東方 幻想録 (秦霊)
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第1話 紫との再開、そして幻想郷に着いて。

どうもこんにちはこんばんは(´・ω・`)
自分は今回の作品は処女作だったりするので誤字脱字そしてその他もろもろ出来るだけめをつぶってもらうと助かります。( ̄▽ ̄;)
では本編どうぞ!


「あ〜暇〜やる事ねー」

静かな森の中にある家の縁側でそう呟く青年がいた。

この青年の名は橘 秋人である。

 

……って何やってんだ俺。

 

ん?なんか、足音すんなー。誰だろ?

ガラッと縁側に繋がる障子を開ける音し、顔を上げると

そのにはメイド服を着た身長170位の女性がいた。そしてこう言い放った。

「旦那様何やってるんですか?また学校サボったのですね?」

ハァとため息をつく女性…そうこの人の名は橘 香蓮である。

ん?何で苗字が橘かって?それは後々紹介しますよーw

 

「あ、そうそう、旦那様お客様がいらっしゃいましたよ。」

「ん?俺に客?こんな奴に会いに来るなんて飛んだ物好きが居たもんだな。」

 

俺は客間へ行きガラッと戸を開けた。だがそこに居たのは…

「あ、秋人!久しぶりね〜」

そう言って彼女は香蓮が、出した茶を飲みながら俺に話しかけてきた。

 

そう彼女は 幻想郷賢者にして最凶最悪の妖怪 八雲 紫である。

「…!紫!何でここに居るんだ!?」

「まぁまぁ秋人、そう感情的になるのも良いけど座ったら?」

…っとりあえず座るか…

 

「んで?紫、珍しく人を迎えに来たな……しかも冬に…」

紫って普通は冬寝てるはずなんだが…何故ここに居る?

 

「ん?秋人、分からない?何故私がここに居るかを…

あ、お茶無くなっちゃった…香蓮ちゃんお代わりくださいな。」

何故だ?何故紫がここに居る?ましてや冬に…

 

「もういいわよー ハァ」

「単刀直入に言うわ…秋人幻想郷に来て。」

 

は?幻想郷に?俺が?

「待て!幻想郷だと!?」

「そうよ。幻想郷…

実はね、最近幻想郷に不振な動きが見えるのよ…だからその念の為に、ね?」

「そ、それともう一つ理由が…」

そう言って紫は、モジモジと体をくねらせている

え?何この生き物…めっちゃ可愛いんだけど!

 

「えっと、そのー今度の人生を秋人と過ごしたくて…」

言っちゃったーと顔を赤くして下を俯いている紫。

もう1回言うけど、ほんっと可愛いんだけど!

 

「なるほどなー」

「俺も後の人生とかは紫達と過ごしたいしな。」

まぁー本音は紫達と今後過ごしたいっていうのと、こっちの世界が

クッソつまんねーからだけどね…

 

「本当!?」

「ああー本当だよ。」

「良かった〜本当、行かないとか言われたらどうしようかと。」

スゴい満面の笑みで言われてるんだが…

 

「じゃ今日は、帰るわね。秋人、話はそれだけだから

あ、あとこっちに来る準備とかしといてね?」

「お、おう…」

 

「じゃーな紫」

「ええ、さよならまた明日ね秋人」

そう言って紫は紫はスキマの中に消えていった…

 

ハァ…にしても紫が来るとはな…

そう一息着いていると

「旦那様。どうされました?」

と言いつつ茶を出してくれる香蓮

「そういえば、紫様は突然いらっしゃって今日どうされたのですか?」

「ん?あ〜紫は」

「俺に幻想郷に永住しないか…と話を持ってきたんだよ。」

そう幻想郷への永住計画の話を…な。




いかがだったでしょうか?
自分としては少し前振りが長いかなーと思いつつ思い切って書きました!
さて、次回はいよいよ幻想入りの話になります!
今後、長い付き合いになるかも知れませんのでよろしくお願いします!


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第2話 幻想入りと紫との関係

投稿ペースが短いですがご了承ください…( ̄▽ ̄;)
今回は少し長めなのでゆっくりお楽しみください…
それでは本編どうぞ〜


「旦那様!もう朝ですよ!起きて下さいませ。」

 

朝からベットの隣でそんな声が響いた。

少し体を起こして見るとそこには今日とは違うメイドの姿があった。

彼女の名は 橘 Lost(ロスト) うちにいる5人のメイドのうちの一人だ。

背が168位で銀色の髪をし、青い瞳をしている。

その姿はまるでどこかの誰かに似ているが…

 

「んー?Lostかー?」

「そうですよ旦那様。Lostです」

「あ、うん。Lostおやすみ…」

「ん!?旦那様!二度寝しないで下さいませ!」

 

うーんあの後Lostに布団を剥がされたりしたので嫌々出てきた。

ちなみに今はリビングにいる…

 

「「旦那様!おはようございます。」」

と言うメイド達の声が聞こえてくる。が今は正直眠い…そう!俺は朝に弱いのだー!って最初読んでればわかるけどな…おぉっと?俺少しメタイぞー。

 

メイド達が作った食事を食べ、食後にみんなで茶を飲んでる時に昨日の紫が持ってきた幻想郷への永住の件を話した。だが、以後にもみんな幻想郷への永住についての異論が無かった。

 

「旦那様。それで紫様はいつ来られるのですか?」

と質問してくる香蓮…ん?待てよ、俺も知らんぞ。ってか紫昨日、その事について何にも言ってなくね?あ、やべアイツがいつ来るか知らねー。

「…な、なぁ香蓮」

「はい?どうなさいました?旦那様。」

「すまん。俺も紫から聞いてないからアイツが何時に来るか知らん…」

すまん、みんな俺は知らん…

「「え!?ぇぇぇええええ!?」」

ガタン!っとみんな一斉に席を立つ。

 

 

そんなこんながあり、現在引越しの準備を済ませみんなでコーヒーでも飲みながら紫を待って約2時間、もう明日なんじゃね?と俺が思い始めた時、丁度紫が来た

 

「秋人〜来たわよー」

「ってなんでリビングにこんなにも荷物が置いてあるの?」

「「え?」」

みんな同じことを言ったから察するに多分、アレ?引越しってこんなもんじゃなかっけ?ってとこかしら?ふふふ

 

「紫、引越しってこんなんじゃなかったけ?」

俺はそう言った。というかみんな同じことを考えている…

そう言うと紫は、

「なに言ってるの秋人、私の能力何だったか忘れなのかしら?ふふふ」

と言い放ち扇子で口元を隠しながら笑っている。

ん?紫の能力?確か(境界を操る程度の能力)だよな…あ、そういうことかー

「あ〜なるほどね!」

「やっと思い出したのね?」

「ああー思い出したよ。」

「どういう事ですか?旦那様?」

とLostが言ってきた。というかみんなそんな感じのことを思っているのであろう、みんな頷いている…

 

「あ〜お前達には言ってなかったけ?」

「はい、存じ上げておりません」

「あ〜言ってなかったかー。紫の能力はな(境界を操る程度の能力)なんだよ。」

「「え?…」」

「あ〜ざっくり言うとだなー、距離とか結界とかの境界線を操る能力だ。」

彼女達からは「え?」という声と表情と共に口を開けポカーンとしている。これはこれで面白い(笑)

 

「ま、っと言う訳よ、そういう事でこの家を幻想郷に移すわね。」

「ああーわかった」

「でも、この作業は藍に任せるとして…私たちは幻想郷に行きましょうか。」

「お、おう」

「では、旦那様、紫様、私共は藍様がいらっしゃるまでこちらで」

「ん、了解した。それじゃよろしく頼むよ。」

「「はい!旦那様!」」

そう言って俺は紫のスキマに入った

 

 

 

紫が繋いだスキマを通るとそこには一面銀世界になっていた。鳥居に[博麗神社]と書かれた神社がある。

「紫。ここは?」

「ここは、博麗神社よ秋人。」

「博麗ってお前が前に言っていた外の世界と区別する結界を守る巫女が住むところか?ここが。」

「えぇーそうよ。ここができるその博麗神社。」

「ほぅ…」

そう言って俺は賽銭に金を入れようと財布を開くが……

小銭がない…その代わり野口さんが5人に諭吉さんが5人いる。

まぁーここの巫女とは長い付き合いになりそうだし諭吉さんでいいかー。そう思い諭吉さんを、賽銭箱に入れた。

 

その瞬間ドタバタと音がし、戸を勢いよく開け1人の少女が出てきた。

「ね!お賽銭入れてくれたのは貴方!?」

「あ、あぁーそうだよ。」

「あっ、私の名前まだ言ってなかったわね。」

「私の名前は「博麗 霊夢」よ。貴方は?」

「俺は「橘 秋人」というこれから長い付き合いになりそうだしよろしく頼むよ。」

「えぇーこちらこそ」

と言ったあと霊夢は「お賽銭ありがとう〜」と俺の手を取り手を振っている。

 

え?なんなの?この子は…っと言う目で紫を見る。

「ん、うん。霊夢その辺にしなさい。秋人困ってるでしょ…」

「あら、紫居たのね?まぁー似てしも珍しく冬に起きてるのね…」

「えぇーそうよ。悪いかしら?」

「誰も悪いとは言ってないでしょ…」

と呆れ顔で言う霊夢。

「というかまたあんた、外来人連れてきたわけ?」

とため息をついている。

 

「あらー?霊夢?この人がただの外来人だと思ってるの?」

「ん?ちょっと待って紫どういう事?」

「ん?あ〜霊夢には言ってなかったわね。私と秋人の関係…」

「えぇー聞いてないわね。んでどんな関係なの?紫」

「ちょっと待ちなさいな。今言うから…」

 

「私と秋人は夫婦なのよ!」

ん?紫今なんか言ったか?

 

「え!?ぇぇぇえええ!?」

という霊夢の声が冬の幻想郷中に響き渡った。




今回は少し長かったような気がしますが…大丈夫でしたでしょか?
また明日にでも投稿しようかなーと考えているのでよろしくお願いします!


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第3話 霊夢と魔理沙、そして炬燵とミカン

いやー前回は自分で書いてて思ったけど、やっぱり俺は紫好きなんだな。まぁーそんなことは置いておいて…
今回もゆっくり呼んで言ってくださいね!


「え!?ぇぇえええ!?」

霊夢の叫び声が幻想郷中に響き渡った。

 

「ゆっ、紫あんた結婚してたの!?」

「えぇーそうよ。結婚してるわ」

そう言って紫が霊夢に結婚指輪を自慢げに見せていた。

確かにその手の薬指には1カラットのダイヤモンドの付いた銀色の指輪がはめてあった。

「ね!紫!」

「ん?」

「…この指輪…いくらすんの?」

「さぁ知らないわ、うーんでも。いくらするんでしょーね?」

「ねー秋人ーこの指輪いくらするの?」

紫は俺に指輪を見せながら聞いてきた。

「ん?指輪の値段?確か…」

 

「10万位だったと思うよ…」

 

「じゅ!10万!?」

あ、霊夢が倒れた…

「え!?霊夢!大丈夫か!?」

「大丈夫よ、秋人。霊夢は少し気絶してるだけよ。」

いや、にしては泡吹いて倒れてんですが?いいのか?

 

「おーい!霊夢〜遊びに来たぞー」

ん?誰だ?箒に乗って飛んできてるだが?

「ん?紫!?なんでこの時期に紫がいるのぜ!?」

「またそれ?だからその時期にいちゃ悪いの?」

「いや、そういう訳ないんだがな…その、…珍しく冬に起きてるからなのぜ。」

え?いや待て待て紫が冬に起きてるのってそんなに珍しいのか?

 

「ん?そういやーお前誰なんなんだぜ?」

「いや、お前こそ誰だよ…」

「ん?あ〜悪い。私は「霧雨 魔理沙」だぜ!んで、お前は?」

「俺は「橘 秋人」だ。よろしく魔理沙。」

「うぉ!?いきなり呼び捨てか?」

「ん?嫌だったか?嫌なら変えるが…」

「いや、呼び捨てのまんまで大丈夫だぜ!」

「そうよ秋人、魔理沙なんて呼び捨てで充分よ。」

「なんだと!?」

「まぁまぁ」

ってな感じはいいんだが霊夢どうすんだ?

 

 

あれから霊夢が起きた。幸い室内だったがそれでも寒かったのか、炬燵に潜り込み出てこない…

「れ、霊夢そろそろ出てくれなのぜ…」

「炬燵入れなくて寒いのぜ…」

「知らないわよ!これは私の炬燵なんだから!」

「炬燵はみんなのものなのぜ!」

「そんなのいつ決まったのよ!何時何分何十秒何回世界が回った時!」

「知らないのぜ!!」

 

……なんだこれ…子供の喧嘩かよ…

 

俺がそう思ってると紫が

「ほらその辺にしときなさい霊夢、出なさい」

とスキマを開き霊夢を炬燵の外に出した。

「ッさっむー!紫!何するのよ!」

「貴女が炬燵から出ないからでしょ…」

 

ハァなにこの茶番…と思いつつ炬燵に入る。

「あ、秋人さん!なに炬燵入ってるの!」

え?ダメなのか…

「まぁまぁそんなことはいいから、みんな炬燵入りなさいな」

「紫…あんたねー!」

「まぁまぁ霊夢いいじゃないかー。」

「ハァ、わかったわよー」

 

そしてそんなこんながあって今現在、炬燵入りながらミカンを食べて雑談中。

「そういえば紫と秋人の関係ってなんなのぜ?秋人は紫と普通に話してるとこから普通の外来人じゃないし…」

そういえば魔理沙には話してる無かったな。

 

「ああー俺と紫の関係はー」

 

「夫婦、だそうよ。魔理沙」

おいおい、霊夢それ言うなよ〜俺が言うとこだろそれ。

 

「え?ぇぇええ!?」

って魔理沙もかよ…

霊夢といい魔理沙といい反応が面白いな(笑)

「本当か!?紫!!」

「本当よ、魔理沙。」

と言って霊夢の時と同様に指輪を見せる紫。

ん?待てよ…これからこの場面何回あるんだ?

 

「な、なぁ秋人!」

「ん?どうした魔理沙。」

ミカンを食べながら答える。

「秋人って紫の旦那な訳だらから…その…」

 

「その秋人って…紫より強いのか?」

 

はい、来た〜この質問。来るとは思ってたよ…でもまさか霊夢より先に魔理沙が聞いてくることは予想はしてなかったが…

「ま、まぁそれなりに、かなー」

「そうなのか?じゃ私と勝負しょーぜ!」

おいおい、この幻想郷に来て間もないのに魔理沙と勝負かよ……

まぁー肩慣らしとしては丁度いいかー。まぁ久々に戦闘したいと思ってたとこだし。

「いいぜ魔理沙!受けてたってやるよ!」

「ちょっ!秋人!」

紫が止めに入るが知らん!俺は久々に体を動かしたいんじゃー!

そう自分に言い聞かせ紫の言葉を無視した。

「んで、魔理沙どういうので勝負するんだ?」

と、問いかけると魔理沙はニコッとして、俺に六角形のものを向けてこう言った。

 

「もちろん、弾幕ごっこだぜ!!」

こうして俺と魔理沙は弾幕ごっこ?と、やらで勝負することになった。




いや〜投稿ペース早い?ですがご了承ください!
だってネタが浮かんで来たんだもん!!
……あ〜メタイわー書いてみて気づいたけどメタイわー
っという訳で次回は魔理沙と秋人の弾幕ごっこです!
まぁ弾幕ごっこっていう弾幕ごっこ的なことはやらないかも知れませんが…
という訳で次回もよろしくお願いします!


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第4話 弾幕ごっこと秋人の能力

いやー投稿ペースマジで早いかも…
もう少し落とすかも知れません。というかよくよく思ったのですが…俺、不定期更新って書いてるじゃん!それなのにめっちゃ投稿しとるやん!って思いましたwww
はい、ってな訳で今回もゆっくり読んでいってください!


「もちろん、弾幕ごっこだぜ!」

ん?弾幕ごっこ?なんだそれは?

「なぁー紫ー弾幕ごっこってなんだー?」

「だーかーらー秋人は駄目よ、戦っちゃ」

「なんでなんだぜ?紫、なんで秋人と戦っちゃ駄目なんだぜ?」

「貴女は知らないでしょ…秋人の力を…」

「知らないのぜ、それでも戦いたいんだぜ!」

ハァ「分かったわよ…秋人出来るだけ手加減してね…」

「あとそれから弾幕ごっこっていうのは、主に相手をどれだけ魅せれるかっていう勝負でもあるけど…当たったら痛いから気をつけてね」

「あぁーもちろんだとも!久々に体を動かすから加減してやるって〜心配すんな」

「ほぅ、そんな余裕を持てるってことは本気でやってもいいのか?」

「あぁーいいとも!」

「貴方絶対わかってないでしょ…」ボソッ

 

「良し!そう来なくっちゃな!」

魔理沙はそう言って炬燵から出て俺の前に立ち、「良し!秋人行くぞー!」と言われ外に出た。が……寒い…やっぱ戻ろうかな炬燵

 

「良し行くぞー秋人!」

「あぁー来い!」

俺は脇に差してある刀を抜いた

「恋符:ノンディレクショナルレーザー!!」

「ちょ!魔理沙最初でそれは流石にやり過ぎよ!」

霊夢が止めにかかるが時すでに遅し…

と思われていたのだが……

「ッハハハ!面白いぞ!魔理沙!」

「そうだ!もっと撃ってこい!」

 

「な、なんで?なんでアレを…無傷で避けたというの!?初見で!?」

そう霊夢は驚いていた…魔理沙の攻撃を初見で斬ったり弾いたりして避けたのだもの…無理もないわ

 

「ッッ!ならこれはどうだぜ!」

「恋符:マスタースパーク!」

そう言って魔理沙はあの六角形のものを構えた…

そしてあの六角形の周りに魔法陣が展開し、その魔法陣が高出力のレーザーが放たれた…

だが…そんなもので俺を倒せるかな…(笑)

俺はレーザーを目にしてアレを展開させる

「神速」

俺はそう言い放ちサイドステップでレーザーを寸のところでかわす。

「あっぶねーぎりぎりだったなー」

そう言っていると魔理沙が少しおかしい事に気づいた…

あれ?待て、これヤバいのが来るんじゃね?

「魔砲:ファイナルスパーク!!」

マジで予想的中したよ!

「魔力よ!無に消せ!」

しまった!思わず展開しちまった!

 

予想通り俺が魔力を打ち消したため、(魔砲:ファイナルスパーク)はその効力を失い無に消えた。

「ッッ!なんで消えたんだぜ!?」

「え、?なにが起きたの?」

驚いている魔理沙と霊夢をとは裏腹に紫 は黙って秋人と魔理沙に言い放った。

「二人とも!手加減してねって言ったじゃないの!」

と、かなりご立腹のようだ…だが、そんなことは魔理沙や霊夢には関係無い

霊夢は、

「秋人さん!どうやって魔理沙の「魔砲:ファイナルスパーク」を打ち消したの!?」

と、んで魔理沙は、

「どうやったんだ!?」

と驚いていた…

そして俺は…

「すまん、紫…もう少し加減するつもりだったんだが仕方なくアレを使っちまった…」

「いや、いいのよ…私が秋人ならそう判断したと思うし…」

「でも魔理沙!あれはやり過ぎよ!少し反省しなさい!相手が秋人だったのが幸い良かったけど…」

「すまないのぜ…ついノンディレクショナルレーザーとかマスタースパークを避けられた上に少し煽られたから…ついカッとなったのぜ…」

魔理沙はそう謝っていた。

「なー紫、霊夢。魔理沙を許してやってくれ…煽った俺の責任でもあるし…」

そもそも煽ったとは俺は思ってないが…

「「秋人(さん)がそれでいいならいいわ…」」

「ありがとう、二人とも…」

でも、それより…寒い!もう炬燵入りたい!!

「な、なぁーみんな…」

「炬燵戻らね?」

そう言うとみんなは

「「賛成(よ)(だぜ)」」

 

っということで戻ってきました!我が(霊夢の)炬燵に!

「んで?秋人さっきのは何だったのぜ?」

ミカンを食べてながら魔理沙が聞いてくる

「あ〜あれ?あれは最初はのは」

「違うのぜ!それじゃなくて二つ目と三つ目の時だぜ!」

「あ〜あれ?あれは少し能力を使ったんだ…」

「の、能力!?秋人さん能力持ってるの?」

そりゃ持ってるよー

「うん、持ってるよー」

「一つは「ありとあらゆるものを製造する程度の能力」そして二つ目は「ありとあらゆる魔法を操る能力」だ」

そう言うと霊夢と魔理沙は目を見開いて…

「「ふ、二つもあるの(か)!?」」

と驚いていた。

「あ、あ〜それでー」

そう言おうとしたその時!紫の後ろにスキマが開いた…そこから出てきたのは

「紫様、秋人の家の転送終わりました」

「ら、藍か?」

「え?」

そう言って振り向いた頭にフリフリの帽子を被り中国を思わせるような服装をした九尾の女性は、こっちを見るなり驚いていた

「あ、秋人?秋人なのね!?」

「あ〜そうだよ藍!久しぶりだな!」

「えぇー久しぶり!元気にしてた?」

「あぁー」

と話をしていると霊夢が何かに気づいたようにこっちを向いた

 

「ね、ねー?秋人さん?」

「ん?どうした?霊夢」

「秋人さんって藍とも結婚してるわけ?」

「え!?」

魔理沙の声が響く

「ん?そうだが…よく気づいたな!」

「だってほら」

といい藍の薬指を指している。にしてもよく分かったな霊夢…

「えへへ」と声を漏らしながら藍は薬指を眺めていた…

なんだこの生き物…可愛いぞ!!って前にもこんなのがあった気が…ま、いっか!(笑)

 

「あ、そうそう秋人。家の転送終わったから今から家に行きましょう」

「だな!」

紫の意見に応じ俺は炬燵を出た

 

「霊夢、魔理沙じゃーな!」

「えぇー秋人さん さよなら。また遊びに来てね!秋人さんは大歓迎だから!」

「また来るんだぜ!秋人!」

「あぁーまた来るよ二人とも…」

 

「さて、紫、藍、家に行こうか。」

「えぇー行きましょ、藍!行くわよ〜」

「はい!紫様、ただいま!」

そうして俺は紫のスキマで家に帰ることとなった…

幻想郷に転送された家…どういう所にあるか楽しみだ…




いやー今回は凄く長かったですね〜( ̄▽ ̄;)
出来るだけ短くもしたいのですが欲を詰め込みすぎるとこうなってしまいました。すみません…
さて、次回は「秋人の家でも生活などについて」です!
次回もよろしくお願いします!!


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第5話 家の立地と秋人の式

霊夢と魔理沙達に別れを告げ、博麗神社を紫のスキマによって立ち去る。そうしてスキマをくぐった

 

スキマをくぐるった俺の目にまず飛び込んできたのは、一面白銀の世界の深い森に囲まれ、木々の隙間から日が差す場所だった…もうこの時点で俺の好みなのだが…流石は紫俺の好きなものを知っていた。家の裏手…つまり縁側の方だ。そのには…凍った小川があり…左手には凍った滝もある場所だった…

 

「紫…これは!」

「そうよ秋人。貴方の好みに合わせて藍と貴方のメイド達が場所選んだのよ…」

これは…凄い!確実に絶景としか言えない!!

 

「ね?藍?」

「はい!紫様!その通りでございます」

「藍、ありがとう!」

「いえいえ、いいのよ。秋人、貴方には前に凄く良くしてもらったのだもの…」

そんなことを言っているとメイド達の声が聞こえてくる

 

「「旦那様方お帰りなさいませ!」」

と玄関の両端に立ち俺達を出迎えてくれていた

「あぁーただいま、お前達そしてこの場所の選択ありがとうな!」

「旦那様が喜びが私達の幸せでございますので、どうかお気になさらないでください」

あ〜俺もいいメイド達を持ったなー

そう思っていた矢先…

ドタン!「あ、痛いのじゃ!」

家の中からすごい音がしてるたが…あ、アイツかー今起きたのかよ…

その時、ガラッと戸が空いた

「痛かったのじゃー」

そう言って出てきたの背が153位に白髪で昔の巫女服的なのを着た少女だった

「なんだよ白蛇…今起きたのかよ…」

俺は呆れた声で少女にそう言う。この少女の名は「白蛇」俺の唯一の式でもあり、嫁でもある。ちなみにこいつは元々は、白蛇の大蛇である。

 

「お!主!どこに行っておったのじゃ!朝起きたら居らぬから心配したぞ…」

「いや〜すまねーな、少し紫とこの世界を見て回ってた」

見て回ってた…か、その割には博麗神社にしか居なかったけど…

 

「まぁーいいのじゃ…」

「と、とりあえず、ここは寒いのじゃ〜い、家に入らぬか?お主ら」

「そうね、白蛇ちゃんに賛成 」

 

ということで現在家の中でエアコンで暖房付けながらみんなで団らん中

 

「にしても、主」

「んー?どうしたー?白蛇〜」

とソファーに寝転がりごろごろしながらそう返した

 

「ここはどこじゃ?」

あ、白蛇には言ってなかったか…

「あ〜ここはg」

「ここは幻想郷よ、白蛇ちゃん」

…今度は紫かよ!俺これでセリフ取られたの二回目だぞ!

「ん?幻想郷じゃと?確かに幻想郷って人間、妖怪そして神が共に住む世界じゃったな」

「そうよ。その幻想郷よ、ここは」

「ほぅ、ここがあの…実は我も幻想郷に来たかったのじゃが主が行かないと言ったから行かなかったのじゃが…やはりいい場所じゃの〜」

とご満悦な白蛇だった

ん?そういえばここって幻想郷のどこなんだろ…

「なぁ紫ー」

「ん?どうしたの秋人」

「ここって幻想郷のどこなんだ?」

俺はそう紫に問いかけると藍が

「ここは幻想郷の北北東に位置する妖怪の山の中の九天の滝近くよ」

「ほぅ妖怪の山とな…」うーん

「なぁに?秋人なにを企んでるの?」

と紫が聞いてくる

「いや?別に…それより藍、その妖怪の山にはなにが住んでるんだ?」

 

「天狗よ、鴉天狗」

ほぅならアイツも居るかもなー

「なら明日、その妖怪の山とやらに行こうかね」

「あら?どうして?」

と紫が茶を飲みながら質問してくる

 

「いやー?なぁに嫁にでも会いに行こうかとな…」

俺がそう言うと紫と藍はあ〜なるほど〜と言っている。どうやら察してくれたらしい。それとは逆にメイド達と白蛇は首を傾げている。いや白蛇…お前会ったことあるだろ…覚えとけよ。

「ん?主〜誰に会いに行くのじゃ?」

と白蛇が聞いてくるが

 

「さぁもう遅いし飯食べて風呂入って寝るぞー」

俺は白蛇の質問を無視してみんなに言った。それもそうだ…俺が気づいたことにはもう午後9時を回っていたのだから…

さぁーて明日アイツに会いに行くかー




いやはや、平日に戻って学校があり、面倒いですが小説だけは気合い!入れて!やります!
ってな訳で次回もよろしくお願いします!


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第6話 妖怪の山と赤い雲

うーんねむ、そして寒!

布団から出たくね〜ってか紫も藍も白蛇も俺の布団で寝てんじゃねーかよ。

「ん、ン、」スゥースゥー

…やべぇ…これ俺の理性ヤバイぞ!めっちゃ可愛いんだけど!

いやそりゃ確かに嫁だし可愛いよ?でもこれは反則級でしょ!

「うーむ、主〜」ギュッ

ちょっ!白蛇それはヤバイぞ…白蛇が腕につかまってきたせいで腕に胸が当たってる…って、そうだった!こいつロリ巨乳だった!

や、やべぇーお、俺の理性が、精神力が…

その時だった。もっとヤバいのが来たのは…

「ふにゅー」ギュッ

ん!?今度は藍かよ!いや!藍はヤバい!かなりヤバい!で、デカいのもあるが…や、柔け〜…ってそういう場合じゃない!両脇に正確には両方の懐に二人がくっついてきている…あ、もうダメだ…そう思った時だった…

 

「ん、んー?」

白蛇が起きた…ヤベぇ間一髪だった…もう少しこの状態が続いてたら襲ってたかも…

「んー主〜おはようなのじゃ〜ふぁぁ」

めっちゃ欠伸してるんやけど…まぁいいか起きたから

「ッッ寒!」

と言ってまた俺の懐に入ってくる…おいバカ辞めろ!俺の理性が持たないぞ!

「んー?秋人おはようございます…」

そう言って起きてきたのは藍…あ、良かった〜これで解放されるー

 

 

アレから紫が起きた…藍と入れ替わりで俺の懐に入ってきてはくっついてきていたが…メイド…俺を起こしに来た椿がその光景を目撃しドアを開けるやいなや「失礼しました」と言ってドア閉めたからビックリした…

まぁ今はリビングだからいいが…暖房効いてるし、あ、そうそう今日の飯は香蓮とLost、そして藍らしい。これは朝から期待が出来る!

どこかの誰かさんは「今日は我が作るのじゃ〜」と言って持ってきたのは卵かけご飯だけだったしなー今回はそんなことはないから安心。

 

「旦那様方、ご飯出来ましたよー」

と声がかかった

「了解〜」

さて飯食いに行きますか〜

 

ふぅ食った食った

さて腹も満たした事だし、妖怪の山とやらに行くか。そうやって玄関の方に行くと白蛇と香蓮、Lostが付いてきて「旦那様(主)はどこに行かれるのでしょうか(くのか?)」

「ん?今から妖怪の山とやらに行くってくる…ついてくるか?」

「うむ」

「はい、お供します」

お!ついてくるのかー頼もしいねー

「よし、お前達準備いいかー?」

「はい、大丈夫です」

「うむ、我も大丈夫じゃ」

そういった後白蛇は体長100cm位の白蛇となり俺の首に巻き付く。

そしてメイド二人はメイド服の上に少し大きいコートを着ている

「んじゃ、行こうか」

「はい」

(うむ)

んで、白蛇が俺の首に巻き付く訳はというと白蛇的に俺の首は暖かいから冬でも大丈夫なのだと…かく言う俺も白蛇を首に巻いている事でマフラー代わりにもなり暖かいのだ。ちなみにこの状態の白蛇は直接脳内に語りかけてくる

 

 

そして妖怪の山に到着した…のは良かったのだが…

「だから!お前は誰だ!怪しいヤツは入れられん!」

の一点張りである…ちなみにこいつは妖怪の山を警備している白狼天狗らいしのだが…

「だから我々は怪しいものではありません。言っているでしょう!旦那様の奥方様に会いに来たのです!」

「もういい!怪しいヤツらめここで私が殺してやる!」

だからなんでそうなる…

「いいでしょう…なら私を殺してみなさい!旦那様方には指一本も触れさせません!」

といい、Lostはスカートを上げ、その下にある綺麗でスラっとした健康的な両足に括り付けてあるレッグホルスターの中からMK25を引き抜き、それを相手に構えた。そう、Lostの武器はハンドガン又はサブマシンガンによる二丁拳銃だ

 

そしてアレから数秒…あの天狗は気絶していた…

「フン!所詮はこんなものですか、足元にも及びませんね」

「さぁー旦那様方行きましょう」

「あ〜そうだな」

そういったのもつかの間

「私の部下を可愛がってくれた様ですね、侵入者方」

そう言って木から降りてきたのは、さっきの白狼天狗とどうようにモフモフしている女の子だった。だが、その手には片手剣と盾を持っている

「チッまた新手ですか」

と今度は香蓮が刀を抜く、が

「あ〜君が椛ー?」

「!?何故私の名前を…」

あ〜めっちゃ警戒してるーそりゃそうだよなー知らんヤツに 君名前椛って言うんしでよ! って言われんだから仕方ねーよな

「あ〜俺は天魔に会いに来たんだよ。だから椛のことも知っていたんだ」

「!?天魔様の知り合いの方でありましたか!すみません…こちらです」

と案内してくれる。なんだ意外といい子じゃないか

 

そして俺らは妖怪の山の山頂に着いた。そのには日本の和風の屋敷があった。

「ほぅここが」

「はい、こちらです。お入りください」

そして屋敷の門を抜け天魔の仕事部屋の前まできた

 

そして椛は、ドアを軽く叩きこう告げた

「犬走椛です!天魔様のご友人を連れて参りました!」

そう言うと部屋の中から「入れ」と声が聞こえてきた

「失礼します」椛はそう言って部屋に入った

同じく俺も入った、そしてそのにはデスクにたくさんの書類を置き、印鑑やらサインやらをしている天魔の姿があった

 

「よう!天魔!」

俺がそう言うと俺に気づくやいなや、俺に抱きついてきた

「秋人!やっと幻想郷に来たのか!」

そう言って天魔は茶などを出してくれた

そして白蛇は俺の首からソファーに移動し擬人の姿になった

「久しぶりよの〜天魔」

「な!白蛇だったのか…その秋人が首に巻いていたのは」

「あ〜そうだよ」

そんな感じで話を続けていると夜になっていたので天魔に別れを告げ俺は家に帰った

 

アレから何日…いや何ヶ月たっただろうか?俺と白蛇は寒くて家から出ずに春まで待っていたのである。まぁまたに紫達が泊まりに来るから寂しくはなかったがな

そうやって春がきた!春が来たことにより気温が上がり縁側の方の凍りついた滝や小川にも水が流れている

久々に外に出た俺達だったが…出迎えたのはサンサンと輝く太陽ではなく昼にも関わらずに日の光を通さない幻想郷中を覆い隠す赤い雲だった…




長くなりましたがすみません!( ̄▽ ̄;)
でも色々入れたかったんです!!
とまぁ理由があり長くなりましたが良かったでしょうか?
後実は秋人の能力を「ありとあらゆるものを操る能力」から「ありとあらゆる魔法を操る能力」に変えました…すみません!ご理解とご了承をお願いします!
そして次回もよろしくお願いします!


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第7話 紅魔館そして二人の吸血鬼

さっさっさっと私は毎朝の日課の神社掃除をしていた時だった

最初は暗いなぐらいに思って空を見渡した…でもそこにあったのは暗いどころではなく赤い雲だった…

 

「っ!もう!こんな異変起こしたのどこのどいつよ!」

私はそう言いながらこの赤い雲?の発信源へと急いだ

「あ!あれは…まさか!」

あれは多分魔理沙じゃないかしら?

「おーい!魔理沙ー?」

 

ふと後ろから霊夢の声が聞こえ振り向いた

「お!霊夢!お前も来たのか!」

「えぇー流石ね、でもよくもまあこんな面倒な異変起こしてくれたわね…」

「まぁまぁ終わった後の宴会楽しいんだからいいじゃないか」

「はぁ?楽しくないわよ!あと片付けするの私よ!」

「あ〜あ〜分かったよー」

 

「まぁとりあえず面倒だから門番は私がやるわ」

「いいでしょう、ここは一歩も通しません!」

「あっそ、まぁいいわ…んじゃとりあえず寝てて」

「夢符:封魔陣!」

「え!?」

ドガーン!と轟音と共門人は倒れていた…

霊夢相変わらず手加減がないのぜ…

 

「よし!これで通れるわね!」

「よ、容赦ないのぜ…」

「いいじゃない、面倒なのだもの」

「ま、まぁそうだが少し霊夢は手加減ってのを…」

「はいはい、先急ぐわよー」

「ちょっ!霊夢待つのぜ!」

 

「うーん、1箇所から攻略するの面倒だから二手に別れましょうか、魔理沙」

「そうだな、んじゃ霊夢は右を頼むぜ」

「はいよーあんたは左よろしくねー」

「任せるのぜ!」

「はいはい、くれぐれも気おつけなさいよ、魔理沙」

「そっちもな!」

 

霊夢ルート

 

そう言って私達は別れたわけだけどまさか面倒いのと当たるなんて…

「ッ!」

どこからとも無く飛んでくるナイフを交わしながら私はメイドと話す

「あんた、名前は?」

「私はこの紅魔館のメイド長を務めている 十六夜咲夜よ」

「そして私の使命は、博麗の巫女、貴女を倒しこの先に行かせないことよ」

「博麗の巫女って…私の名前は霊夢よ」

「あと私の仕事はアンタ達みたいなのを退治しすることよ!」

ふふふっと両者不敵な笑いを浮かべ、戦いの火蓋が切って落とされた

 

魔理沙ルート

「なんだ?ここの図書館?大き過ぎたぜ…」

私はそう思いながら先へ先へと進む、すると突然後ろからカッカッカッっと音が聞こえてきたと思えば

「あら?いつの間にかネズミが入り込んできているようね?」

「そうですね?パチュリー様!」

そう言って本棚の裏から出て来た少女と悪魔らしきものは私を見ながらそう言った

「ネズミとは酷いのぜ…お前達がこの異変を起こしているから来ているのだぜ!」

「あっそ、悪いことは言わないわ…この場を離れて人里に帰りなさい人間」

何だかムカつくのぜ…この態度といい口の聞き方といい

「それは出来ない相談だな」

「そ、残念だわ人間」

 

「それじゃ食らいなさい人間では到達することの出来ない100年の集大成を」

「で、出たー!パチュリー様の100年の集大成!」

そう言ってその少女は頭上に大きな球体を作りこう唱えた

「日符:ロイヤルフレア!」

「!?嘘だろ?」

そう言った直後眩しいほどの光が私を覆い隠した…

 

 

はぁ、やっとついたわ…ここがこの異変の元凶のいる部屋ね。私はそう思いながら大きな扉を開ける。

「ふふふっもう来たのね?博麗の巫女、もう少し遅く来ると思っていたのけどね」

そう言い放つ奴は吸血鬼だろうか?その幼い体の背中にはコウモリのような羽が生えていた

「アンタがこの異変の元凶ね!今すぐこの赤い雲みたいなのを止めなさい!」

「ふふふっ貴女を面白い冗談を言うのね」

と笑っている

「あら?私は冗談のつもりで言ったのではないのだけど…?」

「ふふ、でもね、私にはある野望があるのよ…」

「野望?」

「えぇーそうよ…この幻想郷を赤い霧で覆い隠し、吸血鬼が昼にも夜にも過ごせる土地にすること、それこそが私たちの野望!」

「はぁ?くだらない!そんな野望なんて私が許さないわ!」

「さぁー博麗の巫女、勝負と行きましょうか!」

「神槍:スピア・ザ・グングニル!」

「霊符:夢想封印 散!」

「「はぁぁぁぁ!」」

 

その時だった二人が予想にもしない事が起きたのは…

「ひ、ひぃぃ!霊夢!助けてくれなのぜ!」

そう言って魔理沙が部屋に入って来た時であった

「はぁ?魔理沙!今、私は忙しいの!見てわからないの!」

ドガーン!と大きな音を立て扉が吹き飛んだ…なにが起きたのかわからない二人がが戦闘を辞めそっちを見た時である…

「ふふふっヤットデレタ」

そこにはもう1人幼い体にクリスタルの付いた羽が生えた少女が居た、のだが…それを見た瞬間霊夢と魔理沙はスグにヤバいと分かった…なぜなら目は赤くなり 炎の剣 を持った吸血鬼が居たからだ…

「ふ、フラン!ないをやっているの!さっさと部屋に戻りなさい!」

だが…

「ふふふっお姉様…壊してあげる」

少女はニコニコと笑っていた…私は正直体がいやもう精神がこいつは今までのヤツとは違うきっと強さで言ったら紫クラスかもしれないと…

霊夢と魔理沙は身の危険を感じた…

その瞬間だった、フランがお姉様とか言う奴に近づいて触ろうとした時!

 

「妹様!お嬢様!そろそろ吸血鬼として今やっている事が恥ずかしいことかお分かり頂けませんか?」

そう言って部屋に入ってきたのは、さっきの悪魔だった…がさっきとは雰囲気が違うほど強力な魔力と殺気を放っていた…

 

そうすると、自然に二人の動きは止まり…

「コア!貴女をまでなにを言っているの!」

「フラン!貴女をコアに何したの!」

…フランは黙っている、やっぱりなにかやったのだろうか。

「いえ、妹様はなにも私には危害を加えておられません、失礼ですが、この状態の私に勝つことなど貴方方には不可能なのでご安心ください…」

「コア!どういうこと!?私を裏切る気!?」

「いえ、そんなのではなくただ単に妹様を止めるのが私の役目ですので…」

そう言ってコアは魔法陣を自分の横に展開し、その魔法陣に手をかけそう言い放った

 

「ハルパー!」

そう言って魔法陣の中から出てきたのは黄金の鎌だった…

「は、ハルパーですって!?」

「コア!貴女をいったい何者なの!そしてなにぜ貴女がそれを持っているの!?」

と驚いたようだった。するとコアは

「いや、これはですね…極魔王様…いや言ってもわかりませんね…

私の恩師から貰ったものです」

そう言うとお姉様とらやらの顔が歪んでいた…

だが、フランのことを皆が一瞬忘れた時である…フランは魔理沙を掴みかかろうとした

「魔理沙!危ない!」

「?!」

そう霊夢の声が部屋中に響き渡った…




いや〜長かったですな〜( ̄▽ ̄;)
今回のコアさんのこれをやりたかった!うん!満足!
という訳で次回もよろしくお願いします!


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第8話 紅魔異変と二人の怒り

「…嫌な予感がするな」

俺は赤い雲も眺めながらつぶやく

「どうなさいます?旦那様」

「……戦闘準備だ、香蓮みんなに五分で支度しろと伝えろ」

「承知しました」

そう言い家の中へ戻る。数分後武装したメイド達と白蛇が出てきた

「よし、来たな。これよりこの赤い雲の発信源へ向かう各自注意しろ」

「了解した(しました)」と声が聞こえたあと白蛇が俺に一つの刀を差し出してくる…

 

「主、念には念をだ、持っていけ」

そう言い持ってきた刀は、刀の鍔から鞘を刀が抜けないように鎖で巻いて封印してあるものだった。これは遠い昔、俺が二度と使わないように封印した刀である。

もう封印はあまり解きたくはないのだが…もしもの時のためだ…

「……念には念を…か、わかった一応持っていくことにする」

そう言って俺は刀の紐を肩にかけ刀を背中に回し、腰の位置で固定する。そしてもう1本の刀を脇差を差す位置に固定する

 

「よし、行くか…」

 

 

ここがあの赤い雲の発信源…デケェー館だなー

そう思いながら門へと近づくと人が倒れていた…

「おい!お前大丈夫か?」

そう声をかけると「なんとか、大丈夫です…」と返してくれたため一旦は安心する…

「よし、動くなよ…今治療してやるから」

「それとお前達、白蛇は俺と行動。お前達は周囲警戒を頼む!」

「承知しました」

そう言うとメイド達は散開して周囲警戒をしている

「ヒーリングオブゴッド」

そう唱えチャイナ服を着ている門番を助ける

「私の名前は「紅 美鈴」と言います!先程はありがとうございました!」

と言ってきた、まぁ感謝してるみたいだしいいかー

「えっと、貴方は?」

「ん?あぁー言い忘れていた…すまないな、俺の名前は「橘 秋人」だ、よろしく」

「はい、よろしくお願いします!」

「んで早速だが、助けたついでに聞きたいことがある…」

「はい、なんでしょう?」

「この赤い雲の発信源はここだな?」

「はい、いかにもそうです」

「んじゃこの赤い雲起こした本人の所に案内してくれ…なんだか嫌な予感がするんだ」

「わかりました、こちらです」

そう言って館内へはあっさりと入れてくれた。

しばらくながーい廊下を歩いているともう一人メイド服姿の人が倒れていた…

すると美鈴はすぐにその人に駆け寄り

「咲夜さん!大丈夫ですか!?」

そう言っている…咲夜か…いい名だ、いやいやそんなこと思ってる暇じゃない!

「大丈夫か?」

「貴方は?誰ですか?」

そう言って無理に体を動かそうとしている

 

「ああ〜駄目だ、体をあまり動かそうとするな、今治療してやるから」

「ヒーリングオブゴッド」

「よしこれでいい!」

「ありがとうございます。私はこの紅魔館のメイド長を務めている「十六夜 咲夜」でございます」

「おう、そうかい、んで美鈴ここの館の主の所に連れていってくれ」

「いえ、私が案内致します、紅魔館のことは知り尽くしているので」

「そうか、それじゃ案内よろs」

ドガーン!

「「?!」」

嫌な予感が的中した!おい!嘘だろ!?

「あー嫌な予感が的中したー!」

「今のは!?」

「こっちです!」

そう言われ咲夜に案内してもらった先には吸血鬼が二人が居て、霊夢と魔理沙あと美結!?が居た!

殺気を放っている吸血鬼の方が魔理沙に掴みかかろうとしている!マズい!非常に不味い!

「大気拳!」

俺はそう言い、右手で拳を作りそれを魔理沙に掴みかかろうとしている吸血鬼の方向の大気を殴るようにし空気の振動を利用し、大きな衝撃波を吸血鬼に叩き込んだ

「うぐっ」

大気拳を食らった吸血鬼は奥の壁に叩きつけられた

「魔理沙!大丈夫か?!」

「あ、あー間一髪だった」

 

「妹様!」

といって近寄りに行こうとする咲夜を吸血鬼はよろよろと近ずいていきやがては掴みかかろうとまでいった

「咲夜!」

俺はそう言って咲夜を横に押した瞬間だった…さっきの吸血鬼は目の色を変えたようにして一気に距離を詰めてきていた。その瞬間俺は悟ったこれは神速では交わせるが俺が今交わしたら咲夜は多分死ぬだろうと、それも酷い死に方を

パーン!そう大きな音が鳴り響いたと同時に俺の掴まれた右腕が吹き飛んだ

「ッ!ちっ!」

あっちこっちから

「秋人さん!」

やら

「秋人!」

とか聞こえてくるなら、鳴き声が聞こえてきた…

その方向に目を向けるとさっきの吸血鬼は俺を見ながら泣いていた

「こんなつもりじゃなかっとのに!」

と、そう泣きながら話している

だが、この場で長年恐れてきたことがついに起きた。それは

 

「主の右腕をよくも持って行ってくれおったな!!」

そう、白蛇の怒りである。そうアイツが本気を出せば悪魔でさえも赤子の手を捻るように殺ろせる、すなわち吸血鬼なんざじゃ相手にもならない…

「ひぃぃ!」

そうこの場にいる誰もが声をかげる中、一人だけ俺に駆け寄ってきた…それは

「極魔王様!!何故貴方がここに!いえ、今はそんなこと言っている場合ではありませんね」

「ん?お前は…美結か?」

「はい!そうです!ですからあまり動かないでください」

はいはい、と思っていると白蛇が刀を抜きあの吸血鬼を殺そうとしている所をみんなで止めている様子が見てた…

 

「白蛇!正気に戻れ!その吸血鬼を殺そうとするなら俺が許さんぞ!」

そう言うと白蛇はこっちを向き刀をすぐさましまい、俺の方へ駆け寄ってきた

「主!大丈夫か!?」

「この状況を見て大丈夫に見えるか?白蛇」

そう言うと白蛇は涙を流しながら

「すまぬ、我は主の式でありながら主を守れなかった…」

そう泣きながら話している、その隣では美結がジュラルミンケースに入った某映画に出てきそうな銃型の注射器に赤黒い液体の入った2〜3cmくらいの試験管みたいなのをセットし俺の首筋に打った

とりあえずはこれで一時的な自己回復とアドレナリンが出るため痛みは引いたが…

 

「ごめんなさい!本当にごめんなさい!」

そうずっと謝り続けていたのは紅魔館当主の「レミリア・スカーレット」だった

「いや、大丈夫だから!もう大丈夫だから顔を上げてくれ」

「わ、わかったわ」

レミリアが顔を上げた先にはあったのは少し笑っている俺と、今にも殺すぞと殺気を放っている 美結と白蛇 だった

それにビビっているのか知らないがレミリアの顔は恐怖に満ち溢れていた…

俺は二人の殺気に苦笑いしつつ大丈夫だからもう謝らないでくれと告げ、この異変は幕を閉じた




はぁー今回も長くなりすみません!
出来るだけ色々書きたいなと思ったらこうなりました、ごめんなさい
という訳で次は宴会になります…次回もよろしくお願いします!


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第9話 宴会と嫁達

幻想郷では異変が終わったあとには宴会で幕を閉じるらしい

「それで秋人、右腕大丈夫なの?」

紫が心配そうに聞いてくる。それもそのはず、俺の右腕は吹っ飛び今は左腕だけなのだから…

「あ〜大丈夫だよ、心配かけて悪かったな」

「本当、秋人は昔っからよく人を心配させるわよね」

「本当、まったくじゃ」

「えぇー本気に」

はぁ 紫の質問返したら白蛇と美結がすんごい睨みながら紫に同情してんだが…

「わ、悪かったって」

「本当にそう思っておるのか?」

「いや!真面目に思ってるって」

「……まぁいいでしょう、極魔王様には自然治癒の薬打ちましたし」

「そうね」

紫や白蛇、美結の許しが出た!良かった〜

「でも!次やったら知らないわよ…」

「あ、はい」

 

ところ変わって俺の家にて

「秋人、今日の夜の宴会来なさい」

と藍に言われている…

「え、でも宴会っても俺行っても大丈夫なのか?」

「えぇー大丈夫よ、と言うよりも来て。でないと紫様が可哀想に見えてくるから…」

「え?なんで?」

「だって紫様、今日の宴会のためにお昼から服をあれがいい?これがいいかしら?って私に聞いてくるんだもの」

「なるほど…そう言うことかー」

「えぇー」

「それじゃ今日の宴会行くとしましょうか…綺麗な紫も見たいし酒も久々に飲みたいし」

「旦那様、私達も行ってもよろしいでしょうか?」

「あ〜来い来い、宴会は多い方が楽しいだろ?」

「ありがとうございます。旦那様」

 

 

「んー今日の宴会秋人さんは来ないのかしら?」

「知らないぜ、私的には来て欲しいんだがな」

「そうよねー流石に宴会に主役が居ないのは寂しいわね」

「でも、まぁ呼んでるから多分来るわよ。霊夢」

「!?紫?いつからそこに居たの?」

「さっきからよ」

「「え?」」

「酷いわね、貴女達」

 

宴会の行われている部屋の中からはわちゃわちゃと声が聞こえてきた。なんだか楽しそうだ…本当はこんな所あまり来ないがいいのだが…まぁ今回は特別だ、綺麗な嫁が見れるってだけでいいし

そう思いながら神社の縁側から室内に入る。

ガララッ

 

俺が戸を開けるやいなや数人がこちらを見てきた。古くからいる妖怪達は恐れ始め、若い妖怪達はなんだこの人間って感じで見ている、それもそのはずだ古くからいる妖怪達は俺のことを知っている。

それして俺が起こしたことを知っているからそこ警戒している…

まぁそんなことは気にせずに霊夢や魔理沙、紫の所に行く

 

「よぉ紫、宴会来たぞ」

「あら、秋人珍しいわね。普段はこんな所にはあまり来ないのに」

「え?そうなの?紫」

と霊夢が聞いているが…紫が引きつった顔で

「まぁ古くからいる妖怪達は貴方のことを知ってるしね…」

「まぁーな、んで宴会に来た理由だが、可愛い格好してる嫁を見ながら酒を飲みたかったからだよ」

「まぁ!」

紫は扇子で口元を隠し照れている。…可愛い

「はいはい、惚気はその辺でいいから…秋人さんそれより古くからいる妖怪達が秋人さんのことを知っているってのはなんでなの?」

「あ!それ私も思ったぜ!」

と霊夢と魔理沙が目を輝けせながら聞いてきている。だが紫は

「駄目よ、貴女達に秋人がやったアレを教える訳には行かないわ」

「え?秋人さんがやった…アレ?」

紫は は! とついついしゃべったことに対して口元を隠しそっぽを向いて酒を飲んでいる…

ねぇねぇ教えてと言ってくる霊夢と魔理沙…そんなこんなをやっていると、突然背中に衝撃が走った

「お兄様!」

背中を見るとフランドールがくっついていた

「うぉ!?フランドール?!」

「む、お兄様!私のことフランって呼んで」

と、顔をムスっとし言ってくる

「お、おう、すまんな…フラン」

「うん!」

と、すんごい笑顔で言ってくる反面紫が、俺を取られすんごくフランを睨んでいる。正直、女って怖いなって思った瞬間である…

 

「んで、フラン?なんで俺のことお兄様って呼んでるんだ?」

「ダメ?お兄様…」

やべぇ今一瞬ロリコンの気持ちがわかった気がする…と思ってると紫がフランの方に手を向けようとしているが、霊夢達が凄く必死に抑えている。

「ま、まぁいいよ」

「やったー!」

いや〜今一瞬ロリコンに落ちる所だったわ、あぶね。俺には紫達みたいな嫁もいるし気をつけないと…

 

「ひ、久しぶりね、右腕は大丈夫かしら?秋人さん」

と話をかけてくる奴が一人、そうレミリア・スカーレットだ

「お、よぉ!レミリア、お前達も宴会来てたんだな」

「え、えぇーまぁ」

と、引きつった顔で話をかけてくる…まぁおおよそ白蛇と美結絡みなんだろう。

「あ、レミリア」

「なにかしら?秋人さん」

「その秋人さんっての止めて、あと友達感覚でいいからそんな感じて接してくれると俺的には嬉しいんだが…」

「えぇーわ、わかったわ、秋人」

「よし」

と、このように雑談をしたりして酒を飲んでいると今度は二人来る

 

「どうもこんばんは!私は清く正しい「射命丸 文」と申します!是非取材させてもらいたく来ました!」

あ、みんな うぁ〜めんどくさいの来た みたいな顔をしている…

と後ろから酒を持った色々と大きな鬼が背中にくっついてくる。あ、やべ色々と当たってる…

「おー!秋人!久しぶりだねー!ていうかこっちに来てたんだな」

「久しぶりだな、勇儀。まぁこっちに来たのは紫に連れられて来たんだがな」

彼女は、「星熊 勇儀」だ、俺の嫁の1人でもある

「あ、勇儀さん!?なにやってるんですか?!」

「ん?天狗、お前には前言っただろ、この男は私の旦那だよ」

「「え、ぇぇぇぇ?!」」

おいおいもう流石に慣れたわ…と思いながら酒を飲む

 

「まぁ!それはさておき秋人さん、先程面白い話をしていらっしゃいましたね!」

「ん?面白い話?」

「えぇー!秋人さんの過去についてとか、紫が言っていたアレとか!」

と興味津々で聞いてくる。あ〜アレかー俺的には言ってもいいんだかな、と思っていると紫と勇儀が

「アレについて話すことは無いわ、死にたくなければ聞かない事ね」

と紫

「アレかーもう何百年前だ?まぁ今でもアレの出来事は鮮明に覚えているがな」

と勇儀が

 

「だーかーらーアレって何なのよ!余計気になるじゃない!」

「そうだぜ!霊夢の言うよりだぜ!私も聞きたいのぜ!」

「是非とも私も聞きたいですね」

「お兄様の過去、面白そう」

「まぁ、でもアレアレ言われたら普通気になるわよね」

とみんな言っている、しゃーね話すか

 

「もういいよ、二人とも」

「「でも!」」

「人でも何でも長く生きてる限り時には話さなくちゃいけない時もある」

「あ、秋人が良いなら私は手を引こう」

「ちょ、勇儀?本気?この子達は昔の残酷さを知らないのよ…」

「まぁいいだろ紫、本人達が聞きたいって言ってるんだし」

「……わかったわよ、でも、貴女達覚悟して聞く事ね」

「そうだな、生半可な気持ちで聞くくらいなら今すぐ止めたがいいぞ」

「んじゃ、警告もしたし話すぞ〜」

「「ゴクン」」

霊夢達は唾を飲む…

「うーん、確かあれはいつより満月が綺麗な日ことだった」




最近色んな事が一気に起こりきつい作者です…
今思えば「俺そういえば不定期更新じゃん!」とは思ったのですが…
やっぱり数日やってないと焦りが出てきてやばかったです…
という訳で今回も凄く長いですが物語の内容は良かったでしょうか?
次回は秋人の過去です!


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第10話 秋人の犯した罪①

「だから、駄目だって言ってるだろ紫…」

「いいじゃない、こっちには秋人もいるし…」

「だから、俺はお前達には死んで欲しくはない、それに俺もお前達を守りながら戦うにも少々無理がある…だから駄目だ」

綺麗な満月を前に俺と紫は口論を繰り広げていた

「にしても紫、なんでわざわざ月なんかに侵略しに行くんだ?」

「それは、月の技術が欲しいからよ」

「はぁー、それだけか?」

「そうよ、なにか問題でもあるかしら?」

本当、こいつは月のことをよく知らない…あれだけ永琳が止めたにも関わらず紫は、まだ月侵略なんかやろうとしている…

 

「言っておくが紫、俺はこの件について反対だからな」

「……もういいわよ」

紫はそう言い残しスキマへと消えていった

「あ!紫!」

「はぁー、少し言い過ぎたか?にしても紫も月侵略なんかこれで辞めてくれればいいんだがな…」

 

「それは無理だと思うぞ、主」

どこからとも無く白蛇がひょいと出てきた

「聞いてたのか、白蛇…」

「まぁ少しじゃがな…にしても紫の性格からしてあやつは、月侵略は辞めないと想うが…」

「だよな…」

「仕方ない、アイツを使うか…」

「ん?主、あやつとは?」

「まぁ見とけって…」

俺は息を整え呪文を唱える

「我に付き従うものよ、我が望はブラッディイーグル!」

そう契約獣の名を呼ぶ、すると足元に展開していたルーンから体長2mはある大型の黒い鷲が出てくる

 

「主、我が知らぬ間にこんなものを…」

「主様、何用でございましょうか?」

と、ブラッディイーグルは俺に問いかけてくる

「ああー少し野暮用を頼みたい…」

「分かりました、では具体的に私は何をすれば?」

「俺の嫁、紫の動向を探ってほしい、後はこの周辺の湖の監視を頼む」

紫なら月に行くのに湖に反射した月から入口を作ると思うからな、湖を見張らせておいても、何かしらの動きは見えるだろう…

「主様の奥方の動向を探るのはわかるのですが…湖の監視ですか?」

「ああーそうだ、よろしく頼んだぞ、ブラッディイーグル」

「了解致しました」

そう言い残しブラッディイーグルは満月の照らす空へと飛び立った

 

「主、少し話がある…何故我にあの鷲の存在を黙っておいた!」

「ま、まぁお前に黙っておいたのは理由があるから」

「もしかして我のことを好いてはおらんのか?」

と言い目をウルウルさせている、いや好きじゃねーなら今すぐに契約解除してるだろ…でも、それ以前に

「可愛いな、お前(笑)」

「お前のことは嫌ってないから心配するな、それに理由ってのは鷲と蛇だからなんか相性悪いんじゃね?と思ってたからだよ」

白蛇の頭を撫でながらそう話す

「ほ、本当か?本当に嫌っておらんのだな?」

「ああー嫌ってねーよ」

「な、ならよかったのじゃ!」

そういい俺の背中にくっついてくる…とりあえず俺達は家に戻った…

 

そしてその数時間後の午前12時…ブラッディイーグルから連絡が入った、内容は「北の湖、諏訪湖でなにやら大勢の妖怪達と紫が月への門を開らいたようです…」と、俺は背中に刀を一本そして腰の当たりにもう1本持っていく、白蛇はなにも持っては行かない、それもそうだ空間から刀を出すのだから、そして俺達は北の湖、諏訪湖に着いた

 

「ここかー確かに開いてるな、これはたまげたなぁ」

「主、感心している場合では無いぞ!少しずつスキマが閉じていっておる!」

「なに!?」

見るとスキマは刻一刻と閉じていっていた。

「白蛇!入るぞなにかあったのかもしれん!」

「わかったのじゃ、我は主に従うのみ!」

そういい俺達はその閉じかけているスキマへと入っていった…




あ〜本当に色々あるんです〜でも小説の投稿だけは止められないんです〜
ということでまぁ次回もよろしくお願いします…


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第11話 秋人の犯した罪②

閉じつつあったスキマを抜けると、そこにあるのは膝を降り正座している紫達と…多くの妖怪達の死体、そして奥にどっしりと構える月人と月の最高責任者達だった。そうして俺は無性に腹が立ったそれは多くの妖怪達を殺したことではなく、紫達を正座させこう言っているからである

「お前達が攻めてきたのだから土下座して謝れよ!」

と言っていた…あ〜腹立つわ、マジ腹立つわ…まぁ紫が喧嘩吹っかけたんだから悪いのは紫なんだがそれ以上に周りがニヤニヤして紫達を…嫁を見てるのが気に食わん…

だから俺はこう言い放つ

「立て、紫」

すると紫と妖怪達はキョトンとして俺を見る…

「え?秋人、なの?」

「ああーそうだよ、ったく心配して来てみればこのザマだ…」

「ご、ごめんなさい…私…」

「もういい、喋らないくていい、それより立て…無様すぎる」

 

「なんだ貴様!ノコノコと現れた妖怪風情がしゃしゃり出てくるんじゃない!」

あ〜マジ腹立つ奴だな…もういっそ月潰すか…

「あ〜うるせぇ…たかが月人風情が黙れ」

「なんだと!!おい、お前達!こいつらを殺してやれ!」

「「はい!」」

すると中央の最高責任者らしき奴に従うように兵達が攻撃してきた

「あ〜めんど、白蛇、返り討ちにしろ」

「了解した」

そう言って白蛇は、刀を空間から瞬間的に出して月人に向かって振るその距離約30m、30m先の月人に向かって刀を振った時に刀から蛇の様なものが伸び30m先の月人数人を引きずり寄せた。引き寄せられた月人達は白蛇の足元に転がる、すかさず白蛇が転がった月人達の首を切り落とす。これに月人達は唖然とし、兵の一部からは今まで相手にしてきた妖怪のレベルじゃない…とまで言っている者もいる。それもそのはずだ、何故なら白蛇は元々は神として崇めれていた白蛇なのだから

 

「おい!嘘だろ!?」

と妖怪達が騒ぐが気にもせずに話を続ける…

「おい!月人、ここで俺達を見逃して結界を解いたら俺はお前達を攻撃はしない、だがまだ餓鬼のように俺の嫁達に土下座までさせて謝らせたいのなら俺は月を攻撃し、お前達を一人残らず殺すぞ」

そう殺気を放ち言った…俺の殺気に白蛇は慣れているが紫や勇儀達などの嫁又は妖怪達もビビったのだろう、誰も声を発しなかった

 

月の最高責任者は周りのお偉いさんと話したあと話をまとめたのかこう言い放った

「これより、薄汚れた妖怪共を殲滅する!一匹足りとも逃がすな!」

 

「はぁーアイツらは馬鹿なんじゃないか?お前もそう思うよな白蛇」

「じゃな、あやつらは馬鹿じゃの…まさか主に盾突くとは…」

「はぁ、しゃーね、紫!妖怪達を連れて下がれ!」

「え、えぇー」

そう言い残し紫は俺達の後方100mくらいまで下がった…はぁ正直めんどくさいがやるかー。

そんじゃー久々に本気出しますかー

俺はそう思い、後ろの腰の当たりに下げている鎖の巻かれた刀を手に取り、こう言い残した

 

「我が刀よ!我に従え!今日、封印を解く!」

 

「さぁ出てこい!「忌剣:禍津神威」!」

 

刀を抜いたと同時に俺の周りに禍々しい霧が発生した。これでも月人達と妖怪達はびっくりしただろうがもう一つビックリさせる…

「な、なんだ!その刀は!そんな刀見たことも聞いたことも無いぞ!」

それもそのはず「忌剣:禍津神威」は俺が作った刀なのだから…まぁもう一つの驚いた理由は多分これだろうな…

 

「紫、紫さん!あ、ありゃーなんなんだ!?刀の峰が赤くて刃先が紫色してるぞ!なんだあの刀は!」

「し、知らないわよ…私も刀身は見たことはなかったから!」

妖怪達が驚いていた…まぁ無理もないよな嫁達でさえ鞘越しにしか見た事のない刀なんだから…

 

「さぁ〜月人共、一遊びしようではないか」

「主が、本気を出したのは久々見たのー」

 

っと月人達の動きが止まった?俺がこの禍々しい霧を身に巻いているからか?と思っていると一人の月人を先頭にわらわらと突っ込んできた…

 

「よし!やるぞ白蛇!」

「うむ!」

俺達は突っ込んできた月人共の首を跳ねたり、その場で回転して周りに斬撃を飛ばしたりして次々と月人共を殺していく…そうやっていると月人共の人数が三分の一程度まで来た所で

 

「なにをやっている!」

と空から片羽の女子が降りてきた…あ〜こいつが永琳が言っていた

稀神 サグメ か

「私が殺る…」

と言っていた降りてきた…おー怖い怖い

「へーお前が稀神 サグメか」

「いかにもそうだが…何故私の名前を知っている…」

と警戒しながら言ってきた…もうこれ言うかいっそ俺が守ってること言えばこいつら手を出せないし…

「俺の嫁、永琳から聞いた!」

「永琳?」

「あ〜そうだ、八意 永琳だ」

そう言うと奴らは八意 XX様?と言っている…なんて言ってるんだ?聞き取れないぞ?

「XXからか、なるほど筋が通る…」

「まぁ、今それはどうでもいい、どうせお前を殺してお前の嫁達も殺せばいいのだから…」

と、まで言ってきやがった…あ〜もう許さねーこいつら絶対殺す!

 

「殺れるもんならやってみろよ、邪神如きが俺には勝てると思うなよ?」

そう言った、やはりあいつは驚いていた

「何故私が邪神の力を使えることを知っている!」

凄い剣幕で聞いてくるなー、まぁ簡単なことだが

「簡単なことだ、昔、俺に盾突いた邪神を捻ったことがあるからだ!」

 

「「!?」」

 

一同皆黙る、邪神を昔捻ったことがあると言えばそれ以上の実力者になる

「邪神を、捻ったことがある?」

「ああーそうだ!その通りだ」

「ふざけるな!お前はこの稀神 サグメが殺す!」

「おー!怖い怖いっと、そういえば俺の名を名乗って無かったな」

「俺の名は 橘 秋人だ、あ〜お前達の呼ぶ名の方がいいか?」

「どういう意味だ?」

「そのまんまの意味だよ、いいから一度しか言わないから耳かっぽじって聞いとけ」

 

「俺の名は''橘 秋人''!種族は''忌み子''!二つ名は''神速の死神''だ」

 

「「!?!?」」

妖怪達と月人達が口を合わせて「忌み子って!あの忌み子だよな!それに 神速の死神 って忌み子のリーダー!」と

 

「さぁ〜稀神 サグメ勝負しようか…」

そうして俺とサグメの勝負は幕を上げた…




長文すみません…いや〜これを書きたかった…
作者自身語彙力がないのでアレですが、大体伝わったでしょうか?
さて、次回もよろしくお願いします


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第12話 秋人が犯した罪③

あれから30分、秋人と邪神を体に下ろしたサグメの戦いはまだ続いている。というか白蛇ちゃんは私の隣でさっきから戦いには参戦せず秋人とサグメの戦いを楽しんで見ている…秋人と白蛇ちゃんが強いのは知っていた…だけどここまでとは思わなかった…

「……もう戦い始めて30分よ、秋人でもサグメは少しキツかったのかしら?」

「そうですね、紫」

「そうかもしれんね」

「もうどっちでもいいから早く幻想郷に帰りたいわ〜」

と、妖怪達と勇儀、幽々子が言うが、一人だけ違うことを言った…

 

「ふふふ、主、遊んでおるな」

と白蛇ちゃんが両手で口元を隠しながら笑う

 

「「「え?」」」

「白蛇ちゃん、それはどういう意味?」

「ん?わからんか、そのまんまの意味じゃ」

「え?つまり秋人はサグメのレベルに合わせて力を制限して戦ってるの?」

「そうじゃよ〜」

と白蛇ちゃんは言う

「あれなら、まだ破壊神の方が相手になりそうじゃの」

「「「は、破壊神!?」」」

「ん?そうじゃよ、主の人種 忌み子 の中でも主と同等かそれ以上の力を持つ者、それが破壊神じゃ」

破壊神の名を聞いた時に妖怪達には衝撃が走った…それもそのはず破壊神と言えば奴が大剣を振れば山が一つ消し飛ぶと言われている奴だから…そして白蛇ちゃんの今の話を聞く限り秋人は破壊神と同等もしくはそれ以上の力を持っていることになる…

 

「はぁー面白くねー」

「なにがだ!」

「お前との遊びだよ、もう飽きたからそろそろ終わらせるか」

「ふざけるな、何を言っている!」

サグメは息を切らしながらそう言い残すと

「片羽の白鷺!」

サグメの周りにレーザーが多数放たれる。しかも、一個一個正確に撃ってくる…めんどくせぇと思っていた矢先だった…

「はあぁぁあ!」

「な!」

ぐふっ、こいつ…突っ込んできやがった!

「ッチ、面倒だがやるか」

「これならどうだ!」

と息を切られている。あめぇな戦いの途中に止まるとはいい的だぜ

「壱撃離脱式:壱慣!」

「!?」

俺は身をよじり刀を背中を構える刀の柄を腰の当たりに持ってきた状態でサグメに音速で近づき、刀を抜く。まず刀を切り上げで抜きそこから反動で一回転し刀を横に振り、さらに刀を戻し逆方向に切り下げまた反動で一回転し横に振るの繰り返しで、最終的には40連撃をサグメに叩き込む

 

秋人の動きは遥かに妖怪達や月人の域を超えていた…私達にはもちろん秋人はサグメの後ろにテレポートしたようにしか見えなかった…

だが、実際はサグメは月面上に叩きつけれられ動きもしなかった…

「し、白蛇ちゃん…あれは何なのよ…」

皆、唖然としているのは目に見えた。だけどやはり白蛇ちゃんだけは違った…

「あれか?あの技は主の生み出した技の一つじゃ、あの技は背中に刀をからい刀の柄を腰から出して、それに速度を刃に載せて切る技じゃ。まずは、切り上げから始まりその次は切り上げの反動を使って横に刀を振る、そして今度はまた逆方向にかえ切り下げをし、という感じで相手に40連撃を叩き込む技じゃ」

 

「「よ、40連撃!?」」

「そうじゃ」

あの一瞬の間にサグメは40連撃も食らっていたのかと思っと、幸い秋人がこっち側の者で良かったと思う

 

俺は月面上に降りた、妖怪達や月人は唖然とし言葉も発しようともしなかった

「おい!月人共、俺らは地上に帰らせてもらう。結界を解け!さもなくば、 この月事破壊するぞ!」

と脅すと月人達怯えた様子であっさりと結界を解いた。

「紫!スキマを繋げ、幻想郷に帰るぞ」

「え、えぇー」

数十秒後、紫がスキマを開き俺達は幻想郷へと帰った…




どうも喉が痛く風邪を引いた作者です〜
今回も読んで頂きありがとうございます
では、次回もよろしくお願いします!


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第13話 宴会と過去の話

今回は格別に長いのでゆっくり見ていってください!


「っと、まぁ〜これが俺が犯した罪だよ」

みんな呆れていた、奥では古い妖怪達が頷き、若い妖怪達が古い妖怪達に確認を取って怯えているのも見えた…俺ってそんなに怖いか?

「ね?あまりいい話じゃなかったでしょ?」

と紫は酒を飲みながら霊夢達に話を振る

「え、えぇーレベルが違いすぎるわ…」

「そうだぜ、だから私の攻撃を交わせたのか…」

「私達じゃ相手にもならないわね、魔理沙」

「お兄様凄い!」

「私達が勝てないわけだわ…もう最初から勝負は付いていたんじゃない…」

と、霊夢、魔理沙達が口々に話す、ん?今知らない声が聞こえたぞ?

声の方向を見ると魔理沙と話している金髪で周りに人形を浮かせて居る少々が見えた、そしてその隣には背が180位の男がいた…

 

「なぁ魔理沙、隣の子は誰だ?」

「ん?あ〜こいつなa」

「私の名前は アリス・マーガトロイドよ、挨拶が遅れてごめんなさいね」

「そしてその隣の奴は 上杉 龍希 ってんだぜ」

「おい、魔理沙…自己紹介くらいやらせろよ」

「す、すまん」

「と、まぁ俺の名は 上杉 龍稀だ。よろしく頼む」

「ああー、龍稀 男同士仲良くやってこうぜ」

「あ〜そうだな」

そういい、龍希は酒を飲みながら話す

 

「そういえば、前々から思ってたんだが龍希ってアリスとどういう関係なんだ?」

おい、魔理沙お前知らないのかよ…まぁ俺も知らないけども…

「あれ?魔理沙、前言わなかったっけ?龍稀は私の旦那よ」

「「「え?えぇー」」」

まぁ薄々気づいていたがやっぱりか、

「そ、そうなのか!?」

「おい!魔理沙!お前には前言ったろ!」

「す、すまないぜ龍希」

「はぁ、まぁいいわ…んで秋人、だっけ?」

「あ〜そうだ」

「んで、秋人…紫と勇儀、あとは藍さんとはどういう関係なんだ?」

「嫁だよ、全員な」

 

「「は?(え?)」」

周りからは「あの幻想郷賢者の旦那!?」とか「勇儀姐さんの旦那!?」だとか聞こえてくる

「もー驚かないぜ」

と魔理沙、でも魔理沙それはどうかな?

「ちなみに秋人…嫁何人居るんだ?」

「ん?嫁か?全員で約15人だな」

_

「「「じゅ!15人!?」」」

「ああーそうだぞ、これから増えるかもしれんがな」

「あら?秋人今が聞き捨てのならないことを言ったわね」

「そうだな、紫」

「えぇーそうですね」

「じゃな」

「「「秋人(主)(旦那様)?どういうこと(ですか)(じゃ)(さね)?」」」

「え?いや、ね幻想郷って美人多いしね…?」

「「「知らない」」」

「あ、はい」

 

怖いなー嫁って…目がマジだもん、マジ今にでも殺してやるぞって目してたもん…

「んで、秋人さんよー、嫁つったって誰が居るんだ?」

「まぁ、それはおいおい説明するとして、今はゆっくりさせてくれー」

「あ、ちょっ秋人」

俺はそう言って白蛇が膝をポンポンしているので膝枕してもらう、だって話疲れたんだもん!

「「あ!白蛇(ちゃん)(様)」」

「なんじゃ?駄目じゃったか?」

とみんなでワイワイしていると咲夜がなんとなくだろうか、聞いてきた

「あ、そういえば!秋人さん」

「んー?どうした咲夜」

白蛇に膝枕してもらいながら言う

「何で秋人さんのメイドって秋人さんと同じ橘なの?」

「ん?あ〜それかー、それはなー」

「旦那様、自分達がお話します」

「ん?そうか、でも大丈夫か?」

「はい、大丈夫です」

「そうか、ならいいぞ」

 

「では、霊夢さんお話しますね」

「え、えぇー」

「では、私達からですね」

 

香蓮とlostが話を始める

「私達は初め奴隷として、ある家に買われました。」

「え?奴隷?」

「はい、そうです」

「それで奴隷として買われたのですが…その屋敷の主人が拷問が好きだったようで私達と同じ人が多く牢屋に入れられていました」

「その日は、私達の隣の部屋の人が連れていかれ夕方になっても帰っても来ませんでした…」

「明日は、私達…そう思ってたのですが、その日の夜に旦那様がいらっしゃいました、旦那様は私達に「お前達は、人を殺せる覚悟はあるか?あるなら俺にはついて来い」とだけ言われました。もちろん私達はついて行き今があります。なので旦那様には感謝してもし尽くせないのです。」

「え、」

皆固まった…やっぱりそうだよな

「え?あの、その、ごめんなさい」

「いえいえ、いいんですよ」

 

「次は、私ですね。お初にお目にかかります、椿と申します以後お見知り置きを」

と、椿が名を挙げる

「私は、香蓮さんやLostさんと違い 元囚人です」

「旦那様とは、刑務所で会いました…」

 

「秋人、刑務所入ってたの?」

「まぁ一時期な」

と霊夢が

「紫、刑務所ってなに?」

「刑務所ってのは、外の世界で人を殺したりしたら入るところよ」

「「え?」」

みんな俺を見る…

「なんだよ…そんなに目で俺を見るなよ…」

「ま、まぁそれで?」

とアリスが聞く

「はい、それで旦那様は刑務所を脱獄する時に私に「一緒に来るか?だが、来るなら人を殺す覚悟をしろ」と言われ、私は迷うこと無く旦那様について来たため、今私はここにいます」

「「…」」

 

あ〜もう皆黙ってる…

「あ、あのー」

メイド服を着た、薄紫色の髪をした、Reiが声を出す

「これは私もお話した方がよろしいのですか?」

「え、えぇー続けてください…」

文が話を続けるように促す

「では、私の名はReiと申します、以後お見知り置きを」

「はい」

と文

 

「率直に言います、私は人造人間です」

と微笑んでいる

 

「「え?えぇー!?」」

 

「えーと、私は旦那様に作られました」

「え!?秋人!貴方人体錬成とかしたの!?」

「いや、してねーよ」

「俺がやったのは…スマンが言えない」

「え?じゃーやっぱり人体錬成を…」

「だからやってないって!」

「はぁ最後、凛」

「はい、旦那様。私の名は 凛 以後お見知り置きを」

「こら、凛失礼でしょ」

香蓮が言うが

 

「いいんだ、香蓮 凛は人見知りが激しいから」

「ですが旦那様…」

「はい、話続けて」

「はい、旦那様」

すまんな、香蓮今回は見逃してやってくれ…と思いつつ白蛇の膝枕を堪能する…というか酔いが回ってきた…

一応言っておくが俺はロリコンじゃないぞ

 

「私は元々、旦那様を殺すために送り込まれたアサシンです」

「「え?」」

「それして私は一度死にました…死んだと言っても一度殺されかけ、もうどうしようもなかった時に「お前に選択肢をやる、ここで死ぬか、一度死んで仲間になるか…どっちがいい?」と銃を突きつけながら言われました」

「結果、私は仲間になる方を選択し今は旦那様のメイドとして働いているのです」

と、みんなの説明?が終わった。宴会は静まり返っていた…はぁーまぁこんな話を聞かされて静まり返ってない方がおかしいか。しゃーね一肌脱ぎますか…

 

「お前ら、そんなにシラケるんじゃねーよ。ほら!酒やるから飲め飲め!そして飲んで騒げ!」

まぁこれでいいだろ…妖怪達は俺が持ってきた酒を警戒しながらのんで「うめー」と言っている。これによりまた宴会は活気づいた

 

「その、聞いてごめんなさい…」

文と霊夢達が誤っている…そんなこんなで今夜の宴会は幕を閉じた




かなり長くりましたがご了承ください…
いやー今回の作、書くために2日くらいかかりましたわー
最近なかなか時間がなくてーおおっとメタイゾ!…
ごめんなさい…少し調子に乗りました
では、次回もよろしくお願いします!!


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キャラ設定

前にキャラがよく分からないとの言葉を頂いたので今回は、登場キャラについてです


主人公

橘 秋人(たちばな あきと)

人種:忌み子

身長:180

容姿:銀髪で右眼が蒼く、左には眼帯をしている

能力:ありとあらゆるものを製造する程度の能力

ありとあらゆる魔法を操る程度の能力

結婚しており、嫁が15人程居る、元々は忌み子と言う人種の五天王のうちの一人

 

堕ちた白蛇の神

白蛇

身長:160

容姿:白髪の長髪で昔の巫女服の様なものを着ている

人種:堕神

能力:周囲にあるありとあらゆるものを見つけ出す程度の能力

元々は人々に崇められていた神だったが、人々が神に対しての裏切り行為を起こし、それに対して白蛇は多くの人を殺しため堕ちた神となり秋人に拾われ現在に至る

 

災厄をもたらす者

禍津神

身長:176

人種:神

能力:ありとあらゆる災厄をもたらす程度の能力

唯一過去の秋人を知る人物。現在は霊夢の母親代わりになっている

 

最凶最悪幻想郷賢者

八雲 紫

人種:スキマ妖怪

身長:175

能力:境界を操る程度の能力

遠い昔秋人と出会い、月面戦争などを起こした張本人。現在は幻想郷を立て秋人達と暮らしている

 

紫の式

八雲 藍

人種:九尾

身長:174

能力:式を操る程度の能力

昔、藍は人間を好きだったがある日を境に陰陽師達に追いかけることになり、殺されかけた時にまたまた通りかかった秋人によって助けられた

 

月の頭脳

八意 永琳

人種:月人

身長:176

能力:ありとあらゆる薬を作る程度の能力

今いる約15人程の嫁達の中で2番目に秋人をよく知る人物。研究熱心で秋人の前使っていた薬の成分なんかを調べたりしている

 

狂気の月の兎

鈴仙・優曇華院・イナバ

人種:月の兎

身長:169

能力:狂気を操る程度の能力

元は月の軍の脱獄兵で第一次月面戦争の時に秋人に助けられた。今は迷いの竹林にある永遠亭で永琳の弟子をしている

 

彷徨わない亡霊

西行寺 幽々子

人種:亡霊

身長:170

能力:死を操る程度の能力

白玉楼のお嬢様で、よく食べる可愛い少女

 

蒼天の庭師

魂魄 妖夢

人種:半人半霊

身長:159

能力:剣術を扱う程度の能力

白玉楼の庭師兼幽々子の世話役で、何かと色々大変な人である

 

天狗の長

天魔

人種:大天狗

身長:169

能力:ありとあらゆるものを見透かす程度の能力

天狗の長を務めている。普段は、大人しく人を正しく説教したり優しくしたりと良い奴なのだが。なにかあるとテンパる

 

壊滅的な金剛力

星熊 勇儀

人種:鬼

身長:176

能力:怪力乱神を持つ程度の能力

月面戦争に置いて、活躍した鬼の中の一人。

 

地獄の裏の統一者兼嫁

橘 美結(みゆ)

人種:上位級悪魔

身長:169

能力:魂を刈り取り喰らう程度の能力

パチュリー達には、小悪魔と下級悪魔の名を語っているが実際は地獄・魔界の裏の権力者であり多くの悪魔を従えてもいる

 

秋人のメイド兼嫁

橘 香蓮(かれん)

人種:半人半悪

身長:170

能力:いかなる場合でも冷静を保つ程度の能力

元々は奴隷であったが、秋人によりLostと共に助けられた。半人半悪なのは秋人により美結と全員契約を交わしているからである

 

メイド兼嫁

橘 Lost(ロスト)

人種:半人半悪

人種:168

能力:ありとあらゆる銃火器を操る程度の能力

元々は奴隷として一生を終わる予定だったのだが、秋人により香蓮と共に助けられ、今に至る

 

メイド兼嫁

橘 椿(つばき)

人種:半人半悪

身長:164

能力:ありとあらゆるものから気配を消す程度の能力

元々は囚人であり、秋人とは刑務所で出会った。脱獄の時に秋人が連れ出し、今に至る

 

メイド兼嫁

橘 Rei(れい)

人種:人造人間兼半悪

身長:176

能力:ありとあらゆる重さを操る程度の能力

秋人によって助けられた。原因は一度殺されたからである。ちなみに人造人間と言っている理由は本当のことを言ってしまって良いのか秋人が迷っていたからである。そして彼女自身生前の記憶はない

 

メイド兼嫁

橘 凛(りん)

人種:半人半悪

身長:160

能力:脳内演算能力を限界まで引き上げる程度の能力

元々は秋人を殺すことに送り込まれたスナイパー。だが、秋人のメイド達に計画を邪魔された上に組織から裏切られたため、秋人の出した選択肢のうち仲間になる方を選択した

 

幻想郷の素敵巫女

博麗 霊夢

人種:人間

身長:160

能力:霊気を操る程度の能力

空を飛ぶ程度の能力

幻想郷の結界を管理する十三代目博麗の巫女。親友は霧雨魔理沙である。実は、紫のことを実の母親のように慕っている

 

東洋の西洋魔術師

霧雨 魔理沙

人種:人間

身長:159

能力:魔法を使う程度の能力

霊夢の唯一無二の親友であり、異変解決の時のパートナー。秋人に最初の日に負けたためこっそりと強力な魔法の研究をしている

 

七色の人形使い

アリス・マーガトロイド

人種:魔法使い

身長:163

能力:人形を操る程度の能力

魔理沙の知り合いで、魔法の森に龍希と二人で住んでいる。

 

人形使いの旦那

上杉 龍希(うえすぎ りゅうき)

人種:半人半妖

身長:181

能力:刀を創造し、刀を扱う程度の能力

魔法を使う程度の能力

アリスの旦那で魔法の森にて二人で住んでいる。魔理沙のおしゃべり相手でもあり、対戦相手でもある

 

永遠に紅い幼き月

レミリア・スカーレット

人種:吸血鬼

身長:151

能力:運命を操る程度の能力

紅魔異変の主犯であり、紅魔館現当主。苦手なもの、美結と白蛇

 

悪魔の妹

フランドール・スカーレット

人種:吸血鬼

身長:150

能力:ありとあらゆるものを破壊する程度の能力

レミリアの妹であり、紅魔異変の時に暴れ秋人の右腕を吹き飛ばした張本人。アレから秋人のことを「お兄様!」と呼んでいる

 

紅魔館のメイド

十六夜 咲夜

人種:人間

身長:165

能力:時を操る程度の能力

紅魔館のメイド長であり、レミリアに忠誠を誓っている人間

 

華人小娘

紅 美鈴

人種:妖怪

身長:174

能力:気を使う程度の能力

紅魔館の門番で、よく門の前で寝ている。美鈴を一発で起こしたい時には大きい声で「咲夜さーん!美鈴寝てますよー!」と叫ぶと起きる

 

知識と日陰の少女

パチュリー・ノーレッジ

人種:魔法使い

身長:164

能力:・火水木金土日月を操る程度の能力

紅魔館の図書館でゆったりと読書をしている少女。怒らせるとロイヤルフレアが飛んでくるかも…

 

伝統の幻想ブン屋

射命丸 文

人種:鴉天狗

身長:167

能力:風を操る程度の能力

宴会の時に秋人に取材を申し込んで来た。住んでいる所は妖怪の山らしい

 

山のデレグノシス

犬走 椛

人種:白狼天狗

身長:164

能力:千里先まで見通す程度の能力

秋人が天魔に会いに言った時に妖怪の山を警備していた天狗

 



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第14話 マヨヒガと人里

宴会が終わり俺は、家に帰ったのだが…

起きたら知らない家にいた…

「え?ここは何処だ?」

確か俺は宴会が終わったあと、家に帰り風呂に入って自分の布団に入ったはず…。そんなことを思っていると

ムニュ、という謎の感触が右腕に走る

いや、まさか…いやそんなはずないよな…?俺はちゃんと自分の布団で寝たぞ?俺は恐る恐る布団をめくるとそのには、右腕に紫、左腕に藍と居る…

…またこの状況かよ…ん?藍の隣に知らない子が一人居る…化猫だろうか?

すると、藍が起きる

「ふぁ〜、秋人おはようございますー」

「あ、あ〜おはよう…んで藍ここは何処だ?見たところ俺の家ではないが…」

「ん?どこって…マヨヒガですよ」

マヨヒガって何処だよ…。と思っていると藍の左の化猫が起きた

 

「ん〜、藍しゃまおはようございます〜」

と、まだ寝ぼけているのか藍に抱きつく

「あ、こら橙、秋人がいるんだからちゃんと起きなさい」

まるで藍はお母さんだな〜…ん?待て、俺と藍の間には子は居ないはずだぞ!まぁそれは、することしたけど、それでも最後にやったの100年くらい前だぞ!

「ら、藍?こ、この子は?」

「ん?あら、決まってるじゃない!私と貴方の子よ」

「は?はぁぁぁ!?」

 

「嘘よ」

口元を隠しながら笑っている

「っーん」

あ、紫が起きた

「お、紫おはよう」

「えぇーおはよう秋人」

「それでなんで朝から騒いでるの?宴会は終わったのよ」

紫はふぁ〜と欠伸をしている

「いや、それがな紫、藍がなこの子が俺の子だよか言い始めるからびっくりしてよー」

「んー?藍」

「はい、紫なんでしょう?」

「もう橙は貴女と秋人の子でいいんじゃない?」

 

「「え?」」

「藍しゃま?私のお母様とお父様は藍しゃまと秋人様なのですか?」

「え?ちょっ紫何言ってんだ!?」

「橙、貴女は私の子よ」

「.そうなのですか?」

「藍ー!ストップ!なに橙に吹き込んでるの!?」

「え?秋人でも事実、橙は藍の式よ」

「え?そうなのか?」

「そうよ…そういう事だから橙。貴女は秋人と藍の子です、私が承認します」

「はぁぁぁ!?」

「はい、という訳で藍?ご飯お願い、私は秋人とまだ寝るから〜」

「はい、紫」

え?ちょっ勝手に話が進んでるんだがそれは一体…こうして橙は俺の子となった…実の子かと言われれば違うが…あ、マヨヒガのこと聞くの忘れた…でもここは多分紫の家なのだろう

 

それから藍がご飯を作り俺達は起きた…そして飯まで食って今から帰るところだ

「んじゃ世話になった…てか、お前が俺を連れてきただけだけどな」

「はいはい、じゃあ〜ね秋人。また遊びに来てね」

スルーかよ…

「秋人またね」

と藍

「秋人様!またお泊まりに来てくださいね!」

「あ〜また来るよ、じゃあ〜な」

俺はそう言って玄関を出るとそこにはスキマが開いていた

「ほら、秋人。ここを通って帰りなさい、貴方は知らないでしょうけどここは私達以外は立ち入る事が出来ないのよ」

「そうだったのか…」

「えぇーだからまた来る時は私に声を掛けてちょうだい」

「あ〜わかったよ、ありがとな紫」

「えぇーそれじゃぁ秋人またね」

「おう」

 

スキマを抜けるとそこは俺の家の玄関先だった、家に入るな否やメイド達に「どこにいらっしゃったんですか!」と言われ、事実を話すとメイド達はポカーンとし白蛇は呆れていた…まぁそうだよな俺も最初呆れていたからな

「まぁそれは大変じゃったの主」

「まぁ〜な、ところで白蛇」

「なんじゃ主?」

「玄関先から気配を感じるんだが?」

すると玄関先から

「ごめんくださ〜い」

と霊夢の声が聞こえた

「はーい」

Reiが出てから数十秒後「お邪魔します」、「邪魔するぜ」と二人の声が聞こた多分、霊夢と魔理沙だろう、と推測していると「旦那様、旦那様にお客様です。入ってもよろしいでしょうか?」とReiの声が聞こえる

 

「あ〜入っていいぞー」

「失礼します」

と、襖が開く。

「こんにちは秋人さん」

「邪魔するぜ、秋人」

予想通り霊夢と魔理沙が入ってきて、二人は俺の向かい側にあるソファーに座った

 

「お、霊夢に魔理沙いらっしゃい、Reiこの2人にお茶を持って来てくれ」

「承知しました」

と頭を下げ、部屋を手出ていく

 

「それにしても、藍の言う通りいい家ねー」

「本当だぜ、どこかの神社とは違うな。特にお茶を持って来てくれるとことか」

「魔理沙?それはどういう意味かしら?」

霊夢が威圧を出している…怖ー

「ま、まぁそれはいいとしてやっぱりいい家だなー」

「そうか?というか、藍が話したのか?ここの場所」

「えぇーそうよ、結界の見回りの時にうちに来た時に教えてくれたのよ」

へーあの藍が…いや、こっちではそれが普通になってるのか、と思っていると部屋の外から「旦那様、お茶をお持ちしました入ってもよろしいでしょうか?」と声が聞こえた

 

「あ〜入っていいぞー」

「失礼します」そう言ってReiは二人の前にお茶を置き「失礼しました、ごゆっくりどうぞ」と部屋を出ていった。相変わらずうちのメイドは出来るな

 

「それでお主ら、主の家に来てどうしたのじゃ?」

俺の隣でくつろぎながら白蛇が質問している

「あ〜そうだった!秋人さん!人里行かない?幻想郷の案内とかしたいし」

「あ〜なるほど、だからうちに来たのか」

「そうだぜ、んで人里行こうぜ!」

ふ、二人とも目が輝いてるなー何故だ?

「はぁー、主どうするのじゃ?主が行くなら我も行くが」

「うーん、んじゃ行こうかなー少し支度するから待っててくれ」

「「分かった(わ)(ぜ)!」」

「我はここに居るから主着替えてくるとよい」

「あ〜そうするよ」

 

俺は自室に戻り着替えをしていた時に後ろから気配を感じる…

「紫か?」

「えぇーそうよ、良くわかったわね」

「そりゃ〜嫁の気配ぐらい気づくよ」

と言いつつ着替えをする

「あら?秋人、どこか行くの?」

「まぁーな、ちょっと霊夢と魔理沙、白蛇と人里に行ってくる」

そう告げると紫が驚き、

「人里に行くの!?あの貴方が?」

「ん?あ〜そうだが?悪いか?」

「いや、そういう訳ではないのだけど…くれぐれも人を殺したりしないでね」

「はいはい、てか紫俺を信用しろよ〜」

着替えを終わり財布の中身確認などをしながら話す

「これでも信用してるのよ、でも貴方人間のことを嫌ってるから…」

「心配ねーよ、今回はそんなことはしねーよ」

「それに霊夢や魔理沙も一緒に来ることだし」

「そう…それなら大丈夫そうね」

「まぁーな」

「あ、あと紫」

「ん?どうしたの?」

「お願いがあるんだけど…」

紫は首を傾げている

 

「幻想郷とあっちの世界を行き来できるようにして欲しいんだが…」

「……分かったわ、手配はしておくわ」

「ありがとう、助かるよ」

「えぇーじゃ、人里見学気をつけてね」

「あ〜行ってくるよ」

そう紫に言って部屋を出る

 

紫に別れを告げ俺は白蛇達の居る部屋へと入り人里へ行く。さぁ人里とはどういう所かな?少し楽しみだ




こんにちはこんばんは、最近寒くなりましたね。最近寒くなったことにより作者は紫のごとく布団で冬眠しております。
いやーもう布団から出たくない…
さて、今回もどうでもいい終わり方ですが、次回もよろしくお願いします!


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第15話 人里見学そして堕神

へーここが人里の入り口かー、俺は白蛇をマフラー代わりに巻き人里の大きな門の前に立っていた

「さぁ、秋人さんこっちよ」

「はいはい」

手を引かれ門の中へと連れていかれる…門番達が変な目で見てる…

「どこに連れていくんだ?霊夢」

「まぁまぁ、着いてきて」

「わかったよ」

にしても、人里と言うだけはある。里は活気で溢れ俺が知らない妖力から知っている妖力まである…ふと気づいた。この子妖力…というか霊力…どこかで感じた気がする。どこだっけな…

 

「秋人さん?秋人さんってば!」

「ん?おー悪い、少し考え込んでた」

「さっきから霊夢は少し慌ただしいぜ?もう少し落ち着いたらどうだぜ?」

「アンタに言われなくても分かってるわよ」

「んで?ここの店は?」

「あ〜そうそう秋人さんって甘い物嫌い?」

「いや、好きだが?」

「なら、良かったぜ」

ん?ここの店はスイーツ系売ってんのか?

 

「ここのお店の名前は 甘味処(かんみどころ) よ」

「かんみどころ?」

「そうよ、まぁ入りましょ」

「お、おう」

 

中に入るとそこは以外にも落ち着いた雰囲気を出している店だった。俺達は奥のテーブルへと座る

「へー結構いい感じの店なんだな」

「まぁーなでもここは甘い物が美味しいんだぜ!」

「へーそりゃまた期待だな」

 

「お待たせしました、ご注文は?」

「私は和菓子で」

「んじゃー私は団子で」

「うーん、それじゃこの白玉と和菓子で」

「かしこまりました」

若い女性店員がメモを取り店の奥へと消えていった

にしても、霊夢が和菓子でら魔理沙が団子、俺が白玉と和菓子…

(…主、我も食べたいのじゃ…)

白蛇が食べたそうに俺の脳内に語りかけてくる。

(わかったよ、少し待ってろ)

そう言っていると先ほどの店員が戻ってきて頼みの品を起きに来てくれる

 

「お待たせしました、和菓子とお団子と白玉、和菓子でございます」

霊夢が俺たちに注文した品を配っていく。うーん、一応聞いてみるか…

「あ、すまんがこの店、妖怪の出入りは自由なのか?」

俺は店員に質問してみる、すると店員は

「あ、はい!妖怪の出入りは自由ですよ」

「そうか、ありがとう」

(だそうだ、白蛇、擬人化していいぞ)

俺は白蛇に指示を出す

(うむ、了解した)

そう言うと俺の首をから降り、隣の空いた椅子に降りボワっと白い煙と共に擬人化した白蛇が姿を現した。

 

すると店にいた人々が白蛇の元へ駆け寄ってきて「白蛇様!」と言って祈りを捧げている…しかも、店の店員も唖然としてるし…

「な、なんじゃお主ら!」

「どうか!どうかお願い致します!里に恵美を、恵美の雨を!」

「「は、はぁ!?」」

霊夢や魔理沙が驚く、はぁこれだから人間は嫌いなんだよ…自己中心的な所が一番な

「あ、秋人さんどうするの?」

「主…どうするのじゃ?」

はぁ〜答えは初めから一つに決まってるだろ

「ダメだ」

「「!?」」

「な、なぜだ!なぜダメなんだ!」

「神は俺らの願いを叶える存在じゃないのか!?」などと声が上がってるが知らん

 

「ダメだ、なぜならお前達人間の前にいるその白蛇はその昔に、堕神になったからだ」

「「!?」」

「はぁ〜どうめんどくせー、おい金は置いておく、釣りは要らない」

そう言って俺は店を出る…やっぱり人間が嫌いだ、それも憎いほどに…

「あ、ちょっ!主!待つのじゃ!」

「……行ってしもうた」

すると店先から気配を感じる…多分これは紫じゃな

 

「紫、なんの用じゃ」

「「!?」」

人間達が怯え始め店から散り散りに出ていく…紫とはそんなに怖い存在なのか?スキマが開き紫をが

「…やっぱりこうなったのね…」

「そうじゃな…」

「あ、え?紫、秋人さんはどうしちゃたの?」

「そうだぜ…いきなり怒り気味で帰っていくし…」

「貴女達には前に言ったでしょ…秋人は人間を殺したいほどに憎んでるって…」

皆黙る…それもそうじゃ主が本気で人間を殺すということはこの幻想郷の崩壊を意味するのじゃから…

 

「……主の過去を知りたくはないか?」

「「「え?」」」

「じゃから知りとうはないのかと聞いておるのじゃ、主がなぜ人間を殺したいほどに憎んでるかを」

「「………知りたいわ(ぜ)」」

 

「紫、スキマを開いとくれ…そこで話す…でないと主に見つかるからな」

「わ、分かったわ…」

紫が開いたスキマに皆が入っり皆正座をしている

「では、話すぞ…」

「あれは、世界の始まった頃のことじゃ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「距離500、風速3」

私はそう呟く、私の名は凛。今は旦那様の命を受け狙撃による暗殺を実行中、観測者は椿だ

 

「凛、目標ターゲット接近。付近通過まであと3分」

「了解…」

私は150くらいはあるジュラルミンケースからライフルと取り出す。ライフルはマクミラン社製TAC-50だ。まぁ簡単に言うと対物ライフルだ。TAC-50をジュラルミンケースから出し組み立て、12.7×99NATO弾を込めたマガジンを銃に装填しバイポットを立て銃を固定し、スコープの風速、距離の設定を終わらせ、ボルトを後退させて弾薬を薬室に送り込む、そしてターゲット通過地点を確認する。

 

「目標ターゲット接近、通過地点まであと30秒」

 

「20……10……5、4、3、2、1」

見えた!ターゲットは新幹線の三号車の真ん中の窓際…いた。

時がスローに見える、相手の予測位置への偏差を行いトリガーを絞る。

 

パァーン!

 

1発、1発だった。撃針により弾の雷管を起爆させ、雷管は薬莢内の火薬に引火し弾丸を撃ち出す。撃ち出された弾丸はライフルのバレル内に刻まれているライフリンクにより回転数を上げ、初速853m/sで銃口を出ていく。出ていった弾丸は500m飛翔したあと新幹線の窓ガラスを撃ち破り、ターゲットのこめかみを撃ち抜く。

 

「ヘッドショット、ターゲットダウン」

椿の報告が入る。

「さ、やることやったし帰りましょ凛」

「えぇーそうね。旦那様が待っていらっしゃるから」

私達はライフルを分解してジュラルミンケースに戻す、そして車にのりその場を去る…帰ったら旦那様の食事作りね

 

 

 

カチャッ

双眼鏡を下ろし携帯を取り出す、

「あ、出た出た。見つけたわよ、例の二人。えぇーえぇーわかった

わ、それじゃぁまた」

携帯を閉じつぶやく

「やっと見つけたわよ、橘 秋人…一度掴んだ尻尾は逃がさない」

「待ってなさい、今すぐにでも見つけて殺してあげる」




秋人「あー!白蛇!俺の過去話をしやがったな!」
白蛇「良いじゃろ主、それに話をしろと言ったのは作者じゃ!」
秋人「おい!作者てめぇ殺してやる!」
作者「え!?ちょっ!」
秋人「容赦はしねー禍津神威!」
作者「あー!グハァ」
白蛇「という訳で次回もよろしくなのじゃ」


〜追記〜
わざわざ誤字の報告ありがとうございました!助かります!
またまだまだ新米なので誤字がありましたら気軽にご報告貰えると助かります。


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第16話 秋人が隠し通してきた過去①

んー?ここはどこだ?俺は広い平原にある大きな一本の木に腰を掛けていた…というか気づいたからいた。マジでどこだ?ここ

「ねー、貴方だれ?」

そう聞かれ振り向くが、そのには誰もいない。あれ?今の声は幻聴か?

「馬鹿な人、上よ、上」

「は?上?」

俺は上を見上げるとそのには銀髪ロングのにワンピースの少女が木の枝に座って話を掛けてきていた

「おいおい、結構上にいるのな」

それもそうだあの少女大体15mくらい上の枝に座っているのだから

「貴方も来れば?ここは景色が綺麗よ、まぁ飛べたらだけど」

「え?飛ぶのか?」

どうやって飛ぶんだよ…、まぁいいか登るか。俺はそう思い木の枝にジャンプして飛びまた次の枝へと飛び移るそれを繰り返して少女の隣に座る

 

「あら!飛ばずに良く来れたわね」

意外と驚いているのか

「私、貴方に興味が湧いたわ。名前なんて言うの?」

「んーそれが名前を思い出せないんだよなー、というか名前があるのかさえわからん」

「え!?そうなの?じゃー私が名前付けてあげよっか?」

少女は笑っている、可愛いな

「お前って意外に可愛いよな」

「へ!?そ、そんなこと無いわよ」

あ〜あ〜テンパってるテンパってる(笑)

「そ、それより決めたわ!」

「ん?何を?」

「貴方の名前よ!貴方の名前は今日から 橘 秋人よ」

「ほー、理由を聞いてもいいか?」

「いやよ」

「え、えぇー」

「あ、そう言えばお前名前なんて言うんだ?」

「私の名前はサラ、サラ・シルフィードよ」

「シルフィードってことは風の妖精か?」

「いいえ、私はただ単に風が好きなだけ」

「へーじゃ、人種はなんなんだ?」

「私はThose who wandering the world」

「つまり世界を放浪する者…か」

「そ」

 

そんなつまらない話をしながら俺達は夜まで一緒に居た。

「うーんなぁーサラ」

「ん?どうしたの?」

「家作らねーか?」

「私は作らないわよ」

「俺が作るの、それで一緒に暮らさね?」

「え?え!?それはつまり秋人は私をお嫁にしようとしてるの!?」

「いや、ただ俺はサラに興味が湧いたから一緒に暮らさねーかなーと」

「……まぁいいわよ」

「え?いいのかよ」

「えぇーだってもう世界は十分に見て回ったもの」

「そうか、」

「うん」

 

俺は数ヶ月かけて家を作ろうと思っていたのだがサラは「秋人、貴方能力持ちなのになぜ使わないの?」と言われたためサラに俺はなんの能力なんだと聞いたところ「え?自分でも知らなかった!?秋人、貴方製造の能力といろんな魔法を使う能力を持っているのよ!」と言われた。正直知らんかった…自分にそんな力があるなんてこと…俺は能力を使い家を製造もとい建設した。家は静かな森の中の小川が流れているところを選び、和風の家を建設した。

 

 

「いやー私、あの時秋人のお嫁さんになって良かったわー」

「なんでだ?サラ」

俺は縁側でサラと喋りながら団子を食べた

「それはね秋人、好きなことやって世界を飛び回ったのも楽しかった…でも正直寂しかったの、ずっと一人だったから…だから貴方と今こうやって暮らしている事が幸せなの」

「へーそれはありがたいね、サラを嫁にして俺も良かった」

「正直俺も一人は寂しいと思ってたところだし、それに好きな子嫁に出来たのも嬉しかったしな」

「また秋人はそんなこと言ってー」

「ハハハ、いいだろ別に」

 

そんなこんながあり、数百年程たった頃世界には、神と悪魔が現れ、神は悪魔を滅ぼすために人間を生み出し信仰を集め、悪魔は神を滅ぼすためにに妖怪を生み出し人間を殺した。そして何度か神や悪魔は、俺達を襲った。そのたんびに俺は自分の血と妖力、霊力を玉鋼に混ぜ作った刀 忌剣:禍津神威 を使い悪魔と神を殺した。サラも俺が製造したMAC11を二丁持ち、神弾と魔弾を使って神や悪魔を殺していった。

 

そしていつしか神や悪魔は殺し合いをやめ俺達を攻撃するようになった…あとから聞いた話だがあの頃の神や悪魔はまず自分の脅威になるものを潰すために一時的な協力をしたそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、今まではそれでも追い返していた…奴らが来るまでは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いたぞ!神々が忌み子の一人を負傷させた!今だ、捕らえるのだ!」

「チッ、人間が来やがった!サラ立てるか?」

「ッッ!ごめんなさい無理そう…もういいわ貴方だけでも逃げて…私のことはいいから」

そう言い彼女は木に背中を預け隣に銃を置き腰をかけた

「ツツ!なに言ってんだ!お前を見捨てて行けるわけないだろ!いいからほら!早く逃げるぞ!」

俺は彼女の手を掴み引っ張り上げる背中に担ぎ、右には禍津神威を左には彼女のMAC11を持ち人間達を殺していっていたがそのに神と悪魔が介入し俺達は人間達に捕まった…




凄く寒くなりましたね…作者は秋人に殺されかけたあと布団という名の結界に入り難を逃れました…
はぁ〜とりあえず次回もよろしくお願い致します!!


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第17話 秋人が隠し通してきた過去②

あれから何日経っただろうか。俺はそんなことを思いながらサラを懐に抱き天井を見上げる。

俺達は人間に捕まったあの日拷問されていた…最初は俺、この次はサラだったが俺はサラに触れようとするクズ共を数人殺した。

そのおかげが知らんが人間共は俺達を結界の張ってある薄暗い牢の中に入れた。それから牢の隅でサラを懐に抱きできるだけ彼女を温めてながら今後について考えていると、スゥーと寝息が聞こえてきた。その時だった彼女が来たのは

 

ギィーと扉が開き、手を縛られた少女が入ってきた。入ってきた少女はローブ姿で顔と体つきがわからないが体のシルエット的に女の子だろう。俺は奴らを睨む、すると怯えたのか彼女を押し込み足早に去っていった。

「……貴方人間に恐れられてるのね」

彼女に突然そう言われ驚いたが冷静を装い話を続けた

「まぁーな、俺は何もしてないがただサラに危害を加えようとした奴を殺したことに過ぎん」

「……!?」

「殺した?あの手足を縛られてる状態で人間を?」

「あーそうだよ、サラに危害を加えようとしたからな。当然の報いだ」

「いや、そんなことはどうでもいい!どうやって殺したの?あの状態で」

「簡単だ」

俺はそう言って左目の眼帯を外し彼女に見せた、すると彼女はやはり驚いていた、それもそうだ…俺の左目は

「あ、貴方何で左目が紫色なの……右目は蒼色なのに!」

「それはね、秋人が人間を操れるからよ」

「は?え?」

彼女は動揺しているまぁそうだろうこの目にそんな恐ろしい能力があるとは誰も思いもしない

「というか、サラ起きてたのか?」

「いいえ、この子が来る時ぐらいに目が丁度覚めたのよ」

「なんだそうなのか」

「えぇー、にしても秋人の腕の中暖かかったわねー」

「貴女もどう?」

「私は別にいい」

「そ、」

彼女が入ってきたことによりサラにも俺以外の話相手が増え俺はら結果的に良かったように思えた

 

「それで?貴方、人を操れるってどういうこと?」

やっぱり来たか。この質問そりゃそうだよなーいきなり目を見せられてこれ目は人間を操ることが出来ると目だ、と言って食いつかない奴はどこにも居ない

「あ〜それはだな」

「マインドコントロール」

サラはボソッとその名を口にする、そして俺の懐へとまた入ってくる。え?サラ先に言っちゃうのかよ……俺が少しカッコつけて言おうと思ってたのに…

「え?」

「だから、マインドコントロールよ」

「そ」

「まぁ簡単に言うと人間やそのほかの目がある生物と目を合わせることでその生物を操ることが出来るという、恐ろしい付与能力がついた目だよ」

彼女は固まっていた、それもそのはずそんな馬鹿げた能力がこう易易とあっていいはずがない…マインドコントロールと言っても流石に同じ奴は2回までしか操ることは出来ない…

「そ、それじゃぁその能力で人間を操って殺したの?」

「まぁ〜ざっくり言えばそうだな」

「………」

あ、黙っちゃった

 

「え、えっと、とりあえずあなた達は味方…よね?」

「なぜ疑問形になる、この同じ牢に入っていることが答えだろう?」

「そ、そうよね!」

「じゃ、じゃあー大丈夫よね?」

「だからなんで疑問形なんだよ」

すると彼女は俺の言葉を無視してローブを脱いだ。

俺たちは自分の目を疑った…なぜならそのには 銀髪の長髪に右目は赤く左目は黄色そして特徴的とも言える顔から足にかけてある赤紫色の文様があったからだ…

 

「「!?」」

「お、お前禍津神なのか!?」

すると彼女はコクコクと首を縦に振る

「禍津神…」

サラがボソッとつぶやいた

すると彼女は気を悪くしたのかまたローブを羽織った

「あ、警戒してる訳じゃないんだ。だからお前もあまり警戒しないでほしい」

「本当?」

「あ〜本当だ」

「そう…」

俺が彼女にそう言うと彼女は俯き笑っているように見えた

だが、俺が彼女を安心させ仲間にしようとしているのは彼女に一目惚れしたからではない…事はもっと簡単な事だ。

もし、彼女が本当禍津神なら人間に捕まる前というか今もあの能力が使えるはずだ…そう禍津神の能力は

 

 

 

 

 

 

ありとあらゆる災害をもたらす程度の能力

 

 

 

 

俺は密かに決めた、彼女を使いこの地域に災害を起こさせこの結界を解く…もとい破壊し、俺達3人は脱出する……

この人間共に与えられた地獄に一つの光が差したんだこれをみすみすと見逃す訳には行かない、サラのためにもこの禍津神のためにも…




まずは投稿が少し時間が空いたのですみません…m(_ _)m
どうだったでしょうか?少し短かったでしょうか?
まだまだここから話が少しずつ難しくなりますが何卒よろしくお願い致します!


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第18話 秋人が隠し通してきた過去③ 怒りの最果て……

あの決意をしてから約1ヶ月が過ぎようとしていた…1ヶ月ものあいだ俺も呑気にやっていた訳がない看守の行動パターンを覚えたりしていた。だが、まさか隣に破壊神が来るとは思いもしなかった…

だが、この事によりこの脱出計画はことが上手く進みそうだ。と思っていると看守の人間が俺の前だけ足早に通り過ぎていった。俺はこの隙に破壊神と連絡をとる

「おい、破壊神。決行は明日だ、手順は禍津神が結界もといこの地域に災害を起こし俺らの結界を解く。災害が起きて結界が解けたら作戦開始だ」

「了解した、邪魔する人間は皆殺しでいいよな?」

「あ〜皆殺しで頼む」

「あ!あと、俺ら全員で禍津神を守りながら脱出する。この点を考えておいてくれ」

「は?禍津神は自分の身くらい守れるだろ…下手したら俺より強いんだぞ!」

「それがな、結界のせいで力が弱まって災害にほぼほぼの力を使うらしいだから護衛を頼むも言われた」

「うむ…それもそうか俺らはここから逃がしてもらってんだからそのくらいの礼は払わなくちゃならんな…了解した、決行は明日だな」

 

そう言って破壊神はドスの聞いた声で答え、了承した…よし!これで俺らはここを出てまた新しく家を創り出しまた平和にサラと暮らせる!

俺は期待を胸に禍津神に声をかける

「禍津神、結界は明日お前が災害を起こして結界が解けたら作戦開始だ。タイミングはお前に任せる」

俺がそう言うと彼女はコクっと首を縦に振り答えた

「そしてサラ、実はこっそり俺の禍津神威とサラのMAC11を勾玉の中に入れて持ってきてある…」

「!?」

「どうやって持ってきたのよ!あの状況で!」

サラは驚いた様子で小声で話す

「簡単な事だ、こんなこともあろうかとそういう風に設定しておいたんよ。魔法でな」

 

「なるほどね」

彼女は納得し俺の話を聞いた

「とりあえず俺とサラ、破壊神で禍津神を守りながら脱出する」

「「」」コクコク

二人は首を縦に振り頷く。よし、とりあえず計画は話したし明日に備えて寝るか。俺はいつものように右の懐にサラ、左の懐に禍津神を抱き寝る、実は禍津神が牢に入ってきてから数日間たったらこれだった…禍津神も実は寒かったのだろう…

ま、仕方ないか〜この状況だし…

 

おいそこ!ハーレムとか言ったら許さんぞ!俺はサラ一筋だ!

(だが今後嫁さん増える人…)

 

 

 

作戦決行日になった…いつものように看守の人間は俺の前だけ足早に去っていった。馬鹿めこれがお前達のミスだ!

「禍津神、頼んだ」

「」コク

そして彼女は少し自分の手首を食いちぎら少しずつタラタラと血を流す。流した血で陣を描き呪文を唱える

「我は世界に終焉をもたらす者禍津神なり!瘴気よ、我に従え我はこの地に災害をもたらさん!」

そう言い放つと彼女は身体の文様を先程より赤黒く発光させ瘴気を身にまとい地面に手を当てこう言い放つ

「この地に死を!地震よ穿て、「ブラッディーグラウンド」」

 

禍津神が呪文を唱えると同時に地面が揺れ始め壁には亀裂が入り結界が解けた。よし!これで合図である結界の破壊が済んだ、これで俺らは出られる!俺はそう思い今まで封じていた妖力、魔力、霊力を全開放する。すると牢の地面は裂け空間が歪みやがて結界が壊れた。

「よし!結界が壊れた。今の間に脱出するぞ!破壊神!天井の破壊を頼む!」

「よし来た!任せろ!」

そう言って奴は空間から大剣を錬成し、錬成した大剣を天井に向かって投げた。すると天井は大きな音を立てやがて崩れ始めた…それは俺らを避けるように崩れ俺らは外に出た…そのにあったのは約数ヶ月ぶりのどこまでも続く快晴だった。

「いい天気ね〜、ね?秋人」

「あ〜そうだな」

「おいおい、呑気に天気の話してる場合じゃないぞ!」

「は?」

「え?」

「ここの神のご登場だぜ」

「どうするよ秋人」

「あ〜めんどいな、とりま俺がやる。破壊神お前はサラと禍津神を連れてポイントに向かってくれ!そこで落ち合う」

「了解した!ほら行くぞ」

「秋人!負けたら許さないからね!」

「秋人…ご武運を」

「あ〜!そっちもな!」

俺はあいつらに1度別れを告げ、人間どもを助けに来た神と対峙する

 

「待て主ら!お主らをみすみす逃がすわけにも行かん!」

あれは人間達が神社祀っている白蛇だろうか…白髪ロングの和服姿だ…そして周りの人間達がその白蛇に「白蛇様!どうかこの忌み子を殺してください!そして我らに平和をもたらし下さい」と言っている

「という訳でお前もお前の嫁も殺させてもらう!」

「ほう?たかが人間どもに祀られている神ごときがこの俺を殺す?やれるもんならやってみな!」

「チッ忌み子如きが!」

奴はそう言って白い刀を俺に振った、そして振ったと同時にロープのように蛇が飛んできて体を固定する。また厄介な!だがな詰めが甘かったな白蛇様よ…俺は禍津神威を勾玉から取り出し白蛇が出した俺を固定している蛇を切り裂き、一気に近づき刀を折った。そしてかかと落としで地面に叩きつける。白蛇はしばらくは動こうとはしなかった、それもそうだ…だって5割出したんだから。いや、そもそもあれで死なないのに敬意を称してやるべきか…

 

「うぐっ」

「はあ〜所詮は神といえどこんなものが…話にならんな」

「それじゃぁ俺はもう行くからじゃあーな」

「それと今度俺の嫁さんに手ー出したらぶち殺すぞ」

 

 

 

 

 

 

俺はそう言い捨てこの場を去る、アレからポイントでサラ達と合流し現在はサラと禍津神と一緒に暮らし、禍津神も嫁に迎えたのだが…

そう…幸せな時間はやはり長くは続かなかった…俺らはあれから100年ほど一緒に暮らし一緒に笑いあったりしていた…

 

 

だが、それは紅く光る月の夜にすべて終わった……サラと禍津神が昼の散歩に行ったっきり夜まで戻ってこないのだ…絶対に何かあったに違いない。

 

「おい!そこの妖精!俺の嫁達を見なかったか!?」

「し、知らないよ!」

「チッ」

これで聞いて回って1時間は経過していた、その時だった

「僕見たよ!」

「本当か!?」

「うん!秋人様のお嫁さん達が……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「人間に連れていかれるところを…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!?」

あのクソ人間ども!!ぶち殺す!

「分かったわありがとう…」

「ここら辺の妖精に言っとけ逃げるなら今のうちだ今後ここは湖と化すからな」

俺は殺気を放ちながらそう言い放つ

「わ、分かりました!」

妖精達はこの場を去った…そしてどこか遠くへ行ったのだろう

「待ってろサラ!今行くからな!」

 

だが、人里についた時には既に手遅れだった……ボロボロ禍津神と里の周辺で偶然的にあったが…彼女の話によると…サラは禍津神を助けるために自分が犠牲になったと聞いた……

そして俺の中には嫁を殺された怒りとそれを阻止できなかった自分への怒りがこみ上げてきた

 

「人間ども!!全員ぶち殺してやる!」

俺はそう言い捨て禍津神威を抜き妖力、魔力、霊力をすべて解放する。それも空間が歪むどころでは済まず空間が裂け大地が割れる

俺はまず里に神速で突撃し見えた人間をすべて首を跳ねたり下半身と上半身を真っ二つにしたりしていた次々と殺していく……その中で見つけてしまった………

里の中心に建てられた丸太に括りつけてある彼女の遺体を…

 

サラは、縛られ身体中に傷跡があった…通常忌み子はこの程度では死なない…だけどこの切り傷…多分あのクズどもは毒を塗り傷跡を付けそれを大衆の前で見せつけ殺しやがった……なら俺も同じことをするまでだ…

俺は彼女の首から遺品である勾玉を持ち出して彼女を肩に担ぎ、殺意に満ちた声で呪文を詠唱する

 

「水の悪魔リバイアサンよ!我に従え!森羅万象ありとあらゆるものよ水と化せ!

「禁術:グランドブレイク・ザ・レイクウォーター」」

バァンッ!ドーン

俺はそう唱え大地に拳を突き出した。

すると俺が拳を突き出した地点が地割れを起こし、そのから大量の水が吹き出す。やがて水は里を覆い尽くし水深50mにも達した時、俺は水を止め人間どもが浮き上がってくるのを待つ…

 

すると人間どもは我先にと他人を押し退け這い上がってくる…俺は這い上がって来た人間を一人一人毒を混ぜた水の球体の中に沈め空中に浮き上がらせる。この水の球体は出ようとすれば球体の中心に重力が働き強制的に水の中に沈める仕組みだ。

そしてそれが30程出来てきた時最後の一人が出てきた…子供だ…だが、今の俺は容赦はしない嫁を殺した人間どもがのうのうと生きてるのが許せないからだ…だから俺はゆっくり殺す毒を混ぜたこの空中に浮かぶ球体の中で苦しみながら死んでゆく人間どもを眺めながら肩に担いでいた自分が愛した女をお姫様抱っこで抱いた…

すると急に力が抜け殺意で塗り固めていた感情が表に出る

 

「チクショォォォーーーー!ふざけんじゃねぇ!なんで、なんでサラが死ななきゃなんねーんだよ!!ふざけんな!!」

俺は泣き叫んだ…球体の中で苦しみながら死んでゆく人間どもの前で…よく復讐をしたら気が楽になると言うがそれは違う…復讐したあとに残るのは苦しみと悲しみだけだ、それが更に俺の心に人間に対する憎しみを増やす。

 

人間どもを殺したあと大きな洞窟に光が差す場所にある樹齢100年近くの大きな桜の木の下にサラの遺体を土に埋め墓石を立てる…そしてこの場所に結界を張り妖怪、悪魔、神達でさえ見えないようにした…そしてその場には魔法で創り出した体長約175くらいのガーディアンを2体置き、俺はガーディアン達に「この場を守れ、もし神や悪魔、妖怪どもに見つかったりしたら見つけたヤツを必ず消せ俺以外誰も入れるな」そう命じ俺はその場を去った。その後俺は人間を見つけては殺した。もちろん戦争があった時は両軍とも壊滅まで追い込んだ…

そんなことをし続けて俺はサラの好きだった放浪を続けた…

 




おはこんにちばんわ、今回は少し長かったですがどうでしょう?
あと少しサブタイトルが変わっていますがお気になさらないでくれると助かります…自分が入れてみただけなので……
それにしてもいやー今テスト期間中でしていろいろと忙しいですがいつも小説のストーリーを考えています(笑)
ということで皆さん次回もよろしくお願い致します


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第19話 白蛇とのハプニング

……

私はただ単純に秋人の過去を聞きたかっただけ…でもこんなに壮絶な過去があの人にあったなんて…でもこの過去を知ったことで今まで秋人が人間を憎く思い殺していた訳がわかったのだが…

「……その、聞いてごめんなさい」

「いや、いいのじゃ怒られるのは我じゃ…主の意見も聞かず話したの我じゃからな」

「……わ、私たちは今からどうやって秋人と会えばいいんだぜ?」

「……そうよね、私たちも人間なのよね」

霊夢と魔理沙が俯き顔を暗くする

「それに関しては心配は要らないはずよ」

 

「「え?」」

 

「…紫どういう事?」

「それは簡単よ、貴女達秋人と一度あって話までもしてるでしょ?」

「え、えぇーでもそれはどういう…」

「だからじゃの、お前さん達と主があった時点で主はお前さん達を殺しているはずじゃ、じゃがそれがないということは主がお前さん達を気に入っているという事だ。じゃなきゃ説明がつかん」

 

「「な、なるほど…」」

 

「ほれ紫、主の屋敷までスキマを繋げてくれ」

「えぇーわかったわ」

「え?え!?ちょっと!」

「大丈夫じゃ、何かあったら我が守ってやる」

「だけどよ…」

「スキマ、開いたわよ」

我らはスキマを抜けた、するとスキマの先は主の屋敷の玄関先だった

 

 

 

 

 

俺はあれから一人で屋敷に帰ってきた…やはり人間は憎い…サラのこともある…あれは忘れなれない過去…

「はぁ〜たっく俺は何をやってんるだが…」

あの場で頭に血が登ったとしても霊夢や魔理沙を置いてきたのは失敗だった…結局紫の思った通りになった…

俺がそうやってため息をついているとスっとすかさずReiが茶を出してくれた

「ありがとうなRei」

するとReiは俺に微笑み返す、いいメイドだよほんと

んで、かく言う俺は家のリビングで唯一あっちの世界と繋がるPCを弄りながらお茶を飲む…

「んーどうすっかなー」

俺はため息をつく

「どうなされたのですか?旦那様」

椿が声をかけてくる

「ん?いや、なー今回の暗殺どうしようかなーと」

「あ〜依頼ですかー」

「そそ」

「隠密ならお任せ下さい!!」

椿はそう言って胸のあたりで拳をつくる

「まぁーでも今回はLostとReiそして凛かなー」

「えーそうなんですか…」

彼女はしょぼんとなっている、まったく嫁とは可愛い生き物である

「大丈夫だ、そのうちお前向けの依頼が来るさ」

俺はそう言ってソファーに座った状態で彼女の頭を撫でる

「…そう、ですね!では、LostさんとRei、凛を呼んできます」

「あ〜頼む」

彼女はそう言い残しLost達を呼びに行った、その直後に玄関先に白蛇と紫の妖力を感じた…おおかたさっきの件だろう

 

「旦那様、みな集まりました」

と声をかけられ我に戻る

「ん?おー椿ありがとう」

「いえいえ」

と言うと彼女は仕事に戻って行った

「旦那様お呼びでしょうか?」

Lostが誰よりも先に口を開ける

「あぁー今回の暗殺の件でな」

「なるほど…ではメンバーは以下でよろしいので?」

「あぁーそうだな」

「それで今回はどのような依頼なのですか?」

「あ〜それはな」

俺が喋ろうとした時白蛇が部屋に入ってきた…紫や霊夢達を連れて…

霊夢達の顔が暗い…多分白蛇が俺の過去話をしたのだろう

 

「主すまぬ…霊夢達には主の過去話をした…」

やっぱりな

「やはりな…Lost、お前達には後でまた話す。呼び出して悪いがとりあえず一度席を外してくれないか?」

「分かりました、では旦那様また後ほど」

Lost達を仕事に戻した…俺の過去を聞かれたくはないからな…

 

「その……ごめんなさい秋人さん」

「…私もすまない、秋人」

「いや、いいんだよ。とりあえず俺の部屋に行こうかここじゃメイド達に聞かれそうだしな」

本当、聞かれそうだしな…と言うがもう一人扉に張り付きて聞いてるやつがいるがな…誰がとは言わんが…とりあえず後で叱っとくか

 

「わ、わかったのぜ」

「よし!とりあえずこっちだ、ついてこい」

俺は立ち上がり寝室へと向かう、俺の寝室は屋敷の奥にあるためそこそこ長い廊下を歩き俺の部屋に着いた

「あっ!」

「「「ん?」」」

「ちょ、ちょっとみんな待っててくれ…」

「え、えぇー…」

俺はそう言って部屋に入る…やべ銃とか置きっぱだ、昨日自分の銃の弾薬作ったりとか修理してたからいろいろと工具やらなんやら置いてある。はぁー片付けますか…

 

 

アレから主は部屋から出ては来ない…多分昨日のヤツの片付けだろうか

「秋人来ないわね〜」

紫が最初に口を開いた

「それもそうじゃよ、昨日主、自分の銃とかの整備をしておったからの」

「「じゅ、銃?」」

「ん?お前さん達をわからんのか?」

「「」」コクコク

二人は首を縦に振った

「簡単に言うとあれよ…あっちの世界の武器よ」

「あ〜そうなんだ」

「んー銃?だったか?それ私少し見てみたいな」

「だったら主に聞いてみるとよい」

「そうだな」

そんなに会話をしていると主が部屋のドアを開ける

 

 

「いやーすまねー片付けに少し手間取った」

「大丈夫よ」

紫が微笑みながら返す、いやーにしてもガンパウダーやら雷管やら銃分解してたからバレルとか置きっぱだったわーあぶね、もしそのまま入れてたら触れてるか絶対部品について聞かれてたな〜

俺はそう思いながら彼女達を部屋に入れるが……

 

 

「それで秋人さん」

「ん?どうした霊夢?」

「あれはなに?」

と、指を指して引きった顔で言わてた…ん?どうしたんだ…その指の先を目で追うと女性用のパンツがあった……あ!?白蛇の奴さては片付けてなかったのか!?

「秋人?」

紫の目から光が消えてる…やばいこれは殺される…

「あ、我のじゃ…昨日置きっぱだったのじゃな」コクコク

白蛇は頷きながら言ってるが、紫はハイライトオフだし霊夢や魔理沙は苦笑いをしている…

「秋人?昨日白蛇ちゃんと寝たのね?」

「あっ!いや、紫さんあのですね…」

「寝たのね!」

「……はい」

「正直でよろしい…それじゃぁ秋人今日はマヨヒガね?」

は?マヨヒガって紫の家だよな…

「は!?マヨヒガ!?なんでだっ」

「いいわね?」

「アッハイ」

……嫁って怖い…

 

「ま、まぁそれで秋人さん」

「ん?」

「あの…やっぱりこの話…無しでいいですか?」

「いいよ、もう…」

「じゃ、じゃ魔理沙今日の所は帰りましょうか…」

霊夢が帰ろうとした所魔理沙がとんでもないこと言い出した…

 

「な、なぁ白蛇…」

呼び捨てかよ…やるな魔理沙

「ん?どうしたのじゃ?」

「その…」

「ん?どうしたのじゃ?」

魔理沙は赤くした顔をうつ向けながら白蛇にこう言った

 

「そ、その!やっぱり…初めてって痛いのか?」

「「「!?」」」

みんな黙ってしまった……魔理沙そういうことは男の前で言ってはいけないぞ…ほら紫だってさっきまでハイライトオフだった目が嘘のように輝きを取り戻し顔を赤くして俯いている…だが、奴は躊躇なく言いやがった

「ん?まぁ最初は痛いが慣れると大丈夫だぞ」

「し、白蛇ちゃん!?」

………こいつ言いやがった…

「そ、そうなのか?」カァ〜

あ、魔理沙の顔が赤くなった…

「ま、まぁそれは置いておいて…秋人」

「んぁ?」

「一つ聞きたいことがあるの」

真剣な眼差しで紫は話をしてくる…こいつがこんな目をするのは余程のことだろう

「なんだ?紫」

「その、秋人の過去話に出てきた 禍津神 って髪の色が銀っぽい白髪で身体に赤紫色の文様がある霊夢と同じくらいの大きさなのよね?」

「ま、まぁそうだな…って白蛇禍津神の特徴とか言ったのか?」

すると白蛇は神妙な大もちで

「我は髪の色と文様については話したが身長に関しては話してはおらん…紫どういう事じゃ?」

「「!?」」

 

「……昔ね、幻想郷を作る前のことよ…この一帯の人間や妖怪が皆殺しにされたもんだから調べたらその子が居たの…そしてそれを当時の大妖怪5~6人で封印したのよ…丁度、博麗神社の裏手にね」

は!?まて!そんなことは知らなかったぞ…でも待てよ、アイツが大妖怪5~6人程度に封印された?少しおかしい話だ…

「紫!その場所に連れていってくれ!」

「え、えぇー」

「秋人さん私達も同行してもいいかしら?」

「いいが知らんぞ…身の保証は紫と白蛇しかしないぞ…」

「…わかったわ」

「Rei!俺が前作った札を持ってきてくれ!」

「はい!旦那様ただいま!」

とりあえず俺らは出るために玄関先に行き靴に履き替えたところでReiが札を持って来た

「こちらをどうぞ…」

「ありがとうRei」

俺はReiに礼を言う

 

「秋人、スキマを繋いだわ…それであっちに行けるわよ」

「わかった紫、すぐ行く」

俺はそう言って禍津神威を後ろの腰にぶら下げ持っていく




少し長かったでしょうか?いやー話は逸れますが本当最近寒いですね…作者は学校に行くことも忘れ布団で有意義に寝てました( ˘ω˘ ) スヤァ…
ということがあったので皆さんも気をつけましょうね!
さては次回もよろしいお願い致します


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第20話 大妖怪達が封じたモノ

スキマを抜けるとそこは博麗神社だった

「紫、禍津神をどこに封印したんだ?」

「こっちよ」

 

すると紫は博麗神社の裏手に周り裏の倉庫の奥を指差した

「あの奥よ…この先をずっと先に行くと大きな岩が置いてあるはずよ、それがそう」

「わかった、ありがとう紫」

俺は紫にそう返したあと一気に足に力を入れ、走り出す。もちろん音速で

 

「は、速!」

「ゆ、紫なんなんだぜ?あれ…」

「あ、まぁ最初は私も驚いたわよ…でも慣れって恐ろしいものね、今思うとあ、そうよね…あの人にの二つ名 神速の死神 だものねってなるもの」

「そ、そんなものかのか?」

「えぇー慣れればね」

 

紫が隣で喋っている時白蛇は密かに秋人の式になった時に貰った付与魔法をかけられた勾玉を手のひらで握った

「さて、我も行くかの」

「え?」

「それじゃ先に言っておるぞ!転移!主の元へ」

すると白蛇の足元に魔法陣が展開し光と共に白蛇が消えた…

「え?えぇー!?」

「はぁーあの勾玉ってそのための物だったのね…」

紫が呟く

「さて!私達も行くわよ」

「「」」コクコク

 

 

 

 

 

 

「これが例の岩か…」

そのには岩に大きな縄が巻かれ封印札が大量に貼ってあった…

「…にしても厳重な結界だな」

「ま、ぶち壊すけどな」

ぶち壊そうとした時、後ろの方で魔法陣が展開した気配がして俺は振り返る

「来たぞ主、…にしても厳重な結界じゃな」

「お前…たまに俺と同じこと思うよな」

「それは我が主の式じゃからじゃないのか?」

「そうかもな」

俺達がクスクスと笑っていると紫達が来た

「あなた達早すぎよ…」

「それは前から知ってただろ?紫」

「まぁーね」

 

「さぁーて封印解きますかー」

「白蛇、その札破れ」

「了解じゃ」ビリ

白蛇が札を破るやいなや岩が割れ、黒いもやが出てきた…そのまでは良かったのだが、

 

「霊夢!」

「え?」

黒いもやは霊夢を取り組込んだ…そして出てきた姿は…

 

「やっと出られた…長かった!長かったぞ!」

 

髪色は銀髪で服やリボンは黒のベースに赤が入りなおかつ禍津神の特徴的な赤紫色の文様が霊夢の身体に出ていた…

 

「れ、霊夢!?」

「あ、秋人これはいったい…」

「最悪だ…」

「「え?」」

 

「禍津神が霊夢に取り憑いた…」

 

 

「え!?じゃ、じゃー霊夢はどうなったの!?」

「禍津神を霊夢から引き剥がさないと霊夢の精神が死んで禍津神が完全に取り込んでしまう…」

 

不味い、非常に不味い…

「やめろ禍津神!」

俺は咄嗟に叫ぶ

「……秋人?お前なのか?」

「あーそうだ!だから、その人間を離せ!」

「……なぜだ?なぜお前が人間の味方をする…お前まさか!サラのことを忘れたのか!!」

 

「ふざけんじゃねぇ!10億年生きて来てサラのことを1度も忘れたことはない!」

 

「「!?」」

 

「じゅ、10億?」

「ゆ、紫お前嫁さんなんだから知ってるだよな?」

「し、知らないわよ…秋人がそんなに生きてたなんて…」

紫達が後ろでコソコソと話している…多分俺のさっきの発言についてだろう…

「……理由は後でじっくりと話す…だからその人間を離せ」

「………わかった」

すると霊夢から黒いモヤが出ていく。霊夢はその場に倒れた…

そして紫は慌てて霊夢に駆け寄り、俺にこう言った

 

「永遠亭で待ってるわ!」

 

と…




まずは投稿がだいぶ遅れてすみませんm(_ _)m
そしてこれからも投稿を頑張って行くのでよろしくお願い致します!


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第21話 封印と霊夢

「永遠亭で待ってるわ

紫はそう言ってスキマの中へと消えた

「ッ!!」

魔理沙は箒に跨りはじめた

「おい!魔理沙!どこへ行く!」

「決まってんだろ!永遠亭だ!霊夢が心配だからな」

「…魔理沙」

「なんだ?」

「永遠亭に案内してくれないか?この件は俺のせいでもある」

「……わかった、ちゃんとついて来いよ!」

「あぁ!」

 

俺は禍を見て

「禍津!お前も来い」

そう言った

「!?」

「こいつも連れていくのか!?秋人!」

「あぁ、色々とこいつにもお前達にも教えなきゃならんからな」

「…そうか。それじゃついて来いよ!」

「あぁ!」

魔理沙は箒に跨りふわりと浮き上がり飛び立つ

 

 

 

 

 

「ほぅーここが迷いの竹林か〜」

「そうだぜ!ここに入ったら最期案内がない限り出られないって訳さ」

「なるほどな」

「こんなの覚えるの簡単だな」

禍津は俺にそんなふうに話しかけてくる

「まぁそうだな俺達が作ったとこよりかはマシだけどな」

「お前達どんなとこに居たんだよ…」

魔理沙が引きつった顔で話す

「「人間が入れないところだ!」」

「ハイハイ、もうわかったぜ」

 

「ところで秋人」

「んぁ?」

「なぜ今になって呼び名を変えたんだ?」

「いや、特に意味はねーよ。強いて言えばそうだな〜呼び方がめんどかったから」

「ハイハイ、話はその辺にしてくれーもう永遠亭に着くぜ」

「あぁわかった」

 

その時だった…昔懐かしい霊力を感じ取ったのは…

「着いたぜ、ここが永遠亭だ!」

俺達が案内されたのは竹林の中に立つ和風の屋敷だった…

「…魔理沙、一つ聞いていいか?」

「ん?なんなんだぜ?」

「ここの屋敷の医師…八意永琳って名前じゃないか?」

「なんだ?永琳を知ってるのか?」

「やっぱりか…」

「ん?まさか…!永琳も嫁さんなのか!?」

「さぁ〜それはどうだろーな」

「ほら、お前達行くぞ」

「はいはい」

俺らは門をくぐり抜け大きな玄関へと向かうと後ろから声が聞こえた…

 

「秋人、なの?」

「ん?」

俺達は振り向いた…そしてそのには

「お?優曇華か?」

「えぇー秋人!久しぶりね、それにしても来てたんだこっちに」

「あぁそうだよ紫に連れられてな、それより久しぶりだな優曇華」

彼女の名は鈴仙・優曇華院・イナバ、紫が第1次月面戦争の時に敵側に居た人物で俺らが撤退する時に命からがら亡命してきた月の兎だ

 

「あ、そうだ優曇華!永琳の事まで案内してくれないか?」

「えぇーいいわよ、ついてきて」

「助かるよ」

 

アレから玄関をむしろ抜けて縁側に出た、永遠亭の庭はきちんと手入れされており綺麗だった。ま、俺はこういうのじゃなくてただ単に小川と木漏れ日があるとこの方が好きだがな。

っと、そんなことを思ってると優曇華が戸を開けた

「師匠、お客さん連れてきましたよ」

「あぁ、優曇華丁度よかったわ!」

「どうかなされたのですか?」

「霊夢がやられたのよ…しかも外傷はないのだけれど内臓系が少し不味い事に…」

 

永琳の言葉が止まった…

なぜならそれは俺が永琳の前に立ったからだ

 

「あ、え?秋人なの?」

「あぁ、そうだ。紫から聞いてないのか?最近紫に誘われて幻想入りしたんだが…」

「……そ、それより優曇華!早く別室の用意を」

「は、はい師匠!」

「秋人、昔話は後でやりましょう。今は貴方にも手伝ってもらうわ」

 

「それとことにいる元凶さんもね」

「……私のこと、いつから気づいていた?」

「永遠亭に入ってからよ、妙に妖力や霊力が大きいと思ったのよ…そして当てはまったのが禍津神…貴方よ、紫から封印を解いたことはさっき聞いたしね」

「なるほど」

「それより秋人手伝って、霊夢が少し不味い状態よ」

「わかった、それで俺は何すればいい?」

「とりあえず部屋を変えるから秋人は霊夢を持って」

「了解した」

「では私は?」

「とりあえず貴女は私についてきて」

 

「秋人、部屋はここを出て突き当りの部屋よ」

「わかった」

俺はそう言われ霊夢を抱え縁側に出る、すると奥で優曇華が呼んでいた

「秋人ーこっちよ」

「はいはい」

俺は少し苦笑いしながら突き当りの部屋へと入る、部屋に入ると布団が敷いてあった

「秋人ここに霊夢を寝かせて」

「あぁ」

霊夢をゆっくりと降ろす、すると優曇華が

「はいはい、男は出ていくー」

 

「あっ、ちょ」

と優曇華に部屋から押し出される。はぁ〜絶対ヒーリングオブゴッドの方が効率いいからな…。

俺はそんなことを思いながら紫達がいるという別室に入る

「紫様…少しは落ち着いてください」

「霊夢大丈夫かしら…死んだ入りしないわよね…ブツブツブツ…」

「あ!秋人、手伝って!紫様が…」

あぁーあ〜これはやばいなー。などと思ってる時だった

 

ドカーン

「な、何事だ!?」

「「!?」」

「あ、秋人!助けてくれ!」

 

そう言って俺の懐に飛び込んできたのは禍津だった…

「お、おいおい…どうしたんだよ」

「えっえ、永琳が!」

「永琳がどうしt」

そう言いかけた時に

「禍津神?どこに行ったの?出てらっしゃい」

そう言いながら出てきたのは顔は笑ってるが片手に注射器を持ちもう一方には手錠を持った永琳だった…

「え?永琳…?」

「永琳!霊夢は大丈夫なの!?」

と紫が飛びつくが

「大丈夫よ、優曇華からの報告によると今意識が戻ったらしいから」

「ありがとう!永琳」

「いえいえ、いいのよ紫、困った時はお互い様だしね」

「えぇーそうね」

紫の目は輝きを取り戻し涙を流していた。イイハナシダナー

「んで、秋人?」

「ん?」

「禍津神をこっちに渡して?」

「ん?あぁ了解した」

「ほれ、禍津行きな」

そう言って後ろに隠れている禍津を引き剥がそうとするが

ガシッ

「え?」

「い、忌み子の血液を採血するなら秋人の方が珍しいわよ!」

「は!?」

「旦那を売る嫁がどこにいるんだよ!?」

「あ、秋人大丈夫きっと多分」

「多分ってなんだー!」

 

「母さん!」

「へ?」

突然どこからとも無く霊夢が出てきて禍津抱きつきはじめた

「かあさん〜」

「ちょっ!今はやめろ!」

「え?何で?」

「頼むから離れてくれ!」

 

「母さんは私のこと嫌いになっちゃったの?」

 

「「「……」」」

一同黙る…それもそうだよなー霊夢ってそんなキャラじゃ無かったはずなんだけどなー

「あ、いや…そんなことは…ない」

すると霊夢がパァァと笑顔になる…が以前禍津は俺を離さない

「あのそろそろ離して」

「嫌だ」

「あっ!」

「んーどうした?禍津」

「永琳…だったか?秋人の血液はデルタのRH-だそ!」

「え!?デルタの-!?」

ちなみにデルタと言うとは古代の人間達が俺らの血液に付けた名だ

またRh-の言うのは今でも使われている

「フフフ」

永琳が不敵な笑いを浮かべる

「秋人?じっとしててね?」

 

「はい!?」

 

そう言って永琳は俺の腕を掴み注射器を向けてきた

「ちょっ!待て!禍津マジで離せ!」

すると禍津は今までにない笑顔で

「頑張って秋人」

おい、嘘だろ…

 

「男らしい覚悟しなさい」

「ちょっ!待て!痛ったぁぁぁあああ!」

 




こんにちはこんばんは、今回も前の投稿からだいぶ遅れてしまってすみません。リアルで色々忙しかったので許してください!
まぁ今回謝罪しかないので次回もよろしくお願い致します!


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第22話 霊夢の回復と秋人の嫁達

「ん、あ〜その件ならお前達任せる」

「あぁ、あぁわかった、手段は問わん」

「あぁ別に構わん、いたぶるのもいいが必ず消せよ」

「ん、じゃぁな」

そう言って電話を切る。もちろん相手はLostだ、んで今の状況だが…

 

「な、なぁ秋人そろそろいいか?」

「正座して3分も経ってないぞ」

「…そんなこと言わずにそろそろ許してくれよー」

「知らん、これが旦那を売った罪だ」

「……」

はぁ、あのあとたっぷりと永琳に血を取られたからな…まぁ俺は今にも軽く爆発しそうな堪忍袋を閉じて禍津を正座させているんだけどな…

それにしても永琳生き生きとしてんなー、人の血を色々と使ってるけど何作ってんだ…?はぁ、それにしても

「母さん…なんで正座してんの?」

「…霊夢、だから私はお前の母さんではなく…」

 

「…え?…母さん?」

 

「ゑ?」

 

「…紫、どうしよう私母さんに捨てられる…」

そう言って泣き顔で紫にくっついてくる…でも、紫は笑顔だ

「大丈夫よ、あの人は貴女の本物の母さんで先代巫女よ。だから何一つ心配することは無いわよ」

…ゑ?紫もしかしてマジで禍津を霊夢の母親に仕立てようとしてない?これ不味くない?このままだったら霊夢…俺の娘になっちゃうんだけど…

「そうよね、ねぇ麗華?」

「え?あの…紫?」

「ねぇ?」

「え、えぇー」

おい!?禍津!了承してんじゃねーよ!こっちには既に義理の娘が居るんだよ!また義理の娘増えるじゃねーかよ!

 

「という訳よ霊夢、だから貴女の母さんはそこにいる麗華よ」

「そう…よね、そうよね紫、私ったら何言ってんだろ」

お前も信じるな!!

「さぁ母さん家に帰ろ」

「え?あ、あぁそうだな」

いやいや、了承すんなし!もう少し抵抗しろし!てか、潤んだ目で俺を見るんじゃねぇ!

「秋人…私どうしよう…」

「と、とりあえず神社…行けば?」

 

「お前!嫁を売る気か!?」

 

「俺を売ったお前が言うな!」

「うぐっ、そ、そうだったな」

「さぁ母さん帰るわよー」

「え?ちょっ!ちょっと!?」

禍津が霊夢に引きずられていった…大丈夫だろうか…アイツが母親で

 

「そ、それじゃ私も帰るぜ」

「あ、あぁじゃぁな魔理沙」

「あぁ、それじゃぁなー」

「あ、魔理沙!」

 

「ん?どうしたんだぜ?」

「禍津のこと頼む」

「え?あ、あぁわかったぜ」

霊夢に一番近い人物といえば魔理沙だからな禍津のことを頼んでおいても大丈夫だろう……たぶん

 

「はぁ、さて俺も帰るかな…」

「え?なにを言っているの?」

 

「…ゑ?」

 

「誰が貴方を返すと言ったのかしら?」

「え?あの何言ってるか、わかんないんだけど」

「だから、貴方は今日永遠亭に泊まっていくのよ〜」

 

「……ゑ?」

 

「あと拒否権はないわよ秋人」

あ、なんか優曇華がすんごいいい笑顔してるんだが冗談じゃねぇ。永琳と優曇華はもちのろん嫁だが、だが!永琳と優曇華、どう見ても……精力が足りねぇ!

「あ、秋人大丈夫よ!貴方の考えてることわかってるから」

 

「…ゑ?」

 

「どうせ、私と師匠と寝ると精力が足りないとか思ってるんでしょ?」

「!?」

何でわかってんだよ!てか、さらっと心読むなよ!

「ちなみにその事なら心配要らないわよ、ですよね師匠?」

え?なに絶対やばい気しか起きねぇと思うんだけど

 

「そうね優曇華、世の中には[精力剤]って物があるものね?」

「そうですねぇ師匠、それに師匠の作った[精力剤]がありますもんねぇー」

「そうね優曇華」

「「フフフ」」

 

やべーやべぇよ!!俺の勘が絶対に逃げろって言ってる!あれどうすんだよあれか!?もう逃げるか!世の中には逃げるが勝ちって言葉もあるしな、よしそうしよう、いやそうするべきだでないと俺が死ぬ!

ダッ!

俺は走って逃げようと姿勢を変えた瞬間

 

ガシッ

 

「誰が、逃がすって、言ったのかしらぁ?」

「ゑ?」

「さ、行くわよ秋人」

「ゆ、紫!た、助けてくれ!」

「え?なにを言ってるのかしら?私も参加するのよ?」

「ゑ?」

あ、これ俺終わったわ、詰みゲーだわ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「わかりました、必ず証拠は残さないので心配なさらないでください」

「はい、それでは失礼いたします」

私は電話を切る

「目的は必ず消せ…だそうよ、Rei」

「わかりました」

「あ、ちなみに必ず消すなら手段は問わないそうよ」

「やった!それじゃ久々に暴れれる!」

「あんた…その代わりサイレンサーは絶対付けなさいよ…」

「わかってますよ、Lostさん」

「お二方、援護はまさせてください」

「えぇー期待してるわよ、凛」

「椿から腕の凄さは聞いてるから私も期待してる」

「はい、おまかせを」

そういった話をしながら私達はReiの運転する黒のランエボXを走らせる。そしてまた凄いのは、実はこのエボXはReiが旦那様に頼み込み買ったエボだ。それから、それから、このエボ旦那様のご友人の方がチューンした車のため馬力は750程あるとかいう日本ではサーキットでも走って良いのかわからない車だ。と言うっても私はそういう関係は詳しくないから言い切れはしないが…

そんなことを知ってか知らずかReiは高速道路で200km出してる…

後ろに乗っている凛が青ざめてるけど…まぁ無理もないかー凛は新しく入って来た方だし、それにいつもは椿と行動を共にしてるからエボXにも乗りなれていないのだろう。まぁ私は自分の車旦那様と同じ32-4Rなんだけどね…

あ、そうそうちなみに椿の車は黒ベースにオレンジのlineの入った新型のNSXのフルチューンなのよね

「凛、慣れときなさいこの子は高速になるといっつも飛ばすから」

「ひ、ひえぇ」

ふふ、可愛いわね…

私達はそんなやり取りをしながら、山梨の甲府を通し過ぎていた




お久しぶりです。少し長かったでしょうか?長かったのならすみません…そして色々遅くなってごめんなさい…
投稿ペース出来るだけ早くしようと思ってるんですが…
とりあえずまぁ今回をありがとうございました、次回もよろしくお願い致します


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第23話 ミッションそして初のしくじり

「Lostさんもうそろそろ成田ですよ」

「えぇーそうね、早く終わらせて帰りましょー」

「そうですね、でないと椿さんとかにドヤされそうですし」

「それもそうね、でも香蓮が旦那様とイチャイチャってのもあり得るわよ」

「うわっ、そっちの方が嫌ですね」

「でしょ?だから早く終わらせて帰りましょ」

「あ、凛!これから貴女は単独行動になるけど死ぬんじゃないわよ」

「わかりました」

「よし、行くわよRei」

「はーい」

ブォン

かなりの音をたて私達は成田空港へと向かう…なぜ凛を降ろしたかというとそれは、高層ビルの屋上から成田空港のプライベートジェットから出てくるターゲットの頭を撃ち抜く為だ…

では、私達はなぜいるのかと言うとそれは周りの護衛を一掃するためである

 

「はぁと言っても凛も化物よね〜」

「急にどうしたんですか?Lostさん」

「だってさー考えても見なさいよ…あのビルから成田までいくら距離あると思ってんのよ…ざっと見ても1km近くあるのよ」

「でも、それを言ったらLostさんだって化物じゃないですか…MK25で一気に30人は殺すじゃないですか…」

「まぁ〜ね…それにしても本当人のこと言えないわね、私達」

「ですね」

 

そんなことを話していたらいつの間にか成田につき凛の狙撃のタイミングを伺っていた

「うーん、それにしても遅いわね…何かあったのかしら」

「少し呼んで見ますね」

「えぇーよろしく」

Reiはそう言って凛に電話をしている。あ、電話が繋がったようなのだがReiの様子がおかしいことに私はすぐに気づいた。そしてそのあとゆっくりと携帯を耳から離し私にこう告げた

 

「Lostさん…凛が捕まりました…」

 

「え!?」

「電話変わって!貴女は周囲の警戒して」

「り、了解しました!」

こんなことは初めてだ…初めてやらかした。

そう思いたがら携帯を耳に当てた、次の瞬間

スチャ

 

「「!?」」

 

私達は奴らに包囲された

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うーん」

結局朝までやってしまった

それに優曇華も起きた

「あ、秋人おはよう」

「ん?あ〜おはよ優曇華」

「えへへ」

そう言って左腕に胸を押し付けながらくっついてくる。あ〜可愛いー癒されるわー

ナデナデ

俺は優曇華の頭を撫でる

「んふっ」

優曇華は目を閉じてくっついている。あ〜本当可愛い

ん?昨日なにがあったかって?それはご想像にお任せします

ナデナデ

「えへへ」

そんなやり取りをしてると

 

「んー?」

あ、永琳が起きた

「あら?優曇華…何やってるの?」

寝ぼけた様な感じで話しかけてくる永琳…意外と可愛い

「んー優曇華ばっかりずるいわよー?」

そう言って豊富な体を背中に押し当ててくる。永琳って本当に色々とヤバい…はぁ

俺がそんなことを思っている時だった、突然その知らせが来たのは

ブーブーと携帯のバイブがなる…誰だよこんないい時に電話かけてくるやつは…そう思いながら携帯を指で叩き、電話に出る

「だ、旦那様!」

「お、おう?どうした?」

電話の主は意外なことに椿だった

「旦那様!大変です!」

「だからなにが起きたんだ?」

 

「Lostさん達が捕まりました…」

 

 

「なんだと!!」

 

 

俺は思わず声を荒らげた

ビクッ

優曇華達がびっくりし、紫が飛び起きた

「え!?永琳、秋人どうしたの!?」

「わからないわ…私もさっきまであった眠気が吹き飛んだし」

「あぁ!あぁわかった今から行く!お前達は救出用の部隊の編成をしろ」

「あぁ任せたぞ、それじゃ」

「あ、秋人どうしたの?」

 

「Lost達が捕まった…正確に言うと捕虜になった」

 

「「え?」」

「優曇華なら月の軍にいたし、捕虜がどういう扱いをされるか分かるだろ」

「えぇー!分かるわ…」

不味いな…とりあえず家に行くしかないな

俺は服を着て紫に家までのスキマを繋げてもらった

ガラッ

戸を開け、香蓮に確認をとる

「様子はどうだ」

「途中まで追跡しましたがそのあとロストしました」

「チッあっちに行っても指揮をとるあっちに連絡しろ、今から俺が行くと」

「は、了解致しました」

香蓮はそう言って電話をしている

「白蛇!居るか?」

「なんじゃ主」

白蛇は寝間着姿で俺の前に出てきた

「白蛇、Lost達が捕虜になった。今から救出に行くお前も付いてこい」

「!?」

「わかったのじゃ」

白蛇はそう俺に言い残し、俺の部屋に入っていった

 

はぁ〜にしても以前事態は最悪だな、とりあえず紫を呼んであっちの世界とスキマを繋げてもらうか…

「紫!」

「な、なにかしら?」

 

そう言って出てきたのは上半身だけスキマから出し、胸を手で隠した、裸の紫だった

あ〜そうだった…昨日やったんだった…

「紫…頼みがある、あっちの世界にスキマを繋げてくれ」

「え、えぇーそれは構わないのだけれど…服を着させてくれないかしら?」

「あ、すまん」

「いいのよ…状況はわかってるのだし…」

そう言って紫はスキマから出てきたあと俺の部屋に入っていった

数分後、和服で紫が出てきた…たぶん寝間着だろう

 

「はい、あっちと繋げたわよ」

「ありがとう紫」

「ありがとうございます、紫様」

「いいのよ。こういう時はお互い様だしね」

「終わったら帰ってくるが少し時間がかかる」

「えぇーわかってるわ、行ってきなさい秋人」

「あぁ、こっちのことは任せたぞ紫」

「えぇー」

「行くぞ、白蛇!」

「わかったのじゃ」

白蛇はそう言って部屋からいつもの巫女服を着てスキマに入っていった

「それじゃ、紫行ってくる」

「えぇー」

俺はスキマを通り抜けた、あとに俺の家に残るのは手を振り微笑む紫だった




ほんっと最近投稿遅くてすみませんm(_ _)m
皆さん冬休みは入りましたか?自分は学生なので一昨日から冬休み入りました。社会人の皆さんは頑張ってください!としか自分には言えないです…
次回もよろしくお願い致します


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第24話 過ちと反省、そして救出

俺は紫のスキマを抜けたあと香蓮の運転する車に乗り、埠頭へと向かった。そこから船に乗り換え太平洋上の小さな島へと向かった。

島に着いてからは地下にある隠された施設の司令室に入り状況を確認する

「状況を報告しろ」

「は!現在はロストしていますが、ロストポイント前のデータがこちらになります」

そう言って軍服を着た兵が俺にタブレット端末を渡してくる

 

「太平洋上だと?」

「はい、ここまではレーダーで捕捉出来ていたのですがそれ以来ターゲットをロストしまして…」

仕方ない…アレを出すしかないか…

 

「SR-71をだせ。高高度からの捕捉に切り替える。それとA-10、2機に対艦用無誘導爆弾とミサイルを積ませておけ、あと護衛にASF-X震電Ⅱをつけろ。そっちは対空使用にしとけ」

「了解しました!」

「あと、SR-71にMK82-1を積んでおけ」

「は!」

そう言って軍服を着た兵は足早に司令室を出ていった。そしてその数分後アナウンスが施設内に流れた

 

「これより、SR-71の離陸を行います。関係者は各員航空機格納庫に集合してください。繰り返します、これより…」

ちなみにMK82-1とは俺たちがLDGP・MK82を5つ改造したうちの一つだ

そしてMK82-1とはMK82に水中用ソナーを取り付けたもので、投下したあと水中に入った直後からソナーを放ち水中にいる潜水艦などを一時的にSR-71のレーダーに反映するように出来ているものだ

「旦那様なぜ衛星ではなくSR-71なのですか?」

「理由を教えてやろうか?」

「はい、是非とも」

「簡単な事だ、今俺たちの所有している旧式の衛星ではタイムラグが生じる。だか、SR-71なら目標真上、それも敵にあまり気づかれにくい高高度からの迅速な情報を得られるからだよ、それにMK82-1を積んである…だからSR-71だ」

「なるほど…」

香蓮と話をしていると、椿がこんな質問をしてきた

 

「あのーすみませんが、SR-71とは何のことでしょか?」

「…貴女は、SR-71を知らないの?」

と香蓮が呆れた口調で言っている

「そうだな、SR-71の愛称は"ブラックバード"なんだが…そこまで言ったらわかるよな?」

「え!?SR-71って"ブラックバード"の事だったんですか?」

「そうだよ」

えー、と椿が言っているがそんなのは今は無視だ

 

「こちらブラックバード滑走路に入った。司令室、離陸許可を求める」

「こちらに司令室、離陸を許可します」

「了解した」

そんなやり取りに俺が水を差す

「SR-71に通達、目標ロストからかなり時間が立っている。予想される地点にMK82-1を投下しろ。ポイントは目標周辺に到着次第随時送る」

「ブラックバード、了解!」

「こちらカタパルト射出班!ブラックバードのカタパルト射出可能!いつでも打ち出せる!」

「了解、ブラックバード出撃しろ」

滑走路の先の重く閉ざされたハッチなゆっくりと開きやがて真っ暗な海と快晴の空が顔を覗かせ月明かりが滑走路に差す。そしてそんな中ブラックバードの大きく黒い巨体が蒸気式カタパルトによって時速250kmまで加速し大空へと飛び出す。

「こちらにブラックバード!高度、速度共に良好!」

「了解、ブラックバード」

 

さぁ〜て次は震電Ⅱだな

「こちらカタパルト射出班!次の打ち上げまで4分かかる!オーバー!」

「了解、空いてる第2~第4までの滑走路を空けろ!震電Ⅱを4機同時射出する!」

「了解!」

震電Ⅱはエレベーターに載せられそこから確認カタパルトへの移動を完了させ、カタパルト射出可能になった

「震電Ⅱ!各出撃しろ!」

蒸気式カタパルトが震電Ⅱを各月明かりが照らす夜空へと打ち出した。頼むぞ

 

「伊402改の出港用意をしろ!魚雷、弾薬持てるだけ持っていけ!それともしもの時の救急用意だ!」

「了解!」

とりあえず俺らも行くしかないな…

「白蛇、香蓮と椿を連れて伊402改に先に乗っていろ…俺は後で乗る」

「わかったのじゃ」

はぁ〜長い夜になりそうだ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アレから何時間経ったのだろう?だけど私にはアレから何時間たったかわかる道具は今は持っていない…。なぜなら私達はしくじりまんまと敵の手に落ちたからだ…はぁ私も馬鹿なことをした。なぜ凛が撃たなかったのを不審に思わなかったのか…それを今すごく後悔している…。だけど今後悔しても遅いよね。こんな暗い牢の中に服も剥がれ己の身一つでいるのだから…

 

「はぁ〜私ほんっと!馬鹿なことやったわねー」

私がそう呟いていると隣にいるReiが

「そんな、私もあの時あれほど旦那様から言われたにも関わらず警戒を怠った…それがこの結果ですよ…」

「そうよね…」

すると凛が

「昔旦那様が私に言ってたことを今思い出しました」

「え?旦那様が貴女になにか言ってたの?」

「えぇー旦那様は私に"自分が起こした失敗やしくじりを振り返れ、そしてなぜ起きたか分析し、そこから解決策を見つけて足掻け。そうなれない姿が一番憐れな姿だ"と、そう仰っておりました」

「旦那様らしいわね」

と、Reiが呟く

「そうね」

「それじゃ私達も旦那様の言葉のように失敗を振り返ってここからの脱出を図りましょうかねー」

「Lostさんに賛成です」

と凛

「そしたらまずこの牢からよね?」

「えぇーそうですね」

私がそんな話をしていると

「任せてください、こんな時のための私の能力ですから」

そう言ってReiは鍵にだけ重力を集中させ鍵…というか牢ごと破壊した

「あちゃー派手にやったわねRei」

「すいません…」

「いいのよ、でもこれは敵さんすぐに気づいたでしょ」

「ですね、これで気づかなかったら馬鹿以下ですよ…」

「そうね、そしたらその馬鹿を待ち伏せして武器を奪うついでに私達の装備の場所聞きましょうか」

「ですね!」

女だって舐めてたら皆殺しにしてやるわ

 

それから私達は数分待ったすると馬鹿な兵がノコノコと4人で来た。

私達はそこをすかさず狙い一人は首の骨を折ってあとの二人は一人目の持っていたAK12で撃ち殺し、ラスト一人はAKとM1911と眉間に突きつけ私達の装備の場所を聞いたあと、殺した

さぁーて面白くなってきたわね、全員皆殺しにしてくれるわ

 




前回よりは投稿早くなってるのでしょか?出来るだけ早く出すようにはしていたのですが、なかなかネタというか場面の構図を考えるのが難しくてですね…あ、あとキャラの設定を少し変えさせて貰いました。すみませんこちらの事情です…m(_ _)m
それでは次回もよろしくお願い致します!


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第25話 潜水艦での逆襲そして衝撃

サッサっ 右指差し

スっ ッ ババババ

「スリーダウン」

「ロストさん後方6時より足音多数」

「了解、凛任せたわよ」

「了解しました」

 

私は後ろから来る敵に敵兵から奪ったAK-47の銃口を6時に向け能力を発動する。すると私の脳内演算能力上昇の効果により時はスローに見える。私は敵の頭に銃口を向けこちらに来る5~6人程の兵の頭をすぐさま抜く、するとそこで能力を停止させ、自分の視界を時の流れに戻す

「さ、行くわよ」

「「…」」

 

「確か情報ではこの部屋ね…」

「スリーカウントで入りましょう」

「「」」コクン

二人は頷いた

私達は両サイドに私とRei、そして凛が壁に張り付き、私がカウントを始める

私はハンドサインで

ッバ

部屋の中へと突入する

「クリア!」

「こちらもクリア!」

「オールクリアね」

そこは武器庫だった、棚に数多くの銃やカスタム用のレーダーサイト、サイト、グリップ、グレネードランチャーまであるとかいう倉庫だった

「これはすごいわね…」

「えぇーいっそここの部屋の武器全部持てるだけ持って行きましょうよ…」

と、二人は口を開けているが

「馬鹿言ってんじゃないわよ…こんなの旦那様の倉庫の方がまだすごいわよ…」

 

「「え!?」」

「そ・れ・に!重量重くなって動きにくいだけでしょうが」

「あ、その点は大丈夫ですよ!私の能力重力操作ですし!」

「はぁ〜だから!駄目!」

「わ、わかりました…」

これだからReiは…はぁ〜手が妬けるわ

そう言いながら私は自分の服を着て、装備を装備していく。

私は軽装なので早く終わったが…Reiはアサルトとかの二丁持ちだしね。しかも、今回持ってきたのがまた厄介なのを…

「凛私の銃ちょっと持っててくれない?」

「あ、いいですよ」

「ありがとう〜それじゃちょっと持っててねー」ホイ ドシ

「え、?おも!」

「え?そんなに重かった?ごめん、ごめんもう少し持っててー」

はぁ、それもそうよねーReiが今回持ってきたの"カスタムMP5K"だもんね〜

に、してもMP5Kのカスタムどうにかならないのかしら?ストック付けてホロ付けてサプレッサー付けて…しかもマガジンがダブルマガジン付けてそれが二丁…

「はい、凛ありがとう〜」

「お、重かった…」ハァ

 

「それぞれ自分の装備は持ったわね?」

「持ちましたよ〜」

「同じく持ちました」

あれ?凛がカスタムMP7持ってる…

「あれ?凛自分のライフルは?」

「あ、あれは実はここにはなくて…」シュン

「あ、そうなのね…でもMP7の方がクリアリングしやすいし…ね?」

「そ、そうですね……あれ高かったのに…」

「あ、あはははぁ」

重い…空気が重い…

「さ、さぁー行くわよ!こんな所でグチグチ言ってる暇はないわよ」

「そうですね…」

そう言って私達は武器庫を出た

 

 

 

 

 

 

 

 

〜太平洋上空〜

ゴォォォォという轟音を立て戦闘機のアフターバーナーが火を噴く。月明かりが照らす夜、震電ⅡとA-10はその黒ベースにフラップ・水平尾翼・方向舵と各機動部に赤色のペイントしてある機体が月明かりが雲に隠れたことにより一層闇への溶け込みを誘っている。

 

「こちらブラックバード聞こえるかー?パイロット諸君!」

「「こちら震電Ⅱ(A-10)聞こえてるぞー(聞こえている)」」

「よし、了解した!それより本題だが、現在こちらのレーダーを一時的にそっちのと繋げてある。確認してみてくれ」

 

「震電Ⅱ、確認した」

「こちらにA-10、こちらも確認した」

 

「よし、それが敵の潜水艦の座標だ!しかもお前さんたちは運がいい、、、こちらからの偵察によると奴は現在どういう訳か浮上し、味方イージス艦と合流しようとしている。多分補給だろう、そこで艦長からの命令だ。奴の浮上中に高度1000フィート以下で進入し敵潜水艦のセール又は各潜舵を破壊しろとよ。そうすれば潜水艦は潜れもしないしただ浮かんでる的になるから、あとは艦長達が伊402改に乗って強襲するらしいからあとは帰還しても構わないとよ」

「A-10了解!」

「震電Ⅱ了解」

 

「任せたぜ!俺らは高高度からの支援という名の偵察しかできない。それにこの作戦成功させたら艦長から直々になにか貰えるかもな(笑)」

「それは期待したいねー」

「そうだな…でもまず俺らがやることは艦長になにか貰う事じゃなくて現状の潜水艦破壊だけどな」

「そうだな…それじゃいっちょ行くか」

 

ゴォォォォと轟音を立て震電ⅡとA-10各機は高度1000フィート以下で進入し、敵潜水艦を発見した。

「デケェなおい…」

「いいだろ?この方が当てやすい」

「各機特殊兵装切り替え!Fox2!」

A-10は主翼下に搭載したMK84を潜水艦のセール、そして各潜舵に落とし破壊した

 

「こちらにA-10敵潜水艦のセール及び各潜舵の破壊を確認、これより帰還します」

「こちらにブラックバード!了解、、、ん?待て!そっちに敵戦闘機と見られる機影がそっちに向かってる!方位280だ!」

「震電Ⅱ了解!これより敵機迎撃に向かう!」

「了解!A-10は低空で飛び出来るだけ被弾を防げ」

「A-10了解!」

「こちら震電Ⅱ!敵機確認!これより空戦に入る」

 

震電Ⅱは敵機を確認した時、衝撃が走った

「こ、こちら震電Ⅱ!敵機確認!所属は…日本機です!」

その報告を受け皆に衝撃が走った…それもそのはずだ…ここは太平洋上空のはず、なのに日本機が迎撃に当たるのは確実におかしいからだ…




今回は…少し長かったですかね?すみませんやっぱり長かったです…
しかも最近思っているのですが、だんだんと東方から離れていってる気がします。というか絶対に離れています、かけ離れてます。
でも多分それは次回で終わるのでお気になさらず…と言いたいですがお願い致します!気にしないでください!
という訳で次回もよろしくお願い致します


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第26話 衝撃の結果と平和

「繰り返す、こちら震電Ⅱ!日本機を捕捉!」

「機体はF-35のようだ!」

 

 

〜伊402改艦内〜

「なんだと…?日本機?しかも機体はF-35だと?」

艦全体に衝撃が走る。それもそうだ、F-35と言えば最新鋭ステルス戦闘機であり、なおかつ日本機となると最近導入されたF-35Bということになる…まいった。だが、問題はこれだけではない…。問題はなぜ太平洋上空しかも航続距離外をこいつが飛んでいるかだ…。

だが、その問題はすぐに解決を迎える…最悪の結果を持ってだが

 

「なんだと!?それは本当か!わかった了解した。伊402アウト」

「どうした、通信士」

「ブラックバードからの入電です…伊402後方200kmに空母らしき影を確認したとのことです…」

「なんですって!?」

椿が騒ぐ…最悪だ、最悪としか言葉が出ない…しかも、しかもだ!

世間一般的には護衛艦いずもは"現在空母化の真っ最中"のはずだ…それなのに

「ブラックバードからの航空写真です!こちらを」

なのに、なのに!

「ッ!この空母っ!」

なぜ!空母化に向けて改装中のいずもが改装後の姿で俺たちの前に居る!

「震電Ⅱ敵機との交戦を開始」

「……ッ伊402無音潜航、震電各機はF-35の撃墜を優先、A-10は第二拠点へ帰還せよ」

「第二拠点へですか?なぜ、、、」

「わからんか?今第一拠点に戻ったとこで待ち伏せを受けるか、第一拠点の位置が知られ他にも被害が出るか、、、どちらにかならんからだ」

「「…」」

とりあえず今は日本機の撃墜後助けに行くしかないな

 

 

 

~潜水艦内~

「おい!お前ら!こっちだ!」

「チッ見つかった!」

「Rei、凛、貴方達は12時をお願い!しんがりは私が務めるわ」

「「了解しました!」」

私はRei達に12時の方向を任せて、しんがりを務める。両太ももに括りつけられたレッグホルスターからMK25を取り出た

 

「よし!久々にLostさんのアレが見られるのね」wktk

「え?Lostさんのなんですか?」

「まぁまぁ見ときなさい…凛とは違う意味で化物だからあの人」

「え?それってどういう…」

 

「お!なに?一人でこの人数を相手する気か?嬢ちゃん(笑)」

「そうよ、そして私は貴方達よりかは歳上なんだけどな〜。ま、所詮は人間風情、礼儀ってのは知らなさそうだしいいわ」

「なんだと?今のは聞き捨てならねーな!嬢ちゃん後悔しても遅いからな!」

「ハイハイ、負け犬ほどよく吠えるわねー」

「っんだと!お前らやっちまえ!」

「さぁーて殺りますかー」

 

そう呟き私の方に照準を付けている人間共の眉間に9×19mmの弾丸をプレゼントしながら集団に突っ込み、まず前の奴に回し蹴りをお見舞しそれから周りの奴らに9×19mmをプレゼントしつつ反抗してきた奴の顔面を銃底で殴り腹に数発叩き込むそうやって5~6人程殺したとやがて命令していた奴だけになっていた

「あら?貴方だけになったわね?(笑)」

「ッ死ねー!」

奴は必死にゴテゴテにカスタムしたベレッタ社製M92fを私に向けてきたが、、、それは世間一般的に言う"無駄な足掻き"だ

「さようなら、憐れな人間」ニヤ

 

パァーン

恨むならその銃をカスタムした自分を恨みなさい

私はカスタムされたM92fのカスタムを一個一個外していく、ダットサイト・サイレンサー・レーザーポインターの準備で外していく。

しかもこの銃拡マガが付いている

ふーん意外と整備されてるのねこの銃

「はい、凛これはあんたが持ってなさい」

「え?これって…」

「M92fよ、元はいい銃よ。だからこれは凛がサブとしてもっときなs」

 

ババーン、ドカーン!!

「「「!?」」」

「今の音はなに!?」

「わからないわ、、、でもこの潜水艦が攻撃を受けてるのは確かね」

<ウゥゥー

するとすぐさま警報がなり艦内放送が入る

<艦内各員に継ぐ!当艦が対地攻撃機による攻撃を受け、セール及び各潜舵が破損!各員は応急修理に入れ!繰り返す…

「対地攻撃機ですって?、、、まさか!」

「えぇー!どうやらそのまさかのようね!」

「旦那様ですね!では、私達は艦内制圧に移りましょう!」

「「えぇー!」」

 

 

 

 

 

~伊402改 艦内~

「F-35撃墜!これでこの空域はとりあえずいませんが敵の増援が来たらこちらも厳しい。出来れば決断を早めてもらうと助かる!震電アウト」

今行かなければまた空母から発艦して今度はこちらが不利になる…かと言って今飛び出せば空母、又は衛星に捕捉され追跡される可能がある…だが、今ここで彼女達を切るのは惜しすぎる…えぇい!一か八かだ!

「伊402改浮上!」

「浮上ー!バラスト降ろせ!メインタンクブロー!」

ドスの効いた掛け声と共に潜水艦内のメインタンクにあるバラストの排出を始める。すると潜水艦はゆっくりと浮力を取り戻しやがて浮上する。

 

 

~敵潜水艦内~

「クリア!」

「こちらもクリア!」

「オールクリア」

「よし!潜水艦の制圧終わったわね!」

「えぇーこれでセールから出ましょう」

「そうね」

「ん?ソナーに反応!もう一隻潜水艦が浮上!」

「なんですって!?」

「この反応は、、、!伊402改です!」

「伊402改って…まさか!」

「えぇー私の船です!」

とReiが自慢げに答えてくる。それもそうだこのソナーに映っている伊402改は元々は旦那様がこの子に与えた船…だからこそこの子は潜水艦の扱い方を知ってもいる

 

「よし!そうと決まったら脱出するわよ!」

「えぇーそれとこいつどうします?」

と凛が指を指している…あ〜こいつか、、、

「頼む!アンタらについて行かせてくれ!」

「とは言ってもねー旦那様の許可がいるし、、、」

「まぁ連れて行くだけ連れていきましょ」

とReiが言う

「そうね、旦那様の許可が出なかったらこの潜水艦に置いていくけどね」

「そ、そんな…」

と私が言うと奴はうなだれている

まぁでも許可は出ると思うけとね、、、なにせ能力持ちだし

 

「ほらほらそんな議論の暇はありませんよ、とりあえず伊402と合流しましょ」

「そうね」

そう言って私達は敵潜水艦のセールにあるハッチから艦の外に出るとそのには水を被り丁度浮上してきた。伊402改の姿があった

その特徴的な姿はまるで

 

「な、なんだこりゃ!」

ったくっうっさいわねー

「「「うるさい」」」

「はい」

まぁそれもそうだ海に浮かぶ巨大な影に月明かりの光が潜水艦に付着した海水に反射してキラキラと輝きを放ちながらその巨大は月明かりの元姿を現した

潜水艦なのに前の甲板には伊402の特徴である発艦ようのレールは取り除かれ、その代わりに13cm連装砲を前部甲板上2門し後部甲板上に1門搭載し、魚雷発射管を両サイド4門持つ化物のような潜水艦だからだ。そしてその化物潜水艦のセールのハッチが開き中から

「おい!早くこい!」

「はい旦那様!ただいま!」

そうやって旦那様が出てきた

「あの旦那様!」

「なんだ!」

「こいつを乗せてもいいでしょうか?」

「、、、お前に任せる」

「ありがとうございます旦那様」

「これでもお前のことは信用してるんだからな」

「はい、ありがたきお言葉です」

「とりあえず乗れ、話はそれからだ」

「「「はい!」」」

 

 

 

 

 

あれから第一拠点を捨てた俺たちは南極の深海にある潜水艦基地第二拠点へと帰還し反撃の用意を整える。そして敵潜水艦からわかったことがあった、、、

それはSF-9/SS-168という艦番号…そしてそれが示したものそれは1927年5月10日起工のナーワル級潜水艦、艦名を"ノーチラス"

「ノーチラスだと?」

ノーチラスと言えば当時世界初の原子力潜水艦だ

でも、ノーチラスは記録によると1945年11月16日にスクラップとして売却されてるはずだ、、、まさかそれを買い取って修理したのか?だが、ありえない話ではない。でも仮にこの仮説が正しい場合俺らの相手は相当な金と権力を持っていることになる…だが、そうなると、、、

 

「あ、、、きと、、秋人!」

「ん?お、おう?どうした?紫」

「もうさっきから呼びかけてるのに返事しないからじゃない」

「アハハ、悪かったって、んで?どうした」

「いやーね?幽々子が貴方に久々に会いたいっていうのよ」

「お?幽々子かー会うのは久々になるなー」

「ほら、だから今から白玉楼行くわよ!」

「ハイハイ、あ、Lost達も連れてっていいか?」

「えぇー大丈夫よ、むしろ妖夢が喜びそうだけど」

「ハハハ、妖夢も大変だなー」

俺はそんな感じで紫に返事を返す

そしてだが、もちもん

「おい!お前らノーチラスの購入元を洗いだせ」

「了解しました!わかり次第連絡します」

「頼んだぞ」

そんなにやり取りをしてると

「ほら!秋人行くわよ!」

と紫から声が掛かる

「ハイハイ、今行きますよー」

「もうそればっかり…」

長い夜が明け俺らにはまた一時的な平和が戻った

「香蓮、みんなを呼んでこい。久々に白玉楼に行くぞ」

「承知しました」

さぁーて嫁たちの待つ幻想郷へと帰りますかねー




明けましておめでとうございます!今年もよろしくお願い致します!m(_ _)m
ということで年明けになりましたが投稿出来ました。まぁ出来れば年明け前に投稿したかったのですがね、、、
今回も長かったですがどうでしたでしょうか?面白く思っていただけるのなら幸いです。次回もよろしくお願い致します!!


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第27話 嫁達との宴会、そして再悪

スキマを抜けた俺たちの目にまず飛び込んできたのは白玉楼の大きな屋敷の門だった

 

「秋人〜!こっちよー」

すると聞きなれた俺が俺たちを出迎えた。ん?これは優曇華の声か?

「あら、優曇華ちゃんお迎えご苦労」

「いえいえ、大丈夫ですよ紫さん」

声の主は優曇華、ビンゴだな

「ハハハ」

「ん?なんで笑ってるの?」

と紫が聞いてきた

「ん?あ〜奥見てみろ」

 

「「え?」」

 

二人が奥をよく見ると屋敷の縁側で酔った布都が酒を取られたのか幽々子にしがみついている、、、。ん?待てよなんで白玉楼に布都がいるんだ?

「あれ?紫なんで布都が白玉楼にいるんだ?」

「あ、それと優曇華〜香蓮達を妖夢のとこ連れてってやってくれ。妖夢の手伝いは出来そうだし」

「分かったわ、えっととりあえず皆さんこっちです」

優曇華が大きな屋敷の門をくぐり抜け屋敷の奥へと香蓮を連れていくところを見送りながら紫の話を聞く

 

「それで?布都がいる理由は?」

「まぁまぁとりあえずその話は白玉楼に入ってからするからとりあえず白玉楼に行きましょ」

「あ〜そうだな」

俺としたことが少し早とちりしちまった…といってもまぁ〜久々に嫁に会うんだし緊張だってする

俺はそんなことを思いながら白玉楼の大きな門をくぐり抜けた

 

 

「ほらぁ秋人!我のお酒を返すのじゃ〜」

と言って布都が背中にくっついて来る…というか入った途端俺の嫁、全員集合だったから驚いた。それにしても布都はどうしたんだ?普段はあまり酒を飲みはしないのに、、、

俺は布都が背中にくっついている状態で考え、幽々子に聞く

 

「なぁー幽々子、、、どうしてこいつこんなに酔ってんだ?」

「んー?あ〜それはねー私と神子で少し飲ませたら意外とお酒弱かったみたいで、、、こんなになってるのよ」

「あ〜なるほどね」

そう言えば昔似たようなことがあったな、、、布都は酒をあまり飲まないが故に酒に対する耐性があまりないのだ、だからこんな風に

 

「 」スゥー

って!寝てるー!俺の背中で寝てやがる。とりあえず布団ないから抱えとくか

俺はそう思い背中の布都を懐に持ってきて抱き抱える。すると周りが

「「「「「あー!」」」」」

「」ビクッ

「布都ちゃんいいなー私もして秋人〜」イイナー

と幽々子

「そうよそうよ、布都ちゃんだけずるいわ」アー!

と紫

「それじゃ私は秋人と夜一緒に寝ましょうかねー」クスクス

と永琳

「あまり秋人に迷惑をかけてはいけませんよ」

と聖

いやー!聖はわかってるね!流石だね!

「でも、夜の営みは参加したい、、です…////」カァー

 

やっぱり前言撤回、、、

「秋人はやっぱり人気者だな」ハハハ

と勇儀や天魔

いや!もうこれ人気者とかそういうのじゃないと思うんだけど、、、

「まぁまぁとりあえずその辺にしたらどうだ?」

と慧音が口を挟む

流石慧音だね!

 

「それよりそろそろ料理が来るみたいだが?」

すると慧音が言った通り厨房から妖夢と優曇華、藍、香蓮達が出てきた。もちもんその手には料理を持っている

「旦那様方、お料理をお持ちしました」

Lostがそう言ってくる

「あ〜ありがとう、頂くよ」

 

「あら〜?料理来たの?それじゃ食べましょうか〜」

と幽々子。だが、その片手に握られていたのは、どんぶりにこれでもかと言うほど白飯をよそぎ、山盛りになっているどんぶりだ、、、

これには嫁一同唖然とする

「まぁとりあえずお前達も座りな」

と香蓮達に座るように促す

「では、失礼します」

といっても香蓮達は妖夢の隣に座った

いやーにしても嫁全員と食事するのはいつぶりだろうなーと思っていると「ムゥー」と吐息のような声が聞こえてくる。

「おん?」

「あら?布都が起きたのですか?」

と神子が声をかけてくる

「ん?そうみたいだな」

 

ちなみに神子というのは"豊聡耳神子"言わいる聖徳太子だ。そしてのその側近のように付きまとうのが今酒で酔って俺の懐にいる"物部布都"だ

「ん、んー」スゥー

「あ、また寝た」

「え?また寝たのですか?」

「そうみたいだ」

まぁ仕方ないよな…これだけ騒いでおいて流石に体力が尽きたのだろう、、、仕方がない

 

「あ、秋人!隣の部屋に人数分の布団が置いてあるから布都さんそっちに寝かせてきたら?」

「あら妖夢!いい判断ね」

「ありがとうございます、幽々子様」

「とりあえず秋人、お前も常に抱いているのはキツいだろ」

ん?いやそんなことはないんだけどなーでも今から色々となりそうだし布都を布団に連れていくか…

「そうだな、、、それじゃ布都寝かせてくるわー」

「えぇー行ってらっしゃい〜」

 

と永琳が手を振っているのを背にして隣の部屋の戸を開け薄暗い布団の中に布都を寝かせてまた戻ってくるとなにか異変に気づきた…

それは俺が取り皿に自分の分を取っておいたのだがいつの間にか無くなっているのだ、、、だが、それの犯人はすぐに分かった

 

「、、、幽々子?なぜ俺の取り皿の飯が消えてるのかな?」

「んー?あら?し、知らないわよー」プイ

「幽々子〜?お前俺の取り皿の飯取ったなぁ?」

「な、何のことかしら?」

こいつ確信犯だ、、、と思っていると隣の親友からまさかの言葉が出てくる

「ん?あ〜秋人の取り皿の料理幽々子が取ってたわよー」シラー

「え?ちょ!紫!?」

あ、親友に裏切られたな

「ほう?幽々子?」

 

「むーすいませんでしたー」

と頬を膨らませながら謝ってきた。まぁ可愛いから許す

「まぁ別にいいけど」ヒョイ パク

と言いながら俺は隣に置いてあった麻婆春雨を取り皿に取り食べる。

以前幽々子は納得が行かないのか紫に無言の抵抗をしていた

 

「あ、秋人!」

と禍津が話をかけてくる

「んぁ?なんだ?禍津」

「お前が捕虜として捕まえてきた男、、、良かったら私にくれないか?」

え?なに?食べるのか?

 

「ゑ?なに?食べるの?」

「いや!食べないぞ!ただ面白そうな能力を持ってるみたいだし、霊夢と一緒に修行させてみようかなと」

ほう、なるほどなーアイツも能力持ちなんだしなーっても禍津に預けていいのやら、、、ま、いっか!

「まぁいいぞ、そしたらとりあえず帰ったら博麗神社に送っとくわ〜」

「あぁ助かる」

 

そんなこんなで飲んだり食べたりと宴会的なことをして帰ろうとした時に藍にこう言われた…「え?秋人帰るの?今日みんなで白玉楼に泊まるのよ。だから、帰さないからねぇ?」

とハイライトオフで言われたため現場帰れませんでした…

ていうか!絶対なにかあるからね!嫁と白玉楼で泊まりとかなったら絶対俺襲われるからね!

 

はぁ〜まぁとりあえず今風呂だから大丈夫だろ、、、ん?ちょっと待て!今俺盛大にフラグ建てなかったか!?と思っていると

「」ガララッ

と風呂の戸がバスタオル姿の幽々子と紫はたまた永琳に聖が出てくる…あ〜なんでこうもフラグ回収早いんだろう、、、

「あら?秋人奇遇ねー」

と永琳は言っているが絶対狙っただろ!

 

「はぁ〜なんでこうなるんかねー」

ととりあえず風呂を上がり携帯をいじっていると部下から着信が来ていた、、、というか冥界って電波あんの!?とか思いながら、部下にかけ直した。プルルルと言う音がしたあと「もしもし」と男の声で答える声が聞こえてくる

 

「あ、俺だ。それで?ノーチラスの件はわかったのか?」

と問いかけると

「はい、進展があり連絡させて頂きました」

「それで?購入したやつは誰だ?」

「そ、それがですね…」

「なんだ、早く言え」

「実はノーチラスを購入した会社は表向きでは〇✖企業となっているんですが、、、」

「、、、なにか裏があるのか?」

「はい、このノーチラスを購入したのは〇✖企業ですが、裏で所有していたのは」

 

 

 

 

 

 

 

 

「''フリーメイソン"でした、、、」

 

「なっ!なんだと!?嘘じゃないだろうな!」

と俺が声を荒らげると奥からいつも髪を結んでいるリボンを解いたいバスタオル姿の雛が勢いよく戸を開け「どうしたの!?」と聞いてきた。なので俺は平然を装い「あ〜少し驚いただけだ気にするな、それと早く風呂行って布団入れよ〜」と言って雛を風呂に入ることを促した。そして雛が部屋を出ていくのを確認したあと話に戻る。

 

「それで?まだあるんだろ?」

「、、、艦長はご察しがよろしいようで、」

とバツが悪そうな声でボソッと言った。

「どうした?なにが見つかった」

 

「実はですね、、、今回の件''安倍晴明''が絡んでいます」

衝撃が走った!なぜなら安倍晴明は昔俺と対峙したときがあったがその時に俺が''一度人間辞めてから忌み子すらも殺せるようになったらまた戦ってやるよ''と言ったことを思い出した。まさかとは思うが奴は蓬莱の薬でも飲んだのだろうか?いや、それにしては、、、

と考え込んでいると

 

 

 

「艦長!これにて報告を終了します!」

とハキハキとした声が聞こえたため

「あ、あ〜わかった。報告ありがとう」

と言っておく。すると「いえこれくらい造作もありません」と返ってきたところで電話を切った。にしても奴が絡んでくるとは…これはなにかあるな

 

「あ〜き〜と〜!ほら寝るわよ!早くこっち来なさい〜」

と声がかかった。おっと?流石にこれ以上待たせたら嫁に怒られるなと思いながら俺はゆったりと寝室に向かい嫁たちを抱き寝た。




今年の冬は一段と寒いですね、、、作者の地方ではあまり振らない雪がなんと降って積もりましたよ、、、ほんとびっくりです
まぁそんなことはさておき、皆さんも風邪を引かずに体調にお気をつけください。そして今回少し長くなりましたがご了承を、
では、次回もよろしくお願い致します!


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第28話 いつもの日常

現在俺は嫁達との白玉楼での宴会(?)が終わって今は自宅にいる。

 

「はぁ〜にしても酷い目にあった、、、」

「あら、貴方はそう思ったかもしれないけどみんな久々に秋人にあって嬉しそうだったけどね〜」

「そうかい?だったら良かったんだけどねー」

と居間のソファーに座りながら何故か隣にいる幽々子と喋っていた。

というか普通紫ならわかるのだが幽々子がなぜここに居るかは生憎検討もつかない。

だが、そんなことは幽々子には関係はない、とばかりに「ふふふっ」と笑いをこぼし俺にくっついてきていた、、可愛いな〜

 

スゥーと音がし、その方向を見ると椿が

「旦那様・幽々子様、お茶をお持ちしました」

と椿が茶を持ってきてくれた

「お、すまんね」

「あら、ありがとう〜」

と、礼を言っておく

「いえいえ、お気になさらず」

と言って椿はまた戸を閉めて出ていく。

 

すると突然幽々子が

「ね〜秋人〜」

「ん〜」

と眠そうな声で答える、、というか眠い

「秋人〜ここ少し寒いし布団行かない?」

と、幽々子は大きなメロンふたつを俺の右腕に当てながら言ってくる。流石に幽々子も紫のように俺と布団でゴロゴロしたいのだろうか?

「んーここ寒いし行くかー」

と答えると

「そうね、行きましょ!」

とすごくいい返事が返ってきた。これには俺も苦笑い

とはいえ幽々子を布団に連れてきて一緒に寝てるのはいいんだが、、、さっきから幽々子のアピールが紫以上にやばい、、

 

「な、なー幽々子さん?」

「うん?どうしたの?」

「い、いやですね、幽々子さんの大きなメロンふたつが俺の右腕を挟んでるんですが?」

「わざとに決まってるでしょ、、、///」

 

と頬を赤くして俯いている、、、全くこれだから嫁とは可愛いんだよなーそう言えばあっちにはこんな言葉があったな''結婚は悪魔が作り、同居は神が作った''と、まぁでもそれは特定の人間だけだと思うがな。

だって現に俺は幸せだし…

 

と思っていると幽々子とは反対の左側でなんかもぞもぞしてる、、、俺はまさか…と思いつつ少し布団を捲るとそこには

 

「」スゥー

マヨヒガで冬眠してるはずの紫と白蛇の姿があった。いや、白蛇はわかるがなぜ紫がいる?

と首を傾げていると幽々子が

「どうしたの秋人?まさかとは思うけど反対に紫が居たの?」

その通りでございます、幽々子様、、、って今言いたいわ

「あぁーそのまさかだったよ」

すると幽々子は頬をふくらませながら不機嫌そうに

「相変わらず紫は抜け目ないわね」

と呟いていた

 

その後幽々子は妖夢に見つかり白玉楼に強制送還、紫も幽々子同様、藍に見つかったが紫は珍しくムクリと立ち上がると「また来るわねー」と言い残し去っていった、にしても冬は白蛇も冬眠するしなー。

そうなった時の俺の話し相手はメイド達である

「うーん、どうすっかなー」

と俺は今現在冷蔵庫と睨めっこしている。すると香蓮が

「なんです?また今日の夕飯についてですか?」

と言ってくる、、まぁ図星なんだがな

「ん?あ〜今日何かなーと思ってな」

「やっぱりですか」

と言っているが俺は気にしない

「旦那様、それは夕飯までの秘密ですわ」

と少し頬を赤くして返してくる

 

 

まぁ色々あって楽しい冬になるはずだった、、、だが…

 

「あ、秋人!お願い助けて!!ゆ、幽々子様が、、、!」

まさか、半泣きの妖夢が俺の家に押し掛けてこようとは誰も夢にも思わなかった




ども!おはこんにちは!作者です。
投稿が遅れてしまって申し訳ないです!
「そんなことより!!私を早く出しなさいよ!」
い、いやですね霊夢さん、も、もう少しで出番ありますからって!
夢想封印はやめて!!死んじゃう!ギャー
「ということで次回は私と魔理沙で話を独占するわよ!次回もよろしくね!」


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第29話 解き放たれた封印

〜博麗神社〜

「あ〜寒ッ全くこれだから冬は嫌いなのよね。ね〜母さんもそう思うでしょ?」

私は母さんに意見求める

 

「そうか〜?冬は綺麗で好きだかなーというか霊夢いつまで炬燵に入ってるつもりだ?それじゃ秋人変わらんだろ」

と母さんは台所で洗い物をしながら答える…まぁ確かにそうなんだけどさー父さん(?)というか義理のお父さんなんだし、いつも通り''秋人さん''でいっかー

 

「あと…綾人早く霊夢を炬燵から出せ、あとお前も出ろ。私の洗い物が終わったら外で修行するぞ!」

と私と一緒に炬燵に入っている黒髪の男…''博麗 綾人(あやと)''に指示を出した、、、ん?待って今修行って言った?この寒い日に!?

 

「「!?」」

 

「え!?ちょっ!禍津さん今日外で修行するんですか!?」

「え?母さん!?」

と私と綾人は抗議する、がその説得も虚しく

 

「なにか言ったか?」

凄い威圧を放ち私たちを圧倒する、、、それもそうよね?''あの''秋人さんのお嫁さんだもんね、、、はぁ〜

 

「嫌なら今日の修行白蛇にやらせるぞ?」

「まっ!待って母さん!だ、誰も嫌とは…ね、ねー綾人?」

「そ、そうだな!」

 

「フン!それでいいんだ」

…良かった〜白蛇さんの修行はもはや人の領域を越えてるからなー。と妖斗も二人で安心する。あ、ちなみに綾人は母さんが秋人さんのとこから連れてきた人だからね!、、、何言ってんだろ私。

 

そんなことをやっていると突然黒クロ帽子を被った私との友人が姿を現す

 

「おい!霊夢!」

「はいはい、なにー?」

私はぶっきらぼうに答えを返す

「これを見てくれよ!」

そう言って彼女は障子を開け一面の白銀の世界を私達に見せる

「さ、寒ッ!早く閉じなさいよ!」

「さ、寒い、、、ま、魔理沙さんとりあえず障子を閉めてください」

「いい機会だ!ほら!二人とも魔理沙見たく外に出るぞ」

「「え?」」

 

なんか1人おかしかった気が、、、と、とりあえず今はそんなことより炬燵ッ!私はそう思い炬燵に潜り込む。すると魔理沙が、、、

 

「わかんないのか?これは異変だろ!?こんなに雪が降ることなんで今までなかったじゃないか!しかも今は例年通りだろ春を迎えてる頃だぜ!」

 

「ふむ、確かに魔理沙の言っていることには一律あるな、、、いずれにせよ霊夢は博麗の巫女だ。どっちにしろ行かなきゃならんしな、、、」

「えー、そしたら母さんと綾人も付いてくるんでしょうねー」

と私は嫌そうに話していると、突然それは来た…

 

 

フォーンという音と共に''スキマ''が開く、するとそこには

 

「禍津様!紫様を助けてください!!」

 

とかなり動揺した藍が現れたのだから

 

 

 

 

 

 

 

〜同時刻 橘亭にて〜

「あ、秋人!お願い助けて!!ゆ、幽々子様が、、、!」

と泣きじゃくりかなり動揺した妖夢が俺の目の前に現れたのだ

「よ、妖夢!どうした!なにがあった!幽々子の身になにがあったんだ!」

俺は妖夢にタオルを掛け動揺した状態で話す

 

「わ、私もよくわからないんだけど…幽々子様と一緒に春を集めていたら…」

「春を集める?」

 

 

「えぇーあの大きな桜を幽々子様が咲かせたいとの事だったので、、、」

 

 

おい、待てよ。大きな桜?白玉楼の?まさか!!

「おい!妖夢お前らまさか紫が封印した西行妖の封印を解いたんじゃないだろうな!!」

俺は妖夢の両肩を持ち前後に揺さぶる。自分の能力制御も忘れて…

 

 

「あ、秋人…痛い、、、は、離して、、、」

俺は我に帰る

「あ、妖夢すまん…」

怒りのあまり自分の制御も忘れてしまっていた。

とりあえずは白玉楼に行かないと!

 

「妖夢!白玉楼へ案内してくれ!白蛇!!」

俺は大声で式の名を呼ぶ

「なんじゃ主?」

とそこには服のはだけたいかにも寝起きの白蛇の姿があった。

「白蛇!早く着替えろ!!西行妖の封印が解けた!」

「な、なんじゃと!?」

白蛇は眠そうな表情から一気に我を取り戻し焦りを見せた

「白蛇!とりあえず俺は白玉楼に向かう、お前は準備が出来次第''転移玉''で来い!」

これで白蛇を出せる…あとは

「旦那様、我々はどうなさいましょう」

「ひとまずお前達は待機だ、今回の相手はお前達じゃ相手にもならん」

「承知しました」スッ

メイド達は軽く礼をしてそう言った

 

「妖夢行くぞ!白玉楼へ案内してくれ!」

「は、はい!」

待ってろよ幽々子、、、今俺が助けてやる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜博麗神社〜

「それはどういうことだ?藍」

母さんは藍に真剣な面持ちで返す

「紫様が遥か昔に封印された''西行妖''の封印が解けました」

「!?」

え?なに?サイギョウアヤカシ?

なにを言ってるの?封印?西行妖?

「馬鹿な!」

「「「」」」ビクッ

「西行妖の封印が解けただと!?誰だ、誰が西行妖の封印を解いた!」

…怖い母さんが本気に怒ったところなんて見たことない、、、。それにしても凄い剣幕、藍がビクついているのが良くわかる。隣の綾人だって恐怖の表情を表に出てるし…

 

「すまない…少し感情的になり過ぎた、、、とりあえず早く白玉楼へ行くぞ!藍スキマを開いてくれ!状況確認は移動しながら聞くとしよう、、、」

 

「はい、承知しました。では、こちらへ」

藍はそう言ってスキマを開いた。そして母さんは

「霊夢、綾人お前達も来い。」

「「!?」」

「私の娘ならこういう事はこれからよくあると思え」

「は、はい」

私はつい返事をしてしまった

「霊夢、綾人!行くぞ!」

私達は藍の開いたスキマへと入っていった




どうも、お久しぶりです!投稿が遅れてしまって申し訳ないです。
リアルで色々とありまして…すいませnドーン!ゴファ チーン
「よし!作者は死んだな!霊夢!やっと私たちの出番が来たぞ!!」
「やったわね母さん!」
「あぁー!」
あのー勝手に殺さないで〜。とりあえず次回もよろしくお願いします。


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第30話 西行妖との攻防

スキマを通り抜けるとそこには大きな桜の木が開きかけておりその下では紫がその桜を封印しようとしていた

「紫様!」

藍がとっさに叫んだ

「藍!禍津と秋人連れてきた?」

と少し苦しそうに藍に答える

「はい、ここに」

 

「紫!退けろ私が引き継ぐ!」

そう言って母さんは桜の攻撃をつけ流しつつ攻撃している

「霊夢!お前は夢想封印の用意をしておけ!綾人!霊夢を守れ!」

「それから秋人には連絡したのか?」

すると紫が

 

「えぇーしたわよ!というか妖夢に行かせたわ、、、そろそろ来ると思うんだけれど…」

と言った瞬間だった

「紫!危ない!」

 

「え?」ヒュン

紫の方に桜の枝が突き刺さろうとした時、突然赤黒い刀が枝に当たり枝を切り落とした。

「大丈夫か?紫」

「えぇーおかげでありがとう禍津」

 

刀を投げたのは母さんだった…というか母さんは刀を持っていなかったはず、なのになぜ…そんなことを考えながら夢想封印の合図を待ってると。

「霊夢!危ない!」ヒュン

今度は私のとこに飛んできた!ダメ、動けない…足が竦んで動けない…

 

「霊夢!」

そう言うと同時に「魔符:リフレクション」という声が聞こえたあと前に薄紫色の薄いバリアが張られる。それによって西行妖の攻撃は防がれた。

「大丈夫か!霊夢!」

後ろを振り返るとそこには綾人がいた。

「ありがとう!大丈夫よ」

私はそう言って西行妖と一気に距離を開け指示を待っていると

 

「霊夢!今だ''夢想封印''を!」

と母さんの声が聞こえた…私は軽く頷き

 

「霊符:夢想封印!」

 

私がそう唱えると七色のカラフルな無数の球が飛んでいく。そして西行妖に当たる寸前で西行妖が枝で防いだ。

 

「そ、そんな、、、」

「チッ やっぱりか」

「嘘でしょ!」

「なんだありゃ!」

と私、綾人、母さん、紫がそう言った瞬間だった。

 

 

 

「忌符:シャドウ!」

そう聞き慣れた声が聞こえた瞬間、西行妖の上と下に星型魔法陣が展開し、上から現れた赤いバリアがやがて下の魔法陣にまで到達するとバリアが西行妖を包み込んだ。

 

「な、なにあれ…」

私がそうつぶやっと隣の魔理沙と綾人が驚いている…それもそのはず私も魔理沙以外の魔法使いを知っているけどあんなルーン文字は知らない…

 

「馬鹿め、、、来るのが遅すぎだ」

母さんが隣で少し笑いながら後ろを振り返ると後から聞き慣れた声が聞こえた

 

「すまん!少し来るのに手間取った!」

そう秋人さんの声と

「幽々子様!!」

というか声が聞こえた

 

「そんなことより秋人!早くシャドウを!」

と母さんが秋人さんに叫ぶ

「あぁー!わかってる」

秋人さんは母さんの言葉にこう返したあとこう言った。

 

「くたばれ西行妖!死に絶えろ!!」

 

そう言って秋人さんが親指で首をはねる合図をする。

すると下の魔法陣から竜巻が発生し西行妖の枝を1箇所に集めた、そしてそのあと上の魔法陣から赤黒い稲妻が落ちてきて爆発し、西行妖の枝を全て吹き飛ばした、、、

私達はそれに絶句した、、、私達はまるで大昔の月面戦争でも見てる気分だった…

 

 

 

 

 

 

、、、やったか?だが、奴がシャドウ程度では死なないと思うが、、、

俺はそんなことを思いながら土煙の上がった西行妖の方を見る。

「なにをぼさっとしてる!全員一斉攻撃だ!」

 

俺は霊夢達にそう言うと、霊夢達は我に返ったのか攻撃を始めた。

「禍津!突っ込むぞ!他の奴らは援護してくれ!俺らが突っ込んで強制的に封印する!」

 

「「「「了解」」」」

…やはりやつは枝を切られても再生していた。だが、、、ここで封印しないと幽々子が危ない!

 

「霊夢!俺の合図でもう1度夢想封印を撃て」

「綾人!お前は霊夢の援護だ」

「魔理沙!お前も俺の合図でファイナルスパークを撃て」

「紫!四重結界の用意を」

「妖夢!紫の援護だ!」

「藍!お前も紫の援護を」

「白蛇!禍津!俺に付いてこい!」

俺はそう指示を出した。それにみんなも頷き、答える

 

さぁフィナーレだ!西行妖イィィ!

 

 

 

 

 

 

 

まずは俺と白蛇、禍津で突っ込む

「はぁぁぁぁ!」

白蛇が叫びながら突っ込む。だが、西行妖はもちろんそんな進行は許さない。枝を尖らせ体を貫き殺そうとかかる

だが、流石は元神なだけにその枝を跳ね返したり叩き切ったりしながら突き進むがここでまさかの攻撃が来た!

 

「ックなんじゃと!?」

それは、大小様々な紫色の弾幕と綺麗な蝶が飛んでる光景が俺たちを立ちはだかった…

 

 

 

 

 

「''完全なる墨染の桜-開花-''、、、ですって?」

 

 

 

 

と紫が驚く、、、それもそのはずこれは幽々子のスペルカードだ。これが使えるとなると幽々子のスペルカードは全部使える可能性があるということだ、、、

 

「退け!俺が行く!」

俺はそう言って西行妖に突っ込む。すると奴は幽々子のスペルカードを使いながら抵抗してくるがそんなのは関係ない、、、。俺は奴の攻撃を禍津神威で弾いたり避けながら進むすると不思議と木の根元にあっさりと来れてしまった…俺は不信感を覚えながら禍津神威を鞘に納め、

今度は腰にかけてある''霊刀:倶利伽羅(くりから)''を抜く。

 

簡単に言うとこの刀は''楼観剣''と同じで霊体のものを斬ることができる。ちなみに楼観剣は人に使うと切れ味が良くスパッと斬れるが、この倶利伽羅の場合肉体を貫通し魂を斬ることが出来る…すなわちこれは肉体や物理的なものは貫通するため刀などの物理的物でも抵抗は無駄な恐ろしい刀である

 

俺は倶利伽羅を抜き西行妖を斬る、そうすることで西行妖は元々自分の力でこうなったのではなく人の魂を吸収しそれを培養として自分の妖力や霊力を高めた。だったら弱らせるためには、、、そう奴が培養として吸収された魂を斬ればいい、それに幽々子の魂は亡霊としてそこに形作っているため西行妖を斬っても大丈夫という戦法だ。

 

 

「はぁぁああ!!」

俺は叫びながら西行妖の幹を斬っていき、最後に

「こいつで終いだ!忌式零ノ型一番:二百由旬の一閃!」

 

俺はそう叫び飛んできた弾幕ごと切り裂き西行妖の幹に音速で斬撃を飛ばしていく、、、そして最後に西行妖の根から葉にかけて一気に切り上げそして刀を納める…

すると後ろから「嘘でしょ、、、あれって妖夢のスペルカードよね?それの技版?」などと聞こえてくる…てか、妖夢のスペルカードの''獄界剣「二百由旬の一閃」''は元々は俺が教えてものを妖夢がスペルカードにしてアレンジを加えただけなんだけどな…

 

 

そんなことはさておき

「よし!霊夢、夢想封印を撃て!魔法陣はファイナルスパークだ!それが終わったら紫!四重結界を張れ!」

 

「「「」」」コクコク

皆は頷きそして

「霊符:夢想封印!」

「魔砲:ファイナルスパーク!」

 

「四重結界!!」

紫の四重結界はスペルカードではなく本当の妖力での結界、、、その辺の妖力とは違う

 

よし!だいぶ弱ったな!俺もやるか

「よし!Blood18barrier!」

俺も自分の持っている妖力を4割自分の血を2割結界へと回す

''Blood18barrier''

その名の通り''血の18結界''すなわち血と妖力で構成された18の結界の事だ、、、紫の四重結界とは違い18個の結界が複雑に入り込みもう二度と解くことの出来ない俺が独自に作り出した結界。

 

「グフッ チッやっぱり久々に使うとかなりキツいな!」

俺は妖力と自分の血を使い結界を発動させたとこで後ろから痛みを感じた…

見ると俺の背中には西行妖の枝が突き刺さり腹まで貫通していた。だが、ここで封印をやめてしまったら幽々子が危なくなる!!

俺はそう思いながら結界を張るのを続けた。

後ろから「秋人(主)(さん)!!」と聞こえてくるが今は無視だ!

 

そしてようやく俺らは西行妖を封印したが、、、そこで俺の意識が途切れた…




どうもお久しぶりです!投稿遅くなりすみません、、、m(_ _)m
今回は少し長かったかなーと思いつつ書いたのですが意外と良かったので良かったです!
という訳で次回もよろしくお願いします!


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第31話 旧橘邸への案内

西行妖の封印から今日で約3日経った。幽々子は秋人の作戦が成功し、今まで通りの幽々子との日常が戻ったのだが、、、

するとスゥーと襖を開ける音がする

「紫…秋人は起きた?」

「いいえ、まだ…」

「…そう」

私たちの間に長い沈黙が通る

 

今私たちは永遠亭で秋人が目を覚ますのを待っている。

と、いうのも秋人はあの日幽々子を助けるために自分に腹部に刺さっさ枝をもろともせず自分の血と妖力を触媒にして私たちには扱えない超高位結界を張った…だからもう幽々子は二度と西行妖の咲いた姿は見れないが代わりに生きるという事を秋人から教えて貰った気がする。

 

 

そう思っていたその時、また襖が間に…今度は永琳だった

「紫…秋人は変わらず寝てるの?」

「えぇー変わらず寝てるわ…」

「そう、なら私があとは代わるから貴方はもう寝なさい…」

永琳が秋人の方を見ながらそう言ってくる

 

「いや、いいわ。起きた時に声をかけれるから…」

正直、今回の件は少なくとも西行妖と幽々子を見ていなかった私のせいでもある。だから秋人が起きる時まで居ようと思ってたのだけど、、、

 

「何を言ってるの?貴方…もう三日も寝てないじゃないの。顔が凄いことになってるわよ」

そうか、そう言えばそうだったような気がする…人に言われて気づいたけど私ってもう三日も寝てないのか…

 

「永琳の言う通りよ紫…紫が秋人のことを想っているのはわかるけれど、流石に体も持たないわよ…それに秋人がもし起きたらまず紫を心配するわよ、ほんと自分より嫁が大事って人だから。あの人は」

と幽々子が話す

確かにもう三日も寝てない…起きた秋人がまず自分より私を心配する、、、か、確かにそうねそういう人だものね秋人は

 

「それもそうね…ごめんなさい。私、少し寝てくるわ秋人のことよろしく」

フォーン

 

そう言って私はスキマを開く

「えぇー秋人の事は任せといて貴方はぐっすりと寝て来なさい」

「ありがとう、そうするわ」

 

 

 

 

紫はそう言ってスキマに入っていった。全く幽々子といい紫といい、かなり取り乱してるみたいね。それもそうよね秋人の嫁たちだもの、、、私もだけど

「さて?幽々子、貴方は寝なくていいの?」

私がそう幽々子に問いかけると幽々子は

「私は亡霊…多少寝たくても大丈夫よ」

「永琳…貴方こそあまり寝てないでしょ」

ッ確かに私はあまり寝てはいない…だけど紫程じゃない。

「私は医者よ、患者の容態を見るのは仕事だから大丈夫よ」

私は幽々子にそう返す。すると幽々子は

「あら、医者なら今の自分の体にどれだけ負担がかかってる事ぐらいわからないの?」

確かに私の体はかなりの負担がかかってるも思う…なんせ二日も寝ていないのだから、、、

 

そんなことを思いながら秋人を見ているとまた襖が空いた

「秋人の様子はどうだ?」

入って来たのは禍津だった

「未だ変わらず…ってとこよ」

と、私が答えると禍津は

 

 

「そりゃそうだろうな…なんせ秋人が起きるのは多分あと1ヶ月先になることだろうし」

 

 

え?今なんて

「え?貴方…今なんて…?」

「だから、秋人が起きるのはあと一ヶ月後だと言っているだろう」

私が少し動揺していると幽々子が冷静に禍津に聞いた

「どうして医者でもない貴方が言いきれるのかしら?」

 

「それはな、秋人は忌み子の中で一番とは言わないが強さでいえば破壊神と同じ最強の地位にいた…だからこそ自己再生という自然治癒が周りとはかなり遅いんだ…だから」

「あの銃形の注射器で自然治癒能力を補っていた…ってとこかしら?」

「フン、流石医者だな。そうだ、今まで秋人はそうやってやってきた…だが」

「まさか、その薬が切れたの?」

と幽々子が口を開く

 

「あぁーそうみたいだ…唯一薬を持っていた美優がそういうんだから…」

「それじゃ、あと一ヶ月くらい待たないといけないの?」

「それがな…そうではない」ニヤ

禍津はなにを言っているの?…もしかして!

「その言い方…何か策があるの?」

「あぁーあるとも、しかも永琳にとっては美味しい話かもな」

と自慢げに禍津は話す

「どういうこと?」

幽々子が疑問形で返す

「それはね、忌み子の医学を学べるかもしれないってことだ」

 

「!?」

「忌み子の医学を学べる?」

どういうこと?それってもしかして忌み子の医学本があるってこと?

だとしたらそれはかなり興味がある

 

「だけどな〜それがあるのが秋人の昔の家なんだよなー」

「「え?昔の家?」」

「ん?そうだぞ、だから取りに行くしかないな」

「ちなみにその家って何処にあるの?」

私がそう言うと禍津はバツの悪そうな顔をして

 

 

 

「時空の狭間…」

 

 

「「え?えぇー!」」

それってスキマと同じじゃないの!?

「ま、まぁまぁ行ける方法があるから大丈夫だから」

「そ、そうなの?なら大丈夫ね」

私たちが一安心していると

ジィーと視線を感じた。辺りを見渡すとそこには襖からこちらを見る霊夢と魔理沙、そして綾人が居た

「なんだ?お前達も行きたいのか?」

禍津の呼びかけに霊夢達は「「「」」」コクコクと無言で首を縦に振った

 

「付いてきてもいいが身の保証はしないと思え」

「「「え?」」」

「なんたってあの人間嫌いの秋人がその昔に造ったものだからな」

「「「…」」」

霊夢達の顔が暗くなった

まぁそうよね…だからこそ禍津はあまり霊夢達を連れては行きたくないのだろう

「だからこそ私の言うことは必ず守れよ?」

「「「はい!」」」

なんか凄い士気があるわね…たかが秋人の昔の家に行くだけよ…

私はそうなことを思いながら幽々子と一緒に、、、、、、あら?

なんで幽々子あっちにいるのかしら?しかも一緒に返事までして…

 

「ま、まぁ少し落ち着け今からあっちに行くためのゲートを繋げるから…」

と禍津は苦笑いしながら病室を出て中庭に行った。

それに、まるで秋人に付きまとう白蛇のようについて行ってるし…

はぁ〜これは先が思いやられるわね

 

 

 

 

禍津は永遠亭の中庭に大きな魔法陣を描き、その魔法陣の真ん中に禍津がいつも肌に離さず持ち歩いているペンダントを置きこう唱えた…

 

「汝、我を世界の果てへと連れて行け。我が名は''禍津''。世界の果てを統べる橘秋人の第二夫人!ガーディアン達よ!認めよそしてゲートを開け!」

そう唱えると魔法陣が光だしあちらの世界が見えた…

「凄い…」

「幻想郷の外?」

「こんな場所があったなんて…」

などと声が上がっている…まぁ私自身驚いてはいるのだけれど、、、

まだ驚くのは早そうね




皆さんおはこんばんにちわ!作者です!いやー最近色々忙しくてあまりかけませんでした…(←忙しいとか言いつつ撮影やってたやつ)
まぁ不定期だからいいかな、とは思ったんですが何やら''早く続編出してくれ!''との声が上がったのでできるだけ早く書きました!!
次回もよろしくお願いします!


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第32話 歴史の闇と憎しみの旧橘邸

私たちが魔法陣を通り抜けるとそこは大きな邸とこれまた西行妖の様に大きな桜、そして紅葉、イチョウが咲き誇り辺り一面落ち葉と花びらの絨毯が広がっている

「な、なにこれは…」

「えぇー凄いわね…というかなぜ季節の違う紅葉や桜が咲いているの?」

その光景が凄すぎてあまり考えられなかったが普通に考えたらおかしい光景がそこには広がっていた

 

「「「…」」」

あら?霊夢達…みんな口開けて固まっているわ ふふふっ

「お、気づいたか流石は永琳だな」

「まぁーね、でも最初は分からなかったわ、、、というか凄すぎて考える暇がなかったわ」

「まぁ最初これを見たらそう思うよな…私だってびっくりしたんだから。あ、それで季節の違う紅葉や桜が常に咲き誇ってる理由はなこの木全部が''妖怪''だからだ」

「えぇ!?でも秋人は西行妖みたいな妖怪は嫌いじゃじゃなかったの?」

私はその事について聞いてみると

 

「あ〜これは秋人じゃなくて、、、な。秋人がその昔自分の命よりも大事にしていた嫁が秋人に頼んで持ってきてもらったんだよ…そいつ曰く''綺麗だから好き''なんだってさ…まぁ死んじまったんだがな、、、」

…秋人が自分の命よりも大事にしていた…それは今もそうだからわかるのだけど、、、死んだって…どういうこと!?

 

「ひとつ聞いていいかしら?麗華」

「ん?なんだ?」

「秋人の嫁が死んだって本当?」

「……」

あ、麗華の顔が青ざめた…

「あ、あれ?秋人から聞いてないのか?」

「いいえ、なにも?」

「母さん…それ私と魔理沙と紫よ…」

「え?あれ?」

秋人のお嫁さんの話、興味があるわね、、、

「麗華!秋人のお嫁さんについて少し聞きt」

「ほら!秋人の家に行くぞ!」

…遮られた…かなりやばそうね

 

そう色々と思いながら旧橘邸に行くとそこは玄関の両側に紅葉と桜が咲いていた

「…あれ?開かないな〜」ガチャガチャ

麗華は戸を開けようとしていたが鍵がかかっていたのか戸は開かない

「母さん裏にまわりましょ」

「そうだな…このままじゃ埒が明かないし」

と言いながら裏にまわっている

 

私は裏…と言うよりも庭へとまわるとそこには小さな小川が流れており小川は池へと繋がっており、池には鯉や小さな魚が泳いでいたり大きな桜と紅葉、イチョウが咲いていた。だけどもなぜがもう何年も経っていると思うのだけれど、まるでつい最近まで整備されていた様に綺麗だった

 

「麗華、、、ここって誰が住んでるの?」

「…何故だ?何故そう思う?」

「え?何故って、、、だってまるでつい最近まで整備されていたみたいに綺麗だから」

「やっぱりお前もそう思うか、、、」

「え?それってどういう…」

「私も思ってたんだがこれはちょっと整備されすぎだな…もしかしたら誰がいるのかもしれんな」

麗華はそう言いながら縁側から家へと入っていった。もちろん私達もついて行く

建物の内装は永遠亭と今の橘邸を合わせた様だった

 

 

 

やがて麗華がひとつの扉の前で止まる

「ここだ…」

「ここに医学本があるのね?」

「あ〜そのはずだ何せここは書斎だからな」

「な!麗華さんもしかして書斎って事は魔導書とかあるのか?」

「んーどうだろーあるんじゃないかな?」

「おー!」

「まぁとりあえず入るぞー」

そう言って麗華は扉を開けた

 

するとそのにはズラーッと本棚が並んでいた。

すると麗華が

「んーとこれじゃないかなー」

と言って「ほい、永琳多分これだ」そう本を私に投げた

 

私は書斎にある机で本を開く、、、するとそこにはまだ自分の知らない知識がズラーッ並んでいた…

「な、何この本…」

私は絶句した…本のページ数もなのだがそれ以前に

「''各手足の自己再生''…ですって?」

それは普通に不老不死ではないとありえない事だ…私はその本に書いてある報告書のようなものを見た。

するとそこには普通の人間で実験した場合その薬を打ち込むと人体の自然治癒能力が大きく向上することが判明…などと書かれていた

「そんなことがあるの?」

と私は呟いた時、後ろの魔理沙が声を上げた

「うぉ!なんだこの魔導書!」

 

そう言って魔理沙が取り出した本の表紙にはいつもの六芒星ではなく五芒星の中心に人間が書かれた本だった…。魔理沙は躊躇いもせず本を開くと魔理沙の顔が青ざめた

「……永琳…これ、見てくれ、、、」

そう言って魔理沙は私にその本を見せてきた。

なんだろうと不信感をかいつつも本を読む。するとそこにはありえない実験結果が残っていた…しかも秋人が書いたであろう字で

 

「''死者蘇生・人体錬成''ですって、、、?」

 

「な、なぁー永琳人体錬成とか死者蘇生って禁忌魔法だよな…?」

と魔理沙が聞いてくる…。そう普通に考えたら人体錬成などはやってはいけない禁忌の魔法…それを秋人はやっていたのだ

しかも報告書はそれだけではなく、あの分厚い医学本が2冊見つかった…。

私は麗華に聞いてみることにした

「麗華…秋人は人体錬成の実験をやってたみたいなんだけど…知らない?」

すると麗華は、

「…あいつは、人が造った禁忌なんて知らないのさ、、、なんたってその人を材料にして殺すだけの憎しみがあったからな…」

麗華はそう答えた。

「「「「……」」」」

みんな黙った…それもそうだこんなことが今目の前にあるのだから…

 

「魔理沙これを見ろ」

そう言って麗華が魔理沙にひとつの本を渡す。それを見た魔理沙は一気に目の色を変えた

「…!こ、これって!麗華さんこれもしかして忌み子の魔導書か!?」

「あぁー多分そうだと思う」

 

そう麗華が言うと魔理沙はプレゼントを貰った子供の様に本を開き読み始める…そしてまた青ざめた…

「れ、霊夢…それと綾人…」

「ん?なに?」

「なんだ?魔理沙」

二人がそう答えると魔理沙は魔導書を二人に見せ、ある一文に指を指した。

「ここ、読んでみてくれ」

魔理沙は少し引きつったような顔で話す

「えーと、なになに?''シャドウを発動するにはある一定以上の魔力と妖力が必要となる。そのエネルギー量はシャドウ1発につき平均魔女3人分の血液が必要となる''?」

「霊夢、綾人…これがどういうことかわかるか?」

「「いいや(いいえ)」」

「簡単に言うと魔力ってのは血液なんだ。しかも魔女の血液ってのは普通の人間に比べてみるとかなり魔力が高い、すなわち血の純度が高くて貴重ってことだ。それが魔女3人になるってことは…もう分かったよな?」

 

「…ってことは秋人さんはその倍ッ!?規格外ってことよね?」

「あ〜そうだ、というかよく分かったな魔理沙」

「いや、私これでも魔女やってるしその程度のことは知ってて当然だぜ」

「ほう?そうか…なら秋人が何故それだけの魔力や霊力そして妖力を持っているか、わからないか?」

麗華は少し真面目な雰囲気で語りかけてきた

「うーん、すまないが分からないぜ」

「そうか…なら幽々子ならわかるんじゃないか?」

そう麗華は幽々子に話を振った。というか何故幽々子なの?

すると幽々子は少し顔をしかめてボソッ言った

 

「前から感じてはいたのよ…だけどあまりにも非現実的な考えだなって思ってそれ以降気にしないようにしていたのだけれど…」

と幽々子が言うと麗華は

「やっぱり気づいていたか、幽々子」

「えぇー今魔理沙の話や魔導書、そして人体錬成の話を聞いて確信したわ」

ん?え?何の話をしているの?私がそう思っていると綾人が

「あ、あのー全くわからないんですが…」

「そうよ、母さん達だけで納得しないでよ」

「私も知りたいぜ」

「えぇー私にもわからないわ」

と私が言うと麗華は

「おっと月の頭脳と呼ばれた御方が分からないのかい?」

わからないものは分からないに決まってるでしょ!私はそう少し怒りつつも

「知らないものは分からないに決まってるでしょ」

と返した。すると麗華はこう言い出した

 

「ヒントは幽々子に関するものだよ」

幽々子に関するもの?そして魔力になり得るもの?血、かしら?いいえ違うわね。だって幽々子は今は亡霊で霊体なわけで…え?霊体?

 

「ま、まさかとは思うけど麗華…あの人魔力換算するために人間の魂を使ってるんじゃないでしょうね?」

と私が言うと魔理沙が食い付いてきた

「永琳多分それは違うと思うぜ」

「あら?なんで?」

「それは魂は霊体なわけであって力に換算したところで霊体は霊力になるんだ…だからそれはないとおm」

と魔理沙が言っている最中に麗華が割り込んで来た

 

「じゃぁ魔理沙その霊力を魔力に変換する魔法があるとしたら?」ニヤッ

 

「「「!?」」」

「……!?いやでもそんなはずは…そんな魔法あるわけないぜ!」

「いえ、魔理沙もしかしたらありえるんじゃないの?」

と私が返す。すると魔理沙は

「なっ!そんな魔法パチュリーの図書館の魔導書にもないぜ!」

「いや、私が言っているのはそんな事じゃなくて」

と私が言おうとすると幽々子が

「魔理沙、興奮するのはいいのだけれど少し落ち着きなさい。そして落ち着いた状況で秋人の能力を思い出しなさい」

と幽々子はいった

 

「秋人さんの能力?……!?まさか!」

「そう、そのまさかだ」

「奴は禁忌どころの騒ぎじゃないことをいくつも犯しているんだよ魔理沙」

「…だからといってあいつがすべて悪いわけじゃないんだ、、、人間だってやってはいけないことをやった…秋人の逆鱗に触れた。でも、そんな事今の今までいがみ合ってたって意味が無いんだ。わかるだろ?」

麗華は悲しげに私達に問いかけた。まるで誰かのためのように

「母さん…」

 

「麗華、その辺にしておきましょ」

そう幽々子が言った。私は秋人の過去を知りはしない

だから私もあの人の嫁なんだから聞く権利くらいあると思うわ

「それじゃ帰りましょ。秋人も待ってる事だしね」

私がそう言うと麗華はフッと少し笑い

「そうだな、早いとこ秋人に見つかる前に帰ろうか」

そう言って私達は''世界の果て''を出た




どうもこんにちはこんばんは!最近テストやなんかで忙しい作者です。前の投稿からは早いですがまぁそのへんはご理解頂けると助かります(テストとかストレスになって小説に逃げただけやー)
それでは次回もよろしくお願いします!


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第33話 過去に囚われた者

「ふぁぁ〜よく寝た〜」

俺はそんなことを言いながら布団を出ようとする。すると何かが引っかかって出れない…

「なんだ?」

俺は疑問に思いながら布団を捲るとそこには俺に抱きついている紫と白蛇がいた。

あぁ〜こいつら俺の様子見に来たら寝てたってやつか…まぁまだ布団も暖かいしこのままにして俺は布団出るかなー。俺はそう思い布団を出て襖を開けるとそこには食事を持っている優曇華がいた

しかも目を丸くし驚いた様子で

 

「え?あ、秋人起きたの?」

なんだよ、起きちゃ悪いのかよ…

「ん?あ〜今さっき起きたぞ」

「え!?そうなの!?え、えっとじゃぁこれ食事ねちょっと食べて待ってて!」

「お、おう?」

すると優曇華は慌ただしく廊下を走っていった。それに俺は疑問形で答え。しばらく持たされた食事を見る。あ、今日雑炊なのか。

俺は白菜や茸卵などの入った雑炊を布団の脇で食べていると、またドタドタと足音が聞こえてきた。しかも3人分

 

やがて襖が開いてそこから永琳と優曇華、禍津が入ってきた

そして禍津は驚いた様子で

「お、お前なんでもう回復してるんだ?あと1ヶ月はかかるはずだろ?」

と聞いてきた。なんだそんなことか…

「なんだ?お前知らないのか?俺霊力を魔力変換して補ってたからすぐに起きたぞ」

すると一同全員黙った…なんだよ、まだ起きちゃいけなかったのかよ…

「それで?秋人どうやって霊力を魔力に変えたのかしら?」

と永琳が聞いてくる。…やべこんなこと嫁たちに言えね…

そう思ってると永琳が

「あきとぉ?」

と恐ろしく聞いてきた…

「そ、それはえ、えぇーっとそうあれだよ!自然治癒能力勝手に発動したんだよ!あはは」

我ながら見苦しい言い訳だな…そう思っていると永琳は一気に顔つきが変わり低いトーンでこう言った

 

 

 

 

 

 

 

 

「なに?また貴方は自分のために人の魂を使ったの?」

「え?師匠?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……な ん で こ い つ が 知 っ て る ん だ?

 

 

 

 

 

「永琳!何故今それを言う!お前は馬鹿か!」

と私は思わず叫んでしまった。すると秋人は今まで以上の殺気を放つと同時に白蛇と紫が飛び起き、優曇華がビビり始め部屋一体に緊張が走った

「どこまで見た、、、」

「ほとんど全部よ、人体錬成の報告書から魔導書そして忌み子の自然治癒の研究資料まで…ほぼ全部」

永琳は殺気を放ち続けている秋人に怯まずそういった

 

「あ、秋人ど、どうしたの?」

そう紫が話しかけるが白蛇が止めに入る

「紫、お前馬鹿か?死にたいのか?死にたくなければ今は主に話しかけない事じゃ」

とそう言った

「……チッ」

「ひとつの聞きたいのだけれど貴方の何が人体錬成みたいな禁忌魔法を使う原動力となっているの?」

「……お前に関係ないだろ、、、そもそもそれを聞いてどうすんだよ」

と秋人は言ったが永琳はそれを無視して話を続けた

 

「なに?貴方の原動力ってのもしかして私達より前の死んだお嫁さんの復活かしら、もしそうなら貴方は過去に囚われすぎてるわ。だって貴方は私が同じことをやろうとしてた時にこう言ったじゃない。禁忌魔法に時間をかけても無駄だって!貴方が一番よく知ってる事じゃないの?」

永琳は必死に訴えていたが…その声が秋人に届くことがなかった

 

「俺が一番よく知ってるだ?過去に囚われすぎてるだ?そんな事知ったことじゃねな、確かに俺はお前に人体錬成とかは時間の無駄だって言ったかもしれんが俺は何も叶わないっては言っていない。」

「ッ!だからわからないの!あれは禁忌魔法やってはいけないことなのよ!」

すると秋人は私が予想した通りの言葉で返した

 

 

「人間が禁忌なんて知るか。そんな守りごとは人間だけでやってろ、俺からアイツを奪った奴らに従うことは何一つない。」

とやはり答えた

 

 

すると紫が

「え?え?待って現状を整理できないんだけど…どういうこと?」

と言ってきた…今の話を聞いててもわからんのか…

そんなことを紫が話していると霊夢達が部屋に入ってきた。だが、入ってきたタイミングが悪かった。

 

この部屋は既に殺気に満ち溢れあの最凶最悪の妖怪と呼ばれた紫でさえ声が震えている…それだけ秋人の殺気がやばいと言うことだ

 

永琳はそんな事はお構い無しに話を続けた

「なんなら貴方の研究をここで終わらせましょうか?私は貴方みたいな経験はしてきたことはないけれど、私だったらそんなことはしないわ。少なくとも復讐はやるかもしれないれど人体錬成なんて真似わしないわね」

と永琳が言うとこれまた厄介事を増やすかのように魔理沙が口を出す

 

「あ、秋人さん人体錬成なんて禁忌魔法はやっちゃいけないんだぜ?それに私も永琳に賛成するぜ。多分私も同じ経験をしても復讐だけしかしないと思うし」

とまた余計なことを言った。すると秋人は笑いながら

 

「ハハハ…なんならお前も同じ経験をしてみるか魔理沙?今ここで」

と笑いから一転声のトーンが一気に低くなり殺気の満ち溢れた部屋の温度が数度上がる。

 

「秋人それに永琳!いい加減にしろ!こんなことやったって意味が無いんだよ!お前の方がよく知ってるだろ秋人!」

 

私はそう声を荒らげて言った。すると秋人は「…チッ」と舌打ちをして縁側へと繋がる障子を開けて私が''世界の果て''に行くために作った魔法陣の上に立ち、秋人は無詠唱で魔法陣を起動させ''世界の果て''へと行ってしまった

 

「……し、師匠…」

「…いいのよ優曇華。あの人は私が止めたって変わらないんだから」

「そうじゃな…それに今はそっとしておいてくれ主は多分だいぶ精神的にきてるじゃろうから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…勢いに任せてここまで来てしまった。まさか俺から来るなんて思ってもいなかったが、そう思いながら不自然なほど整備された庭を見ながら縁側で酒を飲む

「はぁ〜全くこんなことになるなんてなぁー」

 

「なぁどう思う?''シルフィード''」

俺はいつもの屋敷や庭の掃除、防衛などをやっていたりする5人のガーディアンの1人である''風の精霊'シルフィード''に聞いた

 

「……そんなことを言われましても私にはわかりかねます故お答えに困ります」

「フッ それもそうかこいつは俺の問題だしな」

「でも…」

シルフィードはそう言って俺の隣に座った

「ん?」

「でも、私はサラ様のことを日頃からよく気にかけていた貴方様のことを知っております…もちろん貴方様にとってサラ様がどれだけ大切な存在だったかも…だかr」

「そうだな…でも俺のやっていたことを復活したサラに知られたら完璧に嫌われるなー」

そう言って俺はシルフィードの言葉を遮った

 

「…よいしょっと〜」

そう言いながら俺は酒瓶を持ちながら立ち上がる。するとシルフィードが

「おや?秋人様どちらまで?」

「あ〜ちっと昔の友人のところに…ね」

そう言って俺は庭に出る。後ろを振り返るとシルフィードが「いってらっしゃいませ」とお辞儀をしていた

「あぁ行ってくるよ。それじゃシルフィード少し出てくる」

そう言って俺は魔界へと向かった

 

 




どうもこんにちはこんばんは作者です!やっと冬から春へと変わり始めましたね〜自分は春が好きなので良いのですが…とまぁそんなことを思いながらテストとかやってます。皆さんも頑張ってください~
それでは次回もよろしくお願いします!


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第34話 再会そして驚き

「はぁーなんだかんだここに来るのは千年久しぶりくらいだな、、、前に来た時より」

そんなことを呟きながら魔界の城下町を歩く。するとある人物が城下町を護衛をつけて歩いているところを目撃する。

「よしちょっと行ってみっかな」

 

俺はそう呟きその人物の元へと行く。すると奴の周りには護衛とその他大勢の一般の魔物達がいた。うわぁこれマジ面倒だな。そう思いながら名前を呼んでみた

「おーい!サタン〜」

すると周りの魔物や護衛が一気にこちらを向いてきた。なんだよ、、、いいじゃねーか別に呼び捨てぐらい。そう思っていると

 

「貴様!人間の癖にサタン様を呼び捨てなど恥を知れ!貴様を死刑s」

途中でそう言葉が止まった…それもそのはず俺は殺気を放ちつつサタンの護衛を睨みつけていたからだ。

 

「テメェ、、俺をあのクズ共と同等にする気かぁ?殺すぞ」

 

そう殺気を放ちながら言うと慌てて奥からサタンが出てきた。

「も、申し訳ございません極魔王様!!私の部下が大変失礼なことを!!」

と土下座してまで謝ってきたサタンに周りはビビり始めた。周りからは「あのサタン様が土下座して謝ってる…なんなんだあいつは!」と聞こえてきた。

「ほら!貴様も謝れ!!」

 

とサタンがさっき俺のことを人間扱いしていた奴に言った。そうしていると上から巨大な魔神が出てきた…それは大きさにして約20mほど巨人だ。邪神は赤黒い羽を少し羽ばたかせその後俺前で跪いた。

「''グザファン様''!?」

周りのついに周りのヤツらまで跪き始めた

「お久しぶりです極魔王様。貴方様がなんの連絡もなしにいらっしゃるということは緊急事態でしょうか?」

と邪神は語りかけてきた。俺は邪神の問に答える。

 

「いや、そんなわけではない。ただ単に''神綺''に会いに、、、な」

俺がそう答えるとグザファンは「ならば私が神綺様のところまでお送り致します。どうぞこの手にお乗り下さい」と言ってその大きな手を差し出してきた。

 

「お、すまんね〜それじゃ頼む」

俺はそう言ってグザファンの手へと乗る。すると徐々に手を上げていきくるっと180度向きを変えて魔界にある城とは正反対の神殿へと向かう。何故城へ行かないかというと実は実際に政治をやっているのはサタンであり神綺は魔界の創造主として魔界に君臨しているから神殿にいるのだ。要は人間達に祀られた神のようなものだ。

「秋人様。神綺様は貴方様にお会いしたいともう数百年程言ってらっしゃいましたよ」

とグザファンが話しかけてきた

「ほぅ、そうなのかぁーそれは楽しみだな」

と笑いながら返した

ちなみにグザファンはその昔天界に火計を仕掛けようとした魔神であるためかなりの知名度また地位が高い魔神である

 

 

そうこうしていると神綺のいる神殿へと到着した。

「ありがとうな、グザファン」

「いえいえ貴方様に感謝の言葉を頂くなど私には勿体無いお言葉です」

グザファンは頭を下げ跪きそう言った

「堅いなぁーもう少し気楽でいいんだぜ」

俺はグザファンの肩に手を添えて言った。

「いえ、そのようなことは貴方様には出来ません。貴方様はあの神綺様が敬われる程のお方なのですから」

「そうか、まぁいいそれじゃここまで案内ありがとなー」

俺はそう言いながらグザファンに背を向け手を振りながら神殿へと入っていった

 

俺が神殿へと入るとそこにはまるで俺が神殿へと入ってくることが分かっていたようにメイドが片手にはナイフもう片方には魔方陣を展開させ待っていた。

 

「失礼ながら貴方はどちら様でしょうか?それとも神綺様にお会いに?」

 

そう言ってナイフを構え直す。なるほどこいつ夢子だったのか。大きくなりすぎてわからんかったわ…

「おいおい夢子、俺を忘れたか?」

「はい?」

俺がそう言うと夢子は首を傾げながら返事をし、近寄ってきた。まぁ近寄って分かったようで

「も、申し訳ございません極魔王様!」

と何度も頭を下げてきた。

「ん、あ〜分かったから神綺のところへ連れてってくれんか?」

「は、はい!こちらです」

 

そう言って夢子は長い廊下を歩きやがて中庭に出た。そこには、様々な地表の植物などが咲き誇り木々の隙間からは魔界にはない日差しのようなものが零れ落ち幻想的な雰囲気を醸し出している。まぁなんと俺好みのところか…。

そしてそこの中心に白いテーブルと白い椅子が置いてあり、そこには白髪の女性が座っていた。俺も思わず息を呑んだ…まるでアイツそっくりじゃねーか…

 

「神綺様お客様をお連れいたしました」

そう夢子が言うと神綺は

「夢子…貴女にはいつも言っているでしょ?ここに私がいる時は人を通すな、、と」

そう言いながら振り向いた神綺は俺の姿を見た途端、目を見開き「あ、秋人…?」と小さく言った

「よぉー神綺久々に会いに来たらなんとまぁ神のように讃えられて、俺が来た時はサタンやグザファン達もびっくりしてたし、、、全くここに来るまで大変だったぜ…ところで向かい側に座ってもいいかな?」

と言うと神綺は慌てた様子で立ち上がり

「え、えぇ!もちろん座って」

「お、おう…」

 

 

 

まぁそこからは世間話や俺の研究が嫁にバレたこととか色々話した。そうして時間が過ぎ帰ろうとした時、、、神綺が一言言った

「あ、そう言えば'''私の娘''の''アリスちゃん''元気にしてる?幻想郷にいるらしいんだけど」

 

 

え?アリスちゃん?私の娘?

 

 

「え?ア、アリスちゃん?」

俺が疑問形で返すと神綺は少し驚いた顔で

「えぇアリスちゃんよ」

は?え?あの''アリス・マーガトロイド''!?しかも私の娘って…

不思議に思い神綺に尋ねた

「え?アリスってあの''アリス・マーガトロイド''?」

 

「そうそう!やっぱり知ってたのね!それでアリスちゃんは元気にしてる?」

そうだったのか…そう思いながら

「なんだあの子お前の娘だったのかよ…」

「えぇそうよ!いい子でしょ?」

と満面の笑みで言ってきた

 

 

 

 

「確かにいい子だ。アリスなら''結婚''して''旦那''と魔法の森で幸せにくら、、して、るぞ?」

 

 

 

俺は神綺を見た瞬間恐怖を久しぶりに覚えた…その恐怖は、、そう!サラがキレた時と同じくらいの恐怖だった

神綺の顔からは笑顔は残って入るが目が笑っていなく先程の光も無くなっていた…。

「はい?気のせいかしら?今''結婚と旦那''ってワードが聞こえた気がするのだけれど?」

と少し首を傾げ目の光が消えた目で俺を見つめてきた。あ、これ神綺知らないやつ?

「え、えぇーそれはだな…」

「あ、アリス様がご結婚なさって、、る?」

夢子があからさまに顔を暗くしびっくりしていると突然

 

「……。夢子少し外出するから支度しなさい」

「は、はい!神綺様」

そう言って夢子は小走りで神殿へと戻っていった

「お、おい?外出って」

「…秋人、、アリスちゃんのとこまで案内して。」

「…え?」

「幻想郷にいるアリスちゃんのところで案内して!」

「お、おう」

睨みつけながら言われ俺は少し引いてしまった。やっぱ女って怖いな、、、




おはこんにちばんわ作者です。
最近は休みが増え色々とやったりして小説の投稿が遅くなりすいません。あまり後書きを書く事も無くなりつつあるのですがどうぞよろしくお願いします。
さて、では次回もよろしくお願いします


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第35話 家族の絆

ふん、ふんっふん

私は鼻歌を少し歌いながらお昼ご飯を作っていた。

にしても相変わらず私の旦那、、もとい上杉 龍稀はお昼になっても起きてこない…まぁいつも通りの光景である。

てか、本当に起きてこないわね…

そんなことを思いながらお昼を作っていると突然コンコンっとドアの方から音がした

 

「あら?誰かしら?はーい今出ますー」

そう言って私は台所の火を1度止め玄関へ行きドアノブをひねってドアを開けた。

するとそこには白黒の帽子をかぶった魔女がいた。「はぁ…」私は思わずため息が出た

「おいおい、私が来てため息ってのは客人に対して失礼じゃないか?」

「そうかしら?でも魔理沙どうせまたお昼食べに来たんでしょ?」

私が呆れたようにいうと魔理沙は片手を頭の後ろに上げて

「いやーやっぱりバレたか」

とアハハと笑っている。全く魔理沙は…そう思いながら魔理沙を家に上げた。

 

「あ、魔理沙まだ龍稀が起きてないから起こしてきてくれない?」

そう私が言うと魔理沙は少し面倒くさそうに

「どうせすぐ起きてくるだろ…」

「魔理沙…お昼あげないわよ」

私がそう言うと魔理沙は渋々

「仕方ないなー全く龍稀は昼になっても寝てるなんてだらしないなー」

そう言って魔理沙は私たちの寝室へと向かった。それにしても自分がお昼作りたくないからって人の家に来てお昼食べようとする魔理沙も龍稀と変わらないと思うけどなー。そう思いながらまたやり掛けの料理を再開する。

 

 

 

 

料理も出来てお皿に盛り付けテーブルに置いていると寝室の扉が開いた

「おはよぉー」

そう言いながら龍稀は目を指でかきながらまるで寝起きの子供のように起きてきた。するとひとつの疑問が生まれた。

 

あれ?魔理沙は…?

 

「あら?龍稀、魔理沙は?」

私がそう言うと龍稀は何かを思い出したかのようにそっぽを向き

「そうそう、そう言えばなんか朝起きたら魔理沙が隣で寝てたんだがなんだでか知らないか?」

…魔理沙ったら。龍稀を起こしに行って自分まで寝てるじゃないの!

「はぁ〜龍稀あとの食事の用意頼める?私は魔理沙を起こしてくるから…」

 

「おう任せとけ」

そう言って俺は寝室へと入っていくアリスを目で追った。

「はぁ〜寝起き早々だけど食事の用意するかー」

そう言って俺は台所にある調理された料理をテーブルに置いているとコンコンと玄関の方から音がした…

「ん?誰だ?もう昼飯近いのに」

そうぶつくさ言いながら扉開けるとそこには銀髪に眼帯を付け禍々しい刀を腰に差している見知った友人と…あと2人は知らん…

 

 

「よ、よぉー龍稀昼飯時に申し訳ないんだが上がっていいか?」

とあの幻想郷賢者の旦那らしくないくらい少し弱々しい声で喋った

「お、おう、まぁ上がりな」

そう言うと秋人より先に後ろにいた銀髪のドレス姿の女性がズカズカと入っていきそして…

 

「アリスちゃん!」

 

と呼んだ…ん?アリスちゃん!?

するとアリスが慌てたように寝室から出てきた。そして耳を疑うような発言をした

 

 

「な!''お母さん''!?なんでここにいるの!?」

 

 

は?え?お母さん!?

「お、おい!秋人どういうとこだよ!?」

 

 

 

 

「……」

すまねーマジ龍稀に申し訳ねー

「そ、そのな?俺が久々に神綺に会いに魔界に行ったて話をしてた時にな?つい別れ際にアリスの話が出たもんで結婚したこと言ったら…こうなった…すまん」

「え?じ、じゃぁアリスはお母さんに結婚のこと言ってなかったわけ?」

龍稀がそう質問するとアリスは

「う、うん。お母さんに言ったら絶対反対すると思ったから…」

ま、そうだよなー、俺も娘とか出来たらこういう気持ちになるんだろうか…

そう思っていると

 

「そうね、私は結婚には反対する」

「やっぱりね」

「そりゃそうよ!私の愛しい娘が誰かと結婚するんだもん…」

というかもうしてるけどな…

「って言いたいけど…アリスちゃんがとっても貴方のことは好きそうだからあんまり言えないのよねー。だから許そうと思うわ」

 

「「え?」」

 

まぁそりゃ驚くよなー

それにしても意外やな〜あの神綺が娘の結婚許すとは…

「お母さん…本当にいいんですか?」

と龍稀が聞いている

「本当は貴方みたいなのにはアリスは上げたくないのよ…」

「お、お母さん!?」

「でもね、アリスの目を見れば分かるのよ。アリスが貴方のことをどれだけ好きか…ね」

「お母さん…」

アリスがそう呟く

それにしても俺は今暖かい家族の絆が垣間見えた気がする

 

「ハハ…」

「ん?どうしたの?秋人…」

そう神綺が聞いていた

「HAHAHA」

「え?秋人ど、どうしたの?

 

つい笑ってしまった…

 

「いや〜すまん。少し笑ってしまった」

「えぇ、でも少しってレベルじゃなかったわよ…」

「いや、それは本当にすまん…でも俺は今長い間俺の中で眠っていた何かが動き出したような気がしたんだ」

「ふふふ、何それ」

そうお互い笑ったいるとアリスが

「と、ところで秋人さんとお母さんはどういう知り合いなの?かなり仲良さそうだけど…」

お、その質問やっと来たか

 

 

「あ〜それはねアリスちゃん。''秋人が私の命の恩人だからよ''」

 

 

「え!?」

「秋人さんが…お母さんの命の恩人…?」

「そうよ」

「今頃この人が私を助けてくれなかったら貴方もいなかったんだから」フフ

そう言って神綺は笑っていた…

「とうの本人はそう言ってるが俺が神綺を助けた理由は簡単だよ」

「あら?親切心じゃないの?」

神綺が不思議そうに聞いてくる。

「いや、違う」

するとアリスも聞いてきた

「え、えぇーと親切心じゃないならなんなの?」

と、まぁ今の嫁たちがこれを聞けば大体が分かる…と言っても少数ではあるが…

「答えは簡単だよ…」

俺はそう言って少し天井を向きながら言った

 

「''俺の昔の嫁にそっくりだったからさ''」

 

「え?それって永琳とかか?」

龍稀が聞いてきたが俺は首を横に振り

「昔の嫁さんだよ…神綺なら分かるだろ?」

そう話を振ると神綺は俯き暗い顔をして

「そう…ね」

と答えた

「え?それってどういう…」

アリスが不思議そうに聞いてくるが途中で話を遮るように

「知りたきゃ紅魔館の図書館にでも行くこった〜それじゃ俺は帰るぞー。神綺はもう少しいるだろ?」

そう言いながら立ち上がると神綺は俯きつつ「えぇ」と小さく答えた

 

さて、帰りますか〜

「それじゃ〜なー」

俺はそう言って玄関の方に行き扉を開ける。そして振り向かずに手を振ってアリス邸を後にした

 

 

 

俺は秋人を見送ったあと

「さっきの''知りたきゃ紅魔館に行けって''どういう意味だよ…」

と俺が愚痴っていた。するとアリスのお母さん…神綺さんが

「龍稀…だったかしら?」

と聞いてきた

「えぇーそうですよ」

「あの人のことはあまり詮索することをオススメしないわ…」

「「え?」」

神綺さんはそういった

「お、お母さんそれってどういう…」

「そのまんまの意味よ…貴方達は絶対あの人について調べちゃダメよ…でないと」

そこまで言って神綺さんは口篭った

「で、でないと?」

俺が聞き返すと神綺さんは

 

「龍稀…貴方が死ぬかもしれないわよ…」

 

「え?」

俺が驚いていると神綺さんは

「さぁーて久々に地上に出たのだもの''聖''に会いに行きましょうかねー」

そう言って神綺さんは立ち上がった

「あ、そうそう龍稀?」

「は、はい」

「アリスちゃんを死なせるんじゃないわよ」

「「え?」」

「アリスちゃんは魔界を出る前までほ私の力で守っていたのだけれどこっちには届かないの…だから貴方が守りなさい」

するとアリスがその言葉を聞いて

「も、もうお母さんは…心配性なんだから」ハァ

とため息をついていると神綺さんが神妙な面持ちで

「アリスちゃん言っとくけど貴女は私の娘よ…だから色々なところから実際狙われてるのよ。今まで言ってこなかったけどね」

 

「「え?」」

 

本日何回目かわからない''え?''が出た…だけどアリスが狙われてる?

「忠告はそれだけよ…それじゃ夢子、行きましょう」

そう言って神綺さんは家を出ていった…




こんちはこんばんは〜作者です…また訳の分からないものが出来ましたが完全に自分の趣味程度に作っているので目をつぶっていただけたら幸いです…
と、まぁ話すこともあまりないので次回もよろしくお願いします


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第36話 嫁の危機と新たな宿敵

はぁ〜またやっちまった…まぁ前よりはいい出てき方だな…

俺はそんなことを思いながら魔法の森を歩いているとすぐ脇のけもの道からガサガサと音を立て出てきたそれは

「あら、秋人さんじゃない」

「お?」

霊夢だった。にしても霊夢がなぜけもの道から?

「れ、霊夢お前何やってんだ?」

「え?なにって…この当たりを散歩してたら見知った霊力を感じ取ったから決めみたの」

あ〜なるほどねー…ん?ちょっと待てよ

「霊夢…お前元々はどの辺散歩してたんだ?」

すると霊夢はその質問に疑問を持ったのか首を傾げ

「何処って…博麗神社前だけど…」

お、おいおいマジかよ

俺は少し気になったため霊夢に少し聞いた

「な、なぁ霊夢俺の霊力ってそんなに特徴的か?」

俺がそう質問すると霊夢は

「えぇかなり特徴的よ」

「あ、それと紫と永琳にそれから母さんも探してたわよ」

 

あ〜やっぱりかーとりあえず霊力とかその他もろもろ1度減らすか。そう思い俺は目を閉じ霊力、妖力、魔力をその辺の雑魚妖怪くらいにまで下げた。すると霊夢が

「あ、あれ?秋人さんの霊力が無くなった?」

と首を傾げる。正確には無くなったと言うより減らした…だけどな

「霊夢…」

「ん?なに秋人さん」

俺は霊夢に背を向けた

「俺を見なかったことにしてくれ」

「え?えぇ!いやダメよだってk」

霊夢がそう言っているのを遮るかのように俺は

「神速」

すまん霊夢。俺は霊夢に心の中で謝ると神速と呟き駆け出した

 

 

 

はぁ〜ここまで来れば大丈夫だろう…そう思いながら俺はあえて自分が嫌いな人間共の集まり…''人里''にいた

と言っても俺がここに来たのは

「秋人ー!」

「!?!?」

いや、いやそんなはずはない!そう思いながら振り返るとそこには妖夢がいた…。俺はま、まだ妖夢には知られてないはずと思い

「よ、よぉ妖夢おはようさん」

と言うと妖夢は

と妖夢は穏やかな顔で笑い「あ、秋人おはよう」と言ったあとに首を横に振り「いやいや、そうじゃなくて秋人!紫様が探してたわよ。なんかしたの?」と…。これは予想外な答えが飛んできた。

 

紫、、、ついに妖夢にも探させてたのかよ…

「あ〜そのうち帰るから心配すんな〜」

俺はそう言って妖夢に背を向けつつ手を振る

「え?!秋人!ちょ、ちょっと待てよ」

妖夢がそう叫ぶ…すると同時に不審な視線、そして霊力を感じ取った。それはかなり特徴的な霊力で昔どこかで経験した事のある霊力だ…だが、どこの奴か思い出せない…。だけど!

 

 

 

「妖夢!」

 

 

 

 

 

とてつもなく危険な霊力だったことは覚えている

 

 

 

 

 

「え?」

俺は妖夢の所まで神速で走り、妖夢を抱き抱え一気に真上へと飛んだ。

「え!?ちょ、ちょっと秋人!?」

「妖夢、少し黙ってろ」

「え?」

 

俺は少し威圧的な態度で妖夢に言った。するとその直後さっきまで妖夢がいたところに札が四つ投げ込まれその札が四方に広がり封霊陣が展開された。

 

「危なかった…もう少しで殺られるところだったな。妖夢」

と俺は妖夢の方を向きながら言っていると妖夢の顔は顔面蒼白だった。…そりゃそうだろう今まで自分がいたところ封霊陣が展開されてあと一歩遅かったら封印されていたのかもしれないのだから…

「あ、秋人…わ、私…」

そう言って妖夢は小刻み震えていた。それもそうだろう妖夢は元々から白玉楼…そして幻想郷で平和に暮らしてきたのだからこういう殺されかける体験をしたことがないのだから…

仕方ない…俺も妖夢を抱えた状態じゃろくに戦闘もできないし1度白玉楼に帰すか…

 

俺はそう思い危険なことと思いながらもその名を呼んだ

「紫!」

 

その名を呼ぶと同時に''フォーン''という音とともに俺の隣の空間が裂けその中から上半身だけ出した紫が出てきた

「あ!秋人!!やっと見つけたわよ!」

と少しムスッとした顔でそういった。だが、それとは裏腹に俺は

「紫、、今はそんなこと言ってる暇はない」

震える妖夢を担ぎ俺は封霊陣の方向を見ながら冷淡に言った

 

すると紫もこの異様な霊力に気づいたらしく顔を強ばらせる。

「これ、一体どういうこと?」

紫は驚きを隠すように扇子で口元を隠した

「紫、、、この霊力、わからんか?」

俺がそう言うと紫は少し考え、そしてハッとした顔をした。やっと紫も気づいたようだな…

 

そう…この霊力は、俺が最も嫌っている人間…

「まさか!?」

紫がハッし俺を見た

 

 

「そう!そのまさかだよ。橘 秋人!いや、''神速の死神''と呼んだ方がいいかな?」

 

 

そう言って家のあいだの路地から出てきたそいつは。黒髪の短髪に布都とは少し違う装束…そして170以上はある身長奴は間違いなく俺が1番嫌っている人間…

 

 

 

「安倍、、、晴明?」

 

 

紫の驚き顔…そのものだった

「貴様!何故生きている…しかも何故この幻想郷にいる!」

俺がそう言うと奴は少し笑いながら

「何故って?決まってるだろ。ここにいる妖怪共を一掃するためだよ」

 

「チッ 紫、妖夢を連れて行け。あと嫁、そしてその他妖怪共を死にたくないなら俺の家に来いと…そう伝えてくれ。あ、それと嫁は強制だ」

「わ、わかったわ。で、でも貴方は?」

「俺はいい、少しこいつらと遊んでくるからな」

「だ、ダメよ!貴方病み上がりなんだから!」

紫がそう言ってきた…その申し出は嬉しいんだけれど

「ここで食い止めなきゃ俺はまたお前達を失うことになる!それだけは死んでも避ける!だから、早く行け!」

 

「で、でも!!」

紫がしつこつついてくる…だけどここで嫁をまた失うは訳には行かない!

 

「紫!早く行けと言っているだろ!!」

 

「ヒッ!」

つい怒鳴ってしまった

紫が少しビビっていた…あぁー全く俺はなんてことしてるんだ

「あ、すまん…つい怒鳴っちまった。だから、、紫…頼むから行ってくれ…」

そう言い残すと紫軽く頷き妖夢を連れスキマの中に消えて行った

 

さぁ、紫も行ったことだし俺もやるか…

「ほう?数百年前と変わらぬ対応だな…昔もそうやって自分の嫁だけは逃がしていたしなぁ」

「はぁ〜たっっく!はめんどくせぇーな!」

俺はそう言いつつ神経を集中させ、あの一撃を喰らわせる

 

「くたばれ安倍晴明。シャドウ」

 

俺がそう呟くとやつの周りに魔法陣が展開しすぐに安倍晴明が回避しないように外側の五芒星が結界を張り外へ出さないようにする。

「たっっくめんどくせぇことさせやがって…」

俺がそう言い家に帰ろうと方向を変えた時驚くべきことが起きた

 

「果たしてそれはどうかな?」

 

な…に?何故…立っていられる…。やつは、安倍晴明はさっきの一撃を喰らったはず…なのになぜ立っていらせる

「ほぉ?貴様の驚き顔なんて初めて見たな。」

「貴様!何故立っていられる!」

「そうそうムキになるような事でもないよ?簡単さー自分自身に結界を張ったのさ…深くまでは教えないがね?」

 

結界を張っただけで俺の攻撃を防ぐだと?そんなこと限りなく不可能に近い……いや、待てよ?一つだけ方法がある!それは人間の動体視力では限りなく不可能に近いが可能ではある…

 

奴は俺の''シャドウ''を寸のところで自分自身に結界を張って相殺しやがった…

 

それしか方法がない…だとすれば奴はもう人間を辞めていることになるぞ…不味いな…

「おやおや?もうネタ切れかい?それなら僕が行くとしよう。」

そういうと奴は懐から数枚の札を取り俺に投げてきた。

「チッ!」

俺は避けたのは良かったのだが…問題はその後だった。背後から違う札が飛んで来て俺の周りに結界を張った

「なに!?」

 

「さぁ!死んでもらうぞ!!神速の死神ぃ!!」

 

そう言って奴は結界を封魔陣に変えた…だけど俺はこの封魔陣をかなり昔に見たことがある…それは忌み子としてサラと捕まった時だ

「…!?まさか!そいつは!」

そう言うと奴は不気味な笑いを浮かべ

「君のご明察通り!対忌み子用の封魔陣だよ!」

 

「貴様どこでこんなものを!!」

「何処でって?それは湖の底だよ」

は?…今湖の底って言ったか?まさかあそこのから?

「ま、どっちにしろ。お前は今から死ぬんだ。別に関係ないだろ?」

「…ハハっ」

もうあれを使うしか方法はない…それしか今を脱することは出来ない…

「ハハハハハ」

「なんだ?追い詰められてついにおかしくなったか?神速の死神」

 

「いや?おかしくはなってないさーただ人間がここでよく追い詰められたなっと思ってたんだよ」

そんな危機を感じたのか、奴は驚き顔で

「貴様何をするつもりだ!?」

「そんなん簡単だよなぁ?ここから、この結界から抜け出すんだよ」

そう言って俺は禍津神威を抜く。すると周りに禍々しい霧が発生した。それに奴とその仲間は驚きを隠せないようだ…

「貴様!何をするつもりだ!?」

奴が再び叫び封魔陣を展開し始めた

「こうするんだよ!」

俺はそう言って自分の左腕を切り落とし、溶媒としてその禁忌を発生させた。

「安倍晴明!俺をよくぞここまで追い詰めた!だが、俺は一時退却させてもらう!」

俺がそう言うと奴は

「この封魔陣から逃げられるとおもってるのか!?」

 

あ〜思ってるとも

そう胸の中で呟き第三級禁忌魔法の名を唱える

 

「我と契約せし悪魔よ!我を絶対の攻撃から守りたまえ!代償は我が左腕!!」

 

奴らにどよめきが走る…それもそうだ…奴はそれを知らない…

「発動せよ!''悪魔の加護''!!」

 

簡単に説明すると正式名称''第三級禁忌魔法 悪魔の加護''

それは自分自身の身体を代償として払い、自分が対象として認めた範囲の厄災を一定量跳ね返す、防御型魔法のことである。

だが、その魔法も一定量だけ…完全とは言わない…普通は対忌み子用の魔法陣なんて無効化出来ない…だが、それは代償を人間とした場合の話だ。俺は忌み子。悪魔達からして見れば忌み子の血や肉は喉から手が出るほど欲しい存在。だからそれを代償とすることで悪魔は倍の力を発揮するのである。つまり悪魔に捧げる代償がデカければデカい程、悪魔が元の黒魔法という元は威力が無限に増大するとも言える。

故に第三級禁忌魔法として禁忌の分類に入る

 

俺は結界が解けるとともに下にスモークグレネードを投げ込み奴らの視界を奪った後フラッシュバンを投げ込み更に聴覚も奪ったあと俺は「神速」そうつぶやきその地をあとにした…




どうも作者です〜最近投稿ペースがかなり落ちましたが気にしないで貰えると助かります…そして小説もまた訳のわからないところまで来てしまって実は自分でも色々と話を考えてはいるのですが…あまりうまく行きません。そしてまた出来もしない新シリーズを書きたいなーと思ってもいるのですが……まだ検討中です。
まぁそういうことで!次回もよろしくお願いします!


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第37話 幻の古代魔方陣と世界の果て

あのあと安倍晴明の目から姿を消した俺は足がつかないようにまず白玉楼へと向かった…何故なら白玉楼は生きた人間の出入りは限られたものでしか出来ない上幽霊達が警備したりもしているので誰か入ってくればすぐにわかるからだ。

とはいえ、白玉楼の前まで来たのだが…

「も、門が閉まってやがる…どうしたもんかねこりゃー」

はぁ〜と俺が息をつき途方に暮れている背後から、コツコツコツっと白玉楼の長い石段を登ってくる音が聞こえた。誰だ?と思い後ろを振り返るとそこには

「やはり秋人だったか…」

禍津だった

 

「!?」

近付くやいなや左腕がないことに気がついたのか顔を曇らせる。

「秋人…それ、どうしたんだ?」

「あぁ、これか?これは奴から逃げる時に切ったもんだ」

とそっぽ向き少し冷淡に話すと禍津は

「待て、奴が、あの安倍晴明がお前を追い込んだっていうのか?」

「あぁその通りだよ」

すると禍津は何かを考え始め俺の方を見た

「まさか…秋人に左腕を切らせるとは…奴は一体どんな攻撃を仕掛けたんだ?」

そう俺は聞かれたのでこう答えた

 

「昔の忌々しい人間共が作った''対忌み子用の魔法陣''さ…奴は俺がグラウンドブレイク・ザ・レイクウォーターで湖の底にしたあのクソ集落からとってきやがった!」チッ

すると禍津は信じられない様な表情をしていた

「そ、それは本当なのか?」

「あぁ本当だ、じゃなきゃ俺が''悪魔の加護''を使ったりなんてしない」

禍津があからさまに顔を暗くしている

「…とりあえず禍津。こんな所で話し合っても意味がない…紫達がいる所まで案内してくれ」

「あ、あぁそうだな…お前の左腕も治さないといけないし…」

「ほら、帰るぞ秋人」

「あぁそうだな」

 

 

 

禍津に連れられついた場所は橘邸…俺の家だった

「なんだ?みんな俺の家に来てたのか」

「は?お前さんが呼んだんだろ…何忘れてんだ?」

oh......そういやそうだった…

「そういやそうだったな、すまんすまん」

俺と禍津はそう話しながら家に入ると玄関で凛が待っていた

凛は深々と頭を下げ

「おかえりなさいませ旦那様」

と言って頭をあげた直後顔が驚愕した顔で

「だ、旦那様左腕はどうなされたのですか!?」

と、そして「しょ、少々お待ちください!!」と行ってドタバタしなが家の中に消えて行った

「はぁーやっぱり最初にこの腕見たらそうなるよな…」

「まぁそうだな…」

 

 

 

 

 

 

「あんたねぇ!私たちに連絡して手当の用意させるのはいいんだけど先にやる事あんでしょぉ!?なんで肝心の旦那様を玄関に置きっぱにしてきてるの!?あんたバカァ?まずは布かなんかで止血しなさいよ!そして旦那様を家の中に上げなさいよ!」

「う、うぅぅぅすいません…」

俺は椅子に座りながら美優と永琳に左腕の手あとをしてもらいながらLostが凛に怒ってるのを「まぁまぁ〜誰でも俺の左腕がこうなってる時ぐらい焦るからさー」とフォローしながらLostに凛の説教を辞めさせる。

するとLostは「わかりました…旦那様がそう仰られるのなら…今回は手を引きます。凛、旦那様に感謝なさい」と凛に言っていた。そして「…すみませんでした。旦那様…」と涙目で言われ少しいつもより可愛く見えたことは内緒…

 

 

 

「華蓮、みんなを呼んできてくれ」

「はい、旦那様。承知致しました」

そう言って華蓮は部屋を出ていった。手当も終わり俺はみんなを集め本題に入ろうとすると…紫から質問がとんできた

「あ、秋人…その左腕、、どうした、、の?」

と震えた声で聞いてきた。するとほかの嫁も

「そうよね…私も気になってたのよね…」

「ほんとそれよね」

などなど言ってくる

「紫、質問ありがとう…今回はその件だ…」

俺は少し威圧的に言う…それもそうだ、だって嫁には死なれたくないからな…

「今回俺が左腕を失くした理由は、''安倍晴明''のせいだ」

 

 

「「「「「「!!?!」」」」」」

 

 

「え!?ちょっ、ちょっと待って!この幻想郷にあ、安倍晴明がいるの?!」

と藍が叫んだ…他には

「なに!?安倍晴明じゃと!?」

と布都が

「チッあの人間まだ死んでおらんかったのか!」

と白蛇達に対し

「よくも旦那様の左腕を…」

「じっくりいたぶった後に殺してあげようかしら」

などなどたくさん出てきた…まぁこれも愛されている証だろう。

「ま、まぁとりかく聞いてくれ…重要なことはそこじゃない…」

すると皆「え?どういうこと?」と言っていた

「実はなことはそれ以上にやばいことになっている」

「ど、どういうことじゃ主?」

「白蛇…事はお前が思ってるより深刻だぞ…」

と禍津が少し威圧的に言う

「だ、だから母さんどういうこと?」

「白蛇…お前ならこの名前を聞いたことあるだろ?」

「「「「「「??」」」」」」

俺の嫁を含め皆首を傾げている

 

 

 

 

 

「対忌み子用封印陣''Shining Birdcage''…その名の通り'光の鳥かご'だよ」

 

 

 

 

 

 

「なっ!」

「「「「「え?」」」」」

「なんじゃと!?あれをどこから!」

「し、白蛇?そのシャイニング何とかってなんなんだぜ?」

と魔理沙が聞いてきた。そして白蛇はボソッとした怒りの篭った声で

「その昔…神が邪魔な忌み子共を封印するために作り出した対忌み子用の魔法陣じゃよ」

「「「「!?」」」」

「な、なんですって!?」

「た、対忌み子用ってことは…まさか」

などと色々な声が飛び交う中白蛇が

「にしてもあれをどうやって見つけたのじゃ?」

「ん?白蛇、それはどういうことです?」

聖が聞いて来た

「いや、な?実はあれは主が昔集落ごと湖の底に沈めたのじゃよ…じゃから到底人間共が取れるはずがない…はずなんじゃが…」

「え?じゃ、じゃぁ人間達はどうやって見つけたの?」

「「「「うーん」」」」

みんなが困り果てていたその時だった。

 

「もしかしたら神があっちに味方してたりして…」

椿が一言そう言った

「なーんてね」

ん?今なんて言った?

「おい、椿…今なんて言った?」

「え?」

「いや、だからお前今なんて…」

「なーんてね?ですか?」

「いや、そんなボケいいから!その前だよ」

「は、はい!た、確か''もしかしたら神があっちに味方してたり''って言いましたけど…」

そうだ、それだ!なんで今の今まで気づかなかったんだ?俺は馬鹿かよ…

「はぁ!それだよ!なんで俺は気づかなかったんだ…」

「「「「え?」」」」

みんな呆れていたが、美優や禍津、、そして白蛇は違った

「ま、まさか奴が手引きしたのか?」

「いや、やつの事だそれはないと思う…私が知ってる限りそんな奴じゃない」

「だな、そしたらやつに話だけ聞くか…」

と、俺と禍津、白蛇達と話していると

「とりあえず秋人、奴とは誰のことなんだ?話が見えないんだが…」

と、慧音が言ってくる

「すまんな…んで奴ってのは、''破壊神''の事だ」

「「「「「!?」」」」」

「は、破壊神!?」

「あ、秋人そんな奴と知り合いだったのさね!?」

「ん、まぁ〜な。もう最近は会ってなかったが10億くらいの付き合いではあるぞ」

「「「「じゅっ、10億!?」」」」

 

「あれ?言ってなかったっけ?」

「「「「聞いてない(わよ)(さね)」」」」

「あ、はい…」

女ってつくづく怖いわ…

「まぁいいや、とりあえずお前さん達全員を世界の果て''にご招待しましょうかねー」

「「「「「え?世界の果て?」」」」」

「「「「え?あそこに?」」」」

と2つの反応があった

「あ〜そう言えばお前達は禍津が連れていったんだったな…」

「えぇ、麗華に連れていってもらったわ」

永琳が少し険しそうな顔をして話す

「え、永琳?''世界の果て''ってなんなの?」

聖が聞いた

「…世界の果てってのは…昔の秋人の家よ…」

「「「「「「え?」」」」」」

すると紫が

「ちょっ、ちょっと待って!秋人!貴方が住んでたあと家は2軒目なの!?」

「ん?あぁそうだが?」

「…」

 

「まぁそういうことで昔の家が今は安全だ!だからこそお前達を連れて行く!…今はなりふり構ってられないからな」

…また嫁を失うわけには行かない!そうなったらサラに怒られるな…私のことで学習してなかったのかってな

俺はそう思いながらみんなが集まっていた部屋の戸を開け縁側に出て前禍津が作った転送陣の上に乗り…心の中で密かに唱える…

 

汝、我を世界の果てへと連れて行け。我が名は''橘 秋人''。世界の果てを統べる長である。ガーディアン達よ。認めよ

 

「ゲートオープン」

俺はそう小声で言った。すると魔方陣が光だし書かれたスペルが浮き上がり''認証'''という文字とともに女の子が囁くような声で''確認致しました。ゲート解放''と言う声が周りを包み込んだ

「「「「「「「……」」」」」」」

 

これには皆もちろん口を開け唖然としていた。勿論禍津も。まぁそうだろうなー今まで聞かせたことなかったし…この声聞けるのは俺とサラくらいだったし…

「な、なに?今の声…」

「麗華、貴女知ってるんじゃないの?」

「い、いや知らん…私もこの声を聞いたのは初めてだ…」

「「「「「「え?」」」」」」

などと声が飛び交っているがまぁ仕方ないだろう

「ほら、早く行け」

俺がそう言うと神子が

「早く行けって…秋人はどうするのですか?」

と少しムッとした顔で聞いてきた

「あぁー俺はここに残る」

「「「「「「「え!?」」」」」」」

俺がそう言うと皆口を合わせて

「な、何言ってんの!?」

「なんで、、残るの?」

「いっ、一緒に行きましょうよ!」

などと口々に言われる

その中で1人冷静な嫁が二人いた

「まぁまぁ待ちなさい。秋人も理由があって言ったんでしょ?ね?」

そう言って聞いてきたのは''幽々子''だった

「あ、あぁこれにはちゃんとした理由があるんだ!聞いてくれ。まず重要なことはお前達を送った後にこの転送陣を消さなければならない。理由としてだが…」

ことまで言うともう1人の冷静な嫁''白蛇''が

「転送陣を敵に利用されないため、じゃな?主」

「あぁそうだ…じゃなきゃお前他をわざわざあっちに送る意味がないからな」

「「「「「「……」」」」」」

みんな黙ってしまった…まぁいいか

「だから早く行け」

そう言った直後天魔が

「だったら護衛をつけた方がいいんじゃないのか秋人。それに左腕も無いんだし」

そうだな…天魔の言う通りだな…

 

「わかった。それじゃ白蛇お前は俺について来い」

「了解した」

すると禍津が不満そうに

「なんだ?秋人私じゃ不満か?」

「ん?いや、そういう意味で言ったんじゃねーよ。ただお前も連れて白蛇も連れてじゃあっちの戦力とこっちの戦力が釣り合わねーだろ」

すると禍津は少し不満そうに

「そうだな…それじゃそうする」

「それじゃ秋人!貴方も気をつけてね」

と不安そうに紫に言われた

「あぁ気をつけるよ。それじゃ紫また後でそっちに行くから」

「えぇ、分かったわそれじゃまた後で」

そう言って紫達は禍津を筆頭に''世界の果て''へと入っていった




どうも皆さんお元気ですか?作者です!
いやー唐突に安倍晴明を出してみようかな…と思いまして出しました!まだまだ安倍晴明編は続くのでよろしくお願いします。
それでは次回もよろしくお願いします!!


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第38話 地獄への訪問と旧友

秋人に話を聞いたあと私達は''世界の果て''へと入った

そこは前と変わらず桜やイチョウ、紅葉と言ったものがいい見頃を迎えていた…だが、明らかに違うことがひとつあったそれは

「おかえりなさいませ、禍津神様」

 

そうこの妖精だ…身長が白蛇と変わらないくらいの大きさであり背中には大きな羽がある。瞳はライムグリーン、髪色は銀髪…その姿はメイド服を来ていなければ分からないほど''サラ''に酷似していた。

「ど、どうされましました?禍津神様?」

私はつい言ってしまった

「さ、サラ?」

すると後ろから「「「「え!?」」」」と言う声が数人聞こえてきた

「ま、禍津神様。残念ですが私はサラ様ではございません。私は''シルフィード''風精霊の長でございます」

「、、!?」

思わず息を飲んだ…その容姿も似ているのだが、、いや、それ以前になんと言った?''シルフィード''?…どこまでも似ているのだな

 

「そ、そうかシルフィード。すまない私の知人にあまりにも似ていたから見間違えてしまった」ふふふっ

私はそう言って少し笑う。するとシルフィードは

「いえいえ、間違えなんてよくあることですのでお気になさらず。では屋敷に案内したします」

そう言ってシルフィードは向きを変え屋敷の方へと歩き出した

「…ほらお前ら、、行くぞ」

 

並木を歩いていると後から霊夢が

「…母さんさっきの妖精がサラって人なの?」

答えようと少し後ろを向く

「いや、アイツはサラにかなり似ているがサラじゃない…多分アイツが昔秋人の言っていた屋敷を守る妖精だろうな…」

「サラさんにかなり似てるって、容姿が、、ってこと?」

「あぁそうだな…似ている、、と言うより名前とかもそっくりだ」

「ふーん、え?あ、そっかサラさんは苗字''シルフィード''だったものね」

「そうだな…いいやつだったよ」

そう言っていると妖夢が

「そう言えば屋敷を守ってるって言ってましたけど…だろうなって事は見たことがないんですか?」

と、そう聞いてきた

「んーまぁそうだな…私は見たことがなかったな…というか秋人とサラにしか見えてなかったみたいだからてっきり私をからかってるのかと思っていたがな」

そういう話をしていると

 

「どうぞ、こちらへ」

そう声と共にシルフィードが玄関の戸を開けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、あいつらも行ったことだし俺達も行くかー」

「そうじゃの」

俺と白蛇は禍津達を見送ったあと転送陣を消して地獄えと向かった

 

 

「ここに来るのは随分久しいのー」

白蛇は地獄の屋台で買ったイカ飯を食べながら俺に話してくる

「そうだな…それじゃ行くか」

「うむ」

 

俺らは多くの屋台がある大通りの先にある魂を裁く法廷へと向った

 

俺らが向かうと1人の鬼が出てきた

「なんだ?お前ら死人じゃないな…何故ここにいる。ここは魂を裁く法廷だぞ」

と言ってきた

「あぁ〜すまんすまん。それは知ってるんだが映姫かへカーティアに用事があってな…早急に会いたいんだが」

すると鬼は

「少し待ってろ」

と言って法廷の奥へと消えていった

 

しばらく俺らは白蛇のイカ飯を少し取って食ったりしていた…まぁ白蛇に睨まれたんだけどな…全くいいじゃねーかよ俺が金出したんだしさ。

そんなことをやっているとさっきの鬼が帰ってきた

 

「今四季様は裁判中だ。少し待て」

そう少し威圧的に言われる。これには俺も少しイラッときたが抑えた。

「四季様の裁判が終わり次第また来る」

そう言って奴はまた奥へと消えていった

すると白蛇が

「なんか、威圧的じゃの」

「あぁそうだな…」

俺がそう返した時、後から聞いたことのある声が聞こえてきた

 

「あれ?秋人じゃん」

俺は反射的に振り向く

「ん?誰だ…ってへカーティアか?」

「お、そうだよぉー」

「なんじゃ主の知り合いか」

「そういうアンタはどちら様?」

へカーティアは白蛇を少し睨みながら言った。それに対し白蛇も睨みながら「我は主の式じゃ」と答えた…全くいい歳して子供かよ…まぁ姿は子供だけどよ。そんな会話を聞きながら思っているとへカーティアが

「んで、今日はどうしたの?珍しく地獄に来たみたいだけど」

「ん?あぁそうだった。今回はな天界に行くのにここのゲートを使おうと思ってな」

「ほーなるほどね、わかった。そういうことだったら四季ちゃんのとこに行こっかー四季ちゃんがそういう書類持ってるからさー」

「そ、そうか」

へカーティアって映姫のこと''四季ちゃん''って呼んでるのかよ…

そんなことを思ってるとへカーティアが「おっ!丁度終わったみたいだね」と言った。

 

するとさっきの鬼と共に映姫が出てきた。

「へカーティア様、こんにちは」

「どうも、へカーティア様お久しぶりです」

「あはは2人とも堅いなーもうちょいフレンドリーにしていいんだよー」

へカーティアがそう笑顔で返すと映姫は「いえ、上司にそんなことは出来ないので」と返した

するとさっきの鬼が俺の顔を見るなり、用を思い出したようで

「あ、四季様こやつが先程四季様に至急用があるから会いたいと申してたものです」

「え?あ〜そうでしたか…私は…」

そういったところで声が詰まると同時にへカーティアの声が聞こえてくる

「ねぇー今さ秋人のことこやつ、、とか言った?秋人は私の古くからの友人なんだけど」

そうへカーティアが言うとさっきの鬼は途端に顔を青くして

「も、申し訳ございません!貴方様がへカーティア様のご友人だったとは!」と頭を下げてきた。まぁいいんだけどね?

「あぁいいよ、お気にならさず〜」俺は少し適当に返して本題に入る

「映姫、今日ここに来たのは他でもない。頼みがあるからだ」

映姫は少し驚いた顔をして

「魔界の魔王たる貴方が私に何のようでしょうか?」

そういった途端またさっきの鬼が顔を更に青くした。多分''こいつ!魔界の魔王だったのかよ!''とかだろうな

 

「いやいや、今は魔王の座を美優に譲ってのんびり暮らしてたんだが…」

「が…何でしょう…ですが貴方が直接来るということは非常事態なのですね?」

「あぁそういうことだ、飲み込みが早くて助かるよ」

するとへカーティアが珍しく神妙な顔をして

「具体的にはどんなヤバさなの?」

「具体的…と、いうかすべて話したがいいだろうな…」

 

 

 

 

 

 

 

少年説明中……

 

 

…ん?少年って歳か?まぁいいや

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それはヤバイわね…」

「だから天界へと向かう、と」

「あぁそうじゃの」

そう白蛇が答える

「わかりました、では書類を書くので少々お待ちを…」

 

 

映姫書類作成中〜

 

 

 

「出来ました」

「ありがとう、助かった」

「えぇこういう時はお互い様です。貴方がいつも私に言っていたでしょう?」

「ハハ、そうだったな」

そう言って笑っているとへカーティアが

「秋人、天界に行く転送陣だけど私が送るわ…付いてきて」

「おう!助かる」

 

そう言って俺は転送陣まだ案内してもらった

「いやーすまねーな」

「いや、いいんだよーそれより私の部下が失礼な真似してごめんなさいね」

「いや、別にいいさ気にしてないし」

「ふふふっそうなの?じゃーそういう事にしておく」

「そういう事ってまぁそうなんだけどな」

「まぁ色々とありがとう、今度飯でも奢るよ」

「お!本当に!それは楽しみにしておくわー」

「あぁ〜それじゃまた今度な」

「また会おうぞ、へカーティア」

「えぇそれじゃまた」

 

俺らはそうへカーティアに別れを告げ天界へと向った




こんにちはこんばんは!作者です!
またまた投稿ペースが空いてしまい申し訳ない…じ、実は私も忙しくて…アハハ……
まぁそんなことはさておき今回の異変がまだしばらく続くので暖かい目で見守っていただけたら幸いです
では、次回もよろしくお願いします!m(_ _)m


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第39話 伝説の黒竜と旧友との再会?

「ふぅ、着いたな」

「そのようじゃな」

俺らが転送陣を潜るとそこには大きな大陸と大きな屋敷があった。…というかなんでこんなに桃の木が多いんだ?少し異常だろ…

そんなことを思ってると1人の少女が寄ってきた

「貴方見たことない顔ね。ここに何のよう?」

青髪の少女は独特なドレスを着て片手に大剣を持ち話しかけてきた。…てかなんで大剣持ってんだよ…

「それで?なんでここ来たの?」

「あぁ、ここの領主に会えるか?少し緊急の用があってな」

 

そう言うと少女は大剣をおろし「あ、そうだったの?ごめんなさいこんな出迎えしちゃって…私は比那名居 天子よ貴方達は?」そう言った

「俺の名は秋人だ。よろしく」

「我は白蛇じゃ主の式神をしておる」

「へーそれで2人は幻想郷から来たの?」

「んー元は幻想郷に住んでるが少し野暮用が合ったせいで地獄経由で来た」

「そうなんだ。あ、屋敷はこっちだよー付いてきて」

「お、案内助かるよ」

「いや、いやこれくらい大丈夫だよ」

 

 

そんなたわいも無い話をしながら屋敷についた後。付いてきてお父さんに合わせるから、、と案内してもらった。いやーにしても天子は領主の娘だったんだな。そんなとこを思っている間にもう領主の部屋の前まで着いてしまった。すると天子は「少し待ってて」と言って部屋に入っていった

 

すると数十秒「どうぞ〜」と声が聞こえてくる。

俺は扉に手を掛け「邪魔するぞー」と言って入る。するとそこにはいかにもどこかの社長が座って仕事しそうな机と革製の椅子に座った青髪の男が居た。俺に声に気づいたのかこちらを向くと驚いた表情を見せ、スっと椅子から立ち上がって握手の要領で俺に手を出しながら

「お久しぶりです。秋人様に白蛇様、お元気そうで何よりです」

「あぁ久しいな''比那名居''」

「久しいの〜」

「本当にお久しぶりです。に、してもやはり名で呼んでは下さらないのですね。」

「まぁ〜なだって昔から比那名居って呼んでたから癖がついちまってな」

「なるほど…そうでしたか」

そう今俺と喋っている奴の名前は''比那名居龍馬(りゅうま)''比那名居天子の父親だ。まぁ昔多少の顔見知りだからあっちも知っているが…そうとは知らずに天子は「え?え?この人達お父さんの知り合いなの?」と奥で言っていた。すると比那名居が天子を呼んできて俺達の紹介を始めた

 

「天子はまだ言ってはなかったけどこの人達はあの''破壊神''様と互角もしかしたらそれ以上に強い人たちだよ…特に秋人様はね」

「いやいやそれを言ったらうちの嫁の''禍津神''はもっとヤバいぞ」

「は、破壊神様!?禍津神様!?」

天子はかなり驚いていた。すると白蛇がふてくされたように

「一応我は主の式神なのじゃが?」

「お、おっと失礼しました。天子、白蛇様はな初代の蛇神様なんだよ」

「しょ、初代蛇神!?」

まぁそんなことはさておき俺は咳払いをして本題に入る

「比那名居、すまないが俺がここに来たのは世間話をしに来たんじゃない。破壊神に会わせてくれ」

「す、すみません。そうでした。少々お待ちを…」

 

そう言って比那名居は机に置いてある昔ながらの黒電話の受話器を取りダイアルを回した

「あ、すみません。比那名居ですが…破壊神様はいらっしゃいますか?……はい、急用でお客様が来ておりまして、はい了解しました。失礼します」

そう言って受話器を下ろした。

「申し訳ありません。破壊神様は現在他のものとの会議があります故、お会いになるのはまた明日に…とのことでした」

 

チッふざけやがって…こちとら急用だって言ってんだろ…

「比那名居もう一度電話をかけろ」

「へ?も、もう一度ですか?ですが今日はお会いにはならないと…」

「知らん、こっちは緊急事態だ。かけなおせ今度は俺が話す」

「わ、わかりました」

そう言うと比那名居はもう一度受話器を取りダイアルを回した。

「どうぞ秋人様」

「ありがとう」

受話器を受け取った俺は受話器を耳に当てた。しばらくの間はプルプルとなったがすぐ「はい、こちら天界のコールセンターです」と若い女の声で出た

「俺は秋人という者だ。破壊神に急用がある至急呼んでくれ」

「かしこまりました、少々お待ちください」

内線に繋いでいるのだろうか音楽が聞こえてくる。すると突然音楽が消えさっきの女の声が戻ってきた

「申し訳ございません。破壊神様は現在天界会議のためおりません。また後日おかけ直しください」

「そうか…ならその会議場所はどこだ?」

そう聞くと受付嬢の驚いた「え!?」が聞こえた

 

「会場はどこかと聞いているんだ」

「え、えっとに、日本の出雲大社です」

俺は それを早く言えよ と思いつつわかった。そう言って受話器をおろした。

「比那名居現在の出雲大社はどこにあるんだ?」

「え?出雲大社ですか?確か…島根の出雲市ですね」

「そうか…なら案内を頼めるか?」

そう聞くと比那名居は「え?」と少し青ざめて「わ、わかりました。ご案内します」

そう言って俺らは屋敷を出た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜世界の果て・旧橘邸〜

「…それで?シルフィードは何時からこの屋敷に雇われていたんだ?」

私はそう聞いた。今は皆各自自由に過ごしているのだが私と霊夢は少し酒を飲みながらシルフィードに聞いた

「そうですね…もう10億年になりますかねー」

「そうか…やはりあの時お前は居たのか…」

「えぇ、おりました」

「ん?待てよ…妖精ってお前以外に他にも数人居なかったか?」

「おりますよ」

「今でもか?」

「えぇそうですね…もしかしたら霊夢様は見えてらっしゃるのでありませんか?」

は?霊夢には見えている?

 

「れ、霊夢どうなんだ?」

私は霊夢に聞いた。すると霊夢は

「その妖精って肌の色が赤褐色で周りになんか黒いくて小さい龍みたいなのを飛ばしてる子?」

え?赤褐色?黒くて小さい龍?、、まるで意味がわからん

「やはり見えておりましたか…」

「ってことはやっぱり」

「はい、そうでございます。少々お待ちください今呼んでまいりますので」

「え、えぇ」

そう言ってシルフィードは戸を開け縁側に出てその子の名を呼んだ

「おーい''ケノン''〜」

するとどこからかはわからないが返事をする声が聞こえた

「お待たせして申し訳ございません。この子が霊夢様のおっしゃる子ですよね?」

そうシルフィードが言うと霊夢は「えぇさっき縁側走ってたから覚えてるこの子よ」そう霊夢が言うとシルフィードはニコッと笑って

「まだわからないようなので今度はしっかり躾ましょうかね」

と表情を変えずに言った…それにしてもこんな所まサラと一緒とは…

「ヒェッ…」

そう霊夢が少し引いていたのが可愛かった。うーんにしても霊夢もなんか実の私の子みたいになってしまった…

「え、えーと、それでシルフィード?その子はどんな妖精なんだ?」

そう私が言うとシルフィードはすぐさまこちらを向き「申し訳ございません、少し熱が入ってしまいました」そう言って頭を下げた

「いや、いいんだ…それで?そこのはどんな子なんだ?」

「はい、この子は''闇精霊''…もっと正確に言うと''虚無の精霊''です」

「…虚無の?」

「はい、そうでございます」

「母さんどうかしたの?」

そう霊夢が聞いてくる、、が私には聞こえなかった。

虚無の精霊?ということはもしかしてその子の周りに飛んでる黒い龍ってのは…まさかッ!

「シルフィード、ひとつ質問がある」

「はい、なんでございましょうか?」

「もし間違っていたらすまないのだが…」

「霊夢が見たっていえケノンの周りに飛んでる龍…そしてケノンの精霊の性質から察するに…その周りに飛んでるっていう黒い龍ってのは…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの伝説の黒竜''エンシェントドラゴン''なんじゃないか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「エンシェント…なに?」

と霊夢が聞いてくる。だが、周りの反応は違ったようだ

「え、え、エンシェントドラゴンですって!?」

とパチュリーが騒ぎ出し

「エンシェントドラゴンですって…また珍らし者が」

と永琳

「…エンシェントドラゴン…」

そう聖

「エンシェントドラゴン…だと?」

と驚き顔の龍稀

「…だから!エンシェントドラゴンってなに(だぜ!)!?」

と霊夢と魔理沙、そして綾人

……ハァ。私の娘なのにエンシェントドラゴンも知らないなんて…。そう思っているとシルフィードが笑顔で

「えぇ、禍津神様のおっしゃる通りこの子の周りに飛んでいる黒竜は''エンシェントドラゴン''です」

「「「「「「………」」」」」」

一同が黙った…それもそうだ。エンシェントドラゴンって言ったら龍やドラゴンの中の長であり頂点に君臨する古龍。そんなものが目の前にいるのだ

 

ツンツン

「ん?どうした霊夢」

「母さん…さっきから質問してるのに無視しないでよ…」

そう少し涙ぐんだ霊夢に言われた

「す、すまない」

「そ、それで?エンシェントドラゴンってなんなのぜ?」

とそれを見かねた魔理沙が聞いてきた

「エンシェントドラゴンって言うのはな、龍やドラゴンの中の長でドラゴン達の頂点に君臨するかなり賢い古龍だ」

するとそれを聞いた綾人が話に入ってきた

「…ッちょっと待ってください!ということはどの龍やドラゴン達よりも強いということですよね?」

するとそのといに答えるかのように

「そうですよーでもこの子はそこまで凶暴ではないので安心してくださいね」

と突如声だけ聞こえてきた…多分ケノンの声なのだろう

「と、とりあえずもう今日はもう時間も遅いし寝ませんか?」

と優曇華が言った

そしてそれに便乗するかのように永琳が「そうね…もう寝ましょうか。じゃないと明日持たないかもしれないわよ」と。一理あると思った私たちは警戒を妖精達に任せて眠ることにした




お久しぶりです!作者です。最近誤字脱字が多いですがどうか、どうかお気になさらず!と、いつもの思いながら書いている所存でございます…( ˘ω˘ )
また衣玖さんも出そうと思ったのですが…どう出そうか迷いに迷って最終的には出しませんでした…すいませんまた今回も投稿が遅くなり申し訳ございません!
ではまた次回もよろしくお願いします!


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第40話 出雲にて

俺は今出雲神社にいる…っと言っても人間達が出入りするような下界ではなく天界の出雲だ

「ほぅ?ここがそうか」

すると比那名居が

「左様でございます。では私は会場の場を聞いて参りますので少々お待ちください」

そう言って神社の中に入っていきなにやら受付嬢と話をしていた。

それから数秒後少し駆け足で戻ってきた

「会場はこちらです。ご案内します」

そう言って俺に背を向け歩いていくので俺はそれについて行く

 

 

 

にしても出雲は下界の出雲よりは広いなー。迷ってしまいそうだ と思っていると そうじゃの〜我もそれは思ったのじゃ と白蛇が返してきた。俺は なんで俺の思考わかんだよ! と思うと白蛇は呆れた顔で なにをやっとるのじゃ…我は主の式神だからであろう… と言い返され俺はグゥの音も出なかった。

そんな無言のやり取りをしていると比那名居が目の前で止まり、手を出して

「こちらが破壊神様のいらっしゃる会場となっております」

「そうか…すまないなこんなことに付き合わせて、比那名居案内ご苦労。もう帰っていいぞ」

そう言うと比那名居は一礼をして

「いえいえ、今後とも私達一同よろしくお願いします」

「おう」

俺はそう言って出雲の会場の戸を開けた

 

戸を開けるとそこには神々が椅子に座り手元の書類に目を通していた

「この中に破壊神はいるか?」

俺がそう言うと神々はこちらを向き目を見開いて

「あ、貴方はどちら様ですか?」

と女の神が聞いてきた…。なので俺は答える

「俺は破壊神に急用があってきた」

すると奥から黒ベースに赤のラインの入ったナチス・ドイツ似の軍服を来て同じく赤いベレー帽を被っている奴が立ち上がった

「どこの誰が俺に何の用だ」

と言った。

「なんだ?俺が会いに来てやったのにその態度か?」

すると奴は俺のこの声に気づき

「お前…神速の死神か?」

と言うと周りの神々が怖気付き始め周りからは

「し、神速の死神ってあの神殺しの…」

などと声が上がっている

 

ま、そりゃそうか…前かなり殺したしな

「それで?あのお前が俺に何の用だ?」

と破壊神が聞く

「話しが早くて助かるよ…単刀直入に言う。お前があの''Shining Birdcage''を人間どもに、、よりによって阿部晴明に与えたのか?」

そう言うと破壊神は驚愕の顔を見せ

「あの封印陣が人間達に渡ったのか?」

と答えた…そう言うことを言った奴はもしかしたら関与していないのかも知れないが、絶対に関与していないとは言いきれない

 

「あぁそれで俺は神が手引きしたんじゃないかと睨んでるんだが…」

「…わかった調べてみよう」

「頼んだ。それじゃ俺は一度帰る」

俺がそう言うと破壊神は

「ちょっと待て…」

そう言って俺の肩を掴み動きを止めた

「なんだ…まだ何かあるのか?」

俺がそう言うと奴は

 

 

 

「その問題、俺にも一口食わせろ」

 

 

 

 

と奴は言った。すると周りの神達が

「破壊神様!?何をおっしゃいますか!」

そう反抗すると奴は神々を睨みつけ

「久々に鬱憤晴らしが出来るんだ、おめぇーが口出してんじゃねーぞコラ」

とかなり威圧的に言った

これにはほかの神もガタガタと震え始めた

「とりあえずわかった…そしたら来るんだな?」

「あぁ行くさ」

そう言うとまだ神がガタガタと震えながら言ってきた

「で、ですが破壊神様…か、会議はどうなさるのでしょうか?」

と聞いてきたのに対して破壊神はそいつに背を向け手を振りながらこういった

「あ〜それは後だあと。とりあえずその人間どもに潰すぞ死神」

「あぁそうだな…そうするとしよう」

俺らはそう言って出雲を出た

移動中奴はこんなことを聞いてきた

「なぁ禍津神も連れていかねーか?」

「まぁいいが…その場合一度俺の家に戻ることになるぞ」

そう言うと奴は

「別にいいさ、、とりあえず禍津神を連れていくぞ」

「あぁわかった」

そう言って俺らは一度移動を止め''世界の果て''へのゲートを開いた

 

 

 

〜世界の果て・旧橘亭〜

俺が潜り抜けたその先はいつも通り、イチョウと紅葉の落ち葉の絨毯が玄関先まで続いておりその先の家の庭に植えてある桜が大きくここからでもわかるくらいだ。

「いやーにしても久々この世界に来たな」

「まぁそうだな、、俺もつい最近まで来てなかったからな…」

「まぁそうだろうな…だってここは、、、」

そう破壊神が口にしようとすると

「それ以上は何も言うな」

と少し威圧的に言った。すると破壊神も悟ってくれたようで「わかった…」としか言わなかった

 

 

 

 

俺は玄関先まで来て玄関の戸に手を掛けた

すると突然戸が開きトカゲのしっぽのようなものの付いた140くらいの赤褐色の女の子が出た。そして俺の顔を見るなり

「あ!秋人様帰ってこられたのですね?奥で禍津神様がお待ちですよ」

「そうか、ありがとなサラマンダー」

そう言って彼女の頭に手を置き撫でる。そう、彼女の名は''サラマンダー''火精霊の長であり四大精霊の一人だ。

その後俺らは居間に向かった

 

 

戸を開けるとそこにはソファーに座った禍津とその隣に霊夢あとはうちの嫁さん代表の4人が揃っていた。

「お、全員集合か?」

「あぁそうだな、、!?お、お前破壊神か?」

禍津は破壊神を見るなり驚きを表した

すると破壊神は

「なんだよ…''アレ''が人間達に渡ったから協力しに来たのにその態度かよ」

と破壊神がそう言うと禍津は呆れた顔で

「何を言ってるんだお前は、、どうせお前は最近暴れ足りないからって私らに協力するのを建前に来たのだろう?」

「なっ!」

っと、、ここまで見抜いていた禍津であった…




どうもおはこんにちばんわ!作者です。実は最近もう一つ小説を書いてみたら?というか友人の誘いにより''ネトゲ仲間と共にゾンビと戦いつつ荒廃していく世界を生き延びるそうです''という少し東方要素の混じったオリジナル作品を書き始めました。…それによりこちらも投稿ペースが落ちると考えられるので皆様のご了承お願い致します。
と、堅苦しい感じになりましたが次回もよろしくお願いします!


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第41話 本性とリミッター

「…ということで俺が最初に出るからその後に禍津と破壊神が来い。その間紫は後方で奴らの幻想郷外への転送用意を済ませろ。紫を護衛するのはうちのメイドとみんなで頼む。ただしヤバくなったら逃げろよお前達の命は何者にも変えられないからな」

とそういう作戦を立てていると

 

「それじゃ実際に戦闘するのは死神、禍津神、俺でいいんだな?」

と破壊神が聞いてきたため少し訂正する

「いや、実際戦闘するのは俺、破壊神、禍津、白蛇だ」

 

そう言うと破壊神は首を傾げ「白蛇って誰だ?」と言うので「ほら、10億年前の牢獄から出た時にいた神」と言うと「あの神か!?」とかなり驚いていた

 

俺はそう説明し、決行日は明日と伝えた

 

 

 

その夜俺が縁側でピンクの勾玉を首から下げ酒を飲んでいるとどこからとも無くシルフィードの気配がした

「…シルフィードか?」

 

俺がそう言うと後ろからまさに風精霊らしい登場をして「お隣に座ってもよろしいでしょうか?」と言ってきたので俺が「あぁ」と言うとスッと隣に座った

「秋人様、お願いがございます。」

と今までにない顔をして俺に言った。俺は嫌な予感がしつつも「なんだ?」とシルフィードの方を見ることはなく酒を飲んだ

するとシルフィードは

「お願い致します…我々を、、ガーディアンを戦闘へと参加させてはもらえないでしょうか…」

 

やっぱり俺の悪い予感って当たるな…

「…理由は?」

そう言うとシルフィードは少しニヤッとして

 

 

「我々の邪魔をする者共を一掃したいだけでございます」

 

 

…はぁ、、出たよ''こいつの悪い癖''

「…はぁやっぱりか…」

「あら、気づいてらっしゃったんですか?」

シルフィードはフフと少し笑いを浮かべる

「まぁな」

それに対し俺はそう返す…コイツは容姿はサラ似だが実のところ''性格は真逆''なのだ…と言っても俺にしか見せない本当の素顔…他のガーディアン達にも見せない顔だ。まぁこんな容姿で猫被ってたらまぁわからんよな…

 

「まぁ構わんがね、どうせ転送地点で待ち構えて嫁達にバレないように殺そうと思ってたし、、」

「そうだったのですか?では遠慮せず殺れますね」

そう笑いを浮かべる。つくづく怖い女だ

「だが、条件がある」

そう言うとシルフィードは少し落ち着きを取り戻したのかいつもの落ち着いた声で

「条件、ですか?」

「あぁ、簡単だよ。お前一人で殺れ」

 

そう言うと笑顔になり

「1人で殺ってもいいんですか?ありがとうございます」

「だが、一応言っておくが奴はそんじゅうそこらの雑魚とは訳が違う。殺る時は気をつけろよ」

「はい、了解致しました」

と少し微笑んで返してきた

 

 

 

 

 

 

俺はあの後書斎に行くため縁側でシルフィードと別れ、廊下を歩いていると前から誰か歩いてきているのを確認した。俺は咄嗟に腕時計を確認する。すると時計の短針は丁度午前2時を指していた…

「、、、禍津か?」

そう俺が不信感を覚えつつ言うと相手はビクッと体を震わせ

「、、!あ、秋人さんか?」

と少女らしき声が聞こえてきた…俺の聞き覚えのある声だ

「魔理沙か?」

何故だかわからないが魔理沙じゃないかと思い声をかけてしまった

暗がりにいた少女らしき人影が近づいてくる。そして俺の前に来る頃にはそれが誰かわかった

「魔理沙か…なんだこんな時間に、どうした」

「あ、いや、その、便所に、、そう!便所に行ってきただけなんだぜ」

…っと本人は言っているが目が泳いでいて俺と顔さえ合わせようとしないため多分嘘であろう

 

「あ〜そうなのか…ってそういうことはいいから本当は何をやってたんだ?それも''書斎''の前で」

そう俺が言うと魔理沙は少し肩をビクつかせ

「い、いや本当に帰りなんだよ」

と、だけ言った。まぁ別に書斎に入られたところで気にはしないんだがな…

「そうか、じゃぁ魔理沙書斎で少し話さないか?」

「え?お、おういいぜ」

少し驚き顔を見せたあとすぐにさっきの強ばった表情に戻った

 

 

「それで?本当はどうしたんだ?」

「……」

俺と魔理沙は書斎にある椅子に座りテーブルに魔理沙はホットココア、俺はコーヒーを飲みながら話していた

すると魔理沙が突然口を開いた

「なぁ秋人さん…」

「ん?どうした」

コーヒーに口をつけるのをやめ魔理沙を見る

「あ、秋人さんはなんでそんなに強いんだ?だって普段は使える禁忌魔法なんかも使わないようにしてるし、、なのに…」

「なのに?」

「…妖怪とか人間とか嫌いなんだろ?なんか色々と矛盾してる気がするんだ…」

あーなるほど…そう言われるとそうかもしれんな…

俺はコーヒーを一口飲みそう思った

「そうだな魔理沙、確かに俺は矛盾してる。だがな…それはもう神とか悪魔とか妖怪への憎しみが消えたせいだよ…''人間のおかげでな''」

 

ビクッ

 

魔理沙が少しビクついたな…少し怖がらせちまったか?

「…まぁそうだな…お前は強くなりたいか?誰かを守りたいと思ったことはあるか?」

すると魔理沙は一瞬''え?''という表情をしたがすぐに「あるぜ」と答えた

 

そうか…あるのか。それじゃ少し魔法教えてやるか…

 

そう思い俺は不意に立ち上がり、近くの本棚へと向かう。そこから六芒星の魔法陣が書かれた本を手に取りまた書斎の椅子に腰掛けた。

「そ、それはなんなんだぜ?」

魔理沙が恐る恐る聞いてきた…まぁ大方ヤバい魔法が書いてある本、、とでも思っているんだろう。

「これは俺が新たに創り出した魔法の数々が記録されてる本だ。どうだ?見てみるか?」

俺がそう微笑みながら言うと魔理沙は目を輝かせながら「見るぜ!」と元気に返事をした

 

本を開いた魔理沙は俺が創り出した魔法について色々と聞いてきた。その中で魔理沙でも簡単に使え尚且つ未だこの世界にはない魔法を教えるとしよう

 

「魔理沙、本を少し貸してくれないか?」

そう言うと魔理沙は首を傾げ

「お、おういいぜ」

そう答えた。本を借りた俺はあるページを開く。それは俺が独自で研究した魔法だ。魔理沙には俺の魔法の中でコスパのいいものを選び、ページを開いた。

そこには

 

「Limiter Rewrite」

 

そう書かれてあった。魔理沙はそれを見るなり「リミッター書き換え?なんなのぜ?それ」と言っていた。

「魔理沙これはな''世界のリミッターを書き換えて自分に付与効果をつける方法''だ」

そう言うと魔理沙は顔を青くし「そ、それってやばいやつなんじゃ」と言っていたが、大丈夫だ

 

「大丈夫だ、心配するなコイツは世界のリミッターを書き換えると言っても安全の範囲内だ」

「そ、そうなのぜ?」

「あぁコイツをマスター出来ればお前は紫と互角にやり合えると思うぞ」

 

「!?!?」

 

そう言うと魔理沙はかなり目を輝かせていた

「そ、それって秋人さん見たいな魔法を使えるってこと?」

「うーん少し違うが…あ、そう言ったらいいのか」

「?」

 

 

「この世界のリミッターを書き換えることにより''魔力の減少を戦闘中に補える''ことになる」

 

 

「な!なに!?」

まぁそりゃそうなるよな…スペルカードと言えど多少の魔力の消費はする、ましてや連射なんてもってのほかだ。そして魔理沙の魔法は派手で連射の効くのが多いがその分魔力は消費する…すなわちこのリミッター解除は魔法使いに取ってはかなり重宝するものだろう…だが、その確立がされていない世界では夢のまた夢だ。そんなもんがあるんだ魔理沙はかなり興奮するだろうよ

 

「こ、これどうやって使うんだ?」

魔理沙は本を片手にそう聞いてきた

「あぁこの魔法はな''触媒が必要''なんだよ。だから魔力の補給と言えど乱用は出来ないんだ。まぁその触媒はあるんだけどな」

 

「え?あんの!?」

「まぁそりゃな」

そう言って俺は本を置いている机の引き出しを開ける。そして中からボタンのついた10cmくらいの筒を取り出しそれを魔理沙の前に置いた

 

「こ、これなのぜ?」

「あぁこれだ。使うにはちょいと使用者の血液が必要でな」

そう言うと魔理沙は少しビクつき

「そ、それってやっぱりヤバいんじゃ」

「いやいや、大丈夫だ。血液がいるのはな使用者を認識するためだよ。出なきゃ広範囲にバラまいて敵まで回復するからな」

そう言うと魔理沙はホッとした顔で

「そ、そうなのか。なら安心だな」

そう答えた

 

「あぁ、それで使う時にはこのボタンを押せ、んで血液の認識をやんないといけないから…よし魔理沙右腕を出せ」

そう言うと魔理沙は少し怯えながら右腕を出した

俺は筒の裏にのネジを外し針を出す。その針は筒から数ミリしか出てはいないがまぁ魔理沙は初めてだから怖いだろうな

「よし魔理沙刺すぞ」

「お、おう」

俺はそう言って魔理沙の右手首あたりに筒を軽く押し当てすぐに抜く

魔理沙からして見ればこれは少しチクッとしただろう…

「ッ、」

「ん?痛かったか?」

「いいやチクッとして少し驚いただけだぜ」

「そうか…よしそしたらこれで準備はいい。これは魔理沙が持ってろよ」

そう言って魔理沙に渡す

「ありがとうなのぜ」

そう言って魔理沙は筒を見ていた

 

「な、なぁこれの名前ってなんなんだ?」

「あ〜これな、、うーん''magic power supply''とかでいいんじゃね?」

「魔力供給…か、」

「まぁ好きな呼び方にしてくれや」

「わかったぜ!」

「でも、今日持ってきてもいいが使う時は場合を見て使え、それと非常事態の時に使え」

そう言って俺は四角いキューブ状のものを魔理沙に渡す

「ん?これはなんなんだ?」

「あぁコイツは''Grand Lightning''だ。コイツの威力は着弾地点を中心とした直径20m以内の的の身体に電流を流し気絶させる物だ。撃つ時はお前のミニ八卦炉に詰めこんで撃て」

そう言いつつ魔理沙の手に握られた

「わ、分かったのぜ…」

「言っとくが最終手段だからな。扱いには気をつけろよ」

「お、おう」

 

そう言って俺は魔理沙と書斎前で別れ自室に向かった




おはこんにちばんわ作者です!
いやー今回は色々と書きたくて入れたのですが逆に書きずらかったですHAHAHA
チュドーン!!
な、何事!?
「コラー!私たちの出番よこせ!夢想封印!!」
おうふ!……orzチーン
「よしやったか!」
「えぇ母さん!というわけで次回もよろしくお願いします!」


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第42話 精霊の隠し事と宴会

俺は魔理沙と別れた後嫁たちの待つ部屋へと向かい眠りについた

 

朝がきて俺らは支度をし、出発するとき俺は綾人を書斎へと呼び出した

「どうしたんすか?秋人さん」

「ちょいと渡したいもんがあってな」

俺はそう言ってある本棚を退けた。するとその奥には扉がありそこには厳重な結界がしてある

「こ、これは一体…」

「そうだな、、お前にはまだ真実を話していなかったな…」

そう言いつつ俺は扉を開ける。するとそこには螺旋状の台座に突き刺さった一本の剣がある。その剣は特徴的なドクロの柄をしていた。

更にその剣にはガンベルトがかかっておりその中には黒と銀の二丁が入っていた

 

「ほれ、抜いてみろ」

「え?」

俺がそう言うと綾人は驚き顔でそう答えた

「お前がこれを抜けたらお前の本当の過去を教えてやる」

俺はそう言い残し書斎へと戻った、、

 

書斎へ戻ってきて約3分後

綾人は戻ってきた、、特徴的な赤いコートを着て腰には黒と銀のハンドガンを入れたガンベルトをし、背中にはあの剣を背負っていた

 

「ほう?やはり抜いたか」

俺がそう言うと綾人は真剣な顔をして

「教えてください…俺の、、俺の過去を」

そう言った

俺はそれに対しニヤリと笑い

「知りたくば教えてやろう。お前は俺の友人、全ての悪魔の統率者''ルシファー''と人間とのあいだに生まれた子だ」

「え?」

綾人は驚きを隠せず佇む

そんな中俺は「戻るぞ」そう言って嫁たちの元へと戻った

 

オレらが戻ってくると綾人の格好に霊夢や魔理沙や嫁達は驚き禍津や破壊神、白蛇からは「それを着ていると親父にそっくりだな」とまで言われる始末、、

 

まぁそんなことはさておき俺は「ゲートを開く、作戦は手順通りに頼む」そう言ってゲートを開いた

 

ゲートを開いたあと俺はみんなから離れ単独行動をし奴らをおびき寄せる。そしてまもなく奴らは罠へかかった

突然四方八方から札が飛んでくる。俺はその札を腰のホルスターから引き抜いたMK25で撃ち落としていく。そして俺はいつしか周りを囲まれ奴がノコノコと出てきた

「我らの作に堕ちるとはお前も堕ちたもんだな」

そう嘲笑った。俺もそれに少し乗ってやるか…

「ッ、!クソ人間共が」

「HAHAHA命乞いか?面白い聞いてやろう」

そう奴が言った直後微弱な神力を感じた…こいつは破壊神の準備完了の合図だ

 

さぁてこんなつまらない芝居は止めだ

 

俺は今まで焦っていた顔からいつもの余裕の顔に戻す

「なぁーんてな」

ニヤリと笑いながら言うと奴はかなり動揺しながら「チッ!なにか来るぞ!気をつけr」

そこ言葉は虚しく周りの人間の大半は奴の山をさえも両断する斬撃により真っ二つになる

「な、なに?」

驚きを隠せず奴が呆然と突っ立っていると、上から降りてきた奴に安倍晴明は驚愕する

 

天から降りてきたそれは紫色の文様の入った女とベレー帽を目深く被っり軍服をきて大剣を持つ男

 

それに奴は

「な、なんだ!お前らは!お前らも忌み子か!」

と言っていた。するとそれに対し破壊神と禍津は

「知らないなら名乗ってやろう、、俺は優しいからな」

「何を言っている。お前に優しさなんてあったのか?わらわせないでくれ」

と破壊神に対し禍津がそう言う

「ほう?いいだろう、名乗ってみろ」

と余裕そうな晴明。大方ただの忌み子だと思っているのだろう…

破壊神はニヤリと笑い一瞬禍津を見て晴明に言った

「俺の名は''破壊神''、そして俺の隣のこの女は''禍津神''そこにいる死神の嫁だ、んで俺は知り合いな」

そう聞き奴の顔には焦りと恐怖の表情が出来る

「な、なんだ、と」

「フン、俺が不用心に1人でほっつき歩いてること自体不振だと思わなかったのか?馬鹿めが」

そう言うと同時に奴の足元にスキマが開く

奴は回避しようとするがさせない

 

「なんだ?逃げるのか?さっさと元の世界へ戻れ''Gravity vector(グラビティ ベクトル)''」

俺がそう言って人差し指で上から下へと指を下ろすと奴はその場で膝を折る

 

「グッ!な、なにをした!」

「なにってお前にかかってる重力量を増やしたのさ」

「き、貴様!」

そう言っているが動けない…そりゃそうだろうな奴にかかってる重力量は普通の約3倍…これに耐えてるだけで凄いというのに奴は立とうとさえしている、、だが、そんなことはやらせない

「全員空中に飛べ!」

そう禍津の声が響く

俺らが飛び上がったのを確認し禍津は

 

「earthquake(アース クウェイク)」

 

バァン!という轟音と共に地面が揺れ出す、、そう奴を立たせないために地震を起こしたのだ。それに対し晴明は体制を崩す。それと同時に奴はシルフィードの待つ転移先へと向かった

 

これでよし。俺はそう思い天を仰ぐ。すると背中に大きなものが2つの当たる

「やったわね。秋人!」

そう言って紫がくっついてきたのだ、、まぁいいんだがな。そう思っていると禍津が「よし!これから秋人の家に言って宴会するぞ!」と訳の分からないことを言った。

「まぁ、、たまにはいいか、、」

俺はそう言って着ているパーカーを着直した

 

 

 

 

 

 

 

〜転移先・シルフィード〜

ふふふっ秋人様が私にお仕事をくれるなんて…それに殺し、、

「いつぶりかしら?こんな仕事」

そう私がつぶやくと今回のターゲットが転移してきた

「ん?お前は誰だ!」

と言ってくる。まぁ礼儀を知らないのね人間ってのは''どいつもこいつも、、、''

 

「失礼しました。私の名はシルフィード。橘 秋人様にお仕えする五精霊の内の一人でございます。、、ですがまず''誰だ''と仰る前に貴方様が仰るのが礼儀では?」

そう言うと人間は

「それもそうだが…神速の死神に使える者に私の名を教える必要はない」

「はぁ、、人間ってなんでこうも馬鹿ばっかりなのかしら?」

私がそう言うと人間は

「なに?精霊如きが私に勝てるとでも思うなよ」

と強気に私を煽ってくる…不愉快、、実に不愉快です

「如きが、、ですか。ですが''晴明''様は私を甘く見すぎですよ」

私はそう言うと同時に妖怪でさえ反応できない速度で晴明に無数の浅い傷をつけた

 

「グッ!貴様!」

 

そう言って晴明は札を投げてくるが無駄だ

何故ならば私は''風精霊の長''このくらいの攻撃風で跳ね返せる

 

そうこうしているともうそろそろ日が落ちてくる。もう蹴りをつけましょうか。私はそう思い疲労した晴明の前に手を突き出す

そしてそう唱える

 

 

 

 

 

「私の名は''サラ・シルフィード''。この名において処刑を執行する。我が鉄槌よ愚かな人間に地獄の死を与えよ!''蒼炎なるサンフレア''!」

 

 

 

 

そう唱えると晴明の頭上より蒼色の炎が晴明に落ち奴は灰も残らないほど消滅した…

 

「さて、もう遅くなるし秋人の元へと帰りましょうかねぇー」

私はニヤッとしながら呟き首にかけてある転移玉を使い屋敷へと帰る。

「転移!旧橘亭へ!」

そう言うと私の足元が光目を開けるとそこは馴染みの屋敷だった

 

 

 

 

〜旧橘亭〜

見知った霊力を感じる…どうやらシルフィードが帰ってきたようだ。

「あ〜き〜と〜もうちょっと構って〜」

酔って俺の背中にくっついている幽々子と

「スゥースゥーむにゃ…秋人〜」ギュッ

そう寝言を言って胡座かいてる俺の膝の上で俺の胸を枕にして眠るのは意外と酒すぐ酔いやすい妖夢だ

「あぁ〜離してくれー」

俺はそう言うが

「嫌よ」

「ダーメ」

「左もーらい」

などと紫、永琳、白澤と中々のメンツに囲まれる…ん?白澤?

「お、おい!ちょっと待て!なんで白澤の姿なんだ?」

そう言うと慧音…もとい白澤は

「今日は幻想郷では満月だぞ」

「あぁなんだそうだったのか…」

俺がそういった時顔を赤くした霊夢と魔理沙が綾人に絡んでいた

 

「アンタ、、なにひゃのよひょの格好」

「え?え?霊夢?」

「大体アンタは〜なんで魔理沙にだけヒック敬語なのよー魔理沙に敬語使うならヒック私にも使いなひゃいよー」

「ひょうだぜ〜なんでわたひだけ敬語なんだぜ〜もうひょっとヒック仲良くしようぜ〜」

あぁ〜あれは完全に酔いつぶてるなーそして絡まれてるなー…まぁ俺も人のこと言えねーけど

 

さて、、これからベットで頑張らないとな…

「おーい!綾人〜」

俺は綾人に声をかける

「なんですかー?」

俺は綾人に右手の親指を立て

「霊夢と魔理沙をベット連れてってやれ…もう疲れてるだろうから」

そう言うと綾人は

「わかりました」

と言って立つ綾人にこうも付け加えた

「夜、霊夢と魔理沙の夜の相手頑張れよ!」

親指を立てそう言うと綾人は顔を赤くして

「し、しませんよ!そんなこと!」

と言って酔いつぶれた霊夢を抱き上げたところで

「俺と禍津は公認だからな」

「へっ!?親公認!?」

「おう!だから頑張れ!」

「だ、だからヤリませんって!」

そう言って綾人は魔理沙を背中に背負い霊夢をお姫様抱っこして部屋を出ていった




どうもおはこんばんわ作者です!
最近ゾンビの方の小説を書いていて申し訳ございません。ですがこっちも出来るだけ頑張るのでよろしくお願いします!!
では、次回もよろしくお願いします


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第43話 理不尽と誰かを護れる強さ

〜翌朝〜

あ゙あ゙頭いてぇ昨日飲みすぎたな…

俺はそう思いながら体を起こす。左右を見ると綺麗な肌をした天満と雛そして腹の上に白蛇っとなんとまぁいつも通り嫁達との朝チュンだ…

「はぁまたか…ん?」

俺はあることに気づく…

 

あれ?腹の上にもう1人乗ってね?

 

俺が恐る恐る布団を捲るとそこにはニコッと笑ってこっちを見ているシルフィードがいた…

 

「あ、あれ?も、もしかして俺シルフィードともやった?」

そう言うとシルフィードは

「はい」

と答えた。あぁーやっぱりかー

「す、すまんな…」

「いえいえ、久しぶりに楽しめましたから」

「ん?お、おうそうか」

そう言うと彼女は俺の体を這い寄って俺にキスしてきた

「お、おいシルフィード」

「ふふふ、変わってないわね…」ボソッ

「へ?なんか言ったか?」

シルフィードはボソッっと何かを呟いた

「いいえなにも」

「?」

 

 

そういったとき綾人達の部屋の方から「キャァー!」と悲鳴が聞こえてきた。それを聞き俺の嫁が全員起きた。

「な、なに!?今の悲鳴は!」

「れ、霊夢!?」

などと色々聞こえてくる

「まぁどうせ綾人のなんだろうな、、、」

「「「「「え?」」」」」

と皆不思議そうな顔をする

「どぉーせ昨日俺が親公認とか言ったから霊夢や魔理沙と朝チュンしてたんだろ?」

と俺が言うと嫁達は「なぁーんだ」とため息をついたことろまでは良かったのだが、、俺の胸に抱きついているシルフィードを見て寝ぼけた禍津が「サ、サラが居る!」などと騒いでいたが俺は無視する

 

 

俺が着替えてリビングに入るとそこには頬に大きな手形がついた綾人が座っていた。どうやらこっぴどくやられたようだ…

「よう、なんかこっぴどくやられたようだな」

 

俺がそう言うと綾人は「俺、何もしてないんですよ?あの人達が勝手に服脱ぎたして勝手に寝たのに起きたら突然ぶたれたんですよ…酷くないですか?」

「まぁまぁ最初はそんなもんだよ…紫や藍もそうだったし…だが1番酷かったのは禍津だな…」

「あぁなんか予想つきました」

「お、マジで?ちなみに答えは起きて早々アッパーしてきたあと禁術使おうとしてきたからな…」

そう言うと綾人は顔を青くして「、、、よく生きてましたね」と呆れたように言っていた

「まぁな、それとメシできたようだし食いに行くか」

「え?」

綾人がそう返した時俺の的中通り「秋人〜朝ごはん出来たよー」と優曇華の声が聞こえてきた

さて、まずは飯を食うか

「えぇそうですね」

そう答えた綾人と共に俺は食卓へと向かった

 

 

飯をい終わったあと俺は紫にある提案を持ちかけた

「なぁー紫」

「うん、なにかしら?」

「頼みがあるんだがこの家を幻想郷に持っては行けないか?」

そう言うと紫は

「出来るけど…相当な妖力とかいるわよ?今の私じゃまず無理ね」

「…そうか、なら妖力があれば行けるんだな?」

「えぇ」

「なら俺の妖力を分けてやるから頼めるか?」

紫が首をひねり「どうやって妖力を渡すのよ、、」と言っていた。その答えに俺は寝室を指さしながら

「お前と寝ること」

と答えると紫は顔を赤くして俯き「わ、わかったわ、やるわ」と言っていた。俺が夜にするからなと言うと紫は「さ、流石に、ね?」と言っていた

 

 

とりあえず皆幻想郷へ帰り俺は家でゆっくりしていると綾人が

「あ、秋人さん!俺に稽古つけてくれませんか?」

と申し出てきた。まぁいいけど、俺に稽古つけて欲しいとは随分とまぁ偉くなったな、、などと思いつつ俺は「いいぜ」っと答える

「ありがとうございます」

「よし、そしたら剣を持て」

「へ?」

俺がそう言うと綾人はマヌケな声を出した

「剣を持てって言ってんだよ」

「おーい、白蛇〜」

と言うと白蛇が「なんのようじゃ?主」と言いつつ俺を見てきたため「部屋から俺の''村雨''取ってきてくれー」

「え!?」

綾人が驚く、その間に白蛇は俺の村雨を持ってきてくれた

「ほい主」

「お、助かる」

そう言うと「別にいいのじゃ。それじゃぁのー」と言って白蛇は居間に消えていった…

 

さて、やりますか

「ほれ、やるぞ」

そう言うと綾人は

「そ、それってまさか''妖刀 村雨''ですか?」

と聞いてきた…なんだ知ってんじゃん

「お、そうだぞー」

俺がそう言ったところ綾人は「む、村雨相手にするとか無理ゲーじゃないっすか!?」と言っていたまぁこいつが知るわけもないか、、

俺はそう思いつつ「来ないなら俺から行くぞ?」と脅しかけるとあっさりと「行きますから!」と突っ込んできた

 

綾人はその大きな剣を片手で持ち最初に遠心力をつけ一気に速度を刃に載せ斬りかかってきた。それを俺は寸のところで躱す

「な!そしたらこれなら!」

そう言ってさっきの遠心力を使い回ったあと腰から銃を取り出し俺に発砲した。だが、奴は俺に銃弾がほぼ効かないことは知らない…

 

俺は飛んできた銃弾を村雨で跳ね返し周りの物を使って跳弾で綾人の右太腿と左肩に当てた

「グッ!」

綾人は悲鳴にならない声を上げ地面にうずくまる。まぁそれが普通の反応だが、、

 

「どうした?それだけか?口程にもないな。こんなんでお前は霊夢や魔理沙を護れるとでも思ってるのか?」

 

っと俺は更に冷たい言葉をかけると同時に発砲音に驚いた霊夢と魔理沙、そして禍津までもが出てきた。

「なに!?今のお、と…」

「あ、綾人!!」

魔理沙が叫ぶ

「あ、秋人お前!」

そう言って禍津は俺の胸倉を掴んでくる。俺はそれを片手で振り払うとこう言った

 

「お前もまだまだそれの使い方を知らんな…そんなんじゃ誰も護れないぞ。ほら、早く立て」

俺がそう言うと霊夢が「もうやめて!もう綾人には無理だから!」と泣き叫んだと思ったら剣を杖がわりにして綾人が立ち

「まだ、まだ行けます」

そう答えた。俺はそれを聞くと少しニヤけ

 

「それの言葉が出てきたんなら上等だ。これから覚悟しとけ、あと傷を治すのが先だからな」

「でも!」

「だが、日々の鍛錬は忘れるなよ?」

 

そう言って俺は綾人に近づきの首元に一本注射を打ち家へと戻った。

外では綾人が「す、すげえ!薬打たれただけですぐ治った!」などと言っているのが障子越しに聞こえた。

 

「さてっと、椿居るかー?」

俺は一息ついたあと椿を呼ぶ。すると20秒も経たないうちに

「はい!お呼びでしょうか?」

と、俺の前に現れた

「おう、今回はお前向きの仕事だ」

「はい!」

おう、威勢はいいな

「んで今回は香蓮と同行してくれ」

「はっ!」

「よし、今回は潜入ミッションだ。お前らは客船に潜入してもらう。んで肝心のターゲットはこいつだ」

俺はそう言って椿に見せる。

「こいつの顔を覚えとけよ。あとこの写真は香蓮にも渡しといてくれ。」

「了解致しました」

「あとは脱出だが、それはReiに任せてある。伊402改で客船から脱出してくれ」

「わかりました。では準備が出来次第行ってまいります。」

「あぁよろしく頼む」

 

話が終わると椿は戸を開け香蓮の元へと向かった

さて、、これからは俺も綾人の育成で忙しくなる、、か

「ハハ、俺の人生で誰かに教える時が来るとはな」

そう思いながら俺は笑っていた




お久しぶりです…作者です。
現在テストがあり更新が遅くなってすみません。今回はかなり短い話でしたが楽しめたでしょうか?
では次回もよろしくお願いします。


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第44話 メイドの仕事と旧都

〜客船内〜

今日、私は初ミッションで監督として香蓮さんが同行してくれている。

「よし、やるぞ」

私が小声で呟くと香蓮さんが

「気合いを入れるのは構わないけれど足でまといにはならないでね?」

「は、はい」

「ふふ、冗談よ。さぁ行きましょ」

そう言って香蓮さんは今までのメイド服とは真逆の派手な紅いドレスを着てターゲットのいるとされる当たりへと向かった。

 

途中数人の男にナンパされたがそこはキッチリお断りした。と言っても香蓮さんもかなり絡まれたようで面倒くさそうにしながら男の耳元近くで小声で「私のパパ、ロシアのマフィアのボスだから私に手を出したらパパが貴方を殺しにくるわよ?」と囁いていた、、。本当に旦那様直属のメイドは頭がキレるうえに更に殺しの腕もいいから怖い、、

 

香蓮さん曰く「大体の男ってのは自分より強い相手には尻尾巻いて逃げるもんよ。まぁ旦那様はそれでも殺しに行くけどね」とのこと。

さ、流石は旦那様が直接会いにってまで雇ったメイドの内の一人、、私らとは格が違った…。

 

「椿、殺しで相手が男の場合の良いテクニック教えたげる」

そう言われ説明されたが、、これ私に出来るのか?

と思いつつターゲットを見つけ実行する。

 

「ねぇそこのカッコイイお兄さん?」

そう言うとターゲットはこちらを向く

「俺のことかい?お嬢ちゃん?」

そう言いながら私の体を舐め回すように見てくる、、ハッキリ言ってキモい…

「そうそう貴方。良かったら少し貴方の部屋でお話しない?」

と香蓮さんに言われた通り少し胸元を開けながら言うとターゲットは

「いいねぇーそれじゃぁ案内するよ」

 

そう香蓮さんから教えて貰った方法、、それは''ハニートラップ''

ターゲットは、そんなこともつゆ知らずニヤニヤしながら案内してくれた、、本当キモい…そう思いながら私はついて行った。

 

 

〜客室〜

ターゲットの客室に着くとやつは私にシャワーを一緒に浴びないか、と言ってきた。殺しにおいてそれは好都合だった。そして香蓮さんからも「出来れば一緒にシャワーでも浴びないって言って誘き出しなさい。そうすればシャワールームにはカメラとかは無いし流れ出た血も洗い流せるから」と言われていたので都合が良かった。

 

ターゲットは「先に待ってるからねぇ〜」と言ってシャワールームに入って行った。私はそのタイミングでバッグから''デリンジャー''を取り出し谷間に挟み込んで隠す。

 

今回私が使ったこのデリンジャーと言う銃はレミントン社製の銃であり、全長12.38cmと小さい割に口径は41口径と以外に大きく、使用弾薬は41shortリムファイアと言う弾を使用し装弾数は二発と少なくバレルも短いため射程は約8mと短いがゼロ距離射撃をするためその心配はない。

 

そして私は服を脱ぎ出すタオルを体に巻いてシャワールームに入る。するとターゲットが堂々と裸で後ろを向いて座っているため殺すのには好都合だった。

私はデリンジャーを取り出しターゲットの後ろから軽く抱き着き胸を押し当てた後デリンジャーを頭に押し付け「コレなぁーんだ」と言ってハンマーを起こし発砲する。

 

ターゲットは完全に頭が吹き飛んでいるがその点は安心香蓮さんが言った通りシャワールームの中なので水蒸気で何も見えない上客室は客船の端で尚且つ今は客船内のホールで舞踏会がありここには誰も居ない。

私は体についた血を洗い流すとまたデリンジャーを谷間に戻し先程着ていたドレスとは違う黄緑色のドレスを着て部屋を出た。

 

部屋を出るとそこには香蓮さんが壁に背を預け立っていた

「少し遅かったわね?なに?お楽しみだったの?」

「そんなんじゃないですよ、、それになんであんな私の体目当ての男と寝ないと行けないんですか、、私はハッキリ言って初めては旦那様って決めてますから」

 

私がそう言うと香蓮さんは少し笑いながら

「ふふ、確かにね。正直旦那様くらいよ?私達を体目当てじゃないの」

「そうですねぇ〜あの人はまぁ見た目はそうなんですけど…大体は仕事のやり方とか性格とかきちんと見てくれますもんね」

「えぇそうね」

「あ、あと言っとくけど私、旦那様と一緒に寝たことあけれどそれはもうベットから出れない程ヤられたわよ。まぁ気持ち良かったらイイんだけどね?」

と言われ「ほ、本当ですか!?」とつい言ってしまったがその後

「貴女もそれなりに業績上げてオネダリしてみれば旦那様にもご褒美として抱いてもらえるかもよ?」と言われ、これから仕事頑張ろ、、と密かに思ったのは言うまでもない、、

 

私たちはそんな話をしながら横を並走している伊402改に乗り込みReiさんと合流して客船を離脱した。

 

 

〜幻想郷・橘亭〜

「そうか、わかった。報告ありがとうそれじゃ」

俺はそう言って電話を切ってふぅ〜と一息つくとそれを聞いてか聞かずかLostが茶を持ってくれた。

「旦那様、お茶をどうぞ」

「お、ありがとう」

そう言うとLostはお盆を両手で前に持って一礼し、退室した。

 

、、カンッ、、

鹿威しが甲高い音を立てて水を落とす。

「、、、久々に外に出るかな」

俺はそう思い着替えを始めると白蛇が俺に気づき「おや?主どこへ行くのじゃ?」と言われたので「んーちっと旧都にな」俺がそう言うと白蛇は「なるほど、、散歩じゃな!我も付いてくぞ」お、おうそうか、、

まぁいいんじゃね?

俺はそう思いながらLostに今日はあっちに泊まると言って家を出た。

 

 

ほぇーここが旧都に繋がる洞窟か、、やけにデケェな

(そうじゃの主)

と白蛇が答えてくる。

まぁとりあえず入るか、、

 

歩くのも面倒なので飛んでいると目の前にいきなり刃物的な中が前に来たので反射的に腰の刀を抜き抑えた。

すると洞窟の上から「嘘でしょ!?」と聞こえてきた、、なんだ妖怪か。俺はそう思いながら白蛇に(今からフラバン投げるから目と耳閉じ込めとけよ)と送り俺は腰にかけてあるフラバンを手に取りピンを抜き天井目掛けて投げた。

 

大量の光とモスキートーンのような高い音が鳴り響くなかゴトンっ!と言って上から何かが落ちてきた。

「うぅぅぅ」

桶の中で唸って目を抑えながらうずくまった深緑の髪の少女は俺を見るなり「貴方を何者?」と言ってくる、、。俺が聞きたいわそんなんそう思いながら俺は久々に自分から名を名乗った。

「俺の名は''橘 秋人''だ。お前こそいきなり首落とそうとしてきやがって危ねぇじゃねぇか」

そう言うとまた「うぅぅぅ」と頭を抱え桶の中に入っていった。、、名前くらい名乗れや、、

「んで?お前さん名前は?」

俺がそう言うと少女は

「キスメだよ、、あとまだ貴方に攻撃された光がここっててきついんだけど、、」

そう言いながらキスメは桶の中から顔を出した。

「ハハハすまんな」

「いいよ別に」

「あ、それでひとつ聞きたいんだがこの先進んだら旧都に着くのか?」

「うん、着くよ、、でも旧都と洞窟を繋ぐ橋には''パルシィ''っていのがいるから気をつけてね」

「おうよ、ありがとな」

俺はそう言って先に進んだ、、進んだのだが、、

 

 

「あ〜妬ましい妬ましい、、あまり知られてないど幻想郷では最強とか妬ましい、、」

そう言って彼女、、''水橋 パルシィ''は俺の行く手を阻んでいる、、さてどうしようか、、俺がそう考えていた時助け舟が来た

「おや?パルシィ、、またちょっかいかけてるのかい?」

「、、、''ヤマメ''じゃない、、あぁ妬ましい、、」

「全くどの辺が妬ましいんだい、、たまに意味がわからなくなるよ」

そう言って助け舟を出してくれたのは茶色と黄色のドレス?を着た150くらいの女の子が言ってくれたのは良かったのだか、、

 

「にしてもアンタ、、人間かい?珍しいねぇ〜人間がここに居るのは」

、、なんかイラッときたんだが?俺はそう思いながら少し妖力と霊力を3割程出しながら

「俺は人間じゃねぇんだけどなぁー」

と少しキレ気味に言うと不味いと思ったのか「あ、いやすまなかったね、あはは」

と苦笑いしながら言っていた。、、まぁ丁度いいし聞いてみるか。

「なぁこの当たりに''星熊 勇儀''って鬼は居ないか?ちょいと用があってな」

「なに?勇儀?なんでまた、、っていいか別に、、」

そう言ってヤマメは「案内するよ。付いてきな」と言って先を行く。俺はそれを追っていった。

 

「ここだよ、勇儀はいつもここで飲んでるからねぇー」

「ありがとう助かるよ」

「いやいやあんなん見せられたら断れないから」

と言いつつ苦笑いしている、、どうやら怖いようだ。

「別にそんな怖がらないくていいぞ。俺はやられたらやり返すが自分からやることはあまりしないんだ」

「そ、そうかい。なら、今度旧都来た時は一緒に呑もうよ」

「あぁそうだな。それと案内感謝するよ」

そう言って俺らは店へと入った。

 

店へと入ると案の定かなりの鬼が店の大半を占めており入ってきた俺を見るなり「なんだこいつ、、人間か?」などと小声で聞こえてくるが無視して勇儀の名を呼ぶ

「おーい、勇儀は居るか?」

そう言うと周りの鬼共の顔が変わり「、、あいつ勇儀の姐さんを呼び捨てなんて命知らずだな」と言っている。全く俺を人間扱いした命知らずはどっちだよって話だな。

「なんだい?誰だい?」

そう言って奥から勇儀の声が聞こえる、、まぁ声からしてかなり呑んでいるようだ。俺は勇儀の近くへと行き隣に座る。すると勇儀が俺に気づいた。

 

「秋人じゃないかい!珍しいねぇアンタが旧都に来るとは」

と言って背中をバシバシ叩かれるが気にはしない、、まぁいつもの事だからな。それを見ていた鬼共は「ゆ、勇儀姐さんの叩きを動じてもいない!?」っと驚いていた…

勇儀と呑みながら話をしていると俺のことを知らない若い鬼が勇儀に質問をした

「勇儀姐さんその隣の人間は誰っすか?」

と若い鬼が言うと勇儀は一瞬青くなり俺を向いた。

「んぁ?なんだ勇儀。」

「ア、アンタ、、大丈夫なのかい!?」

「なにがだ?人間扱いされることがか?」

と言いつつさっきとは違う5割程の殺気を放つと周りの鬼共がビビり始めた。

 

「お、お前さん!そのくらいにしといてくれ」

そう勇儀に言われたのでその辺にしておいた。だが、鬼たちからは「勇儀姐さんよりおっかねぇー」と小声で言われていた、、

「はぁーそういや白蛇、、お前は出てこないのか?」

と言うと勇儀が「え?」と声を上げて首を傾げると同時にボンッと白煙が出て中から白蛇が出てきた。

 

「お、お前さん今までどこにいたんだ?」

勇儀がそう聞くと白蛇は俺の膝の上に乗ると「さっきから一緒におったじゃろうが我は主の首に巻きついておったのじゃ」と言うと周りの鬼共が目を点にして「は?」と言っていたのが白蛇は気にくわなかったのか「ほれ!」と言って俺の膝の上で体長1mくらいの白蛇になった。それに勇儀を含めた鬼共がびっくりする

「まぁこんなんでも元は神だからな〜」

「「「は!?」」」

俺がそう言うと鬼共がまた騒ぎ始めた

「あ、秋人それホントなのか!?」

「ん?まぁなー」

俺は勇儀の質問に答える。

「秋人、、白蛇が本当に神ならなんで神社抜け出して今お前のそばにいるんだ?」

と不思議そうに言っていたがそれを聞いて人形に戻った白蛇は俺の膝の上で勇儀を睨んでいる、、

「勇儀、、さっき言っだろ?''元''神だってな」

「ちょっ?!主!」

「元?」

白蛇がかなり焦っていたが(俺も過去のことを晒したんだお前も同じ目にあえ)、と念を送ると白蛇は(あ、あんまりじゃー)と言っていた。

「そうだな元だ、まぁ元って言ってももう何十億年前の話だ?」

 

そんなことを言うと更に鬼共だけじゃなく周りのヤツも騒ぎ始めた。そりゃそうだろう、、この幻想郷では大妖怪と言われる八雲 紫でさえ1000年、月の頭脳と呼ばれる永琳でさえ約1億から2億年、、そう何十億年と言った時点でもう十億確定なのである、、そんなのは神以前かただの化け物でしかない。

「な、何十億年前!?あ、アンタが一体何歳さね!?」

そう勇儀が言うので答えた

「ん?聞きたいのか?」

「、、聞きたいに決まってるだろう?」

、、そうか聞きたいのか、、まぁいいか別に

「そうだな〜俺が生まれてもう11億年位になるかねぇー」

「「「「「はぁあ!?11億年!?」」」」」

うっせいなぁおい、、

「お、お前さんそんなに生きてたんかね?」

「まぁーなー」

俺はそう言いながら酒を飲む。しばらくして勇儀は冷静を取り戻した

 

「それで?秋人は今日何しに来たのさね?」

「ん?あぁ今日俺が来た理由か?」

「そうさね」

俺は左手で勇儀の頭に手を置き撫でながら

「お前とは宴会の時とあの異変以来会ってなかったし何より''嫁''を放置するわけにもいかんだろ?」

と言うと周りのヤツらがまた騒ぎ始めた…。うるせえなーと思っていた時大きな声が店内に響き渡った

 

「コラ!何騒いでるんですか、少しは静かに呑みなさい」

という声を聞いた鬼共は一瞬で黙った。そしてその人物は俺のところまで近寄ってきて挨拶した

「お久しぶりね秋人。」

「あぁ久しぶりだな''華扇''」

そう鬼共を叱り俺に挨拶して来た人物は主に旧都にいる仙人

''茨華仙''こと''茨木 華扇''だ。

「全く騒がしいと思ったら中心にいるのが貴方だったから納得したわ」

「ハハハすまんな、、自慢の嫁に用があって来ただけなんだがなぁー」

と笑っていうと華扇は以外にも笑いながら「ふふふっ全く貴方らしいわね」と言っていた。

 

 

 

店を出たあと俺らは勇儀の家へと行った。

「いやー久々に勇儀の家に来たなー」

「そ、そうかい?前に来た時はいつだったかね?」

「我は知らんぞ、そんなこと」

「確か月面戦争終わってから100年位経ったあとだったなぁーんで勇儀の初めてを貰ったのもここだったn」

 

ドカーン!!

 

「ぬ、主が吹き飛ばされたじゃと!?」

「そ、その話はな、無しさね」///

「痛てぇーお前、、本気で殴ったろ、、」

と言ったが当の本人は照れていて聞いてなかった、、ダメだこりゃ。

 

まぁそして夜は何やかんやあり翌朝となった




おはこんにちばんわ作者です、、
この頃虫が多くなりつつあって怖いです、、。一昨日なんて枕の下にヤモリがいましたからね。
まぁそんなことはさておき色々と朝チュンが多いですがどうかお気になさらず。しばらくは平和な幻想郷がご覧いただけます
では次回もよろしくお願いします!


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第45話 山の神と元神

「そしたらまたさね、またには旧都に来るんだよ」

勇儀はそう言って手を振って見送ってくれた。

「おう、お前こそまたには紫に頼んでもいいから俺の家来いよー」

俺はそう言って勇儀に手を振り返し地底から出て地上に戻ってきた。

 

「久々にアイツところに顔出すかね」

「ん?あやつとは誰の事じゃ?主」

そう言ってすっかりいつもの擬人の状態に戻った白蛇が聞いてくる

「まぁ行けば分かるさ…」

俺はそう言って博麗神社とは真逆の場所へと向かった。

 

 

 

もう数分も飛んでると目的の場所が見えてくる。それは寂れた神社だった。鳥居には「守矢」の二文字が刻まれていた。

俺が鳥居をくぐり抜けると同時にここの神のうちの一人が姿を現した

「おや、こんなところに伝説の死神さんが何の用だい?」

 

俺にそう言ってきたのは白と紫色の和服姿に白ニーソ、そして頭に黄土色の帽子を被った140くらいの女の子だった。

 

「ふ、昔よりまた背が小さくなったんじゃないか?''諏訪子''」

そう言うと諏訪子は「あーうー」とと少し肩を落としながら「最近気にしてるんだよ?」と言ってきた。そんなたわいもないことを話していると今度は

「なんだい誰だい?ん?お前さんは秋人じゃないかい!いやぁー久しいねぇー」

そう言って''神奈子''はハグをしてきた。まぁこいつは友人が男だろうが女だろうがハグはしてくる。ちなみに俺の嫁じゃないからな。

 

そして俺が来たここは''守矢神社''はなんと珍しいことに二人とも山の神としてここに祀られている神だ。まぁ神奈子、、''八坂 神奈子''は元々風雨の神だし、''洩矢 諏訪子''も元はミシャグジさまを束ねていたかつての一国の神だしな。

そんなことを思っていると神奈子があることに気がつく

「おや?秋人の隣の神は誰だい?」

そう神奈子が言うと白蛇はビクッと体を震わせ苦笑いしながら俺を見てくる。

 

「、、一応自己紹介ぐらいやっとけ''白蛇''」

「「え?白蛇?」」

俺がそう言うと神奈子と諏訪子がほぼ同時に目を点にしてそういった。

「えぇーとあれかな?もしかして新しい神様かな?修行中なのかな?」と神奈子

 

「き、きっとそうだよ私らは、、その知らないし、、」と諏訪子

それに便乗するように「そ、そうじゃの我は新しく神になろうとしておるものじゃ」と答える白蛇、、はっきり言ってめんどくさい。

 

「あ、諏訪子。ちなみにこいつは「やめんか主!」なんだよ…人がせっかく」

俺がそう言おうとするも白蛇に遮られるが俺は唐突に言った

「諏訪子、神奈子、これでもこいつはお前らの先輩だからな?」

「「へ?先輩?」」

「あぁそうだな」

俺がその事を暴露すると白蛇は「終わった、、終わったのじゃ、、」と小声で言っている。何故白蛇がそんな精神的ダメージを受けるかはわからんが何かあるんであろう…。

「ど、どういうことだ?」

神奈子が聞いてくるので俺が答えようとすると白蛇が「まだ、、まだ間に合うのじゃ!主!今すぐ言うのをやめるのじゃ!」そう言ってくる白蛇に俺は少しにやけ

「こいつは''元''神だぞ?あとこいつが神だった時はもう、、11億年前だけどな」

 

 

「「え?、えぇえぇ!!?」」

 

神奈子と諏訪子は目を見開き驚き顔を見せる。そして俺の隣では

「ぬぅぅうしぃぃぃいい!!言ったな!我が言うなと言ったことを言いおったな!?外道じゃ!悪魔じゃ!」

俺はそう隣で言っている涙目の白蛇に「はいはい、もう既に悪魔であり外道ですよぉー」と軽く流し神奈子に話を戻す。

 

そうやって数時間話した。

「よし、、そしたらそろそろ昼だから帰るわ〜あ、信仰集め頑張れよ〜」

俺はそろそろ昼なので帰ろうとする別れ際に諏訪子がこう告げた

「あぁ頑張るよ、''でも近々その信仰はかなり集まることになるだろうけどね''」

「HAHAHA。そうか、それは楽しみだ。それじゃぁな」

俺はそう言って守矢神社をあとにする

 

守矢神社をあとにしたあと俺らは一度家へと戻ることにした。

 

 

「ただいまぁ〜」

「なのじゃぁ〜」

 

戸を左手で開け家へと入る。するとすぐに華蓮が出てくる。

「おかえりなさいませ。旦那様方」

そう言って華蓮は少し口をもごもごしながら出てきた。流石俺の嫁可愛ええな。

 

 

俺は飯を食い終わるととりあえず座布団を持って縁側へと出る。するとそこには庭の池を凝視する橙の姿があった、、あれ、池の鯉狙ってんじゃねぇよな?

しばらく縁側に寝っ転がって見ていると布都が来ていた。

「秋人〜久しぶりなのじゃ〜」

俺は寝っ転がりながら「おう、久々だなー。ほれ、ここ来るか?」俺はそう言って懐の当たりを叩く。

「うむ、甘えさせてもらおうかの」

布都はそう言って懐に寝っ転がってくるので布都が寝っ転がったタイミングで布都に手を回し抱きしめながら橙を見る。

「ふぁぁ、、眠いの、、秋人。我は少し眠るぞ」

「おう」

寝た布都の髪を撫でながら橙を見る。

 

すると橙はさっきより前傾姿勢になり完璧池の中の鯉を狙っている。

「おーい、ちぇーん池の中の鯉取るなよぉ〜」

俺がそう言うと橙はこちらに気づき体制を立て直そうとするが

 

バシャーン

「ニヤッ!!」

あ、落ちた、、。俺は立ち上がり橙の救出へと行く。実は橙の狙っていたあの池はかなり大きくそして深い、、そして地下では霧の湖と繋がっているためたまにリバイアサンがいるぐらいの池、、というか小さな湖みたいなもんだ、、。

 

だがその必要もなかったようだ、、

 

池からリバイアサンがひょっこり顔を出し頭に橙を乗せていた。

「リバイアサン、、丁度タイミングがいいな」

「えぇ本当に」

リバイアサンは直接俺の脳内にそう語りかけてくる。

 

リバイアサンは頭に乗せていた橙を地面に下ろすと「では、私はこれで」そう言い首を振って一礼しまた池の中へと戻って行った。

 

さて、俺は橙の世話をするかね

「ほら、橙ボサっとしてないで行くぞ。早く着替えないと風引くからな」

「は、はい。秋人様」

橙は俺のあとをトコトコと付いてくる

 

「お〜い、紫〜」

そう呼ぶことを知ってか知らずか紫は俺が言ったそばから目の前にスキマを開けた

「はーい、ってッ!橙!?どうしちゃったのそんなにずぶ濡れで!」

「えぇっと、、その、、」

「まぁあれだよ紫。橙が庭の池の中の鯉を狙ってたから俺が声掛けたら気が緩んだのか池に落ちた」

 

そう言って紫はちょっと苦笑いしながら「やっぱり、貴女って猫らしいところ多いわよね?」っと

「、、はい」

「とりあえず紫、、橙をマヨヒガまで送ってやってくれ。藍がいるだろうから」

俺はシュンとする橙を尻目に紫にそう伝える

その後紫が橙を連れていき俺は縁側の布都の元へと戻ったのだったか、、

 

コンコンと玄関の戸を叩く音がなった後ガラッっと戸を開ける音がする

「ごめんください〜秋人居ますか〜?」

すかさず「はーい」と言って俺直属のメイドの誰かが訪問者の方へと向かった。多分この声は椿であろう。俺が1泊してる間に帰ってきていたのか。

 

数十秒後、俺のいる縁側の戸が開かれた。来たのはやはり椿、、そしてその後ろには優曇華がいた。

「旦那様、優曇華様が参られたのでお連れしました」

そういい椿は一礼する。後ろからは優曇華がスっと出てきて何やら慎重な面持ちをして俺にこう告げた

「秋人一緒に永遠亭に来てほしいのちょっと大変な事になってて、、」

優曇華はウサミミをピンッと立ててそういった。優曇華がここまで言ってくることは基本珍しい、、ということは大方かなり非常事態ってところだろう

 

「わかった。とりあえず着替えてくるから待っててくれ。椿、リビングまで優曇華を頼むわ〜」

「承知しました。旦那様」

椿が優曇華をリビングに連れていくのを確認した後俺は布都をお姫様抱っこして寝室に向かう。別にやましいことをするわけではなくただあのままにして風邪引いたら可哀想なので運ぶ。

 

布都を寝室に運んだあと俺はいつものジャージとグレーのパーカーを来てリビングへと向かう。

 

「用意出来たし優曇華永遠亭に行こうか」

リビングにいる優曇華に声をかける。出されたお茶を飲んでいた優曇華は唐突に現れた俺にビクッとウサミミを揺らし「そ、そうね。それじゃぁ行きましょうか」と言った。

俺は華蓮に''事情で永遠亭に一泊してくる。あと布都を頼んだ''と言い残し優曇華と永遠亭へと向かった…。




、、どうも作者です。え?なに?死んでたのかって?死んでないです((遠い目))
とりあえず最近忙しくなりあまり投稿が出来ませんでした。申し訳ない。
ということで次回は平和じゃなくなると思うのでよろしくお願いします


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第46話 古き宿敵の奇襲

永遠亭に着いた秋人を待っていたのは居間に座り茶を飲む永琳と輝夜、てゐとそのウサギたちだった。

「見る限りヤバそうな案件だなこりゃ」

「あら、秋人来たのね。」

「あぁ優曇華が大変なことに、、って言ってたからな」

秋人は永琳の前に座ると置いてあった少しぬるいお茶を飲み一息ついた後本題へとはいる

 

「それで?今度はどうしたんだ?優曇華があからさまに焦ってたが…」

「えッ?私ってそんな慌ててたように見えた?」

ウサミミをぴょこぴょこさせてる優曇華に

「あぁ俺が見るに焦ってたな」

と秋人は言った。

 

「んで?本題に入ろうか、んでどうした?まぁ俺を呼ぶってことはなかなかにヤバそうな案件なんだがな」

秋人は肩をすくめながらそう言う

「えぇそうね。かなり大変なことになってるわ。」

あの永琳が珍しく顔色を変える、、それに気づいた秋人も内心(只事じゃないなこりゃ)と身構えていた。

永琳から重い口が開かれる。

「数日前優曇華が月からのある波動をキャッチしたわ。それによると月の使徒達が私達を本格的に捕まえに来るそうよ、、」

永琳からのまさかの一言により場が凍る、、

「なに?奴らが俺の嫁を捕まえにくる?この幻想郷に?」

秋人はかなり真剣な顔をしている、、こんな顔月面戦争以来だ。

「えぇ優曇華、そうよね?」

永琳は優曇華の方へ視線を向け確認を取る。

「は、はい!そうです。この前そう波動をキャッチしました」

「、、チッ!面倒なことしやがって、、永琳、優曇華、輝夜」

「「「はい?(何かしら)」」」

「お前らは至急支度して俺の家に来い、、」

 

そう秋人が促す。だが、、

「いえ、その必要はないわ」

「なに?どういうことだ?」

「私達は異変を起こそうと思うの…紫の言っていたね」

「異変、、か、、」

「えぇそうよ」

永琳がそう言ったところで秋人の後ろから感じ慣れた妖力を秋人や永琳、輝夜は感じ取った。

 

1番先に口を開いたのは秋人だった

「、、紫何してる?出てくるなら出てきて欲しいんだか?」

秋人は顔を後ろに向けることなくそう言った。これにはてゐ達や優曇華はびっくりしていた。

フォーン、、という音を立てスキマが開く。中からは紫と藍が出てきた。

「久しぶりね、永琳」

「えぇ禍津事件以来ね」

嫁達がそれぞれ挨拶をする。通常なら秋人の好ましい絵なのだが、、

「紫、、幻想郷に張ってある''博麗大結界''と''幻と実体の境界''、、今回の件で役に立ちそうか?」

秋人は紫に尋ねる。すると紫はニコッと笑い

「えぇ立ちそうよ。なんたって結界か2つも張ってあるのだもの…そう簡単に入れるもんですか」

紫のその言葉を聞き永琳や輝夜達は安堵の表情を見せるが一人だけ違う表情をする者がいた。

 

「紫、、言っちゃ悪いが''博麗大結界''と''幻と実体の境界''は今回役に立ちそうに無いかもしれん」

そう秋人だ。秋人の言葉に安堵の表情を見せた永琳達は唖然となる。そこにすかさず紫が「どういうこと?秋人」と聞きにはいる。

「今回奴らの目当ては永琳達に見えて違うってことだ」

「、、ごめんなさい。話が見えないのだけれど」

と輝夜は秋人にそう言う

 

それに対し秋人は

「お前らに一つ言っておかないといけない事がある、、」

かなり慎重な面持ちになりガラッと周りの雰囲気が変わり皆黙る。

秋人の重い口が開かれる

 

 

「あそこには、、月にはかつて俺に忠誠心を貫いた一人の堕天使が封印されている、、」

 

 

秋人の口からはありえない一言が飛び出た。

「、、ふ、封印?」

「あぁそうだな。かつての俺の部下の1人だ」

「「「「「……」」」」」

さらに秋人は口を開く

「その封印を特には二つのあるアイテムを使わないといけない、、」

「、、二つの、、アイテム?」

永琳が口を開く

「あぁそうだ。一つは''地獄の番犬ケルベロスの頭''、、そしてもう1つは''俺の体の一部''だ」

「「「「「なッ!なんですってッ!?」」」」」

嫁達が一斉に騒ぐ、、

「あ、秋人ひとつ聞いていいかしら?」

「あぁなんだ?」

秋人へ質問した優曇華はあることを言った

「月の民はそれをどうするつもりなのかしら、、だって秋人に忠誠心を示しているんでしょ?そしたらなんの戦力にも、、」

「それが違う、、」

「えッ?」

「奴らには取っておきの手がある、、」

皆黙りその話に聞き入る

「それって、、どういうこと?」

「そうだな、、多分奴らの取っておきの手は、、アルト、、やつに偽の記憶をインプットすることだろう、、多分今の月の技術ではできないことは無い」

「「「「……」」」」

秋人は黙り一つの結論に至る。(そうだ、、殺らせる前に殺るか、、いつの時でもそうやってたじゃないか)と

 

秋人はスっと立ち上がり不意に紫達妖怪や永琳達の月の民出さえ知らない力を周りに放つ、、独特の力を

「あ、秋人何やってるの?」

紫は恐る恐る秋人に尋ねる。すると秋人は一言言った

「''禍力''を放ってる」

「「「「え?」」」」

それは紫達出さえ聞いたことのない力、、神力や魔力、妖怪、霊力とは違う更に古く恐ろしい力、、

「あ、秋人何を、、」

そういった時また不意に秋人は力を使うのをやめた。

「あ、秋人?」

永琳がそういう中皆、、というか五大老と呼ばれる者達だけが気づいた。

((この気配、、禍津神?))と

そしてその通りに縁側から障子を開け禍津が入ってきた

「秋人、、お前が''禍力''を使って私らを呼ぶということはかなりまずい状況なんだな?」

禍津は今までに見たことのない真剣な顔で秋人に語りかける。場はまさにひんやりとしていた

「あぁそうだ、、月の奴らが、、」

と言いかけたところで秋人の動きが止まった…

「ど、どうしたうさ?」

てゐがそう言うが秋人は一言言った。

「どうやら俺が久々に禍力を使ったせいでヤバい奴を起こしたようだな、、」

「「「「え?」」」」

嫁達と輝夜やてゐ達の頭の上に?が出ている。だが、秋人がそう言ったあと禍津もハッという顔をし、ボソッと一言呟いた

 

「、、Unown、、だと?」

 

「あぁッ!マジでやばい事!!紫ッ!みんなを!嫁達とかを早くスキマに避難させろ!」

突如轟いた秋人の大声で紫達は一瞬ビクッとした。

「何止まってる!早く行けッ!」

紫達は秋人と禍津のとんでもない殺気の前に怯えスキマへと入っていた。

 

「クソが!!」

秋人は後ろから禍津神威を抜き永遠亭から離れ奴の元へと禍津と二人で向かった。

 

 

 

〜スキマ〜

「な、何だったのかしら、、?」

紫はかつて無い殺気に怯えながらそう言った。

それは藍も同じなようで「な、何あれ、、」と震えていた。

そう秋人の出した殺気はほぼフル全開普通の人間や低妖怪共は失神し、神でさえビクつくレベルだ。大妖怪達が震え上がってもおかしくはない、、

「、、あのお方の本気、、とは行きませんが8割、、といった所でしょうか」

シルフィードがそう口にする。それに対して優曇華は

「は、八割ッ!?あれで!?」

かなり驚いている。それ仕方ない、、古き神々の間では奴に戦争、、挑発などを仕掛ける奴はいない…仕掛けるなら若いなりたての神ぐらいだ。そんな古き神々出さえ口にするだけでタブーなほど奴は恐ろしいのだ。

 

「、、なにかの冗談かしら?」

永琳は平然を装っていたがその顔には恐怖が宿っていた。永遠亭にいた者達以外は先程の秋人の殺気を知らない、、

 

「、、紫が怯えてる、、どういうこと?なにが起きてるの?」

霊夢が青ざめる、、人々から大妖怪、五大老のアダ名で呼ばれている程の妖怪が震え上がっているのだ。それはもう異常としか説明がつかない。そんな中ふと魔理沙の方を見る。魔理沙は青ざめなにかボソボソと喋っている、、

「ま、魔理沙。あんたまでどうしちゃったのよッ!」

霊夢は魔理沙の肩を揺さぶるが魔理沙は「あ、秋人さんが、、秋人さんが、、」と言っていた。

 

「魔理沙秋人さんがどうしたんだ?」

綾人は冷静に魔理沙に問う。

「え、永遠亭にまたまた言った時秋人さんの物凄い殺気が、、」

それを聞いた霊夢と綾人はハッとした。そう紫や永琳、優曇華達は秋人に恐怖心を抱いていた、、

 

 

 

〜幻想郷〜

「チッ!、、Unown、、なんでお前がこの幻想郷にいる、、」

秋人は舌打ちをすると共に禍津神威による斬撃を飛ばす、それに合わせ禍津も戦闘態勢をとる

するとUnownはするりと秋人の斬撃を避け秋人の前に立つ。

「久しいな神速の死神、、いや'今は''橘 秋人''か」

身長180くらいの黒色のパーカーと黒の半パンを着た男はそう秋人を嘲笑う。

「Unown、、今更何の用だ?まさか10億年も前の過去の恨みでも晴らしに来たか?」

禍津はUnownをじっと見つめ殺気を放つ。

 

「おいおいそんなに警戒するなよ〜確か恨みはあるが殺したいほどじゃねぇーせいぜい虫の息までで許してやるよッ!!砕け散れッ!」

Unownは鎖鎌を鎖を飛ばしその先端についている棘鉄球を使って攻撃してきた。

「クソがッ!」

だが、奴の棘鉄球は秋人に届くことはなく禍津神威によって弾かれる。すかさず禍津が回り込み「フッ!」という掛け声とともにUnownに禍津のかかと落とし決まり、奴は地上へと落とされた。

「痛ッ!!あの野郎ッ!!」

Unownが今度は禍津に鎖鎌を投げ攻撃をはかろうとするが、、

「GravityVector(グラビティベクトル)!」

「グハッ!!ッのろ野郎がッ!!死ねぇッ!!''敬愛なる死の舞''!!」

Unownが鎖鎌を回転をかけ投げつけるとそれはいくつもの鎌を生成し振りまきながら秋人へと飛んでくる。

そのうちの一本が不意に秋人の左腕を掠める、、どうやら誘導性があるようだ。

「チッ!面倒なことを、、」

そう呟き一度禍津神威を鞘に戻すと腰のホルスターから銀色のM93Rを2丁取り出しディアルで構え飛んでくる鎌を全て9mm弾で撃ち落とす。そして右の93Rをホルスターにしまい禍津神威に持ち替える。

「クソ、ならこれならどうd、、」

そう言おうとしたが奴には次の言葉までは紡ぐことはできなかった。それは上からあるものが降ってきたからである。降ってきた物の正体を確認すると秋人と禍津は苦笑いをする

 

「お、おいおいまさかこれ''破星剣''か?、、ということはまさか、、」

「あぁそのまさかと思うが、、」

2人して上を見上げるとそこには空高くに仁王立ちしている破壊神の姿があった。

秋人と禍津は程同時に「「はぁ、、」」と溜息をつく。

「おいおい、、この俺が来てやったのにその態度は無いだろ、、酷くないか?お前ら、、」

「上からいきなり大剣投げてくる奴に溜息ついてなにが悪いんだ?」

「ウグッ、、そ、そりゃまぁ少しは当たりそうになったけど結果当たってないし結果オーライってことで、、」

「「んなことあるかッ!」」

2人のツッコミが炸裂する中Unownの禍力の反応が消えた。

「チッ!逃げたか、、」

「その様だな」

「なぁ〜んだよ〜俺が来た途端これかよ、、面白くねぇーなー」

秋人は周囲を警戒しているとふと白蛇が語りかけてきた

(主、、突然の事でびっくりしたがとりあえず幻想郷に索敵を回したが先程の敵はもう反応が消えた。おそらくは幻想郷に居らんと思うのじゃが、、もしそやつが主と同じく忌み子ならば、、我には断言は出来ないが、、)

(いや大丈夫だ、あの索敵能力の高いお前が言うんだ俺は信じるさ…とりあえず報告ご苦労さん)

(うむ、、)

白蛇からの報告が終わり秋人は一息つく。

「、、さっきのは白蛇からの通信なんだろう?それで奴はどうだった?」

(禍津め、、よく俺が白蛇と通信してたこと知ってたな、、ま、いいか)

「あぁそうだ、白蛇からの報告によると奴は転移魔法かなにかを使いこの幻想郷から既に離脱している。追っても無駄だろう」

「そうか、、」

「、、全くあの野郎俺が来た途端すぐ逃げやがってこちとら戦闘したいんだよ」

(はぁ、、破壊神の戦闘癖もどうにかして欲しいがな、、)

「あぁんッ?聞こえてるぞ死神」

「はいはい。そしたらその戦闘癖早く直しやがれ。全く」

 

皆が悪態をつく中秋人の後ろにフォーンという独特の音と共にスキマが開いた。中からは紫が顔だけひょこっと顔を出しており何とも旦那としてみれば可愛いものなのだが、その顔には少しの恐怖が混ざっていた。

(あちゃーやり過ぎたか、、)

「、、秋人?せ、戦闘はもう終わったのかしら?」

「あぁ終わった、、奴を取り逃がした。白蛇の報告からは奴の反応は幻想郷からはLostした、、と連絡があった」

「そう、、」

 

紫が上半身だけスキマから出して暗い顔をし始めた、、

「とりあえず死神。俺は一度天界へと帰る。なにかあればまた禍力を使って呼んでくれ。その時は駆けつける」

「、、分かった。」

そう言うと破壊神は破星剣の名を呼ぶと剣が破壊神の手元へと返ってきた。そして右手に持って破壊神は音速の領域で天界へと帰って行った。

 

これには紫も目が点になっていた

「、、えぇ?」

「とりあえず俺の家に集まろう。そこで俺から説明する…」

「わ、わかったわ。そしたら橘亭でね」

「あぁ」

そう言って紫はスキマを閉じた

(とりあえずは1度引いたか、、奴はまた来るだろうな。迎撃の用意はしておかなければ、、)

秋人は沈みゆく夕日を背にそう思った




どうもおはこんにちばんわ。作者です。今回幻想録を続けて出したのには理由がありましてね、、単刀直入に言うと風神録の時の椛の原曲fall of fallを聞いていたら書きたくなっただけですはい、、。
まぁ何はともあれとりあえず次回もよろしくお願いします


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第47話 触れてはならぬ禁忌と過去

その夜、橘亭のリビングでは五大老を中心とした嫁達と霊夢や魔理沙、綾人、アリス、龍稀、紅魔組といった秋人と関わりがある人間や妖怪達も集まった。沈黙が紡がれる中先に口を開いたのは秋人だった。

「、、今回の件だが、すまねぇ俺が禍力を使ったせいで奴が多分お前らにマークをつけた。特にあの場にいた紫や永琳、優曇華、輝夜、てゐ達だ。」

俺がそう伝える。すると紫達にはかなりの沈黙と焦りの表情が見て取れた。そんな中永琳が口を開いた。

「、、とりあえず聞きたいのだけれど麗華の言っていた''unknown''って呼んでたアレは何だった?」

「……」

俺が沈黙していると禍津が

「、、秋人もう隠し通せなくなってきてる。もう諦めよう…」

「、、そうだな。隠し通すことはもう諦めるか、、」

思い腰を上げ「ちょっと待っていろ」俺はそう皆に伝えると書斎へと向かいある紋章の入った分厚い本を3冊取ってきて重ねてテーブルの上へと置いた。

 

「、、これはなに?秋人、、」

「あぁこれか?これはな下から順に''俺の日記''次が''今までの本当の世界の歴史''そして1番上が''禍力や神力、霊力、妖力、魔力に関する魔法だったりその性質だったりと記してあるもの''だ」

「「「「な、なんですってッ!?」」」」

皆はほとんど同じ様に驚いた。

そこにはしたから順番に

 

ーー桜の花の紋章:日記ーー

ーー巻物の紋章:世界の真実ーー

ーー五芒星の紋章:5つの力の法則ーー

 

そう書かれたタイトルの本を書斎から持ってきたのだ。もちろんこんな本は貴重かつ存在してはならない本が多々ある。皆がおもむろに本を手に取り読み始める。

「、、こんな本があったなんて、、」

パチュリーはそう呟きながら五芒星の紋章の本を手に取り読み始める。そしてしばらくしてパチュリーは俺に質問をしてくる。

「秋人、、質問いいかしら?」

「あぁ構わんぞ」

「それじゃぁ、、これって魔力、神力、霊力、妖力の基礎的なものはこの禍力、、って言うのなの?」

「あぁまぁそうだな。簡単に要約するとそうなる」

「、、それはどういう意味かしら?」

 

「、、神力は主に神などが使える。魔力は人間でもあれば使えるが使えない者もいる。霊力は魔力と同じで限られた人間しか使えない。妖力は妖怪などが主に使える。、、では質問だ。禍力は誰が使える?」

 

「え?、、それは貴方達のような忌み子、、じゃないの?」

パチュリーは一瞬戸惑いながらも答えを出す。それに対し俺は少しニヤっと笑い答える

「残念でした。」

俺がそう言うとパチュリーはムスッとして「じゃなんなの?」と聞いてきた。

 

「正解は''誰でも使える''でしたぁー」

 

「「「「「!?!?」」」」」

パチュリーや他に話を聞いていた嫁達、それ以外も驚愕の表情を見せる。

「そ、それってどういうことッ!?」

「、、あ、秋人さんッ!それって人間にも使えるのか!?」

などと質問が飛び交っている。少しは落ち着いてほしいものだ。

「あぁ人間も使うことが可能だぞ」

「ほ、ホントか!?」

「あぁホントだ。但し使う為には条件があるけどな」

「、、条件?」

パチュリーは不思議そうな顔をしながら俺にそういった。それに対し俺はみんなの前に4本指を立て話し始める。

 

「1つ、禍力に耐えるだけの体があること。

2つ、何者をも殺す覚悟があること。

3つ、何者をも殺す程の強い憎しみがあること。

4つ、''大切な誰かを失っていること''これが条件だ」

 

「「「「「「……」」」」」」

 

皆が黙る。それもそうだろう例え力のためとはいえ大切な誰かを失いたくはないのだ。それが普通、、普通のことなのだ。そのため世界の理は元々5つあった力のうち一番強力で神さえも殺すことができる力を消そうとした結果がこれ、、いや、、違うな正確には元々持っていた力に神々が反逆により殺されることを恐れ条件付きで封印した…の方が正しい。

俺はあることを思い出し語り始める

「あぁ思い出した。そう言えば禍力を使う時には体中に紋章が出てくるんだよ。丁度禍津のようなね」

「、、極魔王様、、一つお聞きしたいことがごさいます。」

美結が俯き顔を暗くして俺に尋ねる。

「どうした?美結」

 

「その力は、、私でも扱えるでしょうか?」

 

「「「「「!?」」」」」

皆が驚く。

まぁ無理もないか…だってこいつは、、いやそようこの話は。

今の美結の発言に対しレミリアが講義をする

「コ、コア貴女何を言っているの!?」

「そのままの意味でございますよ。お嬢様」

美結がレミリアに、邪魔すると殺すぞ、、という顔をして睨みつける。だが流石は紅魔館当主レミリア・スカーレットこれほどの殺気じゃ引かない。

 

「貴女わかってるの?その力を扱うためには条件があるのよ?それを全部満たせてると思っているのッ?」

レミリアはキッと美結を睨みつけそう話す。レミリアは普通の反応だ。美結が壊れているだけだ、それ程の話を聞いてその力使わないようにするのは正しい選択とも言えるがそれは時に悲劇を生む。レミリアは美結にそう言って流石に引くかも思っているようだが、それは違う。

美結はレミリアに対しニヤっと笑い話を続ける。

 

「条件ならもう満たせてますよ?全部、、ね」

「「「ッ!?」」」

それを聞いたレミリアには驚きの表情が浮かぶ

「そ、それはどういうことッ!」

レミリアがそう叫ぶが美結はこちらを見てニッコリ笑い

「ですよね?極魔王様?」

そう言った。

「あ、秋人。それはどういう、、」

 

「あぁ確かに持てるな禍力を」

 

「「「「ッ!?」」」」

「な、なんですってッ!?」

レミリアは叫ぶそして誰もが驚きを隠せない。

「とりあえず美結その話はあとだ。」

「はい!極魔王様」

「ちょっ!ちょっと待ちなさい!話は終わってないわよ!」

レミリアがすかさず食いつく

「なんですか?まだ食い下がるんですか?お嬢様」

美結が少し目を細めレミリアを見る。それを見かねた咲夜が間に入る、、

 

「お嬢様に対するマナーがなってないようね。私が教育してあげましょうか?コア」

咲夜がそういうも美結はニヤっと笑い

「私の邪魔をするのならここで潰してあげましょうか?さ く や さ ん?」

それに対し咲夜も額に青筋を浮かべ

「あらあら貴女こそお嬢様を侮辱したのだから万死に値するわよ。ここで死ぬ?こ あ く ま?」

そういい銀時計とナイフを持つ。美結もそれに対しハルパーを武器庫(魔法陣)から取り出す。

美結はハルパーを構え直し再度挑発する

「あらあら負け犬が吠えてますわね。なんなら今勝負します?」

「いいわよ?でも貴女が死ぬことになるけどね」

挑発された咲夜も構える。

「ちょっ!ちょっとやめなs」

レミリアが止めに入ろうとするがその必要はなかった

「、、それ以上やるなら2人とも外で殺れ。」

そう言って俺は部屋全体に威圧をかける。それをモロにくらい美結と咲夜は少し怯みレミリアに至っては目が少し潤んでいた。

「「申し訳ございません。(秋人様)(極魔王様)」」

 

「、、話を戻すが元々は月の使徒が来るということの話をしていたところに奴が来たんだ。全くはた迷惑な話だよ。」

溜息をつき、話を続ける

 

「永琳、、今回の月の件は放置しておいてもいいかもしれない、、」

「、、それはどうしてかしら?」

「今回の件はやっぱり紫の言っていた2つの結界が役に立つかもしれん。それに今はあの雑魚共の相手をしている暇はない。またunknownが奇襲をかけてくるかもしれんからな、、」

 

皆が頷きまた沈黙が紡がれる。

「そうね、、そっちの方がよっぽど危険だものね」

「あぁそうだな」

「、、みんなも何かあった時は俺の家に泊まっていいからな?あの場所は俺が周囲に人払いの結界と白蛇の部下達が周囲の森に生息し監視もしてくれている。誰か入ってくれば真っ先に白蛇に伝わるから戦闘準備が取りやすい。だから安全性はその辺よりは高いと思うぞ。」

「、、そうね。とりあえず私達は永遠亭を一時的に離れようかしら、、。目をつけられてるかもしれないからね」

「その方が良さそうだな、、。そしたら永琳達は俺の家に来てくれ。それまでの護衛はReiと華蓮に任せる。2人とも頼んだぞ」

「「承知しました。」」

二人は頭を下げそう言う。

 

「よし、皆各自解散!あ、レミリアは残ってくれ。ちょっと話がある」

「、、わかったわ」

「それと咲夜。レミリアは俺が送り届けるから先に帰っていてくれ」

「わかりました」

 

皆がゾロゾロと帰っていき最終的部屋には俺とレミリアが残った。

 

「さてレミリア、、お前を残したのは美結について話しておくことがあるからだ。アイツには言うな、、とは言われているが紅魔館当主であるお前が知らないのはおかしいからな」

「…」コクコク

「それじゃ〜まずは俺と美結の出会いかは話すかー」

「あれは、、そうだなぁー。珍しく現世に紅い三日月が出てた時だったな…」

 

「俺はいつもの様に放浪を繰り返していたんだ。まぁ完全に家を持ってここに来るまではな。」

「えぇ、、それは紫から聞いたことがあるわ。」

 

「お、そうなのか。あ、それでだがある紅い三日月の夜のことだった。正直俺はこんな夜は嫌いだったんだが、その時は何故か不思議な感じがしてな。白蛇を連れてウロウロしてたんだよ。そんな時だった、、あるまだ子供の美結がな十字架に縛り付けられて人間共、、まぁ神もその場にいたんだがな。そいつらが寄って集って美結をいたぶってる訳だがら自然と嫌な予感がしたんだ。それでとりあえず様子見になった。、、しばらく様子を見ていると白蛇が助けないか、、と言い出した。正直乗り気じゃなかったが人間共もうろちょろしてて殺りたくてイライラが積もってたもんだからその辺の奴らを皆殺しにした訳よ」

 

「、、1ついいかしら?」

レミリアはそう言って俺の話を遮った。

「ん?どうした?質問か?」

「えぇ質問よ、、貴方、、人間がウロウロしてるだけでイライラして殺したくなるの?」

レミリアはそう引きつった表情をしてそう言った。

「あぁそうだが?何か問題でもあるか?」

 

そう発言するとレミリアがはぁ、、と溜息をつき「もういいわ。続き聞かせて」そう言った。

「あいよ。んで、周辺の人間共を皆殺しにしたあと美結を十字架から下ろして事情を聞こうとしたんだが、、」

 

「、、聞けなかったの?」

 

「あぁ酷く混乱していて俺らの話を聞こうとはしなかった。」

「、、そこで白蛇がなんとか落ち着かせてな。そしてようやく話を聞いたんだよ。そしたら今度は''パパ、ママがッ!!パパとママが危ないのッ!早く!早く助けてッッ!!''て言われてな。正直あんまりにもうるさいもんだから放置して帰ろうかと思ったんだが暇潰しに人間狩りもいいな、、と思ってなそれで助けたんだが、、」

 

「、、もう既にコアの親は死んでたの?」

「いや、正確にはまだ死んでなかった」

「どういうこと?」

レミリアは顔をこわばらせそう言う。

 

「、、目の前で殺されたんだよ。美結の親はな。」

「えッ?目の前で殺された?」

 

「あぁそうだ、、俺はとりあえず周りの奴らを皆殺しにしてその後美結を連れて魔界へと向かったよ。んで、その後神綺に美結を預けようとしたんだが、、どうにも俺と一緒に放浪がしたいらしくてな。その時は美結を連れて現世に戻って数十年と放浪を続け美結も今のルーミアくらいの背の時だったかなぁ〜そん時に美結を神綺に預けて俺はまた放浪を始めたんだよ。まぁこんな感じて美結にはかなり壮絶な過去がある、、今まで他の奴に言わないようにしていたのは自分を律して平常心を保つためだろう。だがな、、俺はあん時美結の両親に言われた言葉はまだ鮮明に覚えているな、、」

 

「、、コアの両親に言われた言葉?」

「あぁ本人はまだ幼くて気づいてはいなかった様だがアイツらの声はしなかったもののハッキリと口を動かして俺にこう言ったんだよ。''どうか、、私等の娘をお願い致します。死神様、、''ってな」

「そんなことが、、コアに、、」

「あぁ言っちゃ悪いがレミリア、、お前ら姉妹よりは壮絶な人生をアイツは生きてるぞ。まぁそれより壮絶な人生を送ってるのは紫と幽々子だがな」

「えッ!?それってどういう、、」

「さてっと。この話はこれで終わりだ。紅魔館まで送るから付いてこいよレミリア」

 

「え、、えぇ」

レミリアは呆然としながら俺のあとをついてきた。

その後俺はレミリアを紅魔館まで送り届け自分の家へと戻った。

 

、、、、世界の理ってのは複雑で面倒な上に腹立つ仕掛けが多いが失って初めて気づかさせられることもあるから何故か憎めないが、、

《Limiter Rewrite》とはよく言ったもんだななんせ世界の理を書き換えられるんだからな。




どうもおはこんにちばんわ作者です〜。いやぁー今年の夏は暑いですね〜自分も暑くてかなり死にそうになりましたよ。今回の話は長くはなかったでしょうか?自分は書くのに約2〜3日程の悩みながら書いたんですが。皆さんはどうでしょうか?ちょうど良かったのなら幸いです。では次回もよろしくお願い致します。


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第48話 蓬莱とInfinity Mana Cycle

〜旧橘邸・書斎〜

「あっれぇ〜どこに閉まったかなぁー」ゴソゴソ

現在ちょっとしたある本を俺は探している。それは大昔にサラが書いた医学書だ。恐らくこの世界の中で最も古く現在の技術の一歩先の医学書。まぁ正直俺がそれを探している理由としては、サラが生前に作ってくれていた回復剤のストックが無くなったからである。

 

「んーここにもないかぁーあの本さえあれば永琳に回復剤作って貰えると思うんだけどなぁー」

そう言いつつ書斎の隅々まで探したのだが結果に見つけられなかった。そうこうそしているとシルフィードが俺を呼びに来る。

「秋人様。お食事のご用意が出来ましたよ」

「お、サンキュー」

(とりあえずは一時中断だな、、)

そう思いシルフィードと共にリビングへと向かう。

 

もう既にリビングのテーブルには朝飯が載っておりあとは食うだけだった。

「うっし。いただきます」

「「「「「いただきます」」」」」

そう言って今日の朝飯である卵焼きをほうばりつつ白飯も食う。

「いやーお前達の料理はやっぱ美味いね」

「ありがとうございます」

シルフィードはそう言われ少し嬉しそうだ…。

「そう言えば秋人様は書斎で何をお探していいらっしゃったのでしょうか?」

彼女は箸を片手にそう言った。

「おん?あぁサラの医学書探しだよ。回復剤のストックが無くなったから永琳に作ってもらおうと思ってな」

「なるほどそうでしたか、、」

「それでシルフィード、お前なんかサラから置き場所とか聞いてない?」

そう言うとシルフィードは少し頭を傾げつつ考えた後ハッとした表情を見せた

「そう言えば昔サラ様は寝室の本棚に置いていらっしゃったことをお聞きしましたよ」

「おッ!マジで?ありがとう助かるわぁ」

「いえいえお力になれて光栄です」

 

 

食事が終わったあと俺はシルフィードから聞いた寝室へと向かう。正直ここは真っ先に調べたのだが、、多分俺の見落としがあったのだろう。

「本棚って〜この当たりか?」

寝室を探ること約30分、、ついにそれは出てきた。

「はぁここにも無いじゃねぇーかよ」ハァ

悪態を付きながら本棚の本をひとつ取ろうとしたその時だった。

 

ガシャンッ!

 

「は?なんの音だ?」

本引くとガシャンッと機械音がしたかと思えば本棚の一番したの隙間から引き出しが出てきた。そしてそこにあったのは間違いなく俺が探していた本

「、、おいおいサラ、、いつの間にこんなの作ってたんだ?」

呟きながら本を取る。

 

ーー木の紋章:再生の書ーー

 

「こんなところにあったのかよ、、まぁいい。永遠亭に届けるとしますかねぇー」

そう呟くとシルフィードに永遠亭に言ってくると告げ俺は永遠亭へと向かった。

 

 

 

〜迷いの竹林・永遠亭〜

「おーい!永琳いるかー?」

半ば叫びながら永琳を呼ぶ。すると屋敷の奥からは「はーい!居るわよー」と聞こえてきた。

(とりあえず屋敷に入るか…)

屋敷に入り長い廊下を歩くこと数十秒、永琳は診察室の隣の薬剤室にいた。

「にしても秋人から来るなんてどうしたのかしら?」

永琳は丸椅子に腰をかけていつもの服の上から白衣を着ていた。

 

「おいおいそれじゃまるで俺が嫁を放置して他のやつと遊んでるみたいな言い方じゃないか」

「あら、違うの?」クスクス

「お前なぁー」

意外と心に刺さる永琳の言葉に俺は少し泣きそうになった。

「それで?どうしたの?そんな分厚い本まで持って」

「あぁそうだった、、忘れるところだった」

そう言って《再生の書》を永琳の前に置き話を始める

「こいつはサラが生前に作ってくれていた回復剤の作り方の乗っている本だ」

「えッ!?」

永琳は驚きのあまり一瞬固まったあと咳払いをしていつもの永琳の様に冷静さを取り戻した。

 

「、、これに書いてある回復剤を作って欲しくて持ってきたの?」

「ご明察通り」

「はぁ、、まぁ少し見てみるわ」

永琳はそう言って医学書のページを捲る。

「、、これって、、」

「おん?どうした?」

珍しく永琳が驚き顔をしているため話を聞く

無限の魔力循環

「こ、この《Infinity Mana Cycle》ってまさか《蓬莱の薬》の元のモデル?」

「は?元?《蓬莱の薬》はお前らが開発したもんじゃないのか?」

質問すると永琳は苦笑いをしながら

「違うわ、、《蓬莱の薬》は元のモデルのものがあるの、、」

「なに?まさかそれがサラの作った《Infinity Mana Cycle》ってわけか?」

「わ、わからないわ当時の事はよく覚えていないから。でももしかしたらまだ月に本物が残ってるかも、、」

「、、残ってるかもしれないんだな?」

「えッ?えぇ、、多分、、」

永琳はそう言われたことでハッした。どうやら気づいたようだ俺のやろうとしている事が

 

「ま、まさか貴方月に行くつもりじゃないでしょうね!」

「そのまさかだ、、あの薬は元々サラが開発したものが敵に渡った物だ…今回は見逃すわけには行かない、、」

「ちょっ!ちょっと待ちなさい!優曇華ッ!!」

永琳は優曇華の名を叫び呼んだ。それを聞いた本人はびっくりして薬剤室の扉を壊すかの勢いでバンッ!と開けた。

「ど、どうしたんですか師匠ッ!」

「あぁ優曇華秋人を止めてちょうだい、、」

「え?秋人を止める?」

「えぇ」

優曇華は事の重大さが分かっていないためとりあえず俺の背中しがみつき抑えようとしてくる。俺が動かなくなったのを確信して優曇華は永琳に事を全貌を聞いた

 

 

「、、それで月に、、ですか?」

「えぇそうみたい」

「、、確かに秋人一人だったら前のような一方的な攻撃は出来ますが、、流石に今は動かない方がいいと思うけどなぁー」

「そいつは''unknown''のことを心配してか?」

「えぇそうよ」

「その点なら大丈夫だ。適任の奴がいる」

「え?誰?」

「貴方まさか、、」

永琳は感づいたようだ、優曇華は頭の上に?が出ている

「そのまさかだよ。''破壊神''を呼ぶ」

「やっぱり、、」

「え?は、、破壊神!?」

「あぁそうだ。あとは禍津に任せるかな。そしたら白蛇は連れていくかなぁー」

「貴方って人は、、」

永琳は頭を抱えつつ話す。

 

まぁってな訳で俺は月に行こうかなぁー。そう思っている矢先だった

「紫〜いるかしらぁ?」

ふと永琳が紫を呼び俺の事を話していた。

あ、これ詰んだな…

 

「秋人行っちゃダメよ」

「い、いやな?あれは回収しないとやばい代物なんだよ」

「それはわかるけど、、と、とにかく月に行くことはみんな反対よ」

「紫、、頼む。あの薬がunknownの手に渡る前に回収しておきたいんだ。」

「……」

 

「分かったわ…」

「「え?紫(さん)?」」

永琳や優曇華は紫の一言に唖然とする。

「ちょっ!紫ッ?本気?」

「えぇ、、正直その薬を放っておいてunknownが攻めてくるより今回収しておいた方が余計な被害の軽減もできると思うから」

「「、、、、」」

2人は黙った

 

「その沈黙はOKってことでいいんだな?」

「、、えぇいいわよ」

「秋人」

「ん?どうした?優曇華」

「、、月に私も連れて行って」

「、、なに?」

「いいから連れてって、、私の方があっちの人とも知り合いだし話は出来ると思う」

優曇華から放たれたまさかの一言に一同は一瞬固まった。

「、、優曇華それはお前が月では捕虜対象になってることを知ってのことか?」

「えぇ、、そんな事くらいわかってるわ、、」

「、、ダメだ。家の可愛い嫁に危険を追わせる訳にはいかん」

「でもッ!」

「ダメだ。お前がなんと言おうが俺はお前の安全が先だ、言っとくがこれは今回の案件以前にお前の旦那として俺はお前の安全を取る。どんなメリットがあろうがな」

「ッ!」

優曇華は顔をより一層険しくして顔を下げ、うさみみも下がっている

 

そんな状況のなか優曇華に手を差し伸べる人がいる

「秋人、、優曇華を月に連れて行ってあげて?」

「永琳、、お前まで」

「し、師匠?」

「たまには弟子にも休暇をあげようと思ってね。ほら秋人連れていきなさい」

「だが、俺には優曇華の安全を」

そう言いかけたところで永琳が話を遮る

 

「あら?でも貴方先の第一次月面戦争で自分のお嫁さんとその他数人の妖怪を守って帰ってきたそうじゃないの。私にとってはそんな人が自分の嫁一人を護りながら交渉出来ない訳が無いと思うのだけれど?」

「……」

「師匠、、」

「さて?私は自分の愛弟子に休暇をあげたわ。まぁ貴方が連れていくかは、、」

「わぁったよ!連れてくよ。連れてきゃいいんだろ全く、、」

「し、師匠!ありがとうございます!」

優曇華が折れた秋人の隣ので永琳に笑顔で礼を言う。

 

「、、はぁ」

「…」セナカサスサス

永琳からしてみれば秋人が押し、、というか論破に弱いのは分かっているのだがそれ以前に紫に背中をさすられている秋人を見るのはかなりシュールである

 

「とりあえず明日の夜くらいに月に通じるスキマを繋げるわ」

「あぁ頼む」

「優曇華は戦闘の用意はしておきなさいよ。いくら秋人が護ってくれるとは言え自分の身くらいは自分で護れる用意はしておくこと」

「はい、紫さん」

「それじゃまた明日夕方くらいに永遠亭に来るわね」

紫は少し呆れつつもそう言う。

「えぇ待ってるわよ」

「それじゃまたね」フォーン

 

紫は永琳の言葉を聞くとスキマへと帰って行った

(全く、、面倒な事になったなぁー。とりあえず家のメイド達連れていくかなぁー)

「永琳、優曇華俺も用意があるから帰るわ〜」

「えぇ、、それじゃまたね」

「あぁまた来るよ」

 

そう言い永琳に背を向け薬剤室の扉に手をかけたところで永琳に呼び止められる

「あッ!待ちなさい秋人」

「おん?どうした?」

首だけ振り返り永琳を見る。すると永琳は優曇華の背中を押して俺に受け止めさせる

「うぉッ!」

「きゃッ!」

慌てて優曇華を抱き留める。

「おいおい永琳危ねぇじゃねぇーか、、」

俺がそう言うと永琳は少し微笑み

「折角だから優曇華、秋人の家に泊まってきなさい」

「えぇッ!?師匠いいんですか!?」

優曇華が喜びつつ驚いている。まぁ永琳はあまりそんなこと言わないから優曇華からしてみれば意外だったのだろう

 

「えぇいってらっしゃい。でも無事に戻ってくるのよ」

「は、はいッ!師匠!」

「全く、、」

微笑みつつ永琳を見る。

「あ、秋人待ってて着替えとか持ってくるから!」

「おう」

そう言って優曇華は自室へと向かって行った

 

「さて、、そしたら連絡しときますかねぇー」

オレはおもむろにスマホを取り出し家のメイド達の副リーダーを務めるLostへと電話をかけた。しばらく呼び出し音がなったあとLostが電話に出た

 

「はい、もしもし。Lostですが、、旦那様どうなさいました?」

「おう、ちょいと用意してもらいたいもんがある。今から言うもんをリビングに出しといてくれ。」

「はい、承知致しました」

「それじゃ言うぞ〜まず、、、、

それじゃこれの用意頼んだ。それから他のメイド達全員リビングち集めといてくれ」

「了解致しました。すぐに用意して参ります」

「すまんな、、助かるよ」

「いえ、旦那様が謝られる必要は、、」

「まぁいいからとりあえずよろしく〜」

「はい、それでは」

 

 

私はそう言って旦那様からの電話を切った

「さて、、用意しますかねぇー。とりあえずは、、Reiこっちにいらっしゃーいッ!」

大声でReiの名前を呼ぶと慌てた様子で彼女が出てきた。

「は、はい!Lostさん」

「ほら、付いてきなさい。旦那様に頼まれたもの取りに行くわよ」

「えっ?あ、はい」

 

Reiを呼び私は階段下の物置の戸を開け更にその中にある床下ハッチを開けて地下室に入る

「こ、こんな場所があったなんて、、」

Reiが後ろで驚いているが私は無視をする

「Rei、、貴方も覚えておきなさい。ここは私達の倉庫じゃないのよ」

「え?違うんですか?」

「えぇ違うわね。だってここは''旦那様の倉庫''なのだから」

「えっ?旦那様の?」

「えぇそうよ」

 

私はReiにそう言うと目の前の扉に手をかけ扉を開いた。するとそこには多くの棚が並びその列ごとに《アタッチメント》や《アサルトライフル》など各武器の棚があり私はその中を進んでいく。Reiはと言うとこの膨大な倉庫に口を開け驚いている。

(まぁ無理もないわね私も連れてこられた時はそうだったし、、)

 

「さて、、チャチャッと旦那様からの頼み物を取って出ましょうかねぇー」

「へ?頼み物?」

「えぇそうよ」

私はそう言いながら棚にかけてあるレミントンMSRをReiに持たせた

「へ?Lostさん、、まさかは思いますが、、私って荷物持ちですか?」

「え?そうよ、なに?気づいなかったの?」

「、、ですよねぇ」

「ほらグズグズ言わない。後ろのpara取りなさい」

「は、はい。これですか?」

 

ReiはM249paraを手に取り私に確認してくる

「えぇそれよ。それじゃ次行くわよ。次はーあ、これこれMP5SD、それとーあった。REX二丁ねー。んーこれぐらいね。よし帰るわよー持ってきてねRei」

 

「は、はい!」

私はふと疑問に思った

(さて、、旦那様はこんなに倉庫から出してきて何をされるのかしら、、)




おはこんにちばんわ作者ですー。今回も投稿が遅くなり申し訳ないです。まぁ就活で忙しいのもありますが出来るだけ投稿ペースは維持しようと思っております。では次は月の話になりますので次回もよろしくお願い致します。


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第49話 それぞれの覚悟

〜橘亭・リビング〜

「お電話で言われていた分の物は全て揃えさせてもらいました。どうかご確認ください」

俺は目の前に置かれている銃火器を手に取りLostに椿と凛を呼んでくることを告げた

 

そして数分後

 

「ただいま戻りました」

「「「「戻りました」」」」

俺は軽く頷くメイド達を見る

「各員目の前の俺の武器の中から扱いやすい銃を選べ」

「「「はッ!」」」

隣に視線を合わせると優曇華が うぁ〜 と言う顔をしていた

「よし、では作戦内容だが、、今回は''月面''へと向かう」

「「「「「ッ!?」」」」」

Lostを初めとしたメイド達が全員驚いた瞬間だった

 

「それで今回はあくまでも''交渉''だからな」

「交渉、、ですか?」

Lostがそう言ってくる

「あぁそうだ、、ただ交渉決裂した場合に備えて優曇華用で援護してもらう。他にはLostは優曇華の護衛、椿は凛の護衛だ。凛は狙撃に備えいつでも撃てるようにしておけ」

 

「「「承知致しました」」」

 

「それで、、だが凛用のライフルは俺が今調整中だから凛には俺のを貸す」

するとそれを聞いた凛は驚きつつ答える

「よ、よろしいのですかッ!?」

「あぁ構わんさ、、だがしっかりと優曇華の護衛をやれよ」

「は、はッ!」

「よしライフルはそこに置いてあるから持ってけ」

そう言って俺はテーブルに置かれたマッドブラックの色をしたを中々にゴツイとライフルを指差す

 

「、、これってレミントンのMSRですか?」

「あぁそうだ。こいつについてはどのくらい知っている?」

「も、申し訳ございません。ボルトアクション式のライフルであることしかわかりません」

 

「そうか、、なら少しだけ話そう。この銃らの使用弾薬は7.62×51mmもしくは.338ラプア・マグナム弾今回は7.62を使う分かっていると思うが口径は.300(7.62)、、初速は約841m/sだ。さて、、ここで問題になってくるのは、、優曇華」

唐突に名前を呼ばれた優曇華は少しびっくりしながらも「なに?秋人どうしたの?」と首を傾げ答えた

 

「月の重力はどのくらいだ?」

少し笑いながら俺は優曇華に質問する

「えぇっと確か地球の6分の1よ」

「正解だ、、すなわち月での重力は地球と違う。正確に言うと地球の重力は約9.81で月はその6分の1倍小さい約1.62になる。すなわち、、」

「弾丸の受ける重力が違う、、と言うことですか?」

「そういうことだ。その他にも銃の初速と飛翔距離、飛翔速度なども違う、、それを考えて撃てよ」

「お任せ下さい旦那様」

「よく言った。ならお前に任せるとしよう」

「ありがとうございます」

凛はそう言って頭を下げる。

 

「Lost」

俺は彼女を呼んだ

「なんでしょう旦那様」

そう言って彼女は手を前で組み真剣な眼差しでこちらを見た。そんな中俺は腰からベレッタM93Rを二丁取り出すとLostの前へと出した

「あ、あのー旦那様これは、、」

彼女は困惑した様子でこちらを伺っている。

 

「お前にREXを二丁取ってきてもらったのは、今回お前に俺の93Rを持たせようと思っているからだ」

「だ、旦那様のをですか、、」

俺がそう言うと彼女は驚きと期待に満ちた顔でそう言った。

「あぁそうだ。まぁとりあえず受け取れ」

「は、はいッ!」

彼女はM93Rを手に取るとしばらく眺めたあとメイド服のスカートを少し上げそのスラッとして白い肌に括りつけられたレッグホルスターにしまってあるM11をテーブルに置くとM11とM93Rを取り替えた。俺もREXを2丁腰のホルスターへとしまい込む。

 

「とりあえずはこれで解散とする。各員しっかりと休息を取り今夜に備えろ。」

「「「はッ!」」」

「よし、では解散ッ!」

そう告げるとメイド達は各自自分が使う銃を取りリビングをあとにした。

 

 

「、、とりあえず俺らも休息取っとくか」

「えぇそうね」

俺は隣にいる優曇華を見て微笑みつつそう言った

 

〜橘亭・寝室〜

ドアを開け部屋へと入ったその時だった。

 

ガシッ

 

「ッ!?」

突如として左腕を掴まれ、左腕を見るとそこには少し泣きかけの布都がいた

「お、おいおい布都お前神霊廟に帰ったんじゃなかったのかよ、、」

俺がそう言うと「こ、こんな状況で帰れると思っておるのか、、」も涙目で言われた。

 

「と、とりあえず寝るか、、」

「そうね」

「そうじゃの」

「それじゃ我もー」

(ちょっと待て、、今布都や優曇華と違う声が聞こえた気がするんだが、、)

ふと俺はそう思い左右を確認するとそこには右腕に優曇華、左腕に布都とくっついており声の主がどこにいるのか困惑していると突然腹の上に重さを感じ見てみるとそこには俺の腹の上に乗った白蛇がいた。

 

「マジかよ、、」

「なんじゃ?我がいたらダメたのか?」

「いや、、そういうことじゃないんだが、、まぁもういいか」

そう言って寝ようとしたのだが、、

「あれ?秋人寝ちゃうの?」

「およ?寝てしまうのか?秋人」

「なんじゃ主このまま寝る気か?」

とこのように嫁に言い攻められ何がとは言わないがたっぷり搾り取られた。

 

 

 

 

〜夜・橘亭・リビング〜

夜になりリビングには紫、優曇華、Lost、椿、凛、破壊神、禍津、白蛇と豪華なメンツが揃っている中何故か霊夢や魔理沙、綾人達もいた

「、、とりあえずなんでここにレイマリと綾人がいるんだ?」

「れ、レイマリって、、私達のこと?」

霊夢がそう聞いてくる

「そうだよ、、それしかないだろ」

「秋人、今回は霊夢達を連れてきたのは他でもない幻想郷以外の世界も知って欲しいからだ。だから霊夢達を月に連れて行って欲しい」

禍津はそう俺に言った。

「、、禍津それは残念だが無理だな」

「なぜだ?秋人の力があれば霊夢達や優曇華を護れると思うのだが?」

「、、いや正直護れる護れない以前に紫、、」

「何かしら?」

 

「博麗大結界を管理している博麗の巫女が幻想郷から出ていいのか?俺的にはお前のことだから幻想郷のことも考えて絶対に出さないと思っているんだが?」

俺がそう言うと霊夢達や禍津はハッとした顔をした。そして紫は俺の質問にこう返した。

「そうね、この際だからハッキリ言っておくわ。霊夢を幻想郷から出す気は当分無いわ」

 

「、、それは幻想郷の博麗大結界を管理しないと行けないからか?」

「えぇそうよ」

紫はスキマの上に座り扇子で口元を隠しそう言った

「、、なら博麗大結界を私が一時的に持つもいうのはどうだ?」

紫は驚いたのか扇子を閉じた

「、、それはどういう事かしら?」

「そのままの意味だよ。私が博麗大結界を一時的に管理すると言ったんだ」

 

「貴女には無理だと思うのだけれど?」

紫がそう言うと禍津は目を細めた

「なに?」

少し殺気の入った答えが帰ってきた。

(そろそろ不味いことになりそうだな、、この当たりが引き際だな)

「その辺でやめろ禍津、紫」

 

「「だが(でも)」」

俺は紫と禍津に対し目を細めた

「言ったよな?俺はやめろと」

「「……」」

「とりあえず霊夢、お前は月に行きたいのか?」

霊夢にそう質問を投げかける。すると霊夢は

「行きたいわ。この目で幻想郷以外の世界見てみたいもの」

そうハッキリと答えた。その目には寸分迷いもなく

「下手したら死ぬかもしれないんだぞ?」

「その時はその時よ、それに私は帰ってくる自信があるもの」

「ほう?その自信とやらはなんだ?」

 

霊夢はその目を変えない

「それは、、みんなを信じることよ。協力すれば必ず帰って来れると私は思っているのもの」

結果的に霊夢はその覚悟の目を変えることはなかった

 

「、、仕方ねぇーな」

「秋人ッ!?」

紫が驚き、霊夢にはほんの少しだが笑顔が零れた

「仕方ねぇだろ義理とは言え俺の娘だぞ?その娘が月に行きたいと言った上にそれ相応の覚悟を持ってるときてる。正直口ばっかりの覚悟なら断ろうと思っていたんだが、、そうでも無いらしいしな」

「秋人、、でもッ!」

「幻想郷の結界は済まないが紫が半分持ってくれもう半分は禍津が持て、持つと言った以上は持ってもらうからな?」

「あぁ承知の上だ」

「、、わかったわよ。でもとりあえず霊夢、無事に帰って来なさいよ」

そう紫が言うと霊夢は少し微笑みつつ

「わかってるわよ、自分が幻想郷にどれくらい大切なのかも。だから必ず帰ってくるわよ」

そう言った。どうやら霊夢は紫の言葉の意味を少し間違ってるな、、あの時の紫の言った意味は''私に取っても霊夢は大切な人間なのだからちゃんと無事に帰ってきないよ''という意味だったのだろう

 

「それぞれの覚悟も決まったことだし、これより月に行く。激しい戦闘が予想されるが各員生き残ることを最優先にしろ」

「「「「」」」」コク

皆が頷く

 

「それと破壊神と禍津は俺の不在の間俺の嫁とそこ幻想郷の防衛を任せる。もし奴が来たら必ず殺せ、出来なければ最悪撃退で構わない」

「「わかった(任せておけ)」」

「最後に一つ言っておくこれはあくまでも''交渉''だ。それがもし決裂した場合逃げることを優先しろ、お前らの命は何者の魂にも変えられない。それを十分承知の上俺についてこい。これよりもしかすると後世に残るであろう''第二次月面戦争''を開始する各員備えろ。」

 

皆が武器を取り戦闘の用意を始める。部屋の中には独特の雰囲気が醸し出される

「紫、月とのスキマを繋げてくれ」

「わかったわ」

そう言って紫は俺の家の庭にある池へと向かい水面に映る月へとスキマを繋げる。

 

「出来たわよ。まさかまた月と繋ぐことがあるなんてね」

「あぁありがとう。あとホントにそれは言えてるな」

 

「各員ッ!戦闘用意!皆生きて帰るぞッ!」

そう最後に言いこのし俺らはスキマへと入った。




どもーおはこんにちばんわ作者です。
なんか知らぬ間に未完成作品が投稿されていてビビって消しました〜。まぁそんなことがありましたがどうにかまた書き直しました。
今後こんなことがないように気をつけようと思います。
そしてなんと皆さんのおかげでこの作品が50話まで行きました!!
ありがとうございますッ!m(_ _)m
では、次回もよろしくお願いします!


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第50話 月の都と我が弟子

〜月面〜

スキマを抜けたその先には久しぶりの月面独特の白い大地が顔を出した。

「久しぶりだな。この景色は」

「、、そうね、久しぶりね。私が脱兵した時と同じね」

俺と優曇華がそう会話をしていると後ろから「ここが月面、、綺麗なところね」と霊夢や魔理沙が言っている中遠くでは警報がなっている。

(これは少し不味いな、、)

 

「優曇華、とりあえず交渉に行ってみるか?」

「えぇ行きましょう。私はそのために来たんだもん」

優曇華は真っ直ぐと月の都の防衛壁を見ながら言った

「よし、そうとなれば、、Lost優曇華の護衛を頼む。他のものはこの場で待機、綾人は霊夢と魔理沙の護衛、椿と凛は狙撃位置に付け。言っとくがこれはある意味戦争だその辺わきまえて死にそうになったら引け」

 

「「「「了解ッ!」」」」

 

 

 

本隊を離れ優曇華とLostと敵防衛地点へと向かう。すると前からは防衛隊であろう者達がレーザー銃のようなものを手にして俺らの周りを囲むようにして銃を向ける。

「貴様ら何者だ!三人だけきて他のものはどうした!」

本隊の隊長である男が俺らにそう大声で言った。するとそこにすかさず優曇華が入っていく

「ま、待ってくださいッ!私達は交渉に来ただけです決して敵意があるわけじゃありませんッ!」

「嘘をつくなッ!貴様らは現に月の都の防衛線に無許可で入っている。それを敵と言わずしてなんと言うか!」

奴の言っていることは的を得ている。確かに俺らは月の都の防衛線に連絡もなしに入っているのだから仕方がないが、、

 

「で、ですから私達は交渉をしに、、」

「そんなことはどうでもよい!我々はお前らを敵とみなしたこれより死んでもらう!」

そう言った直後後ろの兵士がこちらを見てなにかに気付いた。そう優曇華だろう、月の捕虜対象になっている為殺すことは許されてはいない。それに気付いた兵士が本隊の隊長に近付きボソボソと報告すると隊長は目を見開き

「、、そう言われればそうだな。お前捕虜対象の''鈴仙''か?」

そう言われ優曇華はビクッと体を震わせた

「そ、そうよ!でも今回は交渉をしに!」

するとその男はニヤッと嫌な笑いをし次の瞬間馬鹿な発言をした。

 

「お前よく見たら可愛いじゃないか、、依姫様のところに連れていく前に久しぶりに楽しめそうだな」

流石の秋人もこれには黙っておらず

 

(今このカスなんていいやがったぁ?)

突如としてとてつもない殺気の篭った威圧が周囲に降り注ぎ先程まで笑っていたあの隊長はニヤニヤした顔から一変青ざめていた。そして奴らは悟っただろう''踏んではならぬ虎の尾を踏んだ''ということに

 

そして呟き程度のはずなのにそこ声には恐ろしく地獄でも生ぬるいような殺気の篭った声が周囲に響き渡った

 

「おい愚民ども。テメェら今なんてった?俺の嫁に手ぇ出すだぁ?舐めてんじゃねぇぞコラ」

 

心臓を触接握り締められているような感覚が奴らを襲い防衛隊は恐怖の顔で満ちていた。そんな中秋人の殺気の篭った威圧を感じ取ったのか「もうやめろッ!」と上から声が聞こえてきた。

すると途端に防衛隊の兵達が「依姫様ッ!サグメ様ッ!」と叫ぶ

 

「依姫にサグメだと?久しい名を聞いたな」

俺がそう言っているあいだにサグメと依姫は月面におり立ち俺の前へと立った。

「久しぶりだな、橘 秋人」

 

「、、あぁ久しいなだがとりあえずそこを退け俺の優曇華を性的な目でしかか見てないクズを始末するから身柄を引き渡せ」

5割程の殺気を放ち防衛隊の隊長らしき奴を見る

「ヒィッ!!」

 

「、、なに?お前なにをした?」

サグメはその男に事情を聞いた。すると奴の額からは脂汗か流れ青い顔になった。そんな時だった

「れ、鈴仙?」

「ふぁい!?」

突如として依姫に話しかけられ動揺する優曇華

「あ、貴女、、鈴仙?」

「えぇっとーその、、はい、鈴仙です、、」

優曇華は少し動揺しながらもそう答えた。

「や、やっぱり鈴仙かッ!」

「、、はいそうです依姫様、、」

(、、なんだあの会話)

俺がそう思ったのもつかの間再度サグメは隊長らしき男に事情を聞き、遂に奴が喋った。自分がいった言葉を、、そしてそれを聞いたサグメも少し顔を強ばらせた。

 

(秋人、、もしこの兵士をお前に引き渡さなかったらどうするつもりだ?)

「ちなみにだが、もしその兵士をこの場で引き渡さなかったら…この場でLost達に指示を出して交渉材料になりそうなサグメと依姫だけを残してあとは皆殺しだ」

「、、やはりか」

サグメはそう言って少し警戒態勢に入った。

 

「そうだが?何が問題あるか?」

俺が平然とそう答えるとサグメの後ろの兵士達は「狂ってる、、ッ!」と小声で話していた。

「狂ってると思うならそう思えばいい。常に俺はそうしてきたからな、さて?その男は俺に身柄を引き渡すか?それともここの兵士全員道連れか、、お前に選ばせてやろう」

そう言って俺はあの隊長らしき男を指さした。すると奴は気持ち悪い引き笑いをしながら言った。

 

「ど、どうせ死ぬのなら全員道連れだ!!!お前らだけのうのうと生きているのが気に食わん!」

「「「「「!?!?」」」」」

 

周りの兵達は目を見開き、間を一つ開けた後それぞれが「ふざけんなッ!死ぬならテメェ1人で死にやがれッ!」と声が上がっている。

(本当に人間と言う生き物はクズしか居ないんだな)

 

俺は奴に近付き腰から右手でREXを取り出すと奴の額に銃口を当てる。

「ま、待ってくれッ!俺を殺す前に先に部下を殺せ!」

奴はそうほざいた。そして言われた周りの兵士は青ざめた顔でこちらを向いた。

 

「、、一つ言っておくが俺は何もお前に選択権をやっただけで絶対に殺るとは言っていない。すなわち俺はお前にカマかけたわけだ。まぁどうせ優曇華に手出すくらいのクズの事だから道連れにすると踏んではいたがまさかここまでクズとはなぁ」

そう言って眉間に照準を再度合わせREXのハンマーを倒す。

 

「ま、ま、待ってくれ!いやッ!待ってください!お願いしますな、なんでも致しますから!!」

奴はそう言って俺に土下座をしてきた。俺は少しニヤッと笑いを許したような顔を作りハンマーを持ってトリガーを引きハンマーダウンさせた後ホルスターへとしまう素振りを見せる。その素振りを見てか奴の顔は笑顔になるがそれも一変恐怖へと変わるであろう。

 

「仕方ねぇなそこまで言うなら、、」

「あ、ありがとうございます。ありがとうございます」

「なんて、、言うと思ってたのか?」ニヤ

「え?」

 

すかさず俺はホルスター直そうとしていたREXのトリガーガードに人差し指を通し銃を回転させると同時にハンマーを倒しグリップの握ると共にトリガーを引く

 

トリップショット

 

この技は本来ダブルアクションのリボルバーではなくシングルアクションのSAAのようなリボルバーなどで使われている技だ。

ホルスターに直すと見せかけてハンマーを倒しトリガーを引く、通常敵が油断した時にやる技だが煽りにも使える。

トリップショットを使い357マグナム弾を奴の眉間にぶち込む。

 

 

一瞬の出来事に周りは呆然とし反応が遅れる。隣にいたLostでさえも呆然としていた。まだまだ教えることがありそうだ

「さて、あのクズは死んだ。サグメ、俺はこの場に交渉をしに来た断ればどうなるかわかってるよな?」

サグメの顔は強ばり、こちらを睨むようにして交渉に応じると言った。

 

〜月の都・宮殿内〜

俺が宮殿に入るとそこには頭が高そうな男が玉座に座っていた。

「それで?この月の都に神速の死神殿が何用じゃ?」

「あぁそうだなここには3つ要件があってきた」

「ほう?その要件とはなんじゃ?」

「1つ、お前らが作った蓬莱の薬の原本の回収。これは最優先事項だ

2つ、永琳や優曇華、輝夜達月の捕虜対象の撤廃とこれ以上追跡しないことだ。

3つ、お前らが既に月に封印された墜神を復活させ戦力にしようとしていることは知っている。今回はそれを潰しに来た。

まぁ以上この3点だな」

 

「、、そうか、、もう既にバレておったか、、」

そう言って玉座に座っていた老人はそう答えた。

「さて、俺は言うこと言ったしさっさと蓬莱の薬の原本をよこせ」

「、、やむを得ん、、奴に原本を渡しなさい」

「お父様!良いのですか!?」

すると隣の金髪で帽子を被った女が口を挟んだ。

「、、よい。我は我の前にいる死神に月面で暴れて欲しくないからの、、もし暴れられたら止められる者はおらんからの」

「よくわかってんじゃねぇか」

「で、でしたらこの扇子で!」

女はそう言って扇子を持ち出した。

「止めんか!それでも返されて我らが滅びるのがオチじゃ」

「で、ですが、、」

「もう諦めるのじゃ、、狙われたら最後逃げられることは出来ん。じゃろ?死神殿」

「あぁそうだな、今までそんな奴は取り逃したことは無いな」

「、、、、分かりました、、」

「うむ、ではアレを持ってこい」

「「ハッ!」」

老人がそう言うと周りの兵が取りに行った。

 

 

数分後兵達が小さな木箱に入ったInfinity Mana Cycleを持ってきた。俺は確認のために箱を受け取ると取り出した。

すると中からは布に包まれた状態の小さな小瓶があり、中には黄緑色の液体が入っていた。

「、、確認した、どうもご苦労さん。あ、それと俺の嫁の追跡やめろよ」

俺がそう言うと老人は少し睨んだような顔で「、、わかっておる」とだけ答えた。

その言葉を聞き俺は宮殿を後にした。

 

 

 

 

〜月の都・封印ノ神殿〜

宮殿を後にしたあとギリシャのパルテノン神殿を思わせるような神殿へと足を運んだ。

「、、ここに来るのは久しいな」

「、、旦那様我々はどうしましょう」

Lostが優曇華の護衛をしつつ質問した

「そうだな、、とりあえずお前らは一度スキマのポイントまで下がれ」

「ハッ!」

「優曇華、お前も一緒に行け。ここから先は危険だからな」

「、、わかったわ。秋人もくれぐれも気をつけて」

「あぁ気をつけるよ。さぁ行け」

優曇華とLostをスキマ近くの防衛線へと帰すと俺は封印の解除を始める。

 

封印ノ神殿の床に刻まれた魔法陣に自分の血を数滴垂らし、腰をかがめ魔法陣に両手を置く。

「ふぅーよし、始めるか」

魔法陣に霊力と魔力を適量に混ぜたものを流す。すると魔法陣の刻まれた溝の各所に血が浸透しやがて血は魔法陣を形成する。血の浸透により魔法陣と魔法陣に書かれたルーン文字が浮き上がる。

 

そして詠唱を始める

 

《かつて我に仕えし者よ、我の申し出に答えろ。今日お前の封印を解く!再度我に従えッ!World Breakerここに目覚めよ!》

 

魔法陣がより一層赤黒い色に染まり始める。そしてそれはやがて血を求め奈落から這い上がってくる。突如として魔法陣の赤黒さが抜け先程の魔法陣に戻ると同時にその魔法陣の上に身長がやや高めの1人の男が立っていた。そいつは俺を見るなり手を腰の前と後ろにやりお辞儀をする。

 

「お久しぶりです。師匠」

「あぁ久しいな、全く待たせてすまなかったな。少々色々とあってな」

「いえ、よろしいのですよ。どっちにしろ貴方様が私の封印を解いてくださると思っておりましたし」

「ほほう?まぁいいだろう。とりあえずは俺の家へ帰るぞ」

「了解です」

俺らは封印ノ神殿を後にした。

 

 

〜月面・幻想郷との境界〜

「帰ってきたぞ〜」

俺は軽く手を振りながら優曇華に近寄る。

「あっ!やっと来た!途中で赤黒い何かが神殿から出てくるし心配したんだから!」

優曇華が俺に抱き着いてくる。

「お、おう。心配させたな」

若干泣きそうになってる優曇華を慰めながら幻想郷に帰ろうとすると俺の部下、いや弟子だな、が目の前に現れ俺に抱きついていた優曇華がバッと俺の懐を離れ皆と戦闘態勢に入る。

 

「はいはい、その辺にしとけ一応言っとくがコイツは俺の弟子だな。とりあえず武器を下ろせ敵じゃない」

すると俺の隣では両腕をあげた弟子が「あ、アハハ頼むから撃たないでくださいよ」

すると優曇華は突如としてまた懐へと戻ってきた、、

「、、そ、そうわかったわ」

「、、とりあえず帰るぞ。コイツのことは家で話す。紫ッ!スキマを頼む」

俺がそう言うと紫がスキマから出てきた。

「えぇ了解したわ」

そう言ってスキマを更に開き幻想郷と繋げた。

 

「よし、帰るぞ」

「「「「「」」」」」コク

 

皆が頷き俺らは幻想郷へと帰った。無事に第二時月面戦争は勃発することなく終わりを迎えた




皆さんどうもこんにちはこんばんは〜作者です。
今回は月の都をフルでお送りしました。いかがだったでしょうか?ここから更に秋人の弟子のことなどが分かっていくので次回もよろしくお願いします。
また今回でキャラ設定を外したストーリー50話を行きました!いつも見てくださりありがとうございます。
では今回の話を見てくださりありがとうございました。


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第51話 綾人の運命はいかに?

〜旧橘邸〜

月から帰ってきた一行は疲れのあまり一度床へと就いた。

のだが、、約5人はついていなかった

 

「いやーアルトッ!お前を久々に見たぜ」

そう言いながら酒を飲む気性の荒い破壊神。そしてその隣では背中をバシバシと叩かれ少々苦笑いのアルトの姿があった。

 

「破壊神それぐらいにしとけアルトが可愛そうだろ」

酒を入れた盃を片手に禍津がそう話す。

「んだよー別にいいじゃねぇか。なぁ?」

破壊神は酒の勢いかそのまましつこく絡む。酔っ払いとは面倒なものだ。

 

「アルト、ちょいと耳に入れて置いてほしい情報がある」

俺はそう言ってアルトを呼ぶ。するとアルトも酔っていた破壊神も真剣な面持ちへと変わる。

 

「今回ここにこのメンツが集まってるのは、、unknownが現れたからだ」

「unknown、、ですか?」

「そう、お前のよく知っているあのunknownさ」

 

アルトは顔を強ばらせる

「なぜ、なぜ師匠を裏切ったunknownがまた、、」

「復讐、、じゃないのか?」

後ろから禍津がそう言った。

「、、そうかもしれんな、ただ俺も自分の嫁に手を出されるかもしれないのに、はい、そうですか。っと指をくわえて見てることはしない。徹底的に叩きのめす。俺の持てる全ての力を使って俺の幸せの邪魔をする全てのものをな」

 

少し殺気の入った声での話が終わり、皆各々で酒などを飲んでいると奥の襖が少し開きその隙間からひょこっと霊夢が顔を出していた。

破壊神とアルトは気づいていないのか破壊神はアルトにまたちょっかいをかけて始めいる。

 

「……」

「、、れ、霊夢?どうしたんだ?」

禍津が襖からひょこっと顔を出している霊夢に話しかけると破壊神やアルトも気づいたのか後ろを見た。

 

「……」

それでも霊夢は黙ったまんまだ。思わず禍津の頭の上にも?が浮かんでいる。

 

すると突然霊夢が襖を開け寝間着のまま禍津の背中へとくっついてきた。

「!?」

「、、母さん、、眠れないの」

そう言ってくっつき続ける。

(可愛ええなぁー)

(か、可愛い、、)

 

夫婦2人でそう思っているとさっきまでアルトに絡んでいた破壊神が唐突に酒の入ったグラスを霊夢に進め始めた。

 

「破壊神流石にやめろ、というかお前は酔いすぎたはよ天界に帰れ」

「えーもうちょい酒飲んでから帰るわ〜」

「お前ってやつは、、」

 

そうこう話をいていると禍津が不意に立ち上がった。

「秋人、ちょっと霊夢寝かしつけてくる」

「あぁわかった、行ってこい」

禍津は俺の言葉を聞いた後に眠そうな霊夢を連れ襖の奥へと消えていった。

 

(そろそろ俺らも寝るかー)

グラスの酒を一気に飲み干したあとスっと立ち上がった。

「おん?死神どうした?」

「師匠?」

ふと立ち上がったため破壊神とアルトから質問が飛んできた。

「あぁもう寝ようも思ってな。禍津が帰ってきたら俺は寝たから布団来るなら来いって言っといてくれ」

 

すると破壊神は酒を飲みダルそうに

「あいよ」

一言そう言った。

 

 

 

 

 

 

〜翌朝〜

(あ゙あ゙頭痛てぇ~昨日夜飲みすぎたか?)

そう思いながら布団から出る。するとまたもや出れない、、

「おん?」

不思議に思い布団をめくるとそこにはシルフィードと聖、白蛇が居た。

初めはあちゃーこりゃ朝チュンか?とも思ったがそうではない様子、、服きてらっしゃるし、、んで白蛇が左にくっつき、聖が右、シルフィードが腹の上だった。どうやら禍津は霊夢を寝かしつけたまんま一緒に寝たようだな。

 

(、、にしても両腕固定されてて動けん、、)

 

そう現在秋人は右腕を聖の胸そして股ではさまれ、左腕を白蛇に同じく胸と股で挟まれているため腹上のシルフィードを退かせないどころか動けないのである。

 

「ぅんん?」

そんな時そう唸りながら起きたのはシルフィードだった。

 

シルフィードは目をゴシゴシと擦りながら起きる。

「んぁ?あ、秋人〜」

寝ぼけた様子で甘えてきた。

 

これには流石の秋人も

(ファ!?サラ!?いや、まて落ち着けシルフィードだろうッ!?)

と思っていたとか。

 

シルフィードの白い柔肌で抱きつかれ結局もっと動けなくなりそしてシルフィードはまた寝た

「お、おいおいマジかよ、、このタイミングでそれは、、色んな意味で辛いんだが」

 

そんなことを呟きながら嫁達が起きるのを待つ秋人であった。

 

 

 

 

 

〜居間〜

「はぁ、、」

「ん?どうしたんだ?綾人」

私は大きくため息を吐いた綾人に話しかけた。

「あ、麗華さんその、、実は、、」

 

 

ー少年説明中ー

 

 

「なるほど、、思ったように力がつかない、か、」

「えぇそうなんですよ、、毎日日々の練習と妖夢さんに教えて貰ったりしてるんですが、、それでもまだ」

「ふーん?ならあれをやってみたらどうだ?」

「あれ?」

「あぁあれだ」

私は少しニヤッと笑いそう答えた。

 

するとその時ガチャっと音を立て奥の扉が開いたかと思えば

「あ゙あ゙〜ダリぃー」

「ほら!秋人食事くらいちゃんと取ってください!」

「あ、師匠おはようございます。」

「おう、おはようさ〜ん」

そう言って聖に連行されていく秋人の姿だった。

 

「な、なんですかね?あれ」

綾人が凄い不思議なものを見たように言った。

「あぁアイツは朝飯を食べる時と食べない時があるんだよ。だから聖が朝飯を食べる習慣づけしてるんじゃないか?」

「あぁなるほど、、」

 

「まぁそれでだが、、白蛇!ちょっとこっち来てくれ!」

「!?」

綾人の顔に焦りが出た。

(ヤバい、、あれって白蛇さんの事だったのか!?)

綾人が驚愕し嫌がる理由ものはず、白蛇は霊夢と綾人が人間だと知ってるにもかからず禍津よりも更に厳しい修行なのである。

 

例えばの話だが禍津が霊力を操る練習を座禅させて精神統一させるところを白蛇は霊力をどうやって操るかどこが重要かなどを教え、その後ほいっと滝つぼへ背中を押し落とすのであった。

そのため霊夢は飛べるのでいいが綾人の場合まだ飛ぶための修行をやっているのでそのまま滝つぼへ真っ逆さまだ。言うなればあっちの世界で言う殺人未遂を白蛇は平然とやっているのであった。

 

「、、し、白蛇さん、、ですか?」

綾人がめちゃくちゃ嫌な顔をしている。

「なんだ?嫌なのか?」

「あ、いやーそのー」

綾人が誤魔化そうとしたその時である。

 

「なんじゃ?朝から主と気持ちよく寝ておったら起こされたんじゃが?」

白蛇は凄く不機嫌そうな顔をしながら綾人達の後ろに立っていた。そんなことをお構い無しの禍津は話を続ける。

 

「おっ?なんだ白蛇来るの早いな、、いつもは遅いのに」

「悪かったのう、いつも遅くて、、それで?我を呼んだのは何か理由があるのじゃろ?」

「あぁそうだった、、忘れるところだった」

 

「綾人に特別修行つけてやって欲しいんだ」

禍津が澄ました顔で白蛇に言った。その傍らで綾人は顔面蒼白だが禍津には問題ない様だ。

「、、綾人に今まで以上の稽古をつけろと?」

「そうだ」

「ふむ、、」

禍津にそう言われた白蛇は顔をしかめ何か考え始めた。

 

「なら我よりも適任がおるじゃろ、現在暇な人物が」

白蛇は人差し指を立てそう話した。

「ん?それは誰だ?」

 

「主じゃよ」

 

へッ!?っと白蛇の時以上に青ざめる綾人が禍津の隣にいた。

「なるほど、、秋人か〜綾人と同じで剣を使うからな」

「そうじゃ、だからのぉ我ら3人で教えれば良いんじゃないかの?」

「ホホゥ、、なるほど」

もう禍津の隣の綾人の顔はもう青ざめることをやめ、逆に開き直ったのか少々笑っていた。

(もう知らね、、どうにでもなれ、、)

と心の中でそう思っている綾人であった。

 

 

 

 

〜リビング〜

「ふぁぁ、、んぁくそねみ」

「ほら秋人、布団へ戻ってはいけませんよ」

布団に帰ろうとする秋人だったがそこは聖に腕を掴まれ行けない。

「んーって言ってもなぁ〜朝はやる事ないなら寝てるんだけどなぁ」

ちょうどその時だった。

 

「主〜ちょっとこっちに来てくれんかぁ?」

 

突然の白蛇からの呼び出しに なんだ? と思いつつも

「あいよー今行くから待っとけー」

「って事だ聖一緒に来るか?」

「えぇ行きます」

聖は微笑みつつ秋人にそう返した。

 

 

 

 

〜居間〜

「来たぞ。で、なんのようだ?」

秋人が襖を開け居間に入るとそこには綾人と禍津、白蛇が居た。

 

「なんだお前らどうした?」

「それがのお、、」

 

 

ーーーー白蛇説明中ーーーー

 

 

「はぁ、、内容はわかったが、、んーどうしたもんかねぇ、、アルトにでも任せるなぁ」

「、、主、、それはやめておいた方が良いと思うぞ」

すると俺の後ろの聖が口を開いた。

 

「あの秋人」

「おん?どうした聖」

「、、命蓮寺に綾人君を1ヶ月ほど預けてみませんか?」

そう微笑みながら言った。

 

(なるほど、、命蓮寺か、、そこは盲点だったな)

そう思う秋人の隣で聖は

「どうです?修行なら命蓮寺にいる者でつけれますし」

「そうだな、預けてみるのもいい選択かもしれん。聖に任せるよ」

「ありがとう秋人」

「あいよ」

 

結果綾人は命蓮寺に預けられることになり聖と共に命蓮寺へと向かった。

 

(少しは成長するといいんだがなぁ)

傍らそう思う秋人であった。

 

 

 

 

 

〜縁側〜

「Lost〜」

そろそろ昼になる事に秋人がLostを呼ぶ声が縁側に広がる。

 

スゥーと縁側の襖が開く

「はい旦那様、お呼びでございましょうか?」

「あぁちょっとな、先の月の訪問の時にお前の前でトリップショットをしたのを覚えているか?」

 

「はい、覚えております。あの時は私も呆気に取られてしまいました」

「そうだな、そこでお前は日頃からMac11やMK25以外にリボルバーを持ったことは少ないだろう?」

秋人がそう質問するとLostは口元に手を当て少し考え始めた。

数秒立ち答えを出す。

 

「確かにそうですね。リボルバーは扱いやリロードに少々手間取るのであまり扱ってはいませんでした」

「そこでだ、今回俺が教える。リボルバーの扱いには慣れておけ、いざと言う時には扱えないからな」

「はい、了解しました。今回のご教授よろしくお願いします」

「あいよ、ついでに他の奴らにもやらせるか」

 

秋人がそう言うとLostが答えた。

「、、それはやめておいた方がよろしいかと」

「ほう?何故だ?」

秋人が不思議そうにLostに質問する

 

「理由は、全員でやると家事が追いつかないからですね」

それを聞いた秋人は少し考え始めた。そして

 

「それなら大丈夫だ、世界の果てからシルフィード達を連れてくる」

そう返した。

 

「なるほど、そうですか、了解しました。」

「よし、なら俺は今から世界の果てシルフィード達を呼びに行ってくる」

「いってらっしゃいませ」

Lostのメイドらしいお辞儀をする中秋人は首にかけたペンダントに手をかけ魔法陣なしで世界の果てへと転移した

 

 

 

 

〜世界の果て〜

「相変わらずここも変わんねぇな」

そう呟きながら秋人はそれぞれの季節を代表する妖怪木が立ち並ぶ並木を道を歩いていく。

 

やがて玄関へとたどり着いた。

 

「ただいま〜帰ったぞー」

秋人がそう言うととある角の影からケノンが出てきた。

「おかえりなさいませー秋人様ー」

 

「おう、ただいま。てかお前今どこから、、」

「あぁアレなんです私、影を行き来出来るので影があればそこをテレポート出来ます」

「マジか、、それ初耳なんだが、、」

、、なんという、、秋人も初耳であった。

 

「マジで?」

「マジです」

(ほほう、、これはいいことを聞いた)

秋人がそう思っている時ケノンは前で首を傾げていた。

 

「まぁ気にするな、、取り敢えずシルフィード達を呼んでくれ」

「了解しましたッ!」

ケノンはビシッと敬礼を決め再び家の中へと消えていった。

 

 

「さてっと、、紫居るか?」

「はいはーい?どしたの秋人」

そう言って紫は俺の後ろにスキマを開き上半身だけ出した状態で秋人の背中にくっついてくる。

 

「紫、この家と今の家をトレードしたいんだ、頼めるか?」

するとそう聞かれた紫は少し難しい顔をし考え始めた。そして数十秒たった頃答えを出す。

 

「一応はトレード出来るけど、、その分夜払ってね?//」

少し照れつつ紫はそう話す。

「ははっ、了解払ってやんよ」

それに対し秋人も笑いながら返す。

 

 

 

そうこうやり取りをしているとシルフィード達が集まった。

「秋人様、橘邸皆メイドここに」

「ん、よく集まってくれた。今回は引っ越しだよ」

「は、はぁ引っ越し、、ですか」

シルフィードは少し疑問を持つようにそういった。

「まぁあっちの家とこっちの家をトレードするだけだがな」

「なるほど、、分かりました」

 

「まぁ取り敢えず、、紫、あっちの家にいる奴らは全員家から出したか?」

「えぇ出したわよ、いきなり出されてたもんだから質問攻めされたわよ」

紫は溜息を吐きつつそう言った。

「そういや言ってなかったな、、すまんな紫」

「いやいいのよ、、最終的には白蛇も合意したしね」

「そうか、、そしたら紫始めるとするか」

「えぇそうね、みんなはそのままでいいわよ」

紫がそう言って転移を始めようとした時だった。

 

「秋人様」

「ん?どしたシルフィード」

突然シルフィードが秋人に話しかけた。

「お願いがあるのですが、、一つよろしいでしょうか?」

 

秋人は軽く驚きつつも「いいぞ」と返事を返した。

秋人が疑問に無理もない。シルフィードは普段からこういう頼み事的な事は言わないからだ。

 

「お願いです。庭にあるあの三本の桜と紅葉、イチョウなど妖怪木もあちらに持ち込んではいただけませんか」

 

シルフィードのまさかのお願いに秋人の顔が少し曇る。

それもそのはずシルフィードの言った''あの年中咲き続け、紅葉を迎える三本の桜、紅葉、イチョウ''は生前サラが好きだった妖怪木なのだから、、。

 

 

「……」

秋人が沈黙を突き通し考える中突然紫が

「なに、三本の妖怪木?ちょっと見たいわね。シルフィードちゃん案内してくれない?」

とシルフィードに言った。

 

「えぇ良いですよ。ついてきてくださいませ」

そう言ってシルフィードは紫を連れ庭へと向かった。

一方、秋人は玄関に座り込んだまま考え続けている。

(サラが好きだったあの妖怪木三本を幻想郷へと持っていくか、否か)と

 

 

数分後、シルフィードと紫が帰ってきた。

そして紫は帰ってきてそうそう秋人に言った。

「秋人、、あの木持っていかない?結構綺麗だし、私は好きよ」

紫は少し笑いながら話す。

「……」

それに対し秋人はしばしの沈黙のあと決断を出した。

 

 

「わかった、、持っていこう、、幻想郷へ」

 

 

こうして旧橘邸と三本の妖怪木は幻想郷入りを果たすのであった。




どうもおはこんばんにちは作者です。
いやぁ今回も投稿が遅れてしまって申し訳ございません。
えっなに?サボってただけだろ、、ですと?、、実はですね、、就職試験がありましてそれの面接やら勉強やらやってました、はい。
まぁリアルの話は置いておいて。今回はかなり投稿が遅れてしまって申し訳ございません。また今後ともよろしくお願いします。
では、次回もよろしくお願いします。


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第52話 昏睡と古傷

〜幻想郷・旧橘邸〜

満月が姿を現し辺りを薄暗く照らす中三本の妖怪木を見ながら縁側で酒を飲む男が一人。

 

「、、にしてもまさかあの三本を持ってくる事になるとはなぁ」ゴク

 

一升瓶を片手に持ち縁側の支柱に背を預け三本の妖怪木を片目に酒を飲む、、そうこの家の主こと秋人だ。

 

「、、アイツらもこの木が気に入ったみたいだしいいが、、俺にはどうもなぁ」ゴク

一言そう言うと秋人は一升瓶に口をつけ酒を飲む。最近の日課だ。嫁達は家の中でアルト達とワイワイ話しながら酒を飲んでいる。

 

「」ゴク

 

また一口、そしてまた一口と飲んでいると

 

「ありゃ、、無くなっちまった、、」

 

無くなってしまう。

 

そんな時丁度右側の襖が開いた。

家の中からは服が乱れ、その綺麗な白い肌を露出させている妖夢が立っていた。

「おん?妖夢、、?どし、、た?」

 

その光景に思わず旦那である秋人でさえも言葉失う、、

「綺麗だ、、」

そして本音が出たその時だった。

「あ゙〜ぎ〜ど〜」ダキ

 

「うわッ!酒臭ッ!」

「えへへ〜あきとの匂いだ〜」スリスリ

「あッ!ちょっ!」

秋人が反応に困ったが、抱きついてきた妖夢を抱き寄せ胸の辺にある妖夢の綺麗な白髪の髪を撫でる。

 

するといつの間にか胸の辺りから寝息が聞こてくる。

秋人が下を向くとそこは

「んー」スピィー

っと可愛い寝息を立てて眠る妖夢の姿があった。

 

「っく、誰だよこんなに妖夢に酒飲ませた奴、、」

そう言いつつ秋人は傍らにある氷水入りのバケツの中からもう一本一升瓶を取り出すと一升瓶の細い部分を軽く握ると一升瓶の酒蓋をコイントスの容量で弾き飛ばし酒瓶開ける。

酒蓋は綺麗な弧を描きバケツの中へと入る。

 

「、、嫁を抱きながら酒とはな、、まさに花より団子だな、、」ゴク

また酒を一口飲み、改めて考えていると

(いや、花と団子2つとも味わっているか)

そう思い微笑んでいるとまた隣の襖が開いた。

 

すると今度は見慣れた赤紫色のスカートが目に移り上を見上げるとそこにはワイシャツに赤いネクタイをした優曇華が立っていた。

 

すると優曇華は秋人の腕の中にいる妖夢に気がつくと

「あっ!ここにいた!」

と言って起こそうとするが、、全く起きない、、

 

「優曇華、少し寝せてやってくれ妖夢だって疲れてたんだろ」

「ん、、それもそうね。秋人ごめんなさい妖夢を頼んだわ」

「あいよ、任された」

 

そう言って帰ろうとした優曇華だったのだが、、

 

だが、、

 

 

「」クルッ ピト

「あれ?優曇華?」

帰ろうとした優曇華だったのだが、クルっと反転し秋人の酒瓶を持っている右腕へとくっついてきた。

 

「えへへ、、やっぱりこっちがいい////」

優曇華は秋人に背を預けると右腕を取り抱きついた。

 

「っく、、うちの嫁は可愛い奴しか居ねぇな」

そう言いつつ秋人は右手の酒瓶を再びバケツの中へと戻し、優曇華を自分の腕の中へと抱き寄せる。

 

その状態が数十分続いた頃

 

 

 

 

「ふふふっ」

突然笑い声が聞こえたので周りを見渡すが見当たらない。気のせいかと思った時「キャッ!」と優曇華が上を見上げ悲鳴をあげた。

 

秋人も上に何かあるのかと思い上を見上げるとそこには

 

 

逆さまの状態で上半身だけ出し、口元を扇子で隠した紫が居た、、

 

 

これには秋人も苦笑いするしかない。

 

「紫、、お前そんなところで何やってんだよ、、」

その通りである。声がしたと思ったら上から逆さに生える紫が居るのだから、、それはもう軽くホラーとしか言い様がない。

 

「ふふふっ、いやあまりにも遅いから優曇華ちゃんを呼びに来たんだけれど、、私も混ざろうかしら」

 

そう言いながら紫は扇子を閉じ、スキマへと投げ入れ天井から降りてきて秋人が背を預けている支柱へと紫も背中を預ける。

 

「なんだよ、、優曇華呼びに来たんなら普通に出てこいよ、、」

「いいじゃない。こっちの方が面白かったでしょ?」

「面白いっつーか軽くホラーだわ」

「はぁ、、ほら優曇華、紫が連れ戻しに、、」

 

秋人はそう言いかけたのだが、、

 

「」カタカタカタ

 

そこには青ざめた顔をし秋人の右腕にしっかりとくっつき小刻みに震える優曇華が居た。

(、、そういやぁ優曇華ホラー苦手だったな、、)

 

「あ、あら?優曇華ちゃん、、そんなに怖かった?」

紫が優曇華に確認を取ろうとすると優曇華はカタカタと震えながらコクコクと首を縦に振った。

 

流石にこれには紫も

「ちょっ、、ちょっとやり過ぎたわね」

「いや、ちょっと所の話じゃないと思うんだが、、」

 

もしこの場でホラーが優曇華より苦手な妖夢が起きていて紫の軽くホラーな登場をモロにくらっていたのならどうなっていたことか、、そう思う秋人であった。

 

 

程なくして縁側は秋人とその嫁達、また霊夢と魔理沙、綾人やアルト達も縁側でワイワイと酒を呑むようになった。

 

(全く、、一人来るとみんな来るな)

満月を見上げながらそんなことを思う秋人であった。

 

 

 

 

 

〜翌日・正午〜

「あ゙あ゙づがれだ〜」

「ぬ、主、、どうしたのじゃ?」

白蛇は縁側に座布団を枕代わりにして横になる秋人に質問した。

 

「あ゙あ゙〜白蛇腰痛いから指圧してー」

「お主は爺さんか!」

「最近腰が痛くてのぉ〜」

「わざわざ爺さんの真似せんで良いわッ!というかそんなに腰痛いなら永遠亭に行けばよかろう」

白蛇がそう言うと秋人はハッとした顔をして

 

「その手があったか!」

「主、、主の嫁は医者じゃろうが、、」ハァ

呆れたように溜息をつく白蛇だった。

 

秋人はゆっくりと立ち上がるとボキボキと音を鳴らしながら首を回し、縁側から庭へと出る。

「それじゃ白蛇行ってくらー」

「うむ、行ってらっしゃいなのじゃ」

 

 

 

足に力を入れ、飛び上がると同時に霊力を下へと放ち飛ぶ。

 

本当に幻想郷はいい所である。自然は豊かであり尚且つ昔の日本というものがあり風情を感じる。空から見てみれば色々なものが見える。

 

例えば、命蓮寺にて座禅をしている綾人や紅魔館に入ろうとして咲夜に退治されている文、笑顔でチルノに頭突きしている慧音、幻想郷全土を見渡せる妖怪の山の崖あたりで哨戒をしながら親しく話している椛ともう一人の白狼天狗の男、などなど幻想郷は平和で面白く景色も綺麗なところだ。

 

 

そうこうしていると迷いの竹林へと入った。

迷いの竹林へは正直飛ぶより歩きが早いのでここからは歩く。

 

木漏れ日が指す竹林を歩いていると久しく会う人物と会った。

「お前、、秋人か?」

 

そう言われ振り返るとそこには白髪の赤いニッカポッカ、ポロシャツを着ている女がいた。

「よぅ!妹紅じゃねぇか、久しいな」

ポケットに手を突っ込んだまま話す秋人に妹紅は微笑しながら

「昔と変わらず相変わらずの態度じゃないか。変わってなくて良かったよ」

 

「そりゃどうも」

少しいわみを言われた時のように秋人は適当に返した。

「いや、ホントなんだって、、まぁみんな変わっていくから私的は昔と変わらない奴がいるといいんだが、、」

そう言って妹紅の顔は顔を暗くした。

「なんだ、そんなことかよ。それを言ったら紫や永琳達も変わってないだろ」

「ま、まぁそうなんだがなぁ、、」

妹紅は少し下を向きモジモジとしていた。

 

「そういやぁ妹紅はなんで迷いの竹林に来たんだ?」

「ん?優曇華とかから聞いてないのか?」

「は?なにを?」

「なんだ、知らないのか、、私の家はここの中にあるんだぞ?」

 

「えっ、なん、、だと?」

 

秋人がそんな反応をする中妹紅は

「そんなに驚くことか?」

と首を傾げていた。

 

「まぁそれで今日はどうしたんだ?迷いの竹林へと来て、、あっ永遠亭か?」

妹紅がそう言うと秋人は

「そうだなご明察道り永遠亭だ」

「なら案内しよう。私はここの案内人だからな」

「なんだそうだったのかよ」

「まぁゆっくり話しながら行こう」

「そうだな」

 

 

 

秋人は妹紅の案内で木漏れ日の指す竹林の中へと入っていった。

「ところで今日は永遠亭に用事でもあったのか?」

「あぁまぁ最近腰が痛いからなぁ」

秋人がそう言うと妹紅はクスクス笑いながら

「お前も爺さんになったか」クスクス

「そうだな、もうジジイだな」

少し萎れながら秋人がそう答えると妹紅は

「悪かったよ、、ちょいとからかいたくなったんだ許してくれ」

と笑いながら言った。

 

「そういやぁ秋人は今何処に住んでるんだ?」

「今は妖怪の山の九天の滝近くだな」

「あーあそこかー」

「そうだ、あそこ景色綺麗で好きなんだよ」

「ん?というかあそこは妖怪の山の天狗達の私有地だろ?どうやってそんなに家を、、」

妹紅は少し困惑気味に秋人に聞いた。

 

「妖怪の山の天狗達の長の天魔は俺の嫁だからなぁ〜頼んだら、、というかそもそもあそこ藍が許可取ったらしくてな紫があっちの世界から家ごと持ってきた」

「えぇ、、そんなことが、、というかやっぱり紫かー」

妹紅はちょこっと引き気味にそう言った。

「まぁな大体俺をこっちに連れに来たのだって紫だし」

「だよなぁそんなこと出来るの紫しか居ないしな」

「そうだな」

 

そうこう話をして歩いていると妹紅が不意に止まった。

「おっ?どしたよ妹紅」

「ん?あぁいやここから右に行けば私の家だぞ」

「ほへーマジか、今度遊びに来るわ」

「あぁ楽しみにしとくよ、さぁここを左に行くともうすぐ永遠亭だ」

「おう、案内ご苦労s」

 

そう言いかけた時だった。突如として秋人は後ろから抱きつかれ、後ろを振り返るとそのには、、

「秋人だ〜」スリスリ

 

そう言ってくっつきてくる秋人の嫁の一人である影狼だ。

「おいおい影狼じゃないか。急にくっついてきてどうしたよ」

「ん?あ〜秋人を見つけたからくっついた」

 

(可愛すぎかよ、、)

秋人はきっとそう思っだろう、、だが隣の妹紅はニコニコしながらもイライラしているご様子だったことを秋人はハッキリと確認した。

 

「あっあれ?妹紅さんどうしたんすか?」

秋人が少し引き攣りながら妹紅に質問すると

「別に、、ほら永遠亭に行くぞ」

そう言って秋人の右手首を掴み強制連行するのであった。

「あっ!?ちょっ!妹紅〜」

 

 

 

 

〜永遠亭〜

「はぁ、、なんと言うか、暇ね」

「でふね師匠、、」

優曇華はモゴモゴと妖夢から貰った和菓子をほうばりながら答えた。

「優曇華食べてから喋りなさい」

優曇華はモグモグと数秒してからゴクンと飲み込んだあと

「はいすみません師匠、、師匠も和菓子食べません?美味しいですよ」

そう言いながら優曇華はまた一つ机の上の和菓子を手元の皿に取った。

 

その一方永琳は隣で診療室に置いてあるいかにも高級そうな革製の椅子にギシギシと音を立てながら背を預け、竹で装飾してある和風の窓の外を眺める。

「はぁ、、暇ねぇ。誰が来ないかしら」

 

永琳がそう言った時だった。突然感じ慣れた妖力を感じた。すると優曇華が同時に

「あれ?これって妹紅さん?」

どうやら優曇華も気づいたようだ。だが、永琳には特徴的な妖力があと二つ感じた。

「これ、一つは影狼ね。もう一つは、、秋人?」

「ですかね?でもこんなに妖力小さかったけ?」

「よね、家にいる時はもっとある様な、、」

 

永琳と優曇華が不思議がるのもそのはずあちらの世界の妖怪は力を持っているので妖力を普通より少し強く発していた。

だが、こっちの世界(幻想郷)では力の弱い妖怪が紫の''幻と実体の結界''により幻想入りしているので平均的にあちらの世界より妖力が弱いのだ。なので秋人は無駄に力を使うより力を温存することにしたのである。

 

 

「おーい!優曇華居るかー?」

二人が不思議がっている時予想通りに妹紅の声が玄関先で聞こえてきた。

「は、はーい!」

優曇華が声を聞き出ていく。永琳も聞き耳を立て反応を探っていると

「あっ!やっぱり秋人だ!」

と優曇華の声が聞こえてきたので永琳も

(やっぱり、、でもなぜ妖力が弱かったのかしら)

とも思っている永琳であった。

 

 

「師匠〜秋人連れて来ましたよー」

優曇華はそう言って診療室の扉を開ける。

「ういー永琳」

「邪魔するぞ〜」

 

秋人と妹紅がそう言うと永琳は目を瞑り一つため息をつくと

「全く貴方達は、、ブレないわねぇ、、それと影狼はどうしたの?」

「あぁ影狼はまた夜来るとか行って一旦帰った」

 

「そうなの?わかったわ、、それで今回はどうしたの?あっまだあの回復薬は出来てないわよ」

秋人は永琳の前にある丸椅子に腰をかけ、妹紅は扉近くの壁に背を預ける。

「いや、今回はその件じゃないんだ」

 

永琳はより一層首を傾げ不思議そうに秋人を見る。

「じゃなんなの?アレかしら前みたいに自分の嫁に会いに来た。的な奴かしら」

「んまぁそれもあるんだが、今回腰痛くてな」

「ぷっっ」

「なんだよ妹紅」

「えっこ、腰?」

永琳が驚きを隠せず思わず革製の椅子から背を離し、妹紅が吹き出した。

「あぁ腰だ」

 

はぁ、、と溜息をつきながら永琳は立ち上がる。

「わかったわ、そしたらそこの診察台に寝てちょうだい」

「あいよ」

「あっ秋人ちなみに上は脱いでね」

「ん?あぁわかった」

「そ、そしたらわ、私は退室するぞ」

 

そう言ってそそくさと退散する妹紅に対し永琳は

「あら?いいの?秋人の背中見なくて」

と茶化した。

「うぐっ、、」

「、、基本的に俺は居てもいなくても良いんだがなぁ」

そう言いながら秋人は着ていたジャンパーパーカーを脱ぎ下に来ていたTシャツと下着を脱いだ。

 

「ちょっ!いきなり脱ぐな、、よ」

妹紅はびっくりしつつもそこに居た。

 

「相変わらず貴方の背中の傷は凄いわね、、」

「と、言うかなんなんだ?その大きな傷跡」

妹紅からも質問が飛んでくる。

確かに秋人の背中には右肩から左の脇腹にかけて大きな傷跡が残っており他にも多数の深い傷跡が残っていて昔の戦闘の激しさを物語っていた。

 

「んーまぁ前の古傷だな。前に忌み子同士で一部が裏切ってなそれで内乱があったんだよ。そんときの傷だ」

「前から気になってはいたけど、、そんな経緯が」

「まぁ俺の色々修羅場を潜り抜けてきた証さ」

 

永琳は少し微笑すると

「ものは言いようね」

と言った。

 

 

 

大体の診察が終わり服を着なおすと優曇華が丁度お茶を持ってきてくれた。

「秋人、師匠お茶を持って来ました。どうぞ。さっき注いだばかりだから暖かいですよ」

「おっ!優曇華サンキュー」

「ありがとう」

 

妹紅は永遠亭を離れ人里へと向かった頃、

永遠亭の縁側では秋人が片手で湯呑みを持ち茶を飲み、永琳が隣で正座しお茶を両手で持ち縁側の外を見る。優曇華も秋人の隣へと座り自分の分の湯呑みを持っている。

はぁ、、と一つ溜息をつき縁側を見るとてゐが落し穴を掘っていた。

(まぁーたなんかやってんなぁー)

 

そう思っていると隣の永琳が

「またやってる、、全くあの子は」

そう言って永琳はお茶の入った湯呑みを傍らに置き立ち上がると、突如どこからとも無く出した弓を引き

 

スパッ

 

「う、、さ?」

風を切る音を立て、てゐの頭の上スレスレに矢を当てる。

狙われた本人であるてゐはまるで壊れた機械のようにギギギと首だけを動かしゆっくりとこちらを向くとニッコリと笑顔で

 

「前に庭に穴を掘らないように、って言わなかったかしらねぇ?」

 

と言った。

 

これには流石の神速の死神も顔が引き攣り、隣の狂気の月の兎も青ざめた笑顔のまま固まっている。

そして穴を掘っていた当の本人は

 

「す、すみませんでしたッ!!」

と土下座。

傍らで見ていた二人は

((今度から永琳[師匠]を怒らせないようにしよう、、))

と密かに思っていた。

 

こうして永遠亭での指圧が終わりこの後帰してもらえない秋人でもあった。




おはこんばんにちは作者です〜。
そろそろ秋に、、いやこの寒さ冬かな、まぁ季節が変わりますがいかがお過ごしでしょうか?
私は色々と忙しく死にそうですが、、趣味である東方小説書きは何がなんでも辞めません(`・ω・´)キリッ
まぁおふざけはこのくらいにして、、
今回もご覧頂きありがとうございます。
では次回もよろしくお願いします。


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第53話 日常、、のはずだった

少しお知らせです。博麗 綾人の綾人という漢字を妖斗と表記するとこになりました。ご迷惑をおかけしますが以降よろしくお願いします。


〜永遠亭〜

チュンチュン

 

(あぁまたこのパターンか、、)

秋人はそう思いながら上半身を起こす。すると右からはうさ耳が布団から飛び出し、左からは白髪の長い髪がこちらも布団から飛び出していた。

 

「あぁ体が重ぇそんでだりぃ〜」

「ふ〜ん、、んぁ?おはよ〜秋人〜」

欠伸をし起きてきたのは裸の永琳だった。

「おはようさん永琳」

「んー」ダキ

彼女は目を細めつつ少し甘い声を出しながら左腕に抱きついた。

 

「おいおい永琳二度寝すんのか?」

「んーん、、」

「どっちだよ」

これまた、肯定なのか否定なのか分からない返事をした。

実は永琳、秋人と同じで朝に弱いのだ。どちらかと言えば優曇華が強いくらいなのだ。

 

「、、秋人〜」ダキ

「おう?今度は右か、、」

噂をすればなんとやら優曇華が起きたのである。だが、優曇華は秋人の右腕に抱きつきこちらも離れようとしない。

まぁ正直言うといつもの光景だ。紫や藍、その他も嫁達もやっていることだ。

 

「もういいや、、もっかい寝よ」

そう言って両腕の優曇華と永琳を抱きしめ再び二度寝するのであった。

 

 

 

 

〜博麗神社〜

チュンチュン

 

「ほら、起きなさい妖斗」

「、、あ、あぁ〜霊夢さんか〜」

「、、早く起きなさい?出ないと母さん呼んでくるわよ」

「ッ!?すいませんでした!今すぐ起きます!」

「よろしい」

妖斗は霊夢に''必殺母さんを呼ぶ''を発動されそうになり慌てて起きる。

「それじゃ私は母さんの手伝いてくるからねぇ〜」

そう言って居間に戻ろうとする霊夢だったが、、

 

「あっ!」

ドタン!!

 

妖斗の足に引っかかり転けそうになったのだが、、運悪く足元に蜘蛛が出てきたため反射的に妖斗の方に倒れ結果的に傍から見れば抱き合っているようになってしまった。

「痛ったー。妖斗足邪魔、、よ」

「霊夢さん、、そのーこの体制ヤバくないですか?」

 

こちらもまた噂をすればなんとやら、、

「おい、朝から騒がしいぞ」シャッ

そう言って麗華が障子を開けた。

 

「「あっ、、」」

 

「、、すまん。そんなつもりじゃなかったんだ。悪い邪魔した」

 

そう言って麗華はそっと障子をを閉めたのであった。

 

 

流石の霊夢もこれには顔を真っ赤にしすぐ離れたのだが、、

「霊夢さんマジすんません!」

と土下座する妖斗にいつもなら夢想封印をお見舞するのだが、、

 

「アンタのせいで母さんにそんなふうに思われちゃったじゃない、、こ、今回は私と一緒に弁解しなさい。そうしたら許したげる」

と顔を真っ赤にして言った。

これには妖斗も

「、、お、おう。マジすんません」

としか言い様がなかった。

 

あの後ご飯を食べながらの霊夢と妖斗の必死の弁解があり、麗華はひとまず納得はしたが直後、箸をおき

 

「別にお前ら結婚したところで私と秋人は反対はしないぞ?」

との答えが返ってきて霊夢がまたもや真っ赤になり口をパクパクさせていたりした。

 

 

朝飯を食べた後の境内掃除の今日の担当は霊夢であるため、妖斗は人里へと買い物へ行く。

 

「あー今日も無いわねぇ〜」

と隣からは霊夢が賽銭箱を覗きながら言っていたのを尻目に妖斗は人里へと買い物へ行くのであった。

 

 

 

〜人里〜

妖斗が人里へと入るとそこはいつも通り賑やかであった。

「、、さて言われたもん買ってさっさと帰るか」

 

近くの八百屋に入る

「おっ!妖斗じゃないか!今日はさっき入ったばっかりの葉野菜がオススメだぞ!」

「どうも、んーそしたら葉野菜も買うかなぁ」

八百屋の主人に葉野菜を勧められて買おうとしていると突然膝あたりにモフッと何か当たり隣を見るとそこには藍が居た。

 

「おや?九尾の姐さんじゃないか、今日は何を買っていくんだい?ちなみに今日は葉野菜がオススメだぞ!」

「ん?そうだなぁ、、あれ?お前は妖斗じゃないか」

「ど、どうも藍さんお久しぶりです」

「いやー久しぶりに見るな、霊夢は元気か?」

「えぇ元気ですよ」

「なら良かった。あっこの白菜と人参、生姜もくれ」

「あいよー。まいどー」

「それじゃ妖斗、麗華さんによろしくな」

そう言って立ち去ろうとする藍だったが

 

「あっ藍さん」

「ん?」

妖斗がそれを引留める。

ちなみに藍が禍津のことを麗華、と呼ぶのは博麗神社に禍津神が居ることを教えないためでもある。

 

「今日夜何にするんですか?」

「ん?夜か?夜は秋人が帰ってくるからアイツの好きな生姜焼きとじゃがいもの味噌汁かなぁ」

「そうですか、、引き止めてしまってすいません。ありがとうございました」

「いやそれは別にいいんだが、、そんなこと聞いてどうする?」

「あぁいや俺も今日の夜何にするかまだ決めてなくて」

「なるほどなぁ、、なら少しピリ辛のきんぴらごぼうはあったがいいかもな」

「えっ?なんでです?」

 

妖斗が不思議そうに聞くと藍は

「あぁ前に秋人の家で宴会をしたのを覚えてるか?」

「えぇ覚えてますよ。あの時は飛んだとばっちり食らいましたし、、」

妖斗がそう言うと藍は苦笑いをして

「そう言えばそうだったな」

そういった。

 

「あっそれで話を戻すがその宴会の時にちょこっとピリ辛のきんぴらごぼうが出たのを覚えてるか?」

「えぇ覚えてますよ。アレ凄く美味しかったですし」

「そうだよな、、実はアレ秋人が作ったんだぞ?」

「え、えぇ!?秋人さんが!?」

妖斗が驚愕の顔を見せる。

 

「まぁそれでな、麗華さんはそれがかなり好きらしい。これも秋人からの情報だがな」

「ホントですか!?助かります。あっ引き留めてしまってすみません」

すると藍はフッと笑うと

「気にするな」

そう言って別の店へと行ってしまった。

 

「あっおっちゃん!ごぼうと人参、それとレンコンも買う」

「あいよーまいどー」

(んで、後は肉類だな、、きんぴらごぼうだけだと霊夢から夢想封印撃ってきそうで怖いし、、)

「んじゃ〜帰るか」

 

 

 

、、それは妖斗は買い物を終わらせ博麗神社に戻る途中の事であった。

「やぁ、妖斗君」

突如として茂みの中から声が聞こえた。初めは妖斗も低〜中レベルの妖怪だろうと思い茂みの方を見たのだが、、

「 」ニッコリ

 

ニヤニヤしている得体の知れない男がいた、、

「、、貴方は誰ですかね?何故俺の名を?」

「いやー君のことを知っているのは私がこの幻想郷のデータを取っているからだよ」

以前として奴はニヤニヤしながら話をする。

「、、それで?俺に何の用ですかね?こんな待ち伏せのような事までして」

「待ち伏せ、、かまぁ大体は合ってるけど僕は''博麗 霊夢''を狙っていたんだがね?」

「、、霊夢を?何故」

 

妖斗がそう言うと男は突如として真顔に戻り、今度は不気味な微笑みを見せながら

 

「簡単さぁ、、それはあの子が奴の義理の娘だからさ」

そういった。

 

奴の義理の娘、、奴というのは秋人の事であろうと妖斗は察した。

「奴の娘、、ということは貴方は秋人さんの元仲間、、だった人ですかね?」

すると男は関心顔をした。

「へぇ〜アイツそんな事まで話したのかー」

「、、これはギルティだね」

 

「なに!?」

咄嗟に妖斗は殺気を感じ躱すが

「甘いよ、、守りが甘過ぎるよ」

男はそう笑いながら言うと左手に持った赤い刀で妖斗の右腕を切り落とした。

 

「ッグ、、、あぁぁぁ」

「HAHAHA、、滑稽だね。人間を切るのは何千年ぶりだろうね〜」

 

男は嘲笑うすると不意に

 

ドカーン

 

「?!」

「……」

突如して禍々しい赤黒い刀が空から降ってきた。

 

「、、嫌な予感がしたと思ったら貴様か!」

助けに来たのは麗華だった。

「おやおや?禍津神様じゃぁないか、、随分と久しいねぇ」

「、、あいにく貴様の相手はしてられんのでな、、とっとと死ね!」

 

バーンッ!

 

麗華は重力魔法を発動したのだったが、、

「そんなの無意味なのにねぇ」

男は健在だった。しかもさっきの攻撃を一瞬で躱した。まるで先が見えているように、、

 

「チッ面倒臭いな、、霊夢!」

「分かってるわ母さん!霊符《夢想封印》!」

「HAHAHA!やっと出てきてくれたね霊夢ちゃん!」

男はそう言って何かを投げたが妖斗の目では追えなかった。

「しまっ!」

「ッグ、、針?」

「不味い!霊夢!」

「へっ?、、」

そう言って霊夢は気絶した、、

 

妖斗も切り落とされた右腕の止血をしつつ戦闘を見ていたのだが、、正直異次元過ぎてもう何がなんだか分からなくなってきていた。

その時だった、、

 

ドカーンッ!

 

それはリスクも驚く一撃だった。

死滅魔法:死の魔槍(デッドグングニル)

 

 

どこかでそう聞こえた。

 

またしても突如として何かが高速で降ってきた。それにより辺り一面は土埃が舞って何も見えなかったが土埃が治まるとリスクと呼ばれた男の左腕には紅く光る槍が掠っておりそこから血が流れていたのだが、、直後槍が掠っていた場所から腐食し始めた。

リスクは急いで赤い刀でその腕を切り落した。

 

「ック!お前は神速の死神!!」

「、、今度こそお前との決着をつけてやるぞ。リスク・ガトリス」

 

秋人がそう言うと奴はニヤニヤしながら

「すまないがそれは出来ないねぇ、、こっちにも色々と計画があるからさぁ〜」

「なに?計画だと?」

「そ れ に 命令に背いちゃったら僕が殺されるし〜だから君と今のこの場で殺り合うのは避けることに、、」

 

そう言った直後の事だった。

 

ドカーンッッ!!

 

「「!?」」

 

本日三度目の爆音が辺りに響き渡った。

土埃が舞う中妖斗はある剣を見つけた。

「、、なんだ、あの剣」

 

それは白銀の柄をし深い青色の両刃を持つ180cmはある細身の剣だった。

その名は

「破星剣、、だと、?」

 

「まさか、、」

妖斗は思わず上を向いた、、リスクに至っては見ざるを得なかった。

そしてそこに居たのは

 

「おいおい、楽しそうなことやってんのにこの俺を混ぜねぇとか有り得ねぇだろ」

と空中に仁王立ちしている破壊神だった。

 

「チッ!また面倒なのが増えましたね!」

リスクがそう言っていると破壊神は上で自分の剣へ向けて手を伸ばし

「リターン」

と言った。

すると剣は自ら浮遊し主の手元まで戻った。

 

「さて、これで一対三だな。、、大人しく死ね」

 

するとリスクはまたしても不気味な微笑みを浮かべ

「嫌だなぁ…言っただろう僕は引かせてもらうと!」

 

すると直後リスクの足元には魔法陣が展開した。

「む、無詠唱、、」

妖斗は無詠唱で発動された魔法に驚きを隠せなかった。

 

だってそれは

ワールドテレポート(世界転移)

「チッ!逃がすかマジックキャンセル(魔力を無に消せ)

 

「無駄だよォ〜ふふふ、、だってこの陣はあの方が直接僕の魔法に君のマジックキャンセル用の術式を組み込んだからねぇ」

「なに!?」

「それじゃそろそろバイバイだ、、博麗 霊夢を殺せなかったのは痛手だが代わりに面白い情報が入ったからいいやぁー」

 

「させるか!破天:一刀両断」

 

ドカーン!

 

今回4度目の爆音は破壊神による山さえ両断する斬撃だった。

だが、それをリスクは

「おっと危ない危ない、、酷いじゃないかぁ一刀両断なんて」

「チッ!どいつもこいつも逃げやがって」

「HAHAHA、時が来ればお相手しよう。それじゃさようなら」

 

リスクはそう言って魔法を起動させるとフワリと空中に舞うように霧散した。

 

「、、アイツまで来たのか、、って!?妖斗大丈夫か!?」

麗華が霊夢を片腕に抱き抱えながら駆け寄ってくる。

「俺は大丈夫です、、それよりも霊夢は?」

 

妖斗がそう言うと麗華は青い顔をして

「そうだったッ!秋人今すぐ霊夢を永遠亭へ!」

「わ、わかったが霊夢はなんで気絶を、、」

「奴の、、リスクのヒューマンイーター(人間喰らい)だ」

「ッ!?なんだと!あのクソ野郎人間喰らい微生物まで入れてやがったのか、、!なんせわかった。永遠亭に連れて行ってくる」

「あぁ頼む」

 

麗華はそう言って霊夢を秋人に預けると秋人は今までに類を見ない速さで永遠亭へと飛び立った。

(、、秋人さん今文より速かった、、よな?)

そう思うしかできない妖斗であった。

 

 

「取り敢えずお前も永遠亭へ連れていく、それと切られた腕は何処だ?」

「、、えぇっと、、ここです」

まさか妖斗も切られた自分の腕を持つ日が来ようとは夢にも思っていなかった。

 

「、、禍津、取り敢えず俺は上へ戻って奴の転移場所を割り出す」

「わかった。頼んだ」

「あぁ」

破壊神は麗華にそう告げると音速で天界へと帰って行った。

 

「さぁ次はお前の治療だ」

そう言われ麗華に担がれ永遠亭へと向かったのであった。




どうも皆さんおはこんばんにちは作者です。
最近少しづつ色々なことが落ち着いてきて小説書きの方も徐々に出来てきています。
主は風邪を引きましたが皆さんはお気をつけを〜
それでは次回もよろしくお願いします!


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第54話 代償と真実

〜永遠亭〜

「永琳!居るか!」

かなり焦った秋人の声が永遠亭に響き渡る。

 

「ど、どうしたの!?」

永琳は霊夢を抱えた秋人を見て驚くが、もっと驚くのはそのあとだった。

 

「永琳、、こいつも見てやってくれ」

そう言って秋人の後ろに着地した麗華が右脇に抱えていたのは右腕が切断された血まみれの妖斗だった。

 

「ッ!?優曇華、てゐ!」

「「はい!師匠!」」

二人とも何故か永琳に呼ばれ後ろで敬礼をしている。

「優曇華は私と一緒に妖斗を!てゐ達は霊夢を!」

「はい!」

 

そうして二手に別れたのだが、、

「てゐ、永琳の部屋にある分厚い本を取ってこい」

「えっ?わ、わかったうさ」

襖を開けタッタッタッと走って行った。

 

数分後、てゐ戻ってきたのだが、、

「てゐッ、、、、本はどうした?」

「そ、それがなかったうさ」

「は?なかった?」

「そううさ」

 

そこで秋人は気付くことになる、、奴の、リスクの言っていたあの''代わりに面白い情報が入ったから''という意味が解けたのだ。

それと同時に秋人は青ざめる、、

「お、おい秋人どうしたんだ?」

「、、しょ、、う、われた」

「は?なに?」

 

「再生の書を持ってかれたッ!」

 

「なにッ!?アレを持っていかれだと!?じゃっ!まさか奴の言っていた代わりの面白い情報ってのは」

「、、あぁ間違いなく再生の書だ、、」

 

「、、あの野郎、、ぶっ殺してやる、、」

今まで猫を被っていたかのように態度が急変しいつもの口調も外れている麗華にてゐとその他の兎達はビビり倒していた。

 

だが直後秋人から信じられない言葉が、、

「、、まっ別に奪われても良かったんだが、、」

すると麗華はその秋人の一言に一瞬固まった。

「は?それは、、どういう」

「ん?あぁ実はあれな〜」

秋人がそう言いかけた時の子だった。

 

「主ッ!持ってきたぞ!」

 

「おっ!ナイスタイミングだ白蛇」

突如現れた白蛇だが麗華はその白蛇が持っているものに目がいく。

「お前!?それはまさか、、」

すると白蛇はニヤッと笑うと

「そのまさかじゃよ禍津、()()()()()()()()()()()()()()()

 

「じゃ、じゃあっちは、、奴が本物だと思って持ち去ったのは、、」

麗華が驚愕の顔をしそう言うと秋人は

「あっちはただの自滅魔法仕込んだ爆弾、、んでこっちのが本物さ、今頃奴はあの方とやらの前で開いて自爆してるだろうよ。てかアイツも馬鹿だな俺は昔っからサラ以外信じてない程警戒心だけ強かったのにその俺が罠を仕掛けてないわけ無いだろに」

 

そう言って秋人再生の書を開いた。

「取り敢えず、奴の毒を打ち消す方法を探すぞ」

「あ、あぁ」

麗華は直ぐに取り掛かった。その結果

 

「あったぞ!、、それだな。てゐ!今から言うものを揃えてくれ」

「り、了解うさ!」

「よし、まず抗生物質を頼むそれと永琳に頼んでおいた回復薬、あとは試験管と注射器!」

「わ、わかったうさ!」

てゐとその他兎達はそれぞれ別れ目的を直ぐに取りに行った。そのあいだ秋人らはと言うと

「さてと、、」

 

秋人はまずピンセットを製造し、それで霊夢の腹部に刺さっている針を抜いた。

 

そうして数十秒後、、

 

てゐ達が帰ってきた。

「もっ持ってきたうさ!」

てゐが持ってきた試験管を麗華に持たせると、秋人は一本のナイフを製造しそれを左手首に当て

「」サッ

 

左手首を浅く切りつけ一滴の血を試験管へと落とすとそれに更に回復薬、粉状にした抗生物質、白蛇に持ってこらせた()()()()()()、それらを再生の書道理に調合するのだが、麗華があることに気づいた。

 

「待て秋人!」

「あ?どうしたよ」

「材料にはお前の血とは一言も書いてないぞ」

麗華が秋人にそう言うと秋人は少しダルそうに

 

「お前知らねぇのかよ、、」

「は?なにを、、」

「、、ここに書いてあるものの調合には全て共通してあるものがいる、、それが、、」

「お前の血液、、というわけか」

「そうだ」

「でもなんでそんな事を、、」

麗華がそう言っているあいだにも秋人は調合を終え、てゐに注射の指示をしていた。

 

「簡単さ、、サラも俺以外の奴を信じてはいなかった。だからこの秘密を俺にしか教えなかった、、もし自分達が裏切られ殺され、敵にこの再生の書が渡ったとしても()()()()()()()()()()()()が無ければ調合を防げる、そしてもし捕虜にされても自分が死ねば調合出来ないから調合法は失われた魔術(ロストマジック)になるからさ、、」

「な、なるほど、、」

 

「まぁ結局俺とサラはお前を含めた他の奴らを心までは信じてなかったのさ、、っとこれでよし。あとは様子見だは」

「そうか、、ありがとう秋人」

「なんのなんの、俺の娘でもあるしな」

そう言って秋人は再生の書を片手に立ち上がると

 

「白蛇、永遠亭周りの警備を強化してくれ。また奴が来るかもしれん」

「うむ、、そのつもりじゃ。それからイーグルも幻想郷の空を飛んで警戒に当たらせてるのじゃ」

「すまん、助かる」

「困った時はお互い様じゃ。主も前に言っとったろ」

「まぁな、、さて俺は妖斗のところに行くかな」

 

 

 

「、、よしこれでひとまず大丈夫ね」

「えぇそうですね」

妖斗は切断された右腕を動かすし動作を確認する。

「永琳先生ありがとうございます。おかけで助かりました」

「えぇ、、それよりも、、」

永琳先生は暗い顔を見せるその時だった。

 

「霊夢なら大丈夫だぞ」

「「「えっ?」」」

思わずみんな縁側の方を見た。

するとそこには大きくて分厚い本を持った秋人さんの姿があった。

「あ、秋人それはどういう、、まさか」

「あぁ解毒した」

「そう、なら良かったわ」

「、、それだけで終わりなら良かったんだがな」

「えっ?何かあったの?」

「、、ついにリスクまで出てきやがった、、こりゃ全面戦争だな」

秋人さんがとても不吉なことを口にした、、全面戦争?あんな化け物と全面戦争?そもそも勝てるのか?俺は一瞬思考が偏った。

 

「紫、、居るか?」

秋人さんがそう言うと秋人さんの後ろから独特な音を立てながらスキマが開いた。

 

「、、秋人、、霊夢は、、」

「大丈夫だ、もう解毒して今は眠ってる」

「そう、、で私は何をすれば?」

「頼みがある、、幻想郷中の妖怪、亡霊、神全て博麗神社に集めてくれ、、それとウチの嫁は出来れば。俺の家に泊まれるように荷物も、、話があるあるからな」

 

「分かったわ、、知らせておく」

「あぁ頼む、、」

そう言って秋人さんは一度部屋をあとにした。

誰もが思った、、これはただ事では済まない、、幻想郷史上類を見ないほどの異変だということを、、

 

 

 

 

〜旧橘邸〜

「はぁ、、不味いな」

秋人は頭を抱えながらいつのも縁側に居た。

「流石の死神様もお困りのようだな」

当然上からそう聞こえた。

「、、何の用だ破壊神、茶化にしたなら今すぐ帰れ」

「おいおい、ひでぇな人がせっかく情報持ってきてやったのに」

「はいはい、、んでその情報とやらは当てになるんだろうな」

「、、あぁかなりな」

「なら聞こう」

 

すると破壊神はさっきのチャラけていた雰囲気から一転真顔になり深刻そうに言った。

 

「ハッキリ言う、、今回の件全部''アステラ''が関わっている、、」

 

「なん、、だと?」

秋人は更に頭を抱える。

「さっき俺の部下が奴に伝言を頼まれたそうだ」

「なに?伝言だと?」

「あぁ、、だが、、ここで暴れるなよ?これでも俺も相当ムカついたんだからよ」

破壊神がそう言うと秋人は少し首を傾げ

「あのあまりキレないお前がムカついた?マジでどう言う内容なんだよ、、」

「、、取り敢えずお前はここで暴れないと約束するか?」

「、、あぁ」

そう言うと破壊神は

「では聞く覚悟があるか?」

と聞いてきた。

秋人は少々ウザそうに

「あるからはよ言えや」

 

秋人がそう言ったのを確認したように破壊神はその重い口を開いた。

 

「お前にアステラ・ミリダスからの伝言だ、、

 

''10億年前貴様の嫁達のサラ・シルフィードと禍津神を罠にはめ殺したのは俺だ。今度もお前に対する復讐のため俺の正義が貴様の嫁達に下る。その現場をとくとよく見よ''

 

これが俺の偵察に行かせていた部下が持って来た文書だ。だから俺はお前に覚悟を、、」

 

そう破壊神が告げようとした時だったのだが、、

既に秋人はもう破壊神の前におらず縁側を出て庭に立っていた。

 

そして

 

ドカーンッ!!

 

と轟音を立て秋人右側の木が一部を残し吹き飛んだ。

 

「だから言ったのによぉ、、」

縁側で呆れている破壊神には目もくれず秋人は叫んだ。

 

 

 

「ぶっ殺してやるッ!!!ぜってぇ殺すッ!何がなんでも殺すッ!奴と奴に加担した奴ら全て殺すッ!!!」

 

 

 

その叫びの際の力は秋人の持つほぼ全ての力の9割の力だった。

それは幻想郷全土に響き渡り各場所で時空がスキマの様に裂け、大地が悲鳴を上げ、空気には殺気、妖力や魔力といった力の9割の力が解放され、それにより大妖怪を初めとした各妖怪、霊、悪魔、人間達を震え上がらせた。

 

 

「、、気は済んだか?」

「、、正直まだだがこれ以上やったら結界に支障が出る、、それだけは避ける」

「、、そうか、俺もサラには良く世話になったからな俺もイラッときて部下の前で破壊の衝動がでた」

「、、お前もか、、いやそうか」

秋人と破壊神が縁側に腰をかけて話しているとそこに麗華が来た。

 

「お、おい!秋人これはどういうことだ!?」

そしてそれと同時に白蛇も出てきた。

「主ッ!?何があったのじゃ!」

「、、ちょいとイライラしてやった。後悔はしていない」

「「後悔はしろッ!」」

 

それぞれ一瞬の間のあと白蛇が口を開いた。

「、、それにしてもイライラし過ぎじゃないかの?」

庭の前に()()()()()()()()()()を見てそう言った。

 

「秋人、、さっきお前が出した力は幻想郷中に響いたぞ」

「、、だろうな9割出したからな」

「、、9割、、ね」

「秋人、、一体何があったんだ?」

「、、それは、、」

 

そう秋人が言いかけた時だった。

突如スキマが開き紫が出てくる。

「あ、秋人何があったの!?」

紫が取り乱し聞いてくるので白蛇があの()()()()()()()()()()を指さした。

「、、あ、秋人な、なにがあったの?」

「すまんな紫、、イライラしてやった反省はしていない」

「えっ?えっ?」

紫も思わず首を傾げる。

「、、にしてもこれはやり過ぎだろう、、一体何があったんだ破壊神」

「、、禍津おめぇにとっては特に胸糞悪い話だぞ」

「、、それで?内容はなんだ」

 

そういった時だった。秋人は不意と紫をお姫様抱っこすると

「キャッ」

紫も突然お姫様抱っこされ可愛らしい声が出る。

「俺は紫を連れて取り敢えずみんな集まっているであろう博麗神社へと行く。お前らはあとから来いよ」

そう言って秋人は腕の中でワタワタしている紫をより一層抱きしめ博麗神社へと飛んだ。

 

 

 

 

「、、それで破壊神秋人に何を言ったんだ?」

「、、奴からの、、このリスク達が襲ってきた時の首謀者アステラからの秋人に対する伝言だよ」

「、、奴からの伝言だと?内容は?」

「内容はこうだ、、

'10億年前貴様の嫁達のサラ・シルフィードと禍津神を罠にはめ殺したのは俺だ。今度もお前に対する復讐のため俺の正義が貴様の嫁達に下る。その現場をとくとよく見よ''

、、だとよ」

 

「、、それは秋人がキレるわけだ」

「同感じゃ、、主があそこまで力を出したのはあのサラを殺された時じゃったの」

「あぁそうだな、、、、それにしてもアステラは殺さねばな」

「、、俺もそのはずだ。昔はよくサラに世話になってたからな」

「、、主の敵は我の敵じゃ。何があろうと寝返ったりはせぬ」

三人はより一層団結したのであった。

 

 

 

 

〜博麗神社〜

「、、秋人そろそろ離してくれないかしら?恥ずかしいのだけれど、、」

「、、悪い」

秋人はさっきまでお姫様抱っこで抱えていた紫を下ろした。

「、、あの大妖怪八雲 紫がお姫様抱っこされてたぞ、、あの男相当ヤバいやつじゃないのか?」

と、ヒソヒソと人間や悪魔間で話されていると、嫁達のいる場所から美結が立ち上がり悪魔達の方へと歩みを進めると

 

「、、知らないようなので一応言っておきますね。今私達の前にいらっしゃるあの御方は''極魔王様''ですよ?悪魔ならもちろん分かりますよね?」

とこれまた恐ろしい笑顔を放ちそう言った。

一方悪魔達はそれを聞いた瞬間表情が凍り皆が秋人を見る。

 

「なんだ?おめぇらやんかコラ」

「「「「ヒッ!」」」」

 

パシッ

 

突然秋人はたたんだ扇子で紫からパシッと頭を叩かれた。

「痛ッ、、」

「そこまで痛くないでしょう?というか今から協力しようと言うのに震え上がらせてどうするのよ、、」

 

「まぁ、、何となく」

「まぁいいわ、、それでみんなには集まってもらった訳だけも、、ほら秋人さっさと言いなさいな」

「あいよ、、今回は集まってもらったのはこの幻想郷が下手すれば消えちまうからだ」

 

「「「「「「「「「「はい!?」」」」」」」」」」

 

「どこから、、まぁ最近俺とそこに居る俺の嫁たちが攻撃を受けてな、、そんでそいつらがまた強敵揃いだから下手したら幻想郷が飛ぶ、、だから何か結界に異常があったりとかなんかおかしいと思ったら連絡くれ、、幸い霊夢に連絡くれれば麗華を通して俺の耳に入るからよろしく。まぁ俺の話はそんだけだ、、あっお前ら俺の嫁に手出すんじゃねぇぞ?そんときは魔界にまで送ってやるからな、、」

 

パシッ

 

「、、さっきから痛てぇんだか?紫」

「そんな事言わないの、、あっ忘れてたわ私も言うことがあったのよ」

みんなそれぞれが紫が何を言うか考えていたのだが、、それは全部外れるとこになる。

 

「、、私が娘のように可愛がっている霊夢に手を出したら殺すわよ?」

 

ドカッ!

 

「痛ったーい、、何するのよ霊夢、、」

お祓い棒で頭を叩かれた紫は頭を抑えて抗議している。

「何が''私が娘のように可愛がっている''よ!アンタが賽銭箱の底にスキマ開いてお金取ってるの知ってるんだからねッ!」

それを言われると紫は笑顔のまま固まり扇子で口を隠して

「こ、この子ったらな、何をいるのかしら?」

と言っいつつ秋人の後ろに隠れる紫であった。

 

「もうッ!母さんからも言ってやってよ!」

そう呼ばれ母:麗華出陣

「、、お前ら私の大切な娘である霊夢に手を出したら旦那である秋人共々殺しにかかるぞ、分かったか?」

「「「「「、、はい、、」」」」」

 

「ちょっと!?母さんまで同じこと言ってるの!?」

「ん?あぁそうだが?何が悪いか?」

「悪いに決まってるでしょ!?そもそもそんなこと言って私の貰い手居なくなったらどうするのよ!」

「ん?何言っているんだ?お前には妖斗が居るだろうに、、」

「、、ッ!///か、母さんは何言ってんのよ!」

「そ、そうですよ麗華さん!霊夢だって俺みたいな奴とくっつけられちゃ困るでしょ!」

突然の妖斗の言葉に皆黙る、、みんなこう思っただろう

((いや、、今の霊夢の反応から察せよ、、))

と、、

 

そんな中藍が口を開いた。

「あ、そうそうウチの橙に手を出したら旦那である秋人と一緒に絞めるからな?」

ほぼ全ての者が思っただろう、、

((コイツら全員親バカかよ、、))

と、

 

そしてそんな茶番は直ぐに終わりを告げ、本題へと戻る。

「、、さてと、茶番はこれくらいにしてそろそろ本題へと戻るかね、、」

「そうね、それで今幻想郷で起こっていることについてなのだけれど、、秋人説明をよろしく」

「あぁ、、」

 

 

「今回は幻想郷で色々なことが起こって件についてだが原因は主に俺にある」

皆が黙る。大体の予想はついていたのだろう、、

すると突然質問が飛んできた。

「説明の途中スマンが秋人さん質問がある」

「なんだ?というか誰だ?」

 

秋人がそう言うと人混みから身長175くらいの一本下駄に山伏装束を身にまとい、腰には一本の刀を持った白狼天狗が出てきた。

「すまん、名乗り遅れた俺は海馬 凪(かいば なぎ)という者だ、それで聞きたいことがある。」

「で?なんだ?白狼天狗」

秋人がそう言うと凪は少し睨みながらも

「名を名乗ったんだから名で呼べよな、、まぁいいそれで敵の人数は?規模は?戦力はどのくらいだ?」

凪は真剣な眼差しでそう聞いた。

 

「、、人数は多分14人、一人一人が高い戦闘能力を持っている。一気に攻められば俺と破壊神、禍津、白蛇でも厳しいくらいだ」

 

皆の顔があおざめる、、

それもそうだろう幻想郷を裏で操るサイキョウと言われる秋人がそう言ったのだから、、

「、、もしかしてアイツが居ればこんなこと簡単に解決していたのに、、」

 

麗華が拳を握りしめそう言った。それを聞いていた文が聞きに入った、、とても危険な話の話題を振ったのだ。

 

「、、あ、あのその方を呼べば解決出来るのでは?」

文がそう言った直後場の空気が突如として変わった。

 

「あ、文今その話はッ、、」

麗華がそう言いかけたが、、先に秋人が言った。

「、、あぁいれば良かったな、、居れば」

「お、おい秋人」

だんだんと周りの空気がピリピリとし一瞬無意識で殺気が出たが秋人は再びコントロールして抑えつけ止めた。

 

「、、スマンがその話はなしにしてくれ」

「、、は、はい」

 

ビビり倒す文に後ろから扇子で天魔が文の頭を叩いた。

「痛ッ、、て、天魔様?」

扇子を片手に天魔は腕を組みつつ

「なんじゃ?ジャーナリズムじゃったか?それは分かるかもしれんが、、秋人にはやめておけ、、文お前さんが死ぬことになるぞ?」

そうちょっとジト目で睨まれ、怒られいた。

「、、はぁ、、ちょいと席を外す破壊神、禍津あとは頼んだ」

そう言って秋人は博麗神社の中へと消えていった。

 

 

 

「、、たっく、、まぁいいか。それでだが今さっき死神の行っていた14人の的だが、、最低全員が神を殺す程度の力を持っている。なんせ奴らは太古の昔にその世界を支配していた''忌み子''だ。まぁ知らない奴がほとんどだとは思うが、、」

破壊神がそういった時パチュリーや美結、神奈子、諏訪湖、永琳達が驚いた。

 

「、、忌み子、、だと?」

神奈子が口を開け驚き、その他の者達は青ざめた顔をしていた。

その表情を見た他のものもヤバイということを察したのだろう、、皆の顔が険しくなる。

 

「、、じゃ、じゃ極魔王様は忌み子だったんですか?」

美結がそう質問してくる。それに対し破壊神と禍津は

「、、そうだな」

「、、そうだろ、じゃないとあの力は考えられない」

 

「、、忌み子に勝てるのは忌み子のみ、、神々でも太刀打ちの仕様がなく、悪魔達でもその凶暴さに手を出さない、、」

パチュリーがボソッとそう呟いた。

 

「、、パチェそれどういうこと?」

思わず隣にいたレミリアが聞いた。

「、、古い文献に書いてあったのよその一文だけ、気になって調べたらその忌み子という者達が昔、オリュンポス十二神、サタンやルシファーを初めとした有名な悪魔、堕天使達とも交戦をしほとんどの神々や悪魔達が返り討ちにされた、、そういう古い言い伝えと文献を見つけたの、、でもそれが本当だったなんて、、」

レミリアでさえ苦笑いが出た、オリュンポス十二神達とも交戦しているのもが目の前にいるのだから、、

 

 

「よく知ってんな、、というかあの時の戦いを見たやつは皆殺しにしたと思ったんだがなぁ、、まさか言い伝えがあったとは」

「、、だな、正直あの時天照まで出てきたからちょいとキツかったなぁ」

と破壊神と麗華の一言に皆が押し黙る。

それを察知してか麗華は、、

 

「、、なんだよ。言っておくが秋人の方が私達の数倍ヤバかったぞ」

 

 

「「「「「「「えっ」」」」」」」

 

 

皆から驚きの声が出た。

「だってなぁ、、あのオリュンポス十二神のうちポセイドーンとハーデースをいっぺんに両方ノックダウンさせたからなぁ、、」

「、、そう言えばそうだったな、、あの時は本当に驚いた」

 

もう皆苦笑いしか出ない。

 

「んーまぁでもなんだかんだ言ってるアイツは色々と恨み勝ってるからなぁ」

「恨みを買ってる?」

パチュリーが気になり聞き返す。

「あぁ、、まぁここでは言わんがかなりの数をな」

「「「「「、、、、」」」」」

「まぁでも逆に言うとそうしてまで護りたかったものがあったのさ」

 

 

破壊神がそう言うと龍希がそれに食いついた。

「、、おいおい待てよ、その言い方だともう今は無いみたいじゃないか?」

 

「「……」」

2人は黙り込む。

それを察したのか龍希が言った。

「、、まさか、、今は無いのか?その護りたかったもの」

麗華が重い口を開いた。

「、、もう無いな。アイツが自分の命さえ捨ててまでも護りたかった奴は、、もうこの世には居ないよ、、」

 

皆察したのだろう。口に手を当てまずいことを聞いたように目を伏せた。

「、、死んだのか?その護りたかったものは」

「、、死んだよ。、、()()()()()()()()

 

「、、殺されたって、、その人ってまさか」

パチュリーが何かに気付いた様にそう言いかけたところで、、

 

「、、サラ・シルフィード、、俺の嫁だよ」

秋人が出てきた。

 

「、、そ、その、、すまんな」

龍希が謝る。

 

「いやいい、、それよりパチュリーお前が忌み子について知っていたとは以外だな」

「えぇ、、気になって調べてたの。まさか貴方があの伝説の()()()()()だったなんてね」

「ホントによく調べてんなぁ、、証拠になりそうなやつは全部燃やすか殺したんだがなぁ」

 

 

「パチュリー様、その神速の死神というのは、、」

咲夜が気になりパチュリーに質問した。

「、、神速の死神。古い文献にその事についてよく書いてあったわ。神殺しの死神、悪魔殺しの死神、その死神は神々よりも速く移動し首を刈り取る、、目を付けられたら最後絶対に生きて帰れない、、」

「ホント色々と別名があるなぁ死神、、」

「うるせぇ破壊神、てめぇこそ色々あるだろうがよ」

「あ?お前よりはねぇよ」

「おん?なんだと?やんのかコラ」

「殺ってやらぁかかってこい死神」

秋人と破壊神が険悪なムードになる中隣で麗華は額をピクピクさていた。

 

「お前らいい加減にしろッ!」ゴンッ

「痛ッ」

「ひでぇなぁおい」

と二人とも麗華の拳骨をくらって大人しくなった。

「、、まぁとにかくだ、奴らには気をつけてくれ。会っても戦闘なんてしようとするな、取り敢えずは逃げろ、、死にたくなかったらな」

「じゃこれで話は終わりだ!解散!」

麗華が声を張り上げてそう言った。




皆さんおはこんばんにちは作者です。
お待たせして申し訳ない、、今回は詰めに埋め込んで約8800文字程あります…(ヽ´ω`)
長く書きすぎましたね、、まぁ正直どこぞの無意識娘に取り憑かれたように自分も無意識のうちに書いてましたはい。
まぁそんな訳でこの作品を暇つぶし程で読んでくれれば私としても幸いです。
では、次回もよろしくお願いします。


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第55話 サイキョウの秘密と5人目

報告会が解散したあとそれぞれ博麗神社をあとにした。

だが、一部は博麗神社に残り室内で話をするのであった。

 

〜博麗神社〜

「、、にしても奴らの行動が本格化してきたな死神」

「、、、、そうだな」

「秋人、そろそろ仲間を増やした方がいいんじゃない?」

不意に麗華がそう言った。

 

「仲間を増やすって、、どうやるんだ?そもそも秋人は色々と恨みを買ってる訳だろ?なら増やそうにも増やせるわけが、、」

慧音がそう言った時だった。パチュリーが不意に口を挟む。

 

「いえ、、ちょっと待って。破壊神はさっき14人敵がいるって言ってたわよね?」

「ん?そう言えばそうじゃの、じゃがそれがどうかしたのか?」

天魔がそう言うとレミリアがあることに気がついた。

 

「忌み子は''18人''いた?」

 

「「「「「?!」」」」」

 

その言葉に数人が驚いた。

「、、よく気がついたわねレミィー」

「、、算数くらい出来るわよパチェ」

「まぁそうね、、」

ちょこっと馬鹿にされたレミリアは少し不機嫌気味にそう答えた。

「、、それで?仲間はどうするんだ?」

慧音がそう言うと破壊神がニヤリと笑った。

「それがなぁ味方になりそうなのがあと2人いるんだわ」

「あと二人?」

パチュリーが不思議そうに首傾げる。

「そうあと二人だ」

 

「なら、そのあと2人に接触さえ出来れば!」

優曇華がそう言ったのだが、、

 

「「「「「優曇華(ちゃん)(さん)(お前)、、(お)馬鹿か(かしら)(じゃないの)?」」」」」

「ウグッ、、そんなに言うことないじゃないですか、、」

 

優曇華は幻想郷賢者でもある五大老の面々に怒られ少し泣きそうだ。

 

 

「」スッ

「あっ、、」ダキ

 

そこはスっと嫁を抱き寄せる流石は旦那(秋人)、優曇華も秋人の胸に顔を埋める。

 

「、、あんまり優曇華をいじめるなよ、、」ナデナデ

秋人は優曇華の頭を撫でながらそう言った。

「、、そういうつもりは無かったのだけれど、、まぁそう受け取ったのならごめんなさいね」

永琳がそう言うと優曇華は秋人の胸元に埋めていた顔を壊れて錆びた機械のように首だけをギギギッと向けると驚きと青顔をして、、

 

「し、師匠がそんなことを言うなんて、、もうこの世はおしまいなんですね?」

、、と言い出したのでこれには流石の永琳、またしてもどこからともなく和弓を取り出すと秋人の頬と優曇華のうさ耳の間を丁度通過するように狙い、矢を放ってきた。

 

これには流石の秋人も優曇華と同じで壊れた機械のように首だけをギギギッと後ろに向け矢を確認すると永琳を方を見て乾いた苦笑いを見せた。

 

「、、あ、あの永琳、さん?」

「あら、秋人何かしら?」ニコニコ

「あ、あの頬に少し当たったのですが?」

「あら、いいじゃないの、大丈夫よ?

 

 

今 度 は 外 さ な い か ら 」フフフッ

 

 

ギャアアアアアアア

アッマテヤメロ!

ダメダメ! マッテシショウ! ソレ、ソレシンジャイマスッッ!!

ア"ア"ア"ア"ア"ッッ!!

 

 

ますます青ざめる秋人と優曇華をよそに破壊神と麗華、秋人の嫁達、そしてその他の者共は話し合いを続けるのであった。

 

「、、にしてもじゃの、どうやって連絡を取るのじゃ?流石に敵もその辺は抑えているであろうに、、」

「、、うむ、そうですよね」

布都、神子がそう言うと麗華がポツリと呟いた。

 

「、、死神なら、奴なら煉獄にいるんじゃないか?」

「なに?煉獄だと?なんでロリ神がそんな所に居るんだ?」

麗華がポツリと言ったとこに破壊神が食いついた。

 

「、、その死神という人は呼べないのでしょうか?」

「いや呼べないことはないんだが、、その、、」

麗華が珍しく渋る、、それを見て呼べないか、と言った聖は不味かったかしら?と首を傾げるのであった。

 

「、、いや呼べない事はないんだ、、だがなぁ」

「、母さんが渋るなんて、、どんな人よ、、」

「霊夢、間違いなくヤバい人だぞ」

「、、そっそれは分かってるわよ、ただどんなヤバさなのかなって」

霊夢と妖斗がヒソヒソと話をしているとその答えが帰ってきた。

 

「、、いやそのだな、、実は奴は、秋人にベタ惚れしててな、、」

「「「「「えっ(はいっ)!?」」」」」

「えっマジで!?」

 

まさかの惚れられていた本人さえ驚く始末、それを見て麗華は頭を抱えた。

「お前なぁ、アイツ昔結構アプローチしてたと思うぞ?お前に手料理持っていったりだとかプレゼント持っていったりとかその他色々、、」

「えぇ、、あれまさか俺に惚れてたからかよ、、」

「それ以外に何があるんだよ、、」

「いやただの親切心かなぁと」

「、、お前本当に一度死んだ方がいいと思うぞ」

「えっ!?なにそれ酷い」

まさかの嫁に死んだがいいゾ、発言をされ案外凹む秋人であった。

 

「まぁ禍津、、あの時の秋人は完全にサラ、禍津絶対至上主義だったからよォ、、」

挙句の果てには破壊神さえも遠い目をし始めた、、

 

「、、なんだよ」

「いや、今から死神を呼ぶのが可哀想になってきてな、、」

「、、まぁそうよね」

 

「と、取り敢えず呼びませんか?このままじゃ埒が明かないので、、」

聖がそう言うと麗華はため息を吐きながら、

そうだな、とだけ答えた。

 

 

 

「我、汝を求む、汝我の前に姿を表せ、

サモン・ザ・ゲート・オブ・マジック(召喚の魔法ゲート)

魔法陣の全体が白く光り出すと今度は魔法陣の中のルーンが黒く光だし空中にまで浮き上がた。

 

「、、こんな魔法があるなんて、、有り得ない」

パチュリーが一言そう言った。それを隣で聞いていたレミリアはふと疑問を感じパチュリーに聞いた。

 

「ねぇパチェ、何も転移魔法なら貴方だって、、」

すると今度はパチュリーの隣にいた魔理沙が答えだす。

「いや、レミリア普通は有り得ない事なんだぜ」

「どうしてよ、、」

霊夢も気になり聞きに入った。

 

「、、考えても見なさいよ。今麗華さんがこの魔法使った時なんて言ったか覚えてる?」

「「えっ?」」

思わず霊夢とレミリアは目が点になり、考え始めた。麗華がなんと言ったのかを、、

だが、霊夢の隣にいた妖斗は何かに気づいたのかハッ!とした顔を見せた。

 

「、、妖斗はわかったようね」

「、、あぁ今分かったよ。確かに不可能に近いな、、''ある特定の人物を召喚魔法で呼び出すなんて''、、」

 

「「!?」」

霊夢とレミリアはやっと気づいたか顔を驚かせる。その後もパチュリーは話を続ける、、

 

「そう、今妖斗の言った通り有り得ないのよ。''召喚魔法で特定の人物を呼び出す''、、なんてね」

 

「、、さて準備は出来たな」

そんな言葉を無視するかのように麗華は魔法陣を完成させ最終段階へと入る。

「秋人、あとは頼む」

「、、わかった」

 

「、、汝我の問いかけに答えよ、我が求むは数多の戦を勝ち抜いてきた旧友である。汝今ここに来たれ」

秋人がそう唱えると魔法陣は更に白く輝きを増した。

 

その直後だった、、白く輝き出す魔法陣の中からフワッと黒ベースの赤いフリルの付いたスカートが見えたと思った直後には光がスゥーとだんだんと消えていき目を瞑り登場したのは身長145程のゴスロリ幼女だった。

 

 

「久しいな死神、、」

秋人がそう言うと死神はゆっくりと目を開けジッと秋人を見た。

「、、なんだよ、、ジッと見て、アルト俺の顔になにかついてるか?」

「いえ、師匠顔には何も付いていないかと、、」

唐突に現れたアルトに霊夢が少しびっくりする。

 

「、、秋人、その頬の傷どうしたの?」

「あっ?あぁこれな、さっきちょいと巻き込まれたついでに撃たれた」

すると死神は不意にプルプルと震えだした。

「お、おい、、どうした?」

「、、が、、たの」

「は?」

「、、誰 に や ら れ た の」

と静かで落ち着いた声で語りかけてきたはいいが、、目が完全にハイライトオフになっております。

 

 

「あちゃーやっぱこうなるか、、」

「、、やっぱり昔から変わらんな、、」

と麗華と破壊神はそう言った。

それに気づいたのか死神は二人の方を向くと秋人の傷をピシッと指差しジッと睨むようにしてみていた。その視線はまるで どうせお前らがやったんだろ 的な視線だった。

 

「おいおい、私達じゃないぞ?やったのは秋人の嫁だぞ」

麗華の突然の告白に永琳がビクッとなる。これまた丁度永琳が弓を持っていたのだ。

 

死神はゆっくりと永琳の方を向くと睨みつけ、一言呟いた。

「、、許さない」

「えっ?!」

死神はそう呟きゆっくりと永琳の方へと歩みを進めようとするのだが、、

 

ガシッ!

 

そこは流石に秋人が止めに入る。

「、、なんで止めようとするの?あの女は秋人に矢を射った女だよ?例え秋人のお嫁さんであっても許される事はないんだよ」

死神はハイライトオフにゆっくりと冷徹な態度で秋人をジッと見つめていた。

 

「待て、待て!永琳は俺の嫁だ。これ以上嫁を失いたくないんだよ!ちょっと冷静になれ!」

「、、冷静になれ?秋人は何を言っているの?、、というかこれ以上失いたくないってそれはどういう、、」

死神はハッとした様な顔をした。何かに気づいたようだ、、

 

「、、秋人、、サラ姉様は?、、姉様は?」

 

 

「、、サラは、、、10億年前に、、、人間共の策略にハマって禍津を逃がして、、、、、()()()()、、俺も駆けつけたがもう、、その時には、、手遅れだった、、」

 

「、、う、、そ、、嘘でしょ?、、姉様が、、、姉様が、、」

バッと秋人泣きついた、、死神は絶望感にゆっくりと浸っていく、、

死神は生前のサラの事をサラお姉様、姉様と慕っていたのだ。またサラも死神の事を妹のように可愛がっていた。

 

「、、コロス、、ゼッタイニコロス」ニヤッ

 

死神はさっきのハイライトオフとりも更に深い深淵に光が目から消え不敵な笑いを浮かべた。

そして突如として二つの魔方陣を側面に展開させると

 

「クリエイション:ジェネシスor桜花」

 

そう呟くと右からは死神の身長をゆうに超える大型の斧とハンマーの付いたウォーハンマーに柄の下には鎌も備わっているその名も''ジェネシス''。

そして左からは''桜花''と名ずけられた刀身が薄ピンクの大型の鎖鎌を取り出した。

「、、嘘、、でしょ?生成の魔法陣から武器を創造した?」

パチュリーが驚き顔を見せる中死神は

 

「、、秋人その人間共はどこ?というか今すぐ人間共を殺そう?」

「「「「「「「」」」」」」」ゾクッ

そう持ちかけた、、あまりの殺気に皆の背筋が凍る、、

 

「、、死神、、俺はもう、殺し尽くしたんだ、、」

「、、、、なら仕方ない、、秋人が殺らないなら私が殺る」

 

バッ!

 

「、、破壊神、何をする」

「何をするじゃねぇ、、まずは話を聞け」

「、、わかった。ウェポンズリリース(武装解除)

死神はそう呟いた。すると両手のジェネシスと桜花は紫色の粒子になって消えた。

 

「、、有り得ない、、規格外すぎるわ、、これが全種族サイキョウを誇る忌み子」

「パチェそのサイキョウってどういう意味のサイキョウなの?」

不意にレミリアがそう聞くと美優が不意に呟いた。

 

「、、サイキョウ、、それは最も強い者、最も凶悪な者、最も恐ろしい者、最も狂っている者…確かそれらを全て合わせてサイキョウ、、」

「な、なにそれ、、」

「全くよく知ってんなお前ら、、まぁ大体あってるがちょいと間違ってる」

「「「えっ?」」」

秋人の一言に驚きを隠せないレミリア達に秋人は不気味な笑いを浮かべながら言った。

 

 

「美結ちょいと惜しいなぁ、、サイキョウ、、それは正確には、、

 

最も強い存在''破壊神(ライアン・シュバルツ)''

最も凶悪な存在''禍津神(橘(博麗) 麗華)''

最も恐ろしい存在''風精霊(橘 サラ・シルフィード)''

最も狂っている存在''神速の死神(橘 秋人)''

最も脅かす存在''死神(シエル・アシュレイ)''

最も兇れる存在''世界最兇のマジックキャスター(リオン・ビンセント)''

 

この6人から構成された忌み子のトップの実力者を人間共がそう言ったのがお前らの知ってるサイキョウなのさ」

 

「六人、、ですって?!それじゃ忌み子は20人いたの?!」

紫が驚く

「でも、私が調べた限りでは4人って、、」

パチュリーがそう言った。だが、死神がそれを否定した。

 

「、、貴女が調べても出てくるはずがはない、だって私はネクロマンサー、そもそも自分で動くことなんて滅多にない。それにリオンに至っては魔術で遠距離法撃してたから見られてないのも当然、、」

 

「、、ネクロマンサーにマジックキャスター、、ですって?まさかじゃあ、、」

「そう、あれは文献では禍津や破壊神達がやった事になってたりするけど実際は私達二人の力」

 

パチュリーが口を開けたまま動かなくなってしまった。そんなパチュリーを見て隣のレミリアは驚きをしていた。なんせパチュリーと100年程一緒に居る彼女でさえパチュリーのこんな顔は見た事ないからだ。

 

「、、それにしても、、ださっきの話だがロリ神悪いが後で死神の家で教えてやる」

「、、わかった。それにしてもライアンは相変わらず私の事をロリ扱いする、、私はもう10億歳は越えた大人」

死神の発言に一部を除き皆が驚く、、それに被せるかのように破壊神も反論する。

「いや、お前は姿がロリだからロリ神だな」

「、、もういい、秋人は名前で呼んでくれるから」

「、、一度も名前で呼んだ記憶が私にはないんだが?それに秋人は自分の嫁以外にはかなり鈍い、、」

「、、うるさい禍津。秋人はこれから呼んでくれるからいいの。ねっ?秋人」

「は?あ〜スマンが話を聞いていなかった悪いな''死神''、んで俺がなんだって?」

 

麗華の一言はやはり的を得ていた。これには流石の死神も呆然だった。というか皆が秋人を冷たい目で見た。

「おっ、おいおいなんだよ、、なんか悪いことしたか?」

「えぇ、、それもかなり」

「やっぱり貴方には女心というものがわからないようですね」

「、、今のは、、酷いわね」

「、、んーやっぱり秋人ねぇー」

と嫁達にかなりダメ出しされ秋人は膝をおり四つん這いで凹んだ。

 

「、、と、取り敢えずロリ神、、今度の相手は同じ忌み子だ」

「、、何があったの?」

「初めは数ヶ月前のことだ、unknownが裏切り私と秋人を攻撃してきた。その次は数日前だ、、今度はリクス、、私の娘とここにいる妖斗が死にかけた、、死神これは奴らからの私らへの宣戦布告だ。今後全面戦争は免れる事は出来ない、だから今私達は旧友であるお前達を呼んだんだ」

麗華がそう言うと死神の顔は曇りこう言った。

「私のところにはランディが来て殺しに来た、、だから返り討ちにしたけど逃がした、、」

「、、お前もか、ならリオンも時間の問題だな」

「ん、でも首謀者がわからない」

「、、首謀者なら分かるぞロリ神」

 

そう破壊神が言うと、死神は静かに

「、、誰?」

とだけ言った。

 

「首謀者はアステラだ。そんでサラを死に追いやったのもアステラがやったそうだ」

その言葉を聞いた瞬間、死神の禍力が一気に暴走気味になり一言だけ言った。

 

「、、殺す、アステラ殺す。アイツに関わってる奴らも皆殺しにする」

 

全く秋人と同じことを言う死神だった。

 

「、、あ〜あ〜俺の精神が、、」

そう言って立ち上がったのはさっき嫁達にボロカスに言われた秋人だった。

 

「、、秋人、、アステラはどこ?奴は殺す、、絶対に殺す」

「、、、、取り敢えず落ち着け死神、俺だってそれが分かってたら今頃ここには居ない」

「、、そう、、だね」

そう言って死神は力を弱めた。

そしてふと気になったのか秋人に質問した。

 

「そう言えば私は今後はこっちで暮らせばいいの?」

「んーまぁそうなるな」

「住処は?ご飯は?」

「、、それは俺の家に来ればいいだろ」

秋人がそう言った瞬間、誰が見ても分かるような ほわぁ〜 っとした表情になった。

 

「秋人の家、、私と二人っきりの環境、、」

そう言って顔を紅くしていた。

、、何を勘違いしているかは分からないが現在秋人の家には秋人直属のメイド、そして秋人の式である白蛇、イーグルまた旧橘邸の家をそのまま交換したためシルフィード達、精霊達もいるのだ。

つまり何処にも二人っきりという環境とは程遠いのだ。

 

「、、ふふふ、、二人っきり、、二人っきり」

と死神はボソボソと話していた。

 

「、、まぁ死神は放っておくとして、、取り敢えずは奴らの動きを確認する必要がある。破壊神上からの監視は任せる」

「あいよ任せとけ」

「禍津は霊夢達を頼む」

「分かっている」

「アルトは非常事態に備えて俺の家に待機だ、それと今から俺の家に帰って白蛇に幻想郷全域に眷族の配置を伝えてくれ」

「承知致しました」

一言そう言いアルトは神社を後にした。

 

「あと各自身の回りには気をつけてくれ、、特にウチの嫁はな。あと紫、もし結界に異常があったら知らせてくれ」

「えぇもちろん」

「よし、これにて解散する。他に報告か何かあるか?」

「「「「「……」」」」」

「ないならこれで解散だ」

 

秋人の一言により各自解散した。破壊神は天界に戻り秋人と死神は旧橘邸へと戻った。




お久しぶり作者でございます。
死神ちゃんと共にリオンも出そうかと思ったのですが、、それはまた後ほど〜ということで今回はリオンは出ませんでしたが後々出ますのでどう言った奴なのかお楽しみを
ということで次回もよろしくお願いします。


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第56話 会談のための交渉

〜旧橘邸〜

アレから会議が終わり俺は死神を家へと連れ帰ったのだが、、

 

「サラお姉様〜サラお姉様〜」ギュウウ

「あ、あのですから私はサラ様じゃなくてシルフィードと申します」

「絶対嘘でしょ…だってサラお姉様と同じ匂いだもん…」ギュウウ

「えっ…え〜そそうなのですか?ですが私はサラ様ではないんですよ、、申し訳ございません」

と、このようにさっきからずっと死神はシルフィードにくっついているのだ、、それに対しシルフィードもかなり困惑を見せている。

 

「…死神そろそろ離れてやれよ…シルフィードも困ってるだろ」

「むぅ、、離れない」

「はぁ、、すまんシルフィードしばらくしたら離れると思うから相手してやっててくれ」

「は、はい分かりました」

 

サラオネエサマ~、モウゼッタイニハナサナイカラネェッ!

ヘッ!?アッチョットマッテクダサイ、キャァァド、ドコサワッテルンデスカッ!?

 

と、和気藹々(?)と騒いでいる。…主に原因は死神だろうけどな

 

騒いでいるのを見ながら茶を飲む。

風呂も入ったのでそろそろ寝ようかとする頃不意にインターフォンが鳴った。

 

ピンポーン

「はーい今行きます〜」

それを聞いた俺のメイド…多分凛だろう、玄関へと客人を出迎えに行った。

 

「秋人に用があってきたが、、アイツは居るか?」

「いらっしゃいます、どうぞこちらへ」

凛?は居間にいる俺は元へと誰かを連れ近づいてくる。

まだそれが誰は分からんが、神の類であるとこは間違いないだろう、、なんせ神力が違うからな。

 

スゥー

 

襖を開ける音がすると同時に俺は襖へと視線を向ける。

「旦那様、お客様をお連れ致しました」

 

「やぁ秋人、さっきぶりだな」

そこには紅い服、赤紫色のスカートを着た加奈子が襖の戸の近くに立っていた。

俺は飲んでいた茶を口から離しテーブルへと置く。

 

「よぉ加奈子、さっきぶりだな。取り敢えずまぁ座れ」

首をクイッと動かし前のソファーを見ながら加奈子にそう言った。

「お言葉に甘えて」

そう言い加奈子は俺の前へと腰を掛けた。

 

「んで?俺の家に来てどうした?」

「ちょっと相談、、と言うかまぁ…私達は今月中に異変を起こそうと思っている」

 

コトッ、、

 

不意に凛がお茶の入った湯のみを加奈子の前に置き、一礼をして再び席を外した。

「、、お茶とは有難いが、、そんなに話し込むこともないんだがなぁ」

「まぁいいだろ、ウチのメイドがせっかく入れたんだ飲んどけ」

「ふっ、そうだな、そうするか」

加奈子は軽く微笑するとお茶を口にした。

 

「…美味いな」

「だろ?んで、お前の話とやらの続きを聞こうか」

 

秋人がそう言うと加奈子は持っていた湯のみをコトッとテーブルへと置く。

「…それで話の続きだが、、今の私達には信仰が足りない。それは分かってくれるよな?」

「あぁよく分かってるぜ」

 

信仰が足りない事をハッキリと秋人が言うと加奈子は苦笑いした。

「…そんなにハッキリ言われると悲しくなってくるんだが…」

 

「だってなぁ、、それが真実じゃないか」

「…まぁそうなんだが……それは兎も角そこで信仰集めに関してだが、紫に頼んで私達の社を移してもらう、そこまでは話が着いたんだが、、」

すると加奈子はそこで顔をしかめた。

「着いたんだが、なんだ?」

「、、社を建てる場所を決めようと思って幻想郷中を回った結果、私達は妖怪の山の頂上付近の湖に決めたんだよ」

「それで?」

 

俺は片手に湯のみを持ち少し飲みながらそう答えると加奈子が口を開いた。

「妖怪の山は天狗達の土地だから天狗の長と話がしたい。…そこで天狗達の長の旦那である秋人に話の場を設けてもらうべくここに来た」

 

…と加奈子は決め顔で言っているが…わかって頂きたい…今現在もう既に時計の針は22時を回っているということに…

「…お前…そんなに決め顔して言ってるが、今何時だと思ってんだよ」

「ん?分かっているぞ、亥の正刻(午後10時)だろ?」

「…だろ?じゃねぇんだよ!俺もう嫁と寝たいの!頼むから寝させてくれよ!と言うかそろそろ寝ようと思ってた時に来るなよ…次の朝方に来いよ」

「ウグッ…お前なら多分大丈夫だろうと私は踏んでいたんだがなぁ…」

と、肩を落としながら暗い顔をしていた。

 

「…大丈夫じゃねぇよ…まぁ取り敢えず天満には俺から話しておく、話す席を設けたらお前のところに連絡を送る。それでいいだろ…取り敢えず今日の所は帰れ」

そう言うと加奈子の顔はパァァと明るくなった。

「ありがとうッ!頼むよ!じゃ私はこれで帰るからね」

「おうよ…凛ーッ!客が帰る玄関までよろしく頼んだ!」

俺がそこそこ大きな声で名を呼ぶとすぐ様サッと襖を開け一礼をし、「どうぞ、こちらでございます」と言って玄関まで加奈子を送って行った。

 

(さて、加奈子も帰ったし俺もそろそろ寝ようかねぇ…)

 

〜寝室〜

寝室へ向かい床へ着こうとすると不意にフォーンとスキマの開く音がする。

「どうした紫、布団に入りに来たのか?」

俺は布団を少し整えながらそう言うと、ふと背中に柔らかい感覚を感じる。

ギュッと背中にくっついてきた紫はクルリと一回転し俺を巻き込んで布団へと入った。

「たっく、今回は大胆なやり方だな」

「ふふふっこういうのも嫌いじゃないでしょ?」

「まぁな…」

「ふふふっ」

そう少し微笑しながら紫は俺の上に乗った状態でゆっくりと目を閉じ、くっついてくる。正直紫がここまでしてくるのは珍しいことだ。普段は布団にスキマを開きスっと入ってくるのだが今回大胆にもこういう行動をとったのだ何かあったのだろう…

 

「どうしたんだ?お前がここまで大胆な行動してくることなんて滅多にないじゃないか」

秋人がそう質問すると紫はゆっくりと微笑み「たまにはこういうのもいいでしょ?」そう言ってゆっくりと秋人の腕の中で眠るのであった。




お久しぶりです…そしてあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
…年越したあとの数十日は色々と忙しく小説が書けませんでした…本当に申し訳ないっす。
、、とまぁ…こんな作者ですけど暇つぶし程度に自分の小説を呼んでもらえると助かります。
では、短いですが今年も1年よろしくお願いします!!


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第57話 会合と本当の真実

〜妖怪の山〜

「では、今回はこの妖怪の山にお主らの神社を建てるのじゃな?」

「うむ、そうだ」

 

神奈子が旧橘邸へ来て約二日後、秋人の橋渡しのお陰で神奈子は妖怪の山の長である''天魔''との会談を行うことができたのだった。

 

「よかろう、なら我等の土地である妖怪の山に神社を建てることを許そう。それに秋人の友人でもあるみたいだしの」

天魔は神奈子にそう話しながら首をクイッと秋人の方へと向けた。

 

「そうだな、神奈子は飲み仲間だしそれくらいの頼みならパイプ役をやってやるさ」

お茶の入った湯のみに軽く口をつけながらそう言う秋人を見ながら天魔は微笑し

「お主に友と言えるほどの者がこの幻想郷におったとは少し以外じゃの」クスクス

「おいおい天魔、それはあんまりじゃねぇか?」

「いや、それが案外驚かれるんだよな〜秋人と飲み仲間って他の神とか妖怪に言ったら」

「はぁ?なんでだよ」

「お主が普段から周りの妖怪達に威圧をかけておるからじゃろ」

「そ、それは周りの妖怪共に紫達が誰の嫁か教えてやってんだよ」

「それがただの威圧なのじゃろうが…」

そう言って引き攣った笑いを浮かべた途端…

 

「そうなのよねぇ〜その性で余計人間や妖怪達から私たち恐れられてるからね〜」

そう突如聞こえた天魔の向かい側の神奈子の隣に突如として紫が出てきた。

「うわ!?紫!?」

「ぬっ!?」

「ッ!?」

「おう紫、さっきから覗いてたみたいだけどやっと出てきたか」

突然の紫の訪問に神奈子と天魔、そしてその護衛の天狗達は驚きの表情を見せる。

 

「全くよ…貴方が人間や妖怪に圧かけてる性で私たちの恐れられ様凄いんだからね?」

「なんだ、そんなにか?」

「えぇ、そんなによ」

「……」

 

「なぁ秋人」

神奈子が不意に秋人に話しかけた。

「…なんだ?」

「紫が時になんて呼ばれてるか知ってるか?」

「…最凶最悪の妖怪(幻想境界に棲む妖怪)だろ?」

「それは世間一般的に知られてる名だろ?もっと裏の名だよ」

珍しく神奈子が不気味な薄気味笑いを浮かべる。

 

「はぁ?裏?なんだそりゃ」

「あ〜あの名ね」

秋人が眉を寄せ、隣の紫は苦笑いを浮かべる。

 

「…''可憐なるアポカリプス(世界終焉)''」

 

神奈子はそう口にした。

 

「あ、あぽかりぷす?なんじゃそれ」

首を傾げる天魔をよそに秋人は一言呟いた。

 

「…なるほど、''可憐なる世界終焉''とはよく言ったもんだな」

「せ、世界終焉じゃと!?」

秋人の一言にやっと意味のわかった天魔が青ざめる。

「はぁ〜全くよ、外来人に会った時になんかそう言われたから気になって調べたら意味が世界終焉だなんてね」

 

「…にしてもじゃよ?何故世界終焉なんて物騒な二つ名なんじゃ?」

「それは貴方の隣に座ってる人の性よ」

紫に質問する天魔はその言葉を聞き隣を見る。するとそこに居たのはゆったりと茶を飲む秋人(世界終焉をもたらすアポカリプス)が居た。

 

「…なるほどのぅ…その世界終焉をやりそうな男が隣におったわ」

「でしょ?」

口元を扇子で隠し微笑する紫をよそに

(酷い言われようだな…)

と思う秋人がいたのだった。

 

 

〜旧橘邸〜

神奈子と天魔の話し合いも一通り終わり秋人と紫は旧橘邸へと帰った。

「…にしてもあの神奈子がやっと動き出したか」

「そのようね、でもそりゃそうでしょ神だって人間の信仰が無かったらだんだんと力が弱くなっていくのだもの、いくら元諏訪の国の神だって信仰が無かったらやってけないわよ」

「だな、そういや最近天照に会ってねぇな」

「…まさかとは思うけど天照って、あの天照?」

「そうだか?てか天照って名前のやつ1人しか居ないだろ」

「…なるほど…だからやけに神とかと知り合いだと思ったらその根源は天照だったのね」

「まぁなぁ…と言っても半分は破壊神のせいだがな」

「でしょうね…とう言うか私はてっきり貴方は神とか人間とか嫌いだと思ってたんだけれど」

「…まぁ人間は今でも殺したいぐらい憎いが神に対する憎しみはだんだんと薄れていってるな、それと神と繋がってるのは何も俺だけじゃないぞ」

「へ?」

秋人がそう言うと紫はびっくりした様子で扇子を閉じた。

 

「地獄の奴らは死者を天界に送るから天界の奴らはそれなりに仲がいいのは当然だが、魔界の魔族共も天界の奴らとは貿易したりしてるからな?」

 

「え、え!?」

一瞬戸惑いを見せた紫だったが、突如として驚き顔に変わった。

「まぁと言っても世間一般的には知られてないが魔族と天界は昔から交友関係を続けてるんだよ、初代極魔王と現破壊神との盟約の間にな」

「な、なるほど」

(…案外秋人と破壊神って仲良いのね…あれかしら喧嘩するほど仲良いって言う)

そう思う紫だった…。

 

 

〜博麗神社〜

「あー暇ね…妖斗ー何とかしてー」

「何とかしろってつたってどうすりゃいいんだよ…」

妖斗は縁側でゴロゴロしている霊夢に向かって境内の掃除をしながらそう言った時だった。

 

瞬間!霊夢は背後に黒いオーラを感じた!

「…レーイームー?」

「か、かあさん…?」

「最近良く妖斗が掃除してるのを見ると思ったらお前って奴は

 

こ こ で あ ぶ ら を う っ て た な ?」ハイライトオフ

 

「あ…あ、あ」

「ちょっとこっちに来い」ニコー

「ヒっ!」

 

ズルズルズル…

 

こうして霊夢は麗華に引きずられ神社の奥へと消えていったのだった。

「あーあ、霊夢ついにバレたか…」

 

「ごめんくださーい!」

妖斗がそう呟いているとふと声が聞こえてきた。基本的にあまり人の来ない神社でもあり人が来るということは珍しく妖斗も最初は妖怪だろうと思い、縁側から賽銭箱の方へと向かう。

 

するとそこには緑色の巫女服を着た身長156位の1人の少女が立っていた。

(…妖力を感じないな…もしかして人間か?)

「はーい、今行きますー」

そう思いつつその少女へと近寄っていく。

 

「あっどうも、ってあれ?博麗神社に居るのって巫女さんじゃないんですか?」

「えっ、あー今霊夢はちょっと野暮用で…」

「あっ!なるほど…では、貴方は…もしかしてここの神主さん?」

「へっ?あっいやいや自分はただの居候です」

「えっ居候?」

「はい、そうですけど?」

「えぇっと、それじゃまた後程来ますね」

そう言って緑の巫女服を着た少女はクルッ後ろを向き鳥居の方へと歩いて行こうとする。

 

「あっ、伝言なら伝えますが?」

「いえ、大丈夫です、また今度来ますの、で…ってあれ?」

俺がそう言うとその人は、丁寧にこちらを向きそう言ったが途中で賽銭箱の方を見ると動きが止まった。その時だった…

 

「だー!もうお説教いやー!」

「…赤色の巫女服の人…もしかして貴女が霊夢さんですか?」

「ん?アンタ誰?私達面識あったっけ?」

「あっいえ、この前この地に越して来たので面識はありませんよ」

(…ん?越して来た?…えっ!?幻想郷に!?)

妖斗はかなり驚いたが霊夢は呆れ顔をしていた。

 

「越して来た?幻想郷に?はぁ…さてはまーた紫絡みね」

「えぇ、それで今回は()()()()()として御挨拶に来た次第でs」

 

 

「「……えっ?」」

 

 

「はぁぁ!?同業者ぁ!?」

「えっ!?」

(同業者…?ってことは…)

 

「なんだ、五月蝿いぞそんなに騒いでどうした」

霊夢の後ろからは麗華さんが出てきた。

 

「か、母さんちょ、ちょっと聞いて!?」

「むぅ?どうした?」

「げ、幻想郷に神社が新しく出来たみたいなの!!」

「はぁ?なんだそりゃ…」

少し呆れ気味の麗華さんは霊夢に冷たい目をしていた…。

 

「だって!ほら!」ユビサシ

「?」キョトン

 

「ほう?お前さん名は何と言う?」

「あっ、名乗り遅れました。私は''東風谷 早苗''って言います。以後お見知り置きを」

「は?早苗だと?」

(…麗華さんの顔が変わった?何かあるのかな?)

「えっはい、それが何か?」

「…いやいいんだ気にしないでくれ私の気のせいかもしれん」

「えっ、あっはい」

「あー、それでお前達の社は何処にあるんだ?」

 

すると早苗さんは妖怪の山の方を指さし

「あの山の頂上付近の湖です」

「あーあそこか…所で神は誰を祀ってるんだ?」

「はい、神様は''八坂 神奈子様と洩矢 諏訪子様''です!」

 

すると麗華さんの口元が少し緩んだ。

「ほぅ?あの神奈子と諏訪子がやっと動き出したか、秋人には話で聞いてはいたがまさかよもや、外の世界から()()()()を連れてくるとはな、ハハハ」

(えっ?自分の…子…?)

 

「えっ?あ、あの今なんと」

早苗さんも凄くビックリしている。それもそうだ俺もびっくりしてるからな

 

「は?あっお前まさか聞かされてないのか?()()()()()()()()()()()()()()()()

「えっ…わ、私が諏訪子様の…実の…子…?」

 

「あっ…まさか…知らない?」

「…初耳です…」

(あっ、麗華さんが固まった。あれは言っちゃダメだったみたいだな…)

「あー今のは…うん、忘れてくれ、聞かなかったことにしてくれ」

「!?」

「えっと、いやその流石に…出来ないです」

「…だよな。はぁ…これは諏訪子にマジギレされるな…どうすっかなぁ」

 

「旦那さんの秋人さんに相談したらいいんじゃないんですか?」

「…妖斗お前それ本気で言ってるのか?」

「えっ?」

「…秋人さんには言っちゃダメだと私は思う」

「だよな霊夢…流石私の娘よく分かってる」

「…と言うと?」

「…諏訪子は秋人に秘密を漏らさないように頼んでると思うんだよな…事実私にも言ってきたし」

「…言われてるなら駄目じゃないですか…なんで言ったんすか」

「いや、幻想郷に実の子連れてきて挙句自分の社の巫女として連れてきたんだ、話してると思った」

「「……」」

「母さん、、」

 

「…え、えっとその私一度帰りますねッ!そ、それでは!」

「あっ!ちょっと待てっ!」

 

「って行っちゃいましたけどどうするんですか?」

「……」

「れ、麗華さん?」

「…もう、今日は寝る」

「えぇ!?麗華さん!?」

「ちょっ!母さん!?」

そう言って麗華さんは足早に神社の中へと消えていったのだった。




皆さんおはこんばんちには作者です。
いや〜やっと早苗が出せました。次回は色々と波乱がありそうですねぇ〜。
ということで私からは何を言えることはないので次回もよろしくお願いします!


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各キャラ説明

そろそろキャラもかなり増えてきたので一度キャラ説明を作ろうと思いました。
また秋人の能力の《ありとあらゆるものを製造する程度の能力》から《ありとあらゆるものを創造する程度の能力》に変更します。
理由は正直秋人の能力をよくよく考えてみると何も無い空気などの分子からものを作っているので創造になるため変更致します。


〜忌み子〜

神々、悪魔達からは忌み子、その名の通り忌み嫌われた子と言われている。またその由縁は当時の彼らがまだ子供の姿をしていたからとされている。《忌み子》と言うのは正確には種族ではなく名称であり神々と悪魔達がそう呼んでいたに過ぎない。

 

 

〜サイキョウの称号を持つ六人〜

橘 秋人

人種:?

 

二つ名:最狂(最も狂っている存在)《神速の死神》

 

身長:180 体重:?

 

能力:ありとあらゆるものを創造する程度の能力

ありとあらゆる魔法を操る程度の能力

※左目の固有能力として《悪魔の魔眼》を持ち、マインドコントロールという、生物であれば二回だけ意識を無くし操ることが出来る能力を持つ。

 

性格:面倒くさがりな性格

 

人間のことを殺したい程憎んでいる。

そのため彼の住む《旧橘邸》は天狗の管理する妖怪の山の領地に家を設け家の周りは式神白蛇によって《人祓いの結界》が張り巡らされ、その上森の中には白蛇の眷属達が棲息しており訪問者や侵入者が森に入るとすぐさま白蛇へと伝達が通る。

普段は家の縁側で森の木漏れ日に当たりながらゆったりと嫁達と過ごしている。時に八雲家、時には妖怪の山の長天魔が居たりする。

 

その反面秋人は、神々又は各上位悪魔達からはかなり恐れられている存在であり中には話の間で秋人の名前さえ出すことをタブーにしている神々や悪魔も居る程。

だが、現在は魔界・地獄では一部の上の者だけが知っている《初代極魔王》という立ち位置にさえいる。

 

また忌み子と呼ばれる者達で神々が登場する以前からこの地球を支配していた20人の者の一人。

その20人の中でもサイキョウの称号を持つ六人の一人である。

忌み子の中では破壊神と一位争いをしている程の実力者。

 

橘 サラ・シルフィード

種族:風精霊

 

身長:158 体重:知れば殺される…

 

二つ名:最恐(最も恐ろしい存在)《災厄の風精霊》

 

能力:?

 

性格:真面目でおっとりとした性格

 

秋人の嫁の中では第一婦人に当たる女性。

忌み子の中では五番目に強いと呼ばれている。

※だが、秋人との連携を取らせれば右に出るものは居ないと言われる程秋人のことをよく知っておりその支援は正確である。

またまず二人と遭遇した場合の生存確率はほぼ0%と言われている。

 

また秋人のことを一番よく知っている存在でもある。それ故に神々や悪魔達からは彼女ら夫婦のことを《史上最狂災厄夫婦》とまで呼ばれ恐れられていた。

《史上最狂災厄夫婦》の語源の由縁は何としてもその圧倒的までに早いカバー能力であり、彼女は弓の使い手だったこともあり中・遠距離で秋人の戦闘支援又は戦略を立てたりしていた。

 

 

 

(博麗) 麗華

二つ名:最凶(最も凶悪な存在)《禍津神》

 

身長:178 体重:?

 

能力:ありとあらゆる災害をもたらす程度の能力

 

性格:凛々しく常に冷静を装っている

 

秋人の嫁の中では第二夫人に当たる女性。

その二つ名の通り彼女は《禍津神》であり、かつては人間が生贄を捧げ降り注ぐ災厄を祓ってもらっていたとされる神。

忌み子の中では三番目に強いと呼ばれる存在であり、その攻撃は辺り一面に災厄をもたらし人間達には特に恐れられていた存在。

また彼女には三段階の力があり、一段階目は普通の神として、二段階にはその身に赤紫色の紋様が薄く現れる。三段階には魔神とかしその身全体に赤紫色の紋様が強く現れ、その力は通常時の約6倍にまで膨れ上がるとされている。

現在は博麗 霊夢の義理の母として博麗神社の巫女をやっており、弟子として妖斗を居る

 

 

 

ライアン・シュバルツ

種族:神

 

身長:182 体重:?

 

二つ名:最強(最も強い存在)《破壊神》

 

能力:ありとあらゆるものを破壊し尽くす程度の能力

 

性格:かなりの戦闘狂であり、気性が荒い

 

秋人の古い友人の一人。

忌み子の中では常に上位に入り秋人と一位争いをする程の実力者。

現在は神々の頂点に立ち、世界の神々を統一しオリュンポス十二神や天照でさえ部下に置くほどの権力を持つ。

また天界の代表《至高と破壊の神》として神々の上に立つ。

魔界・地獄とは《初代極魔王》との間の盟約により天界と魔界・地獄間での貿易が行われている。

またその戦闘狂故、周囲の敵を地形ごと吹き飛ばしたりしている。

そして彼の持つ《破星剣》は彼が一振すれば山を一刀両断出来るほどの力を持つと伝えられている程。

 

 

 

シエル・アシュレイ

種族:?

 

身長:156 体重:秋人にしか教えない…

 

二つ名:最脅(最も脅かす存在)《死神》

 

能力:ネクロマンスを行う程度の能力

 

性格:クールで常に冷静

 

一途に秋人のことを追いかけている少女。(時にヤンデレと化す)

忌み子の中では四番目に強いと呼ばれている存在。彼女は普段時空の狭間に身を隠し、ネクロマンスを駆使して死者を強制的に蘇らせ戦闘をしている。又、彼女の姿を見た事のある神々や悪魔の言い伝えによると彼女は少女のような姿をしており、錬成陣から生成される《桜花》と呼ばれる刀身が薄ピンクの大型の鎖鎌、又は大型の斧とハンマーを備えたウォーハンマーに柄の先端には小型の鎌が装着してあり、いざとなれば長い柄の真ん中を捻って回し武器を2つに分割することが出来る。

又、彼女の本来の種族は不明である。

 

 

 

 

リオン・ビンセント

 

身長:? 体重:?

 

種族:?

 

二つ名:最兇(最も兇れる存在)《世界最兇のマジックキャスター》

 

能力:ありとあらゆる魔法を理解し使用出来る程度の能力

 

性格:?

 

忌み子の中では六番目に強いと呼ばれている存在。

彼自身は肉弾戦は不得意で、主に中・遠距離からの魔法狙撃を行っている。秋人、破壊神達とは古い友人であり親しい間柄である。

世界最古の魔術師として一部の魔法使い達には知られている。

 



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第58話 本当の真実

〜守矢神社〜

「ふぁぁ〜んーはぁ…あぁ眠い…」

 

神社の縁側で日の光を浴びながらゆったりとしている人物が1人。

 

「まぁここ(幻想郷)は基本的に平和な日が多いからなぁ。ゆったりとしたい気持ちは分かるぞ''諏訪子''」

「ん?あれ?神奈子いつから居たの?」

「いや、さっきから居たんだが…」

「あれ?そうだっけ?」

 

神奈子のことをすで忘れていた時、あの子が帰ってきた。

 

「す、諏訪子様〜ッ!」

「…なんだ?早苗のやついつになく騒がしいな」

「何かあったんじゃないの〜?」

 

「す、諏訪子様!」

「ふぁぁ〜…早苗どうしたの?そんなに慌てて…」

「わ、私さっき博麗神社に挨拶に行ったんです!」

「…それがどうかしたのか?ただの挨拶回りだろ?」

 

神奈子が軽くそう流すと早苗は次にあの言葉を口にした…。

 

「そ、そしたら銀髪の赤い巫女服着た霊夢さんとは違う女性が言ってたんですが…

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「「……」」

 

「す、諏訪子様、神奈子様お答え下さい!」

 

「…早苗…さっき誰に聞いたって言ったっけ?」

「えっ?えっと…銀髪の赤い巫女服着た女性です」

「霊夢じゃなかったんだよね?」

「えっと… はい」

「神奈子…ちょっと野暮用が出来たから早苗のことよろしく」

「えっ!?あっ諏訪子様!?」

「了解した」

 

私は急いで博麗神社へと向かう…

(あの野郎…言ったな…麗華めぇッ!!)

 

 

〜博麗神社〜

「あーもうっ!なんで境内の掃除二ヶ月間私だけなの!?」

そう言うと霊夢はア゛ア゛ア゛と声を上げ頭をワシワシとかいている。

「そりゃ〜霊夢が境内の掃除サボってたからじゃん」

「それもそうだけどさぁ…母さんは本当に寝ちゃったし…はぁ」

 

ドカーンッッ!!

大きな爆音がし、辺り一帯に砂埃が舞う。

 

「「!??!」」

「えっなに!?」

「ゲホゲホッ…誰だよこんなにしたやつは…って諏訪子さんじゃないですが、またなんの要件で……あっ」

 

「…麗華は何処?」

口元が笑っているが顔には青筋が浮かんでいる諏訪子がそこには居た。

 

「「ヒッ!」」

「か、母さんならもう寝るってい、母屋の方に…」

 

「ありがとう」

そう言うと諏訪子はニヤッと口元が笑っているまんま、家の方へとゆっくりと歩みを進め始めた。

 

「な、なんだったんだよ…」

「あ、あの件でしょ」

いつにもない諏訪子の殺気に二人はガクガクと身を震わせながらビビり倒すのであった。

 

 

〜博麗神社・母屋〜

「ここかぁ…」

 

 

 

「んーもう…布団から出たくない…」

「…」

(あぁ…でもそろそろ出ないと霊夢の飯が…でも私も腹が減ったが…何せさっきのこともあるしなぁ)

(まぁいい…布団から出るか…)

そう思い布団から身を出した時だった…。

 

「ヒッ!?」

麗華は声にならない程小さな悲鳴を上げた。それもそのはず…

 

 

 

 

 

「…」

枕元には諏訪子が座っていたからだ。

 

 

 

 

 

「や、やぁ諏訪子…と、突然の訪問とは聞いてないが?」

汗がダラダラと出る…それもそのはずだ。

何せ布団から出た瞬間目の前に胡座をかいた、顔に青筋の浮かんでいるはずなのにニヤッと口元が笑っている諏訪子が居るのだから…

 

「…」

「あ、あの。諏訪子さん?」

 

「…ぶっ殺す」

その一言で麗華は悟った。

(これはまずいっ!)と

 

「へっ!?」

そう思い走り出すのだが…

 

「…逃 が さ な い」

その目には光が灯っておらず挙句少し笑っているのであった。

 

「ヒッ!?」

 

…結局麗華は諏訪子に捕まり事情聴取を受けるのであった。

 

「…それで?なんで秋人も居るんだ?」

「…分からんか?」

「なんだ?」

「強制的に連れてこられたからだよ…」

不機嫌そうにそう答える秋人達の前には

 

「ゴホンっ。それでなんで話したのさ…」

諏訪子はイライラした様子で話を始めた。

 

「話したって何をだ?」

胡座をかき秋人が座っていると諏訪子は

「コイツがっ!麗華が!早苗と私の関係を言ったんだよ!しかも早苗に!」

 

「…」ゴンッ

「痛っ!なんだよ秋人…」

唐突に秋人からの拳骨が麗華へと入り、麗華は頭を抑えた。

「お前まさか、早苗に諏訪子の実の子って事言ったのか?」

「…あっ、あれはその…」

「なんだよ」

「…自分の子を自分の神社の巫女にしたんだからてっきり話してると思ってたんだよ…」

しゅん、と気を落とした麗華は下を向きそう答えた。

 

「…出そうだが?諏訪子この後の始末どうするんだ?」

秋人がそう言うと諏訪子は難しい顔を見せた。

「…うーんどうしようかなぁって思ってる…正直''麗華''の性でもう親子ってことはバレてるだろうし…それに」

 

「親父のこと聞くかもってか?」

諏訪子は暗い顔をして

「そう…だね」

とだけ答えた。

 

 

 

〜守矢神社〜

「神奈子様っ!わ、私は諏訪子様の実の子なのでしょうか?」

「…」

「神奈子様っ!」

「…早苗、まだ知らなくてもいいことが世の中にもあるんだぞ」

神奈子がそう言うと早苗はハッキリと

「いいえ、私は知りたいんです。自分がどういう存在なのかを…」

 

「……」

「ですからお願いします神奈子様、教えてください。本当の真実を」

「…」

(…すまん、諏訪子…)

 

「…分かった。なら話そう、早苗の本当の真実を…」

 

 

「あれは、もう随分昔になるな…」

「そんなにですか?」

「あぁ、なにもつい最近の事じゃない…私達が幻想入りする前の話しさ」

ゆっくり、ゆっくりと神奈子は話し始めた。過去の諏訪子と早苗、そして一人の男の話を…

 

 

「幻想郷に入る前だな…諏訪子には旦那がいたんだ」

少し驚いたように早苗は口にする

「諏訪子様にですか?」

「あぁ、凄く強くていい男だったよ…」

「だった?というとのは…」

早苗が過去形だったこともあり神奈子の話に食いついた。

 

「…幻想郷に入る時さ…死んじまったんだよ。諏訪子を残してな」

「えっ…」

「それからというもの数十年は諏訪子は塞ぎ込んださ…でもある日を気づいたことがあったんだ」

「…」

「そう、早苗お前が諏訪子の腹の中にいたのさ…アイツと諏訪子の子のお前が…」

 

「ま、待ってください…その話をそのまま訳したら私数十年も諏訪子様のお腹の中にいた事になります!」

神奈子は はぁ… 一つ溜息をつくと続きを話し始めた。

 

「そうだな、早苗は数十年もの間諏訪子の腹の中にいたのさ。通常人の子は11ヶ月程で出産する。だけど諏訪子は神だ。それに神の子はその親の神力で育つ、だから数十年間塞ぎ込んでいた諏訪子は神力の低下があったのさ…だからようやく落ち着いてきた頃に早苗の存在を知った」

「…な、なるほど」

 

「…それから諏訪子は早苗の為に神力をつけゆっくりと育てていったが…諏訪子は早苗のことを当時自分が見えていた人間へと育てるように預けた」

「一ついいですか?」

「なんだ?」

早苗が真剣な様子で神奈子へと質問した。

 

「何故私を人に預けたのですか?」

そう早苗が聞くと神奈子は今までに見たことないような難しい顔をした。

「…当時諏訪子の旦那が死んだ理由は、諏訪子を殺そうとしてた奴の攻撃を庇った挙句諏訪子を狙ってた奴を酷い傷を負ったまま殺しにかかったのが原因だよ。結果としてその諏訪子が愛した男の命と引換に奴の息の根を止めた…だが、その諏訪子の愛した男も死んだ。それからだよ、いつからか諏訪子を狙うものが増えていったのさ。だから実の娘の早苗を殺させる訳には行かないと言って人間に預けた。それが諏訪子と早苗の関係性ってやつだよ…」

「……」

 

壮絶な話だった。私を守るために諏訪子様は私を人間に預けた。

だからだろうか…紫さんが私を外の世界から連れてきた時の諏訪子様の表情は青ざめていて、紫さんとかなり言い争うをしていた。でも、その点が繋がった。

「…そう言う、理由だったんですね…」

「あぁ…そうだな。そうだ早苗、もしアイツの所へ辿り着けたのなら父親の話を聞きいて来るといい。妖怪の山の麓の九天の滝の近くに古い屋敷がある。そこに居る屋敷の主の《秋人》って男に聞いてみろ、色々知ってるから…」

「わ、分かりました…ありがとうございます。神奈子様、その本当のことを話して頂いて」

そう言うと神奈子は少しふっ、と笑い言った。

「いやいいんだ、気にするな」

 

 

 

〜博麗神社・母屋〜

「で?まさかとは思うけど、(みなと)の事も言ってないだろうね…」

「い、いや!それは言ってない!」

ジトーと横目で麗華を見る諏訪子に対し、麗華は全力で否定していた。

(はぁ…かつて最凶(禍津神)と恐れられていた奴がこんなになるとはなぁ…)

と、隣で 「はぁ…」 と溜息を吐く秋人であった。

 

「取り敢えずどうするんだ?早苗にどう説明するつもりだよ」

秋人がそう言うと諏訪子はもっと難しい顔をした。

「そうなんだよねぇ…麗華が湊のことを言ってないとするとあの子は父親の事を聞きたがると思うんだよね…」

 

「なら、いっその事全部話したらどうだ?」

「ぜ、全部!?」

諏訪子はかなり驚いた。普段あまり秋人はこういう事を言わないからだ。

「そうだ…それに俺ももう色々と過去の話をもうされてるし、してる。」

「…秋人」

すると話の途中に麗華が秋人に話しかけた?

「なんだ?麗華」

「そ、そう言えばサラについてなんだが…痛っ!」ゴンッ

「…」

秋人はかなり麗華に拳骨を落とし、睨みつけていた。その目はまるで…

(次余計な事喋ったら…分かるよな?)

と言ってるようだった。

 

流石の諏訪子もそれは苦笑いしていた。

「…それで、どうする気だ?諏訪子」

「…秋人の言う通り全部話そうと思うよ」

「そうか…」

「…うん」

「そ、それじゃ私はもう行くね」

「あぁ行ってこい、お前の娘の所に」

「ん、それじゃ」

「おうよ」

諏訪子は母屋を出て、守矢神社へと帰って行った…が、秋人の怒りはまだ終わってはいない…

 

「さて…麗華」

「ヒッ!?秋人が私を名で呼んだだと!?」

「お前自分が何やったか分かってんのかぁ!」

 

ゴンッ

 

「グハッ…」

麗華は秋人にかなり強めの拳骨をくらい一発で気絶した。

 

「は、はわわわ…」

「あ、秋人さん恐ろしすぎ…」

それを襖の隙間から見ていた霊夢と妖斗はビビり倒しっぱなしだった。

 

 

 

〜守矢神社〜

私は不安を感じながら守矢神社へと帰ってきた。

「…ただいまぁ」

 

「諏訪子様おかえりなさい!」

「諏訪子帰りが少し遅かったようだが?」

するとそこにはいつも通りの神奈子と早苗が居た。

 

「ふふっ」

「「?」」

「いや、気にしないでいいよ」

「ん?あぁ分かった」

「えっ?あっ、はい」

自然の神奈子と早苗を見ていたら私はいつの間にか久しぶりに笑っていた。

 

 

「あっ!そうだ…」

「ん?どしたの早苗」

私は あわわ と慌てている早苗に言った。

 

「そう言えば、霊夢さんと話出来てなかったんです!ちょっと行ってきます!」

「えっ?あ、うん。いってらしゃーい」

フリフリと手を振って早苗を見送った私の隣にはスっと神奈子がきた。

 

「あれ?神奈子どしたの?」

その顔をはいつになく沈んでいた。神奈子がこうなるのは珍しいのだ。

「すまない。早苗に湊のことを聞かれてしまってな…」

「…まさか喋ったの?」

「…」

神奈子は静かに頷いた。

(そっかー喋っちゃったかーでも…秋人に全部話したらって言われてたしなぁ…まぁいいか)

 

「…別にいいよ、気にしなくて」

「…えっ?それはどういう風の吹き回しだ?」

「さっき秋人に言われたんだよ、全部包み隠さずに話してみろってね。全く、色々と包み隠してる奴にこんなこと言われるとは思ってもなかったけど…」

 

そう言うと私は少し口が緩んでいた。

内心私が話そうか悩んでいた時に、背中を押してくれたからなのかもしれない。

 

「なんだ、そうだったのか…まぁでも色々隠してる秋人に言われるのはちょっと(しゃく)だな」

「はは、そうだねぇ〜私なんかよりもっと色々と隠してそうだし」

「だな、もしかしたらこの世界の始まりなんかも知ってたりな」

「あ〜有り得る。アイツなら有り得るねぇ…色々とまだ知られてない古代魔法なんかもちょいちょい知ってるしね」

「それなんだよなぁ、全く天照様も秋人のこと呼ぶ時《様》付けてるし…」

「だねぇ、アイツの権力の大きさがよくわかるよ…全く」

「ホントだねぇ」

「ふふっ」

「はははっ」

 

「あ〜なんかもうなんか悩んでた事どうでも良くなってきちゃった…今度早苗連れてお墓参りに合わせて会いに行こうかな。冥界まで…」

「それなら秋人に頼めば幽々子まで話通してくれるだろうよ」

「ふふっ全く権力の大きさがよく分かるねぇ〜全く、神々も恐れるサイキョウの名を持つ奴が昔に比べ丸くなったもんだねぇ」

「そうだな」

2人は守矢神社の鳥居の上で笑い合いながら早苗が帰ってくるのを待つのであった。

 




おはこんばんにわ作者です〜。
感想や誤字の報告ありがとうございます。おかげで助かりました。
今回は早苗と諏訪子の話でしたが…どうだったでしょうか?正直この話はちょっとアドリブで書いたりしてるところもあるので話の内容がぶっ飛んでるかも知れませんが多めに見て頂けると助かります。
では、j

「恋文《マスタースパーク》っ!!」

チュドーン!

「にしし、これを言いたかったんだぜ
じゃぁ!また見てくれよなッ!」

「てか、最近の私の出番少なすぎだろもっと増やせよ作者」
「ぜ、善処します…」


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第59話 サイキョウの六人目

〜博麗神社〜

「霊夢さーん!」

「ん?ってさっきの緑巫女!」

「ひ、酷いです…私には《東風谷 早苗》っていうれっきとした名前が…」

「あーはいはい、そうね」

「えっ!?そんな流さないでくださいよ!」

(あーもうなんかダルい。 どうしよ)

そう思っているとちょうどいい所にきた奴が

 

「あれ?早苗さんじゃないですか」

「えっ、あっ!居候さん!」

「えっ!?ちょっ!居候って…あっそう言えば俺名乗ってねぇわ…まぁいいやーこれを機に覚えてもらったら。俺の名前は…」

 

「こいつは居候の《博麗 妖斗》よ」

「霊夢お前までか!俺を居候扱いするのは!」

「えっだってホントのことじゃない」

「えぇ…」

 

私と妖斗で言い合いをしていると声をかけられる。

「あ、あのー今回は神社のご挨拶の件で…」

あっ…そう言えばこいつ、守矢神社?の巫女だったぁ!

 

「そう言えば!んで?同業者ってどういうこと!?なに?私の神社潰そうとしてるの!?」

「えっ?あ、いやそういうことじゃないんですが…」

「じゃぁアンタのところの神と話をさせなさい!」

「えぇっ!?そんな唐突に言われても」

「いいから!このままじゃ私の神社が駄目になっちゃうし」

 

「んー…分かりました。では案内します…」

「よし」

その時だった。

「なら、私も行こう」

 

「「母さん(麗華さん)!?」」

普段あまり出歩かない麗華が今日は行くと言ったのだこれもかなり珍しい。

 

「わかりました。では 、皆さんついてきて下さい」

 

そう言うと早苗は鳥居の方へと歩いていき、ゆっくりと階段を降り出した。

「…おいおい何処に行くんだ?」

すると驚き顔で早苗は後ろを振り向き

「どこって守矢神社ですが?」

 

「歩きでか?」

「はい、というか歩いてきましたし」

まさかの発言にみんな困惑した…

(((ここ(博麗神社)まで歩いてきただと!?)))

 

「…お前ちょっとこっちに戻ってこい」

「は、はい?」

麗華の指示に早苗はゆっくりと従い帰ってくる。すると麗華は早苗を脇に抱えると…

「えっ!?あっちょっと!?」

「妖怪の山の頂上の湖でいいんだな?」

そう聞いた。

 

「は、はい、そうですが…それがなにか?」

と、早苗はキョトンとした顔で言うと次の瞬間、その顔が驚愕に変わった。

「よし、霊夢、妖斗ついてこい」

 

そう麗華は一言言うと、足に力を入れジャンプの要領で高く飛びそこから霊力を使い飛行を始めた。

流石の早苗もこれには驚愕したらしく。

「はわわわ」と青ざめていてビビってらっしゃる。

 

飛び始めて5分もしない内に妖怪の山の頂上が見えてきた。

 

 

 

〜守矢神社〜

「いやーやっぱりここ(幻想郷)は平和だねぇー」

「そうだねぇ…」

 

ドガーンっ!

 

「…なんかもう予想がつくんだけど」

「…奇遇だな諏訪子、お前もそう思うか?…私もだ」

 

「おいおい、お前ら揃いも揃ってその言い草は酷くないか?」

半ば呆れている諏訪子と神奈子に、麗華はそう言いながら近づいた。

 

「んで?なんで麗華が早苗を脇に抱えてるの?」

「早苗が飛べないようだったから抱えて連れて来た」

「…あっそ」

諏訪子は素っ気なくそう言いながらグデーっと後ろに倒れ縁側で寝そべった。

それとは裏腹に神奈子はグデーとしている諏訪子の隣で湯呑みを片手に麗華に質問した。

「それで?どうして霊夢まで連れて来たんだ?」

 

「あっそうだった…私の神社潰すき!?また参拝客減るじゃないのよ!」

「まぁまぁ…」

(…前から参拝客なんて妖怪か魔理沙ぐらいしか来てないけどな…)

と妖斗はそう隣で思った。

 

「んーそうだなぁ…」

「…神奈子どうする気だ?このままじゃ私の可愛い娘の収入が減るんだが…」

麗華がそういった時、神奈子と諏訪子は二人共思った…

((一番金持ってそうな旦那(秋人)から貰えよ…))

「…なんだその顔は…」

「それで?どうする気?」

神奈子と諏訪子に問い詰めている麗華と霊夢を見て妖斗は思った…

(こいつら借金取りみたいやな)

 

 

「…なら、博麗神社にも神奈子の分社建てればいいんじゃないの?」

諏訪子がそう提案すると麗華と霊夢は ハッ! とした。

「「それだッ!」」

 

「…お前らなんか親子してたからなのか似てきたな…」

「何言ってんの?母さんと私は正真正銘の親子ですー」

 

「…麗華お前言ってないのか?」

神奈子が苦笑いしながらそう言った。

「…言ってない。霊夢が可愛すぎて…」

 

「「はぁ…」」

流石の神二人もこれには溜息を着くのであった。

 

……

………

 

博麗神社にも神奈子の分社を設置することで和解し、これで参拝客も増えると予想した霊夢だったのだが…

 

〜博麗神社〜

「ああッ!もう!なんで参拝客来ないのッ!?来るのは魔理沙と妖怪ぐらいだし!しかもアイツらお賽銭入れていかないしッ!」

 

ウガァッーと霊夢が声を荒らげていると

コツコツコツと石段を上がってくる音が聞こえた。

(あら?誰か来たわね!これはもしかして参拝客!?)

そう思いながら掃除をしつつ石段を見るとそこには背の高い若い男が石段を上がってきていた。

 

(…里では見たことない顔ね…外来人かしら?)

霊夢がそう思っていると、こちらに気づいたのか若い男はゆっくりと霊夢へと近づいてきた。

 

「やぁ、君が霊夢さんで合ってるかな?」

そう言うと男はゆっくりと微笑んだ…

(…こいつ、なんで私の名前を…)

霊夢がそう思い警戒していると…

 

「あっ君のことは里で聞いたんだよ。後はここに禍津神が居るって聞いてね」

「…禍津神って…母さんのこと?」

霊夢がそういうと男は驚き顔を見せた。

「えっ母さん?ってことは、娘!?禍津神の!?」

「…ま、まぁ一応そうだけど…」

 

「そうだったのか…だからリスクが狙った訳だ…」

「アンタ…なんでその名前を…まさかッ!」

リスク、その名はかつて霊夢を殺しかけた奴の名だ。それが出てくるということは…

 

「あっ!ちょっ!?待って欲しい!君は勘違いをしている!僕は秋人の味方側の魔法使いさ」

「えっ?味方側?」

霊夢が驚いていると、若い男は名を名乗った。

 

「すまないね…まだ名を名乗っていなかったよ。僕の名は《リオン・ビンセント》

かつて《最兇》と呼ばれた六人の一人だよ」

 

そうリオンが自己紹介した時だった

「なんだ?どうした、霊、夢…」

「やぁ禍津神久しいね」

「お、お前はリオン!?なんでここに居るんだ!?」

麗華はあのリオンが幻想郷に居ること自体驚いていた。

 

「いやぁ〜秋人がここに居るって聞いてね、それでここへ来たんだけど…ここ(幻想郷)はとってものどかでいい所をだねぇ〜秋人が気に入るのも分かるよ」

 

「だろ?秋人は昔っから自然が好きだからな」

「そうだねぇ〜あっ!秋人の所まで案内してもらってもいい?久々に会いたいんだよね」

「そうだな、秋人の所まで案内する、ついてきてくれ」

「はいよ〜」

麗華はそう言うといつもの様に一気にジャンプして飛行を始めた。それに続いてリオンも同じように…はせずにフワッとゆっくり浮き飛行を始めた。

 

「霊夢!ちょっとリオンを秋人の家まで送ってくる!後は任せたぞ!」

「はーい!いってらっしゃーい!」

麗華は飛びながら霊夢にそう伝える。

「さてリオン、行こうか」

「だね」

 

麗華はリオンを案内する為に妖怪の山にある《九天の滝》まで飛行を始めた。

 

 

 

 

〜妖怪の山・九天の滝近く〜

「ふぅ…さてこの辺りからは歩くとしよう。飛んでいては結界のせいで進めんからな」

麗華がそう言うとリオンは少し苦笑いしながら

「相も変わらず秋人はよくこんな複雑な結界を張ってるもんだ」

 

「なんだ?流石は《世界最兇のマジックキャスター》様、秋人の組んでいる結界がいくつあるのか分かるのか?」

「まぁねぇ〜にしてもこの量の結界を張るのは流石だと思うよ…こんな芸当は秋人にしか出来ないね」

その言葉に驚き、麗華は聞いてみた。

 

「なんだ?そんなにアイツの結界の張り方は凄いのか?」

「あぁ凄いよ…僕が真似出来ない程にね」

「へぇ…あの秋人がねぇ」

 

二人は隣には小川の流れ、木漏れ日がさす小道を歩いて行く。

するとふと前に日傘した広い道が見えた途端麗華は歩みを止めた。

「ん?禍津神、どうしたんだい?」

気になりリオンも歩みを止めた。

「さて、リオン来た道を戻るぞ」

その言葉にリオンは驚いた

「…は?」

 

「いいから戻るぞ」

「えっ?あ、うん」

リオンは黙って麗華について行く。すると先程真っ直ぐ通ったはずの道が途切れ目の前に屋敷が現れた。

 

「…全く、そういう事か」

リオンは理解した。

そう、この旧橘邸への行き方は無数の結界の合間を縫って作られた道を通ることになる。無論そこには人間嫌いの秋人だからこそ張ってある《人祓いの結界》や《無限ループ》はたまた、白蛇による《迷いの結界》なんかもある。

その中で道は一度入ったら来た道を戻ると屋敷に着くように結界が張ってるのであった。

無論そのまま広い道に出ればまた戻されるだけだが、その地点から後ろを見たとしても《幻想の結界》により屋敷の姿を見ることは出来ないのである。また白蛇と面識のある者だけが結界を超え通れると言う点もあり旧橘邸への行き方は、その複雑さ故、初見であってはわかる事が出来ず迷いの竹林を制した妹紅でさえも迷うほどだ。

 

 

「全く結界が4つ張ってある上に式の眷属が周りに沢山住み着いていて入った者の報告が式にいく仕組みか…全く手が込んでるねぇ」

「まぁ秋人だからこそかもしれんな」

「そうだねぇ〜秋人は昔っからよくわからない方法を使って結界やら物やらを作ってるからねぇ〜」

「そうだな…っとそろそろ門が見えてくるな」

二人が門へと近づくと一人の銀髪メイドがそこにいた。

そうLostだ。

 

「お待ちしておりました、麗華様、リオン様。旦那様がお待ちです。どうぞこちらへ」

丁寧にお辞儀をし、案内をする

「ほへぇ…またこれはいい家に住んでるねぇ」

「だよな、今度私と霊夢の家も改築してもらおうかと思ってる」

麗華が冗談交じりにそう言った。

 

 

玄関を抜けすぐ右の縁側を通り秋人が待つ部屋へと向かう。

Lostは部屋の前でピタッと止まるとゆっくりと障子を開けた。

「失礼致します。お二人をお連れしました」

 

「おう、ご苦労さん。すまんが茶を持ってきてやってくれ」

「承知致しました」

そう言うとLostは足早に部屋を去った。

 

「いやぁ〜久しいね秋人」

「全くだ、さっき白蛇から禍津がお前を連れて家に向かってると聞いて嘘かと思ったがどうやら本当の様だ」

「全くいつの間にこんないい所に移住したのさ」

「まぁと言っても数年前だがな」

「なんだ、来てまだ日が浅いのか〜」

「だな」

ハッハハと笑う秋人とリオンをよそに麗華は話している間にLostが持ってきた茶をゆっくりと飲んでいた。

 

「あ〜で、本題だが…」

秋人が真剣な顔になるとリオンは察したかのように

「知ってる、奴らのことでしょ?」

「…お前のところにも来たか」

「来たよ〜うちにリスクだったけど」

リオンがそう言うと秋人は驚いた…

「は?お前のところにもリスクが?」

「あぁ、殺したけど」

「へっ?殺した?」

「えっ?うん…というか自分で罠踏んで死んだ」

「「えぇ…」」

流石の秋人と麗華もこれには苦笑いしていた。そして内心二人とも思った…

((あいつバカだろ…))

 

「んーあとはアステラだけども…」

「なんか分かったか?」

「んー確証はないけど多分近々仕掛けてくるもしれんな」

「なに?」

リオンがそう言うと秋人は難しい顔をした。

 

「…でもやつの事だ先に幻想郷にバレないように入って罠を仕掛けてそうだけどね」

「…有り得るな」

「…」

「まっ!取り敢えずは僕が結界と罠なんかを仕掛けておくよ」

「すまんな、助かる」

「いやいいよ、気にしないでくれ」

そう話している時だった。

 

バンッ!

障子を開ける大きなことがしたかと思えば

「あ、本当にリオンがいる…」

死神が来た。

 

「あっシエルじゃないか、久しいね」

「ん、久しぶりリオン元気してた?」

「うん、してたしてた」

「にしても昔から変わってないねリオンは」

「アハハ、まぁねぇ〜ここに数億年は実験室に篭って魔術の開発やら世界の理なんかの研究をしてたから」

「なるほど…だからか」

昔話をしているリオンに秋人が言った。

「そう言えばお前住むところどうするんだ?」

「あーどうしようか…」

リオンは顎に手を当て悩んでいると

「なら、紅魔館とかはどうだ?リオンが居るとパチュリーが喜ぶだろ」

と麗華が一言言った。

 

「あーそれいいな、ならリオン紅魔館まで案内する」

「おっ、助かるよー」

リオンは微笑みながらそう言った。

 

「紫〜居るかー?」

秋人が呼ぶとフォーンと言う音がしてスキマが秋人の後ろに開いたと同時に紫が秋人に抱きついた。

 

「んー秋人どうしたの?」

秋人の首元に腕を回し、大きいたわわを背中に押し付けながらそう言った。

「おや?秋人そっちの女性は奥さんかい?」

「あぁ、嫁の紫だよ」

「ほう、よろしく紫さん」

リオンがそう言うと紫は器用に秋人の首元に腕を回しながら右手で口元を扇子で隠すと

「ふふふ、よろしくあそばせ」

と言った。

 

「紫、紅魔館までスキマを開いてくれないか?」

「いいわよ、そのくらいお安い御用よ」

紫は扇子で口元を隠したまんま左手をスっと振る。

 

フォーン

 

するとスキマが開いた。

 

「さて、リオン紅魔館まで送るからついてきてくれ」

そう言うと秋人は玄関へと行き靴を取ってくるとスキマをリオンを連れ抜けた。




どうも皆さんおはこんにちばんわ作者です。
今回も見て下さりありがとうございます。
今回にしてやっと六人目が揃いましたがいかがだったでしょうか?
これからはより戦闘が増えてくるところが多くなると思いますのでご期待をッ!
っと〜次回もお楽しみに〜


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第60話 居候のリオンとコインの裏の真の魔王

〜紅魔館・門前〜

「さて、着いたぞ」

「へぇ〜ここが紅魔館…いい感じの館だねぇ〜」

紫に紅魔館まで送ってもらった秋人とリオンは紅魔館の門前で佇んでいた。

 

「帰ってくる時呼んでね」

「あいよーじゃまた後でな紫」

「えぇ、また」

 

フォーン

 

「さてと…行くかリオン」

「だねぇ〜」

二人は歩みを進め…様どしたのだが…

 

「…秋人、あれ、寝てるよね?」

「…寝てるな…」

「…どうする?」

リオンが苦笑いしながら秋人にそう言った。

「どうって、こうやるんだよ。まぁ見てな」

 

秋人はスゥーと息を吸うと大声を出した。

「咲夜〜美鈴が寝てるぞ〜ッ!!」

 

「ひゃぁ!?」

すると突如起きた美鈴の目の前にはナイフがあった…

 

「きゃぁぁぁッ!!」

 

悲鳴とともに目の前に現れたメイドにリオンは困惑の色を見せる。

「…な、ナイフ…刺してていいのかい?」

そんな咲夜に引きながらリオンがそう言うと咲夜は少し微笑むと

「えぇ、大丈夫です。お気になさらず」

「…それで?この紅魔館にどのような御用があってきたのですか?」

続けて咲夜がそう言う。

 

「あーパチュリーに合わせたい奴がいてな」

「なるほど…分かりました。こちらへ」

咲夜が二人を案内し、パチュリーがいる大図書館へと向かう。

 

 

〜紅魔館・大図書館〜

「パチュリー様!いらっしゃいますか?」

咲夜が見たらないパチュリーを呼んだ、その直後…

 

「むきゅ…」

そんな声と共に机の上の本がバサバサッと音を立て崩れ落ちたかと思えば、本の中から出てきたのはこの紅魔館の大図書館の司書のパチュリー・ノーレッジだった

 

「ぱ、パチュリー…お前本に埋もれてたのかよ…」

「…ん?」

パチュリーは秋人に気づくと目を細め

「ダメかしら?ちょっと調べ物をしていたら寝てただけよ」

「いや、別にダメとは言ってないんだが…」

「ん?…秋人その隣の男は誰かしら?」

パチュリーは不思議に思い秋人にそう聞く。

 

「あーお前に紹介しようと思って連れてきたやつだよ」

「私に紹介?」

「あぁ」

少し首を傾げているパチュリーにリオンは挨拶を始める。

 

「やぁ、君が噂のパチュリー君だね?僕はサイキョウの六人の《リオン・ビンセント》だ、よろしく」

パチュリーの顔が驚愕へと変わる。

「!?…サイキョウの六人ですって!?」

「あぁ、そうそうリオンの当時の二つ名は《世界最兇のマジックキャスター》だ」

更にパチュリーの顔が驚愕から青ざめへと変わる。

「せ、世界最兇のマジックキャスター、リオン・ビンセント…ですって…?」

 

「そうだ、こいつが俺らサイキョウの最後の六人目、《最兇:世界最兇のマジックキャスター》リオン・ビンセントだ」

 

「よろしくね、パチュリー君」

「な、なっ…」

「あ、そう言えば…今日からこの紅魔館の図書館に住むことになったから同居人としてよろしくお願いするよ」

「は、はぁぁぁ!?」

「…ま、まだ正式なレミリアの許可は得てないがな」

パチュリーが青ざめ驚愕の顔をしている最中…遠くから羽をパタパタとさせて近づいてくるものを秋人はスっと腕の中で抱きしめた。

 

「よう、美結今日はこっち(幻想郷)にいたのか」

「はい!こちらへ泊まっておりました」

そう言いながらグリグリと秋人の胸元に頭を擦り付けまるでマーキングしているかのようにスリスリとしていた。

 

「おっ?秋人またお嫁さんかい?」

その一言で ハッ! っと我に返った美結は パッ と秋人の胸元を離れ何事も無かったかのように秋人の隣へと立った。

 

「失礼ですが、貴方はどちら様でしょうか?」

何事も無かったかのように秋人の隣に立った美結は直ぐにいつもの人と話す時の冷たい目をした臨戦態勢へと入る。

 

「あ、僕は《リオン・ビンセント》秋人の古い友人だよ」

「え?あ、あのサイキョウの六人目の…」

美結の顔が驚きへと変わる。

「あっうん、そうだねぇ〜その時はそう呼ばれてたよ」

「さ、最兇の魔術師《リオン・ビンセント》…」

「うん、そうだねぇ。そう呼ばれてたのはかなり昔だけどね」

 

「…リオン、俺は今からここ紅魔館の当主のレミリアに会いに行くが…お前も来い。今度から世話になる館の当主だからな」

「そうだね、お世話になるし礼儀はしっかりと」

「パチュリー、美結、俺らはレミリアのところに行ってくる。また戻ってくるからその時詳しい話をしよう」

「わ、分かったわ」

「承知しました」

二人は大図書館を後にし、レミリアが居ると思われる当主の部屋へと向かう。

 

 

 

〜当主部屋〜

「おーい、レミリア〜」

 

秋人は部屋のドアを開けつつそう言う。

「…あらこの部屋まで来るなんて珍しいわね」

レミリアはドアの正面に位置する所に革張りの椅子に座り、目の前の社長机に書類を載せ、机に肘を乗せて如何にも当主の雰囲気を漂わせている。

 

「それで?何用かしら?」

目を細めゆっくりと微笑む。

正直当主と言うよりマフィアのボスの様な雰囲気がある。

 

「ちょいと俺の旧友をここ(紅魔館)に居候させようと思ってな」

「あら、ここが私の屋敷と知ってて居候させようだなんて、何か私にメリットであるのかしら?」

レミリアは更に目を細め、ゲンドウポーズを決めていた。

 

「メリットねぇ〜んー戦力向上とかか?」

「戦力向上?どういうこと?」

レミリアは気になったのかそう秋人に言った。

 

「あーそう言えばレミリアには言ってなかったな…コイツは」

「僕は、元忌み子サイキョウの六人が一人、最兇《世界最兇のマジックキャスター》《リオン・ビンセント》だ。以後よろしく頼むよ」

秋人に被せるかのようにリオンはそうレミリアに言い放った。

 

「…サイキョウの六人の一人、リオンってあの…」

レミリアも美結と同じ顔をして驚いた。

「そう、あのリオンだ。戦力向上には丁度いいだろ?」

「…私としてはいいのだけれど…いいの?ここで」

 

「あぁ、別に構わないよ、それにさっきの図書館にはかなりの数の本があったから楽しめそうだしねぇ」

リオンはさっきの図書館の本棚の数を思い出したのかニヤニヤしながらそう言っていた。

 

「そ、そう。ならいいのよ。それじゃこれからよろしくお願いするわ」

「あぁよろしく頼むよ、あっ君の名を聞いてもいいかな?」

リオンにそう言われレミリアは自分の名を言っていないことに気付き、リオンの前にスっと立ちスカートの端をチョコンと持ち優雅にお辞儀をする。

 

「名乗り遅れたわ、私の名は《レミリア・スカーレット》この紅魔館の当主を務めているわ。以後お見知りおきを」

 

「よろしくレミリア、僕は…っとさっき言った通りリオンと言うこれからよろしくねぇ〜」

「えぇ、よろしく」

両者は不敵に笑うと握手を交わした。

 

「さてと〜俺は帰ろうかねぇ〜」

「おや?秋人帰るのかい?」

「あぁ俺はここでお暇させてもらうよ」

クルッと半回転して扉の方へと歩きながら片手を上げ手を振りながら秋人は部屋を後にした。

 

 

「さてと〜僕はちょっと図書館のパチュリー?だったかな?あの子に会いに行ってくるよー。じゃレミリアまた後で〜」

そう言うと彼は秋人のようにクルッと半回転して扉の方へと歩きながら片手を上げ手を振りながら図書館へと向かって行ってしまった。

 

「全く…秋人といい、リオンといいなんでこうも行動が似てるのかしら?」

疑問に思いながら再度椅子に腰を掛け直すレミリアだった。

 

 

〜紅魔館・大図書館〜

「いやぁ〜パチュリー?また帰ってきたよ〜」

「あら、また来たの?リオンさん?」

そう私が言うと彼は はははっ と笑いながら答えた。

「嫌だなぁ〜パチュリー《さん》付けは止めてくれよ〜」

「そう?なら呼び捨てで呼ばせてもらうわ、よろしくリオン」

「よろしくねぇ〜パチュリー」

 

…私は彼にいくつかの質問をしてみた。リオンはその度にスムーズに答えてくれた。魔法の事や過去のことなど的確に教えてくれた。

そこでふと、前から聞きたかったことを聞いてみた。

「…ちょっと教えてもらいたいのだけれどいいかしら?」

「ん?なんだい?」

彼はニコニコとしながらさっき咲夜の持ってきてくれた紅茶を飲みながらそう言った。

「昔の秋人のことについて聞きたいのだけれど…」

私がそういった時彼は少し難しい顔をしながら話を続けた。

「昔の秋人はそれはもう暴れ回っていたさ、それも僕らでは手の付けようがないほどに…破壊神だって止めれなかったほどだ」

「…破壊神だって止めれなかったほどって…じゃぁ秋人がもし暴走した時に止めれる人物は居なかったってこと?」

 

私がそう質問すると彼は持っていたティーカップをゆっくりと机に置き先程までにないような真剣な顔で話の続きを始める…

 

「いや、そういう訳でもない…」

「…と言うと?」

「…1人居たんだよ、かつて最狂と呼ばれた《神速の死神》を武力ではなく言葉だけで…いや、声だけでその暴走を止めていた人物が…」

「…そ、そんな人が…」

「あぁ、嘘と捕らわれがちだが本当の事だ」

「…その人物って、誰なの?」

「……」

また優雅に紅茶を飲む彼はその先を語ろうとはしなかった…。だけど私は自然と分かっていた、その頭の中にあった名を私は無意識のうちに言葉にしていた…

 

「…サラ・シルフィード…」

そう呟いた時隣でパリーンとティーカップが床に落ちて割れる音がした。私はびっくりして音の方を見るとリオンがびっくりした様子でティーカップを落としていた。

 

「な、何故、そ、その名を…」

彼は今まで見てたことの無い動揺を見せた。

「…かなり古い文献に記載があったの、サイキョウの六人の一人で秋人の…《神速の死神》の妻の二人のうちの一人で第一婦人…そういう記載がね」

これには隣のリオンも絶句していた。まさか人間がこんな文献を残していたことを知らなかったのだろう。

 

「…パチュリー」

「何かしら?」

そう言って見た彼の顔は先程までのニヤニヤ顔では無く、完全に真剣な顔になり一言言った。

 

「…パチュリー、悪いことは言わない。秋人とサラのことについては今後調べてはいけない、絶対にだ。僕を含めた他の4人は100歩譲って調べてもいい、だが…奴のことだけは調べては駄目だ、特にその事を秋人に質問するなんて以ての外だよ。それとサラのことは絶対に秋人の前では言っては駄目だ…その時は何者であろうと殺しに来ると思うよ…だからこれ以上調べてはダメだよ」

彼は真剣な表情でそう話した。

 

「…分かったわ。そうする」

するとリオンは再びニコニコと笑顔を見せた。

「うんうん、その方がいいよー。でないと死んじゃうだろうしねぇ〜」

ニコニコと笑っているリオンの隣をふと美結が通り過ぎた時だった。

 

 

「…そう言えばパチュリー、あの子は君の使い魔かい?」

咄嗟にリオンがそう聞いてきた。

「えぇ、そうだけれど…それが何か?」

私はそう答えた。するとは彼は小さな声で呟いた。

 

「良くもまぁまだまだ未熟な魔法使いがあれ程の悪魔をよく呼び出せたものだ…」

そう言ったのだ…未熟?私が?

私はそう思ったが咄嗟に思い出した。彼が10億もの生きていることを…彼からしてみれば私はまだまだ未熟な魔法使いだ。

それは分かる。

…だが、彼は言った()()()()()()()()()()()()()()()()()と…

「…あれ程の悪魔?」

…私にはその意味が分からず咄嗟に聞き返した。

 

「そうさ、彼女は《初代極魔王》の愛した女だよ、名を《美結》」

「…美結?」

そう言えば秋人がコアのことをそう呼んでいたのを私はふと思い出した。

 

「そう、美結。彼女は自分の名付けの親であり且つ夫である《初代極魔王》にしかその名を呼ばせない。他のものがその名を呼ぶのであれば…」

「…あれば?」

パチュリーがふと聞いた。

 

「もし呼ぶのであれば昔の彼女なら部下であろうと自分の身内であろうと殺していたと思うよ。まぁ今は初代極魔王の命令で無駄な殺生はするなと言われているから多分大丈夫だよ」

私はさっきの事を思い出した。

美結…彼女に対し、前に1人だけその名を呼び且つ夫であった人物が思い浮かんだ…そうあのリオンと同じサイキョウの六人の一人《最狂:神速の死神》

 

本名 橘 秋人

 

もし秋人がリオンの言う初代極魔王なのであれば魔界の各魔王達から恐れられ美結が従うのも頷けるしありとあらゆる辻褄が合う事になる。

私は気になりリオンに疑問を投げ付けた。

 

「…1つ聞きたいのだけれど」

「ん?なんだい?」

「…その初代極魔王と言うのはもしかしなくても秋人の事じゃない?」

「……そう、だねぇ…」

リオンは苦笑いをしながらそう言った。

 

「…秋人は色々な所に面識が有るのね」

「あぁそうだね、僕も最初に破壊神から秋人が地獄と魔界を裏で束ねる《極魔王》と言われていると教えてもらうまではそんな立場だとは思いもしなかったよ」

リオンはやれやれと頭を抱えそう言っていた。

 

「…もう一度だけ言っておくよパチュリー。秋人の事は絶対に調べてはいけない…僕も前は調べていたけどもその時はまだサラがいる時だったからサラに止められたよ。でもね後々見つかってね、それで殺されかけた…まぁサラが助けてくれたけど…」

「…こ、殺されかけた?」

私は絶句した。昔の秋人は今と比べて今以上に冷酷で殺すことに躊躇を持たない人物だったという事だ。

 

「あぁそうだね。でも秋人は昔からだよ?今は変わったように見せかけてるみたいだけど古株の僕らからしたら今でもとんでもない化け物だよ」

彼はそう語った。

私は思った…。もし私がこれ以上調べて目をつけられたとしてもそれを止められるのはサラ以外に居ないのじゃないかと…

 

だが、その頼みの綱であるサラが今はこの世には居ないとなると秋人を止めることは限り無くできないということだ。

ふと思った…そう言えばリオンは秋人のことを《初代極魔王》そう言った…わざわざ《初代》と言ったということは《現極魔王》がいるという事だ…じゃその《現極魔王》とは誰のことだろう…私はそう思った。

 

「リオン、質問よ」

「なんだいパチュリー」

「さっき貴方は秋人の事を《初代極魔王》と言った。ということは引退してるってことよね?じゃ《現極魔王》は誰?」

私はリオンにそう質問を投げかけると彼は少し不思議そうな顔をした。

「あれ?聞いてないの?今の《現極魔王》はさっき話していた()()使()()()だよ」

「へ?」

私は自分の耳を疑った。そして繋がった。リオンが何故コアのことを()()()()()()そう言ったのかを…

「…コアが…《現極魔王?》」

 

「あらあらあら、なんの話しをしていらっしゃるのかと思えば…よもや私の話とはいささか感心しませんね」

「…コア…貴方、一体何者なの…何故わざわざ私なんかの使い魔なんてやってるの?何が目的なの?」

コアへと質問を投げかけた。

 

「ふっ…ふふふ」

すると彼女は突然微笑しだした。

「何が目的?そんなの簡単じゃないですか…私があの御方の傍に居たいからですよ、それ以後に理由が居るのですか?」

彼女はそう語った。…だが、私は別の得的がある、そう思った。じゃなきゃわざわざ魔界と地獄の各魔王達を従える裏の魔王がここまで動くだろうか。

私はそう思った。




みなさんおはこんにちばんわ作者です〜。
また1ヶ月ほど失踪してて申し訳ございません!!
ちょっとした深いわけがあったんです、はい…
まぁそんなことさ置いておいて…段々と美結、そして秋人の過去が分かってきたでしょうか?
あ、そしてこの作品も60話目ですッ!数々の応援ありがとうございました。これからも頑張ろうと思います。
ですのでこれからもちょっとした伏線をいr...

ドカーンッ!!
「…作者、許しませんよ…今私の名を美結と、そう呼びましたよね?」ギロッ
「あっ!いやこれは不可抗力というかなんというか…だから許し「ません」…へ?」
「お前…自分が投稿遅いのなんだかんだ理由付けやがって…そんな人間は取り敢えず死ね」
「は?!ちょっとダメダメ!そんなことしたこの作品おわr」
「《死滅魔法:デッドグングニル》」

ドカーンッ!!

「はい、ということで新年号が《令和》に分かったわけなのですが、この作品はこれからも書き続けるのでよろしくお願いします…それじゃ次回は…」
「私と極魔王様のイチャラブ展開ですッ!!こうご期待をッ!」
「んな事にはならねぇ」ゴンッ
「あいたっ!」
「つーわけで次はリオンについて書くかもしれないとか作者の野郎がほざいてたから多分そうだろう…」
「「それじゃ次回もよろしく(お願いしますッ!!)」


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第61話 大方確定した最悪の真実

〜幻想郷外・???〜

「ふふふっ…ふははっ」

暗い闇の中で僕は不気味に笑う。

 

「何がそんなにおかしいのですか?」

「あっごめんごめん君のことじゃないよ」

僕は彼女の機嫌を損ねまいと弁解する。

 

「そうでございますか…そう言えば、いつ正義をあの男に執行なさるおつもりですか?《アステラ様》」

「そうだねぇ…そろそろ仕掛けようと思うよ。それに正面戦闘じゃ奴には勝てないし、罠を貼らないとねぇ。ということで《ピュロボルス》を先行で潜り込ませてくれ」

「はい、アステラ様承知致しました」

 

コツっコツっと彼女の足音が遠のいていくのを確認し、一息つく。

 

「ふぅ…にしても奴に正義の執行を下す?…我ながらよく言ったものだね…僕はただ()()()()()()()()()()()()()だけの私欲に過ぎないというのに…」

 

そう呟いた僕の声は暗闇の部屋に虚しく反響するだけだった。

 

 

 

〜幻想郷・旧橘邸 庭園〜

「たぁ!オラッ!」

「攻撃の隙が大きいですね…もっと考えて動いてください」

 

そう妖夢さんに言われ剣をいつもの小ぶりに振りで隙を作りそこに回転加え大きな一撃をお見舞い…するつもりだったのだが…

 

スッ

 

妖夢さんの楼観剣は俺の喉元を突く寸のところでピタリと止められていた。

「無駄な動きが多過ぎます。それでは体力だけが減って自滅するだけですよ。…弱い相手になら良いでしょうが香蓮さん、増してや秋人レベルになると直ぐに隙を突かれて殺されますよ」

そう言いつつ妖夢さんはゆっくりと楼観剣を腰の鞘へと戻した時だった。

 

「帰ってきたら庭が騒がしいと思ったら、なーにやってんだか」

「秋人、もう帰って来てたのね」

「まぁなぁ、紅魔館までだしそれに紫に送り迎えして貰ったからな」

「お久しぶりです秋人さん」

「おう、なんだ?わざわざお前ら家の庭で訓練とはなぁ」

 

そう言いながら秋人さんはゆっくりと縁側の柱に背中を預け胡座をかく。

「はぁ、俺もそろそろ体動かさねぇとなぁ」

「…身体動かすって何やるの?」

その瞬間、非常ーに嫌な予感がした。

 

「んーじゃ取り敢えず禍津の所にでも行くかー」

「はぁ…やっぱり」

やっぱり…と溜息をこぼす妖夢さんの隣で本気に溜息を零したいののは俺だと言いたい…

 

 

 

〜幻想郷・博麗神社〜

「…という訳で禍津、久々に素手で戦うぞ」

麗華さんはあからさまに嫌な顔をしていた…それもそうだろう、いきなり来て「禍津、今から殴り合いするぞ」って言ってきたのだから

 

「まぁ取り敢えず要件は分かった…だが何故私なのだ?」

「一番暇そうだったからだな」

「おい、ちょっと待て。今私は暇なのではない…霊夢を愛でているのだ!」

 

クワっ!と目を見開いて麗華さんはそう言った。

 

 

「霊夢を愛でるのはいいがそれは後にしてくれ、それと霊夢を愛でたいのはお前だけじゃないからな」

「は?それはどういう…」

麗華がそういった時だった。秋人は突然としてその名を呼んだ。

 

「だよな〜紫〜」

フォーンっと開いた時空のスキマから上半身だけ出し扇子で口元を隠した紫が現れた。

 

「ふふふっ、えぇそうね」

そう言いながら紫は麗華の膝の上に乗っている霊夢の頭へと手を伸ばした。

 

「…紫、いつからそこに」

「「数分前から居たわよ(居たぞ)」」

秋人と紫が同時にハモリそう言った。

「…本当か?」

麗華が再度質問をする…

 

「なんだ?気づかなかったのか?」

「…」

「はぁ…マジか…まさかここまで鈍っているとは…」

秋人は紫の存在も感じ取れなかった麗華を見るやいなや頭を抱えた。

 

「…お前はやっぱ特訓だわ…まぁそういうことで…」

スーッと息を吸っている秋人を見た麗華はなんとなく察し青ざめた。

 

「おい!待て!お前本当やつをr「破壊神!!ちょっと降りてこい!!」…ってもう遅かったか…」

 

秋人が叫び数秒、当然としてやつは現れた。

「…何の用だ?死神」

そう、秋人が呼んだのは破壊神こと本名 ライアン・シュバルツである。

 

「あー久々によ、体動かそうと思ってな…それに禍津が娘に入り浸って鈍ってる」

「うぐっ…」

「…なるほど、でもよぉここで殺り合うのか?」

 

ライアンは苦笑いをしながらそう言った。

「そうだな…なら魔界よりの煉獄はどうだ?あそこなら基本的に建物は存在しないし、魔界へと繋がる門は俺が作ったから頑丈だからな」

「よし、いいなその案乗った」

 

「ちょ!ちょっと待て!なんで殺り合う事前提なんだ!?いくらなんでも気が早すぎるだろ!」

禍津は必死に膝の上の霊夢を抱きしめる。

 

「…お前が怠けてるからだろ」

「うぐっ…」

「つーわけで行くぞー」

秋人の強制的決定により魔界の門が開く。

右手を差し出し構えると詠唱を始める。

 

「《我は初代魔王、原初より魔界を統べるもの。我が命ずるデモーネンヴェルト…》」

突如として黒い霧が集まり出した。

 

「な、なに!?一体何が!」

そう妖斗が言った時だった。突如として黒い霧が晴れたかと思えば、黒い霧が立ち込めていた場所に禍々しい大きな門が聳え立っていた。

 

「な、なにこれ…」

その沈黙の中、第一声を放ったのは麗華の膝の上に乗っていた霊夢だった。

 

そしてその後に秋人が言葉を紡ぐ。

「《…解錠》」

 

ガコンッ!

 

っと大きな音を立て異彩を放つ禍々しい門が解錠されゆっくりと開いて行く。…徐々に開いていく扉の隙間から見えたものは…

 

「ヒッ!」

 

黄色の大きな一つの瞳だった。

 

門が完全に開くとその大きな邪神はゆっくりと膝を着き始め、頭を垂れ始める。

「久しいな《クザファン》」

クザファンと呼ばれた邪神は頭をゆっくり上げ喋り出す。

「お久しぶりです極魔王様、以前に魔界でお顔を合わせてもらった次第です。それで?今回はデモーネンヴェルトまでお使いになられてどのようなご要件でしょうか?」

 

 

「体が訛ってるんでな、破壊神と禍津と煉獄で殴り合いする」

「は、はあ…そうでございますか…殴り合い…ですか」

クザファンは少し引いたような声を出しながらそう言っていた。

「ん?なんだ?お前も観戦するか?」

「えぇっと…はい、拝見させて頂きます」

…こうして半ば強制的にクザファンは秋人達の喧嘩?を見る羽目となったのであった…。

 

 

 

〜煉獄〜

「…んで?霊夢、お前はあっちにいても良かったんだけどなぁ」

麗華が溜息をつきながらそう言っていた。

「いや!私は母さんの戦いを見るもん」

「あ、うん、分かった」

禍津はそう言うと秋人に視線を合わせた。それはまるで(下手なことやらかすなよ)と訴えている様だった。

 

「まぁ…霊夢はいいんだが、そこの死神と美結は何処から聞きつけて来たんだ?」

秋人は頭を抱えながらそう言うと美結、そしてシエルは同士に答える…

 

「「えっ?部下(眷属)ですけど…(だけど…)」」

 

そう言いながらニコニコと笑っていた。流石の秋人もこれには勝てない。

 

 

「まぁさて…ちょいと始めるかー」

「そうだな、ならちょっくらやるか!」

 

「オラッ!」

先に仕掛けたのは破壊神だった。その拳の一撃は秋人の大気拳にも似ている。大気を振動させその衝撃波を大気の波へと伝える。

「フッ!甘いぞ!」

破壊神の攻撃をスっと交わし秋人の得意分野でもある拳に速度を載せぶん殴る。

 

…が、そう上手くいくことも無く…

 

「そんなんが俺に通じると思ってやがるのかっ!!」

すぐさま破壊神も腕をクロスさせ防御形態へと入る。

そんな破壊神を嘲笑うように秋人はフッ、と静かに笑った一言言い放つ。

「分かってるさ」

 

秋人はフッと笑う瞬間右足でミドルキックを破壊神へと放つ。

 

バンッ!

 

そんな大きな音ともに破壊神は左へと吹き飛び少し遠くの崖へとぶち当たる。

 

「グッ…っの野郎ッ!こいつでも食らっとけ!」

壁から立ち上がると破壊神は縦に一回転しかかと落としを秋人の方へと放つ。

「オラッ!吹っ飛べッ!」

 

ドカーンッ!!

 

破壊神のかかと落としは衝撃波を放ち地面を抉りながら秋人へと向かって行く。

「って!かかと落としかよっ!神速ッ!」

 

神速を使い間一髪でかかと落としを避けたのだが…

「オラッ!」

「なっ!グハッ!」

 

土煙の中から突如として現れた破壊神に殴られ秋人も破壊神同様かなり遠くへと吹き飛ぶ。

 

 

そんな《初代極魔王》と《天界の至高と破壊の神》の戦いを見ていた禍津は頭を抱え、周りの者は絶句していた。

「な、なんだよ…あの戦い…おかしいだろ」

「……凄い…」

「…あれが初代極魔王様のお力」

などなど色々言っていた。

その戦闘を見ようと天界、そして魔界からも多くの天使や悪魔が来ては驚愕し見入っていた。

 

「っめッ!オラッ!」

秋人は破壊神まで一気に距離を詰め後ろに回り込み、回し蹴りをお見舞する。

「ッ!?」

あまりの速さに破壊神も反応が遅れかなり遠くへと吹っ飛び、後から遅れて土煙が立つ。

そんな彼らの戦いは神話の対戦そのものだった。

 

 

「いやー久々に運動したー」

「ホントだぜ、久々に暴れられたな」

「ん、私も久しぶりに秋人の戦いを見たから満足」

一通り暴れられた秋人と破壊神、そしてその戦いを観られたシエルはいつになく満足げニコニコとしていた。

…その一方周りの天使と悪魔は震え上がっていたがこんなことは気にせず、今度は麗華へと話をかける。

 

「よーし、ほんじゃ軽く動いたところで本題だ。さぁ禍津やるぞ」

「…はぁ、わかった」

溜息をつき面倒くさそうに返す。秋人のところへと行く前に麗華はギュッと霊夢を抱き締める。

 

自分の実の我が子のように…

 

「よし、母さんちょっと行ってくる」

「…うん、頑張って母さん。…死なないでね?」

霊夢に少し泣きそうな潤んだ目を向けられ麗華は後ろ髪を引かれた。

そしてゆっくりと霊夢の頭に手を置く…。

「あぁ、元よりお前という娘がいる時点で死にはしないよ」

 

霊夢の頭を撫でながらそう言った。

まるで本物の親が子をあやす様に…

 

霊夢は少し安心したのか、少し笑顔になり

「うん!」

…とだけ答えて麗華の背中を見送る。

 

 

「さぁ禍津、久々にやり合おうじゃねぇか」

「全く…まぁいい、私も体が訛りすぎているからな」

 

「さぁ始めよう秋人」

「言われなくてもその気だよ」

麗華は右足をゆっくりと引くと、中国拳法の構えを始める。

 

「母さーん、頑張ってー!」

麗華の背中の奥からは霊夢の声が聞こえてくる。それを聞いた麗華はゆっくりと微笑むと

「…私は霊夢が見てる前では負けられないんだよ」

 

「わってるよ、じゃ始めるぞ」

 

 

「フッ!」

麗華が一気に距離を詰めてゆく。秋人の前まで来ると左手を前に突きだし殴りにかかるが…

「おいおい!詰めが甘くなってるぞ!」

難なくそれを秋人は右手で掴み抑え込むと、

 

「そんなこと分かり切ってるさ!フッ!」

「なっ!」

左手を抑え込んだ、秋人の右手を掴むと、秋人の左脇腹へと蹴りを入れた。

 

ッバンッ!

 

麗華に蹴られた秋人はかなり速度があったのか、バンッ!という音ともにソニックブームを放ち遠くへと吹っ飛ぶが…

 

「ようよう!やってくれたじゃねぇか」

直ぐに尋常ならざる速さで麗華との距離を詰める。

「ッ!オラッ!」

「ッ!」

 

秋人の突然の回し蹴りに麗華は腕をクロスさせ咄嗟にガードを取る。

 

ドンッ!

 

…そんな音とともに麗華は後方へと吹っ飛ぶ。

 

 

「母さん!」

(…あの母さんが追い込まれてる!)

そう思った時は何故か咄嗟に体が動いていた。

(母さん!)

 

「っ!ダメだ霊夢!今は!」

必死に妖斗が肩を掴み止めにかかるが…

「離してっ!」

妖斗の手を振り切り麗華の方へと走って行く。

 

「待て霊夢ッ!」

「うるさい!わ、私が、母さんを!」

霊夢が妖斗にそう返した時だった。

「ッ!?霊夢!お前なんでここに!早くこの場を…」

 

スパッ…

 

「…おいおい、嘘、だろ…また、これか、よ」

「ッ!?妖斗!」

不意にどこからともなく飛んできた槍が妖斗の右腕を吹き飛ばした。

…それは元々は霊夢に当たるはずの槍。…咄嗟に妖斗が気づき庇ったのだ。

 

「…グッ!」

「お、おいおい!大丈夫か!」

ドクドクと千切れた右腕から滴る赤い血はジワジワと周りに広がってゆく。

…それを見た秋人は咄嗟に周囲を見渡した。

 

(…一体どこからッ!)

 

その間にもドクドクと血が流れ広がってゆく。

 

「あ、妖斗し、死なないで!ねぇ!死なないで!」

「か、母さん!あ、妖斗は大丈夫なんだよね!?」

「大丈夫だ、任せろ。私も大切な義理の息子を死なせはしないさ!…だろ秋人ッ!」

「あぁっ!紫っ!」

 

緊迫した状況だからこそ秋人は紫を呼ぶ。何故ならこの窮地を脱せれるのは彼女しかいないのだから。

 

「はいはーい?どうしたの?秋人」

そんな緊迫した状況だとはつゆ知らず何も知らない紫はのほほーんと返事を返していた。…のだが

「紫っ!こいつを早く永遠亭に!」

「っ!?わ、分かったわ!」

 

どうやら紫も今の現状を理解したようで慌てふためきながらも永遠亭にスキマを繋げる。

 

「ッ!?」

秋人はふと殺気を感じた。

「秋人ッ!第二派がっ!!」

シエルが叫ぶ…。

その間、秋人は感じていた…。

まるでかつて昔に味わったことのある危険なもの、危険な香り。

…秋人は考える前に体が動いていた。

 

「紫ッ!」

「…え?」

 

グチャッ!

 

…肉が引きちぎれる音が響く。

「…ッ!っの野郎が!」

「ッ!!秋人!左10時!」

「言われなくてもわってるッ!!!」

死神は秋人に槍の飛んで来た方向を確認し教える。

…そして秋人はシエルの報告自分の左足に刺さっている槍を直ぐに引き抜くと、槍を持った右手を大きく後方へ引き槍が飛んできたであろう方向へと速度を一気につけ放つ。

 

スパッ!バンッ!

 

「「「「「!?!!?」」」」」

突然として スパッ!と風を切る音が聞こえたと思った瞬間 バンッ! という大きな音を伴ったソニックブームを発生し周りには広範囲で土煙が舞う。

 

程なくして ドカーンッ! という音が周りに響き渡った。

「はぁ…はぁ…チッ逃がしたか…」

「…おい!死神!大丈夫か!?」

「秋人っ!!大丈夫ッ!」

「あぁ…俺はなんとかな…ッ!紫は!?」

「ケホッケホッ…なんとか大丈夫よ…」

「そうか…なら良かった…」

秋人は安堵の表情を見せるのだが、土煙が晴れると紫は秋人を見て、左足がかなり出血していることに気づいた。

 

「あ、秋人!貴方左足を怪我してるじゃない!」

「んぁ?…あぁそう言えばそうだったな…まぁ気にするなまだアドレナリンが効いてるから痛みは少ない」

「で、でも!」

「取り敢えず俺より妖斗の…」

 

フラッ…

 

「秋人ッ!(極魔王様ッ!)」

咄嗟に紫と美結が支えに入った。

(…クソッ!何故だ…今までこの程度じゃふらついたことなんて…まさか…)

 

秋人はふと自分の足を見た。

槍の刺さっていた左足は赤紫に変色をはじめていた。

…その隣に居たシエルも気が付いた様だ。普段見せない驚きの顔を見せていた。

「「ッ!?」」

 

スパッ!

 

咄嗟に秋人は自分の左足を腰にかけてある禍津神威で切り落とす。

「「「「「!?!?!?」」」」」

「秋人っ!貴方なにを!」

「きょ、極魔王様!?」

 

紫と美結が隣で驚いているとその隣の麗華は ハッ! とした顔をした。

 

…どうやら気付いたようだ。

 

「…お前、まさかそれ…」

「…お前は気付いたようだな、多分そのまさかだぜ」

「おい!死神どうし…」

ライアンまでもが秋人の切った足を見て同じことを思ったのだろう、顔色が心配から驚きへと一転した。

 

「…なっ!お前そりゃぁまさか!」

「…あぁ多分そうだろう」

「あ、秋人早く永遠亭に!スキマは繋いであるから!」

紫は緊迫した様子で秋人に話をかける。それもそうだろう…なんたって愛してやまない自分の旦那が左足を自ら切ったのだから…

 

「あぁ、わかってる。禍津、破壊神、死神後で永遠亭まで来てくれ。話はその後しよう」

「了解した(わかった)(ん、)」

 

フォーン

 

「…不味いことになったな…」

「えっ?」

「…いや気にしないでくれ」

「…極魔王様後で私たちにも情報提供をお願い致します」

「分かっている…」

 

 

〜煉獄〜

「…畜生!アイツ生きてやがったな!」

「…アイツ、よくも秋人を…許 さ な い」

破壊神がイライラしている隣でシエルはハイライトオフしていた。

 

「…どうやらその様だな、破壊神取り敢えず天界までの案内頼めるか?私は霊夢を幻想郷まで送らなきゃならない」

麗華は霊夢を護るために破壊神へと提案を出す。

「…それもそうだな、ついて来い案内する。…それとクザファン…だったか?」

 

「はい、そうでございます。破壊神様」

「…取り敢えず魔界に戻れ、そんで死神の弟子のアルトに報告しとけ。()()()()()()()()()()()()()()()()とな」

「っ!分かりました。すぐ報告致します」

クザファンも普段は見せない驚き顔を見せ、ゆっくりと頭を下げ、命令を聞きいれた。

やがてゆっくり頭をあげると魔界の門の方へとゆっくり歩いて帰って行く。

 

「…ひとまずお前らを天界に案内する。…ついて来い」

「…あぁ、助かる」

「…取り敢えず私は秋人の所に行ってくる」

「おうわかった、ロリ神気をつけてな」

「…ライアン、私を舐めてるの?」

「そんなつもりじゃねぇよ、不意打ちと尾行に気をつけろって話だ」

「…わかってる」

そう言い残すとシエルは霧を纏い、紅色の霧と共に姿を消した。

 

(…この世界は一体どうなって行くの?)

霊夢は麗華の手を引かれ天界へと行く道の途中にそう思うのだった。




どうもおはこんばんにちは作者です。
年号が平成から令和へと変わりましたね。
まぁと言ってもこれと言って変わることはないので今後も作品の投稿はちょくちょく続けて行くつもりであります。
さて!今後もこの作品をよろしくお願いします。m(_ _)m


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第62話 事は一刻を要する

〜永遠亭〜

フォーン

 

時空が裂ける音ともにスキマが開く。

スキマを抜けた先は竹林の中の和風の屋敷の門の前だった。

 

「あー情けねぇ…こんなことでわざわざ永琳に世話になるなんてなぁ」

ポツリと疲れ果てた表情で秋人は一言そう言い放つ。

…すると秋人を支えている両端の紫と美結はその言葉に反応した。

 

「何を言っているの?貴方は十分過ぎるほどの怪我をしてるじゃないの、情けないとは思わないで」

「そうですよ、極魔王様は左足を切断されたんですよ?ただでさえ大量出血ものなのにそれをこんなこととは言わないでくださいませ」

 

「…」

ぐうの音も出ねぇ…

 

そう思う秋人を余所にかなりご立腹な紫と美結にかなり心配され秋人はコクッと一度首を縦に振るしかなかった…

 

 

ガラガラッと音を立て美結が永遠亭の扉を開く。

「永琳!居るかしら!」

紫が叫ぶ…

すると数秒、ドタドタと廊下を走るような音が聞こえてきた。

「紫さん!また患者ですか!?」

 

また…ということは妖斗は無事ここまで来たようだな。

 

そして紫が呼んだはずの永琳…ではなく優曇華が出てきた。

(…永琳を呼んだはずなのだけれど…)

ふと紫はそう思った。

 

「…永琳を呼んだはずなのだけれど…まぁいいわ。優曇華ちゃん秋人を頼むわ」

「えっ?…って!秋人ど、どうしたのその足!?」

「…極魔王様が御自分でお切りになりました」

「えっ!?はぁ!?秋人なにやってるの!?」

優曇華が動揺する前で秋人は涼しげに

「毒くらったから切った。あれだよ、トカゲのしっぽ切りと一緒だ」

「えぇっ!?そんな感覚で足を切り落とさないでよ!」

優曇華はかなりご立腹のご様子、そんな時後ろから声と共に足音が近付いてくる。

 

「…全く妖斗の治療をしていたから優曇華を遣わせたら一向にかえってこないから何かと思えば…貴方って人はまた…」

はぁ…と、ため息を吐きながら永琳は驚きを通り越して呆れの顔をしていた。

それもそうだろう…戦闘の時に毎回かなりの怪我をして帰ってくるのだから心配を通りこして呆れだ。

 

「…すまねぇないつもいつも…」

そんなに永琳を見て秋人も少し反省の色を見せるが…

優曇華は毎回怪我してくる秋人を見抜いていたようで…

「そんな柄にも無いこと思ってないでしょ」

目の前の優曇華にジトっーと見つめられそう言われた。

「…うぐっ…いやな?思ってるから」

秋人が苦笑いしながらそう言うと呆れた声で皆が言う。

…優曇華よ、本当に思ってるからな?マジで…

 

「「「…本当にそんなこと思ってるの?」」」

「…本当にそんなこと思ってるんですか?」

 

「…お、思ってるから」

…すげぇ信用されてねぇじゃん。

そういったのだが帰ってきたのは酷い言われ用だった…

「…絶対に思ってないわね」

「同感よ永琳」

「私も永琳様に同感です」

「…後ろに同じ」

 

はぁ…もう少し信用されるように頑張るか…

そう思う秋人を尻目に4人からジトっーと見られながらそう言われつつ傷の手当てのために永琳の世話になる秋人であった。

 

 

〜天界〜

神々しい光を放つ大きな門を超えるとそこは神殿のような建物の中だった。

破壊神と麗華に連れられ霊夢は神殿のような建物を出ると目下にはこの神殿を囲むように城下町を彷彿とさせる様な大きな街が広がっていた。

「…ここが天界」

「そうだ、どうだ霊夢?なかなかに綺麗な街並みだろう?」

「…うん、綺麗…」

麗華は隣で手を繋いでいる目をキラキラとさせた霊夢に言った。

 

…それもそうだろう。霊夢達のいる神殿は少し高い位置にあるため目下に広がる景色は

 

六角形状に広がっている街並み

綺麗に整理された道を行き交う人々

西洋のレンガ造りの建物と少し高い山のような所にある大きな和風の屋敷

その景色はフランス・パリを思わせるような美しい建造物と綺麗な街並みたのだから。

 

 

「だろう?俺はやってないが出来を見た時は驚いたぜ」

「…お前は破壊専門だからな…破壊神様には街の設計は無理だろ」

ふんっと麗華は鼻を鳴らしながら破壊神をからかう様にそう言っていた。

 

「うっせねぇな、俺にだって出来るわ。今回は天照に任せたけどよ」

「やはり天照か、アイツは几帳面で綺麗好きだからな。お前とは真逆の存在だからなぁ」

「うっせ黙ってろ」

チッっと舌打ちをする破壊神を余所に麗華はふと霊夢の頭に手を置き撫で始める。

麗華に頭を撫でられている霊夢は(母さんと破壊神さんは仲が悪いのかいいのか分からないわ…)そう思っているのだった。

 

そんな霊夢を余所に麗華は話を続ける。

「例え臨死体験を数回経験した者でもこの景色を二度と見る事は出来ないと言われている。だから今のうちに目にしっかりと焼き付けておけよ」

「うん」

頭をゆっくりと麗華に撫でられながらそう言われる霊夢だった。

 

「おかえりなさいませ破壊神様」

 

不意に後ろからそう声が聞こえ3人とも振り向くとそこには、

綺麗な太陽と鳳凰のような大きな鳥の刺繍が入った純白和服を身に纏う艶のある赤髪が特徴的な女性がそこには立っていた。

 

「…綺麗…」

霊夢はふと思ったことを口にしていた。それを聞いた女性はゆっくりと微笑み返すと

「あら、ありがとう」

そう一言言った。

 

「それで?今回はどういった風の吹き回しだ?()()

破壊神はそういった。確かに天照…と

 

「えっ?あま、てらす?」

「えぇそうよ。貴女は初めましてですね。博麗霊夢」

「…な、なんで私の名前を」

動揺した様子で霊夢はボソボソと話している霊夢に対し天照は微笑み返す。

 

「貴女のことは存じております。何故なら貴女があの禍津神様の娘様なのですから」

「えっ?母さん?」

「えぇ、貴女のお母様の禍津神様は私達神の間でも破壊神様と並ぶほど有名な御方ですからね」

 

それもそのはず、禍津神は破壊神と唯一渡り合える神として有名で天災を操るという規格外の力を持っているため天照でさえも一目置いているのだ。

 

「は、はぁそうなんですか?」

「はははっなんだ?私も意外と知られているもんなんだなぁ。神達の間の有名どころは秋人や破壊神と思っていたんだがな〜」

 

すると天照は''秋人''と言う言葉に反応したのか苦笑いを見せた。

「秋人様は古き神々達から最も恐れられておられる方ですからその名を知ってる者は上のものしかおりませぬ。ですので下の神々でも有名な御方方は、破壊神様と禍津神様なのですよ」

…苦笑いしながらそう答えてくれた。

 

……秋人さんってなんでそんなに恐れられてるのかしら…

ふと霊夢はそう思った。なので聞いてみることにしたのだ。

 

「…あの」

「なんでしょうか?」

天照はにこやかに微笑みそう返す。

「秋人s……父さんはなんでそんなに恐れられてるんですか?」

秋人さんと言っては不自然かな?っと思ったのか霊夢は天照の前では秋人のことを父と呼んだ。

すると天照はさっきの苦笑いではなく真面目な顔をした。

 

「…秋人様はかつて神々と悪魔が手を取り合い忌み子と呼ばれる者達を殺そうとした時に忌み子として神々とは敵対する形でいた御方です。…私も伝承として聞かされたので存じ上げませんがゼウス様曰く''あの者に戦争を仕掛けるな…下手すれば世界が滅ぶ''そう仰っておりました」

「…と、父さんってそんな人だったの?」

「私には分かりません。…ですが禍津神様と破壊神様はご存知なのでは?」

天照は少し傾げ霊夢にそういった。

そして話を振られた破壊神と麗華が天照から振られた話を続ける。

 

「…そうだな、以前のあいつはもっとトゲトゲしてたなぁ…というか仲間内でさえ昔は俺も正直ビビってた時もあった。…なにせアイツの本気を見たことがあるからな。なぁ禍津神」

「…まぁそうだな。昔の秋人はサラと私一択だったのもある、だから周りがなんと言おうと私達以外の何ものをも犠牲にしてきた男だ。被害者の具体例で言えば…例えばunknownとかだな…」

「あーあん時は酷かったなぁ…」

破壊神と麗華は2人してバツが悪そうな顔をした。

 

「あの破壊神様、unknownというのは?」

「あーお前ら俺ら6人以外の忌み子を知らないか…」

「えぇ、あなた方の伝承しか我々には伝えられていませんので…」

「そうなのか?まぁあまり聞くのはオススメしないが…」

「…母さんそんなになの?」

頭の上に?を浮かべた霊夢は麗華に質問する。

…が麗華は苦笑いを浮かべ話を始めた。

 

「…まぁかなり昔のことだが…unknownは一度秋人に捨て駒同然の扱いを受けていたからな…」

「す、捨て駒…?」

「そうさ捨て駒だ、昔秋人は一度味方を囮にして私たちを逃がしたことがある…その時の囮が…」

「…unknown、という訳ですね?」

麗華が言おうとした時被せるように天照がそう答えた。

 

「…そうだ、だから昔のアイツはかなり恨みを買っていたし、もし私とサラに被害少しでも出たのであればそれが強大な的であろうと味方であろうとまとめて皆殺しにしていたさ」

 

「…だからアイツは味方である私たちでさえも注意して接していたさ…サラ以外はな」

「…そうなんですか」

「あぁ」

 

霊夢と天照は初めて真実を知った。秋人の過去のことを…

話を聞いた2人は頬を強ばらせていた。それ程までにインパクトが大きかったのだろう…まぁそれも仕方が無いことだろう。

 

 

天照と話していると、ふと後ろから聞こえてくる足音に気づいた。その足音はそこそこ大きくかなり身長のある何者かが歩いてきていた。

「んぁ?」

破壊神も気付いたようで後ろを振り返った。

「どうも破壊神様、お久しぶりですな」

 

そこには白い顎髭を伸ばした厳つい顔のガタイのいいの中年の男がいた。

 

「よぉ、久々にお前の顔を見たな()()()

「ほう?ゼウスか久しく見たな」

破壊神と麗華が口を合わせてそう言っていると天照は一歩出てゼウスにお辞儀をする。

「久しいな」

「お久しぶりです。ゼウス様」

麗華と天照がそう言うとゼウスは、カッカッカッと笑うと天照に笑いながら話を返す。

 

「久しいなぁ禍津神に天照よ、やはり良い女達だ…天照に禍津神よ我の女にならぬか?」

…麗華と天照に自然に求婚を迫る。

 

「おいおいゼウス…お前の女好きまだ治ってねぇのかよ…つーか禍津にナンパとかお前死ぬぞ」

破壊神は呆れたようにゼウスにそう言った。

…それもそのはずゼウスは自分の姉にして正妻の()()という妻が居るがその女癖は悪く今まで多くの神や人間の女を孕ませたことが何度かあるのだ。

…突然その都度正妻であるヘラに激怒されているのだ。

 

 

「…私に求婚とはいい度胸だな、下手しなくても秋人がブチ切れるぞ」

「…ゼウス様申し訳ないのですが私はヘラ様を怒らせたくございませんので。…あっ…」

続けて何かを言おうとした天照だったが何かに気づいたのか、話す口を突然止め血の気の引いた苦笑いをしていた。

 

ゼウスは初めはどうしたのか、と声をかけようとしたがふと後ろから感じ慣れた神力を感じる。

 

それが何かに分かったのかゼウスは額からかなりの汗を流し、まるで油を挿していない壊れた機械の様にギギギッと首をゆっくりと後ろに向けるとそこには…

 

髪を後ろで束ねハーフアップの様な纏め方をした金髪のスタイルの良い女性がそこにはいた。

…ただ顔は少し微笑んでいるもののこめかみ辺りにシワが寄っているためかなりご立腹のご様子。

 

一方それを見たゼウスの顔は青ざめ全身から汗をかいていた。彼は本当的に、あっ不味い…と悟ったことであろう。

 

「…ゼウス?貴方がふらっとどこかへ行くから誰と会うのだろうと思って付けてきたのだけれど…任さかあの禍津神様と天照ちゃんに求婚してるなんて、ねぇ?」

「…あ、いやち、違うんだ()()!こ、これはそのーそっ!そう!挨拶だよ!?挨拶!?か、可愛い子には…あっ…」

「へぇ?可愛い子には?なんですって?」

「あ、いやそのー」

妻の前で完全に墓穴を掘ったゼウスだった。

 

…凄く破壊神を見つめているゼウスのその目はまるで(お願いです!?助けてください!こ、このままじゃ殺られます!!)という目をして破壊神に助けを求めたが、助けを求められた当の本人は何事なかったかのようにプイッと明後日の方向を向いた。

 

やがて…

「ゼウス?人が話をしている時はこっちを向きなさい!」

「グホッ!?」

ヘラはゼウスの頭をガシッと両手で掴むとニコーっと笑って一発ビンタを食らわせた。

 

バチーンっ!

 

「へぶっ!」

「…浮気者」

一言そう言ったヘラはゼウスを置いてスタスタと帰って行く。

「あ、ちょっ!ヘラよ!待っておくれ!」

スタスタと歩いて行くヘラをビンタを食らったゼウスは我に返って追いかけて行った。

 

…まさに嵐と呼ぶに相応しい程騒がしかった。

まぁその嵐はすぐに去っていったのだが…

 

「…なんだったのあれ…」

霊夢はさっきの出来事にポカーンとしていた。

「まさに嵐だったな、はぁ…ゼウスもかなりの女好きみたいだな…」

その一方麗華は溜息をつき呆れていた。

「ま、まぁゼウス様はあの様なお人ですから…」

「…というかお前、前もゼウスのやつにナンパされてなかったか?」

破壊神が天照にそう確認をとると天照は少し困り顔を見せた。

 

「えーと…あれは初対面の時だったでしょうか…いきなりあの方に求婚されましたね」

「「「はぁ…」」」

これには話を聞いていた全員が溜息をついた。

…なんというか秋人と真逆というか…ある意味秋人より酷いような…

そう思う皆であった。

 

 

 

〜魔界・地獄〜

…大変な事になってしまった…。…初代極魔王様からは聞かさせれてはいたもののあの忌み子がまかさか私の前に現れるとは…

 

魔神クザファンはそう思いながら魔王城へと急ぎ足で向かう。

(…早くあの御方に伝えたければ…)

 

ーーーーー

やがて魔王城へ着くとクザファンは人のサイズと同じサイズになり魔王城へと入った。…数分歩いて行く目的の人物が居るであろう部屋の前へと辿り着く。

 

…ふぅっ

一息付きさて入ろうと思いドアをノックしようとしたその時だった。

「早く入ってらっしゃいクザファン。私に用があるのでしょう?」

…ドアの向こうの目的の人物はクザファンがドアの前にいた事を知っていたのかドア越しにそう言った。

 

「…失礼します」

一言そう言うとクザファンは部屋へと入った。

 

ーーーーー

「いらっしゃいクザファン、それで?私になんの用でしょう?」

 

ドアを開け部屋に入ったクザファンの正面には机に両肘を付けゲンドウポーズを構えている綺麗な澄んだ青色の髪をしていてスタイルが良いサキュバスがいた。

 

「どうもお久しぶりです。アリシア様」

「久しぶりねクザファン」

クザファンに挨拶を返したアリシアと呼ばれた女性はニコニコと微笑みながら言った。

「そんな所に突っ立ってないで入ってらっしゃいな」

 

「…っ!失礼致します」

ドアを閉め部屋へと入るとアリシアはスっと椅子から立ち目の前のソファーを指さした。

 

「どうぞ掛けて」

「どうも助かります…」

「お茶は如何かしら?」

「あ、いえ大丈夫です!」

「そっ…」

クザファンがそう返すとアリシアはクザファンの前のソファーへと腰を掛ける。

 

「それで?なんの用でしょう?」

アリシアは机に置いてあった自分の紅茶を取るとスっと一口飲む。

「…破壊神様からアルト様への伝言を伝えて頂きたいのです」

 

クザファンがそう言うとアリシアは驚き顔をした。

「…あの御方がアルト様に伝言ですか?」

「はい」

先程までの優雅なアリシアとは打って変わって、紅茶をテーブルへと置き真剣な眼差しで話を聞きはじめた。

 

「…破壊神様があの御方の弟子であるアルト様になんの伝言を?」

「…それが」

一言クザファンはそう言った。だが、彼の顔は強ばっており何かあった事に違いないとアリシアは確信する。

 

「それが、なんですか?」

「…初代極魔王様と禍津神様が腕慣らしにと軽く戦闘している時に何者かからの攻撃を受け左足を切断、その為永遠亭に療養の為戦線離脱、その時に破壊神様に伝言を頼まれた次第です」

 

「…そんな、あの御方が…」

アリシアは口元に手を当てかなり驚いてる。

…と同時に悲しげな表情を見せる。

「…また最悪の事実が発覚致しました」

 

「な、なんですって?」

…アリシアはこれ以上の事があるのかと驚いていた。

「…忌み子6人の一人リオン様が殺したはずのリスクという忌み子が()()()()()()()がある事が判明致しました。」

「…な!?……じ、事情は分かりました。ではアルト様にお伝えしておきます。…貴方は自分の職務に戻っていただけますか」

「分かりました、では伝言の方よろしくお願いします」

 

 

バタンとドアを閉じる音がする。…正直言って今の私は前も見れていない。…あの御方が心配だ。大丈夫だろうか…そんな事ばかり考えてしまう。

「…いけない、アルト様にお伝えしなければ…」

 

そう思い立ち私は魔界のゲートへと歩みを進める。

…ことは一刻を要する、一刻も早くあの御方の弟子であるアルト様へ伝えるために私はより足早に部屋をあとにした。




皆さんどうもおはこんばんにちわ作者です。
…永らくお待たせしました。仕事が最近かなり忙しく合間合間に書いていましたがこんなに遅くなりましたすみませんm(_ _)m
最近暑いので熱中症にお気をつけください(`・ω・´)ゝ
では次回もよろしくお願いします。


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第63話 水面下で動く計画

〜旧橘邸〜

(またあの御方はふらっとどこかへ行ってしまった…)

はぁ…と縁側を見ながら茶を飲むのはあの御方こと、秋人の一番弟子のアルトだ。

 

カコンッ

 

…気の安らぐような音を立て鹿威しの音色が辺りに響く。

 

するとふと自分よりも上位で見知った古い神力を感じた。

 

ガラガラっ

 

「なんじゃお主1人か、珍しいのぉ」

部屋へと入ってきた神力の持ち主は秋人の一番式白蛇だった。

「お久しぶりです白蛇様」

「そう言えば長らくお主を我は見ておらぬかったのぉ」

そう言いながら白蛇はアルトとは反対の座布団へと胡座をかき座る。

 

「えぇ、貴女様が基本夜行性でお昼はあまり起きていらっしゃらないからですね」

「じゃろうな、我は主の夜の相手を務めておるからな」

ニシシっとニヤケながら口元を手で隠し笑う白蛇を他所にアルトはまた溜息を吐く。

 

「アルトよ、溜息ばかりついておると幸せが逃げて行くぞ?」

「そうですね…善処しますよ」

 

そんな時だった。

 

ふとアルトは玄関にあまり見慣れない魔力を感じた。

 

「むぅ?誰じゃ?」

どうやら白蛇も感じたようだ。

 

その気配にあの御方のメイドも気付いたのか玄関へと向かう足音が聞こえてくる。

 

それから数分して気配の主が姿を見せる。

 

「アルト様、お客様を連れて参りました。入室してもよろしいでしょうか?」

「ん、あぁ入ってくれ」

 

スゥーと縁側の戸が開く音がしたと思ったら戸が空いていく隙間から澄んだ青髪が見えた。

 

「…お久しぶりですアルト様」

どうやら玄関先の気配の主は アリシア だった様だ。通りであまり覚えのない気配だとは思ったがアリシアだったとは…

 

「久しいねアリシア、君が師匠に用事とは珍しい」

そうアルトが言うとアリシアは少し顔を渋った。

 

「…実は今回はアルト様、貴方様宛の伝言を預かっており、それを報告に上がった次第です」

「…僕に報告?また珍しいね、それで?誰からだい?その伝言は」

 

()()()()からです」

「は?」

…これは珍しいでは済まなくなってきた。

…というかあの御方が僕に何の用だ?あの御方との関係は無かったはずだが…

 

……ますます分からなくなってきた。

 

「…それで?伝言の内容は?」

「…極魔王様が攻撃を受け、只今永遠亭にて治療を受けているということです」

…は?あの師匠が攻撃を受けて治療を受けている?…あの最狂の名を持つあの人が?

 

「…は?あの最狂の名を持つあの人が?」

「なんじゃと!?主が攻撃を受けた!?」

さっきまでアリシアの隣大人しく座って話を聞いていた白蛇が驚き声を上げる。

 

「…すまぬ取り乱した。攻撃を受けた、ということは何かしら怪我をしておるのではないのか?」

「えぇ…左足を切断だそうです」

「なっ!」

「っ!」

(嘘だろ?あの師匠だぞ?最狂とまで呼ばれ神にも恐れられているあの人に攻撃を当てれてその上左足まで持っていく者なんて見たことも聞いたこともないぞ!)

 

アルトと白蛇の顔はかなり険しくなる。

…それに追い打ちをかけるかのようにアリシアはポツリポツリと話を進める。

 

「…実は事はそれだけではないのです。…事は一刻を争います」

「…なに?どういうことだい?アリシア」

 

隣の白蛇は顔を歪めていた…これ以上のことがあるのかと

 

「…クザファンが破壊神様に託された伝言では()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()とそう仰ったらしいです」

 

アルト、白蛇両方は突然後頭部を鈍器で殴られたような衝撃を受けた。

…あのリスクが生きている?忌み子20人の一人が、リオンが殺したはずのリスクが生きている?…どういうことだ?有り得るはずはない仮にも忌み子6人のサイキョウが一人がそう言ったのだ。有り得るはずはない…

 

そう思ったアルトだったが現実はなんと非常であるのだろう…

 

「…ですがその証拠があったそうです。あの極魔王の左足は攻撃を受けた直後段々と変色していき腐食していったと」

「…任さか…こんなことが…有り得るはずは…」

白蛇は嘘だと信じたいのだろう。仮にもリスクが生きている可能があるということを…

 

「……」

ふと、無言で立ち上がった白蛇は庭へと歩みを進め始めた。

「?白蛇様、どちらへ?」

アルトがそう話しかけると、白蛇は振り向かず少し怒ったような声で答えた。

 

「決まっておるであろう…主の所じゃ」

そう言って白蛇は庭へ出ると胸元から転移勾玉を右手で取り出しそれを空へと掲げた。

 

「転移:我が主の元へ」

 

ふわっと白蛇を青白い光が取り囲んだかと思えばその姿は忽然と消え、辺りには青白い光が霧散していくだけであった。

 

「…転移勾玉か…ふぅ…」

そう一息アルトはつく、なんせぶっ飛んだ話を豪華二本立てで聞いたのだ。溜息の一つもつきたくなるであろう。

 

「あ、あの、アルト様?大丈夫でございますでしょうか?」

心配したアリシアが声をかける。

「ん?あぁ大丈夫だよ…さて、アリシア」

「は、はい」

緊張した様にアリシアは畏まる。

 

「この件をへカーティア様と神綺様に報告を頼む、その後は元の仕事に戻っていいよ」

「は、かしこまりました」

 

そう言ってアリシアは部屋をあとにした。

 

…アリシアが部屋を出て、後に残ったのは鹿威し音とあたりを包み込む静けさだけだった。

 

「……こんな日が来るとは…まさかあの御方がねぇ…」

「ふぅっ…」

…状況を整理するためにアルトは少し茶を飲むと少しリラックスする。

 

(今後…世界が滅ぶかもしれない程の忌み子同士の争いが必ず起こるだろう……そうなった時世界は死への階段を駆け上がることになる…)

 

「…そうならない為にも先手を撃つ必要があるな…」

 

カコンッ

 

鹿威しが心地よい音を立てると同時にそう呟くアルトであった。

 

 

 

〜永遠亭〜

永琳からの治療も一段落たった頃診察室から一つの溜息が聞こえてくる。

 

「…はぁ…」

「どうしたの?秋人」

「……」

優曇華が質問するが診察台に座っている秋人には聞こえていないのか、秋人は黙って頭を抱えている。

「秋人〜?」

今度は優曇華がゆさゆさと肩を揺さぶる。

 

「んぁ?」

ここでやっと気付く秋人だった。

 

「んもぉ…さっきから声掛けてるのに返事しないから揺さぶったの」

「…あぁわりぃ…少し考え事をしていた」

 

「…そう、それで?何考えてたの?」

「……そうだな、お前達に伝えるとしたら…安全域まで逃がす…としか言えねぇな」

「…へ?安全域…?それってどういう…」

 

「…そのまんまの意味じゃないの?優曇華」

「お、お師匠様!?いつからそこに」

突然声が聞こえ振り向くとそこには障子横の壁に背を預ける永琳がいた。

「…さっきから居たわよ…気づかなかったの?」

 

「…え?…さっきから居た?」

永琳の言葉に優曇華がかなり動揺する…気づかなかったのだろう。

 

「…貴女ねぇ…はぁ…まぁいいわ、それで?いつ頃から戦争でも始めるのかしら?」

「っ!?!?」

 

永琳の言葉に優曇華はやっと気が付いたようだ。秋人の言っていた"安全域"という意味を…

 

「せ、戦争って…」

「……いざとなったらお前達を安全域に送り届ける」

「…送り届けるってなどは貴方は来ないのかしら?」

秋人の言葉に永琳が続く。

 

「…俺はお前らを護らないと行けないからな」

「そ、そんな…」

話を聞いていた優曇華の顔はだんだんと暗くなってゆく、それも構わず永琳が話を続けてゆく。

 

「…そう言うと言う事は、貴方は死ぬまで殺し合いを続ける気がある…ということよね」

「ッ!?」

「……」

 

優曇華が永琳の言葉を聞くと驚き永琳の方をバッと見たあと秋人の方に視線を合わせる。

そして口を閉じていた秋人が喋り出した。

 

「…その通りだ、よく分かってんじゃねぇか」

「なっ!?だ、ダメよ!分かってるでしょ!?敵は秋人達よりも数が多いのよ!?あ、秋人が強いってことは知ってるけど、物量で押されたらどうしようもないのよ!」

 

しばらくの沈黙の後秋人は優曇華の言葉に答えを返した。

 

「…わぁってる、でもな、それでもやらなきゃいけねぇ時ってのがあんだよ。…もう二度と失わない為の戦いってのがよ」

…しばらく続いた沈黙のに秋人が返した答えだった。

だが、そう言った秋人の顔はかなり疲労している様に見えたが、優曇華は一瞬秋人のライトブルーの瞳を捉えた。

 

「…あっ」

「…」

…優曇華と永琳は気付いたのだろう、その秋人の覚悟を決めた目を…。

 

…だからなのか永琳は悲しそうな表情で、力のない声で一言言った。

 

「…秋人、戦うのは見逃してあげる。…でも死ぬなんてことは絶対に許さないから、どんな状況でも生きることを諦めはしないで、どんな状態でもいい、例え腕を切り落とされても、足を落とされても帰ってきて、お願いだから。いくらでも貴方のことを治療して癒してあげるから…。だから絶対に帰ってきて…約束よ」

 

ふと、秋人はその言葉を聞き永琳を見上げる。

 

そこには瞳に零れそうなほど大きな涙を浮かべる永琳が居た。

 

「……」

 

…そんな永琳を見た秋人は永琳の手を掴み、グイッと永琳を引き寄せる。

 

「キャッ」

 

そしてギュッと抱き締め、ゆっくりと頭を撫でる。

 

「…()()()()()、お前の言う事は聞くからよ」

 

「えっ?」

永琳は驚いた様に声を上げる。それと同時に目を擦る。

 

「…あ、れ?」

永琳は自分が泣いていたことに気がついていなかったのだろう。

目を擦った手は濡れていた。

 

「ほら、もう泣くな、な?」

そんな永琳に秋人はゆっくりとそして優しい口調で話しかける。

 

「…お、お師匠様」

 

「っ!」

優曇華の存在を忘れていたのか、声を聞いた途端ビクンっと身体を震わせスっと秋人から離れようとした。

…少し恥ずかしかったのだろう。

 

…だが、そんなことは秋人が許さなかった。

 

「あっ」

そんな声を上げた永琳は、1度秋人から離れようとしたが再度秋人に腕を引っ張られ秋人の腕の中へと戻される。

 

「どこに行こうってんだ?逃がさねぇぞ」

「ちょっ、ちょっと、は、離しなさいよ…」

永琳は少し抵抗するが…

 

「嫌だね、俺がこうして居たいんだ。だから離さねぇ」

「…」

…そんな秋人の気持ちというか気遣いに永琳は乗っかることにした様だ。再度永琳はゆっくり秋人の背中へと手を回す。

 

「…し、仕方ない人ね、、少しだけよ」

そう言ってくっ付いて来る永琳を左手で抱き締めながら頭に手を置き撫で、もう片方の右手で優曇華にまるで"こっちに来い"と言わんばかりに手招きする。

 

「…っ!」

それに気づいた優曇華はスっと右側に入って来る。

「…」

…秋人は何も言わずに永琳と同じように優曇華も右手で抱きしめながら頭に手を置き撫で始める。

「…っ///」

 

それが良かったのか優曇華はグリグリと秋人の右の懐辺りをまるで自分の物だと言わんばかりにグリグリと頭を擦り付けながらマーキングしている。

 

可愛い嫁を両手に抱きながら秋人は思う。

(…例え何があろうと嫁だけは守んねぇとな…。もう二度と俺の大切なもんを奪わせはしねぇ。その為にも準備を進めねぇとな…)

 

静かな竹林の奥深く、古い屋敷で神さえも恐れる"サイキョウ"の名を持つ男はそう思うのであった。

 

 

〜旧橘邸〜

結界の数多く張られた森の奥深く。

 

一人のメイドが主人の部屋を掃除している時にあるものに気が付いた。

 

「…ん?あら?何かしらこれ…」

そこにあったのは"華蓮へ"と屋敷のメイド長へと当てられた四つ折りの手紙がベッド近くのテーブルの上に置いてあった。

 

「…私宛?」

メイドはゆっくり手を伸ばし手紙を手に取る。

「…これ…私宛出し開いてもい、いいのよね?」

 

少し戸惑いつつも四つ折りにされた手紙を開いた。

 

「っ!!」

…手紙を開き読んだメイドは驚く。何せそこにあったのは…

 

 

"()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()"




おはこんばんにちは作者です。
えっ?2ヶ月もの間今の今までどこで何をしてたかって?

…仕事してました。はい…仕事が忙しかったんです。
許してくださいm(_ _)m

えぇっととはいえ何とか少ないですが取り敢えずかけました。
皆様にはご迷惑ご心配お掛けしました。m(_ _)m

今後出来るだけ投稿して行くので長ーい目で見て頂けたら幸いでございます。

では!次回もお願い致します!!


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第64話 手の上で踊らさせる人形達

〜旧橘邸〜

縁側に木々の木漏れ日が差す昼過ぎの事。

庭では鹿威しが心地よい音を立てる中、屋敷の中では慌ただしくメイド長が至急メイド達を屋敷のキッチンへとメイド達を集める。

 

「…それで?華蓮、突然どうしたんですか?」

副メイド長のLostが緊急招集を掛けたメイド長:華蓮を問いただした。

 

聞かれた華蓮は目の前のカウンターにバンッと紙を置いた。

 

「…旦那様からの司令よ」

 

「「「「…」」」」

皆が黙り込む。何せ主人である秋人は基本的にメイドそれぞれに仕事を振り分けている。なので余程のことが無い限り華蓮も緊急招集なんて掛けないのだ。

 

華蓮は四つ折りの手紙をゆっくりと開いて見せる。

 

"これより俺の計画を始動する。長年積み上げてきたものだ。…一応言っておくが妻達は知らない。この計画を知っているのは白蛇、アルト、美結、そしてお前達だ。この計画を外に漏らすことは許さん。

以上を踏まえた上で読んでくれ。

 

計画案 《幻想郷完全遮断計画》

 

計画の目的:幻想郷を外界と完全に遮断し、何者をも出さず何者をも入れない結界の構築により、敵の侵入を拒む。

…だが、副作用としてこちらからも出ることが出来ず紫の結界を超えるスキマでさえも通さない。

 

其ノ壱:幻想郷と外界との完全遮断にするにあたって不干渉の結界を張らなくてはならない。だが、それには12時間もの時間を要する必要がある上、邪魔されれば完全な遮断が出来なくなり初めからやり直すことになる。

そして、結界を張る時はお前達にはその為に護衛をしてもらい霊夢達を足し止めしてもらう。

 

其ノ二:もし命の危険がある場合、敵が完全に殺しに来ていてその上格上の場合は引くこと、これは最重要案件だ。

 

其ノ参:計画の始動は一週間後の月曜 AM0時 を予定している。理由は…当日空を見上げてみろ。理由がすぐ分かる。

 

…以上この三つだ。絶対に外部に漏らすことは許さん。お前達が頭に司令を叩き込んだらこの紙は焼却処分しろ。"

 

 

「…それで?皆頭には叩き込んだかしら?」

華蓮は紙を手に取るとヒラヒラとさせ見せる。

 

「「「「……」」」」

それに対しコクっと頭を小さく縦に振る各メイド達。

 

 

「…なら各員気を引き締めて行くわよ」

メイド長の声に反応し各メイド達も気持ちを固める。

…その目は覚悟を決めた目だった。

 

 

そんな時だった。突然として玄関に気配を感じたかと思えば

「へーい、帰ったぞー」

そんな声と共に帰ってきたのはこの屋敷の主 秋人だ。

 

「「「「「!?」」」」」

それに気づいたメイド長を含むメイド達が急いで玄関へと向かい出迎えに行く。

 

「お帰りなさいませ、旦那様」

メイド長の言葉と共に他のメイド達も礼を合わせお辞儀をする。

 

「お、おう?」

突然のメイド全員での出迎えにちょっと驚きつつも家へと上がる。

 

 

〜旧橘邸・居間〜

木漏れ日が縁側に丁度よく差す午後3時過ぎ頃、秋人からの連絡は何もされていないにも関わらずそこには秋人の手紙の中に書いてあった《幻想郷完全遮断計画》を知るものだけが集まっていた。

 

当然ながらついさっき帰宅してきて居間でゆっくりと過ごそうとしていた秋人は驚いた。

…それもそうだろう、呼んでも無いはずの計画メンバーが障子を開けた瞬間、木製の味のある長机を囲むようにしてお互い向き合い座って茶を飲んでいるのだから…。

「……お前ら…なんで居んの?」

 

「うむ?我はここに住んでおるから居るのは当然じゃろう?」

「…いやお前はさっき永遠亭で会ったろ…俺の安否確認して直ぐに用事とか言ってどっか行ったと思ったらなんでゆうゆうと茶飲んでんだよ…」

「うむ?ダメかの?」

「いやダメじゃねぇんだが…」

顔を引き攣らせてながら話す秋人は お前がメンバー呼んだんだろ!?

そうだろ!? と現在進行形で心で思っていると。

 

「…極魔王様、ご無事でなりでございます。」

ニコッと美結は笑っているが分かって頂きたい…美結はついさっき永琳達と話す前に治療が終わり安否確認が済むと用事があると言って出て行ったと言うことを…。

「…はぁ…んで?お前がここに集まってるってことは俺の計画について質問か何かあるって事か?」

 

秋人がそう言うと、白蛇が手に持っていた茶を机に置くと口を開いた。

「…うむ、そういう事じゃ我の他にも知りたい者はおると思ってな。それで…」

「俺が計画に挙げていたメンバーを集めた、と」

「うむ、そういう事じゃ」

 

秋人は はぁ… とため息を一つ着くと

「…今夜あたりに集めようと思っていたが…こうして集まったんなら集める手間が省けたな…。んじゃ、計画について話す。頭にしっかり入れとかないと知らねぇぞ…」

 

 

……

………

 

〜博麗神社〜

丁度よく日が差す昼過ぎの縁側でゆったりと夢から帰還する者が一人。

 

「ふぁぁっ〜あぁ…よく寝たわね…」

んんっーと背伸びするのはこの神社の巫女の 博麗 霊夢 だ。

ついさっき夢から覚めたこともあり少し体からダルいご様子。

そんな霊夢に近づいてくる足音が聞こえてくる。

 

「…霊夢やっと起きたのか?もう境内の掃除終わったぞ?」

「霊夢…寝過ぎだろ。私が揺さぶっても起きなかったぜ?」

風により銀髪と金髪の髪を靡かせながら近寄ってくるのは145位の少女と170程ある少年だった。

博麗 妖斗と霧雨 魔理沙だ。

 

「…あれ?私、そんなに眠ってたっけ?」

少しとぼけ顔の霊夢が自分を指差しながらそう言うと後ろから障子を開ける音と共に突然声が聞こえてきた。

 

「かなり眠っていたぞ?朝から飯を食べてから直ぐにフラフラと縁側に向かったかと思うと急に寝だしたからなぁ」

そう言って神社から出てきたのは霊夢の母である 博麗 麗華 である。

 

「…あれ?そうだっけ?…って!妖斗!」

何かを思い出したかのように突然妖斗に抱き着いた霊夢は妖斗の右腕をサッと持ち上げ異常がないか確認しているようだった。

 

「うぉ!?霊夢!?」

「な、なりしてるんだぜ霊夢!」

魔理沙が驚いたと同時に妖斗に抱き着く霊夢を剥がしには入るが…魔理沙には出来なかったようだ。

 

「はぁ…霊夢、少し離れろ」

麗華がそれを見兼ねて霊夢を妖斗から引き剥がす。

「ちょ!ちょっと待って!母さん!あ、妖斗は怪我してっ!」

「はぁ?怪我?何言ってるんだ霊夢?まだ寝ぼけてるのか?」

「えっ!?でも!だって!」

混乱する霊夢を余所に麗華は冷静に霊夢に話をする。

 

「よく見てみろ、妖斗は怪我なんてしてないじゃないか…」

「えっ?…あれ?でも…魔界で…右腕を…」

そうブツブツ言っている霊夢に妖斗は

「見てみろ、ほら怪我なんてしてないだろ?」

と両手を拡げて見せる。

 

「あ、あれ?…じゃぁあれは夢だったのかしら…」

「そうなんじゃないか?俺は今日魔界なんて行ってねぇし」

「そ、そうなの?。じゃ、じゃぁ夢ね!良かったぁ」

そう言って霊夢はニコッと笑うのだった。

 

 

……

………

〜博麗神社〜

あの後霊夢と魔理沙は紅魔館へと飛んで行った。魔理沙の誘いだ。

…なんにしても霊夢に夢だと思わせられて良かった。

そう思いながら妖斗は()()()()()()()()()()()()へと視線を合わせる。

 

「…もし霊夢にバレていたら夢ということで済ませられなかったからなぁ」

そう言う声の正体は麗華だ。

「…えぇそうですね。もし霊夢が気付いていたらトラウマ植え付けてましたから…」

「…そうだな…好いた男の右腕が目の前で弾け飛んだんだ…トラウマになるさ」

麗華はゆっくりと縁側の支柱に背を預け座りながらそう答える。

「…にしても秋人には感謝だな」

「えぇそうですね、あの人が魔法かけてくれなかったら霊夢は今頃トラウマ植え付けられてましたよ」

「…そうだな…それにしても秋人のやつ実態のある幻影魔法なんて創造魔法じゃないか…」

「んーでも正確には実態があるんじゃなくて人の感覚意識に干渉する魔法だとか何とか言ってませんでした?」

「言ってたなぁ…よく分からんが…リオンならわかるんじゃないか?」

「…そうですね、今度聞きに行きますよ」

ふふっと笑い麗華は

「それがいい」

そう言った。

 

「…それと、あの人が俺に打ってくれた注射って…」

「あぁ、もしかしなくてもあれはサラ直伝の超回復剤だ」

「…ですよねぇ…」

「そうだな、それだけお前の身を案じているということだ。…それと超回復剤なら右腕を修復出来るしな」

「えっ!?ホントですか!?」

 

驚きを隠せない妖斗を尻目に麗華は

「そうだと秋人も言っていただろう?…それと超回復剤となると完全修復までは一週間、と言ったところだろうか」

「はやっ!」

「なんせ回復がかなり遅い秋人用の回復剤だからな。当然だ」

「…サラさんって人ほんとにヤバいですね…」

「あぁアイツは昔から凄かったよ…それに元々は…」

「ん?元々はなんですか?」

妖斗が聞くと麗華は一瞬自分が言おうとしていることを考えると、顔を上げて天を仰いだ。

「いやなんでもない…気にするな」

そう一言だけ言った。

 

 

……

………

…………

 

~???〜

「そろそろ秋人が動くって彼から報告が入ったけど、どうするんです?アステラ様」

「うーん、動こうとは思っている。…だが…」

「…だが、なんです?」

女は、最後の言葉が気になりアステラに問う。

 

それに対しアステラは顔を強ばらせ言った。

「…不自然過ぎるんだよ…今回の話」

「えっ?不自然?何がですか?」

女はアステラが何を言っているのか分からずに思わず聞き返した。

 

「…そもそも奴が僕らに手を貸してくれるのが意味がわからない上に仮にもサイキョウの6人の中でも上位に君臨するし、警戒心の強いあの男が、警戒網を強化してないことがまずおかしい。…だから」

「…罠の可能性がある、と?」

「あぁ、その可能性が高い…なんたって奴は…秋人は、自分の妻を世界と天秤にかけても妻を取るほどの愛妻家だよ?…なのに僕が攻撃を仕掛けても警戒さえ上げない…おかし過ぎるんだよ」

「…確かに不自然ですね…」

「だろう?だからリアも警戒を怠らないでくれ…もしかしたら僕らは奴に嵌められるかもしれない…」

「…分かりました。頭に置いておきます。」

「あぁ、そうしてくれ、じゃいつも通り頼むよ」

「はい、アステラ様」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜????〜

薄暗くだだっ広い図書館の中で僕は計画を練り直す。

…奴を、橘 秋人を殺しこの世界を得る為に…

(…彼らはそろそろ動くかな?…まあと言ってもアステラはあんなでも頭がキレる。…僕の情報を元に動くはずだが、どこかできっと探りを入れてくる、ぼろを出さないようにしなければ…)

 

「さてさて…やっと秋人が動き始める。アステラも秋人殲滅に動き出した。ふははっ!これでやっと邪魔な秋人を潰せる。

 

さぁて、始めようじゃないか!()()()()()()()()()()!」




おはこんにちは作者です!
いやーお久しぶりです。
…いやほんと申しわけないです…投稿めっちゃ頻度落ちてます。
まあ色々あったんです。
…と、とまぁかなり遅れましたがやっと出来ました!
次回もお楽しみください!


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