中でも小さいMARCHだ、エアロを付けたとはいえ…

対してあちらは大柄なアメ車、入り組んだ森の中を通ることは不可能だ

木の間をすり抜ける毎に4つの光は遠ざかり、やがて消えて行った

ふと隣を見ると、喧嘩が出来ず不貞腐れた小さな鬼が瓢箪を煽っていた

 

……

 

紅魔館に戻る途中で萃香を降ろし、紅魔館に戻った

MARCHのリアバンパーを見ると思い切り割れていた、思いの外激しかったんだな

傷付いたバンパーを撫でて居るとあきつ丸が出て来た

 

あ 「酷いであります!、置いて行くなんて…ってそのバンパー如何したんでありますか?」

弥 『例の妖怪に突かれた、あいつ…、次は無いからな」

あ 「例の妖怪でありますか?」

弥 『そうだ、奴は58年型プリマス、確か250馬力オーバーじゃなかったか?』

あ 「ほう、それでバンパーがそんな事になったんでありますか…」

あ 「で、なんで置いて行ったんでありますか?」

 

あきつ丸はお怒りの様で、死んだ魚の目をしてらっしゃる、なんてこった

 

弥 『ま、まぁそう怒りなさんな、お前が寝てからすぐ萃香が来たんだ、起こしたら悪いなと思ったんだよ』

あ 「そうでありますか、なら今度はちゃんと起こすでありますよ?」

 

何故かあきつ丸は凄みながらそう言った、凄まれても困るんですけど…

 

弥 『ハイハイ、分かりましたよ』

あ 「よし、なら良いであります」

 

あきつ丸との話が終わった頃、空間が裂けゆかりが出て来た、毎回それビックリするんだよなぁ

 

紫 「外界への扉が出来たから、案内するわ」

 

そう紫が言ってすぐ、俺達はスキマに落とされた、隣であきつ丸が叫んでいた

 

……

 

足にちょっとした衝撃が伝わった、付いた様だ

 

あ 「し、死ぬかと思ったでありますよぅ」

 

そう言うあきつ丸はその場でしゃがんでいた、そりゃ誰でもそうなるよな

 

紫 「さて、ここよ」

 

そう言って紫が指を指したのは、ガレージ付きの廃屋だった、これのどこ?

 

紫 「この車庫の扉を開けると…、外界に行けるわ」

 

車庫の奥は向こうの景色が揺らめく様に見え、峠の様だった

 

弥 『向こう側に行くともう戻れないとかは…?』

紫 「安心して良いわ、その様な事は無いから」

紫 「じゃ、私はこれで」

弥 『ありがとうございました』

 

スキ弥に戻る紫に手を振りながら礼を言うと、彼女微笑みながら帰って行った

直ぐにでも行ってみたいが、今日は予定がある、明日にお預けだな

しばらく待っているとミアが迎えに来てくれた、本当気が効く子だな

 

あ 「やっぱり人が乗ってないと怖いものでありますな」

 

俺は頷きながら車に乗り込み神社に向かった、その頃にはリアバンパーは直っていた

 

 




雨が凄いですね


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異変の終結

誤字脱字報告よろしくです〜♪


神社に着くと霊夢と萃香が絶賛戦闘中だった、だと思ったよ

あきつ丸はすぐに酒を取りに行った、今日も呑むんだねあの子

適当な場所に座り待っていると近くで大きな破裂音がし、隣に砂煙が舞った

俺が頭に疑問符を浮かべていると、砂煙の中からカメラを持った少女が出て来た

 

? 「いやいや〜、スクープの香りがしますねぇ、鬼と博麗の巫女が戦ってるなんて」

 

あ、新聞記者だ、離れるとしましょう、話しかけられたく無いし

ソーッと離れて行く途中、あろうことか小枝を踏み抜いた

すると彼女はこちらに振り向き、ニッコリと笑った、営業スマイルですかね?

 

? 「貴方はまさか、弥生さんですか⁉︎」

弥 『え、あ、はい、その通りですが…』

? 「私、清く正しい射命丸文です!、新聞の取材させて頂けないでしょうか?」

 

彼女は懐から名刺を出し、こちらに渡して来た、こっちの世界にも名刺あるんだな

 

弥 『良いですけど…、今はあちらを撮るべきでは?』

 

そう言って俺は霊夢達の方を指差した、あっちがメインイベントだしね

 

文 「そうですね!、また今度〜」

 

そうして文は飛び去って行った、まさに嵐のようだな

 

……

 

彼女が去ってすぐあきつ丸が戻って来た、台車に酒を一杯に乗せて、どっから持って来たその台車

 

あ 「お酒持って来たでありますよー、誰かと会いました?」

 

疑うかの様にあきつ丸はそう聞いて来た

 

弥 『あぁ、新聞記者が来たよ、名刺もらった』

 

先ほど貰った名刺を渡すと、あきつ丸は親の仇の様に睨んでいた、怖いっスよ

 

あ 「取材、でありますか?」

弥 『多分そういう事、正直怠い』

あ 「良い事でありますなぁ、ついに新聞デビューでありますか」

弥 『それは皮肉か?、まぁ良い、呑み始めようか』

あ 「そうでありますな、今日は無理しないようにしなきゃ…」

 

……

 

萃香達の戦いが終わり、いよいよ宴会が盛り上がって来た、そろそろ撤収かなぁ

しばらくの間あきつ丸と呑んでると、遠くから萃香が歩いて来た、ほぼ無傷じゃんか

 

萃 「ねぇねぇ、あきつ丸借りて良いかい?」

弥 『えぇ、特に問題無いですよ』

 

俺がそう言うとあきつ丸は腕を引かれて行った、生きて帰って来いよー

 

あ 「はぁ…、言って来るでありますよ」

弥 『行ってらっしゃい、待ってるよ』

 

あきつ丸の目は覚えていろとでも言いたげだった、後が怖いですねぇ

そうして俺は一人になった、まぁゆっくり呑んでますかね

 

……

 

一人でボーッと呑んでいると、コレットが話し掛けて来た、珍しいな

 

コ 「あらあら、女の子達が居なくなっちゃったわね?」

弥 『仕方ないだろ、せっかくだし話そうか』

コ 「そうねぇ、あ、そうそう、この前侵入者が来た時にもらった名刺あったでしょ?」

弥 『あぁ、これの事か?』

 

懐を漁り連絡先の書いてあるメモを取り出す、良く見るとこれ二つ折りなんだ

紙を開き中を読むと、あきつ丸についてだった

(行方不明の揚陸艦あきつ丸について知っていましたら、是非ご一報下さい)

 

コ 「これはどういう事なのかしら?」

 

コレットはいつもより低いトーンでそう言った、これはつまり…?

 

弥 『……酔いが醒めたぜ、これで辻褄が合うじゃないか』

コ 「どういう事?」

弥 『あいつらはあきつ丸を探しに来た捜索部隊だ、それがあきつ丸と同じルートでここに来たんだろう』

弥 『何より日本海軍と書いてある、そう考えるのが妥当だ』

コ 「そうだけど…、確か仲悪かったよね?、日本陸軍と海軍」

弥 『それどころじゃ無いだろ、一人船が居なくなったんだから』

弥 『もちろんあきつ丸と離れる気は無いがな』

コ 「じゃあ、どうするの?」

弥 『とりあえず行くしか無いだろ、折角ゲートが出来たんだから』

コ 「そうするにしてもご一報って、ここに電話あったかしら

弥 『最悪紫さんにまた頼むよ、今度埋め合わせしなきゃな…』

コ 「あ、誰か来たわ、それじゃ」

 

そうしてコレットの声は聞こえなくなった、その頃足音が近づいて来ていた

 

魔 「よう、久し振り!」

弥 『あぁ、魔理沙か、久し振りだな』

魔 「今日はあきつ丸居ないのか?、姿が見えないぜ」

弥 『あいつは萃香に連れて行かれました、可哀想に』

魔 「あぁ…、こりゃ帰って来る頃には出来上がってるな」

弥 『うわぁ…、それはそうとあきつ丸に用だったのか?』

魔 「いいや全く、取り敢えず確認しただけだ、折角だし一緒に呑もうぜ」

弥 『そう来ると思った、つまみ有るか?』

魔 「あぁ、貰うぜ、何があるんだ?」

弥 『スルメとかビーフジャーキーとか?』

魔 「ほぅ、じゃあスルメをくれ」

弥 『ほいよ、にしてもどういう風の吹き回しだ?、いつも霊夢達と呑んでるだろ』

魔 「なに、単なる気紛れさ、たまには良いだろ?」

 

そう言って魔理沙は焼酎を煽っていた、飲み過ぎんなよ

 

魔理沙が来て直ぐに霊夢がやってきた、すっかり酔い潰れたあきつ丸を連れて

 

弥 『まぁ、そうだな……お?、霊夢とあきつ丸が来たぞ』

 

隣を見ると魔理沙は少し機嫌が悪そうになっていた、どした?

 

魔 「…ッチ、折角良いとこだったのに」

霊 「何良く分かんない事言ってるのよ、どうでも良いから早く手伝って」

魔 「はいはい分かりましたよ、空気が読めねぇな全く」

 

そう言って魔理沙はあきつ丸を長椅子の上に寝かせた、まぁ安らかな寝顔

 

霊 「萃香が調子乗って呑ませたせいでこうなったわ、どうするの弥生?』

弥 『後で車に乗せておこう、後は放置で良いんじゃないか?』

魔 「起きてない事を良い事に酷い事言ってんな」

弥 『そうか?、まぁそんな事で怒る奴でも無いだろ』

弥 『まぁ取り敢えず、続きを始めようぜ』

 

俺がそう言うと、魔理沙が盃を掲げた

 

魔 「それじゃあ…、乾杯!」

 

それを皮切りに四人(1名撃沈)の宴会も始まった、その後人数が増え大騒ぎになったのは別の話

 




次回、何かが起きるはず


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外界の異変
寒い寒い島にて


誤字脱字の報告よろしくお願いします!


宴会が終わり2日程経った頃、満を持して外界に出る事にした

レミリアに説明したり、先方に電話したり、準備には時間が掛かった

そして今はゲートの前に居て、何故やら同伴人にフランが居る、幻想郷から出て大丈夫なのかね?

 

弥 『…紫さん、フラン出て大丈夫なんですか?』

紫 「1ヶ月ぐらいなら全然余裕よ、それ以上はちょっとマズいけど」

弥 『そうですか、にしてもフラン、レミリアに言ってきたか?』

フ 「もちろん!、凄く嫌そうに了承してくれたわ!」

弥 『そうか…、お土産買って来なきゃな』

 

俺がそう言った頃、遠くからレミリアが飛んで来た、手間が省けたな

 

レ 「フラン、弥生、あきつ丸、気をつけて行ってくるのよ」

 

少し息を乱しながらレミリアはそう言った、そんな急いで来たの?

 

弥 『分かりました』

 

俺はそう言うと車に乗り込みセルを回す、するとエンジンは目覚め咆哮を上げた

 

弥 『それじゃあ、行ってきます!』

 

そう言うと俺は窓を閉めギアをDレンジに入れ、アクセルを踏んだ

窓越しに廃屋を見るとガレージのシャッターが開き、外界への扉が開いた

そこを突き抜ける様に俺達はゲートを走り抜けた

バックミラー越しに後ろを見ると、レミリア達が手を振っていた

 

……

 

上手く通り抜けた様で皆怪我一つ無く外界に着いた…が、車体が凍りつきエンジンが止まってしまった

 

あ 「どうするんでありますか?」

弥 『溶けるまで待つ!』

 

ドアを開け外に出ると潮の匂いがした、近くに海があるのか?

シートを倒しフランを出してやると、興味深そうに周りを見回していた

 

フ 「ココが外界なの?、全く実感が無いなぁ」

フ 「その上変な匂いするし」

弥 『これは潮の香りだね、俺もそんな好きな匂いじゃない』

あ 「そうでありますか?、自分は好きでありますが」

 

あきつ丸は好きらしい、人の好みは良く分からんな、そう思いフランと冷たい目であきつ丸を見ていた

 

あ 「なんでありますかその目は」

弥 『いや、人の好みは分かんないなぁって』

フ 「そうそう、分かんないなぁって」

あ 「ムゥ、腑に落ちないであります…」

 

そう言ってあきつ丸はボンネットにもたれかかった、そこ凍ってるぞ

 

あ 「ヒャッ!、冷たいであります!」

弥 『あの子馬鹿なのかね』

フ 「ね」

あ 「聞こえてるでありますぞ」

 

そう言ってあきつ丸はこちらに近づいて来た、黒いオーラを纏いながら

少し逃げようかと考えた矢先、上空から爆音が聞こえて来た、何かね?

空を見上げるとそこには 現役を引退したはずの 零戦が飛んでいた、それも編隊を組んで

 

弥 『あきつ丸、アレどこのだ?』

あ 「あれは海軍機でありますな、撃ち落としたい所であります」

弥 『今はやめてくれよ?、こっちに有るの手持ち武器ばっかりだからな』

あ 「冗談であります、そこまで馬鹿じゃないんでありますよ」

弥 『フフッ、あ、MARCHが溶けたな、鎮守府とやらに向かおうか』

 

そう言って俺は助手席側のドアを開けた、先にフランが後ろに乗り、助手席にあきつ丸が収まった

俺も運転席に座りセルを回す、二、三回回すとやっとエンジンが掛かった

 

弥 『さて、確か鎮守府は山の麓だったよな?』

ア 「確かそうであります」

弥 『じゃあ向かおう』

 

そう言い俺は油圧サスで車高を下げ、峠を下る事にした

 

……

 

外界に着いて数分、俺は道の悪さに四苦八苦していた

道幅が狭くその上、左右数センチは枯葉で使えなかった

左の後の右は車体が振られ、アンダーが出そうな所をタックインで捩じ伏せる

それが数回続き長いストレートに入った頃、あきつ丸が話し掛けてきた

 

あ 「いつもより真剣でありますな、笑みが消えてる」

弥 『初めての道だし、人乗せてるからバランスが崩れて』

あ 「大変でありますな」

 

あきつ丸が話し終わってすぐ、キツいヘアピンが待っていた

ブレーキングしギアを2に入れ、ハンドルを切りながらサイドを引く

車体は鮮やかに横を向きヘアピンを抜けて行った、この道走り辛い

また長いストレートに入った、ほんと読み辛いなこの道

 

あ 「にしても、この道酷いでありますな、ガタガタで車体が跳ねまくってる」

弥 『あぁ、しばらく誰も走ってないんだろう…うぉぉ』

 

大きな起伏で車体が跳ね上がり、宙に浮き上がった

コン弥何秒で路面に着地し、車内に大きな衝撃が走った

着地し直ぐにまたヘアピンがあり、体制を立て直す暇もなく思い切りアンダーが出た

ダセェ、と内心思いつつ隣を見ると、顔面蒼白なあきつ丸が居た

 

弥 『ど、どした?』

あ 「超驚いたであります…」

弥 『だろうね…、俺も驚いたもん』

 

そう言って周りを見ると大きな建物があり、門には(単冠湾鎮守府)と書いてあった、やっと着いたか

見た所車庫も駐車場も無い様なので、何故やらジムニーが停めてある近くに停めておいた

 

あ 「あぁ、やっと着いたんでありますね」

弥 『超疲れた、主に最後ので』

フ 「楽しかった!、前言ってたジェットコースターってあんな感じ?」

弥 『そうそう、あんな感じ』

 

そう言いつつ大きな扉を叩くと、ギギギと音を立てて開いた

中には髪の長い眼鏡の女性が居て、深々と頭を下げていた、しかしその雰囲気は寒気を感じる物がある

 

? 「貴方達が提督が言っていた客人ですか?、私は大淀です」

弥 『多分…、私は弥生、こっちがフラン、あきつ丸です』

大 「やっぱり、それでは応接間にご案内します、付いてきてください」

弥 『分かりました』

 

そうして俺達は応接間に通された、紅魔館程では無いが広いなここ

 

大 「ここでお待ち下さい、それでは」

 

そう言い大淀さんは何処かに行ってしまった、ハンガーとか無いかな

結局弥ントを掛けるところは無く、椅子の背もたれに掛ける事にした、皺になりそう

 

あ 「ハンガーも無いんでありますな、流石海軍」

弥 『こりゃ皺になるな、あとフランは座ってなさい』

フ 「はーい」

 

応接間は広く寒い、暖炉にもしばらく火が入ってない様で薪もない、寒〜い

仕方がないのでしばらく待つ事にした、こりゃ提督が来る頃には凍死してるんじゃないか?




峠の場面スピード感出たかな


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その娘、狂暴につき

シリアスにしたかった結果がこちらになります
誤字脱字の指摘よろしくです


単冠湾鎮守府に来て三時間は経った、半ば軟禁の様なものだ

暖炉には薪がなく、だからと言って魔法なんぞ使えば大問題になりかねない

 

あ 「流石海軍、鬼畜でありますなぁ!」

弥 『あぁ、パトラッシュ、俺はもう疲れたよ』

フ 「ちょっとー!、弥生ぃ、死んじゃダメよー!」

 

そんな漫才の様な事をしていないとやっていられない程寒い、馬鹿なんじゃないかね

そんな気力も無くなり、ボーッとしていると、扉が叩かれた、やっとか

 

空 「遅れてすいませんね、こちらです」

 

こちらのことなど露知らず、アホみたいな笑顔で提督、もとい空がきた

渋々空に着いて行くと、何やら執務室と呼ばれる部屋に連れて行かれた、俺必要無くね?

三つの椅子が用意されており、向かいには大きな机と高価そうな椅子が置いてある

その高価そうな椅子に空は偉そうに座っていた、腹立つ

 

空 「それで、どこであきつ丸を見つけたんですか?」

弥 『紅魔館の敷地内ですよ』

空 「あの館の?」

弥 『えぇ、それも雨の日に、庭で』

空 「えぇ…」

 

……

 

弥 『それじゃ、また後で』

空 「また後で〜」

 

俺と空の話も終わり、空が言っていた明石なる少女にカーナビゲーションシステムを作って頂く事にした

俺が欲しいのは最早ナビと言うより車載コンピュータなんだけどな、作って貰えるかな

尚、あきつ丸はまだ話があるらしくフランと共に部屋に残っている

そんな事を考えながら鎮守府を歩き回っていると、様々な女性にすれ違った

一人は悪態をつきながら、又一人はビクビクと怯えながら、又々一人はそそくさと走り去る様に

少なくとも話し掛ける事は出来そう無い、それもそうか、見知らぬ男が歩き回ってるんだもんな

ましてここは軍事基地、このぐらい神経質になっても不思議じゃないか

どうすっかな、と考えていると背後から声を掛けられた

 

? 「ちょっとぉ、そこの貴方〜」

 

少し薄ら寒い物を感じ振り返ると、そこには濃い紫の髪をして、薙刀を持った女性が居た

 

? 「そこで何してるのかしら〜?」

 

そう言いつつ彼女はこちらに歩を進めて来た、こりゃマズイ感じ?

 

弥 『えぇ?、あぁ、まぁ、そのぉ』

? 「まぁ良いわぁ、軍人だろうと民間人だろうとここで始末を付けるから〜」

 

そう言って彼女は下から上に薙ぎ払う様に薙刀を振った、咄嗟に右足から短刀を取り出し上へ受け流す

 

弥 『何なんですかいきなり、危ないじゃ無いですか』

? 「今のを防ぐなんて中々やるわね〜、血が滾ってきたわ〜」

 

オゥ、これはマジでヤバいんじゃないかい?、殺気が強くなって来たし

 

? 「行くわよ、楽しませてね〜」

 

甘ったるい声に似合わない程えげつない攻撃を繰り広げる彼女の口元は、三日月の様に歪んでいた

こちらは短刀に対してあちらは薙刀、リーチが長くあっちが完全に有利だ、距離が取れればな…

 

? 「動きが遅くなってきたわよ〜』

 

そう言った彼女の放った突きは、俺の肩を貫いていた、まして右肩である、もう防げないな

薙刀はすぐに引き抜かれたが、短刀を取り落としてしまった

 

弥 『いぎッッ⁉︎、痛いじゃ無いですか…』

? 「そんな事を言ってられるのかしらね〜」

 

彼女の言う通り、肩の神経が切れたのか、肩から先が動かなくなっていた、チェックメイトか…

 

? 「終わりよ、死になさい」

 

彼女は先に引き抜いた薙刀で俺を首元から斜めに斬り捨てた

 

? 「冥土の土産に教えてあげる、私は龍田って言うのよ

それを聞き終えてすぐ、俺の意識は途絶えた、冥土の土産って…

 

……

 

コ 「久々に死んだ感想はどう?」

 

コレットはニヤニヤしていた、俺が横になって居るのを見下ろす様にこちらを見ている

 

弥 『非常に不愉快です、にしても強かった』

コ 「そうだけど、貴方短刀だったんだから五分五分って所じゃない?」

弥 『それは無いね、あっち超余裕だったじゃん』

コ 「そうかねぇ、で何ですぐ戻らないの?」

弥 『今戻ったらまた殺られるかなって』

コ 「なら大丈夫よ、いま大勢人が来てるから」

弥 『ん?、逆にマズくね?、ここ外界だし』

コ 「‼︎、そうね早く戻って!」

 

コレットはそう言って半ば強引に俺を追い出した、最近扱いが雑になって来たな

 

……

 

あ 「うぅッ…、弥生殿…」

 

生き返って目を開けると、フランとあきつ丸以外は目を見開いていた、あきつ丸は泣いている様だ

周りからは(化け物)やら(怪物)と小さな声で囁いているのが分かった

やっぱり外の人間なんてこんな物か、余程そっちの方が化け物だよ

 

あ 「あぁ…⁉︎、弥生殿‼︎」

 

そう言ってあきつ丸はくっ付いて来た、取り敢えず頭を撫でておく、何かをまだ言ってるが聞き取れない

その状態で周りを見ると、俺を殺した龍田とやらが居た、痛いんですけど

 

龍 「あらあらあら〜」

 

俺を殺した張本人はバツが悪そうに笑っている、誰のせいだと思っているんですかねぇ?

 

弥 『あぁそうですねぇ、私は化け物ですよ、悪かったですね』

 

少し大きな声でそう言うと、大多数がたじろぎ、悲鳴をあげる者もいた

 

弥 『…部屋に戻ろう、フラン、あきつ丸』

あ 「了解…であります……うぐっ」

フ 「はーい!」

 

フランは元気だね

 

……

 

応接間に戻る途中の通路でも、痛い視線は変わらなかった、やっぱ来るんじゃなかったな

部屋に戻り、椅子に座って頬杖をついた、柄にも無くショックを受けてしまったからだ

人間は死んでこそ人間、そう昔聞いたことがある、じゃあ死なない俺は何?

妖怪にもなれず、だからって人間でも無く、その間の出来損ないじゃ無いか、そう考えた

そうやって答えの無い考えを巡らせていると、後ろから足音が近づいて来た、あきつ丸か?

そしてあきつ丸が後ろから覆い被さる様に抱き付いてきた、どした?

 

あ 「どうしたんでありますか、まさかさっきのを気にしてるんですか?」

弥 『ん?、いや、何でも無い』

あ 「そうは思えないであります、弥生殿は弥生殿でありますよ」

弥 『うん、そうだな、ありがとな』

あ 「それ程でも」

 

そう言ってあきつ丸は微笑んだ、まぁ可愛らしい

 

フ 「うーん、砂糖吐きそう」

 

フランは意味不明な事を言っていた、砂糖ガブ飲みしたの?

 




シリアス回は書けないかも知れないね…


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鎮守府での暮らし

当分は外界の話です
誤字脱字報告よろしくです


真夜中である、あきつ丸や他の奴らも寝静まった、峠に行くしかなかろう

MARCHはヒルクライムには向かない、何方かと言えばダウンヒル向きだ、車体が軽いからな

そう言う言い訳を考えながら峠の山頂に着いた、にしても暗いな、電気は通ってない様だ

良く見れば昔はあったと思われる茶屋や、動かない自販機などがあり、哀愁を感じる

車の外に出てフェンダーに寄りかかり、ボケッとしていると、やはりコレットが話し掛けて来た

 

コ 「寂れてるわね」

弥 『麓にあんな物騒な奴等がいて、まして孤島だろ?、仕方ないさ』

コ 「それもそうね」

弥 『単冠湾なんて中々聞かない僻地だぜ?、俺も親があんな仕事してなきゃ知らなかったと思うわ』

コ 「親御さんは何やってるの?」

弥 『知ってるくせに、俺からは言わないからな』

コ 「ちぇっ、つまんないなぁ」

 

よくよく考えれば暗い中車のヘッドライトだけ付けて、一人で喋ってるやばい奴だな

こりゃ化け物と言われても仕方ないかも知れん、変える気は無いけど

 

弥 『さて、戻りますか』

コ 「本当にこれだけのために来たのね、私は引っ込むわ」

 

そんな会話をしつつ車に乗り込んだ、さて、行きますかね

アクセルを踏み込みエンジンに鞭を入ると、MARCHは唸りを上げ飛び出した、SR20にして正解だったな

直角コーナーに差し掛かりブレーキを踏む、するとリアの荷重が抜け滑り出し、鮮やかにコーナーを抜けた

毎回こうだったら良いのにな、と思いながら俺はアクセルを開けた、にしても道が悪い

 

コースも終盤に差し掛かり、例のジャンピングスポットが近くなって来た

あそこで如何に跳ばないかが鍵だ、あそこで跳んだら確実にアンダーが出るからな

そんな事を考えているうちに、問題のスポットに着き、俺はアクセルを抜き緩やかに減速した

それでは不足だった様で車体が跳ね、運が悪く左前輪から着地した、今嫌な音したんですけど

すぐに左前輪の接地感がなくなり、壁に突き刺さりそうになった、サスが壊れたか?

ひとまずスピードを30kmに下げ、車体に無駄なダメージが入らない様鎮守府に戻った、最悪だ

 

……

 

鎮守府の駐車場に車を止め、トランクの中のジャッキを取り出した、油圧ジャッキが欲しいです

車体を上げようと四苦八苦していると後ろから話しかけられた、化け物に話し掛ける物好きは誰かな?

 

? 「よう、知らねぇエキゾーストが聞こえたと思ったら、最近話題の客人じゃねぇか」

 

そう言う彼女は、頭に4本の棒の様な物を付け、露出度が比較的高い服を着ていた

 

弥 『ちょいとばかりサスが逝かれた様で、用が無いなら失せて下さい』

? 「おいおい、人が心配してやってんのにそりゃ無いだろ、にしても不思議な車だな」

弥 『どこがです?、エアロ付けてる以外は他のMARCHと同じですよ』

? 「あんまり私を舐めんなよ?、排気音で大体は分かるぜ、エンジン積み換えてるだろそれ」

弥 『よく分かりましたね、SR20DEに積み換えてるんです』

? 「で、手伝ってやろうか?」

弥 『そうですね…、ジャッキとウマってあります?』

? 「確か提督の車庫に…、探して来るわ」

 

そう言って彼女は走って行った、中には良い人もいるって事か

車体をある程度上げ、ホイールを外すと…、特に問題は無かった、何故?

ボンネットを開け、サスのマウント部やらボルトやらを見たが全く問題が無かった

俺がうんうん唸っていると後ろからガラガラと言う台車の音がして、さっきの女性が現れた

 

? 「分かったか?」

弥 『全然分かんないです、後はスフィア類しか…』

? 「スフィア?、シトロエンみたいな油圧サスじゃあるまいし…、まさかな?」

弥 『そのまさかです、だけど試験的に付けてたからスフィアが露出してるんですよね…』

? 「絶対それじゃねぇか、なんか思い切り衝撃を与えたりしたのか?」

弥 『あそこの峠道が悪いでしょう?』

? 「あぁ、確かにな」

弥 『それで車体が思い切り跳ねたんですよ、その時から接地感が無くなりましたし』

? 「それだな、んで、どうするんだ?」

弥 『保留、ですかね、修理のしようが無いので』

? 「んー、私が軍の奴らに口利きしてやろうか?」

弥 『いえ、お気持ちだけで』

 

俺の車勝手に直るしな、まぁ引かれるから言わないが

 

? 「ふーん、そうか、気が変わったら言ってくれ」

弥 『分かりました、んで、貴女の名前は?』

? 「ん?、あぁ、摩耶ってんだ、よろしくな」

弥 『ほう、私は弥生、女の子みたいな名前ですよね』

摩 「3月ってか、中々良い名前だぜ?」

弥 『なら良かった、よくイジられるんで』

摩 「まぁ…、なんつーか、ドンマイ」

摩 「それじゃあな!、また会おうぜ」

 

そう言って彼女は行ってしまった、柄にも無く良く喋ったものだ、家族の話とか

 

……

 

廊下を意味も無く歩いていると中々広い様だ、その上なんだこの部屋の量、嫌になるわ

ましてほぼ同じ様な廊下で迷いそうだ、てか迷った、ここはどこですか?

手元の懐中時計を見ると朝飯の時間はゆうに過ぎていた、寝とけば良かったかな

少し不安になりながら歩いていると、龍田が部屋から出て来た、出来る事なら会いたく無かった

 

龍 「あら〜、こんな所まで何しに来たの?」

弥 『…道に、迷ったんです』

龍 「間抜けねぇ、「ん?、誰だこいつ」あ、天龍ちゃん」

 

部屋から顔を出した娘は天龍と言うらしい、強そうな名前

 

天 「何しに来たんだ?、喧嘩売ってんなら買うぜ?」

 

天龍はこちらを睨みながらそう言った、目が泳いどるが

 

弥 『その言葉、そのままお返ししますよ』

天 「アァ?、あんま調子に乗るなよ?」

 

そう言って天龍は壁を殴ると、壁には亀裂が入りクレーターが出来た、馬鹿力だ、背筋が凍るぜ

 

弥 『次は脅しですか、ガキじゃあるまいし…』

天 「んだとテメェ!」

 

遂に天龍は殴り掛かって来た、大振りだな

左側に避けそのまま体を捻り、後ろ蹴りを放つ、蹴りは天龍の腹部に命中した

奇妙な声を上げながら天竜は吹き飛んで行き、ビクビクと痙攣していた

 

龍 「…後で話があるわよ」

弥 『ごめんなさい』

 

取り敢えず天龍を医務室まで運ぶ事になった、女子には手を上げないって決めてんだがな




口内炎ってイライラするよね


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鎮守府での暮らし.2日目

今後の布石になるでしょう…?
誤字脱字の報告よろしくです


医務室である、雰囲気はそのまま保健室で、入り浸って居た俺としては居心地が良い

流石にベッドの隣で見ている訳にもいかないので、龍田と並んで長机を囲んでいた

軍医さんに淹れてもらった紅茶を啜りながら待っていると、龍田が口を開いた

 

龍 「にしても、この前はごめんなさいねぇ」

弥 『あれは私にも非がありますよ、あ、起きたみたいですよ』

 

天龍は何か呻きながら起き上がった、少し落ち着いたら謝らないとな

龍田は天龍に駆け寄って何かを話していた、俺は部屋に帰りたい

しばらくあちらで話した後、天龍こっちに来てテーブルに座った、気まずい…

気にせず紅茶を飲んでいると何故か天龍は俺の顔を覗き込んでくる、なんか付いてる?

 

弥 『なんですか?』

天 「あっ、あぁ、なんでもねぇ…」

 

天龍はすぐに目を逸らし、テーブルのチョコを食べていた、変なの

その頃軍医さんがテレビを点け、ニュースを見ていた、内容は他愛もない国内の事件などだったが

《アメリカ国防総省がFederal Bioterrorism Commissionを設立》という気になる物もあった

しばらく重苦しい空気が漂い、天龍が口を開いた

 

天 「その…、さっきは悪かったな、殴り掛かっちまって」

弥 『私こそ、蹴りを喰らわせてしまいましたし…』

 

そうしてまた沈黙が続いた、俺も彼女も謝るのが苦手な様だ、全く不甲斐ない

重苦しい雰囲気の中、扉が勢いよく開かれ、あきつ丸が鼻息荒く立っていた、どうした?

 

あ 「全く弥生殿!、何処にいるかと思えばこんな処に!」

弥 『紅茶貰ってました、道に迷っちゃってな』

あ 「全く…、部屋に戻りますよ、話があります」

弥 『ん、分かった』

 

俺は立ち上がって扉に近付いた、後ろを振り向くと天龍は状況が飲み込めてない様で唖然としている

 

弥 『それじゃ、失礼します』

 

あきつ丸に腕を引かれながら医務室を後にした、少し名残惜しい

 

……

 

部屋に戻ると椅子に座らされ、向かいにあきつ丸が座った、真面目な話かな?

 

あ 「弥生殿、この度陸軍に帰らせて頂く事になったであります」

弥 『そうか、寂しくなるな』

あ 「何を言ってるんでありますか?、弥生殿も行くんでありますよ」

 

当然、と言いたげな表情であきつ丸はそう言った、ちょっと腹立つな

 

弥 『え?、言っておくが俺は船、飛行機は酔っちまうからな?』

あ 「関係無いであります、陸軍省からの命令でありますから」

弥 『……、お前たまに強引だよな、仕方無い、行けば良いんだろ行けば』

あ 「弥生殿は物分かりが良くて好きでありますよ」

弥 『他の奴らにそれ言うなよ、勘違いされるぜ?』

あ 「弥生殿なら勘違いしないでありましょう?、それにあまり間違いでは無いというか…」

 

あきつ丸は小声で何かを言った、何故か頬を赤らめながら

 

弥 『なんか言ったか?』

あ 「あぁ、何でも無いでありますよ、気にしないで欲しいであります」

弥 『そうか…、にしても陸軍省か…』

あ 「どうしたんでありますか?、何か不利益でも?」

弥 『……、俺には妹がいてな、確か陸軍に居たはずなんだよ』

 

脳裏によぎる妹の顔、常時ハイライトオフの死んだ目をした妹の顔、最早トラウマだよ

 

あ 「なら挨拶に行きましょう、その雰囲気だと何年も会ってないんでありますな?」

弥 『めんどくさい奴なんだよなぁ、会いたくないなぁ』

あ 「子供みたいな事言ってないで行くんでありますよ」

 

にしても喉が渇いた、確か自販機があるって言ってたな、馬鹿提督が

 

弥 『分かったよ、それはそうとなんか飲むか?、買ってくるけど』

あ 「じゃあ緑茶が欲しいであります」

弥 『了解、買ってくるよ』

 

そう言って俺は部屋を出た、休憩所ってどこだったかな

 

……

 

休憩所は外にあり、煙草を吸う人が居るのか吸い殻入れがある、壁の方には自販機が数台並んでいた

その近くにはテーブルやイス、ベンチなんかもあり中々整備されている様だ

何より見所なのは海が良く見える事だ、海に入るのは嫌いだが見るのは好きなんだよな

椅子に座りぽへーっとしていると、扉が開き誰かが入って来た、霊夢みたいなオフショルダーだな

 

? 「アレ?、提督かと思ったら違う人ネー」

 

そう言って彼女は自販機で紅茶を買った、にしても海外の人なのか?、片言だが

 

? 「相席良いデスカー?」

弥 『あ、どうぞ』

 

彼女は俺の向かい側に座った、こうなるならベンチにしてれば良かったぜ

 

? 「ワタシ金剛ネ!、What's your name?」

弥 『あぁ、弥生って名前です、ただの庶民ですよ』

金 「family nameは?」

弥 『中島弥生、中島ですよ、弥生って普通女の子に付けません?』

金 「良い名前じゃないデスカー!」

弥 『そう言って貰えて良かったですよ』

弥 『んじゃ、私は帰りますね』

金 「good by!」

 

そう言って彼女大きく手を振っていた、俺の名前褒めた人初めてかもな、あ、二人目か

 

……

 

部屋に戻るとあきつ丸はすっかり眠りこけていた、涎たらしてますよ

 

フ 「これで本当に軍人なのかな?」

 

フランは呆れたようにそう言った、確かに現役の軍人とは思えない寝顔だった

 

弥 『折角だ、悪戯しておこう』

フ 「そうだね、でも何するの?」

弥 『まぁ見てなさい』

 

そう言って俺は懐からマジックを出し、あきつ丸の方を向いた

取り敢えずおでこに肉って書いておいた、肌が白いから目立つな

 

フ 「フフ、明日怒られるよ?」

弥 『ッフフ、それは明日考えればいいさ、明日は早い、早く寝ましょう?」

フ 「そうね、まぁ私は夜行性だから寝ないけどね」

 

フランはそう言って戯けて見せた、可愛いな

明日は早い、寝るとしよう、そう思い俺は机に突っ伏し眠りに落ちた、昨日寝てないからな




なんか不完全燃焼な感じがしますね


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東京 〜 あきつ丸返却大作戦
上京


誤字脱字報告よろしくです


朝は暇だ、フランが起きてる訳でも無くあきつ丸はすっかりの寝坊助さんだし

折角だし部屋にあったティーパックで紅茶を淹れておいた、俺は使いの者か?

窓も無い様な部屋だが暖炉さえ火がつけば中々居心地が良い

朝の優雅なティータイムを過ごしているとあきつ丸が起きて来た、ヨロヨロとフラつきながら

 

あ 「おはようございますぅ、弥生殿ぉ」

弥 『おはよう、お茶なら入れてあるぞ』

あ 「あぁ、ありがとうございます」

 

あきつ丸は礼を言って俺の向かいに座った、昨日書いた文字まだ残ってるんだけど

 

あ 「ん、美味しいでありますな…、どうしたんでありますか?、ニヤニヤして」

弥 『ん?、あぁ、いやなんでも無い』

あ 「?、まぁ良いであります、今日でありますよな?、ここを出て東京行くの」

弥 『確か、ね』

あ 「つまりは飛行機であります、弥生殿の苦手な」

弥 『思い出させるなよ…』

 

そんな会話をしているとフランも起きて来た、服がはだけてますよ

 

フ 「…おはよぉ、みんな早いねぇ、ふぁ〜」

 

欠伸をしながらフランもテーブルを囲んだ、陽射しの入らないこの部屋は吸血鬼には最適の様だ

 

フ 「そういえばさ、飛行機ってどんな感じなの?」

弥 『地獄の様』

あ 「それは弥生殿だけであります、基本的には乗り心地の良い物でありますよ」

あ 「まぁ重力に逆らうのは間違いだと思いますが…」

フ 「へぇ〜、楽しみ〜」

弥 『と言うかフランは飛べるだろ、あれとそんな変わらないと思うぞ』

フ 「まぁ、乗って見てから考えるよ」

弥 『乗るの確定かよ…』

あ 「残念でありますなぁ、弥生殿」

 

そう言ったあきつ丸の顔はニヤケていた、こればっかりは腹立つ

 

弥 『後で鏡見ておけよ、今お前凄い面白い』

 

あきつ丸はそう言うと懐から鏡を出した

 

あ 「そんな訳…、あっ」

 

……

 

3人で空の元に出向いた、話によると今日出発らしい、早く言えよな

そして今滑走路に居る、飛行機乗りたくねぇな、輸送機らしいが

まして操縦は空が行うらしい、最早不安要素しかない

 

空 「あれ?、車は持って行かないんですか?」

弥 『あぁ、持って行って良いんですか』

 

俺はそう聞いて指笛を吹くと、遠くから排気音が聞こえ角からMARCHが顔を出した

ミアが大きな犬の様にすり寄って来るのだが、ドアミラーがゴンゴン当たってすげぇ痛い

腕に痣を作りながら周りを見回すと空や加賀さんが目を丸くしていた、まぁそりゃそうか

一通りミアは甘え終わったのか輸送機の貨物室に収まった、心なしか雰囲気が満足気だ

 

加 「なんですか今のは?」

弥 『気にしないのが得策ですよ』

加 「そうですか…」

加 「それじゃあ、乗って下さい?」

 

加賀さんは満面の笑みでそう言った、全くこちらの気も知らないで

嫌々機体に乗り込むと中は予想通り質素で、シートに関してはハンモックの様に布を張っただけのものだ

俺が一番端の席に座ると、隣にはいつも通りあきつ丸、その隣にはフランと並んだ

 

あ 「弥生殿、どれだけ飛行機嫌なんでありますか…」

弥 『ん、どうして分かった?』

あ 「この世の終わりみたいな顔してるでありますよ」

弥 『まぁ、あながち間違いじゃないしな』

フ 「楽しみ〜」

 

3人でそんな話をしていると、機内アナウンスが流れた、飛び立つそうだ

間延びした空の腹立つ声が機内に響き、直ぐに体にGが掛かった

 

その後の事は想像に任せるが、一つだけ言っておく、とても気持ち悪い

 

……

 

色々ゴタゴタがあったが横須賀に着いた、ここからは車で移動だ、尚空はジムニーで別移動である

既に日が暮れ首都高は走り屋達で一杯だろう、久し振りに出没しようかな

そう思い今は大黒PAに居る、ちょっと休憩って事だ

 

あ 「弥生殿〜、何飲みますか〜」

弥 『あ、コーラでよろしく〜』

あ 「はい、コーラであります」

弥 『ありがとう…、ってこれおしるコーラじゃんかよ!』

あ 「あ、間違えたであります」

弥 『あきつ丸…これ飲める?』

あ 「いいえ…、フラン殿に任せましょう」

弥 『そうすっか、まぁ今寝てるし後ででいいだろ』

あ 「そうでありますな、そろそろ出発しましょう、間に合わなくなってしまうでありますよ」

弥 『だな、そろそろ行くか』

 

そうして俺達はMARCHに乗り込み、PAを出た

 

……

 

しばらく首都高を流しているとあきつ丸が話し掛けて来た

 

あ 「陸軍省に帰ったら、もしかしたら一緒に帰ってこれないかもしれないであります」

弥 『やっぱり数ヶ月行方不明だったら、聞き取り調査もあるだろうしな』

あ 「それに、多分身体検査もありましょうし、少なくとも1、2ヶ月間は…」

弥 『そうか、寂しくなるな』

あ 「その代わり、戻って来た暁には強くなっていると期待していて下さい!」

弥 『はぁ、良く分からないが期待しておくよ』

あ 「あ、ここで高速を降りて下さい」

弥 『ん、あぁ、分かったよ』

 

そう言われ下道に降りた、にしてもさっきから付けられてる気がする、気のせいか?

交差点をいくつ通過しようが、あきつ丸の言っている裏道を通ったりしても同じライトが付いて来ている

黒い日産Figaro、純正カラーでは無いがあまり珍しくも無い、俺が知っている個体でない事を祈ろう

そんな事を考えていると陸軍省についた、デカい建物だなー

駐車場のゲートにはゴツい軍人が2人おり、物々しい雰囲気が漂っている

その二人がこちらを見据えると、こちらに手招きしている、早くこっちに来いと言うことか

 

軍 「あなたが弥生さんですか?」

弥 『えぇ、あきつ丸を連れて来ました』

軍 「もうなんて言えば良いか、とても感謝しています、ありがとうございます!」

軍 「我ら陸軍の宝であるあきつ丸を…」

 

そう言って軍人の2人は大粒の涙を零していた、余程大事にされてたんだな

 

あ 「中々恥ずかしいものでありますな、弥生殿、行きましょう」

 

あきつ丸は照れ臭そうに微笑んだ、いつも真っ白な顔が珍しく赤くなっている

駐車場のゲートが開き中に案内された、クラウンやらプレジデントの中にMARCHは中々場違い感がある

高級車に囲まれたミアは自分を強く見せたいのか車高を下げていた、張り合わんでも

 




次回をお楽しみに〜


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陸軍省より

やっと出来た…、誤字脱字報告よろしくです


駐車場から中に入るとホールが広がっていた、役所には見えない程至る所に装飾が散りばめられている

色々部署がある様で憲兵団とかなんちゃら対策室など、無知な俺には分からないものばかりだ

にしてもやはりあきつ丸は陸軍では有名人の様だ、アイドルを見る様な目で皆が見ている

 

あ 「恥ずかしい物がありますな、ここまで注目されると」

弥 『ふーん、そうなんだ』

あ 「どうしたんでありますか?、よそよそしい」

弥 『ん?、あぁ、なんでもない、考え事してた』

あ 「隣にこんなに可愛い女の子が居るのにですか?」

 

そう言ってあきつ丸は誇らしげな表情をした、自分で言わないの

 

弥 『はいはい、そうですね、貴女は可愛いですよ』

 

俺がそう言うとあきつ丸の顔は何故か真っ赤になった、そう言うのに耐性が無いんですかね

 

あ 「そう言う事を真顔で言わないで欲しいであります…」

 

あきつ丸はそう言って両手で顔を覆ってしまった、歩いてるんだから前見なさいよ

その後案の定あきつ丸は柱にぶつかった、物凄い音したけど大丈夫かね

 

……

 

結局俺とあきつ丸は応接間に通された、フランは日がダメなので別室の日の入らない部屋に居る

単冠湾とは違いここには窓があり明るい雰囲気だ、普通はこうあるべきだよな

そうして今はあきつ丸が別部屋で質問を受けている、つまり俺は暇って事だ

仕方ない、本でも読むか、そう思った時ドアが叩かれた

その叩き方は尋常じゃ無く、最早一種の狂気を感じる程だった

ドアを開けると黒いマントにペストマスクを着けた娘が居た

 

? 「久し振りですね、逢いたかったですよ、お兄様」

 

そう言って娘はマスクを外した、我が妹フィガロであった

 

弥 『久し振り、俺は会いたく無かったよ』

フ 「いつもの様に辛辣ですね、まぁ良いです、お兄様には色々聞きたい事がありますが…」

 

フィガロはほぼ瞬きもせず、ただひたすらこちらを見据えている

 

フ 「あきつ丸とどの様な関係で?、場合によっては消えて貰うのですが」

 

その瞬間フィガロの背後に黒い靄の様な物が見えた、負のオーラって奴ですか?

 

弥 『なんて事は無い、ただの友人だよ』

フ 「そうですか、命拾いしましたね、あきつ丸さん」

弥 『何を物騒な事を…、いつもより素直だな、どうしてだ?』

フ 「お兄様は嘘を付くと目が泳ぎます、それを見てるんですよ」

フ 「お兄様は私に嘘はつけません、私はお兄様の全てを知っているんですよ」

弥 『そうかい、気をつけよ…』

フ 「そう言いつつ何も改善しないのでしょう?」

弥 『もちろん、面倒だからな』

弥 『って事で出掛けて来る、それじゃ』

フ 「御一緒します」

弥 『するな、ここで待ってなさい』

 

そう言って俺部屋を離れた、絶対付いてくる気がするな

まあ良い、廊下を歩きながら昔のことを思い出した、フィガロが昔起した問題について

 

昔、まぁ小学から中学位だ、自負するのもどうかと思うが俺はある程度モテた、大半性格に難が有ったが

しかし何故か俺に告った者は次の日から学校に来なくなった、それも何人も

最初の方は偶然だと思ったが余りに数が多すぎる、学校でも噂になった位だからな

そんな曰く付きの俺はイジメの対象になるのに時間はかからなかった、今時余り無い校舎裏って奴だ

まして一人二人なら余裕だが多勢に無勢過ぎた、十人以上は無いだろ…

それが二、三日続いたがある日パッタリと止まった、正直嬉しかったな

その時思い出した、愚痴は全てフィガロにしか言って無い、親に言うのは格好付かなかったからな

うちは余り親が居なくて俺が洗濯していた、その日フィガロの制服には赤い沁みが多数付着していた

その後聞いた話ではそいつらは全員病院送りになっていたそうだ、それが昔の話

 

フ 「どうしたんですか、考えている姿も愛しいですね」

 

さらっとマスクを付け直し、フィガロは俺の隣を歩いていた

 

弥 『ちょくちょくそう言う事言うのやめなさい』

弥 『昔の事思い出してた、セーラー服洗うの大変だったなって』

フ 「思い出す所が違う気がしますが…、別に私に任せてくれても良かったんですよ?」

弥 『腐っても兄だしな、それぐらいやらなきゃ示しがつかん』

フ 「なら姉様達に…、あの人達は駄目ですね」

弥 『不器用過ぎて服破りそうだもんな』

フ 「えぇ…、着きましたよ」

 

意外と廊下が長かったが駐車場に着いた、良く考えたら何でフィガロ付いて来てんの?

 

弥 『よくよく考えたらなんでお前付いてきてんの?』

フ 「お兄様が行く所に私有りですよ」

 

フィガロは真顔でそう言った、何言ってるの

 

弥 『意味が分からん、折角だから今日泊まるホテルまで案内してくれ』

フ 「ラブホですか⁉︎、流石に物事には順序があるって言うか、その〜」

 

頬を染めながらフィガロはド直球の下ネタを挟んで来た、そんな子に育てた覚えは無いぞ

 

弥 『違うわ、陸軍省に泊まるスペース無いだろ、ホテルに泊まってくれって言われたんだよ』

フ 「あぁ、それなら私の家に泊まれば良いんじゃ?」

弥 『お前の家二人泊まれる?、出来れば日の入らない部屋』

フ 「その辺ならご安心ください、いつでもお兄様と同棲出来る様準備してあります」

弥 『全く…、1週間はお世話になるわ』

 

そうしてフィガロの家に案内してもらった、後でフランも連れて来ないとな




最近迷走中〜


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妹宅にて

新しい試みがあります、誤字脱字報告よろしくお願いします


結局フィガロの家で1日過ごした、この年頃にしては珍しく家がデカい事から

軍人は儲かると言う事を再認識させられ正直腹が立っている

外見はもろ洋館で内装は紅魔館を地味にした様なイメージだ、まぁそれでも派手だが

壁には盾やら劔やらが架かっていて物々しい雰囲気を放っている、この内装はどうなの?

フィガロの部屋に入ると机の上には色々乗っていた、タイプライターやら蝋燭立て等が

その中には日記も混ざっていた、あいつ日記書いているんだな

ページを捲ると陸軍の行事やらあきつ丸捜索の進展、北方海域でのレーダーの誤作動など

業務的な事が書かれていた、大半が分かりません

 

そんな中3日前の事が書かれたページに差し掛かった、前半部分はあきつ丸についてだが

後半は全て俺の事で(お兄様に近づく女共は皆殺し)的な事書いてある

まぁ想定どうりだ、しかしまた物騒な事考えてるな

 

弥 『………、逃げるか』

 

景気付けにそう呟き日記を置いた

扉を開け部屋を出ると、後ろからチャキリと金属がぶつかる音が響いた

そして直ぐ足音が近づいて来てすぐ背後で止まった

 

フ 「どこに行かれるのですか?、お兄様」

 

俺が動けないでいると左肩に顎を乗せて来た、右側のこめかみには銃口だが

 

弥 『………』

フ 「何故いつも答えてくれないんですか、また私を置いてどこかへ行ってしまうんですか」

フ 「許しませんよ、2度と私から離れられないようにしてあげますから」

 

首元にチクリと痛みが走ると俺の意識は朦朧とし、間も無く闇に堕ちた

 

……

 

目が醒めると牢屋と言うか、檻のような所に入れられており

モーゼルや短剣、懐中時計に至るまで金属製の物は全て取り上げられていた、ブーツ以外は

 

フ 「目が醒めましたか、そこの居心地はどうです?」

弥 『…良い訳無いだろ』

フ 「フフ、すぐに慣れますよ」

フ 「それじゃ仕事に行って来るので、そこで良い子にしていて下さい」

 

そう言ってフィガロは外に出て行ってしまった、出ないとキツイな、ここ狭い

 

フ 「檻から出ようとしたらお仕置きですからね」

 

扉の隙間から顔を出したフィガロに念押しされた、足掻くだけ無駄か

取り敢えず檻をガタガタしていたが、ビクともしないしどうしようもない、泣けるぜ

 

……

 

取り敢えず横になって待っていると、30分位でフィガロが戻って来た

ブーツからデリンジャーを取り出しこめかみに当てる、流石にブーツまで見なかったか

 

フ 「お兄様、良い子にしてましたか…!」

 

フィガロがこちらを見ると、顔を白くして焦りだした

 

弥 『ここから出せ、じゃなきゃ俺はここで死ぬ』

フ 「その銃どこから?、全て取り上げたはず!」

弥 『今度はブーツまで調べるんだな、毎回お前は詰めが甘いんだよ』

フ 「…死ぬ度胸なんて無いでしょう、早く銃を渡して下さい」

弥 『それはどうかな…?』

 

そう言って俺は撃鉄を起こした、ハッタリじゃない事を示さねばな

数秒の睨み合いの末、フィガロは諦めた様にこう言った

 

フ 「はぁ、仕方ありません、出すからその銃を仕舞って下さい」

 

そうして牢の扉が開いた、満を辞して外に出れるわけだ

 

弥 『お前に会うたび俺はどこかに閉じ込められるんだよ』

フ 「お兄様が逃げない様にですよ、すぐ逃げようとしますから、貴方は」

 

フィガロは呆れた様にそう言った、俺は囚人じゃ無いんだから良いだろ別に

 

弥 『俺は自由が好きなの、だから軍人にならなかったんだから』

フ 「そうでしたね、外を出歩く事を認めましょう…」

フ 「ただ条件があります、私以外の女に近付かないで下さい、じゃなきゃ…」

 

そう言ってフィガロはこちらにルガーを向け微笑みそして引き金を引いた

弾は頬を掠め壁にめり込んだ、殺す気かよ

 

……

 

フィガロに連れられまた陸軍省に来た、あきつ丸はどうしてるかなぁ

数ヶ月ずっと一緒に居たからか少し気になって居る、まぁ死にはしないだろうが

あきつ丸の時と同じ様にフィガロが隣に居ると注目を集める、あきつ丸の時と違う気がするが

それもそのはず、隣に居るフィガロの服装はフード付きのマントにペストマスクだからだ

そう言う俺も黒のロングコートではあるが隣のインパクト強過ぎだろ、俺が陰に隠れてるんですけど

 

フ 「どうしたんですか、考え込んで」

弥 『いや、お前ファッション個性的過ぎないか?』

フ 「日に焼けたく無いんですよ」

 

ペストまスクを外しながらフィガロはそう言った、何処と無く不機嫌な様だ

 

弥 『そう言う物なの?、よく分からんわ』

フ 「お兄様は良いですよね、日に焼けなくて」

 

フィガロの言い方は少し恨めしそうだった、兄妹でここまで体質違うのは何故だろう?

 

弥 『健康的に見えて良いよなお前、病的って言われるぞ俺』

 

俺がそう言うとペストマスクを着け直し、スタスタと先に行ってしまった

 

弥 『ちょっと待っ…、行っちまったよあいつ…』

 

一人取り残された俺は最早為す術なく、近くにあったベンチに座った

 

暫く座って辺りを見渡して居ると…、あきつ丸が一杯居る、少し顔の造形が違うが

これが噂のドッペルゲンガーかなぁ、一箇所に集まり過ぎだけどな

まぁいっか、そう思い自販機で買ったコーラを飲みながらボーッとして居た

 




フィガロのキャラがブレブレ


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陸軍の走り屋

誤字脱字報告よろしくお願いします!


ベンチに座ってる間昔の事を思い出して居た、フィガロがああなった原因だ

 

その頃はまだ今の様に目が死んでおらず、また変な事も言わない年頃の普通の女子高生だった

特にこれといった弱点も無く成績優秀、人当たりも良い完璧超人だった、昔はな

その頃俺はマルハワ学園に行く事になっていた、うちは代々あそこに行く事になっていたからだ

あそこの奴等エリート意識高かったなぁ、ムカつく奴も沢山居た

海外にあるマルハワに行くと言う事は日本に居ないことを意味する、つまりフィガロには会えない

俺は意識して無かったがそれがショックだったのか口調、行動がおかしくなり始めた

遂には親と喧嘩し自室に閉じ篭ってしまい、説得したが遂に俺が発つ日まで出てくることは無かった

翌年にはマルハワに来るから良いと思って居たが、来る事はなく親に聞くとベネットに行ったと聞かされた

楽しいスクールライフを満喫し卒業、日本に帰るとゆったりとした一年を過ごした

今思えばあれは嵐の前の静けさだったのかも知れない…

フィガロが帰って来ると今の様に目が死んでおり口調も敬語に変わっていた、何処と無く余所余所しい感じ

しばらくすると何故か夜に部屋に忍び込んでいる事があった、酷い日には布団に入って居たり

部屋に隠してあった薄い本が灰になって机の上に置いてあった時は笑った、失笑である

その後も風呂に入って来ようとしたり、人の部屋のベッドで先に寝ていたり奇妙な行動が目立った

一年程そんな生活をして居ると、職場で彼女が出来た、赤毛の可愛い子でした

一ヶ月ほど付き合って居るとフィガロがあの女は誰だと聞いて来た、何で知ってるのかは未だに分からん

彼女だと言うとブツブツと何かを言いながら何処かに行ってしまった、その時はまだ気にも止めて無かった

それから赤毛の彼女は疲れたご様子だった、目元に隈を作ってたり髪が少しボサボサになっていたり

聞くと夜中に家のインターホンを連打して来たり、家のポストに死んだ鼠と手紙が入って居たり

手紙の内容は今の彼氏と別れなければお前を殺すと言ったものだった、過激ですよね

その後一カ月程で彼女は引っ越してしまい、関係は自然に消えて行った

親のコネが偉大な為監視カメラのデータを手に入れる事が出来た、そこには知り合いが写って居た

我が妹フィガロである、特徴的なゴスロリファッション、ペストマスクでそれが分かった

それが発端、忌々しい昔の話だ

 

フ 「お兄様、こんな所で何してるんですか、探しましたよ」

弥 『お前が置いてったんだろ、迷子になりそうだから待機してた』

フ 「大声で呼んでくれれば迎えに行ったのに」

弥 『俺は迷子の小学生か、ダサいから嫌です』

 

その後フィガロは仕事に行き、俺はフィガロの家に帰る事にした

 

……

 

地下駐車場に戻り見学がてら停まってる車を見ていた、軍の金持ち共はどんなの乗ってんだ?

と、言う事で見ていくと大半はクラウンやプレジデント、BMWが停まっていた、高級車ェ…

珍しい所だとザガートが有ったり、結局高級車じゃねぇか

そんなこんなで愛車の元に戻ると白いスク水の女の子が興味津々に見て居た

 

弥 『俺の車になんかご用ですか?』

? 「あぁ、いや…、ここまで改造されたの見た事なくて…」

? 「ごめんなさい!」

 

そう言って彼女は走って行ってしまった、にしても何でスク水なんだ?、近くに海やらプール無いぞ?

まぁ良い、車に乗り込みセルを回すとエンジンが掛かりエキゾーストノートが地下駐に響いた

ギアをDに入れ駐車場から出ると背後から別のエキゾーストが聞こえた、特徴的な空冷式のサウンドだ

バックミラーを覗くと背後にはまん丸なヘッドライトが見え、ロービームでくっ付いてくる

ライトの間隔的に古い軽だな、フロンテ辺りか?

 

しばらく走って居たがずっと付いてくる、少し遊んでやるか、丁度峠だし

O/DをONにしエンジンに鞭を入れた、それに答える様にエンジンは唸り車体を引っ張って行く

すると後ろの軽は離れて行き、バックミラーから消えた

しかしコーナーを抜ける度に車間は縮まっていった、軽いんだな後ろの

しかし後ろの車を見て居ると気づく事がある、それはアンダーが顕著に出て居る事だ

古いFF車に有りがちなアクセルONでドアンダーと言った感じ、だからドリフトしてんのか

こちらもアンダーを消すためドリフトやタックインを多用し走っている、いつも走り方だ

 

そんな調子で下っていくと峠を抜けてしまった、遊び過ぎちまったみたいだな

そのまま近くのコンビニには居るとそのまま軽も入って来た、ホンダZか、軽い訳だ

運転席を見るとさっきMARCHを見て居たスク水の子だ、そのまま出て来るなよ

そのまま車の中にいると窓が叩かれた、スク水の子だ

 

弥 『どうして付いて来たんです?』

? 「あぁ、その、まだ名前を聞いてなくて…」

弥 『私の?、弥生って名前です、女の子みたいな名前ですよね』

弥 『貴女は?』

? 「あぁ、私はまるゆって言います…」

? 「それじゃ!」

 

そう言ってまるゆはZに乗り込み、走って行ってしまった、嵐の様な子だな…

 

その後フィガロに他の女の匂いがすると問い詰められたのはまた別のお話




あきつ丸はしばらく出ない…、筈


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休日

誤字脱字報告宜しくです!


外界に来て1週間、軍の堅苦しい調査にも慣れてきた

今日は祝日らしく一部を除き軍人は全ておやすみらしい

って事であきつ丸と神奈川の中古車屋に居る、車を探すらしい

 

弥 『何が欲しいんだ?』

あ 「うーん、小さい車ですかね」

弥 『資金は?』

あ 「我が陸軍が出してくれるんでありますよ」

弥 『太っ腹だねぇ』

あ 「そうでありますなぁ、流石であります」

 

そんな話をしていると店の人が出て来た

 

店 「何をお探しですか?」

弥 『小型車を、この子が乗るんです』

 

そう言うと店の人は少しあきつ丸を見ると、こっちだと歩き出した

 

店 「これなんてどうですか?」

 

そう言って出されたのは赤いアルトだった、所々錆が浮き色褪せが酷い物でいかに雑に扱われたが分かる

 

あ 「チェンジで!」

店 「分かりました」

 

店員さんはまた歩き始めた、次なる小型車の元へ

次に紹介されたのは白いスターレットだった、走り屋の物だったのかエアロが付いている

 

あ 「良いんですが、日産派なんでありますよ、自分」

店 「なら良いものがありますよ」

 

そう言って店員さんは店の奥の方を指差した

 

そこにあったのはK10、奇しくも俺のMARCHの先代に当たる車で、

前にあきつ丸と話したMARCH turboだった、黒いボディは埃を被って薄汚いが錆などは無かった

車内を覗くと相応の劣化はあるがシートなどは破れていなかった、尚マニュアル車な様だ

 

店 「前の店主が大事にしてた物なんですが…、まぁもう乗る人も居ないので」

あ 「…ボンネット開けて見ても?」

店 「どうぞ」

 

あきつ丸が前ヒンジのボンネットを開けるとそこには…

MA10ETではなくMA9ERTが鎮座していた

MARCH superturbo用のエンジンで、スーパーチャージャーとターボを付けたツインチャージエンジンだ

 

あ 「驚いたであります」

弥 『考える事は皆同じって事か』

店 「前の店主さんはsuperturboのエアロが嫌いで、わざわざturbo用のエアロとインテリアに積み替えたんですよ」

弥 『ほほぅ、中々こだわりが強い人だったんですね』

店 「えぇ…、これにしますか?」

あ 「はい!、これが良いです、これ下さいッ!」

 

あきつ丸は凄い食い気味にそう言った、店員さん困ってるよ

 

店 「分かりました、では店内で書類を…」

 

そう言ってあきつ丸と店員さんは店に入って行った、そろそろ幻想郷に帰らなきゃな

 

……

 

あきつ丸を家に送りフィガロの家に帰って来た、鍵を開けると中にはニコニコしたフィガロが待っていた

 

フ 「お帰りなさい、お兄様♪」

弥 『た、ただいま』

 

フィガロの後ろには黒いオーラが出ており、無言の圧力を感じる

 

フ 「どこに行って来たんですか?」

弥 『中古車屋さんに』

フ 「誰と?」

弥 『あきつ丸と』

 

俺がそう言うとフィガロの笑顔が消え真顔になり、オーラが更に強くなった

 

フ 「私出掛けてきます、やらなきゃいけない事ができました」

弥 『待て待て待て行くな行くな』

 

俺がフィガロの肩を掴むと何故邪魔をするんだって顔をしていた、ヤバい気しかしないもん…

 

弥 『あの、その、ああ!、久しぶりにフィガロの手料理が食べたいなって思ったんだけど…ダメか?』

フ 「そう言う事なら早く言って下さいよ!、準備してきまーす♪」

 

そう言ってフィガロは台所に走って行った、セーフ!

 

……

 

頼んでしまったので手伝いに行くと、デーブルに座って待っていてくれと言われキッチンから追い出された

仕方がないので暫くボーッとしていると洋館の家には似合わない和食が出てきた、なんとアンバランス

 

フ 「出来ました!、召し上がれ〜」

弥 『ありがと、いただきます』

 

ご飯に味噌汁、アジの塩焼きに卵と漬物と見本の様なもので、器が洋風なだけあってまたミスマッチだ

 

弥 『…美味しいな』

フ 「腕によりをかけて作りましたから、お口に合って何よりです」

 

気付けばフィガロもすぐ隣で同じ食べていた、まだ夕飯食ってなかったんだな

 

弥 『お前さ、もしかしてまだ夕食食べてなかったのか?』

フ 「えぇ、お兄様と食べたかったので」

弥 『まぁ、なんだ、すまない』

 

俺がそう謝るとフィガロはびっくりした様な顔でこちらを見ていた

 

フ 「お兄様が謝るなんて珍しい」

弥 『俺は何だと思われてるんだ、悪い事したと思ったんだよ』

フ 「フフッ、そうですか」

 

そう言ってフィガロは微笑んだ、我が妹ながら可愛いな

 

弥 『口にご飯粒付いてるぞ』

フ 「え?、どこですか?」

弥 『ここ』

 

俺はフィガロの頬に付いたご飯粒を自らの口に放り込み、自分の飯を掻き込んだ

 

……

 

歯を磨き寝間着に着替え寝る準備を済ませた、風呂が一番大変だったぜ

自室に戻りベッドをめくるとフィガロが隠れており抱き付かれた、やめなさいって

 

フ 「今日ぐらいは一緒に寝て下さい、今日は寂しかったんですよ?」

弥 『分かったから離してくれ、これじゃ寝れないだろう』

 

そう言うと渋々ながら離してくれた、仕方ないから一緒に寝てやるよ

布団に転がり掛け布団をかけた、背中にはフィガロがくっ付いている

 

フ 「…昔、お兄様が留学に行った時を憶えていますか?」

弥 『あぁ、お前が引き篭もっちゃった時のことだろ?』

フ 「えぇ、あの時私は凄く寂しかった、いつも遊んでくれていたお兄様が居なくなってしまうんですから」

フ 「寂しくて寂しくてどうしてか考えた時、私気付いたんです、貴方、お兄様が好きだって」

弥 『そうか、悪い事したな…』

フ 「だから…」

 

フ 「今度は置いて行かないで、お兄ちゃん」

 

 

 




フィガロは可愛い子だよ、愛が重いけど


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呪われたネックレス

いつも通りゆっくりまったりお読み下さい
誤字脱字の報告宜しくです


今日は聞き取り調査も無い為午前中は暇だ

フィガロ、あきつ丸共にお仕事に行ってるから話し相手いないし

と、言う事で俺は今海辺にいる、案外遠くてもう日も沈みそうだが

 

コ 「一日棒に振るったわね」

弥 『たまにはこんな日もあって良いだろ、海綺麗だし』

コ 「貴方海嫌いじゃなかった?」

弥 『入るのが嫌いなんだよ、ベタつく感じが、あと匂いな』

コ 「そう…、にしても人が居ないわね」

弥 『あれじゃないか?、深海棲艦が云々って話、まぁここ昔から封鎖されてたけど』

コ 「二つの意味で駄目じゃない!」

弥 『まぁ良いじゃん、別に死ぬ訳じゃないし』

 

そんな話をしつつMARCHのボンネットに寄り掛かって海を見ていると目の前で波紋が生まれた

今の天候は晴れで風も無く、波紋は生まれない筈なんだけどな

波紋は次第に大きくなり、海から少女が出て来た

 

弥 『…』

? 「…」

 

見た目はボンネットを被りフリルスカートを履いている、肌はワ級の様に血の気のない白い肌だ

 

? 「貴方カラワ級ノ匂イガスルワ…?」

不審気に彼女はそう言い顔を近付けて来た、スンスンと鼻を鳴らし匂いを嗅いでる様だ

 

? 「ヤッパリ…、ドウイウコト…ッ!」

弥 『グッ、カハッ…!』

 

こいつ…!、いきなり首をッ!

 

? 『死ニタクナイナラ理由ヲ聞カセテクレルカシラ?、ワ級チャンノ匂イガスルノカ』

 

彼女はいきなり手を離し、俺を地面に落とした

 

弥 『ゲホッケホッ…、長くなりますよ、説明するのは…』

? 「早クシナサイ、殺サレタクナイナラ…、ネ?」

 

……

 

? 「ソウイウコトダッタノネ…、総力ヲ上ゲテ捜索シテモ見ツカラナイハズダワ」

弥 『なので当分は帰って来ないかと』

? 「ソウ、ダケド貴方ノ話ヲ全テ信ジタ訳ジャナイワ、貴方ガ助カリタイダケカモシレナイシ」

? 「ッテ事デコレヲ肌身離サズ持ッテイナサイ」

 

そう言って首に付けられたのはネックレスの様なもので、飾りが黒い玉に人間の歯がついた様な物だったた

 

弥 『手放そうとすると?』

? 「私ガ直々二殺シニ行クシ、ソレモ自爆スルワ」

? 「ソレニソノネックレスハ通信機ノ代ワリニナッテイルワ、タ弥ニ通信スルカラ答エルヨウニ」

弥 『はぁ…、観念しろって事ですか』

? 「ソウヨ、ソレジャソロソロヤバイカラ帰ルワネ」

弥 『さよなら〜』

? 「全クモウ…、ソウイエバ弥ダ名乗ッテナカッタワネ」

? 「私ハ離島棲鬼、ヨロシクネ」

 

そう言って彼女、離島棲鬼は海に沈んで行った

その頃日は沈んでおり辺りは暗くなっていた、仕方ない、そう割り切り車で家に帰る事にした

 

……

 

〜翌日〜

弥 『あー変な夢見た!、深海棲艦に首絞められた上に変なネックレス付けられる夢!、どんな夢だよ〜』

離 「何ヲ言ッテルノカシラ、アレハ現実ヨ」

 

朝から気分がだだ下がりである、首のネックレス趣味悪いし

 

離 「マァ、コンナ感ジデ貴方ノ発言ハ全テコッチニ筒抜ケダカラ、余計ナ事ハ言ワナイ方ガ身ノ為ヨ」

弥 『プライバシーは何処へ?』

離 「空虚ヘト消エ去ッタワ」

弥 『変態なんですね分かります』

離 「爆破サレタイノカシラ」

魔 『すいません、あ、人が来るんで黙ってて下さい』

 

部屋の扉が開きフィガロが入って来た、断りを入れなさい

 

フ 「誰と話してたんですか?」

弥 『音読をしてました』

 

そう言って俺は手元の本をフィガロに見せた、すっごい疑ってる顔してる

フィガロはしばらくこちらを睨んだ後、呆れたように目を逸らした

 

フ 「まぁいいです、ご飯出来たんで早く降りてきて下さい」

 

フィガロはそう告げると部屋から出て行ってしまった、何時もなら問い詰めて来るのに珍しい

 

弥 『…もう良いですよ』

離 「ソウ?、気ニナッタンダケド彼女トハドウイウ関係?」

弥 『兄妹です、決してリア充ではありません』

離 「ソウ、命拾イシタワネ」

そんな半ば口喧嘩の様な会話を繰り広げ、下の階に降りた

 

……

 

フィガロはもうテーブルに座っていて俺が来るのを待っていた様だ

今日の朝食はパンにベーコンエッグと見本の様だった

 

フ 「そろそろ帰ってしまうんですか?」

弥 『一ヶ月以内に帰らないとマズイんだよ、フランが病気でさ』

 

取り敢えずフランを病気にしといて煙に巻こう

 

フ 「どんな?」

弥 『分からないから困ってる、瘴気的なもんじゃ無いかな』

フ 「仕方ない…、船を手配してあるので明日それで帰りましょう、もちろん私も付いて行きます」

フ 「まぁ、単冠湾の空提督と加賀も乗るんですけどね」

 

嫌そうにフィガロはそう言った、まぁ俺も好ましく無いが

 

弥 『家どうするんだ、だいぶ長く留守にする事になるぜ?』

フ 「信頼出来るまるゆに貸しますよ、部屋無くて困ってるみたいだし」

弥 『そうか、そう言えばあきつ丸は置いて行くのか?』

フ 「検査の結果艤装にガタが来てたり、その他メンテナンスが有るから多分置いて行くかと」

フ 「て言うか私には心配した事無いのにあの子にはするんですね、私はこんなに想ってるのに」

 

そう言うフィガロの後ろには黒いオーラが出ていた、怖いし

 

弥 『そう言うことじゃ無いし、気になっただけだし』

フ 「まぁいいです、私はそろそろ仕事に行きますけど、付いて来ますか?」

弥 『家に居ても暇だし行くわ、支度してくる』

 

そうして今日も一日が始まった、その後フィガロに陸軍の軍服を着せられたのは別の話




作風を変えようか迷ってる、どうしましょう


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幻想に還し者
帰郷


やっと幻想郷に帰れる…、誤字脱字の報告よろしくです


朝起きると、そこは暗闇だった

 

弥 『ん…、あぁ、朝か…』

 

なんて事はない、俺は寝相があまり良く無いからうつ伏せになっているだけだ

体を腕立ての要領で持ち上げ起き上が…、なんと起き上がれません、腰から下が動かんのです

それに腰の辺りが心なしか重い、誰か乗ってんなこれ

 

弥 『ちょ、フィガロ、退きなさい』

フ 「ん〜…、あと一年待って下さいぃ…、Zzzz…」

弥 『一年は長ぇよ!、って言うかお前重くなったな』

 

俺がそう言った瞬間、腰に巻き付いていた腕に力がこもり始めた

 

弥 『ちょっと、痛い、痛いって』

フ 「お兄様ァ…、言って良い事と悪い事がありますよ?、まして女子に」

弥 『本当の事を…痛ッ!、ゴメンて、許してくれ』

フ 「ったく、そう言う事言うからデリカシー無いって言われるんですよ」

 

そう言うとフィガロは腕を解いてくれた、ってかなんで俺の部屋で寝てるんだよ

人の部屋で勝手に寝てる奴にデリカシー云々言われたくないわ

 

フ 「それはお兄様の寝顔を見にですよ」

 

なんで分かった、俺は妖怪サトラレなのか?、まぁ妖怪は合ってるな

 

弥 『お前にデリカシー云々言われたく無いわ、人の寝顔見に来る奴に』

フ 「それとこれとは話が別ですよ」

弥 『ったく、そうかよ』

弥 『そろそろフランを迎えに行こう、間に合わなくなる』

 

そんな話をしているうちに時計は午前8時を回り、単冠湾への船の時間が近づいて来ていた

 

弥 『えっ、お前付いてこないの⁉︎』

フ 「付いて行きたいんですけど、今日中に書類終わらせないと幻想郷までついて行けないので」

弥 『あっ、そっちには付いてくるんだ』

 

……

 

フランを迎えにあきつ丸の家に来た、マンションなんだな

フィガロによるとあきつ丸の部屋番号は166、って事は一階?、何のためのマンションだよ

インターホンに部屋番号を入れるとやる気のないあきつ丸の声が聞こえて来た

 

あ 「誰方でありますかぁ?」

弥 『俺だよ、弥生だ』

あ 「へぇッ?、ま、弥生殿⁉︎、何をしに来たんでありますか?」

弥 『フィガロから連絡来てなかったか、フランを迎えに来た、今日幻想郷に帰るからな』

あ 「あっ…、そうでありましたな、今開けるんで上がって来て下さい」

 

あきつ丸がそう言うと入口の自動ドアが開いた、にしても高価そうなマンションだな

 

エレベーターを待っていると離島が話し掛けてきた、無視すると首が締まるのはどうにかして欲しい

 

離 「調子ハドウカシラ?」

弥 『今から幻想郷に帰るとこです、久しぶりだから楽しみですよ』

離 「ソウ、マァ楽シンデクルト良イワ」

離 「モチロン、アノ事忘レナイデネ、ジャ、マタコンド」

弥 『あ、はい』

 

そうしているうちにエレベーターが下がって来た、意外と遅かったな

あきつ丸に会うのは久しぶりだ、ちょっと緊張すんな

 

柄にも無く高鳴る鼓動を抑えながらインターホンを鳴らすと

ドタドタと足音を響かせながら普段着のあきつ丸が出て来た、ダサTに身を包んだあきつ丸が

ホットパンツはまだ似合うから良いがなんだその(脱走常習犯)って書いてあるシャツは

 

あ 「弥生殿、久しぶりであります!」

あ 「ささ、上がって上がって」

 

そう言いつつあきつ丸は俺の腕を引っ張って行き、リビングのテーブルに座らせた

周りを見回すと中々綺麗な部屋で年頃の女子といった様子、可愛らしく所々パステルカラーを入れている

可愛らしい部屋だなぁ、所々銃とか手榴弾が転がってる以外は

 

弥 『意外と可愛らしい部屋なんだな』

あ 「意外ってなんでありますかぁ!、まぁ、褒め言葉として受け取っておきます」

あ 「お茶淹れたんでありますよ、どうぞ」

弥 『ん、ありがとな』

あ 「まだ出発まで時間があるんでしょう?、少し喋りましょうよ」

弥 『そうだな、まぁ時間には余裕がある』

あ 「出発は何時頃で?」

弥 『確かお昼頃かな、1時とか』

あ 「ほぅ、なら時間がありますな」

弥 『そうだな』

あ 「…」

弥 『…』

 

正直、話す内容が無い、あきつ丸もその様で気まずい沈黙が流れている

 

弥 『車の調子は、どうだ?』

あ 「悪くないですね、トルクもあるし曲がりやすい」

弥 『そうか』

 

マジかあきつ丸、あの車フロントヘビーでアンダーが酷いのに

 

弥 『これからなんかパーツ付けんの?』

あ 「エンケイのRP01でも」

弥 『ふーん、他には?』

あ 「今の所無いですかね、中身に今の所不満は無いですし」

あ 「エアロはターボ用のフォグランプ一体のバンパーで理想的ですし」

弥 『つまりは満足なんだな』

あ 「そういう事であります」

弥 『…』

あ 「…」

 

またもや沈黙が流れている、その上さっきと違い俺にはもう話の種が無い

あきつ丸も話の種を探す為か俺の事を舐めるように見ている、そして視線は胸元に止まった

 

あ 「そのネックレスはなんでありますか?」

弥 『ん?、貰い物』

あ 「正直に言って良いですか?」

弥 『どうぞ』

あ 「その、趣味があまりよろしく無いと言うか…」

弥 『俺もそう思う』

離 「本人ノ前デ失礼ジャナイカシラ!」

あ 「…」

弥 『…』

 

正直今、俺は離島が馬鹿なんじゃないかと思っている、ほら、あきつ丸の目付きが鋭くなったじゃん

 

弥 『離島さん…』

離 「ン?、何カシラ、当然ノ事ヲ言ッタダケヨ?」

弥 『はぁ…、もう私からは何も言いません、あきつ丸に自分で説明して下さい』

離 「ア…、ヤッチャッタZE☆」

弥 『やっちゃったZE☆、じゃないでしょう‼︎』

 

離島棲鬼と漫才の様な掛け合いをしていると、あきつ丸が呆れた様にこちらを見ていた

 

あ 「弥生殿は人外に良く好かれますなぁ」

弥 『心配するとか無いわけ?』

あ 「特に、幻想郷ではしょっちゅうでありましたし」

離 「何ノ話?、気ニナルノダケド」

 

そうして俺達は船の出航時間まで時間を潰す事にした、今からでも船に乗るのが憂鬱だ

 

 

 

 




あと一、ニ話で異変開始!、な筈


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帰郷.船上にて

今回、ギャグ多め、誤字脱字の報告よろしくです


現在俺はあきつ丸と別れ単冠湾行きの船に乗っている…、フィガロと共に

あきつ丸も一緒に行きたかったらしいが、艤装の修理やら強化などで外界に残らなければならないらしい

そして俺は…、絶賛船酔い中である、これだから乗りたくねぇんだよ…

 

フ 「大丈夫ですか?、お兄様」

弥 『俺の事は良いからフラン見ておいてくれ、どこ行くか分からん』

フ 「仕方ありませんね、了解です」

 

そう言ってフィガロは小走りでフランの元に向かって行った

にしても綺麗な船だな、フェリーとは思えない、乗ってる人間もなんか富裕層っぽいし

やはり深海棲艦が出て来てから船旅は富裕層しか出来ない金のかかる物になったのかな

そんな事を考えていると首元のネックレスがガチガチと音を立てて口を動かした

これは何を意味しているんですか?、お腹が減ったんですかね

そう思い近くにあったサラダのレタスを口に近づけて見ると、レタスに噛り付いた

しばらくあげて見ると3枚ほどで見向きもしなくなった、ワガママな奴ばっかりだな俺の近くは

 

コ 「誰がワガママですって?」

弥 『誰も貴女とは言ってません、にしても久しぶりだな』

コ 「切り出すタイミングが無かっただけよ、人の目が気になるし」

弥 『じゃあなんで周りに人が多い今なんだよ』

コ 「貴女の知り合いが居ない時って事よ」

弥 『そうかい、で、なんか話があるのか?』

コ 「ん?、あるわけないじゃない」

弥 『…』

コ 「久しぶりに話がしたかっただけよ、それじゃまた」

 

そう言ってコレットは引っ込んだ、何なのあの胸平さん

 

コ 「後で覚えとけよ」

弥 『口に出して無いじゃないですかやだー』

コ 「それでも聞こえるのよ!、今日は寝れないと思いなさい」

弥 『その言い方は語弊が生まれると思います』

コ 「まぁ良いわ、それじゃ」

 

そう言って今度こそコレットは引っ込んだ、夜が怖いねぇ

 

しばらくの間船酔いに耐えていると首元のキモいのから声が響いた、周りがうるさくて良かったぜ

 

離 「ダイブ騒ガシイケド、モウ船ニ乗ッタノカシラ?」

弥 『えぇ、船酔いしやすいんで地獄の様ですよ』

離 「ヘェ、オ気ノ毒ネ、ソノ割リニ元気ソウダケド?」

弥 『酔い止め飲んでるんですよ、それでも気持ち悪いって事です』

離 「ソー、可哀想ニ」

弥 『って言うかこのネックレス物食べるんですね』

離 「口付イテルンダカラ当タリ前ジャナイ」

弥 『ネックレスは普通物を食べません』

離 「ネックレス型ノ生物ダモノ」

弥 『はいはい、私の負けですよ、で、何の用ですか』

離 「エ?、特ニ用ハ無イワヨ」

離 「ソレジャアネ」

 

そう言って離島は通信を切った、離島棲鬼との通信途絶!、本当みんな自分勝手だな全く

そう不平不満を漏らしながらも、少し楽しいと思っている自分が居た

 

……

 

このまま2日ぐらいは船に揺られると思うと気が滅入って来た

元々陸上の生き物である人間が空飛ぼうとか海を移動しようとか考えるのが間違いなんだよ

まぁ良い、日も沈んで来たし自室に戻るとしよう、そう思い廊下を進んだ

道中には単冠湾の馬鹿提督とか焼鳥製造機の面々が居り、中々痛烈な視線を送って来る

海軍の人間で良い奴だなと思ったの龍田と天龍、後摩耶と金剛さんくらいじゃないか?

あとは俺の事化け物を見る目だしな、あながち間違いじゃないし否定はしないが

地獄の様な回廊を抜けるとフランとフィガロが待つ部屋に着いた、まあまあな感じ?

 

部屋に入ると既にフランは寝ており、フィガロが部屋の机で仕事をしていた

書類は1m程あり1日でその量やるの?、ってレベルの厚みがあった

フィガロはこちらに気がつくと仕事の手を止め、ハイライトの無い目を細め微笑んだ

 

フ 「おかえりなさい、お兄様♡」

弥 『お、おう』

フ 「浮かない様子ですが大丈夫ですか?」

弥 『船酔いして調子が悪いだけだ、なんて事は無い』

弥 『ちょっと寝る事にするよ、後はよろしくな』

フ 「お任せ下さい、お兄様の頼みとあらば喜んで♪」

弥 『そんじゃおやすみ』

 

俺は寝る間近こう思った、フィガロあいつ今日テンション高くね…?

 

……

 

久々の精神の部屋、"Weißer Raum"、なんて言うか本当久々だな

そんな風に半ば感傷に浸っていると遠くから走って来る音が聞こえる

そちらに振り向くととても素晴らしいフォームで飛び蹴りを繰り出しているコレットがいた

咄嗟にバク転を決め攻撃を避けると俺のいたところにはクレーターが出来ていた

 

コ 「チッ…、仕留め損ねたか…」

弥 『ちょっとコレットさん⁉︎、何物騒な事言ってるの⁉︎』

コ 「うるさい!、死に晒せやゴルァ!」

弥 『あぁ、ムネタイラー国務長官と呼ばれた事を気にしておられるんですね分かります』

コ 「絶対許さんぞ弥生!」

 

そう言いコレットはこちらに全速力で走って来た、その表情はまるで般若の様…

危機迫るものを感じ反対側に逃げると右手に炎の刀の様な物を携えたコレットが先回りしていた

これは一体どう言う事ですか?、なぜ貴女が眼の前にいるのに後ろから足音が聞こえるんですか?

俺はそんな事を思いながら2人のコレットにボコにされた、2人掛りは勘弁してつかぁさい…




感想お待ちしてまーす、時雨提督さん、ありがとです


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帰郷.単冠湾

長らくお待たせ致しました、誤字脱字の報告よろしくです


船に揺られ早2日、深海棲艦のせいか洒落にならない程船の進みが遅かった

しかしそれも今日まで、何故なら今船は単冠湾の港に着いたからだ、長かった…

もう車は船から降ろしてあるし、荷物なら車に全て積んである

フィガロは自分の車に荷物が積みきれなかったのか大半が俺の車に積んである

Figaroのトランクは狭い…、想像以上だったわ

まぁMARCHと比べるのは酷だったか、オープントップクーペだし

にしても加賀さんが乗って来たEP82はなんだろ、トムスのフルエアロのあれ

排気音からしてあまりチューンされてないようだが

なんて言うか…、俺のMARCHとキャラ被らないか?、コンパクトカーでフルエアロって

 

そんな事を考えているとフィガロが話し掛けて来た、ペストマスクのせいで表情が分からん

 

フ 「どうしたのですか?、またまた考え込んで」

弥 『いや、何でも無い』

フ 「そうですか…、そういえば今から行く幻想郷ってどんな所ですか?」

弥 『化物と、妖怪と、悪魔がいる所だな』

 

俺がこう言うとフィガロは意味が分からないとばかりに肩を竦めた

 

弥 『話によると神様もいるらしい』

フ 「神話とかのお話ですか?」

弥 『まぁ行ってみれば分かるよ』

フ 「はぁ、まぁお兄様が気に入るんだから悪い所では無いのでしょうね」

弥 『鎮守府の玄関で立ち話もなんだ、中に入るとしよう』

フ 「そうですね」

 

俺らはこうして鎮守府に入った、大淀はいつも通り敵対心丸出しだ

 

大 「また会いましたね」

弥 『嬉しい限りです』

 

俺がそう言うと大淀は苦虫を噛み潰したような表情をした、流石に傷つくぜ

 

フ 「お兄様、こいつは?」

弥 『ただの知り合い、まぁ嫌われているようだがね』

フ 「そうですか…、大淀と言いましたね貴女、早く私達部屋に連れて行きなさい」

大 「偉そうに…、こちらです」

 

そう言って大淀は嫌々俺達を案内した、まぁ俺は知ってるんだけど

 

……

 

まぁ知ってはいたが例の窓の無い部屋に連れて行かれた、本当あり得ない

部屋に入るとフィガロはペストマスクを外した、目が死んでいるのはいつも通り

弥ントやらペストマスクやら何世紀の人なのか分からないファッションだが

何故か似合っているのは顔が整っているからだろうか、自分の妹を褒めるのも癪だな

ましてまントの下はゴシックロリータ、ほんと貴女いつの人なの?

…何処と無く離島棲姫に似ている気がする、性格も似てるんじゃないか?、多分

 

フ 「本当今日はお兄様良く考え込んで、どうしたんですか?」

弥 『何でも無いさ、にしてもお前その服似合うな』

 

俺が柄にも無く褒めてやると、フィガロは頬を染めこう言った

 

フ 「お兄様に褒めて頂き、光栄です」

弥 『そりゃ良かったよ、にしてもこの部屋暗いな』

フ 「そうですね、まぁ窓も無いし仕方ないでしょう」

弥 『ま、フランは寝てるしこのくらいの明るさが良いのかな』

 

そう言い俺はベットの上でまるで猫の様に丸まっているフランの頭を撫でた

ふとフィガロの顔を見ると…、味わい深い顔をしてらっしゃる、どう言う感情?

 

フ 「お兄様ってさも当然の様にそう言う事しますよね、…羨ましい」

弥 『お前にもたまにしてるぜ?、お前が先に寝てる時』

フ 「そうなんですね、気付きませんでした」

 

そういってるフィガロの顔はニヤニヤしていた、表情がコロコロ変わるなぁ

 

……

 

それから数時間、わがままな妹氏は腹が減ったと宣ってきた

だから俺は今車に向かっているわけだ、なんか食う物積んであった筈…

という訳で車に着いた、リアゲートを開け中を漁っていると背後に気配を感じた

 

? 「あら、美味しそうな香りがしますね」

 

声がする方を見るとそこには加賀さんの色違いがいた、髪型も違うな

 

? 「少し貰えませんか?」

弥 『ど、どうぞ?』

 

そう言って俺がトランクのスルメをあげると千切りもせず黙々と食べていた

 

大きなスルメをものの数分で食べ終わった彼女は自販機のお茶で一息つくと、口を開いた

 

? 「それで貴方は誰なんですか?」

 

まさかの俺を知らない様だ、俺が忘れてたわけじゃなかったんだな

 

弥 『誰かも分からないのに食べ物を強請って来たんですか⁉︎』

? 「えぇ、おなかが減って居たので」

弥 『そうですか…、私は弥生です、この鎮守府で噂になっているのでは?』

弥 『化け物として』

? 「あの龍田さんに斬られたって話のですか?」

弥 『その通りです、その化け物は私です』

? 「噂には聞いていましたが…、中々優しい人なんですね」

弥 『ぅえ?』

 

そう聞いて俺は面食らった、初対面の人に褒められれば誰だって驚く

 

? 「初対面の私に食べ物を分けてくれるんですから」

弥 『そ、そうですか…』

? 「そう言えば自己紹介がまだでしたね、私は赤城、加賀さんから噂は聞いていました」

 

加賀さん…、噂話するタイプには見えないのに、意外

 

赤 「加賀さんが言うにはそれ程悪い人では無いらしかったので話し掛けてみました」

赤 「加賀さんの読みは合ってましたね」

弥 『それは良かった』

 

俺は皮肉めいてそう言った、すると赤城は少し悲しそうに笑った

 

赤 「…昔の摩耶に似てますね、直ぐに心を閉ざす所が」

 

赤城がそう言った頃ハイヒール特有の足音がした、フィガロだな

 

フ 「お兄様一体いつまで…、その女誰ですか…?」

 

フィガロは黒いオーラを纏い近づいて来た、一歩間違えればまた監禁されそうだな

その後フィガロへの説明に数時間かかったのはまた別の話

 

 




久々に書いたらこうなりました、休んじゃだめですね


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とある日常

誤字脱字の報告よろしくです


夜、隣で寝ているフィガロを起こさない様ベッドを這い出た

俺がベッドから出るとフィガロはウンウンと唸り、寝返りを打って眠り続けている

駐車場とは名ばかりの空き地に置いてある愛車は、俺に気づいたのかエンジンを掛けてくれた

運転席に乗り込んだ頃、提督のジムニーでギチギチのガレージから摩耶が出てきた

 

摩 「お?、久々だな、MARCH治ったのか」

弥 『お久しぶりです、スフィアも格納して万全な状態ですよ』

摩 「へぇ、なんか他にしたい事ってあるのか?」

弥 『そりゃもちろん、車載PCとかボルトオンターボとか』

摩 「まだ馬力上げるのか…、車載PCってどう言う事だ?」

弥 『車にパソコン載ってたらカッコ良くないですか?』

 

俺がそう言うと摩耶は呆れたようにこう言った

 

摩 「まぁ分からんでも無いけどよ、技術的に出来んのか?」

弥 『分かりませんが、アップルのG3とか言う小さいのもあるぐらいですから』

摩 「あぁ、まぁそういう事に詳しい知り合い一人居るわ、会ってみるか?」

弥 『私はここでは嫌われています、会っても無駄だと…』

摩 「そいつ頭の中科学やら開発だとかしかないから大丈夫だと思うぜ?」

摩 「まあまあ、行ってみようぜ」

 

そういった摩耶は俺の背中を押して来た、こっちの話を聞いてくれよ…

 

弥 『ちょっと!、押さないで下さいよ!』

摩 「いいからいいから〜」

 

俺の話は聞かれない様だ、なんか俺の周り強引な人多いな

 

……

 

摩耶に連れられ来たのは不思議な研究所の様な所、化学薬品の匂いがキツイ

その真ん中で何故か溶接しているピンク色の髪をした女の子、これが知り合い?

 

摩 「よう明石、客だぜ」

明 「一体どういう風の吹き回しなんですか…、貴方は巷で噂の?」

弥 『如何にも、私が噂の不死の怪物です』

明 「いやー一度会って見たかったんですよ!、噂になる割には地味な外見ですね」

 

人の子と見るや否やこの言い様、失礼な事だ

 

弥 『…、摩耶さん、私って地味ですか?』

摩 「こいつズレてるんだ、気にすんな」

明 「で、何の用なんですか?」

摩 「こいつが車載PCが欲しいんだと、お前も前似たような事言ってたから来て見た」

明 「ほぅ!、中々面白い話じゃないですか!、で、何に積むんですか?」

弥 『MARCHですけど』

明 「車種を言われても分かりませんよ、取り敢えず現物を見にいきましょう」

 

そう言われた俺は愛車の元に明石を連れて行った、なんかちょっと不安なんだけど…

 

明石をMARCHの元に連れて行くと、開口一番にこう言われた

 

明 「小さい車ですねぇ、PCの本体は何処に積みましょうか」

 

そう言われたのが気に食わなかったのか、ミアはエンジンを掛けスロットルをふかした

 

明 「ひゃ!、…弥生さんなんかしましたか?」

 

そんな睨まんでも、後でミアはお説教だな

 

弥 『見ての通りなんもしてないっすよ』

摩 「その車たまに勝手にエンジン掛かるんだよ、どっかの配線ショートしてるんじゃ無いか?」

 

犯人はミアだが…、悪魔なんてこっちの世界じゃ信用されないからな

 

摩 「中々車高低いし、ホイールアーチ内の配線がさ」

弥 『かも知れないですね、まだ配線上にあげてないんで』

 

摩耶とその話をしている時、明石はMARCHのあらゆるところを観察して居た

 

摩 「まぁいいや、それで明石、出来そうか?」

明 「出来なくは無いですね!、本体はトランクに乗せてやれば良いですし」

明 「まだ試験段階の液晶タッチパネルにすればキーボードとかマウスも要らないです」

明 「ただ問題は後付け感が凄い物になってしまうでしょう、メーターフードがもう少し長ければ…」

 

MARCHのメーターフードは楕円形に近い、確かに液晶パネルは付けにくいだろ…

 

弥 『後付け感があるのはかっこ悪いですよね…』

 

早くも車載パソコン計画は暗礁に乗り上げた、カッコ悪かったら意味ないからな

 

弥 『…』

明 「…」

摩 「…」

摩 「!、コペル ボニート用のを使おう、あれなら長さが足りるはずだ」

 

沈黙を破った摩耶は、姉妹車のインパネを候補に出した、確かに使えるかも

 

弥 『そうですね!、だけどどこから持ってきます?』

摩 「私が手配してやるよ、その手の知り合いが多いからな、私は」

 

知り合いにいるのなら話が早い、お願いしよう

 

弥 『よろしくお願いしますね』

明 「じゃあこの車、しばらく預かりますね!」

 

そういった明石は俺の車に乗って何処かへ行ってしまった

せっかく走りに行こうと思ったのに、俺は溜息をつきながらまた部屋に戻った

 

……

 

部屋に戻るとフィガロはベッドに座っており、少し寝惚けているのかフラフラしている

 

弥 『オイオイ、大丈夫か?』

フ 「あぁ…、お兄様ですか‥」

弥 『寝癖がひでぇな、そこに座りな、治してやるよ』

フ 「お願いします…」

 

フィガロを化粧台の前に座らせ髪に櫛を通す、するとさっきまでの寝癖が嘘の様に治った

ここまで素直な髪質なのは羨ましいな、俺も中々サラサラだと思うが

 

フ 「久々ですね、お兄様に髪をとかして貰うのは」

弥 『最近はお前と一緒に居なかったから当然だろ?、まぁ俺が留学とかしてたせいだが』

フ 「あの時の寂しさと言ったら…、何度も言ってますがもう私を置いていかないで下さいね」

 

鏡に映ったフィガロの顔は寂しげだった、悪い事しちまったな…

 

弥 『分かった、もう二度と置いて行かない』

フ 「約束ですよ、破ったら承知しませんから…」

 

そう言ったフィガロの表情は薄く笑っていた、その表情は寒気を感じるものだった

 

 




話が進んでないって?
仕方ないさ、なんたって今は前準備の時間だもん


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とある日常.2

誤字脱字の報告よろしくです


特に何もない日が数日ある、今日も何も無い予定だ

車が帰って来ないから全然走りにも行けないし、Figaro借りてまで走りに行く気ないし

そこら辺歩き回っても視線が不愉快だから必然的に部屋に引き篭もる事になってる

っていうか夜中しか外に出ないから最近陽の光見てないんだけど…、まぁいつもと変わらんね

フランはこっちで出来た友達と遊び行っちゃったし、まぁ楽しそうで何よりだよ

そういえばフランがこっちじゃ能力が使えないって愚痴ってたな、俺は使えるのに不思議

この部屋にある本も全部読んじゃったし、流石に暇って訳だ

 

弥 『なぁフィガロ、暇なんだけど』

フ 「最近それしか言ってないですね、遊んであげたい所ですが仕事を終わらせなきゃなので」

弥 『風呂でしかこの部屋から出てない、後お手洗い』

フ 「知らないです」

 

そう言ってフィガロは仕事に戻ってしまった、肝心な時に構ってくれない娘ですこと

 

と言う事で部屋から出て来た、MARCHの進行状況を見に行こう

そう思い廊下を歩いていると紙人形が落ちていた、だいたい2、3枚

なんじゃこりゃと思い拾い上げてみるが特に不思議な事は無かった

誰か陰陽師でも居るのか?、それじゃ俺は祓われる側に居るな

 

? 「ちょいちょいちょい、そこの君ぃ、それウチのなんやけど!」

 

後ろを振り向くと赤い服にサンバイザーをつけた少女が居た、関西の人?

 

弥 『ん?、あぁ、ごめんなさいね』

 

俺は謝ってその紙人形を返した、すると彼女は俺の顔を覗き込んで来、そして首を傾げた

 

? 「君、誰?」

弥 『弥生って名前です』

? 「…あぁ!、あのあきつ丸の隣に居た人やな!」

? 「そういえばあきつ丸は?」

弥 『今は陸軍省でメンテナンス中ですね、改装するとか何とか』

? 「ふーん、そうなんやな」

弥 『それはそうと貴女は誰?』

? 「ああ、自己紹介がまだやったか、ウチは龍驤や、よろしゅうな!」

弥 『えぇ、よろしくお願いしますね』

 

フレンドリーな人だなぁ、やっぱり関西の人?

 

……

 

龍驤と話していると中々楽しげな人と言う事が分かった、ノリも良い

ただ所々遠い目をしていたのが気になる、ここの鎮守府は過去に闇のある人が集まるらしいしそう言う事だろう

まぁ過去を聞くのなんて野暮ってなもんだし聞かないでおこう

 

龍 「それでさ、元々何処に行くつもりだったん?」

弥 『明石さんに車を預けていまして、進行状況を見に行こうかなと』

龍 「じゃあウチもついて行ってええか?」

弥 『どうぞ?、そんな楽しい物でもないと思いますけどね』

 

俺がそう言うと龍驤は俺の手を引きながらこう言った

 

龍 「早く行こう!、時は金なりや!」

 

そう言った彼女はグイグイと俺は引っ張って行った、元気な子だね

 

龍驤に手を引かれ来たのは工房の様な部屋、その真ん中には内装をすっかり外されたMARCHが置いてある

車内を覗き込むと内装が外された車内にはコードが張り巡らされており、収拾がつくのか疑問な程の量になっている

 

龍 「凄い量やな、なにをしようとしてるんや?」

弥 『パソコン積もうとしてるんですよ、私もここまでとは思いませんでしたが…』

龍 「パソコンなぁ、あんまウチそう言うの分からへんわ」

弥 『メカ音痴でらっしゃるんですか?』

龍 「そんなもんや、あ、明石来たで!」

 

そう言うと龍驤は明石の元に走って行った、明石さんバーナー持って来たけど何に使うの

 

明 「あ、弥生さん、車ならまだまだ出来ませんよ?、色々発注してる所です」

弥 『あ、はい、分かりました』

明 「PC本体はG3ベースの物で良いですか?、嫌なら他の物もありますけど」

弥 『それで良いです、元々その予定でしたから』

明 「じゃあそれで行きますね!、もうちょっと待ってて下さい!」

弥 『費用はどうしましょう?、いくらぐらいになる予定ですか?』

明 「その心配はしなくて良いですよ、提督に請求しときますから」

 

ああ、可哀想な提督、あいつならいっか

 

弥 『じゃあよろしくお願いしますね』

 

そう言ってMARCHの方に戻って行くと龍驤がボンネットを開けていた、何見てんの?

 

弥 『気になる事でもありました?』

龍 「いや、外見がゴツいからエンジンもかと思ったんや、中身も中々ゴツいの積んでんやな」

龍 「ウチは摩耶と同期なんや、あいつ口を開くと車の話やからな」

龍 「嫌でも覚えるっつーの!、まぁ、悪い奴やないから仲良くしてやってや」

弥 『えぇ、こっちで車の話出来るのあきつ丸と摩耶さんだけですから』

龍 「ウチも聞いてやるで?、聞いて欲しければやけど」

弥 『ふふっ、ありがとうございますね』

 

そんな会話をしながら、俺たちは工房を後にした

 

……

 

龍 「それはそうと敬語辞めてくれない?、堅苦しいんやけど」

弥 『言っておきますけど私とても口が悪いですよ?、だから敬語なんです』

龍 「かまへんかまへん!、ウチの周り口悪いのばっかりやから」

弥 『そうですか…、これで良いか?』

龍 「うん、肩の力が抜けたわ!」

弥 『そっか、そりゃ良かったよ』

 

恐らく信用できる人がまた増えた、まぁ人間不信な訳じゃないんだけどな




日常回多すぎて題名ネタ切れですたい


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とある日常.3

誤字脱字の報告よろしくお願いします


又々1週間ほど過ぎた、車の方は今日で完成らしいがどうも不具合が治らないらしい

なんでも奇妙なデータが削除出来ないらしく、今それをなんとかしたいらしい

未使用のパソコンにデータなんか入ってるのか?、インテルぐらいしか入って無さそうだがな

にしてもどんな感じになるんだろうか、楽しみだ

そんな事を考えていると首の変なのに通信が入った、またあの人か

 

離 「久シブリ、元気シテタカシラ?」

弥 『今元気をなくしました、お久しぶりです』

離 「ヒドイワネェ、マァ良イワ、早速本題ニウツルワネ、今貴方ドコニ居ル?」

弥 『鎮守府です』

離 「ソウヨネ、私達ノコト話テナイワヨネ?」

弥 『もちろん、て言うかずっと貴女聞いてるでしょ?』

離 「ソウダケド、上ガウルサクテネ」

弥 『そっちにも上司がいるんですね、お気の毒様』

弥 『どちらかって言うとこの会話聞かれた方がマズイのでは?』

離 「大丈夫、センサーニ反応ハ無イワ」

弥 『これセンサー付いてるんですか⁉︎』

離 「エェ、知ラナカッタノ?」

弥 『言われてないですもの』

離 「ア、人ガ来ルワ、ソレジャ」

弥 『えぇ、それじゃ』

 

離島棲姫との通信が終わってすぐ、部屋には龍田と天龍が入って来た、ノックくらいしなさいよ

 

天 「よう、なんとなく来たぜ」

弥 『来なくて良いぜ、なんか飲むか?、買ってくるけど』

天 「いや、先に俺らが買ってきたから大丈夫だ、お前の分もあるぞ?」

弥 『気が効くな、紅茶あるか?、じゃなきゃコーラ』

龍 「ごめんなさいねぇ、コーラしかないわぁ」

弥 『じゃあ戴けますかな』

 

龍田は手に持ったレジ袋からコーラを取り出した、残念ながらZEROだけど

 

弥 『ありがとな、んで、何の用さ』

龍 「なんとなく来ただけよぉ?、まぁ迷惑なら帰るけど」

弥 『そういう訳じゃないさ、まぁ用が無いならそれでも良いよ』

天 「なら良かった、じゃあ遠慮無く居座らせ貰うぜ」

 

……

 

弥 『別に良いとは言ったけど、いつまで居るつもりだよ?』

 

今時刻は夕方の5時、朝の11時からずっと居るんだけど

フィガロの奴は提督と話があるとか何とか、帰って来たらうるさいぞ絶対

 

天 「今日は特に任務とかもねぇからずっと居られるぜ」

龍 「天龍ちゃんと同じ〜」

弥 『今私は暗に帰れと言ったんですが…』

天 「こんな可愛い女の子2人に帰れってか?、嫌だね」

龍 「天龍ちゃんと同じ〜」

弥 『龍田さんそれしか言ってないですね、あと可愛いって自分で言わない』

 

そんな話をしているとがノックされた、扉を開くとそこには摩耶と龍驤が居た、レジ袋持って

 

龍 「うーい、来たでー!」

摩 「先客がいるみたいだけどな、よう天龍、龍田」

龍 「あら〜?、貴女達弥生と知り合いだったの?」

龍 「この前たまたま会うてなぁ、それで知り合いなったと言うわけや」

摩 「私も似たようなもんだ、まぁ私はだいぶ前だけどな」

龍 「私は知っての通り弥生を斬り付けちゃったのよぉ〜、あの時はごめんなさいねぇ〜」

天 「俺は喧嘩吹っ掛けてみたんだけどよ、普通にやられちまったって訳」

弥 『やーい天龍ダサ〜い』

天 「うるせぇな!、そういうお前は龍田にやられたじゃねぇか!」

龍 「うふふ、仲良いわねぇ〜」

 

そんなこんなでしばらくは部屋がごった返していた、その後大淀さんに注意されたのは別の話

 

……

 

しばらくして天龍、龍田は帰り龍驤と摩耶が残った、散々騒いだから騒ぎ疲れたご様子

 

龍 「そうそう、明石曰くMARCH出来上がったらしいで」

弥 『見に行こうぜ』

摩 「そう言うと思ったわ、行くか」

 

明石の工房に行くとすっかり内装が取り付けられたMARCHが置いてあり、車内では明石が新設されたディスプレイと睨めっこしていた

 

明 「やっぱり消えない…、あ、来ましたか」

明 「謎の消えないデータがあるんですが…、それ以外は完成しました!」

弥 『ありがとうございます、そのデータになんかデメリットはありますか?』

明 「無いですけどなんというか不気味で、消しても消しても復活して来るんですよ」

弥 『確かに不気味ですが…、何でしょうね』

 

俺がそう言った瞬間MARCHのエンジンが掛かった、今日もミアは悪戯っ子です

 

明 「この車…、私が作業してる時もたまにエンジンが掛かるんですよ、配線を見てもおかしな所は無いのに…」

弥 『不思議ですね…』

明 「まぁ、データが消えないのとエンジンが勝手に掛かる以外は良好です!、もう引き取りますか?」

弥 『そうですね、ありがとうございます』

明 「たまにこの工房に来て下さいね!、まだβ版だからバグるかも知れないですし!」

弥 『じゃあ摩耶さん、龍驤、戻りましょう』

 

俺がそう言うと二人は頷きMARCHの車内に入って行った

 

弥 『乗るんですか?』

龍 「もちろんや、ウチ達を歩きで帰せるつもりだったんか?」

弥 『いやそういう訳では…、分かりました』

摩 「ついでに峠でお前の走り見せてくれよ」

 

俺は頷くと運転席に乗り込んだ、後部座席に龍驤、隣に摩耶と言うなんとも言えない状態で峠に赴く事になった

忌まわしきあの峠、走る毎になにかしらが壊れて来たが今回は無事に終わるんだろうか




車載PCはインパネに埋め込み型でタッチパネル方式です、まぁ時代背景は気にしないで下さい


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羊の皮を被った狼

話の大筋には全く関係ないので飛ばしちゃっても大丈夫ですが…、読んでくれると嬉しいです


この峠はあまり全長が長くないが高低差が激しく、ヘアピンやS字コーナーが多い

その上道の状態も悪くただえさえ狭い道がさらに狭くなっている

左右1mは枯葉や砂で滑り易く、夜は気付かなかったが路肩には側溝がある、溝走りが出来そうだ

イメージは埼玉の正丸峠と群馬の榛名山を足して二で割った様な感じだな

勾配は第一いろは坂に近いものがある、お陰でSR20であっても登るのがキツイ

 

龍 「流石に3人乗ってると馬力的にキツイんか?」

弥 『150馬力もあれば十分だと思ったんだけどな、上りは苦手』

摩 「車重が軽いから下りは暴力的な走りになりそうだけどな」

弥 『フロントヘビーだからそこまでじゃないと思うが、まぁあきつ丸に散々文句言われたけど』

弥 「さて、頂上に着いたぜ」

 

峠の頂上に着くと前と変わらず寂れていたが、1台車が止まっていた

トヨタSTARLET EP82、提督が買って来たセカンドカーと聞いた、まぁ加賀さんが良く使っているらしいが

EP82の車内には加賀さんが眠っており、起こすのは憚られる、何でこんな所で?

 

龍 「お、提督んとこのSTARLETやん、K11のライバルやな」

弥 『あの車の中身よるな、並みのエンジンなら負ける気がしないね』

摩 「おい弥生、あれ見ろよ…」

 

俺は摩耶にそう言われSTARLETの方を見ると…、加賀さんがこっちを睨んでいるんですけど

口の動きから察するに…「頭にきました」とな?、頭に来られましても

加賀さんはそう言うとセルを回しエンジンに火を入れた、ブローオフバルブの作動音が度々する事からターボ車なのだろう

MARCHの後ろにくっ付くとパッシングして早く行けと急かしてくる、MARCHだからって舐めてかかってるのかしら

 

摩 「加賀って中々好戦的なんだなぁ…、で、やんのか?」

弥 『もちろん、MARCHがSTARLETに負ける訳には行かない』

 

K11 MARCH vs EP82 STARLET 、コンパクトカー同士の戦いの火蓋が切って落とされた

……

 

走り始めて数分、思っていたより加賀さんが上手くて驚いている

グリップ走行の基本は全て出来ている、本当に初心者か?

それに俺の走り方を見てタックインも習得した様だ、そろそろ引き離さないとまずいな

左にキツいコーナーに差し掛かりブレーキを踏んだ、同時にギアを2ndに入れフロントに荷重を掛ける

次に右にハンドルを切り空かさず左に切る、俗に言うフェイントモーションだ

ノーズが左を向いたらサイドブレーキを小刻みに引きリアタイヤを滑らせアンダーを殺す

コーナーの出口に鼻先が向いたらギアをDに戻しアクセルを踏み込めばコーナを脱出する事になる

しかしここは峠、サーキットの様に休めるようなストレートも無くすぐに次のヘアピンがやってくる

車体を左に振りすぐさま右に切りアクセルを抜く、タックインの力に任せコーナを抜けて行く

そんなヘアピンを3つ抜ける頃には既にコツを掴んだ加賀の車はまたリアガラスに張り付いていた

 

ふと助手席を盗み見ると摩耶が顔を白くしており、バックミラー越しの龍驤は青くなっていた

まぁいいや、そう思い焦点をリアガラスに向けると付かず離れず後ろにくっついて来ている

峠には法則性があり基本的にはヘアピンの後にはストレートが待っている

しかしここは心が休まらないふにゃふにゃした左右のクランクがある

遠心力で地面から剥がされそうになる車体をブレーキングやタックインでなんとか地面に押し付けまたヘアピンが近付いて来た、アレやってみるか

アクセルを早いうちに抜いてエンジンブレーキをかけ、内側の縁石にぶつける勢いでハンドルを切る

片方のタイヤが下に落ちる感覚を感じすぐさまアクセルを踏み込んだ

すると通常では有り得ないジェットコースターの様な気持ちの悪いコーナリングを見せた

コーナーの出口でハンドルを左に切り側溝から引っ張り出した

ふとメーターを見るとコーナー脱出時のスピードが+20kmぐらいだ、素晴らしい

バックミラーから加賀さんのSTARLETはもう消えている

見えなくなったSTARLETのブローオフバルブの作動音がひときわ甲高く峠に響き渡り、バトルの終了をこちらに知らせて来ていた

 

……

 

麓に降りて来る頃には摩耶は元気を取り戻していた、龍驤は未だ青白い

 

摩 「久々に怖ぇ運転だったな…、何回かバンパー擦ってたし」

弥 『そんなに怖かったか?』

摩 「怖えぇよ!、龍驤が酔っちまうぐらいにな!」

摩 「てか龍驤大丈夫かよ?」

龍 「まだ気分は戻らへん、ウプッ…、気持ち悪い……」

弥 『あと少しで鎮守府に着くからそれまで待ってくれ』

 

程なく鎮守府の駐車場に車を止め、龍驤を外に出した

龍驤はフラフラと鎮守府の扉に歩いて行った

 

摩 「見てらんないぜ…、私も行ってくる、じゃあな!」

 

外に出ていった龍驤を介抱する為摩耶も外に出て行ったからぼっちになってしまったのだった

 




なんとも言えないふわっとした内容になりましたね


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幻想郷 〜 永夜異変
永夜異変の始まり


やっと本筋が動きます、誤字脱字の報告よろしくです


フ 「おはようございます、お兄様」

 

朝起きると目の前にフィガロが居た、顔近ぇよ

昨日は加賀さんと走ってあの後すぐに寝たんだったな、やる事無かったし

にしても良く寝たんだな、夕方ぐらいに寝たのに翌朝って…

 

フ 「早く布団から出て下さい、今日出発でしょう?」

弥 『ん?、ああ、そうだったな』

弥 『フランは準備出来てるか?』

フ 「今駆逐艦に挨拶に行ってます」

弥 『子供ってすぐに仲良くなるよな」

フ 「そうですね、まぁ例外も居ますが…」

弥 『幼い頃のお前な、ずっと俺にくっ付いて来やがって』

フ 「あの頃からお兄様が好きだったんですよ」

弥 『はいはい、それはそうとお前は準備出来たのか?』

フ 「全て車の中に」

弥 『じゃあ行こうか』

 

幻想郷に帰る為、知り合いに挨拶に行く事にした

 

……

 

挨拶を終わらせいよいよ帰る事にした、今は車で峠を上がっている、時刻は午前11時だ

広場に着きガレージを開けると中は歪んだ景色が広がっている

 

フ 「話には聞いていましたが…、これはどうなっているんですか?」

弥 『知らない、時空を歪ませてるんじゃないか?』

フ 「どうやって?」

弥 『知らない』

フ 「…大丈夫なんですか?」

弥 『多分』

フ 「不安なんですが…」

弥 『大丈夫だと思うんだけどなぁ、こっちに来れたし、なぁフラン?』

フ 「大丈夫だよ!、多分…」

弥 『ただここ通ると車体が凍り付くから気をつける様に、幌開けると多分死ぬな』

フ 「どう言う事なんですかそれ、後フランは多分って付けるのやめて」

弥 『まぁとりあえず行きましょう』

 

俺はそう言って車に乗り込んだ、フランは助手席である

バックミラー越しにフィガロを見ると幌が閉まってるかしきりに確認した後車に乗り込んだ

二台連なる様にゲートを潜ると三度のソニックブームの破裂音がしフロントシールドが凍り付いき、

エンジンが急速に冷やされたためエンジンが止まった

直ぐにギアをNに入れつつブレーキを掛け停車した、やっぱり凍り付いたか

フランにアイコンタクトして頷いた後、満を辞してドアを開ける事にした、心無しか外が暗い

バリバリと氷が割れる音がしドアが開いた、空を見ると夜の空である…?、意味が分からない

取り敢えずフィガロの元に行きドアノブに手を掛けた

 

弥 『っつめてぇぇえ‼︎』

フ 「何!、大丈夫⁉︎」

弥 『取り敢えず大丈夫だ…、手が冷たくなった』

 

俺が冷たさに手を痛めているとパキパキと氷が割れフィガロが出て来た

 

フ 「お兄様!、大丈夫ですか⁉︎」

弥 『手が痛い…、カイロ持ってない?』

フ 「残念ながら…、私が温めましょうか?」

弥 『やめとく…、それより空が暗いのが問題さね』

フ 「そのうえあの月偽物だよ、妖力を感じないし」

弥 『ちょっと何言ってるのか分からない』

フ 「今超イラッときた!、て言うか分かんないの?」

弥 『妖怪じゃないんで、何も分かりません』

フ 「そ、取り敢えず紅魔館に帰りましょ?、お姉様達に聞くのが一番早いわ」

 

フランはそう言って一足先に氷が溶けかけているMARCHに乗り込んだ

 

フ 「だいたい分かりましたが、紅魔館って何処ですか?」

弥 『今から行くから付いて来てくれ、エンジン掛かるか?』

フ 「エンジンならGC13に換装してあるんで大丈夫でしょう、多分」

弥 『何を根拠に言ってるか分からないけど…、まぁ付いて来てくれ』

フ 「心配しなくてもどこまでも付いて行くつもりです」

弥 『そうかい…、好きにしてくれ』

 

フィガロと別れ車に乗り込んだ、セルを2、3回回すとエンジンが掛かりフロアが揺れ出した

ハザードをつけ合図を後ろに送ると後ろから2回パッシングして来た、出発だ

 

……

 

2台連なって走っているとかバックミラーに空飛ぶ魔法使いが現れた、魔理沙か

並走して来た魔理沙は窓を下げろと合図を送って来た、なんだなんだ

パワーウインドのボタンを押し窓を下げる、少し氷が残っているのか動きが悪い

 

魔 「よう!、おかえりだぜ!」

弥 『ん、ただいま』

魔 「見れば分かると思うが今異変解決中だ!、どんな異変が知りたいだろ?」

弥 『もちろん、どんな異変だ?』

魔 「夜が終わらない!」

弥 『は?』

魔 「夜が終わらないんだよ!、月も偽物らしい!」

魔 「今は迷いの竹林に行く事になってる!、あっちで霊夢達とも合流する予定だ!」

魔 「お前も来るだろ?」

弥 『了解!、しばらくしたら合流する!』

魔 「分かった!、早く来ないと解決しちまうからな!」

 

そう言って魔理沙は人里方面に飛んで行った、あっちに迷いの竹林があるのね

 

紅魔館に帰ると珍しく美鈴が起きていた、まぁ異変の最中だからか

 

紅 「あぁ、弥生さん!、お久しぶりです!」

紅 「それに妹様!、外界はどうでした?」

フ 「楽しかったよ!、友達も出来たし!」

紅 「それは何よりです!、それはそうと後ろの車は何ですか?、弥生さん」

弥 『俺の妹です、愛想が悪いですがご勘弁を』

紅 「妹さん居たんですね、それじゃあ中にお入り下さい」

 

美鈴がそう言うと、大層大きな門が音を立てて開いた、久々の紅魔館だ




合唱大会めんどい


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蓬莱人との戦い

超・難・産・!!、もう駄目かもしれない


レミリアの部屋に行き帰ってきた事を知らせ、直ぐに迷いの竹林に行く事にした

そして今はフィガロと移動中である、あきつ丸みたいな賑やかしが居ないと淋しいもんだ

 

弥 『で、ミア、喋れるんだろ?』

 

俺がそう言うとインパネの液晶に少女が映った、デフォルトされた二頭身のキャラみたいなのが

 

ミ 「あれ、バレちゃった⁇」

弥 『消えないデータって聞いた時から気付いてた』

ミ 「うーん、ビックリさせよう思ってたのに、ざんねーん」

ミ 「まぁ取り敢えず改めて自己紹介しとくね、僕はミア、悪魔さ」

ミ 「あぁ、別に君は自己紹介しなくて良いよ、もう何回も聞いてるから」

 

ミアは呆れた様にそう言った、まぁあきつ丸との会話で嫌という程聞いてるからだろうな

 

弥 『ん、分かった』

弥 『それはそうと、ここら辺一帯の地図を表示出来るか?』

ミ 「もちろん!、悪魔に不可能は無い…!」

 

程なくしてモニターに地図が表示された、地区の名も表示されており分かりやすい

ふむふむ、後1キロ程走ると着く様だ

 

……

 

竹林に着き車を止めた、周りを見回すが何もない、それどころか人里が無くなっている始末である

えーっと…、ん?、意味が分からないよ俺には

俺がこっちに居ない間になんかあったのか?、何?、移転?

この疑問を共有する相手も今は居ない、フィガロは一足先に竹林に入って行ったし

それとも妖怪に襲われて壊滅したか?、それにしては綺麗にまっさら過ぎるか

 

? 「よう、人里が無くってビックリしたのか?、お前」

 

いきなり背後から声を掛けられた俺は、腰に付けたホルスターからC96を取り出し相手に向けた

そこには白い髪に大きなリボン、赤いモンペの娘が居た

 

? 「お前らが紅魔館からやって来たのは知っている、精々人里の人間を襲うつもりだったんだろ?」

? 「それに私にそんな物向けたって無駄だ、私は死なない」

弥 『お生憎様ですね、これは対妖怪弾です、当たり所にもよりますが鬼ですら一撃で死ぬ計算ですよ』

弥 『それに、私達紅魔館の面々はそんな低俗な事はしません』

? 「どうだかな、私が信用出来る妖怪は一人だけだ」

? 「生憎だがそれでも私は死なない、死ねない体だからな」

弥 『それが本当か試してみますか?』

? 「その瞬間お前は焼け死ぬ事になるぞ?」

弥 『私は死ぬ事が無いですよ、死ねない体ですから』

 

俺がそう言うと彼女は少しうろたえ、そしてニヤリと笑った

 

? 「それが嘘でお前が死んでも、私は責任取らないからな!」

 

彼女はそう叫び、彼女の体から炎が上がった、戦いの始まりだ

 

彼女はその後舞い上がり、俺の周りに火の玉を撃ち出して来た

俺も二、三発撃ち込み直ぐに近くにあった小屋に隠れ今に至る

 

? 「早く出て来いよ!、愉しめないじゃないか」

 

遮蔽物から少し顔を出すと上空にはまるで火の鳥の様に羽ばたく彼女が見えた、どうにかして叩き落とさなければ

物陰から9mm弾を撃ち込むが纏っている火によって溶かされ、かすり傷すら与えられてない

 

? 「お前が来ないならこっちから行くぞ?」

 

完全にあちらは油断している、無理もないな

俺は腰につけた手榴弾に手を掛け、ピンを抜いた

遮蔽物から身体を半分出し相手方に投げ物陰に隠れた、程なく凄まじい轟音と光が彼女を襲った

周囲を覆っていた熱気が弱くなり、炎特有の橙色の光が消えた

 

? 「アアァァァ⁉︎⁇、くそッ何も見えねぇェェ‼︎」

 

ドサッ、と重たい物が落ちる様な音がした、そちらに足を向けると目を押さえのたうち回る先の少女がいた

 

弥 『さっきまでの余裕はどこに行きました?、無様ですね』

弥 『降参しますか?』

? 「クソッ!、誰がお前なんかに‼︎」

 

のたうち回りながらも未だこちらに敵意を向けるか、仕方がない

 

弥 『残念です、Gute Baye』

 

のたうち回る彼女の頭に標準を合わせ、引き金を引いた

 

……

 

しかしスキマが開き弾丸は中に吸い込まれて来た

周りを見回すと紫と霊夢が半ば怯えた様な顔をしていた

 

霊 「あんた、人を殺そうってのはどう言う了見よ?」

弥 『彼女が攻撃して来たから仕返した、ただそれだけの事です』

弥 『ましてやこの人は蓬莱人、死んだところで直ぐに生き返りますし』

霊 「御託は良いから、取り敢えずそいつに案内して貰わないと黒幕に辿り着けないのよ」

紫 「それじゃ妹紅、早く連れてってくれるかしら?」

 

そう言った紫は俺の足元に転がっていた妹紅に手を貸して立ち上がらせた

 

妹 「…あぁ、分かったよ」

紫 「それじゃあ行きましょう」

 

そう言って俺たちは竹林に入って行った

 

……

 

中に入って行く道中、妹紅と呼ばれた少女に話し掛けられた

 

妹 「…なぁ」

弥 『何ですか?』

妹 「あぁ、お前は何処で蓬莱の薬を手に入れた?」

弥 『私の能力は作る程度の能力、後は説明しなくても分かりますね?』

妹 「何でお前はわざわざこの生地獄に足を踏み入れた?」

弥 『一度こちらの世界に来る時死んだからです、その時の恐怖に耐えられなかったんですよ』

 

俺がそう言うと前を歩いていた霊夢と紫が振り向いた

 

紫 「その話、詳しく聞かせてくれない?」

弥 『今はまだ嫌です、私の中ではまだトラウまですから』

弥 『滅びし町の記憶…、まだ思い出したく無いんです』

妹 「そうか…、悪かったな」

 

しばらく沈黙が続き、和風の館に着いた、ここに黒幕がいるのか

周りには魔理沙やアリス、咲夜がいた、これだけ人がいれば力負けする事も無いだろう




誤字報告よろしくです


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永夜異変 〜 永遠亭内部

長らくお待たせ致しました、誤字脱字の報告よろしくお願いします


館の周りには魔理沙やら咲夜などがおり、張り詰めた緊迫感を放っている

魔理沙がいつにも無く不敵な笑みを浮かべ、レミリアの隣で咲夜はキリリと凛とした雰囲気を放って居る

一足先に竹林に入って行ったフィガロは竹に寄りかかり妖夢と話して居る、妖夢少し怯えてんぞ

恐らく幻想郷代表者の霊夢と紫を待って居たのだろう、珍しく協調性があるな

 

紫 「待たせたわね、行きましょうか」

魔 「ったく、珍しく霊夢達遅かったなぁ?」

弥 「こいつが余計な事してたのよ」

 

そう言った霊夢は俺を指差した、自ずと皆はこちらを見てくる

そして皆やれやれと言った様子で首を振った、何だよ、なんかイラっとするんだけど

 

魔 「まぁ取り敢えず揃ったな、行くとしようぜ!」

? 「あんまり勝手に決めないでくれないかしら?、こっちにも都合があるのよ」

 

皆が一斉に振り向くと、ブレザーにうさ耳という奇抜なファッションの女性が居た

目は紅く輝き、能力持ちである事を暗示している

 

弥 『貴女も能力持ちですか…』

 

俺はそう言って目を紅く光らせた、向こうと違い俺は古い電球の様に揺らいでいるが

 

? 「貴方まさか…、月の民ッ⁉︎」

弥 『何を言っているのか分かりませんが…、邪魔をするなら排除しますよ』

? 「私達を連れ戻しに来たの?、それとも…、まぁ良いわ、ここで倒すッ!」

 

俺は腰からC96を、あちらは手を拳銃の形にした、まぁこちらの人達は弾幕か

しかし予期せぬ形で対戦は中止された、割り込む形で妖夢が入って来たのだ

 

魂 「ここは私が、貴方は妹さんについて行ってあげて下さい」

魂 「あの人はまだこちらに慣れてない、さぁ早く!」

 

んー、そこまで大ごとじゃないよ?、そこまであいつ弱く無いし

 

フ 「さぁ、お兄様早く!」

 

フィガロは俺の手を引き館に上がり込んだ、まぁ妖夢に任せれば何とかなるだろう

 

……

 

フ 「こっちはあまり平和では無い様ですね」

弥 『そうでも無いぞ、偶々今日異変だっただけで』

 

話しながら廊下を歩いているが、先に入った魔理沙とかの気配が感じられない

中は薄暗くフラッシュライトを左手に持ち銃を構えながら進んで行った

外見からは想像出来ない程中は広く、未だ手掛かりは掴めていない

 

フ 「…おかしくないですか?、外観からはあり得ないほど広いですよ」

弥 『今俺は狐に化かされた気分だよ』

 

そうして終わりの見えない廊下を歩いていると、コレットが話しかけて来た

 

コ 「お久しぶり、今良いかしら」

弥 『どうした、久しぶりじゃ無いか』

コ 「私達の能力の研究してたのよ、面白い事に気付いたわ」

弥 『と、言うと?』

コ 「私達の能力は作る力、形の無いものも作れるの」

弥 『つまりは?』

コ 「能力をコピーする事が出来るのよ‼︎」

弥 『ん?、コピー?』

弥 『コピーのみ?』

コ 「えぇ、それもその能力を使っている時を見るしか無いわ」

コ 「だけど便利でしょ?」

弥 『多分な、今度適当な人の能力コピーして使ってみよ』

 

そうしてコレットは引っ込んで行った、結局報告だったのね

 

……

 

コレットに言われた能力の応用について考えていると、フィガロに話し掛けられた

 

フ 「何をブツブツ言ってるんですか?」

弥 『?、何でも無い』

フ 「そうですか…、あ、なんか突き当たりましたよ」

 

フィガロから目を離し前を見ると襖があり、開けて下さいと言わんばかりの隙間がある

隙間から覗いてみると銀髪で特徴的な服を着た女子がおり、そっぽを向いている

襖をそっと開け銃を向けつつ近づくと、彼女はあらぬ方向を向きながら口を開いた

 

? 「貴方が噂の殿方?」

弥 『いつ噂になったのか知りませんが…、貴女がこの異変の首謀者ですか?』

 

回転椅子に座った彼女はクルリとこちらを向いた、幻想郷の人って容姿端麗ね

 

? 「そうかも知れないし、そうじゃ無いかも知れない、真相は自分の手で手に入れるものよ?」

弥 『そうですか…、まぁ知った事では無いですし、私はあくまで傍観者として来ただけですから』

? 「そう、野次馬って事ね、なら銃を下ろしてくれる?」

フ 「下ろす理由が見当たらないんですが、下ろした瞬間に貴女が襲ってくるかも知れないですし」

? 「逆に言えば襲う理由が無いわ、野次馬を襲う理由は無いでしょう?」

 

しばらく双方は均衡状態になり、やがてフィガロが銃を下ろした

俺も銃をホルスターに収め、戦闘状態を解いた

部屋の中は病院の診察室の様になっており、薬品棚の中にはペニシリン等薬もある

にしてもこっちにペニシリンあるんだな、てっきり気合いと根性で治すのかと思ってたわ

レントゲン写真の様な物もあるが外界と同じメカニズムかは分からない

人里の開発ぶりから時代的には江戸時代位の水準だが、整理された棚の中の薬品や医療器具の水準は現代医学と同じぐらい進歩しているようだ、メスの刃が綺麗だしな

 

? 「そこの椅子に座ってくれるかしら」

弥 『はい、フィガロ、後ろから覆い被さらないで』

 

椅子に座った俺の頭に後ろから顎を乗せるような形でフィガロは覆い被さってきた

 

フ 「椅子は1つしか無いんですよ?、お兄様が先に座った以上こうしないと楽に話が聞けません」

弥 『そうかい…、もう何も言わぬ』

? 「いちゃいちゃしてる所悪いんだけど、話をして良いかしら?」

弥 『すいません…、どうぞ』

 

そうして彼女の異変を起こした理由の説明が始まった、なんか話長そうだな




車のセルモーターがヤバイ


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永夜異変の終わり、新生活の始まり

長らくお待たせしました、誤字脱字の報告よろしくです


あの後直ぐに霊夢達が来て今は弾幕ごっこして居る、丁度話について行けなくなった所だったし好都合だ

さすが学者と言った所で話が長かった、お陰様で話の半分しか覚えてない

だけどフィガロは興味津々で聞いて居たな、昔から成績優秀なだけある

そして今フィガロは魔理沙に詰め寄っているのだった、発端は魔理沙が俺に話し掛けた事にある

 

フ 「貴女はお兄様の何なんですか?、殺しますよ?、え?」

魔 「え、いや、ちょっと落ち着けよ、な?」

フ 「落ち着けですって?、私の愛しいお兄様に変な虫が着いたら困るんですよ」

魔 「いや、ただの友達だって、だから落ち着いてくれ」

フ 「そうですか…、変な真似したら貴女の命はないですから、分かりましたね?」

 

見てられないな、そう思い俺は魔理沙に助け船を出してやる事にした

 

弥 『まぁ、フィガロ、その辺にしといてやってくれ、で、何の用だ?、魔理沙』

魔 「いや?、そのフィガロ?、とか言う奴とはどう言う関係なのかと思ってな、まぁ、大体分かったが」

弥 『お前の予想どおり俺の妹だ、中島フィガロって言うんだ』

魔 「凄い名前だなおい、お前と違って横文字だし」

弥 『俺の名前は父親が、他は母親が付けたんだ、母がドイツって言う外国の人間だから横文字なのさ』

魔 「へぇ、外界は親の人種で名前の種類が変わるのか、洋風か和風に」

フ 「話は終わりました?、ならお兄様、行きましょう?」

弥 『ん、じゃあ魔理沙、また今度』

魔 「ん、あぁ、じゃあな!」

 

そう言って俺たちは部屋を離れた、最早この異変は解決したも同じ、居ても意味はない

そう思い俺は紅魔館に帰る事にした、久々にゆっくりと眠れそうだ

 

……

 

車に戻りエンジンを掛け、サイドブレーキを戻した、後ろには妹のFigaroが付いて来ている

二台連なり走っているとV型8気筒の重い音が何処からともなく聞こえて来た

しばらくスローダウンして様子を見るとFigaroの後ろに丸目四灯のヘッドライトが見えた

しかし前回とは違い音楽も流して居なければ追突もして来ない、しばらく待ってみる

するとウィンカーを点灯させFigaroを抜いた後MARCHに並んで来た

しばし待ってみる、特に襲ってくる様子も無く只々並走してくる、意味が分からない

 

弥 『なあミア、隣のfury何がしたいんだ?』

ミ 「うーん、彼女は君に着いて行きたいんだってさ、身寄りが無いんだって」

弥 『知らないし、どっちかと言えばレミリアに言うべきだろそれ』

ミ 「なになに?、あぁ、美鈴に門前払い食らったんだって」

弥 『あいつ車相手に勝ったの⁉︎、すげぇなおい』

ミ 「で、ついて行って良いのかしら?、だってさ」

弥 『勝手にすれば、って言っておいて』

ミ 「りょーかい」

 

そう言うとfuryはフィガロの後ろに戻った、やっぱボディサイズデカイな、派手な色と相まって目立つ

 

ミ 「あんまりそう言う事考えない方が良いよ、悪魔は人の心が読めるんだから」

ミ 「まして相手は車とはいえ女の子だよ?、体がデカイって言われるのは傷付くと思うし」

弥 『そんな能力あるん?、そんな事で傷付くん?』

 

俺がそう言うと、後ろのfuryがパッシングして来た、分かるんですねごめんなさい

 

弥 『そう言えば彼女の名前は?』

ミ 「クリスティーンだってさ」

弥 『へぇ〜』

ミ 「無関心すぎるでしょ…」

 

そんな話をしつつ紅魔館を目指して走り続けた、空を見上げると異変現場から紅魔館に帰るレミリアと咲夜さんが見えた、空の方がやはり速いのか…

 

……

 

しばらく御世辞にも整備されているとは言い難い道をひた走り、紅魔館に着いた

どうやら悪魔同士なら話が通じる様だ、クリスティーンは満を辞してレミリアに接触する事が出来た

しばらくその様子を見て居たがさっぱり分からない、まぁ良いか

そして今俺は自室に居てC96の分解をしているのだが…、フィガロがくっ付いてきてウザい

椅子に座っている俺に覆い被さる様に抱き付き、肩から顔を覗かせて居る様な感じ

言わずもがな胸が当たるのだが…、ちっさい、体を昔から鍛えて居た影響かしらね

そのおかげで身長もちっさいし、確かどっちかは大きくなるんだったよな?

まぁその事を言うとこのまま首絞められるし、お口チャックの方針でどうぞ

 

フ 「バレてますよお兄様、胸小さいと思ってますよね?」

弥 『何言ってんのか分からない、と言うか自覚あるのかよ』

フ 「プロレスゴッコしましょうお兄様、チョークスリーパーとかどうです?」

弥 『やるわけ…ぐええぇぇぇぇぇ‼︎』

 

細い腕が首に巻き付き締め上げてきた、その細さからは想像出来ない程力が強い

 

フ 「反省しました?、女子にそういう事言うとこう言う目に遭うんです」

フ 「まぁ、私以外の女とこんな話したら許しませんけどね」

 

そう言ってフィガロは更に腕に力を込めた、いや、これ以上はいけない!

 

弥 『分かった、分かったから‼︎、ギブ、ギブアップ‼︎』

 

俺がそう言うとフィガロは技を解いてくれた、まだ抱き付いたままだがな

 

フ 「よし、分かったなら良いのです、あ、ちなみに、お兄様と同室で良いんですか?」

弥 『あぁ、多分そうなるな、あきつ丸の時もそうだったし』

フ 「は?」

弥 『ん?』

フ 「あきつ丸もお兄様と同じ部屋に居たんですか?」

 

フィガロの顔に影が出来た、それに伴い後ろに黒いオーラが…

 

弥 『あ』

フ 「お兄様」

弥 『はい』

フ 「詳しく聞かせてくれますよね?」

弥 『はい…』

 

フィガロは和かに笑ってそう言った、その後修羅場になったのは言うまでも無い




眠い


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向日葵畑の恐怖

誤字脱字の報告よろしくお願いします


幻想郷に戻って来て1日経った頃、咲夜さんから手紙を手渡された

差出人は幽香、思い出せば週一で来いと言われている物を3週間はすっぽかしている

ヤバイのは火を見るよりも明らかだ、手紙を見ても中々過激な事が書いてある

向日葵畑の近くでエンジン音を立てようものなら再起不能になる位ブチのめされそうだ

だけどこれ以上引き延ばせばそれこそ消し炭になるだろう、まぁ生き返るが

あぁ、八方塞がりとは正にこの事、今すぐ行って召されるか、先延ばしで消し炭になるか

しばらく悩んだ俺は…、召される事にした、さぁ死にに行きましょう

玄関から出て車に乗り込み、向日葵畑に向かい車を走らせた

 

……

 

フィガロには置き手紙を残し向日葵畑に着いた、周りを見回したが幽香らしき人影はいなかった

しばらく探した後、今日は居ないのだろうという答えに至り家路につこうとMARCHのドアを開けたその時

肩に手を置かれた、影は見覚えのある日傘を差しており俺は冷や汗ダラダラである

 

幽 「久しぶりねぇ、人との約束をすっぽかして何処に行っていたのかしらぁ?」

 

肩に置かれた手に力が入り、肩に食い込んで行く、とても痛いが金縛りの様に体が動かない

 

幽 「私あまり我慢強くないのよ、出来れば早く理由を教えて欲しいわねぇ?」

 

蛇に睨まれた蛙とはこの事を言うのだろう、これは一回死ぬぐらいじゃ済まないんじゃないかなぁ?

 

弥 『話が長くなりますが…、如何致しましょう…?』

幽 「…良いわ、中で話しましょう?、ウフフ…」

 

幽香はそう言って家の中に入って行った、正直逃げちまいたいです

 

幽 「早く来なさい?、私の気が変わらないうちにね?」

 

逃げたら逃げたで死ぬなこれ、さて、怖いけど行きましょう

 

古の大戦で桜花に乗る人間はこんな気分だったのかしら、そう思う程の絶望感だ

座り心地の良いソファに座っていると言うのにくつろぐことが出来ない

その恐怖の種になっている幽香は自分の焼いたクッキーに舌鼓を打っている、幸せそうで何よりです

しかしこの人はお菓子作りが上手だ、きっと料理も美味しいのだろう、きっと

その事を褒めるといつも照れ臭そうに肩を叩いてくる、可愛らしい、威力は可愛くないが

 

幽 「ねぇ、今日のお菓子は美味しくないのかしら?、全然食べてくれないけど…」

 

打って変わって先程のオーラは無くなり、悲しそうなトーンでそう聞いて来た

 

弥 『いえ…、そう言う事では無いんですが…』

幽 「そう、なら良いわ」

 

言い方こそ冷たいが、嬉しそうにニヤニヤしている、こういう所は女の子なんだなぁ

 

幽 「で、何で最近来なかったのかしらぁ?」

 

さっきまでの和やかなムードは空虚へと消え去り、緊迫とした空気が張り詰めていた

 

弥 『ちょっと外界に…行って来たんです』

幽 「連絡も無しに?」

弥 『…忘れてたんです』

 

正直にそう言うと幽香はにっこりと笑った、もうそれはにっこりと、とっても恐ろしい

だって目元に影が掛かっているんですよ、黒い靄が後ろにかかってるし

 

幽 「忘れてた、ですって…?」

幽 「一生忘れられない様にしてやろうかしらぁ?」

弥 『すんませんでした』

 

良く考えたら何故俺は怒られてるんだろ?、別に俺が何処かに行こうと俺の勝手じゃんか

まぁそんな事言えば消し炭になるだろうからお口チャックだけど

 

幽 「はぁ…、まぁ私がとやかく言う事でも無いわね、一緒に住んでるわけでもないし」

 

幽香は寂しそうな顔でそう言った、さっきまでの殺気は何処いった?

 

弥 『あれ、もしや寂しかったんですかぁ?』

幽 「あ゛ぁ゛!?」

 

ここにあったわ、何処から出たんだその声は

 

弥 『ごめんなさい』

幽 「とにかく!、今度出かけるときは連絡しなさいよ」

弥 『分かりました』

 

その後は何時もの和やかなムードに戻っていた

 

幽香と和やかなティータイムを楽しんでいると、外からけたたましいエキゾーストが響いた

今や聞き慣れたCG13の排気音、フィガロの奴やっぱり来たか

窓の外を見ると砂煙を上げながらこちらに走ってくるフィガロが見えた、片手にはルガーを持って

 

フ 「お兄様、こんな所にいましたか!」

 

扉を勢いよく開けると、開口一番そんな事を宣った

 

幽 「この子誰?、弥生」

弥 『…私の妹です』

幽 「あぁ〜、御愁傷様」

 

幽香はそう言うとキッチンの方に消えて行った、確かにその気持ちは分かるけど俺を一人にしないで欲しい

そんな幽香に入れ替わるように椅子に座ったフィガロは、いつも通り生気のない目で俺を見据えている

毎回見るたびに思うが何でそんなに目にハイライトが無いんだ?、ドライアイなの?

そんな事を考えているとフィガロが口を開いた

 

フ 「前にも言ったはずです、出かける時は言ってくれと」

弥 『だから置き手紙したんでしょ?、わざわざ紙に書いて』

フ 「口で言って下さいよ!」

弥 『お前絶対付いてくるじゃん!』

フ 「それはお兄様が心配で!」

弥 『俺はもう大人です!、わざわざついてこなくて良い!』

 

俺がそう言うとフィガロはプルプルと震え出し、消え入るような声でこう言った

 

フ 「私は…、お兄様が心配で…」

 

フィガロはそう言うと泣き出してしまった、そういえば昔っから泣き虫だったなぁ

 

弥 『あぁ、ごめん、悪かったって、泣き止んでくれ、な?』

フ 「うぅ…、お兄様ぁ…」

 

するとフィガロは腰に抱きついてきた、なんか超恥ずい

俺が周りを見回すとさっきキッチンに消えて行った幽香が影からこちらを見ていて、ニヤニヤしていた

ちょっとイラッとしたのは言うまでも無いだろう、しかし面と向かってそんな事を言えば殺殺だろう

 

幽 「仲良いわね、流石兄妹と言った所かしら」

 

最後に幽香が言ったそのセリフ、それが妙に心に残ったのだった




ずっと温めてた話


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人里にて

あけましておめでとうございます、二ヶ月近くすいません…


異変が終わって早2日、早いものだ

今日の夜宴会があり、そこでフィガロと皆を合わせる予定

んで、当のフィガロは…、何かを言いたそうにこちらを見ている

 

フ 「お兄様」

弥 『何?』

フ 「そういえばここに来る時和菓子屋が有るって言ってましたよね?」

弥 『あるよ、だから?』

フ 「行きたいんです、食べたいんです!」

弥 『そう、今から行く?』

フ 「え、あ、はい!」

 

と言う事で、人里に行く事になった

 

……

 

フ 「遠くないですか?」

弥 『歩いて…来るの…初めてなんだよね…」

フ 「バテ過ぎじゃないですか?、お兄様」

 

さて、車を使わず歩いて来て見たが…、息も絶え絶えである

いやね、車で来ると買い過ぎちゃうと思って歩いて来たんだけど、遠い

尚、現役軍人フィガロ氏は未だ未だ元気である、元々体力あるしね

流石中学マラソン第一位!、ちなみに俺は後ろから二番目、スプリンターなんだよ、俺

咲夜も人里によく出入りしてるから高を括ってたけどさ…

良く良く考えたら同じ人間でも咲夜は飛べるじゃない、歩いてないじゃない

 

フ 「行き着くんですか?、私が負ぶって行きましょうか?」」

弥 『やだ…、車呼ぶことにするわ…』

フ 「ですね」

 

結局俺は、指笛でミアを呼ぶ事にした、結局意味ないじゃん

 

……

 

さて、満を辞して人里に着いたわけだが…、浮いてる

フィガロの服装が浮き過ぎてるんだよ、ゴスロリって

周りの人間達は基本的に着物やら半被やらを着ており、宛ら祭りの会場の様だ

ただえさえ俺が洋服で浮いてるってのに…、二人で浮きまくって空でも飛んじゃうんじゃないですかねぇ?

 

フ 「なんかくだらない事考えてません?」

弥 『いや?、あぁ、着いたぞ』

 

そんな事を話していたら、甘味処に着いた

何時もの威勢の良いおっちゃんが挨拶してくれた、会釈で返しておく

どうやら書き入れ時の様で店員の皆さんはてんてこ舞いである、あ、一人転けた

良く良く考えればこいつと二人で出掛けるのは久しぶりだ

昔、前の彼女がこいつの嫌がらせで引っ越した時から半ば縁を切った様なものだったからな

正直、まだ許してはいない、ただ今はこいつの兄として振る舞うだけだ

何より、今上手く行っている関係を壊す気は毛頭無いって事だ

 

フ 「お兄様?、どうされました?」

弥 『ん、何でも無ぇよ』

 

店の長椅子に座り少し待つと女の店員がやって来た、まぁいつも通りだな

しかし俺の顔を見た後フィガロを見た店員さんは頭に疑問符を浮かべていた

 

店 「ご注文は何ですか?」

弥 『みたらし団子2本にずんだ餅2つ』

店 「かしこまりました」

 

そう言って店員さんは店の奥に消えた、何を疑問に思ったんだ?

 

フ 「ここ、前に誰かと来たんですか?」

弥 『あぁ、あきつ丸と一回か二回な』

フ 「あぁ、だからですかぁ…」

弥 『ん?』

フ 「あの店員、お兄様の顔を覚えてたんですね、あの年頃は色恋沙汰に敏感ですから」

弥 『ふーん、そっか』

その後一時間程人里をブラつくことにした、久々だしな

 

 

……

 

貸本屋に入り立ち読みをしているとふと隣から声をかけられた

 

文 「あっ、弥生さん!、取材良いですか?」

 

それは何時ぞやの新聞記者、射命丸文だった

 

弥 『いいですけど…、何を知りたいんですか?』

文 「例えば何故幻想郷に来たのかとか、外来人の目には幻想郷はどう映っているか、とかですね」

弥 『長くなりそうですねぇ…、今度紅魔館に来てもらえます?』

文 「いえいえ、お時間は取らせませんから!」

 

そんな話を文としていると奥の本棚にいたフィガロが出て来た、ドス黒い闇を纏いながら

 

フ 「…お兄様、その女誰ですか…?」

 

それを見た文も流石に狼狽えた様でこちらに怪訝な眼差しで見て来た

 

文 「…あの人は?」

弥 『私の妹のフィガロです…』

 

それを聞いた文は怪訝な眼差しから一転して目をキラキラ輝かせた、まぁ取材対象が増えたからな

 

文 「あぁ、でも今は落ち着いて取材出来そうにありませんね…、それでは弥生さん、また!」

 

そう言って文は空に飛び去ってしまった、全く嵐の様だ事

 

弥 『ふぅ…』

フ 「お・兄・様・?」

 

背後から寒気のする様な声で話し掛けられ、振り返るとそこには…

類い稀に見る程の満面の笑みを浮かべたフィガロが居た、いつにも増してオーラが黒い…

 

弥 『ま、まぁ、落ち着きましょう?、フィガロさん』

フ 「何を言ってるんですか?、お兄様、私は今驚く程冷静ですよ?」

フ 「さて、お兄様、車に戻ってお話しましょう?」

弥 『はい…』

 

こうしてまた俺はフィガロの誤解を長時間かけて解く羽目になったのだった

 

……

 

無事に誤解を解いた頃には陽も暮れていた、このまま宴会の会場に向かうかな

そう思い博麗神社に向かっている、今日は早めに帰ろう、手伝いは今日は気分が乗らないしな

 

フ 「宴会ってどんな感じですか?、私達が知ってる宴会ですよね?」

弥 『あぁ、基本的にはな』

フ 「と言うと?」

弥 『みんなが飲む量が有り得ないって事以外は普通』

弥 『偶に戯れあいで地面にクレーターが出来る以外は普通』

フ 「先が思いやられます…」

 

そんな会話をしながら会場に向かった、ふと窓の外を見ると月をバックに魔女のシルエットが浮かび上がって居た

 




誤字脱字の報告よろしくお願いします!


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忘却と酒乱

Q.何でいつもと作風が違うんですか?
A.大体読んでたラブコメのせいです

誤字脱字の報告よろしくです


さて、爽やかな朝だが今俺の頭の上には疑問符が浮かびまくりである

それは何故かって?、宴会に向かった筈なのに自室のベッドで寝ているからです

えっと…、昨日俺は人里に行って、夜になったから宴会に向かって……?

博麗神社に着いてからの記憶が無い、どうしたっけか

それはそうと珍しく今日はフィガロが部屋に居ない、まぁ楽でいいな

考えてても始まらんと言う事で、俺は部屋の外に出る事にした

 

……

 

弥 『あ、おはよ』

フ 「ん、お、おはよう」

フ 「わ、私今から用事あるから、じゃね」

弥 『ん、あぁ、じゃあね』

 

弥 『おはよ』

レ 「ん、あぁ、おはよう」

レ 「今から私仕事あるから、ご機嫌よう」

弥 『ん、あぁ、じゃ』

 

……

 

やけに皆さん余所余所しいな、それどころか避けられてねぇか俺?

俺昨日何したんだろ、記憶に無いから怖いんけど

そしてフィガロの奴どこ行ったんだ、全然居ないんだけど

もしかしてあいつなんか酔った勢いでなんか言ったのか?

それとも俺か?、なんか俺言ったのか?、記憶に無いぜおい

 

弥 『なぁコレット、昨日の事覚えてないか?』

コ 「生憎私も記憶無いのよ、あの酒強過ぎでしょ…」

弥 『あぁ、やっぱり俺酔って記憶なくしたんだな…』

 

まぁとりあえず図書室に行くか、フィガロを探すとしよう

 

……

 

相変わらず広い図書室だ、フィガロはここか?

 

弥 『小悪魔よ、フィガロここにいるか?』

小 「え?、あぁ、見掛けませんでしたよ」

弥 『あぁ、そう、俺昨日なんかした?』

小 「えっ、覚えてないんですか?、あんな事魔理沙さんにしたのに」

弥 『え、あんな事って何さ』

小 「ふふ、秘密です〜♪」

 

そう言って小悪魔はスキップしながら何処かへ行ってしまった

大胆な事って何?、なんか超えてはいけない一線でも越えたか?

1人で悶々としていると背後の大扉が開いた、開けた主は魔理沙だ

魔理沙は俺の顔を見るや否や驚き、頬を染めながらこちらに歩いて来た

 

魔 「よう、や、弥生?」

魔 「昨日の事覚えてるか?」

弥 『!、わ、悪い、覚えてない』

 

俺がそう言うと魔理沙は驚き、肩を落としていた

 

魔 「まぁ、あんな酔いも回ってるときに話した私が間違いだったな」

弥 『え、ま、魔理沙?』

魔 「良いんだ!、心の準備が出来たらまた話すから」

 

そう言って魔理沙は走っていった、何?、何事なの?

背後に気配を感じ振り返るとレミリアやフラン、パチュリーが並んで蔑みの目でこちらを見ている

取り敢えず美鈴お前は仕事しろよ、まだ昼休みにすらなって無いし

 

フ 「鈍感」

レ 「意気地無し」

パ 「ヘタレ」

紅 「朴念仁」

弥 『え、待って、なんで俺こんなに罵倒されてるの酷く無い?』

弥 『あと美鈴お前門番でしょうよ、持ち場離れるんじゃ無いよ』

紅 「大丈夫!、咲夜さんにはバレてないですから」

フ 「残念だね美鈴」

紅 「え?」

 

美鈴が壊れた人形の様に首を動かすと、そこにはニッコリと笑った咲夜がいた

美鈴もつられて笑っているが、冷や汗ダラダラである

 

咲 「何が大丈夫なのかしら美鈴?」

紅 「さ、咲夜さん、これには深い訳が…」

咲 「さ、こっちに来ましょうね〜」

紅 「あぁ!、誰か!、弥生さん助けてッ!!」

 

叫びながら美鈴は何処かに引き摺られて行った

その後少し遠くの方で叫び声が聞こえたのは言うまでも無い

 

弥 『あぁ…、美鈴、ご冥府をお祈りします…』

レ 「ほら、弥生、そこ座りなさい、教えてあげるから」

弥 『あ、はい』

 

俺が椅子に座ると向かいにレミリアが座り、なぜ魔理沙が走って行ってしまったかを教えてくれた

 

……

 

弥 『俺そんな事したのかよ…』

弥 『酔いが回って魔理沙に抱き着いたり、頭おかしいのか俺は』

弥 『その後魔理沙は俺の耳元でなんか呟いたけど肝心の俺は覚えてないし』

 

いや、マジで頭おかしいのか俺は、バカなのか

そんな事考えているとフランがニヤケながら口を開いた

 

フ 「ほんっと大胆だったね〜、見てるこっちが赤くなったもん」

レ 「確かにそうね、ほんとこっちが恥ずかしいくらい大胆だったわ」

レ 「最終的には隣にいたフィガロが麻酔弾で眠らせて家に帰ったのよ」

 

フィガロ、ナイスな判断だけどもう少し早くそうしてくれたら良かったのに

 

レ 「あら、噂をしたらなんとやら、ね」

フ 「お兄様、お話があります」

弥 『何…、昨日の不祥事に関してはごめんなさいの世界だけど…』

 

俺はフィガロに手を引かれ部屋に連れ戻された、凄い怒ってる気がする

 

……

 

フ 「さて、昨日の事をお兄様は憶えてないんですか?」

弥 『さっぱり、レミリアに聞いて自己嫌悪に陥ってます』

フ 「私がお兄様の事が好きなのは一旦置いて置きますけど、アレは無いですよ」

フ 「女子に抱き付くなんて…、有り得ません、外なら強制わいせつで訴えられても文句は言えませんよ?」

フ 「萃香さんに無理矢理酒飲まされてた、としてもあれは駄目です」

フ 「何より、私の前でするなんて当て付けか何かですか?、監禁しますよ?」

弥 「マジで悪いとは思ってるけど、監禁はやめなさい」

フ 「まぁ、取り敢えず落ち着いたら魔理沙さんの所に謝りに行きましょう」

弥 『あぁ、分かった』

 

こうしてフィガロの説教は終わった、その後部屋の鍵を閉められたのは別の話




バイオハザードの新作出ましたね


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忘物

誤字脱字の報告よろしくお願いします!


弥 『あ』

フ 「どうしたんですか?、お兄様」

弥 『机の鍵忘れた』

 

……

 

さて、鍵を単冠湾に忘れたせいで単冠湾鎮守府にいる訳だが…

寂れ具合に拍車が掛かっていると言うかなんと言うか…

磯臭さはいつも通りだ、臭い臭い

 

フ 「あからさまに嫌そうな顔してますね」

弥 『だって臭いんだもの』

フ 「私が?、気を付けてるんですけど…」

弥 『じゃなくて、ここ、磯臭いだろって話』

フ 「あぁ、そっちですか、確かに臭いですけど」

弥 『どんな間違え方だよ…、まぁ良い、行くか』

 

やけに大きな扉を開くと大淀さんはまた嫌そうな顔をしていた

いや、嫌われてるのは知ってるけどさ、そんな顔しなくても良いじゃない

大人なんだから隠しなさいよ、全く

 

大 「御用件は?」

弥 『私達がいた部屋に小さな鍵落ちてませんでした?』

大 「いえ、心当たりは無いですね、御自分で見てきたらどうです?」

弥 『それもそうですね』

大 「知ってると思いますけどそこの突き当りを右です、それじゃ」

 

そう言って大淀は何処かへ行ってしまった、ブツブツ文句を言いながら

まぁ鍵ここに無かったら作ればいいか、て言うか何で俺あんな嫌われてるんだ?

 

……

 

って事で俺は応接間、って言うには余りにも何も無い部屋の中で鍵を探している

まぁなんと言うか、無い、全く見当たら無い、俺どこやったっけ

 

フ 「同じ所探しても見つかりませんよ〜」

弥 『分かってる』

 

そんな訳でフィガロにも手伝って貰っている

しかし二人掛かりでも中々見つからない、多分棚の裏にでも落ちたのかな

そんな事をしていると部屋の扉が叩かれた、聞き覚えのある声と共に

 

あ 「弥生殿、失礼しますぞ〜」

 

そう言ってあきつ丸は入って来た、情報行くの早く無いか?、まぁ良いが

にしてもだいぶ雰囲気が変わったな、なんと言うか大人っぽくなった

グレーだった制服は黒に、それに伴い帽子も黒くなっている

マントを羽織っているのはこいつの趣味だろうか?、陸軍のとこには着てる奴ほぼ居なかったし

 

あ 「久々でありますな!、弥生殿、いかがお過ごしでした?」

弥 『普通、異変解決を野次馬に行ったり、その辺りを走りに行ったり』

あ 「本当にいつも通りでありますな…、この装いはどうでありますか?」

弥 『よく似合ってる、そのマントもな』

あ 「そうでありましょう〜、改ニの証であります!」

弥 『そいつは良かった、強くなって帰って来るって言ってたもんな』

あ 「えぇ、褒めて下さい‼︎」

 

前言撤回、全然大人っぽくなってません、褒めてくださいってなんだよ、馬鹿かよ

その上後ろに佇むフィガロの顔怖いし、笑顔が怖いって最早どうなの…

殺気を帯びたフィガロはゆらゆらと霊の様にあきつ丸の肩に手を乗せた

 

フ 「……コホン」

あ 「あぁ!、フィガロ殿!、お久しぶりでありますな!」

フ 「えぇ、そうですね、所であきつ丸さん」

あ 「なんでありますか?」

フ 「取り敢えずお兄様…、じゃなくて兄さんから離れなさい…?」

あ 『は、はい…』

 

気迫に押されたあきつ丸は俺から離れた、あきつ丸オドオドしてるぞおい

あきつ丸の影から見えたフィガロの顔はまるで死神の様な凄みがあった

 

フ 「後本州でのお仕事はどうしたんですか?」

あ 「あぁ、単冠湾泊地に自分配属されたんです!」

フ 「単冠湾でのお仕事は?」

あ 「特にありませんけど?、だから紅魔館に帰投する予定です」

 

俺から引き剥がされたあきつ丸が少し怯えながらそう言うとフィガロは頭を抱えた

 

フ 「田舎の泊地だと仕事すら無いのか…」

弥 『お前サラッと失礼な事言ってるからなー』

フ 「…まぁ良いです、仕事をすっぽかしてこちらに来ているわけでは無い様なので」

あ 「勿論です、プロですから」

フ 「本当にプロならこんな所に来ませんよ」

弥 『お前が言えた事じゃなく無いかフィガロ』

フ 「私にとってはこれも仕事、と言うか最優先事項です」

弥 『意味分かんない』

 

何はともあれあきつ丸が帰って来た、また騒がしくなりそうだ

 

……

 

あ 「にしても迎えに来てくれるなんて感心でありますなぁ、うりうり」

弥 『うっさいわ、肘で人の事小突くな』

 

付いて来る気満々のあきつ丸が居るわけだが、仮にも配属先の提督に挨拶はしておくべきだろう

あきつ丸はもう話は付けてあるって言ってたけどな、なんて言うか信用出来ん

にしてもさっきから明石が走って逃げて行ったり加賀さんが右往左往してたり騒がしいな

なんか頭の中が空の人の部屋から女子が騒いでる声が聞こえる、テンションが空に似てるし

ってか空のやつどこにいるんだよ⁉︎、あいつの部屋には女子一人だぞ、女の子待たして何やってんだ?

俺も右往左往していると気付いた加賀さんが話し掛けて来た

 

加 「あ、弥生さん、どうしてここに?」

弥 『探し物に、まぁ見つからなかった訳ですけど』

弥 『それはそうと提督は何処ですか?、あきつ丸が話があるってうるさいんです』

あ 「うるさいってのは余計でありますぞ、弥生殿」

加 「提督なら…、あの部屋の中に居ますよ」

 

そう言って加賀さんはさっき女子がいた部屋を指差した

 

加 「あそこに居る女の子が提督です」

 

加賀さんは半笑いでそう言った、その顔は少し悲しげだった



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友人の異変

長らくお休みしていましたが、まだ失踪しません
誤字脱字の報告よろしくです


さて、状況を整理しよう、空は提督をクビになっては居ない、ただ女体になっただけだ

……は?、整理されるどころかむしろ散らかったんだが、意味不明にも程がある

薬で性別が変わるだと?、世界のパワーバランスを歪めかねない代物じゃねぇか

 

あ 「うーん…、頭がこんがらがって来ましたなぁ」

加 「要は薬のせいで女体化したって話です、信じられませんが事実だし仕方ありません」

加 「明石の話では数日で元に戻るって言ってましたが…、あまり信用出来ないし」

加 「取り敢えず私は明石に薬を急かして来ますから、それでは失礼します」

 

そう言って加賀さんは研究室の方に走って行った、いつになく必死だな

 

弥 「もしかしてよ、加賀さん空に気があるのか?」

あ 「え、気付いてなかったんでありますか?」

弥 「うん」

あ 「はぁ…、なんと言うか、流石というか」

弥 「なんだよ」

あ 「やっぱり鈍感でありますなぁ、目を見れば分かるってものでありましょう」

弥 「さっぱり分かんない」

あ 「良くそんな鈍感で生きて来れましたなぁ」

あ 「ま、取り敢えず自分も提督殿に話があるんで、部屋で待って居て下さい〜」

 

そう言ってあきつ丸は執務室に小走りで行った、一人になった私、寂しく部屋に戻る事にした

なお明石の研究室から不思議な叫び声が聞こえたのは多分俺の気のせいだ

 

……

 

途中でトイレに行きたくなりトイレに行った、一通り終わらせて手を洗っていると女体化した空が入って来た

…ん?、ここ男子トイレ、今あいつ女子、だけどあいつ中身男子…

これは判定が分からん、何なら今あいつもトイレの前で頭捻ってるし、まぁアレが無いからな

まして普通男は着ないスカートに戸惑ってるし、なんで着たんだよ

そんな観察をしていると涙目になった空が話し掛けて来た

 

空 「あ、あのぉ〜?」

弥 「安心しろ、話なら聞いているから」

空 「あぁ、なら良いんだが…、どうすれば良いんだ?」

弥 「知らないし、適当に洋式の方で座ってしろよ」

空 「そ、そっかぁ」

弥 「後男子トイレ入んなよ」

空 「女子トイレ入れる訳無いだろうが⁉︎、社会的に死ぬわ!」

弥 「女子のうちにしときゃ良いだろ、今なら合法だ」

空 「そう言う問題じゃねぇだろ…、中身男子だし…」

弥 「それに、俺の居心地が悪いだろうよ、仮にもお前今女だし」

空 「はぁ?、中身が男だから関係ないだろ!」

弥 「そういう所が鈍感だな、この鈍感野郎め」

弥 「ま、俺には関係ないし、大体なんでそうなったんだよ?」

空 「薬の話は聞いたか?」

弥 「聞いた」

空 「その薬は角砂糖みたいな形しててよ、紅茶に入れて飲んじまったんだ」

弥 「間抜けなこったな」

空 「明石の野郎…、後で仕返ししてやるから覚悟してろよ…」

弥 「そうかよ、まあ取り敢えず早くトイレ入れよ、漏らしても知らんぞ」

空 「あっ、そうだった」

 

そう言って空は洋式に入って行った、こんな話したの中学ぶりか?

しかし女体化するとあいつ胸デカいな…、なんだか分からんがムカつく

そんな事を考えつつ俺は部屋に戻る為廊下を歩きだした、無駄に広いんだよここ

 

……

 

部屋に戻るとあきつ丸とフィガロは長机を挟んで別々の作業をしていた

あきつ丸は十四式の整備、フィガロはカフカの『流刑地にて』を読んでいる

寒い部屋の中よく出来るな、俺ならページすら捲れない

にしてもフィガロは昔からカフカが好きだ、イチオシは『変身』らしい

 

フ 「座ったらどうですかお兄様、貧血で倒れますよ」

弥 「まぁた昔の話を…、取り敢えず貧血は治ったよ」

あ 「昔貧血だったんでありますか?、弥生殿」

弥 「軽い程度だけどな、立ち眩みぐらいだ」

あ 「へぇ、意外であります」

弥 「そういや空に何話して来たんだ?」

 

俺がそう聞くとあきつ丸はこっちに向き直し、満面の笑みでこう言った

 

あ 「正式に提督殿から許可を貰って来たんです!、また一緒に暮らせますよ、弥生殿‼︎」

 

あきつ丸がそう言うとフィガロは読んでいた本を音を立てて閉じた

 

フ 「はぁ?」

あ 「何でありますかフィガロ殿」

フ 「貴女ここでの仕事はどうするんですか?」

あ 「大丈夫であります!、ほぼ任されてないし‼︎」

フ 「開き直らないで下さい‼︎」

あ 「って事で弥生殿、よろしくお願いします!」

弥 「ん、OK」

フ 「お兄様ぁ⁉︎、軽く決めないで下さぁい⁉︎」

 

こうしてあきつ丸はまた一緒に暮らす事になった、また賑やかになりそうだ

 

……

 

用事も済ませた所だし、そろそろ帰る事にした

あきつ丸も自分のMARCHに荷物を積み終わり、準備万端と言った面持ち

なんと言うかあきつ丸は車を買ってから元気さに拍車がかかっている

まぁ欲しかった車を手に入れたのなら仕方がないな、俺もそうだったし

 

あ 「どうしたんでありますか弥生殿、柄にも無くニコニコして」

弥 「失礼だな、俺だって笑うし」

フ 「確かに不気味と言えば不気味ですね、まぁそれすら私は愛おしいのですが」

あ 「気持ち悪いですぞ、フィガロ殿」

 

そう言ったフィガロは俺の方を見て微笑んだ、ハイライトの無い瞳と相まって不気味である

 

弥 「お前も車に荷物積んじゃいな、こっちいつ戻って来れるか分からないからな」

フ 「大丈夫です、大切な物は全て紅魔館に運んであるし、一番大切なのはお兄様ですから」

弥 「そ、なら良いけど」

 

そうして俺たちは幻想郷へのゲートを通った、向こうで波乱が巻き起こる事など露知らずに

 




あきつ丸回収、次回は地底編です


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地底 〜 はみ出し者の棲む処 〜
地殻の下の嫉妬心


続けて二話、誤字報告よろしくお願いします!


人間は何かと深い所を物語の題材にしたがる、ジュールベルヌの『地底旅行』とかな

何でこんな話してるかって?、今俺は地底に来ているからさ

しかしイメージの地底とは違って…、繁華街みたいなんだ

 

あ 「ほんと、自分たちは厄介事に巻き込まれますなぁ…」

 

……

 

ゲートを通った先は暗い異様な空間、無数の目玉がギョロギョロと蠢き不気味だ

MARCHのヘッドライトをハイビームにして奥を見るが暗闇が続くばかりで何も見えない

俺はこの風景を知っている、紫のスキマの中だ、不気味な目玉が何よりの証拠

取り敢えずヘッドライトをそのままに外に出ると、バリバリと車体に張り付いた氷が割れる音が響く

トンネルの中の様に三台の排気音が辺りに響いているばかりで何も分からない

 

フ 「?、ここは?」

 

いつもの様にMARCHの後ろにはFigaro、K10MARCHが並んでいる

三台共氷漬けになっているが珍しくエンジンが停止していない、何故だろうか

あきつ丸が呆れた様に車から出てくると開口一番にこう言った

 

あ 「また面倒ごとに巻き込まれた様でありますなぁ…」

弥 「はぁ、だな、こんな所来た事ないぜ」

紫 「でしょうねぇ、初めて繋げた所なんだから」

 

何処からともなく声がすると、空間が裂け紫が出て来た

いつもの胡散臭い雰囲気を漂わせる紫は何処へやら、真面目でキリッとした面持ち

 

紫 「ここに来て貰ったのは他でも無く、地底の偵察役として働いて貰いたいからよ」

紫 「最近は地底の動きが活発でね、そこで怪しい動きが無いか見て来て欲しいって訳」

弥 「拒否権は?」

紫 「もちろんあるわよ?、ただ私が貴方にどれ程の施しをしてあげたか忘れた訳じゃないわよね?」

弥 「…はぁ、分かりました、見てくれば良いんですね」

紫 「ありがとう〜、話が早くて助かるわぁ、あ、因みにレミリアには言ってあるから安心して良いわよ」

 

任務を押し付けられて俺が溜息をつく頃、あきつ丸が口を開いた

 

あ 「だけど何で自分達が行くんでありますか?、紫殿が行った方が良いのでは?」

紫 「そうしたい所なんだけど私地底でも有名だし、偵察には不向きなのよ」

紫 「それに何より、天界やら外来人やらで私がやらなきゃいけない事が多くて手が回せないって訳」

あ 「あぁ、大変そうでありますな」

紫 「じゃ、車にみんな戻って、地底まで送るから」

 

紫がそう言うので一同各自の車に戻ると正面にスキマが開いた、向こうは薄暗い洞窟の様だ

 

紫 「みんな、行ってらっしゃーい!」

 

車を走らせスキマを抜ける頃、後ろからそんな声が聞こえた

 

……

 

人間は何かと深い所を物語の題材にしたがる、ジュールベルヌの『地底旅行』とかな

しかしイメージの地底とは違ってここは…、繁華街みたいなんだ

 

あ 「ほんと、自分たちは厄介事に巻き込まれますなぁ…」

弥 「だな、本当いつも面倒くさい」

 

赤い反り橋を境に向こう側は昔の遊楽や飲屋街の様に賑やかだが

何と言うか、強い者が発するオーラ?の様なものを多数感じる

確か貸本屋で読んだ妖怪の本には地底には厄介な妖怪が多数居るって話だったな

厄介だ、取り敢えず壊されたらマズイ物に自己修復機能を付与して…っと

 

あ 「綺麗でありますな」

弥 「旧地獄って言う名前には似付かわしく無い程にな」

 

俺達側と街の間には川があり、なかなか深い

近くには橋がありそこを通らなければ向こう岸には行け無さそうだ

反橋の道幅は狭く車は通れない、ここからは徒歩って訳だ

 

弥 「んじゃ、行きますか」

フ 「ですね、あの紫とか言う人の指図を受けるのは癪に触りますがね」

弥 「致し方無い事さね、幻想郷の管理者に楯突く必要も無いだろ」

 

しばらく歩き橋を渡ろうとしていると、ふと横から声が聞こえた

 

? 「女を二人引き連れてここを渡ろうだなんて妬ましい…」

 

俺ら三人は同時にホルスターに収まった銃に手を掛けたが依然として相手の姿は見えない

 

弥 「誰方ですか?、私達に敵意は無いですよ?」

? 「銃に手を掛けた状態で言われても説得力無いわよ」

弥 「これは条件反射のような物ですよ、誰も居ないと思っていた所から声が聞こえたら武器に手を伸ばしたくもなります」

? 「じゃあこうすれば良いのかしら」

 

すると俺達と対する様に少女が現れた、緑色の発光する眼をしたエルフの様な少女が

 

? 「貴方達、ここに何しに来たって訳?、不可侵条約を知らない訳じゃ無いでしょう?」

弥 「勿論知ってますが、幻想郷の管理者様に送り込まれた身でして」

? 「追放されたって事?」

弥 「似た様な事です」

 

すると彼女は少し考える素振りを見せた後、こちらを向き直し溜息を吐きながらこう言った

 

? 「ここは旧地獄、誰も貴方達を拒む者は居ないわ」

? 「取り敢えず付いて来なさい」

 

彼女はそう言うと繁華街の様な街の中心部に歩き始めた

 

……

 

弥 「私は弥生、あっちがあきつ丸でこっちがフィガロです、貴女は?」

? 「んぁ?、初対面で私の名前を聞くなんて妬ましいわね、水橋パルスィ、種族は橋姫、貴方も人間じゃ無いでしょ?」

弥 「私は蓬莱人ですが、あきつ丸とフィガロは人間です」

あ 「自分は艦娘であります!」

フ 「話がややこしくなるからやめなさい、あきつ丸」

パ 「楽しそうで妬ましいわね、さ、着いたわよ」

 

パルスィに案内された飲み屋は、想像を絶する量の酒と喧騒が待ち受けていた

 

 




次回をお楽しみに!


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混沌

誤字報告よろしくです!


眼前に広がる惨状、旧地獄を体現して居るかの様な荒れ具合

鬼と思われる男達があっちでは喧嘩、こっちでも喧嘩、そしてあちらでも喧嘩

かと思えばここには酔い潰れた鬼がいたり、へべれけになって同族の女性に絡んだり

そして殴られたり、言うなればカオスと言った所だ

パルスィに案内されて此処に来たが…、入って数秒で出たくなっている俺がいる

 

弥 「えーっと、帰って良いですか?」

パ 「えぇ、私もそう思ってた所よ」

 

パルスィと俺達三人は踵を返し店の引き戸に手を掛けた時、後ろから声を掛けられた

 

? 「おう!、パルスィ!、来てんなら言ってくれよ!、それと…、新入りさんかい?」

 

振り返ると金髪の長い髪に一際目立つ赤い角を携えた女性が立っていた

片手には盃、周りには日本酒の空き瓶がこれでもかと転がっている

見るからに鬼と言ったご様子、萃香とはまた違ったタイプの様だ

 

? 「見るからに地上から来たって感じだねぇ…、今どうなっているのか話、聞かせておくれよ」

 

そう言った一角の彼女はこちらに手招きして来た、残念ながらこちらに拒否権はなさそうだ

 

……

 

さて、一通り話終わったが話の片隅で出て来た我が愛車、MARCHに興味が湧いたらしい

んで、今は飲み屋の外に居るって訳

因みに鬼の彼女は星熊勇儀、案の定萃香とは知り合いらしい、ってか飲み友達

 

勇 「話に聞いてた車ってのは操作しないと動かないんじゃなかったかい?」

弥 「その通りです、普通なら、ですが」

 

そう言って俺が指笛を吹くと遠くでセルの回る音がした

咆哮にも似たエキゾーストノートを奏でながら砂煙と共にMARCH、もといミアが目の前にやって来た

目の前でドアを開いたミアは液晶の中で不機嫌そうにこう言った、寝てたのかこいつ

 

ミ 「あれ、弥生君君さ僕に向かってさっき待機してろって言ったよね?」

弥 「あぁ、確かに言った」

ミ 「見るからに急用じゃ無いよね?、例えば早くここから脱出したいとかじゃ」

弥 「悪い、色々あって勇儀さんがお前と会いたいって言ったからさ」

ミ 「第一、あそこの反橋道幅狭いんだよね、それにジムニーじゃ無いんだから凸凹した道走りたくないんだよ、下擦っちゃうと僕だって痛いし」

弥 「ほんと、ごめんって、後で埋め合わせするから」

ミ 「まぁ良いけど、で、勇儀さん、なんで僕に会いたかったのさ?」

 

ミアは少し高圧的にそう聞いた、流石にいきなりの事で勇儀もたじたじと言った様子

 

勇 「車の話を弥生から聞いてさ、気になったって感じ」

ミ 「そう、で、見た感想は?」

勇 「あんた、いい性格してるねって思った」

ミ 「そう?、褒めても何も出ないよ////」

 

液晶に映るミアの顔はあからさまに赤くなっていた、耐性が低すぎないか?、褒めてないし

 

ミ 「せっかくだし勇儀さん乗って行く?、家を教えてくれたら送ってくよ」

 

どうやらミアは上機嫌になった様子、こいつ感情を起伏が激しいな

まぁ、悪魔って事もあって人と喋り慣れてないんだろう、その割に饒舌だけど

 

勇 「いいや、あたしゃまだ飲むつもりだから、あんたは…、酒は飲めそうに無いね」

ミ 「うん、僕はお酒飲めないからそこの弥生を連れて行くと良いよ」

弥 「あ、おい!」

ミ 「じゃあまた今度、勇儀さん」

 

ミアは余計な事を言って前輪を空転させながら去って行った、あの馬鹿…

俺はゆっくーり勇儀の隣から離れて…

 

勇 「何処に行こうってのさ、弥生?」

弥 「ちょっとお手洗いに…」

勇 「はいはい、嘘吐くんならもう少しましな嘘吐くんだね」

弥 「あ、ちょ、待って、普通に歩けますから!」

 

そうして何故か俺は勇儀に姫抱っこされた状態で入店する事になった

店で随分飲んだあきつ丸に弄られたのは言うまでも無いし、フィガロに誤解されたのも言うまでも無い

 

 

……

 

さて、鬼と飲むと碌な事にならないと前回萃香と飲んだ時嫌と言うほど分かった

しかし私、中島弥生は同じ轍を踏む程馬鹿では無い、つまりは酔わなければ良いと言う事

だから私はある秘策を考えた、至って簡単、アルコールを体外に拡散すれば良いと言う事

そこで能力のコピーを使って萃香の能力をコピーさせて貰った

要はアルコールを霧にして拡散させるって事だ、素晴らしいと思わんかね?

と言う事で試したら…、周りがすごい酔っ払った

 

あ 「弥生殿ぉ、自分は単冠湾で待たされた時凄い寂しかったんでありますよぉ?」

フ 「お兄ちゃぁん、留学なんてしなくて良いんだよぉ?、私を何で置いてくのぉ?」

 

今は両側をあきつ丸、フィガロに固められてる状態だ

と言うか、あきつ丸は良いとしてフィガロいつの話してるんだ?、幼児退行って奴?

冷静に考えれば俺からアルコール放出したら周りが酔うじゃん、俺の馬鹿

アルコールなんて飲むより吸引する方が体内に吸収するってのに…

 

勇 「ハハッ、両手に華で良かったじゃないか!」

弥 「片方妹ですよ、まぁ聞いてれば分かると思いますが」

 

向かいに座っている勇儀は他人事のように笑っているがそれ所じゃない

こんな酔っ払い2人連れて宿探しだぜ、本当先が思いやられる

 

弥 「それはそうとこの近くに宿ってありますか?」

勇 「あら、あんた達泊まる所無いのかい、うちに泊まって行きなよ」

弥 「え、良いんですか?」

勇 「他に行く当てもないんだろう?、ま、その代わり酒の相手、して貰うけどね」

弥 「喜んで引き受けさせて頂きますよ、まぁ私が相手になるかは分かりませんがね」

 

そう言うわけで俺達は宿を手に入れたのだった、その後他の鬼と喧嘩になったのは又次回の話




あれ、キャラブレてないか?


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喧嘩と私とあきつ丸

久々の戦闘描写、出来てるのかしら
誤字報告よろしくです‼︎


どこにだって敵対者はいる、今俺の目の前にいる奴もそうだ

いやさ、人間VS鬼って…、桃太郎かよ

 

? 「オラ掛かって来いよぉコラぁ!、ビビってんのかぁ?」

 

見るからにガラが悪い、めんどくさいなこいつ

 

……

 

さて、何故こんな状態になったか、答えは簡単、絡まれたからだ

どうやら勇儀の舎弟的な物で、いきなり家に泊まるのが気に入らなかったらしい

んで、今喧嘩に発展しそうだ、火事と喧嘩は江戸の花ってか?、ここ旧都だろ

誰1人止めようとしないし、何なら煽ってるし

 

あ 「弥生殿!、頑張ってでありますよ!」

弥 「少しは止めろよお前は…」

フ 「お兄様、負けるとは思っていませんが少しでも危なくなったら呼んで下さい」

弥 「お前は危ないからダメ、相手が危ないから」

 

相手の方に向き直し面を拝むと、まぁニヤケている、確実にこっち側下だと見下して居る顔だ

まぁ別に良いよ?、確かに種族的には格下かも知れない、只こっちは蓬莱人だ

別に死んだ所で痛いだけ、すぐに回復する、その上こっちは道具もあるし

何なら能力で如何とでもなる、こっちが劣ってるのはプラットフォームの性能だけ

負ける要素はあんまり無い、初見殺し食らう可能性はあるが

 

弥 「ビビってるのはそちらでは?、煽るだけで全然攻撃して来ないですし」

? 「あ?、この俺様がビビってるだと⁈、舐めてんじゃ無えよッ!」

 

軽く煽るだけでこの始末、何でこう言う奴って煽り耐性低いの?

あからさまな開戦の合図と共に鬼の足元にはクレーターが出来、相手は消えた

次の瞬間鬼は俺の目の前で腕を振り上げ、勝ちを確信した表情を浮かべている、トラップに気付かずに

 

? 「あッ⁉︎」

 

相手の顔から笑みが消えた頃、俺は霧となって攻撃を避け、代わりに拳が当たったのは手榴弾だ

周囲が爆風にに飲まれ、煙から出て来たのは俺だけ、奴は出てこない

死にはしないにしてもダメージがでかいのは確実、対妖怪用手榴弾作っておいて正解だったな

 

あ 「弥生殿!、大丈夫でありますか?」

弥 「ん、大丈夫では無いな、鬼一人怪我させたし」

 

蓬莱人VS鬼の戦いは、蓬莱人の勝利で幕を閉じたのだった

 

……

 

近くにある酒屋に例の鬼は運び込まれた、やっぱり鬼って頑丈だなおい

外傷は服が破れ肌が煤けた程度、フィガロに診てもらったが骨折一つ無い

にしても流石フィガロ、優秀な妹で兄も嬉しいぞ

 

フ 「見た感じ問題無さそうですね、骨も折れてない様ですし」

弥 「マジか、手榴弾の直撃を食らったのにスゲェな」

フ 「にしてもお兄様は危なっかしい戦法ですね、少し間違えたら自爆ですし」

弥 「プラットフォームの性能が低いからな、人間って、こうでもしないと勝てないんだよ」

フ 「そうですか…、私としては体を大事にして頂きたいんですけどね」

フ 「それに、いつの間にかお兄様人外になってるし…、まだ私は説明されてないですからね」

弥 「今度説明するから安心なさい」

 

そんな話をして居ると勇儀が酒屋に入って来た、拍手しながら

 

勇 「あんたやるねぇ、こいつ実力派で売ってる奴なのにさぁ」

弥 「私殴り合いして無いですから、ズルと言っても過言では無いですよ、爆破してるし」

勇 「こいつこう見えても馬鹿じゃ無いんだ、ちょっとした小細工なら引っ掛からない」

勇 「それにあんた、萃香みたいに霧になっただろう?、あれはどういう事なんだい?」

弥 「簡単ですよ、能力の転写、元来私の能力は『造る能力』コピーも出来るんですよ」

勇 「へぇ、そういう事なんだねぇ、なんでも作れるのかい?」

弥 「えぇ、時間はかかりますが」

 

その後例の鬼が起きてゴタゴタしたのはまた別の話

 

……

 

ありがたい事に勇儀に部屋を貸してもらった、見るからに日本家屋

イメージは白玉楼を小さくした感じ、そこら辺に酒瓶が転がってるのはイメージ通りだ

土間や囲炉裏がある所なんかは白玉楼とは違う、あそこはそんな装備じゃ賄えないからな

 

勇 「じゃあ、適当に始めようか!」

パ 「なんで私まで連れて来られたのよ…」

 

酒瓶を片手に勇儀はそう言った、何と言うか予想通り

勇儀の後ろには樽に入った日本酒がざっと20個以上、一体どれだけ飲むつもりなんだ

 

……

 

さて、パルスィとフィガロは出来上がってしまった所で俺達は抜け出した

にしてもフィガロあいつ酒強いな、あいつだけで何本飲んだんだ

そんな事を考えていると、あきつ丸がほろ酔い状態で口を開いた

 

あ 「あ、そういえば弥生殿ぉ、何でMARCHに乗ってるんですぅ?」

弥 「と、言うと?」

あ 「弥生殿は中島元帥の息子さんでありましょう?、何故わざわざMARCHを選んだのかなって」

弥 「あぁ、そう言う事、意外と簡単な理由よ」

あ 「何でありますかぁ?」

弥 「元々俺『速く走る為に生まれた』って車好きじゃ無いんだよ」

弥 「例えばR32とかFDとか、NSXなんて最たる例だね」

弥 「MARCHなんて速く走る車じゃ無いでしょ?、だけど改造すれば速く走れる」

あ 「天邪鬼でありますなぁ」

弥 「そうだね、まぁ、MARCHをあそこまで持って行くのは大変だよ」

あ 「と、言うと?」

弥 「まずSR20を積むでしょ?、で馬力が150ぐらい、パワーはもう足りたね」

あ 「ふむふむ」

弥 「だけどボディ剛性、足回りが足りない」

あ 「ほほう?」

弥 「だからスポット増しとか、後輪ブレーキをディスクにしたり、色々」

あ 「だからあんなに速いんでありますなぁ、だけど何故AT?」

弥 「オートマで何処まで行けるのか、後めんどくさいから」

あ 「何故そこで手を抜くんでありますかぁ…」

 

そんな話をしつつ、俺たちは風に当たりながら酔いを覚ましていた

その後フィガロに強制送還されたのは別のお話




戦闘時間短ッ‼︎


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波乱の予感

お久しぶりです、新生活でゴタゴタして投稿が遅れていました
誤字の報告よろしくです!!


地底に来て早1週間が過ぎた、慣れて来たとこである

そろそろ地底の主、悟り妖怪の所にでも行きますかね

と、言うのも手紙が届いちゃったからだ、だいぶ丁寧な文だった

要約すれば挨拶をしたいがこっちから行けないから来てくれって話

流石に挨拶した方が良いだろう、主って位だから強そうだし

って事で今、地霊殿の目の前にいる、紅魔館に負けず劣らずデカイな

 

あ 「うわぁ、大きな御屋敷でありますなぁ…」

フ 「私達の実家よりデカい…」

 

しかしまぁ大きい、ベルが無いけどどうすれば良いのかね

勝手に入る訳にも行かないし、ねぇ…

 

フ 「お兄様、何してるんです?、早く行きましょうよ」

弥 「えっと、君には遠慮とか常識とかが無い訳?」

フ 「遠慮してても先に進めないし、何よりベルが無いのが悪いんですよ」

弥 「自分勝手な話ですこと、じゃ、行きますかね」

 

フィガロの言い分にも一理あるって事で、中に入ってみることにした

 

……

 

中に入って周りを見るとまぁ、幻想的な建物だ

ステンドグラスから透ける光がまた綺麗だが、何故か少し不気味なイメージがある

室内は外に比べ暖かいが暖炉などがある訳ではない、エアコンも無いのにどうしてるのかしら

 

あ 「えっと、ここ動物園でありましたっけ?」

 

何故あきつ丸がそう言って居るのか、答えは簡単だ、本当に動物園レベルの動物がそこらを闊歩しているから

いやね?、幻想郷は不思議な現象が多いよ?、ただこれは対応に困るよ

虎とか普通にいるし、檻に入ってないと凄い迫力だなぁ、襲われそうで怖いなぁ…

そんなこんなでだいぶ進んで来たが…、未だに人もしくは人に近い者に出会ってない

いるのは動物だけ、まだ妖怪では無い様で一言も喋らない、敵対心が無いと言うより無関心の方が正解の様だ

 

?「ニャーン」

ふと足元を見るとこれ見よがしに足元に猫が擦り寄ってきた、尻尾が二股な事から妖怪の様

所々赤色の毛が混じっている事からも普通の猫ではない事が分かる、ま、それ以外は普通の黒猫だけど

 

あ 「人懐っこい猫でありますなぁ、よしよし」

? 「ニャー」

 

あきつ丸が黒猫の頭を撫でている、まぁマイペースさはいつも通りだ

フィガロはフィガロで撫でに行っているし、まぁ女の子らしくて良いんじゃない?

 

? 「ニャニャ」

 

黒猫はそう言うとあきつ丸とフィガロの手を擦り抜け廊下の角に消えたが、すぐに頭を出してこちらを見ている

付いて来いと言っている様だ、取り敢えずナビが来てくれて助かったぜ

 

フ 「付いて来い…、と言っているようですがどうします?」

弥 「付いて行くしか無くないか?、このままだと迷うだろこの広さ」

フ 「そうですね……?」

 

その瞬間、廊下にピープ音が鳴り響いた、フィガロ愛用の衛星電話からだ

フィガロは慌てた様にそれを取り出すとオタオタしながらボタンを押した

 

フ 「あっ、こちら中島です、あ、少佐さん、どうしました?」

あ 「ここ衛星電話通じるんでありますね…」

弥 「だな…」

 

さっきまで薄く微笑んでいたフィガロの顔が強張った、少し冷や汗が出る程に

 

フ 「はい、やはりでしたか、引き続き調査をよろしく頼みますよ」

あ 「どうしたんでありますか?」

フ 「幌筵泊地…、やはりでした」

フ 「現在地下施設を調査中ですが…、凄惨を極めた状態です」

あ 「あぁ、あそこは少し前から…」

 

勝手に話が進んでいる訳だが、まぁ俺には関係無いしまぁいいか

なんか不穏な言葉ばかり聞こえるがまぁ、触らぬ神に祟りなしだしな

 

フ 「所々異形化した遺体が発見されているようです、しかも多数」

弥 「ッちょっとフィガロ、詳しく聞きたい」

フ 「お兄様いきなりどうしたんですか、まぁ良いです、何を聞きたいんです?」

 

流石にそれは気になるぜおい、あそこで見たのとは違うと良いが…

 

弥 「具体的にどんな異形だ?」

フ 「変なお兄様…、舌が長く爪が発達していて、目は退化した様な」

フ 「体はまるで皮を剥いだ様に筋繊維が剥き出しらしいです」

弥 「そうか…」

 

やっぱあそこで見た奴と同じだ、ラクーンシティで見たあの化け物…

忌々しい皮を剥ぎ取った鶏の様な姿、舌と爪が発達しているのもあいつと同じ

 

弥 「リッカー…、何故日本国内に…」

フ 「リッカー?、舐める者ですか…」

弥 「現地の者に伝えろ、奴が生きていたら躊躇わず引き金を引け、死にたくなければな、と」

 

俺がそう言うと、二人は小首を傾げていた、まぁ意味が分からなくても仕方ない

今はもう存在しない滅びし街の記憶だからな、滅菌作戦で何も残ってないだろうし

 

弥 「まぁその話は後だ、今は猫について行こうぜ」

フ 「…まぁ、そうですね」

 

俺は強引に話を終わらせた、まだこいつらに話す程整理が出来てないからな

 

……

 

黒猫について行くとある大きな扉に突き当たった、主人がいるのかしら

大きな扉は軋みを上げつつ開き、中に黒猫が擦り抜ける入り込んだ

俺らも後に続くとそこには…

 

? 「あぁ、お燐、ご苦労様」

 

さっきの黒猫、名はお燐と言うらしい、今は飼い主と思われる少女の膝の上に乗っている

 

? 「お待ちしておりました、私が地霊殿の主、古明地さとりです」

 

フランやレミリアと同じくらいの背丈をした桃色の髪をした少女がいた

優しげに微笑むその顔は、まるで全てを見透かしているような穏やかな顔だった




久々過ぎてまだ掴みきれてないなぁ


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番外編.あきつ丸より
番外編.あきつ丸の一日


初の番外編、誤字脱字の報告よろしくです


弥生殿が帰られて早2週間、自分は未だ始末書作りに必死であります…

そもそもあんな僻地の海域に行かされたら誰だって道に迷うと思うんです

まして偵察だからと言って一人なんて…、だけど自分、その後の記憶が無いんでありますよなぁ

と言うか偵察ならば海軍の空母どもにやらせれば良いと思うんですがねぇ…、何故自分が

 

ま 「あきつ丸さん、手が止まってますよ」

あ 『あ、ごめんなさい』

 

って事で今自分はまるゆに手伝ってもらいつつ始末書を書いているんであります

にしてもあの鬼と恐れられたフィガロ殿が弥生殿の妹だったとは、驚きましたなぁ

その上弥生殿の呼び方が(お兄様)とは…、人は見かけによらぬもの、でありますな

それにいつもとは違って職場でもゴスロリファッションとは、勝負服なんでありましょうな

しかしフィガロ殿、いつも目が死んでいますな、なんか理由があるんでしょうかね

弥生殿が妹であるフィガロ殿の話をしたがらないのも気になります

さて、集中してやらないとそろそろまるゆの目が怖くなって来ました

 

……

 

今日の分の始末書が終わったのは夕方5時ぐらいでありました、これで満を辞して走りに行ける!

そんな事を考えていると隣のまるゆが口を開きました

 

ま 「あきつ丸さん、今日まるゆ車で来てないんです」

あ 『あぁ、あのホンダZ?、なんかあったんですか?』

ま 「オーバーホールの時期でして、それでまるゆの家まで送ってくれませんか?」

あ 『別にいいですけど、何処まで?』

ま 「何言ってるんですか、同じマンションでしょ」

あ 『あれ、そうでありましたか』

ま 「ヒドイですよ、忘れるなんて」

 

そんな談笑をしながら車に乗り込みました、K10MARCH、この前弥生殿と選んだ物であります

スーパーターボ用のエンジンを敢えてターボのボディに積み込み、足回りもスーパーターボ用にすると言う誰得な改造が施された逸品、バンパー一体型のフォグランプとデジタルメーターが気に入っています

 

ま 「この音、スーパーターボなんですか?、外見はターボなのに」

 

セルを回しエンジンに火を入れると過給器の金属音が聞こえて来ました、気分が高揚しますなぁ

地下駐車場を回って外に出たいんですが…、あぁ、あそこですか

 

あ 『そうなんでありますよ、面白いでしょ?』

ま 「えぇ、いよいよグレード不明感が凄いです、ボディカラー黒だし」

あ 『マーチターボって言ったらあのツートンカラーが白でありますからな』

ま 「そうですねぇ、そういえば改になった気分はどうですか?」

あ 『気分も何もまだ戦いに出てないから分からないんでありますよ』

ま 「あぁ、そうでしたね、陸軍のお偉い方も過保護ですよね」

あ 『早く艤装の試運転したいんですが、まあ仕方ない事でありますな』

 

まるゆとお話ししながら家路に着くことにしました、車歴はまるゆの方が長いんでありますよな

 

……

 

マンションに着いてまるゆと別れ、自分の部屋に帰って来ました

いつもの部屋着に着替え夕食を作る事にします、そういえば弥生殿この服見て疑問符を浮かべていましたな、そんなにおかしくないと思うんですが

今日は何を食べましょうか、ご飯を炊いてお魚なんてのも良いですね

それで日本酒を飲んで…、よし、そうしましょう

炊飯器の釜に米を入れて水で研ぎ、釜の中にセットしてスイッチを入れました

少ししてから網を用意して味醂干しを焼きます、焼き過ぎに気を付けて…と

お味噌汁も作りましょうかね、お湯を沸かし味噌を入れてワカメとお麩を…

炊飯器のアラームが鳴りご飯が炊けました、少し蒸らしてから茶碗によそってと

焼き上がった味醂干しを皿に乗せて、お味噌汁を準備して…、よし、出来た!

冷蔵庫に入れてあった日本酒を出して来て…

 

あ 『いただきます!』

 

味醂干しから骨を取り、口に入れる、そしてご飯を頬張れば…

 

あ 『美味しい…』

 

日本酒を煽りつつ夕食を食べました、中々美味しかったでありますよ

 

……

 

昨日は中々良い日でありましたなぁ、そんな事を考えながら朝起きました

いつもの制服に着替えマンションの駐車場に車を取りに来たんであります

このマンションは退役軍人が運営している事もあり陸軍人が多く居るんであります

超高級車なんかも周りを見ればチラホラある中、自分のMARCHがこじんまりと停まってます

何と言うか、申し訳なさそうなのはなんででしょうかね

 

陸軍省に着くと上官から呼び出しを受けました、恐らく次着任する鎮守府が決まったんでありましょう

上官の執務室に行くといつも怠そうに仕事をしている上官…、宮田大佐が仕事に追われて書類にサインをしていました

 

あ 『大佐、何故自分は呼び出されたんでありますか?』

宮 「あぁ、次配属される鎮守府が決まったよ、単冠湾だ、あの気味の悪い提督が居るとこ」

あ 『え、あ、え?』

宮 「ん?、嫌だったかな?」

あ 『あぁ、いえ、いつ頃配属でありますか?』

宮 「そういう詳細はもう少ししてから決めるらしいよ、まぁ俺はそれを君に知らせるだけ」

あ 『そうでありますか、他に無いなら失礼致しますが?』

宮 「他には無いよ〜」

宮 「じゃあね〜、ご苦労さ〜ん」

あ 『ご苦労様、であります!』

 

自分はそうして部屋を後にしました、弥生殿、案外早く再開する事になりそうでありますな




あきつ丸っぽさ出たかなぁ


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人物紹介
登場人物紹介.I


誤字脱字報告よろしくです


・人物紹介

 

・中島 弥生

身長180cm 男性

搭乗車種は日産 MARCH K11(ライトグリニッシュシルバー、IMPALエアロ、RSワタナベ 8スポーク)

容姿は黒髪で右目を隠している

黒い服を好む為全身黒である事が多い、懐中時計派

使う銃火器はマウザーC96、ベレッタM8000、ストライカー12等一貫性は無い

性格は飄々としているが正義感は人並み以上にある、キレると手が付けられなくなる

女性に対しては一人に尽くすタイプだが人様から向けられる好意には気付き難い

虐められて居た過去を持つ為捻くれているが、根は素直である

最近はあきつ丸に心を開いている、案外チョロいタイプだ

車の運転は上手いのだがバトルになるとガードレールに擦ったりする為愛車には生傷が絶えない

最近はMARCHの自動回復がある為開き直り、それが顕著に出ている

蓬莱人な為死ぬ事が無く身体が爆ぜても生き返る、自身の能力との応用で体を作る場所を変えられる上に

いつ生き返るまで指定出来る様になった、尚能力は《作る程度の能力》

能力使用時には目が赤く光るがまだ調整が上手くいっていないのか古い電球の様に揺らめいている

今作は基本的に此奴の一人称視点で話が進む

 

・中島 フィガロ

身長165cm 女性

搭乗車種は日産 Figaro FK10(スーパーブラック、ボーダー社FC用リアウイング流用、RSワタナベ 8スポーク)

容姿はゴスロリファッションにペストマスク、マントを着込む奇怪なセンス、顔立ちは猫顔

使う銃火器はゲーリングルガー、ベレッタ1934等、古い物が好きなタイプ

性格は暗いが礼儀正しい、兄の弥生の事になると周りが見えなくなる、俗に言うヤンデレ

昔から兄に仇なす者には容赦が無く中学時代には暴力事件まで起こしセーラー服が血に染まった

車の運転は上手いがバトルと言うより攻撃に特化している為、振り切るのは容易である

しかし最近は弥生を追い掛けて居る為速くなってしまった、諸行無常

あきつ丸を容認しているのは同じ陸軍の人間だから

と言うのは表向きで、本来は兄である弥生に嫌われたくないからである

 

・あきつ丸

身長175cm 女性

登場車種は日産 MARCH K10 (ブラック、ターボ用フォグランプ内蔵バンパー、エンケイRP01)

容姿は軍帽に軍服、制服制度に準ずるが太腿にホルスターを付けている、腕時計派

使う銃火器は十四年式拳銃のみ、後は弥生に貸して貰ったりしている

性格は活発で礼儀正しいが最近は砕けてきている、海軍は嫌いだが単冠湾鎮守府は例外な様だ

弥生の事が好きな様だがいかんせん弥生が鈍感なせいで先に進まない

弥生に会った時は改修前のグレーの制服だが、東京に帰った際改修の手続きが済んだ為

現在は改の黒い制服になった、お陰で弥生とお揃いだと喜んでいるらしい

番外編の主人公を務める事になった、副主人公である

 

・コレット

身長170cm 女性

容姿は黒いドレスに黒髪ロング、胸が無い事を気にしている

しかし未だに精神世界にしか出れないので何故体が固定なのかは分からない

蛇であり、ツンケンしている割に放って置くとすぐ拗ねる、俗に言うツンデレ

 

・ミア

MARCHに憑いている悪魔、気の使える良い子

車載コンピューターを付けた際謎のプログラムで話せる様にした為今は話せる状態

現在は車内の液晶にデフォルメされた姿で表示されている

それによって僕っ子であった事が判明、弥生に衝撃を与えた

 

・紅魔館

 

・レミリア スカーレット

身長132cm 女性

容姿は薄い紫の髪にナイトキャップを被っており、背中には蝙蝠のような羽が生えている

武器はフランと同じくあまり使わないが、グングニルと言う槍を持っているがもっぱら投げている

性格は落ち着きがありカリスマ性を持っているが、妹の事になると周りが見えなくなる事もしばしば

弥生の事は信頼しているが危なっかしい所がある為心配している、フランが絡むと胃が痛くなるらしい

能力は《運命を操る程度の能力》、未来が見えるらしい

 

 

・フランドール スカーレット

身長130cm 女性

容姿は金髪をサイドで結わきナイトキャップ被っており、背中に水晶をぶら下げた様な羽根を付けている

武器は基本使わないが、レーヴァテインと言う槍を持っている時がある、魔力を固体化させている様だ

性格は聞いた程狂っているわけでは無いが世間知らずな所がある

弥生の事は紅魔館から連れ出してくれたりする為気に入っている、死なないし

能力は《ありとあらゆるものを破壊する程度の能力》初対面の弥生はこれの犠牲になった

 

・十六夜 咲夜

身長175cm 女性

容姿は銀髮でメイド服に身を包んでいる、懐中時計派

武器はナイフでメイド服のあらゆる所に隠し持っており、投げて使う事が多い

性格はしっかりしておりルールに厳しい、が偶に天然で紅茶に福寿草を淹れたりする、危ない

弥生の事はあまり話さないので良く分かってないが、驚かすと面白いので気に入っている

マウザーKar98を貰った時は嬉しかったらしい、ぶっ放したかったそうだ

能力は《時間を操る程度の能力》これで弥生を驚かせている

 

・パチュリー ノーレッジ

身長168cm 女性

容姿は長い紫の髪にナイトキャップ、ローブとゆるふわな感じ

武器は基本使わず魔法で攻撃するが非常時は魔道書でぶん殴る時がある、人が吹っ飛ぶってどんな…

性格はクール、それに尽きるがノリが悪い訳では無い、何かと一番苦労している

弥生には魔法を教えているため師弟関係がある為、偶に無茶振りして遊んでいる

能力は《火+水+木+金+土+日+月を操る程度の能力》つまりは魔法使いと言う事だ

 

・紅 美鈴

身長180cm 女性

容姿は赤い髪に人民帽、チャイナドレスと中国感溢れる見た目

武器は使わない事が多いが、トンファーやヌンチャクを使う時もある

性格は真面目で気さくだが、門番の勤務中に寝て居たりとあまり勤務態度は良くない

弥生にはあまり会う事がなく、車でカッ飛んで行くのを見る事が多い

能力は《気を使う程度の能力》波紋使いでは無い…筈

 

・小悪魔

身長166cm 女性

容姿は赤い髪に蝙蝠の羽の様な物が生えている

武器はあまり使わないが、大きな鎌やチェーンソー等どこから持って来たのか不明な物が多い

性格は悪戯好きで、弥生に対してもセクハラ紛いの悪戯をした事がある

能力は不明、分からないって怖い

・博麗神社

 

・博麗 霊夢

身長173cm 女性

容姿は巫女服なのだがオフショルダーになっており、頭には大きなリボンが付いている

武器はお札や退魔針等、やっぱりどちらも投げて使う、肉弾戦もかなりのものである

性格はサバサバとしており、人に興味が無い様にも見えるがそうでも無いらしい

何かと苦労人で宴会の後片付けは基本的に彼女が1人でこなしているが、最近は萃香も手伝わせている

弥生の事はパシリと思っている節があるが、別に弥生自身嫌がっていないので良いやと思っている

能力は《空を飛ぶ程度の能力》

 

・伊吹 萃香

身長140cm 女性

容姿は薄茶のロングヘアを赤いリボンで留め、鬼らしく身長に不釣り合いな角を二本生やしている

武器は素手だが、下手な兵器より強く地面にクレーターを作る事もしばしば

性格はかなりの飲兵衛でいつも酒を呑んでいるが、かなりの洞察力があり切れ者

弥生の事は飲み友達と思っており、いつかは酔い潰れるまで呑みたいと思っている

能力は《密と疎を操る程度の能力》

 

・魔法の森近辺

 

・霧雨 魔理沙

身長174cm 女性

容姿は金髪に三角帽子の魔女らしい格好、片手には基本箒が持たれている

武器はミニ八卦炉と呼ばれる魔道具で攻撃し、恋符「マスタースパーク」は規格外の威力を誇る

性格はサッパリしており人当たりも比較的良いが、手癖が悪く平気で嘘を吐く

捻くれ者同士弥生とも気が合う様だ、家は散らかっており足の踏み場も無い

最近は弥生の事を意識しているが、やはり弥生は鈍感だった

能力は《魔法を使う程度の能力》

 

・アリス マーガトロイド

身長176cm 女性

容姿は金髪、色白で人形のようである

武器は人形、人形に攻撃させたり自爆させたりして居る

性格は他人に興味はなく魔法に執着しやすい反面、人間には友好的である

車酔いしやすい体質の様で、MARCHの後部座席で失神した過去を持つ

能力は《人形を操る程度の能力》尚、弥生は人形が苦手でアリスの家で戦々恐々としていた




整理も兼ねて書いてみました


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登場人物紹介.II

誤字脱字報告よろしくお願いします!


・人物紹介

 

・白玉楼

 

・西行寺 幽々子

身長178cm 女性

容姿は髪は桃色で癖っ毛、水色の浴衣を左合わせで着ている

武器は必要ない、何故なら彼女の能力が《死を操る程度の能力》だから、危ないったらありゃしない

性格はふわふわしており何を考えているか分からないが、切れ者である事は確かだ

弥生の事は可愛らしいと思っており、出来ればもう少し白玉楼にいて欲しかった様だ

 

・魂魄 妖夢

身長162cm 女性

容姿は銀髪に髪飾りを付けている、背後に白い餅の様な物が飛んでおり、それが半霊らしい

武器は刀で「楼観剣」と「白楼剣」の二振の刀を使う、近接戦闘なら右に出るものは居ないだろう

性格は真面目で堅物、その上半霊のくせに幽霊が苦手らしい

弥生の事はあまり良いイメージが無い様だ、すぐに居なくなって清々したらしい

永夜異変時、フィガロと意気投合したらしく人里で話している所が目撃された

能力は《剣術を使う程度の能力》

 

・マヨヒガ近辺

 

・橙

身長136cm 女性

容姿は二股に分かれた尻尾と猫耳が生えており、猫の妖怪という事が分かる

武器は爪、引っ掻かれると痛いが、死にはしない

性格は良くも悪くも猫らしい、言う事は基本的に聞かない

弥生とは話した事が無く、紫に聞いたぐらいである

能力は《妖術を使う程度の能力》

 

・八雲 藍

身長177cm 女性

容姿は狐耳に道士服、大きな尻尾と個性的

武器は弾幕や式を打ち戦う、つまりは素手である

性格は真面目で礼儀正しい、趣味は計算らしいが常人には理解出来ない物も多い

弥生には橙と同じく会った事が無い

紫に話を聞かされる位だが、その話をしている紫が幸せそうでどんな人物なのか会ってみたい様だ

能力は《式神を使う程度の能力》

 

・八雲 紫

身長179cm 女性

容姿は金髪に大きなリボンのついた帽子を被っており、紫色のドレスを着ている

武器は特に無いが、道路標識を振り回している事があったらしい、怖ッ

性格は掴み所がなく何を考えているか分からない、しかし幻想郷への想いは本物の様だ

弥生の事は気に入っており、何かと気にかけている

能力は《境界を操る程度の能力》

 

・向日葵畑

 

・風見 幽香

身長180cm 女性

容姿は緑色の髪にチェック柄のベスト、スカートを穿いている

武器は日傘で薙ぎ払う様な攻撃が多い、先端からマスタースパークを放つこともしばしば

性格はドSだが反面寂しがり屋な所があり、花を愛している為粗末に扱う者には死の制裁が待っている

弥生の事は気に入っており無茶振り等で遊んでいる、その時の表情は楽しげ

必ず一週間に一回は来る様に要求しており、破るとずっとその事で詰られる

能力は《花を操る程度の能力》

 

・リグル ナイトバグ

身長132cm 女性

容姿はショートヘアにブラウス、短パンとボーイッシュ、頭には長い触覚が生えている

武器は虫に襲わせると言う中々ダメージの大きい攻撃

性格は常識人で話のわかるタイプ、最近はツッコミ役に回っている

弥生の事は遠目に見た程度で、背が高いなと思っていた

能力は《蟲を操る程度の能力》

 

・湖周辺

 

・チルノ

身長135cm 女性

容姿は青い髪にリボン、青いワンピースと一貫性がある

武器は能力で作った氷柱など、冷気を振り撒き凍傷にする事も可能

性格は少々お馬鹿、最強を自負しており格上の相手にも臆する事なく立ち向かう

弥生の事は慧音先生を連れて来た嫌な奴と思っており、あわよくば凍らせてやると思っている

能力は《冷気を操る程度の能力》

 

・大妖精

身長133cm 女性

容姿は緑の髪をサイドポニーにしており、昆虫のような羽根が生えている

武器はクナイの様な弾幕だが、避けるのは容易だ

性格は礼儀正しくしっかりしているため、お転婆なチルノに振り回されている

弥生の事は遠目で見た程度、身長高いなと思って居たらしい

能力は不明

 

・ルーミア

身長140cm 女性

容姿は白い長袖のブラウスに胸元までの黒いワンピース、髪はショートヘアにリボンを付けている

武器は持たず素手で戦うが、妖怪の為並みの人間では太刀打ち出来ない

性格はほわほわしているが核心を突く事も多く、切れ者の様だ

弥生の事は非常食だと思っているが、寝ている時に齧ったら美味しくなかったらしい

取り敢えず持ちつ持たれつな関係を築いており、信用している様だ

能力は《闇を操る程度の能力》

 

・レティ ホワイトロック

身長165cm 女性

容姿は白いブラウスに青いベストを着ている

武器は持たず冷気を使い攻撃する、チルノとは格が違う…、らしい

性格はほんわかしており心なしか幽々子と似ている

弥生の事はある程度気に入っており、冬になったらまた会いに行く予定らしい

能力は《寒気を操る程度の能力》

 

・人里周辺

 

・上白沢 慧音

身長177cm 女性

容姿は薄い青の髪に不思議な帽子を被っている

武器は基本使わないが宿題を忘れた子供に頭突きをする場合がある、威力は高い

性格は真面目で堅物だが、子供が居なくなってしまう等想定外の事が起きるとテンパってしまう

弥生の事はチルノ達を探してくれた恩人だと考えており、いつか礼をする予定

能力は《歴史を食べる程度の能力》

 

・本居 小鈴

身長140cm 女性

容姿は飴色の髪を鈴付きの髪留めで二つに止めており、本を読む時のみ丸眼鏡

性格は好奇心旺盛で天真爛漫、妖魔本を集めており時折それで問題を起こす事がある

弥生の事はたまに本を借りに来るお客さんだが

何かと話題になっているので一度深く話してみたい様だ

能力は《文字を解読する能力》

 

・稗田 阿求

身長142cm 女性

容姿は紫色の髪に着物を着ている

性格は真面目だがはっちゃける事も多い

弥生には会った事がないが、幻想郷縁起の為話を聞きたいらしい

能力は《一度見聞きした事を忘れない程度の能力》

 

・甘味処のおっちゃん

身長170cm 男性

容姿は浴衣姿に短髪、髭も生やしており強面

性格は豪快で気前が良い、奢ってくれる事もしばしば

体が大きく筋肉質なので過去に何か武術をしていたのかもしれない

 

・永遠亭周辺

 

・八意 永琳

身長178cm 女性

容姿は銀髪に服は赤と青で星座で覆われている、看護婦の帽子に似たような物を身につけている

武器は和弓を使用するが通常の木材製や金属では無く、不可思議な材質だ

性格は天才と言う事もあり常人には理解できない事を平気でやってのける

弥生に関しては自分が作った筈の蓬莱の薬を飲んでいるため怪しんでいる、信用はしていない

能力は《あらゆる薬を作る程度の能力》、医者なだけはある

 

・鈴仙 優曇華院 イナバ

身長173cm 女性

容姿はうさ耳にブレザー、月の軍隊の制服らしい

性格は真面目だが臆病、月の都から逃げた理由もそれらしい

弥生に対しては当初月の都の使者かと思ったらしい、ふと冷静になってから気付いたらしいが

能力は《狂気を操る程度の能力》、目を見ると気が狂う様だ




身長の欄は雰囲気でお楽しみくだせぇ


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登場人物紹介.鎮守府

いつもの登場人物紹介、適当に見てね


・登場人物

 

・単冠湾鎮守府

 

・如月 空

身長178cm 男性

搭乗車種はスズキ Jimny SJ30(メタリックブラック、外装フルノーマル、5速ミッション)

及びトヨタ STARLET EP82 (スーパーホワイト、TRDフルエアロ、TE37ブロンズホイール)

容姿は基本的に白い提督服を着ている事が多く、普段着のセンスは壊滅的

武器は九四式のほかスナイパーライフル全般を使い、接近戦では銃剣突撃等日本陸軍紛いの攻撃法を使う

性格は常時薄ら笑いを浮かべており感情が読み取り難いが、傷付きやすい面がある

弥生の事は来ると面倒だが断る事が出来ない厄介な客だと思っている

 

・加賀

身長175cm 女性

容姿は青を基調とした弓道の道着を着ている

武器は弓を使っているが、従来の物と違う様で不可思議な能力を持っている

性格はクールでキツいがそれは過去のトラウマの為で、慣れた人間には冗談を飛ばしたりする

弥生の事は客人として紹介されたが軍人の格好をしていなかった為、困惑していた様だ

 

・赤城

身長175cm 女性

容姿は赤の加賀と同型の道着を着ている

武器は弓を使い、加賀と同じ様に不可解な能力で攻撃する

性格は落ち着いており優しげ、その上核心を突いた発言も多く切れ者の様だ

食べ物に目が無くいつも何かしらを食べている、カレーを食べる姿は圧巻

弥生の事は食べ物をくれた良い人だと思っている、尚噂はそのあと聞いたらしい

 

・龍田

身長170cm 女性

容姿は紫色の髪で、頭の上に天使の輪の様なユニットが乗っている

武器は薙刀を使用し、こちらにも不思議な能力が付いている

性格は怒らせるとちょっと怖いタイプでしれっと恐ろしい事を言ったり、やったりする

弥生の事は初対面の時に切り付けた為負い目を感じていたが、天龍を弥生が蹴り飛ばした為+-0になった

 

・天龍

身長170cm 女性

容姿は紫色の髪で、猫耳の様なユニットが付いている、あと眼帯

武器は刀…?を使っており、それで砲弾を弾いた事がある

性格は粗暴だが、姉御肌な所があるのか面倒見が良い

弥生には一度蹴飛ばされている、尚、弥生を襲った理由は化け物と噂の弥生が龍田と話していた為である

龍田を守らなければと思ったそうだ

 

・摩耶

身長177cm 女性

容姿は栗色の髪にアンテナの様な棒が立っている

武器は腕に付けた連装砲と呼ばれる携帯兵器、ここから20.3cmの砲弾を弾き出すらしい

性格は荒い雰囲気に似合わず気遣いが出来、世話焼きさんな様だ

弥生の事は化物と噂されていた為、危険なら排除するつもりで会いにいった様だ

車が好きな様で弥生のMARCHのエンジンを言い当てた、自身はR32GT-Rに乗っていた様だ

 

・大淀

身長172cm 女性

容姿は黒いロングヘアにメガネ、まるで生徒会長のよう

武器は腰の辺りについた15.2cm連装砲、人間相手にはオーバースペックだろうが…

性格はイメージ通り真面目、鎮守府の問題やら色々全て彼女の元に集まる為最近お疲れ気味

弥生の事は全く信用していない、飄々とした態度が気に食わないらしい

 

・金剛

身長180cm 女性

容姿は茶髪に装飾の付いたカチューシャを付けている

武器は41cm連装砲、強い。

性格は明るく、帰国子女な為片言の日本語で喋る

弥生には何も知らず話しかけ、その後化け物騒ぎの話を聞いたらしい

 

・まるゆ

身長147cm 女性

搭乗車種はホンダZ(白、チンスポイラー、汎用オーバーフェンダー加工、RSワタナベ 8スポーク)

容姿は白いスク水に水中メガネ、一度見たら忘れないだろう

武器は十四式拳銃、あきつ丸のとは違い後期型

性格は人見知りな様で喋り方も頼りない感じ

弥生の事はあまり知らないが悪い人とは思ってない様だ




誤字報告よろしくです!


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