不死隊が鎮守府に着任しました (ホムンザルド)
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簡単なキャラ説明

とりあえずパッと私の語彙力で説明できるものをピックアップしていきます!


ファランの不死隊

 

幽鬼と監視者で構成。

幽鬼の数の方が多い。

 

隊長&副隊長=男

純魔&奇跡=女

 

隊長

 

・わりと周囲の行動については見ていない。ただし戦闘時はよく見る。

 

持ち物は近接武器についてはわりと持っている。ファランの大剣は行方不明。

弓、大弓、クロスボウ、盾もしっかり持っている。

リアルダクソプレイヤーに近い。

 

 

副隊長

・技量特化

・作者にとってネタを連発するキャラ

・(語録とかは)ないです。

 

筋力武器はあまり持っておらず、技量武器は多い。

槍・刀を愛用。

 

 

純魔の娘

・隊長大好き

・副隊長とは喧嘩腰だけど、戦闘時は普通「隊長の近くばっかで許せない!」

・筋力・技量はなく、ファランの大剣を振るう必要筋技最低値18/30も無い。

故に純魔の娘。ただ、わりと普通に月光や法王から奪った譲ってもらった裁きの大剣とかは使ってる(主に副隊長に)

 

 

アンバサの娘

恥ずかしいっすよぉ~

 

 

第四話終了時点でのステータス

 

隊長

39,10,35,30,30,40, 9,10,7

 

副隊長

29,12,35,30,20,50,10. 8.9

 

純魔の娘

15,30,15,10, 9,15,85,10,12

 

アンバサ

無理無理!

 

基本的に重量計算はしてません...ハベルとか着ればドッスンとかにはなりますが

 

 

 

 

ふと思ったのだ。まぁ、艦これについて話そうか

何故、提督に味方をするんだ?

どんなに過酷な事をされようが、姉妹を沈められようが、かつての戦友を沈められようが。己を慰め物にされようが、出撃と言われれば是非も無く死地へ向かう。

本当は今日は自分の戦没日だったかもしれない。

本当は今日は体調の悪い日だったかもしれない。

本当は今日は出撃できたならば、かつてない戦果を挙げられたかもしれない。

 

 

 

資源を集める為の遠征だって必死なのだ。

上が認知していなかった敵。突然あらわれる敵。

果たして自分の命より大切な物はあるのか?

 

もちろん、これはゲームだ。ダークソウルしかり、艦これしかり。

画面の向こうから、ただマウスを。コントローラーを握っただけの悪魔に命を任せられるのか?

自分の欲求の為だけに自殺したり、見殺しにしたり。そうやって何度も殺しては自分は強くなったと勘違いし、他者を叩き始める。

目の前のキャラの人間関係なんか関係ない。殺したいから殺すのだ。

あぁ、冗談だよ。気にしないでくれ。

これは単なる小娘の形をした奇跡を使っている者の考えだ。もちろん、隊長は知らないだろう。

だが、知ってしまった。

 

 

 

艦娘側

 

ブラック鎮守府補正によって様々です。

提督不信、提督嫌い、何の感情も持たない娘、人間嫌い、提督に好意的

 

(今後キャラが出てきたときに考えます)

 

基本的に私(作者)が持っているキャラのみでの生活となりますが、ご希望があればコメントにて出してくださればwiki等を見て派遣艦として出してみたいなーとは考えています。

ただし海外艦は非常に難しいです...。特に3de5アークロイヤルとか

 

ご意見や感想、お待ちしています(乞食)

 

 

 




もちろんだが、私が喋っていた事はそっと自分の胸の内だけにしまっておくと良い。今後私が助言等があればしていきたいからね。もしバレてしまえば今後は無いかもしれない。突然の、謎の空白があると反転させてみるのも面白いかもしれないね。
これは後々、気が付いたら更新していきます。

もし本編と違ったこと書いてたらこっそりと教えてください!おなしゃす!


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第一話

再投稿。
拙作ですが喜んで頂ければ幸いです。







 

 

深淵とは何だろうか。

 

遙か昔の、最初の火の時代より現われた謎の存在。

 

何かの形を取っているものや、液体のように何の形も保っていないものと二つある。と、発見した者がいた。

 

だが、それは置いておこう。

 

深淵は人を、地形を、何もかもを蝕んだ。

 

最初の火の頃には狼騎士と呼ばれる騎士が歩き、それを狩っていたらしい。

だが、その騎士も遂には深淵に呑まれ、発狂したとも伝えられている。

 

 

深淵とは何か。

それは人間性の暴走した物だと言った者がいた。それは世界の意思だと言った者がいた。それは人の持つ暗い感情だと言った者がいた。

 

 

それは、愛だと言った者がいた。

 

 

人を殺し、建物を殺し、全てを犯す存在を「愛」だと。

 

その話をいつ、どこで、どんな状況で聞いたのかは忘れたが、俺はそれを聞いた時に納得しつつ嘲笑した。

 

 

数多の英雄が火を継ぐ為に動き出したのに、深淵に呑まれて全てが台無しになった時代の方が多いのだ。

 

俺の記憶では、火継ぎに成功したのはロードラン・ドラングレイグのただ二つのみ。その他では火が消えた事があったり、火継ぎに辿り着き薪になった時点で呑まれた者もいたとか。

 

 

ならば、俺は考えた。「深淵が湧かなければ俺達は幸せな時代を過ごせたのだろうか」と。

 

答えは未だに分からない。

 

 

ならば「深淵はどうやって湧くのだろうか」と、考えた者がいた。

 

自然災害、異世界からの召喚、誰かが愚かな願いを叶えた時、火継ぎの鐘が鳴る時。

 

この答えも、分からなかった。

 

 

ただ、ロスリックの時代。俺達はファランの不死隊という組織の中である発見をした。

 

時間軸は動いては止まり、跳ねて曲がって、いつかは時間軸同士がくっつき合う。その時に深淵が発生するのだと。

 

 

時間軸同士がくっつき合う時はただ一つ。不死の使命を達成する際に困難が発生した時に「白いサインろう石」という物を使い、その困難を突破するのだと。

 

となれば、さしずめ闇霊は深淵に呑まれた者か?

 

 

まぁ、どうでも良い事だ。

 

ファランの不死隊。その頭部の防具は不吉の兆候。必要とあれば一国ですら堕とす化け物の軍団。

 

呼び方は様々あるが、俺達にとってはどうでもいい事だ。

 

不死には使命があるように、俺達には深淵を狩るという使命がある。

生者も死者も、同じ価値でしか無い。邪魔ならば殺す。ただそれだけだった。

 

薪の王になってからは深淵の監視者とも呼ばれるようになったか。遙か昔すぎて記憶には無い。

 

 

数百年もの長い時間を墓の中で考えていた。時間があるから考える事が止まらない。そもそも俺は考える事は苦手ではあるが。

 

 

 

 

 

 

 

ふと、音が聞こえた

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴーン....ゴーン....

 

 

 

 

 

 

 

 

何かを呼ぶように。

 

 

あぁ、この鐘の音は

 

 

火継ぎの鐘か。

 

 

 

 

 

そうして、俺達ファランの不死隊は目覚めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

ファランの不死隊に所属する者は全て不死人である。

切ろうが刺されようが潰されようが焼かれようが、俺達は生き返る。

 

 

ただ、不死と聞くと死なない存在を思い浮かべる者もいるようだ。

 

俺達は死なない訳ではない。ただ何度も死ぬ事が出来るだけでしかない。

 

ただ、その不死の特性を生かした訓練が出来る。

 

お互いに刃引きされていない剣を持ち、防具をつけ、寸止めも無しに切る事が出来る。

魔術師は魔法を撃ち、呪術師は炎を使い、聖職者は奇跡を放つ。

 

今回の火継ぎを行う「灰」が来るまでは俺達も訓練なり、深淵を狩るなりしよう。と思っていた。

 

 

 

 

ある日突然、深淵に呑まれるまでは。

 

 

 

これは、そんな俺達の。呪われた話だ。




初めましての方は初めまして。

久しぶりの方はお久しぶりです。
無様にも逃げ帰ってきました。

感想や注意点、直したら良い点などありましたら是非ともご指摘ご鞭撻よろしくお願い致します。

また、再掲した事から話を大きく変えました。


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第二話

途中で文章を加えたくなったりしたら、サブタイトルが変わってたりする場合がありますので、もしそのような事が起こりましたら許してください、何でもしま


 

篝火システムが大衆に知れ渡った時代がある。

 

 

ロスリック

 

 

薪で休むと、いつの間にかエスト瓶の量が回復していたり、武器の耐久度が直ったりするが敵もまた生き返る。

 

また、ある篝火からある篝火へ転移する事が出来たり、武器防具・アイテムを収納することも可能だとか。

 

ならば、ロスリックの時代に住む人間全員が篝火システムを使えば楽になるのでは? と考えた人もいるだろう。

 

 

確かに、周知の事実となった篝火を。使えるのは生きている者。あるいは「灰」、あるいは「生き延びた人」。

 

生き延びた人は大抵何かしらの力を持っていた。

 

 

ある者は信仰を。ある者はその聖女の監視を。

 

ある者は魔術を。ある者は「灰」を待つために。

 

 

何も時別な力を持っていない者は全員死に、亡者と化して今でも動き続けている。

 

 

 

便利過ぎる篝火、それは一体何なのだろうか。

 

そのアイテムを持っていなかった世界線、その武器を持っていた世界線。それらが交わるような、一種の交信の触媒か。

 

 

 

 

 

俺はある日突然、何の前触れも無くこの世界の今でも分からない場所で寝ていた。

 

 

...寝ていた、というよりも意識を失っていたというのが正しい表現か。

 

 

 

詳細は省くが、俺はファランの不死隊と呼ばれる組織に招待された。

 

 

不死?俺が?

 

 

冗談じゃない!俺は一般人だ!死ねば終わりなんだ!

 

 

最初は抵抗した。言葉で。態度で。行動で。しかし、いずれも受け入れて貰えず、隊長と呼ばれていた奴の横にいた杖を持った女に、突然、青い槍のようなもので心臓を撃たれた。

 

 

痛みは感じず、ただ身体が冷たくなってきたような感覚と睡魔に襲われて、ただ緩やかに地面が目の前に迫ってきて、目が閉じていく。

 

 

俺は、奴らを呪った。

 

 

人殺しが! お前らが不死だとしても俺は不死である訳が無い!

 

 

お前らの思い込みが俺を殺した!!!

 

 

悔しかった。

ただ、何故か諦めがついた。

 

 

見知らぬ土地に飛ばされ、即死せずに死に方こそ最悪なものの、痛み無く死ねた。

 

 

幸運など無いこの身にただ一つ訪れた唯一の幸運か。

 

 

世界を、目の前の奴らを、そして自分を呪いながら。

 

 

ゆっくりと死が後ろから歩いてきているような音を聞きながら。

 

 

 

俺は死ぬ瞬間に、何故だろうか。脳裏に一つの記号?マーク?ルーン?俺には分からないが。

 

 

逆さ吊の模様がはっきりと見えた。

 

 

 

死ぬ間際だから、これでも思ってろって事か?

 

まぁ、どうせ死ぬんだ。何を考えても一緒だろう。

 

 

 

そして、俺は不死になった。

 

 

その後の事ははっきりとは覚えていない。

 

 

ただ、激情に任せて隊長と呼ばれていた奴を殴り、横にいた女にしこたま青い槍で貫かれて死んだ事ぐらいか。

 

 

あれから俺は不死隊の一員となり、大剣と慣れない左手の短剣を操りながら『深淵』と呼ばれる異形を狩り続けた。

 

 

ムードメーカーとしてふざけた事を言いつつ、周囲の士気を上げつつ俺は違和感を感じていた。

 

 

 

何かが違う!

 

 

 

どうやら俺には奇跡や魔術と呼ばれるものが使えない事が判明した。

 

 

 

奇跡を使うには信仰、魔術を使うには理力が必要だと。

 

 

俺はどちらにも才能が無かったらしい。

 

 

理力・信仰ともに0だとか。

 

 

隊長は珍しいと言った。だが、俺には腕があった。

 

 

筋力は上がらないだろう。技量を上げよう。

 

 

そう考えてからはずっと技量が上がるように訓練しつつ、深淵を狩った。

 

 

 

最初の頃は憎んでいた隊長達とも今では仲が良い。

 

一緒に酒を飲む程だ。

 

 

 

俺は天井が見えない違和感と、技量を上げつつ隊長達と馬鹿をやりながら魔術師にソウルの槍で貫かれて、アンバサと呼ばれる聖職者に癒やされて、深淵を狩る。

 

 

ずっと、そんな日常が続くと考えていた。

 

 

 

ある日突然、深淵に呑まれるまでは。

 

 

 

これは、そんな俺達の夢だった話だ。



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第三話

深淵に呑まれ、気を失い、彼らが起きるとそこは...!

書きたい話は一杯あるのに、それに繋ぐ前半部分が全く思いつきません...
他のゲームに逃げるな

今回もgdgdです


「...海、か?」

 

ただの海と砂浜があり、俺が今まで見た事もないような建物が遠くにあり...見慣れた死体が一つも無かった。

 

なんと手入れの行き届いた海だろうか。

 

少なくとも俺の知っている海に砂浜は無く、有ったとしてもそれは血に濡れ数多の人が死んだ場所でしか無かった。

 

だが、違和感があった。

 

海から敵がいるような感覚、そして遠くにある大きな建物には人がいるが...怯え(?)に近い。負の感覚と呼ぶべきか。

 

「ふむ...明らかな罠だろうな」

 

建物に足を踏み入れると死ぬかもしれないが...俺らは不死。死ぬことに対して恐怖感は無い。

仲間はいないが、俺一人でどうにかなるだろう。

 

武器の備え...幾つかは無いが、問題ない。

投げナイフ...良し。

火炎壺...良し。

修復の光粉...良し。

七色石...はかなりあるな。

 

「行くか」

 

一歩踏み出した...が、あまりにも足下の感覚がおかしい。

砂の上というより、人の上に立っているような感覚なのだ。

 

剣を刺してみるか。人の死体なら申し訳ないが、まぁ墓暴きに興味はない。

ロングソードを取り出し、一突き「ぐえっ」して...

 

「...何故埋まっているんだ?」

 

「こっちが聞きたいっすよぉ~...あー痛いなー」

 

アンバサの娘がいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

適当に砂浜を歩き、おかしい所を突いていると仲間であった副隊長、純魔の娘がいた。

少しバランスはおかしいが、一人よりは格段にやれることは増える。

 

ちなみに先に見つけたのは純魔の娘で次に見つけたのは副隊長だったが、起きた瞬間ソウルの矢を頭に当てられていた。

 

 

「あこに大きな建物がある、見えるか?」

 

「あー、ビンビンに悪い空気を放ってるっすねぇ...。まるでロスリックのように」

 

「あれがどうしたんだ?」

 

「もしかして深淵の兆しでも見えてるんですか?」

 

俺、アンバサの娘、副隊長、純魔の娘の順で喋る。

 

「そうではない。今の俺らに必要なのは情報と拠点だ」

 

「っつーことは、あこへ行って良なら生者と交渉し拠点の確保と情報の入手」

 

「ダメなら制圧っすねぇ~」

 

「そういうことだな」

 

「分かりました!では早速殺しに行きましょう!」

 

「...そうじゃない」

 

 

はて、この娘は以前からこうだったのか。それとも不明の土地に飛ばされたことで興奮しているのか。

俺には分からんな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ざっと歩いて目的地の前へ到着。ここまで人影は無し。

亡者も罠も無いが、逆にそれが俺らを不安にさせる。

 

これは呼び込まれたのではないか?

もし人を喰う類の物であれば、ここが最後の引き際だ。

 

 

「覚悟はいいか」

 

「隊長の行く場所ならどこへでも!」

 

「ま、問題ないな」

 

「へーきっすよ~」

 

「行くぞ」

 

鞘から武器を取り出し、門を潜る...女?

 

黒髪の女が空を見ながら、微動だにせずそこに立っていた。

 

「生者、それも魅了状態と見た」

 

「俺は亡者だな。解呪石を使えば生者の見た目にはなれる」

 

「どうします?殺します?」

 

「あれはどう見ても精神が崩壊した人っすよ...」

 

と、アンバサの娘に窘められる。

俺には精神の崩壊した人と言われても分からないが、大勢の人を看てきた奴なら分かるのだろう。

 

「俺が行く。後ろと援護は任せた」

 

「りょーかーいっす」

 

 

 

精神が崩壊した人と言っても、いきなり襲ってくる可能性は無い訳では無い。

武器を構えながら近づく。

 

ふと、靴がザッと音を立ててしまう。刺激したか、とロングソードを持つ手に力を込める。が

 

「しっ、失礼しました!軽巡洋艦の大淀です!監察官の方ですよね!?気が付かず申し訳ございません!」

 

手を頭につけ、よく分からないポーズを取りながらハキハキとした声で話す。

ふと顔を見ると目によく分からない物をつけて...涙?

 

と思うと、その場で土下座を始めた。

 

「こっ、このことは提督様には何卒...何卒...っ!」

 

何をしているんだ?こいつは。

 

「はいは~い、そのことは不問と致しますので~、提督へ会わせて頂けませんかぁ~?」

 

後ろからアンバサの娘が話す。こいつは警戒する必要無いのか、と目で聞くが彼女は目を合わせようとはしない。

ただ言外に上を見ろ、と強く訴えてくるのだ。

 

上を見ると、カラフルな色の服を着た女どもがこちらを見ていた。それは憎しみでも歓迎でもなく、ただ無の表情で。

 

「ありがとうございます!ではこちらです!」

 

俺らに背を向け、歩き出す。ついてこいと言うことか。

 

 

「罠などは無いと思いますよぉ~。恐らく私達を何かと勘違いしているようですねぇ~」

 

「監察官、と言ったか。恐らく立場が上なのだろう」

 

「そうとも限らんぜ? 俺達が起きたときアレほどヤバい空気を出していたんだ。そう楽観的に捉えると足下を掬われるぞ」

 

「貴方は足下ではなく、背後に気をつけるべきね」

 

「それは痛い忠言だな、ただこの距離で撃つと隊長に当たるやもしれんぞ?」

 

「ぐっ...」

 

「喋りすぎた」

 

「...発言しても良いでしょうか?」

 

「あ、どうぞぉ~」

 

「監察官の方々は何故それほど仲が良いのでしょうか?」

 

「...どういうことだ?」

 

仲が良い...?この茶番がか? ということは、こいつらが置かれている状態は軟禁もしくはただの野良の集いか。

 

「失礼しました...。今のは失言でした。お許しください...」

 

「ま、そんなにピリピリすんなって!それで、提督はどこだ?」

 

「提督様はこの先に見えます、奥の扉におられます」

 

「そうか、ありがとう」

 

「いえ」

 

 

 

 

「何か気づいたことは」

 

「提督様、という単語から提督と呼ばれる存在はかなり上位、もしくは最上位に立つ役かと」

 

「この...大澱?からは提督に対する恐怖しか感じないな」

 

「恐怖政治ですかねぇ~。私達の隊長がそのような方で無い事に感謝するしかないですねぇ~」

 

「なるほど。では提督を利用して情報収集と拠点の確保を行う。発言には注意をしろ」

 

「りょーかーいっす」「はい!」「おう」

 

「こちらです」

 

「行くぞ」

 

扉を開けようと進むと、女が扉を叩き始める。まるで、俺らが来たことを知らせるかのように。

 

「背後と罠に気をつけろ。殿は副隊長」

 

「あぁ」

 

「失礼します!提督様、監察官の方をお連れ致しました!」

 

「あぁ、お前は立ってろ。役に立たないゴミは、な」

 

「はっ!」

 

女が扉付近に立つ。そして扉を押さえている。

入った時に閉じ込めるつもりか?

 

その時は扉か部屋を破壊して脱出か、皆殺しだな。

そう決意して入る。

 

「あぁ、監察官。よく来てくれ...誰だ?貴様は」

 

さぁ、ここからが勝負だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほう、貴様らは異世界人とでも言いたいのか?確かにそのような不気味な服装をしていればそう言いたくなるのも分かるが」

 

「異世界、というのが俺らには分かりませんが、俺らが望むのは情報とどこかに俺らが身体を休める部屋もしくは拠点を用意してもらいたい」

 

「何故貴様らにそのようなことをせねばならんのだ。それに、もし用意したとして我らにメリットがあるのか?」

 

「...確かに。俺らに出来る事は少ないが、兵力や下働き、労働力としてなr「提督様!」」

 

「スクラップ風情が会話の話の腰を折るか? あぁ!?」

 

強く拳を振り下ろしたのか、机から大きな音が鳴る。

その音を聞いて女が身体を震わせた。

 

ふと思い出したが、こいつ居たな。というのと閉じ込めるつもりは無かったという安堵。

どうやらこの二人の関係性は悪いようだな。

 

「申し訳ございません!ですが、席を外して良いでしょうか!」

 

「何故だ?スクラップ風情が監察官の偽物を連れてきた責任から逃げるつもりか?」

 

「そうではありません! ...お手洗いに行きたいのですが...」

 

「はっ!兵器がトイレか!面白い冗談だ!行ってくるといい、だが貴様の友達にも罰を与えるがな」

 

「...」

 

ふむ、仲間を人質に取られたか。お手洗い、トイレとは何の事か分からんが...。

 

「すみません、私もお手洗いに行ってよいでしょうか?」

 

「...!」

 

「ははっ、良かったなぁ?鉄くず、案内してやれ」

 

「はっ!」

 

「ではお願い致しますね」

 

「...ありがとうございます」

 

と、二人は出て行った。速剣ぐらいは使えるだろう、死ねば分かる。

 

「いやはや、お優しいこって」

 

「こちらこそ申し訳ない、仲間が迷惑をかけたようだ」

 

「仲間!?はっ、化け物に付きそう奴が仲間か!しかも最低限の言葉遣いも出来ない低脳とはな!貴様らに用意してやるものなんざ何一つない!さっさと出て行け!化け物が!」

 

 

交渉は決裂か、仕方ない。

さっと立ち、扉から出て行こうとしたが、扉の奥からソウルが凝縮し暴れている感じがある...奔流!

 

 

「雑魚の分際で私の隊長を愚弄するなぁ!!!!!!!!!」

 

 

バッと横に転がったから間に合ったが...。

 

「あっ」

 

「これはヤバいですねぇ~」

 

「殺したのか?俺以外の奴を...」

 

純魔の娘が放ったソウルの奔流は扉や提督ごと文字通り薙ぎ払ってしまった。

 

生者は殺さないよう言っておいたはずなのだがな...。

ここから何が起こるか分からないが、きっと今のを見て弔い合戦にでも来るだろう。

 

「おい!貴様ら何をしている!」

 

「我ら憲兵隊が来る日に提督殺害とは思い立ったな!」

 

「お縄につけ!人殺しめ!」

 

 

くそ、面倒な事になった。

 

 

 

 




拙作にお付き合い頂き、また閲覧頂きありがとうございました。

書きたい物が一杯あるのに序盤の鎮守府着任までの話が一切思いつかない....
ここら辺はグダるだろうし、亀更新なので着任した回の後書きに簡単に説明致しますね...。

失踪してから騎空士になりながら聖杯マラソンして駆逐娘のレベリングしていました...もし楽しみにしていられる方がいらっしゃいましたらお許しください...。

モチベ上げにもなりますので、私の拙作に対する感想などがありましたら是非ともよろしくお願い致します。

かしゅみと深淵マラソンはいいぞ。


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第四話

私に足りないものォ! それはぁ!
聖杯周回数、ダクソプレイ時間、闘技場勝利数、古戦場、K/D

そして何よりもぉ!
時間が足りない!

すみません、最早gdgd文章である事は生涯変わらないと思うので、こういう風にしたらいいんじゃね?とかありましたら教えてください...




「献杯だか乾杯だか知らんが俺らの見た事のない武器を持っている奴らがいるが、どうする」

 

「とりあえずは話だろう、よく分からんが純魔の娘がした事は大きそうだな」

 

何に対して何を思ったのか分からないが、突然目の前に居た提督と呼ばれる人間に対してソウルの奔流を撃った奴。

射線上にあった物は全て無くなり、壁もご立派に穴が空いている現状。

 

はてさて、話し合いで解決すれば良い話なのだがな。無理ならまぁ...その場その場で考えるとするか。

 

ドカドカと靴底を鳴らし、数十人が狭い部屋に入ってくる。

 

木造建築なのだから、そんなに強く踏み抜くと床が抜けるとか、狭い部屋に数十人も入ると近接攻撃がしにくいだとか、そんな事は一切考えていないのだろうか。不思議でたまらない。

 

見た感じ、腰に曲剣は帯刀しているものの抜く気配は無く。その腰につけた物は飾りか?と疑問に思う。

手には謎の小さい物。

まだ敵対していませんよ、というアピールなのか。それにしては無意味に殺気をバラまいているが。

 

ふと、今の現状を見て昔、同じ薪の王であるヨームに「殺しに慣れていない者程、むやみに存在感を放つ。また相手を見てすぐに力量を把握できぬ者も未熟の証拠」みたいな事を言われたのを思い出した。

 

「隊長~、どうするんっすかぁ~。奴さんら、もうやる気万全って感じですよぉ~」

 

「何をコソコソと話しているんだ?まさかとは思うが、ここから逃げられると思っているのか?それなら浅はかな考えだな!この建物の外にはなぁ!

 

...面倒になってきたな。意識がある「生者」だとは分かったが先程からの物事が全て億劫になってきた。

 

仕方がない。力ずくで黙らせるか、二度と喋れないようにしてやろう。

 

ロングソードを右手に持つ。それだけで俺らの優秀な同胞は理解したのか。副隊長はセスタスとクロスボウを。アンバサの娘は太陽のタリスマンとダガーを。チラッと見えたが、恐らく純魔の娘は幼木の杖を出した。

 

合図はなく、ただ一歩踏み出した。さぁ、やるか。

 

丁度、柄を握る力を強くしたその瞬間、

 

「待ちなさい!」

 

と、女の声が聞こえた。

 

 

うろたえる献杯と呼ばれる奴ら。出てきたのは銀髪のまだ子供と思われる女。

 

「この鎮守府に今日、憲兵が来るのは知っていたわ。でもこの騒ぎは何?報告しなさい」

 

「あこにいる黒ずくめの集団が、提督を分からない道具を用いて殺したんだ!」

 

黒ずくめではないのだがな。まぁ、いいか。

 

女子供を斬る趣味は無いのだが、場合によっては致し方ない。とりあえずは黙って聞いているつもりだが。

 

奥にいる娘には出来ないが、二人に目配せをして暫く待てという合図を送った。

 

「元々殺す予定だったのでしょう?手間が省けて良かったじゃない」

 

「何故その事を知っているのかは分からんが、我らの目の前で人を殺して、手間が省けたからといって見逃す訳にはいかん!我々には我々の仕事があるのだ!」

 

「そ。あんた達の仕事なんてどうでもいいわ。ここのクズが好き放題しているときに傍観して買収されていたような奴らなんてね」

 

「くっ...!」

 

「何?じゃあ言い換えるわ。秘書艦及び緊急事態における提督権限代理である朝潮型九番艦、霞が命じるわ。出て行きなさい」

 

「...海軍風情が調子に乗りやがって...!この事は絶対に忘れないからな...!」

 

と捨て台詞のような言葉を吐いて退場していく献杯...憲兵か。

 

「あんたらのようなクズが覚えているだけの知能あるのかしらね。どうでもいいけれど」

 

この流れを見る限り、この目の前の女子供には高い立場があるようだ。

 

女はこっちを向きながら手を腰にあて、

 

「なんか申し訳ないことをしてしまったわね。先程の言った事はほとんど嘘よ。改めて自己紹介させてもらうわね。朝潮型九番艦の霞よ。わざわざクズを殺してくれて本当に感謝しているわ。私達じゃ手出し出来ないもの」

 

はて、何を言っているのか。

まぁ、きっと先程の連中から助けてくれたのだろう。

 

「先程の連中から俺らを庇ってくれたのだろう。感謝する。俺らはファランのふ「ただの通りすがりっすよぉ~!!」」

 

「はぁ...。...ただの通りすがりが鎮守府に入れる訳ないじゃない。でもまぁ...、本当にありがとうね。私達の姉妹や皆も束の間だろうけれど安心できるわ」

 

「まぁ、いい。虫が良いと思うが、その礼に免じて俺らをここで泊めてくれはしないだろうか。拠点として活用したい」

 

「無理よ」

 

キッパリと言われた。霞はツカツカと、割れていない山の方にある窓を開けて

 

「大本営の奴らが来てるもの」

 

そのとき、窓から飛んできたものが身体に当たり俺らは意識を失った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気がつくと見知らぬ建物に。

 

天井も壁も地面もただ白色一色で統一された部屋。入り口は無い。唯一あるのは謎の銀色の筒だけ。

外に通じているのか。

 

「ここはどこだと思う」

 

「先程、霞とやらが言っていた大本営と呼ばれるところかと」

 

「聞こえていたのか...たまげたなぁ」

 

「はぁ?ちゃんと聞こえてたし」

 

「考えてみた範囲、きっと牢屋もしくはそれに準ずる部屋ですかねぇ~。イルシールにある地下牢よりも酷いかもしれませんがぁ~」

 

「...それが妥当か」

 

さて、面倒な事になった。鍵は都合よく落ちていないだろうし、武器は...ロングソードが無い。

 

手に持っていた物だけが取り上げられたのか。あるいはあの物が飛んできた時に偶然落としたか。

まぁ、グレートクラブを奪われなかったのは不幸中の幸いか。

 

「破るぞ。頭を下げ「人が来ます」ふむ」

 

コツコツと、硬いもの同士がぶつかるような音。

素早くグレートクラブをしまう。

 

間違いなく牢を破っていたらバレていたか。音的に5人はいるな。

 

「出ろ」

 

白い服を着た男に4人の女共。また面倒な事になりそうだな。とバレないようにため息を吐く。

 

久しぶりにため息をついたな。と思いながら歩いて行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

そこからは色々とあった。

 

元帥と呼ばれる奴から色々と聞かれるわ。妖精とやらが見えるか。

肩に止っている生き物か?と答えれば元帥が驚く。同胞らも見えているようだ。

 

はて、俺らは馬鹿にされたのか?まぁ、そんな物はどうでもいい。

 

この大本営と呼ばれるらしい建物の外からは異常な程、何かを感じるのだ。

敵意ではなく、殺意でもない。友好的でも無ければ敵対的でもない。

 

あるのはただ無。全てを無くそうとする本能のようなもの。

深淵の異形の奴らに近いもの。

 

先程、牢を出てからずっとその気配を感じている。なんと気色悪いことか。

出現すればこいつらを殺し、次に行くだけだが。

 

背後に、首筋に。何かが這い上がってくるのが分かる。言葉には出来ないが。

 

 

最早、目の前にいる物に興味は無く、ただ淡々と肯定の返事のみを送る。

副隊長の意識は既に外のモノに向いている。

純魔の娘は汚い物を見るような目で、ずっと顔を下に話しを聞いている。

アンバサの娘は...読み取れない。

 

 

 

 

 

 

 

久しぶりに部屋に意識を向けると、もう話はまとまっているようだ。

元帥とやらは何か白く薄い板に木製の何かを押し続け、女共はその手伝い。

憲兵とやらは居なくなっていた。

 

どのように話がまとまったのだろうか。良い方向に進むと良いのだがな。

 

「よし、では君達4人をあの鎮守府の提督として着任してもらおう。拠点として使いながら、艦娘達の世話、海域の攻略、事務作業等をやってもらう。異論は認めない。いいね」

 

「...は?」

 

「そうそう、あの鎮守府は提督がクソでねぇ...。いわゆるブラック鎮守府と呼ばれるものだ。精々殺されないようにしてくれよ」

 

ははは、と笑っているモノ。

 

 

どうやら俺らは前の監督者を殺した責任を、監督者になって償って貰う。と言ったところか?

まぁ...部下の暴走を止められなかった事は反省するべきだろう。

 

 

 

こうして、俺らロスリックの時代にいた不死の軍団。

ファランの不死隊は鎮守府に着任した。

 

 





なんか色々とすみません...。端折りすぎましたね...。
書きたい物は一杯あるのに、それを書く為に(グチグチ

とりあえず、不死隊の人達が鎮守府に着任することを書きたかっただけです。はい

次回からは鎮守府着任編になります(多分)

気づいている方もいらっしゃると思いますが、隊長目線では自分の主観と気になった行動のみを書いています。実際には元帥は立ったり座ったり、霞も髪がボサボサで痣だらけ、鎮守府の内装もボロボロになっています!

今回のイベントは私の不手際で燃料切れになってしまい、最終海域まで行くことは無理っぽいです...。他の提督の方々、がんばれ♡がんばれ♡

不死の皆様は申し訳御座いません、まだまだ不死の話は遠いです...。この話を見て是非とも艦これというゲームについて触れてみてください!(ダイマ)


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第五話

久しぶりに早い投稿です、はい。

活動報告にてアンケートを取ってるので、もし良ければお願いします。
ただし、設定上大和型は出せないのと、プリンビス子以外の海外艦は厳しいのでご了承ください。


 

 

鉄の動く箱はどうやら車と呼ぶ乗り物らしい。時代が違うのか、世界が違うのか分からないが技術というものはやはり凄いものだ。

 

大本営に居た憲兵が車を運転して、例の鎮守府に連れて行ってくれるようだ。

事前に提督が鎮守府へ行くことは連絡済みらしい。

 

暫く揺れていると音が静かになり、遂に止まった。

どうやら着いたようだ。

 

「ここがお前らの鎮守府だ」

 

「わざわざすまないな」

 

「はえ~、あの頃から全く変わってないんっすねぇ~」

我らが撃たれ、気絶してから2週間は過ぎている

「それなりに日数が経ったみたいだけれど...やっぱり修復って難しいんだよね~...魔術でもやってるとしんどいし...」

 

「それは初めて知ったな。道理で使う回数が少ないと思っていた」

 

「一つ、いいですかな」

 

と、憲兵が帽子を被り直し改めてこちらに振り返る。

 

「はい~?」

 

「ここの艦娘達は昔から虐待や強制労働等を行われており、非常に精神的に不安定です。いつ提督という存在を消そうとして行動するか分かりません。十二分にご注意を」

 

「了解した」

 

「もし、何かありましたら我ら憲兵隊をお呼びください」

 

では、と言って車に乗り、どこかへ行く憲兵。

過去に会った奴らはただ面倒だったが、今の奴は好感が持てた。

 

「ではこれより、俺らは行動を開始する」

 

「「「はい」」~」

 

「副隊長は近辺の偵察。地理や構造、建築物その他について調べろ。例え何かあっても最低限の自衛だけを行い、無闇な殺生を行うな」

 

「了解」

 

「では二人はこの地より東と西に別れ、篝火の設置を行え。間隔については問わないが、出来る限り人目に付かないようにな」

 

「了解です!」「はい~」

 

確認事項は終わった。

後はここを仮地点とするか。

 

「俺らが居る場所はただの道だが、人通りが少ないように見える」

 

実際荒れ放題だ。大本営や車の中である程度の知識は得た。コンクリートと呼ばれる舗装はされているが、途中途中が割れて草が生え、場所によっては陥没していたりしている。

 

「ここに篝火を設置し、休息した後に各自行動を開始しろ。俺は例の鎮守府にて活動を行う」

 

「「「了解」!」~」

 

篝火を作るだけなら実は簡単なのだ。

不死の者だった骨で組み立て、螺旋剣を突き刺すだけ。

ロスリックは不死の骨には世界を構築し、螺旋剣にて固定するみたいな事を言っていた記憶があるが正直聞いていなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、俺も動くか」

 

ロングソードは無いものの、他に武器はあるのでショートソードとセスタスを出したが、武器は敵を威嚇する可能性がある。ましてや味方になるであろう者には配慮をするべきか。

ショートソードをしまい、セスタスだけにする。

 

鎮守府自体は見えているので、後は歩くだけなのだが...。

 

何かが俺を見ているのだ。背後や頭上、足下に注意しながら行くか。

 

 

 

 

歩いて数分後、何かがいた。それはまるで大本営で見た妖精に近いものだった。

 

「やぁ!初めまして!ボクは...アルトリィ!妖精のアルトリィだよ!」

 

手をブンブンと振って自己主張をしてくる妖精。

もう本当に近くに鎮守府があるのに、少し邪魔だと思ったが妖精は鎮守府においてほぼ全てを担っている生き物らしい。

 

礼には礼で返すべきか。

と思ったが、相手は喋り足りなかったようだった。

 

「君は提督として艦娘を運用は初めてかな?ボクが手取り足取り教えてあげるよ!」

 

クルクルと回りながら喋る妖精。

 

「まず、君にはこれを受け取って欲しいんだ!」

 

と言って、妖精の近くに5つの白い塊が浮かび上がる。似ているのはソウルの塊か。

 

「これは提督の証と言ってね、これが無きゃ艦娘は提督を認識できないんだ!」

 

ニッコリと微笑む妖精。正直似合っていない。

 

「これを君に投げるから、しっかりと受け取ってね!」

 

と言うとある程度のスピードでこちらに飛んでくる白い塊。

必要ならば仕方がない、と思い受け取る...と

 

「がぁ...ッ!!」

 

それは道具と言うには余りにも攻撃力が高すぎた。まるで相手を殺す魔術のようなものだった。

 

警戒しなかったせいで、俺の体力は本当に少ないように思える。あと一発食らうと死ぬ。

まずいと思うが、身体が言うことを聞かない。まるで別の人間の身体のように。

 

この世界において俺ら不死隊が生き返る保証はない。ダークリングの確認すら怠っていたのだ。

仮に生きていたとしても、この先はずっと死んでは生き返るの繰り返しだろう。

 

妖精は顔を歪めて高笑いをする。

 

「はははは!本当に引っかかるとはね!君はバカだなぁ...!」

 

ダメージで目が霞み、見えないが白い塊が俺の周囲に展開したのを感じた。

逃がさないようにするためか、あるいは確実に殺すためか。

 

「待...て...!」

 

「じゃあ、これでバイバイだね!さよなら!」

 

はははははは、と高笑いしながら白い塊をゆっくりと狭めてくる妖精。

 

くそ、俺があいつらに気をつけろと言いながら俺が気をつけないとはな...。

すまない、もし死んだら後は宜しく頼む。

 

そう心で唱えた後、何かが弾けるような音がして白い塊が霧散するのを感じた。

 

助かったのか...?

 

霞む目で妖精アルトリィを見ると、あいつは右を見て驚いたような顔をして、破裂音がしたかと思えばどこかへ飛んでいった。

 

「...あんただったのね、今日鎮守府に着任する提督と言うのは」」

 

苦痛で出なくなった声を無理矢理だし、聞いた事のある声の主に問いかける。

 

「かす...み...か...?」

 

「えぇ、そうよ...。って、凄い怪我!...痛いかもしれないけど、我慢しなさい!」

 

と、何か液体をかけてくる霞。

 

「...任せ...た...」

 

「ちょっ!...って気絶しただけか...」

 

そこで俺の意識が途絶えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何故、鎮守府から提督が居なければ出れないはずの妖精が外にいるのだろうか。

彼が提督になれたのか。彼が血だらけで倒れているのか。

 

私は彼の周囲に浮かんでいる白い塊を全て機銃で撃ち落とした後、こちらを睨む妖精を見て、この妖精が彼を攻撃したのだ。と理解すると勝手に主砲が妖精を撃っていた。

 

この程度では死なないだろうが、彼を助けられただけで満足だ。

 

鎮守府外にある、大破させられても入渠させて貰えない艦娘達の為作った簡易別荘に消毒液やその他を持って行く為に持っていたのは本当に幸いだった。(彼を迎えるのは別の艦娘だったけれど)

 

私達を助けてくれた人、ほんの少しだけだけれど私達を人間扱いしてくれた人、憲兵に嘘をついている時も黙って見ていてくれた人。

 

そんな人を死なせてはいけない、と思うと他の艦娘の為に用意していたものを躊躇無く彼に使っていた。

 

もしかしたら大破している艦娘から恨まれるかもしれない、彼も前のクズと同じかもしれない。

 

行動を起こしてから少し後悔したけれど、きっと彼なら大丈夫だと思ってしまった。

 

しかし、私は見てしまった。

たまたま服の隙間から見えた傷口が高速で回復していくのを。

 

ただの消毒液でここまで回復するのはあり得ない。

 

「...気絶したけれど、死ぬ様子はなさそうね」

 

見なかったことにして、あの別荘に運ぼう。

 

艦娘としての力、艤装は出せなかったから本来の力が出せず、彼は重たかったけれどどうにかして運び、粗末なベッドに寝かせた。

 

「...彼を出すのは危険ね」

 

今の鎮守府は酷いのだ。彼を殺すのに躊躇しない人の方が多いと思う。

 

私が守らなきゃ。今はまだ、彼を出すべきではない。

 

私はそう思った...。いえ、表現が違うわね。

 

私は、決意した。

 

 

 







え、何?振り返りと次回予告?何それ?...隊長が喜ぶならやる。任せなさい。

今回の第五話はいかがでしたか?私としては、もしタイトルをつけるなら「再会そして監禁」...は?私以外が何を...んっん!

ご意見やご感想、お待ちしております。

次回、このまま予定が狂わなければ「VS霞」になる...そうです。

それでは私はこれで。


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